衆議院

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第12号 平成25年3月22日(金曜日)

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平成二十五年三月二十二日(金曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第九号

  平成二十五年三月二十二日

    午後一時開議

 第一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

 第二 再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案(厚生労働委員長提出)

 第三 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第五 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第六 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第七 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名

 日程第一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

 日程第二 再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案(厚生労働委員長提出)

 日程第三 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第六 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第七 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出)、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)、内閣法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名

議長(伊吹文明君) まず、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名を行います。

越智隆雄君 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名については、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。

議長(伊吹文明君) 越智隆雄君の動議に御異議はありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 議長は、中央選挙管理会委員に

      神崎 浩昭君    原  邦明君

      中野 寛成君    和田 洋子君

   及び 長谷雄幸久君

を指名いたします。

 また、同予備委員に

      元宿  仁君    久米  晃君

      尾崎 智子君    早川 忠孝君

   及び 橋本 文彦君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

 日程第一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

議長(伊吹文明君) 日程第一、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長金子恭之君。

    ―――――――――――――

 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔金子恭之君登壇〕

金子恭之君 ただいま議題となりました承認を求めるの件につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本件は、平成十八年十月十四日から平成二十四年四月十三日まで北朝鮮船籍の全ての船舶の入港を禁止することとする閣議決定について、その後の我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、平成二十四年四月三日に入港禁止の期間を平成二十五年四月十三日まで一年延長する変更をしたため、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、国会の承認を求めるものであります。

 本件は、去る十四日本委員会に付託され、翌十五日太田国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、十九日、質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

議長(伊吹文明君) 次に、日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第二 再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案(厚生労働委員長提出)

 日程第三 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(伊吹文明君) 日程第二、再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案、日程第三、予防接種法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。厚生労働委員長松本純君。

    ―――――――――――――

 再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案

 予防接種法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔松本純君登壇〕

松本純君 ただいま議題となりました両案について申し上げます。

 まず、再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案について、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするために、その研究開発及び提供並びに普及の促進に関し、基本理念を定め、国、医師等、研究者及び事業者の責務を明らかにするとともに、再生医療の研究開発から実用化までの施策の総合的な推進を図ろうとするものであります。

 本案は、去る三月十九日の厚生労働委員会において、全会一致をもって委員会提出法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

 次に、予防接種法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、我が国における予防接種の総合的な推進を図るため、厚生労働大臣が予防接種に関する基本的な計画を策定すること、新たにHib感染症、小児の肺炎球菌感染症及びヒトパピローマウイルス感染症を定期の予防接種の対象とすること、定期の予防接種等の適正な実施のための措置に関する規定を整備すること等所要の措置を講じようとするものであります。

 本案は、去る三月十四日本委員会に付託され、翌十五日田村厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、十九日に質疑を行った後、討論、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対して附帯決議を付すことに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) それでは、採決に入ります。

 まず、日程第二につき採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

 次に、日程第三につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(伊吹文明君) 次に、日程第四、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長森山裕君。

    ―――――――――――――

 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔森山裕君登壇〕

森山裕君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、最近における水産加工品の原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に鑑み、水産加工業の体質強化を引き続き促進するため、現行法の有効期限を平成三十年三月三十一日まで五年間延長しようとするものであります。

 本案は、去る三月十九日本委員会に付託され、同日林農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、昨二十一日質疑を行いました。質疑終局後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) それでは、採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第五 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第六 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第七 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

議長(伊吹文明君) 日程第五、地方税法の一部を改正する法律案、日程第六、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案、日程第七、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長北側一雄君。

    ―――――――――――――

 地方税法の一部を改正する法律案及び同報告書

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔北側一雄君登壇〕

北側一雄君 ただいま議題となりました各案件につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。

 まず、地方税法の一部を改正する法律案は、上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等の課税の特例の拡充等の金融・証券税制の改正を行うとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するための個人住民税の住宅借入金等特別税額控除等の延長、拡充並びに東日本大震災に係る津波により被害を受けた土地及び家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税免除等の措置の延長等の復興支援税制の改正等を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等所要の措置を講じようとするものであります。

 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、平成二十五年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、平成二十五年度における措置として、地域の元気づくり推進費を設けるとともに、地方交付税の算定に係る単位費用等の改正、東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の総額の確保等の措置を講じようとするものであります。

 両案は、去る三月十四日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、同日新藤総務大臣から提案理由の説明を聴取し、十九日及び昨二十一日、質疑を行い、これを終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、両案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、委員会において、地方税財政基盤の早期確立及び東日本大震災への対応に関する件について決議を行いました。

 次に、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について申し上げます。

 本件は、日本放送協会の平成二十五年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。

 収支予算は、一般勘定において、事業収入及び事業支出ともに、六千四百七十九億円でありまして、収支均衡予算となっております。

 事業計画は、いかなる災害時にも対応できるよう、安全、安心を守るための公共放送の機能強化を一層拡充するとともに、放送と通信の連携が一層進展する時代において、次世代のデジタル技術を活用した新たなサービスの開発をする等としております。

 資金計画は、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てております。

 なお、この収支予算等について、「受信料の値下げによる受信料収入の減収が見込まれる中、増収に向けた取組や経営の効率化により、収支均衡予算としており、おおむね妥当なものと認められる」との総務大臣の意見が付されております。

 本件は、去る三月十九日本委員会に付託され、昨二十一日、新藤総務大臣から提案理由の説明を、日本放送協会会長から補足説明をそれぞれ聴取した後、質疑に入り、同日、質疑を終局し、採決いたしましたところ、本件は全会一致をもって承認すべきものと決しました。

 なお、本件に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告を申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 以上三件中、日程第六につき討論の通告がありますので、順次これを許します。小川淳也君。

    〔小川淳也君登壇〕

小川淳也君 民主党の小川淳也でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場で討論を行います。(拍手)

 去る十九日、本案委員会審議において、政権復帰の所感を尋ねました。新藤総務大臣は、うれしいとかそういう気持ちはない。柴山副大臣は、政治主導を意識して仕事をしている。緊張感のにじむ、実によい答弁、率直にそう思いました。

 政権を担当することの厳しさや難しさ、そこに対する謙虚な思い、そして民意への恐れ、こうした価値が現政権の手がたさ、手ごわさの背景にある、私はそう感じています。

 しかし、それも、政権が一たびかわったからであり、自民党が下野したから。それは、政権交代の最大の成果であり、私たちの所期の志でもありました。

 三年余りの政権運営は、確かに厳しく、反省点の多いものでもありました。しかし、TPP参画の可能性を最初に論じ、大胆な金融緩和に挑戦し、議員や公務員の人件費に初めて切り込み、番号制度を法案化し、消費税の引き上げまでも、多大な犠牲を払いつつ、前に進めた。ふなれな中にはありましたが、意欲と意思に満ちた果敢な政権でした。

 手がたく見える今の政権。しかし、この政権は、第一次安倍政権の総括なくしてはありません。

 年金記録が最大の関心事だった六年前、安倍政権は、憲法改正、愛国心の教育、防衛省への格上げに必死でした。国会対応のほとんどは強行採決。参院選の大敗と、それにもかかわらずの続投表明。そして、直後の二〇〇七年九月十二日、本会議開会直前にして、余りにも唐突な辞意表明。これらを全て忘れたわけではないのです。(発言する者あり)

議長(伊吹文明君) 静粛にしてください。

小川淳也君(続) 今回の税制改正、総務大臣の実質的な決定権は自民党に移りました。昔に戻ったんです。

 私たちは、閣僚、三役が責任を持って決断し、その負荷を負いながら、みずから国会答弁に立ちました。

 交付税法と地方公務員給与の引き下げ、これ自体、やむを得ない面もあると思います。しかし、その法的な正当性は厳しく問われなければなりません。

 政府が独善で決め、法律改正を回避し、大臣は自治体にお手紙で要請。従えば交付税を山分けし、そうでなければ一切追加配分をしない。そんなやり方が、今の時代、通るんでしょうか。

 本来、真っ正面から地方公務員法を改正すべきではありませんか。それが、自治体に対する誠意であり、払うべき敬意ではありませんか。

 交付税も、従来から、補助金化、恣意的、不透明との批判があります。一般財源、固有財源といいつつ、その実は、誘導と半強制のオンパレード。そして、今回、ついには交付税の配分で自治体にリストラを強要するという前代未聞の事態。かつての独善と横暴をほうふつとさせる、安倍政権の地金がかいま見えます。

 公務員に給与削減を求めるなら、なぜ、今回、地方議員に負担を求めないのか。震災対策、地域経済、身を切る改革なら、むしろ議員が先ではありませんか。よもや、参院選の実動部隊に対する遠慮などと、そんな御都合主義でよいはずがありません。

 人件費の削減を要請するとして、せめて被災地は除くべきではありませんか。役場が流され、職員は激減、二年たった今も昼夜分かたず復興に精励する被災地に、今、どんな神経でリストラをせよと言うんですか。

 やはり私たちとは価値観が違う。理念が違う。よって立つところが違う。

 私たちは、地域主権改革を必死に進め、常に被災地の立場に立ち、働く人たちの不安定な、しかし、とうとい権利に繊細で敏感でした。

 地方議員にこそ負担を求め、私たちは、長年あなた方が維持してきた議員年金を廃止した。国、地方の協議の場を法制化し、一括交付金をつくり出し、交付税特会の借り入れを初めて償還し、あなた方がつくった借金だ、直轄事業負担金も削減した。未熟との批判を受けつつも、果敢に挑戦したのです。

 そして、政権交代の実現と、政治にダイナミズムをもたらすきっかけは、何といっても、二〇〇三年、民主党と自由党の合併でした。

 小選挙区制度のもとでは、野党はまとまらなければなりません。この余りにも当たり前でシンプルな事実を体で理解するのに、七年の歳月と、五回の国政選挙を要したのです。

 それ以来、ばらばらとの批判もありました。しかし、ばらばらだと批判されたことの無価値と、それでも一つになってきたことの価値と、いずれが大きいか、重いか。

 野党それぞれの独善と強過ぎる自我は、結局、与党を利し、その横暴と怠慢を許すのです。そして、その被害は確実に国民に及ぶ。今、再びその歴史を繰り返すのでしょうか。

 私たち民主党は、いま一度奮起したいと思います。何としても踏ん張らねばなりません。

 健全な対立軸を重んじ、しかし、政権を担う意思と覚悟を持ち、実際にその経験を積んだ政党として、価値は重く、とうとく、必須の存在です。(発言する者あり)

議長(伊吹文明君) まず、静粛にしてください。

 それから、小川淳也君、申し合わせの時間が既に過ぎましたから、簡単にお願いをいたします。

小川淳也君(続) 政権再交代から約百日、ハネムーンは終わりました。国民の三人に一人は、今の政権に共鳴せず、不安を感じています。

 私たちは、再び立ち上がる。必ず再生し、再起する。やり残したことをなし遂げる。その大いなる決意を申し上げ、私の討論とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(伊吹文明君) 塩川鉄也君。

    〔塩川鉄也君登壇〕

塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法改正案に対する反対討論を行います。(拍手)

 まず、今回の地方財政計画についてであります。

 東日本大震災から二年、復旧復興支援のための震災復興特別交付税の増額、被災地における地方税の課税免除の延長などは、当然であります。

 その一方、来年度地方財政計画では、地方への一般財源総額を厳しく抑え込み、地方公務員の人件費と社会保障関係費の大幅削減を狙い撃ちにし、また、地方税で、上場株式等の配当・譲渡所得に対する損益通算特例を広げるなど資産家への優遇策を拡大していることは、問題であります。

 中でも重大なことは、国家公務員給与の削減分七・八%と同様の地方公務員給与の削減を前提に地方交付税を削減し、これを地方自治体に押しつけていることであります。

 地方交付税は、地方の固有の財源であり、国が責任を持って確保すべきものであります。地方公務員給与の削減を前提に、あらかじめ一律の削減をかけて引き下げるなどということは、まさに前代未聞の乱暴なやり方であり、断じて許せません。

 しかも、安倍内閣は、あくまでも要請などといいながら、実際には、都道府県の担当者を集め、地方議会への条例の提案内容や議決状況、地方自治体の給与削減の実施状況を調査、公表するとしているのであります。こうした地方自治への介入は、きっぱりとやめるべきです。

 給与削減をしない地方自治体を富裕自治体とみなし、特別交付税削減などのペナルティーを科すなどは、絶対に行ってはなりません。

 ところが、新藤総務大臣は、私の質問に対して、まだ事態が発生していないと言い逃れをするだけで、これを否定しなかったのであります。極めて重大であります。

 医療、介護、保育、教育など、あらゆる分野で住民の生活を支えているのが地方公務員です。被災地では、みずからも被災しながら、住民の先頭に立って懸命に奮闘しているのであります。地方公務員の生計費をこんな乱暴なやり方で削るのは間違っています。

 さらに、地方公務員の給与削減は、地域の給与水準に大きな影響を与え、政府が唱えるデフレ不況脱却にも逆行することを述べて、反対討論といたします。(拍手)

議長(伊吹文明君) これにて討論は終結いたしました。

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) これより採決を行います。

 まず、日程第五につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 日程第六につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第七につき採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

越智隆雄君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(伊吹文明君) 越智隆雄君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(伊吹文明君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長河井克行君。

    ―――――――――――――

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔河井克行君登壇〕

河井克行君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案の主な内容は、

 第一に、ブラジル連邦共和国のベレンにある日本国総領事館を廃止すること、

 第二に、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定すること

であります。

 本案は、去る三月十四日外務委員会に付託され、翌十五日岸田外務大臣から提案理由の説明を聴取し、本日、質疑を行い、引き続き採決を行った結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

越智隆雄君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(伊吹文明君) 越智隆雄君の動議に御異議はありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(伊吹文明君) 所得税法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長金田勝年君。

    ―――――――――――――

 所得税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 関税定率法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔金田勝年君登壇〕

金田勝年君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、所得税法等の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢等を踏まえ、成長と富の創出の好循環を実現するとともに、社会保障・税一体改革を着実に実施するなどの観点から、国税に関し、個人所得課税、法人課税、資産課税、納税環境整備等について所要の措置を講ずるものであります。

 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率等について所要の措置を講ずるほか、適正な課税のための規定の整備を図るものであります。

 両案は、去る三月十四日当委員会に付託され、翌十五日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、十九日から質疑に入り、本日、安倍内閣総理大臣に対する質疑を行い、質疑を終局いたしました。

 質疑終局後、所得税法等の一部を改正する法律案に対し、日本維新の会から修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。次いで、討論を行い、順次採決いたしましたところ、修正案は賛成少数をもって否決され、所得税法等の一部を改正する法律案は賛成多数をもって、関税定率法等の一部を改正する法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、両案に対し、それぞれ附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告を申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) これより採決を行います。

 まず、所得税法等の一部を改正する法律案につき採決をいたします。

 本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

越智隆雄君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(伊吹文明君) 越智隆雄君の動議に御異議はありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件

議長(伊吹文明君) 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長富田茂之君。

    ―――――――――――――

 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔富田茂之君登壇〕

富田茂之君 ただいま議題となりました承認を求めるの件につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を契機として、同年十月十四日以降、北朝鮮からの全ての貨物の輸入を禁止する等の措置が継続して実施されております。

 また、平成二十一年五月二十五日の北朝鮮による二回目の核実験を実施した旨の発表を受け、同年六月十八日以降、北朝鮮への全ての貨物の輸出を禁止する等の措置が継続して実施されております。

 政府は、その後の我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、平成二十四年四月三日、これらの措置の継続を決定したところであります。

 本件は、一年間を期限として平成二十四年四月十四日以降も輸出入禁止措置を講じたことについて、外国為替及び外国貿易法第十条第二項に基づき、国会の承認を求めるものであります。

 本委員会においては、去る三月十四日本委員会に付託され、十五日に茂木経済産業大臣から提案理由の説明を聴取し、本日、質疑に入り、質疑終局後、採決を行った結果、全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出)、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)、内閣法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出)の趣旨説明

議長(伊吹文明君) 次に、内閣提出、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、内閣法等の一部を改正する法律案及び地方公共団体情報システム機構法案について、順次趣旨の説明を求めます。国務大臣甘利明君。

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) このたび政府から提出をした行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、行政機関等の行政事務を処理する者が、個人番号及び法人番号の有する特定の個人及び法人等を識別する機能を活用し、並びに当該機能によって異なる分野の情報を照合し、これらが同一の者に関するものであるかどうかを確認することができる情報システムを運用して、効率的な情報の管理及び利用並びに他の行政事務を処理する者との間における迅速な情報の授受を行うことができるようにするとともに、これにより、これらの者に対し申請等の手続を行い、または、これらの者から便益の提供を受ける国民が、手続の簡素化による負担の軽減、本人確認の簡易な手段その他の利便性の向上を得られるようにするために必要な事項を定めるものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、特定の個人を識別するための個人番号について定めております。

 市町村長は、住民票に住民票コードを記載したときは、速やかに、住民票コードを変換して得られる個人番号を指定し、その者に対し、当該個人番号を通知カードにより通知するものとしております。

 このほか、個人番号を利用することができる者及びその利用範囲を定めております。

 第二に、市町村長は、住民基本台帳に記録されている者に対し、その者の申請により、その者の氏名、住所、個人番号等が記載された個人番号カードを交付するものとしております。

 第三に、個人番号を利用して事務を処理する者の求めに応じ、情報提供ネットワークシステムを使用して、個人番号をその内容に含む個人情報たる特定個人情報を提供する場合など、一定の場合を除き、特定個人情報の提供を制限することとしております。

 第四に、内閣府に、特定個人情報の適正な取り扱いの確保に必要な指導及び助言等を行う特定個人情報保護委員会を設置することとし、その組織、業務等を定めることとしております。

 第五に、国税庁長官は、法人等に対して法人番号を指定するものとし、行政機関の長等は、他の行政機関の長等に対して法人番号を通知することにより、法人等に関する情報の提供を求めることとしております。

 そのほか、個人番号利用事務に従事していた者が、その業務に関して取り扱った個人の秘密事項が記録されたファイルを正当な理由なく提供した場合等について、罰則を定めることとしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。

 次に、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴い、三十六の関係法律の規定の整備等を行うため、所要の措置を定めるものであります。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 国務大臣山本一太君。

    〔国務大臣山本一太君登壇〕

国務大臣(山本一太君) 内閣法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、内閣官房における情報通信技術の活用に関する総合調整機能を強化するため内閣官房に特別職の国家公務員として内閣情報通信政策監を置くとともに、内閣情報通信政策監を高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の本部員に加える等の措置を講ずるものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、内閣官房に、特別職の国家公務員として内閣情報通信政策監を一人置くこととし、内閣情報通信政策監は、内閣官房長官及び内閣官房副長官を助け、命を受けて内閣官房の事務のうち情報通信技術の活用による国民の利便性の向上及び行政運営の改善に関するものを統理することとしております。

 第二に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の本部員に内閣情報通信政策監を加えるとともに、同本部の事務のうち、府省横断的な計画や施策の実施に関する指針の作成などに関する事務を内閣情報通信政策監に行わせることができるものとしております。

 第三に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の本部員たる内閣情報通信政策監は、第二で申し上げた事務を行う際に必要があるときは、本部長たる内閣総理大臣に意見を述べることができるものとし、また、内閣総理大臣は、本部の事務を総括する際に必要があるときは、内閣情報通信政策監に事務の実施状況などの報告を求めることができるものとしております。

 そのほか、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部が地方公共団体から情報の提供その他の協力を求められたときの同本部の努力義務について定めることとしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 総務大臣新藤義孝君。

    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕

国務大臣(新藤義孝君) 地方公共団体情報システム機構法案の趣旨について御説明申し上げます。

 この法律案は、地方公共団体が共同して運営する組織として、住民基本台帳法、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による事務並びにその他の地方公共団体の情報システムに関する事務を地方公共団体にかわって行うこと等を目的とする地方公共団体情報システム機構を設立することとし、その組織、業務の範囲等に関する事項を定めるものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、設立につきましては、都道府県知事、市長及び町村長の全国的連合組織が設立委員を選任し、設立委員が、機構の定款、事業計画及び予算を作成し、総務大臣の認可を申請するものとし、その出資者は地方公共団体に限ることとしております。

 第二に、組織につきましては、都道府県知事、市長、町村長の代表者及びこれと同数の学識経験者で構成する代表者会議を設置し、定款の変更、予算及び事業計画の作成等の重要事項を議決し、理事長及び監事を任命することとしております。また、外部の学識経験者で構成する審議機関として経営審議委員会を設置し、予算等に関する基本的事項について審議を行うとともに、必要に応じて、理事長に建議を行うことができることとしております。

 第三に、役員につきましては、理事長、副理事長、理事及び監事を置き、副理事長及び理事は、理事長が代表者会議の同意を得て任命することとしております。

 第四に、業務の範囲につきましては、住民基本台帳法、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による事務を行うとともに、地方公共団体の情報システムに関する事務の受託、地方公共団体に対する地方公共団体の情報システムに関する情報の提供、助言その他の支援等を行うこととしております。

 第五に、同機構に対する国の関与につきましては、その設立及び定款の変更に際して総務大臣が認可を行うほか、この法律等に違反し、または違反するおそれがある場合には、総務大臣は報告徴収もしくは立入検査または違法行為等の是正要求を行うことができるとしております。

 そのほか、財団法人地方自治情報センターは、平成二十六年四月一日に解散するものとし、その権利及び義務につきましては、同機構が承継することとしております。また、同機構は、財団法人自治体衛星通信機構が指定認証機関として処理することとされている事務に係る権利及び義務について承継するとともに、これらの承継に伴い必要な措置を講ずることとしております。

 以上が、地方公共団体情報システム機構法案の趣旨であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出)、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)、内閣法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(伊吹文明君) 以上の趣旨の説明に対して質疑の通告がありますので、順次これを許します。若井康彦君。

    〔若井康彦君登壇〕

若井康彦君 民主党の若井康彦です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー関連四法案について質問いたします。(拍手)

 民主党政権で取りまとめた社会保障と税の一体改革大綱では、「社会保障給付や負担の公正性、明確性を確保するためのインフラとして、社会保障・税番号制度の早期導入を図っていかなければならない」としております。

 野田政権下で、昨年の通常国会に社会保障・税番号関連法案を提出いたしましたが、野党の協力が得られず、衆議院解散とともに、審議未了で廃案となってしまいました。これにより制度導入のスケジュールが一年おくれていることを大変残念に思っております。

 今回安倍政権が提出した法案は、番号制度の基本理念、国、地方公共団体の責務、事業者の努力規定、個人番号カードの利用、情報提供ネットワークシステム等の安全性の確保について、昨年の法案を補強したと聞いております。

 私たちは、それらの内容について、民主党政権が目指していたマイナンバー制度の趣旨に合致しているかを確認し、国民の皆様の御理解、御納得が得られるような国会審議を展開していきたいと考えております。

 初めに、所得把握についてお伺いします。

 マイナンバー制度のメリットとして、今までは各行政機関がばらばらに保有をしておりました所得情報を照合することにより、所得を把握しやすくなり、税の公平性を向上できると期待されています。マイナンバー制度により、税務当局が保有する各種所得情報を正確かつ効率的に名寄せ、突合することにより、所得の過少申告や税の不正還付等を効率的に防止、是正できるとされております。また、法人にも番号をつけることになっています。

 一方で、マイナンバーを導入したからといって、全ての商取引、金銭授受について、完全に把握することはできないというのも確かであります。

 マイナンバー制度によって、現在に比べて、どのような過少申告、不正還付や所得隠しができなくなるのか、また、それにより税収にどれぐらいの影響があると見込んでいるのか、麻生大臣にお伺いをいたします。

 次に、我が国が人口減少、高齢化に直面する中で、今まで培ってきた社会保障制度を維持していくためには、国民に税や社会保障の負担増をお願いすることは避けて通れません。そうした中で、マイナンバー制度が、低所得者の負担を軽減することにより所得再配分機能を強化し、格差を是正するために役に立つものと期待しています。

 民主党は、真に必要な世帯に支援がしっかり行き渡る給付つき税額控除の方が望ましいと考えておりますが、マイナンバー制度の導入により、そのことがより正確に運営できると考えております。

 消費税引き上げの時期が一年後に迫っている今、せめて八%では簡素な給付措置での対応が現実的という判断から、衆議院に、ただいま、消費税影響緩和法案を提出いたしました。与党が実施を検討しておられる複数税率は、高額所得者ほど負担軽減率が大きくなる、対象品目の選定が利権に結びつきやすいので、簡素な給付措置、給付つき税額控除の方がすぐれていると考えております。

 政府は、逆進性対策についていつまでに決めようとしているのか、どうして給付つき税額控除が受け入れられないのか、国民の意見をどのように酌み取って検討を進めていかれようとしているのか、甘利担当大臣にお伺いをいたします。

 次に、社会保障負担の軽減について伺います。

 一世帯で医療、介護、保育費などの負担が積み上がっていても、制度が縦割りであるため、全体の負担を把握するのは大変に困難であります。しかし、マイナンバー制度の導入によって、それぞれの保険者、運用単位ではなく、家計全体をトータルに捉えて、自己負担の合計額に上限を設定する総合合算制度を運営する環境が整うと考えております。

 このように、マイナンバー制度を活用して、社会保障に係る負担を軽減することをいつごろから始められるのか、甘利大臣にお尋ねをいたします。

 次に、プライバシー権について伺います。

 マイナンバー制度により、全ての国民と、日本で中長期的に暮らす外国人に番号がつけられ、行政機関によって一元管理されるようになります。それにより、プライバシー権あるいは自己情報コントロール権が侵害されるのではないかと懸念する声があります。

 個人情報の集積と利用には本人から事前の同意が必要とされていますが、マイナンバー制度ではどのような仕組みによってプライバシー権が保護されるのか、甘利大臣に説明をお願いいたします。

 次に、先ほど御説明のありました、特定個人情報保護委員会についてお伺いします。

 プライバシー権についての懸念を踏まえ、国民の特定個人情報が適切に取り扱われる、安心で信頼できる番号制度の構築のためには、特定個人情報ファイルが取り扱われる前に、個人のプライバシー等に与える影響を予測し、評価し、かかる影響を軽減する措置をあらかじめ講じるよう、第三者機関となる特定個人情報保護委員会が情報保護評価を実施することになっております。

 この委員会は、どのような専門性を有するメンバーで構成されるのか、国の行政機関や地方公共団体等に対してどのような権限を持つのか、甘利大臣に伺います。

 さらに、情報管理の安全性についてお伺いいたします。

 マイナンバー制度について国民の皆さんが今一番不安を感じているのは、個人情報の漏えい、他人によるマイナンバーの不正利用など、情報の安全管理が万全かどうかという点ではないでしょうか。

 日本では、社会保険庁によるずさんな年金記録の管理により年金記録が消失をしたり、あるいは、住民情報を管理する公務員からDV被害者で配偶者から身を隠している方の所在に関する情報が過って漏えいされるなどの不祥事もあり、行政の情報管理に対する不信感がございます。

 また、政府の情報システムへ外部から不正にアクセスされる事案が次々と起きており、IT技術が日進月歩を遂げる中、情報を管理する側がハッカーから情報を守り切れるかどうか、懸念を持つのも無理がございません。

 こうした国民の不安を払拭するには、政府が、国民が安心できるレベルのセキュリティー体制を整えることだと思います。

 そこで、どのような情報保護体制にするのか、政府内に情報管理を行う部署をつくるのか、民間に委託する部分があるのか、あるとすればどういうことを委託するのか、甘利大臣に伺います。

 関連して、万が一、故意でなくても、情報漏えいが起きた場合は、一体誰の責任になるのでしょうか。そして、情報漏えいが原因で被害、損害が生じた場合に、国あるいは地方公共団体が損害賠償を行うのでしょうか。あわせて、甘利大臣にお伺いをいたします。

 次に、個人番号カードについて伺います。

 マイナンバーは二〇一六年一月から使い始めるということでありますが、二〇一五年中に個人番号を通知する紙のカードが届く。個人番号カードは希望者だけに配付されるとのことであります。

 通知カードは、免許証やパスポートと一緒に提示することにより個人番号カードと同じように使えるとのことでありますが、利用に当たって、全く違いがないのでしょうか。甘利大臣にお尋ねいたします。

 また、個人番号カードの発行を有料とする理由、全国一律の手数料にするのかどうか、あわせてお尋ねをいたします。

 次に、マイナンバーの民間利用について伺います。

 例えば、引っ越しの際、役所の届け出や電気、ガス、水道などの手続をそれぞれ別個にしなくてはならず、大変煩雑になっております。しかし、マイナンバー制度の対象を民間にも広げれば、手間がぐんと減ってまいります。

 個人番号の利用範囲の拡大については、法施行後三年をめどとして検討することになっておりますが、民間利用を解禁するには、どのような条件が必要だと考えますか。甘利大臣、お尋ね申し上げます。

 次に、政府CIOについて伺います。

 我が国の電子行政に関する戦略の企画立案、推進は、IT戦略本部と、そのもとに置かれたCIO連絡会議等が担ってきましたが、政府として、府省横断的な取り組みを明確かつ迅速な決定と責任のもとに進めていくための統率力、調整力は必ずしも十分に備わっていないとの批判がございました。

 今回、政府CIO法案によって内閣情報通信政策監が法定化されますが、今までに比べて、どのように権限や体制が強化されるのか、また、人員削減等、行政改革に資するのか、山本大臣にお尋ねをいたします。

 最後に、安倍総理、総理は、先般、TPPの交渉参加を表明されました。選挙前の公約では、聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加には反対するとしていたにもかかわらず、選挙が終わるや否や、日米間において何ら具体的な確認もないまま交渉参加を既成事実化してしまったことは、甚だ遺憾であります。

 これに対して各方面から多くの不安と疑念の声が上がっているのは事実であります。

 例えば、JA全中は、強い怒りをもって抗議し、国益が守られないと判断した場合には、即刻、交渉から脱退すること、政府として明確に国民に確約すべきであると、抗議声明を出しています。ほかならぬ自民党からも、農林水産重要五品目や国民皆保険制度などの聖域の確保ができない場合は脱退も辞さないとの決議も出されているわけですが、総理はどのようにお考えでしょうか。

 交渉力とは、いざとなれば拒否する力を持っている、そのことに尽きるわけでございます。安倍総理、国益が守れない場合には、約束どおり交渉から脱退する、その覚悟のほどを、ぜひここで全ての国民に明言していただきたいと思います。

 以上、マイナンバー制度の導入と円滑な運用こそ、社会保障と税の一体改革の成否を決める鍵であると言っても過言ではありません。国民の安心と納得が得られる制度となるよう着実に準備を進め、それについて丁寧に説明していくよう政府に求め、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 若井康彦議員の質問にお答えをいたします。

 TPPについてお尋ねがありました。

 TPP交渉に当たっては、自民党の決議文をしっかりと胸に刻み、国民の皆様からのさまざまな御意見も踏まえつつ、国益にかなう最善の道を求めてまいります。

 他方、これから交渉しようというときに離脱の話をすることは、国益の観点からも不適切であると考えます。

 いずれにしても、TPPについては、我が国としては、主張するべきことはきっちりと主張して、交渉を通じて、国益を最大限に実現するよう全力を尽くす考えでございます。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 所得把握の向上による税の徴収への影響についてのお尋ねがあっております。

 番号制度の導入によって、法定調書の名寄せや申告書の突合がより正確かつ効率的に行える、そういうことになろうと存じます。これにより、現在に比べて、例えば、意図的な住所変更により名寄せを困難にさせる、また、結果として所得把握を難しくさせる行為など、課税上問題があると認められる事項の的確な把握が期待できるものと考えております。

 番号制度の導入に伴う所得把握の適正化による税収への影響につきましては、これを事前に見込むことは困難であり、影響額の試算は行っておりません。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) お答えいたします。

 まず、消費税の低所得者対策についてのお尋ねがありました。

 低所得者対策につきましては、自民党、公明党、民主党の三党合意を踏まえまして、昨年八月に成立しました税制抜本改革法案におきまして、給付つき税額控除と複数税率がともに検討課題とされ、消費税率八%段階から、このいずれかの施策の実現までの間の暫定的、臨時的なものとして、簡素な給付措置を実施することとされています。

 その後、本年二月の三党合意におきましては、低所得者対策につきまして、引き続き協議を行うとされたところであり、与党間及び三党間での議論を踏まえながら、この法律の規定に沿って、しっかり検討してまいりたいと考えております。

 次に、社会保障・税番号制度を活用した総合合算制度の開始時期についてのお尋ねがありました。

 総合合算制度とは、現行の医療、介護の合算制度に加えまして、保育料等を含めた世帯の自己負担に一定の上限を設けようとするものであります。

 総合合算制度を実現するためには、例えば、制度の利用者は、各種社会保障サービスの窓口全てに申請するのではなく、できる限りワンストップでの申請を可能とすること、申請者の所得等の正確な把握に加え、医療、介護、保育等、各種サービスの利用に伴う自己負担の状況を制度横断的に把握することなどが必要となります。

 このため、番号制度の稼働後に、関係機関のデータ連携基盤が整うなど、関係機関の間に制度が定着することによって、必要な情報を円滑に把握できる基盤が整うことが導入の前提と考えております。

 次に、社会保障・税番号制度におけるプライバシーの保護についてのお尋ねがありました。

 一般の個人情報は本人の同意があれば提供できますが、番号法は、個人番号の利用範囲や提供できる場合を法律の規定によりまして限定しております。それ以外の場合には、本人の同意があっても利用、提供できないこととしております。

 そのほか、番号法は、個人番号を含む個人情報の収集、保管やファイル作成を制限するほか、特定個人情報保護委員会を設置し、また罰則を強化するなど、一般の個人情報に対する規制よりも厳格な規制を設けております。

 次に、委員会のメンバー構成及び権限についてお尋ねがありました。

 委員長及び委員は、個人情報の保護に関する有識者、情報処理技術に関する有識者、社会保障制度または税制に関する有識者、民間企業の実務に関する経験者、地方六団体の推薦者を含むメンバーで構成されることとなっております。

 権限につきましては、委員会は、特定個人情報の適正な取り扱いを確保するため、国及び地方公共団体に対し、立入検査、助言、指導、勧告、命令などの権限を行使できることとなっております。

 次に、個人番号に関する情報保護体制及び委託についてお尋ねがありました。

 個人番号の取り扱いに当たっては、情報の暗号化など技術的な保護措置、職員に対する教育研修の実施など組織的な保護措置、保管庫の施錠・立ち入り制限など物理的な安全管理措置を講ずることが必要となります。

 この安全管理措置を効果的に行うための対策については、新設される特定個人情報保護委員会と連携して具体的に検討してまいります。

 委託については、例えば、個人番号を利用している情報の保管などの業務を委託することが考えられますが、その場合、個人番号を取り扱う機関は、安全管理の観点から委託先の監督などの義務を負うこととなります。

 次に、過失により情報漏えいが生じた場合の損害賠償についてのお尋ねがありました。

 国または地方公共団体の職員の過失により個人番号を含む個人情報が漏えいをし、それにより損害が生じた場合について、国または地方公共団体は、国家賠償法に基づく損害賠償責任を負うこととなります。

 次に、通知カードと個人番号カードの取り扱いの違い、個人番号カードの発行手数料についてのお尋ねがありました。

 番号制度におきましては、行政機関等において個人番号の提供を受ける際には、本人であることを確認することを求めています。

 個人番号カードと違い、通知カードには顔写真がついていないため、本人確認や個人番号の確認を行う際には、免許証などの本人確認書類と併用していただく必要がありますが、本人確認のために利用できる点では、個人番号カードと取り扱いが異なるものではありません。

 なお、通知カードと異なり、個人番号カードは、ICチップを付加することとしており、空き領域を活用して、例えば、地方公共団体の施設の指定管理者が施設の利用者カードとして利用することも可能としています。

 また、個人番号カードの発行手数料については、有料とするかどうかを含め、国民の負担やカードの普及促進といった観点から検討してまいります。

 最後に、個人番号の利用範囲の拡大についてお尋ねがありました。

 番号法の附則におきましては、法施行後三年をめどとして、法律の施行の状況等を勘案し、法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときには、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずることとしております。

 将来的な、個人番号の民間での利用につきましては、この規定に基づき、適切に対応してまいります。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣山本一太君登壇〕

国務大臣(山本一太君) 政府CIOの法定化による電子行政の推進等に関する権限や体制の強化についてのお尋ねがありました。

 電子行政の推進等に関しては、政府全体としての府省間の連携が十分でなかったことが課題との指摘を受けているところです。

 いわゆる政府CIOとして内閣官房に設置される内閣情報通信政策監は、電子行政の推進等に係る司令塔として、政府全体の総合調整を行う権限を有するとともに、関連するIT戦略本部の事務の一部についても、委任を受けて行うことができることとしており、各府省に対する十分な権限が付与されると考えております。

 CIOを中心に、これまで以上に、行政の効率化もあわせて図ってまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 次の質疑者、中丸啓君。

    〔中丸啓君登壇〕

中丸啓君 心の真ん中に日の丸を。日本維新の会、中丸啓でございます。

 会派を代表し、ただいま議題となりました、いわゆるマイナンバー法案につきまして質問をさせていただきます。(拍手)

 我が党の基本理念は、自立する個人、自立する地方、自立する国家であります。地方の自立、国家の自立の基本は、国民の自立が根幹になければ実現できないと考えます。

 本議題のマイナンバー法案は、その観点からも、成立すれば、各行政機関にばらばらに集積されることとなっている個人情報の全体像を本人がより正確に把握できることとなり、国等との間で受益と負担の関係がどうなっているかをみずから知り得る環境が整備されることとなって、個人の自立に資するものになると考えます。

 他方で、行政側から見れば、法案成立によって、行政サービスの対象者への通知をしやすいなどの数多くの利点が考えられ、従来の、申請があってから初めて対応するという受け身の行政から、積極的行政への体質改善が期待できます。

 その反面、行政による個人やその周辺への過度の介入が増加するのではないかという懸念も生じ得ることを考えなければなりません。そのためにも、導入へ向けて、しっかりと政府として説明責任を果たすことはもちろん、その結果に対する責任を持つという強い姿勢が求められます。

 本日は、個人の自立、地方の自立の観点を中心に質問をさせていただきます。

 これまでも、情報の電子化、効率化という名目でさまざまな施策がなされてまいりました。住基ネットを初め、e―Tax、運転免許証や渡航パスポートのIC化、保険、年金など、それぞれ、独立したナンバリングと管理に向けて、多くの労力と多額の税金が投入されています。

 今回の番号制度の導入では、国のみならず、約千八百に上る地方公共団体、日本年金機構や医療保険者等の関係機関の既存業務、既存システムの大規模な改修を行う必要があり、相応のコストの発生が見込まれます。

 具体的には、番号制度の導入に係る費用について、当初、政府は、社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会の中間取りまとめ、二〇一〇年六月二十九日において、一定の前提を置いた粗い試算として約六千億円を示していました。

 その後、民主党の検討チームに対して、システム導入費用が五千億円以上、システム運用経費が年三百五十億円に上る一方で、行政コストが年二千三百億円削減されるとの試算が示された旨、二〇一一年十月十六日、報道機関により報道されています。

 このようなことを前提に、まず、安倍総理に、その導入に当たっての所感と費用対効果の責任に対する御決意をお尋ねいたします。

 我が日本維新の会の骨太方針にも示されていますが、世代ごとに受益と負担の関係をバランスよくさせるには、突き詰めていくと、個々人の資産を完全に把握する必要があり、将来的には、所得と資産の完全把握を目指すためのシステムを構築するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 新しき制度、新しき手法を導入することによって従来の制度がどのように処理されるのか、今後、一元化されたデータベースを基幹としたワンストップの仕組みを導入することによってどれだけの合理化が従来のシステムと比較して試算されているのか、そして、その進捗確認と結果に対する責任をどこの部署の誰が負うのか、甘利大臣の答弁を求めます。

 次に、道州制の導入の観点で質問させていただきます。

 日本維新の会は、自立する地方を理念に掲げ、中央省庁の再編を視野に入れた道州制を目指しております。

 将来の道州制への移行を踏まえ、従来の電子化の反省を踏まえたこのマイナンバー法案可決後のシステムの導入に関して、可変性、拡張性、これらを考慮したシステム設計を考えなければならないと考えますが、第一に、地方の自立に反するようなシステム設計上の懸念はないのでしょうか。また、第二に、システム設計は、地方公共団体の現場の声を反映したものになっているのでしょうか。そして、第三に、これらの声に対して、これまでどのように応え、また、今後、どのように応え、具体的に明らかにしていくのか。

 マイナンバーが、中央集権体質のもとでの都合のよい情報一元化であってはなりませんし、その目的が、中央政府によって地方と個人をコントロールしやすくするための方向づけされたものであれば、地方の自立という観点から、時代の流れに逆行するものと考えますが、いかがでしょうか。甘利大臣の答弁を求めます。

 次に、番号制度の限界について質問をいたします。

 平成二十三年六月三十日の、政府・与党による社会保障改革検討本部決定の社会保障・税番号大綱では、社会保障制度や税制等の諸制度の改革とあわせて番号制度を導入したとしても、例えば、全ての取引や所得を把握し不正申告や不正受給をゼロにすることは非現実的であり、また、番号を利用しても事業所得や海外資産・取引情報の把握には限界があることについて、国民の理解を得ていく必要がある旨が明記されています。

 このように、番号制度の導入推進主体の政府みずからが番号制度の限界を認めています。

 また、番号制度の導入により、効率性、公平性、透明性、利便性を享受することができるとされる一方で、個人情報の、国家による一元管理、外部への漏えいや濫用、不正利用、改ざん等による財産等への被害などが懸念されています。

 今後、政府として、番号制度の限界の払拭へ向けて、具体的にどのような取り組みを行っていくのか、また、漏えい、不正利用、紛失の多くは内部者の故意によるものやヒューマンエラーによるものであるというこれまでの現実を踏まえて、その対策と責任の所在についてどのようにするつもりなのか、甘利大臣の答弁を求めます。

 次に、番号制導入の諸外国での状況について質問いたします。

 さきの大綱によると、例えば、古くから教会が住民管理をしていた歴史的経緯等から幅広い行政分野で単一の番号を利用しているスウェーデン、安全保障の要請から導入した韓国、戸籍や住民登録制度がなかったために社会保障番号を導入したアメリカ、国家による一元管理を回避するために情報技術を駆使したセクトラルモデルを採用したオーストリア、近年納税者番号を導入したものの他分野での利用や情報連携に慎重なドイツなどがあるとされています。

 韓国などでは、成り済まし等の不正な利用が社会問題化されています。また、イギリスでは、労働党政権下で二〇〇六年三月に成立したIDカード法は、その後に発足した保守党と自由民主党の連立政権のもとで、二〇一〇年十二月に成立したID文書法によって廃止されています。

 スウェーデンでは、共通番号は、当初から、一般に公開した形で全く制限なしに使われてきたため、税務を含むあらゆる行政機関、さらには、学生登録や電話代の請求書、預金やクレジット口座の開設、管理、医療給付、運転免許から定期券購入まで、幅広く多目的に利用されているのみならず、警察、課税庁、国家統計局など、それぞれが、あらゆる国民、住民の個人情報について、各人の共通番号を収集、データベース化して管理しており、また、各種民間機関も同様の状況にあるとされています。

 このように、スウェーデンが共通番号制導入によるデータ監視社会化しているのは、高福祉・高負担政策のもとで、福祉の不正受給、課税漏れは絶対に許さないという考え方が背景にあるとされています。他方で、共通番号を一般に公開し、官民で汎用化したことから、成り済ましが急増しているとも言われています。

 そこで、政府は、今回の番号制度の導入に当たり、諸外国の導入状況や問題の発生などを踏まえ、どのような検討を行い、また、想定される問題に対して、どのような対策を講じ、あるいは講じようとしているのか、十分な説明責任を果たす必要があると考えますが、安倍総理、いかがでしょうか。

 いわゆるマイナンバー法案は、これからの我が国の情報管理に不可欠なものと考えますが、これまでの電子化の反省を踏まえ、国民に対して、政府はしっかりと説明責任を果たしてほしいと思います。

 医療業界では、電子レセプト請求書の普及状況が既に九〇%を超えており、オンライン化も約七〇%近く既に進捗しています。こうした状況なども踏まえながら、既存の仕組みとの共有性、適切な情報管理、つまり、無理、無駄のない導入、安心できる情報管理と利用についても十分な配慮を行っていただきたいと思います。

 マイナンバーは、今後、我が国の重要な社会インフラとなるものだけに、国民の理解をしっかりと得ながら改革へ取り組んでいただきたいということをお願いいたしまして、日本維新の会新人議員、中丸啓の質問を終わらせていただきます。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 中丸啓議員にお答えいたします。

 制度導入への所感と費用対効果についてのお尋ねがありました。

 社会保障・税番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤ともなるものであるとともに、情報化社会のインフラとして国民の利便性の向上や行政の効率化に資するものと考えております。

 他方、厳しい財政状況のもと、今後、運用経費を含む経費の圧縮に努めるとともに、番号制度のメリットをより多くの国民に提供していけるよう、準備を進めてまいります。

 諸外国の導入状況等を踏まえた検討や対策等についてのお尋ねがありました。

 諸外国においては、さまざまな経緯、目的により番号制度が導入されており、中には、番号の不正利用による成り済まし犯罪等の問題が発生している国があるものと承知をしております。

 番号法案では、こうした諸外国の状況も踏まえ、利用範囲の限定、第三者機関による監視、監督、情報システムへのアクセス制御や暗号化、罰則の強化等、制度面及びシステム面の両面からの対策を講じることとしており、こうした点も含め、番号制度について丁寧に説明してまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) 中丸議員から、都合九問の御質問をいただきました。

 まず、所得と資産の把握についてお尋ねがありました。

 政府が国民の所得や資産をどこまで把握するかは、それに伴う国民の負担等も勘案した上、社会保障制度や税制といったそれぞれの制度の中で検討されていくものと考えております。

 次に、新しい制度、手法の導入による従来の制度への変化についてお尋ねがありました。

 従来、国民が給付申請等を行う際に求められていた住民票や所得証明書などの添付資料について、番号制度の導入により、行政機関の間で必要な情報の連携を行うことが可能となり、添付資料が不要となるなど、手続が簡素化され、国民の利便性が向上いたします。

 また、行政機関において必要な情報の連携を行うことにより、あらかじめ対象者を特定し、行政の側からお知らせなどのサービスの提供を行うことも可能となると考えております。

 次に、番号制度のシステムについてお尋ねがありました。

 番号制度のシステム構築に当たっては、個人情報を一元管理するデータベースは構築せず、従来どおり、それぞれの機関で分散管理の上、番号法に基づき、必要な限度で機関間での情報の授受を行うことといたしております。

 番号制度のシステム導入による合理化の効果については、数値化が難しいことから、具体的な試算は行っていないものの、複数の民間団体が行った試算によれば、一定の前提条件のもとで、いずれも導入費用を容易に回収できる経済効果が見込まれております。

 次に、合理化の進捗確認と結果に対する責任の所在についてお尋ねがありました。

 番号制度のシステム導入などによる行政情報システムの合理化の推進につきましては、関係省庁が内閣情報通信政策監とも連携し、着実に行ってまいります。

 次に、システム設計上の可変性、拡張性についてお尋ねがありました。

 地方公共団体のシステムにつきましては、その規模や方式が各地方公共団体で異なっていることから、内閣官房において、関係する事務及びシステムの実態を調査したところであります。

 社会保障・税番号制度に係るシステム設計に当たっては、これら調査結果も踏まえた上で、将来の組織改編や業務拡張等にも柔軟に対応できるように進めているところであります。

 次に、システム設計への地方公共団体の現場の声の反映についてお尋ねがありました。

 内閣官房で実施をした実態調査におきましては、全ての都道府県及び市町村のシステム担当部署及び業務担当部署に対するアンケートを実施するとともに、一部の団体に対しては実地のヒアリングも行い、その結果をシステム設計へと反映させているところであります。

 次に、システム設計に係る地方公共団体の現場の声に対するこれまでの対応及び今後の対応についてお尋ねがありました。

 実態調査等の結果は、地方公共団体へ適宜提供するとともに、それに対する御意見もいただいているところであります。今後とも、地方公共団体から御意見をいただくために、さまざまな機会を設けるとともに、システム設計に生かしてまいりたいと思っております。

 次に、番号制度の限界の払拭に向けた取り組みについてお尋ねがありました。

 番号制度の導入のみで正確に所得を把握することには一定の限界があるものの、番号制度を導入することによりまして、社会保障分野、税分野のそれぞれにおいて、個人番号または法人番号を用いて各種資料情報等の名寄せやマッチングが効率的かつ正確に行われ、かつ、機関を超えて相互に情報を連携できるようになることから、社会保障・税分野全体を通じて、現状に比して、より正確な所得把握が可能となるものと考えております。

 政府が国民の所得や資産をどこまで把握するのかは、それに伴う国民の負担等も勘案した上で、社会保障制度や税制といったそれぞれの制度の中で検討されていくものと考えております。

 最後に、情報漏えい対策などについてお尋ねがありました。

 番号法は、個人番号を取り扱う機関に対し、その漏えい、不正利用、紛失などを防ぐための安全管理措置を義務づけており、これらの機関やその職員に対し、特定個人情報保護委員会が啓発等を行うことといたしております。

 さらに、これらの義務に違反した場合には、特定個人情報保護委員会による指導、助言、勧告、命令の対象となり、また、個人番号を漏えいするなどした職員には刑事罰が科されることとなります。

 以上です。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 高木美智代さん。

    〔高木美智代君登壇〕

高木美智代君 公明党の高木美智代です。

 ただいま提案がありました四法案につきまして、公明党を代表して質問いたします。(拍手)

 超高齢社会の進展と厳しい国家財政の中で、我が国の社会保障制度を持続的で安定した制度へと再構築するためには、社会保障の給付と負担を明らかにしつつ、国民の理解と納得を得ながら改革を進めることが重要であります。

 番号制度については、これまでもさまざまな形で導入が検討されましたが、実現されずに今日に至っております。もっと早く導入されていれば、この間に生じた年金記録問題は防げたのではないか、その対策費、総額約三千六百億円は不要だったのではないか、また、生活保護などの不正受給問題も、ある程度は回避することができたのではないかと考えます。

 このたびの法案は、昨年民主党が提出したマイナンバー法案に対し、自民、民主、公明党の実務者による協議を踏まえ、国民の視点に立って、よりわかりやすく、より安全、安心な制度へとするため、公明党の主張も盛り込まれた形で修正され、改めて関連四法案が提出されました。

 この法律によって導入される番号制度は、各人に割り当てた個人番号をベースとして、確定申告などの所得情報と社会保障の保険料や給付などの情報をひもづけするものであり、今後の我が国の基本的な社会基盤となるものです。

 次の三点について、その実現を可能とすることが期待されます。

 第一に、公平な社会の実現です。

 複数の機関に存在する個人の情報を名寄せすることが可能となり、所得把握の正確性が増すことによって、個人の所得と給付の透明性が向上し、必要な人に必要な支援を届ける仕組みの実現が期待されます。

 第二に、効率的な行政の実現です。

 申請手続の際に求められる課税証明書や住民票などの添付書類の提出が簡素化され、ワンストップサービス化が進み、国民の利便性の向上が期待されます。

 第三に、効率的な政策の実現です。

 関連行政機関の情報連携により、精度の高い政策の立案、策定が可能となります。

 以上の観点から、私は、番号制度の導入は必要不可欠と考えます。

 以下、具体的に伺います。

 まず、個人番号カードについてです。

 国民一人一人のもとに個人番号を掲載した通知カードが届き、市町村長に申請することにより、正式な個人番号カードが発行されます。

 個人番号カードの交付方法について、三党での議論の結果、通知のための仮カードを発行するとともに、通知カードも、免許証などとあわせて提示すれば、個人番号カードと同様に本人確認ができることとしました。

 そこで、通知カードと個人番号カードの利用範囲にどのような違いがあるのか、答弁を求めます。

 また、国民にとって利用機会と必要性が少なければ、住民基本台帳カード同様、普及しないのではないかと懸念されますが、個人番号カードを取得し、利用するメリットについて、甘利大臣の見解を求めます。

 個人番号の利用範囲について伺います。

 法律によって規定された事務手続以外での利用を規制しておりますが、一方で、民間利用に門戸を開くことが国民の利便性に資するとの意見があります。

 例えば、個人の医療情報が対象範囲になれば、三次救急から在宅への情報伝達がスムーズになることや、がん登録などにより蓄積されたデータの活用が医療のイノベーションにつながる可能性も指摘されています。

 しかしながら、プライバシー保護等の面から懸念する意見もあることから、あくまでも国民の理解を得ながら進めていくべきであり、着実かつ堅実に制度を構築すべきと考えます。甘利大臣の見解を伺います。

 個人情報保護に関して伺います。

 意図しない個人情報の漏えいにより、プライバシーが侵害されたり、成り済まし被害が発生したりするのではないかとの懸念が寄せられています。

 公明党は、個人情報保護が図られなければ制度の利用に対する信頼と安心が得られないことから、番号制度を進めるとともに、車の両輪として、我が国の個人情報保護体制の構築に道筋をつけるべきと主張し、附則においてその趣旨を盛り込みました。

 我が国には行政から独立した個人情報保護委員会がなく、EUからは個人情報保護後進国と見られている現状があります。

 そこで、特定個人情報保護委員会を、公正取引委員会等と同じく、内閣府設置法に基づいた独立性の高い三条委員会として設置し、個人番号に関連した個人情報の取り扱いに関する監視、監督などを行うこととしました。

 また、附則の検討規定において、法施行後一年をめどに、個人情報全般にわたる個人情報保護委員会へと発展させる道筋を明記いたしました。この附則規定を実効あらしめるために、早急に個人情報保護法制の見直しについて政府において検討を開始すべきと考えます。

 今後の取り組みについて、総理の答弁を求めます。

 番号制度導入については、国民の皆様に広く正確に知っていただくことが重要であることから、政府としての積極的な広報宣伝活動が不可欠です。

 また、公明党の主張により、番号の利用に関して、国民の情報リテラシー、活用能力向上に資する取り組みを推進すること、さらに、情報端末を使えない高齢者や障害者などいわゆる情報弱者の方々に対する配慮について必要な措置を講ずることを盛り込みました。

 それぞれ、具体的にどのような取り組みを行うのか、甘利大臣の答弁を求めます。

 災害時の対応について伺います。

 被災者生活再建支援金の支給に関する事務等に利用することなどが想定されますが、そのほか、防災に関する事務については、地方公共団体が条例で定めることが可能とされており、その活用法について自治体の裁量が尊重されております。

 行政サービスを向上させるためにも、自治体向けに、先行事例や導入支援策の情報提供が重要と考えますが、新藤総務大臣の見解を伺います。

 また、我が党が推進してきた被災者支援システムとの関係性についてもお答えください。

 今回の番号制度において、国と自治体を合わせたトータルでの費用対効果についてどのような試算をされているのか、甘利大臣の答弁を求めます。

 次に、内閣情報通信政策監、いわゆる政府CIOについて伺います。

 先般、特許庁のシステム調達では五十五億円に上る無駄が指摘され、各省庁でも同様の事例が散見されます。我が国のIT調達の問題点は、政府内に技術評価できるIT人材が圧倒的に不足していることに起因しています。システム開発、運用、維持に関するトータルマネジメントによるITガバナンスの向上、調達の透明性を高めることが急務です。

 政府CIOには、民間の企業感覚で監視、監督を実施していただくことで、財政の無駄の削減にも効果を発揮すると期待しております。

 また、地方自治体からは、政府CIOに対し、相談、情報提供などの協力が求められています。

 政府CIOの役割について、総理の見解を伺います。

 現在、地方自治体には、主要な法改正のたびにシステム改修が求められており、管理・改修費の負担について軽減策が必要です。地方公共団体情報システム機構を設置し、関係事務を処理するとしていますが、システムを接続するための中間サーバーなどの管理、改修も含め、自治体の負担を軽減する方策をどのようにお考えでしょうか。

 また、今後、自治体クラウドの積極的な導入やシステムの標準化を推進すべきと考えます。既に、神奈川県では、十四の自治体が共同でクラウド技術を導入することにより、関連経費の三〇%程度、約十五億円の経費削減につながったとの例があります。

 新藤総務大臣の見解と決意を伺います。

 住民基本台帳法の制定から約半世紀が経過します。このたびの番号制度が、新しい時代の新しい社会基盤として広く国民に浸透し、国民の理解と納得を得るためにも、関連法案の早期成立と同制度の着実な実施を図るべきであると訴え、私の質問とさせていただきます。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 高木美智代議員にお答えいたします。

 個人情報保護法制の見直しについてのお尋ねがありました。

 個人情報保護法制につきましては、消費者委員会での議論や国際的動向等も見ながら、引き続き、しっかりとした検討を進めてまいります。

 政府CIOの役割についてのお尋ねがありました。

 今回御審議いただく法案において、いわゆる政府CIOを内閣情報通信政策監として法的に位置づけることとしており、これが、政府全体の電子行政の推進等を担う司令塔として、政府のIT調達を民間企業の感覚でチェックすることにより、IT調達の透明性を高めるとともに、財政の無駄削減に貢献することとなっております。

 また、同法案において、地方公共団体への協力については、地方公共団体から協力の求めがあったときに、IT調達に関する情報提供などの協力を行うこととしております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) 高木議員からは、四問の御質問をいただきました。

 まず、通知カードと個人番号カードの利用範囲の違いと、個人番号カード取得のメリットについてお尋ねがありました。

 通知カードは、市町村長が個人番号を本人に通知する際に発行し、また、個人番号カードは、本人からの申請により、通知カードと引きかえに交付されるものであり、どちらのカードにも、住所、氏名などの情報とともに、個人番号が記載されております。

 個人番号カードには顔写真がついているため、個人番号カード一枚で本人確認と個人番号の確認を行うことができますが、通知カードには顔写真がついていないために、本人確認や個人番号の確認を行う際には、免許証など、顔写真つきの本人確認書類と併用していただく必要があります。

 また、個人番号カードは、ICチップの空き領域を活用して利用することも可能とされておりまして、利便性の向上に資するものと考えられます。

 次に、個人番号の利用範囲の拡大についてお尋ねがありました。

 個人番号の利用範囲につきましては、民間でも幅広く利用できるようにすることが国民の利便性に資するものとの御意見がある一方で、プライバシー保護等の面から、幅広く利用することを懸念する御意見もあることから、まずは、社会保障分野、税分野などに利用範囲を限定しております。

 番号法の附則におきましては、法施行後三年をめどとして、個人番号の利用範囲等の拡大に関して、法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときには、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずることとしております。

 将来的な、個人番号の幅広い行政分野や民間での利用につきましては、この法律の規定に基づき、国民の理解を得つつ、適切に対応してまいります。

 次に、国民の情報リテラシー向上の取り組み及び情報弱者に対する配慮についてのお尋ねがありました。

 国民一人一人の情報リテラシーの資質を向上させることは重要であると考えておりまして、教育活動、広報活動等を通じて、番号制度の利用に関する国民の理解を深めるとともに、関係機関と連携をしまして、国民の情報リテラシーの向上に向けた取り組みを推進してまいります。

 また、情報弱者への対応につきましては、公的機関にインターネット端末を設置し、住民が利用できるような環境整備を図るとともに、任意代理人によるマイポータルへのアクセスを可能とするなど、適切に対応してまいります。

 最後に、制度導入の費用対効果についてのお尋ねであります。

 社会保障・税番号制度の導入に係る費用として、現時点で、新規にシステム開発を要する個人番号の付番関係システムや情報提供ネットワークシステムの構築等に約三百五十億円を見込んでいるほか、地方自治体など、個人番号を取り扱うそれぞれの機関において既存システムの整備が必要となることから、総額で二千億から三千億程度を見込んでおります。

 一方、番号制度の効果の多くは定性的な効果であり、数値化が難しいところでありますが、複数の民間団体が行った試算によりますと、一定の前提条件のもとで、いずれも導入費用を容易に回収できる効果が見込まれております。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕

国務大臣(新藤義孝君) 高木美智代議員から、三点のお尋ねをいただいております。

 まず、災害時の対応に関連して、被災者支援のためのシステムについてお尋ねがありました。

 議員御指摘の被災者支援システムの導入は、地方公共団体が円滑に被災者支援業務を実施するために有効な先行事例であると認識をしております。

 総務省としては、災害時の支援手続の迅速かつ的確な処理と国民の負担軽減を図るため、被災者支援のための情報システムの活用などの先行事例やその導入支援策について、積極的に情報提供し、さらなる普及に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、地方公共団体における番号制度に係る関係情報システムの整備についてのお尋ねでございます。

 地方公共団体における関係情報システムの整備に当たっては、ガイドラインの提示などを行うとともに、情報提供ネットワークシステムと接続する各地方公共団体に設置予定のサーバーのソフトウエアについて、国において一括開発することとしております。

 総務省といたしましては、番号制度の導入に係る自治体の負担の軽減は重要な課題である、このように認識をしております。より効率的な整備の方策について検討してまいります。

 最後に、自治体クラウドの推進についてのお尋ねでございます。

 自治体クラウドは、クラウド技術の導入による情報システムの標準化及び住民サービスの向上を図ることを目的としており、番号制度の効率的な導入の観点からも、有効な取り組みと認識しております。

 総務省といたしましては、複数の地方公共団体が共同でクラウドに移行する取り組みに対して地方財政措置を講ずるなど、全国展開に向けた取り組みを推進しております。また、こうした取り組みを今後とも加速してまいりたいと存じます。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 青柳陽一郎君。

    〔青柳陽一郎君登壇〕

青柳陽一郎君 みんなの党の青柳陽一郎です。

 私は、ただいま議題となりましたマイナンバー四法案に対し、みんなの党を代表して質問いたします。(拍手)

 みんなの党は、税と社会保険料の一体改革を訴えています。

 税と社会保険料の一体改革とは、すなわち、徴収漏れの防止と、収入の増加、社会保険料支払い額上限の撤廃、社会保険料率の統一によって、給付と負担の適正化を図ることであります。

 このたびのマイナンバー法の本来の目的は、公平な社会保障制度、税制のインフラとして、きちんとした制度を設計し、受益と負担の状況を政府と国民が正確に把握し、真に手を差し伸べるべきものに給付を充実させ、きめ細やかな社会保障をつくり上げることであります。

 マイナンバー法によって税収の着実な確保を目指すのであれば、現在複数ある税や保険料の窓口を一本化し、国民の利便性を高め、行政事務の簡素化や効率化による行政コストの削減にとどまらず、大胆な行政改革につながる歳入庁の設置を同時に進めるべきであります。既に、米国、英国初めOECD加盟国の多くが歳入庁による税と社会保障の徴収一元化を行っており、世界の潮流とも言えます。

 今般のマイナンバー導入では、こうした国民の利便性の向上、大胆な行政改革につながる視点が最も重要であるにもかかわらず、今のままでは、役所主導の中途半端な改革であると言わざるを得ません。

 マイナンバー導入と歳入庁設置について同時に進めるべきであると考えますが、安倍総理大臣の御所見を伺います。

 マイナンバーの導入に当たって、国民の間には、個人情報の国家の監視、成り済ましやサイバー犯罪など情報の不正利用、プライバシーの侵害などといった懸念が存在します。

 こうした懸念の払拭のため、新たに特定個人情報保護委員会を設置するなど、当然万全を期していることと存じますが、一般的に、官僚は、一度政策や制度を決定、導入すると変更しないという文化、前例踏襲主義、縦割り意識、無謬性を信じる傾向がありますが、国民生活にとって、リスクとリターン、メリット、デメリットを比較し、リスクやデメリットが大きいと判断すれば果断の改革を行う、逆に、制度が広く普及し国民の理解が進んだ場合には、マイナンバーの利用範囲の拡大、民間への開放が必要であると考えますが、国民の懸念の払拭と制度の普及に対する安倍総理大臣の御決意をお伺いいたします。

 今回のマイナンバーは、全く新しい番号を国民一人一人に付与することになりますが、なぜ、これまでの住基コードを使用せず、新しい番号なのか。個人番号カードも交付することになりますが、そもそも、住民基本台帳カードの普及率は数%と低迷しており、これまでの政策の総括が必要ではないでしょうか。

 国民にとって番号とカードを持つことが大変便利で、行政改革にもつながるものだと、しっかりとした説明責任を果たすことに加え、この新たな制度の導入に対し、国民に対する納得責任を果たすべきであると考えますが、甘利一体改革大臣の御見解を伺います。

 懸念されているのは、個人の所得把握についてであります。

 年間給与五百万円以下の収入について、国税局には情報がなく、市町村に情報があります。この状態を放置したまま、今後、例えば給付つき税額控除を実施した場合、低所得者ではあるが高金融資産者、利子所得者にまで給付が行われる可能性があります。こうした点についての対応がなされなければ、マイナンバー法を施行しても、引き続き所得の捕捉が税務当局によって把握できず、マイナンバー法が効率的に運用できないことになりかねません。

 また、マイナンバー法を導入し、情報のやりとりがスムーズになれば、これまで一年おくれで課税されている地方税についても、同じ年に処理することを検討し、保険料も、リアルタイムで計算する制度に改めるべきと考えます。

 このような制度の欠陥、制度の穴について、あらかじめ修正すべきと考えておりますが、甘利大臣のお考えを伺います。

 システム開発や調達について質問します。

 懸念されるのは、導入する側が目的と内容をきちんと理解せず、さまざまな思惑や中途半端な知識でシステムを導入すると、後から膨大なコストがかかってくるということです。

 今までの政府系システムの大型開発は、成功しているとは言いがたく、マイナンバー導入は、かつてないほど大がかりな事業になります。システム開発や導入に当たっては、慎重かつきちんとした管理のもと、さらに、責任を明確にした上で進めていただきたいと思います。

 今回、政府CIOを設置することが提案されておりますが、むしろ、政治のリーダーシップが極めて重要だと思います。

 山本IT担当大臣には、そういう意味で、調達担当大臣だという気概を持って進めていただきたいと思いますが、大臣のお考えをお伺いします。

 今回のマイナンバー導入に当たって、国民の皆様の懸念の払拭と、厳しい財政状況の中で莫大な費用を投じることへの説明責任、納得責任を果たすことが求められます。

 単なる役所の業務の効率化で終わらせるのではなく、大胆な行政改革につながる起爆剤として、ひいては、利用者である国民の利益の増大につながる骨太な改革が行われることを重ねて求めまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 青柳陽一郎議員にお答えいたします。

 番号制度の導入と歳入庁の設置についてお尋ねがありました。

 社会保障・税番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤であるとともに、情報化社会のインフラとして国民の利便性の向上や行政の効率化に資することから、早期に導入する必要があると考えています。

 歳入庁については、昨年成立した税制抜本改革法において、自民、公明、民主の三党合意に基づき、年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施するとされているところであります。

 政府としては、この法律の規定に基づき、年金保険料の徴収体制をどのように強化していくのか、幅広い観点から検討してまいります。

 国民の懸念の払拭と制度の普及を踏まえた対応についてお尋ねがありました。

 番号法案では、個人情報の漏えいや不正利用等への国民の懸念に対して、利用範囲の限定、第三者機関による監視、監督、情報システムへのアクセス制御や暗号化、罰則の強化等、制度面及びシステム面の両面から対策を講じることとしております。

 また、制度の普及を踏まえた個人番号の利用範囲の拡大については、番号法の附則において、法施行後三年を目途として検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講じることとしており、適切に対応してまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) お答えいたします。

 まず、個人番号に住民票コードを使用せず新しい番号を用いること、個人番号や個人番号カードを持つことについて過去の政策の総括を行うこと、説明責任についてお尋ねがありました。

 住基ネットは、稼働以来約十年間にわたり、国の行政機関等に氏名、生年月日、性別、住所等の本人確認情報を安定的に提供しており、番号制度の導入に当たっては、二重投資を避け、費用をかけずに早期に導入する観点から、既存の住基ネットのインフラを活用すべきと考えたものであります。

 また、個人番号として何を用いるかにつきましては、検討段階におきまして、一、基礎年金番号、二、住民票コード、三、住民票コードに対応した新たな番号の三つの選択肢を示し、パブリックコメントによりまして国民の御意見を伺った上で、住民票コードに対応した新たな番号といたしました。

 さらに、一つの番号のみではさまざまな個人情報を芋づる式に引き出せない情報連携の仕組みを構築し、また、個人番号が悪用された場合などに個人番号の変更を容易に行うために、住民票コードは個人番号や連携符号のもとになる番号とすることが望ましいと考えたものであります。

 個人番号カードにつきましては、本人確認や個人番号を確認する際に利用されること、また、マイポータルにアクセスする際の認証に利用されることから、住基カードに比べて利用場面が拡大をし、個人番号カードの取得による国民の利便性向上が図れると考えております。

 番号制度の導入に当たっては、さらなる国民の理解と納得を得られるよう、広報活動に注力してまいります。

 次に、番号制度の導入に合わせた既存の制度の見直しについてお尋ねがありました。

 番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤であるとともに、情報化社会のインフラとして早期に導入する必要があると考えております。

 一方、税制や社会保障制度の見直しにつきましては、それぞれ個別の制度を所管する府省において個別に検討されるべきものと考えております。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣山本一太君登壇〕

国務大臣(山本一太君) マイナンバー導入に伴うシステム開発や調達についてのお尋ねがありました。

 社会保障・税番号制度に関するシステム整備については、複数府省にまたがることから、政府全体としてのIT投資の最適化や情報システムの相互運用性等を確保し、府省間の緊密な連携を図ることが重要と考えております。

 IT担当大臣としても、甘利大臣を初めとする関係大臣と十分に連携をし、各府省に対し高度な総合調整を行う権限等を法制化する政府CIOが十分に司令塔機能を発揮できるようバックアップし、社会保障・税番号制度に関するシステムの円滑な整備に向けて尽力してまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 赤嶺政賢君。

    〔赤嶺政賢君登壇〕

赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表して、税・社会保障共通番号関連法案について質問をいたします。(拍手)

 共通番号法案は、そもそも、マイナンバー法案として、民主党政権によって提案されたものであります。

 民主党政権は、消費税増税に伴う弱者対策として給付つき税額控除の導入を掲げ、そのためには、マイナンバー、共通番号による所得の正確な把握が必要だと説明したのであります。

 ところが、今回、法案を提出した自公政権からは、そうした説明さえありません。もとより、我々は、弱者対策を言うのなら消費税増税こそ中止すべきだと主張してきましたが、一体、何のための共通番号制度ですか。総理の明確な説明を求めます。

 共通番号制度のメリットとして、所得の正確な把握が言われますが、海外での蓄財などは、共通番号を導入しても把握されないのではありませんか。共通番号制度の導入によって、どのように所得の把握が向上するのですか。

 また、社会保障の分野では、家計の医療費や介護費などの一定額以上の自己負担を軽減する総合合算制度の拡充を挙げていますが、どの程度拡充する計画ですか。

 現行の総合合算制度は、共通番号なしに運営され、窓口での軽減も可能になっています。自己負担軽減の拡充になぜ共通番号の導入が必要なのですか。明確な答弁を求めます。

 今回の法案で導入しようとしている税・社会保障共通番号制度と同じような共通番号を導入しているアメリカでは、深刻な成り済ましの被害が指摘されています。その犠牲者は、二〇〇六年から二〇〇八年の二年間で約一千万人に上り、損害額は年間五百億ドルとも言われております。

 我が国でも、共通番号制度を導入すれば、アメリカと同様に、深刻な被害が生じるのではありませんか。

 アメリカでは、こうした事態から、番号の利用範囲を限定する取り組みを始めているのではありませんか。国防総省は、共通番号を個人番号として使用するのをやめ、独自の番号の使用を開始したと聞いています。どのように認識しておりますか。

 世界では、さまざまな番号制度が存在しています。ドイツは、税分野に限定しており、オーストリアは、行政ごとに異なる個人識別番号を導入しています。日本でも、年金基礎番号のように、個別分野で管理しています。

 共通番号のように、税から社会保障まで多くの個人情報を一つの番号で管理すれば、深刻な個人情報の漏えいや成り済まし犯罪などの危険性が高まるのは当然ではありませんか。総理の見解を求めます。

 共通番号の利用拡大の問題です。

 法案は、共通番号の使用に一定の限定をかけていますが、経団連など経済団体は、民間企業への開放を求めています。

 診療内容にかかわる医療データなどは今回の法案では利用範囲から外れていますが、一旦導入すれば、こうしたセンシティブな個人情報への利用拡大を行わないという保証はあるのですか。また、さまざまな民間事業者に共通番号の利用を開放していくことを考えているのではありませんか。

 今後、利用範囲を拡大すれば、個人情報漏えいなどの危険が高まるのは必至であります。

 さらに、共通番号のネットワークシステムの構築は、IT箱物とも言われ、際限のない財政支出が指摘されています。法案が予定するネットワークシステムの構築費用、その後の更新・拡大費用は一体どのくらいになるのか、国民に示すべきであります。

 以上、明確な答弁を求めます。

 最後に、本法案は、今後の国民生活に広く深くかかわる法案であり、徹底かつ慎重な審議が不可欠であることを強調して、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 赤嶺政賢議員にお答えをいたします。

 番号制度導入の理由についてお尋ねがありました。

 社会保障・税番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤であるとともに、情報化社会のインフラとして国民の利便性の向上や行政の効率化に資することから、早期に導入する必要があると考えています。

 個人情報の保護についてお尋ねがありました。

 番号法案では、個人情報の漏えいや不正利用等への国民の懸念に対して、利用範囲の限定、第三者機関による監視、監督、情報システムへのアクセス制御や暗号化、罰則の強化等、制度面及びシステム面の両面からの対策を講じることとしています。これにより、個人情報の保護に万全を期してまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) 赤嶺議員からは、六問の質問がありました。

 まず、番号制度の導入による所得把握の向上についてのお尋ねであります。

 番号制度を導入することにより、社会保障分野、税分野のそれぞれにおいて、個人番号または法人番号を用いて各種資料情報等の名寄せやマッチングが効率的かつ正確に行われ、かつ、機関を超えて相互に情報を連携できるようになることから、社会保障・税分野全体を通じて、現状に比して、より正確な所得把握が可能となるものと考えております。

 次に、総合合算制度についてのお尋ねであります。

 税制抜本改革法では、消費税率の引き上げを見据え、低所得者に配慮する観点から、一、番号制度の稼働と定着を前提に、二、関連する社会保障制度の見直し等とあわせて、総合合算制度等の低所得者対策を検討することとされております。

 総合合算制度とは、現行の医療、介護の合算制度に加えて、保育料等を含めた世帯の自己負担に一定の上限を設けようとするものであります。

 この制度を実現するには、例えば、制度の利用者は、各種社会保障サービスの窓口全てに申請するのではなく、できる限りワンストップでの申請を可能とすること、また、申請者の所得等の正確な把握に加え、医療、介護、保育等、各種サービスの利用に伴う自己負担の状況を制度横断的に把握することなどが必要となります。

 このため、番号制度の稼働と定着によって、必要な情報を円滑に把握できる基盤が整うことを制度導入の前提としているものであります。

 次に、成り済まし被害への懸念についてお尋ねがありました。

 アメリカにおいては、本人確認が番号のみによって行われたり、番号に、従来、利用制限が設けられていなかったりしているものと聞いておりまして、こうしたことが成り済ましの事例の発生に影響したのではないかと考えております。

 番号法案では、成り済まし被害が発生しないように、個人番号の利用範囲を法律に限定的に規定した上で、個人番号の利用に当たっては、個人番号カード等で本人確認を行うなど、必要な措置を講ずることとしております。

 次に、米国における番号の利用に関するお尋ねがありました。

 米国におきましては、社会保障番号が行政事務の広い範囲で利用されるほか、民間においても広く利用されており、成り済ましなどによる被害が生じていることから、利用範囲の限定、不必要な収集の禁止、罰則の新設などの動きがあると認識をしております。

 これらの状況も踏まえ、番号法におきましては、利用範囲を社会保障、税及び災害対策に関する事務のうち法律に規定したものに限定しているほか、個人番号を含む個人情報の収集、保管、提供、ファイル作成を制限し、また、罰則の強化、独立性の高い特定個人情報保護委員会の新設などの保護措置を講ずることとしております。

 次に、個人番号の利用拡大に係るお尋ねがありました。

 番号法の附則におきましては、法施行後三年をめどとして、個人番号の利用範囲等の拡大に関して、法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときには、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずることとしております。

 将来的な、個人番号の幅広い行政分野や民間での利用につきましては、この規定に基づき、適切に対処してまいります。

 最後に、法案が予定するネットワークシステムの構築費用等についてお尋ねがありました。

 社会保障・税番号制度の導入に係る費用として、現時点で、新規にシステム開発を要する個人番号の付番関係システムや情報提供ネットワークシステムの構築等に約三百五十億円を見込んでいるほか、個人番号を取り扱うそれぞれの機関において既存システムの整備が必要となることから、総額で二千億から三千億円程度を見込んでおります。

 その後の更新費用等につきましては、実際に調達したシステムや拡張の必要性等により、大きく変わるものと考えております。

 以上です。(拍手)

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副議長(赤松広隆君) 村上史好君。

    〔村上史好君登壇〕

村上史好君 生活の党の村上史好です。

 私は、生活の党を代表して、ただいま議題となりました、いわゆるマイナンバー法案について質問をさせていただきます。(拍手)

 本法案は、民主党政権時代の消費税増税、税と社会保障の一体改革の一つの手段として出てきた法案であり、民主党のマニフェストでは、歳入庁の創設とセットでありました。また、消費税増税の議論では、低所得者への配慮のための給付つき税額控除制度導入の前提であるという話でありました。

 ところが、歳入庁の創設はなく、番号制度だけが残っているという、全く不思議な事態であります。

 そして、もう一方の低所得者対策につきましても、現在の自公政権では軽減税率の導入で一致をしており、この点からも、マイナンバー導入の理由、根拠がなくなっているのではないでしょうか。

 まず、この点についての認識をお伺いいたします。

 確かに、今申し上げた当初の法案の目的、趣旨とは違って、今回の提出理由では、単に行政事務の効率化と国民の利便性の向上を目的にしております。

 昨年、民主党政権下で出されたものには、大きな制度改革の流れの中で、その位置づけがある意味明確でありましたが、現在、税と社会保障の一体改革の論議は結論までにまだ時間がかかり、歳入庁設置は影も形も見えない状況の中で、なぜマイナンバー制度だけが出てくるのでしょうか。

 改めて、今このマイナンバー制度を導入しなければならない理由は何か、そして、差し迫った国民のニーズがあるのか、そのことをお答えいただきたいと思います。

 番号制度というと、国民の多くの方々の頭に浮かぶのは、住基ネット、住基カードであります。

 住基ネットは、平成十年の第百四十二回通常国会に初めて提出をされ継続審議、百四十三、百四十四回の国会でも継続審議となり、第百四十五回通常国会でようやく成立をいたしました。

 このときは、国民的な規模での議論が巻き起こり、違憲訴訟にまで至っております。大阪高裁では違憲判決、最高裁では合憲判決と、異なった判例が出されております。

 その結果として、現在に至るまで、住基ネットは国民の支持を得ることができておりません。現に、総務省によりますと、住基カードの発行率は国民全体の五%にとどまっております。

 このような現状のままで新たにマイナンバー制度を導入する意味、国民の拒否反応をどのように受けとめ、判例を含めて、今回の法案にどう反映されているのか、お答えください。

 また、住基ネット導入では、導入経費として約三百九十一億円かけ、ランニングコストは毎年約百三十億円かかっております。費用対効果は一体どうなっているのでしょうか。事務の効率化は数字であらわすことができますが、国民の利便性向上は、数字であらわすことはできないのではないでしょうか。

 IT公共事業などと、やゆする言葉も生まれました。

 今回のシステム導入には約五千億円、年間の運用費には約三百五十億円必要という政府の試算もあります。このような巨額の投資にまさるだけの、国民にとってのメリットが本当にあるのか、今回のマイナンバー制導入の費用対効果はどのようなものなのか、明確にお答えください。

 最後に、国民の皆さんが最も懸念をされているのは、個人情報保護の問題でございます。

 高度情報化社会の中で、毎日、ネット関連の事件が発生しております。総務省所管の情報通信研究機構の調べでは、昨年の日本の政府機関や企業などを対象とした国内外からのサイバー攻撃は約七十八億件に上っております。同機構の分析によると、その手口も遠隔操作など巧妙になっており、攻撃も多様化しているということであります。

 このような社会では、自分の知らない間に知らないところで個人情報が漏えいする事態が多発し、いつの間にか、事件に巻き込まれ、個人情報が流れる。それが、国民の不安を増大する状況であるということ。

 そして、サイバー攻撃とセキュリティーとはイタチごっこを繰り返しています。きょうの安全は、あしたには陳腐化してしまう世界であります。

 国民が最も懸念する個人情報の保護について、絶対の安全はあり得るのか、国民の懸念を払拭できるような安全対策になっているのか、それをお答えください。

 いずれにしましても、論点、問題点は山ほどあります。このマイナンバー法案は、住基ネット導入に倣って、慎重で十分な審議が求められます。細部にわたるまで審議を尽くし、国民の皆さんの論議にたえるものでなければなりません。

 具体的内容についての質問は委員会審議に譲り、以上、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 村上史好議員にお答えをいたします。

 番号制度導入の理由、根拠についてお尋ねがありました。

 社会保障・税番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤であるとともに、情報化社会のインフラとして国民の利便性の向上や行政の効率化に資することから、早期に導入する必要があると考えています。

 個人情報の保護についてお尋ねがありました。

 番号法案では、個人情報の漏えいや不正利用等への国民の懸念に対して、利用範囲の限定、第三者機関による監視、監督、情報システムへのアクセス制御や暗号化、罰則の強化等、制度面及びシステム面の両面から対策を講じることとしております。これにより、個人情報の保護に万全を期してまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) お答えいたします。

 番号制度導入の理由についてお尋ねがありました。

 社会保障・税番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤となるとともに、情報化社会のインフラとして国民の利便性の向上や行政の効率化に資することから、早期に導入する必要があると考えております。

 次に、住民基本台帳ネットワークシステムの現状を踏まえた対応についてお尋ねがありました。

 いわゆる住基ネットは、平成十四年八月以来、約十年間にわたり、国の行政機関等に氏名、生年月日、性別、住所等の本人確認情報を安定的に提供しているものと承知しております。

 また、番号制度導入に当たっては、住基ネットに関する最高裁判所合憲判決の趣旨を踏まえ、個人情報を一元的に管理せず分散管理することや、利用範囲を法律に規定すること、第三者機関を設置し監視、監督を行うこと等の対応を行っております。

 最後に、制度導入の費用対効果についてお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、システムの構築等に約三百五十億、総額で二千億から三千億円程度を見込んでおります。

 一方、番号制度の効果の多くは定性的な効果でありまして、数値化が難しいところでありますが、複数の民間団体が行った試算によれば、一定の前提条件のもとで、いずれも導入費用を容易に回収できる効果が見込まれております。

 以上です。(拍手)

副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十九分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   安倍 晋三君

       財務大臣     麻生 太郎君

       総務大臣     新藤 義孝君

       外務大臣     岸田 文雄君

       厚生労働大臣   田村 憲久君

       農林水産大臣   林  芳正君

       経済産業大臣   茂木 敏充君

       国土交通大臣   太田 昭宏君

       国務大臣     甘利  明君

       国務大臣     山本 一太君

 出席内閣官房副長官及び副大臣

       内閣官房副長官  加藤 勝信君

       内閣府副大臣   西村 康稔君

       総務副大臣    坂本 哲志君


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