衆議院

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第15号 平成27年4月14日(火曜日)

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平成二十七年四月十四日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十号

  平成二十七年四月十四日

    午後一時開議

 第一 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)

 第二 株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第三 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案(内閣提出)

 第四 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)

 日程第一 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)

 日程第二 株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案(内閣提出)

 日程第四 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(町村信孝君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(町村信孝君) この際、御紹介申し上げます。

 ただいまドロタ・アルチシェフスカ=ミエレフチク・ポーランド共和国下院議員団団長御一行が外交官傍聴席にお見えになっておりますので、諸君とともに心から歓迎申し上げます。

    〔起立、拍手〕

     ――――◇―――――

議長(町村信孝君) お諮りいたします。

 参議院から、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案が回付されております。この際、議事日程に追加して、右回付案を議題とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(町村信孝君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。

    ―――――――――――――

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)

議長(町村信孝君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。

    ―――――――――――――

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の参議院回付案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 採決いたします。

 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(町村信孝君) 御異議なしと認めます。よって、参議院の修正に同意することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第一 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)

議長(町村信孝君) 日程第一、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長渡辺博道君。

    ―――――――――――――

 独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔渡辺博道君登壇〕

渡辺博道君 ただいま議題となりました独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、平成二十五年十二月に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針等に基づき、厚生労働省所管の独立行政法人に係る改革を推進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、独立行政法人勤労者退職金共済機構が行う中小企業退職金共済業務における業務上の余裕金の運用に関する業務の適正な運営を図るため、同機構に資産運用委員会を置くこと、

 第二に、独立行政法人福祉医療機構が行う福祉貸付事業及び医療貸付事業について金融庁による検査を行うこととすること、また、同機構は、承継債権管理回収業務において回収した債権の元本の金額を定期的に年金特別会計に納付しなければならないものとすること、

 第三に、独立行政法人労働安全衛生総合研究所と独立行政法人労働者健康福祉機構を統合して、独立行政法人労働者健康安全機構とし、その業務に、化学物質の有害性の調査の業務を追加すること、

 第四に、独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事数を一人削減すること、

 第五に、年金積立金管理運用独立行政法人に、年金積立金の管理及び運用の業務を担当する理事一人を置くこと

等であります。

 本案は、去る三月二十六日本委員会に付託され、翌二十七日塩崎厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、四月一日から質疑に入り、七日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 討論の通告があります。順次これを許します。中島克仁君。

    〔中島克仁君登壇〕

中島克仁君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案に対して、反対の立場で討論を行います。(拍手)

 本法案に反対する理由は、本法案で扱われているGPIFに関して重大な問題があるからです。

 安倍政権は、GPIFに対し、成長戦略である日本再興戦略において、年金積立金の運用の見直しを求めてきました。そして、昨年十月、塩崎厚生労働大臣は、年金積立金を運用する基本ポートフォリオを見直し、国内株式と外国株式の比率を倍増させて、それぞれ二五%に引き上げることを認可いたしました。

 これまで安全資産とされてきた国内債券中心の運用から、リスクの高い株式の割合を急激に高める変更を行ったことにより、国民の財産である年金積立金が毀損しかねません。仮に、年金積立金が大きく毀損してしまうようなことがあれば、国民の年金制度に対する信頼は損なわれてしまいます。

 政府は、ことし一月、民主党の同僚議員の質問主意書に対して、今般の新たな運用方針をリーマン・ショックのあった二〇〇八年度の運用利回りに当てはめた場合、約二十六兆二千億円の赤字になるとの答弁書を閣議決定いたしました。二〇〇八年度の実際の赤字額は約九兆三千億円です。したがって、政府の試算によれば、今般の運用方針の見直しによって約十七兆円も多く年金積立金が失われてしまうということになります。

 年金積立金が毀損した場合、厚生労働大臣やGPIFが責任をとるわけではなく、結局は被保険者や年金受給者が被害をこうむることになります。にもかかわらず、このようにリスクが高まることを被保険者や年金受給者にきちんと説明していないことは大問題です。

 国民の貴重な財産である年金積立金を、被保険者にきちんと説明もしないままに、成長戦略の延長線上で株価対策に投じてリスクにさらすことは断じて許せません。

 私たちには、国民の財産を使って株価をつり上げ、アベノミクスへの評価、さらには安倍政権の支持率を保とうと年金積立金の流用を行っているとしか思えません。

 塩崎厚生労働大臣は、GPIFについて、運用の改革とガバナンスの改革は車の両輪だと述べております。であるならば、速やかに、運用方針の変更に見合ったGPIFのガバナンス改革を行うべきです。

 民主党は、本法案の審議入りに当たり、GPIFのガバナンス改革の法案を提出するのかどうか明確にするように厚生労働省に求めてまいりました。しかし、塩崎大臣は、何とも申し上げられないなどと、のらりくらりとした答弁に終始し、ガバナンス改革のめどは全く立っておりません。

 また、一月に就任した最高投資責任者である水野理事が一度も国会に来ないで、何の説明もないまま、既に国民の財産である百三十兆円の積立金を運用している現状は、明らかに国民軽視、国会軽視と言わざるを得ません。

 本法案も、GPIFの理事を一人追加する、GPIFの法律上の主たる事務所の所在地を変更するという、誰が見てもガバナンス改革とは言えない、極めて不十分な内容です。びほう策にすぎない本法案には断固反対です。

 最後に、高齢者の生活の糧である年金を守るためには、被保険者の利益、確実性を考慮し、年金積立金の株式運用倍増をやめ、堅実で最適な運用を目指すべきであることを強く訴え、私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(町村信孝君) 浦野靖人君。

    〔浦野靖人君登壇〕

浦野靖人君 私は、維新の党を代表して、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案に反対する立場から討論を行います。(拍手)

 政府は、本法案の提案の理由を、厚生労働省所管の独立行政法人について、組織や業務の見直しを進めるための基本的な方針によって、法人の統合や役員数の変更等の所要の措置を講ずるためとしています。

 しかしながら、その内容は、単なる看板のかけかえや改革のポーズと批判されかねない点が含まれています。

 まず、労働者健康福祉機構と労働安全衛生総合研究所の統合についてです。

 統合の目的は、二つの法人の機能を有機的に統合し、予防、治療、職場復帰支援の総合的な展開をするためとのことです。

 ところが、この新法人には、まだ事業計画さえありません。委員会での政府答弁では、独法は法律に基づいて設置されるもので、新法人の業務がまだ法律で決まっていないから、事業計画も立てられないとのことです。それなら、二法人統合前に、新法人の業務等を法案に最初から盛り込むのが筋ではないでしょうか。

 そもそも、労働健康福祉機構については、財務上、経営上の疑問や懸念を感じます。繰越欠損金は四百二十億円にも上り、その責任は誰もとっておらず、これから追及する予定もないそうです。一方で、現預金が一千億円以上もあり、その使い道は、政府にただして初めて多少の内訳がわかる程度です。本来、独法自身がみずから詳細に公開するべきです。そもそも、流動資産の保有や繰り越しについては、非営利であるならば、事前に厳しいルールを定めるべきです。

 不動産では、例えば、鹿島労災病院の看護師宿舎は、百四十戸中九十戸、半分以上が未使用ですが、減損処理もしていません。委員会で聞いても、医師も看護師もこれからだんだんふやしますとしか答えない。減損処理された保養施設の水上荘等も含め、これまでの不動産投資への総括と今後の方針を明確化すべきです。

 やはり新法人について、事業計画がしっかりしていなければ、今後も、国民の納得が得られる経営は期待できないでしょう。

 次に、福祉医療機構への金融庁検査導入についてです。

 貸付事業を行っているのですから、金融庁の検査が入るのは当たり前です。問題は、むしろ、政策金融がいまだに集約されず、民営化も進まず、各役所の機関が独自に貸付事業を続けていることです。社会福祉法人や医療法人には民間の金融機関も貸せるのであり、民業圧迫であり、厚生労働省の独法による貸付事業の必要性自体を見直すべきです。この点で、本法案の改革は不十分と考えます。

 最後に、GPIFについて、塩崎厚生労働大臣が当初明言していた組織改革が結局は実現をしていません。

 昨年十月三十一日の基本ポートフォリオ変更で、株式保有割合を二割以上に引き上げた際、大臣は、運用改革とガバナンス改革は車の両輪として、ガバナンス強化の方針を打ち出しました。

 しかし、この法案では、理事を一名追加するだけという竜頭蛇尾に終わっています。国民の年金資産を運用する機関の方針について、十分な体制が整っているとは考えられません。

 以上の理由から、維新の党は本法案に反対します。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(町村信孝君) 堀内照文君。

    〔堀内照文君登壇〕

堀内照文君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案に反対の討論を行います。(拍手)

 本法案に反対する第一の理由は、労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構が統合を機に一層の合理化、効率化を迫られ、労働者の健康、安全を守るという重要な役割を阻害されることです。

 長時間過密労働による精神疾患、健康障害、過労死、過労自殺は一向に減らず、重大労災事故が高どまりするなど、労働者の健康、安全は深刻な状況です。

 労働安全衛生総合研究所は、理工学、医学、健康科学等さまざまな観点から、労災防止の調査研究を総合的、専門的に行っています。労働者健康福祉機構は、労災疾病に対する予防、治療、リハビリテーションから職場復帰に至るまで一貫した高度専門医療の提供等を担っており、両法人の機能強化こそ必要です。

 しかし、労働者健康福祉機構の中期目標は、統合メリットを発揮するための事務事業の見直し、労災病院の譲渡や財務状況改善のための運営体制の見直しなどを挙げています。統合により、両法人の役割が強化される保証などどこにもありません。数合わせのための統合と言わざるを得ないのであります。

 第二に、年金や中小企業の退職金といった、老後を保障する国民の資金を投機的な運用に投げ込み、高リスクにさらそうとしています。

 勤労者退職金共済制度は、運用の基本方針の審議も事後評価も、大臣が任命した資産運用委員会が担うことになります。資産運用に関する権限を集中する一方、積み立てる側の労使から、人選や決定に異議を申し立てることはできません。

 年金積立金管理運用独立行政法人は、年金積立金の運用を見直し、国債比率を引き下げる一方、株式比率を倍加するとしています。新たに運用の専門理事を配置することは、株式運用を進めるための体制整備そのものです。

 変動が激しい株式市場での資金運用拡大は、積立金を大きなリスクにさらすものです。損失が出れば、そのツケは、退職金や年金削減、保険料の引き上げとなって国民に押しつけられます。巨額の積立金を株式市場に投じ、安定運用の原則を棚上げにすることは許されません。

 以上、討論を終わります。(拍手)

議長(町村信孝君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(町村信孝君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(町村信孝君) 日程第二、株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長江田康幸君。

    ―――――――――――――

 株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔江田康幸君登壇〕

江田康幸君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地域の経済、雇用の担い手である中小企業者の持続的な発展を支えるための環境整備が重要であるとの認識のもと、中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、株式会社商工組合中央金庫法を改正し、商工組合中央金庫に危機対応業務の実施を義務づけることとし、その的確な実施のため、政府が同金庫について、当分の間、必要な株式を保有すること、

 第二に、中小企業信用保険法を改正し、中小企業者と同様に事業を行う特定非営利活動法人を中小企業信用保険の対象とすること

等であります。

 本案は、去る三月二十六日本委員会に付託され、翌二十七日に宮沢経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、四月一日に質疑を行い、質疑を終局いたしました。八日に討論、採決を行った結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(町村信孝君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案(内閣提出)

議長(町村信孝君) 日程第三、緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長土屋品子君。

    ―――――――――――――

 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔土屋品子君登壇〕

土屋品子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 緑の気候基金は、国連気候変動枠組み条約の資金供与の制度の運営を委託された多国間基金であり、開発途上国の温室効果ガス削減と気候変動への適用を支援することを目的とするものであります。

 本案は、緑の気候基金に対する我が国からの拠出及びこれに伴う措置について定めるものであり、その主な内容は、

 第一に、政府は、緑の気候基金に対し、予算で定める金額の範囲内において、本邦通貨により拠出することができること、

 第二に、政府は、緑の気候基金に対して拠出する本邦通貨の全部または一部を国債で拠出することができること

等であります。

 本案は、去る三月三十一日外務委員会に付託され、翌四月一日岸田外務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。八日に質疑を行い、引き続き採決を行った結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(町村信孝君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(町村信孝君) 日程第四、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長古川禎久君。

    ―――――――――――――

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔古川禎久君登壇〕

古川禎久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、株式会社日本政策投資銀行の完全民営化の方針を維持しつつ、危機対応及び成長資金の供給に対し日本政策投資銀行の投融資機能を活用するため、所要の措置を講ずるものであります。

 本案は、去る三月三十一日当委員会に付託され、四月一日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取し、十日、質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(町村信孝君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(町村信孝君) この際、内閣提出、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣塩崎恭久君。

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 我が国は、誰もが安心して医療を受けることができる世界に誇るべき国民皆保険を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきました。しかしながら、急速な少子高齢化など大きな環境変化に直面している中、将来にわたり医療保険制度を持続可能なものとし、国民皆保険を堅持していくためには、たゆまぬ制度改革が必要であります。

 これを踏まえ、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、持続可能な医療保険制度を構築するため、国民健康保険の財政支援の拡充や財政運営責任の都道府県への移行等による医療保険制度の財政基盤の安定化、被用者保険者に係る後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入、医療費適正化の推進を行うほか、患者申し出療養の創設の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、国民皆保険を支える重要な基盤である国民健康保険制度の安定的な運営が可能となるよう、国民健康保険への財政支援の拡充を行うことにより、財政基盤を強化することとしています。また、都道府県が、市町村とともに国民健康保険の運営を担い、国民健康保険の財政運営の責任主体として、安定的な財政運営や効率的な事業の確保などの事業運営において中心的な役割を担うことにより、国民健康保険制度の安定化を図ることとしております。

 第二に、後期高齢者支援金について、より負担能力に応じた負担とし、被用者保険者相互の支え合いを強化するため、被用者保険者の後期高齢者支援金の額の全てを標準報酬総額に応じた負担とするとともに、高齢者医療への拠出金負担の重い保険者の負担を軽減する措置を拡充することとしています。

 第三に、医療費適正化の取り組みを実効的に推進するため、医療費適正化計画において、医療に要する費用についての目標を定めるとともに、毎年度の進捗状況を公表し、目標と実績に差がある場合には、その要因を分析し、必要な対策を講ずることとしています。

 第四に、困難な病気と闘う患者からの申し出を起点として、安全性及び有効性を確保しつつ、高度な医療技術を用いた医療を迅速に保険診療と併用して行うことができるよう、新たな保険外併用療養費制度として患者申し出療養を創設することとしています。

 以上のほか、全国健康保険協会に対する国庫補助率の安定化、入院時食事療養費の見直し等を行うこととしています。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十年四月一日としています。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(町村信孝君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。三ッ林裕巳君。

    〔三ッ林裕巳君登壇〕

三ッ林裕巳君 自由民主党の三ッ林裕巳です。

 私は、自由民主党を代表して、塩崎厚生労働大臣の、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案趣旨説明に対し、質問いたします。(拍手)

 誰もが保険証一枚で適切な医療を受けることができる我が国の国民皆保険は、世界に誇るべき仕組みであり、これまで、国民皆保険のもと、現場の医療従事者の献身などにより、多くの国民の命と健康が守られ、安心で健康的な国民生活が支えられてきたものと思います。昭和三十六年にできたこの国民皆保険を次世代にしっかりと引き継いでいくことは、我々の責務であると考えます。

 少子高齢化が進展し、経済情勢が変化していく中で、国民皆保険を堅持していくためには、社会保障・税一体改革により、消費税率を引き上げ、社会保障の安定財源を確保した上で、給付の適正化と社会保障の充実、安定化に取り組んでいく必要があると思いますが、まずは、厚生労働大臣に、国民皆保険を守る決意と、そのための取り組みについてお伺いいたします。

 次に、今回の医療保険制度改革においては、ほかの医療保険に加入していない方を受け入れ、国民皆保険を支える最後のとりでとなっている国民健康保険を立て直すことが重要であると考えます。

 これまで、市町村からは、被保険者の年齢構成が高く、医療費が高い一方で、所得水準が低くなっており、国保財政が非常に厳しいという声を数多くお聞きしてきました。市町村の法定外の一般会計繰り入れも、全国で三千五百億円の規模となっております。

 今回の改革では、国保の財政基盤を強化するため、国保への財政支援を大幅に拡充することとしており、全国の市町村から国保改革の早急な実現を求める要望をいただいておりますが、具体的に、国保に対してどのような財政支援を行うこととしているか、お聞かせください。

 また、今回の国保改革においては、初めて都道府県が国保の運営主体に加わることになります。

 昨年度の通常国会において医療介護総合確保推進法が成立し、地域において、急性期から回復期、在宅医療に至るまで必要な医療を総合的に確保し、住民が住みなれた地域で安心して暮らしていくことができるよう、今年度から都道府県が地域医療構想を策定するなど、病床機能の分化、連携、在宅医療の推進、地域包括ケアシステムの構築を進めているところです。

 このような中、地域医療構想を含む医療計画を策定する主体である都道府県が、国保の保険者としての役割も担うことは画期的であると考えますが、都道府県にどのような役割を期待しているのか、答弁をお願いいたします。

 また、高齢化の進展や医療の高度化等により、医療費が毎年一兆円程度伸び続ける中で、現役世代の負担が過重なものとならず、活力ある社会を維持するためにも、健康寿命を延伸することにより、結果として、医療費の伸びを抑えることが重要であると考えます。

 このため、年をとってもできる限り健康に生活できるよう、若いうちから予防や健康づくりに取り組む自助努力を支援し、自助自立のための環境を整備していく必要があると思います。

 私は、医師として、医療現場に携わる者として、医科歯科連携を強力に取り組む必要があると思います。

 特定健診の受診率の向上、さらに、歯周病疾患が糖尿病の悪化を進めていることは証明されており、歯周病も含めた歯科健診を推進していくことが、健康寿命の延伸に効果的だと考えます。

 今回の改革では、個人レベル、保険者レベルで、予防、健康づくりのための活動が積極的に行われるよう支援する仕組みを設けることとしておりますが、今回の改革で、国民の予防、健康づくりにどのように取り組むこととしているのか、お伺いいたします。

 一方で、国民の予防、健康づくりを進めたとしても、高齢化の進展等により、医療に係る国民の負担が増大することは避けられないものと考えます。

 このような中、将来にわたり医療保険制度を持続可能なものとするためには、負担に納得感が得られる制度とすることが重要であり、負担の公平化の観点から、負担能力のある方には一定の御負担をお願いすることも必要となります。

 しかしながら、その場合には、低所得の方に必要な配慮を行うことは当然のこととして、その内容を国民に丁寧に説明していく必要があると考えます。

 今回の改革においても、入院時の食事代の見直し、標準報酬月額の上限の引き上げなど、国民の負担増と言われている項目がありますが、国民の皆様にその趣旨を説明するようお願いいたします。

 国民皆保険の堅持のため、政府・与党で十分な議論を行い、一丸となって支えてまいりますことを申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 三ッ林議員からお尋ねをいただきました。

 国民皆保険についてのお尋ねがまず第一でございます。

 高齢化が進展する中、今後も国民が安心して必要な医療を受けられるよう、国民皆保険を堅持していくことは重要な課題でございます。

 このため、国保を初めとする医療保険制度の財政基盤の安定化、負担の公平化、医療費適正化の推進等、給付と負担の均衡がとれた制度となるよう、改革に取り組んでまいります。

 また、社会保障・税一体改革により、平成二十九年四月から消費税引き上げを実施し、社会保障の充実、安定化を図ることとしております。

 こうした一連の改革を通じて、将来にわたり国民皆保険を堅持してまいります。

 国保に対する財政支援についてのお尋ねがございました。

 国保は、さまざまな構造的な課題を抱え、厳しい財政状況にあることから、今回の改革において、毎年三千四百億円の追加的な財政支援を行い、財政基盤を強化することとしております。

 具体的には、平成二十七年度から、低所得者が多く加入する保険者への財政支援を千七百億円拡充します。

 さらに、平成三十年度以降、千七百億円を上乗せし、医療費適正化等に取り組む自治体や子供の多い自治体等に対する支援など、自治体の実情を踏まえた財政支援を行います。

 国保改革後の都道府県の役割についてのお尋ねがございました。

 今回の国保改革によりまして、平成三十年度から、都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、国保運営に中心的な役割を担うこととしております。

 これらの役割と地域医療構想の策定等の役割をあわせて、都道府県が、医療保険と医療供給体制の両面を見ながら地域の医療の充実を図り、効率的かつ質の高い医療を提供できるよう取り組んでいただきたいと考えております。

 予防、健康づくりの取り組みについてのお尋ねがございました。

 今後とも医療費の増大が見込まれる中、予防、健康づくりを推進し、医療費の適正化につなげることは重要でございます。

 このため、今回の医療保険制度改革において、個人に予防、健康づくりのインセンティブを提供する取り組みを推進するとともに、保険者の保健事業の中で、糖尿病重症化予防や歯科保健の推進を図ってまいります。また、国保の保険者努力支援制度を創設するなど、予防、健康づくりを含め、医療費適正化に積極的に取り組む保険者、自治体を支援することとしております。

 入院時の食事代の見直しや、標準報酬月額の上限の引き上げなどについてのお尋ねがございました。

 高齢化に伴い、地域包括ケアシステムの構築を進める中で、入院と在宅療養の公平を図るため、入院時の食事代の見直しを行うこととしております。低所得の方や難病、小児慢性特定疾病の患者の負担は据え置き、必要な配慮を行います。

 また、保険料負担の公平を図るため、健康保険の保険料の算定の基礎となる標準報酬月額の上限を引き上げ、所得の高い方に応分の負担をお願いすることとしております。

 いずれも、負担の公平を図り、医療保険制度の持続可能性を高めるための改革であり、御理解をいただきたいと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 岡本充功君。

    〔岡本充功君登壇〕

岡本充功君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 なお、特に指定のない場合は、厚労大臣の答弁を求めます。

 この四月で、消費税率が八%に引き上げられ一年がたちました。社会保障の充実と安定化のために引き上げられたにもかかわらず、その充実を国民は感じていません。その一例が介護サービスです。

 安倍政権は、今年度から介護報酬を二・二七%も引き下げました。介護事業所の閉鎖や人員削減などの相次ぐおそれがあります。また、今年度から、いわゆる要支援切りが段階的にスタートします。市町村に移管するに当たって、財源の伸びを抑制することを念頭に置いており、介護サービスが縮小する懸念があります。必要なサービスを受けられない高齢者が大幅にふえることしは、介護崩壊元年ともなりかねません。

 そこでお伺いします。

 介護事業所でサービス開始の申請の取り下げ、また既存の事業所の廃止は、昨年度末現在で、厚労省は何件把握をされていますか。また、そこでサービスを受けていた高齢者の人数及び受ける予定の人数は何人ですか。サービスごとにお答えください。

 今後とも、多くの高齢者がサービスを受けられなくなる実態が起こり得ると考えます。十分把握していないのであれば、都道府県や市町村を通じて実態調査を行うべきと考えますが、見解を求めます。

 医療分野もまたしかりです。消費税率を引き上げたにもかかわらず、本法案には、取れるところから取るという姿勢が色濃くあらわれています。また、法案名では持続可能な医療保険制度を構築すると銘打っていますが、本法案は抜本改革を先送りしており、看板に偽りありと言わざるを得ません。

 以下、本法案の問題点について質問いたします。

 そもそも、収入が相対的に低く、疾病の罹患率が高い方のみを集めた後期高齢者医療制度は、健康保険と言えるのでしょうか。厚生労働省における保険の定義とあわせてお答えをください。

 また、この制度の持続可能性も疑問です。

 民主党は、社会保障制度改革三党実務者協議において、高齢者医療制度の抜本改革を行うよう再三にわたって求めましたが、与党は全く聞く耳を持ちませんでした。

 その結果、抜本改革は、社会保障制度改革プログラム法に盛り込まれず、プログラム法に基づく本法案にも盛り込まれておりません。後期高齢者医療制度の持続可能性についてどのように認識しておられるのか、二〇二五年度及び三〇年度、三五年度に必要な税及び後期高齢者支援金の金額とあわせて答弁を求めます。

 次に、後期高齢者支援金の全面総報酬割について伺います。

 本法案は、後期高齢者支援金を被用者保険者の総報酬額に応じて負担してもらい、それによって生み出される財源を国保に充当することとしています。

 一方で、国保の医療費を適正化したり、保険料納付率を高めたりするなどの効率化のための取り組みが十分に行われているとは言いがたい状況です。国保制度を持続可能なものにするためにも、まずは国保改革を徹底的に行うべきだと考えますが、見解を伺います。

 国保の都道府県単位化については、民主党政権時代から進めてきた方向性であり、評価はできます。どのような利点があるのか、答弁を求めます。

 その上で、国保が都道府県単位化をすれば、特定健診やがん検診などの受診券については都道府県が発行することになるのか、事実確認を求めます。市町村のままというならば、都道府県単位化したことを機に、市町村の境を超えて受診できるよう国が徹底すべきと考えますが、総務大臣及び厚労大臣の見解を求めます。

 一方で、課題もあります。

 その財源を不安視する声にどう応えるのでしょうか。今回の法案提出時点では、国からの財政支援約三千四百億円の拡充等をもって関係者の理解を得たとは承知をしていますが、都道府県単位化に伴って、国保への財政支援は今後幾らになると想定していますか。二〇二五年度、三〇年度、三五年度に予想される金額を含め、負担軽減策について厚生労働大臣及び総務大臣に尋ねます。

 また、総務大臣には、今後都道府県で必要とされる金額をどのように基準財政需要額等に反映していくのか、現行の市町村国保における算定方式と異なるのか、答弁を求めます。

 かつて、自民党政権下では、社会保障費の一律カットを行ってきました。社会保障費の一律カットを行うような予算編成を財務省として求めることは、来年度以降あり得るのか、とりわけ、国保の財政支援を一律にカットするようなことはないのか、財務大臣に答弁を求めます。

 次に、協会けんぽの国庫補助負担について伺います。

 本法案は、協会けんぽの準備金が法定以上に積み上がった場合、国庫補助を減額して実質的に国庫に返納させる仕組みとしています。保険者機能を発揮して財政健全化をなし遂げたのならば、本来は労使の保険料を下げるべきです。これでは保険者機能の発揮が損なわれるおそれがあります。

 国庫補助を維持して、労使の保険料を引き下げることは検討されなかったのでしょうか。あえて保険料を引き下げることをせずに、実質的に国庫に返納させることにした理由とあわせてお尋ねをいたします。

 次に、国保組合の改革についてお尋ねします。

 国保組合にはかなりの格差があると認識をしています。

 まずは、保険料の観点で伺います。国民健康保険の保険料における最高額となる個人の場合、同じ個人が最も安い国保組合に加入できた場合、その保険料は何分の一になるのか、答弁を求めます。

 また、給付においては、八割給付の組合も存在していました。給付などのサービスにおいて、国民健康保険と差のある国保組合は存在しているのでしょうか。存在するとすればどのような差があるか、具体的な答弁を求めます。

 さらには、余裕のある国保組合で保養所を持っている組合もあります。保養所を持つ組合はどこであり、それが何カ所保養所を持っているのか、答弁を求めます。

 国保組合の国庫補助をめぐっては、民主党政権下では、補助率ゼロも視野に検討を進めてきました。今後、財政状況を見た上で、補助率ゼロも検討されるのか、答弁を求めます。

 続いて、入院時の食事代です。

 本法案では、低所得者や指定難病の患者などを除き、入院時の食事代を段階的に引き上げることとしています。難病に指定されていない疾患でありながら長期入院を必要とする患者などに対するさらなる配慮が必要ではないでしょうか。今後の難病対策とあわせ答弁を求めます。

 次に、紹介状なしに大病院受診した場合の定額負担の導入です。

 紹介状なしに大病院を受診せざるを得ないケースがあり得ます。政府は、救急等の場合には定額負担を求めない方針ですが、具体的には、法律制定後に検討することとしています。どういう事態では定額負担なしで受診が可能なのか、救急等に含まれる具体的なケースを列挙してください。

 次に、医療費適正化計画の推進について伺います。

 民主党政権でも医療費適正化を推進しましたが、診療報酬引き上げとセットで行うことが大前提でした。民主党政権では、二回連続で診療報酬を引き上げ、医療崩壊に歯どめをかけました。

 一方で、安倍政権が行った平成二十六年度の診療報酬改定は、実質的にマイナス改定でした。平成二十八年度の診療報酬改定がさらなるマイナスとなる中で医療費の適正化を進めれば、病床の大幅削減など過度な効率化が進み、必要な医療が受けられなくなるおそれがあるのではないでしょうか。見解を伺います。

 また、来年度診療報酬改定に当たり、実質プラス改定を目指す決意があるのか、大臣の決意を伺います。

 また、財務大臣には、過度な診療報酬削減は医療崩壊につながるとの認識があるのか、また、来年の予算編成において当初から診療報酬を削減する前提ではない旨の確認を求めます。

 次に、患者申し出療養制度について伺います。

 患者申し出療養は、安全性が確実に担保されることが必要不可欠です。

 今回の政府案では、医薬品等の審査をわずか六週間で行うという短期間です。通常、医薬品の承認には優先審査品目でも七カ月程度かかっており、それと比べるとはるかに短期間で審査が行われることになります。どのような工夫をもってこのような短期間での審査が可能となるのか、答弁を求めます。

 このような審査方法で安全性が担保されると断言できるのかどうかも伺います。

 また、安全性が担保できなくなる事態が生じたときの対応は、具体的にどのようになるのでしょうか。

 一旦この制度で認められた医療行為等がこの制度から外れる事態とはどのような事態があり得ると想定しているのか、答弁を求めます。また、その際には、承認時と同様に迅速かつ優先的に行われるのでしょうか。また、その補償はどこからどのように行われるのか、あわせて答弁を求めます。よもや自己責任とはならないとは思いますが、自己責任として補償が受けられないなどということはない、その確認答弁を求めます。

 患者申し出療養は、あくまで患者の申し出を起点とする制度ですから、患者が当該医薬品や医療技術の安全性や有効性について熟知していないといけません。しかし、情報の非対称性ゆえに、患者が医師と同程度に安全性や有効性を理解できているとは思えません。医療に精通していない患者の申し出を起点とすることには無理があるのではありませんか。答弁を求めます。

 もう一つの問題は、患者申し出療養制度によって認められた医薬品等が保険適用される見込みが見通せないことです。現に、未承認の医薬品や先進医療が保険適用に結びついていません。

 例えば、平成二十六年度において、未承認の医薬品等が分類されている先進医療Bのうち、保険適用されたものはゼロです。政府は、保険適用に向けた実施計画を策定することを予定しているようですが、それで本当に保険適用に結びつくのでしょうか。

 実施計画では何を定め、その計画どおりにいかない場合の対策はどのようなものを考えているのか、あわせて、この制度で行われる医療については何年程度で保険適用となることを見込むのか、答弁を求めます。

 また、今回の患者申し出療養制度の策定に当たり、難病患者の団体から、患者申し出療養について一度もヒアリングしてもらっていない、こういう声が上がっています。なぜ難病団体からヒアリングをしなかったのか、明確な答弁を求めます。

 最後に、民主党は、生活者の立場に立って、生活の充実を目指す生活起点の理念のもと、国民皆保険制度を守り、誰もが安全で必要な医療が受けられるようにするため、医療保険制度の抜本改革に取り組む所存であることを申し述べ、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 岡本議員から十六問いただきました。

 介護保険の見直しと実態把握についてのお尋ねがまずございました。

 今回の改定では、中重度の要介護者などに質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬を支払うとともに、全体としては事業者の経営に必要な収支差が残るように配慮をしております。

 また、要支援者のサービスについては、多様な生活支援のニーズに対応するため、市町村を中心とした支え合いの体制づくりを推進する総合事業により、NPOや民間企業など多様な主体によるサービスの充実を図ることとしております。

 お尋ねの、事業所の廃止件数や当該事業所でサービスを受けていた人数などについては把握しておりませんが、介護給付費実態調査等によるサービスごとの請求事業所数などの月別の推移を通じて、全国の介護サービスの状況についてしっかりと見てまいります。

 後期高齢者医療制度と保険の定義との関係についてのお尋ねがございました。

 社会保険とは、法律によって国民に加入を義務づけ、人生のリスクに備えて被保険者がお金を出し合い、実際にリスクに遭遇した方に対して、必要な給付を行う仕組みでございます。

 後期高齢者医療制度は、被保険者の保険料で賄う部分が少ないものの、国民皆保険のもとで、後期高齢者を被保険者として保険料を徴収し、医療給付を行う仕組みであることから、社会保険方式をとっていると言えると考えております。

 後期高齢者医療制度の持続可能性についてのお尋ねがございました。

 後期高齢者医療制度は、創設から七年が経過し、現在では十分定着をし、安定的な制度運営が行われていると認識をしております。

 高齢化の進展等により、後期高齢者医療を含めた医療保険制度全体の財政が厳しさを増していると考えられますが、当面は、今回の改革による財政基盤の強化などによって、制度の持続可能性を確保できるものと考えております。

 中長期的には、高齢者医療の負担のあり方についても、今回の制度改正の実施状況等を踏まえて、見直しの必要性を含め、検討していくべき課題であると認識しております。

 費用の見通しについて、二〇三〇年、三五年の推計はありませんが、二〇二五年、平成三十七年度における後期高齢者医療に要する公費と後期高齢者支援金は、それぞれ、約十三兆円、約十・五兆円と推計をしております。

 後期高齢者支援金の全面総報酬割と国保改革の徹底についてのお尋ねがございました。

 今回の改革では、後期高齢者支援金の全面総報酬割で生じる財源を、財政状況の厳しい国保への財政支援と、被用者保険者の負担軽減に充てることとしており、国民皆保険を支える国保の基盤強化に御理解いただきたいと思います。

 国保については、医療費適正化等に取り組む自治体を支援する保険者努力支援制度の創設などにより医療費適正化を推進するとともに、保険料収納インセンティブを確保する観点から、市町村が保険料を徴収し、都道府県に納付金を納める仕組みとしております。

 国保の事業運営については不断の取り組みが重要であり、今後とも、医療費の適正化や保険料の徴収対策などを一層推進してまいります。

 国保の都道府県単位化の利点についてのお尋ねがございました。

 今回の国保改革により、平成三十年度から、都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、多様なリスクが都道府県全体で分散されることとなります。また、効率的な事業運営の確保等、国保の運営面でも都道府県が中心的な役割を担うこととなります。

 こうしたことなどにより、国民皆保険を支える国保制度の安定化を図ることができるものと考えております。

 特定健診等の受診についてのお尋ねがありました。

 今回の改革後においても、市町村は、地域住民と身近な関係の中、保健事業を引き続き担うこととしており、特定健診やがん検診の受診券は市町村が発行することとなります。

 市町村が特定健診やがん検診の実施機関とする健診機関につきましては、市町村の御判断により、被保険者の利便性等も踏まえ決定していただいておりますが、同一の都道府県内の他の市町村において特定健診を受診可能としている地域もあるものと承知をしております。

 特定健診やがん検診の広域的対応については、市町村等の意見も伺いながら検討していきたいと考えております。

 国保の改革後の財政支援策についてお尋ねがありました。

 財政状況の厳しい国保の財政基盤を強化し、制度の安定化を図るため、平成三十年度以降、毎年三千四百億円の公費を投入し、国保財政の大幅な改善を図ることとしております。

 二〇二五年、平成三十七年度、二〇三〇年度、平成四十二年度、二〇三五年度、平成四十七年度における国保制度については、今後の国保運営のあり方や、医療保険をめぐる財政状況などを踏まえて決まるものと認識をしております。

 国民皆保険を支える国保の安定化を図ることは極めて重要な課題であり、今回の改革後においても、持続可能な国保制度を堅持するため、国保制度全般について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じていきたいと考えております。

 協会けんぽの国庫補助についてのお尋ねがありました。

 協会けんぽの財政状況については、ここ一、二年は改善傾向にあるものの、中長期的に見れば、高齢者医療への拠出金の増加等により、逼迫した状況になることが予想されます。このため、短期的な見通しに立って保険料の引き下げを行うことは適切ではないと考えています。

 他方、協会けんぽの準備金は法定準備金を超えて積み上がっており、現下の経済情勢、財政状況等を踏まえ、新たに準備金が積み上がる場合には、国庫補助を一部減額することとしております。

 国保組合の改革につきましてお尋ねがございました。

 保険料については、単身世帯で比較すると、平成二十六年度において、市町村国保の医療分の保険料が最高額である個人が、一人当たり平均保険料が最も低い国保組合に事業主組合員として加入した場合、市町村国保の保険料額の約三分の一となります。

 給付については、現在は全ての国保組合において、窓口での給付が七割となっております。

 保養所については、百六十四の国保組合のうち二つの組合が保有しており、全国建築国保組合が二カ所、京都府酒販国保組合が一カ所となっております。

 国保組合の国庫補助率については、組合に与える財政影響等に鑑み、最低でも一三%の補助率を確保することとしており、これ以上の見直しについては慎重な対応が必要と考えております。

 入院時の食事代の見直しについてのお尋ねがございました。

 難病、小児慢性特定疾病の患者は、本年一月から入院時の食事代が医療費助成の対象外となったことから、今回の見直しでは負担を据え置くこととしております。

 長期入院患者につきましては、基本的に今回の入院時の食事代の見直しの対象となりますが、一般所得の方に限っており、低所得の方は負担を据え置くこととしており、御理解をいただきたいと考えております。

 なお、指定難病については、本年七月をめどに現行の百十疾病から約三百疾病に拡大する予定であり、指定難病の患者に対して医療費助成を行うとともに、今回の入院時の食事代の見直しでは負担を据え置くこととなっております。

 紹介状なしの大病院受診に対する定額負担についてのお尋ねがございました。

 今回の制度は、紹介状なしで大病院を受診する方に一定の負担をお願いすることで、かかりつけ医と大病院に係る外来の機能分化をさらに進めることを目的とするものでございます。

 こうした目的に照らし、やむを得ない事情がある場合には、定額負担を求めることは適当ではないと考えています。

 具体的ケースとしては、救急の場合や周囲に他の医療機関がない場合を想定しており、法案を成立していただいた後、平成二十八年四月の施行までに、関係の審議会で御意見を聞いた上で、必要かつ適切なケースを定めたいと考えております。

 医療費適正化と診療報酬改定についてのお尋ねがありました。

 医療費の適正化については、診療報酬の改定の状況にかかわらず、医療保険制度を持続可能なものとするため重要であり、必要な医療は確保しつつ、予防、健康づくりの推進、患者ニーズに対応する医療提供体制を踏まえた医療費目標を都道府県ごとに定めること、後発医薬品の使用促進を初めとする医療の効率的な提供等により進めていきたいと考えています。

 来年度の診療報酬の改定率については、物価、賃金の動向、医療機関の収支状況等を勘案して、予算編成過程において検討してまいります。

 患者申し出療養の安全性等についてのお尋ねがございました。

 患者申し出療養は、患者の申し出を起点とし、質の高い臨床研究を行う能力のある臨床研究中核病院を経由することで、安全性、有効性を確保しつつ先進的な医療を迅速に受けられるようにするものです。

 ただし、医学的判断が分かれるなどの場合には、必ずしも期間にとらわれず議論を行うこととし、安全性、有効性をしっかりと確保してまいります。

 また、患者申し出療養の実施に伴う有害事象等については、速やかに国に報告を求め、患者申し出療養から外すことも含め、対応を検討することとします。その場合の責任や補償のあり方については、現行の治験や先進医療における対応も踏まえて、引き続き検討してまいります。

 患者申し出療養の患者の申し出についてのお尋ねがありました。

 患者申し出療養については、患者が治療内容等を理解した上で申し出を行うことが必要であり、かかりつけ医等が患者からの相談に応じ、支援を行うことが重要と考えております。

 今後、患者がしっかりと理解、納得した上で申し出を行えるよう検討してまいります。

 患者申し出療養の保険適用についてのお尋ねがございました。

 患者申し出療養における保険適用に向けた実施計画の具体的な内容としては、保険収載に必要な情報等を求めることとしております。

 また、少なくとも一年に一回は、患者申し出療養の実施状況等を国に報告するよう求め、計画どおりに進んでいない場合には、追加的に報告を求める等の対応を行ってまいります。

 保険適用に要する期間は一概にお答えすることは困難ですが、安全性、有効性等の確認がされた医療については、将来的な保険適用につなげていきます。

 患者申し出療養の患者団体からのヒアリングについてのお尋ねがございました。

 患者申し出療養について、患者団体の皆様から、安全性、有効性や、先進的な医療が保険外にとどまることへの懸念の声があることは承知をしておりましたことから、これまでヒアリングを行ってまいりませんでしたが、これらの懸念にはしっかりと配慮する必要があると考えています。

 今後、できるだけ早く患者の方々を含む関係者の御意見を伺いつつ、丁寧に準備を進めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 国保を含め社会保障予算の一律カットを行うのかとのお尋ねがあっております。

 国保への財政支援の強化は、社会保障・税一体改革におけます充実策の一環として大変重要なものと考えております。

 一方で、特例公債の発行を通じ、相当程度の負担を将来世代に先送りするという現在の社会保障制度また社会情勢というものは、持続可能なものとは言えず、重点化、効率化が必要な状況にあるということははっきりしておると存じます。

 単純に社会保障の伸びに対して機械的な削減額を定めて抑制するという手法には、さまざまな議論があります。重要なのは、給付やサービスの質を維持しながらいかに効率化を図っていくかという点に尽きると思いますが、一つ一つの改革を積み上げていくことが必要と考えております。

 次に、診療報酬改定についてのお尋ねがあっております。

 診療報酬改定のあり方につきましては、物価、賃金の動向、また医療機関の経営状況、また保険料や公費に係る財政状況、窓口負担、保険料負担、税負担などいろいろの国民負担のあり方、そして社会保障制度改革の改革をめぐる議論の状況などを踏まえながら、平成二十八年度予算の編成過程において検討させていただきたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

国務大臣(高市早苗君) 岡本充功議員から、三点お尋ねをいただきました。

 第一に、特定健診などの受診を市町村の区域を超えてできるように徹底すべきとの御意見とともに、見解についてお尋ねがありました。

 現行制度でも、他の市町村に所在する健診機関において特定健診を受けることが可能な地域もあると承知しております。

 今後、各市町村の判断により、より実情に応じた対応がなされるよう、特定健診等の広域的対応について検討がなされるものと認識をしております。

 第二に、今回の改革後の財政支援策についてお尋ねがございました。

 今回の国保改革では、平成三十年度以降、毎年約三千四百億円の財政支援を実施することとされております。

 今回の改革後においても、国保制度の安定的な運営が持続するよう、国保制度全般について必要な検討が進められ、所要の措置が講じられるものと認識をしております。

 第三に、国保の都道府県単位化に伴う地方交付税の算定についてお尋ねがございました。

 現行の国保制度に係る地方負担については、地方財政計画に所要額を計上した上で地方交付税措置を講じております。

 新たな制度につきましては、今後、制度や運用の詳細について検討が進められることとされておりますが、新制度のもとでも安定的な財政運営を行うことができるよう、適切に地方財政措置を講じてまいります。(拍手)

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議長(町村信孝君) 牧義夫君。

    〔牧義夫君登壇〕

牧義夫君 牧義夫でございます。

 維新の党を代表して、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案につき質問をいたします。(拍手)

 この法案は、数多くの改正事項のある法案でありますけれども、その名前のとおりに、本当に持続可能な医療保険制度を構築できるのか、疑問を感じております。

 確かに、国民健康保険の財政安定化という点では、一時的には効果があるでしょう。しかし、それもあくまで対症療法にすぎないと思います。その他の細々とした財政調整は、従来どおりの自転車操業であります。何より、医療費の本格的な抑制策がほとんど見られません。ふえ続ける高齢者医療費を現役世代が無理をして支え続ける構図には、全く手をつけられていないわけでございます。

 基本的な認識として、現在の医療保険制度について、持続可能性を脅かしている最大の原因を政府はどう考えているのか、まず厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。

 次に、保険者間の財政調整についてお尋ねをいたします。

 その他の改正は、主として、どの保険者がどれくらい負担をするか、どの保険者にどれくらい税金を入れるかという財政調整に関するものです。それも、多岐にわたる複雑な利害調整で、国民には非常にわかりにくくなっております。

 個々の保険者相対で、あるいは財政当局との間で、その場その場では公平を図ったつもりでしょうが、医療保険全体から見れば、いずれも微調整ばかりであります。結局、膨張し続ける医療費の制御についてはほとんど手をつけず、ひたすら負担者の調整に終始しているように見えます。

 そもそも、医療保険改革の方向として、既存の保険者間の利害調整よりも、各保険の統合も含めた抜本的な改革や、医療費抑制の問題に注力すべきではなかったのか、厚生労働大臣のお考えをお伺いいたします。

 続いて、三千四百億円の財政支出と健保組合の負担引き上げについてお伺いをいたします。

 この法案の財政調整で重要なのは、国の税金三千四百億円を毎年出すかわりに、市町村の国保を都道府県に引き受けてもらう、そして、ふえ続ける高齢者医療費については、いつもどおり大企業を中心とする健保組合の負担をふやし続けるという二点と考えます。

 一点目については、都道府県への移管自体は理解できます。しかし、三千四百億円の財政支出については、一層の精査が必要だと思います。

 この金額の根拠は、国保の赤字総額が三千五百億円だからということでありますけれども、そのうち一千百億円、実に三分の一が東京都内の国保の赤字分です。一方で、東京都内の保険料負担率は全国平均より低いとのことであります。

 もともと、国保の移管に反対する知事会を納得させるために、いわばつかみ金で巨額の支援を決めたのではとも言われておりますけれども、豊かな自治体の国保の赤字を全国民の負担で穴埋めしていることにならないか、財務大臣にお尋ねをいたします。

 二点目の健保組合の負担引き上げは、従来どおり、取れるところから取るというやり方であります。

 少子高齢化の中で、高齢者医療費は毎年ふえ続けており、大企業だろうと中小企業だろうと、現役世代のサラリーマンは、保険料と税負担の重さに耐えかねております。どの保険者だろうと、いつまでも当てにはできないはずであります。

 保険料収入の四割が高齢者医療支援に使われる健保組合や共済組合等にだけ負担をふやし続けるのが果たして持続可能な政策かどうか、厚生労働大臣にお尋ねをいたします。

 次に、医療保険システム全体の改革についてお伺いをいたします。

 歴史的経緯もあって、医療保険の各保険者の財政余力は全く違います。戦前から大企業の福利厚生として出発した健保組合、公務員の共済組合、中小企業サラリーマンの協会けんぽ、市町村と職業ごとの国保、後期高齢者医療制度で、それぞれに保険を運営していますが、医療のナショナルミニマムの観点から、各制度間での拠出金や支援金があり、さらには国からの補助金等もございます。

 このため、各保険者間の移転と国からの移転が絡み合って、非常に複雑な制度となっております。結果として、社会保険としての負担と給付の関係が、もはや国民には全くわからなくなっております。

 全体として言えば、比較的余力のある健保組合などの負担をふやし続けて、消費税も上げ続けて、ふえ続ける高齢者医療費を賄おう、そんな発想なんでしょうが、しかし、どの組合でも高齢化の進んでいる現在、もはや、保険者間での調整によるびほう策も消費税増税も、限界に近づいているのではないでしょうか。

 私たち維新の党は、医療保険は社会保険としての原点に立ち返って制度設計をし直すべきだと考えております。リスクの配分と所得再分配を担う社会保険として合理的な形になるよう、医療保険は一元化させていくべきであると考えます。その上で、運営主体は、将来の道州制を想定して、都道府県や広域連合等の広域自治体を単位として、財源と権限、責任を国から移譲していくべきであります。

 こうした抜本的な医療保険改革の方向について、厚生労働大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

 次に、本改正案において最も不足している観点、医療費抑制についてお伺いをしたいと思います。

 この法案でも、医療費適正化計画の見直し等を一応は定めております。都道府県が地域医療構想と整合的な医療費の水準等を計画の中に定めることも盛り込んではいます。しかし、具体的な医療費水準は都道府県任せで、国として本格的な医療費の効率化を行うための施策はほとんど見られません。

 また、紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担が導入されておりますが、軽い病気の人は行きつけの診療所に行ってもらえば、初診料の節約にもなり、医療費の削減にもつながるでしょうし、大病院は高度な治療に専念できます。その意味で、この改正の方向には賛成できます。入院時の食事代の定額負担も盛り込まれました。これも医療費抑制にはつながるでしょう。

 ただ、これでどの程度の医療費抑制が図られるのか、現時点では全く不明であります。何より、医療費抑制策として、患者負担の増加が目立ちます。まず患者に負担を求めるようにという姿勢が見えるのはいかがなものかと思います。

 患者負担を求める前に、保険料と税金から収入を得ている医療者や保険者、さらには厚生労働省などが一定の効率化の努力をすべきではないかと考えております。

 例えば、診療報酬の支払い審査を行う機関は、いまだに二つ並び立っております。協会けんぽ等を対象とする支払基金と国保等を対象とする国保連は、累次にわたり整理統合すべきとの提言を受けております。その後、統合しないなら競争原理が働くようにすべきとも言われ続けながら、改革は進んでおりません。

 今後の支払い審査機関の改革の方向性について、厚生労働大臣の所見をお伺い申し上げます。

 また、この時代に、レセプト電子請求の義務化について広く例外が認められているというのも、国民の理解を得られないと思います。六十五歳以上の常勤医等の診療所について、いつまで義務化の例外とし続けるのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 利用者に身近な問題では、薬の飲み残し、いわゆる残薬についても改善の余地は大きいと考えます。

 先日、四月八日に中医協が発表した資料では、残薬確認による医療費削減効果は二十九億円とのことでした。これは薬剤師会を通じた委託研究ですが、薬剤師団体を通さずに直接患者を調査すれば、また新たな知見も得られるかもしれません。

 ちなみに、同じ薬剤師会が平成二十年に行った調査では、薬の飲み残し総額の推計は四百七十億円以上となっております。

 今後の実態調査の方向も含め、残薬対策について、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 次に、病床規制の問題についてお伺いいたします。

 政府は、医療費削減については、この法案とは別に、病床機能報告制度の創設等、病院のベッド数に一層厳しい規制を課すことを主眼に置いているのかもしれませんが、ベッドが多いと、病院はそれを何とか埋めてもうけようとするから、それを防ごうという考え方は、一定程度は理解できます。一方で、ベッド数の規制が医療機関の競争や新規参入を妨げて、既存ベッドが既得権益化して、患者に選ばれない医療機関をいたずらに延命させる弊害も指摘をされております。

 病床規制についてのこうした批判、懸念に、現在の政府はどう応えるのか、厚生労働大臣のお考えをお伺いします。

 次に、新規参入による医療費削減についてお伺いをいたします。

 我々維新の党は、医療を含めた全ての分野で、供給者優先の政策から消費者優先の政策への転換を図るべきと主張をいたしております。

 医療について申し上げれば、医療法人について株式会社の参入を促進し、医師以外の民間業者が病院経営を担えるようにして、診療報酬の点数にも市場メカニズムを利用するなど、新規参入により、患者によりよい医療サービスをより安価に提供できるようにすべきと考えております。

 医療費の抑制は、患者負担を求めるだけじゃなくて、こうした医療者同士の競争と切磋琢磨によっても図るべきではないか。厚生労働大臣のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。

 次に、患者申し出療養創設についてお尋ねをいたします。

 我が党は、患者にとって選択肢がふえるのは望ましいと考えており、結党以来、混合診療の解禁を訴え続けてまいりました。したがって、今回の法案での患者申し出療養創設には賛成です。

 ただし、具体的な制度設計にあっては、あくまで患者のための制度という原点を守るべきであると考えております。せっかくの新制度創設が、従来の保険診療の質を落とすことがあってはなりません。

 本法案の立法の過程で、これまで患者の意見を聞く場が正式には設けられなかった点を大変遺憾に思います。今後の審議等で、患者団体等の意見も参考にされるのかされないのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 以上、この法案の内容は、保険者間の財政調整が主となっており、医療費削減が足りないという問題点を指摘させていただきました。

 では、なぜ、政府案は、保険者間の調整に終始する形になるのでしょうか。なぜ、医療費の削減には踏み込まないのでしょうか。なぜ、ほとんどの国民に全く理解できないような、複雑な利害調整の跡も生々しい法案を国会に提出して恥じないのでしょうか。

 さきに述べたとおり、我々維新の党は、あくまで消費者、患者、納税者、そして保険料を毎月苦労して払っている人々など、団体としてまとまっていない人々、国民の声なき声を立法に反映させたいと考えていることを申し述べ、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 牧義夫議員から、十項目のお尋ねを頂戴いたしました。

 まず、医療保険制度の持続可能性についてのお尋ねがございました。

 医療保険制度につきましては、高齢化の進展や医療の高度化等により医療費が増加する一方で、少子化により制度の支え手が減少していくことが見込まれていることから、制度の持続可能性の確保が課題となっていると認識をしております。

 このため、今回の改革において、国保への財政支援の拡充等により医療保険制度の財政基盤の安定化を図るほか、予防、健康づくりや後発医薬品の使用促進等の医療費適正化の推進、負担の公平化等に取り組むこととしております。

 なお、高齢者医療の負担のあり方などについては、今後、現役世代の負担の状況等を見ながら、見直しの必要性を含め、検討していくべき課題であると考えております。

 医療保険の統合や医療費適正化についてのお尋ねがございました。

 医療保険の統合については、保険者機能の発揮のあり方、国保と被用者保険の所得捕捉の違いなどの論点があり、慎重な検討が必要と考えております。

 他方、医療費の適正化は重要な課題であり、今回の改革において、医療費適正化計画に地域医療構想と整合的な医療費の目標を定め、PDCAを強化するとともに、予防、健康づくり等を含む医療費適正化に積極的に取り組む保険者を支援するなど、医療費適正化に向けた対応を強化してまいります。

 健保組合等の負担の増加についてのお尋ねがありました。

 後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入は、被用者保険者間において、負担能力に応じた負担とし、公平な保険料負担の実現を図るものでございます。これにより、報酬水準の高い被用者保険者は負担が増加しますが、一方で、報酬水準の低い被用者保険者は負担が減少します。

 今後、高齢者の増加等により被用者保険者の負担が増加していくことが見込まれることから、今回の改革において、持続可能な制度となるよう、被用者保険者に対する約七百億円規模の追加的な財政支援を行い、高齢者医療の拠出金負担の重い保険者の負担軽減を図ることとしております。

 医療保険の一元化についてのお尋ねがございました。

 今回の改革においては、市町村ごとに運営をしている国保について、都道府県が財政運営の責任主体となり、国保運営に中心的な役割を担うこととしています。これにより、後期高齢者医療制度、協会けんぽに加え、国保についても、都道府県単位での財政運営となります。

 他方、国保と被用者保険の一元化については、所得捕捉の状況の違い、保険者機能を弱めるなどの課題があり、慎重な検討が必要であると考えております。

 今後の審査支払い機関の改革の方向性についてのお尋ねがございました。

 これまで、診療報酬支払基金と国保連においては、審査の質と効率性の向上に向け、審査の判断基準の統一化に向けた取り組みや業務の効率化による審査手数料の引き下げなど、さまざまな取り組みを実施してきております。

 今後とも、当事者である保険者等の審査支払い機関の統合に関する御意見も踏まえ、電子レセプトを活用したチェックなどにより、さらに質が高く効率的な審査を行っていくことが重要であると考えております。

 レセプトの電子請求についてのお尋ねがございました。

 御指摘の六十五歳以上の医師等のいる診療所等については、電子請求の負担を考慮し、今後とも、例外的に紙レセプトによる請求を認めることとしています。

 こうした例外はあるものの、現在では九七・三%が電子請求により行われており、引き続きレセプト電子化を推進してまいります。

 残薬対策についてのお尋ねがございました。

 薬の飲み残しについては、適切な薬物療法の実施のほか、医療費の適正化の観点からも重要な課題となっています。

 このような中、残薬を減らし、医療の質の向上と効率化を図るため、薬局の取り組みに係る実態調査などを実施し、地域の薬局薬剤師の活躍を促すための方策について検討を進めてまいります。

 病床規制についてのお尋ねがございました。

 医療計画における基準病床数制度については、病床の地域的偏在の拡大を防止するとともに、全国的に一定水準以上の医療を確保することを目的としているものですが、医療機関の新規参入を妨げているといった声も承知をしております。

 昨年成立をいたしました医療介護総合確保推進法においては、都道府県が地域医療構想を策定し、二〇二五年の地域医療需要を急性期、慢性期といった病床機能ごとに推計するとともに、医療関係者、医療保険者等から成る調整会議を地域ごとに設置し、不足している病床機能への転換を進めるなど、地域の医療需要に応じた病床の機能分化、連携を進めることとしております。

 このような取り組みにより、地域の医療需要に適切に対応した、質が高く効率的な医療提供体制を構築していくこととしております。

 医療分野への市場メカニズムの利用についてのお尋ねがございました。

 医療機関が適切な競争と切磋琢磨を通じて質が高く効率的な医療を提供していくことは重要と考えております。

 御指摘の株式会社による医療機関の経営については、株式会社は、利潤の最大化のために必ずしも患者に適正な医療を提供しないおそれがあることなどの理由により、原則として認めていません。

 また、診療報酬については、誰もが一定の負担で必要な医療を受けられるという我が国の国民皆保険の理念のもと、原則として一律の点数設計としております。

 いずれにしても、こうした医療における非営利性や国民皆保険の原則を踏まえながら、質が高く効率的な医療の実現に向けた改革に取り組んでまいります。

 患者申し出療養についてのお尋ねがございました。

 患者申し出療養は、困難な病気と闘う患者の思いに応えるものであり、患者団体の方々の安全性、有効性への懸念や、先進的な医療が保険外にとどまり続けることへの懸念にもしっかりと配慮する必要があるものと考えております。

 今後、できるだけ早く、患者団体を含む関係者の御意見を伺いつつ、丁寧に準備を進めてまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 国保の財政支援についてのお尋ねがあっております。

 今般の国保改革におきましては、財政基盤の強化のために公費支援される三千四百億円につきましては、低所得者が多い自治体への支援や、医療費適正化を図る自治体への支援などに効果的、効率的に活用されるものと承知をいたしております。

 したがいまして、御指摘のような、比較的財政力のある自治体に対して、保険料率を低くすることで生じた国保の赤字を補填するようなことはないものと考えております。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(川端達夫君) 古屋範子君。

    〔古屋範子君登壇〕

古屋範子君 公明党の古屋範子でございます。

 ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案、医療保険制度改革法案について、政府の見解を伺います。(拍手)

 日本の医療保険制度は、昭和三十六年に、お互いに医療費を支え合う国民皆保険制度を実現しました。世界に誇るべき制度であります。

 しかし、高齢化等に伴い、日本の国民医療費の総額は年間一兆円程度ふえ続けています。

 今後もこの日本の医療保険制度を持続可能なものとし、全国民に効率的で質の高い医療を提供していくことが何よりも重要と考えます。

 国民皆保険制度を維持していくためには、まず、財政基盤が非常に脆弱な国民健康保険、国保改革による制度の安定化が喫緊の課題です。

 市町村国保は、国民皆保険の基盤として重要な役割を果たしていますが、医療を必要とする高齢者の加入が多く、所得水準が低いなど、構造的な問題を抱えています。また、厚生労働省の調査によりますと、財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が全体の四分の一を占めています。

 そこで、本法案では、平成三十年度から、国保の財政運営の主体を、現在の市町村から都道府県に担ってもらうこととしています。都道府県が財政運営の中心的な役割を担い、安定化を図ることが大きな柱です。この点は、昭和三十六年の国民皆保険制度が実現して以来の大きな改革と言っても過言ではないと思います。

 持続可能な国民皆保険に向けた国保改革を何としても成功させなくてはなりません。都道府県が財政運営の主体を担う意義について、塩崎厚生労働大臣にお伺いします。

 国保の財政運営の主体を都道府県に担ってもらうことになりますが、各市町村は、保険料の賦課徴収、保険給付の決定などを引き続き行うこととなります。

 その際、都道府県と市町村がしっかり協議して、明確な国保の運営方針を決めることが大事だと思います。これにより、業務の効率化、コスト削減などが求められています。

 国としても、都道府県と市町村任せにするのではなく、都道府県と市町村の役割分担がスムーズに進むよう後押しをするべきと考えます。

 また、財政運営の都道府県移行に伴い、公費拡充で国保の財政基盤の強化を図ることも、法案の大きなポイントです。

 具体的には、平成二十七年度から公費拡充を順次実施し、平成二十九年度以降は、毎年約三千四百億円の財政支援を行うことになります。国保全体の保険料の総額が三兆円超ですから、一割以上の規模に当たります。

 三千四百億円の財政支援の効果について、塩崎厚生労働大臣の御所見を伺います。

 次に、負担の公平化等に関してお伺いします。

 今回の国保改革で、三千四百億円の財源を投入し、財政基盤の強化を図ります。これにより、懸案だった国保が安定し、赤字解消や保険料の伸び幅の抑制が期待されます。安心の医療実現への大きな一歩です。

 しかし、一方で、負担の公平化の推進などが法案に盛り込まれました。

 これらについては、お互いに医療費を支え合う国民皆保険を今後も堅持し、持続可能な制度としていくためにもやむを得ないと考えますが、国民の皆様に対する丁寧な説明が今政府に求められています。

 例えば、健康保険組合等による後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入です。これにより、中小企業で構成される協会けんぽや報酬水準が低い健保組合の負担は軽減されますが、報酬水準が高い健保組合は負担増になるとされています。

 入院時の食事代の見直しもその一つです。

 現在、入院時の食事代は、食材費相当額を負担額として、一食二百六十円としています。これに対し、在宅で療養する人は、食材費のほか、調理にかかる費用も負担しています。そこで、入院と在宅療養との公平を図るという観点から、入院時の食事代も調理費相当額の負担も求めることとし、平成二十八年度から一食三百六十円、平成三十年度から四百六十円へと段階的に引き上げることとしています。

 また、外来の機能分化を進めるという観点から、紹介状なしで大病院を受診する場合、定額負担を患者に求める選定療養が平成二十八年度から導入されるとしています。

 こうした負担の公平化について、今なぜ必要なのか、塩崎厚生労働大臣に丁寧な説明を求めます。

 新たな患者申し出療養の創設についてお伺いします。

 患者申し出療養は、国内未承認薬などを迅速に保険外併用療養として使用したいという患者の切実な思いに応えるため、患者の申し出を起点とする新たな保険外併用療養の仕組みとして、平成二十八年度から実施されます。主に抗がん剤などが想定されると思われます。

 この制度により、安全性や有効性の審査期間は、前例のない場合は原則六週間、過去に例がある場合は原則二週間とします。従来、前者の場合は六カ月程度、後者で約一カ月を要していたので、迅速な審査で患者に医療を提供できることとしています。

 患者申し出療養は、所得の高い人ほどよい医療が受けられる、医療格差を広げるという批判もありますが、その狙いについて、塩崎厚生労働大臣の答弁を求めます。

 最後に、個人や保険者による予防、健康づくりの促進についてお伺いします。

 本法案では、予防、健康づくりのインセンティブの強化が掲げられています。個人の健康維持、増進はもちろんですが、ふえ続ける医療費を抑制するという観点からも大変に重要な取り組みだと思います。

 例えば、歩数、体重管理などに自主的に取り組む人には、健保組合がヘルスケアポイントを付与します。

 また、七十五歳以上の高齢者については、低栄養や、高齢になるに伴い筋肉の量が減少していく老化現象であるサルコペニアといった問題にどう対処するかが課題です。そのため、栄養指導や口腔ケア等の充実を掲げています。

 現在、栄養指導については、専門家によるモデル事業の実施を検討していると伺っています。

 予防、健康づくりの促進について、どのように取り組むのか、塩崎厚生労働大臣の御見解を伺います。

 今回の改革は、国民健康保険制度が導入されて以来の大改革であります。今後も、国民健康保険が医療のセーフティーネットとしての機能を維持できるよう、財政基盤安定化のための改革とともに、低所得者対策など構造的課題を軽減するための思い切った公費投入を強く要望し、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 古屋範子議員から、五点にわたってお尋ねを頂戴いたしました。

 まず、国保改革の意義についてのお尋ねでございます。

 今回の国保改革によりまして、平成三十年度から、都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、多様なリスクが都道府県全体で分散をされることになります。また、効率的な事業運営の確保等、国保の運営面でも都道府県が中心的な役割を担い、国保制度の安定化が実現することとなると思っております。

 国民皆保険を支える国保の安定的な運営を堅持するため、今回の国保改革を確実に実現させていきたいと考えてございます。

 国保に対する財政支援の効果についてのお尋ねがございました。

 国保は、さまざまな構造的な課題を抱え、厳しい財政状況にあることから、今回の改革において、毎年三千四百億円の追加的な財政支援を行うこととしております。これは、被保険者一人当たり約一万円に相当する規模となっております。

 自治体の実情を踏まえた財政支援を行うことにより、国保の財政基盤の強化を図り、国民皆保険を支える国保を安定化させるとともに、保険料の伸びの抑制などの負担軽減につながるものと考えております。

 負担の公平化の必要性についてのお尋ねがございました。

 高齢化が進展する中、国民皆保険を堅持していくため、負担の公平を図り、医療保険制度の持続可能性を高める必要がございます。

 このため、後期高齢者支援金に全面総報酬割を導入し、負担能力に応じた負担とすることにより、公平な保険料負担の実現を図ります。

 また、入院と在宅療養の公平を図るため、入院時の食事代の見直しを行うこととしております。低所得の方や、難病や小児慢性特定疾病の患者の負担は据え置いて、必要な配慮を行います。

 また、紹介状なしで大病院を受診する方に一定の負担をお願いすることで、かかりつけ医と大病院に係る外来の機能分化をさらに進めてまいります。

 これらを含め、今回の改革の内容について御理解いただけるよう、国民の皆様方に丁寧に説明をしてまいりたいと思っております。

 患者申し出療養についてのお尋ねがございました。

 患者申し出療養は、困難な病気と闘う患者の思いに応えるために、先進的な医療について、患者の申し出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものでございます。

 新しい医療技術が保険収載されずに保険外併用療養にとどまり続け、医療格差を広げるのではないかといった御懸念の声があることも承知をしておりますが、患者申し出療養においては、保険収載に向けた実施計画の作成等を医療機関に求め、安全性、有効性等の確認を経た上で、将来的な保険適用につなげていくことにしています。

 予防、健康づくりの取り組みについてのお尋ねがございました。

 今後とも医療費の増大が見込まれる中、予防、健康づくりを推進し、医療費の適正化につなげることは極めて重要でございます。

 このため、今回の医療保険制度改革においては、ヘルスケアポイントの導入など、個人に予防、健康づくりのインセンティブを提供する取り組みを推進するとともに、国保の保険者努力支援制度を創設するなど、予防、健康づくりを含め、医療費適正化に積極的に取り組む保険者、自治体を支援することとしております。

 また、後期高齢者医療において、栄養指導など、高齢者の特性に応じた保健事業を実施することを推進してまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(川端達夫君) 高橋千鶴子君。

    〔高橋千鶴子君登壇〕

高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する質問を行います。(拍手)

 二〇一二年、民主党政権時代に、自公民三党合意によって、社会保障と税の一体改革法が成立しました。翌年にプログラム法、昨年は医療介護総合法が成立しましたが、本法案は、これら一連の法律と一体のものです。

 我が党は、こうした改革は、社会保障を国民の自助や共助に矮小化し、個人と家族の責任に課すもので、憲法二十五条に規定された国の責任を放棄するものであると厳しく批判してきました。

 一九六一年、全ての市町村で国民健康保険事業が実施され、国民皆保険制度が確立しました。市町村は、地域住民の医療を守るため、努力を払って国保制度を築き上げてきたのです。

 しかし、歴代の政権による相次ぐ国庫補助の引き下げによって、国保財政は極めて厳しい状態が続いてきました。

 三百六十万を超える保険料滞納世帯、そのうち、短期証や資格書の交付は百四十万世帯を超えています。全日本民医連が加盟医療機関の患者を調べただけでも三十二人もの方が、保険証がないために治療がおくれ、亡くなっています。高過ぎて払えない国保料がこのような事態を招いているとは思いませんか。

 高過ぎる保険料は、国民が必要な医療を受ける最大の障害となっています。保険料引き下げを求める運動が各地で取り組まれ、今回、財政支援の拡充三千四百億円が措置されたのも、こうした運動を一定反映してのものです。

 しかし、なお、国保財政は三千五百億円を超える一般会計からの繰り入れで維持されているのが現状であり、国保の財政基盤の強化を言うなら、国庫負担をもとに戻し、さらなる財政支援の拡充こそ求められるのではありませんか。

 地方自治体が住民の健康を守る事業として取り組んできたものに乳幼児医療費助成制度があります。

 まず、この十年間でどれだけの県と市町村が取り組むようになったのか、具体的にお答えください。また、こうした自治体独自の取り組みをどう受けとめていますか。

 ことし二月の国と地方の協議の場でも、検討を進めるべき課題として挙げられたのが、乳幼児医療費無料化など地方単独事業に係る国庫負担の調整措置の見直しがあります。住民に喜ばれる子育て支援策として拡充を進めてきた地方の努力に対し、減額という形でのいわゆるペナルティーはきっぱりやめるべきです。答弁を求めます。

 今回の法案の最大の特徴は、国保の財政運営を市町村から都道府県に移管することにあります。

 都道府県は、年度ごとに市町村から国民健康保険事業費納付金を徴収し、市町村に対し国民健康保険給付費交付金を交付することになります。都道府県が、給付費等の見込みを立て、市町村ごとに納付金の額を決定し、さらに、市町村の保険料の決定の際目安となる標準保険料率を示すとされています。

 今、多くの市町村は、一般会計からの繰り入れを行い、保険料率の上昇を防ぐための努力をしています。標準保険料率の設定が、こうした努力を否定し、保険料の値上げにつながるものであってはなりません。見解を伺います。

 また、あくまで市町村が決める保険料率に都道府県が口を挟むものではないと考えますが、見解を伺います。

 本法案には、医療費適正化計画の見直しが挙げられました。

 都道府県は、医療介護総合法に規定された地域医療構想と整合性が図られる医療費適正化計画を定め、医療に要する費用の目標を定めなければなりません。もともと医師不足で病棟閉鎖状態など医療資源が不足している現状が追認され、医療の過疎化や医師不足を固定化することになりませんか。

 全国知事会は、現行の計画では医療費の見通しとしているものを目標とすることに強い懸念を表明しています。

 結局、医療費抑制策を都道府県の責任に負わせるものではないのか。お答えください。

 次に、患者申し出療養の創設について質問します。

 この制度は、医療をビジネスチャンスにしようとする安倍内閣の成長戦略と結びついて、規制改革会議から持ち出された議論です。申し出療養に期待する患者もいる反面、安全性の不確かな医療が出回ることや、事故の責任を患者に負わせる危険性があることも指摘しなければなりません。

 難病団体の代表は、こうした制度の創設が、かえって新たな治療や薬が保険外にとめ置かれ、難病法からも対象外となることに懸念を表明しています。

 患者申し出療養が想定しているのはどのような医療か、また、どのくらいの疾患数になるのか、お答えください。

 逆に、保険診療適用への道が遠のく、あるいは閉ざされることがあってはならないと思いますが、見解を伺います。

 健康保険法の改正について質問いたします。

 中小の事業所の医療保険である協会けんぽに対する国庫補助は、当分の間一六・四%とされました。しかし、財務省からの圧力もあって、本則規定は、一三%から二〇%の範囲内で政令で定めると、引き下げも想定された規定となっています。

 報酬水準が約三百七十万円で推移しているにもかかわらず、協会けんぽの平均保険料率は、リーマン・ショック後、八・二%から一〇%に引き上げられ、中小企業の従業員に重い負担となっています。

 むしろ、上限の二〇%の国庫負担にすべきではありませんか。お答えください。

 今回の法案がさらなる国民の負担増につながる点も重大です。

 紹介状なしで大病院を受診する場合などの定額負担の導入、入院時食事療養費の一食二百六十円から四百六十円への引き上げ、後期高齢者医療制度の保険料の特例軽減の廃止など、重い負担のために医療にアクセスできない人をふやしかねず、やめるべきであります。

 最後に、一体改革という名での消費税増税が社会保障充実のためでは全くないことは明らかです。国民皆保険制度の原点に立ち返って、一連の医療制度改革を抜本的に見直すことを求め、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 高橋千鶴子議員から、八問のお尋ねを頂戴いたしました。

 まず、国保の保険料についてのお尋ねがございました。

 国保は、全ての被保険者がひとしく保険給付を受ける可能性があり、被保険者全体の相互扶助で支えられるものであることから、世帯の所得等によって応分の保険料を負担していただく必要がございます。

 ただし、国保には低所得者が多く加入する等、構造的な問題を抱えていることから、これまでも低所得者の保険料軽減措置等を講じてきました。

 また、保険料の滞納者に対しては、納付相談を行い、分割納付などのきめ細かな対応を行うことなどにより、個々の滞納者の実情に応じた対応を行っています。

 今回の改革においても、毎年三千四百億円の追加的な財政支援を行うことにより、国保の財政基盤の強化を図るとともに、保険料の伸びの抑制などの負担軽減につなげ、保険料を納めやすい環境を整えてまいります。

 国保に対する財政支援についてのお尋ねがございました。

 国保は、さまざまな構造的な課題を抱え、厳しい財政状況にあることから、保険給付費等に対する五〇%の財政支援を維持するとともに、低所得者が多い自治体に対する財政支援や高額な医療費への財政支援を行うなど、これまでも累次の財政支援策を講じてきました。

 今回の改革においては、さらに毎年三千四百億円の追加的な財政支援を行うことにより、国保の財政基盤の強化を図り、国民皆保険を支える国保を安定化させたいと考えております。

 地方自治体が実施している乳幼児医療費助成についてのお尋ねがございました。

 乳幼児等の医療費の助成を実施している都道府県と市町村の数の推移について、助成対象別に平成十七年から平成二十六年までの十年間で比較をしますと、通院の場合、就学前までとする都道府県が四十六から三十三、それ以上も対象とする都道府県が一から十四、十五歳までとする市町村が、二千四百十五、約九九・九%から千五百三十八、約八八・三%、それ以上も対象とする市町村が、三、約〇・一%から二百四、約一一・七%。

 入院の場合、就学前とする都道府県が四十五から二十三、それ以上も対象とする都道府県が二から二十四、十五歳末までとする市町村が、二千四百十五、約九九・九%から千五百二十四、約八七・五%、それ以上も対象とする市町村が、三、約〇・一%から二百十八、約一二・五%となっております。

 この十年間の各自治体における乳幼児等の医療費助成の取り組みは助成対象が拡大する傾向となっておりますが、各自治体の財政状況等を踏まえ、各自治体において適切に判断されているものと受けとめております。

 国保の国庫負担の減額調整についてのお尋ねがありました。

 地方単独事業により窓口負担が軽減される場合、一般的に医療費が増加するため、限られた財源の公平な配分の観点から、増加した医療費分の国庫負担を減額調整しております。

 この国庫負担の調整措置の見直しについては、地方団体からの要望もあり、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響等を考慮しながら、引き続き議論していく必要があるものと認識をしております。

 国保の標準保険料率についてのお尋ねがございました。

 今回の改革では、将来的な保険料負担の平準化を進める観点から、都道府県は市町村ごとの標準保険料率を示すとともに、各市町村が都道府県の示す標準保険料率を参考にそれぞれの保険料率を定めることとしております。

 また、毎年三千四百億円の追加公費を投入するなどにより、一般会計からの繰り入れの必要性は相当程度解消するものと考えていますが、各市町村においては、今後とも、収納率の向上や医療費適正化の取り組みを行うとともに、保険料の適切な設定に取り組んでいただきたいと考えております。

 患者申し出療養についてのお尋ねがありました。

 患者申し出療養の具体的な医療の内容や疾患数について現時点でお答えすることは困難ですが、例えば、国内未承認の医薬品等が対象となると考えています。

 また、保険収載に向けた実施計画の作成等を医療機関に求め、安全性、有効性等の確認を経た上で、将来的な保険適用につなげてまいります。

 協会けんぽの国庫補助率についてのお尋ねがありました。

 協会けんぽの国庫補助率は、平成二十六年度までの期限を区切って一六・四%としていましたが、今回、期限の定めをなくして補助率の安定化を図ることとしております。

 協会けんぽの財政状況は、なお厳しい状況であるものの、リーマン・ショック直後に比べると改善してきており、現時点において国庫補助率を二〇%に引き上げるような状況にはないと認識をしております。(拍手)

副議長(川端達夫君) 厚生労働大臣から、答弁を補足したいとの申し出があります。これを許します。厚生労働大臣塩崎恭久君。

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 六番目の問いにお答えをすることができませんで、大変失礼をいたしました。補足をさせていただきたいと思います。

 医療費適正化計画についてのお尋ねでございました。

 今回の改正により都道府県が設定する医療費の目標は、今年度以降都道府県が策定をする地域医療構想と整合性を図ったものとすることとしております。

 地域医療構想は、二〇二五年時点における各地域のあるべき医療提供体制の実現に向けて策定されるものですので、医療費の目標によって医療の過疎化や医師不足を固定化するとの御指摘は当たらないと考えております。

 また、医療費の適正化については、国、都道府県、保険者が、それぞれの役割を果たしながら推進していくものと考えております。

 都道府県には、地域医療構想に基づく医療提供体制の整備や、予防、健康づくりの取り組みを保険者に促すなどの役割を担っていただきますが、国においては、都道府県や保険者の取り組みに係るガイドラインを提示するなどの責務を果たすこととしています。

 大変失礼いたしました。(拍手)

副議長(川端達夫君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(川端達夫君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十四分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣     麻生 太郎君

       総務大臣     高市 早苗君

       外務大臣臨時代理   

       国務大臣     菅  義偉君

       厚生労働大臣   塩崎 恭久君

       経済産業大臣   宮沢 洋一君

 出席副大臣

       厚生労働副大臣  永岡 桂子君


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