衆議院

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第19号 平成27年4月23日(木曜日)

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平成二十七年四月二十三日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十三号

  平成二十七年四月二十三日

    午後一時開議

 第一 経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 第二 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件

 第三 東南アジア諸国連合プラス三箇国マクロ経済調査事務局を設立する協定の締結について承認を求めるの件

 第四 二千七年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件

 第五 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 日程第二 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件

 日程第三 東南アジア諸国連合プラス三箇国マクロ経済調査事務局を設立する協定の締結について承認を求めるの件

 日程第四 二千七年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件

 日程第五 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 日程第二 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件

 日程第三 東南アジア諸国連合プラス三箇国マクロ経済調査事務局を設立する協定の締結について承認を求めるの件

 日程第四 二千七年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件

議長(大島理森君) 日程第一、経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第二、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第三、東南アジア諸国連合プラス三箇国マクロ経済調査事務局を設立する協定の締結について承認を求めるの件、日程第四、二千七年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件、右四件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長土屋品子君。

    ―――――――――――――

 経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 東南アジア諸国連合プラス三箇国マクロ経済調査事務局を設立する協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 二千七年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔土屋品子君登壇〕

土屋品子君 ただいま議題となりました四件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、日・モンゴル経済連携協定は、平成二十七年二月十日に東京において署名されたもので、我が国とモンゴルとの間で、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させ、競争、知的財産等の幅広い分野での枠組みを構築すること等を内容とするものであります。

 次に、WTO協定改正議定書は、平成二十六年十一月二十七日にジュネーブにおいて採択されたもので、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の附属書一Aに税関手続の迅速化等について定める貿易の円滑化に関する協定を追加することを内容とするものであります。

 次に、ASEANプラス3マクロ経済調査事務局設立協定は、平成二十六年十月十日にワシントンにおいて署名されたもので、地域の経済の監視等を通じ地域の経済及び金融の安定性の確保に貢献する国際機関としてASEANプラス3マクロ経済調査事務局を設立すること並びにその運営について定めるものであります。

 最後に、二千七年国際コーヒー協定は、平成十九年九月二十八日にロンドンで開催された国際コーヒー理事会において採択されたもので、国際コーヒー機関の組織、コーヒーに関する情報の交換、研究及び調査を通じた国際協力等について定めるものであります。

 以上四件は、去る四月十六日外務委員会に付託され、翌十七日岸田外務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。昨二十二日に質疑を行い、質疑終局後、まず、日・モンゴル経済連携協定及びWTO協定改正議定書について、討論の後、順次採決を行いました結果、両件はいずれも賛成多数をもって承認すべきものと議決し、次に、ASEANプラス3マクロ経済調査事務局設立協定及び二千七年国際コーヒー協定について順次採決を行いました結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一及び第二の両件を一括して採決いたします。

 両件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。

 次に、日程第三及び第四の両件を一括して採決いたします。

 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第五 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第五、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長今村雅弘君。

    ―――――――――――――

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔今村雅弘君登壇〕

今村雅弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生を推進するため、また、独立行政法人に係る改革を推進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、認定軌道運送高度化事業等の実施に必要な資金の出資等の業務を独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に行わせること、

 第二に、機構において高度船舶技術開発等業務、基礎的研究業務等を廃止するとともに、出資等の業務等に係る役職員に秘密保持義務を課すこと

などであります。

 本案は、去る四月十七日本委員会に付託され、二十一日太田国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、翌二十二日、質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣山口俊一君。

    〔国務大臣山口俊一君登壇〕

国務大臣(山口俊一君) 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 個人情報の保護を図りつつ、近年の飛躍的な情報通信技術の進展に対応したパーソナルデータ及び個人番号の適正かつ効果的な活用を積極的に推進することにより、活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するために、個人情報の範囲を明確にするとともに、個人情報を加工することにより安全な形で利活用できるようにする匿名加工情報の取り扱いについての規律を定め、これら個人情報等の取り扱いに関し監督を行う個人情報保護委員会を設置するほか、預金等に係る債権の額の把握に関する事務を個人番号利用事務に追加する等、個人情報等に係る制度について所要の改正を行う必要があります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、個人情報の範囲を明確にするため、特定の個人の身体の一部の特徴を変換した符号、個人に発行される書類に記載された符号等のうち政令で定めるものが含まれるものを個人情報に位置づけることとしております。

 第二に、本人に対する不当な差別または偏見が生じないように人種、信条、社会的身分、病歴等が含まれる個人情報の取り扱いについての規定を整備することとしております。

 第三に、安心、安全なパーソナルデータの利活用を推進するため、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、かつ、その個人情報を復元できないようにしたものを匿名加工情報と定義し、その加工方法を定めるとともに、その取り扱いについての規定を整備することとしております。

 第四に、近年深刻化している個人情報漏えい事案への対応として、個人情報の第三者提供を受ける際に取得経緯等の確認及び記録の作成等を義務づけるとともに、不正な利益を図る目的により個人情報データベース等の提供をした際の罰則を整備することとしております。

 第五に、個人情報の適正な取り扱いを確保すべく、その取り扱いを行う事業者等を一元的に監視、監督する体制を整備するために、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律を根拠とする特定個人情報保護委員会を改組して個人情報保護委員会を設置することとし、その組織や所掌事務等につきましての規定を整備することとしております。

 第六に、企業活動のグローバル化に伴う個人情報の適正かつ円滑な流通を確保するため、外国にある第三者に個人データを提供する場合についての規定を整備するとともに、外国事業者等が、国内にある者に対する物品または役務の提供に関連して取得した個人情報を、外国において取り扱う場合についての規定を整備することとしております。

 第七に、個人番号の利活用を推進するため、預金保険機構における預金等に係る債権額の把握に関する事務や健康保険組合が行う特定健康診査に関する事務等における個人番号の利用など、個人番号の利用範囲を拡充するとともに、地方公共団体が個人番号を独自に利用する場合における情報提供ネットワークシステムを利用した情報連携等について、所要の規定を整備することとしております。

 以上のほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。平井たくや君。

    〔平井たくや君登壇〕

平井たくや君 自由民主党の平井たくやです。

 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)

 ことしで個人情報保護法が施行されてからちょうど十年になります。この間の情報通信技術の飛躍的な発展には目覚ましいものがあり、我々の想像を超えるレベルにあります。足元では、昨年十二月末のスマートフォン契約数は携帯電話端末契約数全体の五二・三%と、一人一台のスマートフォンは珍しくなくなり、さらに、各社からウエアラブル端末がどんどん売り出されています。

 こういった時代背景があって、多種多様かつ膨大なデータ、いわゆるビッグデータの収集や分析を行うことで、新産業、新サービスの創出や、我が国を取り巻く諸課題の解決に大きく貢献するなど、これからの我が国発のイノベーション創出へ寄与するものとの期待が高まっています。

 特に、個人の行動、状態等に関する情報に代表されるパーソナルデータについては、現行の個人情報保護法の制定当時には想定できなかった高度な情報通信技術を用いた方法により、本人の利益の保護のみならず、新たなイノベーションを生み出すための利活用が可能となってきており、高い利用価値が期待されています。

 一方で、自由な利活用が許容されるのかが不明確なグレーゾーンが広くなり、そのことがパーソナルデータの利活用にちゅうちょするという利活用の壁となっています。

 今回の個人情報保護法の改正の審議に当たっては、コンピューターとネットワーク、言いかえれば、デジタル化とグローバル化による第三次産業革命が現在加速して進行中であるとの基本的な時代認識を共有させていただく必要があると考えます。

 その上で、これまで行政機関や事業者に管理されるばかりであった国民の情報を国民みずからコントロール下に置ける時代が切り開かれ、また、インターネットにつながる権利といった、国民がみずからの情報をみずからの判断で自由に利活用できる環境整備を通じて守られる国民の権利といったものが新たに生まれてくるといった変化にも留意していく必要があると考えています。

 時代はまさに動いています。動いている中で、将来の見通しも難しい中での今回の法改正であります。将来の国民の権利を守る柔軟性を確保しつつ、一方で、成長戦略にブレーキをかけるような利活用の壁があれば早急に取り払う必要があるとの要請や、現在と将来、そして個人情報の保護と利活用のバランスをとらなければならないという要請に対して、どのようなお考えのもと、この法案を取りまとめられたのか、山口大臣にお尋ねします。

 また、個人情報保護は個人情報保護法を遵守するだけで達成できるものではなく、サイバーセキュリティー対策をあわせて推進していくことが不可欠であると考えます。

 今回の個人情報保護法の改正を踏まえて、政府のサイバーセキュリティー対策をどのように推進していかれるのか、山口大臣のお考えをあわせてお答えください。

 このたびの個人情報保護法及びマイナンバー法の改正は、我が国の経済成長を力強く後押しするための基盤を整備するものです。

 技術が目まぐるしく進歩している中で、次に何があらわれるか予測不可能として尻込みするわけにはまいりません。我々が直面するデジタルエコノミーの将来を考えたとき、これを進展させなければ、経済成長や雇用の創出の機会を次世代に閉ざすことになってしまいます。

 今般の法律は、我々の時代認識が問われ、その試金石となる重要なものと考えます。今回の改正法案を成立させた後、マイナンバー制度を次世代につなぐ社会基盤としてどのように利活用していくのか、甘利大臣にお尋ねいたします。

 マイナンバー制度については、まずは、本年十月に控えたマイナンバーの通知、来年一月からのマイナンバーの利用開始、個人番号カードの交付開始に向け遺漏のないよう、万全の準備で円滑な導入を図っていただきたいと思います。

 その上で、政府に対して我が党からもさまざまな提言を出させていただいておりますが、国民にとって利便性の高い公平公正な社会を実現するとともに、マイナンバー制度の利活用を推進し、民間に開かれた社会基盤の整備により、新たな経済成長への道筋をつけていただきたいと思います。

 その上でも、今回の改正法案を第一歩として、国民が安心してパーソナルデータ及びマイナンバーを利活用できるよう、スピード感を持って必要な諸施策を実行できるように、私たちも全力で取り組んでまいることをお約束し、質問を終わりたいと思います。(拍手)

議長(大島理森君) 平井君、席に着いてください。

    〔国務大臣山口俊一君登壇〕

国務大臣(山口俊一君) 平井たくや議員にお答えをいたします。

 成長戦略や個人情報の保護と利活用の観点から、今般の法案の取りまとめに当たっての考えについてお尋ねがございました。

 近年、御指摘のとおり、スマートフォンの普及等の情報通信技術の発展に伴い、いわゆるビッグデータの時代が到来をしておる中、成立から十年余りが経過をした現行の個人情報保護法では対応できないケースが生じているものと認識をしております。

 その一つのケースとして、ビッグデータの活用を行う企業等がパーソナルデータの利活用をちゅうちょするという、いわゆる利活用の壁の課題が生じております。

 このため、この利活用の壁を取り除く観点から、今回の法案の大きな柱の一つとして、個人情報の保護を図りつつ、新産業、新サービスの創出など、我が国の成長戦略を強力に進めていくという考えのもと、匿名加工情報に関する制度の導入等の措置を講ずることといたしております。

 なお、情報通信技術の分野は変化が著しいため、今回の法案では三年ごとの見直し規定を設けており、今後とも、環境変化に応じた必要な見直しを行うことにより、引き続き、個人情報の保護と利活用のバランスを図りつつ、適切に対応してまいります。

 次に、サイバーセキュリティー対策の推進についてのお尋ねがございました。

 議員の御指摘のとおり、不正アクセス等のサイバー攻撃によって個人情報が漏えいをする事案が多く発生をしており、サイバーセキュリティー対策は、個人情報の保護にとっても必要不可欠と認識をいたしております。

 また、データの利活用に当たってセキュリティーが確保されるということは大前提であり、世界最高水準のIT社会の実現という成長戦略の推進にとっても、セキュリティーは必要不可欠な基盤であると認識をいたしております。

 このため、政府におきましては、昨年秋の臨時国会で成立をしたサイバーセキュリティ基本法に基づきまして、本年一月九日、内閣にサイバーセキュリティ戦略本部を設置して、関係府省への監査権限の付与等、推進体制の一層の強化を図ったところであります。目下、同本部において、新たなサイバーセキュリティ戦略を六月をめどに決定すべく検討を開始いたしております。

 今後とも、個人情報の保護と安全なIT利活用が一層進むように、我が国のサイバーセキュリティーの強化に万全を期してまいりたいと考えております。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) 平井議員にお答えいたします。

 マイナンバー制度の利活用についてのお尋ねであります。

 本年十月に施行いたしますマイナンバー制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤となるものであるとともに、情報社会において行政の効率化であるとか国民の利便性向上を実現する上で必要な社会基盤であるというふうに考えております。

 我が国の成長戦略の観点からも、世界最高水準のIT社会を実現する上でマイナンバー制度の積極的活用が重要な課題であると認識しており、昨年六月に閣議決定をいたしました日本再興戦略二〇一四に沿って、政府としても必要な取り組みを推進しているところであります。

 具体的には、金融、医療・介護・健康、戸籍、旅券、自動車登録などの公共性の高い分野を中心としたマイナンバーの利用範囲拡大などの検討を進めてきており、引き続きマイナンバー制度の積極的活用に向けた取り組みを進めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 緒方林太郎君。

    〔緒方林太郎君登壇〕

緒方林太郎君 民主党・無所属クラブの緒方林太郎でございます。

 ただいま議題になりました個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、質疑をさせていただきたいと思います。(拍手)

 しかし、その前に、まず、昨日起きましたドローン落下事件につきまして、山谷国務大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 昨日十時二十分、官邸屋上のヘリポートにおいて、放射性物質を運んでいたと思われるドローンが落下していることが発見されました。

 しかしながら、山谷大臣、その間に何をしておられましたでしょうか。十時半から十一時半まで、自由民主党本部の大ホールにおきまして、「国土強靱化 日本を強くしなやかに」の出版記念会に出席をしておられた。そして、大臣に最初に情報が入ったのは十一時三十六分、既に発見されてから一時間を過ぎていた。そのような状態で、しかもさらに大臣室に入ったのは十三時。発見されて二時間四十分の時間が過ぎてようやく大臣室で最初の指揮をとり始めた。

 日本の危機管理の中核たる内閣総理大臣官邸に一大危機が起きているときに、「国土強靱化」の出版記念会とそしてその対応、どちらが重要であるか、そのかなえの軽重がわからないような、そんな大臣は、私は、国家公安委員長としての資質を欠いているというふうに思います。

 山谷大臣にお伺いいたしたい。

 今回の対応は問題だったのではないか。電話で対応した、そんな答弁は許されない。十三時に大臣室に入ったことは不適当ではなかったのか、その対応について大臣の御所見をお伺いいたします。

 個人情報保護法のこれまでの歩みについてお伺いをいたします。

 個人情報保護法というのは、十年余り施行されて、そしてこれまで一定の意義を日本社会にもたらしてきたというふうに思います。しかし、社会のさまざまな場所において息苦しさを生み出しているということも事実であります。個人情報保護法と関係のない分野において、個人情報を余りに厳格に解するがゆえに、非常に日本社会が息苦しくなってきているということも、これは指摘をしなくてはいけません。

 日本社会全体に、過剰反応さらには萎縮効果、そういったものがもたらされている。今法案の課題でもありますこの萎縮効果さらには過剰反応ということについて、山口大臣にお伺いをいたします。

 個人情報保護法施行十年後の今において、個人情報保護法がもたらした法律とは関係ない部分においての波及効果そして過剰反応、萎縮効果というものについていかがお考えでございますでしょうか。大臣の御所見を求めます。

 安倍政権の精神的自由に対する考え方について質問をしたいと思います。

 萎縮効果、自制、そういったものが今の日本社会の中で非常に蔓延をしている、私はそう思います。

 NHKをめぐるこの二年半のさまざまな問題、さらにはテレビ朝日報道ステーションの番組に関する自由民主党の聴取、さらには特定秘密保護法のその定義に関する曖昧さ、今の政権与党が、さまざまな、言論の自由、表現の自由そして精神的な自由に対して感度が著しく低い、私はそのように思うところがございます。為政者たるもの健全な批判を恐るるべからず。批判に対して弱気になる余り、批判潰しを行う、過剰反応を行うような政権は本来望ましくない、私はそのように思います。

 日本社会に今起こっている言論空間の息苦しさ、そして萎縮効果、我々民主党は、その今の政権が行っている萎縮効果そしてそんたく、自制、そういったものに対して敢然と立ち向かっていくことをお誓い申し上げます。

 国権の最高機関にある我々国会議員は、精神的な自由、表現の自由に対して最大限尊重する姿勢が必要であります。

 表現の自由、精神的な自由で最も怖いのは、水面下で音を立てずにやってくる、その脅威が最も怖い、私はそう思います。表現の自由に対する敵は、正面玄関からやってこない、水面下でやってくる。

 最終的に、今日本で起こっていることというのは、言論空間が著しく狭まっていること、このことに対して、我々は、政権の皆様方に強い警鐘を鳴らしたいというふうに思います。健全な保守は健全なる批判精神を恐れてはいけない。

 官房長官にお伺いをいたします。

 今の安倍政権のもとにおいて、精神的な自由さらには表現の自由が抑圧されている、そういうふうにお思いになりませんでしょうか。官房長官の御答弁を求めます。

 個人情報保護法改正法案について御質問を申し上げます。

 ビッグデータの活用そしてプライバシーの均衡、これが今回の法律でとても重要なことだ、私はそう思います。グレーゾーンを狭めていくことというのはとても重要でありますが、萎縮効果が生じることは不可であります。

 この法律を見ましたときに、個人情報の定義、個人識別符号、要配慮個人情報、個人情報データベース、個人情報取扱事業者、こういった部分に関して、全て政令で規定することになっております。そこに何が含まれるのかということについて、我々はよくわからない。

 携帯電話番号について、個人識別符号に含まれているかどうかということについて内閣府に聞きましたところ、内閣府の方から、それは入らないと説明がございました。しかしながら、法律を読む限りにおいて、そうは必ずしも読めない。

 そして、匿名加工情報の加工のあり方についても、個人情報保護委員会の規則で決めていくということになっております。

 これらの措置については、スピード感を重視した、そういう背景のもとに行われた措置だというふうに理解をいたしておりますが、その一方で、利用者も、情報を使われる個人の方も、何が該当し、何が該当しないのかということについて戸惑いを覚えるというふうに私は思います。

 山口大臣にお伺いいたします。

 政令や個人情報保護委員会の規則を、審議に際して提出していただくことはできませんでしょうか。お願いを申し上げます。答弁を求めます。

 名簿屋問題についてお伺いをいたします。

 今回の法律におきまして、悪質な名簿屋に対する措置に対して一定のことが盛り込まれたというふうに思います。しかしながら、今回の法律だけでは、水面下で動いている闇の業者についてよくわからない。さらには、ウエブを見ない高齢者については全く対応が行われないということになります。

 オプトアウトの規定強化、さらにはトレーサビリティーの設置、そういったものはとても重要だと思いますが、これだけでは到底対応が不可だと思います。高齢者への対応、さらには闇の業者に対する対応、規制の強化が必要だとさらに思いますけれども、山口大臣の答弁を求めます。

 小規模取扱事業者についてお伺いをいたします。

 今回の法律において、個人情報が五千人以下の小規模取扱事業者についても対象になるということで改正が行われることになります。しかしながら、五千人以下の小規模取扱事業者については、附則第十一条におきまして、配慮をするというふうに書いてございます。この配慮をするという規定がよくわからない。

 義務違反があることを認めた上で配慮をするということでありますが、小規模取扱事業者に対しまして配慮をするということが、小規模取扱事業者にいかなる影響を与えるかということについては、私は萎縮効果が働くのではないかというふうに思います。

 義務違反行為を認めた上で配慮を行うということがどういうことを意味するのか、これだけで十分かということについて、山口大臣の御所見を求めます。

 個人情報保護委員会についてお伺いをいたします。

 今回、主務大臣の権限を個人情報保護委員会に集約した上で、非常に強い個人情報保護委員会というのを設けることになりました。この個人情報保護委員会は、権限が強いがゆえに、その構成がいかなるものになるかということについて非常に関係者の心配が高まっております。

 今回、個人情報保護委員会の構成、さらには予算、人員、そういったものがどうなっていくのか、さらには、個人情報保護委員会に設けられる専門委員というのはいかなる人が選ばれるのか。民間業界のさまざまな幅のある方から選んでくることが私は重要だと思いますけれども、山口大臣の所見を求めます。

 事業所管大臣への委任について御質問申し上げます。

 今回、個人情報保護委員会に権限を集約したにもかかわらず、一定の要件を備えれば、個人情報保護委員会から各事業所管大臣に対して事務を委任することができるという規定がございます。

 分野横断的なケースにおいて事業所管大臣の判断が異なるということは、事業者に対して非常な負担になってくるというふうに思います。同じ報告を求められるとか、時間がかかるとか、そういったことに対する懸念に我々は応えていく必要があると思います。大臣の御所見を求めます。

 最後に、グローバル化への対応についてお伺いをいたします。

 今回の法制度が成立することによって、国際的な情報の交換が促進されることが期待されます。制度の国際的な調和ということが、今回の法律の主眼の一つであります。委員会所掌事項の一つに、「所掌事務に係る国際協力に関すること。」ということが書いてあります。

 山口大臣に御質問を申し上げます。

 今回の法制度改正を行ったことによって、例えば、EUが個人情報の交換の要件としている十分性の認定、この要件を満たすことができるというふうにお考えでしょうか。大臣の御所見を求めます。

 そして、今回の個人情報保護法案、冒頭申し上げましたとおり、ビッグデータの活用とプライバシーの均衡、この二つの調和を図っていくことがとても重要であります。その上で、日本でパーソナルデータの活用が進み、よりよい情報社会が生じることを御祈念申し上げまして、私自身の質問といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣山谷えり子君登壇〕

国務大臣(山谷えり子君) 緒方議員にお答えいたします。

 官邸でドローンが発見された事案についてでございますが、ドローン様のものの発見とその対応についてお尋ねがございました。

 本件については、昨日午前中に、総理大臣官邸屋上ヘリポートにおいて、官邸職員が約五十センチメートル大のドローン様のものを発見したものであります。

 詳細については、現在警察において捜査中であることから、答弁を差し控えさせていただきますが、ドローン様のものの装着物から微量の放射性物質が検出されたものの、直ちに人体に影響のあるものではないとの報告を受けております。

 私は、昨日午前十一時半ごろ、自民党本部において、秘書官より、総理大臣官邸の職員が官邸屋上ヘリポートでドローン様のものを発見したとの報告を受けました。

 また、現場に捜査員を派遣して所要の捜査を実施すること、官邸の外周警備を担当する機動隊等に上空の監視を強化させるとともに、官邸周辺の検索を徹底するなど、所要の警戒措置を講ずることについても、あわせて報告を受けました。

 こうした報告を受け、私は、事実関係の早期解明に努めるとともに、官邸の警戒警備に万全を期すよう警察を指導したところであります。

 今後とも、情勢に応じ、総理大臣官邸を初めとする重要防護施設の警戒警備に万全を期すよう、警察を指導してまいります。(拍手)

    〔国務大臣山口俊一君登壇〕

国務大臣(山口俊一君) 緒方議員にお答えをさせていただきます。

 個人情報保護法に対するいわゆる過剰反応についてお尋ねがございました。

 法の定め以上に個人情報の提供を控えてしまう、いわゆる過剰反応、議員御指摘のような状況もこれありというふうなことで、そういったことを解消するためにも、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するという法の趣旨についての正確な理解を広げることが重要と考えております。

 そのため、平成十九年度から平成二十五年度まで、全国で延べ百五十九カ所、約四万人に対して説明会を行っております。

 平成二十六年度は、全国十三会場において説明会を実施し、合計約三千二百名の参加をいただいたところでございます。

 そのほか、パンフレット、リーフレットの作成、ウエブページ上での動画の配信など、個人情報保護法の趣旨及び内容の周知徹底に努めておるところでございます。

 次に、今回の法案に係る政令や個人情報保護委員会規則を審議に際して提出すべきというふうな考え方についてのお尋ねがございました。

 政令等は、法案の成立後、法律の規定による委任を受けて、政府において制定をするものでありまして、社会経済情勢等の環境変化に柔軟に対応しながら、その詳細について決定をしていくものと理解をいたしております。

 したがいまして、法案の審議段階において政令等そのものについて提出をすることはできませんけれども、政令等を策定するに当たっての基本的な考え方等についてはお示しをすることができるものと考えております。

 次に、いわゆる名簿屋問題への対応強化の方針についてお尋ねがございました。

 今回の法案では、名簿事業者を介在して個人情報が転々流通することについての国民の不安に対応するため、オプトアウト手続に関する規制の強化、トレーサビリティーの確保を目的とした規定の新設等の措置を講ずることとしております。

 これらの措置により、一定の効果が期待をできると考えておりますが、今後の追加的な対応につきましては、御指摘のような高齢者や、取り締まりが困難な事業者への対応の強化の必要性を含めて、改正後の法律の施行の状況を踏まえ、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。

 次に、小規模取扱事業者への配慮に関するお尋ねがございました。

 今回の法案では、個人情報保護委員会が指針を定める際に、小規模の事業者に配慮する旨を規定しておりますが、これは、事業規模や個人情報の利用形態に応じて法を適切に運用することを趣旨とするものでございます。

 具体的には、例えば、安全管理措置義務に関して、小規模の事業者に過度な負担とならないような措置の内容を示すこと等を想定しておりまして、事業者の義務違反を容認することを意図するものではございません。

 次に、新たに設置される個人情報保護委員会の構成や予算等に関するお尋ねがございました。

 まず、委員会の構成につきましては、任用の対象者として、個人情報に関する学識経験者や民間企業の実務に精通をしておられる者、消費者保護に関する専門家等を法定しており、個人情報の保護と利活用のバランスを図ることといたしております。

 また、委員会の予算等につきましても、今回の法案において、必要な人的体制の整備、財源の確保等の状況を勘案し、その改善について検討を行うこととしておりまして、その体制の強化に努めてまいりたいと思っております。

 また、専門委員についてのお尋ねがございましたが、個人情報保護法は幅広い事業分野に適用されるため、専門委員につきましても、幅広い分野の業界から選定をするということを想定いたしております。

 次に、同一業者が複数の事業所管大臣に同じ報告を求められたり、法令解釈が事業所管大臣ごとに異なる事態にどう対応するかというふうなお尋ねがございました。

 同一の案件につきましては、事業所管大臣が複数存在する場合においては、個人情報保護委員会が直接監督を行うことや、事業所管大臣に委任をする場合においても、一つの事業所管大臣に委任をすること等により、重畳的に報告を求められることのないように運用することといたしております。

 また、法令の解釈につきましては、事業所管大臣ではなく、全て個人情報保護委員会において行うことといたしております。

 次に、今回の法案により我が国の個人情報保護に関する水準がEUの十分性認定の基準を満たすものとなるかについてのお尋ねがございました。

 EUの十分性認定の基準につきましては、明確に示されたものはありませんが、これまで公表されておる資料等から、基準となるものと推測をされる独立した第三者機関の設置など、主要な項目につきましては、今回の法案において対応しております。

 なお、実際にEUの十分性認定の基準を満たしているかにつきましては、今後のEU側との十分性認定取得に向けた取り組みの中で明らかになっていくものと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣菅義偉君登壇〕

国務大臣(菅義偉君) 放送番組に対する姿勢についてお尋ねがありました。

 憲法第二十一条に定める表現の自由、言論の自由は、民主主義体制を維持するために重要な基本的人権であり、政府としてもこれを最大限尊重することは当然のことであります。よって、議員が御指摘のような事実はない、このように認識をいたしておるところであります。

 なお、放送法においては放送番組編集の自由が定められており、放送事業者は、放送法の規定に基づいて自律的に番組を編集するものと認識をいたしております。(拍手)

議長(大島理森君) 山谷国務大臣から、答弁を補足したいとの申し出があります。これを許します。国務大臣山谷えり子君。

    〔国務大臣山谷えり子君登壇〕

国務大臣(山谷えり子君) 緒方議員のお尋ねでございましたが、ドローン様のものの発見と対応策についてでございますが、先ほどの答弁で私答弁をいたしましたように、報告を受けまして対応したことを御説明したところでございます。

 事実関係の早期解明に努めるとともに、官邸の警戒警備に万全を期すよう警察を指導したところでありまして、今後とも、情勢に応じ、総理大臣官邸を初めとする重要防護施設の警戒警備に万全を期すよう、警察を指導してまいります。

 危機管理対応は十分であったと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 河野正美君。

    〔河野正美君登壇〕

河野正美君 維新の党の河野正美です。

 ただいま議題となりました個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について、維新の党を代表して質問いたします。(拍手)

 初めに、昨日、小型無人機、いわゆるドローンが首相官邸の屋上で発見された件について、政府の危機管理体制を至急確認する必要があるため、質問をいたします。

 まず、ドローンがいつから屋上にあったのか、発見から現在に至るまでの経過、これまでに判明した事実、また、国家公安委員会委員長が、いつどこで本件発生の連絡を受け、どのように対応されたのか、山谷国家公安委員会委員長にお尋ねをいたします。

 ドローンは、災害救助など多様な役割が期待されていますが、その反面、個人のプライバシーや危機管理上の脅威ともなり得るものです。現在は何ら規制もなく自由に動かせますが、今後の対応について、個人情報保護、治安維持や危機管理の観点から、山口大臣、山谷大臣の見解を伺います。

 この問題に関して、内閣委員会における集中審議が速やかに開催されることを求めて、法案の質問に移ります。

 インターネットが一般に開放されて二十五年、ICT分野でのイノベーションは目覚ましく、世界全体で新たな産業を生み出し、社会のあり方をも一変させました。最近では、フェイスブックやツイッターといったSNSなどの普及と相まって、膨大なパーソナルデータが収集、分析されるビッグデータ時代が到来し、その利用による革新的なサービスが、経済成長のフロンティアとして期待されています。

 一方で、個人に関するデータは、量も種類も桁違いにふえ、リアルタイム性も加わるなど、これまでより一層詳細なものとなっています。個人情報の保護に万全を期すべきことは言うまでもありません。

 そこで、改正法案の目的についてお伺いいたします。

 現在の個人情報保護法の一条は、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを法の目的としています。

 改正法案では、個人情報の有用性という文言に、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業を生み、経済の活性化と豊かな国民生活の実現に資するという趣旨の文言が追加されました。新設される個人情報保護委員会の任務にも同様の文言が入っています。

 この変更は、個人情報の利用と保護という二つの要請について、現行法でのバランスのとり方、利益衡量のあり方を変更する趣旨なのか否か、山口大臣のお考えを伺います。

 次に、個人情報の定義について伺います。

 まず、個人情報とは、生存する個人に関する情報とされています。既にお亡くなりになった方の個人情報については、本法における保護の対象外となります。

 みずからの死後も公にしてほしくない情報は、少なからず存在すると思います。亡くなられた方の個人情報の取り扱いについて、山口大臣の御見解を伺います。

 これまで、法律で保護されるべき個人情報の意味が曖昧でグレーゾーンが大きく、企業に萎縮効果があると言われてきました。その点の解決を図ることが本改正案の趣旨であり、個人情報の定義は極力明確なものであるべきだと考えます。

 法案では、個人情報の一つとして、個人識別符号が含まれるものを挙げ、それに該当するものは、特定個人の身体特徴と商品の購入等に関する文字、番号、記号のうち、政令で定めるものとしています。

 こうした文字、番号、記号は非常に多岐にわたり、そのうちの何が政令で定められるのか、改正法案ではわかりません。

 そこで、重要と思われる一例について、山口大臣にお伺いいたします。

 携帯電話番号は、個人を特定できるものとして個人情報に当たるのでしょうか。

 先月の内閣委員会で、我が党の高井崇志議員の質問に対する政府答弁によれば、現状では決まっておらず、これから政令で決めるとの立場と理解しますが、確認をいたします。

 この例のように、本改正案では、個人情報の定義の多くが政令に委任されています。具体的に何が当てはまるのかは、政令の制定を待たなければなりません。

 確かに、ICT分野は技術革新のスピードも大変速く、ある程度、政令に委ねられるのはいたし方ありません。しかし、そもそもの趣旨である個人情報の定義の明確化でさえ方向性がはっきりしないようでは、事業者への萎縮効果も消費者の不安も払拭できません。基本原則は、しっかりと法案で定めておくべきではないでしょうか。

 個人情報の利用と保護のバランスをとるため、どのような事項を考慮すべきか、比べる際の基準は何かといった点は、法に定めるべきではないかと考えます。

 個人識別符号について、今後の政令の制定に向けた手続、スケジュールとあわせて、山口大臣のお考えを伺います。

 また、政令や規則で定める場合、政府だけで議論を進めるのではなく、国民や事業者による開かれた検討、制度の運用が不可欠です。

 本改正案で設置される各組織の委員構成も、国民各層、個人情報を取り扱う多様な事業者の実態に即した議論がなされるよう、バランスをとる必要があると考えます。山口大臣の認識をお伺いします。

 個人情報の保護は、政府の取り組みだけでは限界があり、事業者による自主的、継続的な取り組みが求められます。認定個人情報保護団体のように、消費者の立場を常に酌み取りながら、事業者自身が個人情報の保護と活用を図ることが重要です。

 こうした認定個人情報保護団体について、どのような認定基準で、どれくらい設立されると想定しているのか、こうした活動に対して政府はどのように支援していくのか、山口大臣に伺います。

 立法の経緯などについて質問をいたします。

 昨年十二月十九日に発表されたパーソナルデータの利活用に関する制度改正に係る法律案の骨子案では、個人情報の定義の拡充がうたわれ、携帯電話番号も個人番号に含まれることが示唆されていました。

 これに対し、本改正案では、個人情報は特定の個人を識別できるものに限ると、現行法と同じ考え方となり、個人情報の定義は、拡充されるのではなく明確化のみとなりました。その理由はなぜでしょうか。

 また、EUや米国が端末識別情報も保護対象とする方向を打ち出しているようですが、欧米と比べて本法案の定義が狭過ぎることにならないか、あわせて山口大臣にお伺いいたします。

 関連して、匿名加工情報についてお伺いいたします。

 法案によれば、個人を特定できないよう加工を加えた情報は、匿名加工情報として、一定の要件のもと、本人の同意なしで第三者に提供できるようになります。これも、骨子案では、加工の際は個人情報保護委員会に届け出るとなっておりましたが、法案では削除されました。

 この点について、一旦加工を偽装して、その後に特定できるように修正することへの懸念が指摘されています。なぜ委員会への届け出を不要としているのか、この理由を山口大臣にお尋ねいたします。

 次に、海外の制度との関係についてお伺いします。

 EUは、個人データの保護措置が十分と認めた国にしかEU域内の個人情報の移転を許しておらず、残念ながら、日本はまだ認定を受けていません。

 個人情報の保護は、人権保障の点で他の先進国に恥じない水準であるべきですし、日本企業のグローバルな活動の妨げとならない制度にすべきだと考えます。

 改正法案では、国際的に整合のとれた個人情報制度を構築することを政府に義務づけています。

 政府は、この法案に定められた責務を遂行するに当たり、EUのいわゆる十分性の認定を求めるべく努力していく立場でしょうか。それとも、個別にセーフハーバー協定などを結ぶなど、別の方法で国際的な整合性を図ることを検討されるのでしょうか。

 EUの十分性認定を求めることが、アメリカその他の地域の制度との関係で、逆に何かデメリットが生じ得ないかという点も含め、政府の現状の考え方と方針を山口大臣にお尋ねいたします。

 我々維新の党は、社会保障改革や財政再建のためにも、そして公正な所得再分配のためにも、マイナンバー制度の活用は極めて有効な手段だと考えています。

 経済格差についての国民の不満の一つには、所得や資産の捕捉のされ方が不公平という点があります。所得税は、かつてトーゴーサンとも言われたように、サラリーマンばかりが所得を完全に把握されるという問題があります。

 所得と資産をできるだけ正確に把握して、国民の納得できる再分配を実現するため、我が党は、基本政策でも選挙公約でもマイナンバー制度について言及してきました。

 維新の党の主張する給付つき税額控除による最低生活保障の実現、歳入庁設置による税と保険料の公平な徴収、社会保障目的の相続税といった政策を実現するためには、この制度が重要なインフラとなります。

 こうした観点から、マイナンバー制度を拡充していくことには賛成であります。だからこそ、今回の法案で、預貯金口座へのマイナンバーの付番が任意の制度に終わったことは極めて遺憾であります。

 政府は、二〇二一年以降の義務づけについて検討するとしていますが、最初から任意扱いではかえって不公平感が広がり、何のためのマイナンバー法なのか、国民には理解されません。

 預金取扱機構に対して、一層速やかな義務づけに向けた指導や誘因づけを検討すべきではないでしょうか。また、預貯金口座に限らず、制度全体の拡充、徹底を前倒しすべきではないでしょうか。あわせて山口大臣のお考えを伺います。

 また、仮に、銀行預貯金口座への付番が完全に行われたとしても、海外の金融機関や不動産での資産形成は現状では対象外になり、一方で、国内にしか預貯金を持たない人の資産は厳密に管理されることになります。

 海外資産について、マイナンバー制度での位置づけがどうなるか、山口大臣にお尋ねいたします。

 ところで、マイナンバー制度の内容が周知されていないことも問題です。

 内閣府がことし一月に実施した世論調査では、内容まで知っていると答えた人は二八・三%、平成二十三年十一月の調査では一六・七%でしたから、三年余りでわずか一〇%程度ふえたにすぎません。法人番号に至っては、九七%の人が内容を知りません。

 制度開始まで半年もなく、国民に知ってもらうための取り組みを急ぐべきですが、甘利大臣の認識をお伺いいたします。

 また、このように制度がよく知られていない状況では、マイナンバーを口実とした犯罪の横行が危惧されます。マイナンバーに絡めた犯罪のおそれについて、どのように認識し、既に何らかの対策を検討されているか、山谷国家公安委員会委員長にお伺いいたします。

 次に、マイナンバーの利用範囲の拡大について伺います。

 我が国は、高齢化社会を迎え、年々増大する医療費が大きな問題となっています。政府は、いわゆるジェネリック医薬品の使用促進などによる医療費削減策を進める一方、二重処方対策などは十分進んでいないように思います。医療分野にマイナンバー制度を大規模に導入することによって、重複した検査や処方が回避できれば、身体的にも経済的にも負担の少ない医療が提供できます。

 ところが、今回の法改正では、電子カルテのデータ、診療報酬情報は対象になっていません。

 政府は、今月、次世代医療ICT基盤協議会を開催し、医療情報の活用を進める検討を始めています。今後、こうした医療に関するビッグデータをどのように位置づけ、活用していくのか、甘利大臣及び塩崎厚生労働大臣にお尋ねをいたします。

 また、命に直結する医療情報がサイバー攻撃により改変や削除されることは、決してあってはならないことです。医療情報に限らず、データの加工やサイバー攻撃から情報を保護するためには相当な費用が必要です。こうした対策費用は、事業者や個人に負担を強いるものなのか、山口大臣の見解を伺います。

 さらに、今日、人の遺伝情報は、技術革新により、気軽に利用できるものとなりました。遺伝情報は一個人の問題にとどまらず、先祖から子孫まで、多くの人間に関する究極の個人情報です。しかしながら、本改正案における要配慮個人情報の対象に、遺伝情報は入っていないとされています。その理由を山口大臣にお尋ねいたします。

 個人情報を活用する大前提には、適切な取り扱いと信頼が不可欠です。世論調査でも、情報漏えいによるプライバシーの侵害、不正利用による被害に対する懸念が全体の約三分の二を占めています。

 本改正案の審議が、国民の不安を払拭し、信頼ある仕組みづくりに寄与することを願って、質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣山谷えり子君登壇〕

国務大臣(山谷えり子君) 河野議員にお答えいたします。

 総理大臣官邸におけるドローン様のものの発見と、その対応についてお尋ねがありました。

 本件については、昨日午前中に、総理大臣官邸屋上ヘリポートにおいて、官邸職員が約五十センチメートル大のドローン様のものを発見したものです。

 詳細については、現在警察において捜査中であることから答弁を差し控えさせていただきますが、ドローン様のものの装着物から微量の放射性物質が検出されたものの、直ちに人体に影響のあるものではないとの報告を受けております。

 私は、昨日午前十一時三十分ごろ、自民党本部において、秘書官より、総理大臣官邸の職員が官邸屋上ヘリポートでドローン様のものを発見したとの報告を受けました。

 また、現場に捜査員を派遣して所要の捜査を実施すること、官邸の外周警備を担当する機動隊等に上空の監視を強化させるとともに、官邸周辺の検索を徹底するなど、所要の警戒措置を講ずることについてもあわせて報告を受けました。

 こうした報告を受け、私は、事実関係の早期解明に努めるとともに、官邸の警戒警備に万全を期すよう、警察を指導したところであります。

 ドローンについては、災害対策上で有益な面があり、既に警察においても導入しております。今後、治安対策上、さらに活用の余地もあると認識をしております。

 他方、現時点、航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある場合を除き法規制が行われていないドローンについては、テロを初めとする種々の犯罪に使用されるおそれもあると考えられ、今般の事案の発生を踏まえ、国民の安全、安心の確保とテロ防止等の観点から、今後、関係省庁と緊密に連携しつつ、とり得る対策に係る政府の検討に積極的に参画してまいる所存であります。

 マイナンバーに絡めた犯罪のおそれの認識等についてお尋ねがありました。

 マイナンバーについては、他人のマイナンバーを利用した成り済ましなどによる不正利用等がなされるのではないかとの懸念があり得るところ、本制度には、制度面、システム面において種々の保護措置が講じられているものと承知しております。

 警察としても、マイナンバー制度について、同制度を悪用した犯罪が発生していないか等、その状況を見ながら、必要に応じ、犯罪の防止に関する情報提供を行うなど、関係機関と連携して適切に対処していくよう指導してまいります。(拍手)

    〔国務大臣山口俊一君登壇〕

国務大臣(山口俊一君) 河野議員からは十五問ございましたが、小型無人機、いわゆるドローンと個人情報保護の関係について、私の方にもお尋ねがございました。

 ドローンで撮影をした映像も、それによって特定の個人が識別できるものであれば、個人情報保護法上の個人情報に該当すると考えられます。

 個人情報取扱事業者が例えば不正の意図を持って隠し撮りを行った場合は、不適正な取得を禁止する個人情報保護法の違反というふうなことになるため、同法に基づき適切に対処するというふうなことになろうかと思います。

 次に、個人情報保護法の目的規定の改正により、現行法における個人情報の利用と保護のバランス、いわゆる利益衡量のあり方を変更するのかというお尋ねがございました。

 今回の法案における目的規定の改正は、既に現行法に規定をされております個人情報の有用性の具体例として、新たな産業の創出等を明示することにしたものでございまして、従来の考え方を変更するものではなく、引き続き、個人情報の利用と保護のバランスを図ってまいりたいと思います。

 次に、亡くなられた方の個人情報の取り扱いについてのお尋ねがございました。

 個人情報保護法は、個人情報の本人の権利利益の侵害を未然に防止するということを目的とするものでありまして、個人情報の対象は、生存する個人に関する情報に限っております。

 今回の法案におきましても、この点について変更はしておらず、亡くなった方の情報は、従来どおり、法律の保護対象ではございません。

 次に、改正案における個人識別符号に携帯電話番号が該当するのかについてお尋ねがございました。

 携帯電話番号を含め、具体的に何が個人識別符号に該当するかにつきましては、各種サービス等における情報の利用形態あるいは海外の制度等も総合的に勘案をしながら、これを政令で定めるというふうなことにしております。

 次に、個人識別符号に関し、その基準等を定めるべきではないか、また、政令策定の手続及びスケジュールについてのお尋ねがございました。

 今回の法案において、個人識別符号につきましては、サービスの利用に関し、特定の利用者を識別することができるもの等を政令で定めると規定をしており、その基準等は、法律上、十分明らかになっているものと考えております。

 また、具体的な政令策定の手続及びスケジュールにつきましては、法案成立後、政令案の作成を経て、パブリックコメントの募集、個人情報保護委員会における審議等を行って内容を定めていくことにしておりますが、できる限り速やかに対応してまいりたいと思います。

 次に、今回の法案で設置をされる個人情報保護委員会の委員構成について、政令や規則の制定に当たり、国民や多様な事業者の実態に即した議論が行われるよう、バランスをとる必要があるのではないかというお尋ねがございました。

 新たに設置をされる個人情報保護委員会の委員につきましては、任用の対象者として、個人情報に関する学識経験者や民間企業の実務に精通をしている者、消費者保護に関する専門家等を法定しており、個人情報の保護と利活用のバランスを図ることにいたしております。

 次に、認定個人情報保護団体の認定基準、設立数及び政府の支援のあり方についてお尋ねがございました。

 認定個人情報保護団体の認定制度は、現行法におきましても既に存在するものであり、認定に当たっての基準につきましては、現行法と同様、法定の業務を適正かつ確実に行うに足る知識及び能力を有すること等としております。

 また、現在四十一団体が認定を受けておりますが、政府としても、今後、認定個人情報保護団体による活動が充実をしていくように、認定制度に関する普及啓発、必要な情報の提供等を行ってまいりたいと考えております。

 次に、個人情報の定義が拡充ではなく明確化となった理由と、欧米と比べた本法案の定義の範囲につきましてのお尋ねがございました。

 今回の法案は、ビッグデータ時代が到来する中、現行法における個人情報の保護範囲が曖昧となっており、企業がその利活用にちゅうちょしておる状況を改善するために、個人識別符号を定めて保護範囲を明確化するものであります。

 また、現在、EUや米国でも、個人情報に関し、その保護対象を含めた制度の見直しが行われているものと承知をしておりまして、我が国における個人情報の具体的な保護範囲については、欧米の制度を初め、国際的な整合性も勘案をしながら、適切に対応してまいります。

 次に、匿名加工情報について、加工を行うに当たっての個人情報保護委員会への届け出、これを不要とした理由についてお尋ねがございました。

 今回の法案において新たに類型化をする匿名加工情報は、個人情報を加工して特定の個人を識別することができないようにしたものであり、個人情報そのものより個人の権利利益の侵害のおそれが低いものであります。

 このような情報の性質も勘案をして、事業者による公表のみで、委員会は、匿名加工情報の取り扱いに疑義が生じた場合も十分対応することが可能であるというふうなことから、過度な規制とならないように、届け出までは求めないというふうなことにしたものであります。

 次に、EUの十分性認定取得に関して、政府の現状の考え方と方針についてのお尋ねがございました。

 政府としては、EUとの関係におきましては、本法案の成立後に、EUに進出をしておる我が国の企業の事業環境改善のために、EUからの十分性認定取得に向けた取り組みを進めてまいります。

 なお、今回の法案では、データの越境移転に関し、例えば企業間の契約やグループ企業の規則等で十分な保護が担保されておる外国事業者への移転を認めるといった仕組みも導入をすることにしておりまして、アメリカやその他の地域にとってデメリットを生じるということは考えておりません。

 次に、預貯金口座へのマイナンバーの付番に関する義務づけに向けた指導や誘因づけについてのお尋ねがございました。

 今回の改正法案に盛り込んだ預貯金口座へのマイナンバーの付番につきましては、社会保障制度において所得や資産を適正に把握する観点や、適正、公平に税務を執行する観点等から、現行法で認められている資力調査や税務調査の実効性を高める効果が期待をされております。

 一方で、既存の預貯金口座につきましては、金融機関が預貯金者と接触をする機会は少なく、単純に告知義務を課したとしても付番が進むとは限らないこと等から、告知義務までは課しておりませんが、できるだけ協力が得られますように、関係省庁や業界団体ともよく連携をしてまいりたいと考えております。

 次に、預貯金付番の義務づけに向けた検討及びマイナンバー制度全体の拡充、徹底の前倒しについてのお尋ねがございました。

 今般のマイナンバー法改正案においては、本制度施行三年後の見直し規定が設けられておりまして、その時点で、付番の状況等を踏まえ、必要があれば、さらなる付番の促進に向けた施策の検討を行うこととしております。

 また、マイナンバーの利用範囲の拡充につきましては、これまで、現行の利用範囲である社会保障・税分野と関連性が強く、具体的な利用ニーズのある金融、医療・介護・健康、戸籍、旅券あるいは自動車登録などの公共性の高い分野を中心に、個人情報の保護に配慮しつつ、マイナンバー利用のあり方やメリット、課題等について検討を進めてきており、今回の改正法案に規定したもの以外につきましても、引き続き検討してまいります。

 次に、マイナンバー制度における海外資産の取り扱いについてのお尋ねがございました。

 マイナンバー制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤となるものであり、政府が国民の所得や資産をどのような方法でどこまで把握するのかは、それに伴う国民負担等も勘案をした上で、社会保障制度や税制といったそれぞれの制度の中で検討されていくものと考えております。

 次に、サイバー攻撃等から情報を保護するための費用負担に関するお尋ねがございました。

 個人情報取扱事業者には、取り扱う個人データの安全管理のために、必要かつ適切な措置を講ずる義務が課せられているところであります。これを履行するために必要な費用は、各事業者において負担をされるものと認識をしております。

 最後に、要配慮個人情報の対象として遺伝情報が該当しないのか、お尋ねがございました。

 要配慮個人情報につきましては、今回の法案において、人種、信条、病歴等のその取り扱いによって本人が差別、偏見その他の不利益を受けるおそれがあるものを対象としておりまして、さらに、これらと同様の性質を有するものを政令で定めるというふうなことにしております。

 政令において、遺伝情報を要配慮個人情報の対象とするかどうかは、遺伝情報に対する国民の意識や諸外国における取り扱い等も踏まえて、慎重に検討していくことが必要であると考えております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) 河野議員の質問にお答えいたします。

 マイナンバー制度の国民への周知についてのお尋ねがありました。

 ことし一月に実施をしました世論調査では、マイナンバー制度について、内容まで理解をしている人の割合は三割、言葉は聞いたことがあるという人の割合は四割となっております。

 このため、一般国民向けに三月から、テレビCMや新聞広告なども用いまして広報に取り組んでおりまして、引き続き、国民への周知啓発を強化してまいります。

 また、民間事業者向けには、説明会を重点的に開催するほか、地方公共団体、さらには経済団体や業界団体などに広報の協力を依頼するなど、積極的な広報を展開してまいります。

 次に、医療に関するビッグデータの活用についてのお尋ねであります。

 医療分野のデジタル化、ICT化につきましては、健康・医療戦略推進本部のもとに設置をしました次世代医療ICT基盤協議会におきまして、関係府省等が一体となり、包括的な検討を四月から開始いたしております。

 本協議会では、医療IDの制度整備を前提に検討しておりまして、既に標準的な形式でデジタル化されているレセプトデータに加えまして、検査結果等のアウトカムデータの収集、利活用を目指しております。

 それらのデータの利活用による具体的効果といたしましては、科学的根拠に基づく個人に最適な治療の選択、新しい医療技術、医薬品及び医療機器の開発促進、医療費の適正化等が挙げられます。

 まずは可能な規模から開始をし、できるだけ早期に全国規模に展開をして、医療サービスの高度化や臨床研究の加速化等を図ってまいります。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 河野正美議員から、医療に関するビッグデータについてのお尋ねがございました。

 医療サービスの質の向上、効率化、研究開発の推進を図るため、ビッグデータ化を含めた医療情報の分析、活用は重要だと考えております。

 このため、厚生労働省では、レセプトや特定健診情報のデータベースを活用した分析、研究の推進、医薬品等の安全対策に活用するためにレセプトやカルテ情報を集積する取り組みを着実に進めております。

 また、政府の次世代医療ICT基盤協議会には厚生労働省も参画をしており、内閣官房と連携しながら検討を進めてまいります。

 さらに、厚生労働省では、医療・健康分野での番号の活用も含めた医療情報の分析、活用について検討を進めてまいります。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(川端達夫君) 濱村進君。

    〔濱村進君登壇〕

濱村進君 公明党の濱村進でございます。

 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました個人情報保護法及びマイナンバー法の改正案につきまして質問をいたします。(拍手)

 政府は、日本再興戦略において、世界最高水準のデータ利活用環境整備を行うため、データの活用と個人情報及びプライバシーの保護との両立に配慮したデータ利活用ルールの策定等を早期に進めると示されました。それを受けて、パーソナルデータに関する検討会を十三回、技術検討ワーキンググループは六回開催し、国民から信頼されるルールをつくるべく、活発に議論してこられました。

 ルールにのっとるからこそ競争ができるわけであります。これまでも、日本は、ルールを遵守して高度経済成長をなし遂げてくることができた国であり、であるからこそ、世界から尊敬される国を構築することができました。とはいえ、技術の進展や市場や環境の変化によって新たなルールが必要な分野があり、その一つがパーソナルデータについての法整備であるものと考えます。

 一方、ルールを守るより、ルールをつくる方が、競争において圧倒的に優位な立場になると考えるわけでありますが、日本が、情報法制における国際的なリーダーシップをとり、ルールをつくることにより、安定的で、個人の権利が適切な状態で保護される環境が提供できるとともに、新たな価値の源泉であるパーソナルデータの利活用を推進できるものと考えます。

 パーソナルデータの利活用によるイノベーションを経済成長につなげるべく、パーソナルデータの利活用先進国へと成長する道筋をどのように示していくのか、山口大臣の御見解をお伺いいたします。

 既に、ビッグデータ、パーソナルデータの利活用によるビジネスが多く興っていると言われている米国では、民間の自主規制を中心としたプライバシー保護制度が運用されており、日本よりも自由度が高く、パーソナルデータが利活用しやすい環境にあると主張する方々もおられます。が、自由である一方、連邦取引委員会、FTCによる消費者保護の環境整備が整い、懲罰的損害賠償制度や集団訴訟制度など、重厚な司法救済の仕組みがあるのもまた事実であります。

 そうした観点から、米国の自由な環境を取り入れるのであるならば、司法救済による仕組みもあわせて取り入れなければ、バランスを欠くというものであります。

 また、EUにおいては、平成五年の設立後すぐの平成七年に、EUデータ保護指令が採択され、パーソナルデータが厳格に取り扱われており、中でも、個人情報のEU域外への第三国移転については、当該第三国が十分な水準の保護措置を提供している場合でなければ、移転できないようになっています。これをEUの十分性認定といいますが、我が国は、EUの十分性認定を得られておりません。

 さらに、APECにおいても、越境データ流通については、プライバシーフレームワークというものが導入されており、日本も動向を注視しなければなりません。

 我が国では、パーソナルデータについての議論が企業活動に関する法整備のように取り扱われておりますが、海外においては、欧州議会の報告書によって明らかとなったECHELONや、スノーデン事件によって存在が認められたPRISMといった、ナショナルセキュリティーとしても議論されているわけであります。

 我が国でも、二〇一九年ラグビーワールドカップ日本大会や、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、十分な議論と対策が必要であるものと考えます。

 このように、パーソナルデータの取り扱いは、外交、安全保障のテーマとしても大きな問題となってきているわけでありますが、EUや米国、APECとのかかわりにおいて、偏りなく進めていくべきであると考えますが、山口大臣のお考えをお伺いいたします。

 続いて、今般の改正案の具体的な中身について質問いたします。

 改正案では、第三者機関として個人情報保護委員会が設置される点、個人情報の定義が明確化される点、匿名加工情報を定義し利活用を促進する点といった大きなポイントが挙げられます。

 個人情報の定義については、明確にする中で、個人識別符号という新たな概念が導入されることとなりました。これは、特定の個人を識別できる文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものとあります。あるいは、静脈認証や網膜認証のような生体認証を用いて特定の個人を識別できるものともあります。また、個人に提供されるサービスや商品などによって特定の利用者もしくは購入者を識別することができるものとあります。

 技術の進展や市場におけるサービス提供のあり方は、時代とともに変わり得るものであり、それによっては、特定の個人を識別できるかどうか、状況が変わり得るわけでございます。

 そうなりますと、個人識別符号が意味する範囲も時代によって変わり、個人情報が指し示す範囲も変わり得るということと解されますが、山口大臣の御所見をお伺いいたします。

 次に、第三者機関として発足する個人情報保護委員会について伺います。

 これまでは、各所管省庁に対して、個人情報取扱事業者は、何が個人情報であるのか、また、その運用について相談してきたわけでありますが、その相談する先が個人情報保護委員会に統一され、プライバシーコミッショナーの役割を担う委員会の発足について、事業者は歓迎する意向を示しております。

 このプライバシーコミッショナーとしての役割は、事業者に対して、匿名加工情報の取り扱いや第三者提供のあり方などを示していくわけでありますが、個人に対しても、パーソナルデータの監督を行ってくれることが期待されます。そこで重要なのは、利活用と保護のバランスをどのようにしてとるのかということです。

 バランスをとるためには、幅広く知見を持った人材を招集する必要がありますし、事業者に対しても個人に対しても、安心できる情報提供を行うことができる量的なリソースも必要であると考えます。

 プライバシーコミッショナーとして、質、量ともに充実した人材の確保と体制整備を行う必要があると考えますが、山口大臣の御所見をお伺いいたします。

 このたびの法整備自体は評価するものでありますが、まだまだ課題も残したままであります。例えば、学校や病院においてルールが統一されていないということであります。

 というのも、民間病院では、厚生労働省の監督のもと個人情報保護法が適用されますが、国立大学病院では独立行政法人等個人情報保護法が適用され、県立病院では県の個人情報保護条例、市立病院では市の条例と、それぞれ分かれているのであります。

 事業が違えば監督する省庁が分かれて、二十七分野四十のガイドラインが策定されている現状であります。

 これは二千個問題と呼ばれているわけでありますが、例に挙げた病院であれば、医療データの連携が国民への良質な医療の提供につながると言われ始めている中で、個人情報の取り扱いのルールの整備が喫緊の課題となるわけであります。

 今般の法改正で大きく前進するものと考えるとともに、今後も不断の見直しが必要であり、そのために、三年ごとの見直しが附則に盛り込まれたと考えるわけであります。

 とりわけ、行政機関、独立行政法人が保有するパーソナルデータについては、早急にルールの統一を図られることを含めて、三年後の見直しにおいてどのような検討をなされるおつもりか、山口大臣に質問いたします。

 公明党は、今後とも、我が国における個人情報の取り扱いが、国際的な動向に振り回されることなく調和を図ることができているかどうか、また、進展する技術の歩みに取り残されることなく保護と利活用のバランスがとれているかどうか、そして、憲法に保障される国民の権利が毀損されることがないよう、最大限努力していくことをお約束し、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣山口俊一君登壇〕

国務大臣(山口俊一君) 濱村議員にお答えをいたします。

 パーソナルデータの利活用先進国への道筋についてのお尋ねがございました。

 情報通信技術の急速な進展に伴い、新産業の創出や国民生活の利便性向上につながるビッグデータの利活用が進んでおりまして、その中でも特に利用価値が高いと期待をされるパーソナルデータは、積極的な利活用が求められております。

 このため、今回の法律においては、パーソナルデータの利活用促進をする観点から、匿名加工情報という新たな類型を設けまして、本人同意にかわる一定の条件のもと、自由に利活用できる環境を整備することといたしております。

 この匿名加工情報という類型は、欧米先進諸国にはない世界初のものでありまして、これを創設し、パーソナルデータの新たな利活用の道を開くことは、我が国をパーソナルデータ利活用先進国へと導く第一歩となるものと考えております。

 次に、パーソナルデータの取り扱いに関し、諸外国とのかかわりについてのお尋ねがございました。

 パーソナルデータのみならず、ビッグデータ利活用の時代におきましては、大量の情報が国境を越えて流通をすることとなります。このような中、パーソナルデータの利活用も含め、個人情報保護のあり方についても、欧米諸国の制度との整合性を確保することが重要と考えております。

 EUや米国においても個人情報に係る制度見直しの議論が盛んになっているほか、APECにおいてもデータ移転に関する国際的な枠組みが広がっているものと承知をいたしております。

 このような状況を踏まえながら、我が国としても引き続き、諸外国との交渉や対話を通じて、国際的に調和のとれた枠組みづくりに貢献をしてまいります。

 次に、今回の法案において新たに定義する個人識別符号の範囲、さらには個人情報の範囲が時代とともに変わり得ることについてのお尋ねがございました。

 パーソナルデータの利活用の形態というのは、今後も日進月歩の情報通信技術の進展や国境を越えた多種多様なサービスの登場によって変容していくものと考えられます。

 今回の法案において、個人情報に含まれるものとして新たに設ける個人識別符号は、身体の一部の特徴をデータ化したものや、サービスの利用や個人に発行される書類に割り当てられたものを想定しておりますが、これらにつきましても、技術やサービスの動向に合わせて柔軟に対応していくことが必要であります。

 このため、具体的には何が個人識別符号に該当するのかにつきましては政令で定めることとしており、政令を定めるに当たっては、個人情報保護委員会の委員や専門委員の知見やパブリックコメントの実施による産業界、消費者等の意見もお伺いをしつつ、適宜適切に対応してまいります。

 次に、今回の法案において新たに設置をする個人情報保護委員会に関する人材の確保と体制整備についてお尋ねがございました。

 まず、人材の確保の面では、個人情報保護委員会の委員につきましては、任用の対象者として、個人情報の保護と利活用に関する学識経験者や民間企業の実務に精通をしている者、消費者保護に関する専門家等を法定しておりまして、個人情報の保護と利活用のバランスを図ることといたしております。

 また、委員のほか、専門委員を置くことができることとしており、その人選もあわせて、個人情報保護委員会全体として充実した人材の確保を図ってまいります。

 委員会の体制整備につきましては、改正法案の附則におきまして、必要な人的体制の整備、財源の確保等の状況を勘案し、その改善について検討を行うこととしております。欧米先進国のプライバシーコミッショナーの体制も参考としながら、しっかりと体制強化に努めてまいります。

 次に、医療情報に関連をし、行政機関、独立行政法人が保有するパーソナルデータについて、早急なルールの統一化を含め、三年後の見直しの検討に関するお尋ねがございました。

 医療情報につきましては、その保有主体が国立病院であるのか民間病院であるのかなどの違いにかかわらず、良質な医療の提供につながる情報の利活用が課題であるとの指摘があるのも認識をいたしております。

 このため、今回の法案において導入をする匿名加工情報の仕組みにつきましては、三年ごとの見直しを待たずに、法案の附則において、施行日までに、本法案の趣旨も踏まえ、行政機関等においても必要な措置を講ずるというふうなことにいたしております。

 以上でございます。(拍手)

副議長(川端達夫君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(川端達夫君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十三分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       外務大臣    岸田 文雄君

       厚生労働大臣  塩崎 恭久君

       国土交通大臣  太田 昭宏君

       国務大臣    甘利  明君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    山口 俊一君

       国務大臣    山谷えり子君

 出席副大臣

       内閣府副大臣  平  将明君


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