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第35号 平成27年6月22日(月曜日)

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平成二十七年六月二十二日(月曜日)

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 議事日程 第二十八号

  平成二十七年六月二十二日

    午後一時開議

 第一 貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

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本日の会議に付した案件

 会期延長の件


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    午後八時十二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 会期延長の件

議長(大島理森君) 会期延長の件につきお諮りいたします。

 本国会の会期を六月二十五日から九月二十七日まで九十五日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。

 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。落合貴之君。

    〔落合貴之君登壇〕

落合貴之君 維新の党、落合貴之でございます。

 私は、ただいま上程されました今通常国会の会期を九月二十七日まで三カ月以上にわたって延長する議案に対し、維新の党を代表し、反対の立場で討論をさせていただきます。(拍手)

 いわゆる安保法制が審議入りしたのが五月二十六日。ここまで一カ月近くが経過いたしました。

 特別委員会の冒頭から、安倍総理、中谷大臣がみずからの答弁や不規則発言について釈明するところから始まり、いわゆる武力行使の新三要件や重要影響事態をめぐる閣僚の答弁で、審議はたびたびストップをしてきました。

 あげくの果てには、衆議院憲法審査会では、自民党推薦の長谷部恭男先生までを含む憲法学者三人全員から、今回の安保法制は現行憲法の枠内を逸脱しており違憲との見解を受け、安保法制の憲法適合性をめぐって審議が入り口論に戻り、立ち往生している状況となっております。

 結果、政府・与党が見込んでいた審議時間は積み上がらず、国民の理解も賛同も得られず、想定が狂いに狂ったまま、六月二十四日の会期末を迎える事態となっております。

 私たち維新の党は、松野代表が就任早々、党首討論で申し上げたように、戦後七十年の平和国家としての歩みを大きく変える、日本の国是を変質させる可能性すらある極めて重たいこの法案の審議に当たっては、かつてのPKO法が三国会をまたいで成立したように、十分な時間をかけてとことん議論し、国民的合意を取りつけることが必要だと考えてまいりました。

 ところが、きのうの共同通信世論調査では、安倍政権が安保法制について国民に十分説明できているか、できているはたった一三%、できていないが八四%。今国会の法案成立には、賛成は二六%、反対は六三%。今回の安保法制は一体何のためなのか、どんな内容なのか、なぜ今必要なのか、安倍総理や閣僚が説明すればするほど国民の反対が多くなる、こうした状況をもたらしています。

 審議の中で、国民の理解よりも、最後は数で押し切ればいい、そんな内心が見え透いているからこそ、日に日に国民の反対がふえているのではないでしょうか。このような内閣の姿勢のままいたずらに審議時間を積み重ねても、空回りのひとり相撲を続けるばかりです。

 私たち維新の党は、現下の日本の安全保障環境を見れば、何もしなくてこのままでよいとは思っていません。私たちの考えに基づく独自の案を作成中であり、近くこれを世に示したいと考えております。(発言する者あり)

議長(大島理森君) 御静粛に。

落合貴之君(続) したがって、私たちは、徹底審議のための一定幅の会期延長には賛成の選択肢も留保しながら、与党側の出方を注意深く見守っておりました。

 ところが、結局、与党側から示された延長幅は、何と、過去にも例のないような、三カ月余り先の九月二十七日まで会期延長ということ。これは、要するに、安保法制の審議の難航に備えて、参議院で六十日間議決しなければ否決したとみなし、衆議院の三分の二で再議決して成立させる、憲法五十九条四項のいわゆる六十日ルールの適用を視野に入れたものではありませんか。

 形だけ相手の話を聞いて、形式的に審議時間を積み重ね、最後は、国民の理解も賛同も得られていなくても六十日ルールで押し切ればよい、こんな姿勢では議論する意味がありません。私たちが質疑に立つ意味もなくなってしまいます。

 国会を一日開くたび、国民の血税が約三億円もかかると言われています。丁寧に話を聞いたというアリバイづくりのために、三カ月間、つまり三百億円近くも税金を費やして、結果は何も変わらない。ひたすら時間だけ消化して、結局は国民世論を置き去りにし、国会で与党の数だけで決めてしまう。国民の汗水流して納めた税金三百億円をどのように考えているのでしょうか。

 今回の会期延長に象徴されているように、ポーズだけで結局は聞く耳を持たない、こんな姿勢で国会に臨んでいるからこそ、重要法案を幾ら議論しても国民の理解は得られず、かえって賛成が減り、反対がふえていく。政府・与党のやり方は、憲政史上、重大な汚点を残すと言わざるを得ません。

 六十日ルールは使わない、まずそう宣言してからでないと、今回の延長国会での議論が無意味になりかねない、私たちもそうした形骸化した議論にはおつき合いできないと警鐘を鳴らし、私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 塩川鉄也君。

    〔塩川鉄也君登壇〕

塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、国会史上かつてない九十五日間の延長に断固反対の討論を行います。(拍手)

 一体何のための会期延長なのか。

 本日の与野党書記局長・幹事長会談において、与党側は、安保法制、派遣法案、農協法案など重要法案の審議が続いており、丁寧に審議するためと説明しました。極めて重大であります。

 政府・与党が会期延長で最大の目的にしている安保法制は、憲法九条を根底から覆し、日本がどこからも攻撃されていないのに、集団的自衛権を発動して、アメリカの戦争に自衛隊が参戦し、海外での武力行使に乗り出すものであります。

 自衛隊は、世界じゅうで、いつでも、どこでも、アメリカが起こすどんな戦争でも、戦闘地域まで行って、武器の輸送、弾薬の提供などのいわゆる後方支援、兵たんを行おうというものであり、武力行使と一体となることは明らかであります。

 さらに、戦乱が続いている地域での治安維持活動に自衛隊を派兵し、任務遂行のための武器使用まで拡大することは、違憲の武力行使に至る危険が明白であります。

 まさに、日本国憲法を全面的に破壊する戦争法案にほかなりません。

 そもそも、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を明記した憲法九条のもとで、歴代政府は、自衛のための必要最小限度の実力組織だから自衛隊は憲法違反ではない、自衛隊の海外派兵は憲法違反、集団的自衛権の行使は認められないとの見解を述べてきました。

 この長年にわたってとり続けてきた憲法解釈を変える理由として、政府は、安全保障環境の根本的変容を唯一の根拠として挙げましたが、他国に対する武力攻撃によって、法案が言うような存立危機事態に陥った国の実例は、一つも示せなかったのであります。

 結局、何が存立危機事態で、どういうときに集団的自衛権を行使するのか、明確な基準は何もありません。政府の一方的判断で自衛隊を中東有事にまで出動させ、武力行使するという危険きわまりないものであることが、この間の国会審議で明らかになりました。

 また、政府は、集団的自衛権行使の根拠として最高裁の砂川判決を持ち出しましたが、この判決は、集団的自衛権について触れていないばかりか、当時のアメリカ政府の圧力のもと統治行為論をとり、憲法判断を避けたものであります。

 今や、集団的自衛権の行使が認められるという政府の弁明は、ことごとく崩れ去っているのであります。

 にもかかわらず、通常国会最長の九十五日間もの延長によって、憲法違反の戦争法案を何としても強行成立させようなど、断じて許されません。

 しかも、この大幅会期延長は、参議院の審議において、六十日間を過ぎれば否決したものとみなし、衆議院で三分の二以上の多数で再議決し、成立させることまで視野に入れているのであります。憲法違反が明白な法案を、議会制民主主義を踏みにじって成立させるなど、断じて容認できません。

 また、この会期延長は、昨年二度も廃案となった労働者派遣法を初めとする悪法を成立させようというものであります。戦後労働法制の根幹を崩す派遣法の成立など、到底認めることはできません。

 最後に、連日、国会周辺で多くの国民が、憲法違反の戦争法案やめよの声を上げています。世論調査では、国民の大多数が成立を急ぐべきでないとしています。

 政府・与党には、この声が聞こえないのでしょうか。

 今なすべきは、この国民の声に耳を傾け、会期を閉じ、戦争法案など悪法を廃案にすることであります。

 以上、会期延長反対の討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 会期を六月二十五日から九月二十七日まで九十五日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、会期は九十五日間延長することに決まりました。

     ――――◇―――――

橘慶一郎君 議事日程は延期し、本日はこれにて散会されることを望みます。

議長(大島理森君) 橘慶一郎君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後八時二十七分散会


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