衆議院

メインへスキップ



第21号 平成28年4月1日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十八年四月一日(金曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十八年四月一日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 情報監視審査会会長の情報監視審査会平成二十七年年次報告書についての発言

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


このページのトップに戻る

    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 情報監視審査会会長の情報監視審査会平成二十七年年次報告書についての発言

議長(大島理森君) 情報監視審査会会長から、去る三月三十日、議長に提出された情報監視審査会平成二十七年年次報告書について発言を求められております。これを許します。情報監視審査会会長額賀福志郎君。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔額賀福志郎君登壇〕

額賀福志郎君 情報監視審査会は、去る三月三十日に、衆議院情報監視審査会規程第二十二条第一項の規定によりまして、平成二十七年年次報告書を作成し、大島議長に提出をいたしました。

 その報告書の概要を御報告申し上げます。

 当審査会は、特定秘密の保護に関する法律の施行日である平成二十六年十二月十日に設置をされ、昨二十七年二月二十六日の本会議での委員選任以降、特定秘密の保護に関する制度の運用状況を監視するという重要な活動を行ってまいりました。

 そもそも、特定秘密保護制度に関しましては、当初より、国民から不安や懸念の声があったことも事実であります。当審査会は、これら国民の声に応え、国会における当該制度の監視機関として設けられたものであります。当審査会の果たすべき役割は極めて重要であり、その重い責任に鑑み、報告書を広く公表することにより、もって国民からの信頼を得ることを期待するものであります。

 当審査会は、政府から特定秘密及びそれ以外の不開示情報の開示を受けるため、秘密会での開催や会議録の非公開を原則としており、現に政府から特定秘密等の情報提供を受けておりますけれども、国民の声に応える観点から、本報告書の作成に当たりましては、政府の特定秘密等の情報は当然記載をしていないものの、公表できることは公表するとの姿勢を徹底することといたしております。審査会における調査及び審査の過程の透明性を確保することが、ひいては政府における特定秘密保護制度の適正な運用につながっていくものと考えるからであります。

 それでは、順次、本報告書の概要につきまして説明をいたします。

 本報告書の対象期間は、審査会設置の日である平成二十六年十二月十日から本年一月三十一日までとしております。

 まず、本報告書が審査会設置以来の初めての報告となることから、当審査会について、設置の経緯、趣旨を記載し、あわせて、当審査会の構成、任務及び権限等の概要を記載しているのであります。

 次に、調査及び審査の結果としての政府に対する当審査会の意見についてであります。

 委員間で協議をし、制度の実施状況に関し、問題点や改善すべき点として認識が共有できたもの六項目について、政府の真摯な対応を求めることといたしております。

 その主な内容は、

 一、特定秘密の概要等の特定秘密の内容を示す名称につきまして、具体的にどのような内容の文書が含まれるのかなどがある程度想起されるよう改めること、

 二、特定秘密が記録された文書等の名称を記した特定秘密文書等管理簿を当審査会に提出すること、

 三、政府は、廃棄文書及び廃棄予定文書の内容等を当審査会に報告すること

などであります。

 次いで、調査の過程で、特定秘密の提示を求めるなど、さまざまな知見を得ることができましたけれども、今後、特定秘密を含む不開示情報の提出、提示を求める案件や引き続き取り組む課題として、「今後の調査方針及び課題」をまとめているのであります。

 次に、本報告書の対象期間における当審査会の経過についてであります。

 政府から、昨二十七年六月に国会報告を受け、まず、七月に当時の上川国務大臣から国会報告について説明聴取を行いました。その後、調査における第一巡として、内閣情報調査室及び内閣府独立公文書管理監から、特定秘密保護制度の運用や管理の適正確保のための検証、監察等について説明を聴取するとともに、平成二十六年中に特定秘密を指定した十の行政機関から、特定秘密ごとにその内容や指定のあり方について説明を聴取し、これらについて質疑を行ったのであります。

 その後、第一巡における不明点をただすために、第二巡として、対象省庁と質問項目を絞り込み、説明を聴取し、質疑を行うという手順で議論を深めてきたのであります。

 審査会において議論した主な内容につきましては、国民に対する情報開示に努めるよう、委員からの発言のみならず政府答弁についてもその要旨を記載いたしたところであります。

 さらに、本年一月には、内閣衛星情報センターにおける特定秘密の指定及び取り扱い状況について実情調査するために委員派遣を行い、現地で特定秘密の提示を受け、説明聴取及び質疑を行いました。

 今後も、制度運用の常時監視の観点から、必要があれば特定秘密の提出、提示を求め、調査を進めることとし、議員各位の御理解と御協力を得て、国民の期待に応えるよう活動していく所存であります。

 以上、御報告を申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。環境大臣丸川珠代君。

    〔国務大臣丸川珠代君登壇〕

国務大臣(丸川珠代君) ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 昨年十二月、二〇二〇年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして、パリ協定が採択されました。これは、歴史上初めて、全ての国が参加する公平な合意であります。

 我が国は、パリ協定に先立ち、昨年七月に、温室効果ガスを二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%、二〇〇五年度比で二五・四%削減するとの目標を柱とする約束草案を国連に提出しております。この目標の達成のため、家庭、業務部門においては約四割という大幅な排出削減が必要であります。このため、国として、地球温暖化の現状や対策への理解と機運を高め、国民一人一人の自発的な行動を促進する普及啓発が極めて重要な施策となります。

 本法律案は、こうした状況を踏まえ、普及啓発を強化するという国の方針を明示し、所要の規定を整備するとともに、国際協力を通じた地球温暖化対策の推進、地域における地球温暖化対策の推進のために必要な措置を講じようとするものであります。

 次に、本法律案の主な内容について御説明を申し上げます。

 第一に、地球温暖化対策計画に定める事項として、温室効果ガスの排出の抑制等のための施策及び活動に関する普及啓発の推進に関する基本的事項を追加することとしております。

 第二に、同じく地球温暖化対策計画に定める事項として、地球温暖化対策に関する国際協力を推進するために必要な措置に関する基本的事項を追加することとしております。

 第三に、都道府県及び市町村が策定することとされている地方公共団体実行計画について、共同して策定することができる旨を規定することとしております。あわせて、地方公共団体実行計画において、その区域の自然的社会的条件に応じて温室効果ガスの排出の抑制等を行うための施策に関する事項として定めるものとして、都市機能の集約の促進等を例示として加えることとしております。

 以上のほか、京都メカニズム関連規定の整備、経過措置その他の規定の整備等を行うこととしております。

 以上が、本法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。田島一成君。

    〔田島一成君登壇〕

田島一成君 民進党の田島一成でございます。

 ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、民進党を代表して質問いたします。(拍手)

 昨年のCOP21におきまして、パリ協定が採択されました。世界的な気温上昇を産業革命以前に比べて二度Cより十分低く保つとともに、一・五度Cに抑える努力を追求すること、適応能力を向上させること、資金の流れを低排出で気候に強靱な発展に向けた道筋に適合させること等によって、気候変動の脅威への世界的な対応を強化することを目的とされました。

 また、IPCCの第五次評価報告書では、二度Cシナリオを実現するためには、温室効果ガス排出量は二一〇〇年にはゼロまたはマイナスになると指摘しています。

 人類存亡の危機を乗り越えるには、先進国として二〇五〇年までに温室効果ガスを八〇%削減し、世界全体で二一〇〇年までに温室効果ガスをゼロにしなければならないのです。

 環境立国日本としても、技術と政策を総動員し、世界をリードする形で温室効果ガスの大幅削減をなし遂げる相当な覚悟と努力が必要となります。

 しかし、今回の法案に、そのような覚悟や、温室効果ガスの大幅削減が可能となる仕組みは見当たりません。ただ、普及啓発の推進、国際協力の推進、地方自治体の実行計画の共同策定と、相も変わらず、省庁縦割り、短期的な目先の利益を追求し、長期的な課題は先送りする、まさに安倍政権の姿勢の映し鏡法案であります。

 まず、この法改正によって温室効果ガスの削減がどの程度可能と考えているのか、法改正を行った場合と行わなかった場合の温室効果ガス削減量にどの程度差が出るのか、数値を明確にお示しください。

 IEAによれば、COP21に向けて各国が提出した削減目標を完全に達成したとしても、二一〇〇年までに地球の温度は二・七度上昇すると予測しており、今の義務量でパリ協定の目標は達成できないことになります。

 そうなると、各国のさらなる削減の上積みが求められることになりましょう。日本もさらなる削減を行わなければならなくなり、今から十分に備えをしておく必要があります。

 二度C目標達成のために各国の義務量を上積みしなければならないという御認識が政府にはあるでしょうか。その上で、日本として削減量の上積みを積極的に検討するお考えがあるか、お答えください。

 二〇三〇年目標は、究極の目標への一里塚にしかすぎません。現在示されている地球温暖化対策計画案では、中期目標として、二〇三〇年に二〇一三年比二六%削減達成のみならず、長期的目標として、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの削減を目指すことが明記されました。

 これは率直に評価をいたしますが、中期目標の二六%削減と長期目標の八〇%削減の整合性には疑問が残ります。単純に計算すると、中期目標の達成には毎年一・七%程度の削減、しかし、その先、二〇三〇年度以降は、一・五倍以上の二・七%を毎年削減しないと長期目標の達成はできず、次世代に重い負担を押しつける計算になります。

 地球温暖化対策計画案では、このような大幅な排出削減は、従来の取り組みの延長では実現が困難である、したがって、イノベーションによる解決を最大限に追求するとしていますが、これで果たして長期目標の実現が本当に果たせるとお考えでしょうか。

 日本の雑巾はまだ乾いておりません。イノベーションに頼らずとも、大幅な省エネはまだまだ可能であります。

 例えば、小松製作所粟津工場では、徹底的な熱のカスケード利用や地中熱の活用等によって購入電力を半減させました。

 また、日本保温保冷工業協会によると、工場の配管を覆う保温材が劣化し、国内製造業の消費エネルギーの約三%が無駄遣いされていると指摘されています。これは何と原発七基分がフル稼働した電力に相当いたします。

 さらに、日本の住宅のアルミサッシを全て樹脂製のサッシにかえた場合、原発停止に伴う火力発電のたき増し分に相当する年間一億トンのCO2削減が可能になると試算されています。これは、日本のCO2排出量の約八%に相当いたします。

 ところが、建物断熱義務化は大規模建築物に限定、住宅の断熱は不十分なまま。発電所や工場から大量に排出される廃熱の有効利用も進んではおりません。やれることすらろくにやらず、将来のイノベーションに期待するというのでは、余りに無責任、将来世代にツケを押しつけているだけではありませんか。

 工場配管の保温材の劣化対応、住宅のアルミサッシの樹脂化などの指摘について、政府はどのような御認識をお持ちか、お答えをお願いします。また、これらの指摘に対して、今以上の対策をとる覚悟がありますか。お答えを願います。

 本来であるならば、温室効果ガス削減目標を議論する中でエネルギーのあり方を議論すべきでありますが、安倍政権では、エネルギーミックスを先に決めて、温室効果ガス削減目標はそれに沿ってつくるというまさにあべこべの策定を行っています。理念も哲学もない削減目標であります。

 エネルギーミックスにおいても、福島第一原発事故を忘れたかのように、四十年超の老朽原発の再稼働を推し進めるばかりか、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電所をどんどん建設し、再エネを抑え込もうと必死です。

 石炭火力発電所の規制については一定強化されることになりましたが、これはしょせん政府のエネルギーミックスである石炭火力二六%の枠を出ないようにするための仕組みづくりにすぎません。枠組みが守られない場合の先行きも不透明で、不十分と言わざるを得ません。

 石炭火力に前向きな日本に比べて、米国では石炭火力発電への規制を強め、事実上、新設は困難となりました。カナダも石炭火力発電所の排出規制を導入しています。EUではCCS指令に対応してCCSレディーを義務化し、英国はついに二〇二五年に石炭火力発電所を全廃する決定を行いました。

 これら欧米の石炭火力規制の流れについて、政府はどのように受けとめていらっしゃるのか、お答えをお願いします。

 また、アメリカのロックフェラー基金は、化石燃料関連業界への投資を中止し、アメリカ石油大手、エクソン・モービルの株式保有も解消する方針を表明いたしました。石油支配でかつて巨万の富を築いたロックフェラー家が、今や脱化石燃料の先頭に立っているのです。

 このロックフェラー基金の決断についてどのように評価しておられるのか、御答弁をお願いいたします。

 このように、世界は着実に脱化石燃料へと向かっています。なぜ日本だけが世界の潮流に逆らって石炭火力発電所を推進しているのでしょうか。しかも、相変わらず発電効率ばかりを優先し、熱の有効利用などの総合効率を全く考慮しない規制を行うのか、理解に苦しみます。

 将来のコスト上昇のリスクもあります。この時期、石炭火力の建設推進は将来に必ず禍根を残します。日本も明確に脱石炭火力を宣言し、石炭火力発電の全廃時期を決めるべきではありませんか。答弁をお願いいたします。

 気候変動長期戦略懇談会の提言では、エネルギーの低炭素化、とりわけ電力は再エネ等の低炭素電源を九割以上として排出ほぼゼロにすべきとしています。

 また、二〇五〇年八〇%削減に向けては、最終エネルギー消費部門で消費されるエネルギーを可能な限り非化石燃料に置きかえ、化石燃料への依存を限界まで少なくしていく必要があるとしています。

 加えて、新規の火力発電への投資、特に初期投資が大きく排出係数の高い石炭火力発電への投資には大きなリスクが伴うことをあらかじめ理解しておく必要があるとしています。至極もっとも、まともな提言であります。

 この提言は政府全体で共有されているのか、政府全体としての意思と合致しているのかについて、御答弁をお願いします。

 さらに、この提言内容と二〇三〇年目標や地球温暖化対策計画は整合性がとれているのかについてもあわせて御答弁をお願いいたします。

 我々は、昨年の五月に、二〇三〇年に一九九〇年比温室効果ガス三〇%削減、二〇一三年比三六%削減、二〇三〇年の再エネ三〇%以上導入を目指すべきだとするエネルギーミックス中間報告を取りまとめました。今国会には、間もなく、分散型エネルギー社会推進四法案を提出する予定であります。

 各自治体がそれぞれの資源を生かして、分散型エネルギー利用を進めるための計画制度等について定める分散型エネルギー利用促進法案。熱の有効利用をさらに進めるため、廃熱の公表制度や規制緩和等について定める熱利用促進法案。国の施設の省エネ、再エネ導入を既存の施設も含めて義務化する公共施設省エネ・再エネ義務化法案。そして、地域の資源を生かしたエネルギー利用により、その利益を地域に還元するために、地域の住民や事業者が協同組合を設立できるようにするエネルギー協同組合法案。

 これら四法案を成立させることで、地域資源を生かした省エネや再エネの導入を促進し、地域を活性化するとともに、温室効果ガスの大幅削減を実現したいと思います。

 分散型エネルギー社会推進四法案の成立について、政府にもぜひ御賛同いただきたいと思いますが、御答弁をお願い申し上げます。

 温暖化対策は、CO2削減の緩和策と両輪をなす適応策も重要であります。高潮や洪水への適応、熱中症や熱ストレス、感染症への適応、水不足や農業分野での適応など、将来の気候変動を見越した体制整備も必要でありますが、対応は完璧だと断言できますか。

 世界は今、大きな転換期に差しかかり、大きなうねりの中に佇立しています。しかし、今の安倍政権は、日本の再エネの導入促進や温室効果ガス削減目標を大きく後退させています。また、日本のすぐれた技術力を十分に生かそうともしておりません。今や日本だけが世界に取り残されつつあることに気がつくべきです。

 我が民進党は、政権交代で、エネルギー分権で地方の活気を取り戻し、世界一の環境技術立国として地球環境問題解決の先頭に立つことをここにお誓いし、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣丸川珠代君登壇〕

国務大臣(丸川珠代君) 田島議員より、今回の法改正による温室効果ガス排出の削減量についてのお尋ねがございました。

 我が国が掲げる二〇三〇年目標を達成するため、特に家庭部門や業務部門においては四割という大幅削減が必要であり、国民一人一人の意識やライフスタイルの転換をお願いする必要があります。

 このため、地球温暖化対策計画に定める事項として、こうした転換を促す普及啓発を法律上明記し、これを強化するとの国の方針をはっきり示した上で、今後、普及啓発を抜本的に強化していきます。

 こうした普及啓発の強化と、省エネ法等による規制、税制、補助金といった施策をあわせて講ずることにより、家庭部門、業務部門の省エネ等を促進します。

 この法律改正による効果の総体を切り出してお示しすることは困難ですが、普及啓発と規制、税制、補助金等の施策の相乗効果により、家庭部門でいえばおよそ一四%分相当の省エネ等による削減を図ります。加えて、電力部門の低炭素化の施策をあわせて講ずることで、家庭部門、業務部門の四割削減を実現していきます。

 削減目標の上積みについてお尋ねがありました。

 世界各国が定めた削減目標を全て足し合わせても、二度目標を最小コストで達成する経路には乗っておらず、追加の削減努力が必要になるとさまざまな機関が指摘をしています。パリ協定の目的達成のためには、世界全体の取り組みの強化が必要と認識をしております。

 パリ協定においては、各国が削減目標を五年ごとに提出、更新すること、削減目標は前進を示すことを規定しております。

 我が国としては、まず二〇三〇年目標の達成に向けて着実に取り組むとともに、パリ協定の規定に沿って適切に対応してまいります。

 長期目標の実現可能性についてのお尋ねがございました。

 二〇五〇年八〇%削減は、従来の取り組みの延長では実現が困難です。一方で、温室効果ガスの排出水準は技術水準や社会経済構造に大きく左右されるものであり、中長期的な削減にはさまざまな道筋があり得ます。

 このため、抜本的排出削減を可能とする革新的技術の研究開発、普及など、イノベーションによる解決を最大限に追求するとともに、国内投資を促し、国際競争力を高め、国民に広く知恵を求めつつ、長期的、戦略的な取り組みの中で大幅な排出削減を目指し、また世界全体での削減にも貢献していくこととしております。

 今後の長期大幅削減に向け、目指すべき社会の絵姿を示すために、環境省としての長期低炭素ビジョンの検討に着手したいと考えております。

 ロックフェラー・ブラザーズ・ファンドによる化石燃料に関連する投資からの撤退についてお尋ねがありました。

 海外では、御指摘のロックフェラー・ブラザーズ・ファンドも含め、金融機関や機関投資家等が、石炭等の化石燃料を、パリ協定も踏まえた世界的な低炭素経済への移行過程で財務価値が毀損する資産、すなわち座礁資産と捉え、投融資を引き揚げる動き、ダイベストメントや、投融資先企業に対して取り組みを求める動き、エンゲージメントが広がってきていると承知をしております。

 国内では、このような議論はまだ緒についたばかりではございますが、国内外の金融機関や機関投資家等による動向について、今後も注視をしてまいります。

 加えて、環境省としては、低炭素投資を我が国に広げていくための情報発信や環境情報開示システムの整備などに努めてまいります。

 気候変動長期戦略懇談会の提言についてのお尋ねがございました。

 気候変動長期戦略懇談会は、環境大臣の私的懇談会として設置をしており、温室効果ガスの大幅削減と、我が国が直面する経済的、社会的課題の同時解決を目指す観点から、意欲的な提言をいただきました。

 提言では、二〇三〇年二六%削減は必ず達成すべき水準であること、長期目標を見据えて、本格的に実現に向けた取り組みを開始すべきであること、長期大幅削減に向けた社会構造のイノベーションが必要であることとされています。

 地球温暖化対策計画の案においては、二〇三〇年度目標の達成に向け、国民や事業者が取り組むべき対策や国の施策を位置づけ、二六%削減達成への道筋を明らかにしております。

 また、長期的目標として、二〇五〇年八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すことを位置づけ、革新的技術の研究開発やその社会実装、社会構造やライフスタイルの変革など、長期的、戦略的取り組みについて引き続き検討していくとしております。

 環境省としては、気候変動長期戦略懇談会の提言も踏まえ、今後の長期大幅削減に向け、目指すべき社会の絵姿を示すため、長期低炭素ビジョンの検討に着手をしてまいります。

 気候変動の適応策についてお尋ねがございました。

 昨年十一月、気候変動の影響の評価と対策を取りまとめた気候変動の影響への適応計画を我が国として初めて閣議決定いたしました。

 適応は、政府はもちろんのこと、地方公共団体などさまざまな主体が取り組む必要がございます。

 環境省では、適応に関するさまざまな情報を地方公共団体や事業者等の皆様にワンストップで提供できるよう、ことしの夏ごろをめどに、気候変動適応情報プラットフォームを国立環境研究所に立ち上げます。

 また、地方公共団体において、気候変動影響評価の実施や適応計画の策定を支援するモデル事業を引き続き行ってまいります。

 今後、関係省庁でよく連携をしながら、諸外国の状況も参考にしつつ、進捗管理の方法の構築を図り、計画の実効性を高めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣林幹雄君登壇〕

国務大臣(林幹雄君) 田島一成議員から三つの質問がありました。

 まず、我が国のさらなる省エネの可能性と住宅と工場の断熱化についてお尋ねがありました。

 省エネについては、エネルギーミックスで見込んだ、二〇三〇年度までに石油危機後並みにエネルギー効率を改善するという水準を目指して、徹底した省エネを進めてまいります。

 そのため、御指摘の、工場の配管の保温材の劣化は、交換費用の一部を引き続き支援して対応してまいります。工場の廃熱利用は、他の工場の廃熱を利用する工場の省エネ取り組みを、省エネ法で高く評価する措置を新たに講ずることで促進してまいります。住宅のアルミサッシの樹脂化は、住宅の断熱化を支援する補助金の中で引き続き支援してまいります。加えて、建材トップランナー制度により、サッシ等の省エネ性能の向上を促進します。

 こうした制度的対応と支援の両輪により、工場と住宅の省エネを推進してまいります。

 欧米の石炭火力規制の流れについての受けとめと、我が国の石炭火力の対応方針についてお尋ねがありました。

 議員御指摘の動きがあることは承知しておりますが、石炭の比率はアメリカでは四〇%と、日本の三一%と比較して高いため、これを規制する必要性が高いなど、エネルギーをめぐる環境は各国それぞれであります。そのため、エネルギー政策については、各国の事情に基づいて進めていくべきものであります。

 我が国のエネルギー事情を踏まえれば、石炭火力は、安定供給性や経済性にすぐれた重要なベースロード電源であり、廃止するのではなく、環境負荷を低減しつつ活用していくことが不可欠です。

 省エネ法において、事業者に厳しい発電効率の基準を課し、古くて効率の悪い石炭火力の休廃止や稼働率の低減を促すことで、CO2の排出を削減しつつ、高効率な石炭火力への新規投資を進めていきます。

 今国会に提出を予定されているとのお話があった分散型エネルギー社会推進四法案についてお尋ねがありました。

 今後、同法案が国会に提出された場合には国会において議論されるものと認識しており、この場でのコメントをすることは差し控えます。

 なお、再生可能エネルギー等を活用した分散型エネルギーシステムについては、エネルギー基本計画においてもその構築を進めることとしており、政府としても、引き続きしっかりと取り組みを進めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 真山祐一君。

    〔真山祐一君登壇〕

真山祐一君 公明党の真山祐一です。

 ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、公明党を代表し、関係大臣に質問いたします。(拍手)

 昨年十二月、COP21において、温室効果ガス排出削減のための新たな国際枠組みとしてパリ協定が採択され、平均気温上昇を産業革命前から二度より低く保つことを目標とし、かつ、一・五度以下に抑える努力を追求することが確認されました。今後、各国が温室効果ガス排出削減に向けた取り組みを実施します。

 パリ協定が、百九十六カ国という極めて多くの国が参加する国際枠組みとして合意できたことは、歴史的に大きな意義があります。

 日本は、二〇三〇年度までに二〇一三年度比マイナス二六%の排出削減目標を掲げました。今後、その実現に向けて、二〇五〇年八〇%排出削減をも見据えながら、従来の計画と一線を画した地球温暖化対策計画を策定しなければなりません。

 現在策定中の地球温暖化対策計画の基本的な考え方について、環境大臣に答弁を求めます。

 次に、環境教育について伺います。

 日本の約束草案では、広く国民生活にかかわる民生部門で約四割の排出削減を目標とし、そのため、本法律案では温室効果ガス削減の国民運動強化を掲げています。

 公明党は、二〇〇八年に、七月七日クールアース・デーの制定を推進し、以来、七月七日を中心にライトダウンキャンペーンなどの取り組みを推進してきました。

 私たちは、気候変動による危機、例えば海面上昇による陸地の水没や異常気象による大規模災害など、直面する課題を直視する必要があります。

 政府は、昨年十一月、気候変動による災害など、起こり得る環境影響に対処するための適応計画を決定しました。

 気候変動による影響を正しく認識することが重要であり、そのための環境教育をさらに充実することが必要と考えますが、環境大臣の御所見を伺います。

 次に、途上国支援について伺います。

 昨年十一月二十六日、安倍総理は、COP21に際し、「美しい星への行動二・〇(ACE二・〇)」を発表し、二〇二〇年までに官民合わせて約一兆三千億円、現在の一・三倍に匹敵する途上国支援を行うことを約束されました。

 途上国にとって地球温暖化は、先進国における経済成長の負の遺産と見る向きも強く、温暖化対策のために自国の経済成長を犠牲にすることはできないと考える国も少なくありません。だからこそ、グリーンイノベーションを経済成長に取り込んでいくための後押しが重要です。

 また、昨年三月、宮城県仙台市で第三回国連防災世界会議が行われ、仙台防災枠組が採択されました。東日本大震災を経験した日本が防災、減災分野で果たすべき役割は大きいと考えます。

 日本の強みである低炭素技術や防災、減災分野において、途上国支援を重点的に行うべきと考えますが、外務大臣の御所見を伺います。

 次に、二国間クレジット制度について伺います。

 ACE二・〇では、日本がグリーンイノベーションの牽引役として貢献することを掲げています。そのため、政府は、今春を目途にエネルギー・環境イノベーション戦略を策定することとしています。

 本戦略は、経済産業省のエネルギー革新戦略が二〇三〇年を見据えたエネルギーミックス実現のための戦略であるのに対し、二〇五〇年を見据えた長期的な革新的技術開発戦略です。

 こうした新技術の開発とともに、開発されたすぐれた環境技術を広く国際的に普及する仕組みが重要です。二国間クレジット制度、JCMは、環境技術の普及という観点からも実効性のある取り組みです。パリ協定においても、JCMを含む市場メカニズムの活用は日本が主導してきた分野です。

 このたびの改正で、地球温暖化対策計画に国際協力を明記することになりますが、とりわけ二国間クレジット制度は有効であると考えます。

 二国間クレジット制度の今後の展開について、環境大臣の御所見を伺います。

 次に、北東アジアにおける環境への取り組みについて伺います。

 今月、静岡県で、日中韓三カ国大臣会合が開催されます。本会合は、一九九九年から毎年開催され、北東アジアは一つの環境共同体であるという共通認識を醸成してきました。

 パリ協定に世界最大の排出国である中国が参加した意義は大きく、その取り組みが注目されています。

 この意義を深めるためにも、環境意識を共有してきた日中韓三カ国環境大臣会合の場を通して、昨年四月に採択された三カ国共同行動計画を前提に、北東アジアにおける持続可能な環境モデル地域を目指すことを確認し、行動を加速することが、五月に行われるG7環境大臣会合において日本が国際社会をリードすることになると考えます。

 北東アジアにおける環境への取り組みをどのように進めていくお考えか、環境大臣の答弁を求めます。

 次に、地方公共団体実行計画について伺います。

 本法律案では、地域における温暖化対策のさらなる推進を目的に、複数の地方公共団体が共同で実行計画を作成できるようにすることや、計画における記載事項の例示として都市機能の集約等を追加することなどが盛り込まれております。

 地方創生の観点からも、グリーンイノベーションによる地域経済の活性化が期待されています。風力や地熱、バイオマスなどの地方の豊富な資源を活用し、自立分散型エネルギー社会を構築することで新たな雇用、所得を生み出し、また、町の防災力向上にもつながります。

 地方公共団体実行計画の共同作成が可能になることで、さらに効果的に自立分散型エネルギー社会を推進できると考えますが、環境大臣の御所見を伺います。

 最後に、再生可能エネルギーの普及について伺います。

 二六%削減目標を達成するためには、再生可能エネルギーの飛躍的な導入が必要です。

 本年二月五日、公明党の経済産業部会と省エネ社会推進本部が再生可能エネルギーの導入拡大に向けた提言を政府に申し入れ、特に、司令塔の役割が期待される再生可能エネルギー等関係閣僚会議の早期開催を求めました。

 その提言を受け、先月、再生可能エネルギー等関係閣僚会議が開催され、以下の点が確認されました。

 一つ目が、再エネ導入拡大に向け関係府省庁連携。二つ目が、福島新エネ社会構想の実現。これは、福島復興の夢と希望の柱であるイノベーション・コースト構想を実現する上でも非常に重要です。そして三つ目は、エネルギー革新戦略の取りまとめです。

 二〇三〇年二六%削減目標を達成し、二〇五〇年八〇%削減の展望を開くためには、飛躍的な再エネ導入、それを可能にするイノベーションが必要不可欠です。とりわけ、水素エネルギー分野は日本が先駆けており、その活用によって再エネ導入が飛躍的に進む可能性があります。

 水素エネルギーを含めた再生可能エネルギーの飛躍的な導入拡大に対する御所見を、環境大臣、経済産業大臣、それぞれに伺います。

 昨年九月、国連で採択された持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ、SDGsにおいても、地球温暖化対策は重要課題となっています。そして、SDGsは、途上国のみならず、先進国においても、貧困に取り組むことを要請しています。気候変動によるものに限りませんが、頻発する大規模災害は多くの貧困を生み出します。それは、東日本大震災からの復興の途上にある日本が直面している課題でもあります。

 私たち公明党は、SDGsにおける、誰も置き去りにしないとの理念を共有し、今後とも、地球温暖化対策に総力を挙げることをお誓い申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣丸川珠代君登壇〕

国務大臣(丸川珠代君) 真山祐一議員から、地球温暖化対策計画についてのお尋ねがございました。

 先日、政府として取りまとめた計画案では、我が国が目指す方向として、二〇三〇年度に二〇一三年度比二六%削減するとの中期目標の達成に向けて着実に取り組むこと、パリ協定を踏まえ、長期的目標として二〇五〇年八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すこと、我が国が有するすぐれた技術を生かし、世界全体の温室効果ガスの排出削減に最大限貢献することを位置づけております。

 その上で、基本的考え方として、環境、経済、社会の統合的向上に向けた施策の推進、日本の約束草案に掲げられた対策の着実な実行、パリ協定を踏まえた技術のイノベーションや社会構造、ライフスタイルの変革など、長期的、戦略的取り組みについての検討、エネルギー・環境イノベーション戦略や二国間クレジット制度等を通じた世界の温室効果ガス削減への貢献、全ての主体の意識の改革、行動の喚起、連携の強化、毎年の点検を踏まえ、必要に応じた計画の見直しについて位置づけております。

 計画案については現在意見募集を行っており、その結果も踏まえて、政府として、地球温暖化対策計画を閣議決定し、我が国の地球温暖化対策を着実に前進させてまいります。

 気候変動問題の正しい知識を浸透させるための環境教育の充実強化についてお尋ねがございました。

 地球温暖化対策の推進に当たって、気候変動による影響等の正確な情報を教育現場等でわかりやすく提供していくことが必要です。

 環境省では、気候変動に関する政府間パネルによる第五次評価報告書が示す科学的知見など信頼性の高い情報をわかりやすく伝えるコミュニケーターを養成する事業を行っております。

 この事業により、学校の先生や気象予報士に加え、地球温暖化防止活動推進員や自治体職員、大学生など、多岐にわたる方々がコミュニケーターとなり、小学校への出前授業等で御活躍をいただいております。

 今後も、このコミュニケーターによる出前授業を充実させるなど、子供を初め国民の皆様が気候変動による影響を正しく理解できるよう取り組んでまいります。

 二国間クレジット制度、JCMについてお尋ねがございました。

 昨年のCOP21では安倍総理から、日本は、JCMなどを駆使することで、途上国の負担を下げながら画期的な低炭素技術を普及させていくと世界に向けて発信をいただきました。私自身も、積極的に国際交渉を行うとともに、パートナー国の皆様にも働きかけを行ったところです。

 パリ協定においては、JCMを含む市場メカニズムの活用が可能となり、JCMを展開していく上での国際的な位置づけが明確になりました。

 今後のJCMの展開については、世界に先駆けて取り組んできた経験を活用しながら、さまざまな技術を生かした、より広い分野におけるプロジェクト形成支援、プロジェクトの実現可能性を踏まえたパートナー国の拡大、具体的な成果についての国際的な情報発信に取り組んでいく所存です。

 今後も、JCMを一層推進し、すぐれた低炭素技術による世界全体の排出削減に向けて、我が国としてリーダーシップを発揮してまいります。

 北東アジアにおける環境への取り組みについてお尋ねがございました。

 御指摘のとおり、北東アジア地域は一つの環境共同体であり、日中韓三カ国が協力を継続、強化しつつ、共通の環境課題に対処していくことが重要であります。

 昨年の日中韓三カ国環境大臣会合において採択された共同行動計画では、北東アジアの環境改善と持続可能な発展に貢献する三カ国の環境協力をさらに強化することが重要であるなどのビジョンを掲げています。さらに、大気環境改善や気候変動対応を初めとする九つの優先分野について具体的な活動を定めています。

 今後、計画に基づく活動が着実に成果を上げることが重要です。

 環境省としても、中韓両国とともに、日本の経験や技術等を生かしたさまざまな取り組みを進めています。

 ことしの会合は、この計画策定後初めての会合になります。中国、韓国とも議論をしながら、議長国として、着実な進展を図るべく、会合をリードしたいと考えております。

 地方公共団体実行計画の共同作成についてのお尋ねがございました。

 自立分散型エネルギー社会の推進に関しては、例えば、都市と農山漁村が連携をし、農山漁村から再生可能エネルギーを都市に供給する一方、都市から資金やノウハウ等を農山漁村に提供するといった取り組みの事例がございます。こうした取り組みが共同作成された地方公共団体実行計画に位置づけられることにより、長期的、戦略的に推進されると期待されます。

 環境省としても、こうした取り組みを促進することにより、自立分散型エネルギー社会の形成をさらに効果的に推進してまいります。

 再生可能エネルギーについてもお尋ねがございました。

 二〇三〇年二六%削減目標を達成し、そしてその先の二〇五〇年八〇%の削減を実現するためには、再生可能エネルギーの最大限の導入が必要です。

 このため、環境省では、浮体式洋上風力発電や、地域で再生可能エネルギーをつくり地域で消費するエネルギーシステムの実証等を行っております。

 また、利用時に二酸化炭素を排出しない水素は、再生可能エネルギーの貯蔵にも活用ができ、その導入拡大に貢献をするものです。

 環境省では、水素について、再生可能エネルギー等から水素を製造し、貯蔵、輸送を経て、利用するまでの低炭素な水素サプライチェーンの実証や、再生可能エネルギー由来の水素ステーションの導入支援等の取り組みを実施しております。

 こうした施策により、水素の活用を含む再生可能エネルギーの大幅な導入拡大を実現してまいります。(拍手)

    〔国務大臣岸田文雄君登壇〕

国務大臣(岸田文雄君) 我が国による気候変動及び防災、減災分野の途上国支援についてお尋ねがありました。

 昨年のCOP21首脳会合において安倍総理から表明した、二〇二〇年における官民合わせて一兆三千億円の途上国支援は、同年までに、先進国全体で、官民合わせて年間一千億ドルを動員するとの過去のCOP決定でのコミットメント実現に道筋をつけ、パリ協定の採択に大きく貢献したものと考えます。

 一兆三千億円の途上国支援の具体的内容については、今後、二〇二〇年に向けて検討を進めていくこととなりますが、例えば、地熱発電事業への支援、防災インフラの整備など、御指摘の分野の案件も含め、日本の得意分野での支援を念頭に置きつつ、検討してまいります。

 また、東日本大震災を初め多くの災害から得た知見や技術を生かしつつ、御指摘の仙台防災枠組や日本独自の仙台防災協力イニシアティブの着実な推進を通じて、途上国の防災能力の向上や防災の主流化に貢献してまいります。(拍手)

    〔国務大臣林幹雄君登壇〕

国務大臣(林幹雄君) 真山祐一議員から、再生可能エネルギーや水素エネルギーの飛躍的な導入拡大についてお尋ねがありました。

 再生可能エネルギーや水素エネルギーは、エネルギー自給率の向上を通じた安定供給の確保や低炭素社会の創出等の観点から重要です。

 そのため、再生可能エネルギーについては、固定価格買い取り制度の適切な運用見直しに加え、低コスト化に向けた研究開発などに取り組みます。

 また、水素・燃料電池戦略ロードマップに基づき、二〇三〇年までに八十万台程度の燃料電池自動車を普及するなどの目標に向け、着実に取り組みます。

 また、御指摘の再エネ閣僚会議を踏まえ、環境アセスメントの迅速化等の関係省庁連携プロジェクトの推進、強い経済とCO2抑制の両立を目指すエネルギー革新戦略の取りまとめ、イノベーション・コースト構想の成果も活用しつつ、福島新エネ社会構想の実現に向けた取り組みをしっかりと進めてまいります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       外務大臣    岸田 文雄君

       経済産業大臣  林  幹雄君

       環境大臣    丸川 珠代君

 出席副大臣

       環境副大臣   平口  洋君


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.