衆議院

メインへスキップ



第9号 平成23年4月27日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十三年四月二十七日(水曜日)

    午後一時一分開議

 出席委員

   委員長 荒井  聰君

   理事 大島  敦君 理事 岡島 一正君

   理事 階   猛君 理事 津村 啓介君

   理事 村井 宗明君 理事 塩谷  立君

   理事 平井たくや君 理事 高木美智代君

      阿久津幸彦君    井戸まさえ君

      磯谷香代子君    打越あかし君

      岡田 康裕君    岡本 英子君

      勝又恒一郎君    岸本 周平君

      小林 正枝君    後藤 祐一君

      阪口 直人君    末松 義規君

      園田 康博君    空本 誠喜君

      玉城デニー君    中後  淳君

      長島 一由君    西村智奈美君

      橋本 博明君    福島 伸享君

      松岡 広隆君    森山 浩行君

      山崎  誠君    甘利  明君

      鴨下 一郎君    小泉進次郎君

      塩崎 恭久君    平  将明君

      中川 秀直君    長島 忠美君

      野田 聖子君    遠山 清彦君

      塩川 鉄也君    柿澤 未途君

    …………………………………

   国務大臣

   (地域活性化担当)    片山 善博君

   内閣府副大臣       末松 義規君

   内閣府大臣政務官     阿久津幸彦君

   内閣府大臣政務官     園田 康博君

   総務大臣政務官      逢坂 誠二君

   法務大臣政務官      黒岩 宇洋君

   国土交通大臣政務官    小泉 俊明君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 堀江 良一君

   政府参考人

   (観光庁次長)      武藤  浩君

   内閣委員会専門員     上妻 博明君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十七日

 辞任         補欠選任

  岸本 周平君     渡辺 義彦君

  坂口 岳洋君     中後  淳君

  森本 和義君     玉城デニー君

  山崎  誠君     網屋 信介君

  浅尾慶一郎君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  網屋 信介君     岡本 英子君

  玉城デニー君     空本 誠喜君

  中後  淳君     勝又恒一郎君

  渡辺 義彦君     阪口 直人君

  柿澤 未途君     浅尾慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  岡本 英子君     山崎  誠君

  勝又恒一郎君     坂口 岳洋君

  阪口 直人君     岸本 周平君

  空本 誠喜君     森本 和義君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 総合特別区域法案(内閣提出第二七号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

荒井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、総合特別区域法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官堀江良一君、観光庁次長武藤浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

荒井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小泉進次郎君。

小泉(進)委員 自由民主党の小泉進次郎です。

 きょうは三十分の時間をいただきまして、ありがとうございます。きょうは総合特区法案の審議ですが、まず冒頭に、少し震災の関係から話に入りたいと思います。

 きょうは二十七日ですが、あしたが四月の二十八日、ちょうど三月十一日のあの発災からいわゆる四十九日、それがあしただということです。改めて、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、また、今もなお被害を受けられている方に心から御見舞いを申し上げます。

 私も、三月十一日以後、いろいろと被災地を回ってまいりました。茨城県の高萩、北茨城。宮城県の石巻の女川、雄勝、南三陸、気仙沼。岩手県の陸前高田、大船渡。そして福島県は、大熊町から集団避難をしている皆さんが会津若松にいらっしゃいますので、会津若松にも行ってまいりました。また、千葉県浦安市、そして旭市。また、長野県の栄村、そして野沢温泉村。

 いろいろと回ってきましたが、今回、テレビや新聞で理解できること、また伝わることがどれだけ実感とは違うか。これが、被災地での現状を目の当たりにして、なおかつ、被災者の皆さんと直接言葉を交わす中で強く感じたところであります。これから復旧が進み、復興という話になってきたときに、やはり通常の状態ではとれない措置でもやっていかなければいけない、あらゆる可能なことを想像力を働かせてやってほしいというのが被災地の声だと思います。

 そんな中で、この総合特区法案に関して言うと、昨年の七月から提案の募集をして、また三月に締め切りをかけて、第二弾といいますか、調査をいたしました。その特区の提案の中には、今回、三・一一の地震、津波で甚大な被害を受けた地方の公共団体からも提案が来ていると思いますが、大臣にお伺いをいたします。

 今回の被災地の公共団体の中で、提案は上がってきているけれども、地震、津波によってその提案の内容、大きく前提が変わってしまった、そういったところは多くあると思うんですが、もしお手持ちの資料の中で幾つか代表的なものがあれば、ちょっと御披露いただけますか。

片山国務大臣 この総合特区法案は、今回のような大地震が起こる前に構想していたものですから、取りまとめました法案も、必ずしも被災地の現状とはそぐわないという面があることは否めないと思います。

 それはそれとしまして、震災前に被災地から、これは全国からですけれども、被災地も含めていろいろな構想が寄せられてきておりまして、ちなみに岩手県からは五件、それから宮城県からは十五件、福島県からは八件、それぞれ、こんな構想があるよというのが予備的段階として情報として寄せられておりました。

 その中には、例えば、その地域の基幹産業であります水産業などを念頭に置いて水産都市の活性化の特区などもありまして、これらは被災後の現状からしますと、当初構想していたものは到底今の段階では、実現はもちろんですけれども、申請にも恐らくこぎつけられないだろうという印象を持っております。

 あえて被災後に、このような事情でありますので、その後どうなりましたかという問いかけも実はしておりませんけれども、法案が成立をしまして、改めて全国的に特区の申請について伺う段階になりますと、震災前に伺っていたものとは全く異なったような、そういう事情を伺わざるを得ないのではないかと今考えているところであります。

小泉(進)委員 大臣が御答弁してくださったとおり、まさに前提が大きく変わってしまったと思います。

 例えば宮城県の、これは国際戦略総合特区に対する提案ですが、一つ挙げると、みやぎ水産都市活性化特区。これも、今の宮城県の各港、沿岸部の状況を見れば、大臣おっしゃったように、今どういう状況ですかと到底お聞きするような段階ではない、そのとおりだと思います。また、地域活性化総合特区に関する取り組みですと、例えば石巻アグリクラスター集積特区、そして北上川水辺のレストランプロジェクト、こういったものもこのリストの中にあります。

 そのプロジェクトの名前を見ただけでも、どういう事態かなというのは察するに余りあるところなんですが、きょうの日経新聞の社説でも、宮城県知事から出ている提案、東日本エコ・マリン特区、こういった復興特区と言えるようなものに対する提案。そしてまた検討部会の方でも出たそうですが、新潟県の長岡市長から、税制、財政政策から産業政策、町づくり、生活支援までを包括するような規制緩和を特区で実現してほしい、こういった発言が出ているようです。

 聞いていると、今回の総合特区の基本的な枠組みというか考え方、理念、これに合致したものだと言えると思います。構造改革特区という単品のメニューだけではなくて、総合特区というのは、規制の緩和プラス税制、財政、金融上の支援措置、こういったものを総合的に資源と技術を集中投下してやっていくんだと。まさに今の復興構想会議の中にも関係するような考え方、取り組みだと思いますが、一面、冷静に考えると、この総合特区というのは平時の考え方であり、災害に対する復旧復興に基づいたような制度とはなっていません。

 しかし、これからの東北地方、その他被災地を考えると、たとえその実現性にポジティブな要素ばかりではなくとも、ゼロ以下、マイナスからスタートしようとしている地域をもう一度、実際にその被災自治体からこういうことをやってみたいんだと意欲を持ったアイデアが出ている限り、それをリスクをとってでも応援しよう、そういうのがまさに今政治に求められている決断だと思いますが、この復旧復興と特区構想、そして今回の総合特区法案、この関係において、大臣のお考えがもしあったらお聞かせください。

片山国務大臣 今回の法案は、言うなれば、まさに平時において構想いたしまして、今まで地域の活性化でありますとか国際的な都市づくりなどをある程度目指してきたところがさらに大きく飛躍をしようという、その際に、幾つかのパッケージとしての規制、制度の特例措置を講ずるとか、財政、税制、金融上の措置を講じて後押しをしようということでありまして、大きなダメージを受けたところがこれから地域の再生を図ろうというところに必ずしもなじまないという面はあります。

 しかし、地域づくりの手法として、さまざまな規制を自治体、地域の自主的な取り組みに変換する、国の規制を地域の自主的な取り組みによって解除する、そういう面はむしろ、私は、今回のような大きな震災を受けたところには手法としては非常にうまく合致するんだろうと思います。

 したがいまして、今非常に悩ましいタイミングなんですけれども、もし、この総合特区法案が成立をさせていただいて、その中に、あるいは地域によってこの総合特区法のスキームでやっていきたいというところがあったら大歓迎であります。いろいろ困難もあろうかと思いますけれども、それなりの配慮はぜひすべきだと思います。

 それから、今進行しております復興構想会議の方でも総合特区の話が出ておりまして、そこが構想としてまとめられて、これとはいささか違うけれども、似たようなスキームを用いて復興に際しての総合特区のようなものをつくるということであれば、それはそれで非常に結構なことだと思います。

 今そういうタイミングでありますので、両にらみになるのでありますけれども、いずれにしても、総合特区の持つ手法というのは震災被災地の復興に当たっては大いに活用すべき余地があると私は考えております。

小泉(進)委員 前向きな答弁をありがとうございます。

 そこで、一つ大臣の考えを伺いたいんですが、今、復旧復興に関しての総合特区というのは考え方も合致する、手法も合致するというお話がありました。もしも被災自治体から総合特区に関する提案が上がってきたときに、たとえほかの募集提案の中のものと比べて同等か、もしくは、実現に向けていわゆる熟度といいますか、そういった部分がちょっと見劣りをする部分があっても、意欲を持ってチャレンジをするところは認めようという、言葉をかえると被災地枠といいますか、そういったお考えというのはありますか。

片山国務大臣 それは全国等し並みに扱うとした場合には、被災地の皆さんというのは大きなハンディキャップを背負っているわけでありますから、当然、それなりの配慮はあってしかるべきだろうと思います。

 その際に、どれほどの配慮かというのはちょっと今具体的なイメージは持っておりませんけれども、例えば、スケジュールなどはやはりそれなりの配慮があってしかるべきだと思います。最初に全部当初の枠を認定、指定し尽くしてしまうのかどうかという問題になるわけですけれども、ある程度、個別にスケジュールをおくらせてでも認定できるものがあるのかどうか、そういうことはよく念頭に置いておかなきゃいけないと思いますし、それから熟度の面でも、それは熟度が達していないからというので一刀両断ということはすべきではないと私は思っております。

 ほかにも、実際に具体的に地域から伺ってみますと、なるほど、それはやはり配慮しなきゃいけないなという事項が多分出てくると思いますので、法案が成立しましたらよく地元から実情を伺ってみたいと考えております。

小泉(進)委員 スケジュールとか熟度とか、前向きに柔軟に配慮するという御発言ですが、恐らく、今回の震災、津波で影響を受けた自治体、特に提案をしている自治体に対しては、スケジュールのことをもともとの想定で考えていると、さすがにこのスケジュールでは無理だなと思ってあきらめちゃう、そういうところも出てくる可能性もなきにしもあらずだと思います。ですので、今の御答弁のような、大臣のスケジュールに対する、熟度に対する、またその他のいろいろなことに対する配慮があるよ、そういった告知、広報をしっかりと現場に対してしていただきたいと思います。ぜひそこら辺はよろしくお願いします。

 国際戦略総合特区についてお伺いをします。

 この国際戦略総合特区、対象は、国際レベルでの競争優位性を持ち得る大都市等の特定地域となっていますが、実際、この国際レベルでの競争優位性を持つというのは、言うはやすし、行うはかたし、これは大変ハードルが高いと思います。

 例えば、この前の質疑で、自民党の平井委員からは韓国の例を挙げて、逢坂政務官が御答弁をいただきました。

 もう一度韓国の部分を触れますと、日本の実効税率で法人税率四〇・六九、これに比べると韓国は二四・二なわけで、韓国の外国人投資地域に関して言うと、五年間ゼロなんですよね。そして、六、七年目は二四・二%の半分、つまり一二・一%。一方、日本は、この総合特区で課税所得の二〇%を損金に算入できるという特例措置を適用した後、二八・九二という実効税率で、もし今民主党の方で進めている法人税率の五%引き下げがかなったとしても二三・九二、かからなかった場合は見劣りをするということになります。

 それプラス、これは国税の特例だけじゃなくて、地方のコミットメントも加える、そういったことになっています。これは独自の地方税の減免等を想定しているということですが、この地方のコミットメントというのは具体的には何を指していますか。

逢坂大臣政務官 今回の総合特区を実施するに当たって、国際戦略もそうですし、地域活性化もそうでありますけれども、やはり自治の現場での取り組みというのは我々は非常に重視をしております。特にその本気度というものを非常に重視しておりまして、ある種、こういう特区に申請をして単にお金をもらうみたいなことだけでは、これはうまくいかないだろうというふうに思っているところです。

 そこで、地方の関与として、今、小泉委員からも一部言及がございましたけれども、地方独自の判断で、地方税についてある種の恩典を与えるというようなこと、あるいは地方独自に財政的にバックアップをするというようなこと、あるいは、例えば申請のスキームなども、地方全体がいわゆるワンストップのような形でいろいろなことをやれるようにしていくとか、地方そのものが変わっていくというようなことが大事だと思っています。

 加えて、地方が持っている権限についても、地方が独自に、自分の範囲内での権限というのがございますので、それらについても柔軟な対応をしていくというようなこと、あるいは、バックアップをするための体制を例えば地方の役所が連合してつくるとか、地方の役所の中でも縦割りを排してやる、そういったことが求められていくんだろうと思っております。

小泉(進)委員 この地方のコミットメントという中身を具体的に決めていくのは、国と地方の協議会、この場で、国、また提案をしてきた地方公共団体、それとまたパートナーも含めての話し合いもあると思いますが、その中で、地方のコミットメントの具体化の作業をしていくと思うんです。

 例えば韓国との比較をした場合、私は、この国際戦略総合特区というのは相当意欲的に大胆にやらないと、やる意味がない、そういうふうに思っています。だとすると、韓国のこの大胆な外国人投資地域に対する特例、法人税ゼロ、こういったところと競争しても勝つんだといった場合、これは相当な政治のリーダーシップと覚悟、そういったものが必要になると思います。

 そして、国の特例措置だけで対抗できる場合ではない場合、まさにそこは地方も協力をしてもらって、地方からも協力をしてくれということになるんだと思いますが、今、例えば韓国の例を挙げましたが、国だけではちょっと見劣りする場合に、地方にも覚悟してもらってそこをコミットしてもらう、そういったイメージもあるということでよろしいですか。

片山国務大臣 今回の総合特区法案は、従来、いろいろな地域振興の特例法がありましたけれども、ともすれば国の方がいろいろな恩典を地元に地域指定をした上で与える、そういうスキームが多かったと思うんですけれども、今回の場合には、総合特区というのは地域の自主性というもの、主体性というもの、自発性というものを非常に重視しております。

 それをはかる尺度と言うと変ですけれども、一種の本気度、取り組みの本気度というようなものを参酌することにしておりまして、その本気度の中に、地域で自主的に取り組めること、すなわち、先ほど政務官がお答えしました地域独自の規制の緩和がどうなるのか、それから地方税をどのように扱おうとしているのかということがありまして、当然、最初の段階から、それぞれの地域で地方税を含めた独自の措置はどうされるんですかということを問いかけることになりますので、その段階で相当程度の内容が示される、また、示されるようなものを選んでいくということになると思います。

小泉(進)委員 今回、総合特区法案の中で特徴的なのは、国と地方の協議会、これの設置をされているというのが今までの構造改革特区とかそういったものとの大きな違いの一つだと思いますので、恐らく、提案する側の地方公共団体の立場に立てば、この話し合いの場でどういった話し合いができるのか、また地方の声を、やりたいと言った側の意見をどこまで酌んでもらえるのか、これが大変大きな関心だと思います。ぜひ、国と地方の協議会の中で柔軟な対応を可能にするような、そういった対応を国の方でも考えていただきたいと思います。

 そこで、その関連でお伺いをしたいのが、いわゆる調整費、総合特区推進調整費との関係なんですが、今回、総合特区に関する予算は、この調整費の部分だと百五十一億円出ています。しかし、昨年の概算要求の段階ですと八百二十億円なんですね。

 それで、八百二十億円から百五十一億円まで削られた理由というのは、事業仕分けです。事業仕分けで、八百二十億円の中身がちゃんと示せないようだったら予算はつけないよ、こういうふうに言われたことで、その後、国際戦略総合特区を五件、そして地域活性化総合特区四十七件、合わせて五十二件。そして、一件当たりの推進調整費が二・九億円。二・九億円掛ける五十二件でちょうど百五十・八億円になります。それでぴったり百五十一億という予算になるんですが、この二・九億円、これはどういった根拠ですか。

逢坂大臣政務官 二・九億円の根拠でございますけれども、これは、今回と同様の地域活性化を目指した、要するにどういうふうにお金を使うかということを冒頭から決めていない経費というのが過去にございました。北海道特定特別総合開発事業推進費というものがございまして、この際の一事業当たりの平均支出額が平成二十一年度の場合二億八千七百万円ということでございましたので、一応、算定の根拠、ベースとしてこれを置かせていただいたということであります。

 しかしながら、現実の執行に当たってはこの額にとらわれるものではなくて、既定の各省予算を大きな柱としながら、そこで足りない部分、そこを補充する部分ということで設定をしてまいりたいというふうに考えております。

小泉(進)委員 まさに今おっしゃったように、この二・九億円の根拠というのは、北海道特定特別総合開発事業推進費の一件当たりの平均支援額ということになっています。

 この北海道特定特別総合開発事業というのは、確かに今回の総合特区推進調整費と同じように目未定、つまり使い道を限定していないものではあるんですが、伺うと、目未定の中でも程度の違いはあるんですね。

 例えば、北海道特定特別総合開発事業だと、目未定だけれども公共事業にかかわることに使いますよ、こうなっていて、この総合特区推進調整費はそれからすると目未定度が高いといいますか、公共事業だけじゃないよ、そういう形のとらえ方だと私は理解をしているんですが、そういった北海道特定特別総合開発事業の一件当たりの支援額と今回の総合特区推進調整費、これを算定根拠とすることが果たして適当なのかな、そういう思いは私はあります。

 ただ、今回、この総合特区法案に対しては私たちも反対するようなものではありませんから、むしろその積算根拠とした北海道関連の推進費というものを前向きに考えたとするならば、余り小さいことをちまちま言わないで、特区というのはやってみなきゃわからない部分もあるんだから、リスクをとってチャレンジ精神を発揮したところに政治の決断でどんとつける。その結果、たとえその後のPDCAサイクルの中で想定したような効果が得られない特区の事業があったとしたら、それはそれだ、それはそのとき決めた政治家が責任をとればいいんだ、だから役所の方はこの方向でがんがん動け、そういうふうにやれると。

 私はそういうとらえ方をしているんですが、実際、総合特区の中での推進調整費の使い道、これはどのような使い道を考えておられますか。

逢坂大臣政務官 今、小泉委員が御指摘のとおり、私自身も余り枠にとらわれたことをすべきではないというふうに思っております。したがいまして、この法案について御賛同いただけるということも御発言がございましたので、ぜひまた、与党、野党を超えて大きな声を上げて、これがうまくいくように応援いただきたいなと思っているところです。

 その上で、今回の調整費を決定するに当たって、これは政府内部の話で大変恐縮ですけれども、財政当局ともいろいろやりとりがある、これは事実でございます。しかも、これほど予算が厳しい中でございますので。その際に、先ほどの北海道の過去の調整費を一つ参考にしたのと同時に、事前に各地域にアンケートもとりました。

 その際に、地域活性化総合特区については、調整費必要額としてどの地域も大体五億円以下におさまっていたということもございまして、五億で二・九億なら少ないだろうという話はもちろんあるわけですが、そんなことも勘案しながら今回の積算根拠にさせていただいたということであります。

 しかしながら、実際の執行に当たっては、その額に必ずしもとらわれることなく、まず第一には各省の予算を重点的に配分していく。それを第一の柱にしますけれども、そこの上乗せ部分といいましょうか、あるいは横出し部分といいましょうか、そういう部分については、この調整費の中でそれぞれの個別の事情に応じて対応してまいりたいと思います。

小泉(進)委員 前向きな答弁、ありがとうございます。余り枠にとらわれないでやっていきたいということですが、どの枠にとらわれないでやっていただけるのかということを聞きたいんです。

 特区の一件当たりの上限額というのが決まっているんですね、推進調整費を出す額。地域活性化総合特区に対しては推進調整費は五億円までが上限ですよ、そして、国際戦略総合特区に対しては二十億円が上限ですと。これは、一体どこにこの上限の根拠が書いてあるのかというと、別に今回の法案の中には書いてません。記者に対する資料の中にそうやって書いてあるんですが、まずはその根拠はびっちり守るのか。

 それとも、逢坂政務官がさっき言った枠にとらわれないという意味は、上限と言われている五億、二十億を、これは私の考えですが、もしも魅力的な特区の案件があった場合、例えば国際戦略総合特区は、もう推進調整費を二十億出しちゃったな、でも予算はまだある、しかもこれは魅力的だ、ちょっと投資しがいがあるな、そうなったときに、その二十億の枠を超えて、これはまさに政治判断ですから、それでやる可能性はあると考えていいのかどうか、お答えください。

逢坂大臣政務官 今回、今御指摘いただいた二十億、五億でございますけれども、これの考え方も、先ほどお示しをしたそれぞれの地区からの聞き取りによるアンケートによって、この範囲内におさまっていたので、これを上限額として設定することが妥当だろうというふうに思っています。

 その意味において、現時点で我々の予測では、これを超えるものは調整費としては出ないだろうという判断を持ってございます。しかし、これからいろいろと意見を聞いて、さらに事業が具体化していく局面に入ってまいりますので、その際にはどういう対応ができるかをまた検討するべきものかなというふうに思っています。

小泉(進)委員 そろそろ時間ですから終わりますが、私は、この総合特区のようなものというのは、事業仕分けのことを言っちゃいけませんけれども、余りぎちぎちぎちぎち無駄の排除、これは無駄をなくすということは大事ですが、その一方で、何が無駄かというのはその人の判断基準によって違うわけですから、この総合特区みたいなものは、例えば全部一から十まで説明できなかったらお金は出しませんよみたいな考え方だったら、到底できるような考えではありません。

 ですから、そこは、片山大臣、また逢坂政務官、政治家が、おれが決めたんだからこの方向でやるよ、最後責任はとるから、こういった大きな考え方で進めていただかないと、今、ただでさえ、きょうも格付会社スタンダード・プアーズが日本の見通しを格下げするということがニュースでありましたが、こういった中で、より大胆な提案、その実現が求められていると思いますので、皆さんの本来の意味での政治主導を心からお願いして、私の質問にさせていただきます。

 きょうはありがとうございました。

荒井委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、総合特区法案ということで、内閣委員会の浅尾委員の差しかえで質疑に立たせていただきます。

 また、きょうは実はほかの委員会と重なっておりまして、一日に四回質問することになっておりますので、質問順の御配慮を他の会派の皆さんに御協力いただきまして、まずもって御礼を申し上げたいというふうに思います。私は割となれっこなんですけれども、いずれにしても、質問を進めさせていただきます。

 もともとは、これは、構造改革特区等々のさまざまな歩みを踏まえてこの総合特区という制度が設計されてきたものというふうに理解をしております。構造改革特区、さまざまな規制緩和や新しい地域からの試みを誘発してきた、そういうポジティブな成果のあったものだというふうに私は思いますが、しかし、実現したものに対する評価も一つあるでしょうけれども、もう一方で、結局提案が実現しなかったものも山のようにあるわけでございます。

 それについて質問をさせていただきたいというふうにも思っているんですが、まず、この総合特区制度において、規制緩和等に対する省庁の反対をどのように打開していくのか、これが非常に重要だというふうに思います。

 もともと、この総合特区の制度を政府内あるいは民主党内で議論をしていた際には、内閣府が認めれば自治体の権限で特区を創設できるという特例措置を盛り込む、こういう案が検討されていたというふうにも仄聞をいたしております。それが、今回はそのとおりにはこの法案には盛り込まれていない。なぜそれをやめてしまったのかというふうに思っております。

 構造改革特区というのは、省庁の関与がまだまだ強かった制度だというふうに思います。自治体からの提案については、内閣官房が窓口になって、基本的には所管官庁と内閣官房が書面のやりとりをしながら調整をする、そういうものでありました。このため、所管省庁と提案自治体で議論が平行線をたどる、また、所管官庁がどうしてもだめだ、こういう形で反対をした場合は、結局実現をしないで、次回再度提案をするということしか認められてこなかったわけです。

 そこを突破するために、省庁が自分たちの既得権益を手放さないで反対だと言っても、内閣府が総合的な見地からこれはいいんじゃないかと認めた場合には、自治体が特区を創設することを政府として認める、こういう構造に当初の検討段階ではなっていたかと思いますけれども、そうならなかったということについてはどのような理由によるものなんでしょうか。

片山国務大臣 柿澤議員が御指摘の、具体的に規制の緩和をどうやって進めるのかというのは、実は本当に最大のポイントだと私も思います。

 その際に、おっしゃったように、内閣府対各省というとらまえ方ももちろんあるんですけれども、実は、内閣府といっても、内閣系のところもしょせんは官僚の人たちがやるわけで、官僚対官僚になるわけです。私は、むしろこの種の問題というのは、そういう内閣府とか内閣官房対各省という取り合わせよりは、政治対官僚組織という枠組みでとらえた方がいいんだろうと思います。

 幸い、今の政権というのは政治主導ということを標榜して今日に至っておりまして、従来のような、役所の抵抗に遭えばおおむねそれが通ってしまうというやり方ではなくて、必要な調整を政務が率先して行うということになっておりますので、まさにこの総合特区などで各省がネガティブな姿勢を示した場合には、ちゃんとそれぞれの所掌の大臣以下の政務三役がおりますので、その政務三役が中心になって協議をして物事を打開していく、こういう手法が私は一番有効だと考えております。

柿澤委員 もう一つ、今回の法案に、今申し上げた内閣府と自治体の中で、省庁の頭越しにと言ったら言い方は悪いですけれども、決定をするというやり方に変わって、国と地方が協議をする、こういう新しい考え方が盛り込まれています。国と地方の協議会をつくって、国と地方が直接交渉して特区の創設やあるいはそこにおける規制緩和のメニューを決めていく、こういうことが盛り込まれているわけです。

 しかし、この国と地方の協議というのが、どういうプロセスを経て、どのぐらいの段階でだれが結論を出すのかということについては、詳細がこの法案に書かれているわけではありません。国と地方の協議が省庁が抵抗する中で難航した場合、いつまでにまず結論を出すことにするのか。いつまでもずるずるやっていれば、自治体が提案した総合特区の中身が時代状況の中で意義が薄れる、こういうことだってあり得るというふうに思います。

 例えば、先日、総務委員会で、復興特区のことについて片山総務大臣とお話をさせていただきましたけれども、この復興特区を例えば宮城県が提案をしました、それで国と地方の協議を三年間やっていたら、実現しましたといってももう何の意味もない、復興特区の意味がなくなってしまうというふうに思うんです。

 そういう意味で、国と地方の協議が、いつまでに、どのようなプロセスを経て結論を出すべきものなのか、そして、国も地方も譲らないというがっぷり四つの状況になった場合に、だれが最終的に軍配を上げて結論を出すということになるのか、そこのところをお伺いしたいというふうに思います。

    〔委員長退席、大島(敦)委員長代理着席〕

逢坂大臣政務官 今回、まさに国と地方の協議会というのは非常に大事だと思っております。

 先ほどの大臣の答弁の中で、各省の縦割りを排す排し方として、内閣府と各省ではなくて、いわゆる政務、政治家と各省の枠の中で考えるべきだという指摘がございましたが、もう一方の視点として、自治体、地域から上がってきた要望をベースにして各省が物を考えていくということがやはり非常に重要になると思います。その際に、この協議会というのは非常に大事になると思っております。

 今回の法案の中では、この協議会の仕組みについて余り詳しく言及をしてございません。その理由は、やはり出てくる提案はそれぞれ非常に多様性があるだろう、にもかかわらず、協議会そのものをあらかじめがんじがらめにこういうルールだというふうにしてしまうと、逆に議論が十分うまくいかないのではないかというおそれもありまして、どういう頻度でどういうふうに話し合うかも協議会で議論してもらおうと思っているところであります。

 しかし、御指摘のとおり、物によってスピードが必要なものも出てまいります。いついつまでに決めなかったら、そもそも議論していること自体が意味を持たないということも出てまいりますので、そういったものは、今回、ここの中に担当大臣というようなものも配されることになっておりまして、その所掌の範囲の中で政治的な判断がされていくべきものというふうに思います。

柿澤委員 そうすると、膠着状態に陥った場合、これは、担当大臣が最終的に決断をしてどちらかに軍配を上げて、方向性をある段階で出していく、こういう局面がやってくるという理解でよろしいですか。

片山国務大臣 各省の大臣それから内閣府の特命担当大臣、それぞれ加わりますので、そういう局面が生じましたら、その両大臣が中心になって物事を決めていくということになると思います。

柿澤委員 次に、先ほども質問で取り上げられておりました総合特区推進調整費についてお伺いをします。

 平成二十三年度予算に、この総合特区推進調整費百五十一億円が計上されている。指定された総合特区に対し、各府省において提案された規制改革の検討を行う場合、そして認定された総合特区計画に記載された目的達成のために必要な事業の支援について、各省の予算制度での対応が可能となるまでの間、最長三年間補完をしていく、こういうものであります。概算要求段階で八百二十億積んでいたはずなんですけれども、事業仕分けで、具体的な使途が不明で、積算根拠に納得できないということでばっさりやられまして、結果的に五分の一の百五十一億円に減らされた経過であります。

 これについて、総合特区を推進しようという内閣府はどのように考えておられるのか。なるほど積算根拠があいまいだ、御指摘のとおりだということで予算の大幅減額を受け入れたのか。それとも、事業仕分けは変な判断を下したな、ふんまんやる方ない、こういう思いでいるのか。どちらなのか、お伺いしたいと思います。

逢坂大臣政務官 予算編成のプロセスというのはなかなか難しいところがございます。それから、調整費の性格上、その使途がはっきりしていないものはつけられないと言われてしまうと、調整費そのものの意味がなくなってまいります。そういったことも頭に置きながら、我々としては、従来からの予算の策定のプロセスの中で、内閣府が計上できそうな額の最大の額を今回予算要求させてもらいました。それぐらい、内閣府として今回のこれには力を入れているんだということであります。

 しかしながら、内容が決まっていないものについて余りにも白紙委任をするような形の予算が多過ぎるということでは、それはそれでまた問題であろうという指摘も、私ども一理あるというふうに考えております。そこで、自治体からの聞き取りあるいは過去の例、そういったものも踏まえて、今回、百五十一億に予算査定のプロセスの中でなっていったということで、これはこれで政権全体として納得をしているということであります。

柿澤委員 これは、事業仕分けの第三弾でいろいろと議論を公開の場で行った結果、予算が五分の一になった。そもそも計上見送り、こういう判定もなされてしまったということで、これが菅内閣の目玉政策の一つでもあったことから、あたかもこの総合特区の事業が、非常に使途のわからない、ばらまき的な政策を推し進めるような予算計上を行って、しかも政府の中から突き上げを食って予算減額に至った、こういうふうに受けとめられてしまったことは、皆さん、担当者としては極めて不幸な経過だったというふうにも思います。

 その意味で、この総合特区制度の意義、意味合いが、このプロセスを経て何か薄まってしまったというか低いもののように思われてしまったといううらみがあると思うんですけれども、この点について、皆さんとしてはどのようにお考えになられているでしょうか。

片山国務大臣 私は、もともとこの総合特区制度というのは、先ほど来議論が少しありましたけれども、構造改革特区の発展的形態だと思っています。それからしますと、総合特区というのは、単品の規制緩和を心がけてきた構造改革特区から一段進化をしまして、一種の広がりのある、地域にかかっているいろいろな規制をこの際一括して緩和したり取り除いたりしたいという、そこが一番のポイントであります。

 その際に、それ以外の税制上とか金融上とか財政上の特例措置を加味してという筋書きなものですから、確かに、予算を減らされたことはそれはそれで非常に残念でありますけれども、総合特区の一番大事にしている基本的な枠組みというのはそれによって何か阻害されるというものではないというふうに考えております。

柿澤委員 成長戦略に掲げられた総合特区でありますので、経済成長に資するものであるべきだというふうに私は思います。ですけれども、法案には、地方公共団体は、申請を行う場合には、区域の範囲と、産業の国際競争力の強化または地域活性化に関する目標、その達成に取り組むべき政策課題を申請書に記載しなければならないと。しかし、その目標というのがどれくらい詳細なもので、どのように成果管理をしていくのかということについては、これも必ずしも明らかではありません。

 総合特区の指定から、いつまでにどのような目標を達成するのか、だれがどのようにそれをレビューしていくのか、そして、過去のいろいろな地域活性化、地域おこしの事業がそうであったように、全然効果を生まなかった場合、だれがどのように責任をとるのか。そこをきちんとやらないと、過去のいろいろな施策と同じことになってしまう可能性もあるわけです。

 そういう意味で、この総合特区というのは、将来的にどれだけの効果を生むかということを確定的にはなかなか言えない、成長の可能性があるという、そこにひとつやってみよう、こういうものであるということは重々理解しますけれども、しかし、今回のまさに事業仕分けから予算査定へのプロセスというところで議論になったように、これだけの目標を掲げて、できれば数値的な、客観的な、検証可能な目標をどういうプロセスと期間で達成するのか、それをレビューしていく、それで達成できなかったら責任をとる、ここはやはり大事ではないかというふうに思います。

 その点について御答弁をお願いしたいと思います。

片山国務大臣 その点は非常に重要だと私も思います。

 これも、従来の地域振興立法というのは、総じて地域指定とか地区指定を受けることに非常に大きなエネルギーを使って、一たんそれを受けますと何がしかの恩典、特例措置が与えられる、特に財政上の特例措置が与えられる。そこで、極端なことを言えば余り人の口の端に上らなくなってしまう、それでどういうふうな成果をもたらしたかわからない、そういうことが多かったという経験。私も長年、いろいろなところでそういうことをかいま見てきました。それではいけないと私も思います。

 今回の法案の中の一つの特徴は、従来、ともすれば自治体だけがこの種のプロジェクトにかかわってきた、自治体が進めてきて自治体が自己評価をするということが多かったんですけれども、今回、地域の産業界でありますとか、それからNPOなどの公益的団体なども加わりまして、地域で協議の場が設けられます、協議会というものが。したがって、自治体だけの、ひとりよがりとは言いませんけれども、自己満足的な推進と評価では終始しない、官民、民も加わった協議会の場で評価が当然行われることになります。これは私は今までにないことだと思います。

 さらには、先ほど来議論に出ておりますけれども、国と地方の協議の場も設けられておりまして、そこでも異なる主体の間で評価が行われる、もしくは地域の自己評価に対して他者評価が行われる。こういうことが従来とは違うことだと思っております。

 これも使い方次第、使われ方次第ではありますけれども、装置としては従来よりはより客観的な評価がなされる、そういう条件はこの法案によって整うものだと思います。

柿澤委員 今、片山大臣から、今までのさまざまな地域活性化の事業等々は、自治体が手を挙げて、エネルギーを費やして国に申請をし計画を提出して、そして認定を受けて優遇を受けて、国と自治体の間でキャッチボールをして物事をやっていたと。今回は、民間、地域の方が協議会をつくって、そうした方々との中で自治体もメーンプレーヤーの一人として協議をしながら進めていく、外部のチェックが入る。こういうことなので、今までのような、ある意味では自治体が指定を受ければその先は成果は問われない、こういうものではなくなっていくのではないかということを御答弁いただきましたが、しかし、果たして本当にそうなんでしょうか。

 今聞いていて思ったんですけれども、かねてからの地域おこしの事業も、自治体が手を挙げるという形にはなっていたかもしれませんが、実は、後ろにはさまざまなコンサルティング会社みたいなものがいたり、広告代理店が後ろについていたり、そうやってこの事業の指定を受けることによって、そこから仕事を、外注を受ける。こういう民間の担い手が自治体を窓口にして事業の申請をし、認定を受け、結果的に丸投げを受けて物事をやっていく。それで、住民にとってはさしたる効果を生まずに、結果的に投じられた公金が無駄になっていく、こういうことは多分あったんじゃないかと思うんですね。

 協議会も結局、形はそういうことになったとしても、同じように、その事業費を使って何か仕事を受けて、それをもって利益を得よう、そうした方々に自治体が踊らされて、結果として、成果を生まないまま長い年月が過ぎ、お金が投じられるということにやはりこれもなってしまうのではないかというふうに非常に心配をしております。

 そういう意味で、まず一つは、エグジット、指定を受けてから何年の間に成果を出すかということをきちんと決めておく。私は、総合調整費の最長三年間、この三年間というのを皆さんとしては想定しておられるのかなというふうに法案を読んで思いましたけれども、まず、このエグジットの期間。そして、外部からレビューをする、成果管理というか進行管理をする、こういう外部の目がやはり協議会の外から入っていくことも必要だというふうに思います。

 こういう点、どのようにその成果を管理していくのか、改めてお伺いしたいと思います。

逢坂大臣政務官 まず私から答弁させていただいて、足らざる部分があれば大臣からもまた答弁させてもらいたいと思います。

 目標管理というのは非常に大事だというふうに思っております。

 ただ、今回の場合、どこが一番肝かといいますと、これまでのさまざまな地域振興計画といいましょうか、こうしたもののたぐいというのは、やはり自治体の側が、地方の側が一方的に受け身になるといいましょうか、指定を受けると自動的に恩典が受けられるということがこれまでのものだったというふうに思います。しかしながら、今回のこの総合特区は、単に指定を受けただけではなくて、自発的に自分たちみずからがやらなければいけないこととあわせて、先ほど小泉委員の指摘にもございましたけれども、自治体の関与、本気度というところが問われるわけです。

 自分みずからの権限の例えば規制緩和をしていくとか、自分みずからも財政的な措置をしていくというようなことが求められるという意味において、能動性が非常に強く求められる。逆に言うならば、そういう能動性のないところについては、指定の要件としてはランクが下がるということもございますので、そういったことがまず一つ大きな要素になっている。その上で、自己評価というものを、自分たちで目標設定をちゃんとしてもらって、いろいろなことをやってもらおうというのを第一にしているということであります。

 その際に、今御指摘のような、あらかじめ、それでは二年以内に決めてくださいとか三年以内に決めてくださいということも大事なことではありますけれども、自立性ということ、自分たちみずからがまず目標設定をどうやるのだということを考えた上で申請をするということになるんだというふうに思っております。

 あともう一つ、これはちょっと蛇足かもしれませんが、私自身、幾つか自分でいわゆる地域づくりとか地域の活性化というものに携わった経験からいいますと、スタートの段階で最後のゴールまできめ細かく決まっている場合と、場合によっては、スタートの時点は多少決まり度合いが緩いかもしれないけれども走っていくうちに物事がだんだん見えてくるというような、幾つかのパターンがあるというふうに思っていますので、今回の総合特区においては、そういったことも頭に置きながら政府としては対応すべきかなと思っています。

柿澤委員 足らざるところはというお話がありましたけれども、しかし、自治体の長を経験された逢坂政務官の大変要を得た御答弁だったというふうにも思います。

 時間も残り少なくなってまいりましたので、次に移ります。

 今回、官邸の地域活性化統合本部から発表された提案プロジェクトの一覧を見ておりますと、国際戦略総合特区でカジノ総合特区というのが東京都から提案をされております。内容は非公表ということになっておりますけれども、こういう名称でありますので、基本的に日本では法律で規制をされているカジノの開設を認めてほしい、こういう内容なんだというふうに思います。

 私は、カジノの法による解禁に個人的には賛成の立場で、議員連盟にも役員として参加をさせていただいておりまして、かつて都議会議員もやっていましたので、その旗振り役の一人もやってきました。

 構造改革特区でもカジノの解禁を地域限定で求める提案は数々あったんですけれども、しかし、刑法に絡むものは取り上げないということで全部門前払いを受けてきた、こういう経過だったというふうに思います。今回、東京都が改めて、国際戦略総合特区でカジノ総合特区構想というのを提案されておられるので、今回は、こうしたカジノのような刑法に触れる中身についても実現の可能性があるということなんでしょうか。それをお伺いしたいと思います。

    〔大島(敦)委員長代理退席、委員長着席〕

逢坂大臣政務官 カジノについてはいろいろこれまでも議論があって、御指摘のとおり、構造改革特区でもいろいろな地域から出されたということであります。

 その際に、刑法のことを今言われましたけれども、まさにそのとおりでございまして、刑法の賭博罪に該当し得るカジノに関し、地域を限って例外措置を設けることはなじまないなどの理由により、これまでは認められていないというのが今の時点での政府の見解でございます。

 今後、総合特区においてまたいろいろな提案が出されてくるというふうに思います。しかしながら、現時点で、それについてどうするか、どうできるかという見通しをまだ述べる時期にはないというふうに思っております。

柿澤委員 大前提を語りながらも、一定の含みを持たせた御答弁だったのかもしれません。

 最後に、条例での上書きについてお伺いをします。

 今回、法案策定段階で相当な議論があったのが、この条例による法令上書きについてであります。法律、政令が定めている要件を条例で書きかえる、自治体が定める条例が法令より優先する、こういう部分のある、そうした内容です。

 民主党内の検討は、法令上書きやるべしという意見が大勢だったというふうにも聞くんですけれども、今回それが盛り込まれなかった理由についてお伺いをいたします。

片山国務大臣 やはり、国会が国権の最高機関で国の唯一の立法機関、これは憲法に規定されておりますけれども、その国権の最高機関である国会が定めた法律を、何はともあれ、各自治体が上書きといいますか修正できるというのは、我が国の今の憲法体制のもとでは認められないということが法制局の見解でありましたけれども、私も実はそう思っております。

 私も長年地方自治の分野に携わってきまして、自治権の伸展というのは非常に重要なことだというふうに考えておりますけれども、さればとて国法を自治体の条例が凌駕する、そこまではさしもの私も実は考えが至りません。むしろ、そうではなくて、やはり国法で、自治体に移譲すべきものはきちっと移譲するということを明記した方がいいだろうというのが私の見解であります。

柿澤委員 憲法上の解釈を法制局の見解に依拠して、法制局がノーと言えばノーだということになると、裁判所における違憲立法審査とは何なのかということにもなると思うんですね。

 例えば憲法九条の条項のような、具体的な事件や措置の憲法上の適合性を争うという裁判が原理的に起きにくい、具体的なケースというのは九条の場合は戦争が起きた場合ですから、こういうケースはともかくとして、今回のような、法令上書きをひとまず認めて、例えばやってみてから、条例上書きが憲法上の国会の立法権を損ない、国民の権利を侵害したという場合には、具体的なケースについて、この条例上書きはやはり問題があるんじゃないかというふうに憲法適合性を裁判で争う、こういうことがあってもいいのではないかと思います。

 また、今後、地域主権にかかわる法案の中で、国が地方の行為の違法を確認する訴訟を提起する、こういうことができるようになるわけでもあります。

 冒頭の、内閣府が認めれば省庁の反対を押し切って自治体が総合特区を開設できる、こういう点についても、仄聞するところだと、自治体の権限が法律の範囲を逸脱しかねないということで盛り込まれなかったと聞いておりますけれども、これはやはり、私から見ると、官僚の解釈をそのまま受け入れるということでは、こうしたところを突破口を開くことができなくなってしまうのではないか。そして、今の片山大臣の御答弁がそのまま確定をすると、こうした法令の条例による上書きというのが未来永劫道を閉ざされてしまいかねないのではないかというふうに思います。

 その点について、今回、ある意味ではそうした実績というか前例を残すことになる、そういう点について本当にそれでいいのかという思いを持っておりますけれども、御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。

片山国務大臣 これは誤解のないように申し上げておきますけれども、法制局の官僚の人たちが考えていることをそのままうのみにしたということでは決してありません。法制局は法制局として見解を述べておりましたけれども、私も担当大臣としてこの問題をみずから考えて、やはり、先ほど申しましたように、どういう形態であれ、法律を自治体が条例でもって、ローカル立法でもって書きかえるということは、法治国家としての体制としてはそれは許容できないだろうと私も実は思っております。

 規制緩和との関係でいいますと、むしろ、国会はそういうふうに条例にゆだねるということではなくて、規制そのものをなくするとか緩和するとか、それで、国としては規制を白地にするとか、規制を非常に緩やかにして、残余の部分は自治体にゆだねる、そういう法体系をきちっと整理した方がいいだろうというのが私の考え方であります。

柿澤委員 ここが鳥取県議会で、片山大臣が鳥取県知事だったらやはり同じ御答弁をされるのかなというふうにちょっと思いましたけれども、時間も来ておりますので、質問はこれにて終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

荒井委員長 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 きょうは私だけが一時間も質疑時間がありまして、一時間も聞くことがあるんですかと周りの方に言われましたが、ある程度用意してきましたので、ぜひ率直な意見交換をさせていただきたいと思います。

 今回の総合特区法案につきましては、政府から私ども公明党の議員も説明を受けまして、党内で議論してきたわけでございますが、この制度は、政府の御説明のとおり機能すれば、特区指定地域で国内外の投資を呼び込んで日本経済全体の成長を押し上げるであろうという立場から、私どもとしては前向きにとらえているわけでございます。

 また、これまでにいろいろとこの委員会で既に議論があったわけでございますが、今の日本には、分野によっては法律や政令、省令でかなり細かく定められた規制が多くございます。それらの一部は、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、経済成長や地方の活性化の阻害要因の一つになっているという指摘もあるわけでございますし、また、時代状況に合わないものもございます。

 また一方で、本来あるべき制度、規制が不在である、制度不在の問題ということも逆の面からあるわけでございまして、今回の総合特区制度が実施される中で、そういう規制をめぐるさまざまな問題点が浮き彫りになるのではないかという期待も私自身持っているわけでございます。

 一部メディア等でも、今回の総合特区制度を本格的な一国二制度の出発ととらえて歓迎する社説なども出ているわけでございますが、他方で、日本医師会でございますとか、あるいは全国農業委員会等の一部の業界団体からは批判の声が、反対の声が上がっております。例えば、医師会からは、医療への株式会社参入のアリの一穴になる、こういう立場で反対論を公にしております。また、全国農業委員会からは、稚拙な規制緩和だ、こういう声が公になっているわけでございます。

 私も、何でも規制緩和をすればいいとは思っておりません。逆に、時代の、社会環境の変化の中で、今までなかった規制をつくったり、強化をすることが必要な分野もあるわけでございます。ですから、私は規制緩和推進論者ではなくて、強化する部分も含めて規制改革推進論者というふうに自分で思っているわけでございます。

 まず片山大臣に、今いろいろ、つらつら申し上げましたけれども、今回の総合特区制度導入の意義、大義について、また、先ほど一部御紹介をいたしましたけれども、関係する業界、関係すると言ったらいろいろな業界が関係するわけですけれども、一部の業界団体からの公然たる批判に対してどのようにおこたえになるか、よろしくお願いいたします。

片山国務大臣 総合特区の意義についてはいろいろな見方があると思いますが、表面的なことを申しますと、先ほど来少し御答弁申し上げましたように、構造改革特区という個別の、単品の規制緩和から、そうではなくて、地域の、面的な範囲内での各種の規制を総合的に緩和していく、こういうことでありますが、その一番大事な点は、これは官だけではなくて官民合わせてですけれども、地域がみずからの意思によってどういう町づくりにしていくのか、地域づくりにしていくのか、その際に、規制をどう国の全国一律の規制とは違った形にしていくのかということを決める、そこに一番のポイントがあると思います。

 従来は、国が全国一律に、縦割り的にそれぞれの規制を決めていたのを、そうではなくて、今度は横割り的といいますか地域割りで、地域が自分たちの地域にどういう規制が必要なのか、不要なのか、どの程度なのかを決めていくということ、ここに一番のポイントがあると思います。

 したがって、今御指摘の、一部の関係団体から厳しい指摘があるというのは私も承知しておりますけれども、規制を全くなくしてしまうとか野放しにしてしまうという意味ではなくて、従来は国がきちっと全国一律に決めていた、今度は、総合特区に指定されますと、その該当の地域において、ならば医療関係の規制はどうあるべきなのか、どの程度にとどめるべきなのか、農業関係でも、どの程度の規制をすべきなのかということを考えていくということで、規制のあり方を考える主体がシフトするということだと思います。

 ですから、地域において本当にどの程度の規制を緩和するのが一番ふさわしいのか、規制の緩和の仕方によっては、おっしゃったような懸念が地域的に具現化してしまうのではないか、そんなことも皆さんで相談をしながら決めていくということでありますから、私は、懸念があるということはもちろん承知しておりますけれども、そういう懸念も含めて地域でもって責任を持って解決をされる、その可能性の方を今は期待したいと考えているところであります。

遠山委員 ありがとうございます。私もほぼ認識を共有しております。

 そこで、二点目に、時節柄というか、東日本大震災の復興支援の議論が各所で行われていることにかんがみまして、この総合特区制度と、それから、既に報道等で出ておりますけれども、復興特区なるものを東北でつくるべきではないか、こういう意見が今出ておりまして、一部報道によりますと、政府内でも、どこでかは知りませんけれども、今会議が多過ぎてどこで何をやっているかよくわからないので、二十四ぐらいあるそうですが……(発言する者あり)二十八にふえたんですか。余り覚える気もないんですけれども、政府内でも一部、どこかで真剣に検討をされている方がいらっしゃるということなんです。

 それで、もう大臣御承知だと思いますが、五百旗頭復興構想会議座長が四月二十三日のNHKスペシャルの番組の中で、東北の沿岸部の町長さんが、既存の規制があってなかなか復興に向けて絵をかけない、具体的には、市街化調整区域とかあるいは特別名勝として指定されている地域は住宅建設が法によって規制されている、だから仮設住宅も建てられない、当然、全壊した、半壊した住宅を移動して建て直すこともできないということを指摘したときに、五百旗頭さんの方からこうおっしゃっているんですね。正確に申し上げると、既存のルールに従って縦割りの中でやっていたら大変悲惨なことになる、特区を設けて各省庁を束ねるような全体的対処を一元的にやることが極めて重要、こう発言をされたので、これが新聞では、五百旗頭座長が特区構想を掲げた、こういう報道になったわけでございます。

 今、市街化調整区域とかあるいは特別名勝指定地域に住宅が建てられないという問題が具体的に出たわけでございますけれども、恐らく、瓦れき処理の問題とか、あるいは御遺体が後から出てきたものをどうするかということ、個人の所有物の扱い等々いろいろな、平時の法律あるいは政省令に基づいた規制を適用しているとなかなか事が前に進まないということがあるので特区にしようと。

 今回の総合特区制度の中身は、この後、まだ時間がたくさんありますので、いろいろ細かく議論をさせていただきますが、指定された地域の中においては、そういう規制の特例措置を今までよりも抜本的に、迅速にできるシステムをつくるわけでございまして、私としては、この総合特区制度のスキームを援用、あるいは、場合によっては拡充をして東北の地域に、復興特区という名前にするかどうかはおいておいて、特区をつくって、これを支援するという構想はかなり意義があるのではないかというふうに印象として思っておりますが、この点について片山大臣のお考えを伺いたいと思います。

片山国務大臣 私も全く同感であります。

 今、復旧ということに力を注がれておりまして、いずれこれが復興という段階、ステージに差しかかりますけれども、どちらの局面においても、既存の規制に全部従っていてはなかなかスムーズに、とりあえずは今の段階ですと被災者の皆さんの支援がしにくいということがあると思いますし、それから、復興するに当たっては、やはり既存の仕組みよりも、何らかの、違ったスキームの方がよりスピーディーに、より効果的な復興ができるだろうということは当然考えられます。

 したがって、現在の個別法の規制を一つ一つ丁寧に外していくというやり方ももちろんありますけれども、それとは別に、区域を指定して、その区域内では既存のいろいろな規制というものが包括的に緩和できる、取り払うことができる、そういう構想というのは当然あってしかるべきだと思います。

 ただ、現行の、今の段階ではできませんので、何らかの法的な手当てが必要になってきますし、それについての基本的な考え方などは、政府のいろいろな会議があるというふうにおっしゃいましたけれども、今の仕組みの中では、恐らく、復興構想会議の中で基本的な枠組みとかスキームというのは考えられることになるんだろうと考えております。

遠山委員 復興構想会議である程度グランドデザインということなんですけれども、まだ復興に関する基本法案が出ておりませんので私も見ておりませんから、復興構想会議が法的にどういう権限を持つのか不明な状況でございますので、その点は、逆に、間違いなくできるであろうと思われるのは復興対策本部、ここはすべての閣僚が本部員になると予想されますので、ぜひ、そこの本部の本部員としての片山大臣の立場でこういった特区の構想を推進していただければという要望を申し上げておきます。

 そこで、先ほども大臣からあったので、簡潔で結構なんですが、構造改革特区、これは単品メニューだというお話なんですけれども、昨年の十一月三十日時点で認定された特区が三百十九件、構造改革特区を通して規制緩和が全国展開されたものが八百十九件ということでありまして、それなりの成果を平成十五年度から上げてきているわけでございます。

 他方で、効果が限定的という指摘もあるわけでございますが、片山大臣としては、これまでの構造改革特区の成果、実績というものをどう評価されているのか。

 あわせて、構造改革特区はまだ制度として生きているわけですね。そうすると、この法案が成立することによって総合特区制度が始まると併存するわけでございまして、併存させたままでいくのか、いわゆる構造改革特区制度の存在意義を総合特区制度ができた後も認めるのか、それとも、もう総合特区制度ができたから構造改革特区制度は歴史的使命を終えたという扱いにするのか。その点についてもあわせてお答えをいただければと思います。

片山国務大臣 私は、構造改革特区が始まりましたときに県の知事をやっておりまして、そういう立場からこの制度の生い立ちから見てきているんですけれども、非常に画期的だと思いました。

 それまでの我が国の行政というのは、一律の規制であります。せいぜい、地域立法というのがありまして、首都圏は首都圏として若干違った仕組みをとるとか、そういうのはありましたけれども、それぞれの法律でもって個別の規制があるのを自治体の意思によって解除していく、そういう手法はそれまで基本的にはありませんでした。それができるということで、私などは、知事としてこれを大いに活用していこうということで取り組んだものであります。

 結果として、今何百件ということで御紹介ありましたけれども、実は陰に隠れた成果もありまして、私が鳥取県時代に提案したものの大半は、実は、実現しているんですけれども構造改革特区として認定してもらったものではないというようなものもあるんです。というのは、この際もう全国的に解除してしまおうというようなものもあるわけです。

 例えば、つまらないことかもしれませんけれども、自治体がOA機器を複数年のリース契約をするなんてそれまで事実上できなかったんです。ところが、構造改革特区で私が小泉総理にお願いに行きましたら、こんな規制があるのかということで、そうこうしているうちに、全国的に地方自治法の改正をして解除してしまおうということになって、これは構造改革特区としては成果にはなっていないんですけれども、きっかけは構造改革特区、こういうものが実は幾つかあるんです。そんなことを自分でもやってきたものですから、これは私は大変評価しております。

 今後どうするのかということですが、総合特区ができましても、全国が全部総合特区になるわけではありませんので、そうしますと、当然、総合特区の中は総合特区にふさわしい規制緩和をパッケージとしてやっていきますけれども、それ以外のところでは、依然として単品で、構造改革特区の制度を活用して必要な規制緩和を実現していくということ、これは重要なことでありますので、ぜひ、さらに使い勝手をよくしながら、成果が上がるようにしながらこれを継続していきたいと今考えているところであります。

遠山委員 大臣の御意見はよく理解いたしました。構造改革特区には構造改革の特徴があるから、継続を前提の今の御答弁だったと思うんです。

 次の質問で、他方で、構造改革特区は問題点が幾つか指摘をされてきました。主要なものは私は二つしかないと思うんですね。

 一つは、構造改革特区の場合、今まさに大臣が御答弁された話の中にあったんですが、全国展開を見据えた、前提とした規制の特例措置のために、ある一部の地域から申し出があっても、これは行く行く全国で解除するのかとなったときに、規制官庁がどうしても改革に慎重になってしまうということがありました。今回の総合特区制度は、逆に、総合特区の中で規制の特例措置がとられたからといって、それが最終的に全国展開とは決めていないんですね、前提じゃないんですね。そこが大きな違いなんですが、だから、どういうとらえ方をするかなんですけれども、構造改革特区の問題点としては、全国展開を見据えているがゆえに省庁の抵抗が強くなる。

 それから、もう一つの問題点は、ちょっと重複する問題ですけれども、縦割り行政の弊害が構造改革特区の中でも実はあったと。例えば、具体的には、国際物流特区に指定された地域の港湾のターミナルでいろいろな業務が二十四時間体制になったんだけれども植物検疫だけならないとか、では、検疫の仕事というのは国の仕事ですから、その部分だけそこの特区の自治体に移譲してよといったら、それは国の仕事だから移譲なんかできませんといってなかなか二十四時間化が最初は進まなかったとか、こういったことが構造改革特区の世界で一部あったわけでございます。

 ですから、私がもともと聞きたかったのは、こういう所管省庁の縦割り行政の弊害というものが総合特区制度の中でも持ち込まれてしまえば、それはやはり同じ問題が継続するわけでございまして、そういう問題が起こらないという担保をきちんととられているのかどうか。この点。

 あと、先ほどの大臣の答弁を伺っていて、大臣はかなり構造改革特区を評価されているわけですけれども、私も成果を上げているという立場なんですが、一方で、今申し上げたような問題点があったわけですから、もうこれに余り手をつけずにそのままでいかれるのか、つまり、全国展開を前提とした規制改革特区というのを個別にこれからも認めていくのか。それとも、今回、総合特区制度では全国展開を前提としない制度に変えたわけですから、逆に、構造改革特区の方も全国展開を前提としない制度に直していくのか。ちょっとその辺もあわせて伺いたいと思います。

片山国務大臣 構造改革特区のこれまでのプロセスで見られた各省の縦割りの弊害というのは総合特区になると打破できるのかというのは、これは自然体だと打破できないと思います。総合特区にしたから、急に皆さんが、もうどうでもいいや、自由にしてくださいということにはなっておりません。

 したがって、構造改革特区もそうですし、総合特区もそうなんですけれども、やはりきちっとした政治主導の体制でこの問題を処理していくということが必要だろうと思います。お役所任せにしないで、政務三役が中心になってこの問題の是非を論じて処理をしていくということ、これは、総合特区であっても、きちっとやらなければ総合特区も骨抜きになってしまいかねない面があるということは率直に私は申し上げておきたいと思います。

 それから、構造改革特区は最近ちょっと余り話題にならなくなっておりますが、長年年数を経てきて、一つは、少し細部にはまり込んでしまったといいますか、トリッキーなところに入ってしまったという面がなきにしもあらず。

 具体的に申しますと、本来は法律などの特例を設けるということなんですけれども、よくよく調べてみたら、通達の特例を申請してきて、それを吟味して通達の特例を認定していた、そういうことがあるんです。しかし、根本にさかのぼってみると、通達行政はもう終わっているわけでありますから、通達にそもそも拘束力はないわけです。ところが、あたかも拘束力があるかのごとく、その通達の特例を認めてくださいというような申請が堂々と出てきて、それを各省が堂々と認めているというような非常にこっけいなこともあるわけで、やはり原点に戻って、もう一回、不要な規制については構造改革特区で正々堂々ときちっと申請してくださいということを改めて通知する必要もあると思っております。そんなことも含めて、もう一度、構造改革特区が活用されやすいような、そういう工夫というものを私も担当大臣として改めてやってみたいと思っております。

 その上で、何も全国展開を前提にしなければこの問題を処理できないということではありませんので、本当にやりたいところだけやればいいという考え方だってあるはずでありますから、その辺もいま一度整理をしてみたいと思います。

遠山委員 構造改革特区で通達の特例措置を求めている例があるというのを私は初めて知りまして、大変勉強になりました。

 ただ、私も地元を抱える国会議員として、初当選からもう十年なんですが、一市民から相談を受けて、どうしても役所がこの件で動いてくれないといって、私みずから市役所とか県庁に乗り込んでいって話を聞いたら、一枚の中央省庁からの通達で、できませんと言っていたことが確かにあったんですね。その通達を逆に中央省庁に私が確認したら、いや、それは問題があるなら変えますということで、すぐ変わったんですね。

 ただ、やはり地方の役所の職員から見ると、なかなか、一通達といえども、ほとんど法律に近い扱いをしている場合もあると思うんですね。だから、そこはやはり私ども国会にいる人間がきちんと配慮して、地方の役所の職員と我々国会議員とが見る通達とは全然見え方が違うと思いますから、そこは私どもで反省をして、地方の方々がもっときちんと現実の問題に対処できる形で対応していかなきゃいけないんだろうと思いました。

 そこで、ちょっと角度を変えて伺いたいんですが、実は、日本における特区制度というのは、始まりは沖縄なんですね。私は沖縄に事務所を構えておりまして、いろいろとお話は聞くんです。

 昭和六十二年からあります那覇空港周辺の自由貿易地域、もともとは昭和四十七年から特区の構想があったと聞いております。それから、沖縄のうるま市の中城湾港新港地区の特別貿易地域、これは平成十一年から事実上特区です。それから、平成十四年から始まっております名護市全域の金融業務特別地区、金融特区、これも三つ目としてあります。最後に、那覇、浦添、名護、宜野座四市の情報通信特区ということで、沖縄県だけで異なる特区が四つ設置をされているわけでございます。それぞれ成果を上げているんですけれども、地元のお話を聞きますと、名護市全域を的とした金融特区が余りうまくいっていないという話が多いんです。

 私の手元に金融庁さんからもらった書類がありまして、これによると、この沖縄の金融特区、名護市ですけれども、立地企業数は十四社、雇用者数は六百名ということで、沖縄の名護市、人口五万人程度の市でございますから、そこそこの成果じゃないかというとらえ方もできるんですが、実は、この沖縄の金融特区の中で、所得控除制度の優遇措置、法人所得の三五%、十年間、直接人件費の二〇%を上限とする特例的な優遇措置を税制上受けている会社は、十四社のうちの一社だけなんですね。残りの十三社は投資税額控除のところだけ利益を享受した形で特区に名を連ねているという形になっております。

 ですから、沖縄の金融特区で大臣から事業認定をされている会社という意味でいうと、一社しかないんです。一社ですから雇用効果も非常に小さくて、地元では鳴り物入りで、これは片山大臣の所管のところではないんですけれども。

 私が申し上げたいのは、沖縄でつくった特区は、導入当初はいろいろバラ色の話をしていたんですが、実は私も、平成十四年、既に与党の参議院議員でございましたので、当時を覚えております。これをやれば名護市にオフショアバンクだとかいろいろな、東京ベースの証券会社とか来るよというふれ込みでやったんですけれども、実は、実質的には一社しか来なかったということでございます。

 これはなぜなのかということをいろいろ専門家の方に聞きますと、一つは、やはり、先ほども小泉委員からありましたけれども、韓国とかシンガポールとか香港等と比べて税制の優遇措置が余り思い切っていない、ちょっと中途半端であるという国際競争力の面からの問題点の指摘と、あともう一つは、余り関係ないのでちょっとだけ申し上げておきますけれども、特区の中において専ら金融業を営むという一条件がありまして、この専らという言葉が、実は、本社を名護市に置かなければいけないという規定でございまして、これがボトルネックになっているということが言われているわけでございます。後者のボトルネックの方は、また沖縄北方特別委員会とか関連のところでただしていきたいと思っております。

 いずれにしても、これから国際競争力の強化を柱とする総合特区制度をやっていく際にも、まだ期待どおりの成果を上げていないこの沖縄の金融特区のようになってしまうんではないか。つまり、税制優遇措置の面とかでアジアの中で競争力が相対的に弱い、あるいは中途半端になるということになるんではないかという懸念がありますが、それにはどうお答えになるか。よろしくお願いします。

片山国務大臣 そこはよく注意しなきゃいけないと私も思います。税制はいろいろな局面で特例措置を設けるんですけれども、私もかつて税制に携わってきた経験から申しますと、特例措置が、こんなことを言うと語弊があるかもしれませんが、出だしのところで必ずしも、余り大胆でないという面が我が国の税制上の特例措置には総じて見られます。

 そこからスタートをしまして、国税などは大体二年の特例の期間を区切っておりまして、二年ごとにいわゆる見直しというのを行いますけれども、その際、だんだんと特例措置を縮減していくのがならわしであります。最初の二年間などで適用措置がなくても制度だけは縮減していく、実際に数年たって適用を受けようという企業が出てきたときには、もう何回か縮減の措置に遭って余り魅力がないものに成り下がってしまっている、実はそういう傾向なきにしもあらずでありまして、そこはよく注意しなきゃいけないと思います。

 少し長い目で見て、税制上の特例措置が効果を発揮するような、そういう目配りが必要だと思っておりまして、この総合特区についても、税制が、適用がない段階でもう既にどんどんどんどん縮小されるというようなことがないように、ぜひこれは注意をしたいと考えております。

遠山委員 ありがとうございます。ぜひその方向でやっていただければと思います。

 次に、道州制と今回の総合特区法案の関係について簡潔にお伺いをいたしたいと思います。

 私、実は今、将来的に道州制を実現する、その推進をする超党派の議連の立ち上げの準備をしているところでございまして、与野党を超えて賛同者をいただいて、来月にもそういった議連を立ち上げるところでございます。

 今回、この総合特区制度の中身を勉強させていただきまして、今後の道州制の議論にも大きな影響があるんではないかと認識をするに至っております。その理由についてはこの後の質疑でも触れますけれども、これは、お答えは逢坂政務官ですか、大臣がやっていただけるんですか。何か所管が、総務大臣としての大臣じゃないと答えられませんと役所の方から言われたのであれなんですけれども。

 いずれにしても、総合特区の制度が行く行くはこの道州制の議論の中で一つのひな形まではいかないかもしれませんけれども、地域の自立性を高める、自由度を高める、そして、ほかの地域と違う規制のあり方、あるいは経済活性化のあり方ということを容認していくわけでございますし、道州制が実現したって国は国であるわけですから、そうすると、この制度の中に設けられている国と地方の協議会なんというのは非常に大事なスキームであり、考え方だと思うんです。

 その点は、道州制が将来実現、私、実は大臣個人の道州制に関する公式なお立場を知らないでこれを聞いているわけでございますけれども、大臣は、この関係性をどのようにとらえられているか、お答えいただければと思います。

    〔委員長退席、村井委員長代理着席〕

片山国務大臣 道州制が仮に実現したとした場合に、この総合特区の規制緩和とどういう関係に立つのかというのは一つの重要な視点だと思います。

 そもそも、道州制ができるということになりますと、今のように中央政府が大概のことを、全部立法的に規律していく、そういう仕組みは恐らく変わるんだろうと思います。中央政府がカバーする領域というのはぐんと狭まるだろうと思います。他の部分については、今は中央政府が国会の立法を通じて規制している分野も、相当多くの部分が、道州が立法権を持ってそこで律していくということになるんだろうと思います。今はそういう道州制ではありませんので、まだ全体を国会の立法措置の中で律していく。

 ただし、ある一定の地域については面的な範囲内において、パッケージとして規制を除外するとか緩和する、こういう発想、ベクトルでありますけれども、道州制になった場合は、そもそも中央政府のカバーする領域がぐんと減って、残余の部分はもう一から道州がその道州の議会を通じて立法措置を講じていくというベクトルの変換が行われるんだろう、そういう観念を持っております。

遠山委員 ということは、大臣は道州制にはかなり前向きというか、そんなに反対ではないという印象を持ちましたけれども、もし違っていたら後で訂正してください。

 それで、もう三十分たってしまいましたので、法案の中身と政府の対処方針について何点か伺いたいと思います。

 まず、政府からいただいた資料を見ますと、法案が成立した後に、総理を本部長とする総合特区推進本部が設置をされまして、そこで総合特区に関する基本方針を策定することになる。その基本方針の中で総合特区指定の要件が示されるということになっているわけですから、今の時点で、私が政府の皆さんからいただいている資料の指定要件は、実は指定要件のイメージと書かれていますから、正式じゃないと思うんですね。

 ただ、そのイメージのところを読んでいて若干私が腑に落ちないところがありました。それは表現なんですが、例えば「地域資源等を活用した取組の「必然性」があること」という要件がイメージとして書かれているんですが、必然性と言われますと、提案してくるどこの地方も必然性があるから多分出しているんだろうと思いますから、これを基準にするというと、なかなか、客観的に判断できるのかなというのが一つあります。

 それから、これは大臣も答弁で何度か言及をされておりますが、「地域の「本気度」を」という表現もあるんですけれども、これも判断する側の主観で、いや、あなたは本気だ、あなたの地域は本気だ、黙っておれの目を見ろとか言って。要は、書類だけでは本気度は多分わからないでしょうし、恐らく、特区を申請してくる地方自治体の首長さん、これは逢坂政務官よく御存じのように、首長さんもキャラクター的には千差万別です、ほとんどしゃべらないような物静かな首長さんもいれば、ずうっとしゃべり続けている人もいますし。

 だから、私もそうなんですが、大きな声でいっぱいしゃべるから本気かというとそうでもないですし、それから、すごくパワーポイントをつくるのがうまい職員がいて、プロジェクターで見たら本気度を感じたとか。だからちょっと、これは民主党さんがこういう本気度という、何か民主党さんらしいスローガンだなと思ったんですが。

 いずれにしても、私が言いたいのは、申請して採用されない地域も出てくるわけですから、選挙じゃありませんけれども、当選、落選で言うと。やはり公平公正な基準できちんとその総合特区の指定がなされたということがだれでも納得できることが必要であって、そういうときに、必然性とか本気度という尺度だとちょっと客観性に欠けるなという懸念を持っておりますが、そこはどうですか。

片山国務大臣 そこは決して情緒的な範囲に終始しないようにしたいと思います。

 必然性というのは、例えば、ある地域が指定の申請をされるときに何かその地域の特性というものを前面に出されると思うんですけれども、それがどう考えても取ってつけたようなものとしか考えられない、歴史性はないし潜在性もないしということではいけないという意味で、恐らく、おっしゃったように、大概のところは必然性のあるものを持ってこられると思いますから、よほどのことがない限りこの必然性要件で排除されるということは余り考えられないと私は思います。

 それから、本気度は、これは何も、それらしいポンチ絵とかパワーポイントをつくって饒舌な人が通るということがコンサルなんかではよくありますけれども、そういうことでは決してありません。これは、先ほど来も少し触れましたけれども、従来の地域振興策というのは、ともすれば受け身であって、手を挙げて指定さえ受ければあとは国から恩恵が次々入ってくる、こういうことがやはり往々にして見られましたけれども、そうではなくて、本当に自発性、自立性、主体性がありますかということであります。

 従来は、何でも国からお金を持ってくる、優遇措置を受けるということでありましたけれども、これからは、本当に自分のところでこれだけの取り組みをするんですと。例えば、地方税だってこれだけ自分たちが独自に優遇措置を講ずるんです、自分たちの地域の、例えば土地利用規制などでも自治体が律せられる範囲はかなり広いですから、その範囲内で自治体は、自分のところではこれだけ規制を緩和するんですというようなこと、これはポンチ絵をかかなくても、書類でわかりますので、そういうのが感じられるかどうか、単なる受け身であるのかどうか、そういうことであります。

 ぜひ情緒的なもので終わらないようにしたいと思いますし、逆に言うと、どういう指定をしたのかというのは、今度は我々の側が説明責任を果たさなきゃいけないものですから、それこそ本気になって、必然性をもって指定をしなきゃいけないということになろうかと思います。

遠山委員 大臣、よくわかりました。

 要するに、大臣がおっしゃりたいのは、受け身で、ただ手を挙げて、棚からぼたもちで何か国からもらおうという姿勢ではなくて、地元も地元で汗をかく、身を切るところは身を切る、負担するところは負担する、そういう姿勢があるかどうかという基準で本気度とおっしゃっているのであれば、そこは私としては了としたいと思います。

 それで、時間も意外となくなってまいりましたので、お手元に資料一として配らせていただいております、まさにポンチ絵がございます。「総合特区が実現するまでのプロセス」という書類でございます。これはもともと内閣府からは出ていなかったんですが、私がヒアリングをしているときに、どうも総合特区が実現するまでのプロセスが既存の資料ではわかりにくいということで、それで、もっとわかりやすくつくってくれと言ったら、すぐ、半日でこういうわかりやすい書類が出てまいりまして、今委員会であえて配らせていただいております。大変優秀な方がやっていただいたんだと思います。

 それで、これを見ながら幾つかお伺いしますが、基本方針が策定をされた後に、特区申請を希望する地方公共団体は、このポンチ絵の上にありますとおり、地域協議会を立ち上げる。そこに民間企業、民間団体、NPO、都道府県、市町村等が入って総合特区の申請をされるわけです。

 最初の質問は、この地域協議会というのは、例えば、総合特区の指定を受けた後はどういう役割を果たすんでしょうか。御説明を今まで伺った中ではそこがちょっとはっきりしないんですね。要するに、後で聞きますけれども、総合特区の指定を受けた後は、国と地方の協議会というのが前面に出てくるんです。だけれども、地域協議会というのをつくっているわけですよね、その前段階で。そこは、特区として指定をされた後はどういう役割を果たすのか。私は、存続して、定期的にアドバイスを入れたり、場合によっては提言を出してそれを国と地方の協議会に上げるとか、そういう役割があるのかなと想定はしているんですけれども、その点、お願いいたします。

逢坂大臣政務官 今回のものは、地域協議会は、指定を受けてしまえばそれで終わりということではございません。指定を受けた後の方が実は私なんかは重要だと思っております。

 指定を受けた後に、自分たちがやろうとしている内容のプロジェクトといいましょうか事業のある種のチェックといいましょうか、本当にうまくいっているかどうかというようなところをチェックするとか、あるいはまた見直しをするようなこと、今までこういう規制緩和の申請をしていたけれども、もっと別な方へ拡充していってもらった方がいいんじゃないかというようなことも含めて、さまざまな議論をしていくということになると思います。その上で、国と地方の協議会というものはまた別にありますけれども、そこへどんな意見を持ち込むかなんということもその地域協議会の場で調整をしてもらうということも場合によってはあるかもしれません。

 地元の立場といいましょうか、自治体の現場に長くいた者としては、その協議会をどううまくワークできるかが今回の、場合によってはこの総合特区の成否にもかかわるんじゃないかなというぐらい私は重要だと思っております。

遠山委員 よくわかりました。

 次の質問ですが、総合特区の指定申請がなされた後に、指定を決めるまでに要する期間というのはどの程度なんでしょうか。また、その指定に向けての決定過程のプロセスというのは透明化されるのか。この二点、あわせてお答えいただきたいと思います。

逢坂大臣政務官 結論から申し上げますと、一連の手続を経るに大体二月ないし三月ということを想定してございます。

 それで、まず、指定の申請書を受け付けると、その指定要件に照らして、外形的にその中身が正しいかどうかチェックする、これはまあ当たり前のことですが、その上で有識者の意見も伺う。特に、その有識者というのは、広く一般的な知識を有する方に聞くということもありますでしょうし、物によっては専門的な知識を有する方に聞くというようなこと。そして、総合特区推進本部において指定の意見を決定して、総理大臣による指定ということになろうかと思っております。

 この間のプロセスは、当然、透明性ということが大事になりますので、公開ということを前提に考えていきたいと思います。

遠山委員 わかりました。

 それで、指定が決まった後に、先ほど来もう既に出ております、総理や関係大臣と地方公共団体の長で構成される国と地方の協議会が設置をされるわけでございます。

 私は、この国と地方の協議会は非常に重要だと思っております。なぜかというと、指定を受けた地方公共団体が実施しようとしている事業の中身や、それに対応する規制の特例措置等の整備について地方と国が話し合って、そこで結論を出すからであります。

 この協議会の場で地方が望むさまざまな特例措置や支援措置が具体的に示されて、内閣府を基点として関係省庁と調整が行われることになるわけでございますけれども、私が、懸念ではないんですけれども、予想しているのは、国と地方の協議会での作業が膨大な時間を要するのではないかということなんですね。

 片山大臣はこれ自体ごらんになったかどうかわかりませんが、福岡・アジア国際戦略特区の提案書、これは政府に既に提出をされているものでございますが、非常に大部でございます。

 この提案書は、福岡県北九州市、福岡市、福岡経済同友会、福岡商工会議所、北九州商工会議所等で共同で提案されている中身でございますけれども、百ページ以上ある提案書の実は半分以上のページを割いて、今手元に持っておりますが、細かい字で、福岡でアジア国際戦略特区をつくるために必要な規制の特例措置、あるいは財政上の支援措置、税制上の支援措置、金融上の支援措置、そしてさらに、その他の支援措置まで御丁寧に入っておりまして、その数は、私ちょっと計算したんですが、規制の特例措置で四十七項目、税制で二十五項目、財政支援措置で七十五項目、金融支援措置で十三項目、その他で二十八項目、合計百八十八項目、この福岡の特区だけであるんです。

 しかも、政務官も大臣も役所の方からもらってざっと見ていただければわかりますとおり、恐らく、私の予想では、霞が関から福岡に行った人が大分ヘルプしてつくったんだろうと思われるぐらい事細かに、所管省庁と条文、条項の名前まで書き上げて、だあっと、こういう緩和をしてくれと載せています。それで、百八十八項目の措置を求める特区が採用された場合に、国と地方の協議会で協議する。それは、このペーパーだけ見れば簡単ですよ。しかし、実際は、所管省庁も多いですし、措置の数も多いですから、これは膨大な作業の量と時間がかかる。

 そうすると、二、三カ月かかって指定がされました、それで国と地方の協議会で、別に私は福岡を採用しろと言っているわけじゃありませんよ、しかし、福岡が仮にこういう体裁で採用された場合には、百八十八項目のうち、全部が認められるとは私でも思いませんが、しかし、半分も認められていないのに特区制度がスタートできるかというと、それもおかしいねと。だけれども、では、三分の二の措置についてめどがつくまで協議を続けましょうとなったら、指定されてから場合によっては半年間も特区として始動しないということになってしまいますから、年度をまたいじゃう可能性もあるわけですね。その辺の折り合いはどうつけられるのか、国と地方の協議会の場で。そこをお答えいただければと思います。

逢坂大臣政務官 全く御指摘のとおりでございまして、私自身も、かつて幾つかの事業をやる中で、膨大な規制緩和とかいろいろな調整の作業にみずから当たったことがございます。例えば街路整備事業なんてまさにそういうものの一つだったんですが、自分が個別の省庁と全部やらなければいけないわけであります。そうなると、これは大変なことでありまして、しかも、場合によっては省庁間で言っていることが全く真反対のこともある、そのはざまに入ってどうしようもなくなるということが、かつてのケースではありました。

 今回のようにたくさんの規制などの調整が必要なケースを何とかしたいというのが今回の総合特区の一つの眼目でもございまして、それは国と地方の協議会で一括して、ある種ワンパッケージとして受けとめまして、内閣府の方で各省に対してこれを調整しろということで一気にやるということになります。だから、個別にそれぞれ協議をしてもらうということではなくて、自治体とのやりとりのところは国、地方協議の場、あとは政府の中でいろいろ議論をしていくということになろうかと思います。

 その意味においては、さまざまな、多数の規制にかかわるようなことが同時並行で議論が進んでいくということになります。その点では従来よりも、しかも総合調整しながら進みますから、私が感じたような各省庁間の対立、全く真反対なことを言うなんということは政府の中で調整をしていくということが想定されます。だから、時間的には前よりはいいというふうに思います。それがまず一つ。

 もう一つが、今先生御指摘のとおり、全部調整が整わないと発動できない、事業が始動できないのかといえば、それはそうではないというふうに思っています。仮に、三分の二整った段階でやれるところについてはやっていただこう、そして、残りのもの、まだ時間がかかりそうだというものについては、調整が整った段階で御提案の内容を変更いただいて、また膨らませていくというやり方も可能ではないかというふうに思います。

遠山委員 逢坂政務官、これは私は非常に大事なポイントだと思っているんですね。今政務官は、私が三分の二と申し上げたので、多分つられて三分の二とおっしゃったんですが、それは今の時点で政府の公式ではないと思います。

 これは、特区をこれから申請する立場からいえば、自分たちが要求した支援措置が例えば百あったら、では、その三分の二だったら六十六項目を、政府側と協議が調って超えられればスタートできるのかどうなのか。あるいは、例えば支援項目の中でも重さ軽さがあると思うんですね。だから、すごく、星になる項目が認められなければ特区の魂が抜かれるというようなこともあれば、かなり周辺的なものもある。

 その辺も含めて、できれば、この法案が成立する前後までに、この辺の実際の実施要領について、きちんと地方公共団体の側が、ある程度、ちょっと先の話ですけれども、指定された後に国と地方の協議会でどこまで支援措置の協議を調えて、時間との争いもありますから、そのことも含めてガイドラインを示していただきたいなということを要望しておきます。別に御答弁は要りません。

 それで、今ちょっとこの場をおかりして、具体的に二つだけ、きょうは黒岩政務官にも来ていただいていますので。

 先ほど私が御紹介した福岡のアジア戦略特区におきましては、例えばこういう要求がされているんですね。外国人の永住権取得の要件は普通十年以上の在留なんですが、これを三年に短縮せよという項目が福岡から入っています。それからもう一つは、家族要件も扶養配偶者プラス子弟から三親等以内の親族にすると。だから、三親等以内の家族も連れてきて家族として滞在権を認めるという項目があるわけです。

 私も以前参議院で法務委員長をさせていただいた立場で、入管行政をよく存じ上げておりますけれども、通常考えれば、十年の在留条件を三年に短縮するとか、扶養配偶者プラス子供を三親等以内まで広げるなんというのは、かなりハードルの高い要望なんですね。それがもうこの特区の中に入っているわけです、一項目で、百八十分の一で。だから、百八十分の一でも、一つとっても大変なんですね。

 例えばで聞きます。例えばで聞いていますけれども本気で聞いていますから、私は。

 黒岩政務官、法務省として、こういうものが国と地方の協議会で上がってきて、内閣府を通じて調整が出てきた場合、どうお答えになるんですか。

    〔村井委員長代理退席、委員長着席〕

黒岩大臣政務官 御答弁いたします。私も本気で答えますけれども。

 御承知のように、今おっしゃった永住許可の要件の緩和とか、これは確かに、今まで厳格な入管行政と言われていましたので、ハードルが高いと私も率直に感じているところなんです。

 ただ、きょう何度も出てきておりました構造改革特区法案については、私は、当時は逆に野党の議員の立場で議論に携わって、当時も内閣府はかなり本気なんですが、関係省庁がなかなか後ろ向きだということで、その省庁を呼んでは、真剣にやってくれ、そう言っていた身としては、やはりこれはかなり前向きに進めなければいけないと思っています。

 ただ、もちろん、これは、具体的に今後制度が実現しまして、その後、特例措置の提案がまた具体的に上がってきたときに検討するということになるんですけれども、例えば永住許可の要件について言えば、今、私どもは成長戦略の一環として高度人材ポイント制、これは外国人の優秀な方を日本に招き入れるために、例えば学歴だとか職歴だとか、こういったことにポイントをつけまして、こういった方には今まで以上に優遇措置を図ろうという制度をつくっております。

 その優遇措置の一つとしてこの永住許可要件の緩和は今具体的に検討しておりますので、今後、総合特区制度においても、さまざまな検討案件が上がってきたら、これは私どもも政治主導でしっかりと、本当に、今回特に国際戦略に資するとか地方活性化に資するという目的がありますので、この目的に即した、委員もおっしゃった単純な緩和ではないけれども、規制改革についてはかなり積極的に、確実に取り組んでいくことをここで述べさせていただきます。

遠山委員 黒岩さん、それは本当にすばらしいです。

 ただ、これは法務省の入管行政というよりも、今のポイント制の話は、本来はやはり移民政策のエリアなんですよね、国際社会の中では。私もオーストラリアとかニュージーランドに行って研究したことがありますけれども、あそこは役所の中に移民局という部局があって、そこでどういうポイントの方を移民として受け入れるかという立場でやっておられたと思いますから。

 私個人としては、前の政権時代から今の政権時代まで、なかなか包括的な、本格的な移民政策がつくられていないというのが実情でございますので、そういった立場から、そういう角度で検討していただくことは大変歓迎をしたいというふうに思っております。

 それから、もう一つ具体的な話で恐縮ですが、先日、自民党の平井理事からもあった件でございますが、今回の法案に盛り込まれている、筆頭で来ております通訳案内士の特例措置について、やはり私のところにも、研修のみで通訳案内士資格を与えるのはどうかという話でありますとか、あるいは、通訳案内士の質が今回の特例措置で落ちる、イメージが悪くなるということで、質をしっかり維持しながら真の観光立国を目指してほしいというような要望が来ております。

 私もこの問題に高い関心を持っておりまして、ぜひ、通訳案内士の方々の不安を払拭するとともに、日本文化に対する正確な知識や理解を広げて、日本の魅力を発信する観光の質というのを保たなきゃいけない、こう思っているわけでございます。

 きょうは観光庁の方をお呼びしておりますので、観光庁の立場から、規制の特例措置がもうこの法案に盛り込まれているわけですから、観光庁も是認をしたからここに入っているんだと思いますけれども、是認をした観光庁として、この懸念にどうお答えになるか、御答弁を求めたいと思います。

武藤政府参考人 お答えをいたします。

 観光立国の現場では、最近、中国あるいは韓国、そういったアジアからのお客様が多いという話、それから、都市部だけではなくて地方部にも今お客さんが入っているということから、今回の特区の課題は非常にありがたいことだというふうに考えております。

 一方で、資質をいかに確保するのかという点でございますが、今回創設する特区については、指定を受けた地方公共団体がまず中心となって企画を実施する問題だというふうに思います。そういう意味では、地方公共団体が特区の特性に応じて研修を工夫して確保するということが基本になるというふうに考えておりますけれども、一方で、政府におきましても、国と地方の協議会ですとか、あるいは計画認定の際の協議、そういった場がございますので、この法律に定められた法的手続にのっとりまして、研修の内容、そういったことについても十分に私ども観光庁と指定地方公共団体の間で協議をいたしまして、資質の管理について万全を尽くしていきたいというふうに考えております。

遠山委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。

 質を確保しながら観光立国を目指していただきたいと思いますし、先日の審議で逢坂政務官が、通訳案内士という名称とは別の名称を総合特区の中の案内士については使うことも検討されると聞いておりますので、それもぜひやっていただきたいと思います。

 最後になりますが、片山大臣に一点だけ御質問をさせていただきたい点がございます。

 それは、今回の総合特区の指定がなされて、そして、先ほど来お話を申し上げている国と地方の協議会で、政府側と地方側、間に内閣府が入って調整役になって、どういう特例措置を設けるかという合意を形成する作業をするわけですが、その合意が形成された中で、政省令に基づく規制の場合は、これはある意味簡単に特例措置を設けることはできると思うんですね、省庁が合意すればいいわけですから。しかし、法律事項の場合は、物によっては法改正をしなきゃいけない。ところが、法改正をするということは、改正案をつくって国会の常任委員会に出さなきゃいけないということなんですね。

 そうしますと、総合特区の指定がされた、協議が国と地方のところで調った、しかし、その調った措置の一部、例えば六つぐらいは法改正事項である、それを、ねじれ国会のこの状況、そして閉会中、開会中、優先法案の順番とかいろいろ複雑な事情がある国会の審議にかけて、通らなければ特区が調わないということになりますと、これは非常に、国会審議の影響で総合特区がスタートしないという事態も実は想定されるんですね。これはどう対処されますか。特別委員会をつくれば別ですよ、いつでも開けますから。しかし、私は、常任委員会で法改正できないと総合特区が始まらないというと、これはなかなか難しい局面があるんじゃないかと思いますが、簡潔にこの点だけお答えください。

片山国務大臣 これは、さればとて、国会審議をはしょったらいいというものでもありませんので、やはりきちっと、誠実に国会に提案をして、御審議をいただくということになります。

 私は、今回のいわゆるねじれ国会と言われる現国会を見てみましても、やはりきちっと通していただくものは通していただいていると思います。ちゃんと審議をしていただいて、迅速に通していただいておりますので、こういうねじれであっても、是は是、非は非でやっていただいている分には、いずれ必要な法案を出したときもスピーディーに通していただけるものと信じておりますし……(発言する者あり)ぜひそうしていただきたいと念願しております。

遠山委員 お願いしますと与党席からありましたけれども、政権交代が常態化した状態になっていると民主党の皆さんもよく私におっしゃっておりますから、いつ入れかわるかわかりませんが、いずれにしても、今のポイントは地方から見ればリスク要因ですから、それもきちんと地方に伝えた上で、法改正事項についてはそういうリスクもあるということも認識をしていただいた上で、円滑に総合特区制度を運用していただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

荒井委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 今の遠山委員、それから平井委員も取り上げました総合特区法案における規制の特例措置である通訳案内士法の特例について、私も質問をいたします。

 最初に国土交通省にお尋ねしますが、通訳案内士制度の意義についてどのように認識をしておられるのか、まずお答えください。

武藤政府参考人 現行の通訳案内士制度の意義についてでございますが、訪日外国人旅行者に対する接遇の向上を図り、国際観光の振興に寄与することを目的といたしまして、昭和二十四年に創設された制度でございます。

 この制度におきましては、外国人に対して外国語で有料で旅行に関する案内を業として行う場合に、通訳案内士試験に合格する必要があることとされております。この通訳案内士試験については、外国語それから日本地理、日本歴史、産業、経済、政治及び文化といった一般常識を問う筆記試験を行い、そして、その筆記試験に合格した者に課される口述試験で構成をされているところでございます。

 現在、この試験に合格をして資格を取得した通訳案内士は、平成二十二年四月一日現在で約一万四千五百五十九人というふうになっております。

塩川委員 なぜこういう制度があるのかという意義がいまひとつちょっと見えてこないんですが、せっかく小泉大臣政務官においでいただいていますから、この制度の意義について政務官の方からも一言いただきたいんです。

 例えば、通訳案内士制度のあり方に関する最終報告というのを国交省の方でもことし三月に取りまとめをしておりますけれども、訪日外国人旅行者受け入れ推進のためには、「日本での滞在が旅行者にとって満足できるものであることが重要である。」「旅行先の観光ガイドが印象形成に与える影響は大きい。」「旅行者にとっては、ガイドの口から語られる日本が日本であり、ガイドと過ごした時間が日本での思い出そのものとして映る」ということを述べておられるわけです。

 そういう点では、日本そのものを理解してもらう、そういった際に、まずは訪日の外国の旅行者の方々が受ける印象というのは、ガイドの方、通訳案内士の方々のそういう点での意義が大変大きいと思うんですが、小泉政務官、いかがでしょうか。

小泉大臣政務官 塩川先生の御質問にお答えさせていただきます。

 先生おっしゃる、これまで通訳案内士は、外国人旅行者の受け入れに当たりまして大変重要な役割を果たしてきたと認識しており、その重要性は今後も変わることはないと考えているところであります。

 ただ、その一方で、最近、御案内のように、中国、韓国などの近隣アジア諸国からの観光客が大変大きく増加していること、そしてまた地方への外国人の旅行者が増加しておりまして、観光立国の推進のためには、こういった大きな環境変化にも積極的に対応していかなければならない事態になっているわけであります。

 このため、現在制度として確立しております通訳案内士制度を補完する形で今回の特区ガイド制度を設けるわけでありまして、この点、資質の確保にも留意しながら、各地域の要求にこたえていけるように導入をさせていただくこととしております。

 今後、この通訳案内士制度と今般導入されます特区ガイドの両方をいわゆる車の両輪として育成することによって、観光立国の推進に努めてまいりたいと思っております。

塩川委員 アジアからの旅行者の方が中国、韓国を初めとしてふえている、地方への旅行者の方もふえている、そういう意味でもこの通訳案内士の方の役割というのは非常に重要になってきている、そういう中で、補完するものとして特区ガイド制度というのを今回創設するというお話ですけれども、具体的にこの特区に関連して地方団体からの提案が示されているわけですが、いただいた資料などを見ましても、この通訳案内士法の規制緩和を使う特区提案では、和歌山ですとか福岡ですとか、また新潟などが挙げられております。

 例えば、和歌山県の提案は、和歌山県世界遺産総合特区というプロジェクトで通訳案内士以外の通訳ガイドのガイド業務の創設を求めております。その解説を読むと、「現在では国家資格である通訳案内士認定者以外が有償でガイド業務を行うことができない」とあるが、今政務官もおっしゃっておられましたけれども、現行通訳案内士の制度がある、補完して特区ガイドの制度を設けるというんですけれども、既にもう一個あるんじゃないんですか。つまり、通訳案内士以外に、この間、有償でガイド業務をできる地域限定通訳案内士という制度がありますよね。

小泉大臣政務官 先生御指摘のように、そういった制度はあるわけでありますが、やはり歴史や文化、そういったものをしっかりと、間違いなく観光者にお伝えいただくためにも、しっかりとした研修制度を設けた上で、特区ガイドをもう一度設けることとさせていただいた次第であります。

塩川委員 特区ガイドは研修という話ですけれども、では、地域限定通訳案内士はどういうことをもって資格取得とするのかということです。

 例えば、新潟県の北東アジアとの交流人口の拡大というプロジェクトでも、「ガイドの多くは個々の地域を活動の場としており、全国的な幅広い知識や技能を持つ現行の通訳案内士制度を補完し、個々の地域のことに詳しい通訳ガイドを増加させることが急務である。」とあります。

 ですから、和歌山の場合であれ新潟の場合であれ、全国的な幅広い地域じゃなくて、個々の地域に詳しい通訳案内士を育成するのが地域限定通訳案内士という制度であるわけです。

 この地域限定通訳案内士という制度は、どのように質を担保しているんですか。

武藤政府参考人 先生御指摘の地域限定通訳案内士の制度につきましては、平成十八年に制度が創設されたものでございます。これは、今御指摘のように、地域ごとに、外国人旅行者の誘致に熱心に取り組もうという地域が従来の通訳案内士制度では十分に確保できない、こういうことから導入をしたものでございます。

 現在、この地域限定通訳案内士につきましては、特定の都道府県の区域に限って通訳案内業務をできるということでありますので、通訳案内士と同様の試験を課しておりますけれども、例えば地理ですとか、あるいは歴史ですとか、そういった部分については当該都道府県の区域内に限定をした試験で担保している、こういうことでございます。

塩川委員 今の答弁にありましたように、地域限定通訳案内士というのは、試験をもってその質を担保しているんですよ。つまり、全国展開の可能な通訳案内士の方と同じ試験なんだけれども、しかし、地理とか歴史についてはその地域、各都道府県単位で行うというだけのことであって、そういう点では、活動のエリアはその都道府県域であるとしても、語学も含めて、日本の歴史や文化などの知見も踏まえて、試験によってその資質、品質が担保されているというのが地域限定通訳案内士の制度なんですよね。

 こういうものがあるにもかかわらず特区ガイドを設けると。特区ガイドの質はどういうふうに保証するんですかといったら、試験じゃなくて研修だったわけでしょう。これで本当の意味でガイドとしての役割が果たせるんですか。どうですか。

小泉大臣政務官 その点につきましては、特区を指定した各自治体に、その地域特有の歴史、文化、伝統等をしっかりと研修していただく形をとってその資質を担保するように考えている次第であります。

塩川委員 研修の中身もいろいろあるでしょう。しっかりとした研修をするかもしれないけれども、研修をした上で試験をしてその質を担保するならまだしも、それはないわけですよね。

 では、研修が、この試験、つまり地域限定通訳案内士制度の試験よりも質を保証すると言えるんですか。

小泉大臣政務官 先ほど、冒頭申し上げましたように、増加をしております。特に英語の通訳案内士が大体六割以上でありまして、中国語、韓国語につきましては一六%しか現在おりません。そういった意味で、どうしても現在の制度では対応できないほどの需要もございますので、その点につきまして、しっかりとそういった方たちを補完するために、現在の制度を補完するためにどうしても必要であるということで、今回導入をさせていただく次第であります。

塩川委員 ですから、中国、韓国の方がたくさんいらっしゃれば当然ニーズが高まるわけですから、通訳案内士になろうとする人も当然ふえるというのが本来の仕組みなんでしょう。さらに、それだけではなくて、地域限定の制度も設けることによって、その地域地域で、都道府県単位でそういった地域限定通訳案内士というのをつくろうと思えばつくれるんですよ。

 ですから、別に特区がなくても、既存の制度によって通訳案内士をその地域につくることはできるんです。何で研修なんという格好で、質が担保されないような仕組みをわざわざ設けるんですか。

小泉大臣政務官 先ほど、冒頭申し上げましたように、今後の観光立国の推進に向けて、やはりガイドのすそ野を広げていく必要性があることと、ただ、先生御指摘のように、一定以上の資質を担保するということは必要であると考えておりますので、その点、研修をしっかりとすることで対応してまいりたいと思っております。

塩川委員 聞きますけれども、中国語の通訳案内士の方は、つまり、中国からたくさんの観光客の方がいらっしゃっているから数が少ないということですよね。そうすると、そういう方々は忙しくて忙しくてもう対応ができないという実態にあるということなんですか。そういう調査をやったことはありますか。

武藤政府参考人 お答えをいたします。

 地域限定通訳案内士も、実は制度を導入してから試験を四年にわたってやっておりますが、現時点で、地域限定の場合は二百五十人の登録にとどまっているという現状がございます。

 一方で、中国、韓国からの外国人旅行者に対しましてもできるだけ丁寧な案内業務ができることが望ましいと考えておりますけれども、そういった通訳案内士の方々とのマッチングがなかなかうまくいっていないという実態はあるという認識はしております。

塩川委員 マッチングがうまくいっていない。つまり、中国語の通訳案内士の方がいても、その人が忙しくて忙しくてもう手が回らないという状況ではないということですね。

武藤政府参考人 まず、そもそも絶対数の不足ということからなかなかマッチングがうまくいっていないという実態でございます。

塩川委員 では、もう一回聞きますけれども、中国語の通訳案内士の方は忙しくてもうこれ以上仕事を受けることができないという状況なのか、そういった実態調査をしているんですか。

武藤政府参考人 さまざまな職業につきながらこのガイドの資格を持っている方もおられまして、一概に、今忙しくて受けられない、そういう状況にあるわけではないというふうに聞いております。

荒井委員長 いや、調査をしているか、していないかということを聞いているんだよ。

武藤政府参考人 全般的な調査はしておりません。データはありません。

塩川委員 調査もしていないんですよ。中国語の通訳案内士の方が本当に忙しくて忙しくて手が回らない、だから補完する制度が必要だという状況だということは確認もしていないんですよ。

 現状でいえば、実際には、中国語の通訳案内士の方でも必ずしも仕事が全部あるという状況にないということを聞いています。なぜそうかという問題があるわけであります。

 ここで、先ほど遠山委員も紹介されておられた福岡県の福岡・アジア国際戦略特区の提案で、通訳案内士法に関して規制の特例措置を求めておりますが、ここではどのような内容、提案理由となっているのかについてお示しいただけますか。

武藤政府参考人 お答えをいたします。

 昨年七月から九月にかけまして、内閣官房が、総合特区制度の設計に先立ち、地域からアイデア募集を行ったものというふうに承知をしております。

 内容につきましては、県内の外国人留学生などがクルーズ客の日帰り観光などにおいて観光ガイドができる新たな制度を創設するということで、国が実施する研修を受講すれば県内での限定的な通訳案内士の資格を有することができるという提案と承知しております。

塩川委員 つまり、福岡県の特区の提案というのは、外国人留学生にガイドをやってもらおうということなんですね。

 では、外国人留学生という場合、どの国の留学生を想定しているのがこの福岡の提案なんでしょうか。

武藤政府参考人 一つには、フェリーで大量にお越しいただける韓国人、それから、中国人のお客さんも最近ふえておりますので、こういったところを念頭に置いているというふうに承知をしております。

塩川委員 この福岡県の提案では、この措置が必要となる取り組み、事業ということで挙げているのが、「中国などからのクルーズ客船の寄港促進」とありますが、そのとおりですね。

武藤政府参考人 そのとおりでございます。クルーズ客の日帰り観光などにおいて観光ガイドができる新たな制度を創設するということでございます。(塩川委員「中国」と呼ぶ)ここの記載については中国とは書いておりませんが、ただ、この地域が中国のクルーズ客の誘致に努めているという現状はございます。

塩川委員 内閣府のホームページからとったものですけれども、「中国などからのクルーズ客船の寄港促進」と。確かに今、九州はふえているわけですね、福岡の博多などにクルーズ客船で中国からの方がたくさんいらっしゃる。それは福岡だけではなくて、長崎ですとか熊本ですとか、沖縄なんかにもいらっしゃっている方が多いということは承知をしております。そういう状況の中で、こういった特区提案としては、外国人留学生、それも中国からということになれば中国人留学生ということになるわけであります。

 それで、この中国人留学生、外国人留学生がガイドとなると。現行でいえば、通訳案内士の方々が、厳しい語学の試験もあり、日本の歴史や文化など、あるいは一般常識を含めて広い知識を持って、その試験の資格を持って仕事をされておられるわけですけれども、中国人留学生の方にそれを代替してもらう、補完をしてもらうということになるわけであります。しかし、留学生というのは、在留資格を見ましても、就労ではないわけですね。あくまでもアルバイトの範囲内であって、週二十八時間以内でしたか、そういう枠もそもそもありますよね。

 今言ったように、本来、国家資格であるような高い知見が求められ、試験を伴ってその資格の品質を保証している現行の制度に対して、外国人留学生を観光ガイドとして充てるという特区提案では、本当の意味で日本の姿を知ってもらうことにならないんじゃないんですか、どうですか。

小泉大臣政務官 先ほどから申し上げておりますように、かなりの観光客が今増大している中で、そしてますます観光立国推進をするために、現行の制度だけでは対応できないということを想定もしながら、しっかりとそれを補完するために今回の制度を設けることとさせていただいておりまして、その内容の担保につきましては、やはり研修制度を徹底的に高めることによってその資質を確保することで対応していくことを考えている次第でございます。

塩川委員 とても担保できると思えません。

 つけ加えて指摘をしますけれども、手元にありますのが、JTB九州のクルーズ船用ガイド募集についての御案内というチラシなんですね。ここには、中国人留学生の皆様へとあるんです。つまり、中国のクルーズ船用のガイドを中国人留学生に向けて募集するという御案内のチラシなんですよ。業務内容は何かといったら、観光バスのガイディング、食事、買い物箇所などにおけるあっせん。つまり、観光ガイドの資格、そういうものをやるということを既にJTB九州が募集まで行っているんですよ。

 こういうことは当然御存じですよね。

武藤政府参考人 JTB九州のそういった活動についても聞いたことはございます。

塩川委員 こういったJTB九州の活動について、運輸局としては、国交省としてはどのように対応されたんですか。

武藤政府参考人 通訳案内士法が規制をしているのは、有償での、業としてのガイド行為でございますので、そういったものに抵触をするという認識は現在しておりません。

塩川委員 平成二十二年三月二十五日付で九州運輸局が出されたニュースリリースがありますけれども、ここには、JTB九州が行ったクルーズ船用ガイド募集についてということで、JTB九州は、平成二十一年、中国人留学生を対象にクルーズ船用ガイド募集として、クルーズ客として訪れる中国人観光客に対する添乗員を募集しましたが、その業務内容に観光バスのガイディングが含まれていたこと、本年も、つまり昨年ですね、宮崎市において同様の募集を行ったことが明らかになりましたと指摘をしております。

 それを踏まえて、どのような措置をとったんですか。

武藤政府参考人 申しわけありませんが、現在その記録については承知をしておりません。

塩川委員 ここでは、九州運輸局では、JTB九州に対して、このような募集を行うことは通訳案内士法違反の行為につながるおそれがあることから厳に慎まれたい。また、このようなことが二度と起こらないよう再発防止を徹底されたい旨口頭で厳重注意を行いましたので御報告いたしますという中身なんですよ。つまり、こういう違法に当たるような行為が行われているということに対して厳重注意を行っているわけですね。

 こういった現状がある中での法改正ということについては、思うところはございませんか。

小泉大臣政務官 先ほどから申し上げておりますように、現在の体制では十分な対応ができないということから、制度の不備を補完するために今回の制度を設けさせていただいております。

 そしてまた、その資質の担保等につきましては、もし誤ったガイド等をすれば、特区制度を設けております地方自治体にとりましても、次回以降観光客が来ていただけない等の不利益がございますので、その意味では、特区を設けた地方自治体がしっかりと研修をすることによって担保していただくように考えているところであります。

塩川委員 現行の中国語の通訳案内士の方が忙しくて忙しくてしようがないという状況じゃないんですよ。実際にはこういった行為がまかり通っていて、要するに安かろうの話になってきているわけですよ。だからこそ、本来、資格をしっかり取ったとしても仕事が来ないからふえないという状況にもなっているわけで、これが悪循環をつくっているんじゃないですか。結局は、JTBのような大手旅行会社が安く人を使いたいと。

 こういった通訳案内士では、当然、それなりに適正な報酬を求めるのは当たり前のことであって、それに見合うような効果があるわけですよね。そうではなくて、外国人留学生を安く使いたいというのがそもそもの動機というのがこの背景にあるということじゃありませんか。

武藤政府参考人 さまざまなタイプのガイドが外国から来るお客様に対応できるような体制をつくっていきたいというふうに今考えているところでございます。

塩川委員 答えていないわけですが、ですから、結局は、今回の法改正というのは、大手の旅行会社が安く人を使いたいということが出てくる、そのことを求める規制緩和にしかなっていないというのが実態だとやはり言わざるを得ません。こういうことでは本当の意味で日本の魅力を外国の方に知っていただけないということであるわけで、私は、そういう点でも、こんな規制緩和は行うべきではないと強く申し上げるものであります。

 ですから、実際に補完するといっても、名称そのもので、特区ガイドとなるんでしょうか、英語や中国語の表記がどうなるのかわかりませんけれども、外国の方から見たらわからないわけですよ。区別もつかないわけでしょう。そういうときに、外国人留学生も担うような形でのそういったガイドが日本を学ぶものになっているということで本当の意味での日本の理解につながるのか。私は、そうはならないと言わざるを得ないということを強く述べておくものであります。

 最後に政務官にお尋ねしますけれども、総合特区の案内士の制度を導入すれば、結果として、高いスキルによる現行の通訳案内士の制度が成り立たなくなる、これは本当の意味での観光立国とはならない。観光の哲学を欠いたような安易な規制緩和というのは、観光立国の足元を掘り崩すことになるんじゃないのか。改めて。

小泉大臣政務官 やはり、現行の制度と今回導入をさせていただきます特区ガイドを車の両輪として今後外国人の方を受け入れる体制を整備していくということでありまして、今回の制度とともに観光立国の推進には資するものと考えている次第でございます。

塩川委員 全くそうはならないだろうということを強く指摘しておきます。

 残りの時間で大臣にお尋ねしますが、総合特区法案における規制の特例措置の一つとして、自治体事務に関して政省令で規定をする事項の条例委任の特例を設けているわけでありますけれども、この条例委任の特例の制度はどのような中身かということについて、簡単で結構ですから、御説明いただけますか。

片山国務大臣 例えば、構造改革特区との対比でいいますと、構造改革特区は、申請があって指定したところについては特例をなくすということでありましたけれども、規制を緩和するときにそれだけでいいのかという疑問を私はかねがね持っておりました。

 そういうことがあってもいいことは確かでありますけれども、それ以外に、今まで国が規制の内容を決めていたのを、今度は地域が責任を持って、地域単位でみずからにふさわしい規制を構築していくということ、そういうタイプの規制の緩和とか特例があってもいいのではないかという発想がありまして、今回の、政省令で規定しているものを取っ払うんじゃなくて、自治体が条例でもって独自の規制をしいていく、自治体が責任を持つ、そこに一番のポイントがあるだろうと思います。

塩川委員 これは地域主権改革法案の議論とも重なる部分でありますけれども、名前は変わったそうでありますが、いわゆる地域主権改革法案では、国の義務づけ・枠づけの事項の条例委任を措置しております。条例委任に当たっては、従うべき基準、標準、また参酌すべき基準を定めているわけですけれども。

 お尋ねしますが、今回の法案に基づくと、国が省令で従うべき基準を定めている事務がありますね。つまり、従うべき基準ということを省令で定めているわけですけれども、そういったら、その省令を条例に置きかえる、省令で従うべき基準と定めている事務について条例で定めることができるという中身ということでよろしいですか。

片山国務大臣 今回の法律が通りましたときに、例えば、政省令で定めているものを条例で定めるといったときに、その定め方について、政省令で定めるところにより条例で定めるということになっておりますけれども、全く選択の余地のない内容で政省令を書いてしまったのでは何も意味がなくなってしまうと思います。

 ですから、これから、政令、省令の書き方によりますけれども、本当に必要最小限、最低限、本当に守らなきゃいけないものだけしか書くべきではないと思っておりますので、今御指摘になりました、義務づけ・枠づけの見直しの中で従うべき基準とか参酌すべき基準という分類がなされておりますけれども、それとはちょっと概念が違って、本当に必要最小限のことしか書かないというふうに担当大臣としては考えております。

塩川委員 できないということはおっしゃいませんでした。

 例えば、児童福祉法に基づく保育所の人員配置基準ですとか居室面積基準は省令で従うべき基準と定められていますけれども、今回導入される仕組みを使えば一層の規制緩和が可能となるという点では、保育の分野における子供の安心、安全を保障する、そういった仕組みを制度的に壊すことにもつながりかねないという懸念を強く申し上げて、質問を終わります。

荒井委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.