衆議院

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第12号 平成25年5月17日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十五年五月十七日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 平井たくや君

   理事 木原 誠二君 理事 関  芳弘君

   理事 田中 良生君 理事 西川 公也君

   理事 平口  洋君 理事 若井 康彦君

   理事 松田  学君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    石川 昭政君

      大岡 敏孝君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    川田  隆君

      小松  裕君    新谷 正義君

      田所 嘉徳君    田中 英之君

      高木 宏壽君    土屋 正忠君

      冨樫 博之君    豊田真由子君

      中川 俊直君    中山 展宏君

      平沢 勝栄君    福山  守君

      堀内 詔子君    山際大志郎君

      山田 美樹君    吉川  赳君

      荒井  聰君    岡田 克也君

      後藤 祐一君    津村 啓介君

      中根 康浩君    遠藤  敬君

      木下 智彦君    杉田 水脈君

      中丸  啓君    山之内 毅君

      輿水 恵一君    浜地 雅一君

      大熊 利昭君    赤嶺 政賢君

      畑  浩治君    村上 史好君

    …………………………………

   国務大臣

   (地域活性化担当)    新藤 義孝君

   国務大臣         甘利  明君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   内閣府副大臣       坂本 哲志君

   厚生労働副大臣      秋葉 賢也君

   内閣府大臣政務官     山際大志郎君

   内閣府大臣政務官     北村 茂男君

   財務大臣政務官      竹内  譲君

   国土交通大臣政務官    松下 新平君

   政府参考人

   (内閣官房PFI法改正法案等準備室長)

   (内閣官房国土強靱化推進室審議官)        澁谷 和久君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 木下 賢志君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            佐々木清隆君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  原  勝則君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局下水道部長)    岡久 宏史君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 吉田 光市君

   政府参考人

   (国土交通省航空局航空ネットワーク部長)     篠原 康弘君

   内閣委員会専門員     雨宮 由卓君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     中川 俊直君

  新谷 正義君     石川 昭政君

  豊田真由子君     堀内 詔子君

  中谷 真一君     冨樫 博之君

  平沢 勝栄君     土屋 正忠君

  荒井  聰君     中根 康浩君

  山之内 毅君     木下 智彦君

  村上 史好君     畑  浩治君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     新谷 正義君

  土屋 正忠君     平沢 勝栄君

  冨樫 博之君     中谷 真一君

  中川 俊直君     青山 周平君

  堀内 詔子君     豊田真由子君

  中根 康浩君     荒井  聰君

  木下 智彦君     山之内 毅君

  畑  浩治君     村上 史好君

    ―――――――――――――

五月十六日

 総合特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)

 総合特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)


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     ――――◇―――――

平井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房PFI法改正法案等準備室長・国土強靱化推進室審議官澁谷和久君、内閣府大臣官房審議官木下賢志君、金融庁総務企画局審議官佐々木清隆君、厚生労働省老健局長原勝則君、国土交通省水管理・国土保全局下水道部長岡久宏史君、国土交通省道路局次長吉田光市君、国土交通省航空局航空ネットワーク部長篠原康弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平井委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 民主党の後藤祐一でございます。

 ちょっと質問事項が多いので、まず、短く終わるものから順にやっていきたいと思います。

 ちょっと通告の順番と違ってしまうかもしれませんが、まず、この法案に関連するところから先にやりたいと思います。

 民間資金等活用事業推進機構に直接関連する部分で、今回、この法案によって機構が可能となる支援、これは出融資、出資、融資ともに可能になるわけですが、今までの説明の中で、どうしても絵のぐあいなんでしょうけれども、メザニンに機構からお金を入れて民間のファンドなりから出資がつくというような絵で説明する場合が多かったような気がするんですけれども、あくまでこの法案によって可能になるのは、機構はメザニンもエクイティーも両方とれますし、例えばそういったことを、民間のファンドは今ありませんけれども、メザニンとエクイティーをまぜたような形でやりたいといったいろいろな柔軟な提案があると思います。

 これに対しては、いかなる対応も機構で可能だというふうに理解してよろしいですか。メザニン中心だということでは必ずしもないということの確認をさせていただきたいと思います。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 この機構はあくまで民間の補完に徹するということでございますので、基本はメザニンというのは御説明をさせていただいているかと思いますが、メザニンに限らず、まあメザニンなのかエクイティーなのかというのはかなり相対的な部分がございまして、メザニンのかなりリスクの高いところはエクイティーとほとんど変わらないようなところもございます。

 案件に応じまして、個々の出融資案件ごとに、民間事業者から求められている出融資ポジションとかリスク、リターンを総合的に検討いたしましてメザニンに対する出融資なのかエクイティーの出資なのかという判断を行うということでございまして、そこは柔軟な対応が可能だということでございます。

後藤(祐)委員 その対応でやっていただきたいと思います。

 一つ懸念されるのは、この機構がリスクをとることによって、金融機関の債権のリスクを減らすために機構に登場していただくというような使い方にならないかということを懸念しております。もちろん銀行の融資も大事ですから、機構が乗っかることでいろいろな銀行なり民間出資母体なりがついてくるというための牽引車として意味はあるんですけれども、結果として、振り返ったときに、リスクを機構にとらせて、銀行の融資のところのリスクがなくなっていくという結果を招いただけではないかということになってしまうと、本来の趣旨と反してしまうような気がするんですけれども、このような対応ぶりにならないようにしていただきたいと思いますが、これについて御見解をいただきたいと思います。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 あくまで機構は民間の補完ということですので、本来銀行などが貸し出していた部分の一部をこの機構が肩がわりということではなくて、銀行などが十分な、銀行の判断でリスクをとって融資をして、さらにそこでは足りないところについて出すということでございますので、銀行の救済でありますとか、そのようなことのないような運用をしてまいりたいと思っております。

後藤(祐)委員 メザニンにせよエクイティーにせよ、弁済のときには銀行よりも優先順位が当然下がるわけですから、今、銀行救済のための機関ではないというお言葉がありましたので、ぜひそのような方向で運用していただきたいと思います。

 これに関連して、これはちょっと甘利大臣にお伺いしたいんですけれども、今言ったような運用というのは、どうしても相対的になると思うんです。最初は機構が引っ張っていくのは私は悪いことじゃないと思いますので、そのときに、この機構が銀行の方を向いているのか、リスクマネーを供給する人たちを助けたいという方向を向いているのか、あるいはPFIを市町村なんかがやりたいという方向を向いているのかというのは、非常に大事なことだと思うんです。

 そういった意味では、この新しくできる機構のトップの人事が非常に大事になってくると思うんです。あるいは、トップに限らず、委員会ができますけれども、こういったところの人事において、金融機関出身の方がトップについてしまうと、今言ったような懸念が本当に現実化しかねない。場合によっては、たくさんの銀行がそろってお貸しをするようなときに、この機構に融資をしている金融機関出身の方なんかが機構のトップに座っていたりすると、結局、リスクをメザニンの方に、機構に寄せているんではないかという、あらぬ誤解を受けかねないと思うんですね。

 そういった意味でも、このトップは、こういったリスクマネーをどう供給するかということについての御経験がある方、あるいはPFIを実際に市町村なんかで形成していく経験をお持ちの方、こういった方々を選ぶべきではないかと思いますけれども、トップを含めた人事についての配慮事項、どういった方向で人事をやっていくのかについてお伺いしたいと思います。

甘利国務大臣 まず、天下りは考えておりません。これがまずないということ。それから、そのトップ人事について明確に言えることは、プロジェクトファイナンスに係る投融資とかPFI事業の組成等の業務に関する専門的な知識、実務経験を有する民間出身の優秀な人ということであります。

 それで、この出身はだめというような具体的な設定はしませんが、それは、案件を決めるときにはこの機構の中の支援委員会が決定をするわけであります。その支援委員会は、委員御指摘のいろいろな懸念がないようにしっかりと選定をしてくれるというふうに思っておりまして、冒頭申し上げましたようなプロジェクトファイナンスに関するいろいろな知見を持っていらっしゃる方、特定の業界の出身者であるから不適当という考え方はとりませんけれども、委員御指摘の御懸念がないような体制にしっかりとしていきたいと思います。

後藤(祐)委員 ぜひ、そういった配慮をされた上での人事を期待したいと思いますし、天下りはしないということを明言されたことも評価させていただきたいと思います。

 それでは、コンセッションの方の話に移りたいと思います。

 コンセッションの設定については、この一つ前のPFI法改正で可能となりました。今、配付資料の三枚目の紙に、これは平成二十四年三月二十七日閣議決定の別表というものだけを取り出したもので、コンセッションが可能かどうか各施設ごとに表にしたものでございますけれども、まず、上下水道についてお伺いしたいと思います。

 まず下水道は、これは国土交通省になると思いますけれども、下水道は「設定は可能」とこの表の半分から下のところで書いてありますけれども、現行もう既にこれは可能になっているという理解でいいのかということと、実際、これで、下水の中のある特定の処理施設のところだけをPFIに出すというような事例というのは結構あるように聞いておりますけれども、料金徴収も含めた包括的なコンセッションというものが、仕掛かりも含めてどのぐらい進んできているのか、もしそれが進みにくい事情があるんだとすれば、どういったところがネックになっているのか、このあたりについて御説明をいただきたいと思います。

岡久政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、下水道分野でのコンセッションについてでありますが、下水道分野でコンセッションを実施するに当たりまして、法的あるいは制度的な制約はございませんでして、現状でも、コンセッションの実施は可能というふうに考えております。

 それから、現状でございますが、下水道分野では、これまで四つの自治体で下水汚泥の発電利用等に関するPFI事業、これを七件実施をいたしておりまして、民間のノウハウあるいは資金の活用、これを積極的に今進めてきているということでございます。

 それから、国土交通省では、昨年十二月から、下水道事業における民間活用をさらに推進をしていくために、有識者検討会というのを設置してございます。事業主体である自治体、また民間企業から、PFIでありますとかあるいはコンセッションに対する意見を徴収しながら、その活用のあり方を検討しているところであります。

 あと、委員の方から、何か課題があるのか、こういうことでございますが、この有識者検討会におきまして、民間企業からいろいろ御意見を聞いたりしてございます。

 そのヒアリングにおきまして、いわゆる公権力の行使でありますとか、あるいは施設の所有、それからゲリラ豪雨とか地震、津波、そういう突発的なリスクへの対応、そういうものについて、その業務範囲を公共側において適切に負担してほしい、そんな意見を伺っております。こういう負担のあり方あるいはリスク分担のあり方、そういうことの検討が今後必要かと思います。

 国土交通省といたしましては、経済財政諮問会議での御議論、あるいは、先ほど申し上げました有識者検討会での検討結果、こういうものを踏まえまして、意欲のある自治体の民間活用について、アクションプランに適切に位置づけをしつつ、さらに積極的に取り組めるよう支援をしていきたい、そういうふうに考えてございます。

 以上でございます。

後藤(祐)委員 今の御検討を含めて、料金徴収も含めた包括的なコンセッションは可能になる、あるいは今可能なのか、そのどっちなのか、いま一つ、今のではわからないんですが、これについて、もう少しはっきりした答弁をお願いしたいと思います。できれば松下政務官にお願いしたいんですが、よろしいですか。

松下大臣政務官 お答え申し上げます。

 先ほど事務方から答弁いたしましたけれども、下水道分野でコンセッションを実施するに当たりまして、法的、制度的な制約はありません。現状でも、コンセッションの実施は可能でございます。

 以上です。

後藤(祐)委員 もう一度繰り返しますが、それは、料金徴収を含めた包括的なコンセッションが可能と考えてよろしいですか。

 そして、今、下水道部長から、公権力の行使ですとかいろいろな負担の、幾つかの懸念事項、解決すべき課題みたいなものも示されましたが、これも今後のこのアクションプランの中で解決の方向を示していくということでよろしいですか。

岡久政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどの使用料の徴収につきましては、いわゆる公共団体の方で実施をしておりますが、民間の方でも、一応、使用料の徴収ができないことはないというふうには考えておりますが、その使用料の設定をどうするかとか、そういう問題は多々あるのではないかというふうに思っております。

 先ほど申し上げましたように、いろいろ民間と地方自治体との、事業主体との適切な役割分担あるいはリスクの分担について、もう少し検討する必要があるかと思っておりまして、先ほど申し上げました有識者会議でいろいろなヒアリングも行いながら検討している、そういう状況でございます。

後藤(祐)委員 使用料の徴収も含めたコンセッションが可能であるという答弁ですね。

 ただ、その使用料をどうするか。例えば、コンセッションで民間に任せたら不当に上がってしまった、それは許されないでしょうから、それは市議会の関係ですとかいろいろあると思いますので、そこの課題の解決というのをアクションプランの中で明確に今位置づけていくということでよろしいんでしょうか。政務官、これは政治的意思だと思いますので、お答えいただけますか。

松下大臣政務官 では、お答えいたします。

 ただいまの御指摘は大変重要な御指摘だと思っております。ただいま検討させていただいているところでございます。

 以上です。

後藤(祐)委員 それだと困ってしまうんですが、アクションプランはこの五月末から六月上旬にかけてでき上がって、かつ、骨太アクションプランをしっかりやっていく、それが三本目の矢の、しかも中心の課題になっていくものだと私は理解しておりますし、このアクションプランの中で今のものが位置づけられないとすると、せっかく国土交通省、特に下水道は一番真面目にやっていただいているのに、今のところがぐにゃっとしてしまうと、PFI業界と言っちゃいけないかもしれませんが、ここに期待されている方々はちょっとがっかりしてしまうんですね。

 料金徴収を含めた包括的なコンセッションは可能であり、かつ、実際に案件を形成していくために、先ほど下水道部長が申されたようなゲリラ豪雨とか公権力行使とか、あるいは料金が不当に上がることがないかとか、そういった課題をどうやったら解決できるかということをアクションプランの中で検討していくということでよろしいか、これは国交省にぜひ答えていただきたいんですけれども、ちょっと曖昧なので、西村副大臣、お答えいただけますか。

西村副大臣 今、国交省の方から答弁があったように、いろいろ考えなきゃいけない課題はあると思いますけれども、基本的には、我々、このPFI事業、特にコンセッションを活用した事業については積極的に進めたいと思っておりますので、六月になるであろうと思いますけれども、そのアクションプランの中では一定の方向性はぜひ出したいと思います。

 下水道事業についても、その使用料をどうするかという問題は今御指摘のとおりありましたけれども、あいたスペース、空きスペースもありますから、そこで何か別の事業をやって収益を上げるというようなことも考えられると思いますので、そうしたことも含めて、ぜひ積極的にやれるように、そうした方向性は出したいと思っております。

後藤(祐)委員 こういった形で内閣府がぜひ主導性を発揮して、国土交通省を私は評価しているんです、下水道が真面目に御検討いただいたからこの話は進んできていると思いますので、ぜひうまく協力をお互いにしていただきながら進めていっていただきたいと思います。

 続きまして、上水道でございますが、きょう厚生労働省にも来ていただいておりますけれども、同じことを聞きたいと思います。

 料金徴収を含めた包括的なコンセッションが上水道に関して現時点で可能であるかどうか、まずそれをお答えいただけますでしょうか。

秋葉副大臣 今委員からお尋ねございました上水道につきましても、基本的には、現行制度上でもコンセッションによる事業運営は可能でございます。

後藤(祐)委員 料金徴収も含めた包括的なものが可能ということでよろしいですか。もう一度お願いします。

秋葉副大臣 現行制度でも可能でございます、それも含めまして。

後藤(祐)委員 ありがとうございます。

 これは今まで必ずしも明らかになっていなかった部分だと思いますので、大変はっきりとお答えいただいたことはありがたいと思います。

 ところが、なかなかそこは進んできていない部分があると思うんです。これについては、なぜゆえに進まないのかという課題を御検討されているというふうにも伺いましたけれども、どういったところがなかなか進まない課題であって、その解決はどのように図っていかれるつもりでしょうか。下水道と同じように、今回のアクションプランの中でその解決の方策を示されるのでしょうか。

秋葉副大臣 今、水道法では、市町村の同意を得た場合には今でも民間事業者が運営できることになっておりまして、現実に、九カ所の地域あるいは場所において、そうした民間事業者に担っていただいているわけでございます。

 厚生労働省といたしましては、水道事業におけるPFI導入の手引を策定しているところでございまして、コンセッションの導入に関しましても、現在、内閣府が策定中のコンセッションに関するガイドラインの内容を反映するため、この今ある手引の改定に着手をしているところでございまして、水道事業者にしっかり周知をすることといたしております。

 また、経産省とも連携をして、水道分野における官民連携推進協議会を継続して開催をし、PFIやコンセッションを含む多様な官民連携の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。

後藤(祐)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 これらは包括的に五月七日の経済財政諮問会議で議論になったと思いますが、配付資料の後ろの方に、先ほどの表の次のページから諮問会議の資料が始まるんですが、その三ページの(四)というところにPFIについて書かれていて、そこには「コンセッション方式の空港、上下水道への積極的導入」という言葉が書かれております。

 アクションプランについては、きょうの御議論を踏まえた、具体的な導入に向けていろいろな課題がやはりあります。これについて、その解決方法をそれぞれの省庁でも検討されておられますけれども、アクションプランの中でできるだけ具体的に盛り込んで可能にしていくということを政府の義務としてぜひ進めていくべきだと思いますけれども、これについて、これはできれば甘利大臣に意気込みを聞きたいと思います。

甘利国務大臣 諮問会議でPFIの類型が、現行からさらに踏み込んだものを何類型か提示をされています。

 私は、一番最初の方の、民間資金で先につくってもらって後で払う、これは本当にPFIなのかなという思いが正直ありました。コンセッション方式、これは運営権を引き渡す契約ですから、民間がやればより効率的に進んでいくと思います。これは、ぜひアクションプランでしっかりつくりたいと思います。

 もっと言えば、私なりの思いは、民間ペーパーの三類型、四類型にまで踏み込んでいく、そこまでいきますと、今度はインフラ自身の補修であるとか更新が民間資金でできるのではないか。財政再建を担当する大臣としては、そこに非常に魅力を感じているというところでございます。

後藤(祐)委員 ぜひ、甘利大臣のリーダーシップでそこは進めていただきたいと思います。

 あと、各論としてもう一つあるのは道路でございます。

 道路については具体的な話が愛知県で提案されて、特区で対応という形になってきておりますが、ただ、この道路については若干いろいろ検討が残っていて、構造改革特区の返事として、まず県において提案事項についての具体的内容を示すよう求めたという形になっていて、これを受けて愛知県が民間事業者による有料道路事業の運営に関する検討会というものを設けて、その報告書が昨年の十二月に出ています。

 この中で二つほど大きな論点が「更なる検討を必要とする事項」として残っておりまして、その一つが料金でありますが、道路整備特別措置法においては、二十三条において、民間事業者の適正な利潤、これを入れられるような規定になっておりません。これを規定すべきではないかという話が一つ論点としてございます。二つ目は料金徴収期間でございますけれども、道路については、道路は本来無料であるという考え方から、償還期間が定められて、償還が終わったら無料で開放しなきゃいけないという大原則があって、これがあるとなかなかコンセッション方式が成り立ちにくいのではないかというような二つの論点が示されております。

 これを具体的にどう解決していくのかについて、これは逆に言うと、愛知県側は、ここを国交省が解決していただかないとなかなかこの先進めないというふうにボールが返ってきている状況だと思うんです。これについての具体的な解決方法、必ずしも民間会社にもうけさせればいいという話ではないと思うんですよ。例えば、料金については今までと同じ水準を維持するんだったらいいですよとか、いろいろな解決はあると思うんですね。ぜひ、この二点についての、解決の方策についての国交省のお考えを聞きたいと思います。

松下大臣政務官 お答えいたします。

 有料道路へのコンセッション方式の導入につきましては、御指摘いただきましたとおり、昨年、愛知県から御提案をいただいております。国土交通省といたしましても、県が設置した検討会にオブザーバーとして参加して協力をしてまいりました。

 国土交通省といたしましては、民間の資金ノウハウを活用する観点で大変有効であると考えておりまして、コンセッション方式について前向きに対応したいと考えております。

 しかしながら、御指摘いただきましたけれども、現在、道路に関しましては、有料道路の通行料金には利潤を含まない、もう一点が、償還後は無料開放するというのが原則になってございます。また、利潤を料金に含めることや、償還期間の延長などにつきましては、道路利用者の負担が増加するため、地元の理解を得ることが不可欠でございます。

 これらの課題を含め、具体的なスキームにつきまして、愛知県におきまして早急な検討をお願いしておりますが、この結果等を踏まえて、国土交通省といたしましても、コンセッションの導入へ向けて精力的に取り組んでいきたいと考えております。

 以上です。

後藤(祐)委員 これはボールが返ってきている状況だと思うんですね。

 例えば料金については、今までの価格よりもコンセッションになったら上がったというと、なかなか地元の理解は得られないと思うんですよ。ただ、料金は今までどおり維持する、だけれども、いろいろ経営改善をしてコストを削減した、その差分はまあ言い方によっては利潤なのかもしれませんが、そういう経営努力によって、今までの料金は変わらないけれども利潤を生み出したようなケースというのは本当にいけないことなんでしょうか。

 逆に言うと、それを認めなかったらなかなかコンセッションに入ってくる事業者はいないと思うんですね。ですから、哲学的に料金の中に利潤を入れてはいけないというところを外してあげないと、この話はここでとまっちゃうと思うんですね。

 ですから、もう少し前向きな検討をしていただきたいと思いますけれども、もう一つ前に進む御答弁はないんでしょうか。特に、アクションプランの中でこれについてはどう対応されていくんでしょうか。

松下大臣政務官 では、お答えいたします。

 御指摘いただきました論点につきましてですけれども、料金と料金徴収期間につきまして、引き続き愛知県と協議してまいりたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 これは、愛知県ですらできなかったら、多分その先なかなかうまくいかないと思いますので、ぜひ、ここも内閣府のリーダーシップと、ここで言えることと言えないこと、いろいろ今交渉中のことがあるでしょうから、そこはとにかく案件をまとめるという形でやっていただきたいと思いますし、利潤の話というのは結構そのときにひっかかってきてしまう部分になるはずですから。

 コスト削減して料金が一緒だったら利潤だろう、それはと言われたら、利潤としか言いようがないわけですから、そこはやはり法改正が必要になってくるはずですので、ぜひアクションプランの中でもそこについては御検討いただきたい、料金徴収期間についても前向きな検討をいただきたいというふうに思います。

 それでは、各論はそのぐらいで終わりでございます。もし、ほかの委員会の関係で、国土交通省、厚労省、お忙しいようであれば結構でございますので。あと、社会資本整備の話とイコールフッティングの話をこれからさせていただきたいと思います。

 でも、社会資本整備に関する国土交通省の部分は残っていますよ、一般論としては。道路、下水という各論という意味ではもう終わりですけれども、社会資本整備についてはこれから聞きたいと思いますので。

 それでは、PFIと社会資本整備の関係についてお伺いしたいと思います。

 今の配付資料の中にありますこの前の経済財政諮問会議、五月七日の資料の後ろから二枚目に、先ほど甘利大臣がちょっと触れられた四つの類型という横紙がございます。

 今までのPFIは、どちらかというと延べ払い型、税金を分割払いしているだけだというのに対して、コンセッション、その他民間の工夫をどんどん使っていく右三つの方へできるだけシフトしていこうという力強いお言葉がありました。

 ぜひその方向で進めていただきたいと思いますが、これの前提は、社会資本について、新しいものをつくるということももちろん必要なんですが、既にあるものを賢く使っていくという根本的な理念の転換だと思うんですね、この一番左から右の方に移していくというのは。

 そういう意味でいいますと、五月の七日の経済財政諮問会議の資料、配付資料の前から四枚目になりますが、五月七日の「二十一世紀型の社会資本整備に向けて」という資料の一のところに、「発想と仕組みの転換」、「(二)「新しく造ること」から「賢く使うこと」へ」というのは、私は歴史的転換なんだと思います。先ほどの、四つの中のできるだけ右にしていこうということは、まさに歴史的転換なんだと思います。

 私は、新しいものを整備することを否定するわけではないんですが、膨大な社会資本があって、これから、なかなか財源が苦しいという中で、どうしても橋をかけ直さなきゃいけないだとか道路を補修しなきゃいけないだとかというお金が膨大にかかっていくというのは、これは共通認識だと思います。

 整備、新しいものをつくることを重視するという考え方から、それを否定するわけではないんですが、利用を重視していく。ここの言葉で言うと、新しくつくることから賢く使うことへシフトしていく。社会資本についての基本的な考え方の転換をしようとしているということでいいのかどうか、これは甘利大臣にお伺いしたいと思います。

甘利国務大臣 まさに我々がこれから直面する日本固有の課題、世界の課題にもなってくるかもしれませんけれども、その一つに、高度成長期に整備したインフラがいよいよ耐用年数を迎え、補修とかあるいは更新の時期を迎える。そこに公費で全部対応するのか、財政再建は大丈夫か、いろいろな課題があるわけであります。そこで、民間資金を投入して賢い使い方ということを考えていく。これは新しい、極めて重要な発想だと私は思っております。

 委員御指摘のように、今までは、PFIというとカードで買い物をするような話で、後で引き落とされるというか、リボ払いみたいな話ですから、本当のPFIとは言えないんじゃないか。それにコンセッション方式が入り、さらに新しく、利用料金が取れるようなものを併設して、そのお金を使って維持、メンテナンスやあるいは更新を民間の資金でやっていく。これは極めて重要な発想だというふうに思っております。

 諮問会議で国交大臣からも、新しい考え方について前向きに取り組んでいきたいというお話もありました。大きな方向が新しく転換をしていくというふうに考えております。

後藤(祐)委員 甘利大臣のその考え方で社会資本のあり方そのものの哲学をきちんと正式に決めていただきたいと思うんですね。

 というのは、社会資本についての根本理念みたいなものというのは実はどこにも書いてないような気がするんです。あえて言うならば、国交省の社会資本に関連する部分だけ、社会資本整備重点計画法というのがあって、これに基づいて社会資本整備重点計画というのがつくられています。ところが、この法律の中においては、社会資本整備事業の定義、二条にあるんですけれども、ここには新しくつくることしかほとんど入っていなくて、改築、維持、修繕というのは道路についてだけ触れられておりますけれども、先ほどの下水ですとかほかのものについては、新しくつくることしかそもそもこの社会資本整備重点計画法の対象になっていません。

 何を申し上げたいかというと、このPFIの話だけではなくて社会資本全体について、新しくつくることと賢く使うことを両方またいだ社会資本の根本的な哲学、考え方をやはりきっちり定めなきゃいけないのではないかと思うんです。

 この前の五月七日の諮問会議の資料でも、民間議員のペーパーのところは私は非常によくできていると思うんですけれども、これと、国交省のペーパーになるとやや整備の方にぐっと寄っていって、さらに強靱化という法案が古屋大臣から出ていて、ここはちょっとがくっとなってしまうわけです。しかも、強靱化法案の中には、基本理念のところで効率化をやや否定するかのような条文が入るやに聞いている中で、社会資本のあり方全体の哲学を、今甘利大臣がおっしゃったような、賢く使うというところを、より重点を持った考え方でやっていくんだという、これは本当はPFIだけではなくて社会資本全体を通じた法体系を新たにつくるべきだというふうに思いますけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。

甘利国務大臣 今、日本が直面している課題を解決する新しい方向として、極めて重要な発想だと思っております。

 国交大臣も、全体のグランドデザインをもう一度考えるときかもしれないというような発言もなされております。いろいろ前向きな方向が出てくることを期待いたしております。

後藤(祐)委員 国交省が中心にはなると思うんですけれども、国交省以外にも社会資本はたくさんございます。先ほどの上水道ももちろんそうです。なので、これは政府全体で、ぜひ内閣府が中心となって、もうこれは出ているわけですから、新しくつくることから賢く使うことへという理念のもと、何とか今あるものを大事に使っていくというところを中心概念としたものを取りまとめていただくよう、アクションプランあるいは諮問会議の骨太、こういったところで長い期間有効なものをぜひ考えていただきたいなということを申し入れさせていただきたいと思います。

 それでは、残り時間を、PFIとその他事業との関係におけるインセンティブ、イコールフッティング、こういった話をしていきたいと思います。

 昨年の八月一日のPFI推進会議決定というものがございます。今お手元に配付された資料の一番上になっているかと思いますが、これは民主党政権のときの決定なんですけれども、この二枚目の七というところで、「さらに、独立採算型PFIの拡大に資するよう、公共施設整備を行う際に、まずはPFIの実施の可否を検討する制度につき、事務負担の観点にも留意しながら、独立採算型PFIを対象に、二〇一三年度において二〇一四年度予算の編成プロセスから実施できるよう、内閣府と関係省庁が連携・協力して検討を進める。」とあります。

 いわゆるユニバーサルテスティングを主に念頭に置いたものだったわけでございますが、このユニバーサルテスティングについてどう思うか。そして、これがなかなか一個一個やっているとコストがかかるという中で、これは言ってみれば、主に地方公共団体、まあ民間事業の場合もありますけれども、施設をやる側がPFIを選んだ方が得だなと思えるような制度設計にしていくというためにどういう工夫が必要かということだと思うんです。ユニバーサルテスティングはその一つの選択肢だなとは思っておるんですけれども。

 ぜひ、自治体側が、民間事業も含めて、PFIを選ぶインセンティブを持つような予算、あるいは税もそうかもしれませんが、そういった制度上の工夫が必要だと思いますけれども、これについて、西村副大臣、どのようにお考えでしょうか。

西村副大臣 大変いい御指摘をいただいて、私もこのイギリスの仕組み、ユニバーサルテスティング、これも勉強させてもらいました。

 委員御案内だと思いますけれども、イギリスでやられたのも基本的に病院とか箱物が多くて、我々で言ういわゆる延べ払い型に近いものが多くありまして、九七年にはこの仕組みも廃止をされているということでありますが、考え方は非常に我々も参考にしなきゃいけないというふうに思っております。

 その上で、先ほど来、甘利大臣も答弁されておりますけれども、できるだけ税を投入しないような形のインフラ整備、公共施設の整備、こうした方向に持っていく。先ほどの四つの類型でいくと、できるだけ右の方に持っていって、効率的な運営をし税金を投入しない、そういう意識が、国の各省庁もそうですし、地方公共団体もそういう意識を持ってもらうように、やはり一定のインセンティブを付与するような仕組みを考えていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。

 このあたり、これから議論をしていきたいと思っておりますけれども、一定の方向性はぜひアクションプランでも示していきたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 これは、結局、PFIを選んだ方がお金をたくさんもらえるよというような仕組みにしないと機能しないと思うんです。

 例えば、先ほど下水道の話がありましたけれども、下水道を市町村はつくりたいわけですね。そのときに、国交省からお金をもらわないとできません。今、それは社会資本整備総合交付金の内数として交付されていると思いますけれども、例えば、PFIを真面目にやる自治体に対しては社会資本整備総合交付金みたいなものを少したくさん上げる、逆に、そういう取り組みを全然やっていないところは少し少なくなってしまう、そのような仕組みは非常に有効だと思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。

西村副大臣 まず、国でいえば、各省庁、予算をふやしていくことにこれまで非常に意識が強くて、それが評価をされるというふうな全体としての霞が関の風潮があるんだと思いますけれども、それをまず意識を転換して、税金を投入しない、そういう知恵を出して、PFI事業、先ほどの右側の方の事業に持っていくようなことを知恵を出していくことによって評価されるような仕組みを考えていかなきゃいけません。

 御指摘のとおり、自治体も、国から補助金をもらってやった方がいい、あるいは税制上のメリットがあるからそっちの方がいいということにならないように、いわゆる公共事業で補助金をもらった場合の少なくともイコールフッティング、さらにはPFIをやった方がメリットがある仕組み、これはいろいろな仕組みがあると思いますので、御指摘いただいた点も含めて、これはぜひ考えていきたいというふうに思います。

後藤(祐)委員 PFIの方にインセンティブをつけるという意味では今のは非常に重要な答弁だと思いますが、ぜひ具体的な予算制度の中で組み立てていってほしいと思います。

 それと、もう最後になりますが、そのもうちょっと前段階として、イコールフッティング、PFIだと損しちゃうというようなケースもある。あるいは、PFIだからというよりは、特に、新規につくる場合は非常に手厚い支援制度があって、維持管理、修繕なんかに使おうとすると、なかなか手厚くないというような制度設計に現状がなっていることが、なかなかPFIを導入しにくい一つの原因になっていると思うんです。

 特に、起債について、例えば、新しいものをつくるときは七五%起債の対象になって、そのうちの七〇%は交付税で後で見てもらえるよとなっているにもかかわらず、維持修繕だとか改修のときには、そういったお金はもう少し少なくしか出ないというようなのが、甘利大臣がおっしゃったような、できるだけ右にしていくという上でネックになってしまうと思うんです。

 新規建設と維持修繕、管理を比較した場合に、維持修繕、管理の方がもう少し使いやすくなるような制度設計、特に、起債の対象といったところ、地方交付税で後で見てもらうというようなところを念頭に、ここをイコールフッティングにしていくということについてのお考えを聞きたいと思います。

西村副大臣 私も県に出向して商工課長をやった経験もありますけれども、おっしゃるとおり、低利で起債ができて、さらに後々交付税で手当てがあるというのは非常に魅力的なものですから、県の担当者、あるいは県の立場からすれば、できるだけ国のお金ももらえると自己負担が少なくて済むということで、御指摘のとおり、新規の事業をやる場合にはそういうケースが多いわけであります。

 修繕のことも含めて、PFI事業を活用した方がメリットがあるように、先ほど来の御議論のとおりでありまして、これは経済財政諮問会議でも地方財政のあり方も議論されておりますので、交付税のあり方を含めて、頑張ったところがよりメリットがあるような、そういう仕組みをぜひ今後も考えていきたいというふうに思います。

後藤(祐)委員 時間が来たので終わりますが、今の答弁も非常に大事な答弁だと思います。アクションプランの中でぜひ具体化していただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、木下智彦君。

木下委員 日本維新の会、木下智彦です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 今回、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案、いわゆるPFI法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。

 まず最初に、今回の改正案なんですけれども、私の方にある、今回の目的というところをちょっと読ませていただきます。

 株式会社民間資金等活用事業推進機構、インフラファンドを設立し、独算型PFI事業に対し金融支援などを実施、国の資金を呼び水としてインフラ事業への民間投資を喚起し、財政負担の縮減や民間の事業機会の創出を図り、我が国の成長力強化に寄与することを目的とするというふうに書いてあります。これは、改正案というところなんですけれども。

 ここで、まず最初に、甘利大臣に質問させていただきたいんです。

 そもそものPFIをやっていくといったところで、先ほども少し御答弁ありましたけれども、そのメリットであるとか目的ということについて、もう一度整理していきたいと思いますので、御答弁をいただければと思います。

甘利国務大臣 今回の法案は、できるだけ税財源を使わずに、資金回収を行うPFI事業に金融支援を行う株式会社民間資金等活用事業推進機構、この設立を内容とするものであります。

 この機構の設立は、民間投資の喚起によりまして成長力強化を図る具体策として、民間資金の潜在力を活用した、成長による富の創出と呼んでおりますけれども、この実現を図ることを目的とするものであります。

 また、この機構の支援によりPFI事業を拡大することによりまして、民間の資金であるとか、あるいは経営能力等の活用を通じまして、公共施設の整備それから運営に対する税負担の軽減、これにつながるものというふうに考えております。

木下委員 ありがとうございます。

 今御答弁いただいたところで、重要なところの一点として、本来であれば官が不得意とする事業経営と利用者サービスの充実を図るとともに、民間にリスクコストを負担させることで血税の支出削減の目的も担っているんだというふうに私は考えているんですけれども、その認識についてはいかがでしょうか。

甘利国務大臣 今までもコンセッション方式というのはありました。これ自身、運営権を民間に契約で引き渡すわけでありますが、そこに民間の知恵が入ってくることによってより効率化が図られる。それによって、コスト削減が図られる。先ほど、その図られたものを利益としてどう配分するか、捉えるかという議論がありました。これは、その努力をした者にも、あるいは国民にも、両方にはね返るのがいいと思っております。

 そして、今回の法案では、さらにそれをもう一歩進めて、料金収入が得られるような施設等も併設をする。それによって、補修ランニングコストの捻出も図る。それらを通じて、本来ならば、従来のスキームならば税金で支払われていたものが民間の資金によってカバーされるという効果があるわけであります。それは、御指摘のように、民間がある種リスクを負うことによって国民に利益が還元されるということに当然つながっていくというふうに承知をいたしております。

木下委員 ありがとうございます。

 リスクコストという部分なんですけれども、一番理想というのは、PFIを用いてリスクコストを、ある程度というよりも、全体的に民間に委ねるということが一番いい方法だと思われるんですね。

 ましてや、今回の目的というのか対象になっているものが独立採算型のPFI事業という形になるかと思うんですけれども、それを考えたときに、独立採算型の民間企業に経営を委託するという形にしているにもかかわらず、国として金融支援をする。ファンドを通じてというふうな形になっているんですけれども、これは民間企業に委ねるというのは形式的にしてしまうというおそれがあるということです。

 お金は国が、間接的であったとしても面倒を見るということに私はほかならないんじゃないかなと思っておりまして、先ほど言いました、本来手放すべきリスクコストを、国が間接的であったとしても負い続けるということにはならないのかなと思っておりまして、この辺が非常に好ましくないのではないかというふうに考えているんですけれども、それはいかがでしょうか。

甘利国務大臣 この法案の目指すところは、日本にインフラファンドはないわけです。世界には二十兆規模のインフラファンドがある。

 やはり最初は、何らかの形で官が環境整備に出ていかないとなかなか民が育っていかない。ですから、この法律が時限立法になっておりますのは、少しずつ民間のインフラファンドができてきて、取ってかわってもらえるということを目指しているわけでありまして、言ってみれば、そういう環境整備をする呼び水をつくっていくということにその使命の一つがあろうかというふうに思っております。

木下委員 私が最初に読ませていただいたところにも、大臣がお話しいただいたように、まず国の資金を使って呼び水にするんだというふうに書いてあります。そういう意味では、まさしく一番最初にやっていくところは国の資金をある程度使って呼び水をつくっていくんだというのは、私はいいんじゃないかなというふうに思っているんですね。そこの程度の問題とかも私は一つあると思っているんですけれども。

 少しちょっとそれ以外の部分で考えたときに、やはり、そうはいいながら、間接的であったとしてもファンドの機構をつくる形になるわけですから、そうなると、資金の流れというのは複雑化してしまうということになります。そうなったときに一番懸念されるところというのが、一つ機構というのか事業体をつくることになるので、そこに対して新たな天下り先になるんじゃないかというふうな懸念が相当考えられるんですけれども、その辺に対する措置ということは何か考えられているでしょうか。

甘利国務大臣 天下りはさせません。結論から言うと、そういうことであります。

 従来の仕組みもありますけれども、この機構が機能を発揮するというのは、やはりプロがやっていなきゃ最終的にこの機構をつくった国の責任にはね返ってくるわけであります。プロジェクトファイナンスに関するプロをしっかり人員に配置するということを考えていかないと、この機構自身が本来の役割を果たせないということでありますから、そこはしっかり監視をしていきたいと思っております。

木下委員 天下りの件なんですけれども、させませんというふうな形だと思うんですけれども、天下りなのかどうなのかは別として、恐らく政府の人は必ず入ると思っているんですね。なぜならば、お金は出すけれども人は出さない、もしくは、お金は出すけれども口も出さないということは多分あり得ないと思っているので、それなりのプロの人というのは民間からも当然入ってくるでしょうけれども、逆に言うと、国からお金を出すわけですから、必ず何らかの形でそこに国の人間は入ってくると思っているんですね。

 そのときに、国の人間が入ることが私は悪いとは思っていないんですけれども、そこを、片道切符で行くわけじゃなくてちゃんと戻ってくるんですよとか、そういうことをしっかりと区分できるかというのがちょっとわからないところなんじゃないかなと思っているんですけれども、その辺はしっかりと整備ができていると思ってよろしいんでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど甘利大臣の方から御答弁いただいたわけでございますが、いわゆる公務員OBの天下りというものは全く考えていないということで大臣の方から御答弁をいただいているわけでございます。

 国家公務員の再就職につきましては、再就職等監視委員会による監視のもと、国家公務員法に基づく再就職規制の厳格な運用を行うということになっております。したがいまして、そうした全体の国家公務員のルールに基づいた適切な運用を行っていくということでございます。

木下委員 ありがとうございます。

 そうしましたら、少しちょっと毛色が変わったところをお話しさせていただきますが、先ほど、このファンドの対象になるところで下水道のお話が出ておりました、コンセッション方式でやっていこうと。

 同じように、一つ、ここの目的というところで私が事前にヒアリングを受けたときに聞いていたのが、独算型の空港のPFIというところが対象になってくるというふうに聞いておりまして、その主なところとしまして、これからアジアのハブ空港それから国際的なハブ空港になるということを目指していく関西空港であるとか、あとは復興というふうなキーワードで仙台空港というところが入っているというふうに聞いているんですけれども、その辺は相違ないでしょうか。

山際大臣政務官 まず、関西国際空港と伊丹の話ですけれども、もちろんそれはこのPFI法が成立した暁には対象になってくる案件だと思います。

 それと、今御指摘があった仙台の空港の話ですけれども、これは、今国会に民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案、これが提出されているというふうに承知しておりまして、それがきちんと成立した暁には、この国管理の空港の一つ目として仙台空港というのも対象になり得ると考えております。

木下委員 ありがとうございます。

 私は、ちょっとここで心配していることがございまして、ある程度、集中的に資本を投下するというものに関してはどんどんどんどんやっていくべきだと思っていて、こういう今回の改正案なんかを、しっかりとワークしていくのであれば、うまく活用していけばいいんだろうと思っているんです。ただ、包括的に、このPFI法の改正をした場合に何が考えられるかというと、その他の空港についても同じような、これはコンセッション方式のというふうな形容詞がつくかと思うんですけれども、対象になっていく可能性は非常に高いと私は思っているんです。

 ただ、冒頭お話しさせていただきましたけれども、本来であれば、独立採算型の事業というもので、呼び水というふうな形でするのであれば、国の資金が最初に入っていってもしようがないというふうになるんですけれども、今、日本じゅうの空港、これは全部が全部というわけではないですけれども、本当に必要なのか、こんなところに空港をつくっても乗降客がいないじゃないかと。いても、事業として成り立っていないようなところもあるわけですね、実際に。そういったところに対しても、要は、このファンドを使って、だめになりそうになったら後ろからこう注射を打つというふうなことがあってはならないと私は思っているんです。

 その辺はしっかりとめり張りをつけるべきだと思っているんですけれども、今のこの改正案だけでは、そういうふうな対策がなされていると私は考えていないんですけれども、この辺、何らかの形はあるんでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 この法案の一番大きな目的が、本格的なインフラファンド市場を我が国に育てるということなんですけれども、なぜそれが有意義かと申しますと、やはり、官が目ききをするという、先ほど後藤先生のお話にありましたような従来の社会資本整備のあり方から脱して、民間の目ききというものをどんどん入れていくという、市場のプレーヤーが、いい案件というものをきちんと目ききするということだと思います。

 赤字の事業についてのお話がございましたが、コンセッションというものは、運営権を買いたい人が手を挙げてコンセッションの対価を払う、コンセッションフィーを払うという形で成立するわけですけれども、そもそも、赤字が見込まれるところにはコンセッションフィーを払うという人が多分いないわけです。現状は赤字でも自分がやればもうかるかもしれないという人は、その分、手を挙げるかもしれません。

 いずれにしても、コンセッションフィーは、これまで役所が投入した債務の肩がわりではなくて、あくまで将来の見込み収益をベースに算定されますので、したがって、その中で、当然、不採算のものというのはだんだんだんだん民間の市場から淘汰されていって、逆に、民間の市場関係者から見て、この空港は優良じゃないかとか、そういう目ききが進むということだと思います。

 そのようなファンド市場を育てることで、本当に、採算のいいもの、官と民の双方にとって魅力的な案件というものがどういうものかということがだんだんだんだん明らかになっていくということも、この法案の大きな目的の一つだと考えております。

木下委員 ありがとうございます。

 まさしくそうなんです。ビジネスの感覚でいった場合には、当然そういったところにしか民間は入ってこない。これはもう間違いない事実だと思うんですけれども、ただ、単独で見たときにですけれども、そうとも限らない場合があるんじゃないかと私は思うんです。

 それはなぜかというと、今の、国がやっている事業を権利として取得したいと。事業家が、単独で、独立採算として成り立たないところであったとしても、権利としてとっておけば、その周辺であるとかそういったところで、それだけで、その周辺も含めてお金がもうかるのであれば、それならいいんです。ただ、そうじゃなくて、いや、権利さえとってしまえば、後ろから政府がお金を注射してくれるんだというふうな、そういう形にこの改正案がなりはしないかということが私は問題だと思っているんですけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 この機構は実際にどういうところに投資をするかということにつきまして、支援基準というものを国の方で作成するということになりますが、これから、法案が成立した以後、支援基準というものをつくっていくわけでございますけれども、今先生御懸念のようなことのないような形での支援基準を明確に定めていきたいというふうに思っております。

木下委員 そうなんです。その支援基準、ここがまた非常に大きなポイントになると思っていて、民間がファンドを運営していれば、そういう基準でやるでしょう。

 ただ、先ほど言いましたけれども、お金は出すけれども口は出さないということはあり得ないと私は思っていて、そうなれば、国がと言いながら、ちゃんとした形でやっていけるんだったらいいけれども、いや、あそこに空港をつくってしまったから、あのまま潰すわけにはいかないというふうな、そういう圧力がかかったりとかした場合には、その今の論理は成り立たなくなってしまうと思っているんです。

 ですから、ファンドというところで国がお金を入れるというのは、相当私は慎重にやっていかないと今みたいな懸念が起こるんじゃないかというふうに思っております。

 それから、甘利大臣が先ほどおっしゃっていただいたんですけれども、呼び水にすると言ったところで、まず最初は国がお金を入れてやっていくことで民間がどんどんどんどん入っていくことを考えて、魅力ある事業に対して民間が入ってくるということをやっていこうというふうに言っています。

 ただ、私は見ていて思うんですけれども、今の空港でコンセッション方式でやろうとしているところを見ていると、どんなことが起こっているかというと、空港の駐機料、それから周辺の自動車の駐車場とか、あとは商業施設、この辺が、全部一体として会計の中の財務諸表が総合的な形で提示されていないという問題があるんです。

 これを民間に委ねるというふうにした場合には、当然、総合的に、財務諸表をそろえて、それで、この事業はこれぐらいの形で今やっていますということをちゃんと示していくというのは、普通のビジネスではそうしなきゃいけないんですね。

 ただ、今の国のやり方を見ていると、全部が単一でまとめることができない。そうなると、デューデリジェンスというんですけれども、どこかの事業を買いますといったときにするんですけれども、そのときに何が何だかわからないんですね。本当にこれがちゃんと事業として成り立つのか、それとも、この部分をスリム化すれば、自分たちがやればうまくやっていけるだろうとか、そういうことを判断した上で民間は入っていくんです。

 ただ、今の状態だったらそれがない。その辺からまず私は整備するべきだというふうに思っていて、それをしっかりやっていない状態の中で、まずはお金は入れますというふうに言っているのは、これは私は間違いなんじゃないかというふうに思っているんですけれども、今、民間に対して事業を委ねるといったときに、その辺のやり方、その辺の考え方はどこまで進んでいるのかということを質問させていただきます。

篠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 国土交通省の方で、先ほど御説明ございました別途法案を出させていただいているわけでございますけれども、この法案の中で、国土交通大臣が空港の具体的な民間委託を進める場合の方針をしっかりと法律に基づいて定めていくということにしてございます。

 その中で、今御指摘ございましたような空港そのもの、あるいは関連事業を含めて、情報開示をしっかりとさせていただいた上で、民間事業者をしっかりと選定していく。国が契約の一方の当事者でございますので、国がその基準に従って適切な方をしっかりとお選び申し上げていく。こういう仕組みにしてまいりたいと思ってございます。

木下委員 甘利大臣、今言っていたように、国土交通省であったり、各省庁がしっかりとその目的をちゃんと話し合って、今やらなきゃいけないことはまず何なんだということをしっかりとまとめていっていただきたいんですね、私は。

 やはりその考え方、これは、まず政治家がやることというのは一つあるんだと思うんですけれども、そういう物事を考えるところにこそ、民間の考え方というのをどんどん入れていくべきだと私は思っているんですね。それをぜひとも実現していっていただきたいんですけれども、よろしくお願いします。

甘利国務大臣 委員の御懸念、御指摘、あるいはこの委員会でこの審議を通じて指摘されている懸念事項、それがしっかり払拭されるように、できる限りのことはしていきたいと思っております。

木下委員 ありがとうございます。

 最後にもう一つだけお話しさせていただきます。

 今回の空港のことにちょっと立ち戻ってなんですけれども、やはりめり張りをつけて、ほかの法案が通っていないからというのもあるんですけれども、関空、伊丹の話であるとか、それから仙台の話であるとかというところを、ほかのところをやるんじゃなくて、最初からもうここだと、その事業に対してこういうファンドは使っていいよというふうな、そういう単独の考え方で、めり張りをつけてやっていかないことで私はこういう問題が出てくるんだというふうに思っております。

 もしもそれができないのであれば、この後も出てくるかもしれないですけれども、特区を使ったところに対してめり張りを持った資金投入をする、そうすれば、別にファンドという形じゃなくて、国が直接的にお金を入れてもいいと私は思っているんですね。

 そういうことをやっていくべきだと思っていて、わざわざ複雑にすること、それからもう一つは、私がちょっと述べさせていただいたような懸念があるようなことをやるのではなくて、もう少しストレートに、国としてやることはこれなんだというふうに宣言してやっていっていただければと思います。それを最後にしまして、言いっ放しになりますけれども、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、杉田水脈君。

杉田委員 日本維新の会の杉田水脈です。

 先ほど木下委員の方から、今回のインフラファンドのことだとか改正のことについては詳しく質疑がございましたので、私の方からは、PFI事業全般についていろいろ質問をさせていただきたいと思います。

 まず、日本維新の会は、PFI事業の推進の立場であるということを最初に明確に申し上げたいと思います。

 私は、名刺とかホームページとかの尊敬する人の欄には、必ず、先月亡くなられたイギリスのサッチャー元首相の名前を挙げるんです。それにはいろいろな理由がございますが、一番大きな理由は、やはりニュー・パブリック・マネジメントをしっかりとした理念を持って推進したというところにあります。

 私が自治体の職員として行政改革というものを勉強していたのが、今からもう十年以上前になります。今は、行革や公務員改革といえば、日本維新の会の本拠地の大阪がどうしても注目されているんですが、その当時は、先進自治体が三重県でした。三重県が、サッチャーさんが行ったニュー・パブリック・マネジメントを日本へ導入してくるということで、三重県に視察に行ったり、そして、私は、実際に自分で自費でイギリスの方にも視察に行かせていただきました。

 そのときに、さまざまなニュー・パブリック・マネジメントの手法が日本に導入されたのですが、例えば行政評価とか事業評価といったものはすごい勢いで日本全国に広まっていったんです。そのとき、ほぼ同時期にこのPFIという手法が日本に導入されたのですが、これはなかなか進まない。特に、地方自治体での取り組みが今現在もなかなか進んでいない状況にあります。

 もう十年以上たっているんですけれども、そういった原因がどこにあるかということについて、まず最初にお尋ねしたいと思います。

    〔委員長退席、関委員長代理着席〕

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣の方で把握しておりますPFI事業の実績は、平成十一年度から二十四年度までの累計で、実施方針公表ベースでございますが、四百十八件、契約金額で四兆二千億ということでございます。ただ、PFI事業を実施したことのある公共団体が全体の約一〇%ということですので、裏を返せば、九割の自治体が一つもPFI事業を経験したことがないということでございます。

 私も、いろいろ地方を回りまして、いろいろな方の御意見を伺っているんですけれども、まずはPFIの知識とかノウハウが非常に不足している。そもそもPFIでやろうという発想がなかったりするところがございまして、まずそういうところから始めなきゃいけないということで、内閣府といたしましては、公共団体に対する支援の一つとして、PFIの専門家の派遣でありますとか、内閣府の中にPFIを、民間の方で実務を経験した方に何人か来ていただいていまして、公共団体の御相談に応じるといったようなことを行っております。

 今後とも、そういう公共団体にとって最初の取っかかりであります入り口のところでのサポートというものを内閣府としても強力に進めていきたいと思っております。

杉田委員 ありがとうございます。

 そういったことも原因として大きな原因の一つだとは思うんですけれども、まず、例えば今回のインフラファンドの件にしましても、そして、前回の改正のときにやっとできましたコンセッション方式の導入にしましても、どうしても独立採算型のPFIの方にシフトしよう、シフトしようというふうに今の方向が行っているように思いますが、一般の地方自治体においては、独立採算型のPFIができるような公共施設を持っている自治体が一体どれだけあるのか。先ほどの質問にもありましたが、空港だとか、そして大きな、独立採算に見合うようなごみ処理施設や下水施設、そういうのもなかなかないと思いますし、まず皆さんの御記憶に新しいのは、病院事業に手をつけた、PFIで導入したところがたくさんありますが、どんどん破綻をしてしまったというような事例もたくさん報告されていると思います。

 一番最初の後藤委員の質問の中にとてもわかりやすい資料が出ていたんですけれども、独立採算型である前に、延べ払い型、従来型のPFI事業というのがありまして、これでも私は十分にPFIの効果が上げられるものだと思っています。

 例えば、従来型の手法で新しく建築物を建てる、箱物を建てる、それから老朽化した施設を更新するということよりは、そこにPFIの手法を導入して、民間の活力を導入して、どうしても自治体の方は、建物を建ててしまいますと、もう建てっ放し。建てるときは予算をとりますけれども、その後の運営費だとか、今本当に問題になっておりますが、老朽化したときの補修そして改築、そういった費用を見込まずに、新築の予算だけとって建ててしまっていますから、そこのところにきちっとPFIの手法を導入して延べ払いにしていく、そこのところにも、運営にも民間のノウハウを入れていくといったことで、従来手法でするよりもかなりの効果が上げられると思うんですね。

 どんどんどんどん今は独立採算制にシフトしていこう、シフトしていこうという方向ではあると思いますが、やはりもう一度そこのところにも光を当てていただきたい、どんな自治体でも使いやすいようなPFIを推進していきたいという思いから、三点質問をさせていただきます。

 まず一点目なんですが、PFIの事業の推進における補助金のあり方についてです。

 非独立採算型のPFI、特に公共物を新築、改築する場合は、補助金が国から地方自治体におりてくる、補助金がその資金の一部となることがたくさんあるかと思います。

 このときの支払われ方なんですが、従来型なんです。先ほど申し上げたように、新しい建築物を建てるときだけ予算をとる、もしくは改修するときだけ予算をとるという形になっておりますから、その補助金も、例えばBTO方式であってもBOT方式であっても、T、トランスファーするときに補助金が発生するという形になっておりますので、これはBTO方式でしたら問題なくできるんですけれども、BOTの方式をとった自治体の場合は、オペレートしてトランスファーするときに補助金がおりてくるのでは全然取り組むことができないんです。

 このようなことが、また、国交省なり文部科学省なり、いろいろな省庁の中でばらばらなんです。例えば学校を新しく建てるときに、そこをPFIの方式で建てて、やはりそれもTのときにしかおりてこないという方式になっておりますから、BOT方式がなかなかとれないといったような問題点があります。

 これを平準化して一定の基準をつくるというようなこと、そして、延べ払い型PFIと呼ばれるように、こういった補助金も延べ払い型にしていくといったような、そのような今後の予定はございますか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 先生の方から、延べ払い型であってもメリットがあるではないかというお話がございました。

 イギリスなんかも、学校、病院を中心として結構箱物の、私どもの延べ払い型にやや近い事業もかなりございます。ただ、つぶさに見ていくと日本と中身が相当違っておりまして、アベイラビリティーペイメントというんですけれども、日本の延べ払い型のPFI事業というのは、初めから役所の方がこのお金を払いますということを決めちゃうんですね。したがって、民間が創意工夫をしようがしまいが一定の金額が支払われるというところでございます。

 イギリスとかでやられている箱物施設のいわゆる延べ払い型については、一定のサービスレベルのアグリーメントをいたしまして、こういうサービスを発揮してほしい、もしこのサービス水準未満であればお金を減らしますよ、逆にサービスがちょっとよくなればボーナスを上げますよという、そういう民間の創意工夫を誘発するような仕組みになっておりまして、恐らく日本の公共団体はそういう形の仕様書というのをつくるのにまだ十分なれていないんじゃないか。きちっとした決まった金額を書くような仕様書づくりにずっとなれていましたので、そういうサービスレベルづくりというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。

 維持管理とか更新とかそういうものもサービスレベルでやりましょうという方向にだんだん持っていくべきじゃないか。先ほど後藤先生から御指摘いただいた五月七日の諮問会議の民間議員のペーパーにも施設からサービスへという方向への意識転換が述べられておりますので、そういった形の、同じ延べ払い型でも民間の創意工夫を刺激するようなそういう新しい仕組みづくりについて私ども検討して、そうした取り組みをする自治体等についてさまざまな支援を行っていくことも検討させていただきたいと思っております。

杉田委員 先ほどの御答弁の中でなかなかそういう仕様書づくりになれていないというのがあったんですけれども、そもそも、私は、PFIで発注する場合は仕様書発注ではなくて性能発注にするべきだと思うんですね。仕様書発注にしてしまいますと、先ほどおっしゃられたとおり、そこに書かれたとおりのサービスを提供すればいいということで、それよりも創意工夫ができない形になってしまいますので、性能発注にしていくというふうな方向性でいかなければいけないと思います。

 その中で、二点目、指定管理者制度とPFIの関係について質問をさせていただきたいと思います。

 指定管理者制度も広くニュー・パブリック・マネジメントの中ではPFI手法の中に含まれるものなんですけれども、日本では明確にこれが違ってまいります。そもそも指定管理者は地方自治法の行政処分に該当するため、先ほどお答えいただいたように、発注段階で仕様書を官側で作成して、その仕様書に記載している内容については官がリスクを負うことになっています。そして、競争原理も仕様書をいかに安くするかという視点でしか働かないので、どうしてもコストダウンをすることだけが目的というようなことになって、公共サービスの質が下がるといったことも懸念されます。

 一方のPFIの手法の方は、民法に基づくことになりますので、民法上、官と事業者が対等に役割分担をして、定めようと思えば、適切なモニタリングやインセンティブについての取り決めが可能になってきます。つまり、民間事業者も頑張れば頑張っただけ報われて、手を抜くとペナルティーが科せられる。

 そもそもPFIはこれが出発点でないといけないかと思うんですけれども、例えば公の施設を官から民へと移すとき、これは先ほど申し上げたように、指定管理者制度でやるというのとPFIでやるというのと二つの選択が考えられるのですが、どうしても自治体は指定管理者制度の方に偏りがちなんです。それはどうしてか。理由とか、どのように考えていらっしゃいますか。

    〔関委員長代理退席、委員長着席〕

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 指定管理者制度、幅広い意味でPPP的手法の一つだというふうに考えておりますが、佐賀県の武雄市の図書館はTSUTAYAさんが指定管理者となって、この間テレビでも紹介されておりましたが、非常に評判だというふうに伺っております。そのように管理者が非常にいい運営、民間らしい運営をすることで直ちに効果が出てくるということで、しかも、既存の施設に余り手を加えずに運営する、従来の委託契約の延長線の中でやれるということで、公共団体の職員にとっても使いやすいということだと思います。

 片やPFIの方は、リスク分担でありますとか非常に複雑な事業契約の締結というものを行わなきゃいけないということでございますので、そういう意味では、先ほど申しましたとおり、やはり専門的な知識が不足しているとなかなかちょっと手が出せないというところがあるんじゃないかというふうに思っておりますので、その点につきましては、私どもの方でアドバイスなり専門家の派遣なり、あるいは、内閣府の方で、今でも電話相談等に応じておりますけれども、もうちょっと広範囲に、こちらから出かけていってさまざまなアドバイスをするような、そういう支援を考えていきたいというふうに思っております。

杉田委員 先ほどの御答弁にもありました、なかなか、リスク分担とかをするときに専門知識に乏しいとか、こういったことが、実は、PFIの手法が日本に入ってきた平成十年、十一年、十二年あたりのころにも言われていた、全く同じ問題点なんです。それからもう既に十年以上が経過しているんですけれども、やはり同じところが問題点なので普及しないというふうになっているんです。

 そこの部分が、今までの取り組みというものをもうちょっと進めて、先ほどの独立採算型のPFIをどんどんふやしていくということも一つ大事な点なんですけれども、こういった非独立採算型でもきちっとやっていける、さまざまな自治体が、どんなちっちゃな自治体でもこの手法を使うことができるということにするのを一歩進めるためには、やはり専門家がいないとか、民間の方々と専門知識で渡り合ってきちっとやれる行政職員が育たないといつまで言っていても、十五年たって言っていても、同じことを言っているという状態ではちょっといけないと思います。

 そこで、三点目のPFI事業のモニタリングについて質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど申し上げたとおり、PFI手法は民法上で官と事業者が対等に役割分担をして、そして適切なモニタリングやインセンティブについての取り決めが可能となってきます。

 しかし、日本では、さまざまな場合、このモニタリングとインセンティブについて適切な方法が導入されていないんです。外国の場合は、このモニタリングの部分がとても発達をしておりまして、そういうことがきちっとなされているので、いろいろな自治体が手を出しやすいというような部分があります。

 現状は、モニタリングがほとんどできないような大手ゼネコンが、形だけのセルフモニタリングを行って、その結果を官に提出して、受け取った官の側は、内容の審査能力が低い、大変申しわけないですが、先ほどもございました、専門能力が低いために、単にその書類に決裁を押すだけでモニタリングが終わってしまうというような状況になっています。

 そこで、質問をさせていただきたいんですけれども、モニタリングについてのガイドラインというのが平成十五年に示されていますが、平成十五年以来、十年たってもこのガイドラインの見直しがなされていないんです。これはどうしてでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 欧米、特にヨーロッパのPFI事業ですと、先生御指摘のように、モニタリングは極めて重視されておりまして、それは、もともとサービスレベルで契約をしておりまして、キー・パフォーマンス・インデックスのような、要は業績指標というものが明確に定義されていて、それに基づいてモニタリングがなされる、それが結果的にペイメントに直結する。そういう仕組みですので、モニタリングが物すごく重要なわけでございますが、日本の場合の従来の延べ払い型のPFIは、ある意味、支払いが最初から決まっているので、そういうモニタリングというものについての重要性がさほど認識されてこなかったのではないかというふうに思っております。

 今後、PFIの抜本改革を進めていく中で、施設物につきましても、サービスという考え方で民間の創意工夫を生かすような方向に改革をしようとすると、当然のことながら、サービスレベルという、性能発注という先生御指摘のような方向に持っていかなきゃいけない。

 そうなりますと、モニタリングというのは極めて重要な活動になってきますので、やや古くなっているこのモニタリングに関するガイドラインの見直しも含めて、適切に対応していきたいというふうに思っております。

杉田委員 ありがとうございます。

 今後見直しを行っていくというふうにお答えいただきましたので、では、具体的に、今あるガイドラインの課題とかいうものがございましたら、大きなものからで結構ですので、例を挙げていただければと思います。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、最初の契約の際に指標というものがほとんど明確に定義されていないところが最大の問題でありまして、まず、そこからスタートしなきゃいけないというふうに思っているということと、モニタリングの主体が、発注者だけではなくて、さまざまな市場関係者も含めたプレーヤーをたくさん巻き込んでいってモニタリングをするということが極めて重要だと思っておりますので、そうした欧米の事例も参考にしながら見直しを行っていきたいと思っております。

杉田委員 そのときには、実施している自治体なんかからもぜひ意見を聞いていただいて、そこの、実際の運営している自治体の課題なんかも参考にしていただきながら、ガイドラインの見直しを行っていただきたい、できれば早急に行っていただきたいと思います。

 それでは、最後になりますが、地域活性化に寄与するPFI事業の推進について質疑をさせていただきたいと思います。

 今はどうしても、PFIというと、箱物をつくるためのものだ、もしくは改修するためのものだというふうに思われがちです。今、そこで問題となっているのが、なかなか広がっていかない原因の一つとして、SPC、特別目的会社は大手ゼネコンが担っている場合がほとんどなんですよ。自分たちの地元の企業がなかなかそこに参入していけないということが、やはり地方で取り組んでいけない一番大きな原因じゃないかと思います。その理由は、プロジェクトファイナンスが現実にはコーポレートファイナンスで、大手銀行が、SPCの集合体である各企業の審査をしている、そこに問題があると思います。

 ここで課題になってくるのは、地域の町づくりの未来というのは、建物を建設する企業だけでは担えないということなんです。ですから、やはり地域の未来をマネジメントできるのは、その地域の事業であって、地域の人であるというふうに思います。

 実際に、そのことに気づいて、箱物だけのPFIから脱却をしまして、町づくりにPFI手法を導入しているところの事例が最近出てきております。

 例えば、某市におきましては、合併後、合併前から有している公共施設において再配置、統廃合を検討していて、地域の企業や地域の銀行が主体となってSPCを組成して、そして地域の未来形成を行うというようなPFIをやっております。

 具体的には、古い庁舎だとか学校、福祉センター、体育館、公民館、子育てセンター、給食センターなどの施設を包括的に有効活用する。その特徴は、市役所とPFI手法によって役割分担をして、地元の企業そして地元の地銀がリスク分担を行って町づくりにつなげているということです。

 こういった事例が幾つか今出てこようとしております。実際に、大手の銀行でなくてもプロジェクトファイナンスを行える地銀が育っていかないと、なかなか地方にPFIが導入されていかないというふうに思っております。

 そこで、今後は、このようなところにぜひ支援を持っていっていただきたいというふうに思っております。この方向性についてどのようにお考えでしょうか。

甘利国務大臣 地域ごとにその地域を支えている官民の主体が、アイデア、知恵を寄せ集めて、それが町づくりに反映していくような、それがPFI手法で進んでいくような方向性、これは極めて大切な提言だと思っております。

 中心市街地活性化法というのを昔つくりました。そのときに、先ほど質問された後藤先生がスタッフとして一緒に、いい知恵を出していただいたんですが、そのときに、三つのテーマ、三Cということを掲げました。これは、コンパクト、コンビニエント、それからコンフォタブルの三C、町づくりの合い言葉にしたわけであります。

 いろいろな施設を町中に集約をして効率的に運営をするコンパクトシティー等の発想も、地域の官民の主体が集まって出せる知恵であると思いますし、そういったことがPFI手法で町づくり全体に進んでいくということは大事な考え方だというふうに思っておりまして、そういう方向にインフラファンドも育っていくというような誘導策に今回の政策がなればというふうに期待をいたしております。

杉田委員 大臣のお答えにもありましたように、中心市街地活性化ということで、実際に、駅前の再開発を、地元企業が主体となってSPCを立ててというのを検討している自治体があります。単に箱物を整備するのではなくて、ソフトの部分を重視しまして、地元の企業や商店や各種団体が中心となって町づくりを目指す、そこのところにPFIを導入していこうというような、そういう具体的な動きもあります。

 単に国の官民連携ファンドもインフラ重視ではなくて、町づくりを目的としたファンドに、そして、地方自治体や、そこのところに根づいた地方のSPCが使いやすくすることが今後必要になってくるかと思います。建物に補助金を出すよりも、公共サービスの運営にファンドとして活用できるような、地域の経済の循環がうまくいくような、そういうところにファンドを使っていくような制度に今後は変えていくというようなことも検討していただけたらと思います。

 先ほど一番最初に申し上げましたように、今後老朽化して、公的不動産をまた補修しないといけないといった事例がどんどん出てまいります。これを官民で解決しようとして動き出している自治体がたくさんふえています。日本の地域が元気になる手法の一つがPFI手法だと思いますので、そのあたりのことを、今回のファンドも大事ですけれども、そういった地域の本当に町づくりの運営に使っていただけるようなPFIのファンドというのも考えていただきたいということを要望しまして、私の質問を終了させていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

平井委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。本日もよろしくお願いいたします。

 今般のPFIに関係します民間資金等活用事業推進機構、これを仮にPFI機構というふうに呼ばせていただきますと、このPFI機構と、それから、二月に審議をして、私ども反対しましたが、この場で可決をしました地域経済活性化支援機構の関係の法律、この地域経済活性化支援機構とPFI機構の共通点について、まずお伺いしたいと思います。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 企業再生支援機構は、過大な債務を負っている中小企業事業者等に対して、金融機関が有する債権の買い取り等を行って事業の再生を支援することを目的として設立されたものでございます。

 これに対しまして、民間資金等活用事業推進機構は、民間のインフラ投資市場の育成を目的とするものでございますし、支援対象事業も収益性の高いものに限られているものでございます。

 共通点ということでございますが、官民で共同出資するファンドであるということ、委員会による支援決定等のガバナンスのあり方などが共通点として挙げられると思っております。

大熊委員 おっしゃるとおりだと思います。

 私も金融機関時代、ファンドのビジネスにかかわっておりましたが、要するにファンドというのは、二月のときの質疑でも申し上げましたが、対象先はいろいろなものがあるわけでございまして、その対象先によって何々ファンド、例えばヘッジファンドとか不動産ファンドとかつくわけでございます。

 そして、今言われた、官民で一緒にリスクをとりに行く。もう一つの投資委員会的なもの、これは当然純粋な民間ファンドでもあるわけでございます。前者の官民で一緒にリスクをとりに行く、ここが共通点であり、大きなポイントですね。

 リスクというのは何かといいますと、これは、シニアローンのリスク、それからメザニンのリスク、それから最劣後、エクイティーのリスクという、大きく言うと三つあるわけなんですが、これをそれぞれとりに行く。後で解明してまいりますが、実はそれぞれとりに行っていないゆがみがあるんです。

 その前に、では、共通点が今明らかになりました地域経済活性支援機構において、これは以前の企業再生支援機構のもとで支援をされたわけですが、コロナ工業ですね、二月の質疑のわずか二カ月後に倒産しております。民事再生を申請しております。あの審議のときにコロナ工業のコの字も出なかった。倒産寸前であった、こういう情報開示が一切なかった中で法案が成立していったわけでございますが、その二カ月後にコロナ工業の民事再生。これは、どういういきさつで倒産に至ったのか、御説明をお願いいたします。

木下政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、コロナ工業につきましては、地域経済活性化支援機構の前身でございます企業再生支援機構が二十三年五月に支援決定をいたしましたが、本年四月の二十二日に民事再生の申し立てを行うことになりました。

 コロナ工業につきましては、機構がコストの削減、事業スポンサーであります伊藤忠プラスチックスが新技術を中心とした販路の開拓という役割分担のもとで平成二十三年五月に支援決定をし、現在、実施しているところでございます。

 しかしながら、国内拠点の統廃合、あるいは統廃合に伴う人員の合理化等のコストダウンを行ってまいりましたけれども、その後の経済情勢の変化等によりまして、予想以上に携帯あるいはデジタルカメラ等の家電関連の顧客の海外移転が進展いたしまして国内需要が縮小し、また、海外での需要に対応するべくベトナム工場の立ち上げがいまだ大型の受注獲得につながっていなかったことから、事業再生計画を達成できなかったものと承知しております。

 現在、民事再生プロセスにおきまして、コロナ工業の有する新技術あるいは資産が有効に活用され、雇用も維持されるよう、適切なスポンサーの選定に向けて機構及びコロナ工業が努力しているものと承知しております。

大熊委員 ベトナム等に顧客が行ってしまって国内需要が縮小する、これは二十三年五月からわずか二年弱の間。これは急激に起こったわけではなくて、二十三年五月の時点からわかっていた、あるいは予見できた、知っていたかは別にして、知り得る、そういう状況だったんじゃないでしょうか。

木下政府参考人 お答えいたします。

 機構につきましては、支援決定の前提といたしまして、財務のデューデリですとか、あるいは事業のデューデリジェンス等を慎重に行った上で、事業再生計画を支援事業者あるいは債権者と連携をして策定することにし、その上で、支援の中身について決定しているところでございます。

 今回のケースにつきましては、やはり海外との競争あるいは円高等の影響もありまして、事業計画におきまして策定の際の計画予想をはるかに超える事案であったものと考えておりまして、そのためにこういうふうな形で民事再生に至ったものというふうに考えております。

大熊委員 はるかに超えるということなんですが、PFI機構でもプロが入る、先ほどの質疑でも出てまいりました。企業再生支援機構でもプロが入っていらっしゃったはずなのですが、プロの予見をはるかに超える、いわゆる想定外というんでしょうか、このはるかに超えるということを証明していただけますか。はるかに超えるとはとても思えない、そういう状況だったと思うんですが、お願いいたします。

木下政府参考人 お答えいたします。

 当時、携帯あるいはデジタルカメラの高級な機種については国内に残るということを見込んでございましたけれども、その高級機種の需要というものも激減をしてしまった、こういうことが実情でございまして、特にベトナム工場につきましては、予想の需要見込みに対しましてかなり減っていた、それからベトナム工場の立ち上げ時期もかなりおくれたというところが大きな原因だろうと思っております。

大熊委員 当初の出資決定のときに、そのような、はるかに超える事態、想定する事態はこうだという注釈がついて投資委員会の決定がなされたんでしょうか。

 というのは、今後もPFI機構で、これはプロが入ると言われますが、そういうPFI機構において、各案件、どういう案件が来るのか、空港なのか、いろいろなもの、独立採算制ですから、サービス型と違って極めてリスクの大きい、変動の大きい事業でございますね、予想されるのは独立採算ですから。これについては、はるかに超える事態とは何かということが一つ一つ定義、あるいは審査の上、投資が決定されていく仕組みなのかどうか、お答えいただきたいと思います。

澁谷政府参考人 PFI機構のお話ということでお答え申し上げます。

 支援委員会でプロが判断するということだけではなくて、当然のことながら、これは民間の補完でございますので、他の民間の投資家が出資ないし融資をするような案件について、この機構がお金を出すということでございます。当然、市場の中でさまざまな評価がなされた上で、この機構のみが唯一の資金提供者であるということは全く想定しておりませんので、市場の中でどのような評価を受けるかということを総合的に勘案しながら支援の決定がなされるものと考えております。

大熊委員 済みません、今のお話は全く残念ながら適切じゃないと思うのは、伊藤忠プラスチックスが入っているわけですから。これは、事業スポンサーで、エクイティーをここがとっているわけですから。民間と一緒に入っているわけです。今のお答えでは、コロナ工業と何も変わっていない、こういうお答えなので、これではまずいと思いますが、いかがでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 PFI推進機構につきましては、もともと収益性のある事業が対象でございますので、企業の救済とかというものとは全く違うものであるということをまず再度申し上げたいと思うわけでございます。

 その中で、例えばコンセッションでありますと、既にある、例えば関西空港のように既に営業しているような施設でありますと、トラックレコードというものが十分ございます。また、海外にもインフラファンドというものは多数ございまして、インフラの投資案件というものはかなりございます。

 そうした海外のベンチマークでありますとか、さまざまなことを勘案しながら市場の方できちんと適切に評価されるということで、収益性の高いものに投資がなされるというふうに考えております。

大熊委員 これも、全く申しわけないですが、全くおわかりになっていない。全くと言うと失礼になりますが。

 再生ファンドも、収益が上がっていない事業にスポンサー事業とエクイティーを出すんじゃないんですよ。要するに、民再かければ、会社更生でもいいですけれども、貸し金が、ローンが相当吹っ飛ぶわけですよ。だから、簡単に言うと、営業段階までは収益が出ている、経常でマイナスになっちゃような会社に対して大体再生ファンドというのはお金を突っ込むわけですよ。

 今おっしゃられた相違点というのは、実はそうじゃない。再生ファンドだって収益を上げている事業なんですよ。だからこそ最初に伊藤忠プラスチックスはエクイティーを出したわけですよね。でも、二年で破綻しちゃった。これは共通なんですよ。だから、だめなんじゃないかというふうに申し上げております。

 そして、今トラックレコードとおっしゃった。ちょっと確認をしたいんですが、十年間、PFIの事業、事例が非常に少なかったからこれは今回改正を考えるんじゃないんですか。トラックレコードがそんなにたくさんあるんだったら別に改正する必要はないんじゃないでしょうか。

澁谷政府参考人 済みません。トラックレコードと申しましたのは、例えば、既存の空港において、利用者がどのぐらいでありますとか、収益がどのぐらい上がっているとか、そういう実績が出ているものという趣旨で申し上げたわけでございます。

大熊委員 これでちょっと次に行きたいと思うんですが、その前に、コロナ工業についての責任のとり方はどういうふうになるんでしょうか。PFI機構のもとで今後投資する案件で、失敗した場合の責任のとり方とも共通してくると思いますので、お願いいたします。

木下政府参考人 現在、六月末をめどに民事再生の手続に入り、新しいスポンサーにつきまして内外から調整を進めているところでございまして、その間におきましては、現執行体制におきまして最大限努力をするという形で進んでいるところでございます。

大熊委員 私が質問させていただいたのは、責任のとり方はどうされるんですかということで、今後のスポンサーの話を伺っているわけじゃないので、よろしくお願いします。

木下政府参考人 お答えいたします。

 そういった民事再生、六月の末を目指した手続を終えた後、現在の執行部がどういう形をとるかというのは、今後の検討だろうと思っております。

大熊委員 通常、ファンドというと、責任をとる主体は誰かというと、そのファンドの投資先に行ったマネジメントはもちろんなんですが、そうじゃないんですよ。ファンドの人なんですよ。

 つまり、地域経済活性化支援機構の投資委員会において、支援委員会と言ったんでしょうか、要は本質的には投資委員会なんですが、投資決定を下した、通常、ファンドですと、プリンシパルと呼ばれるタイトルを持った人の責任はどうかというふうに伺っているんです。

木下政府参考人 企業再生委員会におきます決定は、関係者のさまざまなデューデリジェンス等々を踏まえて、再生計画に基づいて決定したものでございますけれども、機構におきましては最大限調整、努力をした結果でございますので、そういう意味で、責任といいますか、企業再生支援機構におきましては最大限努力をしたということが、一つの実施といいますか、そういったところを履行しているというふうに私どもとしては承知しております。

大熊委員 つまり、責任は追加的にはない、そういう御答弁でしょうか。

木下政府参考人 機構におきましては、支援決定基準に基づきまして慎重審議をいたしまして決定したものでございますので、その意味におきましては、法律にのっとって行ったというところに基本的に責任はないものと思っております。

大熊委員 つまり、法律のもとで責任を問われない、そういう法律になっていた、そういうことで理解してよろしいでしょうね。

木下政府参考人 その点におきましては、特に瑕疵はないというふうに理解しております。

大熊委員 地域活性化支援機構の関係の法律の責任のとり方は書いていない、法的には問われないということが今初めて明らかになったわけでございます。

 では、今回のPFI改正法においての責任、これは条文上、法律上はどういうことなんでしょうか。やはり前と同じように、追加的な責任は法律的には書かれていない、そういうことでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 機構の中で、国だけではなくて共同出資者もございますので、そうした中で責任のあり方等について御議論がなされるものと考えております。

大熊委員 確認なんですが、これから議論をする、きょう法律を採決しようというときに、これから議論しよう、そういうことなんでしょうか。

澁谷政府参考人 これまでの答弁でもずっと申し上げてまいりましたとおり、国費を毀損することのないように、明確な支援基準を国の方で定めまして、その新基準に基づいた運用をきちんと行っていただくということで、国民に迷惑をかけることのないような運用をしていきたいということでございます。

大熊委員 それは当たり前のことでございまして、前工程はそのとおりなんです。投資した後、失敗したときにどうなんですかというふうに再三お伺いしているわけなんですが。

澁谷政府参考人 失敗することのないような、そういう運用をぜひ心がけていきたいというふうに思っております。

大熊委員 これはおかしいです。実際、コロナ工業という失敗事例が出ているんですよ。この答弁では全く納得いきませんが。

澁谷政府参考人 共同出資者がおるということでございますし、また、市場関係者がさまざまなスクリーニングを行いまして、スクルーティニングを行いまして、この事業は非常に採算性が高いものだと。

 インフラの事業につきましては、海外にさまざまな類似事例があるわけでございまして、そうした中で、危なそうな事業の救済ということではなくて、ここは収益性が確実に見込まれると。インフラというのはもともと長期安定的な収益が見込まれる事業ということで、だからこそ諸外国でインフラファンドが非常に発達しているわけでございます。そうしたものを十分勘案しながら、そうしたものに対して非常に造詣が深い者が運用する、そういう中でぜひ担保していきたいというふうに考えております。

大熊委員 責任のとり方がやはりないということだというふうに理解しますし、今の御答弁、では、再生ファンドは海外にないか。たくさんありますよ。それはおかしい話であって、今の話では到底納得がいかないんですが、もう一回改めて、責任のとり方ですね、失敗したときにどうするのか。

 では、違う切り口で聞きましょう、同じことを。

 民間ファンドで失敗したらどうなると思いますか、通常。あるいは、その前に、民間ファンドのプリンシパルはどういう責任をあらかじめ負っていると思いますか。法的責任と金融的な責任、両方お答えください。

澁谷政府参考人 LPの場合ですと、お金を出した範囲での責任ということだと思います。GPの場合ですと、かなりの責任ということが金融上あると承知しております。

大熊委員 LPにGPのマネジメントはお金を入れますよね、一%ぐらい。それが責任なんですよ。私、答えを申し上げちゃいました。

 それが飛ぶということで、要するに、百億、何かの事業に突っ込む、一億入れるんですよ、そのマネジメントが。このケースだと、地域経済活性化支援機構の取締役とかあるいは委員の皆さんが、合わせて一億入れるんです、百億だとすれば。それから、PFI機構の案件だって入れるんですよ。飛んだら一億損するんですよ。それが責任なんですよ。

 もちろん、首になるというのは、そんなのは当たり前。首になる、職を賭す、これは責任といえば責任なんですが、金融的な責任をとったことにならない。金融的な責任というのは、ちゃんと自腹でお金を損する、自分のバランスシートが損する、マイナスになる、こういうことなんですが、そういう理解を共通していただけますかどうか、ちょっと確認したいと思います。

澁谷政府参考人 民間のファンドとは違いまして、官民ファンドということでございます。そうした特性も含めて、ただ、先生がおっしゃるような責任のとり方等につきまして、今後、機構が設立するわけでございます。もともと、これは共同出資者、民間が先に設立をして、そこに国がお金をつけるというたてつけになっておりますので、設立の発起人、共同出資者の御意向も十分踏まえながら、責任のとり方等について遺漏のないような措置を行っていきたいというふうに考えております。

大熊委員 官民ファンドだから、違うから責任はとらなくてもいいんだというふうに聞こえたんですが、逆じゃないでしょうか。官が入るから、税金ですから、より責任を、純粋な民間ファンドよりももっと厳しくとるような仕組みを、これから議論するんじゃなくて、法律に、きっちり条文に、まあ附則でもいいかもしれませんが、書いていれば、ああ、そうなのかなというふうに思いますが、今の御答弁ですと逆。要は、純粋に民間のファンドではないから、違うからいいんだというふうに聞こえましたが、これは逆なんじゃないでしょうか。

澁谷政府参考人 国費を入れるようなファンドであればこそ、責任は非常に重たいというふうに考えております。

大熊委員 責任は重いですよね。責任をとるのは、国の関係の方、つまり、皆様、官僚、あるいは大臣も含め、特別職の方も含めて、そういう方が責任をとらなきゃいけないんですよ、お金で。そういう仕組みになっていますかというふうなお尋ねです。

澁谷政府参考人 株式会社の機構が設立をされる際に、これは民間だけでまずは設立するわけでございます。共同出資者の御意向を十分踏まえて、国費を出すに当たってきちんとした責任のとり方が担保されるような、そういうことをぜひ行っていきたいというふうに考えております。

大熊委員 そもそも、本日の段階でできていないことが大問題ですというのをまず指摘させていただく。先ほど、それは共通の理解をしていただいたようにも感じるところなんですが。

 その上で、より国の方の責任を、これからなのかもしれませんが、これについては明確に、例えば国家公務員の国賠の対象になる、そういうところまで含めて、例えば先ほどのコロナ工業で、はるかに超える事態、想定外の事態が起こったみたいな、そういうお話がありましたけれども、ここについての基準、明確に定めていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

澁谷政府参考人 今後、支援基準等を定めるに当たりまして、御指摘の点も踏まえまして、十分な対応をしていきたいというふうに考えております。

大熊委員 では、ようやくPFIの本論に入りたいと思うんですけれども、あと十五分ぐらいですか。

 民主党政権の最後の方で、これは私のいただいた資料なんですけれども、平成二十四年十一月三十日付で、「PFI事業の案件形成に重点的に取り組む分野について」という紙が出ているかと思うんですが、「民間資金等活用事業推進会議決定」ということで、この二番の中で、「利用料金等の収入で資金回収を行い、」その次なんですが、「税金を投入することのない又はできるだけ税金を投入しないPFI事業の具体化」というふうに書いてございまして、先ほどからも質疑があったところでございます。空港についても、税金を投入しないPFIになり得るという別紙の紙もついているところでございます。

 先ほど来の議論で、結局、民間だけでは、日本ではインフラファンドが育っていないから足りないんだと。例えば簡単に言うと、リスク量を百、百億の何か事業をPFIで考えるというときに、民間だけではどうにもこうにも六十しかリスクがとれない、だから残り四十は国なんだ、こういう理解でよろしいでしょうか。

澁谷政府参考人 リスク分担の考え方につきましては、いろいろ市場関係者のお話を伺っていますと、一定のリスクを誰に分担させるかということではなくて、さまざまな民間の提案を踏まえまして、そのリスクをいかに民間のイノベーティブな知恵で解消させるか、そこにまたビジネスチャンスが生まれるんだというふうにおっしゃる方が非常に多いわけでございまして、そうした民間の提案を踏まえながら、具体の案件に即しながら、きちんとした判断をしていきたいというふうに考えております。

大熊委員 ちょっとはっきりお答えいただいていないんです。

 では、具体的に、まず、PFIは本来税金を投入することのないケース、これが理想だということでよろしいですよね。

澁谷政府参考人 理想はそのとおりだと思っております。

大熊委員 それでは、先ほどと同じ例で、対象事業のリスク量を百とすると、民間から六十しか集まらない、残り四十は国が出す、簡単に言うと、今回の改正はそういうスキームだ、これを主眼にしている、追加的に、こういう理解でよろしいでしょうか。

澁谷政府参考人 そういうものだけではないんですが、そういうものも対象にしているということは事実でございます。

大熊委員 だけではないということは、それ以外のものは純粋に民間でできるんだということももしかしたら若干あるぞというような理解をさせていただきました。

 残念ながらそうじゃないケース、つまり、民間だけのリスクでは六十にとどまってしまうぞというときに、それを知るプロセスですね。例えば、何かの事業、空港でもいいですね。空港なら空港の売り主が、Aという会社にこの案件を持ち込む、そうすると、そのAという民間の会社、投資家は、六十しか出せませんという会社の機関決定がなされた、次に、どうするんでしょうか。お答えいただけますか。

澁谷政府参考人 機構が六十しか出せないということでございますか。(大熊委員「いや、民間です」と呼ぶ)民間の金融機関が六十しか出せないということですか。(大熊委員「ある金融機関が」と呼ぶ)

 基本的には、大型の案件ですと多分プレーヤーが多々いると思うんですけれども、非常に単純化した話として、百の事業のうち、他の民間の金融機関が六十しか出せないというときに、四十をこのファンドが引き受けるのか、あるいは四十も出してしまうということが本当にいいのかという判断を個々にさせていただくということになろうかと思います。

大熊委員 簡単に言うと、では、Aという民間企業が六十というリスクだ、残り四十をどうするかについて、Bという金融機関なり、あるいはゼネコンさん系でも、ノンバンクでも、ファンドの会社でも、何でもいいですね、十行けると。それで七十来た。それでまたC社に行った、また五来た、七十五まで来たぞ、ここで打ちどめなんだ、これ以上はもう民間ではリスクキャピタルは出てこないという確認をどのようにするんですかという、具体的に言うとそういう質問なんですが、いかがでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 多分、空港だとか下水道、上水道等の案件によってかなり違ってくると思いますけれども、おっしゃるように、どこかのタイミングで、これ以上というのはなかなか難しいよという、そういうシーリングがあるものだというふうに思っております。それにつきまして、支援委員会の方で個々の判断を行っていく。この辺は、諸外国にさまざまなインフラファンドがございまして、そうしたインフラファンドの運用に携わったような人も中にぜひ入っていただきたいというように考えておりますので、そうした諸外国のものをベンチマークしながら適切な判断を行っていただけるものと考えております。

大熊委員 同じ話なんですが、この法律が採決だという段階でこれからというのが本当におかしいんじゃないかなというふうに思うんですね。

 というのは、悪く考えると、民間というのはモラルハザードを起こしやすいんですよ。足りないところは国が出してくれるのかと。では、いろいろ回るんじゃなくて、残りはもう面倒くさいから国に出してもらっちゃおうという意見になりがちなんですよね。

 したがって、対象先の支援基準ばかりじゃなくて、調達のストラクチャーについての基準もあらかじめ法律の中に入れていないと、条文に書いていないですね、見させていただいたら。これが間違いなんじゃないかと。これはモラルハザードを生みますよ。これは予想させてもらいますよ、生みますよ。

 要するに、政府、国のお金というのは最後の出し手なんですよ。最後の出し手だということを確認する、それを基準の中に入れていっていないというところが問題だというふうにまず指摘をさせていただきます。

 その次に、もう一つ、その関連なんですけれども、モラルハザード的な構造、つまり、本当は、隠れたところに民間キャピタルが残っているかもしれない、だけれども、既に出すという大口の投資家、アンカーインベスターですね、六十出すぞと最初に言った人、アンカーインベスターは、もう国だというふうになりがちなんですね。そうすると何が起こるかというと、一種のクラウディングアウトの効果、これが起こってくるんですよ。

 おわかりになりますかね。まず、その点まで御確認をお願いいたします。

澁谷政府参考人 まず、この機構が先取りでそういうことを行うと、確かに、ほかの民間が出さなくてもいいじゃないかというモラルハザード的なことになるという懸念はおっしゃるとおりでございます。

大熊委員 なので、機構の方が一生懸命営業すれば、働けば働くほどモラルハザードがきく仕組みにこの法律はなっているという問題点があるんです。今政府の方でもお認めいただいたように、非常に危険なそういうものを内在した法律だということを指摘させていただきたいというふうに思います。

 そして、もう一つ、先ほどの関連でもあるんですが、今般、昔の民主党政権とは違い、別に、前の民主党政権がどうのと申し上げているわけじゃないんですが、アベノミクス、私どもも金融緩和ということを言ってまいりました。ここまでは、ある程度うまく成功してきているんじゃないかと思います。

 ある程度と申し上げた理由は、要するに、日本銀行の異次元の緩和でもってお金が出てきているんですが、そのお金はどこに行っているかというと、最終の、インターバンクの外に出ていっていないわけですね。要は、当座預金に積み上がっていっている。それをどうやって貸し出し等に、このPFI事業もそうですよ、出していくかという、これがアベノミクス成功のキーだと思う。私たちも、アベノミクスの金融緩和の部分は、応援というか、共通の考え方ですから。でも、これは逆のことをやっていますよ。

 なぜならば、今御指摘させていただいたように、国のお金が先に行っちゃうわけですから。そういうモラルハザードを内在した法律ですから。これは、アベノミクスの金融緩和を、うまくインターバンクの外にお金を出していくということに一つ足かせをはめる、そういう法律なんですよと私どもは考えます。

 この点、一言、大臣にお願いいたします。

甘利国務大臣 この法律の一番の目的というのは、日本にインフラファンドがない、そして、官が出ていけば、恐る恐るだけれども民も出てくるということを期待し、やがて、民にインフラファンドのノウハウが蓄積されていくと、全く官が手を引いても、そこは市場として育っていくのではないかと。

 つまり、官が出ていかないと、この種の、コンセッション方式あるいは料金徴収を主体とした新しい仕組みに対して民のお金が、海外ならノウハウが蓄積されていて出ていくんであろうけれども、日本ではなかなか出ていかないのではないか。だから、呼び水として設定をする。ということは、では、これは、問題があるからやめちゃいましょうということになると、全く民の部分も出てこないのではないかということになるんじゃないかというふうに思っております。

 委員の御指摘の点は、しっかり留意しながら進めていくという必要性はよく感じますけれども、だからこれをやめちゃおうというと、これからこの種の市場が育っていかないのではないかという懸念もあろうかと思います。

大熊委員 ありがとうございました。

 私どもも、冒頭に申し上げたような純粋なPFI、税金が投入されないPFI、これを目指していく、それについては大賛成で、実は、今回、修正案をお出しする時間がなかったということもあり、別途の、私どもなりにいい案があるんですが、これは本日の審議じゃないということで、ちょっと割愛させていただきます。

 大臣の言われた中の、民間ファンド、インフラファンドを育てるということ、ちょっと細かいことになりますので、政府参考人の方に。大臣でなくて結構なんですけれども、例えば、インフラファンドを結構盛んにやっているオーストラリアで、マッコーリーバンクというのがありますね。このマッコーリーバンクのインフラファンド、日本でも、箱根のターンパイクか何かを、たしかマッコーリーバンクは持っていると思うんです。十年ぐらい前ですね。

 このマッコーリーバンクが、当時、オーストラリアでインフラファンドをやり始めた、いつぐらいなんでしょうか、二十年ぐらい前なんでしょうか、オーストラリア政府からお金が入ったんでしょうか。

澁谷政府参考人 マッコーリーには政府のお金は全く入っておらないと承知しております。

 ただ、例えばですけれども、イギリスでありますけれども、二〇〇三年にスタートした、病院のPFI事業を推進するLIFT、学校のPFI事業を推進するBSFというプログラムにつきましては、その実施主体である官民連携会社に国費が入っている。

 カナダでは、二〇〇九年に、PPP事業を推進するためのカナダPPPファンドというものが設置されておりまして、これは、コンセッション事業に対する融資が行われているわけですけれども、国費が入っているというふうに承知しております。

大熊委員 PFI事業そのものを成立させるために国費を入れるのかという観点と共通するところもあるんですが、民間インフラファンドを育てるために国費を入れるかという観点で、今、後者の方でお伺いしたわけなんです。イギリスの事例はその対象ではないというふうに理解をしました。

 では、例えば、もう一つの事例。

 具体的な日本の企業の名前を出して恐縮ですが、野村プリンシパルさんは、ずっと前からイギリスでインフラファンドをやっていますよね、高速道路の料金所とか、港とか。あれは別に、日本政府が野村プリンシパルに、あるいは野村証券にお金を入れたわけじゃなく、イギリスでああいうふうに大々的にやってこられた。これはおかしいんじゃないですかね。

 要するに、今回の、官によって民間のインフラファンドを育てる。要するに、日本の国内に案件そのものが少なかった、先ほども質疑にも出ましたが、それがやはり本質的な問題であって、民間がリスクをとってこなかったということじゃないんじゃないでしょうか。

 もう一回申しますと、野村証券の子会社である野村プリンシパルは、イギリスで大々的にやっていますよね。日興証券あたりもちょっとくっついてやっているのかもしれませんが。この点、どうお考えなんでしょうか。

澁谷政府参考人 イギリス、オーストラリア、カナダなど、インフラファンドが非常に発達しております。そういうところでは、インフラファンドの組成等をサポートするようなビジネスも非常に発達しておりますし、コンサルティング業務、イギリスの場合は、特に、インフラストラクチャーUKという財務省の中の組織がさまざまなコンサルティング機能を政府みずから行っているというふうに聞いております。

 日本の場合ですと、そもそも本格的なインフラファンドがなかったということで、先ほどの箱根ターンパイクのときも、その後どんどん案件が続くと思ったら続かなかったということで、それ一件になっちゃっているわけですけれども、実際に、市場関係者の方で、そうしたインフラファンドについての十分な経験が国内にないということが大きな障害。

 これは、私が市場関係者から直接聞いた話でございます。昨年の夏、ある会社が、太陽光発電のインフラファンドを、四十億ぐらいのを組成したそうでございますが、大変な御苦労があったというふうに伺っております。リスクのとり方等について非常に御苦労をされた。そこは、諸外国でインフラファンドを組成する場合と大きな違いだったというふうに聞いております。

大熊委員 時間があと二分ぐらいかなということなので、すっ飛ばして最後に参ります。

 PFI機構、官民ファンド、これに対する金融庁による検査、監督ですね。

 通常の民間のファンドですと、金融商品取引法上、一任ということですと、そのアドバイス、助言の会社に認可ということが必要になるし、助言だけですと登録ということになろうかと思いますが、この官民ファンドについては、どのような仕組みで金融庁は検査等をやっていかれるのか。やらないのかどうなのか、教えていただければと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁は、法令に基づきまして、銀行等に対する検査を行っているところでございます。

 議員御指摘の民間資金等活用事業推進機構につきましては、法律案において、金融庁による検査を行うことにはなっていないというふうに承知をしております。

大熊委員 明快な御答弁、ありがとうございました。

 驚くと思うんですよね。これは、事実上ファンドですから。先ほどからのお話、官民ファンドですから。ここだけですよ。

 普通の民間のファンドというのは、金融庁は結構厳しく検査するんです。しっかりやっておられるんです、金融庁は。この官民ファンドは、全くないんですよ。今御答弁のとおり、全くない。だからコロナ工業のようなことも起こり得るんですよ、今後も。

 どうなんでしょう。金融庁として、これはおかしいというふうに各省協議のときに思われなかったんでしょうか。お願いします。

佐々木政府参考人 先ほどもお答え申し上げましたとおり、我々の検査は法令に基づいて行われておるところでございます。

 PFI事業につきましては、所管省庁でございます内閣府におきまして、知識、ノウハウが蓄積されているものというふうに承知をしております。

 したがいまして、行政の効率性などを考えますと、御指摘の民間資金等活用事業推進機構につきましては、PFI事業について知識、ノウハウ、専門性を有しております内閣府において行うことが適当であるというふうに考えたところでございます。

大熊委員 金融庁は検査しないということで、官民ファンドは検査しない。民間ファンドは厳しくやる。これは、イコールフッティングの観点からして、やはりおかしいんじゃないでしょうか。もう一度お願いいたします。

佐々木政府参考人 今申し上げましたとおり、我々の検査は法律に基づいて行われているところでございますので、法令上の権限がない中で検査をするということにはいかないということは御理解をいただければと思います。

 先ほども申し上げましたとおり、このうち、PFI、民間資金等活用事業推進機構につきましては、その専門性を有しております内閣府において、法律上も監督権限があるというふうに承知をしています。

大熊委員 専門性と言われますけれども、投資一任だって、あれは専門的なファンドマネジャーを置く、それのもとで認可を与えるわけですから、その御答弁はおかしいと思いますが、いかがでしょうか。

佐々木政府参考人 繰り返しになりますけれども、この法案におきましては、監督権限が内閣府、内閣総理大臣にあるということで、その検査権限については金融庁に委任されているものではございません。

 したがいまして、この機構につきましては、法案におきますとおり、金融庁の検査の対象にはなっていないということでございます。

大熊委員 表現は悪いですが、まさに縦割りそのものだというふうに理解をさせていただきまして、時間が参りましたので終わらせていただきます。

 以上です。

平井委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 まず最初に、PFIの独立採算型、これの実態について伺っていきたいと思います。

 今回立ち上げる官民ファンドは、独立採算型等のPFI事業に対して金融支援等を実施することを目的としております。PFI事業には、サービス購入型と独立採算型、その複合型である混合型があるとされているわけです。

 そこで、実績を聞きますが、これまでPFI事業は何件あり、そのうち独立採算型は何件か、答えていただけますか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十一年度から平成二十四年度末までの実績でございますが、実施方針公表ベースですが、総計で四百十八件ございます。延べ払い金を払っていないもの、いわゆる独立採算型の事業は、累計で二十一件となっております。

赤嶺委員 全部で四百十八件、そして独立採算型は二十一件ということでありました。

 資料を配付しておりますので、ごらんになっていただきたいと思います。

 この独立採算型二十一件の事例、衆議院の内閣調査室が内閣府の資料から作成した。これまでに実施された独立採算型事業、平成二十五年二月末現在、この一覧表で二十一件の名称がわかります。

 このうち、杉並区井草介護強化型ケアハウス整備事業は、二〇〇七年の内閣府のPFIアニュアルレポートにその概要が紹介をされております。

 そこには、厚生労働省は、「平成十三(二〇〇一)年度、PFI法に基づき、地方自治体が土地・施設の賃貸を前提にしてケアハウスを買い上げる方式をとる場合、その買い上げ費用に対して整備費の補助を行う制度を創設した。」とあります。

 厚労省に聞きますが、この一覧表にある老人福祉施設において、この制度を利用して施設整備を行ったものはそれ以外にどれがありますか。

原政府参考人 お答えを申し上げます。

 資料でいきますと、左側に番号がございますけれども、五番目、六番目、七番目、十一番目、十二番目、そして先ほど御指摘のあった十五番目でございます。

赤嶺委員 結局、ケアハウスの場合であれば全部ということになるわけですね。

 内閣府のPFI年次報告の資料、平成二十一年度、二〇〇九年度版、これによりますと、独立採算型とはとありまして、「選定事業者が自ら調達した資金により施設の設計・建設・維持管理・運営を行い、そのコストが利用料金収入等の受益者からの支払いにより回収される類型をいう。」このようにあります。つまり、税金を使わず、利用者からの料金収入などで、施設の建設から維持管理、運営を行うから独立採算型ということになります。

 ケアハウスの場合に、税金が入っているのに、これらを独立採算型に何で分類しているのでしょうか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年まで、私どもはそういう分類をしておったわけでございますが、延べ払い型と区別する意味で、いわゆる延べ払い金による財政負担のないものをひっくるめて独立採算型と言っているものでございます。

 補助金は公共事業でやろうと民間事業でやろうと一律にかかるということで、そこは除いて、要するに、発注者の方から延べ払い金として支払うものがあるかどうかということで分類をしているものでございます。

赤嶺委員 内閣府の資料に照らしても今の説明はよくわからないんですけれども、税金を一円も使わず、建設費を含めて全ての費用を利用者からの利用料などで賄うから独立採算型なのではないかと思うんですよ。

 先ほどの内閣府のPFI年次報告の資料、これは、「公共部門により施設整備費の一部負担や事業用地の無償貸付が行われる場合もある。したがって、厳密に言うとこれらの類型について独立採算型と呼称するのは適切でない。」内閣府御自身がそのようにおっしゃっているわけですね。厳密には、公共部門から補助金などがあるものは、本来の独立採算型ではないということが内閣府の資料でもはっきりいたします。

 当時、PFI事業でケアハウスを建設した場合に、税金でどの程度補助することになっていたんですか。

原政府参考人 御指摘ございますケアハウスについての事例でございますが、当時は、社会福祉施設等施設整備費補助金というものを活用して建設をしております。この金額といいますか、補助率でお答えをさせていただきたいと思いますけれども、事業費に対しまして国庫補助率としては二分の一ということでございます。

赤嶺委員 都道府県や事業者負担はどうなっていますか。

原政府参考人 失礼いたしました。

 あと、国庫補助二分の一以外に、都道府県が四分の一を補助するということでございます。

赤嶺委員 建設費の大半は税金であるわけです。

 どういうふうになっているか、これについて、いろいろな研究会の報告資料もありまして、PFIで行った杉並のケアハウス事業を泉南市のPFI研究会が二〇〇四年五月にまとめた報告書、この中でも紹介をされております。

 そこでは、施設購入費四億千七百九十万円に対し補助金が三億八千五百万円で、区の財政負担額は三千二百九十万円となります。区は施設購入費に三千二百九十万円を負担しているが、その後も月額五十六万一千円の賃料が二十年間にわたって事業者から支払われることになり、購入費は五年程度で回収される仕組みになっている。ところが、事業期間二十年間の賃料総額は一億三千四百六十四万円であり、施設全体の補助金を回収することはできないわけですね。しかも、公有地の購入費用を考慮しない場合とのただし書きもついているわけです。

 つまり、ケアハウスなどといったものは、多額の費用がかかる施設の建設費を補助しているから事業が成り立つのであって、建設費用を利用者からの利用料で賄う独立採算で事業を行った場合は、その事業が成り立たないのではありませんか。

澁谷政府参考人 御指摘のとおり、老人福祉施設の場合ですと全て補助金が入っておりますので、PFI事業として、老人福祉施設に関しましては、一〇〇%完全に利用料金収入で賄っているという事業はないわけでございます。

赤嶺委員 そうなりますと、この資料で言う、これまでに実施された独立採算型事業、総合計二十一件であるわけですが、ケアハウスは厳密な意味でこの中に入らないわけですよね。そういうことですね。

澁谷政府参考人 言葉の問題ですけれども、一〇〇%の独立採算型という意味では入らないということになろうかと思います。

赤嶺委員 皆さんの定義に基づいて聞いているわけですから。

 改めて、それでは、ケアハウス事業のように、この二十一件の中で税金が投入されている事業、これは配付した資料の中でどれですか。

澁谷政府参考人 済みません。税金が投入されていない事業をカウントしてしまったものですから、投入されていない番号でよろしいでしょうか。(赤嶺委員「いいですよ」と呼ぶ)二十一件ありますけれども、税金が一切投入されていないものは、一番、二番、四番、九番、十番、十三番、十四番、十七番、十八番、十九番、二十一番、これで十一件だと思います。

赤嶺委員 そうすると、ケアハウスと含めて十件は税金が投入されていて、十一件は投入されていないと。この二十一件は、ちょっと言葉を悪く言えば、実は、独立採算型という定義に照らせば、少し水増しだったというような指摘をされても仕方がないと思うんですよね。

 自治体で見れば、PFI事業の中で本当の独立採算型というのは、実際に自治体でなくて、これまで行われたPFI事業のうち、本当の意味での独立採算型、これはPFI事業四百十八件の中でわずか十一件であります。二・六%です。自治体でいえば、十六件中六件しかない。二〇〇五年度以降は、岩手県の事業を最後に自治体による独立採算型のPFI事業は行われていません。

 今回、ファンドをつくってまで推進しようという独立採算型は、自治体からは完全にそっぽを向かれている。そもそも、独立採算型という手法自体に問題があると思いますが、これは、大臣、いかがですか。

甘利国務大臣 今まで、独立採算型という仕分けをするのは、先ほど来説明をさせていただきましたとおり、いわゆる延べ払い方式と違うという意味でそういう区分をしたと。しかし、厳密に言えば、委員御指摘のように、本当の意味での独立採算になっているかどうかということでは、その中もまた区分しなければならないというのは事実でありました。

 今まで、特定の料金収入で賄っていく方式でありますから、場合によってはというか、かなりの部分、税金投入というのを強いられたというのは御指摘のとおりだと思います。

 今回提案しておりますPFIの手法の延伸、従来型から延伸していくのであれば、新たに料金収入が得られる施設の併設も含んで裾野が広がっていくわけでありますから、そういった意味では、独立採算に向けて大きく前進をしていくのであろうというふうに思っております。

赤嶺委員 これまで議論してきたケアハウスの例からも、こうした施設を全て民間資金で建設し、その費用を利用料で回収しようとしたら、利用料は高額なものになり、とても公共事業とは言えなくなります。

 また、独立採算型のPFI事業では、名古屋港ガーデンふ頭東地区臨港緑地整備事業、いわゆる名古屋港イタリア村、あるいは北九州のひびきコンテナターミナルPFI事業が破綻をしております。破綻したひびきコンテナターミナルは、結局、自治体が引き取りました。PFI事業全体に自治体は及び腰だが、その中でもとりわけ独立採算型に自治体がそっぽを向くのは、私は当然だと思います。

 次に、今回設立する官民ファンドを実際何に活用するかという問題です。

 甘利大臣は、今回のPFI法案が閣議決定をされた三月一日の記者会見で、機構による出資を期待している関空、伊丹空港等のPFI事業の円滑な実施のためにも、法案の早期成立を目指してまいります、このように述べておられます。この発言を引用いたしまして、翌日の朝日新聞は、「「成長戦略」の官民ファンド 真の狙いは関空救済」このように報じました。

 伊丹空港を合併した関西空港がコンセッション方式で運営権を売却するときに、今回設立する株式会社民間資金等活用事業推進機構の資金をつまり期待している、そういうことで、大臣、あのような記者会見になったんですね。

甘利国務大臣 関空が運営権を外の事業者に委ねる契約をする、これは関空側で既にそういう方向になっているわけであります。

 官民ファンドがどこを選ぶかというのは、自動的にこの案件を選ぶということが一〇〇%つながっているわけではありませんで、それは、先ほど来申し上げていますように、PFI推進機構の中に設置をされる委員会が適切な選定をするわけであります。

 でありますが、コンセッション方式に付する当事者としては、当然、ファンドを探すわけでありますから、それを期待することになると思いますし、そこの中身がそれに資するものであるならば、官民ファンドの方が対象案件としてそれを選ぶものというふうに承知をいたしております。

赤嶺委員 ファンドが選ぶことは当然ですが、選ぶ前に関空の期待値をやはり大臣が述べられたのかな、このように感じます。

 それで、国土交通省の説明資料で、これは二枚目につけておきました。平成二十四年、二〇一二年四月一日に設立をされました新関西国際空港株式会社は、両空港を一体的に運営し、事業価値の増大を図り、できるだけ早期にコンセッションを実現することを目指すとあります。一体、関空の運営権は幾らで売却できるのか、これを伺いましたら、その目安となる資料を国土交通省がつくっていただきました。それがこの資料であります。まず、国交省、このEBITDA倍率について説明していただけますか。

篠原政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、EBITDAと申しますのは、金利、税金、減価償却費などを差し引く前の利益ということでございますけれども、このEBITDA倍率と申しますのが、企業の将来の価値を現在価値に引き戻して、現在のEBITDAとの間で何倍の倍率があるかということを見ている指標でございます。

 今先生から御指摘のありました資料のEBITDA倍率は、こちらにございますように、三十倍のものから十二、三倍のものでございますけれども、この倍率の中で空港案件が動いているのが世界の情勢ということでございます。

 一方で、新関空会社につきましては、現在彼らが出しております中期経営計画では、平成二十六年度の段階で六百五億円程度のEBITDAを目指すということになっておりますので、その六百五億円の何倍の価値が投資家によって判断されるかということで売却の額が見えてくるものと思っております。

赤嶺委員 約六百億円を設定していると。関空の借金は一兆二千億円ですね。六百億円でEBITDAで出すというぐあいになると、例えば国交省の説明資料では、関空については、早期に政府補給金への依存体質から脱却し、約一・二兆円の債務を返済することにより、健全なバランスシートを構築することを目標としてということであります。今回のコンセッションで約一・二兆円の債務を返済するためには、目標のEBITDAである六百億円の二十倍で売却されたらいいということになるわけです。

 ところで、甘利大臣、資料をごらんになっていただきたいんですけれども、このEBITDA、世界で出ていることになっているというんですが、この倍率は二〇一〇年以降全て二十倍を切っているわけですね。これでは、運営権の売却では一・二兆円の債務は返済できないのではありませんか。倍率が二十倍になっていかないという傾向が今世界の流れですよね。二十倍にならないと、一・二兆円の借金返済、債務返済も無理なんじゃないかと思いますが、大臣、所感で結構ですから。

甘利国務大臣 それが、何倍になるかはちょっとわからないものでありますから、専門家によってはじかれていく中で、対象案件として、なるかならないかは決まってくるんだと思います。

赤嶺委員 そうなんですよ。答弁としてはそうとしか言いようがないと思いますが、ただ、二十倍になっていかないと、結局、官民ファンドを設立して関空救済をやろうとしても、それは無理だったということにしかならないわけです。

 ちょっとまだあるんですけれども、時間が来ましたので、終わります。

平井委員長 次に、畑浩治君。

畑委員 生活の党の畑浩治でございます。

 本日、いろいろPFIの事業の実績と評価についてはるる議論がありましたので、通告しておりましたが飛ばして、具体論に入らせていただきます。

 このPFI事業は、もう言うまでもなく推進すべきだと私も思います。国民資産が、大変預金超過も多い。国民資産だって千五百兆あるとか言われていますから、一般会計の十五年分ですね。これを使わない手はないと。

 かつては財投資金なり税金で行われてきたわけで、財政制約の中で民間資金を使うという意味で、PFIをしっかり推進する、これは本当にいいことだと思います。ただ、この手法が、私、きょうは疑問を持っておるんです。官民ファンドによる手法。例えば官民ファンドにこの民間資金を持ってくるためには、よほどの民間が食いついてくるうまみがなければならない、収益も含めた魅力がなければいけないと思います。

 今回、その官民ファンドに民間資金を持ってくるためのインセンティブというのはどのようなことをお考えでしょうか。

澁谷政府参考人 機構に対しまして資金出資を行う民間出資者のインセンティブといたしましては、まず、一般的な民間投資家が行っているインフラ投資と同様に、長期安定したリターンが得られる。インフラ投資の基本的な考え方と言われているわけでございますが、そのほかにも、この機構がインフラ事業に出融資することを通じまして、ずっと本日申し上げておりますが、我が国において民間のインフラ投資市場の形成、促進が図られる。ずっと官が独占してきたインフラ市場を民間に開放するということにより、事業機会が拡大するということが考えられます。

畑委員 私、今のインセンティブ、足りないんだろうと思います。

 インフラで長期安定のリターンというのは当たり前で、これまでもあったことですね。そして、その呼び水としての市場の安定、これは、民間インフラ市場をつくるということについてはその効果はあるかもしれない。しかし、インフラ整備に対するインセンティブというふうにはなかなか厳しいですよね、少ないんだろうと思います。

 こう申し上げますのは、民間からの資金がやはり集まらない場合にはどうなるかということなんですよ。過去も、官民ファンドなり国営会社、国策で成功したためしはほとんどありません。

 例えば、産業革新機構の投資資金は、これはすごいですね、ほとんどお金が集まっていなくて、出資金千五百六十億一千万中、民間資金は、十分の一以下の百四十億ちょっとだそうでありまして、八割、九割方は国の資金が担っている。官民ファンドじゃないんですよね。官ファンドになるおそれがあるわけです、これも。

 結局、政府からの出資に依存することになって、政府だけが出資するような形になることが危惧されます。実は、こういう経緯も踏まえた今回の官民ファンドの設立なんでしょうか。その辺の検討をされた結果でしょうか。ちょっとそこもお伺いしたいと思います。

澁谷政府参考人 この法案は、実は昨年も通常国会に提出をさせていただいておりまして、もうすぐ御審議いただけるという状況にまでなったわけですけれども、かなりの市場関係者から打診等がございました。その後、廃案になったりして、若干あれだったんですけれども。

 この間、私どもの方で市場関係者を何人か集めた説明会なりをずっと各地で開いてまいりましたが、非常に関心の度合いが高いということでございます。非常に市場関係者の方々が期待しているというのは事実だと思います。

畑委員 その場合、関心はいいんですが、関心が具体的な投資に結びつくことが大事で、結局、機構の活動が不調に終わったり、金が集まらないで国庫毀損につながる懸念が生じる場合、結局、国だけの金で何とか持ちこたえるような状態になった場合でも、官民ファンドというのは続いていくんでしょうか。

 法律に解散の規定はありますが、その場合、これ以上必要がないという場合ですけれども、そもそも、この政策目的を達することが官民ファンドという形ではできないということが途中で明らかになった場合というのは、これはどういう扱いになるんでしょうか。

澁谷政府参考人 日本にインフラファンドが全く育たないというような状況になった時点では、これは恐らく法の目的が全く達せられないということだと思いますけれども。

 ただ、少なくとも、民間のさまざまな機関投資家の方々とか市場関係者のさまざまな今の御要望なり、あるいはいろいろな関心の度合い等を考えてみますと、かなり期待が大きいということもありますし、やはりインフラ市場を日本に早く根づかせなきゃいけないという声は非常に大きいものがございますので、ぜひそうした形で成功させていきたいというふうに考えております。

畑委員 インフラファンドを日本に根づかせなきゃいかぬ、そこにちょっと理屈的な飛躍があるような気がして、そこが目的になってはいかぬし、逆に、それがなければインフラ、PFIが進まないのかというのが、私はちょっと疑問に思っております。

 ここで大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、官民ファンドで支援しなければならない必然性とか必要性をちょっと改めて御説明いただきたいと思います。

甘利国務大臣 我が国の大きな課題というのは、高度成長期にインフラの整備を大量にやりました。それが補修や更新のタイミングを迎えております。

 一方で、全て公費でこれを賄おうとすれば、財政上の制約がある。我が国は、財政再建に向かってもかじを切らなきゃならないという、いろいろな制約があります。

 そこで、民間の資金を使ってインフラの整備なり更新なり、そういう手法がとれないか。あるいは、コンセッション方式、運営権を売買する。ただし、その際、それを預かる会社にとっての資金調達が順調にできるか。借り入れだけではとても賄えない。海外を見渡しますと、その種のファンドが、規模でいえば二十兆円規模である。日本を見渡すと一つもない。

 案件が出てくればそういうファンドが育つという御意見も先ほど来ありました。ありましたけれども、いきなり出てくるわけではないと思います。そこで、そういう環境を整えるために官民ファンドというのを組成して、環境を整えていこうということであります。

 でありますから、この法案は時限を切って、そういう環境が整ったら、そこはもう仕事を終えることになっていくであろうというふうに思っております。

畑委員 ありがとうございました。

 実は、金融支援があるから、ファンドを組成するからインフラ、PFI事業が進むかどうかというところが疑問というか、そこが議論のポイントなんだろうと思います。それは別にあってもいいし、ただ、それは本質的な支援要素ではないなと私は思っております。

 むしろ、官民ファンドという曖昧な形で、結局、そういうぬえみたいな存在が、市場のチェックもしっかりしないし、あるいは国の、国会のチェックもしっかりしないような中途半端な存在ができてしまうということの方の問題が大きいのではないかなと思っていまして、私は端的に、PFIを進めるために必要なことは規制改革なんだろうと思うんです。民間というのは、結局もうけがなければ乗ってこない。インフラファンドは下支えかもしれないけれども、積極的に収益が上がるようなもうけというところまでは私は考えられないんじゃないかなと思います。

 PFIで例えばやる場合、建物なんかつくる場合には、今でもテナントを入れて、テナントの収益から回収するということもありますけれども、例えばイトーヨーカドーなのかイオンなのかダイエーなのか、そういうところがみずから公営住宅とかあるいは公の箱物をつくって、一階部分にスーパーとか店舗を展開して、住んでいる人に買い物をしてもらってもうけていくとか、そういう新しい斬新な発想も必要だと思うし、これは現行制度上、恐らくできるんだろうと思います。

 あるいは、規制改革という意味は、容積率の緩和ですね。例えば、そういう箱物の場合について言うと、一定の容積率を与える。例えば同じ敷地でやった場合に、自分のところの容積率でもいいんですが、隣で自分が事業をする場合に、そこのところの容積率をPFIと抱き合わせで与えるとか、あとは、道路なんかでいうと、道路をPFIでやる場合には、首都高なんかもそうですが、空中権ですね、上空の開発を認めていくとか、そういう恐らく抜本的な規制改革の措置が非常に有益だと思います。

 もう一つ申し上げると、規制改革とともに、やはり民間主導でPFIをやる場合には、民間が出しやすくする。であれば、税制上の優遇措置の部分を抜本的にやらなきゃいかぬのじゃないだろうかと思います。

 こういう点を含めて、規制改革、税制上の改革も含めて、やはり今後、規制改革の議論としてしっかりとそこのところをやっていく必要があると思うんですが、そこに対する認識はいかがでしょうか。

甘利国務大臣 委員の御指摘はまさに、諮問会議で民間議員から提出をされた、今までのフェーズ1から、コンセッション方式のフェーズ2、それからフェーズ3として、周辺に収益施設を併設するというようなことまで足を伸ばし、フェーズ4になりますと、公有地に民間提案のものでいろいろとそれを採用していくというふうに広がっていくんだと思います。

 いずれにいたしましても、規制緩和というのはまさにそのかなめになっているところでございまして、それらとあわせて、従来、インフラというものは公が管理をする、公が補修をする、公が更新をするという概念を打ち破って、民間の力により、公がやっていたものを代替する。そうすることによって、新しい事業が生まれるということと、それから、公費を使わないでということでありますから、財政の健全化にも資するというわけであります。

 要は、そういう環境を整えるために、では、規制緩和だけしますということですぐ民間資金が動くかどうか、そういうファンドがすぐあした組成されるかというと、なかなかそういう環境にはない。ですから、そういう環境をつくっていくために、時限措置としてこの種の手法を使っているということであると思っております。

畑委員 実は、この手法の一つとしてこういうのをやっていくというのは、それは理論としてはあるかもしれませんが、いろいろこのインフラファンドを諸外国、先進国でやっているところというのはほとんどないというか、英国はありますね、イギリスが。多分これがモデルになっているんだろうと思います。英国のインフラストラクチャーUKですね。

 ただ、きょうは御質問じゃなくて、ちょっと私の意見を言いたいんですが、このインフラストラクチャーUKは、どうも財務省の中の組織なわけです。財務省の中で、インフラの総合的な計画、位置づけも含めて、大臣とか行政がしっかりとハンドリングしながら、国の責任として、財務省の中でファンドを設けてやっていくという制度です。責任の所在が明確なわけですね。

 私が問題視していますのは、まさに株式会社として中途半端な存在をつくる。そして、そこに対するガバナンスが、市場からも、あるいは国会の予算、チェックという観点からも働きやすいのかと。こういうのをやるんだったら、やはり国の責任なら国の責任ということを明確にして、国の中でそういうインフラファンドをどうやって組むかというのが、だから、イギリスというのはかつての財投みたいな感じもするんですが、そういうところを透明化を図りながら、どうやって政治主導、国の主導でやっていくかというところの観点が重要だと思うので、そういうところが多分、官民ファンド、今回の問題の大きなところじゃないかなと思っております。このことはちょっと申し上げておきたいと思います。

 PFIが進まないのは、ファンドの部分もあって、規制改革もこれからしっかりやっていただくということなんですが、もう一つは、やはり既存の公物管理権との関係が曖昧なんだろうと思います。

 例えば、事業者は運営権を有してコンセッションでやったとしても、公物管理法の規制がかかる。そこの規制との優劣についてどう考えるかというところに疑問が生じるというか、必ずしも統一的に整理されていない。縦割りなわけですね。実際、どこまでの範囲の業務を民間業者が行うのかが明確ではないところがあると思います。

 例えば国交省ですと、PFI事業者の法的地位については、協定等で定めた一定の占用許可の手続については、逐一、公物管理者の占用許可というか、そういう手続は経ることなくできる、かなり推進のために進んだような整理をされているだろうと思っております。

 一方、例えば厚労省の上水道事業であれば、実はこれは結構まだ規制がかなりあるんですが、事業開始のために厚労大臣から認可そして市町村の同意を取得して、あと、利用料金を含む供給条件を変更する場合には、その都度厚労大臣の認可を取得する必要があるとされている。なかなか、こういうぎちぎちの規制だと進まないなという思いがあります。もちろん、制度上そういう必要性があって、利用料金を民間に自由にさせていいのかという議論はありますが、そこはちょっと定性的な整理をした上で自由度を高めることも必要だろうと思っております。

 結局は、ただ、これは、さはさりながら、それぞれのPFI事業の実施方針、協定で定める範囲になるわけですね。ですから、結局そこをしっかりと、予測可能性があるように、つまりPFI方式の普及促進のためには、適切な形でそこの公物管理権なり行政権との関係が指針として整理、公表されていることが望ましいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

澁谷政府参考人 現在、公共施設等運営事業、コンセッション事業についての実務上の指針等のガイドラインの策定を行っているわけでございますが、このガイドラインとあわせまして、ぜひ、先生御指摘のように、現場で混乱しないような、特に公物管理法との関係等につきまして、公共団体あるいは民間事業者が混乱をしたり、あるいは誤解をしないような、理解が深まるような、わかりやすく周知するような工夫を考えていきたいというふうに考えております。

畑委員 ありがとうございました。よろしくお願いしたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 今回の推進機構、結局、事業の採算性の判断が重要である、これはきょうもかなり議論がありましたけれども、プロジェクトファイナンスの目ききが必要になってくるわけです。機構が行う業務のうちの出融資については機構内に設置される支援委員会が対象内容を決定することとなるというたてつけになっておりますが、ということで、支援委員会の委員の構成がどうなるかということが一つポイントであることは言うまでもありません。

 とともに、機構の職員、そこについては、やはりどうしてもガバナンスとか組織運営ということで、法務とか行政の専門家というのは行くだろうと思うというか、天下りにならないと言っておりましたが、組織運営という観点から、そういう人たちが行かざるを得ない部分はあるかもしれません、そういう理由で。

 ただ、さはさりながら、本当はそういう人たちが主体になるんじゃなくて、金融なりプロジェクトファイナンスの専門家がしっかりと入ることというか、入るだけじゃなくて、そういう人たちが大勢を占めるような構成にならなきゃいけないと私は思います。

 そこでお伺いしたいわけでありますが、支援委員会の委員としてどのような人材が求められるのか、機構の人事方針、そして機構というのはどれぐらいの規模の組織になることが想定されるか、その辺をあわせてお伺いしたいと思います。

山際大臣政務官 先ほど来、議論の中で大臣から答弁させていただきましたとおり、役人のOB、天下りということは考えてございません。

 その上で、委員の御質問のように、金融等に関する専門知識を有する者が支援委員会あるいは機構の役員に入ってこなくてはいけないという問題意識はそのとおりでございまして、プロジェクトファイナンスにかかわる投融資や、あるいはPFI事業の組成等の業務に関する知識経験を豊富に有する人材を民間から積極的に登用してまいりたいと考えてございます。

 特に機構のトップには、機構の業務に関連する専門知識、経験に加えて、高い識見と経営能力を有する民間の有能な人材が確保されるように努力してまいりたいと思います。

 全体のどれぐらいの規模かということに関しては、参考人からお答えいたします。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 余り大きな組織に無理にすることもないと思いますが、産業革新機構なども参考にしながら、発足当時は数十人規模ではないかというふうに想定しております。

畑委員 ちょっともう一つお伺いしたいんですが、その数十人規模のうち、金融の専門家をしっかり入れるという話もありましたが、まだ決まっていないんでしょうが、法務あるいは行政、金融関係の専門家というのは大体どれぐらいの割合で組んでいくことになるのか。要は、端的には、民間から来た金融関係の人がどれぐらいの割合を占めるのか、そこがわかればというか、お答えできればというか、ちょっと教えていただきたいんですが。

澁谷政府参考人 まだ法案がこうやって御審議中でございますので、これからの話ということになりますけれども、いろいろとさまざまなところと御相談をしているところでは、金融の関係者そのものの方もいらっしゃいますし、金融機関なり、あるいはさまざまなところを経験して今コンサルティング業務をされている方とか、いろいろ複合的な経歴をお持ちの方が多数いらっしゃいますので、そうした方々を個別にいろいろ判断をさせていただければというふうに考えています。

畑委員 これは、やはり後で官ファンドにならないように、ちょっとインセンティブも弱いんですが、できた場合、しっかりと動くような仕組みが本当に必要だと思います。

 ちょっとまだ曖昧な形で、そこのところの私の疑問も払拭できませんが、いずれにしても次の質問に行かせていただきたいと思います。

 ちょっと法案と違いますが、やはり復興ですね。私も被災地の議員でありまして、被災地の復興が国政の最重要課題の一つだと思って取り組んでおるわけですが、この中で、PFIの活用というか、PFI手法をこの復興においてしっかり生かすべきだという思いを持っております。

 とはいうものの、復興は、おかげさまでというか、復興交付金も含めた財政資金がしっかりとバックアップされているということがありますので、PFIをすぐに使うかどうかというところの関係もありますが、あるいは、PFIを使うとしても、実は、復興を急いでしなければいけないという状況でありますので、PFIをやっていると時間がかかるとか、あるいは公共団体にとっては面倒くさいんでしょうね、なかなか腰が重いような気もします。

 さはさりながら、集中復興期間、そして、それを過ぎた後でも復興を続けていくためには、やはりこういうことも今から考える必要があるだろうと思います。

 よく言われるのは、例えば、東北は高齢者が多いんですけれども、高齢者が多い災害公営住宅、そういう人たちが住む災害公営住宅をつくった場合に、一階部分に店舗を入れて、要は運転ができないわけですから、こういう人たちが外出しなくても買い物がそこでできるようにする必要があるとか、あるいは、そこの一階に公共スペース、そういうものを入れておくとか、あるいは、場合によっては病院なんかを入れて、やはり外に出なくても生活がそこで完結するような仕組みもつくるべきだという気もしますが、恐らくそういうものというのは、行政が急いでやっている中でやると、なかなかしないというか、余り思いもつかない部分ではないかなというふうな気がします。

 こういうことも含めて、PFIでやることも少しもんでみる必要があるだろうと思います。

 東日本大震災からの復興の基本方針でも、このときそういう議論をしたような気もするんですが、やはりPFIの活用というのが位置づけられておりまして、そういう中で、しかし、なかなかその辺のところが現実に及んだときに見えてこないなという問題意識を持っております。

 災害公営住宅について言うと、URが、都市機構がCM方式、コンストラクションマネジメント方式で、施工とか業者発注も含めてやって、時間も効率的にというか、公共団体の人員、体制不足を補ってやっていただいている部分もありますが、実は、ここで問題なのは管理の部分なんですよね。都市機構、URがつくったとしても、管理は当然市町村なり県に引き渡すわけですが、そこの管理の主体というのが実は想定されていない。

 例えば、県なら県で住宅管理協会みたいなものがあるわけですが、そこに一気に引き渡すとして、やっていって効率的なのか、あるいは、そもそも市町村だと、田舎ですから、東京なんかと違って公営住宅を持っていない、管理主体を今から探さなきゃいけないというところもある。ただ、そこの出口も考えながら、PFIを使うことも被災地の復興においても考えてもいいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。これは、住宅に限らず、PFIの活用ということで、その辺のお考えをいただければと思います。

甘利国務大臣 PFIの被災地における活用、これは、十分考えていかなければならないと思います。

 公共事業に限っていいますと、当面は復興の交付金がありますから、これを使えば使い勝手もいいですし、簡単なことですから、こちらが中心になろうかと思います。

 ただ、そこの手の届かない部分、あるいは運営に関する部分ですね。気仙沼では漁船用の燃油のタンクが流されちゃって、まさに海が火の海になってしまった光景が極めて悲惨でありましたけれども、それを再構築する。ただし、運営に関しては、それぞれ漁協関係者がお金を払って運営権を任せるというような検討もあるようでございます。

 公的な費用で手が届かない部分等も含めて、今後、事業が進んでいくに従っていろいろなアイデアが出てくるかと思っております。

畑委員 ありがとうございました。

 これで終わります。ありがとうございました。

平井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

平井委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。松田学君。

松田委員 日本維新の会、松田学です。

 私は、日本維新の会を代表して、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行うものであります。

 本法律案は、PFI事業のうち、独立採算型事業及び同事業を支援する事業を実施する者に対し、資金の供給その他の支援を行い、もってPFI事業を推進する株式会社民間資金等活用事業推進機構を設立するものであります。

 我々、日本維新の会は、民間活力を最大限生かす方向で真の意味でのPFI事業を構築する環境を整えることは、党是にも即した政策であると考えます。その意味で、本法律案は、PFI事業の形態を独立採算型のPFI事業に移行させるものであることから、その方向性は、我が党としても同じくするところであります。

 しかしながら、本法律案の問題点は、その手段にあります。

 すなわち、本法律案は、その方策として、政府が、直接的な財政負担として今年度予算だけでも百億円の出資をすることによって、株式会社民間資金等活用事業推進機構という官民ファンドを創設し、それを呼び水として独立採算型事業に対して出融資を行う民間インフラファンドの創設を促すことを目的としておりますが、これは、民間インフラファンドの創設を促す方策として果たして適切なものかどうか、あえて官の負担によってこうした組織を設立しなければ所期の政策目的を達成することができないものなのか、大いに疑問とするものであります。むしろ、PFIに名をかりて、民間の自立を阻害するものではないでしょうか。

 このような趣旨から、我が党が今国会に提案した今年度予算の修正案におきましても、本機構に対する出資百億円は削除する形で提案したところであります。

 独立採算型事業によってPFIを推進する上で、本機構のような組織の設立によらずとも、やるべきことは多々あるものと考えます。

 例えば、PFIを活用している諸外国の一部では、インフラ事業専門の投資会社に対する法人課税の免除、PFI事業者に対する収入補填、個人投資家に対するファンドからの配当についての課税免除といったインセンティブの付与を行っており、こうした国を挙げた民間インフラファンドの創設・育成施策により、民間インフラファンドの成長を実現しております。

 また、本法律案は、PFI事業者等への資金的支援を中心とするものでありますが、独立採算型事業が拡大しない要因は、そもそも民間事業者にとって魅力ある案件がないからではないでしょうか。

 公共的事業に対して民間が投資できるような財務情報の開示が十分かどうか、既に平成二十三年に法的には可能となっているコンセッション方式について民にとって使い勝手のよいガイドラインが整備されているかどうか、また、PPP、官民連携パートナーシップの推進など、検討を進めるべき施策は多々あるものと考えます。

 いずれにしても、民間施設も含めた公共施設等の整備など、民間事業者にとって、自由度のある、魅力的かつ採算性がある仕組みを整備することが何よりも重要だと考えます。

 なお、本法案の成立を待っているとされる空港などの幾つかの重要事業についていえば、我が党も推進する立場ではありますが、そのために本機構の設立が本当に不可欠かどうか疑問があります。

 以上、繰り返しになりますが、我が党として真のPFIを推進していくことには賛成の立場ではありますが、独立採算型事業が拡大しない根本的な要因に十分な対策を講じず、単に官民ファンドを創設する本法律案には反対であることを述べて、日本維新の会を代表しての討論といたします。

 どうもありがとうございました。(拍手)

平井委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 私は、日本共産党を代表して、PFI法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。

 反対する理由は、今回新たに設立する官民ファンド、株式会社民間資金等活用事業推進機構が、破綻する危険性の高い独立採算型のPFI事業を支援することを目的としており、事業破綻の尻拭いを国民の血税で行うことになる危険性が高いからであります。

 これまで実施された独立採算型のPFI事業はわずか二十余件にもかかわらず、名古屋港イタリア村やひびきコンテナターミナル事業の二事業が破綻しています。

 しかも、私の質疑でも明らかにいたしましたが、税金を全く使わない本当の意味での独立採算型のPFI事業は、政府発表のさらに半分の十一しかありませんでした。独立採算型を財政に頼らない成長の看板にするのは欺瞞にほかなりません。そもそも、公共事業を利潤追求の民間に任せることに無理があるのであります。事実、自治体は、政府の水増しされた統計でも、二〇〇五年を最後に独立採算型のPFI事業を行っていません。必要な公共事業は、公の責任で推進するべきであります。

 今回のファンドの資金の投入先として、甘利大臣は、新関西国際空港の名前を挙げました。その目的は、一兆二千億円の膨大な債務をコンセッション方式での返済を支援するためであり、真の狙いは関空救済と指摘されるゆえんであります。

 求められているのは、こういう形で新たな公的支援を継続することではなく、関空がそもそも膨大な債務を抱えることになった原因と責任を明確にすることであります。このことを強調して、反対討論を終わります。

平井委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

平井委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

平井委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平口洋君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。若井康彦君。

若井委員 民主党の若井康彦です。

 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読いたします。

    民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 上下水道、有料道路、空港等へのコンセッション方式によるPFIの具体的な事例を実現するため、必要な措置を検討すること。

 二 地方公共団体がPFI方式を選ぶインセンティブを付与するような、財政、税制を含めた制度上の工夫を、平成二十六年度から実施することが可能となるよう検討すること。

以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

平井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平井委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。甘利国務大臣。

甘利国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

平井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

平井委員長 次に、内閣提出、総合特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。新藤国務大臣。

    ―――――――――――――

 総合特別区域法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

新藤国務大臣 このたび、政府から提出いたしました総合特別区域法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 総合特別区域制度は、地方公共団体が、地域の特性を最大限活用し、かつ、地域の関係者と相互に密接な連携を図りつつ、みずからの判断と責任で主体的に行う取り組みにより、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展を図ることを目的とするものであります。国は、これらの取り組みを行う地域に対し、必要な施策を総合的かつ集中的に講ずるものであります。

 これまで、国と総合特別区域の指定を受けた地方公共団体は、総合特別区域に係る新たな規制の特例措置等について協議を行ってまいりました。

 今般、この協議の結果に基づき、総合特別区域に係る法律の特例に関する措置を追加すること等を通じ、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展を図るため、この法律案を提出する次第であります。

 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、国有財産法の特例として、国際戦略総合特別区域において先端的な研究開発を推進するために必要な施設を整備する事業の用に供する場合には、各省各庁の長はその所管する普通財産である建物等であってその売却につき買い受け人がないこと等の要件に該当するものを指定地方公共団体に譲与することができることとしております。

 第二に、海上運送法の特例として、国際戦略総合特別区域において開催される国際会議等に参加する者の運送をすることを主たる目的として行う旅客不定期航路事業を営む者については、旅客不定期航路事業者の禁止行為に係る規定を適用しないこととしております。

 第三に、道路運送車両法の特例として、国際戦略総合特別区域において農業を営む者が使用するものとして指定地方公共団体が指定する自家用貨物自動車について、指定点検整備事業者の交付した点検整備済み証を添付して申請があった場合は、当該自家用貨物自動車の自動車検査証の有効期間を伸長することとしております。

 第四に、地域活性化総合特別区域における特産酒類の製造事業に係る酒税法の特例に関し、果実酒またはリキュールに使用することができる原料の追加を行うこととしております。

 第五に、国際戦略総合特別区域において産業の国際競争力の強化に特に資する事業の用に供する施設または設備の新増設に係る課税の特例に関し、対象に器具及び備品を追加することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

平井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十四分散会


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