衆議院

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第14号 平成13年6月1日(金曜日)

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平成十三年六月一日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 保利 耕輔君

   理事 奥谷  通君 理事 塩崎 恭久君

   理事 田村 憲久君 理事 長勢 甚遠君

   理事 佐々木秀典君 理事 野田 佳彦君

   理事 漆原 良夫君 理事 西村 眞悟君

      荒井 広幸君    太田 誠一君

      熊代 昭彦君    左藤  章君

      笹川  堯君    鈴木 恒夫君

      棚橋 泰文君    谷川 和穗君

      林 省之介君    山本 明彦君

      吉野 正芳君    渡辺 喜美君

      枝野 幸男君    日野 市朗君

      平岡 秀夫君    水島 広子君

      山内  功君    山花 郁夫君

      上田  勇君    藤井 裕久君

      木島日出夫君    瀬古由起子君

      植田 至紀君    徳田 虎雄君

    …………………………………

   議員           山本 幸三君

   議員           漆原 良夫君

   議員           井上 喜一君

   法務大臣         森山 眞弓君

   法務副大臣        横内 正明君

   最高裁判所事務総局民事局

   長

   兼最高裁判所事務総局行政

   局長           千葉 勝美君

   政府参考人

   (警察庁刑事局暴力団対策

   部長)          岡田  薫君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制

   部長)          房村 精一君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    村上 喜堂君

   法務委員会専門員     井上 隆久君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月一日

 辞任         補欠選任

  松宮  勲君     林 省之介君

  不破 哲三君     瀬古由起子君

同日

 辞任         補欠選任

  林 省之介君     松宮  勲君

  瀬古由起子君     不破 哲三君

    ―――――――――――――

六月一日

 悪質な交通事犯に適用される業務上過失致死傷罪の法定刑の見直しに関する請願(阿部知子君紹介)(第二三〇三号)

 治安維持法犠牲者国家賠償法の制定に関する請願(古川元久君紹介)(第二三一七号)

 法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員に関する請願(漆原良夫君紹介)(第二三一八号)

 同(野田佳彦君紹介)(第二三一九号)

 同(山花郁夫君紹介)(第二三七三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案(山本幸三君外三名提出、衆法第二一号)




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     ――――◇―――――

保利委員長 これより会議を開きます。

 山本幸三君外三名提出、債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局暴力団対策部長岡田薫君、法務省大臣官房司法法制部長房村精一君及び国税庁課税部長村上喜堂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

保利委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所千葉民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

保利委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山内功君。

山内(功)委員 民主党の山内功でございます。

 サービサー制度は、サービサー法によって導入された我が国初めての業態でございますので、まずは国民の理解が十分に行われること、このことが大事だと考えております。

 まず最初に、法律が実施されまして二年四カ月が経過いたしましたが、法の運用に当たった法務省として、当初の立法目的であります不良債権の早急な処理が十分に目的を遂げたのかどうか、あるいは暴力団支配の排除はできているのか。後者については警察庁にもお伺いをしたいと思っています。

森山国務大臣 サービサーの業務の実績について申し上げますと、昨年末に法務省が当時の許可会社四十一社を対象に調査した結果によりますと、取扱債権額は約十九兆円、うち八〇%に当たる約十五兆円が金融機関の貸付債権であります。回収額は約八千百億円に及んでいるとのことでございます。

 この数字がサービサー法施行後二年未満のものであることを勘案しますと、サービサーは全体として非常に活発な業務を展開していると言えるのではないかと思われます。

 また、現在までのところ、暴力団勢力がサービサー業界に参入するために営業許可を取得しようとした事例はなく、サービサーが許可後に暴力団員を業務に従事させた例も認められませんので、サービサー業界における暴力団排除の趣旨は貫徹されているものと承知しております。

 サービサーが債務者の生活の平穏やその権利を害するような違法な債権回収を行った事例もないというふうに承知しております。

岡田政府参考人 サービサー業と暴力団の関係あるいは債権回収と暴力団との関係についてのお尋ねかと存じます。

 平成十一年二月に本法律が施行されまして以降現在までに、債権管理回収業の許可申請に際しまして五十件余りの意見を求められているところでございますけれども、暴力団員が事業活動を支配している株式会社であるといった意見を述べたものはございません。

 しかしながら、暴力団につきましては、御案内のとおり、債権取り立てを有力な資金源の一つとしております。警察では、従前から債権の取り立てに絡む恐喝あるいは暴力行為等処罰ニ関スル法律違反事件を多数検挙しております。また、近年、暴力団等による威力を示しての競売妨害ですとか、あるいは賃借権の制度を悪用した競売妨害などの債権回収妨害事案が年々増加をいたしております。平成十二年中は九十八件の検挙といったこともございました。また、債権取り立てに関連して、暴力団対策法に基づいての中止命令ですとか再発防止命令が出されたものも二百件ほどございます。

 これらはいずれも直接サービサーとの関連ということではございませんけれども、そういった債権回収には暴力団の関与ということがいろいろございますので、私どもといたしましては、暴力団の活動実態を踏まえて適切に対応してまいりたいと思います。

 また、債権管理回収業の許可申請には至りませんでしたけれども、元暴力団員が、債権管理回収業に参入すると称しまして、必要な資金の融資を受けるために、信用保証協会の人に暴行、脅迫を行ったという事例もございまして、そういった事件の検挙なども報告をされているところでございます。

山内(功)委員 国民は、そもそも銀行が回収できなかった債権をどうやって回収するの、かなり厳しい取り立てをするんじゃないのというような不安を覚えております。こういうような疑問に提案者としてはどうお答えになるのでしょうか。

山本(幸)議員 そこのところが、私どもがこのサービサー法をぜひつくりたいということに立ち至った経緯の一つでもございます。

 まさに金融機関は自分で貸して回収するというのが業務でありますけれども、不良債権化してしまいますと、これはなかなか、金融機関が大変な労力もかかる。しかも、回収ということの専門として金融機関自体があるわけではありません。そういうこともありまして、不良債権化したような場合には、むしろ回収というものを専門的にやる、そういうノウハウを蓄積したような業務というものがあってしかるべきではないか。これがないと、逆にその金融機関の周辺で陰の勢力が暗躍するということが実態としてありました。

 したがって、私どもは、そういう陰の勢力をぜひ排除して、そして、きちんとした監督のもとで、しかも、債務者に不当な不利益が与えられないような形で回収ということをやっていく。その回収ということがなければ経済の再生というものはなかなか図れないということでございまして、金融機関自体は本来の業務でありますから当然それに努めるべきだと思いますけれども、どうしてもそれ自体を専門としているものじゃありませんので、金融機関、そしてその周辺の与信業務については、この回収管理を専門にするような業者をきちっと管理監督するもとでつくった方が、むしろやみの勢力を排除し、しかも債務者にも利するという形で考えてきたわけでございますので、これをぜひ育てていきたい。そして、そのかわり、変なことをやれば厳正に許可取り消しとかそういう処分を行っていくということで、この金融不良債権処理というものの適正な解決を図っていきたいというふうに思っているわけでございます。

山内(功)委員 回収担当者の法務知識も要求されると思うんです。レベルアップさせるための施策とか法律研修制度については何か考えておられることがあるんでしょうか。

山本(幸)議員 まず、このサービサーには、取締役に弁護士を必ず一名入れなければならないことになっております。したがいまして、厳密な法律問題については、その弁護士である取締役が責任を持ってやるということでございます。

 ただ、日常業務をやっております場合に、おっしゃいましたように、当然法的な知識というものがないと困りますし、実際に、私どもこの改正案をつくるときにサービサーのほとんど全社の方々から話を伺いましたけれども、それぞれその弁護士さんを中心に、トラブルが起こらないように研修を、画一的な形できちっと決まったものはありませんけれども、各社で相当努力してやっているという実態の話を聞いております。

 私どもとしては、それが進められて、そして、サービサーを実際にやっておられる方の話を聞くと、これは法律で許可制度のもとでやっているので、決して変なことが起こらないように細心の注意を払ってやっているんだということでありまして、ぜひそれぞれの努力を重ねていただきたいなというように思っております。

山内(功)委員 現行法には、施行後五年をめどに見直すという規定があるのですが、どうして二年ほどで改正案を提出されるのか、その意図をお伺いしたいと思います。

漆原議員 おっしゃるとおり、五年以内というふうに規定があるんですが、この五年以内というのは、五年を経ない段階でのサービサー法の改正を禁ずるという趣旨ではなくて、むしろ、五年を経過していなくても、制度の定着状況を見定めながら、必要があれば早期に改正することも求めていると考えております。

 現在、サービサー法施行後約二年四カ月が経過したところでありますけれども、その間、許可の会社も四十八社に増加し、各社とも、債権回収過程の適正を確保しながら不良債権の実質的処理だとかあるいは債権の流動化を促進するという立法目的にかなった展開をしておりまして、ある意味ではサービサーは我が国の経済社会における必要不可欠なインフラとして定着したというふうに考えております。

 また、法施行後の経済社会情勢の変化に対応してサービサーの活動領域をさらに拡大することが求められておりまして、そのためには、取扱債権の範囲などについての現行の法規制の見直しをし、早急にこれを改める必要がある、こういうことが今回の改正をした理由でございます。

山内(功)委員 取扱債権の拡大の中で市町村債権が予定されております。市町村は交付税と地方税を原資として貸し付けをしております。同和対策事業資金などがその典型的な例だと思うんですけれども、銀行の不良債権処理という当初の目的とは離れていっているように思うのですが、この点、提案者はどう考えていますか。

漆原議員 サービサーの立法目的は、金融機関等の不良債権処理及び債権の流動化を促進するということによって、我が国における金融機能を再生強化して国民経済の健全な発展に資するということでございます。いわゆる銀行等の金融機関以外でも与信機能を持っている主体が我が国にたくさんあるわけでありまして、我が国における金融機能の強化再生を図るためには、これら重要な与信機能を果たしております金融機関以外の主体の不良債権処理も促進する必要があると考えております。

 今回の法改正においては、市町村の債権については特に取扱債権には含めておらないわけでございますけれども、私は、これらの債権も重要な与信機能を果たしておるというふうに考えておりますし、また、それらをサービサーに扱わせるニーズも高い、こう考えておりますので、立法趣旨に沿うものであると考えておりますので、政令の方で取扱債権に含めるべきだというふうに考えております。

山内(功)委員 日本育英会の奨学金も、不良債権の早急な処理とは関係のない債権で、大変違和感を覚えております。提案者あるいは法務省、それぞれの考えをお伺いしたいと思います。

漆原議員 日本育英会の債権についても、今、市町村で申し上げた説明と同じように、これも今改正では取扱債権の方には入れておりませんけれども、政令でもって対象にしたい、こう考えております。

山本(幸)議員 ちょっとただいまの答弁を補足させていただきたいと思います。

 このサービサーの目的でありますけれども、私ども、社会経済の中で与信という機能に注目して、そしてその与信というものが潤滑に行われるということが社会経済の活力を生む大きな原動力になっているというように考えております。そして、その与信機能が滞らないようにするため、あるいはそれが少し問題があったときにそれを早く解決してスムーズにやっていこう、それが全体として日本経済、日本社会の動きがうまくいくんじゃないかなというふうに思っておるわけであります。これがまた、基本的にサービサー法の目的だと考えております。

 それで、与信機能の中心は、先ほどお話がありましたように、当然金融機関でありますけれども、必ずしも金融機関だけが与信機能をやっているわけではありません。地方公共団体もやっておりますし、あるいは日本育英会のようなところもやっているということであります。それは金融機関とは直接結びつくかといえば、そうじゃないところも当然ありますけれども、しかし、与信機能という点については同様の機能を果たしているわけでありまして、それはやはり重要なことではないかなというように思っておるわけです。

 ちょっと参考にですけれども、私は最近こういう本を読んだんです。「青い目の債権取り立て屋奮闘記」というのがありまして、アメリカ人が日本にやってきて、債権回収業というのは全くない、どうしてやろうかということで、彼は任意組合をつくってやろうということでやったようですが、これは弁護士法の問題があるんじゃないかという話があって、日弁連が訴訟したら裁判所が受けつけなかったようで、どうも組合のためにやるんだったらいいということになっているようです。

 その中で日本育英会のことが取り上げられておりまして、彼は、日本育英会の債権が五百何十億円滞っておるという新聞記事を見て、これは大変だろうと思って、日本育英会に電話したそうですね。ところが日本育英会は、あなたにお頼みすることはありませんと言って、とても考えられないことだという話が書いてあります。どこの国でも、そういう奨学金というのが滞ったときには民間のサービサーに全部やらせているよと。やはり教育の基本は、約束を守る、借りた金は返さなければいかぬということも重要なことだと思いますので。しかし生活が本当に大変であれば、それはまた別途考える話だと思います。

 その中で、ノルウェーなどは、育英会の資金を返すことが滞っている人は出国するときに出られないらしいですね。出国でチェックされて、育英資金をちゃんと返済していない、海外旅行に行くぐらいの余裕があるんだったらちゃんと返せというような話も書いてありまして、ちょっとこれは余談でありますが、そういうこともあるようであります。

 それから、これは個人的な見解で申しわけないのですが、私は、将来的には育英資金というのは大幅に拡充して、だれでも本当に勉強したければ幾らでも借りられるというような方向に持っていくべきじゃないかと個人的に私は考えているものですから、そういう意味でも、育英会についても、文部科学省が育英会に一応打診いたしましたところ、ぜひ対象にしてもらいたいということでありましたので、政令で入れていきたいというふうに思っている次第でございます。

山内(功)委員 年金を担保に家を建てた人に対しても、取り立て権を政令で認めようとされています。

 今まで指摘したような債権については、所得の低い層の方もたくさんおられると思うのです。特別な配慮を全く考えられないのでしょうか。

 法務省の方にお伺いしますけれども、例えば育英資金など、何回延滞したらサービサーに移行できるとか、そういうような基準でも考えておられるのでしょうか。

房村政府参考人 ただいま提案者からお話がありましたように、育英資金等についても、我が国において重要な与信機能を果たしているということで、サービサー法の立法目的からしますと、そういうものについて政令でサービサーの取扱債権に含めるということは法務省として検討したいと思っておりますが、その場合に、取り立ての方法についてどのような規制を考えるかということはこれからの検討課題であろうかと思っております。

 基本的に、サービサーの行為規制としては、債務者を威迫したりというような違法な行為が行われないように十分な手当てをしているつもりでございますし、また、今後、取り扱う債権の特質に応じて行為規制が必要となればそれを検討する必要があろうかと思いますが、現時点ではまだこれからの検討課題と考えております。

山内(功)委員 私は、日本育英会や年金福祉協会からいろいろとお話をお聞きしました。確かに延滞については困ってはいるけれども、育英会などは、サービサーという存在自体を知りませんでした。育英会や年金福祉協会は、サービサーに債権を譲渡するということも全く話し合ったことがないと言っています。債権を拡大して、営業として利益を上げたいというサービサー側の思惑のみでこういうような立法化を図るのではないのですか。

房村政府参考人 基本的にサービサーの取り立て行為については、先ほど申し上げましたように、厳格な行為規制を課して、かりそめにも違法な取り立てがなされることのないような配慮を十分しているところでありまして、サービサーにその債権を取り扱わせるということが直ちに債務者の不利益になるというような関係にはないと私どもは思っております。

 また、育英会の債権について見ますと、平成十二年度末の貸与残高が約一兆四千億、そのうち延滞債権額が一千四百億円になるということでございまして、相当の額でございます。先ほど提案者からもありましたように、育英会の債権の回収を的確に行うということは育英資金の原資にもなるわけでありまして、そういう点で、その適切な回収が図られるということはそれ自体望ましい事態ではないかと思っております。

 サービサーが取り扱えるようになった場合に、それを利用するかどうかということは育英会の側の主体的な判断に係ることでありますので、私どもとしては、選択の幅が広がって、その中で適切に日本育英会が判断をしていただければと思っております。

山内(功)委員 それでは、最高裁の方にお伺いいたします。

 法的倒産の手続に入っている債権についても取り扱えることになるわけですけれども、裁判所はどういうような関与が今後予想されると考えておられますか。

千葉最高裁判所長官代理者 破産手続などの倒産手続におきましては、債権の譲渡、回収というのはそもそも管財人が行う。民事再生手続ではこれは再生債務者が行うということが予定されているわけでございますが、破産手続などでは、管財人が債権の譲渡等を行う場合に裁判所の許可を要するというふうにされている場面がございます。そういう場合に、管財人に対する裁判所の監督権の行使の一環として、裁判所が債権の譲渡についてチェックをする、こういうことになるわけでございます。

山内(功)委員 今おっしゃいました、管財人が破産債権をサービサーに譲渡する、その場合に裁判所が許可を与えるということが倒産手続で考えられる典型的な事例なのでしょうけれども、今までにない判断が裁判所と管財人に求められると思います。必ずサービサー何社かで競りとか入札にかける、あるいは裁判官や管財人などの特別な研修とか、協議会を設けて勉強していく、そういうようなことは考えておられないのかどうか。最高裁、お願いします。

千葉最高裁判所長官代理者 サービサーの回収行為につきましては、これは、監督官庁が適正な監督権の行使で適正な業務遂行の確保を図っていくということになろうかと思いますが、裁判所といたしましては、破産管財人の債権の換価行為自体がちゃんと行われるかどうかということが非常にポイントになるわけでございまして、破産手続などの適正、円滑な進行という観点からチェックをするということになるわけでございます。

 裁判所が許可をするに当たりましては、これは事案に応じて判断をするということでございますけれども、やはりその債権譲渡の価格が適正妥当なものであるかという点などが重要になってまいります。いずれにしろ、この譲渡が破産手続にとって利益になるものかどうかという点のチェックをしていくということでございます。

 サービサーへの債権譲渡が行われる場合には、これは、管財人がみずから個別に債権を回収する場合のコストとか時間とか回収の可能性、そういったものを比べて、どれだけメリットがあるかどうか、その価格がどういう形で出てきて、それが適正なものであるかどうか、いろいろな資料をもとに、事案ごとに適正に判断をするということになるわけでございます。

山内(功)委員 管財人が持っている破産債権が例えば全国にまたがっているとか、極めて少額の債権がたくさんあるというような場合に、サービサーに譲渡をする場合もあるでしょうけれども、例えば受託をするという場合があると思います。成功報酬から受託の手数料とか取り立て料を差し引いてまた管財人に戻すということもあると思うのですけれども、破産法では債権譲渡の場合の許可としか書いてありませんが、受託の場合については法律の制定が必要じゃないのでしょうか。

千葉最高裁判所長官代理者 破産法によりましては、財産の処分につきまして裁判所の許可を要するというのが前提でございますが、債権の回収について、どういう方法が破産財団の形成などに一番いいのかというのは、これは事案ごとの判断であろうというふうに考えております。今の委員御提案の方法もありましょうし、その辺は事案に応じて管財人が、あるいは裁判所と相談をしながら一番適切な方法を考えていく、そういう形で裁判所が許可権を行使するということになろうかと思っております。

山内(功)委員 最初大臣がおっしゃいました、暴力団関係者が二十億の休眠会社を購入して、素人の人を代表者に据えて、弁護士も味方につけて開業の許可を受けようとした。こういう場合に申請を出した場合に、法務省としては許可をされたのでしょうか。仮定の話で恐縮ですけれども。

房村政府参考人 このサービサー法では、暴力団がサービサーに進出することを防ぐためにさまざまな手当てを講じております。

 最低資本金を五億円以上として、容易に設立ができないようにしているということも一つでございますが、対策としてはそれだけではございませんで、警察庁の協力を得まして、許可をするに当たっては警察庁長官の意見を聞く。警察庁の方では立入検査権も有しておりまして、問題となっております申請会社について、暴力団関係者が含まれていないか、あるいは暴力団員がその事業活動を支配していないか、そういうようなことを調査した上、法務大臣に回答をするということになっております。

 また、取締役として弁護士の方に入っていただくということになっておりますので、日本弁護士連合会の協力を得まして、日本弁護士連合会において、問題となっております取締役の方について、サービサーの取締役としてふさわしい方かどうか、今委員御指摘のような、まさに暴力団に操られて名前だけを貸すというようなことであるかどうかというような点を十分調査していただいた上で意見をいただくことになっております。

 したがいまして、そのような仕組みが適正に機能すれば、今おっしゃったような場合は、当然それなりの回答をいただいて、法務大臣としても許可をしないということになるのではないかと思っております。

山内(功)委員 大学出の暴力団も結構います。また、暴力団のフロント企業は実に巧妙です。取扱債権が拡大すれば、それだけサービサーもふえてくる。その中には多少いいかげんな業者も出てくるのじゃないかと私は危惧をしております。そのような事態を招かないように、法務省あるいは警察庁として、もう少し厳しい姿勢を見せていただきたいと私は思うのです。

 先ほど、弁護士が最低一人取締役に入るのだからいいじゃないかというような議論もあったのですけれども、それでは、弁護士を常務させるという趣旨はどんな概念なんですか。

房村政府参考人 サービサー法では、常務する取締役を弁護士として定めなければならないとしておりますが、その趣旨は、必ず常時その会社に勤務していなければならないというところまでは要求しておりませんが、やはりその会社の規模あるいは取扱債権の処理の仕方、そういうものを勘案いたしまして、弁護士の方が、サービサー法の趣旨にのっとって適正な管理回収が行われているかどうか十分に目が届くような勤務形態と申しますか、そういう企業への関与の仕方を想定しております。

山内(功)委員 聞いていても全然あいまいな概念だと思うのですね。今回、貸金業者やノンバンクの持つ債権もサービサーが扱えるようになりましたし、例えば、担保物件に暴力団が占有をかけているというような場合もあるでしょう。つまり、取扱債権の種類がふえればふえるほど暴力団との接点もふえてくる、そういう意識は持っておいていただきたいと思うのです。

 弁護士の出勤が余りなければ、自分が頼まれて取締役になった会社が本当はペーパー会社であってバックに怖い人がいるのじゃないかとか、あるいは、自分が出勤しない間にこのサービサー会社が素行不良者を使って取り立て行為をさせるのじゃないかとか、そういうことを考えると、やはり勤務条件とか注意義務の範囲とかあるいは研修、そういうことについて、弁護士についてももう少し施策を考えていただきたいと思うのですが、提案者、法務省の御意見を伺いたいと思います。

山本(幸)議員 先生御指摘のところは、一番重要なところだと私ども考えております。

 サービサーをつくった趣旨は、まさに債権管理回収業から暴力団等陰の勢力をむしろ排除して、債務者にも利便が図られる、そしてきちっと監督された中で、おかしな取り立てじゃなくて、お互いに最大限の条件を考えた上でやっていこうと。その適正なやり方を定着させるためにサービサーを考えているわけであります。私は、そういう意味では、法務省にも警察庁にも、とにかく暴力団が絡んだようなことがちょっとでも起こったら、直ちに行政処分、すぐ取り消しということをやってくれと強く要請しております。

 また、弁護士を入れるという議論をいたしましたときに、日弁連の方々とかなり詰めました。その中で、日弁連にも、おかしな弁護士が入ることがないようにということでぜひその辺をお願いしたい、そういう意味で日弁連の意見を聞くということにもなっておりますし、あるいは単位弁護士会の推薦を受ける趣旨は、弁護士の中でも変な関係を持つような人は決してそれに入れないことを徹底しようということで考えたわけであります。

 おっしゃったように、そういう弁護士の先生に本当にしっかりしてやっていただかなきゃなりませんし、研修もちゃんとやっていただかなきゃなりません。また、これは範囲を広げるわけでありますので、数としてもふえていくと思います。しかし、その際には暴力団に一切関係させないように厳重な監督と注意を払っていくということは、私どもは、法務省、警察庁に強く要求していきたいと思っております。

房村政府参考人 先ほども申し上げましたように、サービサー法が取締役弁護士を要求している趣旨は、サービサーの内部から監督をすることによってサービサーによる業務の適正を確保するということにございますので、非常に重要な責務を負っているものと思っております。そういう意味で、現在、その取締役になられた弁護士の方々はそれぞれのサービサーの業態に応じて適切にやっていただいているものと思っておりますが、法務省としても、サービサーについては定期的に立入検査等を実施するということとしておりますので、その立入検査に際しましては、各サービサーの業務体制、取締役弁護士の十分な監督ができているかどうか、こういうようなことも含めて十分監督をしてまいりたいと考えております。

山内(功)委員 今回の改正で、利息制限法を超える利息を取っていた債権も取り扱えることになりました。過払い利息を元本に充当する、そして元金を減らして債務の整理をしていく、そういう作業を行うに際して、例えば帳簿の保存期間が三年であるということを言いわけにして、当初からの取引状況を明らかにしない業者がたくさんいます。消費者保護の理念からいたしますと、弁済資料のすべてがサービサー会社に渡るように手当てを講じるべきだと思うのですが、その点については、提案者、法務省はどう考えていますか。

山本(幸)議員 御指摘のとおり、今回、ノンバンクの債権を全部扱えるようにしたわけであります。これは、金融機関とノンバンクの実態を見ておりますと、サービサーの方々から聞きますと、不良債権処理でバルクセールというのが日常的に行われているわけでありますが、その際、区別して、これはいいけれどもこれはだめだというようにはとてもいかないということで、しかも、ノンバンクの機能というのも非常に大きくなっているので、これはいい、これはだめということがなかなか難しいということで、一応すべて取り扱えるようにしたわけであります。

 そうしますと、おっしゃったように、利息制限法を超えるものが多いわけでありますので、そこをどうするかという問題が起こってまいります。

 私どもは、これは厳密に利息制限法以内に引き直してしかだめですよというようにしたいと思っておりまして、そこで、譲り受けた場合に、貸金業法の規定で、その発生、消滅の経緯とか弁済履歴等の情報をすべて示して、それを残していかなきゃいけないわけでありまして、これはぜひ担保したいなと思っております。

 この点は日弁連との間でもかなり大きなテーマになりました。私どもとしては、貸金業法ではそういうふうにちゃんとなっているのですが、このサービサー法の体系の中でもそれはぜひ担保したいと思っておりまして、ぜひ省令でその手続として再確認するという意味で書きたい、省令そしてまたガイドラインではっきりとさせたいというように思っております。

山内(功)委員 今後生ずる論点としても、例えばサービサーが取得した個人情報についてどう管理するのかとか、あるいは、守秘義務が課せられた弁護士や司法書士に認められている住民票をサービサーがとれるのか、そういうような問題も生じてくるんだろうと思っています。

 最後に、二年ほど前に商工ローン事件で、金が払えなければ目の玉を売れ、腎臓を売ってでも金をつくって払え、そういうような事件がございました。こういう二年前の事件について、提案者はどう思っておられますか。

山本(幸)議員 まさにゆゆしき事件だったというように思っております。

 したがいまして、そういうことが絶対に行われないようにしていかなければいけない。そのために、このサービサー法で、許可を受ける会社は一切そういう威迫あるいは脅迫というようなことはしてはならないという規定も置いておりますし、そういうことをなくしていこうという趣旨で徹底してまいりたい。そのことをまた監督する法務省にもあるいは警察庁にもぜひお願いして、そういう事態が今後は起こらないというようにして、サービサーというものが社会的に認知されるというようにぜひやっていきたいと思っております。

山内(功)委員 本改正で気になる点をいろいろお伺いしましたけれども、総じて皆さん楽観的な答弁が多く、少し心配になっております。健全なサービサー制度を実現するために不断の努力が必要だということを申し添えまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

保利委員長 次に、日野市朗君。

日野委員 おはようございます。

 何か大臣は五十分にはこの場を離れるということでございますので、まず大臣にお伺いしたいと思うんです。

 今、日栄の話が出ましたね。目ん玉売って金つくれ、腎臓売って金つくれ。まあこれは非常に極端な例だと思うんだが、これはたまたま明らかになっただけで、もういっぱいあるんですよね。

 例えばシェークスピアのベニスの商人のクライマックスがありますね。あの金貸しのシャイロックが肉一ポンドを担保にして金返せと。ところが、ポーシャが、はい、とりなさいと。そうしたら、シャイロックが喜んで、ああダニエル様の再来だと言ってナイフを抜いて刺そうとしたら、肉は一ポンドとってもいい、血は一滴も相ならぬぞ、こうなるわけですな。まあ肉一ポンドとるというのは別として、ああいうシーンというのはやはり今まで随分あったんだと思うんです。

 今の日本でもありますよ。私なんかはもうしょっちゅう相談でいろいろ、目ん玉、腎臓まではいかないにしたって、ひどい脅迫行為、こういうのはあるわけですね。ですから、このサービサー法、大体サービサーという、サービスという言葉を使うのが気に入らないんですが、まあ便宜上言いましょう、サービサー法というのは荒っぽいなと僕は思って見ています。

 それで、そういう違法行為がないようにするためには、注意します注意しますとさっきから法務省は言っていますが、表面化してくるのはほんの一部なんだということをきちんと認識する必要があって、そこの監督を厳重にしていくということは何よりも必要なことだというふうに私は思っていますので、その覚悟のほどをひとつ、厳重に監督をやっていただきたいと思うんです。

 そもそも、大体、弁護士は少ないわ、裁判官は少ないわ、警察官も検察官も少ないわ、そういうところでこんなのが出てくる可能性もあったわけですが、今でもその状態というのは根本的に変わっていないわけですから。それは民事でございますというようなことを言って逃げるんだね、警察官や検察官に行くと。それは民事だから適当にやりなさいみたいなことを言うんですが、そんなことはあっちゃいかぬよと。そこは厳重に監督をするということ。

 それからもう一つ、司法制度改革によって弁護士がふえてきますね。そうしたら、もっと弁護士の果たすべき役割というものをきちんと位置づけていく、そういう見直しが必要になってくると思う。そういうことについて、大臣、いかがお考えでしょう。

森山国務大臣 前の御質問に対して提案者また法務省の当局からるる御説明いたしましたとおり、サービサーによる債権の回収については、厳重な監督を行いまして、いろいろ厳しい条件をつけてそれを監督するというやり方でやっております。

 先生御指摘のように、司法関係者の数が今まだ少ない。ふやすようにできる範囲で努力いたしておりますけれども、まだ十分ではございません。それらのことも含めまして、司法制度改革審議会で今御議論いただいて、間もなく結論が出るわけでございますが、そのような新しい事態にこたえられますように、司法制度改革全体として取り組んでいかなければならないというふうに思っております。

日野委員 今の御答弁、十分私は納得したとは言えませんが、時間の関係もありますから、どうぞ大臣、御退席いただいて結構でございます。

 では、今度は提案者に聞きます。

 さっきから陰の勢力、陰の勢力ということをおっしゃっておられます。陰の勢力を押さえ込むためにこの法律もあるんだというお話をしておりますが、私に言わせてもらえば、逆に陰の勢力を公認するような制度になっちゃっているんじゃないか。まだ制度が発足して二年、三年たっていないわけで、ですから私は詳しい内容をつまびらかに知っているわけではありませんが、そういう関係になってやしないかなという心配を一般的に持ちます。

 大体、弁護士さんが取締役になっていたって、取締役室にいて、実際取り立てをやって歩く人たちというのは別の人たちがやっている。それにちゃんと目が行き届いているかといえば、私は行き届いていないと思います。それに、こういう取り立てをする場合のノウハウというのはそんなにあるわけではない。おいおいまた聞いていきますが。ですから、私は、かなりのいろいろなことが行われているんだろうなと思います。

 今のところは対象になる債権や何かが限られていますから、そうひどい事例は表面化していないかもしれないけれども、今度は、山内さんは品がいいからノンバンクなんて言ったけれども、金貸しですよ、高利貸し。その連中の債権がこの特定金銭債権の中に入ってくるんですから、さてあの連中が何を始めるかなと思うと、私は非常に心配なんです。

 大体、私はあなた方のように与信機能がどうのこうのなんということを考えない。私は弁護士をやってきて、今まで、銀行といえどもその取り立てに手を貸したことはない。常にその逆の立場の人たちの弁護をやってきたのです。それは私の誇りでもある。そういう立場から物を申せば、これはそういう陰の勢力を公認することになるんじゃないか、そういう心配をするんですよ。

 それから、与信機能が健全に働くかどうか。

 こういうものは、商道徳、商売人たちのモラルの中できちんと本当は今まで機能してきた。それは、いろいろ問題があって、裁判所や何かもちゃんと動き出す、そういうシステムの中に包摂されてきた。ところが、弁護士も足らぬというようなこともあって、やみの勢力がはびこるという基盤もありました。

 このことは、例えば土地の問題についていえば地上げ屋があり、債権の問題については取り立て屋があり、暴力団が介在し、そういうことがいろいろあったことは私もわかるけれども、このサービサーというようなものを、外国人が本を書いて与信がどうのこうのなんと言っているけれども、日本は日本なりのちゃんとしたやり方が機能してきたのですね。それをぱっと捨てて、取り立て屋、これをサービサーなどという名前をつけて公認するということは、私は決して賛成できない。こういう意見に対してどう思います。

漆原議員 本当に、先輩の長い間の弁護士経験を通してお聞かせいただいて、そのとおりだと思うのですね。この法律で一番大事なところは、まさに今先生おっしゃった、やみの勢力が入ってくる、それをどういうふうに排除していくかというところが一番重要な視点だろうと思います。

 ただ、先生おっしゃったように、弁護士が少ない。それで、こういう事件の処理を依頼しても、裁判なんかしてもほとんど裁判上では何も取れない、判決をもらってもお金が取れない、また、事件も小さくて弁護士が扱わない、こんなふうな実情が日本にあるものですから、ある意味ではそれが、先生おっしゃるように、やみの勢力の方にみんな流れていって、見えない取り立て業者が横行して、目の玉を売れとかという話につながっていくんだろうと思います。

 そういう意味では、今回、そういうやみの勢力が来ることを排除しながら、オープンな業者として認知することによって、そしていろいろな法的規制を加えて、なるべくやみの勢力が入ることを防ぐような法規制を加えて、むしろやみから光の当たるように業者をとらえる、そういうふうに法律制度を育てていくことの方が、むしろ全体としてはやみの勢力を排して健全な債権取り立てが日本に実現することではないのかなというふうに思いながら先生のお話を聞いておりました。

 肝心なところは、やはりどうやってそのやみの勢力を排除するかだと思います。御存じのように、この法律でいろいろな条文が用意されていて、暴力団が来ることを排除して、また、設立のときから設立後においてもいろいろな規定が用意されておりますので、その趣旨をしっかり育てていくことがむしろ大事だなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

日野委員 大体このサービサー、こんなものをつくろうという動機づけというのは、銀行や何か、不良債権をいっぱい抱えて困っているところを何とかする、そういうところから始まっているわけだ。結局、今の柳澤大臣なんかが言っているオフバランス、そっちの方向に何とか持っていきたいというところから始まっている。

 銀行や何かの場合は、私も、銀行の持っている機能、それに伴うシステミックリスクなんというのはありますから、そこいらまではまあまあ我慢もするかというような感じもしないことはないけれども、五年以内の見直しというところで、まだ三年もたたないうちにぱあっと、見直しでございます、こう言ってくるわけですね。私はここらも非常に気に入らないところなんですよ。しかも、今度の改正というのは非常に大きな内容を含んでいるのです。

 今度は何でそんな改正に踏み込んでいったかというと、結局、緊急経済対策でございます、こういうことなんでしょうな。緊急経済対策の中に確かにあるんですよ。私も、何でこんなものが入ったのかなと思って見たら、ちゃんと書いてあるのです。これは恐らく柳澤さんあたりが言っている不良債権のオフバランス化。不良債権をオフバランスするというのは、単に銀行のみならず、どういう企業でもオフバランスすればこれは結構なことでございますから、それはオフバランス化したいということなんでしょう。

 そういうところまでは、まあまあ現状やむを得ないのかなと思うんだけれども、そのどさくさ紛れにいろいろなものを詰め込んできた。しかも、政令でもっとそれをふやそうなんというのでしょう。日本育英会なんて、私も、日本育英会のお世話になって勉強させていただいた身にとってみれば、日本育英会の金をためるなんというのは――実は私も二、三回ためまして、いや、これは悪意でためたんじゃなくて、忘れて払わなかったのですよ。そうしたら督促が来た。ちゃんとすぐ払いましたよ。やはり、二、三回のみならず、ちゃんとした請求をすれば、何も日本育英会あたりまで政令でその債権を特定金銭債権だなんてしなくたって――そこらの努力をしないで、こんな法律の改正案の中に、これはいいと言わんばかりに、金貸しだのと同列に、育英会というのはちょっと私も気がとがめますけれども、育英会だの地方自治体だの、そういうものを入れているというのは私は気に入らないんだな。全然気に入らぬ。

 それで、伺いましょう。

 緊急対策だ、こういうことですが、じゃ、金貸し、高利貸し、あの人たちの債権を特定金銭債権とするのは何の緊急性がある。

山本(幸)議員 先生御指摘の、気に入らないということのようでありますけれども、もともとサービサー法をつくるときにいろいろ議論をやりました。私どもとしては、当初からできるだけ対象を広くということでありましたけれども、そのときの議論で、先生御存じでありますけれども、とにかくスタートすることが大事だということで、相当程度制限されたわけであります。その経緯がございました。

 その経緯もありました上に、結局、それ以降も地価とか株価の下落は続いておりますし、大型の倒産もふえている。その結果、金融機関の不良債権は決して減ってきていない。そして、今お話がありましたように、不良債権のオフバランス化ということがぜひ重要になってきた。それが早く行われないと日本経済の早急な立ち直りはできない。その処理をやる上で、まさに受け皿として有力なものがこのサービサーであります。

 やっておりますと、実態として、私どもが聞いてなるほどなと思っておるのは、金融機関が直接貸しているのもありますけれども、ノンバンクを通じて貸しているのもあります。あるいは独立系のノンバンクの貸し付けもあります。企業から見れば、金融機関、銀行だけじゃなくて、ノンバンクからも当然借りている場合があるわけであります。

 その際に、不良債権処理をやろうというときに、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、実態的に一番多いのは、バルクセールという形でオフバランスをやる。そうすると、銀行のやつだけじゃなくてノンバンクのやつも一緒にバルクセールでやることが行われるわけでありまして、そのときに限定されておりますとその受け皿が見つからないというようなことがありまして、ぜひそれはサービサーにノンバンクのやつもすべて取り扱えるようにしないとオフバランス化というものができない、そうしないと日本経済の早急な立ち直りは難しいんじゃないかということを私どもは考えたわけであります。

 あるいはまた、流動化とか証券化の要請が非常に大きくなっておりますし、そしてまた大型倒産もふえてきて、この処理も急いでやる方がまさに日本の経済を緊急に立ち直らせるためにはぜひとも必要だ、そういう観点で、ノンバンクについてすべて取り扱えるようにしようということにした次第でございます。

日野委員 今のお話、表面的には非常によくできた答案であります。しかし、実態を見てみれば、あなたのおっしゃるとおりにはいかないんですよね。そこのところの議論は、これは財金あたりでやる議論になりますから。

 しかし、今ここに掲げてある新しく入ってきた貸金業、これは、貸金業法で規制され、届け出したほかにいっぱいあるやつ、いろいろな形態のやつがある。ですから、もっと絞る、今あなたがおっしゃったように、絞り込もうとすればそれはもっと絞り込みはあったろうというふうに私は思う。それで、実はこれ全部一つずつ聞こうかと思ったけれども、もう時間がそんなにないということでありますから、ここのところは非常に気に入らぬのだということをお話しして、次に移りたいと思います。

 何度も言いますが、サービサーなんという言葉を使うのは嫌なんですよ。ただ、債権管理回収業と言うよりはサービサーの方が言いやすいからそういう言葉を使いますが、サービサーの実態について、これは法務省でどのように把握しておられるか、伺いましょう。

 特定金銭債権、それを取り立てるためには、回収するためには、これはいろいろなことがあるわけですよ。ノウハウはいろいろありまして、さあ、その債権を返してくださいと言って手を出したって、だれもそれになんか乗っけやしませんから、では、裁判をやりましょう。裁判で勝ったにしたって、今度は、その判決を持って執行に行ったって何にもない、だれかの名義になっている。差し押さえの札を張ってくれば第三者異議が飛んでくるというような、いろいろなこれは難しい手段がある。

 結局話し合いをしながらということになるんでしょうが、話し合いだって、でかい声でやる話し合いもあれば、静かな話し合いもある、机をたたく話し合いだってあるでしょう。そういう回収のための行為、その周辺に行われるいろいろなこと。例えば電話を何回もかける、朝昼晩、夜なんか三回も四回もかける、これは全然違法でも何でもないでしょうな。そういうのをきちんと取り締まることはできるんですか。これを押さえることができるんですか。

房村政府参考人 サービサー法の十七条で、「業務に関する規制」として「業務を行うに当たり、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。」という規制を加えております。もちろん、電話で債権の請求をするということ自体、一般的に言えば適法な行為とは思いますが、おっしゃるような一日に何度も多数回電話をして請求する、あるいは深夜に電話をするというような請求の態様によっては当然、私生活の平穏を害するということに該当する場合もございますし、また、規則では、債務者との交渉経過についての記録を保存するようにという規則もございますので、そのような点で、おっしゃるような問題のある請求行為をすれば、この債権管理回収法に違反するという事態は当然起こり得る話になります。

日野委員 現実にそれが起きたらどこに言ってやればいいのか。例えば電話がばんばん来る、それはどこに言ってやったらいいんですか。

房村政府参考人 私ども法務省でこのサービサー法を所管しておりまして、現実に苦情の声が法務省に寄せられることもございます。そのような場合には、直ちに係官を派遣しまして、その当事者から事情を伺い、また、指摘を受けた債権回収会社に行きまして、その間の事情を調査し、例えば電話のやりとりの記録を見るというようなことで事実関係を把握しております。

 幸い、現在までのところ、威迫あるいは私生活の平穏を害するというような態様の請求がなされたことは確認されておりませんが、万一そのような場合があれば、苦情に応じて直ちに調査をする体制を少なくとも法務省としてはやっておりますし、また、その私生活を害された方が警察等に苦情を申し述べれば、警察においても、先ほど先生のおっしゃられたような、民事関係だから不介入だという考え方は警察も最近はとっていないというように承知しておりますので、そのような形で違法な行為がなされれば適切な対応がとり得るのではないかと思っております。

日野委員 一般の人々、それから企業、そういうところにとってまず一番身近なのは警察ですね。そうすると、警察にこういう取り立てがありましたということを言ったら、警察がちゃんとそれを捜査するというシステムはでき上がっているんですか。大体は警察は、それは民事ですからよく話し合って、これで終わりです。このごろは、警察の不祥事が言われるようになってから、よく話し合ってと言うようになった。最初は、民事不介入、これで終わりだったんです。それだけの違いです。

 そういうことがあったら、その連絡は、警察がまずそれを受理して、法務省のどこになるか知りませんが、法務省にそれを通知して、法務省が係官を派遣して調査をする、そういうシステムはでき上がっているんですか、どうですか。

房村政府参考人 具体的なシステムとしてでき上がっているという状況にはございませんが、法務省に苦情が寄せられた場合には法務省として対応しておりますし、警察から連絡があれば、それはその時点で当然法務省として対応することになると思っております。

日野委員 いや、問題なのは、きちんと組織が機能をする、そういう制度的な担保が実際にあるということが必要なんであって、私は特にこのサービサーなんかはそういうことがまず必要だと思いますよ。私がさっき、やみの勢力を公認することになりやしないか、こう言ったのは、我々は金貸しではない、我々はサービサーだ、そして乗り込まれたら、乗り込まれた先がどきっとすると思うんだね。ちゃんと法律にその根拠を持ってなんて言われると、警察あたりが乗り込んできたような感じになるかもしれない。何か証票を、身分証明書みたいなのを持っていくんですね。警察は警察手帳を持っている。余り違わないような感じもするので。

 こういうところを、アメリカは個人が回収業をやれるようになっているらしいが、非常に厳しい規制をやっているようですね。やはり、こういうサービサー法のようなものをつくるのであれば、そういうところまできちんとした気配りをした上でつくらぬといかぬですよ。私がさっき、この法律は随分乱暴な法律だということを申し上げましたけれども、一点、そういうところをきちっと配慮をするということが必要だということを、まず注意を喚起しておきたいというふうに思います。

 それから、特定金銭債権、これを売った場合の値段はだれが決めるんですか。また、回収の委託をした場合の手数料はだれが決めるんですか。

山本(幸)議員 譲り受け価格等は、基本的には当事者同士の自由な契約によって決まるということでございます。また、手数料についても、市場原理のもとで、サービサーと債権者との間で自由な契約によって決まる。

 それは、具体的にはいろいろ考え方があるようでありますけれども、債権データ管理等の管理手数料とか、あるいは回収額の一定割合で決める成功報酬等がありますけれども、個々の案件ごとによって中身が違いますので、これは、当事者同士で、市場原理に基づいた自由契約で決まるということでございます。

日野委員 私、いい資料をちょうだいしたんです、きのう、法務省の方から。そうしたら、とてもわかりやすい。許可会社数とか取扱債権額とか回収額とか、取扱債権件数を棒グラフで示してある。これはとてもいいなと思って見た。ただ、取扱債権額が平成十二年の十二月末で十九兆円、それから同じく十二月末で回収額が八千百億、こうなっていますね。非常にわかりやすい資料。それで、ちょっと私ぱぱっと計算をしてみたんですよ。計算をしてみたら、ざっと、もっと細かい数字まで言おうと思ったが、四%ぐらいなんですね、回収可能は。

 その中から手数料を払ったり、債権の買い取りの代金を払ったりするわけでしょう。そうすると、一体どのくらいが実際は回収として見込めているものなのか。平成十二年の四月二十四日で四十八社。それで割ってみると、さて、これはどれだけの人数を抱えて、どれだけの事務所を抱えて、どれだけの仕事ができるんだろう、こう思っちゃうんですね。まともなビジネスとしてこれはきちんとして伸びていけるのかい、実はこういう疑問を持ちました。

 そこで、債権の値段はどのくらいで、大体手数料というのはどのくらい取っているものなのか、わかったら言ってみてください。

房村政府参考人 個々の手数料額とか債権をどのくらいの額で購入しているかということについては、今手元に資料がございませんし、調査も十分いたしておりません。

 まず、先ほどの、取扱債権額が十九兆円で、それから回収額が八千百億円、四%の回収率という点でございますが、これは取扱債権が十九兆で、取り扱った債権のうち現在までに回収した額が八千百億円ということでございますが、これを調査をした時期というのが、サービサーが営業を開始してからそれほど経過していないということ、それから、債権のうちには一括して回収するものもありましょうし、長期分割して回収するものも当然あり得るわけでありますので、この十九兆の債権のうち八千百億円しか回収できなかったという形で回収率を計算するのは、必ずしも実態を反映しないのではないか。まだまだ回収に本格的に着手していない債権もこの十九兆円のうちには多く含まれていることは当然あり得る話でありますので。

 現に、過去の記録を見ますと、平成十二年六月末の段階では、十三・六兆円で回収額は三千四百八十億円ということで、どう見ても四%には達していない、大分低いパーセントになっております。それから半年経過した時点で回収率は高くなっているわけでありますので、それは時間の経過とともに回収する債権額がふえていくことが当然見込まれますので、回収率については、現時点でこの数字をもとにして計算するのは必ずしも実態を反映しないのではないか、こう思っております。

日野委員 銀行系の系列のサービサーだとか、それからいろいろありますね、信託系の系列のサービサーだとか。これはきちんとしたルールをつくらないと、報酬基準とか売買の際の基準とか、それはいろいろ難しいことはあります。責任財産がどのくらいある企業がつぶれて、そこに対する債権の売買だとか、ある程度の基準をつくらないと、まさに恣意的に運用されてしまう。後でちょっと聞きますが、これは課税の関係なんかもあって、いいとこ取りをされてしまう。その危険というのは大分あるなという危惧を私持っているのですが、これは提案者としてはどうお考えになっていますか。

山本(幸)議員 そういう考え方も当然あると思いますけれども、ただ、最近は規制緩和の流れの中で、証券の手数料も自由化していく、銀行の金利も自由化というような、むしろ、そういうものは当局がこうしなさいというように決めるんじゃなくて、個々の実態を反映して、市場原理で、当事者同士の契約で決めていくことを認めようという流れが金融界全体の方向ではないかなというふうに思っております。それはやはり重要なことで、そこで競争が起こってくるということだと思いますので、私どもとしては、むしろ市場原理に任せた方がいいんじゃないかなという感じでおります。

日野委員 市場に任せるといっても、市場として全く未成熟です。成熟していない。それに、系列ごとにサービサーが存在しているというような状況で、果たしてこれが健全に運営されるかどうかということについて、私は非常に強い危惧を持っているということだけ言っておきましょう。

 それから、税制上の問題についてちょっと、財務省からもおいでいただいていますので。

 例えば、特定金銭債権が譲渡されたとすると、その譲渡した方に対する税制上の処置はどうなるか。これは当然償却の問題が出てきますね。その場合の税制の取り扱いはどうなるか。

村上政府参考人 お答えいたします。

 債権をサービサーに譲渡した場合の取り扱いでございますが、このようなケースは、一般的に、金銭債権を帳簿価格より低い価格で売る、そういうケースになるかと思います。したがいまして、その譲渡価格と帳簿価格との差額は、その法人の譲渡損失になります。

日野委員 それでは、買い受けた方に対して、サービサーに対しての税制上の処置はどうなりますか。

村上政府参考人 特段サービサーだからどうということはないのですが、サービサーにとりましても債権の取得価格と譲渡価格がございますから、それがプラスになるかマイナスになるかによって、プラスになれば益金になりますし、マイナスになれば損金になるということだと思います。

日野委員 簡単明瞭というか。

 実際、平成十年ですか、債権放棄したときは無税償却を認めたということですが、じゃ、債権を売った方の企業にとっても無税で償却ということにしますか。

村上政府参考人 お答えいたします。

 償却という問題は、貸し倒れ損失の場合を償却と申し上げると思いますが、この場合、譲渡でございますから、譲渡損益の問題でございます。

 何でもいいんですが、当該法人がサービサーに売る。この値段は幾らかありますが、それは、通常、取得価格より下回った値段だと思います、そういう債権でありますから。したがって、そういう場合は、通常は譲渡損失になっているかと思います。若干、償却とは用語の使い方が違っております。

日野委員 銀行なんかがこれを使って直接償却ということを、いろいろもくろんでいると思いますが、そっちの方は、私もこういう制度があればまあいいかというような感じは持ちます。ただし、この制度は非常にいろいろ問題があるというふうに私は感じておりますので、はっきり言うと、私個人としてはこの改正案はだめよと実は思っているんですが、党のいろいろな決め方もこれありで、そこはどうなるか。

 それでは、最後に聞きますが、利息制限法との関係が書いてありますね。利息制限法の制限利息超過分の元本繰り入れ、これはちゃんとやるんですか。

山本(幸)議員 御指摘のとおり、利息制限法の制限利息を超過する利息等の定めのある債権について、超過分の元本繰り入れというものは、これは最高裁の判例で既に認められておりまして、当然、サービサーが譲り受けた場合にも当てはまることになります。

 ただ、サービサーがこういう債権を譲り受けた場合にこれを請求するときは、改正案の第十八条第五項の適用を受けることになりますので、適法利息に引き直した額しか請求はできないということでございます。

日野委員 ちょっとよくわからなかった。

 利息制限法適法利息でちゃんと清算をつける、こういうことですね。調べてみたら、今まで取り過ぎていた利息の部分、これは利息制限法よりもはるかに多い、では、元本から減らしましょう、元本を減らしましょうというところまでちゃんといくんですねということなんです。間違いありませんか。

山本(幸)議員 御指摘のとおりです。

 そういうふうにきちっと計算をし直す、そのための資料をちゃんと持っておいて、検査したときにそれを示せる、それができなければそういうものは扱ってはならぬということでございます。

日野委員 終わります。

保利委員長 次回は、来る五日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時二十四分散会




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