衆議院

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第4号 平成13年10月25日(木曜日)

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平成十三年十月二十五日(木曜日)

    午後二時開議

 出席委員

   委員長 保利 耕輔君

   理事 奥谷  通君 理事 塩崎 恭久君

   理事 田村 憲久君 理事 長勢 甚遠君

   理事 佐々木秀典君 理事 平岡 秀夫君

   理事 漆原 良夫君 理事 西村 眞悟君

      荒井 広幸君    左藤  章君

      七条  明君    鈴木 恒夫君

      棚橋 泰文君    松宮  勲君

      山本 明彦君    吉野 正芳君

      渡辺 喜美君    阿久津幸彦君

      枝野 幸男君    仙谷 由人君

      肥田美代子君    水島 広子君

      山花 郁夫君    青山 二三君

      藤井 裕久君    木島日出夫君

      藤木 洋子君    植田 至紀君

      原  陽子君

    …………………………………

   法務大臣         森山 眞弓君

   総務副大臣        遠藤 和良君

   法務副大臣        横内 正明君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   財務副大臣        尾辻 秀久君

   総務大臣政務官      山名 靖英君

   法務大臣政務官      中川 義雄君

   文部科学大臣政務官    池坊 保子君

   最高裁判所事務総局総務局

   長            中山 隆夫君

   最高裁判所事務総局人事局

   長            金築 誠志君

   最高裁判所事務総局刑事局

   長            大野市太郎君

   政府参考人

    (内閣官房内閣審議官

    兼司法制度改革推進準

    備室長)        樋渡 利秋君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制

   部長)          房村 精一君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    山崎  潮君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長

   )            工藤 智規君

   法務委員会専門員     横田 猛雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十五日

 辞任         補欠選任

  谷川 和穗君     七条  明君

  山内  功君     阿久津幸彦君

  不破 哲三君     藤木 洋子君

  植田 至紀君     原  陽子君

同日

 辞任         補欠選任

  七条  明君     谷川 和穗君

  阿久津幸彦君     山内  功君

  藤木 洋子君     不破 哲三君

  原  陽子君     植田 至紀君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 司法制度改革推進法案(内閣提出第一号)




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     ――――◇―――――

保利委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、司法制度改革推進法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として司法制度改革推進準備室長樋渡利秋君、法務省大臣官房司法法制部長房村精一君、民事局長山崎潮君、刑事局長古田佑紀君及び文部科学省高等教育局長工藤智規君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

保利委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所中山総務局長、金築人事局長、大野刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

保利委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥谷通君。

奥谷委員 自民党の奥谷通でございます。

 世界は今、歴史的な転換期を迎えております。今後、経済社会のグローバル化あるいは高度化はますます進むものと思われます。我が国におきましても、行政改革や規制緩和等で、事前規制型から事後チェック型へと社会が移行しつつあります。民法典等の編さんから約百年、そして日本国憲法の制定から五十年余がたった今日、より身近で、国民にとって望ましい司法へとの思いを込めて、いよいよ司法制度改革の審議が国会の場で始まるわけで、大きな責任と使命を感じつつ質問をさせていただきたいと思います。

 私の記憶では、去る平成九年一月の衆議院本会議において、当時の自民党の政調会長山崎拓衆議院議員が橋本内閣総理大臣に、新たな時代の司法のあり方についての代表質問をされました。これを受けて、同年の六月、二十一世紀に向けた司法制度改革のあり方を検討するため、自民党司法制度特別調査会を発足させました。平成十年六月、司法制度特別調査会報告「二十一世紀の司法の確かな指針」を取りまとめ、政府に対し、司法制度改革のための審議会の設置と司法関係予算についての格別の配慮を求めました。この報告書は同会長の保岡議員から橋本内閣総理大臣に提出され、政府においても、これを受けて、平成十一年七月、司法制度の改革と基盤の整備について国民的見地から調査審議するため、内閣に司法制度改革審議会が設置され、検討が始まったと聞いております。そして、その答申も出されたわけであります。

 そこで、法務大臣に伺いたいと思いますが、まず初めに、このたびの司法制度改革の意義についてどのようにお考えになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。

森山国務大臣 このたびの司法制度改革は、三権の一翼を担う司法の基本的制度を抜本的に見直すというものでございますが、行政改革を初めとする社会経済の構造改革を進めていく上でぜひとも必要なものであると考えております。国の重要施策の基本にかかわる重要かつ緊急な課題でございまして、ぜひとも実現しなければならないと思っております。

 司法制度改革審議会の意見におきましても、内外の社会経済情勢が大きく変わる中で、司法の役割の重要性が増大していることを踏まえまして、司法制度の機能を充実強化し、もって自由かつ公正な社会の形成に資するために、国民の期待にこたえる司法制度、司法制度を支える法曹のあり方、そして国民的基盤の確立という三つの柱のもとで、司法制度改革を強力に進めていく必要があるというふうに述べられております。

 この法案も、このような司法制度改革の重要な意義にかんがみまして、改革の基本的な理念及び方針、国の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、内閣に司法制度改革推進本部を設置いたしまして、司法制度を総合的かつ集中的に推進することによりまして、新しい時代にふさわしい司法制度を構築していこうとするものでございます。

奥谷委員 今、大臣の静かであるがかたい決意をお伺いいたしました。

 その次に、今度、具体的にどのようなスケジュールで行われようとされておるのか、お伺いしたいと思います。

森山国務大臣 この法案を成立させていただきました後は、速やかに司法制度改革推進本部を設けまして、その後できるだけ早く司法制度改革推進計画を策定いたしました上、本部設置期限であります三年を目途に、関連法案の提出などの法制上の措置その他の必要な措置を講ずる予定でございます。

 司法制度改革推進計画の具体的内容につきましては司法制度改革推進本部において検討されることになりますが、第五条の基本方針に従って講ずべきと考えられる法制上の措置その他の措置に関する計画が、本部設置後できるだけ早く策定されることになると考えられます。

奥谷委員 そこで、今出ました司法制度改革推進本部のことについてでございますけれども、この事務局については、いろいろな組織の構成、人事が考えられると思うのですが、どのような構成で発足させようと考えておられるのかをお伺いしたいと思います。

森山国務大臣 本部の事務局につきましては、内閣の責任のもとに、政府全体として、司法制度改革審議会意見の趣旨にのっとった司法制度改革を迅速かつ確実に実現していくことができますように、これにふさわしい体制を整備していきたいと考えております。

 事務局職員の具体的な人選につきましては今後行われていくことになりますが、関係省庁等から広く人材の派遣を求めるほか、弁護士等の民間人の活用についても積極的に検討していきたいと考えております。

奥谷委員 司法制度改革推進本部の事務局はこの改革のかなめとなると思われます。それだけに、その人選についてはよほど慎重に、そして偏らないものにしなくてはならないと思います。きのうの参考人質疑の中にもありましたけれども、市民参加で、国民の視点に立った、利用しやすく、わかりやすいものにしていただく努力をしていただきたいと思います。とかく法曹関係者は、役人に任せきりになると、わかりづらい、使いにくい司法というようなことにつながってまいると思いますので、そのためにも民間からの人材の登用の比重を高めていただきたいと思います。

 次に移らせていただきますが、今度の改革については、国民の目線に立ったとか、あるいは非常にわかりやすい、使い勝手のよいものというような言葉がキーワードになっていると思うのですが、いろいろな法律を見ておりますと、特に商法なんかは今もそうですが、片仮名の文語体が使われております。これは何もこの場で言うのが初めてでなくて、こういった話は今まで何度も聞いておるわけですけれども、今、現代教育において、この文語体の教育は恐らく学校ではされていないと思います。国民にとって特に縁の深い商法においてまだこういった片仮名の文語体が改められていないのはどういうことなんだろうか、今度の大改革の機会に一緒に改めるべきではないかなというような気もするわけでございますけれども、法務当局の見解をお伺いしたいと思います。

山崎政府参考人 ただいま委員御指摘の点、まことにごもっともでございまして、私どもも常に早目にやりたいというふうに思っております。

 ただ、おくれている事情を若干申し上げさせていただきたいと思います。

 文語体を使って非常に読みにくい、そのとおりでございます。それから、たび重なる改正、特に平成五年以降は毎年のように行っております。そういう関係もございまして、条文も、通常の条文から枝番、孫番というものもかなりふえてきております。そういう点で、非常に読みにくくなっている、見づらいというのは御指摘のとおりでございます。

 私ども、平成五年に民事局内に、商法学者を中心に現代語化の研究会を設けております。これで順次やっておるわけでございますが、現在中断しております。それは、御案内のように、毎年のように商法の改正がございまして、内容が変わっていってしまう。ことしになりましても、通常国会で、議員立法ではございましたけれども、金庫株等の大改正を行いまして、また、この国会にもストックオプションを中心にする改正案の御審議をお願いしているところでございます。また、来年にはそれ以外の本格的な改正の法案も提出させていただく予定でございまして、内容をまず優先したいということで、これがすべて終わってから、二年ほどかけて、それだけのために少し研究に没頭したいというふうに考えております。内容と一緒にやるというのは極めて難しいということでございますので、もうしばらく、しばらくといっても何年かありますけれども、御猶予を願いたい。我々もぜひ早く実現したいというふうに考えております。

奥谷委員 先ほど大臣の方から、この司法制度改革は大体三年を目途にというような話がございました。そうすると、それが終わってからこういったことに移る、こう解釈してもよろしいのでしょうか。

山崎政府参考人 来年実質的な改正、これが終わった後に二年ぐらいかけてということで、一応、まだはっきりはしておりませんけれども、平成十六年、このころをめどにやりたいというふうに考えております。

 また、実はこれ以外にも、民法の財産編等、この辺もまだ現代語化されておりませんので、それも引き続き検討をしなければならないというふうに思っております。

奥谷委員 ありがとうございます。

 とかく法律というのは本当に難解で、法律があるからこそ、なるべく裁判はやりたくないとか、こういった分野に国民は余り近寄りたくないというような気分が出てこようと思います。我々、いろいろな立場で憲法の改正なんかの論議をするときにも、日本の基本法である憲法というのは、最低、義務教育を受けた方が解釈できるような平易な文章にすべきであるというようなことも考えておりまして、特にこのような条文についてはだれでもが使いやすい形に一刻も早くしていただきたいと思うわけでございます。

 それから、また片仮名にこだわるわけですけれども、これはちょっと後学のために伺いたいのですが、今、いろいろと外国から入ってきた言葉が、新しく法律化されるときにわざわざ漢字に無理をして置きかえて説明しようとして、余計にその意味がわからなくなってしまうというようなケースがあると思うのですね。

 ちょっと調べてみたのですが、民事関係の法律で、例えばテレビ会議システムというのがありますが、これは「映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法」、こんな長くなってしまうわけなんですね。例えば、コンピューターというのは電子計算機と、これはもうわかりやすいですけれども、コンピューターシステムは電子情報処理組織、オンラインということになりますと電気通信回線、またちょっと変わりますが、ヘリコプターは回転翼航空機といって、ちょっと聞いたら一瞬戸惑うような表現があるのですね。こういったものはわざわざ無理をして日本語に置きかえなくてもいいんじゃないかなというような気がするのです。

 これは、何かこういう法律の文章をつくるときに、そのような伝統というもの、あるいは規則というものがあるのかどうか、そのあたりの理由をちょっとお伺いしたいと思うのです。

 それともう一つ、それをどなたが命名されるのかということですね。それをあわせて副大臣にお伺いしたいと思います。

横内副大臣 委員の御指摘は私も全く同感でありまして、法律は国民にとってできるだけ身近でわかりやすい表現でなければならないというふうに思うわけであります。

 そういうことですから、外来語につきましても、国民の間で意味内容が一義的にはっきりしていて誤解がない、そういうふうな外来語についてはできるだけそのまま使うというのが、わかりやすい法律づくりという観点から大事なことだというふうに思っておりまして、最近では外来語も随分法律の中に利用されるようになりました。例えばクレジットカードだとかビデオテープだとか、あるいはプログラムだとか磁気ディスクだとか、かなり外来語も法律の中に、法律用語として用いられてきているというふうに思います。

 ただ、委員の御指摘の中で、いかにも定着している外来語をわざわざ日本語に置きかえているというような印象がぬぐえないものも確かにあるのですけれども、それはそれなりの理由がございます。例えば、委員が御指摘になりましたコンピューターシステム、これなんかも、もうコンピューターシステムと言えばいいのですけれども、それを民事訴訟法では電子情報処理組織というような言い方にしております。これは、コンピューターシステムと言いますと一見わかりやすいのですけれども、しかし、どうもハードのコンピューターだけというふうにとらえられる、そういうふうに理解される心配があります。コンピューターシステムと言うとハードウエアとソフトウエアを一体としたシステムになるわけでありますが、単にコンピューターシステムと条文に書いたときにはハードのコンピューターだけというふうにとらえられる、そういう心配があるものですから、これを条文上は電子情報処理組織というふうに言っているのでございます。

 そういうことはあるのですけれども、国民の間で一義的に意味が確定しているようなものについてはできるだけ外来語をそのまま使っていくということにしていきたい、そういう考え方で今後法案づくりを進めていきたいと思っております。

 それをだれが決めるかというのは、立法の過程で、内閣法制局とか、いろいろなところの議論を経て決まるものでして、最終的には法務大臣が政府提案の場合には決めるわけでありますけれども、そういった担当官が十分な審議をして決めるということでございます。

奥谷委員 わかりました。

 こういったところも、何でもないようなことなんですけれども、六法全書にそのような漢字がずっと並ぶと、途端に拒否反応を起こして見づらくなってしまうとかいうようなことにもつながってこようと思います。こういったことも、国民の目線に立った形で、何げないちょっとしたことかもわかりませんけれども、そのあたりの感性というものもひとつ今度の改革にぜひとも織り込んでいただきたいと思います。

 予定しておった質問に、大臣、早く、手際よく答えていただきましたので、もう最後の質問になってしまったのですが、これもきのう日弁連の久保井参考人からお話があったわけでございますけれども、司法というのは、国の三権の一翼を担う大変大事な分野であるにもかかわらず、その予算のボリュームが非常に小さいというような議論がありました。

 今度の審議会の意見を尊重した司法改革の具体策を実現するためには、司法関係職員の大幅な増員とかあるいは莫大な予算措置が必須と思われますけれども、この点に関して大臣の決意をお伺いしたいと思います。

森山国務大臣 御指摘のとおり、それも大変重要な問題でございます。

 司法の果たすべき役割が大変重要になってきているということ、そして、司法制度改革審議会の意見を尊重した司法制度改革を実現していくことがとても大切であるということは、多くの方、ほとんどの方が認めていただいているわけですが、その役割を十分に果たすことができるようにいたしますためには、審議会の意見の御趣旨にのっとりまして、裁判所とか検察庁などの司法関係職員の人的体制の充実を図るとともに、その他もろもろの予算を十分確保いたしまして、基盤の充実強化に努めてまいらなければならないと考えております。

 具体的にはこれからやっていく話ではございますが、この司法制度改革の問題が話題になりましたときに閣僚の間で予算のことが問題になりまして、私も、今よりはかなりお金がかかるようになると思われるのでよろしくお願いしたいということを特に財務大臣にも申し上げてございます。財務大臣もこの精神には全く御賛成で、ぜひそれをやってほしい、私の方もできるだけサポートしますからというようなお言葉をいただいておりますので、まず内容を固めて、それに必要な予算をしっかりと要求していきたいと思いますので、御支援くださいますようお願いいたします。

奥谷委員 今、国の内外は本当に大きな問題が山積いたしておりまして、それも、テレビ、マスコミを非常ににぎわすような事件ばかりでありまして、その中で、地味といったら地味なんですけれども、やはり国にとっての一番重要な部分だと思いますので、この司法制度改革をしっかりやっていただきたいし、また、こちらもそれをしっかり応援させていただきたいというようなことを述べさせていただきまして、少し早いですけれども、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

保利委員長 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 きょうは司法制度改革推進法案の審議ということで、いよいよ司法制度改革も法案をどんどん提出していかなければならないという時期になってまいりましたけれども、この司法制度改革審議会が提出いたしました意見書の中には幾つか、まだまだ内容的には詰まっていない点、あるいは、書いてはあるけれども何かよくわからないなというような点もあります。まず最初に、そういった点を幾つかちょっと拾い出してみてお聞きしたいと思います。

 何か政府側の時間の御都合がいろいろあるようでございますので、本来、私が筋立てた筋書きとはちょっと違うのですけれども、まず最初に、この司法制度、特に、これから法曹界を目指していくいろいろな人たちがたくさんおられて、これから自分たちが司法試験を受けていくに当たってどうしたらいいんだろうか、どうもこの報告書を見ただけじゃようわからぬなというようなことも幾つかあるようなので、法科大学院についてまずちょっと質問してみたいと思います。

 どうもこの意見書を見ますと、法科大学院について書いてあることについて、何か、本当に現実性のある意見になっているのかよくわからないところが幾つかありまして、お聞きしたいと思うのですけれども、この意見書の中に、法科大学院は学校教育法上の大学院とすべきというふうにされています。この点については、我が党の中でもこれに対して異論を唱える方もかなり多いのです。そして、私がいただいたこの衆議院調査局法務調査室の資料の中には、来年、法科大学院関連法案を提出する予定であるというような説明がありました。

 そこで、ちょっとお聞きしたいのですけれども、学校教育法上の大学院とするということになっておりながら、なおかつ関連法案を提出しなければならないというのは、どういった点で法制度として手当てしなければならないことがあるのかということをまず教えていただきたいのです。

樋渡政府参考人 大学院につきましては、学校教育法上、教育研究上の基本となる組織や学位等に関する規定がありますほか、標準修業年限や教員組織等については文部科学省令に規定されております。

 今後、これらの規定について関係機関と連携しつつ検討を行っていく必要があるものと考えておりますが、来年提出をする予定の法案の中には、この法科大学院と、審議会の意見書で、教育と試験と修習とを一体としたプロセスとしての法曹養成をするということでございますので、それに関連いたしまして、司法試験の法の改正も念頭に置いて考えているところでございます。

平岡委員 今の御説明は、大学院関係の法案は特に必要ないけれども、その卒業生なんかについての取り扱いをどうするか、あるいは司法試験法の中でいろいろと手当てしなければいけない、そういうところがあるということですか。

樋渡政府参考人 大学院の関係におきましても、現在、大学院の修了者に対しましては修士あるいは博士という学位が与えられることがございます。

 この法科大学院は、二年でも四年でもない、三年という修業年限があるものでありますから、それに対しまして別の学位を与えるというようなことがありましたら、それは学校教育法の改正につながるというふうに思っております。

平岡委員 そもそも、学校教育法上の大学院とすることがいいのかどうかという議論もあるわけでありますけれども、今言われた話だと何かよくわからなくて、学校教育法上の大学院ではあるけれども何か特別な大学院であって、いろいろ手当てをしなければいけないことがたくさんある、こういう理解なんでしょうか。

工藤政府参考人 御指摘のように、学校教育法上の大学院をつくるに当たりましては、それ自体では新たな法律改正を要しないものでございます。大学をつくるに当たって、学校教育法上は、「学校を設置しようとする者は、設置基準に従い、これを設置しなければならない。」とあるわけでございまして、これに基づく大学院設置基準というのは省令レベルでございます。

 ただ、新しいスキームでございますから、審議会の御提言に基づきましてどういうカリキュラム、あるいはどういうスキームの大学院であればいいのかというのを関係の審議会でも今御議論いただいているところでございますが、それに基づいて新たな設置基準を少なくとも制定しなければいけないと私どもは考えてございます。

 ただ、今御答弁申し上げましたように、新しい三年制の法科大学院という構想なわけでございますけれども、これに伴って、これまでにございます学位としましては、学士、修士、博士の三種類でございますけれども、それ以外の新しい職業学位のようなものを構想するということになりますと、それは学校教育法を改正することになる可能性もあるわけでございます。

 他方で、この法科大学院構想の御審議の中では、そのカリキュラムそれから教員構成にもっと実務家の登用も含めた実際的な教育をというお話もございます。そうしますと、弁護士さん等の実務界の方々にも御参加いただく必要があるわけでございますけれども、そうしますと、例えば弁護士法に規定しております兼職、兼業の制限の見直しなどということも関係してくることになるわけでございまして、まず、そのあたりも含めて、関係省とも御相談しながら対応してまいりたいと思っております。

平岡委員 今の御答弁を聞いていると、これからどういう法律改正をするか、これからの審議いかんによってはようわかりません、どういう手当てがされるかわかりませんという話だったように思うんですけれども、そういう答弁だと、学校教育法上の大学院にこの法科大学院を位置づけるということを先に結論を出して、その後その枠の中で考えていこうという、何かえらいせせこましい議論になっているような気がしてしようがないんです。

 やはり、本来どういう教育をすべきで、どういう組織があるべきかということを考えてみれば、まず法科大学院というものはこういうものであって、そのためにはどういう法律の手当てが必要で、その法律が本当に学校教育法上の大学院におさまるのかどうなのか、そういう順序立てで物事を考えないと、何か文部科学省の既得権益というか権限の保持のために無理やり意見書でそう書かせてある、そんな印象をちょっと受けましたので、とりあえず私の感想だけ申し上げさせていただきたいと思います。

 それで、いろいろ心配なことがあるわけでありますけれども、例えば、この報告書の中に、大学院について広く参入を認めたいという表現があるんですけれども、どういうタイミングで、どれだけの大学院の設置を認可していこうとしているのか、この認可の基準というのは一体何なのか、こういったところがよくわからない。

 これは、いろいろ見ると、大体卒業した人の七割から八割ぐらいは新司法試験で合格させてあげましょう、ちょっと表現は違うんですけれども、七割から八割ぐらいは合格するような、そういうものにしていきたいと。それから、客観的な基準を満たしているものについては大体それは広く認めていきましょうと。合格者の数というのは大体将来的には三千人ということが決まっている。それを考えていくと、どこかに何か表現として矛盾があるような気がしてしようがないんですけれども、私としては。

 とりあえずお聞きしたいのは、広く参入というふうにこの意見書では書いてあるけれども、文部科学省としては、この大学院の設置についてはどういうタイミングで、どれだけの大学院の設置認可をしていこうというふうに今考えておられるのか、ちょっと整合性のあるところでお答えいただきたいと思うんです。

工藤政府参考人 司法制度調査会の最終報告によりますと、できるだけ早く、量、質ともに充実した法曹人の養成をということでございまして、法科大学院の立ち上げにつきましても、できれば平成十六年の四月からの学生受け入れを目指して諸準備を進めるべきであるという御示唆をいただいているところでございます。

 私ども、先ほど申しましたように、新しい構想の大学院の御提案でございますので、その中身、先生おっしゃいましたように、どういうカリキュラムが必須で、さらには、プロセスとしてどういう素養を身につけてもらえばいいのかというカリキュラムの関係、さらに、それに伴う教員、スタッフの関係等々の一定の枠組みが必要でございますので、どういう枠組みが最小限必要であるかということについて関係の審議会で御審議いただいてございまして、これをできるだけ早くおまとめいただきたいと思ってございます。

 ただ、国会での関連の制度づくりについての御審議もございますので、私どもとしては、その中間的なおまとめを年内にお願いして、さらには、来年の夏ごろまでには御答申をいただきたいというスケジュールで今御審議を賜ってございますが、平成十六年の四月開校となりますと相当時間的にはタイトでございまして、前年の六月から十二月までにかけて、その設置のための認可申請の審査手続がございます。その前に少なくとも全体のスキームが固まっていなきゃいけないということでございますので、私どもは、一応中間まとめという形で大学関係者に示すことによって諸準備をいろいろしていただきながら、申請の全体の手続に怠りないようにしたいと思っているわけでございます。

 それがスケジュールの関係でございますが、他方で、ではどれぐらいの認可をということでございますが、これは、私どもがあらかじめ量的に決めて、何校まで認めてそれ以外は認めないということではございませんで、今の学校の、大学であろうが大学院であろうが同じでございますが、私どもの権限保持というよりは、一定の基準に合致した御申請があれば、それは審議会に諮って認可するという仕組みでございます。

 そういう中で、各大学、国公私を通じて、これまで、司法制度改革審議会の審議の途中で、かなり熱意と関心を寄せていただきながら各大学で御検討いただいてございます。平成十一年からこれまでに、それぞれの大学でシンポジウムを開催するなどしていろいろ御準備いただいている大学をたまたま足してみましても四十一大学に上ってございますが、それぞれの大学で、今申し上げたような審議会からのスキームづくりのアウトラインが示されれば、それに沿ってさらに検討を加速して、十六年四月の開校に間に合うような御申請をいただけるのではないかと期待しているところでございます。

平岡委員 今、自分たちの方で、文部科学省で量的には決められないというお話があったんですけれども、この法科大学院修了者と新司法試験との関係というのが一体どうなるのか。特に、経過的な段階にあるときにどうなるのかというのがよくわからないというのもあるわけですね。

 例えば、この意見書を見ますと、新司法試験実施後も五年間程度は新しい司法試験とそれから現行の司法試験を引き続き実施すべきであるというふうに書いてあるんですけれども、例えば、新しい司法試験では合格者は何人ぐらい、現行の司法試験では合格者は何人ぐらいというのを決めるときに、この法科大学院が量的にどれだけ決められていくかわからないというような今の答弁の中で、一体どういうように考えておられるでしょうか。

樋渡政府参考人 審議会の意見では、第三者評価による適格認定を受けた法科大学院の修了者には新司法試験の受験資格が認められるということと、一方で、移行措置といたしまして、新司法試験実施後も五年間程度は並行して現行司法試験を実施すべきであるというふうにしているところでございます。

 それで、お尋ねのように、今後、実際に法科大学院がどのようにして立ち上がってくるかという現実を見きわめなければ、新司法試験と移行措置期間の現行試験との合格者の割合といいますか合格者数というのはなかなか決められないところがありますけれども、しかし、それらを踏まえながら、今後本部の中でそれを検討していきたいというふうに思っているところでございます。

平岡委員 今の答弁でよくわからなかったんですけれども、例えば、既に法科大学院の修了予定者が一千人ぐらいいるというような状況の中で、新司法試験の合格者というのは七割から八割と意見書に書いてあるから八百人にし、残りを現行司法試験で受験した人たちが合格者となるというように司法試験を設定していくということなんですか。

樋渡政府参考人 意見書の中で述べております七、八割の合格といいますのは、あくまでも、新しくできます法曹養成機関であります法科大学院の授業、教育内容が、その教育を受ければ七、八割が合格できるような程度の充実した教育をすべきであるということをおっしゃっているだけでございまして、法科大学院卒業者から七、八割を合格させろというような提言はございません。

 したがいまして、どのような教育内容になるかによりまして、そのような充実した法科大学院ができなければこれまた一つの大きな問題になるわけでありまして、そのように充実した教育内容ができるような法科大学院をつくるために努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。

平岡委員 今の説明を聞いてもよくわからないです。本当によくわからないのは、例えば、千人の法科大学院修了見込み者がいても、その人たちのレベルが低いということならば、合格予定者というのは三百人に設定するというようなこともあり得る、大体千五百から三千に拡大していくときに残りは現行司法試験で採っていく、そういうことがあるということですか。

 新司法試験の受験者、合格者と現行司法試験の受験者、合格者というのは一体どういうふうに設計されるんですか。それがわからないと、これから司法試験を受験しようとする人は、一体自分はどうしていいのかよくわからないという世界に入ってしまうように思うんですけれども、ちゃんとそれはできるんですか。

樋渡政府参考人 これからつくっていくところでありますので、いろいろな御懸念、御心配、いろいろあるということは十分承知しております。

 しかしながら、私どもといたしましては、そのような御懸念がないように、立派な法科大学院ができるように、審議会の意見書で言っているような、そういう充実した教育内容ができる法科大学院ができればスムーズになっていけるものというふうに確信しております。

平岡委員 余り長くやっても仕方ないんですけれども、とにかく、司法試験をこれから受ける人たちというのはたくさんおられて、この人たちが一体これからどうして勉強していったらいいのかわからなくなるようなことにならないように、ちゃんと論理性のある仕組みをきちっとつくって、そして、できるだけ早くそうした仕組みを提示していただくことをまずお願いしたいというふうに思います。

 それでは、この司法制度改革審議会の意見書の中で、意見書自体が、これから検討していかなければいけないというようにしている点についてちょっとお伺いしたいと思うのです。

 まず、そうしたこれから検討していくべきだというふうに位置づけられているものとして、行政事件訴訟のあり方についてはこれから政府の中で本格的な検討を行ってほしいというような趣旨のことが述べられているんですけれども、政府としては、これからこの行政事件訴訟についてはどのような検討をどのようにして行っていくことになるんでしょうか。

森山国務大臣 御指摘の問題につきましては、司法制度改革審議会の意見におきまして、行政事件訴訟法上の課題、個別行政実体法上の課題、行政手続法等の関連法制との関係、行政訴訟に対応するための人的基盤の問題等に言及いたしました上で、「国民の権利救済を実効化する見地から、「法の支配」の基本理念の下に、司法と行政それぞれの役割を見据えた総合的多角的な検討が求められる」とされたところでございます。

 推進本部におきましては、このような審議会の意見の趣旨を踏まえながら、所要の検討が進められるものと考えております。

平岡委員 何か人ごとみたいに、所要の検討が進められるものと期待するとかと言われても、これは、検討するのは一体どこですか、だれが検討するんですか。

樋渡政府参考人 本部で検討を進めていくことになりますが、後ほどお尋ねがあるかもわかりませんが、検討会等を設けながら、その中で真剣に議論をしていただけるものというふうに思っております。

平岡委員 今、本部で検討すると。本部というのは、後でも出てきますけれども、国務大臣が本部員ということで、優秀な方が多いんだと思いますけれども、果たして行政事件訴訟についてきっちりとした議論のできる本部員の方々がどれだけおられるか、私は非常に疑問だと思っています。

 今、検討会というお言葉が出ました。申しわけないんですけれども、私は新聞なんかではちらっとそんな言葉が出ていたというのを知ってはいるんですけれども、その検討会というのは、法案の中にもありませんし、いろいろな法律の資料の中にもございません。一体それは何ですか。一体どんな存在なんですか。

森山国務大臣 司法制度改革のための具体的なさまざまなテーマにつきまして、それを検討するに際しては、その範囲がいろいろ広範にわたりますので、幾つかのテーマごとに、学者、実務家、有識者などによります検討会を設けまして、意見交換を行いながら事務局と一体となって作業を進められるような体制をつくっていく必要があるのではないかと考えております。

 検討会の構成につきましては、その役割を考えまして適任の方にお願いできるように、今後人選が行われていくものと考えます。

平岡委員 不適任な方は選ばれないんだと思いますけれども、検討会というのをつくって、では、その検討会というのは一体どういう法律上の役割を果たし、どういう権限といいますか、その検討会の結論に対してだれがどのように従わなければいけないのか。そうしたこともさっぱりわからない中で検討会と言われてもちょっと検討しづらいんですけれども、一体、この検討会の力というのはどの程度のものなんでしょうか。結論に対してどれだけの拘束力を持っているというふうに考えたらよろしいんでしょうか。

樋渡政府参考人 拘束力といいますか、要は、いろいろなテーマにつきまして、学者あるいは実務家、一般の有識者等に参加をしていただきまして、事務局と一体となって議論をしながら立案作業全体を進めていきたい。これが、審議会の意見書にもありますように、審議会の意見書が国民の視点から出した結論であり、引き続き国民の視点から実行に移してほしいというお考えを披瀝されておりますけれども、それにこたえるものとして、幅広くいろいろな方の意見を聞きながら、事務局を一体として、そして立案作業を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

平岡委員 今幅広くいろいろな意見を聞いていくということを言われましたけれども、それは、検討会の方にだれか参考人みたいにして呼んで意見を聞くという意味ですか。それとも、検討会の構成メンバーの中に国民各界各層からのいろいろな人に集まってもらって検討会を行っていくという意味ですか。どっちでしょう。

樋渡政府参考人 結論を端的に申し上げますれば、両方を考えております。

平岡委員 この問題についても、行政事件訴訟は非常に難しい問題がたくさんあろうと思いますけれども、やはり国民の意見ができる限り反映されるような仕組みの中で今後のあり方を検討していっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 それから、審議会の意見書の中でまだ詳細が決まっていないものとして、裁判員制度というのがあるわけであります。裁判官と裁判員の数をどうするか、あるいは評決方法をどうするか、これがこの意見書の中では明確に書かれていなくて抽象的な考え方しか書いていないということで、法律を策定するに当たってはもっともっと具体的なことを詰めていかなければならないということになろうかと思うんですけれども、この点についてはどのように検討を行っていくことになるでしょうか。

森山国務大臣 裁判員制度におきましては、司法制度改革審議会の意見の中で、「裁判員の主体的・実質的関与を確保するという要請、評議の実効性を確保するという要請等を踏まえ、この制度の対象となる事件の重大性の程度や国民にとっての意義・負担等をも考慮の上、適切な在り方を定めるべきである。」とされております。このような意見を踏まえた上で、幅広く各方面の御意見をお聞きしながら、今後十分に検討してまいりたいと考えております。

 国によっていろいろなやり方をしているということは私も先般見聞してまいりまして、それぞれの国の考え方や裁判のあり方、あるいは国民の意識その他いろいろなことを検討した上で、日本に最もふさわしいやり方を探していきたいと考えています。

平岡委員 私が質問したのは、結果がどうなりますかという話じゃなくて、数のあり方とか評決のあり方がどうあるべきかというのをどのように検討していくんですかということをお聞きしたんですね。でき上がる結論が、各国のいろいろなものを見て日本によりふさわしいものをつくっていく、これはある意味じゃ当然だと思うんですけれども、その結論に向けて、どのような方法でそういう結論を導いていくのか、そのやり方、進め方、段取り、そこをお聞きしたいんです。

樋渡政府参考人 その点も大きなテーマでございまして、それにつきましても、先ほど御説明しましたように、検討会のようなものを設けまして、その中でいろいろな各層各界からの御意見を承りながら、また慎重に検討していきたいと思っております。

 審議会の審議の中でも、数の問題についてはいろいろの御意見がございました。そこでまとめられたのがあの意見でございまして、要は、主体性を確保するための要素、それから、実際の裁判体の中で行う評議というものが実効的になるような体制、そういうようないろいろな要素を加味しながら裁判員の数を決めるべきだというのが審議会の意見でございまして、その御意見を踏まえながら慎重に検討会等におきまして結論を出していきたいというふうに考えております。

平岡委員 今のテーマ、裁判員制度の問題についても検討会を設けて検討していきたいというようなことの趣旨がありましたけれども、さっきの答弁の中でも、テーマは広範囲にわたるのでテーマごとに検討会を設けて検討していきたいというお話がありました。そうすると、今考えているテーマの範囲といいますか、検討会というのは大体どのぐらいできるんですか。どの程度の範囲のものというか、検討会が検討するテーマというのはどのぐらい幅広いものが予定されているんですか。

樋渡政府参考人 この検討会は、本部が設置されましてから、本部において、どういうテーマごとの、あるいはテーマをひっつけた大きなテーマでの検討会をつくるかということは決めていくものだろうと思います。

 しかしながら、現在でも準備室ではその準備はしておりますので、一応の考えは持っております。要は、今の裁判員制度、あるいは被疑者、被告人の公的弁護制度のあり方、法曹養成のあり方、それから裁判官、検察官、弁護士等の法曹のあり方と、あといろいろありますが、審議会の意見にのっとってありますような大きなテーマにつきましては、検討会にも人に来ていただかなきゃなりませんので、百人も二百人も個々ばらばらに集まっていただけるかどうかもわかりませんし、そういうような物理的な、人的なことも考えながら、現在のところは、数個にまとめた検討会ができないものだろうかというふうに検討しているところでございます。

平岡委員 先ほど、国民の皆さんからあるいは国民の視点に立って幅広くいろいろな意見を聞いていく場として検討会を設けると。逆に言えば、検討会を設けられないと国民の皆さんから幅広く意見は聞けないのかもしれません。そういう意味では、一体今の段階で検討会というのをどの程度のものを考えているのか、検討会で検討しなければならないと考えているテーマというのは一体どういうものがあるのか、それをちょっと、後ほどでも結構ですから資料としてお出しいただければというふうに思います。ということでお願いしたいと思うんです。

 それでもう一つ、この検討会のテーマになるのかならないのか私はよくわからないのでお聞きしたいと思うんですけれども、きょうの新聞にも、触法精神障害者処遇法案で政府・与党が大体意見を決めたというような新聞報道がございました。この新聞報道が正しいのかどうかわかりませんけれども、今政府の部内においても、法務省・厚生労働省合同検討会で触法精神障害者問題について検討しているというふうに私も承知しております。この問題については、今回の司法制度改革との関係は一体どのようになるんでしょうか。

保利委員長 先ほど平岡委員から要請がありました資料については、提出よろしゅうございますか。

樋渡政府参考人 はい、提出いたします。

森山国務大臣 触法精神障害者の問題が非常に喫緊の課題であるということはもう十分承知しておりますが、いわゆる司法制度改革、今御審議いただいているこの法案に係る司法制度改革は、平成十三年六月十二日に内閣に述べられた司法制度改革審議会の意見の趣旨にのっとって行われるものでございます。この意見にはいわゆる触法精神障害者に係る問題は述べられておりませんので、この問題と司法制度改革は直接基本的な関係はないというふうに思っております。

平岡委員 意見書に基づいて司法制度改革をしなければいけないのかもしれませんけれども、まずは司法制度改革はどうあるべきかということがあって、そのもとで意見書というものが出されているわけでありますから、意見書に書いてないから一切ほかのことは司法制度改革とは関係ありませんと言われてもちょっと困るんです。

 ちなみに、きょう新聞にたまたま出ていましたから、今、法務省・厚生労働省合同検討会で検討しているという触法精神障害者問題についての検討状況というのはどのようになっているんでしょうか、それから今後の見通しというのは一体どんな状態になっているんでしょうか。

森山国務大臣 もちろん、司法制度改革の大きな意味ではこのような問題もその意味の中に入るということはよくわかっておりますし、むしろ、三年ということを目途に考えようとしている現在御審議いただいている法案に係る司法制度改革よりも、もっと急がなければならないかもしれないというふうに思っております。

 重大な犯罪に当たるような行為をした精神障害者の処遇という問題は、かねてからいろいろ課題になっておりましたんですけれども、殺人などの重大な犯罪に当たる行為をした精神障害者の処遇がどのように決定され、またどのように処遇されるかについての被害者を含めた社会の関心に十分こたえるという必要があると思うんでございます。

 そのような観点からいたしますと、入院治療の必要性とか退院等の判断に当たり、医療的な判断にあわせて法的な判断を伴う仕組みの検討が必要であるということでございまして、先ほど御指摘ありました新聞記事はちょっとどうかと思うんですけれども、現在、入退院の判定機関のあり方も含めまして、具体的な施策のあり方について厚生労働省と法務省の専門家がいろいろと詰めた勉強をしております。

 なるべく早く結論が得られるようにいたしたいと考えておりますが、まだ御報告申し上げられるような具体的内容が決定しているわけではございません。

平岡委員 この問題については、司法制度の一環として取り組むようなことになるんであれば、やはり司法制度改革の中でどのような位置づけになるのかということを明確にしてやる必要があろうと思いますけれども、その前提の問題として、司法制度はどうかかわるべきかというまた別の問題があろうかと思いますので、そこはまた慎重に検討していただきたい。我々も今いろいろと勉強しておるところでありますので、慎重に検討していただきたいというふうに思っております。

 それでは、時間が余りないので、推進法案の中身についてちょっと入りたいと思います。

 この法律を見ますと、第一条のところに、この法律の目的ということでいろいろ書いているんですけれども、司法の果たすべき役割というものについてどのように認識しているかという中で、どうもこの司法制度改革というのは、これからの国の仕組みのあり方、例えば国の規制の撤廃であるとか緩和が一層進展するといったような事態を踏まえて何か司法制度改革をしていかなきゃいけないんだというふうに書いてあるように見えるんですけれども、この司法制度改革審議会の意見書の中にも、実は、これまでの司法のあり方、裁判所が行ってきたことについてのいろいろな評価も書いてあります。

 ちょっと読みますと、裁判所というのは、「国民の権利・自由の保障を最終的に担保し、憲法を頂点とする法秩序を維持することを期待されたのである。裁判所がこの期待に応えてきたかについては、必ずしも十分なものではなかったという評価も少なくない。」と、非常に遠慮がちではありますけれども、これまでの司法が必ずしも十分に機能してこなかったのではないかというような問題点も指摘してあるわけですね。

 そういう意味からいうと、この司法制度改革をしなければならないという原因の一つが、ただ単に、これからの国の仕組みのあり方が変わってくるから変えるんだということじゃなくて、本当に今まで司法のあり方が憲法が期待しているようなものとして機能してきたのかどうか、そうした反省に立ってもこの司法制度改革は考えられていいんじゃないかと思うんですけれども、法文には全くそんなことは書いていない。

 ということで、改めてお聞きしたいと思うんですけれども、これまで我が国の司法というのは、あるいは裁判所なり司法制度というのは、十分な機能を果たしたというふうに考えておられますでしょうか。これは、法務大臣にお聞きするよりはむしろ最高裁にお聞きしなければいけないんですけれども、まず法務大臣からお答えいただきまして、その後、最高裁にお聞きいたしたいと思います。

森山国務大臣 我が国の司法制度につきましては、今までも国民のニーズにこたえるべく大変努力が重ねられてきて、多大の効果を上げてきたということは事実だと思います。ただ、国民各層から、世の中の動きも速うございますし、このままでは困る、あるいは今まででも、自分たちが見るところいろいろ問題点があるように思うという声が寄せられてきたことは事実でございまして、そのことは十分承知しております。

 司法制度改革審議会の意見におきましても、「法曹三者は、我が国の司法制度改革が社会・経済の変化等に柔軟に対応してきたとは言い難いことについて真摯に反省しなくてはならない。」と、先生御指摘のように述べているところでございます。

 政府といたしましては、これらの意見を十分に踏まえまして、司法制度改革の実現に全力を挙げて取り組みまして、国民のニーズにこたえる新しい時代にふさわしい司法制度、そして、今まで問題として考えられてきたさまざまな点の反省の上に立って、新しいものをつくっていくように努力したいと思います。

中山最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 戦後、我が国の司法制度は大きく変化いたしましたが、その後、さまざまな社会状況の変化の中で、適正迅速な紛争の解決、あるいはルールに基づいた公正な解決という機能の面では、裁判所あるいは司法制度というものは基本的に国民のニーズに対応し得る水準を保ってきたのではないかというふうに考えております。

 しかし、この間、国民の意識は大きく変わってまいりました。あるいはまた、近年、高度技術化とか社会の複雑多様化が一層進展してきております。

 そういう中で、司法制度についても、大規模な訴訟あるいは専門的な訴訟というものが非常に長くかかる、さらには、司法へのアクセスがなかなかできない、さらに、質量ともに法曹は豊かとは言えない、そのために国民と司法との距離が非常に大きい、そういったような問題点が指摘されてきたことも事実であり、この点については最高裁としても同様の問題意識を持って、そのことは審議会における裁判所のプレゼンテーションでも率直に認めてきたところであります。

 審議会の意見書は、このようなこれまでの問題点というものを踏まえて、あるべき司法の将来像という観点から、国民の期待にこたえる司法制度、司法制度を支える法曹のあり方、さらには国民的基盤の確立という三つの柱に立脚して改革の方向性を示したものであり、裁判所としても非常に大きな意義を持っているものというふうに考えております。

 裁判所としては、このような改革の方向性を踏まえて、今後、今回のこの司法制度改革に積極的に取り組むつもりでありますし、また、司法制度の実績と問題点を検証し、不断に改革を検討していきたいと考えているところであります。

平岡委員 これまでいろいろ司法についての問題点が指摘されている一つの大きな原因といいますか責任というのは、私はやはり最高裁にあったのではないかという気がいたします。今、果たしてどれだけ反省された文章になっていたのかどうかわかりませんけれども、国民のため、国民の期待にこたえる司法制度ということで検討していきたいというお言葉がありましたけれども、本当に国民の視点に立った司法制度改革に向けていくためには、やはりこれまで大きな責任を持っていた最高裁も、これまで一体どんな問題があったのかということを十分に認識して、その責任を自覚した上で取り組んでいっていただきたいというふうに思っているわけであります。

 そういう意味でいくと、今回の司法制度改革における最高裁判所の役割というのは一体何なんだろうか。最高裁判所というのは、この法律の中では一言も出てこない。ある意味では国という言葉の中に入っているんだという説明もありましたけれども、一体最高裁はこの司法制度改革についての役割をどのように考えているか、そして、みずから持っているいろいろな改革案というのがあるんだろうと思いますけれども、そうした意見をどのように反映させていこうというふうに考えておられるのか。これは、最高裁にお聞きするとともに、その意見を多分聞くことになるであろう政府の方、両方から御意見を伺いたいと思います。

中山最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 今回の法案の対象とする司法制度改革の推進は、内閣に提出されました改革審議会の意見の趣旨に沿って行われるものであり、先ほど申し上げましたけれども、裁判所としても、司法制度を担う国家機関として、司法権の立場から、国の他の機関等と協力しながら、みずから改革の施策を策定し実施していく役割、義務を担っているものと考えております。その根拠条文というのは、今委員から御指摘があった三条というふうに考えているところでございます。

 裁判所としては、施策の内容や位置づけ、検討状況等に応じて、推進本部の求めに応じ各種の資料の提供をするほか、必要な意見交換、情報交換を進めるなどして可能な限りの協力をしてまいるつもりでございます。また、より適正迅速な裁判の実現あるいは裁判官任用のあり方等、裁判所がみずから進めるべき課題につきましても、主体的、積極的に検討を進め、裁判所の目指す、先ほども御指摘のあった、国民の立場に立った司法制度の実現に貢献してまいりたいと考えている次第であります。

平岡委員 それでは、その意見を受けとめることになるであろう政府の方はどういうふうに思っておられるんでしょうか。特に、私は思うんですけれども、最高裁が仮に何かいろいろな意見を持っているとした場合に、それを受けとめる、今回の司法制度改革推進本部の体制というのは一体どういうふうになっているんでしょうか。

樋渡政府参考人 最高裁判所におきましても、先ほどの御説明がありましたように、積極的にこの改革に取り組んでいただけるものというふうに確信しております。

 政府といいますか推進本部といたしましても、最高裁判所とは、また日弁連とも同様でございますが、緊密な連絡をとりながら、十分意見交換を行って改革を進めてまいりたいというふうに思っております。

平岡委員 私が聞きたかったのは、どういう枠組みの中で最高裁の意見が反映されるかということなんですけれども、特別な枠組みというのはないんですか。事実上、意思疎通を図っていれば大体それでいいという、そういうものでしょうか。

樋渡政府参考人 特に特別な枠組みというものを現在のところ考えているわけではございません。推進本部が成立しましてからまた別の考えが起こるかもしれませんけれども、とにかくその意思の疎通を図ることが大事だということで、定期的に推進本部と日弁連あるいは最高裁と連絡をとり合っていくというところでございます。

平岡委員 ぜひ最高裁も、司法制度の中核を担っているのが裁判所であるという自覚を忘れないで、本当にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 法曹三者という場合に、もう一つの主体というのが弁護士さんたちであろうかと思うのです。今回の法案の中に、第四条というところに「日本弁護士連合会の責務」という表現で書いてあるんですけれども、どうも私、日本弁護士連合会というものが今までも司法制度あるいは裁判のあり方についてさまざまな御意見を出してきたという実績があることは認めるものなのですけれども、そもそも、日本弁護士連合会の役割というのを考えてみると、第四条で、こんな形で責務を課すことが果たして法律的にできるものなのだろうか、この法律の規定によって一体どんな義務を、責務を弁護士連合会が負っているというふうに考えたらいいのか、その辺が私にとっては非常にわかりにくいのです。

 そもそも日本弁護士連合会というのはこういうものであって、この規定によって、今回つくる法律のこの第四条の規定によって一体どういう責務を負うというふうに考えたらいいのか、説明していただきたいと思います。

森山国務大臣 日本弁護士連合会は、弁護士の使命及び職務にかんがみまして、その品位を保持し、弁護士事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする法人であるということが弁護士法に定められております。

 司法制度改革審議会の意見では、例えば、弁護士情報の公開、弁護士の執務体制の強化、専門性の強化、弁護士会運営の透明化など、日弁連に関係する改革事項が多数挙げられておりますので、司法制度改革の総合的実現のためには非常に重要な部分でございます。政府、最高裁等のほかに、日弁連が、必要な、積極的な取り組みを行っていただくということが不可欠であると考えております。

 そこで、この法律案では、日弁連について、司法制度改革実現のため必要な取り組みを行うように努める旨の規定を置いたところでございます。

平岡委員 今の御答弁でいきますと、この法律によって日弁連に責務として課しているものというのは、そもそも日弁連が法律上認められている役割の中で、いわば弁護士の関連ですね、その部分に限定して弁護士連合会の方に責務を課しているというふうに今ちょっと私には聞こえたんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

樋渡政府参考人 当然のことながら、日本弁護士連合会が積極的に自主的に改革をしていただく部分が審議会の意見でも指摘されておりますし、また多かろうというふうに思いますが、これは日本の司法制度全体を改革していこうというものでありますから、その部分にとどまらず、この司法制度改革について必要な取り組みというものに御協力いただける、また積極的に日弁連の方で取り組んでいただけるというふうに思っておりまして、その旨の規定でございます。

平岡委員 今、優しい言葉であったのですけれども、日弁連もこの司法制度改革に協力していただけるものと思いますというような、そんな表現があったのですけれども、国の方で、国というのは例えばこの推進本部等、あるいは最高裁も含めて、何か決まったら日弁連はその方針に従って協力しなければいけないという義務がこの中で生じるんですか。

樋渡政府参考人 あくまでも日弁連といたしまして必要な取り組みを行っていただくということでございまして、何か政府が決めたことを守る義務づけをするとか、そういうような規定ではございませんで、いわゆるこれは抽象的な責務規定ということでございます。

平岡委員 抽象的な責務であろうとそうでなかろうと、やはり責務の範囲というのがあるわけでしょう。ここからここまでの責務がある、これを超える部分はない。具体的には言えないかもしれませんけれども、抽象的であっても、どこからどこまでの責任があるかということは当然あるわけであって、どこまで一体日弁連は責務を負っているのか、どこから先は負っていないのか、この辺が非常にこの条文はあいまいなんですね。

 だから、日弁連にとってみれば、この規定によって、政府から頼まれればそれに従わなければいけない、そんな義務が生じてしまうのじゃないか。そう考えると、これは本当に不思議な規定であるというふうに私は思うのですけれども、もう一度、日弁連がこの規定によってどういう義務を負い、どういう義務は負ってないのか、もう少し明確にお答えいただけますか。

樋渡政府参考人 要は、日弁連の方で今般の司法制度改革に必要な取り組みをしていただくということでございまして、その取り組んでいただける範囲といいますのは、司法制度改革全般にわたることであります。

 ただ、抽象的責務を負った規定であるといいますことからも、この規定に何か反したとかなんとかというようなことで制裁効果を伴うような規定でもございませんので、そこは日弁連が自主的に、いろいろな、日本のためにいい制度をつくるように積極的に貢献していただく、そういう立場で考えていただけるものだろうというふうに思っております。

平岡委員 ちょっと答弁しにくいのかもしらぬので角度を変えて聞きますと、例えば、日本弁護士連合会で司法制度改革の実現のためにはぜひこれが必要だと思っていることが、政府として全く受け入れられないというような場合、あるいは逆に、政府としてぜひこれが必要だというふうに考えているけれども、日本弁護士連合会の方ではそれは全く受け入れられないというような事態が生じたときには、一体どういう関係になってしまうのでしょうか、この第四条のもとでは。

樋渡政府参考人 基本的には、そういうことがないように、緊密な連絡をとりながら、協議を続けながら、そしていい司法制度を考えていこう、立案していこうということでございます。

 しかしながら、内閣が責任を持ってこの司法制度改革を進めていく、内閣が司法制度改革に責任を負っているということは変わりはないことでございます。

平岡委員 今の言葉の中でははっきりとしていませんでしたけれども、政府がこういうふうにすることに決めたからといって弁護士連合会が拘束されるものではないという前提の中で、そういう事実上の衝突が何とか生じないように一生懸命皆さんで相談して決めていきます、こういうこととして説明されたような気がするのです。

 政府が決めたことに拘束されるという意味ではないんだということをちょっと確認させてもらいたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

樋渡政府参考人 推進法案を立案いたしました準備室といたしまして、なかなかお答えしがたいところでございまして、要は、この改革は内閣が責任を持っていることでありまして、それと、司法の制度にかかわっておりますいわゆる法曹三者、これが協力をして改革を進めていくということでございます。

平岡委員 余りやっていても意味がないのかもしれませんからもうやめますけれども、第四条というのは本当に法律として何か意味があるのかなという率直な感じがいたします。

 そういう意味で、この規定があるから弁護士連合会は政府の言うことを聞かなきゃいけないんだとかというようなことにならぬように、ぜひ注意していただきたいとは思います。

 そこで、ちょっと次の話に行きます。

 司法制度改革推進本部の規定がこの中に盛られているのですけれども、新聞なんかを見ますと、先ほど検討会という言葉もありましたけれども、何か顧問会議というような言葉も出ておったように記憶しているのですけれども、顧問会議というのは、実際何か考えておられるのですか。もし考えているとしたら、その役割とメンバーの構成、これがどんなものになるというふうに考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。

森山国務大臣 推進本部には有識者による顧問会議のようなものを設置して、大所高所からの御意見をいただくということと、司法制度改革審議会の意見に沿った改革であるかどうかについての御意見を伺うということも必要であろうと思います。

 当該会議の構成につきましては、その役割に照らして適任の方にお願いできるように十分検討してまいりたいと思っております。

平岡委員 適任の方というと、まあそれは不適任な方は絶対いないので、適任な方はわかっているんですけれども、一体どういう範囲の人をその構成メンバーとして考えているのですか。先ほど、検討会の方は国民各界各層幅広くメンバーを集めてくるというような話がありましたけれども、この顧問会議は一体どういう人たちを考えているんですか。

樋渡政府参考人 これから内閣において人選していただけるものでございますが、幅広い御意見を言っていただける適切な方を探していただきたいというふうに思っております。

平岡委員 今、これから内閣が選んでくれるというような表現がありましたけれども、こういう顧問会議とかというのは、何でこれは法律の中でちゃんと書かないんですか。例えば、こういう人たちで構成される会議であって、そしてこの会議の権能、権限というものはこういうものであってというものがないで、何か知らぬけれども新聞で見たら顧問会議というのが何か書いてありました、そんなものできるでしょうかねと、どんな役割を担うかもようわからぬ、どんな人たちがなるかも内閣が勝手に決める、そんなんじゃ、ここで法律の審議をするという意味がどこまであるのか。実際には、この検討会とか顧問会議というのがかなりこれからの具体的な司法制度のあり方を決めていく、あるいは監視していくという立場に立つんだろうと思うんですけれども、そういうことは全く触れられない法律とは一体何なんだろうかというふうに思います。

 その点についてどのようにお考えになっているか答えていただかないと、ある党が修正案を用意していまして、賛成せざるを得ないようなことにもなってしまうかもしれないので、ぜひ明確に答弁していただきたいと思います。

森山国務大臣 顧問会議が設置された例といたしましては、中央省庁等改革推進本部の例がございます。このときも、顧問会議の設置については法律上は書かれませんで、政令で定められておりまして、今回もこの例を踏まえて検討してまいりたいと考えております。

平岡委員 その例を踏まえてこれから考えていくというんじゃ、我々も責任がちょっととれないんですね。やはり、そういう方向であるならば、少なくとも顧問会議あるいは検討会というのは、先ほど検討会についてはいろいろ分野をお願いしましたけれども、顧問会議というのはどういう役割でどういう人たちによって構成されるのかということを、この法律の審議を終わるまでにはちょっと示していただかないと、あとはもう政府にお任せしますというわけには私たちいかないように思うんですけれども、いかがでしょう。

森山国務大臣 先ほど申し上げましたように、大所高所からいろいろと幅の広い御意見をいただける有識者の方というふうに私たちは希望しておりますが、これから本部そのものがスタートいたしましてから考えられることだと思っております。

平岡委員 法務大臣お一人だとは言いませんけれども、政府としては、この法案を提出した立場なんですから、組織というのはこの法案で予定しているこれからの物事の進め方についての基本的な部分ですね、それについて考えていることがあるならちゃんとそれを具体的に我々に示していただいて、それで我々が納得するならこの法律にも賛成しましょう、もしそれが納得いかないんだったら、残念ながらこれはちょっと反対せざるを得ませんね、そういう議論に進んでいかないと、何かここでの議論が非常に形式的な議論に終わってしまうように思うんです。

 この顧問会議は、先ほどの検討会を含めて、どういう役割を担い、どういうメンバーによって構成されるかということを、この審議が終わるまでにぜひ示していただきたいというふうに思います。

 もう一度お願いします。

森山国務大臣 大変残念ながら、まだ具体的なことは申し上げられる段階ではございませんので、本部がスタートしてから検討して決定されるものと思っております。

平岡委員 今の答弁は全く納得していませんので、場合によっては私個人的にも反対させていただくかもしれませんので、よろしくお願いします。

保利委員長 次に、漆原良夫君。

漆原委員 公明党の漆原でございます。

 今回の司法制度改革の眼目の一つとして、基本方針にも示されておるとおり、法曹人口の大幅な増加、裁判所、検察庁等の人的体制の充実といった司法制度を支える体制の充実強化が挙げられております。いわば、国全体としては行財政改革といったことで小さな政府を目指している流れの中で、司法改革はむしろ大きな司法を目指していると言うことができると思います。

 そこで、きょうは総務省、財務省においでいただいておりますが、まず総務省にお伺いしたいと思っております。

 この意見書の中ではこう言っております。

  全体としての法曹人口の増加を図る中で、裁判官、検察官を大幅に増員すべきである。

  裁判所書記官等の裁判所職員、検察事務官等の検察庁職員の質、能力の向上を一層推し進めるとともに、その適正な増加を図っていくべきである。

  司法を支える人的基盤については、行政改革を円滑に実施する観点からも、その飛躍的な増大を図っていくことが必要不可欠であって、そのために、法的措置を含め大胆かつ積極的な措置をとるべきである。

こういうふうに意見書では述べられておりますが、この人員の増加について総務省は特段の配慮をしていかなきゃならないというふうに私は考えておりますが、総務省のお考えを聞きたい、こう思います。

遠藤(和)副大臣 先生今お話ありました司法制度改革審議会の意見、この意見につきましては内閣として最大限に尊重する、こういうことに総務省も変わりはございません。ただ一方、政府といたしましては、国家公務員の定数について、昨年七月に閣議決定した新たな定数削減計画があるわけですね。これは、省庁再編後の十年間で二五%の純減を目指す、こういう行政改革方針でございますけれども、これを堅持するということも大変大切なことでございます。

 そこで、私ども、組織と人員を管理するという総務省の立場といたしましては、まず法務省の中で、具体的にどういうふうに増員の徹底した抑制と定員削減の努力ができるか、こういうところを私たちは期待しております。そして、そういう中で重点的に増員する、こういうお話でありましたら、めりと張りをきちっとつけていただいた上で対応したい、このように考えているところでございまして、めりはなくて張りだけというのは、私ども納得できないところでございます。

漆原委員 今回の司法制度改革について、法曹人口の大幅増員ということで、裁判所も、十年間で五百人の裁判官の増員をしたい、また、法務省も、十年間で千名検察官の増員をしたい、これから司法改革をその人数によってなし遂げてまいりたい、こう決意をしております。

 裁判官五百人、検察官一千人となりますと、その下に働くところの書記官の方、事務官の方、たくさんの人員が、その同数または一・五倍ぐらいの数が必要になってまいります。それがなければ、この司法改革というのは私は絵にかいたもちになるだろうと思います。どうぞ遠藤副大臣、その辺をよく御理解いただいて、総務省としても格段の措置をとっていただきたい、こうお願いしておきたいと思います。

 では、続いて財務省にお伺いします。

 私は、この司法改革というのは、もうとにかく挙げて財務省の胸三寸にかかっているだろう、幾らここでたくさんの人がたくさんの時間を費やして議論しても財務省がうんと言わなきゃ何にもならない、もう挙げて村上副大臣の双肩にかかっておると思います。

 本法六条は、政府に、基本方針に基づく施策を実施するために必要な法制上の措置だけでなくて財政上の措置を講ずる義務を定めておるところでございますが、これは、審議会の「裁判所、検察庁等の人的体制の充実を始め、今般の司法制度改革を実現するためには、財政面での十分な手当てが不可欠であるため、政府に対して、司法制度改革に関する施策を実施するために必要な財政上の措置について、特段の配慮をなされるよう求める」という意見書に基づいて、こういう対応になったと思っております。

 福田官房長官も、「内外の社会経済情勢の変化に伴い司法の果たすべき役割はより一層重要になると考えられ、司法制度改革審議会の意見を尊重した司法制度改革を実現していくことは極めて重要であり、司法がその役割を十分に果たすことができますよう、所要の予算を確保し、司法の基盤の充実拡大に努めてまいりたいと考えております」というふうに答弁をされております。

 財務省は、この司法制度改革実現のために、予算措置については特段の配慮をなされるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。

村上副大臣 委員のおっしゃるとおりでありまして、司法制度改革においては、裁判官、検事等の人数をふやすことを目指しておりまして、御高承のように、裁判の遅延問題、それから、最近はストーカー等のいろいろな複雑多岐な犯罪が起こって、捜査能力のアップを図るという意味で、本当に気持ち的には全く委員と同じ気持ちであります。

 しかしながら、御高承のように、ちょうど今から二十年前は国と地方の借金が大体百二十兆でパーヘッド百万だったんですが、七、八年前に大体三百六十兆でパーヘッド三百万、たった七、八年のうちに景気の下支えと不良債権の処理のために何と六百六十六兆になったわけですね。先ほど来、遠藤副大臣がおっしゃるように、その中でどういう調和を図っていくかというのが、まさに二律背反と申しましょうか、忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならずで、まさに政治家として本当に胸が痛むところであります。

 そういうことで、我々としましても、国家公務員にかかわる厳しい状況を認識しつつも、やはり委員の言われるような問題に的確に対処していくために、我々もありとあらゆる知恵を使って、めり張りのきいた定員配置を実現する中で、必要な措置を講ずるように財政当局としても懸命に適切な対応をしてまいりたい、そのように考えておりますので、今後とも御指導、御鞭撻をお願いしたいと思います。

漆原委員 総務省、財務省、本当にありがとうございました。これで質問を終わりましたので、どうぞお引き取りいただいて、今後の御活躍を御期待申し上げます。

 次に、法案についてお尋ねしますが、実は、きのう、参考人の質疑といいますか、参考人の意見を聞くことができまして、大変私は感銘を受けたことがあります。

 若林参考人がこうおっしゃっていました。今度の司法制度改革審議会の意見書というのは非常に抜本的で踏み込んだ内容になっているというふうに言っておられました。なぜこれがこんなに踏み込んだ、国民の観点から見ればすばらしい内容になったか。その原因として四つぐらい挙げられておりましたが、その一つにこうおっしゃっていました。審議会での審議が委員主導でなされた、官が黒子に徹したからだというふうにおっしゃっていたんですね。官が黒子に徹して、いわゆる官でない審議会の委員のメンバーが一生懸命議論したからこうなったんだという指摘をなされて、私も本当に同感だという実感でございました。

 この司法制度改革の目的というのは、その一つは、国民により利用しやすく、わかりやすく、頼りがいのあるものとするというところにある以上は、民主導、官は黒子に徹するという審議会におけるこの姿勢というのは、私は、司法改革については最後まで貫いていかなきゃならない姿勢じゃないのかなというふうに思っております。

 この観点から法案を見ますと、先ほど平岡委員がいろいろな質問をされておりましたが、実際に詰めの作業を担当するのが事務局になるんだろうと思うんですが、この事務局から先の方がどうもよく見えないというか、不透明。先ほど顧問会議の話もありました、検討会の話もありました。メンバーはどうなるんだという質問に対しても、今後本部で検討をしていく、適切な人が選ばれるだろう、そんな話で、いよいよわからないなという気持ちでいっぱいでございます。

 しかし、ここのところはやはりこの委員会で明確にしておかないと、せっかく民主導で進めてきた司法制度改革がある意味では最後の詰めのところでまた官主導に逆戻りしてしまうんじゃないのか、国民の意思が十分に反映されない、そういうふうな司法改革になってしまうんじゃないか。

 まだまだ詰めなきゃならない問題がたくさんある。特に裁判所改革なんというのは、ある意味では、もう本当に今までからいったら考えられない、裁判官の評価をするというふうな、そういうシステムを導入しようということでございますから、これは今までの法曹三者の中では到底出てこないような考え方だと私は思うんですね。これを推し進めていくためには、やはりそういう国民の意識というのが前面に出て、それが詰めの作業をしていかなきゃ、本当に意見書のとおりの実現はできないんじゃないか。また官に逆戻りしてしまって、ある意味では国民の期待に十分沿えないような結論になるんじゃないかという危惧を本当に私持っております。

 そんなことで、平岡さんと重複しますが、もう一度聞きたいと思うんですね。まず事務局の体制なんですが、事務局員は一体何名いるのか、その中で法務省の役人は何人いて、裁判官ですか、裁判所は何人入って、民間人は何名ぐらいいるのか、そして民間人の職種はどんなものなのか。その辺をお答えいただきたいと思います。

樋渡政府参考人 お答えいたします。

 司法制度改革審議会の意見におきましても、最後のくだりで、本意見は利用者である国民の視点から大幅な改革を提言するものであり、今般の改革は引き続き利用者である国民の視点から取り組まれるよう求めるなどと指摘されているところでありまして、司法制度改革を推進するに当たりましては、改革推進過程の透明性を確保するとともに、国民各層からの御意見に十分に耳を傾けつつ改革を進めることが重要であるというふうにきちんと認識しております。

 このような観点から、会議の内容の公表とか、インターネットを通じての国民への情報の提供、電子メール等による意見の受け付け、有識者、関係者からのヒアリング等によりまして、改革推進過程の透明性を確保するとともに、国民各層からの意見に耳を傾けつつ改革を進められるようにしてまいりたいというふうに思っております。

 事務局の構成でございますが、現在、準備室は三十五名の体制でやっております。そのうち、他省庁、法務省以外の省庁から八省庁で十二名来ていただいておりまして、そのほかは、法務省に籍を置いておりますけれども、裁判所出身者が六名、弁護士出身者が二名でございます。この数で現在準備室をやっておりますが、推進本部を設置した段階では、設置をしますれば、五十数名の体制でできればというふうに思っております。そのことで弁護士の出身者もふやしまして、また、それ以外に、弁護士さん以外の民間人の方にも、あるいは非常勤という形になるかもしれませんが、参加をしていただければというふうに考えております。

 いろいろなところからの意見を集められるようにそういう体制を整えていきたいというふうに思っております。

漆原委員 今、弁護士を二人とおっしゃったんですか、数名とおっしゃった。弁護士を除いて、例えばマスコミの方とか消費者団体の方とか、そういう民間人を何人くらい入れるのが妥当だとお考えでしょうか。

 要するに、この法案をつくるまでは私たちの仕事だけれども、この法案をつくったら、その後のことはその後の本部がやる仕事なんだから私は知りませんということではいけないと私は思うんですね。だから、準備室から本部に移るわけなんだけれども、そこのところを明確に橋渡しをしていただかないと、つくったはいいけれども、どんなものができるか私は知りませんよという態度では私はいかぬと思うんですね。

 そういう意味で、もう腹案をもちろんお持ちだし、ある意味では人選もお考えなんだろうと思っておりますが、この五十数名の中に法曹以外の民間人が何人くらい入ったら相当とお考えなのか、そこをはっきりおっしゃったらどうでしょう。

保利委員長 室長に申し上げます。

 もう少し大きい声で。聞き取りにくいものですから、よろしくお願いします。

樋渡政府参考人 委員御指摘の、そういう幅広い御意見を賜りながら進めていくというところで検討会というものを考えておるわけでありまして、検討会といいますのは、先ほども若干説明をさせていただきましたけれども、事務局と一体となってやっていく、それが数個の検討会を設けますと数十名の方に入っていただくということになるわけでありまして、その人選はこれからさせていただこう、幅広い意見を言っていただけるような検討会にしていきたいと思っております。

 先ほどの事務局というのは、結局、本部のもとにおけます事務局でございまして、その事務局員といいますのは原則としては公務員でございますので、したがいまして、その数の割合、要は民間の方からも入っていただこうというふうに考えているわけでありますけれども、例えば弁護士等も含めました民間の数が七、八名程度は入っていただければいいなというふうに思っております。

漆原委員 弁護士も含めた民間の方が五十数名中七、八名というふうにお伺いしておきます。

 顧問会議、検討会というふうに今議論になっておりますが、この意見書の中で、これから検討をしなければならない論点というのはもうほとんど決まっているわけですね。そうでしょう。これから検討しなきゃならない、詰めなきゃならない課題といいますか、論点というのは決まっているわけですから、だから、その論点ごとに相当数の検討会をつくる、検討会をつくって委員を、メンバーを募ることになるんでしょうけれども、決まっているならば、人数も大体決められるし、数もわかるわけですから、いっそのことみんな事務局の中に組み込んじゃって、顧問会議も全部事務局の中に組み込んだらどうなんでしょう。そして、その中の審議をオープンにしていく、これで一番わかりやすいんじゃないかなと。

 本部は官を中心にして、検討会それから顧問会議は民を中心にするということなんでしょうけれども、権限も役割もわからない、こんな状態でいいんでしょうか。本来、全部これは事務局の中に入れたらどうなんでしょう。いかがでしょうか。

樋渡政府参考人 要は、形式的な問題というよりも、実質的に検討していただく、実質的に立案作業を進めていくためにどうするのがベターなのかということであろうと思います。

 事務局員として入っていただくよりは、そういう幅広い意見を持った方はかなりお忙しい方もいらっしゃるでありましょうし、そういう方に検討会委員として入っていただいていろいろな意見を言っていただく、あるいは、顧問として大所高所からの御意見を伺うという方法も一つあって、これはそれなりにいい考えではないかなというふうに思っておるのであります。

漆原委員 そういう方向でできているんだと思うんですが、その場合に、検討会とか顧問会議というのは民間人が中心になるということでよろしいんでしょうか。

樋渡政府参考人 当然そうでございます。

漆原委員 その場合に、まず、顧問会議の職務内容、役目は一体何なのか、検討会の役目は何なのか、そして、それと事務局との関係性は一体どうなるのか、この辺をお尋ねしたいと思います。

樋渡政府参考人 顧問会議は、先ほど申し上げましたかと思うのでありますが、具体的には、まず原案は事務局でつくるはずでございますので、本部の進めております立案の内容が、審議会の意見の趣旨にのっとったという推進法案第一条の目的、それから二条の基本理念にあるような内容になっているかどうかということを御賢察いただく、内容を見ていただく、あるいは事務局を叱咤激励していただくとか、いろいろな大所高所からの御意見を賜る機関だというふうに思っております。

 検討会につきましては、事務局と一体となってその立案作業を進めていく、要は、民間の方から入っていただきます実務家とか学者あるいは一般有識者の方々が事務局員と一緒になって立案作業を進めていく、そういう仲間だというふうに思っておるわけであります。

漆原委員 まず顧問会議なんですが、これはお目付役だということをお答えいただきました。そうすると、お目付役であれば、何人のお目付役になるかわからないんだけれども、この司法制度改革審議会の意見書のとおり進んでいるかどうかという観点から事務局を監督する、こういう立場だとすれば、相当数のメンバーはこの審議会のメンバーになってしかるべきだろうなと思うんですが、いかがでしょうか。

樋渡政府参考人 それは、今後人選に当たって考えていただくことだろうと思うのでありますが、審議会の意見は意見書として出されておりまして、審議会の委員を務められた方でなければそういうお役目を引き受けていただけないというふうには考えておりません。

漆原委員 この意見書ができた経過、いきさつ、議論の過程は審議会のメンバーが一番よく知っているわけですから、ぜひともそういう人を、今のところ一人しか入らないという話も漏れ聞いているんですが、もう少し数をふやしたらどうかなというふうに思っております。

 しつこく聞いております検討会なんですが、事務局と一緒になって論点ごとに一体になってやっていくんだ、これは私、結構だと思うんです。しかし、必ず一体になってやるべしということなのか。場合によっては、この問題は事務局だけでいいや、この問題はひとつ検討会に検討させようやというふうな判断を事務局は持っているんじゃないのかな、こう思うんですね。

 例えば裁判官制度の改革では、裁判官の任命手続の見直しだとか、人事制度の見直しだとか、裁判員制度の導入だとか、要するに、いまだかつて考えられなかったような改革の内容が提言されていて、そこのところが詰めが残されているわけですよね。意見書で方向と大枠なものを示しただけで、詰めは残されている。そこのところを、これはもう事務局だけでやっちゃおう、検討会に付さないで事務局だけでやれるから事務局だけでやろうじゃないか、こんなふうにもしもなったのなら、審議会の意見は全く生かされないことになるだろうと私は思うんですね。

 したがって、検討会つくっても構いません。しかし、私は、この意見書の中の未決定部分、詰めの部分、残された部分、これは必ず検討会に付するというふうな原則を立てないと、先ほど申しましたせっかく民主導で来たものが最後のところでどんでん返しを食らうような結果になりやしないかと心配をしております。

 この未決定部分のところの詰めは必ず検討会に議論をさせる、そしてその議論の過程をオープンにしていく、これによって国民の監視のもとで国民の意見が反映された司法制度改革の詰めが実現できるんじゃないか、こう思っておりますが、いかがでございましょうか。

樋渡政府参考人 そういう委員の御懸念のないような形で検討会というのは構成してやっていきたいというふうに思っております。

漆原委員 いや、それはもう当たり前の話でありまして、私は何でこんなことをぐだぐだ言うかというと、この法律の中に書いてないものを設けるんだ、顧問会議にしても検討会にしてもこの法律の中に書いてないものをつくって、そこに判断をゆだねる、だから、そのやり方によっては変なことになりはしませんかということを心配しているわけですね。

 ですから、検討会にやらせる、それが実務としてやりやすいんだというのであれば、それはそのとおりだと私は思います。だけれども、そうであるならば、先ほど私申し上げた懸念、民主導で来たものが最後になって官主導になってしまうんじゃないかというこの懸念を払拭されるような措置を、あるいは答弁をしておいていただかないと、やはり不安が残るんですね。

 先ほど申しました検討会に付するかどうかの権限は事務局が全部持っているわけですから、微妙な問題は裁判官、法務省、弁護士という事務局だけでできるわけですね。これではやはり審議会の意見というのはそこでは生かされないんじゃないかという危惧を持っております。

 やはりその危惧を払拭するような御答弁をいただきたいな、こういうふうに思いますが、改めてもう一度お伺いします。

樋渡政府参考人 審議会の意見書の中で、検討すべきである、そういうふうに書かれてあるテーマにつきましては当然に検討会を、その一つ一つのテーマごとに十も二十も検討会をつくるということではありませんが、検討会のテーマにはなるだろうと思います。

 また、事務局が勝手に、これはこれ、これは検討会をつくらないととは、事務局が考えることは考えるのでありますけれども、顧問会議もございますし、諮りまして、そんなものじゃだめだよと言われれば、また考え直さなきゃならぬ問題でもございます。

 要は、意見書に載って、意見書の検討すべきだということは、何らかの形で、いろいろな幅広い意見をお聞きし、そして事務局と一体となってそういう検討会で検討されるべきものだというふうに思っております。

漆原委員 最後に申し上げたいと思うんですが、今の御答弁で私の期待にかなった答弁なのかどうか、よくわかりません。

 いずれにしても、きのうも日弁連の会長だとかあるいは若林参考人の方から、この審議の過程をオープンにしていくことが大事なんだと、公開性を強く求められました。私もそのとおりだと思うんです。

 だから、先ほど申しましたように、この未決定部分は全部検討会に付すんだ、これが一つと、それから、検討会に付したものは全部リアルタイムでオープンにしていく、この二つをセットにしていただかないと最後のところで民主導から官主導にどんでん返し食らってしまうという危惧を持っておりますので、ぜひともこの二つはセットにして考えていただきたいというふうなことをお願いさせていただいて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

保利委員長 次に、仙谷由人君。

仙谷委員 民主党の仙谷でございます。

 司法制度改革推進法案について質問をするわけでありますが、漆原委員、そして平岡委員の質疑とやや重複する部分があるかもわかりませんが、お許しをいただきたいと思います。

 まず、法務大臣、これは、総理がいらっしゃるのであれば総理に聞かなければいけないんですが、総理の身がわりが法務大臣だとおっしゃっていらっしゃるようですから法務大臣にお伺いするわけですが、政府としては、あるいは法務大臣としては、あるいは内閣総理大臣に成りかわって、この審議会の意見書をまとめるプロセス及び意見書そのものについて、端的にどういう評価をなさっていらっしゃいますか。

森山国務大臣 司法制度改革審議会の意見についての評価というお尋ねでございましょうか。(仙谷委員「はい」と呼ぶ)

 大変長い間熱心に多くの方が御参加いただきまして、立派な御意見をちょうだいしたというふうに考えております。先ほどもちょっとお話が出ましたが、従来の考え方では予想もつかなかったようなさまざまな改革、抜本的な改革のことが言及されておりまして、非常に立派な答申であるというふうに評価させていただいております。

仙谷委員 なぜ改めてお伺いしたかといいますと、私の少々存じ上げている、おつき合いをいただいている方で、六月の十二日にこの意見書を提出するという作業をやり終えて、病院に入院されて、ちょうど四カ月後に亡くなった方がいらっしゃるわけであります。後でお伺いしますと、大変心血を注いでこの司法制度改革審議会の仕事に取り組まれて、相当無理をして、起案といいましょうか、そういう作業もなさっていらっしゃったというふうに亡くなられてからお伺いするものですから、そういうお気持ちの審議会の委員の方々が相当数多くいらっしゃって、昨日の若林さんでございますか、民間の委員の方々の大変熱心な、そして真剣で洞察力のある議論がこういう積極的に評価できるものを生んだんだというふうなことをお伺いしまして、やはりそこには相当志のあるというか、気合いの入った審議が行われたんだろうな、こういう思いをしておるものですから、したがって、改めてお伺いしたというのが一つでございます。

 もう一つは、私自身、研修所を出てからちょうど三十年になります。まさに戦後の法曹養成制度の中で育てていただいて、二十年間、法律の仕事といいましょうか弁護士の仕事を行ってきた経験で、いろいろ自分で矛盾を感じたり自分自身を自己批判しながら、国民との関係であるいは裁判所の関係でもう少し何とかならぬのかな、こう思いながら来た経緯もございます。

 もう一つは、この二年間続いてヨーロッパ各国に憲法調査会の調査団ということで調査に参りました。日本は割と、司法問題についての関心というのがようやく盛り上がってきましたけれども、ここまではそれほど大きくなかった。しかし、旧社会主義国から自由主義、民主主義に国の体制を変えたという、我々にとっては当然みたいな話でありますが、たった五十年前までは、社会主義よりももっと悪い全体主義の名のもとで、ある種そういうもとで、天皇の名による裁判を受けておったというようなこともあったわけでありますが、社会主義から民主主義といいましょうか自由主義に変わった国においては、裁判の仕組み、あるいは裁判以外の人権保障の枠組みというものをつくるというふうなことが一つの考え方。それから、北欧もそうである。

 したがいまして、民主主義の民主化というふうなテーマが大変大きいテーマになっているんですね。これは、政治、議会、政府、行政府というところの民主化も大きいテーマでありますけれども、司法あるいは司法が関与すべき市民社会の事柄、ここの透明化、あるいは国民にいかに近づけるかという意味での民主化ということについては、大変強い関心があるなと。

 例えば、ハンガリーだったと思いますけれども、行政裁判所は別にするというふうな考え方。憲法裁判所を別に立てているところは、これはもうヨーロッパは数多く、むしろ憲法裁判所を別にしている国の方が多いぐらいであります。つまり、そういうふうにいろいろな工夫を各国はしている。

 ところが、日本は割と、法律の世界というか法律家の世界は保守的、日本人自身が保守的な中で法律の世界は保守的であったということがあって、なかなか戦後の改革の後は大きくは変わらなかったというのが実態だろうと思います。

 しかし、今度のこの司法制度改革審議会の意見書というのは、そういう意味では、そういう過去のしがらみや惰性から抜け出た部分が相当あることは間違いがないのではないか。私も、これをまさにいい方の制度に制度化するということが本気で行われるべきだというふうに考えておるわけです。

 先ほど漆原議員の方からも、相当執拗に、しかし懸念が数々表明されているんですね。これはなぜだかわかりますか。近くでいえば、経済戦略会議であろうと、今度の骨太の方針であろうと、改革工程表であろうと、先行プログラムであろうと、今国民が見ておるのは、すべてこの種の、少々理念に裏打ちされた、ちょっと理想型の改革案が出てくると、どこかで換骨奪胎してぐじゃぐじゃにして、改革が進まない、こういう実態が日本のどこかにあるのではないか、このことを実は漆原さんも心配しているんですよ。そうだと私は思うんですよ。

 私なんかは、その辺は政権が交代しない限り絶対だめだ、この霞が関の上に成り立った自民党政治では改革なんか絶対できないと確信を持っておりますけれども、しかし、そうは言っていられない、日本が沈没する方が先だということになりますと、改革は行われた方がいいと思います。

 この意見書に盛られた種々の内容を、まさに霞が関の得意の換骨奪胎に負けないでこの推進本部がやると決意を示してくださいよ、大臣。

森山国務大臣 大変力強い応援の弁をいただいたような気がいたします。

 おっしゃいますとおり、せっかく大勢の熱心な御議論の結果いただきました立派な提言でございますので、これをぜひとも実現していきたい。もちろん、まだ十分詰まっていないところもありまして、それはさらに具体的に詰めるようにということまで言っていただいておりますが、それらも含めて、この御意見の趣旨に従って精いっぱい頑張って実現したいというふうに考えております。

仙谷委員 もう少し言いますと、さっきから、検討会がどうの、顧問会議がどうのという話が出ていました。私もまたお伺いいたしますけれども、結局、特にこの司法の世界、森山大臣は司法の世界ではお育ちになっていないけれども法律は相当勉強されたからおわかりになると思いますが、司法というのは国民を疎外する本質を持っていると僕は思っているんですね。

 なぜならば、そもそも日本の法学教育というのが大陸法系の法学教育であったために、大体ヘーゲルから入る法学教育なんというのはこれは無理なんですよ、ところがそこから入る。この共通言語としてのテクニカルタームが、専門用語が普通の人にはわからない。普通の常識の善意と悪意というのは、法律用語の善意と悪意と違う。法律用語の人というのと常識的な人、人でイメージする言葉は全然違うわけですよ。そこからして国民は疎外されているわけですよ。遠い存在になっているわけです。別の人種がしゃべっているように聞こえるらしいですよ、法廷で我々がいろいろしゃべっていたら。

 それはまだ、法廷に近づいたことがある人がそうなんです。普通の人は、あんな怖いところへは行かない、民事事件であっても裁判所とかかわるなどということは一家の恥であると。裁判というのはそんなものですよ。ましてや、弁護士さんの扉をたたいて幾ら取られるかわからない、これが庶民のある種の蔓延する常識です。

 私はその辺にも同期生がいっぱいおりますけれども、私の年のころは、司法試験を受けるのはいいけれども裁判官になるんだったら許すという親がおりましたよ。弁護士みたいなやくざな仕事をするんだったらやめろという親もおりましたよ。

 ここにまたもう一つの疎外の要素、つまり官尊民卑なんですよ。司法の世界でも官尊民卑なんです。最高裁判所はやはり一番偉いんですよ。中身は大したことなくてもそう思わせる何かがあるわけね。そのことが国民を司法から遠ざけた。このことは、弁護士も裁判官も検察官も深刻に反省をしなければならないところなんですね。それを制度的にどうするのかということと、それを担う人をどう変えるのか、この二つの両輪で変えていかない限り、幾らきれいごとで、自己責任原則に基づいて、ルールに基づく事後チェック型の社会をつくるなんということを百遍言ったって、そうはならないですよ、これは。それが私の実感なんですよ。

 そこで、はっきり僕はこの際だから言っておくけれども、法務省も裁判所も、優秀な司法官僚諸君は、裁判所まで裁判所官僚と見た方がいいですからね、特に最高裁におる人は、優秀なとつけてもいいけれども裁判所官僚なんです。この人たちは、霞が関よりはるかにまた別の言語を使う集団で、この意見書を具体化しようとしたら、そんなことできません、そんなことは約束事にありません、そんなことをしたら伝統が壊れますとか、何だかんだ言い出して、できないようにできないようにやってしまう。森山さんだって労働省にいらっしゃったからよくわかっているでしょう。できない理屈を探してくるのにこれほど上手な人種はないというのが霞が関ですよ。さらにそれに輪をかけて保守的なのがこの法務官僚、司法官僚、こう思っていた方がいい。これはもう私の三十年の実感。いや本当に。

 だから、意見書の理念を実現しようとすれば、これは相当腹をくくった政治家が、つまり閣僚ですね、何とか推進本部は全部閣僚がなると書いてある、それが腹をくくって、この意見書を百回でも読んで読みこなして、わからぬ文字があったらだれかに聞く、教えてもらう、審議会の委員の人に。そのぐらいのことをして自分のものにして、そして官僚が何を言おうと絶対にこうやるんだと、そのぐらいの構えがないとできませんよ。

 そこで、若林さんのお話とも関係するのですが、ぜひお願いをしたいというか、むしろこのことをお約束していただきたいのですが、検討会とか顧問会議とかいろいろあるわけでありますが、公開してください、これ。公開。若林さんがおっしゃっているのも、審議会の手続が、審議会の中身がなぜこういうふうないいものに結論としてなったか、つまり森山大臣もお認めになっているようなものになったかというと、これはやはり公開されたことが一つの非常にいい条件だったんだと。つまり、裏取引をなくするとか、あるいは、先生この程度でお願いしますわみたいな話がなくなるという意味で。だから公開をする、このことをやってください。

 特に、事務局員の役人の方なんかについて名前を出す。出してもすぐいなくなるから、終わったらいなくなるので責任とらないのかもわかりませんけれども、要するに、この歴史的な改革をやろうとするのであれば、そのことについて発言をする人は、物申す人は、みずからの名前を出して、存在をかけて物を言ってもらわなきゃ困る。このことを徹底していただきたい。いかがですか。

森山国務大臣 先生の長年の御経験から非常に実感のこもった御感想をお聞かせいただきまして、大変私も参考になりました。

 私も、昔々大学の法学部におりましたのですけれども、法律の専門用語というのを使ったことはございませんで、そういう話を聞くたびに、それは何ですか、それはどういう意味ですかと一々聞かなければならないというので、毎日大変難しい言葉だということを実感しております。

 しかし、法務官僚がすべての官僚に輪をかけた保守的な権化であるというお話、そのお気持ちはわかりますけれども、実は私もそう思っておりましたが、最近、この仕事をするようになりまして、そういう人々とつき合うようになりましたところ、意外に外から思っているほどひどくはないということがわかりました。意外に、改革しなければいけないということを、中にいて問題を感じていればいるほどと申しましょうか、それだからでしょうか、大変そのことを熱心に考えている人もたくさんおりまして、意外に頼もしいなというふうに思っております。

 いずれにせよ、おっしゃいますとおり、国民の多数の声をよく聞く、そしてまた透明なものにするということは、よりよいものをつくっていくのに大変重要だというふうに思っております。

 先ほどからお話が出ております有識者による顧問会議のようなものとか、テーマごとに開催する検討会というようなものを積極的に活用いたしまして、民間の良識、有識者の御意見を十分に反映し活用させていただくというほかに、会議の内容の公表、あるいはインターネット等による国民への情報提供、電子メール等による意見の受け付け、有識者、関係者からのヒアリングなど、いろいろな手だてを講じまして改革推進過程の透明性を確保いたしますとともに、国民各層からの意見に耳を傾けつつ改革を進めていきたいというふうに思っております。

仙谷委員 まだ役人が書いた文章を読まれるから抽象的なんですよ。端的に、公開をしてください、リアルタイムで公開をしてくださいということを私は要請をしておるんです。いかがですか。

森山国務大臣 司法制度改革審議会の場合もできるだけの公開を努力してまいりまして、それと同じようにやっていきたいというふうに思っています。

仙谷委員 今のは大変森山大臣の決断力あふれるお話でございまして、忘れないように、聞いている法務官僚の人も絶対に忘れないように。司法制度改革審議会と同じような公開を、やり方も含めてやる、これだけを確認ができたということだけでももう質問をやめてもいいぐらいでありますが、次の質問に参ります。

 もう一つは、だけれども、ある種の、法律上も全く位置づいていない検討会議あるいは顧問というふうなことでやろうということになると、極めて悪い形態になってくると密室審議会みたいな話になる。一応審議の中身、議論の中身は公開をしていただけるということですから、それは免れるのかもわかりませんが、今度は、悪知恵のある人を何かひそかに選任されたらまたおかしなことになる、この懸念があるんですよ。いや本当に。

 私は、つい三年前ですよ、金融再生法というのをつくって、換骨奪胎した人がおって、換骨奪胎を自慢して、とうとう運用まで換骨奪胎して、そのまま金融再生法で変な公的資金の入れ方をするから、今、日本の不良債権がますますうみがひどくなって、もう金融機関は大変なクラッシュが起こりそうになっているじゃないですか。だから、ああいう換骨奪胎方式とか、ひそかに審議会をやるとかいう話、これはまずいんですね。

 この顧問会議それから検討会、これはだれが責任を持ってどのような方法で選任をするのか、ここだけは明らかにしてください。これだけは明らかにする。そして、でき得るならば国会に、承認を求めるのが嫌だから多分法律事項にしなかったんだろうと思うんだけれども、国会に報告ぐらいはしないと、この法務委員会に報告ぐらいはしないと、これは審議会のこの意見書が生きるか死ぬかの大変大きな差になってくるんじゃないか。私は、その危惧を半分しておると同時に、半分期待もしているんですよ。そのことはお約束できますか、大臣。

森山国務大臣 任命するのは、最終的には、責任者は本部長である総理大臣になると思います。

 それから、どういう方が任命されるか、されたかということについては、当然決まった後は公表されるというふうに思いますし、必要であれば法務委員会に御報告申し上げることはできると思います。

仙谷委員 これもまた後で聞くことになるかもわかりませんが、刑事裁判の改革のところでは、裁判員制度というか参審というか、参審的なことを取り入れるべしということが意見書に書いてありますね。そしてまた、いろいろなところで、国民の司法への参加というか参画が自己統治の精神を涵養させてというふうな立派なことが書いてあるわけです。

 そうだとすると、この検討会のメンバーの中にも当然、先ほど私が言った法律用語も今のところは余り御存じない、要するに、法律屋というか法律家の共通言語を持っておるわけではない普通の国民というか庶民、そういう人も当然お選びいただけるというふうに考えておいていいのでしょうか。

森山国務大臣 そういう方が入っていただくことは当然だと思います。

仙谷委員 それから、事務局の方もさっきやはり法務省の方が多いと。弁護士の先生方も、日弁連の先生方はほとんどボランティアでやっているような先生方が多いのでありますが、なかなか日常業務を脱却することができないというようなこともあって、特に事務所経営との関係では大変な方も多いのでありますが、しかし、これは歴史的大事業ですから、本部の方から日弁連の方へ要請をして、人数をせいぜい多く出してこいと。

 それから、私は、ここまで来ますと、経済団体や民間の会社あるいは労働組合というふうなところへも要請をして出てきてもらう、専従で何カ月か、あるいは三年なのか知らぬけれども、張りついてやってもらう、そういうことがこの意見書を具現化していくに当たっては必要なんじゃないかと思います。その点を大臣にもぜひお願いをしておきたいと思いますが、いかがでありますか。

森山国務大臣 私の方もそのような考え方でやっていきたいと思っております。

仙谷委員 テーマ、話題を変えます。例のロースクール、法科大学院の件でございます。

 この法科大学院のところについての書きぶりを見ますと、「標準修業年限は三年とし、短縮型として二年の修了を認めることとすべきである。」こういうふうに書いてあるのですね。

 私も法学部のいろいろな大学の先生方といろいろなおつき合いがあって、懸念がいろいろ表明をされてきました。

 一つは、何か大学の学生かき入れ競争の一つのブランドとしてロースクールがある。このロースクールは短期間で合格させることができるんだと言うために、どうもうちも二年にしそうだよとか、二年説が有力なんだという話が漏れ伝わってくるのですね。そんなことでいいんだろうかというのが、せっかくのロースクールをつくるに際しての私の懸念というか危惧なんですよ。

 今、何か文部省や法務省の方でつかんでいる事情の中で、大学の方で考えていることが、もうかなり相当の準備に入っているようですから、大宗、二年制ロースクールを行おう、そういうのを設置しようという動きというか流れが強いのでございますか。法務省あるいは文部省、どちらでも。

池坊大臣政務官 今の御質問に関しましては、文部科学省といたしましてはそのようなことは把握いたしておりません。

仙谷委員 法務省はどうですか。

房村政府参考人 法務省として公式に大学関係者の意向を確認したということはございませんが、漏れ聞いているところでは、審議会意見で言っておりますように、三年を標準年限で、法学を一定程度学部段階で身につけた既修者については二年の短縮コースということがこの意見書で言われておりまして、各大学とも大体その内容に沿った検討をしているようには伺っておりますが、具体的に正確な調査をしたことはございません。

仙谷委員 私が先ほど理念のところを割としつこく言ったのがここなんですよ。つまり、昔風の法律技術しか知らないような割と狭い人、こういう人を大量に育ててしまうと国家百年の計を過つ。

 つまり、もう一遍皆さん方もこの意見書を読んでほしいのですが、「「法の支配」の直接の担い手であり、「国民の社会生活上の医師」としての役割を期待される法曹に共通して必要とされる専門的資質・能力の習得と」ここが専門ですね、「かけがえのない人生を生きる人々の喜びや悲しみに対して深く共感しうる豊かな人間性の涵養、向上を図る」と書いてある。つまり、ロースクールはそういう人間性も豊かで専門的資質もあってという法曹をこれから育てるんだと。

 正直言いまして、私なんかも割とオールラウンドの事件を担当しましたけれども、できない事件もいっぱいあるのですよ。そのぐらい、三十年前でも専門分野的にもいろいろな、例えば知的所有権の中のどこどことか細かく入っていけば、もういろいろ事件も違うし、あるいは外国との関係というのも入ってきますし、昔は税法を知っている弁護士なんかほとんどいなかったのですよ、我々の先輩では。我々の時代だって税法なんというのは研修所でも教えなかった。今、税法を知らない弁護士なんか役に立ちませんから。あるいはこの十年であれば、金融のことがわからない弁護士は多分余りお客さんが来なくなっているんじゃないですかね。

 つまり、非常に深さも要るけれども広さも要る。広さは、昔司法がカバーしていた範囲だけじゃない事柄が非常に大事で、さらに、水島広子さんという我が党のすばらしい精神科医がおりますが、心理学や精神病理学ぐらいのところまで本当は、すばらしいローヤーつまり法律家は、これは裁判官も同じでありますが、検事も同じでありますが、そこまでちゃんと教育するし、自分でも学習するし、ロースクールの中でもそういう勉強をすることが当たり前になるような、こういう仕組みじゃないと困ると思うのですよ。

 ところが、法学部に二年行ったらもうあと二年でいい、それで司法試験合格率がよかったらその大学がうまくいくんだみたいな話になってきますと、これからの法曹の養成としてはかえって悪くなる可能性があるのではないだろうかな、つまり批判をする方の懸念もそこにあるのではないかと私は思います。

 これは、検討会や顧問会議で進められるについて、大臣の方からというか、法務省がもし幹事役をされるとすれば、この理念をいかに大事にするか。人数をふやしながらそういう豊かな法律家を育てる、ほかへ行っても使えるような法律家を育てる。ほかへ行って使えない法律家は幾らつくってもだめなんですよ、裁判所へ通うだけの法律家なんというのは。本当にそう思うのです。

 だから、法科大学院、ロースクールをつくるについては、単に現象かもわかりませんが、七割も八割も二年制大学院になってしまったなどというのでは倒錯現象としか言いようがない。そこは文部省も法務省もこれからの推進本部を進めるに当たって心して、理念を生かすためのロースクールはどうあるべきか、このことを堅持してもらいたいと思います。大臣、いかがですか。

    〔委員長退席、奥谷委員長代理着席〕

森山国務大臣 全くおっしゃるとおりでございまして、この意見書の中に出ております考え方を具体化するために、これから慎重に、十分検討していかなければいけないというふうに思います。

仙谷委員 さてそこで、これは三年間になってくると長いなという話にもなるわけでございます。そしてもう一つ、良心的な話なんですよ、大学の先生方とマンツーマンといいますか、ケースメソッドを、つまり多方向、双方向の少人数の教育というのが意見書の中に書かれております。

 日本の法学教育、大学のあの大教室の法学教育などというのは、あれは法学教育じゃありませんからね。あれは単に単位を取っていけというだけの話ですから。あんなものは教育でも何でもないと私は思っておりますけれども、しかし、ロースクールで本格的なケースメソッドを丁寧にやっていく、あるいは哲学から心理学から歴史学から経済学からそういうことまでもやるということになると、当然のことながら費用がかかるということになります。実務教育も、研修所につながるような実務もやれ、つまり要件事実の整理とかなんとかもやれと意見書には書いてありますから、これを本格的にやると相当費用がかかる。

 某大学の法学部の先生だと、仙谷君、あれを本気でやったら一学年の授業料で二百八十万ぐらいかかるという計算が出るという話をされます。そんなにはかからないのじゃないかという説もあります。しかし大体二百万ぐらいかかるというふうに計算しますと、この学資をどうするのか。二百万を親に出させることのできる人というのは、三年間だと二百万掛ける三、授業料だけでそれですから大変なことになります。

 そこでこの財政的な問題、金持ち優遇とか、金持ちだけが法曹になれる、金のない人は法曹になれないということをなくするための手当てがぜひ必要なのですね、ぜひ必要。諸外国の例などを参考にして、この辺については何か具体的な方向性というか方針がありますか。室長でもいいし、大臣でもどちらでもいいですよ。

池坊大臣政務官 委員も御存じのように、大学院生、修士・博士課程には奨学金制度というのがございます。私は、今までも奨学金制度の拡充に努めてまいりました。

 今、修士課程においては、有利子、無利子を含めてでございますが四〇%の人がこれを活用いたしております。そして、大学院生では七万四千人の生徒たちがこれを使っております。年間に百五十六万円が貸与されます。

 私は、今おっしゃいましたように、有能な人材が経済的理由によって法科大学院に入学ができないということは、国にとっても大きな損失だというふうに考えております。本来、勉強いたします人間は、親の援助ではなくて奨学金を使い、社会に出てからそれを返済する、いい意味での循環をしていくことが望ましいというふうに私は考えておりますので、法科大学院に対しても、そのような環境整備に対しては文部科学省としてまた尽力してまいりたいと思っております。

仙谷委員 これはざっと試算しますと、三千人の法律家をつくるという前提で考えますと、大学院生は多分、一学年四千人ぐらいになる、こういう計算になろうかと思いますね。そのうちの半分ぐらいが、今申し上げた授業料、これを二百万なら二百万と計算しまして、二百万ぐらいを借りるなり、あるいは一部奨学金、だけれども奨学金でも借りるということですね、そういうふうに考えますと、たかだか、たった百億円とか二百億円ぐらいの単位の金を貸す。

 あるいは、最近はやりのやり方でいえば、住宅金融公庫を、もう貸すのではなくて保証の専門の金融機関にする。とすれば、国民生活金融公庫を保証の機関にしてもいいわけですから。あるいは政府が何らかの格好で直接の保証、あるいは小泉さんの嫌いな特殊法人か何かをこの際は使って、この分だけは保証するとか。

 大した金額にならないと思うのですよ。だから、このお金をロースクールだけというふうには私は申しませんけれども、これからの時代、何百億の単位の金とか一千億前後の金は、こういう知的インフラづくりに資する、少々高度な人材育成をするところには堂々と大胆につけていくのだということを財務省に決意してもらいたいのですよ。いかがですか。

    〔奥谷委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻副大臣 経済的な理由から入学することが困難にならないようにという御提言もございます。この御提言を踏まえなければならない、私どももそのように認識はいたしております。

 ただ、御案内のように極めて厳しい財政事情にございますので、そういう事情ではございますけれども、今お話しのとおりに、日本の大事な人材育成に支障が出ることのないように適切に対処してまいりたい、そのように考えております。

仙谷委員 さっき総務副大臣が定員法との関係で、つまり公務員の人員の問題をおっしゃっていましたね。実際は、定員の問題というのはすなわち金の問題でもあるのですよ。

 それで、今日本の何が問題なのかというのは、もうおわかりになっていると思うけれども、小泉さんもそういう言い方を時々しますが、要するに資源配分が硬直していることが問題なんですよ。経済戦略会議の段階で人的資源大国などということを書いて、三年間の資源配分を見てごらんなさい、何にも変わっていないですよ。つまり、人的資源の方に配分が厚くなったということはないんですよ。コンクリートをはがして人の方につけたということがないんですよ。そうでしょう。各省庁の予算と公共事業の予算とちゃんと見ればわかるじゃないですか。

 実は、人的なところへつけているのも、どこかブラックホールの公益法人、特殊法人に吸い込まれているのが、いないから余り欠席裁判するのも私もいい気はしないんだけれども、労働省ですよ。能力開発に毎年毎年四千億も五千億もの補助金が使われているんですよ。四千億ですよ。今法科大学院で話をしているのは、たった二百億、三学年全部に授業料を賄うとしても、これは多分三百億で済みますよ。その程度の話なんだけれども、労働省の能力開発事業、労働保険特別会計雇用勘定、ここにぶち込まれた補助金が四千億ですよ。これはどこへ消えているんですか。

 何で労働のミスマッチがなくならないんだ、労働のミスマッチ、ミスマッチとみんな言うけれども。(発言する者あり)いや、ほとんどだめだ。後で僕が証明してあげる。

 だから、いろいろな今までこの間国会で言われている金の金額からすれば、百億の単位なんというのは大したことないでしょう。特にこれが、日本のこの高邁な理念を実現するための、司法制度改革審議会の意見を実現するための人的資源をつくるためのお金に使われるということであれば、全然だれも文句言いませんよ。そうじゃないでしょうか。むしろ決定的におくれているわけですよ、決定的に。

 あるいは、産業論からいってもそうなんですよね。日本はもっとサービス化を進めるために資源配分を変えなければいけなかったのに、相変わらず百三十兆円公共事業にぶち込んで百万人も建設業労働者をふやした。今の建設業の水準は、官民合わせて去年あたり七十一兆円なんですよ。七十一兆円というと、多分一九八六年ぐらいかな、少なくとも従業員六百七十万人体制じゃなくて五百四十万人体制なんですよ。だから、その分は建設費が同じになってくると従業員は余るはずなのに、今余らせていないんですよ。

 そういうこの十年が、いろいろなところで、人的資源、つまり学びの社会をつくる、あるいは人材育成にむしろ資源配分を変えるんだということが、口だけ言うけれどもできなかった、それが日本の今の苦境に相当つながっている部分があると思うんですよね。

 これは、大蔵省も大胆に、主計局が農林省と建設省と運輸省に情けをかけてなかなか削れない、しかし、こんなものを後回しにしたって国がつぶれることはない話がいっぱいありますから、どんどん削って、大事な人的資源の育成の方に回すということをぜひお願いしたい。ちょっと最終的に確認を、副大臣。

尾辻副大臣 お話はよく承りました。

 申し上げておりますように、極めて厳しい財政事情でございますから、今お話しのどんどん削るというところは、これはもうやらなきゃならない、こう思っております。ただ、今のお話に、それでは必ずやります、そういうようなお答えが財政当局として申し上げられないことは御理解いただきたいと思います。

 お話はよく伺いました。今後、関係機関の皆さんと御相談申し上げながら、協議しながら、適切にできるだけのことをやっていきたい、こういうお答えにさせていただきたいと存じます。

仙谷委員 それでは、文部省の池坊大臣政務官にも確認の答弁をいただきたいと思うんです。

 つまり、おっしゃったことは本当に私も同感でございます。つまり、ある年齢からは親から金をもらわないで、奨学金あるいは奨学貸与金というのか何かわかりませんが、借りた金を将来自分が職業についたら返す、あるいは自分が資産運用でもするぐらいの構えで、アルバイトもやるというぐらいで、そういう構えと姿勢で大学生の時代を過ごす、大学院生を過ごすぐらいになりませんと、国際水準からいうと余りにも大学生も自立性が弱いと私も思うんですね。

 しかし、そのためには、公的なところで最低限のところの保障というか、もちろん後から返ってくる、返してもらうお金でいいわけですけれども、保障をもっともっと拡大して充実させないと、そうはいいながらできないということでございますので、先ほども御答弁いただきましたけれども、法科大学院とか、あるいはこれから専門大学院の構想がほかでも出てくるかもわかりません、そういうのは、実質的にその教育を担保できるような財政的な保障というか、それはやる、文部省としてはやっていくんだ、個人の自立を促しつつそれを支援する措置をやっていくんだということでよろしゅうございますでしょうか。

池坊大臣政務官 この点におきましては、全く私は仙谷委員の御意見と同じでございます。個人の自立を促しながら、なお公的支援が行われるように努めてまいりたいと思います。

 ですが、文部科学省といたしましても潤沢な予算をいただきませんとこれができませんので、そういう意味では、ぜひまた御支援いただきたいというふうに思っております。人的資財こそが我が国を支えているのでございますので、御協力をお願いしたいと思います。

仙谷委員 野党で声が小さいものですから余り予算どりには役に立たないかもわかりませんが、せいぜいと言ったら語弊がありますが、我々の方もそういう予算措置がなされるように頑張ってみたいと思います。

 残された時間、もう一点だけ。

 刑事事件の充実、迅速化というふうなことが書かれております。連日開廷、あるいは直接主義、口頭主義の実質化というふうなことも書かれておりますし、それから、充実した争点整理が行われるには証拠開示の拡充が必要となると。

 裁判員制度を導入するとしますと、これはちょっと専門的になるわけですが、日本でよく言われる調書裁判からどう脱却するか。刑事裁判については特に、直接主義、口頭主義の実質化というふうにこの意見書には書かれておりますけれども、そのことが極めて重要になると思うんですね。

 もう少し踏み込んで言いますと、私は、刑事訴訟法三百二十一条一項二号書面をどうするのかという課題にまでなってくるというふうに思いますけれども、しかし、まずは、この原則、あるいはコンセプトといいましょうか、直接主義、口頭主義の実質化ということについて、裁判員制度の導入と相まって、この原則は曲げないで、刑事訴訟法の体系を再検討するについてはそういう観点からやるべきだと思いますけれども、いかがですか。

樋渡政府参考人 当然にそういう考え方も含めまして、本部において検討すべきことであるというふうに思っております。

仙谷委員 もう一つ。刑事事件で、私と裁判でやり合った人が、もういなくなったかな、法廷にいなくなりましたけれども、刑事事件の充実、迅速化というのは、今の弁護士の業務スタイルから見ると厳しいところもありますけれども、えいやあで、ある瞬間からやればできないことはないと思うんですね。二つあるんです、この条件を満たすのは。

 一つは、検察官がちゃんと全面的な証拠開示を行うということがない限り、毎回毎回、証拠開示で法廷がつんのめってとまるようでは、これは連日開廷したところで意味がないわけですよ。そういう経験的な感じです。

 もう一つは、これは非常に悩ましい問題なんですが、つまり、刑事弁護の報酬をだれがどのように負担するのかという問題があるんですね。けげんな顔をされているけれども、被告人は全部田中角栄さんみたいな人じゃないんですよ。刑事事件になる人は、どちらかというとお金の少ない人。自民党の代議士さんでも、刑事事件に係っておる人は大変なんですよ。なぜか。民事事件は会社であれば経費で落ちますけれども、刑事事件の費用は税務署の経費控除を受けられないんですよ。だから、刑事弁護人を時間保障でもしようと思うものなら大変なことになる。この二つの問題。

 この費用をどうするのか。我々は、半分ボランティア的に何十年もやった事件いっぱいありますけれども、だから、ほかの事件で生活して刑事事件をやるということしかできないというのが日本の弁護士の実情。検察官の方も、別にそんなに急いでやらなくてもいい、証拠なんかちょびちょび出していけばいいんだ、証人尋問終わってから出す、その証人を事前に取り調べた調書を開示すればいいんだ、こんなやり方ですよね。

 そこは、実体保障の問題と証拠開示の問題、これを今度の改革で、多分刑事訴訟法の改正問題になるんじゃないかと思うんですが、ぜひその方向でやっていただきたいと思うんです。いかがですか。

樋渡政府参考人 審議会の意見におきまして、刑事裁判の充実、迅速化を図るための方策というものが提言されております。その中に、十分な争点整理を行うことができるような新たな準備手続を創設すべきであるとしまして、その問題に関連しまして、証拠開示の問題を明確なルールに基づいてやるべきだというふうに提言があります。当然に本部において検討をされていく問題であるというふうに思っております。

 それから二番目の問題につきましては、被疑者、被告人を通じての公的弁護制度という関係とも大いに関係のあることでございますから、これも本部において検討されるべき課題であるというふうに思っております。

仙谷委員 私も最近の事例を、つまり刑事弁護の国費をどのぐらい投入しているかというふうな話を、この七、八年とっていなかったものですから、きのう慌てて、法務省の方ですか、資料があれば持ってきてくれということで請求をいたしました。

 比べ方がなかなか難しいんでありますが、しかし、民事事件で公的な扶助なんかですと、これは法務省が持ってきてくれた書類だと思いますよ、民事の法律扶助だと、国民一人当たりの国庫負担額が日本は三円。三円ですよ。スウェーデンは五百九円。イギリスに至っては二千二百二十七円。アメリカは百七十三円。韓国が三十二円。そんなデータもあるようであります。

 あるいは、公的刑事弁護制度の財政規模が、アメリカが四百十七億円で、それから、州を含めると一千六百三億円と書いてありますね。――もっとあるのか。何かすごい金額です。それから、イギリスが八百十六億円。人口が日本の半分のイギリスが八百十六億円。こんな数字も出ておるんですね。

 日本は、確かにこの間、国選弁護人の報酬の総額は五十七億円ぐらいまで上がってきておるようですが、やはり先進国の中では、被疑者段階の国選弁護、公的弁護の問題、そして刑事事件におけるとりあえずの国庫負担も含めた国庫負担の問題を、もう少し司法全体に対する予算の向上の問題とも兼ね合わせてやらなければならないと私は思っております。

 時間がなくなりましたので、最高裁ちょっとごめんなさい、聞けなかったですけれども、その問題を法務省と大蔵省に。

 先ほども申し上げましたように、つまりむだなように見えるんですね、司法というのは。何で拘置所に入っているやつをただ飯食わすんだというのが庶民の感覚なんですよ。いや本当に。そしてまた、何か、被告人や被疑者の人権を守ることに金を使うことがあたかも損するかのような気分になったりするんだけれども、そしてまた、民事事件における法律扶助とか、困ってなかなか権利救済の手が差し伸べられない人に対して公的な扶助のシステムを行ったりするのも、そんなことは自分でやるべきだということが今まで日本の司法の厚みというか豊かさを妨げてきたという事実は確実にあるわけでございまして、ここは、きのうちょっと予算書を見ましたら、裁判所関係で三千億、法務省関係で六千億。これは、入管、矯正、刑務所、全部含めてそのぐらいの予算が日本で、多分先進国の十分の一かあるいは三十分の一かわかりませんけれども、そういう貧しい司法予算の中でこれだけの社会的な安定性をまだ保てている。

 これは、権力的にあるいは暴力的に治安を維持するというよりも、やはり裁判を中心にしていろいろな仕組みと、そこにお金を、資源を投入して、ソフトパワーで社会的な安定性を守っていくということの方が、私はコストも安いし正しい方向だと思います。

 そして、外国人もいっぱい入ってくるわけですから。別に外国人だけが犯罪を犯すわけではありません。ただ、いっぱい入ってきますと、その分だけはやはり日本人の犯罪率と同じぐらいはやはり犯罪が起こったりしますから。

 そういういろいろな要素を絡めて、司法予算にもっと本気で取り組む、ここにお金をかけるという決意を、法務大臣の方は絶対とってくるぞという話で結構ですし、財務省の方は、もうコンクリートはできるだけ少なくしてそういうところに、つまり司法関係にお金をどんどんつぎ込みます、こういう決意をひとつお願いして、終わりたいと思います。どうぞ。

森山国務大臣 大変力強い激励をいただきまして、まことにありがとうございます。最近では、いろいろな社会的な犯罪の増加とか、その他不安なことが起こっておりますので、安心して暮らせる社会というものに非常に注目が行っておりまして、そのためには法務省に関する予算も充実しなければいけないという意識だけは非常に強くなってまいりました。それを何とか具体化するように努力していきたいと思います。

 どうぞよろしく御支援のほどをお願いいたします。

尾辻副大臣 金の話でございますので、先ほどの御答弁と同じようなことになることをお許しいただきたいと存じます。

 すなわち、法的サービスの拡充は重要な課題と私どもも認識いたしております。また、お話も伺いました。そして今後、司法制度改革の御議論が進んでいくだろう、こういうふうに思いますので、関係機関と具体的な検討を進めながら、財政当局といたしましては適切に対応してまいりたい、このように考えております。

仙谷委員 本当は、適切にじゃなくて、最大限にと、こう言っていただきたかったのですが、終わります。

保利委員長 次回は、明二十六日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時一分散会




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