衆議院

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第3号 平成15年3月25日(火曜日)

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平成十五年三月二十五日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 山本 有二君
   理事 佐藤 剛男君 理事 塩崎 恭久君
   理事 園田 博之君 理事 吉田 幸弘君
   理事 河村たかし君 理事 山花 郁夫君
   理事 漆原 良夫君 理事 樋高  剛君
      太田 誠一君    小西  理君
      後藤田正純君    左藤  章君
      笹川  堯君    下村 博文君
      中野  清君    林 省之介君
      平沢 勝栄君    保利 耕輔君
      星野 行男君    保岡 興治君
      吉川 貴盛君    吉野 正芳君
      渡辺 博道君    大島  敦君
      鎌田さゆり君    中村 哲治君
      日野 市朗君    水島 広子君
      山内  功君    山田 敏雅君
      上田  勇君    東  順治君
      山田 正彦君    木島日出夫君
      中林よし子君    保坂 展人君
      山村  健君
    …………………………………
   法務大臣         森山 眞弓君
   法務副大臣        増田 敏男君
   法務大臣政務官      中野  清君
   会計検査院事務総局第一局
   長            石野 秀世君
   政府参考人
   (人事官)        小澤 治文君
   政府参考人
   (人事院事務総局勤務条件
   局長)          大村 厚至君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    栗本 英雄君
   政府参考人
   (法務省大臣官房長)   大林  宏君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 山下  進君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    中井 憲治君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    横田 尤孝君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  増田 暢也君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    上田  茂君
   法務委員会専門員     横田 猛雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十五日
 辞任         補欠選任
  中川 昭一君     林 省之介君
  平沢 勝栄君     渡辺 博道君
  鎌田さゆり君     山田 敏雅君
  中村 哲治君     大島  敦君
  上田  勇君     東  順治君
  石原健太郎君     山田 正彦君
  不破 哲三君     中林よし子君
同日
 辞任         補欠選任
  林 省之介君     中川 昭一君
  渡辺 博道君     平沢 勝栄君
  大島  敦君     中村 哲治君
  山田 敏雅君     鎌田さゆり君
  東  順治君     上田  勇君
  山田 正彦君     石原健太郎君
  中林よし子君     不破 哲三君
    ―――――――――――――
三月二十五日
 児童保護に名を借りた創作物の規制反対に関する請願(今川正美君紹介)(第一一〇五号)
 同(中川智子君紹介)(第一一〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第四六号)
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――
山本委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 本日は、行刑に関する問題を中心に質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として人事官小澤治文君、人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君、警察庁刑事局長栗本英雄君、法務省大臣官房長大林宏君、大臣官房審議官山下進君、刑事局長樋渡利秋君、矯正局長中井憲治君、保護局長横田尤孝君、入国管理局長増田暢也君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山花郁夫君。
山花委員 山花郁夫でございます。
 前回は、当委員会におきまして、法務省から提出されました資料について紛糾をいたしましたが、その点につきましては後ほど少し議論させていただきたい点があるわけでありますけれども、それとは別に、前回取り上げました八街少年院の問題で積み残した課題が幾つかございますので、その点について確認を何点かさせていただきたいところがございます。
 まず、少年院でプールで逆飛び込みをさせて、その少年が大変な大けがをして、身体障害者等級表の第一級の、それほどの大けがをしたという事件がありました。この事故があった際に、プールを見せてほしいと親御さんが言われたりとか、あるいはその親御さんが警察に通報いたしまして、警察の方が見に行ったんだけれども、それを少年院側が見せなかったという事実があったようですが、この点について、まず、きょう警察庁来ていただいておりますので、刑事局長、この件についてですけれども、この間の少年院側のお話ですと、警察が来たということで戸惑っていますというような話があったらそのまま帰ってしまったような、それが少年院側のお話でしたけれども、警察としての今回の件についての御見解をいただきたいと思います。
栗本政府参考人 今お尋ねの件でございますが、関係者の方から電話通報を受けまして少年院に赴きました千葉県の佐倉警察署の警察官が関係者から事情をお聞きしたところ、プールにかかわります事故だというようなお話がございましたので、少年院側に現場を確認するためプールを見せてほしいとの要請をいたしましたが、結果として承諾を得ることができず、確認することができなかったという報告を受けております。
山花委員 このことについて、警察側の話というのは、私はきのう個別にお伺いしましたけれども、それはそれとして理解ができる話なんですね。
 と申しますのも、事故があったその日のまさに当日に通報を受けたわけではなくて、後日親御さんと少年院側と後の医療についてどうするという話をしているときに、話が少しうまくいかなくてということで後日警察に連絡を入れたようでありますから、例えば事故直後に、まさにヘリコプターで運ばれた後にであれば、例えばプールの水かさがどれぐらい張ってあったのかとか、そういうことをちゃんと見なきゃいけないでしょうから、それは少年院側が勘弁してくれと言っても、令状をとってでもやる必要があったかもしれませんけれども、後日の話でありますから、プールというものはそんな急に、きのうきょうで水深が変わったりとか形状が変わるものでもないですから、目の前で何か飛び込み台を外す工事でもやっていれば別ですけれども、そういう事情もなかったようだということが一つ。
 その場で、親御さんの方も、弁護士さんがいらっしゃって、刑事告訴するつもりだという話がありましたから、捜査に着手でもしていればまた事情は違ったんでしょうけれども、地検の方がこれからやるか警察でやるかという話ですから、矯正局長も検事さんの経験おありかと思いますけれども、そういう事情ですから、警察の側がではそういうことであればということで、その時点ではお引き取りになったということは、それはそれとして理解できる話だと思うんです。
 ただ、私はちょっと問題だと思うのは、少年院側の対応なんですけれども、これは言ってみれば捜査を受ける側の立場で、もちろん捜査を受ける側にも権利はあるといえばあるんでしょうけれども、全くの民間人ではなくて公の施設を管理しているところですから、警察がそうやって来たときにはむしろ協力をすべきではないかと考えるんですけれども、この点についての法務省側としての見解はどういうことなんでしょうか。
中井政府参考人 私どもも関係者から事情を聞いた結果について一応御説明したいと思いますけれども、当日、少年院に見えられていた保護者の方が突発的に警察署に通報されたというようなことがございまして、それで警察官が来所されたわけでありまして、通報に至った状況についての事情確認を求められ、こういう説明をした際に、警察官からプールを見せてほしいという依頼があったことは事実であるという報告を受けております。そのような要請がありましたことから、施設側といたしましては、プールをお見せすることについては即座の判断がつきかねた、だからきょうのところは御勘弁願いたい旨申し上げたという報告もあわせて聞いております。
 いずれにしてみても、その場で十分な対応ができずに、結果的に警察側の要請をお断りするような対応となってしまったというように私どもは受けとめております。今後は、全国施設に対しましてこのような場合における対応についても適切に指導してまいりたい、かように考えております。
山花委員 次に、この問題は、幾つか国の関係するところが問題があるような気がしております。過日、これはやや厚生労働省――ごめんなさい、警察庁、結構ですので。ありがとうございました。
 過日質疑をした際に、この院生の側が所沢の国立身体障害者リハビリテーションセンターに移転しようとした際に、センター側から院生であることを理由に受け入れというものを拒否されたというように私は聞いていて、センター側は、いやそういうつもりはなかったというようなお話で、法務省サイドからは、いや断られたような話を聞いているということだったんですけれども、この点について統一した見解を示してほしいというふうに申し上げたんですけれども、これはどちらからでしょう。厚生労働省、お願いします。
上田政府参考人 今回のケースの事実関係につきまして、国立身体障害者リハビリテーションセンター病院の職員からの聴取によりまして改めて調査をいたしましたその結果につきまして御説明申し上げます。
 九月二十五日にリハビリを目的とする入院の要請があった際、一たんは、急性期の治療が終了すると考えられる十一月以降の受け入れは可能であると当初は回答いたしました。しかしながら、この後、センター病院におきましては、少年院に収容されている患者を受け入れた前例がなく、また、少年院の収容者であることにより二十四時間付き添いを伴うことから、受け入れることは他の入院患者等に与える不安及び負担を考慮しますと困難であることから、少年院に対し、受け入れを断ったところでございます。
 センター病院におきましては、少年院に収容している方であるということをもって受け入れないという取り扱いを行っていないというところでございますが、本ケースに関しまして、一たん受け入れが可能と説明した後、方針を転換したこと、また、この方針転換を説明した際に、二十四時間付き添い体制をとることにより他の入院患者への不安を説明したつもりでありますが、しかしながら、結果的に、少年院側には、少年院被収容少年であるから受け入れられないと受けとめられてもやむを得ない発言を行ったこと、こういった点については遺憾であり、申しわけなく思っております。
山花委員 少年院の院生であるからということを理由に拒否したととられてもやむを得ない発言があったという話ですけれども、今後のことは注意をしていただきたいと思いますし、また、二十四時間の付き添い体制と申しましても、これ、病院の側が二十四時間看護しなきゃいけないという話ではなくて、少年院の先生ですね、教官がいなきゃいけないという話ですから、病院側に人的な意味で負担をかけるものでもありませんし、小さな病院で、それでも、人が一人いるだけでも少し通行の邪魔になるとかなんとかいう話でもなくて、これはとても立派な施設ですよね、リハビリテーションセンターというのは。ですから、今後、本当にこういうことはないようにしていただきたいと思います。また、今回のケースというのは非常に残念な話だと思います。
 今後も、例えば、少年院の院生だからとか、あるいは少年院じゃなくて少年刑務所もそうかもしれませんし、あるいは受刑者だってそうかもしれません。病院の側でそういう受け入れが人的、物理的に無理だということに対して、何としてでも力ずくで入れろという話ではありません。少なくとも努力をすれば入れられるということであれば、そういった医療が必要としている人に対して医療をする。これが、何か受刑者だとか少年院の院生だからとか、そういうことで拒否があるということは本当によくないことですし、これも民間だったらいいとは申しませんけれども、ただ、少なくとも国立の施設なんですから。本当にそういう方にとっては、国の施設ですら受け入れてくれないといったらもう相当絶望的な思いに駆られると思いますので、本当に、今後のことですけれども、今後はこういうことのないようにお願いしたいと思いますけれども、御答弁をお願いします。
上田政府参考人 今後、今回のようなケースで入院の希望を受ける際には、例えば個室の確保ですとか、あるいは患者のプライバシーの確保ですとか、あるいは他の患者への対応など、こういった点に十分配慮しながら、必要な医療が確保されるように努力してまいりたいというように考えております。
山花委員 あと、少年院の問題について、一点確認をさせていただきたいことがございます。
 少年院の面会時間の問題なんですけれども、これは矯正局長が御答弁されるのでしょうか。例えば少年院処遇規則などによりますと、面会は、矯正教育に害があると認める場合を除き、許可しなければいけないということで、原則は許可である、原則は許すものである、ただ例外的に、害があると認める場合を除きということになっていますから、基本的には許可をするということになっているはずであります。
 ところが、実際、少年院に赴きますと、待合室のところに張り紙がしてあるケースがほとんどのようであります。どういう張り紙がされているかということについて、すべて知っているわけではないですけれども、矯正局の教育課にお尋ねしたところ、大体こんなようなことが書いてありますということで調べていただきました。
 例えば、「おおむね三十分程度でお願いします。」これはやや緩やかな言い方ですね。張り紙に、「おおむね三十分以内です。」以内という言い方になると、行った側は三十分以内なのかなと思ってしまうと思います。だんだん強くなってきますけれども、三つ目の例として、「面会時間は三十分ですので、有効に活用してください。」これなどは、普通の日本語として読めば、もう三十分であると切られているように読めます。また、四つ目の例として、「面会時間は、原則として三十分程度です。」こういう張り紙がほとんどの少年院でされているわけであります。
 かつて、少年法の改正の折にも議論があったことですので、ここでまた大議論を展開しようという気はさらさらありませんけれども、ただ、例えば少年院に入っている子たちというのは、子という言い方も失礼かもしれません、彼ら、彼女らは、多くのケースでは、例えば親から虐待を受けていたりであるとか、そういう経験がすごくあったり、あるいは親との関係がうまくいっていない少年少女たちがたくさんいて、本来であれば親とのコミュニケーションの回復ということも一つ重要な課題ではないかと思いますし、また、もっと言えば、私は、これは教育課とは少し見解を異にするようですけれども、昔の友達とももっと会わせていいと思っています。
 というのは、要するに、今の少年院というのはできるだけ外に会わせないようにしよう、会わせないようにしようとして、いわば純粋培養しよう、純粋培養と言うと言葉が悪いかもしれませんけれども、できるだけ外部に触れないようにしようというふうにしているわけです。それはそれで一つの考え方としてあり得るとは思います。つまり、外部と接触してまた悪い道に引きずり込まれるといけないのかな、そういう教育的な配慮だというふうに伺っておりますけれども、私は、これは手段としては適切ではないのではないか。つまり、少年院から出たら、彼ら、彼女らはまたその世界に戻るわけですから。少年院での模範生ほど再犯率が高い、そういったことも言えるわけでありまして。どういうことかというと、むしろ少年院で、そういう子たちが面会に来ても、しっかりと教育をして、君たちのやっていることとはもうつき合わないと言えるような教育をすべきだと思っております。
 きょうはその点についての議論ではありませんけれども、ただ、そういった点からしても、また、聞くところによると、例えば外国人のお子さん、そういうケースでも、少年院の名前は申し上げませんけれども、そういうところでも一緒ですかと言ったら、一緒ですと言うんですね。つまり、日本に来て言葉も通じない、大変不安に思っている、そういう、ただ少年院に入っているわけですから何かやってしまった子なんでしょう。親と会うのも、それも月に一回ですよ、三十分というのは。三十分以内でお願いします、こうした張り紙があるわけです。
 いい悪いの話は別として、親御さんの立場からすれば、子供が何か他人に迷惑をかけるようなことをして少年院で世話になっている、少し後ろめたい気があるわけです。そこに行ってこんな張り紙を見たら、三十分でおしまいというふうに読めるんですけれども。ただ、説明を聞くと、そんな形式的に打ち切ったりはしていませんというふうな御説明をいただくんですが、実態はどうなんでしょう。つまり、三十分で打ち切りということに私はしなくてもいいと思いますし、それこそ先ほどの話じゃないですけれども、後で物理的に、後で人がいっぱい来ていて詰まっているだとか、あるいはこの後すぐ授業があるとか、御飯の時間だとか、そういうことでちょっともう勘弁してほしいという話ならわかりますけれども、少年の問題をいろいろ熱心に取り組まれている弁護士さんなんかからお話を聞きますと、いや、もう時間だからといって切られることが多いと伺っております。この点について、矯正局としての見解はどうなっているんでしょう、答弁をお願いします。
中井政府参考人 委員御指摘のとおり、少年院における面会というものは、少年を更生させる上でも、あるいは、保護関係と申しますか、これを調整する上でも非常に大切な場面であろう、かように考えております。ただ、少年に対しては、教育プログラムを確実に履修させるという側面もございますので、無原則に面会を認めることはできない。そういうようなことから、面会時間をおおむね三十分程度と目安を定めて運用しているというぐあいに承知しております。
 さはさりながら、それはおっしゃるとおり、画一的とかあるいは機械的に運用していいというものではございませんので、先ほど申しましたように、少年院において面会することによりまして、家族関係のあり方について指導する、あるいは、少年の出院後の進路を検討するために、場合によれば教官も入っていろいろと懇談する、こういうようなことなど、将来の生活設計について指導する重要な教育場面の一つでもあろうと思います。
 したがいまして、面会時間につきましては、今申しましたような種々のことを考えまして、教育上の必要に応じて、また被収容少年全体の公平性ということも若干考えないといけないと思いますけれども、そういった形で弾力的に合目的的に運用していくべきものだと思いますし、現実にもそういうことをしてもらっているのではないかなというぐあいに承知しているところであります。
山花委員 ちょっともう一度確認をさせていただきたいのですけれども、弾力的にやっているのじゃないかなと、少し希望的観測のような気がするのですけれども、本来、弾力的に運用するということでよろしいのですね。本来、つまり、三十分で画一的に切るべきではなくて、弾力的に運用する、ただ、ケースによっては切らざるを得ないこともあるけれども、あくまでも原則は弾力的に運用するという御趣旨でよろしいですね。
中井政府参考人 先ほど申しましたように、教育上の必要でありますとか、あるいは被収容少年全体の公平性といったようなことをいろいろ勘案いたしまして、面会時間おおむね三十分というのはあくまで目安でありまして、弾力的な運用を行っていくべきもの、かように考えている次第であります。
山花委員 今回の少年院のケースですけれども、大臣にお話をお聞きしたいと思いますけれども、今回のケースでも、少年院についても、処遇そのものと申しましょうか、処遇そのものではないのかもしれませんけれども、少し問題があるような気がする事件があったわけでありまして、今回、行刑運営に関する調査検討委員会というものがつくられまして、タイトルからすると、行刑運営に関するということですから、少年院は入っていないのかなというふうにもとれるわけですけれども、今回のケースからいろいろなことが見えてきたりするわけです。
 つまり、警察との関係でも何かいろいろあったり、医療との関係でもいろいろあったりということでありますので、そういったことも含めて、調査検討委員会でということになるのか、あるいはまた別のものでということになるのかわかりませんけれども、この少年院の問題についてもぜひ検討の課題として取り上げていただきたいと思います。この点について御見解を伺いたいと思います。
森山国務大臣 先生の御指摘をいただきまして、非常に難しい問題が少年院にもあるんだなということを改めて確認いたしました。例えば、プールその他で障害が起こった、亡くなったというようなことがもしあった場合には、普通の学校の場合はそれをカバーする保険のような制度があると聞いておりますけれども、少年院はそれに入っていないというような話を聞きまして、これはちょっとおかしいのではないかと、私も個人的にはそう思っているわけでございます。
 そのほか、今の面会時間その他いろいろな処遇の面につきましても、少年については特に気を使わなければいけないし、十分検討しなきゃいけないものがたくさんあると思います。
 行刑改革会議というのを近く立ち上げようということで、民間の方のお知恵も拝借してと考えておりますけれども、行刑というと、おっしゃるように少年院は入らないということに、お役所ふうにいえばなるわけでございますので、これはあくまでも仮称でありましたから、御指摘を踏まえまして、少年院についても検討できるような内容にしていきたいというふうに私は思っております。
山花委員 済みません、厚生労働省、ありがとうございました。
 それでは、本題と申しましょうか、今回の行刑問題に関するテーマに移ってまいりたいと思います。
 私どもが資料要求をいたしまして、三月七日に行刑問題に関する資料として提出をいただきましたもののうち、横須賀の死亡事案について少し伺ってまいりたいと思います。
 先日の委員会のときにはこれはカルテなども資料配付をいたしたのですけれども、きょうは済みません、していませんので、口頭でお話をしていきたいと思います。
 この資料でいただきました「診療録」というタイトルで書いてあるものですけれども、いわゆるカルテと呼ばれるものなんですが、私、これを見たときに、最初すごく不自然な感じがしたわけです。と申しますのも、何かどうも実際は違うようですけれども、私は当初カルテというのはお医者さんだけが書くものだと思っておりましたので、そうしますと、明らかに字体が違うものが幾つかあったりであるとか、あるいは、十二年の十一月の二十一日の記述では「昼食後から「目が見えない」「明るい所ではぼんやり見える」等訴え、自力歩行もままならず、法務技官医師に報告。休養の指示あり。」こんなことが出てきますから、これはどう見てもお医者さんが書いたものだとは思えなかったわけであります。
 ところで、このカルテについて、昨日法務省の矯正局の医療分類課長さん、お越しいただいて、この方お医者さんだそうですけれども、お話を伺ったのですけれども、変わった方ですね。
 と申しますのも、例えば五月二十一日、明らかに字が違う方が書かれているのは明白だと思うのですけれども、「十二時十分 昼食後めまいを訴える。頭痛(+)」頭痛ありということでしょう。「嘔気(−)」だから吐き気はないと。「気分不快(+)」不快な症状があって「仮横臥許可となる。 BD」BDというのは血圧のことですね。上が百四十、下が八十。「十五時 めまい、頭痛 大分すっきりした…と」と記載があります。
 私、お医者さんに、例えば内科の先生とか外科の先生とかそういう方が見ると、一〇〇%違うとは言えないけれども普通医者はこういうことは書きませんねというお話なんですね。つまり、准看護師とか看護師であれば、客観的に相手方の症状を記載するようにしなさいと、看護記録にですよ。カルテにじゃなくて看護記録に記載するようにしなさい、時間を書くようにしなさいという教育を受けていますから、普通これを見れば、看護記録、看護士が書いたのかなと見るのが普通ではないか、ただ、一〇〇%そうだとも言い切れないけれどもという答えが大半でして、これを見てお医者さんが書いたんじゃないかなんと言う人はまずいないのですけれども、昨日おいでいただいた法務省矯正局の医療分類課長さんは、これを見て、いや、そうとも言えない、というか、むしろ、カルテにはいろいろな書き方があるから、人の個性によって違うのでということで、一生懸命これを、私が、お医者さんが書いたんじゃない、普通こういうこと書きませんよねと言うと、何かむしろ御立腹されているような感じで、いや、そんなことはないですということを一生懸命言われるんですよ。
 ただ、非常に不思議なのは、御本人は精神科のお医者さんかもしれませんけれども、あくまでも役所の立場で御説明に来ているはずなんですけれども、平成十二年当時、お医者さん、これ、横須賀、一人しかいないんじゃないですか。医療体制について御説明ください。
中井政府参考人 お答えいたします。
 平成十二年当時の横須賀刑務所の医療体制でありますが、内科の常勤医一名、准看護士一名が配置されておりまして、医療衛生業務に従事しておりました。また、仕事が繁忙なときなどには処遇部門に勤務する准看護士の資格を有する職員四名が応援する体制にありまして、施設内での対応が困難な専門的治療を要するといったような場合には外部病院への通院または入院、あるいは医療刑務所への移送等で対処することとしていたというぐあいに聞いております。
山花委員 そうなんですよね。だから、これ、恐らくお医者さんが書いたものじゃないんですよ。
 ただ、何で、あくまでも立場としては役所の御説明にいらっしゃっている方が、一生懸命、いや、医者はこういうことを書くかもしれないというふうに、少なくとも当時の医療体制についてよく承知されている方だと思うんですけれども、そういうことを言われるのか、大変きのうは不思議だなと思って、その方とも少し議論をさせていただいていたんですが。
 今回のこの「診療録」と書いてあるものについて、何人かのお医者さんにいろいろお話を伺いました。そうすると、非常におもしろいなと思ったのは、専門分野が何かによって随分感じ方が違うような印象を受けております。
 と申しますのも、きのうおいでいただいていたのは精神科のお医者さんのようですけれども、確かに精神科のお医者さんというのは、相手が何を言っているかとかそういうことを一生懸命カルテにも記載をするということがあるようです。自分の所見もちょっと書くけれども、お手元にもし資料がある方は、SとかOとか書いてありますけれども、Sと書いてあるのはサブジェクト、患者さんの訴え、Oと書いてあるのはオブジェクトで医師の所見ということです。流れるような字で書いてありますから非常に見づらいと思いますけれども、例えば、五月十八日の頭のところにSとかOとか書いてありますけれども、内科のお医者さん――ごめんなさい、これ、今内科のお医者さんだという説明ありましたっけ。医師が一名というのは、これは内科のお医者さんがいらっしゃったということですよね。内科医ですね。
中井政府参考人 内科であると聞いています。
山花委員 内科のお医者さんでもいろいろ個性があって、カルテの書き方も人によって随分違うようですけれども、余り、大臣も今お手元にあるようですから一枚めくっていただいて、五月二十二日は恐らくお医者さんが書いたような感じですけれども、二十三日になりますと、「本日、あけ方頃に尿失禁あり。本人は、寝ぼけていたから、間に合わなかったと言う。昨夜から不眠薬服用し始めて、頭痛は、なかったと。尿意が近いほうだと言う。経過観察」
 こういうことは普通はお医者さん、お医者さんといっても精神科は入っちゃうので、内科の先生は普通書かないようですし、あと、不眠薬という言葉が出てきますけれども、普通、お医者さん、中にはこれに近い言葉を使う病院もあるようですけれども、不眠薬という言葉は普通は使わないようですね、例えば眠剤であるとか。
 あと、恐らく五月二十二日のところについてはお医者さんが書いたんでしょう、右側、医師捺印の欄に、飛び出ちゃっていますけれども、ハルシオンという言葉が出てきます。お医者さんであれば、ハルシオンだとか眠剤だとか、こういう固有名詞を書くのが一般的のようですし、眠剤に近い言い方で言いますと睡眠導入剤という書き方をすることもあるようですけれども、不眠剤という言葉は普通は書かない。類似の言葉もあるようですけれども、書かないようですね。したがって、これは准看護士の方としてもやや私は疑問があるんですけれども、こういうふうな記載が散見をされるわけであります。
 この中身について、中身というか、具体的な中身についてということではありませんけれども、御説明いただいたところによりますと、これはカルテはカルテなんだけれども、看護記録、つまり准看護士の方が書いたものと一緒になっているというふうに説明を聞いております。そして、准看護士といっても、純然たると申しましょうか、純然たる准看護士だけではなくて、刑務官の中に准看護士の資格を持っている人がいらっしゃって、その方が書いているケースがあると伺っていますが、それはそのとおりでよろしいですね。矯正局長。
中井政府参考人 取り急ぎ確認したところを申し上げますと、当時の横須賀刑務所のカルテには、刑務所の医師のほかに、例えば医務課等に配置された准看護士が記載していたというぐあいに聞いておりますし、現在もおおむね同様の取り扱いであるという報告を受けております。
山花委員 多分そうなんでしょうね。つまり、このカルテを見ると、五月十八日の時点で「下垂体腫瘍」という言葉が一番最初のところに見受けられます。五月十八日、「新入」、サブジェクト、オブジェクトのことが書いてあって、「S58クモ膜下出血 S59下垂体腫瘍 opeせず」、つまり、恐らく本人から過去の既往歴について問診をして、それをメモしたものだと思います。つまり、S59、昭和五十九年に下垂体腫瘍である、そして手術をしていないということは、お医者さんであれば恐らくもうこの時点でわかっている話なんですね。ところが、四枚めくっていただいて、十二年の十一月九日のことです。これはお医者さんじゃない方の字だと思いますけれども、四行目から、「本人は、ちょっとした事で職員に注意を受けてしまい、なさけないと。頑張る様指導したところ、起き上がり、座っていた。多少、甘えがあると思われる。」この方は十二月四日に亡くなるんですけれども、もう十一月ですから、亡くなる一カ月前です。
 こう見ていくと、目が見えないとかいろいろこれまでも訴えられていたわけでありまして、脳腫瘍だということがわかっていて、調子が悪いということがわかっている人に対して、多少甘えがある、こんなひどいことはお医者さんだったら普通書けないと思いますからね。
 この方についてですけれども、カルテを見ていくと、ところどころ、目が見えないとか、全く見えないわけではない、こういうことを一生懸命訴えられているわけであります。
 この措置について非常に私は疑問があるんですけれども、例えば、下垂体腫瘍といっても良性のものと悪性のものとがあって、何か脳腫瘍という言い方をすると物すごく怖い病気のような気がしますけれども、悪性のものというのは大体二割程度で、普通は、普通はといいますか、多くは良性でして、ただ、目が見えないとかそういう症状が出てくるようです。眼球があって、中で視神経がクロスしていますけれども、クロスしている中心部などに腫瘍があると、ここから視神経が圧迫されまして、目が見づらくなる、つまり外側が見づらくなることがあるようですね。
 少なくとも外科の先生が、こういうときにどうしますかということを言いますと、口をそろえて言うのが、法務大臣、たまたま目が合っているので恐縮ですけれども、ペンをこう立てて、目の前で横に振るようです。遠いですけれども、私の顔でいいますと、目の前でこうやりますと、外側が見づらいですから、つまり視神経が少し侵されていると。だんだん脳腫瘍が進行してきますと圧迫の度合いが強くなってきますから、見える範囲がすごく狭くなっていくということのようなんですけれども。
 このカルテを見ると、普通、お医者さんというのは、そういうことをやったら、診療記録というか、カルテに記載すると思うんですけれども、これも個性によって書く人書かない人がいるという説明を受けていますが、普通は書くものだろうと感じるんですけれども、これは書いていないような気がするんですね。したがって、下垂体腫瘍とかそういうことはお医者さんは聞いていたんだけれども途中で忘れちゃったのかなと思うぐらいの話なんです。
 といいますのも、五月、六月とずっと受診しているんですけれども、どうも下垂体腫瘍に対する措置とおぼしきものがほとんどないんですね。九月になって初めて、昭和五十九年、「クモ膜出血で温覚異常あり 寒く、長そでが」欲しいということなのかな、こんなせりふが出てきたりしますけれども、あくまでもこれはクモ膜下出血の話ですね。やっとお医者さんがおかしいぞと気がついたように見えるのは、もう十一月になってからなんです。十一月の二十四日、「全く見えないわけではないが、ぼんやりする」、血圧が、上が百、下が八十、「手足マヒ しかし、こちらの指示した動作はできる 見えている」と書いてあります。ここで、普通にこのカルテを読んでいったときに、これも聞いたお医者さんによっていろいろおっしゃることが違うので、しかもこのお医者さんから聞いたわけじゃないですから推測になってしまいますけれども、恐らく十一月の時点で、おやと思ってどこか病院に電話をしたんだと思いますね。
 十一月三十日には、恐らく准看護師の手によって書かれたと思われますけれども、マスキングされていて、病院のどこかのお医者さんから電話があって、十二月十二日にCTスキャン、MRI等の検査を実施するという連絡が来たと。そこで、十二月一日に経過を見て、何とかの何とかのホスピですから、どこかの病院の、脳外とありますけれども、これは脳外科のだれだれドクターに通っていた、しかもSと書いてあってサブジェクトですから、つまり患者さんがこう言っていると。読みづらいですけれども、平成六年ぐらいまで通っていた、ガンマナイフ勧められたがやらなかったと。
 ガンマナイフというのは、脳の腫瘍を、口の中から当ててその腫瘍を取るもので、ガンマナイフというのも、これもおもしろいんですけれども、外科のお医者さんが見ると、おお、ガンマナイフかと反応するんですけれども、内科の先生とか精神科のお医者さんは、きのうの先生もそうでしたけれども、余り反応しないですね。つまり、ガンマナイフがある施設というのは本当に限られているわけですけれども、恐らく、そういう専攻じゃないと、かつて教科書で読んだとか、あるいは授業で習ったことがあるということぐらいで、余り反応しないのかもしれません。ただ、外科の先生が聞くと、おお、これかというような反応をされるようですね。
 その次のページに行きますと、もうこの辺で本当に慌てたような感じになってきます。「右眼の右半分 左眼の左半分が見えない 両耳側」ちょっと読めませんけれども、つまり、これは脳腫瘍がかなり進んできているぞという感じになってくるわけです。
 ところが、十二月三日に保護房に収容されて、この方は十二月四日に亡くなってしまうというわけでして、したがって、こうやって見ていっても、事件性があるかないかについては断定はいたしませんけれども、少なくとも医療体制について極めて疑問があるような気がいたします。
 余り言うと、このお医者さんがいけないみたいな話になるかもしれませんけれども、少なくともこれはどこかの時点で脳外科、例えば法務省が所轄をしております医療刑務所でも脳外科は持っていないですよね、したがって、どこかに連れ出す、連れ出すというか移送するということでしょうか、それが必要だったのではないかなというふうに感じられる事案なんですけれども。
 この点について、厚生労働委員会ではありませんから、個々の症状に対してどういう対応が適切だったかという話をするつもりはありませんけれども、少し大ざっぱな言い方をしますと、この医療的な措置、適切だったと考えられておりますか、矯正局長。
中井政府参考人 委員御指摘の件につきまして、カルテで確認いたしました範囲では、横須賀刑務所に入所したときに、クモ膜下血腫、下垂体腫瘍の既往症状、これは既往の病歴を申し立てておりますし、入所数日後から、時折目まいや頭痛を訴えていたというような経緯がございます。
 施設では、本人の申し出に応じて適宜医師が診察等をしておりまして、また今委員御指摘されたとおり、このカルテによりますと、死亡の数日後には外部の専門医の検査を受ける予定であった旨の記載があるところであります。
 ただ、全般的に見まして、結果として見ますと、対応が若干おくれた嫌い、これはあるのではないかというぐあいに受けとめておりまして、今後はこのような事案、事態が生じないよう施設を指導してまいりたいと思っております。
山花委員 事件性の有無は別としてということで留保させていただきましたけれども、ただ、今回少し気になる話がありますね。
 資料では出てきておりませんけれども、この事案について、刑事局長、司法解剖がされております。司法解剖した折に、直接の死因は脳腫瘍だったようでありますけれども、外傷があったというふうなことがあったようですけれども、答弁できますでしょうか。
樋渡政府参考人 お尋ねの件につきましては、受刑者死亡の当日であります平成十二年十二月四日、横浜地方検察庁検察官による司法検視が行われまして、検視からは死因が特定できず、司法解剖により死因を明らかにすべきと判断されまして、その後、同日、司法解剖が行われ、司法解剖の結果、後頭部に打撲傷が、左前頭部等に頭皮内及び皮下出血が認められるなどしましたが、直接死因に結びつくものではなく、死亡の原因は脳腫瘍である旨の解剖医の所見が示されたものというふうに承知しています。
 なお、当局におきましては、行刑運営に関する調査検討委員会に協力するとの立場から、お尋ねの事案につきましても改めて調査しているところでございまして、可及的速やかにその結果を調査検討委員会に報告しますとともに、必要な場合には検察庁に情報提供等をしたいと考えております。
山花委員 ちょっと嫌な話でありまして、つまり、直接の死因ではないにしても、後頭部打撲傷、左前頭部に皮内・皮下出血が認められたということですから、もちろん自分で何かやってしまったこともあるかもしれませんけれども、これだけいろいろ起きておりますので、調査されるということですので、そこはしっかりと調査をしていただきたいと思います。
 また、これも余り言いたくないような話ですけれども、今回の、保護房に収容されていたんですけれども、亡くなったのが十二月の四日、保護房に入れられたのが十二月の三日。
 私どもは、保護房というのは、大変寒いときには、刑務所に行ったとき、視察したときにも説明は伺っています。床暖房が入っているので余りそんなに寒い思いはさせていないはずですという報告というか御説明を伺っているんですけれども、今回のこのケースでは床暖房はちゃんと入っていましたか。
中井政府参考人 私どもで調査した範囲で申し上げますと、平成十二年当時、横須賀刑務所の保護房には床暖房の設備は設けられておりました。しかしながら、お尋ねの、同年の十二月三日に本件の被収容者を収容した際には、担当職員が電源の入力を失念しておった、その後勤務した職員も確認していなかったことから、保護房収容解除いたしました翌日まで床暖房は一度も使用されなかったという報告を聞いております。
山花委員 いや、ちょっと、通告していませんけれども、法務大臣、今のを伺って、ちょっとこれはひどいですよね。調査検討委員会などでしっかり調査するということでしたけれども、場合によっては、これは関係者の方、何らかの責任、けじめをとっていただかなければいけないようなケースではないでしょうか。
 つまり、今回のケースでいうと、例えば、外部のお医者さんに、後から振り返ってみればということかもしれませんけれども、すぐ連絡していなかったということも一つ死因かもしれません。また、床暖房がついてなかった。そして、十二月三日に保護房収容されてから視察を、視察というのは刑務官の人が中を見たりとか、視察を十分にしていれば、もしかしたら防げたかもしれない。そして、床暖房の件も含めて施設管理が不十分だったというふうに総括できると思うんですけれども、通告していませんので御答弁は難しいかもしれませんけれども、しっかりとやると……(発言する者あり)感想をお聞かせください。
森山国務大臣 今お話があったとおりのことであるとすれば、この受刑者の方に対しては非常に気の毒なことをしました。ただでさえ病気があって、心細く、何とかしたいという気持ちでいるところを、十二月になってかなり冷えるのに暖房が入ってなかったというのは、さらに一層つらかったんではないだろうかというふうに思います。
 これから具体的に調査をするということでありますので、どのような責任をどなたが担うことになるのか、その調査の結果を見なければわかりませんが、また、その暖房がなかったということ自体が死因に直接影響したかどうかというのもまたわかりませんので、何とも私の口から今申し上げることは難しゅうございますけれども、本人に対しては非常に悪いことをしたなという気持ちでいっぱいでございます。
山花委員 ともかく、こうやって調べていくとびっくりするような話がいろいろ出てくるんですけれども、大臣に、医療部門の民間委託を検討すべきではないかという点について、少し議論させていただきたいと思います。これは恐らく法務大臣としてというお立場もありましょうけれども、政治に身を置く者としてお考えをいただきたいというところであります。
 私は、こういう場でこういう言い方をするのが適切かどうかわかりませんけれども、法務省という役所が医療部門を何としてでも持っていなければいけない、死守しなければいけないという必然性はないのではないか。例えば、行刑に関する教科書などを見ると、国の施設が受刑者の医療を行うのは当然のことだ、そういうふうに書いてありますけれども、それは既存のシステムを前提にすれば当然のことなんでありましょう。ただ、受刑者であれ、少年院の院生であれ、どういう人であれ、医療を求める人に対してお医者さんが医療を施すのはむしろ医者の倫理として当然のことではないか、ここで議論すべきことではないかもしれませんけれども、私はそう思っています。
 ですので、確かに現在、刑務所などで、お医者さんに来ていただくのに、お医者さんの方が嫌がって大変苦労されているというのは承知をしていますが、さらにその上であえて申し上げたいと思うんですけれども、本来はしかし、お医者さんであれば、それはどんな身分の人であれ、治療が必要な人に対してはするのは私は当然だと思いますし、だれかがやらなければいけないことなわけです。法務委員会の御職業に置きかえて考えれば、例えば弁護士さんだって、それはいろいろな人がいますから、嫌だなと思う人がいても、本当に法的な正義を求めなければいけないときにはその人のためにやらなければいけない、だれかがやらなければいけないわけですから。
 そうだとすると、私は、医療については、これは法務省として民間委託ということを検討されてもいいのではないか。つまり、確かに民間委託したって受け入れ先がないじゃないかという議論になりがちなんでしょうけれども、今申し上げましたように、本来だれかがやらなきゃいけないことなんですよ。
 かつ、これは受刑者の方には大変失礼な言い方になるかもしれませんけれども、医療の観点から見たときに、例えば刑務所にいることによって拘禁性ノイローゼにかかる、拘置所もそうですけれども、そういう方たち、たくさんいらっしゃいます。これは精神科の医療にとってみれば、サンプルという言い方は大変失礼なんですけれども、普通、町中じゃいないようなたくさんの症例を見ることができるわけです。また、C型肝炎の方も刑務所、たくさんいらっしゃいます。アルコール中毒だとか、あるいは覚せい剤中毒の方もたくさんいらっしゃいます。
 町の精神科のお医者さんにももちろん来ますし、そういう方が多くいるでしょうけれども、集団として存在しているわけですから、これを民間委託してちゃんと研究することによって、これは日本の医療の向上にもなると思いますし、今回の刑務所問題でいいますと、あってはいけないことですけれども、例えば刑務所内で暴行ないしそういう事案があった、それが、刑務所の中で診るのではなくて、必ず外のお医者さんに診てもらえるという話になれば、それなりに、おかしなことがあればお医者さんだって、これは一体何ですか、けんかでもしたんですか、そういう話になって、場合によっては警察に通報するかもしれない。そういうことがあれば、恐らく刑務所内の今回のさまざまな事柄に対しても一定の抑止力になると思います。
 ただこれは、役所間の、厚生労働省とか法務省とか、そういう役所間のいろいろな関係があったりとか、恐らく相当な改革というものを行わないと、そう簡単に、今、そのお立場で、いや、そのとおりだとはもちろん言えないと思いますけれども、そういうふうに私は考えているんですけれども、衆議院議員森山眞弓さんとしての立場も、あと、要するに政治家がこれはやらないと、役所の方が一生懸命研究されても、それはお互いうちは所轄がこうだからという話になりますので、考えていただきたいと思いますけれども、この点について御所見をいただきたいと思います。
森山国務大臣 刑務所の中の医療の問題というのはいろいろな意味で非常に難しい問題でございまして、外部に委託したらいいじゃないかというお話でございますし、それも一つの考え方だと思いますけれども、刑務所も大勢の人を集めているわけですから、風邪を引いたとかおなかが痛いとかというごく普通の病気もあるわけでございますので、そのようなときにすぐに応じられるように、刑務所の中にお医者さんがいらっしゃるということも必要だと思います。
 また、ちょっと難しい、あるいは不審に思われるような事態に遭ったときにどうするかということは、やはりおっしゃるように外部の専門の方に診ていただくということが重要でございまして、現に外部への移送をしたり医療刑務所へ入れたり、いろいろな方法で専門の方のいらっしゃるところへお願いするように現在でもなってはおりますが、確かに十分でないということはおっしゃるとおりだと思います。
 これから行刑あるいは矯正全体のあり方について勉強する場をつくっていきますので、この医療問題についても、皆さんのお知恵をかりて、改善するように努力していきたいと思います。
山花委員 このほかにもいろいろ準備をしてきて、通告をして、御準備いただいたと思うんですけれども、あと時間が若干しかございません。
 ところで、昨日、十二月事案の処分などについての、いろいろあったようですし、法務大臣も御自身、三カ月のまた給与の返上ということをされたようでありますけれども。
 ただ、私、最近思い出したことがありまして、日本ハムが、牛肉偽装事件があったときに、当時、社長とか会長が役員報酬を全額返上する方向で検討していた。ところが、当時の武部農水大臣が、執行体制を含め厳正に処分するよう指導しているということで、けしからぬという話をした。その後、社内処分で、当時の副会長が取締役を退いて最高顧問になる。当時の社長は、自分自身はその事件について知らなかったのでということを言っていたんですけれども、結局、当時、法務大臣のそのころのお仲間、お仲間と言っちゃいけないですね、同じ閣僚でありました武部さんは、随分強い姿勢でいろいろ指導をして、結局、社長も専務に降格したりとか、あるいは名誉会長とか最高顧問を設けるのは国民の理解を得られないということで、完全引退などを求めるということで、結局そういうふうな流れになっていったわけであります。
 今回の件については、私は再三申し上げておりますけれども、普通の会社ではちょっと軽過ぎる処分ではないかと思っております。つまり、今回の件で、大臣御自身の責任、しっかりと身を処さないと、ほかの点についても大変モラルハザードを起こすような懸念がある。
 時間が参りましたので、そのことだけ申し上げまして、終わりたいと思います。
山本委員長 次に、山田正彦君。
山田(正)委員 自由党の山田正彦です。
 集中審議で、私も法曹に携わってきた者として、実は今回の刑務所内での疑惑事件、これは一件二件ぐらいそういうことはあり得るか、あっても、変質者もいるんだから、そんな気持ちもありましたが、次々に新聞報道を見ていますと、死亡名簿のうち、二百六十人中百人が変死、そんな等々を読んでいまして、いろいろ委員会で実態が明らかになってくるにつれて、まさにこれは、戦後、法曹にとって、人権にとって最も大きな大変な事件である、そういう実感を日増しにしているところですが、ひとつ大臣も、この問題は大臣の進退ようにもかかわる大変重大なことだ、そういう認識のもとに取り組んでいただいている、そう思いますが、ぜひともひとつ真剣に考えていただきたい、そう思います。
 ひとつ、私も死亡者名簿をきのうずっと見ておったんですが、府中刑務所の平成八年の九号、この中に、外傷性硬膜下血腫の疑いというのがあるんですね。これは死因不明のため司法解剖が行われたということの記載がなされておりますが、実は外傷性の硬膜下血腫といいますと、外から何らかの形で、けがさせられた、暴行を受けた、普通ならばそう考えるわけですが、いわゆる解剖している。死因不詳のため解剖を要すとなっているんですが、解剖した結果、それがどうなったか、質問通告しておったんですが、まず、矯正局長でも結構ですが、答弁いただければと思います。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 死亡帳に外傷性硬膜下血腫の疑いがあると記載されている府中刑務所の事案でございますが、平成八年十二月十七日に同刑務所におきまして受刑者が死亡した事案と思われますところ、これにつきましては、司法検視の上、司法解剖が行われておりまして、死因につきましては左冠動脈前下行枝粥状硬化症に基づく急性肝不全と思われ、死亡の種類は病死の範疇に属するとされていることを承知しております。
山田(正)委員 直接の死因が確かに冠動脈内の血腫云々ということ、それはわかるんですが、それに至る原因、これが外傷性であるか、その本人の持つ病気であるかということについての司法解剖の所見ですね、外傷性の疑いがあるわけですから。それについては、外傷性についての鑑定の判断はどうだったんでしょうか。
樋渡政府参考人 先ほど先に申し上げておけばよかったんでございますが、司法解剖の結果はそういうふうに報告しておりまして、いずれにしましても当局としましては、これらの事案も含め、行刑施設内における死亡事案についてできる限りの調査を行いまして、可及的速やかにその結果を調査検討委員会に報告しますとともに、必要な場合には検察庁に情報提供したいと考えております。
山田(正)委員 これは私は、質問通告する前に、鑑定書を開示してくれ、私の方に事前に見せてほしい、そういう要求をしておったんですが、残念ながら開示していただけませんでした。こういう公の書類であって、確かに個々にかかわるものであっても、我々委員として、法務の委員として、実態がどうなっているかということについては、国会議員としても、院としても、調べる権限がある。それについて、当然、事前に我々に対してそういう鑑定書、そういったものも開示して、そして我々委員だけでも明らかにさせるべきではないのか。法務大臣、どう考えますか。
森山国務大臣 お求めに応じまして資料はできるだけお出しするようにということを申しておりまして、それに基づいてそのように努力いたしていると思いますが、中には、もちろん御存じのように、プライバシーの問題その他、いろいろございまして、全部お見せできないというものもあるかもしれませんが、そのようなことを除いて、できるだけ見ていただくようにということをいたしておりますので、その方向で今後もやっていきたいと思っております。
山田(正)委員 委員会あるいは調査委員会等のもとに、不審だと思われる事件は必ずそれを調査し、その結末を明らかにする、そういう決意で臨まれるのかどうか。刑事局長、いかがですか。
樋渡政府参考人 先ほど申し上げましたように、刑事局といたしましては、調査検討委員会に協力するという形で現在調査を進めておりまして、それをまず調査検討委員会に報告をしたいと考えております。その上で、委員会のお求めに応じて対応すべきものだというふうに考えております。
山田(正)委員 その上でという後がよく聞き取れなかったんですが、その上で、事件性があれば当然捜査してその結果を明らかにするという趣旨でよろしいのかどうか。
樋渡政府参考人 済みません。先ほども申し上げましたように、その調査の結果、必要な場合には検察庁に情報提供等をしたいと考えておりまして、これは、我々には捜査権限はございませんので、あくまでも、検察庁に対しましてこういう点はどうかという情報提供をするという考えでございます。
山田(正)委員 調査検討委員会とかあるいは資料を検察庁に送致するとか、そういうお話かと思いましたが、それではなく、大臣として、こういう大変変死と思われる事件を放置するということは、これは法治国家じゃない。法務大臣としてその責任をどう思うのか。ひとつそこをもう一回、簡単でいいですが、決意のほどをはっきりしてほしい。
森山国務大臣 おっしゃいますように、いろいろな刑務所において不審な死亡をしてしまうという受刑者がございまして、中には事件性があるものもございますし、また場合によっては医療の問題があるというものもあるかと思いますが、それらについて、詳しく具体的に調査をいたしまして、その結果をお知らせ、御報告申し上げるということでやっております。
山田(正)委員 もう一件。よく新聞でも報道されましたが、同じく府中刑務所の平成九年の五号、いわゆる筋注射を行った後自発呼吸が低下したため人工呼吸を開始したが死んだという事例です。これは結局は解剖、いわゆる死体解剖はしなかったわけですね。
 いわば筋肉注射で云々、そのときの状況からして、これは当然検察官の判断として死体解剖するという必要があったと思われるのですが、これは、刑事局長、どう思われますか。
樋渡政府参考人 その判断は、あくまでも司法検視をした検察官が判断すべきことであろうと思いますが、司法検視の結果によりますと、その立会医師から、覚せい剤中毒の後遺症による激しいけいれん状態を呈し、融解した筋肉細胞が心筋周囲の血管に血栓を生じさせ、その後に心筋梗塞を起こした事例であろうとの所見が示されているものというふうに承知しておりまして、そういう所見を示された結果、検察官が司法解剖の要なしという判断をしたことになるんだろうと思いますが、いずれにしましても、この件につきましても、現在当局で調査中でございます。
山田(正)委員 その筋注射を打ったときの客観的状況等々からして、その措置が正しかったか、相当性があったかどうか、客観的事情からすれば判断できるはずですから、それについて業務上過失致死の疑いがあるかないか、それについては結論を出していただかなければ、これはマスコミでも報道されていますし、ぜひその点では明確にしていただきたいと思います。
 いずれにしても、この死亡鑑定、医師の鑑定なんですが、大変いろいろ問題が多いんじゃないか。
 例えば、いわゆる十二月事案というのですか、府中刑務所の。直腸裂開という事案ですね。これの司法解剖所見、これが、自為によるものと考えても矛盾はないと。客観的に見て、既に裂開している、直腸が裂けてあいて直腸が出ている、これが自為、自分でやったものと考えても矛盾はない、こういう所見が出る、そういう鑑定意見が出ること自体、これは常識で考えられない。
 そしてさらに、平成十四年五月事案というのですか、いわゆる革手錠で腹腔内出血、腸間膜及び肝挫裂、肝臓が裂傷した、そういう事案で死んだ典型的な事案ですが、これについても、自為及び事故で生じたとしても矛盾はないと解剖医の所見。客観的に見れば、本当に腹腔内にかなりの出血があって、肝臓そのものは裂けて破けている、裂傷を負っている、そういう事態で、自為、自分でやった、生じたとしても矛盾はない、こういう鑑定医の診断が堂々となされてきてこの変死が累々と続いてきた、ここは大変問題なんじゃないのか。
 大臣、ひとつ考えていただきたいんですが、腸が裂傷している、肝臓が破けている、腹腔内に大変な出血がある、これでも自分でやったと考えられても矛盾はないという鑑定医の所見を、常識で我々が考えて、それで納得がいく、それで済まされるというものであるかどうか。大臣、ひとつ大臣の所見をお伺いしたい。
森山国務大臣 解剖というのは、お医者さんが専門的な立場から解剖されて、その結果をコメントされるというものでございます。私ども専門外の者は、特にそれに対して、違うんじゃないかとかこうじゃないかとか言う資格はないわけなのでございますが、一方において、受刑者が非常に、普通常識では考えられないような行動に出る人であったということも一方にありまして、異常な行動をしたのかもしれないというふうな感じがあって、そのような解剖の所見についても、ああ、そういうこともあるのかな、想像もできないことだけれどもあり得るのかなというようなことを感じたのだろうと思いますが、さらにもう一歩深く考えてみる、あるいは重ねて調べてみるという必要があったのではないか、今になって考えてみるとそのように思われます。
 しかし、相手がお医者さんという専門家でもあり、その所見についてこちら、素人が何か言うということはなかなか難しゅうございますので、そのような結果になったのではないかというふうに思います。
山田(正)委員 いわゆる十二月事案というのですか、平成十三年の。ホースで、高圧消防ホースでやられた直腸裂開、その事案で、自分でやったとしても、自為によるものとも考えられる、そういう所見ですね。その中で、私が少し問い詰めましたら、その亡くなった方はつめが随分伸びていたんだ、だからつめでやったかもしれないと。つめで、普通直腸裂開というかそういうことは考えられない、これは。
 こういうおかしな鑑定が続々とあったとして、それを監督するのは、これはおかしいから再鑑定をやらせようとか、そういう鑑定をするのはどこに権限があるのですか。ただお医者さんがもうそう言っているんだから、専門家がそう言っているんだから仕方がないといって、大臣、その責任はそれで済まされるんですか。
山本委員長 樋渡刑事局長。(山田(正)委員「大臣に」と呼ぶ)
 一回、樋渡さんのお話だけ。
樋渡政府参考人 変死体がありましたら、検察官が司法検視をすることが義務づけられておりまして、それで犯罪でないと確信できればいいのでありますが、できなければ司法解剖をするということにつながるわけでございまして、その司法解剖の結果、鑑定書が出された場合に、それを吟味するのも検察官の役目でございます。
 したがいまして、十二月の事案はこういうような捜査の結果になったものだというふうに思うわけでありますが、その前にまず、司法解剖というものはあくまでも死体の状況から、医学的、客観的観点から死因等を判断するものでございまして、現実の死因にはさまざまな可能性があり得ることからいたしますと、その死因が社会生活上通常の事態か否かとの観点から一部の可能性を排除することは、必ずしも適当ではないというふうに考えられます。
 法務当局は本件司法解剖の適否について意見を述べる立場にはございませんが、あえて申し上げますれば、本件鑑定、十二月事案の鑑定でございますが、それは、被害者の中指が約十センチだったことや身体の伸縮性などを勘案し、多様な可能性の中で自為をその一つの可能性として指摘したにとどまるというふうに思っております。
山田(正)委員 結果として、十二月事案は起訴されたわけですね、いわゆる乙丸という者の犯罪行為として起訴された。ということは、この鑑定は間違いであった。ということであれば、そういう間違いの鑑定が続々と出てきている、それについて検察官は、ただ、自為によるものとも矛盾しない、そういう鑑定の結果だけをもとにして、そしてそのままで済ませている。
 それで、大臣、そういう検察官のもとに日本の司法制度が存在しているということを許されると思われるのか、大臣の見解をお聞きしたい。
森山国務大臣 鑑定の結果、司法解剖をされた結果の報告というものは、明らかにだれでも納得できるようなものは問題ございませんけれども、このケースのような非常に難しいケースについては、いろいろな可能性を当たってみまして、いろいろな、こういうこともあり得る、ああいうことも考えられるということが出てくるのではないかと思いますので、それ自体が間違っていたとも言いかねると思うのでございますが、そのようなものを材料にいたしまして検察官が調べて、今回、事件になったわけでございます。
 そういうわけでございますので、そういう鑑定書あるいは解剖の結果の報告などが材料になってこのたびのケースになって事件になり、責任者が逮捕され、裁判にもなっているということでございますので、そこは御理解いただきたいというふうに思います。
山田(正)委員 大臣の答弁はちっともわからない。御理解いただきたいと言われたって、御理解できるわけはない、これはね。
 これは結果として、当時の検察官が再鑑定なりさせるか、あるいは鑑定の結果がおかしいからそれは刑事捜査すべきである、そういう判断をやるべきであった、結果としてこれは起訴されたわけですから。それをしなかった検察官の責任は、刑事局長、どうなるんですか。
樋渡政府参考人 最初の、最初といいますか、お亡くなりになったときの司法検視に続く司法解剖の結果が間違っているというふうには思っておりませんでして、要は、死因は特定しておるわけでございまして、それが自為によるものか他害によるものか、この所見からのみでは判断できない、自為によるものとしても矛盾はしないという指摘だけがあったわけでございます。
 そこで、それが自為によるものか他害によるものか、これを捜査によって確定していくのが検察官の役目でございますから、それを捜査した結果、本件他害によるものというふうに認定し得たということでありまして、この鑑定結果というのは十分に役に立つ鑑定であったというふうに思っております。
山田(正)委員 この件ではそれなりに調査が進み、こうして起訴されたということでいいんですが、先ほど言った外傷性脳挫傷の問題とか、筋肉注射の問題とか、先ほど山花先生がおっしゃっていた問題とか、大変、いろいろな問題において、いわゆる検視に立ち会った医師の倫理というか医師の考え方というのが、社会通念から我々考えて、少しおかしいんじゃないのか、この刑務所という閉鎖社会の中での解剖とか所見、検視というのは。
 例えば、検視に立ち会った検察官によるコメントとして、複雑な事案になるかなとの発言が記載され、解剖の執刀医が検察官に報道機関への公表をしないように要望した、そういうことすら、こうして資料が来ておりますが、いわゆる鑑定医あるいは刑務所内の医者、それといわゆる閉鎖的なこの刑務所内における刑務官、そういった中での癒着、いわゆる何らかのお互いのなすり合いというかお互いのなれ合いというか、そういったものがあって、医者が、医療機関が正常な、我々が考えてみた場合の常識的な判断を逸しているとしか思えない。これについては、矯正局長、どう考えますか。
中井政府参考人 委員御指摘のような見方もあろうかと思いますけれども、私どもの理解するところによれば、やはり医師は医師としての、プロとして、それなりの職分を果たしておられるんじゃないかというぐあいに受けとめております。
山田(正)委員 医師は医師としてそれなりの職分を、それは当たり前のことで、僕はそれを聞いているんじゃないんですよ。
 今言ったように、自分でやったとしても矛盾はないとか、そういう判断をいろいろあるわけですよ、この所見で。もっと本当は、鑑定医の鑑定所見を出してくれと言っても開示してくれない、これは問題だと思っているんですが、もっと調べればいっぱいいろいろ出てくるはずなんだ。社会通念からして非常におかしい、この鑑定医の判断、あるいは刑務所内の医師の考え方というのは。だから、それについて、一体どうしてこうなっているのか、矯正局長としてこれは責任がある。
 医師が医者で、医者は専門家だから、それぞれやってもらっているからそれでいいと、矯正局長、それで済まされると思っていますか、あなたの責任は。
樋渡政府参考人 その前に少し前提事実を答えさせていただきたいのでありますが、この十二月事案もそうでございますが、司法解剖の鑑定等はほとんど法医学教室に頼んでいるのが実情でございまして、法医学教室に限りませんけれども、刑務所施設外のお医者さんに担当をしてもらっているのがほとんどでございます。
山田(正)委員 刑務所外のお医者さんにやってもらったとしても、刑務所に出入りするお医者さんで、刑務所との間のいろいろな人間関係、癒着等々があって、そして医者は医者として、専門家としてやってもらっているんだからそれで何も問題ありませんという、先ほどの矯正局長のそういう答弁で事が済まされる問題なのかどうか、局長。あなたの責任はないのか、そう聞いているんですよ。
中井政府参考人 司法解剖の実施主体であるお医者様がだれであるかということについて、私からお答えすべきかどうかちょっと考えるところでございますけれども、基本的には、委員御指摘のように、刑務所に出入りしているお医者さんというのは、通常、法医学専攻ではございませんで、内科なり外科なり歯科医なりという形と私ども受けとめております。
 それで、恐らく、司法解剖の実施主体については刑事局長に御確認いただきたいわけですが、私の理解するところによれば、いわゆる法医学という分野を専攻されているお医者さんが多いんではなかろうかな、かように受けとめている次第でございます。
山田(正)委員 私も修習時代に司法解剖に立ち会ったことがありますから、その中身は承知しております。それで聞いているわけです。
 こういうおかしな鑑定が出ているということ自体、組織、検察庁も矯正局も十分、その医療機関の選定、もしくは先ほどから言っているように独立した医療機関、そういったところからのすべての刑務所内に対する派遣、あるいは、鑑定において、これは検事が鑑定を依頼していると思うんだけれども、その際にどういう人に依頼するか。今までのなれ合いでそのまま鑑定依頼するんではなく、それぞれに新しいあるいはかわった大学に鑑定依頼するとか、そういった必要があるんじゃないか。
 そういう意味で、ひとつ、医療機関、いわゆる鑑定医並びに刑務所内の医療、それらが十分になされるような配慮をやらなきゃいけない。これはもう矯正局長の責任であり、法務大臣の責任である、そう考えて、次の質問に移りたいと思います。
 実は、この名古屋のいわゆる五月事案にしても十二月事案にしてもそうですが、いわばこれは一人でやったことではない。起訴された事案も、三人、五人とか、あるいは一人とかという形で起訴されているようですが。私は、これだけの事案があった場合に、看守、副看守長ですか、それから看守長、統括官あるいは部長というんですか、そういったその辺までの現場にいるサイドの刑務官というのは、当然、例えばホースで直腸裂開させたとか、あるいは革手錠で肝臓を破裂させたとか、そういった事実関係というのは、そこまでいくにはそれはもう泣いたりわめいたりするわけですから、十分知っておったはずで、それを知らないそぶりをしておった。こういった拷問は許されないわけですから、知らないそぶりをしておった。知っていて何も言わなかった。それが刑務所内のみんなの習い、ならわし、いわばおきてみたいになっておった。そういうところに今回の二百六十人のうち百人が変死という異常な、恐るべき事態が生じたということがあるんじゃないか、そう考えるわけですが、大臣、どう思いますか。そういったおそれはなかったかどうか。
森山国務大臣 今から考えてみますと、最近明らかになりましたいろいろな事件におきまして、特に名古屋刑務所における一連の事件におきまして、それを見ていた、あるいは放置したというような人もいたに違いないと私も思いますし、そのようなことは許されないと私も思います。
 特に人権の意識というものをもっと徹底的にみんなが身につけるべきであると思っておりますし、そのような意味で、刑務官一般の人権に関する知識、教養の向上ということは非常に大切であるというふうに考えておりまして、そのやり方につきましては皆さんのお知恵をおかりしようということで、近く改革会議を立ち上げて、やり方、内容についてもお知恵をおかりしながらやっていきたいというふうに考えております。
 いずれにせよ、現在の行刑施設におけるさまざまな法律、規則等が非常に古うございまして、明治のころにでき上がった、その後少しずつ手直しをしてきたとはいいながら、人権感覚というものが大変に足りないということは強く痛感しております。
山田(正)委員 仲間意識があって、ああ今またやっているな、革手錠でやっちゃいけないような許されないことをやっているなと思っても、それをだれも言わない、そういった温床、そういったものが今回の刑務所でのこういう事件を多発させた。
 ところが、刑訴法二百三十九条に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」とある。刑務所内でまさにやっちゃいけない拷問、暴行、傷害、そういったことが明らかに行われていて、それを他の官吏がそばにおって知らないはずはない、他の刑務官が。それを告発しない。刑事訴訟法では、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と、はっきりこの刑事訴訟法上の二百三十九条に書いてあるではありませんか。
 これをしていない事実に対して、矯正局長、これを守らせなかった矯正局長の責任、それも含めて御答弁いただきたい。
中井政府参考人 今回の名古屋刑務所をめぐりますところの一連の事件につきましては、いわゆる犯罪事実の中核部分につきましては検察の捜査にお願いしているところでありますけれども、私ども矯正局といたしましては、そういった事案が起きたところの根本的原因なり背景事情というようなものをきちんと解明して、特に上司の職務上の責任、こういったものをきちんと解明しなさいという指示を大臣から受けているところであります。
 私どもが矯正局におきまして今回の事案を踏まえていろいろ調査させていただきましたところでは、やはりさまざまな問題点が名古屋にございまして、やはり一つは指揮官というものが現場一線に任せきりになっていた嫌いがある。要するに、かなめかなめのところで所長以下の幹部から具体的、明確な指示を出すべきところが、出ていない。あるいは、非常に、現在過剰収容下、名古屋も厳しくて大変なわけですけれども、そういう厳しい勤務負担があるところに対する組織的な支援が不十分である。あるいは……(山田(正)委員「いや、それを聞いているんじゃない」と呼ぶ)
 そういうような種々の問題点がございまして、こういった内容につきましては調査検討委員会等にも御報告しておりますし、また、これを受けてさらに大きな立場で、行刑改革会議、近く設けられますけれども、こういったところからも御指導を受けて、この種事犯の再発防止についての大きな枠組みというのを私どもの方で検討してまいりたいと考えております。
山田(正)委員 矯正局長、僕が聞いているのは、この五月事案あるいは十二月事案、そういった死亡事故、そういう問題のある事故で、同僚の刑務官とか上司とかが当然知り得たであろう、知ったであった。知ったであったとしたら、これを告発しなきゃいけないんですよ、法律上。告発しないでそのまま済ませているということは許されないんですよ、これは。それを矯正局長は、こういう事案をそばにいてだれが知っておったのか、知っておってだれが告発しなかったのか、そこまで調べたのかどうか、それだけを答えていただければよろしい。ちょっと私も時間がなくなってきた。
中井政府参考人 起訴対象となっておらず、委員御指摘のような問題のあった者につきましては、現在調査中でありますけれども、その調査結果を踏まえまして、起訴対象にならないものであっても処分すべきものは処分していく、こういうことを考えております。
山田(正)委員 調べているのか、調べていないのか、それだけを聞いているんです。
中井政府参考人 現在調査中であります。
山田(正)委員 そこを、これは刑訴法違反だから調べてもらって、さらに、国家公務員法の第八十二条、ここに、職務上の義務に違反し、または職務を怠った場合、これは免職、停職、減給または戒告の処分をすることができるとなっている。
 国民の刑務官吏に対する信頼、我々の刑務官吏に対する信頼は本当に今まで厚かった。私も、この事案を知るまではこんなことがあるとは信じられなかった。それくらいその信頼が厚かったのに、その職務に、義務に違反した、告知しなかった、告発しなかったということに対しては、調べた上で免職、それくらい現場サイドも厳しく、そしてさらに、その上司、矯正局長、矯正局長もみずから辞任、大臣も辞任。それくらいの思い切ったいわゆる責任をとらなければ、単なる減給処分三カ月、戒告、そういったことで、とんでもない話である。大臣、どう考えますか。
森山国務大臣 私も法務行政の責任者といたしまして、このたびの事件につきましてはとても深く受けとめている次第でございます。多くの方々、国会や国民の皆様に大変御心配をおかけしたこと、心から深くおわび申し上げる次第でございます。
 しかし、今もお言葉がありましたように、おわびを申し上げるだけでは済まないというのが私の気持ちでございまして、それよりは、これからの新しい行刑、あるいは矯正行政のあり方をこの機会に思い切って見直し、改めていくということがとても大事だというふうに思います。
 そのために、省内の委員会を既にスタートさせましたし、今すぐできることは、私自身も手をつけまして早速実行いたしておりますし、さらに一両日中に、民間の皆様方のお知恵をおかりしようということで有識者の会をスタートさせるということにもなっておりますし、そのような体制で新しい矯正あるいは行刑のあり方というものをこの機会につくっていくということが、私の今与えられた重要な責任だと考えております。
山田(正)委員 大臣、大臣はその責任を持って今回このいわゆる改革に当たりたいという、この前の農水大臣みたいなことをおっしゃっていますが、だれでも大臣、そんな同じことを言う。しかし、そうやってできたためしがない、これは。責任をとって潔くやめて、そして新しい人に思い切った角度からやってもらう。これが大臣、日本の司法制度を、あと百年、二百年、三百年のことを考えると、あなたの決断すべきことじゃないか、私はそう思います。
 それで最後に、実はこういう事態が起こったのも、実は情願という制度がありながら、いわゆる刑事被告人がこういう事実を訴えるすべがなかった。大臣がもちろん情願を見ていなかった。矯正局がどういう扱いをしておったか余り定かじゃない。恐らく矯正局長も全部見ておったとは思えない。年間三千件もあるものを、これは。
 そうすると、どういう処理をしておったか非常に定かでないんですが、私は、これは憲法上のゆゆしき問題じゃないのかと。いわゆる何人も、奴隷的拘束を憲法上受けることはないと十八条にあるわけですから。第三十四条に、いいですか、これは刑務所に入っている者も入っていない者も、どこにいる人間でもですよ、「何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利」、例えば刑務所の中にあっても、「依頼する権利を与ヘられなければ、抑留又は拘禁されない。」と。何人も、どういう立場にあろうと、弁護士に接見する権利を与えなければならない。
 私は、過去、大分刑務所に、既に刑に服している人に、大分まで行きましたので接見したいと寄って言いましたら、接見を断られたことがある、これは。実際になかなか弁護士に、もう刑期が確定して拘留された者は会わせようとしない。いわゆる中に入っている人もいつでも弁護士に対して接見できる、そういう体制をとらなければ、これは私は本当に、日本の司法制度というのは憲法違反である、いわゆる憲法三十四条違反であると。
 法務大臣、この憲法違反の制度が明治時代以来ずっと温存しておった。これをそのままにしてきた司法大臣の責任は大きい。それに対して、大臣に最後に一言明確に御答弁いただきたい。
森山国務大臣 情願の制度につきましては、本来、大臣が直接に受刑者の事情を、意見を見たり読んだりするためのものでございまして、それが刑務所の中にいる人にとってはただ一つの最後の手段ということでありますので、私も早速に、二月の終わりから直接読ませてもらうことになりまして、いたしました。その結果、幾つかの、たくさんございますけれども、その中の幾つかは、ちょっとこれは難しい問題なのではないかということで、矯正局ではなく人権擁護局等に命じまして調査を頼んでいるものもございます。
 そのようなことで、今できる範囲で精いっぱいやっておりますが、これらのすべてについて、先ほど申し上げました改革会議の皆さんにもお知恵を拝借して、よりよい方法を考えていきたい。救済の方法についても、すべての可能性を考えてみたいというふうに思っております。
山田(正)委員 時間が参りましたので、終わります。
山本委員長 次に、保坂展人君。
保坂委員 社民党の保坂展人です。
 まず、今回明らかに暴力によって犠牲になった受刑者の方に哀悼の意を示したいと思います。また、千六百人近い、ここに積んでありますが、死亡帳が出てまいりました。病気あるいはいろいろなアクシデント、さらに、残念なことに自殺もございます。そして、中には私どもが強く廃止を求めている死刑による刑死も含まれています。すべての、この十年間の受刑者の亡くなった方たちの冥福を祈りながら、事態の徹底的な解明を行うべきだ。そしてそのことが、日々御苦労されている刑務官の皆さんの誇りを取り戻し、いわばこの行刑施設の改革ということに結びつくんだと思います。ですから、今回のこれだけの事態のしっかりした解明抜きに、ただ旗を上げればいいというものではないということを冒頭に申し上げておきたいと思います。
 まず、大臣に伺っていきたいんですが、実はこれは予告をしておりませんので、ちょっと聞いてください。手紙を受け取りました。
 これは、昨年の七月、刑務官の暴行によってけがをしたという件で、本年三月に告訴状を提出されている。現在それは東京地検ですか、検察において受理をされたというふうに聞いております。この方から手紙をいただきました。
 私は、昨年名古屋刑務所を刑事告訴手続をしているもの、いろいろと精神的圧力や、刑務官を実名で告訴していることから、今度はその刑務官に、おいおまえ、わしを訴えとるんか、いいぞ、訴えたければ訴えて、ただおまえ体に気をつけろよなとか、覚えてろと、夜中寝ていると、部屋の扉をけっているのかたたいているのかわかりませんが、二、三時間置きにどかんとやられて寝かせてもらえなかったり、また、ここの担当に、おまえ人権じゃ何じゃと言っているようだが、そんなもんおまえにあるのか、どんな弁護士ついとるか知らぬが、そんなもん刑務官側の言い分が通ることになっとるんや、書類一つでどうにでもなるんだなどと、この場で書けば切りがないぐらいいろいろあった。私は、そのせいで不眠や精神的不安定な状態が続いて、現在、精神安定剤、睡眠薬を飲んでいる状態です。今これだけ名古屋刑務所の殺傷事件が世間で騒がれ、国会問題にまでなっているのに、刑務官個々の自覚がないといいますか、殴るけるをしなければよいと思っているのかわかりませんが、最近では精神的圧力、暴力が続いていましたが、今やっと、弁護士の先生に相談したりして、このような圧力もなくなりつつあります。
 これは最近のことですね。
 しかし、私自身いつまた同じようなことをやられるかという不安や、あのとき両手後ろ手錠され階段から突き落とされたり、頭を押さえつけられ耳をひざげりされ耳が聞こえづらくなったこと、また、保護房内で革手錠をする際、安全システムが機能するように総括が立ち会いチェックする立場にある総括が、そんな締め方では甘っちょろい、ぐうの音も出ないように締め上げろ、殺してしまえとか殺してやるとか死ねなどと言われ、私自身このままでは体や命に重大な支障を来す、殺されると思ったことが頭をよぎり、私は果たしてここ名古屋刑務所から正常な精神状態で出所できるのかと悩んでいます。
 こういったお手紙をいただいたんですが、感想を一言、大臣にいただきたいと思います。
森山国務大臣 名古屋事件が表に出ます前には、いろいろなことがあるいはあったに違いないというふうに思います。そういう人々の、被害に遭った方々の気持ちは大変つらいものがあっただろうというふうに思われるわけでございます。私も、情願を直接見るようになりまして、今の話とは違いますけれども、類似の似たような話がよく出てまいりまして、非常に考えさせられるということが多うございます。
 それが、書いてあることが全部本当かどうかはわかりませんし、事情をよく調べて、必要、説明があればよく説明をして、本人にも納得してもらうようにしてほしいということで、そのような趣旨の指示をすることが多いのでございますけれども、今お読みいただいた手紙の中に、前はあったが今はなくなったというのがございまして、それは本当に救われる気持ちでございますが、今後とも人権を大事にしていく刑務官というもののあり方というものをきちんと決めて、刑務官が自信を持って仕事ができるように、また受刑者の方も必要以上の被害に遭わないようにということを願っているところでございます。
保坂委員 この事件も捜査が始まっているということです。
 ここのところ、法務省側の主張というのは、捜査が始まっているものについて余り手を出したり口を出したりすると、その捜査自体に支障を来すおそれがあるというお話でしたけれども、私は、今回の六人、起訴をされた刑務官の方々が意見陳述という形で叫んでいらっしゃる、この内容が非常に鮮明に目に飛び込んでまいりました。つまり、我々はいけにえなのか、こういう言葉がありました。我々は上司の命令どおりにやっていただけではないか、そして起訴に至るまで一言も注意を受けたことなどないのだ、こういうことです。
 したがって、国会で議論をし、また捜査が一部、ある事件について動いたとはいえ、全体の意識改革ということはなお幅広くやらなければいけないということを指摘しておきたいと思います。
 本件に入る前に一つだけ、これは昨日のことなんですが、森山大臣に二月十七日予算委員会でお聞きしたんですが、冤罪を訴えている冨山常喜さんという八十五歳の、波崎事件という、これは有名な事件ですね、団藤さんが死刑廃止論に傾く、そのきっかけをつくった判決の場がこの事件だったと聞いておりますが、この冨山さんが昨年来体調が非常によくない。そして、一時期、大変血圧が上がったり、そして人工透析を始めた後の不安定な症状が来まして、クレアチニンが十三・一から透析後も十・六という大変高い数字を示したわけですね。
 そして、この間、ぜひ専門医と、私も含めて、この老死刑囚、冤罪を叫んでいるんですが、会わせていただきたいということを法務省の矯正局の方に申し入れて、承諾をいただきまして、きのう会うことができました。これは感謝申し上げたいと思います。まだお話ができたということで大変うれしく思います。
 そして、その場でわかったんですが、血液の数値などは大変改善されていた。専門医の方、八十歳、九十歳の人工透析の患者さんで週に五、六回心臓手術をするという、これは新葛飾病院、東京拘置所から車で七、八分のところにありますが、そこの清水さんという院長先生に同行いただきました。そして、この最新のデータは極めていいということでしたけれども、いろいろの医療的なやりとりをした後、実際に会ってみまして、そこで出てきた問題、一点だけ指摘をしたいと思うんですね。
 実は、東京拘置所の内科の医者の方というのはお二人しかいないんですね。しかも、循環器系を診る方は、月曜の八時半から五時まで、火、水の八時半から十二時十五分まで。つまり、この間しかいらっしゃらないんですね、循環器を診る方は。それから、内分泌の方の方は、火曜の八時半から五時まで、金曜の八時半から五時まで。木曜は内科医はいないということになってしまいます。
 東京拘置所側の説明では、国会で議論されたこともあり、最高のレベルで、六名の医師団を編成した、外部の刑務所からもお一人入っていただき、そして民間病院からもお二人入っていただいて、六名でチーム医療という形でやっていますと。恐らく、私は、今の行刑施設の中で最もベストを尽くす体制でやられているという努力、これは大変高く評価をしたいと思います。
 しかし一方、この方の主治医はいるんでしょうか、担当医はいるんでしょうかということをちょっと矯正局長に伺いたいと思います。
 といいますのは、やりとりの中で明らかになったのは、この方はもう御飯を食べられないわけですよね。要するに、静脈から、それこそこれは点滴で栄養を摂取しているという状態。したがって、この状態が余り長く続きますとだんだん衰弱をしていきますし、また、そういう意味で感染症のおそれが大変心配されるということであります。今、抗生物質を投与されているんですけれども、ビクシリンという抗生物質が投与されているようですが、今の状態で余り強い抗生物質を投与していると、耐性菌ができてしまって、やはり時間の問題で感染症を起こしてしまうんじゃないかという指摘を受けました。
 そして、もう一点、これ、お答えいただきたいんですが、要するに、容体はうんと悪くて、引き揚げたわけです、寝たきりの状態ですが引き揚げたわけですね。引き揚げて、透析をやり、点滴をやりという状態になっていますが、この後、やはりみずから食べるという方向に転換をしていく。まずはやわらかいものからということなんでしょうが。そして、自力歩行ということを民間の病院はサポートするわけですね、栄養士さんとか理学療法士さんとかがついて。この体制は東京拘置所は無理ですよね。この点について、局長、いかがですか。
中井政府参考人 非常に恐縮でありますけれども、矯正局といたしましては、特定の被収容者の具体的な病状でありますとか、それに対してどのような治療をしているか等々につきましては、私どもの立場からこれをお答えするのは、プライバシーの問題等もありますので、これは適当でないというぐあいに考えております。
 ただ、一般論として申しますと、東京拘置所の被収容者について申しますと、同拘置所には常勤医がおりまして、その常勤医によって医療措置を実施しておりますし、施設内で適当な、適切な医療措置が実施できないという場合には、外部医療機関への通院、あるいは近くの矯正施設に勤務する専門医という共助体制等がございまして対応しているというぐあいに東京拘置所からは報告を受けております。
 委員御指摘の諸点につきましても、今後とも、関係者の病状の推移、あるいは年齢等を考慮しながら適切な病状管理に努めるよう、東京拘置所長に対して伝えたいと思っております。
保坂委員 大臣に一言申し上げておきますけれども、この方の冤罪の訴えそのものは、今、きょう議論をいたしません。
 しかし、きのう、私どもが初めての、東京拘置所の新しい庁舎というんですかの訪問客だったようでございます。ですから、外部から集中医療室を見るのも初めての来客だったと思うんですが、大変、従前に比べれば、医療機器なども入って、行刑施設の中では手厚い体制だと思いました。しかし、ベッドは二つしかないんですね。ベッドは二つです。そして、受刑者の高齢化に伴って、冨山さんのように、本来は主治医がいて、そして常時、二十四時間診ている、そして少しよくなってくれば引き揚げて、リハビリや自力歩行まで持っていくということは到底、この受刑者が増大している中で難しいのではないか。
 監獄法四十三条に基づいて、外部の病院に専門的な治療、これはそんな専門的な治療をしてもなおやはり病にかてなかったという場合もあるんですが、そういった感染症の指摘などありますので、そこは検討していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
森山国務大臣 今矯正局長が申し上げましたように、その方の病状あるいは栄養の状態その他を十分考えまして、一番よい方法をとるようにしたいと考えております。
保坂委員 ぜひお願いしたいと思います。
 それでは、本委員会の中で死亡帳の問題を、私、集中的に経過について伺っていきたいと思います。
 まず、法務大臣にも率直に伺います、これは簡単な問いですので。
 死亡帳が提出をされました。こちらに積んでございます。この死亡帳について大臣が一番最初にその存在を知られたのはいつごろでしょうか。また、ごらんになったのはいつごろでしょうか。
森山国務大臣 三月の十一日の夕方、官房長から衆議院法務委員会の理事懇談会の状況の報告を受けました際に、死亡帳の存在と、それから保存期間が十年であることなどの説明を受けました。三月十一日の夕方でございます。
保坂委員 矯正局長、率直に答えていただきたいんです。
 同じ質問ですが、死亡帳の存在を知ったのはいつなんでしょうか。この件についてほかに発言したいこともあろうかと思うので、そのことは、責任問題とかは後ほどお聞きしますので、死亡帳の存在を知ったというのはいつだったのか。
中井政府参考人 昨年十月だったと記憶しておりますけれども、資料要求がありました以降に承知しておりました。
保坂委員 そうすると、昨年十月に資料要求が福島参議院議員からあって、これは、被収容者死亡報告書については逐一答弁をしてきたけれども、死亡帳については、昨年十月の時点で確認をしたけれども、余りに多いので、その現場の作業を勘案すると、現場に負担をかけ、士気を損ねてしまうということで、これは矯正局長の本当の独断で排除したわけですか、国会に対して伏せようという判断をされたんですか。そこを明確に答弁してください。
中井政府参考人 非常に思慮が足りなかったわけでありますけれども、現場の非常に厳しい状況をおもんぱかりまして、当局限りの資料でお許し願えるかということで、私の一存で判断いたしました。
保坂委員 官房長に伺いたいんですが、官房長はこの死亡帳の存在をいつ知ったんでしょうか。
大林政府参考人 お答えいたします。
 先ほど大臣もおっしゃられたんですが、三月十一日前後、保坂委員からの死亡帳に関する問い合わせといいますか、要請といいますか、理事懇で話題になりましたので、それで私の方でそれを確認したというふうに記憶しております。
保坂委員 それ、官房長、ちょっと記憶違うんじゃないですかね。
 確かに火曜日の理事懇でこちらが出ました、「行刑問題に関する資料(第一次)」が出ました。そこにいろいろ指摘があるように、身分帳は出せないという理由などが書かれています。そして、大変労力を要するのだという説明を官房長自身がなさったんです。身分帳は五十万冊を超えるので、これを全部開いていく、そういった作業が大変だという説明でした。その説明が終わったところで私が、理事懇談会の席で、こういうものがあるのではないですかと言って、死亡帳の用紙を委員長にお願いをして配っていただいた。そのときに、官房長はもう死亡帳についての説明をなさいましたよ。ちょっと前に聞かれていたんじゃないですか。
大林政府参考人 私が初めて知ったのは、今申し上げたとおり、保坂委員の方からその死亡帳に関する問い合わせというものがあったという段階、今のおっしゃり方、私、日にちはちょっとはっきりしませんが、火曜日の理事懇であれば月曜日ではないか。月曜日ころにその死亡帳の存在を聞きまして、まずは用紙、要するに定型の問題ですね、こういうものだということでその存在を知りまして、ですから十日、十一日、そのころであることは間違いありません。
保坂委員 矯正局長に伺いたいんですが、私はちょっと正直言って疑っているんですよ、私の一存でやったということが本当だろうかと。やはりこれだけ国会からの要求があって、あるものをあえて出さないということは大変重いですよ、その責任論ではなくて。そこをちょっと疑ってはいるんですが。
 それでは、今官房長からありました、私からの死亡帳に関する、こういった所在、あるじゃないかということで、書式を矯正の方で持ってこられたということは、これまでの、大部にわたる身分帳をひっくり返して調査をしなければならないという法務省の説明には重大な欠落があったということをあらかじめ予期し得るじゃないですか。このことは認識をされて、この理事懇、まあ理事懇にはそのときいなかったと思いますけれども、そういう問題が発生するということを我々が指摘する前に認識されていましたか。
 私が、そういうことになると必ずしも思わなくて、死亡帳というのがあるらしいからちょっと見せてほしいという簡単な、いろいろな資料を集めていくという動機で求めたわけですが、しかし、この書式を見れば、一人一枚ですから、名古屋で百二十人でも百二十枚でワンファイルなんですね。これはおわかりでしょう。そうすると、今までの説明が崩壊する、こういうことを考えませんでしたか。
中井政府参考人 私は、実は理事懇には出ておりません。
 私が国会で申し上げました趣旨は、基本的には、私どもの局で持っております被収容者死亡報告、これで四年分は細かなことが一応わかります、それ以前の分につきましては、例えば犯罪、事件性があるといったようなことで特定がされるならば、それは現地で対応が可能ですという説明を私は国会でいたしていたわけでございます。
保坂委員 全然答弁になっていないですね。自分でずっと答弁されてきたことが総崩壊するという危機感を持たなかったのかということを私は聞いているんですが、ちょっと次に進めます。
 官房長に伺います。
 大臣官房に矯正担当審議官が置かれている理由は何でしょうか。矯正行政の権益を守るためにあるのか、あるいは大臣を補佐するのか。根拠法令に照らしてお答えいただきたい。
大林政府参考人 お答えいたします。
 官房審議官は、法務省の組織令がございまして、その中で、大臣官房に審議官四人を置くというふうに定められております。
 その具体的な業務の関係では、法務行政における重要事項の変化に対応した機動的、弾力的な組織管理を行うために置くものでございまして、実質的には重要事項を抱える特定の局に配置され、その部局の事務の一部を総括整理するなどの職務を命じられているものでございます。
 具体的には、刑事局、民事局、入管局、矯正局の四つの局に置かれまして、私どもが官房と呼んでいるところとはセクションが違うといいますか、矯正局の、具体的に言えば局長の隣の部屋で、矯正業務について局長の指示で特命事項を行う、こういうようなシステムになってございます。
保坂委員 これは、内閣とは何か、大臣とは何かという、森山大臣、その組織論なんですけれども、つまり、矯正局の局長と並んで矯正局の仕事をするという意識なのか、大臣官房審議官ですから大臣を補佐する仕事でやられるのか、これはどちらだと認識されていますか。
森山国務大臣 二役兼ねているわけでございますけれども、具体的には、矯正局担当の官房審議官である山下官房審議官は、局長の命令を受けて、あるいは場合によっては大臣の命令を受けまして、矯正関係の法令案等、矯正行政に関する重要事項について企画立案に参画し、関係業務を総括整理するということを職務にしているというものでございます。
保坂委員 私は、本当は、大臣を補佐するものだというふうにしっかり位置づけないと、大臣官房というものはおかしくなってくると思うんですけれども、官房長に伺います。
 今、森山大臣の説の一人二役説でも、法務省の重要事項についての企画立案は審議官がされなければいけないんです。というと、当然これらの事態、十月以降の事態の中で、官房審議官からあったんでしょうか、死亡帳の存在のお話は。
大林政府参考人 お答えします。
 先ほども申し上げましたとおり、結論から先に言いますと、官房審議官から私のもとには報告はありませんでした。
 名称は官房審議官ということでございますが、先ほど申し上げたとおり、各局担当ということでそこの局に配属されている。したがって、そこの局の長である局長の指示を受けて、矯正なら矯正の仕事をするというシステムになっております。
保坂委員 ここまでで終わるといけないと思って、山下大臣官房審議官にお越しいただいております。
 審議官には、身分帳の扱いなど、私も詳しい説明を受けたわけでございますけれども、今の官房長の説明ですと、やはり矯正行政のトップに、トップは矯正局長なんだけれども、矯正畑のお仕事をずっとされてきたわけじゃないわけですから、検事として長い間過ごしてこられて、何年間か局長をやる、そういう意味では現場を総括する立場だというようなことは官房長の答弁から感じるんですが、これらの死亡帳についての説明を局長並びに官房長にはどのようにされていたんでしょうか。
山下政府参考人 先ほど官房長からもお話がありましたが、私からは官房長には、死亡帳につきましては御説明、御報告はいたしておりません。矯正局長につきましては、私から直接報告したわけではなくて、所管の課からそれなりの説明をしていると思っております。
保坂委員 審議官、大臣官房審議官として官房長に、実はこういうことがあるんだということを、やはり報告を上げなきゃいけないんじゃないですか。今となってみてはどうですか、その点。
山下政府参考人 官房長がお話ありましたけれども、私は、矯正局担当ということで、矯正局長を補佐して矯正局の事務の一部を総括整理する、近隣、施設等の調整とかそういった業務をやっておりまして、矯正局長の指揮のもとで仕事をいたしておりまして、官房長との間で直接の上下関係があって報告関係をしなければならないというのは、矯正局長の御指示がある場合は別といたしまして、通常はない、私はそう理解しております。
保坂委員 続いて審議官に伺いますが、行刑施設の長をされていたことはございますか。
山下政府参考人 経験はそんなに多くありませんが、少なからずそういう経験がございます。
保坂委員 どちらでですか。
山下政府参考人 長といたしましては、近いところから申し上げますと東京拘置所、水戸少年刑務所、今は支所になっておりますけれども当時は本所ということで、小倉の拘置所がございました。
保坂委員 矯正局長にさらに伺っていきたいと思いますが、矯正局長はみずからの一存と。一存というとひとりで全部決めたように聞こえるんですが、しかし、その一存という言葉の中にも、死亡帳に手をつけると、死因が不詳なものについて、あるいは司法解剖したものについて身分帳と一々照合しなきゃいけないから、大変な労力をかけると。
 私、気になるのは、現場の士気の低下をもたらすおそれがあるというふうに吉田先生の質疑に対してお答えになったんですが、その現場の士気が低くなるよという声はどのように局長に届いたんですか。だれから聞いたんですか。
中井政府参考人 具体的にだれと特定して申し上げることはできないわけでありますけれども、矯正局長の仕事の一つは、現場をいろいろ回りまして、現場の状況を見たり話を聞くということもありますし、それ以外の公的、私的ないろいろな情報のチャンネルがございます。
 それで、私が当時、これはそういう意味で科学的に厳密にマーケットリサーチをしたというようなものではございません。しかしながら、非常に過剰収容の状況がどんどんどんどん進んでいっておって、現場の勤務条件が非常に厳しい、週休もとれない、年休もとれないというような状況があって大変だ、土日も出てきておるというような話はしばしば聞いておったところであります。
 それからもう一点は、当時のお尋ねが、保護房内での死亡事案のほかに、いわゆる保護房内での病院移送したような致傷事案その他もろもろ、非常に多岐にわたる資料要求をいただいたものですから、致傷事案等になりますと、これはもろに原資料たる身分帳に当たらなきゃいけませんし、それから、関係の、死亡帳だけでもごらんになっておわかりのように、保護房内であるかどうかもわからない、そうすると全国施設に一斉にその点について調べなさいという指示を出さなければいけないと感じました。
 それともう一点は、これは最終的には軌道修正したわけでありますけれども、当初は名古屋の革手錠の使用件数が著しく多いという点に着目いたしまして、私どものチームの調査の力点を実はそこに置いてスタートしたわけで、その限りにおきましては全国的に革手錠の使用状況等も調べたわけでございますけれども、実は私どものマンパワーの限界もございまして、とりあえず検察の捜査の邪魔にならない、追っかけるような形でやっていた、こういうような経緯がございますので、それを一挙に突き抜けて全国一律にこれだけやりなさいということになると現場の士気も落ちるし、恐らく全体的にはそれでなくても大変な現場の事務量が大幅に増加するのではないかと私なりにそんたくした、こういうことでございます。
保坂委員 矯正局長、残り少ない答弁機会ですから、端的に答えてくださいよ。いろいろおっしゃりたいことはわかりますけれども、端的に答えていただきたい。短くしてください。
 今のお話で、だれかわからないけれども、やはり過剰収容で大変だ、休みもとれない、そして、全国に一挙に広げられるとおっしゃいましたね。そこに私、論理の飛躍があると思うんですよ。
 私は、やはり一番、各委員もそうですが、これは名古屋刑務所ですね、まず見るのは、よく吟味してみるのは。これは局長、いつごらんになりましたか。読んでみてどう思いましたか。いつですか、それは。それだけ答えてください。
中井政府参考人 死亡帳につきましては、今回、国会に提出するということで、とりまして、その際に初めて見ました。
保坂委員 そうすると、矯正局で指揮していた特別調査チームというのは、全く調査する意思がなかったということですね。
 だって、局長は十月に知っていたんですよ、これがあるのを。しかし、これに手をつけると大変だというんで、私の一存でとめておったと。中身を見て、これは大変だからとめたというんなら、まだわかるんです。しかし、見もしなかったんですから。見もしないで、大変だからとめてくれと言われて、とめていたんですか。どっちですか。
中井政府参考人 繰り返しの答弁になって恐縮でありますけれども、私どものチームにも人的な限界がございますので、当時私が考えましたのは、最初のいわゆる致傷事案、それから五月の致死事案、これを中心として、革手錠に関係するということにスポットを当ててできるだけやっていきたいと……(保坂委員「見なかったのですか」と呼ぶ)そういうわけで、チームも死亡帳については当時確認していないと思います。
保坂委員 チームも確認していないということは、あれですか、中井局長はチームに死亡帳のことを隠していたということになるわけですね。これはおかしいよ。だって、大体、もっと矯正局の現場の人の方が知っているんだから、あること自体を。知らないのはむしろ局長なんだから。そうでしょう。
 もう少し進めます。官房長に伺います。
 矯正局の特別調査チームがありながら、屋上屋を重ねるのではないかという批判もあった調査検討委員会が発足しました。これは、事務次官を委員長として、オール法務省でこの事態の解決に当たるということでしょうが、死亡帳が話題になってから、皆さん、早速取り寄せられて検討したんでしょうか。いかがですか。もうやっていますか。
大林政府参考人 お答え申し上げます。
 結論から言いますと、御指摘のいろいろな、最近御指摘を受けています、その件については調査に着手しております。(保坂委員「委員会ではやったんですか」と呼ぶ)
 委員会としては、そのものを具体的に委員会でまだやっておりません。もう少し具体的に申しますと、委員会では局長クラスを横断的に事務次官以下で構成しておりまして、ただ、それぞれ役職を持っておりますので、今、特別調査班という形をとっております。その班長は、刑事担当の官房参事官をトップにしまして、人権擁護局の参事官、矯正局参事官、官房秘書課付検事、官房人事課付検事、刑事局付検事、保護局付検事ということで、あとは事務官がおりますけれども、そういう本来の検事を主体として、実際に死亡帳等に当たって、今調査をしているところでございます。
保坂委員 そうすると、この二月二十五日の検討委員会の会合の中に、行刑施設における死亡案件の公表を、さらにガイドラインをつくっていくということを、官房長に伺いますが、決めていますね。
 その中に、これは、受刑者間の殺傷行為、あるいは二番目に保護房収容中あるいは革手錠使用中並びに解除後おおむね一週間程度の死亡案件、そして三番目に職員による制圧行為及びその制圧行為の後一週間の死亡、四番目に自殺、五番目に事故、食中毒、最後にそれ以外のことで司法解剖がなされた件についてと。
 これだけのガイドラインがあると、この百二十を見たときに、名古屋刑務所の、やはり再調査が要だというものは幾つ出てくるんでしょうか。幾つか出てきますか。
大林政府参考人 お答えします。
 具体的な調査は、今申し上げた調査班でやっています。
 それで、今回問題となっておりますように、死亡案件自体をとらえますと、非常に数が多いものでございます。人数的な問題もございますので、今とりあえずの問題として、今、名古屋の関係は発端が検察庁の強制捜査から始まっていますので、これは委員の皆様御承知のとおり、保護房で死亡したものの五件ということで、今直ちに入っているのは今の三件、名古屋の強制捜査以外のものについて今特別にやっているのは、今そこでございます。ですから、名古屋の御疑問のあるものについても、順次調査するということになろうかと思います。
保坂委員 刑事局長に、ちょっとぶしつけで申しわけないんですが、死亡帳というのは以前から御存じでしたか。率直にお答えいただきたいと思います。
樋渡政府参考人 正直申しまして、今回こういうふうに騒がれるまで、死亡帳という概念はありませんでした。それで、その死亡帳というのは何だと部下に聞きましたら、たしか監獄法施行規則に載っているわけでありますよね。それで、あ、この死亡帳かと。
 自分も検事でありますから、刑務所で亡くなれば警察に検察に通報がある、司法検視をするということの心得はありましたけれども、それが死亡帳にかかわるものかどうかという認識は、正直言ってありませんでした。
保坂委員 大変率直に、わかりました。
 そうすると、ちょっとデータ的なことを矯正局長に伺っていいですか、もう計算済みだと思うんで。今回提出された死亡帳千五百九十二名の死者のうち、司法検視を行ったものは何人ですか。
 これは、できれば、後でもいいですが、死刑執行の刑死者の数も含めてお答えいただきたいんですが、出なければ、それを除いての数でも結構です、まずは。
中井政府参考人 これは、あくまで死亡帳の記載の範囲内ということでお答えしたいと思いますが、司法検視が実施されたという記載があるものは、千五百九十二名分中、四百八十四件であります。
保坂委員 そのうち、司法解剖に至ったのは何人ですか。
中井政府参考人 死亡帳の記載の範囲内ということで申し上げますと、司法解剖が実施されたという記載は六十七件ございますが、これ以外に、私どもとすれば、先ほど来議論になっております横須賀案件について司法解剖が実施されていると承知しておりますので、それも合わせれば六十八件ということになります。
保坂委員 刑事局長に伺いますけれども、今の答弁でおわかりのように、この死亡帳に必ずしも書かれていないんですよ、司法解剖は。それが、横須賀については明らかに保護房ということでわかって、司法解剖にカウントされているわけですね。
 検察庁としては、過去十年間、受刑者死亡案件で司法解剖まで至ったケースは何件か把握されていますか。
樋渡政府参考人 現在把握しておりますのは、先ほど中井局長が答えたとおりだというふうに思いますが、死亡帳記載の事案におきまして死因等について疑わしいものがないか、今現在、関係局長等で構成される先ほどの検討委員会のもとで精査されるものと承知しておりますが、その過程で、必要があれば、その捜査経緯も含めて、すべて調査してまいりたいというふうに思っております。
保坂委員 矯正局長に伺いますが、私も、法務省のホームページに載っているんだということで、ホームページを見て、監獄法の施行規則を見てみましたけれども、この施行規則によると、これは「自殺其他変死ノ場合ニ於テハ」これを「検察官及ビ警察署ニ通報シテ検視ヲ受ケ」とあるんですね。「検察官及ビ警察署ニ通報シテ」と。丹念にこれは死亡帳を読んでみますと、幾つかの刑務所では、警察官立ち会いのもとに検察官とこの法令どおりの司法検視が行われている。しかし、ほとんどは警察官が来るのはまれですよ。
 これは実態として空文化していましたか。どうですか。
中井政府参考人 委員御指摘のとおり、監獄法施行規則上は「検察官及ビ警察署」と、こう書いてありますが、必ずしも警察署には通報していないというぐあいに実態としては聞いております。
保坂委員 明治の監獄法がひどかったという問題だけじゃなくて、その監獄法ですら考えていた第三者チェックという、複数の捜査機関において、変死体、監獄における変死、受刑者変死の場合は違う目で見る、こういう趣旨だと思うのですね、この施行規則は。ここは全く行われていなかったということが入り口なんですが、具体的に伺っていきます。
 矯正局長、名古屋の十二―一というのをちょっと開いて見ていただきたいのですけれども、十二―一です。この場合は、午前十時五十五分に総務部長が、この所長検視の欄に総務部長と書いてあるのですね。所長が見るということも行われていない。かなり、名古屋刑務所の所長検視、ここを見ると代理が多いです。総務部長が多いです。時々処遇部長もありますけれども。これはどういうことなんですか。
 それからもう一つ、このペーパーの中で、名古屋地検岡崎支部、大体のものは検察官と書いてあるのですが、検察官の肩書きがないのですね。ここは検察事務官ないし副検事だったんでしょうか。
 この二点、お答えいただきたいと思います。
中井政府参考人 まず、所長みずからが行うかどうかという点でございますけれども、行刑施設の長が部下である幹部職員を個別に指名して行われているものでありまして、状況といたしますと、総務部の幹部職員であったり、あるいは処遇部の幹部職員であったりという者が指名されているものと承知しているところであります。
 それから、先ほどの名古屋地方検察庁岡崎支部でありますが、確認いたしましたところ、司法検視を行ったのは検事でございます。
 それから、先ほどの「検察官及ビ警察署」という点についても若干補足させていただきますと、基本的には、趣旨として、検察官に通報すれば足りる、こういう考え方で従来の運用がされてきているところでございます。
保坂委員 では、これは何で検事というところを塗りつぶしたのかもわけがわからないのですが、私は、システムとして理解したのは、まず刑務所の長が変死者を検視する、責任者ですからね、検視をする。そして、その後に検察官が来て、これは事件性があるのかどうかを見る。こういうシステムになっているかと今のところ思っているのですね。ところが、これを見ると、やっている時間が同じなんですね。十時五十五分から十一時十分。つまり、検察官の司法検視に立ち会っただけ。所長検視とは言えないというふうに思います。
 もう少し事例を見ていきますと、十二―十二を見ていただきたいと思います、十二―十二。
 これは何でしょう、これは、司法検視の記録はあるけれども、ついに所長検視はないですよ、記載が。どういうことでしょうか。
中井政府参考人 事実関係を確認させてください。
保坂委員 これは、突然に工場で息が苦しくなって、医務室に運ばれて九分後に脈が途絶え、自発呼吸なしと。まさに急死ですね、これは。そして、次のページ、十二―十三も見てください。この方はそもそも重体で名古屋刑務所に緊急移送されてきたまま症状悪化し、ついに亡くなられた。亡くなるプロセスだけ名古屋刑務所にいた。ここもないんですよ。
 何か、慎重を要する、きちっと見るべきものに名前がないというのは、今どう思いますか。どうですか。
中井政府参考人 事実関係を確認した上でお答えしたいと思います。
保坂委員 もうちょっと指摘しますが、十三―四に移ります。
 十三―四は、医者がどうなのかなということを思わせますね。これは、低たんぱく血症で入院、呼吸不全で重症、そして死亡、これだけなんですね。十三―四です。
 一体どんな認定をして、これは司法検視なしなんですよ、こういうケースで。私どもの阿部議員、病院の院長もしておりましたので、こんなカルテというか医者の記録はあり得ないよと。低たんぱくでいきなり死ぬ、そうしたら、やはりこれは少なくとも司法検視くらいしなきゃいけないだろうが、これはやられていないですね。しかも、所長も見ていない、総務部長が行っている。これはどういうことですか。
中井政府参考人 先ほど委員御指摘の監獄法施行規則の百七十七条第一項に基づく行政検視でありますけれども、これは、検視が行刑施設の長の責任においてなされるということを要求しているものでございまして、行刑施設の長に対して常にみずから直接検視を実施させることまで求めているものではない、こういうぐあいに私ども理解しております。
 これの記載によりますと、今私が御説明いたしましたような趣旨で、所長ではなくて総務部長が行政検視を行っているものと思います。
 司法検視の点につきましては、刑事局長の方から。
保坂委員 いいです。
 さて、ではめくっていって、十三―十五が、十二月、ホース事件ですよ。高圧放水で悲惨な亡くなり方をされたというケースですが、この死亡帳に着目すると、この検視は何と処遇部長がやられている。処遇部長といえば、やはり現場に最も近い方。これはやはり、今回捜査中の事件であっても、重要視するべきじゃないですか。
 こういう扱いが時々、時間帯によるのかもしれません、大変夜中ですね。しかし、その後にやはり所長がしっかり見るとか、そういう扱いがなされていなかったということについて、問題を感じませんか。――何で処遇部長なんですか。
中井政府参考人 先ほど申しましたように、行刑施設の長の責任におきまして、所長を補佐すべき立場にある者、幹部を個別に指名したものでありまして、いわゆる処遇部の所掌事務にかかわりなく検視を行わせていたのではないか、かように受けとめております。
保坂委員 大臣、ここまでお聞きになって、所掌事務にかかわらずといっても、現在立件されて、事実も明らかになった、しかしこれだけ見たら何もわかりません、これだけ見たら。しかも、これだけ不審死で、検事が来て、司法解剖を要するということになってきた。そういうときに、所掌事務でもない、現場に最も近い方がこれを見て、所長の代理で済ませてしまう、こういう扱いはやはり改めなければいけないと思います。いかがですか。
森山国務大臣 御指摘の紙を一つ一つ見てまいりまして、全く御指摘もうなずけるものと思いますので、これから改めますのに重要な参考にしていきたいと考えます。
保坂委員 それと、今度、五月事件のことに移りますが、これはちょっと刑事局にお聞きしましょうかね。
 これは、五月事件の死亡帳は、午後十時四十五分から十一時十分まで所長検視が行われたかのような記載があるけれども、この私どもの委員会に提出していただいた資料の中で、司法解剖に入っていくときに、複雑な事案になるかなと司法解剖に立ち会う検察官が感想を述べるんですね。これはどういう事態なんでしょうかね。
 それからまた、司法解剖に立ち会った御経験も刑事局長あると思いますが、執刀医が死因が不詳なので報道機関には発表しないでくれと要請する事態というのは、これはよくある事態ですか。私、この二つ、驚いたんですけれども、どうですか。
樋渡政府参考人 まず、結論といいますか、そのお尋ねの趣旨でお答えいたしますと、担当検事がそのようなことを言ったか、執刀医がそのようなことを言ったかということは、まだ確認はされておりません。
 一般論で申し上げますと、医師が司法解剖を受諾するに当たりましては、その結果を司法手続以外に用いることまで予期しているとは考えられないこと、司法解剖直後の時点におきましては死因等について確定的な判断に至っておらず、引き続き所要の検査等を実施する必要性が認められる場合も多いことから、司法解剖を実施した医師におきまして、その結果を公表することについて、解剖直後の時点においてはその公表を差し控え、またはその公表に当たっては慎重を期してもらいたい旨の発言をすることはあり得るものというふうに承知しております。
保坂委員 矯正局長、この名古屋刑務所の医者の問題は、先ほどの、冒頭で読んだ手紙に書いてあるんですよ、実は。
 今回の刑務官からの暴行で後遺症が残り、医療診察をしてもらうと、一度医師が休養等の診断をしたにもかかわらず、当所刑務官が合図を送り、その合図をしたことによって急に医師の診断内容が変わったり、突然当所神経科医師が診断途中怒り出し、おまえはヤク中か、ヤク中毒か、薬でも何でも出してやるから僕の診察にはもう二度と来るななどと言われたり、普通の刑務所では考えにくいことがまかり通っているという手紙もあります。
 それで、今の件、執刀医が検察官に対して、これはちょっと言わぬでくれ、言わないでくださいということを言い出すこと自体、これは医師としてあるまじきことだと思います。原因がわからないから徹底して調べてくださいというのが医者じゃないですか。違うんですか。世の中に伏せてくれと捜査機関に、医者としての資質をちょっと疑われますよ。それはどう考えますか。その点、ただしていますか、調査チームは。
中井政府参考人 お尋ねの医師は、刑務所の医師ではございません。
保坂委員 刑務所の医師でなければ、このような言動はあり得るということですか。
中井政府参考人 事実認定の問題でございますけれども、確かに、そのような記載を踏まえての御指摘だと思いますけれども、先ほど刑事局長も答弁いたしましたように、そういうことを言ったのかどうかということの事実確定が最初だと思うわけですが、先ほど来申し上げていますように、私どもチームが、一体どの範囲まで事情聴取の対象とするのかという点で、部外の、全くの第三者を私どもの行政調査の過程で事情聴取できるかどうか、若干検討させていただきたいと思っております。
保坂委員 我々衆議院法務委員会の、これは野党で府中刑務所に行ってまいりました。二月二十八日のことです。その際、二人の受刑者が保護房で亡くなった経過をお聞きいたしました。そして、御案内を受け、厳正独居房、あるいは保護房の内部まで見せていただき、どういうものなのかというのを実感してきたわけなんですが、参議院のやりとりを聞いていますと、平成十一年八月、保護房死亡のケースですか、視察表を含む身分帳が行方不明になっている、これは矯正局のみならず検討委員会の特別調査チームが総力を挙げて調査をしているが、これは官房長がお答えだったですかね、それでも故意に何者かが抜き去ったという疑念が否定し得ないところから、刑事告発も考えているという答弁をされていますが、それじゃ官房長に聞きましょうか。どうなっていますか。
大林政府参考人 現在、その経緯等について、特別調査班とそれから矯正の方と協力して調査しております。まだその結果が出ている段階ではございませんが、私の聞いておりますところ、重要な書類といいますか、視察表を中心としたつづりがなくなっているということで、故意によるものではないとは断定はできないということでございまして、さらに調査をした結果、犯罪の疑いがあるということであれば、これは告発せざるを得ないかなというふうに私は考えております。
保坂委員 では、もう一問官房長に伺いますが、私ども野党議員は、大変詳しくこの死亡事件について説明を受けていますよ。まず、大変長い間保護房に入っていた。これは日付も、全部言いますと時間がかかりますけれども、例えば、平成十年十二月二十五日から十一年の一月四日まで、十一年の二月一日から二月十八日まで、二月十八日から二十四日まで、三月二十四日から四月五日まで、四月五日から四月十九日まで、四月十九日から四月二十日まで、五月二十七日から六月一日まで、六月十日から六月二十五日まで、六月二十八日から七月七日まで、七月七日から七月十三日まで、七月十九日から七月二十七日まで、八月九日から八月十日にかけて保護房に入っていたところ、亡くなっていた、こういう話ですね。ちょっと早口で申しわけないです。
 官房長、いいですか。これって、視察表を見て答えてないですか。記録がなくなっちゃったのに。――ちょっとまず官房長に聞いて、それから。
大林政府参考人 私が聞いております限りでは、死亡時の状況はまだ現在調査中でございます。ただ、診療録、保護房収容中の動静経過の記録書類、検視記録、被収容者死亡報告書等の残存している書類もあり、だれがその処遇や死亡時の診断に関与したか等は特定できる状況にあるということでございます。
保坂委員 そうすると、私たちの印象は、保護房で二人亡くなっている、これはさまざまな背景があり得るな。そして、顔が赤くなって亡くなっていたということは、そんなに赤くなるということはあるんだろうか。しかも、窓から見てそんなに赤いというのは不自然じゃないか。いろいろ聞きましたよ、府中刑務所で。しかし、そのときに既に身分帳がないとなれば、刑務所側も困ったんじゃないでしょうか。他の書類を照合して見ていたのか。そのあたり、報告は中井局長、受けていましたか。どうですか。
中井政府参考人 府中刑務所を視察された際の当該刑務所の説明内容でございますけれども、私どもが聞いておるところによれば、先ほど官房長の答弁にもありましたように、保護房収容書きとめ簿、検視記録、被収容者死亡報告、診療録、分類調査票等によりましてあらかじめ調査しておりまして、当該死亡した受刑者の保護房収容の経緯等については資料が作成できておった、それに基づいて説明をしたというぐあいに聞いております。
保坂委員 ここで大臣にぜひ聞いていただきたいんですが、昨年、外務省、いろいろ問われました。私もODAなどについて、アフリカのODAについて、さまざまな資料を入手して、予算委員会等で、あるいは外務委員会で質問いたしました。その際、外務省側からも最後には、最初は資料出なかった、最後にはこういうことでしたという、これは私、それでも十分じゃないといって質疑を交わすわけですが。
 今までのところ、法務省から語られることというのは、すべて我々議員が、こういうものはないんですか、身分帳は。ありましたと。あるとすれば、こういう記載どうですか、あるいは視察表はと言うと、いや、なくなっていますと。みずから明かしたことがないんです、まだ。これは調査とは言えない。みずから、こういうことがあるという、全容を語るという姿勢が必要だというふうに思いますが、いかがですか。
森山国務大臣 まさにおっしゃるとおりでございまして、すべて必要なものは明らかにして、御報告するというのが前提だと思います。今後改革をしていきますにつきましても、それがなければできませんので、そのような方向でやっていきたいと思います。
保坂委員 では資料を配ってもらえますか。
 このやりとりを聞いていて、法務省というのは明治の時代から一歩もやり方を変えずに、分厚い身分帳だとかいう世界でやっているのかなと我々ちょっと錯誤に陥るわけですが、そうではなかったんですね。
 これは実はお配りをしたのは、これ一枚、私、もらったんですよ。これ、「矯正の現状」という本の中に、矯正情報ネットワークシステムを構築していく、川越少年刑務所と大阪刑務所の二カ所にバックアップセンターを置き、そして矯正局の中にいわばコントロールタワーを置いて、総務課調査係情報管理班七人の方がこの運営に当たる。これは行刑施設の中に矯正LANというものを張りめぐらして、そして矯正WANというものをつくって、情報の共有、一元的な管理、合理化を考えているわけですよ。それは当然考えますわね。何か補正予算でこれはやったような記憶がありますよ。
 それでお聞きをしたところ、私のところにおいでいただいて、いろいろなものを入れています、累進処遇、健康状態、刑務作業、懲罰、配房、クラブ活動、出廷、勾留満期についてなど入れていますが、この死亡帳については、データまで入れて、出す段階の手前だ、こういうふうに聞いているんですね。
 これはどういうことですか。つまり、大臣、こういうものがあるんなら、もっとないんですか。これ、一枚しかもらえないんです、私どもは。
 予算をかけて、それこそ全国の行刑施設で移動もあるでしょう、どこの刑務所から動いたり、あるいは再犯ということもある、そういうときに、ボタン一つでぱっと呼び出してというのが、これ、予算要求して、法務省がつくったシステムじゃないですか。どうしてこういうことを説明しないんですか、局長。
 同じことですよ、この死亡帳の問題とレベルは。どうして、あたかも明治のころから変わらないように、文書庫の中に行って汗だくになりながら、ほこりをはたきながら、全部身分帳を繰らなきゃいけないという説明をしていて、こういうものについては説明がないんですか。はっきり答えてください。
中井政府参考人 お尋ねの矯正情報ネットワークシステムでありますが、被収容者の本籍、氏名、住所、生年月日、刑名、刑期等についての個人情報の一元管理を行って、矯正統計の基礎情報の抽出を行うとともに、日々の被収容者処遇に活用する、こういう目的であります。
 現に矯正施設に収容されている被収容者のデータ抽出が可能なプログラムということで構築されておりますものでありまして、出所者、いわば死亡を含めました出所事由のいかんを問わず、現在のところではこのシステムでは検索することはできません。
保坂委員 これは山下審議官に聞きましょうか。死亡帳について、当然これは入れるべきでしょう、どうして亡くなったかなんということについては。
 私の説明に来られた方は、死亡帳のデータ、つまりこれは構築がまだされていないんだということなんですね、説明は。本来完成すれば死亡帳までヒットして出てくるけれども、データは入れて出せない段階というのは、どういう段階か、私わかりません。どういう段階なんでしょうか。これは本当に正直に答えてください。
山下政府参考人 私もCONETのことは余り詳しくはないのでございますが、矯正施設で死亡した者がある場合には、出所事由の一つとして死亡という項目がありまして、登録はされるんですが、それを抽出するプログラムが実はできていないので新たなものをつくる必要があるというふうに、私は説明を受けておりました。
保坂委員 これはあれですよ、官房長。これから刑務所もふやさなきゃいけないですね。七万人超えたんですって、つい最近。非常に大不況で、経済はがたがたで、薬物事犯が多くて、予算要求していかなきゃいけないんですよ、これから。
 こういうものをつくって、法務行政の円滑な、しかも合理的な運用に努めますと言っていて、今の答弁は何ですか、一体。入れたけれども出せない、そんないいかげんなんですか。このことを知っていましたか、官房長は。大体、報告を受けていましたか。
大林政府参考人 今の具体的な矯正のネットワークシステムについては、私は具体的なことは知りませんでした。ただ、御指摘のように、今伺っていて、やはり欠陥があるというか、まだまだやらなきゃいかぬことがあるなということは感じました。
 官房としては、当然予算の要求の問題がありますので、今の御指摘の点を踏まえていろいろ検討させていただきたい、こういうふうに思います。
保坂委員 大臣、いかがですか。私どもの疑問は、さっきお答えいただいたように、要するに、どうですかと言うと、多分出てくるでしょう、これからこのシステムについての説明は。どうですかと言うと出るんですよ、少しおくれて。だけれども、本来、この根に迫るという、問題の根源に迫ってもう二度と再発をなくするということは、しっかり法務省みずからが主体になって、こうでございましたという報告をしてもらわなきゃ困るわけですよ。それはまたこういうものについても、今の答弁、到底納得できない。どう考えられますか。
森山国務大臣 これはもしでき上がれば非常に詳しくすべてがわかるはずでございますが、ただ、いわゆる個人情報の部類に属するものが多うございますので、そこら辺はどのように扱ったらいいのかなというのが私の個人的な疑問でございますが、そのような部分を何とかしてクリアいたしまして、行政の運営に必要なものを自由に検索できて、そして政策にプラスになるというようなものをつくっていきたいというふうに思っています。
保坂委員 これは大事なので、矯正局長に伺いますが、かなり詳しく聞いたんですよ。平成九年二月から運用を始めているそうですね、これは。平成九年二月一日からデータ入力して、過去五年間のものについてほぼ入れた、しかし出せないんだと。本当ですか、これは。本当ですか。この図一枚で、わからないですよ。
中井政府参考人 今のシステムではなかなか難しいという話を聞いております。
保坂委員 これはもう一回官房長に聞きましょう。
 予算要求して、新しくこういった、予算要求のときの絵だと思いますけれども、こういうのをつくって、なるほどこれは、どの行政組織でもやっていますよね、個人情報に気をつけながら。最も漏れちゃいけない情報です、名古屋刑務所では漏れましたけれどもね。
 ただ、こういうものについて、当然常識的に、各受刑施設の中で過去十年間あるいは五年間死亡した者についての情報は、矯正局でぱっととれるはずじゃないの。そこのところを調べてもらえませんか。
大林政府参考人 今の御指摘の点、私の方で調査させて、また御報告させていただきます。
保坂委員 それでは、午後、委員会に提出していただくようにお願いできますか。つまり、どういう仕組みになっているという最低限の説明も今答弁でありませんので。いかがでしょうか。
山本委員長 大林官房長、委員の要求に対して、再度答弁してください。
大林政府参考人 調べさせて、そのようにさせたいと思います。
保坂委員 保護局長、お願いしていますよね。
 保護局長は、受刑施設を出た方が社会に復帰をされていくというサポートを担当される長だと思いますが、今回、調査検討委員会、オール法務省で構成するメンバーの一人でもあります。
 今後、矯正行政オンリーではなくて全法務省的に、しかし全法務省的というよりはむしろ外部の意見も入れて、きちっとこれを、調査検討委員会というものをしっかり徹底すべきだというふうに思いますが、メンバーの一人としてお話しください。
横田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のように、私も保護局長として調査検討委員会のメンバーになっております。したがいまして、これまでも大臣の答弁にもございますように、今保坂委員御指摘のような形で進めていくのが相当と、委員の一員としては考えております。
保坂委員 先ほど刑事局長がおっしゃっていたんですが、行刑改革会議というものをつくると。これは官房長に答弁いただきますが、行刑改革会議というものをもしつくるのであれば、民間からさまざまな委員を呼んで、少なくてもこういった刑務所、行刑施設の内情に詳しい、あるいは情願がどう扱われたかとか、そういうことに詳しい方を弁護士会などからも推挙していただいて入れるべきではないかと思うんですね。過去の会長という役職だったりあるいは著名な方ということで委員を民間に委嘱して、弁護士会側に委嘱してやるというのではなくて、やはり専門家を入れるべきだと思いますよ。いかがですか。
大林政府参考人 御指摘の御意見も私としては大事なことだというふうに考えております。今まだ確定はしておりませんので、私どもとしても、適当な方がおられればそのような人選も考えたいというふうに考えております。
 基本的には大臣の指導でやっているわけでございますが、矯正をよくしたいということでは、やはり外部の意見の方が大事だということでもともと進んでいる話ですから、ですから、今委員御指摘のような観点からも検討させていただきたい、こういうふうに思っております。
保坂委員 今名前が挙がっている方、旧日弁連会長と、もう一人著名な弁護士さんですけれども、やはり行刑施設の内情と、その中において今噴出している問題の深い部分をとらえている方をぜひ入れていただきたいというふうに思います。
 これは最後の質問になると思いますが、東京入管で、九七年に革手錠をはめられた二十八歳のイラン人男性が亡くなっていたという事件がございます。入管職員らは一応調べを受けたのですが、この段階では、東京地検は八人を不起訴というふうにしました。革手錠ということがまた刑務所以外の入管施設などでも使われているという例として、これは看過できないものと思います。
 このたび、この亡くなった男性は、ムサビ・アバルベクさんというふうにおっしゃるんですか、九七年の八月に、収容場の隔離室で革手錠と金属手錠をされた上、複数の職員から暴行を受け死亡したと訴えているわけでございます。今回、新証言をする人が出てきたということですが、入管施設の中でこのようなことが起きている、これも本当に恥ずかしいことだと思いますけれども、この訴え、入管当局はどう受けとめているんですか。
増田政府参考人 お尋ねの事案の概要について申し上げます。
 平成九年八月九日の午前零時半ころに、東京入管の収容場に収容中のイラン人男性が、消灯時に回収して廊下に保管していたライター、これが室内に取り込まれていることが発見されたために、入国警備官がこれを注意したところ、同人がライターを貸してほしいなどと執拗に申し立てて大声で騒いだことから、別の部屋に連行して説得を行いましたが、大声で騒ぐことをやめず、扉をけるなど反省した様子がうかがわれず、深夜で他の被収容者の睡眠を妨げるために、もとおりました共同室に戻すわけにもいかず、入国警備官八名が取り調べ室に連行しました。
 ところが、取り調べ室においても、入管警備官の説諭を受け入れず、反抗的な態度をとり、大声を上げるなどして、午前一時五十五分ころには、大声で叫びながら入国警備官の胸を突き飛ばすなどの暴行を振るったことから、入国警備官がその暴行を制圧しようとしましたが、大柄な男性で激しく抵抗したためままならず、その後、その体を倒してうつ伏せにしたものの、頭部を上下左右に振り、両足も上下に振って床に打ちつけようとするなど激しく暴れたため、本人自身の自傷を防止するため、後ろ手にしたその両手首に金属手錠をかけましたが、それでも大声で騒ぎ立てながら上体を起こそうとしたり、あるいは顔を床に打ちつけたり、あるいは頭を振るなどして抵抗したことから、これ以上の抵抗を制圧するためにはもうやむを得ない措置ということで、その頭部を自傷することを防止するため、顔の下に毛布を敷くなどをするとともに、その左右の腕に革手錠を施し、腰に革手錠のベルトを締める措置をとったというものでございます。
 その後、同人が頭部を床に打ちつけて結局死亡するわけでございますが、ただいま委員から御指摘のあったとおり、この件につきましては、東京入管が速やかに所轄警察に通報し、結局入国警備官八名が被疑者として東京地検に事件送致を受けておりますが、捜査の結果、犯罪の嫌疑はないということで、不起訴処分を受けております。
 それから、この亡くなられた方の遺族、両親ですが、国家賠償を求めて東京地裁に訴えを起こしましたが、一審で国の主張が認められて、国の措置に誤りはないということで、少なくとも一審は原告敗訴、これは控訴審に係属しておりますが、そういう段階にございます。
 結局、私どもといたしましては、事実関係に照らし、職員の制圧行為はやむを得なかったものと考えております。
保坂委員 争いがあるわけですから、亡くなった方たちの訴えのとおりだと言えないと思いますけれども、少なくとも、革手錠の扱いについて見直すという一言は絶対あるべきだということを指摘して、終わります。
山本委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時四十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十二分開議
山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、大林官房長より発言の申し出がありますので、これを許します。大林官房長。
大林政府参考人 先ほど保坂委員の方から御質問のありました矯正情報ネットワークシステム、矯正WANというものについて、取り急ぎ調査してきましたことを申し上げます。
 矯正WANでは、各施設において、被収容者が入所した際及び出所時に、氏名、生年月日、罪名、刑期、それから懲役か禁錮かとか、出所予定日とか出所事由とか、こういういろいろなデータを入力することになっています。このデータ入力は平成九年の二月一日から行っておりまして、入力されているのは、その当時入所していた者及びその後入所した者だと聞いております。
 各施設では検索項目として、本人の振り仮名、生年月日、国籍、入所年月日等の項目がありまして、これらを検索画面に入力して検索することにより、データの一覧が抽出できるというふうに聞いております。しかしながら、先ほどお尋ねのありました出所事由、死亡を含みますが、それ自体は検索項目になっていないということで、すぐにその一覧を抽出することはできないということでございます。
 しかしながら、さっき申し上げましたとおり、今回、被収容者の死亡事由ということが非常に問題となっておりますし、その検索方法が取り上げられているところで、非常に私どももその重要性というものは十分認識しておりますので、何とかこのネットワークシステムを、要するに死亡で逆引きできるように何とか努力させたい、こういうふうに考えております。
山本委員長 質疑を続行いたします。河村たかし君。
河村(た)委員 今の保坂さんのをちょこっとだけ引き継ぎますけれども、今、そういうことだと、出所したか入所したかもわからぬという可能性になるのではないかということもありますし、これは簡単に出ることだと思いますので、コンピューターだとばっと出る。あるわね、あれ、あれと言うとったらいかぬけれども、フォーマットを後刻、そんな難しいこと言わぬで、すぐ出してくださいよ、これは。いいですね。それは一応答弁だけいただこうか。
大林政府参考人 そのようにさせたい、こういうふうに思います。
河村(た)委員 それではまず、一時間ですから、十五分ほど森山大臣に。
 私は、別に森山大臣に個人的に恨みも何もございません。功成り名を遂げられたと言うと感じ悪いけれども、立派なお仕事をされてきまして、非常に上品な方でございますし、余り言いたないんですけれども、まことに申しわけないですが、盛んに謝られて、これから頑張ると言われていますけれども、本当にそれで済むのか、悪いけれども。これは本当は言いたないですよ、こんなことは。私は人を罪にどうのこうのいうことはやりたないけれども、しようがないですよ、これは職務ですから。そのことについて、ちょこっと聞きたい。
 ところで、私も選挙に二回落ちておりまして、二世ではありません、私は。十年目に通ったのかな。まあ、だれも褒めてくれぬですけれども、なかなか立派なものですけれどもね、これは。だから、人間というのはいつでもやり直しができるというか、やはりそういう制度をつくるというのは、私は非常に賛成なんですよ。だから、何か失敗があっても、それは今後頑張ろうということを認める方だけれども、これはまことにあれですけれども、大臣、死刑執行されましたね、許されましたね、過去。何名されましたか。
森山国務大臣 お尋ねは死刑のことでございますか。(河村(た)委員「はい、そうです」と呼ぶ)二回だったと思います。
河村(た)委員 四名の方だったと思いますけれども、回数ですから二回ですか。四名ですか。ちょっと答弁いただけますか、済みません。
森山国務大臣 四人でございます。
河村(た)委員 これは、死刑というのはどういうことかというと、それはいろいろな過去があったんだろうと思うけれども、私は将来頑張ります、今まで悪うございました、しかし、私はもう一回更生して、本当に社会で拍手されるような人間になりますと言っても、それを許さない制度ですね。それは許しません、残念ながら。
 それで、森山大臣においては、今反対の道を行くというのか、いや、私は頑張りますから、今までのことは今までのことで済みません、だけれども、今後いい法務行政というか矯正行政をやればいいじゃないか、こういうふうに思ってみえるのですが、そこは大いに思想が違うということですから、そこはちょっと頭に置いてくださいよ。
 それで、まず、要するに憲法にありますよね、公務員による拷問は絶対にこれを許さないと。これは御存じですね。「絶対に」と書いてありますよ、どう思われますか、これは。
森山国務大臣 これは、決して許されないということだろうと思います。
河村(た)委員 ということは、何らかの時点で、刑務官の暴行等があり、拷問が予想される行為が出た場合に、絶対に再発をさせない務めがあなたにありますよね。
森山国務大臣 初めから絶対、最初から一回も起こらなければ非常によかったわけでございますが、大変残念ながら、刑務官の非常に思慮を欠いた行動によってそのような結果になったことは、本当に残念だと思います。二度とないように努力していきたいと思います。
河村(た)委員 でも、それは何回か起こっているんだから、五月、七月、九月、少なくともわかることがありますよね。だから、五月時点でこの事件をあなたは聞かれましたでしょう、矯正局長から。そのときに、あなたは刑務所の中でこういう事件がもう一回起こることを当然防止すべき義務が生じている、そうじゃないですか。
森山国務大臣 五月のときの事件は、確かに私も報告を受けました。しかし、まさか受刑者に対して革手錠を懲らしめのために強く締めつけるというようなことがあるとは思いも至らなかったということでございまして、それは私が浅はかだったと言われればそのとおりだと思いますが、私、法務大臣に就任いたしましてから、時間を見つけては、刑務所、その他の受刑施設を見てまいりまして、その……(河村(た)委員「五月の報告のときだけでいいです」と呼ぶ)はい。皆さん、刑務官が非常に地道に苦しい仕事を我慢強くやっているということが印象に残りまして、そしてその負担を少しでも軽くするべく、一人当たりの受刑者の数を減らすようにしなければいけない、施設も充実しなければいけないということに頭がいっぱいでございました。
河村(た)委員 それよりも、五月のを聞かれましたときに、こういうことが、同じ事件――私だって、ほとんどの刑務官は熱心にやっておられると思いますよ、それは。だけれども、そういうことが起きて、聞いたわけでしょう、矯正局長から、中井さんから。そのときに、もう一回こういうことが起こってはいけない、何か手を打たなきゃならないと思いませんでしたか。
森山国務大臣 思いまして、真相をまず究明するように、そしてその背景の事情についてよく分析をしてその事情を解決するようにということを申しました。
河村(た)委員 思いましたと言って、それでどういうふうにしたんですか、実際は、それは。電話の一本もかけられたか。何か事故が起こりそうだったら当然、普通の会社だったら、工場で何かあったら、工場に連絡して、そういうことがもう一回起こらぬように注意せなあかんぞと言うでしょう。どうされましたか、これ。
森山国務大臣 まず真相を解明するように、つまり、この事件は大変な事件でございますので、検察によって真相を解明するということが重要であると思いまして、そのためにみんなで協力するようにということを申しました。
河村(た)委員 検察、検察と言いまして、その人もありますし、何人かありますから、再発防止というのがもう一つあるんですよ、あなたには、悪いけれども、最高責任者だから、これ。そう思いませんでしたか。自分には再発防止の義務があるんだと思いませんでしたか、それを。
森山国務大臣 一般的には、確かにこのような事件が起これば、責任者は私でございますので、二度と起こらないようにしなければいけないと思いました。
河村(た)委員 そのために検察庁に任せただけですか、あとは。
森山国務大臣 いや、まずは真相を解明するということが大事だから、それには検察に捜査をしてもらうということが重要であると考えまして、ほかの人がほかの調査をするよりは、その方が真相が解明できるというふうに思ったので、そのように指示したのでございます。
河村(た)委員 検察はその人の犯罪を問うことなんであって、それとは違うじゃないですか、あなた。それで十分じゃないですよ、決して、それは。一人じゃないんだから、可能性が強いんだから。一人じゃなかったわけでしょう、あのときに。革ベルトで締めて、それから、革ベルト、それから司法解剖、捜査継続、三つ聞いたんでしょう、これ。そのときに、ただ犯罪捜査だけじゃなくて、再発防止のためにほかの人たちをどうしているのかという、あなた、しなきゃいけないじゃないですか、なぜしなかったんですか、それ。
森山国務大臣 検察に事実を調べてもらいまして、それが明らかになった上でその周りのさまざまな条件を調査いたしまして、そして解明につなげていかなければならないというふうに思ったわけでございます。
河村(た)委員 検察に調べてもらった上でと言っているんですけれども、その間に起こったらどうするんですか、一体、それは。起こったじゃないですか、実際。起こったじゃないですか。そのことについて、自分は確かに注意義務を怠ったと思いませんか、そのときに。しかるべき手を打つべきであったと思いませんか。
森山国務大臣 確かに、今おっしゃられてみますと、私としては非常に残念な、ざんきにたえない気持ちでいっぱいでございます。
 しかし、そのときは、まさか刑務官によって虐待がなされていたなどということは初めは全くわかりませんでしたし、その真相を解明して、その事情をよくわかった上で難しいいろいろな条件を除去していくということが必要であるというふうに思いまして、先ほど申し上げたような指示をしたわけでございます。
河村(た)委員 本当に余りいい気持ちじゃないんです、私、正直言って、こんなことを大臣に言っておるのは。
 だけれども、まだ注意義務ありますよ。あなた、情願の話がありますけれども、情願というのは、何か聞いたらあれですってね、受刑者が自分で書くんだってね、法務大臣殿と。知っていましたか、それ。直筆で法務大臣殿と書くこと。
森山国務大臣 それはある程度わかっておりました。しかし、情願という制度そのものを最初のうちは存じませんでしたものでそれは知りませんでしたけれども、そのような制度があるということがわかりましてから、早速全部読むことにいたしまして、多過ぎて賄い切れない分は副大臣や政務官に助けていただきながら、情願はほとんど私が見ているという状況でございます。
河村(た)委員 ある程度わかっていましたというのはどういうことですか、今初めに言われた。ある程度わかっていましたと言いましたけれども。
森山国務大臣 情願というのは、刑務所の中にいる受刑者の人たちが、自分たちが最後のよりどころとして法務大臣に直接書くものだということを聞いておりましたので……(河村(た)委員「それは昔から知っておったんですか」と呼ぶ)いえ、以前のことは存じませんでしたけれども……(河村(た)委員「それじゃ、いつごろわかったんですか」と呼ぶ)情願のことを聞きましたのは昨年の十一月ごろ、いや、その後でしたかしら。そういうわけでございますので、そういう話を聞いた後は、そういうものだなということはわかっておりました。
河村(た)委員 後の大変な質問がありますからこればかりやっておれませんけれども、これは延々と続くけれども、申しわけないけれども、森山国務大臣には。私もこんなことを言いたないですけれども。
 まず大臣になったら、当然のことながら、自分の権限と義務ですよね、これを当然見るべきであったし、知らなかったではこれは通用しませんよ。どこかの会社の社長が、何か内規を知らなかったと。そんなことがあるのかといって、事故が起こった場合責任とりますからね、これは当然。これは済まされない。
 それから、その今の情願というのは、本当に聞いたんだけれども、本人が法務大臣殿と、受刑者が、みんなついている、自分で書いているんだから、これは。自分の名前も直筆、それと、左手の人さし指で拇印を押す、これは知っていましたか。――後ろで変なこと言わぬでいいの。本人に聞いているんだから。
森山国務大臣 情願の、見ておりますが、全部そのようになっております。
河村(た)委員 いや、そういうことなんですよ、僕も聞いてびっくりしたけれども。そういうシステムなんですよね、やはり受刑者が。そういうものなんです。それを、悪いけれども、漫然と放置してしまった。
 それから、五月の事案を矯正局中井さんから聞いたけれども、残念ながら検察庁任せに、検事任せにしてしまった。
 それから、あれでしょう。暴行で処分された事案が、これはある新聞に、読売でしたか、大々的に出ましたけれども、あれを見て再犯を防止しようと思いませんでしたか、暴行の。聞かれていますでしょう、これ、大臣。
森山国務大臣 おっしゃいますのは、いつの話でございましょうか。
河村(た)委員 いやいや、いつのと言って、どのぐらいありましたかね、たしか数が読売に出ていましたけれども。すごい数ですよ、暴行で。あなた処分されているじゃないですか、みずからの名前で、暴行に対して刑務官を。
森山国務大臣 いろいろなことがございましたものですから、少々混乱いたしまして失礼いたしました。
 もしかしたら、この過去七年間に六十九名というこれでございましょうか。もしそうであるといたしますと、これはある報道からそのような情報が明らかになったのではないかと思いますが、これは六十九名の職員が収容者に対して暴行したということになっております。
 内容について詳しくはわかりませんけれども、そのようなことが過去七年の間にあったという話でございまして、そのような事件があっては好ましいことではございませんし、二度とこのようなものが続きませんように努力しなければいけないと思います。
河村(た)委員 では、今言った、報道でわかったわけですね、それは。ちょっと答弁してください、大臣。
森山国務大臣 報道の一部にそのようなことが出ていたということが、今わかりました。
河村(た)委員 いや、これは本当はこれでも終わりですよ、言っておきますけれども。悪いけれども、これはあなたの名前で処分しているんですよ。それと、だれだったかな、質問通告してありまして、大臣に報告してあると聞いておりますよ。これはうちにあるぞ、文書、大臣に重要な事案については報告してあると。
 本当はこれでも終わりなんだけれども、もうこれは、一々全部とまっておると、まことに申しわけないけれども、森山さん、大臣、あなたの名前でこれは、文書がうちにありますけれども、あなたに重要な事案の報告が行っていると来ているんですよ、ちゃんと。それで、あなたは刑務官を自分で処分しているんですよ。それを今報道で知ったと言いましたからね。これは大変なことなんだ、実は。どうなっているんですか、これは一体。
 だけれども、これはちょっと保留しておきます。これは保留。痛々しくなってきますから。
 ですから、ちょっと大臣、今のことはいいです、今度やりますから。言えることは、あなたは大臣として、悪いけれども、憲法にあるから、三十六条、公務員による拷問は、絶対にこれを禁ずると書いてあるんです、わざわざ「絶対に」と。それを防止する絶対の義務があった。これ、あなたがね。これはたまたまあなたのときだったから、こうなっておることもあるんだけれども。それで、情願という制度を漫然と放置してしまった。
 それと、あれは何だったかな、名古屋刑務所から実際に情願が一通上がってきておったね。あれもあなたの名前で、これは山花氏が質問しましたけれども、それを却下している。知らなかったということでした。
 それから、五月の事件であなたは気づくべきだったよね、そこで。まず、どう考えても、中井さんから聞かれたら、ああ、これは大変なんだなと、こういうことが起こらぬように、早速、行くなり刑務官に話をするなりしないかぬかったですよ。言っておきますけれども、普通の社長だったら絶対しますよ、工場へ出向いて。それもしなかった。
 それから、今言った六十九件かな、暴行事案、これはあなた処分しているけれども、本人も知らないと。
 これは申しわけないけれども、例えば、そこのホテルニュージャパンで火災があったでしょう、ニュージャパンで。あれはどうなったと思いますか、社長。逮捕して、有罪ですよ、この間。彼は逮捕されているんだよ、悪いけれども。社長がですよ。その事案と比べて、どう思いますか。だから、ニュージャパンの社長は、ああいう火災が起こるといかぬから、やはりしかるべき防止をすべきだったということですよ。それと比べて、あなたはどうですか、この問題は。
森山国務大臣 大変厳しいお言葉でございますけれども、六十九人の人が七年の間でございますので、大変申しわけないんですが、私のときとはまた違うときだったかもしれないというふうに思います。
 また、重要な案件は大臣によく報告しているからと言われましたけれども、例えば、美保学園といいましたかしら、少年院でしたか……(河村(た)委員「いやいや、大臣、ニュージャパンのことでいいです」と呼ぶ)
 ニュージャパンではちょっと、私もあの事件のことは覚えておりますけれども、大分前のことでございまして、詳しいことはよくわかりませんが、それと私の仕事とは必ずしも比べることは難しいのではないかというふうに思います。
河村(た)委員 比べることはと言いますけれども、比べられますよ、当然。しようがないんだから、人の上に立つ人間というのは。しようがないんですよ。下手しましたら、これはニュージャパンより重いですよ、法務大臣の方が。重いですよ。それも刑務官のやることでしょう、これは。
 ああいうホテルとか新宿ビル火災、あれはどうだったんですか。あれも、消防がああいうことできちっと手当てを打たないかぬということを、漫然と放置した。それで、理由はまだわかりませんけれども、だれかが放火したということですよ。それでどうなったんですか、これは。逮捕ですよ、これも。
 どうですか、刑務官の場合。あなたは、これは絶対的に再発を防止する物すごく重い義務があったんですよ、その人たちと比べて。
 ごめんなさいね、私は年下だけれども。本当は言いたないんだよ、こんなことは。本当に。本当は言いたないですよ、こんなことは。だけれども、これはしようがない。だから僕は、きょうはこのぐらいにしておきますよ。
 最後にちょっと一言、今の言いましたから、ニュージャパンとか、それから新宿ビル火災もありますよ。みんな会社の社長なんというのは、私も、余り小さな小さな言うなよと言われておりますけれども、去年そこをやめて退職しましたけれども、小さな企業をやっていまして、だから、やはり大変ですよ、事故が起こったりなんかするといかぬから。業務上過失致死傷という罪があるじゃないですか。だから、これは必死になってやはり注意していますよ、いろいろなことが起きないように。あなた、どうですか、今の新宿ビル火災とかニュージャパンの話を聞いて。関係ないとは言えませんよ、その注意業務と比べて。
 だから私は、本当にこんなことは言いたない。申しわけないけれども、やはりモラルハザードを起こしちゃいけないから。やはり法務大臣ですよね、これは特に。法の正義を守る最もリーダーですから、やはりここは潔くやめられて、それが僕は、真実の解明に一番強いインパクトになると思うんですよ。僕は、本当の刑務官さんたちは、自分らは逮捕されているでしょう。上は何をやっておるんだと思うと思いますよ。あなた、三カ月給料でしょう、これで連続六カ月の。これでは、申しわけないけれども、ちょっと苦しいと思う、僕は。これは本当にモラルハザードを起こしちゃう。どうですか、大臣。
森山国務大臣 非常に私も強い責任を感じております。
 それで、法務大臣としてどうするべきかということを考えますと、やはりこのような事態が二度と起こらないように、いろいろな方法を考えなければいけない。
 それで、まず省内に、この問題を整理するための調査検討委員会を設けまして、そこでいろいろなことを決めまして、今すぐできることはすぐにやろうということでやっておりますし、これからも、新しい矯正のあり方を考え直していくための有識者の御意見も承るようにしようということで、いろいろと方法を検討し、考えておりますので、それこそが、私のような者が今この仕事を仰せつかっている天命ではないかというふうに考えますので、その預かりましたお仕事を精いっぱいやりたいというふうに考えているのでございます。
河村(た)委員 これは本当に、普通だったらどなり散らすところですけれども、ちょっとやめておきますけれども、それじゃとてもやはり、申しわけないけれども、だめだな。では、人の死刑執行なんてだめですよ、そういう思想なら。だから、何かのタイミングで、ここはちゃんと引き際をきれいにされるのが一番いいと僕は思いますよ。
 もうこんなことをいつまでも言って、森山さんも多分、これはまずかったなと思ってみえると思いますよ、ここまで来ると。死亡帳のことでも、何を言っておるかわけわからぬ話が続々出てきて、後で言いますけれども、とんでもない違法な事態もあるんですよ、まだこれは。そんな事態で、私は今度頑張りますは通用しないと私は思いますので、ぜひ、まことに失礼で申しわけございませんけれども、それを申し上げておきます。
 それから、医師のことについてちょこっとお話をします。
 名古屋刑務所の医師ですけれども、これはお手元に資料をちょっとお配りさせていただきました。こういう状況でございます。何と、私いろいろ聞いておりましたけれども、こういうものは、どうも、お金が足りぬので大変苦しいというのが一般的な理解だったわけです。全然違うじゃないか、これは。一人一千万、一億だ、一億。
 それで、これは法務省につくってもらった資料ですからね。この下にありますね、米印で「上記以外の曜日・時間については、大学における研修等を命じている。」ということで、この研修について、何かと聞きましたら、ちょっと一枚余分に入っておりますけれども、一枚めくっていただいて、その後、「常勤医師」A、B、C、Dとずっとありますけれども、これは、心電図、循環病とか研究とかいろいろありまして、「研修結果の報告について 報告は行われていない。」ということですけれども、これは、何か刑務所のためになるんですか、一体。
中井政府参考人 委員御指摘のように、名古屋刑務所におきましては、医師十名、配置されているわけであります。
 近年、行刑施設におきましては、御案内のとおり、過剰収容に伴いまして、医療の対象となる被収容者、これが急増しております。また、その病気、疾病構造と申しますけれども、それも複雑化しておりますし、最近、特徴的なことといたしましては、高齢化社会、高齢の被収容者の増加もあります。要するに、医師の業務の困難性というのが著しく増している状況にあると我々は認識しております。
 このような状況下におきまして、やはり医師の医療技術の向上を図る必要があるわけでございまして、施設において勤務する以外の時間につきまして、勤務の一環として、大学において、施設の業務に支障のない範囲において研修を行っていただいているわけであります。常勤医師が毎日施設にのみ勤務するとした場合には、日々進歩する医療技術や知識を習得する機会を得ることができなくなる。大学教授等の指導のもとで症例研究等を行い、これを施設における医療業務に反映させるよう努めているものでございまして、私どもとしては、矯正医療の充実を図る上で必要なものと考えております。
河村(た)委員 そういうふうだったら、少なくとも報告書ぐらいもらったらどうですか、中井さん。国民のために、税金でお医者さんを刑務所のために使うんですから、報告書、何でとらなかったですか。
中井政府参考人 先ほど説明いたしましたように、基本的に日々進歩する医療技術や知識を習得してもらいたいというのがありますので、報告書の提出というのは必ずしも必要と思われませんけれども、委員が御指摘でありますので、その点についても今後検討してまいりたいと思います。
河村(た)委員 要するに、何もやっておりゃせぬということだわ、はっきり言いまして。
 それぞれこんな当たり前のことが書いてあるわけです、「研鑽」といって。週二日半の勤務で、それも、これよりちょっと後に、資料に出てきましたけれども、隔週というのが結構があるんですね。それから、今ちょっと調べますけれども、全部これは本当に出勤されておるかどうかもわからぬ、正直言って。どえらけないいい給料だと思わぬですか、これは。どうですか、中井さん。――余りそういうのを読まぬでも、自分の御感想を言っていただけりゃいいんです。
中井政府参考人 一般職の国家公務員としての所定の給与を支払っているわけでございまして、私どもとしては、このことについては特段の問題はないというぐあいに考えております。
河村(た)委員 これは、ここで聞いておってもいかぬですから、よく大臣も予算がないからと言われますので、これは、各医療機関のこういうしかるべき人ですね、刑務所側とそれからお医者さん、そういう方をぜひ一遍参考人で呼んでいただいて、きちっとこの辺の予算の執行状況をチェックする必要があると思います。
 どうですか、委員長。
山本委員長 しかるべく理事会で検討させていただきます。
河村(た)委員 それから、夜勤ですよね、問題は。
 これだけようけの人が来ますけれども、一ページ目を見るけれども、五時でみんな終わってしまっておるでしょう。一ページ目を出してください、一ページ目。みんな五時で終わっちゃっているんですね。夜、おらへんわけだ。これはどうなってしまったんだ、夜。
 ここに、次のページにありますけれども、これは、一つ名古屋刑務所に絞って聞くとわかりやすいと思いますけれども、名古屋刑務所では夜勤はできませんね。どうですか、医者の当直。
中井政府参考人 名古屋刑務所におきましては、医師が宿日直することについては困難な事情がございますので、夜間及び休日においては、医師を順番に自宅に待機させるとともに、看護師や準看護師である保健助手を交代で宿日直させているところでございます。
河村(た)委員 さあ、そこで、きょうの主題に入りますけれども、今の名前がありました中で、保健助手さんという方が実は見えるんですね、保健助手さんという方が。宿日直させると言っていますけれども、どういう規定で、根拠で宿日直させておるんですか。
中井政府参考人 規定はございません。
河村(た)委員 規定はないということです。よく聞いていてくださいよ、自民党の皆さん。いいですか。規定はないと。
 ところで、人事院、来ていますよね。人事院さんにお伺いします。
 公務員の宿日直の場合は規定が要りますよね。ありますね、そういう規定が。答弁してください。
大村政府参考人 公務員の場合、宿日直をさせる場合には、まずは、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律で、第十三条によりまして、宿日直の規定がございます。
河村(た)委員 これは、中井さんは認めちゃったけれども、これはどこにも入らないということで、人事院、この十三条の一項、悪いけれども、初めこれだと法務省は僕には言っていたんですよ、この「外部との連絡、」というの。これは何枚目かに出てきます。これは、人事院規則一五―一四の十三条の一項。
 この一項の想定するものは、いわゆる「本来の勤務に従事しないで行う」ということだから、何かの仕事の人がその本来の仕事でやるために、例えば保健助手さんとか看護師さんだとか、そういうのは入りませんよね、これは。交代で、当番というようなものですね。人事院、どうですか。
大村政府参考人 先生おっしゃるように、この規定は、「本来の勤務に従事しないで行う庁舎、設備、備品、書類等の保全、」とか、「外部との連絡、文書の収受」とか、「庁内の監視を目的とする勤務」でございます。
河村(た)委員 もう一回人事院に。
 それで、刑務所の場合は、もう一つ具体的な例示があるんですよね、皆さんの次のページにひっつけておきましたけれども。
 これは、「ニ」ですね、「刑務所等の矯正施設における次に掲げる当直勤務」。一番、「業務の管理」云々、二番、「入所、釈放又は面会に関する事務処理、警備等のための当直勤務」。
 これには当然、先ほど入らないと言われたけれども、もう一回ちょっと確認しますけれども、これは保健助手は入りませんね。
大村政府参考人 これに保健助手が入るかどうかというのは、一義的には任命権者、各省の長が御判断するところでございます。
 一般的に言いますと、刑務所等の矯正施設における当直業務で特別宿日直と我々は申しておりますが、一つは、業務の管理もしくは監督またはこれらの補佐のための当直勤務というものと、それから二番目としましては、入所とか釈放または面会に関する事務処理、警備等のための当直勤務、この二つが特別宿日直として規定されております。
河村(た)委員 ちょっと保健助手のことも中井さんに。
中井政府参考人 この名古屋刑務所の取り扱いでございますけれども、実情だけをまず率直に申しますと……(河村(た)委員「これはまず入らないと言ってください、これに入らないと」と呼ぶ)
 私どもは、入らないというぐあいに考えております。
河村(た)委員 いや、これは大変なことなんですよ、実は。違法な宿日直をやっておったということです。いいですか、違法な宿日直をやっていたということです。ここに入らない宿日直は違法ですね、人事院。
大村政府参考人 仮に、こういうところに入らない、当てはまらないということでございますと、命ずることは適当ではないというふうに……(河村(た)委員「違法だということでしょう」と呼ぶ)宿日直を命ずることは適当でないというふうに考えております。
河村(た)委員 適当でないということは違法だということでしょう。
大村政府参考人 命ずることは適当でないというふうに我々は考えております。
河村(た)委員 適法でないということは違法だということなんですよ。同じ役人だから、せいぜいああいうことを言ったというだけで。
 では、このお金はどうしていたんですか、宿日直手当は。
中井政府参考人 先ほど答弁しかけたところでございますけれども、要するに、名古屋刑務所におきましては、医療関係の緊急事態があった場合の医師等への連絡体制を確保するために、准看護師の資格を有する保健助手を交代で当直させる取り扱いをしておりました。この当該の宿直勤務に対しては、先ほど御指摘の一般の宿日直として、所定の宿直手当を支払ってきたと聞いております。
河村(た)委員 皆さん、ちょっと何枚かめくってください、予算書がありますから。これは横書きになっています、「法務省所管 矯正官署 二十五」というものです。
 ここの下の欄の〇三―〇六、宿日直手当、九億七千七百五十六万六千円、これは平成十三年ですよね、宿日直手当についてこれだけ予算請求されていますね。この中には入っていますか、保健助手の宿日直手当は。
中井政府参考人 行刑施設の宿日直手当は、保安事務当直、副監督当直、監督当直及び医師当直で積算されておりまして、保健助手の行う当直分は積算の基礎とはなっておりません。
河村(た)委員 だけれども、宿日直手当は払われていますね。保健助手に払われていますね。
中井政府参考人 先ほど答弁申し上げましたように、一般の宿日直として所定の宿直手当を支払っております。
河村(た)委員 違法じゃないのか、これは完全に。完全に違法だよ、これは。
 それと、さらにもう一つ問題を言いますと、初めの資料についておりますこれは、きょう山花氏が言いました横須賀事案のカルテ、これを見まして、保健助手はカルテに自分で書いたり、それから、今の、死亡帳なんかに書くということはあるんですか、みずから。
中井政府参考人 保健助手が死亡帳に書き込んでいるかどうか、ちょっとこれはわかりません。(河村(た)委員「わからないって、どういうことなんですか」と呼ぶ)まだ調査未了であります。
 それから、横須賀刑務所のカルテの関係でございますけれども、これにつきましては、刑務所の医師のほかに、医務課等に配置されている准看護師が記載しているということであります。
河村(た)委員 これはとんでもないことがわかりましたよ。
 それでは、皆さん順番に見ていってくださいよ、きょうはちょっと山花さんも言いましたけれども、このカルテ、一ページ目から。これは、黒塗り、マスキングしてあるからよくわからなかった。僕はこれではわからぬからということで、皆さんのところへ行っておるのは、医師Iとか、ABCDで名前を書いてくれと言ったんだ。
 順番に行きましょう。医師I、医師Iと、この二人もまず字が違う、どう見ても。それから次、医師I、医師I、これももう明確に違う。この次の二人はどうも一緒のようだ。それからJと来て、Jの次のページの五人はどうも同じのようだ。それで、次のJの二人と、三人目は同じかどうかわからぬけれども、四人目がどうも字が違う。それから最後のJもよくわからぬ。次のページは、これは明らかに、Jが三人いるが、上の二人と真ん中の一人と違う。それから次のページ、Jが二人ある、これは明らかに違う。
 それから、その次のページ、Jとあって、一番最後、この上のJの人と下のJの人、この下の、最後のページのJの人が、「九時二十三分 死亡確認された。その後、死因を調べるため医師により司法解剖され、直接死因脳腫瘍と検案された。」こんなことを書いているじゃないですか。これは医師じゃないんだろう。こんなことが、夜だったら違法な当直でされているんですよ。これは医師法違反のおそれも非常に強い。ちまたでにせ医療をやったら一発で逮捕だよ、今は。しょっちゅう新聞に、しょっちゅうというか、よく出るじゃないですか。
 それから、予算もうそだった、請求したものが。宿日直手当に正規に入っていない、よそから集めたのを、どうやって出したんだよ、保健助手に。どこから集めたか知らぬけれども。
 これでは、悪いけれども、全部本当に医者がつくったかどうか、全くわからぬ。これは全くわからぬですよ。
 それから、悪いけれども、百歩譲っても千歩譲っても、違法な行為をやっていると認めたんですよ、あなたたち、違法な当直。それで違法な予算執行をした。これはいろいろな委員会がありますけれども、初めてですよ。言っておきますけれども、初めてだ、いろいろな議論があるけれども。
 これは、とても議論はできない。(発言する者あり)これは判なんです。Jは印鑑なんです。(発言する者あり)
山本委員長 不規則発言を注意申し上げます。
河村(た)委員 Jは、では同じ人の筆跡ですか、皆さん見られて。
中井政府参考人 私ども、取り急ぎで確認いたしました結果でございますけれども、カルテの筆跡についてお尋ねですので申し上げますと、この医師、たしか二名いたと思いますけれども、医師が診察処置、薬の処方等を行った際に、その内容を記載いたします。そのほかに、この医師の指示に基づいて、准看護士が医師に報告すべき内容や医師から指示のあった内容等を記載しております。
 それで、なぜこのようなことをしているかという点についてでありますけれども、要は被収容者の医療関係の情報をこのカルテで一元管理して、病状等の把握に万全を期したいということで、横須賀刑務所においてはこのような取り扱いをされていると聞いております。(発言する者あり)
山本委員長 河村君。
河村(た)委員 だめ、ちょっと出てきてあれしてください。こんな違法な丸わかりのことできないよ。こんなもの、まるっきり違法なんだもの。だめ、だめ。(発言する者あり)
山本委員長 答弁で、答弁でもう少し明らかにしましょうよ。答弁で。(河村(た)委員「いやいや、だめですよ、違法な宿直を認めたらだめですよ」と呼ぶ)いや、ちょっと、こっちももうちょっと聞いてみたいよ。そういう判断だけでなくて、我々は裁判官でないから、もうちょっと答弁で。(発言する者あり)答弁、答弁。そこを……(河村(た)委員「とめてくださいよ、とりあえず」と呼ぶ)そういう疑いがあるところを答弁で。(河村(た)委員「ちょっと速記とめてよ、速記だけ」と呼び、その他発言する者あり)
 暫時休憩いたします。
    午後三時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時十八分開議
山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 再開に先立ち、理事会におきまして民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の各代表者に出席を求めたのでありますが、出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。森山法務大臣。
    ―――――――――――――
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
森山国務大臣 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下、その要点を申し上げます。
 第一点は、裁判官につき、判事の員数を三十人及び判事補の員数を十五人増加しようとするものであります。これは、地方裁判所における民事訴訟事件、倒産事件及び民事執行法に基づく執行事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判官の員数を増加しようとするものであります。
 第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数を九人増加しようとするものであります。これは、地方裁判所における民事訴訟事件、倒産事件及び民事執行法に基づく執行事件並びに家庭裁判所における家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判所書記官等を二百五十二人増員するとともに、他方において、裁判所の事務を簡素化し、効率化すること等に伴い、裁判所事務官等を二百四十三人減員し、以上の増減を通じて、裁判官以外の裁判所の職員の員数を九人増加しようとするものであります。
 以上が、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 続いて、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について所要の改正を行おうとするものでありまして、以下、簡単にその要点を申し上げます。
 第一点は、簡易裁判所の管轄区域の変更であります。さいたま市の政令指定都市への移行に伴う行政区の設置に伴い、同市に設立されているさいたま簡易裁判所及び大宮簡易裁判所の管轄区域について変更を行おうとするものであります。
 第二点は、簡易裁判所の名称の変更であります。裁判所の名称は、その所在地の市町村の名称を冠するのを原則としておりますので、山口県徳山市、新南陽市、熊毛郡熊毛町及び都濃郡鹿野町を廃止し、その区域をもって周南市が置かれることに伴い、徳山簡易裁判所の名称を周南簡易裁判所に変更しようとするものであります。
 第三点は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表の整理でありまして、市町村の廃置分合等に伴い、同法別表第四表及び第五表について必要とされる整理を行うものであります。
 以上が、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
山本委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、明二十六日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十二分散会


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