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第9号 平成15年4月23日(水曜日)

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平成十五年四月二十三日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 山本 有二君
   理事 佐藤 剛男君 理事 塩崎 恭久君
   理事 園田 博之君 理事 吉田 幸弘君
   理事 河村たかし君 理事 山花 郁夫君
   理事 漆原 良夫君 理事 樋高  剛君
      太田 誠一君    小西  理君
      左藤  章君    笹川  堯君
      下村 博文君    中野  清君
      中本 太衛君    西川 京子君
      平沢 勝栄君    福井  照君
      保利 耕輔君    星野 行男君
      保岡 興治君    山本 明彦君
      吉川 貴盛君    吉野 正芳君
      鎌田さゆり君    中村 哲治君
      日野 市朗君    水島 広子君
      山内  功君    上田  勇君
      達増 拓也君    木島日出夫君
      中林よし子君    保坂 展人君
      山村  健君
    …………………………………
   法務大臣         森山 眞弓君
   法務副大臣        増田 敏男君
   法務大臣政務官      中野  清君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  瀬川 勝久君
   政府参考人
   (法務省大臣官房長)   大林  宏君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    横田 尤孝君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  増田 暢也君
   法務委員会専門員     横田 猛雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  後藤田正純君     中本 太衛君
  左藤  章君     福井  照君
  石原健太郎君     達増 拓也君
  不破 哲三君     中林よし子君
同日
 辞任         補欠選任
  中本 太衛君     後藤田正純君
  福井  照君     山本 明彦君
  達増 拓也君     石原健太郎君
  中林よし子君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 明彦君     西川 京子君
同日
 辞任         補欠選任
  西川 京子君     左藤  章君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――
山本委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁生活安全局長瀬川勝久君、法務省大臣官房長大林宏君、刑事局長樋渡利秋君、矯正局長横田尤孝君及び入国管理局長増田暢也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小西理君。
小西委員 おはようございます。自由民主党の小西理でございます。
 先般は名古屋刑務所の方を視察させていただきまして、本当に感謝を申し上げております。きょうは、それを踏まえまして、法務行政のうちの行刑に関しまして質問をさせていただきたいというように思っております。
 まず、行刑全般に関してでございますけれども、やはり、刑を行う上では、これは国家権力の一つのあらわれでございますので、その考え方や方針というのが明確になっていなきゃいけない。その方針のもとで、しっかりとした施策また行刑が行われていかなければならないというように思うわけでございます。
 まず、非常に大もとのところから、刑の目的として、我々、学校などでは、いわゆる応報刑といいますか懲罰的な意味、または周りの人間が罪を犯さないように見せしめ的な意味で刑を科すという考え方と、社会復帰を目指す、そのためのいろいろな訓練なり教育を行う場であるという教育刑という考え方があるということを学んでまいりました。通説としては、どちらもそれぞれの意義があるということで、これについてどちらが正しい、正しくないという議論にはなっていないところだとは思いますけれども、こういう学問の世界を離れまして、実際に法務省の方としては、この行刑また刑の目的をどのようにとらえられているのか、確認をさせていただきたいというように思います。大臣に御答弁をお願いできたらと思います。
森山国務大臣 先生御指摘のような二つの大きな柱があるということが一般に言われておりまして、日本の場合は、その二つの柱をバランスをとってやっていくということになっておりますが、そもそも、国際的に見ますと、日本は外国に比べて、一部の外国では今ほとんど見られなくなりました教育、社会復帰を目指すということについて、非常に今もなお大切に考えているというわけでございます。
 自由刑を科しているわけですが、自由刑というのは、犯罪を行った者の自由を奪う、社会から隔離するといった応報的なものであるには間違いございませんけれども、しかし、その執行に当たっては、受刑者の改善更生と円滑な社会復帰を図るということを目的としておりまして、刑務作業とか職業訓練、各種教化の教育などを実施しているわけでございます。
 我が国の刑務所内では、欧米の刑務所と比較いたしまして厳格な生活指導がなされているということが言われます。それが応報的であると受け取られる向きもあろうかと思われますけれども、多数の受刑者を少ない職員で集団として管理するというのが実情でございまして、安全で秩序ある生活環境を確保するために、教育的な側面を十分に考慮しながら、ある程度厳しい規則や指導も必要であると考えられているわけでございます。
 私といたしましては、非人間的な厳しさではなくて、厳しい中にも温かみのある処遇を行うように、すべての職員に心がけてもらいたいと考えております。
小西委員 ありがとうございます。
 今御答弁いただきましたけれども、我が国の行刑としては、社会復帰並びに教育的なものに重点を置くという施策でやっておられるということは理解をさせていただきましたけれども、今、実際に刑務所を歩かせていただきますと、肌身で感じますことは、教育的側面というよりもやはり、刑務所というもののいわゆる応報的な、自由を束縛する非常に乾燥した印象をどうしても受けざるを得ないと率直に感じたところを述べさせていただきたいと思います。
 そういう中で、今大臣がおっしゃられたような法務省としての考え方を世の中に公表して、また同時に社会的に認知されているのかどうか、その辺が私は不十分であるように思うわけでございます。
 是か非かは別といたしまして、これは感じるところでございますけれども、日本の一般的市民の意識というものは、いまだ刑務所に対しては、応報的な懲罰的な意味合いを感じておられる方が非常に多いんじゃないかというように思うわけでございます。そのところの法務省の考え方を社会的に認知していただくという意味で、どういうことをしておられるのか、お聞かせ願えればと思います。
森山国務大臣 確かにおっしゃいますとおり、行刑施設は余りPRとか国民の皆様に広報するとかいうところが足りなかったというふうに私は率直に認めざるを得ませんが、先ほど申し上げましたとおり、自由刑というのは応報的なものでございますし、その執行に当たっては、受刑者の改善更生と円滑な社会復帰を図るということが目的であるわけでございます。
 その内容といたしまして、刑務作業とか職業訓練、各種教化教育等を実施しているわけでございまして、このような行刑のやり方、目的につきましては、できるだけ広く国民の皆様に理解していただきたいというふうに考えております。
 例えば、保護司の方の研修のときとか、あるいはそれに関連する更生保護婦人会その他のボランティアの方にもよく理解していただこうということで、それなりの努力はいたしておりますけれども、広く国民の皆様の理解を得られるようにということになりますと、法務省のホームページの掲載とか、矯正展というのはきっと先生もごらんになったことはあるかと思いますが、そのような催しを通じまして広報に努めているつもりでございます。
小西委員 今いろいろるる御説明いただきましたけれども、再度繰り返して、実際に見せていただいた刑務所というものの実態と、今御説明いただいた目的という間には、依然多少の乖離があるというように私は思います。
 これは、実際やっていく上で非常に難しい問題もあるかと思いますけれども、大臣、ちょっと読まれたかわかりませんけれども、私も、この件に関しましてここに図書館から借りてまいりまして、「日本の刑務所」という本を読ませていただいたわけでございます。
 ここに書かれている実態は、すべてがそのまま事実だとは、典型的な例だとは思いませんけれども、いわゆる教育を主にしている実態とは多少ずれた内容が書かれていると思いますので、もしまだ読んでおられないなら、一度読んでいただいて、また御感想をお聞かせいただければ大変うれしいかなというように思うわけでございます。
 それでは、今回名古屋刑務所を見せていただきまして、具体的に幾つか刑務所の実態についてお伺いしたい点がございますので、質問をさせていただきたいというように思っております。
 今回、名古屋刑務所においては大変悲惨な事件が起こったわけでございますけれども、やはり、刑務所の中では、特に犯罪度の進んだ受刑者を収容する刑務所におきましては、多かれ少なかれ、刑務官と受刑者の間にいろいろな精神的なあつれきやトラブルが発生しやすい、また、起こるということはこれはある程度やむを得ないことであるというように私も思うわけでございますけれども、視察させていただいたときに、いわゆる定員の問題、刑務所の収容定員の問題で非常に問題になりまして、非常に改善をしていただいているその数字をお示しいただいたわけでございますけれども、依然として、若干名定員を超えているという御報告を受けたわけでございます。
 もし、この行刑というものの重要性にかんがみれば、たとえ一人でありとも定員を超えるということは、これは大きな問題ではないかという問題意識を私は持ったわけでございますけれども、この点についてどのようにお考えか、また早急に対処される、また将来に向けてこういうことがないような対処を考えておられるのかどうか、お聞かせ願えればというように思います。
森山国務大臣 過剰収容というのは、最近の刑務所の共通の問題でございます。大変残念ながら、犯罪を犯して刑を言い渡される人々がふえ続けておりまして、数年前から定員オーバーし続けてまいったわけでございます。
 私どもといたしましては、できるだけ、受刑者たちの環境を整えて、またそこに働く職員の労働条件のことも考えますと、もう少しゆとりのある収容状況にしたいと思っておりまして、まずは刑務所その他の施設を拡大し、十分入ることのできる場所をつくらなければいけないと思いまして、予算要求のたびに、たびたび要求してまいりまして、平成十四年度の補正予算と十五年度の、新しい今年度の予算で多少の改善を見ました。
 しかし、まだ完璧に、一〇〇%片づいたわけではございませんし、さらに犯罪の増加傾向は続いておりますので、先生方の御協力もいただきながら、これからも努力をしていきたいというふうに考えております。
小西委員 ぜひともこの点については、本当に受刑者の人権にかかわる問題ということで御認識いただいて、強く政府内でも主張をしていただければというように思うわけであります。
 また同時に、実際の刑務官の方々にとっては、非常に厳しい職場であるということを私も実感させていただいたわけでございますけれども、こういう刑務官の方々が実際非常に大きなストレスを現場で感じておられるというように思います。そういう方々のいわゆるストレス解消、また職場の安全確保のために、どういうことをしておられるのか、参考までにお聞かせいただければというように思います。
横田政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のように、近年、行刑施設におきましては、被収容者数が量的に増加するとともに、質的にも処遇困難者がふえております。そのようなことから、職員の負担は増大いたしまして、年次休暇の取得はおろか、週休の確保もままならないという状況でございまして、執務状況が、環境が悪化し、職員の心身に大きな影響を与えているのは事実でございます。
 そのため、日ごろから、職員の勉強会や個別相談等の機会を活用しまして、できる限り刑務官の職務上の悩みや相談を上司が聞き取るということに努めているところでありまして、今後とも積極的に刑務官の意見を聴取してまいりたいと考えております。
 また、平成十五年度予算におきましては、行刑施設の職員につきまして二百四十三人の増員を認めていただきまして、その中から計画削減数百四十一人を差し引きますと、百二人の純増となっております。今後とも、必要となる要員の確保に努めてまいることもまた、職員のストレスの緩和に大きな効果のある要因であるというふうに考えております。
 また一方、受刑者についてちょっと申し述べさせていただきますけれども、受刑者もまた、過剰収容に伴うストレスが増大しております。各行刑施設では、施設内の環境の整備とか、さまざまなレクリエーション行事を行うなどして、過剰収容に伴う受刑者のストレスを少しでも緩和するように努力しているところでございます。
 以上です。
小西委員 今いろいろ申し述べていただきましたけれども、刑務官の方々も基本的にはやはり人間でございまして、我々と全く変わることはないというように思っておりますので、そういう中で、やはりいろいろストレスとか暴力行為等、頻発いたしますと、予期せぬいろいろなトラブルの原因になるということは容易に想像できることでございまして、この点に力を入れていただくことも、今回のような不祥事件を未然に防止する大きな力になるのではないかな、また国民の信頼を得られる行刑の基本になっていくのではないかというように思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、次の質問をさせていただきますけれども、ちょっと視点は異なるんですけれども、私が名古屋刑務所を見させていただいて、ちょっと疑問に思った点があります。
 これは取り越し苦労かもしれませんけれども、今までずっといわゆる行刑というものを数多くの刑務所の中で行ってこられたわけでございますけれども、そういう中では、いろいろな識者によりますと、いろいろなケースがあってトラブルの類型化というのは非常に難しい、個々、その場その場で判断して対応せぬといかぬというようなことも言われてはおるんですけれども、これだけ長い期間、多くの刑務所で多くの体験を実際に積んでこられておるわけでございまして、私らの目からしますと、そういうものをある程度類型化して、それぞれ処遇の典型として、実際に共有化、刑務所間の共有化、並びにこういうことをやっているという社会への公表等、これは積み重ねることによってある程度可能ではないかなというように私は思うわけでございます。
 今回、名古屋刑務所の消火栓を使ったいわゆる放水の事件でもありますように、通常では使われないものがいわゆる部屋の掃除として使われておったわけでございまして、そこにいろいろな事件の原因の発端というのが一つ存在しておったわけでございますけれども、実際に保護房の洗浄というものが常態として行われるのであれば、消火栓などを使わずに、ちゃんとそれ用にこういう手順書が決められて、それに基づいてやっておれば、こういう疑義を持たれるようなことは起こり得なかったというように思うわけでございます。
 そういう面で、改善の余地というのは非常に大きいのではないか、また、経験を蓄積し、文書化し、標準化していくということは重要なのではないかなと素人ながら思うわけでございますけれども、この点について、どういうような対応をしてこられたのか、また今後されるおつもりなのか、お聞かせいただければというように思います。
横田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま、保護房の洗浄につきまして、ホースが使われたというか消火栓が使われた、消火栓の放水で洗浄を行うということを取り上げられましたが、一言、先にお断り申し上げたいのですが、あれは極めて例外といいますか、全く予想をしていなかったような使用の仕方でございまして、その点はぜひ委員にも御理解をいただきたいと思っています。
 問題は、それも含めたいろいろな場面場面での対応等についてのマニュアル化の問題でございますけれども、これにつきまして、必ずしも現時点で、では、あらゆる場面につきまして、あらゆる事態を想定したマニュアルがつくられて、そしてそれが実行されているかと申しますと、必ずしも十分ではないというふうに考えております。
 御存じのように、処遇といいますのは、集団処遇でありますけれども、また一面、個別個別の対応が必要になる場面でもございまして、一様に、すべてにわたってマニュアルをつくって、そしてそれに従って行動させることが本当に必要なのか、そうでなければならないのかというあたりは、また議論の余地はございますけれども、ただ、一般的に、必要なものについてはやはりマニュアルのようなものをつくって、そして統一的な処遇を行う、それから、いろいろな場面場面での対処をするということがまた必要だと思います。
 現在、私どもの方におきましては、職員研修等の機会に、さまざまな処遇事例等に即したケーススタディーといったものを実施しまして、そして、それに対する有効な方策等について検討しております。そういったものをこれからまた集積して、よいものができ上がれば、そのような方向でやっていきたいというふうに考えております。
小西委員 御答弁ありがとうございます。
 今の答弁に関して、ちょっと私なりに思うところを述べさせていただきたいと思います。我々日本人というと、えてしてマニュアルといいますと完璧なものを最初からつくろうとしがちでございますけれども、とりあえず事例を集めて書きためまして、整理をされて、できるところからやっていくという方法で私はよいんではないかなと。百のうち三十、四十でも、それでできれば、残り六十に対処をすればいい。そこも、経験が積み重なってくればだんだん埋まってくるというような形で、私は対処はできるのではないかなというように思うわけでございます。
 また、もう一つ、いわゆる緊急時といいますか、通常考えられないような事態については、そういうときが起こったときにどうすればいいのかという、だれに相談すべしとか、そこまできっちりと書かれておれば、この場合はこうだということが、判断を仰ぐべしというように書かれておれば、責任関係が明確になりますので、必ずしも、例外的な事態にも、そういう判断の基準という形のマニュアルというのは、これはつくることができるのではないかというように思うわけでございます。
 私としても、このような事態というのは極力避け、世間から誤解を招くようなケースというのはやはりなくしていかなければ、これは行刑の基本的なところが揺らぎますので、しっかりとした対応をいただければ大変うれしいというように思うわけでございます。
 次の質問に移らせていただきたいというように思います。
 これは、刑務所内での医療について、今回の視察の主な目的としまして、刑務所内での医療がどのように行われているのかというのも一つの目的であったわけでございますけれども、一番最初に質問させていただいた点にも戻るわけでございますが、いわゆる応報か教育かというこの原点の思想にも戻るわけでございますが、大臣御答弁いただきましたように、教育、社会復帰ということを主の目的とするのであれば、医療というものには、一般社会と、我々一般人が刑務所の外で、自由な社会で受けているのと同じような医療を受けさせる、させるという言い方がいいかどうかわかりませんけれども、受けられる体制というのを整えておくというのが私は基本になるというように思うわけでございます。
 そういう中で、今回見せていただいて感じましたことは、確かに、設備としてはそれなりのものがそろった設備というものが用意されているということは理解をさせていただきましたけれども、それが現実にうまく活用されている、十分に利用されているという観点からいいますと、少し寂しい雰囲気を感じさせていただいたところでございます。このあたりについて今どういう方針で臨んでおられるのか、基本的なところをお伺いできればと思います。
横田政府参考人 お答えいたします。
 まず、一般的に申し上げまして、行刑施設には、その規模や業務内容に応じて医務部あるいは医務課等の組織を設けて、そして、被収容者数や医療機器の整備状況などを総合的に勘案して、医師その他の医療関係職員が配置されています。そして、それらの者が被収容者の医療に当たっているところでございます。
 しかしながら、行刑施設の医療のあり方あるいは現状につきましては、さまざまな御批判があるところでございます。これを真摯に受けとめまして、今後、より具体的な検討を行っていく必要があると考えて、私どもは、さらにその充実強化について精いっぱいの努力をしたいと考えております。
 なお、現在の行刑施設の医療の実態の一端というものをちょっと申し上げさせていただきますと、昨年十月一日現在におきまして、行刑施設内では、診療、処置、投薬等の治療を受けている者が約三万五千人ございます。この数は、その時点での総収容人員約六万八千人の実に約五一%に上っております。
 各行刑施設におきましては、被収容者数の増加や医療のニーズの増大に対応しまして、量的な側面においても十分な医療を実施することが求められております。そういった面でも、今後できるだけの努力をしていきたいと考えております。
小西委員 今の点につきまして、私は大事なことだと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 刑務所を見させていただいたときの私の正直な感想というのは、ごみが捨てられていないとか、隅々の機器にほこりが積もっているとか、そういうような余り使われている実態でないというのが、どうもひねくれた私の目には飛び込んでまいりますので。それに、実際に受刑者に接しられる看護師や医師の方々の気持ちとしても、通常の方々に接するような気持ちで接していただきたい。今回、インタビューする機会はございませんでしたけれども、そのようなことがしっかりと行われればいいなという雰囲気は感じさせていただきましたので、どうかひとつよろしくお願いをしたいというように思います。
 時間になりました。本当にいろいろ質問、ありがとうございました。今回の刑務所で私も大変勉強させていただきましたけれども、行刑というものが本当の社会全般の治安を支える一番ベースにあるものとして、やはり今後ともしっかりと、今回のような事件が起きないように、根幹のところから見直していっていただきたいというように思います。
 その点をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。長時間、どうもありがとうございました。
山本委員長 次に、吉野正芳君。
吉野委員 自由民主党の吉野正芳でございます。質問をさせていただきます。
 私も、全く法律の専門家ではございません、素人です。でも、この法務委員会に所属をさせていただいて、いろいろなところを見させていただきました。また、ここでの議論も聞かせていただきました。素人ながらに刑務所等の役割というものを私なりに理解をしますと、まず、罪を償うということです。そして、それから真人間になる。真人間になったら社会復帰をしていく。これが刑務所等の行刑施設の大きな役割かなと思います。そして、そこに、根底に流れている精神というのは、人間尊重、すなわち人権の尊重、ここにあろうかというふうに、私は法務委員会に所属をして理解をいたしました。
 そして、名古屋刑務所を見てきたわけであります。そこで私たちが期待したのは、いわゆる名古屋事件と言われる方々、関係者との話ができるのかというところを期待して行ったわけでありますけれども、全く関係者はございませんでした。医務部長さん、歩きながら話をしたんですけれども、私は十五日前に転勤してきたばかりでというお話でございました。テレビをモニターしている方も、当時の関係者ではございません。
 そういう意味で、何か隠ぺいしているなという感じを、事件については隠ぺいしているな、隠したいんだという感じを受けたわけでありますけれども、その辺についてのコメントをお伺いしたいと思います。
横田政府参考人 お答え申し上げます。
 先日は、名古屋刑務所の御視察をいただきまして、ありがとうございました。その御視察の際でございますけれども、これは、数次にわたる人事異動を行っておりましたし、また、刑務所の人心を一新するということで、平成十三年十二月当時に勤務しておりました幹部職員はほとんどおりませんで、そのようなことから、当時の状況をつぶさに御説明できなかった点がございましたことは、まことに申しわけなく思っております。
 事件当時の関係者を呼び出すことにつきましては、当時の所長を初め幹部職員には既に退職している者がおりますし、また、懲戒処分を受けまして停職中の者がいるなどの事情もございまして、実際上困難でございましたし、また他方、これは、今回の視察の主たる目的が刑務所の医療体制にあると承っておりましたこともございまして、名古屋刑務所におきましては、視察当時、事件当日実際に被害受刑者の治療に当たった医師なども待機させまして、一部の議員による事情聴取に応じさせるなどしておりまして、そんなことがございますので、当時の事実関係を隠ぺいしようとする意図は、これは毛頭なかったということはぜひ御理解賜りたいと存じます。
吉野委員 それで、いろいろ見てきたわけですけれども、不断の訓練をしているかいないかというのが、ふだんのこの刑務官の方々、職員の皆様方の行動を見ているとわかるわけです。
 例えば、消火栓の実験をいたしました。私も県会議員時代に消防学校に体験入学をしました。皆さん、消防団の訓練を見ていると思います。ホースで水を出すその瞬間が一番危険なんです。水圧で管槍が暴れるんです。ですから、きちんと腰を構えて、水を放水する瞬間は一番危険が伴うものですから、放水始めの号令が出るときが一番大事なんです。でも、名古屋刑務所で見てきたらば、消火栓をあけて水が来ているにもかかわらず、管槍の周りでは人とお話ししている、こんな状態でございました。ただ、水圧がかなり弱かったから、私、一瞬危ないなと思ったんですけれども、水圧が弱かったからよかったんですけれども、一事が万事でありまして、日ごろの基礎的な訓練というものがしてあるのかなと一瞬思いました。
 また、ICUにも行きました。隣にナースセンターがあって、看護師さんがいたんですけれども、ウオッチングはしていませんでした。ICUも、緊急の押しボタンがあるかどうかも、私、確認できませんでした。テレビのモニターのところに行きましたけれども、何とこのくらい小さな小さな画面でございまして、あれでは息をしているのかしていないのか、あの状態ではわかりません。音も常時出ていないんです。音を検聴したいと音を出すボタンを押せば音が出る、こんな形で本当にICUで寝ている患者さんの異常が発見できるのかな、こういうふうにも思いました。
 そういう意味で、いわゆる刑務所内の常識と私たち一般社会の常識とでは、かなり刑務所は手抜きがあるとか、甘いといいますか、そういう常識のずれがあるように思うんです。例は二つしかございませんけれども、一事が万事でございますので、そういう常識のずれがあるのかどうか、その辺もお尋ねをしたいと思います。
横田政府参考人 お答えいたします。
 初めに、一般的な事情から御説明申し上げます。
 まず、委員御指摘の放水の消防訓練をちゃんとやっているのかというようなことでございますけれども、名古屋刑務所におきましては、非常時に際しまして直ちに消火活動ができますように、日ごろから基本操法の習熟に努めております。また、集団操法といたしまして、指揮官以下五人の隊を編成しまして、消防用ホースの筒先を二人の職員で持って放水する訓練を実施しております。こうした消防訓練は、職員一人当たり一年に一回ないし二回行っております。
 ただ、先日の視察時の状況でございますが、このときは消火栓を利用した放水をお目にかけたわけですけれども、これは非常時の消火活動及び訓練ではございませんで、視察に際しましての一時的な放水であることなどから、消防用ホースの筒先を持った職員の姿勢も、本来の姿勢に比べますと安定性を欠いて、委員御指摘のような状況にあったということは事実でございまして、そういう状況にあったということをおわかりいただければと存じます。
 それから、ICUのことについて御質問ございました。
 名古屋刑務所におきましては、被収容者を収容した場合に、今委員もおっしゃっておりましたようなテレビ監視を行うほかに、病状が急変するおそれのある重篤な患者を収容した場合には、患者に心電図モニターを装着したり、あるいはICUの隣にあるナースステーション、それから医務部の事務室で、看護師や医務部の職員等が観察の取り扱いをしておりますし、それから、患者が自分で職員を呼べるような可動式、動くというか、携帯ということでもありませんけれども、そういう形のナースコール、ボタンを押せばそれで合図ができるというものも用意いたしまして、病状の急変に備えております。
 ただ、当時、この委員会が十六日に御視察なさったときのICUの患者は、収容患者は二人でございましたが、うち一人は透析療法を拒否している慢性の腎不全の患者であり、またもう一人は壊死性筋膜炎の疑いの患者であって、いずれも病状が比較的安定しているということでございましたので、患者への心電図モニターの装着あるいはナースコールの使用はしておりませんでした。
 この点につきまして、当日十分な御説明ができませんでしたので、その点でまた委員に十分御理解いただけなかったのではないかと思いますし、その点は、先ほど申し上げましたように申しわけなく思っております。
 そのようなことで、委員は、いわゆる刑務所における常識と一般社会における常識にずれがあるのではないかという御指摘でございます。そのようにまたお感じになられたということは、また私どもとしては反省しなければならない点でございまして、もとより刑務所における常識は、これは一般の常識と同じものでなければならないわけでございまして、今後なお、いろいろ御批判等受けながら、委員がおっしゃったようなそういう御批判のないように努力してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
吉野委員 きちんと訓練しているといっても、やはり身についていることは頭の中ではなくてふだん必ず出るものだと私は思っています。
 その後、名古屋刑務所を終わってから、現職の五人の刑務官の皆様方とお話し合いをいたしました。そのときに私が受けた印象は、彼らはうそは言っていないなという印象を受けました。そして、個人的な感情で、懲らしめのために云々かんぬんなんということではなくて、上司の命令で仕事をしたんだ、職務を忠実に実行したんだというようなお話も伺いました。
 そして、ホース事件の関係者の方ですけれども、この方で、やはり保護房を見てきましたけれども、ふん尿でかなり汚れていた保護房の清掃に関しては消火栓で清掃するというのは、私はある意味で理解を示しているところです。でも、十二月です。その前、約四、五回やっているわけで、十一月ごろからやっているんですけれども、真冬のさなかに人に向かって水をかける、これは言語道断だと私は思います。人に水をかける、全く人権意識が欠如していると言わざるを得ないというふうに断定してもいいと思います。
 中間報告の中で、職員の人権意識が薄いと書かれています。その原因として、個々のルールが定められていない、どういった場合に保護房に入れる、どうした場合に革手錠をやる、こういう個々のルールが定められていない、ここにも人権意識の薄さがあるんだ、よって、定められていないがために施設の長の一方的な判断によって基準というものがその時々で変動してしまう、こんな要素があるために人権の意識が希薄になっているというふうな書き方なんですけれども、果たしてそうなんでしょうか。局長の中にきちんとした人権意識があれば、人権教育をやっていれば、幾ら細かいルールがなくても、ホースで真冬のさなかに水をかけるなんという、こんなことは絶対起こらないと思うんです。
 そういう意味で、人権教育はどんなふうに今まで行われていたのか、そして、これからどのように行っていくつもりなのか、副大臣にお伺いしたいと思います。
増田副大臣 お尋ねの矯正職員に対しまする人権教育についてでございますが、従前から、被収容者の人権を尊重するとの観点に立ちまして、矯正研修所、そしてまた、全国八カ所にあります同支所における各種の研修課程におきまして、憲法、人権問題、被収容者処遇に対する国際準則といった科目によって、人権の重要性に関する一般的な知識の習得を図らせてまいりました。行刑法や少年院法の科目では、具体的な処遇等の場面における被収容者の人権への配慮等につきまして研修を実施してまいりました。
 しかし、今般の一連の名古屋刑務所の事件の経緯を見ますると、その原因の一つとして職員の人権意識の欠落があったことは明らかであります。人権研修が必ずしも十分に効果を上げていなかったと認めざるを得ないと思います。
 昨年十一月に名古屋刑務所刑務官が逮捕されて以降、事件の重大性にかんがみまして、矯正研修所各支所において、矯正施設の中間監督者に対し、外部の有識者の講義や、人権に配慮した法執行を実際の場面に即して学ぶ研修を新たに実施し、これを各施設に持ち帰り伝達研修を行うことによって、全職員の意識喚起を図りました。本研修に関しましては、本年度以降も引き続き実施することといたしております。この研修の中には、実際の実技と申しますか、そういうようなことも伴って研修をいたしました。
 今後は、矯正職員の人権意識の一層の向上を図るべく、行刑改革会議の御意見や御提言をいただきながら、人権研修のさらなる充実に努めますとともに、職員の人権意識が必然的に変わらざるを得なくなる行刑運営のシステムそのものづくり、これも検討していきたい、このように考えております。
吉野委員 最後になりますけれども、冒頭に申し述べましたように、刑務所等の役割は、罪を償い、真人間になり、そして社会復帰を目指すというところにあろうかと思います。
 私は、吉村昭さんの書いた「仮釈放」というこの本を、これはいただいたものですから読ませていただきました。仮釈放を受けた方が社会復帰をしていく、社会に溶け込んでいく。刑務所内では指示待ち人間なんです。自分の頭で自分の行動を脳みそで考えて、そして手足に意思を伝達して動くわけですけれども、それがないんです。指示待ち人間、その指示待ち人間をどう、きちんと、自分の頭で考えて自分でみずから行動させていくかという保護司の皆様方の御苦労がここに詳細に描かれています。
 最終的に社会復帰を目指す行刑施設で、社会復帰に大きな支障の出るような指示待ち人間をどうしてつくるんでしょうか。そういう意味で、私は、今度つくられた行刑改革会議というものに大きな期待をしております。刑事政策全般まで含めて、せっかく真人間になって手に職もつけて刑務所内で訓練を受けた方々が社会に適応できなくて挫折してしまうような、そんなばかなことはないと思いますので、この会議の中できちんとその辺まで含めたところまで議論できるようにお願いしたいと思うんですけれども、法務大臣の御見解を伺いたいと思います。
森山国務大臣 行刑改革会議が去る十四日に始まりまして、これから動き出すわけでございますけれども、今回の行刑改革に当たっての私の思いは、できるだけオープンで、外からもわかりやすくて、人権が尊重されつつ、必要な規律は保たれて、改善更生が適正に行われる、国民に理解され、支えられる刑務所をつくりたいということでございます。
 先日のこの第一回の会議におきましても、私からそのようなことを申し上げまして、委員の方々には幅広い御意見を伺いたいということをお願いしたようなわけでございますが、御指摘のございましたように、行刑改革会議におきまして、行刑の抜本的な改革のために必要な問題を一切の聖域なしに御議論いただきたいというふうに考えておりまして、できるだけ早く、遅くても年内には何らかの方向をお示しいただきたいというふうに思っております。
吉野委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
山本委員長 次に、河村たかし君。
河村(た)委員 河村たかしでございます。
 冒頭に、私みずからも、議事録に残りますからちょっと話をせにゃいかぬのは、私自身も、刑務官に暴行があった、それから、ないし刑務官の皆さんの拷問があったというような表現を使いまして、僕は今本当に申しわけなかったというふうにはっきり思っております。
 やはり両方の意見を聞かなきゃいけないんでして、どうも今までの議論というのは、私も、これは去年の秋口ぐらいですかね、参議院でも始まりましたけれども、そういうことで、事実が既にあったことである、放水によって人が死に追いやられた、それから革手錠を締め過ぎたというようなことがすべてあったという前提で、それに対しては何の疑問も挟まず、そういうことを隠ぺいした法務省が悪い、こういう立場で質問してきたことは事実でございます。
 私は別に、党ですから、森山さんにもいろいろ言いましたけれども、別にいいですよ、御自分で判断されて。だけれども、やはり、裁判はまだいいんですよね、両方の意見を聞く手だてがありますから。だけれども、委員会でのこういうもの、犯罪の真相究明をする手続、これはよほど考えないといかぬなということで、本当に、自分でもうはっきり言いますけれども、これがもし冤罪であったら、僕は途中で気づいたんですけれども、申しわけない質問をしたということを、会議録が残りますので、一言これは言っておきます。
 それで、これは委員長に、そういうことですから、ぜひ、理事会でもやっていますけれども、私は冤罪だと言っていますけれども、だけれども、そこまでいかなくても、これは少なくともニュートラルにやはり戻す必要があると思うんですよ。ここに資料にも配ってありますけれども、放水は高圧放水とか、もう明らかに事実があったという質問が延々と続いていますから。ですから、やはり仮に裁判でやられるとしても、国会としては、そこの裁判の土壌にはフェアに送り出してあげる、こういう世論形成をしてきましたので。だから、事実そんなことで、本当にこれは、やはり参考人も呼んでいませんし、僕は委員会というより国会の責務だと思います。人権侵害というのは私は意外に自分がするものだなというふうに本当に気づきました。
 ですから、委員長、これはぜひそういうような立場で、現状をせめてニュートラルに戻す、そういう委員会運営をしていただけるように、ちょっと御答弁いただきたいと思います。
山本委員長 河村委員の問題意識の点は大変重要でございます。その点をかんがみながら運営に当たりたいと存じております。
河村(た)委員 それで、法務大臣に、これは繰り返しお話ししますけれども、私は実は受刑者の意見も聞いていますよ、会っています。手紙も何通も私も実は読んでいるんですよ。だけれども、刑務官の皆さんの意見というのは全然出てきません。前回も五名の方から別のところで聞きましたけれども、これは残念ながら委員会の正式な視察ではないとされて、メンバーは同じでしたから、実態上は同じですけれども、そんなことになったということで、その刑務官の方も、中の方で一名が言っておられたけれども、これは物すごい勇気でここへ出てきています。なぜならば、これは本当の縦型社会ですね、そこの中で自分がどういうことになるかわからない。現に、これは八名の方は給料なしですし。
 そういう状況の中ですから、今後、刑務官の皆さんの話とか、それから、この前の五名じゃなくて、もっと広がった方に聞く場合に、絶対に不利な取り扱いをしないということをはっきりここでおっしゃっていただきたい、そう思います。
森山国務大臣 先生方がお出かけになりました折にそのような機会があったということは私も聞いております。そのようなお話を先生方に申し上げたからということで不利な扱いをするようなことはございません。
河村(た)委員 そのメンバーもたまたまあのときは五名ですけれども、まだほかにもいろいろ聞く必要があると思うんです、あの事件が本当であったかということ。当然裁判の公正はありますよ、またこれは後で議論になると思うけれども。僕も、裁判の公正を保つためにも、やはり国会で少なくとも、今委員長に言いましたけれども、ニュートラルな状態まで戻さないと、これは。裁判官は独立しておるといっても、やはりこれだけの国会の審議の中、それからジャーナリズムの中で、僕は、なかなかそうとは形式的には言えないと思うんです。
 だから、もう一度、先ほどの答弁だと五名だけみたいですから、もっとほかにも語る方が出てきたときに、それは、そのことで決して不利にはしないということを言ってください。どうぞ積極的に真実を述べるように話してくださいと言ってください。
森山国務大臣 そのようなことがこの後起こりましても、同じようなことでございます。同じ考えでやってまいります。(河村(た)委員「真実を述べるように言ってください、刑務官に」と呼ぶ)本当のことを話すように、いかなる場合でも、必要だと思います。
河村(た)委員 では、わかりました。
 そういうことでございますので、冷静にというのか、事実をやはり一つずつ、違ってきた事実をやはり検証していかないかぬと思いますね、これは。自民党の皆さんも野党もそうですけれども。
 僕は、全体的に、こういう話は余りしたくないんだけれども、やはり事実があって、その事実を事実であるとして法務省が隠したという問題だけれども、もっと大きな法務省の隠ぺい体質がひょっとしたらあったんではないかという可能性があります。事実そのものを加工することもできたという可能性がありますので、そういう立場もあって質問したいと思います。
 まず一つは、ここにありますが、皆さんの提出資料にありますけれども、例のいわゆる高圧放水という話ですね。これがとにかく十二月事件では一番最初にひとり歩きしました。ちょっと若干二つの新聞のコピーをつけておりまして、余りジャーナリズムに言いますと嫌われますので私も言いませんけれども、いろいろな資料をとりまして、ほとんどが高圧放水、こういう記事で、高圧放水暴行というのを前提として話が始まっております。
 この提出資料の一によりますと、問二で、これは消防庁を呼ぶとよかったな、しまったな、ここにありますけれども、〇・六キロというのが、この間、これは樋渡さんに御答弁いただいて、〇・六キロというのがありましたわね。それはどういう水圧かといいますと、ここにありますように、問二に、「「水圧〇・六キログラム平方センチメートル」は高圧放水に当たるか。」という問いに対して、ここはちょっと、あと、説明ですけれども、「水道水の圧力は、市町村や建物により異なりますが、例えば東京都では蛇口の部分で一重量キログラム毎平方センチメートル前後と言われております。」ということで、東京都の水道水は一キロということなんです。
 大臣、いいですか。実際あのときに、あれは実際じゃないんです、後でまた聞きますけれども。検察官の皆さんが二月三日に放水実験をされただろうと思いますけれども、中間報告に出ています。これは大臣が言われておることです。〇・六キロというのは、東京都の水道水よりも低いんですね、これは。大臣、これを、高圧放水というふうに報道されていますけれども、高圧放水なんでしょうか。どうしてこうなったんでしょうか、大臣。
 ちょっと大臣に聞きます、御感想から。あとは、ちょっと後で。
森山国務大臣 私は水圧に関する専門家ではございませんので、どういうふうにそれを定義づけ、あるいは何と称せられるかということは、私はよくわかりかねます。御勘弁いただきたいと思います。(河村(た)委員「わからない」と呼ぶ)はい。(河村(た)委員「よくわからないと答えてください。よくわからないでいいです」と呼ぶ)そのようなわけで、私にはよくわかりません。
河村(た)委員 では、樋渡さんよりも、裁判になりますので、これは特別調査チームないし中間報告にあります調査検討委員会、これは、樋渡さんに聞くと、ああだこうだけんかするだけで、裁判、まあ後で聞きますけれども、それを言っておったってしようがないので、やはりこれは、法務省が行政として一定の報告書を書いて、この中にはっきり〇・六キロと書いてあります、この中に。
 どうでしょう、これは官房長だと思いますけれども、官房長が責任を持ってやられたことだと思うけれども、これは高圧放水なんですか。
大林政府参考人 お答え申し上げます。
 中間報告で今のような数字が出ておりますが、これについては、刑事局等の報告等をもとにして私ども記載したものでございます。私ども自体が、調査チームが放水実験をした事実もございませんし、今の委員御指摘の高圧か否かということにつきましては、ちょっと私どもも、そういう定義ではございませんで、詳細はよくわかりません。中間報告では、「消防用ホース」という形で記載しているところでございます。
河村(た)委員 ちょっと待ってください、もっと素直に。東京都の水道圧が一キロなんですよ、一キロ。あなたのところは〇・六なんですよ。これは、どう思いますか、高圧放水と思いますか。
大林政府参考人 今の御質問なんですけれども、今回のは、水道のものとちょっと単純比較は私どもしにくい問題でございまして、今の刑事事件自体の問題については、実際の状況がどうかというのは、公判で明らかになる問題であろうと思います。
 私どもは、先ほど申し上げましたとおり、放水実験等まで実際にしておりませんので、そこは、私どもはちょっとお答えしかねるところでございます。
河村(た)委員 もうこうなってきたらやめなきゃだめですよ、委員長、本当に。
 この水で、今も吉野さんが言われておったでしょう。あれは寒いとかいう話ですけれども、実は、あれは井戸水だから二十度あったんですよ、実態は。それで、調査した人間が、実際はこんな状況なのか、えっということを言っているんですよ。そういうところでも、水をかけていいかどうかという問題はあるけれども、長い時間ふろに入っておらなんだ人を、昔は水道ホースでかけておったらしいんだけれども、上司の指導で、そんなことをやるならこれでざっとかけろ、どうせ洗うんだからばっとかけろと。それで、後でちゃんとタオルでみんなふいているんですよ、刑務官は。タオルでちゃんとふいて、後で布団に入れているんですよ、隣の房で。そういうのが現実なんですよ。
 今までの半年間の議論の非常に中核的な部分なんです、これ。そうでしょう、委員長。本当に放水が残虐なもので犯罪的行為、だから、今までの論理というのは、要するに、刑務官がむちゃくちゃやって、こういうような行刑施設を許しておったこと、それから行政があったことをどうしようかという議論の一番根底にあることなんですよ、これ。これが、全然自分で調べていない。それで、〇・六キロであったことについて何も言わない。
 それじゃ、もうちょこっと言いましょうか。これは新聞の記事です。新聞の記事に冒頭、みんなどうあるのか。「特捜部は、」これは二月十二日ですね。「全裸受刑者に高圧放水」なんて記事があります。悪いけれども、全裸じゃないんだ、これは。これは間違いないですね。
 では、ちょっと聞きましょう、ここだけ。受刑者は全裸だったですか。これは答えられると思いますよ。
大林政府参考人 私が聞いておりますところは、下半身を裸にしたというふうに聞いております。
河村(た)委員 全然違うんだ、この辺から。下半身を裸にしたというのは、もしそれが、これはいいですよ、ニュートラルにして考えても。もし、保護房に長いことおったからおしりを洗ってやろうと思ったということになれば、それはやはりもう全然状況が違うじゃないですか、これ一つとってみても。
 僕もこんなことは本当は言いたくないんですよ、マスコミがこうやってやっているから。マスコミを敵にしたって何もいいことはない。だけれども、だれか言わないかぬ、だれか言わな。ねえ、吉野さん。だれか言わないかぬです。そうじゃないですよ、これ。本当に、一人の無実の罪がつくられるとしたら、だれかが必死になってとめにゃいかぬ、そういう気持ちで僕は今やっているんだけれども。
 このときに、二月十二日に、これは新聞記事の中で、「特捜部は、水圧の非常に高い放水によって受刑者が肛門部に大けがをし、死亡につながったとして」云々と。こういう記事はここだけじゃないですよ。新聞社の名前は言いません。ほとんどこう書かれているんですよ。
 どうしてこういうことになったんですか、これ。新聞社は高圧放水を見ているんですかね。あなたたちが言ったんじゃないですか、そういって。それしかわからないじゃないですか。水圧の非常に高い放水であった、これが全マスコミの、全と言っちゃ悪い、もし書いていないところがあったら申しわけないけれども、ほとんどのマスコミの、高圧放水暴行、ここにつながったんじゃないですか。日本国民が全部そう思ったんじゃないのか。それが実は〇・六キロ、東京都の水圧、水道の水より低かったんだよ。どうしてくれるんだ、これを。官房長、どうなんだ、どうしてこんなことになったんだよ、これ。
大林政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、東京都の関係と本件の関係は、事実関係を私ども詳細には承知しておりませんので、それによってそういう傷害が起こるとか起こらないとかいうことまでは、ちょっと私の立場からは申し上げられないと思います。
河村(た)委員 わけがわかりませんけれども、こういう審議だったら本当にやらない方がいいですよ。どんどん罪をつくっていくことになる。裁判と違って反論の機会がない。事実、検証のチャンスもないですよ。
 ということで、それでは、どういう調査といいますか、全然やっていないわけですね、言っていますけれども。それじゃ、これはもう一回樋渡さんにちゃんと聞こうかな。検察庁の調査で〇・六であったということは二月十二日の調査ですね。間違いないですね。
樋渡政府参考人 日時はともかくといたしまして、〇・六キロという水圧を、実験結果、技術者に実験をしていただいた結果、その結果の測定値を得たということは間違いございません。
 なお、高圧という言葉が新聞記事になぜ使われたのかよくわかりませんが、起訴状の公訴事実も中間報告もすべて、消防用ホースを用いて多量の放水をしたという暴行の記載しか書いてございません。
河村(た)委員 なぜそれがこういうことになるんですか、世の中というのは。これは恐ろしいことだと思いますね。私も思っていましたから、正直に言いましょうか、私も高圧放水だと思っていましたよ。民主党は、昨日、ちゃんと訂正いたしました、実験をしましたけれども、わかりましたから。六キロの放水であったけれども、実際は〇・六キロであったとちゃんと訂正をいたしました。ちなみに、報道はされませんでした。これは恐ろしいことだと思いますね。
 それから、念のために言っておかなあかんですよ、これも議事録に残りますから。〇・六キロの実験されたときは、新しいホースを二本使われているんです。委員長、新しいホースが二本使われている。実際の放水の日、平成十三年十二月十四日ですか、この日のときは古いホース二本だったかな、使われていまして、そこから水が大量に漏れていたという事実がありました。
 この間、名古屋刑務所へ行きましたときに、私がちゃんと原状になるべく近いようにしてくれと言って、これはなかなか法務省きちっとしておりましたけれども、当時の古いホースを使いまして、皆さん見られたと思います、園田さんも見られたと思いますけれども、水道の蛇口のジョイントのところからやはり大量に水が漏れていました。それも、ちょろちょろじゃなくて、じゃあじゃあじゃあじゃあという状況で水が漏れていたということです。
 それから、当時の話によりますと、水道の栓の一番最初に継ぎ込むところ、ここも漏れていたということですから、何が言いたいかというと、その〇・六をはかったときというのは、高くても〇・六だったと。十二月十四日のときは、少なくとも三カ所で水漏れがありましたから、それプラスです、もうちょっと低い水圧であったということが言えると思います。
 これは一応答弁をもらっておこうか。やられましたから、実際に、法務委員会が名古屋刑務所へ行ったときに。昔のホースを使って、水漏れをしておりましたから。そのことについてそうであったというのは、これはどうしましょう、官房長にしましょうか。官房長は行っておらぬから、行かれた方はみえませんか。矯正局長、見られましたでしょう。
横田政府参考人 当日、私も名古屋刑務所に参りまして、放水をするところは見ました。(河村(た)委員「いや、ジョイントのところ、ホースの継ぎ手」と呼ぶ)
 失礼しました。ジョイントのところから水が出るところは見ておりません。今委員がおっしゃったような状況は見ておりません。
河村(た)委員 では、見ておられぬということですから、また後日きちっと何か書面にしていただいて、事実、皆さん見ていますから、水漏れを大量にしています。そこをちょっとつくっておいてください。
 ということですので、この高圧放水について、委員長、もう一回、これは全体の流れの一つの大きな話ですけれども、高圧放水暴行という言葉、日本じゅうに広まりましたから、日本じゅうですから、委員会の審議を通じて。これは本当ですよ、私もそう思っていましたけれども。これについてきちっと検証するということをぜひお願いします。
山本委員長 理事会で検討させていただきます。
河村(た)委員 先ほどの話は、高圧放水じゃなくて実は低圧放水であったということです。
 それから、水で死んだということですから、余り僕も、全部調べたことを言いますと不利になる。こんなばかなことはないですよ。樋渡さんは、自分のところは秘密だといって言えせんわけです。こっちだけ全部言って、こんなばかなことないでしょう。だから、申しわけないけれども、なかなか言えぬこともあります。やはり彼らを不利にしちゃいけないから言えないこともあるけれども。
 まず、こういうふうに水が肛門を通っていくんですよね。水が通った痕跡というんですか、奥の十一センチのところに水がぶつかって、そこが大体五センチかそのくらい切れて破れている、それが死因だというんです。だから、水が通らなきゃいかぬでしょう、肛門から十一センチ、ずうっと。水が通った痕跡というのはどうだったんですか。これは調査チームですよ。
大林政府参考人 証拠関係によるものでございまして、その詳細について私の方から申し上げることもできませんし……(河村(た)委員「何で申し上げられない」と呼ぶ)今、証拠関係、刑事裁判の内容の問題でございますし、ちょっとその点は私の方からは申し上げることはできません。
河村(た)委員 こんなことをやっておったら本当に意味ないですよ。あなたの言うことを信ずるしかないじゃないですか。あなたの判断で、これはきちっと全部書いてあるじゃないか、彼らを犯人とまではっきり書いて。
 少なくとも、刑事は刑事でいいですよ。だけれども、真実を明かす手段は、裁判は裁判でしょう。裁判はきちっと公正にやってもらう。委員会だって真実究明やっているんでしょう。水で肛門の奥十一センチが切れて死んだというときに、水が通った痕跡について調べない、そんなばかなことがありますか。それでは何を議論したらいいんですか。
 それでは、まず、肛門に炎症はありましたか。肛門に二つの切り傷があるのはいいですよ。肛門にぶつかったときに、肛門というのは括約筋ですから反射で縮まるんですよ。そこを突き破って十一センチの奥をそれだけ破る水流が当たったら、当然ひどく炎症が起きますよ。ありましたか。
大林政府参考人 今委員御指摘の点は、まさに公判の争点となる問題であろうと思います。したがいまして、今後の公判の影響もありますので、私の口からはお答えを差し控えさせていただきたい、こういうふうに思います。
河村(た)委員 公判の影響といって、まず、それをあなた確認しましたか、そういうことを。確認して知っていますか、どうですか、それじゃ。
大林政府参考人 恐縮でございますけれども、その点も含めてお答えは差し控えさせていただきたい、こういうふうに存じます。
河村(た)委員 そんなばかな。いいかげんにしてくださいよ、これは本当に。私だって、務めだと思って、だれでもみんなそうだけれども、必死になって、名古屋で物すごい数の人と会って話していますよ。だからこういって言っているんですよ。もし本当に僕が質問したことが、彼らを暴行と言い、拷問だと言ったことが本当でなかったら遺憾じゃないですか。
 だから、本当に水で死んだのか。当然、ああいうふうになったら、肛門に当たれば炎症が起きるでしょう。通過はどうなったんだと、水が。高圧放水から始まって、当然やっていきますよ、これは。全然やってないんですか、そういう調査を。もう一回聞きます。
大林政府参考人 放水の関係につきましては、先ほど申し上げましたとおり、放水のそういう実験そのもの、あるいは今委員御指摘の、体内に水が残るか、傷がどういう形状でできるかどうかということ自体は調査チームではやっておりませんので、その詳細についてはちょっと申し上げられないと思います。
河村(た)委員 悲劇的ですけれども、本当に、悲劇的。恐ろしいの一語です、私は、こういうことは。本当に、民主主義というのは、往々にしてリンチをするということはよく歴史的にありますけれどもね。だからよほど気をつけなきゃいかぬ。
 これは、樋渡さん、済みませんけれども、調査チームではやってないということでしたけれども、では、捜査としては、水が通ったかどうかについて検証されましたか。
樋渡政府参考人 今回の事件の公訴事実では、消防用ホースを用いて多量の放水をしたという暴行を加えた結果被害者が亡くなったという公訴事実を掲げておりまして、その起訴された犯罪事実が認められるか否かといいますことは、まさしく今後の公判において判断されるべき事柄でございます。
 したがいまして、その内容に沿う証拠を捜査機関が集めていること、これも間違いのないことだろうというふうに思うわけでありますが、その証拠が実際に裁判所で認められるか否かということは、被告側、被告人側、弁護人側の主張、立証、検察側からの主張、立証を待って、裁判所が裁判の過程で明らかにすべきものだというふうに思っております。
河村(た)委員 まず、水が通ることを検証したかどうか、答えてください、それだけは。
樋渡政府参考人 私も、しつこいようで恐縮でございますが、証拠の具体的内容についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
河村(た)委員 こういうことですから、委員長、このことも、何でかというと、これは委員会で何もやってないならいいんですよ。これは何もやってないなら、裁判だけでいいですよ。だけれども、委員会でもうそれを前提として、所与の事実として、その事実が起きたということを前提として議論をしていましたので、ぜひこれは委員長、委員会として、ニュートラルに戻せばいいんですよ、ニュートラルまで戻せば。水が、十一センチ奥が切れたんだから、そこを通過して、痕跡があるかどうか。
 ここは、例えば肛門に炎症があったか。それから、これは本当は余り言いたくないんだけれども、これは絶対こちらだけ言って不利なようにしないでくださいよ。あなたたち何も言わないんだから。何で僕だけ言わないかぬのだ、これは、必死になって調べたのをここで。
 腹の中に水がたまるはずなんですよ、常識的なことを言って。そうでしょう、自民党の皆さん。肛門の奥十一センチが五センチ以上にわたって切れた。高圧放水が当たったというんですよ。検察庁は高圧と言っていません。マスコミが言っておるだけで、大量の水が入って、これは当然、水で腹ががばがばになりますよ。水が入っていたのか、痕跡は。これはどうですか。水、入っていた、このくらいはやっていたでしょう。大林さん、どうですか。
大林政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、調査チーム自体は、その被害者の傷害の状況等について直接当たっているということはございませんので、そこは不明でございます。
河村(た)委員 もう信じられぬよ、私、本当に。あなたたちの一番かわいい部下である現場の刑務官だぞ。そういう人たちを無給にする処分をするのに、こんな、だれでもわかるようなこと、僕みたいな人間だってわかったんだよ、水が入るぐらいのことは。当然それを検証せないかぬぞ。
 私、ドクターなんかにも、いろいろな人にも聞きましたよ、当日におった人たちにも。入ってないんだよ、水が、全然。だれも証言できない。水は入ってないと言っています、はっきり。こんなことでよくやったね、本当に。それは現場の刑務官を虫けらのようにして、許せませんよ、これは。
 樋渡さんはどうですか。水が入っていたのを検証されましたか。
樋渡政府参考人 お尋ねは、司法解剖の具体的な内容を問われるものであると思いますが、先ほども申し上げましてまことに申しわけないのでありますが、起訴された犯罪事実が認められるか否かは今後の公判において判断されるべき事柄でございまして、解剖の結果が公訴事実に挙げられた犯行方法と符合するかどうかも、当事者の主張、立証を踏まえ、関係証拠を総合して、公判において判断されるべきものでございます。
 お尋ねは、腹腔内の状況等の解剖の結果の詳細にわたるものでございまして、これを明らかにしますことは、今後の公判に不当な影響を及ぼしかねないので、お答えをいたしかねると御理解いただきたいと思います。
河村(た)委員 繰り返しますけれども、それはいいんだよ。だけれども、水の調査は、司法解剖じゃなくてもいいんですよ。司法解剖は大分後ですから。水があったかどうかというのは、現場の第一房にその受刑者いますけれども、第二房、第一房、転房して、それからストレッチャーに乗って処置室まで行っているんですよ。その間に見ておる人、何人でもおるじゃないですか、これは。その間に何人もおりますよ、そこ。保健助手もいますよ。写真も撮っていますよ、肛門の。これはだれにでも聞けるでしょう。それは聞いたんでしょう、樋渡さん、だれかに。
樋渡政府参考人 いずれも、今後証人として出廷するかどうかも含めまして、今後それが争点になりますれば、法廷で明らかになることだというふうに思います。
河村(た)委員 官房長はどうですか。こんなの一番、矯正局長でもいいけれども、自分のところの部下ですよ。刑務所の中ですよ。ちょっと聞けばいいじゃないですか、水はどうだ、腹の中に入っていたかと言って。
 司法解剖医、別にそれでなくてもいいですよ。それは遅いから、司法解剖医じゃない方がいいんですよ、そんなもの。そのときの目の前で。当然でしょう、これは。それはどう思いますか、矯正局長。もし肛門から十一センチのところが大量の水で仮に五センチにもわたって切れていた場合、当然大量の水が腹の中に入っておる、当然これは推測されるでしょう。どうですか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 先ほど来刑事局長あるいは官房長お答えしておりますように、この事件につきましては、公判請求されまして、現在司法の段階にございまして、私の方で、今委員の御質問に対してお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
河村(た)委員 調査したか、しないかも言えないんですか。したか、しないか。
横田政府参考人 矯正当局といたしましては、しておりません。
河村(た)委員 いや、ひどいね、これ。ひどいですよ、本当に。ちょっとひどいよ、本当に、局長、悪いけれども。個人的に本当にあなたに何の恨みもないけれども、これはひどいですよ。だれが見たってわかることですよ、水で死んだと言うなら。職員は何人もいるじゃないですか、刑務官が。あなたが行って、当時、本当に腹の中に水が入っていたかと言って、なぜ聞かなかったんですか。なぜ聞かなかったんですか。
横田政府参考人 委員のお尋ねの点は、これは捜査事項でございますので、矯正当局がそのようなことをする必要がないと考えております。
河村(た)委員 もうむちゃくちゃですね、これは。人任せというか、むちゃくちゃですよ、それは。そんなもので処分なんかできませんし、普通の会社だって、仮に社長がおって、従業員が何か捜査にかかっていた場合でも、おい、どうだったんだ、本当はどうだったんだと必ず聞きますよ。当たり前じゃないですか、そんなもの。それこそ上司の務めですよ。ひどいよ、これは本当に。
 ある家族の方が僕のところへ、僕もちょっと話を聞いたときに、自分で下級刑務官だという表現を使われましたけれども、わしら下級刑務官をむちゃくちゃにして、犠牲にしていったんだ、そう言っていましたよ、本当に。それはまさしくそうだよ。
 どう思いますか。まず、せめてそのぐらい聞くべきだったと思いませんか。
横田政府参考人 先ほど申し上げたとおりでございます。
河村(た)委員 何と言ったらいいか、これはもうむちゃくちゃですね。ちょっと違う意味で、今までと流れが違うかもわかりません。だけれども、これはそういう意味で、法務省本省に物すごい問題があるということですね。
 これは、委員長、この点も先がたの話の中の一環ですけれども、かなり、かなりというか、当然腹の中に、僕はもうここで言いますけれども、水が入っていなかったという大変複数の方の証言というか、別に証人として出てきたわけでもないですけれども、持っておりますので、ぜひ参考人で聞くなり、きちっとここは委員会として責任ある態度をとっていただきたい、こう思います。
山本委員長 理事会で協議させていただきます。
河村(た)委員 いつも理事会で、そうやって言うのですけれども、本当は余りいいことはないんですよ、それ。委員会でやればいいのであって。今回は非常に、園田さんをおだてるわけじゃないですけれども、私もそういう性格ですから、余り党というより、やはり委員会の本来の機能。党は党でいいんですよ。だけれども、これは私の昔からの持論ですけれども、党というのは一定の最大公約数を示すものであって、やはり議員というのは、個人としてそれぞれ社長だから、全国民の代表だからということで、いろいろな意味で協力して、感謝しておりますけれども、ぜひ、ここまでやってきたことですから、今の具体的な、水が入っていたかどうかについてはきちっと検証されるようにお願いします。
 それから、もう二つあるのですけれども、まだまだたくさんあるのですけれども、全部出しますと、こっちが一方的に証拠を開示して、こんなばかなことないんですよ、本当に。本当にこんなばかなことないよ、言っておきますけれども。あなたたち何も言わないんだから。私が言えば、あなたたちは防御するでしょう、当然また。また変な供述調書をとるのじゃないですか。可能になってきますよ、これ、テーマ。こんなばかなことない。だけれども、せっかくの機会だから。
 裁判裁判と言いましたけれども、僕が一番恐れているのは、彼らは給料がないんですよ、給料なし。この間、給料なしで大変ですねと聞いたら、どう言ったと思いますか。給料なしじゃないんです、マイナスなんですよ、僕たちはと。どういうことかといったら、社会保険料を払わなきゃいかぬですね。すさまじい状況なんです。僕が聞いた話では、車を売った人もおる、それから新聞を断った人もおる。そうやって続けようとしておるんだから、僕は、その前に本当に公正な裁判まで持っていけるかどうか、そういう気持ちがあるから、ここのところでできるだけのことは言って、本当に公正な判断ができるように、何があったのかということを明らかにしなければいかぬというつもりでやっておる。
 それからもう一つ、当日、ではどうして穴があいたのかという問題。これは本当は余り言う必要はないんです、水であかなかったということさえ言えば。これは三人の方です、放水事件の。私に言わせれば放水事案ですね、事件じゃなくて。事案の三人の方は無罪になります。無罪というか、無罪というのは裁判ですけれども、でも、ここをきちっと言わなければいかぬ。僕は人のことを言いたくないですけれども、私は自分で言いましたけれども、もし彼らの暴行だとか罪人だとか犯人だとか言った人は、もしそういうことがわかったらきちっと訂正しなければいかぬと思いますよ。
 どうしてあいたかということは、実はこれは別な話なんだけれども、一つは、現実として、保護房内に二十センチぐらいのいわゆる水を飲むタッパーみたいなものがあった、それが常にばりんばりんに割れていたと。これは複数の方が証言されておりますけれども、それは事実でしょうか。
横田政府参考人 私は、そのような事実があったかどうかについては存じません。
河村(た)委員 存じませんということは一体どういう意味ですか。なかったというわけでも、あったというわけでもないということですね、知りませんということですね。
横田政府参考人 知らないということでございます。
河村(た)委員 これもひどいね、これ。これもひどいですよ。
 その受刑者の死因として考えられるのは、まずどういう原因が考えられますか、抽象的に言えば。これは矯正局長か、官房長どうですか、調査チームでやられたんなら。
大林政府参考人 今おっしゃられたタッパー等のものについては、私どもは把握しておりません。
河村(た)委員 いやいや、もう一つ、タッパーは一つですけれども、水とかいろいろあるでしょう。水しかないんですか。ほかに検討されたでしょう、一応。
大林政府参考人 私どもの調査チームの問題につきましては、先ほども申し上げたとおり、今回の名古屋地検等の捜査を踏まえて、刑事局の捜査を中心に、報告を含めてやっております。したがって、今のような、要するに死因云々ということについて私どもの方で細かくそれを検討したというようなことはございません。
河村(た)委員 むちゃくちゃですよ、これ、今。死因を検討したことがないと言って処分しているんだから、これは。
 樋渡さん、これは当然、そちらとしては、なぜ死んだというふうに、大まかに、幾らか可能性があるんですね、そういう水ばかりじゃなくて。そういう検討はどういうことをされましたか。
樋渡政府参考人 この死亡事故が発生して、通報を受け、司法検視、司法解剖をした。その後、名古屋地検では、事件性の有無について捜査をしておった後でございまして、特に、昨年十月末に司法解剖の鑑定書を、そのものを受け取って以降、その事件性についてさらに詰めた捜査を行っていた。その過程において、その事件がどのようにして起こったかということは慎重に検討をしていたのでございまして、結果的に二月に放水によるものという断定をするまでの間には、いろいろな可能性を考えて捜査をしておったというふうに承知しております。
河村(た)委員 そのほかの可能性について話してください。
樋渡政府参考人 それも、申しわけございませんが、具体的な捜査活動に関することでございますので、公判で明らかになるというふうに思っております。
河村(た)委員 では、私が言いましょうか。
 まず初めは、他害、だれか肛門の中に何か突っ込んだんではないか、そういうのを調べているんです。これは出てこなかったということですね。それから、医療過誤の問題もと思いましたけれども、余りやっていないですね。それから、自傷についてですね。あとあるのは、水か、自傷、みずからということです、でやろうとしたけれども、自傷については、ほとんどこんなことは考えなくてもいいと。取り調べを受けた人が、自傷もあるんじゃないのか、保護房の中にばらばらに割れた水筒のタッパーの破片があったじゃないかと、これはしょっちゅう割れていたらしいです、言ったときに、そんなことを考えぬでもいいと捜査官は言ったんじゃないですか。どうですか、樋渡さん。
樋渡政府参考人 しつこいようで本当に申しわけないと思うのでありますが、具体的な捜査活動については私の方から申し上げかねるということをどうか御理解いただきたいというふうに思います。
河村(た)委員 裁判の公正ということなら百歩譲っても、捜査だからというのは、自民党さん、それはそうかわからぬけれども、これは委員会でやっているからね、悪いけれども、委員会で、これを前提にして。
 矯正局は矯正局で処分している。調査、これは、何遍も言いますけれども、この中間報告書は行刑運営に関する調査検討委員会が出しているんです。この文書の中では、冒頭陳述によりますとこうと書いていないんですよ。調査検討委員会がみずからの判断でこうしたと書いてあるんですよ。だから、どうやって死んだかについては、放水でとここで断定したじゃないですか。
 自傷の可能性について、指が十一センチあったという話、これもある新聞に、はかっていないと言いますが、これははかったんです。非常に指の長い人だって。つめも、保護房だからつめ切りがないので、非常に伸びていたと。摘便という言葉があるようですけれども、肛門の中に指を入れて便をかき出したり、腸というのは、何かたるんでいるから引き寄せることができるらしいんです。ただ、これだと大きい傷ができるかどうか、問題があるけれども。それは本当かどうか検討する、ほかに何かないかと。
 少なくとも、水だと言って犯人と決めるまでに、犯人と言うまでに、あなたたちのかわいい刑務官を犯人呼ばわりするまでに、みずからそうでない原因というのは当然考えたでしょう。何にもなしなんですか、タッパーについてとか。これはどうですか。
大林政府参考人 先ほど私が答弁申し上げたとおり、調査委員会としては、刑事局の調査等を中心として、そういう面の検討はいたしました。その結果、死因が起訴状記載の死因だというふうなものと認められましたので、報告書にはそのような記載をしたものでございまして、先ほど刑事局長から御答弁あったように、捜査当局においては、当然死因についてはさまざまな検討がなされたものというふうに私どもは考えております。
河村(た)委員 これも、委員長、委員会で、中に何があって、現実にどういうタッパーであって、今全部かえてあると言いました。僕、びっくりしたのは、この間視察に行ったときに、水筒が全部ぐにゃぐにゃのやつにかわっているんだよ。僕はそのとき、こんなはずじゃなかっただろう、もっとかたい、硬質のものでなかったのと言ったら、名前をちょっと忘れたけれども、いや、もっとかたいものでしたと一人言われたけれども。今の、違うんですよ、この間行ったときの。ひどいじゃないか、こんなことをやって。なぜ隠滅するんですよ、こんなことを。委員長、またここのところにも絞って、これは委員会できちっと検証してくださいね。
山本委員長 理事会にて検討させていただきます。
河村(た)委員 それから、もう一つ言いましょう。これも余り言いたくないんだけれども、マスコミの皆さん、テレビを見ておられたらきちっと書いてくださいよ、本当に。お願いしたいわ。とにかく、一方的な都合ばかりで、全国民こうなっちゃったんだよ、本当に。目の前に、冤罪だったら一体どうするんだよ、この人権侵害は。
 もう一つ言います。
 それから、血のついたパジャマというかズボンがあったとありますね。それを見たのを、そういうことは虚偽の事実であったということを書いていますよね、中間報告で。これはやはりうそなんですね、血のついたズボンというかパンツがあったということは。
大林政府参考人 私どもが報告を受けた、あるいは内で検討した結果は、そのような事実はなかったというふうに認めて、報告書にそのような記載をいたしました。
河村(た)委員 これは、どういうことかわけがわからぬかもわかりません。ちょっと言っておきますと、パンツじゃなくてズボン、メリヤスというか、二重になっておったようですけれども、ここに血がついていたということはどういう意味かというと、放水前に出血していたということです。わかるでしょう、放水前に。だから、血がついていたということになると、放水では出血しなかったということになる。大変な事実なんですよ、これ。
 報告書には、報告が上がっていて、血のついたパンツを見たと、その報告はうそであったと断定している、この中間報告は。だから、刑務官のこの放水によって死んだ、刑務官はけしからぬ、こうなっているんですよ。これは、樋渡さん、どうですか。
樋渡政府参考人 お尋ねは、現在、公判係属中である事件の個別の証拠関係を問われるものでございまして、関係者の供述等に照らしますと、本件について検察当局がどのような証拠物を押収しているかを公判外で明らかにした場合、これに基づいて新たな弁解がなされるなど、公判立証に影響を及ぼすおそれがございますので、お答えをいたしかねるということをどうか御承知いただきたいと思います。
河村(た)委員 もう時間がなくなってきて残念だけれども、証拠物を押収したんじゃないんだよ、それは、焼却されてなくなっているんだよ。違うんだよ、全然。これは恐ろしいことですよ、言っておきますけれども。こんなことがまさか現代にあるとは思わなかった、こういう冤罪が。冤罪だと余り言い過ぎるなと園田さんに言われるんだけれども、僕から言えばこれはニュートラルに戻さないかぬということなんです。
 これは、ぜひ委員長、非常に重要な視点ですから、そういうことを見た人があるので、ここはちょっと事実として検証しましょう。
山本委員長 理事会にて検討させていただきます。
河村(た)委員 それから皆さん、この調査報告書にもあるけれども、何か、刑務官の資質の問題であるとちょこちょこ書いてあるね。問題があるのではないかと。刑務官の資質とは、一体これはどういうことなんですか。官房長、どういうことですか。いろいろなところに出てきますよ、刑務官の資質。
大林政府参考人 中間報告におきましては、資質に問題があったと言わざるを得ない事案だと私どもは考えております。
 しかしながら、その報告書にも記載してありますけれども、これらの事件の背景には行刑施設全般における組織的、構造的な問題があり、犯行に加わった個々の職員の資質のみに帰せられるべきものではない、こういうふうな記載になっております。
河村(た)委員 今、資質に問題があったと言われましたね。もしあなたたちが今まで言っておることが反対だったらどうしますか、これ。どちらの資質に問題があるんですか。大変なことですよ、ここまで言い切るというのは。あなたが悪かったということですよ。資質が悪いなんということを普通言われたら、大変なことですよ。言われた当人は怒りに身が震えると思いますよ、これを言われたら。すごいことを言ったんだということだけ頭に置いておいてくださいよ。いいですか。
 では、大林さん、一言言ってください。
大林政府参考人 一つ、私の方から申し上げたいことは、全国の刑務官、多数おり、また非常にまじめに働いております。このような重大な事犯が起こったというのは極めて希有なケースだというふうに私どもは考えております。
 これがいわゆる組織的な問題、あるいは、先生のお立場からするとちょっと違うかもしれませんけれども、構造的な問題だけというふうな形のとらえ方をされることは、他の一般の刑務官に対してもいかがかと。やはり一つの、こういう犯罪があったことを前提にいたしますと、やはり資質の問題はあったと私どもは言わざるを得ないんだろう、こういうふうに思っております。
河村(た)委員 何を言っておるんですか。自分たちでろくに、水が通ったことも調べもせずに、一体どっちが資質なんですか、どっちの資質に問題があるんですか。上司が、かわいがっておった部下を無給にして、犯人として、全人生をむちゃくちゃにするときに、当然予想される調べもしないで、どっちが資質に問題があるんだ。冗談じゃないよ、本当に。
 では、ちょっとこれは樋渡さんに聞きますけれども、検察の取り調べがすごくきつかったようですけれども、ぜひ、呼ばれた方、名前はA、B、C、Dで結構です。刑務所事件で呼ばれた方全部の、何時から何時まで呼ばれた、このリストを出していただきたい。A、B、C、Dでいいです。
樋渡政府参考人 委員の御趣旨が、呼ばれた参考人なり、今では被告人たちの供述の任意性、信用性にかかわるという問題でございますれば、それはやはり公判廷で主張されて、それによって明らかにしていく筋合いのものだというふうに思っております。それ以外につきましても、一般論として申し上げますれば、検察の具体的な捜査活動について、私、お答えをいたしかねるというふうに御理解いただければと思います。
河村(た)委員 これは、一応客観的に、捜査というのはどういうふうに行われるかということですから、A、B、C、Dで結構ですから、これは委員長、ちょっと考えてくださいね。
山本委員長 理事会にて協議させていただきます。
河村(た)委員 では、もう一つですけれども、この間の、前回の九月事件で、渡邉貴志さんの話の中で、これはちょっと訂正していかないかぬのですけれども、渡邉貴志さんがもう一段革手錠を締めろと言ったという記述が冒頭陳述に出てくるんですね。これは検事に、そういうふうに言ってくれと。そうすると、彼は看守長ですから、適正な職務執行になるからだと言われた。捜査があったかと言って聞きましたけれども、これはどうも刑務所内でです。刑務所内でそういうふうにしろと。おまえが、おまえがと言ったかどうか知りませんけれども、渡邉貴志さんがもう一段締めろと指揮したというふうにしてくれ、すると適正な職務執行になるからということを言ったようですけれども、これは訂正しておきます。本人の話ですから、訂正しておきます。だけれども、そういうような、刑務所内で何か、こういうふうに話をつくっていこう、そういう話はあったんですか、当時、名古屋刑務所で。
横田政府参考人 刑務所内でというお尋ねですので私からお答え申し上げますが、そのような事実はございません。
河村(た)委員 そこはちょっと話が違うので、ここらもきちっと検証しなきゃいけません。
 それから、名前を言うのはちょっとやめておこうかな、刑務所長さんが、刑務官の御親族、御本人も刑務官ですけれども、その方に、施設を守るか、職員を守るか、どっちかと上司から迫られた、だから申しわけなかったと言って涙をこぼされたという話がありますけれども、これは事実でしょうか、こういう話は。
横田政府参考人 おっしゃるような事実の有無については承知しておりません。
河村(た)委員 承知していないというのはわけのわからぬ話ですけれども、では、本省の方で名古屋刑務所所長さんなんかと連絡をとられていた方はどなたですか。
横田政府参考人 ちょっと御質問の焦点がつかみにくいんですが、もちろん、本省でございますので、管区あるいは刑務所と連絡をとることはあり得ることでありますので、今だれがということについて、ちょっと、個別なお答えはなかなかしにくいんですが。
河村(た)委員 では、これで最後にしますが、それもまた教えていただいて、本当に皆さんからすれば、何を河村が言い出したかと思ってみえるかわからぬけれども、特に法務委員会ですから、法と正義を実現するところだと思うんですよね。組織というのは本当に怖いものだと僕は思ったんだけれども、上の人たちが、現場の本当に苦労しておる人たちを虫けらのように扱うということは本当になかったんだろうか、この事件が本当にあったのであろうかということを、もう一回やはり、裁判は裁判ですけれども、僕は今までずっとこれをやってきましたから、私自身もそういう質問をしているから、委員会としては検証する必要が、国民に対する義務、務めがあるというふうに思います。
 以上です。
山本委員長 次に、山花郁夫君。
山花委員 山花郁夫でございます。
 質疑の通告をしていないんですが、官房長、ちょっとお答えいただきたいと思います。
 今、河村委員からいろいろ質問があって、ただ、物によっては答えられないものがいろいろあったようですけれども、先日指摘をさせていただきましたように、「行刑問題に関する資料」、法務省の名前で出している中で、要するに、もう事実認定をしちゃっているような書き方をしているから、結局、質問に対しても本来答弁しなければいけないような形になっていると思うんですよ。前回の質疑のときにも申し上げましたとおりで、本来であれば、例えばこういう嫌疑があるとか、こういう嫌疑で今起訴されているんだとか、そういう書き方なら事実を報告した報告でしょうけれども、これは、だって、もう消防用のホースを使って死に至らしめたというような断定をしてしまっているじゃないですか。
 改めてこれを訂正されるなり、あるいは改めて何か思うところがあればお述べいただきたいと思います。
大林政府参考人 委員御指摘の点は、私ども、もっともであるというふうに考えております。先ほども御答弁申し上げたとおり、私どもの調査チームは、各局の報告に基づく部分と、それから現実に現地に赴いて調査した部分と、両方混合しております。ですから、私どもで提出した資料につきましては、先般も申し上げたとおり、いわゆる平仄の面あるいは表現の面でやや至らないところもあることも事実でございます。
 委員の御指摘に従いまして、私ども、今後どういうふうな形の対応ができるのか、ちょっと考えさせていただきたい、こういうふうに思います。
山花委員 あと、これも通告していないんですけれども、刑事局長、ちょっと感想だけ伺いたいと思います。
 私は、河村委員とはややスタンスが違うところもあるんですけれども、ただ、過日名古屋の刑務所を視察に行ったときに、今出ていたホースの問題ですけれども、それが少し議論になりました。もちろん、これから公判があって、あるいは今証拠開示とかいう制度がありませんから、まだいろいろ持っていて、公判になれば出てくるのかもしれませんし、そこは問いただすつもりはないんですが、ただ、あちらの名古屋の刑務所に行って御説明を伺ったときに、大変不思議に思ったことがございます。
 というのは、それ以前にあの消火栓が大変水漏れをしていて、それは事実のようです。そのことに基づいて、河村委員が水圧が実際より低かったんじゃないかという話をしているわけですけれども、今回の事件で、一応起訴事実にはやはりホースを使用したものだということが書かれていて、ただ、この消火栓ですけれども、ことしの二月十四日に修理をしたという話を聞いてきたわけです。
 つまり、犯行が仮にあったとして、公訴事実で言うところの犯行が行われた重要な証拠に当たるはずのものが、これは逮捕が二月十二日ですから、その二日後に修理をされている。公判請求はましてや三月四日ですよね。本来望ましいことではないのではないかと思うんですけれども。これから公判が始まって、ひょっとするとこれは攻撃防御の対象になるものが原状を変えられてしまっているということですので、何か御所見があれば、感想として、いかがですか、何か好ましくないことではないでしょうか。いかがでしょう。
樋渡政府参考人 あくまでも一般論として申し上げますれば、消火栓は消防用設備として防火の目的を達し得るものである必要がありますから、防火管理上、修理の必要があるとの申し出を受けた場合、その申し出には十分配慮する必要があって、既に十分な証拠収集がなされている場合には、公判前であることを理由にこれに異を唱えることが適当でない場合が多いのではないかというふうに思われるわけでございます。
 また、本件消火栓につきましては、修理前に十分な証拠収集が済んでおりますことから、あえて修理に異を唱えなかったと聞いております。
山花委員 一般論としてはそうなんでしょうけれども、それは刑事局としてはそういうお答えになるんでしょうけれども、ただ、よく考えてみると、検察側が立証するに対してこれで十分だということで、そこで一つの節目があるのかもしれませんけれども、弁護側の方のことを考えると本当に、それは刑事局がいけないという話ではないのかもしれません、刑務所サイドの問題かもしれませんけれども、私は、若干これは問題があるような気がするということだけ申し上げます。
 時間が午前中で一回切れますから、法務大臣、済みません、これも通告をしていないことですけれども、少しお話を聞かせていただきたいんです。
 ことしに入ってから情願を随分読まれたようですが、実は私のところにも、情願というものではありません、受刑者の方からお手紙をいただいたり、そういったケースが多々ございます。見ていると、これは一体何だろうとやはり気になるようなケースもあれば、こういう言い方はお手紙をいただいた方には大変気の毒ですけれども、何を書かれているのかよくわからない、あるいは字もよく読めなかったりとか、あるいはただ新聞記事で書いてあるようなことを自分が見たような形で書かれていたりとか、そういうものが散見をされます。
 ただ、私が受けている印象としては、目に見える形での殴るけるという暴行は、あるいは、従前のことをよく承知しておりませんので、多くなったのか減ったのかはわかりませんけれども、そんなには訴えが私のところに来るということはありません。ただ、何かいじめに近いようなケースがあるのかなということが一つと、見ていると、読んでいると、精神疾患を有しているのかなと思われるような方からのお手紙も、いや、むしろそちらの方が多かったりするんですけれども、いただいているんですけれども、御自身でお読みになられて、今までどんなものが多かったのか、あるいは、そうした中で、例えば類型的に、そういう精神疾患を患っているような方からのものが割合的に多いのかとか、そういったことについて簡単に教えていただけますでしょうか。
森山国務大臣 情願を時間を見つけては読んでおりまして、多分もう六百か七百見たと思いますが、その中には、今先生が例にお挙げになりましたように、読みにくいものとか、何の意味かわからないというものも少しはございますけれども、多くは、例えば、食べ物の盛りつけ方が足りないとか、こういう薬を頼んだのに、すぐにはくれなかったとか、そういうような具体的な、日常的なことが多うございます。
 確かに、ちょっとこの書きぶりは普通じゃなくて、精神的にも問題があるんではないかなと思うような方も散見されまして、そのような人の場合は、精神的に問題があるんではないか、よく検討して措置をしてもらいたいというようなことを書いて、矯正局に回して頼むわけでございますが、確かに、そのような方もまじっていらっしゃることはございます。
 それらについては、具体的に、例えば実力を使ってけったとか殴ったとかという話もたまにはまじっておりまして、そういう場合は人権局によく調べてもらうということもやっておりますし、それぞれ必要な措置が行われるように手配をしているつもりでございますが、確かに、おっしゃったような、何だかさっぱりわからない、多分これは精神的に問題があるんではないかと思うような人もたまには入っているというところが実情でございます。
山花委員 その医療の点については、午後に質疑をさせていただきたいと思います。
 ただ、私の持っている感想では、私は法務大臣ではありませんから、その情願を直接読む立場にはございませんけれども、いただく手紙の中で、大変、懲罰であるとかそういったものをすぐ受けると。自分が嫌がらせを受け、いや、わからないですよ、それはその一方当事者が言っていることですから、受けているような気持ちがするというものがあったりいたします。
 かつて、私も、元受刑者の方々から何人か、お話を伺ったことがあるんです。言われている中身である程度共通項があるのは、それは府中であったり、まあ刑務所の名前は言わない方がいいかな、複数のところで元受刑者の方から話を聞くと、やはり、作業中にちょっとわき見をしただけで、すぐ注意を受けたと。あるいは、まあこれは一方当事者の話ですので、即けしからぬとは申し上げませんけれども、何か刑務官の方が物を落とした。落とした音で、何だろうと思ってそっちを見たら、わき見をするなと。いや、それを見ただけです、今音がしましたからと言ったら、担当抗弁だということで懲戒を受けたと。だから、すごく厳し過ぎるという話も聞いておりますし、また、そういったお手紙もいただいています。
 この行刑全体について議論をする際に、私は、刑法の懲役刑という刑罰そのものも見直していかなければいけないのではないかと。
 つまり、日本の刑法の場合は、刑務所に行って役務を行う、すなわちそれが懲役という刑罰ですから、それが一つのセットになっています。したがって、刑務所に入っている受刑者は、基本的には工場に行って作業を行う。すごく管理された形になっていますから、それが昔はもっと緩かったと聞いているんですが、だんだんと規律が厳しくなっていって、いろいろなトラブルが起きているような印象を受けているわけです。
 今回、行刑改革会議などを立ち上げられましたけれども、刑罰そのものについての改革ということもひとつ議論していただきたいと思いますけれども、ぜひ法務大臣の方からそういった御指示を改革会議の方にしていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
森山国務大臣 非常に広い立場から聖域なしに議論していただきたいと申し上げておりますので、おっしゃるような問題も、先生方の意識の中にあるとすれば、表に出てきて議論の対象になるだろうと思います。
山花委員 午後の質疑の中でもいろいろ申し上げたいことがあるんですけれども、先にある程度結論を先取りするようなことを申し上げておきますけれども、例えば、十分な医療を受けたいという気持ちがあったとしても、だから、本当はあそこが専門の病院だということがわかっていても、受刑者の方ですと保険がきかないわけですよね。そうすると、これは後で議論させていただきますけれども、私は、印象としては、外部の病院に行くとお金がかかるからということで少し抑制がきいてしまうという懸念を持っているわけです。また、従来も申し上げていますように、医療については、本来法務省だけでやるべき問題ではないのではないかと思っております。
 またさらに、受刑者が外に出るときの問題もあって、私が会った方なんかは、五年半勤めたんだけれども、出るときにもらったお金が十六万円だった。これで外へ出て生活をしろと言われても、自分は妻にもまだ見捨てられていないし、家族も迎えてくれるのでいいけれども、そうじゃない人なんかはまた結局再犯しちゃうよというようなことを言われていた方もいらっしゃいました。
 だから、労務に対する対価という形で今お金を払えないのは、一つは懲役という制度になっているからというふうに、理論的にはそういうことなんでしょうから、したがって、そのことも含めてこれから検討すべきであるということを申し上げまして、時間が参りましたので終了させていただきたいと思います。また午後よろしくお願いいたします。
山本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山花郁夫君。
山花委員 午前中に引き続きまして質疑をさせていただきたいと思います。
 いろいろ課題はあるんですけれども、まず、四十五分ございますので、今回の一連の事件であるとか、あるいは事件が疑われるものについて、いろいろ出てきました。その中で、一つは、制圧などに付随する形で、行き過ぎた制圧があったのではないかであるとか、あるいは暴行があったのではないかということもあるんですけれども、一つ、それとはまた別のカテゴリーとして、医療の点で必ずしも十分ではなかったのではないかと思われる件も散見されるわけでありまして、この点について、若干時間をいただきまして議論させていただきたいと思います。
 まず、それに先立ちまして、先日も少し質問させていただきましたけれども、川越の少年刑務所、平成七年の一番の通し番号がついていることについてお伺いしたいと思います。
 きょうは資料も配付をさせていただいておりますので、死亡帳が一ページ目で、二ページ目が死体検案書となっているものです。
 この間も質問をさせていただきましたけれども、保護房内で革手錠などを使用した後に吐物吸引による窒息で亡くなられている方なんですけれども、きのうも参議院でも議論があったようですけれども、非常に疑問に思うのは、この死亡帳と死体検案書、両方突き合わせてみますと、死体検案書の下のところには、暴れていたところを押さえた際、吐物を吸引とあって、「死亡の原因」のところに「吐物吸引による窒息」とあって、死亡帳にはその旨書いてあるわけですから、医学的なことはよくわかりませんけれども、素人目に見れば、制圧行為によって命を落としたということが疑われるようなケースなわけであります。
 これは、当時どのような捜査が行われたんでしょうか。答えられる範囲でお願いいたします。
樋渡政府参考人 お尋ねの事案につきましては、当時の浦和地方検察庁川越支部におきまして、川越警察署から被疑者三名の業務上過失致死事件として在宅送致を受け、平成八年三月一日これを受理し、捜査を遂げたものの、同月二十九日、嫌疑不十分を理由として不起訴処分にしたものと承知しております。
 事案の詳細等につきましては、本件不起訴記録が平成十四年三月二十九日廃棄済みでありますため判然としない点もございますが、さいたま地方検察庁及び同庁を通じて送致警察署に確認するなどしましたところによりますれば、送致事実の概要は、殺人事件の被疑者として川越少年刑務所に勾留され、保護房に収容されていた被害者が、被疑者らに殴りかかるなどしてきたことから、同人の両手に革手錠を施す等の処遇を行い収容したが、このような場合、被疑者らとしては、被収容者に対しては、常にその動静を監視し、不測の事態発生を未然に防止すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り、同人が吐瀉による気道閉塞、心肺停止状態に至るまで漫然と放置し、吐物吸引による窒息により死亡させたというものでございまして、制圧行為それ自体を犯罪行為とするものではなかったものと承知しております。
 その後、所要の捜査を遂げた結果、具体的理由は不明でございますが、業務上過失致死罪の罪責を問うだけの嫌疑が十分でないとの判断に至ったものと承知しておりますが、本件も含めまして、過去十年における受刑者死亡事案につきましては、現在、当省の死亡帳調査班におきまして調査中であるものと承知しております。
山花委員 当時の資料等ももう古いものですから必ずしも十分残っていないということですので、今後これを調査するにしても、かなり限界があるような気がいたします。
 ただ、いただいている関係書類を見ても若干気になるところがありまして、この亡くなった方ですけれども、食べたのかどうかはよくわかりませんけれども、七時三十五分に朝食を入れたという記録が残っております。ですので、食べたものを吐いた可能性があるのかなという印象を受けております。
 また、これは恐らく居室内を直接見た職員による記録だと思うんですけれども、つまり、保護房などのようなところに入れていると、テレビカメラで、恐らく監視室なんでしょうけれども、そちらで見ている人と、保護房の窓をあけて中を見ている人と、二種類の記録が残っております。
 当時の記録によりますと、恐らく直接見た方の記録によりますと、八時三十分、房内中央であおむけで目を閉じて足を扉の方にして寝ているという、八時半からずっとそういった記載がございます。恐らくテレビモニターで見ていたと思われる方の記録は、仰臥していると。要するに、上の方を向いて寝ていたという記録が残っております。
 ただ、この方の視察表であるとかを見ますと、いわゆる片手前、片手後ろの状態で革手錠をされている方です。
 これも、かつて刑務所に入っていた方でそういうふうな経験がある人から話を伺いますと、両手前とか、あるいは両手後ろのケースならともかく、片手前、片手後ろの状態であおむけに寝るというのは相当困難なことであるというふうに聞いているんですけれども、だからこそ、寝ることもままならないので、本来はこういうやり方はやめましょうということで、今はやっていないとも聞いておりますが、一般論として言うと、こういう状態であおむけに寝られるものなんでしょうか。いかがでしょうか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 今委員の御質問のように、革手錠を片手前それから片手後ろという状態で使用した場合は、前の手は、当然手首の位置が腹部の中心部付近になります。後ろの手は、手首の位置が背中、背部のわき腹寄りになります。そのようなことで、多少窮屈でありますけれども、一応あおむけの姿勢で寝ることは可能であると思われますけれども、一般的には、左右いずれかの肩を下にして横向きの姿勢で寝ることが多いのではないかと思われます。
 ただ、今委員もおっしゃいましたように、このような片手前、片手後ろという革手錠の使用というのは余りしないというふうに聞いておりますし、それは別にいたしまして、やむを得ず革手錠を使用した場合でありましても、可能な限り短時間で解除するように努めておりますし、就寝時間帯には極力使用しないというふうにしているということでございます。
山花委員 なぜ気になるかというと、死亡時間について、死体検案書と死亡帳と書かれている時間がちょっと違うのではないかという話があります。
 視察をした記録によりますと、視察ですからほかの書類とは時間が若干ずれているものもあるんですが、八時五分のところで革手錠及び金属手錠を右手前、左手後ろに施錠したとあって、八時半からはもうあおむけで寝ているわけです。十時過ぎには様子がおかしいということで、わずか九十分後ですから、実際は恐らく心停止状態だったのではないかという状態ですので、片手前、片手後ろの状態ですから、眠いとか横になりたいということですと、今お話があったように普通であればどちらか肩をつけて休むでしょうから、この後で亡くなっちゃうような方がのんびりくつろごうと思って上を向いたとは余り考えがたいケースだと思います。また、その前に制圧を受けているわけですので、実はかなり意識を失ったような状態でほっておかれたのじゃないかというふうに私は疑いを持っています。
 また、八時半、八時四十五分、九時、九時十五分までずっと「房内中央であお向きで目を閉じて足を扉の方にして寝ている。」とあるんですけれども、九時三十七分の記録ですと、なぜかこれは九時半ではなくて九時三十七分、「房内中央であお向きで目を閉じて足を扉の方にして寝ていて、腹部を上下し呼吸していたのを確認した。」と、九時三十七分で「腹部を上下し呼吸していたのを確認した。」という記述があります。
 疑い出すと切りがないですけれども、これは何でここのところだけわざわざこんなことを書いたのかな、むしろ後でおかしなことがあってさかのぼって書いたのじゃないかという気もしないでもないですけれども、一般論としてはそういうことはないということでしょうけれども、そういった記述があるわけです。
 したがいまして、そうすると、九時三十七分の時点までは息をしていたのを確認したという、これが書いてあるのが本当だとすると、死亡帳とか死体検案書に出ている時間の問題でいうと、やはり八時五分ごろに、死体検案書の方に八時五分とありますけれども、亡くなったのは実は十時十分ぐらいの話だというふうに考えるのが自然なのではないかと思います。
 私はそう思うんですけれども、矯正局長、以前質問したときに、これは何でこうなったのかいまだによくわからないというような御答弁でしたけれども、今でもやはりわからないという認識なんでしょうか。
横田政府参考人 前にそのように申し上げましたが、現在もその状況は変わっておりません。資料が限られているということもございますし、もう一つは、死亡帳調査班において先生が疑問に思っていらっしゃることもいろいろ頭に入れた上で調査をしてくれるというふうに思っておりますので、現状ではそのままであるということでございます。
山花委員 一方的に意見を述べるだけになっちゃうかもしれませんけれども、厚生労働省の医政局が死亡診断書の記入マニュアルというのを出しておりまして、一枚めくっていただいて、まさに死亡診断書とか死体検案書の同じものがこれに出ております。これには書き方について、いろいろこう書くべきだというものが載っておりまして、ただ、これによりますと、今までいろいろ資料で出していただいた死体検案書などの書き方が、本来の書かれ方ではこれではまずいのじゃないのかなというものが結構ありました。それは適切でなかったということについて御報告もいただいておりますので、それはそれとして、今後しっかりやっていただきたいと思います。
 ただ、死体検案書の「外因死の追加事項」というところに八時五分という記載があるわけですね。恐らく、こういった死亡診断書の記入マニュアル等からすると、これは死んだ時間が書かれているんじゃないのではないか。亡くなったのはやはり、十時十分ころに心肺停止状態で発見されて十一時死亡確認、こっちが間違いなくて、ここに書かれているのは、実はその上のところ、字がつぶれていて見づらいですが、「解剖」という欄があって、その所見に、「気道内にやや多量の吐物の存在、前頚部の圧迫痕、右側腹部・両前腕のしばり痕、四肢の打撲傷群」。つまり、これは外傷のことを書いていると考えるのが私は読み方として正しいのではないか。つまり、恐らく、制圧行為が行われ、その時間が八時五分ぐらいでしたというのを聞いたお医者さんがそのことをここに書いたのかな、そのように思っております。
 ただ、そうだとすると、それもそれで問題でして、前頸部の圧迫痕というのがつまりは八時五分ごろにできたというふうに読めるわけです。腹部とか、要するにおなかのところとかに圧迫痕などがあるというのは、それは革手錠をつける際の、あるいは締め過ぎたのかなという印象を持ちますけれども、それはそれとして、場所について、身体的な部位については理解ができるんですけれども、前頸部の圧迫痕、首を絞めたというのが八時五分ごろにできたという所見だとすると、これは極めて問題だと思います。
 一般論としてということになると思います。これについてどうだと言っても当時の方から聞かなければわからないのでしょうけれども、制圧の際に首を絞めるなんということはやるんですか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 両手で絞めるというようなことはないけれども、柔道のわざとして、片手でそのような絞めたような形になることはあるというふうに聞いております。
山花委員 この具体的なケースについて、刑事事件としては起訴はされなかったわけですけれども、制圧のやり方として、今の一般論をお聞きしても本来余りやるべき行為ではないと思いますし、少なくとも、これは行き過ぎた制圧があったのではないかということを疑わせるような二枚の死亡帳と死体検案書ということになるんだと思います。
 ここのところ名古屋のケースが随分と取りざたされておりますけれども、名古屋だけではなくて、ややもすると行き過ぎではないかと推測されるケースがかつてあったというふうに思うわけであります。
 ところで、この川越の亡くなられた方ですけれども、精神疾患を患っている方だったと思いましたけれども、どういった状況で今回の件が起きたのかということについて簡単にお話をしていただけますでしょうか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 記録によりますと、平成七年十月二十九日に警察署から川越少年刑務所に入所したときの被収容者の状態でございますが、大声を発し極度の興奮状態であり、身長、体重、血圧等の健康診断も不可能であり、加えて被害妄想的、関係妄想的な精神症状も見られたとあると聞いております。
山花委員 まずそういう方の事件であったということですね。
 資料としてお配りをしております平成十二年の、これも川越の少年刑務所なんですけれども、死亡帳には、死亡原因が「不明(現在司法解剖にて原因検索中)病理学的には脳表の顕著な浮腫。」とあります。この件について、どういう状況で亡くなられたのかということについて御説明をいただきたいと思います。
横田政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの事案は平成十二年二月の死亡事案でございますが、川越少年刑務所において、雑居房に収容中、本件、死亡当日の午後九時過ぎころ、本人が居室内において横臥したまま呼びかけに反応せず、脈拍も確認できない状態でありましたため、救命救急措置を講じるとともに、同日の午後九時二十分ころ、救急車の出動を要請し、外部の病院に搬送いたしましたが、その日の午後十時五十八分、同病院の医師により死亡が確認されたというものでございます。
 なお、本事案につきましては、保護房への収容及び革手錠の使用はなく、また、浦和地方検察庁検察官による司法検視、さらに司法解剖が行われたというふうに聞いております。
山花委員 司法解剖の結果についてはどうだったんでしょうか、刑事局長。
樋渡政府参考人 お尋ねの事案につきましては、受刑者が死亡した翌日に検察官による司法検視が実施され、検察官は、検視の結果、死体に死因となる外傷が見当たらず、関係者の供述や搬送時の状況などからはクモ膜下出血により死亡した疑いが濃厚であるが、死因解明のため司法解剖を要するものと判断したものと承知しております。
 そして、司法解剖が実施され、正式な鑑定書は作成されていない模様でありますが、諸臓器のうっ血、肺のうっ血水腫及び著しい脳腫脹が見られたものの、死亡の原因となる器質的病変は発見されなかったものと承知しておりますが、この件も、現在、当省の死亡帳調査班において調査中でございます。
山花委員 次に、配付した資料を一枚めくっていただきまして、十三―一の通し番号がついている、これも川越の少年刑務所のケースなんですけれども、この摂食障害による低栄養状態で亡くなられた件につきまして、どういう状況で亡くなられたのかということについて御説明ください。
横田政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの事案でございますが、本人は、入所時に既に著明な低栄養状態にありまして、死亡までの約二カ月間、おおむね週に一度、医師の診察、投薬を実施するとともに、看護スタッフによる喫食指導を行ってまいりましたが、食事を食べたと偽って食品をトイレなどに捨てるなどの抵抗を繰り返す中で病状が悪化いたしまして、死亡当日の午後一時三十五分ころ、房舎において、看護士が本人の状態を確認したところ、問いかけに対する反応が見られず、脈拍及び心音の聴取もしづらい状態となり、失禁も見られたため、直ちに救急車を要請し、外部病院に搬送して救命救急措置を講じましたが、その日の午後三時二十九分ころ死亡したものということでございます。
山花委員 済みません、今のケースで、入ってきた当時の体重ですとかあるいは血圧について、おわかりになりますでしょうか。私は、体重が三十二・五キログラムで、血圧が、上が七十二、下が四十四と聞いているんですけれども、そのとおりでしょうか。
横田政府参考人 済みません、今、ちょっと私、把握しておりませんので、至急確認いたします。
山花委員 その次の、十三―一と書かれております、これは大阪の拘置所の死亡帳です。
 この死亡帳も、書き方というか、これは余りいただけないですね。大阪の拘置所なんですが、何か後で張りつけたような形になっていますよね。公文書ですから、今後、こういうようなやり方はやめた方がいいのではないかと思いますけれども、それはそれとして、これはどういう状況で亡くなられたのかについて御説明ください。
横田政府参考人 お答えいたします。
 大阪拘置所の十三―一事件は、平成十三年一月、大阪拘置所におきまして、雑居房に収容中の被収容者が、死亡当日の午後八時五十分ころ、居室内において、顔色が青ざめ、ひとりで立てない状態になり、胸の痛みを訴えたため、その日の午後九時十分、病舎独居房に収容したものの、呼吸困難に陥ったため、救急車により外部の病院に搬送いたしましたが、午後十一時六分、同病院において死亡が確認されたというものでございます。
 本事案につきましては、保護房への収容及び革手錠の使用はなく、また、大阪地方検察官による司法検視が行われ、さらに司法解剖が行われたと聞いております。
山花委員 済みません、刑事局長、先ほどの川越の女性のケースと今回のケースについての司法解剖の結果について、どのようなものだったか、わかるのであればお答えください。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 まず、川越の十三―一の事案についてでございますが、これにつきましては、さいたま地方検察庁熊谷支部におきまして、被収容者死亡の当日、川越少年刑務所から通報を受け、司法検視を実施し、死因が不詳でありましたことから、その二日後、司法解剖を実施しましたところ、拒食に伴う低栄養状態による心筋のミオパシーに基づく肺の急性うっ血水腫により死亡した旨判断されたものと承知しております。なお、ミオパシーとは、筋肉自体が侵されて生じる疾患の総称であると承知をしております。
 次が、大阪拘置所の十三―一の事案についてでございますが、これにつきましては、大阪地方検察庁におきまして、被収容者死亡の当日、大阪拘置所から通報を受け、その翌日、司法検視を実施しましたが、被収容者の体表面に顕著な外傷は認められず、その後、司法解剖が実施され、その結果、直接死因は肺炎とされ、同人は肝硬変症に罹患しており、これが死因に影響を与えたものと判断されたものと承知しております。
山花委員 その次、十三―三の通し番号がついているものについて、矯正局長、どういう状況で亡くなられたのか、御説明ください。
横田政府参考人 お答えいたします。
 この大阪拘置所十三―三の事件は平成十三年七月の事案でございますが、取り急ぎ調査したところによりますと、死亡日の前日の午後六時三十五分ころ、鑑定留置中の被疑者が独居房内において自力で動けない状態にあったことから、医務部診察室へ搬送したところ、意識はあるものの、もうろう状態であったので、点滴注射処置を実施し、その後も病舎において点滴注射を継続しておりましたが、翌日、つまり死亡日当日になりますが、午前五時三分ころ、職員の呼びかけにも反応しないことから、緊急開扉し、確認したところ、自発呼吸がなく、脈拍も停止していたため、救命救急措置を実施するとともに、午前五時四十分、救急車により同人を外部病院へ搬送し、同病院において直ちに救命措置を施しましたが、午前六時二分、同病院医師により死亡が確認されたということでございます。
山花委員 引き続きになりますが、次の十三―四の事件、これも大阪拘置所ですけれども、これについても御説明ください。
横田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の事案でございますが、大阪拘置所において昼夜独居拘禁中の被収容者が、居房内で立ち上がり、壁をたたき、布団をかみながら大声を発していたため緊急開扉したところ、居房中央で横臥してけいれんを起こしていたことから、直ちに気道を確保したものの、呼吸停止状態となり、救命救急措置を施しましたが、脱水性ショックにより死亡したものでございます。
 本事案につきましては、死亡日の約一カ月前に保護房の使用が二回あり、司法検視及び司法解剖が行われている旨、報告を受けております。
 以上です。
山花委員 今、何件か御説明をいただきましたけれども、最初に取り上げました川越の平成七年のケースも精神疾患を持っている方であったようですし、十三―一についても鑑定留置で来ている方、また、大阪拘置所も、十三―三については鑑定留置で来ている方ですし、十三―四についても精神病の通院歴がある方だということなわけです。
 ところで、当委員会でも、今、参議院の方に行っている法律がありまして、心神喪失状態で重大な他害行為を行った者の処遇に関してということで、その入り口の振り分けのことについては、私どもと政府の方と意見は若干違いましたけれども、我々も真剣に議論したわけですけれども、こうやって見てきますと、責任能力ありと、ありかどうか鑑定留置中の人もいますけれども、ありとして入ったその後の、どういった治療をすべきであるかとかそういったことについての議論が少なかったのかなと今少し反省をしているところなわけであります。
 ところで、警察庁の方、きょう来ていただいていますのでお尋ねしますけれども、ここのところ、覚せい剤の押収量とかがふえているような傾向にあるやに聞いているんですけれども、覚せい剤であるとかあるいは覚せい剤事犯の逮捕件数などについて、あるいは押収量とかの傾向について、どんな状況なのか、また、警察としてはこういった薬物事犯に対してどういう認識を有しているのか、その点についてお尋ねします。
瀬川政府参考人 覚せい剤問題の現状についてのお尋ねかと思います。
 覚せい剤事犯につきまして警察での検挙人員でございますが、平成に入りまして大体一万五千人前後で推移をしてきたところでありますが、平成七年ごろから増加に転じておりまして、平成九年には約二万人に迫っておりまして、その後も高水準で推移しているという状況であります。
 押収量も、平成十一年には史上最高の約二トンという大量の覚せい剤を押収しておりまして、平成十年から平成十四年までの過去五年間の覚せい剤の押収総量は約四・四トンということで、平成五年からの五年間の押収量の約三・四倍ということで、急増しているという状況でございます。
 私どもとしましては、これらの覚せい剤はすべてが海外からの密輸入によるものでございまして、相当量のものが流入をしておる、流入しているということは、それを支える大変大きな需要が国内にも存在をするということだろうと思います。現状につきましては、戦後第三回目の覚せい剤乱用期という大変極めて深刻な事態にあるという認識に立っておりまして、関係省庁とも連携をし、早期終息へ向けた対策を推進しているところでございます。
山花委員 どうもありがとうございました。退席をされて結構ですので。
 きょうお配りしました資料の、一番最後が警察の検挙状況ということですけれども、その前のページが、「覚せい剤取締法違反・麻薬関係法令違反事件等の起訴人員の推移」ということで、これは法務省の方に提出をしていただいた資料でございます。これが起訴人員だとすると、特に覚せい剤取締法違反という(4)の区分で見ますと、平成四年が一万七千七十三、十三年が二万二千七百六十ですから、その間少しでこぼこはありますけれども、だんだんと増加している傾向にあるわけですね。
 ということは、受刑者の中にもこういった覚せい剤で、自己使用のケースであるとか、そういった受刑者の方がふえてきていると思うんですけれども、この点どうなっていますでしょうか。
横田政府参考人 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほど、川越の十三―一の、死亡した方の入所時の体重等でございますが、先ほど申し上げましたように、入所時は拒食、不眠、低体重、低血圧が認められ、身長が百四十六・五センチ、体重が三十二・五キログラム、血圧が七十二の四十四であった、このように記録が残っております。
 そこで、ただいまの先生の御質疑でございますけれども、覚せい剤を使用したことに起因すると見られる種々の症状のために、医療上の必要から病室等に収容されて治療を受けた受刑者の数について申し上げます。これはいわば病室に収容して治療が必要な覚せい剤中毒者というふうに御理解いただいてよろしいかと思いますが、統計上明らかな過去八年間の推移を見ますと、平成七年には百四十四人、平成八年には百八十八人、平成九年には二百三人、その後少し減少に転じた時期がございますけれども、最近の三年間を見ますと、平成十二年に二百十五人、十三年に二百七人、そして十四年が二百四十九人とふえております。
山花委員 そのように大変ふえてきているわけであります。
 ところで、現在、覚せい剤の事犯の受刑者に対する治療ということを、北九州の医療刑務所が割と一生懸命やっているという話は聞いているんですけれども、例えばこちら関東の方ですと、八王子の医療刑務所と府中の刑務所、府中は医療重点施設ということで、こちらにも覚せい剤中毒の人とかいるようですが、八王子と府中で治療を受けている受刑者数はそれぞれどれぐらいでしょうか。
横田政府参考人 まず、八王子医療刑務所におきまして覚せい剤、薬物中毒により治療中の受刑者は、四月二十一日現在で十二人でございます。ちなみに、この八王子医療刑務所のその日の現在の総収容人員は三百六人でございます。
 次に、府中刑務所で同様の治療中の受刑者でございますが、四月二十一日現在で治療しているのは四百七十三人ですが、病室に収容している者は三人でございます。そのほかの、四百七十人ということになりますが、これらの者は刑務作業に就業させながら治療を行っているということでございます。なお、同じ日の府中刑務所の総収容人員は三千十六人でございます。
山花委員 府中と八王子の医療刑務所で、両方とも割と地理的には近接していて、同じように覚せい剤中毒の人を扱っているということですけれども、役割分担はどういう形になっているんでしょうか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの件ですが、東京矯正管区管内における医療重点施設として位置づけられている府中刑務所におきましては、東京矯正管区管内施設における覚せい剤、精神病患者のうち一般の施設では治療が困難な者について、八王子医療刑務所に収容する対象者を除いて収容している、八王子医療刑務所に収容する者以外の者を府中刑務所に収容しているということです。
 一方、この八王子医療刑務所は、医療重点施設である府中刑務所よりもさらに医療設備が充実した医療専門施設でございまして、覚せい剤、精神病患者の中でも、長期間病室に収容して治療することが必要な者、さらには、他の精神疾患や病室に収容して治療することを要するような身体疾患を合併する者を収容しております。また、この八王子医療刑務所は、東京矯正管区管内だけではなくて他管区の管内施設からも、専門的な治療を必要とする患者をも受け入れて治療を行っているところでございます。
山花委員 先ほど、過去の死亡例の中で、例えば鑑定留置で来ている方、拘置所であったり少年刑務所であったりしますけれども、いろいろ御説明を伺っていると、結構簡単に人というのは死んじゃうものだなと驚くようなケースなんですけれども、ただ、話を聞いてみると、精神疾患のケースであるとか、あるいは薬物中毒のケースというものが見受けられるわけであります。
 今、八王子と府中についてはそうやって役割分担がある程度あるという御説明でした。ただ、それは前提として、少し考えなければいけないのかなと思うような話も耳に入ってきておりまして、というのは、一たん府中なら府中、八王子なら八王子ということにしますと、例えば特に覚せい剤中毒などのケースですと、後遺症で突然また調子が悪くなるとかいうこともあったりとか、あるいは、刑務所の中にいて、本来は治療によってよくなるのがいいんでしょうけれども、必ずしもよくならない方になったときに、ではということで違う施設の方に行くということが余り融通がきかないというような話もありまして、つまりは、調子が悪くなったからということで、ではこっちに移しましょうということはそう簡単ではないようですが、そこはいかがでしょう。
横田政府参考人 医師がその病状を診まして、必要であれば移送するということでありますが、恐らく、個別事案でございますので、先生がおっしゃったような感想が出ることがあったのかなというふうに思いますが。
山花委員 法務大臣、少し考えていただきたいことがございます。
 個別にはいろいろあるので、私が聞いているのが余り芳しくなかった、だから話があるんでしょうけれども、そういうケースなんだろうと思います。ただ、例えば川越の十三―一のケースですと、鑑定留置で入ってきた時点で既に三十二・五キロしか体重がなくて、血圧が、上が七十二の四十四ですから、本当は鑑定留置も、別に刑務所なりなんなりでやらなきゃいけないということにはなっていないわけで、やはり専門的な病院の方でやっていた方が、結果はもしかしたら一緒だったかもしれませんよ、一緒だったかもしれないけれども、本当はそういうことをやっておいた方がよかったのかなという印象を持つ事件ですし、事件というのは言葉がよくないのか、案件ですし、そのほかのものについても、医療として果たして十分だったのかなという印象を持つものがあります。
 と申しますのも、大体、薬物中毒とか、特に幻覚などを訴える人に対しての治療というのは、どの教科書を見ても、一般的には向精神薬が功を奏するであるとか、向精神薬による薬物療法が効果的である、こういう記述があるわけであります。
 私は、今回の死亡帳なり資料をいろいろ出していただいた中で見えてきたなと思うのは、一つのカテゴリーとして、精神疾患を持っている人が刑務所の中にいて、それは裁判のときには確かに責任能力ありという判定だったかもしれませんけれども、その後に悪くなる人だっているわけですから。あるいは、途中までは普通だったんだけれども、中に入って後遺症で、ある症状が出てしまう。そうすると、大声を出したりとか、暴れたりとか、一般人からすると了解不能な行為を行いますので、それに対して刑務官が出動していって、制圧をして、保護房に入れてしまうというケースがやはりあったのではないか、それも少ない数ではなくて。そういうような印象を持つわけであります。
 今、個別ではもしかしたらあったのかもしれないけれども、一般論として言うと、何とかうまいことお医者さんの意見を聞いてやっているという話でしたけれども、今申し上げましたように、そういう症状が出たときに向精神薬をすぐ処方するような体制というのが必ずしも、だって、二十四時間、どの刑務所も精神科のお医者さんがいるという体制にはなっていないわけですよね。ということは、局長としても、推測になっちゃうかもしれないけれども、やはり、すべてのケースですべてうまくやっていて、外部の医療とも、あるいは刑務所の専門の八王子の医療ともうまくいっていたとは、恐らく断言はできないんだと思うんですよ。
 これも従前から申し上げているとおりですけれども、やはり法務省の中だけで医療をやろうと思っても恐らく限界があると思いますので、ぜひ、法務大臣、厚生労働大臣としっかりお話をしていただいて、司法と精神医療については、確かに入り口のところは、今参議院でも、まだ議論は始まっておりませんけれども、いろいろやりましたけれども、入った後についても御検討いただきたいと思います。
 一言御所見をいただいて、終わりにしたいと思います。
森山国務大臣 午前中の御質疑の中でもちょっとお答えいたしましたけれども、普通の刑務所に精神が少しおかしいのではないかと思う人がまじっているということが時々私もうかがわれまして、これは何とかしなければいけないんじゃないかなということを素人ながら考えておりました。
 今、先生が幾つかお挙げになった例においても同じようなことがあり得ますので、まずは、今参議院で審議していただいているあの法案をとりあえず早く審議していただきたいと思いますし、さらに、その後で起こってきたさまざまな症状について、あるいはまた、出た後どうなるかということも心配でありますので、そのような連続したさまざまなことを考えますと、やはり法務省だけがむきになっても難しいということは、もうおっしゃるとおりだと思います。
 ですから、今後、厚生労働省のお知恵もおかりしながら、さらに深く検討して、適切な対処をしていきたいというふうに思っております。
山花委員 終わります。ありがとうございました。
山本委員長 次に、達増拓也君。
達増委員 「行刑運営の実情に関する中間報告(名古屋刑務所事件の原因と行刑運営の問題点について)」、これが、行刑運営に関する調査検討委員会というところで調査検討し、三月三十一日付で策定、報告されたわけであります。
 この名古屋刑務所事件については、公務員による陵虐致死また致傷、憲法第三十六条に、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」と書いてあります。公務員による拷問及び残虐な刑罰、これを絶対に禁ずると書いているわけでありまして、日本国憲法、長い条文、絶対という言葉はここにしか出てきません。日本国憲法が絶対に禁ずると言っているそうしたことについて、しかも、拷問、残虐な刑罰を禁じているのであって、その結果死なせてしまうとか重傷を負わせてしまうというのは、もうこれは、憲法が絶対という言葉で禁じている以上の悪いこと、やってはいけないことをしでかしてしまった。
 これについては、政府公式見解によれば、過去こういった例はなく、刑務官が受刑者を陵虐致死、暴行で死なせてしまったことはこの事件以前にはないという公式見解でありますから、本当に前代未聞、日本の近代政治史の中に特筆されるような事件が起きてしまったわけであります。
 その総括をどのように政府としてされるのかと思っていて、待っていたこの報告書でありますけれども、冒頭からして、どうもそういう事態の重大性に関する認識が弱いのではないかと思いました。
 「はじめに」のところで、「当委員会は、一連の名古屋刑務所事件により刑務官の逮捕が相次いだことなどを受け、森山法務大臣の指示に基づき、」「省を挙げて、これらの事件の原因の徹底解明など国民の不信を払拭するための所要の調査を行い、行刑運営の在り方全体を徹底して見直し、抜本的な再発防止策の検討・策定を目的として設置された。」
 ところが、その後なんですけれども、「当委員会では、森山法務大臣から、職員の人権意識の欠如が生じた原因、人事配置や人事異動の適否、」云々、こういったことについて徹底して調査せよという指示を受けたと書いてあるんですけれども、そもそも、大臣のリーダーシップ、そして内閣のあり方、そういったことから総括すべきでなかったのかと思うわけであります。
 したがって、例えば職員の人権意識の欠如が生じた原因というところに対応すれば、大臣の責任感の希薄さが生じた原因ということも追及の課題でありましょうし、人事配置や人事異動の適否については、内閣における大臣人事の適否といったこともありましょう。そうした大臣や内閣のあり方について、この中間報告ではきちんと調査検討対象にしていない、これはやはり不備ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
森山国務大臣 行刑運営に関する調査検討委員会の中間報告、今お読みになったものでございますが、これは、行刑改革会議におきまして、国民的な視野に基づいて、行刑制度改革のための議論、御提言をいただくためのたたき台といたしまして、一つの材料としてお出ししたものでございまして、一連の名古屋刑務所事件の原因や背景などについての調査の結果と行刑運営が抱える制度的、構造的な問題点を取りまとめたものでございます。
 もとより、私といたしましても、矯正行政の最高責任者といたしまして、一連の名古屋刑務所事件について重大な責任を感じているわけでございますが、今回の一連の事件は、行刑施設全般の運営における組織的、構造的な問題点が噴出したものであると認識しているわけでございます。
 そのため、矯正行政が国民の信頼を回復し、治安維持の最後のとりでとして健全に機能を発揮するためには、行刑制度の抜本的な見直しが不可欠であるというふうに考えまして、この中間報告は、そのような制度改革のための第一歩といたしまして、行刑運営の制度的、構造的な実情を取りまとめたものでございます。
達増委員 今の答弁の中でもうかがわれるんですけれども、人の問題というより制度の問題だという、そういう整理を政府としてやっているんではないか。実は、かなり、現場の刑務官を含め、異常な行動が重なって、そしてそれが本省幹部、そして大臣に至るまで積み重なった結果、そうでなければ起きなかったことが起きているというところをきちっと追及しなければならないと思います。
 そもそも、この調査検討委員会ができて、この報告を取りまとめるきっかけになったことを改めて振り返ってみますと、これは二月十四日の閣議ですね、ことしの二月十四日の閣議のときに、閣議後の閣僚懇ですね、閣僚懇で、法務大臣から閣僚に対しまして、行刑運営に関する調査検討委員会について、法務大臣コメントということで、二月十四日付のペーパーがあります。
 名古屋刑務所で発生した刑務官による受刑者致死傷事件により国民の矯正行政への不信感が高まっている中、云々と。この際、行刑運営のあり方全体の見直しに直ちに着手すべく、これに省を挙げて取り組むための体制を立ち上げるべきと考え、昨日、行刑運営に関する調査検討委員会を設置いたしました。ここで、行刑運営のあり方全体の見直しが必要なんだということで、制度の話になってしまうわけであります。
 ただ、このときの法務大臣コメントでは、その後の段落で、今後、同委員会を中心に名古屋刑務所事件の原因の徹底解明など国民の不信を払拭するための所要の調査を行うとともに、抜本的な再発防止策を検討、策定することとしておりますということで、この名古屋刑務所事件特有の人的問題についても無視はしていないということは書いてあるんですけれども、ともすれば、行刑運営のあり方全体の見直しという方にウエートが傾いてしまいますと、制度論の方に話が進んでしまって、なかなか、個別具体的な関係者の責任の問題ということがなおざりにされる危険がある。
 私、関係資料を読み返して、改めて驚いたのは、こういう話を閣僚懇で法務大臣がされた際、ほかの閣僚あるいは総理大臣がどういう反応をしたのかと思ったら、これこれこういう発言をいたしましたと、これは閣議後の記者会見で法務大臣が述べていらっしゃるんですけれども、こういう発言をいたしました、他にどなたからも発言なくすぐに終わりましたということだったんですね。これだけの、憲法の条文のあからさまなじゅうりんというべき前代未聞の事件に対して、閣僚懇での法務大臣の発言に対し、他にどなたからも発言なくすぐに終わりましたということ、これも非常に信じがたいわけであります。
 この中間報告、冒頭、「はじめに」のところで、「とりあえず、早急に実施すべき再発防止策として、革手錠の廃止、」云々、そういう早急に実施すべき再発防止策というものが書かれているわけですけれども、これは、大臣のみならず内閣全体の問題意識の低さ、責任感の希薄さからすれば、早急に実施すべき再発防止策として、私は、大臣更迭ないし内閣総辞職ということを訴えたいんですけれども、この点いかがでしょうか。
森山国務大臣 この一連の名古屋刑務所事件につきまして、その原因を調査解明しまして、万全の再発防止策を早急に講じなければならないということは、先生御指摘のとおりでございます。
 そこで、私は、再発防止策を講じるために、直ちに実行可能なことといたしまして、自分ですべての情願書を読むようにしたほか、省内に行刑運営に関する調査検討委員会を発足させまして、事件の原因解明と再発防止策の作成、検討を行わせているわけでございます。
 これまで同委員会におきましては、私の指示に基づきまして、六カ月以内に革手錠を廃止することなど、さまざまな再発防止策を打ち出しました。さらに、名古屋刑務所事件の原因に関しまして、行刑施設全体における組織的、構造的な問題もあったのではないかということに触れました行刑運営の実情に関する中間報告を行っているわけでございます。
 さらに、私は、国民の御理解と御支持のもとで行刑改革を進めるために、先日、民間の有識者から成る行刑改革会議も発足させたところでございまして、十四日から開始いたしております。この会議の御議論、御提言をも踏まえまして、法務省といたしましても、省を挙げて行刑改革を進めてまいりたいという考えでございます。
 これまで、大臣の責任のとり方について幾つかの厳しい御指摘を先生からもいただいてまいりまして、そのたびに私も、みずからの重い責任をかみしめ、胸を痛めたところでございます。しかし、私が果たさなければならない責務は、これまでの事件に対する真剣な反省のもと、強い決意を持って行刑改革の先頭に立つことであって、この重い責務を放棄することはできないと考えております。
 今の私の立場で申し上げるべきことは、万全の再発防止策を講じる責務はまずもって法務省にあって、その責任を全うさせるのは法務大臣である私の務めであるというふうに思っているわけでございまして、内閣総辞職につきましては、私から申し上げるべき事柄ではないと思います。
達増委員 今の答弁について質問させていただきますけれども、行刑問題というのは、実は、こういう事件がなくても改革の対象として検討すべきことだったと思うんですね。
 この中間報告を見ましても、この名古屋刑務所事件とまた別に、行刑運営の実情というのが非常に前近代的で、非合理的だということがわかるわけでありますけれども、小泉内閣ができたとき、この行刑運営というのは改革の対象になっていなかったですよね。泥棒を捕らえて縄をなうといいますが、本当に泥縄的に、こういう事件が発覚してから、急遽、制度改革の話を出してきている。
 小泉内閣では、去年の夏、夏休みの宿題と言われた、各大臣に対して、何か改革のネタはないか、材料はないか、改革すべきことがあればレポートを提出せよという夏休みの宿題がありましたが、法務大臣からは、この行刑運営の改革ということは出なかったと思います。
 そのように、改革を標榜する小泉内閣において、この行刑運営の改革ということが泥縄になってしまったことについて、どのように考えますか。
森山国務大臣 法務省は、内閣が発足した当時、非常に大きな司法制度改革という命題を既にもう持っておりまして、発足の一年ほど前に既に審議会がスタートいたしまして、内閣ができましたときには、その答申をいただき、この方針に従って司法制度改革をやろうということを着手したばかりでございました。したがいまして、昨年の夏休みの時点では、これを一生懸命にやるんだということで、新たなものはそれにつけ加えなかったのでございますけれども、今から考えてみますと、確かに行刑改革も、この事件に限らず、前から見直すべき問題であったということはおっしゃるとおりだと思います。
 それは、法務省の人々も昔から問題だと考えていることが幾つかございまして、例えば、明治四十年でしたか、そのころにできました法律を今もなお根拠法としているということはいかにもおかしいということで、何度か、その改正をするべく、監獄法の改正について国会にもお諮りしようとしたはずでございますが、それが残念ながら思うように実りませんで、今そのままになっているわけでございます。今考えれば、その司法制度改革の中にその問題も入れるべきであったのかもしれませんけれども、ちょっと、内容というか性質が違うものでございますので、司法制度改革の中にはその部分は入りませんでした。
 しかし、その後、一連の事件が起こりまして、やや遅まきながら、私どもは、司法制度改革はもちろん重要でございますが、それとあわせてこの行刑改革もしたいというふうに考えております。
達増委員 やるべきだったことを当初手をつけていなかったのは、そういう責任もあるということを指摘させていただきたいと思います。
 さて、この中間報告は、名古屋刑務所事件について、三つの事件についてもそれなりの調査を踏まえた報告をしておりますので、それに即してまた質問をさせていただきますけれども、まず十二月事件であります。
 この十二月事件について、「(9)法務大臣への報告の経緯」というところがありまして、平成十四年十月下旬ごろ、矯正局長は、法務大臣に、保護房収容後の被収容者、ここでの受刑者Xも含まれていた、の死亡事案の資料を国会議員に提出する旨報告した際に、受刑者X、この十二月事件での死亡者ですけれども、名古屋刑務所から、自傷行為による腹膜炎で死亡したものである旨報告を受けていると報告した。矯正局長からこの受刑者Xが死亡していたことの報告は受けていたということであります。
 しかしながら、結局、その後、それが事件性のあるものとは大臣は認識されないまま年を越え、二月の十二日に初めて、刑事局長から、消防用ホースを用いた放水による暴行ということを報告を受けて、そこまでは事件性について明確に認識しないままだったということなんですけれども、これはやはり、当時、自傷行為による腹膜炎というのはあり得ないんじゃないかということが、国会質問あるいは国会周辺でのさまざまな議員の議論で指摘されていたわけであります。十月の終わりから十一月、十二月と、衆参の法務委員会で、この事件についての質問もあったわけであります。
 したがって、このことについて、これはちょっと調べてみないとまずいのではないか、さらに報告を求めないとまずいのではないかと、事件性について大臣は疑ってしかるべきだったと思うんですけれども、いかがでしょうか。
森山国務大臣 おっしゃるとおり、平成十三年十二月の事件につきましては、昨年、つまり十四年の十月下旬ごろ、矯正局長から、保護房に収容していた被収容者の死亡事案等を調査した結果を資料として、国会議員のお求めに応じて資料を提出いたしますという旨の報告を受けましたときに、あわせて、この事案については、名古屋刑務所から自傷行為によると思われる死亡事案との報告を受けているという旨の話がございまして、さらに、壁に汚物を塗りつけるなどの異常行動もある人だったという話を受けましたので、当時はそのように認識しておりました。
 その後の検察による捜査によって、本件が、自傷ではなくて消防用ホースによる放水を行うという暴行によって引き起こされたものであるということがわかったわけでございますが、ことしの二月に職員が逮捕されるまでは、まさかそのような暴行がなされたとは想像もいたしておりませんでした。
 いずれにせよ、非常に私のような凡人の神経では想像もつかないようなことが起こっていたものでございますから、私といたしましては、それ以上のことを自分でさらに疑うというようなことが及びませんで、おっしゃるように、まことに残念ながら、そのような事態になったということは申しわけないと思っております。
達増委員 この十二月事件に先立って明らかになったのは五月事件と九月事件なんですけれども、五月事件について、中間報告によれば、五月の末ころ、「矯正局長は、法務大臣に、本件に関し、名古屋刑務所で保護房に収容し革手錠を施用していた被収容者が死亡したこと、司法解剖が行われ、今後も、検察庁による捜査が引き続き行われることとなったことなどを報告したが、職員の不当な暴行により死亡したのではないかと疑わせるような事情の報告はなされなかった。」と。
 五月事件については、その同じ月の末に、死亡については法務大臣に報告が上がっているわけですね。革手錠を施用していたということも、そのときに報告されている。職員の不当な暴行により死亡したというような報告はなかったということなんですが、一方で、この段階で、死因は不詳、つまびらかではなかったわけですね。死因が不詳で、革手錠を使っていたというか、使わせられていた被収容者が死亡したことについて、これはもう少し問題意識を持って、どうなっているのか調べさせるということはあってしかるべきだったんじゃないでしょうか。
森山国務大臣 平成十四年の五月の事案につきましては、当時の矯正局長から、当該死亡の数日後に、名古屋刑務所で保護房に収容し革手錠を使用していた被収容者が死亡したこと、司法解剖が行われ、今後、捜査機関による捜査が引き続き行われることになったこと、同事案については、死因が現在不詳であるため、既に名古屋刑務所長から名古屋地方検察庁に通報の上、捜査を依頼しており、公正な第三者的立場からの捜査によって死因等の事実が明らかにされるのを待ち、その結果を踏まえて、必要に応じて所要の措置を講ずることにしたい旨の報告を受けました。
 このときは、私は、革手錠という言葉を聞いたのもこのときが初めてでございましたし、非常に、一応犯罪性を疑われたわけでございますが、重大な問題だということを感じたわけでございます。それ以上に、死亡が職員の不当な暴行によるものではないかと疑わせるような事情は、報告は特にございませんでした。そのため、このときは、遺憾ながら、公正を期すため第三者的な立場である検察当局のその後の捜査によって死因等の事実が明らかにされるのを待ちまして、捜査結果を踏まえて必要に応じて所要の措置を講じることで足りるというふうに考えたのでございます。
達増委員 この五月事件の段階で素早い的確な対応がなされていたら次の九月事件というのは起きていなかったと思うんですけれども、九月事件であります。
 この場合、この九月事件のときには、事件が発生して直ちに矯正局長から法務大臣に報告があり、これは、革手錠を使わされていた受刑者が入院、病院に移送され、手術が実施された、腹腔内出血の疑いが認められた、そういった報告があり、そして、法務大臣はその後、名古屋刑務所から名古屋地検に捜査を依頼するよう指示を出しているんですね。法務大臣の指示に基づき、矯正局から名古屋刑務所に対し、名古屋地検に捜査を依頼するよう指示がなされた。
 この九月事件の発覚によって一連の名古屋刑務所事件というのは表ざたになっていくきっかけになったわけでありますけれども、この時点で、まず五月事件について、実はこれもそうだったというふうに気がつくべきでありましょうし、また、この九月事件発覚の後に十二月事件は発覚しているわけでありますから、その十二月事件についても、これも何かとんでもないことが起こったのではないかと敏感に反応、対応していくことが必要であったと思うんですけれども、この点はいかがでしょう。
森山国務大臣 昨年の九月三十日ごろ、平成十四年九月事案につきまして、矯正局長から、保護房収容中の受刑者に革手錠を使用していたところ、容体が急変し、外部の病院に搬送の上手術を実施する事案が発生いたしましたという報告を受けました。
 この時点では、既に平成十四年五月の事案について、名古屋地検において捜査を継続中である旨を承知しておりましたので、同一の刑務所においてこのような案件が続いたということから、矯正局長に対しては管理体制も含めて事案の発生当初から非常に厳しく調査を徹底した方がいい、しなければいけないということを申しましたし、九月の事案についても、名古屋地方検察庁に捜査を依頼し、これに全面的に協力するようにということを申しました。さらに、九月の事案と五月の事案をあわせて公表するということを指示いたしたものでございます。
 この時点におきましても、五月の事案について明らかに犯罪性があるとまでは感じておりませんでしたが、それまで以上に五月の事案を心にかけるようになったことは否定できません。
 なお、この時点では、十二月の事案については、そのような死亡事案があるということ自体は承知していなかったのでございます。
達増委員 では、その十二月事件との関連について伺いますけれども、先ほど十二月事件について、十月下旬ごろ自傷行為による腹膜炎という報告を受けた際、それが何かとんでもない恐ろしいことだとは想像が及ばなかった、凡人であるのでそういう恐ろしいことには想像が及ばなかったと答弁されましたけれども、しかし、その報告が上がるのは十月下旬。
 その前に、九月時点でこの九月事件というのが表ざたになり、五月事件との関連で名古屋刑務所でとんでもないことが起きた、そしてこれは起きているかもしれないわけでありまして、そういう九月事件、五月事件に対する今答弁された対応の仕方からかんがみますと、どうしても十二月事件について、十月下旬、報告を受けたときに、それについて想像が及ばなかったというのは理解しがたいんですけれども、この関連についてはいかがでしょう。
森山国務大臣 先生が御指摘になるようなことを一つ一つ考えてみますと、私も非常に不明であり行き届かなかったということを深く反省するわけでございますけれども、この名古屋刑務所における一連の事件につきましては、職員も人権意識が必ずしも十分ではなかったのではないかというふうに思います。
 このような人権意識の欠落を招いた要因といたしましては、「行刑運営の実情に関する中間報告」においても指摘しておりますとおり、職員と被収容者との間の権利義務関係が法律上明確にされていないこととか、外部との交流が乏しくて独善的な傾向に陥りかねない行刑施設の職員の人事施策など、矯正行政全体にかかわる問題が多分に影響していたのではないかと思われます。
 私が内閣全体について申し上げることはできませんけれども、法務行政の最高責任者としての責任につきましては、私は大変重く受けとめておりまして、もっと早く積極的な指示や指導ができなかったのかなということを非常に残念に思っております。
 私といたしましては、今回のような事態が決して二度と起きないようにするということが大変重要であると考えております。
達増委員 今の答弁に関連して伺いますが、中間報告、「第4 名古屋刑務所の三事件の分析」という中で、なぜこういうことになったのかという分析の中で、「1 人権意識の欠落」というところがあります。
 この「人権意識の欠落」のところ、今大臣が紹介されたところのほかに、こういう記述がございます。
 幹部職員においても、十二月事件では受刑者が死亡するに至った経緯に疑って然るべき点が少なくなかったにもかかわらず、また、五月事件では不適正な革手錠の使用があることを疑いながら、人の死という重大な結果が生じたこれらの事件の解明や防止策の策定に真剣に取り組んでいたとは到底認められない状況にある。このような事実に照らせば、人権意識の希薄さは、職員全体に広くみられたというほかはない。
これは、この「幹部職員」というのを法務大臣に置きかえても、法務大臣においても、十二月事件では受刑者が死亡するに至った経緯に疑ってしかるべき点が少なくなかったにもかかわらず、また、五月事件では不適正な革手錠の使用があることを疑いながら、人の死という重大な結果が生じたこれらの事件の解明や防止策の策定に真剣に取り組んでいたとは到底認められない状況にあると、ぴったり当てはまると思うんですが、ここで言う「人権意識の希薄さは、職員全体に広くみられた」という「職員全体」の中に法務大臣も含まれているという理解でよろしいでしょうか。
森山国務大臣 大変残念ながら、私はこの世界について非常に詳しいわけではございませんで、知識経験が十分ではなく、さまざまな報告を受けてその中から敏感にある問題性を感じ取って反応するということが十分でなかったということはおっしゃるとおりだと思います。
 それが人権意識の希薄さであるとおっしゃられればそれは認めざるを得ないというふうに思いますが、こういうことが二度とないように、今度は心を改めて、厳しく再発防止のために努力していかなければいけないというふうに申し上げておきます。
達増委員 もう少しこの中間報告に即して伺いますが、今のこの「名古屋刑務所の三事件の分析」という章の四には、「閉鎖的傾向」というのがありまして、例えば、これは二十七ページの一番下の段落なんですが、「他方、報告を受けて適切な指示などを行うべき立場にある施設の幹部や矯正管区・矯正局の姿勢にも問題なしとしない。」
 これもやはり、この「幹部」や「矯正局」というのを大臣と置きかえて読みますと、例えば、十二月事件では、大臣は、死亡した受刑者がみずから指を肛門から挿入して直腸を傷つけたという報告に何ら疑問を抱かず、また、五月事件では、大臣は、不適正な革手錠の使用を疑いながら、真剣に事案の解明に努めていないというふうに読めるわけで、読んでもぴったりくるわけであります。
 そして、最後の段落で、「このように、施設の幹部や矯正管区・矯正局には、身内意識などから、報告を鵜呑みにしてしまう傾向がうかがわれ、また、報告中の矛盾点や疑問点を探索して真相を解明しようとする姿勢に欠けているといわざるを得ない。」
 この結論部分も大臣という言葉に置きかえてみますと、大臣には、身内意識などから、報告をうのみにしてしまう傾向がうかがわれ、また、報告中の矛盾点や疑問点を探索して真相を解明しようとする姿勢に欠けていると言わざるを得ない。
 これも、大臣というのを当てはめて読んでも、この報告として成り立つというふうにお考えでしょうか。
森山国務大臣 先ほど申し上げましたように、私の未熟なことから、必ずしも先生御指摘のような問題について必要な反応を示さなかったということは、もう十分深く反省しております。
 ただ、一番最後のところの、「報告中の矛盾点や疑問点を探索して真相を解明しようとする姿勢に欠けている」というところは、少なくとも現在の私には当てはまらないというふうに申し上げざるを得ないというふうに思います。
達増委員 そこは、具体的にはどのような反証を挙げることができるのでありましょう。どういうところでちゃんとそういう姿勢があると、具体的に伺いたいと思います。
森山国務大臣 この中間報告をまとめました当面の対象である行刑改革会議というものを、四月の十四日、第一回の会合をスタートいたしまして、そこで聖域なくこの問題について、それぞれの御専門的な、あるいはまた民間の有識者としての良識を持って十分に議論をしていただきたいということを申し上げまして、それを皆様踏まえてこれからやっていただこうということになっております。
 また、その前に省内で、それと関連して省内の問題整理のためにつくりました調査検討委員会におきまして、いろいろ職員の皆さんとも話をしまして、私自身で今すぐできることはすぐにやろうということから情願を自分で見るということを決めたり、あるいは革手錠をできるだけ早くなくす、やめるということも決めましたし、その他幾つかのことを決定いたしまして、早速実行しているところでございます。
達増委員 これは二月でしたか三月でしたか、予算委員会でも私は伺った質問なんですけれども、これは名古屋刑務所じゃなくても結構なんですが、保護房というものを実際ごらんになったか、また革手錠というものを実際にごらんになってみたでしょうか。
森山国務大臣 それまでも何カ所か刑務所を視察いたしましたので、そのときに保護房を見たのではないかとそのとき御返事申し上げたような気がしますが、先日、名古屋刑務所に参りまして、そのときは保護房を訪ねて、中にも入りまして自分でもその感じをつかみ取ろうといたしましたし、また、革手錠もそのとき、あるいはその前も見まして、どういうものかということを確認いたしました。
達増委員 この中間報告の最後、「第8 おわりに〜行刑制度改革実現に向けての課題」という締めくくりの文章なんですけれども、ここに挙げられている諸課題なんですが、非常に現場に近いところの「職員と被収容者との新しい関係の在り方」ということに始まり、「人的物的体制の整備」というところで終わるのでありますが、非常に現場のあり方についての課題なんですね。
 ですから、総括をしていく作業の中で、最後、結局、大臣やあるいは広く内閣の行政のリーダーの責任、リーダーシップのあり方ということからどんどん離れて、これを自然に読んでいくと、結局問題は現場なんだなというふうな印象を持って中間報告を読み終えてしまうようになっていまして、もう少し最後のところで、リーダーシップの問題、内閣やその一員である大臣の覚悟の問題でありますとか、また内閣としてのチームワークの問題でありますとか、閣議で議論していないんでしょうけれども、閣僚会議ですら、この問題について内閣として真剣に議論した形跡がないのは非常にゆゆしいことだと思いますので、こうしたことについて、そういう内閣のあり方も含むリーダーシップの問題ということをやはり課題として総括しなきゃならないと思うんですが、いかがでしょう。
森山国務大臣 今、先生がおっしゃいました中間報告の「おわりに」というところに書いてあります課題は、ここに書いたものは七つございまして、一が「職員と被収容者との新しい関係の在り方」、二が「被収容者の法的地位及びその救済申立制度の在り方」、三が「職員の人権意識の改革の方策」、四「過剰収容下における行刑処遇の在り方」、五「職員の執務環境の改善」、六「医療体制の在り方」、七が「人的物的体制の整備」というのでございます。
 これは現場の問題だなというふうに思うと先生がおっしゃいましたけれども、確かに現場の問題ではございますけれども、しかし、基本的にこれらに取り組んでその条件を整備していくのは、まさに法務大臣の仕事ではないかというふうに思います。
 例えば、七つすべてみんなそうなんですけれども、例えば「過剰収容下における行刑処遇の在り方」というのを一つ取り上げましても、過剰収容を少しでも解決しようということで予算を確保し、その体制を整えて、及ばずながら少しずつ改善していこうという努力は、十四年度の補正予算のときから、おかげさまでかなり形に出てきておりますし、それではもちろん十分ではございませんが、さらにこのようなことを続けていかなければいけない。
 そういうことを、関係各省を説得して財政を確保してそういう仕事を進めていくというのは、まさに法務大臣の仕事であろうというふうに思いますし、そのほかの項目につきましても、それぞれどの項目についても法務大臣としてやらなければならない重要な課題だと私は考えております。
達増委員 この行刑改革会議が議論し、また、その提言を受けて行刑改革をやっていくという作業については、普通であれば新しい大臣がやるんじゃないかと思うんですね。これは、名古屋刑務所事件という個別具体的な事件の総括ということと行刑運営の全般的見直しということと、ごっちゃになっちゃうと、まずいと思うんですよ。
 やはり名古屋刑務所事件についての責任があるリーダーというものは、それはそれでけじめをつけるべきものであって、行刑運営全般の見直しについては、また新しい人が、あるいは新しい内閣がやってもいいと思っているんですけれども、やっていく。
 私は小泉内閣には設立当初からいろいろ文句をつけてきてはいるんですけれども、結果として、曲がりなりにも、外務省改革については、機密費事件などが発覚したり、あるいは行われ、それを見逃してきた河野洋平大臣のもとではなく、田中大臣をすっ飛ばして、今、川口大臣のもとで外務省改革が取り組まれているわけです。BSE問題についても、武部大臣ではなく、これもまた一人すっ飛ばして、大島大臣もなぜかすっ飛ばされるわけですけれども、また次の人が谷垣大臣と一緒に食の安全の問題について取り組んでいる。
 やはりそういうけじめというものは小泉内閣においてもある程度あるのであって、この行刑運営についてもそういうけじめを内閣としてつけられた方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
森山国務大臣 内閣全体の問題については私からお答えするべきものではないとは思いますけれども、いずれにいたしましても、矯正行政の最高責任者といたしまして、行刑施設が治安維持の最後のとりでであるということを考えますと、この機能を健全に発揮するためには行刑制度の抜本的な見直しが不可欠である。私は、今後とも改革の先頭に立ちまして、矯正行政に対する国民の信頼回復に向かって全力を尽くしていきたいと思います。
達増委員 では、時間ですので終わります。
山本委員長 この際、休憩いたします。
    午後二時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五十三分開議
山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。木島日出夫君。
木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 四月一日、四月九日に続きまして、名古屋で起きた暴行陵虐事件に関して質問をいたします。
 先日四月十六日に、当法務委員会では、名古屋刑務所を視察調査いたしまして、その足で、十二月事件の被告人の一人であります高見昌洋刑務官から直接に事情を聞く機会がありました。そこで明らかにされたんですが、被害受刑者に対して消防用ホースを用いて放水して暴行したのは、この問題の平成十三年十二月十四日が最初ではなく、五回目であったと、驚くべき陳述が私ども調査団に対してなされました。日にちを具体的に特定します。高見刑務官からの発言によりますと、平成十三年十一月二十八日、十二月五日、十二月十日、十二月十三日、そして五回目が問題の十二月十四日だとのことであります。
 法務省矯正局にお聞きをいたします。この事実を把握しておりますか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 矯正局におきましては、その事実は把握しておりません。
木島委員 大臣、どう思われますか。
森山国務大臣 矯正局長が申し上げたとおり、承知していなかったのだと思いますが、もし詳しくさらに調べればわかったのかもしれないと思います。
木島委員 私は、今の矯正局長の答弁と大臣の答弁は、それだけであなた方は失格だと思います。皆さんが当委員会に出した「行刑運営の実情に関する中間報告」、当委員会、国会に対して出した報告をあなた方は読んでくださいよ。十ページ、「最終の保護房収容と消防用ホースによる身体への放水」、いろいろあります。
 いいですか、十ページの下から七行目、前段いろいろありますが、読んでみますと、「そのため、同月」これは十二月です、問題の月です。
 同月十日から同月十三日までの間、乙丸副看守長らは、連日、共同で、消火栓の開栓、保護房の開扉、消防用ホースによる放水、受刑者Xの転房のための措置などの役割を分担をした上で、受刑者Xが在室している保護房に消防用ホースによる放水を行った。その手順は、日により異なる点もあったが、まず、保護房の扉を開き、すぐに消防用ホースで房内に放水して受刑者Xを威嚇し、その後、房内に入り、衣服を脱がせた上で、放水するというものであった。その際、受刑者Xの身体にも直接消防用ホースの水がかかることが一度ならずあり、乙丸副看守長においては、意図的に受刑者Xの身体に直接放水することがあった。
あなた方は、調査の結果、こういう報告書を我が委員会に出しているじゃないか。これを知らないなんという矯正局長の答弁、それを後押しする法務大臣の答弁は、その答弁で、私はあなた方は失格だと思います。とんでもない答弁ですよ、これは。
森山国務大臣 この報告書は読みまして承知いたしておりますが、その当時知らなかったという意味ではないでしょうか。
木島委員 今把握していますかと私は質問したんですよ。
森山国務大臣 それでありましたら、これを読みまして把握いたしております。
木島委員 あなた方は、この間、この問題を調査したんでしょう。その調査の結果、この報告書を出したんでしょう。
 だから、では、改めて聞きますよ。今、私どもは四月十六日、委員会が全部、与野党ともに刑務所を調査しまして、たまたまその日、高見刑務官から事情を聞く機会もありまして、本人から、本人の記憶です、ですから真実かどうかわかりません、本人の記憶として、五回ホースで水を受刑者にかけた。十一月二十八日、十二月五日、十二月十日、十二月十三日、十二月十四日であると本人から文書で私どもいただいています。事実ですか。現在の調査状況を聞いているんです。
大林政府参考人 お答え申し上げます。
 中間報告につきましては、私どもでまとめたものでございます。今委員から、日にち、回数等についてお尋ねがございました。
 今委員の御指摘がありました中間報告の十ページでございますが、この回数からいきますと、私どもが把握している問題では、花岡首席矯正処遇官の指示後間もなくという形からスタートしておりますので、私どもの把握では、十一月下旬、それから、そこの次の行の十二月初旬、それから十日から十三日までの間、それから犯行日の十四日、こういうふうな形になろうかと思います。
木島委員 ちょっと日にちを特定していただけませんか。
大林政府参考人 繰り返しになりますけれども、まず、十一月下旬……(木島委員「いや、日を特定してくださいと言いました」と呼ぶ)それは私の方では、ちょっと日にちまでは把握しておりません。今中間報告に書いてある記載のとおりでございます。
木島委員 こんな不誠実な調査結果の報告というのはないんじゃないですか。私どもは、たった一回ですよ、一時間足らずでしょう、高見さんと会って聞いて、日にちを特定できるんですよ。あなた方はずっと調査を続けたんでしょう。日にちを特定できないはずがないじゃないですか。
 私はなぜ五回の日付を注目しているか、言います。高見刑務官から我々が知らされた五回の日付は、まことに注目に値する日です。それは、この五回の日付がいずれも保護房収容中であるのはもちろんですが、それだけではないんです。私が法務省からいただいて、本年四月一日の質問で委員の皆さんに配付をした十二月事案の革手錠使用状況の日付とぴったりと一致するんです。この十一月二十八日、十二月五日、十二月十日、十二月十三日、十二月十四日、この日はいずれも革手錠が使用された日と符合する。だから、私は日付を言ってくれと言っているんです。そうじゃないんですか。
大林政府参考人 この中間報告につきましては、刑事局等からの報告を中心としてまとめたものでございます。私どもの方で把握しているのは、今申し上げたとおりでございます。
木島委員 あんな答弁ですから。もう一致しているんです。私は四月一日に資料を皆さんに配付して、資料1―1、法務省が私に下さった資料で、十二月事案の革手錠使用開始の時刻まで明記したものをいただきましたから、それは皆さんに配付しています。その日取りと全くぴったり一致している。
 次に、では聞きましょう。消防用ホース放水によって死亡につながった十二月十四日の放水についてです。
 高見刑務官は、当日、実行に関与した刑務官の数は、記憶にあるのは九人だと我々におっしゃりました。看守長二人、副看守長三人、看守部長三人、主任看守一人だということでありますが、その一番偉い看守長の二人のうち、一人は舎房区の代理統括だった、もう一人の看守長は警備隊長だったと明確に我々に報告をしてくださいました。
 そこで、お聞きをいたします。皆さんの中間報告の中に、資料1―1として組織図が書かれております。名古屋刑務所長を一番上にして、次には「処遇部長」の欄、その一つ下の欄には「首席矯正処遇官」の欄、その一つ下には、「(警備)」のところには例えば「統括矯正処遇官」の欄、その一つ下のランクに「(警備)」として「主任矯正処遇官 乙丸幹夫」、もう一つ下の「職員」の欄には、今被告になっている高見昌洋らが書かれている。六段階にランクが書かれているんです。
 そこで、質問をいたします。
 高見刑務官が我々に話してくれた二人の一番偉い看守長、代理統括と警備隊長という言葉が使われましたが、この表のどのランクに属する人か、答弁願います。
横田政府参考人 お答えいたします。
 名古屋刑務所に取り急ぎ確認いたしましたところ、委員御指摘の舎房区の代理の統括と申しますのは、名古屋刑務所の独居房、病舎等の担当である統括矯正処遇官、第六担当が不在であるときにその代理を務めることとされている、経理工場を担当する統括矯正処遇官、第五担当であると思われます。委員が御指摘の表の真ん中あたりのところですね、「(経理工場)」というところがありまして、「統括矯正処遇官(第五担当)」という欄がございますが、そこの人が代理と言われている人と思われます。
 それから、お尋ねの警備隊長でございますが、これは、同刑務所におきまして施設全般の警備や規律違反行為の取り調べなどを行う統括矯正処遇官、第二担当の統括矯正処遇官でございますので、このお示しの表の真ん中あたりの上から二つ目の、「(警備)」というふうに括弧で書いてございますが、そこの担当の者でございます。
木島委員 ありがとうございました。
 本件事件で起訴されているのは、乙丸幹夫と、幇助犯である岡本と高見であります。しかし、私ども、現場へ行って放水実験もしてみました。三人だけでできる仕事でないことは明々白々であります。消火栓にホースをつなぎ、その長いホースを受刑者がいた舎房まで持ってき、そして二人が押さえ、一人がホースで水をかけるという仕事であります。水の栓もあけ閉めが必要であります。
 そこで、これは刑事局長に聞きますが、一番偉い二人、看守長クラス、これらも関与していたことは明々白々。しかし、なぜ三人しか起訴しなかったんですか。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 被告人三名を除きましては、共犯者として犯罪の嫌疑が認められる者はいなかったというふうに承知しております。
 以上でございます。
木島委員 一つの行為を九人でやったんじゃないでしょうか。私は、もう共謀共同正犯以上に、高見と岡本が幇助なら、ほかの人たちもみんな幇助に何でならないんでしょうか。まあ、疑問だけ指摘をして、次の質問に移ります。
 少なくとも看守長二人を含む九人が平成十三年十二月十四日に関与して、そのうち、直接水をかけたのは一人、受刑者の足をしっかり押さえたのは二人であることは事実ですが、実際、九人の刑務官が関与していたんじゃないかと我々は事情聴取の結果確信をしておるんです。その事実、法務省矯正局はつかんでいますか、今。
横田政府参考人 お答えいたします。
 矯正局としては、承知しておりません。
木島委員 大臣、信じられないですね。大臣も現場を見ているでしょう。消火栓から長いホースを持ってきて水を引く、そしてそれを受刑者がいた舎房に持ち込む、二人が取り押さえる、一人が水をかける。とても三人でできる仕事じゃないんですよ。
 今、九人だということを、我々は調査の結果、ここで私は披露しました。調査していない。こんな調査があっていいんですか、大臣。大臣が調査を命じて我々に報告書を出してくれたんじゃないですか。こんな調査というのは、大臣、ありますか。
森山国務大臣 お尋ねの件については、現在公判において審理中である犯罪事実に密接に関連することでありますので、御要請の調査を行うことは必ずしも適切ではないと考えております。
木島委員 今の答弁は私は納得できません。法律家としても納得できません。委員長も法律家であります。
 公判で、三人の犯罪事実の有無、真実が何かは別問題です。ほかに六人いたじゃないかということは公判には何ら関係ないことです。まさに矯正行政が問われている。しかも、私が言ったように、幹部が関与していた。その幹部について調べもしていないという答弁です。私はそんな答弁は納得できないし、答弁拒否の理由にはならぬと。刑事事件にさわろうとしているものでは全然ない。
 委員長、理解できると思うんです。答弁させてください。
山本委員長 矯正局長、答弁ください。
横田政府参考人 お答えします。
 委員のお尋ねは、矯正当局として知っていたかどうかというお尋ねでございましたので、承知しておりませんということであります。
木島委員 いや、今調査して結果を。昔知っていたかどうかは聞いていない、今。
 答弁のいかんによっては、当時知っていたかどうかこれから聞きたいとは思うんですが、まず今、調査結果、どこまでつかんでいるのか報告せいというんです。
横田政府参考人 お答えいたします。
 私ども矯正当局といたしましては、調査結果によれば、十二月事件の放水の現場に乙丸副看守長、岡本副看守長、それから高見看守部長ら、舎房区及び警備の担当職員がいたものということで承知しております。
木島委員 こんな程度の調査なり調査の姿勢でつくられた報告書を我が委員会が受け取って、これでまじめに審議するなんというのは、私は国会を愚弄するものだと思いますよ。質問を続けられないですよ、こんな答弁では。
 しかも、そういう消防用ホース事件に何人関与したかなんて一切これに書いていない。三人の名前、三人しか書いていない。こんな調査報告、我々法務委員会が、真実を明らかにするべき法務委員会ですよ、人権を守るべき法務委員会ですよ、刑務行政、矯正行政がどう行われているのかを明らかにすべき任務のある委員会が、こんな程度の報告書をもって私は審査できないと思うんです。いかがでしょう。
大林政府参考人 調査報告の十ページ、中間報告の十ページに書いてありますけれども、一番最後の末段でございます。十日から同月十三日までの間、乙丸副看守長らは、連日、共同で、消火栓の開栓、保護房の開扉、消防用ホースによる放水、受刑者Xの転房のための……(木島委員「それはさっき私が読んだ」と呼ぶ)おっしゃったところですね。
 それで、先生がおっしゃる、捜査との、あるいは公判との限界というのは非常に微妙でございますが、ここで私どもが言っているのは、確かに、先生がおっしゃるような三人でできるものではないという認識、分担しているということがここに記載してあります。その程度で御理解いただきたいと思います。
木島委員 そこまで認めたら、何人でやった、一番偉い人物は看守長だったというものを書いたらいいじゃないですか。だから、私は、これは組織的な事件であり、むしろ組織的な隠ぺいだったんじゃないかということを問題にしているんです。河村さんとちょっと問題意識が、角度が違う。
 では、もうちょっと深めていきましょう。我々の事実調査によりますと、高見刑務官の話によりますと、十二月十四日午後二時ころ、九名の刑務官らは、名古屋刑務所処遇棟内にある事務室で、舎房区や警備隊の上司から受刑者の転房の指示を受けたという。しかも、この日が初めてでなく、さっき言ったように、短時日の間に五回目というんです。しかも、看守長という幹部刑務官も関与しておると。
 これは、法務大臣、法務大臣の感想を聞きます。これは、消防用ホース水を受刑者に放水することが、事実上、懲罰の一つの方法として行われていたんじゃないか、しかも名古屋刑務所の組織として容認されていたんじゃないかとうかがわせる事実ではないかと私は思っているんですが、法務大臣、どうでしょう。
森山国務大臣 この保護房に入っておりました者が保護房の中を非常に汚すようなことをしておりましたので、それをきれいに清掃しようという意図であったと聞いております。
木島委員 私は、さらに、では皆さんからいただいた資料との符合関係、ちょっと指摘したいと思うんです。
 十一月二十八日、十二月五日、十二月十日、十二月十三日、十二月十四日、五回にわたって高見刑務官らは受刑者に水をかけたと我々に言いました。実は、十二月八日以降の保護房の状況、視察表その他、また保護房収容書きとめ簿及び視察表なるものは、私は法務省からいただいて手元に持っておるんです。改めて私はこれを全部目を通してみました。高見刑務官が我々に言った十二月十日は実際どういう記入になっているだろうか、十二月十三日はどうだろうか、十二月十四日はどうだろうか。大変な事実も私は今発見しつつあります。
 それは、私どもにいただいた、保護房収容書きとめ簿というのを皆さん方法務省から私いただいていますね、この前の資料提出。それになかなか重要な文書もあるんですよ。保護房収容書きとめ簿。
 この受刑者について、平成十三年十二月十日午後一時四十七分、第何室へ転室と書いてあるんです。転房したことがここに書き込まれているんです。それから、翌平成十三年十二月十一日午後三時十八分、第何室へ。転房の事実がここに書き込まれています。それから、平成十三年十二月十二日午後三時十五分、第何室へ転室と書き込みがあります。平成十三年十二月十三日午前十一時三十九分、第何室へ転室と書き込みがあります。そして、問題の最後の日、平成十三年十二月十四日午後三時二十八分、午後二時二十分、第何室へ転室という書き込みがあります。いいですか、十二月十日、十一日、十二日、十三日、十四日、毎日毎日保護房をかえられているんです、この受刑者は。転房させられているんです。
 それで、私は、それに見合う視察表を、十五分ごとにずっとついてありますから見てみました。そしてもう一つ、ビデオカメラを見ていた人が記入する処遇票も全部見てみました。それに符合するんですよ。そうすると、まさに転房したときに水をかけたんです。
 なぜ転房するんですか。汚物で受刑者が居住していた保護房が汚されたからこそ、まずホースを持ち込んで水をぶっかける。そして、高見刑務官が我々に言うには、そのとき受刑者に目がけて水をぶっ放したとも彼は言ったんですが、まさにそういうときに転房させるんでしょう。そうすると、皆さんが私にくれた保護房収容書きとめ簿から推測されることは、まさに毎日毎日、転房の時刻にホースで受刑者に水をぶっかけたということが私は読み取れると思うんです。そういう調査はしましたか。
大林政府参考人 委員御指摘のような状況じゃないかと私ども考えております。
木島委員 大変重大な答弁が出ました。
 では、そういう水をかけたということが、私は改めて視察表や動静視察表、全部見ましたが、一言もホースで水をかけたということの記載がありません。つくりかえたんじゃないですか。
大林政府参考人 そのような記載がないことは御指摘のとおりでございます。
木島委員 質問に答えてください。我々に提出した視察表や処遇票はその部分がつくりかえられていないか、そういう疑いを持って調査しておりませんか。
大林政府参考人 私どもの知る限りにおいて、つくりかえられたというような、そのような証拠はございません。
木島委員 では、もう一つ重大な事実を指摘してお聞きしておきましょう。
 保護房収容書きとめ簿なるものは、先ほど言いました転房の時刻までが明確に記入されていますね。これは真実だと思うんです。この大事な文書には大変重大な記述があります。所長の押印があるんです。処遇部長の押印があるんです。一部、処遇首席の押印もあるんです。
 これは、保護房収容書きとめ簿というのは、担当者が記入をして、まず指揮者が見て判を押す、処遇首席が見て確認して判を押す、処遇部長が確認の判を押す、そして最後は名古屋刑務所長久保さんが確認をして判を押す。それでつくり上げられた書きとめ簿であることは間違いないですね。
横田政府参考人 間違いございません。
木島委員 そうすると、名古屋刑務所長はすべてお見通しだった、転房の事実もお見通しだった、転房の時刻もお見通しだったということになるのではありませんか。
横田政府参考人 所長にはこの書きとめ簿だけが上がってまいりますので、これに記載されている事実を承知したというふうに考えます。
木島委員 当法務委員会に提出された、平成十三年十二月八日から十二月十四日までの保護房収容書きとめ簿及び視察表という文書をずっと読み返してみますと、もう一つ大変な事実も浮き彫りになります。
 実は、十二月十日午後一時四十七分、転房した時刻ですが、このときには六人の刑務官がその部屋に入り込んだという言葉が書き込まれています。それからもう一つ、平成十三年十二月十二日、問題の日の前々日、午後三時十五分のこの視察表の中には、そのときは七人の刑務官が関与したと、人数が書いてあるんですよ。
 そうするとやはり、十二月十四日、高見刑務官は我々に、九人が関与したということを話していただきましたが、前々日の十二月十二日は少なくとも最低七人、その二日前の十二月十日は最低少なくとも六人の刑務官が、大勢の刑務官が関与して、部屋も掃除したんでしょう、そして受刑者を隣の房に転房させたんでしょう、そしてついでに、そのときに受刑者目がけて水を放水した。けがはなかったんでしょうけれどもね、それは。
 私は、そういう事実が大体推定できるんですよ、皆さんからもらった文書を読むだけで。それが真実だったんじゃないでしょうか。
横田政府参考人 委員御指摘のように、この書類上、複数の者が名前が記載されていることは承知しておりますが、私ども矯正当局が承知している事実は、先ほど申し述べたとおりでございます。
木島委員 私は、あの中間報告を読みますと、意味深なことが書いてあるんですよ。読んでみましょうか。
 平成十三年十一月下旬ごろ、処遇部門の首席矯正処遇官花岡栄次が、看守長二人に対し、汚染した保護房を清掃するために消防用ホースによる放水を指示した。別の欄ですが、この指示は、受刑者の身体に放水することを許容するものでなかったが、受刑者が保護房から出ることに抵抗した場合には、同人が房内に在室している状態で消防用ホースにより放水することを許容するものであった。それから、十二月十日から十三日の間、連日保護房内でのホース水の放水がなされた。それから、その際、受刑者の身体にも直接消防用ホースの水がかかることが一度ならずあり、乙丸副看守長においては、意図的に受刑者の身体に直接放水することがあった。
 これが皆さんの調査結果で、中間報告に書き込まれているんですよ。ここまで調査しておるんですよ。しかしすりかえていると、私はさっき言ったとおりであります。
 まるで、このあなた方の中間報告の文書は、乙丸副看守長が個人の考えで、上からの指示はなかったが、個人の考えでたまたま意図的に受刑者にホース水を直接かけたような、そんな記述であります、これは日本語として。しかし、こういう書き方そのものが、皆さんの調査結果報告書そのものが、私がさっきから指摘しているように、組織ぐるみの、もっと大がかりなホース水放水、そういうことを隠ぺいしようとする、そういう役割をこの中間報告に持たせているんじゃないか。
 法務大臣、あなたは先ほど同僚委員に問われて、まさに真実をこれから私が責任を持って解明して、刑務行政を正すんだとおっしゃいました。こんな、ここまで調べ上げていって、ホース水の放水の状況、一日だけじゃないというところまで調べ上げておいて、それを全部乙丸の個人的な放水によるものだとなる報告書は、やはり国会なり、我が当法務委員会を誤導するものじゃないんでしょうか。法務大臣、どうですか。
森山国務大臣 中間報告において書きましたことは、事実を解明しようとして、調査検討委員会のために懸命に事実を調べて書いたものでございまして、行刑改革会議にも参考にしていただこうということでございました。
 ですから、この内容は真実であろうというふうに思いますし、それは何かほかの意図があって、別のものを隠そうとしたとか、そのようなことは全くないと考えております。
木島委員 私は、これを行刑改革会議にも参考にしてもらおうというので出したというのは大問題だと思いますよ。名古屋で起きた一連の事実を、乙丸ら、たまたま三人の実行犯だけの責任に全部押しつけてしまう。そして、それより上司は全然あずかり知らなかったかのような、名前すら出てこない、人数すら出てこない、三人以上の大勢でやったということすら書き込まれていない。こんな報告書を行刑改革会議に出して参考にしてもらったら、正しい行刑の運営ができるようになるはずがないじゃないですか。まさに組織的に、私は隠ぺいしたことを言うんです、組織的に隠ぺいしたんじゃないか。
 さらに、このホース水の放水は、どこまで組織的という言葉は使っていいかはあれですが、少なくとも、今起訴されている三人だけのしわざじゃない。もっと幹部たちも知っていたし、それは転房のときに行われたんだから、所長だってみんな知っていたということをさっき言いましたね。そういう事実こそはえぐり出さなければ、刑務所、変わらないんじゃないでしょうか。指摘して、次に移ります。
 次に、血痕の付着したズボンに関してであります。
 実は、先日、四月十六日、衆議院法務委員会の、刑務官高見からの事情聴取によりますと、大変な事実が指摘をされました。
 平成十三年十二月十九日付の、もう既にこの委員会でも大問題になっている被収容者死亡報告、これは名古屋刑務所長が矯正管区長と本省矯正局長に上げた報告書です。これが、前回、私、詰めたように、作成されたのは十二月十九日付でありますが、実際に報告書が上がったのは翌十四年一月十六日ごろということで、それ自体大問題ですが、そのうその報告書ですね。
 その報告書によりますと、平成十三年十二月十四日午後二時二十分ころ、「職員が事案者の着用していたズボンに血痕が付着しているのを発見した。」と記載され、これが問題の血痕のついたズボンなんですが、皆さん方は、うその事実をつくり上げたその出発点を、この血痕のついたズボンを発見した、それで受刑者を医務室に送り込んだと、そういう筋書きを皆さん方つくったんですが、問題の血痕のついたズボンは、高見刑務官が我々に言うところによると、事件から一年くらい名古屋刑務所に保管されていたというんですよ。そして、昨年十月ごろ廃棄されたというんですよ。これが事実とすれば、まことに事は重大。
 こういう事実を、法務省矯正局は調査してつかんでおりますか。調査結果、ここで報告してください。
大林政府参考人 私どもの把握しているものにつきましては、今のようなことは聞いておりませんでした。
木島委員 調査したかどうか、答弁してください。調査したが真実をつかめなかったというのか、そういう観点で調査はしなかったのか、どっちですか。
大林政府参考人 中間報告の関係でございますが、今のズボンについては、私ども、先ほどから御説明しているとおり、刑事局からの報告を中心としてまとめたものでございまして、そういう報告がなかったために記載してございません。
木島委員 いや、ですから、中間報告には何らの報告もないんですよ、血痕の付着したズボンについては。どういう報告があるかというのは、うその報告書が名古屋刑務所長から矯正管区長と本省矯正局長に上がった。その上がったうその報告書の中に血痕の付着したズボンがあるということが書かれているだけで、では、本当に血痕のついたズボンがあったのかなかったのか、廃棄されたのかどうだったのか、何にもこの報告書には書いていないんですよ。それは皆さんがつくり上げたうその筋書きですから、そもそもそんなズボンがあったのかどうかも私はわかりません。
 私、裁判官じゃありませんし、裁判当事者じゃありませんから、ここで今真実をつかむつもりはありませんよ。ただ、そういう調査をあなた方すらしていないのか、それが不思議でならないんですよ。(発言する者あり)だから、矯正局は知っていないですからね。
 では、刑事局に質問を振りましょう。まことに失礼ながら、名古屋地検は血痕のついたズボンの存否、捜査したでしょうか。
樋渡政府参考人 今委員がいみじくも御指摘されましたように、そういうものがあったかどうかということすらが明らかになること自体が、今公判の係属に絡む問題になるということでございまして、そういうようなことが明らかになることによって、新たな弁解がなされるなどの公判立証に影響を及ぼすおそれがあると思います。
木島委員 私、その答弁は絶対納得できないのは、いいですか、平成十三年十二月十九日付で、名古屋刑務所長から本省矯正局長と名古屋矯正管区長にこのうその被収容者死亡報告が上がったんですよ。実際上がったのは、翌年、平成十四年一月十六日ごろと先日答弁しましたね。その中に、ズボンに血痕が付着しているのを職員が発見して、そして医務室に送り込んで縫合手術をやったんだ、しかし死んじゃったんだという報告でしょう。そういう報告でしょう。
 それで、名古屋地検は、どうもこれは不審だというので、司法解剖までやったんでしょう。司法解剖に検察官が立ち会ったんでしょう。本当にどうなんだ、自殺か、他殺か、事故死か、本当に水が、先ほど同僚議員がしつこく、しつこくというか徹底的にやっていたように、奥の十二センチぐらいまで届くのか、まさにそこが疑問。疑問の焦点の出発点が血痕が付着したズボンなんですよ。それを、どうですか、地検が直ちに押収するのは当たり前じゃないですか。司法解剖まで送り込んでいるんですから、この案件を。司法解剖まで送り込んでいる不審死ですよ、不自然死ですよ。
 一番大事なのは、私は、この血痕の付着したズボンの存在だと思うんですよ。どの程度血液がついていたのか、どの部位についていたのか、いつついたのか、なぜついたのか、物的証拠から割り出すのが検察の常道じゃないですか。では、それをやっていないということですね。
 我々、高見刑務官から聞いた話によると、あったと言うんですよ。刑務所の幹部の指示で保管していたと言うんですよ。そして、翌年の十月まで、昨年の十月廃棄したと言うんですよ。それも上司の指示によって廃棄したと言うんですよ、高見さんは我々に。
 まさに、このことは、皆さん方は事件を捏造したと私は見ています。事件を捏造した。捏造したことを一番証明するのがそのズボンのはずなんですよ。みずから捏造した、その一番の物的証拠であるズボンを隠し持って、そしてこの問題が国会で取り上げられる直前、去年の十月に廃棄処分したといったら、何たることでしょうか。捏造したこと自体を捏造しようとしている。捏造掛ける捏造じゃないか。どうですか、刑事局長、真実はそうじゃないですか。
樋渡政府参考人 何度も同じことで申しわけございませんが、検察の具体的な捜査活動に関することでございますので、私の方でお答えいたしかねると思います。
木島委員 それは納得できないですよ。今かかっている刑事事件とは関係ないんです、この血痕のついたズボンがあるかどうかなんということは。隠したかどうかなんというのは、今刑事事件になっている公訴事実とは関係ないんです。こんなものは全然関係ないんです。公訴事実によれば、高見らがホースで水をかけて、それで血が出た、それで慌てて医務室に連れていって縫合手術をした、しかし死んでしまった。それだけですからね、公訴事実は。血痕の付着したズボンの存否なんというのは、公訴事実と全然関係ないです。
 だから委員長、今の答弁はだめだということを厳しく指摘してください。法律家である委員長はわかるでしょう、その理屈は。
山本委員長 矯正局長に申し上げます。
 保管された物品の管理票等から、ズボンが保管されておったのかどうか、あるいはその保管の満了後、どう処分されたのか。なお調査をお願いいたします。
 それでは、木島君。
木島委員 いや、調査じゃなくて、答弁させてくださいよ。
山本委員長 わからないのに、答弁できないやないですか。
木島委員 わかっているはずです。
山本委員長 では、矯正局長。
横田政府参考人 ただいまの委員長の御指示を承りました。(発言する者あり)
山本委員長 木島委員、もう一度質問をお願いします。
木島委員 もう時間がないから、調査するということですね、それだけ聞いて……(発言する者あり)では、調査しますか、これは。
横田政府参考人 ただいまの委員長の御指示を承りましたということでございます。
山本委員長 調査すると言って。
横田政府参考人 修正します。そういう趣旨でございます。(発言する者あり)調査いたします。
木島委員 では、もう時間ですので、最後に一点だけ。本当に質問する時間がなくて残念ですが、一点だけ、刑事局長と矯正局長に聞きます。
 消防用ホースをつなぐもとである消火栓の問題です。一点だけ聞きますよ、いいですか。我々の調査によると、ことし二月三日に名古屋地検は名古屋刑務所において消防用ホース事件の実況見分をしたんです。そのときは、平成十三年十二月十四日、事件当時使われていた消火栓が用いられたんです。それから一年二カ月たったから、ちょっと古くなったでしょう。余り水が出なかったらしいです。
 そして、先ほど質問されていましたが、二月十二日は、名古屋地検が乙丸幹夫副看守長を特別公務員暴行陵虐致死容疑で逮捕しているんです。その二日後にこの消火栓が工事によってなくなってしまった。そして起訴されたのが三月四日でしょう。
 いいですか。問題の消火栓は漏水が指摘されていました。消防用ホースによる受刑者の肛門部への放水によってどの程度水圧がかかったのか、どのような裂創が発生したのか、まさにそれが被疑事実の核心部分ですよ。だから、私は裁判官じゃありませんから中に立ち入ろうとはきょうはしないんです。しかし、それが最大の核心部分であります。有罪か無罪の分岐点にもなるかもしれません。消火栓の老朽ぐあいが最大の争点になることは想定できます、刑事裁判でも。そんな時期に消火栓の取りかえ工事を施工し、事件当時あった、そしてことしの二月三日に名古屋地検が現場検証まで、実況見分までやった、その問題の消火栓を廃棄処分にしてしまった。
 しかも、我々の調査によると、刑務所長は名古屋地検に承諾をとったと言いました。
 そこで聞きます。刑事局長に聞きます。本当に名古屋地検は承諾したのですか。そして、そのことは本省刑事局は知っていますか、報告を受けていますか、承諾したのですか。
 それからもう一つ、矯正局。矯正局長、そのことを知っていますか、承諾したのですか、相談を受けていますか。管区矯正局はこのことを相談を受けていますか、承諾を与えたのですか。
 全部答弁してください。それで、私の質問、きょうは終わります。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 検察当局からの報告によりますれば、十二月事案に使用された消火栓の修理につきましては、名古屋刑務所側より、消火栓が漏水しており、そのままでは防火管理上支障が出かねないことから修理を行いたい旨の申し出があり、施設運営上やむを得ないと思われた上、消火栓の状況については既に十分な証拠収集を尽くしていると判断されたことから、名古屋地方検察庁におきましては、検察職員をして改めて当該消火栓の状況を確認させるなどの措置を講じた上、消火栓の修理自体には特段の異議をとどめなかったものと承知しております。
 なお、刑事局におきましては、消火栓の修理につき、あらかじめ名古屋地検から相談を受けた事実はないものと承知しております。
横田政府参考人 お答えいたします。
 消火栓の取りかえでございますが、矯正局それから名古屋矯正管区においては、当時そのことについては事前には知っておりません。
 なお、この時間にちょっと一点訂正をさせてほしいのですが、二月十四日ということになっている点なんですが、この消火栓修理の日付につきましては、委員御発言のとおり、これまで本年二月十四日金曜日と御説明してまいりましたが、その後の調査の結果、この二月十四日という日は、事前に名古屋地方検察庁に修理の承諾を得て、同地検職員の立ち会いのもとに消火栓の根元を掘削して、漏水箇所、この漏水箇所というのは、消火栓とそれから埋設給水管を接続するジョイント部分から多量の漏水があったということで、そこが漏水箇所と認められますが、その状況を確認、写真撮影した日付でございまして、実際に消火栓の修理工事を実施いたしましたのはその後の二月十九日水曜日から同月二十一日金曜日までの三日間であったことが記録上判明いたしましたので、この場をかりて訂正させていただきます。
木島委員 終わります。
山本委員長 次に、保坂展人君。
保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 先日の法務委員会、行刑の集中審議におきまして、私は、新潟刑務所、岐阜刑務所の事例を出しまして、何時に亡くなっているのか、病気になったのはいつなのか、異変があったのは何時なのかというのを逐一指摘いたしました。
 矯正局長に伺いますが、これらのケースの中で新たに判明したことがございますか。
横田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、岐阜刑務所の死亡帳の十二―一については、死因欄の末尾にある急性心筋梗塞により死亡されたという記載ぶりから、医師自身が書いていないのではないかという御指摘をいただいた点でございますけれども、本事案は、岐阜刑務所収容中の六十五歳の懲役受刑者が、午前三時十八分ころ呼吸停止状態にありましたため、心臓マッサージを行うとともに、救急車を要請し、午前四時二十分、外部の病院に搬送しましたが、その病院において死亡が確認されたというものでございまして、御指摘の急性心筋梗塞による死亡とされたとの死亡帳の記載は、受刑者の死亡を直接確認したのが搬送先の外部病院の医師でございまして、当該死亡帳にその旨を記載しましたのは、施設、岐阜刑務所の医師であるということが明らかになっております。
 次に、岐阜刑務所の死亡帳十三―一でございますが、同刑務所の医師の勤務時間帯を考えますと、本事案の死亡時刻には内科の医師がいなかった確率が高いのではないか、そういう御指摘がございましたが、岐阜刑務所におきましては医師の当直を行っておらず、お尋ねの事案につきましては、午前三時ごろ本人の異常が発見されているため、その時刻には医師は不在であったというふうに承知しております。しかしながら、本事案につきましては、本人の異常が発見された後、直ちに施設医師に連絡をとり、その医師の指示に基づきまして、直ちに救急車により外部病院に搬送するという措置がとられております。
 また、新潟刑務所の死亡事案につきましては、平成十年の死亡事案に関するさらなる詳細な調査結果の説明を求めるという御趣旨の御質問かと思いますが、これにつきましては、去る九日の当委員会でも申し上げましたように、現在、死亡帳調査班が鋭意調査しているところでございます。
保坂委員 そうすると、二つ聞きますけれども、この岐阜と新潟の中で、医師が書くべき欄を医師が書かなかったケースはあったのかどうかということと、それから、全体の死亡帳の中ではいかがでしたか、医師ではない人が書いたということもありましたか。二つの質問ですね。
 まず、新潟と岐阜だけで答えてもらってもいいです。
横田政府参考人 先ほど申し上げましたように、岐阜のケースは、死亡帳に記載しましたのは施設の医師でございます。
 それから、全部医師が書いているかということになりますと、中には、医師の指示に基づいて看護師あるいは事務の者が書いたというケースもあるかと思います。
保坂委員 そのときにも注意を求めているのですが、平成十年九月二十八日に新潟で脳幹梗塞で亡くなった方について、四十九歳ですね、七時二十七分に亡くなったことになっているのですが、夜中にうめいて、苦しがって、これを知りながら放置していた。そして朝行ってみたら、事切れていた、こういうことじゃなかったのか。これはしっかり調べてくれと念を押したのですが、調べられましたか。
横田政府参考人 お答えします。
 引き続き調査中でございます。
保坂委員 これは、どうもそういうことらしいという情報も入りましたので、しっかり調べてほしいと思います。
 次に、前回指摘しました矯正局のつくられた一覧表の中で、保護房に絡んで新たに見えてきた死亡帳のケースの中で、山形の方四十歳、大阪拘置所の方三十三歳と三十七歳、鹿児島の方二十七歳、いずれも急性心不全ですね。これについても調査しますということなんですが、何か進みましたか。
横田政府参考人 いずれも、当省の死亡帳調査班において現在調査中でございます。
保坂委員 これは今届いたので、私も見ながらちょっと驚いているんですけれども、情報公開請求で、名古屋刑務所で、先日、読売新聞などに報道されていましたね、処分の過去の例について。それをいわゆる医療という視点できょうは見て、ちょっとお聞きしたいと思うんです。
 これは予告はしていませんが、名古屋刑務所で処分された方のリストの中に、例えば、平成十年九月二日に、注射該当者の確認を怠って、注射の必要のない人に注射をして、本件について監督をしなかったとか、これは平成十二年の七月ですが、過って他人の薬を投与してしまったとか、その前の平成十二年の五月には、うがい薬を過って入浴剤を投与したとか。うがい薬を過って入浴剤を投与した、ちょっと意味がわからないんですが、入浴剤をうがい薬にさせちゃったんですかね、そういう意味だと思うのですけれども。そういった記載があります。
 これは矯正局長に伺いたいんですが、名古屋にも一緒に行って、医療の話を大分いたしました。医療に係る国家公務員法上の処分の問題について、何かお聞きになっていることはありますか。
横田政府参考人 ただいまの委員のお話のあった件も含めまして、現時点で私、その資料等を把握しておりません。
保坂委員 把握していないというのも変な話なんで、新聞に報道されたり、森山大臣も知っておられますかという質問も受けていましたけれども、よくよく見ていくと、大処分があります。
 平成十三年ですから、二年前の三月、医療衛生資材購入事務の不適正事案の問題ということで、十人以上処分されているんですね。この処分理由書、これは国家公務員法九十条及び人事院規則一三―一、こういった処分報告書が出るんですよ、矯正局長。後でお見せしますけれどもね。
 それで、これを読んでいくと、一人目の方は、医療関係の衛生資材購入事務の不適正事案、言ってみれば、医療関係の何物かを購入することにまつわる不祥事ですね。どういう内容が書かれているかというと、情報公開請求なんで、黒塗りされているからよくわからないんです。何物かの事務を放置するなどの不適正事務処理を行った結果、納入業者に対して三百二十万三千五百二十七円の未払い金を生じさせるという事案を未然に防止し得なかったということで一人目の人は処分されているんですね。
 二人目の人は、部下職員に対する監督がだめだったと。この事務を放棄するなどの不適正事務処理を行った結果、納入業者に対して四千三百五万七千四百十九円の未払い金を生じさせるという事案を未然に防ぐことができなかった。これ、前、間違えてないでしょうね。ああ、そうですね。いきなりけたが違います。
 それから、三人目の人は、記載は似ているんですが、不適正な事務処理を行った結果、納入業者に対して四千六百十二万二千七百三十二円の未払い金を生じさせることを未然に防げなかった。
 四番目の人は、これは同じ不適正な事務処理を行った結果、納入業者に対して九百六十八万九千九十五円の未払い金を生じさせるという事案を防止し得なかった。
 五番目の人は、これはいろいろ書いてありますが、ちょっと時間がありませんので、五番目の方は、一件当たりの請求金額を予定価格調書の添付を省略できる百万円以下の金額または代行機関による決裁が可能である六十万円以下の金額になるように業者に依頼したり、みずから組みかえ処理し、このやり方は不正経理ですね、そして、合計四千六百二十六万九百四十六円、これは平成何年度かわかりませんけれども。そして、その次の年には十三万八千二百十四円、その次の年には三百六万五千三百十三円、その次の年には六百四十八万五千五百六十八円。こういう細かい金額が載っております。
 最後の六番目の方は、三千六百五十七万千八百五十一円の未払い金を生じさせるという事案の発生を防止できなかった。
 これは何か、大処分でしたね。どういうことか、これは聞いているでしょう。幾ら何でもこれだけのものは。
横田政府参考人 お答えします。
 大変申しわけございませんでした。私の勉強不足といいますか準備不足、不明で、その事実について知りませんので、私、その点について直ちに確認いたします。
保坂委員 法務大臣に伺いますが、私もちょっとこれ、実は質問直前に来たので、確かに予告ということはできなかったんですが、一連の名古屋刑務所の中での問題で、医療の問題を非常に痛感しているわけです。きょうはその議論をしたいと思っているんですが、これはトータル幾らかわからないんですよ、処分理由書を見ても。トータルが幾らかわからないんですが、一部紹介したように、伝票のつくりかえとか請求を書いてもらうとか、そういうことで少なくとも相当の金額の未払い金を業者に生じさせたというか、その後どうしたのか。これはしっかり、これは大臣の耳にも届いていなかったですか。
 これはちょっと、医療体制、中身に入る前に、やはりこういうことが起きていたということは裏腹の問題だと思います。どういうふうに思われますか。
森山国務大臣 突然のお尋ねでございますので、十分な調査ができておりませんでしたのはまことに申しわけございませんが、矯正局長も、実態をよく調べる、御報告するということを言っておりますので、そのようにしたいと思っております。
保坂委員 刑事局に伺いたいんですが、医療の問題で、先ほども矯正局長に聞きました。例えば、看護助手、保健助手ですかの方が場合によってはカルテに書き入れていたり、印鑑があったりとか、そういう問題をここで議論しています。
 たしか神戸の方で、にせのお医者さんということで白衣を着て往診したりしてという方が捕まって、処方せんを書いたりしたことも含めて何か事件が起きていると聞いているんですが、御承知だったら、簡単にお願いいたします。
樋渡政府参考人 神戸の事件ということで、これが当たっているかどうかということでございますが、神戸地方検察庁におきまして、平成十四年十二月二十七日、柔道整復師である被告人を、医師法違反等により、神戸地方裁判所に対し公判請求したものがあると承知しております。
 公判状況について申し上げますと、現在、公判中であり、次回、五月六日、判決予定であるものと承知しておりますが、医師法違反に係る公訴事実の要旨は、被告人は、医師ではないのに、平成十四年八月から同年十月までの間六十三回にわたり、神戸市内の高齢者七名に対し鎮痛剤を投与する診療行為を行い、もって医業をなしたというものであると承知しております。
保坂委員 やはり、医者と呼ばれることが快感になって忘れられなかったということで、この方はにせ医者、たしか、いろいろな、これだけじゃなかったような気がするんですね。幾つかそういった、医師免許がない方が治療行為に当たっていたということで、医師法違反とかで立件されたケースもあったかに思います。
 刑事局長に伺いたいんですが、やはり、医師でない方が処方せんを書いたりとか、あるいは投薬行為をしたりとか、あるいは治療らしきことをしたり、カルテを書いたり、これは医師法違反に当たるんですね。
樋渡政府参考人 済みません。医師法につきましては当局の所管ではございませんでして、解釈をする立場にないわけでありますが、医師でなければ医業をしてはならないと医師法は定めておりまして、違反行為に対する罰則を定めておりますが、一般的に、犯罪の成否は、収集された証拠に基づき司法の手続において判断されるべき事柄でございますので、法務当局としましてはお答えいたしかねるところでございます。
保坂委員 ちゃんと公判請求してやっているわけですからね。
 実害は余りなかったんじゃないですかね。六十三人の方に高血圧の薬を上げたり、何か、例えば、先ほど紹介しましたよ。うがい薬と間違えて入浴剤を飲ませちゃった、これは実害ありますよね。抗がん剤を別の人に上げちゃった、これも実害ありますね。
 矯正局長に伺いますけれども、これはやはり、医師法ということは受刑者医療の現場では勉強されているんですかね、現場の方は。
横田政府参考人 お答えします。
 御承知のように、刑務所には医務関係の部門も職員もおりますし、当然、医師法について、医療法等については承知しているものと考えます。
保坂委員 そうすると、ある面で、最も法に照らして厳格じゃなければいけないところの刑務所で、しっかりした体制で医療が行われていたかということがこれからの論点だと思いますよ。
 我々、委員会で名古屋刑務所に行きました。そして、医療棟に行きました。局長も行ったし、政務官も一緒に行きました。
 そのときに、ICUに一人の御老人が横たわっていましたね。受刑者の方でした。寝られているのか、目を閉じて、口をあけていらっしゃいました。顔色も余りよくなく、私は医療的には全く素人ですけれども、見るところ、余り長くないのかな、このままいくと、ということで、名古屋刑務所の方に尋ねたところ、今この方は腎臓透析を拒否しているんだと。どういう心境かわかりませんよ。そして、今説得中で、少しそれに応じる気配があるので、透析をすれば大丈夫なんだというような説明を受けましたが、一緒に、同僚議員で水島議員もいらっしゃいましたから、見ると、ナースコールもなかったですね。
 ナースコールがないのに、ああいう状況の、ICUというのは集中治療室でしょう、その集中治療室にナースコールがないじゃないかというふうに言ったら、いや、ビデオで見ていますからという話だったんですね。ビデオで見ていますからといったって、ビデオのところの中央制御室か何かに行ったら、確かに映りますよ、スイッチを入れれば。ただ、保護房の場合は、アーと言えば声が聞こえるようになっているようですが、どうもそういうシステムは認められなかった。
 これはやはり、どうも処遇の色彩を脱し切れていない、つまり、何といいましょう、ぎりぎりの人を見る集中治療室ではないんじゃないかと、率直に言って思いますよ。その点、どうですか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 十六日に御視察なさった際の、委員御指摘の患者でございますけれども、この人は、おっしゃいますように、透析療法を拒否している慢性腎不全の患者でございました。当時、いずれも比較的安定しておりまして、常態的なバイタルチェックの必要性はないというのが医師の判断でございました。
 ナースコールの問題ですが、確かに、あそこのICUには設備としてのナースコールはないようですけれども、可動型といいまして、小さな箱のようなものですけれども、持っていって、その人に装着をして、その人が必要があるときにはボタンを押せば呼んでいるということがわかるように、可動型といいますか携帯型といいますか、そういうナースコールは用意されているということでございました。
 また、ビデオカメラの監視、モニターの問題でございますけれども、これにつきましては、常時それによって監視されておりますし、また、必要があれば心電図モニター等を装着いたしますが、その場合には、ICUの隣室にあるナースステーションやあるいは事務室で看護師あるいは医務部の職員が直ちに対応できる体制になっているということでございます。
保坂委員 これは、矯正局長も、やはりスタンスを決めた方がいいと思いますよ。よくやっているというふうに、それは現場は言うでしょう。もしそうだったら、我々は議院全体で行ったんですから、ナースコールがないよと言ったときに、いや、こういうふうにありますと言うべきじゃないですか、それは、現場で。大事なことなんですから。そうじゃなかったんですよ。ビデオでやっていますという話だった。ナースコールはないんですねという話になる。
 問題は、前回やりましたあの岐阜と新潟の、大体、相当末期になって、例えば、もう全身けいれんして顔面蒼白なんといったって、病院に連れていってもらっていないんですよ。作業中止とか、居房で、あるいは病舎に行くとか、その程度ですよ。そして、いよいよ、もうおなかも膨らんできて意識も混濁してきたというときに救急車だ。ですから、前回言ったように、片道切符なんですよ、救急車が。そうじゃない例も一部あるでしょうけれども、ほとんどの場合が。ですから、戻ってくるという、病院はよくなるために行くところだという世間の常識が、ちょっと刑務所では違っているんですね。もう手の施しようがなくなって運ばれていく、そこで息絶えて、三時間後とか半日後とか翌日に亡くなっているじゃないですか。
 お願いしたいのは、これは大変な手間で、一時間半かけて十五人分はがしたんですよ、マスキングを。一覧表を法務省でつくってくれましたよね、千五百人の。ぜひ、病気にかかったのはいつなのか、そして倒れたのはいつか、そして入院したのはいつか、亡くなったのはいつかという、その時刻もしっかり出してもらえますか。それによって、もうこの議論、決定的になると思いますよ。
 私は、あの新潟と岐阜を見ただけでも、その時間が余りにもくっついているということはもう明らかだと思いました。ですから、そういう作業を通して、まず、刑務所医療のあり方というのは、これは当委員会の大問題ですから、その資料もしっかり出していただけますか。資料というのはもうあるわけですから、マスキングを外したところを見て書き入れればいいわけですから、膨大な作業じゃないはずです。
横田政府参考人 お尋ねですが、ちょっと検討させていただきたいと思います。
保坂委員 大臣、いかがですか。もちろん、矯正の方も資料要求でかなりお疲れになっていることはわかりますので、あしたというようなことは言いませんけれども、しかし、今言ったように、いつ病気になって、そしていつ急変が起こって、そして病舎に行って、病院はいつ行ったのか、入院は何日していたのか、これは議論する前提です、この委員会で。ぜひ、出すように指示してください。
森山国務大臣 被収容者の健康を保持し、また、施設の中で万が一病気になった場合に適切な医療措置を行うということは、行刑施設の重要な責務の一つでございます。
 今先生御指摘の問題についても十分把握しまして、できれば、できるだけ早く御報告申し上げるようにいたします。
保坂委員 では、法務大臣に一点。
 これもこれから議論していきたいことなんですが、前回も指摘しましたけれども、受刑者は保険から外れてしまうんですね。一〇〇%国費なんですよ。ですから、厄介な病気だとえらい治療費になっちゃうわけですね。そこを国民健康保険なり厚生保険で普通はカバーしているわけですけれども、受刑者はカバーされていない。そこが一つあるんじゃないかという気が私はするんですよ。何百万とか何千万とかいうふうな治療費というのがなかなか負担しかねる。それは、後から請求すれば戻ってくるんだという話ですけれども。ですから、まず考え方として、お金の問題の話があります。
 もう一つは、先ほど言ったように、処遇で見ていますから、処遇という考え方でかなり末期の病人を見ていますから、やはりぎりぎりまで縛っているんですね。そして、いよいよもうだめだというときに病院に搬送している。
 これを病気の入り口、治療可能段階で、少なくても治療を軸にした組織に預ける。場合によったら刑務所の敷地内に、厚生労働省管轄の、例えば管区に一つくらい、医療刑務所の構造とはまた違う、これはちょっと議論しなきゃいけないんですけれども、本当にそういうものをつくる。今寝たきりの方でも見張りを立てなきゃいけないんでしょう、恐らく民間病院は。そうすると、確かに人手もないし大変なんですね。そういう問題はあるんですよ。ですから、そういうことを少し積極的に議論しませんか。いかがですか、大臣。
森山国務大臣 受刑者の健康保持というのは非常に大切だということは先ほど申し上げたとおりでございますし、また、医療の政策、対策が十分でないということも残念ながら事実であると思います。
 その辺をよく考えまして、受刑者の医療政策というものを改めてよく考え直そうということを今私たちも申しておりますし、例の行刑改革会議にもお願いしようということで今鋭意やっているところでございますので、先生の御指摘も踏まえまして、厚生労働省とも相談しながら、何とかうまい方法を考えたいというふうに思います。
保坂委員 それで大臣、お願いなんですけれども、せっかく名古屋刑務所もほかの刑務所も、法務技官ですか、医者がいるわけですから、やはり、週三日というのは来週から、連休明けからやめて、毎日来てもらったらどうですか。民間の病院の方が見たら、これは二人雇えるなと言っていましたよ。とにかく週三日なんということはちょっと考えられないですよ。ですから、まず今いる方はきちっとそこに入るということも一つ。
 それから、薬物でおかしくなっている方が大変多いので、薬物で暴れたり大声を上げたりという人を保護房に入れても、悪化するばかりなんですね。これは、将来的には薬物の治療施設も見ていかなきゃいけないと思いますが、まずはそういった担当官なり専門家を各受刑施設に配置したらどうですか。緊急にできることもあるはずですよ。というのは、ことしも亡くなっていくわけでしょうから、こういう議論をしている間にも、余りすぐには変われないわけですから。いかがですか、大臣。
森山国務大臣 各刑務所が非常に苦労しておりますのは、その一つは、お医者さんの適当な方に来ていただくというやり方でございまして、多くの場合はお医者さんが足りないということで非常に苦労しているわけでございます。
 ですから、おっしゃいますように、あしたから毎日というのはちょっと事実上難しいかと思いますけれども、できるだけそのような方向に向かって努力したいというふうに考えます。
保坂委員 参考人の話も出ていますから、毎日来られないという事情は私はわからないですね。これだけ医者の手が及ばない中で死んでいるわけですから。医療が機能していないという事例があるわけですからね。これは強く求めたいと思います。
 次に行きたいと思います。刑事局長にまた伺います。
 昨今、食品表示の問題でかなり大きな事件がありました。小さな事件では、例えば野菜だとかそういうものが原産地と違うというようなことも騒がれましたけれども、やはり記憶に新しいのは、雪印食品の肉にかかわる事件だと思います。この事件は今どうなっていますか。どういう事件でしたか。
樋渡政府参考人 お尋ねにつきましては、神戸地方検察庁におきまして、平成十四年五月三十日、元雪印食品株式会社社員広瀬正夫ほか四名を詐欺罪により神戸地方裁判所に対し公判請求し、次いで、元同社専務取締役桜田弘巳ほか一名を同罪により同裁判所に対し公判請求したものと承知しております。
 公判状況について申し上げますと、被告人広瀬ほか四名に対しては、いずれにつきましても、平成十四年十一月二十二日、神戸地方裁判所において懲役二年、執行猶予三年の判決が言い渡され、確定しており、被告人桜田ほか一名につきましては、現在公判中であるものと承知しております。
 犯罪事実の要旨について申し上げますと、被告人らは、牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病のことでございますが、の影響により、雪印食品が保管管理する輸入牛肉等の在庫が増大して、その処分に困窮していた折、政府が農畜産業振興事業団法に基づく牛肉在庫緊急保管対策事業を策定することを聞知するや、同事業の実施主体である日本ハム・ソーセージ工業協同組合に対し、雪印食品が保管管理する輸入牛肉を、先ほどの対策事業の対象となっている国産牛肉であると偽って売却し、先ほどの協同組合から、売却代金名下に金員を詐取することを企て、共謀の上、平成十三年十一月六日ころ、協同組合に対し、真実は輸入牛肉を含んでいたにもかかわらず、申し込みにかかわる牛肉がすべて国産牛肉であるかのように装って、輸入牛肉二万九千九百九十三・六キログラムを含む合計二十七万九千四百六十七・七キログラムの牛肉につき、代金三億一千百三十二万七千十七円での買い入れ方を申し込み、協同組合担当者らをして、申し込みにかかわる牛肉の全量が国産牛肉である旨誤信させ、よって、十四年一月七日、協同組合から、申し込みにかかわる牛肉の売却代金の一部として、三和銀行千代田支店の雪印食品名義の普通預金口座に一億九千五百六十二万七千三百九十円の振り込み入金を受け、もって人を欺いて財物を交付させたというものであると承知しております。
保坂委員 かなり克明に紹介されましたけれども、この事件でこの会社はつぶれたんですよね。やはり、これは大変大きな事件というんですか、言ってみればそれだけ厳しい。外国産の肉を詰めかえて、そしてまたBSE対策のすき間をついてやっちゃった。これは非常に厳しく指弾されたわけですね。今も公判請求をされてやっているわけです。
 私は、実はことしの予算委員会で、CAPICが、刑務所作業製品をCAPICというんですね、公取から注意を受けたという問題を議論させていただきました。それをさらに進めようというふうに思っていたところ、この受刑者問題の死亡帳などの問題が出てきましたので、質問主意書を出させていただきました。
 そこに、実は、帯広刑務所製の小豆というふうに売られていたはずの小豆が、実は帯広刑務所でつくられていたのではなくて、他から持ち込まれたものを受刑者らに洗わせたりとかより分けたりとか袋詰めさせたりというようなことでやっていたということですね。これは、事実としてそうだと前矯正局長がお認めになりました。まあ、執行猶予がついたそうですから、一番目の人は。しかし、可能性としては、こういった食品偽装の事件で、最終的に刑を受ける場は刑務所なんですね。刑務所でやる作業がまた偽装だったということであれば、これは世の中どうなっているのかという話になります。
 しかも、小豆というのは食品なんですね。私、その質問をした後も矯正協会のホームページを見たら、まだ、帯広刑務所の四人の受刑者が七万五千平方メートルの耕地をトラクターで耕して、小豆やバレイショ、トウモロコシなどをつくっていると書いてあるんですね。これ、どういうことなのかというふうに聞いたら、答弁書に、この小豆は「刑務所における被収容者の自給用として作っている」と。したがって、CAPIC製品の「「十勝の豆 小豆」及び「小豆」とは、別のもの」だと答えているんですね。
 ということは、自給用だということは、あの商品はやはり、この正式の答弁書でも、つまり、刑務所でつくったものではありませんよと言っているということですね。これは間違いないですね。
横田政府参考人 お答えします。
 質問主意書の答弁書において御説明したとおり、ホームページに載っている小豆は、これは自給用のものでございます。
 そして、二月二十七日の予算委員会の第三分科会において説明いたしました小豆は、これは財団法人矯正協会刑務作業協力事業部が外部の業者から購入した小豆を、帯広刑務所において、受刑者が選別、袋詰め、計量等の作業を行った後、同事業部の製品として販売していたものでございまして、予算委員会の答弁の事実に間違いございません。
保坂委員 法務大臣、この矯正協会の責任者というのはどなただか御存じですか、ちょっと。
森山国務大臣 会長は北島さんという方だと思います。
保坂委員 その方は検事総長だった方ですか。
森山国務大臣 前の検事総長ですね。
保坂委員 予算委員会のやりとりでも、私、非常にびっくりしたのは、大変率直な答弁だったんですね、矯正局からあったのは。
 いろいろ調べました。要は、これも刑務所の中のひずみが起こした事件だったと私は思いますよ。なぜかというと、今まで日本の矯正というのは、一生懸命、刑期の中で計画的に、それこそ累進処遇で少しずつ段階が上がっていく、そしてまた、腕に技術を持って、たくみの職人みたいな形で木工をやったりとか、あるいはさまざまな技術を磨いて、CAPICという製品をつくり上げていったんですね。
 ところが、これが、経済が拡大していったときに、売り上げも伸びて、全国でやるようになったんですね。私も招かれて行きましたけれども、CAPIC展。それを、かなり頻繁にやっていく、売り上げを上げなきゃいけないという。そして、バブル経済崩壊後に、やはりこの売り上げがどんどん下がってきてしまった。非常に困ったようですね、これは。
 それで、これはCAPICの展覧会でありながら、全国の矯正の職員が手伝うわけですね、言ってみれば。刑務所の中の作業ということとも密接に絡んでいる。要は、やはり薬物の方がふえたりとか、全体として作業の質をキープできないという問題があったようです。ですから、靴なんかでも、福井でつくっていたCAPIC製の婦人靴はひもを通しただけとか、これはどうかということも思ったりとか。あるいは、何にもしていない例もあったんですね。家具を、ただ掃除した、磨いて、箱に入れて出しちゃったと。これは刑務所製品と言えないですね、刑務所経由製品でございまして、小豆についても、ほかのところから持ってきて、詰めかえたわけですから。
 それについて、森山大臣は、それはそれで、そういうことはなくしましたとおっしゃる。そして、それは少し前のことでございますともおっしゃるわけですね。しかし、今刑事局長が言ったように、一方では、もちろん事件として単純には比較できませんけれども、食品をめぐって会社までもうなくなっちゃったと。厳しく指弾されていることがあるわけですね。
 これはどうしてこんなことが起きてしまうのか、しっかり分析をして、報告してくださいよ。これは恐らく、この行刑改革全体の中で意外と核心の部分かもしれないですよ。こういった不祥事が起きてしまった根底にあるのは、今の矯正施設のあり方の根底にかかわる問題だと思いますので。いかがですか。
森山国務大臣 行刑の中で行われる改善更生のための作業、それに少しでも張り合いを持ってもらって、そしてそれをまた世間で理解していただくというためには、CAPICの製品は大変有効だったと思いますが、しかし、この刑務所の作業製品が消費者ということを余り重点的に考えていなかったという点は反省しなければいけないというふうに思います。
 消費者に無用の誤解を生じさせたり、むしろ刑務作業に対する信頼を損ねるというような結果になりますと何にもならないわけでございますので、そのようなことが起こらないようにしなければいけないというふうに私も考えます。率直に申し上げまして、そのような配慮が十分でなかったということは大いに反省しなければいけないと考えます。
 現在、矯正局に対しまして、類似事案のあるなしにつきまして再点検し、再調査を指示しているところでございますが、あわせて、今回の一連の事案を教訓といたしまして、刑務所作業製品のあり方、刑務所作業製品展示即売会の運営のあり方などについても、再度、消費者の視点に立った見直しを行うよう、矯正局に指示してまいりたいと思います。
保坂委員 刑務所に訴追して送り出す側の刑事局長は、どんな感想ですか、感想を。
樋渡政府参考人 突然の御指名でございますが、私、刑事局長として、感想を申し述べる立場にはないだろうというふうに思います。矯正局のところで矯正行政としてやっていることでございまして、私は同列の局の担当者ということでございますので、御勘弁を願いたいと思います。
保坂委員 どうも、本当は、こういう中の世界の自己規律というのはしっかりしていなきゃいけないと思うので、それが一般の水準よりだらしないんじゃないかという率直な感想ですね。全然違う小豆を持ってきて、帯広刑務所でできましたと思うじゃないですか。法務省でも売っていたんじゃないですか、その小豆を。一方では食品偽装だと事件をやっているわけですから。
 矯正局長、どうですか。小豆だけじゃないんですけれども、いっぱいあったんですが、四十八品目。しっかりと、これは調査といっても事件的な調査ではなくて、なぜこういうことが起きてしまったのかと、根っこからえぐったらどうですか。
横田政府参考人 お答えいたします。
 委員から御指摘がありましたように、CAPICそのものについては、いろいろないきさつがあって現在の制度ができ上がっていることは事実でございますけれども、それが、委員御指摘のように、あたかも営利追求のみに走るようになってしまったんじゃないか、そういう受けとめ方があるといたしますと、これは謙虚に反省しなければならないと思っております。
 ただ、この事業部の本来の目的が、国に原材料の提供を行うことによって、受刑者の刑務作業を安定的に供給し、受刑者の改善更生及び社会復帰に貢献してもらうと考えるところもございますので、これは、ただいま法務大臣からお話ございましたように、私ども、適正な運営に向けてしっかり指導監督するようにという御指示を受けておりますので、それに従って、また、今委員御指摘のようなことも踏まえながら、より適正な運営がなされますように、今後、指導監督してまいりたいと考えております。
保坂委員 まじめにそれをやっている方が多いわけでしょう。今だってそういった技術を身につけている方がいるわけですから、かすかな希望を持って、その希望が膨らんでくるプロセスを見るのが、刑務官という方たちのやはり誇りを支えている。だから、その根底が崩れちゃうかもしれない事態ですから、これはしっかり、どうしてこういうことになったのかということを報告していただきたいということを重ねて申し上げて、終わります。
     ――――◇―――――
山本委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、裁判の迅速化に関する法律案、民事訴訟法等の一部を改正する法律案及び人事訴訟法案の審査のため、来る五月七日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る五月七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十一分散会


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