衆議院

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第16号 平成15年5月21日(水曜日)

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平成十五年五月二十一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 山本 有二君
   理事 佐藤 剛男君 理事 塩崎 恭久君
   理事 園田 博之君 理事 吉田 幸弘君
   理事 河村たかし君 理事 山花 郁夫君
   理事 漆原 良夫君 理事 石原健太郎君
      太田 誠一君    小西  理君
      後藤田正純君    左藤  章君
      笹川  堯君    下村 博文君
      中野  清君    平沢 勝栄君
      星野 行男君    保岡 興治君
      吉川 貴盛君    吉野 正芳君
      大島  敦君    武正 公一君
      中村 哲治君    水島 広子君
      山内  功君    上田  勇君
      山田 正彦君    木島日出夫君
      中林よし子君    保坂 展人君
    …………………………………
   法務大臣政務官      中野  清君
   参考人
   (名古屋大学医学部教授) 二村 雄次君
   参考人
   (新葛飾病院院長)    清水 陽一君
   参考人
   (日本医師会常任理事)  西島 英利君
   法務委員会専門員     横田 猛雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  鎌田さゆり君     武正 公一君
  不破 哲三君     中林よし子君
同日
 辞任         補欠選任
  武正 公一君     大島  敦君
  中林よし子君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  大島  敦君     鎌田さゆり君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 法務行政及び検察行政に関する件(行刑施設における医療体制)

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     ――――◇―――――
山本委員長 これより会議を開きます。
 法務行政及び検察行政に関する件、特に行刑施設における医療体制について調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、名古屋大学医学部教授二村雄次君、日本医師会常任理事西島英利君、新葛飾病院院長清水陽一君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に委員会を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、二村参考人、清水参考人、西島参考人の順に、それぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。
 それでは、まず二村参考人にお願いいたします。
二村参考人 名古屋大学の二村と申します。
 行刑施設における医療の体制というタイトルでお話ということでありますが、そういうことに関する専門的な研究者でも何でもありませんのでどこまで話せるかわかりませんが、ただ個人的に、私は昭和五十三年四月から五十四年三月までの一年間に名古屋刑務所の医務部に法務技官として勤務した経験がございますので、二十五年前の一年間ですから現在の診療体制といろいろな変わった面があるかもしれませんが、機構上のことでは大変多くの類似点があるかもしれませんので、私の個人的な経験に基づいたことであれば何らかの皆様の御参考になるかもしれないというふうに思いまして、本日発言の機会を与えていただいたのではないかというふうに理解しております。
 それで、私の知る範囲で、この行刑施設における医療の体制についてお話をちょっとまとめてみたいと思いますが、一つは医療体制の問題、それぞれの施設における機構上の問題、ソフト面の問題、それから一般の診療施設との連携の問題とか、多くの問題がございますので、その辺を順序を立ててちょっとお話ししたいと思います。
 私の体験した東海地区におきましては、名古屋刑務所という、あそこの施設は中心的な役割をしておりまして、東海地区はもちろんのこと、北陸の方まで、大変広範囲の収容者の健康管理をやってきたというふうに思っております。その管区の急病人が出た場合、それから、例えば、私は外科系でございますので、緊急の手術が必要な場合は即刻連絡が入りまして、遠隔地からも患者が護送されてくるということが時々ございまして、緊急手術をやった経験もございます。
 それから、他施設との連携の問題が、これは大変大事な問題かなというふうに思いますが、どういうことかと申しますと、あそこの刑務所の中の医療施設にもある程度の限界がございますので、大変重症な患者さんが出たときに、その中で診療を行うか、あるいはもっと高度医療のできる施設へ御紹介するかという、結構大きな決断が迫られるときがございます。
 例えば外科系疾患でも、一般的なものであれば手術は十分可能でありますし、二十五年前の私が勤務していた時代でも、私、個人的にも胃がんの手術とか大腸がんの手術をあの施設でやった経験もございますので、十分なことはやれると思っておりますが、大変重症な患者さんを例えば集中治療室で観察しないといけないとか、手術後に大きな合併症が併発するような事例がある、そういうような手術に関しましては、必要な場合には執行停止処分を行いまして、専門施設へ紹介する。
 あるいは、特殊な検査が必要な患者さんが出ることがございます。あそこの施設の中では内視鏡検査とか一般的なレントゲン検査等々はできる体制にはなっておりますが、例えば、現在でもそうですが、私がおりましたときもそうですが、血管造影の連続エックス線のテレビの撮影装置等がございませんので、血管造影等が必要な場合には、医師が刑務官と同じく同行しまして、近隣の専門施設へ行きまして一緒に検査をして、それでまた戻ってくるというようなこともやっておりました。今もやっております。
 ということで、医療レベルに関しては一般の病院と、十分なことができますし、そこの施設における診療のレベルのわきまえもちゃんと心得てやっておったんじゃないかなというふうに思っております。それから、内科系の施設では、結核の患者さんが時々ございますので、そういう患者さんが出ますと、やはりあそこの結核の病棟へ収容するような体制ができ上がっております。
 それから、最近では、特に私、実は二年前に名古屋大学病院の病院長をやっていた手前もありまして、一度見学に来いといって所長さんに呼ばれまして施設の見学に行った経験がありますが、大変驚きましたのは、新しく入りました血液透析の、大変驚くようなすばらしい施設ができ上がっておりまして、その見学をしてまいりましたことがありますが、十七ベッドの血液透析の施設がございまして、全国一を誇っておりました。ですから、慢性の腎不全患者さんへの対処は万全を期しておるかなというふうに思っております。
 それから、内部の医師の適正配置がどうかというような問題もございますかと思いますが、今回、私のおりましたころと、今では随分職員の数も違っておりまして、内科系も臓器別に専門医がみんな配置されておりますので、あらゆる疾患に対応できるような体制ができているかなというふうに思います。外科系は同様でございますので、いわゆる一般外科の診療をしておるというふうに認識しております。
 それから、あそこの入病施設におけるベッド数と実際の患者が適正であるかどうかに関しましては、ちょっと詳しいことまでは、情報を入手することができませんでしたのでその辺に関しましてはちょっとわかりませんが、またそれなりの方法で調べていただければわかるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、先ほどから少し申し上げましたが、どれぐらいの診療業務が行われているかということをちょっとだけ御紹介させていただきますと、手術室が一つありまして、年間の手術件数が、例えば胃がんとか大腸がんとか、そういう多い疾患でも年間十例前後の、所内で起きて、その内部で処理しないといけない手術件数がございます。そのほかに、外科系ですと胆石症の手術なんかが結構ございます。それから痔疾患、おしりの病気、痔の手術が結構たくさんございます。あと、整形外科的な疾患に関しましては、情報を十分にとっておりませんので、専門外のことでちょっとわかりませんが、腰が痛いとか訴えられる方は結構たくさんいらっしゃるんじゃないかなというふうに思っております。
 それから、ちなみに、昨年度、執行停止で出られた方は二件あったそうです。心臓手術が必要となって、近隣の病院へ行かれた方等々がございます。
 時間がたってしまいました。また何かありましたら、後ほど回答させていただきます。失礼いたしました。
山本委員長 ありがとうございました。
 次に、清水参考人にお願いいたします。
清水参考人 新葛飾病院の清水と申します。よろしくお願いいたします。
 当院は、東京拘置所の非常に目と鼻の先にある病院で、急性期の病院です。百五十床程度で、ただ年間、カテーテル治療が二百八十以上、心臓手術も二百四十例以上行っておるCCUネットワークに属している病院です。こういう病院と、今回お手元に配りました二百三十八例の患者さんとのちょっと比較検討をしておりますので、お話しいたします。
 皆さん御存じのとおり、平均寿命は、日本では男が七十七・七歳、女性が八十四・六歳です。当院での死亡は七十五・六歳、百五十八人の死亡で七十五・六歳。今回、手元にあります二百三十八名の平均の死亡は五十二・七歳と、非常に若年者でおります。
 年代別に見ますとなおさらはっきりしておりまして、当院では、八十歳代が三三・六%、七十歳代が三二・三%、それから六十歳代が一七・九%、二十歳、三十歳代はゼロです。大人を扱っております。二百三十八人について見ますと、一番多い年代は五十歳代が二八・六%、四十歳代が二一・八%、六十歳代が二一%、三十歳が一〇%、二十歳も七・六%と非常に若年者が多い。こんなのでどうして死んでしまうのか、僕らではちょっと考えがたいという内容です。
 では、死因別に見ますと、当院では、がんの死亡が一九%、それから高齢者、先ほど八十歳代と言いましたけれども、肺炎等の呼吸不全が一八・六%です。二百三十八名について検討しますと、急性心不全という形で五十名、二一%の方が亡くなっております。この急性心不全というのは、具体的には全くよくわからない、心肺停止をしている、いわゆる死亡診断書において許されない病名です。要するに、何の原因で亡くなったかということが大事なんですけれども、急性心不全というふうな形で書かれております。
 続いて、この二百三十八名について検討しますと、実際にもし当院でこういうことが起こったとしたらば、二百件以上の医療訴訟を受けてしまうだろう、内容的にかなりの莫大な損害賠償を払わなくてはいけないんではないかというような内容だと思います。
 具体的に、一部送られてきましたので、内容を検討させてもらいますと、東京拘置所の例においては、突然死、いわゆる心肺停止が多くて、またカルテ記載に関しても、やはり非常に内容的には貧困であります。僕は、葛飾区医師会の保険担当理事をやっておりまして、各病院の生活保護あるいは社会保険の方の指導の立ち会いに行きますから、他の病院のカルテを見せていただいていますけれども、これがもう全くカルテとは言えない内容である。具体的な内容に関してはここではお披露目できませんけれども、内容的にも非常に貧困であるというふうに考えております。
 結論的に言いますと、テレビでもこの前、受刑者が語っておりましたけれども、一番彼らが希望しているのは医療である、医療が受けられないということが問題だと言っております。これはなぜ医療が受けられないかというのは、一つは、みんな医療を受けたくても診てもらえないために手おくれになっているという可能性が一つあります。それから、医療体制としては、そのカルテの内容等を見ますと、とても助けようという気があるのかないのかよくわからない。どうも塀の中には人権がなくて、そしてこういう問題が放置されているんではないかというふうに考えております。
 ぜひ、この法務委員会において、この日本のやみに光を当てていただきたいというふうに考えております。
 以上です。
山本委員長 ありがとうございました。
 次に、西島参考人にお願いいたします。
西島参考人 本日は、参考人として意見を述べる機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、日本医師会でございますので、広い立場から意見を述べさせていただきたいと思います。と同時に、私自身も医師でございまして、精神科医でございます。そういう観点からも少し意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 レジュメに従いまして、時間がございませんので簡単に御説明申し上げますけれども、まず一つには、内外医療格差というところで、医療へのアクセスビリティー、つまりフリーアクセスがあるのかどうかということでございます。
 いろいろ、今回ここに立ちますに当たりまして、実際行刑施設で医療を行っておられる先生方にも意見を聞いてまいりました。現在は人権尊重ということが強く言われているというところでございまして、やはり受刑者の方々が医療を受けたいというふうな希望がある場合には、ほぼフリーに受けることができるというふうに聞いております。
 ただ、今回のこの行刑施設は三つに分かれると思いますけれども、医療の専門施設がある行刑施設、それから医療重点施設と言われている行刑施設、それからそういう機能を持っていない一般行刑施設、この三つに分けられるというふうに思いますけれども、やはり、今回もう一つの問題として見なければいけないのは、一般行刑施設への医療がどうあるのかということだろうというふうに思います。
 全国的な調査をかけましたところ、一人の医師が常勤としてお勤めになっていられる。ただ、これは週三日以上、二十四時間以上の勤務という形になっておりまして、現状といたしましては、二日ぐらいの勤務ということになります。となりますと、残りの五日をこの方々が医療を受けられない、この状況をどういうふうにして解決をしていくのかというのはもう一つの大きな問題であろうというふうに思います。これは後ほど、医師会としてどういう対応ができるのかというお話をさせていただきたいと思います。
 そこで、常勤医師の問題でございますけれども、なかなか医師の確保ができないということでございますが、普通に言われる行刑施設での医療というのは、有床診療所として位置づけられております。有床診療所というのは、医師は一名でいいわけでございまして、そういう意味では、常勤という形で考えますと充足はしていると考えていいだろうと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、週に二日ぐらいの勤務ということになりますと、まだまだ大きな問題は抱えているだろうというふうに思います。
 ただ、簡単に医師を充足すればいいという問題ではございません。全国の病院に立入検査を行った平成十三年度の結果がございますけれども、医師の充足率で見ますと、全体としては七二・六%。地域差がございまして、西日本は七八・二%で、東日本は六七・二%の充足率でございます。特に北海道、東北地区ということになりますと、五一・三%の充足率、半分しか医師が確保できていないという現状がございます。北陸、甲信越も六四・四%という現状でございまして、やはり一般の病院でさえもなかなか医師が確保できないという状況がございます。
 そういう中で、特殊な傾向がございます行刑施設の医療施設ということになりますと、さらに大きな困難があるわけでございます。例えば、そこで受診をされてくる方々の特殊な事情というのがございます。精神病質とか人格障害という言葉がよく精神科の中では使われるわけでございますが、この方々が非常に多い。その結果、例えば虚言、それから大げさな症状の訴え、そして一番多いのが詐病というのが現状のようでございまして、こういう方々に対してどういう形で対応するのかというのが一つの大きな問題だろうというふうに思います。
 もう一つの問題、保護房の問題でございますが、拘禁反応という状態がございますけれども、この拘禁反応に対しては、一番大きなのは拘禁昏迷という状況がございます。これは、無動無言、それから外部からの刺激には全く反応しない、そして食事をとらない、失禁をする、無動だ、全く動かない、こういう状況の方々に対しては、やはり精神科としての専門的な医療をする必要性があるであろうというふうに思っております。
 それから、今後、病院移送の問題と、夜間、休日、医師が不在の対応をどうすればいいのかということでございますが、法務省からの話がある場合には、私ども、全国の刑務所が所在する都道府県医師会にお集まりいただいて、前向きな検討を今後していきたいというふうに思います。
 時間が参ったようでございますので、後ほどまた、御質問を受けたときにお話をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
山本委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
山本委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
佐藤(剛)委員 自民党の佐藤剛男でございます。
 本日は、参考人の先生方には、お忙しい中、また、ただいまいろいろな面から有益な御発言を賜りまして、ありがとうございました。
 私は、まず問題意識を御提示しながら、先生方に御質問させていただきたいと思っております。
 御承知のように、今回は、名古屋という刑務所の中において、一つの問題、現在係属中の問題が出た、その問題を、いろいろ今後の矯正問題を、政策を推進するためには解明しなきゃいかぬ。解明をしながらやっても、解明だけをやっていたのでは始まりませんので、やはり基本は、問題は、国家の機能として、外交、防衛、治安という問題は非常に重要な課題を持っているわけでありますが、特に刑務所の場合には治安の観点で重要でありまして、名古屋の問題というのは、単に刑務所の行政だけの問題ではなくて、いわゆる犯罪の取り締まりから、検挙から、釈放後の更生保護に至る一連の中で私は考えていく課題なんだろうと。
 私は、人権擁護を標榜している政治家でございますが、そのような観点から本件の問題を突き詰めていきますと、どうしても医療の問題にぶつかっちゃうんですね。それで、この医療の問題について、ただいま清水先生、それから西島理事から重要な問題が指摘されたわけでございます。
 繰り返すようでございますが、例えば清水先生からは、調べてみるとカルテの内容がなっておらぬという話、言い過ぎかもしれませんが、そういう状況で、貧困ではないかと、刑務所の中ですね、刑務所の中においての問題を見ると。また、なぜ若者たちが非常に亡くなるのかという問題を指摘されました。そして、受刑者の一つの大きな希望は、診てもらいたいと。それは、心臓が痛くなれば心臓を診てもらいたいし、肺が痛くはなるし、歯が痛くなれば歯にあれするし、目が痛くなれば目にあれする、私はそれは非常に基本の課題だろうと思っているわけであります。
 この意味において、これから刑務所の問題、いろいろな変死の数が、変死というか、刑務所の中で亡くなっている人が、簡単に言えば一年に百五十人ぐらいいるんです、アバウトで。十年間で千五百人いるんです。これはちょっと、数字だけ見ますと、驚くんですね。それは、お年寄りの人たちもいるでしょうし、いろいろなケースがあると思うんですが、やはりその問題は、当委員会としましても、同僚の議員がいろいろな点で指摘されていますけれども、私は、しっかりとした形で持っていかなきゃいかぬと。
 これは、最終的には、監獄法という一九〇八年に、約百年前にできているもので、そのままずっと国会の方においても放置してきたという責任の問題を感じながら、しかし、しっかりとした形で刑務所の中における医療体制問題というものを、いろいろな各方面、特に先ほど西島先生から、西島先生は特に精神関係の問題について、心神喪失等の重大な犯罪を犯した者のという法案が今参議院で審議されていますけれども、私も党の責任者としましてそれをまとめさせていただいたわけでありますが、医師会の中で推進をせられてこられた方で、その面において非常に感謝をしながら、この法律実現のことを考えながらあれしているんですが、その中で指摘された問題として、精神科の問題がある。
 つまり、私も心配している問題は、刑務所の中において、普通だって、普通の正常の人たちが刑務所の中に入れられれば、密室の中でストレスもたまるだろうし、逆にノイローゼにもなるだろうし、また逆に、ある意味ではノイローゼの人が入ってくるかもしれないし、いろいろな問題を抱えていると私は思っております。
 それで、私なりに調べてみますと、各刑務所、それなりのものは持っているんですが、医療のシステムを持っているんですけれども、例えば内科だから内科に限られるとか、外科に限られるとか、歯医者さんがあっても、あるいは眼科なんというのはまずないですね、見てみますと、余りない。そういうことを見ますと、これからの矯正局全体の体制として、少年院を加えて六十幾つあるわけですが、この医療の問題は、金がかかるかもしれないけれども、きちんとしたシステムをつくっていかなきゃいかぬ。
 それには、二村教授の名古屋大学との連携で刑務所もそういうものはあるだろうし、あるいは私立の大学との連携もあるだろう。私は、一番重要なことは、西島先生、地域の医師会、その医師会と連携をするシステムがないと、今の状況を見ますと、夕方の五時ごろから朝の九時ごろまで無医村なんですね。そこのところを僕は二村先生にお聞きしたいと思っているんですが、先生は経験されておるということですが、それは私もいかにもひど過ぎるという観点なんです。
 ですから、この委員会、これから先生方が御質問されると思いますが、刑務所問題というのは、やはり根底は、この医療問題をきちんとしたルートに乗せていく、医師会の協力を得る、全国的な立場でやる、そして、これは金がかかるかもしれないが、そういう問題についてしかるべき予算を獲得し、人員を配置し、そういう形が私は必要なんだろうと思っているわけでございます。
 それでは、以上の観点で質問させていただきます。
 まず、二村参考人に御質問させていただきます。
 二村先生、先生は一年間名古屋におられた、それで名古屋の方で手術もせられた、十分ではないか、透析関係のあれもあった、こうおっしゃられました。
 それで、まず第一の質問でございますが、私の知識とちょっと違うんじゃないかなと思っておるんですが、五時ですね、まず、お医者さんというのは何時から何時までおられて、何時から――大体亡くなるケースというのは夜中なんですね。これを拝見いたしまして、この資料は法務省矯正局の資料で、清水先生の配付資料に載っておりますけれども、やはり潮の満ち干に関係して、亡くなるときは潮が引くときに亡くなる、生まれるときは潮が満ちるとき、こういう一つの例がありますが、そんな感じを見受けまして、一種の無医村ですよね、五時から九時ぐらいまでというのは、そういうふうに僕は理解しているんです。
 ですから、夜中の一時とか夜中の二時になったときにだれがいるんですか。ボタンを押してもだれもいない。看護師がいるというお話があったんですけれども、そこら辺の事情を、本件名古屋の刑務所の問題でございますので、まず二村先生、その実態。
 それから、先ほど、執行を停止されてほかの病院に行かれたというのが数件ある、それから、中においては十分、集中管理もあって手術も――集中管理も私ども拝見しました。拝見しましたが、そういうようなことで、ああいうものなのかなと僕は思ったりしていましたが、その点について、率直な、これは今名古屋刑務所の問題が非常に課題になっておるわけですし、名古屋刑務所の中において、ごらんになるように、異状が発見されてから死亡時間まで、かなり短いですよね、これ。だから、治療も何もやっておらないのか、何かあっという間に、もう死ぬ間際にやっと気がつくのかどうなのか。
 そこら辺の医療体制について、先生は一年間おられた。最近どのようになっておるかあれですけれども。率直に、私の立場は申し上げましたように、これからよくしようとしておるわけですから、全然、名古屋刑務所をかばう必要はありませんから、そういう面で建設的な御意見を受けたい。
二村参考人 私の経験は二十五年前でありますので、現在と随分違う可能性があるかなと思います。(佐藤(剛)委員「ああ、二十五年前ですか」と呼ぶ)ええ、そうです。昭和五十三年から五十四年ですから。
 大体、勤務医師は卒後十年前後の方が多かったと思います。今もそういう方が多いんじゃないかなと思います。
 そして、今御指摘のように、あそこは病院のような施設であるにもかかわらず、問題点は今御指摘のとおりで、当直医師が常駐していないということです、時間外に。それが今御指摘のとおりの問題だと思うんです。(佐藤(剛)委員「だれもいないんですね」と呼ぶ)常駐しておりません、夜間は、五時以後。勤務は、九時までには必ず来て、それで五時になったら帰ると。
 ただ、私のときもそうでしたが、最近どうかということをちょっと来る前に聞いてきましたが、毎日、緊急の呼び出し体制ができておりまして、当日の責任者は、帰る前に一度、中の情報を全部収集して、それから重症者がいれば診察して、それから五時以後に帰る。それで、連絡方法もきちんととっているというふうに聞いておりますので、緊急呼び出し体制にはなっておるかと思いますが、中にいないということが問題だと思います。
 それから、予算のこととか何かのお話も今ございましたが、私がいるときに痛切に感じましたのは、年度末になりますとお金が足らなくなります。それで手術ができないときもありました。それで、常時、薬剤部の、薬局の先生から、年度末になってきますと、今あとどれぐらい金があるからどれぐらいの手術ならできるとか、そういうことが、例えば年末年始ごろになってきますと、その年度末の残り金が大体わかってきますので、そんなことをよく聞かされておりまして、それで、必ず時間を失しないでやらないといけない手術と、ちょっと延ばしてもいいというような手術、いろいろありましたので、金のある範囲内でやるというようなことが実際ありましたので、その辺はちょっと問題かなと思います。
佐藤(剛)委員 今、二村先生のおっしゃられた点というのは、これから刑務所等の医療の問題を考える場合に非常に重要な問題と思いますが、金の切れ目が命の切れ目になっちゃうようでは、これは非常に問題なんですね。そこら辺の点についての御指摘を賜りましたので、とりあえず、二村先生、ありがとうございました。
 それから次は、清水先生、お願いしたいんです。
 清水先生がおっしゃられた点、僕は重要な点じゃないかと思っておるんですが、清水先生は、開院をせられていて、お近くの刑務所から、診断というか治療あるいは手術とか、そういうことのあれに従事せられておられるんでしょうか。
清水参考人 すぐ近くにあるんですけれども、一度もありません。(佐藤(剛)委員「ない」と呼ぶ)はい。
佐藤(剛)委員 それで、先ほどのお話といいますと、葛飾の指導的地位にあって、それでごらんになられたと。カルテについて、カルテの内容が非常に貧困であるということは、先生が刑務所の中に行かれて、それでカルテなりというものをごらんになったんでしょうか。
清水参考人 一部、資料を保坂議員の方から送っていただいて、それを検討させていただきました。
佐藤(剛)委員 それは、みずから出かけられて、行かれた話ですか。それとも、刑務所から、こういうものの施設についていろいろなアドバイスを受けたいんだというような話からいらっしゃっているわけなんでしょうか。
清水参考人 後ほど話があろうと思うんですけれども、一度お伺いしたときには、カルテは見せていただいておりません。
佐藤(剛)委員 そこでとめておきますが、非常に貧困的であるというお話がございました。それだけあれしまして、あとは同僚の議員の先生にバトンタッチいたしたいと思っております。
 それで、問題、おっしゃられた点は、非常に手おくれになっておるという話ですね。それが、二村先生のお話も、お金の問題といえば、そんな話まで行っちゃうんだろうと思うんですが。
 そこで、一つは、これからの問題というのは、刑務所の中においての医療関係の予算。しかも、それ、健康保険というのは入っていないですよね。だから現金ですよね、簡単に言いますと。そうですね。ですから、ある意味では、また現金で治療したりなにするということで、私は、ある程度の病気で、非常に心臓がこうやってきて、心筋梗塞、随分、心臓病が多いですから、これを拝見しますと。そうなったら、やはり執行停止をして外のところに、医師会加入の、地域の、例えば名古屋の、内科は内科、それぞれ専門医があるわけでありますし、そして、土曜、日曜であれば、名古屋市、あそこの地域のところには、普通の場合でも緊急医、土曜、日曜日は緊急のところはあいていますよというのが町報、それから東京でいえば区報、いろいろなところで広報されていますよね。
 だから、そういうところに、私は、医師会が中心になって、西島さんのところが中心になってやっていただいているものだと思いますが、私は、名古屋と医師会との関係といいますか、地域の問題について、もう少し医師会と協力していただいて、これは私どもで法務省なり厚生労働省なりきちんと要請いたしますが、そういうふうなことをやる余地が十分あり、そして、そうしていただくことについて何か御意見がございますでしょうか。こういうことをやっていただきたい、こういうことを国会として要請してほしいと。
 あるいは、これは名古屋だけじゃなくて全国的な私は問題だと思っておりますし、沖縄から北海道まで、医師会が一つの中核体になって、もちろん、大学のいろいろ派遣なのもいろいろありますが、その連係プレーの中で、厚生労働省、文部省、それから医師会、それから各大学の医学部、それと刑務所、こういう五つぐらいでしょうか、そういう関係者が、随時、それぞれの地域において、刑務所のあるところで話し合う機関というか場というか、そういうようなものが必要であって、そして、それに向かって、こういうふうに改善したらいいんじゃないかとかいうようなことが私は必要ではないか、こういうことをちょっと御質問したい。
 それから、もう一つは、先ほど御指摘のありましたように、精神障害ですね、これは非常に重要なことだと思うんです。独房に入って、ふん尿をずうっと、前からやっていたというケースが随分出ているというのは、私は見ていると、相当、心身状況がよくない形の人たち、そういう人たちについての精神障害のお医者さんという方たちというのは何か非常に少ない感じ、もちろん全国的に日本自身が少ないわけでありますが、そういう面をまた痛切に感じます。
 それから、各、内科と外科とが偏っているような刑務所が随分ある。だから、そこの面で考えていくと、これをきちんとした、個別にもやらなきゃいけないし、あるいは、例えば麻薬であって、麻薬のお医者さんの部分といったら、ちょっとやはり違うんだと思うんですね、麻薬の人たちの、執行を受けている人たちは。そうすると、麻薬だけの刑務所、麻薬の患者がある、その刑の執行を受けている人たちのそういう刑務所、そういうようなものが私はあってもいいと思います。
 また、外国人の人たちがみんなばらばらになっている。そうすると、言葉の、中の通訳のなにして、病気になってもどうするのかという問題もあるわけでありますから、私は、刑務所の中の体制においても、そういう外国人刑務所、極端な言い方をしますれば。
 人権を侵害しない限りにおいてそういうこともやってもいいんじゃないかと思うわけでありますが、一般的な感じとしまして、西島参考人、どのようにお考えになるか、広範にわたって恐縮でございますが、御意見を賜りたいと思います。
西島参考人 まず、医療の連携の体制のお話でございますけれども、今までは医師会にほとんどそういうお話はなかったわけでございまして、しかも、個別的に刑務所の方から来られるというのが恐らく全国的な現状ではないだろうかというふうに思っております。
 しかし、医療に関しまして一番重要なことはやはり病診連携でございまして、先ほど申し上げましたように、刑務所の中にあるところはこれは有床診でございますので、やはり専門医療をする病院との連携、それから地域を主とする診療所との連携は必要であろうというふうに思います。
 そのためには、一つには、やはり情報交換というのが非常に大事だろうというふうに思っております。突然依頼をされても、状況がわからない。しかも、ある意味では偏見があるわけでございますね。そういう偏見をまずなくすという意味での情報交換の場というのが一つには必要であろうというふうに思っております。
 それからもう一つは、やはり収容されている方々は、独特の、例えば精神病質とか性格障害とかそういうのをお持ちの方が非常に多いというふうに聞いておりますので、そういう意味での研修を含めた講習会等々も、それなりの予算をとっていただいて、そしてやっていただくということが必要だろうというふうに思います。
 それから、全国医師会は休日急患センターというのを持っております。つまり、夜間、無医村的になるのを防ぐために、これは行政からの委託を受けてやっているわけでございますが、これは輪番制でございます。開業医の先生方がそこの診療所に出かけていって、そして診察をするという状況でございます。こういうシステムが必要であれば、輪番制的なものをとりまして、依頼があれば往診ができる、そういう体制も医師会組織の中ではできるのではないかというふうに考えておりますので、法務省からのそういうお話があれば、私ども前向きに検討していきたいというふうに思います。
 それから、精神障害の問題でございますが、これは拘禁反応という言葉がありますとおり、さまざまな拘禁のための反応を起こしてこられます。
 それから、もう一つ重要なのは、先ほど詐病が多いというお話をいたしました。詐病でございますね、にせの病気といいますけれども。これは、精神科的に言いますと疾病利得といいます。病気をすることによって得をするという状況でございまして、これも内部事情を聞きますと、今保健室的な役割をしている、そして、そこに行けば作業を休めたり、場合によったら、そこの有床診に入院すれば休養という形で、こういう発言がいいのかどうかわかりませんけれども、非常に楽な一日が過ごせるというような状況があるというふうに聞いております。
 そういう意味で、こういう患者さんたちをきちんと振り分けする必要性もあるのかなというふうに思いますので、やはり精神科の専門医の養成というのが急がれるだろうというふうに思います。
 ただ、残念なことに、今回、触法の精神障害者の観察法案が今参議院で検討されているわけでございますが、これが衆議院に上がってきたときに初めて司法精神医学の専門医が必要であるという議論が出てきたわけでございますね。ですから、かなりここの部分は立ちおくれております。
 しかし、今回の名古屋の事件も契機にこういうこともしっかりとする、そのためには触法の精神障害者の観察法が上がることによってこういう精神科の専門医の養成がどんどんふえてくるのではないか、そういう方々がこういう施設で活躍される場が出てくるのではないかというふうに考えております。
 それから、麻薬の話がございましたが、全国、たしか精神障害の専門の医療施設が二カ所あるかと思います。一つは北九州にございまして、これは精神障害を中心にした医療刑務所でございます。私も時々これにはかかわってまいりましたので、その内情はよく知っているつもりでございます。そういう意味で、やはりこういう形での、これはもうはっきり言って別の問題でございますけれども、専門的な医療を中心とする施設というのもつくる必要性があるのかなというふうに思います。
 それから、先ほど言いました病診連携の、外の医療機関に出すということを本当に頻繁にやってまいりますと、刑務所としての意味がある意味では問われることになろうかというふうに思います。そういう意味で、振り分けできる医師というのがやはり刑務所の中では必要、それは必ずしも常勤ではなくて、カウンセラー的な意味での医師というのも今後必要になってくるのではないかというふうに思います。それが、佐藤委員がおっしゃいました、これからの刑務所の中での医療の質を上げるという大きな課題かなというふうに考えております。
 以上でございます。
佐藤(剛)委員 時間でございますので終わらせていただきますが、今西島参考人から広範にわたって、医師会としまして、先生は大リーダーでございますが、力強い御支援、お話を賜りました。ひとつそういう面でいろいろな問題を、当委員会はこの問題を同僚の議員、真剣にやっている問題でございまして、何か方向のものをきちんと政府等々にやっていくのが我々の責務だと思っております。非常に有益な意見、ありがとうございました。
 また、二村先生には、どうか名古屋大学との連携の中において、これからいろいろまたお聞きすると思いますが、どういうところを直したらいいのか、どういう医師会からの力を入れたらいいのかとか、近辺の問題についてさらに御意見を賜れれば、こういう場ではないことになると思いますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
 また、清水参考人は、いろいろな有益な意見、ありがとうございました。
 以上をもちまして、委員長、終わらせていただきます。ありがとうございました。
山本委員長 次に、保坂展人君。
保坂(展)委員 私、清水参考人にまず伺っていきたいわけです。
 せんだってこの法務委員会でも審議の中で取り上げていったんですけれども、死刑制度を見直す活動をやっておるものですから、そういう関係で、古い事件ですが、団藤さんが死刑廃止論に傾くきっかけになったという事件で波崎事件という事件があるんですね。冨山常喜さんという八十代半ばの確定死刑囚の方がずっと冤罪を叫びながら、そして今非常に容体が悪くなったという知らせが私のもとに届きました。昨年の十一月なんですけれども、腎機能が急激に低下をしたので透析に入ったけれども、透析の際の反応が非常に悪いと。
 その際に、清水先生が意見を述べておられたということで、無理を言ってお願いをして、また、法務省矯正局の方にも、これは人道的に速やかにこの状態を見させてくれということで、清水先生と私とで東京拘置所に行きまして、医療に当たる責任者、医療チームをつくられていたわけですけれども、その皆さんとお会いした上で、これは東京拘置所、建てかえられましたので初めての訪問者ということになったようですけれども、ICU、新しくできたところに二つベッドがあって、そのうち一つに冨山さんが横たわっておられた。幸いお話ができたんで、状態はその十一月のときよりよくなっていたようですけれども。
 刑務所の医療、東京拘置所に行かれて具体的にどのようなことをお感じになったのか、まず感想で結構ですから、お願いをしたいと思います。
清水参考人 保坂議員からの要請で先日見ておりまして、その前にいささか私の意見書を書かせていただきました。そして、実際に行ってあちらの医務の、医療に従事されている方とお話ししましたんですけれども、やはり一番私が感じたのは、悪くなる前の状況がもう全く把握されていないということです。やはり、先ほどからお話ししておりますけれども、急変してぐあいが悪くなってから急いで、慌てて治療するということが非常に印象的に残っております。
 ですので、むしろ悪くなってから治療すれば、それは当然コストがかかるわけですので、今一番政府が推進している生活習慣病の問題と同じなんですけれども、予防をきちんとすればああいう状況にはならないし、お金もかからないのではないかという印象を受けました。
保坂(展)委員 その際に、冨山さんの方は、食事ができずに点滴等で栄養補給をしていたわけですけれども、やはり民間病院で治療に当たられている清水先生の方からの御意見では、なるべく早く自力で食べるように転換をしていき、また理学療法士ですかの皆さんの援助によるリハビリテーションというようなこともプログラム化して、そうでないとやはり寝たきりになっていって、強い抗生物質などを使っていくと感染症などで急激に悪化するおそれがあるという御意見でしたけれども、そういった観点から見て、もう少し、もう一言お願いをしたいと思います。
清水参考人 つけ加えて言わせていただきますと、今、民間病院においては、やはり入院期間をいかに短くするかということが大事なわけです。非常にプログラムというのが大事になるわけで、実際そういうプログラムをきちんとした形でつくることができないんですね。
 ということは、コストのことばかり言ってなんですけれども、かえってコストがかかってしまって、そのあげくは、先ほど言いました、こういう患者さんの場合はリハビリテーションをきちんとやっていかないと回復しません、早く歩行をさせていかないと治りが悪いわけですから、そういう形のプログラムをつくった方がいいという指摘をさせていただきました。どうも、中心静脈栄養が延々と続いて、抗生物質もだらだらと使っている、こういうのはやはり医療としてはちょっと的が外れているのではないかという指摘をいたしました。
保坂(展)委員 それでも、冨山さんの場合は、国会でも問題になったということで、かなり精力的に医療団を組んで治療に当たられているというふうに思いますけれども、一般の受刑者の場合は、そういった支援者とか身寄りのない方も多いですので、どんな状態になってもなかなかそういう指摘がない。
 清水先生に続けてお聞きしますが、先ほど、こちらの、いつ異変が発見されて、いつ病院に搬送されて、いつ亡くなったのかという資料を見ると、大変若いということで、二百件以上医療訴訟を受けてしまう可能性があるという衝撃的な発言もございました。
 そのうち、何件かをぜひ見ていただきたいということで、たまたま東京圏ということで、府中そして東京拘置所ということで何件かを見ていただいたもののうち、府中の方で、これはこの国会でももうずっと問題になってきた、我々は府中刑務所にも野党として行ってきましたけれども、保護房でずっと大声を上げておられた方ですね、整理番号で百六十五番になりますけれども、急性心不全で平成十一年の八月十日に亡くなったケース。
 この方は、最終的には、顔面が赤らんで、保護房の中で呼びかけにも反応しないということから死亡が確認されたということでございます。ずっと保護房に精神科、マル精というのは精神科という意味だそうですが、お医者さんが巡回をされて、これは本当にお医者さんなのかどうかということも議論になっていますけれども、一応カルテも添付されています、覚せい剤の後遺症で大声を上げると。大声を上げることで一般の処遇が難しいということで保護房に入れられるということが多いようですけれども。
 実は、この事件は、身分帳がなくなってしまっているということで、法務省の方が、これは強制的に捜査を始めなければいけないかもしれないということを明らかにしたケースなんです。
 このケースをごらんになって、カルテなどを見られて何か気がついたこと、あるいは、ほかの東京拘置所の若い方が亡くなったケースの中にも、精神病院に連れていってくれと大声を発して保護房に入れられ、そしてその後に亡くなっていく、舌をかみ切ったのかどうかわかりませんけれども、そういったケースも入っていますが、清水先生、いかがでしょうか。
清水参考人 府中の事例に関しては、お送りしていただいたすべてがいわゆる不審死なんですね。もし病院でそういうことがありますと、必ず警察に届けなくてはいけないという内容なんですけれども、それが一切されてなくて、全く突然死している。それで、年齢的にも四十六歳と非常に若い方で、その間のことに関してもやはりきちんとした観察がなされていないという印象を持っております。
保坂(展)委員 そもそも、例えばこちらの方で、この一覧表でわかるのは、最終的に病院に行ってから亡くなるまでの時間が大変短いということがわかります。
 これは、では、一番最初にお話しいただいた二村参考人の方に伺いたいんですが、こちらの資料の方はごらんに……(二村参考人「はい、見ました」と呼ぶ)はい。
 それで、例えば名古屋のところを見ていただくと、二十八番の四十九歳の方。この方は、胆石の手術、これは術後ですから、手術がうまくいかなかったということでしょうか、四十九歳で亡くなられたと出ています。それから、病院に搬送されたケースでは、五十六番。これは、五十四歳の方ですけれども、脳出血ですから、一時四十五分に運ばれて二時七分には亡くなっている。それから、七十番の肺結核の方も、三時五十分に運ばれて、二十分後、四時十二分に亡くなっている。そしてまた、次のページで、百十七番の方は、一時五分に搬送されて十分後に亡くなっているということで、いわゆる入院といっても、この名古屋のケースを見る限り、民間病院によって治療を受けてというところまでに至らず、最終段階なのでいわば病院の方でみとられるというようなことに、実態として、このケース、この図表からはそのようにしか見えないわけです。
 刑務所の中で、処遇というところで最後まで見ようとする余り、やはりタイミング、決断が遅いのではないか、私どもはそういうふうに思うんですが、いかがですか。
二村参考人 一般論でこれをやりますと間違いが起こりますので、これは一例一例きちんとやっていかないといけないと思います。
 例えば、二十八のケースは手術後の肺梗塞が死因です。肺梗塞というのは、ある頻度で起こる合併症でありまして、これは西洋人は日本人よりはるかに頻度が高いです。現在は、肺梗塞というのは、手術中に特に下肢に血液がたまって、それで血栓ができて、手術後に患者さんが動いたりしたときにたまった血液が肺に飛んで、肺の血管を詰まらせて急死するという、今皆さんよくお聞きになっていらっしゃると思いますが、エコノミークラス症候群、あれと同様の現象です。これは、ある程度の頻度で手術を行うと起こり得る、特に肥満の方が起こりやすいです。
 ですから、これは、この死因をいかに考えるかということですが、そうしますと、全国の医療刑務所で何例の手術を行って、何%ぐらいでこの肺梗塞が起こるかということをよく検証しますと、医療刑務所における手術のレベルが適正かどうかというのがはっきりしてくるかと思いますので、ほかの事例と比較して考えると、ここのレベルが悪いのかどうかということがはっきりわかってくるんじゃないかなというふうに思います。
 それからあと、脳出血とかそれから急性の硬膜下血腫とかいうものに関しましては、これは、その患者さんの事前の病歴がわかるとこういうことが起こりやすいかどうかのリスクが評価できるかと思いますので、そういうことを入所のときにきちんとチェックすると予防対策が講じられる可能性があるかなというふうに思います。
 ただ、起こってしまってからどうこうということは、中にいても実際の社会にいてもこういうもののリスクは常にありますので、どこにいたから悪いかどうかということは、これだけではちょっと判断しかねるかなというふうに思います。こういうのが突然家庭で起こって、救急車で駆けつけて、病院に着いたときに死亡というのは非常にたくさんございますので、その辺が、一例一例きちんと検証しないとはっきりしたことはわからない。
 それから、七十番の肺結核の方の病死、これは詳細不明ですので、ちょっとコメントはしかねると思います。
保坂(展)委員 ちょっと趣旨が伝わらなかったようで、一例一例どうですかということを全くお聞きしていないので。
 実は、病院に行って、基本的には病気を治して帰ってきてもらう、健康体で刑期を終えて、そして出ていってもらうというような考え方にあくまでも立ってほしいわけで、ただ、その背景には、この医療費が一〇〇%国費であるということもバックにあるように思います。
 そして、これは別に名古屋だけじゃなくて、すべて見ると、そんなに長く入院されて亡くなっているケースはありません。もちろん、よくなって帰ってきている人はこの表の中にはありませんからね。ですから、これだけ見られてもという反論はあるかもしれないけれども、客観的に見て、やはり清水先生がおっしゃったように、若年の人も大変亡くなっているという現状はここではっきりわかってくると思います。
 そこで、西島参考人にお聞きしたいんですが、一点は、亡くなる年齢がやはり若いのではないかという清水先生の御指摘、この表を見てどういうふうに受けとめられるのかという点と、ぜひ精神科ということでお聞きをしたいのは、私ども、個別の、府中の事件それから名古屋の事件についてもこの委員会で相当議論をしていますけれども、そもそも、自分のふん尿を壁にずっと毎日塗っているような、そういう症状、あるいは、こちらのカルテには、精神病院に入れてくれと言ってうるさいので保護房に入れて、その後亡くなる、そういう人たちのケース、つまり覚せい剤の後遺症の方が大変多いんです。
 平成二年に、法務省の方で構造的にある計画を立てまして、これはうまくいかなかったということなんですけれども、民間に遜色ないような高度医療をできるように体制をつくろうと。その上でなんですが、府中と名古屋に覚せい剤精神病の精神疾患の方を一応拠点的に集約しようという構想があったようです。
 しかし、その全般の高度医療というか、充実した医療体制の部分が、事精神疾患に関しては十分構築されないまま受刑者だけが来てしまったとなると、体制がありませんのでやはり保護房に入れてしまう。保護房に入れて、懲罰効果がまずないですね、記録を見ると。出るとまたわあっと大声、また入れると。そしてもう一つは、治療効果という意味でもこれは全くない。衰弱していく。熱射病で死んだりとか意識障害を起こしたりする。
 だから、これはちょっと構造的なゆがみが今回の幾つかの事件に噴き出してきたと私は見るんですが、そのあたりの御認識、どうしたらいいのかということも含めて伺いたいと思います。
西島参考人 恐らく、今先生がおっしゃった症例は拘禁反応によるものだろうというふうに思います。それと、覚せい剤の前歴があったということになりますと、覚せい剤の精神病状態なのかどうかということも一つは検証が必要だろうというふうに思っております。
 保護房で便を塗りつけたりというようなことは拘禁反応等でよくある症状でございますし、また、意識状態としてはもうろう状態だろうというふうに思うんですね。そういう中で、一つの考え方、精神科病院に入院させることがその解決になるのかどうかということは、必ずしもそうではないと考えております。
 それはなぜかといいますと、精神科病院の能力にも一つの限界がございますので、そういう意味では、今回、触法の障害者の観察法案の中にありますそういう専門の病院が全国に幾つかつくられるわけでございますから、今後は、それが整備された中で、そういう方々をそこで治療し、そして再度、また刑務所の方で生活をしてもらうというような、そういう体制づくりが急がれるだろうというふうに思っております。
 もう一つ、保護房の問題でございますが、実は、ICU症候群という病名がございまして、それはどういうことかといいますと、脳卒中を起こしたり事故を起こしたりして集中治療室に入れられたときに、目が覚めたら自分はがんじがらめに縛られているというような状況の中で、譫妄状態といいますけれども、いわばおかしな行動、言動が起きてくるわけですね。それから、粗暴な行動も起きてまいります。そういうのを譫妄状態、ICU症候群というんですけれども。
 これは、過去は全く外から隔離された状態の中で治療がされていたわけでございますけれども、今は外の環境が見えるような状況の中で集中治療室をつくられているということでございますので、保護房の内容がどうなっているのかわかりませんけれども、外の景色が見えるとか、今時間的にどういう時間なのかとか、そういうような環境づくりがあれば拘禁反応は少しは軽減をしてくるのかなというふうには思っております。今後の施設構造的な問題もあろうかというふうに思います。
保坂(展)委員 再び清水参考人に伺いますけれども、民間で院長をされている、医師のチームも率いて治療に当たっているという現在からごらんになって、刑務所の中の医療施設、人工透析の機械などはある程度新しいものが入っていったお話も今ありました。ただ、十分医師がいつもいる状態ではないということも指摘をされています。
 これは私の見方なんですけれども、今、受刑者を外の民間の病院に出すというのは大変なんですね。これは、金銭のことだけではなくて、やはり刑務官がついていかなければいけない、しかも交代、輪番で見てなきゃいけないということがあります。
 そうであれば、私は、管区の中に、受刑施設の敷地内に、例えば厚生労働省管轄の、治療を主にして、しかも刑務官が監視をしていなくてもいい、しかし内容においては、処遇ではなくて、ここに入れば治療だというしっかりした病院をつくっていく。今医療刑務所はありますけれども、医療刑務所に入るのも、府中刑務所の話を聞くと、どうも保護房に何回も常連さんで入って、そして、これはもうどうしようもないという形の方が一人、二人、八王子の方に移送されるという現状も聞きましたので、思い切って治療を主軸にした病院をつくっていくというようなことをした場合にこの状態はやはり改善できるのかどうか。
 清水先生、御意見を。いかがでしょうか。
清水参考人 これは非常に難しい問題の指摘だとは思います。
 まず、病院というのは、私たちは、よい医療をやるということはよい医者を集めなくてはいけませんので、やはり十分な資金も要るとは思います。内容的には、僕が見せていただいたあそこの施設ではできるとは思いますけれども、それでは、いい医者がいるのかどうかということに関しては、非常にちょっと疑問を感じたということが一つですね。
 それで、今保坂議員が指摘したような病院が実際にできるならば、これは非常に結構なことだろう、先ほど私が申しましたように、かなり、やみに光が当てられるのではないかという形で今後できるのではないかというふうに思います。
保坂(展)委員 それでは、二村参考人に今の点、議論、お考えを伺いたいんですが、現実に、名古屋でも府中でも、保護房の収容中に亡くなるという事件が起きています。
 その背景に、先ほど私が言いましたように、矯正局の方の計画がどのように現場を動かしていったのか動かしていかなかったのかわかりませんが、結果として、府中刑務所に我々が行っても、今薬物で入ってくる方が大変に多い、そして、その中には大変処遇困難な方がいると言われるわけですね、やはり夜中に大声を上げたりとかですね。
 いわば一般の受刑者を基本に今の矯正施設の体系がつくられていますよね。まじめに作業をして、仕事をして、そして累進処遇でだんだん階段を上がっていって、そして最後には仮釈放の日を迎える、そのために努力するというインセンティブが与えられているわけですけれども、覚せい剤で精神疾患という方たちは、なかなかそういう枠にそもそもはめることが難しい。それで懲罰になるわけですけれども、典型的な例が保護房です。
 保護房に入れることによって、もう二度とああいうところには行きたくないということで、何か制止あるいは懲罰効果があるのかというと、全くないというふうにおっしゃる。全くないので、また入る。では治療はどうなのかというと、やはりだんだんひどくなるということがこちらの記録なんかを見てもありますね。ですから、そういう一つのシステムの不足、不全による無理なしわ寄せがやはり現場に来ているということは私はあると思うんですね。
 もちろん御勤務されていた時代にも薬物の方はいらっしゃったでしょうけれども、今はなおふえているという現状を踏まえて、いかがですか。
二村参考人 実は名古屋刑務所の例で申し上げますと、私は実際勤めていましたときに、よく先輩から、まずオリエンテーションを受けてから入ったんですが、先ほど西島先生がおっしゃったように、詐病の方が大変多いということ、それをまず識別することから始まるということを聞きまして、実体験いたしました。本当の病気かどうか鑑別することが大事である。
 その次に、今おっしゃった覚せい剤の方。実は名古屋刑務所は、覚せい剤の方、暴力団関係の方、それから累犯の方、そういう方が中心に入っておりますので、いわゆるなかなかの方が多いということで、覚せい剤の方というのは、先ほど西島先生からいろいろお話がありましたように、専門の精神科の先生方のきちんとした診察と指導がないといけないんじゃないかなというふうに私は思います。
 ですから、病気でそういう行動を起こしていらっしゃる方を通常の方が起こしたというのと同じように判断をして拘束するというところで間違いが起こる可能性があるんじゃないかなというふうに思いますので、拘束すること自体が治療法として誤りであるということかどうか、精神科の先生の専門的な御意見が伺いたいところかなというふうに思います。
 いずれにしましても、先ほどおっしゃったように、精神科系の疾患を持った方を集中的にああいうところに集めておられますので、私は、そういう系列の患者さんを一つの施設に集めてやるというのは非常に合理的でいいんじゃないかなというふうに思います。一般の方と混在しますと大変なことが起こりますので、私は、先ほどおっしゃったようなことをちょっと知りませんでしたが、全国的にそういうところを集中的にきちんとやるということは一歩として大変大切なことかなというふうに思いますので、あとは、その辺をきちんとしたレベルで精神科の先生に診ていただくということが大切な方策じゃないかなというふうに思います。
保坂(展)委員 時間がありませんので、お二人、清水参考人と西島参考人に、この委員会でこれだけ集中的に、行刑施設の中の特に医療に関して緊急にやはり正していただく、抜本的な制度改革もにらみながらも、今すぐできること、これはぜひ改善すべき、なるべく早くということがありましたら、お二人からそれぞれ聞かせていただきたいと思います。
清水参考人 一般病院においては、患者さんの目があり、訴訟という方法があります。しかし、塀の中ではそういうことがなかなか困難だと。また、一般病院においては、いろいろな形での指導というのがあります。要するに、レセプト請求も含めて、きちんとした医療が行われているかということがチェックされています。ですので、そういうチェック機構をつくらないと、やはりなかなか困難だというふうに考えております。ですので、刑務所の医療をチェックするようなことを何とかつくっていただきたいと思います。
西島参考人 触法の精神障害者の観察法案が今議論をされているわけでございますが、全国にこういう患者さんたちを受け入れる施設が整備をされてくるということになって初めて、司法精神医学、そういうものの専門家というのが育ってくるんだろうというふうに思うんですね。やはり、一般の精神科医だけではなかなか、こういう患者さんたちをきちんと診察し治療するということは難しい問題であろうというふうに思います。
 特に精神病質それから性格障害の方々は、自分で治ろうとする意思がなければ、これは中心は精神療法でございますから、なかなか治療効果は上げられないというふうに思いますので、ぜひ早くその法案を上げていただき、ぜひ司法精神医学の向上のための十分な予算をとっていただいて、そういう専門科医の養成をしっかりとしていただくようにお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
保坂(展)委員 ぜひ、刑務所、行刑施設の中で平均して亡くなる年齢があと五年間のうちに一般の病院の方たちに限りなく近づいたというような取り組みを私たちもしていきたいと思います。
 どうも、きょうはありがとうございました。
山本委員長 次に、河村たかし君。
河村(た)委員 皆様、御苦労さまでございます。河村たかしでございます。
 二十分しか時間がございませんので速やかに、私は余り書いたものを見て読まないんですけれども、医学的な話ですから、淡々とひとつ短くお願いしたいと思います。
 二村先生、きのうは手術の後で、きょうは大変に御苦労さまでございました。
 まず、二村先生に、ボールペンをのみ込んだ受刑者など、そういうようなことを受刑者がするというふうに伺いますけれども、先生は、どういうためにこんなことが起こるのか、どういうふうに思われますか。
二村参考人 私の実体験でございますが、やはり精神的にちょっと問題のある方で、私が実際手術をして摘出をしましたケースだと思いますが、もう何度かやっていらっしゃる方で、普通のこのボールペン、あれを上手に何かごくっとのみ込まれて、食道から胃に斜めに刺さった形でもう動かない。緊急手術を行いましたが。
 皆さんの御意見を聞いたんですが、どうしてこういうことが起こるか、多分、手術を受けて病舎に入るといわゆる仕事をしなくていいとか、何かそういうのが理由らしいというようなうわさを聞いたんですが、もう何度か傷がありました。何回でも手術を受けて、そういうことをやっているということで、まあまともな感覚の方ではないというふうに思いましたけれども、そういうことが時々あるということです。
河村(た)委員 それから、十二月の事案、ホースで水をかけた事案です。
 検察は、豚に麻酔をかけて、〇・六キロ、平方センチ当たりの水圧で、むき出しの肛門部に直接当たるよう放水実験を行ったと言われておりますけれども、この実験と十二月の放水事案は、実験の条件面で比較しますと、一番、麻酔がかけられた豚は外部からの刺激による肛門括約筋の収縮が働くか否か、それから二番、生理学上、豚は肛門がむき出しであるが、うつ伏せになってひざを立てていない人間の肛門部は臀部の奥に隠れているのではないか、それから三番目、受刑者の肛門部には実際には斜め上方から放水が当たっており、角度的にも豚は真っすぐですから豚の実験とは違うなど、私のような医学の専門家でなくとも、これを実際に保護房で行われたことと比較することには無理があると思うけれども、専門家のお立場からはどうかということ、お願いします。
二村参考人 豚にどういう麻酔法をされたかちょっとわかりませんが、麻酔をかけたというふうに聞きましたが、多分全身麻酔だと思います。そうしないと、豚を固定してああいう実験をやることはできないと思います。全身麻酔をかけますと肛門の括約筋は弛緩しますので、意識のある方と同じ条件でやりましても全く違った反応が起こるというふうに思いますので、実際に実験をやるときには、条件設定を誤らないようにやることが大切かなと思いますので、あの実験に関しては私はちょっと疑問を持っております。
 それから、豚の直腸部がどういう角度になっているか、私は動物のことはちょっと不確実ですが、実際、人間の場合は、直腸のいわゆる角度といいますか、おしりからいいますと少し背中寄りの方に、骨盤の後ろの方にカーブしておりますので、腹ばいの状態で斜め上からですと、角度の問題で、こうなってこうなって、ちょっとなかなか力がうまく伝わらない可能性があるということ。
 それから、あの豚の実験の写真を拝見させていただきましたが、今御指摘のように、おしりがぴっと伸ばして、飛び出しておりますので、腹ばいになっている人間とははるかに異なった物理的な形になっているかなというふうに思います。
 実際、人間の肛門というのは、腹ばいの状態ではおしりの筋肉に隠されて外からはもちろん見えませんし、ある距離から、斜め方向からそこにアプローチするのは大変困難かなというふうに思いますが。
河村(た)委員 放水後、受刑者を診察し肛門部の裂傷の縫合手術をされた医師は、二村教授の部下であると聞いておりますけれども、診察や手術をしたときの受刑者の状況や裂傷の程度について、話を聞かれたことはありますか。
 また、聞かれたとしたら、肛門部の裂傷の状況についてお答えください。時間が短いですから、先生、本当に短くひとつ。
二村参考人 私は、新聞報道されて初めて、ああいうことがあったということを聞きましたので、その後に聞きました。そうしましたところ、メスで切ったようなシャープな傷ではございませんが、ぴしっと、ぎざぎざとしたような、そういう傷があったというふうに聞きました。
 もう一点、何でしたか。(河村(た)委員「それでいいです」と呼ぶ)いいですか。
河村(た)委員 それがもしこのような、これは当時入っていた本物です。これは、今は違う。今あるのはぐにゃぐにゃのですけれども、変わっておりますけれども。このばりばりに割れた破片が、これがあったことを目撃した人がいまして、例えばこういうような形のがあって、こういうものがもし肛門の中に入った場合に、そのぎざぎざになった状況というんですか、それから、肛門が五時と十時のところに切れたというふうに聞いていますけれども、それから肛門より十一センチのところが五センチ、そういうようなことで、これが自傷に使われたとされた場合、それの形状というのはぴったりするものでしょうか。
二村参考人 あくまで推測ですが、一つは、これをどうやって肛門に入れるかということですが、どうも聞いたところによると、ふん便を出すためにやるとかいろいろ話を聞きますが、直腸指診といいまして、私たちは指で診察をするんですが、必ずゼリーを使って、油のようなものをつけませんと抵抗があってなかなか指も入れられないんですが、こういうものをもし入れようとすると、ある程度の、相当な摩擦の抵抗があるかと思います。
 ですから、もしも無理やり入れれば、肛門の外にも中にも相当な傷がつくんじゃないかなというふうに思いますが……(河村(た)委員「そのぎざぎざとなったところですか」と呼ぶ)そういうふうにはなるかと思います。油をつけてやるとちょっとスムーズになるかもしれませんが。
 どうやって入れたかにも、条件設定がいろいろ難しいかと思いますが、そういう傷がつくことは、可能性はあるかと思いますが。
河村(た)委員 ありがとうございます。
 それでは、検察は、その豚による実験で、豚に、一つのに七リッター、一つのに三・五リッターの水がたまっていたと。
 人間においても、今言いましたように、肛門の奥十一センチのところが五センチ直腸裂開というんですか、仮にそういう水が入ったとすれば、その痕跡として、肛門部の表皮剥脱というんですかとか、腹に相当な水がたまると思われるんですけれども、それらについて、執刀した医師に確認されたことはありますでしょうか。
 また、確認されたとしたら、その結果と、どういう診察の結果でそれが発見されたのかということをお答えください。
二村参考人 あの事件は、新聞報道で見て、私は最初からちょっと疑問を持っていましたので、ちょっと聞いてみたんです。
 一つは、消防用のホースで、本当の消防自動車から出るようなあんな強烈なのでおしりから注水しますと、穴があくことは間違いないなと思いますが、五センチの穴があけば、強烈な勢いで、水圧で入れれば、おなかの中に何リッターの水がたまるであろうかということは想像を絶して、いわゆるカエル腹といいましょうか、おなかがぽんぽんになって破裂するぐらいの水がおなかの中へ入るんじゃないかな、そんなふうに想像しましたので、あのおしりの手術をやったときはどういうふうにやったかと聞きましたところ、全身麻酔であおむけでやりまして、砕石位といいまして、あおむけで足を上げてやるんですけれども、おしりがよく見えるような状態でやるんですが、全身麻酔でやりましたので、そのときにおなかの状況というのはすぐわかりますから、おなかがはれておるようなことがあればすぐ気がつくと思います。そんなことがあれば、何リッターも水がたまっておれば普通はすぐわかりますが、そんなことは全くなかったと言っていました。
 それから、証拠が何かないかと言って聞きましたところ、デジタルカメラでおしりの傷の写真を撮るために、証拠の写真を撮るためにデジカメを操作中に、何かビデオのセッティングになっておったらしくて、その手術の全体が写真には撮れておるから、それを見ればわかるんじゃないかなというようなことはちょっと聞きましたが、今それがどこにあるか知りませんけれども。そんなことはちょっと聞きました。
 いずれにしましても、おなかがはれておるとかそういうようなことは全く気がついていないというふうに言っておりました。
河村(た)委員 今ちょっと一応、二村さん、誤解されるといけませんので。いわゆる高圧ホース、筒先はいわゆる出初め式に使うものだったんですが、出た水は、検察が言っているのでもいわゆる〇・六キロパー平方センチということで、大体、東京都の水道の水が一キロですから、東京都の水道の水の六〇%というところでございまして、ざっと出た程度という、ここから大誤解が始まっているということでございます。
 そういうことですから、そのような水で、ちょっと訂正して言ってもらえませんか。ホースだとすればと言いましたけれども、そういうことじゃなかったものですから、今ちょっと答弁を。
二村参考人 低水圧では、やはり水圧が低かったり流量が少なければ、起こる危険性は少ないと思います。
 それから、その後、実は文献検索しましたところ、同様な事例が約十年前に報告がありました。
 酔った方が、温泉地で、温泉で水面上七十五センチまで噴き出す五センチの筒の水がばっと出るところへ酔っ払って座って、おしりが何かはまり込んでしまって事故が起きたという事例が報告があったのを見ましたところ、やはり直腸から上の腸へ行く移行部というのが一番当たりやすいんですが、ここからこんなのがぼんと出てくるところへちょうど座ったために、おしりにまともに当たって破裂した、緊急手術をやったときにはおなかの中に水がいっぱいたまっていた、そういうふうなことが書いてありましたので、やはり水を入れて破裂するようなことがあれば、当然そういうことが起こるんじゃないかなというふうに思いましたけれども。(河村(た)委員「状況が違いますね、今のふろのは」と呼ぶ)ええ。
 低圧だとやはり起こりにくいかと思いますし、そのかわり、圧が低くても流量がたくさんあれば起こる可能性があるかと思いますが、その辺は、実は外国の文献も探してみましたところ、戦前にもう既にそういう動物実験をやっているのがありまして、どの辺、大腸の部位によっていろいろ圧が違うというようなこととかいろいろな実験結果はありますので、調べようと思えば、いろいろな手を使ってやれるかと思います。
河村(た)委員 今のケースは、ふろで本当におしりをぴったりつけた状況で、ウォシュレットよりすごいものですね。だから、ちょっと今の人間とは違うと、そこが違うということだけ言ってください、会議録に残りますから。
二村参考人 条件設定が全く違いますので、さっきの豚の実験と、実際のあの名古屋刑務所で起こったのと、私が今申し上げたおふろでなったのと、全くそれぞれ違いますので、ああいうことが誤って報道されると誤解が生じるかと思います。
河村(た)委員 それから、いわゆる革手錠による事案とされていることですけれども。
 まず、九月の話。九月になりまして、これも先生のところにおみえになるドクターですけれども、手術されまして、重症、腸を四十センチ切ったと言いますが、実はこれは間違いでして、腸間膜が五センチ切れて、そこから血管が出ておる。それで、一応これを、壊死するといかぬからということで、手術のために四十センチ取ったということなんです。腸間膜が切れたと。
 五月の事案もそうなんですけれども、腸間膜が切れるというのは、革手錠で締めて起きるものかどうかですね。革手錠、二十センチ締めるといいますけれども、二村さん、もし、そこで、僕は本当はきょう持ってくるところだったんですけれども、自分のベルトを二十センチ先まで仮に引くということですから。そんなことができるのかできないのかということでございまして、そういう革手錠、僕は当然できないで、十センチまでなんです、実際引いたのは。十センチでもかなり苦しいんです、これ。そういう状況で腸間膜というのが切れるものかどうかということを、ちょっとお教えをお願いします。
二村参考人 腸間膜の損傷というのは、実は私も若いころに緊急の医療をやっていた経験が三年間ありますが、交通事故が圧倒的に多いです、原因としましては。
 どういうときに起こるかといいますと、やはり、自動車のバンパーとかあるいはミラーとか、いろいろなものが、おなかに鈍的な圧力で、があんと急激に当たったときに、腸管という管は当たったときに自然とこういうふうに排除されるんですが、腸間膜というのは、おなかの後ろ側にくっついていまして、それが背骨との間にぼんと挟まったときに膜にぴっと亀裂が起こる、そういう現象でありまして、何らかの鈍的な圧力が急激に加わったときに起こりやすいと思います。ですから、ああやって、ぎゅっと、ゆっくりと締めたときに起こるかどうかは私は全く知りません。まあ、実験をやってみるとわかるかと思いますが。
 いずれにしても、急激な外的圧力が加わったときに起こりやすい、背骨との間に挟まって傷がつくというのが受傷機転になると思います。
 皆さん御存じかと、事例としましてよくあるのは、昔、シートベルが二点だったですね。あのときには結構たくさんありました。シートベルトが、急激にがあんとなったとき、運転者が飛び出すぐらいの勢いで、ここが締まりますと起こりますので、それで腸管損傷とか腸間膜損傷が多かったために、それで今、三点になったんですね。あれで、ここに余り急激な圧力が加わらなくなって、減ってきたと思います。
河村(た)委員 ということは、今、シートベルトというのは運転手が飛び出すぐらいの急激な力ですから、引いても、受刑者というのは、みんな力を入れていますしね、ほとんど。私は正直言って、とても起こらないと。十センチ、二十センチ、では、人間を二十センチ仮に締めたら、どうなりますでしょうか。呼吸ができなくなるんじゃないですか、横隔膜の関係で。その二点をちょっとお答えください。
二村参考人 継続的に二十センチも締めると呼吸がどうなるか、想像を絶するんですが、いわゆるおなかというのは息を吸うときには横隔膜がぐっと下がりまして、それなりのリラックスした状況でないと深呼吸、もちろんできませんので、ある程度の呼吸困難がずっと継続的に起こったような異常状態になっておるんじゃないかなと思いますし、継続的に、じっとそういう状況が続いたときに腸間膜が傷つくかどうかは、ちょっと私にはわかりませんですね。
 ただ、先ほどシートベルトの話をしましたが、ここにベルトがあって、手がこういうふうにあったときに、交通事故を想定するとわかるんですが、転倒するとか何かで、手が地面に当たるような転倒事故でもあれば、これを契機に、ごんと当たって腸間膜損傷が起こる可能性はあるかな。ちょっと、推測の域を脱しませんが。
河村(た)委員 私も実はそう思っていまして、五月の方は保護房内で立っていたという話もありまして、こういうふうにしていますと、要するに、人間だと手がつっていたり、倒れたときのイメージが大分違うんですけれども、支えるところは一切ありませんから、どんといきますね、これ。それで、ここでいって、ここが腹に当たって、今、ドクターが言われた、二村さんが言われた、それで腸間膜が切れたんではないかなと、これは一つの推測ですけれども。
 そういうことは、やはり、そのくらいならあり得るということですね。もう一回お願いします。
二村参考人 交通事故の事例ばかり申し上げてあれですが、やはり背骨と外的圧力との間に挟まって起こるわけですから、急激なことががんと起こると非常に起こりやすいと思いますが、じわっとなったときにどうなるかはわかりません。
河村(た)委員 まあ、慎重に言っておられるんだろうけれども、わかりませんということは、今までの先生の長い手術歴とかの中であったことはありますかね、少なくとも。
二村参考人 胴を縮めた状態で長時間そのままに置いておくというのは見たことも聞いたこともありませんので、体験が全くないというふうにしか申し上げられないですね。だから、やはり実験をやってみるとはっきりわかるんじゃないかなと思います、起こるかどうかは。事例を見たことも聞いたこともありません。
河村(た)委員 ということでございますので。
 僕は、受刑者の人権も非常に大事にしておりますし、反対に、今、刑務官の方というのは、ある意味では受刑者ですよ、未決でなんですね、これ。だから、やはり本当に、国の行政というか一番末端のところで、体を張って国の秩序を守ろうと努力されている皆さんが、こういう状況で、私は検察も信じておりました、検察はやはり証拠に基づいて非常に厳正に公益を追求してくれるところだと、まあ、今でも信じておるんですけれども。こういう状況で、八名の方が非常に苦しんでおられるということなんですね。
 だから、ぜひ先生もいろいろなところへ出て、ちゃんと事実を言っていただく。先ほど言われましたけれども、いろいろな統計を出されて、いろいろな問題があることもこれは事実。だけれども、やはり個別事案をきちっとやっていかないと、そこから法務行政のいろいろなことがわかってくるんだよね。
 そんなことで、二村先生は刑務所の医療の数少ない経験者ですので、ぜひいろいろなところでお話をどんどんしていただきたいなと思いますが、一言だけお言葉をいただいて、終わります。
二村参考人 私たちの今の領域では、事実に基づいた云々という、エビデンスに基づいた医療をやれというのが合い言葉になっております。
 何か事を判断するとか事例を評価するということを行うときには、厳正に事実の裏づけをしてやることがやはり大切かと思います。ですから、今回、私、個人的に新聞報道なんかを見ていまして、本当にそうかということを、常に疑問を持って見ておりますので、もし今後もこういう席で行うのであれば、きちんとした事実で検証していただくのはぜひやっていただきたいなというふうに思っております。そんなものでよろしいでしょうか。
河村(た)委員 どうもありがとうございました。
山本委員長 次に、水島広子君。
水島委員 民主党の水島広子でございます。
 本日は、参考人の皆様、お忙しい中、ありがとうございます。私も精神科の医師でございまして、もともと勉強が足りない上に、今は臨床を離れておりますので、余り偉そうなことが言える立場ではないんですけれども。
 そんな私の目から見ましても、今回、この名古屋刑務所の問題で、いろいろと審議の中で資料を見たり、また刑務所まで視察に二度ほど参りましたり、そんな中で、いろいろと驚いたことがございました。
 その驚いたことの一つは、先ほど清水参考人がおっしゃったような、例えばカルテの書き方のずさんさであったり、あるいは不審死が異常に多いというようなことであったり、また、死亡原因に急性心不全という、これは、私が臨床現場にいたときから、もう今は死亡診断書に急性心不全というのを書いてはいけないんですよということを、私も駆け出し時代に指導を受けたのを明確に記憶しておりますけれども、そんな急性心不全という死因が非常に多いことであるとか、そのように、非常に驚くことが多々ございました。
 そして、これは、突き詰めていくと、やはり医療の問題なのではないかなと思うようなところがいろいろございましたので、本日、こうして御意見を伺える機会を得られましたことを大変ありがたく思っております。
 驚きましたことのもう一つが、今回、今ずっとここのところ話題になっております放水事件でしょうか、その被害に遭われた方の一連の経緯を見ておりまして、少々驚きましたのが、死亡診断書が存在しているということでございます。
 あの方は結局、肛門直腸裂創を負われて、そして縫合手術を受けて、その後に急変して亡くなったというような、そんな経過であったわけです。私、これはそんなに、死因が特定できるような、その後すぐに急死することが予想できるような手術でもなかったわけですし、やはり異状死なのではないか、そのように思っておりますけれども、それで、現場に参りまして、縫合をされたドクターに、何で死亡診断書を書いたんですかと。その死亡の原因が、やはり直接の死因というのがおなじみの急性心不全となっておりまして、何でこんなものが存在するんだろうという素朴な疑問を持って現地に参りましたので、直接お話を伺いました。
 先生は死因が特定できたんですかと伺いましたら、できませんでしたと。ただの肛門直腸裂創だと思って縫って、術後の経過も順調だと思っていたら突然亡くなってしまったというような、そういうケースだったのではないでしょうかと言いましたら、そうですと。その場合に死亡診断書を書くということに関して、先生はちゅうちょされなかったんですかというふうに聞きましたところ、ちゅうちょしました、わからなかったので聞いたところ、ここは診断書でよいと言われたと。その言った人が刑務所の方だったのか検察の方だったのかよくわからないけれども、とにかく言われたというふうにおっしゃっているわけでございます。
 私、きょうこの場で個人のドクターが施された医療が適正であったかどうかというようなことを争うつもりは全くございませんし、また、この一連の経緯の本当の真実が何だったのかというのは、もちろんそれは裁判の場で明かされていくべきことだと思ってはおりますけれども、ただ、いろいろとお話を伺っていきますと、どうも適正な医療が確保できない状況に、医師がこうしようと思っても何らかの圧力によってそれがきちんと行使できない状況に刑務所というのはあるのではないかな、そのような疑念を抱くに至りましたので、そのような観点から質問をさせていただきたいと思いますので、ぜひそのような趣旨の質問だということでお答えをいただきたいと思うんですけれども。
 その縫合をされたドクターは二村参考人の医局の方だというふうに聞いておりますけれども、そのあたり、卒後十年前後の方が大体刑務所にいらっしゃる。卒後十年といいますから、ある程度経験を積んでいる、そのくらいの医師がなぜそのようなときに死亡診断書に、直接の死因のところに急性心不全と書いて処理してしまったんだろうかというのが、私、非常に心にひっかかっております。
 まず、これは本当に嫌みではなくて、本当に純粋な質問として聞いていただきたいんですが、二村参考人の医局で、やはりそういう場合には安易に死亡診断書なんというのを書くものではなくて、きちんと検案するなりなんなり、そのようなことはもちろん指導していらっしゃるわけですし、そういう今回のこのようなケース、二村参考人がごらんになっても、何だったんだろうなというふうに思われたことはございませんでしたでしょうか。
二村参考人 私は今回、先ほども申し上げましたように、新聞報道されてから初めて知りまして、法務委員会の方々が来られて、こういうことがあったということを知ってからですから、私の知識は随分少ないかなというふうには思いますが、御本人にいろいろ聞いてみましたところ、いわゆる今回の事例は、汎発性の腹膜炎がいつの時点からあって、おしりの傷の損傷の手術をやったときに腹膜炎の状態が本当にどんなふうであったかということが一番ひっかかることかなというふうに思いますが。
 診断書の件について申し上げますと、それもちょっと聞いてみたんですが、死亡時刻からちょっと余り時間がなさそうだったから、大変迷ったのであるが死亡診断書にしてしまったと。通常は死体の検案書にするということは常識的に本人も知っておったようですが、詳しい判断基準がどうだったかということは、はっきりとしたことは本人は言っておりませんので、今おっしゃったようなのが原因かなというふうに思いますが、死体検案書はどういうときに書くのかということは知っておるかと思います。
水島委員 ありがとうございます。
 ですから、多分突然の事態で、御本人も、その手術をされた当人として、何でこんなふうになったんだろうと動揺されているところで、だれかにそう言われたからやったんだというふうにおっしゃっていて、言われたからやるというのが医師としてどうかというのはまた別の問題だと思いますけれども、そういうことに関してきちんと明確にしておかなければいけないその現場の慣習のようなものが刑務所の中にあるのではないのかなと、非常にその一件から思ったわけでございます。
 ぜひまたそんな観点からの、二村参考人もご当人に、また御自身も刑務所での勤務の御経験もあるということでございますので、本当にその医療が何らかの行政の圧力ですとかそういったことで恣意的にゆがめられることがないようにしていかないと、適正な医療は確保できないと思いますし、これは場合によっては、今もちろんそれは法務省がすべて管轄しているわけですけれども、そこの医療の部分だけは厚生労働省が所管すればそれでよくなるかというとわかりませんけれども、全く独立したものにしていかないとなかなか透明性が確保されないのではないかなど、私、今回の件でいろいろ考えておりますので、ぜひまたそんな観点からもいろいろこれからも御指導いただければと思っております。
 また、もう一つ、今回の医療に関して不思議に思いましたのが、その当時、肛門直腸裂創の負傷をされていた方は会話ができる状態ではなかった、つまり会話が成立しなかったということですので、何でそんな傷ができたのかということを御本人から確認することは全くできていないわけです。
 いろいろこれはドクターからも聞きましたし、また刑務官の方からも聞いたんですが、何かうううっという声を上げて四つんばいになっているような程度で、何かこれでやったというようなことが説明できる状態ではなかったと。そのようなとき、そんな状態で会話もできないと意識レベルの確認というのもなかなか難しいんじゃないかと思うんですけれども、そんな状態で、当時暴れてもいなかった、それでも、おしりをちょっと縫う程度のことをなぜ全身麻酔をかけたんですかと聞きましたら、暴れる人だからと。
 その理由はわかるんですけれども、当時暴れていたわけではない、日ごろから暴れ者だったということでおっしゃったんだと思うんですけれども、そういう意識レベルがきちんと確認できないような状態で、これは私も推測で話しているので一般論としてお答えいただければ結構でございますけれども、意識レベルがきちんと確認できないような状態で、おしりに傷を負っている、ただ、その負傷の原因がどうだかよくわからない、そういう方に対して、速やかに全身麻酔をかけて縫合術を行う。
 それも、ほかにどこに負傷しているか、原因がわからなければほかにどこを探したらいいかというのもわかりませんので、そういう中で、とりあえずおしりだけを縫ってすべてが済んだと思うというのは、ちょっと医療者としては不注意かなという感じも私はするんですが、ただ、それもそのドクターが不注意だったということを責めたいわけではなくて、周りが、この人はこういう理由でけがをしているんだから、先生、早く縫っちゃってよというような圧力をかけるというのは現場では十分あり得ることかなと思うんですが、そのあたり、何かお聞きになっていたり、何らかの御感想があったらお伺いしたいと思うんですが。
二村参考人 実は私、詳しいことは今聞いてはっきりわかったんですが、余り聞いておりませんのでちょっとわかりませんが、出血をしておるから縫合処置をしてほしいという連絡が入って手術をした、止血しないといけないと。
 それから、先ほど言いましたように、おしりのところの手術というのは、あおむけに寝まして、足をこういうふうに上に上げるんですね。砕石位といいますが、お産のときの体位ですね、あの体位じゃないとできません。あるいはうつ伏せでもできるんですけれども、ジャックナイフ体位といって、こんな格好で、頭を下げておしりを出すという。いわゆるそういう体位で手術をやりますときには、動いていただくと全く何もできませんので、それで動くといけないので全身麻酔をかけた、そういうふうに聞きました。先ほど申し上げましたように、全身麻酔をかけるときに、腹膜炎を起こしている、そういうようなことには全く気づいていないというふうに言っておりました。
 ですから、私はわかりませんが、そういう事態に陥る前に、拘禁状態、何か縛られておったような状況とかいろいろな状況にあったみたいですので、いわゆる通常の腹膜炎の症状が起こる患者さん、まともな状況で起こってくる患者さんとは全身の状況が全く違うかと思いますので、その辺が、もしも腹膜炎を見逃しておったというふうに御指摘になるのであれば、その原因は、患者さんが、その前の状況が通常の状況でなかったということも、事態の判断をもしも誤っていたとしたら、そういうところにもバックグラウンドがあるかなというふうに思います。
水島委員 確かに御指摘のように、恐らくこの方は今までこういう状況に置かれていて、それで今回、今こういう状況になってという、医療者としての適正な判断をするだけの体制に非常に乏しいのではないかなというのは、私もこのいろいろなずさんなカルテなんかを見まして感じたところではありました。
 その場合に、ただ、いろいろこのカルテの質、確かに私も大したカルテを書く者ではございませんので本当に偉そうなことは言えないんですけれども、そんな私が見てもちょっと驚くようなカルテがあったということでございまして、これは本当に、先ほど清水参考人が指摘されていたとおりでございます。
 本当に、これを見てこれは質が低いというのは確かにそのとおりなんですけれども、清水参考人にお伺いしたいんですが、何でそんなことになっているんだろうという、率直にどういうふうに考えられますでしょうか。
清水参考人 私たち医療従事者は、貧富の差あるいは思想、宗教に関係なく患者さんを診るということが大事なんですけれども、どうも塀の中と外では見方が違うのではないかというふうに感じました。
水島委員 ありがとうございます。
 その塀の中の話なんですけれども、確かにその見方が違うというのも一つあるかもしれない。また、もう一つは、先ほどからずっとこの中でもお話が出ていますように、覚せい剤を乱用している方が非常に多かったり、あるいは拘禁反応で非常に難しい状況になっておられたり、あるいはもともと人格障害を持っていらっしゃって本当につき合いが難しい患者さんが多かったり、そういういろいろな理由もあってだんだんとそういう今の現状に至ってしまっているのではないかなと思うところもあるわけでございます。
 今度は、精神科医として西島参考人にお伺いしたいと思うんですが、私、前に刑務所で革手錠のこととかヘッドギアのこととか、いろいろ聞きましたときに、よくここの人は、頭の中にもう一人人がいると言って、そいつをやっつけてやるんだといって頭をがんがんと壁に打ちつけるもので、そういうときはやはりヘッドギアをさせなければいけない、ヘッドギアを取らないようにするためにやはり手錠をかけなければいけないと。
 その理屈だけを聞くとそうなんですけれども、それは明らかに異常体験をされている方ということで、この人が、同じような病状の方が精神病院にいれば、きちんと薬物投与を受けて、少なくとも、いつまでもがんがん打ちつけているような状態がずっと放置されずに薬物治療を受けているだろうなと思ったわけでございますけれども、少なくとも私がそこに勤務していたらそうするだろうと思うわけです。
 本当に、先ほどから、今審議中の心神喪失者医療観察法案のことを西島参考人もおっしゃっているわけですが、例えばあの法案の対象となるような、たまたま犯行当時心神喪失状態で、あちらの法律に乗っていく人もいる。ただ一方では、病気としてはほとんど同じ状態あるいはもっと重いけれどもたまたま何らかの事情で刑務所に行っている方がいる、犯行時点に心神喪失ではなかったというようなことで刑務所に来ていたりというような方がいる。
 そういう場合に、あの新法についてはまだ施行されませんし、まだ成立もしていませんから、そこでどういう高度な医療が行われるかというのはまだ何とも言えないところですけれども、少なくとも医療を受けられる、片方では医療を受けられない、頭を打ちつけるままに、ただヘッドギアだけされて放置されているというようなことは、何だか医師として見ますと非常に矛盾していることだなと思うわけです。
 そのあたり、全般的にどのような御見解を持たれますでしょうか。
西島参考人 先ほどから水島委員もおっしゃっておりましたけれども、人格障害、精神病質という方々の処遇というのは非常に困難であるということは、専門医でございますのでおわかりいただけるというふうに思います。
 それで、では精神科病院でどういうような対応をしているのかということでございますけれども、やはりそういう粗暴な行動がある場合には当然薬物は使いますけれども、薬物を大量に使いますと心不全を起こしてきたり、呼吸困難を起こしてきたりというような状況もございますので、やはり適量という部分があろうかと思います。
 そうすると、十分な抑制ができないという形になりますと、当然それには身体抑制をかけるということもやはり精神科病院では行われているわけでございまして、私自身、精神保健指定医の審査をしておりますけれども、結構多いんですね。保護室に入れて身体抑制をかけているというのが多いんですね。
 ですから、そういう方々の状況を見ますと、やはりかなり粗暴な行動が多いということでございますので、必ずしも、刑務所の中でと精神科病院とで何が違うのかといいますと、薬物を使ってある程度の抑制はできる、しかし、そういう処遇困難な方々はやはり身体抑制も必要だということでございますので、このあたりを今後きちんと研究していく必要性があるだろうというふうに思いますね。今まで、安易にそういう身体拘束というのを治療の場でも使っているのではないかなという気がしないでもございません。
水島委員 確かに、御本人の安全を確保するためにどうしても拘束しなければいけないような状況があるということは存じております。ただ、もちろん、私もその指定医として御指導を受けている立場なんだと思いますけれども、それは拘束するよりは保護室である程度自由な空間を与える方が御本人にとってはまだいいんだというような、そういう流れで全体的には理解が進んできているんじゃないかとは思います。
 ただ、そんな中で、今西島参考人は、刑務所と医療との違い、どちらかというと拘束というような点から御説明くださったんですが、私は、刑務所の中でどこまで適正な医療、薬物投与にいたしましても、確保できるんだろうかというのをちょっといろいろ疑問に思っております。
 先ほどどなたかおっしゃっていたように、そこの刑務所の敷地の中にむしろ病院を建てちゃった方がいいんじゃないかというのは、それは確かにそうかなと思うところは、先ほど申しましたように、いろいろな圧力で適正な医療が確保できないのも問題だと思いますし、また、特に精神科の治療の中では、人格障害の治療に取り組んでいるイギリスの司法精神病院のような、そういう特別病院の方の話なんかを聞きますと、やはり病院の場合には精神療法をする場合にも対等な、親密な人間関係をつくる、ただ、それを刑務所で、幾ら看護師の資格を持っているとしても、刑務官がやろうとすると、どうしても管理する関係になってしまうのでなかなか難しいんですよというような話を聞いたことがございます。
 私は、やはり刑務所で行われる、仮にそれが場所が刑務所であるとしても、医療というのはまた医療なんだろうなと思っておりますし、それは医療者が施さなければいけないんだろうなと思っているわけでございます。
 そんな中、もう時間になりましたので、最後にもう一言だけ確認させていただきたいんですけれども。
 刑務所の中において、先ほど拘束という点から主にお答えをいただいたわけでございますけれども、同じような病状なのに、たまたまちょっとボタンのかけ違いで、ある方は今度の新法に乗ることもあって、またある方は刑務所に来られることもある。その中で、私は、あの法案の審議が始まった当初から、むしろすぐに進めなければいけないのは行刑施設における精神医療の充実ではないかということをずっと訴えてきたわけでございますけれども、その点については西島参考人も御同意いただけますでしょうか。
西島参考人 今までの措置入院の主な問題点は、人格障害それから精神病質という、この二つが措置入院の対象になっているというところに一つの問題ができたんだろうというふうに思うんですね。それが、昭和六十年前後だったと思いますが、某病院のああいう死亡事件までつながったというようなこともありまして、これはきちんと是正しなきゃいけないわけでございますけれども、安易に精神科病院がそういう形で使われてきた、そういう歴史的な事実はあるだろうというふうに思います。
 そういう意味で、これはきちんとやはり整理をして、それなりの事件を起こされた方であれば、責任能力があるのであれば、やはりちゃんとした刑を受ける必要性があるのではないかというふうに私自身は思っております。
 それからもう一つは、先ほどから私申し上げておりますように、人格障害の方、精神病質の方で、本当に治療意欲を持っておられるかどうかというのが一番ポイントだと思うんですね。我々医療関係者は患者さんをよくするために努力はいたしますけれども、やはり御本人が治療意欲がなければこれは幾らやっても変わらないわけでございますので、そういう観点での振り分けというのは必要かなというふうに考えております。
水島委員 どうもありがとうございました。
山本委員長 次に、石原健太郎君。
石原(健)委員 西島参考人にお伺いしたいんですけれども、私は医療のことは全くの素人ですし、刑務所のことも二度見学に行っただけでよくわからない部分も非常に多いんですけれども、この一覧表を見て、平均年齢とか病名等を見ると、素人ながらも、ちょっとこれは世間一般とは違う死に方だな、年齢やなんかにしましても、そんなふうに思うわけです。それから、府中刑務所に行ったときに、最近亡くなった方の平均年齢なんかを聞きますと、五十五・五歳だというような話もあったわけなんですよ。
 また、名古屋刑務所や府中刑務所では、革手錠をはめて保護房に入れて、何日間も入れっ放し、ほとんど入れっ放しになっていると。何でそういうところに入れられるかというと、奇声を発したり奇行をしたり、それから暴れたりするからだと。そういう人を保護房に入れること自体がどうも間違っているんじゃないかということを素人ながらにも感じたりしているんですけれども。
 先生は今の刑務所のそうした部分の体制についてはどんな感じをお持ちになっているのかということと、医療面でいろいろ改善していくとすれば何が一番大事なことだとお考えになっていらっしゃるか、お聞かせいただけたらと思います。
西島参考人 恐らく、保護房を利用するかしないかが一つのポイントのような気がするんですね。その場合に、精神症状を持っていて、そして興奮状態があるという場合には、精神症状があるという観点からいきますと、きちんとした治療をすることが先決だろうというふうに考えております。
 ただ、それが性格、人格障害的なもの、それから精神病質的なもので興奮状態があるのであれば、これは、どちらを選ぶかということになりますと、薬物を使っての治療にそれだけの効果があるのかというのは少し疑問がございます、確実に効果があるという意味では。そういうことでございますので、やはり併用せざるを得ないという部分もあろうかというふうには考えております。
 そういう意味で、そういうことをきちんと判断できる専門医の養成というのが必要だろうというふうに私は考えております。
石原(健)委員 先ほど清水参考人から、そうした良質の医師を確保するということもなかなか難しいというような趣旨のお話もありました。それから、専門医の養成ということもしばらく時間のかかることだと思うんですけれども、そうすると、刑務所の医療というのは現状ではちょっとまずいんじゃないかという感じもするんですけれども、その点についてはどんなふうにお考えでしょうか。
西島参考人 刑務所内の医療が悪いのかどうなのかというのは、安易に判断できないんだろうと思うんですね。刑務所内での医療をどのレベルに期待をしているのかということで考えなきゃいけないだろうというふうに思っております。ですから、必ずしも刑務所で勤務されている医師たちが質が悪いんだということは、安易には言ってはいけないだろうというふうに考えております。
 それから、もう一つ。専門医の養成に時間がかかるだろうということでございますが、精神保健指定医という、精神科の経験五年以上を持って、これはちゃんとした国家資格でございますけれども、法に基づいた資格でございますけれども、そういう方々がいらっしゃいまして、これはかなりの技術を持っておられます。ですから、それに司法精神医学の知識を持っていただければ、かなり早い時点でそれなりの専門医が養成できると考えております。現在、千名近い方が精神保健指定医としていらっしゃいます。
石原(健)委員 最初お話を伺ったときに、医療の問題について余り法務省側から医師会の方に働きかけのようなものはなかったというようなお話をされたかなと思いますけれども、仮に法務省側からいろいろまた医師会に相談などありました場合、恒常的にそれに対応できるような体制はつくれるんでしょうか。
西島参考人 私ども医師は、人間、人間という言葉がいいのかどうかわかりませんが、罪を犯した人、それからそうではない人も含めて、それを区別して医療をしているわけではございません。そういう意味で、いわば地域医療という観点から必要であれば、当然、私ども前向きに検討させていただき、先ほど申し上げました輪番制を含めたどういう体制が組めるのかということの検討はさせていただきたいと思っております。
石原(健)委員 これは同僚委員から指摘があったことなんですけれども、清水先生に伺わせていただきます。
 カルテがずさんだという感じをお持ちになったようですけれども、どういうふうにずさんだったのか、感想をお聞かせいただけたらと思います。
清水参考人 まず、カルテというのは人に読める内容でなくてはいけないんですけれども、字が読めない。そして、例えば精神科の方のことだと、患者さんの言っていることだけを書いているだけで、アセスメントがない。考察ですね、考え。要するに、ドクターがどういうことを考えてどういうプランを立てているんだということが書かれていない。
 それから、私、糖尿病の方を診ているカルテを見させていただいて、今ちょっと誤解されるといけないんですけれども、私が見たのはほんの一部ですから、非常にきちんとやっていられる方も多いとは思います。そのように私は信じたいと思いますけれども、私が見せてもらったカルテの話です。ヘモグロビンA1cが八・四。それに対して、これは普通は六・五以下がコントロール領域なんです。それから、血圧に関しても書いていない。要するに、理学的所見が全く書いていない。それで、突然死している、病名は心不全だというようなことでは、ちょっと困るのではないかということです。
石原(健)委員 仮に、カルテを医師以外の刑務官が書くというようなことがあっても、それは構わないことなんでしょうか。
清水参考人 カルテはあくまでも医師が書くものと思います。
石原(健)委員 終わります。ありがとうございました。
山本委員長 次に、木島日出夫君。
木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 三人の参考人の先生方には、受刑者の医療問題について大変貴重な御意見をありがとうございました。
 私も、この委員会で、特に名古屋刑務所で起こった三件の事件について真相解明のためにいろいろと質問してきたんですが、お聞きしたところ、刑務所内で直接医療に携わった経験をお持ちの参考人の方は、二村先生が約一年間、二十五年前と。お二人の、西島先生と清水先生は、直接は刑務所内での医療には関与したことがないということとお聞きいたしましたし、二村先生も、名古屋の今回起きたホース水放水による暴行陵虐致死事件や革手錠致死事件に直接関与されてはいないのではないかと思いますので、その問題について私は質問せずに、受刑者と医療について五つの観点から大きく聞きたいと思いますので、よろしくお願いしたい。
 言いますと、受刑者入所時調査、分類調査と、医師の関与問題。二つ目には、受刑者に対する健康診断体制と医師の関与の問題。三つ目には、これが本筋なんでしょうが、受刑者に対する一般緊急医療と医師の問題。四つ目には、保護房収容と医師の関与の問題。五つ目には、受刑者死亡と医師の関与の問題。受刑者が入所してから死亡に至るまで、お医者さんとこういう局面で関係を持つということであると思いますので、皆さんの知見をお述べいただきたい。
 順序を逆にいたしまして、受刑者死亡と医師の関与の問題について、最初に清水参考人からお伺いいたします。
 先ほど、清水参考人から、今回の受刑者死亡二百三十八例の中で、驚くべきことに二一%の死亡診断書が急性心不全という診断であった、考えられないということをおっしゃられました。私も、なぜこんな死亡診断書がまかり通っているのか、あるいは、お医者さんの立場からいくとこれ以上書きようがなかったからではないかとも推察できるんですが、なぜだと外部から見て考えられるでしょうか。率直に御意見を賜りたい。
清水参考人 これは、僕は医師の責任ではないというふうに考えております。多分、そのように書くことが慣例となっているのではないか。要するに、急変している、それを死亡診断書は急性心不全というふうな書き方をしているにすぎないのではないかと思います。
木島委員 慣例になっていると。
 私は、医学素人なんですが、こういうことも考えられませんでしょうか。死亡するまで当該医師が直接受刑者に対する診察をしていない、全く診察なしに死亡したので、診断書を書いてくれと言われて、死体だけを見て死亡診断書を書かされているという例も結構あるから、こんな診断書しか書けないんじゃないかと思うんです。
 直前に診察した経験があるのに、死亡直前にその医師が診察をしているのに、死んだときに死亡診断書に急性心不全なんと書くということはちょっと考えられないと思うんですが、私のこういう考え、どうでしょうか。清水参考人。
清水参考人 私も同感です。
木島委員 そこで、これは清水参考人に一点だけ御意見をお伺いしておきたいんですが、当委員会に法務省から出された資料にこんなものがあるんです。名古屋刑務所で受刑者に対してホース水を放水して暴行陵虐致死という事件が、今名古屋地裁で係争中です、刑事裁判中です。その事件が起きたのが平成十三年十二月十四日です。その翌日、平成十三年十二月十五日、司法検視が名古屋刑務所内で行われて、その司法検視の実施者である名古屋地方検察庁検察官と最後に死亡診断書をお書きになった医師との間で、次のような死因に関するやりとりがあって、大変興味深いので御披露し、先生の御意見を伺いたいと思います。
 これは、まず、現場に行く前に、処遇部長室でのやりとりです。検察官、死因を心不全とする根拠は何か。医師、手術により止血は完全に行われていること、また、心不全は急激に心拍が落ちるパターンであり、今回もある時間を境に急激に脈拍が低下し続けるなど、心不全特有の症状が見られることである。こういうやりとりがあります。
 そして、皆さん、病棟に行かれたんでしょう。病棟でのやりとりの中にも、その問題についてのかなり立ち入った検察官と医師とのやりとりがあります。検事、刑務所で死亡した場合、死亡診断書は書くのか、病名は心不全となるのか。医師、死亡診断書は書く、死因は心不全となります。検事、死因を心不全とする根拠は何か。医師、出血によるものではない、可能性として心筋梗塞の可能性が強い、肺梗塞もあるが。
 これは、このとき立ち会っていた一刑務官の覚書であります。ただ、名古屋刑務所長にまで上がった非行政文書なるものでありますが、この記載、ここだけあるんですね。
 この医師は、縫合手術をした医師ではないかと推測されるんですが、直前に縫合手術をした、しかし、直接に、急速に血圧が低下して死んでしまって、死んでしまった後呼び出されて死体を見た、そういう医師ですね。それで、死亡診断書には死因が急性心不全とのみ書かれておって、その原因は不明、そのもう一つさかのぼった原因も不明、そのもう一つさかのぼった原因も不明とあって、そして備考欄に直腸裂創によるものというような記載があるんですね。そんな局面なんです。
 こういう状況でも死亡診断書に死亡原因が急性心不全とのみ書かれる、これはどう考えたらいいんでしょうか、先生の御意見をもう一回お聞きして、この問題を終わります。
清水参考人 私は、心臓の専門医ですので、心不全の定義が全く間違っております。
 それが一つと、これに関して言えば、やはりそういう原因があるわけですから、例えば、通常の病院でありますと、これはとりあえずは不審死になります。ですので、警察に届けてきちんとした法的な手続をとらなくてはいけないということになると思います。
木島委員 この問題はこれぐらいに切り上げまして、次に、保護房収容と医師の関与の問題について、一年間刑務所での医療の経験のある二村参考人からお聞きします。
 参考人は、名古屋刑務所で働いていた当時、保護房収容の事案で、医師としての同意の印鑑を押した、そんな経験はお持ちでしょうか。
二村参考人 ちょっと、質問をもう一度。保護房へ入れるため……(木島委員「入れるときに、あるいは更新のとき」と呼ぶ)ちょっと、全く記憶にないんですが、どうやってやっておったか。
木島委員 昔はどうだったのかなんですが、最近は、保護房収容の場合は、最初三日、長くて三日、その後更新する場合、必要性については、二日ごとに更新、その際医師の判断も求めるということになっているんですが、御存じですか。(二村参考人「私、今はちょっと存じ上げておりません」と呼ぶ)ああ、そうですか。それではこの質問には答えていただけないかな。今そういう仕組みになったんです。
 それで、本当に保護房収容が必要かどうかの判断ですね。最初三日間入れて、引き続き更新する、そのときに医師の診断、一応医師の了解を求めるようになったんですが、そのときに、担当のお医者さんが本当に、その保護房に入っている受刑者を個別診察して、そしてまた、もっと言いますと、処遇票とか視察表とか、ここにありますが、十五分ごとに非常に細かい本人の状況を記載した大変すばらしい記録が残されていますから、それを全部見た上で、この受刑者が引き続き二日間の保護房収容が必要かどうか、そういう厳格なチェックが私は必要だと思うんですが、そういうことがなされているのかどうか、二村参考人、御存じでしょうか。
二村参考人 全く知りません。ルールもちょっと知りませんので。
木島委員 では、御意見でいいんですが、私は、保護房に入れて、最初三日、二日ごとにきちっと更新手続をやる、その際は、その受刑者の精神状況とか、拘禁反応があるか否か、本当に保護房が必要かどうか、直接受刑者を医師が診察をして、それから、三日間の非常に詳しい記録が残されておるんですから、それも厄介でも面倒でも全部見た上で、やはり厳格なチェックが必要かと思うんですが、これは二村先生と西島先生の御所見を、精神科のお医者さんですから、伺いたい。
二村参考人 保護房へ入れるための理由が医療上のことであれば、そういうことが必要かと思うんです。通常はどうやって入れているかがちょっと私理解が不十分ですが、保護房へ入れるためのクライテリアは何であるかとか、医療上のことであれば、医療上の理由で入れるということがあれば、そういうことが絶対に必要かというふうに思いますが。
西島参考人 今、二村参考人がおっしゃいましたように、どういう理由で入れるのかというのが一番大きなポイントだろうというふうに思います。そのときに、入れるときに、身体的なチェックというのは当然必要だろうと思いますね。そこに医師がかかわる必要性はあろうかというふうに思います。と申しますのは、そもそも刑務所そのものが拘禁状態でございますし、拘禁反応を起こしやすい状況でございますし、保護房というのも狭い部屋でございますから、さらにストレスがかかるということでございますので、どういう状況で入られるのか。
 ただ、先ほど、三日ごとにきちんとしたチェックをするということは、これは必要だろう……(発言する者あり)二日ごとですか、これは大変なストレスの中にいるわけでございますから、そういうチェックはやはり医師がする必要性はあるだろうと考えております。
木島委員 それでなくても一般医療ができないほど刑務所の中での医師体制は不十分というところに、そんな大変な仕事をお医者さんに与えることにすれば、もう本当に医師体制の強化をおいてできないことだと思うんですが、私はそういうのが必要だと思いますので。
 三番目に、一般医療体制、救急医療体制と医師の関係、特に歯科医療、精神科医療は非常に不十分ではないかと指摘されているんですが、これで日医も全面的に協力したいと西島先生はおっしゃられましたが、もう余り時間は結構ですが、ずばりこの分野とこの分野とここは本当に体制強化が必要だというお感じになっているところを、簡潔で結構ですが述べていただけませんか。
西島参考人 先ほど申しましたように、一般行刑施設で医師が手薄な状況の場合には、往診体制という形での協力は医師会としてはできるだろうというふうに思います。
 それから、緊急医療の場合に、やはり外の医療機関との連携ということは非常に重要でございますので、こういう形での啓発活動と連携強化ということでの活動の推進ということも、医師会として検討させていただきたいと思います。
木島委員 ありがとうございます。
 ここに私は、これは法務省の矯正局が事実上使っている「行刑法」という研修教材を持ってきておりまして、受刑者の医療についても一定のことがずっと記述されているんですが、その中で、「自費治療」、自分で費用を払って治療を受ける、「自費治療及び外医治療」、外の医療、治療ですね、「外医治療」という欄が一つありまして、「病者の治療は、原則として行刑施設の医師(医官)が行い、その費用も国で負担する。しかし、特に専門的治療を必要とするとき、その他特別の事情があるときは、施設外医師にその治療を補助させる必要が生じる。自費治療及び外医治療は、特別な事情がある場合のみ例外として認められる。」という記述があります。それから、「薬品の自費購入は認められない。」こういう状況が、これは現に生きている行刑法の、法務省が所管している教科書なんです。
 先ほど二村参考人から、緊急な場合で、二件ですか、外へ出して緊急治療、手術を受けさせたという経験をされたと、大変貴重な経験を聞かせていただきましたが、なかなか外医治療、自費治療、ここに書いてあるように特別な事情、刑務所長の許可がなきゃできないということで、行われないんじゃないかと思うんですが、これの強化充実は必要だということはもう共通だと思うんですが、一点だけ。薬品の自費購入は認められないというこのシステムそのものを、私は変えた方がいいんじゃないかと思うんですが、これは二村参考人と西島参考人の御意見をお聞かせ願いたい。
二村参考人 目的が何であるかということだと思うんですが、病気が確実であれば、医療上必要である薬品は与えられるはずだと思います。ですから、何の目的に別な薬が必要になるかという事例がちょっと想像できないんですが、どうでしょうか。(木島委員「結構です」と呼ぶ)
 それから、執行停止で外で医療を受けるということは、医師の方から病状に応じて医務部長を通じて行えれば、現場の医師の判断で十分できる体制になっておるかなというふうに思います。
 それから、周りの関連の病院との連携も、現場の医師の判断で申請すればできるようになっておりますので、それは医療の必要性に応じて現場では結構やっているかなというふうに思っております。
西島参考人 自費購入ということでございますので、さまざまの問題があろうかと思います。
 一つには、結構薬物依存の方がいらっしゃるだろうと思うんですね。ですから、そういう意味で、自費購入という形になりますと、その依存状態は継続するという形になりますし、また自殺目的の薬品購入ということもあろうかと思いますので。
 私ども、聞くところによりますと、必要な医薬品についてはほとんど刑務所内でそれは利用できるようになっているというふうに聞いております、例えば一般の風邪薬も含めてでございますけれども。そういう意味で、医療の治療という観点で必要な医薬品は提供されていると聞いておりますけれども。
木島委員 本当にそうなんでしょうかね。
 先ほど二村参考人から、自分の体験として、毎年、年度末が来ると金が足りなくて手術ができないと、大変なことがここで陳述されました。すさまじいことだと私はびっくりしてお聞きをいたしました。そんな状況である、それが真実じゃないでしょうかね。金がなくて、本来そろえておるべき薬剤も、薬品も、率直に言って不十分というのが現在の全国の刑務所の中での医療状況じゃないかと私は、これは推測ですよ、私は薬学の知識も何にもありませんから。だけれども、そういう目で総点検が必要だと思うのでありますので。
 この問題はこのぐらいでやめておいて、次の質問。
 受刑者に対する健康診断体制の問題について、二村参考人にお聞きしますが、参考人が二十五年前、一年間医務官として名古屋刑務所に勤務されていた当時、別に特段の病気を訴えてお医者さんのところに来た受刑者でない一般受刑者に対して、年一回決めて徹底的な健康診断、医師も関与した健康診断、そういうものはやられた経験はありますでしょうか。
二村参考人 入所のときにはルーチンのチェックがございまして、それで項目もきちんとしておりまして、そこに、所定のところへ何か、たしか書くような仕組みになっておったような記憶がしております。それで、入所時には必ず診察をするようにしておりました。ただ、一年一遍の健康チェックをやっておった記憶はございません。
木島委員 薬物事犯の受刑者も大変多い、精神疾患を持った受刑者も多い、拘禁反応も出てくる、高齢化もしているということを考えますと、これは全部国費ですからぜいたくのそしりも受けるかもしれませんが、私は、ここまでいろいろ刑務所の中の医療問題が噴き出してくる状況を見ますと、やはり年一回もしくは二年に一回でもきちっとした定期健康診断なるものを全受刑者を対象にやることも考えていいんではないかと。
 といいますのは、事前予防をしっかりやっておけば予防につながる、予防につながれば病気を未然に防げる、結構逆に金がかからないで済むという、これはもう一般の国民医療の原則でありますが、予防医療が強まれば金がかからなくなるという例もありますから、それは刑務所内でも同じじゃないかと思うので、そう考える一人なんですが、これに対する、これはお三人の参考人の、必要性についての簡単な御所見を聞かせてください。
二村参考人 一般論で言うのと各論で言うのとちょっとニュアンスが違うかと思いますが、一般的には、特別な環境に置かれるわけですから、いろいろな肉体的、精神的な問題が起こってくる可能性がありますので、チェックすることは必要であろうかと思います。
 私の体験では、初犯の人が入る、例えば東海地区でいうと三重県ですね、ストレスによる急激な肉体的な、いろいろな、例えば潰瘍がせん孔するとか急性な胃潰瘍になるとか、そういうことがありますし、あるいは名古屋刑務所ですと、累犯の人が多くて薬物の人が多くてという、環境が随分違いますので、一般的にやることと、それぞれの施設に特有な対策を練ることと、ちょっと二つの対策が必要かなというふうに思います。
西島参考人 基本的には、大変なストレスの中、まさしく拘禁状態でございますから大変なストレスの中にいらっしゃるわけでございますので、そういう健康チェックは私は必要だろうというふうに考えております。ストレスがさまざまな病気を併発していくことは、これはもう証明されているところでございますので。
 ただ、要するに、社会に出ておられてどういう生活をしておられるのかといいますと、やはりかなり不規則な生活をしておられて、そしてまた刑務所の中に入ってこられるというお話も聞きます。そういう意味では、基礎的な疾患をたくさん持っておられるというふうに思いますので、そういう意味でのフォローチェックですね、フォロー体制ということも必要であろうというふうには考えております。
清水参考人 財政の問題を抜きにすれば、必要だと思います。
木島委員 それでは、時間も迫っておりますので、最後に、もう既に二村参考人からも一部意見の御披露、陳述がありましたが、受刑者入所時の調査、分類調査と医師の関与について、これは二村先生、体験もなさっているのかと思いますので、どの程度のことが行われているのかということをお聞かせ願いたいと思うんです。
 実は、昨年名古屋で起きた五月の革手錠暴行陵虐致死事件というのは、死んだ受刑者は、たしか静岡の方の刑務所から名古屋刑務所に移送されてきて、即日、まさに入所日、保護房に入れられ、革手錠を締められ、そして死亡する。びっくりするような事件なんです、去年の名古屋の五月の革手錠死亡事件というのは。
 ですから、入所時調査、医師も関与して、どんな精神状況だったのか、本当に徹底した医師関与のもとでの入所時調査、分類調査が行われていたら、その日のうちに保護房に入れられて革手錠を締められて殺されてしまうなんということはちょっと考えられない事件なんですね。
 そんなことも現に我々の目の前で起きて、この真相解明が本当に求められておって、何が問題なのか。行刑改革をする上でも、この五月事件の真相解明というのは非常に大事なので、先生、二十五年前ですか、入所時健康診査に関与したのは。はるか昔のことで、最近おやりになっているかどうかは知りませんが、どんな程度のことをどのぐらい時間をかけてやられているのか、ちょっと参考のためにお聞かせ願えませんか。
二村参考人 古い記憶ですけれども、チェックシートがございまして、それを刑務官の方から見せていただいて、それを見ながら入ってきた人をチェックするということで、その記載してあるのをチェックしたりいろいろしておりました。
 大変変わった方が多いですので、入ってくる方、特に名古屋刑務所は。特有な、こんなところではちょっと申し上げられないような特有なチェックをする項目がございますけれども、入ってきたときはいわゆる一般的な健康チェックの程度でございます。
木島委員 それは、受刑者に直接面接してやるんですか。どのくらい時間はかけるんでしょうか。
二村参考人 通常の病院における外来診察よりははるかに短いと思います。既に記載事項が記入してありますので、それを見ながら……(木島委員「どのくらい、何分ぐらい」と呼ぶ)まあ、五分もあれば十分診られるぐらいの感覚で、ざっと資料をチェックさせてもらっております。
木島委員 本当であれば、刑務所内の一般医療、救急医療がどうなのかというので、そこを徹底的に論じたかったわけです。一般的に、週二日、五時になったらお医者さんがいなくなるというのが現状ですからね。これをどう打破するのか。予算の措置も必要なんでしょうが、その辺が根本問題だというのは私も参考人の先生方と共通認識ですから、これからも全力を尽くして、少なくとも受刑者が医療の不備あるいは医療の不足で死亡することがないような仕組みをつくり上げるために努力したいということだけ申し添えて、感謝を申し上げながら、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
山本委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
 次回は、来る二十三日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十六分散会

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