衆議院

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第28号 平成15年7月1日(火曜日)

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平成十五年七月一日(火曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 山本 有二君
   理事 佐藤 剛男君 理事 塩崎 恭久君
   理事 園田 博之君 理事 吉田 幸弘君
   理事 河村たかし君 理事 山花 郁夫君
   理事 漆原 良夫君 理事 石原健太郎君
      太田 誠一君    小西  理君
      後藤田正純君    左藤  章君
      笹川  堯君    下村 博文君
      竹本 直一君    中川 昭一君
      中野  清君    平沢 勝栄君
      保利 耕輔君    星野 行男君
      保岡 興治君    吉川 貴盛君
      吉野 正芳君    五十嵐文彦君
      鎌田さゆり君    中村 哲治君
      水島 広子君    山内  功君
      上田  勇君    山田 正彦君
      木島日出夫君    中林よし子君
      保坂 展人君    山村  健君
    …………………………………
   議員           太田 誠一君
   議員           塩崎 恭久君
   議員           保岡 興治君
   議員           石井 啓一君
   議員           金子善次郎君
   法務大臣         森山 眞弓君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   法務大臣政務官      中野  清君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局審議官
   )            大久保良夫君
   政府参考人
   (金融庁証券取引等監視委
   員会事務局長)      新原 芳明君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    房村 精一君
   法務委員会専門員     横田 猛雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月一日
 辞任         補欠選任
  平沢 勝栄君     竹本 直一君
  日野 市朗君     五十嵐文彦君
  不破 哲三君     中林よし子君
同日
 辞任         補欠選任
  竹本 直一君     平沢 勝栄君
  五十嵐文彦君     日野 市朗君
  中林よし子君     不破 哲三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出、衆法第二一号)


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     ――――◇―――――
山本委員長 これより会議を開きます。
 塩崎恭久君外四名提出、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局審議官大久保良夫君、証券取引等監視委員会事務局長新原芳明君及び法務省民事局長房村精一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐文彦君。
五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。
 当法案を審議するに当たりまして、そもそも論から少し、もう最後のようですから、考えてみたいと思うんですが、今一生懸命持ち合い株の解消というのを、政府・与党のみならず、我が党も当然賛成をしているわけですが、進めております。
 なぜ持ち合い株がいけないのか、これは二点あると思うんですね。
 一つは、株価の変動リスクが影響をして、本業以外のところで会社の存続を危うくするというおそれが大きい、その株価変動リスクを遮断しようというのが一つだと思うんですね。
 もう一つ、根本的な問題があるんですね。それは、株主の権利を空洞化させないようにしようということなんだと思うんですね。持ち合い株で、例えば銀行からやってきた経営者がいるとします、その会社の株はほとんど持っていません、そして、その銀行の安定株主がいますから、そこの意に沿った経営をするけれども、実際に出資をしている本来保護すべき投資家の権限は空洞化して余り顧みられない、配当性向が落ちるというようなことが行われがちであります。
 こういうことは、本来のあり方から離れてしまうということで、出資者、株主の権限を守るという立場から余り好ましくないということがあると思うんですね。
 それと同様に、自社株を持つということはどうなんだろうかと。そうすると、やはり同じ問題が起きてくるわけですね。大体会社が、よその会社の株を法人として持つというのはあり得ると思うんですが、会社として自分の会社の株を持つということは、まさに同じように、本来保護されるべき、権限が守られるべき投資家、株主の権限が相対的に空洞化するということにつながってくるのではありませんか。ですから、この法案の自社株を解禁するということは、投資家保護、株主の権限保護という立場から、そんなに褒められた話では本来ないということが言えると思うんですね。
 ただ、条件つきの中では私も実は許されてもいいと思うんですが、もろ手を挙げてこれはいいことだと言えるような話ではもともとないんです。本来条件が厳しくされるべきものだということだと思うんですが、その認識をお持ちかどうか。そうですね、まず伊藤副大臣にお伺いしましょうか。
伊藤副大臣 今先生御指摘のとおり、この持ち合い株の問題については、銀行の健全性の観点からいっても、そのリスク要因の大きな一つであると。したがって、株価の変動リスクというものをより軽減してその健全性を確保していくということは極めて重要なことであるというふうに考えております。
 その中で自社株の問題を、株主の立場から、今先生から問題点の御指摘があったわけでありますが、先生御指摘のとおり、ある種の条件の中でこうした問題を考えていくことは非常に重要であり、そうした認識のもとで今回議員立法として、現在当委員会で御審議がなされているんだというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、私どもとしましては、投資家を保護し、そして投資家に信頼されるような証券市場をしっかり確立していくということが極めて重要でございますので、そうした観点から証券市場の活性化に向けてさらなる努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
五十嵐委員 前提条件はお認めになられたというふうに解釈をいたしますね。私の望んだとおりの答弁とは決して言えないかもしれませんが、基本的な認識が違っているわけではないということだと思います。
 それでは、日本の証券市場の健全性というのは現在、あるいはこれまでどうだったんだろうかということを検証してみる必要が一つあるんだと思いますね。
 一つは、やはり日本は株のプライス・キーピング・オペレーション、PKO、これがずっと行われ続けてきたのではないかと。これは明示あるいは黙示の、あるいはあうんの呼吸かもしれません、そういうものがあって政府関係機関、特殊法人あるいは農林系という機関ということはあるかもしれませんが、政府と何らかのつながりのある機関が株式の買い出動に出ているということは、私は紛れもない事実だと思いますし、また市場当事者もみんなそう思っております。
 この株のPKOというのは、意味を限定するのは非常に難しいかもしれませんが、行われているのかいないのか、どういう認識をお持ちか、提出者、いかがでしょうか。
塩崎議員 政府が仮にやっているとすれば、それは我々も知る由もないところであって、巷間言われている範囲で我々判断すれば、どうもやっているかもわからない。なおかつ、与党からそういうリクエストが出てくるということでありますが、私自身は株価というものがそもそも、個別の企業で見てみれば、将来収益の現在価値ということでありますから、言ってみれば通信簿みたいなものであって、それを何かいじくったところで将来収益が変わるわけでもないわけであって、むしろそういうことで株価を動かすということを政府の意図として持っているということをさらすこと自体、私は余り好ましいことではないと思っております。
五十嵐委員 そういうことがあるかもしれないということが言われているということは今お認めになったと思うんですね。
 現実に、金融関係の新聞を読んだりしますと、この五月ぐらいですか、連日、何億だかの年金基金の買いが入っているというようなことが報道されているわけですね。そういうことから見ても、我が国は実は外国関係者からもPKOを行っているのではないかという指摘がずっと出ているわけであります。
 それから、その以外のことでも我が国の市場の健全性というのは非常に疑われているわけですね。
 二番目に私が指摘をしたいのは、今銀行、りそなの問題で大変有名になりましたけれども、いわゆる繰り延べ税金資産、これに依存した決算というのが、実は銀行業だけに限らず一般の事業会社でも非常に横行している。すなわち、監査法人による監査が一般的に甘いのではないかと。その証拠に、日本の監査法人の監査を受けたものであるという言葉が海外では付されるということで、必ずしもアメリカなり国際的な基準の監査ではありませんということが付記されるような状況になっていて、日本の決算、日本の企業の決算については信頼性に乏しいのではないかという指摘が出ているわけですね。
 この問題についても私はゆゆしい問題だというふうに思っているわけですが、これはどうお考えになりますか。
大久保政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま、銀行業に限らず、繰り延べ税金資産依存の決算が多いのではないかという御質問でございます。
 繰り延べ税金資産の計上に関しましては、税効果会計の会計基準、これは平成十年の意見書に基づきまして平成十一年度から実施されているものでございますが、これと日本公認会計士協会の実務指針に基づきまして判断されていることとされておりまして、金融機関と一般企業において、適用のルールに違いはございません。
 一般企業の場合でも、商法上の大会社や証取法上の適用を受ける会社は、決算期において、貸借対照表、損益計算書等の財務諸表を作成しまして、取締役会の承認を経た上で、外部監査人による監査を受ける必要がございます。このような決算手続の中で、外部監査人は、独立した立場から、個々の企業の見積もった繰り延べ税金資産の妥当性について厳正な監査を行っているものというふうに考えております。
五十嵐委員 そういう建前論を聞いてもしようがないんですね。
 私どもは既に指摘しましたけれども、アメリカの税効果会計、繰り延べ税金資産の基準と日本の基準は違うわけですね。今、現に違っていて、かなり裁量の余地があるやり方になっている。すなわち、何か非経常的なことが起きれば、五年を限度に繰り延べ税金資産を多年度認められるという基準があるんですが、経常的な状態の中ではこれは認められないんです、通常は。何か特別な事情があった場合には認められる。
 こういう本来の基準からいえば、これは普通は一年なんですね。ところが、何年分も繰り延べ税金資産を認めている。しかも、繰り延べ税金資産というのは利益が上がらなければ返ってこないわけですから、認められないんです。ところが、収益見込みがないにもかかわらず、収益の見込みを過大に見積もって、多年度にわたる繰り延べ税金資産を計上しているという企業が多くなっている。これは銀行に限らずそうなっているんですねという状況は、これは簡単に、容易に証明できるわけでありますから、今の御説明だけで納得するわけにはいかないわけであります。
 日本の繰り延べ税金資産依存の決算が多いということを認めるべきだと私は思いますが、もう一度簡単に。余計なことは言わなくていいです。
大久保政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り延べ税金資産のもとになります税効果会計は、企業会計上の収益と費用、それから課税所得計算上の益金と損金の認識時点の相違によりまして生じているものでございまして、これを合理的に対応させることを目的とする手続でございます。
 ただいま御指摘のアメリカの例でございますけれども、これは会計上の問題と銀行監督上の問題があろうかと思います。銀行監督上の制限をしているということはございますけれども、会計上の問題につきましては、私どもの承知している限り、特に年限の明示的な規定は設けておらないというふうに承知しております。
五十嵐委員 経常的なものについては一年ということはあるわけですけれども、アメリカではこの五年ルールというのはないはずであります。
 それから、これは財務金融委員会でもやっている問題ですから、ここだけでこの問題に費やすわけにいかないので、先に進みます。
 一方で、今行われているのは、こうした、証券市場の健全性をさらに進める、フェアネスを守るということから逆行したことが盛んに行われている。金庫株の解禁というのも、条件つきでありましたけれども、我々も、必ずしも、全面的にこれはやってはいかぬ、こういうふうには思っていませんが、これについてもやはり条件が厳しくつけられるべきなんですね。
 これは答弁の中でも、柳澤前金融担当大臣も認められております。私とのやりとりの中なんですが、これは平成十三年の五月二十八日の予算委員会なんですが、この中で柳澤大臣は、「緊急経済対策を決める、その中に金庫株の問題もあったわけですが、その際にも、今先生の御指摘のインサイダー取引あるいは相場操縦、こういうようなものを誘発する機会がふえるという厳しい認識に立ちましてそこにはっきり言及がなされておりまして、」そういう手当てをすることによって対処していくんだということを答弁されておりまして、逆に言えば、そういう条件がつけられなければこれは認められるべきではないという考え方を大臣自身が示しているわけですね。ですから、不公正な取引といったものを防ぐ手だてを強化するんだということを言明されているわけです。
 ところが、その後、日銀による株の買い取りだとか銀行保有株の買い取り機構をつくり、銀行保有株を買い取るだけではなくて、反対に、一般事業会社が持っている銀行株の買い取りもする。今、財務金融委員会にかかっているのは、このスキームをつくったときに、基礎的な条件として、要件として、国民負担をかけないということで、スキームの要件になっていた八%の拠出金、これを今度は廃止してしまうという、これは全くモラルのない、とんでもない換骨奪胎の法案改正を今与党さんは求めてきているわけであります。こうした方向というのは、日本の証券市場の健全性を進め、海外からの日本の市場の評価を高めるという方向とは全く逆行しているあり方なんですね。これは私は本当におかしなことだと思うわけです。
 また一方、かつて二年ほど前ですか、ダイエーの社長さんのインサイダー取引疑惑が報道されました。また、大阪証券取引所、大証のスキャンダルも今、見せかけに株取引の量を拡大する、そういうスキャンダルが出ておりますし、とにかく、インサイダー、株価操縦、不正取引の実例が、我が国では本当に絶え間なく起きているわけであります。こういう状況があるという中で、このような、逆にインサイダー取引やあるいは株価操縦、相場操縦のいわばツールになり得る法案を出してくるということに非常に問題があると私は言わざるを得ないわけであります。
 そこで、こういう認識に立ちますと、やはりそれをとめる有効な手だてを講じなければならない。私ども民主党は、もう既に、日本版SECの必要性を強く認識いたしまして、法案を国会に提出しておりますし、し続けているわけですが、心ある人はこの日本版SECの必要性を認めるべきだ、こう私は思うんですね。ところが、金融庁は、多分自分の縄張りが減るということを嫌がってのことだろうと思いますが、歯牙にもかけないというにべもない言い方でこれを否定されているわけです。
 この答弁を読みますと、柳澤大臣のころから言っているんですが、金融業がコングロマリット化している、商品がみんな似てきている、複雑化している、それから業態がみんな寄ってきている、ですから、これは証券に特化したようなSECをするよりも、今のような金融庁で監督する方が正しいんだというのが、我々が言っているSECを否定する唯一の論拠です。あと、枝葉はあるかもしれませんよ、新しい組織をつくると人数がふえると。だけれども、公正さのために必要なことは、私どもは、組織論としては多少ふえても構わないはずでありますから、それはもう枝葉の議論だと思います。
 その主な議論は、コングロマリット化に対処できないということなんですが、私は間違っていると思うんですね。これは、商品がどんなに巧妙につくられようと似てこようと、公正な取引が行われているかどうかという、いわば経済の面での司法的な機能に着目をして判断する独立した機関をつくるというのは正しいことだと私は思います。
 また、それでは、アメリカが今コングロマリット化しているからアメリカのSECは機能していないかというと、そうではないと思うんですが、その辺の判断を、提出者と金融庁から、伊藤副大臣で結構でございますが、簡潔にお答えをいただきたいと思います。まず伊藤副大臣の方からお願いします。
伊藤副大臣 過日の本委員会でもお答えをさせていただきましたように、証券市場において投資家を保護していく、そして投資家にとって信頼ある市場にしていくために、やはり監視体制というものを抜本的に見直していくことは極めて重要だということをお話しさせていただいているところでございます。
 そうした中で、私どもとしましては、世界的にさまざまな取り組みがなされているわけでありますから、単に組織論だけではなくて、市場の監視機能をどういう形で強化していったらいいのか、その点についても今検討を進めさせていただいているところでございます。
 総合規制改革会議の答申におきましても、人員の大幅な増強でありますとか、民間の専門家の積極的な登用とあわせて、市場の監視機能の強化について十五年度中に検討、結論を出すということがうたわれておりまして、その中で、ルールの一層の整備、エンフォースメント手段の強化、多様化、ペナルティーの強化ということでございます。具体的な検討事項として、民事・行政的な制裁的負担を賦課する制度、差しとめ命令や是正命令等の積極的活用、罰則の強化、こうした具体的な項目もうたわれているわけでありますので、そうした項目も含めて、監視機能の強化について、私どもとして、勉強を進めて、そして充実した体制というものを整備していく、そのための不断の努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
塩崎議員 大事なことは、監視監督の論理だと思うんですね。
 証券市場はやはり投資家保護というのが最大の目的であり、そして銀行は預金者保護であり、大きな違いは、銀行の場合には、必ずバランスシートに載ってきた後で貸し出しを行う、こういう体系になっていますし、証券の場合は、証券業はツーツーであります。
 したがって、先ほど、今伊藤副大臣からも組織論という話がありまして、日本版SECをつくろうというのは、組織論を言っているんじゃなくて機能論を言っているんだということを見落としているのが金融庁の今までの論理であります。我々は、我々というのは五十嵐さんと私という意味じゃないんですけれども、私は、機能論からいって、やはり銀行監督と証券監督は分けた方がいいだろう、つまり、利益相反がある。今回、監査法人に対して銀行監督当局が云々という話がちまたに伝わっておりますけれども、李下に冠を正さずという意味でも、そういうことはきちっと分けるべきだと思うんです。
 それが世界の流れであって、これまた規制改革会議の中で、金融庁がつくった資料などを見てみると、例えば、ドイツも銀行と証券の監督は同じところでやっていると言っています。連邦金融監督庁というのがやっているんですが、実は、もうヨーロッパはEUが監督の元締めであって、そこは欧州証券委員会というのがあって、その下にドイツの連邦金融監督庁というのがあるだけの話であって、欧州証券委員会というのが大もとなんですね。ですから、やはり証券は証券だけで見るということになっています。韓国も同じように、金融監督院が銀行と証券を一緒にやっているというのは、これもうそで、証券先物委員会というのが上にあって、論理ははっきりしているわけです。
 したがって、私は、組織論ではなく機能論からして、やはりきちっと投資家保護のための組織というのは別につくって、それも、完結した、企画立案から監視、準司法的なものに至るまで一緒にやって、パワフルなものにしなければいけない、こう思っております。
五十嵐委員 ですから、私の言っているのは機能論なんですね。ですから、私が言っているのは、司法的な機能をやる必要があると言っているのであって、伊藤さんの答弁は、今、あなたのはおもしろくないというコマーシャルがありますが、おもしろくない答弁なんですよ。全然、役所の枠から外れないようにしているだけで、本来の思想というのが感じられない。私は、本来、伊藤さんというのは改革派だと思っていますから、本来はきちんとした論理をお持ちのはずなのに、それを曲げておられるように見えてならないですね。
 今のりそなの例でいっても、金融庁は、一方で公認会計士や監査法人を監督する立場であるんですが、一方では銀行の監督をする立場でもある。ところが、銀行の監督をする立場からいうと、監査法人が認めたんだからいいでしょうという話になるわけですよ。だけれども、公認会計士を監査する立場から、その監査が正しいかどうかというのを事後的にチェックすることは当然必要なわけですよ。利益相反がもうここで起きているんです。だから、分ける必要があるという今の塩崎さんのお話は説得力があるんですよ。別にエールを送っているわけではないんですが、送っているのかな、論理的にそうなるはずで、日本版SECをつくりなさいというものを退ける論拠には、今のお話も、伊藤さんのお話はなっていないんです。
 もう一度お願いします。
伊藤副大臣 先ほどから私の方もお話をさせていただいているのは、何か組織論だけでこの問題を逃げようということを言っているのではなくて、機能論も含めて、監視体制の強化というものをいかに実現していくのか、そのことが重要だということを私どもとしてもお話をさせていただいているところでございます。
 私自身も、今の立場につく前に、塩崎先生からもお誘いをいただいて日本版SECの勉強会にも参加をさせていただき、そして、機能強化をするために、世界的な取り組みも含めてどういう状況になっているのかということを今鋭意研究させていただいているところでございます。
 ただ、先ほどから出ているコングロマリット化の流れ、これを、組織論ということだけではなくて、担い手や金融商品が一体化する中で、どのような形で、本当の意味での機能面からも監視体制を強化していくかということについてはさまざまな議論があるわけでありますので、提案者の塩崎先生からもお話がございますように、その思想と、そしてそれを実行していく体制というものをどうしっかりと体系の中に位置づけて監視体制というものをつくり上げていくか、そのことについてさらに鋭意努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
五十嵐委員 私、財金分離を推進した一人でありますけれども、金融庁が本来の事後的なチェックに、事後的な監督に終始するという立場をお守りになったら、まだ説得力が幾らかあるんですよ。ところが、そうなっていない。
 きょうも、実は、参議院の財政金融委員会で、我が党の大塚議員が大変重大な発言を今している最中だと思います。まさに政治の分野まで踏み込んだ、あるいは個別の企業の経営方針まで踏み込んだお話を金融庁の幹部がされているという、証拠に基づいた爆弾的な質問が行われているはずであります。実際に、そういう事後的なチェックに終始していないんですよ。
 要するに、手とり足とり、コーチ業にまで進んで、もうプレーヤーになるところまでやっているんですね。だから、コーチ業をやるのであればアンパイアの機能は別にしなさいというのが私どもの主張ですから、これは、アンパイアの機能としての日本版SECは別途設ける必要が、重要性が非常にある、必要性があると思うわけですね。
 また、例えば公認会計士協会の奥山会長さんとお話をさせていただいても、本来、監査法人や公認会計士のチェック機関は日本版SECであるべきだということを言われていますよ。私、お話ししたときに、私だけではなくて、我が党の会議においでをいただいたときにそういう発言をされています。
 そうなんです。だから、そういう司法的な機能、アンパイアの機能は、もし金融庁が今のようにいつまでもコーチ業をやっていたいというのであれば、手放すのが当然のことだ、こう思うわけです。
 ですから、日本版SECについて勉強してきたし、これからもいろいろするんだというようなことをおっしゃいましたけれども、SECをつくる必要性があるかどうかについて、検討する必要もないのか、検討の配慮には入るのかということを、もう一回伊藤さんに答弁いただきたいと思います。余計なことは言わなくていいです。
伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 先ほどからお話をさせていただいているように、この問題についてはさまざまな議論があるところでございます。そうした意味からも、私どもは、世界的な取り組みも含めていろいろ勉強させていただき、そして、究極の目標は、先生御指摘のとおり、事後チェック型行政の中で投資家の保護に資するような監督体制というものをしっかりと確立していくということでございますので、機能面からも体制面からも、それを実施できるような体制づくりのために不断の努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
五十嵐委員 どうしても強い後ろからの羽交い締めが来ているようですね。その程度のことも言えないようでは、私はちょっと情けないなと思っております。
 自社株買い取りを機動的にやれるようにしようというのは、どう考えても、先ほど言ったように、本来、株主の利益に反することが起こるかもしれない話なわけですから、株主総会で授権されるのは当然なんですね。当然なんです。だから、それを機動的にやろうというのは、どう見てもいわゆる期末の株価対策なんですよ。だけれども、期末の株価対策はそういうふうにやるべきものなんですか。株価を一時的に動かして自分の会社を助けようというのは、確かに株主の利益になるかもしれないけれども、株主でもいろいろありますから、そんなお金があるんだったら配当しろよと言う人も当然出てくるわけで、それに反してしまうわけですから、正しい考え方とは言えないわけですね。
 結局は、株価対策だったら別のやり方があるべきだ。私は、長期の保有株は、例えば期末の一時期の株価によって決めるのではなくて、半年ぐらいのスパンで時価評価をするというような別のやり方で考えるべきであって、今のようなやり方で、株価対策をすればどうにかなるという考え方自体を改めなきゃならないと思っております。
 最後に、時間が来ましたので一点だけ。私どもは日本版SECの必要性をなお言い続けてまいりたいと思いますので、もしこの法案の附帯決議にSECの創設について検討するということを入れるとすれば、受け入れる余地があるかどうか塩崎さんに伺って、終わりたいと思います。
塩崎議員 私は提案者でございますので、附帯決議を自分の法案につけるというのはいかがなものかなと思いますが、御議論の末に委員会の皆様方がそうだと言えば、私は、個人的には特に異論はございません。
五十嵐委員 終わります。
山本委員長 石原健太郎君。
石原(健)委員 提案者にお尋ねいたします。
 今回の改正の目的の一つに、敵対的買収に対抗するためなんだというような趣旨だったかと思うんですけれども、提案者の方では、敵対的な買収というものはどのようなことを想定しておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
金子(善)議員 お答えいたします。
 敵対的買収の用語でございますが、これは法令上のものではないと思いますが、当該会社の経営者にとって望ましくない者による買収という意味で通常用いられているようでございます。典型的なケースでございますけれども、純資産額が多い反面、株価が異常に安くなっている会社を、当該企業の解体を目的として安い価格で買収しまして、その会社を解体して売却してしまうというような企業買収が考えられるところでございます。
 敵対的買収の対価、条件によりましては、経営者にとっては望ましくないというようなものでございましても、株主にとりましては利益になる場合もあるというようなことでございます。このような場合でございますけれども、既存の経営者が自分の地位を守るために買収を阻止するというようなことは許されないものであるというふうに考えております。
 以上であります。
石原(健)委員 今の説明で、純資産が大きくて株価が安いというような説明だったんですけれども、普通の株の価格のつき方からいえば、純資産が大きくて株価が安いということは余り起こり得ないような気がするんですよね、一般的に。
 それと、例えば、外国の物すごい大きな会社なんかが日本の優良な企業に目をつけて、そこを自分の子会社みたいにしようということでどんどん株を買い増していく、こういうのは敵対的とは言わないんですか。
金子(善)議員 お答え申し上げます。
 基本的には、株主の利益になるかどうかというような観点から判断されるべきものでございまして、言い方が適当かどうかあれでございますけれども、ケース・バイ・ケースで考えていかなきゃならない、判断しなきゃならない、このように考えております。
石原(健)委員 外国の大資本家が日本の優良企業の株を買い占めたなんというと、経営者だって交代しなくちゃならないような状態も起こるかもしれませんよね。そうすると、経営者の目から見ればこれはやはり敵対的な買収というふうに言えるんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどうでしょう。
金子(善)議員 繰り返しで恐縮でございますが、基本的には、株主の利益になるかどうかという観点から判断しなきゃならない。確かに、経営者サイドにとりましてはそう認識されることもあろうかと思いますが、基本的には、自由市場の経済原則のもとでは、先ほども申し上げましたように、自分の地位を守るという観点のみで買収を阻止するというようなことは許されない、このように考えているところでございます。
石原(健)委員 今度の改正で、中間配当の限度額内、それには法定準備金の取り崩しなんかも可能なようなんですけれども、それにしても、その程度の金額で、本格的にある企業の株が買い占められようとしているとき、実際有効に防止できるものなんでしょうか。
金子(善)議員 基本的にでございますけれども、経営者側の保有する議決権が、敵対的買収を仮に意図しているという者があれば、当たり前のことでございますけれども、その保有する議決権が上回ることができるかどうか、それにかかっているという以外お答えしようがないわけでございますが、要は、そういうことからいえば、大変申しわけございませんけれども、ケース・バイ・ケースで判断するしかない、このように思います。
石原(健)委員 必ずしもそういう乗っ取りのようなことを防止できるものとは限らないというふうに考えられるんですけれども、そういうことになってくると、敵対的買収に対抗するというような理由は、何か聞こえはいいんですけれども、余り効果のない理由づけじゃないかなという気もするんですよね。でも、金子さんのお考えはお考えで、それはわかるわけですけれども。
 次に、会社が自社株を購入しますね。その後さらに株価がどんどん下がって、営業上の利益は上がっているのに、株を買ったために損をして配当ができなくなっちゃった。こんなような場合は、やはり経営者の責任というものは出てくるものなんでしょうか。
石井(啓)議員 金庫株以前は、買い取った自社株をバランスシートの資産の部に計上しておりましたが、金庫株解禁以降は、買い取った自己株は逆に今度資本の部のマイナス項目に入れるようになりました。資本の部のマイナス項目に入れまして、なおかつここは取得価額を記載するということになりましたので、株価の変動によってそれは影響を受けないことになりますので、おっしゃったような事例は想定されないというふうに思っております。
石原(健)委員 なかなかうまい仕組みをお考えになって、よくわかりました。
 次に、説明では、既存株主の持ち株比率の希薄化を回避できるということも理由になっているようなんですけれども、なぜ株主が希薄化してはいけないのか。私は、かえって、株主というのは、一般に広く大勢に株を持ってもらうという方が、さまざまな面でその会社にとってメリットがあるんじゃないかと思うんですけれども、提案者はどうしてそういうふうにお考えになったんでしょうか。
石井(啓)議員 先生おっしゃるように、株式は、特定の株主だけじゃなくて、いろいろな株主が取得しているということが望ましいかもしれませんけれども、それは、同じ株数であって、それがたくさんの方に取得されるというケースかと存じますが、ここで言っていますのは、株式の数がふえて、それで既存の株主の持ち株の比率が薄まるということは望ましくないといいますか、既存の株主にとっては、やはり株主の持っている比率によってその株主の権限の行使ができるわけでございますので、そういった意味での希薄化というのは、既存の株主の権限を守るという意味でやっていかなければならない。
 ですから、先生にお示しした組織再編のケースでも、新株を発行するよりは、自己株を取得して、それを放出するということで、株式の数をふやさない、全体の数をふやさないという方が既存の株主にとっては利益になるという意味で配慮をしなければいけないというふうに考えておるわけであります。
石原(健)委員 次に、株価の急変時に影響を緩和するためという目的も考えられておられるようなんですけれども、この場合、影響とはどういうことを指しておられるんでしょうか。
石井(啓)議員 株価の急変の影響というのは、いろいろな影響が考えられるかと存じますけれども、今ここでお示しをしている、事前に先生に御説明をした資料の中に載っております株価の急変時の影響といいますのは、持ち合い株の放出圧力、これは時価会計の導入ですとか、あるいは銀行に持ち株制限をかけるとかいった意味で持ち合いの放出の圧力がかかっているわけですけれども、そういたしますと、企業の業績とは無関係といいますか、企業が業績がいいにもかかわらず株価が落ちるということもあるわけでありまして、そういたしますと、先ほど質疑の中にありましたけれども、敵対的な買収というのも行われやすくなるということが一つの影響というふうに考えております。
 また、そのほかにもさまざまな影響はあるかと存じます。
石原(健)委員 それから、株価の実体水準という言葉も使われておりましたが、株価の実体水準というのはどういうふうに考えておられますか。
石井(啓)議員 これはなかなか難しい概念だったと思うんです、株価の実体水準というのは。
 もともと、発行済みの株式の総数に比べて、市場で取引されている株式の数というのはごく一部ですよね。ですから、市場で取引されている価格をもって、では、残っている株式の価値を全部考えるのかどうかというそもそも論もございます。ございますが、ここで申し上げている、私どもが従前説明しました株価の実体水準といいますのは、企業の価値の適正評価額という意味で申し上げておりまして、先ほどの質問の中でも申し上げましたように、持ち合いの放出によりまして、企業の業績にかかわらず株価が急落するという事例もございますので、急落前の業績に応じた企業の株価のことを株価の実体水準ということで考えております。
石原(健)委員 株価が急落するということは確かにあるかと思うんですけれども、やはり、急落したということは、そのときの国内の状況とか世界の状況とか、それはいろいろなそのときの状況でそういう価格が、株価がつくわけですから、急落してもそれはそれで仕方がないことじゃないかというふうに私は考えるんですけれども、その点はどう説明いただけるんでしょうか。
石井(啓)議員 それは、確かにそういう見方もあろうかと思います。株価というのが、その時々の企業の価値をやはり鏡のようにあらわしているわけだから、どんな株価であれ、それはそれで受認しなければいけないという考え方もあろうかと思いますが、一方で、経営者やあるいは株主の立場にとってみれば、業績がいいにもかかわらず株価が下がっているようなケースもあるわけでありますから、そういったケースは改善しなければいけないというふうに思うこともやはりあろうかと思っております。
石原(健)委員 わかりました。
 質問を終わります。ありがとうございました。
山本委員長 木島日出夫君。
木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 提案者にお聞きしますが、今回の法改正の基本、中身を確認しますが、要するに、自社株買い取り、金庫株の買い取りを、現行法では株主総会で議決が必要だったのを、定款さえ変えてしまえば、あとはもう取締役会の決議だけでできるようにするということですね。ですから、定款さえ一度変えさえすれば、それ以降、もう未来永劫に、株主総会など開かずに、取締役会決議という小さなところでの決議だけで、自社株を法律に従って自由に買い受けることができる、そういう仕組み、間違いないですね、確認。
塩崎議員 総会で定款を変えるということで可能になるということです。
木島委員 そうすると、定款さえ変えてしまえば、あとはもう総会事項じゃないわけですから、取締役会決議のみで会社は自分の会社の株を買うことができる。
 そうすると、取締役会決議というのは、広く株主や一般国民や海外投資家に知るところとなりますか。現行商法の取締役会決議がどのぐらい表に見えるか。現行商法はどうなっているでしょうか。提案者。
塩崎議員 取締役会の内容につきましては、しばしば議論になりますが、今のところ、オープンにそのままストレートになるわけではございません。
木島委員 オープンにならないということですね。
 商法二百六十条ノ四が取締役会の議事録についての規定です。それのみですね。要するに、会社は取締役会議事録を十年間本店に備え置く。しかし、それを株主が見れるかというと、見れない、原則見れない。商法二百六十条ノ四の第六項は、株主がみずからの権利を行使するために取締役会議事録を見るときには裁判所の許可が必要だ、そして、許可があったときのみ議事録の閲覧、謄写ができる、そういう商法ですね、間違いないですね。
塩崎議員 そのとおりでございます。
木島委員 そうすると、続いて確認しますが、現行法、また今回の改正法でも結構ですが、今回改正ができたとして、取締役会決議のみで自社株を買い受けようとするときに、その原資を、法定準備金の取り崩しか、利益配当に回る分を原資にするか、二つに一つだと思うんですが、そのような場合、広く株主に知れるところとなるんでしょうか。法の仕組みはどうなっていますか。
塩崎議員 定款授権に基づく取締役会決議による自社株取得につきましては、期中において株主に会社財産を払い戻す点において中間配当と同じだ、そういう性格を有しているため、その取得価額の総額について中間配当限度額と同じ額を限度としたということは御案内のとおりであります。
 法定準備金の取り崩しによる自己株式の取得というのは、まず、法定準備金の取り崩しの株主総会決議が当然必要であって、その際、債権者保護の手続、無効の訴えの手続等、一般的な資本の減少に関する手続と同様の手続を必要といたしまして、会社の債権者の保護を図るということとなっております。
 今回の改正案では、最終の決算期後、法定準備金の減少を行った場合には、減少した法定準備金に相当する額は、中間配当限度額の計算に当たり、純資産額から控除額には含めないということで、取り崩した法定準備金を中間配当限度額に含めることとしているわけであります。
 既に述べておりますように、定款授権に基づく取締役会決議による自己株の取得の財源というのは中間配当限度額とされていることから、当然、取り崩した法定準備金を財源として、定款授権による取締役会決議により自己株式を取得することができる、こういうことで、取り崩した法定準備金を自己株式の取得財源とすることも可能ということで、もちろん、既に述べたように、債権者保護のための手続は行われるということで、先ほど来先生がおっしゃられている含意は、債権者の保護はどうなるのか、株主の保護はどうなのかということだろうと思いますが、手続はとっているということだと思います。
木島委員 私が一番関心があるのは、会社が自己株を取得するときに、その情報がどのくらい株主や、一般投資家や、一般国民、外国の投資家等に知れていくんだろうかというところに含意があるわけです。
 そうすると、取締役会決議は外の者には見えない。ただし、自社株を買い取る原資を、法定準備金を取り崩すという大変荒っぽい、資本充実の原則に根本的に反するような非常に荒っぽいことを原資として使うという場合には、確かにそれは資本の減少ですから、株主総会の議決事項になっている。その範囲で株主は事前に知るところになる。
 しかし、仮に、法定準備金の取り崩しなんという荒っぽいことじゃなくて、利益を自社株配当に回すというような場合には、確認ですが、株主総会は要らないですね、商法の規定は。
塩崎議員 当然、事後に、総会で次に報告をするわけでありますし、もともと、この間も議論になりましたけれども、総会で株主が選択をできるわけで、特別決議で定款を変えるわけでありますから、それを……(木島委員「特別決議なんか関係ないですよ」と呼ぶ)いや、特別決議を無効というか意味がないということであるならば、何も決められないということになりますので。
木島委員 イエスかノーかだけでいいんですよ。
 要するに、定款さえ一回変更してしまえば、もう翌年も翌々年も、将来、未来永劫に株主総会なんて開かずに、法定準備金の取り崩しなんという荒っぽい方法でない原資を使って、要するに利益ですよ、利益を使って自社株を買い取る場合には、事前に知る者は取締役会を構成する取締役しかいない、そういう仕組みになっているということを、今度の法改正の基本仕組みをまず押さえておきたいと思います。
 それでは次に、きょうは金融庁を呼んでおりますからお聞きしますが、では、現実に、ある会社が自社株を買い受けるという場合に、証券取引上はどんな規制がかかることになっておりますか。骨だけでいいです。きょうは細かい論議に立ち入るつもりはありません。
大久保政府参考人 お答え申し上げます。
 証券取引法において、自己株式の買い受け、売却に係る規定は大まかにどういうふうになっているかというお尋ねでございますが、証券取引法におきましては、自己株式の買い取り、売却に関しまして、まず第一に、インサイダー取引規制関係ではこれを重要事実というふうに位置づけまして、これらの決定について公表した後でなければ、上場会社等の会社関係者は自己株式の取得または処分をしてはならないというふうに決めております。
 また、相場操縦関係では、自己株式の売買に関しまして一定の遵守すべき要件を定めるという仕組みになっております。
 また第三に、市場外で買い付けをするという場合には、公開買い付けによるということとなっております。
 また第四に、ディスクロージャー関係では、自己株券買付状況報告書の提出等を義務づけるというような規定を置いております。
木島委員 今、規制の柱をお聞きいたしますと、市場外取引で買い受ける場合には公開買い付けの方法だと。そうすると、あらかじめ会社は、どの期間内に何万株を株価幾らで買いますから株主は持ってこい、そうすれば買ってあげますよということで表に出るということですね。
 それから、市場で取引する場合には、今答弁にあったように、インサイダー取引をされてはいかぬということで重要事項を事前に公表する。そういうことで、今回の法改正ができますと、取締役会決議のみで会社が自社株を買い受けることが辛うじて表に見えるようになるということですね。
 さて、そうしますと、提案者に聞きますが、それも全部取締役会決議が行われた後でしょう。重要事項の公表とか公開買い付けの方法を告知するというのは後でしょう。ですから、取締役会決議が行われたという事実、大変重要な事実ですね。その事実を知り得る立場にあるのは取締役しかいない。また、取締役の周辺部分にいる者しかわからない。そういう者は事前にキャッチできるということになりますね。
 そうすると、私は、そこで大変なインサイダー取引の可能性、おそれが急速に膨らんでくるんじゃないかと。会社は取締役会決議をして、自社株を何万株買い受ける、価格は幾らだ、今非常に安いというようなことを取締役周辺はかぎつけることができる。そうすると、もう買ってしまおうというので、あらかじめ安い株価で買い占めてしまう。そしてその後、取締役会の決議があって、それより非常に高い値段で株価が設定されて、公開買い付けになる。そうすると、インサイダー取引がまんまと成功するということになるんじゃないかと思います。
 それで、証券取引等監視委員会をお呼びいたします。この三年ぐらいでいいですが、内部者取引で有罪となって確定したどんな事件があるか、簡潔に答えていただけませんか。幾つか例を教えてください。
新原政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十一事務年度から平成十三事務年度の三カ年で、証取法上の内部者取引に係る犯則事件、判決の内容は法務省の管轄でございますので、私ども、摘発したものが六件ございます。具体的……(木島委員「簡潔でいいです、どんな人物がどんなインサイダーをやったか」と呼ぶ)はい。
 例えば、株式会社ピコイの取引先の役員が、その会社の和議の開始の申し立てを行うことを知って公表前に売りつけた。あるいは、株式会社プレナスの役員のお姉さんが、役員からプレナスが子会社の異動を伴う株券の取得を行うことを知り、公表前に株券を買い付けた。あるいは、武藤工業の業務提携先の社員、公認会計士でございますが、これが資本業務提携を行うことを知って、公表前に同社の株券を買い付けたというような件で六件ございます。ただ、自己株式の取得に関する取引についての摘発は、今のところございません。
木島委員 それは結構です。全部私は結果を持っています。全部有罪が確定していますよ、これは自社株じゃないですけれども。
 要するに、取締役会の周辺にいる者、近い者、そういう者が会社の重要な情報を知り得る立場にあって、事前にそれを知って株式を買って、後で高く売り抜ける、それで利益を上げる、そういうのが典型的なインサイダーですね。
 先ほど私は、今度の法改正によって、取締役会決議のみで自社株が大量に買えるという仕組みを持ち込むことの仕組みを聞きました。これは私は、本当にインサイダー取引のおそれを大変に押し広げるものだと思わざるを得ませんが、提案者がさっきから手を挙げていますが、言いたいことがあったら答弁してください。
太田(誠)議員 今、木島委員がおっしゃったことがまさにインサイダー取引の定義であって、限られた者のみ知って、その株が上がるという見通しのもとに株を買ってもうけることがインサイダー取引なんですから、おっしゃっていることは、インサイダー取引とはそういうものだということを言っておられるだけのことであって、だからこそ、それをどうやって防止するかということに意を注がなければいけないということだと思います。
木島委員 私が言っているのはそういうことじゃないですよ。現行法は私ども反対しましたよ。資本充実の原則に反する、株主の利益に反する、こういう場当たり的な会社経営ではだめだということで反対しましたよ、二年前に。しかし、それでも二年前は株主総会決議を経て自社株取引を認めていたわけです。それは少なくとも株主には、表へ出るわけです、広く市民にも、表へ出ます。
 しかし、今回はそうじゃないんでしょう。取締役会決議のみによって自社株を買い取る仕組みをつくり出す。それは法律上、表に見えない。辛うじて取引直前に重要事項公表とか公開買い付けというようなことで表へ出るだけ。だから、その直前まで幾らでも取締役周辺は、インサイダー、重要な情報を知って、いち早くこれを買い受ける、そういう状況に置かれるということですよ、今回は。現行法と比べまして、それまで全然、取締役会決議は表に見えないわけですから。
 時間ですから、その点だけ指摘して、何か言いたいことがあったら。
太田(誠)議員 木島委員は突然おととしの法改正でそうなったようにおっしゃいますが、平成九年に自社株取得を解禁いたしまして、最初の法律では、まさに取締役会決議、定款の授権による取締役会決議で自社株取得ができるようになっていたわけでございまして、この一年間、去年の株主総会からこの一年間だけが今おっしゃったようになっていたというだけのことです。
木島委員 もう終わりますが、最初に出発したときは自社株消却の目的に限定されているんですよ、そういう株はもう消すという。私も反対しましたよ。しかし、それは非常に限定的な目的だったんです。一昨年の金庫株の解禁によってそれを押し広げてしまった。ただし、手続だけは株主総会という厳格な手続を経ていた。今回は、押し広げて、さらに手続も、取締役しかしないようなやり方で全面解禁、こんなばかげた法案はないじゃないかと。だから、余りにもひどいので、恥ずかしいから、法務省、閣法に出せなかったんじゃないでしょうか。
 さらに言えば、もう一つ、もう時間ですから終わりますが、売り抜けるわけですよ、今度は。金庫株は持って、会社は売ることもできるんですよ。そこでまたとんでもない利ざや稼ぎなんかにこの法改正が使われるということを厳しく指摘して、私は質問を終わります。
山本委員長 保坂展人君。
保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
 前回少し積み残した点を何点か提案者にお聞きしますが、前回、中間配当のところでアサヒビールの事例を答えていただいたのですが、他にどのぐらいこういった事例が生じているのかということについて、いかがでしょうか。
金子(善)議員 お答えいたします。
 どれぐらいの事例があるかという御質問でございますが、詳細には把握しているわけではございません。ただ、日本ユニパックホールディング、これがアサヒビール以外に中間配当ができなかった事例として承知をしているところでございます。
保坂(展)委員 前回も聞いて、ちょっとお答えいただけなかったのですが、現行制度のもとで中間配当が制限された部分であっても期末における配当財源というふうにすることが可能であって、そうなれば特段不都合が生じないのではないかということについて。
金子(善)議員 現状でございますけれども、多くの株式会社が定款で中間配当を行うと定めているところでございますけれども、株主サイドから見れば、期末と期中の年二回配当が行われるということを強く期待しているところであると思います。
 そうした中で、中間配当を受けられない株主からは、まず、中間配当を行っても資本の欠損を生じるわけではないわけで、そうした状況を前提といたしまして、現行法による計算方法は過剰な規制ではないかとか、あるいは現行法においても取り崩した法定準備金は定時の総会決議で株主に払い戻すことができるのであるというようなこととの整合性がないというような指摘もなされているところでございます。
 そういうことで、中間配当をもらえないということ、そのことについての合理的な説明がなかなかできないのではないか、株主から理解を得ることが難しいのではないかという趣旨でございますが、そうしたことから、株主の期待にこたえるよう、中間配当限度額の計算方法を見直しまして、会社が円滑に中間配当を行うことを可能とする必要がある、こういう認識でございます。
保坂(展)委員 では、もう一点なんですが、これは商法の特例法の関係なんですが、委員会等設置会社について、自己株式の取得の決定を取締役会に留保し、これを執行役にゆだねることができないというふうにしている点について、その理由を。
太田(誠)議員 委員会等設置会社について、自己株式の取得の決定を取締役会に留保し、執行役にゆだねることができないというのは、言ってみれば、取締役会は株主総会のさらに代議員会みたいなものだという位置づけがあって、その意思決定機関としての取締役会がゆだねた範囲で執行を行えるわけであります。ですから、取締役会の決議で利益処分的な性質を持つ重要なことでありますから、これは執行役などに任せるわけにはいかないと。
保坂(展)委員 ちょっとこの辺でこの商法から離れまして、残りの時間を、民事局長に来ていただいていますので、不動産権利証が廃止をされて、いわゆる電子情報化するということがきのうの毎日新聞に報道されました。これは大変国民生活にかかわりの深い、影響もあるかと思うので、二、三、ちょっと答弁をしていただきたいと思います。
 これは、インターネットを通して、速く、また簡便に登記の手続がなされることが可能になるということなんですが、従来のように、本人が登記所に行って、そして手続をするということも可能なのかどうか。その場合は、権利証みたいな従来のものは変わらずにあるのか、それとも違う仕組みになるのか。それだけ答えてください。
房村政府参考人 御指摘のように、現在、法務省民事局においては、不動産登記オンライン申請を可能にする方策を検討中でございます。
 オンライン申請を可能にした場合、窓口に直接申請ができるかという点ですが、これは窓口への申請も可能でございます。どちらでも、申請する者の任意の選択によります。
 その場合、登記済み証はどうなるかということですが、これはもう基本的に、オンライン申請であれ窓口であれ、これからは電子ベースでの処理が中心になりますので、窓口で申請をしていただいた場合にも、登記済み証ではなくて、識別情報を申請人に交付するということになります。
保坂(展)委員 ちょっと教えていただくと、識別情報というのは、アルファベットと数字の組み合わせの情報というものがインターネットでやった場合は送られてくるわけですね。そして、窓口へ行っても、要するにアルファベットと数字の組み合わせの登記識別情報は、はい、これですよと渡される、こういうことですね。それでよかったらそれでいいんですけれども。
 それで、大変便利なようで、新たな犯罪を誘発しないのかということをまずすぐ考えてしまいますよね。今まで、例えば押し込み強盗とかそういう方が来ても、家にある金銭あるいは貴金属、そういうものをとっていく、家そのものは盗まれなかったわけですよね。これは、もし、この制度が普及した後に、そういった外部から自宅内に侵入して、登記識別情報というのは本人しか知らないんですね、権利証というのはないわけですから、パソコンを前におどされて、要するに登記を変えられてしまう、そしてまた、本人そのものが行方不明になってしまったり、ひとり暮らしのお年寄りがねらわれたり、そういったセキュリティーの面で大変問題を残すんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
房村政府参考人 登記識別情報にした場合に、おっしゃるように、それを第三者が何らかの手段で入手して、本人に成り済まして登記申請をするという可能性は否定できないわけであります。
 ただ、登記申請の場合に、登記識別情報だけで本人確認をするわけではなくて、オンラインの申請であれば電子認証、このような仕組み、あるいは電子署名、そういったオンラインによる本人確認の手段が今開発されておりますが、そういうものとプラスして登記識別情報を要求しておりますので、登記識別情報を入手したからといって直ちに成り済ませるわけではない、それがまず第一点でございます。
 それから、何らかの形で登記識別情報が他人に盗まれたのではないか、そういうような疑いを持った場合には、登記識別情報を失効させる手続も用意してありますので、それを事前にとっていただければ成り済ましを防ぐ、あるいは第三者が成り済まして登記申請をするおそれがあるというようなことを登記所の方に通報していただけますと、今回の法改正では登記官の本人確認の権限を強化してそういった成り済ましを防ぐような仕組みを考えておりますので、そういったものを総合することによって防げるのではないか、こう思っております。
保坂(展)委員 実は、けさこれをいただいたんですが、七月一日に、きょうですね、電子情報処理組織を使用する方法による申請の導入等に伴う不動産登記法の改正に関する担当者骨子案というのが出て、一カ月間国民から意見を募ると。今大事な時期なんですね、法案を国会に提出されてから骨格を変えるのはなかなか難しいんですけれども。
 そこで、ちょっと伺いますけれども、では、登記をする国民の側のプライバシー、そこを十分保護することができるのかどうかということで、つまり、権利証なんというのは、どこかに隠しておいたり、あるいは銀行の貸し金庫とか、安全な場所に置くことができるんですけれども、インターネット上の情報というのはごくごく簡単に複製されていくわけですね。複製することはかなり可能なわけです。そして、いわゆるサイバーテロもありますし、またハッカーという形で相当強固なバリアも破って入ってくる。それに対して暗号化の技術で対抗する。これは日進月歩なわけで、お互いにイタチごっこなわけですよね。
 こういうことを見ますと、ちょっと流れを図面に示したものを見ると、インターネットで登記の申請をすると、本人確認として、住基台帳のネットワークシステムで、登記官がここに照会をして本人であるかどうかを見る、こう書いてあるわけですね。これはこういうふうにやるんですか。
房村政府参考人 現在、登記申請に当たって申請人の住民票の添付を要する登記申請がございます。これをオンラインで申請する場合に、書面での住民票の添付はできませんので、そういう場合にオンライン申請を可能にするために、住民票の添付を要求しているような登記申請につきましては、登記官の方で住基ネットワークに接続してその住所を確認するということによって住民票の添付を不要にする、そういう仕組みを考えております。
保坂(展)委員 そうすると、例えば土地の持ち主が、例えば道路をつくるとか公共の建築物をつくるということで、どうも最初の登記上の住所にいないというときには、直ちに、要するに住基台帳で確認しているわけですから、十一けたの番号が一人一人に振られているわけですよね、川崎市に住んでいた人が今川崎に住んでいないというときに、どこにいるのかいなということで照会をして、例えば、ああ、この方は山形県に引っ越していた、こういう形で照会をするという形で使われることもあるんですか。
房村政府参考人 これは、先ほども申し上げましたように、住所を証するために住民票の添付を要求している、それにかえて住基ネットで確認するということで、こちらから住所を、要するに追跡するために行っているわけではありませんので。
保坂(展)委員 ただ、追跡するためにやっていなくても、コンピューターというのは必ず履歴を残していくわけで、どこにその持ち主がいるかわからないという、国や自治体がその方を追いかけるときに、これは必ず使うだろうということは指摘しておきたいと思いますよ。
 この委員会でも、法務省はいろいろなネットワークシステムをつくっていますよね。CONETという矯正ネットワークシステムも、何か、初歩的なこともできないのではないかという指摘、その割には随分お金を使っているなということを言いましたけれども、このシステムの開発のために、現在、どのぐらい予算を使ったのか、それからこれを稼働させて維持させていくためにどのぐらいの予算規模を想定しているのか、お願いします。
房村政府参考人 このオンラインシステムの開発でございますが、これにつきましては、平成十四年度と十五年度で予算措置をしておりまして、合計で六億三千万になります。
 運用コストですが、これについては、基本的に法務省の汎用の受け付けシステムを利用して申請してもらって、それを各登記所あてに配る、そして登記所では登記所にあるコンピューターシステムを使って処理をするという形になりますので、オンラインそのものの運用コストというのは、まだ積算もしておりませんが、それほどの額にはならないだろうと思っております。
保坂(展)委員 法務大臣に伺いますけれども、実は、こういった制度をどういう制度にしていくかということで、例えば登記の、登記済みということをICカードで与えたらどうだろうかとか、中に携帯電話なんというのもあったみたいですね、携帯電話で本人確認をして。
 いろいろな案があって、今の案に落ちつきつつあるらしいんですけれども、不動産権利証というのは、まさに土地の登記、財産の一番の核をなすものですから、特にお年寄りはこういうものに弱いですよ。ましてや、アルファベットと数字の羅列が、これはこれだけ大事なものだということをおわかりになるかどうかということを考えると、やはり慎重に、特にそういったコンピューター社会になれていない高齢者の財産が不当に害されることがないように、しっかり、これは議論の段階ごとに開いて、ぜひ慎重に検討していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
森山国務大臣 世の中が非常にコンピューター化しておりまして、すべてのものがコンピューターで処理されるという時代になっておりますので、インターネット、コンピューターを通じていろいろな手続が行えるようにというのは、国民の便利の面からいいますと非常に重要なことでございますので、電子政府というのをつくろうということも非常に重要な課題でございます。
 今お話しのこの登記の問題についても、できるだけ便利なやり方でということでこのようなものが考えられているわけでございますけれども、おっしゃるように、犯罪の問題とかあるいはプライバシーとか、いろいろ考えなきゃならない問題がたくさんございますので、十分慎重にいろいろな考え得る方法を考えて、万全を期していきたいというふうに思います。
保坂(展)委員 この問題は、それこそ家族の中でも、おばあちゃんを孫たちがいわば半分だまして財産を移転してしまうなんということも起こり得ることですから、むしろその犯罪対策のためにまた予算がうんと必要になったなんということに絶対ならないように、これは本当に大変大事な問題だと思いますので、今後も議論させてください。
 これで終わります。
山本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
山本委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。中林よし子君。
中林委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました商法等一部改正案に対する反対討論を行います。
 反対理由の第一は、本改正が金庫株取得方法の緩和により、債権者保護のための資本充実・維持の原則を一層形骸化し、株主平等の原則の例外をつくるなど商法の原則を崩し、相場操縦、インサイダー取引のおそれを増大させるものだからです。
 株式の公開買い付けや、資本提携、和議開始申し立てに伴って、企業経営者やその家族、提携先などによるインサイダー取引が後を絶ちません。これまで株主総会という比較的開かれた場でしか決定することができなかった金庫株取得の決定を、本改正のように取締役会という密室の決定にゆだねることによって、インサイダー取引が一層助長されかねません。
 反対理由の第二は、中間配当限度額の計算方法の見直しが、商法学者から異例の批判声明が出される等、株価対策を目的に極めて拙速に進められた二〇〇一年商法等改正案のミスを糊塗するものであり、法定準備金の取り崩し額等を中間配当の財源にすることをできるようにするなど、資本充実・維持の原則を形骸化するものだからです。
 以上、反対の理由を述べ、討論を終わります。(拍手)
山本委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
山本委員長 これより採決に入ります。
 塩崎恭久君外四名提出、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
山本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
山本委員長 次回は、明二日水曜日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二分散会


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