衆議院

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第30号 平成15年7月8日(火曜日)

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平成十五年七月八日(火曜日)
    午前九時四十一分開議
 出席委員
   委員長 山本 有二君
   理事 佐藤 剛男君 理事 塩崎 恭久君
   理事 園田 博之君 理事 吉田 幸弘君
   理事 河村たかし君 理事 山花 郁夫君
   理事 漆原 良夫君 理事 石原健太郎君
      太田 誠一君    小西  理君
      後藤田正純君    左藤  章君
      笹川  堯君    下村 博文君
      中野  清君    平沢 勝栄君
      保利 耕輔君    星野 行男君
      増原 義剛君    保岡 興治君
      吉川 貴盛君    吉野 正芳君
      大島  敦君    樽床 伸二君
      中村 哲治君    水島 広子君
      山内  功君    山井 和則君
      上田  勇君    山田 正彦君
      木島日出夫君    中林よし子君
      阿部 知子君    保坂 展人君
      徳田 虎雄君
    …………………………………
   法務大臣         森山 眞弓君
   法務副大臣        増田 敏男君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   法務大臣政務官      中野  清君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    津田 賛平君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    上田  茂君
   法務委員会専門員     横田 猛雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月四日
 辞任         補欠選任
  日野 市朗君     平岡 秀夫君
同月八日
 辞任         補欠選任
  中川 昭一君     増原 義剛君
  鎌田さゆり君     山井 和則君
  平岡 秀夫君     樽床 伸二君
  不破 哲三君     中林よし子君
  保坂 展人君     阿部 知子君
同日
 辞任         補欠選任
  増原 義剛君     中川 昭一君
  樽床 伸二君     平岡 秀夫君
  山井 和則君     大島  敦君
  中林よし子君     不破 哲三君
  阿部 知子君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  大島  敦君     鎌田さゆり君
    ―――――――――――――
七月七日
 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(第百五十四回国会閣法第七九号)(参議院送付)
同月八日
 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案(参議院提出、参法第一七号)
は本委員会に付託された。
七月六日
 法務局・更生保護官署・入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願(第三〇七五号)、裁判所の人的・物的充実に関する請願(第三〇七六号)及び治安維持法の犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(第三〇九九号)は「日野市朗君紹介」を「今野東君紹介」にそれぞれ訂正された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(第百五十四回国会閣法第七九号)(参議院送付)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――
山本委員長 これより会議を開きます。
 この際、御報告申し上げます。
 本委員会の理事、委員として多年にわたり御活躍をされました日野市朗君が、去る六日、御逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに、委員各位とともに故日野市朗君の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
山本委員長 黙祷を終わります。御着席をお願いいたします。
     ――――◇―――――
山本委員長 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長樋渡利秋君、保護局長津田賛平君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。
山井委員 これから一時間、質疑をさせていただきます。
 まず冒頭に、今も黙祷がございましたが、日野先生は、私の非常に尊敬する先生でありまして、民主党の代議士会長もされておられまして、御冥福を心よりお祈り申し上げたいと思っております。
 さて、先日、参議院で心神喪失者医療観察法案が強行採決されたということで、強い怒りを感じております。この法案は、私も衆議院で昨年ずっと延々と質疑をさせてもらいましたが、余りにも決まっていないことが多い、いいかげんな法案でありまして、また、障害者は危険だという偏見に基づく差別法だというふうに思っております。そういう非常に問題点の多い法案、そのことについて、きょうも一時間質問をしたいと思います。
 まず冒頭に、森山法務大臣にお伺いしたいと思います。
 ちょっと献金についてなんですが、例えば、司法制度改革でも何でもいいんですが、法案を通すように要望を受けて、そして献金を申し出られたら、森山大臣はお受け取りになりますでしょうか。
森山国務大臣 私は、そういう申し出を受けたことはございませんし、もしあったとしてもお断りすると思います。
山井委員 大臣としては、お受け取りにならないと。その理由ですね、聞くまでもないことかもしれませんが、なぜそれは受け取ったらまずいと思われるんでしょうか。
森山国務大臣 やはり自分の当然するべき務めをするだけなのであって、別にどなたからどのように言われたからということでもなく、しなければならないことをするだけのことだというふうに思うわけです。
山井委員 政治資金規正法の、ある意味で範囲内で、正式に収支報告すれば問題はないという意見もあるんですが、いかがですか、そこは。
森山国務大臣 その内容によって、そういう場合もあると思います。
山井委員 ということは、内容によっては違法になる場合もあるということですね。
森山国務大臣 やはり条件次第だと思います。
山井委員 この心神喪失者医療観察法案に絡んで不正な献金が動いたのではないかということが言われております。
 御存じのように、先日、木村義雄厚生労働副大臣が心神喪失者医療観察法案の審議中に、法案を推進していた日本精神科病院協会の政治団体から献金を受けたという問題で、市民団体の方が二日、木村副大臣を収賄容疑で東京地検に告発したと聞きました。そして、その趣旨は、法案の早期成立を目指す時期の献金で、わいろに当たるのではないかということでありまして、これについてはまた、七月四日付で東京地検に受理されたということであります。
 事実関係を申し上げますと、昨年十二月に五十万円、日精協の政治団体から木村副大臣に、そして十一月にまた三十万円行っているわけですけれども、この三十万円というのは、十一月六日の、この心神法案の早期成立を大きな目的とする決起集会に木村副大臣が行ってあいさつをした、その謝礼だということを朝日新聞に対しても語っているわけです。
 木村副大臣にお伺いしたいんですが、やはり、このような法案審議の最中に業界団体の集会に行って、まさにその団体が法案の早期成立を念願しているということを知りながら、その行ってあいさつをした謝礼に三十万をもらうというのは、問題があるとはお考えになりませんでしたか、木村副大臣。
木村副大臣 通常の政治献金だと、このように認識しているところでございます。
山井委員 通常の政治献金という御認識だということですが、実際、まさにそれは法案審議で一番、ある意味でもめていたときであります。そういうときに、その集会に行って、あいさつの中で早期成立を目指すということを木村副大臣は力説された。それに対して三十万円をもらったということは、非常に私は問題があると思っております。要は、先ほどの森山大臣の答弁にもありましたように、幾ら適切に処理をしていても、タイミングと趣旨でわいろに当たる可能性があるというふうに私は思います。
 これは氷山の一角でありまして、法案関係の議員にも、それ以外にも多くのお金が動いている、このことは、九月にこの日精協の政治団体の献金の報告書が明らかになりますから、それ以降わかってくる問題だと思っております。
 それに続き、もう一つ木村副大臣にお伺いしたいんですが、香川県坂出市にある西山脳神経外科というところは御存じですか、木村副大臣。
木村副大臣 西山脳神経外科が香川県坂出市に存在いたしております。
山井委員 そこから献金はお受け取りになられたことはあるでしょうか。
木村副大臣 献金は、適正に処理をし、ちゃんと御報告させていただいておるところでございます。
山井委員 ということは、献金は受け取ったということはお認めになるわけですね。
木村副大臣 いただきました献金は適正に処理をし、報告すべきものは報告しておるわけでございます。
山井委員 いつごろ受け取られましたか。
木村副大臣 収支報告書に存在しているんじゃないかと思いますが。
山井委員 だから、いつごろということをお伺いしているわけであります。
木村副大臣 収支報告書をごらんいただいているんじゃないかと思いますが。
山井委員 ちょっと、私、念のためにそれを聞いているわけですから、答えていただきたいと思います。
木村副大臣 手元に収支報告書がないので今直ちにお答えをするというわけにはまいりませんけれども、先生の方が十分にお調べいただいているんじゃないでしょうか。何回もこういう経緯に関しては相当御質問いただいた関係で、私より先生の方が詳しいんじゃないか、そのような気がいたしてならない次第でございます。
山井委員 そうしたら、ちょっと一つだけ、献金を受け取られたことはお認めになりますね。
木村副大臣 収支報告書に載せるべきものはすべて載せておるわけでございます。
山井委員 この西山脳神経外科が社会福祉法人和光福祉会をつくって軽費老人ホーム「ローズガーデン」をつくったということは御存じですか。
木村副大臣 その正確な名称まで私は存じ上げておりません。
山井委員 正確な名称は知らないということですが、そこが軽費老人ホームをつくった、西山脳神経外科が社会福祉法人和光福祉会をつくって軽費老人ホームをつくったということは御存じですか。(木村副大臣「済みません。ちょっと」と呼ぶ)
 もう一回聞きます。西山脳神経外科が社会福祉法人和光福祉会をつくって軽費老人ホームをつくったということは御存じですか。
木村副大臣 それぞれの病院の方々がいろいろな福祉関係とか何かに取り組んでいただいておることはあり得ることであるわけでございますけれども、今先生が言った具体的な名前が、これは正しいかどうかまで含めて、そこまでは承知しておりません。
山井委員 この軽費老人ホームの施設整備の補助金や社会福祉法人の設立に関して、問い合わせや依頼を受けられたことはありますか。また、県や国に何らかの働きかけをされましたか。
木村副大臣 ですから、具体的に個別の名称までどうだこうだと正確なことも存じ上げておりませんし、政治献金がもしあったとしたら、それは適正に処理をしているところでございます。
山井委員 木村議員の収支報告書によりますと、献金を受け取られております。
 それで、ちょっと一連の経緯を御説明させてもらいますと、二〇〇〇年五月二十七日に医療法人西山脳神経外科から木村議員の政党支部に百万円の献金がありました、五月二十七日です。そして、その時点で軽費老人ホームの計画を持っておられました。そして、ほぼ二カ月後の七月二十八日に軽費老人ホームの建設補助の内示が県から出ました。そして、十一月十七日に西山脳神経外科が和光福祉会を設立されました、十一月十七日。そして、その三日後の十一月二十日にもう一度献金が木村議員の政党支部に百万円入っております。合計二百万円です。
 不思議なのは、私の見た範囲では、それ以前もそれ以後も、この法人からは一切献金が見当たらないということであります。普通に考えたら、施設整備の補助金を得て社会福祉法人を設立する働きかけのための謝礼の献金百万円というようにも、これはうがった見方かもしれませんが、見えるのですが、木村副大臣、いかがですか。
木村副大臣 先生からたびたび何度も同じような質問をいただいておりますんですが、政治献金は政治家の活動として法律上認められているものであります。政治資金規正法に基づき適正に処理をしており、今後とも適切に処理をしていくこととしているところでございます。
 献金を受けたとすれば、通常の政治献金であるわけでございまして、私は、副大臣といたしまして、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範に基づきまして、国民全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行しておるところでございます。
山井委員 ちょっと私は一つ不思議に思いますのは、収支報告書に出ているわけですから、百万円、百万円と二百万円献金を受けておられるわけですね。ところが記憶にないということは、割と、こういうことというのはよくあるんですか。医療法人とかから百万単位で献金をもらうというようなことは別に珍しいことではないんでしょうか、記憶にないぐらいですから。
木村副大臣 政治献金は、いただきましたら適正に処理をしているところでございます。
山井委員 森山大臣にお伺いしたいんですが、一般的な話としてお伺いします。福祉法人の施設整備の補助金を得る働きかけや社会福祉法人の設立に対する口ききなどで謝礼や献金を受け取るということは、そのことが目的であれば、法に触れるのではないでしょうか。
森山国務大臣 突然のお尋ねでございますので、私、すぐにそのおっしゃった質問に対するお答えがいたしかねるのでございますが、一般的に申せば、私の常識といいますか感覚から申しますと、問題もあり得ると思いますが、やはりすべてはそのお金の性格とか周りの状況とかそういうことによるのではないかと思います。
山井委員 その状況にもよるということですが、先ほど申し上げましたように、私の調べた範囲では、その時期だけに献金が来ているということは、この補助金を得ることと社会福祉法人の設立と非常に因果関係が強いのではないかというふうに思います。また、ほかにも似たようなケースというのがあるわけでございます。
 繰り返しになりますが、適正に処理しても、タイミングと趣旨で、わいろになることがあります。極めて問題だということを指摘して、もう一度、また心神法案のことに戻りたいと思います。
 次に、上田部長にお伺いいたします。
 再び同様の行為を行う可能性があるかということは、本当に延々と一年間国会で議論をされて、私も多大な問題があると思っておりますが、もうこのことに関しては、事ここに至っては質問をしません。
 まず、指定入院医療機関について、確認も含めてお伺いしたいと思います。まず、この法案の対象者は年に大体何人ぐらいと考えておられますか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 一年間の入院対象者数については、最大四百人程度でないかというふうに推計しているところでございます。
山井委員 トータル何人分ぐらいを建設される予定ですか。
上田政府参考人 私どもの計画では、トータル八百床から九百床程度必要になるというふうに考えているところでございます。
山井委員 大体何年でそれは整備をされる予定でしょうか。何年ぐらいで八百床から九百床。
上田政府参考人 ただいま申し上げましたように、年間の対象者、そして、対象者が退院をされるわけでございます。そして、私ども、先ほど申し上げましたが、十年後に八百から九百床程度必要になるというふうに考えているところでございます。(山井委員「十年後ですね」と呼ぶ)はい。
山井委員 十年後に八百から九百床と。
 それで、これは私はかねてから議論をしていることなんですが、では、平均の指定入院医療機関への入院の長さ、これはどのくらいに、もちろん一人一人差があるのは当然でありますが、どれぐらいに考えておられますか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 本制度における指定入院医療機関への入院期間につきましては、ただいま議員からも御指摘がございましたが、それぞれの対象者の病状やこれに対する治療の状況などにより左右されることとなりますので、制度発足前の現時点でこれを平均入院期間という形で予測することは困難というふうに考えております。
 一方、この制度におきましては、原則として六カ月ごとに裁判所が入院継続の要否を確認することとしております。また、指定入院医療機関の管理者は、入院患者について、その時点の病状等を考慮して常に入院継続の要否を判断し、そして、入院の必要があると認めることができなくなった場合には、直ちに裁判所に対し退院の許可の申し立てをしなければならないこととしております。
 あわせまして、入院患者側からも裁判所に対し退院の許可の申し立てをすることができることとしておりますので、このようなことから、入院期間が不当に長期にわたることはないというふうに考えているところでございます。
山井委員 では、ほかの聞き方をいたしますが、年四百人ぐらいということで、なぜ八百人という数字が出てきたわけですか。
 といいますのは、年四百人、法案の対象者がいて、それで八百床つくるということは、単純に考えたら、平均二年で退院をされていったら八百あれば足りるという計算に、算数ですけれども、なるんですけれども、この八百が出てきた根拠は大体それぐらいだということでよろしいですか。
上田政府参考人 ただいま議員の方からも御指摘ございましたように、私ども、一年間で約半数が退院できるというふうに仮定しましたのは、これは、平成十二年度におきまして、検察官通報による重大犯罪ケースで措置入院となった患者について、半年で約五〇%が措置解除となっている、このことを参考数値として用いたところでございます。
山井委員 ということは、平均すると二年をめどとしているというようなことですけれども、私は、これはもっともっと長くなるんではないかというふうに非常に危惧を持っています。
 次にお伺いしたいんですけれども、この法案は、早期の社会復帰を目的とするというふうに書いてあります。
 この社会復帰に関して、坂口大臣は、私の質問に対する答弁でこうお答えになっているんですね。つまり、指定入院医療機関から出て、一般の病院に移るのか、あるいは地域に戻るのかというようなことに関して、坂口大臣は、「皆さん方がその病院から違う病院に移られるというのは、いわゆる社会復帰をされたということとは私は違うと思うんですね。ですから、それはもう入れる必要はありません。」ということに答弁されているんですが、基本的に、この社会復帰というのは、ほかの病院に行くということではなくて、地域に戻る、ある意味で入院処分から通院処分への移行、つまり、そういうふうなことであるというふうに理解してよろしいですか。
上田政府参考人 本法案におきまして、通院決定を受けましても、指定入院医療機関から別の病院にそのまま転院しまして入院を続けているような場合には、完全な社会復帰とは呼べないというふうに考えております。
 したがいまして、そのようなことにならないように、指定入院医療機関において手厚い専門的な医療を集中的に行い、その精神障害を早期かつ着実に改善するように努めてまいりたいというふうに考えております。
山井委員 先ほど、二年ぐらいを指定入院医療機関の退院のめどではないか、半数が一年以内に退院するんではないかということでしたけれども、となると、もう一つそこでお伺いしたいのが、社会復帰までを何年と考えているのかということなんですね。
 だから、今話ししましたように、社会復帰というものは、ほかの病院に移るのではなくて地域に戻るということを基本的な定義とするのであれば、この法案の目指すところは、目指すところというか、政府が考えておられることというのは、平均値ではありますけれども、平均すれば二年ぐらいでその入った方は地域に戻ることを想定しているというふうに理解していいですか。
上田政府参考人 ですから、先ほど申し上げましたように、指定入院医療機関におきまして専門的な手厚い医療を行い、できるだけ早期に地域へ退院を進めていくというふうに考えております。
山井委員 その早期が五年、十年になるんじゃないかという心配をしているわけなんですね。そこに入ったらいつ退院できるかわからないということでは、やはり人権上も非常に大問題があるわけです。
 それで、今までの答弁でも、坂口大臣は、大体次のように答弁されていますね。「五年とか十年とか、今御指摘になりましたような長い間を想定いたしているわけではございません。」という答弁をされております。
 私、五年後の見直しというのは非常に重要だと思います。最初の趣旨は短期間を想定していたけれども実際本当に長期になってしまうというのは、やはり欧米のケースでも非常によくあることなんですね。そういうことの検証というものが全然なされないままにこういう制度なり医療機関をつくるというのは、人権上非常に問題があると私は思っております。
 それで、先ほど上田部長の答弁の中で、一般の病院に移るケースも中にはあるかもしれないということですが、その一般の病院の人員配置というのは非常に低いわけでありまして、そういう意味では、これが長期化しないようにせねばならないというふうに私は思います。
 今、改めてお伺いしますが、先ほど言いましたように、先ほどの計算からいくと、二年ぐらいの退院が平均ではないかというような想定でこの病院の数の設置も計画されているようですけれども、二年ぐらいの早期の退院というものを想定しているということでよろしいですか。
上田政府参考人 先生、近年の精神医療の入院医療機関につきましては、短期間の傾向にございます。今回のこの指定入院医療機関におきましては、何度も申し上げておりますが、さらに手厚い医療を行うわけでございますので、そういう意味で、先ほど来、できるだけ早期にということを申し上げておりますけれども、そのようなことの医療を進めていきたいというふうに考えております。
山井委員 後ほども触れますが、その受け皿というのが日本は余りにも貧困なわけですよね、地域への復帰ということで。例えばドイツやイギリスでも、当初、二、三年を想定していたのが五年、六年に長引いている、そういう実情があって非常に問題になっているわけです、こういう病棟の長期化が。
 欧米では長期化しているのに日本は長期化しないというふうにお考えになる、その理由というのは何ですか。
上田政府参考人 確かに、我が国の精神医療における医療の質あるいは医療スタッフの問題、国会でもたびたび御指摘がございます。
 今回の指定入院医療機関におきましては、そういう意味での医師ですとか看護師については、これは、例えばイギリスのそういった病棟を私ども参考にしながら今後手厚い医療を考えていくわけでございますが、今申し上げましたような、そういったスタッフを十分配置し、そして治療環境も十分考慮した、そのような手厚い専門医療を行う、このことで、私どもとしましては、より病状の改善が早期に図られ、そして早期の社会復帰が進むものというふうに考えているところでございます。
山井委員 結局、この病棟自身の人手を厚くしたりするだけでは、社会復帰の受け皿の部分が全然不十分なわけですよね。後でも触れますが、社会復帰施設の予算も全然ついていない。だから、過去一年もそういう答弁を聞いてきて、社会復帰を促すと言いながらその予算がきっちりついていないということについては、私は非常に、本当に憤りを感じております。
 そこで次に、この病棟に、いわゆる法案対象者以外、心神喪失者である法案対象者以外も入院させるのか、そのことについてお伺いをしたいと思います。ほかの言い方をすれば、法案対象者じゃないけれども処遇が困難であるというような方々を入院させることがあるのかということ。いかがでしょうか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 本制度における指定入院医療機関については、まず、本制度の対象者に対して継続的かつ適切な医療を行うために計画的に整備することが重要であり、原則として対象者以外の者を入院させることは考えておりません。
 御指摘のように、本法案の対象外の方であって急性期や重度の精神障害を有する方に対しても手厚い医療を行うべきである、こういう御指摘について、まずは、修正案の附則第三条第二項に規定されておりますように、病床の機能分化、具体的には、これらの方々に対応した病床整備を検討するなどにより対応を図ることとしたいというふうに考えております。
山井委員 私が心配しますのは、最初はこの法案の目的でつくっていたのに、どんどん、ある意味で一般の病院にとって手のかかる方をこの病棟に入れていくというようなことがあると私は大問題になると思いますので、そういうことのないようにしてもらいたいと思います。
 そこで、例えば、一つの病棟は三十人から四十人と今までの答弁で聞いているわけですけれども、最初はどうなるんですか。要は、この法案の成立以前に対象者として入院されている方が移ってくるということになるのか、それとも、この病棟ができて以降の新たな対象の方が入院されるのか。そこはいかがですか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 この対象者については、病棟が整備された以降、新たに裁判所でそういった入院が必要だという、該当される対象者について新たに医療を進めるものでございます。
山井委員 それでは、しばらくは病棟が当然あいているということでありますね。あいているからほかの方に入っておいてもらおうとかいうことは当然ないわけですね。
上田政府参考人 まず、病棟整備には時間がかかります。ですから、この法律の施行に合わせ、当然受け皿としてそれまでに病棟を整備していくということで、むしろ実施に向けて、施行に向けて整備を今後これから進めていくということでございます。
山井委員 私がなぜこういう質問をするかというと、今までの答弁の中で、あきがあるとこの法案の対象者以外も入ってもらうかもしれないという答弁があったわけで、最初はあいているわけですから、そこに法案対象者以外を入れるということになると全然趣旨とも違うことになるわけですから、もともと私はもちろんこういう病棟には反対でありますけれども、そのことについても指摘しておきたいと思います。
 今の答弁を聞きましても、要は、何年ぐらいになって社会復帰できるかというのが私は本当に想像がつかないし、長期入院になるというような気がしてなりません。そこで、このような、大もめにもめて強行採決までやった法案なわけですから、この病棟の現状を毎年国会報告すべきであるというふうに考えております。入院状況、そしてどういう処遇をしているのか、実際退院できたのは何人か、職員数や運用面など年次報告をすべきだというふうに考えております。森山大臣、いかがでしょうか。
森山国務大臣 衆議院での修正によりまして、本法律案の附則第四条におきまして、施行後五年を経過した場合には、本法律の施行状況を国会に御報告申し上げるとともに、その状況について検討を加える等の政府の責務が規定されております。
 そこで、この法律が成立しました場合には、御指摘の対象者の入院状況や退院状況を含め、政府といたしまして本法律の施行状況を把握していく必要があると考えておりますが、このようにして把握した本法律の施行状況につきましては、施行後五年を経過した場合に国会に御報告しなければならないことは当然でございますが、それ以前でありましても、国会からの御指示があればそれを御報告申し上げたいと思っております。
山井委員 以前質問したときにも、御指示があれば御報告させていただくという答弁を森山大臣からいただいているんですけれども、それを一歩踏み込んで、ある意味で御指示がなくても年次報告をきっちりやっていくと。人権上非常に危険な病棟だと私は思っておりますので、御指示があればではなくて、年次報告をやはりしっかりやっていく。
 今の上田部長さんの答弁を聞いていても、どうなるか正直言ってわからない、やってみないとわからないというのがこの法案の非常に危険な部分だと私は思います。普通だったら、答弁でも、イギリスはどうですとかドイツはどうですと言うんじゃなくて、少なくとも、日本の中でこれこれこういう実績があってそれに基づいてやるというのが法案を出すときの手順だと思うんですけれども、そういうことを日本でやったこともない。いい病棟だから信用してくださいと言っても、なかなかそれは信用できるものではないわけですね。
 そこで、ぜひとも年次報告というのをお願いしたいと思うんです。森山大臣、お願いいたします。
森山国務大臣 おっしゃることもよくわかりますので、施行後五年を経過した場合の国会への御報告以外にこの法律の施行状況を明らかにするということにつきましては、今後、御意向を踏まえまして、その方法や内容等について検討を進めて実行していきたいというふうに思います。
山井委員 まさに、この法案の審議ももう残り少なくなってきているわけなんですけれども、この通常国会でも強行採決というのはこの法案だけなんですよ、はっきり言って。それぐらい非常に問題が多い、それに危険性が多い法案なわけですから、やはり年次報告はしっかり出していくというのが責任ある担当大臣、森山大臣の姿勢だと思いますが、五年後の見直しは当然のことでありますから、ぜひとも年次報告をするということをお約束いただきたいと思います。
森山国務大臣 五年後に報告しようと思えば毎年状況を見なければなりませんので、そういう先生の御趣旨もよくわかりますから、先生の御趣旨をよく体しまして努力したいと思います。
山井委員 ぜひとも毎年きっちりと報告して、人権上どういう問題が起こっているのかとか、きっちり早期に社会復帰ができているのかということを確認すべきだと思います。
 これは普通に考えてみましても、特に当初は全国に一カ所とか二カ所なわけですよね、当然。そうしたら、極端な話、北海道の患者さんが東京に急に来させられたり、すごく移動が大きいわけです。一たん遠く何百キロも離れた病棟に入れられて、はい、早期に社会復帰できますよと言っても、逆に難しい面、そういう危険性というのが非常にあるわけです。ですから、年次報告をぜひともお願いしたいと思います。
 次に、木村副大臣にお伺いしたいと思います。
 この法案の審議の中でも、社会的入院七万二千人を十年間でなくすということとこの法案とは車の両輪だということを、今までからそういう趣旨のことをおっしゃっておられたわけですけれども、どうやって社会的入院をこれから責任を持って減らしていくのか、そのことについて答弁をお願いします。
木村副大臣 条件が整えば退院が可能ないわゆる社会的入院者に関しましては、地域における受け入れ体制を整えることによりまして早期に解消していく必要があると考えておりまして、厚生労働省として挙げて取り組む所存でございます。
山井委員 条件が整えば、まさにそこが問題なわけですね。条件が本当に整っていない部分があるわけであります。
 それで、正直言いまして、私は、七万二千人でも非常に足りないと思います。欧米に比べると、皆さん御存じのように、日本では病院に入院されている精神障害者の方が余りにも多過ぎる。やはりこういう問題、七万二千人では私は本当は少ないと思っておりますが、少なくとも、それについて全力で取り組んでもらわねばなりません。
 そこで、上田部長にお伺いしますが、十年間で七万二千人の社会的入院を減らすということは、具体的な話をします、大体十年後には、二〇一三年には、病床が今の三十三万床から二十六万床以下に減っているというように理解していいんですね。
上田政府参考人 七万二千人のいわゆる社会的入院者を順次退院させていくことによりまして、入院患者が減少することとなるため、当然不要となる精神病床が発生するものというふうに考えます。このような病床を維持しておくと、新たな社会的入院者を発生させる可能性もあることから、厚生労働省といたしましては、先ごろ取りまとめました精神保健福祉対策本部の中間報告においても、病床の減少を促す、この方向性を打ち出したところでございます。
 また、精神病床を減らすことにより生じる人材等の社会資源を、地域精神医療の充実あるいは急性期、重度患者の入院医療の充実のために再配置することなどによりまして、我が国の精神医療の充実につなげていきたいというふうに考えております。
山井委員 今の答弁にもありましたように、退院してからもベッドがあいていると、まただれかそのベッドに患者さん入ってもらわないとだめだというふうなことになってしまうおそれがあるわけですね。その一例が、やはり痴呆性高齢者であります。
 今、特別養護老人ホームもグループホームもそう簡単に入れないという中で、どうしても居場所のないお年寄り、痴呆性高齢者の患者さんは、私も国会で何度か取り上げたことはありますけれども、精神病院に入っているケースが多いわけですね。もちろん、ごく短期間、ごく一部の痴呆性高齢者が精神病院に入る必要性があるということは、私はそこまでは否定しませんけれども、余りにも、ほかに居場所がないということで、不要に長期、そして、下手をすれば人生の終末まで精神病院で暮らしていられる痴呆性高齢者というのが非常に多いわけであります。
 片や、グループホームやユニットケアということで、痴呆性高齢者に対しても、個別ケアあるいは家庭的なケアということが介護保険の世界では言われている中で、一方では、そういう精神病院の中で、もちろん進んだ取り組みも一部にはありますけれども、やはり大部屋の雑居部屋で、非常に不適当なケアを受けているケースというのが多いわけです。ですから、そこは、そういうベッドがあくと、痴呆性高齢者、居場所のない人を探すことはある意味で簡単なわけですから、そういうことがないようにしてもらいたいと思います。
 それで、まさにベッドがあいた場合のことなんですけれども、これから減らしていくという場合、社会的入院を減らす年次計画ですね、いつその年次計画を発表されますか。そして、どうやって社会的入院が減ったかというのを検証するのでしょうか。上田部長、お願いします。年次計画についてです。
上田政府参考人 最初に、年次計画の御質問にお答えしたいと思っております。
 いわゆる社会的入院解消のための年次計画につきましては、新障害者プランにおいて、毎年七万二千のおおむね一割ずつが退院するという前提でプランの策定を行っており、また、必要なサービス量の確保という観点から、十年後にいわゆる社会的入院を解消するためには五年後にどのくらいのサービス量が必要となるかという推計目標、数値を公表しているところでございます。
 年次計画的な目標値につきましては、今後、さらにニーズ調査の結果等を分析、評価した上で、精査を加えて検討することが必要というふうに考えております。
 次に、検証の問題でございますが、いわゆる社会的入院者の退院状況については、約七万二千という数値の根拠となりました三年に一度の患者調査、この結果を分析するということを考えております。また、全国の精神病院を対象に毎年実施しております調査によって、入院中の患者や退院した患者の状況を分析することにより、継続してモニタリングを行い、検証することとしております。また、これらの結果を定期的に社会保障審議会精神障害分会に報告し、進捗状況について評価をしていただくこととしております。
山井委員 ちょっと最初の質問に答えられていないんですが、年次計画はいつ発表されますか。毎年何人ずつ減らしていくというのはいつ発表されますか。
上田政府参考人 ただいま御質問の、年次計画的な目標値を明らかにする時期につきましては、先日の衆議院厚生労働委員会におきまして、議員からの、ことしじゅうに年次計画を明らかに公表するということでよろしいかという御質問に対しまして、厚生労働大臣より、そのように考えていただいて結構でございます、このようにお答えしているところでございます。
 私どもといたしましては、その回答どおり、今年中にはお示しをしたいというふうに考えております。
山井委員 これは概算要求のこともあるわけですし、とにかく早急に、ことしじゅうといっても早いうちにやるべきだと私は思っておりますし、先ほど、大体十年間で一割ずつということは、単純に計算すれば一年七千二百人ということなんですけれども、はっきり申し上げまして、坂口大臣の答弁と違うと思うんですね。御記憶にあると思いますが、坂口大臣は、十年間でなくすためには七年ぐらいでやらないとだめだろうということを、前倒しでやらないとこういう計画は実行できないということをきっちりおっしゃっているわけです。
 ということは、七年間ということは、やはり最初の七年で一万人ずつ減らしていく、それで七年間で減らすということで、多少のプラスマイナスは後で調整するということになると思うんですけれども、このままいけば、一年ずつやっていったら十年間で終わらないというケースが非常に可能性として考えられるわけですけれども、大臣も七年間で計画をつくるということをおっしゃっているんですから、やはり七年間で七万二千人減らせるというふうな計画をつくるべきじゃないでしょうか。
上田政府参考人 お答えいたします。
 坂口大臣が、七年ぐらいで社会的入院を解消したいというふうにお答えされておりますが、これは、計画はおくれることはあっても早まることはなかなかないので、十年間でいわゆる社会的入院の解消をやり遂げるためには、少し前倒しに目標が達成できるような早目のスケジュールを組んでおいてちょうどよいくらいであるという趣旨で述べられたものというふうに承知しております。
 私も、できるだけ早くいわゆる社会的入院の解消という目標を達成したいというふうに考えております。
山井委員 これは、本当に落ちついて考えないとだめなのは、今日の時点で、もう社会的入院で条件が整えば退院できるわけですよ、その方を一年待たせるだけでも人権上大きな問題があると私は思いますよ。それを十年ですよ。例えば、六十歳の人が十年待ってくれといったら七十歳で、もう社会復帰、本当に難しくなるかもしれないわけですよ。逆に、十年いたら社会復帰は難しくなるわけですよ、今だったらできるかもしれないのが。
 だから、私たちもこうやって国会で簡単に、はい十年後と言っているけれども、多くの人たちの人生を奪っているということを私たちも感じながらやらないと、十年間でなくしましょうといって、本当に一人一人の人生がかかっているわけですから、そこは裏返せば、十年でなくせばいいという問題じゃなくて、本当だったら、やはりこれは一年ででもなくさないとだめな話なわけですよ。もっと言えば、何で今まで七万二千人も社会的入院がいることを放置してきたのか、この責任はどこにあるのかという問題にまでなってくると私は思っております。
 ですから、これはもう今年度からこの社会的入院を減らすという話は始まっているわけですから、先ほど言いましたように、大臣が、七年で減らす、一応七万二千をなくすということで、ということは、単純計算ではことし一年で一万人ぐらい減らないとだめなわけですね。もうその計画は始まっているわけです。
 例えば、ことし一年で一万人ぐらい社会的入院を減らせるというような、そういう確信というか見通しは持っておられるんですか、厚生省は。
上田政府参考人 ですから、先ほども申し上げましたが、七万二千を十年以内ということで、一割程度ということで目標を掲げながら取り組むわけでございます。
 ただいま先生御指摘のように、私どもも、この七万二千の社会復帰、退院を進めるということは非常に重要な課題だというふうに、そして省を挙げて真剣に取り組まなくちゃいけないというふうに考えております。
 したがいまして、先ほどの年次計画を策定すること、あるいはまた、都道府県ですとか医療関係者等に我々のこういった取り組みについても呼びかけ、そして関係者の御協力もいただきながら、この目標に向けてしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
山井委員 過去一年、そういう答弁をずっと聞いてきたんですけれども、本当に、言っていることとやっていることが違うんじゃないかという面が多々あるわけですね。
 今回も、精神障害者の社会復帰施設、都道府県から要望があった百六十一件のうち三十五件しか補助金を出していない。中には、住民から寄附を募って整地工事を発注済みのところもある。そういうところにも予算がつかない。
 だから、一年間こういう法案審議の中で、社会的入院を厚生労働省を挙げてこれから必死でやっていくんだということをもう何十回も答弁されていながら、実際予算がつかないというのはどういうことなんですか。これで答弁を信用しろといっても無理でしょう、それは。
 このことに関して、先日、抗議と要望に厚生労働省に行かれたそうでありまして、それは当然のことだと思うんですね。その抗議や要望に対しても、文書で回答するかどうかも含めて検討したいということが、一々読みませんけれども、こういう団体の方々の何としてもこれに予算をつけてほしいという当たり前の要望に対して、文書で回答してほしいということに対しても、回答することも含めて検討したいということですけれども、まず、これは文書というよりも、当然こういう要望に関しては、今回の申し入れに関しては回答をするんですね。
上田政府参考人 先日、ただいま議員が御指摘のような要望が団体の方からございました。
 それで、私ども、今回の状況について御説明を申し上げ、そして、予算的に大変厳しい制約があって、現時点で各地域のすべての要望におこたえすることは困難と言わざるを得ませんが、今年度における今後の執行等に当たってはできる限りの工夫をしてまいりたい。あるいは、十六年度予算においては、障害者プランの進捗状況や地域のニーズを勘案しながら、必要な予算の確保ができるよう努力してまいりたいというふうにお答えをさせていただき、そして、その後の状況についてもまた改めて御説明を申し上げるということで、しっかりお話をいたしたところでございます。
山井委員 私もこの社会的入院の問題を何回も国会で取り上げましたし、この法案審議でも何回も議論になったわけですね。そのたびに全力で取り組むと言っていて、それで十年計画の一年目で二割しか予算がつかない。答弁の中では、地域住民の反対があるとかいろいろなことをおっしゃったけれども、一番問題があるのは厚生労働省の姿勢なんじゃないんですか。一年後にできないことが十年後にできるんですか。そこは余りにも無責任じゃないですか。きょうの午後にでもこの法案を採決するそうですけれども、責任を持ってやはり答弁を守ってくださいよ。来年、再来年のことなんか私たちは今チェックできないんですから。
 社会復帰に全力を傾けるという、この法案の中でも、厚生労働省さんの今までの公約と予算のついていることが違うじゃないですか。そんなの通らないですよ、これは。一割だけに補助金がつかなかったというならまだしも、八割もついていないわけですよ。やる気がないとしか言いようがないじゃないですか。一年目が二割しかつかなくて、何で十年後の約束を信用できるんですか。
 ちょっと、やはり、はっきりとこのことについて答弁してくださいよ。一回や二回の答弁じゃないですよ。国会を挙げて一年間議論してきて、厚生労働省が責任を持って答弁したことじゃないですか。
上田政府参考人 精神保健福祉対策全体の予算としましては、平成十五年度において、厚生労働省予算の伸びの三・八%に対しまして一〇・一%の伸びを確保し、例えばグループホームにつきましては前年度の倍以上を確保しているところでございます。しかし、精神障害者社会復帰施設に関しては、要望に対し十分対応ができていなかったため、関係者に御心配をおかけしているところでございます。
 この点につきましては、これまで大臣が述べておりますように、施設整備に関しては、補正予算で対応してきた従来のやり方を見直して、当初予算の確保を図ることとしたい、このように考えております。さらに、七万二千人の方々を地域全体で受け入れられる体制をつくるために、今後十年間のスケジュールあるいは優先順位などのアウトラインをつくり、これに沿った予算要求を行っていくこととしたいというふうに考えております。
山井委員 本当に厚生労働省が社会的入院をなくすという、本気だということで各自治体や地域の方も頑張ろうと思って頑張っているわけですよ。それに対して、一番肝心な厚生労働省がはしごを外してどうするんですか。そういうことをやっていると信用をなくしますよ。
 今、グループホームの話もありましたが、私の地域でも精神障害者のグループホームをたくさんつくりたいとおっしゃっている方がおられます。先ほどのことで、質問にはしませんが、社会復帰といっても、坂口大臣も、社会復帰というのは同じ病棟の中で看板をかけかえて施設をつくったら社会復帰になるというのではないというふうな答弁をされています。ちゃんと地域に帰ってもらわないとだめだということで。
 ところが、この精神障害者のグループホームの補助も非常に少ないわけですね。運営費も年間三百万円ぐらいの国庫補助で、なかなかこれではできない。私の知り合いの精神病院の医師の方々も、別にもうけようとは思わないけれども、やはり採算がとれるぐらいの費用にしてもらわないとなかなかふやせないということをおっしゃっておられるわけです。地域の反対もあるかもしれない中で、これから必死でこういうことをやっていかないとだめなわけです。
 この精神障害者のグループホームの整備について、運営費の引き上げとか家賃補助を上げるとか、そういうふうなことをぜひともやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
上田政府参考人 お尋ねの精神障害者グループホームは、共同生活を営む精神障害者に対し、食事の世話などの日常生活における援助等を行うことにより、精神障害者の自立生活を促進する事業でございます。
 この精神障害者グループホームへの補助額については、一定程度の自活能力があり、数人で共同の生活を送ることに支障がない精神障害者の日常生活を援助するために必要となる世話人の手当や、指導等に必要な通信費等を積算し、事業を実施していく上で必要な経費として一グループホーム当たり約三百二十六万円を補助しているところでございまして、安定的な運営に対応できる単価だというふうに私ども考えているところでございます。
山井委員 安定的に運営できる単価じゃないからふえていないわけですよ。そこもきっちりとやってください。
 時間がないですから先に進みますが、それで、精神病院の機能分化などについての検討会が今後行われるということですが、そのメンバーの中にぜひとも当事者の方を複数、二人以上入れてほしいと思います。そのことについていかがですか。
上田政府参考人 ただいまお尋ねの検討会については、私ども、有識者から成る検討会において精神病床等に関する検討を行うこととしておりまして、現在、具体的な進め方、メンバー等の検討を行っているところでございます。
 ただいま御指摘のメンバーの構成につきまして、現在、ただいま申し上げましたが、検討中ではございますが、当事者の方についても複数名の参加が得られるように努力してまいりたいというふうに考えております。
山井委員 ぜひとも最低二人は入れてもらえるということで、今の答弁、理解しました。
 それで、森山法務大臣に質問を戻りますが、先ほどの年次報告のことですね。今の答弁を聞いてもらっても、十年先のこと、五年先のことというのは、なかなか信用できないという部分が正直言ってあるわけです。ぜひともこの場で、先ほど前向きな答弁はいただきましたけれども、年次報告はきっちりこの法案についてはやっていくということを改めてやはり約束いただきたいと思います。
森山国務大臣 御趣旨を体して努力いたします。
山井委員 御趣旨を体して努力いたしますということですが、もうこれは大臣が判断するしかないんですよ。大臣が判断しなかったら、ほかの方は判断できないわけですから、やはり年次報告はしますということをお答えください。
森山国務大臣 先生のおっしゃりたいことはよくわかりますので、その御趣旨に沿ってやりたいと思っております。
山井委員 ありがとうございます。趣旨に沿ってやりたいということは、年次報告をしてもらえるというふうに理解をいたします。
 やはりこの法案、本当にこれから非常に問題点が多々出てくる問題だと思っております。そういう意味ではもっともっと審議をすべきだと思いますし、私も、この法案は、最初にも申し上げましたように、余りにも不確定なことが多く、そして精神障害者は危険だという偏見に基づいた法案で、大きな問題があるというふうに思っております。
 もう一つ、上田部長にお聞きしたいと思います。
 繰り返しになりますが、社会的入院の年次計画をつくって、ことしじゅうにその年次計画を発表するということですが、では、一番最初のチェックはいつになりますか。ことしじゅうに年次計画を発表して、それで、一番最初チェックするのはいつになりますか、その検証をするのは。具体的な話です。例えば一年間に一万人減らすとしたら、それをチェックするのは。
上田政府参考人 今年度から七万二千の社会復帰対策を進めていくわけでございます。ただいま先生の御指摘については、十六年度末にはこの状況についてまとめていきたいというふうに考えております。
山井委員 本当に日本の精神医療というのは、この法案の審議の以前から、先ほどの七万二千人の社会的入院のことも含めて、非常に負の遺産というか、はっきり言いまして、私は厚生労働行政の最大の問題点の一つであったと思っておりますし、また人権問題でもあると思います。
 そういうことを、やはり法務省の方々、法務委員会としてもきっちりと、この心神法案が人権上さらなる問題を発生させる危険性が非常に高いわけであります。だから、先ほど森山大臣に申し上げたように、年次報告もきっちりやっていって、やはり問題点があれば速やかにこういう法案というのはなくしていくというふうにしていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
山本委員長 木島日出夫君。
木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 木村厚生労働副大臣に、日本精神科病院協会政治連盟からの政治献金についてお聞きをいたします。
 最初に、厚生労働省には二人の副大臣がおりますが、任務分担をしているようでありますが、木村副大臣が旧厚生省所管、鴨下副大臣が旧労働省所管、こう伺ってよろしいでしょうか。
木村副大臣 原則としてそういうことになっております。
木島委員 木村副大臣は昨年、二〇〇二年十一月六日、都内の第一ホテル東京で午後五時から開会された、日本精神科病院協会が主催をした、心神喪失医療観察法案、略称でありますが、これの早期成立を期す全国集会に五十五人の衆参国会議員とともに参加し、厚生労働副大臣として、保守党党首や山崎自民党幹事長よりも先に最初の来賓あいさつをし、その中で、法案の早期成立を省を挙げて取り組んでまいりたいと決意表明をしておりますが、相違ございませんか。
木村副大臣 法案の成立を省を挙げて取り組むのは当然のことであろうと思っております。
木島委員 だから、言ったかどうかだけ言ってくれればいいんですが、言ったことは間違いないですね。全文が協会の会報に載っていますから、確認だけします。
木村副大臣 ですから、今答弁したとおりでございます。
木島委員 いや、まともに答弁していないですよ。ふざけちゃ困ります。そういうことを言ったかという質問ですよ。あなたの答弁は、省を挙げて取り組むのは当然だという答弁でしょう。ごまかさないで、きちっと答弁しなさい。
木村副大臣 省を挙げて取り組むのは当然のことじゃないんですか。
木島委員 だから、言ったかどうかということを確認しているんですよ。
木村副大臣 議事録はおありになるわけですね。
木島委員 だから、素直に答弁してくれればいいんですよ。
木村副大臣 議事録があるのだったら、議事録のとおりだと思います。
木島委員 言ったと言えば、それで済むことでしょうが。
 昨年、二〇〇二年十一月に副大臣は三十万円の政治献金を日本精神科病院協会政治連盟から受けていると、さんざん参議院で、法務委員会、厚生労働委員会連合審査会等々で明らかになっておりますが、確認します。十一月何日の金の授受でしょうか。
木村副大臣 昨年のことですか。
木島委員 そうです。十一月のことです。よく聞いておいてください、質問を。
木村副大臣 通告にはそのような話はなかったものですから、日にちまでは覚えておりません。
木島委員 精神科病院政治連盟からの政治献金について聞くと通告をしておきましたよ。あなた個人にかかわることですから、思い出してください。答弁願います。
木村副大臣 日にちまでは覚えておりません。
木島委員 十一月六日に日本精神科病院協会主催の法案早期成立を期す全国集会に出て行って、冒頭あいさつをしているんですよ。その十一月六日、その日ですか。それより前ですか、それより後ですか。あなたの方が答弁しているんですからね、参議院の委員会で。日にちぐらい覚えているでしょう、去年の十一月ですよ。
木村副大臣 たしかあのときの答弁は、十一月という答弁をさせていただいたと思っております。
木島委員 だから、日にちを特定しているんですよ。六日、その日ですか、その前ですか、その後ですか。
 誠実じゃないですよ、委員長、注意してください。記憶を喚起して……。
木村副大臣 七日だということでございます。
木島委員 わかっているじゃないですか。翌日ですね。これは重大な事実だと私は思います。
 金の授受の方法はどのようなものですか。だれが渡し、だれが受け取り、どこで受け取り、現金か否か。十一月七日とおっしゃいましたが、もっと具体的に答弁を、できたら時間まで願います。
木村副大臣 政治資金規正報告に、この九月に発表になると思いますけれども、その報告にちゃんと記載させていただくところでございます。
木島委員 そんなの聞いてやしません。十一月七日、五十万受け取ったと答弁されました。だれが受け取ったのか、だれが渡したのか、どこで渡したのか、現金か、何時か、せめてその四つぐらいは、御記憶新たでしょうから答弁ください。
木村副大臣 政治資金の処理は政治資金規正報告書によって適正に処理するところでございますし、そのようなところは、政治資金規正報告書にそのようなことまで書けというようなことは書いていないんじゃないでしょうか。
木島委員 そんなこと聞いてやしませんよ。規正法なんか聞いてやしませんよ。
 もう既に、我々と法務省との関係で、政治資金規正報告には報告があった金でも、その金がわいろ性を帯びることは除外しない、そういう場合は贈収賄が成立するということははっきりしているんですよ、法務省答弁しているんですから。そうだとは私は断言しませんが。だから、金の趣旨は重要なんですよ。
 では、まず、逆に聞きましょう。この金の趣旨は何ですか。
木村副大臣 通常の政治献金です。
木島委員 そうだというんなら、時間、場所、だれが、だれに、どこで、答弁してください。
木村副大臣 通常の政治資金規正報告は規正報告書に記載をして報告いたしますけれども、今のようなところの項目まで入っていないんじゃないかということを申し上げているところでございます。
木島委員 政治資金規正報告に入っていないからといって、私のここでの質問に対して答弁を拒絶する理由ないでしょう。
 委員長、答弁させてください。
木村副大臣 現実問題として、いつ、どこで、何を、どうしろと言われても、規正報告書の範囲ではちゃんと報告をさせていただくところでございます。
木島委員 だめです、これは。
 あなたが受け取ったんですか、では。
木村副大臣 ですから、政治資金規正報告書にのっとって適正に対応されているところでございますし、当然、あれですよ、その……(木島委員「だめ。質問できない、こんな不誠実な答弁じゃ。ちょっととめてくださいよ、時間。時間とめてください。こんな不誠実な答弁じゃできないですよ」と呼ぶ)いや、ちゃんと答弁、ちゃんと答弁しているじゃないですか。(木島委員「政治資金規正報告に届けているかという質問じゃないんだから」と呼ぶ)だって、そこはですね……(木島委員「金の趣旨をこれから聞くんだから。生の事実を聞くんだから。届け出なんか関係ないですよ。はい、時計とめて。私は二十五分しかないんだから。時計とめてください」と呼ぶ)
山本委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
山本委員長 速記を起こしてください。
 木村副大臣に申し上げます。できる限りの答弁をお願いします。
木村副大臣 わかる範囲でお答えさせていただきますと、私は、直接は受け取っておりません。
木島委員 だれですか、では。だれですか。
木村副大臣 ですから、私は直接受け取っておりませんで、秘書に後で確認をしたら、今言ったような献金をいただいておる、そしてこれは今度のもう報告書に、ちゃんと提出をさせていただいた、こういうことでございます。
木島委員 だから、だれが、どこで、現金か否か。さんざん参議院で問題になったんですから。答弁してくださいよ、誠実に。
木村副大臣 私の知り得る範囲内で誠実に答弁をさせていただいているところでございますが、先ほど申しましたように、私が直接受け取ったものではありませんので。そこは収支報告書に載っけた、そういうことで、当然にその責務は果たしていると思います。
木島委員 では、参議院であれだけ論議されたときに、あなたは、その受け取った秘書から、いつ、どこで、現金か否かも含めて、だれが渡してくれたのか、どう言って渡してくれたのか、調査しましたか。
木村副大臣 秘書からそういう微に入り細をうがったような話はもちろんその報告がなくて、当然、受け取った金額は政治資金規正報告書に載っけて報告をしたところ、こういうふうに私は報告は受けました。
木島委員 だれが渡してくれたか、報告を受けていますか。
木村副大臣 どなたが渡してくれたとか、そういう報告は受けておりません。
木島委員 現金かどうかは報告を受けていますか。
木村副大臣 そういう報告も受けておりません。
木島委員 たわけたことを答弁してもらっちゃ困るんですよ。
 ことしの五月二十六日、参議院法務委員会、厚生労働委員会連合審査会会議録の第一号に、我が党の小池晃参議院議員の質問に答えて、あなたは、「日精協政治連盟からは、先生御指摘の十一月に三十万円、十二月に五十万円の政治献金を受けているわけでございますが、日精協政治連盟はあくまでもこれは任意団体でございます。日本精神科病院協会とはこれはあくまでも別な組織でございますので、その点を十分に御理解いただきますようにお願いを申し上げる次第でございます」、答弁しているじゃないですか。
 今のような程度の話しか秘書から聞いていないんなら、金を出した主が日精協そのものか日精協政治連盟か、わかりゃせぬじゃないですか。こんな答弁、できるはずないじゃないか。
木村副大臣 先ほど申しましたように……(木島委員「だから、できないじゃないか、こんな答弁」と呼ぶ)先ほど申しましたように、秘書から、当然にこういうことで報告書の中に書き入れましたと。そして、それを、報告書を提出したわけでございますから。その範囲内でしか、当然、聞いてはおりません。
木島委員 こんな話しか秘書から聞いていないんなら、何で、日精協と日精協政治連盟を法人格を完璧に区分けして、あなたは、おれは日精協からはもらっていない、政治連盟からしか受け取っていないなんて、そんな答弁が国会でできるんですか。できやしないじゃないですか。こんなインチキな答弁、何でできるんですか。
木村副大臣 日精協政治連盟からいただいたという報告を受けたから、そのとおり答弁をさせていただいたわけでございまして、それがどうだこうだということではないんじゃないんでしょうか。
木島委員 さっき、私の質問に答えて、あなた、そう答えなかったじゃないですか。覚えていますよ、あなたの最初の答弁を。だれから、いつ、現金か否かなんか細かいこと聞いていないようなことを答弁したじゃないですか。私が今参議院の小池議員の質問に対するあなたの答弁を指摘したら、そんなこと今になって答弁するのは、こんな不誠実な答弁ないですよ、委員長。
木村副大臣 あなたが、だれが現金で持ってきたかという答弁を……(木島委員「だから、大事なんですよ、日精協か政治連盟かというのは」と呼ぶ)いや、そういう法人格の御質問じゃなかったです。私は、どなたが、特定の個人、だれが持ってきたかとか、中身が現金であったかというふうな御質問をされたというふうに受け取ったわけでございます。
 法人格は、今質問のとおりでございまして、ちゃんとそれは政治連盟からいただいているわけでございます。
木島委員 あなた、そんなこと調査していないと言うから、反論として私は参議院の議事録を提起したんですよ。そんなこと頭から聞いたら、あなた、またまともに答えようとしないからですよ。
 では、聞きましょう。十二月にも五十万受領していますね。日にち、場所、だれが、だれから、現金か否か、答弁ください。
木村副大臣 十二月五日に五十万円の献金はいただいております。
木島委員 その他は。だれが受け取ったですか、あなた本人ですか。受け取ったのがあなた本人じゃないとすれば、その者から、場所、だれから、調査していますか。調査していたら、答えてください。
木村副大臣 私の知り得る範囲では、私が直接受けたわけではございません。それから、あとは、政治資金規正法にのっとって適正に処理をしているところでございます。
木島委員 秘書といっても、あなた、厚生労働副大臣、政治家でもある。秘書もたくさんいると思うんです。だから聞くんですよ。場所も聞くんですよ。
木村副大臣 政治資金規正報告書に、例えば、例えばの話として、現金を受領したときの氏名を報告しろとか、いつ受領したかとか、日にちは特定していますけれども、例えば時間とか場所とかまで書くような報告義務になっていないんじゃないんでしょうか。
木島委員 生の事実を基本的にたださなければ、その金の趣旨がわからぬじゃないですか。あなたの地元の政治秘書なのか、国会議員会館の中にいる秘書なのか、厚労省の大臣秘書官たる人物なのか。だれがどこで受け取ったのかというのは最も重要な事実じゃないですか。
 委員長、そうだと思いますよ。だから、誠実な答弁を促してください。
木村副大臣 いずれにいたしましても、政治資金規正報告書にのっとって誠実に報告をさせていただいているところでございます。
 大臣秘書官が受け取るということはあり得ないと思いますし、地元の方でとやかくということは、これは当然あり得ないと思うので、考えられるところでは、東京で受け取った、こういうふうに思われるわけであります。
 ただ、現実にその場に私もおりませんでしたので、はっきりとしたことを言えることはできません。
木島委員 こんなことを改めて今私がここで質問するなんというのは、恥ずかしいです。本来、参議院で当然あなたが誠実に答弁すべき事柄でしたんですよ。議事録全部、私、読んでも、それが書いていないから聞いているんですよ。
 では、場所はどこですか。東京だといっても、東京は広うござんすから、特定してください。
木村副大臣 率直な話、今までそういう質問、初めてでございまして……
木島委員 だから聞いているんですよ。その答弁は不誠実です。初めてだったら、誠実に答えてください。
木村副大臣 東京の事務所は議員会館が主でございますから、考えられることは、そこしかありません。
木島委員 調査もしていないんですね。考えられることというような答弁をしている。
 こんな不誠実では、これから、きょう、理事会では、採決を予定している法案の担当副大臣でしょう。疑惑が参議院でも指摘されましたよ。私は採決なんか断じてしてはならぬと思いますね。
 厚生労働木村副大臣は、参議院の質問に先ほども答えまして、公益法人たる日精協と任意団体たる日精協政治連盟を区分けしているから、そして、私が受けたのは政治連盟の方だ、任意団体だ、別組織だと盛んにおっしゃりますので、そんな言いわけが通用するものでないということを私は指摘して、大臣の所見を伺います。
 私は、ここに、日本精神科病院政治連盟規約をいただいて、持っております。平成十四年九月五日に改定され、現行のものであります。私、昨日、私の事務所から電話もしてみましたが、もちろん電話も事務所も、協会と政治連盟とは一体不可分であります。そもそも、政治連盟に電話したら、相手が出たのは、協会ですという返事でしたからね。
 政治連盟規約がそれを物語っております。
 第二条、構成、「本連盟は日本精神科病院協会会員又は日本精神科病院協会会員病院を代表する者を以って組織す。」
 第三条、事務所、「本連盟の事務所は日本精神科病院協会事務所内に置く。」
 第四条、目的、「本連盟は日本精神科病院協会員相互の連絡協調の下に、日本精神科病院協会の目的を達成するために、必要な政治的活動を行うことを目的とする。」
 第五条、事業、「本連盟は、前条の目的達成のため下記の事業を行う。」「一 衆議院、参議院議員立候補者の支援、議員との連携、職能代表の選出」
 第六条、経費、「本連盟の経費は、第二条に定める政治連盟会員よりの会費及び寄附金による。」
 第八条、役員の選出、「委員長は日本精神科病院協会会長、副委員長は協会副会長のそれぞれの職にあるものをもってあてる。」「執行委員は、協会各都道府県支部長をもってあてるほか、会員の中から若干名を委員長が委嘱する。」「常任執行委員は、協会常務理事の職にあるものをもってあてるほか、会員の中から若干名を委員長が委嘱する。」
 第十条、任期、「役員の任期は、協会の役員の任期に準ずる。」
 まさに不可分一体そのもの。もっと言えば、この政治連盟なるものは、協会が公益法人たるがために表向きにできないこういう政治的活動、衆参立候補者の支援等、これを担って設立されたもの、要するに、公益法人たる協会のダミーというか、そのもの、別働部隊。
 別組織だからよくわきまえてくれというような厚生労働副大臣の参議院の小池議員に対する答弁は全く理屈通らぬ。通用しないんじゃないでしょうか、厚生労働副大臣。
木村副大臣 厚生労働省といたしましては、日本精神科病院協会政治連盟の目的等について詳しく知る立場にはございませんが、日本精神科病院協会政治連盟と社団法人日本精神科病院協会はおのおの独立した別の団体であるものと承知をしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、社団法人日本精神科病院協会を所管する立場から、社団法人日本精神科病院協会と日本精神科病院協会政治連盟の活動が一体であるかのような誤解や疑念を与えることがないように、法人の適切な運営について今後とも指導してまいりたい、このように思っているところでございます。
木島委員 時間も迫っておりますから、どんな時系列の中で昨年十二月五日の五十万の授受が行われたか挙げますと、衆議院法務委員会でこの問題の法案が、審議が事実上再開されたのが十一月の二十九日でありまして、臨時国会で事実上再開審議であります。そして、十二月三日審議、四日審議、そして六日審議、衆議院法務委員会審議、法務委員会厚生労働委員会連合審議。
 だから、四日、六日と審議されている、そのど真ん中の五日に五十万あなたは受け取っている。
 六日が修正案提出、議決です、法務委員会で。十日、衆議院本会議議決、参議院送付であります。十二日、参議院法務委員会継続議決であります。十三日、臨時国会会期末であります。参議院本会議で継続議決であります。
 まあ、余分なことでありますが、その日、厚生労働省は、日本精神科病院協会に八千六百四十二万八千円の委託費で調査委託、そういう時系列になるわけであります。
 私は、二度にわたる、十一月七日の三十万、十二月五日の五十万、厚生労働副大臣としての、この協会へ出ていって発言もあります。そういう全体を状況描写いたしますと、額が大きい小さいじゃない、これは明らかに法案買収のためのお金、そういう趣旨を含むものと指摘されてもやむを得ないと思いますが、ぜひこれは検察当局においてしっかり捜査を開始していただくべき事案ではないかということを指摘して、この問題を閉じて、もう一つ似たような事案を質問いたします。
 本年二月二十日に、私は、衆議院予算委員会で、全国不動産政治連盟の定期借家制度創設のための借地借家法改正法案買収容疑についてお聞きをいたしました。
 法務省刑事局長にお聞きします。ことし二月二十日、私は、衆議院予算委員会で事案の概要を明らかにし、政治献金のほんの一部だけを明らかにいたしました。そのときに、質問に答えて刑事局長は、政治献金の届け出のあった金銭の授受でもわいろ性が認定できれば贈収賄罪が成立するという、当然のことでありますが、確認答弁もありました。
 私は、あのとき、政治献金の一部しか御披露しませんでしたが、この件で贈収賄等の事件等の容疑で捜査は開始されているでしょうか。答弁していただきたい。それで、委員長、資料配付を願います。
山本委員長 資料配付をお願いします。
樋渡政府参考人 お尋ねの点は、捜査機関の具体的活動内容にかかわる事柄でありますので、お答えいたしかねます。
木島委員 捜査開始したかどうかぐらいは答弁すべきじゃないですか、委員長。委員長、開始しているのかしていないのかぐらいは答弁すべきじゃないですか、答弁させてください。
山本委員長 もう一度、樋渡刑事局長。
樋渡政府参考人 捜査を開始したかどうかも含めまして、検察の具体的活動でございますからお答えいたしかねますが、一般論として申し上げますと、検察当局におきましては、常に、厳正公平、不偏不党の立場から、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適宜適切に対処するものと承知しております。
木島委員 これもまことに不誠実ですよ、法務省も。
 時間が迫っておりますので続けますが、本年二月二十日の質問後、私は政治献金について、九九年の全国不動産政治連盟からの届け出にあった政治資金報告書をもとに精査をいたしました。皆さんに配付したとおりであります。
 藤田和夫全国宅地建物取引業協会連合会会長、全国不動産政治連盟会長、兼務しているのは当然でありますが、九九年七月十三日、自民党三役と国対委員長と会い、法案を成立させる奇策にかけたと。それがもう既に、予算委員会で出していますからきょう再度言いませんが、そういう内部文書で明らかでありますが、その奇策の出発点がこの九九年七月十三日の自民党三役、国対委員長と藤田会長との会談であったわけであります。それが決定的なので、たくさんの皆さんが大金をもらっておりますが、自民党とその三役、法案筆頭提案者のみに絞り、九九年の全国不動産政治連盟からの政治献金を、それのみ一覧表にして配付したわけであります。
 その「参考」のところに若干の法案の流れを書いておきました。法務委員の皆さんにおかれましては、みずから審議に参画したわけでありますから、当然御記憶のことと思います。
 非常に異常なのは、臨時国会召集の二日前の九九年十月二十七日の金の流れであります。実はこの日、自民党に一千万円、ここには書いておきませんでしたが、実は十人の政治家に百万単位で合計一千四百五十万円の大金が渡っているわけであります。そして十月二十九日に臨時国会が開会され、奇策が成功して、この法案が法務委員会ならぬ建設委員会に付託をされ、そしてあっという間に審議がされ、十一月二十五日に本会議で成立、そして、もうるる述べませんが、十二月九日には参議院本会議で議決、成立という運びになっております。
 もう明らかに、私は、この十月二十七日の金の動きなんかを見れば、内部文書もはっきり書いていますから、これはもう明らかに、これらの一連の金は法案買収の趣旨を帯びたものであると。政治資金規正法上の届け出があったかどうかは関係ない、わいろ性があれば贈収賄事件であります。捜査を開始すべきだ。時効にもなっておりません。開始しているのなら結構、開始していないのなら速やかに開始をして、この法案買収事件というゆゆしき問題を、私は予算委員会で指摘しましたが、法案買収だけじゃないんです。国会の審議のあり方をねじ曲げたんです。法務委員会で審議されている法案を廃案にし、わざわざ別法案を出して建設委員会に付託して、法案審議のルールすら金でねじ曲げてしまった事件なんです。
 徹底して検察当局が捜査して処断するように、最後にもう一回刑事局長の答弁を求めて、私の質問を終わります。
樋渡政府参考人 先ほども申し上げましたが、一般論としまして、検察当局におきましては、不偏不党、厳正公平に、犯罪と思料されるものがあれば適宜適切に処理するものと承知しております。
木島委員 終わりますが、これまで、ロッキード事件、さまざまな疑惑がありましたが、こんな木で鼻をくくったような答弁はないですよ。事件の内容を堂々と答弁しましたよ。まことに不誠実であり、私はこの問題を引き続き徹底して追及、質問することを予告して、きょうの質問を終わります。
山本委員長 阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 冒頭、先ほどの木島委員の御質疑でも指摘されるように、この法案にまつわってたくさんの献金、疑惑だけでなくて実際に献金が行われて、金で買われた法案ではないかという指摘すらある中で、本日、実は、私のお部屋を介して何人かの障害団体の方々が傍聴を申し入れました。しかるに、前回の採択の折に騒いだ、あるいはこの審議を黙って聞いていることができなかったというゆえをもって、何名かの方の傍聴はかないませんでした。一方は、法案を推進しようとする側は、金を打てば、大臣、副大臣、もしかして動く。一方で、反対の意見を持つ者は、もちろんこの審議の席で不要に混乱を来すはいいこととは思いませんが、やむにやまれぬ、お金が出せない、だから声を出しているかもしれないわけです。
 そういう中で論じられているこの法案に、私はまず、本来であれば木村副大臣に実はお答えいただく資格がないと思っておりますが、しかしながら、この委員会が法務委員会であり、御出席が木村副大臣でありますので、幾つかの質疑をさせていただきます。
 まず一点、木村副大臣は、副大臣になられてから、大臣並びに副大臣、政務官規範というものを一番最初に読まれたのはいつでしょうか。
木村副大臣 もちろん、定かな日にちは記憶してございませんけれども、なって、官邸に副大臣が集まるんですね。その場でもってその資料が配付されたわけでございます。ですから、そのときに拝見をさせていただきました。
阿部委員 副大臣は政治資金規正法にのっとって正しく処理をしておるという御答弁が多いわけですが、委員会でいろいろな質疑が出て、副大臣は近々、この法案の審議中に、この大臣、副大臣の服務規定を読み返されましたでしょうか。
木村副大臣 全部記憶はしておりませんけれども、何回か見たことは事実でございます。
阿部委員 そうであれば記憶がよみがえると思いますので、お尋ねいたしますが、この国務大臣、副大臣、政務官の規範の中の六番目、1の(6)でございますが、これは、1は「国務大臣、副大臣及び大臣政務官の服務等」と書いてございます中の六番目、「関係業者との接触等」という一項がございます。この場合、この法案に関しては、関係業者とは日精協も含めて関連の業界団体をいうのだと思いますが、「関係業者との接触に当たっては、供応接待を受けること、職務に関連して贈り物や便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならない。」という一項がございますが、御存じでしょうか。
木村副大臣 存じ上げております。
阿部委員 そうしましたら、先ほど木島委員がお取り上げの件に再度戻らせていただきますが、副大臣は十一月五日の日、日精協の大会で本法案の早期成立を期しての御発言をなさいました。一つ、これは職務でしょうか。
木村副大臣 御指摘の集会は、主催者側から私の個人事務所、議員会館の方に出席依頼がなされたものでございまして、これは衆議院議員の立場で政務として出席をさせていただきました。普通、こういう場合には、大体大臣に出席要請の状が来るんです。大臣が国会答弁とかで行けない場合に私に回ってくるという場面が多々あるわけでございますけれども、今回はそういう場面と違うわけでございまして、今申し上げましたように、私の方の個人事務所の方に出席依頼がなされたわけでございますので、政務として出席し、ごあいさつをさせていただきました。
阿部委員 二つ問題があると思います。
 まず、今、これは参議院でも、たしか木村副大臣、御答弁だったと思いますが、自分は副大臣として行ったんじゃなくて、一人の政治家として行ったんだと。しかし、このことでは既に参議院で反論がございまして、副大臣として紹介され、御発言がありました。ここで言う大臣、副大臣服務規定とは、もちろん一人の政治家でありますが、同時に、お役職をいただいた場合にそのことは自分とは切って切り離せない、だからこそさまざまな行動において注意をするようにという趣旨であると思います。
 そして、副大臣として御紹介されて、激励のお言葉を述べられましたが、御記憶ございますか。
木村副大臣 そのとき、私も衆議院議員木村義雄としてお話しさせていただいているんじゃないかと思います。
阿部委員 そこはテープがとってあるわけではございませんので、私どもの入手した情報ではそうなってございますが、あえてこの場でこれ以上詰めさせていただきません。
 そして二点目、副大臣は、この件に関してはだれから依頼を受けたか大変よく覚えておられます。しかしながら、その翌日、副大臣の事務所が受け取られたお金に関しては、先ほど来木島委員が御質疑でございましたが、だれが受けたか、まずお答えください。だれが、秘書の名前まで。
木村副大臣 先ほど申しましたように、そういう御質問はきょう初めてなんですよ、本当に。ですから、そして、何回も申しますが、政治資金規正報告書には、何時に受け取って、どこでとか、だれが受け取ったかというのは書いてございませんものですから、その範囲内でちゃんとこれは規正報告書に載せていただいて、報告をさせていただいたところでございます。
阿部委員 委員長にお願いがございます。
 これはもう先ほどの木島委員の質疑と堂々めぐりです。私どもは、だれがお受け取りになったか、このことを伺いますのは、政治家と秘書は切っても切り離せない、このことはもうずっとこの間明らかになっていることです。そして、副大臣であれば、当然どのようなお金をいただかれたかをある受け取った秘書に聞かなければ、例えば日精協の政治連盟から受け取ったものであるか日精協から受け取ったものであるかも判明しないわけです。
 それで、副大臣は繰り返し日精協政治連盟から受け取ったとおっしゃっておられます。では、そのことを誰何、問いただした秘書の名前、そしてお金を受け取った秘書の名前をお聞きしているので、それが政治倫理規正法に書いてあるか書いてないかではなくて、事実でお答えをいただけるよう委員長からお願いします、御指導。
山本委員長 木村副大臣、もう一度正確に御答弁ください。
木村副大臣 先ほどから何回も、木島委員の御質問にもお答えをさせていただいているわけでございますけれども、私が記憶できる範囲でお答えをさせていただいたところは、残念ながら私自身がその場に居合わせなかったものでございますので、私自身は受け取っておりません。ですから、その場の状況を克明に御報告申し上げることができないわけでございます。
 そして、この一連の御質問等がありましたので、その収支報告書にどういうような形で載せているのか、どういうような時点を指しているのかと言っておりましたら、それは政治連盟からこの日付で献金をいただきましたという報告を受けたわけでございます。
阿部委員 委員長、今お聞きになって、私の質問への答弁になっていません。どなたがお受け取りになったか、私は、副大臣であれば当然確認すべきだと思います。
 お金の授受をめぐって今疑義が生じているわけです。だれがお受け取りになったか、このだれがということと、副大臣が、政治連盟から受け取ったということをだれに聞いたかと、私は単純な二つしか聞いていません。この御答弁がいただけなければ、私は質問を続けることができません。よろしく御采配ください。
山本委員長 木村副大臣、もう一度御答弁ください。
木村副大臣 今申し上げましたように、私はまず、現場にいなかったわけでございます。そして、これはきょう初めてそのような御質問をいただいたわけでございますし、何度も申しますけれども、政治資金規正報告書に、だれが受け取って、いつ、場所はどこだと、日にちはありますけれども、そういうことはないわけでございます。そして、この一連の国会の審議の中で、この献金はどこから受け取ったかとかいう、そういういろいろな御質問がございましたので、そこは政治連盟から受け取った、そういうような御答弁をさせていただいたわけでございます。
阿部委員 何度も恐縮ですが、どこから受け取ったかをだれに聞いたかと聞いているんです。そんなことは質問通告していないから答えられないんじゃなくて、当然、これだけ論議になれば、副大臣は身の潔白をきちんとなさるために誰何なさったと思うんです、お尋ねになったと思うのです。だれに尋ねましたか。
 その答弁がいただけないなら、もちろん本日の採決も、これは全部審議の前提が狂ってまいります。本当に誠実に私もお尋ね申し上げています。
 だれにお聞きになりましたか。あるいは、お金はだれが受け取られましたか。政治家と秘書をめぐる疑惑がこれだけある中で、副大臣ともあろう者がその一点をはっきりさせない、答えられないとあれば、既にその任にないと思いますが、私は、委員長にお願いいたします。きちんと理事会で裁いていただいて、副大臣からの答弁をいただきたいと思います。
木村副大臣 ですから、まず、何回もお話しさせていただいておりますけれども、私はその現場におりませんものでしたから、その正確な状況を十分に把握していないわけでございます。
 そして、きょう初めてこれは御質問をいただいたわけでございまして、特定の名前を挙げろと言われたって、それは急に言われても、昨年の話でございますので、それ以上十分に、それは断定たることは言えません。
 それから、今回のこの質問に関しまして、だれにそれを聞いたかというのは、一連の、事務所の中でとか、やりとりをしていますから、そういう中で、これはこういう形で献金を受けたという話があったので、すぐに、それがだれかと言われても、秘書の中の一人であろうということは十分わかるわけであります。それをまた何で特定の名前まで、そこのだれとだれと話したということまで聞かれても、直ちにそれが正確な答弁になるとはとても思われないわけでございます。
阿部委員 今のはとても答弁にはなっていませんし、御答弁がいただけるまでこの場所で座らせていただきますから。
山本委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
山本委員長 速記を起こしてください。
 木村副大臣。
木村副大臣 今確認いたしましたところ、今部屋にいる秘書はよく覚えていない、こういうことでございました。
阿部委員 お金をお受け取りになったのは確かなんですよね、秘書が。確かですか。お答え、うなずきじゃなくて、秘書がお受け取りになったのは確かだけれども、だれがもらったか覚えていない。
木村副大臣 いずれにいたしましても、今秘書がいる、今部屋にいる秘書に、電話で出た秘書に問い合わせましたところ、そのときの事情をよく覚えていないと。地元にもう戻っている秘書もありますから、その辺も含めて、全部に聞いているわけじゃもちろんございませんけれども、今いる秘書に聞きましたところ、そのときのいきさつをよく覚えていない、こういうことでございます。ただ、突然のことでございますので、秘書の方も戸惑った声をしておりました。
阿部委員 突然ではなくて、参議院でも同じような質疑がありましたし、そのとき木村副大臣は、お部屋で秘書を、それなりの責任のある秘書を集めて、あるいはお尋ねにならなかったんですか。まだそこまでも確認されていないのですか。
木村副大臣 先ほどから何遍も答弁させていただいているわけでございますけれども、当時、何時に、どこで、だれが受け取ったかという御質問はきょう初めてでございまして、その辺は私も問いただしておりません。
 ただ、先ほどから何回も申しておりますけれども、政治連盟から受け取った、これこれの金額をこれこれの日にちに受け取ったという報告はございましたので、それはもう誠実にこの委員会において答弁をさせていただいたところでございます。
阿部委員 法案が審議中でもあり、副大臣というお役職にもあり、そのときにもしも秘書が受け取ったものであっても、不適切か否かという判断だってしなきゃいけないお立場に副大臣はあるわけです。
 そこで、私は副大臣の服務規定を読みましたが、職務に関連しての贈り物になるやもしれませんよね、職務に関連しての贈り物。前日、日精協の大会で御発言、翌日お金をいただく、職務に関連しての贈り物になるのではないか。大臣としてその感覚は全くないのですか、それから秘書団もそのような認識に立っていないのですか。お願いします。
木村副大臣 政治献金は政治家の活動として法律上認められているものでございます。日精協からの政治献金につきましても、他の政治献金と同様に、通常の政治献金として受け取るとともに、政治資金規正法に基づき適正に処理をしているところでございます。
 私は、副大臣といたしまして公共の利益のために職務を遂行しており、今先生が御指摘のように、大臣、副大臣、政務官規約にのっとりまして職務を遂行させていただいているところでございまして、決して一部の利益のために影響力を行使したことなど断じてなく、今後ともあり得ないわけでございます。
阿部委員 副大臣、本当に真正面に答えてくださいな。今私の聞いたことに全く一言も答えていないで、余分なことばかり壊れたテープレコーダーのようにおっしゃいます。私は、これは職務に関連して贈り物になるやもしれないとお思いにもならなかったのか、あるいは秘書団にその認識はなかったのか、これをお尋ね申しました。
 委員長、私は、さっきから繰り返し、私の質問と副大臣の答弁が全くすれ違う、きちんと答弁していただけない、そして、私の持ち時間が過ぎ、採択に移るということは到底納得できないのです。
 そして、現在これが贈収賄で告発、告訴が進められているという、これは別問題としても、私は、副大臣、服務規定にのっとってその認識があるかを問うたのですから、最後に明確な答弁をお願いします。
木村副大臣 先ほどから何回も御答弁させていただいているのでございます。政治献金は政治家の活動として法律上は認められているものであります。日精協……(阿部委員「聞いていないのです。きちっと委員長、仕切ってください」と呼ぶ)ここから聞いてください、ここから。もう一遍言いますよ。日精協からの政治献金につきましても、他の政治献金と同様に通常の政治献金として受け取るとともに、政治資金規正法に基づいて適正に処理をいたしているところでございます。
阿部委員 職務に関連しての贈り物か否かをお尋ねしています。
木村副大臣 通常の政治献金として処理をしているところでございます。
阿部委員 きちんと答弁していただきたいと思います。
 職務に関連しての贈り物かと聞いています。
木村副大臣 ですから、通常の政治献金として処理をいたしているところでございますと答弁をさせていただいたところでございます。
阿部委員 服務規定ということも守られず、そして、先ほど申しましたように、金で買われた、献金で成り立つ法案かもしれない。九月になれば、この報告書が出た中で、またさまざまな議員への献金も明らかになるやもしれません。私としては、本日の採択が極めて不適切である、まだまだ事実も明らかにされていないということを申し添えて、終わらせていただきます。
     ――――◇―――――
山本委員長 次に、第百五十四回国会、内閣提出、参議院送付、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案を議題といたします。
 本案は、前国会において修正議決の上参議院に送付したものを、参議院において継続審査に付し、今国会におきまして、本案の審査が越年したことに伴い、法律番号に係る暦年について、「平成十四年」を「平成十五年」に改める等所要の修正を行って本院に送付されたものであります。
 したがいまして、本案の趣旨の説明は省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
山本委員長 これより質疑に入るのでありますが、これを省略し、直ちに討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。山花郁夫君。
山花委員 民主党・無所属クラブの山花郁夫でございます。
 心神喪失者等医療観察法案に関連して、反対の立場から討論をいたします。以下、その理由を申し述べます。
 そもそも心神喪失等医療観察法案は、一昨年の大阪・池田小学校事件における不幸な事件を契機とし、小泉総理の誤った認識に基づく軽率な発言からその立法化の動きが一気に加速されたものであり、関係する審議会の意見を聞くこともなく策定されたものであります。
 本来、十分に検討が加えられるべき司法と精神医療の連携の実情、措置入院制度の実態等々の現行法上の問題点には一切目が向けられず、新たな強制医療法を制定しようとするものであって、当初よりノーマライゼーションの理念に真っ向から反するものとして厳しい批判の声が寄せられておりました。
 民主党は、今必要なことは、従来、取り組みが大きくおくれていた精神障害者の医療と福祉の施策の充実、それを前提に、従来必ずしも適切でなかった司法と精神医療の連携の改善を図る必要があると認識をいたしております。
 私たちは、新たな立法によるのではなく、現行の法制度の一部改正を、その運用の改善を図る観点から、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案並びに裁判所法の一部を改正する法律案及び検察庁法の一部を改正する法律案を提出して、一貫して他害行為を犯した精神障害者のための適切な施策確立に真っ正面から取り組み、積極的に審議の場に臨んでまいりました。
 本法律案は、かつての衆議院における委員会採決の当時も、野党各党がなお審議を継続すべきである旨主張していたにもかかわらず、委員長の職権で採決が決められたものであります。
 さらに、今国会における参議院の法務委員会の審議においても、委員間の熱心な議論、参考人質疑、厚生労働委員会との連合審査なども含め、問題点もようやく浮かび上がってきており、今後の議論の煮詰まりが期待されていたところでありました。にもかかわらず、さらなる議論の進展を奪い去り、精神障害を持つ人々の不安を増大させる結果となりました。
 また、参議院の審議過程で指摘された本法案に関する疑惑、すなわち本法案が一部の団体により金で買われた法案ではないかとの疑惑であります。
 参議院の法務委員会では、関係者を参考人として招き、疑惑を解明すべく努力が続けられていたものであり、このような機会を失わせる結果になり、疑惑まみれの法律ではないかとの烙印を押す結果になったことは極めて残念であり、遺憾であります。この疑惑は将来いずれ解明されるものであると確信をいたしておりますが、みずからの解明の努力を放棄したまま法案成立を強行した責任は重いと言わざるを得ません。
 また、参議院法務委員会における手続の問題もあります。
 本来、法案に対して賛否が異なることがあるのは当然でありますが、十分な審議がなされたならば、各会派の理事間の協議により審議を終了し採決に付することが委員会審議の原則であります。
 ところが、本件においては、さきにも述べたように、参議院法務委員会において参考人質疑もさらに予定され、さらなる連合審査の必要性についてもおおむね合意が形成されておりました。採決が強行された当日の委員会開会前の理事会においても、与党からは審議が尽くされたので採決に付するとの提案も一切なく、むしろ次の定例日の協議がなされ、ごく自然に法案審議が継続されるものとの認識が形成されておりました。次回の理事会には与党としての考え方が示される旨の表明もなされておりました。
 しかし、当日の採決の状況を見るに、手続は事前に計画されていたことが明らかであって、それを十分承知しながら理事会においては何らの提案もなされなかったことは、それは信頼に基づく協議の場を形骸化し、信頼を裏切るものにほかなりません。このような理事会の協議の一部始終を知りながら、与党から突然出された動議に対し理事会協議の機会すら設けられず、一方的に採決まで強行されたものであります。
 このような経緯、内容に照らすと、衆議院に法案が送付されている以上は、本来であれば十分な法案審議を行うべきと主張してまいりましたが、その旨の合意に至らなかったことは極めて不本意であるということを申し述べまして、本法案に反対する討論といたします。(拍手)
山本委員長 次に、石原健太郎君。
石原(健)委員 自由党の石原です。私は、本法律案にやむを得ず賛成する立場での討論を行います。
 と申しますのも、本法律案の作成審議期間を含め、平成十年から十三年の四年間だけでも一億五千万とも言われる多額の政治献金、寄附金が、この成立を強く要望していた日本精神科病院協会から政界に提供されていたからです。木村厚生副大臣のこの問題に対する答弁は、極めて不誠実と言わなければなりません。
 また、この法案の参議院での委員会審議に際し参考人として招請された病院協会の会長は、再三にわたり約束をほごにし、著しく国会の権威を失墜させました。そして、一度も出席せぬうちに、唐突に混乱のうちに採決が行われました。その結果、参議院自由党の法務委員である平野貞夫議員は、採決に加わることもできませんでした。
 私は、このような経過をたどった本法律案に対しては容易に賛成しかねるのでありますが、さきの衆議院法務委員会において賛成した経緯もありますので、やむを得ず賛成することとし、討論を終わります。(拍手)
山本委員長 次に、木島日出夫君。
木島委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 本法案は、本院での最初の審議で、私たち野党の反対を押し切り、委員長職権による一方的な審議打ち切りがなされ、さらに参議院では、地域精神医療の充実に政府が後ろ向きという法案についての重大な問題点、法案がお金で動いたのではないかという重大な金権疑惑が噴き出す中、これがただされることなく、与党によるだまし討ちとも言える強行採決が行われました。
 このような経過を踏まえるならば、本委員会に課せられた責務は、改めて、本法案のさまざまな問題点について、十分な時間をとって審議することであります。にもかかわらず、政府・与党が法案に関する一切の審議を拒否して採決することは、断じて許すことができません。強く抗議するものです。
 反対の第一の理由は、新しい審判制度に基づく国の責任による医療が、真に心神喪失の状態で重大な犯罪を犯した者の治療と社会復帰に役立つのか、それとも、基本的人権を侵害する保安処分の強化になってしまうかの決定的な分岐点は、精神医療、とりわけ地域医療に対する人的、物的体制、予算がどのくらい手厚く確保されるかにかかっています。しかし、本法案ではその点が全く明らかにされておりません。保障もありません。
 反対の第二の理由は、退院後の通院治療を含めた社会復帰のための医療・観察を保護観察所が中心となって行うこととしている点であります。
 通院治療を含めた社会復帰のための施策は、まさに医療、保健、福祉、雇用の問題であって、厚生労働省が責任を持って行うべき分野であります。刑事政策として犯罪者の更生を目的とする保護観察所が対象者を観察するという法案の基本的仕組みは、まさに保安処分的発想に基づくものであり、また、現在の保護観察所は、この分野の専門性があるわけでもなく、更生保護本来の人員すら極度に不足しており、ここに責任を押しつけることはふさわしくないものと言わなければなりません。
 反対の第三の理由は、法案に対する国民の理解が現時点で極めて不十分であるという点であります。
 国民の基本的人権に重大な影響をもたらす制度を新設するに当たっては、その制度に対する国民の理解と合意を得て進めるべきであり、日弁連を初めとする関係団体と国民の理解と合意が十分に得られていない現時点での導入は、適当ではありません。
 以上で反対討論を終わります。(拍手)
山本委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表し、政府提出の心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。
 本法案は、我が国の精神医療政策の誤謬を余すところなく露呈する、そして、今後もその誤りをさらに推し進める著しい悪法であると思います。
 百年以上の昔、精神医療の先駆者呉秀三の指摘にあるごとく、我が国の精神障害者は、徹底した差別と隔離政策を強いられてきました。そして、病を得た以上に我が国に生まれた不幸を強く呉秀三は指摘しておりましたが、障害者が人として生きるための精神医療を求め、また苦闘も続けてまいりました。
 しかしながら、精神障害者への無理解からくる差別と入院中心の隔離政策は今日に至るまで連綿と続いており、それに加えて、医療経営上の必要から入院はさらに長期化し、地域への復帰は遅々として進んでおりません。
 その中にあって、精神の障害ゆえに重大な過失を犯してしまった人々への濃厚な治療をうたった本法案は、本質的には、治療の名による隔離、保安処分と何ら変わるところがありません。
 また、この法案を強力に推し進めた日本精神科病院協会は、民間の精神病院として、我が国の入院患者の九割を受け入れています。他の精神医療にかかわる諸団体がこぞって反対する中、強力な資金力、献金攻めでこの法案が生まれようとしていることは、精神障害者の圧殺の上に政治が成り立つという本当に恥ずべき我が国の現状です。
 今なすべきは、まず、七万二千人と言われる社会的入院の解消と、精神障害ゆえに犯罪を犯すかもしれないという偏見のまなざしを向けられた障害者に対しての社会的な差別の解消であると思います。
 本法案は、その趣旨に真っ向から対立するものであり、衆参両院での強行あるいはだまし討ち採決をも含めて、立法府のあり方をも侮辱するものです。
 私ども社会民主党は、本法案に反対し、精神医療の充実と障害者の人権の確立のためにさらに全力を尽くすことを申し述べて、反対討論といたします。(拍手)
山本委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
山本委員長 これより採決に入ります。
 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
山本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
山本委員長 次回は、明九日水曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十五分散会


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