衆議院

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第18号 平成18年4月18日(火曜日)

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平成十八年四月十八日(火曜日)

    午後二時三十二分開議

 出席委員

   委員長 石原 伸晃君

   理事 倉田 雅年君 理事 棚橋 泰文君

   理事 西川 公也君 理事 早川 忠孝君

   理事 松島みどり君 理事 高山 智司君

   理事 平岡 秀夫君 理事 漆原 良夫君

      赤池 誠章君    稲田 朋美君

      太田 誠一君    北川 知克君

      笹川  堯君    柴山 昌彦君

      下村 博文君    永岡 桂子君

      平沢 勝栄君    三ッ林隆志君

      矢野 隆司君    保岡 興治君

      柳澤 伯夫君    柳本 卓治君

      石関 貴史君    北神 圭朗君

      鈴木 克昌君    津村 啓介君

      細川 律夫君    伊藤  渉君

      保坂 展人君    滝   実君

      山口 俊一君

    …………………………………

   法務大臣         杉浦 正健君

   法務副大臣        河野 太郎君

   法務大臣政務官      三ッ林隆志君

   政府参考人

   (警察庁長官官房長)   安藤 隆春君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  竹花  豊君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    縄田  修君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    矢代 隆義君

   政府参考人

   (警察庁情報通信局長)  武市 一幸君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            谷口 博文君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           御園慎一郎君

   法務委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  近江屋信広君     永岡 桂子君

  森山 眞弓君     北川 知克君

  枝野 幸男君     北神 圭朗君

  河村たかし君     鈴木 克昌君

同日

 辞任         補欠選任

  北川 知克君     森山 眞弓君

  永岡 桂子君     近江屋信広君

  北神 圭朗君     枝野 幸男君

  鈴木 克昌君     河村たかし君

    ―――――――――――――

四月十八日

 外登法・入管法に関する請願(保坂展人君紹介)(第一五〇八号)

 女性の人権の確立を目指す法制定に関する請願(阿部知子君紹介)(第一五五八号)

 同(阿部知子君紹介)(第一六四七号)

 国籍選択制度の廃止に関する請願(古屋範子君紹介)(第一六三二号)

 成人の重国籍容認に関する請願(古屋範子君紹介)(第一六三三号)

 民法改正による夫婦別姓も可能な制度の導入に関する請願(松島みどり君紹介)(第一六四六号)

 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案廃案に関する請願(玄葉光一郎君紹介)(第一六四八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)(参議院送付)

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

石原委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長安藤隆春君、警察庁生活安全局長竹花豊君、警察庁刑事局長縄田修君、警察庁交通局長矢代隆義君、警察庁情報通信局長武市一幸君、金融庁総務企画局審議官谷口博文君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、厚生労働省大臣官房審議官御園慎一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

石原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石関貴史君。

石関委員 民主党の石関貴史です。順次質問させていただきます。

 最初に、警察庁にお尋ねをいたします。

 これは先日、今非常に元気のいいかけ声をかけていただきました高山委員からも、四月十二日のこの委員会において、ウィニーを通じて起きた愛媛県警の捜査資料流出問題について質問がありました。大変巧みな質問をされましたが、この流出した捜査資料の中に「被疑者取調べ要領」というタイトルで、自白するまで取り調べろ、被疑者を弱らせる、こういった文言が入っている自白強要のマニュアルがあったという報道があった、これに基づいて質問されました。

 安藤官房長はこの答弁の中で、警察庁及び各都道府県警がそういうものを組織的につくっているということは承知をしていないというふうに答弁をされた。それを確認をしたいと思います。

 それを確認した上で、そういう自白の強要を勧めるようないわゆる被疑者の取り調べマニュアルのようなものがあるのかどうかということをお尋ねしたいと思います。

 これは報道でも、十三日の朝日新聞ですが、被疑者を弱らせるんだ、そのためには調べ官は強靱な気力、体力を平素から養っておく必要がある、調べが行き詰まると逃げたくなるが、そのときに調べ室から出たら負けである。非常に実践的な文言が入っている。私が現場にいる刑事だとすれば、こういうものがあると非常にありがたい、実際に被疑者と対峙をしたときに、こういった心構えを教えてもらったら心強いなというふうにも思いますが、実際こういうものがあるのかないのか、もう一度お尋ねをいたします。

縄田政府参考人 愛媛県警察におきましては、現在、流出したと見られる資料を詳細調査中であります。具体的な流出した資料の中身を明らかにすることにつきましては、従前申し上げているとおり、流出した情報の確認にもつながりますし、資料の検索を容易にするということで、答弁を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、ただ、一般論として申し上げますと、警察庁及び都道府県警察が、委員先ほど御指摘になられましたような取り調べの要領といいますか、マニュアルを作成しているという事実はございません。

石関委員 こういうマニュアルのようなたぐいのものはないということで、明確に御答弁をいただきましたが、個別のことですからといろいろ理屈を言われましたけれども、答弁できないということだったんですが、この「被疑者取調べ要領」というのがウィニーを通じて流出してしまいましたけれども、これがないということであれば、にせものだということになると思うんですね。

 このことについては答弁できないかもしれませんけれども、今おっしゃったようにマニュアルは存在しないんだというのであれば、これは論理的に言ってもにせものだということになりますが、これはにせものだということを、もう一度明言をこのことについていただきたい。

 あるいは、公式にこういうものをつくっていないということであれば、四十二歳の警部の方を通じて流出したというふうに言われていますが、この人が勝手に個人でつくったということが推測をされるというふうに思いますが、公的なものでマニュアルがないのならこれはにせものだということになりますので、このことの確認と、にせものだとすれば、この四十二歳の警部の人が勝手につくった、この二点、お尋ねと確認をさせていただきます。

縄田政府参考人 先ほども申し上げましたように、警察庁及び都道府県警察が御指摘のような取り調べのマニュアルを作成しているという事実はございません。

 それから、今、愛媛から流出した資料でということで御指摘でございます。これにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、こういったことがあるのかないのかという事実について申し上げることは情報の流出をさらに広くするということから、私どもとしては答弁を差し控えさせていただきたい、こういうふうに思います。

石関委員 情報流出に関して言えないということですけれども、公的につくっていないのならこれはにせものというふうにどう考えてもなるんですけれども、これはにせものというふうにおっしゃれないですか。もう一度。

縄田政府参考人 少なくとも、先ほども申し上げましたように、警察庁では、都道府県警察でつくったものではないということであります。

 具体的な流出した資料の中身につきましては、先ほども申し上げましたように、現在調査をいたしております。いろいろな資料があるとすれば、それがどういう経緯で、どういう形で、どういうふうに作成されたのか等々、今調査をしておるところでございます。

石関委員 調査中ということでありますから、しっかりその調査の行方も見守らせていただきたいし、調査が完了して、これはにせものか本物か、本物ではないということだと思いますが、こういったことについてはしっかり公表して国民の皆様にお知らせをいただきたい。にせものであるということであれば、大丈夫ですよ、こういうものは警察はやっておりませんからというのを調査が終了した段階でしっかりと国民の皆様にお知らせをいただきたいと思います。

 関連をいたしまして、先日も質問させていただきましたが、犯罪捜査規範について、この関連でお尋ねをしたいと思います。

 この八章の「取調べ」という章の中では、百六十七条に取り調べの心得というのがございます。「取調べに当たつては、冷静を保ち、感情にはしることなく、被疑者の利益となるべき事情をも明らかにするように努めなければならない。」百六十八条には「取調べを行うに当たつては、強制、拷問、脅迫その他供述の任意性について疑念をいだかれるような方法を用いてはならない。」こういうふうに規定をされている。

 先ほど御答弁いただきましたけれども、にせものか本物かというのが明確にはわからない先ほどの要領でありますが、流出した先ほどの要領とは全く逆のことが、この犯罪捜査規範、犯捜規範には規定をされております。

 取り調べがこの犯捜規範どおりに行われていれば全く心配は要らないということでありますが、捜査員が実際に犯罪捜査に当たる際に、マニュアルとかいわゆる要領とか心得というものは、先ほどお尋ねをしたらそういったものはないということだったんですが、この犯捜規範にある取り調べの心得というものが、そういったマニュアルとか心得、要領に当たる唯一のものだというふうに考えてよろしいか、お尋ねします。

縄田政府参考人 取り調べにつきましては、犯罪捜査規範におきまして、委員御指摘のとおり、「取調べの心構え」あるいは「取調べにおける留意事項」「任意性の確保」、あるいは「意思に反して供述をする必要がない旨の告知」、こういったことについて的確に行うようにということでるる定めてございます。

 これが基本的な考え方でございますが、このほかにも、警察学校における教科書におきましても、真実の自白を得るための留意事項とか任意性の確保のための具体的な方策等を盛り込んだものがございます。これらを用いて教養を行っているところでございます。

 このほかにも、こういった心構えを踏まえまして、いろいろな過去の事例、特に任意性、信用性を疑われるような事例とか、あるいは裁判例とか、そういったものなどを各種の教養資料にいたしまして教養するなどしておるのが一般的だろう、こういうふうに思っております。

石関委員 先ほどのウィニーを通じて流出した本当かどうかわからない要領、こういうものが一つありますけれども、今お答えいただいたような犯捜規範の規定と、それから警察学校で教えているテキスト、こういった先ほど申し上げたような犯捜規範の心得にあるような精神というのがしっかり捜査員の方々に徹底をしていれば、きょう本会議で可決をいたしましたが、代用監獄の問題、代用監獄が冤罪の温床になる、こういった心配を我々がする必要はない、こういった懸念は全く払拭をされるはずだというふうにも考えます。

 先ほどの犯捜規範、そして今の警察学校でのテキスト、流出したものとは全く違う、自白を強要するようなものでない、そういった心得というものは、どのくらいみっちり捜査員の方に、将来こういう心得でやってくださいよということで、具体的に時間的には、しっかり理解をしてもらうためにどれぐらい教育を行っているかというのをお答えいただきたいと思います。

縄田政府参考人 教養の期間についてお尋ねでございます。

 新たに採用された警察官に対しましては、都道府県のそれぞれの警察学校で、短期課程と長期課程というのがございますけれども、短期課程でいいますと、八カ月、千二百九十六時間教養されますけれども、このうち、憲法とか刑事訴訟法等の法学で六十八時間、捜査に関する、委員御指摘のような捜査のときの留意事項等、こういったものにつきまして二百八時間の授業時間を持っております。

 それから長期課程、これは大卒以外の者でありますけれども、この者に対しましても、法学等で百三十二時間、それから捜査に関するものとして三百六時間の授業時間の中で、それぞれ犯罪捜査規範に基づいた被疑者への適切な対応と適正捜査について教養を行っているところでございます。

 このほか、刑事部門に任用される警察官に対しましては、これは特別に任用教養というのを各都道府県警察学校で行っております。このうち、百八十二時間の全課程のうち、事件、事故の相談受理とか自傷事故の防止等のいわゆる基本的な実務の面で十時間、それから捜査手続や捜査の基本技能、捜査の実務の面で百四時間、それからあとは、暴力団の総合対策だとか現場の鑑識等専門実務で四十八時間の時間がございます。

 そういった中で、それぞれの部門で捜査規範でいろいろ規定がされておりますので、こういったものを教養いたしておるところでございます。

石関委員 しっかりと教育をしているということですけれども、ただ、新人として現場に配置をされたときに、いざ捜査に当たって、今、犯捜規範とかいろいろありますけれども、感情に走るなとかいろいろ書いてありますけれども、実際その被疑者の方と対峙をしたときに、気合いで負けるとか、そういう場面も出てくるんじゃないかと思います。

 新人として現場に出ていったら、私でも、いや、先輩、これはちょっと、実際はどうなっているんですか、犯捜規範とかしっかり教わってきましたけれども、なかなか現場に来ると難しいですねと。そうかそうかと、面倒見のいい先輩なら、メモでもつくって、こういうふうにやっておるんだよと。どこの組織でもこういったことは行われていて、あるいは口で、こういうふうにやれ、こういうのを基本にやるんだというのもあれば、ちょっとしたメモをつくって新人に、こういう心構えだよというのはあり得るのではないかと思いますけれども、こういうのは実際の現場ではありますか。

縄田政府参考人 いかなる職場、これは警察に限らず社会全体から見ましても、先輩から後輩に対していろいろアドバイスをするとか、今委員がおっしゃられましたように、こうやった方がいいんじゃないかとかということはあろうかと思います。いずれにしましても、これは憲法、刑事訴訟法にのっとって適正になされるように、それがもちろん前提でございます。そういうことはあろうかと思います。

 それからもう一つは、会社、警察、一緒ですけれども、専門技術的な仕事といいますのは、やはりそれを指導するのに非常にふさわしいといいますか、そういった人に実践の教養を任せるということもあろうかと思います。

 そういった方法もとりながら、新人に対しましては、取り調べの具体的な方法とか、あるいは適正捜査の配意の仕方とか、被疑者を説得するタイミングだとか、取り調べにはいろいろ技術的なところがございますけれども、そういった面を、これは実際に体験しないとわからないところもありますので、教養するということもあろうかと思います。

石関委員 それでは、個別のこのウィニーではなくて、一般論でお聞きします。

 今、御答弁で、現場になったときそういうこともあろうか、親切な先輩だったらこういうふうにやれよとメモなりすることもあるかもしれないというふうに了解をしましたけれども、それが、こういうパソコンのウィニーとかに限らず、何らかの形でそういったメモが流出をしたりとか、先輩にこういうふうに言われたんだ、気合いだ、気合いだとか、こういうのが何らかの形で流出をするという可能性は、これは一般論ですけれども、ないとは言えないというふうに思いますけれども、そういうことでよろしいですね。

縄田政府参考人 一般論として、可能性としておっしゃられれば、そのとおりだと思います。

石関委員 わかりました。それが、一般的に考えれば普通のことだと思います。それが全くないというのは、これはおかしなことで、そういう可能性もあるのではないかというふうに私も思いますが、それでも、犯罪捜査規範とかこちらの方が徹底されていれば、こちらの方をしっかり教育してもらえばという気持ちがあります。

 先日もこの犯捜規範についてお尋ねをしましたけれども、その御答弁の中で、「深夜」という時間の定義があいまいだというふうに感じましたし、また、実際、呼び出し状というのが用いられなくなっている、電話でちょっと来なさいというのが行われているということでありました。

 このように、より厳格化をしなければいけない規定、また実態的には形骸化しているというのが問題になっている規定があるというふうに私は承知をしております。

 先日の四月五日の質問の中で、捜査と留置の分離を徹底するために、犯捜規範の改正も必要ではないですかという質問を私がいたしました。縄田刑事局長さんが、犯捜規範においてもさらに規定する必要があるのかどうかということは、十分検討すべきものだろうと私どもは理解しております、今後、適切に対処してまいりたい、こういうふうに思っておりますと御答弁をされました。

 確認を申し上げて、そしてこの機会に、犯捜規範の精神を徹底するという方向で見直しも検討すべきだというふうに私は思いますが、この検討は行っていただける、先日の御答弁でこのように非常に喜ばしく受け取りましたけれども、それでよろしいでしょうか。

縄田政府参考人 委員御指摘のとおり、犯捜規範においてどう考えるかということでございますけれども、これは十分に検討すべき事項だと考えております。今後、そのほか諸般の事情もございますし、ほかの案件等もあります、あわせて検討してまいりたい、こういうふうに思っております。

石関委員 厳格化すべきところ、形骸化しているところを実態に即してしっかり整備するということを強くお願い申し上げます。

 また関連で、先ほどのウィニーについてはお尋ねしましたけれども、愛媛県警のいわゆる流出問題というものについて、警察として現状把握している概要についてお答えをいただきたいと思います。

縄田政府参考人 お尋ねの事案につきましては、平成九年ごろから平成十七年四月ごろまでの間に職務上作成した捜査資料や他の警察官から入手した資料などがインターネット上に流出したものでありまして、おおむね四千四百名程度の個人情報を含むもの、今現在ではそういう報告を受けております。

 これまでの調査によりますと、流出した捜査資料等は、愛媛県の警察本部に勤務する警察官が承認を受けることなく自宅に持ち帰りました記録媒体に記録されていたものでありまして、そのデータを自宅で使用しているパソコンに保存しておりましたところ、そのパソコンにウィニーを使用しておりまして、ウイルスに感染した結果、資料等が流出した、こういうふうに報告を受けております。

 詳細については、現在、先ほども申し上げましたように、調査中でございます。

石関委員 先日津村委員からも質問がありましたけれども、警察において公用パソコンの配備が大変おくれているということが、この前の質問でも明らかになりました。津村委員の質問、またマスコミの調査でも、約四割とか、定義によっていろいろあるんでしょうけれども、この前は、五割、私物のパソコンを使っていたということであります。

 私物のパソコンの持ち込みというのが流出事件の背景になっている、原因になっているのではないか、私もそのように思っておりますが、このパソコンの配備の実態について、取り調べをしている警察官の人が私物のパソコンで調書を作成する、こういったことは現場で行われているのかどうかというのをお尋ねします。

 私物の中にも公用借り上げという形式のものもあるんでしょうが、私物のものを公用借り上げにするというのは、これは手続か何かあるんですかね。あなたが持っているものは公用ですよと登録をどのようにしているのかということも明らかにしていただいて、そして、公用借り上げになっている私物パソコンで調書を作成することがある、あるいは、こちらにも持ち込まれている方もいますけれども、自分で、本当の私物で持ち運んでいる、その中で調書を作成するということがあるのかどうか、これをお尋ねいたします。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 業務に関しましては、私物のパソコンではなくて公費で整備したパソコン、これを使用するということが望ましいというのは間違いのないことでございまして、地方財政厳しい中で、各都道府県、懸命に、仕事上パソコンが必要であるという職員には公費のパソコンを整備するということで努力いたしておるわけであります。

 ただ、そうは申しましても、なかなか全員にというわけにもいきませんで、原則として公費で整備したパソコンを使うということになってはおりますけれども、不十分な部分につきましては、所属長の承認を得まして、これこれこういう目的でこのパソコンを使いたいということの承認を得まして、それで、私物のパソコンをその場面で使うということの手続が定められております。

石関委員 ちょっとお答えが非常に不十分だと思うんですけれども、その手続というのは、何か規則があって手続をされているんですか。所属長の承認と、何か規則があって、こういう規則に適合すれば認められるのかどうかということと、質問の主眼は、そういった私物のパソコンで現場で調書が作成をされているのかどうかということをお尋ねしております。もう一度しっかりと御答弁をお願いします。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 今申しましたように、どうしても足らざる部分につきましては、ルールに従って、公務で使用するという手続をとった上で実際使っておるわけでありまして、そのような中で、取り調べの場面で使っているか、あるいはもっとほか、別の部分に使っているか、それぞれ所属長が、その用途に応じてその時点において判断をして、許可の手続を出しておるということでございます。

石関委員 いや、よく答えていただいていないと思うんですけれども。

 そうすると、公用借り上げになるかどうかというのは、登録して、例えばこれは公用ですよという印がつくとかいうことではなしに私物を使っていいという、今お答えを聞くと、何か非常にあいまいなような気がするんですけれども、公用借り上げである私物パソコンと、きょうこちらへも先生方お持ちになっているような私物のパソコン、これの違いは何なんですか。公用借り上げになっていても、そのパソコンを家に持って帰ったり、車の中で使ったりとか、こういうことは行われているんですか。私物のパソコンと公用借り上げである私物のパソコン、また、その中で、調書がそこで作成をされているのか、これは何度もお聞きしていますので、しっかり御答弁ください。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 私物のパソコンの職場での使い方については、今申しましたように、職場で仕事で使うときには所属長の許可をもらって使うということにつきましては、いわゆる警察庁の中で決めておりますセキュリティポリシーというものの中でその手続が定められております。その手順に基づいて、私物のパソコンを公用で使うということになります。その場合、当然のことながら、その私物のパソコンにつきましては、例えばインターネットに接続するだとか、許可なく職場から持ち出すだとか、そういった意味での制約が自動的に課されるという手続ができております。

 それで、今御質問がございました、取り調べの場面で使うのかどうかということにつきましては、先ほど来不十分な答弁で恐縮でございますけれども、そういう場面で使うということが真に必要であるという所属長が判断をいたしましたら、そういう場面でも使われることがあるかもしれません。私、ちょっと実態としてそこで使われている姿を見たことがありませんので、そのような答弁で恐縮でございます。

縄田政府参考人 申しわけございません。捜査の現状がどうなっているかということでございまして、私どもの方からお答えをさせていただきたいと思います。

 都道府県警察の中には、所属長の承認を受けて、私物のパソコンを調書の作成等の公務に用いているところも当然あるものと私どもは承知しています。

石関委員 今、現場のことをよく承知していないということで、大変不安を覚えるんですけれども。

 そうすると、確認をいたしますけれども、私物であって公用の登録なり公用借り上げだということになっているパソコンというのは、情報が漏えいしないように持ち出しも禁止をされていたり、しっかりと情報が出ないようになっている、大丈夫ですよということの一点確認と、もう一つ、本当の私物というか、公用借り上げにも何もなっていない、自分で持っているものを現場の調書の作成に使用することは、これはあるんですか、ないんですか。この二点、お願いします。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 私物のパソコンを公務で使用するという承認を与えましたものにつきましては、先ほども申しましたように、自分の勝手にインターネットにつなぐ、あるいは庁舎外への持ち出しを届けなくやる、あるいは仮に許可を得て持ち出す場合であっても、その中に警察情報を不用意に入れることはならない、当然、中に入っている情報、こういう情報を持ち出すのであれば、持ち出すということについて許可を得て持ち出す、そういったふうな一連の情報の取り扱いに関する規定が、先ほど申しましたポリシーと言われるものの中に決まっておるわけでございます。

 したがいまして、私物のパソコンを使うということと公費で整備したパソコンを使うということにつきましては、使用上の実態についてはほとんど変わりはないというふうに御理解いただきたいと思います。(石関委員「私物でやることはないの、調書の作成を、本当の私物は。私物パソコン」と呼ぶ)

 全く許可も得ていない私物のパソコンを職場で使う、業務で使うということは許されておりませんし、そういうことは実際ないものと思っております。

石関委員 よくわからないなんということがないようにしっかり徹底していただかないとこの流出というのは防げないというふうに思いますので、これはしっかりお願いをしたいと思います。

 私物パソコンはありませんという役所もあるんだと思いますけれども、警察で、公用パソコン、公費で出して支給をしているパソコン、このパソコンの導入がおくれている原因というのは、これだからおくれているんだというのを教えてもらいたいと思います。

 先日の津村委員の質問の中で、私物パソコンはいつなくなりますかというお尋ねをしましたけれども、余りはっきりしたお答えがいただけなかったんですが、いついつまでにということが言えないのは、何が原因で、この私物パソコンをなくす、公用だけにするというのはおくれているんですか。理由を教えてください。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども一部触れさせていただきましたけれども、本来、業務で使うものは公費で整備するというのが原則であろうと思っておりますけれども、地方財政厳しい中でどうしても、必要とされる職員全員に公費によるパソコンの整備が行き届いていないという実態があることもまた事実であります。

 しかし、今回のようなことも踏まえまして、警察庁といたしましては、十九年度中に、都道府県警察において、業務でパソコンが必要な職員に対しては公費のパソコンが配分できるよう各都道府県警察に対して指導を強化するとともに、国費による整備も検討してまいりたいと考えているところであります。

石関委員 必要なものは必要ですから、しっかり頑張ってもらいたいと思います。

 続いて、このウィニーというソフトですけれども、これを開発した方が著作権法の違反で逮捕された。逮捕されたのは二〇〇四年の五月であります。ただ、ウィニーの開発者を逮捕しておきながら、それ以後も警察の中でウィニーを使っていたということであります。これは、開発するのは悪いけれども、開発者は犯罪を犯したということですが、ソフトは、すばらしいソフトだから警察の方も便利に使っていたということなんでしょうか。

 警察庁としては、こういったものを野放しに使わせていたのかどうか。もしそうだとすれば、大変な問題であり、全く配慮が欠けていたのではないかというふうに私は思います。

 ウィニーの開発者が逮捕されて以降の警察庁としてのウィニー対策というのは、具体的にどういうことをされていたのか。開発者を逮捕しておいて、警察庁の中で、また都道府県警の中で、ウィニーを使うことは全く放置していたのか。これは、開発者を捕まえましたから、ウィニーのソフトを使うのは十分に気をつけてくれとか、そのぐらいの紙を出したりとか、これぐらいの配慮はされていたのかなというふうに思いますが、実態はいかがですか。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 ファイル共有ソフトを利用して著作権侵害行為ということで検挙した事例がございます。こういったこともありますので、警察では、通達等によりまして、警察職員に対して、ファイル共有ソフト、これを使ってはだめですよということを、あるいは現に使っておる者があれば、そのパソコンから削除するようにというようなことをかねてより指導いたしてまいりました。

石関委員 通達を出されたのはいつですか。今私がお尋ねしたのは、二〇〇四年の五月にこの開発者が逮捕されたということですから、それ以後、速やかにそういった対処がとられたんだということをお尋ねしているんですね。通達というのはいつ出したんですか。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 ウィニーの利用を禁止するあるいは削除しなさいという通達を最初に出したのが、平成十六年の三月三十日でございます。

石関委員 そうやってしっかり出しているにもかかわらず、それが徹底をしていない。現場ではこれが無視をされていたということですか。

武市政府参考人 お答え申し上げます。

 決して無視されていたとは思っておりませんけれども、流出事案が出たことはまた事実でございます。したがいまして、警察庁におきましては、ことしの三月七日付で、職場に存在するパソコン等の緊急点検、あるいは私物のパソコンからファイル共有ソフトの削除、そしてその確認、ウィニーの使用禁止を含めた情報管理の徹底について全職員から確認書を出させる、こういった内容の通達を発出したところでございます。

 そして、これらの諸対策を徹底することによってこの種事案の再発防止に万全を期すよう、引き続き都道府県警察を指導してまいりたいと思います。

石関委員 逮捕されたウィニーの開発者の人からすると、何だよ、おれを逮捕しておきながら、みんな、警察で使っているじゃないか、こういうふうに思いますよね、とんでもないと。おれが便利なものをつくったら、みんな使っていますね、何だと思いませんかね。私ならやはりそういうふうに思うし、とんでもない話ではないかなと私は思います。

 そこで、このウィニーの開発者ですけれども、今、起訴されていて、東大助手だった方だということですが、この弁護側は、三月九日、先日の京都地裁の公判で、一連の情報流出は逮捕の約三カ月後から始まったというふうに指摘をしています。被告はウイルス対策のアイデアは持っているが、警察に新たな事件にされることを恐れて対策をとることができないというふうに弁護側が言っています。

 実際、開発者にウイルス対策の開発を禁止しているような事実があるのかないのか。これは優秀な方で、対策、このウイルスを駆逐する開発ができると言っているんですから、どんどんこれはやってもらわないと世の中のためにならないと思いますけれども、こういうことを禁止するような事実があるのかないのか。

竹花政府参考人 平成十五年の十一月に、今議員御指摘のウィニーの利用者が著作権法違反で逮捕されておりますけれども、その際に、この開発者が、今後絶対にウィニーの開発や配布をしない旨の申述書を警察に提出したということは承知しておりますけれども、議員御指摘のような流出対策用の措置を講じることを禁止したというようなことについては聞いておりません。

石関委員 優秀な人に、早くこういう世の中の不安を取り除くようなことをしっかりやってもらいたいなと思っております。

 続いて、これは、きょう可決をされました刑事施設法改正案、この審議の中でもお尋ねをしたかった部分でありますが、ここでお時間をいただいて質問させていただきたいと思います。

 この法改正で、留置施設の視察委員会制度というのができました。留置施設の不服申し立て制度というのも創設をされたということです。この留置施設の視察委員会、これについてお尋ねをしたいと思います。

 任命権者は都道府県の公安委員会というふうになっていますが、どのような基準で選ばれることになっているのか。公安委員会が委嘱をする、既にある警察署協議会というのも、これもすっかり実態は形骸化しているじゃないか、こういう批判もありますし、妥当な部分があるかなというふうに思います。

 であれば、視察の委員会というのも本当に機能するかどうか、大変懸念もされるところでありますが、弁護士会推薦の弁護士を委員にするとか、日弁連も要求をしております。こういった部分はいかがでしょうか。

安藤政府参考人 今委員御指摘のように、留置施設視察委員会の委員は、都道府県公安委員会がそれぞれの判断によりまして任命するものでございます。

 ただ、この制度は、留置施設の運営状況について、部外者の視点から御意見をいただき、その透明性を確保することを趣旨としておりますことから、各都道府県におきましても、当然にその趣旨を踏まえた人選がなされるものと考えております。具体的には、委員会のこうした性質にかんがみまして、弁護士等の法律関係者あるいは医師、地域住民の代表等が任命されることが予想されるわけでございます。

 なお、任命に当たりましては、弁護士会等の公私の団体からの推薦も当然参考にされるものと考えております。

石関委員 それでは、任命をする公安委員会について、公安委員の制度の全般についてお尋ねをします。

 これは、先年行われた警察法の改正で、公安委員会に監察の指示権というのも新しく付与されたということです。また、先ほど申し上げた警察署の協議会というのができた。警察官の職務執行についての苦情申し出制度というのも創設をされた。今申し上げたように、警察署の協議会の委員というのも公安委員会が選ぶということですし、苦情処理も公安委員会の仕事だということですね。

 それまでにも、公安委員の仕事が過重ではないかというふうに指摘がありまして、私も、県議会で仕事をしておりましたので、これだけの業務をやるのは本当に大変なことだなというふうに公安委員会を見ておりました。

 先ほどの視察委員会の委員の選任は新たに公安委員会が行うということですし、こちらの方の不服申し立ての審査も公安委員会の仕事に追加をされたということです。実際やっていくと、これは大変な仕事量だというふうに思います。本当に少人数の公安委員の皆さんがこの仕事をやり切れるのかどうか、私は大変不安でもあると思っておりますが、このことについて、大丈夫ですよというのであれば、そのことをしっかり、こちらの方で。やれるのかやれないのか、私は大変不安だと思っておりますし、そういった声が大変上がっているというふうに承知をしております。いかがでしょうか。

安藤政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のように、平成十二年の警察改革によりまして、警察署協議会の委員を公安委員会が委嘱するとか、あるいは監察の指示とか、苦情の申し出に対しまして処理を行うということで、当時の公安委員会というものに対するいろいろな御議論を踏まえまして、公安委員会の活性化あるいは管理の強化ということが図られたわけであります。

 その際に、同時に、公安委員会のこうした新たな業務を補佐するために、都道府県警察が補佐体制を強化するということで、現実にこれは各県かなり強化をされたということでございます。

 したがいまして、今回、新しい法律で重要な新しい業務が公安委員会に付加されたということがありますので、そういう補佐体制を踏まえて、公安委員会の委員の方々が十分に今回の新法の趣旨に沿った機能を果たすように補佐がされるものと思いますし、また我々もさらなる努力をしてまいりたいと思っております。

石関委員 これは、だれが補佐するかというのも大変問題になってくるだろうと思います。既にそういった指摘もあります。

 私の地元、選挙区もあります群馬県の場合は、公安委員の方というのは三人なんですね。それぞれこの方々は、会社の役員の方、会社の役員の方、そして財団法人の理事長の方ということであります。もちろん識見豊かで大変立派な方々ではありますが、警察業務をしっかり監視する公安委員、そして先ほどの大変な仕事量だということを考えたときに、本当にこの方々は大変じゃないかな、大丈夫かなという思いを持っております。

 一般的に、公安委員会の会議というのは、平均で大体どれぐらい行われているんですか。群馬県の場合は、昨年までは月二回だったというふうに私は記憶をしておりますが、ことしからふえたというのもちらっとお聞きをしました。実際、平均して、各公安委員会はどれぐらいの頻度で会議を行っておられますか。

安藤政府参考人 お答えいたします。

 平均してといいますか、平成十七年のデータでございますが、毎週開催しておるところは九県で、月四回が十八県、月三回が十八県、月二回が六県ということでございます。

 先ほども申し上げましたように、十二年の警察改革以後、各県ふやしておりまして、例えば、月四回というものが、平成十二年に十三県だったのが十八県である、あるいは毎週というのが六県から九県になったというような形で、これは通常の公安委員会の開催状況であります。これ以外に、非常に重要な事案が起きますと、臨時の公安委員会というのが開催されるということでございます。

 群馬県の例については、ちょっと私、詳細にはあれでありますが、私も個人的には群馬県に勤務をいたしまして、かなり高齢な方が公安委員に知事から任命をされておりましたが、御案内のとおり、皆さん十分に活発な議論をされたということを記憶しておりますし、また、平成十二年から比べまして、十七年の段階では、やはり年代別でも五十歳代の方がふえて七十歳以上は減っておる、こういうような流れ、トレンドになっております。

石関委員 官房長、群馬にも勤務をされて、大変通暁されているというのは承知をしておりますが、今のお話を伺うと、当時から高齢化をしておりまして、さらに高齢化が進んでいるなという感じを受けます。

 群馬の三人の方はもう本当に立派な方です。会社の役員であり、遺族会の顧問の方であったり、また物産振興協会、婦人団体連合会の会長、それぞれすばらしい方々で、県民のまさに代表として公安委員をやられているということでありますが、年齢が、それぞれ八十二歳、七十八歳、八十二歳と、恐らく官房長がいらっしゃるころより高齢化が進んでいるのではないかなというふうに思います。

 立派な方ですけれども、こういう方々にこれだけの業務をすべて任せるのもかわいそうなことだという思いもしますし、あるいは、それぞれの分野で識見豊かな方々でありますが、弁護士の方とか、あとは刑事法制とかそういうのに大変お詳しい専門家であるという方々も公安委員でいた方がいいのではないかなというふうにも私は思いますが、こういったいわゆる弁護士を中心とした専門家の方々というのは、全国の公安委員会の中でどれぐらいの人数、比率を占めているのか、お尋ねします。

安藤政府参考人 平成十七年十二月末現在のデータでありますが、全国百七十九人の各都道府県公安委員会のうち法律専門家は十五名ということでありまして、その内訳は、弁護士が十三名、あとは、元裁判官で法科大学院の教授がお一人と元大学の法学部教授が一人ということでございます。

石関委員 本当に大多数が、専門家ではなくて、国民の皆様の代表であり都道府県民の代表だということで、これはこれで結構なことですが、事務局は警察の方が全部担われているということですから、実際には、事務局のつくってきたものをはいはいという実態もあるのではないかなというふうに懸念をされます。法律の専門家をふやしていけばいいのかな、私はこう思っておりますので、それを述べさせていただきまして、次の質問に移りたいと思います。

 これは法務大臣にお尋ねをしたいと思います。

 二月二十四日の法務委員会で、私も、死刑制度についてお尋ねをいたしました。この関連でお尋ねをしたいと思います。

 大臣は、死刑廃止論者ではないが、死刑には消極的な考えを持っているのかな、私はこういった印象を受けました。死刑制度の存廃というのは、これは国民的な重大な関心事であるというふうに私は改めて感じました。その現状や問題点というのは、引き続きしっかり調査をして、あり得べき姿というのを考えていかなければいけないと思っているところであります。

 私の二月二十四日の質問で、大林刑事局長は、この十年間で死刑執行された人の判決確定後執行までの平均期間は約七年六カ月であり、ことしの一月末現在の死刑確定者数は、未執行者という意味では、七十八名だというふうに御答弁をされました。

 そうした死刑囚の置かれた実情というのは、実際どうなっているのかというのは、我々が知る機会というのはほとんどないということでありますが、大変貴重な調査、三月十四日に日弁連から出されました死刑確定者への処遇状況についてのアンケートというものがあります。

 大臣、こちらの方は、ごらんになっていらっしゃると思いますが、これについて、どのようにお感じになったか。

杉浦国務大臣 そのアンケートでございますが、日本弁護士連合会から矯正局長に送付されてまいったものを拝読しております。

 七十九名の確定者にアンケートを出されまして、五十八名から、七割強ですか、回答を得たということでございました。多くの死刑確定者の考え方、感じておられることがよく反映されているというふうに思いました。

 このアンケートについては、処遇の参考にさせていただく考えでございます。

石関委員 本当に、大臣もお感じになって、大変貴重なアンケートであります、しっかりと生かしていただきたいというふうに思っていますが、これを見ると、実態として、弁護士と親族以外の面会は禁止をされている、運動も週二、三回、三十分程度である、日光が差し込まない独房が二十五カ所もあったということであります。

 まとめの部分には、確定者が狭い居室に二十四時間ぽつんと放置をされ、一切の集団処遇に参加する機会は与えられていない、他者との交流、弁護士、親族以外の者との面会、所内でのほかの被収容者との交流、こういうものは禁止をされておりますので、これの機会を求める声というのは、個別にも、悲痛な要求としてここに上がっております。

 こういった現状を見たときに、大臣としては、死刑囚なんだからこういう処遇でしようがないんだ、日も当たらないところに置かれてもしようがないんだというふうに思われたのか。あるいは、こういうふうに改善をすべきだというふうにお感じになったか。具体的にはどのようにお考えになっておられますか、お尋ねをします。

杉浦国務大臣 今度、衆議院を通って、参議院に送付されましたが、新法が施行されることになりますと、処遇が変わる部分もございます。できる限り人権上の配慮をしなきゃならないと思いますし、いろいろ御意見ございましたが、可能な限り拘禁感の軽減を図るというようなことも考えていかなきゃいけないと思います。

 目隠しがかなり多いというようなことがございましたが、聞いてみましたら、拘置所は高層化されてきた、目隠しを取ってしまいますと町が見えるというところがかなり多いようでございます。そのような場合には、近くの住民に対しては、見おろされるというような配慮も必要でしょうし、また、外から確定囚が見られたり、あるいは、場合によっては撮影されたりすることもあり得ることですから、そういった配慮も必要かなと思います。

 ですから、採光の悪い居室があるということはやむを得ない面もあると思うんですけれども、これからの問題になりますが、施設の整備に当たっては、個々の施設の立地条件とか近隣住民の要望等を十分考慮しながら、人権上の配慮をしつつ、可能な限り拘禁感の除去に努めていかなきゃならないと思います。

石関委員 これは日本弁護士連合会の資料なんですけれども、諸外国と比べて、弁護士連合会の調査においては、アメリカと韓国、そして台湾と拝見をいたしましたが、日本の場合は非常に厳しい、処遇が悪いというふうに私は感じました。アメリカと韓国、台湾は非常にオープンになっております。死刑囚同士の交流もできるということですし、面会も、外部の方が来てかなり幅広に面会ができるということになっています。

 そこと比べて、日本は大変厳しいと私は思いますが、その点どうお感じになっているかというのが一点と、これに関して、外部との交通によって、冤罪事件であって、死刑囚が無罪になったという例が、これは九九年、アメリカのイリノイ州、アンソニー・ポーターさんという人が、有名な事件だそうなんですが、このことについて。

 二点目については御承知おきいただいていると思いますが、知っていますねということと、一点目の日本の現状についてどうお考えか、お尋ねします。

杉浦国務大臣 アンソニー・ポーター氏の件は承知しております。

 それから、アメリカにおける拘禁の状況、州ごとに違うようでありますけれども、おおむねほかの勾留者と同様の状況といいますか、交通状況に置かれておるようでありますし、韓国においてもどうもそれに近い状況のようでございます。

 日本の場合、制約が今までは厳しかったわけですが、今度の法律が成立いたしますと、例えば、死刑確定者の面会や信書の発受、今は親族に運用を限定しておりますが、それが拡大されるということもございます。できる限り改善するように努力してまいりたいと思っております。

石関委員 ポーターさんの件は御承知おきいただいているということですけれども、冤罪だということをノースウエスタン大学の学生たちがしっかりと証明をしたということであります。

 これは、外部のこういった学生たちが会いたいと言って、死刑囚に会えたために、彼らが実際に会ってみたら、これはとても死刑を犯すような人じゃないということで、独自に調べていったら無罪ということがわかったということであります。学生たちであっても死刑囚に面会ができるということで、日本とは随分違うというふうに思います。

 今回の法改正においても、附帯決議において、その十四において、「「心情の安定」は、死刑に直面する者に対する配慮のための原理であり、これを死刑確定者の権利を制限する原理であると考えてはならない」というふうにされております。

 そこで、今回の法改正によって、もし、ポーターさんの例のように、日本の学生で死刑制度を研究しているという人たちが死刑囚に面会を申し込んだとすれば、こういった日本の大学生たちは死刑囚の方に会えるんですか、会えないんですか。

杉浦国務大臣 私も実情を調べてびっくりしたんですが、学生が犯人を捜し出しちゃったんですね。大したものだと思います。

 基本的に、事案に応じて、具体的、個別的に判断されることなんですけれども、例えば、大学生が面会することができるかどうかということなんですが、死刑確定者の再審請求を支援するため、死刑確定者から事情を聴取するなどの目的で面会しようという場合でございますと、その面会人自身と再審請求のための面会をしなければならない事情が認められるような場合には、百二十条一項二号の「死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者」に該当し得るものと考えております。

石関委員 ありがとうございます。

 今のポーターさんの話は有名な話だそうなんですけれども、ことしに入ってもテレビで、私は余りテレビを見ないんですけれども、「アンビリバボー」という番組にも取り上げられて非常に議論、全く私はアンビリーバブルな話なんですが、こういう面会を許せばこういうことも起こり得るということでもありますし、死刑制度の存廃の問題と死刑囚の処遇の問題は別の問題だというふうに私は思いますので、今回の法改正を機会に、こういった処遇についても適切に見直していくべきであるというふうに私は考えますが、最後にこの一点、法務大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。

杉浦国務大臣 今度の法律で、今申し上げた点、そのほか、面会等の事由が拡大されております。その運用の問題になると思いますので、収容者の心情の安定とか、あるいは再審とか、さまざまな面で配慮していく方向で、運用の問題ですから、検討したいと思います。

石関委員 ありがとうございます。

石原委員長 次に、高山智司君。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 本日は、大臣に登記特別会計に関しましての見解をまず伺いたいんですけれども、私はちょっとびっくりしたんですけれども、この間テレビを見ておりましたら、その番組の中で、大臣は、まあ、私も登記特別会計は当初から要らぬと思っていたというふうに国会で発言しているのだけれども、法務省の公式見解では、その大臣の国会答弁は個人的な見解であって、法務省の公式見解では登記特別会計は要るものだというような話があったんです。

 私もこれは結構何度も質問していますので、大臣も御記憶していらっしゃると思うんですけれども、まずこの登記特別会計に関して、私は前任者であります南野大臣のときにも質問しましたら、南野大臣も答弁の中で、確かに登記特別会計は無駄が多い、議員と、というのは私のことですけれども、同じ気持ちだと。私が登記特別会計は特別会計でやる必要ない、廃止せよという話をしていましたら、私もそう思うという話を南野大臣もされているんですよ。

 その上で、また次に法務委員会でも、今度杉浦大臣に私は伺いましたら、いろいろ質問した最後の方で、杉浦大臣が、いやまあ、確かに私もこんなもの初めから特別会計にする必要はないと思っていたんですよというお話をされて、さらにこの間の行政改革特別委員会においても、同僚議員の馬淵議員の質問に、大臣もまた、当初、私もこれは要らないと思っていましたというような発言をされているんです。

 まず、今ここで大臣に確認したいんですけれども、登記特別会計に関して、きょうより前ですよ、以前質問したときに、大臣、登記特別会計はそもそも要らなかったというような発言をされていますよね。まずこれを確認させてください。

杉浦国務大臣 何か、みのもんた氏の番組でそれが流れて、私も地元へ帰ったらいろいろ聞かれたんですが、そういう、特会にしなくてもよかったと思いますよという発言をしていますが、一連の答弁の中のほんの一部でございまして、登記特別会計は無駄だからやめた方がいいとは一言も言っておりません。

 私は、登記特別会計をつくった目的は、コンピューター化の投資をするための資金を手数料等を上げることによって賄う、そういう目的で、平成何年でしたか、立ち上がったわけで、その受益と負担の関係を明確にする意味では、意味がなかったとは思わない。そして、平成二十一年ですか、所期の目的を達する、投資がほぼ一巡するので、それをもって廃止するということも法務省としては決めて、行革事務局に回答いたしております。それはそれで目的を達したから結構だという認識でございます。

 それから、無駄があるということは一言も言っておりませんで、塩川正十郎先生が、登記特別会計は母屋でおかゆをすすって離れですき焼きを食べているというような考え方は、私は持っておりません。きちっと法務省としては受益と負担の関係を明確にして、所期の目的であるコンピューター化の投資を行ってきておりますという趣旨の答弁もいたしておると思います。

 そういった答弁の流れの中で、先生でしたか、馬淵さんでしたか、では、そもそも要らなかったのかという御質問に対して、きちっとコンピューター化の投資の予算が認められて、それに対してこっちの手数料を上げるということできちっと対応できていれば、必要な投資を行い、その必要な資金を手数料の値上げで賄うということがきちっと確認された状況であれば、特に特別会計を設ける必要などなかったんじゃないでしょうかということは申し上げました。

高山委員 馬淵議員のときはそういう発言なんですけれども、私が聞いたときには、これは区分経理がちゃんとしていないじゃないですかとか、そういう話をした後で、確かにこれは一般会計からでもよかったんじゃないかみたいなことを言われて、当初より私もそんな必要はないと思っていましたと。これは質問の本当に最後の方でおっしゃっていたんですけれども、そういうことを言っていますよね、大臣は。

 だから、申しわけないですけれども、無駄があるから登記特別会計が要らないというようなことを大臣は確かに言っていないんですけれども、区分経理のわかりにくさの話をしたときに、確かに区分経理がわかりにくい、それで、私もこれは特別会計でやる必要がよくわかりません、こういうことをおっしゃっていますよね、大臣。私が質問したときに、前々々回ぐらいだと思いますけれども、やっていますよ。

杉浦国務大臣 どのように答弁申し上げたか、委員会記録を確認しないといけませんが、法務局の仕事はコンピューター化の仕事だけじゃありません。登記の審査もあるし、さまざまなほかの仕事をしていますから、登記特会をつくったために、手数料収入が一方収入に上がる、一般会計から繰り入れが起こる、それをどう区分するかということで、さまざまな計算といいますか、わかりにくい計算をするというようなことになっている面があると思うんですね。

 そういうような趣旨で申し上げたことはあるかもしれませんが、基本的に登記特会が受益と負担を明確にするという意味で手数料を上げて、収入を一方に入れて、こちらにコンピューター、必要な投資を進めていくという形では、そういう機能は果たしてまいったと基本的に私は考えております。

高山委員 それでは、きょうはこの登記特会が余りメーンじゃないので、これはちょっと確認だけで、局長に伺いたいんです。

 そのテレビ番組で、大臣はこう言ったけれども、お役所の公式見解としてはこうだというような話があったんですけれども、まずそこを伺いたいんですけれども、どういう取材が来て、それでどういうふうに返答したんですか。これは本当の事務レベルだと思いますけれども……(杉浦国務大臣「こちらでまず言った方がいいと思います」と呼ぶ)そうですか。では、どうぞ。

杉浦国務大臣 登記特会を設けたのは平成何年ですか、その当時の大臣、法務省の判断として……(高山委員「それは全然違う質問ですよ」と呼ぶ)いやいや。それで、みのもんた氏の番組で、法務省の方が、役所の者が、あれは大臣の個人の見解ですと言ったようですが、それはそのとおりでございます。

 そもそも、登記特会を設けた時点のことは、その当時の大臣、法務省が判断されたことであって、私ではございませんので、私の意見としては、ちゃんとした投資が支出で認められ、そのための収入を手数料の増で確保できることが担保されていれば、そもそも特会を設ける必要もなかったんじゃないですかというのは私の個人的な意見であって、当時の法務省なり大臣の方は別の判断をされたわけであって、その法務省の方が言った個人的見解だというのは間違っていないと思います。

高山委員 そうしますと、杉浦大臣は、登記特会は要らないんじゃないかみたいなのは個人的見解としておっしゃったというようなことを今言いましたけれども、これは行革特でもその前の法務委員会でも、たしか予算委員会でも聞いたと思うんですけれども、結構何回も聞いているんですけれども、同じ答弁をされていますよね。

 それは、私は杉浦大臣の個人的な見解をずっと聞いていたんじゃなくて、対政府質疑ということで、法務省はどう考えるかということを大臣が代表してお答えいただいていたものだと思って、なるほど、考え方を変えられて、登記特会、二十年前はこういう事情でできたんだけれども、今となっては無駄遣いも多いしという話を委員会でもいろいろしたり、あるいは区分経理がわかりにくいという話をした上で、変わったんだと思ったんですけれども、では大臣は、今までいろいろ登記特会の要る、要らないの発言をされていたのは、法務省を代表してじゃなくて個人的見解でずっと答弁していたんですか。これは後で問題になりますよ。

杉浦国務大臣 議事録を精査していただければおわかりだと思いますが、法務省として、受益と負担の関係を明確にする上で登記特会を設けてやってまいったという答弁はしていると思うんです。それで、御質問に、それならば、そういう説明の中で、そもそも登記特会はなくて、そういうことができればいいのではないかというような御質問に対して個人的な見解を申し上げたんだと、精査していただければよくわかると思いますが。

高山委員 私、きょう精査してきましたけれども、その上で、きょうこれ以上はやりません。きょうの大臣の御発言も含めまして、また後ほど質疑の時間をとっていただけると思いますので、きょうは違う質問に移りたいと思うんです。

 まず、民法八百二十二条というのがあるんですけれども、ここは何と書いてあるのか、これは事務的なことなので局長にお願いしたいんですけれども、民法八百二十二条、これは何ですか、どういう規定があるんですか。

寺田政府参考人 民法八百二十二条は親権者の権限を定めておりまして、「親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。」第二項は、そのさらに補足をしているわけでございます。

高山委員 この懲戒場というのは、大臣、どこにあるんですか。

杉浦国務大臣 八百二十二条所定の懲戒場に該当する施設として、戦前は、例えば少年教護法による教護院が存在しておりましたが、戦後、昭和二十二年ですが、児童福祉法の制定に伴い少年教護法が廃止されたため、現在のところ、民法所定の懲戒場に該当する施設は存在していないと承知しております。

高山委員 そうすると、この懲戒場というのは今ないんですか、日本には。今の御説明ですと、戦前はあったんだけれども戦後の児童福祉法の改正でという話が出たんですけれども、それはやはり、戦争の前と後で、何か少年に対する考え方というんでしょうか、子供の、あるいは親権のあり方、これは大きい価値の転換があったんでしょうか。大臣、まずちょっとその辺を教えていただきたいんですけれども、どうしてなくなったんですか、戦後になって。

杉浦国務大臣 その当時の状況はつまびらかにはわかりませんが、戦後、懲戒場に当たる各施設が廃止されまして、民法所定の懲戒場とはリンクしない施設、制度、児童福祉法による教護院、現在は児童自立支援施設となっておりますが、及び少年院法による少年院として改変されたわけでございます。

 推測でございますが、懲戒場の制度自体が新憲法の理念になじまないという理由によるものではなくて、教護院、矯正院の施設の実態が、虞犯少年、触法少年、犯罪少年の収容処遇を中心とするものとなっており、懲戒権の行使のための施設として利用するには適切でない状況にあったことによるものと思われます。

高山委員 今、大臣の答弁の中ですと、新憲法の理念にそぐわないという理由じゃないということを明確におっしゃいましたけれども、戦後、家族法の部分というのは大改正があったと思うんですね。そのときには、戦前に比べて、家ですとかそういう親権の考え方というのは大転換があったと私は勉強しているんですけれども、大臣に改めてもう一回伺いますけれども、戦前から戦後に民法の大改正がありましたよね。あのとき、家族制度ですとかこういう親権のあり方というのは大改正があった、価値の大転換があったと思うんですけれども、大臣、まずそこら辺の確認をさせてください。

杉浦国務大臣 先生のおっしゃるとおりでございます。

高山委員 そうしますと、戦前は個人というよりも家を中心としていて、家長が子供のことを監督したり、より厳しくと、これは何となく納得はできますね。でも、戦後になってから、そういう家族のあり方じゃなくて個人を中心にというふうに大転換をしたんじゃないんですか。そう考えると、この八百二十二条というのは削除し忘れた規定のようにも私は思うんですけれども、大臣はどのようにお考えになりますか。

杉浦国務大臣 私も、先生が質問事項に挙げられたので改めて認識した面があるわけなんですけれども、この懲戒場の規定が戦前あって、戦後に大変革後の民法に引き継がれたという事情は、当時の事情はよく存じませんが、民法の親権の行使としての懲戒権の存在、今もあるわけですけれども、その実効性ある行使方法、その担保としての懲戒場の制度自体は合理性がないとは言えないと思います。

高山委員 これは政務官にも、少年法の御担当と伺っておりましたのでちょっと感想を伺いたいんですけれども、確かに、八百二十二条の前の八百二十一条なんて、「子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。」おまえはここに住めとか、こういうことでしょうね。ですから、この親権というのがある程度強権的なものであるというのは、いまだに価値観として妥当する部分はあると思うんですけれども、この八百二十二条は、懲戒権の裏づけとして、ただ親が子供のことを怒れるとか、こういうふうにしていろとかと命令をするだけじゃなくて、家庭裁判所の許可を得て懲戒場に入れるということですよね。まず、こんなに親の親権というか懲戒権を強く担保する必要があるんでしょうか。

 今、少年法がどのように改悪というか強権的になっていくのか私はわかりませんけれども、民法のレベルで親権がどの程度強いのかということに関して、まず政務官に伺いたいんです。この八百二十二条の規定ですけれども、これは戦前の強権的な親権が残っている、ちょっと消し忘れの規定じゃないかなというふうに、今話を聞いていてどういう感想を持たれたか、まずお願いいたします。

三ッ林大臣政務官 確かに先生のおっしゃるように、今はそのような施設がないということは現実だと思いますけれども、私は、決してこのような規定というものが、今さら古くて必要がないものなのかというのはまだ考える必要があるんじゃないかなと、話を聞いていて思ったところであります。

高山委員 そうしますと、例えば今、小泉内閣でニート対策というようなことも言っておりますけれども、引きこもりですとかそういった子を、おまえは部屋から出てこないんだから今度懲戒場に入れるぞとか、この規定は使えますね。大臣、そうすると、そういうような使い方をされるおそれというか、そういうふうに使った方がよりいいんだというふうに考えているんでしょうか。

 大臣、ちょっと伺いたいんですけれども、現代的な使い方として、いろいろ使えると思いますよ。ですから、私、きのうも事務方の方にいろいろ話しましたけれども、仮に今度この規定が廃止にならないとすると、懲戒場というものをどこかにつくる。そうしたときに、この執行方法なんですけれども、家庭裁判所の許可を得て、例えば、おまえは二カ月間懲戒場行きだとなったときにどういう執行方法をとるんですか。大臣、伺いたいんですけれども、これはきのうも事務方の人と随分話していますので。

杉浦国務大臣 調べてもらいましたところ、戦後、児童福祉法の制定で懲戒場という施設がなくなった後は家裁への申し立てはなかったようでございます、許可の。

 ニート対策というお話がございましたが、ニートといっても具体的状況はさまざまでございまして、懲戒権の行使が適当でないものも少なくないと考えられますから、ニート対策として懲戒場を新たに設けるということが適切かどうか、慎重な検討が必要なんじゃないかというふうに思います。(高山委員「執行方法は」と呼ぶ)

 これは、もしそういうのができるとすれば、家庭裁判所へ申し立て、許可を得て行うわけですから、家庭裁判所が判断されることだと思います。

高山委員 いや、家庭裁判所が判断されるじゃなくて、これは強制、要するに、おまえを懲戒場に入れるぞと言って、子供が、いや行かないよとなっているところを強制執行するんですか。

寺田政府参考人 これは基本的には、今大臣が申し上げましたのは家庭裁判所でどう手続をとるかということで、家事審判法で決まっているわけでございます。では、具体的に子供をどう連れていくかは、これは親が連れていく以外にない、そういう民事の手続で行います。

高山委員 それで、もう一つ、法務省にちょっと確認しておきたいんですけれども、懲戒場、今はないわけなんですけれども、今後、法務省としてつくるつもりはありますか。

寺田政府参考人 高山委員の問題意識は、私どもとしても非常によくわかるところもございます。

 ただ、他方、これは一種の非常に危機管理的な性格がございまして、ある意味では、使われないというのが幸せな側面もございます。つまり、いよいよこういうことでもしないと子供のしつけがおよそでき得ないというような極めて極端な場合には、家庭裁判所の御判断でそういうことができるということが決めてあるわけでございまして、現在、私どもは、そういう状況にあるという認識は基本的には持っておりません。

 しかし、将来そういうことがおよそあり得ないかということでございますが、それはない方がいいわけでございますけれども、しかし、その備えといいますか、法律の制度面での備えはしておかなきゃならない、こういう考え方でございます。

高山委員 今すごいことを言ったんですけれども、法律上の備えをしておかなきゃいけないということは、では、どこか懲戒場をつくっておけばいいじゃないですか。大臣、いいですか。今局長が、使わないで済むのはありがたいみたいなことを言いましたけれども、使いたくても使えないじゃないですか、今懲戒場はないんだから。だから、懲戒場をまずつくった上でそういうことを言ってくださいよ。

 それと、今、私、大臣に伺いたいのは、親がこんな懲戒権まで使って懲戒場に入れるほどの状況ではないんだ、子供が結構安心できる親子関係がハッピーに築けているんだ、こういう認識だったら、少年法が今度改正になりますけれども、これが一体どういう方向で改正になるのかということを考えていただきたいと思うんです。

 その上で、もう一度大臣に伺いますけれども、八百二十二条に基づいての懲戒場というのを、今の局長答弁はちょっとおかしいと思うんですよ、今ないんだから。ないんだけれども、この条文に基づいて、法務省の方で今後つくっていく必要があるな、このようにお考えですか。それとも、今のままでいいというふうに考えているでしょうか。これは大臣に伺います。

杉浦国務大臣 戦後六十年間、この法律改正後も設置されなかったわけです。そういう現実がございます。法制度として合理性がないとは言えないということは先ほど申し上げたとおりで、民事局長もそういう趣旨の答弁だと思いますけれども、設置するかどうかは、民事局長の言ったことも含めて慎重に検討する。なぜ六十年間先輩がおつくりにならなかったのかということも含めて、慎重に考えなきゃいけない問題だと思います。

高山委員 ちょっとしつこくなってしまうんですけれども、では、なぜ、六十年間、八百二十二条があるのにずっと懲戒場をつくらないできた、そして、しかも懲戒のこういう制度そのものが余り使われないで来たわけですね。それは何ででしょうか。

寺田政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、基本的には法制面での備えというのは常にしておかなきゃなりませんが、その施設を現実に、およそ使われそうもないのにつくっておく必要というのは、これは逆に無駄遣いと言われかねないわけでございます。そういうところを勘案いたしまして、現在のところ、私どもは、親が刑事的にあるいは少年法的に何も問題ない子をどうしてもしつけの上からこういうことまでしなきゃならない状況にあるというようには理解をいたしておりません。

高山委員 そうしますと、ちょっと先走りますけれども、今度、少年法で改正するときに、さらに虞犯の恐れぐらいでも、要するにゲームセンターにたむろしているぐらいでも、おい、ちょっと来いということを今度やろうというわけですよね。私はそれが必要な面もあると思うんですね。だけれども、そういう本当の犯罪者でもない少年に対して、何か政府の方で指導する、そういうしつけみたいなのをやる、これはパターナリスティックな意味があるわけですね。そうすると、本当の親が親権を行使して懲戒場、何でなくていいんですか。むしろ変じゃないですか。警察に親のかわりをさせて、本当の親が懲戒権を行使できる懲戒場はつくらないでいいんだと。

 これはちょっと少年法担当の政務官に伺いたいんですけれども、刑事でそこまでやるんだったら、まず民事でこういうのをちゃんと整備しておいたらいいじゃないですか。どう思いますか、政務官。

三ッ林大臣政務官 それに関しましては、やはり今までの歴史というのも当然あるわけでありまして、十分多くの皆様の意見を聞いて検討しなければならないんだというふうに考えております。

高山委員 これは、民法のちょっと不思議な条文があったなということできょうは質問させていただいたんですけれども、また少年法が始まったときに続きの議論をさせていただきたいと思います。

 次の質問は、有料老人ホームの契約関係に移りたいと思うんですけれども、有料老人ホームというのが最近、ここ二、三年、どんどんふえてきている。有料老人ホーム周りの法律関係というのは、大きく二種類あると思うんですね。契約関係にあるところと、もう一個、不法行為責任ですね。老人ホームの中で事故が起きたときどうなるか。これは二個あると思うんですよ。

 特に、まず初めに伺いたいのは、有料老人ホーム、どうも、入るときに一時金ということで一千万とか二千万取っておいて、それで月々十万、二十万、家賃なんでしょうか、サービス料の対価なのか、これははっきりわかりませんが、これを払うことで、ずっと安心して、簡単な介護を受けながら老後を送ることができる、こういうことで今随分人気のようです。

 この一時金なんですけれども、これは法務省に伺いたいんですけれども、この一時金というのは敷金と同じようなものと考えていいんですか。ちょっと、どういう法的性格があるのか、お願いします。

寺田政府参考人 私どもも全部の有料老人ホームがどういう契約をされているか承知しておりませんので、概念的なことしか申し上げられないのでございますが、これが敷金に当たるかどうかは、基本的にこのお金が結局のところ、何らかの意味での債務不履行でありますとか、あるいは不都合なことをされた場合の担保として構成できるような形で契約されているかどうかによるわけでございます。つまりこれは、そういう性格がなければ建物の賃貸借における権利金的な性格がありましょうし、そうでなくて、先ほど申し上げましたような担保の性格を持ちますと、これは敷金という形で構成されるものだろう、基本的にはそう考えております。

高山委員 この有料老人ホームですけれども、今いろいろ問題が起きておりまして、まだなかなか、有料老人ホームそのものが始まったばかりですので、法律が未整備なのはしようがない面があると思うんですね、これからどんどんいろいろな事態が出てくるわけですから。

 けれども、この有料老人ホーム、まず初めに一千万の一時金を払って、月々二十万払って生活しているんだけれども、例えば、途中でその有料老人ホームが倒産してしまっただとか、あるいは、こういうところかなと思って入ったんだけれども、実際にはサービスのぐあいがよくなかったり、いろいろな関係で、初めはついの住みかとして二十年ぐらい住もうと思っていたけれども、やはり一年ぐらいで出ることになってしまった。こういったときに、この一時金というのが返還されない。それで結局、すぐ返還できないんだったら、ではしようがない、渋々、あと十年間我慢して住もう、こういうような事例もあるそうなんですね。

 これは、もし敷金と同じように考えるのであれば、住んでみたけれども周りの環境も余りよくなかったから私出るわとなったときに、敷金は返還されますね。だけれども、敷金と同じじゃない、いわゆる一時金で、いや、これは三カ月たったらもう返せませんよとかなっていると、なかなかこれは、老人の方が、これからどんどん稼ぐ能力もなく、老後をきちんとためておいたお金で生活しようと思っていたのに、もうそれで返ってこなくなってしまうという不都合な事態を生ずると思うんですね。

 この点、ちょっとまず、法的な性格も明らかにしたいんですけれども、厚生労働省として、今有料老人ホームでどういう問題が生じているかということと、それに対してどういう対策をとられたかということを、あわせて御答弁願います。

御園政府参考人 今御指摘の有料老人ホームの問題でございますけれども、入居一時金、確かに取られておりますが、これは家賃相当額などの前払い金的な性格を持つ場合もありますし、それから施設の建設、保全に充当するというような例もある、あるいはその施設に入った後に提供されるサービスの前払いみたいな性格のものもあって、それぞれの契約ごとに中身がケース・バイ・ケースというふうな状況にもなっております。

 いずれにしても、そのようなものが一時金あるいは入園金というような名目で徴収されておって、私どもが承知している中でも、過去の例で、一時金の返還をめぐるトラブルなどが発生したというようなことも承知をしております。

 そのような状況の中で、私ども厚生労働省としての対応策といたしましては、従来から、有料老人ホームを契約する際には内容を十分説明して、契約されるわけですから、お互い納得して契約されるような十分な説明をするということを規定して指導してまいったところでございます。

 あわせまして、昨年、老人福祉法を改正いたしまして、入居希望者に対して重要事項説明書というのを交付しなさいということ、あるいは一時金に関しては、それを受領するときには算定基礎をきちっと明示して、どういうことを算定のベースにして入居一時金が定められているかということを了解してもらった上で受領するようにというような法律改正をしたところであります。

 あわせまして、ことし有料老人ホームの指導指針を改正いたしまして、入居後の九十日間のクーリングオフ期間というような形でございますが、九十日以内に契約を解除した場合には一時金の全額、所要の、若干使用したものの精算はしていただきますけれども、基本的には全額を返還することにするようにというような手当てをいたしまして、入居者の保護を図るための措置をしているところでございます。

高山委員 厚生労働の方で、有料老人の指導指針ですか、これをきのういただいて、ざっと見て、確かに今生じている一時金の返還どうするこうするという問題に対応、今のところ、これで随分進歩したんじゃないかなという印象を私は持ったんですけれども、さらに言うと、今重要事項の説明ですとかそういう話がありましたけれども、これは中を見てみると、何カ月であれば一時金幾ら返還だとかということをちゃんと決めている老人ホームもあるみたいだと。

 今度法務省に伺いたいんですけれども、こういうのを見れば見るほど、これは結構不動産の賃貸借契約というか、すごく似ているんですよ。中を見れば見るほど、普通のオフィスビルとかの契約に結構似ているんですけれども、一時金の法的性格ですけれども、やはりこれは敷金と同じというふうに考えてもいいんじゃないでしょうか、どうですか。いろいろ約款なんかを読めば読むほど、きちんとしているところであればあるほど、敷金と同様に考えているような気がするんですけれども、法務大臣、これはどうお考えですか。これから結構大問題になってくると思うんですけれども。

杉浦国務大臣 先ほど民事局長が答弁いたしましたように、今厚生省からも御説明がありましたが、有料老人ホームの入居に際して入居者が支払う一時金に関する法律関係は、入居者と有料老人ホームとの間で締結される個々の契約によって規律されておりまして、一時金が敷金に当たるか、一概にお答えすることは困難でございます。

 一般論で申し上げれば、例えば、入居者が施設の使用料や介護サービスの対価を毎月支払う義務を負っており、その担保として一時金が支払われている場合といたしますと、その一時金は敷金と類似した性質を有するものとして、退去等の事由が生じた場合には残額の返還を求め得るものと考えられます。

高山委員 今、一般論ということでございましたけれども、私は、法務大臣からすごくいい答弁をもらったなとは思っているんですね。

 というのは、やはり私なんかが普通にマンションを借りたりするときも、消耗品の電気だとかはどっちが払うんだとか、あるいは、ごみ捨て場にごみを捨てるたびに一回一回ごみ捨て料を取られるとか、そういう何か変なことがあれば、必ず不動産の一般的な賃貸借契約のひな形があるわけですよね、宅建業法とかでいろいろ決まっている。それでそういうびっくりするようなお金を取られることがないように今できているわけです。

 今度の有料老人ホームも、確かにいろいろなサービスがついてきますから、そのサービスの対価としてこれを払っているんだとか、いや、通院のときについていくのはまた別なんだとか、いろいろオプションが来ると、確かにこれはケース・バイ・ケースで、全部契約書で書いてあるからいいじゃないかという意見もあるかと思いますけれども、まさにこれは情報の非対称性ですよね。業者の側と、一生に一回しか老人ホームを選ぶことのできない一般の方と、ものすごい情報の差があるわけですよね。

 ですから、厚生労働が先ほどつくってくれた指針みたいなものは随分役に立つとは思うんですけれども、今の大臣の答弁にありましたように、実際に問題となった場合に、これは敷金類似と考えるのが適当だなというふうに私は思うんですけれども、大臣、もう一度、今度は個人的見解で結構ですので、法務省の見解じゃなくていいんですよ、個人的見解で結構ですので、これはどういう性格が望ましいと考えるか、お答えください。

杉浦国務大臣 先ほど答弁したとおりでございます。

高山委員 大臣、本当はこういうときこそ個人的見解でお答えいただきたかったんですけれども、きょうはここまでの答弁をいただいたということで、次の質問に移りたいと思います。

 次は刑事局の出番なんですけれども、私、またきのう、NHKの番組でしょうか、見ていましたら、危険運転致死罪というのが、酒酔い運転で交通事故がふえている、悪質な事犯がふえているということで制定されたと。ここまではいいんですけれども、逆に、余りにもこの危険運転致死罪の法定刑が重く、泥酔していると罪が重くなるぞということで、もう逃げちゃえ、救護義務違反ですとか、その場で、ぶつけて、ああまずい、それで、すぐ救急車を呼ぶとかじゃなくて、もうこの場は逃げちゃって、そして、一日とか半日置いてお酒が抜けたときに出頭すれば、おまえ、酒飲んでいたろうと言われても、いや、飲んでいませんと言い張るような、こういう逃げ得、そういうずるい人がふえているという報道があったんですよ。

 そこで、実際いろいろ見てみましたら、ひき逃げが、平成十四年から今どんどんふえていて、一万四千件だったのが一万九千件にふえている。そして、いわゆるひき逃げの検挙率も、前は三八%あったのが、二六%まで下がっている。

 これは、この危険運転致死罪が出て法定刑を厳しくして、一見妥当のようだけれども、ある意味、法定刑を上げるとか、これは机上の空論ですよね。この会議室の中だけでやっていることであって、実際の現場では、立証が難しいだとか、あるいはそういうふうに犯人が逃げてしまう、こういう運用の面で逆効果だったんじゃないのかなというような報道がきのうあったんです。

 まず、警察庁の方に伺いたいんですけれども、実際問題、この危険運転罪というのができてひき逃げの件数がふえているというデータもあるんですけれども、これはやはり、一回逃げて、お酒を抜いてから出頭した方が得なんだ、こういうことなんでしょうかね。どうですか。これは警察庁に。

矢代政府参考人 お答え申し上げます。

 一件一件のケースを見ますと、そのようなケースはあろうかと思います。

 ただ、全体としまして、ひき逃げ自体は、危険運転致死罪の新設、それから飲酒運転の罰則強化もしてきましたが、それ以前から増加しておりまして、また、従来からひき逃げの理由で一番多いのは、飲酒運転中であったというものでございまして、あと、無免許であったなどなんですが、私どもが検挙した事案を見ると、飲酒運転の罰則強化以降、それまでに比べますと、飲酒運転中であったために逃げたというものはむしろ減少をしております。ただ、具体的なケースごとでは、確かにそういう事態はあろうかと思います。

高山委員 これはもう一回、ちょっと詳しく聞きたいんですけれども、危険運転致死罪というのは、最高刑が二十年だと。それで、業務上過失の方は五年、酒酔い運転罪というのが何年、そして救護義務違反というのも何年だ、こういう話がありまして、救護義務違反と酒酔い運転と業務過失を足したのと危険運転罪、これはどっちが何年で、どっちが軽く、重くなっているんですか。まず、それをちょっと説明してください。

矢代政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、危険運転致死罪あるいは致傷罪でございますが、致傷の場合には十五年以下の懲役、それから致死の場合には、一年以上の有期ということでございますので、二十年が原則懲役になります。それから業過の方ですが、業務上過失致死傷罪、これは五年以下でございます。

 それで、今お尋ねの救護義務違反ですが、いわゆるひき逃げでございますが、これも五年以下でございます。それで、御指摘の、業過を、事故を起こしまして、かつひき逃げということになりますと、これは一・五倍ということで七年半ということになるわけでございます。

高山委員 これは一番初めに聞けばよかったんですけれども、そうしますと、これは法務大臣にも伺いたいんですけれども、本当は危険運転罪になりそうにでろんでろんに酔っぱらっているんだけれども、一晩たって出てきたら七・五年になる。つまり、そのまま自然に、でろんでろんに酔っぱらっている状態で警察を呼んだりあるいは救急車を呼んだりすると、ばれてしまって最高二十年になるおそれもあるが、逃げて一晩たって、いや、おれは飲んでいないと言い張れば、これは七・五年で済んでしまう。これは逃げますよね、こういうことであれば。

 こういうのはちょっと不都合だなというふうに私は感じましたけれども、まずこれは警察レベルで、実務面で物すごい不公平だと思うんですよ。このままだとすれば、逃げ得を許していると思うんですね。こういう逃げ得を許さないために、今警察ではどういうことをやられていますか。

矢代政府参考人 お答え申し上げます。

 飲酒運転などで事故を起こして、さらに逃げた場合でございますが、これはまずけしからぬことでございまして、逃げ得を許さないためには、まず被疑者を捕捉する、これが第一でありまして、発生当初から迅速な初動捜査が大事でございます。

 その次に、飲酒運転や危険運転致死傷罪を立件するためには、飲酒による影響がどの程度であったか、つまり、正常な運転が困難な状態だったかどうか、これを明らかにする必要があるわけです。

 それで、ひき逃げのような場合に、事件発生から時間経過後に被疑者を検挙した場合でありますが、このような場合には、飲酒状況について裏づけ捜査を徹底するなどいたしまして、飲酒量から、計算式によりまして事故当時のアルコール濃度などを明らかにいたす。あるいは、事故前後の運転車のふらつきあるいは蛇行運転ですとか、あるいは工作物の接触などの場合もありますが、不自然な加速や減速などの正常な運転ができない状態であった状況を明らかにいたしまして、これによりまして、危険運転致死傷罪等の立件に努めておるところでございます。

高山委員 私は、結構警察に対して情報漏れだとかいろいろ言ってきましたけれども、結構しっかりやってくれている部分もあると思うんですよね。ですけれども、やはりこの逃げ得がまだあるというのは、法律そのものに問題があるんじゃないのかなというふうに思うときもあるんですよ。

 法務大臣に伺いたいんですけれども、きのう、ちょっとニュースを見ていましたら、法務大臣と副大臣のお顔もちょっと映っていまして、被害者の方から要望があったということですが、どんな要望がありましたか。

杉浦国務大臣 被害者の方々何人かとお目にかかりまして、議員の方が御案内くださったんですが、陳情がありました。皆さん方の要望は、ひき逃げの罪そのものを重くしてほしいという趣旨でございました。いろいろ事情をお伺いすると、確かに気の毒です。

 検察と申しますか、危険運転致死傷罪、飲酒運転中に事故を起こして逃げたという場合にでも、正常な運転が困難な状態であったか否か捜査いたしまして、事故前の飲酒状況、運転状況、事故の状況、事故後の状況等を総合的に考慮して判断して、危険運転致死傷罪が適用される場合もあり得ると思うんですね。

 ただ、一日、二日たって、実際問題として、さめてしまって、どこでどう飲んだか証拠も集まらないということもあり得ると思うんです。捜査当局はもちろん捜査を尽くして事案の対応に努めているとは思うんですが、したがって、きちっと捜査ができて危険運転致死傷罪が適用されれば、御相談に来られた方々のようなケースもなくなるとは思うんですが、その場合には、逃げてしまって捕まらないとか、そういう気の毒な状況でございました。

 副大臣と二人でお伺いしまして、刑事局の方によく検討するようにというふうに申しております。前々から刑事局の方にもお話があったようでございまして、その要望については引き続き検討されていくものというふうに承知しております。

高山委員 御遺族の方からもいろいろ要望があったと思うんですね。それで、ひき逃げを重くしろというようなことであったと。捜査は、しっかりやってくれと言うことしかないんですけれども、ある意味、この委員会であったり法務省ができることというのは、条文をいじることだと思うんです。刑事局に前々から、検討をということですが、これはどういう方向での検討なんですか。ひき逃げ罪を重くしろということなんですか。では、ちょっとその辺は刑事局長から御答弁願えますか。

大林政府参考人 委員が御指摘になられるとおり、事故を起こした者が飲酒運転を隠すために逃げるという事例があることは私どもも承知しておりますし、また、被害者の方々からも、ひき逃げの罪というものをつくる、ルールといいますか、何らかの方法で立法的な措置をすべきだというふうなお話も承っているところでございます。一つの問題は、その認識は私どもも理解できるところでございますが、いろいろな考え方がある。

 例えば、危険運転致死傷罪の中にそういうひき逃げをしたものの合わさったものもつくれとかいうお話もあります。あるいは、保護責任者遺棄致死罪というのがありますけれども、それも踏まえて新しく刑法につくれという問題。あるいは、警察の所管になりますけれども、道路交通法違反の救護義務違反の罰則の手当てをすべきじゃないかという問題もございます。

 ただ、問題は、私ども認識はしているんですが、もう委員御承知のとおり、危険運転致死傷は、例えばアルコールで正常な運転ができない、あるいは高速度でもう制御もできないような状態でやって、いわば、過失犯とはいっても、傷害なんかの故意犯に近い状態、事故が必至の状態でやるというものについて重い処罰を設けております。

 一方、いわゆるひき逃げといいますか、救護義務違反につきましては、事故としては、過失としては非常に軽微なものである。ですから、普通の業務上過失致死傷で処理すべき事案である。

 ただ、事故を起こされた人が、やはり気が動転してその場を離れてしまうというケースもあります。ですから、そういうものについては、しかし、それもやはり、場合によっては、届け出ることによって、あるいは救護することによって、その人の生命あるいは傷害の程度が軽くなることもあるので、そのために行政罰則としてそのようなものを設けているわけでございまして、先ほどの危険運転致死傷罪とはちょっと違うランク、要するに過失とまた別に、今言った、ひき逃げだけを評価しなきゃならないという問題のある、そこで評価しなきゃならない。

 そうすると、今のような、確かに飲酒を免れるためというのはけしからぬことなんですが、その場を離れてしまうというのは、先ほど申し上げたような、気が動転してというケースもあるということで、そのために、今、救護義務違反という罰則もありますし、他方、私どもの所管している刑法の問題につきましては、刑法で、二百十八条で、「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。」ということで、上限だけを見ますと五年ということになっているわけです。

 ですから、この保護責任者遺棄というのは本当に、例えば最近問題になっている、親が子供に食事を与えないとか、非常に内容的に問題のある事案もありまして、それとのバランスをどう考えるか。今の、救護しなきゃいかぬ人もいろいろなケース、要するに軽傷の場合もありますし、瀕死の重傷の場合もありますし、ケースケースで、やはりこれは刑事政策的にどうすべきかという問題であろうかと思います。

 ですから、私どもも、委員が御指摘のことは十分認識しておりまして、やはり刑事政策的にそれを上げる必要があるのかどうかという問題は、今のようないろいろな対応を考えた上でやらなきゃいけないかなと。当面は、先ほど大臣も言われたように、捜査において、そういう逃げ得を許さないような捜査をして、現実に、そのときに逃げられても、なるべく危険運転致死傷罪で起訴できるものについてはやはり起訴するように持っていかなきゃならぬというところが重大ではないかということで、御指摘は私ども十分認識しておりますけれども、そういう問題があるということを御理解願いたいと思います。

高山委員 それでは、警察に今度伺うんですけれども、法務省の方に被害者の方からそういう申し入れがあって、ひき逃げをもっとしっかりやってほしい、重くやってほしいというのがあったと思うんですけれども、その連絡は当然警察の方にも行っていますよね、被害者の方からこういうのがあったと。それを受けて、警察としては、例えばひき逃げの救護義務違反を重くするですとか、どういう検討をされていますか、そういうのを受けて。

矢代政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の御要望、法務省を経由しまして、私ども承知しております。

 それで、その逃げ得のような不公平さをなくするための対応の一つとして、ひき逃げの罰則の引き上げということも御要望があることも承知しております。このひき逃げにつきましては、平成十三年の法改正で今の罰則に引き上げていただいたわけですけれども、それのさらなる引き上げということでございます。

 私どもといたしましても、このひき逃げ事案の発生状況、実際の科刑状況、それから今お話のありました他の罰条、罰則との均衡なども踏まえまして、どのような対応が可能なのか、これを関係省庁と協議しつつ検討してまいろう、こういう考えでおります。

高山委員 法務大臣に伺いますけれども、今、刑事局長の答弁でも警察の方の答弁でも、確かに、逃げ得を許さない、あるいはそういう要望があるし、自分たちとしてもそれに取り組んでいきたいのだが、他の法律とのバランスがあるんだと。これは、ほかの罪で五年以下というのはこういう罪があるので、例えばそれを七年とか八年にすると、ほかではこの罪は五年以下なのに、このひき逃げだけ八年というのはバランスが悪いじゃないかみたいなことを多分おっしゃっていると思うんです。

 これは法務大臣に伺いたいんですけれども、これはそもそも、この危険運転罪を、致死の場合には最高二十年だ、こういう価値判断をしているんじゃないですか。こういう危険な、お酒をいっぱい飲んだり、物すごい危険な状態で運転するような人には、やはりこれは殺人罪とほぼ同等ぐらいの重い刑罰を受けてもらうんだ、こういう価値判断をしているわけですよね。だったら、逃げ得した人だけ七・五年だとか、そういう法律の技術によってなってしまうのは、これはおかしいんじゃないですか。結果が全然妥当じゃないですよ。

 ですから、今、ほかの法定刑とのバランスというのは非常に官僚的な答弁であって、これは結論がおかしいと思いますよ。ほかのバランスだ何だというんじゃなくて、やはりこういう逃げ得に対しては、そもそも、逃げられなかった危険運転を犯した人は二十年になるんですから、それと同じような罰則を与えなきゃおかしいんじゃないですか、大臣、どうですか、最後に。

杉浦国務大臣 検察、警察当局から答弁があったとおり、その事態は双方認識はございます。法技術、いろいろございますが、前向きに検討が進んでいくと思いますし、そのように努力してまいります。

高山委員 それでは、大臣から本当はもうちょっと、個人的見解でも結構ですので、踏み込んだことをいただきたかったんですが、時間が来たので終わります。

石原委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 先週、アイフルの全店舗業務停止というニュースで、被害者の会の相談員に対して、テレビのニュースで、大変聞くにたえない暴言が報道されておりました。このやろう、おまえなんかつぶすのは何ともないんだとか、一部や二部や、借金取りには関係ねえ、こういうようなせりふでした。

 金融庁に伺いますが、貸金業法二十一条違反について、具体的にどのような言動があったのか。業務停止についての違反事実の中に、カウンセリングセンター九州の件、西日本管理センターの件ですか、あると承知していますが、具体的にどういう言動があったのか教えていただきたい。

谷口政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の近畿財務局におきますアイフルに対する行政処分でございますけれども、取り立て行為を規制いたしております貸金業規制法第二十一条、これに違反いたします事実が三件認められております。

 具体的に申しますと、まず一件目でございますが、カウンセリングセンター九州、これは九州地域の督促担当部署でございますけれども、ここにおきまして、平成十六年六月、債務者から勤務先へ架電するということの了承が得られなかったにもかかわらず、正当な理由なく勤務先に架電し、これに対して、債務者から改めて、勤務先へは架電しないように申し出があったわけでございますけれども、なお引き続き執拗に勤務先へ架電するといったようなことによって債務者を困惑させたということが認められたものでございます。

 それからもう一件は、これは西日本管理センター三係、ここは中国、四国及び九州北部の長期延滞先につきましての回収担当部署でございますが、平成十七年の五月、債務者の母親の居住する実家へ連続して督促書面を送付するとともに、連続的に架電しまして、裁判になりかねないといったような趣旨の発言等を行って、母親に弁済をなさしめるよう不安をあおり、母親を困惑させたといったことが認められております。

 もう一件、これは愛媛の新居浜店でございますが、平成十六年の十一月下旬から十二月初めにかけまして、債務者に対して第三者から弁済資金を調達するよう執拗に求めるというようなことがありまして、それとともに、債務者の妻や母親と直接話す必要があるといったような趣旨の発言を行って、妻や母親を交渉に巻き込むよう執拗に迫って債務者を困惑させたといったようなことが認められております。

 こういったような事実が二十一条にございます取り立て行為規制の条文の中で「人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。」ということに該当するということで、今回処分を行ったものでございます。

保坂(展)委員 刑事局長に伺いますが、この二十一条は、相当具体的に列挙されて、こういうことはいかぬと箇条書きになっていると思うんですが、人を威迫し、私生活もしくは業務の平穏を害するような、そしてまた人を困惑せしめるような言動というのはどういうものを指すのか、ちょっとお願いします。

大林政府参考人 お尋ねの、貸金業の規制等に関する法律第二十一条違反により処罰された事例といたしまして、例えば、貸金業を営む株式会社日栄の社員が、債権の取り立てをするに当たり、債務者の連帯保証人に対して、「おっさん、海に沈められて死ぬのがええんか、山に穴掘って埋められて死ぬのがええんか、どっちや。」などと怒号し、債権の取り立てをするに当たって、人を威迫し、かつその私生活または業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させたなどの行為につき、大阪地方裁判所において、平成十二年十一月に有罪判決が言い渡された事例があるものと承知しております。

保坂(展)委員 金融庁は、今回、行政処分を決めたわけですが、告発するということも選択肢の一つとして考えられているでしょうか。

谷口政府参考人 お答え申し上げます。

 本件の個々の違反事実につきましては、確かに、刑事罰の付されている規定に対する違反とかあるいは刑法に抵触することが疑われるような行為が含まれているということも事実でございます。

 ただ、私どもといたしましては、刑事告発ということにつきましては、一般的に申しまして、違反行為の悪質性とかあるいは金融行政の目的遂行の確保、あるいは私人に対する処罰を求めることの重大性、これらを総合的に勘案いたしまして、慎重に検討いたしたいと考えております。

保坂(展)委員 残り少ない時間、法務大臣に伺いたいんですが、この問題は、以前からも指摘されていた利息制限法と出資法の間のグレーゾーン金利の問題というのがございます。この間、最高裁で、みなし弁済の部分については、これも非常に厳格に要件を課すという判例が続いていると伺っています。

 一方で、多重債務ですね。二千二百万人の利用者のうち約二百万人が多重債務に陥っている。年間三万人亡くなる自殺者の中で、やはりこれが引き金になって、まさにこの状況で追い詰められて亡くなっていく方たちも数多い。また、犯罪の契機になったり犯罪に手を染めなければいけないような状況に追い詰められたり、このまま放置しておくわけにはいかないんじゃないかというふうに思います。

 現在、関係省庁でいろいろ協議されているというふうに聞いておりますけれども、法務大臣として、過酷な取り立ての状況がいまだに続いているということで今回処分があったと思うんですが、これに対して一層監視の目を光らせるべきではないかという点と、利息制限法の上限を超える部分に対する罰則の問題、そして出資法や貸金業法と関係法律の調整を図る、これは早く作業をした方がよいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

杉浦国務大臣 先生の御質問の前半の部分については、違法行為には厳正に対処する必要があると思っております。

 後半の部分は、河野副大臣が担当してやっておりますので、河野副大臣から。

河野副大臣 出資法の上限に関しましては、内閣府、金融庁のもとで懇談会が行われております。

 法務省といたしましては、金利に関しましては経済、金融の状況を勘案して決められるべきものであり、これは金融庁が現場に近いところにおりますので、懇談会の結論を見守りたいと思っておりますが、懇談会の席上、内閣府の後藤田政務官から両論併記はないという御発言があったことも承知をしております。内閣府の出す結論に法務省も全面的に賛同してまいりたいと思っております。

保坂(展)委員 もう一問、副大臣にお聞きしたいんですが、国民生活センターによると、そもそも、利用者の中でグレーゾーン金利ということを知っている方が物すごく少ない。九割以上の方が知らないというデータが出ているようです。

 二百万人という大変な多重債務者がいるわけですが、この中で実際に弁護士なりあるいは相談窓口に出かける方はごくわずかで、そういう意味では、知識がない、あるいは正確な情報がないことによって、必要以上にというか、知識や情報があれば最悪なことにならなかった、例えば自殺ということまで追い込まれなくて済んだのに、なかなかそこまで情報が届かないという実態があろうかと思います。

 関係の、今おっしゃった最終的な結論を出すのに時間がかかるでしょうから、それまでの間、もう少し国民に対する広報、正確な情報の提供に努めるべきじゃないかと思います。いかがでしょうか。

河野副大臣 最高裁の判決等もございますので、国民の皆様に必要な情報はきちっと認識をしていただく努力をしなければならないと思っております。

 懇談会の場では中間取りまとめが近々行われると聞いておりますし、グレーゾーンに関しては一定の方向を出されるというふうに伺っておりますので、近い将来、そう遠くない、極めて近い状況に何らかの結論が出るというふうに思っております。

保坂(展)委員 終わります。

     ――――◇―――――

石原委員長 次に、内閣提出、参議院送付、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。杉浦法務大臣。

    ―――――――――――――

 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

杉浦国務大臣 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 近年、公務執行妨害罪や窃盗罪、特に、成人による万引き事犯の検挙件数が急増しており、これらの罪に対しましては、一方で、相応の刑罰を科して同種事犯の再発を防止する必要がある反面、中には、犯行が偶発的であるなど比較的軽い類型の事案も見られ、その法定刑がいずれも自由刑に限られていることから、現実には、起訴すべきか否かの判断に困難を伴うものも少なくありません。また、業務上過失致死傷罪等のうち罰金刑相当事案につきましては、近時の国民意識に照らして、現在の法定刑では適正な科刑が困難な場合も見られ、現にその上限額が科される事件の割合が増加いたしております。

 国会においても、平成三年に成立した罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改正する法律に関し、衆参両議院の各法務委員会においてそれぞれ附帯決議がなされ、財産犯の一部や公務執行妨害罪に選択刑として罰金刑を導入することについて検討を求められ、さらに、平成十六年に成立した凶悪犯罪等に対処するための刑法等の一部を改正する法律に関しましても、衆参両議院の各法務委員会でそれぞれ附帯決議がなされ、財産犯の一部に罰金刑を選択刑として新設することなどの検討について、政府として格段の配慮をすべきであるとされました。

 この法律案は、このような公務執行妨害、窃盗等の犯罪に関する最近の情勢等にかんがみ、刑法及び刑事訴訟法等を改正し、所要の法整備を行おうとするものでございます。

 この法律案の要点を申し上げます。

 第一は、刑法を改正して、公務執行妨害、窃盗等の各罪について、罰金刑を新設するなどその法定刑を改めるものであります。

 すなわち、公務執行妨害、職務強要及び窃盗の各罪に選択刑として罰金刑を新設するほか、業務上過失致死傷及び重過失致死傷の各罪の罰金刑の上限額を引き上げることとしています。

 第二は、刑事訴訟法を改正して、略式命令の限度額の引き上げを行うものでございます。

 第三は、刑法を改正して、財産刑の執行に関する手続の整備を行うものであります。

 すなわち、労役場留置一日の割合に満たない金額は、納付することができない旨の規定を削除するとともに、罰金等の一部を納付した者の留置の日数に係る規定の整備を行うこととしています。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

 以上です。ありがとうございました。

石原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十一日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十分散会


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