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第27号 平成18年6月2日(金曜日)

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平成十八年六月二日(金曜日)

    午後五時四十三分開議

 出席委員

   委員長 石原 伸晃君

   理事 倉田 雅年君 理事 棚橋 泰文君

   理事 西川 公也君 理事 早川 忠孝君

   理事 松島みどり君 理事 漆原 良夫君

      赤池 誠章君    井脇ノブ子君

      稲田 朋美君    近江屋信広君

      大塚  拓君    柴山 昌彦君

      下村 博文君    西銘恒三郎君

      西本 勝子君    平沢 勝栄君

      広津 素子君    三ッ林隆志君

      水野 賢一君    森山 眞弓君

      矢野 隆司君    保岡 興治君

      伊藤  渉君

    …………………………………

   法務大臣         杉浦 正健君

   法務副大臣        河野 太郎君

   外務副大臣        塩崎 恭久君

   法務大臣政務官      三ッ林隆志君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   法務委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二日

 辞任         補欠選任

  太田 誠一君     広津 素子君

  笹川  堯君     西銘恒三郎君

  柳澤 伯夫君     井脇ノブ子君

  柳本 卓治君     大塚  拓君

同日

 辞任         補欠選任

  井脇ノブ子君     柳澤 伯夫君

  大塚  拓君     西本 勝子君

  西銘恒三郎君     笹川  堯君

  広津 素子君     太田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  西本 勝子君     柳本 卓治君

    ―――――――――――――

六月一日

 法の適用に関する通則法案(内閣提出第四三号)(参議院送付)

 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)(参議院送付)

 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律案(内閣提出第五〇号)(参議院送付)

 信託法案(内閣提出第八三号)

 信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第八四号)

五月二十四日

 共謀罪の新設に反対することに関する請願(伴野豊君紹介)(第二一九二号)

 同(近藤昭一君紹介)(第二二〇九号)

 同(細野豪志君紹介)(第二二三七号)

 国籍法の改正に関する請願(玄葉光一郎君紹介)(第二一九三号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第二一九四号)

 同(郡和子君紹介)(第二二一〇号)

 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案反対に関する請願(保坂展人君紹介)(第二二〇八号)

 選択的夫婦別姓の導入などの民法改正を求めることに関する請願(石井郁子君紹介)(第二三一九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二三二〇号)

同月二十九日

 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定を求めることに関する請願(金田誠一君紹介)(第二三六一号)

 同(菅野哲雄君紹介)(第二三六二号)

 同(北橋健治君紹介)(第二三六三号)

 同(近藤洋介君紹介)(第二三六四号)

 同(寺田学君紹介)(第二三六五号)

 同(長浜博行君紹介)(第二三六六号)

 同(羽田孜君紹介)(第二三六七号)

 同(日森文尋君紹介)(第二三六八号)

 同(阿部知子君紹介)(第二四一四号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二四一五号)

 同(荒井聰君紹介)(第二四一六号)

 同(石井郁子君紹介)(第二四一七号)

 同(笠井亮君紹介)(第二四一八号)

 同(菅野哲雄君紹介)(第二四一九号)

 同(郡和子君紹介)(第二四二〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四二一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二四二二号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四二三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二四二四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四二五号)

 同(谷畑孝君紹介)(第二四二六号)

 同(辻元清美君紹介)(第二四二七号)

 同(筒井信隆君紹介)(第二四二八号)

 同(土肥隆一君紹介)(第二四二九号)

 同(中川正春君紹介)(第二四三〇号)

 同(西村智奈美君紹介)(第二四三一号)

 同(藤村修君紹介)(第二四三二号)

 同(松本龍君紹介)(第二四三三号)

 同(山井和則君紹介)(第二四三四号)

 同(横光克彦君紹介)(第二四三五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二四三六号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二四八五号)

 同(石井郁子君紹介)(第二四八六号)

 同(北神圭朗君紹介)(第二四八七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四八八号)

 同(西村智奈美君紹介)(第二四八九号)

 共謀罪の新設反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二三六九号)

 同(石井郁子君紹介)(第二四八二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四八三号)

 国籍法の改正に関する請願(高木美智代君紹介)(第二三七〇号)

 同(伴野豊君紹介)(第二四八四号)

 治安維持法の犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(横光克彦君紹介)(第二四〇九号)

 民法改正において選択的夫婦別氏制度の導入に関する請願(枝野幸男君紹介)(第二四一〇号)

 共謀罪の新設に反対することに関する請願(内山晃君紹介)(第二四一一号)

 同(枝野幸男君紹介)(第二四一二号)

 同(筒井信隆君紹介)(第二四一三号)

 共謀罪(犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案)の廃案に関する請願(吉井英勝君紹介)(第二四七六号)

 法務局・更生保護官署・入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願(石関貴史君紹介)(第二四七七号)

 同(漆原良夫君紹介)(第二四七八号)

 同(倉田雅年君紹介)(第二四七九号)

 同(平岡秀夫君紹介)(第二四八〇号)

 同(保坂展人君紹介)(第二四八一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十三回国会閣法第二二号)


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     ――――◇―――――

石原委員長 これより会議を開きます。

 ただいま、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属委員の御出席が得られません。

 事務局をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

石原委員長 速記を起こしてください。

 事務局をして御出席を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めさせていただきたいと思います。

 第百六十三回国会、内閣提出、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案並びにこれに対する早川忠孝君外二名提出の修正案及び平岡秀夫君外二名提出の修正案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長大林宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

石原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西川公也君。

西川(公)委員 自民党の西川公也です。

 きょうは大変遅い委員会の開催になりましたが、私どもは真摯な協議を続けてきました。

 きょうの委員会を持つに当たりまして、昨日も、本会議が終了した後、四時半めどに集まってくださいと委員長のお話がありまして、きのう五時から理事会を開催いたしました。

 その理事会で決定事項は、きょう午後質疑を行って、そして二時間程度やりましょう、そしてその後、両者が協議が調えば、きょう一時から三時までの委員会を終了した後、採決をいたしましょう、こういうことが両者、与野党の理事の協議の決定事項でございました。

 そして、それは何について採決をするか、こういうことでございますが、それは、与野党で協議をここまで続けてきましたが、与党側も二度にわたって修正案を出してきました。野党側は野党側で修正案を出したわけでありますから、両者が修正案を出した、その時点でもう採決の機は熟したと私どもは判断をしておりました。しかしながら、私どもの期待とは別に、なかなか採決に応じてくれない、もう本当に言葉ではなかなか表現できないような状況で延ばされ続けてきた、これが実情でございます。

 そういう中で、私どもは、できれば委員会は委員会のルールにのっとって、これは民主主義の世の中ですから、機は熟し、採決の時期が来れば、委員の皆さんの御意見を聞いて、そこで採決するのが委員会のルールであろう、こう思っておりましたので、何度も何度も採決の機を待っておったところでございます。

 しかしながら、政党間の協議等もありまして、なかなかその協議が調わない、採決の時期が見えない、こういうこともありましたので、そういう中、河野議長から各党の国対委員長が呼ばれまして、どうだ、円満な話し合いはできないのか、こういう御指示がございましたので、私ども、国対委員長の協議の結果を待っておったのであります。

 それと同時に、ぜひ与野党間の協議が調うように、私ども与党側の理事であります早川理事、漆原理事に骨を折っていただいて、何とかこれを民主党の皆さんと解決してほしい、こういうことでやってきたわけでありまして、毎日毎日まとまるような話は何度も聞きましたが、我が党としても精力的にやった、野党の皆さんも確かに精力的にしてくださいましたが、どうも、ここへ来て、自分たちの意見では採決に臨めない、こういう姿がはっきりしてきたわけであります。

 そこで、私はきょうも、私どもは、河野議長のお話もありましたので、できる限り円満に解決をしたいと。しかし、一方で、国際社会での約束も果たしていきたい、こういうことで、協議の中で皆さんに本当に大変な御決断をいただいて、野党の提案がほぼ全体が私どもは了承できる、こういう状況まで理事の皆さんに御理解をいただいた、こういうところでございます。

 そして、きょうは、野党の理事でございます二人の理事に、どちらにも、理事会の席上、私は確かめました。皆さん方の御意見のとおり私どもは賛成しますが、あなたは賛成されたら何か困りますか、こういうことを確認いたしましたが、両理事とも、この問題、この野党提案の法案が通っても何の困ることもありません、こういう答えでありましたので、ああ、これは採決ができる、こういうことで、延々、きょうは十二時五十分から今まで協議を続けてきましたが、どうしても採決に応じてくれない。自分たちの提案したものを、私どもが賛成をします、こういうことを申し上げておっても、この採決に臨まない。これはもう、私としてはどうしても理解ができない状況であります。

 もうこれ以上申し上げても仕方のないことでありますので、まず、ここで早川理事に、野党との協議の中で何と何が残ったのか、それとも、協議が成立をする、こういう見込みを立てておったのか、そして、野党の主張はどういう主張だったのか、ぜひ国民の皆さんにわかりやすい言葉で説明をいただきたいということをまずお願い申し上げます。

早川委員 五月十九日の委員会の段階で、一応与党の再修正案を提出させていただきました。今委員から御指摘のとおり、河野衆議院議長から、さらに協議を続けて、条約締結のためにどうしても必要な国内法の整備であるので、最後の知恵を絞れというお話があったと承っております。

 その後、そのお話を承りまして、五月十九日から五月二十六日まで、私、与党側の理事と高山理事との間でその共同修正のための検討作業を進めてまいりました。

 残念でありますけれども、五月二十六日までの間には具体的な成案を得ることができなかった。というのは、五月十九日の段階で、それまでの長い協議の結果に基づいて再修正案を用意しておりました。これは共同修正のための提案でありました。残念ですけれども、共同修正に至らないということの中で、与党としての再修正案ということで提出をさせていただいた。そういうことで、次の段階は、野党、民主党の方からの御提案をいただく段階であった。一週間、毎日協議を続けましたけれども、御提案をいただけないという状況で、五月二十六日の理事会にそれまでの野党理事と与党理事との協議の経過を報告させていただきました。

 この協議経過を踏まえられて、今度は委員長から、そのままの担当の理事同士の協議ではこれ以上の進展が望めないということであれば、与党側三名、民主党側三名の理事が、いわゆる実務者、理事だけではなくて実務者協議を開催して、さらに共同修正のための作業を進められたいという御指示を賜りました。

 第一回の実務者協議会を、五月二十九日午後二時半から午後四時まで開催させていただきました。与党側は、公明党の漆原良夫委員、倉田雅年委員、それから私の三名であります。民主党側からは、平岡秀夫委員、高山智司委員、それから細川律夫委員の三名であります。この第一回の実務者協議会の前に、五月二十六日、準備会合を、漆原委員、私、さらに民主党から平岡、高山両理事の間で進めさせていただきました。

 この段階で、民主党の方からは、「共謀罪の課題」という八項目の文書が提出をされておりました。この八項目の課題という文書に基づいてそれぞれ検討を進めるということで、第一回の実務者協議までの間に、この八項目にわたる「共謀罪の課題」という文書に対しての政府とそれから与党提案者の間ですり合わせした文書を提出させていただいて、そのさまざまな御意見あるいは疑問点について、これを払拭するための作業をさせていただきました。

 その段階で、民主党に対しては、いずれにしても実務者協議をさらに進行させるためには、具体的に修正の要望事項を書面でもってまとめて提出をいただきたいということをお願いしたわけであります。

 第二回の実務者協議会は、五月三十日午前十時から午前十一時まで開催をいたしました。なお、その前に、五月二十九日、第二回目の準備会合を開催させていただいております。

 さらに、五月三十日及び五月三十一日、いずれも準備会合を開いて、六月一日、第三回目の実務者会議を開催させていただきました。

 なお、六月一日に理事会が開催を予定されておりましたので、その理事会に報告をするべき事項という形で、六項目の修正のための検討事項ということを確認させていただきました。

 第一点は、逮捕の要件として、共謀が行われたことのほか、必要な準備行為等が行われたことを要件とすることの可否。

 二番目が、共謀という用語、定義を見直し、その意義を明確にすることであります。

 第三点が、共謀の後、共謀の目的とする対象犯罪が成立するに至ったときは、共謀罪は対象犯罪に吸収されることを法律上明確にすることの可否であります。

 第四点が、共謀の後、共謀の目的とする対象犯罪の実行に至らなかった場合や自首が行われた場合の刑の減軽、免除の取り扱いを検討することの可否であります。

 第五点が、共謀の対象犯罪について、長期四年以上とする与党案と長期五年超とする民主党案の間で具体的な選別を行うことであります。

 第六点目が、共謀の対象犯罪の選別に当たり、犯罪の国際的な性質を考慮することの可否でありました。

 以上の六項目について、それまでの二回にわたる実務者協議会、それから三回にわたる準備会合の状況を踏まえて、改めて六月一日午前十一時からの実務者会議で、その報告をまとめるということについて協議をさせていただきました。

 なお、この六月一日に際しまして、委員長から、「組織的な犯罪の共謀罪に関する修正について」ということでの、書面による実務者会議の検討の方向性についての御示唆をちょうだいいたしました。

 この委員長からの御示唆というのは、六点にわたっております。

 第一は、逮捕の要件について、共謀が行われたことのほか、必要な準備その他の行為が行われたことを要件とすること。

 第二が、共謀の行為について、「具体的な謀議を行いこれを共謀した者」という表現に改め、その意義を明確にすること。

 第三点が、共謀の後、共謀の目的とする対象犯罪が成立するに至ったときは、共謀罪は対象犯罪に吸収されることを法律上明確にすること。

 第四点は、実行に着手する前の自首による刑の減免規定を削除した上、情状により、その刑を免除することができる旨の規定を設けること。

 第五点目が、共謀の対象犯罪は、長期四年以上の罪を前提として、過失犯その他性質上共謀の対象犯罪とならない罪を別表に列記して除外すること。

 第六点として、以下の規定を附則として設けること。

 第一が、共謀罪の適用に当たっては、国際的な組織犯罪を防止し、これと戦うことを目的とする条約の目的を逸脱することがないように留意し、いやしくも拡張して解釈してはならない旨の規定。

 第二に、特に長期五年以下の罪の共謀については、当分の間、特に慎重に適用し、政府は、その間、その施行状況について検討を加え、必要があるときは、法整備その他所要の措置を講ずるものとする旨の規定。

 このような規定を附則として設ける、こういったことが書面で、検討の方向性として示されたところであります。

 以上の実務者協議の経過を踏まえて、六月一日の午後五時ごろ開催をされました理事会に、その協議経過を報告させていただきました。

 ただ、この段階においては、実務者協議について理事会に報告させていただく、その段階で実務者協議を終了とするか、それとも継続をするかということについて若干の意見の相違がありまして、私自身は、実務者協議というのはもうこれで十分その役割を果たしている、後は委員長に一任をするしかないというふうに思っておりました。しかし、実務者協議会のメンバーの大勢としては、こういった委員長からの検討の方向性についての示唆をちょうだいしたということを受けて、なおさらにこの事項について協議が必要であるのではないか、こういうふうな発言をちょうだいし、それを報告させていただいたところであります。

西川(公)委員 早川提案者からの話、わかりました。協議をここまで続けてきた、さらに専門家による実務者協議も何度もやってきた。さらに最終段階においては、石原委員長から御示唆があって、項目を六項目に絞った。そして四項目については表現を、両者の主張するものを取り入れて両者で直した、ここもわかりました。

 そして、残された二点、対象犯罪を私どもは、条約では四年以上の罪とする、六百十九の犯罪が対象になる、しかしこれは多過ぎるな、こういうこともあって、いかに絞るかということを両者で協議をしてきた。そして、五年超という主張であって、これですと人身売買等が外れてしまうけれども、五年超という民主党の皆さんの御主張であれば、石原委員長の御示唆もあったし、河野議長からのお話もあって、それも私どもは承服しよう、こういうことでやってきたはずであります。

 それから越境性の問題で、国際的な犯罪に限る、こういうことを言ってきましたので、国内的には相当これでは不満は残りますが、私どもはあえて民主党案のこの提案に対して、これは賛成をしていく、こういうことで意思表示をしたわけであります。

 そして民主党の皆さんも、この法務委員会には重要な法案がたくさんありました、公務執行妨害等の罰金刑をどうするかとか、出入国管理法で外国人の方から指紋採取をどうするか、生体認識はどうするか、それから刑事施設の問題で代用監獄等の問題もどうするか。こういうことも、この難しい法律が野党の皆さんと丁寧な丁寧な協議で私はここまで順調に進んできたと思いますが、最近になって、この民主党の理事の皆さんが発言してくれても、それが実行できる担保ができない。大変不思議な政党の表現の仕方に私は変わったやに受けとめているのであります。

 そしてきょうになって、きのうは、きょう両者がうまく協議がついたらきょうの夕方採決しましょう、こういう約束もしておったし、もしきょう採決ができないのであれば火曜日の冒頭に採決をしてくれないか、これも野党の筆頭理事の話でありましたので、そこまでの気持ちがあるのであれば、きょう看板を立てておいて、そして協議が調ったらやりましょう、これは合意をされておったのでありますが、ここへ来ていろいろ、セットで問題を出してくれればいいんですけれども、個別にこれがあるからできない、それを解決すると、またこれがあるからできない、また解決するとこれがあるからできない、こういう手段で私はこれをあえて延ばすためにやっているとしか受けとめることができない状態にあります。

 そこで、きょうは、塩崎副大臣に来ていただきました。忙しい時間をここまで待っていただきました。彼らの主張は、ここへ来まして、お二方の発言が与党の皆さんとずれている、こういう発言がありました。一つは、我が党の細田国対委員長の話でありまして、細田委員長が、発言が民主党が期待していることと幾分ずれる、これで委員長に対して抗議がありました。私が見ている前で細田委員長は野党の委員長に電話をかけられて、私は、そこで十分了解をとった、こう受けとめております。

 しかし、もう一方の発言は何だと言ったら、きょうの閣議後の記者会見で麻生外務大臣が、これは条約の批准はできませんね、こういうことを単に答えた、こういうことがインターネットに流れておりますけれども、どうも私どもが仄聞するところでは、前段があって、そしてそういう発言をされた、こういうことであります。できれば本人に御出席をいただきたかったのでありますけれども、待っておってくれましたけれども、それは時間的な制約もあってお帰りになられた、これはやむを得ないことだと思います。

 そして、塩崎副大臣はもう立派な認証官で、我が党きっての良識派でありますし、知識も十分持っておる人で、政治的に答えるのに何ら見劣りするわけではありませんで、私どもは、塩崎副大臣に答えてもらえれば十分だ、こういうことを言ってきましたが、どうしても最後にこの採決に応じない理由の一つに残ったのが、今の外務大臣発言であります。

 発言の内容等についても含めて、塩崎副大臣から明快に答えていただいて、こういう理由で委員会の採決をとめていいのか、これは国民の皆さんに御判断がいただけるように、ぜひ明快な答弁をお願いいたします。

塩崎副大臣 西川委員の御質問にお答えをいたしたいと思います。

 石原委員長、そしてまた与党の理事の皆様方、そしてまた委員の皆様方には遅くまで御努力をいただいておりますことに改めて敬意を表したいと思うわけであります。

 昨年、私も、法務委員長であの席に座らせていただいて、いわゆる条約刑法については審議をし、残念ながら成立をしなかったわけでありますが、いよいよ皆様方の御努力で採決までこぎつけそうだということで、これまで政務官が主に出席をさせていただいて答弁申し上げてまいりましたけれども、きょうは、私自身、出てきて御答弁申し上げようということでおったわけでございます。

 特に、この国際組織犯罪防止条約というのは、平成十五年五月に国会で承認をされ、それも社民党以外すべての政党が、民主党はもちろんですが、賛成をされて、承認を受けた法律でありまして、それの担保法制が今日までできなかったということでございます。

 一日も早く、国際的な組織犯罪が進む中で、きちっとした担保法制ができてほしい、こう思っていたわけであります。それは、麻生大臣も同じ考えでおったわけでありますし、石原委員長、そしてまた西川理事、漆原理事の御努力でここまでやってきた、野党の案をのもうというところまで来たわけでありまして、私どもも、それに呼応して、協力をできれば、こう思っておったわけでありますが、今御指摘の麻生大臣のけさほどの閣議後の発言が問題視をされて、それを一つの理由にここで採決ができないということになったというのは大変残念なことであるわけであります。

 麻生大臣、先ほど西川先生からお話がありましたように、三時十五分に参議院の拉致特別委員会が終わりました。その後、四時ぐらいまでは待っておって待機をしておりましたけれども、委員会がさっぱり始まらないということで、書面で発言を残しておきたいということで、今私の手元にございますので、きょうの麻生大臣の真意をお伝え申し上げたいというふうに思うわけでございます。

 本日朝の私の発言は、本日午前中の外務委員会においても御答弁申し上げたとおり、条約上の義務と国内担保法との関係に係る従来からの政府の立場を改めて申し上げたものでございます。本件条約は非常に重要と考えており、その国内担保法制としての貴委員会で審議中の法案については、早期の成立を希望いたします。また、法案が成立したときには、外務省としても条約の締結に向けた努力を行う所存です。

 こういう発言を書面にして、大臣は残していかれたわけでございます。

 今、最後にございましたように、外務省としても条約の締結に向けて努力を行う所存だということでございますので、引き続き、当委員会におかれましては、この条約刑法の成立に向けて御努力いただくことを心から外務省としてもお願いを申し上げたいと思うところでございます。

西川(公)委員 今の塩崎副大臣の考え方、お話で、麻生大臣の発言の真意を理解いたしました。そして、私どもは、野党案をのんで、この条約刑法を成立させよう、こういうことでありますから、これは、私ども、賛成する立場においては、それは国際的な立場で、条約が批准できるかできないか、できる部分もあるし、できない部分もあるかもしれません。そこについては、ぜひ前向きで取り組んでいただきたい、そういうことを私どもはお願いする、こういうことも野党の皆さんに約束をしましたけれども、なかなかそれが担保できない、こういうことで、発言が変わっておりませんでしたが、今の発言を聞いて私は理解をいたしました。

 私どもはそれで結構でございますので、これは民主党の皆さんが、外務大臣発言、細田国対委員長発言があったからきょうは採決に応じない、こう変わったことについては、今の状況だということを国民の皆さんにわかっていただいて、私どもは、とにかく議長の御指示もあって、こういう状況で練りに練って、そして待ちに待ってやっているんだということをわかっていただけるように私もお願いをして、私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。

石原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時十五分散会


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