衆議院

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第5号 平成19年3月13日(火曜日)

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平成十九年三月十三日(火曜日)

    午前九時三十四分開議

 出席委員

   委員長 七条  明君

   理事 上川 陽子君 理事 倉田 雅年君

   理事 武田 良太君 理事 棚橋 泰文君

   理事 早川 忠孝君 理事 高山 智司君

   理事 平岡 秀夫君 理事 大口 善徳君

      赤池 誠章君    稲田 朋美君

      今村 雅弘君    近江屋信広君

      奥野 信亮君    後藤田正純君

      笹川  堯君    清水鴻一郎君

      柴山 昌彦君    杉浦 正健君

      三ッ林隆志君    武藤 容治君

      森山 眞弓君    矢野 隆司君

      保岡 興治君    柳本 卓治君

      山口 俊一君    石関 貴史君

      大串 博志君    河村たかし君

      田名部匡代君    中井  洽君

      横山 北斗君    鷲尾英一郎君

      神崎 武法君    保坂 展人君

      滝   実君

    …………………………………

   法務大臣         長勢 甚遠君

   法務副大臣        水野 賢一君

   法務大臣政務官      奥野 信亮君

   最高裁判所事務総局総務局長            高橋 利文君

   最高裁判所事務総局人事局長            大谷 直人君

   最高裁判所事務総局経理局長            小池  裕君

   最高裁判所事務総局民事局長            小泉 博嗣君

   最高裁判所事務総局刑事局長            小川 正持君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          菊池 洋一君

   法務委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十三日

 辞任         補欠選任

  横山 北斗君     鷲尾英一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  鷲尾英一郎君     田名部匡代君

同日

 辞任         補欠選任

  田名部匡代君     横山 北斗君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)

 執行官法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)


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     ――――◇―――――

七条委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び執行官法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

七条委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局高橋総務局長、大谷人事局長、小池経理局長、小泉民事局長及び小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

七条委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上川陽子君。

上川委員 おはようございます。自由民主党の上川陽子でございます。

 今回の通常国会で審議しております裁判所職員定員法の一部改正につきまして御質問をさせていただきます。

 今回の裁判官の増員理由ということで大臣からの御説明がございましたけれども、今後、裁判所を初めとする司法の機能というのはますます大きくなるというふうに思っております。

 私は現在、長勢大臣の後任ということで、自民党の裁判員制度小委員会の委員長をさせていただいておりますが、これまで国民にとりまして必ずしも身近でなかった司法というものに対しての関心が徐々に高まっているということを実感として感じているところでございます。

 裁判員制度、そして昨年十月にスタートいたしました法テラス、次々と司法制度改革の形が実現していくわけでございまして、国民が安心して、そして信頼して、裁判あるいは司法のさまざまな制度を利用することができるように、国民に司法が定着化するかどうかの試金石ということで、大変大事な時期に当たっているというふうにも思っております。そういう意味では、政府としてもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 今回、裁判官及び職員の増員のような体制強化ということでございますが、これに加えまして、さまざまな制度の実施あるいは運用の工夫、また広報活動などにも総合的に取り組んでいただくということが大事ではないかというふうに思っております。

 そこで、法務大臣に御所見ということでお伺いいたしますけれども、今後の司法制度改革をさらに増進し、国民が信頼できる司法の実現に向けまして、政府全体としてどのような取り組みをなさっているのか、政府の司法制度改革担当大臣、総取りまとめの大臣というお立場から御所見をお願い申し上げます。

長勢国務大臣 司法改革に関しましては、先生を初め国会の諸先生方の御理解、御支援のもとに、制度的な手当てといいますかが相当でき上がったわけでございますが、これを現実にきちんと実行し、成果が上がるようにしていかなければならないということがこれからの課題でございます。

 政府においては、平成十六年十一月末に司法制度改革推進本部は解散いたしましたけれども、その後、総合調整等を行う内閣官房と制度実施の中心となる法務省を中心に、一連の改革を推進しておるところでございます。

 当面の課題といいますか残された問題としては、一つは、二年後に迫った裁判員制度の円滑な実施の準備ということが課題でございます。これについても、今国会、法案を出させていただいたり、また、いろいろな諸制度の整備を図るとともに、何よりも国民の皆様に参加意識を持ってもらうことが重要だろうと考えております。

 また、昨年開設しました日本司法支援センターを中核とする総合法律支援制度につきましても、体制、人員、予算等々の整備を図っていくことがこれからの課題となっております。また、来月からは新しい認証制度が始まる、ADRの拡充、活性化、これも大きな課題となっております。さらに、法令外国語訳の整備の推進でありますとか法教育の推進なども、これからの大事な課題であると考えております。

 今後とも、内閣官房や法曹三者と連携をするとともに、関係省庁等連絡会議を活用し、その連携のもとに、政府全体で司法制度改革の諸課題に取り組んでいく方針で進めておる次第でございます。

上川委員 ぜひ法務大臣の強いリーダーシップのもとで、この司法制度改革の実がしっかりと国民の中に上げられ、定着するように、よろしくお願いを申し上げるところでございます。

 次に、現在、政府全体といたしましては、小さくて効率的な政府の実現ということで、さまざまな公務員制度改革を含めての改革をしているところでございます。定員の面につきましても、五年で五・七%という大変厳しい数字を掲げて御努力いただいているということでございますが、そのためには、さまざまな規制を改革しまして、小さい政府の実現とともに、事前から事後型のチェックということをいたし、国民の権利と利益の救済をきっちり行う司法、私はよく凜とした司法というふうに話すわけでありますが、そうしたものが求められているというふうに思っております。

 したがって、裁判員の体制も、単に数をふやせばいいというものでは必ずしもないわけでございまして、可能な限り最大限の努力をしていただきながら、事務の合理化、効率化を図っていただくということが前提条件ではないかというふうにも思っております。しかし、同時に、業務の柱である裁判につきましては、信頼される司法ということで、体制の強化というのはその上でなくてはならないというふうにも思っております。

 そこで、今回の裁判所職員定員法の改正、七十五名の裁判官及び職員の増員ということでございますが、これと並行する形で、裁判所として事務の合理化、効率化、これをどのように進めていらっしゃるのか、その成果につきましても、最高裁の方にお尋ねしたいと思います。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、小さく効率的な政府の実現への取り組みは、行政による事前規制型の社会から、自己責任に基づく事後チェック救済型社会、司法による事後救済型の社会への移行を目指すものでありまして、司法機能の充実強化ということが必須の前提になっているものと思っております。

 裁判所といたしましては、今後増加するであろう、委員御指摘のような司法需要にこたえまして、事件処理体制を充実強化することが必要であるという考え方から、平成十六年度以降十八年度までの間の三年間にわたりまして、二百二人の裁判官、それから内部振りかえ三百三十五人を含みます五百三十人の書記官、それから内部振りかえ十八人を含みます二十三人の家裁調査官を増員してきております。今後も引き続き、裁判部門につきまして、事件処理に必要な人員を確保しなければならないと考えております。

 他方、委員御指摘のとおり、裁判所も国家機関の一員として政府の総人件費削減計画に協力していくことが必要であると考えております。したがいまして、裁判部門以外のその他の部門に働く職員につきましては、事務の効率化、合理化を図っていきたいと考えております。

 具体的に申し上げますと、庁舎警備でありますとか清掃でありますとか、そういった庁舎管理業務を合理化いたしましてアウトソーシングを行ってきているほか、事務局部門の事務のIT化等種々の努力を行ってきております。

 平成十九年度におきましては、裁判所書記官百三十人を増員いたしますが、引き続きこのような合理化に向けての取り組みを行いまして、技能労務職員百人の定員削減を行いますとともに、書記官への内部振りかえによって、速記官、事務官、合計三十人を減員することとしまして、裁判官以外の裁判所職員については増減なしということに抑えたわけでございます。

上川委員 事務の合理化、効率化の御努力ということで、その部分を裁判の本体のところに振り向けるということで、中の運営についても効率的にやっていらっしゃるということでありますが、それでひずみも出ないような形の配慮もしていただきながら、非常に積極的に、そして配置の面での御努力を重ねていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、今回の裁判官の増員理由として、裁判員制度の導入に向けた体制整備ということが挙げられております。二年後ということで、大変緊張感を持って取り組んでいただいているということでございますが、体制面、設備面、これも予算をつけるということでありますし、また、制度面につきましても、さまざまな具体的な整備ということで準備をしていただいているというふうに思っております。

 この裁判所におきましての裁判員制度導入に向けての準備状況、そして今後取り組むことになります具体的な課題ということにつきまして、よろしくお願いいたします。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 裁判員制度の円滑な実施を実現するためには、まず、裁判員を受け入れる刑事裁判を、裁判員にわかりやすく、かつ、負担の少ない迅速な裁判に変えることが不可欠でございます。

 裁判所は、これまで各地におきまして、検察庁及び弁護士会の協力を得ながら、模擬裁判を繰り返し実施いたしまして、裁判員裁判のあるべき姿について実証的な検討を行ってまいりました。今後もさらに検討していかなければならない課題はなお少なくございませんけれども、引き続きこうした実証的な検討を進めてまいりたいと考えております。

 また、裁判員の選任手続について申し上げますと、無作為抽出に基づく選任手続の公平性という要請にこたえつつ、裁判員として裁判に参加していただく上での障害事由を早期に把握するなどして、その負担を可能な限り小さくするとの観点から、昨年十一月、選任手続のイメージ案を作成し、これに沿う形で、本年の夏をめどに裁判員の選任手続に関します規則を制定する予定でございます。今後は、さらに国民の皆様からの協力をいただいて、模擬選任手続を実施してまいりたいと考えております。

 また、裁判員裁判の実施に必要な法廷等の物的施設を制度開始前までに整えますほか、裁判員制度を円滑に実施するためには、実際に制度を担う裁判官及び裁判所書記官の増員等の人的体制の整備が不可欠でございますので、関係各方面の理解を得つつ、計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。

 さらに、国民の皆様の不安や負担感を軽減するために広報活動に尽力する必要がございますので、法務省や日本弁護士連合会などと連携協力を図りながら、参加意欲を高めるための広報活動に最大限の努力をしてまいる所存でございます。

上川委員 課題が大変多いということでございますが、新しい制度が日本で導入されるということでありますので、できるだけ国民の皆様に不安がないような形での御努力をいただきたいというふうに思っております。

 時間がすごく少ないものですから、重ねて幾つかの点について御質問させていただきます。

 最近、民事、刑事ともに裁判事件が大変難しくなっているということで、大変心配をしております。刑事事件につきましても、犯罪件数の増加と同時に大変複雑多様になっているということ、そして、民事におきましても、知的財産あるいは医療過誤の問題、あるいは企業間の法的紛争といった形で新しいタイプの事件が増加しているという特徴が見られるわけでございます。

 それに対応してやはり専門的な裁判官も必要ということでございまして、こうした複雑多様化する問題に対しまして適切に扱うことができる人材ということについて、どのように確保し、また育成していらっしゃるのかということについて一点。

 それから、今、公務員制度改革の中で、特に指摘されているのが官民交流ということでありまして、これは司法の分野でも恐らく同じであるというふうに思っております。裁判官の立場でもっともっと民間に出ていただきまして、先ほど申しましたようないろいろ複雑な紛争事件につきましても、より知見を深めていただきながら、そして司法の中で適切に判断していただくということが大事ではないかということでございまして、こうした民間との交流ということにつきましても、どのように取り組んでいらっしゃるのか。

 そういう中の一つとして、法テラスがございます。これは、法務当局ということでありますけれども、法テラスの中で活動していらっしゃる裁判官、検事の状況ということについて、あわせてよろしくお願いしたいというふうに思います。

大谷最高裁判所長官代理者 まず第一点の御質問でございますけれども、裁判所が、複雑化する社会の要請にこたえて国民の権利実現に向けて適正な裁判を行っていくためには、裁判官がすぐれた資質を身につける必要がございます。

 御指摘の専門性の強化という観点でいいますと、まずは日常の事件処理を通じての研さんが基本でありまして、大規模庁の専門部あるいは集中部といったところにおきまして、そのような研さんを行っているところでございます。また、司法研修所におきましては、かねてから、理論と実務の両面における能力の向上を目指して、裁判官に求められるもろもろの専門的知識の習得を目的として、合同の実務研究の機会を設けるなど、専門的な知見を要する事件を適切に扱うことができる人材の育成に努めてきたところでございます。

 委員の御指摘のような状況のもとで、裁判官に求められ、期待される役割に的確にこたえられますように、今後とも、裁判官の視野を広げ、識見を高めるとともに、経済や社会の実情に対する認識を深めることができるようなさまざまな措置を講じてまいりたいと思っております。

 それから、後半、第二点でございますが、これも委員が御指摘されましたとおり、裁判官が職務以外の多様な外部経験を積むことは、多様で豊かな知識、経験を備えた視野の広い裁判官を確保するために極めて有意義なことであると考えております。そのようなことから、裁判官が民間企業において研修することも、外部経験のメニューの一つとしております。

 昨年の例で申し上げますと、民間企業等に派遣された裁判官は、派遣期間が一年にわたる者だけでも十名、それから短期の者も含めますと総勢四十名に上ります。派遣された裁判官からは、一様に、みずからの職務を見詰め直す貴重な機会が得られたという感想が述べられております。

 このほか、官の組織から離れた世界での経験という意味で申しますと、平成十六年には判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律が成立しまして、判事補がその身分を離れて弁護士の職務を経験することができる制度も創設され、平成十七年から制度の運用を開始しております。初年度の平成十七年四月には、まず十名の判事補が職務経験を開始し、平成十八年四月にさらに十名が加わったことから、合計二十人の判事補が弁護士としてその職務を経験しております。

 今後とも、先ほど申し上げたような趣旨に照らして、裁判官の外部経験の機会を充実していきたい、このように考えております。

菊池政府参考人 法テラスとの関係について、簡単に御説明申し上げます。

 裁判官及び検察官は、現在合計五名、法テラスに出向といいますか派遣されております。裁判官、検察官は、その知識、経験を生かして、弁護士等々他の業種の方と協力をして、法テラスの充実という点について大きな成果を上げているものというふうにお聞きをしております。また、これは非常に有意義なことであるというふうに私どもも理解をしているところでございます。

上川委員 時間が参りまして、ありがとうございました。

七条委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 公明党の大口でございます。

 今回、二本の法律が審議されるわけでございます。執行官法の一部を改正する法律案、これにつきましては、今回、恩給の受給者の実情、そして執行官は手数料制である、そういう特別の公務員である、そしてまた年金制度の官民格差等の状況を踏まえて、暫定措置である恩給を廃止する、こういうことになったわけでありまして、これで単年度で五億円の削減、こういう大きな改革をされたということで、私、評価をしたいと思っております。ただ、執行官の人材確保に対する影響等もしっかり考えていただきたい、このことを指摘しておきたいと思います。

 次に、裁判所職員定員法の法律案について質問をさせていただきたいと思います。

 この件につきましては、民事訴訟事件及び刑事訴訟事件の適正かつ迅速な処理を図るとともに、裁判員制度導入の体制の整備を図るため、判事の員数を四十人、判事補の員数を三十五人増加する、こういう理由づけから、七十五名増加、こういう内容であるわけでございます。

 私ども、最高裁判所から、最近の民事訴訟事件、刑事訴訟事件の新受件数、この推移についてお伺いしました。

 まず、民事訴訟事件の新受件数が、平成三年以降おおむね増加を続けていて、平成十六年四月から人事訴訟が家庭裁判所に移管されたことや簡易裁判所の事物管轄が拡大されたということもありまして、平成十六年、十四万五千四百九十七件、平成十七年、十三万八千九百件と若干減少しましたが、平成十八年、十五万四千八百九十二件と、前年と比べても増加傾向にある。

 また、刑事訴訟事件の新受人員、これは平成五年以降大幅な増加傾向にある。平成十七年は十一万一千七百二十四、平成十八年は十万六千十六、こういうことで、わずかながら減少しておりますけれども、依然高い水準にある、こういうふうに聞いております。

 それから、裁判官一人当たりの手持ちの事件数、これにつきまして、東京地裁の民事部、一時期は三百件を超える単独事件の手持ち事件を抱える、こういう裁判官がいたわけであります。全国平均でも二百七十件前後と大変な重い負担状況であったわけでありますが、最近は二百件を下回る、こういう状況になっている、こういうふうにも聞いておりまして、裁判官の増員ということを計画的にやってきた、その成果がこの手持ち件数については上がっているんじゃないかな、こう思っておるわけでございます。

 そういう中で、平成十三年の司法制度改革審議会で、訴訟の迅速化、専門化への対応等のために今後十年間で約五百人の裁判官の増員が必要であるとして、平成十四年から計画的に増員をしているということでございます。今回の改正でどれぐらい達成されるのか、その進捗状況、また今後の見通しについて、お伺いしたいと思います。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 民事第一審訴訟事件の平均審理期間、既済事件の平均審理期間につきましては、平成十二年末で八・八カ月であったものが平成十八年末には七・八カ月と、約一カ月短縮しております。

 このうち、実質的な審理を行った、人証調べを実施して対席判決により終了した事件の平均審理期間は、平成十二年末で二十・三カ月であったものが平成十八年末では十九・一カ月、これもやはり約一カ月程度短くなっております。

 また、民事第一審訴訟未済事件のうち二年を超える長期未済事件は、平成十二年末で一万二千件以上あったものが平成十八年末では約六千二百件程度、約半分に減少しております。

 さらに、審理の長期化が目立っておりました専門訴訟につきましては、医事関係訴訟では、平成十二年にその審理期間が三十五・六カ月でありましたものが平成十八年末には二十五・一カ月に、知的財産権関係の地裁の民事訴訟につきましては、平成十二年に二十一・六カ月でありましたものが平成十八年末には十二・四カ月に、それぞれ短縮されておりまして、大幅な審理期間の短縮が実現しております。

大口委員 そういう中で、これからさらに増員をしていくということでございまして、その増員の計画について、どれぐらい達成できて、そしてこれからどうそれを達成させていくのか。十年間で五百人ということでございますので、その点についてお伺いしたいと思います。

高橋最高裁判所長官代理者 裁判所は、先ほどの司法制度改革審議会におきまして、裁判の迅速化、専門化への対応等のために、十年間で裁判官約五百人の増員が必要であるという意見を申し述べたところでございます。平成十四年度から、計画性を持って、これに従いまして増員してきております。

 今回の改正を含めまして、平成十四年度からの裁判官の増員の数は、約三百六十人でございます。この中には、裁判員制度導入のための体制整備等の増員分が含まれております。したがいまして、訴訟の迅速化、専門化への対応のための増員としては、約二百七十人の裁判官を増員してきていることになります。

 平成二十年度以降も、訴訟の迅速化や専門的事件の処理状況を見ながら、計画的に必要な人員の増員を図っていきたいと考えております。

大口委員 そういうことで、五百のうちの二百七十ということですから、あと二百三十、これを計画的に進めていく、こういうことなんでしょう。ただ、判事の供給源が問題でもあって、弁護士の任官等も進めていかないと、なかなかこの計画は達成できないのではないかなということですので、引き続き努力をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

 平成二十一年から裁判員制度が実施されることになっているわけですね。この裁判員制度の対象となる裁判の件数はどれぐらいと考えられるのか、そしてどれぐらいの裁判官の増員が必要と考えられるのか、裁判員制度の実施に伴う増員は、今回の改正を含めて、今までどの程度行われ、今後どのようにしていくのか、お伺いしたいと思います。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 裁判員制度の対象となる刑事事件につきましては、これは将来の事件数の予測でございますので非常に困難でございますが、過去の新受件数をもとに推測いたしましたところ、約三千五百件程度になるのではないかというふうに考えております。

 裁判員制度導入までに必要な裁判官の増員の数につきましては、裁判員制度の具体的な運用等について模擬裁判等を通じてさらに検討を進める必要がありますことから、いまだ確定的なことを申し上げる段階ではございませんが、これまでに最高裁や全国各地の裁判所において実施された模擬裁判の結果や、これまでの事件数等をもとに、現時点ではおおむね百五十人程度の増員が必要になるのではないかと考えております。

 このような検討から、裁判所といたしましては、平成十七年度以降、裁判員制度導入の体制整備を理由の一つに加えて裁判官の増員を行ってきているところでございまして、平成十九年度までに裁判官約九十人の増員をこの裁判員制度の関係で図ることになります。また、平成二十年度以降も計画的に増員を図っていきたい、このように考えております。

大口委員 そういう点で、二十年、二十一年であと三十人ずつ、これで百五十人、こういうことになると思います。着実に計画を進めていっていただきたいと思います。

 これからも複雑で困難な専門的な訴訟が増加する傾向にある。適切かつ迅速にそういう事件等も処理していかなきゃいけない、裁判員制度の実施に伴って裁判官の増員が必要である、そういうことで、裁判官と協働する裁判官以外の人的な体制の充実、これも図る必要があるわけでございます。

 今回の改正案では、裁判官のみの増員となっているわけですが、裁判所職員定員法第二条の裁判官以外の職員の改正は行われていないわけであります。裁判官以外の職員の人的な体制の充実はどのようになっているのかお伺いしたいとともに、政府の総人件費改革において、国の行政機関の職員の定員を五年間で五・七%以上純減することとされているわけです。もちろん裁判所は行政機関ではないわけですが、これについては尊重していく、こういうことでございまして、特に事務局的部門ですか、これについての定員削減の努力はしていかなきゃならないと思いますね。そこら辺について、裁判所のお考えをお伺いしたいと思います。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 裁判所といたしましては、司法制度改革を実現するために、委員御指摘のとおり、事件処理体制を充実強化することが必要である、裁判官の増員を確保するとともに裁判官以外の職員についても必要な増員を確保しなければならない、そのように考えております。

 そこで、新受事件数が依然高原状態にあり、特に、医療、建築等の複雑困難な事件が増加傾向にある民事訴訟事件、同じく新受事件数が増加傾向にある刑事訴訟事件及び家庭事件に適切に対処し、また裁判員制度導入後の体制整備を図るために、裁判所書記官を百三十人増員することとしております。純増が百人で振りかえが三十人でございます。

 その一方で、政府の定員合理化計画に協力いたしまして、先ほど申し述べましたように、庁舎管理業務の合理化を図ることにより技能労務職員百人を削減し、さらに裁判所速記官二十人、裁判所事務官十人を振りかえで削減することにしております。

 この結果、裁判官以外の裁判所職員の員数にはプラス・マイナスで増減はないことになりまして、裁判所職員定員法二条の改正を行う必要はないということになるわけでございます。今述べたとおり、必要な裁判所書記官の増員は行うということになります。

 もう一つのお尋ねの政府の総人件費の削減の取り組みとの関係でございますが、裁判所といたしましては、司法制度改革を実現するために事件処理体制を充実強化することが必要でありまして、今後も裁判官、書記官等の必要な人員を確保しなければならないわけでございますが、裁判所も国家機関の一員として政府の総人件費削減計画に協力していくことが必要であるというふうに考えておりまして、以下のように体制整備のための最大限の努力を行ってきております。

 裁判所は、政府からの定員削減計画への協力要請を受けまして、事務の性質が行政機関と類似する事務局部門につきまして、国家機関として、他の行政機関と同様に、事務の効率化等必要な内部努力を行いまして、定員削減に協力しております。

 さらに、国の行政機関の定員を五年間で五・七%以上純減するという総人件費改革の政府方針が閣議決定され、裁判所等の特別機関に対しても協力要請がされたということを踏まえまして、平成十九年度におきましては、定員削減計画への協力分七十二人にさらに加えまして、内部努力としてさらに二十八人の削減を上積みして、技能労務職員百人の定員削減を行うこととした次第でございます。

大口委員 平成十四年の十一月に知的財産基本法が成立しました。我が国は、知的財産立国を目指し、歩み始めたわけであります。

 平成十七年四月に、知的財産に関する事件についての裁判の一層の充実、迅速化を図るために、知的財産高等裁判所が東京高等裁判所に設立されたわけでございます。この設立によって、知的財産関係訴訟はどのような変化があったのか。そしてまた、平成十八年六月に知的財産戦略本部が決定した知的財産推進計画二〇〇六、こういうものが決定されたわけでございます。今後の知的財産関係訴訟の見通しについて、お考えをお伺いしたいと思います。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 まず、知的財産高等裁判所における知的財産訴訟の処理状況につきましては、知財高裁、知的財産高等裁判所が発足いたしました平成十七年四月から平成十八年の三月までの事件処理状況をその前の年の平成十六年四月から十七年三月までの東京高裁におけるそれと比較いたしますと、新受件数は相当数増加しているのに対しまして、未済事件数は減少しております。おおむね順調な事件処理が行われているというふうに考えられます。

 また、平成十八年の一月から十二月までの平均審理期間は、知財高裁の審決取り消し訴訟は八・六カ月、侵害事件、これは民事訴訟の差しとめとか何かを求める侵害事件の控訴事件の審理期間が八・五カ月でございまして、平成十六年に比べますと、四カ月それから〇・五カ月、平成十七年に比べますと〇・八カ月、一・三カ月、それぞれ短縮しておりまして、知財高裁の発足の前後で知財訴訟の審理の一層の迅速化が図られたというふうに考えられます。

 知財高裁におきましては、高裁レベルにおける事実上の判断統一を期待して導入された特許権等に関する訴え等のいわゆる五人合議制によりまして、これまで、著名な一太郎事件それからパラメーター事件それからインクカートリッジ事件について、判決の言い渡しがございました。このうち一太郎事件とパラメーター事件の二つの事件につきましては、上告が提起されることなく判決の言い渡しで確定しておりまして、企業の経済活動等に重大な影響を与える事案につきまして、事実上の判断統一が行われたというふうに評価してよいと思われます。

 また、裁判所が技術等の専門的事項に関する主張や証拠を整理するために必要な専門的知見に基づく説明を受けることを目的として導入されました、一級の技術者であります専門委員制度につきましては、平成十九年三月一日現在、百八十五名の知財訴訟に関する専門委員が任命されておりまして、知財高裁においては、平成十六年四月の制度発足から十九年の二月末までの間に延べ二百四十一人の専門委員が知財訴訟の手続に関与し、専門的な知見を提供していただいております。

大口委員 以上で終了いたします。ありがとうございました。

七条委員長 次に、大串博志君。

大串委員 まず、会の冒頭に当たりまして、私の方から一言、強い抗議と、そして遺憾の意を述べさせていただきたいと思います。

 今回のこの委員会、執行官法そして裁判所職員定員法という、我が国司法の極めて重要な先行きを決める法律を議論する会であるにもかかわらず、与野党の間でしっかり議論をした上で、審議の順番、時間等もきちっと議論した上で、国民の利益に資するような議論ができるよう、そういう場を築いた上で始めるのが筋だと思いますが、今回、委員長職権という形で、与野党の合意のないまま進められております。この状況は、極めて異常であると言わざるを得ないというふうに思います。内容におきまして非常に重要な案件ですから、こういう状況が続くようであれば、すなわち、数の力が多ければ、いつでも好みの案件の審議に入れて、好みの時間のところで時間を区切り、審議を打ち切り、採決をそこで決めるということもできるわけですね。それが本当に国民の意を体しているのか、私は非常に疑問です。

 ぜひ委員長にも考えていただきたい。しっかり審議の時間がとれる、そういう道筋を立てて、与野党の合意のもとでやっていただきたい。このことを強く強く抗議と、そして遺憾の意を述べさせていただいて、本来であれば質問に出ることも非常にはばかられるところでありますけれども、今話もありますけれども、重要な国会の時間です、審議はさせていただきたいというふうに思います。審議の中でしっかり、この法律、一部改正をするということの必要性、是非に関して審議をするということであれば、大臣、きちっと答えていただきたい。そういうことを申し上げて、私の質疑に入らせていただきたいというふうに思う次第でございます。大臣、よろしくお願いいたします。

 まず、今回、執行官法の一部改正と裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、この二法が出されているわけでございますけれども、順次、この法律、二法について議論をさせていただきたいと思います。

 まず、執行官法でございますけれども、大臣、この執行官法改正、この概要についてお答えください。

長勢国務大臣 執行官法の一部を改正する法律案は、国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえ、執行官の退職後の年金についての暫定措置を廃止する、恩給の支給を廃止することを主たる内容としておるものでございます。

 国家公務員の退職後の年金制度は、基本的に恩給制度から共済年金制度に移行しており、恩給の新規裁定を受けるのは執行官のみという状況になっております。それに加えまして、国会議員互助年金制度が平成十八年四月に廃止されたこと、また、共済年金制度についても、昨年四月二十八日に被用者年金制度の一元化等に関する基本方針について閣議決定され、職域部分を廃止し、厚生年金制度との一元化を図る方向で作業が進められている、こういう状況を踏まえまして、今回廃止をすることとしたものでございます。

大串委員 大臣にぜひちょっと詳しくお尋ねしたいというふうに思います。

 今、この執行官法の一部を改正する法律案の理由として、この大きな部分は、執行官の方の退職後の年金について暫定措置である恩給の支給を廃止するという柱でございますけれども、これに関して、国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえという御説明がありました。国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえということに関しては、今、恩給が基本的にやめられていくという話がありました。

 大臣、ぜひお尋ねしたいんですけれども、国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえとおっしゃいましたが、これは今どういう動きにあるんですか、ぜひ教えてください。

長勢国務大臣 御案内のように、なるべく官民格差をなくすという方向で、今被用者年金制度の一元化等が進められておるというふうに理解をしております。

大串委員 官民格差をなくす、一元化するということでございました。

 端的にお答えください。官民格差をなくす、一元化すると大臣がおっしゃった。それが、国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえという理由であるならば、官民格差をなくす、一元化するというところから、なぜ執行官の方々の退職後の年金について恩給の支給を廃止するという理屈が出てくるんでしょうか、お答えください。

長勢国務大臣 御案内のように、国家公務員は恩給制度であったわけでございますが、共済年金制度に移行し、かつ、それを今回厚生年金制度と一元化するということになっておるわけで、恩給を受けておるのは、先ほども御説明いたしましたように、執行官のみという状況になっております。

 こういう方向になってきておるのも、実態として公務員である方々が民間以上の年金制度になっておるのではないかという、国民のいろいろな御意見にこたえていくという流れであると思いますので、今回もその流れに沿ったものとして御理解いただきたいと思います。

大串委員 今話がありましたけれども、公務員の方が民間より年金をもらってはいかぬ、いかぬといいますか格差をなくしていくということを背景として今の公務員の退職後の年金制度に関する状況があるんだということでございましたけれども、公務員が民間の方より年金をもらってはいかぬ、あるいはもらわないようにしよう、格差をなくそうという観点からすると、私が申し上げているのは、なぜ執行官の方の退職後の恩給がなくならなければならないのか、これが官民格差なのかという点に関してぜひお答えいただきたいんです。これは官民格差ですか、どこが官民格差なんですか、どういう意味で官民格差なんですか。

長勢国務大臣 執行官の方々、当然、国民年金に加入なさっておられるわけですし、それにまた、前職のある方も多々おいでになるわけでございます。そういう意味で、現実に受給される年金の水準その他が、官民格差という言葉で一くくりにするのがいいかどうか御疑問はあろうかと思いますが、水準として遜色のない形にしていくことがいいのではないかというふうに思います。

大串委員 官民として遜色のないレベルにしていくことが適当だという話でございましたけれども、今の政府が検討している被用者年金の一元化の基本的な方針の中で、いろいろなことが考えられているわけでありますけれども、今の政府の考え方、この恩給問題に関して、先ほどおっしゃった官民格差とかそういうのをなくしていくという観点から、政府はどういうふうな考え方をしていて、しこうして、そこから引き出してくると、なぜこの執行官の方々は恩給を全廃するということが適切な施策だというふうに思われるのか。まさに大臣おっしゃいました、政府がそういうふうなことを考えているから、政府の案がこうこうこういうことだから、それを前提とすると、執行官の方々には恩給は全廃した方がいいんだというその理屈のところを、先ほどのぼやっとした説明でなくて、端的にお答えください。

長勢国務大臣 一元化するということと直接的に関係づけて申し上げたというよりも、共済年金制度と厚生年金制度の関係等々、公務員の年金制度、年金のあり方についての方向性に沿ったものであろうということを申し上げたわけであります。

 もともと、この執行官の退職後の処遇についてはいろいろ議論があって今日まで至っておるわけでございますが、今申し上げましたような流れを踏まえて、こういうふうに今後していった方がいいだろうということで御提案を申し上げているわけでございます。

大串委員 今おっしゃったことでよろしいですね。すなわち、政府が十八年四月二十八日に閣議決定している被用者年金制度の一元化等に関する基本方針について、そして、十八年十二月十九日、政府・与党が決定をした被用者年金一元化の基本的な方針と進め方、基本的にはこれと軌を一にしてやっているわけじゃない、そういう意味での改正だということでよろしゅうございますか。

長勢国務大臣 直接的に、それだからこれをしなきゃならないと申し上げたわけではございませんで、しかし、官民格差をなくしていくというような、その一元化等の改正が行われるという状況を踏まえて、そういう中で執行官についてもこういう改正をするのが適当であるというふうに考えたわけでございます。

大串委員 今話がありました、政府でやろうとしている被用者年金の一元化、この閣議決定、政府・与党決定とは直接の連関はない、そういう改正なんだということの確認ができました。

 では、もう一度お尋ねします。

 国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえ、この恩給制度に関しては全廃をすることが適当だと。全廃をすることが適当だというところを決定する、その決定的、具体的な根拠のところをいま一つ明らかにしていただきたい。状況がこうだからこうだという考え方をおっしゃるのじゃなくて、状況等を踏まえ全廃するという極めて大きな決定をされているわけです。なぜ全廃をする必要があるのか、そこの点についてお答えいただきたいと思います。

長勢国務大臣 執行官の方々の給付制度については、当然、国費が使われるわけでございますし、そういうことについて、官吏が優遇されているのではないかという批判にもなりかねません。

 また、現実に、執行官の方々が、先ほど申しましたように、国民年金にもお入りになっており、また執行官としての収入も相当程度のものになっておるということでありますから、そういう社会の雰囲気の中で、これを廃止することによっても重大な影響を生ずるというほどのことでもないということも踏まえて、今回そういう判断をしたものでございます。

大串委員 全廃することの理由というのは、はっきりちょっと聞こえてこないんですけれども、ただ、今おっしゃった中で、全廃したとしても大きな影響はなかろうということをおっしゃいましたので、そこのところについて検証させていただきたいと思います。

 まず最初に、私は、必要性のところを先ほど議論しました。すなわち、国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえ、今回全廃すると。この必要性の理由をおっしゃったので、ここに関して質問したところ、これは、政府が決めているこの一元化の考え方とは直接的な連関はないという説明をいただきましたし、ただ、この状況を踏まえ全廃するんだということでございました。

 その必要性は余り明らかでありませんが、一歩進めて、全廃をしても大した影響はないということをおっしゃいましたけれども、全廃をしても大した影響はない、執行官の方々の業務に大した影響はないと判断される根拠はどこにありますでしょうか、具体的にお答えください。

長勢国務大臣 もちろん、執行官の方々にとって影響は小さくはないというふうには思います。先ほど申し上げましたが、しかし、一般の国民と同様に国民年金に加入されておられるわけでありますし、任命される前には公務員あるいはその他の職についておられたわけでありますから、その間の共済年金、厚生年金は受給できるわけでありますし、またその収入自体も決して少なくない、また通常は六十五歳までは勤務することができるというようなことを考えますと、もちろん小さくはないわけでありますが、重大な影響ということにはならないのではないかと思っておるわけであります。

大串委員 今大臣がおっしゃいましたけれども……(発言する者あり)委員長、ちょっと済みません、少し横の方、ちょっと声がやかましいので、静かにしていただくように言ってください。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いいたします。

大串委員 大臣、ちょっとお尋ねします。

 執行官の方々、今いろいろ、国民年金をもらっていらっしゃる、あるいはもともとの職場での年金をもらっていらっしゃる、あるいはこの年金がなくなっても大した影響はないというふうにおっしゃいましたけれども、今、国民年金や共済年金をもらっていらっしゃるとおっしゃいましたけれども、この執行官の方々の年収はどういう財源から入ってきていて、どのくらいの年収を持っていらっしゃるかというのに関しては、どのような事実関係になっているんでしょうか。

長勢国務大臣 執行官は、俸給制ではなくて手数料制ということになっておりますので、その事案のところで手数料をいただいて、その分が収入になっておるというふうに承知をいたしております。

 執行官の手数料のあらましの収入は……(大串委員「いやいや、手数料収入じゃなくて、年金とかおっしゃったじゃないですか」と呼ぶ)年金はまだもらっておられないでしょうから……(発言する者あり)そこまではちょっと私はわかりません。(大串委員「答弁されたことを聞いているんですよ。年金とか共済とかおっしゃったから、じゃ、それはどれくらいもらっているんですかと。答弁されたことを聞いているんですよ」と呼ぶ)もらえるようになるでしょうからと言ったんですよ。そういう受給権を、もらうことになるでしょうからということですから、今そこまでは答える用意はありません。(大串委員「じゃ、どうやって判断しているんですか」と呼ぶ)制度がそういうふうになっているということを前提にして、それは判断をいたしましたということを申し上げたわけであります。

大串委員 いや、全然答弁になっていないですね。大臣は、今おっしゃったのは、執行官の方々に影響はないとおっしゃった。影響はないということの理由をお尋ねしたら、国民年金とか、あるいは前の職場からの年金ももらっていらっしゃるであろうから、収入面も含めて大きな問題はないということをおっしゃったわけですよ。

 じゃ、その国民年金や、あるいは前の職場からの年金も含めて、どれだけもらっていらっしゃるんですか。これだけもらっているから影響ないんですと言うのが筋じゃないですか。あるいは、そこは判断しないで今のことをおっしゃったんだったら、答弁が非常に緩いと言わざるを得ない。お答えください。どのくらいの年収をもらわれるんですか、年金等も含めて。

長勢国務大臣 お立場もあるでしょうから、いろいろおっしゃるんでしょうけれども、私は、受給していますと言ったんじゃなくて、受給できますと言ったんですよ。ですから、そういう制度になっていますということを前提に考えましたということを御説明申し上げたということです。

大串委員 お尋ねしたいのは、執行官の方々の生活も含めて、あるいは職務意欲、勤務意欲も含めて、この恩給がなくなったとしても影響はありませんというふうにおっしゃるから、じゃ、今どれぐらいの手数料や、あるいは年金も含めて収入があられて、これこれこれぐらいあられるから、あるいはこれぐらいあられるから、恩給でこれぐらいもらっているところがなくなっても大丈夫でしょうということがきちんと言えないと、あるいはきちんとそこは確認できていないといかぬと思うんです。そこをお尋ねしているんですよ。どれだけ今所得なりがあって、それが十分なものかの判断があるのかどうか、そこをお答えくださいというふうに申し上げている。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いいたします。

長勢国務大臣 現行制度のもとでの恩給の支給額は、一人当たり、勤続十七年で退職した場合には年間約百二十万円というふうに承知をいたしております。

 また、執行官の平均収入は、経費、税金、保険料等を差し引いて千三十万程度ではないかというふうに承知をしておりますが、これは詳しくは最高裁にお聞きいただければありがたいと思います。

大串委員 いやいや、最高裁にお問い合わせいただければとおっしゃいましたけれども、大臣はきちんと理解した上で、国家公務員の退職後の年金制度に関する状況を踏まえ、かつ、恩給の支給を全廃しても問題ないというふうに判断されたからこそ、この法案を提出されているんだと思うんですね。ですから、そこはしっかり判断する責任があるはずなんです。最高裁判所の方に聞いてくださいなんということは言えないと思うんですね。自分で判断をしてください。(発言する者あり)細かい質問という話もありますが、決して細かくない。これが法律の本質なんです。すなわち、年金が、恩給がなくなって苦しむ方もいらっしゃるかもしれない、その方が本当に苦しむのかどうかということをしっかり評価した上で、この法案が成っていいものかどうかの判断が大臣の肩にはかかってくるんです。

 先ほど、平均収入は千三十万ほどではないかというふうに思いますというふうにおっしゃいましたけれども、これはどのようにして調査されたんですか、どのような数字ですか。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いをいたします。

長勢国務大臣 執行官の方々は裁判所の職員でございますから、当然、この立案に当たっては最高裁の方々と相談をしながらやっておるわけで、もちろん法務省の職員ではございませんから、最高裁のお話を聞いて今お答え申し上げておるわけでありますし、またこの廃止に当たっては、執行官の方々の御意見も伺って、もちろん反対される人もおられなかったわけじゃないと思いますが、最終的にはやむを得ないという意見であったというふうに聞いております。

大串委員 私が聞いた質問は、この千三十万という数字はどういうふうにして聴取した数字ですかということを聞いているんです。それをお尋ねしているんです。数字の出元をきちんと確認した上で、これが本当に確実な数字かどうかを確認した上で、判断するなら判断されているはずなんです。そこをお答えください。

長勢国務大臣 だから、これは裁判所の職員の方々ですから、最高裁からお話を聞いて、そういうふうに聞いておりますということを申し上げたんです。

大串委員 最高裁の方から、この千三十万、本当にきちんと統計としてとれているものなのか、出元として正しいものなのか、本当にそれだけもらっていらっしゃるものなのか、きちんと確認した上で、法案の提出者なんですから、確認した上で、この数字なら大丈夫だということで法案を出していらっしゃるのは当然じゃないですか、そこをお尋ねしているんです。数字の出元もきちんと確認しないで、まあいいだろうというわけには法案の提出者としてはいかぬと思うんですね。そこのところをお答えください。

七条委員長 最高裁の方から何か答えができますか。(大串委員「いや、大臣に聞いているんです。大臣がどういう判断でと聞いたわけです」と呼ぶ)

 では、長勢法務大臣。

長勢国務大臣 最高裁でお調べになって、私どもがその数字を聞いておりますから、それを前提に判断をさせていただいています。

大串委員 最高裁の方が調べられた数字がどういうふうな数字かというのをきちんと確認されていないということですかね、そこのところは。そこのところを聞いているのに答えられないから、そういうことを思うわけですよ。法律として出している以上はきちんとそういうことを確認してやらなきゃならない。

 もう一つお尋ねします。執行官の方々の反対があったかどうか、そこも確認されたとおっしゃいました。執行官の方々からどういうふうな確認をいつされたのか、そしてどういう御意見があったのか、それがどういうふうな判断だったのか、お答えいただきたいと思います。

長勢国務大臣 たびたび申し上げておりますが、裁判所の職員の方々でございますから、裁判所においていろいろお話をいただいて、その状況は私どもが報告を受けて判断をしております。

大串委員 その状況を聞いて判断したと言われました。つまり、聞かれているわけです、判断をされているわけです。では、聞かれて判断されたのであれば、最高裁判所の方から、この執行官の方々がどういう反対、あるいはまあこれなら仕方ない、どのような意見があったんですかということを聞いているんです。そこがこの執行官法の改正に当たって、本当にこれがワークするのかどうか、執行官の方々の勤務意欲に問題を与えないのか、かぎじゃないですか。その辺はどういうふうに聞かれているんですか。聞かれていることをお尋ねします。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にしてください。御静粛にお願いをいたします。議事進行をしたいと思いますから。与野党の皆さん方に申し上げます。御静粛にお願いをいたします。

長勢国務大臣 ですから、それは困るというか、反対をする人もおられましたが、最終的にやむを得ないというお話であったというふうに報告を聞いております。

大串委員 反対をする人、これは困るという人もいらっしゃったけれども、最終的にはやむを得ないと。では、反対をする人はどの程度の反対の方がいらっしゃって、やむを得ないなというのがどのくらいのやむを得ないだったのか、そこがかぎだと思うんですね。本当に執行官の方々が、これがなくなって、それでも勤務をしっかりやられるかどうか、非常に重要な職務ですから、そこが大事だと思うんです。

 大臣、もう一度お聞かせください。本当に執行官の方々はどの程度の方々がこれはやめてほしいとおっしゃったのか、そして、どの程度の方々、どのくらいの方々がこれはやむを得ないというふうにおっしゃったのか、このやむを得ないの意味もどの程度だったのか、大臣、そこのところをお答えください。

長勢国務大臣 統計的な数字はもちろんありませんから、裁判所の方できちんとお話をされて、そしてかつ、そういうことを踏まえて、我々も執行官の職務に支障を生ずることはないだろうというふうに判断をしたわけでございます。

大串委員 執行官の方々の勤務意欲に問題はないというふうに判断したというふうにおっしゃいました。判断されたそこの理由のところが、大臣、非常に重要なんです。つまり、これは金銭的なマイナスが生じるという非常に重要な法案なんです、執行官の方々にとっては。それをこうむったとしても、でも勤務意欲は衰えませんというふうになることを覚悟した上でないとこの法律は出せないはずなんです。

 大臣、これを提案された大臣として、どういうふうな理屈をもって、あるいはどういうふうな現実を見て、どういうふうな事実関係を見て、これは勤務意欲に問題はないというふうに判断されたのか、そこを教えてくださいというふうに言っているんです。聞いたから判断した、聞いたから判断したじゃなくて、こういうふうに聞いたから大丈夫だと判断したという責任のある判断をお聞かせください。

七条委員長 大串博志君、今の質問に対して、お答えをしていただいている部分もあると思いますし、理念がかみ違っている部分もあると思うんですね。ですけれども、もう一度答弁していただきますから、よく聞いて、もう一遍論議を整理していただきたいと思います。(発言する者あり)

 与野党の皆さんに申し上げます。御静粛にお願いをいたします。

 質疑を続行いたします。長勢法務大臣。

長勢国務大臣 当初から御答弁申し上げておりますように、公務員の年金をめぐる……(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いをいたします。

長勢国務大臣 公務員の年金を取り巻く状況を踏まえ、かつ、収入の状況、また執行官の方々の年金制度の適用状況等々を踏まえ判断を申し上げたわけでありますが、もちろん収入が多い方がいいに決まっていますけれども、執行官になられる方々はこの職務には大変な熱意を持っておられまして、年金制度があるからここへ入っているということではないというふうに私は裁判所の方からも伺っておりますので、問題はないと私が判断をしたわけでございます。

大串委員 先ほど言われました、最高裁判所の方々から、執行官の方々の勤務意欲を低下させるものではないということを聞かれたという、その聞かれた内容はアンケートか何かをとられた、その結果を聞かれたんですか。

長勢国務大臣 アンケートをとられたことは承知をしておりませんが、それは執行官の方々は職員の方々ですから、そういう方々の状況は日ごろから把握をされておられるわけでありまして、そのことを私は伺っておるわけであります。

大串委員 先ほどおっしゃったように、判断をされたというところ、その判断されたところの理由がはっきりしない、依然としてはっきりしないわけです。つまり、執行官の方々は六百数十人いらっしゃいますね、その方々が金銭的な報酬がなくなったときに本当に意欲を低下させないかどうかというところの判断が、例えばアンケートをとられたわけでもない、しかし、最高裁判所から聞かれて、まあ大丈夫だということを聞いたということだけなんでしょうか。それとも、何がしかの、最高裁判所の方々で、これらの方々はこういう気持ちで大丈夫なんだということを具体的に聞かれたのかどうか、そこが知りたいわけです。そうでないと、非常に重要な仕事なので、それが今後ともきちんと継続されるかどうかというのははっきりしないわけですよ。

 大臣からこの提案理由の説明がさっきありましたけれども、本当に必要性のところもあやふやだったし、では本当にマイナス影響がないのかという妥当性のところも非常にあいまいな状況なんです。こういうふうなことであればなかなか、この議論をきちんと尽くさないとこういう法案には賛成をしづらいんじゃないかと私は思うわけです。だから、今後ともこの議論は続きますけれども、ぜひぜひこういうところを、その必要性と妥当性のところはきちっと具体的に説明をしていただきたいというふうに思う次第でございます。

 最後に一つ申し上げますけれども、きょう私が申し上げていることは、どれ一つとして、大臣以外の事務官でなければ答えられないような細かいことは何一つ聞いていません。法案の根幹のところ、必要性、妥当性の根幹のところを聞いているわけです。大臣がしっかりこの法律を自分のものとして考え、責任を持って出していらっしゃれば、きちんと答えられているはずです。この点、大臣、しっかり議論させていただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

七条委員長 次に、石関貴史君。

石関委員 民主党の石関貴史です。

 ただいま同僚の大串委員から三十分間の質疑をさせていただきましたが、着席をしている委員からわけのわからぬやじが飛んだり、この静ひつに行われるべき審議が大変混乱をしている。大変残念なことでありますが、そもそもこれは、与野党の合意に至らないのに強引にこの委員会を開催しようとするその姿勢、そして委員長、就任に当たって、円満にこの委員会を運営する、このようにおっしゃいましたよね、にもかかわらず、職権で強引に立てて、こういう委員会を立てるからこういうことになっているんです。

 委員長も大いに反省をしていただき、そして、こういった委員会を立てることを強引に要求した与党の理事の方にも大いに反省をいただいて、静かに、とはいえ大事な法案の審議でありますから、静かにこの委員会を……(発言する者あり)うるさいんだよ。だれだ、あれは。委員長、言ってくださいよ。(発言する者あり)質問する前から、あなたがうるさいんだよ。だれだ、あれは。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いいたします。御静粛にお願いいたします。

石関委員 質問する前からやじを飛ばすなよ。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いをいたします。

石関委員 あなた、だれだ。知らないよ、あなたなんか。知らないよ。名前名乗れよ。(発言する者あり)何とかしてくれよ。さっきからうるさいんだよ。あなたが最初に始めたんだよ。うるさいんだよ。黙れよ。

 委員長、質問する前からこんなやじを飛ばさせて、何ですか、これは。委員長、審議にならないよ。質問の前にやじを飛ばすなよ。黙れ。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いをいたします。(発言する者あり)御静粛にお願いをいたします。質疑を続けてください。御静粛にお願いをいたします。質疑を続けてください。御静粛にお願いをいたします。質疑を続けてください。

石関委員 それでは、まず大臣にお尋ねをいたします。

 大臣は、公職の選挙には何度立候補、出馬をこれまでにされましたか。

長勢国務大臣 六回でございます。

石関委員 そのうち、当選されたのは何回ですか。

長勢国務大臣 おかげさまで、六回当選させていただきました。

石関委員 大変立派なことで、よほど地元の有権者の皆さん、大臣を信頼して六回の当選ということになられたんだと思います。

 その六回の選挙を通して、大臣御自身が公選法の違反とかそういったことに関して逮捕をされたりした経験というのはございますか。

長勢国務大臣 私自身のことであれば、ございません。

石関委員 任意で聴取をされたとか、そういったこともないですね。

長勢国務大臣 ございません。

石関委員 法務大臣になられる方ですので、私も、大臣御自身そういった姿勢で選挙に今まで臨まれてきたんだろうと思っております。

 では、大臣御自身じゃなくても、運動員の方ですとか後援会の方とか、そういった方が大臣の選挙において公選法違反に関して任意で聴取される、こういったことはこの六回の選挙を通じて今までにありましたか。

長勢国務大臣 そういうことはありました。

石関委員 そういうことがあったということですけれども、大臣の後援者かそういった方だと思いますけれども、そういった方は任意の聴取なり、逮捕されていろいろな取り調べを受けるわけですけれども、その状況について、事後にでも大臣に、これは支持者ですから何かお話があったと思いますが、どんな状況だったとか、そういったお話はありましたか。(発言する者あり)

七条委員長 石関君に申し上げますが、これが法案と関係があるということを申し上げて、それから質問に入っていただければうれしいのですが、よろしゅうございますか。

石関委員 鹿児島県議選の公選法の違反事件というもので判決が出て、決着をしたということがありますので、我々全員、ここにいる委員それから大臣は選挙に出るものですから、大臣自身の御経験を伺ってからこの件に入ろうと思ってお尋ねをしております。お答えください。

長勢国務大臣 最近の選挙ではございませんので詳しい記憶はございませんが、取り調べの状況等についてお話を伺ったことは余りなかったと思います。

石関委員 こういう事案で取り調べを受けると大変なことだというふうに、私は先輩でそういった経験をされている方にも伺っておりますし、幸い私はそういうことがありませんけれども、大変だというようなお話もありませんでしたか。

 これは、大臣、議員として当選させるために、罪に問われなかったわけですから違法ではなかったということなんでしょうけれども、そのことに関して大変な取り調べを受ける、大変な精神的苦痛を受けた、実際の取り調べの状況はこんなものだった、大変だったよ、こんなお話もなかったんでしょうか。

長勢国務大臣 警察の方々に呼ばれるというようなことは通常ないわけですから、みんなそのことは嫌な思いをしたということは聞いたことがありますが、具体的な取り調べについてどうこうという話は、そんなに聞いた記憶はございません。

石関委員 それでは、先ほど申し上げましたけれども、平成十五年四月十三日に施行されました鹿児島県議会議員選挙、これに関する事件、概要を大臣御承知だと思いますが、報道もたくさんされておりますし、法務大臣として御承知の部分、お話しいただきたいと思います。

長勢国務大臣 今先生御指摘の県議会議員選挙において、候補者が現金を供与して選挙運動をさせた、そしてまたその候補者から現金を受け取ったということから逮捕、起訴され、鹿児島地裁において無罪判決となったという経過だというふうに承知をしております。

石関委員 この無罪を受けた方々は、マスコミを通じて、それから御自身それぞれが、大変だったということをおっしゃっていますね。強引聴取五百五十三時間、謝ってくれ、こういうふうに無罪判決を受けた方々もおっしゃっている。県警は責任を明確にするべきだ、こういったマスコミの報道もあります。

 それでは、捜査機関がこういった容疑者の方々を逮捕するときは令状によるということなんだと思いますが、大臣、いわゆる令状主義についての御認識をお尋ねしたいと思うんです。

七条委員長 質問に答えられますか。

 水野法務副大臣。(石関委員「大臣、答えてください。大臣しか要求していないんだから」と呼ぶ)

水野副大臣 現行犯以外に関しては、令状がないと逮捕というようなことはできないというふうに思います。(石関委員「よく聞こえないな。聞いていない」と呼ぶ)

七条委員長 水野法務副大臣、御答弁ください。

水野副大臣 繰り返しになりますけれども、委員長の指名ですので答弁させていただきますと、現行犯逮捕以外においては令状がないと逮捕できないというようなことだというふうに理解をしております。

 より厳密には、定義についてはきちっと調べますけれども、意味合いとしてはそういうような趣旨のことだというふうに考えております。

七条委員長 大臣、答弁できますか。

長勢国務大臣 強制捜査を行うに当たっては裁判所の許可を得て行うということが、令状主義だと思います。

石関委員 しかし、最近、令状主義というのが形骸化しているのではないか、このような指摘がされています。

 令状というのは、裁判所が司法的にチェックすることが期待されているんだということなんですね。今御説明があったところの補足をするとそういうことなのかなというふうに理解をしておりますが、しかし、この令状主義、どれだけ、こういう人を逮捕したいんだということを上げられて令状が発付されるのか。令状というのは、全員が全員認めて令状を出すということではないと思うんですが、令状の申請が上がったものがどれだけ認められて、どれだけがだめよということになっているのか……(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いします。

石関委員 こういった却下率については御承知されていますか。

長勢国務大臣 私は今存じ上げておりませんので、必要でありましたら最高裁から答弁していただきたいと思います。

石関委員 それでは、数字はまた後ほど最高裁にお尋ねをしたいと思いますが、今申し上げたような令状主義の形骸化について、大臣は何らかの御認識をお持ちでしょうか。

長勢国務大臣 捜査当局において、必要に応じて事実と証拠に基づいて申請をしておると思いますし、裁判所においても適正に判断をされているものと思っております。

石関委員 それでは最高裁にお尋ねをしますが、今、先ほど大臣にもお尋ねをしました、却下率というんでしょうか、この人を逮捕したいが令状を出してくれと言われて、これはだめよ、あるいはこれは令状を出しますよ、この率というか実際の数字、最近のもので把握されている分をここで教えてください。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 通常逮捕状につきましては、今、手元にある資料ですと、平成十六年のものがございますが、請求が二万六千七百六件、発付が二万六千五百二十四件、却下が十五件、取り下げが百六十七件でございます。これは通常逮捕状でございます。

石関委員 これはすごい率で認められていますよね。二万六千以上上がってきて十五件、大臣、これは、形骸化と言わない、しっかり審査をしているので十五件はねただけだということなのか。でも、上げればみんな認められちゃう、数字だけ見ればそう思われますけれども、今の数字を聞いて大臣はどう思われますか。

長勢国務大臣 数字はおっしゃるとおりですけれども、当然、申請をする方も裁判所の方で理解がされるようなものに限って、また、その証拠をそろえて申請しておる結果であるでしょうから、数字が、ほとんど認められているから形骸化ということにはすぐにはならないんだろうと思います。

石関委員 それでは、令状を出してくれというのが上がってきたときに、どのような審査体制で令状を出すか出さないかを決めているのか、法務大臣は御存じですか。

長勢国務大臣 具体的な状況は、私は正確にはわかりません。

石関委員 大臣は令状の審査体制については御存じないということでありますので、これは、最高裁、答えられますか。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 通常逮捕状の場合には、逮捕状の請求権者、主に警察職員の場合が多いのでございますけれども、疎明資料を添えて逮捕状の請求がございます。それを受けて、裁判官が要件を審査した上で、発付が相当と認めた場合には発付をする、そういう手続をとっております。

石関委員 次に、別の事件に移りますけれども、富山県で三十九歳の男性が強姦事件で逮捕、起訴された、こういったことがありましたね。これは、大臣、御承知ですか。(発言する者あり)

長勢国務大臣 済みませんでした。放火事件と聞こえたものですから。中身を言えばよろしいんですか。

 強姦罪ということで平成十四年に起訴されて、懲役三年、実刑判決があって、服役後に別の事件で真犯人が見つかって、今再審請求をしておる事件であるというふうに承知をしております。

石関委員 これは、逮捕されたということですけれども、逮捕に当たっては、大臣、御承知ならお答えいただきたいんですけれども、令状は出されているわけですよね。

長勢国務大臣 逮捕したというふうに聞いておりますので、令状は出されたと思っております。

石関委員 そうですね。これは、逮捕されて自白を証拠に有罪が確定ということなんですけれども、令状が出されているのであれば、先ほど御説明いただいたように、裁判所が判断をしてやっているということですね。第一次捜査機関から令状を出してくれと言われて裁判官が審査をしたということですけれども、結局、この人は全く冤罪だったわけですよね。

 裁判所としては、こういう令状を出して、捜査機関から上がってきたものを厳重に審査をしているんだと思いますけれども、結果として冤罪だった、このことについては何か御感想なり反省というのはお持ちですか。(発言する者あり)

七条委員長 答弁できますか。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 小川刑事局長。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 逮捕状の請求を受けた裁判官は、捜査機関から提出された疎明資料、証拠資料に基づいて逮捕相当かどうかの判断を行っております。本件における具体的な証拠関係は私どもとしては把握しておりませんけれども、裁判官が捜査機関から提出された資料等を総合判断した結果、その時点で逮捕の要件があると判断したものと考えております。

石関委員 いや、それは事実ですけれども、結局冤罪だったということがわかったわけですよね。それについては何とも思っていないんですか。(発言する者あり)

七条委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 最高裁小川刑事局長。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 本件につきましては、現在、再審請求事件が係属中でございます。また、個別事件のことでございますので、事務当局としてお答えをするのは差し控えさせていただきたいと思います。

石関委員 個別じゃなくても、全体で結構ですよ。こうやって令状を認めて、冤罪だった、こういう例はほかにもありますよね。そういったことが起こった、捜査機関に要求されて令状を出したら冤罪だった、これはありますよね、ほかにも。いかがですか。(発言する者あり)

七条委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 小川刑事局長。

小川最高裁判所長官代理者 やはり個別事件のことでございますので、一般論として申し上げることは差し控えたいと思います。

石関委員 全然個別じゃないですよ。全体でこれこれ令状の申請があって、この令状を出しました、その中で、確定している中で冤罪だったというものはあるのかないのか、これをお尋ねしているんです。

七条委員長 石関君にお願いをしますけれども、これは個別ではない、先ほどの事件とは関係ない、一般論だということですね。

石関委員 そうです。

七条委員長 ということでございます。お答えください。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 あるのかもしれませんけれども、具体的な事情を離れまして、一般論として意見を申し上げるということは差し控えたいと思います。

石関委員 個別じゃだめで、それで一般論も言えないといったら、何なんですか、それは。どういう責任を持ってこの仕事をやっているんですか。もう一回ちゃんと答えてください。(発言する者あり)

七条委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 小川刑事局長。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 再審で無罪が確定すれば、その点については我々も真摯に受けとめたいというふうに思います。

石関委員 ちゃんと答えてくださいよ。あったのかないのか、それぐらいわかるでしょう。

 今のは仮定の話をされているのであって、そうなればそうだという話じゃなくて、過去に実際確定しているものがあるわけですから、令状を発付して無罪だったもの、冤罪というふうに確定したものがあったのかないのか、これを教えてくださいよ。

小川最高裁判所長官代理者 お答えします。

 過去に再審で無罪が確定したという事件がございました。そういうものにつきましては、裁判所としては真摯に受けとめてまいりたいと思っております。

石関委員 もう一つ教えてください。

 先ほど尋ねたことですけれども、真摯に受けとめて、どうなっているんですか、これは。何か反省するとか審査体制を見直すとか、そういったことというのは行われているんですか。冤罪というのは大変なことですよ。何もしていないのに入れられちゃって、自分の時間を返せ、取り返しがつかないということが、数だけ、率で見たら、ほとんどフリーパスじゃないですか。ちゃんとした審査をしてこういうことが起こったのか、起こってしまったら、どういうことになっているんですか。反省しているんですか。何か処分とかしているんですか。

七条委員長 今のは一般論の話ですか、個別の話でしょうか。

石関委員 全体、一般的な。

七条委員長 全体ですね。では、一般論ということでございます。

小川最高裁判所長官代理者 お答えします。

 そういった事態を踏まえまして、今後とも適正審理に個々の裁判官が努めてまいりたいと思っております。

石関委員 この件、また違う場面でお尋ねをさらにしていきたいと思いますし、数についてもそのときには教えていただきたい。できれば、円満に委員会が運営をされて、事前にしっかり通告をして、お互い十分な用意をしてここに臨めるような体制を、委員長、また改めてお願いしたいと思います。

 今の令状主義の形骸化ですけれども、数が今ははっきりわかりませんが、こういったほとんどフリーパスの状態で令状が出されている、二万六千も上がってきて十五件しか却下されていない。問題があるのではないか。実際、冤罪になった例もあるということでありますので、こういった令状の形骸化、大臣が認識をされているかいないかということもありますが、これはぜひ大臣も認識をされて、形骸化しない令状のしっかりした審査体制は何かというのには、大臣からも何らかの御示唆とか、責任を持ってこの令状主義について指揮をとってもらえればなと思うんですけれども、大臣はいかがですか。このままでいいんですかね。

長勢国務大臣 先ほどもお答えいたしましたが、また最高裁からも御答弁がありましたけれども、フリーパスということではなくて、きちんとした請求に基づいて審査されておられると思います。

 ただ、いずれにしても、我々検察としても、きちんとした法と証拠に基づく起訴ということが我々の職務ですから、それをきちんと適正に執行するように私どもも努めてまいりたいと思います。

石関委員 今の御答弁では、大臣は、形骸化はしていない、こういう御認識だというふうに理解いたしました。

 数字については、最高裁から今後しっかり出していただいて、また違った場面で、このことについて、大臣の御認識も含めて、お尋ねをしていきたいというふうに思います。

 それでは、時間が迫ってまいりましたが、執行官法についてお尋ねをします。

 執行官というのも何か独特な制度でありますけれども、公務員でありながら手数料を受けるということですが、執行官の制度の概要について、そもそもこれは、制度が設立されたときはどういう人が執行官になって、今どんな形になっているのか、簡単に大臣から御説明いただきたいと思います。

長勢国務大臣 執行官は、各地方裁判所に置かれる裁判所職員であり、特別職の国家公務員でありますが、独立かつ単独制の司法機関であって、国から俸給を支給されず、事件の当事者から手数料を受けておるものであります。

 手数料制であることから当然異なった扱いを受けるべきものを除き、他の裁判所職員と同様に取り扱われ、原則として、国家公務員法及び人事院規則の準用を受けております。

 執行官の職務でございますが、民事執行法等の法令により執行官が取り扱うべきものと定められた事務及び私法上の権利の実現等に係る事務で、裁判において執行官が取り扱うべきものとされたものを取り扱うこととなっております。

 具体的には、不動産執行における現況調査及び売却、動産執行、物の取引、引き渡し執行、保全執行等の事務でございます。

石関委員 現在の制度の概要、執行官の方々については今御説明で承知しましたけれども、そもそもこれは、どういう経緯で、その前身も含めて、今の執行官制度ですけれども、いつ設立をされたんですか。明治ぐらいにできているんじゃないですか。

 どういう人が執行官になって、どういうふうにその執行官制度が運営をされていたのか、そもそものところをちょっと教えていただきたいと思います。(発言する者あり)

七条委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 長勢法務大臣。

長勢国務大臣 大変古い制度でございまして、明治二十三年に執達吏制度がつくられまして、現在の執行官になったのは、昭和四十一年、執行官法によって今の制度になったというふうに承知をしております。

石関委員 そもそも、この執達吏になられた方というのは、これは明治二十三年だそうですけれども、どういう人から執達吏になったんですか。今の執行官の方々というのは、裁判所の職員とか司法書士、不動産鑑定士、こういう人たちが多いということですけれども、執達吏になったのはどういう人がなったんですか。

小泉最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 そもそも、執行官の制度の変遷でございますけれども、明治二十三年、委員御指摘のとおりでございまして、執達吏という制度で始まりました。

 そのころの任命の資格でございますけれども、試験で合格した者を執達吏として任命しておりました。資格としては、年齢が満二十五歳以上の者で、六カ月以上の職務修習、これを終えた者というふうになってございます。

石関委員 私がお尋ねしたのは、今の執行官になられている方々というのは裁判所の職員とかいろいろな方々がいるということですけれども、執達吏になった人というのはどういう人たちがなったんですか。普通の人が急に試験を受けて、やってみよう、そういう人たちが多かったんですか。

小泉最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 正確には、明治二十三年のことですので今お答えは申し上げられませんけれども、当時のこととしましては、事務吏員の方々等からなられたのではないかというふうに思っておりますけれども、また詳しくは調査した上で御報告申し上げたいと思います。

石関委員 大臣、今御説明があった執達吏というのと今の執行官というのは、ほぼ同じ仕事をしていた、あるいは全く同じ仕事をしていたというふうに考えてよろしいですか。

長勢国務大臣 ちょっと正確にお答えすることはできないのでございますが、おおむねそういうものだろうと思って理解をしております。

石関委員 大臣、これは、執達吏のときかあるいは執行官になっていたのか、これも教えてもらいたいんですけれども、今執行官の人というのは裁判所の中に部屋があって執務をされているんだというふうに私は承知をしておりますが、それでいいのかどうかということと、執達吏のときか何かには自分で役場を構えてやっていた、こんなこともちょっと私も聞いたような気がするんですが、そういったことなんでしょうか。

 そういった部分から、手数料とかそういったちょっと特殊な立場にいるということでもありますが、今度の法案というのは恩給をどうにかするということですから、そういった特殊な立場の方がどういうふうに、どのような意味で恩給をもらうようになったのか。自分で役場を構えていた人、独立してやっていた人が恩給をもらうというのはどういうことなんでしょうか。

 こういったことも知りたいので、今お尋ねしたところ、お答えをいただきたいと思います。

長勢国務大臣 詳細はまた最高裁から追ってお聞き取りをいただきたいと思いますが、今御指摘のように、執達吏、執行吏は、所属の裁判所とは別個に、自己の責任と計算において役場を設け、またそのような役場を執務の本拠地としておったということでありまして、執行官においては執務の本拠を裁判所に置いておるということが差異だというふうに承知をしております。

七条委員長 約束の時間が過ぎておりますけれども、手短に。

石関委員 関連で、一言でお答えいただける質問をさせていただきます。

 執行官というのはその職務の執行について手数料を受けるんだ、それから職務の執行に要する費用の支払いまたは償還を受ける、そういうので今の役場がどうなっていたかというのをそもそも知りたいなというふうにお尋ねをしたんですが、ただし、収入が政令で定める額に達しないときは国庫からその不足額の支給を受ける、執行官法の第二十一条ですね、この政令、執行官国庫補助基準額令ですけれども、これは今幾らになっているんですか。これを最後のお尋ねにしたいと思います。

七条委員長 約束の時間が過ぎておりますから、手短に。

小泉最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 行政職の五級一号相当ということで、三百四十七万円余りというふうに承知しております。(石関委員「大臣に答えさせてください」と呼ぶ)

長勢国務大臣 今お話があったように、三百四十七万六千四百円というふうに承知をしております。

七条委員長 時間が過ぎております。

石関委員 ありがとうございました。

 次回はぜひ静ひつな環境でこの大事な質疑ができるように、委員長にはしっかりと御配慮いただけるようにお願いをして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

七条委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

七条委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。平岡秀夫君。

平岡委員 我が党の同僚委員が質問のたびごとに申し上げておりますけれども、この委員会の開催そのもの、職権で強行的に立てられているということで、私たちは、この委員会、今すぐにでも流会して、お互いに真摯に議論ができるような状況になってから開会すべきであるというふうに思います。委員長、いかがですか。

七条委員長 適切にやらせていただきますけれども、後で、御異論があるのなら、理事会の中でお受けいたします。

平岡委員 委員長が職権で開いているわけでありますから、そこは、まず委員長の見識を私は問わなければいけない。

 委員長、今このタイミングというのは、何も職権でごりごりと委員会を立てて進めていかなければいけないような状況に至っているとは思えないんですよね。これは日切れ的法案であって、日切れ法案じゃない。仮に年度内に成立しなくたって、そんなに大きく国民の皆さんが困るような話ではない。そういう状況の中で強行されるということに対しては、私は強く抗議をするとともに、こういうことを続けられるようであれば、我々も覚悟を持ってこれからの委員会運営に臨んでいかなければいけない、このことをまず申し上げて、質問に入りたいと思います。

 まず、法案の質疑に入る前に、幾つか質問してきておりますけれども、ちょっと緊急性を要する話が幾つかありますので、これまで質問してきたことに関連して質問させていただきたいというふうに思います。

 まず最初は北朝鮮問題に関してでありますけれども、せんだっての委員会で、私の方から、北朝鮮人権侵害問題啓発週間について、法務省の人権擁護局が行っているのはおかしいんじゃないかというお話を指摘させていただきました。基本的には、人権擁護という問題からすれば、むしろ逆に、日本にいる在日朝鮮人の方々に対する人権侵害の方が、この啓発週間のやり方によっては問題が起こってくるということについては、大臣も御同意されたというふうに私も記憶しております。

 ただ、その場で、一体この人権侵害問題啓発週間のための予算というのをどういうふうに捻出しているのかという話をしましたら、大臣はそのときに、この北朝鮮人権侵害問題啓発週間のための「予算を人権擁護局に配賦していただいてやっておるということでありますから、ほかの予算をそのために減らしているということではないと思います」という答弁をしておるんですよね。しかし、その後、私も事務局の方からもしっかりと教えてもらいましたけれども、人権擁護局の予算そのものが使われているわけですよね。

 これは、大臣の答弁は虚偽答弁であるし、大臣の認識と違っている。この点について、大臣のまず見解を伺わせていただきたいと思います。

長勢国務大臣 その点は少し間違っていた点があったと思いますので、訂正をさせていただきたいと思います。先生おっしゃるとおりであります。

 予算の組み方、査定の段階で、そういうことの配慮の中でやられたものという感じでおりましたので、ちょっと間違ったことを言ったと思います。訂正をいたします。

平岡委員 そもそもこの法律そのものが議員立法という形で年度の途中からつくられたので、もともと予算も用意していなかったものなんですよね。それにもかかわらず、こういうことをやるということになれば、当然どこかから捻出しなければいけない。その捻出する予算が、本来、人権擁護問題についてしっかりと予算的手当てもして取り組んでいかなければならない、そこから出されているということに対して、私は強く抗議を申し上げたいというふうに思います。

 そこで、若干、私にとってみれば、どうなっているのかなと思う問題がこれに関連して起こっております。今月十五日から、政府、これは拉致問題対策本部のようでありますけれども、この広報で拉致問題に関するテレビのスポットコマーシャルを放映することにした、大体、制作で五百万円、放映が約一億円というような金額も上がっているようでありますけれども、この放映は、大臣は何のために放映されるというふうに認識されておられますか。

長勢国務大臣 北朝鮮の拉致問題に関する政府広報については拉致問題対策本部が実施しておりますので、私は承知をいたしておりません。

平岡委員 さっき言った北朝鮮人権侵害問題啓発週間について、法務大臣が、法務省が中心的役割を果たしているわけですよね、中心的といっても単に窓口をやっているだけだという話があるかもしれませんけれども、窓口となってこの週間についてやっているわけですよね、このテレビコマーシャルが何のために行われているかがわからない、そんなことは、私は大臣として失格だと思いますよ。どうですか。

長勢国務大臣 事務方としてやっておりますので、事務的に関与しているのかどうかも含めてちょっと知っておりませんので。いずれにしても、この政府広報は対策本部を中心にしてやっているんだろうと思います。

平岡委員 そういう認識でしか大臣がないとすると、私は、これは極めて大きな問題が起こってくるという可能性を感じます。

 そもそも、このテレビコマーシャルというものは、何か非常に変ですね。ある意味では、外交交渉が下手くそな日本政府が、要するに、自分たちの交渉がうまくいかないので、当てつけにやって国民感情をあおろうとしている、そうとしか思えない。何か非常に国民の感情を扇動しているような、そんな気がしますね。拉致問題の重要性とか深刻さというのは、皆さん、これはテレビコマーシャルなんかやらなくたってわかっていますよ。しかも、そういうときにあえてやるというのは、私は、政府の外交交渉が失敗している、そのことを、何か北朝鮮に反感感情を国民に与えることによって責任を逃れようとしているんじゃないか、そういうふうに思います。その点については、法務大臣は所管じゃないから別に答える必要はないと思いますけれども。

 しかし、この前の人権問題啓発週間のときも申し上げましたけれども、こういうことをやることによって、逆に、日本におられる在日朝鮮人の方々に対する人権侵害の問題がさらに大きくなってしまうんじゃないか、そっちの方をやはり私は心配しますね。

 大臣、いかがですか、そういう心配はないですか。仮にもしあるとしたら、大臣としてはどうされますか。

長勢国務大臣 拉致問題について、国民の皆さんはけしからぬというふうにみんな思っておられますし、それに誠意を持って取り組んでいくことが大事なことだと思っております。

 と同時に、おっしゃっているように、在日の方々に対するいろいろなことがあってはいけないということもそのとおりでございまして、これは北朝鮮の侵害啓発をしたからという流れに直接結びつくとは考えておりませんが、北朝鮮の方々に対するいわれなき人権侵害に当たるようなことがあれば、そういうことのないように十分な調査もし、対処していく、こういう方針で今指示をいたしております。

平岡委員 外交交渉がうまくいかないということをこんなことで当てつけをしている政府も政府だと思いますけれども、これによって多くの人権侵害の問題が逆に起こってしまうということに対しては、法務大臣、しっかりと本来の職責を果たしていただきたいということをお願いしたいと思います。

 それから、これまで質問した話の中の一つに、千葉県に在住している中国籍の学生、まだ未成年の学生ですけれども、李峰さん、李金花さんについて、二月二十七日に東京高裁で控訴審の判決が出ております。

 これは、繰り返すまでもなく、前回私がしっかり議論させていただいて、イラン人のアミネ・カリルさんの長女のマリアムさんについては、総理大臣が何か大変関心を示されたというようなことで、在留特別許可がおりたようでありますけれども、そのときに私が質問させていただいたときは、大臣もこの問題についてはいろいろ考えておられるようなことがあって、ある時期が来ないと判断ができないんだ、今控訴中なので裁判所の判断を待ってから考えてまいりたいというような、そんな趣旨の答弁をされておられますけれども、一応、高裁判決が出たわけでありますよね。

 この判決結果を踏まえて、多分、これは上告のための期間も残りわずかなのか過ぎたのかちょっとわかりませんけれども、そんなタイミングだろうと思いますけれども、この問題について、法務大臣としてはどう対応しようとされておられるんでしょうか。第一審でも政府が負け、控訴審でも政府が負けているという状況にかんがみれば、二人に在留特別許可を出すという判断に立つべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

長勢国務大臣 上訴期限はきょうでございます。したがいまして、上告理由があるかないか、また、ないとした場合にどういう対応をするか等々、今検討しておるところでありますが、適切に判断をしたいと思います。

平岡委員 上告期限がきょうで、これから適切に判断するというふうに言われても、これから何を検討しなければいけないことがあるんですか、この限られた短い時間の間に。きょうということになったら、もうあと残りわずかの時間ですよね。何を検討しなければいけないんですか。

長勢国務大臣 今申しましたように、上告理由があるかないか、どういう理由にできるかどうか、またそれを踏まえて、するしないしかないわけですから、その後をどうするかということを今検討させているわけでありますが、この時期でありますから、これ以上言わせないでください。

平岡委員 逆に言えば、この時期だからこそ言ってもいいんじゃないですか。あと残されている時間はわずかじゃないですか。大臣としてこういう方針で臨んでいきたいということは言えるんじゃないですか。ここでどっちかの方向を言ったら、私にまたいろいろとがみがみ言われるから言えないということじゃないんだろうと思いますけれども、どうですか。

長勢国務大臣 がみがみ言われるのも怖いですが、内部の検討の体制もあるものですから、そういうことでよろしくお願いします。

平岡委員 これまでの議論の経緯とか、あるいはこれまで大臣が日本人の非常に厚い心というものを示された他の案件との関係とか、いろいろ考慮しなければならないことはあるんだろうと思いますけれども、これまで委員会でもしっかりと議論させていただいておりますので、大臣の適切な判断をぜひお願い申し上げたいというふうに思います。

 そこで、法案の方に入りたいと思います。

 まず最初に、最高裁判所の事務総長にお聞きしたいと思います。

 事務総長は、事務総長になる前にはどういうポストを歩んでこられたのか、まずこの点について御答弁いただきたいと思います。(発言する者あり)

七条委員長 最高裁高橋総務局長。(平岡委員「私は総務局長を呼んでいません」と呼ぶ)総務局長の答弁を聞いてから、あとの話をしていただければと思います。事前に説明してきたとおり、説明要求がありましたものを本委員会で既に可決させていただいて、五人のメンバーを呼ばせていただいておることを申し添えておきます。

高橋最高裁判所長官代理者 現在の大谷事務総長は、昭和四十七年に判事補に任官し、昭和五十七年に判事に任官、以後、平成十八年六月に最高裁事務総長に就任しております。

平岡委員 なぜ事務総長が来られないんですか、その理由をまず述べてください。事務総長がここに来られない理由。

 与党の皆さんもちょっと考えてみてくださいよ。今、裁判所職員の定員法と執行官法の一部改正をやっている。これは、まさに裁判所の内部の問題そのものじゃないですか。この問題に事務総長が出てこられない。なぜ出てこられないのか。こんなことを、私は、この委員会として、国会としてほっておくことはできないですよ。なぜ事務総長を呼べない。

 法務大臣はしっかりと一人で今頑張って答弁しておられる。法務大臣は来ている。これはおかしい。なぜ来られない。まずその理由を答えてください。

七条委員長 平岡委員にお尋ねいたしますが、今の御質問はだれに答弁をさせるつもりですか。

 先ほども申し上げましたとおり、本委員会は、事務総長にかわって最高裁から五人の局長をもってして説明要求があったものですから、それを受理いたしておるところでございます。ですから、最高裁については、五人のメンバーに対して御質疑を賜ればと思います。

 最高裁から五人の局長が参っておりますので、ぜひそういうふうな形で質疑を続行していただきたいことをお願いいたします。

平岡委員 国会法の中に、七十二条、「最高裁判所長官又はその指定する代理者は、その要求により、委員会の承認を得て委員会に出席説明することができる。」こういうことですよね。この「代理者」の中には事務総長は入っていますよね、委員長。(発言する者あり)委員長が判断したんだから。

七条委員長 先ほど来も申し上げましたように、この委員会で可決をいたしております。

 高橋総務局長。

高橋最高裁判所長官代理者 委員御指摘のとおり、事務総長もその中に入っております。

 国会法の七十二条、今委員御指摘のとおり、最高裁判所の場合は、司法権の独立ということを十分考慮していただきまして、こちらの方から要求をして説明させていただくという形になっております。従来からもそういう形でやっていただいております。ですから、普通の場合とちょっと違っております。

 私どもは、局長は、従来、こういう法案の審議につきまして、長官の代理者として所掌事務について御説明申し上げるということで参っておりますので、何とぞ御了承いただきたいと思います。

七条委員長 したがいまして、最高裁から要求があり、それを受けさせていただきました。

 質疑を続行していきます。平岡秀夫君。

平岡委員 なぜ事務総長が来られないのか、ではそれを聞きたい。なぜ事務総長が来られないのか、それを教えて。なぜ事務総長がここに来られないんですか。事務総長は代理者になっている、代理者になっているにもかかわらずここに来ない。ということは、この二つの法案、事務総長は別に通してほしくもない、そういう判断のもとにあるということでしょう。(発言する者あり)

 では、なぜ事務総長が来られないのか、ちゃんと説明しろ。(発言する者あり)

七条委員長 もう一度最高裁の方から答弁を求めます。

高橋最高裁判所長官代理者 今回の質疑は、執行官法の一部改正と裁判所の定員法に関する改正でございます。

 この点につきましては、所管の私どもの方でお答えできるのではないかと思いまして、出席要求をさせていただきました。事務総長につきましては、特にそこまで、出席して御説明するまでのあれではないのではないかと思いまして、出席要求をさせていただいたものであります。(平岡委員「その程度の法案か」と呼ぶ)いや、そういうわけではございません。私どもの方で、誠心誠意答えさせていただきます。

平岡委員 今の答弁は、私は非常に心外ですね。というのは、局長で答弁できるから局長が来ました、それだったら、この委員会、法務大臣、別に、局長、政府参考人がいれば答弁できるんだから、大臣は来なくてもいいという論理と同じじゃないですか。そんな論理でこの委員会を軽しめるとは……(発言する者あり)与党だって怒れよ、与党だって。何で事務総長が来られないのか。

 そもそも、この法案は、裁判所職員定員法、執行官法といって、まさに裁判所の中心的な法律じゃないですか。そんな法案について事務総長が来られないというのは、来たくない、そんな法案なんか審議するに値しないですよ。審議しちゃいけないですよ、そんなもの。(発言する者あり)審議拒否じゃない、答弁拒否だよ。出席拒否だ。答弁拒否だ。(発言する者あり)だから、答弁する人が、事務総長が来て、ちゃんと質問したいということを言っているんだから、何で来られない。(発言する者あり)どういうルールだ、言ってみろ。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛に。

 もう一度、最高裁高橋総務局長。

高橋最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 私どもは、長官代理者として出席要求をしてここで答弁させていただいておるわけでございます。そのことについて、国会法七十二条の趣旨に従って私どもは出席要求をしておるわけでございまして、長官代理者として答弁させていただきたいと思っております。

平岡委員 今、事務総長は、判事ですか、そうじゃないですか、何ですか。

高橋最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 最高裁事務総長は、裁判所法の定める独立の官職でございまして、判事ではございません。

平岡委員 事務総長はこれまで判事だったことはありますか。

高橋最高裁判所長官代理者 判事であったことはございません。最高裁の事務総長は、判事ではございません。(平岡委員「今の事務総長は判事だったことがありますか」と呼ぶ)ございます。

平岡委員 それではお聞きしますけれども、裁判所法四十八条に、裁判官は、その意思に反して免官をされることがないと書いてあります。事務総長は、裁判官であったときから事務総長になるときにこの意思をどのように表明されましたでしょうか。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 本人が承諾をして、判事の身分を離れて事務総長の身分に転官されております。

平岡委員 それは、事務総長になる前に意向を聞かれたんでしょうか。事務総長になってから同意したということですか。何月何日、いつ、どういう人からどういうふうに聞かれてどうだったのか、答えてください。だって、裁判所法違反のおそれもある。(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いをいたします。

高橋最高裁判所長官代理者 正確な日時は不明でございますが、事務総長になる前に、事前に本人が承諾をしております。

平岡委員 そうすると、さっきからいくと、事務総長は判事じゃないから、今回の裁判所職員定員法の中で判事の数をふやすということについては関係ないということですね。

 ところで、聞きたくもないんですけれども、事務総長に聞きたいんですけれども、きょう来ておられると言われている各局長さんは判事なんでしょうか、そうじゃないんでしょうか。

高橋最高裁判所長官代理者 私は総務局長でございますが、判事の身分を有しております。

七条委員長 最高裁小池経理局長。(平岡委員「総務局長から言わせたらいいじゃないですか」と呼ぶ)きょうの皆さんとさっき言われましたから。

小池最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 私、経理局長でございますが、判事の身分を有しております。

七条委員長 二人だけでよろしいですか。では、どうぞ。

平岡委員 お二人は、経理局長、総務局長になって判決は書かれましたか。

高橋最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 総務局長になりましてから、判決は書いておりません。

小池最高裁判所長官代理者 当職、昨年の一月三十日に経理局長を拝命しましたが、それ以降は判決を書いておりません。

平岡委員 今回、判事の員数を四十人増加することというふうになっていますけれども、判決も書かない人が判事の定数の中に入っているのはおかしいじゃないですか。先ほど、なぜか知りませんけれども、事務総長は判事じゃなくて事務官であるということでこの員数に入っていないようですけれども、判決も書かない人が判事の身分でこの定数の中に入ってくるというのは、極めておかしいと思いますよ。

 大臣、どう思いますか。判決も書かない、ただ単に事務をしている人たちが判事の役職についている、このことはおかしいと思いませんか、大臣。

長勢国務大臣 司法行政の問題でございますので、私からのコメントは差し控えさせていただきます。

平岡委員 大臣、この法案は政府が出しているんですよ。そして、その主管の省庁は法務省ですよ。そのトップは法務大臣ですよ。その法務大臣が、この四十人の中に経理局長とか総務局長とか判決を書かないような人が入っているということに対して、関係ない、知らない、わかりません、そんな答弁でいいんですか。おかしいですよ、そんなの。ちゃんと答弁してくださいよ。

高橋最高裁判所長官代理者 判決を書かないのになぜ局長に判事を充てる必要があるのかという御質問でございます。

 元来、裁判所の司法行政事務は、裁判所法上、裁判官会議が行うものとされておりますが、これらの事務の中には、裁判官の人事それから裁判所の施設等裁判事務と特に密接な関係を有するものがございます。また、最高裁判所規則というものを立案しなければなりません。まさに法律知識を必要とする事務が多々あるわけでございますので、裁判官会議を補佐する事務総局において裁判官の資格、経験を有する者が企画立案等の事務に当たることによって初めて司法行政の実を上げることができると考えております。

 したがいまして、司法行政の重要事項の企画立案等をつかさどる職には原則として裁判官を充てているということでございます。

平岡委員 今局長が答弁したことでいったら、では、事務総長は余りそういう判事としての経験なり識見みたいなものは必要ない、ただ、経理局長とか総務局長ぐらいになるとそういうものがないとやっていけない、こういうような整理がされているということですか。

高橋最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げましたとおり、事務総長も裁判官の経験は有しておられるわけでございますけれども、現在は判事の身分を離れております。

 これは、最高裁事務総長といいますのは、先ほど申し上げましたとおり、裁判所法上、最高裁に置かれています、裁判所法が認めております独立の官職でございまして、判事をもって充てるとはされていないわけでございます。

 司法行政に関する職のうち、最高裁が指定するものは判事をもって充てることができる、司法行政上の職務に関する規則でそう定めておりますが、最高裁事務総長につきましては、事務総局の長であるといういわばシンボルといたしまして、この指定がされていない。判事経験者を任命するときでも、一たん判事の身分を離れるということがされているわけでございます。

平岡委員 よく知られている話ですけれども、一般職の国家公務員とこの判事職とでは給与体系が大分違うんですよね。非常にいい給与をもらっているわけですよ。だから、例えば財務省の何とか局長さんと最高裁の何とか局長さんを比べると、大分給与の開きがあるのではないかというふうに私は思うんです。

 ところで、今、判決を書いていない判事、判事補というのは一体何人いるんですか。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 平成十八年の十二月一日現在で事務総局に局長、課長等として配属されている者は五十三人ございます。司法研修所の教官等の仕事をしている者が四十六人、それから、高等裁判所事務局長の職についている者が八人でございます。要するに、これらの方々は判決は書いておりません。

 訴訟促進を図るために、できるだけ司法行政部門の裁判官を減らして裁判事務に回すことが必要でございますので、事務総局の局課長等はできる限り兼務で賄いまして、また、一般職で賄えるポストはできる限り一般職員を充てたいというふうに考えております。

平岡委員 研修所の教官なんかはかなりそういう専門的知識を必要とするということでしょうからそれはいいとしても、今言われた局長とか課長とか事務局長とかというようなのは、私は別に判事じゃなくてもいいと思うんですよね。だから、その分については定数を削減したところで今回の定員法を考えるべきだというふうに思います。

 それはそれとして、もう時間が来たということではありますけれども、私は、ここに事務総長が来ないということについては極めて遺憾だと思いますよ。本当にこの法律が必要であるということであるならば、事務総長が、ぜひこの法案については通してほしい、そういう意欲のもとにここに来てしっかりと説明をするというその姿勢なくして、局長レベルで説明できるからいいでしょうというような対応は、まさに国会を愚弄している対応だと私は思います。

 そういう点については、私は、野党という立場じゃなくて、与党の人たちもしっかりと声を上げなきゃいけないですよ。だって、その代理者になっているんですから、事務総長は。事務総長は代理者になる必要がないということで、していないならいいですよ、でも、なっているんですから。やはりそこはしっかりと与党も対応していかなければ、本当にこの国会の権威を、法務委員会の権威をおとしめるということを抗議申し上げて、私の質問を終わります。

七条委員長 次に、高山智司君。

高山委員 民主党の高山智司です。

 委員長に改めて申し上げますけれども、とにかく、それほど、一日、二日を争うほど急ぐともどうも思えないような法案を審議するに当たり、理事会も職権で強引に立ててくる、また委員会もこのように強引にやってくるというような事態は厳に慎んでいただきたい。せっかく今まで、法務委員会、与野党の理事、非常に円満な話し合いで去年も行ってきたにもかかわらず、なぜかことしに入ってから急に、与党の理事の方、また委員長が職権でこうやって委員会を立ててくるというような強硬な姿勢がどうも目立つので、ぜひとも円満に審議していただきたいということを委員長にまず強く申し入れます。

七条委員長 適正にやってまいったつもりでございますが、もし、不服があるのならば、後日、理事会で、その席でお受けさせていただきたいと思います。

高山委員 それでは、まず副大臣に、前回の質問の続きでちょっと伺いたいんです。

 副大臣は、前回、訟務に関して、どうも何か無駄に上訴しているものもいっぱいあるようだから、そういう控訴なんかも控えるように考えたらいいというようなお考えをホームページで披露されているんですけれども、そういうお考えというのはいまだに変わらないんでしょうか。前回はそういうようなことをおっしゃっていたので、もう一度確認ですけれども。

水野副大臣 一般的に申し上げれば、争う価値のあるものに対して争う、また、判決が出たものに対しては、受け入れ得るものに対しては受け入れる、また争う必要があれば争っていくというのは、一般論としてはそういうことだというふうに思っております。

高山委員 水野副大臣に伺いますけれども、その争う必要があるとかないとかということは、これは一体、どういうものが争うべきで、どういうものが争うべきじゃないというのは、一般論的にはどのようにお考えなんでしょうか。

水野副大臣 どういうものを争うべきか、どういうものを争うべきじゃないかというのは、一般論化して言うのは非常に難しいと思うので、まさに個別事情をいろいろ勘案しなきゃいけませんので、これは一般的にというのはちょっと言いにくいかと思うんですが、本当に、総合的に判断した上で、上訴すべきものもあれば、そうじゃないものもあるんじゃないかというふうに思います。

高山委員 そうしますと、ちょっと伺いたいんですけれども、確かに、いろいろな事件、個別の事情を全部理解というのは、なかなか判断が難しくて、先ほど大臣も、きょうの問題に対してはちょっとというようなお話だったんですけれども。

 例えば、経済産業省が訴えられていて、NPOから情報開示をせよという問題の場合、これはさらに上に訴えた方がいいんだ、訴えなくても大丈夫だ、これを判断するのは法務省なんでしょうか、それとも経済産業省の方なんでしょうか。副大臣に伺います。

水野副大臣 手続上は、上訴するかどうかというのは大臣の最終的な判断に、それは法務省の方の大臣のだというふうに思います。ただ、もちろん、いろいろな事件、国が被告になっている事件に関しては、所管の省庁が直接には、例えば薬害の問題とかであれば厚生労働省などと協議をしなければいけないでしょうし、そういう専門の省庁と、だから、今おっしゃられるケースであれば経済産業省と協議をしていくのは当然のことだというふうに思っております。

高山委員 そうしますと、このケースはここでちょっと断念しましょうとか、あるいは、いや、これはまだ国として頑張れるのでやりましょうというのは、経済産業省なり厚生労働省なり、実質的に訴えられている対象となっている方の省庁が判断するんでしょうか、それとも法務省が判断するんでしょうか。

水野副大臣 いろいろと協議をしながら、もちろん、今のケースでいえば、厚生労働省とか経済産業省とかに専門的な知識があるわけでしょうから、そういう方々と協議をしながら、最終的には法務大臣の判断だというふうに理解しております。

高山委員 法務大臣に伺いますけれども、最終的には法務大臣の判断だというのは、形式的な、最後に判こを押す役が法務大臣なのであって、法令上の誤りがあるかどうか、そういう形式的な審査だけで、実質的には、これは上げた方がいいとか、さらにもっと頑張ってみようとか、いや、もうここで断念しようというのは、これはもともとの省庁の判断かと私は思うんですけれども、大臣の理解をまず教えてください。

長勢国務大臣 国が敗訴するというようなことがあった場合にどうするかということについて、まず、その担当省庁で協議をされまして、訟務担当である法務省にこれにしたいという話が来ます。法務省としては、その意見で裁判を継続できるかどうかとか、いろいろな観点から議論をして、意見交換をして、合意に達すれば、その方向で私のところに上がってくる、こういう仕組みになっておるわけであります。

 御案内のとおり、法務大臣権限法というのがありまして、第六条において、行政訴訟については「行政庁は、法務大臣の指揮を受けるものとする。」というふうに規定されておりますので、仮に意見が分かれるとかいう場合には、最終的に私のところでいろいろな観点からの判断をさせていただいて決定をさせていただく、こういう仕組みでございます。

高山委員 大臣にもう一回伺いますけれども、そうしますと、今、いろいろな観点からというようなお話でしたけれども、ちょっと私の理解では、法令違反があるような場合には、当然法務省として、ここはこうですというようなことは言うのかもしれませんけれども、実質的判断も法務大臣がなさる、こういうことですか。

長勢国務大臣 政策的に、法律の解釈を争うようなケースが多いわけでありますから、それを争うことが国として適切かどうかという判断をするということであります。

高山委員 実質的判断権と形式的判断権がちょっと分かれているんじゃないかなと私は思うんですけれども、実質的判断権も法務大臣はあるんだ、そういうことですか。もう一度ちょっとお願いします。

長勢国務大臣 その形式的判断権と実質的判断権の区別が私はよくわからないのでございますが、訴訟手続上だけのことを形式ということであるならば、そこだけで判断をしているわけではない。もちろん、訴訟手続に合わないものであるということは判断の中には入らないと思いますけれども、そういう意味で、もしそういう意味であれば、先生の言われる実質的なということも含めて総合的に判断をするということになると思います。

高山委員 前回は、私は、水野副大臣に若手としてちょっと応援しようという気持ちもあったんですけれども、これは、後々よく考えてみますと、その後、国として上に上げてちゃんと判断を仰ぐのかどうかというところに、私情とまでは言いませんけれども、御自身のそういう政治的な判断を入れて決裁しないというようなことは、非常に不適切な行動だったなというふうに後々気づきました。

 初めは応援する気があったんですけれども、どうもいろいろ質疑を繰り返していくうちに、いや、そういうことを本当に副大臣がやっていいのかな、そしてまた、個人の政治家としていろいろな信条があるのは構わないんですけれども、もう今は副大臣になっていて、かつ、まだホームページ上で無駄な訴訟があるんだみたいなことをずっと掲載されているというのはちょっと不適切なんじゃないかなというふうに私は思いましたので、これは副大臣に改めるようにぜひ大臣の方から言っていただければと思うんですけれども、大臣、お願いできますか。

長勢国務大臣 控訴するかどうかの判断に当たって内部でいろいろ協議はいたしますので、その過程で、私と副大臣と、いろいろ意見も聞かせていただいて、協議をさせていただきました。しかし、控訴することについての私の判断には副大臣として従っていただいておりますので、特に問題はないと思っております。

高山委員 ああ、身内に甘いなという印象を私は受けました。だって、副大臣になっているのに、無駄な訴訟があるんだみたいなことをまだホームページに書いている、それはやはり不適切だと僕は思いますね。だから、それは本当は改めていただきたいと思いますけれども、身内に甘い大臣ですので、これは残念だなとしか言いようがないなと思いますけれども。

 もう一つ、身内に甘いということでいえば、去年の秋にタウンミーティングのやらせ問題というのが起きて、司法制度改革のタウンミーティングでは、法務省の皆さんも非常に積極的に、そういうやらせですとか、サクラというか、やらせの質問みたいなものにまで随分積極的に関与して大問題になって、タウンミーティングも全部改めていこうというようなことになったと思うんですけれども、この件に関しまして、法務大臣は、当時も法務大臣は長勢大臣だったわけですけれども、これは、省内的にどういう処分をして、今後、再発防止をするためにどういう指示をしたのか、教えてください。

長勢国務大臣 タウンミーティングに関する当時のことについてはまことに申しわけなく思っておるわけでありまして、真摯に受けとめて、今後、信頼される広報活動に努めていかなければならないというふうに思っており、またみんなにも指示をいたしております。

 この事態を真摯に受けとめて、私自身も閣僚給与の二カ月分を自主的に返納することといたしました。また、その当時の、当時というのは、おっしゃられる問題があったタウンミーティングの当時の刑事局長、これが現法務事務次官でありますし、また当時の官房長は現刑事局長でございますので、それぞれに厳重注意処分ということをしたところでございます。

高山委員 それでは、裁判員フォーラムで、ことしの一月になってからまたサクラの動員が起きたのはなぜですか。法務省主催のものもあるので、大臣に伺います。

長勢国務大臣 法務省主催の裁判員制度シンポジウムにおいて不適切な参加者募集があったということが判明しておりますが、これは、当省と共催をしておった新聞社がその判断でみずから行ったものでございまして、法務省が関与していないということであります。

 ただ、そうではありますが、大変残念な、極めて遺憾なことでございますので、民間企業にはもちろん申し上げましたし、今後、民間企業との連携のあり方については再検討することがあるなと思っております。

高山委員 大臣、身内に甘いなというふうにさっきも言ったんですけれども、当時の刑事局長や官房長やその他御自身の俸給ですか、そういったことをいろいろ処分もされているんですけれども、全然効果が出ていないじゃないですか。訓告をしたり厳重注意をしたそばから、またすぐやらせの問題が起きているわけですよね。

 御自身が出した処分あるいは厳重注意、これが適切だったというふうに大臣は考えていますか。

長勢国務大臣 適切だったと思っておりますし、シンポジウムの件については、これが効果があったとかなかったとかというより、全く当省の者が知らないうちに勝手に実施されたことでございますので、タウンミーティングにおけるいろいろな御批判については真摯に受けとめて、処分もし、それはみんな理解をして、それを前提に一生懸命仕事をしておる、こういうふうに思っております。

高山委員 いや、大臣、ちょっとそれは認識が甘いんじゃないんですか。司法制度改革ということでタウンミーティングをやったが、それが要するに一般の人にはわかりにくいんじゃないかということで、動員したり、サクラを入れたり、やらせの質問をやったりして、それで厳重注意した、それでまた今度同じような裁判員制度のフォーラムをやって、集まりが悪いからサクラの動員をした、でも、それは知らなかったんだ、当省の職員が全く知らなかったんだというような話ですけれども、世間から見たら、今、裁判員制度をどんどん普及させて、身近なもので、国民の一般の人に参加してもらわなきゃいけないときに、そのサクラをしたのは民間の広告会社がやったことで知りませんでしたということそのものが問題じゃないかと私は思うんですけれども、大臣はどう思いますか。

長勢国務大臣 そこまで、その共催の新聞社の方でやられることを共催者である法務省が監督したりしなきゃならぬということではなかったと思いますので、起きたことは非常に遺憾だということは申し上げたとおりでありますけれども、我が省の職員がその気持ちがないじゃないかという御指摘は当たらないというふうに思います。

高山委員 それはすごく無責任な気がするんですけれども、広告を打ったりあるいは新聞で人を集めたりとか、そんなのを全部直接法務省の職員がやるということは、今後のほかのイベントでも私はなかなか考えにくいと思うんですよね。むしろ、広告代理店に委託してやっていくことの方が今後も通常じゃないかと私は思うんですけれども、その際に、これだけ動員であるとかやらせの質問、こういうのがあった後で、なぜそこをきちんと注意しないで、漫然と、また、ただ広告代理店に委託して、その先はわかりません、これは余りにも無責任じゃないんですか、大臣。

長勢国務大臣 このフォーラムの広報その他について、法務省がお願いをしたり委託をしたりした部分とは違う場面でやられたことが今回の事件であります。(高山委員「全然違わないじゃないですか」と呼ぶ)違う。同じ事業だけれども、これをやってくれと言っているのにほかのことをやっていたんだから。その話を今しているわけで……(発言する者あり)だから、そのサクラの話をしているわけです。さっきからそう言っている。動員したことを言っている……(発言する者あり)

七条委員長 不規則発言はやめてください。

長勢国務大臣 この事業の中で起きたことではありますけれども、我々はこうやっていることを言っていたのに、ここでやったことの話ですから。そんな話まで言われても、それはちょっと、法務省に責任があるんじゃないかと言われても不適切でありますので。

 したがって、事後にしかわからなかったことでありますから、当然企業には厳重に抗議をいたしてありますし、そしてこれから、今後、フォーラムをやる際には、企業との連携関係のあり方は再検討すべきことがあるだろうということは先ほど申し上げたとおりであります。

高山委員 今大臣、何か声を荒げて、事後にしかわからなかったみたいなことをおっしゃいましたけれども、去年の十月、十一月からずっとやらせの問題で、タウンミーティングのあり方みたいなのが問われていたわけですよ。その中で、ことしの一月になって、もうこんなやらせとかサクラとかよもややるまいなというときにやっておって、それは広告代理店がやったことだから知らないんだ、これは、頼む時点でよもやそういうことはないだろうなということを確認するべきだったなと僕は思いますけれども、法務省はこれ以上責任はありませんですとか、何かちょっと責任逃れ、私はそういう印象を受けました。

 きょう、裁判所の質問なので、ちょっと最高裁の方にも質問をしたいと思うんです。

 これは新聞の記事で、二月二十日ので、補導委託制度を悪用して、預かった少女に淫行をしたという人の事件があるんですけれども、この事件に関して、まず、最高裁の方はこの事件は把握しておりますか。把握していたら内容を説明してください。

 二月の二十日の報道でありますけれども、家庭裁判所が逮捕、補導された少年少女の処分を決定する前に、民間の方に、自宅などで一緒に生活する補導委託制度というのがあるそうなんですけれども、では、まずこの補導委託制度について、どういう制度なのか、説明してください。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 突然のお尋ねでございまして、所管の局長が参っておりませんが、補導委託制度といいますのは、家庭裁判所が少年を審判した結果、調査官の試験観察という形でやりまして、最終処分をする前の段階で篤志家のところに少年を預けて、相当期間経過を観察した上で最終処分を決める、よくなったのであれば保護観察、どうしてもこれはだめだということであれば少年院送致、そういうのが補導委託でございます。

高山委員 いや、だから、どんなことを聞かれても答えられるように事務総長を私もお願いしているわけですから、これはやはり来ていただかないと困るし、私は、しかもこの問題に関しては事前に、これは一体どういうことなんだと、私の地元とも少し関係あるものですから、聞いていたものですから、当然お答えいただけるものだと思ったんです。

 今の総務局長の説明ですと、最終的な処分を決める前に民間の篤志家のところに預ける、それで、その後で最終的な、更生しているかなとか、ちゃんとまじめにやっているかとかということを判断する制度だというふうに今受けとめました。

 そうしますと、補導委託先の人というのは、預けられている少年少女に対してどちらかというと支配的な関係にあると思うんです。というのは、この少年少女は、今後、最終処分を受けて、少年院に行くのかあるいは行かないのか、こういうときの参考となる、こいつは生活態度がまじめだとか、いや、まじめじゃないとか、こういうことを家庭裁判所の調査官に報告するわけですよね、この委託されている人が。だから、そういう支配関係にある、あるいは上下関係にあるという気がするんですけれども、この点に関して、実際の運用はどういうふうになされていますか。

高橋最高裁判所長官代理者 補導委託先といいますのはさまざまなものがございます。例えば菊花石を磨くような作業をさせたりとか、それからさまざまな、それぞれの補導委託先の、本当に少年をよくしたいという心持ちで預かっていただいております。

 それで、調査官が定期的にその現場の状況、どういう状況で少年が生活をしているのかということを見に行ったりしております。およそ支配、被支配ということがないような方をできるだけお願いしている、もしもそういうふうなことがあって弊害があるのであれば、それはもう補導委託先をやめていただく、そういうような運用がされているものと伺っております。

高山委員 今のはちょっとおかしいですね。だって、調査官が補導委託先に行って、こいつはまじめかどうかということを聞くわけですよ。そうしたら、当然その人が、学校の先生とは言いませんけれども、点数をつける役割を担っているわけでしょう、補導委託先の人というのは。

 今回は、この補導委託先の人が預かった少女に淫行をしてしまいました、こういうお粗末な話なんですけれども、これは、この補導委託先だけでなくてほかにも、こういう支配関係にあったら、ただ働きで何か強制労働をいろいろさせていたり、あるいはこういう淫行をされたり、こういうことが十分考えられるのですけれども、補導委託先に少年を預けるというのはどういう契約関係になっているのか、教えてください。

高橋最高裁判所長官代理者 先ほど申しましたように、調査官の試験観察という形で、裁判所の調査官の方からそういう、裁判官が試験観察にする、そして補導先をここにするという形でお願いしておるわけでもありまして、事実上の委託関係という関係ではないかと考えております。

高山委員 今ベビーシッターに赤ちゃんを預けたりなんかするのも、例えばボランティアで近所の子供を預かりますなんというのもなかなか、事故が起きたときであるとか、これは大変なんですよ、大臣。

 どうもこの補導委託の制度というのは、きちんとした契約関係もなく、ただ民間の篤志家だということで、その篤志家の善意を随分頼りにしてやっている部分があるんじゃないのかなと私は思うんですね。

 それで、今回のようなこういう支配、被支配の関係を利用して、これは淫行なんて書いてありますけれども、もっと暴力的なことをやっている可能性も全然否定はできないし、一体、では、被害に遭った人はだれをどういう形で訴えたらいいんですか。これは、例えば補導委託先の人を個人的に訴えるという話なんでしょうか、それとも、裁判所の調査官が事実上の委託に基づいて委託先にやっているんだとすれば、その裁判所の調査官を訴えるという話になってくるのか、それを教えてください。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 先ほど申しましたように、補導委託先と裁判所との関係は委託契約関係であろうと考えますので、そういう場合でございますと、もしもその委託先の方で少年に対してそういう不適切な行為をした、淫行をしてしまった、したというようなことでございますと、我々裁判所の方が債務不履行というか、損害賠償責任を裁判所が負うという結果になろうと思います。

高山委員 そうしますと、今の局長の答弁によれば、これはまだ淫行なんというようなことですよ、これも重大問題だと思いますけれども、では、もし、補導委託先が少年を殴ったり、もう本当に傷害を負ってしまった、こういった場合には、少年の方あるいは少年の家族はだれをどういうふうに訴えて、それはどういうふうに損害賠償を負う形になるのか。全部裁判所だけですか、それとも補導委託先が負うんですか。どういう仕組みになるのか、法的関係を説明してください。

高橋最高裁判所長官代理者 まず、事案を簡単にしますと、例えば、補導委託先の預かり主が少年に対して暴力を働いた、殴った、けがをさせたということになりますと、これは当然不法行為で、民法七百九条に基づきまして、その殴った人は賠償責任を負います。委託をしておりますので、それは、いわば裁判所のあずかったところでそういう事件が起きたわけでございますので、当然裁判所の方も賠償責任を負うということであろうと思います。

高山委員 それではもう一つ。この補導委託先というのは、少年にとっては、本当に少年院に送られるか、それともこのまま、いい子にしていたからということで家に帰れるのか、まさに生殺与奪の権限を持つところなんですけれども、そういうところが少年に対して強い物言いをしたり、あるいは不利益を押しつけるようなことが当然あってはいけないんですけれども、それがないようにどういう防止策を講じているか、教えてください。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、最大の防止策というのは、やはりいい補導委託先、そういうことをしない補導委託先を探す、これにまず尽きるわけでございます。できる限りそれぞれの家庭裁判所が、そういう定評のあるといいますか、本当に少年の立ち直りに力を尽くしたいと思って誠実に努力されている方、実績のある方を選んで補導委託先にしておるわけでございます。それ以外に、それは調査官の方で時々状況を見に行くというようなことでも監視できるということだと思います。

 二度とこういうようなことがないように注意してまいりたいと考えております。

高山委員 事前に調査官の方が見に行くというようなことを言いましたけれども、今回の淫行の件に関しては、これは調査官が発見したのではなくて、どうも家族の方からのそういう通報があって問題が顕在化したということですけれども、調査官が見に行っても全く気づかなかったということで、調査官の責任というのは全くないというふうにお考えでしょうか。

高橋最高裁判所長官代理者 突然のお尋ねでございますので、その個別事件について調査官がどのような関与をしていたのか、実際問題として気づくべきであったのか、気づくべきであったと思うんですが、実際何らかの端緒があったのかどうか、その詳細については私は把握しておりません。

高山委員 時間が来たようですけれども、今の補導委託先もそうですし、先ほどのタウンミーティング、いわゆる裁判員フォーラムの委託した広告代理店のさらにその先の小さい広告代理店の話もそうですけれども、やはりこれから、一般の国民の方も含めて裁判員制度というのをどんどんやっていって、裁判所あるいは法務省のやることというのはとりたてて信頼が大事だと思うんです。

 どうもそれにしては、ちょっと委託先なのでわかりませんですとか、あるいは、委託先の広告代理店のことなのでちょっとそれは私の責任ではないですねであるとか、いや、十分注意したんだけれども、それは法務省は関係のないことだとか、そういう態度そのものが、これから法務行政あるいは裁判員制度あるいは司法行政の信頼をどうもなくしてしまうのではないかということを私は危惧いたしますが、時間が来たので終わります。

七条委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 今回の定員法でも、裁判員制度の導入のために判事の員数四十人、判事補の員数を三十五人増加ということで、裁判員制度を迎えて体制を強化しよう、一般的にはそれは必要だというふうに思います。

 ただ、私は、予算委員会においてこの裁判員制度全国フォーラムの予算及び執行のあり方を追及してきました。二十七億円、二年間でかかりましたね。幾ら使ったのかというと、実は三億三千万円余っていたと。きょうはその点は聞きませんけれども、あえてここで復習しておけば、三億三千万余っていたうち幾らか補正の修正減額で国庫に返している、他は同じ目の中で流用している、しかしそれは幾らと幾らなのかというのはにわかに計算できない、こういう話で現在まで来ているわけです。

 財務省に聞くと、今回、裁判員制度全国フォーラムも含めた裁判員制度の予算額は額面で四千万円ほど増額をしていますが、実質は二億円増額だというふうに聞きました。つまり、いろいろかつてやった事業で縮減しているものがあるので、実際には二億円さらにのっているということなんです。

 そこで、これからが質問です。平成十七年度の裁判員制度タウンミーティング、全国フォーラムは、各新聞社に対して百五十万円を払う、百五十万円でやっていただく、こうなっていました。今、先週というか、つい数日前に終わった平成十八年度のタウンミーティングは、百六十万円新聞社に払う、それでやっていただくというふうになっているはずなんですね、見積書によれば。ところが、実際新聞社に来ている額は百五十万円だという話を聞いたんですが、どうなっていますか。

小池最高裁判所長官代理者 十八年度フォーラムにつきましては、今委員御指摘のように、一会場当たりの金額が十万円増額をしております。それで、これはまだ支払いの段階に来ておりませんので、今後、開催状況につきまして、全国五十カ所の実施報告書の提出を受けることになっております。それを受けて、各地の事業がきちんと遂行されたか否かを確認していくという所存であります。

 ただ、これも前に御説明申し上げたと思いますが、地方新聞社が電通から幾らの事業費を実際に受け取ったのかということについて、地方新聞社や電通に一つ一つ確認するという作業をすることは今のところ考えておりません。

 タウンミーティングは、総価契約、全体の額を定める契約形態の請負でございますので、事後的に実費を精算するということを予定しておりません。そういう意味で、そういう取り扱いをしたいと考えております。

 以上でございます。

保坂(展)委員 確かに、終わったばかりのフォーラムでまだ請求書が来ていないんですね。ただ、各新聞社に百六十万円払いますよということで見積書の要求が来ているわけじゃないですか。十万円少ないところがあるのかどうなのかと言われてみても調べる必要はない、それは請負で全部やらせているんだから、百六十万円新聞社に払いますよといって請求して実際には百万円でもいい、それは契約した代理店のいわば裁量の中に入っている、こういう見解ですか。

小池最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 まず、五十カ所のフォーラムでございますが、会場ごとにその会場の大小とかございます。見積もりで一カ所当たり百五十万あるいは百六十万という形にしていますけれども、たしか見積書の中にもありましたように、その多寡の高低というものがあり得るということでございます。

 今委員御指摘のものがどういう状況であったのか、それはまたそれなりの事情があるのかもしれません。ただ、私どもとしては、先ほど申し上げましたような契約の解釈から、そのような作業は基本的に今のところは予定していないということでございます。

保坂(展)委員 パネリストの方に謝礼が払われるという予算要求になっているんですね、見積書になっている。しかし、払われないところもあるんですね、払われたところもある。それはそれぞれ勝手にやっていただいていますというずさんなことでいいのかということを繰り返し指摘しておきます。

 そこで、さらにちょっと聞いていきたいんですけれども、平成十八年度タウンミーティング、この事業の契約書の三条に下請等の禁止という条項がございます。下請等の禁止とあるんですが、書面によって通知をした場合、この場合は可とする、その場合いいですよ、こういう条項があるんですね。

 この間、確認をしているところによると、平成十八年度の裁判員制度全国フォーラム、この事業については、最高裁が下請させますよといって通知をした業者、これはないというふうに聞いているんですが、それだけ確認したい。もし下請をさせるときには通知をする、こういう条項があるので、確認のため聞いておきます。

小池最高裁判所長官代理者 契約書には、委員御指摘のように、下請禁止条項があります。業者の方から通知があった場合に相当と認めるときは承諾することができるとありますが、そのような通知を今回のものについては最高裁は受けておりません。

保坂(展)委員 お配りをしている最高裁からいただいた平成十八年度の見積書、この中に、これは電通から最高裁にあてたものですが、一番下に、これは営業管理費ということで一〇%という費用が計上されています。簡単に言って、この営業管理費はどういう性格のものなんでしょうか。

小池最高裁判所長官代理者 こういった営業管理費、これは一般管理費とかいう名前の場合もあると思いますが、一定の業務の委託とか何かをした場合に、業務費の合計額に対して一定の料率で設定される、これはいろいろな契約で往々にしてよく行われているものだと思います。そういうものと私どもは承知しております。

保坂(展)委員 いわゆる請け負ったときに事務的手続や手数料、こういうものは当然業者は得なければいけない、これが一〇%だというふうに理解しました。

 そこで、最高裁からいただいた二枚目、4の総合事務局費という項目がございます。この中で全体企画費、プロデューサー、これはえの目清一朗さん、全体渉外費、また女性の名前がプロデューサーとしてあります。このお二人というのはどういう方なんでしょうか。

小池最高裁判所長官代理者 私どもとしては、電通あるいは全国地方新聞社連合会の関係の方かというふうに認識しております。

保坂(展)委員 一番最初にこの事業について最高裁からいろいろヒアリングをし出したときに、これは電通の方じゃありませんよというふうに聞いているんですね。電通の方ではない。今局長がお答えになった全国地方紙連合会、これは任意団体なんですね。任意団体で、いわゆる事業を行う団体ではないというふうに聞いています。

 このお二人というのを全く知らないんですか。どういう素性の方なのか知らないんですか。だって、綿密な積算をして費用が膨らまないようにしっかり精査をして、そのために契約がおくれてしまった、こういうことですね。知らないわけがないでしょう。

小池最高裁判所長官代理者 まず、全体企画というものでございますが、今回のフォーラムは全国統一的なコンセプトで行うということで、一つに企画を統一するという必要がありました。そういったプロデュースをする力あるいは力量のある方というふうに理解しておりました。この全体企画費、事務費というものも、そういったものに、いわば企画全体に一つの背骨を通すというものとして考えて、またそういう見積もりをよしとしたものでございます。

保坂(展)委員 全く答えていないんですよね。この二人はどういう立場で両方の経費を受け取っているんですか。それを聞いているんです。

小池最高裁判所長官代理者 これは、今ちょっと御質問の趣旨を私があるいは正解していないのかもしれませんけれども、全体企画というものが、背骨を通すもの、事業として一つのタスクが必要である、そういうものを担当される方、ちょっと私、直接お目にかかっているわけじゃございませんが、そういう力のある方であるというふうに考えております。

保坂(展)委員 だから、電通の方でもなければ、全国地方紙連合会の立場も持っているけれども、実際には地域力活性化研究室、こういう立場で仕事をされている方じゃないんですか。私がジャーナリストの魚住昭さんに聞いたところ、この一番最初に名前が出てくるえの目さんという方は、私なんか全体プロデュースなんかできませんよ、ポスターとチラシはつくりましたけれどもね、こういうふうに言っているそうですよ。御存じですか。

小池最高裁判所長官代理者 今委員御指摘の事情というのは、私は承知しておりませんでした。

保坂(展)委員 それでは、最高裁からいただいた二枚にプリントをした請求書、三枚目を見ていただくと、この明細書には日付あるいは作成者名などはありません。ありませんが、全体企画費、全体渉外費というところではぴったり一致をしています。

 例えば、わかりやすい話、こちらに最高裁からいただいた報告書がございます。この報告書は千部つくられて三百十八万円ですか、一冊三千円というのは高いと思いますが、こちらの費用は最高裁の出したものとぴったり一致をしているんですね。そこに、三枚目のものを見ると一〇%の管理費が載っている。こちらの最高裁の資料を見ると、これはディレクション費という名前に変わっている。これを見てどう思いますか。

小池最高裁判所長官代理者 この明細書という文書は、今初めて拝見しました。これはクレジットも入っておりませんし、どういうものかちょっと存じません。数字においては委員御指摘のように一致しているようなところもありますが、そういうものについてちょっとここでコメントするのは控えさせていただきたいと存じます。

保坂(展)委員 例えば、この中には、こちらの裁判員制度全国フォーラムは全国でやりましたから、地方紙に再録記事といって、こんな議論が行われましたと。これは長谷川京子さんの写真と版下があるんですね。これは、実は廣告社というところがメディアミックスで平成十七年にやってつくっているわけで、これをわざわざ企画をする企画料であるとか、あるいはさまざまな版下ワークというものは基本的に必要ないんですね、使い回し。

 となると、これは最高裁からいただいたものの中にも、これらやはり版下など新しく企画料から何から立ててつくっているということが書かれているんですね。これは水増し請求じゃないですか。

小池最高裁判所長官代理者 まず、再録の下五段というものの関係でございますが、これは、各地におけますフォーラムの実施後に、その模様等を載せる新聞のいわば広告制作経費でございます。

 この広告につきましては、フォーラムを受けました電通が作成事務を担当していましたところ、五段広告の内容にメディアミックスで制作済みの長谷川京子さんの新聞広告を利用したいという提案がありまして、それは一つ背骨の通った一貫性のある広告効果が得られるという形で了解したわけであります。

 それで、電通は、メディアミックス企画を請け負っていたのは廣告社という会社でございますが、その廣告社との間でその広告、原稿、データの購入費として五段広告制作費の中からお金を充てた、このように承知しております。

保坂(展)委員 そのお金は幾らですか。

小池最高裁判所長官代理者 その金額については承知しておりません。その枠の中の金額であろうと推定しております。

保坂(展)委員 小池局長、最初に確認をいたしました。下請禁止の条項があります。だから、これは基本的に株式会社電通と最高裁判所の契約なんですね。地方新聞社にも委託している。地方新聞社に対する委託については、最高裁の説明では、もう企画書に書いてありますからということで、そういう言い分です。これも厳密に言えば、通知した方がいいと思いますけれども。

 しかし、今私が問いただしている全体企画費、渉外費以下もろもろ、かなりの部分についてこのフォーラムの予算、確かに新聞社は一社当たり百五十万円で安いんですよ。だからトータルでは三億四千万、こういう枠の中に入っている。しかし、新聞社が安い分、いわゆる制作費の部分は非常に膨らんでいる。膨らんでいるところに、経理局長も御存じない、力量のある方なんでしょうと言われながら、その方が、例えば地域力活性化研究室、そういう事業体でまた下請をしているといったら、下請条項違反ですよね。ちゃんと契約書にあるわけですから。最高裁がそこに、地域力活性化研究室に下請していいですよという通知を出しているんですか、いないんでしょう。いないのであれば、これは問題じゃないですか。

小池最高裁判所長官代理者 今の御質問の中には、私ども、まだ承知していない事実がございます。そういう意味で、もし仮定としてそうあるならばどうかという御質問になるわけで、その状況を把握したときに、それは通知した方がよいという状況もあるかもしれませんが、私どもとしては、今認識しているのは、その契約の中にある、いわば電通がそういったほかの人たちの力をかりてこの広告事業を遂行するということは、契約の細部の内容を構成する、したがって、その下請禁止に当たる所作はなかった、また、そういう通知はなかった、こういうふうに認識しております。

 今御指摘の点につきまして、仮定の事実があるかどうかという前提、事実の有無というところによって私の方の考え方というのも異なってくる、かように考えております。

保坂(展)委員 先ほど高山委員の質問もそうだったんですけれども、確かに業者に委託してやるのは当然なんですね。ただ、最高裁判所が、これは二月二十八日に出していただいたこの事業についての調査報告書というのがあるんですが、適正にやっていたかどうか、そこには契約がおくれた理由としてこう書いてあるんですね。無駄のない予算執行が厳しく求められていることから、契約担当者は予定価格の厳密な積算が求められるとともに、業者の見積もりについて、契約金額が膨らむようなことがないように極めて厳しくチェックしなければならないという事情が存在した。

 ということは、実際にこれはプロデューサーを最高裁判所が知らないなんということはあり得ないじゃないですか。刑事局長、どうですか。経理の方が知らなかったら、刑事局長、今のこの全体企画料、このプロデューサー、知らないんですか、はっきり答えてください。知らないようで、結局、これは契約の下請禁止条項違反じゃないですか、最高裁判所は厳密に積算していたなんというのは、これはおかしいですよ。プロデューサー自体、会ったこともないし、どういう人かわからない、これじゃおかしいです。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 先ほど経理局長の方からお答えしたとおりの認識でございます。

保坂(展)委員 どういう人なんですか。全く知らないんですか。二百万円もらっただけじゃなくて、ポスターからチラシから、それからあれですよ、八百三十万円ですよ、これは何ですか。事務局運営関連費八百三十五万円、これは最高裁の書類も、そしてこの三枚目の書類も全くぴったり同じ金額ですよ。大体、これは新聞社にゆだねているんでしょう。新聞社の社員がやるんですよ、それぞれ五十カ所で。それを新聞社渉外費あるいは、何ですか、借用費、新聞社がどこかを借りたんですか、そういうようなことをたった二人でやっている、そういうふうに見えるんです、構成は。しかし、こういったお金も含めて流れている。

 あるいは、一〇%というのは全体の費用に対して、一枚目で、最高裁に出したこの請求書で一〇%を掛けていますよね。その中側で明細を見ると一〇%をまた掛けていた。これは二重じゃないですか。さらに全体企画費とかいろいろある。三重と言ってもいい。どうなっているんですか。これで精査しているんですか。

小池最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のように、いわば管理費系統のものとしては営業管理費、これは先ほど申し上げたとおりでございます。それから、事務局運営関連費、これは五十カ所のフォーラムを実施するに当たって、進行台本をつくるとか、各地でそれぞれミーティングをしますので、そういった資料をつくる、あるいは打ち合わせの会議が必要である、そういったものとして必要な経費であろうというふうに見積もりを見たわけでございます。それから、先ほど申し上げましたような全体企画費というものもあります。

 ただ、それぞれこういった複合的なタウンミーティングのようなものを進めていくときに、中央の司令塔に当たる電通のところでの管理費系統、それからいわば五十カ所の足の部分に当たります管理費系統、それから全体の営業管理というものは一つ考え方としては併存し得ると考えております。

 そして、営業管理費というのは、一〇%のせましたけれども、私ども、予定価格の積算に用いられる資料を見ますと、一般的な料率としては一〇パーから一五パーの間ぐらいというふうな資料がございまして、最も低き一〇%というものを選んで見積もりを見たというわけでございます。

保坂(展)委員 今経理局長の答弁は、電通が全体として一〇%のっけていても、それはトータルであって、個々具体的にプロデューサーがいて、実行事務があって、それについてまた仮にのっていたからというふうに言ったところで問題ないのかもしれない、併存できるのかもしれないということまで言ったんですよ。

 つまり、それだけ大事な、個人名が出てくるんですよ、これは最高裁あての請求書に。その人を、刑事局長が企画責任者でしょう、どういう人か知らないんですか。知らないなんてあり得ないでしょう。言ってくださいよ。どういう人なのか、どういう立場でこの金銭を受け取っているのか、これははっきり答弁しないと話にならないですよ。それだけ大事なことを任せているんだから。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 総合プロデュースをする方で、そういう能力が高いということを承知していたということでございます。

保坂(展)委員 だから、それは一回もう小池さんが答えていますよ、総合プロデュース。

 そうじゃなくて、刑事局が企画を二年やっているわけです。二年前はもう六百万近くもらっているわけです、この方、三人で。これはどういう立場でもらったのかと聞いているんじゃないですか、さっきから、下請禁止の話も聞いているし。地域力活性化研究室というその立場でもらっているんじゃないですか、そのことを知らないんですか、はっきり答えてくださいよ、刑事局長。

小川最高裁判所長官代理者 お答えします。

 先ほどお答えしたとおり、総合プロデュースをする方だというふうに承知しております。

 今委員の御指摘の、地域活性研究所とかそういうことは承知しておりません。

保坂(展)委員 では、経理局長、この三枚目のペーパーを見て、今言ったように、下請禁止の条項もある、そして実際に、最高裁みずから言っているように、これだけの問題がありながら、裁判員制度を普及させるために予算も増額して、その予算について、これは今までしっかりチェックしているのかどうか。どういう人なのかも把握していないですよね。どういう立場で金額を得ているのか。今、小池局長は、電通の方かもしれないと言ったでしょう。全くわからない人、全く素性もわからない人が個人名で出ていてという状態で、これはこのままでいいんですか。どうですか。

小池最高裁判所長官代理者 下請禁止条項のところは、今委員の御指摘を踏まえて、またよく勉強し、検討したいと思います。

 それで、一言述べさせていただきますと、この裁判員フォーラムあるいは広報という仕事は、裁判所にとっては大変難しい仕事でございました。やはり今までやったこともない。それから、今般、こういった作業は、用度課の役務調達係という者がやっておりますけれども、私も、一からそういったものを見てみたときに、こういった各費目というのをどう見ていけばいいのかというのは、裁判でも広告事件というのは経験したことはありますけれども、大変難しさがわかりました。

 委員御指摘の点、私どもとしては、やはり論理と、しっかり目を開いて事実を見ろということで、厳しくやったがために随分おくれを招いたということもございますが、裁判所というところは、ぎこちなくてもルールを守ってきちんとやるというところで信頼を築いているところでございますので、その事務のおくれを生じない、まして、さかのぼりなんということを契約しない。それから、見積もりという点についても、私も、それは百点満点の仕事ができたとは思っておりません。ただ、十七年の経験は十八年に生かされております。それから、十九年を迎えるに当たっては、今委員の御指摘、または予算委員会、法務委員会でたくさん時間をとっていただきました。そういったものを踏まえて、きちんとした仕事、きちんと国民の皆様方に伝えられる広報に、一生懸命頑張りたいと思います。

保坂(展)委員 裁判所が契約書を軽んじたりとかルールをいいかげんにしたりするところだと思っていません。いないからこそ何度も聞いているんですよ。だから、さかのぼりについても、いろいろ煩雑だった。それはなぜか。それは、なれない仕事で、非常に厳密に積算をする。これは本当に大丈夫なのか、これは膨らみ過ぎじゃないのかと手を入れた結果おくれたんだという説明だったんです。

 ただし、その手を入れた結果を見ても、先ほど指摘しましたよ。例えば一〇%というものが、別の項目で、最高裁あての請求見積額には載っているわけです。そして、全体の総合的なプロデュースという方がどういう立場で仕事をしているのかも言えないわけです、はっきり言って。どういう立場なのか。電通の方だったらわかりますよ、契約しているんですから。電通ではないのであれば、一体どうなっているのかということをきちっとやるべきじゃないですか。

小池最高裁判所長官代理者 委員御指摘の点、私どもも、そういったところをしっかり目配りするように努めたいと存じます。

保坂(展)委員 もう時間がないので、目配りということをもうちょっと具体的に、国民が信頼をもう一度できるようにきちっと説明してください。どういう目配りですか。

小池最高裁判所長官代理者 広報というものは、企画段階から業者との接触が密接にあります。その段階で、今委員御指摘のことも含めまして、きちんと情報を把握して、企画の詰め、あるいはこれから会計の方に行きますことに不明朗な点がないよう詰める、そういったことを、企画セクションあるいは私が統括しております経理セクションにおいて徹底してまいりたいと思います。

保坂(展)委員 きょうはできませんでしたけれども、初年度は四億五千万円のテレビ・ラジオCMの予算がありました。なぜか全部中止して新聞に振りかえました。その結果、二億円が余ったんです。到底わからないですね。何がどういうふうに判断されているのか。

 この点をしっかり明らかにしてもらいたいということを申し上げて、終わります。

七条委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十四分散会


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