衆議院

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第7号 平成20年4月11日(金曜日)

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平成二十年四月十一日(金曜日)

    午前九時十一分開議

 出席委員

   委員長 下村 博文君

   理事 倉田 雅年君 理事 実川 幸夫君

   理事 柴山 昌彦君 理事 早川 忠孝君

   理事 水野 賢一君 理事 加藤 公一君

   理事 細川 律夫君 理事 大口 善徳君

      赤池 誠章君    稲田 朋美君

      近江屋信広君    亀岡 偉民君

      後藤田正純君    清水鴻一郎君

      七条  明君    杉浦 正健君

      棚橋 泰文君    土屋 正忠君

      長勢 甚遠君    古川 禎久君

      馬渡 龍治君    武藤 容治君

      森山 眞弓君    矢野 隆司君

      保岡 興治君    柳本 卓治君

      石関 貴史君    枝野 幸男君

      河村たかし君    中井  洽君

      古本伸一郎君    神崎 武法君

      保坂 展人君    滝   実君

    …………………………………

   法務大臣         鳩山 邦夫君

   法務副大臣        河井 克行君

   法務大臣政務官      古川 禎久君

   最高裁判所事務総局人事局長            大谷 直人君

   最高裁判所事務総局刑事局長            小川 正持君

   政府参考人

   (警察庁長官官房長)   米村 敏朗君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    米田  壯君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    末井 誠史君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    池田 克彦君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          深山 卓也君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大野恒太郎君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    梶木  壽君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    西川 克行君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  富田 善範君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  稲見 敏夫君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 水上 正史君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 石川 和秀君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    西宮 伸一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           布村 幸彦君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           久保 公人君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           中尾 昭弘君

   法務委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十一日

 辞任         補欠選任

  清水鴻一郎君     亀岡 偉民君

同日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     土屋 正忠君

同日

 辞任         補欠選任

  土屋 正忠君     清水鴻一郎君

    ―――――――――――――

四月七日

 保険法案(内閣提出第六五号)

 保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第六六号)

同月八日

 登記事項証明書交付申請に係る手数料の引き下げに関する請願(井上信治君紹介)(第一一七六号)

 選択的夫婦別姓制度導入及び婚外子相続差別撤廃の民法改正を求めることに関する請願(枝野幸男君紹介)(第一一七七号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一一七八号)

 同(村井宗明君紹介)(第一一七九号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一三六三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 保険法案(内閣提出第六五号)

 保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第六六号)

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

下村委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長米村敏朗君、警察庁刑事局長米田壯君、警察庁交通局長末井誠史君、警察庁警備局長池田克彦君、法務省大臣官房司法法制部長深山卓也君、法務省刑事局長大野恒太郎君、法務省矯正局長梶木壽君、法務省保護局長西川克行君、法務省人権擁護局長富田善範君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、外務省大臣官房審議官水上正史君、外務省大臣官房参事官石川和秀君、外務省北米局長西宮伸一君、文部科学省大臣官房審議官布村幸彦君、文部科学省大臣官房審議官久保公人君、厚生労働省大臣官房審議官中尾昭弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

下村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

下村委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局大谷人事局長及び小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

下村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

下村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。

稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美でございます。

 裁判員制度の施行まであと一年に迫ってまいりました。この裁判員制度は、日本の刑事裁判史上極めて大きな改革ですので、関係者の方々には、さらに万全な準備をしていただきたいと思います。本日は、その観点から、幾つかの御質問をさせていただきます。

 まず、取り調べの可視化についてお伺いいたします。

 最近、氷見事件、志布志事件をきっかけに、捜査に対する国民の信頼が揺らぎ、捜査手続の適正確保が課題になりました。私の経験からしましても、自白の任意性、信用性が裁判で争われる事件というのは、被告人の方からは、強引な取り調べによって無理やり自白をさせられたと主張されるのに対して、捜査官は、強引な取り調べなどしていないと主張されて、水かけ論になるわけです。現状のまま裁判員制度が導入された場合、一般の国民の方々が一体どっちを信じていいのか、判断するのは大変難しい状況であるとも思います。

 また、一方で、我が国は、諸外国に認められているような、例えばおとり捜査ですとか司法取引ですとか、そういった強力な捜査手段はありません。そのような我が国の手続において、全面的に取り調べに可視化を取り入れてしまいますと取り調べの障害になり、日本の治安が脅かされるようなことがあれば本末転倒だと思っております。

 検察庁では、これまでも取り調べの録音、録画の試行をされてきましたが、検察官が相当と認めた事件についてのみ行われているようでございます。その数は、平成十八年八月から平成十九年十二月までの間に百七十件ということでもあります。

 取り調べの全過程をすべて録音、録画するのが相当とは私は思っておりませんが、反対にまた、検察官の恣意的な運用であるという批判がされないように、例えば裁判員対象事件において、当初否認をしていた被疑者が自白に転じたような場合、原則として、自白をした経緯、理由についての供述を録音、録画するといったように、録音、録画すべき事件、録音、録画する部分について、類型的に明確にしていくべきではないかと思っております。

 録音、録画の本格試行に向けて、具体的な方針について、法務省刑事局長にお伺いいたします。

大野政府参考人 最高検察庁は、先月、取り調べの録音、録画を本格的に試行するに当たりまして、本格試行指針というものを公表いたしました。この指針におきましては、原則として、裁判員制度対象事件のうち、自白事件につきましては全件において取り調べの録音、録画を試行するということとされたわけでございます。

 もっとも、二つの例外を設けております。

 一つ目は、組織犯罪等、録音、録画を行うことによりまして、取り調べの真相解明機能が阻害されたり、あるいは関係者の保護や協力確保に支障を生ずるおそれがある事件でございます。

 二つ目は、外国人事件で通訳人の協力が得られない、あるいは録音、録画を実施することが時間的、物理的に困難である場合等、録音、録画の実施に障害がある場合であります。

 こうした例外を別にいたしますと、先ほども申し上げたように、原則として、裁判員対象事件のうち、自白事件全件について録音、録画を試行するということでございます。

 それ以上、事件を詳細に類型化できるかどうかということにつきましては、個別の事実関係によりまして左右される要素が大きいことから困難ではないかと思われますものの、検察当局におきましては、今後も試行を積み重ねていく中で、さらに検討していくものと承知しております。

 それからまた、どういう場面を録音、録画するかということでございますけれども、これは取り調べの真相解明機能を阻害しない範囲内でということでございまして、どういう場合に最もそれが適当であるかということにつきましても、今後さらに試行の中で検討を重ねていくものと承知しております。

稲田委員 これまで、自白の任意性、信用性が争われてきたのは、警察の取り調べが多かったように思います。そうなりますと、警察の取り調べの録音、録画というのが課題になると思いますけれども、警察でもこの夏から録音、録画の試行をされるということで大変画期的なことだと思っておりますが、一方で、捜査の初期の段階で録音、録画を取り入れることが取り調べの障害にならないのか、こういった意見も党内の議論の中でも多くあったと承知しております。

 そして、裁判員制度の円滑な実施という点から、録音、録画すべき事件、録音、録画すべき部分を早急に警察でも検討すべきであると考えております。録音、録画の試行に当たって、警察庁の方針、そしてまたその試行の検証をどのような形で行われるつもりなのか、警察庁刑事局長にお伺いいたします。

米田政府参考人 御指摘のように、警察におきましても、今年度中に録音、録画の試行を始めたいと考えております。これは、裁判員裁判において、警察として、自白の任意性の効果的、効率的な立証に資するためにはいかなる方策が有効であるかということを検討するためでございます。

 対象事件は、裁判員裁判の対象事件のうち、将来の公判において、その自白の任意性に争いが生ずるおそれがあると認められる事件を選定いたしまして、取り調べ機能を損なわないことを第一義として実施することとしたいと考えておるところでございます。

 捜査の一番の初期段階ではなくて、一定程度進展した時点で、犯行の概略について供述調書を作成する場合におきまして、録取内容を被疑者に読み聞かせ、署名押印を求めている状況あるいは自己が供述した内容に間違いがないこと、任意にした供述であること等を確認している状況を録音、録画することといたしておりまして、真相の究明に支障が生じないということに十分留意をして実施してまいりたいと考えております。

 なお、検証でございますけれども、平成二十年度中に検証を行いまして、裁判員裁判の開始までに試行の結果あるいは検証した内容を何らかの形で公表したいと考えております。

稲田委員 警察段階の可視化の問題、非常に重要な問題だと思いますので、検証も含めて、よろしくお願いいたします。

 また、裁判員制度の円滑な実施のためには、それを支える法曹の役割が非常に重要だと思っております。その観点から法曹人口と、そしてまた法教育の点からお伺いいたしたいと思います。

 まず、法曹の人口の点についてお伺いをいたします。

 現在、一年に三千人という数が多いか少ないかという点がクローズアップをされているわけでございます。新しい法曹養成制度の理念は、二十一世紀の社会のニーズにこたえられる十分な質と量の法曹を、法科大学院、司法試験、司法修習というプロセスによって育てるということにあり、この点を忘れてはいけないと思っております。この点が、まだ十分に機能していないんじゃないかという点を私も危惧しております。

 また、人口の問題でも、何でもかんでも多くすればいいというものでもないと思います。規制緩和、自由化して、その後、訴訟で解決するといったアメリカ的な訴訟社会というのは、必ずしも私は日本の文化、風土、民族性には合っていないのではないかなと思っております。

 こういった観点から、年間三千人という法曹人口の問題をどのようにとらえておられますでしょうか。副大臣にお伺いいたします。

河井副大臣 今、稲田委員が御指摘されました法曹の質の低下の問題、そして訴訟社会になってはいけないという御指摘、これは稲田委員御自身が法曹の資格をお持ちの先生でありまして、重く受けとめなくちゃいけない、そのように考えております。

 かりそめにも法曹の質の低下はあってはならない、そのように考えておりまして、今おっしゃいました一連の法科大学院を初めとする新しい養成制度の制度設計の根幹を揺るがしかねないことでもあり、また、国民の法曹に対する信頼を裏切ることになってしまう、これが我らが鳩山邦夫法務大臣の強烈な問題意識でありまして、大臣の御指示により、二月二十日に省内の勉強会を発足し、法曹人口のあり方についていろいろな勉強を積み重ねております。

 司法試験の合格者につきましては、法曹の質を維持向上することこそが人口拡大の大前提である、そのように考えておりますが、これは既に二つの文書でも文言として実は明記されております。

 まず、平成十三年六月十二日の司法制度改革審議会意見書におきましては、「国民が必要とする質と量の法曹の確保・向上こそが本質的な課題である。」と書かれております。

 もう一つ、これはよく引用されるんですが、平成十四年三月十九日の閣議決定は、「新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指す。」とされております。この閣議決定は、平成十四年に千二百人程度、平成十六年に千五百人程度にそれぞれ合格者数をふやすことについては所要の措置を講ずる、措置を講ずると書いてあるんですが、三千人程度ふやすことにつきましては、前提を踏まえた上で、目指すとされておりまして、その表現が異なっている点に私たちは留意をする必要があると考えております。

 さらに、司法試験委員会は、昨年の六月二十二日、平成二十年以降の新旧司法試験合格者数の目安となる概括的な数字を示した際に、各法科大学院が、今後、入学者の適性の的確な評価、法科大学院における教育並びに厳格な成績評価と修了認定のあり方をさらに充実させていくことを前提として、平成二十二年については、二千九百人ないし三千人程度を一応の目安とするのが適当であるとしておりまして、こういうやはり先人の積み重ねてこられた考え方に私たちはしっかりと立脚しなきゃいけない。

 ですから、法曹の質の確保が図られないで数だけ三千人にふやすということは私はあり得ないと考えておりますし、十四年の閣議決定の忠実かつ誠実な遵守というのは、質の確保をしながら数の増加を目指していくということだと考えておりまして、関係者の皆さんには、その点、しっかりと改めて認識をしていただきたいと考えております。

稲田委員 力強い答弁、ありがとうございます。

 大臣お見えになりましたので、一年後に迫った裁判員制度についてお伺いをいたします。

 先日、最高裁が実施をいたしましたアンケートの結果によりますと、この裁判員制度に参加してもよいという方が一五・五%、余り参加したくないが義務なら参加せざるを得ないという方が四四・八%、義務でも参加したくないという方が三七・六%であったとお聞きいたしました。

 裁判員制度を円滑に実施するためには、単に国民に制度の概要を知っていただくだけではなくて、国民が自分たちで自分たちの社会を支え、つくり上げていくという裁判員制度の根本的な制度趣旨を理解していただくことが重要だと思います。そうでないと、制度の内容を知れば知るほど、その負担感から、自分は参加したくないなという国民の方々がかえってふえてしまうのではないでしょうか。

 裁判員制度実施まで残り少ない中、今後、裁判員制度の意義、趣旨を国民の方々にきちんと理解していただくための方策に関して、どのようにお考えでしょうか。法務大臣にお伺いいたします。

鳩山国務大臣 来年の五月二十一日から裁判員裁判が始まるわけでありまして、あっという間に一年後に迫ってきたという感があるわけです。

 今、稲田先生御指摘の世論調査の数字、ほかにもいろいろ世論調査がありますが、大体、物すごく大ざっぱに言うと、積極的に裁判員になりたいというか、やろうという積極派が二〇%かそれを少し下回る、国民の義務であるから参加はしますよというのが大体四割ぐらい、残り四割弱ぐらいが義務でもやりたくないな、大体そんな割合になっているんだと思うんですね。これは、マスコミュニケーションによって、消極派が七割とか八割という書き方をするところもあるけれども、しかし、義務であるから参加しますよというのを合わせれば約六割が裁判員になることを拒否しないというのは、まあまあの数字ではないかというふうに思います。

 ですから、あと一年の間に積極的な広報宣伝活動を行っていきたい。法務省と最高裁と両方で広報をやっておりますけれども、最高裁の予算の方がはるかに大きいので、最高裁の方にも頑張っていただきたいと思います。

 模擬裁判、今まで三百回ぐらいやったんでしょうか。私ももちろん見ましたけれども、模擬裁判を見ると、なるほどとよくわかってもらえる。できる限り多くやりたいと思います。

 でも、それよりも何よりも説明会なんですね。説明会をやって、裁判員といってもそんなに御不安はありませんよ、裁判員六人で裁判官三人で、法律の解釈等は裁判官が基本的にやってくれる。量刑の問題も、それはもちろん、検察側の求刑というのも、過去の例をもとにして、こんなものですよ、弁護人の方も、いや量刑はこうだ、裁判官の方も類似の事件の今までの結果はこんなものでしたよということを示すとか、不安要因を取り除くために懇切丁寧にいろいろ説明を行う。だから、ありとあらゆる職場その他で説明会を一つでも多く開くことがかぎではないか、そんなふうに思っております。

 でも、稲田先生、本当のことを言うと、来年の五月二十一日に始まって、例えば始まって半年とか一年たって、そのときに裁判員制度がうまくいっていると、国民的にもっともっと参加しようという空気が出るんだろう、始まってみてから本当の世論が定まってくるのかなという気もします。

稲田委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 先ほど副大臣に三千人問題についてお伺いをしたんですけれども、裁判員制度が導入されて、地方の弁護士会の中には裁判員制度の実施体制が十分にとれないと表明している会もあるように伺っておりますが、法務省では、裁判員制度の円滑な実施という観点から、弁護士の数、体制等は十分であるとお考えでしょうか。

 その点についての御見解と、法テラスのスタッフ弁護士の拡充等を含めた対応策について御説明いただけたらと思います。

深山政府参考人 裁判員裁判の事件の相当部分は国選弁護事件であると考えられますから、その円滑な施行のためには質、量ともに十分な国選弁護人の確保が重要であると考えております。

 ただ、御指摘にもありましたが、現時点では、それでは万全であるかというと、いまだ万全とは言えない部分もあると考えております。

 この問題を解決するために、日本司法支援センター、法テラスにおいては、日弁連や各地の弁護士会の協力を得て、裁判員裁判の担い手となる契約弁護士、それから常勤弁護士の確保に努めているところと承知しています。

 中でも、今御指摘のあったスタッフ弁護士、常勤弁護士につきましては、法テラスにおいて既に九十六名を確保しておりまして、今後も、一年後に迫った裁判員裁判の対応も踏まえて、できる限り多数の者を確保するように努めるとともに、そのスタッフ弁護士に対する所要の研修も実施して、裁判員裁判に適切に対応できる体制の整備に努めていると聞いております。

 また、弁護活動の質の確保の観点から、日弁連それから各地の単位弁護士会においても弁護士に対する各種研修の充実などの取り組みをされているものと聞いております。

 裁判員裁判の実施まであと一年余りで、法務省としては、今後、裁判員制度の円滑な実施のための準備にこれまで以上に力を入れて取り組む所存でございまして、所要の常勤弁護士の確保を含む法テラスの体制の整備に邁進していきたいと考えております。

稲田委員 次に、法曹養成の中核である法科大学院制度についてお伺いをいたしたいと思います。

 まず、入学選抜制度のあり方です。

 聞くところによりますと、法科大学院適性試験と入学後の成績にはほとんど相関関係がないと言われています。ということは、将来、法曹に適する人を選ぶための試験であるはずの法科大学院適性試験が実は有効に機能していないのではないか、もしそうだとすれば、幾らすばらしい教育を法科大学院でしても、優秀な法曹を育てることはできないと思っております。

 法科大学院適性試験とその後の成績との相関関係について、文部科学省の認識と今後の対応策についてお伺いいたしたいと思います。

久保政府参考人 適性試験につきましては、司法制度改革審議会意見書を踏まえまして、入学者の適性を、単なる学識ではなく、先生がおっしゃるとおり、判断力、思考力、分析力、表現力といった資質を試すために導入されたものでございます。現在、二つの団体で実施されておりまして、この適性試験の結果と小論文、面接結果などを組み合わせて入学者選抜が行われております。

 現在、その成績と法科大学院の学業成績の相関関係につきましては、文部科学省の先導的大学改革推進委託事業の一環といたしまして、法科大学院協会が中心となって検証を進めているところでございます。

 適性試験の中身、それからその大学での使われ方、さまざまな点を検証して改善していく必要があると私ども考えておりまして、これらの検証の結果も参考といたしながら、適性試験が法科大学院の入学者選抜やその後の教育にどのような役割を果たしているのか、それから入学者の適切な水準と多様性の確保にどの程度有用なものとなっているかなどといった観点から、適性試験のあり方を含めまして、今後、中央教育審議会におきまして、法科大学院特別委員会のワーキンググループを設置いたしまして集中的に審議を進めた上で、結論を得る予定でございます。

 以上でございます。

鳩山国務大臣 法曹養成の新しい仕組みとして法科大学院というものをつくった。そして、法科大学院が入学選抜をして、法科大学院生になって、卒業して司法試験を受ける。司法試験を受けて司法修習、そして法曹へ。これを全部有機的な関連づけをするというのが法科大学院制度というか新しい法曹養成制度の根幹であると思うと、先ほど稲田先生が文科省に質問された点は大変重要だと思いますので、文科省にしっかりやってもらいたいと思います。

稲田委員 ありがとうございます。

 二点目なんですけれども、法科大学院における教育内容や達成すべきレベルの平準化、統一化についてです。

 法科大学院の学生の話をお聞きいたしますと、司法試験の合格のためにそれぞれの科目ごとに一体何をどの程度理解していいのかわからなくて大変不安であるという声をたくさん聞いております。それは、司法試験を出題する側の問題でもあるんですけれども、根本的には、法科大学院で達成すべき教育内容のレベルが決まっていないという点に問題があるのではないかなと思っております。

 これまで、普通の大学ですと、教育の独自性、多様性が尊重されるのは当然だと思っているんですけれども、法科大学院は法曹を養成するための教育機関でございます。したがいまして、法科大学院卒業時における達成すべき内容、レベルは、どこの法科大学院に通っても全国的に統一していなければならないんじゃないかと思っております。

 それぞれの法科大学院ごとに個別な方針に基づき相対的な成績評価をしている限り、法曹に適するかどうかについて、やはり司法試験で選ばなきゃいけないという司法試験中心の制度に戻ってしまうんじゃないかというふうに危惧しております。

 法科大学院の教育内容の平準化、統一化に向けた文部科学省の今後の取り組みの方針についてお伺いいたします。

久保政府参考人 プロセスを重視しました新たな法曹養成機関の中核的機関としての法科大学院の質を確保することは、極めて重要だと考えております。

 ただ、先生おっしゃるように、大学での教育の自主性をどうするかということと全体的なナショナルスタンダードを定めるということの兼ね合いがなかなか難しいところでございますが、少なくともこれまで法科大学院におきましては、その制度創設時のプロセスとしての理念を踏まえまして、法曹として必要とされます専門的資質、能力の習得と豊かな人間性の涵養を目指しまして、それぞれが独自に到達目標を設定しながら質の高い法曹養成に向けて努力を行ってまいりました。

 新司法試験はそれらの法科大学院の教育内容を踏まえて実施されてきたということになってございましたが、文部科学省といたしましては、法科大学院の修了者が出始めてまいりましたことや新司法試験制度が定着し始めている状況の中で、より一層出口における質を保証することが必要だという観点から、中央教育審議会の法科大学院特別委員会におきまして、法科大学院教育における共通的な到達目標の設定につきまして、今後、ワーキンググループを設置しまして集中的に審議を進めた上で、一定の結論を得ていきたいと考えているところでございます。

稲田委員 お答えを聞いてもちょっとよくわからないんですが、とにかく、プロセスとしての法曹養成制度がきちんと機能すれば、きちんとした入学選抜試験を受けた上で、そして、法科大学院で充実した教育を受けて、十分な成績をとった学生はおのずと司法試験にも合格をするという流れがきちんとできるように、文部科学省そしてまた法務省にもよろしくお願いをいたしたいと思っております。

 時間がちょっとなくなってきたので、法整備支援について法務大臣にお伺いをしたいと思っております。

 私は以前から、法曹が国際社会にきちんと対応できる能力を身につけて、法整備支援を拡充してアジアの国々に貢献することが、究極的には我が国の経済そしてまた国益にも合致をする、そういう観点から、法整備支援の重要性について質問もしてきたところでございます。

 先ごろ、政府開発援助、ODAにおける我が国の援助額は世界第五位に落ちたというふうにお聞きいたしました。財政状況が厳しい中やむを得ないなと思っているんですけれども、こういった時期だからこそ、我が国と対象国双方にとってメリットのある戦略的、効果的な法整備支援を実施する必要があるのではないかなと思っております。

 法整備支援は、極めて有効な支援で、積極的に活用されて実施されるべきであると考えております。特に、アジアの国々に対して、日本のこれからの外交戦略上、この法整備支援というのは極めて重要な意味を持つのではないか。価値観を共有するアジアの国々へ法整備支援をする、とりわけ、日本のすばらしい法制度を相手国に輸出して、それを押しつけるのではなくて、相手国の文化だとか、民族性だとか、風土だとか、そういったものに合わせた形に直して法整備支援をするということは、非常に国際貢献という意味からも意味がありますし、戦略的な外交という意味からも非常に重要な意味があって、ぜひとも私は積極的に推し進めていただきたいと思っております。

 しかし、資料でもちょっとお配りしたんですけれども、今、長期専門家を派遣しているのはベトナム、カンボジア、ラオスの三カ国しかありません。そしてまた、その派遣している人数も本当に少ないと私は言わざるを得ないなと思っております。

 また、法曹の中で、法整備支援に適した法曹を養成するような研修制度もないと思っております。そして、やはり何よりも先立つものは、私は、予算をきちんと確保してもらって、予算も十分にあって、人材もあって、そして法整備に対する研修制度もきちんとあるというのがあるべき姿じゃないかなと思っています。

 最近、柴田紀子さんという女性の検事が二年間カンボジアに長期専門家として派遣されて帰ってこられたというのがマスコミでも取り上げられていますけれども、こういった若くて優秀な法曹がどんどん法整備支援にかかわってほしいな、このように考えております。

 自民党からも政府に対して、政府における司令塔の確立、戦略の強化、支援人材力の強化を求める、そういった提言もしております。

 こういった法整備支援の中心となるべき法務省における現在の検討状況、それから予算の獲得に向けた決意、今後の決意について、法務大臣にぜひともお伺いいたしたいと思います。

下村委員長 鳩山法務大臣、簡潔にお願いいたします。

鳩山国務大臣 すべて稲田先生がおっしゃるとおりで、今のは御質問というよりは激励を受けたという意識でございます。

 やはり、明治維新のときに、ボアソナードとか大陸法の方々に法整備の支援を受けたということは、いまだに日本の歴史にきちんと残っているわけでございまして、そういう意味では、開発途上国というか東南アジアに対して民法、民事訴訟法等、基本法の法整備支援をいたしますと最大の国際貢献でございまして、これはODAの数字ではあらわせない大変な貢献になり、我が国に対する信頼性の向上にもつながる、そう思っております。

 今先生御指摘の、女性の方がカンボジアに長期に行かれたテレビ番組のビデオを私も見ましたけれども、ああいうのを見ますと、やはり短期でなくて長期専門家の派遣が必要だなと。そういう意味で、先生が長期は三カ国しかないじゃないかと言うのも、その御指摘は全く正しいので、他の国にもできる限り長期的な専門家の派遣を、そしてまた人数も多く派遣できるようにしたいと思っておりまして、やはり先立つものが必要でございますので、どうぞ自民党、公明党、与党だけでなくて野党を含めて予算の獲得に御尽力くださいますようお願い申し上げます。

稲田委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

下村委員長 次に、神崎武法君。

神崎委員 公明党の神崎武法でございます。

 最初に、裁判員制度の施行についてお伺いをいたします。

 明年五月二十一日に裁判員制度が施行されることになりました。刑事裁判の体制づくり、それから国民に制度の理解を得るための広報活動、それから裁判員が参加しやすい環境づくり等、これは準備をぜひ加速していただきたいと思いますが、法務大臣にこの決意をまずお伺いいたしたいと思います。

鳩山国務大臣 先ほど稲田委員にも御答弁申し上げましたように、私が法務大臣になりましたのは昨年の八月の末であったかと思いますが、二年近く先だなと思っておったものが、あっという間にあと一年に迫ってまいりました。

 公布後五年以内に施行するというのが裁判員法であったと思うのですが、やはりできる限り万全の準備というところで公布後約五年、しかも国会で通過をした五月二十一日というものをいわば裁判員制度の記念日ととらえまして、来年の五月二十一日に開始をするということにいたしたわけでございます。

 ですが、裁判員という制度があることはほとんど八割あるいは九割以上の国民に知っていただけるようになったわけでありますけれども、まだまだ積極参加という声がそれほど多くないわけでございまして、やはり広報宣伝、啓発が一番重要でございます。

 先ほども御答弁申し上げましたように、やはり説明会をできる限り多くやって、その説明会にできるだけ多くの方に来ていただいて、そんな不安はないんですよということを説明することが大事なので、模擬裁判もできる限り多く開きたいと思いますが、説明会の開催を軸として、広報宣伝、啓発に努めていきたいと思います。

神崎委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 次に、法曹人口のあり方につきましてお尋ねをいたします。

 司法制度改革によりまして平成二十二年ころには司法試験の合格数を年間三千人程度にすることを目指す計画が、ここに来まして、大臣の御発言もございました、また、弁護士が急増して、過当競争になって就職もままならならず、質も低下する、日本が訴訟社会になるなどという理由で司法試験の合格者の見直しというのが大きな議論になっているわけです。さきの日弁連の会長選挙でも、この点が最大の争点になったところでございます。

 しかしながら、司法制度改革は、法の支配を社会の隅々に行き渡らせ、透明で公正な社会を実現することを目的として議論を深めてきた経緯があります。国民にとって身近で利用しやすい司法の実現、受験勉強に偏らない法曹教育との改革の理念で法曹人口拡大を図ってきたところでございます。この出発点を見失うことなく、やはり国民の視点に立ってこの問題は考えなければいけないと思うわけです。

 事実、全国の地裁支部の管内で、弁護士がゼロか一人のゼロワン地域が二十四カ所もあると言われております。弁護士は都市部に集中していて、今後は国選弁護を請け負い切れない地方も出る、こういうことも指摘されているところでございます。

 また、裁判員制度がスタートいたしますと、被告が否認する事件では複数の国選弁護人が必要になり、年間三千人の増員でも追いつかない、こういう指摘もあるところでございます。

 三月二十五日に閣議決定されました規制改革推進のための三カ年計画によりますと、法曹人口の増員などについて、「平成二十二年頃にその達成を目指すべきとされている三千人程度への増員に向けて計画的かつ早期の実施を図る。」こととしております。その上で、「法曹の数は社会の要請に基づいて市場原理によって決定されるものであり、平成二十二年頃までに三千人程度に増員されても、これが上限を意味するものではないので、この点を踏まえて、その後のあるべき法曹人口について更なる研究・検討を行う。」ことといたしております。

 この閣議決定された考え方は、大臣が常日ごろおっしゃっていらっしゃる考え方と違うように思いますけれども、どうなんでしょうか。

鳩山国務大臣 尊敬する神崎先生の鋭い御質問で、どうお答えしたらいいのかと思いますが、要は、この間の規制改革推進三カ年計画では、前回とは文章が若干変わっている。それは、平成二十二年ごろに三千人ぐらいというのを、前倒しして達成という部分がなくなった、あるいは三千人になった後さらなる増員について検討するということであったその文章が若干変わって、三千人程度に増員されてもこれが上限ではないということが書いてあるわけでございます。

 私は、三千人になって、ずっと三千人でいくべきなのか、あるいは多過ぎるのか、そういう観点で見ていきたいと思いますが、これは先ほど先生がおっしゃいましたように、法務省からの視点とか、弁護士会から見た需給関係の視点というのも大きいと思いますけれども、それだけで見てはいけないので、やはり国民的な視点で物を見なくちゃいけないということは常々考えておるわけでございます。

 ただ、例えば先生がゼロワン地域のことをお話しになりましたけれども、弁護士の数がふえればゼロワン地域が解決するというものではないだろう。例えば、東京弁護士会と東京第一、第二弁護士会と大阪ですか、この大きいビッグフォーぐらいで日本の弁護士総数の物すごい割合がそこに集中しているというのは、やはり法律問題というのは需給関係にそういう傾向があるんだということを明確に打ち出しているわけでございまして、ゼロワン地域の問題は、やはりこれはもう法テラスをつくった最大の目標の一つというふうにとらえさせていただいて、法テラスの常勤弁護士や契約弁護士にお願いをして、法テラス予算も増額することによって、そういう過疎地域にもきちんと弁護活動が行き届くようにしたいというふうに考えております。

 先ほど副大臣が答弁しておりましたけれども、何年に千二百人、何年ごろに千五百人ということで、二十二年ということは、今回、その次、その次と、あと三回目では三千人程度になっていくわけで、これは大変な増員だと私も思うわけでございます。そういう増員を私は司法制度改革の一環だと考えているのは間違いないのでございまして、その後のことはよく考えていきたい、その時点で考えていきたいというふうに基本的に思っております。

 ただ、私の考えの根底に、稲田委員がちょっとお触れになりましたが、余りに多過ぎると、肩が触れ合っても訴訟という訴訟社会というのか、ちょっと表現はよくないかもしれませんけれども、日本は和をなす文明だから、訴訟社会にしたくはないなという思いは常々持っております。

神崎委員 法務省内に、法曹人口についての検討会が発足したということでございます。大臣の問題意識は理解できなくはないんですけれども、見直しをすることについての議論を先行させますと、せっかくこれから増員していこうという長い期間議論を重ねてきた上での計画案が混乱するおそれがあるんじゃないか、それを危惧するわけでございます。

 まず、平成二十二年ころには年間三千人合格者を目指すという計画は粛々とやはり進めていくべきだろうというふうに思います。その上で、法曹人口問題を検討するというのであれば、やはり内閣にしかるべき審議会等を設置して、多方面にわたる慎重な国民的な議論を行うべきである、このように考えますけれども、いかがでしょうか。

鳩山国務大臣 世の中に法科大学院、ロースクールというものがあり、定員として五千八百人の方が勉強されておられる、基本的には法曹を目指しているんだろうと思っております。そして、五月でしょうか、もう来月になると司法試験が始まるわけでございます。

 そういうことを考えると、いわゆる法的安定性が全くないというような状況の中で、それこそ学生さんや受験生にいたずらに不安を与えるようなことは避けなければならないというふうに私も考えております。

 ただ、その上で、二十二年ごろに三千人ということは、司法制度改革の基本の一つにあったと思いますし、閣議決定されている内容でございますから、私は、今神崎先生がおっしゃったように、三千人という数字になることで大いに結構だと思っております。

 ただ、副大臣が先ほど答弁されましたように、やはり質と量の問題で、量だけではない、法科大学院によって立派な教育がなされて、そして三千人になるという、質の確保というか、この大前提があることは間違いないと思っております。

 そこで、そもそも司法制度改革審議会というのが、法務省の中にあったわけではなくて、政府全体、内閣に設置されておったといういきさつもあるものですから、今の先生のお話は十分に我々は頭に入れなければならないことと思っておりますが、どういう枠組みにするか、今まだ決めかねておりまして、各方面と協議をしていきたいと思っております。

神崎委員 法科大学院が現在スタートしているわけでありまして、これは一連のいろいろな大臣の発言を含めまして、教員や学生に対しても将来に対して非常に不安と動揺が生じているんじゃないかというふうに思うんですけれども、ぜひ、政府の立てた目標は粛々と進めるということをきちんと踏まえて、文部科学大臣と連携をとって適切な対処をとっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

鳩山国務大臣 全く神崎先生のおっしゃる考えで進めていきたいと思っております。

 それは、三千人に向かって粛々と歩みを続けていかなければならないわけで、質が悪いから、なら二千五百人で十分だという考えではなくて、三千人の良質な法曹を生産すると言うと何かちょっと言い方が悪いかもしれませんけれども、三千人の質の高い方が合格するというか、そういう目標を掲げるならば、当然、法科大学院を所管する文部科学省と綿密に連絡をとっていきたいと思っております。

神崎委員 次に、危険運転致死傷罪につきましてお伺いをいたします。

 福岡市東区で起きました三児死亡事故で、福岡地裁は、危険運転致死傷罪の適用を退けて、業務上過失致死傷罪などで有罪判決を言い渡した、これに対して検察が控訴したということでございます。

 まず、この二〇〇一年十二月に危険運転致死傷罪が新設された以降、同罪で立件されたものは何件あるのか、そのうち同罪で起訴されたものは何件か、また同罪で起訴されたものの一審で業務上過失致死傷罪に訴因変更されたものは何件なのか、お伺いをいたしたいと思います。

大野政府参考人 危険運転致死傷罪が新設されたのは平成十三年の十二月でありますけれども、平成十三年には事件はございませんでした。その後、平成十四年から平成十八年までの五年間について申し上げますと、危険運転致死傷罪によりまして送致がなされた、したがいまして、検察庁で、通常受理と申しますけれども、受理した人員数は合計一千七件ということになります。そのうち、平成十八年は二百四十一人ということでありまして、受理件数は基本的に毎年ふえる傾向にございます。

 それから、危険運転致死傷罪による起訴件数につきましては、送致罪名が業務上過失致死傷罪であったものも含めますと、今申し上げた五年間で千六百三十九件ということになります。平成十八年について申し上げれば三百七十八人ということになりまして、これも件数は増加している傾向にございます。

 したがいまして、送致される件数よりも起訴される件数の方が多いということは、その段階でより積極的な認定が行われたということを意味しているかというふうに考えております。

 一方、危険運転致死傷罪で起訴されたものの一審で業務上過失致死傷罪に訴因変更された件数でありますけれども、法務当局が把握している限りでは、いわゆる予備的な訴因追加も含めまして、この五年間で十二件と承知しております。

神崎委員 今のお話を伺っても、危険運転致死傷罪の運用というのはきちんとできているように思いますけれども、マスコミ等では、この犯罪については、正常な運転が困難な状態の認定が難しいとか、故意の立証が難しい、したがってこの構成要件を早急に見直すべきだ、こういう意見もあるわけですけれども、当局としてこれについてどうお考えでしょうか。

大野政府参考人 そのような議論が行われていることは承知しております。

 まず、構成要件でありますけれども、正常な運転が困難な状態という要件も含めまして、その認定が特別に困難であるというようには考えておりません。例えば、困難な状態といいますのは、酒酔いの影響によって前方の注視が困難になったり、あるいはハンドル、ブレーキ等の操作の時期やそのかげんが意図したとおりに行うことが困難であるというような場合がこれに当たるわけでございます。

 先ほど申し上げたように、起訴件数が増加していることからも明らかかと思われるわけでありますけれども、検察当局といたしましては、警察と協力しながら、必要な証拠収集に努めて厳正な事件処理を行っているというように考えております。

 具体的に申し上げますと、正常な運転が困難な状況ということを立証するために、運転前の飲酒量あるいは飲酒後の言動を明らかにしたり、目撃者から運転状況について聴取するなどして、事故前の飲酒状況、運転状況、事故の状況、事故後の状況等について捜査を尽くして、事案に応じた対応に努めておりますので、捜査機関側にこの危険運転致死傷罪の適用をちゅうちょしているような状況にはないというふうに考えております。

 なお、もう一つつけ加えさせていただきますと、昨年の通常国会におきまして刑法と道路交通法がそれぞれ改正されました。そこで、飲酒運転中の死傷事故等に関係します罰則が強化されておりまして、いわゆる逃げ得というような状況は基本的に起こらなくなってきたというように考えておるところでございます。

神崎委員 厳しい意見としては、酒を飲んで車を運転すること自体を処罰すべきである、こういう意見もありますけれども、これは当局はどういうふうにお考えですか。

末井政府参考人 酒気帯び運転の処罰の対象につきましては、平成十四年に政令を改正いたしまして、呼気一リットル中のアルコール濃度を、それまでの〇・二五ミリグラム以上から〇・一五ミリグラム以上に引き下げております。そのときの考え方と申しますのは、酒気帯び運転に対して罰則を科すためには、刑罰を科すだけの悪質性、危険性が必要ということで、諸外国の例も参考に改正をいたしたわけでございます。

 飲酒運転の根絶のために御指摘のような制度とすることも考えられるところではございますけれども、私どもといたしまして、今後の政令基準値のあり方につきましては、政令基準値未満の状態における交通事故の発生状況等を勘案して検討していかなければならない、このように考えております。

神崎委員 次に、在留管理制度についてお伺いをいたします。

 第五次出入国管理政策懇談会から、本年三月、「新たな在留管理制度に関する提言」が法務大臣に提出されました。

 まず、法務大臣、この提言をどのように受けとめていらっしゃるのか、今後の扱いはどうされるのか、お伺いをいたします。

鳩山国務大臣 この出入国管理政策懇談会というのは法務大臣の私的懇談会でございまして、新たな在留管理制度ということに対して提言をいただいたところでございます。

 これは、いわゆる在留管理が、今は法務省の入国管理行政、それから、いわゆる外国人登録というものは市区町村にやってもらっておりますから、その上部には総務省があるわけでございまして、言ってみれば二元的な管理になっているわけです。したがって、不法残留の外国人であっても、その市区町村に行けば外国人登録はできるわけですね。

 そういうようなことがあったものですから、仮称在留カードという形に一本化をしまして、そして、適法に滞在する外国人がそれぞれの自治体でさまざまな行政サービスを受けることができる、それは教育とか福祉、医療等が当然考えられるわけでございましょうから、住民登録と似たような形で外国人の台帳制度のようなものを市区町村にやっていただく。その台帳制度と法務省の在留カードとは、常にコンピューターで結んで密接な連絡をとり合う。それから、留学とか就学もあるでしょう、あるいは研修とか、あるいは当たり前な形で専門家として働いている外国人等の情報も一元的に入ってくるようにする。

 どうしても、入管行政というと、不法残留ということが頭にあって、退去強制させなくちゃいかぬとか、そういう発想が出てきてしまいますが、そうではなくて、これからは、外国の方にも大いに来ていただいて、さまざまに頑張っていただくという意味で、適法滞在の外国人の方々と日本人がお互いに尊重し合い、共生していくという感覚のもとでなされた提言だと思っておりますので、中身を具体化し国会にお願いするのは来年の通常国会かなと思っております。

神崎委員 この中で、再入国許可制度の見直しも検討するということにしておりますが、その際、永住資格を持つ在日外国人につきまして、再入国許可制度の適用は免除すべきだろう、私はこのように考えます。

 その理由は、一つは、国連規約人権委員会の日本政府に対する勧告、一九九八年十一月十九日ですね。「日本で出生した韓国・朝鮮出身の人々のような永住者に関して、出国前に再入国の許可を得る必要性をその法律から除去することを強く要請する。」という国連規約人権委員会からの勧告があるということが一つ。

 それから、当委員会での法律改正の際の附帯決議、一九九九年八月十三日、そこでも「特別永住者に対しては、その歴史的経緯等にかんがみ、再入国許可制度の在り方について検討する」ということがうたわれているわけであります。

 また、韓国では、永住資格を有する外国人住民が出国して一年以内に再入国する場合においては再入国許可制度の適用が免除されている、こういう事情もございまして、これから法制化されるに際して、この永住資格を持つ在日外国人についての再入国許可制度の適用免除、これをぜひ御検討いただきたいと思います。

稲見政府参考人 お答えいたします。

 再入国許可制度につきましては、委員御指摘のような各種提言あるいは附帯決議等がございまして、これから検討してまいりますが、法務省といたしまして、現時点で具体的な方向性をお答えするところまではできませんが、いずれにいたしましても、適法に在留する外国人の利便性の向上を図るという観点から、永住者の方に限ることなく、再入国制度全体につきまして幅広く見直しを行っていくこととしているところでございます。

 以上でございます。

神崎委員 一点だけ、人権侵犯事件の問題で。

 これは、人権擁護局をちょっと応援したいと思うんですけれども、人権擁護局では人権について長い間啓発活動を行っています。人権週間とか、全国中学生人権作文コンテスト、人権の花運動とか、人権啓発フェスティバル等、大変御努力をいただいているわけでございます。こういった地道な人権啓発活動がもっと国民に知られるように、テレビ等のマスコミにどう乗せるか、こういうことに大臣、ぜひ知恵を発揮していただきたい。大臣は優秀な方でいらっしゃいますから、ぜひよろしくお願いします。

鳩山国務大臣 やはりテレビの効果というのは絶大でございまして、この間、石関委員から、裁判員参上というのはおかしいのではないかというので、やはりセンス悪いから変えたらとお答えをしますと、それがテレビで相当流れまして、裁判員制度の知名度が上がったというようなこともありまして、やはり神崎先生おっしゃるように、マスメディアの積極的な活用をぜひ人権啓発活動で大いにやりたいと思っております。

 これも予算の要ることでございまして、例えば人権を侵害するような人が出てきたら、「そうはイカンザキ」と言ってこれを追い払うとか、何かそういうようなコマーシャルなんかいいんじゃないかと思っております。

神崎委員 終わります。どうもありがとうございました。

下村委員長 次に、中井洽君。

中井委員 民主党の中井洽です。

 いつも、大臣と副大臣だけで結構だ、こう言うんですが、きょうは他省庁のことを聞くものですから、参考人で何人か出てきていただきますので、副大臣、結構ですから、お仕事をどうぞ役所でおやりになるなりなんなり、席をお外しいただいて結構ですから、申し上げておきます。

 最初に、昨日死刑執行がなされたと報じられております。従来、国会開会中には死刑執行はとり行わない、大臣のところへ書類が上がらない、こういう慣行でまいりましたのが、前の長勢さんのころから少し直されて、今回、法務委員会の開会中にも執行されるというような、私どもからすると衝撃的な変化でございます。

 大臣の御判断ということも大いにあろうかと思うんですが、私は、日本の死刑執行という制度、そのことについて、最高裁が判決を下す、確定をする、それで刑が執行されればいいのを、また法務省が、検事さんがチェックをして、そこで間違いがなかったら法務大臣に上げて、法務大臣が執行を命ずる、このシステム自体が少しおかしいんじゃないか。最高裁の判決が確定したら後は淡々とという形で、逆に法務大臣が特赦あるいは恩赦というような、アメリカの州知事あるいは大統領あたりが持っているような権限を使えるようにするというのが本来の姿じゃないかなと前々から考えております。

 そういう私の判断について、この機会に鳩山法務大臣のお考えをお聞かせください。

鳩山国務大臣 一般に、裁判の結果、判決と言ってもいいんですが、その執行は検察官が指揮するとなっているわけであります。しかしながら、死刑の執行のみは法務大臣の指揮と命令ということになっているわけで、その理由は、やはり一たん執行すれば回復不能でございますし、大変重大な刑罰として人の生命を絶つということでありますから、その執行に際して特に慎重な態度で臨む必要があるということが現在の刑事訴訟法の考え方なんだろうと私は思います。

 したがって、私も、斎戒沐浴して、すべての資料をできるだけ全部読んでからサインをすることといたしておるわけでありますが、結局は、先生もよく御承知のとおり、再審の可能性とか非常上告の可能性とか、あるいは恩赦の出願状況がどうなっているかとか、心神喪失で刑の執行停止になる可能性があるかとかということを全部判断しながら、しかも、裁判記録を読み返して万が一にも間違いがないようにということで、今の仕組みになっています。

 ですが、実は、今中井先生がおっしゃったような考え方もあってもいい。死刑の執行が、法務大臣の意向というのか、あるいは人生観、社会観、世界観、生命倫理観みたいなものによって大きく左右をされて、粛々と執行されないという状況があるのはかえっておかしいのではないか。とすれば、裁判という司法判断、もちろんその後の再チェックは必要でしょうが、死刑が確定するのは裁判、それは最高裁まで行く場合もあれば、そうでない場合もありますが、そういう意味でいえば、諸外国にも若干そういう例がありますし、私は、中井先生御指摘のような考え方も、今、日本はとっておりませんけれども、あっていい考え方の一つだと思います。

中井委員 僕個人は、社会観、人生観で死刑執行をためらったり反対する人は、現行制度の中では法務大臣になるべきじゃない、また任命されるべきでもない、こう考えておりますが、現実には何人か過去おられたことも事実でございます。お一人お一人の大臣が執行を命じられる、斎戒沐浴だけじゃなしに、本当にぎりぎりの判断をなさって判を押されているんだろう、この重さも大変なものだ、こんなようにも考えています。

 しかし、制度として最高裁、裁判は全く独立したものでありますから、ここが決められたことはやはりここで完結する。それをもう一度法務省、検察がチェックするというのは、僕はちょっと制度としてどうだろうと前から思っておりましたので、また折々、御検討の機会でもあれば御勉強いただければ、このように思います。

 二つ目は、一日の閣議後の記者会見で、大臣は揮発油税の問題について御発言をされています。その中で、総理が環境税のことを言われることを評価されて、環境税の夜明けだ、環境税は五、六兆円あってもいいんだということや、暫定税率が環境税だったらいいんだ、ここまで踏み込んで御発言をされたと報じられております。これは本当に事実なのかどうか、まずここのところをお尋ねします。

 それから、私どもは、道路目的税を一般財源化と主張していることは御承知のとおりでございますが、その一般財源化した中で環境税というものも十分考えていこう、しかし、環境税というのは何だろう、何に使うんだ、どこからちょうだいするんだということを含めて、まだまだ議論が足りないということも十分認識をいたしております。

 そういう中で、大臣の癖かもしれませんが、ばんばんと五、六兆円と。しかも、暫定税率の部分を環境税だというのは、僕は余り聞いたことがないんですね。ここらを含めて、別に責め立てるつもりはありませんし、昨日、政府と与党で一般財源化、こういったことが合意されたとも聞いております。この辺を少し御説明いただければと思います。

鳩山国務大臣 こちらの水野賢一先生あたりも環境の権威であられて、我々は例えば自民党の中あるいは公明党の先生方とも勉強会を開いたこともございまして、私は従来から、環境税というものは未来世代のために絶対必要であるということを言い続けてまいりました。

 閣議後の記者会見での一言一句を全部覚えているわけではありませんが、もちろん私は閣内の一員でございますから総理の御提案に全面賛成でございまして、政府・与党が合意した内容についても十分理解をいたしておるわけでございます。

 ただ、私がそのときに申し上げたのは、私は昔からみずから環境革命家を名乗って、それほど実績を上げているわけではないが、環境税ということについて、以前からみんなで勉強してきた中で、例えば最初に環境省が打ち出した環境税収というのは三千億ちょっとというような形のものではなかったか。自民党の若手の先生が打ち出されたものは、その倍ぐらいはあったかな。あるいは、民主党の案もいろいろ見ましたけれども、それは一兆円に迫るものであったかなという気がするわけですが、従来から環境税の勉強会で我々の私的な仲間で議論しているのは、それは数兆円単位のものにいずれしなければいけないだろう。ただ、その使い方については、実は非常に難しくて、議論がありまして、社会保障関係に使うべきだとか、あるいは社会保険料と相殺、増減税同額にする、そうしますとエネルギーを節約した家計はプラスになる、そういうやり方もあるなとか、いろいろな検討をしておったわけでございます。

 そういう私のかつての環境に関する勉強の中身について一部披露をしたということでございまして、とりわけ総理が暫定税率の問題を議論される場合に、やはりガソリンが安ければそれだけ多く使ってしまう、そのことが環境問題にマイナスに働くということをあれほど言っておられますものですから、非常に我が意を得たりという思いで、これは環境税の夜明け、将来環境税を議論していく基本になるのではないか、そういうことを申し上げたということでございます。

中井委員 暫定税率というのは、昭和四十九年ですか、鳩山さんも私もまだ国会に通っていない時期、二年間ということでスタートいたしました。スタートした時点では、石油危機のときでありましたから、石油の消費を抑える、こういう目的でつくられた。しかし、その後、その使いでのよさ、集まりぐあいのよさがたちまち自民党さんの好みに合って、三十四年間、今日まで道路ということで使われてきた。私どもは、もうとっくの間に目的は達成しているから廃止だ、こう主張をしてまいりました。

 これに対して、昨年から、地方自治体も含めて、道路、道路、道路、道路の大合唱で、暫定税率がなくなったら道路はできないというような言い方で、現在もまだ続いております。僕らに言わせれば、道路の策定も、予算関連法案が通って、大体、地域や指定場所やら予算づけされるのが六月ごろ、入札や何かがあるのは七月で、何を四月にわたわたと、地方自治体がつぶれるような騒ぎ方をしているんだ、こう思っております。

 暫定税率を環境税として使うという議論であるならば、またユーザー、ユーザーに説明して、全く別の議論で、一度廃止してこれをやる、暫定税率と道路と環境というのは別だ、僕らはそう考えているわけであります。私どもは、率直に言いますと、一般財源化した中で地方自治体にお渡しする、そしてそれで道路やら何かをやっていただく。これは、その財源だけではありません。しかし、鳩山さんのように合わせて六兆円全部環境税だなんというのは聞いたことがありませんから、あえてお尋ねをしたわけでございます。

 どういう形が環境税とお考えになっているのか、どういうことにお使いになるかということで御所見がおありなら、お聞かせをいただきます。

鳩山国務大臣 環境税といった場合は、炭素税というふうに言いかえてもいいのかもしれないと私は思っております。これも、上流で課税するか、各家庭というか河口で課税するかとか、さまざまな議論がございます。また、その使途についても、環境改善のために充てるという考え方もあれば、全く別の、先ほど申し上げましたように、社会保険料とツーペイにするような考え方もあるとか、それはまたさまざまな考え方があるわけでありますが、これから国会で御議論をいただいて、なるべく早いうちに何らかの形で、小さく産んで大きく育てるでもいいんでしょうが、環境税というものが日本の社会に生まれてくることを私は心から期待いたしております。

 ただ、問題は、環境税というのはエンバイロンメントタックスというんだろうと思いますが、一般にガソリン税とかエネルギーにかかる税金はエンバイロンメント・リレーテッド・タックス、環境関連税というふうに世界的には評価されるわけで、日本のガソリン税も軽油引取税も、その使用量が抑えられるという意味ではエンバイロンメント・リレーテッド・タックス、環境関連税であることは間違いがないわけでございます。

 そんなことも頭にありまして、例えば暫定税率が廃止になるような事態が将来あるとするならば、また別の形で環境税というものを、ガソリン税や軽油引取税よりはもっと幅広く電力とかさまざまなものにかけたらいいだろう、これはもう昔からの私の持論なのでございます。

中井委員 このことで余り長くやるつもりはありませんが、石油製品から税金を取る、それを諸外国では環境の税金だと称しておるということはわかりますが、日本では全然違うのでありまして、あなたらは道路、道路ばかり言っておるじゃないですか、道路は必要だ、だから暫定税率は廃止できないんだと。これと環境税とを一緒にするというのは、それは議論のすりかえ。暫定税率が廃止になることがあればと言うが、今とまっておりますから、どうぞこのままとめるという方向へ賛成して、環境税は環境税の議論をまたすればいいと私どもは考えております。あえて申し上げておきます。

 その次に、先ほどからお二人の与党の議員さんから、司法試験合格者の数の問題が極めて理論的に、懇切にございました。大臣も、御就任直後あるいはことし初め、私が一般質疑でお尋ねをしたときと微妙にニュアンスを変えられておりますから、余りとやかくとしつこく言うつもりはありません。

 先ほどのお話の中に、司法制度改革の大きな柱だということもございました。司法制度改革というものを進めていかなきゃならないという御決意も承ったような気がいたします。そうであれば、もうこの三千人のことは、あなたの在任中、まだ目標でありまして、あなたがずっと法務大臣を務めるとはゆめ思いませんから、平成二十二年以降の論議については、あなたが法務大臣をおやめになってからおやりになった方がいいんじゃないかと僕は率直に思います。

 それはなぜかというと、一生懸命皆さんがPRなすって、いよいよ来年実行しなきゃならない裁判員制度、これに対する国民の理解がなかなか進まない。不安あるいはわからないという声も非常に多い。お伝えいただく肝心のマスコミもそうだ。そういう意味で、これを無事スタートさせていく。

 私どもも裁判員制度について、これができるときいろいろと議論をいたしました。しかし、アメリカのような陪審というわけでもない、日本独自のことをやる。これは、陪審員制度を導入しろという多数の声があった中で、司法改革の一環としてこの裁判員制度という独自のものをつくり出した、こういうことでありましょう。これを成功させて発展させていく、このことは非常に大事なことだと思っています。

 私どもは、やはり司法改革の流れ全体はとめてはならない、こう考えています。その柱の一つである三千人のことについて大臣が盛んに発言される、このことは裁判員制度のスタートに御理解をいただくことについて決してプラスにならないと僕は思っています。そういう意味で、先ほどから神崎先生のお話に謙虚にお答えになっておられましたからいいのでありますが、あえてここのところを申し上げます。

 そういう意味で、御意見、お考え、何かあればおっしゃってください。

鳩山国務大臣 中井先生の御指摘のとおりの部分が多くあると思います。

 大体司法の世界のことというのは国民から見るとちょっと怖い部分がある、なじみにくい部分がある。いろいろと弁護士の先生方には頼りたいとは思うけれども、実際裁判などというと何かおどろおどろしいものがあってという感覚がある。そういう司法制度と国民の距離を縮めていく、あるいは司法に対する国民の信頼を高めるというような大きな目的、そしてまた制度というものは時代とともに変革されていかなければならないという観点で司法制度改革が始まったと思うし、私もその推進役をやらなければならない。

 確かに、私が平成二十二年のときに法務大臣をやっているという可能性は限りなくゼロに近いわけでございます。それはそのとおりだと思いますが、三千人にする、もちろん質の確保を前提にして三千人程度までふやすということに私は、閣議決定の内容でもありますし、全くけちはつけていないわけで、中井先生や我々の時代に司法試験の合格者が大体五百人程度であったことを考えれば、これは大変な増加ぶり。現在も増加中で、昨年初めて二千人台に乗ったんだろう。これがあと三年で三千人になるわけですから、大変な増加ぶりということでございまして、私はその道程にいろいろ文句をつけてというような感覚は全くありませんで、神崎先生の御質問に答えたように、粛々と三千人になるように、質の高い合格者が出るように願っておるわけでございます。

中井委員 法務省に聞きますが、過日マスコミで、どこかの法テラスの副所長さんがコピー代の費用のことで憤慨されて辞表を出されたという話を聞きました。

 先ほど大臣は、法テラスは弁護士ゼロまたは一、こういったところを補うためにつくったんだ、こう言われましたが、法テラスそのものは私の郷里なんかではやはり県庁にあって、弁護士さんがいないところに、国選弁護士でいこうと思ったら、出張旅費だ、一つ一つの事件でコピーだと、大変な金額もかかる。改正になりまして旅費等は少し出るようになったようでありますが、今度はコピー代がどうだという実に情けないことでおやめになったという事件がございました。

 これなんかも本当に、限りなく出せば国庫の費用も大変だろうけれども、弁護士さんとしたら赤字でまでやれるのかというところがあって、せっかくつくった法テラスもうまく運用されていない。百万件ぐらいという予想でおやりになったが、現実には三十万件ぐらいの相談、このようにも聞いております。しかし、地方では物すごく訴訟問題に悩まれている方が多い。

 私は、このままほっておいたら、お医者さんと同じ状況にならないかと心配しているんですよ。三重県なんかでも、大半が救急医療体系すら組めない状況になってきている。やはりお医者さんをふやすのがいいのかどうか、質の高いお医者さんでいくのがどうかといろいろな議論はあったけれども、ここのところふやさずに二十六万ぐらいの体制で来たために、医療がどんどんどんどん変化して、その中で大都市の医師に対する需要がふえて、小泉さんの、研修医はどこでやってもいいよというものでばっと都会へ行っちゃって、私のところの三重大学なんというのは、それまで百人卒業して研修医で六十五人残っていたんですよ。今、三重大へ残るのは、四人、四人、六人、四人です。これは全国ですよ。

 だから、弁護士さんだって、別にどこへ残ろうと構わないんです。全部東京へ行く、大阪へ行く。それは本当に大変なことですよ。そういうことが起こる可能性がある。その中で、地縁、血縁、いろいろなことの関係が薄れて、法律で判断をしてもらわざるを得ないことがどんどんふえている。

 それに対して、訴訟社会ができるからどうだと言うが、この間お尋ねしたら二〇五〇年ぐらいのことだ、こう言われました。そこまで心配するのは杞憂でございまして、現実、今の国民のニーズに対してどうこたえていくかというところ、そして、ふやすけれども、できる限り質が高い、社会正義にあふれた弁護士さん、こういうのが一番だろうと思いますので、御発言はくれぐれもお慎みをいただくように、あえて重ねて申し上げておきます。

 それから、最高裁に来ていただいてると思いますが、おられますか。

 私どもは、判決の中身や判事さんを御批判申し上げるのは越権行為で、やってはならない、このことは十分承知いたしております。

 私はかつて、国会に置かれています訴追委員会のメンバーでもありました。今、弾劾裁判所の裁判員でもあります。弾劾へ上がってくるのはめったにというかほとんどない仕組みみたいになっておりますが、しかし、訴追委員会にはかなりの数の国民からの訴えがある、年間数百。

 それらの中身を私は任務にありますときに見せていただきましたが、判決の中身がこういう理由でおかしいとかこうだとかいうことじゃないんですね。裁判官が審議の最中に暴言を吐いたとか、私の弁護士と敵対関係の訴えた方の弁護士とどこやらで酒を飲んでいたとか、いろいろなことがわんわん来るんですね。裁判官も人間だな、こう思って、いろいろなことを聞かせていただいておりました。

 そういう中で、時々、やはりおかしな行動だなと思うときは国民から、あるいは国会で少しは批判も出ないと、全くだれにも批判されない、最高裁の判事さんだけがマル・ペケされるというシステムでは今の世の中、もたないんじゃないかという気もちょっといたしまして、どうこうしろという意味じゃなしに、こんな判事さんがいるんですねということであえて申し上げたい、こう思います。

 去年の二月に、ある地方裁判所の民事部の破産手続の裁判で、そこの裁判所長さんが裁判官とは別に御出席なすって、私は書記官の代理をやります、こう言われて審議に立ち会われて、審議が始まったら、質問と手を挙げられて、十分間にわたって質問した、こういうんですね。それで、やはりさすがに問題になって、最高裁はお調べになったが、判決には何の影響もなかった、ただ少しおかしかったという厳重注意で終わられた、こういうんですね。

 これは、本当にそれだけでいいんでしょうか。ちょっと僕には考えられない事件だ。事件そのものが非常に珍しかったから出た、こうおっしゃるんですが、そう大して珍しい事件でも何でもありません。

 今どうされたのかと言ったら、転勤なさったと。私らのところへ来たときは少し左遷の転勤みたいなことを言われたけれども、やはりちょっと位の上の方へ、地方裁判所へ行かれているから、左遷でも何でもないんだ。そうすると、厳重注意で終わりなんだな。

 これは僕らの常識からいくとちょっと考えられないことですが、最高裁としてはどのような御判断をなさっているんでしょうか。

大谷最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘がありました事案につきましては、具体的な中身について詳細に入ることは避けたいと思いますけれども、裁判体の行った破産の手続開始決定自体に影響を及ぼしたとは認められない、こういうことを前提とした上で、ただ、やはりその裁判所の司法行政事務を総括し、裁判の公正の確保について重い職責を負っている所長として軽率であった、この点は甚だ遺憾であり、その点について、先ほど委員からございましたように、高等裁判所長官から厳重注意という措置がとられたところであります。

 その点につきましては私どもも全く委員の御指摘のとおりだろうと思うわけですが、その措置について重い軽いということについては、これは高等裁判所あるいは最高裁判所もいろいろな点を考慮して決めたのですけれども、委員から今お話のありましたような問題点、観点については、今後とも十分留意してまいりたいと思っております。

中井委員 この事件を聞きまして、お話を聞いて、民主党は民主党として少し調査をということで、御報告をいただきました。余り介入してはならないということで終えましたけれども。

 例えば、そのときの調査をなさった担当の方は、その調査された人のかつての部下なんですね、直属の部下。直前まで部下だった。だから、ある人を内部で取り調べようと思ったら、やはりその人より上の位の人がやらないと全然信用されない。位が下で、しかも去年まで部下だった人に調べさせて、そんなもの調べられるわけがないじゃないかと僕らは思います。

 あるいはまた、簡単に、被告側とも原告側とも弁護士とも関係がないんだとおっしゃったけれども、これは東京のある組織とも関係がある。例えばそこの組織とその裁判官とが何の関係もなかったと言えるのかどうかというようなことを含めて、本当に内部できちっと律していらっしゃるのか、僕は不安に思っています。

 その点について、いかがですか。

大谷最高裁判所長官代理者 今御質問のあった点の中のうち、当該所長に対して調査をいたしましたのは高等裁判所でございます。直接担当した者は、特に所長の部下であったというような関係にはございません。

 それから、外部の関係者と何かつながりがあるからこういう事件になったのではないか、少なくとも懸念はないのかという点は慎重に判断しなければならないことは、委員御指摘のとおりだろうと思います。

 ただ、この件に関して申しますと、事件当時はもとよりですけれども、現在に至るまで、その事件の関係者と当該所長が何らかの利害関係があったというようなことをうかがわせる事情は全くございませんし、現在でもそういうことはないということは御了解いただければと思います。

中井委員 そうしますと、私どものところへ御報告に来てくれた方は虚偽の報告をなさったんですか。直前の部下だったんですよ。私どものところへ御報告に来ていただいた方の局長か何かをしていたんですよ、その方はおととしまで。僕はそう聞いて、何だその調査はと申し上げたんですよ。

 あなたは違うんだとおっしゃるが、それからもう一度調査し直したということですか。

大谷最高裁判所長官代理者 私の御説明が十分でなければおわびいたしますが、委員のところに御説明に参った者がその関係の所長の直前には部下だったという関係があるということは申し上げたかと思います。それは事実でございます。

 ただ、先ほど私が申し上げましたように、この事件について調査を、当該所長に面談して、どういう事実関係だったのかということを直接調査した人間は高等裁判所の関係者であり、部下ではないということでございます。

中井委員 それは少しおかしいな。私のところへ来てくれましたが、党の部会で説明した方に聞いたときに、私どもが調べた、こういう話でしたよ。あなたの上司じゃなかったのと言ったら、そうですとおっしゃった。

 別にしつこくこんなことを言いませんが、やはり外からの批判に耐えられる調査や処罰をおやりになるべきだ。

 これは申し上げますが、大臣、裁判官は三人ですよ、書記官一人、そこへ所長が書記官代理として出るんですよ。そして、私はだれだれで、きょうは書記官の代理でここへ座ります、こう宣言して、裁判が始まったら一番最初に質問しておるんですよ。裁判官よりか先に質問しておるんですよ。考えられますか。裁判官が質問して、弁護士同士がやって、まだ最後に何かというならまだしもわかりますが、一番先に十分間にわたって質問しています。そうですね、そこでうなずいてくれれば結構ですが。だから、本当に奇妙きてれつな方がいらっしゃる。

 裁判官も人の子でありますし、また大変な事件数を背負ってストレスもたまっていらっしゃるということもわからないわけではありません。そんなことを含めて、最高裁のあるいは裁判所のあり方、裁判官の日々のチェック、あるいは休暇のとり方等含めて、せいぜい今の世の中に十分対応できるように御努力をいただきたい、このことを申し上げて、この事件は終わらせてもらいます。

 警察庁、来てくれていると思いますが、警察庁にお尋ねをいたします。

 三月三十一日、宮城県警の平成十一年の刑事部、交通部及び警備部の報償費支出に関する仙台の裁判所の判決が出ました。この判決文はかなり刺激的で、大半がおかしい、したがって一切出しなさい、こういう判決であったと聞いております。

 数年間、私を含めて、私ども民主党の警察不祥事対策本部が主張していたこととそっくりの判決だ。また、宮城県の前の知事、職を辞して、県警本部長といろいろと争った、そのときの知事の言い分どおりだ。私どもは、大変立派な判決だ、こう思っております。

 警察には警察の言い分があると思います。この判決についてどうお考えになって、これからどう対応されようとしているのか、お尋ねします。

米村政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど先生がおっしゃったとおり、本年の三月三十一日に仙台地裁の方で判決がございました。内容的には御指摘のとおりで、かなり厳しい内容かというふうに私どもも認識をいたしております。

 しかし、いずれにいたしましても、裁判の過程で対象となりました行政文書の非開示性とあわせて、県警としてはその前提としての捜査費の執行について適正に行っているという旨を主張したわけでありますけれども、結果として、判決は、大変厳しい判決内容になったということでございます。

 現在、宮城県警の方ではこの判決の内容をさらに精査した上で、私どもとしては、さらに控訴をして上級審の判断を仰ぎたいというふうに検討していると報告を受けております。その上で、私どもといたしましては、さらにこの訴訟の行方について注意深く見守ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。

中井委員 委員の皆さん方は、もうお忘れの方あるいはまた初めてお聞きになった方もおられると思いますが、ここ七、八年、警察の捜査用の報償費あるいは捜査費、これは国費と県費とに分かれておりますが、これらが全く適切に使われていない、全部裏金化して、おかしな使われ方をしている、こういう疑惑が次から次へといろいろな県本部で発生をして、そのたびに警察やそれぞれの県警は否定的な発表あるいは記者会見等を繰り返してきた。

 しかし、北海道等では死人も出たりして、少し認めて賠償、弁償、あるいは愛媛県あたりでは内部告発が出て、私どもも調査に行ったりいたしました。この内部告発をした警官を全く不意につくったようなポストへ左遷して、これに対して裁判を行って、これもお負けになったという中で、私ども、いろいろと調査をいたしました。

 この間に、残さなければならない書類が焼き捨てられておった、あるいはなくなっておった、あるいは私どもにお出しいただいた調査も全部真っ黒に塗りつぶしてあって、何が何だかさっぱりわからない情報公開をおやりになっている。

 こういう状況の中で、かなり私どもも感情的なことを含めて議論いたしました。同時に、このようなことでは、一線で働いている、治安や防犯に頑張っていらっしゃる警察官の士気が全く低下する、世界一だと言われている日本の警察が根腐れしておる、こういうことを心配して、いろいろなことを申し上げてまいりました。警察も、表面的に強がりを言っている中で、報償費等はかなり予算的にも減らしてこられて、私どもからいえば、やはりおかしな使い方があったんだな、しかしまだまだ全部出していないな、こういう感じも常に抱いてきたわけでございます。

 そういう中で、平成十一年のこととはいえ、今度の判決が出た。こういったことを契機に、出せるものは出して、率直に批判を浴びるところは浴びて、改めるものは改めればいいと僕は思うんですね。なかなか大きな組織、そうはいかないとおっしゃる面もわからないわけではありません。しかし、今の世の中でそういうことを繰り返していると、だんだん組織そのものが機能しなくなる。このことは、私どもは、いろいろな会社の事件やいろいろな不祥事で実際経験をいたしております。

 警察が国民にとって本当に信頼できるものであり続けるために、こういったところは判決に従って率直に対応なさる、こういったことをあえて私はお勧めをいたしますが、いかがですか。

米村政府参考人 お答えをいたします。

 ただいま先生が御指摘されましたように、平成十六年以降、北海道警察を初めとして、幾つかの件で不適切な経理事案が明らかとなっております。そうした事案につきましては、県の公安委員会の指示等もいただきながら、県警として徹底的に調査をし、処分すべきものは処分をし、また返還すべきものは返還をし、さらには再発防止策ということで新たな手だて等を講じながら、二度とこういうことがあってはならないということで対策をとってきているわけでございます。

 先生御指摘のとおり、この不適切事案というのは、仮に捜査費であっても、単に警察の捜査活動だけでなくて、警察全体に対する国民の信用といいますか、それをゆるがせにする、明らかにこれを損なう重大な事案でありまして、私どもといたしましては、極めて重く受けとめております。先ほどの先生の御指摘についても、極めて真摯に受けとめさせていただきたいというふうに思います。

 なお、その後、私どもの方では、平成十六年に監査に関する規則を設けまして、これに基づきまして、全都道府県警察を対象に厳正な監査を行い、こうした不適切事案が二度と行われないよう、引き続き努力をしているということでございます。

 本件の事案につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、宮城県警としてはさらに上級審の判断を仰ぐという対応というふうに承知をしておりますので、それはそれとして、しっかりと見詰めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

中井委員 私どもも、数年前に宮城県警をお訪ねして、県警本部長にもいろいろなことを申し上げた記憶もあります。また、宮城県の知事にも二度にわたって御上京いただいて、お話を聞いたこともございます。

 今、官房長は、公安委員会、こういうことを使って御答弁なさいましたが、日本のいろいろなチェックシステムの中で一番悪用され、機能していないのはこの公安委員会の制度だと僕はあえて申し上げておきたい、こう思います。

 公安委員会に推薦するのは警察の方々の仕事、知事はそれをすっと認めておるだけだ。議会も認めておるだけだ。また、公安委員の事務は全部県警から出ておるという中、僕らがどこかの県警本部へ視察に行きましたら、県警本部長室、こういう肩書の名刺で応対してくれた。その人の次の肩書は、公安委員会事務局長と書いてありました。県警本部長の名札の下に公安委員会室というのが張ってありまして、これは全部逆じゃないかと僕ら申し上げて、このごろは少し直ってきたようであります。

 公安委員会というのは、本当は選挙なんですよね、選挙。それで、住民の代表として警察権力をチェックする。ところが、公安委員会全体がもう警察の自家薬籠中のものになっちゃっている。国家公安委員長だって警察庁の省の会議に出席できない、チェックできない、こういう状況も知っております。

 そういう意味で、公安委員会の方々、それぞれ立派な方で、それぞれそういう制約の中でお働きであろうかと思いますが、到底チェックできていないと僕は思っています。せっかくのお金ですから、現場現場で靴を減らして聞き込みに、あるいは張り込みに回っておられる方々の本当に費用として使われる、こういうことを重ねて要望いたしておきますし、この際、与党の方々もこういったことについてきちっとチェックをされる、こういうことを、あえて委員会の席でありますが、申し上げておきたい、このように思います。

 最高裁も警察も、どうぞお帰りいただいて結構です。

 それから、外務省の方は来ていただいていますでしょうか、三月の二十七日にラオスの日本大使館に脱北者が日本への移住を求めて駆け込んだというニュースがございました。

 私どもは、この脱北者が本当に脱北者であるなら、一昨年から自民、公明、民主と一緒になってつくりました北朝鮮人権法のもとで、日本へ送って生活できる可能性がある、こう考えておりますし、また拉致対策という面から考えても、脱北者が持っている情報というのはいろいろな形で集めていかなきゃならない、こうも思っておりますので、外務省として十分対応されているんだろう、こう思っております。

 二週間たちますが、まだ何の変化も見えてまいりません。これらについて、現状どういう状況か、御説明をいただきます。

石川政府参考人 お答えいたします。

 まず、この脱北者事案につきまして、基本的な政府の方針といたしまして、まさしく委員も御尽力いただきました北朝鮮人権法、この趣旨を十分に踏まえまして、かつ、それぞれの個別の事情、いろいろあろうかと思います。それぞれの事情を十分勘案しながら適切に対応していく、これが一般的な方針でございます。

 その上で、今、個別の事案に対する御質問がございました。私どもとしましては、まず本人、それからその家族等の関係者の安全の問題、それから今現にいる国との関係、あるいは希望している国、必要があればその調整が必要なわけでございますけれども、そういった国との関係、それから今後の類似の事案に及ぼし得る影響といったものをいろいろ総合的に勘案しなければいけませんものですから、大変恐縮でございますが、個別の事案につきましてなかなか説明することは難しいということを御理解いただければと存じます。

中井委員 さっぱりわからぬですが、今もラオスの大使館にいるんですか。両親が日本から北へ帰国した人だということを主張しているといいますが、それらについて何か疑惑があるとか、いろいろな状況がある、こういう意味ですか。

石川政府参考人 お答えいたします。

 そのような報道等いろいろございますことはもちろん承知しておるのでございますけれども、それが真実である、いるいない、その他の具体的なコメントは政府としてはなかなかできないということを御理解いただきたいと存じます。

中井委員 そうすると、どうするんですか、ラオスの大使館にずっと置いておくの。

石川政府参考人 一般論となって恐縮でございますけれども、まず、人定が一番……(中井委員「いや、具体論で聞いておるので、答えられないなら答えられないと言ってくれれば」と呼ぶ)はい。具体的な事案でございますれば、答えることは難しいということを御理解いただきたいと思います。

中井委員 それでは、ほかに移ります。

 この間の質疑のときにも申し上げましたが、私の郷里は、人口十万で、外国人労働者が六千人以上いるという町になってまいりました。別に、それだからといって外国人犯罪がふえているというわけでもありません。みんなよく働いてくれる、やってくれております。

 しかし、日本全体として、凶悪な、日本人では考えられないような犯罪もふえていることも事実でございます。これらの犯罪に対して、日本はいまだに、アメリカと韓国ですか、二カ国だけ犯人の引き渡し条約が結ばれておって、よその国とはそういう条約を結んでいない。ブラジルなんかは地球の真裏ですから、昔は、日本で犯罪を犯してブラジルへ逃げて帰るなんということは考えられなかったというところもございます。また、それぞれ刑罰が違う、法の仕組みが違うという中で、必ずしも犯人引き渡しがいいかどうかということもあるかと思います。しかし、幾つかの国々の出身者で、不法滞在しておったり、滞在しておって犯罪を犯して、逃げちゃってわからないというのは残念ながらあるんじゃないか。

 当局はそれなりに、それぞれの国の司法当局と混成をしたり相談をしたりやっておられるようだけれども、仕組みとしてもう少し、犯人引き渡し等を含めて、厳重に処理できる体制をつくっていく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

鳩山国務大臣 中井先生御指摘のように、犯罪人引き渡し条約は日米、日韓しかありません。ブラジル、中国等は、交渉はしておるようでありますが、本格的にはなっておりません。

 これはもう先生御承知のとおりですが、同時に、いわゆる刑事共助条約、捜査協力条約みたいなものでしょうが、これも日米、日韓しかない。あのギョーザ事件のときに、日中共助条約、今サインはしてあるんですけれども、もしあれが発効しておったらどうだったのかなということは随分感じました。

 そういう意味で、先生御指摘のとおり、できるだけ多くの国々と犯罪人引き渡し条約は結ぶべきだろう、こう思います。また先生方に御協力をいただきたいと思います。

 ただ、ブラジルの件は、非常に残念なんですが、ブラジルは自国民を引き渡さないというのが何か憲法に書いてあるというふうに聞いております。そうしますと、代理処罰のお願いしかできないわけですが、代理処罰というのがきちんとできるかというのは一〇〇%の保証というものではありませんので、今後、やはりできるだけ条約を多く結べるように努力をしたいと思います。

中井委員 先ほどの死刑の話ではありませんが、日本は死刑の制度があるから日本とはそういう協定は結べない、犯人も引き渡さないという国があることもまた事実であろうかと思いますが、これだけ日本に外国の方が来られてお住まいになる、いろいろなことがありますから、ひとつぜひ御努力をいただきますようお願いいたします。

 最後に、時間を少しとって恐縮でありますが、先ほどから可視化の議論がございます。

 私も大変期待をしておったんですが、結局、検察も警察も両方、可視化に踏み切ったことは踏み切ったんだけれども、裁判員制度にかかわる自白のところだけ、こういうことでございます。要するに、裁判員の方々が自白の真贋を判断する材料に供しよう、こういう形であります。

 それはそれで一つの考えでありましょうが、現行、取り調べられる国民の側、法的にもあるいは人権的にも、いろいろな形で非常に問題の多い取り調べが実にあると私どもは聞いていますし、承知しております。これはこれで、警察、検察も仕事熱心、どうしても、こういう思いでおやりになることもあるんでしょうが、しかしそれは、今の世の中、もう到底通らないことだ。

 そういう意味で、私どもは、ありとあらゆる捜査そして検察の調べ、これらを可視化すべきだ、あるいは録音すべきだ、こういったことを申し上げております。

 それに対して、取り調べがあるいは犯罪の検挙がなかなか難しい、こういう御意見もあるようであります。しかし、日本は日本としてここで、おとり捜査であるとか、あるいは盗聴のシステムだとか司法取引だとか、いろいろなものを整備して、両方相まってやはり進むべきだ。前近代的な取り調べ、こういったことで停滞をしておる、現場の警察官や、あるいは検事さんが非常な苦労をされておる、ここのところは僕は少し違うような気がいたしております。

 そういう意味で、大臣のお考えを聞いて、終わりたいと思います。

鳩山国務大臣 全面可視化ということは今は考えていないということは、もういろいろな委員会で何度もお話ししましたから繰り返しませんが、先生、大変重要なことをおっしゃったわけで、それは、通信傍受がいいのか、おとり捜査がいいのか、黙秘権をどう解釈するかとか、あるいは司法取引とかいろいろあるんでしょうけれども、やはり各党でお取り組みいただいておりますように、新しい時代に即した捜査や取り調べのあり方ということは常に考えていかなければいけないんだろうな。

 つまり、今、我々が全面可視化は難しいという一つの考え方の中に、日本では取り調べというのが最重要な機能を持っている、だから、その辺を諸外国と比較していく中で、もっと別の捜査方法のようなものを与えてもらえれば話は別だという部分もありますから、常に時代に即して考え直していかなければならない問題だ、課題だと思っております。

中井委員 終わります。

下村委員長 次に、細川律夫君。

細川委員 民主党の細川律夫であります。

 まず、昨日死刑執行が四名行われたということで、その点について私の方から少し申し上げたいと思います。

 約二カ月に一度、五カ月で十人という異例のスピードでございます。まさに大臣が就任直後に語っておられた、そしていろいろと問題になりました、ベルトコンベヤー式の執行というふうに思います。

 世界の情勢を見ますと、死刑制度があるのは先進国では米国と日本だけでございます。しかも、米国では州によっては死刑が廃止をされているところでもあります。死刑執行停止を続けている国とか、あるいはごく少数の罪以外は死刑を廃止している国も多いところでございます。そして、国連では昨年十二月、総会におきまして、死刑執行停止の決議がされました。また、EUでは、EUに加盟するには死刑制度があれば加盟できないということになっておりまして、死刑制度がないことがEUへの加盟要件となっております。これもまた、有名なところでございます。

 そしてまた、この委員会でも議論になりましたけれども、来年からは日本は裁判員制度が導入されます。その中で、玄人の裁判官が大変死刑判決には苦労をされるというか悩むという、ましてや素人の裁判官が死刑判決にかかわるのもこれまたどうなんだろうかという問題もこの委員会でも指摘をされたところでございます。

 そういう世界の流れ、あるいは日本での議論、そのことを考えますと、私は、本来死刑執行というのには謙抑的になるのが当然だというふうに考えております。そういう時期に、これまでにない異例の速さで既に十名の死刑を相次いで執行したということについては、私は心から遺憾の意を表したいというふうに思います。

 この点については、もう大臣はいろいろ意見を言われておりますから、ここで質問という形ではなくて、前には委員会の日に死刑執行されましたし、昨日、きょうの委員会がわかっているのにまたその前日に執行ということでありますから、あえて私の方から意見を申し上げておきます。

 それでは、予定した質問に移りたいと思います。

 私は、きょうは警察とか法務の身内の人が絡んだ事件の捜査についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。

 四国の方で警察の白バイに絡む事件が二つありまして、今裁判でも争われております。その件をちょっと二つ御紹介いたしたいと思います。

 一つは、二〇〇四年十一月に起きた松山市での事故でございます。

 これは、松山西署の白バイが高校生の少年の運転するオートバイに衝突をして、両者が重傷を負ったものであります。松山西署は少年を業務上過失傷害で書類送検して、松山家裁は少年の非行事実を認めて保護観察処分といたしました。しかし、少年側は警察の主張する事実認定を否認いたしまして、自分が停車中に白バイがぶつかってきた、こういうことを主張いたしまして高松高裁に抗告をいたしました。高松高裁は、警察関係者の供述調書だけに基づいて事実認定をしているとして、審判を差し戻しました。そこで、松山家庭裁判所での差し戻し審判では、白バイにはブレーキ跡があるがオートバイにはなく、非行事実の認定には疑問が残るということで、少年を不処分に決定いたしました。これは、刑事事件に例えれば逆転無罪ということでございます。そこで、少年側は国や県に損害賠償を求める訴訟を地裁に起こしまして、県の方では逆に白バイの修理費を求めて反訴している。これが、松山での事件でございます。

 二つ目は、二〇〇六年の三月、高知県の春野町というところで起きた事故でございます。

 これは、スクールバスを運転中に白バイと衝突いたしまして当時二十六歳の隊員を死亡させたということで、運転手が業務上過失致死罪に問われたものでございます。運転手は、右折しようと停車しているところに白バイが衝突した、バスのスリップ痕は警察による捏造と主張しましたけれども、一審、二審ともに退けられまして、現在最高裁に係属をいたしております。この事件では、バスに乗っていた当時の中学生や随行した先生たちが、自分たちの体験した事実と裁判の結果が異なるということで、運転手の無実を訴えております。

 この事件は、二つとも白バイの事件でございます。これは、現在も係争中でございますから、その事実関係について立法府で私が意見を述べる立場ではないということは承知いたしておりますけれども、いずれも警察が身内の人間をかばっているんではないかという疑問が寄せられております。

 現に、松山の事故では高等裁判所と差し戻し審の家庭裁判所で警察の事実認定に疑義が示されていますし、高知の事故では被疑者が実況見分は警察車両に乗せられたまま行われた、こういうことを言っていることなどもありまして、大変不自然なところが多いところでございます。

 また、松山の事件では、警察の捜査記録に少年の保護者がこんなことを言ったと記せられていますね。本件捜査に対して異常なまでの異議、苦情を申し立てたというようなことが捜査記録に残っておりまして、捜査に当たった警察官の主観があらわになっているような事実が散見をされます。

 そこで、この二つの例を見ましても、私は、警察官が関与した事件である場合は、例えば最初から検察などがまず調べていくとか、警察官関与事件あるいは警察の内部のような事件については第三者がしっかり監視できるような制度というものをきちっと検討いたしまして、偏った捜査がされているのではないか、身内に甘い捜査がされているのではないか、そういうことを疑われないような制度をしっかり検討すべきではないかというふうに思っております。

 以前から考えておりますように、李下に冠を正さず、あるいは瓜田にくつを入れずというような格言がありますように、国民の側から疑いの目で見られる可能性があるのならば、最初の入り口段階から変えていくべきではないだろうかというふうに思っております。そうでないと、警察の言い分が事実だとしても、世間の方は信用しないのではないかというような危惧を持っております。

 私はそのように考えているところですけれども、この点について、警察庁の見解をまずお聞きしたいと思います。

    〔委員長退席、実川委員長代理着席〕

末井政府参考人 交通事故事件の中でも、当事者間の証言が食い違う、あるいは一方の当事者が死亡してその証言が得られないなど、事実関係の究明が困難な事案や、御指摘のような警察職員が当事者となる事案につきましては、私ども、より緻密で慎重な捜査が組織的に行われる必要がある、このように考えております。

 そこで、本年三月には、交通事故事件捜査体制の質的な強化を図るため、警察本部に交通事故事件捜査統括官、交通事故鑑識官の職を設けるよう、都道府県警察に指示をしております。これによりまして、警察職員が当事者となる事故や、いわゆるひき逃げ死亡事故、一方当事者の供述以外に証拠が得られないおそれがある事故などにつきまして、正確、綿密な実況見分や監視活動など、客観的な証拠の収集、具体的な捜査指揮や組織的な取り組みを一層推進しまして、的確、緻密な捜査を行って、事故原因を究明するとともに、警察捜査に対する信頼を確保してまいりたい、このように考えております。

細川委員 次に、こういうケースもあるんです。

 これは埼玉県警での話ですけれども、現在、警察学校の元校長が県警の幹部を横領事件で告発いたしております。これは、警察学校内での売店の売上金の一定割合を助成金として集めて裏金としていたことに加えて、二〇〇四年度分の百二十五万円について使途が明らかになっていないということを主張しております。

 この件は、県警の内部調査で違法な使途はなかったというふうにしたために、元警察学校の校長がみずから、後輩であります現役幹部をさいたま地検に告発した、こういうような報道がなされているところでございます。

 この元校長は、県警の自浄作用を期待したが、やむなく検察の手にゆだねることにした、こういうことでございます。これも警察内部の事件といいますか、不祥事でございます。

 そこでお聞きしますが、なぜ警察の内部調査では違法な使途はなかったということになったのか、ちょっとその理由を聞かせてください。

    〔実川委員長代理退席、委員長着席〕

米村政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の事案につきましては、埼玉県警察においては、同県警の警察学校の私的な任意団体であります校友会に対しまして、今先生御指摘されましたとおり、校内の売店経営者から平成十六年度に助成金として交付をされた金銭の使途に係る問題でございまして、これを調査するため、同校の当時の行事予定表あるいは関係職員のダイアリー等から支出の経緯を確認し、さらには、支払い先で保管されていた請求書等を精査するとともに、関係者多数から聞き取りを行ったというふうに報告を受けております。

 そうした調査の結果、本助成金につきましては、武道大会等役員、選手あるいは関係職員の慰労、部外講師との意見交換、校内行事等、校友会の目的に沿って支出をされており、違法な使途は認められなかったというふうな報告を受けているところであります。

 なお、この件につきましては、先生御指摘のとおり、現在地検の方に告発がなされております。この件につきましては、私どももそれを注視してまいりたいというふうに考えております。

細川委員 結論は、警察内部での調査では問題がないと。しかし、その警察学校の元校長さんは、それには不満というか納得いかないということで、検察庁の方に告発をされた、こういうことであります。

 これは新聞で報道されておりますけれども、内部調査の中で、元校長に対して、県警のある幹部から、このまま調査を続けると道警のようになってしまうがいいのか、道警というのは北海道のあの食糧費の問題だと思います、というふうに詰め寄られたり、あるいはマスコミの取材には問題のないよう答えるように県警の幹部から指示をされたりというように新聞報道ではされております。

 そういうことで、私は、警察内部で問題が起こったときに、内部の者が調べる、それで客観性が保たれるのかどうかというふうに非常に疑問を持って、先ほどの二つの白バイの事件、そしてこの埼玉県警での問題を御紹介いたしました。

 そこで、これはちょっと古くなりますけれども、十年ぐらい前に神奈川県警でいろいろ不祥事がありまして、当時の本部長が、全県下の警察署長を集めまして、警察署長と県警の幹部に対して行った訓示の要旨があります。県下の署長はそれを聞いて、ある警察署長は本部長の訓示の要旨を書きまして、それを自分の警察署の署員に渡した、そういうメモがあるんですけれども、本部長が訓示をしたという内容をちょっと御紹介いたします。

 いろいろ書いてあって、「不祥事はあるということを前提として、その場合の対応を考えなければならない。不祥事とはなにか、事案があっただけでは不祥事ではない。これがマスコミに騒がれて、初めて不祥事となる。」ちょっと略しますが、不祥事のようなものが「あった場合は、県警全体で処理に当たる。県警としてチエを出していく。組織に乗せる。情報の伝達、スピードとの勝負である。事を小さくおさめる。物事は二重、三重の帳簿で処理していく。危機管理とは責任である。」こういうことを訓示した。それで、その署長がメモして、そしてまた署員にそれを配った、こういうことでございます。

 このことを簡潔に言いますと、不祥事がマスコミに出たら二重帳簿でも駆使して事を小さくおさめろ、こういうことだ。私は、とんでもない発言だというふうに思います。こういう意識が警察共通のものになったら大変だと私は思いますけれども、警察庁はこの訓示そのものをどういうふうに思っていますか。

米村政府参考人 お答えをいたします。

 お尋ねの点につきましては、古うございますけれども、平成十年九月の三日の神奈川県警察における警察署長会議で、当時の本部長がそのような訓示と申しますか発言をしたのではないかというような点であろうかと思います。

 私どもとしまして、同県警においてそういう発言があったのかどうかという事実を確かめました。また、その会議に出席した者等からも話を聞いた上でございますけれども、そういう発言があったということについては確認ができなかったということでございます。

 その上で、一般論として申し上げますが、仮にそのような発言があったとすれば、私どもといたしましては、まさしく不見識な発言でありますし、およそ理解しがたい発言であるというふうに考えております。

 なお、警察におきましては、先生御承知のとおり、神奈川県警におきまして一連の非違事案が発生をし、これをきっかけといたしまして、警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化というものを目指しまして警察刷新会議が立ち上がり、また、その提言を受けて警察改革要綱というものを定めたわけでございます。それ以降、監察部門を充実し、非違事案が発生した場合には厳正に処理をするという姿勢で臨んでいるところであります。

 監察処分の処分基準あるいは処分の発表の指針、これらはいずれも公にお示しをしているところでございまして、これに基づいて処分及び発表について厳正に対応しているということでございます。

細川委員 こういうような訓示をしたことに対しては確認していない、こういうことですけれども、確認したんじゃないですか。こんなことがあったんじゃないですか。平成十年九月三日、その日に本部長総括指示がなされて、この警察署長は自分の聞いたことをメモして、きちっと書いてあるんですよ。

 この警察本部長は、神奈川県警でいろいろな不祥事が起こってかわったんですね。そして、本部長が交代の前にこういう指示をした、こういうことではっきりしているんですけれども、警察庁としてはこれを確認していないんですか。

米村政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますけれども、神奈川県警に対しまして、当時の会議の出席者も含めてそういった発言があったかどうかということを確認いたしましたけれども、そういう発言があったということについては、今申し上げましたとおり、確認はできなかったということでございます。

細川委員 いろいろな問題が起こっても、内部で調べても、なかったとかわからなかった、判明しなかったと言う。私は、大体もう答えはわかるんですよ。しかし、どこの署長さんがこのメモを書いたかということもわかっているんですよ。もう資料は全部持っているんじゃないですか。調べてもわからなかったなんて余り言わない方がいいと思いますよ。私は、このペーパーを入手した方にきちっと確認をしてきょう質問しているわけですから。だから、強く言っているんですよ。もう一度きちっと調べますか。

米村政府参考人 メモというのは、私どもも承知をしておりません。持っていないということでございます。

 それで、先ほど来申し上げましたとおり、確認はできなかったということでございますが、いずれにしましても、仮にそのような発言があれば、まさしく言語道断の発言であるということについては重ねて申し上げたいというふうに存じます。

 確認がさらに必要かということにつきましては、私どもの方といたしましても、関係者から聞いた限りにおいてそのような発言はなかったというふうに現時点では確認をしているということでございます。

 要すれば、さらに調査をすることについてはやっていきたいというふうに考えております。さらに確認の必要があるかどうか、その辺を含めて対応したいというふうに思います。

細川委員 確認をする必要があるかも含めて対応していきたいと言うが、私が言っているのは、きょうは、白バイの事件を二件出して、そして埼玉県警の問題も出して、警察内部の問題について、もっと別の機関をつくるとか、あるいは別の機関が調べるとか、そういうことをしなければいけないんじゃないかということで提起しているんです。

 警察の内部の方では逆に、今官房長が、もしあれば、あってはならないようなことなんだ、こういうようなことも言われたんですけれども、これは現実にあった、間違いないと私は思いますよ。だから、ちょっと調べるぐらい調べたらどうですか。

米村政府参考人 ちょっと舌足らずな面があったかというふうに思いますので、おわびを申し上げたいと思います。

 昨日関係者等からいろいろ聞いた限りにおいて確認できなかったということでございますから、さらに確かめてみたいというふうに思います。

 以上です。

細川委員 いつまでに報告してくれますか。

米村政府参考人 いつまでにというわけではございませんけれども、速やかに確認をしていきたいというふうに考えております。その上で、御報告を申し上げたいというふうに思います。

細川委員 それでは、大臣にお聞きします。

 私がこれまで、白バイ二件のケース、それから警察内部で起こった内部の者の事件、そういう不祥事と事件を例に出してきたわけですけれども、こういうケースに対しては警察以外の機関が捜査に当たるとか、あるいは警察を監査するような何か別の機関が必要だというふうに思うんです。

 法の正しい執行の責任者としての法務大臣の見解、それから、今神奈川県警の訓示のお話もちょっとしましたけれども、それも含めて、大臣、どうお考えになるか、お答えいただきたいと思います。

鳩山国務大臣 大変難しい内容の事柄で、細川律夫先生がどういう観点で問題意識をお持ちであるかということは十分理解することができたと思います。

 また、先生がそういうような観点で物をお考えになるのは決して間違いでない。要するに、身内に甘いとか、身内に有利であるとか、身内同士で傷口をなめ合って物事をごまかすということが、それは通常世の中ではよくあるわけで、うちの事務所なんかよくあるわけで、何かまずいことがあると、みんなで口裏を合わせて隠すものですからいつも苦労するわけですが、ただ、やはり司法警察職員というような権限を持った存在というかパブリックな存在の方々では、そういうことは特に許されないことと思うわけでございます。

 ただ、先生御提案の、第三者的な機関をつくるかということになりますと、直ちにそういうことが現実的に可能であるかどうかについては、私も余り前向きの御答弁ができないわけでございます。

 一つには、もちろん自浄能力を皆さんが発揮してくださることが大事ですが、警察官あるいは警察と検察というもの、ともに捜査することができるわけでありますが、警察が事件と思えばこれを検察に送る、検察がまたみずから必要と認めるときはみずから犯罪の捜査ができると刑事訴訟法に書いてあって、そして結果的には起訴するかしないかというのも検察がやるということでありますから、検察がしっかりしておれば適正な捜査ができるのではないかというふうに私は思います。

 ただ、細川先生御指摘の事柄、高知の話、それから愛媛県の話、埼玉県の話、警察庁の答弁を聞いておりましても、余りすかっとしないですがね、後ろで聞いておって。

 だから、何か先生の持たれる疑念のようなものは、そうしたものが国民に持たれてはいけないわけで、どういうことができるかというのは今後やはり研究すべき課題であるということはよくわかりました。

細川委員 それでは次に、先ほどは警察の話でしたが、今度は法務の話をしますから。法務省管轄の事件について、同じようなことをお聞きします。

 刑務所の医務官によります人権侵害行為が疑われておりました徳島刑務所で、昨年十一月の十六日、いわゆる暴動が起こりました。医療に対する不満を初め、処遇全般の問題が凝縮され、このような事件が起こったものと推測がされておりますけれども、この事件について捜査を行ったのは主に刑務所の刑務官というふうに聞いております。

 刑務官が司法警察職員として刑務所内の治安維持に当たるということは私も理解しておりますけれども、この事件の原因が刑務所の処遇の問題にあるとするならば、これもまさにまた身内による捜査ということになろうかと思います。受刑者同士のけんかなどとわけが違うわけでありまして、制度的には、こういう事件が起こったときには警察にきちっと捜査を依頼することもできたはずだというふうに思います。

 刑務所の処遇全般の問題は別の機会に譲りますけれども、まず、この事件の捜査をだれがどのようにやったのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

梶木政府参考人 御指摘の事件でございますが、合計十五名の刑務官が特別司法警察職員の指名を受けて捜査に従事をいたしました。

 この事件については、徳島刑務所の職員の取り調べも必要だというふうに当初から思っておりましたので、徳島刑務所の職員ではなく、当時、事件直後に、神戸刑務所とか、あるいは広島刑務所とか府中刑務所から職員を応援派遣させました。その中から、特別司法警察職員として指名した者に捜査をさせたということでございます。

細川委員 この暴動が起こったときは、事前に不穏な動きがあって、徳島刑務所だけじゃなくて、ほかのところからいろいろ応援も受けて、それで警戒態勢をしいていたわけでしょう。そのときに事前に応援をいただいた人たち、結局、そういう人たちが特別司法警察職員として捜査したのではないですか、ほかのところの刑務所から派遣で来たということならば。そういうことじゃないですか。

梶木政府参考人 捜査体制の時系列で申しますと、十五名中の十二名の刑務官は、十一月の二十二日に徳島刑務所併任ということで派遣させた者でございます。それから、一名は十一月二十六日、それから残りの二名が十一月二十八日という時系列になっております。

細川委員 時間も来ましたから、これで途中でやめますけれども、よそのところから来たとしても、やはり同じ刑務所の職員であることは間違いないわけですよ。そうすると、やはり身内の捜査ということになりますから、私は、こういうときは、徳島県警の方からきちっと捜査をしてもらう、その方がむしろ客観性もあるんじゃないか、身内の捜査ということで変に思われることもないだろうというふうに思うんですけれども、大臣、どうでしょうか。

鳩山国務大臣 先生のおっしゃることはわかるんですけれども、徳島刑務所で暴動が起きた、刑務官が襲われた、その同じ仲間でない別の刑務官をよそから呼んできて、今、梶木局長が答弁いたしましたように、特別司法警察職員として捜査をさせたというのは、一つの配慮として認めていただければと。全く日ごろから起居をともにしている仲間ではなくて、よそから呼んできて調べさせたということについて、御理解をいただければありがたいなというふうに思うわけであります。

 同じ法務省といっても、検察が独立しているというふうに考えた場合に、先ほどと同じようなことになりますが、結局、検察官が必要と認めるときはみずから事件を捜査できる、犯罪捜査できるということで、そして、公訴を提起するか、公判請求するかどうかも検察官が決めるということでございますので、先生がおっしゃる、警察を呼べばよかったじゃないかというのも一理ありますが、検察がしっかりしておれば問題は起きないというふうな見方もできるかと思います。

細川委員 私は、警察にしろ、それから刑事施設にせよ、みずからが関与した事件は、世間から疑いの目で見られないためには、しっかり透明性が確保できるような仕組みをつくらなければならないというふうに思います。そういうシステムがすぐに実現するとか、そんなことは私も思いませんけれども、しかし、検討を重ねて、できるところから改革をしていただきたいというふうに思っているところでございます。

 時間が来ましたから、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。

下村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

下村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。河村たかし君。

河村(た)委員 河村たかしでございます。

 時間もありませんので、早速、まず警察庁、察庁の方からお伺いします。

 きのう、きちっと通告いたしまして、青切符のコピーまでお渡ししましたが、兵庫県で、携帯電話を運転中にかけておったということだけで逮捕され、手錠をかけられてしまったという御本人から話がありまして、私、きのうときょうと二回、携帯ですけれども、本人とちゃんと話をしております。

 それについて若干、末井局長、どういう事案か、短いのでちょっと言っていただきたいと思います。

末井政府参考人 四月九日午後一時五十分の逮捕ということでございますが、兵庫県警葺合警察署の地域係の二名の巡査が交通の取り締まりを行っていたというときに、車で携帯電話を使用し、通話しながら走行している方を現認したということでございました。

 その方につきまして、追尾、追及していったところ、停止を求めたのですが、さらに青信号で発進をされるという事態があった。とまったところで、警察署のパトカーの応援を求めて、この方に、携帯電話の使用違反ですよということで免許証の提示を求める、人定を確認したいということの事案でございました。

 この事案につきまして、免許証の提示を求めましたが、この方は、免許証をちらつかせてはすぐに財布にしまうという行為を繰り返しておられたということでございまして、約二十分間説得をいたしましたが、全く人定事項が確認をできないという状況であると報告を受けております。その方がそのまま車両を発進させようとしたことから、逃亡のおそれがあるとして現行犯逮捕に至ったものと兵庫県警察から報告を受けております。

河村(た)委員 現行犯逮捕して、その後、どこで手錠をかけたかというところまで言ってください、捕縄まで。

末井政府参考人 現行犯逮捕いたしまして、まず、逮捕の現場におきまして逮捕する旨を申し向けたところ、警察の車両、パトカーでございますが、ここに乗車をしていただいて、そこから警察署に搬送した。その場合、被疑者については、後部座席に乗っていただいて、両わきを警察官が固めていった、こういうことでございます。

 警察署に着きますと、警察署では、まずもって刑事課の取り調べ室に連れていきまして、そこで引致の手続、弁解録取書の作成を行いました。その後、鑑識の部屋に参りまして写真撮影、指紋採取といった手続に入るわけでありますが、この際、刑事課の調べ室から鑑識課の写真撮影室に行く際に手錠を施し、そして腰縄をつけてという形をとったということでございます。その後、鑑識の写真撮影室から今度は交通課の取り調べ室に行くということがございまして、その際にも、部屋を出る際からその調べ室に行くまで手錠をかけた、こういうことでございます。

河村(た)委員 では、逮捕はどこで告げたか、ちょっともう一回言ってください。

末井政府参考人 逮捕につきましては一時五十分に、逮捕場所は神戸市中央区脇浜町三丁目七番十一号南側先路上ということでございます。

河村(た)委員 それは、局長、直接そのお巡りさんに聞きましたか、その状況を署長に聞いたのか、どっちですか。

末井政府参考人 昨日、質問通告をいただきましたので、私どもの交通指導課の担当官から兵庫県警察本部の交通指導課の担当官に対して、逮捕の状況等について聴取をしたということでございます。

河村(た)委員 いや、全然話が違うんだよね、悪いですけれども。私は本人に確認しておりますよ。本人にですよ、二回も。だから、あなたのところは偉い様に話を聞くだけじゃないのかね。どうですか、本当のその現場で逮捕した警察官から聞きましたか。

末井政府参考人 昨日、兵庫県警察におきましては、逮捕した二名がおりますが、この二名から話を聞いたというふうに聞いておりますし、また、逮捕した際に作成するいろいろな書類がございます。それに基づきまして、私ども、先ほど申し上げたとおりのことでございます。

河村(た)委員 職制があるかどうか知らぬけれども、それなら、局長さんが直接聞いたわけじゃないね。

末井政府参考人 直接は聞いておりません。

河村(た)委員 それなもので、組織的なこういう隠ぺいというのは改まらぬのですよ。

 私が言っておることが本当なら、私は本当だと思いますけれども、思いますというより、本人に二回確認しまして、委員会で質問する以上、違っておったらいかぬぜということで、間違いないと。

 ということによりますと、要するに、とめられて、免許を出せという話で、非常に交通が激しいところだったから、一たん外へ出ようとしたら、危ないから中へ入れということになった。それで、ガラスはどうなっておったと言ったら、右側、運転席のガラスはあいていた。それで、こういうふうに示したらしいんですよ。

 御承知のように、免許というのは、普通はぱっと、どうぞ持っていってくれと言いますけれども、提示義務までしかない。それで、ちらつかせなどはしていない、ちゃんと、これでどうですかと、法律は知っていましたからと言って、ちゃんと見せた。ところが、それをぱっととった。おまえ何するんだ、その言い方は何だという話になっていってしまったということです。

 それで、免許証はそれから一たん返されたと言っていますね。それから提示しろということで、もう一回提示した。本人、この方に言わせると、私も昔、交通違反をやったことがありますと。何だと言ったら、右折禁止違反。そういうときは、お巡りさんが普通の感じだったらちゃんと出しますよと言っていましたよ、提示だけなら。おまえ何だ、警察をなめとるのかという話になりまして、私も頭にきたということで、何だかんだということになってしまったということでございます。

 ちらつかせて見せたというのは全くうそで、一たんぱっととっているんですよ。その辺のところの事実はわかっていますか。

末井政府参考人 ひったくるような行為があったのかという御質問があるということでございましたので、私どもも、この点につきましては、そのような事実があるのかということを明示いたしまして確認をいたしました。そうすると、この兵庫県警察からの報告によれば、そのような行為はないとの報告を受けているわけでございます。

河村(た)委員 まあ局長は偉い人なもので、要するに警察官二十五万人以上の方がおみえになって、交通違反は年間一千何百万件ですか、ありますね。だから、こういうことでお互いに興奮して手錠までいってしまうということ、では、こういう話というのは聞いたことありますか、偉い様ですけれども、兵庫県警本部長は。

 前も私、テープのことをやったのは、これは偶然ですけれども、ここでテープがあったと。逮捕されてしまって、たまたまテープをとっておったんですよ。そのことをやって、矢代さんに話しましたけれども、矢代さんも偉い様の警視総監になりました。ちょうどそのときの本部長が今ここにおみえになりますけれども。

 今まで、交通違反で現場で逮捕してしまった、手錠をかけてしまった、そういう話というのは聞いたことはありますか。

末井政府参考人 まず、前回ここで……(河村(た)委員「いや、前回のはいいです」と呼ぶ)よろしゅうございますか。

 現場において逮捕して、さらに手錠を要するかどうかは、まさに個別の、それぞれの状況の判断でございます。本件においては、現場において手錠を施してはいないわけでございます。

河村(た)委員 本件はいないけれども、警察署に行って手錠をかけて、お母さんが来たので、保釈したという言葉を使ったらしいんだけれども、釈放したという状況です。

 全然意見が違います、この話。私のところに、きょう、つぶさに電話でも確認しましたけれども、ではどういうことがあったのかということを文書に書いて出してくれと言ったら、ファクスで、ここにあります。これは手書きなものですから本人の了解を得ないかぬですけれども、渡しますので、もう一回、再度きちっと、偉い様のところに本当のことが上がっていないんじゃないの、これは。違っておったらどうしますか、もしあなたたちが言っておることが。

末井政府参考人 御本人の御了解がいただけるのであればそれを示していただければ、私どもにおいても、そのような状況があったのかなかったのかについてはきちんと解明をする必要があります。

 また、警察本部長あるいは交通局長をやっておりますが、詳細な事案それぞれに個人的にすべてを確認することはできませんので、方針を示してきちんと管理をしているというやり方の仕事でございますので、御理解をいただきたいと存じます。

河村(た)委員 では、そういうふうにやりますけれども、要は現場のお巡りさんも微妙なところになりますね。おまえ、ばかやろうということになってくるわけです。そういうときに思わず逮捕してしまうということが結構あるかと思うと、意外と現場のお巡りさんは困っておるのじゃないかと私は思うんだね、こんな細かいことは偉い様はわかってくれぬと。ということですので、ではその事実を。

 それから、兵庫県警には、文句を言う違反者というのは逮捕してもいいという何か決まりでもあるんですか。

末井政府参考人 そのような決まりというのはございませんし、警察官は法令の規定に従って適切に職務を執行するというのが基本でございますので、御理解をいただきたいと存じます。

河村(た)委員 では、ちょっと書類をお互いに突き合わせまして、事実確認をして。

 御本人の希望を言っておきます。せっかくここで言うんだから、本人の希望はどうだと言いましたら、要望だけ言いますと、謝ってほしい、それから逮捕記録を抹消してほしいというのが本人の希望です。

 笑っておられるけれども、副大臣、あなたみたいな立派な人はいいけれども、彼が言っておるけれども、私は一応自分で会社をやっておる、仲間とやっておるらしいのでいいけれども、普通のサラリーマンは、こんなちょっとのやりとりで手錠をかけられちゃったら会社を首になるかもわからぬですよと言っておる。だから、それほどまでにやはりこの辺の、要するに非常に警察官のデリケートなところだわ。そこらについては、しっかりというかルール化というか、皆さんもやって、こういうことが起こったときに本当のことを言ってもらわないかぬ、本当のことを。

 ということですので、答弁は先ほど、出されると言われましたので、こちらからも本人の了解をとったら出します。後の事実をちょっと詰めたいと思いますので、お願いします。

 それから、次ですけれども、これもまた、こういうことを言うと私もまた議員に嫌われますけれども、この際、議員宿舎問題やら議員年金やら、やはり議員というのはパブリックサーバントで、みずからきちっとせないかぬというのは当たり前のことなので言いますけれども、変人だと思って聞いていただければいいんだけれども。

 日本じゅうに、選挙のときのポスター代、それからガソリンのお金をごまかしておる議員の事件が物すごいぎょうさんあります。これは大体、このお金はみんな返した、こう来るんです。これは詐欺だろうと普通思われますけれども、普通というよりは、これは明確な詐欺です。私も選挙をやっておる者として、私は実費を請求しておりますけれども、詐欺罪はお金を返却すれば犯罪じゃなくなるんですか。

大野政府参考人 具体的な事件における犯罪の成否、これは、申すまでもなく、捜査機関により収集された証拠に基づいて判断されるべき事柄でありますので、お答えを差し控えさせていただくわけでございますが、一般論について申し上げます。

 刑法二百三十五条に窃盗罪があります。他人の財物を窃取したと認められた場合に成立することがありますし、また二百四十六条一項に詐欺罪があります。これは、人を欺いて財物を交付させたと認められた場合に成立することがあるわけですが、こうした財産罪におきまして、仮にその後当該の財物が返還されたとしても、既に成立した犯罪の成否には影響しないものというように考えております。

河村(た)委員 当たり前ですね。もし返してなくなるなら、世の中に万引きというのは多分なくなる可能性がありますよ、実際。これはいけません。

 いろいろな報道を見ていますと、例えば岐阜県でこれは一番最初始まりました。それから今度は墨田区会議員ですか、これは全員書類送検された、返したということですけれども。何か、それぞればらばらなんですね。こういうのは、もしそうだったら、日本じゅうかなり広範囲に行われておることなのであって、何でばらばらになるんですか。

大野政府参考人 検察当局における個別具体的な事件処理のあり方につきましては、法務当局としてコメントは差し控えさせていただきます。

 ただ、これも一般論でございますけれども、刑事訴訟法二百四十八条というのがありまして、これは、起訴、不起訴の判断については、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により判断をする、こうされているわけであります。したがって、検察官は、具体的事件につきまして必要な証拠を収集いたしまして、今申し上げたようなさまざまな事情を総合考慮して起訴、不起訴を決めるわけでありますけれども、その際には、厳正、公平、不偏不党の立場から適切に事件処理をしているというように承知しております。

河村(た)委員 当たり前のことを、刑事訴訟法の条文を読んでおるだけのことですが、起訴、不起訴よりも前に、警察が事件化するかというところで物すごい差があるんですよ。その辺はどうなんですか。

米田政府参考人 やはりそれぞれの事案に応じて違うと思いますけれども、個別の事案をそれぞれの都道府県警察において、これは刑事事件として立件すべきものであるというものを立件するということでございます。

河村(た)委員 ところで、この間八王子で、ガソリンを入れ逃げした方が、被害額一万三百円ということで、常習性があるとされておりますけれども、起訴されておるということです。ずっと昔を言えば、ジャン・バルジャンさんがパンを一個盗んだだけで刑務所に入れられております。

 ということになりますと、議員の方は、私もこういうことを言うと疲れるけれども、だけれども、こういう議員が一人おったということは言っておかないと、国民の皆さんからすれば、議員は捕まらぬのかということですよ、はっきり言えば。それで、本当の庶民の小さなものは捕まるのかということについて指摘した議員が一人おるということは言っておかないかぬので、はっきり言いましてこういうことを言っても何の得にもならぬですけれども、あえて言っておるわけです。

 まず先に警察からいきますが、一万三百円だとお縄ですか。それで、ガソリン代だとかポスター代というのは五万とか十万とかですね、これはみんないいですか。これは何でですか。

米田政府参考人 議員御指摘の八王子の件につきましては、質問通告を受けましてからこちらも調べましたけれども、その事件は警察庁も、それから八王子ですから恐らく警視庁だと思いますけれども、ちょっと承知をしておりません。

 したがって、一般論になりますけれども、立件するかどうかというのは、額だけによるとかいうものでもなくて、被害感情でありますとか被害回復の手だて等さまざまなことがあると思います。

 ただ、私どもは、議員であるからといって、それで特別扱いするというような方針は全くございません。

河村(た)委員 明らかに、常習性と申しますなら、多分そういう場合は四年ごとに定期的にありますから、見ればわかりますね。

 だから、はっきり言って、鳩山さん、大臣、日本は身分刑法の国ですかね。やはり議員さんというのは偉いんだね。だけれども、よく考えてみますと、これは議員のやっていることで、それも選挙ですよ。最も政治的な信頼が高まらなければいかぬところですよね。ここでまだ起訴された方はいない、ゼロだと思いますけれども、たしか起訴猶予があったかなぐらいなところで、それもぱらぱらとあるだけ。何か、返したというコメントが非常に横行している。

 ということになると、法務大臣、鳩山さん、日本はやはり議員さんとか立派な方はお縄にならぬのですね。そういう刑法の国だということで理解していいですね。

鳩山国務大臣 坂本竜馬は、とにかく土佐でも郷士だとかなんだとか、上士、下士とかいろいろある、身分のない国をつくるということで、よくアメリカの大統領選挙の話を聞いてきて、アメリカではレストランの女給が入れ札をすることによって大統領という人が決まるんだと。これは非常にいい話ですよね。

 我々、国会を含めて、入れ札をしていただいて議員になっている者が、今河村先生おっしゃったように、同じことをしても逮捕されないというか起訴されないというようなことは絶対にあってはならないし、坂本竜馬に申しわけないという気持ちにもなるわけです。

 確かに、一般論として先ほどから答弁があっていますけれども、必要な証拠を収集し、各事件における個別具体的な事情を総合考慮して、厳正、公平、不偏不党の立場から適切に事件処理しているものと承知しております、こういうことではあるけれども、いやしくも今先生から御指摘があったようなことがあってはならないということを法務省も検察も肝に銘じていかなければならぬと思います。

河村(た)委員 では、そのことはそのことで。

 そういう精神から、それでは鳩山さん、次は刑務官の話になりますけれども、笑っておるけれども、あなたらが笑っておるようなものじゃないですよ。副大臣、あなたたちの部下の話だよ。本当にいいかげんにしてくれよ。言っておきますけれども、あなたの部下ですよ。鳩山大臣、刑務官たちはあなたの部下ですよ。

 この間私も、鳩山さんは立派だと思うということを言いましたね。大臣というお立場でなくて、当然個人でもいいんだけれども、一人無罪になりまして、その方は、皆さん御承知だと思うけれども、そのことも聞きますけれども、身柄をとられていないと刑事補償法の適用にならないということで、ほぼ一千万弱ぐらいしばらく給料なしで、それからずっと六割が続いておった。それも、本人が言いました。佐藤孝雄さんというんですけれども、彼は、おれは末端公務員だ、ここにおる上の人たちは六割になっても貯金しろが減るだけだ、しかし本当の末端の人間というのはそのまま生活費に食い込んで、社会保険料を払わなければいかぬということで、非常に苦しんでおられる。

 では、カンパしようと言った。あなたはやると言ったでしょう。あなたと言うと気軽に呼ぶなよと言われるかわからぬけれども、大臣のところにちゃんとあれを持っていったはずですよ、順番に書くように。私は二番目に書こうと思っておった。銀行に口座もつくりましたよ。それをやられるんですか。

鳩山国務大臣 河村先生からこの御質問は三回目だと思います。過去二回、私が答弁した内容も読み返しております。

 佐藤看守が非常にお気の毒で、約一千万ぐらいの収入減になって非常に生活にお困りであって、無罪はかち取られておるわけですね。私は、そういう意味で、私や副大臣や政務官のいわば部下ではあるわけですから、それは非常にお気の毒で、みんなでカンパできればというふうに思うし、先生からの御指摘について十分考えているんです。

 正直申し上げまして、この事件、私は、本当にお気の毒だからカンパしてさしあげたい、部下にカンパした場合に身内に甘いなんという批判がまたあるかもしれないけれども、それはそうしてさしあげたいという気持ちを十分持っているんですけれども、実は国賠の訴訟があるでしょう。求償権の関係があるでしょう。また別に民事訴訟もあって、三角形で訴訟が起きているわけですね。だから、佐藤看守自身は刑法上の問題では無罪になったわけですけれども、国に求償されても求償権は国にはないというような主張もされたりしていて、ちょっとぶつかっている部分もあるわけですね。だから、私自身が大臣をやめてからカンパした方がいいんじゃないかなというような気持ちも今実はしておるんです。

河村(た)委員 すぐそういうふうになるので情けない。もともと、役所のいうことを聞いておったらいかぬですよ。議員として、こうだから役所にこうしろと言うために議院内閣制はあるんだよ。ということでございますので、それはもう一回再考していただきたい。それはそれで別ですよ。無罪になったら民事だって請求になるわけじゃないんですから、まあわかりませんけれども。

 それでは、今のような無罪になった、拘禁されていない方に対して、要するに刑事補償法を、民主は民主で今考えておりますけれども、改正して、そういう方にも、外で働いておれば、それはそれで相殺するならいいですよ。国家賠償といったって、とれはせぬわけですよ。国家賠償ということになると、起訴そのものに故意、過失があるということになって、とんでもないことになりますから。だから、法律改正はどうですか。

鳩山国務大臣 憲法の規定等もあって、刑事補償法は身柄が拘束されておった場合のみということになっているんでしょうが、現実的には佐藤看守のような形の方、身柄拘束されていなかった、収入が著しく減ったというケースもあるわけですから、役所の書いているものは余りいいことは書いていませんけれども、私は、精神としては、そういう方にも温かく接するような方法というのは本来考えるべきものと思います。

河村(た)委員 それでは早速、民主は民主でやっておりますけれども、自民党の方も、政党というよりも、ぜひこれは、明らかに憲法は最低限を保障したと考えればいいわけで、やっていただきたい。

 それから、私は何遍も、今矯正局に言いますけれども、例えば刑務官の放水について、なぜ矯正局は放水実験をやらないんですか。

梶木政府参考人 これまでにも何回か先生にお答えしてきたところであろうかと思いますが、裁判の中で、どういう形で放水が行われ、それが最終的な結果に因果関係があるのかないのかというのが一番大きな争点として争われているわけでございます。

 刑事裁判の場で鑑定とかあるいは証人尋問とかという形で審理が今進められておるわけでございます。我々がその行為が行われた前提の事実を必ずしも正確に把握しているわけではありませんので、今の時点で我々が同じような再現実験をするというのは控えていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

河村(た)委員 それでは、何で僕がやるんですか。私は一応国会議員をやっていますので、裁判に差し支えるじゃないですか。裁判に差し支えるので真相解明をやらぬのだったら、JRの事故なんか一体どうなるんですか。有罪無罪が確定してJRで事故が起こった、これは前にも言いましたけれども、再発防止義務をやらなきゃ違法ですよ、本当に。一体、何で僕がこれをやっておるんですか。私、自分で人体実験をやりましたよ。なぜやらないんですか。

 では、明らかに、再発が起こってもいいということですね。再発してもいい、保護房内で、ふん尿まみれになる人もおるそうですけれども、そういう人たちを処遇するときにどうなるかわかりませんけれども、水をかけたらどうなるのか、中でプラスチック片はどうなるのかわからぬけれども、そういうことがどういう事由で起きてもいいということですね。矯正局としては、最高裁で確定するまでやらぬのですね。

梶木政府参考人 私自身は、今先生がおっしゃったようなことを申し上げてきたつもりはございません。

 我々は、これまで、その都度できる限りの調査を行って、我々なりにということかもしれませんけれども、再発防止のための幾つかの改善策をとったりしてきておるわけでございます。現実に刑事裁判が今進行中なわけでございますから、その部分については、その推移を見守っているということを御理解いただきたいというふうに思います。

河村(た)委員 もうこれでやめますけれども、そんなものは全然理由にならぬですよ、言っておきますけれども。いろいろな再発防止策をとると言ったって、原因がはっきりわからなきゃ、どうやって再発防止策をとれるんですか。一体、裁判は何なんですか。あの放水、豚の実験だって、あれは捏造じゃないですか、はっきり言って、水圧〇・六は。そういうこともあるでしょう。

 だから、時間がないので終わりますけれども、また今度、ちょっと時間がないといかぬけれども、本当にこのことはいかぬですよ。何で僕がこれを調査しておるんですか、本当に。あなたたちの部下なんだからということを申し上げて、終わります。

下村委員長 次に、石関貴史君。

石関委員 民主党の石関貴史です。

 質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。時間が限られておりますので、早速、何点か大臣に御答弁をいただきたいと思います。

 先日も御質問させていただきましたし、大臣の御答弁をお聞きしておりまして、大変見識も高く、かつ、愉快な方であるということが大変よくわかっておりますので、きょうも楽しみに質問に立たせていただきました。

 まず、道路特定財源の一般財源化ということにつきまして、国民の皆さんの一番の関心事でもあり、今、国会の中でも最大の議題であるというふうに考えておりますが、大臣にお尋ねをする前に、数字を持っていれば大臣がお答えいただいて結構なんですけれども、法務省の刑務所とか拘置所などのことしの施設整備費というのは幾らになっているんでしょうか、お尋ねをいたします。

鳩山国務大臣 お答えを申し上げます。

 平成二十年度、つまり、もう既に本年度になりましたが、本年度予算における法務省予算のうち、刑務所や拘置所などの矯正施設の整備に要する経費は、およそ百三十七億六千二百万円でございます。

 刑務所や拘置所などの刑事施設は、過剰収容問題というのがありますが、それに加えて、よくこれは小学校や中学校の建てかえ問題でも起きてくるんですが、私、かつて文部大臣をやりましたけれども、一時的に、公立文教というか公立小中学校の建てかえというのは、予算は大分減っていきますが、これは今減ってきておりますが、いずれまた老朽化するとふやさざるを得なくなるわけで、そういう意味でいうと、刑務所、拘置所は結構老朽化しているのが四割以上というふうに思われますので、かなり予算がこれからも要るだろう。

 法務省の施設費全体が二百三十億のうち、今石関先生御指摘の刑務所、拘置所などの矯正施設は百三十七億ということでございますので、半分をはるかに超す金額が矯正施設に回っているんです。

石関委員 百三十七億、全体でも二百三十億ということでありまして、国家予算の中では大変小さな数字であるというふうに私は思いますが、一方、巨額な道路の予算というものがこの特定財源の制度により今まで使われてきたということがあります。

 それは、道路も大事だということは私もよく認識をしておりますが、今のように、社会が大変複雑にもなり、成熟もしてきて、福祉や教育とかいろいろな分野にもお金が必要だ、そして、まさにこの法務の部分においても、今大臣が御答弁いただいたような部分、犯罪者も過剰収容とかこういった問題があるので、今まさに御答弁いただいたように、お金が幾らあっても足りないということであります。

 先ほどのニュースでも流れておりましたけれども、政府・与党が合意案をまとめて、一般財源化することということが柱になっているということでありますので、法務大臣としても、この一般財源化については大賛成という理解をさせていただいてよろしいでしょうか。

鳩山国務大臣 実は、私は、東京都選出の衆議院議員を二十五、六年やっておったんでしょうか、福岡県選出の議員になって二年半でございます。いわば、格差問題ということでいえば両方を見ている貴重な存在だとみずから思っているんですね。

 つまり、こんなことを言うと、また都知事その他に怒られるかもしれませんが、やはり東京は、新たに整備しなければならない道路というのはそれほど多いとは私は思わないんです。ところが、福岡六区という私の選挙区に行きますと、やはりここに一本道があったらとか、あと橋がここと向こうにかかっておったらということが切実な問題としてあるんですよね。

 だから、両方の経験をした者としては複雑な心境でございますが、ただ、一般財源になった場合に、いわゆる目的財源という意味で、負担者と受益者の関係がどうなるかという問題は別にして、一般財源にして、その中から真に必要な道路はどこかというのを選ぶという福田総理のお考えには全面的に賛成をしよう、こういうふうに思っております。

石関委員 大臣としても、そういった日本の、東京もあり、福岡もあり、私も群馬でございますが、そういった状況を踏まえた上で、一般財源には賛成ということで了解をいたしました。

 他方、報道の把握の範囲ですけれども、この政府・与党の合意の柱の中には、暫定税率の維持ということが柱の一つというふうに報道されておりますが、この暫定税率については大臣はどのようにお考えなのか、お尋ねしたいというふうに思います。

 まず、大臣、見識の高い方ですので、ここでも不易流行とか、就任されてからいろいろな大変難しい日本語もお使いになられておりますが、これは暫定税率ということでありまして、日本語としては、しばらくこういうことで御理解をいただきたいということで延々と延長されてきた税率がまさにこの暫定税率でありまして、今まさに、参議院で否決をされるのか、あるいはいずれにしろ通らずになるのか、まだわかりませんが、もし参議院を通らなかった場合には、この暫定税率について、この部分は衆議院において再議決をすべきなのかどうか、法務大臣としてどのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。

鳩山国務大臣 それは、国会がお決めになること、あるいは、私も法務大臣でありますが、自民党の一員でございますから、国会の今後の動きによって、自民党内の議員として行動することになるだろうと思っております。

 暫定税率に関しましては、言葉的に暫定とは言えない状況が続いてきたわけですから、矛盾がありましょう。ちょっと申しわけありませんけれども、例えば私の地元の久留米市とか、あるいはうきは市というようなところを取り上げてみると、これは暫定税率が今消えてしまっている段階で、これが全く一年間消えてしまうと、大体道路予算が半分になってしまう。そのときにどういう混乱が起きるかといえば、でもやはり道路は必要だということになりますと、教育とか福祉の分野を削って道路に回すということが十二分に予想されるものでありますから、ことし一年に限っては、そういう予算編成をした関係もあって暫定税率は維持をしたい。

 ただ、翌年以降は、一般財源化した場合には、もはや暫定税率という言葉は消えるはずです。新しい税として税率を決める。これは、総理のお考えもそういう形だろうと思うんですよ。その場合の税率がどの程度の水準であるべきかというのは、これは財政上の状況等をよく考えて、できれば与野党で話し合って決めてもらいたいものだと思います。

石関委員 ちょっと整理をさせていただきますと、今の大臣の御答弁、お考えですと、日本語としても暫定という言い方はおかしいだろう、こういうことをおっしゃった。しかし、ことしはまさに暫定として認めてもらいたい。しかし、その後は、この税率を維持して、いわば溶け込みのような形でほかのものにということをおっしゃったように私は理解をしたんです。何か、まやかしのような感じを受けるんですが、こういうことをおっしゃったんでしょうか。

 あるいは、堂々と、こういう名前の税にして、こういう使途に使うんだという税にするのか。あるいは、暫定だから一年たった後は全くやめるのか。このことについて、もう一度ちょっと明確にお答えをいただきたいと思います。

鳩山国務大臣 私はその事柄の担当大臣ではないので、正確さを幾分欠く可能性がありますけれども、一般財源化するということは、従来の揮発油税や軽油引取税とは性格が変わるわけでございますので、税の抜本改革というか、かなり大きな改革をするとするならば、名前も変わる可能性もある。

 新しい税率の水準がどれくらいであるべきかというのは、私の大好きな環境税的観点あるいは環境関連税制的観点も含めて検討するということを恐らく総理はおっしゃっているんだろうと思いますので、そのときに、できれば与野党で話し合いがなされるべきであると申し上げているんです。

石関委員 ありがとうございました。大臣のお考え、よくわかりました。

 大臣ですから、財源とかをおっしゃるのも当然だと思いますし、財源がなければ何の政策も実行できませんけれども、税金を取るばかりが能ではありませんし、そもそも、我々の議会というのは、王様が勝手に税金を取ることに反対をして、正しいものには払いますけれどもそうじゃないのはお断りをするということで成り立ちがあるわけですので、財源と言うと何か立派なことを言っているような気がしますけれども、実はとんでもないこともあるということをよく大臣は御承知のことだと思いますので、お答えを聞けて、ありがとうございました。

 次に移ります。裁判員制度。

 これまでに、裁判員制度導入というのが決まってから、国民の皆さんに御理解をいただくための広報の経費というものについて、法務省それから最高裁、それぞれいかほどお使いになりましたか。端的にお答えください。

大野政府参考人 法務省における裁判員制度広報に係る経費でありますけれども、平成十六年度から平成十九年度まで、四カ年度で総額約九億七千万円であります。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 最高裁では、平成十七年度から平成十九年度まで、累計で四十億八千五百万円でございます。

石関委員 これは、今、両方足して大体五十億ぐらいですか、大変な予算をつぎ込まれたということであります。

 先日、国民の皆さんが、裁判員になってもいい、しようがないという方も含めて六〇%程度だということが発表されましたが、五十億円ぐらいの広報を使ってそういう段階にあるということについて、大臣はどのように受けとめられますか。

鳩山国務大臣 これは非常に難しい広報宣伝、啓発活動なんだろうと思います。やはり、本来はテレビ等でばんばん裁判員の模擬裁判をやってくれるとか、先ほども神崎先生が、テレビというものをいろいろ人権の問題でも使えということをおっしゃられていますが、テレビを使えば大変な費用がかかるということがあります。

 私のささやかな経験から申し上げれば、裁判員制度とはこういうものですよ、裁判員になってもそれほど負担になるものではありませんよ、実際にはこんなことを三日間とか五日間やるんですよ、裁判官が三人いていろいろ教えてくれるんですよという説明を聞くと、なるほど、では、やっていいかなというふうに変わる方が多いというのは統計数字上も出ているんですね。

 説明会というのを一万回ぐらいやっているというんですが、これを本当に数多くやることがこの一年間の勝負ではないかなと思うんです。総計五十億というお金で、パンフレット、広報ビデオ、ポスターとかいろいろやってきたわけですが、果たしてどの程度効果があったかということは反省をしながら、あと一年、一生懸命努めていきたい。

 先生がこの間、裁判員参上の御質問をしていただいて、批判をしていただいて、それにお答えをしたことが各新聞に出たものですから、法務省内では石関先生の名声とみに高く、それはどういう意味かというと、裁判員制度ということが新聞にそれだけ出たでしょう、そのことによって、一種の広報ではあるなと喜んでいるという部分はあるんです。

石関委員 看板の質問がどれだけというのは私もわかりませんけれども、五十億円かけて、私、大臣と同じ認識なんですよ、どれだけ行き渡っただろうかと。ここに来て、いよいよ来年からだということになりましたので、国民の皆さんも、おお、そうかということですが、平成十七年からですか、数年にわたってこれだけの経費をかけてきた効果というのは、とても私はお粗末なものではないかなという認識なんです。

 私の周り、だれも知りませんでした。最近になって、先ほどの看板の話もありますけれども、あなたもなるかもしれませんよと言うと、おお、そうかと、やっと深まってきたということでありますので、我々政治家として、常にみずからの活動や考えを広報している者から見ると、全員そうですから、これだけお金を使ってこれかよというのが私の実感でございます。

 また、いろいろ人を集めてということをやられてきましたけれども、政府によるやらせ的な、法務委員会でも問題になりましたが、やはりそういったことから根本的に見直していって、効果的な広報をやっていただきたいというふうに思います。

 これはどうしようかと思いましたけれども、大臣もおっしゃったので、先ほどの看板ですけれども、きょうは私見ておりませんけれども、今週初めに見たら、まだ看板がかかっていますよ、同じのが、裁判員参上とかいって。

 普通、一般的には、大臣自身がここでセンスが悪いとお認めになった、法務のトップが、その看板をまだ掲げているという感覚自体が私はおかしいと思うんですね。普通、何か批判があると、大体、地方自治体のレベルでも、何か幕を張って隠すとか、看板を取り外すとかそういう形にして、みんながいいと言う看板ならどんどん見てもらってもいいけれども、大臣もおっしゃったとおり、そして、別にマスコミが世論のすべてとは思いませんが、センスが悪いという形で取り上げて、それでも堂々と掲げているというこの感覚が、広報の根本にあるんじゃないかなというふうに私は思います。

 これは、非常に乱暴な言い方をすれば、また他方、大臣の発言、私の御質問に対するやりとり、こういったものを無視して、なめているんじゃないか、こういうふうに受け取られてもしようがないと思いますよ。

 法務省は何を考えて、何か次のを考えているということでありますけれども、その間、これは放置しておくんですか。どういう考えでその看板を放置して、どういうふうにするつもりなのか、はっきりとお答えください。

鳩山国務大臣 石関先生との委員会でのやりとり、あるいはテレビ、新聞の報道等がございまして、これは参上の二文字を書きかえるということで方針は決めておるわけで、それまで、確かにセンスが余りよくないわけですが、インパクトがゼロというわけでもないので、あえて白幕で覆うということは、白幕もただではありませんので、やっていないというのが実態でございます。

 私としてはどうしようかと思いましたが、記者会見等で、法務省のメールにいろいろと案を出してくださいというようなことで、現在二百件ぐらい案の書き込みがあっておりますので、間もなくその中から一つを選んで書きかえようと思っております。

 看板問題を先生が提起されたときに、インターネットの人気投票では友達の友達は裁判員というのが一位だったといいますが、それは全部書きかえますと金が十何万かかりますので、二文字の書きかえで勝負しようと。間もなくやりますから、もうちょっとお待ちください。

石関委員 私は看板を好きでやっているわけではありませんから、余り長くやるつもりはありませんけれども、さっき聞いたら五十億使っているわけですよ。それで、大臣おっしゃったように、これだけ取り上げられて関心を呼んだことで、十何万円になるということでほっておくというのは全くおかしな話だと思いますよ。こういう体質自体が、広報に根本的な問題があるんではないか。これは申しわけないけれども、役人の皆さんはみんな優秀ですから、それぞれの分野では非常に優秀ですよ。ただ、一歩出て、検事の先生に広報をやってもらうというのがそもそも間違っている話であって、やはりもちはもち屋で、そういうところに適切な経費、効果的な経費を使っていただきたいというふうに思います。

 裁判員の関連ではもう一つ。

 最高裁の方でまとめられていることだというふうに承知をしておりますが、あなた裁判員になってくださいよと言われたときに、こういう人は特段の事情があるので辞退をしていただいてもしようがないという事例集をつくられているということであります。

 中身を見ると、そうなのかなというのもあり、どうなのかなというのもあるし、それはいろいろお考えがあろうかと思いますが、この職業でこの時期であったりすれば裁判員として辞退をされてもしようがない、こういったものというのは、例えばアメリカの陪審員制度等においても同じようなものが制度的にあるんですか。アメリカの陪審員さん、いや、私はこういう仕事をやっているんだ、この時期はだめだ、こういう事例が挙がっていて勘弁してもらえる、あるいはヨーロッパにおける参審制でも、一般市民が参加をする制度において、こういう職業、この時期はだめだと。同じようなものというのは、例えばリスト化されていたり、当然のように免除されるということになっているんでしょうか。教えてください。

小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 委員御指摘の最高裁の報告書でございますが、これは辞退が認められる場合の事例集ということではございませんで、裁判員制度という新しい制度が導入されますので、それに備えて、裁判官が国民の社会経済生活の実情に沿った適切かつ柔軟な辞退事由の判断をするための参考資料ということで、実情調査の結果を取りまとめたものでございます。

 陪審制度の国ではどうかということでございますが、それぞれ法律で辞退といいますか免除が認められる事例というものはございますけれども、例えばこういう時期にこういう仕事で都合があったらどうだというようなことを具体的に取り上げているものがあるかどうかということはちょっと承知しておりませんけれども、必ずしも私どもがまとめたようなこういった調査を諸外国でやっているかどうかというのは広く承知しておりませんが、例えば、一九九九年に英国の内務省が五万人の陪審員候補者を対象に実情調査した例がございますので、それを見ますと、陪審員の候補者のうち実際に陪審員を務めた方が約三分の一ということでございました。

 それで、約三八%の候補者の方については種々の理由で個別に辞退が認められたということで、辞退が認められた事情としては、健康上の理由で認められた方が四〇%、育児、介護の理由が二〇%、仕事上の事情という方が一〇%、学生ということで六%、こういった事情等が上位を占めていたというようなことが明らかになったということは承知しております。

石関委員 ありがとうございます。

 次に、チベット問題、大臣にお尋ねをいたします。

 政府の、日本の人権問題の責任者、法務大臣ということでありますので、この中国とチベットの問題について、大臣、申しわけありません、時間がありませんので、ちょっと端的にお考えをお尋ねします。

鳩山国務大臣 チベットの独立運動というんでしょうか、暴動あるいは鎮圧という、百何十名の方が亡くなっているというような報道に接しますと、まことに胸が痛む。本来、オリンピックというものは、そういうものを超えたスポーツの平和の祭典という意味があるんでしょうが、たまたまチベットが現在のところ中国領内というところで複雑な様相を呈しているようでございますが、諸外国でトラブルが起きていることを非常に残念に思います。できれば、それらの問題を超えて聖火リレーが順調にいくように願いたいと思うし、日本国内でも円滑に聖火リレーが行われるように私は望んでおります。

 ただ、それと別に、人権問題という観点で考えれば、非常に痛ましい事件が起きているという認識です。

石関委員 欧州議会でもこのことについて、やはりよろしくないという趣旨の、もちろん当然のことでありますが、議決がされたというニュースも聞いたばかりでございますし、それから、これは我が国ではありませんけれども、アメリカの共和党それから民主党の大統領候補の方々も、ブッシュ大統領は開会式に参加すべきでない、こういうことをおっしゃっておられます。

 大臣がおっしゃったように、こういうものを乗り越えて世界じゅうの競技者が堂々と戦う、これはもう望ましいことですけれども、現にこういう状態にあって、日本政府として何かそういうものを希望するだけでなしに、ほっておいていいのかということだと思います。

 ニュースによると、ブッシュ大統領のコメントではオリンピックを政治化すべきでないというふうにおっしゃっておりましたが、私はこれは全く理解できませんで、競技自体は政治と関係なしに公正に行われるべきですが、これはいいか悪いかわかりませんけれども、ナチスの民族の祭典あり、過去にそういうことがあった、冷戦時代には不参加というのがあって、これは過去の話だというふうにオリンピックの委員会の方もおっしゃっておりますが、現にまた出てきているということでございますので、日本政府、また日本政府の中の人権の担当者、責任者として、もう少し踏み込んだ、中国政府に対しての御見解というのをもう一度お尋ねいたします。

鳩山国務大臣 中国における人権問題ということでございましょうから、私の守備範囲を超えておって、むしろこれは外務大臣が本来答弁するような内容であろうかと思っておりますが、私としては、人権擁護関連の日本の責任者であることは間違いがありませんから、それは内閣とか政府という中においてさまざまに意見は言わなければいけないと思います。

 ただ、オリンピックとの関連でいえば、それらを超えたオリンピックであってほしいなと痛切に願うということです。

石関委員 続いて、実際、聖火リレーが日本に来るという計画になっておりますけれども、このことの警備体制について警察にお尋ねをいたします。

 先ほど、十一時二十分配信のニュースですけれども、これによると、ロンドンとかパリでも問題が起こりましたけれども、このトーチのリレーのときに、中国政府によると、中国の警察学院の学生ボランティアという人がこれを取り囲むようにしてリレーの選手が走っているということですが、泉国家公安委員長は、この聖火警備員を歓迎しない、こういうふうにおっしゃっておられます。

 歓迎をしないという状態の中で長野県警を中心に警備体制をとるということでありますが、この公安委員長の御意見の表明を踏まえた上で、本当に警備が大丈夫なのか、あるいはこういった人権的な問題も私は大変な問題だと思うんですけれども、これを受け入れてしっかりとした警備をやる覚悟があるのか、そういう体制を自信を持ってとれるというふうに言えるのか、警察にお尋ねをします。

池田政府参考人 お尋ねの聖火リレーにつきましては、四月二十六日、長野市内で実施される予定でございます。

 これまでの各国で行われました聖火リレーを取り巻く状況につきましては、報道等で承知しております。現在、平穏な聖火リレー実現のために、主催者でございます北京オリンピック組織委員会、そして長野市を初めとする関係者の皆さんと緊密に連携して、不法行為のないように適切な警備をとりたいというふうに考えております。

 そこで、諸外国の状況等も踏まえて、さらにこれから聖火は南米、アフリカというふうに回ってまいりますが、これらの状況も踏まえまして、どの程度の体制が必要かということを現在鋭意検討しております。

 いずれにいたしましても、聖火リレーの安全な進行と関係者の安全確保、それから観客や周辺住民の皆さんの安全確保を目指して、警察としては万全の警備をしていきたいというふうに思っております。

 それから、先ほどの伴走の関係でございます。

 これにつきましては、その具体的な方法、構成について現在主催者の方において検討されているというふうに聞いております。その内容は現在長野県警で確認中でございますけれども、一般論を申し上げれば、我が国におきます警備につきましては、我が国の警察が責任を持って行うものでございます。したがいまして、今回の聖火リレーの警備につきましても、日本の警察が責任を持って万全を期してまいりたいというふうに思っております。

石関委員 心強い御答弁をいただきまして、今のところ安心をしておりますが、今の御答弁のとおり、日本の警察がしっかりと責任を持って警備をする。受け入れるかどうかというのはまだわからないし、ああそうですかといって受け入れる問題かどうかというのも考えなきゃいけないというふうに私は思いますが、受け入れるのであれば、ボランティアなるよくわからぬものをそこに一緒にするということのないように、しっかりした警備をお願いしたいと思います。

 時間が限られてきてしまいました。

 次に、冤罪の関連の問題。

 志布志の事件につきましては、国家賠償ということで確定をいたしました。大臣にお聞きをしようと思いましたが、これはちょっと時間の関係もあり、お答えになっている部分もありますので、次にさせていただきます。

 一月に発表された、警察の取調べ適正化指針というものがございます。二十年一月付で私の方にもお届けをいただきました。しかし、この中でちょっとよくわからないのが、国家公安委員会規則、それから犯罪捜査規範の改正ということについて書いてあるんですが、二つの方法がこの中に書いてありまして、よくわからない。

 前にも捜査規範の御質問をしたことがありますが、これはだれでもある程度わかるように一本にまとめて大改正をすべきではないかというふうに私は思いますが、どうして今こういう形になっているのか、そういう大改正なり一本にまとめる、こういうお考えがあるのかないのか、ちょっと端的にお答えください。

米田政府参考人 犯罪捜査規範も国家公安委員会規則の一つでございますけれども、こちらは犯罪捜査に従事する警察官が守るべき心構え、その他捜査活動の準則を定めたものでございます。そういう第一条の目的規定の射程範囲の内容を書くということでございます。

 今度の適正化指針の中の一番の眼目は監督の問題でございまして、これは、捜査活動そのものではなくて、いわば内部管理の問題でございます。

 そういうことで、犯罪捜査規範に書けるものは犯罪捜査規範を改正して手当てをする、それ以外のものについては新しい国家公安委員会規則、これはもう既に公布もしておりますけれども、それで手当てをする、こういうことでございます。

石関委員 ということだというふうにおっしゃいますけれども、でも、普通の人はわかりづらいですよ。

 前に犯罪捜査規範のこともお尋ねしました。呼び出し状についても形骸化しているんではないかというのがありましたので、このことについては引き続き、やはりわかりやすくまとめるとか、そういった形の改正へ前進をすべきだというふうに私は思っております。また、別の機会にお尋ねをしたいと思います。

 また、取り調べに関して監督官というものを設置するんだということでありますが、この監督官の関係で、私は群馬県議会にいたときに文教治安委員会というところに所属をしており、そのときに群馬県警にいらっしゃった方ですけれども、朝日新聞の三月十三日、「オピニオン」という欄に、佐藤隆夫さん、元群馬県警の生活安全部長の方が寄稿をされております。この方は、取り調べの適正化に関して、取り調べ官というものを設置して、プロの誇りを身につけていただいて適正な取り調べをしてはいかがかと。今回挙げられている監督官とはまたちょっと種類が違うものでありまして、これはおおそうだなと思うことがいろいろ書いてあるんです。

 ちょっと読みますが、「そもそも、取り調べ中の問題行動は、知識の不足や監視の目がないから起きるのではない。個々の捜査員の資質、能力に起因したところで起きる」と。

 あと、可視化に関して触れられております。取り調べのプロセスで不可欠な凝縮した空間の形成を妨げ、捜査員を追い込むだけでしかないので、可視化については疑念をお持ちだということでございます。

 では、どうしたらいいのかということで、この取り調べ官ということで、「メンタルテストや実務評価などで、人格・能力ともに備えた捜査員を選抜し、一般の捜査員より格上の扱いを受ける「取調官」を新設して指定するなら、選ばれた自覚とプロとしての誇りを植え付けることができ、取り調べに向かない捜査員も排除できる。」と。

 この方は、私、承知をしておりますけれども、立派な警察官でいらっしゃった方でありまして、一つの見識かなと思いますが、こういった御意見について端的にお考えを。

米田政府参考人 今言われました委員それから佐藤さんの御見解というのは確かに私どもも問題意識が共通するところがございまして、取り調べ官だけではないんですが、捜査員のプロとしての意識の向上というのは非常に大事なことだと思います。

 ただ、佐藤さんの記事の中で、取り調べ官というものを特別に位置づけて、この人に専門に取り調べをさせようということでございますが、確かに警察本部の捜査担当課などはエース取り調べ官のような方がいて、大体この人は取り調べしかしませんけれども、さまざまな事件を扱っているような警察署とかでは、やはりいろいろな人が取り調べをそのときそのときで担当しなきゃいけない、あるいは聞き込みを担当しなきゃいけないという中で、何か固定をしてしまうというのはなかなか難しいだろうということがございます。

 それから、監督につきましては、意識の向上は適正化指針の中でもうたっておりますけれども、それだけではなくて、捜査をして犯人を捕まえるという任務と適正化をしなければいけないという任務、これを捜査の縦ラインで一つで持っているというのが今までの方法でございまして、特に取り調べについては適正さを担保する必要性が高いわけでございまして、捜査と関係のない総務、刑務部門からのチェックも入れて適正さを図ろうというものでございます。

石関委員 ありがとうございます。

 皆さん、いわゆるキャリアの立派な警察官僚の方々が大体ここにいらっしゃっておられますけれども、県警とか地元警察においても、こういう見識の高い方、また捜査の経験を踏まえてこういう提言をされております。先ほど細川先生から質問のあったような警察署長の何か紙が出回っているとか、これは事実であれば大変不届きな話でありますが、一方で、同じ警察の中で、経験を踏まえてこういうありがたい提言をされている方もいらっしゃいますので、こういうものもしっかりと吸収できるような組織であってもらいたいなというふうに思います。

 ちょっと申しわけございません、時間がなくなってしまいましたので、入国管理についてはまた次回必ずやらせていただきます。昨晩遅くまで御用意いただきましたが、失礼をいたしました。次にやります。

 最後に一点だけ。

 外国人の犯罪に関係をいたしまして、最近も、米国の脱走兵、軍人の犯罪、それから家族の犯罪というのがございました。これは、私、ちょっと御本人からは伺っておりませんが、社民党の照屋寛徳先生の質問主意書を入手いたしました。

 この中にあるのは、米兵受刑者の処遇に関する質問主意書でございまして、米国軍人が日本で受刑をする場合に全然日本人と違う待遇を受けているということが、この答弁でも明らかにされております。具体的には、日本人の受刑者の場合、毎日どういう食事がされているかというのは我々も視察をして承知しているところですが、米国軍人の場合は毎日ステーキなどの肉、フルーツ、ケーキ、三食ごとのコーヒー、牛乳、日本人の場合は甘いものやフルーツなどが支給されるのはごくまれである、こういうことでありまして、全く待遇が違うということでございます。

 これは事実であって、質問主意書の答弁にもあることでありますので、私は、日本国内で犯罪を犯して、米国軍人であろうとこのように違った待遇を受けるというのは、この国は何なんだ、犯罪を犯された被害者や家族の思い、また日本という国の独立を考えたときに、日米同盟は大事でございますが、こういった待遇をするのは何なんだという問題意識がございます。

 この問題については、大事な問題ですので、照屋先生からも直接この後いろいろお考えもお聞きをしながら、私もまたこの次の機会にやってまいりたいというふうに思いますが、最後に、これは私の仲間からも大変見識が高いといって評判の高い、通告はしてございませんが、政務官からこの問題について一言御見解をお伺いしたいと思います。政務官、お願いいたします。

古川大臣政務官 詳しいことをお聞きしてみたいと思いますけれども、今委員の御指摘のとおり、支給される食事の内容が極端に違うとなれば、これは単純に考えて、日本人として名誉にかかわる問題じゃないか、許すまじきことだなというふうに感じます。

 以上です。

石関委員 私も同じように考えてこの質問をさせていただいております。

 同じ犯罪を犯して、これだけ待遇が違う。日米同盟は現在の世界情勢で大事でございますが、では、米国軍人を、犯罪者をこのように扱うのが適切かどうか。大変国の根幹にかかわる大きな問題だというふうに思いますので、今後、この問題については改めてまた詳細に御質問なりさせていただいて、取り組んでまいりたいというふうに思います。この問題は、照屋寛徳先生が詳細に調べられたことをもとにしてさせていただいたということも一言つけ加えさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

下村委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、命にかかわる問題を考えてみたいと思います。

 今から二年前のことなんですが、三月二十五日、ちょうど丸二年が経過をしていますが、中国・昆明というところで水泳の高地トレーニングのちょうどさなかだった日本体育大学の二年生の宮嶋武広さんが、残念ながらその練習中に亡くなってしまったという事故が起きました。彼は、二〇〇五年の日本選手権の千五百メートル自由形で二位、あるいは高校総体、インターハイの千五百メートルで優勝ということで、トップクラスの大型新人だ、北京オリンピックの期待の星というふうに言われていたそうでありまして、若くして、二十にして亡くなってしまった。その才能と命を惜しみて余りあるというふうに思います。

 その悲しみは、我が子を失った御両親にとって本当に大変なものがあったと思いますが、もう一つ、我が子を失った悲しみ以外に、大学との対応ということで大変不信感が募って、そして、一体どういうことだったのか、どうして我が子が亡くなってしまったのかということについて不信が募って、疑問が膨らんでいるというふうに聞きました。私、実は、昨日この御両親にお会いをして、一時間ほど事情をお話しいただきました。

 そこで、きょうは文部科学省高等教育局の方から来ていただいていますけれども、まず、今、大学側とその御両親の側と言い分が正反対になっているんですね。大学側は、何としても解剖をしてくれというふうに切願したと言い、そして御両親の方は、そんな再三にわたって解剖というふうに言われたことはないとおっしゃっているわけなんです。かかってきた電話で、お父さんがおっしゃるところによると、十二時間以内に解剖しないと難しいんだ、こういうふうに言っていたと。そしてまた、現地に飛行機で行かれたそうですけれども、雲南省、かなり距離もあるところです、病院の裏手で、地面の上で板の上に乗せられてカーゼがかかっている我が子を見て非常に胸詰まる思いだったというところで、お父さん、解剖どうしますか、しないでください、こういうやりとりは確かにあったそうです。

 しかし、結果として、彼はなぜ亡くなってしまったんだろうか。病弱で、持病があったなんということはないわけです、水泳の選手ですから。そういう意味で、大学のいわば練習、高地練習ですから、息をとめて潜水を何往復か繰り返すという訓練の中で亡くなったそうです。引き揚げた段階ではまだ心臓はかすかに動いていたし脈もあった、こういった証言も出てきています。

 文部科学省は、なぜこの宮嶋武広さんが亡くなったと認識をしているんでしょうか。これは病死なのかあるいは事故死なのか、どちらなのか、簡潔にお願いします。

久保政府参考人 先生御指摘の今の件につきましては、まさに現在司法の場で係争中でございますので、その病死か事故死かというのは一つのポイントになってございます。

 私どもといたしましてはその事実について確認するという立場にはないわけでございますけれども、日本体育大学に当時の事情を聞いたところでは、死亡されたときに、現地にいたコーチが御両親に電話いたしまして、原因究明のための解剖が望ましい、死亡の究明が可能なのは四十八時間以内であるとの中国の医師の見解を伝えられまして解剖の意思を確認いたしましたが、御両親は、先生がおっしゃられたように、気が動転されておられて、明確な回答をいただけなかったと聞いております。

 また、現地に御両親が到着された際にも監督が御両親に同様のことを説明されましたが、解剖はしないで一刻も早く搬送、帰国したいと言われたと聞いているところでございます。

保坂(展)委員 続けて聞きますけれども、もし心臓に疾患などがあって、その発作が水中で出たという場合、これは病死ということになるんでしょうか。そうではなくて、高地における潜水トレーニングということで、酸素が薄い上に、酸欠状態になることは考えられます。つまり、病死であった場合と事故死であった場合、大学の管理監督責任の扱いは違ってきますか、そこの点だけお願いします。

久保政府参考人 お答え申し上げます。

 対応につきまして、今、病死か事故死かによって対応が違ってくるかどうかということでございますけれども、例えば保険という意味におきましては、それが出るか出ないかという違いは出てくると思います。

 ただ、対応につきましては、保護者に対して懇切丁寧に御説明するというような道義的な責任は同じだと思いますが、法的な責任という意味では、いろいろな形態がありますが、一概には、決定的に違うかどうかというのは、今のお話だけでは文科省としても申し上げられないという状況でございます。

保坂(展)委員 鳩山大臣にも後で感想を聞きます。

 私は、やはり事故死だった場合は、それ相応の管理監督責任ということを問われるんだろうと思います。一方で、病死だった場合は、そのタイミングで病気が発症した。これは中国側のカルテでは突然死となっているそうですね。突然死、突然亡くなった。死因はというと、わからないわけですね。

 お聞きしますけれども、御両親とお話をしていて、大学の方が息子さんをお迎えに行く費用、遺体を日本に運んでくる費用そして葬儀費用などを出したというふうに思っていらっしゃったようなんですね。ところが、しばらくたって、保護者会の積立金の方から一千万が払われている。

 保護者会のこういう予算が書いてあるんですけれども、弔慰金の予算は五十万円ですね。一千万というお金は保護者会から出された。一体何に使われたのか、明細はわかりますか。

久保政府参考人 この一千万につきまして日本体育大学に聞きましたところ、内訳といたしましては、学友会に手配いたしました御両親等の渡航費用が百七十七万七千円、葬儀費用が五百九十三万円、追悼文集の費用が七十万円、また、御両親に支払った四十九日のお見舞金が百万円と聞いているところでございます。なお、学生が法要に参加する際の交通費等として十二万六千円の経費がかかった、合計九百五十三万三千円の費用がかかったと聞いているところでございます。

 なお、保護者会等から学友会に支払われました一千万円の差額の四十六万七千円につきましては、学友会から保護者会に返されたと聞いております。

 以上でございます。

保坂(展)委員 大学の法人の方は負担をしないで、学友会というのは、クラブ、運動部をまとめている組織だそうです。そちらから水泳部葬ということで五百九十三万ですか、大変な高額な費用がかかったと思いますが、さらに不思議なことがございます。こちらなんですけれども、学生教育研究災害傷害保険。これは一ページめくると、高等教育局学生支援課長村田さんのごあいさつが出てきます。文科省の所管の日本国際教育支援協会というところもかんでいるわけですね。審議官、いいでしょうか。

 それで、私、非常に不思議なことをきのう聞いたんですよ。つまり、事故であるとクラブ活動中の補償もあるんです、この保険には。しかし、病死だと支払いはゼロである。ところが、これを大学側がかけ合って、保険会社に特別の計らいでお見舞金として三百万を出していただいた、そして保険金という名目で振り込んでいる。そういうことはあり得るんでしょうか。つまり、形は病死、だけれども、本来これは事故で保険が出ていれば一千万ですよ。どうも釈然としない。そして、振り込みましたよという連絡も大学はしてこなかったという話なんですが、いかがですか。

 この文科省所管法人のもとで、全国の学生にいろいろなことがあっちゃいかぬということで、団体保険で運営されているでしょう。特別の計らいとか、お気持ちでというお見舞金も出る保険なんですか。

久保政府参考人 日本体育大学から聞いたところでございますけれども、大学が学生全員を対象として加入しておりました先生御指摘の学生教育研究災害傷害保険に対しまして大学から保険金の支払い申請をいたしましたが、死亡事由が突然の病死のためだということで、この保険適用はできないということでございました。しかし、大学側の折衝の結果として、御両親に対し、保険金としてではありませんけれども、三百万円の支払いがあったというようなことでございます。

 この保険金を支払いましたのは民間の保険会社でございまして、具体的には保護者、御遺族と保険会社との関係の話でございまして、具体的にどのような判断がなされたのかにつきましては、文部科学省としては確認する立場にないということは御理解いただけるかと思います。

保坂(展)委員 次に保険法の審議もやるんですね。いや、御遺族は保険会社に交渉していませんよ、大学がやったんですね。保険が掛けられているので、水泳の特訓で亡くなったのなら一千万ですよ、ここにあるように。ところが、病死扱い。しかし、それじゃ悪いのでといって、水面下でネゴシエーションして三百万。

 鳩山大臣に伺いますが、オリンピック、もし彼が元気だったら北京で活躍した可能性もあるんですよ。長いこと文部大臣も鳩山さんはやられていますから、スポーツの世界というのは、非常にルールにのっとって、またメダルをねらうということになれば、日体大というのは大変多くのメダルをとってきている大学ですし、スポーツの名門ですよね。非常に華やかで、そしてスポットライトが当たる世界ではありますが、一たび暗転すると、ルールがあってなきがごときになっていると私は感じるんですね。

 保護者会からの一千万というのもちょっとわからない、そして今の保険の話も聞かれて、すっきりと了解はされないと思うんですね。どういうふうに聞かれましたか。

鳩山国務大臣 今先生と文科省のやりとりを聞いておりまして、すっと胸に落ちていかない、何かあいまいなものが残るような気がいたします。

 すなわち、大変有望な、メダル候補とも言われる選手が高地トレーニング、高地トレーニングというのは当然ある程度の危険性を伴う。それは全日本で二位になるような方でも、もし例えばちょっと心臓に若干なりとも欠陥があれば、複合で亡くなってしまうということもあるかもしれない。

 病死なのか事故死なのか、非常に難しい問題だと思いますが、私は、もちろん国がスポーツ、オリンピック強化等は丸抱えで全部やるという方法もあるでしょうが、この場合、日体大がすべての責任を持ってやっていたとするならば、やはり高地トレーニングの持つ危険性のようなものは十分選手や御家族には説明をしておくべきだったと思いますね。何かちょっと、大学が逃げているような印象をちらっと頭に浮かべてしまいます。

保坂(展)委員 刑事局長に伺いたいんですが、これは国外で起こったことでありますから、日本の法令の適用というのはないのかもしれないですね。ただ、報道等でもこれは繰り返し注目をされておりまして、事故が起きました、彼は亡くなってしまったというときに、コーチさんが日本に電話をした。電話をして、監督とのやりとりの中で、その監督がさらに上の責任者の話として、こちらからは、つまり大学側からは解剖を持ちかけないようにという指示を受けたと証言をされているんですね。この証言が本当だとしたら、これは本当にいただけないな。我が子をすぐに解剖してくれと言う親はなかなかいません。日本に帰ってきてからだって十分その死因を探ることはできたのではないかと思いますし、この点、見解はいかがですか。

大野政府参考人 そうした電話のやりとりが例えば道義的にどうかというような点については、私の方から申し上げることはできません。

 刑法上の関係等につきましても、これもまたちょっと、余りにも事実関係がはっきりいたしませんので、この段階で、仮にそれが事実であった場合にどういうことになるかという点についても、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

保坂(展)委員 では、大臣に、いかがでしょうか、今局長は、これは仮定の話だからと。私は、今細川先生が熱心に進めておられる死因究明のお話もありますけれども、遺族の心痛を本当に推しはかりながら、丹念に真相究明した方がいいですよということを貫くのが教育関係者の責務であり、もし反対のことがあったらそれはやはりいけないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

鳩山国務大臣 細川律夫先生が大変熱心にやっておられる死因究明の問題、これはちょっとこの問題と外れますけれども、私は先生の基本的なお考え方は正しいと思うわけで、行政解剖と司法解剖と行ったり来たりというような形でいいんだろうか。やはりそれはもっと専門的な機関がどんとあって、検視をきちんとできる人間あるいは解剖できる人間が余りに少ない、法医学というものの普及が日本では全くだめだということから考えていかなくちゃいけないと思う問題なんですけれども、今のこの保坂先生のケースの場合は、外国の高地で起こったということもあり、これは少なくとも犯罪による死ではないわけでしょうから、司法解剖か行政解剖かといえばそれは行政解剖の世界になるんでしょうが、どこまで究明できるのか、私、医学的な知識もないからよくわかりません。

 ただ、私、かつて文部大臣をやらせていただいた者として考える場合に、私立学校、私立大学、学校法人とその学生と生徒の関係というのは、特殊な、格別の関係にあると思うんですよ。会社の社員というのとまた違うと思うんですね。それは、学納金を払う、私立大学が教えるというか、人格の完成を含めて、スポーツも含めて、学問も含めて、立派な社会人になるように、立派な国民になるように育て上げていく義務を負う。これが契約関係であるのかどうか、それは一種の契約関係なんだと思いますが、私は、私立大学とか学校法人というものとその傘下の生徒、学生というものは格別の関係にある、格別の関係ということは、大学は全面的に責任を負うべきものだと思います。

保坂(展)委員 スポーツの世界だからこそ、本当は起きてはならないことがあっても、しっかりルールを守ってやってほしいと思います。法務大臣の趣旨もそうだったと思います。

 もう一点、刑事局長に、これは一般論で答えていただきたいんですが、大学側にとって不利な証言、つまりは、緊急措置みたいなことが、プールでどういう状態で亡くなったのかという事実はわからないわけです、もう遺体もないし。要するに、一緒にいた学生の証言がいろいろ出てくるわけです。その証言者に対して、おまえはその証言を撤回しないと損害賠償請求を起こすぞ、金額はこれだけだぞ、そういうことがもし仮にあったとしたら、これは許されないことですよね。強要ということになりますか。一般論で答えてください、強要というのはどういうことですか。

大野政府参考人 強要は、まさに義務なきことを強いて行わせることになるわけですけれども、ただ、実際に今おっしゃられたようなことが強要罪に該当するかどうか、これは具体的な証拠関係によるわけで、お答えは差し控えさせていただきます。

保坂(展)委員 今ずっとやりとりさせていただきましたけれども、本当に、オリンピックを前に二年前に亡くなった宮嶋さんに心から哀悼の念を述べたいと思いますし、またこういうことが二度と起こらないように、スポーツのトップエリートを輩出する大学であればこそ、しっかりと原因解明をしてほしい、でき得ればその両親と訴訟で向き合うのではなくて、しっかりと話し合って信頼を回復してほしいということを申し上げます。

 大臣、死刑の執行がございました。私もずっと議論をさせていただいていますけれども、きょうは短い残り時間で、十二月十八日に国連総会で、これは本会議で死刑の執行停止決議が採択されているんですね。多数国は賛成、日本は反対でございました。しかし、日本は反対であっても、国連決議の趣旨は尊重するべきだと。

 はっきり言って、この四カ月で十人もの執行をされた。一回目は決議の前ですね。三年前、四年前は一人ないし二人という時代も続いていて、日本が逆に、今まで十人、二十人という執行件数を持ってきて、それをこの国連決議で二人とか一人にするというのであれば、これでも執行には変わらないわけですけれども、十人という人数というとやはり大変な人数。

 国連決議の趣旨に真っ向から、日本は執行の事実をもって、これは全く拘束されないよというふうに言い続けるという意思があってやられているのか、国際関係、国連総会での議論をどう踏まえていらっしゃるのか、お願いします。

鳩山国務大臣 死刑執行に関して国連総会の決議があり、日本は反対票を投じて五十四票、賛成は百四票ということで、これは可決をしております。

 それまでも国連では、委員会レベルでは毎年のように、死刑を廃止でしょうか執行猶予でしょうか、そういう決議がなされてきたことも知っておりますし、死刑存置国と廃止国との数がいろいろな形で変わってきていることも私は知っておりますし、また保坂先生あるいはその関係者の皆様方ともお話し合いもいたしましたし、アムネスティの方ともお会いをいたしました。

 つい四、五日前、今週でしょうか、EU二十七カ国の大使の方に招かれて一時間ばかり講演と質疑応答をいたしまして、私の死刑に対する考え方を述べましたが、非常に率直でよくわかりました、とにかく冤罪死刑のようなことだけは絶対にないようにというのが彼らの方から言われた唯一の意見でもあったわけでございます。

 そういう国際的な流れ等は十分理解はしておりますが、私は、死刑の執行あるいは死刑という制度を持つかどうかというのは極めてドメスティックな問題であって、その国の歴史、伝統、文化等に根差した固有の制度あるいはそれを定める権利をその国民は持っていると思いまして、したがって、国連総会の決議に我々は縛られるものではないというふうに考えております。

 我が国の法制において、死刑制度が存置されており、法治国家でございますので、その制度がある以上、私は粛々とみずからの任務を果たしていく、今さら申し上げるまでもなく、刑法、刑事訴訟法等の法律にのっとって粛々と、極めて慎重にやらせていただくというふうに思っております。

 この場合、一つ考えなくちゃいけないことは、国内世論だろうと思います。仮に国内世論の過半数あるいは大勢が、鳩山さん、死刑は執行すべきじゃありませんよと六割、七割の方がおっしゃれば、私は死刑をほとんど執行しないということは十分考えられると思いますが、現在、世論も執行を望んでいる、そういうものは背景としてございます。

保坂(展)委員 大臣はそうおっしゃいますけれども、フランスでもイギリスでも、死刑を廃止した段階でいきなり世論が廃止に傾いていたという国は、ヨーロッパでも実はないんですね。世論の大半は存置、政治の側の、例えばミッテラン大統領が公約を掲げて廃止をしていくわけなんです。二十七カ国のEUの大使に私も今度、議員連盟でもお会いする予定なので、聞いてみたいと思います。

 時間が短くなってきましたが、二点だけちょっと伺います。

 また国連総会がことしもあるわけですね。日本は、一種の国連総会の議決に対抗する形で、二月二十五日に、日本や中国、北朝鮮やイスラム諸国会議機構やビルマ、タイ、シンガポール、バハマ、ジンバブエという国で、いかなる国によっても死刑制度については干渉されないという、これはちょっと予告をしておりませんので、実は国連事務総長に口上書というのを出されているんですね。大臣、それは御承知のことでしたか。

鳩山国務大臣 不敏にして存じておりません。

保坂(展)委員 ですから、日本は、拘束されないだけではなくて、残り五十数カ国の、あるいは棄権をした国などに働きかけて、国連でその活動をしているということをお知りおきいただきたいのと、最後もう一つ、アメリカなんですね。死刑といえば、相当数の執行があるのは中国でしょう。もちろん北朝鮮もあるでしょう。そして、アメリカも死刑大国ですね。

 そして、これはアメリカで、二〇〇七年、昨年の九月に連邦最高裁が、ケンタッキー州の死刑確定者が提訴したんですが、これは何を提訴したかというと、薬物カクテル、アメリカの場合は薬物注射ですね、これが残虐な刑罰、修正八条に残虐で異常な刑罰を禁止するという、憲法違反じゃないかという訴訟を提起して、連邦最高裁にいろいろ提訴される事件はあるでしょうけれども、これを受理して、受理をした途端、三十六州でこれをやっているものですから、死刑執行はこの連邦最高裁の司法判断を待って今とまっている、行われていないんですね。このことを御存じでしたか。

鳩山国務大臣 アメリカのいろいろな州によって、こういうことがあった、ああいうことがあったということは随分報告を受けているんですが、今先生御指摘の件は報告を受けておりません。

保坂(展)委員 死刑について、世界の世論が変わってきているだけではなくて、アメリカの確定する数、執行の数も減っているんですね。そして、この連邦最高裁の動き、日本は絞首刑でございますから薬物とはまた違います、しっかり我々も注視をしていきますし、これは法務省刑事局としてもぜひ大臣に伝えていただきたいと思います。

 終わります。

下村委員長 次に、滝実君。

滝委員 無所属の滝実でございます。

 きょうは、大変長い時間をちょうだいいたしましたので、少し今までと違ったことを質問させていただきたいと思います。

 まず、最近また、あちらこちらで振り込め詐欺の新たなものが出てきているように思うんです。そこで、警察庁の方からきょうは刑事局長さんにおいでいただいていますので、早速お尋ねをしたいと思うんです。

 今までこういうものは、数年前にあったけれども、もうこういうのは大体鳴りを潜めたかな、こういうふうに思っていたところが、またふえてきた。しかも、どうもだんだん巧妙になってきているんじゃなかろうかなという感じがいたします。単純にお金を百万円出せとか二百万円出せということじゃなくて、どうも、自動振り込み機を舞台にして、そこへいわば善良なる市民を呼び出して、そして電話で指図をしながら自動振り込み機を操作させる、こういう事件があるようでございます。

 我が奈良県でも多少ふえてきていると思いますけれども、全体として、直接的な金を出せという電話をせずに、機械を操作する。しかも、操作する際に、逆に向こうの方から、おまえの口座に支払わなきゃならぬお金があるからそれを支払いたい、したがって口座番号を教えろ、ついてはそこでもって待っててくれ、自分が電話で指示するとおりに機械を操作してくれ、こういうことです。お金を出せと言うと、これは今までの振り込め詐欺なんですけれども、逆に向こうから、お金を払ってあげる、今まで支払いが不足している分があるから払ってあげる、こう言ってくると、だれしも、ああ、そうかといってその機械の前へ飛んでいくんですね。そういう詐欺です。

 そういうことも含めて、警察の方から最近の状況を教えていただきたいと思うんです。

米田政府参考人 振り込め詐欺というのは、もともとおれおれ詐欺ということで、おばあちゃん、交通事故に遭ってしまってというようなことがございました。そういうことでだまして、お金をとる。それから架空請求、何かネットでいろいろなサイトを見ているからそれのお金の振り込み、それから融資保証金名下にお金をとるとかございました。

 最近は、委員御指摘のとおり、還付金詐欺というのが非常な勢いでふえてきておりまして、これは、最初、平成十八年の半ばぐらいに目立ち始めまして、昨年の十月時点でもう三百件を超えました。ことしの二月時点で、六百件に達しております。

 これは、最初、税務署の職員を装って、税金の還付が受けられますと。そして、そういう電話をまず受けた方は、これはお年寄りが比較的多いんですけれども、ではどうすればいいんですかと。そうすると、携帯電話を持ってATMのところまで行ってください、ATMでこういうふうに操作するんですよ、はい、次はこのボタンを押すんですよ、次はこのボタンを押すんですよ、はい、これであなたの口座に還付されますと。実はその逆で、その被害者の口座から相手にむしろ送金をしてしまうというものでございます。最近は、税務署だけではなくて、社会保険事務所を名乗るものもふえてきているという状況でございます。

 そういうことで、振り込め詐欺全体は、大体平成十五年ごろから認知され初めまして、平成十六年に最高の件数、二万六千件、被害総額二百八十四億というところまで達しました。それから、取り締まり、いろいろな被害防止策をとりましたけれども、昨年中、減りはしましたが、一万七千九百三十件、被害総額二百五十一億円ということでございますが、相変わらず高水準で推移をしております。

 そして、先ほど申しましたように、還付金詐欺が最近目立ちまして、月別に見ますと、最近、再びまた増加傾向にあるという状況でございます。

滝委員 それで大体わかりました。

 私の知った事件も、税金の還付金じゃなくて、年金の支払いが計算違いで抜けておりました、一年間抜けておったのでそれを支払います、こういうことでございますから、その電話を受け取った方は、ああ、そうか、考えてみたらそうかもしらぬといって、行くんですよね。まことに巧妙でございまして、この人は、たまたまATMの操作をしているときにどうも何かおかしいということを気がついて、それで、それから社会保険事務所に電話したりなんかして確かめて、だまされた、こういうことで、実害はなかったということなんです。

 実際に今までマスコミで聞いてきた、あなたのお子さんが事故を起こしたから百万円出せとか二百万円出せとか言うと、それはもう詐欺だと知れ渡っているんですけれども、とにかく不足分を入れ込むからATMの前で待っていてくれ、こうなると、大体みんなそれに飛びつくよというか、当たり前の話になっちゃうんですね。ですから、これをもう少しやはり周知徹底するというか、そういうことをまたやらないと、どんどん被害が大きくなるんじゃないだろうかなと思うんです。

 それから、この人の場合はたまたま途中で気がついて、社会保険事務所に電話して確認をした、そしてその結果を警察にも話した、こういうことなんですよね。ところが、本人も実害がないから余り切迫感がないんですね。それから、受け取った警察の方も、実害がなきゃ、相手の方は相当巧妙ですなといって、お互いに犯人をたたえ合うような話で終わってしまうんですよね。ところが、これは考えてみれば詐欺罪の未遂ですよね。未遂どころか、間違えたら、本当にそのままお金をとられるところなんですね。

 そういうことについては、こういう話を聞いたら警察はきちんと、やはり本人とともども、どうするかということの次の手を打たなきゃいかぬだろうと思うんですけれども、その辺のところはどうなっているんでしょうか。

米田政府参考人 まず、警察といたしましては、既遂であれ未遂であれ、検挙をしようといたします。ただ、未遂の場合は届け出てくる方が極めて少ないということもございまして、全体の数字としては既遂のものが圧倒的に多いわけでございます。

 ただ、未遂のものでも、警察として把握いたしますと、個別の事案によって違いますが、一般的には、口座の凍結依頼を金融機関にかけましてそれ以上の被害拡大は防止をする、それから使用している携帯電話がわかれば、それに対してもこちらで把握してさまざまな追跡をするということにしております。

滝委員 とにかく、また景気の方が落ち目になってくるし、それからまた年金の問題が出てくる、こうなってくると、ちょうどいい舞台装置ができ上がった状況になってきておりますので、できるだけ警察の方もこういう人たちと一緒に対応してもらうような宣伝を、やはりこれは警察が動いているよということをアナウンスしないとこういうものはとめられないと思いますので、その点はよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 警察の方はもう結構でございます。ありがとうございました。

 次に、以下、ちょっと時間がありますので、矯正作業に関連いたしましてお伺いをいたしたいと思います。

 既に山口県の美祢の刑務所で、いわば民間企業というか、民間の力もかりて運営をし出す、そして恐らく矯正作業、所内の作業についてもアドバイスを受けるというか、お手伝いをしてもらっているだろうと思うんですけれども、そういうことの結果、矯正作業と民間との連携が今どういうふうに変わりつつあるんだろうかというふうにも期待をいたしておりますので、その辺のところを少し御紹介いただきたいと思います。

梶木政府参考人 今お話にありましたように、PFI刑務所として動いているのが三施設ございます。ことしの十月からもう一施設動く予定にしております。この三施設で見ますと、四十二社から作業を導入してもらっております。四月十日現在で、千七百四十六名が就業しているという状況でございます。

 普通の施設でありますと、刑務官である作業技官が外の業者と折衝いたしまして作業をとってきたりするわけですが、PFI刑務所におきますと、PFI事業者が作業についても工夫をし、外から契約をとってくるということになります。その結果、伝統的に我々が得意としてきた分野よりも高度な、新しい分野について作業を獲得し、あるいは職業訓練をする可能性が広がってきているというふうに考えております。例えて申しますと、自動車部品の製造作業を導入している、あるいは職業訓練ではございますけれども、コンピュータープログラムのシステム設計、こういうものを実は美祢で導入してやっております。

 ことし十月から動く島根あさひにおきましては、地元の産業に林業というのがございまして、この林業に島根あさひの受刑者を出して、地元の産業を支えるという形で刑務作業を実施したい、そういう計画を今立てておるところでございますので、総体的に申しますと、これまでよりも可能性が広がっていく、そういうことを期待しているということでございます。

滝委員 刑務所の中のいわば受刑者もだんだん高齢者が多くなってくる、その一方では、今度は刑務所の所内でやる仕事もなかなか新しく開拓しにくい、こういう時代になってきて、今お聞きしますと、新しい分野が出てきているというのはなかなか大したものだな、こういう感じがいたします。

 そういう中で、今島根では林業まで進出する、こういうことでございますけれども、もともと日本全国、刑務所で農作業をやってきたケースはかなりありますよね。今でも北海道の一部にはまだ残っていると思いますし、それから少年院なんかでも、静岡の少年院ではお茶をやっているとか、そういう本来伝統的に昔やっていたのが、どうも刑務官の仕事がえらい、やはり屋外だとなかなか簡単に監視ができないということもあって、なかなか難しいんだろうと思うのでございます。

 片や、今の林業の問題、それから全国的には耕作放棄地がふえてきている、こういう状況の中で、農林業へのいわばアプローチというのはかなり、刑務所としてはなかなか手が回りかねるけれども、新しい分野としてはあるんじゃないだろうかと思いますけれども、そんなことはどういうふうに考えているんですか。

梶木政府参考人 今お話にありましたように、刑務所が広い土地を持っていたということもございますし、それからつくったものを自分たちで食べる、自給自足というようなこともございまして、全国的に農業というのが刑務作業としてかなりのパーセンテージを占めていた時代もございました。現時点で見ますと、農作業としてやっておりますのは農耕、畜産そして林業ということでございまして、昨年末の時点で申しますと、全国二十四の施設で二百九十一人が就業しているというのが現状でございます。

 農業をやりますと、作業一般についてありますような勤労意欲の養成というような効果に加えまして、やはり命のあるものを育てるということで情操的な教育にもつながる、あるいは開放的な農場で作業させるということで責任感あるいは自立の精神を養うということで、プラスアルファの効果というのもかなりあったというふうに我々は考えております。

 今お話にありましたように、やはり施設の外での処遇ということで、我々が一番心配しておりますのが逃走事故の防止ということでございまして、刑務官の人数問題もありまして職員配置が苦しくなってきているということで、最近は、職員配置に問題の少ないいわゆる敷地の中で行う農業、こういうものを中心にして工夫をしていこうという努力をしているところであります。

滝委員 いろいろ工夫をされているということでございますけれども、昔、いわば相当中心的な刑務作業であったものが衰退している、それをもう一遍やはり見直すということも必要じゃないだろうかな、こういうふうに思っております。

 次に、今、四月から後期高齢者医療制度がスタートしたわけでございます。ある意味ではとんでもない制度なんですけれども、しかし、考えてみれば、受刑者は相当な年になってきている、恐らく刑務所の中で医療というのは相当なウエートを持ってきている時代。したがって、保険制度としての医療制度がどうかというよりも、むしろ刑務所の中で健康管理をどうするかということだと思うんですね。

 この後期高齢者医療制度は、四十歳ぐらいから有名なメタボ検査をやらないかぬとか、要するに生活習慣病を中年の時代からスタートさせる、こういうことでもありますから、こういった点について、刑務所はどういうふうに対応を考えているんでしょうか。

梶木政府参考人 社会が高齢化をいたしまして、刑務所の中も高齢化の波が押し寄せてきております。六十五歳以上あるいは六十歳以上の高齢受刑者の数がふえるとともに、今お触れになりました、いわゆる生活習慣病を持った受刑者の数がふえてきております。

 我々のところでは、専門家の方々にカロリー計算等していただいて、そういったバランスのいい食事を提供するようにしておるわけでございますが、それとともに、受刑者がまず刑務所に入ってきた一番最初の時点で健康診断をいたします。そして、その後は一年に一回というような割合で健康診断をしていくわけでございます。それとともに、今申しました生活習慣病、そういったことにも意識を向けてもらおうということで、保健医療に関する教育というのを入所時の教育として実施しております。

 今後、今お話しになりましたような生活習慣病に関する特定健康診査等が実施されるということになっておりますので、我々の方でも、刑務所内部の健康診断の項目というのを見直しながら、被収容者の老齢化あるいは健康状態の変化に対応していきたいというふうに考えております。

滝委員 厚生労働省は、今度の後期高齢者医療制度で、これから二十年間で、今の七十五歳以上の人たちの医療費十一兆円を、このままいってしまうと三十六兆円になる、それを二十兆円ぐらいまでに抑えよう、こういう計画のようですね、そのとおりいくかどうか知りませんけれども。だから、高齢者に対する医療は相当抑えぎみにしていかないとなかなか財政がもたない、こういうことが危惧されているわけです。

 やはり刑務所の中の問題は、少なくとも入ってきた人が若ければ、若い時代から恐らく規則正しい生活をしていますから、ふしだらな生活とは、塀の外とは違いますので多少は違うと思いますけれども、その辺のところを意識しておやりになっていただかないと、視察した限りにおいては、なかなか刑務所も大変だなという感じを受けますので、その辺のところはこの際取り組んでいただいた方がいいんだろう、こう思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 それから次に、刑務官。刑務官が団塊の世代をお迎えになっている、こういうことを聞くんですけれども、この人たちが抜けた後どうするのかということもこれあり、その辺のところは、刑務官のOB対策といいますか、団塊の世代の後始末というものをどういうふうにお考えになっているかをお聞かせいただきたいと思います。

梶木政府参考人 今御指摘がありましたように、我々の組織でも団塊の世代の大量退職が始まっております。一方で、御承知のとおり、この数年の過剰収容に対応するために相当数の増員を認めていただいておりまして、全体の定員がふえてきております。

 その結果として何が起きているかというと、このままほっておきますと、上がいなくなって、若い下の世代が大きく膨らんでくるということで、実を言うと、処遇技術とかそういった伝統の継承、あるいは全体的な警備力、処遇力の低下ということを少し恐れておったわけでございます。

 そこで、この若い方々の教育というのを最優先して取り組まなければならないと考えておったわけでございますが、国家公務員法にあります定年退職者等の再任用の制度を使いまして、退職する方々に一年残っていただいて、そして若い人たちの教育に当たっていただく、そんなようなことを考えたわけでございます。

 平成二十年の春の数字で申しますと、定年退職をした刑務官が四百十四名いるわけでございますが、そのうちの百七名を再任用させることができました。

 このことによりまして、今申しました、長年培ってきた経験、知識というものを若い人たちに継承させてもらうということ、そして急激な世代交代というものを緩和させたいというふうに考えて、努力しているところであります。

滝委員 今のお話を聞いてわかるんですけれども、刑務官の仕事というのはやはり年期が入ってこないとなかなか受刑者との接触が難しい、こういう世界ですから、そういう意味では、再任用というのはなかなかの制度だと思いますので、そういうふうな格好で刑務所の中の管理が承継されていくというのはいいことだろうと私は思うんです。

 それから、それに関連しまして、多くの人たちが定年で、今お聞きすると四分の三はそのままやめていくんですよね。せっかくのノウハウを持っているこの人たちをそのままほっておくのは、もったいない感じがあるんじゃないでしょうか。

 ですから、この人たちが出所者の何か力になれるようなことはできないんだろうか。出所しても仕事につくのがなかなか難しい、民間企業に引き受けてくれと言ったってそう簡単に引き受けられないというのは、やはりリスクがあるからだと思うんですね。

 したがって、やめていかれる刑務官を何か出所者が就職するときに役に立てるような方面で考えていけないものだろうかなということは私は前から考えているんですけれども、なかなかそういう格好には話がまとまりにくいものですから、その辺のところをお考えいただいた方がいいんじゃないだろうか。

 これは矯正局と同時に保護局の問題でもあるわけですから、ちょっとその辺のところは両局から話をお聞きしておきたいと思います。

梶木政府参考人 今お話のありました中で、まず、刑務所から出て行く人たちの再就職、就労支援に力を入れないとなかなか再犯防止ができないというのは、そのとおりであろうと思います。

 その点につきましては、厚生労働省と連携をいたしまして、刑務所出所者等総合就労支援対策というのを平成十八年度から始めているところでございます。

 二、三紹介させていただきますと、ハローワークの職員の方に来ていただいて、施設内で就職相談をしていただくというようなこととか、あるいはキャリアコンサルタントといった就労支援スタッフを刑務所に配置して、そして実際雇っていただく可能性のある企業主との間の連絡調整をしていただくとか、あるいはビジネスマナー講座とかSST、こういったことを施設の中で受刑者に対して教えていくということをやってきております。

 一方で、我々の施設の外にある企業に対していろいろお願いをいたしまして、協力雇用主というふうに呼ばせていただいておりますけれども、ぜひとも技術のある受刑者については出所後雇っていただきたいということで、随分雇っていただいておるところでございます。

 今お話の出ました職員についても、我々、同じようなことを考えておるわけでございますが、一つには、やはり個々の職員が、自分自身の就職の希望とかあるいは生活設計というものがあるので、なかなか画一的にできないということもございますし、我々と今申しました外の企業とは、協力雇用主ということで、仕事で結ばれておりますので、なかなかそこに我々の職員をお願いするというのは、一般の国民の方から見るとどう見えるのかというようなこともございまして、皆さんができる限り希望に沿ってうまくいくような努力はしたいというふうに考えているところでございます。

西川政府参考人 まず、保護局関係の、出所者等の就労支援関係について先に御説明を申し上げます。

 保護観察所におきましても、出所後直ちに職につかせることが再犯を防止するために極めて重要であると考えておりまして、無職の出所者等に対する積極的な就労支援に取り組んでいるということでございます。

 具体的には、保護観察所と公共職業安定所が就労支援のチームをつくりまして、就労可能な無職の刑務所出所者等を選定いたします。その上で、就労支援の対象者を試行的に雇用した事業主に対する試行雇用奨励金を支給したり、あるいは対象者に対して事業所での職場体験講習、就労セミナー、事業所見学会を開催する、あるいは就職時に身元保証人のいない者に対して身元保証を行う、このような各種支援制度がございますので、この各種支援制度を活用しながら、就労に向けての取り組みを実施しているというところでございます。

 また、こうした者の雇用の確保には、犯罪前歴があることを承知で雇用していただいている雇用主の協力が必要ですので、その拡大についても積極的に取り組んでいるということでございます。

 それから、先ほど、保護観察官OBの活用ができないかという御質問がございましたけれども、現在、刑務所を出所して身元のない者は、その多くは民間の更生保護施設で一時的に受け入れるということになっております。また、民間のボランティアの業務として保護司の業務がございますが、保護観察官のうちのある一定部分は、その後、更生保護施設の中でその仕事に従事する、あるいは保護司として引き続き更生保護の役割に従事するという者が多いということをつけ加えておきたいというふうに思います。

滝委員 民間の保護施設もなかなか最近は立派なものに改築されているんですけれども、問題は、そこへ入っても就職先がないというのがやはりネックになって、なかなかそこにずっとい続けるということができない状況なんですよね。ですから、やはり就労対策というのを相当骨を折っていただかないと、これはなかなか難しいと思います。

 今もお話がありましたように、刑務所の中の所内作業は民間企業の協力を得ていろいろ仕事をもらってくる、しかし、その仕事をくれている民間企業が今度は出所者をちゃんとそこでもって働かせてくれるかというと、それはなかなか逆にまた難しい、こういうことでございますから、本来の協力企業が出所後の人たちに対する協力企業にはなかなかなり得ない、そこに就労対策の難しさがあると思うんですね。

 これはやはり法務大臣が少し力を入れていただかないと、再犯防止あるいは再々犯防止、もっとそれ以上に何回もリピートをされる方がおいでになるのですから、やはりその基本は仕事なんだと思いますね。そこのところ、法務大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。

鳩山国務大臣 滝先生おっしゃるとおり、再犯防止ということが治安の回復の最大のかぎでございまして、例えば刑務所に入っていて態度がいいということで仮釈放される、その方々が五年以内に再び犯罪を犯すパーセンテージが四割弱と言われています。また、満期出所、つまり模範的でなかったので早目に出してもらえなかった満期出所の方が五年以内にもう一回犯罪を犯す率が何と六割と言われているわけです。そして、先生から御指摘いただいているように、例えば保護観察対象者の再犯率、無職者の再犯率は有職者の五倍以上、つまり仕事がないと、仕事がある人の五倍以上に上がっている、こういうことでございます。

 犯罪の未然防止とか、さまざまな課題はありますが、法務省が取り組まなければならない最大の課題が、仮釈放あるいは出所した人、未成年者であれば仮退院、満期退院もありますが、こうした方々にどうやって仕事を与えて、場合によってはさらに人間を改善更生できるか、このことにかかっていると思いまして、厚生労働省と連携した就労支援対策も行っておりますし、また、私からお願いをして、平成十九年十二月に甘利経済産業大臣から中央の中小企業三団体に対し、刑務所出所者等に雇用機会を提供していただくことについての協力要請文書を出していただいた。

 こういうことで、今先生御指摘の、百一でしょうか、百余りある民間の更生保護施設にも十分な予算をつけて頑張ってもらわなければなりませんし、福岡とか京都で反対が起きております自立更生センターも、北海道の沼田あるいは福島ではでき上がるので、これらも充実していきたいと思います。

滝委員 ありがとうございました。終わります。

     ――――◇―――――

下村委員長 次に、内閣提出、保険法案及び保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。鳩山法務大臣。

    ―――――――――――――

 保険法案

 保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鳩山国務大臣 保険法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、保険契約に関する法制を現代の社会経済に的確に対応したものとするため、商法第二編第十章の保険契約に関する規定を全面的に見直して、保険契約に関する新たな法典を制定し、共済契約をその適用の対象とするとともに、傷害疾病保険に関する規定を新設するほか、保険契約者等を保護するための規定を整備し、表記を現代用語化するものであります。

 その要点は、次のとおりでございます。

 第一に、商法の保険契約に関する規定は共済契約を適用の対象としていませんが、この法律案においては、保険契約と同等の内容を有する共済契約も、その適用の対象とすることとしております。

 第二に、損害保険及び生命保険のほかに、商法には規定のない傷害疾病保険に関する規定を新設することとしております。

 第三に、保険契約者等を保護するため、次のような規定を整備することとしております。

 まず、保険契約締結時の告知についての規定を見直し、保険契約者等は保険者から質問された事項について告知すれば足りることとするとともに、保険募集人による告知妨害等があった場合の規定を新設することとしております。

 また、保険金の支払い時期についての規定を新設し、保険者が適正な保険金の支払いのための不可欠な調査を行うために客観的に必要な期間が経過した後は、保険者は遅滞の責任を負うこととしております。

 そして、これらの規定の内容よりも保険契約者等に不利な内容の合意を無効とすることとしております。

 第四に、責任保険契約について、被害者が保険金から優先的に被害の回復を受けることができるようにするため、被害者に、保険給付を請求する権利について特別の先取特権を付与することとしております。

 第五に、生命保険契約の保険金受取人の変更についての規定を整備し、保険金受取人の変更の意思表示の相手方が保険者であることや、遺言による保険金受取人の変更が可能であることについて、明文の規定を設けることとしております。

 第六に、商法の保険契約に関する規定は、明治三十二年に制定されたものであり、片仮名文語体で表記されていることから、国民にわかりやすい法制とするため、これを平仮名口語体の表記に改めることとしております。

 続いて、保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、保険法の施行に伴い、商法、自動車損害賠償保障法その他の十三の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。

 以上が、これらの法律案の趣旨でございます。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

下村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十五日火曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十九分散会


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