衆議院

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第2号 平成22年10月22日(金曜日)

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平成二十二年十月二十二日(金曜日)

    午前十時七分開議

 出席委員

   委員長 奥田  建君

   理事 京野 公子君 理事 階   猛君

   理事 滝   実君 理事 辻   惠君

   理事 本多 平直君 理事 稲田 朋美君

   理事 平沢 勝栄君 理事 大口 善徳君

      阿知波吉信君    相原 史乃君

      井戸まさえ君    笠原多見子君

      川島智太郎君    櫛渕 万里君

      熊谷 貞俊君    黒岩 宇洋君

      桑原  功君    小宮山泰子君

      高邑  勉君    竹田 光明君

      橘  秀徳君    中島 政希君

      早川久美子君    牧野 聖修君

      松岡 広隆君    皆吉 稲生君

      向山 好一君    森岡洋一郎君

      矢崎 公二君    湯原 俊二君

      横粂 勝仁君    和嶋 未希君

      河井 克行君    北村 茂男君

      柴山 昌彦君    橘 慶一郎君

      森  英介君    柳本 卓治君

      漆原 良夫君    園田 博之君

      城内  実君

    …………………………………

   法務大臣         柳田  稔君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 岡崎トミ子君

   内閣官房副長官      古川 元久君

   内閣府副大臣       東  祥三君

   法務副大臣        小川 敏夫君

   国土交通副大臣      三井 辨雄君

   法務大臣政務官      黒岩 宇洋君

   外務大臣政務官      菊田真紀子君

   外務大臣政務官      山花 郁夫君

   財務大臣政務官      吉田  泉君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   最高裁判所事務総局刑事局長            植村  稔君

   政府参考人

   (警察庁長官官房総括審議官)           坂口 正芳君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    金高 雅仁君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    西川 克行君

   法務委員会専門員     生駒  守君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十二日

 辞任         補欠選任

  小野塚勝俊君     森岡洋一郎君

  小宮山泰子君     和嶋 未希君

  高邑  勉君     松岡 広隆君

  早川久美子君     笠原多見子君

  棚橋 泰文君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  笠原多見子君     向山 好一君

  松岡 広隆君     高邑  勉君

  森岡洋一郎君     櫛渕 万里君

  和嶋 未希君     皆吉 稲生君

  橘 慶一郎君     棚橋 泰文君

同日

 辞任         補欠選任

  櫛渕 万里君     矢崎 公二君

  皆吉 稲生君     小宮山泰子君

  向山 好一君     早川久美子君

同日

 辞任         補欠選任

  矢崎 公二君     小野塚勝俊君

    ―――――――――――――

十月二十日

 司法修習生の給費制の存続を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二号)

 同(笠井亮君紹介)(第三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五号)

 同(志位和夫君紹介)(第六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一〇号)

 同(漆原良夫君紹介)(第三〇号)

 同(大口善徳君紹介)(第三一号)

 同(郡和子君紹介)(第四〇号)

 同(重野安正君紹介)(第五七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

奥田委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房総括審議官坂口正芳君、警察庁刑事局長金高雅仁君、法務省刑事局長西川克行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

奥田委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局植村刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

奥田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻惠君。

辻委員 民主党、辻惠でございます。

 今、司法、とりわけ検察に対する国民の信頼が大きく揺らいでいるという状態にあります。本日の各報道によれば、大阪地検特捜部の前特捜部長、元特捜副部長が起訴されるという事態が生じていて、二人が懲戒免職になるということを含めて八名が処分をされている、現在の次長検事も処分をされているという事態にあります。

 こういう事態に当たって、検察行政、法務行政全般について、本当に不退転の決意で、改めて根本から本来の立場に立った見直しが必要だと思いますが、その点、一言でどういうお考えなのか、伺いたいと思います。

黒岩大臣政務官 今、検察を取り巻く、そして司法行政を取り巻くゆゆしき状況については、本当にじくじたる思いと、そして検察の歴史始まって以来の、大変、国民の皆様からも本当に信頼を損ねる事件を起こしたことについては、省内でも深い反省を踏まえて、そして柳田法務大臣のもとに、これは検察のあり方を総合的に根本的に検討しようということで、在り方検討会議を設置いたしまして、そして幅広い皆様からの御意見をしっかりと受けとめて、しかるべき法務行政に取り組んでいくという、これは大臣の強い決意でございますし、我々政務三役としても同じ決意を持っているところでございます。

辻委員 この法務委員会で、その検証の経過ないし検証の結果を含めて、やはり議論をもっと深めていかなきゃいけないというふうに思っております。

 検察のあり方検討委員会というものが柳田法務大臣のもとで十一月にも発足をするということでありますけれども、その構成とか、また事務局のあり方についても、公正性、公平性が疑われないような、そういう組織のあり方にしていただきたいということを冒頭申し上げておきたいというふうに思います。

 検証をするに当たって、多々問題点があるというふうに思いますけれども、きょうは私は、この村木裁判に至る、最終的には無罪判決が出ましたけれども、途中でチェックすることがいろいろな場面であり得たのではないかというふうに思うわけであります。そのいろいろな場面でチェックがあり得たのに、何でそれが見過ごされて、そのまま最後まで突っ走ってしまったのかというところに根深い問題があるというふうに感じますもので、まずその点に関連して御質問をしたいというふうに思います。

 そもそも村木裁判は、実体のない障害者団体の凛の会というものが、障害者のための低料金の第三種郵便、これは八円で出せるという制度を悪用して、厚生省発行の障害者団体であるという証明書があれば低料金の制度を利用できるということで、大量にダイレクトメールを障害者の機関紙だというふうに偽って郵送したということで、郵便法違反ということが問題となった事件であります。

 これに関連して、障害者団体であることの証明書が、最初は偽造なのではないかというふうに思われたけれども、実は正当なものであった。しかし、それは本来は実体のないものであるから証明すべきものではないということで、虚偽公文書作成罪という案件ではないかということで捜査が進んでいったと聞いております。

 この問題については、昨年、二〇〇九年の四月に凛の会の倉沢さんという方が供述をするということで、それに引き続いて当時の係長であった上村さんが逮捕されて自白をする、それに引き続いて六月十四日に元厚生労働省の局長である村木さんが逮捕されるという経過で進んでいったものでありますけれども、虚偽公文書作成事件ということで、大阪地検特捜部はどのような捜査体制を組んだのかということについて、これは外形的事実として明らかにできると思いますので、お答えいただけませんでしょうか。

西川政府参考人 確かに、郵便法違反については大阪地検特捜部において捜査を実施しているということでございます。共同捜査ということでございまして、その主任検事が今回起訴されている前田検事ということでございました。それに対して、特捜部の検事数名、それから刑事部等からの応援検事数名、それに事務官が加わって捜査を実施したということでございます。

 ただ、捜索等については、さらに事務官等の多数の応援を得ている、こういうことでございます。

辻委員 結局、起訴されたのは倉沢さん、上村さん、村木さんということでいいのかなというふうに思いますけれども、これは虚偽公文書作成事件ということで、一連の事件だということで、それのキャップというか主任として前田恒彦元検事が就任をしたということでいいのだろうというふうに思いますけれども、この捜査を遂行するに当たって、通常、上司の決裁というのは、直接はだれに、どのような場面、どういう決裁を求めるのかということについて、お答え願えませんでしょうか。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げた虚偽公文書作成罪の全体の主任検察官、これは正式の役職名ではございませんが、特定の事件捜査の責任者というのが前田検事ということでございました。

 当然のことながら、上司の決裁を受けます。特捜部で申し上げますと、特捜部の中に副部長、部長がおり、さらにその上に大阪地検次席、検事正がおります。それから、内容によりましては、さらに高検、最高検まで協議をした上で、事案の重さ、それから重要性にかんがみて、それぞれの段階まで決裁、了解を受ける、こういうシステムとなっております。

辻委員 平成十七年八月十五日法務省刑総訓第一〇四五号ということで、処分請訓規程というものがあるようでありまして、この第一条によれば、起訴または不起訴の処分を行う場合に、ある特定の罪については検事長の指揮を受けなければならないというふうにされていて、検事長にその指揮を請うた場合には、検事長は検事総長、法務大臣にその旨を報告しなければならない。それで、直接検事総長の指揮を受けることもできるというような規程になっておりますけれども、本件は、この処分請訓規程の第一条に準ずるような扱いで決裁の処理がなされていったのかどうか、この点はいかがですか。

西川政府参考人 処分請訓規程に記載されている罪名のものについては必ずその旨の決裁を受けなければならない、こういうことになっております。

 ただ、そのほかの事件につきましても、その事案の軽重に応じまして、例えば地検の内部の決裁で終了する場合もございますし、それから高検、それから事案によっては最高検まで上がって、最終的に検事総長の了解まで求める、こういう事件もございます。そういうことでございます。(辻委員「いや、本件はどうなのか」と呼ぶ)本件につきましては、最終的に、逮捕の段階それから処分の段階、いずれにつきましても、最高検までの了解を得ております。

辻委員 身柄を拘束する、逮捕状を請求して逮捕に着手するというのは、捜査を一段階画する、次のステージに入るということで大きな出来事だというふうに思いますし、また、捜査を遂げた段階で公判請求するかどうかということも大きな段階でありますから、この村木さんを初めとした虚偽公文書作成罪の事件については、検事総長まで行っていたということは、大阪地検特捜部としても、また大阪地検さらには高検、最高検、非常に注目すべき事件だというふうに考えていたと思われます。

 この最高検への最終的な報告というのは、逮捕、起訴の段階以外に、どの段階かでさらに報告等がなされていたと思いますけれども、その点はいかがでしょう。

西川政府参考人 逮捕、起訴以外に、その捜査の節目節目におきまして、地検の担当者から高検及び最高検の担当者に適宜電話等によりまして報告がなされていたと聞いております。

辻委員 この村木裁判は、六月十四日に村木さんが逮捕された後、七月に起訴されて、九月から公判前整理手続が進行して、ことしの一月、二〇一〇年一月に第一回公判が開かれた。この時点の弁護側の冒頭陳述で、証明書作成の時期がおかしいのではないかという冒頭陳述をしているわけであります。

 二〇〇四年の六月の上旬に村木さんが上村さんに指示をしたという起訴状になっているんだけれども、捜査報告書によれば、五月三十一日の深夜、六月一日の未明にこのにせの証明書の作成がなされたという捜査報告書が出ているということで、これは公判請求を維持するかどうかということの根底を覆す極めてゆゆしき事実だというふうに思いますけれども、この第一回公判での訴訟の状況を受けて、特捜部長、当時の特捜副部長、または大阪地検次席、検事正、大阪高検検事長、また最高検検事総長、これについては、どういう報告を受け、どういう判断をされたのか、その点についてお答えいただきたいと思います。

西川政府参考人 内容の詳細については、今最高検において検証中でございますので、今お話しできることは限られておりますが、まず第一に、本件で問題となっているフロッピーディスク、最終的に前田検事が改ざんして上村氏に返したということになっておりますが、これの存在については、村木さんが起訴された際も上司等に対する報告はなされておりませんでした。したがって、高検、最高検についても、その事実はずっと後まで把握していなかったということでございます。

 先ほど委員が御指摘になられましたとおり、本年の一月の末になりまして、弁護側から、フロッピーディスクから起こした捜査報告書のフロッピーディスクの最終的な更新日、これが検察官の主張に合わないという指摘を受けまして、その段階で上司等がその事実を把握した、こういうことでございます。

 ただ、その段階では、他の証拠に基づいて、当時の被告人村木さんの公判遂行は可能であるという判断をしたというふうに聞いております。

辻委員 この一月の冒頭陳述を弁護側がした後、真偽は定かではありませんけれども、マスコミ報道等によれば、二月の段階で、同僚の検事が、どうもこれは改ざんをしたようだということで、特捜の部長なりに問題なんだという具申をした、こういうことでいいのかと。つまり、検察の内部でも襟を正さなければいけないという動きがあったやに報道されているんだけれども、それは結局は一顧だにされなかったということがあります。

 この二月の段階で、同僚検事等から、前田検事の振る舞い、行為が問題であるのではないかという指摘があったことについては、地検、高検、そして最高検、どのような事実として把握をして、どう判断したんでしょう。

西川政府参考人 委員御指摘の事実というのは、まさに今公判中の前田被告、それから昨日起訴されました大坪元特捜部長、それから佐賀特捜部副部長の事件の証拠の中身に絡むということでございますので、現段階においては答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

辻委員 いずれ、その辺の事実関係についてはしっかりとちゃんと検証して、何が問題なのかということを教訓化していかなければいけないというふうに思います。

 二月に同僚検事からそういう指摘があったにもかかわらず、公判はそのまま追行されて、ほかの証拠から有罪はとれるんだとその時点では判断をしたということでありますけれども、二月、三月の集中的な証拠調べが行われて、村木さんが関与していたという供述調書をとられていた証人がことごとくこれをひっくり返したということ、そして、五月の段階では、証拠請求した四十三通の調書のうち三十四通が却下された。

 つまり、この時点で、客観的な証拠の改ざんという問題と、それをさておいても、供述調書で有罪に持ち込めるだろうと思っていたその供述調書自体が、ほとんど証拠請求が却下されるという事態になったわけであります。しかし、なお訴訟を追行し、六月には論告求刑まで行っている。

 後戻りできるチャンスというのは幾らでもあったし、この五月の段階でも後戻りできた。六月の論告求刑をしないで、これは公訴の取り消しの判断だってできたと思うんですよ。その点について、どういう判断で訴訟追行をさらに進めたのか。その点はいかがですか。

西川政府参考人 その点につきましても、他の証拠もしくは残った証拠で公判の遂行が可能であると当時考えたと聞いておりますが、いずれにしろ、委員御指摘のとおり、公判遂行につきましても、最高検の検証、さらには法務大臣の第三者委員会における検証ということで、これから問題点等について検証していくということになろうというふうに思っております。

辻委員 だから、その辺の検証に当たって、具体的に事実関係で、何でこれを見過ごしてしまったのか、どうしてチェックできなかったのか。いや、実はもう最初に結論ありきでストーリーを描いていたから、そもそも、最高検を含めて、検察組織ぐるみで、もう後戻りできないような硬直的な状況ではなかったのかというようなことすら疑いを持たざるを得ない面もあるわけでありまして、そういう点もきちっと検証していただきたいし、また、これは法務委員会の場でも、その検証のありようについてチェックをしていかなければいけないというふうに思っております。

 フロッピーディスクの証拠の改ざん問題をさておいても、有罪に持ち込めるという判断をした、この根拠は、結局、関係者の供述調書でその判断をしたということでいいんでしょうか。

西川政府参考人 公判の中身のことで、詳細は申し上げられませんけれども、主として関係者の供述ということになろうと思います。

辻委員 法務大臣が今お見えになられましたので。

 ちょっと流れが、御理解、聞いておられなかったから唐突な御質問になるかもしれませんけれども、フロッピーディスクの証拠の問題をさておいても、有罪に持ち込めるという判断は関係者の供述調書に専ら基づいてやったのではないかというふうに言われていて、私もそう思っておりますけれども、現に、ことしの二月、三月の集中の証拠調べの中では、上村さんも倉沢さんも、どんなに村木さんが関与していないというふうに言っても、そういう調書はとってくれなかった、聞いてくれなかったんだというようなことで、結局、その取り調べの状況について本当はどうだったのか。客観的に担保するような手段が講じられていないということが極めて問題だというふうに思います。

 こういうことをきちっと防止するような有効な方法としては、やはり取り調べの録音、録画ということが必要だというふうに思いますけれども、大臣、この点、御認識をいただきたいなと思いますが。

柳田国務大臣 参議院の本会議に出ておりまして、おくれまして本当にどうも申しわけありませんでした。

 今回の件につきましては、検察の信頼は地に落ちたと私もそう思っていまして、いろいろな方々からいろいろな御批判なり御意見なりを賜っております。その中には辻委員のおっしゃるようなことも含まれておりまして、私自身としてはそういう問題点については認識をしているつもりであります。

 個別の件について私がどうのこうのと述べることは控えますけれども、ただ、最高検の検証は既に始まっておりまして、昨日、事件の起訴もされました。そのときに検事総長にもおいでいただきまして、しっかり私の方からも申し上げましたので、最高検の検証もしっかりやられるだろうと。その中に触れられる可能性もあるかもわかりません。さらに、私のもとに検討会議をつくりましたので、これから人選等含めてやりますが、この中でもそれなりに検討されるものと私は思っております。

辻委員 密室での検察ストーリーに専ら基づいた調書の作成を防ぐためには、取り調べの可視化というのはもう絶対必要不可欠だということを再確認していただいたと私は理解いたしております。具体化について、ぜひ早急な実現をお願いしたいと思います。

 時間が余りありませんので、次に一点だけ、検察審査会問題について伺いたいというふうに思いますけれども、全国で百六十五の検察審査会がある、職員数は八百六十五名だというふうに伺っております。また、検察審査員というのは、一検察審査会で十一名と補充員が十一名、六カ月で任期というふうになっておりますから、百六十五掛ける十一掛ける二掛ける二というふうにすれば、七千二百六十名がこの検察審査会に国民の中から関与しているということではないかというふうに思います。

 この検察審査員と補充員を中心に全国検察審査協会連合会というのが組織されているというふうに伺っておりますけれども、これの性格なり人数なり、また、その事務局が東京の第一検察審査会に置かれている理由は何なんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

植村最高裁判所長官代理者 お答えをいたします。

 検察審査協会連合会でございますが、昭和二十三年に検察審査会制度が発足いたしました。その後、間もなく、検察審査員や補充員を経験された方々の中で同窓会的な組織を結成しようという動きが起きたということのようでございます。全国各地に組織が結成されまして、その後、各地の組織を一つに集めて、より効果的な検察審査会制度の普及活動をしましょうということになったようでありまして、昭和三十年に至りまして、検察審査会クラブ全国連合会というのができたようであります。その後、昭和三十五年に全国検察審査協会連合会と改称されたということを聞いております。これは全くの任意の団体というふうに聞いております。

 今現在、連合会では、各地の会の、具体的な活動になりますが、全国各地で会報の発行とか頒布、講演会や座談会の開催、それからポスターやリーフレットを作成し頒布する、こういった広報活動を行っておられるというふうに聞いております。

 それから、第一検審の中に事務局があるというお話でございましたが、私どもの検察審査会の中の事務局は、検察審査会制度の広報活動も担当しておりまして、その関係で、事務局というのはちょっと名前のつけ方が、そこまでのものじゃないと思っておりますが、連絡をとる担当として、第一検審が全国検察審査協会連合会との窓口役になっているというふうに承知をしております。

辻委員 審査会の審査員なり補充員、この人たちの氏名なり住所なりというのはどういうふうに管理されているんですか。全国検察審査協会連合会が知り得る立場にあるというのはどうしてなんでしょう。

植村最高裁判所長官代理者 具体的に、連合会の方で、あるいは各検察審査会の場所にございます協会の方で、どうやって勧誘するかということに結局は帰着するような気がいたしますが、そこにつきましては、検察審査員それから補充員の任期が終了いたしますときに、検察審査協会の方がお声をかけて、協会に入ってくださいということをやっておられるというふうに聞いております。

 なお、検察審査会の事務局の職員が、入ってくださいというふうに勧誘することはないというふうに聞いております。

辻委員 検察審査会の議事は非公開とされていて、議事録はつくるというふうになっているけれども、どういう内容の議事録かというのもはっきりしない。審査員なり補充員がどういう方でどこの住所の方なのかというのは、一般的にはわからないようになっているわけですよ。ところが、全国検察審査協会連合会は、今のお話だったら、任期が終わったときに勧誘をしていると。

 しかし、これは法によれば、年四回、各検察審査会は会合を開くということになっているけれども、現実には違う曜日に開かれたりしているわけなんですよね。ですから、内部のことを知らなければ勧誘をしようもないというような状態で、極めて不透明な組織だというふうに言わざるを得ないと私は思います。

 実際、この検察審査協会連合会は毎年大会を開催していて、例えば平成十年、第四十四回大会は、帝国ホテルで、会員が千二百六十三名集まって、来賓として当時の山口最高裁長官ほか十五名が出席をしている。毎年、最高裁の刑事局と懇談会もしている。最高裁の長官がわざわざ出ていって、しかも、審査員と補充員のOBが任意に組織しているという団体が、毎年帝国ホテルや有名なホテルで千人規模の大会を開いている。この審査協会に最高裁なり公的な機関が関係しているというふうに私は本当に疑わざるを得ないというふうに思います。

 質疑時間が終了いたしましたので、この問題についてはやはりもっと解明をしていかなきゃいけない、そもそも検察審査会のあり方自体も不透明な点が多いので、今後の課題だということを申し上げまして、私の本日の質疑を終了とさせていただきます。

 ありがとうございました。

奥田委員長 次に、階猛君。

階委員 民主党の階猛です。

 本日は、柳田法務大臣を初め法務省の政務三役の皆さん、本当にお疲れさまでございます。

 皆さんが就任して早々、検察をめぐるさまざまな問題が起こり、日々大変なこととは思いますが、この機会にしっかりこの問題を解決しなくては、日本の検察あるいは司法への信頼は地に落ちるということで、ぜひ全身全霊をかけてこの問題の解決に取り組んでいただきたいということをまず申し上げたいと思います。

 早速質問に入りますけれども、お手元に資料を六枚ほど配らせていただいております。

 まず、一ページ目に、専修大学の准教授の藤森さんという方の毎日新聞に載っていた論文といいますか原稿でございますけれども、ここで言われているのは、要は、時代の流れとして、起訴権限を独占してきた検察が市民の厳しいお目付を受けるようになるのは当然なんだ、検察の不起訴のチェックだけではなくて、検察の起訴が正当か否かも一定の要件を満たせば市民がチェックできる制度設計を考えるべきだ、こういう御提言をされています。

 私もそれは賛同できるところがございます。と申しますのも、法務省の刑事局の出している、今回の強制起訴制度を導入する際の制度趣旨のペーパーを拝見しますと、強制起訴を入れる趣旨というのは、公訴権行使により直截に民意を反映させ、公訴権をゆだねられている検察官が独善に陥ることを防ぐとともに、公訴権行使をより一層適正なものとし、ひいては司法に対する国民の理解と信頼を深めることを期するものである。まさに時宜にかなった制度だと思っているわけでございまして、むしろこの権限を、不起訴だけではなくて、起訴についても審査会でチェックする、こういうことも検討に値するのではないかと思います。

 ここは局長からで結構でございますけれども、今検察の信頼が地に落ちたということでありますが、信頼回復の一つの手段としてこういったことを考えるつもりはおありでしょうか。

西川政府参考人 委員御指摘のとおり、検察をめぐる今回の一連の事態によって検察の組織そのものに対する不信感が高まっている、これは私ども十分認識をしております。

 ただ、従前のというか現在までの考え方というのは、刑事手続で起訴された場合につきましては、証拠がなければ裁判所が無罪にする、それから起訴手続に違法な点があれば公訴棄却なり何らかの措置をとる、それで十分であるというふうな考え方をとっていたというふうに思いまして、委員の御指摘されたそのようなシステムについては、現在のシステムとは大分隔たりがあるという点は言わざるを得ないというふうに思うわけでございますが、今回、この問題があってから、法務大臣のもとで検察の在り方検討会議ということで、有識者の方々からさまざまな意見をいただくということになっております。幅広い観点から意見をいただくということになっておりますので、今おっしゃられたような点もこの中に含まれるのかどうか検討していただくことになろうというふうに思っております。

階委員 検察が時に暴走しかねないということで、民意によるチェックはぜひ強めていく方向で考える必要があるということをまず申し上げたい。

 しかしながら、検察審査会の権限を強化するということになれば、逆に、その強い権限を今度は審査会が濫用する危惧も生じるわけでございます。そこで、その歯どめをかける制度的保障が必要ではないか。そのためにまず真っ先にやることは、結論に至る議事の過程を透明化すべきだと考えております。

 この点、会議録の公開については、検察審査会法の明文上禁止規定はありません。十二日の衆議院の予算委員会で我が民主党の川内議員も質問されましたけれども、この際、なぜ明文上禁止規定がないのに公開できないんだろうかという質問に対して柳田法務大臣は、検察審査会法二十六条の三つの趣旨、すなわち被疑者等の名誉の保護、捜査の秘密の保護、自由な討論の保障、こういった観点から、会議録についても、会議の非公開と同様その趣旨が当てはまるので公開は許されませんというような答弁でございました。

 しかし、その一方、資料二というのをごらんになってください。「検察審批判 理解不足も」という大見出しの読売新聞の記事でございますけれども、この最初の方、会議録ということで、森ゆうこさんの質問でもやはり議事録を公開すべきだという指摘があったわけですけれども、「検察審査会法施行令は、事件ごとに会議録の作成を義務付けている。審査員名や審査日などは記されるが、審査の具体的な内容は記載されない。」このように言い切っております。

 それがもし事実であるとすれば、法務大臣がおっしゃるような三つの趣旨、名誉の保護、捜査の秘密の保護、自由な討論の保障ということはいずれも阻害されないと思っております。こういった具体的な内容が記載されないというのが事実なのかどうかということを確認したいと思います。これも局長の方からで結構です。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 結論から申し上げると、法務省として、この審査会の会議録についてどのような内容を盛るかということについては把握をする立場ではなく、把握をしていないというふうにお答えせざるを得ないということでございます。

 検察審査会法第二十八条は、検察審査会の議事については、会議録をつくらなければならないということで、その中身については政令に委任しているということでございます。

 これを受けまして施行令がございまして、施行令の二十七条二項では、会議録に記載すべき事項について、会議をした検察審査会及び年月日、検察審査員の氏名、議決をしたこと及び議決の趣旨、それから会議の経過を記載するということにされております。

 これらの規定に基づいて具体的にどのような記載をするかについては、検察審査会事務局において判断されるべき事柄ということでございまして、法務当局としては把握の手段がないということで、お答えをする立場にないということでございますので、とりわけ、この中の会議の経過についてどのような中身を盛るかということにつきましては、各事務局に任されているということでございます。

階委員 今、検察審査会法施行令二十七条を引用されたかと思いますが、この二十七条二項四号を見ますと、会議録の記載事項として「検察官の意見並びに審査申立人、証人及び専門的助言を徴された者の供述又はその要旨」というものが含まれております。

 こういったことが含まれているということであれば、「具体的な内容は記載されない。」という読売新聞の記事は誤りだと思っておりますけれども、もし誤りというのであれば、即刻、法務大臣として読売新聞に訂正を申し立てるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

柳田国務大臣 御指摘のような新聞記事が掲載されたということは承知いたしておりますが、その趣旨が必ずしも明らかではございませんし、個別の報道について、私としてコメントすることは差し控えたいと思います。

階委員 それでは、その点はお含みおきいただきたいと思います。

 しかし、いずれにしても、会議録が今非公開なわけです。そのことによって、今回の小沢一郎代議士の事件に関する東京第五検察審査会の二回目の起訴議決に対して、さまざまな疑いが生じている。これはマスコミなどでも報道されております。

 例えば、資料三をごらんになっていただきたいと思います。これは、最高裁判所の方から各データをいただきまして、私の事務所の方で取りまとめた資料でございます。

 検察審査会法が改正されて強制起訴ができるようになってからの主な議決、男女構成、平均年齢などを取りまとめておりますが、御注目いただきたいのは、強制起訴になっているのが、今回を含めて、一番上が小沢さんの事件ですが、その下二つ飛ばしまして、JR福知山線脱線事故事件、それから明石歩道橋事故事件、さらに未公開株式取引詐欺事件、こういう四件があります。

 その四件について、まず、一番端の「公表した審査員の議決時の平均年齢」というところをごらんになってください。これをごらんになっていただくと一目瞭然だと思いますが、小沢さんの事件以外では、一回目と二回目で平均年齢は違います。もちろん、一番下の那覇の未公開株式取引詐欺事件では極めて近似しておりますが、なぜか今回の小沢さんの事件においては、小数点第二位までぴったり同じ、三十四・五五というふうになっております。

 審査員というのはくじで選ばれるんだということはかねがね言われておりますし、また、六カ月ごとに任期満了となって、また違う人が選ばれるということです。たまたま今回の小沢さんの事件では、一回目と二回目で審査員が全員入れかわったということも確かめられているわけでございまして、なぜ、くじで選ばれた人たちが全員入れかわっても平均年齢が全く同じなのか、こういうことは通常起こり得ないのではないかという疑問が一点でございます。

 それからもう一点、この表で見ていただきたいのは、検察審査会法の四十条という条文がございます。この四十条には、「検察審査会は、審査の結果議決をしたときは、理由を附した議決書を作成し、その謄本を当該検察官を指揮監督する検事正及び検察官適格審査会に送付し、その議決後七日間当該検察審査会事務局の掲示場に議決の要旨を掲示し、」云々とあります。つまり、議決をしたときは、議決書を作成し、議決後七日間掲示場に議決の要旨を掲示しなくてはならない、こういう規定があるわけです。

 そこで、今回の小沢さんの事件、それから残りの三件の強制起訴となった事件、この各事件について、議決日と議決書の作成日、それから議決の要旨を掲示した日、これを調べてみました。

 今回の事件、皆様御案内かと思いますが、議決日は九月十四日になっておりますが、議決書作成日は十月四日、要旨の掲示日も十月四日です。さらに、福知山事件では、二回目の議決のところを見ていただきますと、三月二十六日に議決され、議決書作成日、議決の要旨掲示日も同じ日でございます。明石歩道橋事件でも同じことでございまして、平成二十二年一月二十七日が議決日、議決書作成日、議決の要旨掲示日も同じ日。さらに、未公開株式取引詐欺事件も全く同じでございまして、平成二十二年七月一日に議決日、議決書作成日、議決の要旨掲示日と、全くそろっているわけでございます。

 なぜ今回の小沢さんの事件だけがこのようなことになるのか。この点についても、説明がなければ疑惑は深まるばかりで、本当に正しい審議が行われているのか、架空のものがなかったのかどうか、こういう疑念もわくわけでございます。そういう疑念が存在すること自体が検察審査会の制度に対する不信感を招くとも言えるわけでございまして、その疑念を払拭する意味でも会議録の公開は必須ではないかと考えております。

 大臣自身、先日の川内先生の質問に対しても、個人的にはしっかりと考えていきたいと答弁されていらっしゃいます。前向きに検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

柳田国務大臣 先日の予算委員会で、個人的発言ということで触れましたらば、予算委員長からもおしかりがありました。今、理事会で、議事録を消そうという話がされておりまして、そういうことでございますので、私の個人的見解は述べません。

 ただ、問題点はるる聞かせてもらっております。

階委員 これは検察審査会が適正に仕事をしているということを世の中に知らしめるためにも、また権限濫用を防ぐ意味でも重要なことでございますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。

 検察審査会については、済みません、時間の関係でこの程度にいたしますけれども、次に、検察の捜査について質問をさせていただきたいと思います。

 私も弁護士でございますけれども、弁護士になる際、司法試験の勉強をするときに、刑事訴訟法を勉強しておりまして、一番感動したというか目からうろこが落ちる思いがしたというのは、伝聞証拠禁止の原則というものでございます。これはなかなか普通の人はぴんとこないと思うんですね。普通の人は、新聞に書かれてあること、あるいは検察官が書面に書いたこと、これは当たり前に真実だと思いがちでございますが、刑事訴訟法はそのような立場に立っておりません。

 何を申し上げたいかといいますと、伝聞証拠というのは、裁判所の面前での反対尋問を経ない供述証拠ということでございまして、この反対尋問を経ない供述証拠については、調書も含みますけれども、反対尋問権を保障するために伝聞証拠は禁止するというのが刑事訴訟法の大原則で、この趣旨は三百二十条に具体化されておりまして、「公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」ということが原則論としてあります。

 ただ、例外がそれ以降あるわけでございまして、どういう場合に例外が許されるかといいますと、これは、信用性の情況的保障があり、かつ、これを証拠とする必要性が高い場合というふうに類型化されているわけでございまして、そのような観点から、伝聞証拠禁止の原則には例外が設けられ、一定の範囲では調書による事実認定も許されている、こういうことでございます。

 そのことを申し上げた上で、現在の検察の捜査を顧みますと、現在の検察捜査というのは、この伝聞証拠法則を全く顧みずに供述調書を過度に重視している。このことは、検察庁の幹部の方も記者会見等でおっしゃっていたとおりでございます。その結果、取り調べが行き過ぎたものになりがちですし、また、いろいろな冤罪という問題も生まれてきているのではないかと思っております。

 この伝聞証拠禁止の原則、非常に重要な刑事訴訟法の原則を骨抜きにせず、その趣旨を徹底する見地から、刑事訴訟法上の供述調書の証拠能力を認める要件を厳格化するような方向で法改正なども考えるべきではないかと思いますが、この点について大臣の御見解をお聞かせ願えればと思います。

柳田国務大臣 この件につきましては、近いうちにつくります検察の在り方検討会議でもテーマになるものだと思っております。

 いろいろな御意見を賜りながら検討し、そして国民の信頼を回復するために頑張っていくということでやりますので、どうか、ほかでもいろいろ意見がありましたらお話しいただければと思います。

階委員 資料四をごらんになっていただきたいと思います。

 これは、きのう起訴された大坪前大阪特捜部部長の記事でございまして、「検察組織に失望」これも大見出しで載っておりました。

 この方の場合、接見が禁止されておらないために、弁護士ではないマスコミの人も一日一回、約十分間の面会が認められている。このことによって、生の声がマスコミを通じて伝わってくる。これはある意味で、供述に依拠しがちな裁判、あるいは検察その他の情報ソースによってしか情報を得られない我々一般市民にとって、不要な予断といいますか偏見を防ぐ意味で非常にいいことなのではないかなと思っております。

 こういったマスコミとの接見、これは広く認めるべきではないかと思いますが、これは最高裁でございましょうか、この点について御見解をお聞かせください。

植村最高裁判所長官代理者 お答えをいたします。

 まず、一般論としてでございますが、刑事訴訟法八十一条によりまして接見禁止決定がされた場合に、刑事訴訟法の条文には、直接、一部解除というような規定はございません。しかし、委員も御承知のとおり、裁判官はその一部を解除することができるというふうに解されております。

 そこで、委員お尋ねの、マスコミとの接見については接見禁止の一部を解除する扱いをすべきであるという点でございますが、接見禁止の一部解除は、個々の事件におきまして、事件を担当することとなった裁判官が判断することでございまして、司法行政を担当しております最高裁の事務当局としてのお答えは、申しわけございませんが差し控えさせていただきたいと思います。

階委員 そういった伝聞証拠の問題であるとか接見の問題であるとか、供述を重視しない、ちゃんと被疑者の生の声を裁判に反映させる、捜査に反映させるという方策はいろいろありますが、やはり究極的には取り調べの可視化ということに尽きるのではないかというふうに考えております。

 取り調べの可視化については、私も辻先生も可視化議連という民主党の議員連盟に入っておりまして、何度にもわたりまして法務大臣にも御提案申し上げているところでございます。法務大臣に対しては、民主党の可視化議連として、十月末までに、一定の範囲の事件について取り調べの全過程の可視化に関する法案提出のめどを明らかにするよう求めております。進捗状況がいかがなものかということをお聞かせください。

 大分時間の関係で飛んでおりますけれども、法務大臣の役割というところの(四)のところでございます。

柳田国務大臣 全面可視化については、常日ごろ申し上げておりますとおり、来年の六月のできるだけ早い段階と申し上げているわけでありますけれども、その中でも、可視化議連の方から、特捜の捜査、それと裁判員裁判の捜査ということを挙げてこられました。

 後半については、これは警察ともいろいろ議論しなければならないので、至急どうのこうのするということにはならないかと思うんですけれども、特捜の捜査については、今回の最高検の検証の中でも多分触れられるんだろう、当然、私のもとに置かれる検討会議では触れられることになる、そう思っていまして、その議論を見守りたい。これは、全般的な全面可視化に比べると相当速いスピードで検討が進むものと私は思っております。

階委員 非常に前向きな答弁、ありがとうございます。

 そこで、実際にその検討結果を踏まえて立法作業に入る場合、この立法を行うのはどこの課になりますでしょうか。刑事局長で結構でございますが、可視化法案の立法作業はどこで行うことになりますか。どこの課で行うことになりますか。

西川政府参考人 まだ議論が煮詰まっておりませんけれども、刑事訴訟法の改正ということであれば、当然法務省刑事局ということになろうというふうに思いますが、刑事局の中では刑事法制管理官室が主としてそういう立法物を担当しているということでございます。

階委員 大臣もう御存じかと思いますが、この刑事局の刑事課長の方が刑事告発をされております。(西川政府参考人「刑事法制管理官室です」と呼ぶ)済みません、立案作業は別な課でありますけれども、同じ局の刑事課の方が、刑事課長という要職の方が刑事告発をされておりまして、これは特別公務員暴行陵虐罪ということでございます。

 この刑事課長が何をしたかといいますと、平成十九年七月十八日、東京都葛飾区東京拘置所において、東京地方検察庁特別捜査部所属の検事として、詐欺容疑で勾留されていた告発人、この方は緒方さんという方ですが、緒方さんを取り調べた際、「机を手で繰り返し強く叩いた上、「一生刑務所から出さない。緒方のやってきたことを全部裁判所にさらけだしてやる。否認すれば刑が二割増しだということを知っているだろう。刑務所から生きて帰れると思ったら大間違いだ。」等と大声で怒鳴りつけ、もって、加虐の行為をし」たというのが告発状に書いてあります。

 もちろん、これは一方当事者の話でございますから、そのままうのみにするわけにはいきませんけれども、これに関連して、実は、その緒方さんの一審判決で、今の取り調べの内容についてこのように語っております。これは判決文ですから。「相当厳しい追及がなされたとしても不自然ではなく、獄中日誌(後から付加して記載されたと思料される記載部分を除く。)や接見メモ等によって裏付けられている限度では、緒方の供述を虚偽として排斥することは困難であると思われる。」また、今課長をやっている検事の方は「当公判廷における証人尋問において緒方を怒鳴りつけた事実を否定しているが、かかる証言の裏付けは存在せず、これによって直ちに緒方の供述の信用性を否定することはできないというほかない。」こういうふうに司法でも認定されているわけでございます。

 このような方が、刑事局というこの可視化法案の立法にかかわる局内で、しかも課長という要職を占めている、この点について、人事権者である法務大臣の御見解を伺いたいと思います。今後の可視化法案にとって障害となるのではないかと私は考えております。

柳田国務大臣 突然の質問なので、どう答えればいいか、今、頭の整理をしている最中でございますが、個別の件について、私は今ここで触れません。

 ただ、検討会議のもとで相当議論をされる、その答えが出れば、その答えに従って粛々と進むんだと私は思っていますし、一番大切なのは国民の信頼を取り戻すということでありますので、その目標に向かって私は進む、そう思っております。

階委員 大臣のおっしゃることは、もう私も信頼しております。ただ、このことはぜひお耳に入れておきたいと思いましたので、突然で恐縮ですが、触れさせていただきました。

 最後に、法曹養成制度について述べさせていただきたいと思います。

 お手元の資料五、六に関してですが、まず資料の五をごらんになってください。旧司法試験の出願者数及び法科大学院適性試験志願者数の推移ということでございます。

 実は、私は銀行員時代に司法試験に受かったんですが、平成十三年のときに受けておりまして、このグラフでいいますと、三万八千九百三十人受けた年であります。そこで受かった人数が、たしか千人ほどだったと思います。三万八千九百三十人受けて千人受かるということは、三%弱というような合格率だったと思います。その後、五万人まで旧司法試験はふえ、また、それとともに法科大学院制度が始まりまして、当初は、ここに何か下の方に二つグラフがありますが、これは大学入試センターと日弁連法務研究財団という二つのところで法科大学院適性試験を実施しているということで、大体両方同じ人が受けるということなので、これは単純に足し算するわけにもいかないということで、上の方の三万九千三百五十という方が大体みんなが受ける試験なので、この数字だけを注目していただければと思っております。

 この三万九千三百五十という数字も右肩下がり、そして、旧司法試験はもう廃止になることが決まっていますから、当然のことながら右肩下がりでずっと推移してきておりまして、直近で見ますと、もう旧司法試験はことしで終わりとなっておりますけれども、残りの方たち、新しい司法試験の前提となる法科大学院適性試験を受ける方が八千人程度しかいないという状況でございます。

 このようにどんどんどんどん減ってきている背景には、私も総務省にいるときにいろいろお話を伺っていますと、四重苦という問題があるというふうに聞きました。四重苦というのは何かといいますと、弁護士になるのに金がかかる、なかなか受からない、しかも、受かってから法曹になるまで修習などで時間がかかる、なっても仕事がないといったことで、志願者が減少傾向にあるんだというふうに聞きました。このことについて大臣の御認識をお聞きします。では、副大臣で結構でございます。

小川副大臣 お答えします。

 この法曹養成制度でございますが、司法制度改革に伴って試験制度も変えたわけでございますが、やはり、初めにロースクール制度を導入したときの構想とちょっと違った現象があらわれております。

 合格者が少ない、あるいは合格率が思ったよりも少ない、あるいは、合格者三千人に法曹をふやすということも、司法試験合格者が全員法曹になるというよりも、さらに幅広い範囲で地方自治体や企業といった仕事を担当する、実際の職務を行う分野も広げて、さまざまな面で法曹に活躍していただきたいという理念もあったわけですが、これがなかなかいかなくて、司法試験合格者イコール法曹、法曹というのは、法律分野の職にしかとどまらない、いわゆる弁護士しか希望しないというような状況もありまして、当初法曹養成制度で描いた理念とはちょっと違う現象になってしまっているなということで、こうして今委員が指摘された四重苦という問題もまことに指摘のとおりというところもございますので、この法曹養成制度、しっかりと改めて検討して、よりよい形に持っていきたいというふうに思っております。

階委員 質疑時間が終わりましたので、これで質問を終わりにしますけれども、最後の資料というのは、閣議決定された、合格者年間三千人の目標、あるいは合格率七、八割という目標、そして他学部とか社会人入学者三割以上という目標、これがどの程度達成できているかというものを数字を示したものです。これも総務省で調べたものでございますけれども、こういったところを見ましても、なかなか閣議決定で決めたことを達成するのは難しい状況です。

 抜本的な法曹養成制度の見直しが必要であるということを最後に申し上げて、私からの質問を終わります。

 ありがとうございました。

奥田委員長 次に、平沢勝栄君。

平沢委員 自民党の平沢勝栄でございます。

 まず、質問に入る前に、一言抗議させていただきたいなと思います。

 最初に私、この後、中国での反日デモを聞かせていただこうと思うんですけれども、私の後に質問いたす稲田議員が、午後、韓国での反日デモについて国家公安委員長に質問したいということで要求を出していましたら、先ほどの理事会で、一部理事から、国会の法務委員会の質問になじまないからそれはやめてほしいというような要請がありました。最後は委員長の御決断で予定どおりやらせていただくことになりましたけれども、国会での質問、まだ質問が出ていない段階で、タイトルだけ見て、法務委員会の質問になじむだのなじまないだのということで、事前に制限しよう、ブレーキをかけようというのは、これは国会の、言論の府としての自殺行為だということで、こんなことは私も国会議員十何年やっていて初めての経験でございまして、これについては後でまた稲田議員の方からあると思いますけれども、こんなことは二度とあってはならないことでございまして、強く抗議させていただきたいなと思います。

 そこで、中国での反日デモについて、これは外務省でいいんですけれども、お聞きしたいと思います。

 中国での反日デモ、これは、船長を釈放して三週間もたっている、そのころに内陸部だけで起こっている。そして、中国の当局は何と言っているかというと、一部の群衆が日本の誤った言動に対し義憤を表明することは理解できると、何か不法行為を容認するような発言をしているわけです。

 その結果として、暴動が各地で起こっているわけで、もちろん破壊行為も行われているわけなんで、外務省にお聞きしたいと思いますけれども、この中国での反日デモ、外務省はどういうふうに見ておられるか、実態はどうなのか、まずそこを教えてください。

山花大臣政務官 平沢委員の御質問にお答えいたします。

 まず、デモの様子なんですけれども、十六日に四川省の成都市、また河南省の鄭州市及び陝西省の西安市、そしてまた今度、十七日に四川省の綿陽市、十八日に湖北省の武漢市のそれぞれにおいて、尖閣諸島に対して、我が国に対して抗議活動が行われたというふうに承知をいたしております。

 まず、今般、一部に破壊活動を伴う反日デモが行われたことは大変遺憾であると存じております。どういうふうに認識しておられるかという御質問でしたので、双方の政府、国民ともに日中関係の大局に立って、冷静に対処することが重要であると私どもとしては考えております。

平沢委員 日系の店舗が破壊されたり、それから自動車がひっくり返されたり、そういった器物損壊行為もあるわけですよね。ですから、当然のことながら、これは中国の国内法に基づいても犯罪でしょう。中国の官憲は、警察は、だれか検挙したんですか。それとも、何も検挙していないんですか。ぼやっと見ていただけなんですか。

山花大臣政務官 現時点で、デモ隊の中で逮捕者が出ているという情報は、我々としては接しておりません。

平沢委員 おかしくないですか。中国は意図的にやっているんじゃないですか。だって、破壊行為をやって、それで一切責任を問われないんだったら、やれ、やれということと同じことですよ。法に触れているんだったら、少なくとも検挙しなかったら、今後の予防になりませんよ。抑止効果は出ませんよ。これはおかしくないですか。この辺は中国に申し入れたのかどうか。

 それから、もう一つ聞かせていただきたいんですけれども、破壊行為で損害を受けた日系の店舗等については、今後、損害賠償はどうなるんですか。

山花大臣政務官 この抗議活動において、ちょっと前提となる事実について少し答弁をさせていただきたいと思います。

 現時点で、在留邦人であるとか日本人旅行者に対する被害等については確認はされておりませんが、委員御指摘のとおり、日系の企業であるとか、あるいは経営するスーパー、あるいは在留邦人が経営している飲食店において、ガラスが割られたり、設備が破損するなどの損害が生じております。

 これを受けまして、在中国大使館及び在重慶総領事館から中国側の関係当局に対して遺憾の意をお伝えいたしております。また、邦人及び日系企業の安全確保ということを強く要請いたしました。また、十九日の午前には、丹羽中国大使からヨウケツチ外交部長に対して同様の申し入れを行って、同部長からは、安全確保に全力で努力するという反応がございました。

 また、御指摘の、多分関心事はこちらの方だと思うんですけれども、中国国内で生じた日本国民及び日系企業がこうむった損害の救済につきましては、中国側が国内法に従って行うというのが大原則でございますけれども、ただ、もし被害に遭われた日本国民からの要望がある場合には、政府としても適切に対処をしてまいりたいと考えております。

平沢委員 これは政府はもうちょっとしっかり対応してもらわないと、中国に今進出している企業、在留邦人もいっぱいいるわけですよ。これは、私は今回のケースを見ていまして、繰り返しますけれども、逮捕者ゼロなんて、こんなばかなことがありますか。中国はやり放題じゃないですか、それだったら。これだけのことが日本で起こったら、相当の検挙者が出ますよ。当たり前じゃないですか。中国にもうちょっと強く申し入れしてもらいたいなと思います。

 そこで、もう一つ質問通告させていただきましたけれども、ことしの九月初め、長春で、北東アジアにおける経済協力に伴う法律協力シンポジウムというのが開かれて、慶応大学の小林節教授と私が呼ばれて行ったんですけれども、そこで私は、中国は人権問題にもっと配慮しなければだめだということをあいさつで言いまして、小林教授は、中国は法治国家じゃない、法治国家になって、そして法律をみんなに平等に適用しろというようなことをスピーチで言ったんですよ。

 そうしましたら、途端に、私たちと共産党の幹部のアポイントメントはキャンセルされて、そして、見に行けと言われたのが、間島総領事館の跡を見に行けと言われましたから、何だかよくわからないけれども見に行きましたら、それは、戦時中、日本軍がいかに中国人をいわば拷問したか、虐待したか、そういったものがパネルでばあっと展示してあって、子供たちもみんな見に来ている。幾ら見たって、一九七二年に国交を回復して、そしてその後、友好関係をいろいろ維持している、日本からも多大の援助が中国に行っている、こんなことは一言一句書いていない。そういったところを子供たちはみんなバスで乗りつけてきて見ている。これでは、中国人が反日感情を抱くのは当たり前ですよ。

 恐らくこういう間島総領事館跡みたいなのは中国にいっぱいあると思いますけれども、これに対して外務省はどう対応しているんですか。

山花大臣政務官 御指摘いただきました中国のいわゆる抗日戦争記念館というものだそうです。だそうですと申し上げますのは、済みません、私自身は見たわけではございませんで、御指摘をいただきまして調べさせました。そうしたら、事実関係に疑義のある展示であるとか、あるいは青少年の教育上過度に残虐な表現のある展示が見られることは好ましくない、望ましくないと私も考えます。

 また、一部の記念館においては、我が国の戦後の平和国家としての歩みや日中国交正常化以降の関係について展示するものも出てきてはいるんですけれども、ただ、日本政府としては、平和を希求する未来志向の側面にももっと光が当たることを期待いたしております。こうした我が方の問題意識については、累次の機会をとらえまして中国側に伝えてきているところでございます。

 御指摘の展示館については、平成十四年に吉林省の龍井市とかいう政府の庁舎内に開設したものを改装して昨年十月に再開館したものと承知をいたしておりますが、その再開館後に我が方の瀋陽の領事館の館員が視察をいたしました。それで、展示内容の問題点及び我が国の問題意識を同館側に伝えております。

 今後とも、日中関係の国民感情を踏まえながら、日中関係の健全な相互理解促進に向けて、きょう委員の御指摘もいただきましたけれども、指摘すべき点は指摘しつつ、中国側の適切な対処や改善を要請してまいりたいと考えております。

平沢委員 中国は恐らく、なかなか展示をやめませんよ。同行した中国人の方が言っていましたよ、これはかなり捏造、誇張が入っていると。そういったものを展示して子供たちに一生懸命見せている。これは通り一遍の申し入れじゃだめだと思いますよ。もっと外務省も腹をくくってしっかりやってもらわなきゃだめだと思いますけれども、もう一回、その決意のほどを。

山花大臣政務官 先ほどのは少し一般的なお答えの仕方だったかなと思います。もうちょっとやりとりについても踏み込んで答弁をさせていただきたいと思います。

 実際に拷問を受けた人の証言だとか、当時の日本側の作成資料から再現したんだと向こう側は言っているんですけれども、ただ、我々としては、確たることは不明であるということを認識いたしておりまして、我が方側からは、展示の残虐性というのが将来の日中関係を担う青少年に対してマイナスの影響を及ぼすという懸念をしっかりとお伝えしておりますし、また、今後とも、委員の御指摘を踏まえて、累次にわたってやってまいりましたが、努力してまいりたいと思っております。

平沢委員 この問題はまた別途やりたいと思いますけれども、次に尖閣の問題に移らせていただきたいと思います。

 今度の尖閣での中国船長逮捕の問題については、国民の皆さんの多くは対応に疑問を持っておられるんじゃないかなと。そこで、ちょっとお聞きしたいと思いますけれども、これは節目節目がありまして、九月七日に事件が起こりまして、九月八日に逮捕しました。そして、九月の十日に勾留請求して勾留が認められた。その間、九月十三日ですか、十四人の乗組員と船を帰した。九月十九日に勾留の延長が決まった。そして、二十四日に処分保留での釈放が決まって、二十五日未明に釈放したということだろうと思います。

 そこで、いろいろな質問がもう出ていますからダブるところは避けますけれども、事実関係だけまずお聞きしますけれども、当然、逮捕時には、捜索・差し押さえ令状をとって、いろいろな証拠物を差し押さえたと思います。船員名簿とか船員日誌とか、あるいは向こうがビデオを撮っていればビデオだとか、いろいろなものを差し押さえただろうと思いますけれども、当然、これは差し押さえ令状をとって、それで差し押さえしているんですよね。

柳田国務大臣 海保の活動について私がお答えする立場にはないかと思いますが。(平沢委員「いや、きょうは海保は来ていないの。海保、来ているでしょう」と呼ぶ)

三井副大臣 済みません。今聞きましたら、差し押さえしているということでございます。

平沢委員 差し押さえしていなきゃ、これはもう捜査としてミスですよ。当然差し押さえしているでしょう。

 そうしたらば、まず事実関係としてお聞きしたいのは、捜索、差し押さえで押さえたもの、これを中国側にいつ返したんですか。それともまだ残っているんですか。いつ返したんですか。それをちょっとお聞きします、事実関係として。

三井副大臣 船そのものは返しております。(平沢委員「船以外はどうなんですか」と呼ぶ)船以外については返しておらないと思っています。済みません、きょうは、先生、質問通告が私の方にないものですから、それについては……(平沢委員「いや、質問しているはずですよ」と呼ぶ)通告がないものですから。

平沢委員 では、これはまた聞かせていただきますけれども、後でしっかり調べて、それで、差し押さえしたものを、それはどうなっているのか、船は返したのはわかりました、だけれども、船以外のものについてはどうなっているのか、これを教えてください。

 そこで、大臣、大臣は十七日に着任されました。十九日に勾留が延長されました。そして、二十四日に処分保留で釈放の方針が決まりました。処分保留の釈放のときは、大臣は、刑事局長から事前にこういった方針だということで報告を受けて、わかりましたということを言われたということはほかの委員会で答弁されています。この勾留の延長のときは、大臣は報告を受けておられるんですか。だれから、どういう形で報告を受けられて、どういう返事をされたんですか。

柳田国務大臣 着任して早々いろいろなことが起きまして、大変混乱した中ではございましたけれども、折々に触れて局長から報告を受けました。ということで、勾留延長の件についても受けたところでございます。

平沢委員 勾留の延長というのは、勾留は、まず一回目の勾留を十日間やった、だけれども、まだ捜査が不十分だ、そして引き続き詰めていかなければならない、あるいは、まだ捜査を引き続きやらなきゃならない、そして、逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれもある、だから、勾留の延長請求がなされて、認められたんでしょう。ということですね。そういうことでよろしいんですね。これは副大臣でもいいや。副大臣。

小川副大臣 本件の個別のケースについて、どういう理由で延長したかということは、捜査の内容にかかわることで、具体的にはお話しできないのでありますが、勾留の延長に関しまして、一般論としましては、委員御指摘のとおりでございます。

平沢委員 要するに、勾留延長する必要性があって延長したわけですよね。ところが、勾留延長して五日目ですか、突然、処分保留で釈放ということが決まったわけです。

 そのとき、法務省の資料で見ますと、なぜ釈放したか。「故意に衝突させたことは証拠上明白」しかし、「「みずき」の損傷は直ちに航行に支障が生じる程度のものではない」「「みずき」乗組員が負傷するなどの被害の発生はない」「計画性等は認められない」「被疑者には我が国における前科等なし」等々言っていますけれども、こんなことは最初から同じことではないですか。何も、初めに逮捕したときから、最初の勾留請求をしたときから、こんなことはもうわかっていることです。被害が、どの程度の損傷があったとか、人身被害がないとか、こんなことはわかっていたはずです。

 ですから、勾留延長して、それからその五日間で何が変わったんですか、勾留、釈放するということについて。その間の五日間で何が変わったんですか。

小川副大臣 何が変わったかといいますと、具体的に捜査の中身をお話しして説明しなければならないわけでありますが、それはやはり捜査の中身をお話しするということになりますので、捜査の具体的な中身については答弁を差し控えさせていただきます。

 ただ、一般論といたしますれば、やはり、なお捜査を継続する必要があったけれども、しかし釈放の段階では捜査は一応遂げたものという状況になったということでございます。

平沢委員 何を言っているかさっぱりわかりませんけれども。

 要するに、勾留延長の必要があって勾留延長を認めてもらった、それで勾留延長がスタートした、ところが、途中で突然、処分保留で釈放になった、何か理由がなきゃならない、そこで、最後に、つけ足したように、「我が国国民への影響や今後の日中関係」という言葉が出てくるわけですけれども、まず、勾留期間中に釈放する、そのときに国際関係だとか国民への影響とか、こういったことを検察当局が判断して釈放する、こんな例は過去にあったんですか。

小川副大臣 そういうテーマに絞って統計をとっておりませんので、全くなかったということを断定的にお話しすることはできませんが、国際関係というのは私が知っている範囲ではありませんが、ただ、我が国の国内社会に与える影響ということですと、具体的に何があったと言われると、ちょっと返答に困るんですが、あるような気もいたします。

平沢委員 国内への影響というのがあったのなら教えてください。それから、国際関係というのはないと思いますよ。

 大臣にお聞きしたいんですよ。そもそも、普通、勾留中、勾留延長中ですよ、今回は。それは、途中で釈放した例は幾らでもあると思いますよ。例えば、法律が変わったとか、恩赦があったとか、あるいは本人が自供している、これ以上続ける必要もない等々、いろいろな理由があるわけでしょう。

 今回見てください。今回は、本人は全然自供していないんですよ、全く自供していない。反省の色ゼロですよ、反省の色ゼロ。またやると言っている。だから勾留延長請求したんでしょう。こんなケースで過去に途中で釈放したなんという例、ありますか。おかしくないですか、これ。

小川副大臣 本人が犯行を否認している、犯意を否認しているということで、なおさまざまな状況で勾留延長して捜査をする必要があったということで勾留延長をしたわけでございますが、またやるから、あるいは懲らしめのため、このような理由で延長したわけではございません。あくまでも捜査の必要があったということでございます。

平沢委員 いや、そうじゃなくて、本人が全く自認していない、自供していない。犯罪が明らかであるにもかかわらず、本人は否定しているんですよ。私はやっていない、何が悪いんだと開き直っているわけでしょう。それで、中国に行ったときのあれを見ればわかるじゃないですか。また尖閣に行くということを言っているわけですよ。全然反省していないじゃないですか。反省の色ゼロ。

 では、わかりやすく言いますよ。国内でパトカーに二台体当たりしたやつが公務執行妨害で捕まったとするでしょう。私はパトカーになんか体当たりしていないよ、またぶつけてやるよと言っているやつを勾留途中に釈放するということはありますか。では副大臣、一般論でいいや。

小川副大臣 一般論とすれば、犯罪事実があったかなかったかということを明らかにするのが捜査の一番の目的でございますが、犯罪事実があったかなかったかということは、本人が否定していても、客観的な証拠から一〇〇%あるいはほぼ間違いなく明らかになることは、これはよくあることであると思います。

平沢委員 よくわかりませんけれども、今回のケースは、本人が否定しているわけだから、悪質性が極めて高いわけでしょう。そういう中で勾留請求したんでしょう。そんなこと言うなら、勾留請求、延長請求しなくたってよかったじゃないですか。勾留延長したのは、引き続き取り調べる必要があるということでしょう。本人は反省していない、本人は認めていない、だから延長したんじゃないですか。

 だけれども、何で急に途中で、処分保留で釈放ということになったか。それは、あれでしょう、国際関係とか、それが理由なんでしょう。副大臣でいいですから、副大臣、正直に言ったらどうですか。そういうことでしょう。

小川副大臣 ですから、捜査は、本人が否定しているから、では自白をとるためだけにやるのかということではないわけでありまして、さまざまな状況に応じて、さまざまな観点から、あらゆる視点に立って捜査を遂げなければならないわけでございます。

 ですから、そうした視点で、十分な捜査がまだ終わっていなくて、なお捜査を続ける必要があったから延長したということでございます。

平沢委員 では、処分保留で釈放した時点では捜査は終わったんですか。副大臣、捜査は終わったんですか。だから、もう捜査の必要がないから釈放したんですか、今の副大臣の答弁だったら。

小川副大臣 身柄を拘束して捜査をする必要がなくなった、今後の捜査のために身柄を拘束する必要がなくなったと判断したということでございます。

平沢委員 身柄を拘束して調べる必要がなくなったと。

 では、身柄は拘束しないけれども、引き続き捜査を進める、こういうことでいいですか。

小川副大臣 まだ最終的な処分はしておりません。最終的な処分をするまでの間に、捜査する事項が、必要な捜査があれば捜査を行いますが、その点については今後の対応でございまして、必要があれば捜査はいたします。

平沢委員 必要があればって、だって、そもそも勾留の延長を請求したんでしょう。それで、今副大臣が言われたじゃないですか、要するに、もう身柄を拘束して捜査を続ける必要がなくなったと。だったら、身柄を釈放した、しかし捜査を続けなきゃおかしいじゃないですか。ちょっと副大臣の言う答弁は違いますよ。

 だから、捜査は引き続きやらなきゃならないけれども、身柄を拘束する必要がなくなったと言ったんですよ、今。そうでしょう。要するに、身柄を拘束してやらなくたって任意で捜査はできる、だから釈放したんだ、こういうことでしょう。

小川副大臣 捜査というのは、被疑者の直接の取り調べだけではなくて、この事件にかかわるさまざまな事実関係、事件に関するさまざまな状況を調べるのが捜査でございます。

 ただ、この被疑者に関しましては、身柄を拘束した上で捜査、つまり、捜査そのものの、広い意味での捜査は継続しますが、被疑者の取り調べという観点に関しての捜査につきましては、なお身柄を拘束してまで捜査を継続する必要がないという意味でございます。

平沢委員 では、捜査は続いているということでいいですね、捜査は続いているということで。副大臣、捜査は続いていると。

小川副大臣 ですから、まだ最終処理していませんので、事件は継続中でございますので、広い意味では捜査は継続中でございます。

平沢委員 相手はもういなくなっちゃったんですよ。相手はいなくなっちゃった。それでどうやって捜査を継続するんですか、相手の身柄がないのに。本人はもう中国に帰っちゃったんですよ。

 だから、拘束してやらなきゃしようがないわけでしょう。にもかかわらず、相手はもういなくなって、中国に行ってVサインなんか出している。これをどうやってこれから捜査を続けるんですか。(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛に。

小川副大臣 ですから、委員は、捜査を被疑者の取り調べだけに限定して捜査というふうに言っておられるから、私と食い違いが出ると思うんですね。

 私の方は、捜査というのは、被疑者の取り調べだけでなくて、この事件にかかわるさまざまな状況をまさに調べるというのが捜査だという観点で申し上げておるわけでございます。

平沢委員 ちょっとよくわからないけれども、これは、船長が日本の海保の船に体当たりした、その船長を逮捕した事案ですよ。だから、当然のことながら、それに関連することを調べるのはこれは当たり前ですけれども、まずは船長がいなかったらどうにもならないじゃないですか。今、このまま捜査は継続するといったって、関連のことを調べたって、船長がいないんじゃどうにもならないじゃないですか。これは、船長の刑事責任を問うかどうかが今問題になっているわけですから。

 何か、今の副大臣の話だと、別にいなくたって捜査はできるようなことのように聞こえますけれども、船長の刑事責任をどう問うかというのが今の捜査でしょう。その本人がいなくなっちゃったら、これはどうやってやるんですか。おかしくないですか。何をやるんですか。

小川副大臣 ですから、船長についての、身柄を拘束しての取り調べに関しては必要はなくなったという判断でございます。

平沢委員 全くよくわかりません。まあ、これ以上やっていても、副大臣も苦しい答弁でしょうからやりませんけれども。

 では、大臣に聞きますよ。別な角度から聞きます。

 検察が、我が国国民への影響、日中関係を考慮した、こういうことを言っています、それを考慮したと。恐らくこれが大きく影響したんでしょう。今まで国会で何百回、何千回、何万回と、検察当局は法と証拠に基づいてやると言っていた。ところが今度は、法と証拠だけじゃなくて、外交判断まで出てきた、政治判断も出てきた。これは、今までの答弁、今までの検察のやり方をがらっと変えることになるんです。こんな外交判断まで検察がやって、検察、大丈夫ですか、そんな権限まで与えちゃって。大臣、それは大丈夫ですか、与えて。こんなことできますか。ちょっと大臣、答えてください。

柳田国務大臣 検察官が勾留中の被疑者を釈放する際に考慮し得る事項については、法律上特に規定が設けられているわけではありません。そして、勾留は捜査のためになされているものでありますから、起訴、不起訴の判断をする際に考慮することが、刑事訴訟法二百四十八条の中で考慮できるというふうに考えております。

平沢委員 これは全く答えになっていませんよ。私が聞いているのは、検察が刑事処分をするに当たって、外交問題まで持ち出していいんですかということを聞いているんです。

 では、例えばですよ、わかりやすく言います。アメリカの兵隊が沖縄で犯罪を犯したとします。日本の検察が、日米関係に影響が出る、あるいは基地問題に影響が出るということで捜査を一定の方向に持っていくなんということも許されるということですよ、今言っていることは。こんなことはできるの。

 警察とか検察は、あくまでも法と証拠に基づいてやるのであって、日米関係が悪くなるから、基地問題に影響が出るから、米兵が犯罪を犯したけれども、これは見逃してやろうとか、これは適当にやってやろうとかということはできるはずがないじゃないですか。それと同じことを今言っているんですよ、これは。だって、何でも判断できると言っているんだから。そんなことを検察ができたら、法と証拠以外のことで判断ができたら、検察はどのようなことでもできるということになっちゃいますよ。ちょっと答えてください。

柳田国務大臣 被害の程度また計画性以外に、引き続き身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係などの事情を考慮しと、ここが問題だとおっしゃっているわけですよね。(平沢委員「そのとおりです。ですから、できるんですかと聞いている」と呼ぶ)

 ですから、先ほど……(平沢委員「では、日米関係もできるんですね」と呼ぶ)先ほど御答弁しましたように、二百四十八条に基づいて総合的に判断をした結果だと。同時に、こういうことも判断の材料にできるというふうに私たちは考えております。

平沢委員 これは重大な答弁なんですよ。今まで、検察は、警察は、法と証拠に基づいてということをずっと言ってきたんです。今大臣が言っているのは、総合的な判断に基づいて刑事処分ができるということになった。ということは、法と証拠以外にいろいろなことが加わると。だから私の質問に答えていないんです。

 だから、副大臣はいいから、大臣、アメリカ兵が沖縄で犯罪を犯したときに、これは当然、日米関係に大きな影響が出ますよ。基地問題にも大きな影響が出ますよ。これは当然のことながら、日米関係、基地問題を判断して、検察は捜査のさじかげんをしていいんですね、これをちょっと聞いているんです。

柳田国務大臣 仮定の問題にお答えするわけにはいきませんけれども、私たちは、二百四十八条のことで、いろいろと、今後の事情でしたっけ、ちょっと今置いてきて忘れましたけれども、考慮できる、そういうものに基づいて判断をしたものです。

 ですから、検察当局においては、おっしゃるとおりですよ、法と証拠に基づいて、引き続き被疑者の身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係などの事情を考慮し、被疑者の釈放を決定した、私はそのように思っています。

平沢委員 私の質問にきちんと答えてくれていないんですよ。

 大体、そもそも二百四十八条、これが処分保留での釈放に適用になるかどうか、私はこれは疑問だと思いますよ。これは、起訴便宜主義だけれども、公訴を提起するかしないかの条文ですから。これは……(発言する者あり)ちょっと黙ってください。そういうことなんですから。

 ですから、私が聞いているのは、もしこれが検察当局が処分を決めるに当たって外交関係も判断できるということになったらば、これから日本国内で、中国人が犯罪を犯すことはいっぱいあるでしょう、アメリカ人が犯罪を犯すこともいっぱいあるでしょう、特に沖縄は基地問題で非常に微妙ですよ。これから沖縄でアメリカ人が何か犯罪を犯したときに、これは基地問題とか何かに大きな影響が出ます。そういったときに、今の大臣の御答弁だと、二百四十八条に基づいて総合的に判断するんだから、当然可能だ、そういったことも考えて検察は刑事処分することが可能だということになりますよ。これでいいんですか。法と証拠以外の要因を入れていいんですか。これをやったら、今後大変なことになりますよ。

 だから、答弁は大臣に聞いています、大臣に。要するに、あくまでも法と証拠以外のこんな要因を加えていいのかどうか。大臣に。

柳田国務大臣 もう既に御存じだと思いますけれども、二十三日の日に外務省の職員から説明を受けた内容も含めて、捜査の結果、法と証拠に基づいて被疑者を釈放すると決定した、私はそういうふうに聞いております。

平沢委員 全然答えてくれないんですよ。

 大臣、那覇地検が、次席検事が記者会見をやっているでしょう。その中で言っているのは、加えて、引き続き被疑者の身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮いたしますと、これ以上被疑者の身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した次第でありますと。これは検察が判断したんです。

 こんな判断を検察にさせていいんですかということを言っているわけですよ。これはおかしくないですか。こんな判断を検察ができるんだったら、何度も言いますけれども、これからいろいろな国の外国人が犯罪を犯すでしょう、そのときに、その国との関係を考えて、検察はいろいろな処分ができるということになっちゃいますよ。これは極めて大きな影響が出ますよということを言っているわけですよ。大臣、おかしくないですか。

柳田国務大臣 理解がちょっとかみ合っていないもので、大変申しわけないんですけれども……(平沢委員「いや、大臣がはぐらかしているからでしょう」と呼ぶ)私は、はぐらかしているつもりはないんですけれども。

 検察当局においては、被疑者の釈放に当たり、犯罪後の状況の一事情として日中関係等を考慮したというふうに私は承知いたしております。(平沢委員「ですから、それはいいんですかということを聞いているんです」と呼ぶ)ですから、それを承知させてもらっておりまして、ですから、那覇地検はああいうコメントを発表したもの、私はそう思っております。

平沢委員 これはかみ合わないから、やっていても大臣はまともに答えてくれないから、あれをやってもしようがないけれども、こういうことを検察に判断させていいんですか。外務省の課長を呼んだんでしょう、それでいろいろ事情を聞いた、日中関係を考えた。それは政治が判断することじゃないですか。それを検察が判断したと。おかしくないですか。

 何度も言いますけれども、検察が、捜査機関がこんなことを判断できるんだったら、検察は何でもできますよ。これは検察国家、警察国家になっちゃいますよ。あくまでも、そこは法と証拠で、あと、それに加えて外交とかいろいろな配慮があるんだったら、それこそ別な形でやればいいじゃないですか。指揮権だっていいじゃないですか、出したって。別な形でやるべきであって、これを検察、捜査当局に判断させるなんという前例をつくっちゃったら、これから大変なことになりますよ。これは警察だって政治判断でやっちゃいますよ、警察だって。それはそうでしょう。あくまでも、捜査当局は法と証拠に基づいてやればいいんですよ。

 それに、余計なことを考えちゃだめなんです。日米関係が悪くなると、これから沖縄の普天間の基地の移転に影響が出る、今ここで事件を公にしたら普天間の移転に大きな影響が出るから、この事件を抑えようとかなんかという判断を、検察、捜査当局がやっていいんですか。だめなんですよ。それは、あくまでも事件は事件として、法と証拠に基づいて捜査当局は淡々とやるべきなんですよ。あとは、それは、もしいろいろな問題が外交的にあるのであれば、これは政治が責任を持ってやるべきことじゃないですか。大臣、もう一回答えてください。

柳田国務大臣 私の理解と平沢委員の理解が大分違うということはだんだんわかってまいりました。

 ただ、平沢先生が今回の件について、私に政治判断すべきだったと。(平沢委員「もしやるならばですよ」と呼ぶ)もし政治判断をするんだったら、私がやれという御質問なんでしょうか。

平沢委員 では、大臣にお聞きしますけれども、指揮権発動というのがあります。指揮権発動は昭和二十九年ですか、与党が自分のところの幹事長が強制捜査になるのを阻止するために使ったものだから、非常に悪い印象を与えていますけれども、民主主義のプロセスとしては、検察の暴走を抑えるために、選挙で選ばれた、あるいは選挙で選ばれた内閣の一員である法務大臣がそれなりの権限を行使する、そして、検察の暴走にストップをかける、これは決して悪いことじゃないんですよ。これがなかったら、検察は何でもできるということになっちゃいますよ。だから、私は、悪いイメージがあるけれども、適正にブレーキをかけて、後は選挙で選ばれた政治家が国民の審判を問えばいいわけだから、これを検察、捜査当局に、こんな判断をさせていいんですかということを聞いているわけですよ。

 だから、指揮権発動があったっていいじゃないですか。あとは、国民の皆さんに、日中関係は大事なんです、このままいったら大変なことになります、検察の判断を超えています、だから政治家が判断しますと言ったらいいじゃないですか。実際そのとおりだったんでしょう。恐らく、検察はその意を酌んでやったんでしょう、これは。ダイレクトかインダイレクトかは別にして。

 だから、そこは大臣が、本来はそうあるべきだったと言われたらいいじゃないですか。これを、検察に責任をおっかぶせる、検察に責任転嫁させる。一那覇地検に日中関係なんて考えられるはずがないじゃないですか。捜査に日中関係を持ってくるなんということは、専門家でもない検事がやるなんということは、越権行為も甚だしいと思いますよ。検察はあくまでも、六法全書を見て、法律と証拠に基づいてやればいいんですよ。

 だから、何度も言いますけれども、こういうことを言ったのはおかしくないですかということを聞いているんですよ。大臣に聞きたい。大臣の見解。

柳田国務大臣 約一月ぐらい、るるいろいろなところでお話をしていますので、総合的に判断した結果だというのは、もう私の主張は御理解をしていただいているものと。それが正しいか間違いかは別問題ですが。

 先ほど平沢委員がおっしゃっていたように、この検察の、地検の判断が間違いだったら、指揮権を発動すればいいじゃないかとおっしゃるわけですね。私は、間違いじゃない、わかったという認識でそのまんましただけなんです。指揮権発動ということについていろいろ意見があるんだったら、指揮権について議論をするのはやぶさかではありませんけれども、私は、指揮権というのはあくまでも慎重にやるべきだ、そういう思いでやっています。

平沢委員 私は、これは検察に、一那覇地検にこういった判断をおっかぶせる、責任をおっかぶせるのは、余りにも酷だというか、もうこれはやるべきじゃないと思うんです。

 では、ちょっと大臣にお聞きしますけれども、大臣、大津事件というのは御存じですよね。

柳田国務大臣 約三週間以上前になりますか、少しかじったことはあります。今、内容を定かに全部しゃべれといったら、記憶には少ししか残っていません。

平沢委員 当時、政府は、大審院に物すごい圧力をかけたんですよ、これは明治時代ですけれども。それを検察は、政府の圧力をはね返したんですよ。そして、あれはロシアの皇太子でしたか、皇太子が来たときに、それを死刑にしろというのを、当時の大審院の児島惟謙、これが圧力をはねつけたんですよ。その気概。明治の方がもっと気概があったんじゃないですか、検察は、司法は。今の……(柳田国務大臣「検察じゃないでしょう」と呼ぶ)いや、だけれども、同じあれだから法務大臣に聞いているんだよ。

 法務大臣、検察がこんな政治判断、外交判断をやっていいと大臣は言っているんですか。おかしくないですか、これは。

柳田国務大臣 だから、そこが平沢委員と私の理解の違うところでございまして、何度も繰り返し同じことを答弁させてもらっていますが、総合的に判断した結果、那覇地検が処分保留で釈放されたものですと。そこに対して政治介入があったのかないのかとよく質問されますけれども、私たちはやっておりませんと。その結果に対して、では、おまえは指揮権を発動しろと言われたら、私は、指揮権を発動しませんでしたと答えているだけなんですけれども。

平沢委員 そうじゃなくて、那覇地検が総合的に判断して処分を決めたのはおかしくないですかと言っているんですよ。

 法と証拠だけでやればいいものを、今、大臣言われたでしょう、総合的に判断したと。これがおかしいんじゃないですかということを繰り返し繰り返し言っているんだから、それに答えてくださいよ。いいんですか、法と証拠以外のいろいろな問題を考えて。

柳田国務大臣 ですから、二百四十八条、先ほど来から、従来からずっと申し上げているとおり、それも含めて総合的に判断した結果だと。私は、法と証拠に基づいて以外の判断をしたものというふうには認識をいたしておりません。

平沢委員 要するに、大臣が言っておられるのは、捜査当局は法と証拠以外のいろいろな状況を総合的に判断してやっていいんだ、だからそこに外交判断も入るんだ、そういうことでしょう。(柳田国務大臣「以外は入っていないと言っているじゃないですか。以外は入っていません」と呼ぶ)だから、外交判断も入るわけでしょう、当然。だから、アメリカ兵とか何かの犯罪のときも当然そういうことを判断してもいいことになるでしょう。まあ、これ以上大臣とやってもしようがないけれども。

 それで……(柳田国務大臣「いや、ちょっと、間違いがあったら困るので」と呼ぶ)

奥田委員長 柳田法務大臣。

柳田国務大臣 私は、法と証拠以外にと言った覚えはありません。法と証拠に基づいて判断をなされたものだ、そういうふうに申し上げております。

平沢委員 だって、那覇地検のプレスリリースで言っているじゃないですか、さっきから言っているように。地検が記者会見で言っているんですよ。何を今回の釈放について考えたかといえば、日中関係、我が国国民への影響を考えたと言っているじゃないですか。だから言っているんですよ、さっきから。(柳田国務大臣「だから、二百四十八条」と呼ぶ)二百四十八条でできるかどうかという問題はまた別途やりますけれども、これがおかしくないですかと言っているんだけれども、では、まあ、いいです。これはまたやりますよ、時間がもうないから。

 きょうはいっぱいおいでいただいて申しわけないです。ちょっと大臣の答弁がはっきりしないものだから。

 まず、ビデオ。大臣、ビデオは見たんですか。

柳田国務大臣 何のビデオでしょうか。

平沢委員 大臣、ばかにしないでくださいよ。海上保安庁のビデオに決まっているじゃないですか。今、この時間で、これを議論していて、ビデオって何か。ほかのビデオであるはずがないじゃないですか。いいかげんにしてくださいよ。(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛にお願いいたします。

柳田国務大臣 海保が撮影したビデオは見ておりません。

平沢委員 官房長官は見たと言っている。それで、これは今、予算委員会も決議してビデオを見せろということを言っています。だから、法務委員会も委員会でぜひ決議してもらいたいんですけれども、委員長、お願いしますけれども、このビデオを見るように。

 それで、法務大臣、見ていないですね。見ていないでこの問題についていろいろ議論できるんですか。法務大臣は、やはりこの問題の最高責任者なんですよ。だったら、法務大臣は見るべきじゃないですか。見ていないというのはおかしくありませんか。これだけ国際的に大問題になっていて法務大臣が見ていないとしたら、おかしくないですか。

柳田国務大臣 ビデオは見ておりませんが、局長の方から図面を、図ですね、こういうふうに海上保安庁の船が走っていて、漁船がこういうふうに来ましたという図面を、図を見ながら説明を受けました。

 ちなみに、私は造船の出でございまして、船の動きとかなんとかというのは、その図を見て教えてもらえれば私は理解ができるもので、それで十分だという判断をしたところです。

平沢委員 中国では、日本側が、日本の海保がぶつかってきたということも言われているんですよ、言っているやつがいるんです。

 では、大臣は、この説明を受けて、もうビデオを見なくたってわかると今言われたんですから、ぶつけたのは、中国の方が故意にぶつかってきたんですか、それとも日本の海保の方がぶつかったんですか、どっちなんですか。

柳田国務大臣 当然、漁船の方がぶつかってきたんです。

平沢委員 要するに、故意にぶつかってきたわけですよね。だから、極めて悪質な公務執行妨害でしょう。それを勾留延長して四、五日たったところですぐ釈放する、こんなことは通常あり得ない。それは、そこに那覇地検が……(発言する者あり)では、あるんだったらちょっと例を教えてくださいよ、こんな形で釈放する例があるのかどうか。

 では、副大臣でいいです。こんな形で釈放する例というのはあったんですか、過去に。

小川副大臣 個別の案件について逐一検察庁から法務省に報告を受けているわけではありませんので、具体的にお示しすることはできませんが、勾留延長期間中、犯罪事実が明らかであっても処分保留のまま釈放するということは、私が今この場で考えたら、例えば、起訴、不起訴は決められないけれども、被疑者のお父さんが亡くなっちゃって、逃亡のおそれもないから、では処分保留のまま釈放するというようなこともあるんじゃないかなと。だから、個別のケースであり得るんじゃないかとは思いますが。

平沢委員 それは、処分保留で釈放なんて幾らでもありますよ。

 ただ、私が言っているように、全然事情が変わっていない、そういう中で、今大臣が言われたように向こうが故意にぶつかってきたわけでしょう。悪質性が極めて強い。要するに、パトカーに体当たりしてきたわけですよ、二台のパトカーに。そういうことでしょう。そういう犯人を、しかも逃亡のおそれもないというわけじゃないです、すぐ帰っちゃったじゃないですか。これはおかしくないですか。これはまたやります。

 それで、きょうはいろいろ来てもらっているんですけれども、国土交通省、向こうから迎えのチャーター機が来て石垣空港から帰っていったんですけれども、石垣空港というのは午前八時から午後九時までしか使えないんですよ。わざわざ夜中にあけてチャーター機に使わせた、この理由というのは何なんですか。

三井副大臣 お答えさせていただきます。

 今、平沢先生からの御質問でございますが、那覇空港に係るものについては、これは……(平沢委員「那覇空港じゃない、石垣空港」と呼ぶ)石垣空港は、燃料の補給業務を行っているというところでありますから、現在、燃料については請求手続をしているところでございます。

平沢委員 いやいや、そんなことは聞いていない。そうじゃなくて、なぜ時間が決まっているのに真夜中にあけてわざわざ空港を使用させてやったんですか。朝まで待てばいいじゃないですか。

三井副大臣 これは、石垣空港の場合は、いずれにしましても、時間が、今平沢先生から夜の九時までということをおっしゃいましたね。この間は、石垣空港は別に時間制限なくあけていると。

 それで、事実関係を申し上げますと、このときは、石垣空港は、特別機が来た場合は、十一時一分に石垣空港に那覇空港から到着しているんですね。その後、石垣経由でまた那覇空港に行って、それから中国に戻っているということでございますから、特に今の規定の中では、先生がおっしゃったようなことは、特にあけたことについては問題ないというぐあいに解釈しております。

平沢委員 私の質問に答えていないですよ。

 私が言っているのは、要するに、石垣空港は朝八時から夜九時までと決まっているのに、その時間待ってもらって使わせればいいじゃないですか。それを何でわざわざ真夜中、空港をあけるということは、管制だとかいろいろな職員が必要になってくるわけですよ。だから、向こうからチャーター便が飛んできた、石垣空港が使える時間に来てもらえばいいのに、真夜中に使わせるということになると、当然のことながら、大勢の人数が要るわけですよ。

 だから、何でそんなことをわざわざ許可したんですかと聞いているわけだから、なぜか、そこだけ答えてくれればいいんですよ。

三井副大臣 お答えいたします。

 これは外務省からの要請がございまして、空港をあけたということでございます。

平沢委員 真夜中でもあけてくれということを外務省が言ったわけですね。(三井副大臣「そうです」と呼ぶ)そういうことですか。(三井副大臣「はい」と呼ぶ)

 では、今度は外務省。何で真夜中、オープンの時間でよかったじゃないですか。外務省まで飛び火すると思わなかったけれども、外務省、ちょっと答えてください。

山花大臣政務官 申しわけございません。私も飛び火してくると思っておりませんで、ちょっと事実関係を今の御指摘を受けて調べさせていただいております。

平沢委員 では、調べてもらって、後刻教えてもらいたいんですけれども。

 では、国土交通省。この空港の着陸料、それから燃料代、これはどうなっているのか。

 それから、二十五日に来ましたね。船長を連れて帰りましたね。十三日も、十四人の乗組員で来ているわけでしょう。だから、二回あるわけでしょう、チャーター便が来たのが。十三日それから二十五日ですか、この二回にわたって、石垣空港の着陸料、それから、当然のことながら燃料を補給していると思いますけれども、その燃料代、これはどうなっているんですか。

三井副大臣 お答えいたします。

 先ほども一部申し上げましたけれども、着陸料等については、石垣空港の管理者、沖縄県がこれを管理するということで、着陸については免除されているということでございます。それから、燃料代については、現在、請求手続を行っているところでございます。

平沢委員 では、燃料代はちゃんと取るんですね、これは間違いなく。取りますね。(三井副大臣「取ります」と呼ぶ)はい。

 では、時間がもうありませんから、最後に外務省にお聞きしたいんですけれども、クリントンさんと前原さんが会ったときに、尖閣は日米安保の第五条の適用対象だと言っていますね。これは外務省にお聞きしたいんですけれども、アメリカはまだ領有権は認めていないんでしょう。ただ実効支配しているから、施政権があるから、要するに日米安保の対象だ、こう言っているわけでしょう。どっちなんですか。それをちょっと確認させてください。

山花大臣政務官 会談の中なんですけれども、従来から米国は、尖閣諸島に日米安保条約が適用されるという立場でございまして、正確に申し上げますと、尖閣諸島は我が国固有の領土であるというふうに我が国は申し上げておりまして、その上で、日米安保条約第五条による「日本国の施政の下にある領域」である、したがって日米安保条約第五条は尖閣諸島にも適用されるという中身でございます。

平沢委員 そうすると、万々が一、徐々に徐々に、いわば実効支配が万が一移ってしまったと仮定した場合、そうしたら、これは日米安保条約の適用対象にはならないんですか。だって、中国はそこをねらっているわけですから。

山花大臣政務官 大変恐縮ではございますけれども、仮定の話について特定の国に対してのお答えをすることは差し控えさせていただきたいとは思いますが、ただ、安保条約上、武力攻撃があった場合には、自国の平和及び安全を危うくするものであると共通に認識をして、共通の危険に対処するよう行動するということになっているものと承知をいたしております。

平沢委員 外務省、もう一度確認させてください。

 尖閣は日本の領土である、日本が領有権を持っているということをアメリカは言ったことがあるんですか。

山花大臣政務官 この問題についてクリントン長官からの発言というのは、日米安保条約第五条が尖閣諸島に適用されるという米国の立場について発言があったと承知をいたしております。

平沢委員 そうなんですけれども、過去にでもいいですから、今まで、日本の領有権がある、日本の領土であるということをアメリカは、今回の前原さんとクリントンの会談以前でもいいですから、そんなことを言ったことはあるんですかと聞いている。

山花大臣政務官 尖閣につきましては、我が国は我が国の領土であるという主張を従前からいたしておりまして、それを前提にした上での会談の中身であったと承知をいたしております。

平沢委員 全然答えになっていないですけれども、もう時間が来たから終わりますけれども、ちょっとよく調べておいてください。

 それから大臣、この二百四十八条、私はこれは大変なことになると思いますよ。検察にこんな外交判断とか何かさせて捜査させるなんということになったら、これは日本は大変なことになると思いますよ。今までの捜査のあり方を抜本的に変えるようなことを認めているわけでございまして、大臣は、二百四十八条、二百四十八条と金科玉条のように言っておられますけれども、こんなことで総合的判断なんということを捜査がやって、そうしたら、これからアメリカ兵の犯罪が沖縄で起こったら、みんな日米関係を理由にして適当にやればいいということになっちゃいますよ、これは。

 私は、これは大変な問題だということを指摘させていただいて、きょうは東副大臣や古川副長官も本当に申しわけございません。時間がちょっと足らなくなり、ごめんなさいね。これはカットします。いずれにしましても、また大臣にはこの問題をお聞きしたいと思います。

 質問を終わります。

奥田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。稲田朋美君。

稲田委員 自由民主党の稲田朋美でございます。

 柳田法務大臣、御就任おめでとうございます。本日、初めて大臣に質問をいたします。

 朝の質疑を聞いておりまして、特に我が党の平沢委員と大臣とのやりとりを聞いておりまして、私は大変残念に思いました。大臣は、かみ合っていないというようなことをおっしゃったんですけれども、私は、やはり今回の尖閣の問題、中国船長の釈放というのは、逮捕に踏み切り、勾留延長をし、それに対して中国側が、日中の交流はとめる、そして中国の温家宝首相が国連で抗議の演説をする、そしてまたレアアースを禁輸される、あげくの果てに我が国の同胞四名が拘束をされて、まともな情報も得られないという状況に立ち至って、これからの日中関係ですとか、我が国の同胞、国民に対する影響、まさしく、本当にもう国益、重大な判断に迫られて、そして釈放という決断をしたと思います。

 私は、そういった重大な、我が国の国益そのものである外交判断であり政治判断、これを検察当局にゆだねるということはおかしいし、検察当局がそれを独自にやったとすれば、それは越権行為であり、まさしく政治主導を訴えて政権をとられた民主党政権であるなら、総理もしくは法務大臣、そういった責任をとれる立場にある政治家が判断をすべきである、このように認識をしております。

 その点について大臣に何回も平沢委員が尋ねたんですけれども、それに対して、ずっと大臣は同じお答え、刑事訴訟法二百四十八条で総合的に判断をして検察が釈放したんだという答弁を繰り返されたことに、私は大変残念な思いをいたしました。ただ、これは本当に見解の相違でもありますし、これからの課題だろうと思いますので、質問はいたしません。

 さて、平沢委員から冒頭御指摘がございましたように、岡崎大臣に対して、私は、岡崎大臣の二〇〇三年の反日デモの問題をお伺いするということを質問通告いたしましたら、その問題と日本の治安との関係がない、だからこの委員会には来られないんだということをお伺いいたしまして、私は大変驚きました。やはり、反日デモとそして我が国の治安というのは密接な関係があって、その点について質問をすべきだと思っているからです。

 さらに、その質問の内容を事前に知らせて、そしてそれを個別に関係があるかどうかを精査したいというお申し入れもありましたけれども、やはり、私は本当に、我が国で最高の言論の府である国会で質問をする権利を事前に制限される、これはおかしいことですし、それはひいては国民の知る権利を侵害することであり、我が国の民主主義の根幹を揺るがすものであると考えております。

 大臣、来ていただきましたので質問をさせていただきます。

 まず、代表質問でも私は菅総理にお伺いをいたしました二〇〇三年の大臣の反日デモのことについてでありますけれども、これに対して、菅総理の答弁は、「本人も、過去の言動に配慮に欠けた面があり、誤解を招いたことについて深く反省し、以後注意しており、内閣の方針に従って職務に邁進していくという旨を表明されております。」このように答弁をされたわけでありますけれども、この二〇〇三年のデモはいかなるデモで、また、大臣はどのような趣旨で参加をされたのか。具体的な事実についてお伺いをいたします。

岡崎国務大臣 稲田議員にお答えをいたします。

 二〇〇三年、私が韓国に参りましたのは、慰安婦とされた過去の戦争の問題に関して、人の心が大変踏みにじられていた。私どもは、日本の中で、戦後の問題、過去の問題について取り組むことが大切だというところで、私たちの活動を説明に参りました。その場所では、韓国全土から慰安婦とされたおばあさんたち、被害者の皆さんたちがそこに集まってこられるということで、私はその報告の場に参加をしたということでございます。

稲田委員 今おっしゃった報告の場に参加をされた、それは公務として行かれたんですか。

岡崎国務大臣 私は、一応自分の旅費で参りましたけれども、参加したときには、空港の送り迎えといったものについては、もちろん公用車を使用させていただきました。その場に行きますのは、たまたまタクシーであったということでもございます。

 これは、国会の活動について報告に行くというふうなことでございまして、あくまでも活動の報告だというふうに思っております。

稲田委員 大臣が行かれた場所ですけれども、そこは日本大使館の前であり、そこでデモをやっていた、日本政府を糾弾するデモをやっていたというふうに報道されておりますが、間違いはありませんか。

岡崎国務大臣 戦争の被害に遭った皆さんたちからしますと、自分たちの要求について、その中でぜひ自分たちの願いを聞いてほしい、そういう気持ちの場だったというふうに思っております。

稲田委員 そこに大臣が行かれたのは、国会議員として行かれたのか、私人として行かれたのか、いずれでしょうか。

岡崎国務大臣 国会議員として参りました。

稲田委員 新聞によりますと、「社民、共産など他の女性議員三人も一緒だが、日本大使館前デモには、岡崎議員だけが参加した。」このように報道されておりますけれども、間違いはありませんか。

岡崎国務大臣 たまたま報告の場に参りましたのは、社民党、共産党の方もでしたけれども、私はその場におくれまして、お二人たちは帰ってしまって、私がその場に、最初の報告会の方に私は出ていない、その日は皆さんもうお帰りになった、残ったのは私だけだったというふうに思っております。

稲田委員 今の、その場とか、おくれてとかということがちょっと具体的にわからないんですが、ソウルの日本大使館前で、平成十五年二月十二日、いわゆる慰安婦と言われている方々の反日デモに参加をしたのは岡崎大臣だけなのか、ほかの女性議員三人も参加されたのか。どうですか、どちらですか。

岡崎国務大臣 私だけが参加いたしました。

稲田委員 国会議員として、いわば大使館で行われているところのいわゆる従軍慰安婦の反日デモに岡崎大臣だけが参加をされた、そのような事実でいいですか。

岡崎国務大臣 たまたま、あとの二人は日程が合わなかったために帰ったと思います、帰国されたと思います。

稲田委員 その日本大使館の前で行われているデモの場で、日本反対、それから国旗にバッテンのついているポスターが掲げられていたことを大臣は御存じでしたか。

岡崎国務大臣 私は全く知りませんでした。

稲田委員 それはおかしいですね。西田議員が予算委員会でも提示をされたと思いますけれども、新聞の中に、日本の国旗にバッテンをしたポスターの前で大臣がたたずんでいらっしゃる写真があります。そしてそこに、「ソウルの日本大使館前で十二日、「日本反対、挺対協」などと書かれたポスターを掲げる韓国の慰安婦問題の反日デモに参加する岡崎トミ子・民主党議員」というキャプションがついております。この写真を大臣は見られたことがないんですか。

岡崎国務大臣 七年前の新聞、よくわかっております。でも、私、全然わからなかったんです。私の後ろにそのものがあった。あのところで説明をしますと、おばあさんたちがいすに座って前にいらしたわけですけれども、そこがほとんど写されていなくて、そして私とその、私は新聞の報道を見て初めて知りました。

稲田委員 それに対して、大臣はこの写真について抗議をされたんですか。

岡崎国務大臣 いたしません。

 私は別に、後ろにあったかどうかというのは本当にわからない状況でした。

稲田委員 この写真を見たら、だれもが、しかもこの写真は世界じゅうに配信されて、すべての世界じゅうの人が、あなたが日本大使館の前で慰安婦問題で政府を糾弾する反日デモに参加している写真そのものと認識をするわけであります。これを知らなかったというのは通りませんよ。答弁してください。

岡崎国務大臣 結局、私がどういう状態で行ったかということを説明しなきゃいけないと思うんですけれども、私がその場に着きましたときにはもう態勢が整っていて、そして、手を引っ張られるようにしてその位置に着いたときに、周りを見る、そんな余裕はまるでありませんでした。本当にわからなかったんです……(発言する者あり)いや、わからないんですよ。後ろにあったんです。見解が違います。

稲田委員 そんな言いわけ、だれも信じません。何枚も写真があるんです。そして、大臣は、いわゆる慰安婦の方々の前で、マイクを持って何らか演説をされていたり、そして慰安婦の方々に話しかけたり、そちらの方を向いて大きな声を出したり……(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛に。

稲田委員 そういった写真が載っていて、しかも新聞の中で、反日デモに参加する岡崎トミ子議員だの日本政府を糾弾する岡崎トミ子議員だの、そういうキャプションがついていて、それに対して抗議もせずに、ずっとそのまま認めているということは、まさしくそのとおりだからじゃないんですか。

岡崎国務大臣 私は、報道されたことについてはそうなんだなというふうに思いましたけれども、私自身は、全く日の丸にバッテンは無関係でございます、私にとりましては。

 私は、日の丸・君が代、日本の国のそうした国旗・国歌に関して、大変みんなが尊重しているということを私も大事だというふうに考えておりますので、そのときには、そのようなことがまるで見えなかった、わからなかった、そういう状況は間違いございません。

 もう少し何か別なフィルムででも見れば、私がどの目線でどこにいたのかというのがわかるだろうと思いますけれども、全くわからなかったので驚いたんです。

稲田委員 だとすれば抗議をすべきだし、そして、この問題があなたが日本に帰ってきてから民主党内でも問題になったのであれば、こういった誤解、あなたが言う、見ていないのであれば、この写真について抗議するのが政治家として普通じゃないですか。何も抗議をしないで、知らなかったというのは通りませんよ、こんなこと。

岡崎国務大臣 つまり、そういう点について、誤解を与えたということについて反省をしているんです。そのことを御理解いただきたいというふうに思っております。

稲田委員 今の、反省をしている内容ですけれども、では、写真を撮られたことに抗議をしなかったことを反省しているんですか。何を反省しているんですか。デモに参加したことは反省していないということですか。

岡崎国務大臣 誤解を受けたことについて残念だなと思って、その点、反省をしているということでございます。

稲田委員 その誤解について、どうやってあなたはその誤解を晴らすような行動を、どんな行動をとったんですか。また、その誤解を招いたことを気づいたのはいつなんですか。

岡崎国務大臣 私は真っすぐにみずからの国会における活動につきまして報告に行ったということでございますので、それで、真っすぐに、例えばマイクを持っておりましたのは、私どもの活動について報告をしていたことでございまして、それが私のすべてだったというふうに思いますけれども、その後でその写真がそのような結果になっていたというので、私は全く、本当に後ろのそのことについては私の責任ではございませんので。そういう思いの人たちが韓国の中にいたということですから、私には無関係でございます。

稲田委員 私の質問に答えていないんです。いつその誤解について気がつき、そして、その誤解を解くためにどんなことをしたんですか。(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛にお願いいたします。不規則発言は控えていただきたいと思います。

 岡崎委員長。

岡崎国務大臣 どの時点でといいますと、私は、真っすぐな自分の活動だというふうに当時は考えておりましたので、それで、報道で誤解をした方々がいらっしゃったので、それについて反省をしたということでございます。それ以上でもそれ以下でもございません。

稲田委員 だれが何についてどのように誤解したとあなたは考えているんですか。だれが何についてどのように誤解したのか。(発言する者あり)

 では、もう一回。だれが何についてどのように誤解をしたとあなたは考えているんですか。

岡崎国務大臣 例えば、やはり戦争で慰安婦とされてしまった、それは心ならずも七十年もそういう苦しみの中で生きてきた、当時はそこにいらっしゃる被害者の方々は御高齢で、大体七十から八十になんなんとする方、今はその方々が九十になんなんとする、そういう年齢の方々でございます。そして、どうしても、死んでも死に切れない、私の心はずたずたになっている、深い悲しみの中にいた、そういう皆さんたちに、本当に被害者に寄り添わなければいけない、そのときはそういう気持ちがあって行っておりますけれども、きょうは私の所管外の委員会でございますから、当時は、私たちが野党として法案を持っておりましたので、その内容も説明をしなければいけない、そういう状況でございました。

 ですから、私としては真っすぐその活動を行ってきたということなんですが、結果として、その報道がされました後で、誤解をするということで批判も受けましたので、その批判につきまして、私自身は当時の役職もおりて、そのことで責任もとって、活動をしばらくは、党の役員は停止をしたということでございます。

 ですから、だれがというふうに言われましても、私はよく、だれがという特定をすることが難しいので……(稲田委員「だから、何について」と呼ぶ)ですから、さまざま、すべて含めて……

稲田委員 誤解を招いたというのはあなたがおっしゃっていることですから、一体何に対する誤解を招いたのかと。何が誤解なんですか。あなたが反日デモに参加していたことは誤解でも何でもないじゃないですか。何が、そこにバッテンの日の丸があったことが誤解なんですか。

岡崎国務大臣 つまり、その報道によって、いろいろな考えの方々がもちろんいらっしゃって、その報道を見てさまざまに思った方々の中にもちろん誤解をされた、そういう活動だった、行動だったというふうに思って反省をしております。

稲田委員 誤解の内容が明らかじゃないのに、何を反省しているんですか。

 一体、何を誤解と考えて、何を反省しているのか。あなたが、韓国のいわゆる従軍慰安婦の反日デモ、日本の大使館に対する反日デモに参加したことは事実として間違いがないんですよ。

 では、何を誤解したんですか。趣旨ですか。

岡崎国務大臣 反日だと思われたことだというふうに思います。

稲田委員 だれが見たって反日なんですよ。だって、いわゆる従軍慰安婦の皆さんが大使館に向かって抗議のデモをして、そして、それにあなたが、反日デモに……(発言する者あり)

奥田委員長 御静粛にお願いいたします。

稲田委員 そのデモに参加したこと自体は間違いがないんですから、慰安婦の日本大使館に対する、政府への抗議デモに対してあなたが参加したことについては、だれも誤解はしていないわけです。

 ですから、そのデモに参加したことについて、あなたは反省をしているのかしていないのか、どちらですか。

岡崎国務大臣 私は、今でも思っておりますのは、あのときは七十代、そして今は九十になんなんとするおばあさんたちが、なぜそこで自分たちの要求を言わざるを得なかったのか、どんな人生を歩んできたのか、そういう被害者としての悲しみ、苦しみ、それが七十年以上続いているということ、そのことに対して、私はみずから過去の問題について取り組むことが大事だと考えてまいりましたし、被害者に向き合うということが大事だと考えてまいりましたので、その活動なわけなんです。

 でも、そのことが、その報道によって私の活動が反日だと言われたことが誤解だと私は思っております。私は反日の活動をしたつもりはございません。むしろ戦争の問題についてきっちりこたえていく。そして、この国が本当に世界の国々から、誇りを持つ国である、今でも誇りを持っておりますけれども、誇りを持つ国である、そのようにさらに思っていただける。私自身は、国益にかなうというふうな思いを持っております。(拍手)

稲田委員 何の拍手ですか。

 これは、あなたは、今の話を聞きますと、いわゆる従軍慰安婦の方々が被害者で、加害者は日本政府なんです。そして、日本政府に対して抗議のデモをし、謝罪と賠償を求めている反日デモに参加したことについては、それは事実としては全く認めているわけで、それが反日というふうに評価されたとしたらそれが誤解だというのであれば、何の誤解もないと私は思います。

 そして、日本政府を加害者だとし、いわゆる従軍慰安婦の方々を被害者とする抗議の反日デモに参加したことは、私は日本の国会議員としては適切ではないと思っておりますし、それが国益に合致するというのは、私はとても理解することができません。

 したがいまして、あなたがおっしゃっている反省というのは、全く反省になっていないわけです。私は、そういった方が日本の治安のトップにいらっしゃることは大変不適切だと思っております。

 質問をかえます。

 では、国家公安委員長、ただいま行われております中国の反日デモについて、どのように考えておられ、それについて何か日本国内で指示をされていますか。

岡崎国務大臣 こうした問題につきましては、きちんと法律にのっとって適切に対処するという所管の大臣もいらっしゃいます。それで私は適切に行われているのだというふうに思っております。

稲田委員 あなたは日本の国の治安のトップにいる大臣であります。私の今の質問は、中国で反日デモが起きていて、それが日本の国内の治安に関連することが十分考えられるので、それを国家公安委員長としてどのような指示を行っているのですかという質問です。

岡崎国務大臣 警備局におきましては、この公共の安全と秩序を維持するために、国の公安または利益に係る犯罪等の取り締まり及びこれら犯罪に関する情報収集等の事務を行っておりますので、こうした活動の内容に対して、警察活動としてはきちんと支障がないように行っているということでございまして、私自身がきちんと行ったということではございません。

稲田委員 だから、今のお答えを聞いておりますと、結局、中国の反日デモが日本の国内に影響を与えるのではないかということに関連して、国家公安委員長として、日本の治安のトップであるあなたは何も指示はしていないということなんですね。

 そして、いわば中国で今行われている反日デモ、それに、あなたの韓国における従軍慰安婦の反日デモ、いわば同じようなことなんですよ。大使館に向けてデモ行進をして、そしてそこで政府を糾弾する演説をする。まさしく同じ反日デモについてあなたは参加したということなんです。そして、今、中国の反日デモに対して、あなたは国内で何一つ指示もしていない。

 私は、日本の治安のトップとして不適切だと思いますので、辞任されることを求めます。(発言する者あり)

奥田委員長 稲田朋美君、続けてください。

稲田委員 岡崎大臣、これで終わりです。(岡崎国務大臣「では、一言」と呼ぶ)いや、求めていません。

 それでは、質問いたします。

 それでは大臣にお伺いいたしますが、大臣は、その韓国の反日デモにおいて一体何を主張してこられたのか、マイクを持って。そしてまた、あなたは従軍慰安婦に補償すべきだと考えておられるのか否か、また個人的な戦後補償をすべきだと考えているのかどうかについてお伺いをいたします。

岡崎国務大臣 所管外の委員会で、しかも議員立法で、私の所管はただいま国家公安委員長としてこちらに出席をさせていただいておりますので、そうした細かい内容につきましては、事前にも何も言われておりませんし、私は、今回はこれについては詳しくお答えはいたしません。

稲田委員 だって、大臣はそのデモに参加して、あなたは何らかの演説をしたわけですよね。従軍慰安婦の方々の立場に立って政府を加害者として演説をしたその内容が何だったか、これについて何で答えないんですか。そして、それは従軍慰安婦に補償すべきだという演説だったのではなかったのか。そこをお伺いしているんです。

岡崎国務大臣 議員立法の内容についてまで、所管外の委員会で私は申し上げる立場にはおりません。

稲田委員 私が聞いているのは、今問題になっている、あなたが国家公安委員長の、大臣としての資格があるかどうかに関連をして、この二〇〇三年の反日デモでいかなる内容の演説をしたのか、これを聞いているんです。そして、多分その中の内容は、従軍慰安婦に補償すべきである、日本政府に対して、それを大使館に向けて演説をしていたと思いますから、その内容についてお伺いをしているんですから、どうして答えないんですか。答えてください。

岡崎国務大臣 私が総理から指示書をいただきましたのは、国民の安全のために治安を確保すること、このことに全力を挙げていく、そういう仕事でございますから、これからもその点に従ってしっかりと頑張ってまいりたいと思います。(発言する者あり)

奥田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

奥田委員長 速記を起こしてください。

 稲田朋美君。

稲田委員 もう一度聞きます。

 二〇〇三年の、いわゆる従軍慰安婦の日本の大使館に向けた反日デモにおいて、日本の大使館に向けてあなたが演説した内容は何ですか。

岡崎国務大臣 その問題について、きょうはお答えいたしません。(発言する者あり)

奥田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

奥田委員長 速記を起こしてください。

 稲田君。

稲田委員 岡崎大臣は、国会議員として韓国に行き、そして国会議員としていわゆる従軍慰安婦のデモに参加をした。しかし、それを反日と誤解を招いたと先ほどからお答えになっているわけです。私は、誤解ではないと思います。反日デモに参加されたことは事実であり、それも大臣自身が認めていらっしゃるわけであります。

 ただ、大臣が、反日だと誤解をされたとおっしゃるのであれば、その場で大臣がどのような演説を日本の大使館に向かって、いわゆる従軍慰安婦の人たちの前で、その写真も載っていますけれども、何を訴えられたのか、それはお答えになるべきだと思います。

岡崎国務大臣 私は、韓国との信頼関係を取り戻していくというふうなことが基本的にはございますけれども、その信頼関係を取り戻すために、そして、被害者の皆さんたちは一貫して、私たちが申し上げておりますのは人間の尊厳の回復でございます、その人間の尊厳の回復を訴えました。

稲田委員 大変抽象的で、その場で何を訴えたのかという質問に対するお答えになっていないんです。

 先ほど大臣は、慰安婦の方々が被害者で、では日本国政府は加害者なんです。そして、日本大使館に向けて、日本国政府に、マイクを持って何を訴えたんですか。個人補償しろということを訴えたんじゃないんですかということを聞いているんです。

岡崎国務大臣 私がお答えいたしますのは、とにかく、日韓関係、信頼のある関係にするということと、被害者のおばあさんたちのお気持ちを考え、私たちは、おばあさんたちの人間の尊厳を回復していきたい、その一点の報告をいたしました。

稲田委員 私の問いに対する答えになっていないんです。

 加害者とあなたたちがみなし、被害者である従軍慰安婦の皆さん方の前で、日本国政府に対して、日本大使館の前で、マイクを持って、個人補償してください、しなさいということを訴えたんじゃないんですかという質問なんです。

岡崎国務大臣 同じ質問には同じ答えなんですけれども、おばあさんたちの人権という問題について考えまして、人間の尊厳の回復をするということが彼女たちの叫びでございます。

稲田委員 答えていないんですよ。個人補償を訴えたんじゃないんですかという質問に対して、大臣は答えていないんです。答えてください。(発言する者あり)

奥田委員長 岡崎委員長、答弁の方はなさいますか。

岡崎国務大臣 私自身は十分にお答えしたというふうに思っております。(発言する者あり)

奥田委員長 速記をとめていただけますか。

    〔速記中止〕

奥田委員長 速記を起こしてください。

 岡崎委員長。

岡崎国務大臣 繰り返して申し上げることにはなりますけれども、人間の尊厳の回復を求めてということで私は申し上げました。しかも、七年前のことで、もし不正確なことを言うよりは、私は、的確なことといえば、はっきりしておりますのは、人間の尊厳の回復であった、そのことのために要求をしたということでございます。

奥田委員長 質問時間の方が終了しております。(発言する者あり)

 稲田委員の方も、最後の質問の中で、ずっと質問時間が終了しているということだけは御了承ください。

 岡崎委員長。

岡崎国務大臣 私は、やはりトータルでいいますと、人間の尊厳の回復のことだけを覚えておりまして、不正確であるということについて、この委員会でお答えするのは差し控えなければいけないというふうに思っております。

 とにかく、私がマイクを持って、日韓関係、信頼関係を取り戻していくという作業であった。そして、個人個人の人たちが本当に一人一人豊かな人生を歩む、そういう権利があるわけですので……(稲田委員「そんなこと聞いていないんですよ、個人補償を請求したかどうかを聞いているんですよ」と呼ぶ)いや、そういうふうに常日ごろからおっしゃっておりますので、トータルで……(稲田委員「言っていないなら言っていないと言えばいいじゃないですか」と呼ぶ)個人補償の問題も含めて、私は不正確であってはならないというふうに思っておりますので、その点、御理解をいただきたいと思います。

奥田委員長 質問時間が終了しておりますので。

稲田委員 全く納得できませんね。個人補償の請求をしたかどうか。ここまで抵抗してお答えにならないということ自体が私はおかしいと思いますし、大臣が全く反省をされていない。

 この従軍慰安婦の、政府に対する、日本大使館に向けての抗議デモは、まさしく被害者といういわゆる従軍慰安婦が、日本政府を加害者として個人補償を求めるデモで、あなたがそこの場に行って、個人補償を請求していないというはずが私はあり得ないと思いますけれども、そこまでかたくなに自分が何を言ったかお話しにならない。まさしくその点について、このことについて、大臣は反省もなければ、全くそれに対する認識もない。

 私は、あなたがこの国の治安のトップであるということはこの国の治安にとって大変な国益を害することでありますので、大臣の辞任を求めて、私の質問を終わります。

奥田委員長 次に、柴山昌彦君。

柴山委員 自由民主党の柴山昌彦です。

 大臣に伺います。

 今回の中国漁船衝突事故の船長釈放について、行政上の最終責任者はだれだとお考えですか。

柳田国務大臣 今回の被疑者の釈放方針の決定は、検察当局において行ったものと承知いたしております。

 私は、検察としての方針の報告を受け、検察に対する指揮権を有する法務大臣として考えた結果、この方針に異議を差し挟むことはせずに了解し、検事総長に対する指揮権を行使しませんでした。

 那覇地検が高検ともに最高検とも相談した結果でございますので、検察当局というふうに答えさせていただきました。

柴山委員 検察当局とおっしゃいながら、今大臣がおっしゃったように、指揮権を発動しなかったということで法務大臣の判断が介在した、そういう御答弁だったと理解をしております。指揮権を発動する必要はないというように、法務大臣は御報告を受けた後にそう判断をされたわけでございます。

 ちなみに、何か修正があるんだったらお答えください。

柳田国務大臣 ですから、刑事局長から報告を受けたときに、私は異論を挟むことなく、わかりましたと申し上げました。ですから、これは指揮権を発動したということには関係ないと思います。

柴山委員 指揮権を発動する機会を与えられて、指揮権を発動しないという判断を大臣が行ったという理解だと私は受けとめております。

 続きまして、ちなみに、衆議院予算委員会で、国会法百四条によって、漁船衝突時のビデオを提出するように要求する旨、決議をされています。

 本来、提出を求められた那覇地検が、刑訴法四十七条ただし書き、すなわち証拠の公開の公益上の必要を判断するべきでありますのに、政府が、限定的な範囲とはいえ、与党と公開を決めた、それも、けさの報道を見てみると、APECの後にすると決めたというのは、まさしく司法手続上の外交上の配慮を政府で行っているということではありませんか。

柳田国務大臣 事実について正確に報告をいたします。

 衆議院の予算委員会におきまして議決をされました。その内容については、九月七日の尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事案をめぐる問題についてということで、提出を求める記録については、本年九月七日の尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事案の映像記録、これが求められまして、十月十四日付で衆議院の横路議長から那覇地方検察庁検事正の方に記録の提出が要求をされたわけであります。

 これを受けまして、現在は、那覇地検と海上保安庁の間で、このことについて今協議を行っているというのが事実でございます。

柴山委員 繰り返しになりますけれども、APEC後に公開を、しかも予算委員会のメンバーに限ってするというようなことがけさ報道で出ている。しかも、これが政府の決定であるというように報じられています。

 どこかの官房長官が、報道をもとに質問をするのは非常に拙劣だというふうにおっしゃいましたけれども、この問題について法務大臣が一切関与していない、そういった政府の決定というものについてあずかり知らないということであることを確認させてください。

柳田国務大臣 日付はちょっと忘れましたけれども、先週でしたか、こういうことで衆議院の方から要請が来ています、御意見はいかがでしょうかといって、お話を聞いたことはあります。

 柴山さんが先ほど来から言っている政府の関与が、何とかが終わった後ということについての話し合いというのは一切行われていない。私が出席した会議、その中においては一切触れられていないということだけははっきり申し上げられます。

柴山委員 それでは、この中国人漁船の釈放の問題に戻りますが、十八日午後の参議院決算委員会において、丸山和也議員が、この中国人漁船船長の釈放を受けて、法律に従って粛々とやるということではないのかなどと電話で仙谷官房長官にただしたところ、そんなことをしたらAPECが吹っ飛んでしまうとか、今はその時期ではないというように語ったということが紹介をされています。

 これは、先ほど大臣が御答弁された、検察当局であるという責任の所在にも影響する大変重要な事実ではないかと思われますが、大臣は、仙谷長官にあるいは丸山議員なりに、この会話の真偽というものを確かめましたか。

柳田国務大臣 御存じのように、私もその決算委員会に出席をしておりましたので、その質疑については聞いております。

 そのときに官房長官がどう言ったか、柴山委員も御存じのとおりでありますので、私がどうのこうの確認する筋合いではないと思っています。

柴山委員 仙谷さんは、健忘症にかかったかもしれないなどと煙に巻いたお話をされています。しかし、私は昨夜、直接丸山議員に連絡をとりまして、これは確かなことであるという確認をとっておりますし、また、きょう、この委員会の質問で丸山議員の発言を引用することについても了解をもらっています。

 先ほどお話があったとおり、これはあくまで検察当局の判断だということを法務大臣がおっしゃいました。そして、仙谷長官の、記憶にないということが虚偽かどうかはともかく、この答弁がもし問題をはらむものであったら、それは先ほどの御答弁の根幹を揺るがす大変大きな問題であるということだけを指摘させていただきたいと思います。

柳田国務大臣 決算委員会で丸山議員がおっしゃったことは私も記憶しています。一方的なことだけを聞いて、それで決めつけられては困ると私は思います。どうぞ必要なことがあるんだったら必要な委員会に出ていらっしゃって官房長官からも聞いてもらいたい、そうじゃなければ公平じゃないんじゃないか。その上で先ほどのような質問をするんだったら聞けるかもしれませんが、一方の方だけの発言だけでこれはそうだと言われても私は困ります。

柴山委員 二人の会話であります。

 それで、官房長官はこのことについては明確な形での否定はされていません。健忘症にかかったかもしれない、あるいは、いいかげんな人がいいかげんなことを言った、こういう形でお話をされているということなんです。

 丸山議員が御自分のブログに書かれていますけれども、もしこのことについて官房長官が、会話の内容自体は肯定しながらも、それについて自分として置かれている立場を釈明されているということであれば、これは私は誠実な態度だと思います。しかし、今申し上げたような官房長官の対応を見れば、それは私は将来に禍根を残しかねない非常に不誠実な態度であると言わざるを得ない。このことを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。

 先ほど、検察当局による判断だと御説明がありました。今後、この事件につきまして、捜査の継続、あるいは起訴、不起訴の判断、これは必ずなされるとの理解でよろしいでしょうか。

柳田国務大臣 そのとおりでございます。

柴山委員 しかし、御存じのとおり、身柄はもう既に中国の国内にあるわけです。身柄を拘束しないでどうやって捜査を継続するのか。また、起訴しない場合に被告人の出廷をどう担保するのか。検察当局の責任でそういうことを行ったということなんですけれども、検察当局はこれについてどう責任をとるのか。以上、質問させていただきます。

柳田国務大臣 検察当局がしかるべきときに適切に判断をされるものと私は考えております。

柴山委員 処分、不処分の判断を問うているのではありません。私が申し上げたような事態が発生したときに検察当局はどう責任をとるのかという質問をさせていただいているんです。

小川副大臣 ちょっと委員の質問も、今後不起訴となったときにというふうに問われたように思うんですが、今後起訴となった場合にどうするかという御趣旨なんでしょうか。(柴山委員「そうです」と呼ぶ)

 ただ、いずれにしましても、これは検察庁としましては、具体的な事件の処分の最終処理として、起訴、不起訴、あるいは中止か、そうした最終処分は必ずすべきものでございます。(柴山委員「だから、先ほど私が言ったとおりです。そうです」と呼ぶ)はい。

 ですから、その必要な判断を行って、最終的には必ず、起訴、不起訴、いずれかの処分を行うことになります。

柴山委員 もうこれ以上繰り返しません。質問に答えていないということは、だれが見ても明らかです。

 次の質問に移らせていただきます。

 今後、類似の事案が生じた場合に、今回の処理がそういった類似の事案に影響するとはお感じになりませんか。

柳田国務大臣 法と証拠に基づいて判断されるものと思います。

柴山委員 法と証拠に基づき、そして処分の具体的な内容について、今回の処理が影響しませんかと私は聞いているんです。

柳田国務大臣 ですから、お答えいたしております。法と証拠に基づいて適切に判断をされるものと思います。

柴山委員 この問題については、後でまたお伺いします。

 続きまして、大阪地検特捜部の捜査資料改ざん、隠ぺい事件についてお伺いします。

 これは、元主任検事の前田被告のみならず、前特捜部長の大坪弘道被告、あるいは元副部長の佐賀元明被告まで逮捕、そして昨日起訴されたという異例な事態となっております。

 大臣は、所信表明で、本件においては徹底的な検証を行うべく、外部の第三者の意見を聞くように指示したとのことなんですけれども……(柳田国務大臣「だれに、最高検に」と呼ぶ)最高検におけるということですね。具体的に、どの段階で、いかなる第三者を、どのように関与させるおつもりなんですか。

柳田国務大臣 最高検の検証チームの第一回目の会合のときに、異例ではございますが、出席をさせていただきまして、私は、今回の事態を真摯に受けとめて、しっかり反省すると同時に、ちゃんとした検証を行ってほしい旨申し上げました。そのときに、自分たちだけで最終報告をまとめるのではなくて、最終段階において、第三者の意見も伺ってまとめるようにというふうに指示をいたしました。

柴山委員 今、最終段階とおっしゃったんですよ。

 事件とか事故が発生した場合に、それを検証する第三者委員会というのは枚挙にいとまはありませんけれども、最終段階の報告取りまとめのときに第三者の意見を聞くなんという委員会はありません。例えば、刑務所における苦情処理を行う視察委員会だって個別の苦情を処理しているわけなんですよ。それと同様に、しっかりと第三者委員会を検証のプロセスから関与させていくということは考えられないんですか。

柳田国務大臣 最初のころから関与させろという御意見かもわかりませんけれども、捜査段階でございますと、いろいろと取り調べも行われるわけでございます。個人のプライバシーとかいろいろな問題も出てきますので、第三者を入れることは適当ではないと私は考えました。

 ただし、最高検だけで結論を出すのではなくて、第三者の意見も最終段階では聞くようにというふうに指示をしたところであります。

柴山委員 それではお伺いしますが、その最終段階で、第三者の意見で、これは身内の捜査だ、自分の腹に自分がメスを十分入れていないというような意見が出たら、それをやり直すんですか。

柳田国務大臣 そういう御批判もあろうかと思います。極めて遺憾な事件でございました。前代未聞の事件でございました。いろいろな御批判を浴びているのも私は承知いたしております。

 ですから、私のもとにおける検討会議をつくりまして、そこで、第三者の皆さんを入れて、再度いろいろな全般にわたる検討を加えて、十二月の早い段階で最高検は報告を出すと言っていますから、それも参考にしながら、いろいろなことをやらせていただきたい、国民の信頼を回復するためにいろいろなことを議論させてもらってやらせてもらいたい、そういうふうに考えているところです。

柴山委員 私はやり直しをする余地があるのかと聞いているのに、全く答えになっていない。そのことだけを指摘させていただきまして、次の質問に移ります。

 大臣は、所信表明の中で、なお、より高い観点から別途検察のあり方について検討するために外部有識者による会議を立ち上げるというようにお話をされていました。

 今回舞台となった大阪地検、そして東京地検、それぞれで特捜部在籍経験のある堀田力弁護士は、東京では、全体の構図と供述は主任検事に集中させる、そして一線の検事同士は互いに話をできないとすることによって、ストーリーに沿った誘導をできないようにしていたということを述懐されています。一方、大阪では、検事同士の連絡は自由なかわりに、特捜部長など上司への報告は非常に厳しく求められていたとされているんですね。

 にもかかわらず、今回、報道によれば、前田容疑者は、上司に直後に相談できる状況ではなかったと供述しているとも報道されていますし、同僚の検事によりますと、無理をしていて、特捜部というのはやはり余り行きたくないところなんだというような話もされています。

 さきの本件についての最高検での委員会とあわせて、この検察のあり方について検討する委員会のしっかりとした調査と国会への報告、これをぜひ大臣、お約束してください。

柳田国務大臣 堀田さんという方がどういうふうな発言をしているのか、私は実は承知いたしておりません。ただ、ほかのいろいろな意見は聞かせてもらっております。

 最高検の検証については、当然公開もされるというふうに伺っておりますので、それを受けましたらば、国会の要請があれば私の方から国会の方に報告をいたします。

 なお、私のもとに行われる検討会議についても、速やかに人選を終えて立ち上げたいと思います。その中の議論にもなるかと思いますが、できるだけ公開もしたいと思いますし、折に触れて国会にも報告ができれば、そんな思いでいるということでございます。

柴山委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 ただ、よく一般の人があるいは議員の人が言ったりしているように、専門性の高い特捜部を解体するということになりますと、悪質な経済事案ですとかあるいは権力に近い者の摘発というものが困難になりかねないという懸念があります。ぜひ冷静な議論を行っていただきますように要望申し上げます。

 また、今回の事案についての責任の所在というものが私はかなり重要だと思っております。

 大臣、まず、一般論として、検察庁において検察官が職務遂行に関して、私生活に関してではないですよ、職務遂行に関して違法行為あるいは結果として著しく妥当性を欠いた行為をした場合、行政上、だれが責任をとるんですか。

柳田国務大臣 一般論でよろしいんですね。(柴山委員「はい、一般論で結構です」と呼ぶ)事案ごとに私の方で判断をさせていただきたいと思います。

柴山委員 そういう抽象的な御答弁ですと、では本件についてということに話を進めさせていただきます。

 昨日発表された本件の処分ですと、部長らの行為について上級庁に報告しなかったということで、もちろん特捜部長それから副部長は懲戒免職だったんですけれども、小林敬大阪地検検事正あるいは玉井英章前次席検事が減給ということで辞職を予定されています。また、証拠の改ざん当時の検事正も減給で辞職の方向、また大阪高検次席も戒告などということで、かなり大量の処分者が出ているわけなんですね。これが一体どういう根拠に基づくものなのか。

 それから、ちなみに、こうした処分を受けた方が退職された場合の退職金、これは一体どうなるのか。それぞれお答えください。

柳田国務大臣 一遍にたくさん聞かれたので、一つずつ聞いてもらえるとありがたいんですが。

 懲戒免職処分に当たった方については、退職金のすべてを支給しないということになります。

 前段はどうでしたっけ。(柴山委員「では、それ以外の懲戒処分はどうですか」と呼ぶ)

 それ以外の、今回、訓告と戒告をいたしましたけれども……(柴山委員「減給もあります」と呼ぶ)減給もあります。これは……(柴山委員「いや、辞職を予定している人がいるんですよ」と呼ぶ)辞職を予定している人の退職金ですね。これはお支払いいたします。(柴山委員「全額ですか」と呼ぶ)全額です。

柴山委員 それから、一遍にたくさんにというふうにおっしゃられたんですけれども、私が言っているのは、要するに、直接刑事処分を受けていない方々についてもこれだけ大量の懲戒処分者が出ているということなんですね。

 ですので、私は、一人一人についてその根拠を言えということではありません。基本的な考え方を聞いているんです。なぜこれだけ多くの方が行政上の懲戒処分を受けているのか。その理由について、大臣は先ほど、一般論として私が決めますというのは、それは人の支配ですよ。全然基準というものが明らかになっていない。

 だから、懲戒処分をするときのその根拠というものについて一体どのような形で判断をされたのかということを聞いているんです。

柳田国務大臣 国家公務員法八十二条に基づいて処分をいたしました。

 なお、この処分が通常より重いのか軽いのかということもいろいろと話をさせてもらいましたけれども、通常よりも厳しい処分にさせていただきました。

柴山委員 私は、厳しいか厳しくないかということを聞いているのではありません。なぜ、直接刑事責任を問われていない人が行政上の懲戒処分を負わなきゃいけないのか、それは大臣がこの人を減給させようと思えば自由にできるものなのか、その根拠ということを今尋ねているんです。

柳田国務大臣 その他の人については、監督責任ということで処分しました。

柴山委員 基本的な概念ですから、その言葉を早く大臣から私は聞きたかったのです。

 いずれにいたしましても、今、監督責任ということについて触れられました。それでは、伊藤鉄男次長検事が今回、監督上の措置として訓告を受けているということですけれども、今回、改ざんの報告が最高検まで上がらなかったということについて、最高検として、何らかの組織的な不作為の責任、あるいは監督責任があるとは考えられないんでしょうか。検事総長あるいは大臣が無傷でいいんでしょうか。

柳田国務大臣 今回の処分の一つは、当時の方々について処分をしたということでございます。詳しくはいいですね。昨年の二月の段階の方々、今回発覚するまで隠していた方々、そういうことに関連する人々の処分を行いました。

 ちなみに、現検事総長は、その間、関係ない部署におりました。今回の、検事総長に就任したのは三カ月か四カ月前でございますので、関係がない。私については御存じのとおりでありますので、私がこの事件に関与したことはありません。

 ただ、今この立場におりますので、私がやるべきことは、二度とこんなことが起きないように、国民の信頼を取り戻すべく頑張るのが私の責任だと思っています。

柴山委員 そのポジションにいるがゆえに、とらなきゃいけない責任というものもあるわけなんです。

 それと、あと、今、大臣は重要なことを御答弁されたんですよ。行為の当時は私はそのポジションにいなかったからということで、その責任は発生しないんじゃないか、そういう御答弁をされたんですよ。

 例えば、もしその理論が通用するんだったら、先ほどの中国漁船衝突事件は那覇地検と最高検が協議して決定したことなんですよ。そして、これはまさしく大臣が在任中に、先ほど大臣が御自分でおっしゃっていたじゃないですか、指揮権を発動しないと自分で判断されたんです。それでこういうことを判断されたわけなんです。とすれば、それを監督し得る立場にあった監督責任、これは今、大臣、自分が御答弁されましたね。これについて、先ほど私が、今後の捜査の見込み、あるいはさまざまな影響、そういうものについて、大臣、監督責任あるいはそれにかわる責任、負うんですか。

柳田国務大臣 今回の尖閣の問題について、私の責任についていろいろおっしゃっていますので、かわって副大臣が答えます。

柴山委員 いや、それは、監督責任としてあなたは御自分の責任をどう考えるんですかということをお尋ねしているんです。大臣ですよ。

柳田国務大臣 ですから、先ほど触れましたように、事件そのものについて私は責任がないと思っております。ただ……(柴山委員「監督責任と自分で言ったじゃないですか」と呼ぶ)だから、当時の監督責任はあるでしょうと。私は当時、しておりません。今私が負うべき責任というのは、しっかりとした対策を打って、国民の信頼を回復すること、また、こういう不祥事が起きたということに対して私は国民におわびすることだと思っております。

柴山委員 村木事件でそういうロジックを使ったので、では中国人漁船衝突事件において、大臣は御自分で指揮権を発動しないということを判断されたわけじゃないですか。それはまさしく行為当時の大臣だったわけじゃないですか。それについて大臣は、要するに、那覇地検あるいは最高検がそういう決定をしたことに対する監督責任というものを負わなくていいんですかというふうに、私は今度は中国漁船衝突事件についてお聞きしているんです。

柳田国務大臣 今回の件は適切に判断をされたものだと私は思っております。

柴山委員 現時点では適切に判断をしたというふうに御答弁ですけれども、今後さまざまな事案が起きたときに、大臣、御自分で監督責任について触れられたわけですし、そして、指揮権を発動しなかったのは御自分の判断だったというように今この法務委員会で御答弁をされたわけですから、今後生じてくるさまざまな事例、事象について私は大臣の責任を追及し続けますので、お覚悟をいただきたいというように思っております。

 続いて、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 今回の事案を受けて、被疑者取り調べの可視化の機運が高まっています。既に法務省では、政務三役を中心とした勉強会を進めて、ことし六月に中間的取りまとめを行い、来年六月以降、勉強会としての取りまとめを行うというようにされているんですけれども、この可視化についての取りまとめ、最終取りまとめ、来年六月以降、一体いつされるんですか。

柳田国務大臣 何回も予算委員会等で答弁していますけれども、六月以降の早い段階で取りまとめを行いますと申し上げております。

柴山委員 六月以降の早い段階と言いますけれども、来年でも再来年でも、今年度中と言っていないんですよ。来年の六月以降のなるべく早い時期にというのは、結局、できるだけ早くやりますと言っていることと同じなんですね。やはりそのスケジュール観というものについては、もう少し私はしっかりとしたもので御答弁をいただきたいと思います。

 それと、あと、やはりこの問題については同僚からも懸念の声が出ています。可視化はもちろん私も賛成なんです。この委員会でも何度も質問させていただきました。しかし、うそをつけば逃げ切れるという仕組みにしてはいけないわけです。刑事司法のトータルな適正化のために、ぜひバランスのとれた報告書にしていただきたい。

 スケジュールの点、それから内容の点、いずれについてもお答えください。

柳田国務大臣 六月のできるだけ早い段階で取りまとめを行ってまいります。(発言する者あり)

奥田委員長 柳田法務大臣、再答弁をお願いします。

柳田国務大臣 六月以降できるだけ早い段階で取りまとめを行います。(柴山委員「内容は。中身」と呼ぶ)

 可視化については副大臣に担当してもらっておりますので、そういう中身については副大臣に答弁をお願いします。

小川副大臣 委員の御指摘の点も十分踏まえまして、可視化に向けた検討をしっかりと行ってまいりたいと思います。

 ただ、可視化を実現する場合には、やはりさまざまな問題がございます。委員が指摘されましたように、捜査に支障を来してもいけませんし、しかし一方で、このような誤った捜査がなされてもいけませんので、慎重、しかしまたスピード感を持った検討をさせていただきたいと思います。

柴山委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 先ほど監督責任ということについてお伺いしていたんですけれども、今回の村木厚子元厚労省局長、無罪が確定しましたけれども、一方、今回の郵便料金不正事件の当時、課長であられたんですね。そして、係長だった上村勉被告が、今公判が係属しています。上村被告に対する村木元局長の監督責任は、厚労省はどのようにお考えになっているんでしょうか。

小林大臣政務官 お答えいたします。

 村木元局長については、刑事事件に対しては無罪判決が確定しましたが、御指摘のとおり、上村元係長の上司としての責任はあるものと考えております。

 上村元係長に対する刑事訴訟がまだ係争中であり、事実関係が確定していない部分があるため、厚生労働省として判断する段階には至っておりませんが、判決確定後、上村元係長の処分とあわせて、当時の関係者の監督責任について検討することとしていますので、その際に、村木元局長の責任についてもあわせて結論を出したい、このように考えております。

柴山委員 今のは大変重要な御答弁です。

 今、民主党は、この村木元局長をさまざまな役職につけようとしているんです。厚労省、今の答弁の内容としては全く妥当な答弁だと私は思いますけれども、その方向で、ぜひしっかりとした、筋を通した処分をお願いしたいと、私からお願いをしておきます。

 続きまして、小沢さん、鳩山さんの案件について短く質問をさせてもらいます。

 今回の小沢さんの検察審査会の起訴相当の議決に関連して、取り消しなどの行政訴訟が提起をされているんですね。一般論として法務省あるいは裁判所にお伺いしたいんですけれども、私は、行政訴訟という訴訟は、訴えの利益というものが非常に問題となるというようにお伺いしているんですけれども、この行政訴訟について、何か問題点はないんでしょうか。

小川副大臣 仮処分の関係では、却下するという地裁の判断が出ておりますが、一般に刑事事件でありますと、起訴したら、その起訴が有効、無効あるいは有罪、無罪はその刑事事件の場において争うということでございます。恐らく、この検察審査会の処分に関しても同じような考えがあり得るんじゃないかと思われますが。

柴山委員 極めて明快な御答弁、ありがとうございました。

 続きまして、司法修習生の給費制の問題についてお伺いしたいと思います。

 司法修習生に国が給与を支給するという現行の給費制を生活資金貸与制に切りかえるという裁判所法一部改正法の施行時期について、大臣はどのように御認識でしょうか。

柳田国務大臣 私としては、現段階で貸与制の実施を見直すことは考えておりません。

 ただ、国会の中でいろいろ議論が調いまして決定をされることになれば、それに従いたいと思います。

柴山委員 副大臣、同じ認識でよろしいでしょうか。

小川副大臣 同じ認識でございます。

柴山委員 政務官、同じ認識でよろしいでしょうか。

黒岩大臣政務官 大臣、副大臣と同じ認識でございます。

柴山委員 自民党の中では、貸与制にすると裕福な世帯の方しか法曹になれないという懸念が出る一方、貧しい修習生には貸与金の返済を免除すればいいじゃないか、一律の税による給費制の維持というものには国民の理解は得られないという意見も出ているところであります。

 そこで、財務省に伺います。財務省のこの件に関する予算措置は、どのような理由で、どういう金額になっているんでしょうか。

吉田大臣政務官 予算の方は、法律を前提に、つまり貸与制への移行を前提に組まれております。

 裁判所の二十二年度予算を申し上げますと、新しく始まります修習資金貸与金として二十七億円、そして従来からの給費制にかかわる分として司法修習生手当六十九億円、これは職員基本給、期末・勤勉手当等が含まれております。さらには、その方々の国家公務員共済組合負担金として七億円、これが二十二年度予算でございます。

 また、来年度、二十三年度の予算の概算要求においては、貸与金として八十九億円、手当として二億円、共済組合の負担金として一千八百万円、こういう要求が裁判所から出ております。これを前提に現在予算編成の作業を行っているところでございます。

柴山委員 もう既に貸与制を前提とした予算を組んでいる、そして、貸与制を前提とした予算要求が来年度の分については出ているという御答弁だったかと思います。

 今、私が御答弁をすべての政務の担当の方にお伺いしたんですけれども、全員が民主党の議員さんでいらっしゃいます。

 きのうの読売新聞には、民主党は既に九月十三日の法務部門会議で給費制維持の方針を決めていながら、実は、党の上層部の了解まではとれておらず、取りまとめにはなお時間がかかるという見方が示されていたということが報道されていますけれども、給費制維持の場合にはどういう措置をとるかということを、例えば財務担当者は民主党の法務部門と打ち合わせをされたんですか、吉田さん、いかがですか。

吉田大臣政務官 私の知る限りでは、民主党の法務部門会議から財務省に対して特別なお話は来ていないと承知しております。

柴山委員 この問題は、自民党だけが何かもめているというような報道がちょっと散見されるんですけれども、決してそういう実態ではないということを今の質疑を通じて主張させていただきまして、時間がオーバーいたしましたので、私の質問時間を終わらせていただきます。

 菊田政務官におかれましては、済みません、時間切れになってしまいましたので、質問を用意していたんですけれども、またの機会にお願いいたします。

奥田委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 先ほどの法務大臣の答弁を聞いて、私は唖然としました。というのは、この可視化の問題、これは副大臣に任せてあるから副大臣に答えさせる、とんでもないことじゃないですか。今回の大阪地検の問題、村木さんの問題、捜査のあり方が一番の問題になっているんですよ。それを副大臣に任せるということはおかしいと思いますが、いかがですか、大臣。

柳田国務大臣 すべてを任せたとは言っていません。具体的な内容を聞かれたので、今中心的に担当していますので、副大臣の方が答弁するのに適当だ、そういう判断をして副大臣にお願いしたところでございます。

大口委員 今質問をされたことは基本的なことですから、細かいことじゃないんですよ。大筋のことはやはり大臣が、こういう村木事件、しっかりこれは受けとめる。そして、大阪地検の犯罪の証拠隠滅あるいは犯人隠避罪、こういうことが起こっているわけですから、そして村木さんについては無罪判決が出ている、こういうことについて大臣がどう受けとめられているのか。私は、そのことに対して、今の答弁のあり方を見ていまして、非常に心配しているんですよ。だから御指摘をさせていただきました。

 そして、この村木事件の判決の中で、人間の供述というものが、認識、記憶、表現の三段階で誤りが混入する可能性があり、また、供述内容の具体性、迫真性というものは後でつくり出すことも可能である以上、客観的な証拠の裏づけのない供述については、供述自体の信用性判断は慎重になされるべきであり、おのおのの供述に、いろいろな評価や見方を踏まえても、客観的証拠、あるいは証拠上、明らかに認められる事実に照らして不合理な点がある場合は、いかに供述内容に具体性、迫真性があるように見え、おのおのの供述が符合していても、その信用性は大きく低下する、こういう指摘をして、やはり、客観的証拠を軽視する、そして供述調書、検面調書を重視する、こういう捜査方法を否定した判決であるわけでございます。

 そういう点で、私は、この村木事件の無罪判決、そしてまた一連の大阪地検の逮捕、起訴事件、そして、この判決で指摘されている捜査方法を本当に根本的に変えていかなきゃいけないということについて、大臣から、どうお受けとめになっているのか、お伺いしたいと思います。

柳田国務大臣 一言だけ、可視化について。

 全面可視化の検討をさせてもらっています。そうしますと、全面可視化をやりますと、いろいろな範囲があるんですよ。そのことについて、いろいろと進めているのは副大臣にやってもらっています。大筋は私もちゃんと聞いて知っています。ということで、具体的に聞かれると、振るというのが今の我々のチームなので、御理解してもらえればありがたいのですが。

 それで、村木さんの無罪判決ですけれども、今回はあってはならないことが起きたと私は思っています。私の方からも村木さんに、当時、僕は厚生労働委員会にいましたので、村木さんをよく知っていましたから、個人的にはお電話は差し上げました。本当に、この場をまたかりますけれども、申しわけなかったな、御苦労さまでしたというふうに申し上げたいと思います。

 それから、今大口委員がるるおっしゃったことについては、最高検の検証チームの皆さんも多分聞いていらっしゃいます。だから、最高検の検証チームの中でもいろいろと議論をされるだろうし、当然、私のもとに置かれる検討会議においても議論の対象になろうかと思います。ですから、今回の一連の経緯について、ここは問題だということはどうぞおっしゃっていただければと思います。

大口委員 本当に核心的な部分ですからね、可視化の問題は。とにかく、大臣がみずからしっかりこれには取り組んでいただきたいと指摘しておきたいと思います。

 その上で、これは元東京高裁の判事、木谷さん、今法政大学の法科大学院の教授でございますが、こういうふうに指摘しています。これは日経新聞の十月二日の朝刊でありますが、

 これまで裁判所が検察を過大に信用してきたこと、検察組織内にチェック体制がなく、おごりがあったことが今回の事件を招いた。調書さえ取れば裁判所は認めてくれるという思いがあったからこそ、上司も都合のよい調書を取れる検事をかばったのではないか。

  国民の信頼を取り戻すには、検察組織の見直しとともに、裁判所のより厳密な審査が不可欠になる。

やはり、裁判所のこれまでのあり方、これも問われておると思うんですが、最高裁、どうでございますか。

植村最高裁判所長官代理者 証拠の評価につきましては、今回の事件で問題とされました証拠能力それから証明力に関しまして、慎重な検討が必要であることは委員の御指摘のとおりであります。

 一般論としてのお答えになりますが、裁判所といたしましては、今後とも、委員御指摘のいろいろな問題点を含めまして、証拠の採否や証明力の評価につきましては、事実認定における証拠の重みというものを肝に銘じ、特にその中でも客観的証拠の重要性、こういったものもよく配慮いたしまして、さらに、実際の訴訟では、弁護人の御主張、これが出てまいります。弁護人の御主張にも十分耳を傾けながら、慎重な吟味をしていかなければならないというふうに考えております。

大口委員 今回の村木事件、そして大阪地検の一連の事件、また、最近、大阪東警察署でのICレコーダーで録音したものがテレビに出ました。これは本当に、捜査官なのか暴力団なのか、国家権力を持っているか持っていないかわからないような強烈な取り調べがオンエアされたわけでございます。そういう点で、法務省そしてまた国家公安委員会も、この可視化について、この機を逃さずにしっかり検討をしていただきたい、こう思っているわけでございます。

 今も、検察また警察の一部で可視化を試行しています。これは可視化と言わないんだ、こういう指摘もあるわけでございます。

 そこで、取り調べの可視化の目的は、取り調べ状況を録音、録画することによって取り調べの適正化を図る、そういう目的なのか、それとも供述調書の任意性、信用性を立証するためのものなのか。まず、この目的。

 それから二番目に、これは大臣がこの法務委員会であいさつをされておりますから聞くんですよ、録音、録画による被疑者取り調べの可視化の実現も重要な課題ですと大臣が述べられております。この取り調べの可視化というのは、取り調べの全過程の録音、録画、こういう意味なのかどうか。そして、これについては国家公安委員長のお考えもお伺いします。

 また、可視化の実現の前提条件として、新たな捜査手法の導入、これは司法取引の法制化やおとり捜査、通信傍受などの捜査手法の適用拡大、これが不可欠と考えるのかどうか。これも法務大臣と国家公安委員長にお伺いします。

 以上、三点について、法務大臣、国家公安委員長から御答弁をいただきたいと思います。

柳田国務大臣 では、ごあいさつのところだけ、責任を持って答えたいと思います。(大口委員「いや、認めません、それは。ちゃんと答えてください。私は通告してあるんですから。このことについては大臣が答えるように私は求めていますから」と呼ぶ)そうですか。そうしたら、細かいことがあったらどうぞ副大臣に聞いてください、ほかのことがありましたら。

 では、まずは可視化の目的について。取り調べの可視化のメリットというふうな点についてまずお話をいたします。

 取り調べの適正確保、そして、裁判員裁判における自白の任意性の判断を容易にすることなどが考えられております。さらに調査検討を進めていきたいと思っております。なお、我々は前向きに進めておりますので、そのことは御理解をいただきたいと思います。

 その次に、録音、録画による被疑者取り調べの可視化ということについてでございますが、法務省の省内勉強会においては、これまで被疑者取り調べの全過程を録音、録画することを基本として検討を進めてまいりました。今後、可視化が捜査、公判等に与える影響についてもさらに調査しながら、可視化の具体的なあり方について検討を進めることといたしております。

 次に、別の方法ということでしたね。(大口委員「新たな捜査手法が前提条件か」と呼ぶ)

 これは、中間取りまとめの方針に書いてありますけれども、可視化が捜査、公判に与える影響等についても吟味しつつ、必要に応じて新たな捜査手法の導入などについても検討をしてまいります。

大口委員 可視化の実現の前提条件として、この新たな捜査手法の導入というのはリンクしているのか、前提条件なのかを聞いているんです。

柳田国務大臣 それも先ほど触れましたように、検討の対象になっております。

大口委員 だから、リンクしているのかどうか。前の千葉大臣はリンクしないと答弁していましたよ。変わったんですか。

柳田国務大臣 ですから、リンクをするどうのこうのも含めて検討中です。

大口委員 私が質問したときに、平成二十一年十一月十七日、千葉大臣は、リンクをするとか、あるいは条件になるということは考えていないと。こういうことですから、変更されたわけですね、考えを。

柳田国務大臣 今、千葉大臣の話は初めて聞きましたけれども、私は、先ほど申しましたように、リンクするしないも含めて検討させてもらうので、できるだけ前向きの方向で検討をすると冒頭言っています。

大口委員 では、リンクする可能性もあるということですね。(柳田国務大臣「両方です、両方」と呼ぶ)いや、両方なんてないでしょう、リンクするかしないかでしょう。(柳田国務大臣「それを検討している、それも含めて」と呼ぶ)

 そうすると、前の大臣の答弁と違いますね。これは引き継いでいないんですか。

柳田国務大臣 変更していない。千葉さんのときも、リンクするかしないかも含めて検討するとおっしゃっているはずなので、変更しない。

大口委員 会議録を見てくださいよ。二十一年十一月十七日、リンクをするとか、あるいは条件になるということは考えていないということで、リンクをしないと明確に言っているんですよ。私がそれを質問して、その答弁を聞いているんですから。ちゃんと私は議事録で、会議録を確認して聞いているんですから。

柳田国務大臣 議事録を私も見たわけではなくて、これでまた怒られるかもしれませんが、引き継ぎを受けた内容は、必要に応じて新たな捜査手法の導入などについても検討するというふうに引き継ぎを受けています。

大口委員 要するに、この可視化の導入を、新たな捜査手法の導入がなければ可視化はやらない、そういう点では新たな捜査手法の導入ということが可視化の実現の条件になっているということについて、条件になっていない、そういうふうに千葉前大臣は答弁しているんです。それについてどうかということです。

柳田国務大臣 ことしの六月の中間取りまとめの段階でいろいろ議論した結果、先ほど申したように、必要に応じて新たな捜査手法の導入についても検討することにしたいというふうに取りまとめましたので、その内容について私は引き継ぎを受けていますということでございます。

大口委員 では、リンクをしているということですね。それが、新たな捜査手法というのが、この導入を決めなければ結局可視化も導入しない、こういうことでいいんですね。

 民主党は、今までその新たな捜査手法ということを全く度外視して、それで可視化の方の法案だけ出していたんですよ。その延長線で千葉大臣はそう答えているわけですよ。それを変更したということですね。

柳田国務大臣 ですから、私たちが引き継いだのは、六月に中間取りまとめを行いました、その内容を引き継いで今やっております。中間取りまとめの内容は、先ほども繰り返しましたけれども、「必要に応じて、新たな捜査手法の導入などについても検討することとしたい。」というふうに取りまとめましたので、それを引き継いでいるということでございます。

大口委員 だから、その新たな捜査手法の検討をするということは今も検討しているわけですよ。そうじゃなくて、可視化の導入ということの前提条件に、新たな捜査手法の導入というのがあるのかどうか、それを聞いているんですよ。

柳田国務大臣 ですから、それも含めて検討をしますと先ほどから申しているんです。

大口委員 では、リンクしているということで受けとめました。

 では、国家公安委員長、同じ質問です。三点。

岡崎国務大臣 お答えいたします。

 警察におきましては、裁判員裁判における自白の任意性、この立証のために、平成二十一年四月以降、全国警察におきまして、取り調べの録音、録画、試行を実施いたしております。

 さらに、被疑者の取り調べを録音、録画、これは全面的に可視化とか言われておりますけれども、この録音、録画の方法によって可視化することにつきましては、治安水準を落とすことなくこれを実現することに向けまして、既に国家公安委員会委員長主宰の研究会を設けるなどして、幅広い観点から多角的に検討しているところでございます。

 この研究会では、取り調べの可視化の目的についても十分に議論、検討していく必要があるというふうに思っておりますが、申し上げた研究会では、取り調べの可視化、目的、機能につきましては、一つ、公判における自白の任意性の立証、一つ、虚偽自白の防止、一つ、事後の検証を可能にする機能、これが指摘されているところでございます。

 そうしまして、今質問をしていただきました全過程の録音、録画という問題ですね。これは、この研究会におきましては、被疑者の取り調べの可視化のあり方につきまして、治安水準を落とすことなく取り調べの可視化を実現するために、捜査手法の高度化等の研究も含めて、部外有識者によって検討していただいているところでございます。

 諸外国の中には、広範な罪種を対象とするおとり捜査、あるいは司法取引を導入している国があるほか、我が国にはない捜査手法を活用している国があるものと承知しておりまして、申し上げた研究会におきましては、治安水準を落とすことなく取り調べの可視化を実現するために、既に可視化を実現している諸外国における捜査手法、あるいは状況、刑事司法制度等も踏まえまして、今後十分に議論、検討してもらいたいと思っておりまして、可視化も捜査手法の高度化もセットで検討しているところでございます。

大口委員 そうしますと、国家公安委員長は、目的について、取り調べの適正化というものは目的に入っているということでいいのか。それから、取り調べの全過程の録音、録画ということは治安水準との関係でどうなのか。

 それで、三番目に、セットとおっしゃいました。これは、要するに、可視化と新たな捜査手法の導入がセットでなきゃいけない、こういうことでよろしいですね。

岡崎国務大臣 結局、この研究会で目的そのものについても検討しておりますし、捜査手法につきましては、諸外国の方にも参りまして、その手法はどうかということで、外国からまたおいでいただいて内容を検討しているということでございまして、総合的に検討しているというものがお答えだというふうに思っております。

大口委員 国家公安委員長は民主党の議員さんですよね。それであの可視化の法案を出されました。ですから、今のは、要するに、可視化の目的が捜査の適正化のためかどうか、取り調べが適正かどうかも検討しておられる、それから取り調べの全過程かどうかも検討している、それからセットかどうかも検討しているということで、ちょっと民主党の議員さんがおっしゃっていたことと全然違うものですから。

 そして、しかも微妙に法務大臣の方がまだ少し踏み込んだ答弁なんですが、法務大臣は、取り調べの適正化も目的に入る、こう言っているわけですね。それから、全過程ということも言っているわけですよね。だから、国家公安委員長と法務大臣の答弁が食い違っていますけれども、そういう状況なんですか。これは内閣不一致ですよ。調整してください。

奥田委員長 どなたに御質問でしょうか。

大口委員 まず、国家公安委員長に。(発言する者あり)

奥田委員長 法務大臣の方からでもよろしいですか、質問は。

大口委員 いや、今、国家公安委員長に聞いているんですよ。

 時間がもったいないので、とめてくれますか。

奥田委員長 時間の方は考慮いたします。

 答弁の順番も御指定ですか、柳田法務大臣の。

大口委員 いやいや、そうじゃない。

 国家公安委員長が今、確認をして、その上で聞きますよ。

岡崎国務大臣 私ども、国家公安委員会委員長主宰のもとに研究会が行われております。そして、法務省の方でも勉強会が行われているということでございますので、ここで協議して最終的な結論が得られていくというふうに思っておりまして、ただいま研究会の中では総合的な検討をしているということでございます。

大口委員 ただ、今法務大臣は、可視化には全過程についての録音、録画と言っているんですよ。それについても検討しているということだと。

 これは、大体、法務大臣が刑事訴訟法改正の所管ですよね。ですから、これは法務省、法務大臣がまずリーダーシップを発揮して、この可視化について、刑事訴訟法をどう改正するのかということを、方向性を出さなきゃいけないんです。その方向性にのっとって、やはり、警察、国家公安委員会もこれを考えるということで、あくまで方向性は法務大臣が出すのではないですか。国家公安委員長、どうですか。どちらが方向性を出すんですか。

岡崎国務大臣 今申し上げたことだというふうに思っておりますが、私どもでも研究会を開いておりますし、法務省でも勉強会を開いているということですので、この勉強会でしっかりと議論をしていただく。目的につきましても、録画、録音、そういうものも含めて、そういう問題すべて、今総合的に、先ほど申し上げたこと、三つの議論のことについて研究をしているということでございます。

大口委員 国家公安委員長、私の質問を聞いてください。

 刑事訴訟法改正については法務省が所管ですよね。ですから、法務大臣がこういうふうにおっしゃっているわけですから、その方向性を受けてやらなきゃいけないんじゃないですか。ですから、可視化の問題、刑事訴訟法改正の問題については、やはり、法務大臣が方向性を出したら、それに沿うということでないとおかしいんじゃないですか。それを聞いているんです。

岡崎国務大臣 警察活動にもいろいろ影響するということもございますが、最終的には協議をするということでよろしいんじゃないでしょうか。

大口委員 では、刑事訴訟法改正については、これはどうなんですか、これは所管はどこなんですか。

 では、いいです。法務大臣、ちょっとこれは食い違っているんですよ。

柳田国務大臣 ともに、法務省も警察の方も勉強会をつくって、全面可視化に向けて、いろいろと協議をいたしております。今その途中段階であって、いろいろと議論があるわけですよ。それのすり合わせもこれから行わないといけないです。

 ですから、今後、岡崎委員長にも私お願いして、時間をつくってほしい、一回打ち合わせをしましょうよということを積み重ねながら進めていくという段階でございますので、最初から全部意見が一緒じゃないとおかしいじゃないかとおっしゃるんじゃなく、そうじゃなくて、いろいろ議論しているその過程だということを御理解いただければと思うんですが。

大口委員 法務大臣、私は細かいことを今回確認したわけじゃないんですよ。可視化の一番根本的なことを確認したんです。そのところは、やはり法務大臣が方向性を出していただかなきゃいけないし、それについては法務大臣も今答弁されたわけです。

 要するに、可視化の目的は取り調べの適正化ということをちゃんと明確におっしゃっている。それから、録音、録画は全過程ということもおっしゃっている。だから、そこのことについては、それはやはり法務大臣としても譲れないわけでしょう。それについてまで検討するんですか。

柳田国務大臣 先ほど答弁をしました。取り調べの可視化のメリットは、取り調べの適正確保、裁判員裁判における自白の任意性の判断を容易にすることなどが考えられますが、さらに調査検討を深めていくこととしていますと。

 今は途中段階なので、そのことは御理解をいただければと思います。

    〔委員長退席、滝委員長代理着席〕

大口委員 では、その大事な二点についても、その目的についてもまだ検討中だ、こういうことですね。

 では、相当民主党のマニフェストと食い違ってきていますね、そうしますと。民主党のマニフェストとの関係はどうなんですか。

柳田国務大臣 済みません、マニフェストがここにないもので。ちょっと相談しましたけれども、可視化を導入するということだけ書いてあるそうです。

大口委員 民主党のマニフェストに対する感覚というのを私は驚いた次第でございます。

 では、もう時間がないものですから。本当に、もっと衝突事件のこともやりたかったわけでありますけれども。

 では、これはちょっと求めておきたいと思いますが、今回、大阪地検の検面調書、これがことしの五月、四十三本中三十四本が却下されました。ですから、上村氏を初め主な供述調書がもう五月に却下されているんです。

 それについて、この五月の末に最高検が大阪地検に対して問い合わせをしているんです。フロッピーディスクの最終更新日時と上村被告らの供述が矛盾することを理解していたか、特捜部から事件を引き継いだ公判部は矛盾にいつ気づいたのかなど、九項目について質問書を送ったと。これに対して、最高検に対して大阪地検が回答をしています。五十ページだとも言われています。

 これは本当に核心部分なんです。検面調書四十三本のうち三十四本が却下されて、本来、これは公訴を維持するかどうか決断しなきゃいけないときに、最高検から大阪地検に質問があって、回答が出てきました。これは、私は大臣に、やはりこの村木事件そして大阪地検の事件は、国会におきましてもしっかり議論しなきゃいけない。そのためにも、私は、この大阪地検から最高検への報告書、これは検証するにおいて不可欠の書類だということ、これは私は公益性の必要があるということで、刑訴法四十七条の書類になるとは思いますが、これを国会に出していただきたい、こう思います。

西川政府参考人 委員御指摘のとおり、最高検は、その御指摘の事件について、客観的証拠と供述調書の不整合等を理由に供述調書の取り調べ請求が却下されたということから、却下決定で指摘された事項について報告を求めて、大阪地検から回答を得たというふうに承知をしております。

 その内容については、これは捜査機関の活動内容にかかわる事柄で、詳細は差し控えますが、最高検は、客観的証拠と供述調書の不整合について、大阪地検の認識等について報告を求めて、大阪地検から回答を得たということでございますが、何分、これは上級庁との協議に関する書類ということで、訴訟に関する書類ということに当たりまして、原則としては公にすることは許されません。ただし、これも当然、最高検の検証の対象になるということでございますので、お尋ねの回答状況等につきましても、最高検の検証結果が出ましたら、必要に応じてその内容等を明らかにされるものというふうに承知をしております。

大口委員 国会でしっかり議論をしてくださいというのが、これは国民が、今検察に対して信頼が毀損されているわけですよね。我々は、国民の代表として、しっかりこのことを議論して、二度とこういうことが起きないようにしなければいけないです。ですから、私は、この報告書について提出してください、こういうふうに求めておりまして、委員長の方でこの点について御検討いただきたいと思います。

滝委員長代理 理事会で検討いたします。

大口委員 時間がもうないものですから、もう一つ。

 今度はこれは衝突事件の方でございますけれども、富田議員も九月三十日の予算委員会で指摘しましたけれども、船長、容疑者が否認しているわけですね。ですから、普通は、勾留の当初から接見禁止とするのが通常であったわけです。今回、九月八日に逮捕して勾留をしたが、船長が容疑を否認していたにもかかわらず、なぜ勾留当初から接見禁止をしなかったのか、その理由をお尋ねしたい。そして、途中の九月二十二日から接見禁止をしたと。全く異例のことでして、この理由もお伺いしたい。そして、警察庁には、九月十日から二十四日まで、どのような人が船長に面会をしたのか、お伺いしたい。これが一点です。

 もう一点は、九月二十三日に那覇地検が外務省職員から説明を受けているわけです。これは当然証拠化しているわけです。大臣も、法と証拠に基づいてということで、証拠化しているということは認められました、先ほどの答弁で。これにつきましては、捜査報告書であると思うんですが、これも国会に出していただきたい。そして、外務省がどういう説明をしたのか、これも明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。二点。

    〔滝委員長代理退席、委員長着席〕

西川政府参考人 まず、当初の段階から接見禁止処分、これがなされなかった理由でございますが、御案内のとおり、刑事訴訟法の八十一条については、逃亡し、または罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由のあるときは、検察官の請求等によって接見等を禁止することができる、こういう記載でございます。

 したがって、一般論で申し上げますと、被疑者が被疑事実を否認しているということによって、直ちに接見等禁止処分が付されるわけではないというふうに承知をしております。

 その後、接見禁止処分が付されていなかったにもかかわらず、付されるようになったのはなぜかということでございますけれども、これはそのような事情が生じたからということでございますが、これは捜査の中身でございますので、中身は、捜査の詳細については差し控えさせていただきたいというふうに思います。

 それから、あわせて、どのような人が接見を求めたかということについても、これも身柄拘束中の被疑者にだれが会いに来たかということでございますので、この点も差し控えさせていただくということになります。

 それから、最後に、外務省職員の方に那覇地方検察庁に来ていただいて事情を聞いたということがございまして、これも証拠化されておりますが、どのような形で証拠化されたかということにつきましても、捜査上のことでございますので、差し控えさせていただきます。

坂口政府参考人 中国漁船衝突事件の船長が八重山警察署に留置されておりましたのは、九月十日から二十五日の未明でございます。この間、中国の領事官が十六回、日本の入国管理局の職員が一回、面会を行ったという報告を受けております。

大口委員 今、警察庁はちゃんとこうやって答弁しているんですよ。ところが、法務省は答弁しない。おかしいですね、役所によって。

 それはともかくとしまして、この問題はまだまだやらなきゃいけないことがたくさんあります。今、私は、外務省の職員の証拠化した捜査報告書等についての提出も要求していますので、お諮りいただきたいと思います。

奥田委員長 先ほどお答えのように、理事会にお諮りしたいと思います。

大口委員 では、これで終了させていただきます。

 ありがとうございました。

奥田委員長 次に、城内実君。

城内委員 無所属、国益と国民の生活を守る会の城内実でございます。無所属の私に十分もお時間をいただきまして、関係各位に改めて深く御礼申し上げます。

 本日は、尖閣問題、そして、時間が多分ないと思いますが、人権侵害救済機関についてお尋ねしたいと思います。

 まず、法務大臣にお聞きいたしますけれども、内閣改造後、大臣に就任されましたけれども、前任の千葉景子法務大臣から尖閣問題についてどのような引き継ぎがなされたか、お答えいただけますでしょうか。

柳田国務大臣 大変重要な案件であるのでしっかり対応するようにというふうにありました。

城内委員 ちょっと具体性に欠ける答弁ですが、きょうは古川官房副長官も来ていらっしゃいますけれども、当然、官邸の副長官として前任の松野副長官から引き継ぎが行われたと思うんですが、もう少し具体的に、いつ、どこで、だれが、どのような会合をやったかというようなことも含めて教えていただければ幸いでございます。

古川内閣官房副長官 私はもう六月から官房副長官をやっておりますので、既にこの事案については、官邸として、九月七日、海上保安庁等から当該事件についての説明を受け、その後も関係省庁から、最新情報を含め、随時、適時適切に報告を受けております。

城内委員 失礼しました。

 でしたら、なおさら古川副長官にお尋ねするんですが、今、報告を受けたということをおっしゃいましたけれども、単に報告を受けて聞きおくというのはこれは子供でもできることなんですが、その報告を聞いた上で、何か指示をしたり、意見を述べたということはあったんでしょうか。

古川内閣官房副長官 私は直接この問題に、別に担当しておるわけではございませんので、私はそういう随時報告を受けておったということでございます。

城内委員 法務大臣にお聞きしますけれども、尖閣問題というのは、我が国の外交そして国防にかかわる重大な案件でございます。したがいまして、官邸で当然、危機管理という観点から、官房長官のもとで、関係省庁の幹部が集まって、そして恐らくけんけんがくがく、関係省庁のいろいろな意見を踏まえて、こういうオプション、Aがいいんじゃないか、Bがいいんじゃないか、Cがいいんじゃないかということで議論するはずであると私は理解しているんですが、その点について、関係者から大臣の方に何か、報告だけではなくて、相談、そしてその相談の結果の指示というものがあったのでしょうか。

柳田国務大臣 詳しく説明ができる人がおるんですが。西川刑事局長、本人に聞いてもらうのが一番正確なことがわかるかと思うんですが、私は報告したことしか言えないので、それでも結構ですか。

城内委員 いや、やはり、報告を受けたというんじゃなくて、大臣はただ聞いて何も発言しなかったのか、それとも何か発言したのかということも含めて教えていただければ幸いです。

柳田国務大臣 九月七日夜、九月八日夕方、九月十七日夕方の三回、刑事局長が官邸での現状報告の場に出席したというふうに報告を受けております。

 九月七日、八日については、刑事局長から特段発言はしていない、十七日については、刑事局長から勾留延長の手続等の一般的な刑事手続について説明したというふうな報告を受けております。

城内委員 官邸で、単なる現状報告会というのであれば、紙か何かで報告すれば済むはずですけれども、当然、関係省庁が集まっているわけですから、まさに、古川官房副長官にお聞きしたいんですけれども、政治主導、官邸主導という観点から、いわゆる対策会議というのは行われていなかったのでしょうか。その点についてお聞きしたいと思います。

古川内閣官房副長官 今般の事件を受けて、官邸として特別の会議体などを設置した事実はございません。

城内委員 そういうことであれば、これはまさに国家の体をなしていないんじゃないかと私は思うんですね。当然、まさに政治主導ということをおっしゃっているわけですから、よもや検察主導で物事をすべて決めていくような恐ろしい国ではないというふうに私は信じておるんですけれども。

 当然、対策会議というものをやって、そこでいろいろと議論しているというふうに私は確信しているんですね。それをやっていないということは、何のために官邸があるのか、何か本当によくわからなくて、特に、この尖閣諸島をめぐる問題というのは、先ほど冒頭申しましたように、我が国の外交と国防における非常に重要な問題であるわけですね。

 ですから、官邸において、内閣の責任として、国家の危機管理、安全保障という視野からきちんと対策を立てて、私は、結論として、船長を釈放したという結論には反対ですけれども、官邸が政治主導で勇気と覚悟を持って、私たちは中国との関係も大事だし、いろいろと中国の丹羽大使からもこういう意見具申が来て、それを踏まえて政治判断をしました、結果は甘んじて受けます、これがまさに政治主導であって、いや、検察が決めまして了としましたというのは、検察主導国家としか私は言えないと思うんです。

 その点について、検察主導国家じゃないかということについて、法務大臣の御認識を問いたいと思います。

柳田国務大臣 何回も答弁していますように、法と証拠にのっとって適切に判断した結果だと思っております。

城内委員 私は別に民主党を攻撃するとかいうことじゃなくて、国家のあり方を言っているわけであって、民主党さんは、核密約説というようなことを一生懸命、四十年前のことを、もう当事者も死亡しているのに頑張ってやっておられる。これは私は一定の評価をしますが、まさに、私のつくった言葉ですけれども、カン密約、要するに、菅総理もしくは官邸のカンが、今まさに検察はピンチなわけですよ、フロッピーディスクの改ざん問題とかあって。下手すると検事総長に民間人がなっちゃったら困るわけですよ。そういう今非常にピンチに陥っている検察にすべておっかぶせてやっているようにしか見えないんですね。

 ですから、そんなことはないと私は信じたいんですが、そういう疑惑をまさに払拭していただきたいんですよ。そうしないと、何か、検察がやった、検察がやった、そういう今大変ピンチな立場にある検察に全部おっかぶせているような印象が否めない。

 そして、あえて忠告しますけれども、役人をやめたら、いや、実はこうだったと言う人が出てきますよ、本当に。核密約説は四十年前のことですけれども、やはりこういうことだったんだねというふうになったわけですから、いや、実はこうでしたと一人だれかが発言するだけで大問題になるわけですよ。

 ですから、私は、今のうちに、いや、実は我々は政治的な判断をしたんです、国民の皆さん、どうか御理解くださいということを言った方がいいんじゃないかと。これはまさに無所属で中立の立場で申し上げているんですけれども、私は国民は納得できないと思いますし、もしだれか本当に内部告発をする者が出てきたら、実は私もいろいろちょっと、元外務省にいましたけれども、みんな口を閉ざして言わないんですが、それはかえっておかしいんですね。何か非常に箝口令がしかれているような、異様な雰囲気なんです。

 ですから、私は、官房長官なのか菅総理なのかわかりませんけれども、まさにカン密約があったと思われるような環境、状況なわけですから、これをぜひ払拭すべく、大臣、間違っていたら間違っていたというふうに言った方がいいんじゃないかと思います。その点について御意見をお聞きしたいと思います。

柳田国務大臣 法と証拠にのっとって適切に判断したものと私は承知いたしております。

城内委員 法と証拠にじゃなくて、やはり総合的に判断されたというふうにお伺いしていますけれども。

 いずれにしましても、私は、こういう問題というのはやはり重要な問題ですから、その場限りで、こそくに、何か木で鼻をくくった答弁をするんじゃなくて、ぱちんと国民にわかりやすい、大臣そして政府、官邸の考え方をはっきり、今からでも遅くないので提示していただきたい。そうしないと、後で大変取り返しのつかないことになるんじゃないかと老婆心ながら申し上げさせていただきました。

 もう時間もないので、これで終了いたします。ありがとうございました。

奥田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時九分散会


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