衆議院

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第4号 平成23年12月6日(火曜日)

会議録本文へ
平成二十三年十二月六日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 小林 興起君

   理事 熊谷 貞俊君 理事 黒岩 宇洋君

   理事 階   猛君 理事 辻   惠君

   理事 樋口 俊一君 理事 稲田 朋美君

   理事 棚橋 泰文君 理事 大口 善徳君

      井戸まさえ君    大谷  啓君

      大西 孝典君    加藤  学君

      勝又恒一郎君    川口  浩君

      京野 公子君    桑原  功君

      小室 寿明君    高井 崇志君

      滝   実君    橘  秀徳君

      玉置 公良君    中島 政希君

      中屋 大介君    平山 泰朗君

      皆吉 稲生君    宮崎 岳志君

      河井 克行君    北村 茂男君

      柴山 昌彦君    橘 慶一郎君

      平沢 勝栄君    森  英介君

      柳本 卓治君    漆原 良夫君

      城内  実君    横粂 勝仁君

    …………………………………

   法務大臣         平岡 秀夫君

   法務副大臣        滝   実君

   総務大臣政務官      主濱  了君

   法務大臣政務官      谷  博之君

   文部科学大臣政務官    城井  崇君

   最高裁判所事務総局人事局長            安浪 亮介君

   政府参考人

   (人事院事務総局人材局長)            菊地 敦子君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 田中 順一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          後藤  博君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           常盤  豊君

   法務委員会専門員     岡本  修君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月五日

 辞任         補欠選任

  三輪 信昭君     川口  浩君

同月六日

 辞任         補欠選任

  大谷  啓君     高井 崇志君

  橘  秀徳君     宮崎 岳志君

  北村 茂男君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  高井 崇志君     大谷  啓君

  宮崎 岳志君     橘  秀徳君

  橘 慶一郎君     北村 茂男君

    ―――――――――――――

十二月五日

 国籍選択制度の廃止に関する請願(鳩山由紀夫君紹介)(第五五八号)

 成人の重国籍容認に関する請願(鳩山由紀夫君紹介)(第五五九号)

 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(志位和夫君紹介)(第五六〇号)

 同(岸本周平君紹介)(第五七七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五七八号)

 同(田名部匡代君紹介)(第五七九号)

 同(仁木博文君紹介)(第五八〇号)

 同(吉泉秀男君紹介)(第五八一号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第六二九号)

 同(笠井亮君紹介)(第六三〇号)

 同(川島智太郎君紹介)(第六三一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六三二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第六三三号)

 同(志位和夫君紹介)(第六三四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六三五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六三六号)

 同(津村啓介君紹介)(第六三七号)

 同(中野渡詔子君紹介)(第六三八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第六三九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第六四〇号)

 同(渡部恒三君紹介)(第七〇三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)


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     ――――◇―――――

小林委員長 これより会議を開きます。

 この際、委員長から一言申し上げます。

 去る二日の委員会の質疑中、民主党・無所属クラブ所属委員から、委員会運営に支障を来すような不規則発言がありました。委員長として、このような不規則発言があったことは遺憾であります。今後、このような不規則発言は厳に慎むよう、委員長から改めてお願いいたします。

     ――――◇―――――

小林委員長 内閣提出、裁判所法の一部を改正する法律案及びこれに対する大口善徳君提出の修正案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局人材局長菊地敦子君、総務省人事・恩給局長田中順一君、法務省大臣官房司法法制部長後藤博君、文部科学省大臣官房審議官常盤豊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小林委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局安浪人事局長からの出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小林委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。階猛君。

階委員 おはようございます。民主党の階猛です。本日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。

 裁判所法の一部を改正する法律案、これは法曹養成に絡む問題で、私もたびたびこの委員会で取り上げさせていただきました。ただし、私は、この給費制か貸与制かという問題は、法曹養成制度が抱える問題全体の中ではごく一部、しかも枝葉の部分にすぎないという理解でございます。

 なぜそう思うかについて、お手元の資料、まず一枚目をごらんになってください。これは、総務省の行政評価局でつくった資料でございますけれども、法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書、二〇一〇年十二月の資料から抜粋したものでございます。

 法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策の体系のイメージをちょっと図にまとめたものでございますけれども、そもそも、司法制度改革の基本理念というのは、自由かつ公正な社会の形成に資するということで、大きく三つの理念があった。「国民の期待に応える司法制度の構築」、これは法テラスという形で具体化されている。それから、右側の「司法制度の国民的基盤の確立」、これは裁判員制度という形で具体化されている。

 さらに、ここで問題となっているのが、この真ん中の「司法制度を支える体制の充実強化(人的基盤の拡充)」というところでございまして、多数の法曹の養成及び確保を目指すんだということで、その下の矢印、「法曹人口の拡大」と「法曹養成制度の改革」ということをやっていこうというのが平成十四年三月の閣議決定でございます。

 法曹人口の拡大の方では、平成二十二年ころには司法試験の合格者を年間三千人、法曹養成制度の改革では、法科大学院を中核とし、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた新たな法曹養成制度を整備するということで、その法曹人口の拡大と法曹養成制度の改革に係る主な施策が下の方のフローチャートでございまして、司法修習は、右側の方に掲げてありますけれども、合格した後の話でございまして、その前にいろいろな関門があります。

 まず、左から、「適性試験」、これは法科大学院に入る能力があるかどうかということを検査するための試験でございますが、法律に無関係な試験で法科大学院の適性を見るということが果たして機能するのかどうか。かつ、法科大学院の入試の選定基準に当たって、適性試験の成績が必ずしも考慮されなくていい仕組みになっているというのも、どうとらえるべきかという問題があります。

 それから、「法科大学院」というところでは、ここに掲げている「主な目標」、修了した者のうち、七、八割が新司法試験に合格できるよう努めるとか、あるいは入学者の三割以上は法学未履修者等というふうになっていますけれども、これがいずれも達成できていないということはかねがね御指摘しています。

 さらに、法科大学院では学費の問題もあります。国立で二百七十一万、私立で四百二十七万、大体かかると言われております。また生活費も、二年間であれば大体六百万ぐらい、三年間であれば九百万ぐらいかかる。こういうことで、そもそも、法科大学院があることによってお金持ちしか法曹になれないということが生じているのではないかということがあります。

 お金がかかった上で、先ほど言ったように、新司法試験に七、八割は受かっていない。さらに三千人合格目標というのも、達成されていないどころかまだ二千人ほどです。そして、新司法試験が受からなかった人たちには三振制というペナルティーがありまして、五年間で三回失敗すればもはや受験資格を失って、平均して三百五十万程度借金が残るというふうに言われていまして、まさに、借金だけが残って何も残らない、二重ローンのような問題です。

 そして、予備試験というルートもあるにはあるんですけれども、これも後で指摘しますけれども、非常に狭き門です。

 そういう関門を経た上で司法修習になるわけでございまして、司法修習の前にいろいろ解決すべき問題があるのではないかということです。

 質問に移りますけれども、法務大臣にお伺いします。

 法曹養成制度のあり方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずると昨年のこの委員会で決議しました。一方で、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律、いわゆる連携法附則二条の検討条項では、施行後十年を経過した場合、必要があると認めるときに、法曹養成制度の検討を行う、そしてその結果に基づいて所要の措置を講じるとなっておりますけれども、私は、こういう悠長なことではいけないと思っていまして、検討条項の文言にかかわらず、法曹養成制度全体について早急に見直すべきだと思っていますが、その決意について、大臣にお伺いします。

平岡国務大臣 階委員の御質問にお答えいたしたいと思います。

 今、階委員から御紹介がありました昨年の法務委員会の決議に基づいて、我々の方では、内閣官房、総務省、法務省、財務省、文部科学省及び経済産業省で合意をいたしまして、法曹の養成に関するフォーラムというものを開催させていただいているところでございます。

 法曹養成制度のあり方については、さまざまな問題点が指摘されているところでございまして、決議に基づいて、全体的な見直しというものを行う、検討を行うということで進めているわけでありますけれども、これには一定の時間が要するものだというふうにも思います。

 ただ、フォーラムをつくるに当たってのこの法務委員会の決議と今委員が御指摘になりました連携法の附則第二条の検討条項との関係ということになりますと、我々の方では、このフォーラムでできる限り早くいろいろな結論といいますか、問題点の整理といいますか、してほしいということがありますけれども、附則第二条の規定というものもにらみながら、現在開催中のこのフォーラムにおいて本格的な検討を進めてほしいというふうに思っておりますし、フォーラムではできる限り早期に取りまとめを行う必要があるというふうにも考えているところでございます。

階委員 大口委員にも後の方で質問したいので、なるべく端的にお答えをお願いします。

 そうしますと、検討条項については、にらみながらという表現もありますけれども、必ずしも拘泥されないということなんだと思います。

 それで、今後、もしこの閣法が原案どおり成立して一応貸与制になるとしたとしても、法曹養成制度のあり方全体を見直すわけですから、見直しの結果、貸与金の返還時期が到来する前に給費制を復活させるべしという結論が出れば、今貸与制でお金を借りた人の返還義務も免除されることはあり得べしという理解でいいのかどうか。明快に、端的に御答弁をお願いします。

平岡国務大臣 ちょっと今、階委員の方から附則第二条の規定にこだわらないという表現がありましたけれども、あくまでもこれは法律で決まっている話ですから、一応こだわらなければいけないとは思います。ただ、十年たったらすぐに結論が出せるようなということを頭に置きつつというような意味で申し上げたところでございます。

 今の御質問の点ですけれども、返還義務が免除されるのかという点について言えば、これは我々としては、いろいろな見直しをする中でどういう結論が出てくるかわかりませんけれども、純粋に法律論的なものを言えば、立法上の措置によって免除をすることについては、法制的に不可能なことではないというふうには思っております。

階委員 ということで、あくまで今回の閣法は、未来永劫貸与制にするということではない。これは、理論的にもそうですし、我々政治家が覚悟を決めてやれば必ずそうなるということを確認させていただきました。

 その上で、個別の論点に入っていきます。

 文科省に伺います。

 適性試験と法科大学院は文科省の所管だと思います。法科大学院については、修了者の七、八割を合格させるという目標や、入学者に占める非法学部の出身者あるいは社会人の割合を三割以上にするという目標の達成からどんどん遠ざかっているということは、前にもこの委員会で私の方から指摘させていただいております。法科大学院を中核とした法曹養成制度の改革、先ほどの資料一にもありましたけれども、この改革は失敗と言わざるを得ないのではないかと思っていますけれども、この点について、政務官、城井さん、いらっしゃっています。お答えをお願いします。

城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 両論あるというふうに認識をいたしております。一方で、多様な経験、能力を有する法曹を多数輩出しているといった点では相応の成果ということも言えるかもしれませんけれども、実際には、新司法試験の合格率の低迷、そして法曹志願者の大幅な減少といった点では、制度全体が悪循環に陥っているという指摘があるということは承知をいたしております。

 その上でですが、これを好循環に変えていくためにはということで、まず制度が抱える問題の共通理解を深めること、そして見直し、改善に取り組むということを、これまでも、先ほど大臣からも御指摘のありましたフォーラムなどにおきまして、関係者が現在議論を行っているところであります。

階委員 率直な御答弁、ありがとうございます。

 今までこの委員会で余り指摘されていなかった事項について、また城井さんにお伺いしたいんですが、今御答弁にありましたとおり、適性試験の志願者、法科大学院の志願者、そして法科大学院の入学者がいずれも激減してきています。それに連動して、大学法学部の入学者も減少してきていると伺っています。こういったことが大学の経営にも悪影響を及ぼしているのではないかと思っています。

 資料三というのをごらんになってください。これが激減の状況を示したものです。左上から、法科大学院適性試験の志願者数の推移ということで、見事に右肩下がりです。二十三年度から棒グラフが一本になっているのは、適性試験を実施する機関が一つになったからでございまして、この七千八百二十九という数字でとらえてみても、前年の多い方の数字、八千六百六十四よりは減っている。また、法科大学院志願者数の棒グラフも右肩下がり。法科大学院入学者数の推移も右肩下がり、かつ、法学未修者についてはさらに右肩下がりの度合いが大変強うなってございます。

 そうしたことで、城井政務官には、大学の経営への悪影響の点についてどうお考えになっているか、お願いします。

城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 議員御指摘の点について、事務方から報告をいたさせまして確認をいたしておるところでございますが、法学部の入学者の減少についてでありますが、法科大学院の志願者数等とどのように関係しているかというところは必ずしも定かではないというふうに思っております。

 ただ、その上ででありますが、法科大学院導入をした後の法学部の教育については、それぞれの大学が特色を発揮し、独自性を競い合う中で、全体としての活性化が期待されるという考え方が司法制度改革審議会の意見書においても示されているということでありまして、その実態を踏まえて充実のあり方を今後検討してまいりたいというふうに存じます。

階委員 そうすると、まだはっきりとした悪影響というのは把握していないということで受けとめてよろしいですか。

城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 法科大学院の志願者自体の減少というところの把握はしておるわけでありますけれども、そこが、いわゆる法学部との関係というところについて、具体的にこういう部分があるからというところが、特に今、まずは国立大学のあたりから確認をしておりますが、そこはまだ確認ができていないということでありまして、引き続き検討を続けたいと思います。

階委員 いずれにしても、法科大学院については定員割れというところも多数あって、それ自体が経営の足を引っ張っているということはあると思うんですね。

 さらに加えますと、優秀な学生が、今までだったら、研究者になろうとしていた人が、まず法科大学院に進んで、修了後に司法試験に合格して法曹になってしまう。その結果、研究者になろうとする人材が減る。そうなると、学問としての法学を支える人材が減って、法学の発展を阻害するのみならず、法学部や法科大学院の教員が減少して、ますます教育の質が下がるのではないかという懸念もあるんですが、この点についてはどうお考えになっていますか。

城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 法科大学院のカリキュラムにおきまして、研究論文の作成や外国法といった研究者養成に必要な基礎的な教育が十分なされる体制になっていないという指摘があることは十二分に承知をいたしております。

 このために、例えばでありますが、東京大学や京都大学におきましては、実定法学研究後継者や法科大学院教員の養成のための体制を強化するための取り組みを行っております。ほかの大学については、そうした取り組みの波及を期待したいという状況にとどまっているというふうに思っておりまして、文部科学省といたしましては、こうした取り組みを支援することによりまして、法科大学院の教員の養成、教育の質の向上を促進してまいりたいというふうに思っております。

階委員 それから、従来の司法試験が、予備校での受験教育に頼って、それを経て合格していることによって、余り法曹の質がよくなかったんじゃないかという問題意識から、法科大学院では受験指導はやらないという方針だったと思うんですが、法科大学院の第三者評価基準が昨年三月に見直されまして、司法試験の合格状況なども第三者評価基準に含まれたということで、これは当初の理念に反して、私は法科大学院の受験予備校化を招く自殺行為ではないかと思っているんですが、この点については文科省はどういうふうにお考えですか。

城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 認証評価機関による法科大学院に対する評価について、平成二十二年四月に、文部科学省令を改正いたしまして、質の評価に軸足を置いた評価基準方法への改善を行ったところであります。具体的には、先ほど御指摘のあったように、「法科大学院の課程を修了した者の進路(司法試験の合格状況を含む。)に関すること。」を評価項目に加える等の改正を行っているところであります。

 ただ、この項目につきましては、法曹養成の中核的機関という法科大学院の設置目的にかんがみて、司法試験の合格状況等を含む法科大学院修了者の進路について適正に評価することが求められるということから加えられたものであります。

 なお、この項目につきましては、平成二十二年三月の本改正に際して、その趣旨や留意事項を各法科大学院に通知しているところでございますけれども、その中に、法科大学院の修了者の進路については、司法試験の合格状況や法曹三者への進路のみではなく、受審法科大学院の掲げる人材育成の目標を踏まえた、企業や官公庁などの多様な職域への進路を含むものであるということに留意する必要があるということ、また、司法試験の合格状況については、単に司法試験合格率などの数値的指標のみで判断するのではなく、合格状況の分析やその改善に向けた教育内容、教育体制の見直しが適切に行われているかなど、法科大学院の取り組みについて総合的に評価される必要があるということを示しているところでございます。

 今後も、そうした趣旨を十分に踏まえて周知をしてまいりたいというふうに存じます。

階委員 一方で修了者の七、八割を合格させるという目標が達成できず、その改善が迫られる、また一方では受験予備校化を防ぐ、こういうはざまの中で、今のは大変苦しい説明だったと思います。

 こうしたことから、私は政策仕分けでも指摘させていただきましたけれども、法科大学院というのは、制度のあり方そのものを抜本的に見直す、廃止も含めて抜本的に見直すことを主張しまして、そういった制度のあり方そのものを抜本的に見直すことを検討すべきという仕分けの結論になっています。

 今後、どのようにその検討を進めていくのか。政務官、お願いします。

城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 先日の提言型政策仕分けでも、法科大学院につきましては、入学定員の適正化を計画的に進めること、産業界、経済界との連携をとりながら法科大学院制度のあり方そのものを抜本的に見直すことを検討することが指摘されたことは承知いたしております。

 その上ででありますけれども、基本的には、これまでのいわゆる法曹の養成に関するフォーラムでの関係者の議論というところが基本でありますけれども、文部科学省といたしましては、このたびの提言型仕分けを受けまして、タスクフォースを設置いたしまして、そうした中教審ですとかあるいは法曹養成に関するフォーラムの議論に先駆けて、しっかり方針を示していこうということで、取り組みを加速することというふうにいたしております。

 今後、議員の御指導をいただければと思います。

階委員 ありがとうございます。

 それでは次に、新司法試験と予備試験について、今度は法務省の管轄になるかと思います。

 資料四というのをごらんになってください。

 これは、やはり総務省の行政評価局がまとめたものでございますが、平成二十二年のデータなんですが、新司法試験の合格者と不合格者の得点の状況を示したものでございます。

 合格した人数は、この真ん中やや上に合格者計1、二千七十四とありまして、合格率は二五・四%なんですが、得点率でいいますと四九・二%、満点を一〇〇%として四九・二%とると合格できるということでございます。点数でいうと千五百七十五点満点中七百七十五点ということなんですが、その下、七百七十四点から七百二十四点、最低合格ラインとの差が一点から五十一点の幅に何と九百三十八人が入るということでございまして、もしこの九百三十八人を合格させていれば三千人という目標は達成できていたわけでございます。

 一方で、なぜ七百七十五が合格最低ラインなのか。はっきり言って、この得点率を見ていただくと、四九・二というのがよく意味がわからない数字なわけです。例えば五〇パーなら五〇パーで切るというならまだわかるんですけれども、四九・二で切るというのがよくわかりません。

 三千人を目標にして、上位三千番に入れば合格できるというふうに受験者は思っているはずなのに、実際には、法務省の説明では、これは競争試験ではなく資格試験で、上位三千番に入っていても合格基準をクリアしなければ不合格になるという御説明を受けています。しかし、今申し上げたように、三千番目の試験成績は最低合格ラインからさほど離れていません。最低合格ラインがなぜ四九・二%なのかということも意味がわかりません。

 なぜ三千番目を不合格にしなくてはならないのか、受験生が納得できる説明をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

平岡国務大臣 御案内のように、司法試験の合格者というのは、専門的見地から司法試験考査委員の合議によって判定され、司法試験委員会において決定されているということでございます。そのときに、先ほど委員からもお話がありましたように、資格試験といいますか、この司法試験というのは、裁判官、検察官または弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定するということでやっておりますので、まさに専門的見地から判断していただいているというふうに考えております。

階委員 私は、全くそれでは説明になっていなくて、受験生が聞いたらとんでもないと思うと思います。そこが明確に説明できない以上は、資格試験という旗はおろし、三千人という合格目標も変更すべきだと思っています。

 資料五というのを見ていただきたいんですが、これは、司法修習生の進路の内訳ということで、新司法試験に合格して修習を終えた人のうち、弁護士に登録していない人の割合というのが示されております。

 未登録者割合が真ん中より左側のところに書いてありますけれども、新六十期は三・三%だったのが、新六十一期は五・一%、新六十二期は六・七%、新六十三期になりますと、何と二けた台、一一・〇%に上がっている。もちろん、それは、右側の方には、その後、月を経るごとに徐々に登録する人はふえてきて、未登録者数は減るわけでございますけれども、とにもかくにも、昔はこんなことは考えられなかった、修習が終わったらすぐ登録するというのが当たり前だったのが、もはや当たり前ではなくなってきているということでございます。

 こうしたことから、現実問題として、合格者二千人とか、もっと少なく目標を見直すべきではないか、これは前回の質問のときも指摘しました。ここでは答弁は求めません。

 それからもう一つ、予備試験について。資料六をごらんになってください。

 これはことし初めて実施した予備試験の結果を示したものでございまして、右側に私の事務所の方で手書きで加えた数字がありまして、受験者のうち最終合格者がどれぐらいの割合になっているかということを示したものでございます。

 見ていただきたいのは、一番下の一・八%、これは全体の中の最終合格率。一・八%、極めて低い数字です。それに加えて、「法科大学院修了」という項目が上の方にあると思いますが、法科大学院を修了して最終合格した人は五・七%なんですね。法科大学院を修了すれば無条件で新司法試験の受験資格が与えられるはずなのに、予備試験を受けると五・七%しか最終合格できず、したがって、予備試験を合格して新司法試験の受験資格を得られる人はごくごくわずかということでございます。これは余りにも法科大学院を修了した人の合格する割合が低いということでございまして、矛盾があるのではないか。

 どちらかの理由があると思います。一つは、法科大学院の教育が極めて質が低い。もう一つは、予備試験が極めて狭き門になっている。いずれにしても、この予備試験のありようは大変問題があって、もっと門戸を広げるべきではないかと思っています。これも指摘するにとどめます。

 それからもう一点、三振制度についても前回も指摘させていただきました。

 法科大学院修了の七、八割が合格という目標も、合格者三千人という目標も達成されていない状況に加えて、今申し上げた、予備試験に通ることも至難のわざで、予備試験に通って新司法試験の受験資格を得て再チャレンジするということも至難のわざです。こうしたことを考えると、三振制度は全体の見直しの中でもまず真っ先に廃止すべきではないかということも、前回に引き続き指摘させていただきます。

 そして、司法修習について、これはお尋ねしますけれども、法務大臣は弁護士資格を有するということでございますが、お聞きしたところによりますと内閣法制局に勤めていたということで、これは五年以上勤めると、司法修習を受けなくとも弁護士資格が取れるということなんですね。

 資料七をごらんになってください。

 そこで、調べてみますと、弁護士資格認定制度というものがございまして、司法試験を受かりさえすれば、例えば企業法務の担当者だと、七年以上従事する、その後、認定を申請、以下手続がありますけれども、そういう流れで弁護士資格が得られる。また、国会議員とか、大臣がお勤めになった内閣法制局の参事官では、五年以上在職すれば弁護士資格を得られる。

 きょうここで問題になっている、司法修習生の経済的負担をいかに軽減するかどうかという論点の関係でいうと、私は、この弁護士資格認定制度を広げていけば、修習を経ずに、その間の生活費の負担などもなく弁護士資格を得られるのではないかと思っていまして、そういう選択の幅を広げるべきではないかというふうにも思います。

 例えば、国会議員が五年で弁護士資格を得られるというのは、私は企業法務の担当者もしておりまして、企業法務が七年かかるのに何で国会議員は五年で済むのかなと思っております。正直言って、私は企業法務をやっていたときの方がよっぽど法律に精通していたと思います。そういうことを言ってはまずいですけれども、実際問題そうだと思いますよ。確かに立法の作業にはかかわっていますけれども、多くのことは事務方がやってくれて、我々は大きな方針を決めるだけですので、実務能力という点でははるかに企業の法務部にいた方が研さんを積むわけで、私は、国会議員五年を前提とするなら、企業法務の担当者とかあるいは公務員でそういう仕事に携わる方は三年ぐらいでもいいんじゃないかと思っています。

 大臣に、この点について御所見を伺います。

平岡国務大臣 国会議員については、当時、この法改正をするときにその議論をして、私も本会議場で、おかしいんじゃないかということで文句を言った経緯がありますので、意見としては余り変わらないと思います。

 ただ、今回我々の提案させていただいている法案との関係でいけば、法曹資格を得るまでの経済的負担とは弁護士資格認定制度というのは無関係の制度であるというふうに我々としては考えております。この間口を広げるかどうかということについては、別途いろいろな議論をしていただけたらというふうに思います。

階委員 それから、修習のときの経済的負担に配慮する仕組みとして、私も修習生をやったときに、やはり家族持ちですから、借金をしないと給費制でも生活できないんですね。反面、時間的な余裕は企業に勤めていたときよりも全然あるわけで、時間的余裕がある中で、兼業ということもでき得る限り認めていいのではないかと思っています。時間が参りましたので質問はしませんけれども、そういったことも御検討いただきたい。

 それから、大口先生には、済みません、通告しておきながら時間の関係で申しわけなかったんですけれども、法曹養成制度全体を見直さなくちゃいけないという御党の主張には全面的に賛成しておりますし、それを早急に進めていかなくてはいけないということは共通でございます。ただ、前段で確認したとおり、今回閣法で出している貸与制というのも、これが未来永劫続くというものではございません。未来永劫続くというものではなくて、仮に貸与制にしても、途中から給費制に変えて、そして既に貸与制の適用を受けた方も返還義務を免れるという余地もあるということも御理解いただければと思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 質問を終わります。ありがとうございました。

小林委員長 次に、中屋大介君。

中屋委員 民主党の中屋大介です。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。裁判所法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 先ほどの階委員の質疑の中でももう既に出てきた数字で恐縮なんですが、最初に三問、法務省にお尋ねして、司法制度改革の全体像というところをまず確認させていただきたいと思います。

 このたびの司法制度改革の特徴として、司法試験の合格者数を増加させようという問題意識が存在していたことは事実だと思いますが、実際のところ、この司法制度改革が始まる前と後とで合格者数はどのように推移してきているのでしょうか。

谷大臣政務官 お答えいたします。

 司法制度改革以前の司法試験の合格者数については、長きにわたって五百人前後で推移しておりまして、平成元年の合格者数は五百六人です。その後、合格者数は少しずつふえてまいりまして、司法制度改革審議会意見書が提出された平成十三年には九百九十人に伸びております。

 司法制度改革によって導入された新司法試験は平成十八年から実施されておりまして、平成二十三年までは新司法試験が並行実施されたところ、新旧司法試験を合格した合格者数については、平成十八年は千五百五十八人、その内訳は、新司法試験が千九人、旧司法試験が五百四十九人ということでありました。その後、増加して、現在では毎年二千人以上が司法試験に合格しております。

中屋委員 ありがとうございます。

 司法試験の一年度当たりの合格者数というのは長きにわたって五百人前後であったものが、これまでの期間で既に約四倍にふえているということですね。このことは、今回の裁判所法の一部改正に関して重要な前提条件であるというふうに私は理解をしています。合格者数そのものが増加をしないという状況であるならば、ほかの政策を実施するためにこのような意向があるんだというような話も出てくると思うんですけれども、合格者数そのものは、もちろん三千人という掲げられた目標にまだ届いていません、まだ届いていませんけれども、二千人にまではふえている。年々着実に増加してきて、今二千人には及んでいるということは指摘をしていきたいと思います。

 そこで、ここでまた一つ、かつての司法試験の周辺の風景を振り返っておきたいと思います。

 かつて中学校や高校で配られた職業教育のプリントや冊子を思い出しますと、司法試験というのは日本で最も難しい試験というふうに書いてあった記憶があります。それはもちろん現在でも基本的に変わっていないと思いますが、例えば旧司法試験の時代、大学に入学しますと、司法試験の予備校が早速学内で入学の案内のパンフレットをどんどん配っておりまして、せっかく受験勉強が終わって大学生になったのにまた勉強するのかと友達同士で冗談を言い合った記憶があります。ダブルスクールという言葉も普通に使われていたと記憶しています。そして、そのころは、司法試験に合格するということは、その出題範囲の膨大さやまた難しさとも相まって、一般の国民から見れば、ある種の超人的な目標をなし遂げた人というようなまなざしというのもある種あったというふうに思います。

 そこで、お尋ねしたいと思いますが、法曹養成制度改革の際に言われていたことというのは、司法試験合格者数の増加とあわせて、司法試験のあり方そのものに対する問題意識もあったと記憶していますけれども、旧司法試験制度におけるいわゆる一発試験の弊害ということでは、どのようなことが言われていたのでしょうか。

谷大臣政務官 お答えいたします。

 先生の御指摘いただきました一発試験の弊害、これについては司法制度改革審議会の意見書にもそのことが触れられておりまして、いわゆる司法制度改革以前の旧司法試験については、開かれた制度としての長所を持つものの、受験競争の激化、合格率の低下によって、一つは、受験生の受験技術優先の傾向が顕著となって、法曹の質を確保する、そういう上で重大な問題が生じている、二つ目には、長期間受験しても結局合格できない多くの司法試験浪人が生じること、こういうことによる社会的損失が看過しがたいというようなことで、こういった弊害が指摘をされ、そういうことがあるというふうに認識をいたしております。

中屋委員 ありがとうございます。

 受験技術に偏重したというところが一つあったと思います。そのことが、この法科大学院という制度の根幹にある、プロセスとしての法曹養成という概念につながっていったのだと思うんですが、私は、そのプロセスとしての法曹養成という考え方の中で、一般教養あるいは幅広い教養ということが、また、人材の多様性ということが挙げられていると思います。

 この幅広い教養が新時代の法曹を担う人材にとって必要である、あるいは多様な人材が入ってくるということが新時代の法曹にとって重要であるということは繰り返し指摘をされていることなんですが、そのような法曹人材が社会の中にふえていくということの意義について、御所見を伺いたいと思います。

滝副大臣 お答えをさせていただきます。

 基本的には、裁判官であれ、検事であれ、あるいは弁護士さんであれ、社会の中のあらゆる分野の事例に直面するわけでございますから、当然、法律だけにではなく、社会全体のことが判断できるだけの能力、訓練が必要なわけでございます。そういう意味で、今御指摘のように、法科大学院というものを主体とした法曹養成ということになっているんだろうと思います。

 したがって、今も御指摘いただきましたように、社会人の経験者も法科大学院の中には受け入れる、あるいは法学部だけでなくて他学部の卒業生も受け入れる、こういうことで出発いたしておりまして、文部科学省の基準でも、そういった法学部関係以外の人たち、約三割はそういう人たちで受け入れるように、こういう基準まで設定しておりますので、仕組みとしては、今御指摘のようなことを当然初めから前提にして今日まで来たというふうに認識をいたしているところでございます。

中屋委員 ありがとうございました。

 法科大学院の重要性ということを改めて確認することができたと思います。

 そこで、次に、法科大学院の現状についてお尋ねしたいと思います。

 法科大学院に在籍しておられる方やこれを修了された方とお話ししておりますと、とにかく、制度開始の当初言われていた条件と随分違うじゃないかという不満とか不信の声が強いというふうに私は思っております。とりわけ、合格率が、当初言われていた、法科大学院に入学すれば七割、八割が合格するということではなくて、それよりもかなり低いではないかということが言われていると思います。

 それで、文部科学省にお尋ねしたいのですが、法科大学院の近年の運営状況について、特に合格実績などの成果が上がっていない学校への対応については、現在どのようになっているでしょうか。また、これは法学系に限らず、文系の研究者に関しては共通する課題だと思いますが、地方に所在する法科大学院の振興の状況についてもお考えを伺いたいと思います。

常盤政府参考人 お答えをさせていただきます。

 法科大学院の運営状況というお尋ねでございますけれども、法科大学院につきましては、これまで一定の評価がなされている一方で、一部におきまして、新司法試験の合格状況が低迷するなど、教育の質に課題を抱えているということが指摘をされております。各法科大学院におきましては、中教審の法科大学院特別委員会が提言をいたしました教育の改善方策を踏まえまして、教育内容の充実あるいは入学定員の削減等に取り組んでいるところでございます。

 入学定員につきましては、平成二十三年度までにすべての法科大学院が定員見直しを実施いたしまして、ピーク時に比べて千二百五十四人、全体に占める割合としては二割減の、四千五百七十一人となっているところでございます。

 また、実入学者数につきましても、厳格な入学者選抜等に伴いまして、平成二十三年度は三千六百二十人と、ピーク時に比べて約四割減少という状況でございます。

 文部科学省といたしましては、中教審が実施する教育の改善状況の調査であるとか、深刻な課題を抱える一部の法科大学院に対する財政支援の見直しなどによりまして、引き続き、各法科大学院に対して、教育内容、方法の充実や入学定員の削減を初めとした組織見直し等の改善を促してまいりたいと考えております。

 また、地方の法科大学院の役割ということでお尋ねをいただきましたが、地方の法科大学院は、地元に密着した法曹の養成であるとか教育を受ける機会の確保の観点から非常に重要であると考えております。司法制度改革審議会の意見書におきましても、地域を考慮した全国的な適正配置に配慮すべきとされておりまして、現在、北海道から九州、沖縄まで、全国的な広がりを持って設置をされているところでございます。

 文部科学省といたしましては、中教審の報告も踏まえながら、法曹養成機関としての機能、実績などに留意をいたしながら、適正な教育水準が確保されるように、入学定員の見直しあるいは統廃合などの組織見直しを促進していくわけでございますけれども、一方で、全国的な適正配置とか学生の学習機会の確保にも配慮できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。

中屋委員 ありがとうございます。

 ちょっと私の個人的な経験で、法科大学院に在籍したことはないんですけれども、大学院重点化の後の文系の大学院に在籍した経験もありまして、そのころの経験から、個人的な思いとして、特に大学院というものについては、出口戦略といいますか、それを出た後、それをどういうふうにその人が自分の人生に生かしていくのかということをしっかり考えないとかえって問題が生じるのではないかという問題意識を私自身が持っているものですから、今このような質問をさせていただきました。

 法科大学院の運営状況に関しては、特に中教審の方で、制度全体が悪循環に陥りつつあるというような非常に厳しい表現をなさったことを、私自身は、非常に大きなことというか、重たいことだと受けとめました。かなり踏み込んだ表現といいますか、強い表現だなというふうに思っております。

 文部科学省自身の役割として、教育機関がその本来の設置目的をしっかり果たしているかどうかということを監督するというか、本来の教育目的に合致した状況であるのかどうかということを見るというのは教育行政の、学校行政の基本的な役割だと思いますので、今後ともしっかり文科省の役割を果たしてもらいたいというふうに思っています。

 続いて文科省の方にお尋ねしたいと思います。先ほども少し触れましたけれども、多様な人材という概念に関連して、他学部の出身者など、いわゆる法学未修者の受け入れについてであります。

 法科大学院の制度としては、既修者の入学を主に想定した二年コースと未修者の入学を主に想定した三年コースの設置がいずれも可能であって、枠組みとしては法学未修者への配慮もなされた形になっていますけれども、未修者の合格率が既修者に比べて大幅に低く、直近では入学者数も低迷するなどしておりまして、何らかの対策が必要な時期に来ているのではないかと思います。

 私の問題意識として持っているのは、例えば法学部など学部教育で法学を体系的に学んだことはないけれども法曹の道への関心や志は持っているという人を想像したときに、少人数で密度の濃い教授を行うことを前提にして、期間当たりの授業料も一般に学部に比べて高額である場合が多い法科大学院にいきなり入学するということは、必ずしもすべてのニーズにこたえていないのではないかというふうに思っています。

 そこで、一つの提案なんですが、二年コースと三年コースという現行の形も残しながら、より低廉な学費で基礎的な事項を体系的に学習できる予科のような制度を充実させることはできないだろうか。例えば、法学部の学部教育の三年次への編入学、いわゆる学士入学、これは各大学で自主的に昔からある制度だと思うんですが、これをもっと拡充して使い勝手のいいものにするなどといったことも想定できると思いますが、いかがでしょうか。

 また、そうした大きな枠組みの話とは別に、現在の法科大学院制度のもとで、厳しいスタート地点からスタートしている法学未修者に対して何か経済的支援を充実させることはできないかとも感じます。

 法科大学院における法学未修者教育の充実に関して、文部科学省の御所見をお尋ねします。

常盤政府参考人 法科大学院における法学未修者の教育については、非常に重要な課題であるというふうに認識をしてございます。私どもといたしましては、多様なバックグラウンドを有する人材を多数法曹に受け入れるという観点から、一つは未修者教育の充実という問題、それからもう一つは、経済的支援の充実ということが重要であるというふうに考えてございます。

 まず、先生からお話のございました法学未修者の教育の充実でございますけれども、現状の御説明ということになってしまいますが、中教審の法科大学院特別委員会の提言を踏まえまして、法学未修者につきましては、三年間の教育を行うわけでございますが、その一年目におきましては、法律基本科目を学修いたしますが、その基本科目の単位を増加して、より基礎的な部分の教育の充実を図ろうという方向が、提言が打ち出されております。それを踏まえて、文部科学省としては、省令改正を行いまして、そういうことが可能になるようなことを実現いたしまして、未修者教育の充実を図るということを進めているところでございます。

 それからもう一点、経済的支援策でございますけれども、経済的支援策につきましては、奨学金の貸与であるとか授業料減免措置が実施をされております。

 このうち奨学金でございますけれども、日本学生支援機構が行う奨学金事業につきまして、法科大学院生に対する奨学金の貸与月額は一般の大学院生に対する有利子奨学金の上限に比べて高い金額も選択をできるということにしております。また、法科大学院生の中では、奨学金の貸与基準を満たす希望者については、現状においてその全員に対して奨学金を貸与できているというような状況にございます。

 授業料の減免措置につきましては、二十四年度概算要求におきましてその充実を図っているという状況でございます。

 以上でございます。

中屋委員 ありがとうございました。

 では、また法務省への質問に戻りたいと思います。

 先ほど階委員も触れていただきましたけれども、若い法曹の方と話しておりますと、特に五年間で三回までという現在の受験回数の制限に対して、司法試験の合格率が当初言われていた七割、八割という数字になっていない以上、余りに過酷だという声が多く聞かれました。一方で、回数制限という発想そのものは、旧司法試験の時代に、合格するまでの期間が長期にわたる傾向が見られたことから設けられたものということも認識をしています。

 したがって、私の思いとして、回数制限を撤廃せよとまではいかないにしても、年数もしくは回数あるいはその両方において一定程度緩和するということは必要ではないかと思いますが、御所見をお尋ねします。

滝副大臣 ただいま回数の問題について御質問がございました。

 当然、この出発点としては、当時言われておりましたのは、例の司法試験浪人、あたら青春時代を試験だけで埋めてしまうというのは、何となく人材の育成としてはいかがなのかということで、回数も設ける。あるいは、年数も、三年間連続で三回というのはいろいろな事情があって難しかろう、したがって、五年間という余裕を持って設定をしたということでございます。

 しかし、その後の実態を見れば、やはりいろいろな角度から検討するというのが委員の御指摘だと思います。現在政府で設定しておりますフォーラムにおいてもそんな問題を取り上げていく、こういうことにしなければいけないというふうに今受け取らせていただきました。

中屋委員 ありがとうございます。

 さて、このたびの政府案は、経済的事由を理由とした奨学金の一時的な返還猶予の仕組み、これを新たに設けるということですけれども、今回この規定を盛り込むことの目的、趣旨について、改めて簡潔にお伺いできればと思うんですが。

滝副大臣 この問題は、昨年の当委員会で、裁判所法の一部を改正して暫定的に給費制を設けるという一部改正法案が採決された折に、委員会の決議として実はつけられた問題でございます。

 その中で、個々に司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること、こういう決議の第一項、あるいは、その他の第二項ということに基づきまして、早速、司法修習終了後十五年以内の弁護士さん等について調査結果を出したところでございます。

 その調査に基づいて、十分な収入、所得を得ていない方々がおいでになる、こういうようなことが判明したものですから、そういうことも踏まえて、経済的な理由によってスムーズに返還できない場合等につきましても何らかの対応をするというのが今回の法案の基本的な目的でございます。

中屋委員 ありがとうございました。

 もちろん、大きな、法曹養成制度全体が重要であるという認識は、私もそのとおりだと思っております。一方で、今回の改正案の審議という点では、給費制の存続かあるいは貸与制への移行かということもまた一つ大きな要素だと思いますが、この問題については、私自身は個人的に激しい葛藤を覚えながら、この間考えてまいりました。考えれば考えるほど自分自身の中に二つの思いが並び立って、どちらの側に立つべきかと非常に考えさせられました。政治とはそういうことなのかもしれませんけれども、大変苦しい思いをしたところであります。

 まず一つ目の立場は、現在、法曹を目指して日夜勉学に励んでおられる方々への心情的な共感です。

 この件に関しては、皆様御存じのとおり、若い法曹の方々やまた法科大学院に在学しておられる方々、修了生の方々から切々とした訴えを伺っております。私自身、現在三十三歳ですが、約十年前、ほかの学部の文系の大学院に二年間、籍を置いたことがございます。また、友人の中にも、研究者を目指して頑張ってきた人たちが何人もおりまして、そういった方々のことを思うと、この決断というのは大変に重たいものだなというふうに感じております。

 学部時代の同級生たちが、社会に出て給料をもらって、社会人として手腕を磨いて、その結果、保護者も安心しているという、人生のレールに順調に乗っているのを横目で見ながら、ひたすら机や本棚やコピー機に向かっている日々でありまして、このことを思うとき、私自身の経験を幾つか思い出したんですが、個人的な経験ですけれども、二つをちょっと御紹介したいと思います。

 まず一つ、大学院生のときですが、学部時代の友人が結婚することになりました。結婚式に招かれまして、それで共通の友人からメールで、友人一同、それぞれ御祝儀は三万円でそろえようじゃないかという提案が来たんです。友人が持っていく御祝儀の金額としては大体常識的な金額だろうと思うんですが、当時、私には三万円というのは物すごい大金で、それだけの余裕がなくて、そのメールに対して、自分は頑張って一万円しか出せないから、どうか金額をそろえるということは勘弁してもらいたいという返事をして、気まずい雰囲気をつくったことを覚えています。今でも覚えているんですから、当時はかなり惨めな気持ちになったということです。

 もう一つ、大学院に入学するとき、学部でも奨学金を借りていましたので、修士課程の最後まで行けば合計で四百万円の借金を背負うことが確定していました。そのとき、ふっと不安になって、もし返し終わる前に自分が死ぬようなことがあったらどうなるだろう、親に借金を残してもし死んでしまったら本当に親不幸だなと思って、そういうときに親に心配かけないようにと思って、そのとき初めて、死亡保険金が五百万円ほどの、月々の掛金が二千円足らずの生命共済に加入しました。これは本当に切実な気持ちであったんです。

 何が言いたいかといいますと、学部を出てそのまま大学院に進んだ若者にとっては、たとえ人生の先輩方にとってはそう大きくないように見える金額であったとしても、想像もつかない、途方もない大金なんだということなんです。今回、若い方々が連日声を上げておられたことの背景にそういった切実な心情があるということは、痛いほどに伝わってきました。

 しかし、なぜそこで私自身に葛藤が生じたかということなんですけれども、私自身はもう一つの問題意識も持っているからです。

 一つは、今回の貸与制への移行ということは、何年もかけて進められてきた司法制度改革において予定されていた内容でもあって、またしかも、司法試験合格者の大幅な増加とプロセスとしての養成ということと一体不可分のものであるということにかんがみれば、いつまでも従来の制度のままで残すということはできないだろうというふうに思うところであります。

 また、昨年の延長の際に指摘された事項を踏まえてフォーラムでの議論がなされ、今回、このような経済的事由による一時的な返済猶予という条項が加わったという経過を見ても、これ以上の延長は難しいのではないかなというふうに私個人は感じているところであります。

 最後に一言申し上げたいと思うんですけれども、大学生時代に飛び交っていた言葉の一つに、奨学金を借りるというのは今の自分が将来の自分に対して借金をしているんだということをよく言い合っていました。そうとも言えるんですけれども、この年齢になって奨学金をやっと完済したという喜びの声を周囲の友人から聞くときに、また別の見え方もしてきました。

 それは、この期間、長い間お互いよくも何とか生き抜いてこられたなという実感であり、同時に、奨学金というものは、充実した高等教育を受けることでよりよい職業生活を、あるいはもっと広く、よりよい人生を生きようと決意した過去の自分から現在の自分に対しての投資でもあったということであります。

 法曹を目指す皆さんの人生が実り多いものであるということを私自身も心から願って、また、今後とも司法制度改革の議論に真摯に向き合っていきたいということをお誓いして、済みません、時間になりましたので、私の質疑を終わりたいと思います。

 きょうはありがとうございました。

小林委員長 次に、漆原良夫君。

漆原委員 おはようございます。公明党の漆原でございます。

 平岡大臣、法務大臣御就任、本当におめでとうございました。この司法制度改革、十数年にわたって先生と一緒に議論をさせていただいたことを本当に懐かしく思っております。そういう方が大臣になられて、また司法制度改革についてもう一度見直しの観点から御意見を聞けるということは、非常にうれしいと思っております。きょうは、メーンは修正案に対することでございますが、大臣の御所見もお伺いしながら進めていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず、司法修習生に対する給費制がいいのか貸与制がいいのかというふうな議論を聞いておりますと、将来高額収入が予定されている弁護士さんに何でそんな給費を国が負担しなければならないのかとか、あるいは場合によっては、法曹三者の既得権ではないのかというふうな声も聞かれてくるわけでございますけれども、今回の政府の法曹養成に関するフォーラム第一次取りまとめを見せていただいても、どうも議論が経済的な側面が中心となっていて、私は、本当になぜ給費制が必要なのかという理念の点が欠落していたんじゃないのかなというふうに思って、大分議論が矮小化されているんじゃないかという危惧を持っておるわけでございます。

 戦前の我が国の法曹養成制度を見ますと、判事、検事の試験と弁護士の試験は別々でありました。そして修習も、判事、検事、そしてまた弁護士、それぞればらばらで修習をしていた。しかし、昭和二十二年、戦後になりまして、新憲法施行とともにこの法曹養成制度が改められました。判事、検事、弁護士の統一試験、統一修習、そして修習生に対する給費制ということが採用されたわけですね。

 新しく統一試験、統一修習、そしてこの給費制が導入された趣旨を大臣にお聞かせ願いたいと思います。

平岡国務大臣 お答えいたします。

 漆原先生には、本当にこの法務委員会で、司法制度改革のみならず、各般の法案審議に当たってもいろいろ御指導をいただいておりまして、この場をおかりして感謝するというのも変ですけれども、ぜひこの法務委員会が、引き続き活発な議論が行われる、そういう委員会であってほしいというふうに私も思っておるところでございます。

 それはさておきまして、今御質問のあった件でございますけれども、戦前の制度について、我々が認識しているところをまずお伝えしたいと思います。

 戦前では、今、漆原委員が御指摘になりましたように、法曹の養成が一元化されていないという状況の中で、例えば判事、検事の養成については、司法官試補として裁判所及び検事局において実務修習をした上で考試を経ることとされていたのに対して、弁護士の養成については、弁護士試補という形で弁護士会において実務修習をした上で考試を経るというふうな形にされていたと承知しております。

 戦後におきましては、法曹三者はそれぞれ司法の担い手であり、職業としての法曹は一体であるべきであって、法曹たる者はひとしく高度の一般的教養と法律的素養とを身につけているべきであるということから、試験の方も統一の資格試験である司法試験になりまして、それに合格した上で、専門的修習である司法修習を終えた者に法曹資格を付与するということにされました。

 また、司法修習生に対しましては、給費制ということで、司法修習生が司法修習期間中の生活の基盤を確保して修習に専念できるようにし、修習の実効性を確保するための一つの方策として給費制が採用されてきたものと理解をしているところでございます。

漆原委員 同じ質問を提案者にいたします。

大口委員 漆原委員、本質的な議論を展開していただいてありがとうございます。まさしく、こういう新憲法との関係からいろいろと議論していくということが大事であると思います。

 それで、戦前は、法曹養成は一元化されていなかった。それを、反省の上に立って、新憲法におきましては、やはり人権の尊重、これを基本原理として、三権分立、司法権の独立を定めた。裁判官、検察官、弁護士は、いずれも司法制度の担い手であり、法曹三者の分化は司法に寄与する面の差異によるものであって、法曹三者いずれも、一つの職務の遂行が不十分であっても、どこかが不十分であっても司法の機能は不完全となることが免れないわけであります。そういう点で、法曹はもと同根であり、一体であるべきである、こういうことでございまして、法曹三者は、同一の資格に基づき、同一の研修を経て法曹資格を取得するとされるということでございます。

 そういうことでございまして、また、給費制につきましても、このような趣旨で国が義務づけた司法修習でありますから、司法修習生に対して給与を支給する、こういう給費制度がとられたわけであります。

 また、統一修習制度というのは、法曹三者それぞれの立場から事件の見方を学ばせる、こういうことになって、広い視野、物事を客観的、公平に見る能力、こういうものも養うということで、法律家間の相互理解を深める意義もございます。

 いずれにしましても、司法修習生については、修習専念義務が課されている。副業等は禁止されている。また、生計を維持する手段を制限することの反面として、生活費を保障する必要がある。そして、修習中も、国が決めることで、居住地を制約する面もあります。家庭の経済事情によって困難を来すことのないように、最低限の生活保障は不可欠であるというところから、給費制が認められた、導入されたということでございます。

漆原委員 大臣のお話の中でも、また大口委員のお話の中にもありましたように、全く同じことをおっしゃっているんだなと思っております。法曹三者は同一、同根、平等ということでなければ本当の意味での基本的人権の擁護はできないという発想に基づいた制度なんだなというふうに思います。

 いろいろな大先輩から話を聞いていますと、戦前は、ある意味では法曹界の中で官尊民卑の風潮があった。判事、検事は、おれは難しい試験を受かって、難しい修習をして判事、検事になったんだ、弁護士は我々と違うランクの少し低い試験を受けて、弁護士会の修習を受けて法曹になったのだ、だからちょいと質が違うんだというふうな風潮があったと聞いております。裁判所で判事、検事、弁護士が法律論争をするわけでありますから、そういうときに、やはり弁護士さんが判事、検事と同等という立場でなければ、法律論争ではある意味では頭から負けているわけですから、そういうことであってはならない。

 そういう意味で、そういう官尊民卑みたいな風潮を撤廃して、基本的人権の擁護に当たるという新憲法の精神に基づいて、同じ試験を受けた、同じ修習をした、給費制であった、ここは非常に私は、統一試験、統一修習というのは、法曹三者が同等で、同じ立場で司法を維持し人権の擁護に当たるという、こういう大きな理想に基づいた制度の変革だったんだなというふうに思います。したがって、その流れの中で給費制もあるということを私は申し上げたいと思っております。

 ところで、政府の法曹養成に関するフォーラムにおける給費制の論議は、専ら、修習生の経済的困難がどうか、あるいは修習生が弁護士になった場合にどのくらい収入があるかといったふうな、本当に経済的側面だけが議論されて、憲法との関係でこの統一修習、統一試験、給費制はどうなんだ、あるいは人権擁護の観点からどうなんだという理念の議論が欠落していたんじゃないかなという実感を私は持っておりますが、この点は、提案者、いかがお考えでしょうか。

大口委員 まさしく、基本的人権の尊重を確保するためには、やはり裁判官、検察官と弁護士が対等であるということが根本でございます。そのための統一試験、統一修習、そして給費制、三位一体でこれを確保したということであります。

 ところが、委員御指摘のように、法曹養成に関するフォーラムの議論におきましては、専ら修習終了後の弁護士の経済状況を中心に司法修習に対する経済的支援のあり方が議論され、理念的な議論はほとんどなされなかった、そういうふうに認識をしております。

 昨年の衆議院法務委員会において、法曹養成に関する制度のあり方全体について速やかに検討を加えるべきだ、この中には、当然、理念から説き起こしていくということ、そこから出発をしていくことが大事になるわけです。それが十分なされていないということでございますので、本修正案におきましては、法曹養成に関する制度について、平成二十五年十月三十一日までに、別に法律で定める合議体の機関において、今お話のあったような基本的人権の尊重に関し法曹養成制度が果たしている意義、こういった基本的な、また理念的なテーマ、こういうものも議論して、そして、望ましい法曹養成制度とは何か、これを議論することが求められる、こういうふうに考えております。

漆原委員 もう一問、提案者にお聞きしますけれども、そもそも日本のように司法試験に合格した者に対して国が修習を行っている例は他にあるのかどうか、また、その場合に修習生に対する費用の負担はどのようになっているのか、いかがでしょうか。

大口委員 日本と同様、司法試験合格後の実務研修制度を国が運営しているドイツ、あるいは韓国も旧制度がそうでございますが、挙げられます。

 ドイツでは、司法試験の第一次試験合格後、二年間の修習を行い、修習生には国費から給費が支給されます。

 また、韓国の旧制度は、日本の旧制度と同様、司法試験合格後、大法院傘下の司法研修院で二年間の研修が行われ、研修員の給与は国費から支給されていた。韓国につきましては、二〇〇九年の三月以降は、法学専門大学院制度、ロースクールが開始されたわけでありますが、韓国は、法曹一元を実現する、司法試験は弁護士試験となって、研修は弁護士研修のみとなったということで、司法修習はやらない、みんな弁護士になって、弁護士からさらに判検事になっていく、こういう法曹一元が実現したわけでありますが、二〇二二年までは併存しております。そして、司法研修については国費が支給されているということでございます。

 日本の現在の法曹養成制度では、法科大学院が原則三年、それに加えて司法修習が一年、こういうことでございまして、司法修習もすべて自己負担とすることは諸外国に比して極めて負担の大きい制度だ、こういうふうに思います。

漆原委員 大臣への質問の最後でございますけれども、仄聞しますところ、大臣は、かつて給費制の維持を前提とした、いわゆる平岡案と私は名づけておるんですけれども、平岡私案というものを提示されて、給費制の維持を求める日弁連の皆さんやあるいは司法修習生に大変喜ばれたということを聞いておるんですが、その平岡私案というものを提示できたら、おっしゃっていただければありがたいと思います。

平岡国務大臣 今、漆原委員の御指摘でございますけれども、政府の方では、御案内のように、法曹の養成に関するフォーラムというものを開催いたしまして、ことしの八月三十一日に第一次取りまとめということで、貸与制を基本とする、ただし、経済的な問題を抱えた人に対しての猶予措置みたいなものを盛り込んでいくというようなことをまとめられたわけであります。

 このフォーラムの結論を得まして、取りまとめを踏まえまして、我々として、我々というのは政府として、どういうものを提案すべきなのか、法案として提案すべきなのかということを、法務省内でも議論いたしましたし、民主党の法務部門会議の中でもいろいろ議論をさせていただいたということでございます。

 その過程の中で、例えばこんなことは考えられないだろうかというふうなことで、意見として発言させていただいたりしたことはございますけれども、正式に平岡私案というものを出してそれをもとに議論したということではございません。どういうものにするかという結論を得るまでの過程の中での一つの意見であったというふうに御了解いただければと思います。

漆原委員 大臣が給費制を何とか維持できないかということで御苦労されたということを大変評価しております。

 以下は、修正案の提案者に尋ねます。

 まず、修正案の趣旨を簡略にお述べいただきたいと思います。

大口委員 まず、これまでの委員も、現行の養成制度というのはさまざまな問題があると。法科大学院の志望者の減少、司法試験合格率の低迷を初めとして、さまざまな問題が指摘されているわけです。

 そこで、昨年、衆議院の本委員会決議で、「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、」とされたわけでありますが、この制度全体の見直しが非常に喫緊の課題である。連携法というのがあるわけですが、それによりますと二十五年四月以降見直し、それは待っていられない、前倒しで議論をしなければならない、こういう認識。それまでの間は、やはり貸与制ではなくて、それを停止して、給費制に戻して支給をする、こういう趣旨でございます。

漆原委員 政府案の改正部分、これは修習資金の返還猶予事由の追加、この部分を修正案では除いて、削除をしておりますが、理由を聞きたいと思います。

大口委員 これは、私どもは、平成二十五年十月三十一日まで貸与制度への移行を停止し、司法修習生に対し給費を支給する、こういうことでございますので、貸与制を前提としたこの返還猶予事由の追加、これを削除させていただいたわけです。

漆原委員 昨年、暫定的な措置として一年間給費制を延長したわけでございますけれども、さらに二年間、二十五年十月三十一日まで延長する必要があるかどうか、お聞きしたいと思います。

大口委員 昨年、私も法務委員会の理事としてこれにかかわらせていただきました。

 その中で、やはり司法修習生に対する経済的支援のあり方についてはしっかりと議論をしなければならない。それは、個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置のあり方について検討を加えるだけではなくて、やはり法曹養成に関する制度のあり方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずるいうことで、法曹養成制度全体のあり方について検討する、こういうことになっていたわけであります。

 今回、六大臣の申し合わせによって法曹の養成に関するフォーラムで検討されたわけでありますが、フォーラムでは、経済的支援のあり方についての議論は二回行っただけで、法曹養成制度のあり方全体についての議論は全く行われていない。経済的支援の議論についても、当初から貸与制ありきであったように思われます。政府における検討は不十分だったと言わざるを得ません。

 そこで、今、法曹養成制度については、さまざまな問題点がこの委員会でも指摘をされている現状を踏まえますと、やはり制度全体の見直しを早急に行う必要がある。貸与制についても、この全体の見直しの中で、法曹養成における司法修習生の修習の位置づけを踏まえつつ検討が行われるべきであるということで、その間については、貸与制への移行を停止し、そして給費制を復活、維持をして、給費制を二年間延長するものとすべきと考えた次第でございます。

漆原委員 今、大口さん、修習生への貸与制について、全体の見直しの中で、法曹の養成に関する司法修習生の修習の位置づけを踏まえつつ検討が行われるべきだというふうにお答えになりましたが、もうちょっとわかりやすく言うと、どんなふうになるんでしょうか。

大口委員 法曹養成制度は、法科大学院、そしてまた司法試験、そして司法修習、こういうプロセスとしての法曹養成が全体としてあるわけであります。その中で、司法修習というものが実務修習の中核になるわけでありますけれども、法曹養成全体の中で、法科大学院と、司法修習の位置づけでありますとか、司法試験との連携でありますとか、そういうことを抜本的に議論しなきゃいけない。その中で、法曹養成制度の中における司法修習というものが、やはり理念からいっても、あるいは法曹の実務能力をアップすることからいっても、非常に不可欠である。そして、これはしっかり修習に専念してもらわなきゃいけない。

 そのためには、やはり国が国家戦略として、法曹というのは、これからグローバル社会においても法的な能力を持った人がどんどん社会の中で活躍していかなきゃいけない、そういう国家戦略の立場からいっても、人材育成の立場からいっても経済的支援をやるべきだ、こういう議論もあるわけですね。

 そういう点では、この司法修習というものの位置づけを法曹養成全体の中でちゃんとしっかり考えて、そして経済的支援についてあり方を考えていく、こういうことが大事であって、全体的なことがしっかりと議論されなければ、司法修習の位置づけもはっきりしないし、経済的支援についてのあり方も検討できないであろうということでございます。順序が逆である、やはり法曹養成制度全体をしっかり議論するということから出発すべきだという考えでございます。

漆原委員 法曹の養成に関する制度の見直しが必要であるとしても、貸与制に移行した上で検討すればいいのであって、何もその間、給費制を維持する必要はないのではないかという意見もあるんですが、これに対してどういうふうにお答えになるでしょうか。

大口委員 貸与制に移行するというのは、司法制度改革の中で、法曹養成制度の一連の制度変更の一つとして行われたものであるわけですけれども、これは、平成二十二年ころに司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指すとされた平成十四年三月十九日の閣議決定を踏まえて、司法修習生が年間三千人程度に増加することを想定した財政負担のあり方が重視されたものである。しかし、現実は二千人程度にとどまっているわけです。そういう点では前提が崩れている。

 それからまた、法科大学院の志望者数が、当初四万人であったものが今七千八百二十九人と、五分の一に大きく減少しているわけでございまして、そういう点では、法曹志望者数は制度変更当初から大幅に減少しているわけであります。

 その原因として、司法試験合格率の低迷があるほか、やはり法科大学院の学費の負担、これは、学費は国公立で年間八十万四千円、私立は年百二十万程度、ほかに入学金があるわけでありまして、奨学金、借入金の平均は大体三百五十万、こういうことも言われているわけです。そして司法修習生の就職難。これは委員会でも御指摘がありましたように、新六十三期司法修習終了者のうち、一括登録時点では、任官、任検を除く未登録者が二百十四人、一一%、これも階議員が指摘されておりました。また、若手弁護士の経済的な苦境等の経済的負担の重さが指摘されているわけでございます。

 そういう点で、法曹の志望者が一時の五分の一になったり、あるいは、これは法曹志願者の減少だけじゃなくて、本年度の司法試験合格者二千六十三人のうち、実は司法修習を辞退した人が六十二人いるということでございまして、貸与制の実施の影響ということがここにも出ているわけであります。

 そういう点で、法曹の志望者が今こうやって経済的な負担の重さで急激に減っている、それに追い打ちをかけるような形で貸与制に移行するということは、これは人材の基盤を崩すことになるということで大変問題である。ですから、やはりしっかり議論するまでの間、給費制の維持が必要である、こういうことでございます。

漆原委員 せっかく司法試験に受かったにもかかわらず六十数名の方が修習を辞退された、今おっしゃいましたですね。その理由については把握されておりますか。

大口委員 それについて、修習を辞退せざるを得なかった、こういう方々の意見も聞いております。やはり大きな借金を抱えているということで、また司法修習で一年間貸与という形になってさらに三百万負担をしなきゃいけないということになりますと、多額の借金を払っていかなきゃいけない、そういうリスクはとれないということで断念している方も現実の声としてございまして、この六十二名のうちのかなりの部分が、そういう経済的な、この貸与制に移行ということが原因ではないかということでございます。

 それから、特に本年度と昨年度、急激に辞退者がふえているということは、やはりこの貸与制移行と因果関係がある、こういうふうに考えています。

漆原委員 質問通告していないんですが、今の話を聞いて、大臣、どう思われますか。一生懸命苦労して司法試験に合格した、法科大学院に入って難しい試験を乗り越えて合格した、しかし、六十数名の方が修習を辞退された、その原因が貸与制にあるというふうなお話を今お聞かせいただいたんですが、この話をお聞きになって、まずそういう実態を御存じなのかどうか、認識されているかどうか。それについてどういうふうなお考えなのかどうかをお尋ねしたいと思いますが、よろしくお願いします。

平岡国務大臣 実態としては、いろいろな文書でも、そういうものが書いてあったものを見ましたし、ホームページの中でも、そういう方々がおられるということは聞いております。

 ただ一方で、貸与制ということが理由ではなくて、例えば公務員になるというようなことを選択されるという、自分の将来どうするかということについての選択の一つとして修習を受けなかった、まさに私もその一人でございますけれども、そういう方々もおられる。

 そういう意味では、いろいろな方がおられますので、ある程度、実態をしっかりと調べなければ本当のことはわからないという面もあろうかと思いますけれども、ただ、先ほど来から御指摘のあるように、給費制が貸与制になることによる影響というものがないとは言えないというふうには思います。

漆原委員 これは非常に大きな問題だと思いますね。したがって、六十数名の方が本当になぜ辞退されるようになったのか、これは法務省としてもしっかりお調べいただいて、今後の給費制、貸与制の議論の中の一つの要素として加えていくべきだというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、提案者にお聞きしますけれども、法曹の養成に関する制度の見直しについては、現行の法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律附則第二条によって、平成二十五年に行われることになっておりますけれども、これを前倒しする理由をお聞かせください。

大口委員 法曹養成制度は、本当に悪循環に陥っております。このままいきますと、さきの委員の御指摘もありましたけれども、法科大学院の受験者の減少傾向というのが非常に深刻な状況です。これは大学の法学部にも影響するとも言われております。また、社会人とかあるいは非法学部出身の減少、これも非常に続いている。

 そもそも、多様なバックグラウンドを持つ、質量ともに豊かな法曹を確保するということが現行の法曹養成制度の大きな目的であったんです。その目的が非常に達成できない状況になってきているということでございます。そしてその原因が、法科大学院の学費の負担、司法試験合格率の低迷、また司法修習生の就職難、若手弁護士の経済的苦境等、さまざまな問題が指摘されているわけです。

 ですから、今、手を打たないと、司法自体、特に人的な基盤というものが崩壊してしまう、待ったなしである。これは、各委員も党派を超えて共通の認識であると思うんです。そうなったときには、やはり、連携法では平成二十五年の四月以降、あと二年後になってから見直しをするということでは遅過ぎる、今直ちにしっかりこれは見直さなきゃいけないということで、こういう提案をさせていただいたわけです。

漆原委員 法曹の養成に関する制度について、別に法律で定める合議制の機関を設置する、こうなっておりますが、その意味を教えてもらいたいと思います。

大口委員 大臣からも答弁ありましたように、法曹養成に関する制度というのは、本年五月に法曹の養成に関するフォーラムが設置されて、既に検討が始まっているわけなんですが、これは法務大臣ほか五大臣の、合わせて六大臣の申し合わせによって置かれた機関にすぎません。だから、法令上の根拠を有していません。委員も参加された司法制度改革の際には、平成十一年から二年間の時限措置でありましたが、内閣に司法制度改革審議会というものが法律の根拠に基づいて設置されていたわけでございます。

 そういう点で、私どもは、連携法に基づく検討であるということからかんがみますと、やはりこれは法律に根拠を有する機関において行われることが適当であるというふうに考えた次第であります。

 フォーラムの委員の方の発言でも、我々フォーラムで決めたことが本当に実行されるのかということの心配の声も上がっているんですね。やはりそれは法律の根拠に基づかないものということは大きいと思います。そこで、私どもは法律で定める合議制の機関を設置するべしということを提案しておるわけであります。

漆原委員 フォーラムの委員も今一生懸命頑張ってもらっているわけですけれども、そのフォーラムの委員との関係はどんなふうになるんでしょうか。

大口委員 フォーラムの委員の方々も本当に真剣に議論をしていただいていると思います。ただ、やはり概算要求の関係で貸与制ありきという方向で、非常にそういう点では、本来からいえば法曹養成制度全体の議論をしっかりやっていただけると期待していたんですが、そうではなかった。そこにこのフォーラムの限界があると思います。

 そういう点では、今回、私どもが提案している合議制の機関において、法曹養成制度全体についてしっかり議論をしていくということから始めていただくということでございますので、フォーラムの今の委員の方もこれまで議論に参加しておられるわけですから、そういう議論も生かした形で、しかし法律の根拠に基づくそういう合議制の機関というものを新たにつくっていただくということになると思います。

漆原委員 この制度の見直しの期限を平成二十五年十月三十一日までとされた理由についてお聞かせください。

大口委員 司法制度改革審議会も、法曹養成を含む司法制度改革全般にわたって幅広い事項について二年間、調査審議を行って意見を取りまとめたわけであります。ですから、やはりある程度の期間をかけてこれは議論していただかなきゃいけない。しかし、いつまでも議論をしていただくわけにいきません。やはりそのおしりをきちっと決めなきゃいけないということで、平成二十五年十月三十一日まで、法律に基づく審議会を設置して、それからスタートして大体一年以上議論できるという形にしたわけであります。

 そして、十月三十一日というのは、司法修習生が十一月一日からでございますので、そういう点では、二十五年の十一月一日の司法修習生に対してきちっと対応できるようにということで、平成二十五年十月三十一日まで、こういうふうにしたわけでございます。

漆原委員 私の個人的な感想を述べさせていただくと、大臣もその当時一緒でありましたが、給費制から貸与制に変えるという制度、我々も、たしか全党賛成をして通したと思うんですが、あの当時は、私も大臣も物すごく忙しい、司法制度改革の中で膨大な法案が出てきましたね。それを処理する中で、この法案も、給費制から貸与制に変えた、賛成したということがあるんですけれども、今考えてみると、非常に申しわけないことをしたなと私は実は思っているんです。

 十分な議論もできないまま、修習生の皆さんが経済的に困らなければ、貸与制という格好で困らなければいいのではないか、将来、修習生が、合格者が三千人になるのだ、そのとき国の負担も大変だというふうな観点から、実質的に貸与ということであれば修習生が困らないからいいんじゃないかということで、たしか私は自分の頭の中を整理して賛成したんだと思いますが、今こうやってこの法案一本について冷静に考えてみますと、やはり司法の大きな命、精神みたいなものにかかわってくるんじゃないのかなと。

 まさに私が一番心配しているのは、将来、統一修習が分離修習になるというふうな危惧、そして、また昔のような、弁護士が低く見られる、そして本当の意味での基本的人権の尊重がなされなくなるというふうな危惧を今持っているんですが、感想を持っているんですが、大臣、言える範囲で大臣の率直な感想はいかがでしょうか。

平岡国務大臣 先ほどの階議員の質問にもちょっと関連をいたしますけれども、今の状況というのがいろいろな問題を抱えているというのは、私たちも、私もそういうふうに思っています。そういう意味で、現在、法曹の養成に関するフォーラムというのが昨年のこの法務委員会の決議を踏まえて策定されて、今全体的な検討も行っているわけですね。

 ただ、これは連携法における見直し規定との関係でいえば、見直し規定の方は、平成二十五年の四月から見直しをするんだというふうになっていて、それまでの間は、マイナーな改正ならいいけれども、基本的には、大きな改正の中で取り組んできたことを十年間はしっかりと頑張ってやってみろよ、そういう趣旨もあるんだろうというふうに私は思っていたんです。

 ただ、いろいろな問題がある中で、その二十五年四月以後の見直しということも念頭に置きながら、このフォーラムにおいて早急にいろいろな問題点を検討してほしいというふうに思っています。その中においては、今委員が御指摘になっているようなさまざまな点、給費制の問題についても私は検討していただけるというふうに思っております。

漆原委員 以上で終わります。大変ありがとうございました。

小林委員長 次に、橘慶一郎君。

橘(慶)委員 きょうは法務委員会で質問の機会を与えていただいて、大変ありがたく思っております。

 テーマはこの裁判所法の問題でありますが、冒頭お話がありましたように、給費制、貸与制のどちら云々という問題はもちろんなんですけれども、法曹養成制度全体について非常に大きな問題を抱えているという認識が、先ほど来お話を聞いておりましても、委員にも行政の皆さん方にも一致した御意見になっている、このように感じるわけであります。

 私自身は、二年前に国会へ出させていただいて、そのときから、地元の弁護士さん等からこの問題については何度かお伺いしているわけですけれども、いろいろと実情を聞かせていただき、かつ、司法試験に合格された方あるいは修了したけれども合格できなかった方、そういったことも含めて、関係者はかなり実は幅広く広がっているんじゃないか、このように思うわけであります。

 そこで、きょうは、実際合格された方々、弁護士資格をお持ちになった方々の問題、不幸にしてそれが取れなかった方々の問題、あわせて少し、可能な限り、この一時間の中でいろいろ議論を深めさせていただきたい、このように思うわけであります。

 という前置きなんですが、私、総務委員会と経済産業委員会では、質問の初めに必ず万葉集を一首詠んでさせていただくということになっております。十二月でありまして、北の国から雪の便りも届いております。朝戸をあけたら、雪が庭にはだらはだらに、まばらに降っていたという歌を詠ませていただいて、質問に入らせていただきたいと思います。

 巻十、二千三百十八番。

  夜を寒み朝戸を開き出で見れば庭もはだらにみ雪降りたり

 では、きょうはよろしくお願いいたします。(拍手)

 それで、まず司法試験の問題から入らせていただきます。

 先ほど来からお話がありましたとおり、司法試験の考え方であります。資格試験ということで、絶対評価なんだろう、相対評価、いわゆるお互いに競争するというよりは絶対評価である、要するに基準に達したら、試験官の方がこれでいいというところに達したら合格をしていくんだというふうに私も受けとめさせていただいたわけであります。

 そこで、平岡大臣、一問目、二問目、まとめてお伺いいたします。

 一つは、三千人程度という目標との現在の、昨年の合格者数二千七十四人、ことしの合格者数二千六十三人というこの乖離というのは、要は、絶対評価による部分でそのめがねにかなっていないということであるということの確認と、あわせて、ということであれば、今度は、受験者の能力が備わってくれば、めがねにかなうんであれば三千人の合格者を出すということが、今でもそういう考え方で試験を運営されているのか、ここの点をまず導入で確認させていただきます。

平岡国務大臣 お答えいたします。

 まず最初の質問でございますけれども、これも先ほど来からお話がありますように、司法試験というのは、法曹となるべき能力を持っているのかどうかということを判定するという観点から、司法試験考査委員の皆さんが合議で判定をし、そしてそれを司法試験委員会の方で決定するということでやっております。という意味においては、司法試験委員会の方で適切にその能力を判断した結果がこの二千人強というような状況になっているというふうに認識をしております。

 二つ目の質問でありますけれども、そうであるならば、能力が備わっているのなら、今でもというか、そういう人が三千人であるならば三千人の合格ということはあり得るのかという点について言えば、先ほど申し上げたような試験の位置づけであるならば、実際の試験結果により、法曹となるべき能力があるものと判定される者が三千人いれば、三千人が合格者と決定されるということになるというふうに思います。これはあくまでも司法試験委員会の方が決定をするということでございますけれども、そういうものであるというふうに思います。

橘(慶)委員 そこで、最初のこの第一パートの質問の問題点は、本当にこの三千人ということが、今おっしゃったように、そうなると、今受験で一生懸命勉強されている方々にとっては、頑張れば、三千番までに入って、三千番どころか、ある一定の水準まで到達すれば、三千の枠にさえ入れば弁護士資格が取れるんだ、こういうことになってくるわけですね。果たして、それで本当に、そのまま弁護士資格を取って、これで世の中でうまく回っていくのかどうかというところが問題だと私は思っております。もしそうじゃないとすれば、早くそこはメッセージを出していかないとこの問題はなかなか深刻になるんじゃないかということを最初のところでいろいろお伺いをしていきたい、どうであるかという認識をお伺いしたいわけであります。

 そこで、そのことに入る前に、ことし、司法試験予備試験というものが導入されて、一回目の試験が行われました。六千四百七十七人が受験されて、報道を見ましたら、合格者数は百十六人である、二十から二十四歳の方が四十人、大学生の方が四十人という結果が出ている、このように聞くわけであります。

 法曹養成制度の中核機関ということで、法科大学院、ロースクールというものを入れながら、改めて、こういう予備試験というものを導入し、申し上げたとおり、それこそ学部学生でも、中には、この司法試験というのは、私ども、昔の経験でもそうですけれども、私は受けたわけじゃありませんけれども、受かる人は受かるというところがある、こういう部分があるわけであります。

 そうすると、そういうバイパスといいますか、違うパスをつくったということはどういう意味があるのか。これは、抜け道ということになっては、また、法科大学院というものの存在意義からするとちょっと問題があるんじゃないかということになると思います。このあたり、総合的にどのようにお考えになっているのか、このことを確認しておきたいと思います。

平岡国務大臣 司法試験の予備試験については、今委員が御指摘になったような結果が出ておるわけでございます。

 予備試験については、司法制度改革審議会の意見書の中でもこういうふうに述べられています。経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための適切な道を確保すべきである、ただ、法科大学院を中核とする新たな法曹養成制度の趣旨を損ねることのないように配慮しなければいけない、こういうような中身の意見書が出ているわけであります。

 我々は、この予備試験というのは、法科大学院にいろいろな事情で行けないというような人に対しても法曹となる道を開いていく必要性があるという趣旨でこの予備試験というものが設けられたというふうに思います。そして、予備試験については、これは法科大学院の修了者と同程度の能力があるかどうかを判定するものということでございまして、この判定を適切に行うことによって、法科大学院を中核とする法曹養成制度の理念を損ねることのないようにする必要があるというふうに考えているところでございます。

 そういう意味で、予備試験の制度設計については、これらの観点を踏まえて定められておりまして、司法試験委員会においても適切にその具体的な実施がなされるものというふうに承知をしております。

橘(慶)委員 これはさっきの三千人の問題とも同じなんですが、ある面から見たらそうなんだけれども、それを違う面から見ると違ってくるという。例えば、行けない事情のある方々を救済しようとしたんだけれども、では、二十とか、あるいは学部学生で受かっちゃうということは、行かずに済ませてしまったという、あるいは行かずに済ませることができるという道を開いたというふうにも言えるわけです。

 だから、それがやはり、法科大学院へ行くよりも、もういっそ予備試験を通っちゃった方がいいんだということになっちゃいますと、法科大学院での専門教育であったり、あるいは修習期間を短くしたこととの兼ね合いがおかしくなってくるんじゃないかという問題意識を持つわけであります。

 きょうはその問題に深入りしませんけれども、例えばそうであれば、そういう学部学生で受かった方の修習の中において、それから、実際、弁護士を始められるに当たって、何か別の形での教育を施すとか研修を施すとか、何か考えないとそこが全体、つじつまが合わないんじゃないか、そんな感じも今御答弁を聞きながら感じたわけであります。これは意見として申し上げておきます。

 そこで、問題の三千人ということですが、この問題に入っていく際に、やはりどうしてもまず、そもそも論を考えなきゃいけない。三千人ということは、この司法制度改革の中で、あるべき司法制度をつくり上げていくための必要なパートとして三千という数字を当然出してきているはずであります。

 そこで、では、なぜ三千なのかと、そこの目標数値の設定をした根拠ということですね。もちろん、今いらっしゃる皆さんの中で議論に参加された方もあるし、もう時代が変わっているということもあるかもしれませんが、今法務省さんとして、この三千というのはこういう根拠である、こういうことについてここでお示しをいただきたい、このように思います。

平岡国務大臣 当時の考え方というのは、先ほど来から申し上げているように、司法制度改革審議会というものが意見書を出しているということで、この審議会で相当数の議論を重ねて出していただいたものでございますので、そのときの議論を踏まえて御答弁申し上げたいというふうに思います。

 この審議会では、法曹需要の増大が予想される要因として、一つには、法の支配を全国あまねく実現するため、弁護士の地域的偏在の是正の必要性があると。そして、第二には、弁護士が、公的機関、国際機関等、社会の隅々に進出して多様な機能を発揮する必要があるというような点を指摘されておられまして、法曹人口増大の必要性というものを言われているわけでございます。

 さらに、国際的な視点でちょっと見ますと、フランスを初めとする諸外国の法曹人口を参考にいたしたわけでありますけれども、例えばフランスについては、平成九年当時でございますけれども、法曹一人当たりの国民の人口というのは千六百四十人でございます。これは法曹人口が三万六千人というような状況でございます。

 そうした状況を参考にしながら、これは平成二十二年に新司法試験の合格者数の年間三千人を達成するならば、おおむね平成三十年ころには、実働の法曹人口が五万人規模になる、そして法曹一人当たりの国民の数は約二千四百人になることが見込まれるということがこの意見書の中にも書かれているところでございます。

 そういうことを踏まえて、司法制度改革推進計画、これは平成十四年三月十九日に閣議決定したものでございますけれども、この閣議決定におきましては、「法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指す。」というふうに決めたところでございます。

橘(慶)委員 フランスということも引いていただきました。人口千六百四十人に対して一名ということも伺いました。問題は、そのことが、我が国の実情、そのときと今日とも実情は変わってくるかもしれません。今日、弁護士さんにいろいろな面で活躍いただいているわけですが、その活躍の領域なり、期待される、言ってみれば社会からのニーズということで、千六百四十分の一という数字が合ってくるかどうかが非常に大きな問題じゃないかと思うわけであります。

 そこで、まず、今ちょうどいみじくも二つの目的ということでおっしゃった一つ目の、全国あまねく法曹サービスを受けられる状況、いわゆる、こちらの専門用語で言えばゼロワン地域の解消ということと聞いております。弁護士がゼロあるいはお一人という地域を解消していこうじゃないかということで、そのことについては、司法試験合格者がふえて弁護士登録される方がふえてくる中で、かなり進んでいると伺っております。どの程度達成されているのか、現状をお伺いいたします。

後藤政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの、弁護士ゼロワン地域というふうに申しておりますけれども、地方裁判所の本庁、支部の管轄、これが全部で全国で二百五十三カ所ございますが、その管轄単位で、弁護士が全くいない地域を弁護士ゼロ地域、一人しかいない地域をワン地域と呼びまして、一人かゼロ、あわせてゼロワン地域と呼んでおります。

 平成十二年四月の時点では、このゼロ地域が三十五カ所、ワン、一人の地域が三十六カ所ございましたので、平成十二年時点では、いわゆる弁護士ゼロワン地域は七十一カ所ございました。

 その後、法テラスや日本弁護士連合会等の取り組みによりまして、平成二十三年十二月現在では、弁護士ゼロ地域はなくなりました。弁護士ワン地域、一人いるという地域は、旭川地裁の紋別支部と大分地裁の佐伯支部の二カ所にまで減少したものと聞いております。

橘(慶)委員 そんな意味では、まず一つの目的についてはこの段階でかなり達成された、もうあと一息というところまで来ていると。

 確かに、このことは、私どもみたいに地方に住んでいる者にとっては、いろいろなところに弁護士さんが配置されている、これは大変ありがたいことではあるわけですが、一面ここで心配になってくるのは、そうなってくると、私のような地方都市、私は人口十七万の町に住んでいるわけですけれども、そういったところでもだんだん弁護士さんの数がふえてきている、本当にこの後、私の地域なら地域でどうなっていくんだろう、こんな話を地域の弁護士さんなんかともするわけです。

 そこで、三千人と言わずに二千人台の合格者になってきた、弁護士として活動されている方がふえてくる中で、弁護士登録されている方の推移というのはどうなっているんだろう、こういうことであります。

 実は、きょうこの質問の機会を与えていただけるかどうかわからなかったので、質問主意書を出していまして、今できたてほやほやで、きょうの朝内閣からいただいたばかりなんですが、これを見ますと、十三年四月現在で一万八千二百四十六人の弁護士登録の方があったものが、五年後の平成十八年四月一日現在、二万二千五十六人、そして、ことしの二十三年四月一日現在で三万五百十八人ということで、一万八千人から三万五百人にまでふえてきているわけであります。

 先ほど五万人云々という話もあったわけですけれども、現在二千人の状態でも三万五百人と。これは、毎年、合格されて修習が終わって入っていかれる方、弁護士業務につかれていく方、それから、リタイアされる、いろいろな方で登録を抹消されていく方、そのおつりの足し算ということになるわけですが、この後どういう推移になっていくのか。先ほど五万という数字もいただきましたが、どのように見通されているのか、まずお伺いをいたします。

後藤政府参考人 当時の想定としては、年間三千人の合格者を出していきまして、先ほど大臣が答弁されたとおり、ある時点、平成三十年には五万になるということでございました。

 今二千人ということで推移しておるわけでございますけれども、その数字のもとでも年々着々と弁護士登録数は増加しておりますので、今後も、何人程度になるということはちょっと今手元に数字を持ち合わせておりませんけれども、着実に増加していくものと思っております。

橘(慶)委員 昔、司法試験に合格された方は、それこそ五百とか六百とか、そんな数字だったわけであります。今二千という数字が出て、もし二千ということで続けていっても、五年間で今八千人ぐらいはふえるわけですから、やはり三十年になると、今のペースでいっても四万人を超えて、限りなく五万に近づいていく、数字が上がっていくということは予見されるわけであります。

 問題は、それだけの活動領域、活動範囲というものが確保されてくるかどうかということであります。

 ゼロワン地域の問題については、大体これで解消されてきた。そうすると、先ほどおっしゃったように、社会のニーズといいますか、いろいろな場面で弁護士さんが活動していくというところがないといけない。ない場合はどうなるかといえば、結局なかなか、先ほど修習から未登録のお話がありました。だんだんその活動する場がないという問題に立ち至ると、これは大変不幸なことになるわけであります。

 そこで、ここはまた感覚的な部分もあるわけですけれども、これから参入する方、また、二十三年、ことしの修習が終わったら来年の方はなおではないかと思うんですが、弁護士事務所に置いてもらえないとか活躍の場がないとか、そういう問題がだんだん深刻になるんじゃないかと。

 このあたり、多分、法務省さんは日々、日弁連さんやいろいろな形でおつき合いもあると思います。そういった日々の感触でもいいんですが、把握されている実態、本当にその辺でいわゆる活動の場がないなんということが起こってこないのかどうか、あるいは起こっていないのかどうかということについて、現在の率直な感じておられる部分をまずここでお示しいただきたいと思います。

平岡国務大臣 今の御質問については、法務省として直接資料を持っているわけではなくて、日本弁護士連合会の調査等を踏まえて我々として把握をしているわけでございますけれども、日本弁護士連合会の調査によりますと、新六十四期司法修習生の進路内定状況、つまりことしの十二月に修習を終了される方々でございますけれども、この方々については、前年同期と比べ就職先の内定率が低くなっているという状況にあるというふうに承知をしております。

 また、司法修習終了者で裁判官及び検察官に任官しなかった者のうち、司法修習終了直後、これは例年十二月半ばになりますけれども、一括登録日というのがございまして、そこで弁護士登録をしなかった者の割合というのは近年増加傾向にあるということと承知をしております。

 ただ、この人たちも、時がたつにつれてだんだんだんだん登録をするというようなことになっているということでございますので、その一括登録日にかなり高いからといって、それがずっと続いているということではないというふうには承知しております。

橘(慶)委員 今はまだそういう状況が見えてきただけだといいながらも、それがだんだん深刻になっていくというのがこういう問題の常ではないかと思うわけであります。

 今たまたま、内定率が下がっているというお話がございました。大臣、もしそこにデータがございましたら、去年とことしでどれくらい内定率が変動しているのか、教えていただけるとなおうれしいんですが。

平岡国務大臣 ことしのものは、先ほど言いました一括登録日が十二月の半ばぐらいなので、まだございませんけれども、この六十四期の前の六十三期と六十二期あるいは六十一期ということで、一括登録日でどうだったかということを比較した推移を申し上げますと、六十一期につきましては一括登録日の未登録者割合というのが五・一%、そして六十二期の方々については六・七%、そして六十三期、昨年の十二月になるわけでありますけれども一一%ということで、徐々に高くなってきているというような状況にあるということでございます。

 ちなみに、この六十三期、一一%というふうに未登録割合が高かったのでありますけれども、その後の推移を見ますと、三カ月後には未登録の割合は三・七%、そして半年後には二・六%というふうに下がってきているというような状況にございます。

橘(慶)委員 今お答えいただいたのは先ほどの階委員の資料の中にもあった数字でありまして、その手前の、内定率というお話があったものですから、内定率の数字があればそこを教えてほしいということだったんですが、それはあればお答えいただくとして、まとめて次のことと一緒に聞きます。

 要は、弁護士事務所に籍を置いて先輩の先生のことを勉強してということすらだんだん難しくなってくるんじゃないか。うちの弁護士事務所はもういいよ、どこかよそを回ってくれということが、何か私どもの町でも始まっているような感じがしてならないんです。そうなってきた場合に、では、新たに弁護士として参入する方の活動領域を広げていかなきゃいけない、先ほどおっしゃった二つの目的の二番目であります。

 そこで、今法務省として、どういう分野を期待されているのか、どういうところにもう少し弁護士さんが進んでほしいと考えておられるのか。この私の通告では八番目の質問、もし内定率がわかればそれもあわせて、大臣からお答えいただければ幸いです。

平岡国務大臣 まず最初に、内定率のお話でございますけれども、我々が承知している調査結果で申し上げますと、実は六十三期と六十四期を比較してみますと、六十四期の人が三月の時点では未定率が五六%、六十三期の方も、これは新で比べますと、新しい司法試験で比べると五六%と、同じでございます。これが時期を経るにつれまして、例えば六月の実施では、新六十四期は四七%、六十三期の方は四三%。そして、六十四期の方の統計としては七月実施までしか今ちょっと我々の手元にはないのでありますけれども、七月時点で未定率が新六十四期で四三%、そして新六十三期では未定率が三五%というような状況になっておりまして、六十四期の方が六十三期よりも未定率が高くなっているという状況は見てとれるわけでございます。

 二つ目の質問でございますけれども、今後、活動をする領域として期待されるものは法務省としてどう考えているのかという点でございます。

 その前に、司法制度改革審議会ではどういうところに法曹需要の増大を予想していたのかということを申し上げますと、まず第一は、経済、金融の国際化の進展や人権、環境問題等の地球的課題への対処というような分野、二番目に、知的財産権、医療過誤、労働関係等の専門的知見を要する法的紛争の増加、三番目が弁護士人口の地域的偏在の是正、四番目が社会経済や国民意識の変化を背景とする国民の社会生活上の医師としての法曹の役割の増大といったようなところを指摘されておられたわけでございます。

 現状でございますけれども、これも実は、先ほど来からお話があります法曹の養成に関するフォーラムの中で、経済界の方々とかあるいは地方自治体の方々とか、そういう方からもいろいろな点が指摘されているところでございまして、そういう指摘も踏まえて考えますれば、先ほどお話がありましたように、弁護士の地域的偏在というのはまだ残っているということでございますので、そういった点にも需要はあるであろう。それから、民間企業とかあるいは官公庁でも法曹の需要は少しずつではありますけれども増加はしておりますけれども、当初期待していたほどには増大がしていないというふうに我々としては考えております。

 そういった点も、これからの法曹の養成に関するフォーラムで、しっかりと事実認識、それからその事実認識を踏まえて、将来どういうことになるのだろうかというふうな点についてもしっかりと議論をしていただきたいというふうに思っているところでございます。

橘(慶)委員 確かにやはり、事実に基づいて認識を変えていく、これは非常に大事なことなんですが、私が申し上げたいのは、三千人ということを今維持されていて、主意書を出して答弁書では、三千人になっていないのは遺憾であるという答弁をずっといただいているわけですが、本当にそうなのかな、そして、そのことが結局、誤ったメッセージということで伝わっていくということがどうなのかなと。今おっしゃったように、思ったほど需要が出てきていないとすれば、やはり、合格者はこれくらいなんだ、そういうことで設計しているんだというメッセージがどこかでは必要じゃないかという思いを実は持っているわけであります。

 そして、今、把握した数字もお示しになられて、やはり内定率が、景気の変動もあるにしても、かなりドラスチックに何か下がってきているようにも今ちょっと受けとめさせていただいたわけであります。そうなると、これからが大変。ここまではいい、でも、来年、再来年もっと大変になるのであれば、やはり早く手を打つ方がいいんじゃないかという問題意識を持つわけであります。

 同じような問題が公認会計士さんでも起こっております。公認会計士さんの場合は、そういう問題が生じてきて、公認会計士の地位をどうするかということから始まって、今、例えば同じ士業ということでいえば、税理士さんと公認会計士さんの間でどういう役割分担をするかという問題に立ち至っているわけであります。

 そう考えたときに、例えば、弁護士さんのいわゆる周辺領域として司法書士さんとか行政書士さんとかいうものがあるわけであります。こういった業際分野において、今申し上げたような公認会計士と税理士さんのような問題は現状生じていないのかどうか、法務省さんの認識をお伺いいたします。

平岡国務大臣 弁護士につきましては、弁護士法第三条の規定によりまして、「一般の法律事務を行う」ということになっております。これに対して、先ほど御指摘がありました、司法書士とかあるいは行政書士などの隣接法律専門職種につきましては、それぞれの業法に定められているところに従って、限定的な法律事務を取り扱うということになっているということでございます。

 この点については、司法制度改革審議会の意見書の中でも、弁護士と隣接法律専門職種との関係についてどうするのかという点については意見が出されているところでございますけれども、実は、その後の状況については、昨年の七月に、法務省、文部科学省が合同で開催しました法曹養成制度に関する検討ワーキングチームというところで、隣接法律専門職種の団体の方々からの意見を聴取させていただきまして、その方々の意見によりますと、弁護士の数がふえて隣接法律専門職種の職域を侵犯することについての懸念は特に示されていなかったというふうに認識をしているところでございます。

橘(慶)委員 そこは公認会計士さんと税理士さんほどの問題ではないという状況だということで、今御答弁を御理解しました。

 しかし、今幾つかの問題を聞きながら、そして私、この質問をしたいのは、どちらかというと、先ほどから、悪循環とか、制度の存続、要するに持続可能性が云々ということはあるんですが、これはある意味で、きょう議論している私どもの立場でいえば、それはそういう制度を運営するなり制度を設計する立場。しかし、その制度に対してトライしてくるのは、実は私どもではなくて、今を生きる二十代の方とか三十代前半の方ということになります。そういった方々にとって、今というのは今しかないということを考えますと、やはりきちっと物事を見直していかなきゃいけないよということは間違いないわけですけれども、一面、時間というのはとまらないというところもあるわけであります。

 そんなことを思いながら、まず一つ。先ほど言ったとおり、三千人に達していないというのは遺憾であるというふうに今まで答弁いただいてきているわけですけれども、やはり三千人という目標数値について、現在でも妥当である、このように思われているのか、この妥当性についての大臣のきょう現在の御所見をお伺いいたします。

平岡国務大臣 橘委員の質問主意書の答弁がきょう閣議決定されて出たわけでございますけれども、その点について、昨年及び本年において三千人程度とすることを目指すという目標を下回ったということについては遺憾であるということは、その答弁書の中でも述べさせていただいたところでございます。

 しからば、そういう状況の中で三千人という目標は妥当なのかどうかという点について言えば、我々としても、先ほど来から申し上げているように、問題意識は持っております。問題意識を持っておりますものですから、我々としては、先ほど来からお話し申し上げている、法曹の養成に関するフォーラムを開催している中でしっかりと議論をしていただきたいというふうに思います。そのときには、司法試験の合格状況も含め、あるいは法曹の方々がどういうふうに社会に期待されているのかというようなことも含めて、法曹人口のあり方について必要な議論を行っていただきたいというふうに考えています。

 いずれにしても、当初の司法制度改革の中でありましたように、法曹資格を有している人たちが質量ともに社会の中でしっかりと社会を支えるようなものでなければいけないという点については、我々としても認識をしているということでございます。

橘(慶)委員 この法曹の養成に関するフォーラムで問題意識を持って見直していくということになるんだ、こういうことであります。かつ、もともとの目的に基づいて、やはりその職域といいますか、活動範囲と言った方がいいですね、活動範囲を広げていく努力を法務省としても続けていかれる、働きかけていく、あるいは考えていくということだと思います。

 この点についてさらに、言ってみれば、今弁護士資格を取られた方、今法科大学院を修了した方々にこれからどんな道があるかということについては、いろいろな道をやはり示していかなきゃいけないわけですから、それはぜひ第二パートで聞かせていただくといたします。

 第一パートの最後に、フォーラムのスケジュールは示されております。十月のフォーラムで、二十四年五月、来年の五月までに現状把握及び意見交換を踏まえて論点整理を行うんだ、二十五年五月を目途に取りまとめを行う、こういうスケジュールだ、このようには伺っております。しかし、今申し上げた私の問題意識からすると、時間がとまらないということからすると、本当にそうかなという感じもいたします。

 少しでも急ぎ、あるいは結論が出たものからでも何かを実行していくという考えはないものか、ここで大臣に最後に確認をしておきたいと思います。

平岡国務大臣 今委員が御指摘になりました、フォーラムの今後の進め方については、これはフォーラムの委員の皆さん方が議論をされて、こういう方向でやってみようというふうにされたことでございます。

 実は、フォーラムの委員の方々は、お願いしたのが一年間ということで、来年の五月にはその一年間の期限が切れるわけでございます。ただ、我々の認識としては、多分それで十分な検討ができるということではないということなので、さらにまた更新をするとかいうような形で続けていただかなければならないというような認識の中で、こういうような議論といいますか、今後の予定というものが示されたんだろうというふうに思います。

 我々としては、先ほど来からここでもいろいろな議論が出ていますように、これは全体を見るということになりますと、いろいろな視点から、あるいはいろいろな角度から見ていただかなければいけないということでございますので、それなりに必要な時間というのはあるんだろうというふうに思いますけれども、ただ、そうも言っておられないというような声もございます。

 連携法に基づいて、平成二十五年の四月、十年たったら見直せという義務を法的なものとして我々は受けとめておりますので、そうなったときにすぐに動けるような、そういう気持ちでフォーラムには検討を進めていただきたいというふうに思っているところでございます。

橘(慶)委員 検討しながらも、もしできることがあればそういうものに、順次着手できるようなところがあれば、全体像を壊さない中でできることがあればぜひどんどん進めていただきたい、このように思うわけであります。

 そんな思いの中で、第二パート、司法試験に合格しなかった方々を含めて、法科大学院に通われた方々全体ということでお話をしていきたいと思います。

 先ほど来この質疑の中でももう出ておるところは少し飛ばさせていただきますが、法科大学院修了者の司法試験合格率については、平均で二〇%台前半にとどまっておると。先ほど来、七、八割という数字も出ておるものですから、これと当初の設計との乖離が目立つわけであります。

 先ほど来、旧司法試験における司法試験浪人、こんなお話も一部出ておりまして、青春時代を云々というお話もありました。しかし、今はまた別の意味で問題なのは、七、八割という数字を掲げながら、それで皆さんに頑張れと言いながら二割ぐらいの出口になっているというところが、やはりこれはこれでまた私どもの世代として次の世代には申しわけないんじゃないかな、こんな思いをするわけであります。

 そこで、まず、また二つまとめて文科省の審議官にお伺いいたしますが、合格率の低迷している大学院にはどのような助言を実際されているのか。また、法科大学院の数というものが今七十以上あるわけですが、やはり絞り込まざるを得ないのではないか。かといって、もちろん地方における適正配置ということは残していただきたいわけですが、この辺の文部科学省さんとしての現在の御見解を二つあわせてお伺いいたします。

常盤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、法科大学院の修了者の司法試験合格率が低迷している大学院に対してどのような対応をしているのかということでございます。

 この点につきましては、文部科学省といたしましては、中教審の特別委員会が教育の改善方策を示しておりますので、それを踏まえて、各法科大学院に対して、教育内容の充実あるいは入学定員の削減等の改善を促進しております。

 具体的には、各個別の法科大学院の教育の改善状況につきまして、中教審の特別委員会においてフォローアップ調査を行っております。課題を抱える法科大学院につきましては、専門の委員がヒアリングや実地調査を直接に行いまして、入学者の質の確保、教育内容、方法の充実、成績評価の厳格化、組織見直し等について助言を行っております。

 また、もう一点、法科大学院の数を絞るべきではないかというお話がございましたが、この点につきましても、中教審の委員会の提言を踏まえまして、法科大学院の入学者の質の確保や教育体制の充実等の観点から、入学定員の見直しを促進しております。

 特に、単独では質の高い教員や入学者の確保が困難な法科大学院につきましては、他の法科大学院との間での教育課程の共同実施であるとか、あるいは統廃合の検討ということを促進してございます。統廃合につきましては、これまでに一校が学生募集を停止しておりまして、二校については今後の統合を既に発表しているところでございます。

 文部科学省といたしましては、中教審の実施しております教育の改善状況の調査や、深刻な課題を抱える一部の法科大学院に対する財政支援の見直しによりまして、引き続き、各法科大学院に対し、入学定員の削減を初めとした組織見直し等の改善を促してまいりたい、このように考えております。

橘(慶)委員 先ほど、入学者の定員も四千五百人ぐらいになったというお話もありました。これもなかなか難しくて、七、八割という目標を維持するためには、四千五百人だと、大体三千人という司法試験合格者にならないと七、八割にならない。もし司法試験合格者数が二千人ぐらいということにしたら、七、八割で割り返すと、例えば三千人程度に入学定員を減らさないと七、八割にならない。文科省さんと法務省さんが入れ子になっていますので、ここはなかなか難しいなと思うわけであります。

 そして、今ほどは、そういうふうに教育内容を改善しろ、また、しっかりやってくれ、頑張れ頑張れということなんですが、問題は、ではアウトプットはどうなっているのかという把握も大事だと思っております。

 これまでに、三振制、失格制度によりまして、法科大学院を修了された中で受験資格を喪失した方というのはどれくらいになっているのか、まずお伺いいたします。

後藤政府参考人 お答えいたします。

 新司法試験における受験回数の対象となる試験を三回受験して合格しなかった者は三千百二十一人、それから、五年の受験期間との関係では、新司法試験を一回でも受験した者のうち、合格せずに受験期間である五年を経過した者が二千六百六十人となっておりまして、この両者を合計して、両方に該当する方が千七百五十七人おりますので、差し引きますと、四千二十四人が失格制度により受験資格を喪失した方の数ではないかと思っております。

橘(慶)委員 今、入学定員は減ってくるわけですけれども、それにしても、これから当然この数はふえていく。先ほどの弁護士登録の数とはまた違った意味でこの数もふえていく。では、この四千人の方がどういう進路に行くかということが問題だと思うわけであります。法曹養成の中核機関と言われる法科大学院を修了した方々の進路としてどういうものが可能性が出てくるかということは、やはり大学院も、また私どもも提供していかなきゃいけない、それは広げていかなきゃいけないと思うんです。

 そこで、法科大学院で学んだ方々が方向転換を余儀なくされて、どういう就職状況になっているのか、まず実態の把握はどうしても必要であります。法科大学院協会において就職状況の調査等に取り組んで、その数字を見てということで今までも聞いておるんですけれども、残念ながら、きょうの答弁をいただいたところによりますと、この取りまとめがいつできるかまだ現時点では決まっていないという答弁はもういただいちゃっているんですけれども、要するに、その四千人の方がどんな進路になっているのかということで、わかる範囲で文科省さんのお答えをお願いしたいと思います。

常盤政府参考人 お答え申し上げます。

 法科大学院修了者の進路の問題でございます。

 法科大学院の修了者につきましては、これまでの御議論にもございましたように、法曹以外の分野でも、例えば企業法務や公務員等として活躍することが期待されておりまして、各法科大学院におきまして、修了者の進路状況について調査、把握し、今後の教育に役立てていくことが重要だというふうに考えております。

 ただ、実際の進路状況につきましては、各法科大学院においても把握に努めているところではございますが、修了後に司法試験の受験ということもございまして、やはり就職までに相当の期間がかかるということもございまして、なかなか実態の把握が難しいというのが実情でございます。

 このため、今御指摘ございましたが、法科大学院協会におきまして、昨年度、法科大学院生等を対象とした就職支援サイトにおいてメールによる連絡体制を構築しまして、これを活用して何とか就職・就業動向調査を実施したいということで取り組んでおりますが、先ほど先生から御指摘いただきましたが、現在の段階ではまだデータの蓄積を図っているという状況でございますので、その点、御理解いただきたいと思います。

橘(慶)委員 法務省さんにすれば、司法試験を受かった方だけを、ある意味で、行政の範囲からいえば対象にすればいいということになるかもしれませんが、しかし、その試験がある以上、それにチャレンジしている人たちのこともいろいろ考えていただいて、やはり、そういうデータがなければ、どうなっているかわからない限りにおいてなかなか答えは出てこないと思いますので、ぜひそういったものの把握は急いでいただいて、科学的に政策をつくっていただきたい、このことをお願いするものであります。

 そして、法科大学院は、先ほど申し上げたとおり、基本的には法曹養成の中核機関でありますので、私もちょっと勘違いしまして、法曹は弁護士と検事と判事なんですと言われちゃうとそれでは困るわけでありまして、今申し上げたように、合格者が二割しか出ないということになってくると、ではどうするんだ。そこでケースメソッドとかいろいろなことを勉強した、そのことを社会でどう生かしていくのか、どう身を立てていくのかということについては、法科大学院自身が進路指導とかいろいろな意味でやはり学生に、院生に働きかけていかざるを得ないんじゃないか、このように思うわけであります。

 何せ、学部学生ではなくて、さらに二年間、より教育を受けてしまっている分だけ、ある意味で社会に出る時間がおくれているわけですから、今の日本の社会の実情からすればなかなか、よく勉強すれば就職口がどんどん広がるというわけでも多分ないんだろうと思っております。

 そこで、どういう進路指導ということを考えておられるのか、どういう資格、能力ということでアピールしていくのか、文部科学省さんの見解を伺います。

常盤政府参考人 法科大学院の修了者につきましては、ただいまも申しましたように、法曹以外の分野でも、例えば企業法務や公務員等として活躍するということも期待されているわけでございますので、司法制度改革におきましても、当初の審議会の意見書において、やはり二十一世紀の司法を担う法曹に必要な資質として、専門的な知識に加えまして、柔軟な思考力であるとか説得、交渉の能力とか、あるいは社会や人間関係に対する洞察力、こういうものを求めていきたいということで法科大学院の教育を設定しているということでございます。

 こうしたことを受けて、各法科大学院におきましても、今申し上げましたような能力の涵養ということに努力をしているところでございます。

 進路変更等によりまして仮に法曹とならない場合であっても、今申し上げましたような能力は、社会の各方面で活躍するためにも必要な能力であるというふうに考えておりますので、私ども文部科学省といたしましては、こういう視点からの各法科大学院の教育の質の改善ということをさらに進めていきたいというふうに思っております。

橘(慶)委員 高められる能力としてはそういうことなんですけれども、それが具体的なキャリアイメージとして、こういう職種、こういう活躍ということにうまくつながっていくかどうかということが大事である。あるいは、そういう職種の受け入れということを、今度は官も民も、いわゆる社会の方がしてあげないと、なかなか法科大学院というのが難しくなってくるんじゃないかという心配をするわけであります。

 どうも、七、八割という先ほど出た数字がなかなか維持されないような気がするわけです。そうなった場合に、法科大学院というものはどういう位置づけにしていくかということもこれから考えていかなきゃいけない、このように思うわけであります。

 そこで、官と民それぞれということで、質問を一つ飛ばしまして、人事院さんの方へお伺いをしていくわけですが、実は人事院も、来年から国家公務員の採用試験を大幅に変更することにされているわけであります。今まで1種、2種、3種ということでやったものを変えて、総合職云々ということで変わるわけです。ここにパンフレットを持ってまいりましたが、この中で、法科大学院修了者あるいは弁護士さんについての取り扱い、特別なものがあれば、それをひとつお伺いしておきたいと思います。

菊地政府参考人 お答え申し上げます。

 人事院におきましては、法科大学院の創設など人材供給構造の変化等に対応するため、平成二十四年度から、国家公務員採用試験の種類、内容を抜本的に見直しさせていただきました。

 国家公務員採用総合職試験に、大学院修了者等を対象といたしました院卒者試験、及び司法試験合格者を対象といたしました院卒者試験の法務区分を設けることとしております。御指摘の法科大学院修了者につきましては、法務区分を除く院卒者試験を受験できることとなり、弁護士を含む司法試験合格者につきましては、院卒者試験の法務区分を受験できることとなります。

 院卒者試験は、大学院修了者にふさわしく、受験しやすい試験内容とすることとしておりまして、例えば行政区分につきましては、専門試験は、法科大学院で履修する法律科目のみの選択で受験できることといたしております。一方、司法試験合格者を対象とした法務区分では、国家資格をお持ちでございますので、専門試験は課さず、政策課題試験や人物試験を重視して行うこととしてございます。

橘(慶)委員 これは、弁護士さんの資格を持った方については一つ明るい話題なわけですね。要するに、弁護士資格を持たれて国家公務員として働くということについては、特別の試験区分の中で採用されていくことになってくるということであります。

 ただ、法科大学院修了者については、ほかの大学院の修了者、いわゆる文科大学院であれ経済大学院であれ、そこと同じ扱いになってしまう。だから、そこのメリットが今はない仕組みなんですね。それはまた、人事院さんは人事院さんの思いはそうなんだろうと思いますし、平岡大臣におかれましては、もしそこは特別の区分でやれるということであれば、ぜひまたそういうことも働きかけていただければいいんじゃないかと私は思うわけであります。

 そこで、公務職場におきまして法科大学院修了者及び弁護士の活用を図っていくということが、先ほど申し上げた、いろいろな場所に活動範囲を広げていく、あるいは先ほど前の質問者の方が言われた出口戦略ということでは、公務の方では非常に意味のあることだと思います。

 そこで、各省庁において、そういう法科大学院修了者あるいは弁護士といった方々がどういう採用の動向になっているのか、実情を人材局長さんにもう一度お伺いいたします。

菊地政府参考人 お答え申し上げます。

 国家公務の職場におけます法科大学院修了者及び弁護士の採用の仕組みといたしましては、現在三つございます。

 一番目といたしましては、法科大学院修了者及び修了見込み者が国家公務員の1種試験や2種試験を受験され、合格し、採用されるケースでございます。人事院といたしましても、各種説明会やインターンシップを通じまして、法科大学院学生等に関心を持ってもらうように努めているところでございますけれども、申込者数や合格者数は毎年増加しておりまして、平成二十三年度の1種試験で申し上げますと、六百五十三人が申し込みをされ、九十三人が合格をされ、二十二名の採用が内定しているところでございます。ここ数年で見ますと、ほとんどの府省において採用されている状況でございます。

 二つ目といたしましては、新司法試験合格者を対象といたしました選考試験を通じて採用するケースでございます。人事院では、法科大学院の設置等に対応いたしまして、平成十八年度から、新司法試験合格者を対象といたしました選考試験を実施しております。この試験も毎年受験者が増加しておりまして、本年度の場合、百五名が申し込み、うち六人が、合格するとともに、採用が内定しているところでございます。平成十八年度以降の主な採用府省等は、金融庁八人、公正取引委員会四人、国税庁三人などとなっております。

 三つ目といたしましては、一般職の任期付職員法に基づきまして、法律の専門家としての弁護士を採用するケースでございます。このような任期つき採用は、また毎年増加しておりまして、平成二十二年末現在での在職者数は百十五人となっており、約三分の一が金融庁でその高い専門性を生かして勤務されているところでございます。

橘(慶)委員 この辺からは少し話としては明るい話といいますか、そういう領域が広がるということで。その意味では、先ほど平岡大臣が、過去の司法制度改革のとき、期待される活動領域として、地球環境あるいは知的財産権を挙げておられました。

 そんなこともちょっと踏まえながら、近年新たに、今おっしゃった、法科大学院修了者あるいは弁護士の職場として各省庁で開拓されたセクションというものがあるのであれば、それがまた一つ民間についてのイメージにもなるような気がしますので、そこを示していただければと思います。

菊地政府参考人 まず、国家公務員採用1種試験から採用されました法科大学院出身者の数は、先ほど申し上げましたとおり年々増加をし、ここ数年で見ますと、ほとんどの府省で採用されているところでございます。特に本年度の内定は、二十二名ということで、二十人を初めて超えたところでございます。

 次に、平成十八年度から実施している、新司法試験合格者を対象といたしました選考試験につきましても、先ほど申し上げましたとおり年々増加しておりまして、本年度でいいますと、新たに経済産業省あるいは農林水産省でも採用内定が行われたというふうに、広がってきているところが特色でございます。

 最後に、任期付職員法に基づく法律の専門家としての弁護士の採用につきましても、金融庁あるいは財務局などでの金融証券検査官等、あるいは公正取引委員会の審査専門官、国税庁の国税審判官などで、高い専門性を発揮して行政実務で活躍されているというふうに承知しているところでございます。

橘(慶)委員 ありがとうございます。

 やはり、そういった公取さんとか金融庁さんとか、また一面、農水省さんとか。これから、私は地方の自治体の仕事もしましたので、例えば空き家対策なんというのが法律問題としてはなかなか難しいわけで、そういった問題、民間の私権を生かしながらどうするかとか、お一人お一人の私権を尊重しながらどうやって対処していくとか、いろいろなところで法務アドバイザー的なお仕事というのはあるものだと思っております。

 そんな意味で、人事管理官会議において、法科大学院修了者及び弁護士の職域を拡大する議論といったことも、人事管理官会議は定期的に開かれていると思いますので、そういった問題意識で会議の中でも議論されてもいいんじゃないかと思いますが、ここは総務省田中人事・恩給局長にお伺いいたします。

田中政府参考人 総務省といたしましては、複雑多様化する行政ニーズに的確に対応する観点から、専門的知識や経験を有する者に公務に従事していただくということは極めて重要な課題であるというふうに認識をいたしております。先ほども御議論いただいておりました法曹の養成に関するフォーラムなどにおきましても、法曹有資格者の活動領域の拡大について御議論がこれからなされるというふうに承知をいたしております。

 また、御案内のとおり、総務省もこのフォーラムの構成員となっておるわけでございますが、ただいま御指摘のように、人事管理官会議におきましても、法科大学院修了者及び弁護士の職域を拡大するという点につきまして、各方面の御意見や御指摘等も踏まえながら、十分行ってまいりたいというふうに考えます。

橘(慶)委員 官といいますか公務職場のことについては、大体こういうことでお伺いをさせていただきました。

 こういったお話は平岡大臣にはお聞き届けいただいたわけでありますが、そうすると、官だけではなくて民もということが大事だと思います。経済界においても、やはりそういった意味で、企業法務であるとかいろいろな形でそういう職場を広げていかなきゃいけない。もちろん、最初から申し上げているとおり、弁護士さんのための部分もあるでしょうけれども、それをやることによって、結局、法科大学院修了者もカバーされるとすれば、それはなおいいことだと思います。

 ここは大臣として、広く法科大学院修了者、言ってみれば、法曹の道を志した若い人たちが、それぞれまた、仮に試験は三振したかもしれないけれども、社会の中では大いに有意義に頑張っていけるんだ、そういう道を開いていくための、法務省としてといいますか、もっと言えば内閣としてということになるんでしょうけれども、具体的な取り組み、ぜひこういうものに踏み出していただきたいという思いもありますし、既にいろいろと働きかけておられるのであれば、経済界側はどんなような反応で受けとめておられるのか、こういったことを含めて、まとめの答弁をひとついただきたいと思います。

平岡国務大臣 御答弁申し上げます。

 その前に、先ほど、三千人の目標を下回ったことは遺憾であるという答弁書は、きょうの答弁書じゃなくて、九月二十七日に出した答弁書に書いてあったということで、その点はちょっと訂正をさせていただきたいというふうに思います。

 そこで、御質問の件でございますけれども、法科大学院修了者の方々の働く先という点について言えば、これは司法試験は試験でありますから、当然、合格する人もいれば、不合格になる人がおられる。どんな状況であれ、多いか少ないかは別として、不合格の方がやはりおられるわけで、そういう人たちもちゃんと人生設計が描けるというようなことがやはり非常に大事なことだというふうに思います。

 実は、民間の企業でどういうふうに働いているかということについては、日本組織内弁護士協会というところがあって、そこが調査をした結果によりますと、平成十三年が六十四人であったのに比べまして、平成二十三年の企業内弁護士総数は五百八十八人ということで、相当程度拡大しているというふうな状況もございます。そういう意味では、企業の中でも、企業の中に弁護士を持っているということの必要性なりあるいは有用性というものは認識をされているとは思います。

 ただ、他方で、ある経済界の方に言わせると、当初、司法制度改革をしていたときに比べるとそんなに需要はないよというふうに言っておられる方もおられるというふうにも聞いております。

 ぜひ、そういう点も含めて、私は、フォーラムの中で、いろいろな方々の意見なり、あるいはいろいろな分野における状況把握というふうなこともしっかりと行うことができる仕組みになっておりますので、そこでしっかりとまた議論をしていただきたいというふうに思いますし、できる限り、日本の中で、当初、司法制度改革で期待されていたような、専門的な識見を持った、そして能力としても非常にすぐれた方々が社会で活躍される時代というのはやはりこれからも望まれる社会だろうというふうに思いますので、いろいろな場面で働けるような機会ができるように、皆さんにもしっかりと議論をしていただきたいというふうに思っております。

橘(慶)委員 ありがとうございました。

 それで、これは法務省さん、文科省さんということでお話を伺ってきたわけですが、実は、私がいつもお世話になっております総務委員会の方に来られます総務省さん、こちらでは政策評価というお仕事がありまして、この政策評価で、法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する評価をやっているわけであります。

 そこで、評価のあり方、方法ということについては既に出ているわけでありまして、これはちょっと飛ばさせていただいて、それを踏まえて、現在、法科大学院、弁護士会、都道府県及び市区町村を対象に、当該政策の効果の発現状況についての調査を行っておられる。これから、きょう話題にしました在学生を含めて、教員とか法曹養成制度の関係者、その他関係団体等の皆さんを対象に調査の実施を予定されている、こういうことであります。

 そこで、先ほどから法曹フォーラムという話もあるわけですけれども、政策評価におけるこの評価結果の取りまとめの時期、これはどういうふうにお考えになっているのか、このことをお伺いしたいと思います。

主濱大臣政務官 総務省が進めております、ただいまお話のありました法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価、これは政策評価法第十二条第一項に基づいて、政策の所管省庁や政策を検討する組織とは異なる第三者的立場、そういう立場から今現在評価を実施しているところでございます。

 そして、評価結果につきましては、現在調査中でありますけれども、できる限り早期にまとめてまいりたい、このように考えているところでございます。

橘(慶)委員 これは実は事前にも確認しているんですが、そうすると、こちらで二十五年五月という取りまとめのスケジュールを持っておられるけれども、それとはかかわりなく、政策評価であるから、速やかに、可能な限り早く出す、こういうことでよろしいんですね。

主濱大臣政務官 かなり微妙なところなんですけれども、できれば年度内、こういうことを目途に頑張ってまいりたいというふうに思っております。

橘(慶)委員 そんな意味では、総務省さんの方でもいろいろ調べてこられ、そういう知見を生かしていただきながら、在学生の実態、あるいは今いわゆる試験を受けている、あるいは試験を受かってどうしようと言っている方々の実態、こういったものを全部踏まえていただきながら、ぜひ一つのおまとめをいただきたいと思っております。

 今本当に、国では、臨床研修をめぐってお医者さんの数をふやしていくという話があったり、薬剤師さんは四年から六年に養成期間を延ばしたり、いろいろなことをやっております。そういう中で、こういう専門的なプロフェッション、士業というものをどういうふうに位置づけていくかということをぜひよくお考えになって、とにかく、実際、最前線にいるそういう若い方が困らないようなことをお考えいただきたい。このことを申し上げて、もしこういう質問で審議に役に立ったとすれば幸いということを申し添えて、終わらせていただきます。

 きょうは本当にありがとうございました。

小林委員長 次に、城内実君。

城内委員 国益と国民の生活を守る会の城内実でございます。

 まず、司法修習生の給与の問題について質問させていただきたいと思います。

 正直に申しますと、私はもともと貸与制でいいのではないかという立場にありました。しかし、ビギナーズ・ネットの皆さんを初めとする院内集会に参加をして生の声を聞いていくうちに、転向したんですよ。私は弁護士の資格はありませんけれども、そういった生の声を聞いているうちに、やはり弁護士を目指している方々、あるいは、もちろん裁判官あるいは検察官でもいいんですけれども、司法を目指している方々は、社会正義、あるいは弁護士さんですと人権の擁護、こういった非常に公共性というか社会性の高い仕事に従事するわけですから、私は、国費で給与を負担して何が問題なのかと。

 ちなみに、貸与制賛成論者のいろいろな意見も調べてみたら、限りある財政資金を効率的に活用する必要がある、要するに、お金が足りないから国民の理解が得られないという、何か本末転倒な、そういう議論が展開されています。あるいは司法修習生が大幅増加したためとか。そんなのは初めからわかっているわけです。しかも、公務員じゃないからといいますけれども、私がいろいろ調べたら、準公務員的な、先ほど申しましたような公共性の高い仕事ですから、私は、貸与制というのは余りにもひどいんじゃないのかな、そういう感じがしたので、今は信念を持って、これは給費制を存続すべきだという立場に転向いたしました。そのことをまず申し上げたいと思います。

 さて、質問ですが、今般、政府から、経済的理由で修習資金の返還が困難な方々に返還猶予期間を設けつつも、貸与制に移行するという趣旨の改正案が出されました。現状では法曹界全体の改革が必要であると思いますし、その中で修習生の修習資金についても検討すべきという立法趣旨に私は賛同しつつも、給費制の存続という前提に立ってこうした抜本的な見直しがなされるべきである、そういうふうに考えております。

 そうした中、法曹の養成に関する制度の見直しを行う平成二十五年十月三十一日までの二年間は貸与制を停止し給費制を続けるという改正案の修正案が公明党の大口委員から提出されましたけれども、私としては、本修正案の趣旨に基本的に賛同する立場から、以下の質問をさせていただきたいと思います。

 まず第一に、司法修習生への修習資金制度というのは、先ほど述べたように、まさに法曹全体の今後にとって重要な問題だと思います。ぜひとも与野党がきちんと協議をして、全会一致で決めるべき法案であると私は思いますが、この点について、提出者の大口委員、そして引き続いて大臣からの答弁、見解をいただきたいと思います。

大口委員 ただいま城内議員から力強い信念に根差した御発言をいただきまして、ありがとうございます。

 私ども公明党は、一つは、やはり法曹養成制度全体をしっかり議論しないと、今、法曹養成が悪循環に陥っている、このままいきますと本当に司法を担っている法曹の人的基盤自体が崩壊してしまう、そういう危機感に立って、今回、しっかりと法律に基づく合議制の機関を設けて、そして国家戦略の視点からも、全体観に立ってこれは議論すべきだ。このことにつきましては、これはただ単に私ども公明党だけではなくて、自民党さんももちろんでございますけれども、民主党も、各党異論はないと思うんですね。ですから、このことについては私どもは合意はできる、このように思っております。

 ただ、今のこの貸与制を維持するか、私どものように、貸与制を停止して給費制でやっていく、そうしないと、非常に法曹の人口が急減しておりますので、これに追い打ちをかけるようにさらに急減をして人的基盤を崩壊させるようなことは、我々は納得できない。この点がなかなか、今民主党さんの中でもやはり給費制を維持すべきだという、今、辻先生が大きくうなずいておられますけれども、そういう方はたくさんいらっしゃるんですよ。

 ですから、そういう点では、しっかり協議をしていけば合意できるんじゃないかという期待もあるわけでありますけれども、なかなか、政府ということになりますと、財務省がにらみをきかせております。財務省のそういう財政的制約というようなことじゃなくて、本当にこの国の将来を考えるときにどうするんだ、国の人材を育成するということについてやはりきちっとお金を使うということ、これも大事なことじゃないか、こう思っておりまして、協議して合意できるものであれば、それはさせていただきたいなとは思っております。

城内委員 ありがとうございました。

 本当に、財務省の論理ではなくて、まさにこういうところに政治主導をしていただきたいと思います。

 次に、大臣ですけれども、死刑制度については大臣は何か独自のお考えを持っているようですが、まさにこの司法修習生の問題についてこそ大臣にぜひ政治主導を発揮していただきたいと思いますが、大臣、どうですか。

平岡国務大臣 今回の法案につきましては、これはちょっと経緯がある話ですね。

 昨年の十一月にこの法務委員会で決議をしていただいた事項、二つ項目があったわけですけれども、一つはこの給費制の問題、そしてもう一つは法曹養成のあり方全体の問題、これを議論しなさいということでございまして、それに基づいてフォーラムというのをつくって、そのフォーラムが給費制のあり方についての考え方を第一次取りまとめということで出されたということでございます。それを踏まえて今回出させていただいているわけです。

 ただ、その議論の過程の中で、やはり法曹全体の問題をしっかりと議論しなければいけないんだということについては、私もそう思います。だからこそ、連携法の中で二十五年の四月から検討を開始しなさいというふうになっていることについても、それをにらみながら、今議論しているフォーラムにおいてしっかりと議論をして、二十五年の四月、法律で定められている期限が来たならば、できるだけ早く結論が出るようにしていきたい、そういう思いで今我々としては進めているということでございます。

城内委員 大臣、フォーラム、フォーラムとおっしゃいますけれども、ではフォーラムの議論がすべて正しいかというと、そうじゃないと思いますね。まさに財務省の論理に引っ張られている感じもします。国民の理解を得られないと言いますけれども、私も一国民ですけれども、私のように国民がまさに修習生の実態を理解したら、絶対理解を得られると思います。そういう努力もせずに、何か国民の理解を得られないから貸与制にするのだというような論理こそが私は破綻していると思います。

 次の質問ですが、本年、二千六十三名の方が司法試験に合格されました。しかし、二千一名しか司法研修所に進んでいないと伺っております。つまり、六十二名の方は何らかの理由で司法修習を辞退したということですが、これは過去最悪の数字のようであります。中には、これはビギナーズ・ネットの方ですけれども、明らかに経済的な理由から辞退した方がいらっしゃるんですね。

 このような現状を大臣はどうお考えでしょうか。

平岡国務大臣 実は、六十二名の方が辞退されたという点については、今回初めてこんな事態ということではなくて、昨年も五十二人の方が辞退されている、その前も二十二人の方が辞退されているというようなことで、辞退されている方はおられるわけであります。

 その理由は、今回委員が御指摘のように経済的な理由という方もおられるかもしれませんし、あるいは、ほかの道に行く、これは永遠ということではなくて、とりあえず行くという方もおられるんじゃないかなというふうに思います。先ほど言いましたけれども私もそうですし、棚橋さんはいませんけれども、棚橋さんも多分そういう人だったんだろうというふうに思います。

 そういう意味では、先ほど言いましたように、この六十二人の方が一体どういう状況でこうなっているのかということについては、もう少し調べてみないと結論的には言えないんじゃないかなとは思います。

城内委員 いや、六十二名が全員経済的な理由でないにしろ、経済的な理由で辞退した方がいらっしゃるんですよ。だから、やはりそういった点をきちっと踏まえて御答弁いただきたいなと思います。

 次の質問に移らせていただきますが、先ほど漆原委員の方からも御指摘ありましたけれども、海外における状況についてお聞きしたいと思います。

 私は十年ドイツに滞在いたしましたが、ドイツでは給費制に類似した制度が今でもありますし、お隣の韓国でも給費制だというふうに伺っております。私は、例えばドイツについては特に学ぶべき点が多いんじゃないかと思いますが、大臣はその点を参考にしないんでしょうか。この点についてお答えいただきたいと思います。

平岡国務大臣 我々の方でも調査をしてきているわけでありますけれども、我が国のように、裁判官、検察官、弁護士になる資格を取得するための統一的な修習制度を設けている国は、承知している限りではドイツのみであります。

 ドイツでは、各州によって内容は異なっているようでありますけれども、給費制が採用されているということではあるようですけれども、そこでは法科大学院制度は設けていないという点が我が国と異なっている。それから韓国は、先ほど大口委員の方からもお話がありましたように、平成二十四年から司法修習制度が廃止されることになったということなので、この給費制の問題についてもなくなってきているというふうに承知をしているところでございます。

城内委員 いずれにしましても、民主党の中にも給費制存続を求める声が非常に大きいというふうに伺っております。給費制存続に向けて大いにかじを切っていただきたいと思います。

 また、受験の機会三回で資格を喪失するというのも、私はこれは職業選択の自由に反するんじゃないかなと。例えば、若いころ二回、三回チャレンジしたけれども、また七十代になってもう一度チャレンジしようという生涯学習の観点からも、こんな三回でおしまいなんというのは、私はこれは人権侵害じゃないかと思います。こういった点についても、しっかりよく議論していただいて、そんな機械的なことはやめていただきたいなと思います。

 次に、人権救済機関の設置の問題について、十二月二日にちょっと時間が足りなかったので、残された課題について質問させていただきたいと思います。

 会期は九日までということのようですが、このまま閉会となればきょうが最後の質疑の機会となります。次は来年の通常国会での議論となりますが、二日の法務委員会で大臣は、法案提出の時期について、「個人的には遅くとも来年の通常国会には提出したい」中略「この段階に至っておりますと、遅くともという言葉が多分もう実務的にも事実上も難しい状況になってきているのかな」と、何か非常にあいまいにおっしゃられました。いつ法案提出となるかという質問は、私自身も、恐らく法務省にも数多く来ていると思うんですね。国民の関心が非常に高い問題です。いつなのか。

 そこで確認ですけれども、遅くともという言葉が難しいということはどういうことなんですか。断念しているわけじゃないんですが、もう少し議論を深めて、もっともっと、一年、二年後にするということなんでしょうか。あるいは、早ければやはり来年の通常国会に提出したいということなんでしょうか。はっきりとお答えいただきたいと思います。

平岡国務大臣 私がこの前ここで答弁させていただいたことは、実は、たしか九月の十二日だったと思いますけれども私がインタビューに答えて言ったときに、遅くとも来年の通常国会にはということを個人的には思っていますということで、そのときには、臨時国会も念頭に置いて、早ければ臨時国会、遅くとも来年の通常国会ということでございました。早ければ臨時国会というのはもう選択肢としてなくなったということなので、先ほどの遅くともという言葉がもう使えなくなったということをこの委員会で答弁申し上げたということでございます。

 逆に言えば、そういう状況になったということであれば、個人的には早ければ来年の通常国会にもというふうには思いますけれども、ただ、今の作業状況等を考えますと、今法務大臣として確定的にこのときまでにということが言えるような状況ではないということも承知しているところでございます。

城内委員 早ければ来年の通常国会ということですが、やはりこの問題は国民全員あるいは日本に居住している外国人全員にかかわる非常に大きな問題ですから、しっかりと時間をかけて、拙速を避けていただきたいと思います。

 次の質問に移りますが、改めて、人権救済機関を設置したらお金がどれだけかかるのかと私は何度も何度も質問しているんですけれども、大ざっぱな数字すら出てこないんですね。

 大臣は、十月二十五日の法務委員会で私の質問に対して、人権擁護局の人権擁護施策について年間約三十億円の費用がかかると。これは、人件費を除いて、要するに給与を除いて多分人権啓発等にこれだけかかっているということですが、実際幾らかかるのかというのは、やはり費用対効果もあります。私は、よもや、これは法務省のOBの天下り先として、法務省のOBの人権ならぬ人件費を捻出して救済する機関、国民の人権救済機関じゃなくて法務省のOBの方々の人件費捻出救済機関になるんじゃないかなと。非常に皮肉を込めて言っているんですけれどもね。

 まず、人件費も含めて、どれだけの組織をつくって幾らお金がかかるのかというのを、これは三条委員会なんですから、強力な権限を持っている機関ですから、何か人権擁護局の隅っこに机を一つ並べてという話じゃないわけですから、それをはっきりと出していただきたい。

 そして、本当にそんなどでかい組織をつくって、人をいっぱい、そして給与を手当てして、でも年間一、二件しか相談に来ないなんということになったら、これは公務員のまさに人件費捻出救済機関みたいになってしまいますから、私はこれは冗談で言っているんじゃなくて、まずこういうことにもっと真剣に皆さんの方で理論武装してくださいよ。そういう説明が全くないから、こんなのは必要じゃないという声がインターネットを初め国民の中から出てきているんですよ。

 大臣、どうですか。

平岡国務大臣 どれだけの費用がかかるのかということについて言えば、今現在、新しい組織をつくる場合の組織権限の詳細とか、あるいは救済手続のあり方とか、引き続き検討を要する事項が少なくないので、今検討を進めているという状況のもとでございます。予算や人員に関しては、関係省庁との協議が必要であることから、確定的なことは申し上げられないということは御理解いただけるんだろうというふうに思います。

 確定的なことは申し上げられないということを前提でお答えいたしますれば、この前、八月に法務省政務三役で基本方針というものを示させていただきました。それを大まかに、ある程度こんなことになるんではなかろうかということを想定しながら申し上げるわけでありますけれども、現在の法務省の人権擁護局の所掌事務をすべて新たな人権救済機関が所掌することになれば、新たな機関の設置に伴って人権擁護局は廃止されることになるであろう。そして、人権救済機関の地方組織については、基本方針において、全国の法務局、地方法務局及びその支局の組織の活用、充実を図ることとしている、その方針に沿って今検討を進めている。さらに、基本方針では、全国の人権擁護委員についても、現在の委員及びその組織体を活用し、活動の一層の活性化を図るものとしているということでございます。

 そういうことで考えますれば、新たな人権救済機関の予算や人員については、既存の組織を改廃、活用する方向での検討状況を踏まえて、これから引き続き検討していくことになるわけでありますけれども、せんだって私が申し上げましたように、平成二十三年度の法務省の人権関係の予算は、人件費を除いて約三十三億円ということであり、人権担当職員の定員が二百六十二名ということでございますので、これに人件費一人当たりどのぐらいかというのを掛ければ、二十億円程度ぐらいなのかなというふうにも思います。合わせれば五十三億円、これが平成二十三年度でありますけれども、今私がるる申し上げたような仕組み、あるいは人員というものを考えていきますれば、この数字と大きく変わるようなことは余りないであろう。

 先ほど、委員が法務省のOBの人件費捻出救済機関ではないかというふうに言われましたけれども、OBというふうに言われた趣旨がよくわかりませんけれども、特にOBをこの組織のために新たにどんどん取り込んで、そこに人件費を払っていこうという発想は、今の検討の中では特に私としては聞いていないところでございます。

 なお、先ほど九月十二日のインタビューと言ったのは、九月十三日の間違いでございますので、訂正させていただきます。

城内委員 ですから、今大臣まさにおっしゃったのは、既存の組織を使って、それで人権擁護局を廃止してというようなお話がありましたけれども、やはり人が足りなければ、例えばOBの活用も含めていろいろと、では、裁判員みたいに人権救済機関の職員を急に抽せんで選ぶんですか、そうじゃないと思いますよ。やはり法務省のOBとかそういった方々も含めて、これははっきり言うと焼け太り作戦のような感じですから、そういうことを実際やるのかどうかということをちゃんと国民に提示していただいてやっていただかないと、私は国民の理解は得られないというふうに思っております。

 そしてまた、既存の組織を使うというのであれば、どこが政府から独立した機関なのか。形だけ、形式的に独立しているように見えても、実際は、人権擁護局はそのまま廃止になって、新たな巨大な人権救済機関という組織ができて、人員がふえて予算もふえているということを多分目指しているんじゃないかなと私は推測をしますけれども、そうしたとしても、やはりきちんと、どういった組織をどの程度つくるのかという、財務省に要求する概略ぐらいは示していただきたいなと思います。

 ほかにもまだ聞きたいことはたくさんありますけれども、きょうはこれで私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

小林委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二分散会


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