衆議院

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第20号 平成26年5月28日(水曜日)

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平成二十六年五月二十八日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 江崎 鐵磨君

   理事 大塚  拓君 理事 土屋 正忠君

   理事 ふくだ峰之君 理事 盛山 正仁君

   理事 吉野 正芳君 理事 階   猛君

   理事 西田  譲君 理事 遠山 清彦君

      青山 周平君    安藤  裕君

      池田 道孝君    小田原 潔君

      大見  正君    門  博文君

      神山 佐市君    黄川田仁志君

      小島 敏文君    古賀  篤君

      今野 智博君    新開 裕司君

      末吉 光徳君    辻  清人君

      橋本  岳君    鳩山 邦夫君

      平口  洋君    三ッ林裕巳君

      宮澤 博行君    郡  和子君

      田嶋  要君    横路 孝弘君

      高橋 みほ君    大口 善徳君

      井出 庸生君    鈴木 貴子君

      西村 眞悟君

    …………………………………

   法務大臣         谷垣 禎一君

   法務副大臣        奥野 信亮君

   法務大臣政務官      平口  洋君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          小川 秀樹君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    深山 卓也君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    西田  博君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  榊原 一夫君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           佐野  太君

   政府参考人

   (文部科学省国際統括官) 加藤 重治君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大西 康之君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小川  誠君

   法務委員会専門員     矢部 明宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十八日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     青山 周平君

  小島 敏文君     新開 裕司君

  椎名  毅君     井出 庸生君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     辻  清人君

  新開 裕司君     小島 敏文君

  井出 庸生君     椎名  毅君

同日

 辞任         補欠選任

  辻  清人君     菅家 一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)


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     ――――◇―――――

江崎委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房司法法制部長小川秀樹君、法務省民事局長深山卓也君、法務省矯正局長西田博君、法務省入国管理局長榊原一夫君、文部科学省大臣官房審議官佐野太君、文部科学省国際統括官加藤重治君、厚生労働省大臣官房審議官大西康之君及び経済産業省大臣官房審議官小川誠君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江崎委員長 御異議なし。よって、そのように決めました。

    ―――――――――――――

江崎委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。郡和子委員。

郡委員 おはようございます。民主党の郡和子です。

 きょうは、トップバッターということになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず、先日衆議院を通過いたしました行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、この中に入管法も含まれております。衆議院を通過した翌日に、日弁連からこの改正案に対する会長声明が出されました。この声明によりますと、現在の難民不認定に対する異議申し立て制度において認められていた口頭意見陳述権をさらに後退させるおそれがあるということであります。異議申し立て手続のプロセスと異議申立人の権利保障に重大な変更を加える内容で、これは看過しがたいというふうな会長声明でございましたけれども、この懸念にどのようにお応えになりますでしょうか。冒頭、お聞かせいただきたいと思います。

榊原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、現在国会に提出されている行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律には、入管法の改正が含まれておりますところ、入管法において読みかえて適用される行政不服審査法第三十一条第一項ただし書きにおいて、難民不認定処分に対する不服申し立て手続における口頭意見陳述を行わない場合として、「申述書に記載された事実その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していないことその他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが適当でないと認められる場合」と規定し、当該規定に該当する場合には、申立人が意見を述べる機会を制限することが可能です。

 しかしながら、現行制度におきましても、口頭意見陳述に立ち会い、審尋をするか否かは難民審査参与員の判断に委ねられており、今回の改正によって運用面において実質的な変更はございません。

 また、今回の改正により、これまでのような当局職員による審理手続にかわりまして、民間有識者から任命されました難民審査参与員が公正中立な立場から審理手続を主宰することになります。

 しかも、今回の改正案によれば、形式的に、申述書に何らの難民となる事由が記載されていなければ機械的に口頭意見陳述を付与しないということではなく、審理手続を主宰する難民審査参与員が口頭意見陳述の機会を付与することが適当でないと認める場合の判断を行うものであり、申立人の手続保障に欠けることにはならないと考えております。

 さらに、審理手続を主宰する難民審査参与員が審理関係人に質問するほか、証拠書類等の提出、参考人の陳述等に関する判断を行うことに加えまして、申立人は証拠書類等の閲覧、謄写を求めることができるなど、手続の公正性が大幅に向上することになるほか、標準審理期間や争点、証拠の事前整理手続の導入などにより、使いやすさも向上することとなるものと考えております。

 以上です。

郡委員 今、局長から御説明ありましたけれども、そもそも、この行政不服審査法改正案というのは、不服審査を申し立てる市民の側に立って、これを厚くしていこうというものだと理解をしております。

 今、御説明ございましたけれども、これまで、難民不認定に係る異議申し立て件数、年々増加しておりまして、平成二十五年では二千四百八件であります。そのうち、難民の異議申し立てにおける審尋回数というのがございますけれども、参与員が審尋をしたものについては八百九十二件、総数九百件のうち、こういうふうな数字でありました。

 そもそもが申し立ての権利拡大の方向をこの改正案は担保するものだというふうに承知しておりますけれども、今、従前と変わらないという説明がありましたが、それであれば、入管法のこの部分だけ足踏みをしているということになるんじゃないだろうかというふうに思います。

 先日、日経新聞に、法務大臣を名指しして、大変厳しい記事が載っておりました。「法相は難民に冷たくないか」、そういう見出しの社説でございましたけれども、最初の審査をする入国管理局が難民と認定しなかった人たち、不服であれば再審査を受けられるわけですけれども、第三者機関として設けられているこの参与員という仕組み、これも十分機能しているとは言いがたいというふうにこの社説は書いております。

 今、難民認定のあり方を見直す作業を進めておられるということですけれども、これは、この間、難民申請の数が急激にふえているということに対して、今回盛り込まれたこの条文も、わざわざ書き込んだということは、狙いとして、申請の増加に対して効率化を図る、それは落としていこうというような意思が見てとれなくもないというふうに思って、心配をしているところです。その心配を冒頭申し述べさせていただきました。

 では、次の質問に参ります。

 今回の入管法の改正についてですけれども、改正案の第五十二条の七項で、退去強制令書執行のための公務所等への照会についての権限というのが新設をされました。

 この条項の目的、想定する事態、それから新たに入国警備官に権限を付与する理由、これについて御説明をいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 ただいまの郡委員の御質問ですが、現行法ですと、退去強制令書の発付に至るまでの違反調査あるいは口頭審理については、いろいろな公私の団体に対する照会の根拠規定がございました。しかし、退去強制令書発付後の執行手続については、同じような規定はありません。

 ところが、実際には、退去強制令書の執行に当たって、入国警備官が各種の照会を行うことが必要な事態がいろいろ生じてきております。現行法下では、いろいろな公私の団体に対して任意に協力を求めるという形でそれを行ってきたわけですが、昨今、そういった相手の方から、照会の根拠規定がないじゃないかとか、あるいは個人情報の保護ということなどを理由に、協力をしていただけないような事例が出てきております。

 そこで、今回、退去強制令書の執行に係る照会規定を新設しよう、整備しようということでございます。

 照会が必要となる事態としてどういうことがあるかと申しますと、例えば、退去強制令書の発付を受けて収容した者が、新たに、過去の通院歴、体が悪くてお医者様に行った通院歴などがあることがわかったというような場合に、その被収容者の健康状況を確実に把握して、適切な収容業務、それから安全、確実な送還業務を遂行するためには、そういった関連する病院あるいはお医者様に、治療状況や医学的知見に基づいた収容、送還の可否、留意点等を照会するようなことが想定されております。

 それから、退去強制令書の発付を受けた後に、仮放免された者が逃亡するというようなこともないわけではありません。そういう場合に、所在が不明になっている場合に、その身柄の確保のために、関連する市町村とか、銀行あるいは学校等にいろいろな事実関係を照会することも想定されております。

 それで、入国警備官に権限を付与しておりますが、その理由は、過去も強制令書は入国警備官が執行するものとされているわけですが、こういった想定された事態は、結局のところ、入国警備官が退去強制令書を執行するに際して必要な事項でございますので、照会権限の主体を入国警備官とするということにしたという経緯でございます。

郡委員 きのうの質問通告、ちょっと質問を一問飛ばしまして順番を変えたいと思うんですけれども、それでは、今御説明がありました、退去強制令書を発付された被収容者が取り消し等の訴訟準備をしているというふうに判明した場合、これは、この執行を停止するという運用がなされる場合があるというふうに承知をしております。

 被収容者が訴訟準備をするという意思があると判明したときには、実際に訴訟準備が行われているのかどうか、これは、弁護士会ですとか被収容者の支援団体、これらに照会すること、こういう事実関係の把握というのが重要だと思いますけれども、新設するこの条項に基づいてこうした運用というのを考えていないのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

榊原政府参考人 まず、現在の取り扱いから御説明いたします。

 平成二十二年九月の日本弁護士連合会との合意に基づきまして、入管法が求める速やかな送還の実施と送還される外国人の権利保護の観点から、代理人となっている、または代理人となるものと認められるなどの一定の条件を満たす弁護士が送還予定時期の通知を希望する場合には、おおむね二カ月前をめどに送還予定時期を知らせることとしております。

 弁護士から送還予定時期の通知の希望がない場合であっても、弁護士との面会状況や職員との面接時の発言内容等から訴訟準備を行っている可能性が高い者については、弁護士に確認するなどしております。

 この確認に当たりましては、現時点では改正法の規定に基づく照会を行うことは想定しておりませんが、先ほど申し上げた日本弁護士連合会との合意に基づく通知もございますので、弁護士から協力が得られるものと承知しております。また、支援団体等への照会も想定しておりませんけれども、本人訴訟のとき、弁護士に確認することで訴訟の状況を把握できるものと考えております。

 いずれにしましても、訴訟準備等の状況については適切に把握するよう努めてまいりたいと考えております。

郡委員 仮放免された人が送還可能な状況になったかということを調査するための権限を明文化したわけですけれども、私は、訴訟手続を進めて司法の判断を仰ごうとする、そういう人たちの情報もしっかり把握するということが必要だというふうに思っております。

 今、局長の御説明では、それぞれそのような状況を把握できるというようなお話があったわけですけれども、現に、裁判手続を進めていた方が強制送還されている事例が、私もこの委員会で指摘をさせていただきました。

 直ちに送還できない事情というのは、病気ばかりではありません。新設されるこの条項には、この執行に関して送還しない理由となる裁判手続中あるいはその準備をしているというような情報を集める、このことも必要だと思っていて、運用すべきだというふうに思います。

 ところで、仮放免中の行方不明、逃亡事案、これはどれぐらいあるんでしょうか。また、入国管理局の施設で収容者の死亡事案が何件か報じられました。ことしの三月の末にもこういう新聞記事が載ったところであります。入管の施設における近年の死亡事案、それから心身の異常や重篤な疾患の発症事例の推移、これを明らかにしていただきたい。また、二〇一〇年以降の事案について、主な事案等の具体的な様相、それから法務省の対応措置、これについて明らかにしていただきたい。

榊原政府参考人 まず、仮放免中所在不明となっている者につきましては、平成二十五年末現在、百三十五人です。

 それから、入管の収容施設において心身の異常や重篤な疾患が発症した件数の推移については統計を作成しておりませんが、参考となる統計といたしまして、被収容者の診療を実施した件数を申し上げますと、平成二十二年、一万六千百九十六件、平成二十三年、一万四千五百十四件、平成二十四年、一万七千百二十九件、平成二十五年、一万八千五百九十件となっております。

 また、平成二十二年以降の死亡事案は七件となっております。平成二十二年には、東日本入国管理センターと東京入国管理局におきまして、それぞれお二人の方がお亡くなりになっております。平成二十五年には東京入国管理局においてお一人が、さらに本年に入りまして東日本入国管理センターにおいてお二人がお亡くなりになりました。

 当局の収容施設においては、被収容者の人権を尊重しつつ、その適正な処遇を行うことができるよう努めているところでございますけれども、今後も被収容者の健康管理と医療の提供には万全を期すよう最大限努めてまいりたいと考えております。

郡委員 二〇〇九年の七月、改正入管法によって、いわゆる入国者収容所等視察委員会が設置をされました。これは二〇一〇年七月一日に正式に設置をされたわけですけれども、この委員会の設置の目的は何で、どのような体制が整備されているのか。またその運用状況、実施状況、実績などについて御説明をいただきたいと思います。

榊原政府参考人 入国者収容所等視察委員会は、出入国管理及び難民認定法第六十一条の七の二の規定に基づき、入国者収容所等の適正な運営に資するため、入国者収容所等を視察し、その運営に関し、入国者収容所長等に対して意見を述べる第三者機関として、平成二十二年七月から、東日本地区及び西日本地区に各一カ所ずつ設置されております。

 これら視察委員会における平成二十四年七月から平成二十五年六月までの一年間の活動状況といたしましては、視察回数の合計が十二回、意見提出件数の合計が五十七件となっております。

郡委員 今、私自身は、先ほど御説明のあった、仮放免中の行方不明の方、あるいは、死亡あるいはまた病気などの重大な異変というんでしょうか、そういうような事案について、この視察委員会は対応しないのかどうかということを伺っているんです。

榊原政府参考人 まずは、入国者収容所等視察委員会は、入国者収容所等の適正な運営に資するため、入国者収容所長等に対して意見を述べることとされておりますので、委員御指摘の仮放免中の行方不明者の事案について、収容所等の処遇の問題を離れて視察委員会に御対応いただくことは困難かと考えております。

 他方、収容施設における死亡及び心身の重篤な異変などの事案につきましては、入国者収容所等の運営にかかわるものでありますから、被収容者との面会等を通じて、必要に応じて、視察委員会から収容施設の適正な運営に資する御意見をいただくことはあり得ると考えております。

郡委員 仮放免中の行方不明事案というのは施設の外だから対応できない、しかし、施設の中であったものについては対応できるというふうな御答弁だったと思います。

 先ほど、七件の死亡事案について御報告をいただきました。この委員会が設置される直前に、東日本入国管理センターで二件の自死、自殺がございまして、もう一件、東京入国管理局で死因不明というふうに私がいただいた資料でありますけれども、そういう事案がございます。

 これに対して、ちゃんとこの視察委員会が機能したのでしょうか。それぞれの事例についてしっかり聴取をし、そして対応等を図られたのかどうか、確認をしたいと思います。

榊原政府参考人 視察委員会設置前の死亡事案については、この委員会に対して御報告はしていないと思います。ちょっと確認をしておりませんので確かなことは言えませんけれども、御報告していないというふうに考えております。

 視察委員会が設置された平成二十二年七月以降、収容施設において四件の死亡事案が発生しております。取り急ぎ確認した範囲では、最も古い平成二十二年十二月の急性心筋梗塞による死亡事案については視察委員会に対する報告の事実が確認できておりませんが、直近の三件につきましてはそれぞれ御報告させていただいております。

郡委員 報告が確認できていない、また、設置以前のものについては、何もそういうような通告、通知をする必要もないということなのかどうか。

 大臣、通告しておりませんけれども、視察委員会の活動が設置の趣旨に沿って実効性のあるものになっているのかどうかということを私は大変疑問に思っているということを、ここで指摘させていただきたいんです。

 日本には独立した人権委員会等はございません。加えて、拷問禁止委員会等の選択議定書、これも批准をしておりません。ですから、公式な第三者機関としてこの視察委員会が持っている意味というのはすごく大きいんだというふうに思っています。出入国管理における人権侵害を防止して監視する義務を一手に担っているわけですが、今の死亡事案についても、今の局長の御答弁は、この視察委員会が実効性のあるものになっていないということを、それこそ図らずも示したものではないかというふうに思います。

 各施設には提案箱というのが設置をされておりまして、それを視察委員の皆さんたちが直接おあけになって、そしてその状況を知るというふうなことですけれども、そこに投函された意見は外国語ですから、それを翻訳するのはではどこかというと、法務省の内部であります。つまりは、処遇の改善ですとか要望を受ける側、その主体、当事者である法務省が翻訳をしているということにもなるわけです。この提案箱の設置に対しても、これが実効性が担保されているのかどうか、疑義を持たれても仕方がないんじゃないかというふうに思います。提案箱ではなくて、それこそ何かあった場合の隠蔽の温床箱にもなる可能性があるということだと思うんです。

 今の視察委員会の機能の状況、そしてまたこの提案箱についてですけれども、大臣、どのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。

谷垣国務大臣 入国者収容所等視察委員会について郡委員から今厳しい御指摘があったわけですが、私は、これができましてから今まで、何回かの意見の提出をいただいているわけですね。それで、実際に、これを踏まえまして、入国者収容所等におきましてはいろいろな改善措置を講じてきております。ですから、私は、収容施設におけるいろいろな、処遇の透明性の確保とか適正な運営のために、きちっと役割を果たしていると思っております。

 委員が指摘いただきましたように、例えば施設内における死亡事故というようなものも起こっておりまして、特にことし起こりましたのは、偶然とはいえ、日が続いて亡くなる方が出てきた事例でございまして、私も、対応に不適切な点があったのかなかったのか、きちっと調査をせよということを指示しております。あるいは、必ずしも不適切ではなかったにせよ、より適切な手法はなかったのかというようなことをきちっと調査して報告せよということは指示しております。

 いずれにせよ、こういう収容所における死亡事故等も含めまして、視察委員会から今後とも御意見をいただいて、それを適正な運用のために活用していきたいと考えております。

郡委員 密室である収容施設の中での人権侵害の防止というのは、しっかりとしたチェック機能を果たさなくちゃいけない。今大臣もお話しになりましたけれども、透明性そしてまた可視化ということも重要なんだというふうに思っています。そういうふうにまだなっていないということで、ぜひここは、改善すべきは改善するということにお取り組みいただきたいというふうに思います。

 次の質問は、高度人材についてでございます。

 今回の改正案で、高度専門職について、現行のいわゆる高度人材ポイント制における出入国管理上の優遇措置、これを実施するとし、その優遇措置には、告示で定める一定の条件のもとで、配偶者の就労も認めることになります。

 この配偶者の定義について伺いたいと思います。

 現に婚姻中の者に限られると解釈されるというふうな説明があるんですけれども、法律上の有効性等ほかに要件があるのかどうか。イギリスでは、事実婚また同性婚なども認められているというふうに承知をしております。我が国ではこれは含まれないのかどうか。

 また、ドイツ、イギリス、フランスなどでは、配偶者や子供の就労する権利に職種の制限はないというふうに承知をしておりますけれども、我が国ではどうなのか、御説明をいただきたい。

榊原政府参考人 お答えいたします。

 入管法上、配偶者として在留資格を認めるには、それぞれの国籍において法的に夫婦関係にあり、配偶者として認められていることが必要であるとともに、我が国においても配偶者として認められるものであることが必要と考えております。このような観点から、同性婚の相手や事実婚の相手は、入管法上は配偶者に含まれない取り扱いとなっております。

 しかし、これらの者についても、同行する人物とともに在留を認めるべき間柄にあるケースなど個別の配慮を必要とするような場合には特定活動の在留資格を与えるなどして、個々のケースに応じた適切な対応をすることもあり得ると考えております。

 それから、高度専門職の在留資格をもって在留する高度人材の配偶者または子について、職種の制限なく一般的に就労を認める取り扱いをすることは想定しておりません。

 一方、当該高度人材の配偶者が就労を希望する場合におきまして、高度人材と同居することなどの条件に該当するときは、教育、研究、技術・人文知識・国際業務等の在留資格の基準を満たさなくとも、それらの就労活動を行うことができることとする予定ですが、それ以外の配偶者または子につきましては、一般の就労資格を取得した場合、または資格外活動許可を受けた場合に、一定範囲の就労を行うことができることとする予定です。

郡委員 今局長が御答弁された前半のところです。配偶者ですけれども、国内法によって認められているという取り扱いだけれども、場合によっては認める、そういうふうな御答弁だったというふうに思います。

 昨年の三月に、谷垣大臣は、西根委員、今は林原さんですけれども、の御質問に答えて、現状においては、私どもは、今の日本の民法あるいは日本の入国法に従って判断するという以上お答えできないというふうにおっしゃっておられました。

 この入管難民法の逐条解説を見させていただきましたけれども、そこにも内縁の配偶者も含まれないというふうになっております。この解釈を変更するということでよろしいんですか。

榊原政府参考人 あくまで、配偶者というものには、そういった内縁の方、事実婚の方ですとか同性婚の方は含まれないという解釈でございます。

郡委員 ちょっと今のをもう一度確認させていただきます。

 含まれないということだけれども、場合によっては認めるということをさっき御答弁なさったというふうに思いますが。

榊原政府参考人 配偶者には含まれませんけれども、個々の、個別の事情を勘案いたしまして、必要と認められる場合には、特定活動で認める場合があり得るというふうに考えております。

郡委員 実際の運用でそれを認めるということなのでしょうか。これは事実上の解釈の変更であるというふうに捉えさせていただいていいんですね。

榊原政府参考人 配偶者のという文言の解釈の変更はしていないというふうに考えております。

郡委員 事実婚は認めないというふうにおっしゃっていた、内縁の配偶者も含まれないというふうになっていましたけれども、では、実際は、配偶者じゃないということで、同居人というふうなことで入れるということになるわけですか。

榊原政府参考人 事実上は、同居人という形で、同居を認めることが人道上の配慮として必要な場合につきましては考慮するということでございます。

郡委員 何とも苦しい御答弁だなというふうに思います。では、そのように、認められるというふうな解釈をさせていただきたいと思います。

 優遇措置に、高度人材に雇用される家事使用人の帯同というのがあって、現制度下でも、外交官やビジネスエリートなどの高所得外国人世帯や、二〇一二年から開始した高度人材ポイント制においても、家事使用人の帯同を認めているわけです。

 これらは、実際、今、合わせて何人の家事使用人が外国人によって帯同されているのか、そして、これらの家事使用人の在留資格は何であるのか、御説明ください。

榊原政府参考人 お答えいたします。

 平成二十五年十二月末時点での数字でございますけれども、外交官等に雇用されている家事使用人は千百六十九名、高度人材に雇用されている家事使用人は五十一名です。

 これらの家事使用人は、いずれも特定活動の在留資格で本邦に在留しております。

郡委員 高度人材の数自体が少ないということもあるのかもしれませんけれども、五十一人が家事使用人を帯同しているということでありました。

 家事使用人という言葉、最賃法ですとか、日本の法文では、家事使用人を除くといった文脈で労働法から除外されていることが多いわけですけれども、この家事使用人の定義というのはどのようなものでしょうか。

大西政府参考人 労働法令、労働基準法等におきましては、家事使用人の定義でございますが、家事一般に従事している者ということになっておるところでございます。

郡委員 家事一般に従事している者という当然の御説明でございましたけれども、その家事使用人というのは、いわゆる家事全般、日本で考えられる家事のみならず、介護ですとか育児ですとかさまざまな広い分野の仕事であって、それは、どういう仕事についてどういう報酬を与えるのかというような、そういうくくりではなかなかなくて、それこそ誰のためにやるのかというふうなことがこの家事使用人の仕事ということを評価するもとになるというふうに考えていて、それがこの間、さまざまなところでこのドメスティックワークは労働法制から除外をされてきたんだというふうに思います。

 これらについてのちゃんとした対応というのも求められていようかというふうに思っていて、先日はILOの百八十九号条約のことを言及させていただきました。

 外国人材を受け入れている諸外国というのは、総じて、雇用面や生活面での専門のサポート機関等も設置をしております。我が国は、高度人材を受け入れるにしても、そのほかの外国人の人材の受け入れ体制も、サポート機関というふうなものがないに等しいというふうに思っていて、この辺の拡充というのを考える必要があろうかと思うんですけれども、これについて、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 海外から優秀な人材に来ていただくためには、出入国管理における優遇措置ということだけではなく、今委員がおっしゃったような、生活環境上といいますか、労働環境、いろいろなものの整備、調整というものが必要だろうと思います。

 私、昔、科学技術庁長官という今はなくなってしまった役所で仕事をさせていただいたことがあるんですが、そのときに、筑波の学研都市、あそこには随分外国の研究者がたくさん来ておられるわけですが、生活環境上、こういう問題点があるとかいろいろ御指摘をいただきまして、関西の学研都市にも同じような問題がございました。それを取り組みますと、当時の科学技術庁だけではとても対応できない。もちろん、そこの自治体の対応というようなことも、連携を組まなきゃいけませんし、いろいろなことがございます。

 そういうことを感じておりまして、私の私的懇談会の出入国管理政策懇談会、昨年五月の報告で、高度人材外国人の受け入れを本格的に推進するためには、出入国管理上の優遇措置にとどまらず、他の行政分野における施策を含む総合的な受け入れ推進を図るため、国家戦略的な検討を強化すべきであるという御指摘をいただいております。それから、ことし一月の政府の産業競争力会議が取りまとめた検討方針の中にも同様の指摘がございまして、もちろん、入管としてもやらなきゃならないことはやらなきゃならないんですが、政府全体としての対応が必要だということは、私は事実だと思います。

 ただ、今、簡素で効率的な行政ということ、これ自体を否定するわけにはいかないんですが、そういうことが強く叫ばれている中で、どういう手だてでこれを進めていけばいいかというのもなかなか悩みのあるところでございまして、政府関係機関とよく協議をしながら進めてまいりたいと思っております。

郡委員 高度人材、日本はまだ数が少なく、二十五年十二月末で七百七十九人であります。この高度人材の獲得というのは、近年、各国で顕著になっておりまして、今回、要件を緩和して優遇措置も拡大するわけですけれども、今大臣がおっしゃられたようなさまざまなサポート体制というのが重要だろうというふうに思っております。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

江崎委員長 次に、西田譲委員。

西田委員 おはようございます。日本維新の会の西田譲です。

 体調管理を怠ってしまいまして、喉を痛めております。お聞き苦しい点があろうかと思いますが、お許しをいただければと思います。

 さて、きょうは、出入国管理法の改正案でございます。高度人材の問題を中心に質問させていただきたいと思います。

 あわせて、クルーズ船の入国審査についてのいろいろな定めが来ておりますけれども、私、今まで、この出入国管理では、基本的に、水際防止であったりとか、いかにして不適格な外国人を入国させないかといった観点について関心を持って質問させていただいていたんですけれども、きょうは、むしろ、いかに来てもらうかというふだんとは違った観点から、後半は質問をさせていただきたいというふうに思います。

 それでは、まず高度人材からなんでございますけれども、二十四年の五月からスタートした制度でございますけれども、まず現状認識をさせていただきたいというふうに思っております。

 現状の高度人材ポイント制の利用者数、これは国別の内訳も含めて教えていただきたいというのが一点と、恐らくこれは制度導入当時の想定があったと思いますが、想定と比べてどうか、また、その背景や理由等をどのように考えていらっしゃるかまで含めて、ちょっと一気に質問させていただいて恐縮ですが、お願いしたいと思います。

榊原政府参考人 お答えいたします。

 高度人材ポイント制により高度人材と認定された外国人の数は、制度発足から本年三月末までで千百三十人です。なお、昨年十二月二十四日から高度人材ポイント制を見直して新しい制度での運用を開始しておりますが、十二月末までの実績では、一カ月当たりの認定者数は約四十二人でしたが、本年一月は五十三人、二月は九十七人、三月は百三十五人と、認定数は伸びてきております。

 なお、高度人材ポイント制により高度人材と認定され、本年三月末の時点で本邦在留中の外国人は千六十三人であり、その国籍別内訳では、中国が五九・五%、六百三十二人で、米国六・二%、六十六人、韓国・朝鮮五・五%、五十八人、インド五・二%、五十五人、フランス二・七%、二十九人と続いております。

 高度人材ポイント制につきましては、昨年六月に閣議決定されました日本再興戦略の中短期工程表におきまして、ポイント制の導入後十一カ月で高度人材に認定された外国人の数の実績、約四百三十人から飛躍的な増加を目指すこととされております。

 入国管理局といたしましては、今後も関係省庁と連携し、制度に関する広報活動の充実に努め、高度人材の受け入れ促進に貢献していくつもりでございます。

 制度発足当初の想定でございますけれども、どれだけの人が入ってくるかという想定は非常に困難でありまして、制度発足前に当時試算した数字といたしまして、制度開始前の平成二十一年中に行われました高度人材の活動類型に相当する在留資格の申請に係る許可処分案件をもとに、高度人材ポイント制の申請を行えば高度人材として認められ得る人数の見込みを推計したものがございます。これが約二千人ということでございました。

 ただ、高度人材の中でも、例えば単身者で日本での永住を望まないなど、優遇措置に魅力を感じない外国人もいるであろうと想定されるところでありますので、そういった方はこの高度人材ポイント制の認定を希望しないと考えられますので、こういったポイント制の基準を満たす外国人全員が高度人材の認定を受けることは想定していたものではありませんので、実際の想定ということはなかなか難しいなということで、評価の難しいところであろうと考えております。

西田委員 ありがとうございます。

 今ございましたが、二千人の想定があったけれども、現状、千百三十人ということでございました。PR等が不足した、あるいはそれぞれ志望される方々のいろいろな事情も想定よりもさまざまであったということで、この結果になったということなのでございましょう。

 ただ、恐らく、そういうことも踏まえた上での今回の改正ではなかろうかということでありまして、もっと高度人材の方をたくさん我が国に呼び込むことが肝要であるという点での改正であろうかと思います。

 この法律、今回の改正の説明を聞いておりますと、高度人材の緩和という言葉がよく出てくるのでございますけれども、緩和したら高度人材じゃなくなっちゃうじゃないかと私なんかは思うわけでございますけれども、そういった意味での緩和ではないということを確認しておきたいのが一つ。

 それと、では、そもそも高度人材とは何ですかといったこともいま一度確認をさせていただきたいというふうに思います。局長、お願いいたします。

榊原政府参考人 まず、我が国が積極的に受け入れるべき高度人材につきましては、我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的、技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材であるとされております。このような高度人材として、改正入管法においては、高度学術研究活動、高度専門・技術活動、高度経営・管理活動の三つの類型の高度人材の受け入れを促進することが想定されております。

 それぞれ具体的には、高度学術研究活動の類型として、例えば大学等において基礎研究や最先端技術の開発を行う研究者、高度専門・技術活動の類型として、例えば企業において専門的な技術、知識等を生かして新たな製品、技術の開発を行う技術者、高度経営・管理活動の類型といたしましては、例えばグローバルな事業展開を行う企業における経営者などを指すものと考えております。

 高度人材と認定するポイントの基準については見直しをしましたけれども、こういった期待される人材について受け入れ対象範囲を拡大したとかというものではないと理解しております。

西田委員 ありがとうございます。

 あくまで高度人材であって、高度人材の幅を広げて、わかりやすく言うと中度人材まで受け入れるようにしたという改正ではないということでございましょう。了解をするところでございます。

 ただ一方で、現行の在留資格を見てみましても、今御説明された学術関係であったり研究部門、あるいはグローバルな経営ということがありますけれども、そういった方々が高度人材だということがございますけれども、そもそも、在留資格であっても、この間法改正をやりました外国法事務弁護士だって高度人材でございましょうし、現在留資格の中にあっても、投資・経営で入ってこられている方もいらっしゃいましょうし、そういった既存の在留資格、それ以外にも、教育であったり、会計や医療、さまざまな高度人材じゃなかろうかと思う在留資格もあるわけでございますが、導入されておった高度人材のものと、そして新しく今回一号、二号で定めるものとの違いといいますか、その辺はどういったものがあるのか、整理をさせていただきたいと思います。局長にお願いいたします。

榊原政府参考人 今回の改正で受け入れの促進を図ることとしている高度人材は、高度の専門的な能力を有する人材です。具体的には、法務省令で定めることを予定しているポイント制の基準を満たす外国人ということになります。

 単に経営・管理の在留資格をもって在留している外国人というだけでは、今回の法案で言うところの高度専門職の在留資格には当たりません。経営・管理の在留資格をもって在留している外国人の中にも、ポイント制の基準を満たすような人は含まれていると思われます。このような外国人は、ポイント制の基準を満たせば、在留資格の変更申請によりまして高度専門職の在留資格が認定され、改正後の新しい制度で申し上げますと、高度経営・管理活動、すなわち高度専門職第一号ハの在留資格を与えることになります。

 また、法律・会計業務、医療、技術といった在留資格は、いずれも専門的な知識等を有する者を対象とするものですが、これらの在留資格をもって在留している外国人というだけでは、直ちに高度専門職の在留資格に当たるものではありません。もちろん、法律・会計業務、医療、技術といった在留資格をもって在留している外国人の中にも、ポイント制の基準を満たすような人は含まれると思われ、このような外国人は、在留資格の変更申請によりまして高度専門職の在留資格を認定され、高度専門・技術活動、すなわち高度専門職第一号ロの在留資格を与えられることになります。

 なお、高度専門職の在留資格につきましては、高度人材の受け入れを促進するための優遇措置として、複数の就労資格にまたがる活動が許容されていることに加えまして、配偶者の就労や一定の条件下での親の帯同を認めることなども予定しており、これらの点におきましても、経営・管理、あるいは法律・会計業務、医療、技術といった在留資格と異なっているものであります。

西田委員 ありがとうございます。整理されました。

 今回、一号、二号ということでございますけれども、読んでいきますと、条文で別表で定めるというふうにありまして、別表を見てみますと、二号の方ですけれども、二号の方では、ここで初めて、その在留が我が国の経済に資するものかな、というふうに書かれてあるわけでございますけれども、そうすると、これは意地悪な見方をすれば、一号は我が国に資する人じゃなくてもよくて、二号でいきなり我が国に資するようになればいいのかというふうに思い、殊さら二号でなぜこの文言が入ってきたのか、ここは教えていただきたいと思います。

榊原政府参考人 委員御指摘のとおり、今回の改正におきまして、高度専門職第一号から高度専門職第二号の在留資格に変更するには、その在留が我が国の利益に資するとの要件を必要としております。

 高度専門職第二号の在留資格は、すぐれた外国人、高度人材の我が国への定着を促進するために無期限の在留資格と広範囲の就労活動を認めるものであり、そのような地位を与えるためには、単に高度な人材であるにとどまらず、その在留が我が国の利益に資すると言えるような場合でなければならないと考えられることから、この要件を定めることとしたものです。

 この我が国の利益に資するかどうかの具体的な判断基準といたしましては、現行の高度人材ポイント制と同様に、ポイントの合計が一定点数に達することを条件とするほか、素行が善良であること、高度専門職第一号の在留資格をもって三年以上在留していることなどを基準とする予定です。

 これは、素行が善良でなければ、いかに優秀な人材であっても、無期限の在留期間などの格別の優遇措置をもって在留させるになじまないと考えられること、及び、高度専門職第一号の在留資格をもって一定期間以上我が国に在留している者であれば、以後も我が国の学術研究または経済の発展に寄与することが期待できることを念頭に置いたものであり、能力の要件にこうした事情を加味することでその在留が我が国の利益に資するものであると評価できると考えております。

西田委員 ありがとうございます。

 でも、局長、今の御答弁ですと、二号は、我が国経済に資する、そして素行が善良であることが求められるとおっしゃいましたが、そういったことは一号でも当然のように求められると私は思うのでございますが、そういう理解でよろしいでしょうか。一号は、善良でなくてもいいし、別に我が国の経済に資することがなくてもいいということではないわけでございますよね。

榊原政府参考人 委員御指摘のとおりであると考えております。

西田委員 ありがとうございます。

 そこで、今回、高度専門職二号に移行すると、今度は無期限の在留資格ということになる、優遇措置が設けられるということでございますけれども、この無期限というものはちょっとひっかかりがあるわけでございます。

 例えば、研究事項もしかり、投資系もしかりですけれども、我が国の経済に資する研究というものが、恐らく何十年も続くわけじゃないと思うんですね。今この瞬間有用な研究かもしれないけれども、十年後は無用な研究だってあるわけです。経営に関して言えば、今は俗な言葉で言えばもうかっているけれども、十年後、逆にもうからなくなっちゃった、会社は残すけれども、どこかの中華料理屋さんでアルバイトをしちゃうとか、そういったときに、では、どうするんだろうか、無期限の在留資格を与えてしまうということがこんな簡単に行われていいんだろうかというふうにひっかかるわけでございます。

 その疑問について、ぜひお答えいただければと思います。

榊原政府参考人 高度専門職第二号の在留資格をもって在留する者は、在留期間の制限はなくなるものの、高度人材としての活動を継続して行うことが必要であります。正当な理由なく六カ月以上継続して当該活動を行っていないときは、在留資格の取り消し手続の対象となります。

 入国管理局では、高度専門職第二号の在留資格をもって在留する者が高度人材としての活動を行っているかどうかにつきまして、外国人本人からの所属機関等に関する変更の届け出、事業主からの雇用対策法に基づく外国人の雇用状況についての厚生労働大臣への届け出、入国審査官または入国警備官による事実の調査などの手段により把握することができるものと考えております。

 入国管理局におきましては、今後とも制度の適切な運用が図れるよう、関係機関との連携を密にするなどの方策を講じてまいりたいと考えております。

西田委員 ありがとうございます。

 六カ月ということでございますが、例えば、高度人材の経営の分野についてでございますけれども、ポイントの内訳を見てみますと、年収三千万以上だと五十ポイント、一千万以上だと十ポイントというように開きが出てきているわけですね。三千万以上取っている年は五十ポイントとるわけですけれども、そうじゃなければ十ポイント。あるいは、さっき言ったように、事実上、もう会社が休眠しちゃっていて、アルバイトをしているような状況になってしまった場合には、年収なんて一千万もいかないわけでしょうし、そういったことをきちんと把握できるのかというのが非常に心配なんでございますけれども、大丈夫なんでございましょうか。

榊原政府参考人 先ほど申し上げましたように、外国人本人からの所属機関等に関する変更の届け出、あるいは、事業主からの雇用対策法に基づく外国人の雇用状況についての厚生労働大臣への届け出、また、入国審査官または入国警備官による事実の調査等の手段を駆使しまして把握に努めてまいりたいと考えております。

西田委員 ありがとうございます。

 これはぜひ、抜け穴にならないようにしていただきたいなというふうに思います。この高度人材、特に経営・管理、代表取締役であって、三千万以上収入があって、勤続三年以上とかいうのを一度満たせば、もうポイントとして七十ポイントいくわけでございまして、高度人材の要件を満たします。しかし、そんなものは、ずっと続くなんというのはなかなか困難なことでもございましょうし、恐らくここは抜け穴にならないように注視すべき点なんじゃなかろうかなというふうに思いますので、指摘をさせていただきたいというふうに思います。

 続きまして、永住について聞きたいと思います。

 今回、高度人材については永住権取得が緩和をされます。これは現行、高度人材のポイント制を導入したときに、既に十年のものが五年ということに緩和をされたわけでございますけれども、この緩和した趣旨について教えていただきたいと思います。

 といいますのは、永住にした場合の方が、優遇措置が受けられない。例えば配偶者の件であったり、さっきの家事使用人の件であったり、優遇措置がなくなってしまう。そのかわり、活動領域は無制限になるわけですけれども、当初、なぜ高度人材に対して永住権の取得の要件を緩和されたのか、これを教えていただければと思います。

榊原政府参考人 委員御指摘のとおり、高度人材ポイント制におきましては、高度人材に最短五年での永住許可を認める優遇措置を設けているところです。これは、研究者、技術者、経営幹部層などグローバルな高度人材の獲得競争が起きている現状を踏まえまして、我が国においても、このような高度人材を受け入れ、定着を促進するため、より長期的に本邦において活動してもらうために、諸外国の制度も参考にしつつ、高度人材にとって魅力ある優遇措置の一つとして設けたものであります。

西田委員 高度人材にとって魅力があると言いますけれども、先ほど言ったように、優遇措置がなくなるわけでございまして、本当に魅力があるんだろうかということを感じております。むしろ、二号のままいた方がいいんじゃなかろうか。

 そもそも、この永住というものが一体何なんだろうかということを思うわけでございます。帰化するわけでもなく永住をするといった外国人。数を見ますと、新しい数字では今約六十万人でございますか、特別永住が四十万人、それを抜かして、永住で六十万人の方が今、日本にいらっしゃるということでございますけれども、帰化されるわけでもなく永住をされていらっしゃる。永住がふえていくことが果たして我が国にとっていいことなんだろうか、これを常々考えているところなんでございます。

 それは、世界じゅういろいろな国があって、私は日本人ですから、日本が一番いいと思っています。警察や消防といったことで、本当に治安もいいですし、安全も世界に比すれば確保されております。社会インフラだって、新幹線のことを言うまでもなく、本当に便利です。外国人が言っていましたけれども、山手線に乗って、電車がおくれたなと思ったら、おまえ、それは時計がおくれているんだと思えというぐらい、日本は時間にも的確です。

 しかし、そういった、この今の日本の社会インフラであったり治安のよさというのは、何も私たちの努力だけでやったんじゃなくて、私の父の世代や祖父の世代が頑張ってずっと今の日本をつくってきたわけです。そういった世代の頑張りがあって今あるわけですから、それを今、日本がいいからといって、いろいろな国からどんどん来て日本に永住しようなんて、そんな虫のいい話はないだろう。

 お金で換算することはできないですけれども、では、せめて父祖三代分の、税金を三倍払ってもらわなきゃ永住できないんじゃなかろうかぐらいに思うわけでございます。永住したいんだったら、今、私たちの税金よりも、父の分の税金、祖父の分の税金まで払ってもらって永住してもらった方がいいんじゃなかろうか、これくらいに思うわけでございますが、しかし一方で、出入国管理の法整備を見ますと、何か永住することがいいことだみたいなことが感じられるわけでございます。

 これは、大臣、私は通告していなかったんですけれども、ちょっと局長に御答弁いただくには余り的確じゃないと思うんですけれども、果たしてこの永住という在留資格というのは本当に必要なんでしょうかということについて、大臣、どう思われますでしょうか。

谷垣国務大臣 確かに、委員のおっしゃるように、日本の生活環境、治安のよさや、すぐれた社会の連帯感等々、我々の祖先が営々と築いてきたものだと思います。

 ただ他方で、私は、入管行政というだけじゃなしに、政治家として世界をあちこち歩いてみて一つ思いますのは、やはり日本にいろいろな人に来ていただいて、要するに、日本で仕事を、つまり、人と人が交わってそこで新たな仕事、創造的な仕事をしていく、そういう場として、日本というのは本当に魅力のあるところだねと思ってもらえるような国に持っていきたいなという気持ちは強くございます。

 それはいろいろなことであると思いますが、いろいろな生産的なといいますか創造的な活動が日本に行くと刺激があってできるんだ、日本の人たちと一緒になって仕事をするとおもしろいんだ、そういう国に持っていきたいなという気持ちが強くございます。これが治安のよさとかそういうものと矛盾しないかどうかというのは、実はなかなか難しいところでございますが、やはり何とかその道を開いていきたいという思いがございます。

 永住者というカテゴリーの見方もいろいろでしょうけれども、日本に来ていろいろ仕事をしたり何かされた結果、やはり自分は日本との相性が非常にいい、そういう方が出てくるのは、私は、ある意味で日本の魅力も物語るものではないかというふうに思いまして、委員のおっしゃるように、永住者は不必要なカテゴリーだとまでは私は思っていないというのが、これは私の個人的な感情でございます。

西田委員 大臣、ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、やはりいろいろな、世界から来ていただいて、この日本で交わることで生まれてくるものというものの重要性、また、将来の可能性としてそういったものを想定しておくことは非常に大事だと思います。

 在留資格で考えたときに、私は、果たしてそこが永住というカテゴリーがなきゃだめなのか。それとも、今回の高度人材もそうなんですけれども、二号はもう無期限の在留資格があるわけですね。その方のなりわい、職業をやっていただければ無期限にいられるわけですから、私は、だんだん、そういったきめ細かな入管行政、在留資格が設定されていけばいくほど、永住というカテゴリーの意義というものが、もう一度考え直すタイミングが来るのではなかろうか、このように問題意識を持つところでございます。

 さて、法案に戻りたいと思うわけでございます。

 クルーズ船に関してなんですけれども、今回、迅速な入管の業務の体制で利便性を図るという改正がなされるわけでございますけれども、きょうはクルーズ船に限らず質問をさせていただきたいと思いまして、私、初めてですけれども、資料をお配りさせていただきました。

 成田と仁川、韓国の空港の旅客数、それと乗り継ぎ旅客数を比較したペーパーでございます。旅客数に関しましては、実は二〇一〇年で成田と仁川が逆転をいたしました。乗り継ぎ旅客数については、二〇一一年で逆転をいたしました。

 出入国管理の適正化ということは、これから、観光立国もしくは成長戦略といったこととのバランスの中で非常に難しいところです。不適格な外国人を抑制する、水際で防止する、しかし一方で、日本経済に資する外国人を受け入れる、このバランスは非常に難しいところでございます。

 一方で、韓国のような今伸ばしているところの取り組みは一体何ぞやといったことも、きちんと分析をしながら、導入すべきは導入していくことが必要かなというふうに思っております。

 当然、出入国管理の体制が違います、韓国と我が国では。それだけではないと思います、この数の逆転の要因は。空港政策であったり、さまざまな要因があろうかと思いますけれども、しかしそうはいっても、やはり一つ大きな理由は、入管の体制だと思うわけでございます。

 それで、質問をさせていただきたいんですけれども、韓国というのは、日本と大きな違いは何かといいますと、乗り継ぎする方の一時入国というものを非常に柔軟に認めているわけでございますね。外国人旅行者で韓国を経由してほかの国へ行く方について、七十二時間以内は基本的にビザ免除を認めているわけでございます。あわせて、対象として、アメリカ、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに行く方、つまり、その国に行くビザをお持ちの方に関しては、それとあわせて航空券を持っている方に関しては、三十日以内であれば完全にビザ免除とか、そういったことをやっていて、乗り継ぎするなら成田じゃなくて韓国でということになってしまうわけでございます。こういったところを、対抗できないかなというふうに思うわけでございます。

 クルーズ船に関して、韓国が先に規制緩和をした。先日、参考人から、そういったことを韓国はやったはやったでいいけれども、一方で治安が悪化しているぞ、そういった警鐘も鳴らしていただきました。

 しかし、同じことをやったとしても、韓国より当然我が国はよくできる、そういうふうに思うわけでございますから、規制緩和をしても治安を悪くさせないやり方があろうかというふうにも思います。

 それで、まず現状認識からなんですけれども、今、例えばフィリピン、インドネシア、ベトナム、そういった国はまだビザが必要でございますね。ビザ免除になっていないわけでございますから、そういった国々から日本を経由してどこか、アメリカとかヨーロッパへ行く方、そういった方がどういう形で日本に入国できるのか。例えば、クルーズ船でもありましたけれども、寄港地上陸許可とか通過上陸許可とか、いろいろな制度があろうかと思いますけれども、どういった体制があるのか、これについて教えていただければと思います。

榊原政府参考人 我が国を経由して我が国の外に赴こうとする航空機の乗客について、査証を要することなく一時的に上陸を許可する制度として、入国した出入国港から出国する場合には寄港地上陸許可制度が、入国した出入国港の周辺の出入国港から出国する場合には通過上陸許可制度があります。

 このうち、寄港地上陸許可制度につきましては、当該制度を悪用して、我が国に組織的に不法就労者を送り込むような事案が発生したことなどの状況を踏まえまして、平成十七年十一月に審査を厳格化していたところでございますけれども、そのような事案が比較的収束したことなどから、平成二十五年十一月、運用を見直しまして、寄港地上陸許可を希望することに合理的理由が認められ、不法就労など我が国の法令に違反するおそれが認められない場合には、原則として当該許可を認めることとして、地方入国管理局に対して通知を発出しているところでございます。

西田委員 ありがとうございます。

 以前、この寄港地上陸は、制度が悪用されたということでございました。やはり抜け穴がいろいろなところにあるのでございますね。厳格にやっていただかなきゃいかぬのですけれども、一方で、そういったことが大分おさまってきた、もしくは見つけることができるようになってきたということで、昨年十一月、緩和をされた。

 緩和をされてからの状況、評価とかがもしできているようであれば教えていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。まだ半年ですから、難しいですか。大丈夫ですか。

榊原政府参考人 先ほど委員にお救いいただきましたように、まだ半年しか経過しておりませんので、レビューをしていない段階でございますので、ちょっと手元に統計がございません。お許しいただければと思います。

西田委員 よく、入管行政はいい意味でも悪い意味でも裁量行政という指摘を受けるところがあるわけでございまして、この寄港地上陸に関しても、担当官次第なんて言われていた時代があったやに聞きます。昨年、緩和の通知を出されたということでございますので、その後の運用状況等についてはぜひフォローアップをしていただきたいなというふうに思います。

 当然、ビザ免除をされている国はいいわけでございますけれども、先ほど申したような東南アジアの国々であったり、たしか今、規制緩和の流れの中で、ベトナムやフィリピンやインドネシアは一次ビザから数次ビザに切りかわっていますけれども、さらにビザ免除までという要望がいろいろなところから出ているのかもしれません。一方で、やはりそういった国々は、一部、不穏な組織もありますから、ビザ免除というわけにはいかないのかもしれませんけれども、一方で、トランジットビザの部分に関しては多少免除してもいい余地があるのではなかろうかというふうに思います。

 なぜかと申しますと、そういった国々から例えばアメリカに行くということになっているわけですし、アメリカのビザなんて大変なわけでございますね。そういったところのビザを取得して、そして日本で乗りかえをするわけでございます。その際に、せめて成田で一泊でもしてもらいたい、成田で一泊してディズニーランドで遊んでもらいたい、木更津のアウトレットで遊んでもらいたいと千葉県選出であればなお思うことでございますから、ぜひ、こういった部分は柔軟な改善というものがあってもよかろうというふうに思います。

 これまで私は、厳しくやれ、厳しくやれと言っていました。自分の地元のことで、おまえ、そんなことを言うのはけしからぬというお叱りもいただきそうなのでございますけれども、そこを何とかうまくバランスをとってやっていただけないかというふうに思うわけでございます。

 今後の改善について、ぜひお考えをお示しいただければと思います。

榊原政府参考人 寄港地上陸許可制度につきましては、テロ対策や不法滞在者対策といった観点にも留意しながら、我が国を経由して他国に向かう外国人に一層積極的に活用されるよう、観光庁を初め関係省庁と連携しつつ、適切な枠組みを構築することについて検討してまいりたいというふうに考えております。

西田委員 大変心強い答弁をいただきました。きょう、喉を痛めて声が出ない中でそういう前向きな答弁をいただいたのは本当にうれしく思うわけでございます。

 さて、最後に大臣にお聞きしたいと思いますが、前回、少年院法、鑑別所法の質問をしました。来年度予算獲得に向けて大臣に頑張っていただきたいというお話を申し上げまして、大臣も、頑張るぞという趣旨の御答弁をいただきました。

 出入国管理も同様だと思います。矯正局しかり、入国管理局しかり、やはり予算の増額なしには適切な入国管理体制の構築、こうやって観光立国、観光立国という圧力の中で、しかし、法務省というのは、入国管理というのは、外国人をどんどん受け入れていこうという役所ではないはずなんですね。むしろ取り締まりの方が第一義的にあって、きちんとやるというところなわけでございますから、そのためには、人も必要ですし、新たな技術、設備等を入れていかなきゃいけない、やはりお金がかかるわけでございます。

 来年度予算の獲得に向けて、ぜひ、矯正予算同様の心意気を大臣にお聞きいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 委員がおっしゃるように、観光立国等では迅速、円滑な入国管理行政が必要だ、しかし、テロ対策等々を考えると厳格な体制をつくっておかなきゃいけない、これはややもすると矛盾するわけでございまして、矛盾するからといって平重盛になっているわけにはまいりませんので、やはり今おっしゃったように、増員とシステム機器を整備していく、こういうことが必要だろうと思います。

 二十七年度予算でもそういうことをきちっと主張させていただいて、いい予算にしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

西田委員 ありがとうございます。

 これで質問を終わります。

江崎委員長 次に、高橋みほ委員。

高橋(み)委員 日本維新の会の高橋みほでございます。

 きょうもどうぞよろしくお願いいたします。

 先ほどの西田議員とは少し趣が変わってしまうかもしれないんですけれども、今回、まず私が思いましたのは、何といっても、日本は高度人材の方々にたくさん来てもらいたい、そのためには、私はやはり周知が必要なんじゃないかと思うんですね。周知が必要というのは、ここ日本に来たらこんなにいい待遇があるよとか、こんなにいい国だよとか、いろいろなことを言っていかなければいけないんじゃないかと思います。そうしないと、日本という国はちょっとオリエンタルで魅力的だろうけれども、自分の研究にとってどういう効果があるんだろうかとか、行って生活になじめるんだろうかと思われる方がすごく多いんじゃないかと思っております。

 今回、この法改正によって、なるべく来ていただきやすい環境を整えるということにあると思うんですけれども、やはりそのためには、今度法改正をしたんだよ、だから来てねというような周知が本当に必要じゃないかと思っておりますので、どのような周知を行う予定なのか、そのために予算はついているのかということを、まずは法務省の方から、そして次に経産省の方にお聞きしたいと思います。

榊原政府参考人 法務省におきましては、現行の高度人材ポイント制に関しまして、次のような広報活動を行っております。

 入国管理局ホームページ上に特設ページを設け、日本語及び英語で制度の内容についてわかりやすく説明、また、ポイント計算が一目でわかるようなリーフレットを作成し、在日の各国公館や在外の日本公館等関係機関へ配付したり、あるいは、関係省庁と連携いたしまして、高度人材の受け皿となる企業、大学等の各種会合に職員を派遣して制度に関する説明を実施しております。

 委員御指摘のとおり、より多くの高度人材の方に制度を利用してもらうためには、積極的な広報活動により制度の周知を図ることが重要でありますところ、今般の法改正により新たな制度が導入された場合には、こうした取り組みをさらに強化するため、予算についても適切に確保してまいりたいと考えております。

小川(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 世界的に高度人材の獲得競争がございますとか、少子高齢化の進展に伴う生産年齢人口の減少等の課題に対応するために、優秀な外国人材の積極的な受け入れは重要でございまして、我が国政府といたしましても、いわゆる専門的、技術的分野の外国人材の受け入れにつきましては、従来積極的に推進しておるところでございます。

 それに加えて、一昨年より、先生御指摘の高度外国人材ポイント制度を創設いたしまして、より積極的に高度外国人材を受け入れていくということにしておりまして、経済産業省といたしましても、関係省庁の一つとして、ジェトロでございますとか、地方の経済産業局等の関係機関を通じて、説明会の開催でございますとかチラシの配布、ホームページの掲載等、本制度の周知を行っているところでございます。

 この高度人材ポイント制度につきましては、昨年六月の日本再興戦略を踏まえまして、昨年末にも大幅な拡充が図られたところでございまして、今後は、本制度の周知をより積極的に行ってまいりたいと考えております。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 法務省も経産省の方々も、やはり積極的に周知をしていきたいとおっしゃってくださって、心強い限りなんだとは思うんですけれども、何をやっているかというと、ホームページをまずつくる、そしてリーフレットをつくる、法務省さんからは会合に出ていかれることもあるというようなお話だったんですけれども、できたら、法務省さんにそれを期待するのは難しいかもしれないんですけれども、経産省さんにはぜひもう少し積極的に、ヘッドハンティングをするような人材を確保して、ぜひ日本にたくさん人を呼び込むようにしていっていただきたいなと私は思っておりますので、要望いたしました。

 次に、今回の法改正の内容に行きたいんですけれども、クルーズ船についてお尋ねしたいと思っております。

 今回のクルーズ船についての法改正というのは一つの大きな柱だと思っております。クルーズ船の外国人の旅客に関する入管審査の手続の円滑化というのはすごくいいことであるとは思っております。当然、クルーズ船で来ていろいろなところにおりたのに、入管の手続に時間がかかってしまってほとんど見ることができなかったといったら、日本のクルーズというのは本当につまらなかったんだな、日本はつまらない国だなと思われかねないので、そこで入管の手続を早く、簡略化していくということは大事だと思っております。ですから、今回の特例上陸許可制度というのはいいことというか、進めていっていただきたいと思ったんです。

 しかし、クルーズ船に乗って、ある程度簡易な手続で上陸することになるということは、やはり失踪者などが出て不法残留になる可能性というのも否めないかなというような印象がございます。ただ、このように今回簡易な手続ということで法改正をしたということは、クルーズ船からは今までほとんど人が失踪していないんじゃないかな、帰ってこない人がいなかったんじゃないかなというような印象を私は受けました。ですから、政府としましては、今回、クルーズ船などに関しましては簡易な手続ということを認めるんだというような趣旨になったんだと私は思っていたんですけれども、実際、クルーズ船から失踪した人とかの調査などの資料はないというようなお話でした。

 ここを改正するならば、もともとクルーズ船からどこかへいなくなっちゃうような人がいないというならば、簡易な手続で上陸許可をするというのは大いに結構だと思うんですけれども、それが、その調査をしていらっしゃらない、統計をとっていないのにクルーズ船の簡易な手続で上陸を認めるというのはちょっと問題があるんじゃないかと私としましては思っております。

 そして、今回の改正では、五十七条六項で、認定されましたクルーズ船におきまして外国人の帰船について報告義務というものが課されていると伺っておりますが、それは入国審査官の要求があった場合にのみと限られているということも伺っております。それでは、こちらから何かアクションを起こさなければ、いなくなったという人も報告しなくてもいいということになってしまいます。

 もちろん、実際は、船の人たちが自主的に言ってくれたり協力することはあると思うんですけれども、ここでやはり簡易な手続ということを導入するのであるならば、帰ってこない人がいる、それも無断で帰ってこなくていなくなっちゃったみたいな人がいたら必ず報告するようにというような法律にしてもいいのではないかと思うんですけれども、谷垣大臣、その点いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 現行法上では、クルーズ船の外国人乗客、ちゃんと船に帰ってきたかどうか、帰船の報告については、今の五十六条で、運送業者等に対して、帰船していない乗客が確認された場合には速やかな報告をせよ、こういう規定になっているんですね。それで、この規定に基づきまして、各入管の記録が保存されている範囲内で確認しますと、過去三年間、クルーズ船で上陸して帰ってこなかったという人はいないということになっております。

 それで今度は、今おっしゃったように、報告を求めることができるということを五十七条の第六項で決めているわけですが、つまり、義務化していない、今までの、帰ってこない者があったときは速やかに報告せよというのに比べると一歩進めたものではあるんですが、義務化までいっていないのは、クルーズ船の規模やあるいは乗客のいろいろな人数、属性等々さまざまで、寄港地の場合もいろいろですので、中には、必ずしも報告を求める必要がないのではないかと思われるようなものも確かにあると私は思います。ですから、義務化というところではないんです。

 しかしながら、船舶観光上陸許可の制度において、乗客が帰ってきているかどうかの確認は大事だと私は思います。ですから、原則として、全ての指定旅客船の船長に乗客の帰船の有無について報告を求める、当面、こういう運用で実績を見てみよう、こんなふうに考えております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。運用で原則報告を求めるということにしていただくというようなことで安心しました。

 ただ、一点、最初の方のことでちょっとお尋ねしたいんですけれども、私は、フェリーやクルーズ船に乗って上陸した外国人のうち、帰船せずに不法残留となっている者の人数は集計していないため、資料として提出することはできませんという一筆をいただいているんですけれども、これではなくて、今まで資料があるとおっしゃったのは、何カ月後かに最終的にいなくなってしまったということがわかっているというような見解でよろしいんでしょうか。

榊原政府参考人 先ほど大臣に御答弁いただいたものにつきましては、各地方の入国管理局におきまして、クルーズ船を運航している会社ですとか船舶代理店などに帰船しなかった人がいないかということを照会して、その報告を求めているわけなんですけれども、その報告が過去三年間の記録としてなかったということでございます。

 ですから、最終的に不法残留になったかどうかということではなくて、帰船しなかったという乗客がいたという報告がなかったということでございます。

高橋(み)委員 私は、一筆いただいた限りでは、集計していないため資料として提出することはできませんというふうにいただいておりますので、そこの微妙なニュアンスが、今はなかなか、私はちょっと理解はできないのですけれども。

 何にせよ、クルーズ船などに乗って本当に帰ってこない人、それも、何か用事でとか病気になって、ちょっと今一時的に日本に滞在しているという連絡があった人以外というのは、やはりちょっと私の感覚からするとおかしいんじゃないかというようなイメージもありますので、ぜひきちんと、今大臣が、運用によって原則としてはちゃんと報告を求める、していただくということをお聞きしましたので、ぜひそこをちょっと厳格にといいますか、まずはしていきたいなと思っております。

 次に行きまして、高度専門職のことについてちょっとお尋ねしたいと思っております。

 高度専門職二号の要件に、その在留が我が国の利益に資するものというような要件が加わっているということは存じ上げております。

 これは、高度専門職一号の活動、プラス、一定期間在留して、そして、その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものというふうになっていると伺っているんですけれども、では、その我が国への利益に資するものというのは、先ほどもちょっと質問が出たかと思うんですけれども、実際どういうものなのかということが気になりました。

 それは、実際にどういう運用をしていくというか基準をつくるかというふうに伺ったところ、まだ決まってはいないんだけれどもガイドラインをつくる予定だということを伺いました。そして、では、そのガイドラインというのはどんなものなんですかというふうに伺ったところ、永住許可の我が国への貢献というもの、同じようにというか、それを参考にしてつくっていく予定であるということを伺いました。

 それで私は、では、永住許可というのは、どんな要件というか、我が国への貢献がどのようなものが必要なのかというのをちょっと調べさせていただきました。お配りしました資料の二ページ目と三ページなんですけれども、これは、永住許可が出た人の我が国への貢献というのに該当するかというガイドラインなんですけれども、かなりきついんですよね。永住許可というのは当然そうなのかなと思ったんですけれども、これと高度専門職というのはやはりちょっと範囲が違うとは思うんです。

 まず最初に、ノーベル賞を得た人、それは高度専門職で来ていただいても全然構わないなと思ったんですけれども、この我が国への貢献がすごく高いんですよね。ノーベル賞もそうですし、レジオンドヌール勲章とか、ほかに、今回の範囲ではないかもしれないんですけれども、ベネチアのビエンナーレ金獅子賞とかアカデミー賞をもらったとか、そういう、私の一般的なイメージでは、かなり高度な人たちじゃなければ我が国への貢献が認められないというふうに書いてありました。

 特に私が思ったのは、経済・産業分野では、定住許可なんですけれども、日本の上場企業またはこれと同程度の規模を有する日本国内の企業におおむね三年以上従事している者、かつてこれらの企業におおむね三年以上従事したことがある者で、その間の活動により我が国の経済または産業の発展に貢献があった者というような、上場企業ぐらいのところで働いて、そして我が国の経済や産業に貢献するというのは、かなり要件が厳しいなというような印象を受けました。

 これは永住許可のガイドラインですので、これとかなり違う、同じようなものをこれを参考にしてつくるというお話だったんですけれども、このくらいきつくしてしまうと、私たち日本が求めている、高度人材で産業を発展させていこう、日本をよくしていこうというところから見ますと、ちょっときつ過ぎて、間口を閉めてしまっているんじゃないかなというようなイメージがあるのですけれども、実際、後で基準というガイドラインをつくるとき、この永住許可よりもかなり認定が低いといいますか、そういうようなものをつくるのでしょうか。それとも、やはりある程度きつ目につくっておくおつもりなのでしょうか。そこをお尋ねしたいと思います。

榊原政府参考人 現段階で高度専門職第二号に移行する基準として考えておりますことについて申し述べさせていただきます。

 高度専門職第一号と同じ要件に加えまして、素行が善良であること、また、高度専門職第一号の在留資格をもって三年以上在留していることなどを定める予定にしております。

 このうち、素行が善良でなければ、いかに優秀な人材でありましても、格別な優遇措置をもって在留させるにはなじまないと考えられること及び高度専門職一号の在留資格をもって一定期間以上我が国に在留している者であれば、以後も我が国の学術研究または経済の発展に寄与することが期待できることを念頭に置いたものでございます。

 こうした事情を加味することで、その在留が我が国の利益に資するものであると評価できるものと考えているところでございます。

高橋(み)委員 私の質問に全然答えてくださっていないなというような印象があるんですけれども。

 先ほどの、永住許可の我が国への貢献のガイドラインとどのくらい違うものをガイドラインとしてつくるつもりなんでしょうか。きのうの御説明では、これをもとにつくるんじゃないかなというような予想であるというようなお話だったんですけれども、それは違うということなんでしょうか。ちょっとお尋ねいたします。

榊原政府参考人 現行の高度人材ポイント制におきましても、高度人材のポイントの基準を満たした人がその活動を五年間した場合に永住を認めることとしておりますので、原則十年の要件よりも緩和した形になっております。

高橋(み)委員 ちょっと私の質問に答えていただけていないんですけれども、先ほど申し上げました、高度専門職二号の、我が国への利益に資するということは、今おっしゃいました、素行がいいという以外に、この永住許可にあるかなりきつ目のガイドラインとは全く別物でつくるという趣旨でよろしいんでしょうか。

榊原政府参考人 委員が御指摘のとおり、永住のガイドラインとはまた違った形で、高度専門職一号から二号に変更できる要件は定める予定にしております。

高橋(み)委員 ということは、参照もしないというような意味でよろしいんでしょうか。

榊原政府参考人 まだ現段階では煮詰めてはいないんですけれども、全く参考にしないというわけではありませんけれども、高度人材の場合には、ポイントを満たせば、かなり日本の産業にイノベーションを起こしたりとか製品や技術を開発することができる能力の見込まれる方々ですので、そういった方々がそういう活動を一定期間、現在三年以上ということを考えておりますけれども、そういった活動をしていただければ、原則として高度専門職二号に変更できる。ただ、先ほども申し上げましたように、素行が善良でなければいけないということを付加するぐらいのことを考えているところでございます。

高橋(み)委員 先回も、私とのレクの間にかなりそごがありまして、きのう御説明いただいた方は、まだ考えてはいないんだけれども、一応ガイドラインをつくるというふうに聞いていて、その場合には入国、永住許可の我が国への貢献というものについて、参考にしてつくっていくんじゃないかと思われているというような御説明がありましたので、私、きょう、ちょっと御質問させていただいたんですけれども、かなりちょっと違うということがありましたので、後で、何でこうだったかということを御説明いただきたいと思っております。

 では、次に行かせていただきたいんですけれども、今も、なぜ永住者にこだわったかといいますと、今回の在留資格、高度専門第二号というものと永住者というものを、実は、高度人材がどちらでも選べるようなことになっているよというようなお話を伺いました。

 きょう資料に配付しました一枚目なんですけれども、「在留資格「高度専門職第二号」と「永住者」の主な相違」というものを、法務調査室の方からちょっと取り出してコピーさせていただいたんですけれども、これを見ますと、在留歴期間は三年、永住者は原則十年だけれども、貢献が認められるところは五年ということなんですけれども、在留期間は無期限になっている。ただ、配偶者の就労や親の帯同、家事使用人の帯同ということに関しましては、高度専門職第二号の方が優遇されているというものになっているかと思います。

 ただ、その高度専門職の第二号は、優遇はされているんだけれども、二号としての活動を継続して六カ月以上行わなかった場合、在留資格の取り消しの対象になるというところが、やはり大きな相違点なんじゃないかなというふうに思っているんです。まず、きのうの説明では、永住を希望しない人もいるし希望する人もいるので、どちらでも選べるようになっているんですよと言われたんですけれども、やはりこの違いというものをちょっと説明していただければと思います。

榊原政府参考人 まず、高度専門職第二号は、永住者と同じく、在留期限の制限を受けない特別の在留資格でありまして、また、上陸時に付与されることはないという在留資格という点でも同様であります。

 他方、高度専門職第二号は、高度人材としての活動を行っている限りにおいて、当該活動とあわせて行う活動を幅広く認めるという基本的な考え方のもと、一定の活動制限が課されている点で、活動制限がなく、何の活動もしていなくても構わない永住者と異なります。これに伴い、高度専門職第二号をもって在留する者については、その在留資格に係る活動を継続して六カ月間以上行わないで在留することが在留資格取り消し事由とされているほか、所属機関に関する届け出義務があるなど、永住者にはない制約が課されております。

 一方で、高度専門職第二号につきましては、高度人材の受け入れ促進のため、配偶者の就労、一定の条件のもとでの親や家事使用人の帯同などの、永住者には認められていない出入国管理上の優遇措置を認める予定であります。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 今御説明いただいたのが主な相違なんだと思うんですけれども、私は、これを聞いたときに、高度専門職の方が日本で本当に長い間貢献されて、六十とか七十ぐらいになった。それで、病気になって、その活動ができなかった場合、当然、高度専門職第二号の場合は、出ていってくださいねという話になってしまうんだと思うんですね、原則。ただ、永住者になると、それは、出ていってくださいなどとは言えないので、場合によっては生活保護などを受けることもできるんじゃないか、永住者ならば、そう思っております。

 とすると、今回の高度専門職第二号をつくったというのは、永住者になって、日本政府が生活保護とかそんなのを払うのは、政府じゃないかもしれないんですけれども、そういうことが嫌だから、なるべく高度専門職の方に行ってもらいたい。そのために、配偶者の就労、親の帯同、家事使用人の帯同なども要件をよくしたよというような、変な勘ぐりかもしれないんですけれども、持ってしまいました。

 日本政府としては、永住者というのを減らしていって、なるべく高度専門職の方に、ちょっとこちらに行ってねというようなことを思っているのか、ちょっとそこのあたりをお尋ねしたい、大臣にお願いします。

谷垣国務大臣 永住者を減らしていくために今度の高度専門職第二号を設けたわけではありません。

 今度のこの法改正の狙いは、先ほど私は西田委員への御答弁の中で、やはり日本にいろいろな人に来ていただいて、日本で仕事をしたり、いろいろな研究をしたり、そういうことが非常に刺激があっておもしろいと言っていただけるような国にしたい。これは私流の表現でございますが、そういうことをめぐって国際的な人材の獲得競争というのが起こっているのではないかと思います。

 簡潔な答弁をしないといけないんですが、私はかつて、これも科学技術庁長官をしておりましたときにボストンへ行きまして、ノーベル賞をお受けになった利根川先生が当時ボストンで研究しておられました。

 ボストンで研究者に何人かお話を伺いますと、あのとき利根川先生がおっしゃったことは、アメリカの研究環境の方が全然魅力的である、だから、ボストンにいる日本人の研究者が日本に帰ろうかなと言ったら、やめろと言うんだと。ただ、ちょっと最近いろいろ問題が起きておりますが、理研の脳研究に行くというのなら、あそこのポジションが得られるならそれは行きなさい、こういうことを言っているんだと利根川先生が言っておられまして、やはり日本人だけじゃなくて外国の研究者にも魅力のある研究環境をつくっていくというようなことが大事かなと、これは研究環境だけの話でございますが。

 そういう意味で、研究者だけじゃなく、やはり国際的な人材の獲得競争というのは確実にあるんだろうと私は思います。

 今回の狙いは、永住者という制度は今までもありました。それに加えて今度の第二号というのをつくって、確かに細かな制度設計をどうしていくかというのはこれからのところもございますが、両方の選択肢があって、両方の選択肢を用意することによって、さらに高度な能力を持った方が日本で生活してみよう、研究してみよう、あるいは仕事をしてみようというふうになっていただけるということが一番大きな狙いでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございました。私も、大臣のお気持ちというのか、その考えには大賛成でございます。

 ただ、私がちょっと心配したのは、長い間、高度専門職二号で頑張っていただいたのに、病気になったらぽいというのは日本人としてどうかなと思いましたので、その点をちょっと指摘させていただきました。ただ、選択肢を広げていろいろな方に来てもらうというのは、もちろん当然いいことだと私も思っております。

 最後の質問になるんですけれども、不法残留者についてということをお尋ねしたいと思います。

 現状を説明していただいてから法務大臣にということを通告していたんですけれども、もうすぐ時間もなくなりますので、現状はちょっと私が説明させていただきまして、大臣にこれからの対策ということをお伺いできればと思っております。

 今、不法残留者は約六万人程度いるということを伺っております。そして、残留となった場合の理由です。理由というか、在留をどういう在留としてきたかというと、短期滞在で来た人たちがほとんどで、四万一千四百三人が短期滞在ということで日本に入ってきて不法残留になったということを伺っております。その後、在留の特別の許可が出た人は二十五年で二千八百四十人、退去強制をされた方が六千四百二十五人というのが不法残留の今の現状だということを伺っているんです。

 日本にこれだけたくさんの人が来て、不法残留が六万人ぐらいしかいないとするならば、それはそれでそんなに悪くはないかなというような印象もあるんですけれども、その方たちがいろいろな悪い犯罪に手を染めたりしている可能性ということもございますので、こういうところはいろいろ本当に対策をとっていかなければいけないと思っております。

 ですから、法務省といたしまして、不法残留についてどのような対策を立てていくかということを最後にお尋ねしたいと思います。

谷垣国務大臣 不法残留の方に対する対応というのはなかなか難しいところがございまして、不法に残っているという方は、やはり原則として帰っていただくということをまずきちっとやらなければいけないと思うんですね。

 しかし、その上で、しばしば問題になりますのは、特に在留特別許可をもう少し活用したらいいんじゃないかという御意見はあります。

 ただ、これは一律にというわけにはいきません。やはり個々の、個別の事情を判断しなければなりませんので、在留を希望する理由であるとか、あるいは家族の状況とか生活状況、あるいは素行なんていうのもなかなか大事な点でございます。それから、いろいろ内外の諸情勢、そういったほか、その外国人に対する人道的な配慮の必要性や、それから我が国における他の不法滞在者に及ぼす影響、こういう諸般の事情を考えて個別に検討しているところでございます。

 未成年の子供がいるとか、あるいは病気治療の必要性、こういったものも人道的配慮の内容として考慮要素としなきゃならない場合がしばしばあるのではないかと思います。

 あくまで、こういったものは個別の判断ということになりますが、そういうものも十分活用していかなきゃいけないと思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 ただ、後で法務省の方にはちょっと御説明をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

江崎委員長 次に、井出庸生君。

井出委員 結いの党、信州長野の井出庸生です。

 よろしくお願いをいたします。

 法務委員会で質問をさせていただくのは初めてなのですが、昨年、谷垣大臣には一度質問をさせていただきまして、そのときは、野党時代の厳しいときの自民党をまとめてこられた方ということで、ぜひこれからの政権運営に存在感を発揮していただきたいということをお話しさせていただいたのですが、あれから一年ちょっとたちまして、その思いは変わっていないというか、ますます強まっております。

 安倍総理が、時に最高責任者と発言されたことが報道されたりですとか、一年間この国会を見ていて私が一番気になるのは、民主党政権のときには何もできなかったじゃないかとか、何をやったというのかとか、そういう御発言が与党の幹部から出ると非常に残念な思いで、民主党時代のよかったこと、悪かったこと、その経験を踏まえて、日本としてよりよい国政運営をと願っておりますので、ぜひ引き続き頑張っていただきたいと思います。

 まず、きょう、法案の質問の前に、ちょっと最近の出来事で一つ伺いたいことがありまして、いわゆる戸籍のない、無戸籍の方の問題なんですが、先日、五月二十一日だったと思いますが、NHKの「クローズアップ現代」で、三十二年間戸籍のない女性が法務省に要望に来られたと。

 私もその番組を見ていたのですが、医療の保険も受けられないので歯医者にも行ったことがない、アルバイトをしていても銀行口座もつくれないので別の方の口座にお金を振り込んでもらっている、ですから別の方のお名前でアルバイトをしている、非常に勤勉で正社員というお誘いを二度三度受けているんだけれども、正社員になると自分の戸籍がないということが、言わなければいけない、わかってしまうんじゃないかということで、そこでやりたいという気持ちを持っていても正社員の誘いを断ってきた。そういう話を聞いていると、これはすぐにでも解決をしなければいけないと私思っておるんです。

 この件に関して、大臣が二十三日、報道陣の取材に対して御発言をされておりまして、実態把握というものは調査の仕方も簡単でない、こういう特殊な事情を抱えている方はいらっしゃると思いますが、大もとの親子関係が不安定になってしまうことでもまた困る、また、法務省のホームページにもいろいろな対応策が掲載をされているので活用いただきたい、そういうところが重立った御発言だったかと思うんです。

 出生のときに届けが出せなくて、離婚の絡みで半年、一年そういう状態が続くというのであればそういう対策もとれますし、私は、従前に比べれば、いろいろな各省の通知等でそういう対応も少しは進んできていると思うんですが、これだけ、三十二年、そういう女性が現にいらっしゃるという事実に向き合っていただいて、対応していただきたいと考えるんですが、大臣のこの間の御発言の真意を改めて伺います。

    〔委員長退席、土屋(正)委員長代理着席〕

谷垣国務大臣 私は、まだその番組を実は見る機会がございませんでしたので、あるいは委員の問題意識とちょっとずれるところがあるかもしれません。

 しかし、伺いますと、やはり、夫婦関係が破綻して、あの夫の子には、元夫かもしれませんが、子にはしたくないという強い思いがあって、今の民法の規定のもとでは婚姻中に出産した子は嫡出推定が働いてしまうというような事情が働いていたというふうに聞いております。

 そして今、井出委員がおっしゃいましたように、基本的な身分関係を定めるものですから、その戸籍がないということは、社会生活を送っていく上でさまざまな不利益というか深刻な不利益が襲ってくるだろうということは想像にかたくありません。

 それで、今現に三十数年戸籍がなかった方の救済をどうするかというのは、これは急いでやらなければならないことでございますが、あのとき申し上げたのは、嫡出推定の民法の規定そのものが諸悪の根源であるというようなおっしゃり方をする方もなくはなかった。私は、やはり、父親と子供の親子関係というのは早く確定していかなきゃならない、いつまでもそれがふらふらして誰が父であるかわからないというような状況は子供のための利益にもならない。そういう意味では、嫡出の推定というのは基本的には子供の利益に合しているし、今でも基本的には維持すべきものだと私は考えているわけです。

 でも、あれは推定ですので、推定は、これを父とみなすというわけではありません。推定でありますから、推定は破ることができる。そして、現に推定を破るための手だても幾つかあって、それはホームページにも出ているわけですが、ただ、現実には、それをやると、例えば元夫の暴力に遭うとか、いろいろな問題が発生する可能性があるわけですね。

 そうすると、推定を破るための対応策をとるためにも、例えば、今裁判所も、いろいろそういう家庭関係の問題で、暴力に遭うとか、そういうためにどういう手だてを講じていくかというのはいろいろ工夫をしております。

 やはり、そういった推定を破るための手だて、そしてそれを円滑に進めるために関係者がやってきたいろいろな方策、そういうものに対して、もうちょっとわかりやすい周知徹底が必要なのかなと私は思っております。そういった周知徹底の方法、さらに何かあるかということは、もっと詰めて工夫しなければいけないなと思っている。それが、この間の記者会見でお答えした、表現が適切であったかどうかわかりませんが、そういう思いでお答えしたわけであります。

井出委員 私も、民法の七百七十二条は大切だと思っておりますし、あれをすぐに変えるべきだとか、そういうことをお話しするつもりはないんです。ただ、法務省のホームページに、民法七百七十二条、嫡出推定制度について、QアンドAがつくられていまして、そこにもはっきり書いてあるんですが、今大臣もおっしゃっていますが、やはりこの制度の趣旨は、子の福祉のために、子供の福祉のために父親と子供の関係を早く確定する、あくまで子供の福祉のためである。しかしながら、現にこの三十二歳の女性がいらっしゃる。

 かつて、平成十九年ごろだったと思うんですが、毎日新聞が三百日規定についてキャンペーンを張った。あれで一定の制度の改善もあったかと思うんですが、やはり報道をきっかけにそういった実態がクローズアップされることは往々にしてあると思いますし、この問題も、NHKが取り上げたことで、そういった同じような状況の方がこれからいろいろなところに相談に来るということは、私は容易に想像されるのではないかと思います。

 特に、この三十二歳の方は要望に実際に来られて法務省の方も対応したということで、もう少し、制度は制度として、今、出産直後とかでそういう事態に直面している人たちに対してそういう制度があるのはいいんですけれども、もう長年そういう状況に陥ってしまっている人を個々に救済する手だてを考えていただけないかと思うのですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 これは、制度的にどうできるか、きちっと検討しなければならないんですが、やはり、今まで戸籍のない方、どうやって戸籍を得させるかという手だてをきちっと研究して対応しなければいけないと思います。

井出委員 私は、離婚をする御夫婦、御家庭というのは、離婚した後の裁判ですとか親権の問題とか、かなり、両方のコミュニケーション、コミュニケーションがとれていればそもそも離婚という事態に至らないのかもしれないですし、夫婦げんかだってコミュニケーションが断絶することもありますので、そうした離婚という状況の中で今、法に定められている手続を進めていくことは、そもそも容易ではないのかなと思っております。

 一つ伺いたいのは、今回、三十二歳の女性の方は、生まれたときに、お父さん、お母さんの間のDVが原因だったとも報道されております。DVといえばDVなんですけれども、その中身は場合によっては傷害、犯罪を伴うような、本当にDVという二文字で片づけられるような事態ではないと私は思っているんですが、特に、離婚をめぐる、コミュニケーションが難しいと思われるこのDVを原因としている離婚というのがふえているかどうか、そういったデータがあるかないかをお尋ねしたいと思います。

深山政府参考人 まず、離婚全体の件数について少し説明をさせていただきますと、離婚の件数というのは厚生労働省が人口動態統計でまとめておりまして、昭和四十年代から離婚の件数は上昇傾向にあります。昭和四十六年には十万件を超えまして、平成八年には二十万件を超えました。平成十四年が過去最も離婚が多かった年で、二十八万九千八百三十六件、およそ二十九万件に達しました。もっとも、その後、若干減少傾向にありまして、平成二十年から二十四年までの五年間はほぼ横ばいか微減の状態にありまして、直近のデータである平成二十四年は二十三万五千四百六件でございました。

 お尋ねの、離婚の原因で家庭内暴力が占めるものが多いかどうかということです。

 もちろん離婚に至る原因はさまざまで、複合的な場合もございますので、協議離婚によって、届け出だけで離婚する場合が相当数多いものですから、そういう場合も含めた、今申し上げた全離婚件数の中の離婚原因を網羅的に把握するデータは実はございません。

 したがって、全離婚件数のうち、家庭内暴力が原因であるもの、あるいは原因の一つであったものというものを公的に示すものはないんですけれども、それをある程度推察するデータとして、司法統計で家庭裁判所に離婚等の家事調停を申し立てた件数というのがわかっております。これは、毎年、離婚するときの家事調停、協議離婚が調わないと、調停をまずやって訴訟をやって、こういう順序で行ったときの家庭裁判所に駆け込んだ件数です。

 この種の事件というのは、年間六万五千件から七万件近く家庭裁判所に申し立てがされておりますが、その申し立ての動機の一つとして、夫が暴力を振るうことというものを挙げたものは、これは妻の側の申し立てについてですが、二七・二%です。平成二十四年で二七・二%、直近がそういうデータですが、二十年から二十四年までの五年間を見ましても、これは大体、妻の側のこの種の家庭裁判所への申し立ての二七%から二九%程度が夫の暴力を理由とするものだ、こういうデータはございますので、これからある程度推測がつくということだろうと思います。

井出委員 今二七%というお話がありましたが、調停ですとか、あと役場に戸籍の関係の届けを出しに行ったときに、やはり前の夫との確認、状況確認をしなければいけないという行政側の立場は理解はしております。ただしかし、特に今回の三十二歳の女性、恐らく同じような声が、これからもっともっとそういう声が出てくる、そういう話も仄聞をしておりますので、ぜひ、この民法七百七十二条の趣旨である子の福祉のため、そこに立ち返った対応をやっていただきたいと思います。

 たしか、その後の報道によりますと、その番組の後でしたか、NHKのニュースで、その三十二歳の方が要望されて、法務省の方がお会いになった、そのときに法務省側は、多様な家族の形に対応しなければいけないことは理解をしている、要望を受けとめて検討したいと答えたそうです。これは、NHKの「NEWS WEB」のものを今引用させていただいたんですが、私は、制度を、七百七十二条をすぐに変えてくれとは申しませんし、家族のあり方も大事だと思うんですが、ぜひ個別の対応をやっていただきたいと思うんですが、再度お願いいたします。

谷垣国務大臣 今の事実関係等をまだ私は詳細に把握しているわけではございませんが、問題は、現に戸籍を持っていない無戸籍の方がいらっしゃる、それをどう救済するかという問題、それから、これから起こってくるであろう、嫡出推定にまつわって、家庭がもう破壊しているような方がどういう行動をとられるか、それに、余りおかしなことが次々と起こってくるようじゃいけないわけですね。その二つの問題は分けて考えなきゃいけないと私は思います。

 そこで、とにかく、無戸籍の方をどう救済していくかというのは早急に詰めていかなきゃいけないと思っております。

井出委員 ぜひよろしくお願いをいたします。

 そうしましたら、次に、今回の法案の関係の質問をさせていただきます。

 まず、今回の法改正は、基本的な、大きなスタンスとして、外国の方をより入りやすく、日本で活躍していただきたい、そういう趣旨なのかなと受けとめておりまして、私も少し入管法についていろいろ見てみたんですけれども、かつて、戦前は、日本の入管というのは警察が担当して、昭和二十六年に今の法律ができて、当初は外務省が所管をしていたというような記載も読んだことがありますが、最近、平成になってから、平成九年には、集団密航の多発に対処するために、罰則を整備するような改正をした。また、これはニュースにもなりましたが、ワールドカップがあった平成十四年には、フーリガン対策等で、外国人犯罪対策として上陸拒否事由などを整備するような改正も行われて、平成十八年には、またテロに対応するような。

 私は、こうした、基本的には、テロなんかもありましたので、いろいろ出入国に関するものがどんどん厳しくなってきていたのかなと思ったんですが、今回の法改正また法務省のスタンスとしては、現状は、これからはもう少し外国人の受け入れを広げていこう、そういうスタンスにお立ちなのかどうか、まずそのスタンスを伺いたいと思います。

榊原政府参考人 外国人の受け入れに関します基本的な考え方といたしましては、専門、技術的な分野の方々については積極的に受け入れる方針でございます。それに対しまして、それ以外の、いわゆる単純労働といった外国人の方々については、国民生活や労働市場への影響などがありますので、国民のコンセンサスなどを踏まえながら、慎重に検討していきたいというふうに考えているところでございます。

井出委員 今、技術的な分野の方を積極的に、単純労働等、国民への影響のある方については慎重にというお話がありました。

 今回の法改正の点で一つ伺いたいのですが、高度専門職二号の方が、より在留、日本にいる期間が長くなる。日本にいる期間が長くなったときに、本当にその高度専門職の資質にかなっていると言ったらちょっと言い方は失礼なんですが、実態の把握ですとかそういったことをしていくことが可能なのかどうかについて伺いたいと思います。

谷垣国務大臣 高度専門職第二号、今度つくるものですね。これは、それに当たる方には、自分が一体どういうところで仕事をしているのか、あるいは、どういうところで研究をしているのか、そういう所属機関などに関する届け出義務が課されております。それから、どこどこ会社に勤めているんだというところから退職した、あるいは違うところに転職した、こういう場合には法務大臣にその旨届け出なければならないということになっております。

 それから、外国人を雇い入れた事業主は、これは雇用対策法に基づいて、その外国人の雇用状況について厚生労働大臣へ届け出しなければならない義務がございます。厚生労働大臣は、法務大臣から、入管法に定める事務の処理に関して、外国人の在留に関する事項の確認のための求めがあったときは、その情報を提供するということになっております。

 それから、法務大臣は、届け出の対象とされている事項について、入国審査官あるいは入国警備官等々に事実の調査をさせることができるということになっておりまして、調査のため必要があるときは、入国審査官または入国警備官が関係人に対して出頭を求める権限、あるいは質問、あるいは文書の提示を求めることができる、そのほかに、公務所または公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる、こういう規定でありまして、調査権限等々が担保されているということであります。

 それから、仮にその外国人本人から自分は今ここにいますという届け出がなくても、関係行政機関や一般の国民から提供を受けた情報を端緒として事実の調査を行うこともできるということになっております。ですから、活動実態を把握するための手段は十分整っている、こういうことでございます。

井出委員 今、御答弁の中で、例えば、雇用状況については日本の事業主が厚労省へ届け出をするとか、日本で生活をしていけば当然その外国の方は、入管だけがやりとりをする役所ではなく、いろいろな役所、行政機関とかかわりが出てくるかと思うんですが、外国の方がいらっしゃって、在留期間も長くなって、そうしたときに、日本で当初目的としていたような生活をしてもらえる、来る方にとっても安定した生活をしてもらえるように、法務省とほかの省庁の役割分担ですとか、そこの連携というものが非常に大事だと思いますが、その点についてのお考えを教えてください。

谷垣国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。

 先ほど郡委員にもお答えをしたところでございますけれども、私もかつて、筑波学園都市に見えている外国の研究者の方々から、お子さんの教育であるとか、あるいは家族の医療に関する問題だとか、いろいろな御要望がございました。ですから、入管だけではなくて、医療とか福祉とか子供の教育、そのほかさまざまな面での社会とのかかわりが生じてきますので、要するに、多方面にわたる行政分野、それから、特にそういう関係では、国の行政だけでなく自治体行政、そことの連携が必要だろうと思います。そして、必要な情報あるいは問題意識を共有していくということだろうと思います。

 しばしば省庁は縦割りということが批判されますので、なかなか簡単ではございませんが、そういう工夫はこれからも怠ることなくやっていかなきゃいけないと考えております。

井出委員 各省庁との連携が非常に大事、そういう趣旨のお話をいただいたと思うんですが、先ほどの榊原管理局長のお話で、技術的な方を積極的に入れていって、単純労働とか国民への影響があるようなことについては慎重にやるというスタンスのお話があったんですが、法務省や入国管理局の役割が、連携も大事なんですけれども、役割分担というところで、その役割がどこにあるのか、そういう問題意識を私は持っておりまして、技術的な方を積極的に入れて、単純労働みたいなことについては慎重にやっていくというのは、果たして法務省の一存だけで決めていいものかどうか。

 ちょっと、この問題、質問に当たって法務省にいろいろお話を聞いていると、法務省の役割が少し大きいんじゃないかなと私は感じているんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

谷垣国務大臣 確かに、法務省が関与するのは出入国管理、どういう外国の方に入っていただくか、どういう外国の方に帰っていただくか、出入国管理という局面で我々は制度を組み立てて運用している。

 ただ、この問題は、要するに労働政策、雇用政策とまた密接に関連がある。したがいまして、こういう問題を解決していくのは、法務省だけでできるわけではありません。今までも、実際にそういうことを決めていくのは、政府の中で、いろいろな関係機関と連携しながらやってまいりました。

 それで、先ほど榊原局長が御答弁申し上げた、高度な技能を持った人材にはどんどん来ていただこう、それから、単純労働者は、実は単純労働者は、技能実習という形で、技術移転による国際貢献という形で入ってきております。しかし、ここはいろいろまた議論があるところでございまして、国際貢献とは言っているけれども、実際には単純労働者をむしろ安い賃金で搾取するようなことになっているではないかという御批判がある。私どもは、技術移転ということで、国際貢献ということで単純労働者に入っていただこうというような、建前だという批判もあるわけですね。

 私は、確かに、それで雇用される方の中には、本来の趣旨と違った運用をされる方もある。あくまでこれは、単純労働は、技術移転という目的でやらなきゃいけない。そのほかに、単純労働はどうしていくかというのは、これは全体的な労働政策との関係の中で決めていかなきゃならない。

 それで、今申し上げたことは、第九次雇用対策基本計画というのがございまして、これは平成十一年八月に閣議決定をされたものでございますが、その中で大筋が決められております。したがいまして、その中での入国管理政策を要約して申し上げると、先ほどの榊原局長の答弁のようになる、こういうことでございます。

井出委員 十一年の基本計画の大筋に沿ったお話ということでした。

 私が、今大臣がおっしゃった技能実習のことを、前に、ちょっと教えていただきたい、勉強したいということで役所の方に相談をしたときに、私の地元は農業でそういうことが、実習生を受け入れているところがあるものですから、私は、もう頭の中はてっきり農水省の方がいらっしゃると思っていて、それで法務省の方がいらっしゃったので、そのときからちょっと、そういう省庁の役割分担が、特にこの入国管理についてはどうなのかなという問題意識を持っておりまして、ぜひそこを、連携と役割分担をしっかりやっていただきたいと思います。

 それで、今お話のあった技能実習制度なんですが、それは過去のこの法務委員会でもいろいろ議論は出てきていると思いますが、私も、果たして国際貢献になっているのか、また、受け入れる側と向こうから来る側の思いが、果たして本当に研修、国際貢献かというところにお互いのニーズが一致しているのかというところは疑問に感じておりまして、ぜひこれは、労働政策として、各省庁との連携、話し合いの中で、きちっと労働者の制度として、来る側にも来てもらう側にもきちっと目的がはっきりするような制度に変えていくということをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 確かに、この技能実習制度は、制度の目的は技術移転による国際貢献ということでございます。

 それで、ともすると、いろいろ労働力不足があったときに、この技能実習制度でもっと対応せよというお声が出てくるのは事実です。

 しかし、もともと技術移転による国際貢献という中に、そういう労働力不足の問題を全てそこで解決せよという形になっていきますと、これはおかしなことになってくる。だから、私は、技術移転はあくまで技術移転として、制度に足らないところがあるのであれば、それから監督等行き届かないところがあるのであれば、きちっとそこを改善して、労働法の適用等々をどうするかということも議論されて、昔に比べると改善された面もございますが、そういう制度としてやっていかないと、私はこの制度は破綻してしまうと思っております。

 それで、問題は、それ以外の単純労働みたいなものがどうしても欲しいという御要請がしばしば起きてくる場合がある。東京オリンピックがある、そのための人が足らないじゃないか、あるいは東北の大震災の復興に人が足らないじゃないか。確かにそれも大事な要素でございますが、では、それを全部この技能実習制度で賄うのは無理がございます。それはそちらをどうしていくかということを見据えてやっていかなきゃいけない。

 そういうことで、今のような問題、特に今の東北の大震災や東京オリンピック・パラリンピックに対応する問題については、緊急的に対策を考えまして、だけれども、それは全部技能実習制度に負わせるわけにはいかないので、特定活動という中でやっていこうというふうにしております。それを超えてどれだけ外国人労働者を日本に入れていこうかということは、政府全体を挙げてきちっと問題点を整理していかなきゃならないことだと思います。

    〔土屋(正)委員長代理退席、委員長着席〕

井出委員 確かにオリンピック、復興という緊急の対応を迫られているものもありますが、産業分野によっては、ある分野の産業は労働者としてそういう力が必要だという分野も当然あると思いますので、最後におっしゃられた全政府的な話をぜひやっていただきたいと思います。

 最後に、実は私が一年前に大臣に質問させていただいたときに伺った関係で、ちょっと法案と話がまたそれるんですが、一つ伺いたいのですが、捜査の取り調べの可視化の件です。

 昨年質問をさせていただきまして、今、特別部会の方でまだ議論が続いている、一年前もそうだったと思うんですが、報道を聞くところによりますと、A案、B案、裁判員裁判対象事件をやるか、もしくは全ての事件の検察官の取り調べをやるかというような話が今出ているやに聞いております。

 私は、取り調べの可視化というのは、量刑の重い、軽いとかではなくて、被疑者と捜査側の間に認否の争い、簡単に言えば否認している、そういう否認事件についてもう少し特化して、否認事件をできるだけ可視化するような、そういう議論をしていくことがそもそもこの議論の始まった、冤罪を防いでいこう、そこの本質的なところではないかと思うんですが、否認事件をどのように可視化していくかという議論が、この一年見てきても余りないなと思っているんですが、そこについて大臣の見解を伺いたいと思います。

谷垣国務大臣 今、法制審議会で議論をしていただいて、私は諮問している立場ですので、それを飛び越えてこうあるべきだとはなかなか言いにくいんですが、ただ、今試案が、A案、B案というのがあって、それなりに案は示されて、井出さんはその見方が、否認事件かどうかという観点から見ていくべきだという御主張ですね。

 それで、もちろん否認事件ということでやるのも一つのお考えだと私は思います。

 ただ、否認というのもいろいろございまして、一番皆様が意識されるのは、俺は実行行為をやっていない、俺は犯人ではないという否認事件を大概の場合意識されていると思いますが、否認事件も非常にいろいろでございます。それについては俺はやっていないけれどもこっちはやったとか、それから、一番問題になるのは、初めは否認したけれども途中で、このごろもそういうような事件がちょっとございましたが、そういうようなものをどう扱うかとか、否認の場合にはなかなか、否認というだけでは対象が余り明確になりにくいというところが多分あるんだろうと思います。そこをどう絞っていくかという多分議論が必要、余り法制審議会の議論を飛び越えて私、言ってはいけませんが、そういう点はございます。

 ただ、今のA案、B案というのもまだ試案でございまして、何を対象にしていくかというのはまだこれからも議論が続いていく、引き続き議論が行われるものと承知しておりますので、全体としてやはりバランスのとれた結論を出していただきたいと私は思っております。

井出委員 確かにおっしゃるとおり、何をもって否認とするか、例えば、殺すつもりはなかった、殺人ではなく傷害致死だとか、そういうこともあると思いますので、定義としては非常に難しいと思うのですが、冤罪を防いでいこうというとき、冤罪というのは量刑にかかわらず起こり得るものだと思いますので、私の方でもまた問題提起ができればと思っておりますので、今後の議論を見ていきたいと思います。

 きょうは、ありがとうございました。

江崎委員長 次に、安藤裕委員。

安藤委員 自民党の安藤裕でございます。

 本日も、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、確認をしたいと思っております。

 今回提案をされております出入国管理法改正案ですが、一部では、これは偽装移民法案ではないかというようなことも言われております。

 そこで、まず、法務省の姿勢を確認したいと思います。

 法務省としては、今現在、移民を受け入れることについては、推進をすべきとお考えか、それとも慎重に対応すべきとお考えなのか、その方針をまず確認したいと思っております。

榊原政府参考人 移民が具体的にどのようなものを指すのかにつきましてはさまざまな見解がございますが、我が国の入国管理制度は、入国前から我が国での永住を希望する外国人に対して、その入国と同時に永住を許可することができる制度とはなっておりません。

 外国人の受け入れ一般について申し上げますと、先ほども申し上げましたように、専門的、技術的分野の外国人は、我が国の経済社会の活性化に資するとの観点から、積極的に受け入れることとしております。

 他方、外国人労働者の受け入れ範囲の拡大につきましては、我が国の産業、治安、労働市場への影響など国民生活全体に関する問題として、国民的コンセンサスを踏まえつつ、政府全体で慎重に検討していく必要があるものと認識しております。

 今回の入管法改正案は、本邦で高度人材として活躍する外国人に対し、一定の要件を満たした場合に無期限の在留を認めるなどの制度を導入しようとするものでありまして、もとより入国と同時に永住を許可するものではない上、外国人の受け入れ一般に関するこれまでの考え方を変更するものではございません。

安藤委員 ありがとうございます。

 それで、今回の出入国管理法改正で特に大きな論点は、今もお話に出ました高度人材の受け入れということだろうと思います。

 そして、この高度人材の受け入れについては、ポイント付与の見直しは昨年既に実施をされております。

 平成二十四年にこの制度が導入をされてから現在まで、この制度を利用して入国をした外国人の数と、それから昨年行われたポイント制見直しの効果について、お答えをお願いいたします。

榊原政府参考人 高度人材ポイント制の運用を開始した平成二十四年五月以来平成二十六年三月末日までの高度人材の認定者は、千百三十人であり、このうち、この制度のもとでの新規入国者は五十九人となっております。

 昨年十二月に委員御指摘のとおりポイント制を見直しましたけれども、細かな数字はちょっと忘れましたけれども、それ以前の一カ月の平均に比べまして、徐々に一カ月単位の認定数もふえてきているところでございます。

安藤委員 ありがとうございます。

 この制度ができてから、本当にこの制度を使って新規に入国をした人は五十九人ということで、それほど多くはない。私は、これが本来この制度のあるべき姿なのではないかなというふうに思っています。やはり、これだけさまざまな高度な技術や知識や経験を持って本当に日本に来て仕事がしたいという人がそんなに劇的にふえるというのは、逆にちょっと変な感じがしますし、少ないけれども本当に日本の役に立つ、そういった外国人の人に来てもらう分には、この制度は本当に有効な制度ではないかなというふうに思っております。

 そういった意味で、この改正だけではこれからも高度人材の受け入れというものはなかなか進んでいかないだろうと思っておりますけれども、しかし、他の政策と一緒に行われることによって、高度人材の受け入れというのは一気に加速をする可能性もあるというふうに思っております。

 そこで、現在、文部科学省ではスーパーグローバル大学という構想を進めておられますが、このスーパーグローバル大学構想を推進するに当たっては、この高度人材の受け入れ制度は大きな効果があるのではないかというふうに思います。

 スーパーグローバル大学で外国の研究者や教員をふやすことによってどのような効果を期待しているのか、その目的とするところについて文部科学省にお尋ねします。

佐野政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生から御指摘がありましたスーパーグローバル大学創成支援事業は、平成二十六年度から新たに実施する事業でございまして、我が国の大学の国際競争力の向上とグローバル人材の育成を図るため、世界トップレベルの大学との交流あるいはその連携や、日本の大学の学内体制の強化など、徹底した国際化の推進によりまして、改革に取り組む大学を重点支援するというものでございます。これが目的でございます。

 特に、世界のトップレベルの大学との連携を通じまして高度な教育研究能力を有する外国人の教員でありますとか研究者を受け入れることは、日本人の教員あるいは研究者や、さらには学生にとりましても、多様な考え方や価値観の融合によってイノベーションを起こすことが加速されることですとか、世界的なネットワークの形成につながることですとか、さらには、グローバルな視点を持って豊かな地域社会の創成に資する人材育成に貢献することなど、極めて有益なことであるというふうに我々も考えておりまして、同時に大学自体の国際化にも資するものであると考えております。

安藤委員 ありがとうございました。

 それはそのとおりで、さまざまな国の優秀な人に来てもらって、日本の大学を活性化する、優秀な学生を育んでいくというのは、本当にこれは大事なことだと思っております。

 留学生の質問もお願いをしていたんですけれども、それはちょっと後回しにさせていただきまして、二つ飛ばさせていただきまして、その後の話にさせていただきたいと思います。

 ちょっと話が飛ぶんですけれども、明治維新の後に、日本では、欧米先進国の産業に追いつくために、必死で先進国の知識の吸収に努めました。当時はもちろん、欧米先進国の知識を教えることができる日本人がいませんでしたから、お雇い外国人によって外国語で教育が行われておりました。

 当時から、例えば森有礼さんなどは英語公用語論を唱えたように、そのころから、これからの国際社会で日本が生き抜いていくためには英語が必要であるということは叫ばれていたわけです。

 でもしかし、その後日本では、留学生が帰国をしてきたり、またあるいは、そのような日本の各種の学校の卒業生などがふえていって、日本人が日本語で欧米の知識を教えることができるようになって、現在のように日本語で教育を行うことにかわっていったという歴史があるわけですね。

 私は、今の日本は世界の中で、国民全体の、国民一般の知識レベルは世界で一番高い水準にあると思っておりますけれども、その最大の理由は、何といっても、世界最先端の知識を誰もが日本語で学ぶことができる、その環境にあるというふうに思っております。誰でも、本屋に行けば、いとも簡単に世界各国の古典から今トレンドになっているいろいろな分野の書物を日本語で手に入れることができて、思い立ったら、どんなに外国語を勉強しなくても、さまざまな知識や教養を日本語で習得することができる。私は、これは世界に誇るべきインフラだと思いますし、その源泉は、やはり大学や大学院で、日本の最高学府において日本語で教育を行っているというところから発生をしているというふうに思います。

 知識の国産化をすることによって母国語で深い思考をすることができて、日本国民はあまねくその知識をその気になればいつでも共有することができる、それが国力の基盤をつくって、科学や文化の発展に大きく貢献をしていくと思います。これが、我々日本人が明治維新のときに、外国語で教育をするのではなくて、日本語にかえていって成功していった、先進国になり続けることができた最大の要因ではないかというふうに思います。

 日本のノーベル賞受賞者の益川敏英先生は、英語が苦手であるということを言っておられますけれども、この方が、日本の基礎科学がどうして強いのかについてはさまざまな理由があるけれども、私が見るに、日本語で学問をするという点が大きいようだ、日本人がノーベル賞をとれるのは日本語で深く思考できるからということをおっしゃっておられます。実際に、日本以外のアジアの国で、ほかの国でも、TOEFLやTOEICで日本よりも高い点をとっている国というのは数多くあると思いますけれども、ではそれらの国がノーベル賞をとっているのかといったら、とっていないですよね。

 今回のスーパーグローバル大学構想では、外国人教員あるいは日本人教員による英語の授業の拡大という構想も入っておりますけれども、今申し上げたようなことを踏まえて、日本の文化学術の発展のために、日本の最高学府においては授業は必ず日本語で行うべきというふうに思っておりますけれども、文部科学省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

佐野政府参考人 お答えさせていただきます。

 今御指摘がございましたスーパーグローバル大学創成支援事業におきましては、採択される、これは今から採択がされます、それぞれの大学が、学生、多数を占めるのは日本人学生でございますので、日本語により最高レベルの教育を受けられる環境を整えることというのは、当然のこととして整備していくということにしております。

 ただ一方で、学生に英語などの語学力を身につけさせることもグローバル人材の育成においては重要であるというふうにも認識しております。

 さらに、外国から優秀な人材を招く上で、外国人の学生を招く上で、英語などの外国語による授業の実施や、外国語のみで卒業可能なコースを設定するというような、そういった取り組みも方策の一つとして有効だというふうに考えておりますが、各大学の判断で、今先生がおっしゃられたように、積極的に取り組むことが期待されているところでもあります。それがメニューの一つになってございます。

 ただし、それらの場合でも、外国人研究者や留学生に対して、充実した日本語教育の体制が構築されていることは非常に重要であるというふうに我々も認識しております。

 したがいまして、本事業について、今後審査することになるんですけれども、その審査の際の観点というのを示しております。その審査の際の観点として、外国人留学生や外国人研究者に対する日本語教育の充実というものを明記しております。したがいまして、スーパーグローバル大学創成支援事業において、外国人研究者や留学生に対して、日本語による教育の展開をきちっと図るような形の制度としていきたいと思っております。

 以上でございます。

安藤委員 ありがとうございます。

 大隈重信と一緒に東京専門学校、今の早稲田大学の創設に当たって、創設に尽力をした小野梓さんという法学者の方がおられるんですけれども、この人が東京専門学校の開校式で次のように述べているんですね。

 一国の独立は国民の独立に基いし、国民の独立はその精神の独立に根差す。しかして国民精神の独立は実に学問の独立に由来するものなれば、その国を独立せしめんと欲せば、必ずその民を独立せしめざるを得ず。

 そして、この東京専門学校の開校の理念の一つにしたのが、日本語による教育であったわけですね。

 ぜひとも、世界で最先端の授業というものが、日本において、当然のことですけれども、日本語で行われることがこれからも継続できるように、それは必ず堅持をしていただきたいというふうに思っております。

 そして、先週金曜日の参考人質疑の中で、参考人の方が、グローバル人材には国籍がありませんということをおっしゃっておられました。今、日本でグローバル人材の育成が叫ばれ、今も答弁の中でグローバル人材を育成するんだということが言われておりましたけれども、私は、この論調に少し疑問があります。

 グローバル人材に国籍がないということであれば、その人は、その人にとって魅力的な国を探して、常にそういった国や環境を求めて、その環境が整っている国に行って、そこで仕事をする人材であるということではないか。そこには、その国の発展のために力を尽くそうという発想はないということなのではないんでしょうか。

 一橋大学の名誉教授の中谷巌先生の著書に「資本主義以後の世界」というのがあるんですけれども、この中に、グローバル資本に翻弄されたバルト三国という一節があります。

 ちょっと一部引用させてもらいます。

 そのバルト三国が念願がかなってEUに加盟をしたのは二〇〇四年である。EU加盟が決まった瞬間、バルト三国の国民はこぞって歓喜の声を上げたという。

 EU加盟に続く市場開放策によって、バルト三国は、人、物、金の移動が自由なEUのメンバーになった。バルト三国のEU加盟が決まると、すぐにグローバル資本が新たな利潤機会を目がけて流入をしてきた。そのため、バルト三国は、加盟後の二〇〇五年、六年、七年の三年間は急激な経済成長を果たしている。バルト三国の人たちは、やはり西側はいい、やはりEUはすごいと喜んだという。

 ところが、二〇〇八年の秋にリーマン・ショックが起きると事態は一挙に暗転をした。今度は逆にグローバル資本が怒濤のごとく国外に流出をしてしまったからだ。二〇〇九年のバルト三国の経済成長率はマイナス一五%前後、失業率もウナギ登りで、リーマン・ショックから三年たった現在でも、一七、八%という率で高どまりをしている。

 大学を卒業した若者でも就職口はほとんどないという状態だ。その結果、何が起こったか。優秀な若者たちの大量国外流出である。

 ソ連崩壊後に学校では、ロシア語にかわって英語が必修になった。その結果、若者たちは英語を流暢に話せるようになった。EU域内では労働移動は自由だから、優秀な若者は仕事を求めてイギリスやアイルランドなど、英語で仕事のできる国に大挙して出ていってしまったということです。

 そこで、文部科学省にお聞きしたいと思いますけれども、このように幾ら英語力を高めた人材をグローバル人材だといって育てても、単なる無国籍なグローバル人材になってしまっては意味がないんですよ。文部省としては、本当に日本のために仕事をしてくれる国際社会で通用する日本人を育てるためには、どういうことを教育の中で行っていかなくてはいけないか、そのお考えをお答えいただきたいと思います。

佐野政府参考人 お答えさせていただきます。

 今先生がおっしゃられましたように、国際社会で活躍するグローバル人材には、高い語学力のみならず、異文化を理解する力や、まさに日本人としてのアイデンティティーが養われていることが大変重要であるというふうに文部科学省としても認識しております。

 そういうこともあり、昨年六月に閣議決定されました第二期教育振興基本計画の中で、グローバル人材について、以下のように記述がなされております。

 グローバル人材について、「日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる」人材、これをグローバル人材というふうに位置づけているところでございます。

 文科省といたしましても、大学の国際化に関する事業を進めるに当たっても、我が国の歴史、伝統文化への理解を深める日本人としてのアイデンティティーを育み、真に国際社会に通用する日本人の育成に今後とも努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。

安藤委員 ありがとうございます。(発言する者あり)そう、そのとおり。和歌を教えていただきたいと思いますね。

 本当に日本が好きで、日本の国を愛するという気持ちがなかったら無国籍なグローバル人材になってしまうと思うんです。そういった意味で、この国に感謝をして、この国の国力を上げるために頑張ろうという気持ちをいかに持ってもらうかということが、これからグローバル化をしていく社会に当たっての教育の本当に大事な点であろうというふうに思っております。

 次の論点に移りたいと思いますが、この無国籍なグローバル人材という人たちは大いに気をつけなくてはならない人たちだと私は思っています。

 その人の周囲には仕事があって、その人自身は高い報酬を得ているかもしれませんけれども、その国の環境が変われば、その人は違う国に移っていってしまいます。もしその人たちを国の活力の源泉の地位として位置づけてしまうと、一たびその環境が変われば、その人たちは一気に国外に流出をして、国家の活力が大きく損なわれる結果を招くことにつながっていきます。

 そうなると、国としては、グローバル人材を流出させるわけにはいかないので、そのグローバル人材と言われる人たちの望む環境を整え、その下働きをすることになっていきます。これは国民の間で、グローバル人材と言われる人たちとそうでない人たちとの間に格差を生んで、国の一体感を損なっていくのではないでしょうか。

 今、高度人材を受け入れて外国の人に入ってもらおうということがこの政策の、この法案の大きな骨子だと思いますけれども、単純に無国籍なグローバル人材にいてもらうことを目的とする政策は、国家戦略として、ごく一部の経済力として国がその人たちをしっかりコントロールをして意識的に活用するという位置づけであればあり得ることだと思いますけれども、とにかくグローバル人材の獲得競争に負けてはいけない、それが経済発展の原動力になるという発想は、結果的に国力の大きな衰退を招くことになるように思います。

 ましてや、我が国は自然災害が多い国ですね。東日本大震災は、改めて日本が災害大国であるということを私たちに知らしめたわけです。

 私たちが考えなくてはいけないのは、これから起きるかもしれない大災害も想定して国づくりをしていくということが大事だと思います。もし、首都直下型地震とか南海トラフ地震、これから起きるのではないかというふうに言われておりますけれども、東日本大震災を上回るような国難が発生をしたときに、国の再建を担う本当に優秀な人材をどれだけ多く育成しておくことができるのか。

 その役割を担うのは、間違いなく、無国籍なグローバル人材ではないと思います。無国籍なグローバル人材は、恐らく安心、安全な国に行ってしまうでしょう。このような無国籍な人たちは、非常時には全く役に立たないわけです。

 こういった視点で見ていくと、単純にこのグローバル人材の獲得競争におくれをとるなという話は、単なる平和ぼけの論調に見えてくるなという気もするんですね。

 国家の非常時に国家国民のために真剣に働くことができる人材をどれだけ多く持っているか、これが本当の国力だと思いますし、そして、そのような人材をどのように育成をしてふやしていくのか。

 無国籍ではなくて、国の非常時に本当に日本のために働いてくれる人材の確保というのは、これはまさに安全保障の問題だと思います。そして、国の安全保障を外国人に頼ってはならないというのは、もちろん言うまでもないことですね。

 そういった意味で、今回の、外国人に入ってきてもらって手助けをしてもらうというのは結構ですけれども、中心になるのはやはり日本人でなくてはならないというふうに思っております。

 そこで、最後に大臣にお伺いをしたいと思っております。

 今回の法改正によって、本当に日本の国益に資する高度な知識や経験や技術を持った外国人の方々に来てもらうことは、それはもちろん歓迎をするべきことだと思いますけれども、野方図に、単にポイントがあるから高度人材と認定されるという人を受け入れるということは、結果的に国益に本当にそぐうのかなということに対して私は少し疑問を感じておりますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 安藤委員のおっしゃることは、私はよく理解できる部分がございます。野方図に外国の人に入ってもらえばいいというわけではありません。

 ただ、今の委員の御議論の中で、私はもう一つつけ加えたいことがございます。やはり、日本がつくってきた文明というか歴史とかは決して恥ずる必要はない、大義を世界にしくために主張できることがたくさんあると私は思っています。

 安藤さんも私も京都の選出です。いろいろな外国の文化人や何かが日本に来られて、最後は日本に住みたい、私は丹波、あなたは山城ですけれども、丹波の田舎に住み込んでいる外国の芸術家、いらっしゃるわけですね。それで、やはりその方たちは、日本の育ててきた歴史とか文化というものを相当高く評価していただいていると思います。私は、外国の方に来ていただいて、大義を世界に広めようというような志も日本人には必要なのじゃないかと。

 野方図に入れるというのはよくないと思います。

安藤委員 ありがとうございます。本当にそのとおりで、日本が大好きで日本に来て仕事がしたいと思う外国人の方に来てもらうというのは、これは本当に日本の発展に寄与すると思いますし、そういった人にどんどん来てもらって、日本のよさというものを生まれた国に持ち帰ってもらう、発信をしてもらう、これは本当に日本の発展に資すると思います。

 そういった意味で、今回のこの高度人材の受け入れ制度というのは、上手に使えば物すごく日本の将来に貢献をすると思いますけれども、単純にお金を稼ぐ力があるとかそういった人が入ってくると逆効果になるということもある。本当にこれはもろ刃の剣の部分があると思いますので、そこのあたりの管理といいますかコントロールを法務省にはぜひともしっかりしていただきたいというふうに思っております。

 ほぼ時間が来ましたので、私の質問はこれで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

江崎委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

江崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。遠山清彦委員。

遠山委員 公明党の遠山でございます。

 大臣は今予算委員会ということで、戻られましたらぜひ大臣にお聞きしたい質問がございますが、それまで、副大臣中心によろしくお願いいたします。

 まず一問目は入管局長でお願いしたいんですが、法律の改正案に入る前に、一問、入管の所管の関連で質問させていただきたいと思います。

 五月二十二日、衆議院の本会議で、改正行政不服審査法が可決をされました。これは総務委員会所管の法律でございます。

 入管局長も御承知のとおり、これに対して、日弁連が翌日の五月二十三日に、行政不服審査法の改正については推進すべき立場であるが、改正に伴う関連法案の改正入管法に関しては部分的に撤回を求めたい、こういう会長声明を出しました。

 この中身は、もうこれは局長御存じのことだと思いますけれども、口頭意見陳述権を定めた改正行政不服審査法第三十一条一項についての例外規定のところが、これは拡大解釈をされて、今後の難民審査の中で運用が変わるのではないか、こういう解釈を日弁連がしているものですから、撤回してほしいということを言っているわけでございます。ちょっと具体的に言うと、今私が申し上げたこの例外規定が、行政不服審査法の施行に伴う調整の範疇を超えて、異議申し立て手続のプロセスと異議申立人の権利保障に重大な変更を加えると指摘をしているわけでございます。

 そこで、日弁連の懸念もありますから、それを払拭するということも含めて、まず局長にお伺いしたいのは、今回のこの改正、行政不服審査法の改正に伴う入管法の例外規定のところを根拠に運用を直ちに変えることになるのか、また、特に、具体的にここで出てきています口頭意見陳述権の後退はないのか、その点、確認をさせていただきたいと思います。

榊原政府参考人 お答えいたします。

 今回の改正案によれば、不服申し立ての審理に際して、御指摘のような場合には申立人に意見を述べる機会を与える必要がないことになりますが、現行制度におきましても、口頭意見陳述に立ち会い審尋をするか否かは難民審査参与員の判断に委ねられていることから、今回の改正によって、運用面における実質的な変更はないものと考えております。

 すなわち、現行法上、異議申立人の口頭意見陳述の手続を主宰するのは、現在は難民調査官であり、難民審査参与員は、この手続に立ち会い審尋することができるにとどまっております。つまり、難民審査参与員が必要性を認めなければ口頭意見陳述に立ち会うことはなく、難民審査参与員が異議申立人の口頭意見陳述を聞かない場合があるという意味におきましては、改正法も現行法も異なりません。

 むしろ、改正法は、これまでの運用も踏まえ、難民審査参与員が異議申立人の口頭意見陳述を聞かなくてよい場合の要件を具体的に規定する意味を持っていると考えております。しかも、審理手続の主宰者が、難民調査官、入管の職員から難民審査参与員にかわりますので、後退することはないというふうに考えております。

遠山委員 ありがとうございます。しっかりその点を確認させていただきたいと思っておりましたので、今の答弁でとりあえず了としたいと思います。

 次に、副大臣にお伺いをいたします。

 今月二十三日金曜日に、外国人材受け入れ等の問題につきまして、四人の参考人から意見聴取をして、議論させていただきました。参考人からは、高度外国人材の受け入れを拡大する政府方針については賛意、賛成の立場が示されました。ただ、そのためには日本側の生活環境の改善が不可欠という強い指摘がございました。

 これは、副大臣も国際派でございますから御承知のとおり、日本社会において、例えば英語の表記の普及拡大につきましても、鉄道やバス等の公共交通機関は大分進んでまいりましたが、外国の方が日本で暮らすということを考えますと、病院、学校、スーパー、コンビニ、家を契約するときの不動産業者、それから税を納めるときの税務署、こういうところで英語表記が全くないところが東京ですら多い。地方に行くとほとんどない。スーパーとかコンビニに行っても、英語表記がありませんから、どこに何があるか探すだけで一苦労だ、こういう声があるということでございます。

 今回の法改正で、高度専門職第一号、第二号を創設して、後者については、第二号については無期限の在留資格を付与するという制度の導入は基本的に歓迎をしたいと思いますが、これは生活環境の改善が担保されなければ余り実効性の高い話にならない。つまり、制度はつくったけれども、来る外国の高度人材は余りいなかったねということにもなりかねないのではないか。

 もちろん、これは法務省だけではできません。政府全体で取り組まなければならない課題だというふうに思っております。制度は法務省が中心につくるわけですけれども、生活環境の改善は政府全体で取り組まなきゃいけない。それに向けてどのような働きかけを法務省としてされているか、副大臣の御見解を伺いたいと思います。

奥野副大臣 どのような働きかけをしているかと言われると、ちょっと詳しくはわからないんですが、いずれにしても、高度専門職二号という、きょう皆さん方に御審議いただいている法律でありますけれども、午前の話を聞いておりまして、非常に皆さん方の方がよく研究されているなというような感じを持ちました。

 ただ、これはどうやってつくってきたかといいますと、永住者の在留資格をもう少し緩めてくれというリクエストから発生した法律でありまして、これがいいだろうということで御提案しているわけでありますが、周りの環境を見てみますとどうも、オリンピックが来るぞ、さあ、人をどんどん入れていこうや、あるいは、労働年齢人口が減ってきている中で、人が足らないから、日本人の職よりも外国人に職を与えちゃえと、ちょっと乱暴な感もなきにしもあらずでありまして、外国人なら誰でも積極的に入れよう、使おうというのはちょっと行き過ぎというふうに私は思います。

 特に、今、日本の領土を虎視たんたんと狙っている国がありますから、そういったところの人たちを高度人材に限って入れようとすると、そういう人が一番危ないんですよ、思想的には。西田さんと私と同じだと思いますけれども。そういう意味で、法務省の仕事の責任は非常に重い、私はそう思っております。

 したがって、一旦入ってしまうと、これが日本から出国しなかったといったときには、この人たちを突きとめるのが非常に難しい、時間がかかる、こんなことで、今まで我々の役所もあるいは警察も大変な努力をして、七、八年前は三十万人もいた不法就労の人が今や六万人にまで減っているわけでありますけれども、これからは逆に、一旦入ったらその人たちとともに生活しようという姿勢を貫くことが大事だろうと思います。したがって、入るときにはきっちりと審査をさせていただくという姿勢をつくっていった方がいいんじゃないのかな、こう思います。

 私も実は四年間ロサンゼルスにいました。そのときに何が不自由しなかったかといったら、うちのかみさんは日本語で四年間通したんです。

 ということは、さっき、スーパーが英語でと言われたでしょう。私どもがあっちに行くと、日本語が書いてあるわけです。それから、しゃべれる人は日本語をしゃべってくれるわけです。それから、レジも、何百何十何ドル、こうやってしゃべってくれるわけです。そういう環境をつくり上げていくことが、やはり本当にグローバル世界に向けた日本というふうに言っていただけるんだろうと思います。

 いろいろな具体策はあると思いますけれども、一番大事なことは、表記よりも何よりも、日本人が英語をしゃべるということだろうと思いますよ。そういう日本をつくり上げていくということが大事であって、先ほどの私の例を言いますと、私は四年間いたんですけれども、私はアメリカの年金を受給する資格があるんです。そういうこともやはり考えていかなくちゃいけない。

 だから、これは、幅広く、役所がどこがリーダーになって全体をまとめていくかということを考えなくちゃいけないと思いますけれども、まだそこまでは進んでいないと思いますから、私も、事務方に言って、そういうことができるようにしていきたいなというふうに感じているところであります。

 今申し上げたこと、必ずしもそんなに難しいことじゃないと思います。英語をしゃべれなければ世界から取り残されるという意識をつくっていくことが大事だろうと思うんですね。そんな国づくりをしていくことがこれからの日本の課題かな、こんなふうに感じているところでありまして、特に一番大事なのは、一緒に入ってくる奥さんや子供さん、その人たちが、生活しやすい国だなというふうに言ってもらえるような環境づくりが必要だろうと思います。

 精いっぱい法務省として頑張ってやりたいというふうに考えておりますけれども、逆に、一番心配なのは、一旦入ってしまえば甘いということを言われないように、これはさっきから事務方とやり合っておるんですけれども、五年に一回か十年に一回ぐらいはチェックをした方がいいというふうに感じるんですよ。学校の先生でも判事さんでも、何年かに一回は資格審査をしているわけであります。だから、入った人がどこにいるか、何をしているか、それは定期的にチェックをする方が日本の社会の安定化にはつながると思います。

遠山委員 ありがとうございます。

 副大臣と同じような懸念は参考人からも出ておりました。入れるときに余り甘くしてはいけないという話と、入れてからも何らかのチェックが必要だというのは、私はこれは当然のことだというふうに思います。

 副大臣も、私もイギリスに六年住んでおりましたので、その点でも、語学という面では認識を共有するわけですけれども、やはり、日本の場合は、アジアの他の諸国、私も大体ASEAN諸国は全部回ってまいりましたが、英語を使うニーズが余り社会にないんですね。

 私、実は、国会議員になる前職は、九州の宮崎国際大学という、全ての授業を英語で行う大学で教鞭をとっておりました。ですから、私の教え子というのは本来英語は、英語だけで授業を四年間受けますから、べらべらなんですけれども、数年たって会いますと、みんなさびてくるんですね。それはやはり大学を出た後の就職先で英語を使う必要がないので忘れちゃうということもあります。

 そういう中で、きょうはこのお話ばかりすると次に行けませんのでいたしませんけれども、企業の中には、社内の会議を英語でやる、こういうところも出てきましたので、民間それから官の側でいろいろな努力をして、やはりニーズがないと、使う場面がないと語学というのはなかなか定着しないということで、法務省の中でも、副大臣を中心に英語の会議でもされてもいいのかなと今伺って思った次第でございます。御検討ください。

 さて、入管局長に再び伺いますが、今の副大臣のお話にちょっと関連があるんですけれども、今回の高度専門職の在留資格を付与される外国人については、永住許可に必要な在留歴が、通常は十年のところを五年間という優遇措置が適用をされることになっております。

 これに対して、そもそも論的な御懸念として、永住許可というのは不可逆的措置であり、在留者の活動内容にも制限がないという特徴がございます。そうしますと、ちょっと考えにくいんですが、例えば、高度人材として外国の方を受け入れて五年たちました、それで本人が永住許可申請をして永住許可を取った、ところが、その方はその後単純労働者になることが可能になっちゃうんですね。

 これは、副大臣、にわかにはちょっと、大学の教授で入ってきた人が六年後にマクドナルドの店員だったということは余り考えにくいんですが、ただ、理屈の上では、一旦永住許可を取っちゃうと、その永住許可を取るまでは高度人材としての職業にいなきゃいけないんですが、永住許可を取った後は何でもできる。いや、別にマクドナルドの店員がいけないと言っているわけじゃないんですよ、単純労働者になることが可能だと。

 それから、先ほど副大臣からは、私はアメリカの年金があるんですとおっしゃったんですが、うらやましいんですね、私、イギリスの年金がないものですから。永住者は生活保護の対象にもなり得るんですね、この場合。そうすると、五年間日本に高度人材で暮らしただけで永住許可を取って、その後、何らかの理由で、日本の生活保護をもらい続けながら生きるということも可能になってしまう。

 こういうところについて、本当にこれでいいんだろうかという声がありますが、これは入管局長、どういうふうに整理をしておられるのか、お答えいただきたいと思います。

榊原政府参考人 委員御懸念の点につきましては、高度人材は、高度の専門的な能力を有する研究者や技術者、経営者等の人材でありまして、そのような能力を企業や研究機関等から請われて我が国に来てくださった方々ですから、そうした方々が専ら単純労働に従事したり、さらには生活保護の対象となりながら我が国に居続けるということは、一般的には多く想定されるものではないと思われます。

 他方、在留資格、高度専門職で在留する方からの永住許可の申請に対しましては、独立の生計を営むに足りる資産または技能を有することという永住許可の要件に照らしまして、継続的な独立生計維持能力等の点について慎重に審査させていただき、永住を許可した後に直ちに生活保護を受けるようなことなどがないように適切に対応してまいりたいと考えております。

遠山委員 ありがとうございます。

 もちろん私も、高度人材として受け入れた外国の方が、永住許可を取った瞬間に、何か今想定しているようなことをされる方というのはほとんどいないとは思うんですね。ただ、法律の規定上それは不可能ではないということは行政当局で意識をしていただいて、先ほど副大臣もおっしゃっていましたけれども、定期的に、入国をし、かつ永住許可を取った方々についても、余り規制をかけてはいけないと思います、外国人にとってディスインセンティブになりますから。他方で、少し状況を把握できる仕組みというか体制は持っておられた方がいいのかなと思います。

 さて、大臣が戻られましたので、大臣にお聞きしたい質問、ちょっと今法案の流れとは無関係でございますが、きょうは、お手元に資料をお配りしている問題一点について御質問をさせていただきたいと思います。

 先日、私の事務所に、在日韓国人良心囚の名誉回復を求める会という在日外国人の方々が来られました。

 資料の一にありますが、これはどういう意味かというと、名前は英文字にしてありますけれども、十七名の方のリストなんですね。

 一言で言うとどういうことかというと、一九七〇年代から八〇年代にかけて、在日韓国人の方が韓国に留学とか仕事で行った際に、当時、朝鮮半島の南北関係が緊迫していた中、北朝鮮のスパイとして逮捕、投獄をされて、短い人で二年四カ月、長い方は十四年十カ月も韓国の刑務所で服役をしていた方々でございます。後でも申し上げますが、ここで挙げた十七名の方々は全員、今日まで無罪が韓国の方で確定をしているわけでございます。

 ところが、何できょう私、委員会で取り上げているかといいますと、長い期間韓国で服役をした、しかも、今は無罪とわかっていますから冤罪です。冤罪で服役をした結果、当時は日本に帰国できませんでしたから、いわゆる日本における特別永住資格を失ってしまったんですね。端的に彼らの要望を言うと、資格を回復できないか、特別永住者としての資格を回復できないかという要望でございます。

 実は、これについてもう一枚の資料を見ていただきたいと思います。

 法務省入国管理局参事官室のクレジットがついて、これは民主党政権のころですかね、平成二十四年七月に、要望しているある方にこういう通知を出しております。時間の関係もありますので全部読むことはいたしませんが、結論から言うと、なかなか資格を回復するのは困難だということを言っています。ただし、段落の二番目の最後のところで、「当面は、韓国における再審を含めた手続の進捗を見守ることとし、全体が決着した段階で、日本側の対応を検討することが適当と考えている。」つまり、一言で言うと、今は見守りますとこの時点では言っているわけでございます。

 そして三番の方は、では、どういう対応があり得るのかということを少し詳し目に示唆しているわけですが、最後の三行を見ていただきたいんですけれども、「この附則第六十条第三項全体の検討を進める中で、これらの人たちについて、事情に応じてどう対処していくのかということについても、これからの課題として検討してまいりたい」と。「検討」が二つ続いております。ただ、この時点では、待ちになっています。

 大臣、資料一に戻っていただきたいんですね。実は、この参事官室の紙が出たのは、このリストで無罪が確定した日付のところを見ていただきますと、ちょうど、数字で言うと七番目の方、七番目の方と八番目の方の間のときに出た通知なんです。二〇一二年の七月にこの通知が出ております。私がきょう申し上げたいのは、この八番から十七番までの方々が、実は、この通知が出た後に韓国で無罪が全部確定をしている。

 私、ちょっと韓国の外交、政府筋にも確認をしたんですが、国家として、こういう無罪が確定した方々については、これは謝罪をし、そして、在日韓国人でございますから、この方々の特別永住者としてもともと持っていた資格の回復についても、ぜひ日本政府の配慮をいただきたいというふうに言っているわけです。もちろん韓国の側で勝手に捕まえたわけですから、これは我々の方で考慮すべき事情じゃないかもしれませんが、ただ、捕まって投獄をされた在日韓国人の方々は、一人として自分の意思でそういう状況になったわけではないということでございます。

 よって、要望のような、質問のようなお話になりますが、大臣、そろそろ、この通達が出てからもうこれだけの方々が無罪が確定をし、そして、私、このリストに載っている全ての方を個人的に存じ上げているわけではありませんが、日本で生まれ、日本で暮らし、納税もし、社会貢献もされている方も多いわけでございまして、ぜひ、この参事官室の通達で言っていた、彼らの特別永住者としての資格回復に向けた検討を法務省として始めていただけないかと要望申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 今、遠山委員おっしゃったことは、私も事務方から説明を受けまして、これまでの経緯については大体わかりました。

 そこで、晴れて韓国の再審で無罪になった方々に対して、特別永住者の地位の復活を認める救済措置、いろいろ尋ねて、事務方とも議論しましたが、現行法のもとでこれを認めるのはなかなか困難があるなと率直に感じております。

 ただ、今委員がお話しになったように、配慮しなければならない、酌むべき事情というのがあることもこれは間違いない。このまま放置していいのかということですね、結局。

 そこで、私も、いずれにせよ、どういう措置をとることができるのか、改めて、最も適切な方法について真摯に検討せよと指示をしたところでございますので、できるだけ急いで結論を出したいと思います。

遠山委員 大変ありがとうございます。

 そういう方向でもう大臣が指示を出されたということでございますので、また、検討結果が出る中で、私も公明党の法務部会長として、できる限りの努力をして、この資格回復を実現したいと思っております。

 残り時間が五分になってしまいました。

 私は、法案についての残りの質問が何問かあるんですが、ちょっと途中を割愛させていただいて、最後の質問を、法務省の入管局長と、文科省の、きょうは加藤国際統括官が来られていますので、伺いたいと思います。

 今回の法改正で、実は、在留資格の留学にかかわるところが一部変わっております。今回の改正案には、留学のところに、小中学校において教育を受ける活動というものが追加をされております。これは、文字どおり読めば、日本の小中学校に外国からの留学生の受け入れを認めるということでございます。

 普通、小学校、中学校に外国人の子供というと、大体、私の今までの政治家の現場での活動でいうと、ホームステイで、姉妹交流都市間で、短期間来る、その子供が短期間日本の学校に顔を出すという事例は私すぐ思い浮かんだんですが、どうも今回の改正はそうじゃないんですね。大学生がまさに留学をするような形で、日本の小中学校に外国人を受け入れよう、外国の子供ですね。ということは、必ずしも親が同行しない形もあり得るということで、しかも、小学校、中学校に来るということは長期留学になると思います。

 私は、これは、確かに学校現場の国際化ということに大きく寄与すると思いますが、外国から親なしで留学生として日本の小中学校に来るということを考えますと、生活面や安全面など、運用面での課題は尽きないと思います。

 よって、今回の改正を実施するに当たりまして、法務省として、また文科省として、どのような受け入れ準備をされているのか、されようとしているのか、伺いたいと思います。

榊原政府参考人 外国人の小中学生に留学の在留資格を付与する基準につきましては、今後、関係行政機関と協議した上で、法務省令で定めることを予定しております。

 委員御指摘の親が同伴しない小中学生の生活支援及び安全等の確保は、当局としても重要なことと考えており、留学の在留資格を付与された小中学生がそれぞれの教育機関において教育を受ける活動を確実に行うことができるよう、寄宿舎や生活指導員などの教育機関の受け入れ体制に係る基準を設けることや、我が国での保護者または監督者の要否を含めまして、文部科学省とも十分に協議した上で、適正な基準を設けることとしたいと考えております。

加藤政府参考人 委員御指摘のとおり、今回の改正がされますれば、学校現場の国際化にも寄与することが期待されるものでございます。我が国の児童生徒が広い視野を持って、異なる文化を理解して、異なる文化を持った方々とともに生きていく資質、能力を育成する上で非常に有意義なことであるというふうに考えております。

 ただ、その際、新たに単身で留学できることとなる小中学生につきましては、これまで認められておりました高校生、大学生以上に比べまして、御指摘のとおり、生活支援、安全等の確保がより一層重要であるというふうに認識しております。

 したがいまして、文部科学省といたしましては、留学の在留資格を付与される小中学生がそれぞれの我が国の教育機関において教育を受ける活動が安全かつ確実に行うことができますよう、現場のニーズも踏まえながら、寄宿舎や生活指導員などの教育機関の受け入れ体制ですとか、我が国において保護や監督を行う者の要否も含めまして、適正な基準の設定に向けて、法務省と十分協議してまいりたいというふうに考えてございます。

遠山委員 私は、小学生はわかりませんが、中学生のレベルでアジアの別の国から日本の中学に来ようという流れが急に大きくなったりする可能性は将来的にないとは言えないというふうに思っておりまして、今、入管局長とそれから文科省の幹部の方にお話しいただきましたが、ぜひ、できる準備は万端に、遺漏なくやっていただきたいということを申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

江崎委員長 次に、田嶋要委員。

田嶋委員 民主党の田嶋要でございます。

 どうぞよろしくお願いします。

 今の遠山先生の前半、あるいは午前中の質疑者で質問が重なりましたら、あらかじめおわびを申し上げます。同じフロアの経産委の理事をやっておりますので、申しわけございません。

 それでは、きょうは入管法ということで、大変大事な法律だという認識でございますが、特に、国際化の中で、そして、これからの成長戦略の中で、いい人はいっぱい入れたい、だけれども、それに伴って心配もいろいろ膨れ上がるという悩ましい問題だろう。そして、やはり国にとってのゲートキーパー的な法律でございますので、世界の情勢の変化、そういったことを敏感に受けとめながら適宜適切に改正もしていかなきゃいけないんだろうというふうに、まず総論として感じておる次第でございます。

 特に、世界の動きをよく見ること、それから、日本のルールと世界のルールは必ずしも一致しておりませんので、そのギャップに関しても受けとめながら、きょうは質問させていただきたいと思っております。

 まず最初に、高度専門職の部分でございます。

 新たに在留資格として高度専門職ということで、こういう人たちはいっぱい来てほしいということで、これは民主党政権のときからの流れでもあり、かつイギリスのそういう制度を参考にさせてもらったということも聞いておりますけれども、優遇措置を受けられる配偶者ということに関しまして、これはどういう定義の配偶者なのか、まずその点を御答弁いただきたいと思います。

榊原政府参考人 お答えいたします。

 入管法上、配偶者として在留資格を認めるには、それぞれの国籍国におきまして法的に夫婦関係にあり、配偶者として認められていることが必要であるとともに、我が国におきましても配偶者として認められるようなものであることが必要であると考えております。

田嶋委員 婚姻関係にある、そういうことでいいですか。はい。

 今お配りしましたお手元の資料をごらんくださいませ。一枚でございますが、上のAでございます。

 改めて国際的な状況を調べてみました。これは、合計特殊出生率の議論のときに、フランスなどは特殊出生率が非常に高い、その理由として多くの婚外子がいるんだという話を聞いていたものですから、改めてとってみましたが、これが最新のデータ、そんなに新しくもないですが、最新のデータでございます。

 これは、斜めに線を引いてあって、その右側の下の三角にどこの国も入らないということは、すなわち、横軸である一九八〇年に比べて、縦軸である二〇〇八年の方が、婚外子の割合が全ての国で上がっているということを意味しております。

 日本はどこかというと、一番下の一番左、〇・八から二・一、すなわち、全ての子供たちのうち〇・八%だったものが二・一%に、やはりこの日本でも婚外子の比率は上がっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたフランスは、一番上、一一%から五二・六%と、ある意味で激増しておるわけでございます。私は、昔、こんなに低かったということも逆にびっくりしておるわけでございまして、オランダなども見ていただきますと、フランスのすぐ下、かつて四・一%の婚外子が今四一・二%、こういうような状況にある。

 これがいいことかどうか、副大臣は顔をしかめておられますけれども、いいことかどうかは別、これが世の中の現実なんだということで私も非常に驚くわけでございますが、こういう大きな世界の流れの中で、私たちは、優秀な人々、外国の人に日本にもっと来てもらって、成長戦略のお役に立ってもらいたいという期待があるのならば、日本のルールにこだわってみすみすいい方を見逃してしまうのは、私はちょっとどうかなという感じがいたしておるところでございます。

 そこで、この高度専門職の優遇措置を受けられる配偶者に関しては、この現在の状況を見たときに、先ほどの御答弁のようなルールを適用しますと、恐らく、半分以上というかほとんどの配偶者はそういう優遇措置を受けられないという現実が、これは先進国はもうほとんど、かなり高いわけでございますから、そういう状況になってしまうのではないかな。

 日本の中だけにいて住んでいると、何となくそれは非常に例外的な感じがしますけれども、私も住んだことはありませんが、フランスにいれば、むしろそちらがルールというか、半分以上がそうなっているわけでありますから。

 そういうところも、この制度を導入したときには、あるいはポイント制を導入したときには、配偶者というのはそういう考え方かもしれませんが、今回改めてこういう新たな在留資格を設けるに当たって、もう少し幅広く受け入れるようにして、すべからく優遇措置を受けられるようにしてはどうかなと私は思っておりますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 これは、入管法上、配偶者として在留資格を認めるには、その国籍法で法的関係にあって配偶者として認められていることが必要である、それとともに、我が国においても配偶者として扱われるようなものであることが必要だ、一応そのように考えております。

 こういう観点からいたしますと、同性婚の相手や事実婚の相手は、入管法上は配偶者に含まれない扱いとなっておりますが、午前中もいろいろ御議論がございましたけれども、これらの者についても、同行する人物とともに在留を認めるべき間柄にあるケースなど個別の配慮を必要とするものについては、特定活動の在留資格を与えるなどして、個々のケースに合った扱いをなし得る、このように考えております。

田嶋委員 お気持ちはわかるんですけれども、ちょっと苦しい感じもしますね。

 私も、例えば同性婚と婚外子を同列に扱うのも、日本人として、またそれもちょっと悩ましいななんと思うんですが、自分の個人的見解としてはですね。少なくとも、この婚外子の割合を見ると、どっちが例外でどっちが原則か。そのうち逆転してくるわけですね。だから、これは近い将来考えていかないと、これがボトルネックになって、そういうふうに日本では差別されるんだってというような評判が立っては、本当に高度な人材も、やはり日本は、やはりあそこの国はという話に逆になってしまう心配も私は考えております。

 これは、日本人に対するルールを変えるという話じゃありませんから、日本に入ってくる外国の方、どういう方を受け入れるかという基準の話でございますので、ここは問題提起として申し上げさせていただきたいと思います。

 その次に、同じく在留資格の関係でございますが、高度専門職の活動の有無、これは具体的にはどのようにして判定するのかということを御答弁いただきたいと思います。

榊原政府参考人 高度専門職の在留資格をもって在留する外国人には、所属機関等に関する届け出義務が課されており、所属先の企業等から退職や転職などをした場合には、法務大臣にその旨届けなければならないこととされております。

 また、高度専門職の在留資格をもって在留する者を受け入れている本邦の公私の機関は、法務大臣に対し、当該外国人の受け入れの開始及び終了等に関する事項を届け出るように努めることとされているほか、外国人を雇い入れた事業主は、雇用対策法に基づき、その外国人の雇用状況について厚生労働大臣への届け出義務が課されており、厚生労働大臣は、法務大臣から、入管法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のための求めがあったときは、届け出に係る情報を提供するものとされております。

 また、法務大臣は、届け出の対象とされている事項につきまして、入国審査官、入国警備官などに事実の調査をさせることができ、その調査のため必要があるときは、入国審査官または入国警備官は、関係人に対し出頭を求め、質問をし、または文書の提示を求めることができるほか、公務所または公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができます。

 なお、仮に外国人本人から所属機関等に関する届けがなくても、関係行政機関や一般国民から提供を受けた情報を端緒として、この事実の調査を行うことも可能でございます。

 入国管理局では、このような手段によって、高度専門職をもって在留する者の活動実態を把握することになります。与えられた在留資格に基づく活動を行っていない場合には、在留資格取り消しの対象となりますところ、こうした把握した活動実態に基づき、高度専門職としての活動を行っていないことが判明した場合には、その正当な理由の有無を当局においても検討いたしまして、在留資格を取り消すかどうかを判断することとなります。

田嶋委員 もう一点お伺いしますけれども、一定の外国の資格による加点ということがございますが、具体的にはどういう資格を想定されておりますか。

榊原政府参考人 高度人材ポイント制におきましては、外国人が従事しようとする業務に関連する外国の資格や表彰等で、イノベーションの創出の促進に資するものとして関係行政機関の長の意見を聞いた上で法務大臣が認めるものを受けるなどしていた場合には、ポイントが五点加算されることになっております。

 現在、ポイント加算の対象となっている外国の資格や表彰などとしては、国際会計検定、米国公認会計士、一定の国、地域の外国弁護士資格のほか、国際的なデザイン賞などがあり、これらは入国管理局のホームページ上でも公表しております。

 今後も、制度を運用する中で、特別加算の対象として追加すべき外国の資格などが明らかとなるなどの事情があれば、見直しを行ってまいりたいと考えております。

田嶋委員 私も、きのう、資格の話を伺いまして、非常に限定的ですね。今お話ございました、米国公認会計士、それから特定の国の弁護士資格ということになっておるわけでございますが、私は、日本のこれからの成長戦略にどういう人たちが本当に活躍してもらえるかということを考えたときに、本当はもう少し間口を広げた方がいいのではないか。例えば、肩書によっては、もうそれだけでも高度人材というふうにみなしていいのではないか。

 そして、今御提案していただいている法案の制度設計では、三カ月ごとにチェックを入れるのが最初の類型であって、そして、第二類型になると今度は六カ月ごとにチェックをする。つまり、六カ月のうちの一日だけそういう仕事をやっていてもいいということを言っておるんだろうというふうに思います。

 私は、そのときそのときに、いつも高給取りの仕事をしている人たちだけが本当に日本の成長に資する人ではなくて、むしろ、さまざまな可能性に挑戦をしてくれる人、例えばクール・ジャパンで、京都で長屋を経営しているような外国の方なんかもいらっしゃいます。そういう方が、この日本のすばらしさを、全国を放浪してもらって、あっちからこっちに旅をしてもらったっていい。そういう方々が日本のすばらしさに気づいて、日本に居ついて、日本で何かNPOをやろう、企業をやろう、こういう人をいっぱいふやした方が本当に日本のためなのではないかなと。

 そういうことから考えますと、今回のこの法案の中に、チェックを入れる具体的な方法、あるいは期間のこと、それからこういうポイント制ということが書いてありますが、今後本当に日本のためにプラスになってくる人ということをもう少し幅広くこれから受けとめていく方が私はいいのではないかというふうに考えておりますが、大臣の基本的な考え方を聞かせていただきたいと思います。

谷垣国務大臣 確かに、日本のために何が一番働いてくださる方かというのはいろいろな考え方があると思いますね。ただ、今、田嶋委員はあちこちを放浪してとおっしゃいましたけれども、放浪というと私もちょっと答えにくいなと思います。

 ただ、先ほどどなたかにも御答弁をいたしましたけれども、やはり日本のいろいろなよさというものがあるわけでございまして、日本はそのよさを世界に発信していく必要がある。

 私は留学したことがないからわかりませんが、留学すれば、やはり留学した先の日本と違う文化というものを理解していくということが大きな要素ではないかと私は憧れて見ていたわけですが、この高度人材についても同じように、やはり日本の文化や慣習をよく理解していただいて、それをまた外に伝えていただくような役割というのは、私は大いに期待してしかるべきなのではないかと思います。

田嶋委員 高学歴で高給取りの人だけを高度専門職とか人材とかと言うのは、いささか私は狭い感じがいたします。やはり、若い人には特に旅をしてもらって、日本を発見してもらうということが私は大変大事だというふうに考えております。

 それでは、もう一点だけこの点に関しまして、高度専門職とか高度人材とか、余りそういう言葉は、本当はよくないんじゃないかなという気も私はするわけでございますが、では一方で、高度ではない人材というのは当然概念上あるんだろうというふうに思います。

 実際には、地元でも、やはり今、現場の人が足りないという話をよく企業の方から相談されるようになりました。これは建設関係だけではございません、板金の社長さんからもありました。そういったところに対してはどういうふうに対応していくのか。

 これは今も大きな問題になりつつありますが、法務大臣の目から見て、今回は高度人材に関しての法改正でございますが、いわば高度人材に当てはまらない方々も、本当に今、人が足りないということを言われております。一方、外から入れる前に、日本の国内の女性の活躍の方がもっと大事なんだという考え方も当然あるでしょう。法務大臣はどういうお考えですか。

谷垣国務大臣 一番基本的な考え方は、やはり高度な能力を持った方には、日本に来ていただいて、日本に刺激を与えていただきたいと思っておりますし、単純労働力については、余り簡単にぱっと扉をあけるのは私はよくないと思っております。

 一応そういう大きな流れの中で、確かに今は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、それから復興の方の需要もいろいろございまして、労働力不足だという声が強い。やはりこれも何とかしなきゃいけない。しかし、これについては、いわゆる技能実習の中でやれというお声もありましたけれども、それは本来、技能実習の目的からして、そこだけにそれを押しつけていくのは私は無理だと思いました。そこで、特別な監理体制のもとで、それをつくりまして、特定活動の在留資格によりまして、技能実習を終了した外国人を、二年ないし三年入ってきていただいて、そういう需要に何とか応えていきたい、これが一つでございます。

 それからもう一つは、介護の分野でもこのごろ人が足らないというお声が強い。だけれども、今まで日本は、いわゆる経済連携協定できちっと枠組みをつくって入っていただく以外のことは認めてきてはおりませんでした。しかし、これから高齢の方もどんどんふえていくときに、よくよく状況も見ながら、もちろん、状況を見ながらということは、先ほど田嶋委員がおっしゃいましたように、日本の中でもそういう介護等々の仕事をしておられる方もある。

 それから、ちょっともとに戻りますが、先ほどの建設のような場合は、長い間公共事業を削減してきた中で、随分建設業も人を解雇したり労働力を減らしてきた。少し、日本の国内の労働力、そういう方たちに職場を提供するという努力も私は必要なのではないかと思います。

 それから、今の介護のような場合も、やはり日本の国内の他の介護人材の雇用の情勢。それから、もう一つ言えますことは、やたらに低賃金で使うというようなことになっても、国際的な問題になりかねない。そういう事情をよく見て、日本の介護福祉士の就労状況等も踏まえながら、これは検討を進めていくことかな、このように思っております。

 それから、最近よく言われますのは、女性の経営者のような方から、ベビーシッターといいますか、要するに家事労働を手伝ってくれる、昔の言葉でいえば、我々が子供のころ聞いた言葉でいえば、女中さんが欲しいという、もう余り使わない、死語でございますが、そういう御要請が非常にありまして、政府の経済財政諮問会議、それから産業競争力会議でもそのような提言が行われて、また国家戦略特区諮問会議でも民間議員からそのような要請がある。

 しかし、これもやはり、そういう人材を必要とするニーズ、つまり、外国の方を家事労働になると家の中に入れるわけですし、そういったニーズをどのぐらい感じておられる方があるのか。それから、適正な就労環境というものをやはり考えていかなきゃならない等々の、政府全体での労働政策としての、入管行政だけの範囲で考えてはいけないと思います。

 総じてこの問題は、当然、我々法務省として仕事をしていかなきゃいけませんが、法務省の入管政策というだけの切り口でやりますと全体がよく見えない、やはり政治全体の中で判断をしていくという姿勢が必要ではないかと思っております。

田嶋委員 三点、四点のいろいろな手段、手法のことをお話しいただいたと思いますが、最初の御指摘のあらゆる業種に共通という意味では、今の在留資格、研修ですか、研修制度の発展系としてふやしていくことができる、一点目に関してはそういう理解でよろしいですか。

谷垣国務大臣 発展系と申しますか、技能実習は技能実習として、技術移転による国際貢献だということをやはりよく踏まえないと、要するに、単純労働が必要だから、技能実習でちょっと使いやすい人がいるからそれでやってくれというのは、技能実習制度に過重な負担がかかってくる。だから、先ほど申し上げたことは、一応それを踏まえながらも、別の枠組みをやはり考えるということだと思います。

田嶋委員 先ほどは技能実習を終えた人がという話をされましたから、そういう意味では発展というか、その先ということでよろしいですね。(谷垣国務大臣「はい」と呼ぶ)はい、かしこまりました。

 コメントとしては、私、たまたまフィリピンに住んでおったのでよくわかるんですが、例えば看護婦のことなんかも、現地のフィリピンの方々がどういう病院でされるかとか、あるいは介護の世界でも、日本人で退職後にフィリピン等に移り住んで介護を受けておられる方は大勢いらっしゃるんですね。やはりそこにはすばらしいものがあると私は個人的に思っているので、おっしゃるとおり、やはり現地を見に行くことは、国内外関係なく、大変大事じゃないのかなと。

 それから、最後に御指摘された、お手伝いさんというんですか、その関係でも、私もフィリピンに住んでいて、帰国するときに、私の隣人のイタリア人とかは、フィリピン人のメードさんをそのまま全部本国に連れていくんですよね。世界じゅうで連れていけないのは日本だけだと当時も聞かされまして、ああ、そうなんだというふうに認識したことがあります。ただ、日本に連れてきても、どこに住まわせるのかなという感じがあるので、そんな簡単な問題ではないけれども、しかし、そういう状況もあるということをぜひ御認識いただきたいというふうに思っております。

 続きまして、クルーズに関してお伺いをしたいと思います。

 まず最初に、これは、安全性とか治安にかかわる問題とそれ以外の問題は、やはり線の引き方は違うと私は思っておりまして、まず前半、それ以外の部分でいいますと、たかだか七十二時間の楽しみのために、出口のところで二時間も待たされるというのは、私はあり得ないと思うんですよね。

 これはやはりいろいろな壁があるかもしれませんが、ちょっと今回の法改正も、半歩前進程度のような話でありまして、具体的には、手続を全て着岸前の船上で海上臨船審査として完了させることは本当にできないのか、そのことを相手国や船会社と相談して少し改善できないのかなというふうに私は考えておるわけでございます。これはどなたから御答弁いただけるんでしょうか。

榊原政府参考人 外国人の入国審査につきましては、旅券及び外国人の入国記録、EDカードというものをとっておりますけれども、その確認のほか、個人識別情報の提供を受けた上で要注意人物リストとの照合を行うなどして、その許否を判断し、処分を行う必要があります。

 御指摘のような、着岸前の船上で全ての手続を完了させることにつきましては、当局におきましても重要性について認識しておりますけれども、公海上の外国籍船内で個人識別情報の取得等の公権力の行使を行う必要があることから、現在、入国管理局におきましては、それを実現するための方策について検討させていただいているところでございます。

田嶋委員 その国に入るときにずっと待たされるのは陸上でも同じことで、大変フラストレーションがたまる話でございます。これは地域の自治体もそれを待望しているようでございます。それはそうですよね、一時間半も待たされたら、それだけお土産が売れなくなっちゃいますから。だから、やはり早く陸上に乗っけてあげる、十二海里足す十二海里の、その公海のところでやれるような仕組みというのをぜひとも研究していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

 ちょっと質問通告していないんですけれども、そういうふうにチェックした結果、何か問題があった人というのは今まで見つかっているんですか。それはどうなんですか。実際、そういう人はかなりいるんですか。

榊原政府参考人 クルーズ船の乗客でそういう問題があったかどうかについては、つぶさに調べておりませんので直ちにお答えできませんけれども、空港ですとかそういうところでブラックリストの照合ですとか指紋の照合をした場合には、そういう方が見つかるということはあり得ます。

田嶋委員 今質問していてちょっと気づいたので、そこの点は情報を後でいただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それで、クルーズにかかわってもう一問だけ。今回、船舶観光上陸許可制度の報告義務についてお伺いをいたします。

 法案によりますと、着岸するときには報告義務が課せられている。しかし、出発をする際には、入国審査官の要求があった場合のみ義務づけるということになっておるようでございますが、私はこれはひっかかるんですけれども、なぜこういうふうにしているんですか。

谷垣国務大臣 これは、クルーズ船の規模とか乗客あるいは寄港地、さまざまな事情があって、一律に全部報告を義務づけることまではないだろうということで今回の法律は一応つくっているわけですが、ただ、結局、治安や何かの点で、委員の御懸念は私はごもっともだろうと思います。

 実は、先ほど高橋委員からも同様の御質問をいただきまして、私は、当面の運用として、原則として、全ての指定旅客船の船長に乗客の帰船の有無について報告を求めることを考えているという御答弁を申し上げました。

 特に、幾つか港に入るような場合に、最終出港時における確認、これは極めて大事だと思います。ですから、最終出港時において、全ての指定旅客船の船長に乗客の帰船の有無について必ず報告を求めるという運用にしたい。先ほど高橋委員にお答えしたときは、原則としてそういう運用にしたいというふうにお答えしたんですが、最終的に出るときには必ず報告を求める運用を当面行っていきたい、このように考えております。

田嶋委員 ありがとうございます。

 そういうふうにしていただければ結構ですが、ちょっと気になったのは当面という言葉でございますが、それはずっとやっていただくということでよろしいですね。

谷垣国務大臣 当面と申し上げましたのは、いろいろ運用を見て変えていかなければならない点があるのかもしれません。さらに強化していかなきゃならないこともあるかもしれません。それを当面という言葉に込めました。

田嶋委員 さらに強化する方向での変化だったらいいかなと思いますが。

 もう一点。私は余り想定していなかったんですが、幾つか泊まるケースと、日本は一カ所だけ泊まっていくケースと、私はむしろそちらを想定していたので、そういう意味では、一カ所だけ日本で立ち寄る場合は、それが最終でありますから必ずチェックする、そういうことでいいですね。

谷垣国務大臣 結構です。

田嶋委員 私は、冒頭申しました、安全に関しては妥協してほしくないというのは、こういう話も原発事故も何でも同じだと思うんですが、もう一点ちょっと気になったのはPNRでございまして、今までAPIだけだったと言っております。要注意人物の選定をするのにAPIだけでは不十分だということですか、今回の法律改正は。

榊原政府参考人 入国管理局におきましては、これまでもAPI、事前旅客情報について、不法入国や不法滞在をもくろむ者など、出入国管理上問題のある者の身分事項に関する情報を把握し、ブラックリストとの照合を行うなどして、それらの者の入国の確実な阻止のために活用しています。

 これに加えまして、PNR、乗客予約記録を取得することによりまして、乗客に関するより多くの情報を入手することができるため、問題のある当人のみならず、その関係者も的確に特定し、その入国を一層確実に阻止することが可能となると考えております。

 例えば、ブラックリストに搭載されておりますブローカーが我が国に到着予定であることがAPIにより判明した場合、PNRを取得しまして、当該ブローカーに係る詳細な情報を入手できるとともに、当該ブローカーが連れてくる出入国管理上問題のある者を同行者として発見することが可能となります。

 また、過去の不法入国者等のPNRを分析することによりまして、出入国管理上問題のある者が利用する確率が高い航路、旅行代理店などをあらかじめ特定し、当該航路を運航する航空機の乗客に係る……(田嶋委員「委員長、質問に答えてほしいんです。私の質問に答えてください」と呼ぶ)

江崎委員長 簡潔に。

榊原政府参考人 はい。さらにそういった厳格な審査ができる情報を得たいということであります。

田嶋委員 さらに高めるということがPNRですから、今はそれより低い状況にある、つまり、私は不十分な状況が現状続いているというふうに思います。テロリストが入ってこなくてよかったなと私は思うわけでございますが。

 そこで、なぜ今回わざわざ改正するのに、しかも、関税法におくれること三年もたっていて、それも何でそんなにおくれているのか教えていただきたいんですが、何で、今回改正するのに、できる規定にとどめるのでしょうか。

谷垣国務大臣 今局長が御答弁いたしましたように、APIについては現行でも一律に報告を求めることができるわけですね。それに加えてPNR、これは求め得るということにしたわけですが、これはAPIでかなりカバーできる場合がございまして、必ずしも、それに加えてPNRによってさらに詳細な分析を行うことまでは必要ではないという場合も私はあるだろうと思います。

 そういうことで、一律にAPIを入手できることを前提とすれば、これは相当詳細で負担も重いことですから、このような体制でしっかり運用ができるのではないかと考えております。

田嶋委員 大臣、アメリカもそういうやり方をやっているんですか。きのう聞いていますよ、それは。

 だから、アメリカも、APIは義務化だけれども、PNRはできる規定というか、そういう形で運用されているんでしょうか。

榊原政府参考人 アメリカでもPNRの報告制度を導入していることについては承知しておりますけれども、具体的な規定ぶりについては、ちょっと今手元に資料がございませんので、正確なお答えができないところでございます。

田嶋委員 大臣、これは冒頭申しましたけれども、安全に関して妥協しちゃまずいんじゃないでしょうか。だって、テロリストは裏をかく仕事ですよね。想定外だと後から大臣に言ってもらっても、テロリストが入った後じゃ遅過ぎるんですよ。

 だから、これは、恐らくそうでしょうというのは、私もそう思うんですが、万々々が一の可能性を封じるのがやはり水際の仕事だと思いますよ。だって、大臣のところで抜けちゃったら、これはもうどうしようもないですよ。

 それは、APIだけで相当いいんでしょう。ただ、大臣も先ほど、かなりやれているんだという言葉をお使いになった。それは一〇〇%じゃないんです。それはもちろん、PNRが入っても一〇〇%じゃないけれども、やれることは全部やるというスタンスでいかないと。

 では、ほかの国をちゃんと調べてください。そして、本当に義務づけされていないんですか、どこの国でも。私がきのう説明を受けた中では、ヨーロッパなどは非常に個人情報に神経質で、EU指令がないと出してくれない、しかし、EU指令でちゃんと合意できていれば出してくれるんだという話を聞いております。

 そうしたら、やはりちゃんとそれは、できる規定なんかにせずに、原則として必ずAPIに加えてPNR情報もこれからとるようにしていただかなかったら、テロリストは裏をかく、私はそういう想定に立つべきだというふうに思いますが、大臣、いかがですか。

谷垣国務大臣 これは、私は、現状もAPIで、先ほどかなりという言葉を使ったかもしれません、カバーはできていると思っております。やはりそれで分析したときに問題があるというような場合には、先ほど局長も申しましたように、いろいろ、相当、PNRの場合には情報量も格段に違いますので、それを求める体制で私はいけると思っております。

 ただ、今委員の御懸念がございますので、やはり運用上はよく注意してまいりたいと思います。

田嶋委員 これから検討するというのはちょっと私は遅いと思いますね。そもそも、先ほど申しました、関税法は三年前にもう法改正しているんですよ。何でそのとき一緒にやれなかったのかときのうも聞いたんですけれども、よくわかりません。

 要は、今から考えるんじゃなくて、本当に何かあったらどうするのかということを考えたときに、関税法をそういうふうに法改正して、データはその辺で大分とれているんじゃないかというふうに私は思います。なおかつ、データ量が、こっちはボリュームが大変だからと言いますけれども、それも本当にそうなんでしょうか。航空会社が嫌がっているから、何となく、まあ、わかったという話にしているんじゃないのかなという感じもしますけれども。

 これは先ほどのクルーズの話と共通しますが、やはり、適当なところで落としどころを見つけてやるというアプローチで後で予想しなかったことが起きるということを、ぜひとも予見していただいて、早く手を打っていただきたいということをお願い申し上げます。

 最後に、自動化ゲートに関してでございます。

 こちらは安全性ということとはちょっと違うわけでございますが、今後入ってくる方がどんどんふえる、短期も長期もふえてくる、こういったときに、今、法務省、法務大臣はどういうお考えでいるのか。

 人員増が追っつかないということはこれから十分起き得るし、私もかねて、公務員の全体の数はともかく、この分野だけは削っちゃいけない、警察とこの分野はやはりすごく大事だから、それはむしろふやしていかなきゃいけないということを申し上げております。

 加えて、この自動化ゲート、これは大事なことですね、これはやっていただけばいい。ただ、その運用の仕方も、日本国内でしか手続ができないのでは、これはなかなか利用者はふえないんじゃないかな、わざわざ日本に来ているときにそういうことをやるのかなということで、私が一つお伺いしたいのは、これは今後どういうふうにお考えになっているか。

 こういう機械化によって人手不足を補おうとしているのであれば、出先である日本の大使館、例えばアメリカや中国やフィリピンや、人がいっぱい来る大使館あたりには、そういう端末か何かを置く形によって、自動化ゲートというものが出張っていくということ、そして日本に来る前にそういう手続を済ませられるような、そういう仕組みというのはつくっていくことができるのかどうか。そういう検討をしていただくことはできますか。

谷垣国務大臣 やはり、観光立国で、迅速に、円滑に入っていただくと同時に、水際はきちっと阻止するということになりますと、結局、人員と、もう一つはこういうシステム機器を整備していくということだろうと思います。

 ですから、こちらの方は迅速に入っていただいて、そこで手が余ったと言うといけませんが、余力をテロとかそういうところに回していこう、こういうことでございますから、今委員のおっしゃったこの利用拡大をどうしていけるかというのは、知恵を絞らなければいけないんだろうと思います。我々の方でもしっかり議論して、うまく利用が拡大していくようにしたいと思います。

田嶋委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 質問を終わります。

江崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江崎委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんでしょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江崎委員長 異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

江崎委員長 次回は、来る六月四日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十七分散会


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