衆議院

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第12号 平成18年5月16日(火曜日)

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平成十八年五月十六日(火曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 稲葉 大和君

   理事 岡本 芳郎君 理事 梶山 弘志君

   理事 原田 令嗣君 理事 二田 孝治君

   理事 松野 博一君 理事 黄川田 徹君

   理事 山田 正彦君 理事 西  博義君

      赤城 徳彦君    赤澤 亮正君

      伊藤 忠彦君    飯島 夕雁君

      今津  寛君    小野 次郎君

      金子 恭之君    近藤 基彦君

      佐藤  錬君    斉藤斗志二君

      谷川 弥一君    中川 泰宏君

      並木 正芳君    丹羽 秀樹君

      西村 康稔君    鳩山 邦夫君

      福井  照君    御法川信英君

      渡部  篤君    岡本 充功君

      小平 忠正君    佐々木隆博君

      神風 英男君    仲野 博子君

      松木 謙公君    森本 哲生君

      山岡 賢次君    丸谷 佳織君

      菅野 哲雄君    森山  裕君

    …………………………………

   農林水産大臣       中川 昭一君

   農林水産副大臣      宮腰 光寛君

   農林水産大臣政務官    金子 恭之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 中富 道隆君

   政府参考人

   (農林水産省総合食料局長)            岡島 正明君

   政府参考人

   (農林水産省生産局長)  西川 孝一君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  井出 道雄君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            山田 修路君

   政府参考人

   (水産庁長官)      小林 芳雄君

   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案(内閣提出第四五号)

 砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律案(内閣提出第四六号)

 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)

 食料の国内生産及び安全性の確保等のための農政等の改革に関する基本法案(山田正彦君外四名提出、衆法第一一号)


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     ――――◇―――――

稲葉委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案、砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律案、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案及び山田正彦君外四名提出、食料の国内生産及び安全性の確保等のための農政等の改革に関する基本法案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省総合食料局長岡島正明君、生産局長西川孝一君、経営局長井出道雄君、農村振興局長山田修路君、水産庁長官小林芳雄君及び外務省大臣官房審議官中富道隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稲葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

稲葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小平忠正君。

小平委員 おはようございます。民主党の小平忠正です。

 きょうは、今委員長からお話がありました三法案を中心に、いよいよこの法案審議も大詰めを迎える段階に来ましたが、時間をいただきましたので、幾つか御質問をさせていただきます。

 その前に、最近の農業情勢の中で、問題等ある中、まず最初に、大臣、酪農問題について質問をいたしますので、ひとつよろしくお願いいたします。

 前に大臣は、記者会見ですか、いわゆる酪農について第二の米にしたくない、このような御発言もあったように仄聞しておりますが、私も国民の大事な食料の一環として酪農問題は大事だと思います。

 そこで、お尋ねしたいのでありますが、昨年、幸いに好天が続きまして、粗飼料等良好な状況に推移しました。そんなこともあり、また同時に酪農民の営農努力もこれありで、生産が順調に伸びまして、少し生産過多になった。そんな中で、この春には約一千トンぐらいの規模で、特に酪農王国の北海道において、十勝なんかもそうですが、過剰になりまして、廃棄という処分がありました。実際には八百九十トンぐらいだったと思いますけれども、そんなこともあり、せっかく努力した結果がああいう状況、これは生産者にとっては大変な問題であると思います。

 そういう中で、私は、その後の対策等もあり、何とかこれに向かっては解決の方向にいったと思うのであります。そして、十八年以降の計画生産についても、中央酪農会議では、減産型、そういう方向でいこうと決定をし、例えば北海道においても十七年度実績の二・六%減の九七・三五%を目標数量としたい、こんな方向も聞いております。

 そこで、大臣も言われたように、第二の米にしないためにも、これまでの既成概念にとらわれずに、早期に柔軟な対応を行うことが肝要と思っております。

 つい最近、例の飼料自給率の向上に向かって三五%、いわゆる飼料体制ですね、そういう記事も拝見しました。また、食料自給率については後でまとめて御質問いたしますが、そんな中で、酪農飼料基盤拡大推進事業、こういうことは私は必要だと思っております。例えば、農場制型TMRセンターですか、これも政府の推奨によって今進められております。自給飼料生産を軸とした地域連携の推進によって、地域農業の担い手を確保し、地域農業の維持を図っていくこと、これも有効かつ重要な施策だと思っております。

 こんなことをもろもろ申し上げましたけれども、大臣はよく御承知と思いますので、この酪農対策に向けての大臣のこれからの取り組み方、この御決意のほどをまず冒頭にお伺いいたします。

中川国務大臣 おはようございます。

 今の小平委員の御指摘は、私はたまたま先週の土曜日、地元の酪農家のところに行きまして、じっくり状況を聞いてきたところでございますが、御指摘のとおり、改めて今、酪農の皆さん方、大変厳しい状況にある。つまり、能力は向上しているけれども搾ることができない、あるいは搾らないようにしているというのは、これは生産者の皆さんにとっては精神的にも大変つらいものがある。これは小平委員のところも同じ北海道として、そういう方々はいっぱいいらっしゃるんだろうというふうに思います。

 そもそも需要がなければ売れないということがあるわけでございますけれども、小平委員も私もずっとこの問題に取り組んできておりますが、牛乳あるいは乳製品の伸びがなかなか順調にいかない。牛乳のよさは言うまでもないことでございまして、特にお子さん、あるいはまた年配の方々、あるいは栄養補給の必要な方々にとって欠くことのできない食品だというふうに思っておりますが、いろいろな状況でなかなか需要が伸びない、あるいは減るというこのギャップを何とか埋めていきたいというふうに思っております。

 そういう意味で、需要サイドの御理解、あるいはまたいろいろな御支援をいただく努力も必要でありますし、また、生産サイドも消費者により好んでいただけるような、生産の方の御努力もぜひとも支援をさせていただきたいというふうに思っております。

 そういう中で、例えば今御指摘のありました、いわゆるすべての栄養素をバランスよく含んだ混合飼料、TMRというもののセンターを整備するでありますとか、それから、これまた御指摘ありましたように、生産サイドとしては飼料の自給率の向上という目標に向けて、これはこの法案の御審議にも関係するわけでありますけれども、こういう支援を大いにしていきたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、能力はあるんだけれども減産をしなければいけない。私が訪問したその農家も、AタイプにしようかBタイプにしようかといろいろ悩んだんだけれども、Bタイプを選択せざるを得なかったというお話もございました。

 しかし、私は、中長期的には牛乳・乳製品の需要は必ず伸びていくというふうに確信をしております。

 三年後には二十万トン規模のチーズ工場も新たに北海道につくられるという話もあるわけでございますので、そういう体制の中で、ぜひとも国民の皆さんがより牛乳を飲んでいただける、これは決して生産サイドの強要ではなくて、これが健康にいいんだということをより理解を深める努力をしながら、生産者の皆さんが一生懸命努力をした結果が経営の成果としてつながっていくように努力をしていきたい。

 これはもう小平委員とともに、これからまた、私どももともに同じ目標に向かって努力をしていきたいというふうに考えております。

小平委員 大臣はよくこの点御承知ですから、国内対策は十分取り組んでいっていただきたいと思います。

 また、触れませんでしたけれども、WTO、いよいよ大変な山に入っていきますが、これも御案内のように、酪農関係、タリフラインが約四十七品目ですか、そういう厳しい攻防がありますので、これも大事な問題ですからしっかり頑張っていっていただきたい、こう御要望しておきたいと思います。

 次に、水産庁長官、見えていますね。外務省も。大臣、捕鯨の問題についてお伺いいたします。

 これは、御案内のように、いよいよ今年度のIWC総会は、六月の十六日、カリブ海のセントキッツネービス、ここで第五十八回目の国際捕鯨委員会総会が予定されております。捕鯨問題については、与野党を超えて調査捕鯨の実施や商業捕鯨の再開に向けて考え方を一つにして進めていくことが肝要と私は思っております。

 平たく言うと、環境保護団体を含めていろいろな動きもありますが、私は、ホエールウオッチングとホエールイーティング、これは両立すると考えております。そして、この国は、伝統的に、歴史的に、鯨というものは密接に国民生活に備わったものですから、これは大事な我が国の食料源として私はとらえております。

 今、こういう状況の中で、大臣のお考えを聞きたいのでありますが、例えば、これも総会の決定事項ですから過半数をとる必要がありますね。しかし、今現在、このIWC加盟国は六十カ国。そこで、我が国と同じように鯨の持続的利用、これを支持したい、もう少し言いますと、科学的根拠に基づいて鯨の持続的利用に向かって進めていきたい、こういうふうに考えている国は約三十三カ国と過半数に達していると私は承知しております。しかし、実際にはいろいろな問題、重複もありますし、いわゆる分担金の未払い問題ですとか、あるいはまた、何らかの理由で総会に出られない、こんなこともあり、過去の総会においてもなかなか過半数までは達し得なかった、こういう状況が現在あります。

 そういう中で、在外公館を初めとして、政府が一体となって、我が国の味方がきちんと確保できるように努力をし、来るべき総会においては過半数を制してIWCの正常化を図っていくことが肝要と思いますけれども、まずこれについて大臣のお考え、取り組み方、あわせて、きょうは外務省からは審議官ですか、外務省もこれはもう一体となってやっていただけると思うんですけれども、これについて、お伺いさせていただきます。

中川国務大臣 鯨というのは日本人にとって伝統的な貴重なたんぱく源だけではなくて、もう鯨というのはすべてが我々にとって有効活用できる貴重な資源であるわけでございまして、食文化だけではなくて、いろいろな意味で日本人にとって非常に親しみのある、なくてはならない資源だというふうに考えております。

 もちろん資源の管理ということは大事でございますから、きちっと科学的根拠に基づいて調査をしているということでありますけれども、資源がむしろふえて、ある意味では生態系に影響を及ぼしているというデータも一部にはあるわけでございまして、資源管理をきちっとやるということと日本の食文化を守っていく、この両方を我々は目指しているわけであります。

 反捕鯨国の中には、加盟国、私も今リストを見ましたけれども、内陸国で全く鯨と関係のないところが積極的に反捕鯨の立場をとっている。これはある意味では文化あるいは考え方、あちらにはあちらの考え方があるんだろうと思いますけれども、しかし、我々は、文化、それから経済的、あるいは食生活において極めて大事な存在であるということでありますから、ぜひともこういう立場を理解してもらわなければいけないというふうに考えております。

 例えて言うならば、日本のおすしというのは今や世界的に大変に人気のある食材になってまいりましたけれども、つい数年前までは、ノリなんというのは、これは黒い紙だといって、とても食べられるものじゃないと思っていた人が、今や積極的にノリ巻きを食べる、世界じゅうで食べるというふうにもなってきているわけでございますので、我々としても、御理解をいただくような努力をしながら、それから三十三というお話がありましたが、反捕鯨国もほぼ拮抗しておりますので、これはぜひとも今御指摘のような点も含めまして、決議において我々の主張が通るように努力をしていきたい。政府一体はもとよりでございますけれども、来月の会議では超党派の議員団も行かれると聞いておりますので、ぜひともお力添えをよろしくお願いいたします。

中富政府参考人 お答えいたします。

 今大臣からお話ございましたように、日本国といたしましては、政府一体として、日本と志を同じくする国への働きかけに引き続き努力をしていきたいと思いますが、具体的に、IWCの場におきましては、先生今おっしゃられましたように、年次会合において投票権を行使するためにはいろいろな条件がございます。同会合に出席するのみならず、分担金を支払っているとか、信任状を提出しているとか、同委員会の手続規則というものがございまして、その手続を完了する必要があるわけでございますが、残念ながらこれらの手続を完了できなかったために、我が国と同じ立場にありながら投票権を行使できないという加盟国が毎年見受けられまして、非常に残念に考えております。

 このため、我が国としては、科学的根拠に基づく鯨類資源の持続可能な利用を支持する国に対しまして、我が国と同じ立場をとる加盟国が年次会合で投票権を行使できるように、我が国の在外公館を通じまして、各国の担当部局に対して、分担金をちゃんと支払っているかどうかなど、必要な手続について十分に説明するなどのさまざまな努力を積極的に行ってきているところでございますが、また、ことしもそのような努力を続けております。

 今後もこのような努力を継続強化して、日本の立場を維持していきたいというふうに考えております。

小平委員 これは時間がないので答弁は結構ですけれども、公海上で、我が国の真摯な調査捕鯨の取り組みに対して、グリーンピースやシェパードの妨害行動が度を超しておりますね。これは公海上の問題ですから難しい点もあると思うんですが、特に、自然保護団体と言えば聞こえはいいけれども、いわゆる不逞のやからですよ、こういう連中の行動に対して、この船の船籍を有しているカナダやオランダですか、そういう国に対して、外務省としてしっかり、きちんと抗議をし、こういう不法な行為をしないように取り組んでもらいたい。そのことを強く要望しておきます。よろしいですね。

 次に、水産庁長官にお伺いしたいんですが、いわゆるトド問題なんですよね。

 これは確かに希少動物と言われております。そして、これはIUCN、国際自然保護連合、こういうところが、これを希少生物として位置づけて、これについて厳しい見方をしておりますね。

 我が国においても、トドが今非常に北の方から来遊し南下しておりまして、特に北海道等では大変漁業に被害が出ております。そこで、捕獲頭数も何か百十六頭しかだめなんですね。そのうち、私の選挙区管内、留萌管内なんですが、わずか三十頭しか捕獲できない。こういう状況ですから、実際にはもう何の効果もないんですね。

 かつては、自衛隊は艦砲射撃の逆をやってトドに大砲を撃ち込んだ、そういう歴史もありましたけれども、今はなかなか難しい。これも承知しておりますが、こういう中で大変漁民は被害を受けております。そこで政府は、このために強化網をつくり、これを試してみろ、こんなことも言っておりますけれども、実際には、なかなか効果も上がらないし、作業的にもこれは大変な労力ですね、そういう状況にあるんです。

 私は、こういう国際間の取り決めがあって、トドを保護するんでしたらそれはそれで結構です。しかし同時に、それによって被害を受ける関係者に対しては、国が責任を持って、それなりの補償をするとか、あるいは代替の、かわるべき漁法なりを進めるとか、そういうことが肝要と思うんですね。

 例えば、今真剣に言われているのは、刺し網漁法から小型底びきにかえていきたいということ。しかしこれは、いわゆる漁協間のそれぞれの権益もあって難しいということも承知しています。だから政府は手を出せない、あるいは、個々の漁協なりあるいは漁民同士で解決しろ、これでは全然進展がないので、そうであっても、そういうことを含めて政府がしかるべき指導、これも私は大事だと思っているんです。

 そんなことを含めて、いわゆる環境の保護と実際の漁業、それが両立するようにそこは政府がもっと力を入れるべきだと思うんですけれども、小林長官、そのことについて期待できる答弁をいただきたいんですが、どうですか。

小林政府参考人 トドの被害が引き続いておる状況でございます。

 その対応策としまして、国の方では、今先生御指摘ございましたように、捕獲頭数の見直しが一つの基本的な課題でございまして、十六年から十八年、この三年間の科学的調査を進めております。ちょうど二年度分が終わったところでして、これは私どもの水産総合研究センターと道とが連携してやっておりまして、まず、今ございましたように、生産者サイドそれから環境サイド、いろいろな立場の皆さんの意見を踏まえた科学的な方向づけをしたいということで、これが大きなポイントでございます。

 それから、あわせまして今の強化網ですが、定置網に加えまして刺し網も開発しまして、ただ、この刺し網が、いわゆる三枚ぐらい網を置いてやったようなこともございまして、なかなか、使い勝手といいますか、相当の問題があるものですから、その現場現場で、より使いやすい、そういう手法はないかということも、引き続きこれも道とも連携しながら研究を進めておるところであります。

 こういった対策を効果的に進めますと同時に、いろいろな被害あるいは収穫減が生じたときには共済制度等も活用してやっておるわけですが、一方で、道庁の方でも大分努力されておりまして、今の強化網とか、それから、いろいろな助成措置につきまして、従来は国の方の交付金でやっておったんですが、この十八年度からは税源移譲ということになりまして、それを受けまして、十八年度、北海道におきましては、捕獲経費とか強化網の助成に対しまして昨年度以上の事業費を計上しているというところでございまして、そういった意味での取り組みもしているところでございます。

 もう一つ御指摘ございました漁法転換でありますが、これは漁業調整問題が付随するのは当然でございまして、そういった中で、私どもが今申し上げました強化網、これをより使いやすくする、これが一つのポイントですから、これの効果的な推進と、それから、知事許可漁業でございますので、まず北海道の方でどういうふうに内容を考えているか等によりますけれども、そういった動きの中で、また私どもの立場でいろいろ協議、相談することがあればそれは対応していきたいと思ってございます。

 いずれにしても、今申し上げましたさまざまな対策を、総合的に、また急いで進めていきたいと思っているところでございます。

小平委員 長官、言われていることは私もわかりますが、それでは余り前進というふうには受け取れないんですよね。やはりこれは国がもっと指導力を発揮して進めていかないと解決しないと思うんですね。

 例えば、これは乱暴な意見かもしれないけれども、かつては自衛隊が威嚇どころかトドの殺りくもできましたよね。今はできない。でも、例えば命中しないように単にけ散らす、そういう威嚇行為はどうかなということ、こんなことも一つの検討材料ではないかと思うんです。

 そういうふうにしてトドの来遊をとにかく抑えると同時に、根本は、やはり今の漁法転換を含めてやっていかないと、私も現場をよく承知していますけれども、強化網のことだけではそう前進がないと思えるので、さらに一歩踏み込んで進めてもらいたいと思います。

 これについては今後の推移を見てまた質問いたしますけれども、きょうはそういうことで、とにかく真剣に取り組んでいただきたい、こう御要請しておきます。

 さて、大臣、経営安定対策の質問に入らせていただきます。

 この三法案を軸にして政府案が出まして、我が党も対案を出しましたが、長時間の審議が続けられておりまして、いよいよ大詰めかと思います。きょう私は、各委員からも質問があり重複があるかと思うんですが、再確認の意味を含めて改めて質問させていただきます。

 そこでまず、品目横断なんですが、これは私が前に質問したときにもそう明確な御回答ではなかったと受けとめております。その後のいろいろな推移の中で明確になってきたことは、この新制度がスタートした時点においては、この政策の対象の耕地面積は約五割だ、半分だ、そして農家戸数は三割に絞られてしまう、こういうことが言われていますね。では、例えば農業県である北海道においては、この耕地面積の割合、あるいはそこで認定農家として存続でき得る農家戸数は何割なのか、そのことを政府はどのようにとらえているのかを聞かせていただきます。

 あわせて、担い手協議会が目標設定したのは、認定農業者は二万増、農業生産法人は五百増、集落営農組織は二千増、こういうことをうたわれておりますが、新制度がスタートする時点においてはこれらがどの程度達成されると政府としては見込んでおられるのか、まずその基本的な問題についてお答えください。

中川国務大臣 まず、農業者数で三割それから面積で五割というのは、当委員会でどのぐらいを目安にしているんだというたび重なる御質問を受けまして、これはあくまでも幾つかの前提条件を置いて試算をしたものでございまして、これよりふえるにこしたことはございませんし、事情によっては減るかもしれない、つまり、認定農業者がどのぐらいこの後ふえてくれるかとか、あるいは集落営農とか所得特例についてはかなり、自治体の基準がこれから決定されるわけでございますので、それによっても対象者が変わってくるということでございますので、あくまでもこれは試算値であるという前提でぜひとも御理解をいただきたいというふうに思います。

 その上で、我々の関心事項でもございます北海道について、そういうあくまでも試算、先ほどの三割、五割というような形での試算で北海道について試みてみますと、北海道全体の全販売農家に対しては五割程度、それから北海道の耕地面積に対しては九割程度というふうな試算が出ております。

 それから二点目の、認定対象農家は先ほど御指摘のように二万五千とか、集落営農は五千を確保するとか法人は五百を確保するということを具体的な数値目標として、運動を現在展開しているところでございますけれども、例えば去年の四月から十二月までの新規の認定農業者数が九千四百ということで、二万五千という数字からこの八カ月間だけ見ると厳しい数字ではございますけれども、しかし着実にふえているというふうにも理解をしております。

 例えば、小平委員の御地元、あるいは私の地元でも認定農業者は既に八三%になっているわけでありますが、対象者となることによってメリットがあるわけでございますから、これをさらに引き続き各段階で努力をして、目標達成に向けていきたいと思います。

 いずれにいたしましても、このスタート時点でどの程度目標達成できるかということについてはこれからの努力次第、あるいは御理解次第ということで、具体的な目標はございますけれども、目標に向けて引き続き努力していきたいというふうに考えております。

小平委員 今、大臣からそういう御答弁をいただきました。確かに北海道は農業県ですから、面積は九割ですか、それから生産者五割ですか、そういう御回答でしたけれども、特にこれは、内地県でも特に西の方では、非常に小規模あるいは兼業農家も多数ある中では、厳しい状況だと思うんですね。ですから、そこのところを考えると、深刻な問題だと思うんですね。

 私は、これについて重ねてお伺いしたいことは、今回は経営規模要件が大きなハードルになっております。しかし、その中で国がいろいろな特例措置を設けて、特例基準ですか、それで例外的なことも設けられておりますけれども、しかし、それでもこういう数字で、北海道ですらそんな状況ですよね。ですから、特に主張したいことは、やはり激変緩和措置が必要だ。

 その意味するところは、私は、特に戦後のこの国の歴史、そしてこれに従事した農民の姿を思い起こしていただきたいと思うんです。特に、戦後の荒廃した国土、農地を営々として努力を重ねて復興、そして現在の状況へと導いたのが、いわゆる昭和一けた世代から前の世代ですね。まだ現存しておられる。そういう力があったから、今の農業情勢、経済情勢を含めて、きょうの日本があると思うんです。

 しかし、実際には、農業は追いやられてしまって、もうがけっ縁ですよね。そこに、今回の政府の施策によってさらにがけから突き落とされる、いわゆる絞り込まれない、外された層がたくさんいるわけですね。それは私は、政治の要諦としておかしいと思うんです。やはりそこに何らかの、そういう救済措置というか、いわゆる激変緩和措置が必要だと思うんです。

 新制度がスタートしました、だからもうこれでびちっと区切って終わりですよ、そういうことではなくて、例えば時間切れだからアウトですよ、そういうんじゃなくて、地域で今まで真剣に取り組んできた小規模農家、この努力を大いに考慮し、そしてそれを守っていくのも、私は農水省、政府の大きな役割だと思うんです。

 これについて大臣は、いわゆる血の通ったというか、そういうお考えをお持ちなんでしょうか。そこを単に、今役人が、官僚が机上のプランで計算をしてきて、こういうことになりました、こうやって絞り込んでいきますと。そして前段に、どれだけの耕作面積ですか、どれだけの生産者ですかと聞きましたね。それは役人が机上でつくった計算上の問題ですよ。しかし政治はそれだけでは済まない。そこを考えると、大臣に、そこのところをさらに踏み込んでお考えを再度お伺いしたいと思うんですが、いかがですか。

中川国務大臣 御指摘のように、制度が変わることによって激変になり、そしてそれが日本の農業、あるいはまた主な農業者に対してマイナスの大きな変化を与える、これは避けなければいけないということは御指摘のとおりだろうと思います。

 他方、認定農業者制度というのはもう既に前からある制度でございまして、しかし、認定農業者になって一体どんなメリットがあるんだろうということ、あるいはまた、もっと申し上げれば、認定農業者制度というのは何なんだろうということで、今まで認定農業者になるインセンティブが余りなかった。だから二十万弱しか今までいなかったわけでありますけれども、まだまだやるべきだと思いますけれども、いろいろな説明をすることによって、今回の制度によって、認定農業者になるということを御理解いただければ、今申し上げたように、二十万弱のものがたった八カ月で一万ぐらいふえているわけでございますから、そういう意味で、この努力をさらに進めることによって、認定農業者を、つまりこの対象となる農家をふやしていきたいというふうに考えております。

 それから、当委員会でも何回も質疑がございましたけれども、これは四ヘクタール、十ヘクタールという面積だけでばつっと切るのではなくて、そこはやはり、小規模であっても集落営農という形で、経営感覚等をみんなで知恵を出し合って、あるいは労働力を出し合ってやっていくということによってこの対象にもなるわけでございますし、あるいはまた、面積にかかわらず高収益をやっているようないい経営体についても特例を認めるわけでございますから、一律に四ヘクタール、北海道十ということ、あるいは二十ヘクタールで集落営農ということではなくて、いろいろな面積にかかわらない対象も考えております。

 これから、十九年度の施行に向けて、まだまだ時間がございますので、決して冒頭申し上げたような激変によるマイナスということがないように我々も努力してまいりますし、やる気と能力のある農家あるいは集団が、きちっとよりよい経営ができるようなインセンティブというものを御理解いただけるようにしていきたいというふうに思っているところでございまして、ぜひともそういうプラス面を御理解いただきながら、しかし、激変ということがマイナスの大きな要因にならないような努力も今後もさらに続けてきたいというふうに考えております。

小平委員 大臣のおっしゃるとおり進んでいけば何も言うことはないんですが、今までの農政、いろいろな施策を展開しましたが、そのとおり真実やってきてこの結果ですから、それを全面的に信じる方はまずほとんどいないと思いますよ。これは私は、今の偽らざる農民の心境だと思いますね。

 こればかりやってもあれですから、今は経営規模要件について御質問いたしましたが、次に、いわゆる俗に言うゲタ、これについて質問させていただきます。

 今回、品目横断というふうに言っておりますが、実際に対象になるのは麦、大豆、てん菜、でん粉、この世界ですね。これを米とあわせて進めていこう、そういう施策に受けとめられます。しかし、生産調整という問題は今のこの麦、大豆を中心にしたものが主流ですけれども、しかし、地域によってほかのものがいろいろありますよ。

 例えば、北海道的にいうとソバもありますし、あるいは我が党で言っている菜種もありますし、あるいはハウスに転換して、蔬菜や花卉もありますね。そういうふうに非常に多様化しております。それをそれぞれ地域で特産物として頑張っておられるところもある。私の地元の夕張メロンなんかはもうその最たる例ですよね。そういうことをして努力をされてきた。

 そういう経緯の中で、今回こういう方向を政府は出された。一つの政策でしょう。しかし、その中で、俗に言う緑ゲタ、黄色ゲタですか、こういうふうに分かれていますね。しかも、委員会を通じての政府の答弁では、それは、仕分けの仕方が大体八対二ですとか七対三とかということを言われています。そこはまだ決まっていないように私は聞いておりますが、大体おおむねそういう方向だと聞いております。

 しかし、問題は、過去の実績、これがないと緑ゲタは対象にならないわけでしょう。これは、かえって局長の方がいいかな、具体的な質問だからね。大臣も聞いていてくださいね。そうですね。それに、過去の実績がないところについては黄色ゲタだ、こういうふうになっていますね。しかし、現在の制度、例えば麦作経営安定資金ですとか大豆交付金等々では、もちろんその品質等々によって違いがあるけれども、全体的にカバーされますよね。

 しかし、今度の新しい施策においては、過去の実績がなければ、あるいは過去の実績でも一年しかなければ三分の一。それは全然カバーされないで、黄色ゲタだけに集約されてしまう。そうすると、いわゆる政府がいう日本型直接支払い、これを受ける範疇は、全体を一〇としたら大体二から三ですか。そうなると、果たして転作としてこれから麦、大豆がきちんと作付されていくのか、そういう心配があるんです。

 それともう一点、大臣、これはたしか、大臣が、どなたかの質問においてこういう状況を指摘されたら、いや、それは、麦、大豆への新規参入を促すべく別対策を講じるということを考慮中だ、こうも当委員会で答弁されていますね。

 ですから、まず一点、麦、大豆が果たしてきちんと作付されていくのかという心配と、緑ゲタが、過去の実績がないところに対しては別対策を考慮中、それは何なのか、その別対策も含めてお答えできますか、井出さん。では答えてください。

井出政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、今回の対策のうち、いわゆるゲタと言われる部分でございますが、そのうち過去の生産実績に基づく支払いにつきましては、WTOにおける国際規律にも対応し得るよう、緑の政策として制度を構築するものでございます。

 このため、米の生産調整の強化に伴って対象農産物の作付が拡大した場合につきましては、過去の生産実績がございませんので、この過去の生産実績に基づく支払いの対象にはなりません。委員御指摘のとおり、黄色の政策である毎年の生産量、品質に基づく支払いのみでの対応が基本となります。

 しかしながら、御指摘のとおり、米の生産調整が強化された場合の対応というのは非常に大事な政策課題でございますので、担い手によります米の需給調整を通じました主要食糧の安定供給という政策目的に合致したものというふうに考えますので、本制度とは別に、十九年度の予算概算要求における対応も含めまして、これらの施策体系の中でしかるべき対応を検討してまいりたい、こう考えております。

小平委員 それは具体的にどういう対応策ですか。局長、今しかるべき対応と言われたね。しかるべきというのはどういうことですか。

井出政府参考人 現在、生産調整への対応ということで、産地づくり交付金を初め生産調整対策としての諸制度が構築されておりますから、そちらの生産調整対策という側面からどういう対応をするかということをただいま検討しているところでございます。

小平委員 局長、産地づくりは米を軸にした対策ですよ。そっちの貴重な予算を麦、大豆にスライドするのでは何も意味がないわね、産地が減らされるんだから。

 だから、大臣がそう言われたんだ、この公式の場、委員会の場で、別対策を講じると。しかも、私が聞いているのでは、たしか与党の委員の質問ですよ。それにきちんと答えられて、別対策を講じると。この一言は重いと思うんですね。まだそこまでいってない、だから、そんなあいまいな答えになっちゃうのでしょう。それをちゃんとやってもらいたい。

 そこで、今の麦、大豆についての品質あるいは生産量ということについて、明快な答弁じゃないと私は思うんだけれども、本当にこれで、この新しい制度において、麦、大豆の生産、作付がふえていくと考えていますか。そこをもう一度お答えください。

中川国務大臣 今小平委員からも、あるいはまた井出局長からも発言がございましたけれども、今回は力強い農業あるいは農家等を育成していこうという国内的な農業、食料政策があると同時に、WTO整合性というものも念頭に入れなければいけない。特に、今WTO交渉が大詰めでございますから、日本で余りにもWTO違反というのが明らかなものについては、これは交渉上もデリケートな側面になるわけであります。

 他方、御指摘のように緑のゲタと黄色のゲタがある。まさに我々は、自給率の向上あるいは主要食糧の増産のために麦、大豆をもっとふやしたいということがあるわけでございますので、規模拡大であるとか転作であるとか、緑の要件に合致しない部分がある。その部分については、ひょっとしたらこれは緑ではないけれども、しかし、我々はそれについても対策を講じていきたい、これは予算も含めて対策を講じていきたいというインセンティブのもとで、そういうふうになるように我々は政策を講じていきたい、予算措置を講じていきたいということで申し上げているわけであります。

小平委員 いや、そこはよく承知しております。今回のこの緑ゲタ、黄色ゲタということは、確かにWTOの問題がありますよね。我が国はAMSもきちんとやっている、だから黄色ゲタをやってもWTOでは通るだろう、そこもわかる。それから、黄色ゲタをつくった理由というのは、もう一つは、言うならば、これについての捨てづくり。黙っていても、過去の実績があれば麦、大豆で補償を受けるんだから、それを自由にしてしまったら捨てづくりがふえちゃう。それを防ぐためにも少しの部分は黄色にしよう、これの意図もわかりますよ。

 私が言っているのはそういうことじゃなくて、WTOの問題とかそんなことじゃなくて、実際問題として、生産農家が、現行制度から新しい制度に変わった場合には、麦、大豆をつくる補償額がどんと落ちるでしょう。大臣、大臣の御地元、畑地帯では、これは全部カバーされるんですよ。過去三年間の実績。麦、大豆、あるいはビートやバレイショを含めてローテーションでやっていますから。全面積がカバーされますよ。過去の実績。ここは問題ないでしょう。でも、水田地帯においては、転作という大きな状況下においては、そこがカバーされなければ実際に農家の収入は激減するわけですよ。そうなったら、だれも、麦、大豆に入っていかない。別の方向へ行ってしまう。

 では、例えば、麦、大豆はできなくてほかのものに転作を進める、蔬菜に行くのか、あるいは果樹に行くのか、ほかに行く。そういう手はあるでしょうけれども、この国は基幹作物が米ですよね、主要食糧。これを補完するものが麦でしょう。そして、大豆というのは非常に自給率の低い分野だ。そういう状況の中で、この施策では、本当に大きな収入減になるんではないかということを私は心配しているから質問しているんです。そんな、WTOなんかもうわかっていますからいいですよ。それから、別対策を講じると言われたら講じてください。それも大事です。

 しかし、私がお聞きしたいのは、今のこの新しい施策において、本当に緑ゲタがなくて黄色ゲタだけでしたら、井出局長、本当にこれで麦、大豆の作付がきちんとなっていくとお思いですか。そこを簡潔にもう一回お答えください。WTOのことはもう言わぬでいいから。わかっているから。

井出政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のようなこともございまして、いわゆる都府県では集落営農組織の対応を認めているわけでございますけれども、特にその中で、現在、転作作物の集団化、米の部分はやっていない、転作作物だけブロックローテーション等で集団化をしていらっしゃる集団組織はたくさんあるわけでございますが、こういった組織については、集積する面積の要件を引き下げる等、つまり、現在、転作作物を集団化しておって、また近い将来米についても集団化を図っていこうという意向であれば、ある程度今回の対策には乗れるように、集落営農組織の要件についても工夫を重ねているところでございます。

 そのために、今、都府県の、特に麦の大産地と言われる県について、私どももお話を伺ったり、直接伺ったりしておりますが、そういう中で、既にやっている麦、大豆の集団化をさらに進める、さらには、集団化されていなかったところについても、この際に、近隣を見習って集団化することによってこの対策の対象集団となるという試みがたくさん行われるようになっておりますので、私たちは、そういう形の、麦、大豆を中心にした集団化をまずしていただく、あるいは、もう麦、大豆を集団化されたところについては、近い将来においてその集落内の米も含めて集団化するという方向を出していただく、そういうことによってこの対策の対象になり得るということを正確にお伝えすると同時に、主産県では既にそういう取り組みが県を挙げてなされていると承知しております。

小平委員 お話を聞いていると、そういうふうにいくと信じたいんだけれども、実際は、現場でその話をされてもだれもそうは思わないと思いますよ。それは言葉では言えますよ。

 では、別な観点からちょっと申し上げます。大臣、聞いてください。

 今、我が国の自給率は四〇%ですね、食料自給率。しかも、自給率という言葉は世界では通用語でないんですよね。こんなことを言っているのは日本ぐらいなものですよ。強いて言うならば韓国がそんなことを言っている。でも、欧米を含めて、いわゆる自給率なんというのは当たり前のことであって、こんなことはもう話題に上る問題ではないんですよね。この国は、低い自給率においてそう言っている。そして、政府は、今の四〇%を四五%に上げるというんでしょう。

 私は、この間、政府にある問いかけをしたんですよ。例えば、政府が出したこの資料、ここに、全部、米を初めとする各主要作物の自給率が書いてあります。過去ずっと年度をたどって出ておりますね。それで、今は自給率が四〇%になってしまっている、こういう資料を私はいただいておりますが、その中で見ていましても、麦、大豆は特に低いんですよ。

 ちなみに、米は大体、これは主要食糧として九六だから、大体一〇〇ですわね、生産調整していて。あと、いわゆるでん粉等についてもそれなりの八〇%台のものを持っている。あるいは野菜も現行八八%だ。果実は大体半分だ。これは、日本ではとれない南洋果物とかいろいろありますからね、これは半分だ。でもリンゴは約一〇〇%。オレンジ類で五〇%。そして、酪農製品では今のところ七五%いっている。それを、大臣、先ほどはしっかり守っていかれるということの決意も言われた。肉類については、牛肉、豚肉、それから鶏肉とありますけれども、鶏肉は大体六七%持っている。豚肉が五三%、牛肉が約四〇%ですね。そして卵については九六%。

 大体カバーされていると私は思うんですよ。我が国がこの全品目について一〇〇%、こんなことはどだい無理な話ですよね、それなりに頑張っておられても。だから、これを極力減らさないように、少しでもポイント数を上げていくように頑張るのが国内生産のこれは大事な要諦だと思うんですね。

 でも、問題は麦、大豆だ。麦については、例えば、この主力をなす小麦についてはわずか一四%ですよ。大豆に至っては四%だ。豆腐やみそや、この主力をなす、日本の食料の、日本型の食事の大事な分野ですね。わずか四%。

 こういう中で、政府に私はあることを調べさせたんですよ。例えば、麦、大豆を今の倍にしたらどうなるか。麦を、一四%を二八%、あるいは大豆を八%。倍に持っていったらどうなりますかとお聞きをしたんです、自給率がどうなるかと。そうしたら、御返事をいただきました。麦、大豆の自給率を倍増した場合の我が国の全体の自給率の変化は、四〇%が四二%になります。二ポイント上がります。

 ですから、今、私が前段なぜこんなことを言ったかというのは、ほかの品目においては大体もう限界があるわけでしょう。米だって一〇〇以上はいけないわけでしょう。そうすると、今、特に力を入れることは、この大事な基幹作物の米につながる麦、大豆の分野を大きく自給率をふやすことだ、生産をふやすことだ。これが少なくとも自給率のアップにつながるわけだ。そこにおいては、もちろん、今、国民のニーズに合った、いわゆるカナダやオーストラリアでつくっている小麦。パンやめん類に使われるそういうものを品種改良し、これは政府の主導でやるべきことですね、研究施設で。そうやって国民のニーズにかなう麦の品種をつくっていき、生産量をふやす、これが政府がもくろんでいる四五%に向かう大きな柱でしょう。これが大前提にありますよね。そういう自給率の向上をうたっておきながら、一方では、今の品目横断で、麦、大豆のことについては、過去の実績がなければ黄色ゲタだけだ、その年の生産量、品質に応じて払いますよと。

 今、局長が何度も言われた別対策について、大臣が言ったことをもとにしてこれからいろいろな対策を講じていきたい、こう言われているけれども、こういう基本的な問題で、これから対策を講じるのではなくて、この政策をつくるときに、新しい制度に移行するときに、最初からこれらについてしっかりとした、スタート時点からその対策が見えてこなければ、まず自給率の向上もままならないし、同時に、これに対して不公平感、これはこの黄色ゲタということだけじゃなくて、この国には、いわゆる水田地帯、畑地帯あるいは果樹や野菜、いろいろな分野がある、押しなべてそういう生産者が公平感を持っていかなきゃならぬですよね。今の状況では不公平感が蔓延している、こういうことを私は心配するから指摘をしているんですよ。

 簡潔に御答弁くださいね、いろいろな経緯は必要ないから。

中川国務大臣 だから自給率の向上が難しいんです。御指摘のとおりなんです。だから、麦、大豆を倍にしたって四〇が四二になる、それを四五にすることは大変なので、五〇、六〇なんというのはとても難しい。これ以上は言いませんけれども。

 とにかく、麦、大豆をふやしていくということは、これはもうおっしゃるとおり極めて大事であります。ですから、過去払いだけで、緑の政策だけですとんとおしまい、後は勝手につくりなさいということじゃなくて、別途、緑でないということがわかっていながら予算措置等でそれのインセンティブになるようなもの、これ以上言うとちょっとWTO上、私の発言が余りにも報道されると交渉上まずいので言いません。言葉をあえて抑えて言いますけれども、日本の食料政策にとって麦、大豆の増産が大事でございますから、そのための施策を、予算措置を含めてきちっとやりますということであります。

小平委員 大臣、それでは、今WTOの問題もあるからこれ以上言わないと。そこは信じていいんですね。

 私がとにかく言いたかったことは、そういうことがわかっておられて、考えているんだったら、やはりもっと入り口から、そこがしっかり受けとめられて、安心してもらえるような方向でなければいかぬと思うんです。そういうことを言っているんですよ。冒頭に言われた、小泉総理みたいな答弁をせぬでください、だから四五が難しいと。難しいけれども、政府はそれを設定したんでしょう。そうしたら、やらなきゃだめでしょう。

 我が党はもっと上に行っている。我が党は、今の米の施策について、ちょっと政府とは違うわけですよ。だから、そこに大幅な自給率アップが考えられるんだけれども、政府は今の体系の中で考えられている。言ったんだから、難しいなんてそんなこと言わないで、それだったら小泉総理の答弁と同じじゃないですか。四五を設定したのはあなたの方なんだから、やってくださいよ。私はそこのところを強く指摘しておきます。

 では次に、集荷円滑化。

 前回私は稲得、担経のことで政府に厳しく質問しました。これは岡島局長かな。集荷円滑化、農民が過剰米処理のために反当千五百円を拠出しよう、これを財源にして、政府も同じものを出す、集荷円滑化事業に。そして、過剰米が生じた場合に区分出荷しよう、そういうことでスタートしましたね。それで、十六年はそれが使われなかった。十七年は、昨年が、作況指数がああいうふうになってこれが使われたわけですね。

 しかし、いろいろと計算してみると、過剰米対策八万トンに対し、生産者の拠出分は約四十億円だ、政府が四十億円、私はそう理解していた、細かい計算は少しだましがあったようだけれどもね。これについて、政府は集め過ぎじゃないか。一年間百六十億円、もう少し言うと、反当千五百円でこの国の作付面積は百七十万ヘクタール。それから、それの参加戸数が六十数%。ですから、それを掛け算すると約百六十億円を年間政府は集めますね。二年間で三百二十億円、三年間で四百八十億円ですか、これは集め過ぎだ。実際に使われるのはわずか四十億円ですよ、生産者拠出金について。

 そういうことを数字を挙げて迫りましたら、政府はつい最近これについて、十八年度の生産者拠出金については予定どおり集めるけれども、集めた金は基金に繰り入れないで、その使途については今後生産者団体と協議していく。ということは、無事戻しをする、そういう考えですね。それでよろしいですね。まずそこを確認しておきます。それでいいんですか。十八年については、政府が言う四十億円を引いて百二十億円ですか、これは無事戻しを考えている、それをこの場で確認したいんですが、そういうことでよろしいですか。簡潔で結構です。イエスかノーか。

岡島政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、十八年産の作がまだわかっておりません。十八年産がかなり豊作になったということがない場合においては、今委員が御指摘のとおりのことを想定しております。

小平委員 岡島局長、それでは、昨年のいわゆる過剰米対策について、生産者が負担する分は四十億円。十七年度も生産者から百六十億円集めたんでしょう。それを、なぜ十七年度を使わないで、十八年度分のお金からそれに充当するんですか。それはなぜなんですか。

岡島政府参考人 委員御案内のとおり、本集荷円滑化対策事業につきましては、一つはいわゆる短期融資の部分、それからもう一つが要するに生産者支援金という形で出される。そういう形から、今委員御指摘のような経理になっておるということでございます。

小平委員 ちょっと意味がよくわからないんだけれども、それはどういうこと。

岡島政府参考人 集荷円滑化対策、御案内のとおり生産年に豊作になったその部分につきましては、一俵当たり三千円短期融資する。その部分については、生産者から集めた過剰米基金、それと政府から短期融資している部分というのがございます。豊作、区分保管した翌年に三千円さらに支援が行き渡るわけでございますけれども、それは生産者から集めたお金で、生産者支援金という形で区分保管されている方々に支払われる。そういうことから、二つを分けておるということを申し上げております。

小平委員 そうしますと、翌年にまたがって前年度のいわゆる過剰米についての対応をします、そういうことですね、平たく言って。それはわかりました。

 では、十七年については十八年度から、ことし集める反当千五百円のお金の中から使う。わかった。しかもことしが、今豊作の気配はあるけれども、そうでなければ、余れば無事戻しする、それもわかった。

 でも、過去十六年、十七年に集めたお金、これは全部で三百二十億円あるわけだ。これは返還できない、こう言っていますね、そうですね。では、集めたけれども使わなかったお金、なぜ返還できないんだ。それは税制上の問題、そういうことなんですか。

 それでは、こういう質問をしますよ。

 例えば十六年に豊作だった、作況指数が一一〇もいった、区分出荷しなきゃならない。そのときの対策のいわゆる費用としては、翌年の十七年度分を使うということなんでしょう、その場合は。もしもう一年さかのぼって言うならば。その場合はどうするんですか。その場合も十八年度のお金を使うんですか。

 去年、十七年度が豊作だったですね。もう一年前の十六年度は豊作でなかったけれども、例えば十六年度は大豊作だった、そこで区分出荷しなきゃならなかった、過剰米処理を。そのときの財源はどこから引っ張ってくるんですか、どの年度から、それをお聞きしたい。

岡島政府参考人 生産者から拠出いただくお金、二つの色に分かれるかと思います。一つはいわゆる過剰米基金……(小平委員「それはわかっているんだ、どの年度かと聞いているんだ」と呼ぶ)それで、今既に十六年、十七年拠出いただいたお金につきましては、先生おっしゃられたとおり、租税特別措置法上のいわゆる過剰米基金に繰り入れるものとして繰り入れたものでございます。したがいまして、十六年産で仮に今おっしゃられたように豊作だった場合、それについてはまず過剰米基金で手当てをするということでありまして、翌年の生産者支援金として出す分は、十七年にまた生産者から拠出してもらうという形になったと思います。

小平委員 ですから、十七年度のお金を使うんでしょう、例えばの話だけれどもね。そうでしょう。だから、同じことじゃないですか。今回は十八年度のお金を使う、使わなかったら無事戻ししますよと。十七年度のお金もそういう性格のお金でしょう、集めたお金、それを返さないというのは何かおかしいんじゃないか。

 いいですか、生産者、特に稲作農民というのは厳しい農業経営ですよ。三百二十億円出しているんですよ。そのお金を税制上のことを理由にして戻さないという、これでは拠出金じゃなくて名前を変えた税金でしょう。収入がない農民から、反当千五百円という、いわゆる面積割りの税金を取っているのと同じことですよ。そう思わないか。

 ちなみに、大臣、MA米、約七十六万トン輸入していますね、毎年URの決めで。そこで、私もこれを政府に確認しましたら、購入額とそれから販売額、どうもこれが、何か、購入分は平均して一トン当たり六万五千円だそうですね、そして販売額が、平均して一トン当たり九万五千円、その差額は、七十六万トン掛けると約二百二十億円だそうですね。これがMA米で政府が持った金なんですよ。

 MA米ということで余分なお米が入ってきて農民が苦労している。でも、その分は、政府としては損していないんだ、二百二十億円は残っている。では、それはどうしているんだと確認したら、それは倉敷料を含めて倉庫等々の経費で飛んじゃうと。だから、全然政府としては苦労も何もない、負担を強いられているのは農民だけだ。

 そして、一方、確かに、米が余ったら市場が冷えて米価が下がるから、そのために区分出荷をし、主食から隔離をしたい、そのために政府も機構を通じて金も出します、生産者も出します、そういう取り決めで反当千五百円ということを決めた。そこまではいいですよ。でも、使わなかったら、そんな大きなお金、今の例えばMA米ということは違う話だけれども、三百億円ですよ。それを税制上の理由から戻さない。

 これは、私は、前にも委員会で、稲得や担経の不条理さ、その発動する基準の問題で言った、三カ年平均で。それの一部は是正された。それは評価しますよ。私の主張に対して、是正された。今回も私が厳しく言ったことに対し、集荷円滑化対策についても、十八年については何もなければ無事戻しする、そこまでは評価する。でも、まだ十分でない。十六年、十七年も考えてくださいよ。

 大臣、基本的にどうですか。局長、事務方じゃなくて、こういうことについて、政府は金のない農民から集め過ぎていないか。大臣のお考えはどうですか。

中川国務大臣 集荷円滑化資金とか担い手対策とか、共済も含めていろいろ制度があるわけでありますけれども、これはあくまでも、国が取っちゃうとか農民に返さないということではないわけでございまして、今後の対応の中で、この機能そのものは、今小平委員御指摘のように、評価されるべきものだというふうに考えております。

 そういう中で、一部はいわゆる価格変動対策の中でやっていく、その対象外の方たちに対しては産地づくり交付金の中でやっていくということでございますので、短期的に、戻す戻さない、今厳しいから一円でも戻してほしいという方もいらっしゃるかもしれませんけれども、全体としては、これはマクロとして、また中長期的に米農家のために使われるお金でございますので、どうかそういう観点からぜひ御理解をいただきたいと思います。

小平委員 時間が来ましたので、これで終わりたいと思うんですけれども、大臣、私が主張したいことは、いわゆる集荷円滑化も拠出金の一つですね、いろいろな制度において、拠出金ですとか、分担金ですとか、負担金ですとか、いろいろな形でお金が出ているんですよ。しかし、それはあくまでも、それを、負担金なり分担金を出すことによって少しでもこういうことで政府にやってもらえるという期待があるからみんな協力しているわけですね。だから、今回の制度も、その趣旨は私は大いに理解するし、評価しています。

 問題は、やってみたけれども集め過ぎてしまった、そしたら、それについては、これだけ集めたから、これはいいから戻そう、こういうふうに柔軟にやっていくことが、今後のいろいろな施策の展開においても、これからもいろいろなことであるでしょう、拠出金や分担金、負担金の要請が。そのときに、協力なり話を進めていきやすいと私は思うんですよ。

 一つの例として申し上げたのでありまして、そういう今の状況の決めですから、局長はそれ以上答弁できないでしょう。しかし、大臣のおっしゃることもわかります。私は、そこのところをもう一歩踏み込んでやっていただきたい、こう強く要望いたします。

 この後、ナラシの問題ですとか、ちょっとまだ残っているんですが、私に与えられた時間がもう来てしまいましたので、全部質問できませんでしたけれども、以上で終わります。

 ありがとうございました。

稲葉委員長 次に、山田正彦君。

山田委員 今回、品目横断的な直接支払いの担い手法案を閣法として、大臣、この国会で出されて審議されておりますが、この法案を出された直接の目的ですが、この時期、この法案をどういう趣旨で、どういう目的で出されることになっているのか、ひとつ端的にお答えいただければと思います。

中川国務大臣 これは、今から七年前にできました食料・農業・農村基本法、旧農業基本法にかわる、新しい視野から力強い農業、農村をつくっていこう、そしてまた食料として国民とともに同じ方向に歩んでいこうという趣旨の法律でございますが、それに基づいて基本計画あるいは大綱等々を策定しているわけでございます。流れとしては、そういう流れをより推し進めているということでございます。

 そういう中で、具体的には、意欲と能力のある、また経営感覚というものに基づいて、それによって、端的に申し上げれば、努力すればもうかるというような、農業あるいは集落等に対してより積極的な支援をすることによって、プロの農家によって、コスト削減等も視野に入れながら、消費者、実需者等々に喜ばれるような食料供給に資する、両面でプラスになるという目的が実現できればということでこの法律案を御審議いただいているところであります。

山田委員 その趣旨はわかりました。効率的に農業をやっていくため、そういうふうにこの第二条でも書いておりますが、そのためにいわゆる構造改革に資するということが一つあるかと思います。その構造改革、いわゆるばらまきの批判を避けて担い手を中心としたものに対して直接支払いをしていく。そうすると、四町歩、北海道においては十町歩、そういういわば四町歩以上の耕作をしている認定農家、そういう決め方をして、実際に農家が本当に競争力のある農業としてやっていけると大臣はお思いでしょうか。

中川国務大臣 面積だけではございませんけれども、北海道以外では四ヘクタール、北海道では十ヘクタール、あるいは、その規模に達しなくても集団になれば二十ヘクタールというのは一つの目安でございまして、やはり土地利用型農業におきましては規模拡大のメリット、効率化、あるいは共同作業等々のメリットが出てまいりますので、私は、今までのような日本の一・二ヘクタールという平均の中で、いろいろな農業形態がある、専業もある、兼業もある、あるいはまた主業もある、いろいろな農業形態でありますけれども、とにかくプロとして日本の食料を支えていくという観点から、そういう人たちに対して支援をしていくということが食料政策として国民的に求められているものだというふうに思っておりますので、四ヘクタール、十ヘクタールというものを一つの目安にするということは一つのメルクマールとしてポイントだというふうに私は思っております。

山田委員 それでは、四ヘクタール以上生産すれば、農家として担い手として自立してやっていける、あるいは、北海道では十ヘクタール以上であれば担い手として自立してやっていける、そういうお考えでしょうか。

中川国務大臣 例えば北海道ですと、平均耕地面積が二十ヘクタールぐらいだと思います。私のところは四十ヘクタールあるんですけれども、それでも十ヘクタールということを基準にしております。

 そういう意味で、効率的、安定的な農業経営をしている農家というのは平均をとればもっと大きいわけでございますので、そういう意味で、四ヘクタールというのは基準としては少し広目にとっているというふうに私どもは考えております。

山田委員 北海道の農業と本州あるいは西日本の農業では大きく異なるのは大臣も御承知だと思いますが、例えば香川県では平均して〇・八ヘクタールしか耕地面積がないという事情です。

 そんな中で、四ヘクタールあって、例えば先般壱岐の農協の組合長が公述人として言っておりましたが、四町歩、四ヘクタールを、米をつくり、裏作で麦をつくって、全部耕しても所得が二百万にしかならない。それでいて四町歩以上だったら認定農家として直接支払いします、それ以下では支払いしませんと。

 ところが、大臣、考え方が間違ってはいないかと思うんですが、例えば私が資料を提供いたしました。本当に国民に安定的に食料を提供する、あるいは、農業者も、先ほど話したように、自立した経営として意欲のある農家を育てることができるということであったら、各国それぞれ、例えば「主要国の農業所得に占める直接支払の割合」を見ていただけばいいんですが、フランスにおいては七九%、ドイツにおいては一〇七・四%、イギリスにおいては九一・五%、それぞれの平均経営規模を見ていただければいいんですが、フランスにおいては四十二ヘクタール、ドイツにおいては三十六ヘクタール、イギリスでは六十七ヘクタール、アメリカにおいてすら一戸当たり百九十七ヘクタール耕しながら二八・九%の農業所得に占める直接支払いの割合をいただいている。

 日本は、北海道も入れて平均して一・八ヘクタール、そこまでやったとしても、いわゆる農業所得に占める直接支払いの割合というのはわずかに一・五%しかないわけです。幾ら、四町歩以上には払う、十町歩以上には払う、そういう決め方をしたとしても、それ以下を切り捨てたとしたら、日本の農業は、まさに直接支払いの割合、いわゆる金額そのものをふやさなければ、自立した経営にもならないし、自給率の達成、いわゆるカロリーベースでの供給の達成を図るといったことにもならない。どうお考えでしょうか。端的にお答えいただければいいんです。

中川国務大臣 このいただいた資料をもとに今思ったことは、まず、面積が違いますから、平均規模面積がアメリカのように百倍になれば金額も当然百倍に、簡単に考えればなっていくんだろうというふうにも思います。そうすると、直接支払いの割合もふえていくんだろうと思います。

 それから、これは二〇〇三年の資料ということでございますけれども、二〇〇三年においては、直接支払いというのは日本の場合には中山間地域対策しかないわけでございますので、今後、品目横断の四品目について直接支払いを導入しようということでございますから、これが導入されたらこの金額ははね上がるということになるわけでございます。

山田委員 はね上がるということは間違いございませんね。来年からいわゆる直接支払いをやるわけですが、いかがでしょう。

中川国務大臣 国会の場ではね上がるという極めてあいまいとした答弁をいたしましたけれども、少なくともけたは違って上がっていくということは私としては間違いがないというふうに理解をしております。

山田委員 予算についてはまた後で聞いていくといたしまして、この法案によりますと、国民に対する熱量の供給を図るためにというふうに条文上なっておりますが、今回の法案で、政府の方で基本計画の目標がありますよね。それによると、小麦が平成十七年八十八万トンですが、平成二十七年度は八十六万トン。下がっていますね。さらに、大豆は二十三万トンから二十七万トンですから、わずかに四万トンふえてはいるんですが、てん菜は四百十六万トンから逆に平成二十七年度は三百六十六万トンに下がっている。飼料作物はわずかに上がっておりますが、これはカロリーベース、熱量ベースではほとんど自給率に寄与しません。カンショも九十四万トンから九十四万トン、変わりませんね。

 こうして見てみますと、いわゆる政府の基本計画と今回出された法案、熱量の供給を図る目的でということに大きく反しませんか。

中川国務大臣 私の手元には自給率のパーセンテージしかないんですけれども、大体、山田委員が御指摘のような数字をパーセンテージとして持っております。大豆なんというのは四%から六%とかいうことでありまして、先ほどの小平委員とも同じような質疑をやらせていただきましたけれども、それだけ厳しいという状況の中でありますけれども、こういう数字をトータルとしてやっていく。

 そのほかに、食料自給率でございますから魚介類等も入っているわけでございますけれども、米、麦、でん粉、大豆、野菜、果実、乳製品、肉、鶏卵、砂糖、お茶等々を合わせた結果として現在の四〇を四五に、これが実現できればなっていくという計算でございます。

山田委員 今度の法案では自給率を上げる、熱量、いわゆるカロリーベースでの生産を上げるとはっきりうたいながら、基本計画では今言ったように下がっているところもあり横ばいのところがある。そうやって、大臣は、十年間で自給率を五%アップさせると。どういう根拠で自給率をアップさせるんですか。端的にお答えいただきたい。

中川国務大臣 まず、消費者にあるいは実需者に好まれるものをつくらなければ幾らつくっても売れない、売れなければつくらないということになるわけでございますから、先ほどもありましたように、パン用の小麦が何とかできないかとか、いろいろな技術開発、農産物のいろいろな開発が必要でございます。

 それから、食料につきまして、日本型食生活ということで、健康な日本人ということは、食生活にありということは世界じゅうに冠たるものがあるわけでございますので、そういった食に対する知識普及、理解を含めまして、消費者サイド側に理解をしてもらう。

 それによって、売れるものをつくるということになれば、国民のアンケート、山田委員も御存じかと思いますけれども、将来に対しての不安があるとか、国産の顔が見える農産物を求めたいとか、安全、安心の観点から、これは消費者サイド、生産者サイドともに、ある意味では協力しながらやっていかなければ、この目的はそう簡単にはできないということは私も思っているところでございますので、みんなで努力をしてこういう目標が達成できるように、また努力していけば達成可能という前提でこの法案の御議論をいただいているところでございます。

山田委員 大臣にお答えいただきたい私の質問は、今の答えじゃなくて、四五%、五%アップするという根拠です。小麦も大豆もトウモロコシもほとんど横ばいで、それでいて十年後に五%アップしますというのは、本当にアップしなければうそを言ったことになる。どういう根拠で五%アップされると言われるのかと私は聞いているわけです。

中川国務大臣 先ほどの小平委員もおっしゃっておられましたけれども、そもそも欧米では、自給率が下がった、上がったなんという議論をするのは、日本と、OECD加盟国の中ではごくわずかであろうというふうに私も思います。しかし、自給率を上げていかなければならない、これはもう生産サイドだけではなくて消費サイドもそういうふうに思っているわけでありますから、自給率を上げる努力をしなければならない、これはもうコンセンサスだと思うのであります。

 そういう中で、先ほど申し上げましたように、生産サイドだけではだめだ、消費サイドの御理解あるいはまた消費サイドのニーズ、実需サイドのニーズに合うようなものをつくっていくということで、みんなで努力をして実現可能な数字が四五でございまして、その中には、御指摘のように麦が一二から一四とかあるいはカンショが九四から九七とかバレイショが八〇から八四とか、大豆は微々たるものでありますけれども四から八とか、それぞれ、少しずつではありますけれども、上げることによって、四〇ポイントから四五ポイントにしていこうというのが根拠でございます。

山田委員 大臣、今、答弁されて記録になっていますが、これは全然根拠になっていませんね。今言ったように、少しずつ、上がるところもある、下がるところもある、それを足しても五%の根拠には全くなっておりません。むしろ基本計画で五%アップしているのは、米の消費で一%伸ばす、そして今、どんどん米の消費が下がっているのに、政府の計画、農水省の計画では一%米の消費で伸ばしますよ、あとの四%はカロリーベースのカロリーを減らしますと言っているんです。まやかしではありませんか、大臣。

中川国務大臣 ですから、日本型食生活というのは、パンも食べることもあるでしょうけれども、御飯も一時に比べて半分以下になってしまった、あるいはまた油脂類が四十五年前の数字の三倍になってしまったということ等もありますので、日本型食生活で日本産のものを食べていただくという御理解を前提にしてやっていくという意味で先ほど消費サイドの御理解もいただいてということでありますから、御指摘のように、米ももう少し食べていただこう、生乳ももう少し飲んでいただこうということも極めて大きな前提であるというのは御指摘のとおりでございます。

山田委員 そうすると、法案で言っているところの熱量供給を上げるということは間違いですか。

中川国務大臣 熱量、カロリーベースで自給率を上げていこうということでありますから、外国産のカロリーから国内産のカロリーに上げていけば、自給率は当然上がっていくわけであります。

山田委員 大臣、お忙しいだろうとは思いますが、やはりここは大事な法案の審議ですから、一番大事な自給率の目標四五%、その内訳と、本当にそれが実現可能な基本計画になっているのかどうか、これは大臣たる者としての責任として、十分に精査してお答えいただきたい。単に今のようなお答えではお答えになっていない、私はそう思いますが、これ以上この件で追及しても一緒ですから、ここでやめます。

 次に質問させていただきたいと思いますが、そのために、品目横断的な対策をとられるわけですが、その対策として、先般、二田委員の質問に対して農水省の局長が、販売農家の三割、それと耕地面積の五割は対象にできるという答弁をいたしましたが、その根拠、これを明らかにしていただきたい。

中川国務大臣 先ほども申し上げましたが、これは幾つかの前提となる仮置きの数字がございます。その上で面積で五割程度、対象農家で三割程度というふうに申し上げたことだけはぜひ御理解をいただいた上でお答えさせていただきます。

 個別経営につきましては、農林業センサスに基づき、経営耕地が都府県四ヘクタール、北海道十ヘクタール以上の経営体、集落営農については、集落営農実態調査に基づき、現在存在するとされている一万組織がそれぞれ認定農業者になる、または特定農業団体等一定の要件を満たすよう構造改革のために努力を行ったとの前提のもとで試算したものでございます。

 対象面積につきましては、北海道の経営耕地が十ヘクタール以上の販売農家の面積八十七万ヘクタール、都府県の経営耕地が四ヘクタール以上の販売農家の面積五十六万ヘクタール、集落営農一万組織の経営耕地面積に作業受託面積を加えた面積三十五万ヘクタールの合計が百七十八万ヘクタールであることから、販売農家の経営耕地総面積三百四十三万ヘクタールに対する割合は五割程度と試算されます。

 対象農家につきましては、北海道の十ヘクタール以上の販売農家三万戸、都府県の四ヘクタール以上の販売農家八万戸、集落営農一万の構成農家四十一万戸の合計が五十二万戸であることから、全販売農家百九十五万戸に対する割合は三割程度と試算されております。

山田委員 私の手元に届いた資料もそのとおりなんですが、いわゆる担い手要件である四ヘクタール以上が八万戸、十ヘクタール以上の北海道の農家戸数は二・八万戸、それから、問題は、この集落営農組織への参加農家戸数というんですが、これも四十一万戸となっております。

 ところが、平成十六年度の個別経営の農業センサス、これでいきますと、いわゆる集落営農で要件としている二十ヘクタール以上、これは一万ではなくて三千二百九十六、そしてさらに、集落営農で二十ヘクタール以上やっているところの戸数は平均して三十一戸となっています。私が手元にいただきました資料でいきますと、とてもこういう四十一万戸という数字にはならない。これについて、非常に細かい質問ですので、井出局長、答えていただいて結構です。

井出政府参考人 今、委員がお話しになりましたセンサスの結果でございますが、私どもは今回の対策を講ずるに当たりまして、平成十七年の五月一日現在で別途、集落営農実態調査という悉皆調査を実施いたしております。

 その調査結果で、全国で一万六十三集落営農が存在しているということがわかっておりまして、その調査によりますと、集落営農に参加している農家は四十一万戸、こういった集落営農が集積している耕地が二十五万ヘクタール、また、請け負って作業受託等をしている面積が十万ヘクタールということで、一万集落営農で四十一万戸、集落営農が集積あるいは作業受託している面積が三十五万ヘクタール、こういう数字がこの調査で明らかになっております。

山田委員 十六年度の農業センサスと、昨年度調べられたのかわかりませんが、農水省の調査とはこんなにも開きがあるものなんですか。これはどっちも同じ農水省がやっていて、私はにわかに農水省の調査も信じがたい、そう思われますが、そう主張されるんですから、それはそれでお聞きするといたしまして、この集落営農一万、その集落営農というのはどういう意味なのか。

 例えば、集落が経理を一元化しているものなのかどうか、あるいは、単に、機械を共同して購入して、いわゆる機械の共同利用、そういったものも含まれているのか、機械を共同利用しているところは大変多いので、それなら一万ということも考えられますが。集落営農というのは、私どもの長崎県で見ても、幾つも実際に稼働しているのはないという状況で、一万もあるということは到底考えられないことですが、その集落営農と言われている中身、では、これも井出局長、答えてください。

井出政府参考人 集落営農の中身でございますが、農業機械を共同所有して参加農家が共同利用しているものが全国の四六%、オペレーター組織が利用しているものが四一・四%、また、集落内の営農を一括管理運営しているものが一四・七%という結果になっております。

山田委員 結局、そういう答弁でしかないわけなんです。

 大臣、聞いていただきたいんですが、私が聞きたかったのは、本当に、そういう機械の共同運営、機械を共同購入しているから、それをオペレーターとか、それをやって使っているから、それで集落営農と言えるのか言えないのか。私は、それが集落営農だという数字を単に農水省の官僚が持ってきて、ああ、では集落営農が一万もあるんだ、そういうことから四十一万戸の農家、いわゆる集落営農はスタート時に約四十一万戸はできるんだという、単なるそれだけの話を、大臣、そんなもう細かい数字は聞きませんから、後ろの方に聞かないで私の話を聞いていていただけませんか。そういうことだけで、今言ったような根拠の、販売農家の三割は対象になりますというのはおかしいんじゃないのか、私はそう思うわけです。

 仮に、現在、集落営農をやろうとして、現場は大変混乱しております。中央公聴会、地方公聴会、聞いてもらってもわかるとおりです。本当に経営を一元化して生産法人としてすぐできるようなところというのは、私の調べではわずかに千五百あるかないか、それくらいしか考えていませんが、それが一万も集落営農がスタート時にできるということは、だれもここにいる委員の方々も信じていない。(発言する者あり)二田委員は信じているそうですが。

 そんな中で、では、集落営農を本当にやるとしたら、どうしたらやっていけるのか。大臣、そういった場合に、私もいろいろ地元に行って聞いてみました。やはり経営を一元化するといっても、農地をまず、今つくっている、御高齢の人たちもいっぱい野菜をつくったりいろいろなものをつくったりしながらやっているわけですが、それを二十ヘクタール、みんなで提供しなきゃいけない。それを提供すると、では、私は何をこの後農地でつくったらいいんでしょう、あなたのところにはちゃんと農地の土地代として入りますよ、とてもそれじゃ信頼できないし、やっていけない、そういう方々が大半なわけです。

 また、その農地を仮に集約できたとしても、では、それをだれが運営するんですか、経営を一元化するためにただ名簿を書き出せばいいんです、では、名簿はだれを書き出すんですか、そういったときに、機械を共同してやっているところのオペレーター、時間給幾らでやっている人、そういう人たちを従事者として出せば、それで集落営農で国からお金を払いますよ、そういう調子なんです、今の段階では。

 私は、かつて若いころ、五島の三井楽というところで二十ヘクタール麦をつくりました。ところが、二晩の雨でやられて全滅したんです。そのときの経験からして、仮に二十ヘクタール集約して麦をつくらせたとしても、それがいわゆる雨でやられて大赤字になった場合に、その経営を一元化する赤字分、必ず生産法人にしなきゃいけないとか、将来的にはなっていますが、将来その農業生産法人がやったとしても、集落営農を当面スタートさせたとしても、経営が赤字になる。大臣、それはだれが負担することになるんでしょうか。

中川国務大臣 私は、これは私個人の意見ですけれども、農村が都会よりもいいなと思うのは、やはり隣近所、あるいはまた集落、町内会的なものが一緒に、つき合いが非常に深い。もちろん水管理とか昔からの共同作業があるわけでありますけれども、そういう農村のよさというものの一つは、やはり、集落の古くからのおつき合いというものが、もともとしっかりしたものがあるんだろうというふうに私は思っております。

 そういう中で、今回は、集落営農組織というものにすれば品目横断の経営安定対策ができるわけでありますから、よりメリットが経済的にもあるということになりますから、私は、今までできていないとか、なかなか難しいとかいうところもあるのかもしれませんけれども、それでも、努力して集落営農にしていただくことはメリットがありますよ、個々の農家にとっても、またその地域にとっても、ぜひ積極的、前向きに取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。

 その上で、山田委員御自身が二十ヘクタールの麦をつくって大変な災害に遭われたということでありますけれども、現在におきましては、麦の場合ですと畑作共済がございまして、最大限七割ということになりますし、その上にいわゆる価格変動の対策があるわけでございますから、現行制度プラスアルファという形で、そういう価格変動に対しては、今回の法律案の中で十分にといいましょうか、最大限九割まで対応ができるということで御理解をいただきたいというふうに思います。

山田委員 農業は、実際やってみてそんな簡単なものじゃありませんし、仮にその共済制度があるから、ナラシの対策があるからといって、大きい規模でやればやるほど、幾ら九割の共済の金が出るとしても、共済の金が出るのは随分後になってですし、そして、実際のところ、土地利用型の農業生産法人として、それだけではやっていけないから、農地の利用として、大豆もつくり、いろいろなものをつくっていく中で、赤字になっていく可能性というのは十分あるんじゃないか。私自身、赤字経営を余儀なくされていきましたから、非常に心配しているわけなんです。

 それについて、集落営農が法人化しても、赤字になった場合は、その集落営農、法律的に言ったら、担い手になる人たち、中心になる人たちとか、構成員全部がその責任を負うことになるのか、単なる従業員だけが負うことになるのか、これはどうなっていくのか。幾ら共済があるからといっても、赤字は赤字になっていくわけですから、時給幾らで払っていくとか、自分のところで自分がやるようなわけにはいきませんから、団体でやった場合には。そういった場合の赤字負担は一体どうなるのか、大臣自身の考えでお答えいただければと思います。

 今、一切、集落営農の説明でそのようなことはいたしておりません。赤字になった場合はどうなりますという説明は、一切、農水省からも、各市町村からも、農協からもありません。これをお聞かせ願いたいと思います。

中川国務大臣 私は、平成五年の大凶作のときに、党の責任者として二田筆頭と一緒にこの問題に取り組みましたが、共済の支払いはできるだけ早くしよう、年内にも支払いをしようということを随分努力して、実際そういうことになりましたので、そんなに緊急事態においては共済の支払いが時間がかかるということは、私は政治的にも避けなければいけないというふうに考えておりますし、現にそういうふうにしてきたわけでございます。

 その場合に、いろいろな補てん策、今回は補てんが二段階になるわけでありますけれども、それについての支払いは、では集落営農の中でどういうふうに配分をするのかということでありますけれども、それは集落営農参加者の中の取り決めでありまして、むしろ国や自治体がああしろ、こうしろ、あなたはオペレーターだから何割とか、あなたは機械を提供したから何割とか、そういうことはむしろその集団の中でお取り決めいただく、ここがある意味では一つのポイントだろうというふうに私は思っております。

 そういう意味で、最大限九割ということでありますから、一割は減収ということになりますけれども、そういうことも含めて経営感覚をきちっとやっていただいて、豊作のときもあるでしょう、あるいはまた価格低迷、収入低迷のときもあるでしょうというところを、いろいろな自然条件相手、生き物相手のところで、いろいろな条件の中で御努力いただいて、トータルとしていい経営ができるようにしていただくというための我々もいろいろな施策を講じているということで、そういう強い経営体が日本の食料、農業を支えていくという方向に持っていきたいと私は考えているわけであります。

山田委員 これについて具体的な答弁は得られないようですから、時間がないので次に進みます。

 いわゆる認定農業者を認めるに当たって、所得の特例、これを設けております。これについて、私は大変疑問があるんですが、この法案でいきますと、第二条で、対象農産物の効率的な生産を図る上でとなっていますから、いわゆる農地を集約するということには意味があるんですが、そういう意味での例外、農地の特例の、例えば知事の二・六町歩とかというのはわかるんです。ところが、この法案を全部見る限り、所得特例をどこの法律を根拠にしているのか、これは、どう見ても、どこにも書いてありません。

 これについて、私は質問通告をしていなかったので、井出局長、お答えいただきたい。時間がないから早急に。

井出政府参考人 所得特例でございますが、法律の二条に定義がございますが、二条の二項一号ロのところに、特定農業団体その他の委託を受けて農作業を行う組織であって、その耕作の規模が対象農産物の効率的な生産を図る上で適切なものとして省令で定めるもの、また、ちょっと逆になりました、イの方で、認定農業者であって、省令で定める基準に適合するもの、こういうふうになっておりますが、そのロのところの特定農業団体その他の委託を受けている組織であって……(山田委員「何を言っているかわからないよ」と呼ぶ)そのロのところの耕作の業務の規模が対象農産物の効率的な生産を図る上で適切なものとして省令で定める基準に適合するもの、そこで読むことにしております。

山田委員 局長、国会をばかにしないでほしい。立法府というのは法律を決めて、法律に書いてないことまで、適切なものとして農林水産省令が定める基準によって所得特例を認めるということは絶対にあってはならないことだ。

 局長、この条文の、法律の中に、どこかにそのたぐいのものがあって、これに基づいて農林水産省令で所得特例を決めるということならばわかる。しかし、所得について何ら触れていない。土地については、省令によって四町歩とか十町歩とかそれを定めるということは、効率的な生産を図るためというところから読める。我々国会議員は何も、政府に、農水省にそこまで、農水産省令にすべてをゆだねているわけではない。明らかに法令違反である、特例を認めることは。こういうばかなことをやってもらっては困る。

 これについて大臣、どう考えられますか。

中川国務大臣 所得特例の、面積要件については、今、井出局長からでございますけれども、所得については答弁していないじゃないかと山田委員の御指摘でございます。

 これは、私、法律の専門家じゃございませんけれども、この法律案の第一条に、生産条件の格差から生ずる不利を補正するための交付金及び収入の減少が及ぼす影響を緩和するための交付金を講ずることにより、その農業経営の安定を図り、もって国民の云々と書いてございますので、一定の農家につきましてきちっとした農業経営が安定的にできるという条文をもちまして、単に面積要件だけではなくて、結果的に、農業経営の安定、つまり収入が品目横断の支払い等によって確保できるという趣旨で、これは、第一条の目的の中で、該当するものについてはそういう交付金の支払い等を含めた農業経営の安定になるような育成をしていくというふうに理解をしております。

山田委員 大臣はそういう第一条の目的からという趣旨ですが、これは、法律は何でもそうですが、目的は幅広く書いているのであって、その目的から何でもできるとなったら、我々、法律は要らないわけです。その目的に従って法律で定めて、法律の中身である程度決めたものを省令とかそういったものに落とすわけですから。

 委員長、私としては、これについてどういう条件、どういう条文をもとに特例を決めているか、ひとつ委員長の方で、理事さんに今集まってもらっても結構ですが、理事会において政府が根拠を明らかにしていただけない限り、これ以上質問できない。

稲葉委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

稲葉委員長 速記を起こしてください。

 山田委員のお話につきましては、後日、理事会協議を開き、理事会協議に基づいて正式に政府から答弁していただくように諮ります。よろしゅうございましょうか。

 では、質問を続けてください。山田正彦君。

山田委員 それから、先般公述人が言っておりましたが、吉野公述人がこの委員会で、今回の担い手対策において、壱岐においては、麦の七割、大豆の四割しか直接支払いの対象にならないと、実際に。そうなった場合に、大臣、よく聞いていただきたいんですが、今、麦で、相場で売ったとして、所得が反当たり一万五千八百二十二円にしかならない。ただ、麦作経営安定資金の方から四万円、麦をつくると十アール当たり助成金が出る。したがって、五万五千八百二十二円、これがあるからみんな麦をつくっている。大豆でも同じことが言えます。大豆交付金が二万七千円ですか、それが出るから大豆をつくっておられる。これが、実際に今まで麦をつくっていた面積の三割はこれからそういう交付金が出ないことになる。大豆については六割出ないことになる、壱岐においてはですよ。

 そういった場合に、大臣が先ほど、五割の面積は麦とか大豆とかについてはカバーしますと言いました。ところが、五割のカバーされていない面積の大豆とか麦をつくっているところ、そういうところは直接支払いの対象に全くなりませんね、ならないんです、大臣、御承知のとおり。そうなった場合に、今までつくっていた人たち、先ほど言いましたように、今まで、麦において、反当たり一万五千八百円の収入があったとしても、四万円、経営安定資金が来るからつくっておったのが、つくらなくなる。そうすると、麦も大豆も、半分以上の日本の耕地面積でつくらなくなってしまう、金が入ってこないんですから。そういうことに、大臣、なりませんか。

中川国務大臣 私のところのような畑作専業地帯は、連作障害を防ぐために輪作をやっているわけでありますけれども、確かに本州等では、麦を主につくっているとか、きちっとした輪作が確立できない地域もあるんだろうと思います。

 しかし、麦、大豆、でん粉、それから砂糖は基幹的な作物でございますから、先ほど申し上げましたように、面積要件だけではなく、集落営農プラス、先ほどちょっと御質問がございましたけれども、所得特例等でやっていくことによって、さらに集落営農をふやしていく、認定農業者をふやしていく等々の努力をしていただく。そのために、我々も御理解をいただくように努力をしていくことによって、そういうふうになればそういうメリットがあるんですからぜひなってください、集落営農でも結構ですからなってください、あるいは規模拡大でもいいですからなってください、それがプロの経営者を育成するインセンティブになるんだ、そういう方向に日本の食料政策を持っていきたいんだというのがこの法律の趣旨でございます。

 固定したままであれば御指摘のようなことになるかもしれませんけれども、だからそちらの方に行ってくださいということで、ぜひとも山田委員にも、民主党のネクスト農林水産大臣として、この点は御理解をいただければというふうに思います。

山田委員 中川大臣の思いは私もよくわかるんですよ。しかし、思いはわかるけれども、中川大臣は、この担い手対策法案がスタート時に、いわゆる販売農家の三割、そして麦とか大豆とか、そういった耕作面積の五割しか対象にならないと言うわけですから、その対象にならないところは、交付金も麦作経営安定資金も、これは集落営農も含めての話ですよ、集落営農すれば全部がカバーできますというわけじゃないんですよ、大臣、大臣の先ほどのお答えは。集落営農も含めて五割ですと言っているわけですから、面積は。そうなれば、麦とか大豆をつくっていた、あと五割の農家については、反当たり四万とか反当たり二万七千円とかというような麦作経営安定資金とか交付金というのは出ないわけですよ。そうしたら、だれがつくるんですか、だれもつくる人いませんよ。そうすると、五割に、大豆とか麦の収入が減るということになるではありませんか。大臣、どうお考えですか。

中川国務大臣 逆の言い方をいたしますと、そういうふうにならなくても、農家といいましょうか、その経営体といいましょうか、その家計といいましょうか、そういう人たちがやっていけるという御判断があれば、集落営農等に入る必要がないと御判断すればいいんでしょうけれども、集落営農等に入れば、四万なり三万なりといいましょうか、過去の実績をもとにしたいわゆる条件不利支払いを受けられるというメリットを感じていただければ、そういう形で参加をする道があるわけでございますから、ぜひそういう方向でやっていただければというふうに思うわけであります。

山田委員 最初の大臣の答弁は、このスタート時、いわゆる集落営農も所得特例も全部含めて、集落営農でそれだけできるとは思いませんが、言っている五割より私はぐっと少なくなると思っているんですよ。しかし、最初においては、スタート時においては、五割の面積しか直接支払いがありません、対象になりませんと大臣みずからが言っているわけですよ。

 それを、将来においてはみんな集落営農に参加してくださいと言っても、まず、少なくとも来年は五割の人が、もう今まで、それこそ四万とか二万七千とか交付金があったのがなくなるわけですから、これではみんなつくらなくなるでしょう。そうすると、半分は麦も大豆も生産が減ってしまうじゃありませんか。これでは、それこそ農家を、農業者を見殺しにしてしまう。

 大臣、だから、もしこの法案、私は悪法だと思っているんですが、これを何とか実施しようとしたら、そこに新しく緊急措置法か何かをつくらなければいけないんじゃないんでしょうか。このままでいくと、五割の農地は対象にならないんですよ、七割の人は対象にならないんですよ。集落営農も含めて、特例も含めて、そう農水省みずから言っているんですよ。

 それからもう一つ、だんだん時間がなくなってくるんですが、例えば、壱岐の農協の組合長がここで、公述人で言っていましたが、新しく壱岐のしょうちゅうの原料となる麦を今、国産麦を一割しかつくっていないから、それをさらにふやしたい、こうして努力している。今までも努力して、やっと一割できるようになった。ところが、過去三年間の実績がないと、それについての麦作経営安定資金の四万が出てこないわけだから、もうだれも新しく麦をつくろうなんて思わない。これでは幾ら増産しようとしても増産できないじゃありませんか、そう組合長も言っているわけです。

 大臣、こんなでたらめな法案をこの国会で通していいんですか。何らかの措置をしなきゃならないんじゃないですか、大臣。

中川国務大臣 先ほどの三割、五割というのは、あくまでもやる気と能力のある農業者に日本の食料政策の基幹を担ってもらう。つまり、逆の言い方をしますと、今まではだれでも同じようにもらえていた。収入が家計のごく一部しかない、つまり家計のそう影響を及ぼさないようなところも含めて、一律に受け取ることができたわけでありまして、それでは日本の食料政策として、果たして国民的な、同じ方向を向いてやっていけるかということが、逆のテーゼとしてあるわけでございます。

 それからもう一つは、先ほどは担い手、面積要件、それから集落営農を前提にいたしましたが、先ほど山田委員もちょっとおっしゃっておられました所得特例の部分があるわけでございまして、これは面積に、四とか十とかいうことに関係なく、小規模であっても、有機栽培とか複合経営とか、相当の所得を上げている。熊本あたりの農業者は、面積が小さいけれども、米をつくり、あるいは果実をつくり、いろいろなものをつくって、結構高い収益を上げている農家も私は現実に知っておりますけれども、そういったところもあるわけでございまして、そういう特例措置もあるわけでございます。

 そういう意味で、これから、あくまでもこれは仮置きの数字でございますけれども、これからまだ一年近くあるわけでございますから、ぜひそういう形で入っていただく努力を最大限していきたい。それによって、試算値どおりになるか、それを下回るか、上回るか、わかりませんけれども、入ってもらうことでメリットがありますよ。逆に言うと、メリットがなければ入らないという判断もあるんだろうと思いますけれども、そこは農家の皆さん方が、自分たちの農業をどう考えていくかという中で、最終的には御判断だろうと思います。強制的に入らせることもできませんけれども、でも、入れば農業経営体としてメリットがありますよということをぜひとも御理解いただければ、私はそういうシステムの中にどんどん入っていただけるものというふうに期待をしているわけであります。

山田委員 大臣、大臣みずからが、農水省みずからが、農家の三割、耕地面積の五割、これはいわゆる集落営農も含めて、所得特例も含めて、これしかスタート時できませんと言っているわけですよ。それは違うんですか。

中川国務大臣 三割、五割というのは、あくまでも個々の認定農家の四、十、それから集落営農の二十ヘクタール等の要件に該当するところの試算値でございまして、それ以外に、小規模であってもという特例はまた別途それに加算されますが、これの計算が非常に難しいものですから、試算値の中に入れておりませんので、これが加わってくるということであります。

山田委員 二田委員の質問に対して、かつて農水委員会で、議事録を今から精査していただきたいと思うんですが、いわゆるスタート時に、販売農家の三割、そして耕地面積の五割しか対象にならない、五割が対象になるとはっきり、そこまでは何とか持っていきたい、そういう趣旨のことを言っています。

 ところが、今、大臣の言い方ですと、これは違います。大臣も、きょうの答弁では、最初に、対象はどうかと私が聞いたら、対象面積はいわゆる農地の五割、そして対象農家の三割と言っています。ところが、今は、そうじゃないんだ、もっとそれは広げられるんだと言っていますが、その広げられる根拠を明確にしない限り、大きく意見が食い違った以上、私はこれ以上質問できない。それを明らかにしない限り、そこを理事間で話していただきたい。

中川国務大臣 先ほど申し上げましたように、二田委員からの、当初のスタートのときは大体どのぐらいになるのかという御質問に対して、幾つかの前提を置いてお答えをしたところでございます。

 それは先ほど申し上げたとおりで、認定農家がこのぐらいいて、このぐらいがスタート時には加盟するでしょう、集落営農組織のうちこのぐらい、そして農家戸数がこのぐらいだからこのぐらい、農家戸数がトータルとして三割、それからトータルとして面積が五割という数字は、あくまでも認定部分と集落営農部分しか試算できなかったという前提でありまして、特例部分については試算の外にあって、そして、では特例についての根拠は何だという御質問があって、質問ができないとおっしゃって、理事会預かりになっているわけでございますから、その部分は、先ほどの理事会扱いの部分の、条文の根拠は何だという部分について、理事会で御協議をいただくということで、できれば、この話は先ほどの話と同じことでございますので、引き続き、理事会扱いということを前提にして、御審議いただければありがたいというふうに思う次第でございます。

山田委員 では、今話しました、最初、三割、五割の話の、大臣としては、特例があるんだからもっとふえるという言い方をしておりますが、先ほどから私の質問の趣旨を聞いてもらえばわかりますとおり、集落営農にしても、一万というのは非常にあいまいだし、この今の法律要件である限りふえるはずはないと私は思っていますし、特例にしても、各計画目標の認定農家の要件としてのいわゆる所得水準が五百五十万とか六百万とかということであったら、なかなかそれについて救済されるものも少ない、対象になるのも。だから、スタート時においてそれを考慮に入れていない。ダブってくるところも非常に大きいし、ほとんど計算できない部分だ、特例についても。私自身も、田舎に行って、地元を歩いて、農協の担当者にも聞き、いろいろ話しましたところ、ほとんど、それについて、特例はもう規模要件とか認定農家で認められていますから、考えられませんよという返事なわけですから、大臣の今言ったような答弁は納得できない、私としては。

 こうなってくると、どうしても五割以上の農地面積と七割以上の人が、麦をつくっても大豆をつくっても、全くこれまでのような交付金も安定資金ももらえなくなる。これは大変な事態なんです。こんなばかなことを、農水大臣、やっていいのかということなんですが、一つその点だけ理事さん同士話していただいて、委員長、仕切ってください。本当にもしやるとしたら、どういう形でそれをふやすことができるのか、対象を広げることができるのか、それを含めて検討いただきたいと思います。

稲葉委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

稲葉委員長 速記を起こしてください。

 山田委員御指摘の所得特例の根拠及び農家戸数の増加、耕作面積の拡大の根拠、この点につきましては、後ほど理事会協議の上、明日の委員会の冒頭に政府から答弁していただくようにいたしますので、質疑を続けてください。山田正彦君。

山田委員 次に、ナラシ対策についてお聞きしますが、ナラシ対策が、中身は皆さん御承知なんですが、三対一で一、農家が負担するということになっておりますが、一体ナラシ対策、三対一の中身、今までも米農家というのは大変な負担を強いられております。

 例えば、今私の方が調べた限りにおきましては、米農家は、反当たり、共済が百二十円、稲得が四千五百円、稲得は、先ほど小平委員が言っておりましたが、既にことしの分を合わせると約六百億円政府にたまることになります。さらに、担経が千八百円、そして新しく三年前からやっています円滑化資金、失礼しました、六百億たまるというのはこの円滑化資金の方ですが、反当たり千五百円支払っております。これだけ合わせましても反当たり七千九百二十円、米農家は米をつくれば政府に対して反当たり八千円も支払いをさせられている。これを米農家のほとんどが知らない、農協もそれを説明していない。

 これにさらにナラシ対策は、三対一の割合で米をつくれば負担しなければいけなくなる。これを一体幾ら負担するのか。今度の法案でそれを明らかにしてもらえない限り審議できない。大臣、お答えいただきたい。あるいは井出局長、端的にお答えいただきたい。幾らやるのか、ただそれだけでいい、時間がないので。

中川国務大臣 価格変動影響緩和対策、つまりナラシ対策でございますけれども、現時点におきましては、モデル事業をもとに、基準となる収入を一定の販売価格と一定の単収を仮定して算出しているものでございまして、これも前提が、仮定が多うございますので、現時点においては、きちっとした答弁をすることが残念ながらできないという状況でございます。

山田委員 この算定ができないというのはおかしい。私が政府側から聞いたのは、大体一割ぐらい、いわゆるナラシ対策で必要とされるであろう金額の一割ぐらいを考えておりますと。一割ぐらいとしたら、そのナラシ対策で必要とされる金額の一割ですから、出てくるはずです。その一割のうち、三対一としたら幾らかという金額は必ず出てくるはずなので、ほぼ、大体これくらいの予想でありますと、これからナラシ対策をするについては。これはぜひ明らかに、私も質問通告しておりますから、概略でもいいから、これについて答えがない限り、同様に、大変大事なことでありまして、質問できなくなります。どうかひとつ、理事間でこのことについても協議していただきたい。

中川国務大臣 まず、お答えができないと申し上げたのは、十九年スタートで過去三年ということでございますから、十八年の数字が出てこないとお答えができないということはある意味では御理解いただけるかなというふうに思っております。

 ちなみに、十六年産について申し上げますと、いわゆる稲作所得基盤確保対策が、農家負担が三千九百三十八円、担い手経営安定対策が千五百四十円、集荷円滑化対策が千五百円……(山田委員「それはわかっています」と呼ぶ)はい。

 以上です。

山田委員 十八年の数字が出てこないから、いわゆるナラシ対策の農民負担の金額は出せません。それならば、十六年、十七年の分だけで結構ですから、出してください。私は質問通告しておりました。井出局長、例外的に井出局長、質問通告はしておったんだから、端的に幾らになりますと答えていただきたい。余り議員をなめないでほしい。

井出政府参考人 今おっしゃられましたのは、これは新しいナラシでございますから、十九年産からスタートするわけでして、十六年、十七年については制度そのものはなかったわけでございますので、先ほど大臣から、旧制度における稲得と担い手経営安定対策で負担金が幾らであったかというのを十六年産米についてお話を申し上げました。

 新制度は十九年からでございますので、十六年産米については、繰り返しになりますが、稲得で十アール当たり三千九百三十八円拠出金を出しております。

山田委員 私が聞いているのは、いわゆるナラシ対策で価格が下がった場合に九割までは補てんしますよと言っているわけだから、価格も、過去三年間なり五年間なり、それを平均したらわかるわけです。それより、九割までは負担しますというから、その金額もほぼはじけるはずです。その金額について、では、共済もそのまま続けるというわけですから、共済を引いた後の部分について三対一で、農家に大体これだけの負担になりますということをやらないで法律を施行するということはできない。国会のこの委員会の場でそれが答弁できない限り、これ以上質問はできません。

中川国務大臣 十八年の数字が出ていないということと、制度が新しくなってしまうということでありますが、新制度を、仮に今までの数字を前提にして、つまり年度が大分さかのぼりますけれども、それで一つの試算というものは、数字が出ておりますから、それを前提にして一応の試算というものを出せるように、今指示をしたところでございます。

山田委員 では、大臣が指示していただいたので、また次の委員会の冒頭にでもそれについてお答えいただければと思います。

 次に、私の持ち時間も来ましたが、一番大事な予算のことを聞こうと思っておりました。(発言する者あり)まだまだ質問したいところでございましたが、では、私の質問、非常に不本意でございますが、これで終わらせていただきます。

稲葉委員長 次回は、明十七日水曜日午前九時十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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