衆議院

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第15号 平成22年6月14日(月曜日)

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平成二十二年六月十四日(月曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 筒井 信隆君

   理事 石津 政雄君 理事 梶原 康弘君

   理事 小平 忠正君 理事 森本 和義君

   理事 森本 哲生君 理事 北村 誠吾君

   理事 宮腰 光寛君 理事 石田 祝稔君

      石田 三示君    石原洋三郎君

      石山 敬貴君    金子 健一君

      川村秀三郎君    京野 公子君

      後藤 英友君    佐々木隆博君

      高橋 英行君    橘  秀徳君

      玉木 朝子君    玉木雄一郎君

      道休誠一郎君    中野渡詔子君

      仲野 博子君    野田 国義君

      福島 伸享君    皆吉 稲生君

      柳田 和己君    山岡 達丸君

      山崎  誠君    和嶋 未希君

      伊東 良孝君    江藤  拓君

      小里 泰弘君    金田 勝年君

      橘 慶一郎君    谷川 弥一君

      長島 忠美君    古川 禎久君

      保利 耕輔君    森山  裕君

      山本  拓君    東  順治君

      吉泉 秀男君

    …………………………………

   農林水産大臣       山田 正彦君

   内閣官房副長官      福山 哲郎君

   経済産業副大臣      松下 忠洋君

   農林水産大臣政務官    佐々木隆博君

   農林水産委員会専門員   板垣 芳男君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月八日

 辞任         補欠選任

  山田 正彦君     赤松 広隆君

同月九日

 辞任         補欠選任

  赤松 広隆君     篠原  孝君

  津川 祥吾君     石田 三示君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  河上みつえ君     松木けんこう君

  篠原  孝君     皆吉 稲生君

  玉木雄一郎君     山崎  誠君

  仲野 博子君     橘  秀徳君

  和嶋 未希君     川村秀三郎君

  金田 勝年君     橘 慶一郎君

  長島 忠美君     古川 禎久君

  保利 耕輔君     森山  裕君

  西  博義君     東  順治君

同日

 辞任         補欠選任

  川村秀三郎君     和嶋 未希君

  橘  秀徳君     仲野 博子君

  皆吉 稲生君     篠原  孝君

  山崎  誠君     玉木雄一郎君

  橘 慶一郎君     金田 勝年君

  古川 禎久君     長島 忠美君

  森山  裕君     保利 耕輔君

  東  順治君     西  博義君

    ―――――――――――――

六月十日

 食の安全・安心と食料自給率向上政策を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二〇一一号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇一二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇一三号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇一四号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇一五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇一六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇一七号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二〇一八号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇一九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 農林水産関係の基本施策に関する件(口蹄疫の発生状況及びその対応について)


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     ――――◇―――――

筒井委員長 これより会議を開きます。

 この際、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣山田正彦君。

山田国務大臣 農林水産大臣を拝命いたしました山田正彦です。

 こうしてごあいさつしている現在も、口蹄疫の問題は解決の兆しを見せていません。私は、現地の対策本部に三週間常駐して現場の声を聞きながら陣頭指揮に当たり、この問題について真剣に取り組んでまいりました。この体験を十分に踏まえて、関係府省と協力し、宮崎県、関係市町村と一体となって、消毒の徹底等迅速な初動対応を行い、感染拡大の阻止に万全を期してまいります。また、疑似患畜等の処分、埋却も急ぎ、一日も早く清浄化を図るとともに、被害を受けた農家の生活再建と地域再生のために全力を挙げて取り組んでまいります。

 私は、農林水産業、農山漁村の秘める力が最大限に発揮され、国民が将来に向けて明るい展望を描くことのできるようにすることが重要だと考えています。このため、戸別所得補償制度の導入、消費者が求める品質と安全、安心といったニーズに沿った生産体制への転換、六次産業化による活力ある農山漁村の再生を基本に、農林水産行政を大転換させ、食と地域の早急な再生を図ってまいる所存です。

 委員長を初め委員の皆様の御支援のほどをどうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

筒井委員長 農林水産関係の基本施策に関する件、特に口蹄疫の発生状況及びその対応について調査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川村秀三郎君。

川村委員 おはようございます。民主党・無所属クラブの川村秀三郎です。

 口蹄疫につきまして、五月二十五日に引き続きまして再度御質問させていただきます。

 まず初めに、山田農林水産大臣、本当に御就任おめでとうございます。

 これまで現地対策本部長として陣頭指揮をとっていただいて、知事、地元の首長さん方と調整をする、そしてまた、関係の方々を叱咤激励して、さまざまな現場の課題に迅速かつ的確に対応していただいたことに対しまして、改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。そして、これからはまさに農林水産省のトップとして引き続き対応していただくということで、我々議員も大変喜んでおりますし、地元も大変喜んでおります。

 さて、ただ、極めて残念なのは、これまで、発症事例がワクチンを接種したエリア内にとどまっておりましたし、件数の方も次第に減少してきたわけですね。しかし先日、九日、十日、そのエリアをはるかに離れた都城市でありますとか宮崎市、そして日向ということで、大変飛び火をしてしまったわけであります。これは、地元の私たちにとっても大変な衝撃でありますし、隣県の鹿児島県も畜産県でありますので、大変な衝撃が走っている、こういう状態でございます。

 こういった新たな事態を迎えたわけでありますので、感染ルートの究明とか消毒、防除体制、こういったものをさらに強化しなくちゃいけないだろうと思いますし、これまでワクチン接種を行って封じ込めを図ってきたその適否、今後またそういうことをやるのかどうか、そういったことを含めて、今後新たな手を打たれるのかどうか。そしてまた一方で、ワクチンの接種区域内では、疑似患畜、ワクチンを打った家畜の処分がまだ大量に残っている、このスピードアップをどういうふうに図っていかれるのか。その点、まずお伺いしたいと思います。大臣、よろしくお願いします。

山田国務大臣 現地で私も陣頭指揮をとっておりました。今回、本当に、ワクチン接種して、その範囲内で封じ込めよう、そう思って頑張っておりましたが、残念なことに、一番恐れていた都城に飛び火し、西都、日向、宮崎、ワクチン接種区域外にも飛び火し、昨夜というか深夜、西都市の方にも、また西都のすぐ隣なんですが、すぐ近くなんですが、三十六頭ほどまた発生いたしました。大変危惧いたしております。大変心配いたしております。

 というのは、やはり何といっても、ウイルスをまき散らす疑似患畜がいまだに三万頭もまだ引き続き残っているということ。これを何としても早く殺処分しなきゃいけないわけなんですが、埋却しなきゃいけないわけですが、これがおくれているということがどうしてもあるようです。

 ただ、ワクチンをした周りは、ほぼワクチン効果が今出てきたような感じになってまいりました。

 もう一つ言えることは、えびの市が清浄化できました。あれはまさに二十四時間以内に殺処分、埋却ができた。そういう意味では、今回、都城も日向も宮崎も西都も、その日のうちに、二十四時間以内に、写真判定でもって黒と私どもの方で判定いたしまして、すぐに殺処分にかかりましたので、いち早く殺処分を完了させて、しかも、それこそ丁寧な消毒。

 車の消毒はかなり徹底してまいりましたが、やはり疫学的な感染ルートを、今、新しい都城とか宮崎とか、いろいろ聞いてみますと、やはり人と物の接触じゃないかと。人への消毒、車の中の消毒、そういったものがちょっと甘かったんじゃないかなという気もいたしておりまして、それを徹底するよう今指示しているところでして、何としてもこの封じ込めに総力を挙げたいと思っているところです。

川村委員 ありがとうございます。

 今、力強くお答えいただきました。これ以上の感染拡大は何としても阻止をしなければなりません。ぜひとも、疫学チームを含めて全力投球、みんな総動員で、ぜひこの拡大防止に当たっていただきたいと思います。

 次に移りますが、去る六月四日に口蹄疫対策特別措置法が公布、施行されたわけであります。そして、地元の自治体の関心の高い国費負担に関する政令、これがまだ公布されておりません。この第二段の政令の検討状況はどうなっているんでしょうか。あすにでも出るという憶測もありましたけれども、いつ公布されるのか。

 そしてまた、特に関心が高いのは、国費の部分が「全部又は一部」と法文上はなっているということでありまして、この点、やはり地元は一抹の不安を感じているわけであります。

 国費での全額負担をこれまでも表明していただきましたけれども、どのように確保されるのかということを改めてお聞きしたいと思いますし、国からの直接補助の形になるのか。それとも、仮に一部特別交付税という形での補てんになりますと、これまでの特別交付税の取り扱いから考えますと、交付時期が年末だとか三月にずれ込む。それから、特別交付税というのは枠が限られていますから、その中で突出して本当に宮崎県に交付がされるのか。そしてまた、交付はされても、その内訳明細はこれまで示されておりませんので、一体それが本当にすべて補てんされたのかということがわからないわけですね。

 だから、やはり地元に安心を与えるために、今私が申し上げたようなことの懸念に対してしっかり明確に御答弁いただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。

佐々木大臣政務官 私の方からお答えさせていただきます。

 引き続き政務官を務めさせていただくことになりましたので、よろしくお願いを申し上げます。

 特措法の検討状況ということでございまして、この費用負担の部分が、前段階ではまだ詳細が決定しておりませんでした。農水省、それから財務省、そして総務省、政務官同士で、ずっとこの間、折衝をさせていただいてございます。

 いずれかの形で国が全額持つということは、何回も答弁させていただいているとおり、そこのところは決まっているわけでありますが、その負担の内容については今、鋭意詰めさせていただいて、政務官段階ではかなり詰めてきてございます。あとは、大臣の了解をそれぞれいただいて閣議決定で早急に決めるというところで、今所要の事務手続をさせていただいているというところでございます。今のところ、十八日の閣議で決定をさせていただけるように、今進めているところでございます。

 いずれにしても、宮崎県に実質的な負担が生じないように、万全の対策をさせていただきたいと考えているところでございます。

川村委員 今、十八日には出るというお答えをいただきました。ぜひ、今申されたことが形の上でもしっかり伝わるように、頑張っていただきたいなと思うところでございます。

 さて、今回の口蹄疫は想定をはるかに上回る拡大を示しまして、いろいろな事態が生じております。そして、一つの課題が片づいたかと思うと、また新たな課題が浮かび上がるということが出ております。まさに、その一つの例が家畜共済の問題でございます。

 疑似患畜の場合は、改めて言うまでもないんですが、国が五分の四、そして県が五分の一を見舞金という形で補てんをします。ですから、家畜共済の加入者は、損害補てんの面から五分の一のすき間がありまして、この五分の一について補てんをしてもらえる可能性があるということであります。

 ところが、ワクチン接種の場合は、最初から国が五分の五を出す。これは大変英断で、ありがたいことであるわけですけれども、損害補てんとしては一〇〇%補てんされてしまう。ですから、家畜共済の出番はないということになるわけですね。

 共済からは一銭ももらえないということになりますと、今まで一生懸命、懸命に努力して感染を防いできた、しかし、やはり全体の利益のために、感染拡大防止のために、まだ感染はしていないけれども接種に協力しようということで協力したんです。しかし、疑似患畜の場合よりも不利になるのか、むしろ感染した方がよかったんじゃないかと。そして、今まで共済に加入していた意味があるのか、ないんじゃないか、こういう声がふつふつとわいているわけです。

 これはやはり大変な問題だと思いますので、この問題についてどう対応されるのか。よろしくお願いします。

山田国務大臣 ワクチン接種農家に負担をかけるわけにいきませんので、五分の五の評価、時価評価、それについては随分県と相談させていただいて、現地にいるときに、それぞれ、繁殖牛から肥育牛まで、すべて基準を決めさせていただきました。現地の宮崎新聞でも、農家の方々もほぼ納得していただけるような、それなりの金額にさせていただいたか、そう思っております。

 ところで、今委員質問の、五分の五評価されて、共済に入っていた方々にとっては、共済の規定ではワクチン接種農家に対してのお支払いはありませんので、その分、共済に入っている意味がないじゃないか、疑似患畜農家と格差が出てくるんじゃないのか、そういう指摘もありましたので、共済の方にも私の方からお話しいたしまして、共済掛金の返還を検討させて、近くその決定で、それだけ掛けてきた農家に対しては、その分の弁済、戻させていただこうか、そう考えているところです。

川村委員 今、共済掛金の返還ということでの対応を図るということでお答えいただきまして、大変ありがたいと思いますが、この問題は、共済制度に対する期待、そして信頼感、そういうものにかかわりまして、制度の将来にもかかわる大変な問題だ、こういうふうに思いますので、ぜひ手厚い、特別の対応をお願いしたいということでございます。

 次に、この土日、地元の御意見を聞いておったわけですが、費用の補てん、補償、これがどうなるのか、国が本当に面倒を見てくれるのかという疑問がやはりまだ生じております。

 幾つか例を言いますと、例えば、自主消毒ポイント。これは、県が設置するものは出るということははっきりわかっているんですが、市と町が自分たちの判断でしっかり努力をされております。そういうところが本当に補てんをされるのかという不安を抱いておられます。これが一点。

 それから、ワクチンの接種家畜、これについては計画的に処理ができますので、一括、共同処理をされるということで多分進むと思うんですね。そうなりますと、土地の取得は、今までは個別対応でしたけれども、一体として共同で処理されるということになると、市とか町が取得をするというケースが多くなると思うんです。そうなりますと、この土地探しというのはなかなか大変。適地が少ない中で、探したとしても、作物が植わっている、それからいろいろなハウスが建っている、施設が入っている、あるいは倉庫がある、こういう上物もあるわけですね。そこまで含めて移転補償みたいなことをしていただかないと、思い切って対応ができない。

 先ほど迅速にやらなくちゃいけないということをおっしゃいましたが、それに対しても阻害が出る可能性があるので、例えば今申し上げたこの二点について、国としてしっかりやるんだということを改めて表明していただきたいと思います。

山田国務大臣 消毒ポイントを、各市町村で自主的にやっております。私が現地の対策本部長で県にも申し上げ、各市町村にも言ったんですが、各市町村の消毒ポイントを県がなしている消毒ポイントと同じように、県の消毒ポイントにしていただけないか。そうすれば国の費用も出せるし、県の費用も出せる、二分の一ずつ。そして、県の費用を国の方で特交で見られるじゃないか、そういうことをお話ししておりまして、できるだけ市町村、そして県の負担も消毒にかからないように国で万全の措置をしたい、消毒にかかる経費についてもそう考えております。

 埋却地についてですが、埋却地も確かにいろいろ問題があります。先ほど総理官邸で第六回の対策本部を開いたんですが、その中で、埋却地もほぼ確保できてまいりました。各市町村で求める、県で求める、できれば県の農業振興公社、ここで土地を求めていただいて、それに対して国の基盤特別会計でもって原資は出します。それに対する無利子負担でいきますから、県の負担はこの土地取得費について、町の負担もその土地取得について何もかからない、国が負担して埋却地も確保できる方法、これが今確立されておりますので、心配要らないかと思っております。

川村委員 もう時間が参りました。

 今お答えいただいたことでしっかり御対応をお願いしたいと思います。発生から二カ月近くになりまして、その影響は、畜産業のみならず関連産業、それから地域の商業、飲食業、旅館等を初め関連産業に、地域経済全体に及んでおります。もう耐えられない、このままでは廃業せざるを得ないという声が出始めておりますので、こういった地域経済全般への対策も必要です。一日も早い清浄化、終息を図らなければならないことは当然でございますけれども、前例にとらわれない、思い切った対策をお願いいたしまして、質問を終わります。本当にありがとうございます。

筒井委員長 次に、道休誠一郎君。

道休委員 おはようございます。民主党の道休誠一郎でございます。

 口蹄疫の猛威、まだまだ宮崎県全体を覆っております。そして、畜産農家だけでなくて、地域社会の本当にあらゆる分野にこの口蹄疫の影響が出始めております。このことは、山田大臣、御就任される前、副大臣として、現地対策本部長として現地に入っていただき、当初、大臣が入られたときに、やはり各首長さんとの意見交換等を通しながら、地元との意思の疎通の難しさというのを大臣も御経験されたのではないかと思います。

 ただ、先週あたり、首長さんたちのお話を聞きましても、本当に大臣がしっかりと現場を見ながら政策あるいは対策を打っていただけているという、非常に、現地からの感謝の気持ちもお伝えいただいていますので、そのことをまずお伝えさせていただきたいと思います。

 先ほど川村議員の方からも質問が出ましたけれども、四例の発症があったえびの市、ここは、消毒、殺処分、そして埋却というものをしっかり行っていったということで、先般、制限区域等の解除が行われて、我々もやはりこれが基本だなということを確信した途端に、御案内のとおりに、宮崎市、都城市そして日向市というところで新たな発症が出て、これはもう私にとっても大変なショックでございます。そして、畜産農家の皆さんにとっては、本当に宮崎の畜産が壊滅するのではないかというような非常に大きな危機感に襲われております。

 先週、菅総理、早速現場に入っていただきまして、畜産農家の皆さんあるいは首長さんたちとお話しをいただき、いろいろな御議論をいただきました。中には、いまだに適正な人員の配置ができていないのではないかというような厳しい御意見もいただきましたけれども、新しい展開、宮崎市や都城市、日向市、そして昨日の西都市での発症に対しまして、農水省としてどういうような体制をこれからとっていかれようとしているのかについて、大臣の御答弁をいただきたいと思います。

山田国務大臣 ワクチン接種した範囲内でおさまっていただければ、本当にこれで何の心配もなかったというか、そんなに心配していなかったんですが、都城、西都、そして日向等々と出てまいりました。そんな中で、ワクチンをそこにも使うべきじゃないかという声もございます。あるいは、殺処分を三キロ以内にやるべきではないかという声もございます。

 しかし、今も委員がおっしゃいましたように、えびの市では四例、そのうち一例は豚なんですが、それも出ながら、消毒に消毒を徹底した。ある畜産農家は、いわゆる患畜が出たうまやと十メートルも離れていないのに、消毒を徹底して、そして清浄化することができた。そういう事例もありますので、都城の市長さんともいろいろお話しいたしましたが、ワクチン接種とか予防的殺処分ではなく、できるだけえびの方式というか、えびのみたいに、いわゆる二十四時間以内に埋却処分して、消毒を徹底して、そして清浄化に向けていきたいと。日向市長さんも宮崎市長さんも現在そういう意向でおりますので、私としてもそういう方向で、今のところ、いわゆる殺処分、埋却を二十四時間以内に急ぐ、そういう形で頑張らせていただこうかと思っているところです。

道休委員 どうもありがとうございます。

 経済的な支援、あるいは将来の畜産業の再建を踏まえた上での支援等については、今までいろいろ論じられておりますので、私はきょうは、次の質問として別な観点から質問させていただきたいと思います。

 一つは、えさ、飼料作物の国内の自給率が非常に低いということに絡みまして、十年前の口蹄疫が出てきたときも、やはり、原因についてははっきりしたことはわかっていなかったんですが、ひょっとしたら輸入のわらではないかとか、いろいろなことが取りざたされておりました。今回のケースも、今、疫学チームがいろいろな調査をされておると思いますけれども、一つにおきましては、飼料の自給率というのを今後どうされるのか。

 そしてまた、関連質問としまして、私、今回の口蹄疫が出て、自分自身も認識が足りなかったなと思ったんですが、実際に口蹄疫が世界でどれくらいはやっているのかということを見まして、びっくりしました。アジア、アフリカ、地域的にほとんどの国が口蹄疫に侵されている地域になってしまっている。

 そういう状況の中で、今、皆さん御存じのとおり、日本の各地方空港や港に世界じゅうから、またアジア、韓国、台湾、中国から、毎日、各種の定期便、航空路も来ている。検疫体制の充実というのは本当に一段と必要になるでしょうし、また、そういう状況について、こういう疫病がはやっていますよというような情報の伝達が本当に十分に行われていたのかどうかということについて、私は非常に、自分自身の認識のなさと、そして、そういうことがどういうふうに行われているんだろうか、政府の現在の御対応がどうなっているのか、今後どうされるのかということについて、ちょっとお話をいただければありがたいんですが。

佐々木大臣政務官 二点、御質問いただきました。

 飼料の自給率を上げろということでありまして、これは、今委員から御指摘がありましたように、飼料の自給率を上げていくということは極めて重要なテーマでございます。

 先日決定をいただきました基本計画においても、飼料の自給率を今の二六%から三八%に引き上げる、粗飼料の自給率は七九から一〇〇に引き上げるということを決めていただいたところでありますが、これらを実現するためには、まず耕畜連携、これを強化していかなければならない。それから、コントラクターなどの生産組織も育成をしていく必要があるだろう。それから、青刈りのトウモロコシですとかあるいは牧草などの生産向上、こうしたことと、耕作放棄地を活用した放牧、こんなことを実際には実施していかなければならないというふうに思っているところでございます。

 ぜひ、そうしたことを通して飼料の自給率を上げていきたいというふうに考えているところであります。

 検査体制でございますけれども、今、台湾、韓国での発生というものを受けて、都道府県にも再三にわたりそのことは要請をさせていただいているところであります。

 この侵入防止でありますが、まず発生圏からの豚肉等の輸入の手続を停止させていただいてございます。それから、空港や海港においては、入国者の靴底や車両の消毒などを含めて、水際の対策を今徹底させていただいているところであります。さらに、家畜防疫官、いわゆる水際で検査をする人でありますが、これは十六年度以降、五年間で四十四名増員をさせていただいて、現在、三百五十六名というふうに増員をさせていただいているところでございます。

 さらに、輸入検査の強化、体制構築をしっかりと図っていきたいと考えているところでございます。

道休委員 どうもありがとうございます。

 昨日、宮崎は大雨が降っておりまして、埋却作業もなかなかはかどらないという状況が続いておりました。四月二十日の第一例の確認からもう大体二カ月がたとうとしております。現場の農家並びに作業に当たっていらっしゃる皆さん、本当に極限状態の中でお仕事をしていただいております。

 こういう状況にありましては、先般、菅総理もおっしゃっていましたけれども、政府の強い意思と、農水省の、本当に大臣にお願いしたいんですが、強いリーダーシップで、この口蹄疫を抑え込み、そして畜産宮崎がまたつくれるんだという確信を現場の方々が持てるような、強い御指導力を発揮していただきたいと思います。よろしくお願いします。

 どうもありがとうございました。

筒井委員長 次に、古川禎久君。

古川(禎)委員 山田大臣、御就任おめでとうございます。ただ、大変困難な局面でございます。どうぞ全力を挙げて対応方をお願い申し上げたいと思います。

 五月の十七日より現地に入っていただきまして、畜産農家、そして消毒や殺処分、埋却処分の現場、あるいは地元自治体、それと霞が関の間に立って、大変さまざまな御苦労をされながら、そして現実の問題点についても大変よく御理解をしておられる山田新大臣でございますので、ぜひ、この早期鎮圧、そして早期復興に向けて全力を挙げていただきますように、心からお願いを申し上げる次第です。

 一点だけ、遺憾の意を表明しなければなりません。それは、今まさに口蹄疫という国家的危機が生じております。先日、菅新首相が宮崎に入っていただいて、そのときにも、これは国家的危機だ、そうおっしゃっている。であるならば、国会を延長し、この農林水産委員会、または特別委員会を設置するのもよし、あるいはまた予算委員会でもって徹底した審議をするべきではないか。国家の危機に当たって当然そのような対応をされるべきだと思いますが、いかがですか、大臣。

山田国務大臣 国家の危機だというのは菅総理も言っておりますし、けさも、口蹄疫対策本部、菅総理のもとに八時半から開かれました。各閣僚みんなそろいまして、先ほどまで会議をやってきたところですが、もうこれで菅総理になってから三回目になります。今、内閣自体が本当に、これは国の危機管理として、きょう、自衛隊の派遣等についても新たな協議をさせていただきました。獣医師の派遣等も、二、三日後に七十六名ほどの派遣を新たに決めさせていただきました。あらゆる形で今、国を挙げて、内閣挙げて、対策本部、本部長総理大臣のもとにやっておりますので、私どもも、ぜひ国家の危機管理として十分な措置をやっていこうと考えております。

 また、今までにもこの委員会で十日間にわたっていろいろ質疑がなされております。これからもまたこの委員会において十分質疑して、質問を受けていきながら、いろいろ協議していただければ、やっていけるのではないかと考えておるところでございます。

古川(禎)委員 国会を閉じちゃうんだから、議論できないじゃありませんか。

 御存じのとおり、六月十日と申しましょうか九日の日に都城で発生をいたしました。ワクチンベルトを越えて、突破して、日向、西都、宮崎、都城、そしてまた新たに西都、ワクチンベルトの外で発生しております。新たなステージに入っておりますよ。私は、これは九州の全域がリーチをかけられた状況だと思っています。関門海峡を越えるかもしれない、そういう不測の事態もやはり心構えとして持っておかなきゃいけない。そのときに、場合によっては新たな特措法第二弾というようなことも必要になり得るではありませんか。

 かつて、阪神大震災、中越大地震等々、さまざまな国家の危機管理の問題においては、やはりそのときそのときに応じて必要なる特措法なり特別な立法をやってきたわけですね。そのような事態だという御認識はないんでしょうか。

山田国務大臣 日本の畜産にとっては大変な危機的状況であるという認識は持っております。

 その中で、確かに都城で一件、日向、西都等でも発生しておりますが、疫学調査、感染経路等を今調べているところです。同時に、先ほども話しましたように、都城市長さんとか、いろいろと相談をさせていただいておりますが、いわゆるえびの方式でもって、出たら徹底的に消毒をして、そしてたたいていくという方向で何とか解決を図りたいというのが今現状です。

 これ以上ワクチン接種以外で大幅に出ることがあれば、また新たな大きな段階に来たんじゃないかと判断しなきゃいけないかと思いますが、今のところは、そういう方向で何とかこれを鎮静化したい、そう考えておりまして、そういう意味で、今ここでいわゆる特別委員会とかそういったものまで設置する必要があるのかな、そこまでは考えていないところです。

古川(禎)委員 やはり御認識が甘いのではないかと思います。

 今、大臣の答弁をお伺いしながら、私は思い出しました。あれは五月六日、ゴールデンウイークの明けた日だったでしょうか、副大臣室において大臣に申し入れをさせていただいた際、あのときに、ワクチンの接種、予防的な対応については、そのようなせっぱ詰まった状況ではないという認識を示されましたね。しかし、どうですか、現状は。後手後手に回っていると言われるゆえんではありませんか。ですから、私は、今の大臣の御答弁を伺っていまして、改めて不安になりましたよ。

 よろしいですか。二〇〇一年にイギリスで口蹄疫が発生した際は、これは前回の委員会でも申しましたが、当時のブレア首相は、休暇を返上して即日ロンドンに帰ってコブラを招集した。そして、予定されていた総選挙を一カ月延期しているんですよ。そしてまた、二〇〇七年でしたか、ブラウン首相のときに口蹄疫が発生したときは、イギリス全土の家畜の移動禁止、全土ですよ、こういう措置をとっておりますよね。

 今回の宮崎の口蹄疫は、FAOが言っておりますように、これは十年来最大級の発生だと言っているんですよ。そして、それが新しいステージに入った。にもかかわらず、今の大臣の御認識というのは、これは私は大変不安であります。したがいまして、こういう状況であるにもかかわらず特別委員会や予算委員会を開くことなく、これは国対の方で開かないということをおっしゃったそうです、与党の方が。これは私は非常に遺憾であるということをこの場で申し上げておきます。

 質問をさせていただきます。

 特措法で、消毒の義務づけとか蔓延防止について措置がとれるということになったんですが、これに対する費用負担というものが明らかになっておりませんね。今お伺いしますと、十八日に政令でということなんですが、特措法ができて十日です。これははっきりしていただかなければなりません。

 そして、県に迷惑をかけないように、地元に迷惑をかけないように全額負担するということは一貫して言っていただいているわけですが、それが予備費をもって充てるのか、あるいは特交の措置なのかというところでいろいろ調整がなされているようですけれども、これは予備費でやるべきでしょう。そのための予備費じゃありませんか。お聞きすると、三千五百億ほどあるということですから、これをもってこの非常の措置に果敢に対応していただきたいと思います。

 先ほど川村委員からも御指摘があったように、特別交付税というのは枠が六%で決まっています。しかも、端的にお伺いしたいわけですけれども、大臣、これは前々回の質問でも赤松大臣に申し上げたんですが、今宮崎県が特交で約三十億円ほどいただいているんですね。今回、県で使う費用が、県単でやる事業が例えば百五十億としましょうか、三十億足す百五十億で百八十億、これを十二月、あるいは三月に分けてでもいただかなきゃ、結局、全額を国が負担するという言葉はうそだったということになってしまいますよ。

 こういう認識でよろしいですか。いかがですか、そういう意味を込めて全額負担ということは、大臣、担保してくださいますね。

山田国務大臣 特措法もできまして、そして、国が負担する、いわゆる宮崎県と市町村に御迷惑をかけないということは再三、赤松大臣のときから私も申し上げて、現地でも申し上げてまいりました。

 ただ、最後までちょっと、十八日に最終的に公布されますが、いわゆる政令が発布されることになりますが、ここまで時間がかかったのは、正直申し上げまして、財務省から言う予備費でやるものか、残りを特交で一部見るものか、それで特措法の中にも「全部又は一部」という表現になったわけです。

 私自身も、野田副大臣と、当時私も副大臣でしたので、いろいろお話しさせていただきました。そんな中で、これは予備費でやるべきじゃないかという意見と、阪神大震災のときにすら予備費で全額やらなかったんだという意見等いろいろございまして、今官房長官のもと、ようやく調整が相整いまして、十八日に公布、すべて国が責任を持ってやるということには変わりございません。

古川(禎)委員 先ほど私が申し上げたように、端的にお尋ねしたように、特交の場合は、百五十足す三十は百八十億ということでよろしいですね。はいかいいえかで……(山田国務大臣「金額については」と呼ぶ)いや、大臣、ちょっと待ってください。

 大臣は、六月七日の日に、今おっしゃったようなことをおっしゃっていますね。総務省の特交で負担するか、財務省の予備費で負担するかの決着がつかなかったから、特措法十九条では「全部又は一部」という表現になったんだと。そして、県に負担を求めるということでは断じてないんだという力強いお言葉をいただいているから、もう宮崎県民、財政当局はもとより、そこにすがるような思いでおりますよ。

 ところが、菅大臣が見えた、鳩山前首相も見えた。それは万全を期すというようなことはおっしゃるんだけれども、きちんと数字で、今申し上げたような、満額を出すということについては明言されないんですよ。だから、こういう懸念が生じているんです。だから、私はしつこくこういうことをお尋ねしているんです。

 前々回の委員会では、赤松大臣は、信じてくださいとおっしゃいました。そこまでおっしゃったんですよ。ですから、政府が、前の赤松大臣、山田副大臣、そして原口総務大臣、野田財務副大臣、そして新しい内閣においても、総理大臣以下、同じような趣旨でおっしゃっておられて、ところが、届いたものをふたをあけてみたら、中身はそうじゃありませんでしたということになったら、これはとんでもないことであります。

 しかも、この口蹄疫というのは、現在、本当に不幸なことに我が県で発生をいたしておりますけれども、韓国でも中国でも台湾でも、今いっぱい発生しているわけでしょう。いつ、どの県で発生してもおかしくないんですよ。これは宮崎県だけの問題じゃないんです。その意味では、畜産を抱える県は、同じような心配の念を持って今回の措置を見ておられますよ。

 今後の家畜防疫、家畜伝染病対策を行うに当たって、今大事な場面に差しかかっておるわけですから、しかも、大臣、きょうでこれは最後になるかもしれないじゃありませんか。この場ではっきりおっしゃってください。担保してください。お願いします。

山田国務大臣 まだ口蹄疫は進行中で、金額が幾らになるかはわかりません。しかし、これは全額国が責任を持って見ることは間違いありませんので、そのとおり答弁させていただきます。

古川(禎)委員 とにかく、特別交付税交付金というのは、前々回も申し上げたとおり、赤松大臣に申し上げたとおり、満額、ちゃんと全額見ますといいながら、百五十足す三十が百八十になるような形では出てこないんです。ですから、こういうことを何度も何度もお尋ねしているわけです。そして、この場が、恐らくきょうが最後の場面ですから、政治主導だとおっしゃるんだったら、大臣おっしゃってください。

 口蹄疫対策の本部長は首相でしょう。それは総務省であれ財務省であれ農林水産省であれ、リーダーの総理が、万全を期す、地元に負担をかけることはないとあれだけおっしゃるんですよ、地元で。地元であれだけおっしゃって、それがメディアに載る。ところが、このオフィシャルな委員会になるとどうもはっきりしない答弁になってしまうというのは、これはいかがなものですか。

 ですから、お願いします。これはみんな見ていますよ、大臣。これは災害なんです、不幸な出来事なんです。国が万全を期してやると言ってくださっているんだったら、きちんとここでおっしゃっていただけばいいじゃありませんか。

山田国務大臣 金額が幾らになるかは、これから、まだまだ発生中だからわかりません。しかしながら、全額国で見ることには間違いありません。

古川(禎)委員 わかりました。

 では、考え方として、県が仮に百五十億ぐらい使ったとするならば、それをきちんと国から出していただけるということですね。ということで受け取りました。よろしいですね。そうでなかった場合は、これは大変なことになりますので。ほかの県も含めて、みんな関心を持って見ていますから、大臣、ぜひお願いいたしますよ。

 早期出荷対策についてお伺いします。

 五月の十九日だったでしょうか、ワクチンの接種とともに、十―二十キロの範囲で、早期出荷、緩衝地帯をつくるというような方針を打ち出されました。その後、多少紆余曲折はあったものの、今一部進んでおるわけです。

 ただ、大臣、早期出荷で加工した肉を民間業者が買い上げ、価格下落分は国が補償する、こういうことをおっしゃっているわけなんですが、その具体的な内容が明らかになっていないんじゃないでしょうか。これは大事なポイントです。ここでぜひ、はっきりおっしゃってください。

山田国務大臣 現地を歩いていって、ミヤチク都農の工場をあけても、いわゆる出荷時期を迎えた牛だけでも三千頭いるかと思っていたんですが、なかなか出荷まで来ないという事情で、いろいろ調べてみました。

 かなりいろいろなことがわかってまいりましたが、一つは、やはり価格が全国の平均相場よりも安い。今出荷しても、それだけの肉代、価格として得られないというところもあるんじゃないか、そういうこともわかってまいりましたので、それについては、ひとつ、ミヤチクならミヤチクで、いわゆる、この価格の方の決定はまだいたしていないかもしれませんが、私の方で指示いたしまして、一たんミヤチクで買い上げて、そして、しばらく冷凍保管してもらう。そうしますと、チルドじゃなく冷凍保管になりますから、価値が下がります。下がったものについて、いずれ食肉として流通するときに、それだけの差損が出た場合、また、保管費用等についての利子の負担とか、そういったものについても、国で見ますという形で整理させていただいているところです。

古川(禎)委員 ワクチン接種のときを思い出すんです。非常につらい決断を現場に求めるということを決めた。ところが、当時の赤松大臣が、六十万だとか三万五千だとか不用意なことをおっしゃってかえって現場が混乱して、二転三転した結果、一刻の猶予を争うワクチンの接種というタイミングがおくれてしまった。私は、この苦い経緯を思い出してしまうんです。

 今回、その出荷が進まないとおっしゃる。牛が一千頭、出荷適期に当たるものが一千頭、豚が二千頭ということなんですが、それは、値下がりすると、きちんとした差額といったってそれがはっきり示されていないとなれば、農家は出荷をためらうんですよ。そうでしょう。

 ですから、私が思いますのは、おっしゃるのであれば、それをきちんと具体的なところまで示していかないと、後手後手に回ってしまう。この緊急事態における対処として遺漏なきを期すのであれば、これは一刻も早くそういうものを提示するべきなんですよ。ですから、この場で申し上げているんです。

 繰り返しますが、この場が最後になるかもしれないんでしょう。お願いしますよ。

山田国務大臣 価格については、基準価格というか、今、相場等々から判断した価格を早急に指示しておきましたが、今局長から聞きましたところ、近々に発表させていただくということになっております。必ずそれもきちんとさせていただきたいと考えています。

古川(禎)委員 とにかく、これはもう本当に急いでください。お願いします。

 早期出荷ということで、ちょっと一点だけ触れておきます。

 今回の口蹄疫、もう二カ月近くになろうとするわけですが、この間、大変胸を打つ人の心の温かさ、感動的な場面もあった、涙を流す場面もあった反面、やはり人の余り見たくない姿というものも幾つか見る場面があったんですよね。

 そして、この早期出荷。早期出荷をするに当たっては、トラックで家畜を運ぶわけでしょう。そうすると、だれかがトラックを出して、どこかの運送業者さんが、よしと腹を決めて手伝ってくれなければ出荷できないわけですね。ところが、もうお耳に入っているかどうかわかりませんが、そうなると、何だ、そういうのに協力した車は帰ってくるな、あるいは、そういう会社は取引停止だ、こういうことになるんです。

 だれかがやらなきゃいけない。だれかがやらなきゃいけないことを意を決してやった。案の定、ひどい目に遭う。こういうことが現場では間々発生しておりますよ。そういうことをどうか胸のうちにちゃんと置いていただいて、迅速を要する対応ですけれども、何とぞ、その点の目配り、心配りというのもお願いをしておきたいと思うんです。

 次に、今回、都城で発生しましたので、ミヤチクの高崎工場が操業停止いたしました。ミヤチクは、都農工場、これは特例で再開をしているということなんですが、このミヤチク都農と高崎、ここで宮崎県の約半数近くの処理能力を持っておるんですね。その高崎がとまった。この影響は大きいですよ。

 そうすると、では、出荷するに当たって、どこか代替の場所を探さなきゃいけない。大阪や福岡、そういうところまでお願いに行かなきゃいけない。ところが、運ぶには運べるとしても、相当なる経費がかかってしまう。まあ、そうですわね。物流、それは小売だけじゃありませんよ、小売だけではなくて、本当に物の流れ、全体が滞っておるわけですから、そこにはさまざまな混乱があります。

 何か具体的なことを考えていらっしゃいますか。

山田国務大臣 確かに、心配いたしております。

 きのう、牛豚等疾病小委員会を開かせていただきました。その中で、ミヤチクの高崎工場、これが再開できないのかどうか、再開できるとしたら、防疫免除をどういう形でやれれば再開できるかという検討をさせていただきました。できれば、県とも調整して、ミヤチクの高崎工場、できるだけ早い段階で再開にこぎつけたいと思っているところです。

古川(禎)委員 ありがとうございます。できるだけ速やかに結論を出していただきたいと思います。

 時間がなくなってまいりました。急ぎます。

 今回の口蹄疫によって、地域経済は大変なダメージを受けております。詳しくは申し上げません。もう御存じのとおりです。これに対していかなる対応ができるか。

 商工会、商工会議所等もアンケートをとって、小売から運輸から製造からサービスから飲食から宿泊から観光から、いろいろな業種がこういう要望を持っているということは大臣の耳にも入っていると思います。例えば、税の優遇だとか金融支援だとか、さまざまあります。プレミアム地域振興券みたいな、僕はとてもいいアイデアだと思います。そういうものもろもろもありますが、今回の口蹄疫問題は、蔓延防止、そして畜産農家の再建支援、生活支援も当然ながら、地域経済に対する支援、地域経済再生という対策、手当ても急がなきゃいけないと僕は思っています。

 先日成立した特措法では、基金を置いてこういう地域再生という対処をするというふうになっておりますが、この点について、口蹄疫対策本部として具体的にどのような考えを持って作業を進めておられますか、簡単にお聞かせください。

山田国務大臣 地域振興のための基金については、菅総理のもとに、これから検討していく事柄だと思っております。ただ、現在、私の承知している限りでは、基金というのは仕分けでもって、その都度、必要な資金をという形に最近仕分けされてまいりましたので、どういう形でできるか、それはまだ不明なところがございます。

 しかしながら、今すぐ、地域にとって今大事なことは、確かに、商店街等々にとっては、もう売り上げも落ちているし、大変な状況に陥っているということから、亀井金融担当大臣、今、自見先生にかわられましたが、私どもも話させていただいて、いわゆる返済猶予、それからセーフティーネットの貸付資金等々を早くやっていただくこと、徹底していただくこと。

 同時にまた、今すぐ始めたところではございますが、疑似患畜、患畜の処分に対する時価評価に対する支払い、これを急ぐということ。既に二十数件の申請がございますが、ワクチン接種農家の殺処分についても、私としては、できるだけ殺処分と同時に概算払いしてくれと再三要求してまいっておりまして、ようやく財務省と総務省との間でも話がついたようでございまして、できるだけ早く、殺処分に対する時価評価等々及び互助金等を早く支払うことによって地域の活性化につなげていきたい、そう考えているところです。

古川(禎)委員 お伺いしていますと、今の蔓延防止、もうここで大臣のお気持ちはいっぱいなのかなというふうに感じ取りましたけれども、これは法律で書いてあるんですということが一点。

 それと、地域の経済というのは待ったなしですよ。返済猶予だとかなんとかということでとりあえず今やっておけばいいという問題じゃありません。それは、現場の状況をまだ十分大臣に御認識いただいていないのではないかという印象を持ちます。

 ですから、これは、口蹄疫対策本部として、せっかく本部長は内閣総理大臣なんですから、やはり政府を挙げてそこまでちゃんと手当てをしてください。やはりスピードです。お願いします。

 最後に、十年前に口蹄疫が発生して、今回発生しました。今回これだけ広がってしまったことは、前回、前々回、私は、政治のリーダーシップの欠如である、これが最大の要因だと申し上げました。

 こればかりではないということもわかっています。例えば、このウイルスの感染力が今回、前回に比べて強いということもあるでしょう。前回と今回を比べたときに、一つ違いがあるのは、情報通信が発達をして、社会環境が随分違ってきているというところも、僕は、検証をするときに一つ挙げなければならないと思っています。

 それは、みんな携帯電話を持ち、そして、インターネットだ、メールだ、そんなもので瞬時にして情報が飛び交うわけですね。これが、正確な情報であればともかく、何といいますか、ちょっと荒唐無稽な話も含めていろいろなものがあるわけです。そして、それがかえって現場の対応をおくらせたり混乱をさせたりするということも間々ありますよね。

 ということは、この情報の開示というものに対して、今までのような考え方ではもう対応できない。これだけ情報通信が発達した時代だからこそ、それにふさわしい情報開示のあり方、こういうものも私は考えていかなきゃいけないんじゃないかと。この件が終息したら落ちついて考えましょうではなくて、今から考えなきゃいけないのではないかということを私は強く思うんですね。

 今回、都城で発生しました。この農場主は、若手のリーダーですよ。都城に絶対口蹄疫を入れちゃいけないといってみんなを励ましながらリーダーシップをとってきた人なんです。ところが出てしまった。それがなぜだかわからない。あるいはそこで、彼は骨折をしていたものですから、友達が手伝いに来てくれた。手伝いに来て農場に入った人はやはり関連農家ということで、その人も、今回予防的にということで殺処分されてしまったんです。疑似患畜は出ていませんよ。健康な牛。しかも、その日に子牛が生まれましたよ。よりによって殺される日に生まれてくるなんてと泣いておりました。そういう苦しい思いを持ちながら、必死に歯を食いしばって食いとめよう、自分のところでとめようと。

 都城は地続きで大隅半島まで行くんです。日本の畜産の心臓部ですよ。この緊張感たるや、筆舌に尽くしがたいものがあります。そのときに、インターネットだメールだ、そういうところで変なうわさが過剰にばらまかれて、現場のスピーディーな対応に支障があるということがあってはいけない、そういうことを私は感じることがありました。

 ですから、この情報開示、検体が上がってきた、これが白だった、黒だった、どうだった、そこはだれだ、その個人情報もいろいろあるでしょう。しかしながら、個人情報だからといって伏せたって、変な形で広がるんですよ。そして混乱するんです。ですから、情報開示のあり方というのは、むしろオープンにして出すということも、もはや必要な時代になったのではないかなというふうに感じるところです。

 今、これは私の雑感として申し上げました。もう答弁は求めません。時間を少しオーバーしましたが、どうもありがとうございました。

 大臣、本当にスピーディーな対応をよろしくお願いします。

筒井委員長 次に、江藤拓君。

江藤委員 宮崎県の江藤拓でございます。自由民主党でございます。

 大臣、御就任おめでとうございます。おめでとうございますというより、ようこそこの大任をお引き受けになりました。私は、その勇気に敬意を表します。非常に御苦労された。私はずっとこの委員会で議論してきましたけれども、はっきり言って、前大臣よりも副大臣とお話をしている時間の方がはるかに長かったですよね。

 そして、現場に入られて、市町村長ともいろいろなあつれきがありましたでしょう。いろいろな御苦労をされた。だけれどもその反面で、例えば埋却現場に行って、マニュアルどおりじゃないからそういう埋設の仕方はだめだよと言われたところに副大臣は行かれて、いや、やらせてやりなさいという現場でのリーダーシップを発揮してくださったという話も同時に聞いております。

 ですから、発生当初から今日に至るまでの経緯をきちっと知っている方が大臣になられた。私は、今後の対策を考えるときにはいい人事だった、よくこの大任をお受けになったということに敬意を表したいと思います。

 昨日、私は県庁に行ってまいりました。篠原副大臣からも私の携帯に電話を直接いただきまして、江藤君、話を聞かせてくれ、これまでの経緯、現場の声をぜひ聞きたいからと。本当は土曜日だったんですよ。ただ、菅総理が行かれたので日程は日曜日にずれたんですけれども、三十分ばかりじっくり話をさせていただきました。感想としましては、ほぼ意見の一致を見たのではないかという感じがします。ですが、まだやらなきゃいけないこと、特措法にしても補償の問題にしても、いろいろなものについていろいろな穴、そして現場の声が十分に対策に反映されていない、そういうこともお伝えをしました。そういうこともありますから、これからはもう、過去のことをがたがた言ったって畜産農家は救われませんからね。建設的な議論をしたい。

 ただ、きょうで終わりというのは、非常に私は残念ですよ。委員の方々もきっとそう思っていらっしゃると思う。会期をやはり延長していただいて、我々は追及の場を下さいと言っているんではないんですよ。足引っ張りではないんですよ。だって、日向、宮崎、都城と発生をして、一週間、十日と言われる潜伏期間もまだクリアしていないじゃないですか。現場の方々にしてみれば、潜伏期間もクリアしていないのに国会は閉まっちゃうのと。みんな言っていますよ、これは。

 実際問題、私の宮崎で選挙をやれといったって無理です。もし選挙運動をがんがんやったら、これは蔓延防止に逆行しますよ。人を集めたりポスティングをしたり選挙区を走り回ったり。現実問題、選挙はできません。どうしたらいいかわかりません。

 ですから、そういうことを考えると、難しいと思いますが、大臣、もう一度、閣内にあって、何とか少しでも、少なくとも潜伏期間が過ぎるまで会期の延長ができるようにお骨折りいただけませんか。このことはお願いでございます。

 それから、質問をもう一つさせていただきますが、本当に十六日で国会が閉幕ということになりますと、現地対策本部、篠原さんも一生懸命やるという意気込みを示してくださいました。がっちり握手もさせていただきましたよ。そうなりますと、彼らは対策本部から引き揚げるんですか。それとも、そのまましばらくの間はきちっと残って対応してくださるんですか。それを確認させてください。

 それからもう一つ、時間がないのでまとめてお聞きをしますけれども、前の赤松大臣は退任あいさつで、そのときに蔓延防止、阻止できなかったこと、これは私の責任は免れないということを明確に言われました。この発言は、現政権が、ここまで事がでかくなってしまったことは内閣として責任がある、対策本部長は内閣総理大臣だったわけですから。そういうことだと思います。新大臣におかれましても、最初は天災ですよ、ウイルスですから。最初の発生は天災です。しかし、一定期間を過ぎたところから、やはり対応のまずさというものは私はあったと思う。そういう前提に立ってこれから議論をしたいと思います。そういう認識でよろしいでしょうか。

 まとめて御答弁を求めます。

山田国務大臣 現地対策本部については、私が三週間常駐しておりましたが、今、篠原副大臣が常駐して、そのまま現地対策本部はこれが終息するまで続けさせていただきたい、そう思っております。

 今回、初期のいわゆる対応についてどうだったかということは、赤松大臣のときにもいろいろ言われました。しかし、いろいろな面でいろいろあったとは思います、ここまで感染が拡大した結果について赤松大臣も謝罪いただきましたが、その意味では私も同じような責任を本当に感じております。

 そんな中で、あの三週間、本当にどういう形で、えびのみたいにきちっとやられるところもあるし、なぜ川南、あの辺であれだけの爆発を起こしたのかということも含めて、これはしっかり検証もしながら、検疫の調査もしながら、対応策は万全なものをこれからもとらせていただきたいと思っているところです。

江藤委員 会期延長については御答弁がありませんでしたけれども、まあいいでしょう。

 私は、さらに新大臣を追及したいからこのことを申し上げたわけじゃないんですよ。これは天災である、どうしようもなかったんだ、天災なんだという認識のもとで今後対策を練っていくということであれば、やはり災害対策特別措置法とか、そういった範囲から出ることができない。だけれども、これに政治の責任があるということを現政権が認めていただければ、より踏み込んだ政策も、より踏み込んだ予算の獲得もできる。

 ですから、きょう、今、大臣の御答弁を聞いて、蔓延、拡大に責任を感じているとおっしゃっていただきましたから、このことについては、私は一つ安堵をいたしました。それから対策本部も残していただける、このことについてもお礼を申し上げます。

 菅総理の六月十一日の所信表明演説、聞いておりましたけれども、口蹄疫は三行ちょっとだったですね。非常にがっかりはしたんですけれども、ただ、内容については極めて大事なことをおっしゃっていらした。政府は、迅速な初動対応や感染拡大の阻止に総力を挙げるとともに、影響を受けた方々の生活支援、それから経営再建対策に万全を期しますということをあの議場でおっしゃいました。これはすばらしい発言であります。

 この踏み込んだ発言を受けられまして、担当大臣として、この万全を期すというものの、ざっくりとした質問で大変恐縮ですけれども、大臣がイメージされる万全な対策というのはどういうものですか。短く御答弁をお願いします。

山田国務大臣 菅総理が現地でもそうおっしゃっていただいて、非常に、何とかして、きょうの対策会議でもそのような趣旨のことを申しておりました。

 先ほど古川委員からもお話がありました、現地の状況において、商工会の皆さんとかいろいろな方々から、できるだけ私もいろいろお話を聞いておりましたし、観光客も含めて非常に厳しいという状況を認識しているつもりです。

 そんな中で、何ができるのかということについて、いわゆる殺処分したりワクチン接種したり、そういった農家については、先ほど話しましたような、早く、概算払いとかいろいろな形のものを、今できるものから先にどんどんやっていきながら、ひとつここは、与野党を含めて一緒に協議しながら一つずつ解決していくしかないのではないか、そう考えております。

 総理の言っている万全の措置は、ぜひ、頑張って私も大臣として取り組ませていただきたい、そう考えているところです。

江藤委員 万全という言葉を地元の人間が聞きますと、やはり期待は膨らむ一方ですよ。それはそうでしょう、万全なんですから、完璧に措置していただけるんだと。政治家の言葉というのは重いです。それを聞いた人は、ああ、万全の措置をしてくれるんだと。これを裏切ったときの反動というものは極めて大きなものになると私は思います。

 従来の対応方式の延長ではもうだめなんですよ。古川議員もおっしゃいました、新しいステージです、全く新しいステージ。十年前の教訓も、この二カ月余りの教訓も、もう生かされません。こんなにぽんと飛んでしまっては、新しい、もう一歩踏み込んだ、政府がもっと前に出る対策をしなきゃいけない。ほかの国はそうじゃないですか、イギリスにしても韓国にしても。

 例えば、自衛隊の問題で菅大臣と西都の橋田市長がちょっとぶつかったみたいですね、地元で。いろいろ意見の相違があるのは、それはしようがないでしょう。ただ、私は思いました。もし、対策本部に防衛省から政務三役のだれか一人が入っていただいて、防衛大臣から指揮権の一部をもらって、そして地域の要望を聞いて自衛隊に対して柔軟な指揮系統を持って指示ができる、そういうようなこともしていただかないと、なかなか難しいんですよ。

 例えば市町村長に指揮権を与えることはできないでしょう。ちょうだいと言いますよ、それはできませんと私も答えておきました。ですから、そういうことも私は有効だと。これは提案ですから聞きおいていただければ結構だと思います。

 現場は大変です。雨です。掘っても崩れる、水たまりになる。いろいろなメールをいただくわけですけれども、もう、すごい状況ですよ。県庁職員の方々、デスクワークをしていた人たちが今、埋却処分に当たっています。殺処分された豚がトラックで運ばれてくる。一部は腐っている。体液もしみ出ている。それによじ登っていってひもで足を縛って、そしてかけて穴に埋める。そして、やっと終わったなと思ったらまた次のが来る。そして、お昼になると、その埋却処分の横で箱弁を渡されて、どうぞお昼を食べてくださいと。もう精神的にも肉体的にもぼろぼろです。こういう状況です。

 多分、川南、都農では、今の状況では埋却処分が終わるのは八月までかかりますよ、ワクチンを打った分も入れればですよ。八月いっぱいはかかります。それがずっと続くということを、やはり担当大臣の胸に刻んでください。

 それから、いろいろな県から、獣医の方々、それから、いろいろな処分、埋却のお手伝いに来ていただいています。そういう人たちからもメールをいただきました。もう帰ってくるなと。あなたが帰ってきたことによって、もしかしたら口蹄疫ウイルスを持ち込むことになるかもしれないから、当分帰ってくるなというようなことも言われてしまっているそうです。

 こうやってやる四半的は御存じですか。私の友達のじいちゃん、ばあちゃんは、あれの大会を楽しみにしていて、この間、ある県に行ったんです。そうしたら、宮崎県の人はお帰りください、今回は参加を御遠慮いただきたいと。すごすごと、がっかりとして帰ってきたというようなこともありますので、こういったことも、ぜひ、委員の皆さん方も含めて、わかっていただきたい。これからまだまだ宮崎県の苦しみは続く。いつ終わるのかわからないという状況であります。

 ここで一つ質問しますけれども、今回、日向、宮崎、都城、これは、結果が出ないうちに写真判定で殺処分しました。もちろん大丈夫だと思っておりますけれども、地元ではやはり、木曜日に意見交換会をしたときにも、大丈夫だろうか、同様の補償が得られるんだろうかという疑念がありますので、そこで、一言御答弁をお願いします。

山田国務大臣 小平まで検体を送って検査しますと、次の日、翌日になってまいります。今回、できるだけ早く写真で判定するという形で殺処分させていただきましたが、その際、もし、PCR検査の結果、陰性になったらどうなるのかというお話かと思います。

 この場合でも、疑似患畜として防疫員が認めて殺処分した以上、すべて、疑似患畜としての補償は全額なされます。

江藤委員 やはり大臣の口から、はっきりそう言っていただくと地元は安心しますので。ありがとうございます。

 それでは、宮崎県は、消毒とか利子補給で、もう八十一億円使っちゃいました。そして、宮崎県として三度の補正予算を組みました。六月の定例議会では第四次の補正予算を組みます。これを組むと、宮崎県の基金の残高は二十八億七千万円。ほとんどないに等しい。

 ですから、先ほど古川議員が言われたように、特交じゃだめなんですよ。すぐ埋めてもらわないと、宮崎県はバンザイしますよ。予算編成なんかできません。ですから、財務省と総務省と、ぜひ御協議ください。このままでは大変なことになります。前大臣も特交ということを言っていましたけれども、ここはやはり方向転換をぜひしていただきたいと思います。

 それから、県だけじゃないですよ、二十キロ圏外の例えば椎葉村とか諸塚村とか、違うところも、みんな防疫対策を一生懸命やっています。消毒代もかかっています、人件費もかかっています。そして、道に、プールみたいにこういう穴を掘ってやると百数十万かかりますよね。あれもやっています。貧しい貧しい村の財政の中で、町の財政の中で。これもきちっと埋めていただかないと、諸塚村のように自主財源のほとんどないようなところは一気に行き詰まりますから、早い手だてが必要だということを私は考えますが、時間がないので、なるべく短く御答弁をお願いします。

山田国務大臣 宮崎県庁から、私が現地にいる間も、決算の内容等々もいろいろ御報告いただきまして、二十八億しか基金がないという状況の中で、どうしましょうというお話はよく聞いております。

 そのことは官房長官にも総理にも伝えておりまして、私も何回となく、できるだけ早く、国の方から県の方に、そして県の方から農家の方にお金が行くように、これを一日でも早く実現させていこう、そう考えているところです。

江藤委員 古川委員の質問にかぶりますけれども、特交ではなくて、すぱっとした形で出していただきたいということを重ねてお願い申し上げておきます。(山田国務大臣「そこのところは私の権限じゃないので」と呼ぶ)ですから、先ほど申し上げたじゃないですか。財務省と総務省と協議をしてください、閣議もあるわけですから、そこで御協議をお願いしますと先ほど申し上げたつもりであります。

 私は、経営再建というものをやはりしなきゃいけないというふうに思いますけれども、短く御答弁ください。大臣が考える経営再建というのはどういうものですか。畜産農家の経営再建、これはどういう姿をイメージされますか。

山田国務大臣 これから感染が本当に拡大して、もう一回爆発するかどうかわかりませんが、もしもこのままそんなに大きく広がらずにおさまることができるならば、七月いっぱいに殺処分を終わらせることができればと私は考えているところです。

 それができれば、一月かけて三回にわたって消毒を実施すれば三週間、そうすると経営再開ができるはずです。まずは殺処分のときにできるだけ早く時価評価、そしてワクチン農家に対しても互助基金相当の支援金等々の支払い、これはかなりの金額、例えば従業員に対する生活支援もできるはずの金額をはじかせていただいているつもりです。

 そして、いわば事業再開をできるだけ早くやっていく。そのときに、互助基金相当のものが、あるいは生活支援だけじゃなく事業再開につながればありがたいし、また、事業再開に対しての資金が必要であれば、家畜疾病維持資金の無利息の資金もありますし、かつ、今私が考えているのが、家畜のリース事業による導入ということも考えております。

 いろいろな形で、もう一回あの地区で畜産が再開できるように、できるだけの措置をとらせていただきたいと考えているところです。

江藤委員 大臣のお考えはわかりました。私がお聞きをしたのは、経営再開ではないんですよ。再建ということであります。リースはいい考えです。それから自家保留も、今は認められませんけれども、こうなると自家保留も認める方向で、話が長くなりますからこれはやりませんけれども、政務官、ぜひ御検討ください。

 私が考える経営再建というのは、牛を導入して、育てて、市場に出して、そして収入を得る、その瞬間が経営再建ですよ。そこまでの期間というのは、導入してから出荷までの間はまだ再建途中です。その間の政策について、これから当委員会でもきちっと詰めていかなければならないと私は思います。

 今のいただける補償金その他の金額が示されますけれども、農家はみんな大体見当がつきます。みんなが何と言っているか。百頭規模の農家は、まあ五十頭規模ぐらいでしか始められぬだろうな、四十頭規模ぐらいでしか始められぬだろうなと。えさ代も考えにゃいかぬ、生活費も考えにゃいかぬ、借り入れの返済も考えにゃいかぬ、そういう話なんですよ。

 しかし、百頭で経営していた人たちは、百頭の経営能力、返済能力をもとにして借り入れを起こしているわけですよね。五十頭でしか再開できなかったら、簡単に言えば収入は半分ですから、返済に困ってしまうわけですよ。補償金をいただいてもその金が返済に回ってしまう、生活費にも困る、営農資金にも困るということになります。ですから、この借り入れについて、やはり何らかの、例えば返済猶予期間を三年設けるとか、現在持っている返済に猶予期間を設けるとか、思いっ切り低利のものに借りかえさせるとかいうことが私は必要だと思います。

 それからもう一つは、農協さんに対する御支援をぜひお願いしたい。今回は、県、市町村、よく頑張りました。しかし、その中でも農協は頑張りましたよ、まさに不眠不休。この人たちは、一度委員会でも申し上げましたけれども、営農資金であったり生活資金であれば、これはもうほとんど無審査のような状態でお金を貸し出したんですよ。だってみんな、あしたのお米が買えないという人がいるんだから。お金を貸したんです。

 ですから、これは残念ながら、返ってこない可能性が高い融資だったかもしれない。それがむちゃだったという指摘もあるかもしれない。でも、私は、もしこれで尾鈴農協なり児湯農協なり西都農協なり都城農協なりがつぶれるようなことがあったら、これは地域の農業にとってはかり知れないダメージになりますので、そういったことをきちっと精査していただいて、農協に対する、経済連に対する経済支援もしていくべきだと思いますが、御答弁を求めます。

山田国務大臣 今回、それぞれの地域で農協職員初め農協の皆さん方がしっかり頑張ってくださったこと、また、農協等の貸し出しとか、県自体も生活資金の貸し出し等々をしていることも承知しておりますし、地域を挙げてみんなが大変頑張っていますので、国としてできることはさせていただきたいと思っています。

江藤委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 ちょっと話が前後して申しわけないんですが、これから本当に早期に移動制限がなくなることを祈ります。三回、三週間消毒をすれば素牛を導入できますけれども、では、その子牛をどこから買ってくるかというのがまず大問題であります。

 そしてまた、畜種ごとに問題点を整理してちょっと御報告させていただきますが、繁殖農家の場合は、市場で買えたとしましても、種つけまで五カ月育てなければなりません。そして、十カ月間おなかの中にいてやっと市場に出るわけですから、下手をすると二十五カ月間全く無収入なんですよ。やはりこの間を考えていただかなきゃいけない。菅総理の所信表明演説で生活の支援ということも明確に言われたわけですから、これは考えていただかなきゃいけない。

 それから、肥育農家についても、子牛を買ってきて出荷まで二十カ月かかります。無収入ですから、これも考えなきゃいけない。

 養豚農家は、三カ月の雄雌をうまく買ってきて五カ月後に種つけをしたとしても、大体三カ月三週間三日で出産だと言われていますけれども、それから肥育を三カ月するとすると、大体十二カ月間ぐらいは無収入です。養豚農家は厳しいです。

 それから、酪農の場合は、二十カ月の初妊牛あたり、政務官は詳しいと思いますけれども、これが導入できたとしても、搾乳できるのは四カ月先ですね。出荷できたとしても、これが現金化されるのは約一カ月半先じゃないですか。この間は全く収入がない。

 そういうことになれば、現在示されている殺処分の手当金、それから経営支援互助金、これだけではとても足りないんですよ。生活支援をやるということであれば、もう一歩、二歩踏み込んだ対策が必要。特措法を書けというなら書きましょう、またみんなで協力をして。しかも、互助金の未加入者は、経営支援互助金が半額しか出ないじゃないですか。これは本当に厳しいですよ。出荷までの間に倒れてしまう畜産農家が出かねないということを御認識いただきたいと思います。

 学費も払えない、生活費もない、営農も続けられない、こういうことが起こり得るということを私から今御報告させていただいたわけですが、大臣の御答弁を求めます。

佐々木大臣政務官 今委員からさまざまな対策、既にいろいろやっていることを承知の上で、まだ足りないんではないかという御指摘をいただきました。

 今現在行われている措置については、もう皆さん方も御案内のとおりでありますけれども、これから先の部分については、今、対策に対するところの手当てに追われているという状況でありますから、先ほど委員も御指摘があった経営再建のための手当てというのは今の三つが中心になってやっているわけでありますけれども、これは少し先の話に、急げと言われればそのとおりでございますけれども、まず今の対策を、封じ込めるというところの対策に今全力を注がせていただいておりますので、検討させていただきたいと思います。

江藤委員 政務官の御答弁は、私は納得いたします。そのとおりですよ。そのとおりでありますが、農家の立場に立ってみれば、将来の展望を早く示してくれということなんです。そのことが再建に対する意欲につながり、そして防疫をもっと一生懸命やろうという気持ちにつながるわけですから、急ごうじゃありませんか。参議院選挙に入りますけれども、その間も衆議院は別に選挙運動ばかりするわけじゃないんですから、ぜひ御努力をいただきたいと思います。

 まだいっぱいありますけれども、まとめてお聞きをします。

 野菜、果樹、いろいろな影響が出ています。例えば、宮崎県はキュウリとかピーマンの苗をつくって出荷しているんですけれども、返品が相次いでいます。これに対する対策を考えてください。

 それから、耕畜連携が崩れています。もう堆肥がありませんから。施設園芸はもう一カ月もしたら植えつけです。これを何とか、やはり早目の対応をお願いします。

 それから飼料米の支払い。これは十アール当たり八万円ということで契約を結んだわけですけれども、もう畜産農家は買えません。でも作付けちゃっているわけですから、これについてはちゃんと払うということでよろしいですね。うなずいてくだされば結構ですけれども。もう答えなくていいです、時間がないんです。

 それから埋却地の問題。これは市町村によって全然ばらつきがあるんですよ、買い取り価格に。これはやはり若干問題になっています、地元で。ある町では何十何万、ある町では何十何万、ある市では何ぼと。ですから、やはり私は最終的には国が買い取るという方向に方向転換をするのが万全の措置だということは思いますので、これについては、時間がないので、本当は聞きたいんですが答弁を求めません。

 次は答弁を求めます。

 評価方式、これは十八日には閣議決定というふうに聞いておりますけれども、非常によくできている内容だろうと思います。宮崎県の畜連で検討をして、関係者も集まって、もちろん政府の方々の御意見も入れてつくり上げたものですから、宮崎の意向もかなり反映されていて、いいものではあるんです。

 ただ一つ、やはり私がどうしても気になるのは、例えば三月の競りで子牛を買いましたと。十カ月月齢ですよ。それが今、十三カ月月齢になっているわけですね、三カ月たったとすれば。そうすると、評価は六十二万なんです。八十一万まで届きません。それに、いわゆる血統の加算であるとか、いわゆる能力の加算とか、そういうのはつきますけれども、八十万とか九十万とかで買っている人が中にはいるんです、すごい牛を。やはり将来のいい牛をつくりたいという意欲を持って。そういう人たちにとってみれば、この算定方式では非常に不満が残っています。ですから、そんなに頭数も多くはありませんから、これについては配慮が私は必要だと思います。

 どうしてかというと、乳用牛のところにはこう書いてあるんですよ、算定方式のところに。乳用牛は導入時の価格を基礎として算定をすると。乳用牛は導入時の価格なのに、繁殖素牛についてはどうしてそうじゃないのかというような不満が残っていますので、お願いします。

 時間が来たということでありますが、ちょっと無視をさせていただいて、あと、十キロ圏内、十キロから二十キロ圏内、それから二十キロ圏の外、これについては非常にいびつな状態になっています。古川委員から大分説明がありましたから省きますけれども、一番問題なのは、十キロ圏内の人の方が早目に再建できるじゃないかという声が、十キロ―二十キロ圏の外の人から出ているという状況は、これは余りにもいびつですよ。二十キロ圏外の人たちなんというのは、全く何の対応も示されていない。十キロ―二十キロ圏の人たちは、調整保管するのか何だか知りませんけれども、ミヤチクの倉庫の量がどれぐらいあるか、大臣、御存じですか。すぐ満タンになりますよ。一万五千頭分も保管できるわけないじゃないですか。ですから、そういうのを聞くと、十キロ―二十キロ圏の人たちは、何じゃ、そりゃという話になっているのが現状であります。

 ですから、るる申し上げましたけれども、私は、少なくとももう一回ぐらいは農林水産委員会をぜひ開いていただきたい。まだとても言い足りません。地元から、このことだけは伝えてくれ、このことはただしてくれと言われたことの半分も聞けていないんです、正直言って。ですから、最後に申し上げますけれども、厳しいと思いますが、閣内にあって、会期の延長なり、口蹄疫対策特別委員会の設置なり、そういったことについて大臣にぜひ御努力をいただきたい。このことを申し上げまして、質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

筒井委員長 次に、森山裕君。

森山(裕)委員 自民党の森山裕です。

 会期末の極めて厳しい日程の中で、委員長初め理事の皆さんの御努力によって農林水産委員会を開催していただきましたことに、まず敬意を表したいと思います。

 大臣、大変難しい時期にいろいろな思いを持って御就任をされたのではないかというふうに思いますし、健康に十分御留意をいただいて頑張っていただきたいな、そう思います。

 まず大臣に伺いたいと思いますのは、疑似患畜ないし患畜で、きょう現在殺処分が滞っている頭数がどれぐらいあるのか、それと、ワクチンを打って殺処分をしなければならない頭数がどれぐらいあるのか、そのことを聞かせていただきたいと思います。

    〔委員長退席、石津委員長代理着席〕

山田国務大臣 六月十二日時点ですが、ワクチン接種後発症したものを含む殺処分対象の疑似患畜で約十九万四千頭。既に殺処分、埋却が完了したものは約十六万四千頭。疑似患畜、患畜等で今後殺処分しなきゃならないのは、まだ三万頭残っております。

森山(裕)委員 ワクチン接種の分で殺処分が残っているのは幾らありますか。

山田国務大臣 ワクチン接種の、これから殺処分しなければいけないものは六万八千八百八十三頭だと聞いております。

森山(裕)委員 大臣、私の選挙区は鹿児島五区というところであります。都城に隣接をする選挙区であります。

 曽於市に約二十万頭の牛、豚が飼養されています。六月九日の都城での発生というのは激震が走りました。これ以上我々は何ができるのだろうか、今から何をやらなきゃいけないんだろうかということを、農家の皆さんはもちろんでありますけれども、県も市町村も大変実は心配をいたしました。

 異例なことでありますが、交通規制までしながらその対応に努力をしています。関係者だけではなくて、建設業の皆さんや多くの皆さんのお力をいただいて、警察の皆さんも本当によく頑張っていただいているなと思うぐらい、消毒のポイントでも活動を続けています。

 なぜそういう心配が起きるかということでありますが、大隅半島にいる牛、豚の数というのは九十三万頭を超えます。大変なことが予測をされるから、みんなが心配をしているのであります。

 こういう背景を考えますときに、大臣、大変申し上げにくいことでありますが、大臣の殺処分に対する認識が甘いのではないかと私には思えてならないのであります。殺処分を急がなければ、殺処分を一日も早く終わらなければ、ウイルスが広がるのは当たり前の論理じゃないですか。これはどんなことがあってもおやりいただかなきゃならぬ。

 疑似患畜、患畜だけの話ではありません。ワクチンを打つというのは政治的決断をしたんだと前の大臣は言われましたから、政治的決断をしたワクチンを接種した牛や豚の殺処分が終わらないとなると、これはまさに政治責任であります。そこのところを私は、さっきからずっと答弁を聞いていて、我々と現地の人たちと、大臣との認識の差があるんではないか、そんな気がします。そこのところを明確にしてください。

山田国務大臣 森山委員の鹿児島の、都城と隣接して畜産の大団地であるということ、非常に激震が走っているということもよく承知しているつもりです。

 そんな中で、私がワクチンの接種を判断いたしましたのは、いわゆる埋却が一日に二百か三百しか進まないのに、患畜の発生頭数、疑似患畜が何千、何万、ついには六万八千とかそういう数になってきて、このままでは大変なことになる。それで、ワクチンを接種して抑えようという判断でワクチン接種いたしました。

 ともあれ、早くこの疑似患畜の殺処分ができないか、何でできないのか。私も、現地の殺処分現場にも二回行かせていただきました。確かに今、獣医さんたちも、六百人からの人たちが集まって、自衛隊さんも含めて、懸命にやっております。しかし、牛にすれば一体何百キロというものを、どうやって一頭ずつ殺処分していくか。作業員の仕事も大変ではございますが、一体一体丁寧に埋めていく、それにかかる労力、時間、大変な作業でございます。そして、こうして現場を見てみますと、急げ急げ、ともかく一時間でも早く埋めてしまってくれと。そうは言いつつも、なかなか大変であるということは実感してまいりました。

 そんな中で、それでもなおまだウイルスをまき散らしている患畜、疑似患畜が三万頭もいるということは、大変危険な状態、いわゆる火薬庫をそのまま抱えているという状況が今も続いているということですから、けさも対策本部で話させていただきましたが、ここは思い切って、獣医師さんも、おとといから十六日までには、七十六名は新しい獣医師さんを何とか確保できました。さらに自衛隊さんにも、きょう北澤大臣にもお願いしてまいりましたが、思い切って、予備的でもいいから投入していただいて、あらゆる形で殺処分が何とか早くできるようにと。ただ、大変心配なのは、きのうも雨で、一頭も埋却できなく終わりました。そういう意味では、非常に厳しい状況が続いていることは現実でございます。何とか殺処分を急ぎたい。

 殺処分現場で、獣医師さんたちの事故も続出しております。先般、牛にけられて、片目が眼球破裂された方もございます。厳しい状況は続いておりますが、いろいろな形で、できるだけ急いで頑張らせたい、そう思っているところです。

森山(裕)委員 現場で頑張っていただいている皆さんの努力というのは痛いほどわかります。しかし、大臣、ウイルスとの闘いは時間との闘いです。弁解は許されないんです。何としてもやり遂げなきゃならぬのです。いつまでに終わるんですか。明確にしてください。

山田国務大臣 対策本部では、疑似患畜を二十日までに埋めてしまいたいという形で頑張っているところです。本当に、天候次第だと思っております。今、それだけの人員の手配と獣医師さんの手配等々は現地にお願いしているところですが、なかなか天候次第では厳しいのじゃないかなと大変心配しているところです。

森山(裕)委員 大臣、私はこれは政治責任だと思いますよ。あなたは、現地の対策本部長として本当に御努力をしてこられたと思います。しかし、結果として、二十日までにも終わる見通しが立っていないということは、やはり責任を感じていただかなきゃいけません。

 あと、ウイルス、ワクチンを打った分が残るんでしょう。ここをまた一つの原因にして感染が広がるような事態になるということは予測できるではありませんか。九州は梅雨に入りました。ウイルスとの闘いはさらに条件が厳しくなる。

 私は、二十日までにできないなどという答弁で納得することはできません。これは速やかにやっていただかなきゃならぬ。ワクチンを打つというのも政治決断をされたんですから、ここの殺処分も急いでいただかなきゃならぬ。別に何か対策をおやりにならないんですか。答えてください。

佐々木大臣政務官 お答えさせていただきます。

 今大臣からお答えをさせていただきましたが、疑似患畜をまず埋却するということが当面急がれている課題でありまして、それが、先生も今御指摘の中にありましたように、これは殺処分と同時に埋却、その埋却地を探すというところに少し手間取ったというところにも原因があるわけですから。今、その埋却地のめどもやや立ってきたというふうに聞いてございます。

 そういった中で、ワクチンを打った牛について次の対策を講じていくということでありますから、埋却地にややめどがついてきたということもありますので、御指摘をいただいたいろいろな点について早急に進めていかなければならない、改めてそう決意しているところです。

森山(裕)委員 政務官、用地はすべて、ワクチン接種分を含めて埋却する用地は確保できたと理解していいですか。

    〔石津委員長代理退席、委員長着席〕

佐々木大臣政務官 現在、めどが立っているのは疑似患畜の分でありまして、そのほかについては今、県などを含めて協議中でございます。

森山(裕)委員 政務官、あなたのその認識が口蹄疫を蔓延させているんじゃないんですか。ワクチンを打って安心しておられるんじゃないんですか。疫学的に考えて、初歩的な判断ミスをしておられるんじゃないんですか。どうするんですか、これは。

山田国務大臣 ワクチンを接種したからといって、決して安心しているわけじゃございませんし、ワクチンを接種した家畜に共同埋却地という形で、その範囲内の移動制限を解いて、生きたまま、牛の移動の特例措置を認めております。共同埋却地も各市町村でほぼ確保できてまいりました。そういう意味では、ワクチンを接種した牛の埋却地についても、埋却の方法についても、今、いろいろな計画は各市町村からほぼ上がっていますので、順調にこちらの方は進んでいくと思っております。

 むしろ、疑似患畜の三万頭の殺処分を急がなきゃいけないと思っておりますが、その中で、今申しましたように、口蹄疫対策本部長、菅総理からは二十日以内にと言われておりますものの、天候がどうなるのかと大変不安でございますと申し上げておるところです。

森山(裕)委員 本部長の御指示は、六月二十日以内に終われという意味ですか、今から二十日間かかって終われという意味ですか。(山田国務大臣「六月二十日以内に」と呼ぶ)

 六月二十日以内に終われというのが本部長の指示だというふうに理解をいたしますが、これは本当に真剣にやらないと大変なことになると思いますよ。いろいろ申し上げたいことがあります。なぜそういうことになったのかというところも、反省をしていただかなきゃならぬところもあると思うんです。用地の求め方についても、責任ある人が言った話がくるくる変わっては、やはり地元の信頼を得ることはできません。そのあたりもしっかりやっていただかなければいけないなというふうに思います。

 都城、宮崎市、日向、西都で新しい状況が出ているということは、まさに川南地区を中心とするところの殺処分が済んでいないということが大きな原因であると私は思いますが、お認めになりますか。

山田国務大臣 確かに、川南地区での殺処分を急がなきゃならないというのは当然の話です。

 しかし、えびのにおいて四例発生いたしましたが、すぐたたくことによって清浄化することができました。

 私は、都城においても周辺の疫学調査をさせていただきましたが、今のところ三キロ四方に異常は認められておりませんので、しっかり防御体制、消毒体制、防疫体制を確立するならば望みは持てるんじゃないかと思っているところです。

森山(裕)委員 大臣、私が申し上げているのは、都城あるいは宮崎市、日向市に発生をした感染ルートのもとというのは、やはり川南地区を中心とするところにあると理解をしていいかということですよ。どうなんですか、それは。

山田国務大臣 いろいろなルートがうわさに上っております。私も聞いております。しかし、これから感染ルートの疫学調査はしっかりと専門家にやっていただくことになりますが、一概に言えません。しかしながら、確かに言えることは、やはり人、物による接触感染であろうということは間違いないと思っております。

 そういう意味で、そのもとさえしっかりしていければ感染は防げる事案だと考えているところです。

森山(裕)委員 まず、くどいようでございますが、もとを断つということが極めて大事なことだと思いますし、そのことにいまだ見通しが立っていないというのは極めて残念なことであります。

 これはやはり大臣に責任を感じていただかなきゃなりませんし、どんなことをしても、総理大臣が言われた六月二十日というのでも私は遅いと思うけれども、それまでには何としてもやり遂げる。ワクチンを打ったものも安心できないんですから、すぐ計画をつくっていただいて、きちっと一定の期間でおさめていただく。そうしないと、それは全国の畜産農家が非常に心配をしていると思いますよ。

 国際機関だって今、心配をしているんじゃないんですか。FAOのあたりの発言を見てみましても、非常に心配をしているんじゃないんですか。世界に広がっていく震源地に日本と韓国はなるのではないかという心配すら国際機関はしているんじゃないんですか。私は非常に恥ずかしいことだと思いますよ。これはやはり、日本という国家の信頼のためにも解決を図らなければならぬ問題であるということをまず申し上げておきたいと思います。

 それから、疫学調査の話でございますが、これは今どの程度進んでいるんですか。そして、どの程度公表しておられるんですか。

佐々木大臣政務官 お答えさせていただきます。

 疫学のチームによる感染経路の究明でありますが、四月二十九日から、第一例の発生から断続的に、不断に調査をさせていただいてございます。今回、えびの市の終息に伴って、現地調査及び検討会を実施させていただいているところでございます。

 やはり、このえびの市の対策というものを模範にしながら分析をしていかなければならないということでありますが、いずれにしても早期に対策することが何よりも重要でありまして、同チームによって、今ほどいろいろな委員からもお話がありましたが、個人からの情報も含めて検討させていただいて、そして、委員会としてまとまったことは即座に公表させていただくというような形で今進めさせていただいているところでございます。

森山(裕)委員 感染ルートの解明というのは非常に難しい問題もあろうかと思いますけれども、やはり発生動向調査というのをもっと並行しながらやれる仕組みをつくっておかないと、大臣、大変なんじゃないんでしょうか。

 清浄化のための発生動向調査をするということではなくて、どこかに広がっていないかなという前提で発生動向調査、サーベイランスをやっていくという仕組みをやらなきゃいけないと思うんです。私はそのことを前回の質問のときも申し上げました。

 また、きのうの牛豚の小委員会でもそういう提言がなされているようですが、前回そのことをお尋ねしたときには政務官は消極的な御答弁をなさいましたけれども、今回はその提言をどう受けとめて対応されますか。大臣でも政務官でも、どっちでも結構です。

佐々木大臣政務官 前にも委員から御指摘をいただいております、事前にサーベイランスをやったらどうかというような趣旨の御意見でございます。御指摘の趣旨としては非常に理解するわけでありますが、実は臨床症状というのがこの口蹄疫の場合は非常に強く出ます。実際に抗体ができるというのは、発症した後に抗体ができるということでございますので、抗体の検査よりも、どちらかというと臨床症状の方が先に出るというふうなことだと聞いてございます。

 そういった意味も押さえながら、実は、近接する農場において、前に御提言をいただきましたので、そうした抗体の検査、PCR検査なども実施をしようということで、十三日の小委員会でそうしたことの検討も進めるようにという提言をいただいたところでございます。

 さらに、大規模な農場においては、現地に赴いて臨床検査というようなことについても実施をさせていただこうというようなことで、御提言をいただいた幾つかの点については今取り組ませていただこうとしているところでございます。

森山(裕)委員 政務官、時間がありませんから、非常に大事なことですので伺っておきますが、小委員会の提言を受け入れられるんですか、受け入れられないんですか。二回目ですよ、この提言は。二回目ですよ。

 あなたの前段に言われた話というのは、少し理論と違うように思います。そういうことはないんです、事前にわかるんです。PCRできちっとわかるんですよ。ウイルスがあるかどうかというのはわかるんですよ。聞いてみてください、そこをちゃんと。

佐々木大臣政務官 小委員会の意見を受け入れるのかということであれば、十三日の小委員会の意見は受け入れさせていただいて、近隣の農場のPCR、抗体検査、それから大規模農場の臨床検査を実施させていただくということでございます。

森山(裕)委員 政務官、これは真摯に受けとめてやってください。

 私は、待ちの調査から積極的な調査に展開をしていかないと、幾らでも広がるんだと思います。やはり先手先手でやっていかないと防ぐことはできないんじゃないかなという強い気持ちを持っています。

 今までいろいろなことがあって、その方法で成功したことがあるんですから、確かにスタッフの問題を含めていろいろな問題があるのはわかるけれども、そこは何とか乗り越えてやらなきゃいけないんじゃないんでしょうか。そうしないと、もう農家は本当に限界だと思います。現場で頑張っておられる皆さんの体力も限界だと私は思います。ぜひ新たな対応を強くお願いしておきたいと思っています。

山田国務大臣 疫学調査は大変重要だと思っておりますし、きのう、ある県の知事さんとお話しいたしましたら、すべての自分のところの県の家畜については調査が終わったと言っておりました。

 ぜひ鹿児島県においても、県独自でも、疫学調査というか、本当に口蹄疫発症の疑いがないかどうか、常時しっかり調べていただければありがたいと思っております。

森山(裕)委員 調査の件について、大臣からも御答弁をいただきました。

 ぜひ国で指針を示していただいて、それはいいことですよ、全部調べられる。頭数が多いところはなかなかそうはいきませんけれども、ピックアップしてやればいいわけですから。そういうことで、先手先手で対応していくということが極めて大事なことだというふうに思います。

 ただ、今これだけ議論をさせていただきましても、まだ多くの疑問が残ります。対応方もお願いをしなきゃならぬこともたくさんあります。どうか、委員長、理事の皆さんで御協議をいただいて、何回かこの委員会をお開きいただく対応方をぜひお願い申し上げて、時間が参りましたので、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

筒井委員長 次に、東順治君。

東(順)委員 公明党の東順治でございます。

 大変深刻な状況というものがますます広がりを大きくしております。日本も本格的な雨季に入りました。梅雨です。この梅雨のさなかに、家畜農家の皆様はもちろん、行政の関係の人たち、あるいは自衛隊員の皆さん、関係者すべてがどのような御苦労をされているかを思いますときに、これはもう本当に大変だなという思いがますます募ってまいります。

 大臣、実はきのう、私は壱岐島に行ってきたんです。長崎県の、大臣の地元ですね。やはり、ここまでかという思いをいたしましたよ。大変な心配をしている。不安と心配が物すごい。

 壱岐島というのは、私も関係者の皆様にしっかり取材をさせていただいたんですけれども、まさに子牛の生産基地なんですね。それで、岡山とか山口とか四国とか宮城、福島、松阪、兵庫等々から皆さん、子牛を買いにおいでになっている。ところが、今、九州には子牛を買いに行くなという感じになってきている。非常に心配されておられました。

 競り市も、六月一日、二日、これは中止になりました。二カ月に一回やっておられるということで、一回に約八百頭が競りにかけられる。次は七月の一日、二日に予定されている。ところが、これをやれるかどうかわからない。恐らくこれもまたやれないだろうと、大変頭を悩ましておられました。一年間で子牛を約五千頭、これが競り市にかけられて買われていくんだ、こうおっしゃっておられましたね。

 この壱岐島の農畜産物の販売高の三分の二が牛なんですって。ウイルスというものが、これは東国原知事もこの間発言しておられましたけれども、まさにパンデミックだ、感染爆発のステージに入ったと。どこに飛び火してどこから出てくるかわからない状態になってきた。こうなってくると、いつ何どきこの壱岐島でも発症するかどうかわからないというようなことで、フェリーの船着き場では、特にトラックそれから乗客、乗客でいえば靴の裏、トラックはまさにタイヤですね、車体、消毒に物すごく神経を使ってやっておられましたよ。

 あるいは、つい最近の六月六日、サイクルフェスタ、九州全体から集まってくるこういうサイクルフェスタというものが企画されておった。ところが、これも中止をした。あるいはまた修学旅行も延期になっている。民泊とかホテル等にも徐々に影響が出始めている。非常に緊迫しておりました。

 おとついは、私は徳之島に行ってきたんです。徳之島といえば、宮崎よりも沖縄の方がはるかに近いですね。壱岐島も、宮崎よりも福岡、長崎の方がはるかに近い。この徳之島でも、物すごい緊張をしていましたよ。大変な不安です。ここは、鹿児島からの種牛を一度、十二頭受け入れた。それで、第二回目の種牛受け入れを決めておった。ところが、都城で発症したものですから、これは大変だということで、急遽、二回目の種牛受け入れをお断りした、こう言っておられました。ここでもやはり競り市が中止されている。一回競り市を中止して、ここから見込まれる損害といいますか、私伺ったんですけれども、一つの町だけで一千百十二万円。次の七月、これも恐らく開けないだろう。そうすると、またやはり一千万以上のそういう損害が、一つの町ですよ、出てくる。これは三カ町ありますから。

 だから、徳之島に行ってみたら、確かに、米軍基地移設反対というスローガンや立て看、そういうものがだあっと島のあっちこっちに張られていました。この移設も大変な大騒動になっちゃいましたけれども、同時に、その不安と同じく、この口蹄疫、牛がやられたらということに対する物すごい不安、緊張、やはりそういうものに駆られておりました。まさに、実態的にパンデミックはもう進んでいる。

 報道を見ていますと、九州にかかわらず本州でも、センターの種牛を移動させる、あるいは精液を移動させていくというような記事が出ていましたね。「種牛守れ 分散策次々 口蹄疫 全国でリスク回避」。大分、岐阜、兵庫、宮城等々で、もうこういう動きが始まっている。これはもはや宮崎だけの問題ではない、あるいはまた隣県の鹿児島だけの問題でもない、熊本だけの問題でもない、大分だけの問題でもない。オール九州、ひいては、この不安というのは全国に大きく急速に広がり始めているという心配に私は本当に今、駆られています。

 そこで、よくイギリスの例が出されます。あんなことになっちゃったら、これはもう大変ですよ。関西圏は吹っ飛びますよ。二十一万人の軍隊を出したというんでしょう。それで、終息に一年間かかった、六百五十万頭を処分した。さっきから、殺処分が間に合わなかったらどうするんだ、こういう話が出ていましたけれども、もうイギリスは、野焼き、焼却、そういうところまでいった。場合によっては、これは、本当に六月二十日まで間に合わなければ、焼却も考えなきゃいけないという事態になるかもしれませんね。かかったお金がたしか一兆七千億ですか、イギリスの場合は。全土の家畜の移動禁止という、これはもう大変な状態ですよ。

 もし日本がこんなことになっちゃったらば、これはもう想像を絶する被害、恐らく政権は吹っ飛ぶでしょうね。というぐらいの大変な状態になる。その可能性が今どんどん広がり始めているという心配を非常に私はするんです。決して大げさに、あるいは風評被害を広げるためにこんなことを言っているわけでもない、本当に心配しているんです。だから、先手先手で今のうちから大きな手を政治的に打っておかないと、大変なことになったらばもう収拾がつかなくなるんだろうというぐらいの心配を私はしております。

 そこで、きょうは官房副長官、おいでになっていますね。伺いたい。

 確かに、農水大臣は大変な御努力をしておられます。これまでも現地対策本部として、副大臣として、へとへとになるまでやっておいでになった。政府にも確かに対策本部というのは立ち上がっている。しかし、これで対応できるんだろうかという思いがいたします。

 後手後手に回り続けていったら収拾がつかない状態になってしまって、イギリスのようなあんな状態になっちゃったらこれは大変なことになると思いますので、副長官、私は、ぜひ、菅総理の決断で、口蹄疫の対策に特化した特命大臣というものをびしっと今のうちに置くべきだと。

 そして、その特命大臣のもとで、自衛隊員の協力の問題から、あるいは、これから起こってくる二次災害の問題、これは何も家畜農家だけに限らないわけですから。観光業だとか飲食業だとか、そういう二次災害がもう僕のところにもどんどん寄せられてきていますよ、すごく心配だ。あるいは、埋却処分をした後の公害の問題。三年間どうするんだろう。北海道は十年前は五年かかったというんだから、埋却地、後のものですよ。しかも、臭気やさまざまな公害も発生をしたというようなことだとか、いろいろなことが広がっていきますね。経営再開の問題、生活再建の問題。

 だから、当面の対応は本当に大変ですけれども、同時に、その後考えられる大きな事柄が次々と出てくることが心配される。そうすると、やはりこの口蹄疫対策だけに特化して、口蹄疫の事柄に対するすべてを授権されて、権限をしっかり持って、速やかに、スピーディーに次々と先手先手で手を打っていく、そういう特命大臣というものが私はここに絶対必要だと思う。農水大臣といったって、農政全般の仕事があるんだもの、あるいは水産業の仕事があるんだもの。政府の対策本部といったって、これは口蹄疫だけをやっておられるわけではないわけですから。私はそう思うんですけれども、強く願うんですけれども、官房副長官、いかがですか。

福山内閣官房副長官 東委員にお答えをさせていただきます。

 東先生の危機感、それから御指摘、大変重く受けとめさせていただきたいというふうに思います。

 御案内のように、菅政権ができまして、六月の九日、六月の十日、六月の十一日と毎日、対策本部を開催させていただいております。そして、六月の十二日は総理みずからが宮崎に訪問されまして、御案内のように、宮崎県庁で知事さんとの懇談、各首長さんとの懇談をさせていただき、さらには地元の農家の皆さんとも懇談をさせていただき、問題意識をしっかりと持って帰ってこられました。

 そして、また間髪を入れずに本日も対策本部を開かせていただきまして、とにかく感染拡大を防止することが今の最重要の課題だということで、先ほどから山田農水大臣がお話しいただいているように、二十日までに封じ込めをするんだという思いで今、動かせていただいているところでございます。

 確かに、東委員のおっしゃるとおり、近い将来の問題としていろいろな課題が、現状も含めて広がっていることも認識をしておりますが、まずはこの対策本部の中で、菅総理それから山田農水大臣、山田農水大臣は副大臣時代に現場にずっといらっしゃったわけですから、その方を中心に、我々としては、まず二十日まではこの状態で迅速に対応することが優先順位一番だと思っておりまして、その後の対応その他については、東委員の御指摘も十分に我々としても受けとめさせていただきたいというふうに思います。

 どうもありがとうございます。

東(順)委員 副長官、官邸を代表してきょうはおいでになっているんですよね。私はそのぐらいの意識で本当にいいんだろうかと思いますよ。

 菅総理も、十二日に宮崎に入ったときに、国家的危機だ、必要なことはすべてやる、東国原知事にこう約束しましたね、発言をしましたね。私は、これでも甘いと。国家的危機ではないんだ、国家危機なんだ、まさに。まさに国家的ではなくて国家危機なんだという意識をしっかり持って、そして、現実に対する対応、対応で、残念だけれども、一生懸命努力してこられたんだけれども、追われ続けている。

 それを、やはり先手先手で、現実対応ではなくて、先々に起こることが間違いなく考えられることに対して今からしっかり手を打っていく。この国家危機に対する意識というのが欠如していたら、私はやられると思いますよ。二十日だって間に合うかどうかわからないと言っているじゃないですか、すべての殺処分が、埋却処分が。もう既に私は国家危機だという意識の欠如だと、先ほどからやりとりを聞いていて本当にそのように思いますよ。

 だから、言葉だけではなくて、ここは具体的な形として、特命大臣をしっかりつくって、そして全力を挙げてやるんだ、そのかわり、この特命大臣には考え得るあらゆる授権をするんだと。アメリカにFEMAというのがあるじゃないですか、危機管理庁長官。いざとなったときにはこの危機管理庁長官はアメリカ大統領の権限を授権されるんです。そして総力を挙げてやるんです。今回の口蹄疫はこのぐらいの事案であるというふうに私は思いますよ。先ほども委員が切々と訴えておられましたけれども、もし日本発の口蹄疫が世界に広まるというようなことになっちゃったらどうするんだ。全国が物すごい不安と緊張に今駆られているんですから、ぜひ官邸の意思を、そういう意思を持って対応してもらいたいと思いますよ。

 農水大臣、ずっと現場で御苦労されて三週間でしょう。やせ細られて、本当に一生懸命やられていたと思いますよ。頑張っておいでになった。それで、あなたの地元に行ってみたら物すごい緊張をしているというようなこともこれあり、いかがですか、どう思いますか。やはり、この特命大臣というものをやって、総力戦でこれを完全に打ち負かすんだという国の決意と具体的な行動と体制が、今こそ必要だと思いませんか。個人的見解でも結構ですよ、いかがですか。

山田国務大臣 東委員からは大変御心配で、もっともだと思っておりますが、菅総理が、金曜日にもたしか対策本部を朝開いていただき、ゆうべ遅く、けさも開くということで、けさも開かせていただきまして、菅総理も現地に赴いております。

 今回は、まさに危機管理だと菅総理も言っておりまして、菅総理みずからが本部長として、まさに、きょうも北澤防衛大臣にもいろいろ話しておりましたが、みずからが指揮してこの危機管理を乗り切ろうという決意でありますので、内閣挙げてやっていただくもので、これは特命大臣をつくるよりも、菅総理が本当に今回、この口蹄疫対策を、みずからもって、ひとつ何としても、国の危機管理として、壊滅、いわゆるこの封鎖、これについて責任を持ってやろうという決意ですから、私はそれでいいんじゃないかと考えているところです。

東(順)委員 大臣、本当にそんなことでいいんですか。もう今週で国会の幕を閉じるなんというようなことを言っているわけでしょう。国家危機ですよ。幕を閉じたらみんな何をやるんですか、選挙で走り回るんでしょうが。菅総理、菅総理といったって、選挙運動で全国を走り回るんでしょう。そんな片手間にやれるような話じゃありませんよ、口蹄疫は。だから、特命の大臣が全責任を持って、そのかわり授権をされて、その体制で総力を挙げてかからないと、参議院選挙をやっている間に大きな穴があいて、この口蹄疫が全国にだあっと蔓延したらどう責任をとるんだろうということになっちゃいますよ。本当にそう思いますよ。

 そこまでの意識を持っていれば、そういう特化させた体制、責任、権限というものの発想が出てきて当たり前だと僕は思いますよ。それを、とにかく早く国会の幕を閉じるんだと。巷間言われているように、七月十一日に選挙だ選挙だ、参議院選挙だと。そんなことにみんなの思いが走っちゃって、滑っていって、その間隙を口蹄疫でどんとつかれたら、本当に政権は吹っ飛びますよ。私はそう思います。

 これは激甚災害、国家危機、もう大危機ですよ。あの阪神・淡路大震災のときに、あれが勃発したときに、私は翌日ヘリコプターで神戸に入りました。大変な惨状だった。あの当時の総理は村山さんでしたけれども、現地に行ったのは三日後ですよ。そのときはもう既に六千人の命がとられていた。天災という名の人災なんだ、何ということだと僕は思いましたね。

 そのときに、私は、アメリカのFEMA、危機管理庁の研究をしましたよ。えらい違いだな、もし日本にそういう危機管理の強力な体制というものがあれば、このとうとい人命というのが、もっともっと抑えられていたんじゃないのかなと率直に思いました。

 あの阪神・淡路大震災のときも、確かに国土庁長官という大臣はおられたんですよ。しかし、もうそれだけでは手が回らない、大変だということで、特命大臣を任命して、その特命大臣は小里貞利氏という方でしたよ、隣に御子息がおられますが。そして、その後、この阪神・淡路大震災に、それこそもうすべてを注いで対応されたんです。国家危機ですから、あれは。それで、一緒にあのとき秘書官で頑張られたんでしょう。

 やるなら今ですよ、今。どおっと全国に広がって、これは大変だと、おっ取り刀で特命大臣だなんていったら、後の祭りなんだ。だから声を大にして私は言うんですよ、福山さん、本当に。

 だから、菅総理を一生懸命に口説いてくださいよ。ずっと言っているじゃないですか。口蹄疫、これはもう大変な問題だから与党も野党もないんだ、政治が挙げて、政治の力でこれを抑え込まなきゃ大変だとずっと言っていて、私は農水委員会でも何でも、本来所属していないんですが、前回も質問に立たせていただいたときのこの農水委員会の皆さんの雰囲気というのは、ただならない真剣な空気、与党も野党もないんだ、政治が挙げて早く先手に回らなければ、これは大変なことになるんだと。

 さっき宮崎の江藤拓委員も、参議院選挙なんか、宮崎ではとても選挙になりませんよと言っていた。動き回れば回るほどウイルス感染が心配されるんだと。率直な思いなんでしょうね。そのぐらい事は大変な状況に立ち至っているという認識をしっかり持っていただきたい。

 私は、山田農水大臣からまさか、先ほどの、今の体制で十分と思います、菅さんも一生懸命やっていますからなんという、そんなお言葉が出てくるとは思わなかったですよ。壱岐なんかでも本当に物すごく心配していますよ。しかも、だれよりも、現場に行って三週間も苦労をされた人ですから、率直に切実なるそういう思いを持たれて当たり前だと私は思うし、また、本当は心の中で思っておられるんじゃないかと思いますよ。いや、本当に。持っていなかったら大変だというふうに私は思います。

 改めて問います。

 総がかりの、総がかりといっても、対策本部というような、各官僚がだあっと集まって、そこに農水大臣が報告をして、それは大変ですねと動くような、そういう総花的な体制ではなくて、口蹄疫対策の特命大臣をびしっと置いて、そのもとに、これだけに専念する政治家の軍団をつくって、そして、役人と本当に見事な呼吸の中で撲滅体制を組んで総力を挙げる。選挙があっていようがあるまいがというぐらいのことをやらないと。パンデミックですから、感染爆発なんですから、いつ徳之島で起こるかわからない、いつ壱岐で起こるかわからない、いつ本州で起こるかわからない、戦々恐々なんですから。

 福山さん、あなたは官邸を代表してきょうおいでになっている。僕は本当は官房長官に来ていただきたかったが、どうしても無理だと。全責任を持って本当にやってくださいよ。説得してくださいよ。もう一度聞きます、いかがですか。

福山内閣官房副長官 東委員にお答えをさせていただきます。

 東委員の問題意識、危機感は我々官邸内部も共有をさせていただいているという認識でございます。また、与野党を挙げてこの問題について感染拡大の防止に努めようとおっしゃっていただいていることに関しては、本当に心から敬意を表したいというふうに思います。

 一方で、菅内閣が始まりまして、本当に総理はこの問題についてずっと大きな問題意識を持ち、危機感を持ち、きょうの発言にもありましたように、国家的危機に対して、政府として感染拡大の防止を第一に考え、全力でこれに取り組んでいくべきであり、経営再建についても国が責任を持って支援しなければいけないという発言をいただきました。

 確かに、特命担当大臣という考え方は、先ほども申し上げましたように、一つの選択肢として我々としては考えますが、今は、菅総理が、みずからが陣頭指揮をもって一日も早く感染防止に努めると言って現場も見られましたので、その状態の中でとにかく努力をしてまいりたい、懸命にやっていきたいというふうに思っております。

東(順)委員 言われているように、参議院選挙というもので政治の空白が生まれたときに、パンデミックで爆発的にこれが全国に広まった、全世界もこれはやばいぞとなったときの政治責任というのは、本当に大変なものですよ。

 そのことをよく踏まえて、何となく対処的なそういう答弁に終始するのではなくて、今こそ政治が我が国に対して全責任を持ってこの問題に当たらなきゃいけないという意識のもとに、国家的危機ではなくて国家危機だということで対応しなきゃいけないというふうに私は思います。意識の段差があるということは非常に残念です。ぜひ、言葉だけではなくて具体の行動として示していただきたい。それは、菅政権に対して私はまず最初に望むことですね。本当にそう思います。

 答弁はいいです、同じような次元の答弁でしょう。何か答弁しますか、それ以上のものを。

福山内閣官房副長官 認識の違いかもしれませんが、意識の段差があると私は思っておりません。

東(順)委員 もう一つだけ、今度は現実的な話を具体的に伺います。

 仮払いの状況。要するに、申請手続、そういうものがなければ仮払いはできませんというところからこの特措法をつくって、仮払いは煩瑣な手続がなくてもできますよという法律にいたしました。(発言する者あり)請求を待たずに。ところが、今、この仮払いの支払い状況というのは、六月十一日現在、二百八十五例中、支払い済みが三十九例。非常に遅い。何でこんなことになっているんですか、大臣。

山田国務大臣 申請手続そのものも、一枚の用紙で、県の方がもう一枚つけて出していただければいいというふうに、非常に簡素化しておりますので、各農家にとっては、申請すればすぐ仮払いできるようになっていると思っております。

 だから、もう少しその辺の、農家に対しての周知ができているのかどうか、そこは確認してみたいと思っております。

東(順)委員 請求を待たずに支払い。今、二百八十五例中六十一例ということになってくると、仮払い状況というのはわずか二一・四%ですよ。いかにも遅いじゃありませんか。現場は大変に困っておられる。

 何でこんなことになるんですか。何のために法律をつくったんですか。いかがですか。

山田国務大臣 仮払いをできるだけ急ぐように私も指示しております。

 ただ、仮払いするにしても申し込みがなければ払えませんので、私がこっちに来る前にも、ぜひ農家に対して、県の方も早く申請して、農家に早く支払うようにとお願いしてまいりましたので、もう少し早くやっていただきたいと思っているところです。

東(順)委員 現場は、生きるか死ぬかのもう大変な状況の中なんですよ。そんな平和的なことを言っていてどうするんだ。

 余りにも仮払い状況の数字が低過ぎますよ。もう既に危機管理が後手後手に回っている証拠じゃありませんか。本当にそう思いますよ。だから、そういう意味からも、やはり今回の案件に対する特命の大臣が要るんですよ。本当にそう思います、この一つの例から見ても。

 そう思いますので、ぜひ、政治が後手に回り続けていますから、そうならないように、これから先手に回れるように、ともかく参議院選挙だということで政治的空白をつくるというようなことが絶対にないように、そこだけお願いして、私の質問を終わります。

筒井委員長 次に、吉泉秀男君。

吉泉委員 社民党の吉泉秀男でございます。

 立つ位置がきょうから変わりました。よろしくお願い申し上げます。

 大臣、本当に残念でございます。大臣を先頭にしながら、この間、これだけ頑張ってきたのに、あってはならない、川南町から五十キロも離れている都城まで飛び火をした。まさに新たな段階に入っているんだろう、私はそういう認識を持っています。

 きょう、森山先生の質問、そして答弁をお聞きをしながら、この間の議論を今振り返ってみたところでございます。

 それで、今の段階でまずお聞きをしたいのは、埋却する土地、この土地についての選定も含め、だれが責任を持って土地を求めるのか、このことをまずお聞きをしたいというふうに思います。

山田国務大臣 今回の特措法で、国、県という形で責任を持とう、そういう形にしていただきました。

 現実のところ、町が中心になって、共同埋却地を初め、いろいろとそれぞれに当たっていただいて、それも、県の農業振興公社で買い上げ、そのお金を国が全額負担するという形をとらせていただこうと思っております。

吉泉委員 森山先生への答弁の中で、三万頭を超える疑似患畜を処分する土地、このことについては、この分については確保されているというふうに政務官が答弁なされたきょうの答弁でした。

 これは、面積は全部でどのぐらいですか。

佐々木大臣政務官 本当におおむねの数字になりますが、おおむねでいいますと約四十ヘクタール強が必要かというふうに思ってございます。

吉泉委員 いや、政務官の方として、三万頭を超えるこの処分、埋却する土地、これは既に確保されているということで森山先生の質問に対してお答えをしたわけでございますから、その土地の面積、さらには、確保されている場所なんかも全部把握されているんだろうというふうに思いますけれども、そのところをお聞きしているんです。

山田国務大臣 大体、牛で二千頭で一ヘクタール、豚で五千頭で一ヘクタールと聞いております。

 実際、私も現場に行ってまいりました。そういうところで、約五メートルぐらいの深い穴を掘って埋めていっておりますが、現在、一番心配されていた高鍋町、川南においても、ほぼ、高鍋の方は、かつて農協が持っていた茶畑、八ヘクタールが確保できましたし、川南町もそれぞれに確保できたように聞いております。

 詳細は、後で委員に報告させていただきます。

吉泉委員 それでは、疑似患畜ということで三万頭が認定されたその月日は、一番古いもので、いつのところがそのままになっているのでしょうか。

佐々木大臣政務官 まだ埋められずにいるので一番古いのはいつごろかと。

 ちょっと正確ではありませんが、五月中旬のものがまだ残っているというふうに押さえています。

吉泉委員 大臣の答弁の中で、特に都城の対応、二十四時間以内でやってもらった。このことに対して、私どもとしても大変すばらしい対応だなというふうには思っているわけでございますけれども、まさに今、五月の中旬のものがそのままになっている。土地は確保されている、これはどういうふうに理解すればいいんでしょうか。

山田国務大臣 昨日は、おとといからのどしゃ降りの雨で一頭も埋却できませんでした。今、それは本当に作業現場は懸命にやっております。

 しかし、これだけでは足りないと思いますので、菅総理のもと、今、さらに自衛隊も大増員して、獣医師さんもこの月曜、火曜、水曜とどんどん増員を全国にお願いしているところですが、できるだけ早く早く埋却を急いでいるところです。

吉泉委員 その御苦労はわかります。しかし、感染をした家畜、牛、豚、五月中旬から、もう今六月中旬、約一カ月間そのまま放置をしている、こういう結果になるわけでございます。その中において、強い強いウイルスが飛んでしまう、そしてまた感染というふうな悪循環、こういう状況と私は理解をするわけでございますけれども、前の議論の中において自分自身がこの土地問題について質問をさせていただいたときに、前の大臣については、それは大丈夫だ、そして一日大体一万頭ぐらいでやっていくというふうな答弁もなされたと私は理解をしております。

 そういう面からいうならば、今、大変、梅雨の段階に入るわけでございます、本当に御苦労はあると思います。しかし、現在の状況の中では、牛、豚、それぞれ違うんだろうというふうに思うんですけれども、作業は、一日やった場合、平均で大体どのぐらいの頭数が進んでいるのか。

山田国務大臣 かつて、つい四、五日前まで、私が計算したところでは、牛で一日平均三百頭ぐらいしか埋却できていなかったんですが、この何日か、多いときでは一日二千からもっと多く処分できるようになってまいりました。豚でも、おととい五千頭は行ったと思っております。

 そういう意味で、かなりスピードも上がってまいりましたし、天気さえ回復していただければかなりスピードアップしてこれから埋却できるだろう。総理より言われておりますので、六月二十日を目指して、何とか患畜、疑似患畜だけでも早く埋却処分したいと思っております。

 ただ、計画は立てるんですが、ワクチンの外側にもし発生した場合、そちらの方を二十四時間以内に早く殺処分しなきゃいけないと思いますので、そちらに人を割かれると、今疑似患畜に充てていた分がそれだけ少なくなっていくということはございます。そういう意味で、現場では絶えずやりくりしながら今必死の作業を続けておりますので、ぜひ御理解いただければと思います。

吉泉委員 本当に御苦労をかけます。

 しかし、今、土地の問題と、処分をする、そういうところで質問をさせてもらったわけでございますけれども、少しちぐはぐな部分というのか、時間が少しかかるような、そういう答弁でもございました。その点については、今大臣から答弁あったように、二十日と言わないまでも、なるべく早い段階で、三万頭、この部分については埋却処分をぜひよろしくお願いしたいという希望をまず申し上げさせていただきたい、こういうふうに思います。

 それから、時間がありませんので、もう一つ質問をさせていただきます。概算払いのお話でございます。

 今もお話があったわけでございますけれども、今現在の段階で概算払いの金額は、それぞれ県の方でなされているんだろうというふうに思うんですけれども、今の段階で金額として大体どのぐらい概算払いをなされているのか、それをお聞きしたい。

佐々木大臣政務官 殺処分農家に対する概算払いですが、これまで、三十九件、合計十四億七千万円交付しているところでございます。順次申請に基づいて交付をさせていただきたいと思っています。

吉泉委員 それで、閣議で決定をして、それで県の方にというふうなお話もあるようでございますけれども、それは、今の段階で、県には国の方からどのぐらいの金額が早急に対応なされるのか、その辺はわかりませんでしょうか。

山田国務大臣 疑似患畜、ワクチン接種患畜の仮払いについては、国の方で十八日の閣議で決定していただければ、国から県の方に全額支払います。県の方は、たしか金曜日に議会を通ったと思いますので、県は既に支払いを始めることができたと思っております。

 県の方には、私から、間違いなく全額国が負担するので先に支払っていただきたいと申しておりますので、県の方も資金繰りが大変でしょうし、できるだけ国からも早く予備費及び、まあどういう形かわかりませんが、国からの支出も急いでいただくように、お願いはいたしております。

吉泉委員 私自身、東北ではございますけれども、今、私方の組織の中で、県連合の方にも問い合わせをしながら一枚岩になってこの問題について取り組んでいるわけでございます。まさに農家の人たちの悲痛な叫び、このことをやはり真剣に私どもは受けとめていかなきゃならないというふうに思っておりますし、さらには、もう完全に途方に暮れている、こういう再建問題なんかも含めて、元気をつけさせていくという面では、私方、特に県、国一体となってその対応をしていかなきゃならない、そういう状況だろうというふうに思っています。

 そういう中では、確かに、大臣としてそれぞれ各省との連携、そういうものもあるだろうというふうに思いますけれども、ぜひ特段の努力、そのことをお願い申し上げさせていただきたいなと思います。

 質問時間が終わりましたので、この口蹄疫に対する大臣のこれからますますのお力を傾注していただくようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

筒井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十九分散会


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