衆議院

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第2号 平成25年3月19日(火曜日)

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平成二十五年三月十九日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 森山  裕君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 小里 泰弘君

   理事 北村 誠吾君 理事 葉梨 康弘君

   理事 宮腰 光寛君 理事 大串 博志君

   理事 村岡 敏英君 理事 石田 祝稔君

      井野 俊郎君    池田 道孝君

      加藤 寛治君    勝沼 栄明君

      川田  隆君    菅家 一郎君

      清水 誠一君    末吉 光徳君

      鈴木 憲和君    武井 俊輔君

      武部  新君    津島  淳君

      中川 郁子君    長島 忠美君

      西銘恒三郎君    橋本 英教君

      福山  守君    藤原  崇君

      堀井  学君    簗  和生君

      山本  拓君    渡辺 孝一君

      後藤  斎君    玉木雄一郎君

      寺島 義幸君    鷲尾英一郎君

      鈴木 義弘君    高橋 みほ君

      百瀬 智之君    稲津  久君

      佐藤 英道君    林  宙紀君

      畑  浩治君

    …………………………………

   農林水産大臣       林  芳正君

   農林水産副大臣      江藤  拓君

   内閣府大臣政務官     北村 茂男君

   外務大臣政務官      城内  実君

   農林水産大臣政務官    稲津  久君

   農林水産大臣政務官    長島 忠美君

   政府参考人

   (内閣官房地域活性化統合事務局長代理)

   (内閣府地域活性化推進室室長代理)        枝広 直幹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           高島  泉君

   政府参考人

   (農林水産省生産局長)  佐藤 一雄君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  奥原 正明君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            實重 重実君

   政府参考人

   (農林水産技術会議事務局長)           小林 裕幸君

   政府参考人

   (林野庁長官)      沼田 正俊君

   政府参考人

   (水産庁長官)      本川 一善君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 吉田 光市君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       佐藤 敏信君

   農林水産委員会専門員   栗田 郁美君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十九日

 辞任         補欠選任

  清水 誠一君     勝沼 栄明君

  橋本 英教君     藤原  崇君

同日

 辞任         補欠選任

  勝沼 栄明君     清水 誠一君

  藤原  崇君     橋本 英教君

    ―――――――――――――

三月十九日

 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

森山委員長 これより会議を開きます。

 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省生産局長佐藤一雄君、経営局長奥原正明君、農村振興局長實重重実君、農林水産技術会議事務局長小林裕幸君、林野庁長官沼田正俊君、水産庁長官本川一善君、内閣官房地域活性化統合事務局長代理兼内閣府地域活性化推進室室長代理枝広直幹君、厚生労働省大臣官房審議官高島泉君、国土交通省道路局次長吉田光市君及び環境省総合環境政策局環境保健部長佐藤敏信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

森山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅家一郎君。

菅家委員 おはようございます。自由民主党、福島県第四選挙区、会津代表として、新議員になりました菅家一郎でございます。

 質問の機会を与えていただきまして、心から感謝を申し上げたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、TPP参加を安倍総理は十五日に表明されたわけでございます。今後は各省庁における交渉ということになろうかと思いますので、農林水産分野において、今後の交渉について、何点か確認といいますか御質問を申し上げたいと思います。

 まさに、いかに国益を守るか、いかに国益になる交渉が求められるというわけでございますので、特に農林水産分野においては、交渉結果次第では、我が国農業に対する深刻なダメージを受けるようなことも危惧され、予想されるわけでありますから、まさに農林水産省を挙げての交渉というのは大いに期待をされているわけであり、また、しっかり農業を守るべく頑張ってほしい、このように思うわけでございます。

 そこで、何点か確認したいと思うんですが、自民党では、外交・経済連携本部TPP対策委員会から安倍総理に、TPP対策に関する決議というものが、そして、各グループにおいて、農林水産分野においては第四グループで案を取りまとめをしたわけであり、これらを決議として、安倍総理へ、これをしっかり守って取り組んでほしい、このように党としてはお願いをしているわけでございます。

 当たり前だと思うんですけれども、大臣初め農林水産省としても、このような決議を重く受けとめて、遵守をして、しっかりと交渉に当たるべきだと当然思っておりますが、その辺を確認させていただきたいと思います。その辺の考え方、取り組みをお示ししていただきたいと思います。

江藤副大臣 まず冒頭に、おくれまして大変御無礼をいたしました。心からおわびを申し上げます。

 今委員から御指摘があったことは、十分遵守、尊重されるべきものだというふうに思っております。

 総理が日米首脳会談からお帰りになって、それから十五日の発表まで、党内において活発な議論がなされて、そして農林水産部門についても、米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源等を最優先とするんだ、等ということで最優先とするんだということが決議をされましたので、私たちは、総理のお話にもありましたように、国益は必ず守るんだ、そして国柄も守っていくのだ、中山間のことについてもコメントされました。これに沿った、総理のお気持ちを体した外交交渉力に、私たちは期待をしておりますし、信じております。

 農林水産省としても、これを守るべく、全力を尽くしてまいる覚悟でございます。

菅家委員 ぜひ、その強い決意を持って取り組んでいただきたい、このように思います。

 今度はTPPの交渉に当たるわけでありますけれども、甘利大臣を中心として交渉に入るというわけでありますが、参加諸国との交渉に当たって、農林水産省として、参加諸国と今度は個別になるのでしょうか。今御答弁があった点を踏まえた交渉になるかと思うんですけれども、どのように交渉に当たるのかというその辺の具体的なものがちょっとわからないものですから、交渉のあり方についてお示しいただきたいと思います。

江藤副大臣 お答えさせていただきます。

 甘利担当大臣、今お話にありましたように、そのもとに関係閣僚会合が設置をされました。ここで、農林水産大臣、林大臣ですけれども、積極的に御参加をさせていただくことになります。そして、次官もその下の組織についていくことになると思います。

 そしてまた、関税分野のほかにも、あとは漁業の補助金とか、複数分野についていろいろと交渉参加についての議論が必要でありますので、農林水産の各部局を挙げて対応させていただくことになると思います。

 その具体的な体制の内容については、まだここで、こういう体制ができましたよということを申し上げられないのは申しわけないんですけれども、早々に皆様方にも御披露できるように体制を整えてまいりたいと存じます。

菅家委員 TPP参加諸国、アメリカだけじゃないわけですので、アメリカは中心だと思うんですが、アメリカ以外の各諸国に対しても、二国間での協議、交渉ということになろうかと思いますが、そういう理解でよろしいかどうかの確認です。いかがですか。

江藤副大臣 委員の御指摘はそのとおりだと思います。十一カ国ありますけれども、それぞれの国でまだ参加を認めていない国もあるわけでありますから、各国との交渉、また、交渉に参加すればさらに交渉が必要になってまいります。

 WTOとかその他FTA、EPA交渉においても、それぞれ担当官が決まって担当していくわけでありますから、今後はかなりタフなネゴシエーションが当然あると思いますので、語学力、それから外交は戦いですから、交渉力にたけたエースを農林水産省としても選抜をして担当させたいというふうに思っております。

菅家委員 交渉の中で、よくわからないのは、アメリカとの関係というのは重く受けとめているわけで、アメリカとの交渉というのは基本だと思うんですけれども、TPPはアメリカだけじゃなくて諸外国がたくさんあるわけですね。そういうところと丁寧に、アメリカ中心に交渉だと思うんですけれども、当然、それ以外の諸国との交渉というのも念頭に入れるべきだということで理解してよろしいかどうか。

江藤副大臣 これはバイの交渉ではありませんので、交渉参加ということが認められた場合のことをお話しさせていただきますが、やはりほかの国、利益とか考え方を共有する国とも連携することも必要になってくると思うんですよ。そういった、いわゆる交渉の流れの中で、日本と同じ、日本の立場を尊重してくれる仲間をつくっていくという交渉力も必要になってまいりますので、委員の御指摘のとおりだというふうに思います。

菅家委員 ということであれば、繰り返しになりますけれども、やはり交渉が極めて重要だということになるわけですね。

 そうしますと、今ほど副大臣からお話がありましたけれども、交渉に当たっては、当然、専門的な知識がある、それから交渉能力というんですか、これは農林水産分野に限って申し上げますと、あるいは語学力も必要なんでしょうか、そういった意味で、総合的に優秀な人材というのを当然抜てきするべきだということですね。ここが重要なのです。

 例えば、仮称でありますが、農業分野におけるTPP交渉対策特別チームがよろしいのかどうか、そういうプロジェクトチームみたいな、そういったチームを結成して、交渉に臨んで、国益を守るというような対応が必要なのではないか、このように考えるわけでありますが、この点についての今後の取り組み、考え方をお示ししていただきたいと思います。

江藤副大臣 先ほども委員に申し上げましたが、省を挙げて、例えば、関税だけではなくて、漁業補償の部分についても、多岐にわたって、関税以外の部分もありますので、そして、外交交渉においては、例えばウルグアイ・ラウンド交渉からWTO、そういった過去の経緯も熟知をしていて、それぞれの国の事情、国柄も理解をしている、それだけの理解度の蓄積が必要です。今現在、頭がいいだけじゃだめで、これまでの経緯等も理解できるような、そういった人材がおります、農林水産省には。私もまだこの省にお世話になってそう長くはありませんが、ほかの国との、例えば日豪のEPAをやっている担当官とか、そういう話をするとすばらしい人材がおりますので、とにかく、これは総力戦で臨ませていただきたいと思います。

菅家委員 大変心強く思ったところでありますが、ただ、TPPに参加する云々でも議論があって、やはり乗りおくれているんじゃないか、果たして交渉の中で守られるのかどうかと不安視している実態もあるわけですね。しかし、表明して、参加すれば、これはしっかりと、いわゆる農林水産分野の重要五品目等の確保を優先するんだという決議もあるわけで、とにかく、総力で、農林水産省、大臣中心に農林省が一丸となって国益を守るということを国民からは大いに期待をされるわけですね。

 ですから、大臣、ぜひこの交渉にしっかりと取り組んで、国益を守るため、農林省を挙げて取り組むんだ、日本の農業を必ず守る。もしもこれが確保できなければ脱退するという決議も入っているわけですから、その辺も踏まえた、大臣からの強い決意をお聞かせいただきたいと思います。

林国務大臣 お答えいたします。

 このTPP交渉、これから参加国の同意を得ていって交渉に参加するということになってくるわけでございますが、交渉に参加する以上は、安易に交渉から脱退ということを振りかざすことなく、今先生から御指摘がありました重要五品目等の聖域の確保に全力を尽くす、これが必要だと考えております。

 仮に、仮にでございますが、聖域が確保できない場合には、党の決議も踏まえながら判断をしなければならない、こういうふうに思っております。

 なお、一般論として申し上げれば、我が国は、交渉に参加しながら、その後、署名をしなかった、締結をしなかったというような多国間の条約の例もあるということでございます。

菅家委員 ぜひ、これは決意を承りましたので、大臣を中心に農林水産省を挙げて、今度は具体的な交渉に入りますから、どうかひとつ国益を守るために、日本の農業を守るために全力で取り組んでいただきたいとお願いを申し上げて、次のテーマに移らせていただきます。

 次は、農業を担うリーダー育成についてでございます。

 大臣の所信表明の中にも、現在、農林水産業、農林漁村は、農業生産額の減少や担い手の高齢化など課題が山積している、このように認識を示されたわけでございます。資料を見ても、六十五歳以上百十万人、五九%、五十歳未満十九万九千人、一一%というデータがあるわけで、これは非常に深刻な課題、たくさんありますが、一つだと私は思うんですね。つまり、高齢化しているとともに、五十歳未満が一一%しかないというのは、後継者がいない。このままだと、後継者がいない産業はやはり厳しいですね。

 ですから、攻めの農林水産業を推進する、私もこれは大賛成で同感なんですけれども、この攻めの農業を推進するために、やはり何といっても、これを担う人材が必要です、これは何でもそうなんですけれども。こういう状況の中で、国として、国家プロジェクトのような位置づけ、そういう次元を持ってしっかり人材を育成する。後継者がいないという明確な課題がわかっているわけですから、次の時代を担う人材がいないというデータが明確に出ている以上、何をすべきかというと、人材を育成するしかないわけですね。

 ですから、二つあると思うんですね。一つは、若者に夢と希望を持ってもらえるような対策と言ったらよろしいんでしょうか、農業に関心を持っている、よし、やってみようという若きリーダーというものを当然目指すべきだと思うんですね。

 ですから、国の対策の中で、例えば仮称ですが、国策で農業青年リーダー育成プロジェクト、そして農林水産大臣から、頼むぞ、あなたたちは選ばれたんだから日本の農業を守ってくれと、世界のいろいろな成功事例の研修、国費をかけて学んでもらう。将来日本の農業を担うべく人材育成プログラムをいろいろつくって、しっかりと財政支援をして育てる。これは今からやっていかないと、例えば、年に百人で十年で一千人、どのぐらいの目標を持って育てていくのか。

 こういった具体的な計画を持って、農林水産大臣から頼まれ、期待されたり、場合によっては総理からじきじきに頼むぞと、よし、担われたから頑張ろう、そういう人材を、若き青年リーダーを育成するというようなことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 議員御指摘のとおり、六十五歳以上人口は約六割、五十歳未満は約一割にとどまっております。この厳しい現況を受けとめて、持続可能な力強い農業を実現していくためには、青年の新規就農、経営継承を促進して、世代間のバランスのとれた農業構造にしていくことが重要であると思います。

 青年新規就農者につきましては、現在、一万人程度にとどまっておりますけれども、これを二万人程度まで引き上げていくことが必要であるというふうに実は考えております。

 このため、農水省では、従来は無利子資金にとどまっていた青年就農対策を、就農準備段階においては、就農に向けた研修等に青年就農給付金、年間百五十万円を最長二年間、そして、就農開始段階において、経営開始直後の青年就農者や就農継承者の所得確保を支援する青年就農給付金経営開始型として百五十万円を最長五年間給付しているところでございますし、農業法人等に雇用される形での就農に対する農の雇用対策に年間最大百二十万円、最長二年間助成をしているところでございます。

 地域農業のリーダー人材の層を厚くするということは、議員御指摘のとおり、日本農業を考える上で喫緊の課題だというふうに私どもも受けとめております。経営者育成教育の強化を総合的にこれからも推進してまいりたいと思います。

 なお、議員から海外にということもございましたけれども、この青年就農給付金については、都道府県が認めれば、海外の研修も可能にしているところでございますので、そういった意味で、国際的な観点も、青年就農者から引き受けていただきたい、そんなふうに思うところでございます。

 このような施策を活用し、若い担い手の育成に農水省としても一丸となって取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

菅家委員 新たにそういう人材育成制度を設けて取り組むということは評価申し上げたいと思いますし、それとあわせながら、やはり意識の問題もありますから、ある意味では、よし頑張ろう、そういう人材を国で直接プロジェクト化するということもぜひ御検討いただきたい、このように思います。

 そしてもう一つは、担い手を育成するために青年リーダーにするわけです。実際、今度は、担っている方々です。

 若者に夢と希望というのは、農業で生活ができる、収入がある、これが一番大事ですね。ですから、そういう意味では、しっかりとストーリーをつくる。このような農業を目指して、今までも取り組んでいらっしゃいますけれども、若者がこういうような制度と仕組みで、こうやれば、これだけの収入も得られるんだという明確なビジョン、それに対する指導であったり支援とかというものが求められるわけですね。

 この辺について、ひとつお考えを示していただきたいと思います。

長島大臣政務官 一面からになるかわかりませんが、少しお答えをさせていただきたいと思います。

 継続、発展させていくためには、意欲と能力のある経営体に農地を集積するということがこれから必要になってくるんだと思いますが、力強い農業構造をつくっていくことにつながることになるんだろうと思っています。

 農業構造を見ると、二十ヘクタール以上の農業経営体が耕作する面積は、耕地面積の約三割でございます。そして、農業法人数は、この十年で二倍以上に拡大をして、一万二千五百法人となっているところを見ると、若い経営者についてもこういったことの中に参加をしていっていただく、そして、そのことの中で、誇りの持てる農産品をつくっていただくことは大切なことなんだろう、私はそんなふうに思うところでございます。

 ですから、既に担い手となった農業経営者等も含めて、広く、低利融資あるいは経営所得安定対策、共済制度の対象とすることによって、農地の受け手に対する支援によって、若手の農業者を育成していく。

 そしてまた一方では、既存の農作物に高付加価値をつけることの先頭にも若手の担い手からなっていただく農政をしいていくことも大切なことだと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

菅家委員 もう時間がありませんので、最後に一点だけお聞きしたいんですが、いわゆる国際的な食糧援助への米の活用についてなんですね。

 食糧援助、非常に飢餓で苦しんでいる方に対して対応しているわけでありますけれども、やはり日本は米ですね。環境に恵まれ、水もある。たくさんお米がとれる。人類にとって理想的な食料は米だと私は思うんです。だから、米をもう少し平和外交の食糧援助にきちっと位置づけをして、平和外交に活用する。これは、政府の判断、財源の問題、いろいろ課題がありますから、日本としてはそういう方針で、人道的な立場で支援をする、応援をする、そして米の消費にもつながるわけですから、ここはひとつ力を入れて取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

林国務大臣 大変大事な御指摘だ、こういうふうに思います。

 食糧援助、米を活用してやる場合に、被援助国やWFP等からの要請を踏まえて、普通の貿易に支障を与えてはならないという国際ルールであるFAOの余剰処理原則との整合性には留意しながら、ここ最近は十万トンから二十万トン程度で実施をしておるわけでございます。

 国産米を活用した援助については、実は、我が国の国産米である短粒種を求める被援助国のニーズがちょっと少ないというところ、それから、MA米と比べまして、財政負担が必要になるということから、国産米の援助輸出が年間二、三万トン程度で推移しているところでございますが、ことしはTICADもございますし、食糧援助における国産米の活用について、外務省や財務省としっかりと連携して、今委員からも御指摘がありました大事なことでございますので、しっかりと適切に行ってまいりたいと考えております。

菅家委員 時間になりました。

 ぜひ、大臣、地域間紛争で、難民で、飢餓で苦しんでいる方々をお救いするというような考え方を持って、日本の米を生かすということで、ひとつ御尽力賜りますことをお願い申し上げ、そして、TPP交渉においては、全力で国益を守るために、省庁を挙げて頑張っていただきますことをお願いを申し上げまして、終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

森山委員長 次に、加藤寛治君。

加藤(寛)委員 おはようございます。自由民主党長崎県二区の加藤寛治でございます。

 このたび、私の地元最大の懸案事項の一つであり、また農水省にとっても大変大きな問題であります諫早湾干拓事業について質問をする機会を得ましたことに、委員長初め理事の方々の配慮に感謝をいたしておるところでございます。

 それでは、諫早湾干拓事業について質問をさせていただきます。

 まず、林農水大臣並びに江藤副大臣には、御多忙のところ御来県をいただき、二月二日、三日と二日間にわたり、地元の歴史的経緯や現在の取り組み、切実な声を聞いていただきましたことに心から厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 農水大臣に地元の声を聞いていただきましたように、平成十九年度に諫早湾干拓事業は完成をして、これにより、昭和三十二年の諫早大水害で六百名を超える死者・行方不明者を出した洪水常襲地帯から脱した地元は、安全、安心な生活を手に入れて、低平地でも住宅が広がり、六百人以上の子供が通う学校もできたわけでございます。

 新しい干拓地の農業者は、多大な投資をして入植をし、我が国のモデルとなる大規模な環境保全型農業に取り組み、輸出も行っております。また、洪水、潮風害、塩害に悩まされてきた背後地では、排水が改善されるとともに水源も確保され、五年連続、食味評価で特Aと評価された、にこまるの産地に生まれ変わり、野菜の生産も拡大をして、後継者も生まれておる状況にございます。

 また、漁業者は、血がにじむような大変な苦労の結果、諫早湾干拓の環境に応じたカキ、アサリ等の養殖に明るい兆しがやっと見えてきたところであり、小長井産のカキについては、日本一に選ばれるなど、高く評価がされております。

 そこで、諫早湾干拓事業により、大きく見違えるように生まれ変わった諫早地域をごらんになった大臣の評価、感想をまずお伺いさせていただきたいと思います。

林国務大臣 お答えを申し上げます。

 今、加藤委員からお触れいただきましたように、この諫早湾干拓事業をめぐる問題につきまして、私が大臣に就任させていただいて、直後に、一月八日に佐賀県の関係者の皆様が、そして一月十日に長崎県の関係者の皆様が、それぞれ御訪問いただきまして、意見交換をさせていただきました。そして、今お触れいただきましたように、二月二日、三日、私と江藤副大臣で現地へお邪魔させていただきまして、先生にも大変お世話になりましたけれども、実情を見させていただくとともに、現地の皆様のまさに生の声をお聞きすることができたわけでございます。現場で、本当に皆様、それぞれのところで御尽力をなさっておられて、そして、その現場を見ながら肉声を聞くことができたわけでございます。

 そういった中で、この事業については、まず潮受け堤防の完成、それから調整池の水位を低く保つことによって防災上の大きな効果が生じているということ。そしてもう一つは、現場で見させていただきましたけれども、広大な農地があることによって大変に大規模で生産性の高い農業が営まれて、それでつくったカレーもいただきましたけれども、品質の高い農産物が生産をされているということ。そして一方、漁業者の皆様方も、大変苦労される中で漁場環境を整備して、今お触れになりました小長井、日本一をとられたということですが、いただいて、おいしかったですね。

 品質の高いカキの養殖を初め、漁業の振興に大変尽力をされておられるというところをつぶさに拝見ができまして、干拓事業による効果が着実に生じてきていると考えておるところでございます。

 一方、現場でも申し上げましたけれども、国の方としては、福岡の高裁判決の確定によりまして、本年十二月までに開門する義務を負っておるということでございまして、開門した場合でも、干拓事業のこのような効果、今申し上げたようなものを十分に維持し、地元に悪影響を及ぼすことのないように万全の対策を講じなければならない、こういうふうに考えております。

 対策につきましては、まだ地元関係者に理解をいただくということには至っていないわけでございますが、開門期限が迫ってくる中で、先生方にもいろいろとお願いをしながら、地元関係者の皆様との対話をより一層深め、理解をいただけるように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

加藤(寛)委員 それぞれに、大臣におかれましては、御評価とそしてまた今後の取り組み等々についてのお話をお伺いしたわけでございますが、先ほどもお触れになりましたように、そもそも、この諫早湾干拓事業の問題というのは、福岡高裁へ控訴をするに当たって、時の大臣、若林農水大臣は、アセスを踏まえ検討するとされていたにもかかわらず、たまたま政権が民主党にかわり、アセスの結果も出ていない中で、高裁判決も有明海漁業不振との因果関係を否定しているにもかかわらず、菅元総理がそれを無視して、有明海再生を目指すためとして、福岡高裁の開門判決をみずから受け入れて確定したことに始まるわけでございます。

 日本の裁判制度は、御案内のように、三審制度であるにもかかわらず、防災干拓という、これほど人命にかかわる重要な問題をなぜ二審の高裁で打ち切ったのか。民主主義を否定する大きな問題であり、地元を冒涜する問題でもあります。

 そこで、農水省としては、福岡高裁判決に対してどう対応しようとしたのか。また、菅元総理がどう反応し、対応したのか。農村振興局長にお尋ねをしたいと思います。

實重政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十二年十二月六日、福岡高裁の判決が出されました。判決の内容は、判決確定の日から三年を経過する日までに、防災上やむを得ない場合を除き、北部及び南部各排水門を開放し、以後五年間にわたって開放を継続せよという内容でございました。

 これに対して、当時の農林水産省は、上告して和解の道を探ることを含めて対応したいという考え方を持っておりまして、その旨、当時の菅総理に対しても大臣から申し上げたところでございますが、総理の判断により上告をしないこととなりまして、平成二十二年十二月二十一日に判決が確定したものと承知しております。

 このため、国は二十五年十二月までに開門すべく義務を負ったところでございますので、開門した場合に生じる防災上、営農上、漁業上の影響を評価するとともに、防災上、営農上、漁業上の悪影響が地元に生じることがないよう、万全の対策を講ずることといたしました。

 これを受けまして、まず、今委員お触れになりました環境アセスメントでございますが、関係者の意見を伺いながら、平成二十三年六月に素案、二十三年十月に準備書の公表を経まして、二十四年十二月に評価書取りまとめをいたしました。

 それから、農林水産省といたしましては、この環境アセスメントに示されたケース三―二、すなわち、調整池の水位を現状より上げない制限開門の方法とすることを二十三年九月に提案をさせていただきました。

 また、営農用に必要となる水につきましては、海水淡水化施設を設置して確保するということを二十四年七月に提案させていただきました。

 これら、ほかの対策も含めまして、地元に悪影響が生じることがないよう対策を検討し、地元関係者に提案をさせていただいてきたところでございます。

加藤(寛)委員 局長から御答弁をいただいたわけでございますが、よく言われることが、国は、二言目には、福岡高裁判決が確定をして開門の義務を負うと言う。理由というのを言われるわけでありますけれども、そのときの判決の理由というのが、一つ、常時開門しても気象予報により閉めれば防災上問題はない、二つ、常時あけた上で必要なとき閉めれば漁業被害はない、三つ、防災、農業、漁業被害に巨額の費用を要しない、四つ、漁業者への漁業補償は有効でない、この大きく四点であります。

 しかしながら、改めてアセスの結果等も踏まえて検証をしてみれば、まず第一点目は、気象予報は三割しか当たっておらず、適切な洪水対策を講じることは不可能であること、二つ目は、諫早湾内では、開門すれば濁りや潮流で漁業被害が発生をすること、三つ目は、国においては、開門対策として巨額の費用を要しないというけれども、三百億円を超える巨額な経費が予算計上されていること、四つ目は、漁業補償契約は、漁協だけでなく漁業者にも有効であることなど、間違いが明らかになっており、まさに重大な問題をはらんだ判決であります。冤罪とも言える判決であります。

 そうであれば、再審請求をし得るような、大きな過ちを犯した判決であります。熊本新港、筑後大堰やノリの酸処理などの、ほかの多くの要因があるにもかかわらず、諫早湾干拓事業だけに罪をかぶせるのは、まさしく冤罪と断ぜざるを得ません。

 そもそも、国に協力して諫早湾干拓事業を進めてきた地元が開門差しとめ仮処分を申し立てざるを得なかったのは、地元を無視した、間違った判断による開門を正すためであります。間違いが明らかになった以上、白紙の段階から正しく見直すことが真の民主主義の政治のあり方だと考えますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

江藤副大臣 加藤先生に、私の方から、大臣から担当しろということで命じられておりますので、お許しをいただいて。

 なかなか、委員の御指摘は、もう大先輩でもあられますし、議会の御経験も長く、この問題には人生をかけて接してこられた方でもありますし、私のおやじもこの問題には深くかかわってきた経緯もございます。

 せんだっては、一緒に大臣と現地も行かせていただいて、いかに、どれほど地域の方々が長年にわたって苦しんでこられたのか、そして、今大臣もコメントされましたような、新しい農業が生まれているのか、そして頑張っておられるのか、いろいろな姿を見せていただきました。

 委員の御指摘は本当にごもっともだと思います。ごもっともと思いますが、大変、二言目にはというふうにお叱りをいただくことを覚悟して言わせていただくことをお許しいただかなきゃならないんですが、日本は法治国家でございますので、判決が確定をしますと義務を履行しなければならないということは、国の責任として、法治国家として、これはやはりやらなければならないことであるということは御理解をいただきたいと思います。

 洪水対策、確かに、天気予報は三割しか当たっていないんだと。私も、このことについて大分勉強させていただきました。三割しか当たっていない、つまり七割は外れということでありますから、地元の方々の御不安がここにあることは当然だと思います。

 大臣から先ほど申し上げましたように、水位の維持に十分に気を使っていきたい、それから、今後もこの機能が失われないように気をつけていきたい。

 それから、漁業の、防止については、制限開門して、一カ月かけて少しずつ、じわじわと塩水化をして、そして汚濁しないように防護膜、防止膜も設置をしたい。

 そして、営農に影響があっては大変なことになりますので、地下水を掘らせていただきたい等、いろいろな御提言も国からありましたけれども、陥没等の現場を見せていただいて、なかなかそれも難しいということでありますので、今回、確かに大きな予算をつけさせていただいて、排水ポンプと海水の浄水化施設ということで対応をさせていただくことになっておるのが現状でございます。

 そしてまた、この判決の中で、お金がほとんど漁協に行っておって漁業者のところにちゃんと届いていないんじゃないかというような御指摘があったことも現場でお聞かせもいただき、理解をしておりますけれども、しかし、現実にはやはり、私は、漁協を通じて漁業者の方々に行き渡っておりますが、ただ、国としても若干、得心のいかないところがありますので、これは、現在係争中の裁判、即時全面開門訴訟でありますけれども、この中で主張していることは委員もよく御存じのとおりでございます。

 委員のお気持ちに沿った答弁ができなくて大変申しわけなく思いますが、国は債務者として今義務を負っております。菅総理の判断によって、判決は確定をいたしました。ということでありますので、その上で、また現場の御意見等、私も、お呼びがあれば何度でも長崎にも佐賀にも行かせていただいて、現場の声を聞かせていただきたいと思います。

加藤(寛)委員 江藤副大臣から御答弁をいただいたわけでございますけれども、やはり、地元、私にとりましては、間違った判決であれば、それは再審請求をしてでも正すべきではないかという思いは消えません。

 開門判決の確定ということを強く主張されるわけでございますけれども、それもさりながら、法律というのは、国民の命を守るために、また地域を守るために制定をされておるものと私は理解をしております。

 そうしたことで、開門をすることは、地域住民の人命を危険にさらすと同時に、地域の崩壊につながることは明々白々であるわけでございます。

 かつて、人命は地球よりも重いと言われた総理大臣がおられました。人命と地域を守るという崇高な使命と大義にのっとって御英断をお願い申し上げる次第でございます。

 ところが、先ほども副大臣から触れられましたけれども、国は、去る三月八日に、地元に何の相談もなく、開門事前対策工事の発注公告をされました。

 私は、総選挙後、民主党政権から自公政権に交代後、十三兆円に上る補正予算を組んだにもかかわらず、諫早湾干拓事業の補正予算が計上されなかったので、ほっと胸をなでおろし、諫干事業に対する取り組み姿勢に一定の評価をいたしておりました。しかしながら、先ほど申し上げましたように、一方的に開門手順を進めようとしておられます。これでは、地元は一切協力せず、発注しても何ら進展はなく、混乱を招くだけであります。

 このように、地元を無視して開門の手順だけを進めようとする国の姿勢は問題であります。真摯な対応をとるべきだと考えますが、大臣にお伺いをいたします。

林国務大臣 お答えを申し上げます。

 開門期限、先ほども申し上げましたように、十二月に迫ってございます。地元の皆様に、防災上、また営農上、漁業上、先ほど申し上げました、効果が出ておりますので、被害を生じることのないように対策を講じるということで、先ほど委員からもお話がありましたアセスメント、三年八カ月をかけて五千八百ページに及ぶものをつくって、それぞれの段階がございます、素案、準備書、評価書、それぞれの段階ごとに地元関係者から御意見をいただいて、そして、これは私の前任も含めてですが、大臣等が現地にお伺いして、今までもやってきてございます。

 今申し上げたような過程の中で、今委員からもお話がありましたように、いろいろな懸念の声がございますので、調整池の水位を現状で維持するですとか、海水淡水化を基本とし、地下水ではない営農用水を確保するですとか、塩害防止ですとか、いろいろな提案を行って予算を計上してきたところでございます。

 今御指摘いただいたところでございますけれども、本来ならば、関係者の皆様の理解を得ながら一つ一つ手続を進めていくべきであると私も思いますが、何度も申し上げるようですが、本年十二月に開門の期限が迫っているということで、地元に万が一にも被害が生じることのないように、できる限りの準備は進めていかざるを得ないというふうに考えまして、三月八日、今御指摘があった、対策工事の入札公告を行ったところでございます。

 今後とも、地元の皆様に対しては、いろいろな機会を捉まえまして、誠心誠意説明して、理解を得る努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。

加藤(寛)委員 最後に、大臣には、地元からの切実な声を聞いていただき、諫早湾防災干拓事業により、やっと築かれた安全、安心な生活、農業、漁業の生産、生活の場が失われないように、正しい判断がされるように強くお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

森山委員長 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 北海道、公明党の佐藤英道です。

 林農林水産大臣の所信表明を謹んでお伺いさせていただきました。

 大臣は、冒頭、農は国の基という言葉を御紹介されながら、農林水産業の重要性を心を込めて訴えられておりました。大臣のおっしゃるとおり、食を支え、国土を支える農林水産業は、国を国たらしめる重要な要素であり、農の衰退は、すなわち国の衰退につながります。

 担い手の減少と高齢化、それによる農地の荒廃を食いとめるべく、平成二十一年まで、自民・公明政権はさまざまな措置を行ってきました。

 と同時に、改革によって生じる急速な変動による影響で、これまで頑張ってこられた農林水産業者が、生業を失い、生きがいを失うことのないように、丁寧な施策を講じてきたわけでもありますけれども、この数年の農政の激変で農業者の方々は大変な思いをされていたと思います。

 昨年十二月に自民・公明政権に戻り、極端なまでに削減された土地改良事業予算が復活し、農地の整備も可能になり、農家の方々はほっと一息つかれたのではないかと思うのであります。

 そのような中で、政府は先週末にTPPに交渉参加することを決定されたわけであります。全国の農家の方々がどれほど落胆し、心配し、深く悩んでいることか、私自身、与党の末席にある者として、心が痛みます。

 先日も、私は予算委員会の席で、北海道民の声、農業者の声を代弁する思いで、政府にその姿勢をお尋ねいたしました。官房長官からは、農業のさまざまな機能は当然維持されなければならないと御答弁をいただきました。一月の農林水産委員会での質問においても、このTPP問題について質問をさせていただきました。

 林大臣、内閣に入られて、大臣として粛々と職務をとり行わなければならないお立場でいらっしゃる一方、農業者の悲しみ、苦しみをどれだけわかってくださっているのか、どれだけ、日本の農政をつかさどる大臣として、農業者とともに苦しみ、ともに道を開くという御決意でいらっしゃるのか。

 大臣が所信の冒頭で、農は国の基とおっしゃったその真意、その行間に込められたお覚悟を、大臣みずからのお言葉で、農業に携わる方々に直接語るようなお気持ちで、TPP交渉の参加が決まった今だからこそ、いま一度、改めて、生の声でお伺いをさせていただきたいと思います。

林国務大臣 委員の御出身の北海道は特にそうでございますが、一次産業、農林水が基幹でございます。

 そして、きのうも知事さんがいらっしゃいましたけれども、一次産業が基幹であると同時に、そこから生産されたものを今度は二次産業で加工、製造し、そして三次産業もそれを販売するということで、道全体が大きな、ある意味では一次産業を中心とした経済構造になっている、仮にTPPによって農林水産物の関税が撤廃された場合は、こういう農業を含めた関連産業全体が非常に困難な状況になる、結果として地域社会が崩壊するという懸念を述べられました。

 私も、実は内閣府の副大臣のときに、道州制特区の議論がございました。お邪魔をしていろいろなお話を聞いてから、北海道の特徴というものをそのときから非常に念頭に置いてきたわけでございますが、改めて、今回、安倍総理がTPP交渉に参加する決断をされましたわけで、ここにきちっと、現場の皆さんの声を踏まえて臨んでいかなければならないと思っております。

 やはり、農業、食を守る、これはある意味では国柄であるというふうに総理はおっしゃいました。ここが、私が申し上げました農は国の基であるというところと通じるところである、こういうふうに思っております。

 我が長州の先達で品川弥二郎というのがおりまして、これが維新のリーダーの一人であったわけでございますが、協同組合というものを、ドイツに行ったときにたしか青木周蔵から聞いて、これが自分の一生の仕事であるということで、最終的に、内務卿のときだったと思いますが、法律を通してつくったということであります。

 それは、なぜ彼がそういう思いだったかといいますと、伊藤博文に言われて、地元の山口の不平不満を持った武士、これは維新の原動力になったにもかかわらず、いろいろな改革の中で取り残されたという不満があって、その人たちを説得に長州に帰ったときに、君はもう東京にいるからいいだろうな、我々はいつもこういう立場になって、結局、こういう立場にいる者が置いていかれるんだよね、こういうような話を実は聞いて、そのとき以来、何かないのかという中で、この協同組合という発想に行き当たったということであるというふうに聞いております。

 今こそ、こういう現場に寄り添う気持ちというのを持って、品川弥二郎ではありませんが、しっかりと覚悟を持って取り組んでいく、そのことが、私はいつも申し上げておるのでございますが、きょうあしたどうなるかということも大事でありますけれども、五年先、十年先はどういうふうになっていくのかという展望を皆さんに持っていただくためにいろいろな施策をやっていく、交渉に臨んでいく、このことが非常に大事であるというふうに考えております。

佐藤(英)委員 今大臣がおっしゃられましたとおり、昨日、北海道から高橋知事が上京され、緊急要請書をいただきました。農林水産省にも要請されたということでありますけれども、農とともに生きる北海道の声をしっかり受けとめ、真正面からお答えいただきたいというのが私の伏してのお願いであります。

 昨日御要請をいただいた中身は、交渉に当たって多様な農業の共存を基本理念とすること。TPPで日本の農業が崩壊し、オーストラリアやニュージーランドの農作物が日本を席巻してしまうようなことは絶対に許さないということ。米や小麦、でん粉、砂糖、牛肉、乳製品など、いわゆる重要五品目など、この「など」に何を含めるかの議論も重要でありますけれども、いずれにせよ、日本の農の太い幹について絶対に譲ってはならない。それから、農業、農村が守れない場合には、断固決断し、交渉撤退すること。最後に、農業者、商工業者、消費者、国民各層からよく話を聞くこと、今よりもさらに誠実に情報を公開し、国民的議論を行うという四点でございました。

 北海道は、商店街も町も人も、みんな農業とともに生きております。農業の元気がなくなると北海道は本当にだめになってしまう。大変な緊張感を持って、このTPPに取り組んでおります。農業に特別な思いを持ち、今もお話を頂戴いたしましたけれども、農家の方々の心をわかってくださると信じております林大臣に御答弁をいただきたいと思います。

林国務大臣 先ほどの答弁でも申し上げましたように、昨日、知事また関係者の皆様がおいでになりました。私も何度かお会いをしておりまして、先ほど申し上げたような北海道の特徴というものは私なりに理解をしておるつもりでございますが、安倍総理が決断をされて、党内そして公明党さんの中でもいろいろな御議論があるというふうに思いますが、日米首脳会談を経て、じっくりといろいろな議論を踏まえて、最終的には重い決断をされたというふうに思っております。

 自民党の方でございますが、外交・経済連携本部で、各交渉分野ごとにチームを編成して、例えば食の安全の分野ですとか、情報の公開ですとか、それからもちろん、一番大事な農林水産物の重要品目についてですとか、いろいろな決議をされておられる中で、コアとなる主張が受け入れられない場合にはTPP交渉から脱退することも辞さないものとすることという決議が出されたというふうに承知をしております。

 したがって、我々としても、公明党さんでも行われる議論も踏まえまして、今申し上げた自民党の各交渉分野ごとの決議を踏まえて、先ほど江藤副大臣からもどういう体制で臨むのかということについても答弁させていただいたところでございますが、農林水産省を挙げて、全力で取り組んでまいる所存でございます。

佐藤(英)委員 次に、都市農業についてお伺いをしてまいります。

 平成五年に十四万三千二百五十八ヘクタールあった市街化調整区域内の農地面積は、平成二十三年に八万三千六百三十二ヘクタールと大幅に減少しました。世論調査でも、都市部に住む多くの方が都市農地の必要性を認められているものの、三大都市圏を中心に、都市農地の維持は、相続のたびに切り売りされ、減少の一途をたどっています。

 今後、都市農地の維持を現実的なものとしていくために、我が党は、都市農業の位置づけを都市計画の中に明確に位置づける都市農業振興法の検討を今回の政権公約に掲げております。

 これまでも、住宅地の中で農業を営む都市農家の方々からさまざまな御意見を伺ってまいりましたが、納税猶予の要件が余りにも厳し過ぎるのではないかとの指摘もたびたび耳にしてまいりました。

 そこで、本年一月の税制改正大綱で決められた、営農継続が困難な場合に使える貸付制度の要件緩和がどのようになるのか。これまでは、身体障害一級、二級という厳しい要件を満たした場合のみとされておりましたけれども、今後、どのように見直されていくおつもりなのか、具体的にお聞かせいただければと思います。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきます。

 市街化区域内においては、先生御指摘のとおり、相続税、贈与税の納税猶予を受けた場合でも、対象農地を貸し付けると納税猶予が打ち切られる、あるいは、例外として、障害等によって営農が困難になった状況には、農地を貸し付けても納税猶予が継続する特例を措置しているところでありますけれども、条件が厳し過ぎるという御指摘を踏まえ、二十五年から、少し税制改正において要件を緩和させていただくことといたしました。

 例えば、両手の全ての指を欠損した場合は認められるが、一部の指が欠損した場合は認められないというような条件、あるいは、両足が動かなくなった場合は認められるが、片足が動かなくなった場合は認められないといった要件、そして、介護が必要となり老人ホーム等に入所しても、要介護の区分が五でなければ認められないといったところを規制緩和して、例えば、要介護一から該当するように見直しをさせていただきたいと思います。

 農業に従事することを不可能にさせる故障として市町村長の認定を受けた場合にも貸し付けができることにしたところでございますので、そういったことを踏まえながら、市街化区域内の農業、相続、贈与のことについて、農業の観点から、農用地を守られるように周知徹底を図ってまいりたいと思います。

佐藤(英)委員 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。

 次に、鳥獣被害、海獣被害についてお伺いをしてまいります。

 北海道では、鳥獣被害といえば、主にエゾシカによる被害が多いのでありますけれども、一生懸命、畑に出て、毎日世話をしてきて、やっと出荷できる、一番おいしくなったところでやられてしまう。朝起きたら、大切な作物がなくなってしまう。そのやり場のない怒り、落胆。農家の方々を考えると、何とか被害を抑えていけないものかと多くの北海道民、私たちは思っております。

 まずは、今まで以上にエゾシカを捕獲していくしかないということになるのかもしれませんけれども、農水省として、今後どのようにして被害を減少させようとお考えなのか、お聞かせください。

 また、あわせて海獣対策、北海道におけるトドによる漁業被害についても深刻であります。漁具の被害状況も踏まえ、今後、対策強化に使える予算をさらに拡充してほしいという要望もあります。これまでの予算増額の推移を、あわせてお伺いしたいと思います。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきます。特に先生御出身の北海道のことについて、少し重点的にお答えをさせていただきたいと思います。

 野生鳥獣の農林水産被害が深刻化をしているということは、北海道だけではなく、全国的に顕著な例を見るところでございます。

 特に、エゾシカによる被害総額は約六十一億円、特に若木の食害や樹皮、皮剥ぎ等の森林被害、そして、トドによる漁具の破損や漁獲物の食害などによって、漁業の被害は約十五億円ということで、大変大きな、地域経済の存続を脅かす重大な問題となっております。

 農林水産省におきましても、有害鳥獣の捕獲、緩衝帯の設置等のソフト対策、一市町村当たり原則二千万円以内、あるいは侵入防止柵の整備等のハード対策、あるいは鳥獣被害防止総合対策交付金、平成二十五年度予算では九十五億円ということで、総合的に支援をしてまいりたいと思います。

 また、平成二十四年度補正予算において、個体数削減に向けて、例えば鹿一頭を捕獲した方については八千円以内を支払うといった、個体にも目を向けた対策を講じているところでございますので、北海道庁とも連携をして、生産現場の声に耳を傾けながら、対策を徹底してまいりたいと思うところでございます。

 特に、トド被害につきましては、ハンターによって駆除の実施、追い払い手法の実証実験、そして出現調査等を踏まえ、今年度、二十四年の補正予算で約二億円が新たに活用される見込みとなっておりますので、ぜひ御活用いただき、鳥獣被害対策に取り組んでまいりたい、そんなふうに思います。

佐藤(英)委員 最後に、被災地の復興について伺います。

 私は、先週、宮城県の山元町の磯浜漁港にお邪魔し、組合長を初め浜の皆さんと懇談をさせていただきました。甚大な被害を受け、一日も早い復興が成ることを信じて懸命に取り組んでおられました。

 今後の漁港の復興について、計画と見比べて今どうなのか。さらにしっかり取り組むという決意もいただきながら、御答弁を頂戴したいと思います。

本川政府参考人 東日本大震災で被害を受けた漁港、三百十九漁港がございます。これにつきましては、拠点となる漁港について平成二十五年度末までに、それから、一部被害の甚大な漁港やその他の漁港を平成二十七年度末までに復旧をするということで進めているところでございます。

 現在のところ、主要な施設である陸揚げ岸壁につきまして、百十五の漁港で全延長の機能が回復している。それから、百五十の漁港で部分的に回復しているといったような状況でございます。

 御指摘の山元町の磯浜漁港でございますが、近接するところに荒浜漁港という拠点漁港がございまして、県としてはまずそちらを先に復旧させるということで、今重点的に取り組んでおられる。磯浜の方々も、荒浜漁港の魚市場のところに施設をお持ちになって、そちらの方に水揚げをされているという実態にあると聞いております。

 磯浜漁港につきましては、二十五年度早々に全ての工事を一括して発注できるように準備しておられるといったような状況であると承知しております。

 私どもとしても、一刻も早い復旧を目指して、復旧予算の円滑、迅速な執行に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

佐藤(英)委員 ありがとうございました。

 終わります。

長島大臣政務官 佐藤議員の質問で、ソフト事業に対して二千万円以内とお答えをいたしましたが、二百万円の誤りでございますので、訂正をさせていただきたいと思います。

森山委員長 次に、寺島義幸君。

寺島委員 長野三区から初めて当選をさせていただきました民主党の寺島義幸でございます。

 ふなれでございまして、不手際等あろうと存じますけれども、お許しをいただきたいと存じます。

 質問に移ります。

 去る十五日、安倍総理は、TPP交渉参加表明をいたしたわけでございます。大変心配をしているわけでありますが、民主党といたしましては、TPP交渉参加につきましては、アジア太平洋自由貿易圏の実現を目指し、その道筋となっております環太平洋パートナーシップ、日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携を同時並行的に進め、その上で政府が判断すべきであるとしてまいりました。

 その際、国益の確保を大前提とするとともに、日本の農業、食の安全、国民皆保険などは必ず守るべきものであることとの考えを示してきたわけでございます。

 TPP交渉は、我が国農業、農村にさまざまな影響を与える、三兆円ということを言われているわけですが、我が国農業の将来の展望をしっかりと明らかにして、そしてどのような対応を打っていったらよいのかということをしっかりと議論していく必要があるのかなと思っております。

 そこで、私は、TPP交渉と聞きますと、いささか古い話で大変恐縮でありますが、昨日も話がありましたが、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉を思い出してならないわけであります。

 我が国は、平成五年十二月、米のミニマムアクセス機会の提供等を内容とするウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れを決定したわけであります。当時としては、実は大変な決断でありました。政府は、緊急農業農村対策本部を設置し、翌平成六年十月、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱が決定をされたわけであります。この関連対策には、事業費六兆百億円、地方負担分、実に一兆二千億の負担をお願いしてまいったわけであり、八年間の歳月が費やされてきたわけであります。

 大綱では、その基本的な考え方として、本合意が我が国の農業、農村に及ぼす影響を極力緩和し、農業、農村を二十一世紀に向けて持続的に発展させ、将来にわたって我が国経済社会における基幹的産業及び地域として次世代に受け継いでいくということを期するとしているものであります。

 そこで、このUR関連対策によりまして、その崇高な目標は達せられたのでありましょうか。まず、林大臣の見解をお伺いいたします。

長島大臣政務官 私の方から、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策、UR関連対策のことについて、お答えをさせていただきます。

 同合意による国内農業への影響を緩和するため、事業費六兆百億円、うち国費二兆六千七百億円で、平成七年度から十四年度までの八年間で事業を実施させていただきました。

 農林水産省が平成十二年七月に行った同対策の中間評価では、担い手の稲作労働時間が約六割短縮をされ、また着実に効果がある事業がある一方で、担い手に農地の過半を集積するという目標、七十六万ヘクタールの増加に対して四六%の達成にとどまるなど、低水準の目標達成度合いになっているものもございました。したがって、反省すべき点もあったと認識をしているところでございます。

 今後、国内農業の体質強化を図っていくに当たって、こうしたUR対策の経験も踏まえ、真に必要な施策のあり方を十分に検討して進めていく必要があると認識をしているところでございます。

寺島委員 大臣のお話を承れなくて残念であります。

 反省も含めて、こういうことでありますが、UR対策のみを切り出して、その効果を検証するというのはなかなか私も困難であろうと思うわけであります。ただ、六兆百億という巨費、地方に一兆二千億を負担させているわけであります。その巨費に比べて、十分な効果が得られたかどうかを検証するということは、今後の政策立案において大きな意味を持つことだと考えています。対策を講ずることにより、目指そうとする農業、農村に一歩でも二歩でも近づいているのかどうかということを念頭に、政策の見直しを進めていく必要があると考えています。

 平成四年の新政策は、効率かつ安定的な農業経営が生産の大宗を占める農業構造の実現を掲げたものでありました。例えば、土地利用型農業の経営の十年後の展望として、労働時間が千八百時間から二千時間、そして生涯所得は二億から二億五千万、そして地域農業の基幹となり農業生産の大宗を担う個別経営体を三十五万から四十万戸、その経営規模は稲作で十ヘクタールから二十ヘクタールという目標を実は挙げてきたわけであります。

 この考え方は、いわば大規模効率化路線の考え方でありまして、その後、食料・農業・農村基本法にも当然のことながら引き継がれていると思うわけであります。

 新政策から二十年、UR合意がなされて、関連対策終了から十年以上たっておるわけでありまして、この新政策に掲げられた農業経営の展望の実現について大臣はどのように認識されておられるのか、お伺いいたします。

林国務大臣 我が国農業を安定的に継続、発展させていくためには、今委員からもお話がありましたけれども、意欲と能力のある経営体に農地を集積していく、そして力強い農業構造をつくっていくということがやはり重要であるというふうに考えております。

 平成四年から二十年ということで今御指摘がありましたけれども、その後の農地法の改正も含めまして、農地流動化をやってまいりまして、現在、集落営農、認定農業者を含めて、担い手の利用面積が二百二十六万ヘクタール、農地面積全体の四百五十九万ヘクタールに占める割合は五割ということでございます。

 また、土地利用型農業で見ますと、農地面積全体が三百六十八万ヘクタールでございますが、この中で二十ヘクタール以上の農業経営体、これが大体三割ということでございます。

 また、法人数は、この十年で大体二倍以上になりまして、一万二千五百法人、こういうことでございまして、かなりの変化が見られてきているところでございますので、これをやはり加速していくという必要がある、こういうふうに認識をしております。

寺島委員 当初の予定とか計画から比べると、そんなには進んでいないのも事実であろうと思うわけでありますが、進歩、進展していることは認めるわけでございます。その上で、TPP交渉においては、しっかりと国益を守るという立場から農業、農村を守る交渉に当たっていこうとされておるんだろうというふうに思います。

 国内対策を議論することが、まだ交渉参加ということの段階ではなかなか難しいのかもしれませんけれども、二月二十六日の報道によれば、総理は、林大臣に対しまして、強い農業政策を早めろという指示をしたと報道にありました。そういうことから鑑みると、対策の方向性については議論しておく必要があるのではないかと思っています。

 林大臣は、所信で、主要な取り組みの第一に攻めの農林水産業の展開を挙げ、農業構造改革を加速化すると述べられました。ここに言う構造改革とは何か。今まで同様の大規模、効率化路線を追求するのか。我が国が、TPP交渉参加国である米国、豪州並みの大規模経営を目指すのは難しいと私は思っているわけでありますが、どの程度まで大規模、効率化を追求するおつもりなのか。

 また、民主党政権下の平成二十三年に策定いたしました我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画では、平地で二十から三十ヘクタール、中山間地域で十ヘクタールから二十ヘクタールの規模の経営体が大宗を占める構造を目指すということを明らかにしてまいりました。ここで注意しなければならないのは、意欲ある全ての農業者が農業を展開できる環境を整備するという食料・農業・農村基本計画の方針を変更するものではなく、むしろ進めるものであることを明確に示していた点でございます。

 TPP対策を初めとする農政展開において、大規模、効率化一辺倒では限界があると思います。小規模、兼業農家が農業、農村をしっかりと支えていくという中山間地域等の条件不利地域なくして、日本の農業、農村の発展はあり得ないと私は思っております。そしてそれは、都市も含めた国土全体の持続的発展はあり得ないんだということを念頭に対策を講じる必要があると私は思っています。

 これらを踏まえて、今後の農政、特にTPP対策を構築しようとするに当たりまして、目指すべき方向、そして基本理念を林大臣にお伺いをいたします。

林国務大臣 今、大変大事な御指摘をいただいたというふうに思っております。

 私も会見等で申し上げているように、TPPに対する対策というふうに言ってしまいますと、非常に舌をかむのは、では、その分野はもう交渉で譲るのか、こういう懸念を招きかねないということで、ここは慎重に、対策というよりも振興策をして、これはTPPに入ろうが入るまいが、我が国の、今委員から御指摘があったように、目標を立てていろいろやってきたところではございますけれども、なかなかうまくいかないところもある、反省すべき点もある。しかし、進んでいるところもある。今、岐路に立っているということでございますから、攻めの農林水産業の政策というのをやって、この潜在成長力を一層引き出していくことによっていい方の道を進んでいく、こういうことが基本になければならないと思っております。

 先ほどから委員が御指摘のように、集積をして大きな規模にしていく、これが一つ、やはり攻めの農林水産業としてあると思います。

 私は山口県の出身でございまして、非常に中山間地が多いところでございます。中山間地は中山間地なりにいろいろな工夫をされて、集落営農されるですとか、マルシェみたいなものをつくって地産地消をやるとか、それから棚田で牛を放牧したりとか、いろいろな工夫はあるわけでございます。

 したがって、大きな方向、集積化で効率化していくということで農業全体を強くしていくとともに、そことバランスをとって、今委員から御指摘があったような、多面的機能をどうやって維持していくのかということで、攻めの農林水産業推進本部においても、日本型直接支払いの仕組みについても検討を進めようということで、条件が不利な中山間地域等の特性についても十分考慮していかなければいけないと思っております。

寺島委員 我が党におきましても、戸別所得補償制度というのをやってまいったわけでございます。ありがとうございます。

 次に、平成二十二年、民主党政権下で、戸別補償制度、食の安全と消費者の信頼の確保、六次産業化を柱とする、新たな食料・農業・農村計画を策定しました。そして、三年がたちまして、政権交代がされまして、まさに今TPP交渉参加ということで、新しい局面を迎えた。

 基本計画はおおむね五年ごとに見直すということになっておりますが、平成二十七年に策定されることとなると思います。

 攻めの農林水産業の展開を今後の農政の柱とされるのであれば、それを明確に位置づけ、国民に明らかにする必要があると思います。TPP交渉参加という新たな局面には機動的に対応する必要があるとも思いますし、当然のことながら、TPPがなくても、農業振興策というのは考えていかなければならない、大臣がおっしゃられるとおりであります。

 こうしたことから、例えば基本計画の見直しを前倒しで実施することもあると考えられるわけでありますが、どう対応するおつもりなのか。基本計画の見直しのスケジュールについて、江藤副大臣にお伺いいたします。

江藤副大臣 委員にお答えをいたします。

 政権も交代いたしまして、直接支払いの形は変わっておりませんが、名称だけ変えさせていただきました。

 基本計画も、政権交代であれば見直し、また、国家百年の計に踏み出すということであれば、委員御指摘のように、見直しも当然あり得べしというふうに思いますが、今まだ、TPPの交渉参加表明をした段階でありまして、参加しようがしまいが、構造改革もせねばなりません。ですから、委員の御指摘のとおり、これをするべきことは我々も認識はいたしております。

 ですが、タイムスケジュールを今示せ、いつやるのだということについては、今大臣も申されましたように、攻めの農林水産業推進本部で今鋭意協議を進めておりますので、この協議の進展状況それからTPPの交渉状況に合わせて適宜対応して、必要があれば見直しをしたいと思っております。

寺島委員 平成十二年に見直して、十七年に見直して、二十二年に見直してきたということでありまして、当然二十七年ごろ。国の審議会を経れば一年ぐらいかかるわけでありますから、そのことを考えると、もう既に作業を始められているのかなというふうに思っておったわけであります。

 また、農業の競争力強化に向けた施策の検討とこの基本計画は、では、別建てみたいな考え方でおられるのか、お伺いいたします。

江藤副大臣 別建てという言い方が正確かどうかはわかりませんが、私たちはさきの国会におきまして、担い手の法案と日本型の直接支払いの二つの法案を出しております。

 この二つの法案をやはりきちっと、今度は法律を根拠法として日本型の直接支払いを導入していくということでありますので、この議論も、これは党の方での御議論が中心になってまいりますけれども、直接支払いについては、昨年の十二月だったと記憶しておりますけれども、自民、民主、公明三党で、共同で今後意見を出し合っていこうという場も一応セットはされておりますので、その場も生かしながら、今後協議をしていきたいと思っております。

寺島委員 こういう変化のときでありますので、スピーディーな対応をお願い申し上げたいと思います。

 先日、農林水産大臣所信表明では、農林水産行政に関する主な取り組みの一つとして、攻めの農林水産業の展開が挙げられました。人・農地プランの作成を強力に推進する等々であります。

 これらは、実はいずれも民主党政権下で導入し、もしくは強力に推進してきたことであります。これらを攻めの農林水産業としてうたうということは、大臣は、民主党農政こそが攻めの農林水産業であったと評価し、その取り組みを継続していこうとされておられるのか。大臣の民主党農政に対する見解をお伺いさせてください。

林国務大臣 お答えを申し上げます。

 今の御質問を聞いていて、ABCというのをちょっと思い出したんですが、これはどういうことかといいますと、ブッシュ政権になったときに、エニシング・バット・クリントン・ディドという意味で、ABC、すなわちクリントンがやったことは全部やらないんだ、こういうような標語でございました。

 これは、そういうことは余りよろしくないねという意味で使われていたわけでございまして、トウショウヘイの言葉を引くまでもなく、黒でも白でもネズミをとってくれりゃいいんだ、こういうことでありまして、私もそういう考え方を持っておりますので、民主党の時代にやられた政策だからといって、全部だめだということはなくて、今おっしゃっていただいた人・農地プラン、着実に今進んでおりますし、これはすばらしい政策だと私も考えております。

 今、委員御指摘があったように、いろいろな岐路に立っていて、できなかったこともあるということは共通しているわけでございますので、大事なことは、やはり生産現場の声をきちっと聞いて、ニーズに応えていきながら、どうやって強い農業をつくっていくのか、こういうことではないか、こういうふうに思っております。

 そういう考え方に立って、二十五年度の予算編成では、農業農村整備をふやしたり、それから食育の予算をふやしたりということもやりましたし、今、江藤副大臣からお話がありましたように、戸別所得補償制度については、まずは名称を変えて、しかし内容は、ことしは現場の混乱を避けるために変えない、本格的な見直しは二十六年度からということで、めり張りをつけた政策の展開をしていく必要があると考えております。

寺島委員 ありがとうございます。行政の継続性に鑑みて、どうぞよろしくお願いします。

 日本型直接支払い及び担い手総合支援の制度検討を進めると大臣は表明されておりました。自民党さんは戸別所得補償制度をばらまきと批判されてきたわけでありますが、新たに検討するとされている日本型直接支払いはどのような仕組みと考えられるのか。また、予算総額はどの程度見込まれるのか。今度は、我々の側からばらまきと指摘をされないように、いい制度をつくってもらいたいと思います。

 ただ、この段階でちょっとお答えにくいのかもしれないんですが、考え方だけでもお聞かせをいただけますか。

長島大臣政務官 制度設計に関する基本的な考え方だけ、お答えをさせていただきたいと思います。

 日本型直接支払いについては、攻めの農林水産業推進本部において、具体化に向けて検討を進めているところでございます。

 地域の実情に即し、実効の上がる施策が特に求められることから、検討に当たっては、これまでの制度の実施状況を検証するとともに、農業者や地方公共団体等の意向をよく把握しながら、与党の議論と連携して進めていきたいというふうに考えております。

 また、日本型直接支払いについては、地域の実情に即し、平成二十五年度予算において、制度設計に向けた調査費を計上させていただいたところでございます。十六億円ほどでございます。

寺島委員 大臣がおっしゃられるように、農はまさに日本の基でございまして、農なくして国家の繁栄はないわけであります。

 農林水産省の役割は、農を守り、そして農を育てることが役割であろうと存じます。私たちの子供たちや孫たちの時代に希望ある未来を与えていただけますように、農林水産省の限りない御努力を要望いたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

森山委員長 次に、後藤斎君。

後藤(斎)委員 民主党の後藤です。

 きょうは、大臣、五十分という限られた時間でありますが、ぜひ、いろいろな角度から、攻めの農林水産業について教えていただきたいことがたくさんありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 まず、総合特区制度がスタートして、ことしの六月で二年を迎えることになります。この総合特区制度、各党いろいろな議論をしながら、法的担保を持って、特区という限られた地域ではありますけれども、資源と人材も含めて集中的に投資することによっていろいろな、地域の活性化も含めた形をつくっていくということでスタートしています。

 内閣府にお尋ねをします。

 この総合特区制度のそもそもの目的、趣旨について、簡単で結構ですから、御説明をお願いいたします。

北村大臣政務官 お答えいたします。

 総合特区制度は、大きく分けて、産業の国際競争力の強化と、いま一つは地域の活性化を図るという大きな目的を持っていると理解をいたしております。すなわち、地域における包括的かつ先駆的なチャレンジに対し、区域を厳選して指定し、国と地方の協働プロジェクトとして、国と地域の政策資源、すなわち、規制の特例措置や税制、財政及び金融上の支援措置などを集中して推進することを目的といたしているものでございます。

後藤(斎)委員 それでは、現在までの国際そして地域特区のそれぞれの指定の状況について御報告をお願いします。

北村大臣政務官 これまでに、国際戦略総合特区七地域、地域活性化総合特区三十七地域、合計四十四地域を指定しているところでございます。

 各総合特区の取り組みは、環境、医療・介護、農業、観光などさまざまな分野にわたっており、それぞれの地域資源を生かした先駆的な取り組みが進められているところでございます。

後藤(斎)委員 今教えていただいた数字のうち、農林水産省関係、農林水産業関係の特区はどのようなものがありますか。

北村大臣政務官 農林水産分野の特区については、二、三、例を挙げさせていただきたいと思いますが、北海道等から提出されております、食品の付加価値増進による食市場の拡大を目指す、いわゆる北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区、さらには、山梨県南アルプス市から提案をされております、いわゆる六次化による競争力と持続力のある農業、地域空間の創造を図る、競争力と持続力を持つ交流六次化モデルの構築特区、さらに三点目でありますが、愛媛県西条市の提案でありますけれども、他産業のノウハウ等を取り入れた生産性の高い農業ビジネスモデルの構築を図る、西条農業革新都市総合特区などがございます。これらを入れて十地域を指定しているところでございます。

 このうち、委員の地元の南アルプス市においては、市内全体に広がるいわゆる六次化ネットワークの拠点機能を整備し、競争力を有する先進型農業の持続モデルの構築等により、六次化による競争力と持続力のある農業、地域空間の創造等を図る地域活性化モデルの構築に取り組んでいるところでございます。

後藤(斎)委員 その中で規制緩和というのが一つの柱になっています。この農林水産省関係、農林水産業関係の特区の中で、規制緩和というのはどのような要望が地方からございますか。

北村大臣政務官 農業分野の総合特区からは、大きく分けて三点の要望がございます。

 いわゆる六次産業化関連施設など、農業振興に資する施設用地に係る農用地区域からの除外や農地転用等が一点目でございます。次に、二点目は、農地転用許可の手続の見直し、すなわち、迅速化、簡素化、国から自治体への権限移譲などを含むものでございます。三点目は、農業に参入したいという企業による農地の所有等について特例を求める、いわゆる規制緩和を求めているものが、大きな三点の流れでございます。

 これらの提案を受け、国と地方の協議会を設置して協議を行い、農用地区域からの除外や農地転用を求めるものについては、当該用地に関し、国、県、市による調整の場を設け、提案者の事業実施スケジュールに合わせられるよう具体的に調整を図ることで合意するなど、一定の成果を上げていると認識をいたしているところでございます。

後藤(斎)委員 今、北村政務官にお尋ねをしたように、国と地方の協議の場を含めて、地方の要望を踏まえて、多分、この特区法のスキームでいうと、先ほどの数字で国際戦略特区そして地域活性化特区を指定して、今、総合特別区域計画の作成、認定という段階に進んでいるものが多くなっているというふうに承知をしております。

 今、農林省関係の、農地法に関するものですが、地方からの三つの要望について、かなり地方の側に立った調整が進んでいるんでしょうか。それとも、まだやはり国の農地法を厳格に運営するという立場に立ってやっているんでしょうか。その点、どんなような調整状況になっていますか。

北村大臣政務官 国と地方の協議会において、内閣府といたしましては、総合特区の取り組みを推進する観点から、基本的に全ての協議に同席をいたしておりまして、いわゆる地域の政策課題の明確化やその解決のための論点整理を行うとともに、個別に関係府省とも打ち合わせを行い、解決の方向性を調整するなど、地方と関係省庁の双方に対して必要な働きかけを行っているところでございます。

 農林水産省に関係する地方からの提案につきましては、結果として、昨年春に実施した協議において、計二十六件の協議をいたしました中で、約六割に当たる十六件が、また、昨年秋に実施した協議においては、計十五件の提案に対して約七割に当たる十一件について、農林水産省と指定自治体の間で合意、または合意に向けて協議を継続することとなり、一定の成果を上げているものと理解をしているところでございます。

 内閣府といたしましては、協議結果を踏まえて、進捗状況の管理が必要なものについては、基本的には年二回を予定しておりますが、定期的にフォローアップを行い、進捗していない場合に必要に応じて調整を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、一年ごとに行う総合特区の評価についても、事業の進捗状況を確認するなど、取り組みの推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。

後藤(斎)委員 大臣にちょっとまとめてお伺いしたいんですが、この総合特別区域法の四条に「国の責務」という条項があります。その四条の二項に、国は、総合特別区域における産業の競争力の強化及び地域の活性化に関する施策の推進に当たっては、地方公共団体等関係者による政策課題の解決のための取り組みが円滑に行われるよう、規制の特例措置の整備、関連する諸制度の改革の実施その他必要な措置を講じなければならないという明確な国の責務規定がございます。

 大臣、今、北村政務官からお話をいただいたように、国と地方の協議の場、内閣府はアンパイアといえども、若干、地方にスタンスを寄せながら多分見ていてくれるというふうに期待をしておりますし、農水省も、これから議論というかお尋ねをいろいろしたいんですが、やはり、区域というものを決められたこの法律の中で、この特区法を上手に使って、新しい農林水産業の活性化の芽というものを推し進める必要が多分あるんだと思うんです。

 大臣がこの総合特区に寄せる思いというか意気込みというかスタンスというかを、まずお尋ねしたいというふうに思います。

林国務大臣 お答えいたします。

 実は私、この総合特別区域法、総合特区の前にありました構造改革特別区域法、これは十四年の十二月に、まだ自民党・公明党時代でございましたが、党の事務局長をやっておりまして、最初は随分苦労したんです、やはり例外をつくるというのがなかなか難しくて。その後、そのときの功績でもないんでしょうけれども、内閣府の副大臣というのをやらせていただきまして、実際に政府で担当しておりました。

 今まさに委員がおっしゃったように、あの構造改革特区は、まずメニューを決めて、メニューを決めてから地区の指定をするということで、それなりに成果は上がってきていると思いますけれども、一方で、メニューを決めるときはどこの地区というのがないものですから、なかなかできないところはできないねということもあったのではないのかなというふうに記憶をしております。

 多分、民主党時代にこの総合特別区域法が二十三年の八月にできておりますが、これを拝見しておりまして、やはりその限界みたいなものも踏まえられて、まず地域を指定して、ある意味、テーラーメードでそこでやっていくんだというような考え方で、構造改革特区の方は規制の特例措置だけでございますが、さらに総合特区の方は規制に税制、財政、金融の措置もつける、こういうような仕組みにされておられるということでございます。

 今、内閣府の方からお話がありましたように、地域を特別に指定して、そことテーラーメードでやるという考え方は非常に大事だと思っておりますので、我々もそれに対応して、地域の発展に資するように、今お引きになられました法律の目的に沿って努力をしてまいりたいと考えております。

後藤(斎)委員 北村政務官、どうぞ。ちょっと違う質問に行きますから。

 大臣は多分花粉症ではないかもしれませんが、私は大変ひどい花粉症に今かかっておりまして、目がかゆくてしようがないんです。いわゆる花粉症という、病気なのかどうかは別としても、花粉症にかかっている方は、多分この中にも、人口の四分の一とも五分の一とも言われていますから、二千万人、三千万人の方がいわゆる花粉症の症状を持っているというふうに多分言われています。

 私、何度か大臣等にお尋ねをしたことがあるんですが、なかなか総合的な対策というのはこの花粉症は難しいです。薬を飲めば少しそこでよくなりますけれども、やはり基本的な根本治療にならないということで、数年前から、関係省庁によって、春の花粉症に関する政府の取り組みというのをこの数年間、何かまとめられているというお話を聞きました。毎年、環境省や林野庁や厚労省が持ち回りでやるということで、ことしが林野庁の当番だという話をこの間、お聞きしました。

 そういう中で、本来であれば政府全体でどなたか担当大臣がいてお聞きをしたいところなんですが、それができませんので、それぞれ関係省庁で結構ですから、現在までの花粉症対策の取り組み、例えばこの五年、十年でどういうふうに進んできたかということをベースに、簡潔で結構ですから、環境省、厚労省、林野庁の順に教えてください。

佐藤(敏)政府参考人 環境省からお答えをいたします。

 環境省では、花粉の飛散に関するもののうち、国民への情報提供という観点から取り組んでおります。

 具体的には大きく三つございまして、一つは杉、ヒノキ花粉の総飛散量や飛散の開始時期などの予測。それから、二つ目が花粉の観測システムでございまして、これは愛称「はなこさん」と呼んでおりますが、こうしたものを用いてリアルタイムでの飛散情報の提供というものをやっております。また、三つ目といたしまして、これらの情報を用いて適切な対応を促すために、花粉症への対処法、対応法などをわかりやすく解説する花粉症の環境保健マニュアルの発行などの取り組みを進めております。

 また、環境省では、今申し上げましたこれら三つの内容を中心に、さらには関係府省や自治体の情報もあわせましてホームページにおいて情報提供を行っております。

 いずれにしましても、関係府省と連携のもと、花粉症対策を進めてまいりたいと考えます。

高島政府参考人 厚生労働省でございます。

 厚生労働省といたしましては、花粉症が免疫アレルギー性の疾患であるという観点から、厚生労働省で行っております免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業というものがございまして、この中で花粉症に対する治療法の開発等についての研究を行ってきております。

 これはテーマごとに公募方式で行っておりますが、現在行っておりますのは、杉花粉症の発症予防、それから、花粉症治療の実態調査、免疫療法の確立に向けたガイドラインの作成等について研究を進めているところでございます。

沼田政府参考人 お答え申し上げます。

 林野庁におきましては、いわゆる花粉の発生源対策といたしまして、これまで、花粉発生源の推定でありますとか、あるいは、花粉発生量が一般的な杉の一%以下でございますいわゆる少花粉杉、こういった新しい品種の開発等に取り組んできたところでございます。こういった結果、少花粉杉品種が百三十五品種、全く花粉を出さない無花粉杉が二品種開発されているところでございます。

 また、少花粉杉等の花粉症対策苗木の生産量は年々増大してきておりまして、既に、群馬、山梨、埼玉、東京等を含めまして近隣の六都県でございますけれども、ここで新たに植栽する杉の苗木は全量が花粉発生の少ない品種に転換されております。また、全国では、平成十七年度の九万本から、平成二十三年度でございますが百四十二万本と、約十六倍にその生産を増加させたところでございます。

 林野庁といたしましては、森林・林業基本計画に基づきまして、花粉の少ない森林への転換を促進するということにしているところでございまして、各省連携しながら、また各都府県の御協力もいただきながら、花粉の少ない杉林や広葉樹林等への転換にしっかりつなげていく考えでございます。

後藤(斎)委員 大臣、これは何でこんな話をしているかというと、後ほど機能性食品との関係をちょっとお尋ねしようと思っているんですが、実は、農水省が、私は非常にこれを熱心に後押し、応援をしているんですが、杉花粉症緩和米と昔言った機能性米、今は杉花粉症治療米というふうな名称変更を技術会議でされたようでありますけれども、これはもう十年以上たつ平成十二年から、生物資源研究所が杉花粉症緩和米という形で研究を開始しました。これがまさに機能性食品の本当に象徴かなと私は思ったんですが、平成二十二年から、ようやくその実用化へ向けた安全性、有効性の評価、試験を今実施しているということで、今まで二十億から三十億くらいかかったので、私は、お米を食べながら花粉症が治るというのはすごいなと実は思ったんです。

 ただ、これは幾つかの問題点がやはりありまして、例えば、一番の問題点は、多分、私の問題意識が間違っていなければ、遺伝子組み換えという食品に当たってしまう、薬に当たってしまうということで、食品でもいわゆる遺伝子組み換え食品になってしまう。薬ですから、今、薬事法の部分で実用化ということでやっていますから、まだあと十年もかかってしまうというふうな二つの制約条件が多分出てきてしまったのかなというふうに思います。

 今、実用化の中で、いわゆる輸出と同じように緩衝地帯みたいなものをつくって、この実用化の、杉花粉症治療米というのはもう形状としたらあるので、私はまだ食べたことはないんですが、あるというふうなことで、今、民間企業と組んでやっているというお話を農水省の方からお聞きしました。

 それはすごく正しいんですが、きょうはそんなに突っ込みませんけれども、遺伝子組み換えと言った途端、日本の消費者は、やはりそこでもうだめだということになってしまうと思うんです。私は以前から、もう十年も前から、それがお米になったら、人体実験も含めて私が食べるから持ってきてくれと。だけれども、だめですというふうに言われて、食べたことがないんですが、要すれば、非常に画期的なものだと思うんです。

 後でも触れますけれども、先ほど来お話があるように、TPPの中で一番の聖域というのは多分お米だと思います。お米というのも、もう四十年間転作をし、需給バランスが崩れて、そして価格も半分になり、消費量も半分になり、それで、攻めのというか強いというか、いろいろな表現が、それぞれの大臣ごとに名称はあるものの、どん詰まりになっている。

 であれば、今、アジアやアメリカにも日本の農家の方が法人も含めて行って、そこでお米をつくっている。もしこの杉花粉症治療米を、特許は農水省がお持ちのようですから、アジアの国に持っていって、そこでつくって逆輸入をした方が早くできて。大臣、やはりドラックラグがありますよね、日本の場合は。なかなかその安全性関連まで難しいということであれば、それが緩やかと言ったら怒られますけれども、これからいろいろなアジアの国と連携をしなければいけませんから、そういうもので、杉花粉症治療米というのは、食べながらにして、農家の方も、もしもそれができれば、価格が倍になるのか五倍になるのかは別としても、幾らつくっても売れるということに多分なると思います。

 今、花粉症にかかっている医療費は大体三千億円くらいというふうに民間の研究機関では推定をしていますし、また、大臣はかかっていないかもしれませんけれども、やはりぼうっとしたり、何となくはなばかりかんで集中力がなくなってしまうということで、そういう労働損失も三千億円から四千億円あるというふうにも言われているんです。多分そうだと思うんです、私、自分でそうですから。

 ですから、そういう部分での、やはり新しい角度から農産物、食品というものを見ていかないと、なかなかかけ声だけで、なぜ農業は高齢化が進んで農業所得が減っていくんだというのは、多分全く逆なんですよね、もう冷静な大臣だとよくおわかりのように。お金がとれない産業になってしまうから、後継ぎがいなくなって地域が崩壊する、この循環がいけないんです。高齢化が進んでいるから農業所得が少ないというのは全く違うわけですよね。

 ですから、本当は後ほどここを聞こうと思ったんですが、あえてここで言っちゃいますけれども、今三兆円ある農林水産省予算のうち、大臣、供給対策、例えば生産性を強化する対策と、需要を拡大する対策、研究費がその中に入っても結構ですから、どのくらいの比率だと思われますか、三兆円のうち。

林国務大臣 済みません。ちょっと急なお尋ねですので、余り何割というのがすぐ浮かんできませんが、今おっしゃったサプライサイドの方がかなり多いのではないのかなというふうには思いますけれども、役所の先輩でもいらっしゃいますから、御教示願えればというふうに思います。

後藤(斎)委員 大臣、農水省にお尋ねをしたり、調査室ともいろいろ議論をしてみたんですが、実はその数字が、生産性向上というのは、品質改良も相まって、結局は需要拡大に資するんだということで、基本的に三兆円を需要対策と供給対策に分離することはなかなか難しいというのが一つの結論でございます。

 私は別にいじめているわけでも何でもないんですが、やはり需要という部分をどういうふうに拡大するかということがないと、ただでさえ少子高齢化という部分での内需と、そして、後でお尋ねをしますが、攻めの農業の輸出というものを、やはり両輪を視野に入れないといけないというふうに思うんです。

 大臣、さっきの杉花粉症米の話は治療米になっちゃったんですが、私は、新たな視点というのをぜひ研究者の方に指示していただいて、そしてあわせて、やはり厚労省も薬事法という形でがんじがらめになっちゃっているので、その辺を厚労大臣ともよく調整をしていただいて、これはやはり世界に冠たるものに本当になると思うんです。

 以前の石破大臣も松岡大臣も非常に御熱心にこの問題に取り組んでいましたし、私も科学技術担当の副大臣をやったときに、これを何とかと思ったんですが、なかなかやはり農水省に指示するところまでいきませんでしたので、ぜひ大臣のリーダーシップで、ここを、新しい需要をつくっていくという視点だというふうに思うので、ぜひ大臣が御指示をいただけるようにお願いをしたいんですが、いかがでしょうか。

林国務大臣 ありがとうございます。

 実は、我が省につくりました本部で、今まさに委員が御指摘になった、予算ははっきり区別はつかないということかもしれませんが、いわゆる需要サイド、ディマンドサイドをまずどうするか、輸出対策ですとかそういうもの。それから、供給の方をどうするか、これは圃場整備から始まっていろいろなこと。そしてもう一つは、そこをつなぐバリューチェーンの構築ということで、そういう頭の整理で攻めの農林水産業をやっていこうということでございます。

 六次産業というときに、三次産業はマルシェとか農家レストランということが多いわけですが、新しい六次産業の形として、やはり医療、福祉の分野で、実は、農業の方から医療、福祉に行く例もあるんですが、むしろ医療、福祉の分野から農業の方に来られている例というのも現場ではたくさん出てきているようでございまして、この間、農政局長会議のときも、そういう例を積極的に、現場での情報を拾ってくれということをお願いしたところでございます。

 そういった意味では、今ずっとお話のありました花粉症、幸か不幸か、私は田舎育ちなものですからまだ発症しておりませんで、小学、中学で花粉をいっぱい浴びたからまだ大丈夫かななんて思っておりますが。ただ、うちの妻はもう重度の花粉症でございまして、大体、妻のはなをかむ音で私は目が覚めるみたいなことが随分実はあって。

 確かに、おっしゃられたように、かなりぼうっとなっちゃって、なかなか集中力がないとか。それから医療費等も、先ほど三千億というお話がありましたが、我が省の推定ですとやはり二千三百億ぐらいあるということで、これはかなり大事なことであると思っております。

 それで、委員お詳しく先ほど御指摘いただきましたけれども、機能性の食品でいくか薬でいくかというのが、一つやはり大きなところだろうなというふうに思います。それぞれの出口が違ってくるわけですね。したがって、今お話を聞いていて思いましたのは、薬ということになりますと、PMDAというところがあって、ドラッグラグ、デバイスラグみたいな問題が出てくる。機能性食品でいけば、今のGMOに対する何となくちょっと危ないなみたいな感覚がある。

 いずれもなかなか難しい問題ではありますけれども、逆に、花粉症、皆さん大変に悩んでおられるということでございますし、今委員がおっしゃいましたように、そういう付加価値という意味で、需要サイドを強くしていくという意味では、大変大事なものだというふうに私も思っておりますので、きょう御指摘いただいて、さらにこれにドライブをかけていければというふうに思っております。

後藤(斎)委員 恐縮ですが、時間がなくなっちゃったので、飛びます。

 大臣、TPPに交渉参加するというふうなお話を総理から、お電話か直接かわかりませんけれども、指示をされたのはいつでしょうか。

林国務大臣 これは、総理がワシントンに行かれまして、私、たまたま、前から予定をしておりまして、国内ですがちょっと出張が入っておりまして、それで、ちょうど飛行機に乗る前に、空港の待合室で、テレビで総理の向こうでの会見を拝見したというような状況でございました。

 その後、これは帰ってこられてからだと思いますが、官房副長官からお電話で、こういう経緯があって、そして確認を得たという言い方で、あの時点ではまだ交渉参加の表明ということではございませんでしたが、そういうワシントンでやったことに対しての御説明をいただきましたので、その後、総理のワシントンでの会見における表明を経て、党内外でのいろいろな議論を経て、三月十五日の正式な参加表明につながった、こういうことでございます。

後藤(斎)委員 江藤副大臣、総理が首脳会談からお帰りになったらすぐに、お電話か直接か、裏口から入られたという何か報道もありますけれども、官邸に行かれて、党内を説得するようにという指示を受けたという報道がありますけれども、それは事実ですか。事実であれば、いつ総理から、党内説得、農業団体説得ということは指示があったのでしょうか。

江藤副大臣 これは、私がお会いしたのは、帰国されてすぐお会いをしました。ただ、報道ベースで言われておりますように、説得をしろとか根回しをしろとか、そういう指示はいただいておりません。

 私はその場でも、私は、皆さん方よく御存じのとおり、TPP交渉参加には断固反対してきた人間でありますので、総理にお呼びをいただいた格好の機会ですから、この機会をつかまえて改めて、もちろん、共同声明、これは両国首脳が共同して出した外交上極めて重い決断でありますし表明でありますから、そのことについての総理の思いも聞きましたけれども、私も、その段階では、これはなかなか厳しいようですよ、財政的にも例外がたくさんとれなかったら大変な重荷になりますし、これは総理、ぜひとも慎重に対応してください、そして、党内できっちりもう一度、この共同声明を受けて議論をしなければなりませんということを申し上げたのであって、根回しをしろとか、私のような当選四回の議員が、宮腰先輩のようなこういう歴戦の勇士を、自民党の農林族にはもっと怖い先生はいっぱいいるんですから、その方々を私が根回しするような技量は、残念ながら私は持ち合わせておりませんので、ちょっとあれは、メディアが私に対して意地悪な書き方をしたなという感想を持っております。

後藤(斎)委員 委員長もその説得をされた一人かもしれないという報道があって、それはともかく、先ほど寺島議員からも話があったように、では、これからTPP交渉参加をする基本的なスタンスというのは、当然、三役一緒だと思うんですが、大臣、副大臣、政務官の順に、どのようなスタンスでTPP交渉に臨んでいくのか、基本姿勢だけ、大臣、副大臣、政務官にお尋ねをしたいというふうに思います。

林国務大臣 先ほどちょっと触れさせていただきましたが、安倍総理が先週、TPP交渉に参加する決断をしたわけでございまして、これは、自民党や国会での御議論、また、連立与党の公明党さんでの御議論など、数多くの意見を踏まえたものというふうに理解をしております。

 TPP交渉参加につきましては、特に自民党では、重要五品目等の聖域を確保すべきという決議もなされました。また、総理御自身が、あらゆる努力により、日本の農業、食を守るというふうに約束をされておられます。

 このような状況の中での総理の決断でございますので、TPP交渉参加に当たっては、国益を守り抜き、重要五品目等の聖域を確保するように全力を尽くす考えでございます。

江藤副大臣 基本的には全く大臣と同じでございますが、とにかく、この首脳会談が終わってからの約二十日間は、私にとっても非常に苦しい時間でありましたし、党内でも大変激しい議論が行われたところでありました。

 その中で、総理は、しばし立ちどまっていただいて、そして党内の議論をきちっと受けとめていただいて、決議も党内でしていただいて、そして、参加表明におきましても、国柄を守る、国益を守る、そして農業を守るということを強く言っていただき、さらには、中山間地域についても配慮するのは当然だということまで言っていただいたわけでありますから、私は、総理のそのお言葉が実現できるように、林大臣のもとで全力を挙げていきたいと思っております。

長島大臣政務官 私の方からもお答えをさせていただきます。

 大臣と同じお答えになるんですが、私も、選挙戦は、例外なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加は反対という立場で戦ってまいりましたし、その立場でありますが、農業、農村を守る、特に私の場合は、中山間地に残される人たちをどう守っていくのかということも課題の一つだと思って、この交渉についてきちんと対応していきたいと思っております。

後藤(斎)委員 大臣にお尋ねをしますが、米、麦は国家貿易であります。乳製品も、LIPCがやる部分もあります。この国家貿易についてはどのような交渉スタンスで臨みますか。

林国務大臣 基本的には先ほど申し上げたとおりでございまして、今委員が御指摘になったものは先ほどの自民党での決議、重要五品目の中に入っておるわけでございますので、先ほど申し上げたスタンスで国益を守り抜くということで全力を尽くす考えでございます。

後藤(斎)委員 では、国家貿易は、米麦の例外なき関税化とあわせて国益という中に入るものとして存続をさせる、維持をするということで理解をしてよろしいんでしょうか。

林国務大臣 これは、先ほど申し上げましたように、自民党での重要五品目等の聖域を確保すべきとの決議、これを踏まえてやっていくということでございますので、そこにいろいろなことが書かれている、これを最大限踏まえてやっていくということでございます。

後藤(斎)委員 では、豚肉の差額関税制度も同趣旨で理解してよろしいんでしょうか。差額関税制度を守っていく、存続をさせていくということが聖域ということで理解してよろしいんでしょうか。

林国務大臣 これは、自民党の決議の、農業に関する第四グループというのがございますが、そこにはいろいろなことが書いてあるわけでございますけれども、「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物等の農林水産物の重要品目が、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象となること。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めない。」こういう記述がございまして、それを受けて本部全体としての決議というものが先ほど申し上げたようなことが書いておるわけでございまして、こういう決議を踏まえて対応していくということになります。

後藤(斎)委員 これは副大臣でも結構ですから教えてもらいたいんですが、今大臣がお答えをいただいたのは、五品目は聖域で守る、これはいいんです。総論としたら正しいと思います、それ以外をどうかというのはまた次の機会に譲りますけれども。米麦や乳製品の部分の国家貿易や、あわせてやはり豚肉の差額関税というのは、ある意味では、基本的には制度の根幹なわけじゃないですか。ですから、それをどういうふうにしていくのかというのが基本的な交渉スタンスになければ、きょう、朝から与党の皆さんからも御質問がありましたけれども、いかに優秀なスタッフを副大臣がおっしゃるようにやっても、その指示書がなければ交渉にならないじゃないですか。それを絶対守るというなら守ると言ってください。守らないんだったら守らないと言ってください。どちらですか。

江藤副大臣 繰り返しになりますが、全力を挙げて守る方向で頑張ります。

 差額関税制度については、いろいろとこの制度を悪用してでもいわゆる裾物を入れたいということで、いわゆる豚肉の一頭に占める割合の大体一三%ぐらいは裾物ですから、この部分の価格が三分の一以下になるということになると、養豚農家に対する影響は極めて甚大なものがあるというふうに認識をいたしております。

 ですから、私たちは、大臣も繰り返しおっしゃっていらっしゃいますように、党の決議、それを総理が受け取られた、これに沿って聖域をきちっと守るように努力をしてまいります。

後藤(斎)委員 大臣、今副大臣が言ったのも、何となくわかるようなわからないようなですね。交渉というのは多分そういうものだと思うんです。

 ただ、政府として、国会の農林水産委員会ですから、委員会の中で大臣や副大臣がどういうふうなスタンスでお答えになるか大切であって、「ふにゃふにゃ。」というのは、絶対アメリカや豪州の交渉の中ではあり得ないんですよ。

 ですから、守り切りたいというふうに言ってくれれば、まずそれが第一歩じゃないんですか。それが言えないような交渉を、委員長、こんなの認めちゃだめですよ。まあ、委員長に言ってもしようがないですね。済みません。

 大臣、農林水産省は、それが制度の根幹だというふうにずっと言ってきたんです。差額関税制度についても国家貿易についても、それがもし仮に撤廃をされたら、畜産業も米も麦も、国内に甚大な影響を与えるというふうなスタンスで臨んできたわけじゃないですか。だから、それをきちっと守り切るというふうな大臣の姿勢であるかないかによって、実際の事務的な交渉担当者がどういうふうにそれに臨むのかというのは変わってくるんじゃないんですか。

 ですから、大臣のそれについての話を、きちっと意思表示を委員会でしていただかないと交渉担当者が困っちゃうと思いますけれども、いかがですか。

林国務大臣 基本的には委員おっしゃるとおりで、守り切るということであると思います。

 私が、委員もちょっとお触れになられましたけれども、交渉とはそういうものだねというのは、具体的にここで言えば言うほど、では、そこから先はいいのか、こういうことになるという懸念がありますので、今申し上げましたように、この聖域、五品目をきちっと守っていくということを私はここで申し上げているわけでございまして、当然、その中には今委員がおっしゃったような制度も含めて入っているというのが共通の理解だというふうに思います。

後藤(斎)委員 大臣、わかりました。まず、守る方は。

 では、TPP交渉参加に、攻めの農林水産業という観点ではどのような、例えば、輸出がしやすくなるということは、これは輸出産業の皆さん方が当然熱心に、早く入って日本に一番いいルールをつくろうというふうにもう何年も前から言ってきたのは、私も中にいましたからよくわかっていますけれども、そういう意味では、攻めの農林水産業という観点からは、このTPP交渉というものはどういうふうなスタンスで臨まれますか。

林国務大臣 これは、今お話がありましたように、輸出をふやしていくという意味で攻めの部分はあり得るのかなと思っております。

 きのうの予算委員会でも、あれは山田委員だったと思いますが、植物検疫についてのお尋ねもあったところでございまして、これはそこでも申し上げましたけれども、既に交渉中のものも含めて、TPPに入ることを待たずに既にやっておるものもございますし、攻めの農林水産業ということで、輸出について必要なことは、例えば、今、原発事故がございましたので、輸出証明書の発給、これを国が一元的に引き受けるですとかいうことを含めて、先ほど申し上げましたSPSの品目別の、相手国別の交渉も含めまして、TPPを待たずにやっていくべきことが多いと思っております。

 一方で、十一カ国のTPP参加国の状況を見ますと、今我々が輸出をしているような品目についてはもう既にほとんどないような状況でございますので、TPPに入ったから農産物の輸出が格段に有利になるという状況では余りないのではないかというふうに一方では判断をしております。

後藤(斎)委員 いや、そういう意味では、今、例えば、四千億強、輸出が実際されている。ただ、これもよく品目別に見ると、生の一次製品のいわゆる農産物や水産物や林産物のものじゃなくて、基本的には加工というのが、一兆円を目指すというふうに大臣も総理もおっしゃっていますが、私たちもそう思っていますけれども、やはり一次産品の部分を、先ほどの花粉症治療米じゃありませんけれども、全然差別化ができるものでないと、種を持っていって挿し木をしたら同じ果物や野菜やお米ができちゃうというのがやはり農業の一番の、ほかの産業と違う、ベースなわけじゃないですか。

 ですから、そのやり方というのを、では、植物検疫をというふうに大臣がおっしゃっちゃうと、では、植物検疫や食品衛生法を、みんなその基準を下げていけばいいんだという、今度は消費者の不安というのが一方で出てきちゃうわけじゃないですか、その検疫の部分に。ですから、輸出もそうですけれども、輸入もイコールになっていくわけですから。

 ですから、輸出のときにも、加工食品は付加価値を高めるということで当然いいんですが、やはり一次産品としての農産物や林産物、まあ、林産物はちょっとおいても、水産物をどう付加価値、要するに、機能性食品や機能性農産物みたいなものを含めて差別化をし、その補助を、その地域も含めて全体的にバックアップするという、先ほど大臣が農林省としても積極的にかかわっていくとおっしゃられた総合特区みたいなものをモデルにしながら、一年でも二年でも早くそういう成功のモデルというものを地域別につくっていかなければ、多分、幾ら口で言っても、農業所得がどんどん減少していく。価格も、二十年前、三十年前と、果物も野菜も米も、先ほどもお話ししたように、二分の一、三分の一に実際になっているわけです。でも、単収が二倍、三倍になっていないから、一反歩当たりの農業所得というのはどんどん減っているから、やはり市場撤退、要するに、新しい人が入らない、息子さんが入らない、娘さんが入らない、だから高齢化をするというのが今の農業の現状ではありませんか、大臣。

 だから、それをやっている、やっているともう百万遍も聞いているんです。農業基本法ができてもう五十年もたつわけです。ですよね、大臣。転作してもう四十年たっちゃったんです、実際。でも、基本的なベースは変わっていないんです。だから、猫の目農政にならないようにということで、先ほど寺島委員がその話をされたように、私たちがやった戸別所得補償も、いいものはいいということで、若干、名前をこれから変えるかもしれませんし、制度も変えるかもしれません。少なくとも、二十五年はそのまま存続するよと大臣が御判断されたのは、私たちの政党というよりも、農家にとってみて正しい選択、判断だったということだと思うんです。

 ぜひ、そういう意味で、大臣、TPP交渉参加は決めた以上はきちっと、聖域とかいう言葉というのは、英語で言うと何と言うか私は知りませんけれども、多分、例外をどう上手につくるかということですよね、はっきり言って。それによって日本農業それぞれの、お米をつくっている農家にとっても、畜産業をやっている農家にとっても、それぞれが今以上に頑張れば所得がふえていくという現実的なものが交渉スタンスの大前提であるべきだと思うんです。

 そうでなければ、幾ら聖域が聖域がと言ったって、それはまさに交渉の段階でどれかが外れていくというのは当たり前のことですから、どうなっていくかは別としても、それは最大限、今の現状に近いものが望ましいというふうに思われている農業者の方々の思いもきちっと踏まえてやってほしいと思います。

 ぜひ、大臣、農林省の一番の、本当の目的は、私は、初めて農林水産委員会という委員会で質問させてもらいますけれども、やはり農家一人一人の所得がどういうふうにふえていくか、それに対して予算やいろいろな政策資源や人的資源をどう使うかということが一義的でない限り、農地を守るだけ、農協がどうこうだけということではないということを中心に据えて、ぜひ攻めの農林水産業というものをきちっとつくり上げてほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。

林国務大臣 基本的には全く認識を同じにさせていただいていると思います。

 先ほど、輸出のお話がありましたが、SPSにとどまらず、今、本部でやっておりますのは、メード・イン・ジャパンとそれからメード・バイ・ジャパンいうことで、日本でつくったものをそのまま出していくということに加えて、やはり日本の食文化、こういうものを、例えば今やっておりますのは、パリで日本食文化週間というのをやっておりますけれども、こういうことを通じて、付加価値をつけるやり方というのはいろいろなやり方があると思います。先ほど委員が御指摘になった機能性でやっていくものもありますでしょうし、それから、日本食が非常に人気がある、これを商売につなげていくということでのブランド化というものもあります。

 私は、最近、なるほどなと思いましたのは、いわゆる御三家と言われている、おすし、てんぷら、焼き鳥、こういうものも非常に知名度が高いわけですが、最近、ヨーロッパではカレーライスが非常に人気がある。これは実は、日本のアニメでカレーを食べているシーンをヨーロッパの方が見られて、多分若い人中心だと思いますけれども、日本のカレーライス。だから、彼らにとっては、インドのカレーじゃなくて日本のカレーということになるわけです。

 そういうことも含めて、ディマンドサイドのことをきちっとやっていくということと、それから、先ほどから委員がおっしゃっておられる、いろいろな、供給サイドのことも含めて、トータルとして、やはり両方をやることで農家の所得向上をやっていく、これをしっかりとやってまいりたいと思っております。

後藤(斎)委員 以上で終わります。

 また次の機会に少し、たくさん質問通告の質問ができませんので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

江藤副大臣 済みません。委員に、一部、私の発言の修正をさせていただきます。

 裾物一三%と申しましたが、一頭当たりのキロ数が、枝にして五十四キロだったときに十三キロでした。パーセントでいうと二五%でした。修正させていただきます。

森山委員長 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。

 さきの衆議院選挙が終わりまして、その後初めて、この農林水産委員会で質問に立たせていただきます。宮腰筆頭を初め与野党の理事の先生方、また林大臣を含みます政務三役の皆さん、そして委員長、よろしくお願いいたします。

 きょうもるるTPPの話が出ておりますので、まずこれから私も質問をさせていただきたいと思っております。

 日米共同声明で、聖域なき関税撤廃ではないという認識を持たれたために交渉参加を決定したということで、私も、所属しております予算委員会でも、安倍総理から何度もそういった答弁をいただきました。私は、説明はともかくとして、あの共同声明は、一言で言うとこういうことだと思うんです。守るべき国益は不明確なまま、譲るべき国益だけは明確になった声明が私はあの声明だと思っているんですね。

 いろいろな解釈もありますけれども、例えばあの第二パラグラフで、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないと書いています。これは非常に上手な作文が行われていて、正しいんですね。でも、裏から言うと、交渉が妥結した際において、全てのマルチの国が合意をして、事後的に全ての関税を撤廃されることは、文法上残されているんです。

 ですから、私が申し上げたいのは、このことをもって、これで聖域をとった、とらないという不毛な神学論争をするのではなくて、一体何を守っていくのかということを、きょうは農林水産委員会ですから、ここはある程度、私は方向性は共有できると思っているんです。

 私は、一期目もそうでしたけれども、農政に与党も野党もないと思っています。ですから、何か、自分の党の政策だからこれを無理無理入れたいとか、相手の政党の言っていることだから全部反対したいという気は全くありません。ただ、農家のため、農業のために役立つことがあればそれをぜひ進めたい、そういう思いできょうも質問をさせていただきたいと思っております。

 その意味では、このステートメントの中でも何を守るべきかが明確じゃありません。アメリカはとるものを明確にしています。自動車と保険です。これは例示して書いてきていますけれども、我々は、農業については日本にセンシティビティーがある、アメリカは工業製品についてはセンシティビティーがある。これはある種、両方とも言っています。

 ただ、第三パラグラフで具体的な品目を出してきているのはアメリカだけであって、もしアメリカが自動車と保険を出すのだったら、せめて日本は米と砂糖ぐらいは入れてほしかったんです、二対二だから、二島返還みたいな話になりますけれども。そういうバランスの中でぜひ文書をつくってほしかったんですが、何を守るかは明示されていません。

 もう一つ、きょうも議論になりましたけれども、自民党さんのTPP対策に関する決議についてもお聞きをしたい。それを絡めて質問したいんです。

 そのもとになっている対策委員会の第四グループの取りまとめにおいては、いわゆる五品目を例示して、ちゃんと書いていますね。守ることについても、何をもって守るのかということも、例えば、単に関税撤廃の時期を十年かける、十二年かける、長くしたからといってこれが守ることになるのじゃなくて、例えば例外、除外、再協議、こういうふうに、何をもって守るのかもきちんと書いてあるんですよ、第四グループのところは。

 ただ、それが最終的な取りまとめになると、きょうるる大臣もお答えになっていますが、農林水産分野の重要五品目等としか書いていないんです。日米共同声明でも何を守るかが不明確、与党自民党の決議の文の中でもその内容が不明確、これでは農家の方が不安になるのも無理がないと思うんですね。

 そこで、大臣にお聞きしたいと思います。

 農林水産大臣として、一体何を守ることを国益と考えるのか、そして具体的にどう守っていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。

林国務大臣 御質問にはありませんでしたけれども、共同声明について冒頭お触れになられましたので、この三パラのところは、今までやっていた二国間協議を継続するということで書いてございます。

 したがって、これはもう民主党政権からずっと続いてきた、向こうがいわゆる三つの関心事項があるということについてさらにここに書いたということでございますので、この三パラに、今おっしゃられたように、例えば米だとか砂糖というのを新たに書くということはなかなか現実的ではないのかなというふうに思っております。

 それから、二島返還に例えられましたが、まさに二島返還が議論を呼ぶように、米と砂糖というふうにもし書きますと、残りはどうなるんでしょうかねということに必ずなるのではないかなというふうに思いましたので、そういうことも難しさとしては、委員は当然承知の上でおっしゃったと思われますが、申し上げておきたいと思います。

 私が先ほどから繰り返し申し上げておりますように、この党の決議、それから公明党さんでの決議、国会でのいろいろな議論を踏まえてというふうに申し上げておりますのは、この決議を、これは党の決議ですから、私がここを説明するという立場には基本的にはないという前提で申し上げますけれども、そこの決議の本文のところに、二ページ目でございます、五番の(1)で、「政府は、別紙の党内五グループ並びに二十一作業分野に対する検討チームの取りまとめの内容を踏まえ、」ということで、ここで、先ほどお話しになりました第四グループも含めて、五つのグループの検討チームの取りまとめを引いて、それがこの決議全体になっております。

 一ページ目にも、それと別に、それに先立つ二月二十七日に調査会、これは実は、ちょっと我が党の中の仕組みで恐縮なんですが、政務調査会の中にこの調査会というのを置いておりまして、これを調査会よりも上の組織で党全体の本部というふうに変えましたので、そっくりそのまま調査会が本部になったということですが、二月二十七日はまだ調査会でありました。

 したがって、二月二十七日のこの調査会で採択した決議を遵守し、確立すべきであるということもここで新たに書いてあるということで、これが全体としてこの決議になっていて、これを踏まえてきちっとやっていくというのが私が先ほど申し上げた趣旨でございます。

玉木委員 大臣もお答えしにくいんだと思います。

 第三パラグラフは、私は、これまでの協議を書いたというのはいいと思うんですが、我々の政権のときは書けなかったんですね。単なる二国間の話で自動車とか書くのはいいんですが、大事なことは、ウイズ・リスペクト・ツー、TPPネゴシエーションと書いてあって、TPPの交渉に関して二国間の自動車のことを書かれたことが問題なんですよ。TPPと全く絡めずに、二国間の話だったら幾らやってもいいんです。

 ただ、TPP交渉参加に関して、バイの交渉のことが書かれたことが私は問題だと言っているんです。ですから、このことについては、今後大きな足かせになるので、よくよく注意をして交渉を進めてもらいたいというのが一点です。

 二点目の、大臣、今御説明をいただきましたけれども、なぜ、米だ、麦だ、牛肉だ、乳製品だと明確に言えないんですか。私は言うべきだと思うんです、踏まえてと書いていますけれども。

 なぜかというと、政府にはいろいろな立場がありますけれども、農林水産業あるいは農家や漁民の意見を代弁して守るのは農林水産大臣しかいないんですよ。その大臣が、例えばカナダだったら、供給管理制度は守る、NAFTAのところでも命がけで守ってきたから、絶対守るから、安心だから農業団体はついてこいといって、彼らは交渉に行くんです。それを農林水産大臣がやらなければ、我が国政府においては、それを代弁する人はいなくなるんです。ですから、他の大臣に対しても、甘利大臣に対しても、総理に対しても、私は、政府の立場はもちろんわかりますが、農林水産大臣ですから、これは言わせてくださいということを言わなければ、それがまた交渉の力にならないんです。

 きょうはもうこれ以上言いませんけれども、あえて私がきょう提案したいのは、政府の立場におられる農林水産大臣がそういったことを明示されないのであれば、我々農水委員会として、立法府のメンバーとして、日豪EPAのときにやったように、具体的な品目も出して、委員会決議を立法府の意思として出すべきだ、与野党を超えてやるべきだと私は思うので、委員長にお取り計らいをお願いしたいと思います。

森山委員長 理事会で協議をさせていただきます。

玉木委員 ただ、交渉に臨むのは政府でございますので、そこは大臣に、私は、非常に信頼して尊敬する大臣なので、あえてこういうことを申し上げております。

 TPPについては、この辺にしたいと思います。時間があります。

 次の質問に移りたいと思いますが、きょうはちょっと……(林国務大臣「一言」と呼ぶ)短く。

林国務大臣 済みません。何か私が言っていないようになるといけませんので。

 十五日の金曜日に、これはもう会見で公に申し上げておりますが、全部は長いので省略しますが、交渉になれば、その中で国益を守り抜き、党の決議も踏まえ、農林水産分野の重要五品目等の聖域を確保するように農林水産省として全力を確保する考えです、これをマスコミの前で、ぶら下がりで申し上げております。

玉木委員 私が申し上げたのは、重要五品目じゃなくて、せっかく書いておられるので、日豪EPAのときの両院の決議にも出てくるような、やはり品目を出してくる、向こうが自動車というんだったらこっちは米だとか、要求しない限りとれないので、それを明示的に私はおっしゃっていただきたいなということを申し上げた次第でございます。

 次に、具体的な農政の話に少し移りたいと思います。

 まずは、いわゆる民主党政権で進めてきた戸別所得補償制度についてちょっとお聞きをしたいと思っております。

 実は、この戸別所得補償制度、我々の政権下でも随分ばらまき四Kの一つだと言われて、やめろやめろというふうに随分御批判をいただきました。ただ、私はちょうど一年前の三月の予算委員会で、NHKのテレビも入っていましたけれども、この所得補償制度について少し説明をさせていただいたら、全国から結構反響をいただきました。思っていた中身と少し違っていて、いいじゃないかという、どちらかというとプラスのお問い合わせや評価を実はいただきました。

 まず、大臣にお伺いしたいんですが、この戸別所得補償制度、名前は変えたんですが、基本的な枠組みは維持したまま二十五年度予算に計上しておりますけれども、どこがばらまきで、今後どういうふうなところを改めようとお考えになっているのか、基本的な考えをお聞かせください。

江藤副大臣 私の方でよろしいでしょうか。お答えさせていただきます。

 ばらまき批判を随分したじゃないかというふうに言われます。私も、農水委員会では必ず質問に立っておった人間でありますけれども、私としては、不公平感があるということは繰り返し繰り返し委員会で申し上げてきました。例えば私の宮崎県でいうと、米が中心の戸別所得補償なわけですが、総農業生産の中で米の割合は六%しかないんですよ。畜産とか施設園芸とか露地野菜とか、そういうところについては非常に恩恵が薄い。しかし、米を主力でつくっているところについては評判が極めてよいということも十分理解をしております。

 ですから、我々は民主党政権時代によかった部分については残すのだと。例えば人・農地プランなんかについても、将来を見越した極めていいプランニングだと思いますよ。ですから、この部分について、どこがばらまきかといえば、私たちとしては不公平感があったのだ、そして、我々は新たに日本型の直接支払い制度を導入して、そしてまた、筆頭がおられますけれども、せっかくできた三党での協議の場もあるということであれば、そこでよりよいものに、この委員会の場でも議論を重ねながらつくっていきたいというふうに思っております。

玉木委員 江藤副大臣、私は四国の香川県の出身で、耕地面積は全国一小さいんですね。不公平感からいうと、私自身、物すごく感じていました。私の家は兼業農家で、五、六反の田んぼをまだ持っているんですね。非常に不平等感、不公平感があるという意味では、中四国の人は、まあ九州の方もそうだと思いますが、一番感じているんですね。北海道の人はいいな、東北の人はいいなとどれだけ思いながら、この所得補償制度をつくったか。制度設計にかかわった一人として、そう思いました。

 ただ、実は、その不公平感と思われるようなものがあるからこそ、所得補償制度は機能しているんです。このことをちょっと説明します。

 今お配りしている資料の三と四、めくって見ていただきたいんです。

 まず、よくばらまきと言われたことの一つの理由は、ちっちゃな農家に予算をいっぱい配っている、そういうイメージで所得補償は語られました。

 確かに、対象件数からいうと五反未満の農家が多いんですが、ここに書いているのは金額ベースです。最初に入れたときは、岩盤部分の固定払いで一千五百億、変動払いで一千五百億、大体三千億の予算で米をやっていましたけれども、見ていただくとわかるんですが、支払いを受けている総件数のうち約一割の方が二ヘクタール以上の、まあ、大きな農家の方なんですね。この全体の中のわずか一割しかいない農家に総予算の六割ぐらいが配られているんです。さらに見ると、五ヘクタール以上の農家が四割です。

 これを見るとわかるように、実は、ちっちゃなところにばらばらばらばら配っているというよりも、総予算の大宗が大きな農家に配られる設計になっているんです。

 なぜかというと、下を見てください。

 全国一律で反当たり一万五千円という単価設定をしたことによって、これは見ていただくとわかるんですが、利潤が出るのは、この表でいうと、二ヘクタール以上にしか利潤が出ないんですね、配ってもなお。

 つまり、小さな農家は、トラクターの爪をかえたりするお金に便利なんですが、もらっても余りメリットがないので、実際ここに書いていますけれども、うちみたいに五反百姓のところは、加入率が半分ちょっとしかないんです。それに対して、五ヘクタール以上を見ると、九八%入っているんです。これはもうわかりやすくて、大きいところほど得だからなんです。

 ちっちゃなところはメリットが少ない。これを受けてやろうとしたら、この二ヘクタールより右側に行くとメリットが出てくるので、例えば、一ヘクタールとか二ヘクタールの人は、何とか、集積化したり連担化したりして、この右側に行けば、メリットが出るところに移っていくわけなんです。

 何を申し上げたいかというと、この所得補償制度は、世の中に流布している印象とは実は異なって、上に書いていますが、静かな構造改革を進めていく制度として実は設計したんです。これはそうなんです。

 もう一つ言うと、御存じのとおり、十アール控除の制度がありますけれども、所得補償は、全部の農家に配っているわけじゃなくて、十アールを控除して、その控除分からもらえるようになっていますね。ただ、集落営農組織化すると、組織の中から十アールを除いたらそこに出ますから、みんなで集まってやろうというインセンティブもまたビルトインされているわけです。

 ですから、全国一律単価にしたり、十アール控除制度を設けたり、あるいは規模加算制度を入れたり、人・農地プランを入れれば農地集積協力金で出し手にもメリットを与えたり、いろいろなことをして、実は、大規模化とか法人化とか集約化を進める制度としてつくってきたんです。

 それは、逆に言うと、我々のような小さな農家にとってはほとんどメリットがない。でも、そこは、何でもかんでも配るようなことをしたのでは、構造改革が進まない。自民党さんのときは明確でした。四ヘクタール以上にしか配らないとか、面積で切ってやったんです。これは、太陽政策と北風政策があるとすれば、太陽政策的に構造改革を促すというふうに、実は制度設計はしてきたんです。

 最後の五ページ、五のところを見ていただければわかるんですが、二十三年度からモデル事業を入れて本格的に実施されたところから、集落営農組織は実はふえているんですね。自民党政権下でも随分これは頑張ってこられて、集落営農組織の数をふやしてきたんですが、新設数が、平成二十年、二十一年、二十二年とどんどん減ってきていたんです。それが、二十三年度から、前年は新設数が四百三十九しかなかったのが、一千四百五十九に格段にふえているわけなんですね。

 ですから、こういったメリットがあるところについては、いいところについてはぜひ残していただきたいなというふうに思っているのと、イメージで農政を語っていくことを我々はもうやめるべきだと思っているんです。

 美しい田園だから、全部美しいのを守ろうというのも極端だと思うし、攻めの農業だけで全部ハッピーなのも、実はどっちも間違っていると思っているんです。極めて現実的な中で、今既に営農されている方がいらっしゃいますから、そういう人たちの声も思いもちゃんと聞いて、よりよい制度を安定的につくっていくということが大事だというふうに私は思っています。

 ただ、我々もこれは実は十分やれたと思っていなくて、改善すべきところを残したまま政権交代になっています。

 例えば、これも私は委員会のときに申し上げたんですが、米の変動払いのところは、ナラシの制度と極めて似たような制度になっています。一方では生産者負担を求める制度になっていて、こっちは完全に予算措置でやっていて、同じように価格の下落に対して対応するものなのに、一方は拠出を求め、一方は求めない。こういうのは統合して、総合的な所得保険制度として、私は制度を発展的に改善していけばいいと思います。

 戸別所得補償制度という名前も、私は誤解を与えるからやめろと実は委員会でも言ったんです。何でかというと、実は戸別には所得を補償していないからです。戸別に補償してほしいんだったら、もっと、うちなんかは一万五千円以上もらいたいんです。

 ただ、そうじゃない、いわゆる所得補償制度としては、戸別所得というのは若干誤解を与えるから、私は与党時代から改めた方がいいと言っていたんです。ですから、こういうふうに、お互いに譲り合うところは譲り合っていいものをつくっていけば、必ず農家が安心できるものをつくれると思うんですね。

 もう十一月になったら麦の播種時期、麦をまきますから、来年の通常国会ではやはり法案は遅いと思うんです。ですから、もし同意いただけるのであれば、我々は与党として改善策を法案の直前までまとめたものがありますから、そういったものについてぜひ与野党で協議をして、農家の方が将来をしっかり見通せる、さっき猫の目農政という話がありましたけれども、ころころころころ変わるような農政ではなくて、安定的な制度として法制化すべきだと私は思うんです。

 いわゆる広く、所得補償制度、これは畑作物の所得補償制度も水田利活用も全部含めた、こういったものをきちんと総合的に与野党が折り合って法案化していく、法制化していく、恒久化していく。こういった方向について、大臣、いかがでしょうか。

林国務大臣 実は、この仕事になって、玉木委員の、あれは鹿野大臣のときでしたか、議事録を拝見させていただきました。確かにおっしゃられたように、当時から、与党の立場ではあられましたけれども、もう名称は変えるべきではないかという大変に勇気のある御発言をされていた。感服を持って読ませていただきました。

 それで、今いろいろと変遷を御解説いただいて、最初の導入時に、その前の石破農政時代のところと比べて少しやはり変化が起こってしまったのかなというのが、今から考えるとちょっと残念だった気がするわけでございます。

 あのままの、今お話があった四ヘクタールのところでとどめておいて、そこで民主党政権の人・農地プランが入っていればなというのは、委員も同じようにお考えかもしれませんが、そういうところも中でやってごらんになられて、集積化加算ですか、そういうものを後からつけ加えてこられたという変遷を我々も承知をしておりますので、先ほど別の方にお答えしたように、ABCではいけないと思うんです、エニシング・バット・クリントン・ディドでは。

 したがって、いろいろな変遷を経て、より正反合でいいものにだんだんしていくという意味では、今の御提案、与党で、自民党の中でこの問題を委員長としてやっておられる宮腰先生がここにおられますから、ぜひ与野党でいろいろなお話をしていただければ、我々もそれに対応してまいりたいというふうに考えております。

玉木委員 宮腰先生の御指導もいただきながら、ぜひいい制度ができればなというふうに思っております。

 この制度を見直していく際に、多分、自民党さんの案の中にもそういう視点が入っていたと私は思うんですが、地域の独自性をできるだけ加味するという視点が大事だと思うんですね。

 さっき、全国一律にすることによって、また、いろいろな構造改革を進めていくメリットがある一方、細かな地域性をうまく反映するようにもつくることが大事だと思っています。

 地元の話で恐縮なんですが、ちょっと一つ。

 うちは香川県なんで、讃岐うどんが有名なんですね。今うどん県という名前にしてヒットしたんですが、その讃岐うどんをつくっている小麦のほとんどは、いわゆるASWといって、オーストラリアから輸入している小麦でほとんどつくっています。ただ、せっかく地元のものなので、地元でつくった小麦で讃岐うどんをつくればブランドにもなるしということで、さぬきの夢二〇〇〇とかさぬきの夢二〇〇九といううどんに適応した品種を結構つくっているんですよ。

 ただ、二つ、ちょっと問題を申し上げたいのは、水田を活用して麦をつくれば、今反当たり三万五千円もらえる制度になっていますが、これは二毛作助成といって、米の裏でつくったら一万五千円しかもらえないんですね。米でもらっているからまた裏でもらうのはけしからぬみたいなことはあるんですが、小麦の自給率を本気で上げたいんだったら、裏でつくろうが表でつくろうが、水田を活用して麦をつくったら、三万五千円の単価をちゃんと交付すれば、もっと麦をきちんとつくって、経営も安定すると私は思うので、こういった二毛作助成なんかを少し、地域性に応じて拡充するといったこともひとつ大事だと思います。

 もう一つ言いますと、品質加算制度というのがあって、いい品質のものだったらさらに交付単価を上乗せされるというふうにつくっています。これはいい制度だと思うんです。

 ただ、うどん用の小麦というのは、皆さん、腰を出すためにあえてたんぱく分を抑える品種を開発するんです。そうすると、今の農水省の品質加算の基準というのは、多分昔の食料増産の時代を反映しているんでしょう、たんぱく分が多ければ多いほど品質が高いという基準になっているんです。

 そうすると、あえてうどんのためにたんぱくを抑えた品質で必死でつくったら、それは最高等級じゃないですと言われて、高い加算がもらえないといったようなことも実は指摘をされているんです。

 こういったところも、少しきめ細かく見ていけば、随分麦をつくる人も頑張ると思うので、こういった観点についても、今後の検討の中に地域の独自性をうまく入れていく。産地資金を拡充するとか、いろいろな方法があると思いますけれども、そういったことをぜひ入れていただきたいなというふうに思っております。

 時間がなくなってきたので、最後に二つだけ、御指摘と質問をさせていただいて終わりたいと思うんです。

 一つは、土地改良事業、農業農村整備事業に関することです。

 これは、今、人・農地プランという話が少し出ましたけれども、まず、今回の補正と当初でかなりの予算がついています。私は、土地改良予算をしっかりやるべきだということで、党内で土地改良予算の取りまとめをしていたので、必要な土地改良予算はきちんと進めるべきだと思っているんですが、今私が懸念しているのは、今の土地を前提に、きちんと長寿命化したり、補修していったりするわけですね。でも、これから、例えばTPPが入って、本当に大区画化しなきゃいけないといったときに、せっかく細かく直したのをもう一回やり直して、畦畔を全部除去して、大区画化しようといったら、これは二度手間になるわけです。

 そういう意味では、人・農地プランで、まさに地域の未来の設計図として、こういう大きな圃場で、四十何歳の彼がやって、例えば麦と米とブロッコリーをつくりますということがちゃんと決まったら、そこに圃場整備の予算なんかは採択をしやすくしてあげるとか、つまり、人・農地プランと圃場整備とか土地改良予算の採択という、この連携をもっと密に図るべきだというふうに私は思うんです。まず、このことをぜひお進めいただきたいということが一点です。

 もう一つは、ため池のことなんです。

 香川県はため池がいっぱいあって、実は東日本大震災のときに、中通りに藤沼湖というのがあって、そこが決壊して、七人亡くなって、一人行方不明になっているんです。防災対策で海岸堤防とかいろいろなことは言われますけれども、すぐ近くにある水の塊はため池なんですね。これはいつつくられたかわからないような古いものもあって、個人の所有のため池なんかもあって、なかなか補修、改修が進まないんです。

 これを補修するために、平成二十三年度の三次補正予算で、実は震災対策農業水利施設整備事業というのを、これは主計局も農村振興局さんも最初は非常にいい顔をされなかったんですが、ぜひつくってくれと私や同僚議員がお願いして、つくってもらったんです。

 これはぜひ私は維持していくべきだと思うんですが、このため池の事業は、どういうふうな予算になっているのか、今後も拡充していく方向なのか、この点について、先ほどの人・農地プランとあわせてちょっと教えてください。

林国務大臣 お答えを申し上げます。

 農業農村整備事業というのは、地元の関係者が地域の農業の将来像を話し合って実施することがもともと重要でありまして、特に、今お話があったように大区画化、汎用化を行う事業については、従来から、農地集積に係る合意、誰に担い手になってもらうかということを形成することを採択要件としてきたところでございます。

 今まさにお話があったように、人・農地プランの取り組みと連携して推進することは大変大事だ、こういうふうに思っておりますので、農地の大区画化、汎用化等を行う事業については、平成二十四年度の補正予算から、人・農地プランを作成していることを地区採択の優先性の判定項目に追加をいたしたところでございます。

 今御指摘があったように、人・農地プランの関係施策と連携して農業農村整備事業を推進し、相乗効果の発現に努めてまいりたいと思っております。

 それから、ため池でございますが、お地元はため池が大変多いということで、我々も小学校か中学校の社会で習ったなと思いながら聞いておりました。

 全国でも二十一万カ所、ため池は存在をしておるわけでございますが、やはり西日本に多く分布をしているということで、今お話がありましたように、二ヘクタール以上のため池、六万五千カ所のうち、私はこれを聞いてびっくりしたんですが、七五%以上が江戸時代以前につくられているということで、耐震性という概念は多分そのころはなかったんだろうなと思いまして、確認できていないものが多数あるということでございます。

 したがって、三次補正で震災対策農業水利施設整備事業というのを創設していただいたということでありますが、さらに、二十四年度補正予算においても、ため池の耐震点検やハザードマップの作成を定額補助化いたしまして、事業費を大幅に増額して制度を拡充したところでございますので、しっかりとこの対策を推進してまいりたいと思っておるところでございます。

玉木委員 時間となりましたので終わりますけれども、農政に与党も野党もないので、とにかく、現場を踏まえたいい農政ができるようにこれから頑張っていきたい、このことをお誓い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

森山委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

森山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。百瀬智之君。

百瀬委員 初めまして。長野県出身の百瀬智之と申します。

 昨年末の初挑戦の総選挙で地元にて約五万票をいただき、今こうしてここに立っております。本日が質問のデビュー戦となりますけれども、思い切ってやりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、自民党政権に復権し、いわゆるアベノミクスはここまで順調に成果を上げているようであります。安倍首相は、頑張る人が報われる社会を実現すると常日ごろ申されておりますけれども、奇遇にも、私も昨年末の総選挙で街頭にて、頑張る人が報われる、そういう社会をつくりたいと訴えてまいりました。私が、頑張る人が報われる社会をつくりたいと訴えたのは、これからの日本を担う同年代の人たちに頑張ってほしい、ともに頑張って、人生の先輩方のため、そして後輩たちにすばらしい日本を残していきたいとの願いからくるものでありまして、この考えはこれからも大切にしたいと思っております。

 ここは農林水産委員会でありますから、本日は、頑張る人が報われる社会というものを、頑張る人が報われる農林水産業、もしくは頑張る人が報われる農政にブレークダウンして、質問させていただきます。

 もしかしたら、これからする質問は過去に何回も議論し尽くされた内容かもしれません。しかし、本日は、ぜひ自分の言葉で、大臣初め皆様の胸をかりるつもりでお聞きしたいと思っております。今後の日本の農政を左右する重要な時期を迎えておりますから、政策の根幹をなしている考え方や総論的な部分を中心にお聞きしますので、よろしくお願いいたします。

 では、早速、農業問題に入ってまいります。

 自民党政権になって、攻めの農林水産業が展開されようとしておりますが、この政策内容はさることながら、これまでの政策の反省点は明確に摘示していただかなければなりません。

 戦後の日本の農政は、政策がころころ変わって猫の目農政とやゆされたり、既得権益にがんじがらめで、業界団体とべったりの利権政策が展開されてきたなどと言われることがあります。原因はさまざまかと思いますが、特にここ十年で日本の農業生産額が二〇%以上のマイナス成長をしてきたという事実は変えられません。

 そこで、新しい政策を打ち出すにも、これまでの反省を踏まえなければ意味がないと思いますが、戦後日本の農政において最大の反省点は何だったとお考えでしょうか。大臣の御認識をお伺いいたします。

林国務大臣 お答えいたします。

 きょうがデビューの質問ということで、ぜひ今後の御活躍を御期待申し上げたいと思います。

 非常に大きな御質問でございますが、戦後の農政の中での反省点ということでございました。農業や農村の現場の事情を振り返ってみたときに、数十年という期間で、今お話がありましたように、生産者の所得の減少ですとか、農業従事者の減少それから高齢化、耕作放棄地の増加等が進展してきたということは事実でございます。

 この要因を考えてみますと、やはり、農産物の価格が低迷する中で経営規模の拡大や農作物の高付加価値化が実現できなかったということ。そして二番目に、国民の食生活が大きく変化する中で、これは例えば一番大きなものを挙げれば米が挙げられますが、私が生まれた昭和三十六年あたりでありますと、まだ委員が生まれる大分前ですが、今より大体倍の米を食っていたということでございまして、では、こういう米のように、需要が減少する作物の生産をどういうふうに転換していくか、こういうことが円滑に進められてこなかったこと。そして、土地利用型農業の経営規模の拡大に必要な担い手へ農地を集積していくということがおくれたこと。こういうような事情があったんだろうというふうに認識しております。

 したがって、こういう現場の状況を一つ一つ克服して、国内農業の活性化を図っていくということが非常に大事な課題である、こういうふうに考えております。

百瀬委員 ありがとうございます。

 私は、この件に関しまして最大の反省点は、ころころ変わる政策によって農家を翻弄し、国家政策よりは選挙対策重視ともとれる数々の政策を展開するなどした結果、志と熱意ある者のやる気をそいでしまい、目に見えない大きな国家損失のもとに、まさに頑張っても報われない農政が展開されてきた点だと考えております。早急に大胆な政策転換を行い、近い将来、目を輝かせて農業を志す若者があふれ返ることを願いまして、具体的な質問に入ってまいります。

 さて、平成二十五年度の予算案を見ますと、経営所得安定対策に大きく予算がついております。民主党政権下での戸別所得補償制度を大方引き継いでいるわけですが、この補助金政策のもとをたどれば、平成十七年の食料・農業・農村基本計画に基づいて、自民党政権が水田作及び畑作について品目横断的経営安定対策を導入したことと理解しております。

 先日、地元の農家の方より、所得補償政策は意欲のある事業的な農家の経営を圧迫しているというお話をいただきました。彼らに田んぼを貸していた兼業農家が、土地を貸し出すよりも、おのれが補助金をもらいながら耕作した方が実入りがいいと判断し、農地の返却を迫っているというのであります。最大の生産資源である農地が突如激減すれば、成長はおろか、自活の道さえ閉ざされてしまいます。専業農家はたまったものではありません。

 さらに、補償の不労所得を裏づけに、土地の生産力に見合わない地価が形成され、地代や農地価格の上昇を引き起こしているとも聞いております。これは、新規に農業を始めたい人にとっては大きな参入障壁となってしまい、頑張ろうとする人が報われない制度を提供してしまっているのではないかと危惧いたします。

 このように、補助金政策にはさまざまな負の側面が見てとれますが、政府としては、どのような問題と課題を把握されておりますでしょうか。具体的に、大臣に御答弁をお願いいたします。

江藤副大臣 私の方から答弁をさせていただきます。

 非常に若々しい御質問をいただきまして、ありがとうございます。

 確かに、いろいろな政策、戦後たくさんの時代を経てきました。国民が十分に食事ができない、食料が足りない時代から、それから米が余る時代、そして少子高齢化の時代と、時代が変わるにつれて、それに対して農業の構造改革が進んでいない、これはもう委員の御指摘のとおりだと思います。さまざま反省すべき点はあります。

 戸別所得補償とか、そういうことも今お触れになりました。激変というのは、やはり農家は望んでおられないんですよ。やはり、民主党政権になられて、大串さんには申しわけないけれども、農林水産業の予算全体が減った中で、戸別所得補償の比率が余りにも大き過ぎた、そして、本来、農業の基盤を整備して生産性の高い農地をつくるための予算が削られてしまった、このことはやはり私たちとしては問題だったということで、補正と当初予算でこれをならしていく方向に今向かっているわけであります。

 今、猫の目農政というお話がありましたけれども、それはやはりまずいだろうと。ですから、今回は、私たちは、日本型の直接支払い、それから担い手総合支援対策、これを立法措置して、いわゆる予算措置ではなくて、根拠法を持ってこれからは対応していこうということで、二十六年からやってまいりますけれども、これからまさにTPPのお話も後から出てくるのかもしれません。

 結果、国家百年の計にこれから臨んでいくわけでありますから、林大臣のもとで、新しい考え方、いろいろな議論を含めて、しかし、農政というのは過去の歴史の積み上げであることもぜひ委員には御理解をいただいた上で、この委員会でまた御意見を賜れれば、大変ありがたいと存じます。

百瀬委員 詳しく述べていただいて、ありがとうございます。

 続いて、この政策を今後どのようにしていくべきかという観点から質問を続けさせていただきます。

 これまで特定作物を中心に補助金交付政策が施され、その保護政策は、あたかも農業振興策であるかのように実施されてまいりました。食料・農業・農村基本法にも、農業の持続的な発展、農村の振興ということがうたわれているわけでありますけれども、しかし、現実は、助成金を受け取っていない野菜、花などが高い成長率を見せる一方で、補助金対象作物においては、むしろ逆効果を生んでいる感が否めません。

 例えば、大豆を例にとると、一九七五年の転作奨励金制度に端を発し、自給率を上げるため、お金をやるから米のかわりに大豆をつくれという政策がとられました。しかし、生産現場では、補助金受給のための捨てづくりが横行し、国際価格では勝負にならないとあって、収量は一向に上がらないままだということです。商品代金より補助金の金額が十倍にもなっているのですから、当然といえば当然の結果だと思います。同様に、現在、食用米では直接支払い交付金が十アール当たり一万五千円のところ、飼料用米、米粉用米には八万円が支給されます。

 これは、農家に対する直接支払い交付金を通じて、国が不採算の農作物の増産を中途半端に促していることになりませんでしょうか。この部分の予算がふえればふえるほど、顧客ニーズに対応した品目をつくる努力をするより、楽をして多く助成金が得られる方向に農家の動機づけが向かうようになります。これでは、いずれは農家の収益性が低下し、ひいては日本農業全体の生産性向上を妨げることになるのではないかと危惧いたしております。

 私は、経営所得安定対策を続けるのであれば、例えば、作物別の現行制度は廃止して、何をつくっても、面積当たりで一律同じ金額を支給する仕組みに変えるべきと考えております。これは、昨年三月に自民党さんが発行された「ニュース」という情報紙にも同じようなことが書いてありましたけれども、米であろうが、麦であろうが、現状、交付金を受けていない野菜、果樹、花であろうが、全く同じにして作物別の不公平感はなくすべきであります。

 これに加えて、支給額も段階的に減額し、減った所得をどう取り戻すかとか、どうやったらもうかるかとか、そういったことを農家の方々に自由に考えてもらい、できる限り現場の発想と黒字化経営努力を促進できるような制度設計をしていただきたいと思っております。こうすることによって、農家は、国家保護はまだまだ続くという甘い認識から決別でき、長期的な視野から経営の自己判断が下せるのではないでしょうか。

 平成二十五年度はこれまでの民主党政権下での戸別所得補償制度を引き継ぐにしても、平成二十六年度以降は現行制度をいつまで継続する方向でお考えでしょうか。猫の目農政からの脱却には最適な時期だと思いますから、今はこういう理由で説明できないとか、そのときの状況次第だとか、よく話し合う必要があるという説明ではなく、今後の経営所得安定対策をこうしていくつもりである、こうしたいという長期的なビジョンを国民は望んでいると思いますから、大臣のお言葉で国民に御説明を願います。

林国務大臣 ありがとうございます。

 政権交代ということが起こって、今委員から御指摘がありましたように、いろいろなところが変わるところもある。午前中、玉木委員とも少しやりとりをさせていただいたところでございますが、余り変え過ぎると、今度は猫の目という批判もあるし、全く変えないと、なかなか今の状況から変わっていかない、このバランスが難しいところである、こういうふうに思います。

 今、ファクスニュースだと思いますが、触れていただきましたが、我々は、そういうものを全部一つの文書として、政権公約ということで衆議院選挙のときにまとめさせていただきました。重立ったものを入れてある政権公約と、それから、総合政策集ということで、かなり網羅的に詳しく書いた、J―ファイルと称しておりますが、そういうものと二冊出しておりまして、そのJ―ファイルの中に、「農林水産業の多面的機能を評価した「日本型直接支払い」の創設」というものと、それからもう一つは、「「担い手総合支援新法」の制定で夢と希望と誇りを持てる農業を実現」、この二つの柱を立てておりますし、野党時代には、この二つの法律を議員立法として提出はさせていただいているところでございます。

 この多面的機能の新法、日本型直接支払いということですが、ここに、「水田のみならず、畑地も含め、農地を農地として維持することに対価を支払う日本型直接支払いの仕組みを法制化します。」、こういうことを書いて、多分、その似たような趣旨が、委員がごらんになった「ニュース」にもあったのではないかな、こういうふうに考えております。

 こういう政権公約を掲げて選挙をやり、国民の皆様の御支援を得て政権につかせていただいたということでございますので、いろいろなところで私が答弁しておりますように、こういうものをもとに、与党とよく御議論を重ねながら、今委員から御指摘のあった、猫の目だと言われないように、しかし、今までのいろいろな経験を踏まえて、よりよい制度をつくってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

百瀬委員 ありがとうございます。

 同じような話だとは思いますけれども、続きまして、生産調整制度について触れさせていただきます。国民になじみのある減反という言葉を使うこともありますけれども、御容赦いただきたいと思っております。

 現在、概算で二百五十万ヘクタールの水田の四割に相当する百十万ヘクタールにおいて生産調整が実施され、食の安全保障を唱えながら、一方で米の生産を抑制するような施策がとられております。私の地元は、きれいな田園風景が広がる信州の安曇野でございますが、日本の原風景を売りにするこの町の水田にも減反政策は影を落とし、モザイク状になりかけている水田は、私に何かを語りかけているようであります。一九六〇年代に千八百万トンの生産量を誇り、世界三位の米生産国であった日本が、八百万トンを切る生産目標が定められている昨今、これが本当に資本主義に立脚した国の農政なのかと疑いたくなります。

 生産調整制度には、数々の問題点があるとお聞きしております。若干資料が古く、恐縮でございますが、約十年前、二〇〇二年刊行の減反裁判記録集に次のような記録がございます。

 減反を促すために、農協の職員、役員、地域の役職員が毎日自宅へ説得に訪れ、圧力をかけてきました。また、村の人々も私の行動を悪いように、本人にではなく父母に言い立てました、父母はそれを自分たちの胸に秘め、子である私に直接話せなかったことがわかり、その心情を思うと心が痛みますなどというものであります。

 現行制度も、当時の減反政策の延長線上にありますから、今も同じような思いをしている人たちが数多くいることと思っております。

 一方で、生産数量目標を遵守している農家もまた、潜在的に米をつくる自由を奪われている立場にあります。地域に割り当てられた減反面積が未達成だと、その地域を農業関係の補助金の対象から除外する措置が過去にとられたこともありました。このように、村や町の中での対立を生み出し、さらには、もっと広く見て、米の生産数量目標の達成地域から未達成の地域に感情的な不満が投げつけられたともお聞きしております。

 そのほかにも、恒常的な減産と価格低下、税負担、環境負荷、農地高騰ということがあると言われるわけでありますけれども、このようなさまざまな問題に対して、どのような対策を講じていくお考えでありましょうか。モグラのように次々と出てくる問題を一つ一つ追うのか、それとも、いわゆるアベノミクスで言うところの三本目の矢、成長戦略をこの分野でも取り込み、積極的に規制緩和を推し進めて問題解決を図られるおつもりなのか、大臣の御所見をお願いいたします。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきます、私の息子よりまだ若い人にお答えをするわけですけれども。

 私も、典型的な中山間地に住んでおりまして、我々が農業に参画をしたころには、少しでも広い田んぼが欲しい、一粒でも多い米を収穫したいという意識の中で実は農業をやってまいりました。

 そのときからわずか三十年ちょっと経過した今日、かなり日本の食料事情は変わってきたんだと私は受けとめています。食料、いわゆる食品に対するニーズの多様化、あるいは国民性、いろいろな問題があって、今、米をつくる農家にとって一番危機的状況にあるということだけは、私も農家の一人として受けとめております。

 一方で、主食米の消費量、昭和三十七年には、一人約二俵だったんですね。今は一俵です。やはり、それぐらい米に対するニーズがしぼんでいるということ。そして、主食用米の作付面積が百五十三万ヘクタール、水田面積全体の二百三十三万ヘクタールの約三分の二程度になっております。

 米の消費が減少する中で、水田を有効に活用して、農家の生活を維持していく観点からは、減反、生産調整の中で、やはり大豆だとか小麦の作付も一方では奨励をしていかなければいけないんだと思うんです。

 過去には、デメリット対策、ペナルティーという形での対策を打ってきたこともありますけれども、近年は、メリット対策ということで、協力してくれる農家に対してそれぞれ補助金を支払えるというところに来ておりますから、農家の選択、地域の選択によって、これから再生産を可能にしていく。場合によっては、若手の農業経営者が参加をしてくれるということになってくれると思うんです。

 米の消費がこれだけ落ち込んだ中、さりとて、輸出を拡大したからといって、米の価格自体が高いものを安く抑えることができない現況の中で、爆発的に拡大をすることができない現況を考えたら、やはり、しばらくの間、農家の再生産、水田を守る観点から、我々は、大豆や小麦、他作物への転換も奨励をしながら補助をしていくという政策を続けていくようになろうと思いますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。

百瀬委員 ありがとうございます。

 そろそろ時間が差し迫ってまいりましたので、まとめに入らせていただきたいと思います。

 我々日本維新の会は、いわゆる道州制に代表されるように、ニア・イズ・ベター、すなわち、現場で起こっていることは現場にいる者がよく事情をわかっているから、権限を可能な限り現場にいる者に任せるべきだという考えを大切にしております。

 この考えは、農業にも通ずるところがあると思っております。特定作物への優遇制度がなくなれば、農家は、みずから農地を、誘惑に惑わされず、一〇〇%フル活用できます。限られた経営資源を有効活用しようという頭を働かせ、切磋琢磨の末に、農業経営者の黒字化が進む中で日本の農業が発展していくのではないでしょうか。まさに、頑張る人が報われる農政の実現だと思っております。

 私は、現行制度の一番大きな問題点は、決してお金でははかりがたい、何かをつくりたいという農家の意欲をねじ曲げてしまっている点だと思っております。新しい国際競争時代に備え、攻めの農林水産業を展開していく中で、ぜひ、ニア・イズ・ベターの考えをこれからの農政に組み込んでいかれるようお願い申し上げまして、私の初質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

森山委員長 次に、高橋みほ君。

高橋(み)委員 北海道選出、日本維新の会の高橋みほでございます。

 まずは、三月二日に北海道を襲った暴風雪で亡くなられた方たちの御冥福をお祈り申し上げます。

 北海道というところは、一次産業が基幹産業でございます。日本の食料安全保障、その中核を担う北海道の中で、北見市や滝川市在住の農業に従事する女性、網走市では酪農ヘルパー、湧別町では漁業に従事する方など、いわゆる一次産業、日本の食料安全保障を担っている九名もの方が一度に亡くなるということは、非常に残念で、たまらなく思っております。

 さて、この北海道を襲った大災害により農家にもたらされた農業被害状況をどのように把握していらっしゃるか、林農水大臣にお伺いいたします。

林国務大臣 農業関係の被害状況でございますが、この冬の大雪等による被害状況で、北海道分は今調査中でございますけれども、報道によりますと、農作物では、ニラやアスパラガス等の野菜の被害、それから畜産物では、生乳の集荷おくれによる廃棄等が出ている。それから、タマネギやビートの育苗用のビニールハウスが倒れている、損壊している。それから、これはオホーツク、根室管内ですが、農業倉庫の損壊。それから、何カ所かで牛舎の破損や損壊、こういうものが生じているというふうに承知をしております。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 思うに、土砂崩れや暴風雨などの災害は産業への被害も把握しやすいものではございますが、雪による産業被害はタイムラグがございます。この観点からも、北海道を襲った大雪というものを考えていただければと思っております。

 世界じゅう見渡しても、これほど雪の降る地域にこれだけの人が住み、農業をやっている地域というものはございません。世界各国の雪対策を調べましたが、日本のように、これほど雪の降るところで農業を継続的に行っている国は存在しないというわけです。

 この日本における雪対策が世界で最も進んだ雪対策となるわけでございますが、その日本の雪の対策が、すすを畑にまくとかという昔からの伝統的なことを行っているわけであります。もっと科学的な対策がないのか、雪に対する研究をもっとしてもいいのではないかと思うところでもございます。

 そこで大臣にお伺いしたいんですが、一次産業が主な産業である地域を守るためにも、雪への対策をどのように考えていくのか、お答えいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

林国務大臣 今委員からお話がありましたように、北海道、積雪地帯で農業をやっていくということは、雪の対策が大変大事になってくるということでございまして、例えば、積雪によりまして春期の作業がおくれる、それから秋まき小麦の雪腐れ病のような病気が発生する、それから果樹の枝折れがもたらされるというようなことで、対象作物ごとに、積雪対策として、例えば早く雪を解かしていくような融雪促進等を行うことが重要だ、こういうふうに考えております。

 このための施策として、生産現場で長年講じられております融雪剤散布などの技術対策、今委員からは、昔からすすをまいているというお言葉がありましたが、なかなか、すすは捨てたものじゃございませんで、例えば、アッシュと呼んでいますが、すすはアルカリ性を示すものですから、土壌の酸性化が進みやすい畑に散布することで土壌改善も同時に可能である、こういう理由もありまして、現代でもこれは推奨しておる、こういうものでありますし、それ以外にも、水田には珪酸質の資材を使うですとか炭酸カルシウムを使うですとか、いろいろなことをこの技術対策としては合理性があるものとしてやっておるところでございます。

 我が省といたしましても、これまでも、北海道を含めて関係各県に、降雪への事前対策や融雪等に伴う農作物被害拡大防止を図るとともに、もう一つ大事なことは、作業していらっしゃるときに、やはり安全を確保しながら、せっかくやろうと思っていたらそこでまた災害に巻き込まれたということがないようにすることが大事だと思っておりますので、そういった意味で、画一的ではなく、地域や作物の特性等を踏まえた技術指導を実施しておるところでございます。

高橋(み)委員 詳しい御説明、ありがとうございました。

 さて、話題をかえますが、安倍総理が施政方針演説でおっしゃっていた攻めの農業という言葉がございます。攻めの農業と申しますと、日本のおいしい農作物を海外に輸出していくというイメージを持たれる方が多いかと思います。

 攻めるという言葉は、従来の東京一極集中政治体制を変えていくことを目標としている日本維新の会に所属しております私としましては大好きな言葉ではございますが、攻めの農業というからには、攻撃拠点となる基地はどこなのか、兵隊はどこにどれだけいるのか、見込みはどれだけあるのか、武器となる装備、弾は何だ、一体どこに攻め込むつもりなのかが気になるところでございます。

 そこで、攻めの農業としまして、どこでつくった何の農産物をどこに売っていくつもりがあるのか、お尋ねしたいと思います。お教えください。

江藤副大臣 大分通告と違いますけれども、お答えをさせていただきます。

 どこに基地があるのかというのは、日本全国至るところにあると思うんですよ。例えば、北海道でいいますと、長芋を出していらっしゃいますでしょう。これは、国内に一気に出してしまうと価格が暴落してしまうので、国内での価格を自主的に安定させるために海外に販路を開拓した先進的な例だと思います。

 例えば、牛肉なんかでも、国内に六カ所しかまだ海外に出せるような食肉処理場がありませんけれども、これも私の宮崎県は連続日本一になりました。ぜひ、海外にも、宮崎のような小さい経済圏でも出張所を出して、これからどんどん売り出していこうという努力をしているんですよ。ですから、どこに基地があるのかというお尋ねに対しては、あと、どんな弾があるのかというのは、これから探せば幾らでもあると思います。

 ただ、では、輸出をすればよいのかということも、委員の意識の中におありになると思います。一兆円輸出を達成しても、ただ金額ベースが一兆円になっただけで、農家の所得にそれがつながらないような輸出の拡大であれば、ただ数字が躍っただけで、余り農家の方々はありがたくないのかなというふうにも思います。

 ですから、なかなかお答えとして十分かどうかわかりませんけれども、安倍総理が言われるように、攻めるためにはきちっとした農業基盤が必要です。

 北海道にも何度か、私、行かせていただきました、部会長をしておりましたので。例えば、土地改良をきちっとしたタマネギ農家は、雨が降っても流れなかった、だけれども、俺の畑は、済みません、民主党さんに申しわけないんだけれども、農業基盤整備予算が削られて、実行されなくて、タマネギが流れちゃった、大根が流れちゃったと。(発言する者あり)ごめんなさいと言ったじゃないですか。そういう事実もありますから、強い、いわゆる攻めの農業をするためには、まず基盤の整備も必要だというふうに考えております。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 攻めの農業のメーンが長芋というのはちょっと寂しいような気はするんですけれども、これからの努力ということでお尋ねしました。

 維新も、攻めの農業というのは応援していきたいと思っております。ただ、TPPへの交渉参加に対しましては、私は一つ不安がございます。それは、生産者の視点からではなく、消費者の視点でもあるかと思います。

 自由貿易というのは、輸入も自由、輸出も自由、その貿易により、私たちの生活がよくなる、富の総和がふえるというものでございます。しかし、輸出国が、国内事情により、ある日突然、予告すらなく輸出するのをやめた場合、食料安全保障の面から、食料を輸入に頼る国の消費者の視点から、どうなんでしょうか。

 直近でいえば、二〇〇八年の食料需給の逼迫のときに、TPP交渉参加の国の中では、ベトナムが米の輸出を禁止したのは厳然たる事実でございます。食料を輸入に頼ることは、自国の安全保障を輸出国に委ねることでもありますので、このような突然の輸出の停止、食料が輸入できないということもあり得ることも、また考えていかなくてはならないのではないかと思っております。

 日米同盟という強いきずなで結ばれているアメリカでさえ、我が国に対し、事前通告なく、一九七三年に、大豆価格の上昇の対策として輸出禁止を行ったこともございます。そのときの混乱を振り返り、大豆の輸出禁止の愚策を繰り返さないことを公約に当選した大統領もまた、その三年後に三度目になる大豆の輸出禁止をしております。

 同盟国であるアメリカは、一次産品の輸出禁止を二度としない、一次産品の輸出を武器にはしないと私は信じているところではございます。しかしながら、問題は、それで大丈夫とは思われないところでもあります。

 日本や同盟国であるアメリカのような先進国では、飢餓が恐らく起こらないであろう、起こるはずもない、だから大丈夫という意見もございますが、確かに、私もデータ的にはそのとおりだと思っております。今まで飢餓が起こってきたのは、過去の歴史を振り返っても、そのほとんどが農業が主な産業の地域であり、農作物輸出国だからでございます。農作物輸出国、農業生産に頼る国、地域は、不作時にみずからの手足を切り売りするような状態となり、その社会は壊滅的な状況に陥るわけでございます。

 私たちの責任の中には、食べる物に困るような社会を決してつくらないという責任が当然あるものと思っているわけでございますが、自分たちだけではなく、遠くの人、隣の人であっても、食べるのに困るような社会を決してつくってはいけないという責任があるとしたら、やはり自分たちの分は自分たちでつくる、日本国の食料はできるだけ日本国でつくっていくという食料安全保障政策があってしかるべきであると思います。

 今までは、生産者の面からの政策が多かったように思っております。しかし、実効性は上がっていない。そういった現実からも、消費者の視点からの食料安全保障政策が必要であると思うところであります。

 例えば、生産サイドに補助金を出すということが中心の政策から、消費サイドに、消費者である国民に対して、国産の農作物のみに使えるクーポンを出す。例えば、生産サイドに直接二兆円をつぎ込むといった政策のかわりに、国産米のお米券を二兆円分国民に支給して、一度消費者を経由してから生産サイドに渡るようにする。こういった消費者サイドに立った政策は、生産サイドの競争を保ち、イノベーションを促進しつつ、国内産業を守っていくのではないかと思うところでもあります。

 生産サイドにあまねく行き渡らせるには大変かと思います。思いますけれども、このような消費者サイドに立った考え方に対する政府の意見はいかがでしょうか。

林国務大臣 お答えいたします。

 今委員からお話がありましたように、食料の安定供給を将来にわたって確保していくということは、国家の国民に対する基本的な責務である、こういうふうに考えております。

 食料・農業・農村基本法におきましても、そのために国内の農業生産の増大を図るということを基本といたしまして、これに輸入と備蓄を組み合わせて、食料の安定的な供給を確保するということが明記をされておるところでございます。

 したがって、今委員から御指摘がありました、いろいろな政策を検討してみるということの必要性は私も認識をしておりますが、消費者の方に国内産のためのクーポンというのを一例としておっしゃられましたけれども、その類いの政策がWTOのルールと整合性が保てるのかというようなことが多分出てくるのかなというふうにも思っております。

 いずれにいたしましても、農業・農村基本法に基づく二十二年の基本計画、これには、カロリーベースで五〇%、生産額ベースで七〇%の目標というのを明記しまして、その向上に取り組んできたところでございますが、まだまだその目的、目標に到達していない。これは、二十三年度の東日本大震災の影響等もあったわけでございますが、カロリーベースで三九、生産額ベースで六六ということでございますので、今後もいろいろな政策を駆使して、食料の安定供給の確保に努めてまいりたいと思っております。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 今回は、少し、攻めの農業にこだわっていきたいと思っております。

 攻めの農業をするためには、何といっても物流網の整備というものが必要だと考えます。先ほど、いろいろなところに基地がたくさんあるとはおっしゃいましたけれども、攻めの農業の大きな基地であろう北海道の一次産業にとって非常に効果があるのではないかと思われる、物流網の整備に対してお尋ねします。

 その北海道なんですけれども、北海道には、いわゆるミッシングリンクと言われている途切れ途切れの高規格道路があります。攻めの農業をするには、何といっても、外国の農産物と比べて輸送コストを下げる、消費地までの運送時間を短縮させる必要があります。しかしながら、道路はつながっていない。これでは、攻めの農業をしろと言っても無理なことになります。

 現在計画中の道路がつながった場合、一次産品物流にどのような影響が出てくるか、具体的に教えていただければと思います。特に、稚内から新千歳空港まではちょこちょこと途切れているところがある。ここがつながると相当な効果が物流にあらわれてくると思うんですが、いかがでしょうか。もし全くわからないのであれば、既につながっている札幌と帯広間での効果などで説明していただければと思います。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきます。

 先ほど委員の御指摘にもありました、日本の食を広げるプロジェクト、実は二十五年度予算で措置をしてございまして、地産地消等、地域における消費拡大、そして、国産農産物購入のポイント制度など、国内における消費拡大も二十五年度予算で取り組んでまいろうと実は思っております。

 そこで、今委員御指摘の、北海道における地産地消の効果を期待するという御質問だと思うんですが、高速道路、物流網を整備することによって、新鮮な農産物を大量、安定的に消費地や加工地に届けることが可能になるということだと思います。そのことによって、鮮度の維持による品質の向上、そして物流コストの低下等、いろいろな効果が期待をできる。そして、農山漁村に暮らす立場の人たちからも待ち望まれていることなんだろうというふうに受けとめております。私も農山村に暮らしている一人として理解をしている一人でございます。

 その上で、高速道路網の整備に当たって、どの程度のコストや効果が見込まれるかなどを含めて、地域地域の実態をよく踏まえて判断する必要がありますし、その意向を踏まえて、効果等について検証していく必要がございますので、ただいま御指摘の路線につきましても、検証をして、いずれ御報告をさせていただきたいと思います。

高橋(み)委員 お待ちしております。

 話題はかわりますが、午前中に佐藤議員からもお尋ねがありましたが、海獣、特にトドの漁業被害に対してお尋ねします。

 トドの漁業被害に関しましては、平成二十一年度から二十三年度までの三カ年を取り上げますと、毎年おおむね十五億円前後の被害額となっております。

 この被害に関しましては、有害生物漁業被害防止総合対策事業の中で措置されている資金が、NPO法人水産業・漁村活性化推進機構というところに入って、有害生物漁業被害防止総合対策事業の一つとして、トド対策に支給されているとのことですが、この対策の十八億五千四百二十五万円のうち、一体幾らトドに関して支出されているのか、その支出額は被害額に対して適正なものなのか。トドの漁業被害地は稲津政務官の御地元ということですので、稲津政務官にお尋ね申し上げます。

稲津大臣政務官 通告の内容と少し違うようでございますけれども、答弁させていただきたいと思います。

 トド対策についての御質問がございました。

 もう委員も御案内かと思いますけれども、北海道の特に日本海側、こちらはもう、今、特に冬から春、初夏にかけて、トドの被害が非常に多い。今御指摘のとおり、この数年の間は、一年間で大体十五億円程度の被害が発生している、このように承知をしておるところでございます。

 そして、今お話のありました十八億五千万の基金の使途についてでございますけれども、この中で、トド対策につきましては約一億九千万程度の予算が執行されている、このように承知をしているところでございます。

 北海道庁とトド対策についてさまざまな状況確認をしておりますけれども、例えば、二十三年度において、トドによる漁具の破損、それから漁獲物に対する食害につきましては、先ほどお話ししたように、十五億円の被害が出ている。

 そして、具体的に農林水産省としてトド対策にどのような手を打っているかということについても触れておきたいと思うんですが、一つはハンターによる駆除の実施、それから追い払い手法の実証試験、それから出現調査、こうしたことを北海道庁とよく連携して進めておりまして、二十三年度において、これらの対策に要した経費は、国費で約一億円余りになっている、このように承知をしております。

 二十五年度の予算案につきましても、これらの対策に必要な予算を計上しておりまして、引き続き必要な支援をしっかりと継続してまいりたい、このように考えているところでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございます。

 毎年十五億円程度の被害になっているので、大体二億円の補償というのは、余りにもちょっと少なく、かわいそうな感じはしますけれども、新しい対策をとっていただけるということで、皆、きっと心待ちにしていると思います。

 先ほどいろいろな説明がありましたけれども、今、共済制度というものがございますけれども、この共済制度というのは全ての漁業者が入れるものではございません。網の種別による差別、区別もなく共済の補償制度を受けられるようなことが必要だとは思っております。

 現在、トドの漁業被害は、漁場資源課の環境企画班というところが監視をしているところでございます。しかし、この名前では、トドが大事にしなければならない資源であるような錯覚を受け、被害を受けた人たちにとって割り切れない気持ちになるかと思います。漁業被害課というわかりやすい名前の窓口をつくることもトドの漁業被害に真剣に向き合うことになるのではないかと思うところでございます。

 そして、先ほど申し上げましたが、被害を受けた方が全て補償の対象となるよう共済掛金を助成していく措置をつくっていく。そうでないならば、保護と補償を両立させることができないならば、昔していたように、自衛隊にお願いをして機銃掃射をするなり、駆除していく、そういうしっかりとわかりやすい明確な方針を示すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

稲津大臣政務官 お答えさせていただきます。

 最初に、委員の方から指摘のありました、トド対策の部署の名称等についてのお話がありましたが、現在、水産庁には漁場資源課というポジションがございまして、ここでトド対策について、先ほど申し上げましたように、北海道庁としっかり連携を図って、積極的にこの対策に努めているところでございます。

 それから、漁業共済制度のことについての御質問が一つありました。

 トド被害により減収が生じた場合、基本的には漁業共済制度で、もちろんこれは加入されている方ですけれども、基準となる漁業者の収入額の原則八割まで補填がなされる、このようになっております。そして、その上でさらに、漁業者が資源管理・収入安定対策、ここに加入していれば、原則九割まで補填がなされるということになっています。

 加えて、漁業共済制度におきましては、国が掛金の一部補助を実施しておりまして、資源管理・収入安定対策において追加補助を実施している、こういう状況でございます。

 したがいまして、今後とも、これらの制度を活用していくことが非常に有効であるというふうに思っております。

 御指摘の、自衛隊への要請等のお話もございましたが、もちろん、先ほどお話しさせていただきましたように、今、トドの駆除のためにさまざまな努力をさせていただいているところでございまして、そのような対策をしっかり講じた上で、加えて、いわゆる漁業共済制度、ここを多くの漁業者の方々に加入を促進させていただくことも啓蒙してまいりたい、このようにも考えているところでございます。

高橋(み)委員 どうもありがとうございました。

 全ての人がいろいろな、大きさにかかわらず、共済組合などに入れるように手当てをしていただければと思っております。

 きょうは、どうもありがとうございました。

森山委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 日本維新の会、鈴木義弘でございます。

 時間がないので、すぐに質問に入らせていただきたいと思います。

 何回も質問があったと思いますが、大臣が述べられている所信の中で、何度も攻めの農林水産業という言葉をお使いになっています。私も同感で、農林水産業は、環境保護や多面的機能を有していると言われていますが、まずはなりわいとしての生業が基本だと思っています。強い農林水産業とは、もうかるなりわいのことだと考えます。

 そこで、初めにお尋ねいたします。

 大臣は、攻めの農林水産業と言われますが、どのような形態をお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

林国務大臣 ありがとうございます。

 攻めの農林水産業という場合に、やはり生産現場の声を積極的に聞きまして、地域の潜在力を引き出していく、これが大事ではないかと思っております。

 私の地元は山口県ですが、先ほど申し上げたように、中山間地なりのいろいろな工夫をされておられますし、今週末にはちょっと仙台にお邪魔いたしまして、あるいは農家レストランですとか、かなり集約を進められている。

 会社形態にされているところとか、さまざまなんですが、これは、一律にこういう形態というのを我々がかちっと決めないで、現場でこういう工夫をされて、それがある程度うまくいっている、そういうものを今全国の出先、それから技術の出先、いろいろございますので、少し粗削りなものでもいいから全部集めてくれと。それをいろいろ見ていくことによって、あるいはそういうノウハウが横にも展開していけるのではないか。こういうようなやり方で、現場重視の視点というものに立ちまして、今お話がありましたように、やはり最後はもうけて何ぼというところがございますので、付加価値をつけていく、つくっていく農産物に高付加価値化をやっていく、こういうことをやっていきたい、こういうふうに思っております。

 現場からそういうものを出していくという、いわばミクロの政策に加えて、もう少しマクロ的に言いますと、午前中にもあった輸出の話がありますが、こういうものの拡大をマクロでやっていくということや六次産業化をやることによって、さらに需要と供給の間がつながっていくようにしていく、こういうような考え方で進めてまいりたい、こういうふうに思っております。

鈴木(義)委員 それでは、農業、食品関連産業の国内生産高九十五兆三千億円の規模拡大と所信表明の中に記載されています。

 どの分野をどのぐらい生産高を上げる目標なのでしょうか、大臣の見解をお尋ねいたします。

林国務大臣 現在、我が国の一次産業、二次産業、三次産業を含めまして、農業、食料関連産業の生産額は九十五・三兆円ということでございまして、これは国内生産額の八百七十六兆円の大体一一%ということでございますから、最大の産業分野の一つだということでございまして、これを拡大していこうということでございます。

 食料・農業・農村政策審議会の食料産業部会というところがございますが、昨年三月に、食品産業の将来ビジョンというものをそこで策定をしていただいておりますが、この食品関連産業全体の市場規模が、毎年、年率二%程度の実質経済成長率を続けるという前提ですが、二〇〇九年の九十五・三兆円から二〇二〇年までに百二十兆円に拡大をしていこう、こういう目標を定めておるところでございます。

 少子高齢化が国内の食市場の縮小傾向の原因の一つだ、こういうふうに思っておりますが、一方で、世界の食市場、これはいろいろな試算があるんですが、一つの試算によりますと、二〇〇九年の三百四十兆円、ここから、二〇二〇年にはちょうどその倍の六百八十兆円、アジアだけで見ますと、これは二倍以上の伸びになるわけでございますけれども、世界の食市場をやはり取り込んで、我が国の経済成長、先ほどの九十五・三兆円をふやしていく、こういうことを考えなければならない、こう思っております。

 そういうことのために、我が国の食品産業による海外展開と日本産の農林水産物、食品の輸出について、これは整合性を持って進めていくという必要がある、こういうふうに思っておりまして、いわゆる農業政策と産業政策を一体的に進めて、GDPのみならず、国民総所得、GNIというものもふやしていくという視野を両方入れながら、施策の展開をやってまいらなければならない、こういうふうに思っております。

鈴木(義)委員 ありがとうございます。

 国内生産額の内訳の一覧表をいただいたんですけれども、農業、関連製造業、関連投資だとか、幾つかのジャンルに分かれています。その中で、最後に、食品店というので二十兆八千億計上されているんです。それをトータルして九十五兆三千億という、それを二%拡大をするんだという御答弁を大臣からいただいたんですけれども、なぜ、その食料関連産業の中に外食産業も含めた飲食店が計上されているのか、お尋ねしたいんですが、どうぞよろしくお願いします。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 農業、食品関連産業の国内生産額九十五・三兆円の中に、確かに、飲食店を初めとする外食産業売り上げ、約二十一兆円が含まれております。

 飲食店等の外食産業は、農林漁業と消費者の中間に位置をしておりまして、我が国の飲食料費全体の約三割を担うなど国産の食材を消費者に供給する重要な役割を果たしていると認識をしております。

 例えば、農林水産省が一般飲食店を対象に行った調査によれば、食材の調達先を品目別で見ると、野菜の八五%、穀類の八三%、果実の五九%、畜産物の五五%が国産となっております。

 また、飲食店の業態別で見ると、ディナーレストランの七二%、カジュアルレストランの七〇%、ファミリーレストランの六四%、ファストフードでも五二%の食材が国産となっているなど、外食産業と国内一次産業は切っても切れない関係になっていると認識をしております。

 それに加え、単身世帯の増加、女性の雇用者の増加等社会情勢が変化し、食の外部化が進展することを考えますと、外食産業と国内の農林漁業とのさらなる連携強化が重要であると考えており、国内総生産額の中に外食産業の二十一兆円も含めているところでございます。

 どうぞよろしくお願いをいたします。

鈴木(義)委員 そもそもの話なのでありますが、事前にレクを受けたんですけれども、今、九十五兆三千億という数字自体がはっきりしていないんだというような答弁があったんですね。根拠が明確でないのを所信に使ったり、二%増加させていきたいんだとか、食品店での二十兆八千億、こういう数字が、その根拠があやふやにもかかわらず、きちっと数字を挙げてきているということは、やはりどこかの数字を積み上げてきていると思うんですね。

 そこのところの金額の根拠を、今回はまあしようがないとしても、政府が出していくという数字は、もしかすると、今後、ひとり歩きしていく場合もあると思います。特に、食料自給率の話になれば、カロリー計算でやってみたり金額計算でやってみたり、さまざまな指標を使ったりするんですけれども、幾ら野菜をつくったとしても、葉物野菜を倍つくろうが三倍つくろうが、カロリーがオフなので、食料自給率は上がらないんです。

 だから、そういったことで、やはり金額を提示するとか数字を出すということに関しては、きちっとその根拠を説明していただければと思うんですけれども、その辺を明確にするお考えがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。

長島大臣政務官 ただいまの食料関連産業の生産額については、御指摘のとおり、農林水産省だけではなくて、総務省を初め十府省庁で作成している産業連関表をベースに、昭和六十一年度以降、農林水産物、食料品、農業機械、飲食店など、食料供給に関係する産業の生産額として作成をしております。

 この統計の作成には、農林水産省を初めとする関係各省の多岐にわたる統計データを用いており、全体の整合性を確保するために、これらの統計データ等の積み上げと推計が必要となると考えております。

 これらの統計データを農林水産省単独で実際に調査することは、各省の統計データとの重複を招くとともに、その対象数が膨大となることから、実際に現在は困難ではないかというふうに考えているところでございます。

鈴木(義)委員 さらに、二十五年度に、二・三兆円もの農林水産政策を行う予算を組まれているわけであります。

 それで、予算を執行した際の目標数値を設定した方が国民にわかりやすいのではないか。どこの分野に、このぐらいお金を使ったんだから、このぐらいふえますよと。先ほどと同じ話なんです。九十五・三兆円もの規模があって、それを二%拡大するといったときに、二・三兆円の国費を入れて、各分野に、圃場整備だとかいろいろ項目があると思うんですね。そこが、お金を投入したことによって、どのぐらいふえていくんですかというお尋ねがあったときに、このぐらいは目標数値として持っているんですというのをきちっと示した方が、国民は理解がしやすいんじゃないかと思います。

 特に、国土強靱化、競争力強化の予算のうちで、農業農村整備事業に三千億円余りの巨費を投じています。大区画化をすることで高付加価値化を目指して取り組むというふうにうたっておりますし、この予算をもとにして、都道府県も基盤整備に裏負担をすると思うんです。そうすると、地方分と国の分を合わせると、膨大な予算になっていくと思うんですけれども、今お尋ねした農業の分野で、九十五・三兆円のうち、国内総生産額が九・五兆円なんです。そうすると、この三千億円プラス地方の分も入れて、そこに圃場整備をしたときに、この九・五兆円がどのぐらいふえるのかというのを、二%という全体の数字じゃなくて、ことしはそんなにすぐに上がらなくても、五年ぐらいの計画の中できちっと数値目標というのを掲げた方が国民に説明もしやすいんじゃないかと思うんです。

 各事業の数値目標と経済波及効果を教えていただければと思います。

長島大臣政務官 平成二十五年度の予算要求に当たっては、全ての事業について、事業実施の数値目標を定めた行政事業レビューシートを作成し、原則として、概算要求と同時に公表しております。

 一方、各事業の経済波及効果については、平成二十五年度の予算要求事業についても、政策評価法等に基づき、事業費が原則十億円以上の公共事業のうち、新規に事業実施する地区や、事業が十年間未了など一定の条件を満たした継続地区等について、直轄事業については概算要求時、補助事業等については地区の採択時に、費用対効果分析等の結果を公表することとしております。

 ですので、全部ではありませんが、公表をしているということで御理解をいただきたいと存じます。

鈴木(義)委員 次に、平成二十四年度農林水産物、食品輸出実績の速報値という資料をいただきました。

 我が国から海外に輸出した総額が四千四百九十七億円見込まれていて、平成二十三年度よりは、原発事故の影響が拭い切れないことも要因の一つとして、若干減少しているということをお聞きしています。国別に見ますと、アジアの国が三千二百七十五億円で一%の減、ASEANで八百十億円、九%の増、北米で七百四十一億円、三・五%の増、欧州で二百六十七億円、九・八%の減とあります。

 大臣は、所信の中で、内外に日本の強みを生かせる市場を創造し、需要を拡大とあります。

 そこでお尋ねしたいんですけれども、世界の国々の多くが一次産業である農業に重点施策として取り組んでいる中で、どの作物をどのぐらい、どこの国に輸出していくのか。先ほどの質問と多少かぶるところがあるかと思います。国によっては、検疫など、そこの国の風土というのがありますので、日本は幾ら輸出したくても入れさせてもらえない作物がたくさんあるわけです。そういったものがあれば、倍の一兆円を目指して取り組んでいこうといっても、すんなりはいかないと思っておりますので、今後の展開を大臣にお尋ねいたします。

林国務大臣 お答えいたします。

 今まさに先生がおっしゃっていただきましたように、農林水産業、まあ広く言えば食品産業の発展のためには、やはり輸出の拡大というものが一つの大事な仕事になるわけでございますが、アベノミクスで少し修正されてきましたけれども、やはりここ数年、円高の影響もあったと思いますし、今委員が触れていただきました原発事故の影響等で検疫とか検査というのが出てきているというので、輸出額が減少しているところもあるところでございます。

 二月十八日に産業競争力会議というのがありまして、私は、そこへ呼ばれまして説明を行ってきまして、民間の有識者の皆様ともこの方向で意見の一致を見たところであります。

 今申し上げましたように、この事故に伴う輸出証明書というのが必要になっておりますので、これは今まで地方でやっていただいておりましたが、これを国で一元的に行うということで、事業者の負担を軽減する。

 それからもう一つは、予算もとらせていただきましたが、ジェトロとの連携強化で、輸出しようとする事業者の育成、それから海外見本市への出展、国内外、外と中と両方ですが、商談会、地味な話ですが、こういうところに出ていってバイヤーを見つけていくということがミクロでは大変大事だということでございますし、こういうことをジェトロと連携しながら、総合的にビジネスのサポートをしていかなければならないということでございます。

 それからもう一つは、もう少しマクロなんですが、日本の食文化そのものを、これは非常に今人気が高いんですが、さらにこれをやっていくということで、二月から、ちょうどきょうぐらいまででしょうか、パリで日本食文化週間というのをやっております。こういう日本食文化イベント、情報発信等を海外の見本市等とあわせて実施する、こういうことを施策としてやっております。

 今委員からお話がありましたように、品目ごとにということがございまして、我々もそういうふうに考えておりまして、攻めの農林水産業推進本部の中に品目別のチームというのを設けまして、例えば、水産物・水産加工品のチームとか、米・米加工品の輸出戦略チームとか、花卉とか茶とか、幾つかそれぞれつくりまして、それから、あともう一つの切り口として、論点の検討チームということで、規格・基準チーム、例えば残留農薬ですとか食品添加物といったもの、それから製造工程認証チームということで、HACCPですとかグローバルギャップといったもの、こういうチームをそれぞれ横串と縦串につくりまして、細かく分析をして、先ほどやっていたマクロも含めた施策の展開とあわせて具体的な施策を詰めてまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。

鈴木(義)委員 ありがとうございます。

 時間もあと十分しかないので、次に入りたいと思います。

 日本農業における知的財産の保護及び利用方法についてお尋ねしたいと思います。

 TPPの質問については、もう何人もの方が質問されておりますので、省略させていただきますが、先日、全国農業新聞で、TPP参加国ベトナムの稲作事情の記事が目にとまりました。日本米の栽培農家、ロンスエン市のタンさんは、私はベトナムは行ったことがないので発音が悪いかもしれませんけれども、十五年前から長粒米から短粒米の日本米に転換して、あきたこまち、はなの舞い、はえぬきを作付しているという記事であります。日本米に転換したのは、長粒米より高く売れ、価格が安定しているからだということであります。それで、日本の農家の五分の一の販売価格で販売しているという記事なんです。

 先ほどお尋ねした、輸出をしていきますよといいながらも、TPPに参加する以前に、日本米がなぜ海外で作付されてしまっているのか、素朴に疑問に思うんです。他国で日本米が作付されている作柄とその国、また、日本固有の野菜が海外で作付されているか、現在、それが国内に商品として販売されているか、大臣にお尋ねしたいと思います。

江藤副大臣 私の記憶ですから数字はちょっと間違っているかもしれませんが、種苗法は委員も御存じだと思います。残念ながら、あきたこまちとか、いろいろな、いわゆる日本の短粒種、おいしいお米の期限が切れておりまして、たしか、私の記憶だと十八年か二十年だったと思うんですが、間違っていたら後ほど訂正させていただきたいと思います。ですから、種苗法の枠を超えてしまうと、これはもう海外で作付することが可能になってしまう。

 さらに言いますと、牛肉でいえば、今はBSEの問題で海外に生体で出ていきませんけれども、これがBSEの清浄国になると、今度は生体で海外に、日本の繁殖母牛なり、それから繁殖のストロー、いわゆる種ですね、精子が出ていってしまうようなことも考えられます。

 ですから、この種苗法というのは、日本の知的財産を守る大きな柱ではあるんですけれども、十五年ということがあります。私の記憶が正しければ、種苗法の期限はたしか十八年ぐらいで切れておりますので、それが、薬と同じような形で、知的財産が海外に流出したということだと思っております。

鈴木(義)委員 そうしますと、先ほどお尋ねした、海外に市場を求めていくといったときに、既に外国で、日本人が好む同じ短粒米を作付されてしまっているわけですね。今は面積的に収穫量も少ないんですけれども、そこにまた打って出るんですよといって、五分の一の価格で、果たして日本米が売れるのか、そこに疑問が出てくると思うんですけれども、その辺はどうお考えなのか、お尋ねします。

林国務大臣 今、江藤副大臣が確認して、二十五年ということでしたので、訂正させていただきます。

 まさに今委員が御指摘になったところは大事なところでございまして、ベトナムは、この間出した試算では、まだ入ってこないということで、アメリカとオーストラリアだけのものを試算して、トータルで三兆円と出しました。ベトナムでも、今お話がありましたように、日本の企業と現地の合弁の取り組みで、一九九〇年から、はなの舞い等のものが、ベトナム国内向けのほか、マレーシア等への輸出も行われている、こんなことでございますが、まだ規模が小さいものですから、我が国に向けては輸出はないということで、試算にも含めませんでした。

 したがって、これからやっていくときには、輸出ということになりますと、当然、国際競争力というものを持っていなければ、幾ら日本でつくったからといって、全く同じものが、値段が数倍もするということでは輸出競争力にならないわけでございます。

 先ほどの本部では、メード・イン・ジャパンとメード・バイ・ジャパン、一つは、本当に日本でつくりましたということ、それから、日本のやり方でつくったということ、この二つの柱を立てて、そして、トータルとして、先ほど申し上げましたように、マクロで日本食が人気が出る。

 それから、私はなるほどなと思ったのは、ジェトロでとっていただいた統計を見ますと、午前中も申し上げたんですけれども、御三家、てんぷらとかおすしというのも人気なんですが、欧州では、カレーライスが非常に人気になっている。東南アジアでも、ラーメンが日本の食事として、なっている。

 したがって、カレーは、多分日本のアニメを見て人気が出てきたということでありますから、こういうコンテンツも含めた、クール・ジャパンと一緒になって、メード・バイ・ジャパンの方も強くしていく。そういう総合的な取り組みによって、トータルとして日本の食文化が広がって、そこにやはりメード・イン・ジャパンのものも入っていく。こういう取り組みをしていくことによって、総合的に輸出をふやしていく必要がある、こういうふうに考えております。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。

 現在でも、外食産業を中心に、MA米が主食用で十万トン、国内にお米が出回っています。昨年、米のトレーサビリティーがスタートしたと伺っております。

 冒頭お尋ねした、飲食店も農業関連の生産高に含まれていると答弁をいただきました。農水の予算は、国内農業育成に予算を使わなければ意味がないのに、飲食店の規模拡大の数値に含まれるのか、疑問でなりません。

 また、農林水産物全般に、国産と外国産を消費者に知ってもらい、国産の消費拡大につなげていかなければならないと思います。その一つの方策としては、トレーサビリティーを活用していって、国民の皆さんに、これは国産ですよ、これは外国産ですよというのをきちっと情報開示していく中で、選別をしてもらわなければならないと思っています。

 お客様である国民の皆様方は、プライス、クオリティー、サービス、これで物を買うか、買わないかを選択しているというのは、釈迦に説法の話かもしれません。プライスで勝てないんだったら、クオリティーを上げるしかないし、サービスを上げるしかない。日本が生きる道というのは、何の業種でも同じだと思うんです。クオリティーを上げていくか、サービスを上げていくか。そこをお客様が、価格よりはいいんじゃないというところで商品を買っていただく。

 そういった意味では、情報をもっともっと開示していかなければならないと思うんですけれども、方策をお尋ねいたします。

林国務大臣 ありがとうございます。

 プライスとクオリティーとサービス、多分、コモディティー的な、値段が勝負のものから、もう少し付加価値が高いものになればなるほど、今委員が御指摘のように、クオリティーとかサービスにどんどん着目して消費者がお買い上げになる、こういう傾向が強まるんだというふうに思っておりまして、我が国が目指すべき一つの方向はそちらだろうというふうに私も思っております。

 食品のトレーサビリティーについても、一義的には、食品事故等があったときに、きちっと移動ルートを特定して、原因究明や商品回収等を円滑に行えるようにする仕組みであるわけでありますけれども、同時に、これは国産であるということがそこからわかってくるということは委員が御指摘のとおりであります。

 したがって、米穀等以外の飲食料品のトレーサビリティーについても、農林漁業者や食品事業者における取り組みの拡大を図っていこうということで、優良な取り組み事例なども踏まえた実践的なマニュアルをつくるということも含めて、きめ細かに推進をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

鈴木(義)委員 最後に、一問だけお尋ねいたします。

 お米のハイブリッドは、みつひかりという一種類のみと伺っています。

 先ほども江藤副大臣の方から御答弁があったんですけれども、果樹と鑑賞樹は三十年で、食用作物や野菜は二十五年で登録の期限が来てしまいます。国が率先してハイブリッドの種を開発して、国際競争力をつけるために積極的に推進する必要があると考えますが、最後にお尋ねをしたいと思います。

江藤副大臣 お答えをさせていただきます。

 委員のおっしゃるとおりだと思います。これからやはり、サービスとかクオリティーとか、あとは安全のセーフティーとか、そういったところについても我々は積極的に取り組んでいく必要があると思います。

 そうでありますから、これから優良な種畜を供給していく。これは畜産の世界の話でありますが、これも必要でありますし、それから、独法のいわゆる家畜改良センター、これは県にあったり国にあったりしますけれども、ここら辺の活動も支援をしていく必要があると思います。

 肉質、いわゆるサシがどれぐらい入っているかとか、そういった優良ないわゆる種雄牛を開発していくことも、日本の知的財産を守っていく上ではとても大事だと思っております。

 いわゆる種畜の遺伝的な能力評価等をさらに実施をいたしまして、民間もありますし県もありますし、それから国、それぞれが役割分担をしながら、すぐれた種畜の生産供給にまた取り組んでまいりたい。

 これは、野菜とかほかのものについても同じでございます。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。

森山委員長 次に、村岡敏英君。

村岡委員 日本維新の会の村岡敏英でございます。

 通常国会での農水委員会は初めての質問なので、よろしくお願いいたします。

 さて、林大臣、閉会中審査、予算委員会と、農政は今、信頼を農家から置かれていない、ここに農政の問題があるということを御質問いたしました。

 その中で、私が資料を提供しましたが、大臣は、この政策協定(参考例)というのは初めて見ましたでしょうか。それとも、これまで見たことがあるでしょうか。

林国務大臣 今お配りをいただいたこの政策協定(参考例)ということで、平成○○年に施行される四十六回衆議院議員総選挙でございましょうか、私は、参議院議員であるということもあるかと思いますが、こういうものは今初めて見させていただきました。

村岡委員 多分そうだと思います。

 今回の衆議院選挙に当たって農協政治連盟から推薦を受けるときに、この参考例で、それぞれの農協から推薦を受けた議員がサインをしたんだと思われます。

 その中で、私は考えるんですね。決して我々日本維新の会は、TPP交渉参加、そして国益を守っていく、その上、農業はしっかりとした対策をとるということで、これを責めているわけではありません。政局とかそういう意味ではありません。しかしながら、農業者の人たちは、これによって、政府に対して、そして与党に対して、非常に信頼を失っているところがあるわけです。

 党内では何とか、安倍総理のアベノミクスを初め、景気の回復によって非常に党内はおとなしくなっているというか、安倍総理の方針どおりになっているかもしれません。きょうの農水委員会を見ても、本来であれば、TPP参加交渉表明といったら、もう少し傍聴もいて、いろいろな意味で活気があるのが今までの農水委員会であったと思うんです。しかし、もう火が消えたように皆さんがおとなしくなってしまっている。それは、農業者は怒るじゃないでしょうか。

 きょうの農業新聞を見ましたでしょうか。これは「TPPと自民党 「口約」に高まる不信感」という題名です。こう思われているところに農業政策の問題点があるわけです。

 そして、私は、秋田県という農業県ですけれども、この前も申しましたが、TPP断固阻止という農協の集会にも、しっかり選挙のときは行っています。もう自民党からほかの党まで、全部鉢巻きを巻いて、そして決意表明しておりました。私は、そこの何百人いる前でも、交渉は参加するべきなんだ、しかし農業はしっかりやろうということを述べてまいりました。

 その決意表明のときに、私は一番最後に、ここで言っている人たちは、どんな勇ましいことを言っても必ずTPPに参加する、だから皆さん、今から対策をとらなきゃいけないんだと言って、大きなやじが飛びました。

 そして、自民党の先生方は、全国各地で聞いてみると、命がけで、そして政治生命をかけてと、このTPPの断固阻止を選挙前には言っておったと思います。自民党の先生方は命がたくさんあるのかなと思うほどであります。

 大臣、こういう問題をしっかりとこの推薦を受けた方々は説明しなければならない。大臣は参議院議員で、今回参議院選挙がなかったからよかったのかどうかわかりませんが、しかしながら、農林大臣にここは大きな責任がかかってくるわけです。

 そして、農業団体だけが納得すればいい話ではありません。条件闘争だとか、そういういろいろな話が聞こえてきます。でも、現場で農業をやっている人たちは一般の農家なんです。そういう人たちにどのように説明し、そして、農政でしっかりとした方向性を見据え、その人たちに信頼してもらうのか、その辺を大臣にお聞きしたい、このように思っております。

林国務大臣 ありがとうございます。

 まさに委員が、閉会中審査のときだったでしょうか、それから予算委員会でも御質疑をいただきました。根底に流れているのは、多分、信なくば立たず、こういうことじゃないかなと私もやりとりをしながら思わせていただいたところでございますが、まさにそこが一番大事でございます。

 何よりも大事なことは、今委員もおっしゃっていただいたように、現場の農家の方が、生産に従事していらっしゃる林水も含めて、現場の方が、私はこれを時々使うんですが、遠慮という言葉のもともとの語源、すなわち、遠きにおもんぱかりなければ近きに必ず憂いあり、これが遠慮の語源だそうでございまして、きょう、あした、来年も大事でございますが、五年、十年先を見据えてやはり現場の方は汗を流していらっしゃる。ですから、そういう皆さんが安心して将来の計画を立てられるような環境をつくっていくというのが、特に政府の中では私もしくは農林水産省に課された大きな役割、責任だ、こういうふうに思っております。

 そのことは前のやりとりでも申し上げたかもしれませんけれども、そういう意味で、現場になるべく機会を捉えて行ってまいって、いろいろなお話を聞いて、紙であらわれる文字以上に、皆さんのやる気、頑張るぞという気持ちがなえないようにしていくということで、しっかりと施策を展開するとともに説明責任を果たしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

村岡委員 農林大臣としてはそのような形でお答えすると思います。しかし、この政策協定というのは、自民党というのはどういう政党なのか。党で公約を出して、一人一人判こまで押して誓約を結んでいるようであります。確認はできません。

 そういうことになれば、一人一人のこの結んだ議員、百八十二名が推薦され、そして百七十三名が当選、まさに九五%が当選であります。そして、この農業政治連盟の会長が言っております。農業者の受けとめ方は、「TPP交渉には絶対に参加しないとの姿勢を貫いていただきたいと存じます。」このように思わせてしまっているんです。言葉では聖域なき関税撤廃には参加しないと言っても、実際の現場の農業者がそう思っているということを重く受けとめなければいけない。

 それとまた、自民党で当選してきた先生方の中にも、先ほど言った、命がけ、政治生命をかけるといったときに、本当にTPPには参加しないと思って選挙を戦った人もいるんです。そういうことを踏まえながら、農業者にきちんとした説明をしなければならない。

 農林大臣、そして副大臣、政務官、これは大きな問題であります。そして、自民党の議員がきちんと受けとめるべき問題だと思っております。

 副大臣、多分サインはされて推薦されたと思いますが、どのように思いますでしょうか。

江藤副大臣 それでは、私の率直な気持ちを申し上げます。

 村岡委員は、非常に正々堂々としておられて立派だと思いますよ。私も、今、当選四回でございますけれども、郵政民営化のときに自民党から追い出されるという経験をいたしまして、いろいろな経験を積んで、最初の選挙も公認されず、二回目は追い出されという、いろいろな経験をいたしました。

 そして、私も、今言っていただいたように、何が何でも交渉参加を阻止しようと心にかたく誓って、これは選挙に通りたいから言ったのではありません。これは心にかたく誓って、私はそれをやりました。

 それは、安倍総裁の総裁選挙のときも、総裁選挙の公約の中に聖域なきという言葉を入れてくれますか、入れてくれれば私は推薦人になりますということを条件にして、そしていろいろなことがあって、結局、安倍総裁が誕生しました。

 そして、今回、私はこういう立場に立ったわけでありますけれども、非常に悩みました。午前中の質問でもありましたように、総裁から、総理から、直接お呼び出しもいただいて、熱い思いも聞きました。そして、この人の覚悟はこれはもう揺らぐところがないな、そういう強い印象を受けました。

 そして、私は地元に帰って、いわゆる支援団体の方々、それから支援者の方々、議会の方々、たくさんの方を集めて、私は農林水産副大臣を辞任したいと思います、それでもお許しがいただけなければ自民党に離党届を出す準備もいたしております、そういうお話をちゃんといたしました。それから、農協団体の中央会会長以下、宮崎県全体の農協の組合長さん、全員集まっているところでも、私はこの職を辞するつもりです、そして、事によっては自民党も離党する覚悟でありますということを申し上げましたけれども、私としては、その方が自分の美学というか今までの生きざま的にはよかったのかもしれません。

 ただ、そのとき地元の方にたくさん言われたのは、おまえはそれで気が済むかもしれぬ、それはただの逃げだ、苦しい立場かもしれないけれども、その場に立ちどまって、仮にTPP交渉参加するということであれば、なおさら頑張ってもらわぬと困るんじゃと逆に励まされて、それで私は、あえて恥を忍んでバッジをつけ、そして今、副大臣という立場にいるわけであります。

 決して自己弁護をするわけではありません。農家の方々がどうやって受けとめておられるのか。不思議なことに、地元では、私のことを責める人は一人もいないんですよ。一人もいないだけに、逆に責められているような気がいたします。それが私の率直な、質問に対して答えになるかわかりませんけれども、気持ちでございます。

村岡委員 江藤副大臣は、今までの信頼で、地元から大変信頼されているということを、これが自民党全員の議員にもしっかりとそのような気持ちを持っていただきたい、こう思っています。

 というのは、いろいろなところの会合で、自民党の議員の人たちと、これはよもやま話ですから一概には言えないんですけれども、困った困った、こう言っているんですね。これではいけないんです。

 やはり、国がTPPに交渉参加すると決めて、攻めの農業、そして地域社会で環境ということを守るとなれば、もう覚悟を決めなきゃいけない。自民党全体、そして農業は、前に質問した人でも、これは与党も野党もないというところがあります。そういう意味では、きちんとした覚悟を決めて農政を進めていかなければならない、こう思っています。

 林大臣、もう一言、江藤副大臣の言葉を聞いての、これからの農業に対する気持ちをもう一度お聞かせ願いたいと思います。

林国務大臣 江藤副大臣から今のお話を最初に聞かされたときは、私も思わず泣きそうになりかけたんですが、最初一緒にチームを組ませていただいたときから、非常に熱い、正直な方であるなという印象を持っておったわけですが、やはり、この地元の方とのやりとりを聞かせていただいて、そういう決意、覚悟というものをひしひしと感じて、こういう、何というんですか、理屈ではない決意ですとか覚悟、パッション、こういったものがやはり政策を遂行していくときには大変に大きな役割を果たすんだろうなと私も思って、こういう副大臣、また政務官に支えられているということは大変ありがたいな、こういうふうに思ったわけでございます。

 したがって、今委員から御指摘があったように、一旦方針が決まったわけでございますから、少なくとも政府・与党、それから、農政には与野党はないんだということであれば、少なくともこの委員会にいらっしゃる先生方と、一致団結してこの難局を乗り切っていかなければならないと思いを新たにしておるところでございます。

村岡委員 TPPがあろうがなかろうが、そのように農業をきちんと立て直していく、再生していくということも前から述べました。政治家同士の、泣くとか泣かないとか、政治生命とか、そんなものは選挙で判断してもらえばいい、こう思っております。

 そういう意味で、攻めの農業、それから地域社会を守るという農業、このTPPの方針、そして農業の生産額を含めてのいろいろな試算というのは、この前、概要的なものは出ましたけれども、いつごろをめどに、しっかりとしたTPP対策を発表する時期、その他を考えていらっしゃるでしょうか。

林国務大臣 この間お出しいたしました政府全体としての試算、これは、そのときに甘利大臣やまた事務方からも御説明があったと思いますけれども、即時全関税撤廃という非常にある意味では極端な前提を置いておりますし、もしそういうことになるようであれば、私は即時交渉から脱退すべきだというふうに思っておるぐらいでございますが、そういう前提を立てるとこれぐらいですよという、今議員もお触れいただいたように、いわば議論のスタート台といいますかたたき台、こういう政策であろう、こういうふうに思っております。

 これから交渉参加の意思を表明いたしまして、各国の同意が得られれば交渉参加していく、こういうことでありますので、そういう次のフェーズに入ってまいりますと、今までよりもいろいろな情報が入ってくるということで、今までは情報をいろいろ苦労しながら第三者的に聞いていたものが、もう少し入ってくるだろうということで、試算なるものももう少し精緻なものになっていこうか、こういうふうに思っております。

 その上で、対策というのは私はなるべく使わないようにしている言葉でございまして、と申し上げるのは、余り対策というのを言いますと、この分野の対策といったときに、では、この分野は余り守らずに譲ってしまうのではないだろうか、逆にそういう心配というものも出てきかねないわけでございますので、今まさに委員からおっしゃっていただいたように、TPPに入ろうが入るまいが、岐路に立っているこの日本の農林水でございますから、岐路ということは別れ道であるとすれば、一方の潜在成長率を引き出す方向にきちっとかじを切っていくための施策をやっていくということが今大事なことであるというふうに考えております。

村岡委員 そのような方針の中でぜひ進めていただきたいと思います。

 ただ、この政策協定の中にもう一点だけあるんです。五番目を見てください。「規制・制度改革等について」という中で、時間がないので飛ばしますが、「金融部門の分離や農地制度の更なる規制緩和などを行うことなく、」と。

 いろいろな面で、制約を持っていたら、農業の再生、そして農業の改革はなかなかできない、こう思っているわけでございます。やはり、農業を根本的に成長産業にしていく、それから地域社会を守るという中は、いろいろな改革にタブーなく突っ込んでいかなきゃいけない、こういうふうに思っております。

 もう時間がないので、最後に言葉を述べたいと思います。

 農業基本法の生みの親である小倉武一さんという、当時の農林省の事務次官が、一九九二年にまた農業基本法について言っています。

  戦前から日本農業、農政は農村の困窮か、さもなければ食糧不足に苦悩してきた。その最もラジカルな打開策が戦後の農地改革であった。農地改革に関与した一人として現在を見つめれば、農村生活、食生活の改善には今昔の感がある。だが、この経済的繁栄はどこか虚弱である。日本の農村は豊かさの代償として「農業の強さ」を失った。もう保護と助成のぬくもりは当てにならない。輸入反対を唱えるだけでなく、自由化に耐えうる「強い農業」を目指し、本気で自活、再生への道を考える時期である。もう一つぜひとも追録しておきたいのは、農林漁業の危機のこととそれへの対応である。といって、この農林漁業、農山漁村の活性化を図る妙薬があるわけではない。それへの対応は対策というよりも改革というべきものである。役所も含めて、利害関係のある組織・機関が、それぞれ自己の存立を第一位とする志向から脱却しなくてはなるまい。自らが苦い薬を調合し、自らの体にメスを当てなくてはならないのである。

小倉、一九九二年。

 やはり、ここで、大臣、副大臣、政務官、農業は今改革のときです。痛みが必ず大臣や副大臣や政務官に来ます。我々農水委員会にも来ると思います。みんなで真剣になって、農業の再生のために、我々日本維新の会も頑張っていきたいと思います。

 ありがとうございました。

森山委員長 次に、林宙紀君。

林(宙)委員 みんなの党の林宙紀でございます。

 本日で、農林水産委員会におきましては二度目の質問の機会をいただいたことになります。

 実は、先週、予算委員会の方でも立たせていただきまして、林大臣に一問、質問をさせていただきました。褒めてどうするというわけじゃないんですけれども、大変穏やかで、論理的で、わかりやすい答弁をまたいただいたなと思いまして、本日もさまざま御質問申し上げますが、ぜひ、大臣を初め御答弁をいただく皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、第一回目の質問のときにも申し上げましたが、私は地元が宮城でございまして、我が党みんなの党といたしましては、東北では一人だけ衆議院議員ということで、新しい政党の立場からどんなことが言えるかというものが一つ試されるのかなと勝手に自分に荷を課しているところもございますが、その分頑張っていきたいなと思います。

 東北の復興という意味から申し上げますと、やはり農林水産業というのが、復興、復興といいますが、私はその先の未来をどう創造するかというのが一つ大事なポイントだと思っていて、その未来の創造という意味でも、一番基本的で大切な分野になるんじゃないかというふうに思っております。ぜひ、この農林水産委員会の委員の皆様方にも、引き続きのお力添えをお願い申し上げます。

 さて、きょうは、TPPに関する質問はもう大分各議員の皆様から多く御質問が出ておりますので、私の方では、ひとつ改めてという形でお伺いすることになります。

 我が党は、TPP交渉にはできるだけ早く参加をいたしましょうという立場を貫かせていただいておりました。ということで、今の政権が交渉の参加表明をされたということは、もうちょっと早い方がありがたかったなと思うところはあるものの、党を挙げて大変高く評価をさせていただいております。可能な限り早い段階で、いい条件でTPPに参加ができるように、私たちも協力を惜しまずに頑張っていきたいなと思っております。

 ちょうど、先ほど、直前の村岡議員と江藤副大臣とのやりとりの中で、いろいろ考えさせられるなと思うところもたくさんございました。ただ、私は、見たとおり若輩者ですし、まだ新人議員でございますので、甘い考えといえば甘い考えかもしれませんが、どのような立場で戦われたとしても、最終的に、今こういう状況になったんだ、その状況で、では、国益を最大化する、そのためには何をしていったらいいんだろうねということを考えられればいいんじゃないのかなと思いますので、ぜひともそこに私も力を尽くさせていただきたいなというふうに思っております。

 ということで、農林水産大臣のTPP交渉に関する態度というところを改めて問いたいと思います。

 これは第一回目の質問のときにもお伺いしましたが、改めまして、今回、交渉には参加をするという形になりました。ということは、納得できる形で、それが例外を設けるということなのかもしれませんが、納得できる形、条件が整ったんだとすれば、そのTPPという枠組みそのものは、やはり日本はやるべきだ、やった方がいい、そういう思いでそういう判断をされたというふうに捉えてよろしいんでしょうか。大臣、お願いします。

林国務大臣 今委員から、TPP全体についてどう考えるかということでございました。

 これはもう総理が会見で既におっしゃっておられますように、自民党や国会、また公明党さん、その他いろいろな御議論を数多く聞いて、最終的に判断をされた、こういうことでございます。

 そのTPP交渉に参加する決断をしたときに、総理がおっしゃっているのは、これはアジアの成長を取り込むために非常に大事であるということや、行く行くこれがRCEPやほかのものとも相まって、最終的にFTAAP、FTAアジア・パシフィックということですが、ここのルールの一つこれが原型になるのではないか、こういう趣旨のこともおっしゃっておられるわけでございまして、我々も、安倍内閣の一員として、そういうTPPにしていかなければならないということと、それから、今委員が御指摘をしていただきましたように、我が国にとって大事な重要五品目等の聖域を確保していく、こういうことを頭に置いてやっていかなければならないと思っております。

林(宙)委員 ありがとうございました。

 まさに、今御答弁の中にございました、将来的にFTAAP、より大きな枠組みの中に日本が入らざるを得ない状況が多分来ると思うんです。そのときに、このTPPというのは、一つその基礎的な条件となる枠組みというか、今回のTPPがどういう枠組みになるか、それを踏襲して将来のより大きな枠組みができ上がっていくという要素も考えられるはずです。

 その意味でも、先ほど申し上げましたが、それぞれお立場はあると思いますが、やはり置かれた環境の中でどう国益を最大化していくのか。今の状況でいえば、その例外というのは一体何なのか、そして、それをどのようにかち取っていくのか、そこに力を使う、頭を使う、知恵を使うということが大変重要になってくるんじゃないかなというふうに思います。

 そうすると、既に各委員からも質問が出ていることではあるかもしれませんが、それでは、例えば農産物といっても大変いろいろな品目があるわけなんですけれども、それを含めて、具体的にどういうイメージで例外としていくかというのが戦略上大変重要になってくるのかなと思います。

 これまでの大臣の御答弁の中では、品目を明らかにするのは、ちょっと交渉上、やはり今の段階では難しいですというお答えを何度もいただいているんですけれども、ちょっと私が気になっていたのは、実は、去年の二月に、このTPPをテーマにいたしましたとあるディスカッションの場というのがありまして、竹中平蔵さんがモデレーターをされたんですけれども、そこに当時野党の林大臣もパネリストのお一方として御参加をされていたというふうに私は認識しております。

 その中で、こういう御発言があった。自民党さんの内部での議論の中でというお話だと思うんですが、自民党内では米を例外にしろと言えと言っている、こういう御発言だったと私は認識しております。要は、交渉をする際の戦略の立て方として、最初から聖域なく関税撤廃するという条件で入ってしまうと、後から例外をつくるのは難しいでしょう、やられてしまうでしょうという意識でおっしゃっていたことだと思うんです。

 では、そういうふうに言って何か問題あるのかと言われればなんですが、非常に気になったのは、米を例外にしろと言ったことなんです。例えば、もうちょっと、農産物は例外にしろとか、何かそういう言い方ではなくて、むしろ、米というのが具体的にその時点で挙げられていたというのが非常に気になっていて、ちょっとこれは邪推過ぎるかもしれませんが、つまりは、ほかの農産物が仮に、仮にですよ、仮に守れなかったとしても、米だけは守らなければいけない、何かそんなふうに一瞬捉えてしまった自分がおります。

 交渉の展開次第で、農産品全部を例外にするのは無理だよ、難しいかもしれないともしなってしまった場合に、では、どうしても米だけは守りたいんだ、それであるがゆえに、ほかの農産物だったり畜産物だったりの関税を撤廃する、あるいは引き下げをするという、ある意味では譲歩をする可能性がもしかしたらあるのかなとそのときから思っているわけです。

 例えば、米の関税、七七八%とか言われますけれども、牛肉はそれに対して三八・五%、鳥肉は、部位によって違いますが、大体が一〇から一四%、そんな感じでしょうから、比較的畜産の分野においては影響が限定的なんじゃないかと見る向きもあるぐらいなので。

 ここでお伺いしたいのは、米を守り切るためにほかの産物で譲歩せざるを得ない可能性があるんじゃないかと思いますが、大臣、それはいかがお考えでしょうか。お願いします。

林国務大臣 もしかしたら、これは委員も参加を、最初の委員会のときにお話のあった岩佐さんなんかも参加していた会でございますので、あるいはそこにおられたかもしれませんが、G1サミットというところでのパネルディスカッションでございます。

 そのとき、パネラーというか、司会が竹中さんだったんですが、御質問が、TPPの交渉で米を例外にしないお考えという理解でよろしいですか、こういう質問だったんですね。したがって、これは我が党で今いろいろな条件づくりといいますか、紙に最終的になっていくわけですが、その議論をしているというふうに多分申し上げて、それに対して先ほどの御質問があったということでありますから、質問が米ということだったので、いやいや、米を例外にしろという意見があるんだ、こういうふうに申し上げたわけで、随分前のお話ですから、今記憶を手繰って、議事録があったので、そういうふうに確認をしたところでございます。

 したがって、今委員がみずから邪推と言っていただきましたが、それ以外のものがいいという文脈で言ったことでは決してないということでございます。

林(宙)委員 であれば、例えば、今私は畜産の例を挙げましたので、そういった分野の皆様もひとまず安心ということになるんじゃないかなと思います。

 ただ、今の段階で品目については明言はしませんよというか、まだ党内の中でも、与党内の中でも、そういう議論はこれから煮詰めていく段階なんだというところなのかもしれませんけれども、先ほど、たしか玉木委員だったと思いますが、それであれば、農水大臣としてはこういう立場ですよということで、私は、例えば農畜水産物の関税、これは現状を絶対に守るんだとか、そういうポジション、立場を明らかにしていただくのも一つ大事なことなんじゃないかなというふうには思います。

 というのも、例えば米以外の生産者で、TPPにそもそも反対なんだよ、交渉どころか、参加すること自体、将来的に参加なんかあり得ないんだ、そういう立場からもしかすると自民党さんを支持された方々もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、やはり、今どういう議論を聞いていても、私自身も、この立場じゃなく聞いていたとして、一体どっちになるんだろうな、政府はどっちの方に進めたいのかがよくわからないというのが、私は一番問題なんじゃないかなと思います。

 当然、そこは政治的な、非常にセンシティブなところがあると思いますので、言えるところ、言えないところ、あるのはもちろん理解しています。ただし、何となく政権としてのポジションが曖昧である、どっちの立場につくのか、どっちの方向に行こうとするのか、それがいまいち見えにくいと思うんです。大臣、大臣というお立場ですので難しいかもしれませんが、この辺について、率直に今のお気持ちというか、こういう方向に私は進んでいきたいんだというお気持ちをもし明言できたらお話しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お願いいたします。

林国務大臣 実は、きょうのお昼休みに参議院の方の農林水産委員会で所信表明をいたしてまいりました。ちょうどここで所信表明いたしたときは、まだ総理の参加意思の表明の前でございましたので、きょう参議院でやった所信が直近の所信ということですが、経済連携への対応については、「情報を国民に提供し、議論をしていただき、理解を得ながら進めていくことが重要であると考えております。」ここまでは衆議院の段階と一緒でございます。総理が交渉参加を決断したTPPについては、今後、交渉参加国の同意が得られれば交渉に参加していくことになります、交渉に当たっては、国益を守り抜き、農林水産分野の重要五品目等の聖域を確保するよう全力を尽くす考えです、これを既に所信として言っておりますので、現在の私のポジションということであれば、こういうことになると思います。

林(宙)委員 ありがとうございます。

 ということは、TPPという枠組みに対して、政権としては非常に前向きに進んでいくんだろうなというふうに私は理解をさせていただきたいと思います。

 いずれにしても、こういった状況ですので、とにかく前に進む、国として、いろいろな問題がある中で、TPPをひとつ活用して前に進もうという意識で今おられるはずなので、ぜひ、そこに関しては、私たちみんなの党も含めまして、与野党を超えて、いい方向に進めていけるように尽力させていただきたいなというふうに思っております。

 では、次の質問なんですが、まさしく今最新の大臣の所信表明というのを一部お聞かせいただきましたけれども、ありがとうございます。

 先日のこちらの衆議院の農林水産委員会での大臣所信表明の中で、いろいろございましたが、例えば、六次産業化などをすることによって、国内のそういった農林水産業の生産額を拡大していくというような趣旨の内容もございました。先ほど大臣の発言の中にもございましたが、私の地元の宮城県仙台市にも御視察にお越しいただいた舞台ファームですとかああいったところが、まさしく六次化というものを実験的にみずからやって、一つ成功例として存在しているんじゃないかなと思います。

 そういったいわゆる攻めの農業というものが、一つの次世代型農業として利益を生み出す仕組み、それがその六次産業化、ああいった舞台ファームなども含めまして、着々と利益がしっかりと生み出せる仕組みができているのかなという印象は非常にございます。

 ただ、その六次産業化というものを想定して、例えば新規で農業を始めようとした場合なんですけれども、これは結構な初期投資というものが必要になるパターンが多いんじゃないかなと思うんですね。というのは、生産だけではなくて、流通ですとか販売、その際にはマーケティングも必要ですし、広告、販売促進といったところにどのぐらい資本を投下できるかというのも実は重要な要素になってきます。

 そうすると、何より、経営感覚がある人、経営者というような立場の人がそういったところに入ってくるということも、一つ大事な要素なんじゃないかなと思います。実は、そうすると、今存在している農地法で、資本に関する制限というのが大変ネックになる懸念があるなというふうに私は思っております。

 例えば、六次産業化を達成していくときに、農業生産法人という形で会社をつくるケースが普通なんじゃないかなと思います。この会社はもちろん株式会社という形態でもあるわけなんですが、今の農地法では、農業生産法人の資本金を賄おうとした場合に、普通、株式会社をつくるときは、外から外部資本といって、その会社に対して出資してくださる人からお金を集めて株式を発行する、これが普通なんですけれども、農業生産法人の場合は、いろいろ複雑な条件がありますが、簡単に言うと、外からのそういった外部資本というのは、基本的には、原則的に全体の四分の一までしか入れることができないと私は理解しています。

 しかも、それは、その新しく立ち上げる会社の事業に関連する産業だったり事業をやっているような人たちである、そういう条件がついてきますので、いわゆる普通の株式会社を立ち上げるときとは大分違う条件で資本を集めてこなければならない。もっと言うと、はっきり言って、そういった普通の会社と同じような資本の集め方というのは非常に難しいなというふうに思っています。

 結局、事業を始めようといったときに、では、どうやってお金を工面しましょうかとなると、私の知っている限り、そんなに多くはないんですけれども、そういった農業生産法人を立ち上げた方というのは、大体、担保を入れて銀行から借り入れをしてくる。かなり大きなリスクというか負債を背負って事業をスタートするということになるわけですね。

 もう一つ、今の農地法で、問題と言ったらちょっと違うのかもしれませんが、ちょっと難しいなと思っているのは、仮にこうやって農業生産法人をつくって頑張っていただいても、自分が持っている株式を基本的に外部には売ることができないわけです。

 どういうことかというと、普通、株式会社なりベンチャーなんかを立ち上げて事業が成功しましたと。大体、経営者の人たちは、次にまた違う会社を立ち上げるために、その会社の株式を売却して資金を得て、それでもって立ち上げるというようなことをやるんですが、そういったいわゆるエグジット、出口の部分の方法が今のところは法律的には禁止されているということ。

 先ほど、今後、攻めの農業を展開する、六次化を広めていくといったときには、経営者、経営手腕のある方にどんどん入ってもらうということも一つ要素としては重要なのかなと言いましたが、基本的には、そのモチベーションが今、農地法によって妨げられているような気が私はしています。当然、農業の場合は、普通の会社とは違う条件というか、いろいろな環境がありますので難しいとは思うんですけれども、少し条件を緩和して、もうちょっと、例えば資本の半分くらいまでは外部からでもいいですよとか、そういう調達の仕方を許したりするとちょっと状況が変わるのかなと思う部分もあります。

 本当に、現場から聞くのは、それは悪いことではないんですけれども、役員の半分以上が農業関係者でなければならないとか、そうなると、結構人集めにも苦労をする、優秀な経営者が入ってきやすいというような状況ではなかなかない。いろいろなお話を現場で聞いたりすることも多いので、例えば、農地法の資本的な制限というのを見直すことによって、経営者が入れる環境ですとか、あるいはもう少し資本的に新事業をスタートしやすい環境をつくることはできないでしょうかというのがこの質問になります。これは最も詳しい方にお答えいただければと思います。お願いします。

奥原政府参考人 お答えをいたします。

 株式会社の農業への参入につきましては、平成二十一年の農地法の改正によりまして、リース方式での農業参入は完全に自由化をされております。一方で、農地の所有方式につきましては、農業生産法人の要件を満たす必要がございます。

 これは、農地が耕作放棄をされた場合に、リース契約であれば契約を解除して原状回復を図ることができるということでございますが、所有権を移転した場合にはこういうことができないことから、こういう規制を設けております。

 しかしながら、この二十一年の農地法の改正では、農業生産法人の要件につきましても可能な限りの規制緩和を行っておりまして、関連する加工業者等の出資の上限を総議決権の四分の一から二分の一未満に拡大している、こういうことでございます。

 二十四年一月時点で、加工業者から出資を受けている農業生産法人、これは法人の中の大体一割でございますけれども、この中で、この出資の割合が半分のところに張りついている、四五%を超えているというところは、その中の一割、法人全体の一%、こういう状況でございますので、現時点ではこの規制緩和の必要性はないものというふうに考えております。

林(宙)委員 それでもやはり、現場で実際に自分で参入をしようとしてみたら、なかなかお金が集まらなくて大変苦労をしたというような話が聞かれるわけですよ。リース方式に関しては、これまでの規制緩和の中でも一つのいい動きだったんじゃないかなと私は思っていますけれども、ただ、では、リースによって資本参入というか株式会社の参入が促進されるかといえば、それだけではちょっと難しいようなところもあるんじゃないかなと思っています。

 リースに関係する内容については後ほど改めて質問させていただきたいと思いますので、一旦ちょっと別の質問をさせていただきたいなと思います。先日の予算委員会でも大臣にお伺いした、農地の納税猶予制度の件でございます。

 このときに大臣からは、納税猶予制度というのは、基本的には、農地が相続されるときに小分けにされて分割されないように、そのまとまった農地のまま、一子相伝じゃないですけれども受け継がれていくようにというような思想でそもそもつくられている制度ですよというような御発言をいただいたと思うんですね。

 そうなると、私の質問は、そのとき、農地集約をしていくときに、では、土地を売却するという選択をした場合は、それまでの猶予されていた納税義務というのが発生してしまうので、それは一つ阻害要因になりませんかというお話だったわけなんですけれども、例えば、ここに関して、少し減税をしようとか、支払い猶予を少し延ばしてあげようとか、そういうことを、緩和策をとることで、もう農業はやらないからという人もたくさんいらっしゃる場合には有効な策になり得ると思いますが、大臣、これはやはり、その場合でも納税猶予制度をこういった形で緩和していくというのは難しいことなんでしょうか、お伺いします。

林国務大臣 この間、予算委員会でもお話をしたように、たしか、現在八百万円まで特例があって控除されるということを御説明したと思います。

 これは党の方の話でございますが、それを少し引き上げようという要望は実は出して、たしか千二百万円まで引き上げるという要望を出したんです。これは八百万円でどれぐらいまでがカバーされるか、この譲渡の例で。でありますと、かなりの率はここでカバーされているんですが、さらにということであればということで、これは要望は出して、税の仕組みというのはなかなか複雑なこともあるんですが、出してすぐにはなかなか認められない、これは全体の財政の制約もございまして。

 したがって、一度出してだめだったから諦めるということではなくて、さらにしつこくこれは要請を出し続けていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。

林(宙)委員 前進の方向に向かうんだなと、今少しうれしくなったわけなんですが、今の農地納税猶予制度について、もうちょっとスペシフィックなケースで、もう一度改めてお伺いしたいんです。

 実は、仙台市の沿岸部で、当然、津波をかぶってしまった地域というのがございます。そこを今、地元としては、もう一度農地として復活させましょうという方向で進めようとはしているんですけれども、農家の中には、例えば、御自身が大変な高齢であって、今までは頑張ってきたけれども、これから潮をかぶった農地を復活させるのに大変な時間がかかる、少なくとも三年とか四年とか五年かかってしまうんだったら、もう農業をここでやめてしまおうかなというように思われる方も結構いらっしゃるそうです。

 そういった農家の方は、だからといって、そのまま農地をほったらかしておこうかというわけではなくて、今地元の農家で出ているのは、例えば、そこに太陽光の発電施設、いわゆるメガソーラー、そういったものをつくるというのはどうなんだろう、その方がいいんじゃないかと。自分たちとしても、農業はもうできないけれども、ある程度そこから地代をいただくという形でやっていければありがたいなというような構想も出てきています。

 やはりこの場合も、農地の納税猶予制度というのが適用されていると、そうはいっても、結局、農業をやめてしまった時点で、猶予されていた支払い義務が発生する。これは予算委員会のときも、被災地の農地ということで御質問したんですけれども。

 今回のケースは、多分、農業を再開しようとしてもなかなかできないという状況で、やむなく売却をする、あるいは営農を諦める、そういう状態を強いられているパターンだとするならば、やはりそれでも、では、もう農業をやらないんだったら、支払い義務、今まで猶予していた税金をすぐに支払ってくださいねということになってしまうのかどうか。これは大変私は危惧していますが、こういったケースでも、やはり減税とか支払い猶予というのは適用されないんでしょうか。大臣、もう一度お願いします。

林国務大臣 今の、例えば太陽光発電等への転用ということが例として挙げられておりますが、これは、今ある特例というのは、例えば、農地を売ってその対価でほかの農地を取得するというと、特例があるわけですね。しかし、もうそういうことがないということでありますと、農業の政策上でいうと、農地がその分減ってしまうということになりますので、農業の観点、農業政策上の推進するための税制ということではなかなか仕組みにくいのかな、こういうふうに思っております。

 むしろ、太陽光をふやしていくという政策とか、それから復興を促進するための政策、こういう方向性で特例を設けるという可能性は、これはちょっと私の所管を超えるところがありますが、せっかくの御質問ですのでちょっと税の話をいたしますと、これは税務当局を含めて関係省庁とよく調整をして、そういう政策展開をしていく可能性というのはあるんだろうなというふうには思います。

林(宙)委員 確かに、今回、農地を、特例を認めて、では、いいですよとした場合には、おっしゃるとおり、農地の面積自体は単純に減ってしまう、純減してしまうという問題はもちろんございますので、ここに関してどういう対策をとっていくかというのも、それを含めて検討していかなきゃいけないのかなと思いますが、少なくとも、現地の復興という意味では、そういった選択肢も一つ踏まえてお考えいただく、それは、この農林水産業の分野だけではなくて、全般的な復興策ということで考えていく必要があるかなというふうに思います。

 そうしますと、先ほどちょっと、この納税猶予制度に絡めて、大規模化するときの阻害要因になるんじゃないかなんて質問を先週させていただきましたと申し上げましたが、そのときにお答えの中で一つ、リースとか代替農地ということも挙げていただいたと思います。

 実は私、当然、農地を売らなくても、リース、地代をもらうことでどっちも得をするというのであれば、これはやった方がいいんじゃないかなというふうにかねてから思ってはいたんですが、よくよく調べてみると、もしかするとそうでもないかもしれないと思いまして。

 というのは、今、例えば水田、田んぼの地代というのは十アール当たりで大体一万円前後だそうですので、一ヘクタールにすると大体年間十万円程度の収入になる。一ヘクタールでいったら多くて二十数万円ということになるんだそうです。一方、今継続しておられます戸別所得補償による収入というふうに考えますと、あくまで理論的にですけれども、これは一ヘクタール当たり最大で大体九十三万円が可能だ。これは耕畜連携助成を利用した場合です。

 そこでなんですけれども、私が一ヘクタールの農地を持っていて、この農地をどう運用していこうかというふうに経営的に考えたときに、人に貸して年間十万円、多くても二十数万円もらうと考えるのか、いや、自分で耕す手間はあるけれども、例えば九十三万円になるといったら、それは当然自分で耕すという選択をするだろうなと想像します。

 実は、先ほども、どなたかちょっと忘れましたけれども、委員の御説明の中で、それがあるがゆえに、今まで農地を借りていたんだけれども、返してくれないかと言われたというケースがあると。そういったケースは私も今まで聞いたことがあります。

 戸別所得補償がどうというよりは、こういう矛盾をどうやって解消していくか、そういった方策、考えは、政府側としてはあるんでしょうかということをお伺いしたいです。これはどなたでも、詳しい方、お願いします。

江藤副大臣 それでは、私の方からお答えをさせていただきます。

 その貸し剥がしのような事例は、私も野党時代にこの委員会で質問を具体的にしたことはあります。しかし、野党でしたから、かなりばりばりやりましたけれども、そんなに実はたくさんあったわけではなくて、正直なことを言いますと、そういう事例があったということでございます。野党の宿命ということで、心広くお許しをいただきたいと思いますけれども。

 それで、やはり農家の気持ちというのは、生産する喜びというのが基本的にあるんですよ。貸した方が得だとか生産する方が損だとか、そういう以前に、やはり、朝起きて、例えば大雨が降ったら、水があふれていないかとか、水利の管理をするとか、そういう土地に対する思いが農家の方々にはあって、決して銭金勘定だけでははかれない部分が、私は、農政の基本理念、人とそれから農地というものには魂がこもっていると思いますので、そのことをやはり私は考えていかなきゃいけないと思います。

 ただ、それを言った上で計算をしますと、確かに、交付金収入、飼料用米、八万円ですね、これを入れると九十三万円、まさにどんぴしゃりの数字を言い当てていらっしゃるんです。ところが、飼料用米は、残念ながら今のところは非常に買い取り価格が安いんですよ。もっともっと使っていただきたい。もっと高く買っていただいて、一部の東北の方の養豚農家では高く買っていただいているような事例もありますけれども、基本的には大体ヘクタール当たり三万円ぐらいにしかならないということであると、そうすると、生産コスト等を考えると、ヘクタール当たり三十万ぐらいの所得ということになります。すると、大体、行って来いじゃないですか。

 ですから、それで、貸した方が得だとか、自分でつくるのは面倒くさいとか、それは農家の自主的な御判断によるところでありますけれども、私は、農家の方々というのは平均年齢が六十四歳、五歳と言われますけれども、この年まで頑張れる、下手すれば八十五まで頑張れるのが農業というもののいいところでありまして、そのことによって、ぼけ防止になったり、体も健康であって病院に行く回数が減ったり、そういったこともやはり普遍的に私は考えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。

林(宙)委員 済みません。近代化した暮らしになれてしまったせいか、何か、自然とのかかわりとか、その喜びみたいなものを何となくどこかに置き忘れてしまったのかなとも思うような御答弁をいただきました。

 その意味でいくと、確かに、理論的には九十三万円と申し上げましたが、実際のお値段がそういうことであるということであれば、私は今の問題は解消できるかなというふうに思っているんです。ただ、あの戸別所得補償のスキームを見たときに、これはもう理論的に、こういうふうにしたくなるというモチベーションにつながっちゃうんじゃないかなと思ったので、その場合には、多分見せ方としてもう一度考えた方がいいんじゃないかなというふうには思います。

 そろそろ時間もなくなってきましたので、これも何度か御質問が出ていますが、今年度、二十五年度に関しては、現行の、これまでやっていた戸別所得補償制度などを維持して、二十六年度から、またちょっと違った、日本型直接支払いというのを模索していくというようなお話、何度かございました。先ほどの玉木委員のお話を聞いて、民主党さんがおつくりになった戸別所得補償というのは、ああ、なるほど、そういう観点からいくとなかなかすばらしいなと思った方もいらっしゃると思います。大臣も、間違いがなければ、多分うんうんとうなずきながらお聞きになっていたんじゃないかなと思うんですけれども。

 そうなると、そういったところも含めて、日本型直接支払いって一体何なんだろうというのが私の今の疑問なんですが、今の戸別所得補償制度がすぐれているという御判断なんだったら、それは大方、二十六年度以降も引き継ぐという可能性が大きいという理解でよろしいですか。お伺いします。

林国務大臣 私、人が何かおっしゃっていると、性格が素直なものですから、内容に同意しているかどうかは別としてうなずく癖があるものですから、そこはちょっと申し上げておきたいと思います。

 冗談はさておきましても、今お話のあったように、まず、戸別所得補償制度の見直しは、現場が混乱しないということを優先しまして、今年度は名称の変更と若干の手直しというところにとどめたところでございますので、本格的な見直しは来年度から、委員が今御指摘になったとおりでございます。

 先ほど、どなたかのときに、「ニュース」に触れていただきまして、そのときに私が申し上げたように、野党時代に法案を出しております。そのことも含めて公約にうたっておりますので、基本的にはこの公約がベースになっていくということが一つございます。

 先ほど来いろいろありますように、民主党政権下での政策も、当初のものから毎年いろいろな変更が加わっておるということが、先ほど玉木先生と私の間のやりとりでお聞きになったとおりでございますので、先ほど申し上げましたように、前の政権でやっていたからだめなんだということではなくて、基本的には、選挙でお約束したことや、そして何よりも現場にとって一番いいものという観点で、今から与党と十分に協議をして設計をしていく、こういうことになろうかと思います。

林(宙)委員 ありがとうございます。

 では、これが最後の質問になると思いますが、もう一度、大臣所信表明の方の内容に戻りまして、その中で、農林水産業の潜在力を引き出すためには、生産現場みずからが需要の動向を敏感につかんで、中略して、進めていくというような内容もございました。

 そう考えると、普通に民間の論理でいけば、基本的には、それぞれの農家の皆さんが、売れる農作物、あるいは自分が育てるのが得意な、優位性があると思われるような作物を自分で選ぶとか、どの程度の量をつくるかとか、自分で魅力的な品種を開発するとか、そういうふうにしていった方がいいんじゃないかなと思うんです。

 例えば、そういう意味で、私は生産調整が悪いとは思っていないんですけれども、ただ、生産調整と矛盾してくるようなところもあるので、それについて、今後その矛盾をどういうふうに説明していくかのお考えだけ聞いて、最後の質問にしたいと思います。

林国務大臣 生産調整、先ほどもやりとりがありましたように、今、ペナルティーがないものですから、もし生産調整をおやりになりたくなければ、どうぞやってくださいということなんです。

 もう一つは、例えば国内の主食用の数量というのが生産調整の対象になって、この数量になればいろいろな、今度はペナルティーではなくてインセンティブがつくということですが、その外で、例えば輸出をするのでどんどんつくろうというのは、これは入ってこないわけですね。ですから、そういう意味では、もし先ほど言ったような輸出ということになってくれば、これは生産調整の外でもどんどんつくれるということですから、必ずしも私が所信で申し上げたこととそれほど抵触はしないのではないかな、こう思っております。

 所信で私が申し上げたのは、まさに六次産業化の基本的なところでございまして、やはり生産する方が直接、消費者と触れ合っていただく。六次産業化でレストランをやるなりすることによって、どういうものが消費者はお喜びになるか、おいしいと言ってくださるか、多少財布のひもを緩めて買ってくださるか、こういうことを生産者みずからが、自分でさわってみて、理解をして、それが生産現場に反映をされる、PDCAと言ってもいいと思いますが、このサイクルをもう少し強く回していくということではないかというふうに思っております。

 この間、実は、仙台にお邪魔したときに、この舞台ファームにもお邪魔したんですが、その前に、もろやさんという農家レストランにお邪魔したときに、そこで野菜を中心にしたメニューを出しておられて、お客さんは九割は女性だ、こうおっしゃっておられた。経営されているのもお母さんとお嬢さん二人ということでありまして、全部自分でメニューを考えて、そして毎月メニューを変えておられると。次に何を出そうかとメニューを考えるときに、実は、何を植えようかというところにそこがつながっていく。

 だから、何ができたからこうするというのもあるんですが、何を出すかということを考えて、そこから自分の畑にどういう野菜を植えていくかということを考えていらっしゃるというお話を聞いて、なるほど、これはもう六次産業化という言葉ができる前からやっておられるわけですが、こういうことが現場でしっかりとできている例があるんだな、こういうふうに思いましたので、そういう取り組みをいかに広げていくか、強くしていくかということが大事だというふうに考えております。

林(宙)委員 では、また仙台の方にもお越しください。

 どうもありがとうございました。

森山委員長 次に、畑浩治君。

畑委員 生活の党の畑浩治でございます。どうもお疲れさまでございます。

 TPPの件、私も何点か、きょう、またお伺いしたいと思っております。

 TPPに参加の場合の影響の試算が出されたわけです。これは、農業部門の生産額は三兆円減少するということで、実は別の分野もそうなんですが、時間がなくて、しかもまだ前提がわからない中で、単純化したような試算であるのはやむを得ないと思いますが、単純な生産額の減少ということで、農業も三兆円だと言われております。

 これは、先ほど議論がありましたが、即時全品目関税ゼロにしてやっているわけですが、交渉によってはいろいろ違ってくるわけで、試算はその都度する必要があるだろうと思います。

 もう一つ、私は気にかかっているのは、経済的な生産額ばかりが出ている、実は違う試算が出ているのも知っておりますが。つまり、農業の多面的機能というものでして、これは農水分野だと、これまでもそのことが口を酸っぱく議論されてまいりました。生産減少していくと、当然、耕作放棄地が多くなるのかどうかというところの危惧も出てきますし、あるいは、そもそも自給率の減少ということになってくる。こういうことも含めれば、実は三兆円以外の間接的な効果も含めた負の効果、減少効果があるんだろうと思うんです。

 今回の試算の中では、最後の方に小さく、農水省さんの試算なんでしょうか、一・六兆というのも書いておりましたが、恐らくこういうことも考えていかなきゃいけない。耕作放棄地とかそういうのになれば、国道整備で別のをつくればいいんだという単純な問題でもなくて、お金がさらにそこはかかりますので、農業のそこの部分の効果をしっかりと重視していかなければいけないだろうと思います。

 こういうことも含めて、農水省サイドというか農水大臣サイドは、こういう効果もかなり減少して、まずいし、国民的な議論を巻き起こすとすれば、こういうところに問題が実は出てくる部分もあるんだよということをして、そこもしっかり国民的議論を私は巻き起こしてほしいなと思っておりますが、そういうところも含めた、TPPに参加した場合の影響と、そういう国民運動をしっかりやっていくことも必要だということと、あと、対策ということは先ほど来あって、これはTPPを前提にした対策は言えないし、できないし、そういう筋合いのものではないというのも私もわかります。

 例えば三兆円、これは直ちにやると大変なことですよね、二十五年度当初の農水省の予算も二・五兆ぐらいですか、とんでもないお金がかかるので。恐らく最終的には、重要品目を守りながら、そして、どの程度のところで対策するかという均衡点に落ちつくんだろう。

 これは、TPP参加を認めているわけではありませんが、実務的には、そういう考え方も含めて検討されるんだろうと思いますが、その対策の考え方も含めて、ちょっとお伺いしたいと思います。

林国務大臣 お答えいたします。

 畑先生、全部おわかりで、答えも少しおっしゃっていただいたところもございますが、まず試算でございますけれども、農林水産省と、それから内閣府のGTAPモデルと経産省、これが三つばらばらに出ていたということの反省から、統一試算をしようということで、今回は、農林水産物の影響について我が省でまず計算をして、それをもってGTAPモデルに入れて回していく、こういうことをやっていたわけでございます。それで、回す前に入れるそもそもの額を三・〇兆円ということで試算したわけでございます。

 これは、実はその前に試算した、全世界ベースでやったものと、国の数が変わったというだけではなくて、どれぐらい置きかわるか、それから、例えばアメリカの米の輸出余力がどれぐらいと見るかというところも少し前提を変えたところがありまして、その前提についても農水省から出した資料に書いたところでございます。

 いずれにしても、今、委員がお話がありましたように、即時関税を撤廃して何らの対策も講じないという試算であるということは変わらないわけでございます。

 自給率についても、そういう生産額の減少ということをベースにして計算しますと、カロリーベースで四〇から二七%へ低下する、生産額ベースでも七〇から五五へ下がるということも計算して、資料にはつけて、公表しておるところでございまして、御指摘のあった多面的機能についても、一兆六千億程度喪失するということもつけておるところでございます。

 これは、今申し上げたような、ある意味極端な前提ということですから、これから加盟国、他の交渉参加国の同意を得てこの交渉に入っていったときに、全力を挙げてこういう事態にならないようにしていくということに尽きるわけでございます。

 対策ということは、先ほどから何回か申し上げているとおり、ここの対策をやるということは、この部分は余り強く守る交渉をしないのか、かえってこういう懸念を招いてもいけませんので、対策ということではなくて、攻めの農林水産業、いずれにしても、必要な施策を実行していくというふうに申し上げておきたいと思います。

畑委員 その対策、攻めの農林水産業で稼いでいくということとともに、とは言っても、アメリカ、オーストラリアみたいに稼げるわけでもないので、そこは所得補償的なもの、直接払い的なものを、恐らく与党さん、あるいは政府で検討されていくんでしょうが、そういうところの拡充も含めて、入ってくるのだろうなと私は理解というか思っておりますが、これはこれで別の機会に議論をさせていただきます。

 TPPについて、別の観点からちょっと御質問をさせていただきたいと思います。

 それは、先週、シンガポールでTPP交渉会合が開催されておりまして、日本農業新聞の三月十二日の新聞記事にあったわけですが、「日本が交渉に参加した場合は、すでに確定した内容について再交渉も文言修正も認めない上、新たな提案もさせないと米国側が各国交渉官に伝えていた」という報道がされておりますが、そこのところの事実確認をしたいんですが、お願いいたします。

城内大臣政務官 畑浩治委員の御指摘についてですけれども、三月十二日付の日本農業新聞の記事だと思いますが、そのような報道があるということは承知しておりますが、御指摘のような発言が米国からなされたということは承知しておりません。

 我々がこれまでに得た情報では、TPP交渉参加国は、交渉参加に関心を表明した各国について、包括的かつ高いレベルの自由化にコミットすること、交渉の進展をおくらせないことといった考え方を示してきております。

 残念ながら、TPP交渉は既に開始から二年が経過しており、既に合意したルールがあれば、おくれて参加した日本がそれをひっくり返すことが難しいのは厳然たる事実であります。

 いずれにしましても、我が国としては、可能な限り早期に交渉参加した上で、強い交渉力を持って、主張するべきことはきっちりと主張して、国益を最大限実現するよう全力を尽くす考えであります。

畑委員 これは承知していない。恐らく、いろいろ情報収集した結果、そういうことは承知していないという理解だと思います。

 ちょっと別の観点から、去年、カナダとメキシコが参加表明したというときに、これは国会で何回も議論になりましたので、既に合意した条文を後発の参加国は原則として受け入れ、交渉を打ち切る終結権もなく、再協議も要求できないという不利な条件を提示して、両国はそれを受け入れ、念書を交わしたという報道もございました。これは東京新聞でしょうか、三月七日とか八日に載っていたものなんです。

 実は、こういう情報というのは、TPP交渉参加に入るかどうかの肝になる情報だと私は思います。交渉参加、外交交渉ですから、何でもかんでも明らかにしろということは言えないのは当然で、大臣が先ほど来答弁がありますような、何を守るのかとか、あるいは交渉方針とか、こんなのは明かすべきじゃないと私は思います。

 ただ、事実のところ、つまり、今言ったような、本当にメキシコ、カナダはそういう事実があったのかどうか。これは、国会では、事実も含めて明らかにできないというやりとりが何回もやられたと私は聞いておりますが、結局、これというのは、TPP交渉参加するかどうかの判断の大きなポイントなんだろうと思います。こういう端的な事実を答えていただけないということは、私は情報開示の点で問題だと思います。

 これを言っても仕方がないので、ちょっとここで質問に入るんですが、今後、日本が交渉参加をして、認められた場合でしょうか、インビテーションレターが届くんだと思います、つまり、こういう条件でとか、こういう方針で交渉してください、参加してくださいと。こういうのが届いた場合には、その内容について公開していただけるものだと私は思うし、公開すべきだと思いますが、そこのところをちょっと確認したいのと、もしそこで、巷間言われているように、カナダ、メキシコのような、報道をされたような、再交渉権がないというか、受け入れるか受け入れないかだけだったとした場合には、交渉から撤退するんでしょうか。自民党は、撤退も辞さないと書いている部分もありますが、そこのところをちょっとお伺いしたいと思います。

城内大臣政務官 済みません。今、インビテーションレターについて話がございましたけれども、まだそういったものは来ておりませんし、その時点でどうするかという判断をさせていただくことになるかと思います。

 また、おくれて交渉に参加しましたメキシコ、カナダ、そして先行した九カ国のTPP交渉参加国との間の第三国とのやりとりの内容については、我が国としてはコメントする立場にはありません。

 なお、我が国として、報道にてメキシコとカナダに送付されたとされているような書簡を受け取っている事実はありません。

 また、これから交渉に参加しようというときに離脱の可能性の話をすることは、やはり国益の観点からも適切ではないと考えております。

 交渉力を駆使し、我が国として、守るべきものは守り、攻めるものは攻めていくことによって、国益にかなう最善の道を追求していく考えであります。

畑委員 手のうちを明かすのは交渉力を低下させると思いますが、仮に、メキシコ、カナダが受けたと言われる、再交渉できませんよという不利な条件が来たのであれば、私は、交渉から撤退すると言った方がいいと思います。その方が交渉力は強化されると思いますよ。こういう条件で来たので、これを覆すべく努力しますというのであったら、かえって外国からなめられるんじゃないかと私は思う。

 むちゃくちゃな条件が来たのであれば、それは、場合によっては国民に明かしてもいいし、国民の声をバックにして、こんなばかな条件が来た、我が国は、このままこういうようなレターであれば、そんな交渉は抜けたっていいよと言った方がいいんだと思うんですよ。きょうは、そういう覚悟も含めて交渉に臨んでいただきたいということを言うにとどめておきます。

 実は、自民党さんは野党のときに、とにかく情報を出せ、情報を出さない中で交渉参加入りということを決定するのは決して許されないということをおっしゃってこられたと思いますので、こういう国民の世論をうまく使うことも含めて、やはり出すときは出して、そして国民運動を喚起して、有利な条件をかち取る、そういう方針も私は必要だと思いますので、ぜひとも強い交渉に当たるよすがとして御検討いただければと思います。

 そして、TPP関連で申し上げますと、我が国は昭和三十五年に木材の輸入自由化を行ったわけです。これについて、これを契機に林業の国内生産量とか就業者数が減少してまいりまして、木材自給率もほぼ一貫して減ってきたわけです。

 TPP交渉を行うに当たっては、この教訓を踏まえていく必要があると思いまして、言ってみれば、木材において昭和三十五年以降、TPPの影響の予習をしたとも言えるんだろうと思います。

 そういう意味で、木材のように、何もしないで輸入自由化すれば、最近手は打ちましたけれども、こういう苦労をしている。だから、木材自由化の経緯とその教訓、影響についてどのように評価しているか、ここで改めてお伺いしたいと思います。

江藤副大臣 では、お答えさせていただきます。

 歴史的な背景は、もう先生がおっしゃいましたから、多くは語りませんが、ただ一つ、事情として違うのは、そのころ、非常に高度成長の時期にあって、みんな家を建てたいけれども、もう材木がない、めちゃくちゃに国内の木を切ってしまうというような状況になって、国内の森林も保護しなきゃいけない、再植林もしなきゃいけない、材木は足りない、そういう状況の中で、国民の要請として、広い意見の集約のもとにこの自由化が三十九年にされまして、今現在では、一八%までおっこった自給率でありますけれども、二六%まで一応回復はしております。

 先生の御懸念もよくわかります。合板の関税はまだ六から一〇ぐらい残っておりますし、それから、樹種によっては、また記憶が間違っていたら後で訂正いたしますが、十四種ぐらいの樹種については、まだ原木についてもたしか関税が残っているはずでございます。

 ですから、ある意味、これがTPP参加交渉の予行演習というのは若干当たらないかもしれませんが、ただ、何も手を打たなければ大変だという過去の教訓の一つではあるというふうに受けとめております。

畑委員 輸入自由化したのは、そういう高度成長で木材需要があった、国内だけでは賄い切れなかったというのは私も承知しております。

 ただ、それは当初のことであって、その後、やはり外材との競争に負けたという事実はあるわけですね。それが低下させる要因になった。

 でありますから、関税は、これはこれで、ある部分もあるとか、あるわけですが、最近、民主党政権になって森林・林業再生プランをつくるまでは、実質、なかなか対策が打たれなかったということも事実だと思うので、もし自由化するのであれば、というか、どの程度の自由化にもよるんですが、やはりそこの先を考えなければいけない。

 今、需要があるから開放してこういうふうになったという経緯も踏まえれば、これは、先ほど来大臣の話にもありましたが、短期ではなくて、五年、十年のスパンをちゃんと考えてやっていかなければいけない。そこの影響も含めてちょっと御勘案をいただいて、よろしくお願いしたいと思います。

 それで、これも新聞記事で、一つ、ちょっと確認したいんです。

 これは三月十三日の朝日新聞だったでしょうか、農業政策で、食料自給率がこれまでの農業の目標の大きな指標ですが、これに重点を置くのを改めて、国内の総合的な農業生産力を示す食料自給力を政策目標にするということを検討してというような報道がありました。

 私も食料自給率はわかるんですが、食料自給力というのが、自給率とは違う指標というのはどういうものなのかというのは必ずしも把握して質問していないんですが、自給力というのはどういうものが想定されるのか、自給率との関係はどうなのかも含めてちょっと御説明いただいた上で、そのようなことを検討している事実はあるのかどうか、御質問したいと思います。

 というのは、TPP参加をにらんで、TPP参加すれば自給率は下がるわけですというか、言っちゃ悪いですが、下がらないようにしなきゃいけないんですが、下がる可能性が高くなる。であれば、今までのような食料自給率を目標にするということは現状に合わなくなるという頭があって、そういう検討に入りつつあるとしたら大変なことだし、なかなかゆゆしきことだと思うんですが、ちょっと確認をよろしくお願いいたします。

江藤副大臣 先ほど、やはり私は間違えておりまして、十四種は合っていたんですが、合板においての十四種でございました。若干、訂正をさせていただきます。

 それから、今のような自給力は、自給率と自給力の話ですけれども、そのような切りかえを、自給力を政策目標とするようなことを今省内で検討しているという事実は、今のところはございません。そのことをまず申し上げておきたいと思います。

 自給率というものは結果を問われるもので、先ほど議論の中にもありましたけれども、葉物をたくさんつくってもカロリーベースでは低いかなというお話があります。しかし、やはりカロリーベースの数字もこれまた大事なことでありますし、また、もう一方で、その自給力、これは能力ですね、生産する能力、人であったり農地であったり、不測の事態が起こったときに、どれだけの国民に対して食料を供給する力が日本国にあるのかという能力を示すものでありますので、そういう考え方が自給力という考え方も非常に重要な観点ではないかなと、私、個人的には考えております。

 総理からも、自給率及び食料自給力を維持させ、向上させることが指示されておりますし、それから、両方ともこれは重要であるということも、大臣とともに我々は認識をしているところでございます。

畑委員 これについては、恐らく、食料・農業・農村基本計画、これから、これからというより、まだ、二〇一四年度末だったでしょうか、あと二年ぐらいあるので、恐らく、結果は自給率でいくかどうかということになったとして、そこの表現も含めて、いろいろな考えがある、検討されるんだなという雰囲気のニュアンスはお伺いしましたが、現段階で検討している事実はないということは確認させていただきまして、わかりました。ありがとうございました。

 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

森山委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣林芳正君。

    ―――――――――――――

 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

林国務大臣 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。

 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法は、北洋における外国政府による漁業水域の設定等に伴い、水産加工品の原材料の供給事情が著しく変化したことに対応するため、水産加工施設の改良等に必要な長期かつ低利の資金の貸し付けを行うことを目的として、昭和五十二年に制定されたものであります。

 その後、国際的な水産資源の保存管理措置の強化や、我が国周辺水域における水産資源の減少、水産加工品の輸入の増大等に対処するため、貸し付けの内容について所要の見直しを行いつつ、水産加工業の体質強化の促進に努めてきたところであります。

 本法は、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととされておりますが、水産加工業をめぐる厳しい状況が続いていることに加え、現在、東日本大震災により被災した水産加工業者が本資金を利用していること等を踏まえますと、引き続き、水産加工施設の改良等に必要な資金の貸し付けを行う必要があります。

 このため、本法の有効期限を五年間延長し、平成三十年三月三十一日とすることとした次第であります。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

 以上です。

森山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る三月二十一日木曜日午前九時五十分から理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十四分散会


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