衆議院

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第3号 平成25年3月21日(木曜日)

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平成二十五年三月二十一日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 森山  裕君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 小里 泰弘君

   理事 北村 誠吾君 理事 葉梨 康弘君

   理事 宮腰 光寛君 理事 大串 博志君

   理事 村岡 敏英君 理事 石田 祝稔君

      井野 俊郎君    池田 道孝君

      加藤 寛治君    勝沼 栄明君

      川田  隆君    菅家 一郎君

      鈴木 憲和君    武井 俊輔君

      武部  新君    津島  淳君

      中川 郁子君    長島 忠美君

      西銘恒三郎君    橋本 英教君

      福山  守君    堀井  学君

      八木 哲也君    簗  和生君

      山本  拓君    渡辺 孝一君

      後藤  斎君    玉木雄一郎君

      寺島 義幸君    鷲尾英一郎君

      桜内 文城君    鈴木 義弘君

      高橋 みほ君    稲津  久君

      佐藤 英道君    林  宙紀君

      畑  浩治君

    …………………………………

   農林水産大臣       林  芳正君

   農林水産副大臣      江藤  拓君

   農林水産大臣政務官    稲津  久君

   農林水産大臣政務官    長島 忠美君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           内田 俊彦君

   政府参考人

   (水産庁長官)      本川 一善君

   農林水産委員会専門員   栗田 郁美君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十一日

 辞任         補欠選任

  清水 誠一君     勝沼 栄明君

  末吉 光徳君     八木 哲也君

  百瀬 智之君     桜内 文城君

同日

 辞任         補欠選任

  勝沼 栄明君     清水 誠一君

  八木 哲也君     末吉 光徳君

  桜内 文城君     百瀬 智之君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)


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     ――――◇―――――

森山委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として水産庁長官本川一善君及び厚生労働省大臣官房審議官内田俊彦君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

森山委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鷲尾英一郎君。

鷲尾委員 おはようございます。

 大変久しぶりの質問でございます。農林水産委員会で野党時代に質問したいなと思っていたんですけれども、人気がありまして質問することができず、続きまして、与党になりましたら、もう全部後輩に譲って質問することができず、恐らく初めて質問させていただくんじゃないかと思っております。

 昨年、わずかながら政務官もやらせていただいたこともありまして、地元の状況もありますので、農林水産業には格別な思い入れもございます。農業、林業、水産業、今後、日本を支える成長産業化にぜひとも政府一丸となって取り組んでいただきたいという思いをまず冒頭申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。

 平成十三年に水産基本法ができまして、水産物の安定供給確保ですとか水産業の健全な発展というのを掲げて、昨年三月に水産基本計画が決定をされたわけでありますけれども、このうち、当然今回の法律案にもかかわります水産加工業の位置づけ、これが自民党政権になってどういう形で展開していくのかということをまず冒頭お聞きしたいわけです。

 我が国の水産業全体の役割といいますか位置づけといいましょうか、あるいは漁村地域における水産加工業の位置づけ、こういった基本的役割をまずはお聞きしたいと思います。

林国務大臣 お答えいたします。

 鷲尾委員におかれましては、政務官としてこの農水省でも働いていただいたということで、冒頭大変心強い認識を示していただいたところでございますので、一緒になって頑張っていきたい、こういうふうに思います。

 今お尋ねのありました我が国の水産加工業ですが、平成二十二年度の数字ですが、生産量で二百十八万トン、出荷額で三兆一千四百五十一億円、全国に約八千六百経営体を擁する産業であるということで、漁業生産物の最大の仕向け先として、我が国漁業とも密接なかかわりがあるということはもう言うまでもないことですが、もう一つ、今委員も少しお触れになりました、大半の工場が沿岸地域に立地をしているということで、浜の皆さんにとっても、その同じ地域の基幹産業だということで、大変重要な地位を占めているというふうに思っております。

 二十四年の三月に、これは民主党政権の時代でございますが、水産基本計画というのを決めておられまして、ここにも水産加工、流通業の持続的発展による安全な水産物の安定供給が重要であるというふうに位置づけておられまして、水産加工による付加価値の向上と販路拡大、こういうことを推進していこうということを決めていただいておるわけでございまして、基本的にこの考えに沿って政策をやっていこう、こういうことでございます。

 我が国において、現在、水産物の消費量が急激に減ってきている。平成十三年が最近のピークだったんですが、大体四十・二キロ消費をいただいていたんですが、これが平成二十二年に二十九・五キロということで、ちょっと減ってきてしまっております。産地から消費地まで、川上から川下まで、この消費者の水産物ニーズに十分応え切れていないんじゃないか、こういう課題と認識しまして、二十五年度の予算案でも、新たに国産水産物流通促進事業ということで予算を計上いたしまして、水産物流通の目詰まり解消を図る加工品開発等の取り組みも支援をすることにいたしました。

 今後とも、水産加工業の発展に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。

鷲尾委員 大臣、ちょっと先の質問まで答えていただきまして、ありがとうございました。今後の政策展開ということで、基幹産業という位置づけと。

 それから、この先の質問もさせていただきたいと思いますが、水産加工業の高度化というものが、基幹産業として、これから雇用の受け皿としても必要になってくるのではないかというふうに思っているわけでありますが、特に被災地の状況に関連して次に質問をさせていただきたいと思います。

 水揚げの量でいくと、震災から復興いたしまして、七割を超えるレベルまで至っているというふうに聞いておるところであります。

 漁業者並びに水産加工業者、特に被災地は多いわけでありまして、被災地の復興のためにも、雇用の確保のためにも、漁業あるいは水産加工業の被災地における役割というのは極めて大きいものがあるというふうに思っております。

 今申し上げた水揚げベースでの復興の状況というのは私も承知しているわけでありますけれども、実際、漁業者の所得がどのような状況にあるのかということについてもお聞かせをいただけないでしょうか。

長島大臣政務官 鷲尾先生の質問に私の方からお答えをさせていただきます。

 選挙区が隣で、鷲尾先生のところは、柏崎から佐渡まで、漁港、漁村を数多く抱えていらっしゃる、日本海側では優秀な漁村地帯であると思っています。私も、復興大臣政務官も兼務をしておりまして、三陸の漁場を実は歩いておりますが、日本有数の、日本の財産ともいうべき漁場だということは認識をしながら歩かせていただいております。

 今先生の方から御質問があった水揚げ量と水揚げ金額についてですが、岩手から福島、何せ正式な統計がとれるような状況ではございませんので、公式な統計ではございませんが、平成二十四年の十一月からの三カ月と、平成二十二年十一月からの三カ月の合計を比較した場合に、水揚げ量、水揚げ金額とも実は六三%にとどまっております。

 これは、漁港、漁船、加工流通施設等が十分に震災前の水準まで回復していないことに加えて、今漁期においてアキザケの来遊数が例年より少ないなど、震災以外の理由もあり、必ずしも水揚げが震災前の水準まで回復をしていないためというふうに考えております。

 農林省では、このことを克服できるように、がんばる漁業・養殖業復興支援事業により、漁業、養殖業の立ち上がり資金を助成する等の施策を総動員して、一日も早い復興に努めてまいりたいと思っております。

鷲尾委員 長島政務官におかれましては、同じ新潟県ということでございますので、ぜひ職務に頑張っていただきたいなというふうに思っているところでありますけれども、今のお話の中で、かなり厳しい状況であるなと率直に思いました。

 厳しい状況である、そしてまた震災以外の状況もあって、なかなか所得が上がってきていないということなんですが、ここに来て、年末から随分燃油が高騰しておりまして、漁業者の状況、私も地元を歩いて思いますけれども、漁に出るのが大変厳しいという声が最近とみに高まっております。

 そういった燃油高騰につきましての状況をどのように把握されているかということと、あわせて、今農水省が取り組まれている対策についてもお聞かせいただきたいと思います。

江藤副大臣 お答えをさせていただきます。

 私のところもずっと海岸線に沿った選挙区でございますので、沿岸のいわゆる小型から大型の遠洋まで全部いる地域でありまして、燃油が漁業を継続する上で非常に大きな比重を占めている、そしてまた一番圧迫要因になっているということは、私も肌で感じております。

 平成二十二年度に、皆様方が御努力をされて、国とそれから漁業者が一対一で積み立てをするセーフティーネットをつくられた。これは非常によい制度だと私も思っております。全国でも今、七割ぐらいの漁業者が御参加をいただいて、あと三割、何とか、入っていただけない方も入っていただければと思いますけれども。まあ、ちっちゃい方はしようがないです、ちょっと老後の備えみたいにやっている方は。

 しかしながら、これも、例えば施設園芸なんかだと一一五%で始めたじゃないですか。このセーフティーネットも一一五から始めましたね、発動要件、七中五で。すると、これは一〇〇%までおろしちゃっているんですよね。ですから、発動要件をさらに緩和して高騰分を見るというのは、制度的になかなか限界に来ているというのが現実だと思います。

 ただ、その前に、まず基本的にあるのは、補正予算、それから当初予算でもお金をかなり積みましたけれども、配合飼料価格安定制度と同じように、基金が枯渇してしまうということがあったら、まずこれはもう話になりません。ただ、今のバレル当たりの原油価格で見ていますけれども、漁業者が受け取っているのは、バレル当たりの原油価格ではなくてA重油の値段で見ているわけで、そうなると三十円、委員も御存じのようにギャップがありますので、もうちょっとここら辺は考える必要があるのかな、非常にこれは重要な問題だなというふうに受けとめております。

鷲尾委員 私の方からは、あらゆる手段を尽くしてほしいということだと思います。

 江藤先生にお答えいただいて大変ありがたいなと思っていたんですが、答弁席の答弁を聞いておりますと、ちくちくちくちく、民主党時代の失敗やら何やら、いつもコメントをいただいておりますので、この燃油高騰策につきまして、手前みそですけれども、やはり一〇〇%まで落としたということが今の安心につながっていると私は思っています。その上で、あらゆる手段を講じていただきたいということを、野党の立場ですので申し上げたいというふうに思います。

 では、ちょっと質問をかえます。

 先ほど大臣の御答弁にもありましたけれども、今、一人当たりの魚介類の消費量というのは、平成十三年をピークに、これは物すごい落ちようだと思うんですね。相当落ちていると思っています。今や、それこそ魚介類よりも肉類を全ての年代で食べている。どうやら、年をとったら今度はまた魚に戻るんじゃないかというその甘い観測も打ち破られて、年をとっても肉類を消費する方がやはり多くなっているということでございます。

 これは、それこそ日本人の健康という点から見ても余りよくないと思いますし、やはり近海、我々、海洋国家ですから、大変豊富な資源をみすみす逃しているということにもなりかねないわけでありまして、やはり魚食の普及、さらに消費拡大というのが極めて大事な論点であろうかと思います。

 水産庁さんも頑張っておられると思います。でも、これは、私は農林水産省全体として取り組むべきだと思います。水産庁だけに任せているのではなくて、農水省全体で取り組むべきだ、私はそう思っているんです。ですので、その取り組み状況、そして、今後に向ける決意のほどをぜひ大臣からお聞かせいただきたいと思います。

長島大臣政務官 大臣にということですが、私の方からお答えをさせていただきます。

 鷲尾先生御指摘のとおり、魚介類の一人当たりの年間消費量は、十三年、ピーク時、四十・二キロから平成二十二年には二十九・五キロということで、実は十年間で大きく減少をしております。

 このような状況に歯どめをかけるために、水産基本計画において、平成二十二年度並みの二十九・五キロを維持することとし、関係者が一丸となって水産物の消費拡大に取り組むこととしております。

 先生御承知のとおり、昨年七月に魚の国のしあわせ推進会議を開催し、生産者、水産関係団体、流通業者、行政等、魚にかかわるあらゆる関係者が一丸となって官民協働の取り組みを開始しているところでございますし、平成二十五年度予算案において、産地から消費地までの流通過程の目詰まりを解消するため、販売ニーズや産地情報の共有化等を支援する国産水産物流通促進事業を措置させていただきました。加えて、農林水産省全体で推進する六次産業化を通じ、漁業者みずからによる水産加工、販売の取り組みによる国産魚の安定的な供給を図っているところでございます。

 私は、食育の部分にもやはり踏み込むべきだと思っています。実は、魚を料理できない家庭がかなりふえてきているということもありますので、やはり魚をきちんと料理できたり、魚のよさがわかる食育というものも一方では必要だというふうに考えております。

鷲尾委員 魚の料理の仕方がわからない世帯もふえているということで、ぜひ、そういった部分で、食育といいましょうか、教育関係にも力を入れていただきたいと思います。

 一方で、需要の動向に合わせて、それに対応していかないといけない。ファストフィッシュとか、今、取り組まれていると思いますけれども、これはいろいろな考え方があると思いますけれども、私は、いろいろ調理できた方がいいでしょうし、子供が魚の骨の取り方がわからないというのもゆゆしき状況だと思いますけれども、そうはいっても、消費拡大が一番だと思っています。だって、消費してもらわなきゃどうしようもないと思いますので。そういった伝統的な魚食文化を引き継ぐという大事な観点もあると思いますけれども、需要の変化に対応して、できる限り魚食消費拡大を目指していただきたいというふうに思っているわけであります。

 日本では消費が少なくなっている。しかし、世界ではどうなのかなと思っています。世界の魚介類の一人当たり消費量です。これは場合によっては、水産加工業も、日本国内で、当然、国産の水揚げを水産加工業に流通させ、そして使っていくということが大原則なんでしょうけれども、それと同額の原料を海外から輸入しているという実態もあるわけで、世界の魚介類の消費動向でありますとか、あわせて資源管理の状況についてもお聞かせいただきたいと思います。

本川政府参考人 世界の水産物の消費量でございますが、OECDあるいはFAO、こういったところの分析によりますと、魚介類の一人当たり消費量は、全ての大陸において増加をする、二〇〇八年―二〇一〇年には一人当たり年間十七・一キロであったものが、二〇二〇年には十七・九キログラムに全世界がなるといったような予想がされておりまして、今後も、一人当たりのGDPの増加でありますとか、世界人口の増大に伴って、魚介類の需要はさらに拡大していくというふうに予測されているところであります。

 それにあわせまして、世界的には、水産資源を将来にわたって持続的に利用していくという観点から、例えば大西洋まぐろ類保存国際委員会、ICCATとか、いろいろな地域の漁業管理機関におきまして、漁獲枠を設定したり、保存管理措置を設定する、その遵守を図るための措置が講じられている、そのような状況になっているところでございます。

鷲尾委員 水産加工業にとっても必要な輸入資源もあわせて、もちろん国内の資源第一ですけれども、安定確保についても、しっかりときめ細かく対応していただきたいというふうに思います。

 ちょっとまた質問をかえますけれども、水産業の六次産業化の一環であると思っておりますが、HACCP導入につきまして。

 最近、消費者の、それこそ安全、安心、ああいう原発事故もありましたから、そうなんでしょうけれども、水産物についての安全、安心に対する関心というのも非常に高まってきているわけであります。

 幾つか論点があると思います。消費者の関心。それから、国内の需要が減少していますから、海外に輸出をしてその需要を補う、また、日本産の非常に良質なものを世界の人に提供するということもあろうかと思いますので、HACCPの導入というのに随分と取り組んできていると思います。

 この導入に当たってさまざまな問題点が指摘されているというふうに思います。特に中小規模の企業においては、導入に当たってかなり難しい点もあろうかと思っておりますので、今のその導入状況でありますとか、それから今後の課題、取り組みの方向性についてお聞かせいただきたいと思います。

本川政府参考人 HACCPの導入の状況でございますけれども、対アメリカ輸出用のHACCPとして二百五十二施設、対EUについては二十八施設、それから国内向けにつきましては二十五施設といったような認定の状況になっております。

 こういうような状況を踏まえて、私ども、厚生労働省と連携をいたしまして、地方自治体、関係業界を交えた連絡協議会を開催するとか、マニュアルを作成する、あるいは写真つきで事例紹介を申し上げる、あるいは、認定希望者の方には、例えば、特に対米の認定を受けておられる方でEUの認定を受けたいといったような方については、個別にマンツーマンで指導を申し上げるとか、そのような取り組みをやっております。

 それから、平成二十四年度の補正予算では、HACCP対応のための施設整備ということを推進するために、改修整備費用を二十五億円予算計上したところでありますし、それから、当初予算でも、こういうソフト的な、いろいろな講習会でありますとか技術指導、このようなことを行う、そのような施策を推進してきているところでございます。

鷲尾委員 この導入、かねがね厚労省との問題も言われているわけですけれども、これは厚労省を呼んでまた改めて聞かなきゃいけない問題かもしれませんが、特に、EUが随分、EU向けの認定がとれていない。アメリカがとれていてEUがとれていない、これは何でかというところをちょっと教えてもらいたいのと、農水省として、今、連携すると言っていますけれども、連携するというのは、もう前も、何度も言っていますので、もうちょっと突っ込んでお聞かせいただけませんか。

本川政府参考人 例えばEUにつきましては、倉庫の壁が木製、木であってはいけないとか、アメリカにはないような、やはり非常に厳しい、木でありますと水がしみ込んで、そこで衛生的に問題がある事態が生じるのではないかとか、そういったような御心配までされて、倉庫の壁とか天井を木からそれ以外のものに改修をしなければいかぬとか、そういったような、ハードルが高いということがあることは事実でございます。ただ、さはさりながら、一対十ぐらいの、こんなに大きな施設認定の開きがあるということについては、やはり先生御指摘のとおりだというふうに思っております。

 そういう御指摘も踏まえて、この一月に、水産庁と食品安全部で共同で、認識を一致させるためのペーパーも出させていただいて、説明会も現地で一緒にするといったようなことで、心を入れかえてそこはやっていけるようにしていきたいというふうに考えております。

 厚労省も、チェックのためのチェックではなくて、まさに施設認定のためのチェックをするというようなことでやっていただけるというふうにおっしゃっていただいておりますので、連携して進めていきたいと考えておるところでございます。

鷲尾委員 今長官が最後におっしゃった、チェックのためのチェックじゃだめなんですね。やはり、水産加工業として海外向けに取り組もうという、やる気のある人たちですから、ある意味、その人たちの困難を我々がサポートして、できる限り乗り越えさせてあげようという姿勢がないと、これはなかなかふえていかないと思いますね。ですから、そういった観点で、心を入れかえてというコメントもありましたので、多分今後も質問すると思います、入れかえたその状況はどうなのかと。ぜひ、前向きな取り組みを期待したいと思います。

 続きまして、水産加工業は加工残渣が残ります。これも、最近のエコでありますとかリサイクルという観点から、より利用促進をするということで、環境負荷を低減するということで、今回審議をされる法律にも、本法の改正で水産加工資金の対象となり、それで五年たっているわけでありますけれども、そういった水産加工残渣の処理とか利活用という部分でどういった実績があるのかとか、そういった実績を踏まえてこれを改正というか延長するわけですから、今後どういった取り組みが見込めるのかということについてもお聞かせください。

本川政府参考人 まさに、魚を加工しますと骨なり残渣が出てくることは事実でございます。それを有効活用するということは加工業の方々にとって非常に重要な課題であるというふうに考えております。

 ただ、残念ながら、平成二十三年度で二百九十三万トンの廃棄物が生じているところで、実際に魚粉とか魚油に再資源化されたものは八十四万トン、残り二百九万トンは焼却したり廃棄されているといったような実態にあります。

 これを有効利用していくということは、加工業者の方にとっても非常に重要な課題でありますし、一方で、養魚用の飼料を使う養殖業者の方にとっても、こういうものを国産で有効利用できれば非常にいいことになるんだろうというふうに思っております。

 こういうことを踏まえて、前回の改正の際に、水産加工残渣を利用した非食用の水産加工品を製造するための施設というのを加工資金の融資対象にお加えいただいたということでありまして、引き続き、水産加工業界におけるそういうリサイクル・環境対策を講ずる資金でありますとか、そういうものを利用して進めてまいりたいと考えているところでございます。

鷲尾委員 ちょっと今、お話を聞く限りでは残念だなと思っております。取り組みの状況が方向性として間違っているというわけじゃないと思いますけれども、今長官がおっしゃったような数字が実際に積み上がっていくということを我々は期待したいと思います。

 それから、今、水産加工資金の話を少ししましたので、それに関連しまして、残渣の利用についてお聞きをしたところでありますけれども、全般として、水産加工資金が震災の復旧復興にも大変貢献しているという話も聞いております。

 この水産加工資金が今、残渣の利活用ということだけではなくて、どのように利用されてきているのか、全般的な状況、そして復旧復興という観点の状況も踏まえまして、状況をお聞かせください。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきます。

 東日本大震災により被災した水産加工業者が水産加工施設の復旧復興のために本資金を活用している状況について、具体的には、水産業共同利用施設復旧整備事業等の各種補助事業を利用する際の補助残の借り入れに充てられている例が多うございます。

 現在、被災地における本資金が予算措置により無利子化されていることから、自己資金とあわせて積極的な設備投資を行うといった形で利用されております。

 現在、公庫の窓口で相談、審査中の案件も相当数あり、平成二十五年度当初から、気仙沼、石巻、塩竈等の被災地を中心に、今後とも水産加工業者の経営再建に活用されるものと認識をしております。

 二十四年度末、二十件の実績を持っております。

 以上です。

鷲尾委員 利用されておるし、実績もあるというこの水産加工資金でありますけれども、これは毎度質問にあると思うんですけれども、五年間の延長ということでやっていますけれども、恒久化してもいいんじゃないかなと思うんです、これだけ意義があるものですから、重要な役割がありますので。これは単純に五年間延長となっている。当初の趣旨はわかりますよ。国際的な環境の変化というのもあったんでしょう。でも、これだけ続いていますと、いいかげん恒久化して、水産加工業に携わる方々の安心としても、それから、国民向けに我々はこれは基幹産業として重要な位置づけなんだということをアピールする意味でも、恒久化してもいいんじゃないかと思いますけれども、その点、いかがですか。

林国務大臣 今委員からお話がありましたように、もともと昭和五十二年に創設しましたときは、二百海里水域の設定に伴って加工品の原材料供給というのがかなり変化したということで、スケトウダラ等の北洋魚種からイワシ、サバ等の近海で漁獲される魚種への転換、こういうことがあったわけですね。それで始まったわけです。

 この五年間の延長というのは、実は、貸付対象となる魚種、地域を限定して、一般的にある食品製造業向けの公庫資金よりも低い貸付利率を取るということをやって、ある意味では、少し深掘りをするという措置になっておりますので、その深掘りをするところが臨時であるというところとセットになっている、こういうことでございまして、したがって、その深掘りの有利な貸し付け条件をとるために臨時措置法という形をとっているということでございます。したがって、今回も法律の期限を延長するという形でこの国会に提出させていただいた、こういうことでございます。

 今後は、委員が御指摘のように、もうずっとこれで五十二年以来やっているわけですから、そういうことも将来の検討課題としてはあり得るのかなというふうにも思っております。

鷲尾委員 実務的なところもあろうかと思いますけれども、ぜひ、力強くアピールするためにも、恒久化も前向きに検討していただきたいというふうに思うところであります。

 質問をかえたいと思います。

 水産関連ということで、きょうは、我が国の調査捕鯨のあり方について議論をさせていただきたいなというふうに思っております。

 報道によれば、林大臣も、日本の捕鯨について諸外国の理解を求めるということで、フランスのAFPのインタビューを通じて、しっかりと日本の立場を主張されているということもお聞きをいたしているところであります。

 ちょっとその大臣の取材のコメントを読ませていただきますと、日本における捕鯨の歴史は長く、周辺を海に囲まれている島国である日本にとって、海から良質なたんぱく質をとることは食の安全においても極めて重要であると説明し、韓国は犬の肉を食べ、オーストラリアではカンガルーを食べる、それが彼らの文化、伝統習慣であると理解しているから、誰もそれを阻止したりしない、捕鯨も長きにわたり受け継がれてきた日本の伝統文化であり、どうか我々の文化を理解してほしいと伝えたいという記事なんです。いいことを言うなと思っております。

 私も伝統を尊重する立場の人間でありますから、捕鯨に関しても、ちょっと調べたところによると、天武天皇四年の、六七五年だそうです、肉食を禁止する詔にまでさかのぼるんだそうです。これはもう千三百年以上の文化ですから、物すごい伝統であるというふうに思っておりますので、我が国固有の食文化であると言えると思います。

 そういった意味で、鯨は大変重要だと私は思っているんです。思っているんですけれども、一方で、この調査捕鯨に対して、とんでもない環境テロリストがいるわけでありまして、暴力行為であります。これは毅然とした対応を国際社会にとっていただきたいんですが、それでも資金を提供する人たちもいるわけです。

 それに対して、我々としては、毅然として対処していただきたいと思っておりますし、その取り組みは全面的に支持をしたいと思っておりますし、それこそ、IWCの中で、我々、商業捕鯨モラトリアムによって困窮している地域があるわけですから、網走だとか、宮城の鮎川ですとか、全国各地に幾つかありますけれども、そういった地域の保護だとか維持にはやはり一定程度の配慮が必要であるというふうに思っております。思っておりますが、先ほど大臣から、魚介類の消費という部分でも随分と減ってきているんだという話がありました。

 私も鯨については思い入れがありますけれども、漁業政策全般から、そして、調査捕鯨にも随分とお金をかけていますけれども、この随分とお金をかけ続けているということを全体の政策の中から一度考える必要もあると思うんです。そういった観点で質問したいと思います。

 まず、鯨類捕獲調査の政策的な趣旨を政府から答弁いただきたいと思います。

林国務大臣 ありがとうございます。

 まさに、私、地元が下関ということで、今、改めて委員のプロフィールを拝見したら、ちょうどこの法案ができた昭和五十二年にお生まれになっているということで、もしかしたら御存じないかなと思ったんですが、我々の世代は、大洋ホエールズという球団がございまして……(鷲尾委員「知っています」と呼ぶ)御存じですか。まさに大洋漁業の本店が下関にあって、ホエールズという球団まであった、そういうことでございます。

 しかし、今委員がおっしゃっていただいたように、さかのぼれば六七五年までさかのぼる。さらに言いますと、ペリーが来航したのも、実は捕鯨の基地を求めてやってきた。その先に中国にいろいろな足がかりという隠れた意図もあったんでしょうが、少なくとも、歴史上は捕鯨基地を探しに来たということでございますから、長い間の歴史のある話でございます。

 まさに、今委員がおっしゃっていただいたように、私も取材でも申し上げましたが、これだけ海に囲まれている我々としては、海からたんぱく質を持続的にとらなければいけない、このことが大事である、こういうふうに思っております。

 IWCの中で頑張るということを、私も何度も行きましたけれども、非常にフラストレーションのたまる会議でありますけれども、そこできちっと堂々と主張して、今お話のあった、モラトリアム撤回をかち取っていく、このために必要な科学的知見を収集するということで、調査捕鯨を実施してきたところでございます。

 平成二十年の四月でございますが、衆参の農林水産委員会でも、これを継続実施すること、また、調査が円滑に実施されるような必要な財政措置を講ずるという決議をいただいておりますので、商業捕鯨の再開を目指してしっかりと頑張ってまいりたいというふうに思っております。

鷲尾委員 持続可能な商業捕鯨を再開するために調査捕鯨をされているということであります。

 国が許可をして民間が行うというスキームになっておりますけれども、鯨類研究所、これが最近、鯨肉の販売不振、在庫の増加で、これも随分報道されていますけれども、昨年、初めて債務超過になっているというふうに報道されております。

 私も財務諸表を確認してみたんですけれども、平成二十二年度末が約八億七千二百万ぐらいの赤字でありまして、二十三年度末は回復をしておりますけれども、こういった傾向は否めないわけであります。

 大臣のところに要請があると思いますけれども、調査捕鯨による赤字の累増という事態に対しまして、これを国の事業に全面的に変えるべきだ、国が許可して民間がやるというのじゃなくて、国の事業に全面的に変えるべきだという要望があるわけであります。

 ここで、私は質問したいわけです。

 というのは、国の事業化というのは、一方で、やはり税金の垂れ流しになると思うんですね。税金の垂れ流しということを、ある意味、国が事業としてやってしまうということは、商業捕鯨がビジネスとして成り立つことが逆にもう見込めなくて民間から国が引き取るということの証拠にもなりかねないような状況だと思っております。そもそも、商業捕鯨再開のために調査事業をやるという趣旨にも反しかねないことだと思います。

 ですから、南極海における調査捕鯨の国の事業化要請について、大臣がどうお考えなのかということをぜひお聞きしたい。これは、冒頭から申し上げているとおり、伝統的な鯨文化云々の話とはまた違います。税金の使い道という観点からお願いします。

林国務大臣 ありがとうございます。

 今のお話をお聞きしていて、捕鯨をして、魚食、鯨を食べる文化、それに対しての強い思いを御披露いただいて、大変ありがたいな、こう思って聞いておりました。

 調査捕鯨というのは、これを国でもしやったとすると商業捕鯨そのものも国になるというようなところが、ああ、なるほどなと思ってお聞きしたんですが、調査捕鯨に行きますと、見つかっても全部とらないんですね。何頭かいて、これは科学的な調査捕鯨なので、資源量を、要するにどれぐらいあるかというのを調査するということですから。これが商業捕鯨になりますと、今の日新丸みたいな一台で行くんじゃなくて、船団を組んで行って、これは当然、利用可能な資源の範囲内でということになるんでしょうけれども、まさに一番利益が上がる形でやっていく。そこが今の調査捕鯨とはかなり違っております。

 調査捕鯨は、あくまでも条約に基づいて、先ほど申し上げましたように、科学的知見を得るためにやっているものということですから、私はむしろ、これは正々堂々と国の事業だというふうにやって、そして、鯨類研究所の財政状況を一つずつ毎年心配するのではなくて、やはり国の事業としてやることによって、早くIWCにおいて商業捕鯨を再開する。

 これを国でやったからといって、さっき申し上げたように、全くやり方も違いますので、モラトリアムが撤廃されればちゃんと商業ベースでやるということは、当然、全く違ったこととして成り立っていく、こういうふうに思いますので、そこの部分は委員の御懸念は当たらないのではないかと私は思っております。

鷲尾委員 国が積極的に引き取るべきという御見解だと思いますけれども、そうしますと、毎年赤字が出ても、その赤字が実際、効率的な調査の結果の赤字なのかどうかとか、そういったチェックも本当に働くのかなと私は思います。税金の効率的な運用ということを考えても、本当に国が引き取っていいのかなと私は思っています。

 それにさらに加えまして、今、商業捕鯨につなげたいという話を大臣はおっしゃっていましたけれども、商業捕鯨につなげるというのは、一言で言いますけれども、そう簡単な話じゃないと思います。

 というのは、大手の水産加工業者も、やはり捕鯨事業からある意味撤退している側面もあるわけですね。それは国際的な非難もあるでしょうし、実際に、私は、鯨に思い入れはありますけれども、何回か食べたことはありますけれども、そんなにすごく食べているわけじゃありません。周りの同年代に聞いても、食べたことないよという方もいらっしゃいます。

 水産庁が今、魚食文化、消費拡大、やるぞやるぞと言っても、どんどん魚食は下がってきているという状況の中で、では、鯨をどうやって市場に、商業捕鯨としてちゃんとビジネスとして成り立つように、どういった対策を打つのかということもちゃんと言ってもらわないと、調査捕鯨を国でやります、これは商業捕鯨をやりますから、つなげますから大丈夫です、私はその説明ではとても納得できないわけですね。

 そこのビジョンなり、もうちょっと細かく、では、鯨の消費拡大をどうしていくんですかという道筋までしっかりとしなければ、国の事業化というのは、私はそう簡単に賛成できません。お願いします。

林国務大臣 そこは我が党で、私は実は捕鯨議員連盟の幹事長というのを長い間やっておりまして、中でも随分議論をしたんですね。

 まさに今のところが調査捕鯨をどうするかというところとかかわってきておりますのは、今、国営で、国の事業としてやっていないので、実際にはどうしているかというと、副産物ということで、持ってきたものを売っていますね。これで賄わなきゃいけないということになっておりますので、非常に高くなっちゃっているわけですね。

 だから、私は、条約上の義務として行くんだから、むしろこれはちゃんと国でやる。したがって、副産物収入は、これは商業捕鯨ではなくてまさに副産物なんですから、そういうことになれば、価格をもう少し安く出すということにもつながっていく。

 我々がまさに小学校のときの給食で食べたり、そのときは鯨の缶詰とかいろいろあったんですね。あのときの値段と今のものが余りにかけ離れてしまっているということもあって、多分、先生のような世代の皆さんは、もう食べない、モラトリアムの後に給食の世代になっておられるので、このままいくとだんだんだんだん先細りになるということでありますので、まさに、逆に言えば、国の事業にして、副産物をもう少し安くやっていただいて。

 食べ方をいろいろ工夫しますと、例えばエージングなんということをやると大変おいしいわけですので、今度、一度よろしかったらごちそうさせていただきたいと思いますけれども、ぜひ食べていただいて、これは良質なたんぱく質で、かつ、正確に言うと哺乳類ですから、魚類ではないんですが、やはり水産物という中では非常に可能性はあるんではないかというふうに私は思っております。

鷲尾委員 時間がなくなりましたので終わりますけれども、今の大臣のお話の中でも、安くなれば売れるという前提なんですよ。安くなれば売れるんですか。そのことは申し上げておきたいと思いますが、実際、大臣がお食べになっているようなおいしい鯨を一度ぜひ私も御一緒させていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

森山委員長 次に、高橋みほ君。

高橋(み)委員 北海道選出、日本維新の会の高橋みほでございます。

 火曜日に引き続きまして質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 きょうは、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の内容に関しましての質問、攻めの農林水産業の中で、攻めの水産業として、水産庁としてどのように水産加工業を強化していこうと考えているかという質問、そして最後に、水産加工業で働く外国人研修・技能実習生の待遇に関する質問をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それではまず、本措置法における長期低利資金の貸付業務に関しまして、返済は滞りなく行われているんでしょうか。貸し出しの中で、いわゆる不良債権化している債権の割合はいかほどになるかというのをお教えください。

本川政府参考人 平成二十三年度におきます水産加工資金について、三カ月延滞をしているといったような件数を調べておりますが、それを申し上げますと、貸付残高件数が三百二十九件でございますけれども、そのうち十四件ということになっております。

 ただ、これらに対しましては、三カ月延滞が生じた段階で、条件変更などの対応を適切に行っているというような状況でございます。

 こうした取り組みによりまして、平成十四年度から二十三年度までの十年間の貸付実績三百四十件、四百四億円に対しまして、いわゆる貸し倒れになった件数につきましては、わずか四件、九千万円ということになっておる、そんな状況でございます。

高橋(み)委員 わかりました。

 それでは、この措置法における資金を借りていた企業で、震災によって返済がおくれている場合などはあるんでしょうか。もしあるのでしたら、さらに低利にしたり、償還期限を延ばすことなどは考えていらっしゃるんですか。お教えください。

本川政府参考人 残念ながら、東日本大震災の影響によって経営を悪化された方がやはりおられまして、こういう方々に対しましては、我々も金融機関にお願いをして、条件変更などによって柔軟に対応していただいているという状況でございます。

 平成二十年度から二十三年度までの貸し付けを行った水産加工資金の融資実績百十五件のうち、二十三年度において、東日本大震災を含む災害関係の条件変更措置を行った件数は、そのうち十九件ということになっておる状況でございます。

高橋(み)委員 本当に東北地方の方たちは大変だと思いますので、できる限りのことをしてあげていただければと思っております。

 それでは、少しかわりますが、平成二十五年度から対象魚種を二十種から二十七種にふやすとしておりますが、さらなる対象魚種の拡大は必要ではないんでしょうか。お答えください。

本川政府参考人 対象魚種につきましては、今御指摘のような柔軟な対応が必要でもあるということでございますので、この法律の中に書き込むという形ではなくて、政令で指定するというような、弾力的に規定できるような仕組みにもしております。

 我々、関係業界の方々の意見を聞きながら、どのような魚種が必要かということを考えていきたいと思っておりますし、今回は、一定の地域の特産魚種のようなものを追加するとか、柔軟かつ弾力的な対応をしてまいりたいと考えておるところでございます。

高橋(み)委員 柔軟な対応をしていただいているということなんですけれども、水産業の、この場合は特に対象魚種を限る必要性は余りないかと思いますので、もう少し、本当に限らずにという方向でいかれた方がいいのではないかと私は思っております。

 それで、今御答弁をいただいた感じでは、とてもすばらしい制度であるということをおっしゃっているように私にはうかがえるんです。しかしながら、先ほどからも伺っておりますが、二十四年度は、金額にして六十八億、件数は三十二件ということですので、すばらしいにもかかわらず、余り件数がないんじゃないかというのが私の率直な考えなんですけれども、より多くの需要というのはないのでしょうか。そこをお答えください。

本川政府参考人 確かに、最近の実績を見ていただきますと、今御指摘のあったような数字でございますが、いわゆる被災地の方々がこの資金を多く御利用いただいているといったような状況にあります。

 この五年間を見ますれば、やはり、リーマン・ショック以降の景気の落ち込みでありますとか、特に最近、やはり福島の原発の事故がありまして、水産物あるいは水産加工品も含めて消費者の方々のいろいろな御不安があった、その動向を加工業者の方々もやはり慎重に判断をしようと見きわめていたということで、最近、被災地以外の実績が少し落ちているといったような状況ではないかと私どもは分析をしております。

 ただ、先ほど鷲尾先生の御質問にもあったように、今後やはり消費が伸びていく、そういう中で、水産加工業につきましては、そういう需要に応じて対応していくということでございますので、そういうような中で、やはり水産加工資金については、これからいろいろな需要が高まっていくのではないかというふうに期待しているところでございます。

高橋(み)委員 ありがとうございました。

 それでは次に、この法案からは少し離れますが、今回は、攻めの農林水産業という枠組みの中で、我が国における水産加工業の強みは何でしょうか。技術力、価格競争力など、いろいろあるとは思いますけれども、我が国の水産加工業における一番の強みは何だと考えているのか、大臣、お答えください。

林国務大臣 いろいろあると思いますけれども、やはり、一つは日本食そのものの強さというものがあるのではないか、こういうふうに思っております。

 この間もここで申し上げたかもしれませんが、ジェトロさんが調査をしていただきまして、アジアそれからアメリカも入っていたと思いますが、十一カ国で、海外の料理で何が一番食べたいか、こういうことを聞いたら、アメリカを除く十カ国では日本食がトップに入っております。その中で、御三家と言われているのは、すし、てんぷら、焼き鳥ということで、おすしというのはもう世界じゅうで好まれているということで、やはり、日本の水産物というものが、こういう日本食という強みが一つあるということ。

 それから、それに少しかかわりますが、実は、我々は当たり前のようにおすし屋に行っておすしを食べているのでございますけれども、市場へ揚げて、そこから流通をして、それがおすし屋のカウンターに行くまで、あれだけの鮮度が保たれていて、そしてそれが本当においしい形で提供される。海外で時々、お土産を買いに水産物の市場なんかへ行ったりしますと、日本の築地なんかにはないような、やはりちょっと鮮度が落ちているかなというようなにおいがするわけですね。

 ですから、やはりそういうことが、浜からおすし屋さんに至るまで、全員の努力によって鮮度が保たれて、そして食に供されているというところも非常に大きな強みなのではないかな、こういうふうに思っておりまして、今まで持っておりますそういう強みをしっかり生かして、今後もまだまだ伸びる余地があるところを伸ばすための攻めの水産業ということを展開してまいりたい、こういうふうに思っております。

高橋(み)委員 鮮度を保つ技術というのはやはり日本はすばらしいということを伺っていますので、その強みを発揮していただければと思うんですけれども、日本の水産業の強みというのが日本食というのは、すしというのは、今は私の口には、余り日本の魚というのは入らなくなって、外国から持ってきたようなお魚しか入らなくなっているので、水産業の本当の、これから日本が頑張っていくというのはかなり難しいんじゃないかというのが実は私の印象です。

 ただ、安倍総理初め、攻めの農林水産業ということをおっしゃっているんですけれども、それでは、水産庁はどのように水産加工業を強化していこうと考えているのか、それをちょっと教えていただければと思っております。

本川政府参考人 まさに今大臣にお答えいただいたように、日本の水産加工業については、まさに地域を支える基幹的な産業としてやっておりますし、それから加工業ということで見ますれば、やはり練り製品、薫製、削り節、干物など、非常に多種多様な、付加価値の高い、安全、安心な加工品を国民に提供していただいているといったようなこと、豊かな食生活の形成に寄与している、こういったようなことが基本的な性格としてあるんではないかというふうに思っております。

 そういうふうなものを生かしてこれから発展をしていく、そういう中で、やはり私ども一番注目しておりますのが、攻めの水産業ということで、大臣から御指示をいただいておりますけれども、水産業について輸出促進を図っていく、こういうことが重要ではないかというふうに考えております。加工業者の方々に、海外に目を向けて、先ほども議論がございましたが、HACCPの認定をとっていただいて海外に輸出をしていただく、そのようなことで体質を強化して、さらに業容を大きくしていただく、そのようなことを考えていきたいというふうに思っているところでございます。

高橋(み)委員 輸出を図るというのは、前々から言われて、政府としても頑張ってこられたところではあるとは思うんですけれども、できましたら、もう少し具体的な御答弁をいただければありがたいと今思いました。

 それでは、次の質問に移りたいと思っております。

 今月十四日、広島県江田島市におきまして、カキの養殖加工業者の社長さんら八人が殺傷されるという痛ましい事件が起きました。まだ裁判が始まっていませんので動機などはわからないんですけれども、容疑者の方は中国からいらっしゃった研修・技能実習生だということです。

 ここにお集まりの諸先生方はよく御存じだとは思うんですけれども、研修・技能実習制度というのは、開発途上国などでの経済発展、産業振興の担い手となる人材の育成を行うために、先進国の進んだ技術、知識を習得させ、諸外国の青壮年労働者を一定期間、産業界に受け入れて、産業上の技能等を習得してもらうという仕組みです。この制度は、我が国の国際協力、国際貢献の重要な一翼を担うとされています。

 しかしながら、皆さんよく御存じのように、実際には実習という名前をかりての安価な単純労働者として使われているのではないかとかねがね言われており、以前から問題視されていたところではあります。

 そこでまず、水産加工業におきまして何人の研修・技能実習生が日本で働いているのか、お答えください。

内田政府参考人 実習生についてのお尋ねでございますが、法務省の入国管理統計によりますと、技能実習生全体では約十四万人の方がいらっしゃいます。

 ただ、水産加工関連施設で働く技能実習生等については、私どもで把握しておりますのは、毎年約四千人が入国されているというふうに承知しております。

高橋(み)委員 それでは、先ほど述べました目的に照らしまして、水産加工業におきましてどのような高度な技能を学んでいらっしゃるのか教えてください。

本川政府参考人 水産加工業において、やはり商品をつくるということで、いろいろなプロセスがございます。その中で、例えばどのような形で魚をさばくのだとか、あるいはそれをどのように、例えば骨をやわらかくするのであれば、どのような形で技術的にやるとか、それはいろいろな加工業の対応において使われている技術が異なってまいると思いますので、それぞれそういう新しい技術を実際にどのように運用するのかといったようなことを研修いただいているというふうに私どもは認識をしております。

高橋(み)委員 私が聞いたり見たりしている限りでは、カキをただ単純にむいていたりとか、そのような本当に単純労働をされているというような印象がございますけれども、実際に把握されていることと実際はかなり違うんじゃないかというふうに思っております。

 では、その方たちの平均の研修手当や賃金は幾らになるんでしょうか。お答えください。

内田政府参考人 技能実習は、先生御指摘のとおり、技能移転を目的としておりますけれども、ただ、実習生が適正な労働環境で技能実習できるように、例えば最低賃金法等の労働関係法令が適用されてございます。

 したがいまして、賃金等につきましては、最低賃金等以上の賃金ということになります。

高橋(み)委員 研修手当というのはちょっと違うんじゃないかとは思うんですけれども。

 その研修・技能実習生というのは、日本語を話してコミュニケーションをとれるというふうに考えてもよろしいのでしょうか。

内田政府参考人 技能実習生には日本語の研修というのも義務づけられておりますので、ある程度のコミュニケーションはとれるという前提でございます。

高橋(み)委員 それはどのくらいの期間の研修なんでしょうか。お答えください。

森山委員長 しばらくお待ちください。

内田政府参考人 法務省令で定められておりますが、百六十時間以上の講習が義務づけられているということでございます。

高橋(み)委員 百六十時間というのは、実際、とても少ない。それで日本語がしゃべれるようになって、コミュニケーションをとるということは、ほとんど難しいのではないかと思っております。

 もし、私が言葉も話せないような外国において企業で働く立場になった場合、自国の人と話したり、そしてまた待遇の改善を訴えたり、また地域の人と交流を持ったりするということが本当に大切なことだと思うんですけれども、現在は、実際、地域の人と話すことを禁じているようなこともあるんじゃないかというようなことも実は言われています。

 そこで、現在の研修・技能実習制度におきまして、理不尽なストレスがあるような環境にはないと言えるのか、大臣、お答えください。

林国務大臣 あらかじめ御通告がなかったものですから、今のやりとりを聞いておりまして、百六十時間というのは、あくまでここへ来るときの最低限の研修ということで。私も、留学をいたしたときに、向こうの大学の英語のリクワイアメントというのがあるんですが、やはり技能実習しにいこうというときに、みずからその百六十時間の外でいろいろな努力はそれぞれされるということもあるのかなというふうに今聞いておりました。

 それから、今ちょっと委員から御指摘がありました、周りの人と接触することを妨げるようなことがあるという御指摘がありましたが、そういうところは、水産庁で調べられるところは、またきちっとそういう何か制限があるのかどうか調べてみたいと思いますし、一義的には、今厚労省の方がお見えになっておられますが、制度全体としては厚労省の方できちっと対応して、その詳細については後ほど委員にお知らせするべきことかな、こういうふうに思っております。

高橋(み)委員 この件に関しましては詳しく通告はしていると思うんですけれども。理不尽なストレスがあった、あるのではないかというのは、誰が見ても思われることが多いかとは思うんですけれども。

 この制度の本来の趣旨は冒頭に述べましたが、高度な技術を母国に伝え、それを生かしているのか、その国はそれによって発展しているのか、その調査をしているのか、お答えください。

内田政府参考人 発展に寄与しているかということでございますけれども、私どもで技能実習生に対してアンケート調査を実施してございます。その結果で、実習生で目標を達成できたというふうに考えておられるのが九割以上、九六%の方がいらっしゃいます。また、帰国後にその技術が役に立ったとおっしゃっている方も、技能実習生、回答された方の八割弱の方がそういうことを言っておられますので、技能実習は一定の成果を上げているものと考えてございます。

高橋(み)委員 そのアンケートがどのような母集団で全員にやっているのか、ちょっと疑問なところではございますけれども、この制度が、発展途上国に対して技術がきちんと移転されているのか、そして、これからこのような、本当に必要ならば、研修の名をかりた低賃金の労働者の受け入れのための制度にきちんとしていくか、そのような議論をしていただきたい、私はそう思っております。

 どうもありがとうございました。

森山委員長 次に、桜内文城君。

桜内委員 日本維新の会の桜内文城です。

 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の改正案について御質問させていただきます。

 水産業に関しましては、こういった政府による制度金融といいますか、金融的な措置というものが大変重要な役割を占めていると考えます。

 改めて確認させていただきたいんですけれども、これは臨時措置法であります。五年ごとにこれまで改正を重ねてきたんですけれども、当初の法律の趣旨としていたところと、それから、いろいろな時代の変遷に伴って変わってきたところと、まず、おさらいのために御説明をお願いいたします。

林国務大臣 先ほど鷲尾委員とのやりとりでもお話をしましたが、最初、昭和五十二年にスタートしたとき、これは二百海里水域の設定に伴って原料調達が困難になる水産加工業者を対象に、スケトウダラ等の北洋魚種からイワシ、サバ等の近海で漁獲される魚種への原材料の転換を急速に進めるために、水産加工品の製造、加工施設の整備に必要な長期の資金を、当時の農林漁業金融公庫、今は日本政策金融公庫ということですが、ここから貸し付けることを目的に創設をされたということでございます。

 その後の推移というのは、五年ごとに延長する中で、いろいろなものを追加したり、もしくは外れていったものもあると思いますが、五年ごとの延長でことしを迎えた、そういうことだと思います。

桜内委員 おっしゃるとおりなんですけれども、もともとは、二百海里の関係であるとか、そういった大きな変動に応じてなんです。

 また、私は地元が愛媛県の宇和島ですので、じゃこてんですとか、とにかく、水産加工業というのは大変盛んなところでもありますので、大変ありがたい制度だとも思うんです。

 一貫して、ひとつ、これもまた確認なんですけれども、この法律の名称のとおり、施設改良というふうにありますけれども、基本的には設備投資に関するものだと考えてよろしいんでしょうか。

 貸付対象となる事業といたしまして、新製品、新技術の研究開発という文言ですとか、あるいは業務の共同化や合併という文言もあります。それから、非食用の水産加工品、これは飼料用の魚粉等というふうな書き方もあるんですけれども、食用以外のものまで広げていった経緯。

 あるいは、これはちょっと微妙なところもあるんですね。ちょっと細かい話で、大臣に聞くのも恐縮なんですけれども、うちの田舎とか、真珠の養殖が大変盛んです。母貝の養殖の場合、これまでは余り食用にもしていなかったんですけれども、貝柱を今は食用として売り出したりしておりまして、そういったところも対象に拡大していっているのか否か。実は質問通告の際に、水産庁の方にお聞きしていたんですが、余り答えが判然としなかったものですから、こんなことを大臣に聞くのもなんですけれども、どうなっているのかなというのを教えていただければと思います。

林国務大臣 また後で、しっかりと事務方にも必要があれば説明に行かせますが、真珠の加工は一応対象外ということでございます。

 これは、大量にとれる魚の有効活用というのが一つ制度の趣旨に入っているということでございますので、今ちょっとお触れになったかもしれませんが、非食用加工というのは水産加工残渣ということで線を引いた、こういうことだと思います。

桜内委員 ありがとうございます。細かい点は、また、追って確認をしたいと思います。

 水産加工業に関する融資制度はこのぐらいしかないということでもあります。私は、この法案自体というわけじゃないんですけれども、ちょっと話を拡大させていただきたいんです。

 こういった漁業、水産業全体に関して、特に設備投資資金というのは、もちろん財投資金を活用している以上、こういった旧農林公庫のお金の使い道として正しいやり方だとは思うんですけれども、実際のところ、現実の水産業者の御意見とか伺っておりますと、運転資金といいますか、短期の資金繰りについて、信用金庫であるとか、地銀であるとか、そういった審査の能力がなかなかないということもあって、大変お困りのところが多いと聞いております。

 これは旧農林公庫の資金ですので、こういった設備投資に限定するというのは一つ筋は通っていると思うんですけれども、それ以外のところで運転資金の手当て等をどのようにお考えになっているのか、お聞かせください。

林国務大臣 先生も財務省におられたということで、そこのデマケのところは御存じの上でというふうにおっしゃっていただいたんですが、まさに設備投資をやるという主な目的ということがございます。

 まさに、その整理では、運転資金というのは、今お話のあった民間資金で一応役割分担をしよう、こういうことが原則としてあるわけです。

 一方、水産加工の皆さんが、今お話があったように、民間金融機関から運転資金の借り入れを行う場合に、都道府県が利子助成を行うという意味で、水産加工経営改善促進資金、こういうものがありますので、その活用をしていただく。また、その活用をできますよという周知をしていくという必要があると思っております。

桜内委員 ありがとうございます。

 もちろん、旧農林公庫といいますか、今の日本政策金融公庫であれば、大臣の所管の政府関係機関として、がっちりと指導していただきたいところなんですが、これ以外で水産業に関して重要な役割を果たしておりますのが、いわゆる系統資金といいますか、信漁連ですとか漁協なりの果たす役割はやはり大変大きいと思っております。

 ただ、これはよくよく見ておりますと、漁業近代化資金というのが確かに一定の役割を果たしていると思うんですけれども、これが果たして十分なのかという疑問を抱いております。

 特に、うちの地元のことばかり話して恐縮ではありますけれども、養殖ということで考えていけば、養殖というのは、ちょっと特殊な業態といいますか、通常の工業とか製造業と比較しても、やや特異な特徴を有しております。

 というのは、生けすですとか、その他結構大きな設備投資資金ももちろん要るんですけれども、それに加えて、大変大量の仕掛かり品といいますか、養殖の魚、ここに、仕掛かり品の魚が負っているリスクというのも大変大きいわけです。もちろん、赤潮が発生するですとか、あるいは実際に出荷する時期に達したときに魚価が大変下がっているとか、そういった市況の影響ももちろん受けます。リスクも高い上に、仕掛かり品という意味でいえば、例えば魚を仕掛かり品として保有していれば、当然、餌代はかかります。これが小さな業者でも数千万円の規模で毎月かかっておりまして、そういった意味での運転資金、仕掛かり品を維持して、これを最終的な製品なりとして市場に送っていくまでの間のつなぎの資金の手当てというのは非常に手薄なんじゃないかなという意識を私は持っております。

 その点、今ある漁業近代化資金の方で本当に手当てが十分できているのか、あるいは、今後どういうふうに改善していくべきなのか、大臣の御所見をお伺いいたします。

林国務大臣 今委員がおっしゃったように、養殖というのは、漁業で、とりに行ってとるものと大分違いまして、今まさにおっしゃったように、仕掛かり品があって、そこに餌もやらなきゃいけない。だから、言ってみれば、漁業というよりも、そのリスクとかいろいろな負担を考えますと、畜産みたいなところに近いのかな。したがって、そういう手当てを政策的にもしていく必要がある、こういうふうに、私も同感でございます。

 今御指摘のあった漁業近代化資金ですが、資金の用途としては、もちろん、漁船の改造、建造または取得というのもあるんですが、もう一つ、漁具それから養殖施設、ここに種苗や飼料も含めて対象ということにしておりますので、この活用また周知をそういう意味からも徹底してまいる必要がある、こういうふうに思っております。

桜内委員 一般的といいますか、大きな話としては今大臣がおっしゃられたとおりだと思うんですけれども、実際に水産業に携わっている現場の方々の御意見等を聞くと、もう本当に大変な思いで日々資金繰りをやられていらっしゃる。

 ここ一、二年はタイの魚価が結構よかったそうなので、タイに魚種を転換したところは、それなりに設備投資も続けられるし、これから、むしろ販路の拡大といいますか、よく六次産業化というふうに言われますけれども、直接東京の小売店なりに対する販路を開拓して、しっかりと価格を維持しながら売っていくという工夫ができる余力のあるところも一方であります。

 ただ、逆に言うと、これはもちろん経営判断ということではあるんですけれども、ハマチですとかブリですとか、たまたま、何か去年とかは日本海の側で天然のハマチなりが大変たくさん予想外にとれたということで、天然物の価格が暴落いたしまして、それで、これまで餌代をかけて、設備投資もして、仕掛かり品として育ててきたハマチなりを、もうこれは売るに売れない、赤字覚悟で出荷するかという話なわけですよ。

 そうしますと、赤字覚悟で出荷しますと、それなりの売り上げはありますけれども、もちろんこれは赤字でありますし、また、もしかしたら、時期が変われば価格が上がるかもしれないということで、ちょっと持ちこたえようと思ったとしても、先ほど申したように、餌代が、今は円安ということもあって徐々に上がってきているそうなんですけれども、この負担が月に三千万円なり四千万円、中小の事業者でこのぐらいのつなぎ資金といいますか運転資金が必要になってきて、本当に逼迫しているのが現状であります。

 一方で、林大臣も御承知のとおり、一般の金融機関、信用金庫であるとかあるいは地銀であるとか、これまでそういった、銀行のビジネスモデルといたしましては、地銀といえども土地を担保にお金を貸していく。これは別に水産業に限りませんけれども、いろいろな業態で事業計画を判断して、それでもって貸し出しを行っていく、そういうふうなビジネスモデルにまだまだ全然転換できていないんですね。特に、地方の信金であるとか地銀であるというのは、そういう意味で、なかなかこれまでのような貸し付けの行動を変えることができない。

 そういった中で、特にこういった運転資金、資金繰りをどうつけてあげるのか。もちろん、最終的には魚種の転換を図っていくですとか、先ほど申したように、経営者の努力でもって魚価をしっかりととっていく。高く維持していくために、みずから販路を開拓していく。単に築地市場に漁協を通じて卸していくだけじゃなくて、そういった努力というのはもちろん必要なんですけれども、ただ、置かれた状況というのを考えますと、運転資金のぽっこりあいた穴があるんですね。

 民間の金融機関も、これまでの貸し付けの行動のパターン、融資の審査のパターンからすると、なかなか手当てできない。一方で、旧農林公庫といいますか日本政策金融公庫の貸し付けも、長期の設備投資資金に偏っている。

 そういう中で、漁業近代化資金では、先ほど御指摘いただきましたように、一定程度養殖に関する飼料等も対象として含むということであるんですけれども、これは資金繰りの問題でもありますので、経営者にとってみれば、本当にきょう、あすを争う。特に、今三月末ですので、余り個別の事案をこの場で言うのは適切じゃないと思いますけれども、本当に、もう廃業するしかないという悲鳴が上がっているのも事実であります。

 そういった意味で、なるべく早く政策的な対応を林農水大臣にぜひお願いしたいところなんですけれども、その辺について御見解をお伺いいたします。

林国務大臣 今の委員のお話を聞いておりまして、これは自民党の話で恐縮なんですが、水産部会で毎週のように議論しておりまして、今は私はこちらに来ましたから部会に出ていっておりませんが、今まさに委員がおっしゃったような浜の現場の話というのを毎週毎週議論して、そこから制度というものをつくっていくことも何年もやってきておりました。

 特に、今お話のあった、さっき畜産に近いと申し上げたんですが、逆に、畜産というのは、どこかで天然のものがぼこっととれたから下がるというようなリスクは余りないわけですね。したがって、養殖に特有の、養殖もあるけれども天然もある。私の下関でいえば、フグなんというのはそういうところなので、いろいろな工夫をしながらやってきているということでございます。

 したがって、これは委員も御専門でありますが、三月の末をどうやって越えていくかというのは、金融庁の方でも、例の法案が切れますので、いろいろな対策はやっておられると思いますし、それから、この近代化資金でございますが、各都道府県でいろいろな取り組みをやっていただいているということもあります。

 例えば、北海道では、運転資金として漁業振興資金というようなものもやっておられる。宮城県では、これは漁業のまき網とかそういうところですが、運転資金で漁業経営安定資金をやっている。お地元の愛媛県でも、二十四年度に発生した、これは、赤潮被害を受けた養殖業者に対する運転資金ということで、愛媛県赤潮被害緊急対策資金。

 ですから、地域によって、どういう形態でどういうリスクがあるかというのは、必ずしも全国一律でないところがありますので、こういうところも一緒にやりながら、しっかりと対応していく必要があると私も考えておるところでございます。

桜内委員 ありがとうございます。

 私は、今は野党の立場でありますけれども、ぜひそこは、国のため、力を尽くして協力していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 時間ももうすぐですので、最後にお聞きしたいのが、今ほど林大臣からも御指摘いただきましたように、例えば昨年夏に、我が地元におきましても赤潮の被害が発生いたしました。先ほど大臣からもおっしゃっていただきましたとおり、そういった被害をこうむったところに対して運転資金を供与するということも確かになされたわけですけれども、私がここでもう一つ取り上げたいのは、やはり漁業共済といいますか、特に養殖共済のあり方についてであります。

 確かに、赤潮の被害をこうむった場合に、その後、事業を続けていく上で運転資金はもちろん必要ですので、そういった政策的な対応については多としたいと思います。一方で、先ほども少し申し上げましたけれども、本当に大変なリスクが、仕掛かり品がたくさんありますので、これは養殖に特有のことかもしれませんけれども、赤潮であるとか、これはもう魚に限らず、真珠もそうです、同じように被害をこうむっていく。

 このときに、御承知のとおり、今は養殖共済という制度があるわけですけれども、それで補填される範囲が狭いというふうに私は感じております。昨年の赤潮の被害に対して、当時は民主党政権だったわけですけれども、とられた対策というのが、例えば、先ほどおっしゃった運転資金の供与であるとか、それに加えて、新しい生けすなり、そういった漁具を購入する際の補助金等々はありましたけれども、赤潮の被害そのものに対して補償を行うというのはこの養殖共済の制度しかないんですね。

 これが本当にちゃんと使われているのか、使いやすいものになっているのかというと、実はそうでもないという現状があります。

 例えば、昨年の経緯で申しますと、赤潮で被害を受けた被害額の約半分相当しか補償がなされなかった。逆に言えば、これは半分ぐらいしか漁業共済に入っていなかった。これは、漁業共済に入るというのが、個々の漁師さんなり水産業者が、自分で、では、俺は入るよ、入らないよと決められるわけじゃなくて、その地域一体となって入らないといけないというふうな要件があります。ですので、入りたいと思っていたとしても、一部どうしても共済の掛金を払うことが難しいという事業者なりがいたとすると、入りたくても入れなかったという方がたくさんいらっしゃるわけですよ。そういった漁業共済に入る要件、また、補償の範囲をどう拡大していくのかというのが、僕は政策的には大変重要な課題だと考えております。

 実際のところ、私が参議院におりましたときに、自民党の皆さんと議員立法で赤潮被害対策特別措置法案というものを提出したことがあります。残念ながら、これはつるされたまま終わってしまって、廃案になったんですけれども、そのとき、余りにもこれは理不尽だなと思って、水産庁の方々に、何でこんなのに反対するのかというふうに聞きましたらば、漁業共済制度というのは保険制度だ、だから、そこに入っていない人を助けるというのは、いわばモラルハザードになるので、やりませんよというふうな言い方をされました。

 しかし、一方で、これは現実として、この養殖共済に限らないんですけれども、漁業共済というのは、補助金として、共済掛金の国庫助成というのがなされております。例えば、養殖共済であれば、小規模のものほど国庫助成が大きいんですけれども、補助率二分の一です。これは、大規模な、生けすの数で要件が変わっているんですけれども、生けすが十三台から二十五台だと補助率は四分の一。そうやって、大きくなればなるほど補助率は下がっていく。

 そういう制度設計はありかなとは思うんですけれども、逆に言うと、そうやって国費が一部投入されているわけです。にもかかわらず、入りたくても入れなかった人がいて、実際に赤潮の被害が起こったときに、補償を受けられる人と受けられない人が出てきてしまっている。こういった制度は一刻も早く改めるべきだと思います。

 水産庁の皆さんは、保険だから、それはできませんなんて言い方をするんですけれども、そうじゃない、もう国庫補助は入っているんですよ、多額に。であれば、まさに国として、そういった被害を受けた方、特にこういった被害を受けやすい業種なわけですから、これは、以前、自民党と共同提出させていただいた法案でもありますので、今度政権に復帰されて、私も大変尊敬する林農水大臣でありますので、これに類する新しい制度をぜひつくってみてはいかがでしょうか。

林国務大臣 まず、加入要件のところでございますが、委員も多分御案内かもしれませんが、損害のつけかえというようなモラルリスクを防ぐということで、地区ごとにまとまって加入をしていただくということになっているということでございますが、これは個々の地区の実態を踏まえて、地区の設定の仕方は県の判断で柔軟にできるということですから、県の方でもいろいろな地区の設定の仕方をして、今委員がおっしゃったように、俺は入りたかったのに入れなかったということがないように、きちっとしていくということではないかというふうに思います。

 一方、議員立法のお話も触れられて、全部見てはどうかということですが、これは、全国でこういう制度をやっていて、ある一定の事が起こった場合に、その都度議員立法で全部見るということをやりますと、では、もうこれは入らずに、何かあったらやってもらえばいいや、こういうようなことになりますと、これはほかのところでも、全国平均は大体六九%ぐらい加入していただいているんです。

 したがって、今こういうことでやっておる、せっかくの、国は補助していますけれども、残りの半分を負担していただいて、今お話のあったように、大型のところはもう少し負担していただいてやっているという制度ががらがらと崩れていくのではないか、こういう懸念もあります。

 やはり大事なことは、地道なことのように聞こえますけれども、ここにとにかく入っていただいて、制度の設計を、先ほど来ほかの質問でもいただいたように、各県各県の実情に合わせていろいろなものをつけ加えていく、こういう対応ではないのかなというふうに思っております。

桜内委員 時間が来たのでこれで終わりますが、これからの日本にとって、水産業というのは大変可能性に富んだ産業だと考えております。今申し上げたようなリスクに対して、国ができること、そして、特に金融面からどうサポートしていくのかというのは、ぜひこれからも大臣の手腕を振るって改善していっていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

森山委員長 次に、林宙紀君。

林(宙)委員 みんなの党の林宙紀です。

 連日の質疑に立たせていただいておりまして、ありがとうございます。

 水産加工業につきましては、東北の復興という意味でも、大変重要な要素であるのは、これはもう論をまたないところでして、本日の対象になっている法案も、水産加工業の復興という意味で大変御貢献をいただいているものではありますが、その中で幾つか確認をさせていただきたい、そういった内容もございますので、よろしくお願いをいたします。

 その前に、水産業等に関連しまして、かねてから気になっていた質問を幾つかさせていただきたいと思います。

 まず、先日のTPPへの交渉参加表明を受けまして、おとといの委員会でもいろいろな質疑が交わされたところではございますが、そのTPPで、漁業分野において課題になるのは何なのかということで、まず確認をさせていただきたいと思います。

 これは、以前、WTOの交渉、ドーハ・ラウンドでもありましたが、漁業補助金についての議論というものがありました。今はちょっと置き去りになっているところがあると思いますが、予算委員会の方でもどなたか御質問されていましたので、改めてこの場で確認をさせていただきたいという意味でございます。

 この漁業補助金の議論というのは、要は、漁業に関連する補助金の類いで漁業をサポートしていくと、これが過剰な漁獲につながってしまう、ゆえに、水産資源の保護を目的ということで、この漁業補助金関連は廃止すべきなんじゃないかという議論になっております。

 そうしますと、漁業の操業に関連するものだけではなくて、例えば漁港の整備、こういったものに関しても対象になっている、これは皆様御承知のとおりだと思います。

 例のWTO交渉で、この漁業補助金廃止を強く強く訴えてきておりましたアメリカですとかオーストラリアといった国がこのTPP交渉にも参加をいたしておりますので、今回の交渉の中でも、これらの国が漁業補助金関連を廃止しましょうということを求めてくる可能性は十分に考えられるんじゃないかなと思います。

 日本は、WTOのときは、少なくとも、本当に過剰漁獲になっているものがあるのかどうか、それをまず調査した上で、そういったもののみを対象にすべきだ、こういったような立場をとっていたと思われますが、仮に、これはTPPの中で大きな議論になりまして、TPPの加盟国だけがこの漁業補助金を廃止することになった、しかしながら、それ以外のTPPに加盟していない国、そちらには適用がされないなんてことになりますと、本当に、どことは言いませんが、乱獲がひどいと言われている国がそのまま放置されてしまう。そうしますと、これは日本にとって大変な打撃ですし、かつ、納得がいかない、私は心情的に納得がいかないというところがございます。

 特に、東日本大震災からの復興、これがまだ道半ばにあるというところで、今、船を失ったところからもう一度再起を期してやっていこうと頑張っておられる漁業関係者の皆さんへの支援も途絶えてしまう、そんなことにもなってきます。

 ということで、この漁業補助金についての現在の状況とTPPを踏まえた今後の対応、さらには、この問題はどのぐらい重要に今政府の方では位置づけられているか、そういったことを御質問させていただきます。大臣、お願いします。

林国務大臣 大変大事な論点だ、こういうふうに私も思っております。

 まず、今、TPPでこの漁業補助金の議論はどういうふうになっているかということですが、これはまだ参加の前でございますので、いろいろな情報をとった前提ということですが、やはり、今委員がお話があったように、アメリカが過剰漁獲を招く漁業補助金について規律を設けるということを提案している。多分、この過剰漁獲を招くというところをかなり広くとってきているんだろう、こういうふうに思います。

 したがって、そういうことを提案していますけれども、各国の間で対立があってまだ合意に至っていないというところまでは情報をとっている、こういうことであります。

 一方、今委員もお触れになりましたが、WTOでは、ずっと漁業補助金の交渉をしてまいりまして、我々の主張は、常に、政策上必要な補助金は認められるべきである、こういう主張を一貫してやってきておりまして、TPPにあっても、もし交渉に入っていけば、この立場を主張していく、こういうことに当然なるというふうに思っております。

 フェーズが変わってきておりますので、交渉の状況についての情報をさらにとるということと、それから、TPPの中で、この漁業の補助金について、我々に近い立場の国というのが出てくると思いますので、そういう国との連携の可能性、こういうものも探っていかなければならない、こう考えております。

    〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕

林(宙)委員 ありがとうございます。

 さきに挙げられた重要項目の中には入っていなかったんじゃないかなと思いますが、やはりこれも非常に大切な、守るべき国益だ、これはもう変わらないことだと思います。ここはぜひ強い姿勢を持って臨んでいただきたいというふうにお願いを申し上げます。

 さて、今の漁業補助金の中には、漁港の整備費用、こういったものも含まれるというふうに触れましたが、今、東北の漁港の復旧という意味に関しますと、割と大きな漁港については一定の進捗が見られるということで、これはもう非常に地元としても明るい材料ではあるんです。

 他方で、中規模よりも小さい漁港については、今後、漁港そのものの存続をどうするのかといったところも含めて、実際には、入札不調でなかなか整備が進まない、そういったところも出てきています。これは、ほかのインフラ整備とほぼ同じ理由です。人件費ですとか資材価格、こういったものが高騰している、これは大きな要因でございます。

 ただ、水産物は、先ほども委員の皆さんからありましたけれども、国の重要な資源である、これはもう変わらないことであって、その中で、特に東北の漁港というのは重要な役割を占めている。地元だから言うんじゃないんですけれども、そういうところもありますので、例えば、交付金を出したからその中でやってくださいとか、単純に自治体だけに任せておけばいいという問題ではないのかな、私はそのように思うんです。

 この漁業の復興という意味でさまざまな対策を打っておられる中で、漁港整備については今後どのように進めていくという御決意なのかというのを改めてお伺いしたいというふうに思います。

    〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕

江藤副大臣 お答えをさせていただきます。

 大変御苦労をされていると思います。

 まず、現状の報告だけをさせていただきますと、被災された漁港が三百十九、そのうちで、主要な陸揚げの施設、これが百十五の漁港で全延長、全ての延長において機能が回復しております。全体の三六%に当たります。しかしながら、百五十の漁港、全体の四七%がまだ部分的にしか回復をいたしておりません。

 そして、今御指摘がありましたように、地元と意見交換した中で優先順位をつけさせていただいたので、地元の御意向も踏まえながらその優先順位をつけてやってまいりましたが、中小がおくれているというのは現状であります。

 漁港もそうですけれども、漁協についても、一つになった方がいいのではないか、そういう地元の御意見も今後尊重していかなきゃなりませんが、御指摘があったように、労賃等、資材等、みんな上がっておりまして、入札をしても落ちないということが起こっております。

 現場としては、入札のロットが小さいと魅力がない、だから、一つ一つのものを、今までの公共事業でいうと、なるべくたくさんの人に受注させて、機会を与えるために分ける傾向があったんですけれども、これを一くくりにして、入札単価をまず上げるという方向に一つするのと、地元の復興だから、最初のうちはなるべく地元の業者さんに優先してこの整備事業もやらせるべきだという御意見が強かったんですけれども、ちょっと地元の方々ではなかなか手が及ばない、手が足りないというお話もありますので、そこら辺の要件緩和もさせていただいて、復旧を急いでまいりたいと思っております。

林(宙)委員 今、漁港の復旧復興に関しては優先順位をつけてと、私はそれは正しいことだと思います。

 ただ、ほかの案件に関して、なかなか復興が進まない進まないと言われている中で、今のように、では、物事によって優先順位をつけていけばいいじゃないですかと、一度地元の宮城県の方々とお話ししたことがあります、県の職員の方々ですけれども。必ず、いや、それは平等性というものがあるから、優先順位というのはつけられないといつも言われるんです。でも、漁港は優先順位をつけているんですねと。

 そういう意味で、私は優先順位をつけた方がいいと思いますよ。だから、つけられるものはそうやってつけていくことで、例えば、みんな一遍にやろうとすると人が足りない、あるいは資材が足りない、そういうことで進まないのであれば、漁港のように、優先順位を多少つけた上で進めていくという方向性も、これは自治体だけだとうまく決められないかもしれません、例えば国の方からアイデアとして出すとか、そういったこともやっていただけると、もしかしたら進んでいく部分も大きいんじゃないかなと思いますので、それもぜひお考えいただきたいなというふうに思います。

 それでは、ここからは法案に関して、ちょっと具体的にお伺いしていきたいなというふうに思います。

 これまでのこの法案に基づく融資実績というのを見ていきますと、毎年度、大体三十社前後の利用なのかなという、大ざっぱに言ってなんですが。いただいた資料では、平成二十二年の水産加工関連施設は八千六百社ぐらい、これは水産加工施設全部でということだと思います。

 例えば、これが今だと、震災があったので、八千社弱ぐらいに減少したのではないでしょうかというふうに水産庁の方にはお伺いしておりますが、感覚的に言うと、これだけ、八千社程度の水産加工施設がある中で、この制度の利用が三十社前後である。数が少ないからといって重要性が小さいということにはなりませんが、ただ、使い勝手がよい制度であれば、もうちょっと数的には使われていてもいいのではないかなというふうに個人的には考えてしまうわけです。

 金額についても、昭和六十三年は百億円を超えておりましたが、その後、震災があったからちょっとふえていますが、六十八億円、少し減ってきているような感じにもなっていますので、この制度の位置づけそのものについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。

林国務大臣 今委員がおっしゃっていただきましたように、八千六百のうち三十、もうちょっと何かふえないのかなという、ぱっと見た感じですね。

 それで、御質問もあったものですから、少しさかのぼってみたんです。平成元年から五年では、大体、年間八十件ぐらいありました。平成元年、二年は、百件を超えています。それから、六年から十年で大体六十件になり、十一年から十五年で五十件になり、十六年から二十年、震災もあって、三十件ということなんです。

 しかし、その前から趨勢としてはちょっと減ってきているということでありますので、何か使い勝手が悪いのでというのも、全くないと言うつもりはないんですが、同じ制度でこういう趨勢にあるということをきちっと認識する必要があるな、こう思います。

 したがって、いろいろな要因があると思いますが、まず、水産加工業全体の出荷額が、平成五年はピークで四兆三千百九十七億円あったんですが、平成二十二年には三兆千四百五十一億まで減ってきている。それから、先ほどのどなたかの御質問で申し上げたんですが、魚を食わなくなっちゃったということですね。これも、平成十三年はピークで年間四十・二キロ、これが平成二十二年は二十九・五キロと減少してきていること。また、近年、ちょっと景気が悪かったということがあろうかな、こういうふうに思います。

 やはり、攻めの水産業ということで、加工業の資金のこの制度をやってサプライサイドを強くするということももちろんなんですが、ディマンドサイド、全体のパイが大きくなっていかないと、せっかくいい制度があっても、これを使って設備投資をやって、ますますやっていこうという人がなかなかふえていかないというところもありますので、まさに、この制度がもっとますます利用されるような全体の状況を攻めの水産業ということでつくっていく、これが大事だというふうに考えております。

林(宙)委員 ディマンドサイドが少なくなってきているがゆえにというところは大変理解しております。

 一方で、このお話を事前に水産庁の方とお話ししたときに、一つ条件を絞っているところもあります、対象魚種を二十何種類に絞っているというのもそうなんですけれども、余り広がり過ぎても民業圧迫になるというところもありますのでというお話がございました。

 ただ、こういうものは一件でもやってしまえば、それは民業圧迫と言われても仕方がない側面もあります。もともと、日本政策金融公庫が発足したときには、政策金融機関は民業補完に徹するべきだという思想があったはずです。

 そういう意味では、今大臣の方からも、件数がこの一つの制度の中で減ってきているということ自体は確かにそのとおりだということで、例えば、今回の三十件程度というのが、民業の補完をしているといえば補完というふうに位置づけることもできますので、それを一々問題にする必要はないと思いますし、もちろん、震災復興という意味で、被災した地域には大変ありがたい制度である、これはぜひしばらく続けていただきたい、これはもう私の本心です。

 ただ、もし全体的な利用件数が減ってきてしまったんだよということであれば、例えば、こう言うと怒られるかもしれませんが、被災したところ以外はできるだけ民間の金融機関に移行してもらいやすいような出口戦略をつくっていくというのは、私は一つ必要なことかなと思っているところもあります。

 国が直接お金をお貸しするという方法だけではなくて、例えば、お金を借りるのは民間の金融機関からなんだけれども、そこの信用保証とか担保保証とかをするというところを国が何とか受け持てるような制度設計をするとか、できれば国のお金を使わずに民間の皆さんにやっていただく方がいいということで私たちの党は考えているので、そういう形に移行していく方法というのは何か考えられないものかというふうに思っておりますが、そのあたりの思想というのは、今、国の方ではございますでしょうか。

林国務大臣 今、委員からの御指摘というのは、実はこの制度にとどまらず、政策金融というのは一体何なのか、こういう根源的な問題だというふうに思います。

 実は、日本政策金融公庫をつくったときに、私は党で事務局長をやっておりまして、いろいろな議論がありました。今委員がおっしゃるような方向で、なるべく補完に徹するべきだということで、融資が必要なら融資も最低限やるけれども、それより一歩引いたところで、融資は民間にやってもらって、協調融資をするですとか保証に回るですとか、いろいろな議論をして今の仕組みができてきたということであります。

 そのときに、実は、民間が当時不良債権処理を随分やっていたということもあって、本来民間が出てきていただくところが出てきてもらっていないのではないか、一方でそういう実情があるというところもありましたので、それで政策金融公庫をつくるのを大分おくらせた経緯も実はあるんです。

 したがって、これは常に現場をよく見て、先ほど桜内先生からもお話がありましたが、結果としてぽてんヒットが出るということを避けなきゃいけない。ぽてんヒットというのは、いや、これは官から民へですから民へやらせるんですよといって官がぎりぎりのところまで引きますと、民がちょっと貸し出し意欲が落ちているとき、なかなか難しいときにはすき間ができてしまう、こういうことがあります。

 私がいろいろとずっと見てきた経緯でいうと、ある程度少しダブったところがあっても、それは結果としてぽてんヒットが出るというよりはいいのかなというふうに思いますので、かといって、常にずっと官が出張っていくということではありませんけれども、常にその微妙なバランスは保っていく必要がある、こういうふうに考えております。

林(宙)委員 済みません。ちょっと通告はしていませんが、今のお話に関連して。

 そうすると、常に、状況によっては官の方が、国の方が少し引く、これは民間の方々が出てきてくれたから引いても大丈夫だと判断する用意はあるということですか。

林国務大臣 もちろん、これは一般論でございますが、制度設計をするときには、そのときに民間の金融機関が十分貸していただいているのに、わざわざ税金で利子補給をして政策金融をやっていくという理由はそもそもないわけでございますから、そこは現場の状況をよく見ながら、政策金融というのは常にベストなミックスというのをつくっていく、これは当然のことだと思っております。

林(宙)委員 わかりました。ありがとうございました。

 いずれにしましても、私は、東北の復興というところも含めて、日本全体の水産業をやはりもっともっと振興していくべきだという考えは変わりませんので、ぜひその意味でも力を尽くさせていただきたいというふうに思います。

 では、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

森山委員長 次に、畑浩治君。

畑委員 生活の党の畑浩治でございます。

 本法案、水産加工資金ですが、貸付実績は堅調で、中小の水産加工業者の設備投資に効果があって、被災地としても積極的に活用されているようでありまして、私はこの延長自体は適切だと思っております。

 それで、この法案はさておいて、時間も足りませんので、水産業について御質問をさせていただきたいと思います。

 今、林議員から御質問がありましたが、制度金融は補助金であるかどうかというのは別として、制度金融あるいは補助金も含めて、やはりTPPの議論が気にかかります。

 これは先ほど議論がありましたが、WTOでは、米国が原則禁止を訴えるということの中で、TPP参加国では、オーストラリアとかニュージーランド、チリ、ペルーも何か原則禁止を支持しているという話を聞いておりますが、要は、TPP参加国を見ると、日本と利害関係を共有する国はないのではないかなという危惧を持っております。

 これから交渉するに当たって、各国と連携とかそういう話は一般論では出るんですが、この漁業補助金について、連携して交渉して組んでいける国があるのか。先ほどの議論を聞いて、そこを踏まえてどんな交渉方針なのかというのをもうちょっとお聞きしたいなと思ったのが一つ。

 それから、漁業補助金そのものが乱獲、過剰漁獲を招いてだめなんだという話は一面的だろうな、WTOのときからアメリカに何かむちゃくちゃな因縁を吹っかけられているな、私はそう思っておりまして、補助金はそれぞれの趣旨があるわけで、何も結果として過剰乱獲につながるかどうかわかりませんが、過剰乱獲というのは補助金とは別の議論なんだろうと思うんです。

 今後、交渉に臨むに当たっては、もう一つはその中身として、この漁業補助金というものは、過剰乱獲に当たるものがないといって突っ張っていくのか。あるいは、過剰乱獲に当たるものは議論の中であるかもしれないよという趣旨の中で、政府の政策決定権を維持するというのか。過剰乱獲を招くものに限定して認める余地があるというスタンスで交渉するのか。そこで大きく交渉の強さとか方針は違ってくるんだろうと思うんですが、この辺も含めて、改めて政府の対応方針をお聞かせいただければと思います。

林国務大臣 先ほど、林委員のときに少し一般的なお話はいたしました。

 まだ、今から各国の同意を得て、それから入っていくということでございますから、情報をどれだけ今からとっていくか、それから、状況がどうなっていくか、先ほど申し上げたように、今からとるということで、今の段階で、確固たる情報をとったので、大体こういう国とやっていこうという戦略を確定しているわけではないということ。

 それから、確定をしていく中でも、余りそれを公にいたしますと、相手というのは、味方にしようと思っている国もいるんですけれども、そうじゃない国もいますので、そこは、この国とこうやってこうやってと、余り必要以上に言うべきではないということはもちろん委員もおわかりだと思います。

 今、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイがP4で、アメリカ、豪州、ペルー、ベトナムが入ってきて、マレーシア、そして、メキシコ、カナダ、我々、こういうことですね。

 したがって、ざっと見た感じ、我々と近いなという感じがしておるのは、例えばカナダですとかベトナムといったところはそういうふうに組める相手としての可能性はあるのではないかというふうに今、個人的にちょっとあれですが、思っております。

 しかし、今からそういうところの情報をきちっと収集していって戦略を組み立てる必要がある、こういうふうに思っております。

畑委員 ありがとうございます。

 もう一つ、漁業補助金に対する認識というのは、やはり最初は強く出るべき、漁業補助金が過剰乱獲を招くというのは、そこはそうじゃないというスタンスで臨むべきだと思うんですが、そこのスタンスをちょっとお教えいただければと思います。

林国務大臣 先ほどもお答えしておったので、特に重ねて申し上げませんでしたが、おっしゃるとおりでありまして、我々は、政策上必要な補助金は認められるべきだと、これはずっとWTOで主張してきたことでございますので、TPPになったからといって変わるわけではございませんので、しっかりとこの立場を主張してまいりたいと思っております。

畑委員 ありがとうございました。

 私も被災地の議員でして、確かに、復興の支障になる部分も含めて大変危惧をしておりまして、むちゃくちゃなものに乗っていくと、漁港整備とか加工施設も含めたそういう復興の補助金もかなり切り込まれるんじゃないかという不安もあるので、そこは違うんだとしっかりと交渉していただきたいなと思います。

 今のお答えで被災地の方とかあの地域は勇気づけられると思いますので、しっかりと私たちもバックアップしますので、交渉の方をよろしくお願いいたします。

 そして、ちょっと話がかわりまして、個別論になりますが、サケの関係なんですけれども、五、六年前に比べますと、サケの魚体が小さくなって、回帰率が下がっているという声を実はよく聞きます。

 御存じのとおり、サケは被災地の漁業の大きな柱でして、震災の影響が直接あるわけではないと思いますが、そういうのも含めて、実は地域では大変不安が多くなっているところであります。

 農水省の関係で水産総合研究センターというのがありまして、ここの発表によれば、一九八〇年から九〇年代に回帰率が増加して、一九九九年から減少してきた、それで七〇年代の回帰率に戻った数値となったということです。回帰率が七〇年代ぐらいは低かったが、その後は高くなって、今また低くなったということ。

 そして、恐らく、魚体が小さくなるというのも、今、そういうことはあるようですが、この原因というのが何かちょっとよくわからないと地元から聞かれるんですが、この原因というのは把握されていますでしょうか。

 そして、簡単ではないんでしょうが、この原因がわかったら、しっかりとこれに伴った対策をとっていただきたいなと思うんですが、その辺を含めてお答えいただければと思います。

長島大臣政務官 畑先生の質問に、私の方からお答えをさせていただきます。

 被災地を私も回らせていただいて、あるところで信じられないような大きさのシロザケの魚拓を拝見させていただきました。かつてはこういうサケがたまに遡上してきたんだというお話を聞かせていただいて、その場所で、今先生御指摘のとおり、回帰率が下がって遡上してこないという話と、そして、魚体が小型化をしているというお話も実は聞かせていただきました。

 原因はなかなか特定しにくいところなのでございますけれども、小型化の原因として、ベーリング海における餌の競合で小型化しているのではないかという説も一説ございますし、また、日本海側と太平洋側、回帰率が、日本海側はそれほど落ち込んでいないのに、太平洋側だけが極端に落ち込んでいるということを考えると、放流された稚魚が太平洋側の沿岸にとどまっているうちに減少してしまっているのではないかという説も実はございまして、いずれにせよ、原因究明のために調査を引き続き実施することにしております。

 特に、平成二十五年度予算において、太平洋サケ資源回復調査事業を計上しているところでございますので、またぜひ御指導をいただきながらやってまいりたい、そんなふうに思うところでございます。

畑委員 ありがとうございました。

 それから、もう一つ質問させていただきたいんですが、実は水産業共同利用施設復旧整備事業、このおかげで施設等の復旧は順調に進んでいると思っております。

 ただ、一部の荷さばき施設等で、まちづくりと連動して進めなければいけないものがありまして、これは、まちづくりが進んでいかないとなかなか手がつかないというところもあって、この水産業共同利用施設復旧整備事業は、平成二十七年まで、まだあと三年あるんですが、ただ、まちづくりが恐らく三年で終わらない、二、三年、三、四年かかっていくと、恐らく、将来、この三年では不安で、もうちょっと先を延ばしてほしいという議論が出てくるんだろうと思います。

 これは、そのとき、その必要性とその状況を見てということになると思うんですが、実は地域に、この点も不安が今から出ておりまして、その節はぜひともさらなる延長を必要に応じて検討いただきたいと思いますが、その点について、きょう答えられる範囲でお答えを願えればと思います。

長島大臣政務官 先生御指摘のとおり、水産業共同利用施設復旧整備事業、平成二十七年まで。五年度、六年度、七年度と、あと三年間残っておるわけでありますけれども、鋭意取り組んでまいりたいと思いますが、平成二十五年度では八十二億円計上させていただいております。

 二十六年度以降についても、施設用地の確保状況等を踏まえて、関係県からの要望があれば、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

畑委員 時間が参りましたので終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

森山委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

森山委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

森山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

森山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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