衆議院

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第2号 平成25年4月2日(火曜日)

会議録本文へ
平成二十五年四月二日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 武田 良太君

   理事 今津  寛君 理事 大塚  拓君

   理事 薗浦健太郎君 理事 中山 泰秀君

   理事 武藤 容治君 理事 長島 昭久君

   理事 阪口 直人君 理事 遠山 清彦君

      大野敬太郎君    勝沼 栄明君

      門山 宏哲君    菅家 一郎君

      岸  信夫君    工藤 彰三君

      左藤  章君    笹川 博義君

      東郷 哲也君    中谷  元君

      中谷 真一君    中村 裕之君

      野中  厚君    浜田 靖一君

      武藤 貴也君    山田 美樹君

      大串 博志君    後藤 祐一君

      篠原  孝君    今村 洋史君

      中丸  啓君    伊佐 進一君

      畠中 光成君    赤嶺 政賢君

      玉城デニー君    照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   防衛大臣         小野寺五典君

   防衛副大臣        江渡 聡徳君

   外務大臣政務官      あべ 俊子君

   防衛大臣政務官      左藤  章君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  武藤 義哉君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  海部  篤君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  占部浩一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  能化 正樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長)            殿川 一郎君

   政府参考人

   (警察庁長官官房長)   坂口 正芳君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     安藤 友裕君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 新美  潤君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       山崎 篤男君

   政府参考人

   (海上保安庁次長)    桝野 竜二君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 吉田 正一君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 真部  朗君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  黒江 哲郎君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  三村  亨君

   政府参考人

   (防衛省経理装備局長)  伊藤 盛夫君

   安全保障委員会専門員   湯澤  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二日

 辞任         補欠選任

  岩屋  毅君     工藤 彰三君

  大野敬太郎君     中谷  元君

  岸  信夫君     山田 美樹君

  篠原  孝君     後藤 祐一君

  志位 和夫君     赤嶺 政賢君

  玉城デニー君     畑  浩治君

同日

 辞任         補欠選任

  工藤 彰三君     中村 裕之君

  中谷  元君     大野敬太郎君

  山田 美樹君     菅家 一郎君

  後藤 祐一君     篠原  孝君

  赤嶺 政賢君     志位 和夫君

  畑  浩治君     玉城デニー君

同日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     岸  信夫君

  中村 裕之君     岩屋  毅君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国の安全保障に関する件


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     ――――◇―――――

武田委員長 これより会議を開きます。

 国の安全保障に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣官房内閣参事官海部篤君、内閣官房内閣審議官占部浩一郎君、内閣官房内閣審議官能化正樹君、内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長殿川一郎君、警察庁長官官房長坂口正芳君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長安藤友裕君、外務省大臣官房参事官新美潤君、国土交通省水管理・国土保全局次長山崎篤男君、海上保安庁次長桝野竜二君、防衛省大臣官房審議官吉田正一君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君、防衛省防衛政策局次長真部朗君、防衛省運用企画局長黒江哲郎君、防衛省人事教育局長三村亨君及び防衛省経理装備局長伊藤盛夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷元君。

中谷(元)委員 自由民主党の中谷元でございます。

 岸田外務大臣また小野寺防衛大臣初め、両省の副大臣、政務官、また職員の皆様方におかれましては、連日、日本の外交、安全保障政策、また実務につきまして、現場でその職を担っておられまして、本当に御苦労さまでございます。

 岸田大臣また小野寺大臣お二人とも、政治家といたしましても、就任前から、外交、安全保障に非常に熱心で、また、哲学もありますし、非常に精通をされた方でございますので、ぜひ在任中にその実力を発揮していただいて、国のために貢献をしていただきたいと思います。

 両大臣にお伺いをいたしますけれども、在任中にこれだけはやってみたい、これをやり遂げてみたいということがございましたら、お述べをいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 中谷委員には、防衛庁長官経験者として、日ごろ、大変御指導をいただきまして、心から感謝を申し上げます。

 私ども、今感じますのは、東アジアを含めた安全保障環境が大変大きく変化をしております。この中で、特に、私、防衛大臣在任中には、これは安倍総理からも御指示いただいておりますが、国民の生命財産と我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くということ、これをまず第一義に考えていきたい、そのように思っております。

 また、米国が今、新国防戦略を検討しつつありますので、それと連携する形で自衛隊の役割の強化をする、抑止力を高めるという中で、日米防衛協力ガイドライン、この見直しも検討作業に入っていきたいと思っております。

 また、これはもう直近の課題でございますが、普天間の飛行場移設を含む在日米軍の再編を進めるということ、そしてまた抑止力の維持を図るということ、何よりも沖縄の負担軽減を図るということ、この端緒を開いていきたい、そのように思っております。

岸田国務大臣 まず、中谷委員からは、冒頭、御激励をいただきました。まことにありがとうございます。

 在任中にやりたいことですが、本委員会におきます大臣挨拶の中でも申し上げさせていただきましたように、安全保障の分野においては、まずは、国の主権、領土、領海、領空を断固として守ること、これは国家として当然の責務でありますが、この責務を国際法にのっとって果たしていく、これが第一だと思っております。そして、北方領土、竹島といった領土問題、また北朝鮮による拉致問題につきましても、解決に向けて粘り強く取り組んでいく決意であります。

 ぜひ、こうした目標のために、国際環境の安定に向けた外交努力、しっかりと果たしていきたいと思っております。

中谷(元)委員 両大臣から、やりたいことについてお話がございました。

 小野寺大臣に伺いますが、前任の森本大臣のときは、オスプレイというものを沖縄に配備するということ、また、アメリカとの日米ガイドライン、これの開始をするということで、非常に我が国にとって大事な仕事をされたと思います。

 今、小野寺大臣、これらガイドラインや普天間負担軽減などを述べられましたが、その中で、これだけは実際にやってみたい、やり遂げたい、道筋をつけたいということがありましたら、一つだけ具体的に述べていただきたいと思うんです。

小野寺国務大臣 大変難しい質問だと思いますが、森本前大臣とは、引き継ぎをさせていただき、そして、今でも継続的に、前大臣としてさまざまな御指導をいただきながら、防衛省・自衛隊の今後のあり方について検討をさせていただいているところであります。

 そして、やらなければいけないことは実はたくさんございます。特に、今私どもが直面しております、南西海域、あるいは北朝鮮の問題、こういうことからしっかり国家国民を守るということが大切だということを基本に置いておりますが、その中で、特に沖縄の負担軽減、この端緒を何としてもつけたい、そのように思っております。

中谷(元)委員 それでは、岸田大臣に伺います。

 任期中にこれだけはということの中で、今、日本にとって一番大事な外交というのは、中国との関係を正常化させるというか、落ちつかせるということであります。これは、アメリカや東南アジアの国々が非常に日中関係について懸念や心配をされております。これは双方の努力が必要ではないかと思いますが、何といってもやはり日中の首脳会談、また首脳外交、これが定期的に行われる状態にするということがございます。

 数ある外交の中で日中間の外交、これは総理大臣、主席の首脳会談に至るまでいろいろなことをしなきゃいけないと思いますが、外務大臣として、日中関係のあり方について、こういうことを、こういうレベルまでやっていきたい、そういった抱負やお考えがありましたら述べていただきたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘のように、日中関係は、我が国にとりまして最も重要な二国間関係の一つであります。そして、日本と中国、世界第二と第三の経済大国です。この二つの国の関係が安定しているということは、両国の国民にとって利益であるだけではなくして、地域の平和と繁栄にも大きく影響している、アジア太平洋地域の平和と繁栄に両国は大きな責任を担っていると認識しております。

 こうした二国間の関係、さまざまな問題は存在いたしますが、大局的な見地から、戦略的互恵関係の原点に戻って、ぜひ冷静に対応していかなければならないと思っています。そして、そのためには、まずはさまざまなレベルでの意思疎通が重要だと認識をしております。そして、その中にあって、政治レベルでの意思疎通、大変重要だと認識をしております。

 そして、首脳間の意思疎通ということですが、これは安倍総理がたびたび発言しておりますように、我が国の中国に対するドアはいつもオープンであるということで、意思疎通はぜひしっかり図っていきたいと我々は考えております。

 具体的には、例年五月前後に日中韓首脳会談が設けられております。ことしは韓国が議長国ということでありますが、こうした機会等を捉えて、しっかりハイレベルの意思疎通を図っていかなければならない、このように思っています。

 あわせて、日中間の関係を安定させるためには、周辺関係諸国との関係も重要だと認識しております。なかんずく、日米同盟のきずなをしっかり確認するということ、日米関係は周辺国の関係の中においても大変重要であり、こうした関係が安定することは日中関係を安定させる意味からも重要ではないかと認識をしております。

中谷(元)委員 日中関係においては、私も一月末に訪中する機会がありまして、今の李源潮副主席と話をさせていただきました。日中関係の改善については、非常に中国もその重要性を理解しておりまして、一月の末には公明党の山口代表も今の習近平主席と会談をし、さまざまなルートでその改善が模索をされております。特に経済界においては、これから中国に本当に投資していいだろうかという心配もいたしておりますので、早期に長期的な安定が図られるような構築をしていただきたい。

 その中で、最も安全保障的に急がれるのは、東シナ海における日中間の危機管理のメカニズムですね。これは、福田内閣のときも、海底の石油、天然ガスの共同開発の話とか、実際、危機管理のメカニズムも昨年の暮れには日中間で合意をされるということで、防衛省の方との話し合いもありましたが、今まさにこの危機管理メカニズムというものを日中間で協議し、構築するということも重要でございます。

 その糸口というか話し合いにおいて、現在、外務省としてはどのような状態にあるのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。

岸田国務大臣 日中間には、従来から海洋問題に関しましてハイレベルの事務的協議の場があり、実際、これは協議がスタートしておりました。こうしたさまざまなテーマを通じて意思疎通を図ることは、大変重要だと認識をしております。

 そして、御指摘の防衛当局間のこうした協議につきましても、昨年の段階で具体的な形についてはもう合意ができている、これからスタートする直前というところまで来ていたと認識をしておりますが、ぜひこうした防衛当局間の協議につきましても我々は前向きに考えていきたい、このように思っております。

中谷(元)委員 同じ話ですが、防衛省も、もう具体的に日中間で本当に調印の寸前までいっておりましたが、現在、この案件について日中間で協議、または合意に向けた取り組みについてはどういう状況なんでしょうか。

小野寺国務大臣 おっしゃるように、海上連絡メカニズム、この再構築が大切だと思います。

 第一次安倍政権におきまして、これは日中の首脳間で合意をした内容でありまして、その後、さまざま作業レベルで進んでおりました。前政権下でも着々と進んでおりましたが、昨年の秋以来、実はこの交渉が途絶えております。そして、ことしの一月のレーダー照射事案に至って、その後、私ども改めてこの海上連絡メカニズムの重要さということを認識しておりまして、その直後から中国側に連絡メカニズムの構築の作業の再開ということを申し入れさせていただいております。現在も、その努力を続けさせていただいております。

中谷(元)委員 このメカニズムにおいては、北の防衛、北海道においては、長年、旧ソ連、またロシアから頻繁に領空侵犯などの事案がありましたけれども、これは暗黙の危機管理メカニズムができ上がっていまして、双方がいろいろなレベルでこの緊張を抑止するというものができ上がっております。

 ところが、南方の日中関係においてはまだそういった基本的な取り決めなどができておりませんので、特に海上保安庁などと向こうの海監とか海洋局との関係の構築が急がれると思いますので、ぜひその辺の協議をお願いしたいと思います。

 もう一つ心配事は北朝鮮でございますが、おととい、北朝鮮の中央委員会の総会で、核開発を進める、また長射程のミサイル、これも開発し予算も重点的につけていくというような決議がありました。

 そして、きのう、国会に当たる最高人民会議においても、自衛的核保有国の地位を強固にすることを決定した。

 そして、労働党の機関紙では、横須賀、三沢、沖縄、グアムはもちろん米本土も我々の射程圏内にある、南北関係は既に戦時状況に入った、そして自走高射ロケットは日本から飛来するどんな航空機や巡航ミサイルも迎撃できると主張しまして、在日米軍基地も北朝鮮軍の攻撃対象になって、日本の原子力発電所も攻撃対象にする可能性を指摘いたしました。

 韓国では、朴大統領は、韓国に何らかの挑発があった場合、政治的な考慮のない最初の戦いで強い対応をすることになると、強固かつ迅速な軍事対応をとる方針を示しました。

 その一方で、北朝鮮では新しい人事が行われまして、前の首相でありました朴奉珠氏が首相にまた復帰をして経済政策を重視する姿勢を伝えておりまして、体制の引き締めに全力を挙げておるわけでございます。

 このような北朝鮮の非常に不穏な動きを受けまして、我が国としてはどういう姿勢でこれに対処しておられるのか、まず岸田外務大臣からお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 まず、北朝鮮が御指摘のように挑発的な言動を繰り返しているということ、これは極めて遺憾なことです。ただ、我が国としては、こうした北朝鮮の言動に国際社会が振り回されることなく、北朝鮮に対してそうした行為が何ら利益にならないことを理解させる、こういった姿勢が重要だと考えております。

 そのためにも、我が国は、米国、韓国、中国、ロシアを初めとする関係国と引き続き緊密に連携していかなければならないと考えておりますし、北朝鮮に対しては、先般、国連安保理において採択された決議を含む一連の国連決議、安保理決議を誠実かつ完全に実施し、いかなる挑発行為も行わないことを強く求めていくことが重要だと考えております。

 いずれにしましても、北朝鮮のこの言動につきましては、大きな関心を持ち、不断に情報収集を行っていかなければならないと思っておりますし、あわせて、我が国自身の防衛力を強化し、そして日米安全保障体制の抑止力によって我が国の安全に万全を期していく、こうした方針で臨まなければならないと考えています。

中谷(元)委員 この問題においては、我が国は非常に密接な関係もありますので、この時期に、北朝鮮当局に対して外交的なメッセージを伝えて、不要の暴発や地域の安全を損なうことではなくて、ともに経済発展をして、北朝鮮の国民に対して、アジアの連携などによって体制を動かすようなメッセージをぜひ伝えていただきたいと思います。

 一方で、外交、安全保障においては、米国は、F22を韓国の合同演習に派遣しまして、さまざまな事案に対して対処できるんだという姿勢、目に見えた姿勢を示しておりますが、我が国としましても、安全保障的に、北朝鮮のこういった発言に対して、日本はこういったことで対処できるんだというようなメッセージも発していく必要があろうかと思います。

 米国のNSCは、これに対して、同盟国を守る準備を万端整えていると述べて、その姿勢を示しました。一方で、高市自由民主党政調会長は、先般、自衛隊がこういった原子力発電所などの重要施設の警護を行うことにおいて、治安出動レベル以前であっても警護に参加できる法的な備えをしていくべきだと法改正を進める考えを示したわけでございます。

 こういった備え等について、自民党幹部の発言に対して、防衛省はどういうふうにそれを捉えて、こういった懸案についての対処を考えておられるのか、大臣の考えを聞かせていただきたいと思います。

小野寺国務大臣 原子力発電所の警備につきましては、一義的には、これは警察、海上保安庁で実施をしております。

 その上で、一般の警察力をもって治安を維持することができないような緊急事態が発生した場合には、治安出動により、自衛隊と警察、海上保安庁が緊密に連携して対応することができることになります。こうした事態を踏まえて、累次、警察、海上保安庁と自衛隊は、共同の訓練を行ってまいりました。

 そのような訓練をしておりますが、今回の自民党の議論の中に、自衛隊法八十一条の二にある警護出動、大規模なテロが行われるおそれがあり、かつ、被害を防止するために特別の必要がある場合に下令するという、この対象の中に、自衛隊の警護出動に新たに原発警備も加えるべきという御指摘のあることは、私どもも存じ上げております。

 この内容につきましては、これは政府部内で十分な調整が必要だと思いますので、このような国会の議論を踏まえつつ判断をしていきたい、そのように思っております。

中谷(元)委員 この問題は、まさに日本にとって欠落をした部分でもあるし、憲法解釈においても空白のある部分で、これはぜひ小野寺大臣のときに詰めていただきたい。

 というのは、警護出動というのは、九・一一が発生したときに、やはり、テロリストという、国と国との戦いではなくて、ごく一部の集団が国家を危機に陥れることが現実になっていまして、防衛出動でしたら三要件があって、その事態で発動するということですが、こういったテロによる攻撃に対して、警察作用で対処するのか、それとも防衛作用で対処するのか、非常にその判断が難しくなってきております。

 また、尖閣列島の事案においても、当面、警察作用で、海上保安庁を中心とした対処がされるわけでありますが、例えば数人が尖閣列島に上陸をしたケースなどを考えますと、いきなり防衛出動が発動されるということも判断しなきゃいけませんが、それに至るまでの間に、マイナー自衛権という、警察作用と防衛作用の間を埋める段階的な対処のあり方というもの、武器の使用も含めてこれは考え得ることでありまして、まさに、この警護出動というのはそのすき間を埋める条項でありました。

 ところが、国家公安委員長などとの議論によって、その範囲が米軍基地と自衛隊の施設内というふうに限定をされたわけでございます。しかし、この重要施設に対する攻撃というケースは十分考えられるわけでございますので、今後、この警護出動の基準を、範囲を一般の重要施設にも広げるべきだと私は当時から思っておりますけれども、この点の検討はしていただけるのか、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。

小野寺国務大臣 委員が御指摘のように、原発の警護の問題、そしてまた、尖閣等離島防衛の問題、これは一義的には警察、海上保安庁が行っておりますが、さまざまな事案を想定して、私どもは、シームレスな対応というのが重要かと思っております。

 ただ、具体的な検討、あるいは想定事項に関しては、これは政府内で検討するとともに、国会での議論というものも大変重要だと思っております。きょうの先生の議論を踏まえ、また政府内で検討していきたいと思っております。

中谷(元)委員 次に、海外の邦人の安全確保についてなんですが、ことし一月のアルジェリアの邦人拘束事件で十名の日本人が犠牲になったということを踏まえて、与党では、PTを立ち上げて、三月十四日に、総理大臣に対してその結果の申し入れをいたしました。

 その内容等について、二、三確認いたしたいんですが、一つは、情報収集の分析、これは政府全体でできるようにということで、それの構築を要請しましたけれども、防衛省と外務省においては、こういった問題にどのように連携、評価体制を構築されたのか、その後の取り組みについて、まず、外務大臣からお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘の、防衛省を含む各省との情報集約、共有につきましては、今、御質問の中にもありましたように、与党の在外邦人の安全確保に関するPTの報告、また、官邸におきましてもこの検証委員会が設けられましたが、この検証委員会の検証報告の中にも言及をされております。

 それを踏まえて、まずは、外務省が収集した情報を、防衛省を含む政府部内で適切に共有される、このことに努めるということ、さらには、情報コミュニティー各機関の情報分析、評価、これが迅速に共有されて、内閣のもと、的確に情報が集約できる、こうした体制をつくっていかなければならないと思います。

 また、そもそも、外務省として、情報収集・分析体制の強化が重要だと考えております。在外公館等、どの部署にどのような専門能力を持った人員を配置していくか、こうした体制強化、外務省自身も取り組んでいかなければならない、このように認識をしております。

 こうした認識のもとに、今、アルジェリア事件に関する有識者懇が政府に設けられております。この議論の行方もしっかり見定めた上で、この体制を具体化していきたいと考えております。

中谷(元)委員 その中で、情報収集体制、これは、ヒューミントとオシントというのがありまして、まず、オシントというのは、公開情報をいかに集めるかということで、これは語学能力を持った人をたくさん確保するということですが、その一方で、ヒューミント、これは日本の戦後の外交、安全保障に一番欠けている部分だと思います。外務省も、在外公館の中で大使館員とか防衛駐在官がさまざまな活動をしておりますが、やはり情報収集にはお金がかかるわけでございますので、車の調達とか運転手の雇用とか会合をするとか、こういった必要経費はしっかり確保していただきたいと思います。

 それから、もう一点、防衛大臣に伺います。

 防衛駐在官がまだ未派遣の地域がたくさんあるということで、アフリカにはエジプトとスーダンの二カ国しか派遣をしておりませんが、やはりこういった軍同士の情報収集というのは必要でありますので、こういった地域においては多く派遣をしていただきたい。その際、防衛駐在官の身分を外務省の職員に変えて派遣をされてきましたけれども、これでは防衛省としても、思っている情報収集において現場に指示などをする際に、直接指示もできないし、直接情報も入ってこないというのが現状でございます。

 今後、この防衛駐在官の身分は、私は自衛官の身分で派遣し、そして防衛省に直接情報を入れられるようにするべきだと思いますが、大臣は、この身分、また派遣の仕方について、どのようにお考えなんでしょうか。

小野寺国務大臣 御指摘がありますように、アフリカ地域、あるいは中南米を含めて、防衛駐在官が少ない、あるいはまだ未派遣の地域があります。そこを今、外務省と共同しながら、どういう形で対応できるかという相談をさせていただいております。

 防衛駐在官の身分ですが、やはり外交官という身分で現地で活動はいたしておりますが、実際に現地では制服を着、そしてまた、それぞれの位官というのでしょうか、防衛省の一佐のような名前で活動をさせていただいております。

 その活動について、もし何かふぐあい、あるいは不都合があれば、また外務省と相談をしながら検討していきたいと思っております。

中谷(元)委員 邦人の安全対策については、さまざまな面で与党PTとして指摘をいたしておりますので、ぜひこれらの改善をしていただきたいと思います。

 以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

武田委員長 次に、中山泰秀君。

中山(泰)委員 中山泰秀です。

 早速質問をさせていただきたいと思いますが、きょうは両大臣、お忙しい中、また副大臣、政務官とおそろいいただいておりますことに、心から感謝を申し上げたいと思います。

 と同時に、この部屋に入りまして、先ほど来ずっと先輩のお顔を見ていたんですよ。そうしたら、左藤政務官のお父様もそちらにおいでですね。義理の息子さんなのに、顔はそっくりですね。それと同時に、頑張っているなというのをやはりお父さんも感じられていると思います。

 それとまた、東中光雄先生、共産党の先生ですけれども、私が初めて衆議院の選挙にチャレンジしたのが二十四歳だったんです。被選挙権は二十五歳だろうと、委員長は思わずそんな顔をされましたが、実は、誕生日が選挙期間中に来て、投票日までに誕生日を迎えると大丈夫なんですね。一番最初に私が戦った相手が東中光雄先生だったんです。彼は今、立派な弁護士として大阪の地元で活躍をされていますけれども、戦争のとき、特攻隊の生き残りとして、逆に、自分の信じるところで共産党にお入りになられて、政治活動をされておられるというふうに私は考えております。

 やはり過去の戦争や歴史を見ましても、政治家の誤った判断によって必ず戦争というものが引き起こされる、これが歴史から我々が学ばなければいけない教訓だと思います。私たちがしっかりと心を引き締めて、こういった最悪のリスクをいかに回避するかということに、リーダーシップを発揮していくことこそが最も大事だなというふうに思います。

 そんな中、久しぶりの質問でもありますので、ちょっと思い出話に浸っている余裕はないんですけれども、お話し申し上げると、左藤先生もそうですけれども、うちのおやじも政治家でした。私は三代目。いわゆる世襲です。さっき二十四からと言いましたけれども、去年の選挙がちょうど人生七度目の選挙で、三回当選ということは、なかなか大阪の都市部というのは自民党には厳しいところです。だけれども、自民党から一回も政党をかえたこともなければ、信念はこのまま変えないで、ちゃんと政治家として、明哲保身、国民、有権者の皆様に背中から見られても恥ずかしくない政治家をしっかりと目指そうという信念だけは失いたくないというふうに思っております。

 こんな私の心を育てたのは、ほかでもありません、政治家のおやじでした。ちょうど私が中学校に入って十五歳のとき、ある日おやじに呼ばれて、泰秀、おまえ、もう元服だ、江戸時代でいえば大人じゃないか、男同士で旅に出ようといって沖縄に引っ張られていきました。やったあ、沖縄。水着それからシュノーケル、そんなものをトランクに突っ込んで、泳ごう泳ごうという一心で飛行場の那覇空港に着いたら、タクシーに乗ったおやじが一番最初に言った言葉が、運転手さん、摩文仁の丘に行ってくれ。

 それから三泊四日、三日間ずっと親子で沖縄の戦跡めぐりをやりました。そして同時に、途中、守礼の門のあたりで二時間ちょっと、三時間ぐらいですかね、渋滞に巻き込まれて、その渋滞は何だったかというと、いわゆる不発弾処理。あのとき私は中学生の子供ながらに、何十年たってもいまだに戦争の爪跡というのは深く沖縄に残っているんだなということを思いました。

 同時に、戦争のとき旧軍が掘ったざんごう、この中で腹を切った、その切る前に壁に筆の文字で書かれた言葉、それを、意味もわかっていないぐらいの年の中学生の私におやじが一生懸命説明して、泰秀、後世沖縄に特別の御高配を賜らんことをと。おまえがもし政治家を目指すんだったら、沖縄に対してはしっかりと特別の配慮をやれということ、これを必ず念頭に置いて政治家としての活動を忘れるなよということを当時から頭にたたき込まれたこと、これが、政治家の家で育ち、そして政治家のおやじのあぐらの中でじいさん、ばあさんの背中を見ながら育った私なりの勉強でありました。

 今、委員長と同期当選。長島先生も野党筆頭で同期当選。こういった同期が第一線、しっかりと議論をちょうちょうはっしやりながら、政治家として、国家国民、そして子供たちの時代のためにしっかりと政治姿勢を示せる、こういうチャンスを国民から再びいただけたことに心から感謝をします。

 と同時に、委員長はきのう誕生日、四十五歳。また同時に、委員長は奥様を実は天国に召されているんです。僕は御葬儀も、たしかあのとき九州まで行きました。委員長の奥さんも多分、天国で今のあなたの姿を見て非常に喜んでいらっしゃると思うし、あのときお母さんが亡くなったことを余り意識していなかった小さいお嬢様もすくすくと成長されていることだろうと思いますので、委員長に対しても敬意を表したい、かように思います。

 私の質問は、そうはいっても、まずはしっかりと防衛省の士気を高めるということ。特に周辺事案、いろいろ厳しい状態になっています。北朝鮮の、ヨーロッパのスイスで外国の教育を受けたような国家元首が新しく出ているのにもかかわらず、ちょっと異常な政治家としての行動をこの二十一世紀の時代にとっているというふうに私には見えます。

 その中で、日本とアメリカが日米のアライアンスをしっかりと組みながら、今も自衛隊員が緊張感を持って事態の対処に当たろうと心の防備に備えている。そのさなか、私はこの間、自衛官の皆さんといろいろ話をして、酒も酌み交わして、オフのときに一緒に飲みまして、そのときに非常に耳を疑ったことがありました。

 それは何だったか。陸幕の人、海幕の人、空幕の人が制服を着る。制服を着ると、胸に徽章をつけておられる。この徽章を、最初の一個、二個は官費で出してもらうんですけれども、あとは全部自分で売店で金を出して買う。それからベレー帽、陸自ならベレー帽をかぶっていますけれども、このベレー帽の費用も何と自分で売店で身銭を切って買う。それから、自衛官の方が運動場に集まって、体育のようなエクササイズをするとき、世界じゅうの軍隊を見回して、一人はミズノ、一人はナイキ、一人はアディダス、みんな色もばらばら、そんな軍隊というか自衛隊というか、私は見たくないんです。

 しっかりと制服を統一、それから徽章も国民の税金で買ってあげるべき、ベレー帽も同じ。

 そして、もっと言えば、大阪には官公需適格組合に所属するメリヤスの方々がたくさんおいでなんですけれども、この方々、大体、オーナーが旧軍の方々なんです。日本の自衛官の方々が国民の生命と財産を守るために一生懸命頑張るに当たって、日本の綿花を使って、日本のメリヤスで、年に一回しか動かさない機械に油を差しながら、さびつかないように一生懸命メンテナンスをされて、その声に、期待に応えようとして頑張っておられたところ、残念なことに、この予算が、大分前、たしか久間大臣、愛知治郎政務官の時代だったと思いますけれども、削られてしまったんです。

 例えば、最悪の事態を考えて、捕虜になったとき、一人は綿のパンツ、一人は中国製のパンツ、一人はヒョウ柄のパンツ、一人はティーバック、こんなことで自衛官の士気が保てますか。

 私は、たかが下着、されど下着、しっかりと士気を下げないような予算の配分を考えていくべきだと思いますけれども、防衛大臣、いかがでしょうか。

左藤大臣政務官 どうも失礼します。

 中山先生も私も、浪人をしながら、やっと戻ってまいりました。一緒にまた国のため、国民のために頑張っていきたいと思います。

 今、中山先生から大臣に対する質問ですが、私、政務官の左藤章がお答えをさせていただきたいと思います。

 今、中山先生がおっしゃったいろいろな問題がございますが、防衛省の職員の給与等に関する法律施行令というのが昭和二十七年に出ております。それにいろいろ規定があって、冬服、夏服、作業服、正帽、それぞれが、二組、二組、二組、一個ということになっております。

 その中で、今先生がおっしゃった、いろいろな訓練等に必要なものが当然摩耗したりします。それが、予算措置はある程度はされていますが、なかなか思うようには予算の関係上できていないのも現実です。

 特に、御指摘の徽章、下着については、陸上自衛隊としては必要な数、実は十四万人おりますので、これは一応整備はしております。しかし、下着については、一定数毎年更新しているところなんですね。実は、情けない話ですが、昭和二十一年までは一枚しか渡していなかった。二十二年以降、何とか予算措置をして二枚渡すことになって、毎年八枚ずつ更新をしているわけであります。

 ある面、先生がおっしゃるように、少ないんじゃないか、統一されていないんじゃないか、当然そういうことは出てくるわけであります。それらについても、業務の遂行上の必要性や隊員の実情等を十分考慮の上、引き続き可能な限り、これは予算の問題もございますが、必要な被服が確保されるようにしっかりまた努力をさせていただきたいと思います。

中山(泰)委員 左藤政務官、ありがとうございます。

 特に、私も党の方で国防部会長を務めておりますので、長年の私なりの政治家としての問題意識、これをしっかりと遂行していきたいと思いますので、どうか御協力を賜りたいというふうに思います。全ては国家国民の安全のためでございますから、どうぞよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 それから、特に、防衛大臣は被災地の御出身であられます。そんな中、もう釈迦に説法ですけれども、こういう手紙がございます。

 じえいたいさんへ。

 げん気ですか。

 つなみのせいで、大川小学校のわたしの、おともだちがみんな、しんでしまいました。でも、じえいたいさんががんばってくれているので、わたしもがんばります。

 日本をたすけてください。

 いつもおうえんしています。

 じえいたいさんありがとう。

 うみちゃんという方が自衛官に渡した手紙。ちょうど大川小学校、被災地に私もお弔いに行ってまいりましたけれども、当時、この手紙を読んで、私は涙が出ました。とまりませんでした。しっかりと被災地の復興、こういった対策を講じるというのは当然のことであります。

 今、国民はみんな思っていますよ、テレビを見ながら。テレビに出てくると、政治家は足の引っ張り合いばかり。そうかと思えば、東大まで出た国家公務員がやめて、テレビに出てきて、元同僚や霞が関の人たちを誹謗中傷ばかりしている。こんなことをやっていて、国がよくなるはずがない。今は日本の国難。国民も、それから霞が関の官僚も、そして政治家も一丸となって、国難をいかにしていい方向へ向けていくか、その方策を考えるべきだというふうに思いますし、この震災や安全保障の問題に対しては、これは与野党関係ありません。そして、なおかつ、自己を正当化するために相手のことを誹謗中傷するような政治から早く脱却しなければならないというふうにも同時に思います。

 そんなとき、この大震災で自衛隊の救援活動をして、なおかつ、その救援活動の中に、イスラエルという国が医療機器を提供してくださり、そして、その場所をユニットでつくってくださって、医師まで派遣してくれた。

 いざ大災害が起きたり、いろいろな緊急事態が起きたとき、人がけがをして、それを治療する、そのために努力するということに対して、肌の色も、宗教も、国境も関係ないというふうに私は思っています。しかし、現実的には、例えば薬事法の問題、それから医師の免許の許可制の問題、それがある意味、よく防衛省がお使いになられるシームレスな対応ということに実はかなっていない面もあると思うんです。

 これを、ある程度ハードルを下げて、緊急事態のときのレギュレーション的なものを事前に想定し、いわゆる共通の基盤を整備しておく必要性があると思うのですが、防衛大臣、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 イスラエルの大使から私のところに依頼があったのは、震災間もない二週間目ぐらいだと思います。栗原市の市長を通じて、イスラエル大使から、実はイスラエルの医療チームを南三陸町に送りたいんだけれども、日本政府としてなかなか受け入れてくれないという相談がありました。私を中心にさまざま動きまして、外務省の努力もありまして、イスラエルの医療チームを南三陸町に受け入れることができました。

 ただ、その際、実は日本の医師法、薬事法の関係もあり、こういうような外国の医療チームは日本で医療行為をすることができないということで、非常に困ったことがありました。いろいろな知恵を出して、日本の医師のもとに医療支援をするという一つの枠組みの中で、また、JICAを含めて、言葉が話せる、医療がわかる方の派遣も踏まえて、今回は南三陸町でこの医療支援ということができるようになりました。

 さまざまなハードルを乗り越えるのに時間がかかったことは事実です。ただ、私は現地でこの医療チームの状況を見て、実はイスラエルの医療チームは大変医療技能が高い方々、そして、何よりもありがたかったのは、実は、医療機材を全て持ってきてくれた、レントゲンも、それから診療の部屋も薬も全部イスラエルのお金で持ってきていただいて、医療チームが去った後でも、南三陸町唯一の医療機関としてそこを長く使って、ようやく一年たった後に仮設の病院ができた、それまでは、実はこの医療チームの支援で、その残したもので診療活動を行っていたということが現実のところであります。

 今後、さまざまな状況があったときに、このような医療チームの受け入れをどのような形でできるかというのは、今回のイスラエルの例というのが非常にいい参考になるんだと思っております。防衛省の問題というよりは、これは政府全体として、東日本震災の一つの教訓として生かしていく大切なことだと思いますので、重要な御指摘を改めて感謝申し上げます。

中山(泰)委員 大臣、ありがとうございます。

 おっしゃるとおりに、イスラエルというのは中東の国であります。同時に、イスラエル自体も、日々、テロの危機にさらされていて、イランとの戦争のリスク、この回避に向けて、一生懸命、日々努力をしている。その中で、わざわざ、これだけ地政学的に遠い国まで、心を形にして、しかも残してくれているというのは、イスラエルの国家国民の大きな意思が示されているのではないかというふうに私は思います。

 イスラエルという非常に重要な国との関係をこれからもしっかりと充実する、ある意味、その道しるべにもなろうかというふうに私は思いますので、しっかりとこの点も、大臣には今後も、私が申し上げたような、緊急事態においてレギュレーションの共通基盤というものをぜひやっていく、そのために一助とおなりになられ、またお知恵をどんどん拝借していきたいというふうに私自身も政治家として考えてございます。

 同時に、この間、多国間の軍事演習でコブラゴールドというのが行われましたけれども、ああいったときにも、ぜひ、こういう医療の部分に関して、特に日本も積極的な参加をするということを促すべきであろうというふうに私は思います。

 それから、時間の関係もございますので、防衛大臣に。

 私が、ちょうど安倍内閣第一次のとき、外務大臣政務官を仰せつかっていました。そのとき、小野寺副大臣として当時御活躍をいただき、時期も重なっておりました。ぜひ大臣にお伺いしたいのは、防衛大臣として、今、当然、外交は岸田大臣の所管ではございますけれども、やはり外交の重要性というものを日々認識、意識されて活動されるということを心がけておられるだろうというふうに推察をいたします。

 特に、冒頭申し上げたように、戦争のリスクを回避するという意味では、実動部隊、実力手段としては防衛省が第一義であることは間違いないというふうに思いますけれども、しかし、そこに至る、武力の「武」というのは「戈を止める」と書いて武力の「武」、「自分の戈に血塗らずして相手の戈を止める」ということが、この武士道の「武」の原点だ。字の講釈で恐縮ですが、そのように思っております。武田良太委員長も、自分を指さして、俺も、武田の「武」は「武」だと言いたいんでしょうね。委員長は発言できませんから、私がかわって申し上げますけれども、冗談を言っている余裕もないんですよ、委員長、申しわけない。

 そんな中、しっかりと、この武力の「武」というものが、これこそ自衛隊にそぐう概念だと思いますけれども、外交というものを、あえて、防衛大臣になってから、どのようなプライオリティーを持って見ていらっしゃいますか。短くでいいのでお答えください。

小野寺国務大臣 中山委員には、大臣政務官のときに外務省で存分なお働きをいただきました。特に、英語、フランス語、堪能だということで、それぞれの国に訪問した中で、それこそ心を割って話す外交をつぶさに見せていただきました。今後とも御活躍を御期待申し上げます。

 その中で、私ども、この仕事をする中で、防衛が一番大切なのは、それぞれの国が紛争に至らないこと、衝突するに至らないこと、それを回避すること、そのためにまず国の守りを固めるということ、そして常に、周辺国、あるいは世界の国々に対して我が国の姿勢を示していくこと、これがとても大切だと思っております。

 その中で、私ども、政治レベルの交流だけではなくて、それぞれ、自衛隊レベル、各幕僚レベルでの交流というのを盛んにさせていただいておりますし、先般も、例えば、我が国防衛省・自衛隊で行っている研修に中国の幹部の方が来て研修に参加する、このようなこともさせていただいております。

 いずれにしても、一番の目的は国を守るということ、そして衝突に至らない、紛争を回避する、それが大切な案件ということですので、私ども、今後、さまざまな事案を捉えて防衛交流に努めてまいりたいと思っております。

 六月には、アジアの安全保障会議、シャングリラの会議もございます。ヘーゲル新国防長官も来られるということでありますし、私どもとしても、できるだけこれに参加をさせていただいて、さまざまな外交努力、これもしっかりしていきたいと思っております。

中山(泰)委員 大臣、ありがとうございます。

 アルジェリアの邦人拘束事案のときに、自公でPTメンバーとして私も参加をさせていただきましたけれども、その際、行うべきことというのはこれだなと思ったことがございます。

 それは何だったかというと、日本における情報保全の問題。特に、機密事項、国家としての秘密、これをいかにして守っていくべきかということをしっかりつくっておかないと、アメリカとかオーストラリアとかはもとより、例えばフランス、ドイツ、イギリス、そういった日本の法的価値観、民主主義、それから同盟諸国、こういったところとの機密情報の交換、お互いにとって有益な情報に関する交換もなかなかスムーズにいかないことも同時に今回の事例から見られたことではないかというふうに私は思います。

 その中で、日本で今、新聞各紙も、そしてまた内閣の方からも発表がございましたけれども、この秋に秘密保全法をしっかりと確立していくという議論をされるということであります。その際に、ぜひ目標とするべき先例というものが実はアメリカに、もしくはイギリスにあるんじゃないか。

 特にアメリカでは、FOIAと言われる、フリーダム・オブ・インフォメーション・アクト、これは情報自由法と訳しておりますけれども、そういう民主主義国家における秘密は、情報の公開が前提であるということのもとに、例えば、十年後に公開する秘密、二十年後に公開する秘密、永久に公開しない秘密、そういうふうに、まずは時間軸で切る。それからあと、秘密のレベルですね。超機密情報か、そのAランク、Bランク、Cランクというものを決める。それを決めた上で、この情報自由法というものをアメリカはFOIAという形でしっかりと設けております。

 秘密保全法制というと、何となく、国家にとってデメリットなものは情報を最初から隠蔽しようという秘密指定をするかもしれないということを、国民の一部の方はもしかしたら御心配をなさるかもしれない。そういうことを考えると、その懸念を払拭するということを、そしてまた、アメリカとのアライアンスを考えると、アメリカの法体系と似たような法体系を最初から検討していくというのも政治が出し得る一つの知恵ではないかと私は思います。

 その点に関して、このFOIA、どのようにこれから日本バージョンを検討されていくか、今どのようにお考えかをちょっとお伺いしたいと思います。

能化政府参考人 情報保全に関するお問いをいただきました。

 御指摘がございましたとおり、情報漏えいに関する脅威が高まっている状況、あるいは外国との情報共有を推進していくことの重要性に鑑みますと、速やかに秘密保全に関する法制を整備することは大変重要であるというふうに認識しておりまして、現在、政府においては、秘密保全に関する法制の整備のための法案化作業に取り組んでいるところでございます。

 一方で、御指摘がありましたとおり、情報公開制度、これは国民に開かれた政府を実現するために重要な制度であるというふうに認識しております。

 現在行っております法案化作業に当たりましても、御指摘の米国の諸制度などを参考としつつ、国民の知る権利、それから取材の自由等を十分に尊重しつつ検討を進め、早期に国会に提出できるよう努力してまいりたいと存じます。

中山(泰)委員 ありがとうございます。

 図書館へ行きましても、情報自由法の日本語の解説の書物というのは非常に数が少ないんですね。ですから、そういったことも含めますと、相当短期で集中して深掘りをして、この法案の検討作業を、霞が関の官僚の皆様を含めて、政治家も参加する形でしっかりと議論をしていかなければいけないということを考えますと、しっかりと我々も支援体制、この法整備の充実のために行わなければならないというふうに思います。

 これが、日本の戦後、一番欠落していた部分でもあるというふうに思います。そのポジションに座る官僚によって、その裁量でいつでも情報を開示したり閉じたりしているようないいかげんなことでは、日本に情報を出したらだだ漏れだというふうに世界から思われかねませんので、しっかりと国家の機密というものを守り、そして民主主義ということを考えると、同時に公開の原則というのも忘れずに、アメリカのフリーダム・オブ・インフォメーション・アクトを先例にしながら検討を行っていくことを私は強くお訴えを申し上げておきたいというふうに思います。

 それから、実は、私たち政治家というのは、かわいい子供たちの時代のために何を残していけるかというのが政治家としての大きな課題だと思うんです。

 今でいくと、一つの地球儀を見て、軍事の地図、眼鏡をかけて見ますと、北朝鮮問題といっても、何の問題かといったら、要は、地政学上のアメリカと中国のとり合いのように私には見えるんです。

 昔、太平洋シーレーン防衛という概念があって、そのときは、私たちは西側諸国の最先端であったわけですよね。一番の防戦ラインだった。この防戦ラインにある地政学上の国、日本。この日本が、ベルリンの壁が崩壊した後も、アメリカとかオーストラリアとか、もしくは三十八度線以南の韓国とかとしっかりとこの同盟を築き上げて、手を結んでおかなきゃいけない。

 しかし、あのときはどうでしたでしょうか。ベルリンの壁が崩壊して、もうこれからは右も左もない、これからは中道主義なんだみたいなあやふやな概念に惑わされて、実は、日本国民は平和ぼけをしつつあるんじゃないかというふうに思います。

 同時に、徴兵制のある韓国ですら、板門店を越えて兵隊が亡命してきても、二十二師団でしたか、一つ目の兵舎では誰も気づかなかった、ノックをしても出てこなかった、そうかと思ったら、次の兵舎に行ったら、おまえ、何でそんな格好をしているんだといって、政府当局から後から厳しい処罰を師団が受けたというニュースも私は目に、耳にしました。

 こういうことを考えますと、しっかりとこういった心の防備を忘れないようにするということ。それと同時に、冷戦構造がまだ脈々と地下に息づいているんだというこの危機感を私たちはしっかりと、政治家は最低でも考えておかなきゃいけない。軍事を抜いた政治は楽器を抜いた音楽だというじゃありませんか。しっかりと軍事問題を念頭に政治家が政治を語っていける、そんな時代をこれからも目指さなきゃいけないというふうに思います。

 それと、私は、自分も子供が二人いる、この子たちが二十になる時代に、第三次世界大戦のリスクは高まると思うんです。必ず海から始まる戦争になるだろう。何でこんなことを言うのか。それは「ウオー・プラン・オレンジ」、エドワード・ミラーという元ニューズウィークの編集長が本を書いていますけれども、これは何かといったら、戦争が始まる五十年前に、アメリカの海軍大学校では、日本、オレンジの国とどうやって戦うかということを、既に軍事計画を出していたということがございます、歴史的経緯として。このことに鑑みますと、しっかりと次に対する戦略というのを考えなきゃいけない。

 その中で、国連の本部機能を、このアジアに、日本の広島に持っていきたいと私は思っています。これは私の政治家としての使命だと思っています。特に、外務大臣は広島がお地元でありますし、前回、私が二期生のときに、超党派で、共産党、無所属の平沼赳夫先生まで含めて、実は、国連の本部機能、そして国際機関、勉強会も含めた誘致をやろうという議員連盟をつくりました。

 日本に国連の本部があれば、中国や韓国が攻めてきても、しっかりとソフトバリアになるというふうに思いますので、このことも同時にしっかりと検討していきたいと思いますけれども、大臣、御答弁をいただきたいと思いますが、時間の関係でひとつ短目でよろしくお願いします。長島筆頭、ちょっと御迷惑をかけます。よろしくお願いします。

武田委員長 簡潔にお願いします。

岸田国務大臣 国連機関の誘致の話ですが、現状を考えますと、国連の財政状況、あるいは一旦誘致した後の財政負担等を考えますと、ハードルは高いと存じます。

 しかしながら、ぜひ、こうした国際機関と我が国がウイン・ウインのいい関係を構築していく、そして未来に備えていく、この意義は大変大きいと存じます。

 ぜひ引き続き、こうした課題についても何ができるのか、検討は続けていきたい、このように考えております。

中山(泰)委員 ありがとうございます。終わります。

武田委員長 次に、長島昭久君。

長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。

 今国会初めての質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 今、同期の中山泰秀さんの質疑を聞いておりまして、特に冒頭のくだりは本当に感銘を受けました。

 私も、初当選のころから、外交や安全保障には与党も野党もない、あるのは国益だけだ、ずっとこう叫び続けてまいりました。大変短かったとはいえ、三年三カ月の政府の経験もさせていただきました。野党に戻りましたけれども、何でも反対の万年野党に成り下がるつもりは全くありません。政府を経験したその経験を生かしながら、できる限り建設的な提案をしながら、両大臣とこの安全保障委員会で議論を深めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私、野党の立場で申し上げるのも多少はばかられますが、安倍政権最初の百日、極めて順調な滑り出しではないだろうか、野党から見てもそう思います。アベノミクスもさることながら、外交、安全保障についてのハンドリングも非常に安定しているというふうに思っております。

 いきなりアルジェリアの試練に直面をいたしました。十人の方が亡くなられて、本当にお悔やみを申し上げたいというふうに思います。それに続いて、中国の軍艦による射撃管制レーダーの照射事件もありました。そういう中で日米首脳会談に臨まれた安倍総理が、私どもも大変苦労いたしましたけれども、TPPの問題と、普天間の移設についての問題、この二大懸案を大きく前進させたということは、私も見ていて大変感銘を受けました。

 その間に、総理はベトナム、タイ、インドネシア、外務大臣はフィリピン、オーストラリア、もう一つありましたか。(岸田国務大臣「ブルネイ、シンガポール」と呼ぶ)ブルネイ、シンガポール、そうですね。それから麻生副総理がミャンマー。日本の外交にとって、アジアにおける基盤を固める上で大変重要な東南アジアの国々、そしてせんだっては、総理はモンゴルに行かれました。そういう意味では、本当に足場づくりを着々と進めていくということでありまして、こういった地域の戦略的連携の上に、恐らく五月の日中韓首脳会談を迎えよう、多分こういう段取りだろうというふうに思っております。

 これは別に通告する問題でもないので伺いたいんですが、これまでの百日間、最初の百日間を振り返って、両大臣に、まず御感想というか、御所見というか、どういう政策目的を持ってこういった施策を進めてきたのか、どういう戦略的な意図を持って外交、安全保障体制固めを進めてきたのか、一言ずつ御所見を伺いたいと思います。まず防衛大臣から。

    〔委員長退席、大塚(拓)委員長代理着席〕

小野寺国務大臣 長島委員には、防衛副大臣として、また外交の専門家として日々御指導いただきまして、感謝を申し上げます。

 私がこの任につきまして、まず総理から命ぜられました、我が国の領土、領海、そして国民の生命財産をしっかり守り抜くということ、これを肝に銘じて、日々緊張感を持ってこの任務につかせていただいております。

 その中で、森本前大臣からさまざまな引き継ぎを受けました。全く、防衛政策には与党も野党もないということだと思っております。例えば、今回、F35に関しての、取得を含めたこの端緒は、前政権でやっていただきました官房長官談話、これが一つ大きな後押しになったということは間違いのないことでありますし、また、今、沖縄で埋立申請まで達しましたが、環境影響評価書を提出していただき、これが進んだというのも前政権からの流れだというふうに思っております。

 私どもとしましては、とにかく、今ある直面した課題、これにしっかり対応できること、それを日々努力させていただいているということであります。

岸田国務大臣 まず、就任して三カ月、感じますのは、我が国の周辺の戦略的環境、アジア太平洋地域の戦略的環境は大変厳しいものがあるということであります。北朝鮮の核実験の実施、あるいは中国公船によるたび重なる領海侵犯、さらにはアルジェリアのテロ事件もありました。こうした厳しい環境、状況に対して、日本の外交はしっかりと心して立ち向かわなければならない。

 そうしたことで、まず一つは、日米同盟の強化、二つ目として、近隣諸国との外交の展開、そして三つ目として、日本の経済再生に資する経済外交の展開、この三つを柱に掲げて外交に取り組んでまいりました。

 御指摘をいただきました外国訪問に加えて、アメリカにも二回行かせていただきました。こうした外国訪問におきましても、今の三つを念頭に、我が国の国益のために何ができるのか、全力で取り組まなければいけない、そういった思いで三カ月過ごしてまいりました。

長島(昭)委員 外務大臣の訪米については、あす、恐らく外務委員会で質疑の機会があると思いますので、そのときに改めて伺いたいと思います。

 最初の百日間は非常に順調だというふうに申し上げましたが、順調なときほどやはり気の緩みが出かねないので注意していただきたいんですが、岸田外務大臣は、先月二十四日、NHKの番組で、中国の不透明な軍事費の増大、積極的な海洋進出は日本のみならず地域全体の脅威だ、こう述べられた。

 脅威認識は人それぞれですから、それはいいのでありますが、温厚な、しかも外務大臣が、脅威という言葉、軽はずみには使えない言葉だと思うんですね。冷戦期のソ連にさえも、当時の日本政府は潜在的脅威というところでとどめているわけです。日本にとっても地域全体にとっても脅威だ、これは、中国政府に対しては相当挑発的なおっしゃり方だというふうに私は思うんです。

 まず、その発言の真意と、その後、記者会見をされたときに撤回されていることも私は存じ上げておりますが、外務大臣として脅威という言葉をお使いになった動機といいますか背景、そして撤回された以降の外務大臣としての御認識、改めて国民にわかりやすく説明していただきたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘の私の発言ですが、最近の中国による尖閣諸島周辺海域への公船の頻繁な侵入などを念頭に、中国の不透明な軍事費の拡大、あるいは海洋活動の活発化に対して我が国を含む周辺各国の懸念が一層高まっている、こういったことを指摘したところであります。

 したがって、私の発言は、脅威ではなく懸念ということを述べようとしたものであって、これまでの我が国の認識を変更するものではありません。記者会見においてもそういった趣旨を説明させていただいたところでございます。

 いずれにしましても、中国の動向については引き続きしっかり注視していかなければならないと思っておりますし、同時に、対話や交流を通じまして、透明性の向上、さらには国際的な行動規範の遵守をしっかり働きかけていかなければならないと認識しております。

長島(昭)委員 外務大臣の御発言ですから、ぜひ緊張感を持って、注意をしながら今後は発言していただきたいと思います。

 セオドア・ルーズベルトというアメリカの大統領、二十世紀の初頭、アメリカを世界国家にした大統領で有名ですが、彼がよく言った言葉に、スピーク・ソフトリー・キャリング・ア・ビッグ・スティック。

 どうも今の日本の国内の議論は、先ほど中山議員の発言にもありましたけれども、スピーク・ラウドリー・キャリング・ア・スモール・スティックという感じで、防衛努力もしないで、相手に対して挑発的な言葉を言えば気持ちがよくなるみたいな、そんな傾向があることを、みずからの自戒も込めて、我々政治家は言動に気をつけなきゃいかぬというふうに思っています。

 ビッグ・スティックについては、きょうの終盤のところで南西方面の防衛体制に絡んで防衛大臣にゆっくり伺いたいというふうに思いますけれども、外務大臣にはぜひ、スピーク・ラウドリーの人たちを抑えて、そういう日中関係、建設的な戦略的互恵関係を本当につくり直していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 さて、先日、私、外務委員会で質疑を聞いておりましてちょっと不安になったので、きょうの私の質問のテーマは、海外における邦人の保護、安全確保であります。

 そういう意味で、私は、外務省の果たす役割は非常に大きいと思っているんです。もちろん海上保安庁や自衛隊の皆さんの役割も大きい、その点については後で防衛大臣に伺いたいと思います。特に、在外公館の警備体制が民主党政権下で半減された、新聞でこういう報道がありました。私も民主党政権の一員でありましたけれども、本当にこの点は反省をしなきゃいかぬというふうに思っております。

 私が不安を感じたのは、せっかく政権交代して、新しく就任された岸田大臣の御答弁を聞いていても、在外公館の警備体制を本気で強化していこうという気迫といいますか、決意が感じられなかったんですね。

 きょうはこれから、緊急時の邦人の陸上輸送とか、そういう話をさせていただきたいと思いますが、在外公館というのは、邦人を輸送する集合場所、あるいは出発点になるようなところです。そこにおける警備要員の数がどんどん足りなくなってきているということは、大変ゆゆしいことだと思っているんです。治安情勢に特段の変化がないのにもかかわらず減少させるというのは、私は明らかにおかしいというふうに思うんです。

 外務大臣、政治家として、この警備体制の強化についてどういう姿勢で臨まれるか、改めてお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 まず、国際情勢、各国の状況を見るときに、邦人、日本企業の安全の確保に関しまして大変厳しい状況が増大している、こうした認識でおります。

 国にとって、邦人、日本企業の安全確保、これは最も大切な、重大な任務であります。こうした厳しい環境、そして環境の変化の中にあって、改めて、邦人、日本企業の安全確保に努めなければならない。

 その際に、御指摘の在外公館というのは大切な拠点であり、この在外公館自身の安全が守られないということでは、そもそも対策の講じようがない、こういったことにもなりかねません。御指摘のように、在外公館の安全確保は、今申し上げたような意味から大変重要な課題だと認識をしております。

 財政等、大変厳しい環境の中でありますが、国として何を優先するべきなのか、めり張りをつけ、最大限努力をしていかなければいけない課題だと考えております。

長島(昭)委員 大臣、ぜひそこは頑張っていただきたい。財務省ががたがた言っても、このお部屋にいる安保委員会の委員は皆、外務大臣の応援団であります。この点についてはしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。

 それでは、本題に入りたいと思います。

 在外邦人の保護、これは国家の責務であると思います。今、外務大臣からも御答弁いただきました。小野寺防衛大臣も、先日の大臣所信において、在外邦人の保護は政府一丸となって取り組むべき重要な課題である、こうお述べになりました。

 私も実は、官邸で総理補佐官をやっていたときに、PKOで派遣された自衛隊の部隊の皆さんが、例えば近傍で働いている国連の職員であるとか、NGOのメンバーであるとか、あるいは日本の企業関係者もおられるかもしれません、そういう方々から、SOS、助けてほしい、暴徒に襲われた、ゲリラに襲われた、助けてもらいたい、こういったときに、派遣された自衛隊が機動的に対応できるような法制度を構築できないかということで努力をさせていただきました。

 まだ道半ばで政権をおりることになりましたけれども、ぜひそういう問題意識を引き続き小野寺大臣は持っていただきたいと思いますし、ちょうどこのアルジェリアの事案を受けて、在外邦人の保護をめぐっては、これまで海と空で輸送することが定められておりました自衛隊法を改正して陸上輸送も可能にしよう、そういう提案が政府・与党の中で合意され、官邸に、総理にその提案がなされたというふうに報道で承っております。

 その際、武器使用権限の緩和は見送られる方向だ、こういう報道もあるんですけれども、この問題は私も非常に関心を持ってこれまでも取り組んでまいりましたので、きょうは、せっかく一時間いただきましたので、少し論点を整理しておきたいというふうに思っております。

 もし陸上輸送ということになりますと、自衛隊の任務がまた一つふえる、こういうことになるわけです。しかし、いつも問題になっているのは、派遣された自衛官の安全の確保をどうするか。コインの裏表になるわけですけれども、任務を果たそうとしている自衛官に果たして十分な権限が与えられているのか、特に武器使用基準がきちっとなされているのか、ここがいつも問題になります。

 PKO派遣をめぐっては、これまでも、武器使用に関する国連の基準と日本独自の基準との間でのギャップというのが問題になっていた。タイプA、タイプB。

 タイプAというのは、自己保存型の武器使用。タイプBというのは、任務遂行を邪魔する勢力に対して、これを排除するための武器使用。日本の場合は、法制局の憲法解釈によって、任務遂行型の武器使用はだめだ、タイプBはだめだということになっている。同じエリアで活動している各国の軍隊は許されても、日本だけが許されていない、こういう状況が続いてきているわけです。

 おさらいをしておきますと、これまでの政府の解釈では、海外における武器の使用には厳しい制約が課されてきた。そのことによって、かえって任務を果たそうとする派遣自衛官の手足を縛ることになり、少なくとも現場の指揮官を大いに悩ませてきた、東ティモールでもいろいろな事案がありました、カンボジアでもありました、スーダンでもあります、こういうことであります。

 海外における武器の使用に際しては、先ほど申し上げたように、自己保存、自己または自己の管理下にある者を防護することに限って武器の使用が認められる、これはPKO協力法二十四条に認められている、それから、武器等防護と言われている自分の身を守る武器を守ることは、自然権的な権利と言ってもいいということで、自衛隊法九十五条でこの武器等防護が認められている、こういうことでありますが、自己保存を超えて仮に武器を使用する際に、相手方に、国または国に準ずる者、国または国に準ずるような組織が出てくるおそれがある場合には、憲法で禁じられた武力の行使に当たるおそれがある、こういう法制局の解釈があるわけです。

 先走ってちょっと申し上げると、常識的には、これからも自衛隊は海外に出てオペレーションをすることがあります。脆弱国家とか破綻国家があるときには治安の維持というのは非常に大事です。あるいは、近年は、NPOと一緒に活動したり、国連の職員と一緒になって活動したり、軍人が文民の活動を担当したり、文民も軍人も一緒になってエリアで活動せざるを得ませんから、普通、各国は、軍人が文民の保護というものもしっかり、国連のマンデートに基づいて活動するというのが国際常識です。

 ですから、本当は、憲法解釈をするんだったら、PKOというのは憲法で禁じられた国際紛争を解決する手段としての武力行使とは違うんだから、それとは別、国連憲章で認められたPKO活動ですから、そこでの武器の使用というのは海外における武力の行使とは違うんだという解釈があってしかるべきだと思いますが、大臣、この解釈についてはどんな感想をお持ちですか。

小野寺国務大臣 御指摘いただきまして、大変ありがたいと思っております。

 邦人保護、これは私どもの大事な役目でありますし、特に、自衛隊につきましては、このことについて、例えば、今回、自衛隊法八十四条の三を改定して陸上輸送ができるということになりましたら、さまざまな事案が今後想定をされます。そのときに、現場の隊員が困ることのないように、不測の事態への対処、武器の使用のあり方についてはしっかり検討する、それが大切だと思っております。

 今、御指摘がありましたいわゆるタイプA、私どもは駆けつけ警護等を想定してさまざま検討する中でありますが、現時点では、やはり憲法第九条の禁じる武力の行使との関係で慎重な検討をせざるを得ないというのが内閣法制局の解釈であります。

 私どもとしましては、この解釈をもとに今回の改正も検討する必要があるというふうには思っておりますが、現場でさまざまなことを想定する中で、今委員の指摘のあった内容についても、私どもとしてしっかり考えるべき問題の一つだと思っております。

長島(昭)委員 大臣のお立場ですから、余り踏み込めないというのはよくわかりますが、問題意識を共有していただいたということで多としたいと思います。

 そもそも、軍隊による実力の行使を、武器の使用か、武力の行使か、この二つの概念に一々分けているのは日本だけですから、こういう特異な状況というのをぜひ是正してもらいたいと思いますし、もう既に、平成十四年、前の自民党政権のときから、これは明石懇談会ですけれども、我が国の武器使用基準を国際基準に合致させるべきだ、こういう提言を何度も出されています。今の安保法制懇でもこういう提言は出されております。

 ぜひそこは、法制局に気兼ねすることなく、政治家として、現場の自衛官の皆さんともよく話をしていただいて、御判断をいただきたいというふうに思っています。

 ここで、ぜひ委員の皆さんにもリマインドさせていただきたいと思いますが、今私が申し上げたように、海外における武器の使用をめぐっては、日本特有の制約があることはもちろんですけれども、その中に、相手方が、国または国に準ずる者、国に準ずる者というのは定義してみてくださいといっても誰も定義できない、こういう非常に実態の不明確な、お化けのような存在をあらかじめ想定して、それに対する武器の使用は武力の行使に当たる可能性があるからやめるようにという、法律論の基準にもならないものが今はびこっている。

 この点はぜひ、この安全保障委員会の議論を通じて、現場の混乱も回避しなきゃいけないし、国会における議論の混乱もこの曖昧な概念によって引き起こされているということを、もう一度委員の皆さんにもリマインドさせていただきたいというふうに思います。

 そこで、きょうの本題に入りたいと思うんです。

 同時に、防衛法制、いろいろあるわけですけれども、その中で、警察活動に従事する場合に準拠する、警察官職務執行法というのがあります。この警察官職務執行法の第七条には、警察官は、犯人の逮捕もしくは逃走の防止、自己もしくは他人に対する防護云々のために相当な理由のある場合においては、事態に応じ合理的に必要と判断される限度において武器を使用することができる、こういうふうに、自己保存を超えて、他人の防護のために武器の使用が認められるという規定があるわけです。

 そこで、私、きょうちょっとお手元に拙いベン図を配付させていただきました。この図に従って、具体的な事例に当てはめながら、少し質疑をしたいと思います。

 まず、海上保安庁、お見えいただいていると思いますが、私は、平成二十年の十月に質問主意書を提出いたしました。これはきのうの質問通告のときにもお示しをいたしましたので、復習をしていただいていると思いますが、きょうのこの紙を見ていただきますと、海上保安官、それから国籍不明の船舶、加害者、そして保護対象が日本船舶、こういう三角関係を委員の皆さんに想定していただきたいと思うんですが、公海上で国籍の不明な船舶によって日本人が乗っている日本船舶が銃撃を受けている、こういうSOSが発せられて、海上保安庁が現場に急行した、そういう想定であります。

 海上保安庁に伺いたいんですが、この際、海上保安庁法二十条一項で準用することが定められている警察官職務執行法の、先ほどちょっと触れました要件が満たされる限りは武器を使用することができるのかどうか、海上保安庁にお聞きしたいと思います。

桝野政府参考人 先生御指摘のように、海上保安庁法二十条一項におきまして、警職法七条を準用しております。

 そういう意味で、お尋ねのような国籍不明の不審船の場合において、海上保安官が海上において我が国の法令上の犯罪を取り締まるため、合理的に必要とされる範囲においては武器の使用が許容されていると解釈しております。

長島(昭)委員 国籍が不明だという場合、武器の使用をする際に相手方が何者であるかということを把握する、例えば、国または国に準ずる組織であるかないかということを一々確認して、相当な理由がある場合でも武器の使用をせざるを得ないのかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。

桝野政府参考人 法の解釈の中で、我が国の犯罪を取り締まるため、合理的に必要とされる範囲という警職法の事例がございますので、それにのっとって、警察比例の中で判断されるものかと思います。

長島(昭)委員 すなわち、相手が国または国に準ずる者であるかどうかということは関係なく、外形的に日本船舶に対する攻撃が認められ、それを制止するために例えば警告射撃をするとか、そういうようなことを含めて武器の使用が許される、こういうことだと理解をさせていただきました。これは当然のことなんですね。公海上で日本人の生命を守るためには、どうしてもそういう措置が必要だということであります。

 今度は陸上の話に移りたいと思うんです。今は公海上、海の上の話でしたが、今度は、陸上における国内の犯罪を想定した質問を警察庁にさせていただきたいと思います。

 想定としては、繁華街で何者かが市民を路地裏に追い込んで銃口を突きつける、まさに殺人を犯そうと言わんばかりの状況が認められる。巡回中の警察官がその場に居合わせた。つまり、皆さんのお手元にある三角関係でいうと、加害者というのがまず犯人、そして警察官、そして保護対象が市民ということであります。

 この三角構造の中で、今私が申し上げた想定の中で、警職法七条の要件に合致して、警察官が、何者かわからない犯人、銃口を向けている犯人に対して武器を使用すること、警告射撃も含めて武器を使用するということは認められるのでしょうか。御答弁いただきたいと思います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 警察官職務執行法第七条の、必要であると認める相当な理由のある場合というのは、現場の警察官の合理的な判断に委ねているものでございまして、武器を使用する時点におきます警察官の判断の基礎となった事情、そしてその事情をもとにした警察官の判断について、武器の使用を必要と認めるに足りる合理性があれば武器の使用ができるということでございます。

長島(昭)委員 つまり、外形的に、今にもその市民が襲われそうになった、こういう状況が視認されれば、相当な理由があれば武器の使用は許されるということであります。

 その際に、その武器の使用に当たって、一々、相手方の国籍を確認したり、職業を確認したり、あるいは主義主張などを調べ上げるようなことはするんでしょうか。

坂口政府参考人 お答えします。

 まさに、警察官が武器を使用する時点における判断の基礎となった事情、そしてその事情をもとにした判断で、使用するかどうか、合理性を判断するということでございます。

長島(昭)委員 そういうことなんですね。犯人、加害者が、つまり、国なのか、国に準ずる者なのか、外交官なのかどうなのかなんということは一々調べないで、外形的な判断でやるんですね。

 海の上でも同じような事例がありまして、不審船だといって、銃撃になったことがありました。撃沈して、引き揚げてみたら北朝鮮の工作船だった。つまり、国、まさに国ですよ。相手は国だったけれども、武器を使用して撃沈しちゃった。しかし、国だったからといって、その海上保安官の行為はさかのぼって違法にはならないんですね。そのことをぜひ皆さんで確認しておきたいというふうに思います。

 同様に、武器使用の相手方はどこかの国のスパイかもしれない。あるいは、拉致の任務に従事している他国の国家機関、まさに国ですよ。国に準ずる者じゃない、国です、国そのもの。そういう可能性があるわけですが、それでも、外形的に差し迫った危険があって、相当の理由がある場合には武器を使用してもいいということであります。

 さかのぼって、やはり外交官だったから、あの武器の使用は違法だったということにはなりませんね。確認です。

坂口政府参考人 繰り返しになりますが、武器を使用する時点における警察官の判断の基礎となった事情、そしてその事情をもとにした警察官の判断について考えるということでございます。

長島(昭)委員 もう一つ、この三角関係で少し考えてみたい。自衛官と、保護を求める邦人と、それをまさに襲撃している、あるいは襲撃しようとしている、国籍も不明、相手が何だかわからない、そういうケースについてどう考えるかということを、少し防衛大臣と議論してみたいと思います。

 当然、今検討中の法案の中身を一々ここでつまびらかにすることはできないと思いますし、法案が出てくれば、当然のことながら安保委員会で議論することになるとは思いますけれども、制度をつくるというお立場の大臣に、政治家としてぜひ御答弁をいただきたいというふうに思うんです。

 今議論になっています邦人の陸上輸送のケースと、私が官邸にいたときにPKO法の改正の中で議論した、いわゆるPKOの活動中の駆けつけ警護、この二つのケースというのは、似ている部分とそうでない部分があると私は思っているんです。

 一つ大きな違いを言うと、PKO活動中の自衛官がやるかやらないかという議論になっている駆けつけ警護は、例えばゴラン高原のように、あるいは今、南スーダンへ出ていますけれども、既に活動していて、近傍の状況というのをほぼ把握し尽くしていて、そういうエリアの中で起こった出来事に対応するかしないかということです。

 しかし、陸上輸送をする場合は、この前のアルジェリアのように、突発的に事件が起こった、海路と空路の前に陸路で輸送しなきゃいけないといって、まさに緊急に派遣されるわけですから、現地の状況は恐らくよくわからない。まさに未知の状況に陸上自衛隊を、もちろん受け入れ国、領域国の同意を取りつけた上でやるわけですけれども、しかし、そういう国というのは政情が不安だったりするわけですね、どこからゲリラやテロリストが襲ってくるかわからない、そういう状況にまだ活動実績のない陸上自衛隊を派遣する、こういう難易度がPKOのときよりも実は高いんじゃないかということを私は思っているんです。

 防衛大臣として、基本的な法的枠組みを考えられるお立場で、今申し上げたような陸上輸送にかかわる状況の困難性ということをどう認識しておられるか、まず伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 おっしゃるとおり、邦人輸送といっても、例えば、空路で輸送した今回のアルジェリアの件でも、現地のアルジェ空港の状況がどのようなものかというのは、私ども、過去にそこに政府専用機が行ったことがありませんので、わからない状況でありました。防衛駐在官に現地に入っていただき、そして現地のアルジェ空港の状況を確認した上で、今回は政府専用機を派遣するということになりました。

 ましてや陸路ということになります。道も、道の状況も、あるいはその周辺の安全の状況も把握できない中で、陸上輸送というのは決してたやすいことではないと思っておりますので、このような陸上輸送に当たってのさまざまな現地の状況、これは、今回法案を検討する中で、また法案を検討して法案として出させていただいた後も、最終的な派遣についてはさまざまな状況の検討がまず前提であるということだと思っております。

長島(昭)委員 そういう本当に厳しい法案を準備される大臣であるということであります。

 陸上輸送ですから、今申し上げたような不測の事態というのはいつでも起こり得る。そうなりますと、派遣される自衛官からすると、例えば輸送中に襲われる可能性もある。そのときに、果たして、自己または自己の管理下にある者、あるいは武器等防護、これだけで本当に武器使用基準が十分なのかどうか。ここは自民党、公明党の与党のPTの中でもかなり議論がなされたということを仄聞しておりますが、いよいよ、任務遂行のための武器使用、任務遂行を妨げる勢力に対して武器を使用することもあり得るというような法制度を構築する段階に来ているんじゃないか、私は個人的にはそう思っているんです。

 例えば、二〇〇五年にスーダンのPKO派遣が議論されたとき、初めて、自衛隊の本体業務を凍結しておりましたが、それをたしか二〇〇二年に凍結解除していると思いますが、それに基づいて、PKO派遣で本体業務の実施を検討した時期があったというふうに記憶しております。そのときに、当時の森陸幕長は、陸上自衛隊が非常に慎重だったというふうに聞いておりますが、そのとき陸上幕僚長は、記者会見で派遣できない理由を、任務遂行のための武器使用が認められなければこの任務を遂行するのは困難だ、こういうことをおっしゃった。これは報道でありますが、言っております。

 私は、現場の隊員の安全を預かる陸上幕僚長としては当然のコメントだというふうに思うんですけれども、今回そういうことになり得る可能性のある法案を準備される防衛大臣として、この任務遂行のための武器使用について踏み込むおつもりがあるか、あるいは、せめて検討するおつもりがあるかどうか、伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 まず、陸上輸送、今後もし検討する中の前提として、輸送する車両が現地で調達なのか、あるいは本邦から輸送するのか、こういうことも含めて、相当さまざまな検討がまずその前提として必要だと思っております。また、現地の治安の状況の把握も大変重要だと思っております。

 その中で、武器の使用でありますが、どうしても憲法第九条との関係がありますので、そこで私どもができる武器使用というのは現在の中では一定の限度ということがやはり要求されるということでありますので、その中でどのような陸上輸送ができるかということ、それもまた検討する必要があると思っております。

長島(昭)委員 検討する必要があるということなんですが、大臣、先ほどの駆けつけ警護もそうですけれども、内閣法制局がずっと積み上げてきた答弁のラインがあるんですね。私はつくづく思ったんですけれども、内閣法制局が守っているのは、憲法というよりは、自分たちが今まで答弁してきたそのラインを守っているんですね。ですから、彼らは、現場の自衛官の悩みとかいうのは、もちろん、それが仕事じゃないですからと言われればそれまでですけれども、基本的には考えていないんですよ。

 憲法との整合性ということももちろん考えているんでしょうけれども、それよりも何よりも、自分たちがずっと戦後、社会党が強い時期もありましたね、もう譲って譲って、しかし自衛権だけは譲らなかった、こういう五五年体制下の答弁を繰り返してきた中で積み上げられたラインをどう考えても守っているんです。私は、政府の中にいてつくづくそう思いました。

 ぜひ、小野寺大臣、フレッシュな目でもう一度、現場と、そして日本国憲法の何を、九条の何を守る必要があるのかということも考えながら、検討を深めていただきたいと思うんです。

 それで、陸上輸送と駆けつけ警護の似た部分、先ほどはそういう部分を申し上げましたけれども、似通った部分があると私は思うんですが、それはこういう状況です。またさっきの三角形を見ていただきたいんです。

 例えば、大使館の広場に邦人がみんな集まっています。その集合しているところに自衛隊が車列で行くとします。そして、その集合場所にまさに車両が近づいた時点で、その集合場所に対して、国籍不明の何だかわけのわからない、ゲリラともおぼしき集団が、つまり、国または国に準ずる者かどうかわからない、あるいは野盗かもしれない、盗人かもしれない、何だかわからない連中から銃撃、襲撃を受けた場合、これはこの三角形の関係になります。

 そのときに、下の辺の自衛官と邦人が一体となっていれば、つまり救出に当たっている自衛官の自己の管理下に入っていれば、何の問題もなく武器の使用ができる、これが法制局の解釈です。しかし、そこにある程度距離がある場合、このときに、陸上輸送をしようと現場に近づいていった自衛官が、あとちょっと、もう目の前にいる邦人を前にして、法制局的な解釈からいくと、自己の管理下にない人たちを、危険に接近する形で襲撃から救い出して車に乗せて輸送することは難しいというのが、私は今の法制局の解釈だと思うんです。

 まさに現場感覚のある防衛大臣から見て、この三角形に入ったときの陸上輸送という任務を果たすために、どういう法制度であるべきか、どういう武器使用基準であるべきかということをお考えでしょうか。

小野寺国務大臣 問題意識は共有していると思っております。

 今おっしゃるように、例えば、大使館が集合場所になり、そこで邦人が集合している、そして自衛隊が輸送業務を担い、その近傍まで行くんですが、まだその管理下にはない、そういう中で、自衛隊の対応の状況とすれば、今の法制局の解釈では、その近くに行ったとしても武器使用ができないというのが現状であります。

 実際にそのようなことが起こらないように、大使館を含め、それぞれの国で情報、あるいは警備をすることが重要だと思っておりますが、今言ったようなケースを含めて、さまざまいろいろなケースを私どもは検討しながら、どのケースで私どもは任務が遂行できるのかできないのか、武器使用ができるのかできないのか、それもあわせて検討させていただいております。

長島(昭)委員 大臣、ぎりぎりの答弁だったというふうに思いますけれども、これはやはり、派遣された自衛官が任務を果たしたい、日の丸を背負って在外で働いている邦人の皆さんの命を何としても守らなきゃいけない、こういう状況の中で起こり得る、いつでも起こり得る状況ですから、法制局的な、法規的なロジックにはまり込むことなく、ぜひ、現実を見据えた武器使用の基準を大臣には考えていただきたい。

 仮に自己の管理下にあったとしても、相手方が国または国に準ずる者であることは常に考えられることです。それに対して、自己を守る、あるいは自己の管理下にある邦人を守るために武器を使用することは常にあり得るわけです。

 先ほど来、海上保安庁、警察庁の警職法七条の準用に対する答弁を聞いていただいてもわかるように、警察活動の一環ではこれは許されるんですよ、国内でも海外でも。ですから、今、ある意味で法体系の混乱があると私は思っているんです。

 自衛隊は押さえつけられて押さえつけられて、防衛法制というのはこれまでずっと、ポジティブリストで任務を一つ一つ積み上げてきました。そういう中で、いろいろな与野党の攻防の中で決まってきた法制局の答弁ぶりがある。それも確かです。

 しかし一方で、警察官職務執行法の体系に基づいて、自己または自己の管理下にある者のみならず、他人を防護するために武器使用をしても、海外であっても相当の理由がある限り許される、こういう体系も一方であるわけですから、ここは、先ほど私も申し上げたように、国際平和協力活動における武器の使用というものが憲法九条が禁じている国権の発動としての武力の行使と同じだという言い方というのは、私は詭弁にすぎないと思っているんです。

 それをわざわざ、国または国に準ずる者という、わけのわからない対象を、定義もないお化けみたいな対象を持ってきて、これが出てくると同じような行動でもできないことになってしまうというのは、邦人保護を万全にしなきゃならない政府としての責任を果たすことにならない、私はこう思うんですが、大臣、いかがでしょう。

小野寺国務大臣 実際の陸上輸送をもし今後お認めいただければ、その任務に当たる防衛省としては、武器使用については、当然、隊員の安全、そしてまた任務の遂行のためのさまざまな検討が必要だと思っております。

 同じような問題意識を、これは政府全体でも検討すべきことの一環として、今、安保法制懇が新しい形でスタートしましたので、ここで議論が出てまいります。その議論を受けて、政府全体としての検討が行われると思っております。

長島(昭)委員 大臣には、制度を構築するお立場で、これまでの国会の議論にとらわれることなく、ぜひしっかり頑張っていただきたいというふうに思います。

 それでは、もう時間が余りないのでありますが、さっきのセオドア・ルーズベルトの言葉でいうキャリング・ア・ビッグ・スティック、南西方面の防衛について幾つか伺っておきたいというふうに思います。

 一つは、尖閣の状況です。

 昨年の九月に、野田政権下で、一般では国有化というふうに呼ばれていますけれども、我が国の固有の領土である尖閣諸島の三つの島について、これまでのような、民間の方に任せるのではなくて、国が責任を持って安定的な維持管理をするために政府が購入することを決定したわけでありまして、それを中国側は、ナショナライズした、国が出てきた、けしからぬ、こういう言い方をして、暴動にまで発展したということで、日本の進出企業の皆さんには大変な御苦労をおかけしてしまいました。その後も、尖閣諸島の実効支配に対する執拗なチャレンジが続いていると思います。

 さっきのナショナライズということからすると、実は二十年前に、先にナショナライズしたのは中国ですね。一九九二年に領海法なるものを一方的に制定して、尖閣諸島も台湾も、南沙、西沙、中沙、南シナ海のほとんど全ての島々をみずからの領海内に入れた。こういう行為こそまさにナショナライズしたということでありますから、私は、今もやっていただいておりますけれども、この問題については毅然とした対応をしていただきたい、こう思っております。

 現在の尖閣の状況について御説明いただけますでしょうか。

桝野政府参考人 先生御指摘のように、昨年の九月十一日以降、統計的には、今手元にはございませんが、大体、週のうち四日ないし五日ぐらいは接続水域関係に艦船があらわれ、また週に二回ぐらいは領海にも侵入するというような状態が継続的に続いております。

長島(昭)委員 海上保安庁の皆さんには本当に御苦労いただいていると思いますけれども、ぜひ踏ん張っていただきたいというふうに思います。それをバックアップ、インビジブルというか、目に見えない形で、これは別に当然のことですから、何もちゅうちょして申し上げるつもりもないんですが、海上自衛隊が空から海から、航空自衛隊の偵察・哨戒機も含めてしっかりウオッチしている、いわゆるISR、そういう機能を南西方面にしっかり張りめぐらせていただいているというふうに思います。

 私どもは、大綱の見直しをしたときに、動的防衛力というコンセプトを打ち出しました。これまでの基盤的防衛力にかわる新しいコンセプトということで打ち出しましたけれども、実を言うと別に新しいことでもなくて、基盤的防衛力構想の時代から、兵力をただ張りつけておくだけで済むと思っていたわけではもちろんなくて、当然、哨戒活動もしっかりやっていたわけで、昔から動的な防衛力を運用してきたと言われればそれまでなんですけれども、しかし、今は、より動的な、ダイナミックな部分に力点を置く必要があるということで、我々も、この動的防衛力を、特に南西諸島、一千四百キロ、まさに本州と同じ長さのあの海域、ああいう広い海域でしっかりと何千何百の島を守っていく、そのために、今防衛大臣が新しい大綱の見直しもなさっておられるというふうに聞いております。

 この南西方面の防衛について、どこに力点を置いて、どういった機能をこれから強化しようとされているのか、御説明いただきたいと思います。

小野寺国務大臣 まず、私ども、警戒監視を日々行わせていただいております。特に、海上については海上保安庁に担っていただいておりますが、空については航空自衛隊が対応させていただいております。

 この警戒監視のさまざまな機材、そしてまた運用を怠りなくするということ、それから、先島諸島を含めた島嶼防衛についても対応することが大切だと思っておりますので、そういうところについても、今後、陸上自衛隊を含めたさまざまな対応、また新しいレーダーサイトの問題、そういうことができないかという検討を日々させていただいております。

長島(昭)委員 大臣、警戒監視について言及していただきましたけれども、ほかにはありませんか。警戒監視だけやっていればいいというわけではないと私は思うんです。尖閣ももちろんですが、南西方面、例えば第一列島線というような言い方もされます。この第一列島線、それから第二列島線ですね、グアムとかテニアンのライン。

 この第一列島線、第二列島線をめぐっては、中国は一九八〇年代の前半から計画を立てて、この第一列島線の内側からアメリカの制空権、制海権を排除する、あるいはもっと進んで、第二列島線の内側からも排除する、いわゆるA2ADと言われていますね、接近拒否。つまり、アメリカが何かこの地域で起こったときに接近してくるのを阻止する、その阻止ラインを第一列島線、第二列島線と。彼らは二〇四〇年を目指してずうっと、着々と軍事力を整備してきている。だから、海洋への進出といいますけれども、さっきの外務大臣の脅威という発言じゃないですけれども、驚異的なスピードで、驚異的な能力、接近拒否能力を高めてきていることは私は間違いないというふうに思うんです。

 そういう中で、まさに日本列島、それから南西諸島、台湾、フィリピンという、この国々あるいは地域は、まさに中国が言う第一列島線に連なる地域でありまして、警戒監視だけをやっていれば済むという話ではないと私は思いますけれども、日本独自の努力と、それをバックアップする米国との協力関係について、大臣の御所見を伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 御案内のとおり、警戒監視が前提だと思いますが、私どもは、懸念ということで、中国の軍事費の増大、そしてまたさまざまな軍事力の増強、このことについては注視をしておりますし、防衛省としても、今御審議いただいております二十五年度予算の中で護衛艦、そして潜水艦、また補正予算の中ではE2Cを含めた能力向上、このようなことをお願いしているところであります。

 そして、やはり私どもとしては日米関係が大変重要でありますし、島嶼防衛については、西方普通科連隊、これが日米で共同の訓練等をさせていただいております。

 こういうことを高めながら、検討する中で、最終的には、先ほど来委員の御指摘がございました、動的防衛力という考え方を出していただきました。それをさらに発展する形で、私どもとしては、大綱、中期防を見直しながら、この南西地域、海域の対応に努力をしていきたいと思っております。

長島(昭)委員 ありがとうございます。

 もう一つ、私が大事だと思っているのは、今、日米の防衛ガイドラインの見直しも、野田政権の政権末期でありましたが、米側に提案をして、米側にも正面から受けとめてもらっているという理解をしておりますし、その後も引き続きガイドラインの見直しの議論を米側とやっていると思います。

 大事なのは、今、ハードの話をしていただきました。それから、警戒監視の話をしていただきました。実は、その中間、私どもがつくらせていただいた大綱の中でも、平時から危機が高まって紛争になる、こういうエスカレーションラダーがありますけれども、その各段階において切れ目なく、つまりシームレスという言葉を使いましたけれども、切れ目なく、警察組織と自衛隊、あるいは米軍、この三者の間で、事態をエスカレートさせるんじゃなくて、そのエスカレートを抑止する、まさにさっき武という話をしていただきましたけれども、エスカレーションを阻止する、そのための連携というのは非常に必要だと思っております。

 そういう意味で、平時なんだけれども平穏ではない状態、今まさに尖閣をめぐる状態というのははそういう状況になっていると思います。そういう状況をめぐって、海上自衛隊、海上保安庁、あるいは米軍との間のまさにシームレスな連携というのは大事だと思うんですが、最後に防衛大臣にこの点について御所見を伺って、質問を終えたいと思います。

小野寺国務大臣 一番大切なことだと思っております。その対応は、もちろん防衛省だけではなくて、海上保安庁、警察、またさまざま、総務省もそうですし、国土交通省、あるいは外務省にも担当していただくこともあると思いますし、そして米軍との対応、こういうことを一体化して、私どもはしっかり検討する、その努力を続けていきたいと思っております。

長島(昭)委員 ぜひオール・ジャパンで頑張っていただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

大塚(拓)委員長代理 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 公明党の伊佐進一と申します。

 今回、当選をさせていただきまして、初めてこの安全保障委員会において質問をさせていただきます。

 きょうは、お忙しい中、両大臣に来ていただきまして、また副大臣、政務官に来ていただきました。胸をかりるつもりで、頑張って質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 本日、私が質問させていただきたいのは、実は、先ほどの長島先生が質問させていただいたものの引き続きということになると思います。今の中国に対してどのように向き合っていくのか、また、その向き合っていく中において、日米同盟がどういった役割を担っていくのかということについて質問させていただきたいと思っております。

 今、我が国は、戦後初めて、直接の軍事衝突の危機にあると言っても過言ではないと思います。対応を何か一歩誤ると偶発的な戦闘行為というものが起こりかねないような状況で、これは、これまでの米ソの冷戦時代、例えば、アメリカとソ連に何か事が起こって、そこに巻き込まれるというリスクの次元とは、全く次元の違うものであると思っております。

 中国は今、我が国の周辺海域で活動を拡大し、また活発化している。特に、尖閣諸島の国有化の後、領海侵犯を繰り返す。昨年末には、中国の国家海洋局の航空機が、中国の航空機として初めて領空侵犯、また、つい二月には、中国の公船が日本の漁船を一時間半にわたって執拗に追い続け、拿捕寸前だったという報道もありました。

 こういうような中国の周辺海域での活発化というものと相まって、中国の軍事あるいは安全保障の不透明性というところもあって、こうした中国の今の動きというものは、地域あるいは国際社会にとって懸念事項というふうに言われております。

 そういった意味で、今、中国の活発化する状況に対して、大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 中国は、経済関係、文化関係も含めて、大切な二国間関係を持つ国の一つであります。そしてまた、戦略的互恵関係ということで今までも対応させていただいております。

 ただ、その中で、最近の軍事費の増大、そしてまた軍事力の増強、海洋進出、こういうさまざまな懸念というのは、日本だけではなくて、実は周辺国が多く共有しているものではないかと思っております。

 こういう中で、周辺国をあわせて、中国に対して、このような軍事力の増大に対する透明性の確保、そしてまた、例えば我が国においては尖閣諸島の問題に対する最近の中国の動向、こういうことはしっかり認識した上で外交努力を積み重ねることも大事だと思っております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 こうした本当に張り詰めた状況の中で、まさしく現場で対応されております海上保安庁の職員の方々でありますとか、常に切れることのない緊張感を持って事に当たられております自衛隊の隊員の方々に、心より敬意と感謝を表したいと思います。

 こうした中国の動きに対してとるべき対応、私は大きく分けて二つあると思っております。その一つがヘッジ戦略、まさしく抑止という観点です。もう一つがエンゲージ、関与政策、関与の戦略。この二つの戦略をどうやってバランスさせていくかということが大事だと思います。

 まず、ヘッジ戦略についてですが、一定の抑止戦略、ヘッジ戦略というのは必要だと思います。つまり、つけ入るすきを与えない、この与えない体制をどうやって確立して、また維持していくのか、これが大事であると思います。

 このヘッジ戦略の重要な一つの要素は、先ほど来ありましたISR、情報収集であったりとか、偵察であったりとか警戒監視、この充実が大事である。こうして事態を早期に察知する能力をしっかりと確立していくということで、紛争の未然防止というものにつながっていくと思います。

 もう一つは、先ほどもありましたシームレスな対応能力。事態が進展するに従って、迅速にまたシームレスに対応していく、こうしたすきのない体制をある一定程度強化しておくということが必要である。それができれば、この挑発的な行動というものも未然に防止できると思います。

 しかし、大事なことはバランスだと私は思います。つまり、安定を確保するために余りにこのヘッジ戦略に走り過ぎると、逆に不安定要素が増すという皮肉な結果になる可能性がある。つまり、えてして一国の防衛政策というのは、相手国にとってみれば攻撃的に映る場合がある。こちらは防衛的な意図で防衛力を拡大していく、それが相手国にとっては攻撃的に見えて、相互に軍事拡大が起こっていく、結局は、つまるところは一国の防衛がより難しくなるという、いわゆる安全保障のジレンマと言われる状況に陥る可能性があります。

 こうした安全保障のジレンマに陥るのを避けるためにはどうするか。まず大事なことは、双方が軍事力の透明性を高めていく。また、相手の今のプレゼンスを客観的に、冷静につかんでおくということが必要じゃないかと思います。

 そこで質問させていただきたいのは、現在の中国の軍事面、確かに透明性が限られている状況ではありますが、その中で、政府として、この中国の軍事プレゼンスをどのように認識して、評価しているかということについてお伺いしたいと思います。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 確かに今、委員がおっしゃられているように、中国の透明性というのはかなり不確実な部分があるわけであります。特に中国は、従来から、具体的な装備の保有状況、あるいは調達目標及び調達実績、あるいは主要な部隊の編成とか配置、軍の主要な運用及び訓練実績等々、非常にこの辺のところを明らかにしていないわけであります。ですからこそ、軍事、安全保障に関する意思決定プロセスというものも、また不透明なところがあるわけであります。

 ですから、我々は、中国の軍事、安全保障に関してかなり不透明な部分があるからこそ、国際社会の懸念を払拭するためにも、具体的な情報開示などを通じて透明性の向上を図るようにということで、日本国のみならず、国際社会全体として中国にしっかりと働きかけていく必要があろうかと思っておりますし、また、そのためにも、我々は情報収集というものもしっかりしていかなければならないなというふうに思っているところでございます。

伊佐委員 今の御答弁では、確かに、今の中国の軍事力、プレゼンスというものをできるだけ客観的にはかろうとしても、なかなか難しいところがあるという御答弁だったと思います。

 もう一つ、私が思います大事なことというのは、相手国が、つまり中国が、自分自身のプレゼンスをどう自分自身で分析し、また認識しているかということだと思います。中国が今、みずからの安保環境をどう認識しているか、どういうふうにみずからの状況を把握しているか。

 私がよく伺っていますのは、例えばこういうふうに表現されます。彼らは、我々が陸地で接している国々というのは、全部で十四カ国と接しています、これはもちろんロシアと並んで最多、海を通じて接している国を入れれば全部で二十カ国になるんです、国境は全部で四万キロ、地球を一周するぐらいの長さになります、この防衛線を守ろうと思うと、やはりこの環境条件に見合った、あるいは今の国家の発展状況に見合った防衛の状況というのを考えるとやはり充実した国防が必要だということをおっしゃる。

 また、その理由として彼らが言うのは、いわゆる中国の観点から見て、歴史的に喪失したと思われる権利を回復するんだ、あるいは、中国にとっての固有の領土、領海を回復する、あるいは同じく、中国にとって不公平だと思われる国際秩序を回復すると。でも、これが実はまさしく安全保障のジレンマだと私は思います。つまり、これは中国だけの話ではなくて、どの国についても言えることですが、ヘッジ戦略というものの副作用だと思います。こうしたときにヘッジ戦略を余りに推し進める、余りに偏り過ぎると、時にこの副作用が効能を上回るということもある。

 私が一つ御紹介したいのは、アテナの歴史家でツキジデス、ペロポンネソス戦争の戦史を書いた方です。ペロポンネソス戦争、つまりアテナと当時のスパルタの戦争を描いた。結果としてアテナが滅びて、都市国家体制というのがどんどん分裂していくということになりました。その彼がペロポンネソス戦争をこう評価している。この真の原因というのは、アテナの台頭がスパルタの人たちの内部につくり出した恐怖だった。つまり、戦争というのは、単に一つの大国が台頭するだけでは起こらないんです。彼いわく、その台頭が他者の内面に引き起こす恐怖によって初めて戦争が起こるんですという言葉を残されております。

 私が申し上げたいことは、再度繰り返しになりますが、つまり、ヘッジ戦略とエンゲージ戦略をどうやってバランスをとるかということなんです。このもう一つの戦略、エンゲージ戦略こそが、特に中長期的に見れば、この地域の平和と安定というものにより貢献していく、最も効果的な戦略ではないかと私は思っております。

 そこで、日中双方が信頼醸成措置というのをいかに講じていくか。私は、きょうは具体的に三つの点について伺いたいんですが、まず一つ目の信頼醸成措置、それは人の交流、つまり防衛交流です。軍人同士の交流についてです。

 まず質問です。これまでの日中間の防衛交流の実績と展望についてお伺いをしたいと思います。

徳地政府参考人 御答弁申し上げます。

 まず、防衛面での中国との関係についての基本的考え方につきましては、先ほど大臣、副大臣から御答弁があったとおりでございますが、そのような観点から、これまでハイレベル、先生からは軍人レベルというお話もございましたけれども、まずハイレベル、大臣級あるいは次官級、それから各軍種の幕僚長級といったようなハイレベル、それから部隊と部隊との間につきましては艦艇の相互訪問というようなもの、それから中堅幹部、佐官級でございますが、そうした各レベルの交流をこれまで実施してきております。さらに、教育とか、あるいは研究面での交流も実施されてきているところでございます。

 先ほど副大臣からもお話がありましたとおり、中国には、軍事あるいは安全保障に関する不透明性といったような懸念事項もございます。そして、中国にそうした面について透明性の向上というものを働きかけるためにも、引き続き防衛交流を積極的に推進するということによりまして、相互理解、それから信頼醸成、信頼関係を強化していくということが必要と考えておるところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 まさしくおっしゃるとおりでして、実は、私は北京の大使館でしばらく働いたことがありまして、そのときにも、同僚の駐在武官の方々から、日中のさまざまな交流についてもお話を伺ってきました。やはり、ストレスが非常に高いということを言われました。

 それはなぜかというと、もともと考え方の基礎も違うし、あるいは価値観も違う、そしてまた、彼らが決してこれまで国際社会の中で十分な交流の経験があるわけでもないという中で、どうしても行き違いというのが多々あったそうです。その中で、さまざまなストレスというものもあったと伺っております。もちろん、双方がそれぞれストレスを感じることでもあるかもしれません。でも、その上で、やはりこの防衛交流というもの、人的な交流というものは重要であって、こうしたものを引き続き行うことで、信頼醸成あるいは信頼というものが積み重ねていけるのではないかと思っております。

 もう一つ、信頼醸成措置として質問させていただきたいのは、非伝統的な安全保障分野での協力、これは、例えば人道支援であったりとか、あるいは共同作戦、共同訓練も含まれるかもしれません。

 基本的に、軍事というのはゼロサムだと思います。ある国が、一方が優位になれば、それはもう一方にとっては劣後である、もう一方が利益になれば、それはもう一方にとっては不利益だという状況です。そういった意味では、安全保障の分野で、軍事の分野で日中双方が協力していく、この地域で協力していくということは非常に難しいと思っております。

 しかし、ゼロサムにならない協力というのがあるとすれば、それはまさしく、この地域以外での、いわゆる非伝統的な安全保障と言われる分野での協力であると思っております。

 例えば、アフリカの地域で平和維持活動をともにやっていく。実際、中国はPKOに述べ一万七千人をこれまで派遣してきた。また、例えば、もう一つのアイデアとしては、海賊への対処、これを共同してやっていく。近年、御案内のとおり、海賊事案というのがソマリア沖のアデン湾で多発している。実は、米中の間では、昨年の九月、アデン湾で海賊対策の米中の合同演習も実施しているんです。こういった可能性もあるのではないかと思っております。

 そして、日中安全保障面、こうした信頼醸成措置として質問させていただきたいのは、平和維持活動、あるいは海賊への対処、こうした非伝統的分野における協力についての政府の御見解をお伺いしたいと思います。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 確かに、今委員が御指摘のとおり、非伝統的な安全保障分野における協力の構築、発展というのは大変重要なことであろうと思っております。

 そのような観点から、二〇〇九年十一月の日中防衛相会談におきまして、日中双方は、災害救援等の非伝統的安全保障分野における経験の共有及び協力のための意見交換を実施することで合意しております。ですからこそ、今後、この協力というのを具体的にするべく、これからも努力を一層進めていきたいなというふうに思っています。

 また、委員御承知だと思うわけでありますけれども、ASEAN地域フォーラムとか拡大ASEAN国防相会議等の枠組みにおいてもこの非伝統的安全保障分野を中心とした協力を進めていこうとしておりますし、特に、多国間の関係においては非常にいい状況になっておるわけであります。ですから、今後とも我々も努力して頑張っていきたいと思っています。

 しかし、いずれにいたしましても、昨年の九月の尖閣国有化以降、日本側が累次働きかけておりますけれども、バイとしての日本と中国の関係というのは、ある意味、交流が停滞しているような状況があるわけであります。ですからこそ、引き続き、中国との安全保障対話あるいは交流の推進ということで、我々は、一生懸命努力しながら、信頼関係の増進のために頑張っていきたいと思っております。委員の方の御協力もよろしくお願いしたいと思います。

伊佐委員 ありがとうございます。

 まさしくおっしゃるとおりで、人と人も同じでありまして、仲よくなるには同じ目的を持って、ともに共同作業を進めていくということが一つのやり方としてある。

 私が報道ベースでお伺いしていますのは、リムパック、アメリカが二年に一度、ハワイで多国間で共同でやる訓練、共同訓練というものに、今回はアメリカの方から中国に対して招待状を出したと言われております、二〇一四年になると思いますが。こうしたマルチな世界における訓練というものも通じて、より日中が近くなっていく、より信頼を醸成していくということもあるのではないかと思っております。

 三つ目の信頼醸成措置、これは両大臣に質問させていただきたいんですが、それは、日中間のホットラインであります、先ほど来からも出ております海上連絡メカニズムについてです。これは大臣所信においても触れられておりました。

 両国が今一番避けなければいけない危機というのは何かと申しますと、それは、ある意味それぞれの国の意思とは関係なく、偶発的な出来事で戦闘行為というものに発展する、そしてそれがどんどんエスカレーションしていくということだと思います。これを避けるためには、いざというときのための防衛当局間の連絡メカニズム、ホットラインというものが必要です。

 日本は現在、このホットラインについては、韓国とロシアとの間では既に所要の体制を整備していると伺っております。また、中国は中国で、ロシアとアメリカとの間でホットラインを開通させているというのも伺っております。残念ながら、日本の場合は、実務者では合意をしたものの、尖閣諸島の国有化の後は、なかなか物事が進まない状況になってしまった。

 そこで、どうしても再度この協議を再開させて、実務者間の合意というものを政治レベルに引き上げていく必要があると思っております。

 ここからは特に外務大臣にお伺いしたいところですが、このメカニズムについては、もちろん、防衛当局間の海上連絡メカニズムも重要です。でも、さらに、中国の海上法執行機関も含めた多層的な海上連絡メカニズムというものを構築していくことが喫緊の課題ではないかと思っております。

 そこで、この海上連絡メカニズムの構築に向けた防衛大臣の、あるいは多層的なメカニズム構築に向けた外務大臣の強い決意をお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 海上連絡メカニズムは大変重要だと思っております。第一次安倍政権で首脳間では合意をし、作業を進めていくというところまで来ておりましたが、昨年秋以来、この交渉が途絶えているということであります。

 特に、ことし一月に発生しました中国艦船の火器レーダー照射事案がございましたので、やはりこのメカニズムの構築が急務だと思いまして、我が方から、二月七日に北京で防衛駐在官から中国国防軍に、二月八日に外務次官から駐日中国大使に申し入れを行って、この海上連絡メカニズムの交渉を再開したいということを、我が国の方から中国側に申し入れをしております。

 残念ながら、まだ交渉再開には至っておりませんが、引き続き努力をしていきたいと思っております。

岸田国務大臣 日中間において不要な摩擦や誤解を減じ、そして万一の不測の事態が発生した場合に備えるということからも、中国との間で危機管理メカニズムを構築することは重要だと認識しております。

 例えば、日中両国の海洋問題に関する定期的な協議メカニズム、二〇一一年に既に日中高級事務レベル海洋協議というものが立ち上げられております。実際、協議が行われておりました。こうした協議についても引き続き着実に実施し、意思疎通を強化していく、危機管理メカニズムを構築していく、大変重要だと思っております。

 そして、御指摘の防衛当局間での海上連絡メカニズムについても、ぜひ、防衛当局間の協議を外務省としましてもしっかり支援していきたいと存じます。

 このように、多層的な危機管理メカニズムを構築することによって両国間の関係をしっかりマネージしていく、大変重要な点だと認識をしております。

伊佐委員 両大臣とも、前向きな御答弁をありがとうございました。

 まさしく今の周辺状況を考えますと、早急な、緊急な課題であると思いますので、ぜひとも強力な推進をよろしくお願いしたいと思っております。

 次は、日中関係を考えるに当たって当然重要な要素になってきますのは、日米同盟ということになると思います。中国との向き合い方について、同盟国である米国と連携を密にし、また歩調を合わせていくということが必要であると思います。

 オバマ大統領のアジア太平洋地域への向き合い方、よく言われていますのはリバランスということです。第一期の政権が発足して以来、このリバランスについてオバマ政権は推し進めてこられました。その中で、外交、安全保障政策の力点をアジア太平洋地域に置いていく、軸足をどんどん移していくというようなことが言われておりました。

 当然、そこに至るには二つの要因があったと言われております。

 一つは、イラク、あるいはアフガニスタン、この二つの戦争が終息に向かっていく中で、いま一度グローバルな視点で米軍の体制というものを見直していこうというのが一点。

 もう一つは、米国の国防費というものがどんどん少なくなっている、その中で優先順位をつけていく必要があるということになったと伺っております。

 実際に、リバランスをする中で、多くの戦力をできるだけ太平洋地域に持っていくという、その具体的な内容についても、これまでも米国の各層から表明をされています。例えば、昨年の六月、二〇一二年六月には、パネッタ国防長官が、海軍は戦力の約六割を二〇二〇年までに太平洋に配備する、今は大体半分半分だと思います、これを六割に持っていくと言われております。

 しかし、アメリカが推し進めてきたリバランスですが、同時にこれは、中国の警戒感を高めたことも事実だと思います。いわゆる米国による封じ込めというような捉え方をしている向きもあると思っております。

 実際に、アメリカがリバランスをする中で、アジア太平洋地域に戦力を配備していく中で、どういうようなところに重点を置くかという内容を伺っておりますと、確かに、中国への対抗というもの、中国がそういう捉え方をするようなところが多いのも事実だと思います。

 先ほども話にありました、例えば接近阻止、領域拒否、いわゆるA2AD。このA2ADの能力、つまり、特定の線引きをして、そこのところに米軍が入ってこられないようにする、たとえ入ってきたとしても身動きをとれなくする、動きづらくする、そういったものを、機雷を使ったりとか、あるいは宇宙とかサイバーとか巡航ミサイルとか、こういうものを使って高めていく。

 これに対してアメリカがどう対応していくかということに、今、重点投資をしようと。例えば、四年ごとに見直しますアメリカの国防見直しの中でも、一番直近の二〇一〇年の見直しの中では、A2ADに重点投資するという言われ方をしている。そしてまた、二〇一二年のアメリカの国防ガイダンスに書かれていますのは、A2AD能力の向上を目指している国としてアメリカが名指しをしたのがイランと中国でした。当然、中国は反発をするわけです。

 でも、一方、アメリカ側としてはこういう発言がある。例えば、カーター副長官は、リバランスのそもそもの目的というのは中国に対するものではなく、平和なアジア太平洋地域のためのものであると。また、健全、透明で、持続的な軍事的協力関係を米中関係に築くためだというような発言もあります。

 そこで、これまでアメリカが進めてきたリバランスについて、政府としてどのように評価をするかということについて、見解をお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 米国は、アジア太平洋地域の動向が、今後の米国の経済ですとか安全保障、こういった分野における利益と密接に関連する中、同地域にはさまざまな課題と機会があるという認識に基づいて、アジア太平洋地域を重視する国防戦略指針を掲げていると理解しています。

 こうした米国のアジア太平洋重視の戦略、このリバランスですが、こうした戦略のもとにこの地域に対して米国がコミットメントとプレゼンスを強化することは、地域の平和と安定に資するものであるというふうに我が国は認識をしております。ですから、我が国としては、米国のこうした戦略を歓迎しているという認識でございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 先ほど大臣から御答弁がありました、日本国政府としても歓迎をするリバランスでありますが、オバマ政権が二期目に入って、例えば最近のホワイトハウスの言動であったり、あるいは議会の議論を見ておりますと、多少ちょっと質的な変化があるのではないかというふうにも言われております。

 まず一つは、米国政府の予算の状況です。予算の強制削減ということで、結局これが維持されることになったという現状においては、アメリカの予算が強制的に削減される中で一番影響を受けるのが、まさしく国防費への影響と言われております。当然、このリバランスへの影響というのも避けられない状況です。

 本年二月の議会公聴会で、カーター副長官はこうおっしゃっておりました。アジア太平洋地域の海軍は三分の二に縮小されると証言している。あるいは、海兵隊の司令官は同じ場で、アジア太平洋地域において海兵隊が実施する共同演習などの防衛協力は三割削減されるというふうにおっしゃっております。こうした予算上の制約もあります。

 もう一つの制約条件としてあるのが、今の中東情勢の悪化。例えばシリアでどんどん内戦が激化していくという状況であったりとか、あるいはイランの核問題というのがあります。こうした中東情勢に対して米国が関与せざるを得ない状況になってくれば、当然、リバランスというものがどんどん後回しにされざるを得ない、ここが避けられないような状況になるのではないかと懸念をしております。

 そういった意味で、こうしたさまざまな制約条件の中でリバランスが進まないとなった場合に、我が国の防衛戦略にどういう影響があるのか、どう対処するのかということについて見解をお伺いしたいと思います。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 本年三月一日に開始されました国防費を含む歳出の強制削減を受けまして、ヘーゲル国防長官が本年の五月三十一日を期限といたしまして国防戦略に関する調査ということを指示したことを承知しているわけでありますけれども、現時点では具体的な国防戦略の見直しの方向性や内容というのは明らかではないわけでありまして、今後、状況をしっかりと注視していきたいと思っております。

 他方、先ほど委員がお話しされたように、昨年一月に発表された国防戦略指針に見られる、アジア太平洋地域を重視していく、このプレゼンスを強化するという方針が打ち出されたわけでありまして、強制削減が開始された後の会見においても、ヘーゲル国防長官はしっかりとその旨は述べております。

 また、先日、私のカウンターパートナーでありますカーター国防副長官との会談においても国防長官と同じような考え方を示されておりましたし、また、アジア太平洋地域におけるリバランスにおいては、できるだけ最小限のものにしていきたい、あるいは影響のないような方向で考えていきたいというようなことも述べられておりましたものですから、そのような形で、これからも一生懸命、我々も注視しながら、よりよい形になれるようにということで頑張っていきたいと思っています。

 どちらにしても、委員も御承知のとおり、我が国にとりまして日米同盟というのは大変重要なものでございまして、引き続き、強固な日米同盟の構築のために努力していきたいと思っております。

伊佐委員 ありがとうございました。

 時間がなくなりましたので、最後は、答弁をお願いするのではなくて、私の考え方だけを少し述べさせていただいて、終わらせたいと思います。

 申し上げたいのは、日米同盟の中で、特にガイドラインの話です。

 日米同盟というのはどんどん対象が変わってきて、これまでは日本の防衛であった、それがアジア太平洋地域に拡大して、さらにはグローバルな協力にまで拡大してきました。そんな中で、地域とか、あるいはグローバルな社会において、日米同盟自体が周りにとっても有効だ、役に立つというような認識に変わってきたと思います。

 一方で、周辺事態についての日米の協力については実は余り変化がないというような状況。今の状況を考えると、周辺事態、さまざまな状況の悪化、大きく変化してきている中で、九七年のガイドラインの中では想定していないような事態がこれまでもたくさん起こってきています。ところが、実際はそういったものが反映されていない状況にありますので、南西方面あるいは西太平洋の周辺での役割分担をどうするかというのをしっかりと明確化するのは急務であると思っております。

 先ほど申し上げた、アメリカ・オバマ政権でも、一期目と二期目の間で、尖閣諸島、あるいはこの地域に対する捉え方に多少のずれがあるのではないか、微妙な差があるのではないかと私は思っております。そういった意味でも、このガイドラインの改定こそがまさしく日米の認識のずれを埋めていく一つの重要な作業ではないかと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。

 終わります。以上です。ありがとうございました。

大塚(拓)委員長代理 次に、阪口直人君。

阪口委員 日本維新の会の阪口直人でございます。

 本日は、日本の安全保障について質問させていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。

 小野寺大臣、そして岸田大臣とは、ジムでよくお会いしたことがございます。国会の第二議員会館の地下にあるんですが、本当にお二方ともストイックに体を鍛えていらっしゃる姿勢、まさにこれは、有事に備えて戦う体をつくる、またしっかりと有事に備えた準備をする、外交においてもまた防衛においても大変に必要な姿勢を、そういった日常生活においても発揮されている。その姿は、私も見習わなきゃいけないと思うと同時に、両大臣に対する根本的な信頼感につながっているように思います。

 きょうは、日本の安全保障を考えていく上で、小野寺大臣がよくおっしゃっている、まずはつけ入るすきを与えない、この体制をどのようにつくっていくのか、また、一月の三十日に発生しましたレーダー照射、この問題からどのような教訓を得て、それを今後の、まさにつけ入るすきを与えない体制づくりに生かしていくのか、そういった視点の質問からまずは始めたいと思います。

 特に中国との関係においては、先方は、尖閣諸島の問題が領土問題であるということを国際社会に認知させたいという戦略があると思います。その戦略に基づいて、さまざまな挑発行動を続けている。日本としては、安易に挑発には乗らない、その一方で、まさにしっかりと守りを固める、防衛体制を固めると同時に法整備をしっかりと整えていく、これが必要だと思います。

 一方で、このような相手の理不尽な行動に対しては、国際社会に対して効果的に訴えていく、そのための情報の収集や分析、そしてパブリックディプロマシー、これが非常に大事であると思います。

 振り返ってみましょう。

 一月の三十日にレーダー照射事件が発生しました。しかし、その前にも、一月十九日を初めとして、さまざまな中国側の挑発行為、これはレーダー照射と認識できるものも含めてさまざまな事件があったと思います。これらに対しては、さまざまな外交的配慮もあったのでしょう。特に抗議をしなかったがゆえに、私は一月三十日の極めて挑戦的な行動につながったというふうに思っております。六日間かけて、じっくりとその証拠を分析された。それが中国側の攻撃である、中国側の紛れもない示威行動であるということをしっかりと分析されて、六日後に発表した。

 これは、時間がかかったのはいたし方ないと思います。確実を期したという意味では仕方がないことだと思いますが、それに対して、二月の八日に、中国側は、日本の説明はでっち上げであると完全否定をした。これは、中国外務省が正式にこういった一連の示威行為に対して否定をした、日本がまさにこの原因をつくっているんだというようなアナウンスを世界に対してしているわけですね。

 まず、ここから質問をスタートしたいと思うんですが、このような中国の一連の行動に対して、特に二月八日の、日本の発表は完全にでっち上げであるという中国の発表に対してどのような抗議をしたのか、また、それを最も効果的に伝えるために、国際社会に対してどのような戦略を持ってこの事態をまずは解決しようとしたのか、その点について伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 まず私の方から、レーダー照射事案のことですので、御答弁をさせていただきます。

 委員には、企業での中国との関係、そしてまたカンボジアでのボランティア活動と、大変造詣が深いことを、改めて敬意を表したいと思っております。

 その中で、今回、私ども一番注意をいたしましたのは、一月十九日に発生しました艦載ヘリに対してのレーダー照射事案、これは極めて特異的なことでありますので、本当にこのようなことを現実に行うのかということもございました。そして、しっかりとした証拠がない中で、抗議をするに当たっても、恐らく中国側はすぐに否定をするだろうということで、これはやはり証拠をしっかりつかんでからということで対応した中で、三十日、データをしっかり確保して、そして、実は六日間という日程は、うち四日間は輸送にかかってしまいましたので、分析は二日間ということで、結果が出次第、速やかに外務省と相談をして、総理に御報告をした上で公表させていただき、また、公表の前には中国側に抗議をしたということであります。

 恐らく、中国側、このような形で、少したってから否定をするだろうなと予測はしておりましたが、今回、全否定を外務省の報道官がされたということであります。

 ただ、前後したと思いますが、例えば米国国務省の報道官が日本の立場についてしっかりフォローしていただいておりますし、また、累次にわたり、私ども、在京におります大使が訪問する機会がございますので、その機会を捉えて、この事案については私の方から説明をし、そして理解をいただく、そのような努力を今も積み重ねさせていただいております。

岸田国務大臣 外務省としましては、まず、防衛省からの連絡を受けて、迅速に中国に対して抗議をしなければいけないという方針のもと、当日、東京においても、また北京においても、同時に中国に対して抗議をいたしました。

 しかしながら、中国側から、我が国の抗議、見方を否定する発言がありましたので、抗議のレベルを上げて、外務省の次官が在京大使を外務省に招き、そして抗議を行う、こうした抗議を行った次第でございます。

阪口委員 中国側の理不尽な行動に対して国際社会に理解を求める、その結果、米国を初めとする国々が日本の立場に対して理解をしていただく、また日本をサポートするような行動、発言を行っていただく、これは大変に貴重なことだと思います。

 しかし、同時に、これはやはり、中国に対して、彼らの非を認めさせる努力というものを継続していかないと、これは結局うやむやにされてしまう。結果的に、その後、中国は尖閣諸島近辺での示威活動をエスカレートしている。こういった物事の本質的な解決にはなかなかつながっていっていないように私には思われるんですが、そういったレベルを上げた抗議活動を行った後の対応、これは、対中国ということに焦点を当てていうと、どのように今展開されているんでしょうか。

岸田国務大臣 御指摘のように、こういった事態にどう対応するのか、さまざまな対応が求められます。さまざまな国においても、こういった地域情勢を共有するということは大変重要だと認識しており、私も、さまざまな国の外交関係者と会談する際には、地域情勢ということで、こうした中国のありようについても説明をさせていただき、理解を求め続けております。

 そして、中国自体に対してどう働きかけるかということについては、さまざまなレベルでこうした意思疎通を図らなければいけない。事務レベル、もちろん重要ですが、やはり政治レベルでの意思疎通が重要だというふうに認識をしております。

 今後、例年であれば五月ごろ開催されます日中韓首脳会談というものがありますが、これもまだ日程は何も確定しておりません。しかし、こうした機会があれば、ハイレベルでの意思疎通を図る、我が国の考え方をしっかり示していく、こういったことも重要なのではないか、このように認識をしております。

阪口委員 この件においては、私は、中国の非は明らかであり、国際社会における中国の立場というのは悪化しているのではないかと思います。

 一方で、中国は、とにかく、これは日本が悪いんだという論法でばく進をしているわけですから、先方が思うつぼだと思うようなすべにははまらないように、かつ、国際社会の協力を得て日本の主張をしっかりと続けていく、それを結果的に国益に結びつけていく、そういった戦略が必要だと思います。

 一方で、中国は、この事態を受けて非常に示威行動を活発化している。具体的には、本当にヘリコプターを搭載した形での海洋監視船、また、軍艦を転用した最大級の監視船などを尖閣周辺に派遣して、これはそれぞれ、国家海洋局、農業省が管轄をしているということですが、これまでと違って、その二つの省が連携をして日本に対する示威活動を行っている。それに対して、あくまでも、今回は軍の対応ではないので、日本の海上保安庁が対応しているわけですけれども、これは本当に、どのような事態に発展していくかわからない、大変に緊迫した状況だと思います。

 こういった、まさに有事が起こり得る状況の中でどのような対応をしていくのか、具体的にお伺いしたいと思うんです。

 三月に北京で行われた中国の党大会においては、この国家海洋局の権限を強化して、そして、まさに、この尖閣問題に対して、彼らの対応がより効果的になるような法的な整備をしていく、そういった姿勢を見せています。

 一方で、日本においては、これらの状況に対して、私は、法律の整備というものが十分ではないと思うんですね。

 例えば、こういった状況を想定してお答えをいただきたいんですが、離島周辺に接近してきた中国を初めとする周辺国の公船からヘリコプターが出てきて、そして例えば尖閣諸島の一部に上陸をする、強行的に着陸をした場合、どのような法での対応が考えられるのでしょうか。

黒江政府参考人 若干法制度にかかわることでもございますので、事実関係についてお答えを申し上げます。

 今、委員御指摘のような事態につきましては、我が国の領土の近辺で航空機が飛び上がって接近をするという事態でございますので、自衛隊といたしましては、自衛隊法の八十四条に基づきまして、対領空侵犯措置といったものをまず実施をいたします。

 また、後段で先生御指摘の、上陸を行ったということがございます。今おっしゃったような例でございますと、公船の職員、あるいは先方の公務員が上陸をするといったような事例というふうに私は理解いたしましたけれども、その場合には、我が国の領域主権の行使として、警察あるいは海上保安庁といった警察機関がこれを逮捕する、あるいは排除するといったような行為を行うことになろうかというふうに思っております。

阪口委員 大臣、もし、この点について補足あるいは御所見があれば伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 今、お話があったとおりだと思いますが、例えば中国の公船が、海上であれば航行する際に無害通航等の対応が領海内でございますが、そこでもし、例えばヘリコプターが、艦載機が飛び立つということがあれば、その時点で対領空侵犯ということになりますので、それは防衛省としてしっかり対応できるように、日々の警戒監視を努めさせていただいております。

阪口委員 もう一つ起こり得る事例、想定される事例をお伺いしたいと思うんです。

 もし漁民が武装して、かなりハイレベルの武器を持って上陸をして、そして、それに対処する海上保安庁に対して危害を加えるような行動に出てきた場合、この場合の、こちら側の想定される対応はどのようになっているのでしょうか。

黒江政府参考人 ただいま委員御指摘の点について、まず最初に申し上げないといけませんのは、尖閣の事例というものを念頭に置いたということで御議論いただきますと、大変さまざまな点で誤解を招きかねないこともございますので、あくまでも一般論としてお答えを申し上げます。

 そのような事態、基本的に漁民ということでありますれば、これは警察機関の対応ということが原則でございます。

 ただし、自衛隊法上は、一般の警察力をもってしては対応し切れない事態に、治安出動という制度がございまして、自衛隊が活動するといったことがございます。また、海上におきますれば海上警備行動といったことで、自衛隊が行動するといったような事例はございます。

 あくまでも、法制度としてはそういう制度が設けられておるといったことを御説明させていただきます。

阪口委員 今、起こり得る事態についてどのような対応をするのかということでお伺いをしたんですが、このような事態が複合的に起こる可能性もあるとなると、先ほどから議論になっているように、個別法での対応というのはかなり限界、限度があるのではないかなと危惧をしています。

 やはり、有事に対してしっかり備えをする。これは、装備だけではなくて、法整備も含めて大変に重要であるという考えに基づいて、私は、領域保全や領域の警備、防衛の包括的な法整備を行う、そういった準備が必要ではないかと思っておりますが、この点について両大臣のお考えを伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 御指摘の尖閣という特定ではなく、離島を含めた我が国の領土の保全に関しては、警察、海上保安庁、そして私ども自衛隊もその役割を分担する場合も当然ございます。

 これはやはり、法制度の問題という以前に、それぞれの関係省庁がしっかり連絡をとり合い、そして、有事の際には、何か事があった場合にはシームレスに対応できる、そのような体制を整えるということがまず第一義的だと思いますので、政府内でこのような事態を共有しながら、しっかりと対応する体制を整えていきたいと思っております。

岸田国務大臣 海洋国家であります我が国にとりまして、さまざまな島、そして海上の安定を図るということ、大変重要だと認識をしております。そして、それに当たっては、政府一丸となって対応しなければならない、外務省としましても、関係省庁としっかり連携し、役割を果たしていきたい、このように考えています。

阪口委員 今、特に法整備の面から、有事に対する備えの必要性という問題提起をさせていただきましたが、同時に、今度は、防衛省としての装備、恐らく今後ともかなり限られた予算の中で、これをどのように整備するか、能力を高めて、つけ入るすきを与えないような体制をつくっていくのかということに関する基本的な考え方を伺いたいと思います。

 防衛費、これは、一九九〇年の一兆七百二十七億円をピークに、二〇一二年度は六千九百七十億円ということで、ずっと下降線をたどってまいりました。特に、二〇〇五年以降、主要装備品の整備維持費が新規の主要装備契約額を上回っている。要は、新規に装備を整えるよりも、メンテナンスによりお金がかかってしまうという状況が続いているわけです。これはやはり、国民の軍備に対する理解あるいは関心が、我が国においては決して高くないということも大きな要因であると思います。

 私は、一つ、この状況を打開していく戦略として、どうしても防衛関連産業というのは、日本の場合、ほかの産業に応用がききにくいようなシステムの中でこれまで運営をされてきた点があると思うんですが、これをやはり民生部門の技術に転用するような連携をもっと強化していく必要があると思っています。

 例えば、インターネットや燃料電池、またGPS、これらはもともとは軍の技術であったものが民間に使われている。GPSなどはカーナビに使われていることがございます。また、米国が開発した軍事用のロボットが福島第一原発事故において対応するというような、軍事技術を民間に使うということもできている。

 ですから、このあたりをしっかりと戦略的に行うことで、限られた予算の中で装備をいかに充実していくか、これは大きなテーマになるかと思います。

 そこで、まず、F35戦闘機、これは先ほども御議論が少しありましたが、アメリカのロッキード・マーチン社を中心に九カ国が共同開発をして、各国で製造した部品をアメリカの政府が管理して、メンテナンス等で必要になったときにその国に速やかに届ける、そういった新たなシステムが構築されようとしています。

 この点について、どのような経緯で日本がこの開発と生産にかかわるようになったのか、その経緯について、まずは御説明をいただきたいと思います。

左藤大臣政務官 委員御質問のとおりでございますが、F35については、今おっしゃったように、九カ国が参加をしてやるようになりました。多くのユーザー、九カ国が前提でする国際共同開発機であるということ、これを踏まえて、ユーザー国で、世界規模で部品を融通し合うALGSという国際的な後方支援システムが新たに採用されております。それで、我が国としても、必要なときに速やかに部品の供給を受け、敏速な整備を行うためにも参加は必要だということで参加をさせていただきました。

 F35については、参画した場合、国内企業が製造した部品が他のユーザー国に移転することが想定されることもございますけれども、しっかりこれを管理しながらやっていきたいと思っております。

阪口委員 私が知るところでは、例えば、三菱重工が機体を、三菱電機がレーダーを、IHIがエンジンを担当するといったぐあいに、大変にその主要な部分を、日本の民間企業が開発、製造に参加する状況になりつつあるということでございます。これは、私は大変意味があることだと思っているんです。

 日本だからこそ提供できる価値というものを、こういった新たな軍備の開発、製造においてもしっかりと担保していく、かち取っていく、これは戦略として大変に重要だと思うんです。こういったことをやはりしっかりと獲得していくためには、当然、これまでも戦略があったはずだと思いますし、これを確かなものにして継続していくためには、その戦略をしっかりと認識して継続していかなければいけないと思います。

 日本がこの開発や製造において重要な役割を今後も果たしていく上での戦略、また、どういう交渉があったのかということについて再度お伺いをしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

吉田政府参考人 ただいまの質問についてお答えさせていただきます。

 先ほど政務官の方から御説明させていただきましたように、平成二十三年十二月二十日の安全保障会議、閣議了解で、日本国といたしまして、二十四年度以降、F35Aを四十二機取得する、それで、平成二十四年度には四機を完成機の形で調達いたしましたが、二十五年度予算からにつきましては、国内の製造に参画する。

 その参画の視点でございますが、まさに今先生御指摘のように、日本として最先端の戦闘機の技術、ノウハウというものにきちんとアクセスしていく。そういった中で、きちんとした国内の生産基盤を維持していく。そういったものが戦闘機の高い稼働率にもつながっていくし、日米間の安全保障面での協力関係の深化にもつながっていくというふうなことでございます。

 それで、具体的にどういうふうな形で米国側と交渉をしたかというふうなことでございますが、今申し上げましたような諸点を踏まえながら、二十五年度につきましては、三菱重工が機体の最終組み立て、検査、こういったものに参画する、それから三菱電機がレーダー関係七品目ということで、先々の技術のアクセスとか波及効果を踏まえながら七品目、それからIHIにつきましてはエンジン関係十七品目というふうなことでしてございます。

 他方、アメリカとの関係では、これは毎年毎年、どこに生産参画をしていくかということを交渉し調整していく段取りになってございまして、二十六年度以降については、まだ具体的なところというのは定まっていないというようなところでございます。

 他方で、今先生の御指摘がございましたように、どういったところに参画していくかというのを戦略的にうまく進めるためにも、日米間できちんと交渉していきたいということでございまして、三月六日には、小野寺大臣からヘーゲル国防長官に対しましても、日本企業の製造参画の円滑な実施に向けて最大限努力してほしいというようなことを要請した、こういった取り組みをしている状況でございます。

阪口委員 詳細な御説明、ありがとうございます。

 最後の質問なんですが……

大塚(拓)委員長代理 時間が来ておりますので。

阪口委員 わかりました。では、きょうはこれで終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大塚(拓)委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

薗浦委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。中丸啓君。

中丸委員 心の真ん中に日の丸を。日本維新の会の中丸啓でございます。本日は何とぞよろしくお願いいたします。

 さきの三月十五日に開催されました安全保障委員会において、防衛大臣、外務大臣より我が国の安全保障について所信をお聞かせいただきました。

 グレートリセットを唱える日本維新の会は、国家再生のため、我が国が抱える根源的な問題に取り組んでいく政党でございます。日本に対して絶対平和という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真なる自立に導き、国家を蘇生させることは、我が日本維新の会の綱領であり、安全保障はその自立、独立の根幹であります。そしてまた、国家の重要課題であると考えております。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず最初に、私、広島でございますが、地元の大先輩である岸田外務大臣へ質問をさせていただきます。失礼がございましたらお許しくださいませ。

 まず、岸田大臣は、領土、領海、領空を断固として守る、粘り強く取り組んでいくと所信にて力強く述べられています。尖閣諸島は、国際法上、歴史上、誰が何と言おうと我が国の領土であり、我が国が実効支配しているものです。しかし、現実には、これまでに尖閣諸島への外国人による不法上陸などが何度もありました。今後、このような事態が予測される場合、外務大臣として、具体策として、冷静かつ毅然として対応とおっしゃっておられますが、どのような外交手段をお考えか、抽象的な表現ではなく具体的にお聞かせいただければと思います。

岸田国務大臣 まず、尖閣諸島につきましては、御指摘のように、歴史的にも国際法的にも我が国固有の領土であり、我が国が有効に支配をし、そして領土問題は存在しないというのが我が国の立場であります。我が国がこの基本的な立場を譲ることはありません。そしてその上で、国の主権、そして領土、領海、領空を守るために、他国と連携しつつ、国際法にのっとって、こうした我々の主張を実現していかなければなりません。

 具体的には、我が国自身の防衛力を強化する、そして日米安全保障体制を堅持する、さらには国際環境の安定を確保するための外交努力、国際平和協力を推進していくことになるわけですが、他国との連携においても、まずは日米同盟、緊密な日米同盟を再構築することが重要だと考えていますし、韓国、豪州、インドなど、利害を共有するパートナー国との関係も強化していく、これも重要だと思っています。さらには、東アジア首脳会議、EASですとか、ASEAN地域フォーラム、ARF、こうした地域の枠組みにおける連携協力も進めていかなければならないと存じます。

 ぜひ、こうした枠組みにおいてもしっかりリーダーシップを発揮することによって、我が国の主権、領土、領海、領空をしっかり守っていかなければならないと考えています。

中丸委員 大臣、ありがとうございます。

 今、お言葉を頂戴しまして、午前中にもちょっと質問に出ていたと思うんですが、以前、三月二十四日のNHKの番組で岸田大臣が、中国に対して、脅威であるという御発言をされて、後の二十六日に懸念というふうに訂正されています。

 私は、個人的には中国は脅威であるというふうに思っているんですけれども、日本語というのはなかなか難しいもので、その表現が、特に訳されたりすると、非常に難しいところがあると思うんですが、外務大臣として、脅威と懸念の違いの定義を教えていただければと思います。

岸田国務大臣 私の発言は、最近の中国による尖閣諸島周辺海域への公船の頻繁な侵入を念頭に、中国の不透明な軍事費の拡大、あるいは海洋活動の活発化に対して、我が国を含む関係各国の懸念が一層高まっていること、こうしたことを指摘した次第であります。

 ですから、脅威でなく懸念ということを述べたわけですが、これは、これまでの日本政府の認識を変更するものではない、こうした趣旨で申し上げているところであります。

 いずれにしましても、こうした中国の動向については、国際社会、そして我が国の平和と繁栄に大きくかかわることでありますし、しっかりと注視していかなければならない、こうした認識を述べた次第であります。

中丸委員 ありがとうございます。

 私の父、祖母は、広島で、被爆者です。私、中丸啓も被爆二世でございます。私は、地球上から核兵器を絶対廃絶するということは人類共通の理想だと思っておりますが、現実には、中国、それから北朝鮮が核ミサイルを持っているというのもまた事実でございます。

 しかし、我が国は、いわゆるアメリカの核の傘によって、またお隣の韓国も、いわゆる核の抑止力をアメリカにかりているという事実は、しかもそれが効果を発揮しているということは、否定しがたい事実だと認識しております。

 このいわゆる米国の核の傘が我が国にとってどの程度有効であり、今後、アジアにおける核の脅威はどのように推移していくのか、岸田大臣の御所見をお願いいたします。

岸田国務大臣 北朝鮮や中国が、我が国を含むアジア太平洋地域を射程におさめる弾道ミサイルを配備、開発していること、このことにつきましては、政府として動向を注視しております。

 特に、北朝鮮が挑発的な言動を繰り返し、国連安保理決議等に違反して核ミサイル開発を継続していることは、我が国を含む国際社会全体の平和と安全に対する脅威であります。

 このような中、我が国の安全を確保するためには、我が国自身の防衛力の強化がまず重要でありますが、あわせて、日米安保体制のもとで、核抑止力を含めた米国の抑止力を一層向上させていくこと、これも重要なことであります。

 例えば、日米間ではこれまでも、この米国の拡大抑止をいかに維持向上するかについて議論を深めてきております。また、二月に日米電話首脳会談を行い、この電話首脳会談の場で、オバマ大統領との間で、米国の核の傘により提供される拡大抑止を含め、日本に対する米国の防衛コミットメントを明確に確認した、こうしたことでありました。

 また、弾道ミサイル防衛についても、日米間で、情報収集、共有、運用、共同開発等の面で緊密に連携しております。そして、二月の日米首脳会談におきまして、北朝鮮から米国または日本に向けて発射されるあらゆるミサイルを探知、追尾する能力を向上させるべく、我が国への二基目の米軍弾道ミサイル防衛用レーダー、TPY2レーダーの配備を進める方針で一致をし、そして今作業を進めている、こうした状況でございます。

 政府としては、これらを含めて幅広い分野で安保、防衛協力を進め、日米安保体制の抑止力を一層向上させ、我が国の安全を確保していく考えでおります。

中丸委員 ありがとうございます。

 それでは、続きまして、もう少し踏み込んでみたいと思います。

 日本維新の会の代表である石原慎太郎代表は、日本も核保有シミュレーションをすべきであると発言をされているんですけれども、もしも我が国が核保有するとすれば、どの程度の期間と予算が必要になると思われますか。岸田大臣、お願いします。

岸田国務大臣 一般論として、国の安全保障のあり方について、それぞれの時代状況、国際情勢等を踏まえたさまざまな国民的議論があり得ると考えています。

 他方、これまで、我が国の歴代の内閣総理大臣は繰り返し非核三原則を表明してきております。政府として、同原則の見直しについては議論はしておりません。また、我が国は、核兵器不拡散条約、NPT上の非核兵器国として、核兵器の受領、製造等を行わない義務を負っております。

 さらに、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、我が国としては、我が国自身の防衛力の強化に取り組みつつ、日米安保条約を堅持し、そのもとで、核抑止力を含む米軍の抑止力をもって我が国の安全を確保することが必要だと考えております。

 ですから、国の安全保障のあり方についての議論においては、このような非核三原則ですとか、日米安保体制等に関する我が国のこれまでの基本的な立場を踏まえて行われるべきだと考えております。

 この議論に対する姿勢は、以上、申し上げたとおりでございます。

中丸委員 答えにくい質問だとは思いますが、ありがとうございました。

 核保有論、シミュレーションに関しては、アジアの脅威に対してだけではなく、やはり、国連の常任理事国全てが核保有国であるという現実を踏まえると、さまざまな外交交渉カードとしても避けて通れないという意見も数多くあるということを申し伝えまして、この件についての質問は終わらせていただきます。

 次に、小野寺大臣に質問をさせていただきます。

 御趣味の一つであるテニスでは、宮城県職員時代に国体選手の候補として日々練習で汗を流されていたこともある。小野寺防衛大臣は、我が党の中田宏代議士とも同じ松下政経塾の御出身で、中田代議士がベビーシッターもされていたというようなお話も読ませていただきました。でも、本日は、そういったことにとらわれず、しっかりと質問をさせていただきたいというふうに思います。

 三月二十一日発売の「マモル」という防衛省が監修されている雑誌があるんですけれども、この中に大臣のインタビューがございまして、「私の地元には基地も駐屯地もなく、訪れる機会はほとんどありませんでしたし、自衛隊員と接する機会もなかったですね。」というようなお答えをされているんですが、この記事は事実ですか。イエスかノーで構いません。

小野寺国務大臣 中丸委員は、岩国市と隣接する大竹市生まれということで、安全保障に大変深い関心を持っていらっしゃいますし、また、イラクでボランティアをされた経験もあると伺っております。

 今の、そこに書かれた内容については事実でございます。

 一つ違うのは、実は、おととしの東日本大震災、この際は、私、現地、気仙沼市におりまして、毎朝七時、夜七時に市の対策本部の会議があります。約二カ月間、そこでは、現地に派遣されていた陸上自衛隊の派遣隊の隊長と毎日、救出、そして復興等の打ち合わせをさせていただいていました。

 そこでは相当濃密な関係がありましたので、それは、震災が起きる以前の、いわゆる平時のときということで御理解いただければと思います。

中丸委員 ありがとうございます。

 やはり、防衛大臣という職務は、私ごときが言うのは非常におこがましいのですが、命をかけて国を守っている皆さんのトップでございますので、ちょっとした発言が隊員の士気にも影響するんだということを御理解いただければというふうに思います。

 小野寺大臣は、当委員会の所信において、アルジェリアのテロ事件を受けて、在外邦人保護は政府一丸となって取り組むべき重要な責務であり、防衛省・自衛隊としても必要な対策を講じていくというふうにおっしゃられておりましたけれども、アルジェリアの事件の件は、ほかの方からも御質問がありましたので置いておきまして、我が国の周辺有事というふうに懸念問題を考えたときに、北朝鮮の問題が当然あると思います。

 朝鮮半島の有事がもはやいつ起こってもおかしくないという状況まで来ているというふうに私は認識しておるのでございますが、大臣の御認識はいかがでしょうか。

小野寺国務大臣 朝鮮半島情勢については、私ども、常日ごろ、情報収集、そして警戒監視を行っております。そういう平素の活動を現在も続けているということであります。

中丸委員 今、監視をお続けになられているということなんですけれども、北朝鮮には当然拉致被害者の方もおられます、そして韓国にも多くの邦人がおられます、もしも、そうした方の救出をする作業が必要になった場合、どのぐらいの規模を想定されておられますでしょうか。

小野寺国務大臣 半島有事以外にも、政府は、各種緊急事態への対応について、国民の生命及び財産を保護する観点から、所要の検討を行っております。

 一般論として申し上げれば、外国において多数の邦人が擾乱等に巻き込まれる場合には、個別具体的な状況に即しつつ、政府全体として、邦人の退避等、必要な手段を講じていくということが大切だと思います。

 例えば、御指摘のありました韓国のことでいいますと、現在の在留邦人数は約三万人、それから、韓国は日本との交流が非常に深いこともありますので、一日当たりの韓国に渡航する日本人は約数万人というふうに試算をされております。ですから、合わせて、三万人プラス数万人ということですので、かなりの人数ということになります。

 このような邦人保護の手段ということですが、まず、人数的にも大変多いものですから、現地大使館における自主的な退避の勧奨、また、商用定期便による早期退避、政府チャーター機、船舶等の活用ということでございます。

 例えば、政府専用機は一機当たり百四十人の搭乗になりますし、KC767は二百人、C130の輸送機は八十人、また、輸送艦「おおすみ」型ですが、三百から一千人ということでありますので、これは我が省だけの能力ではとてもこれだけの人数の対応は難しいということですので、政府全体として対応していくということが重要かと思っております。

中丸委員 ありがとうございます。

 朝鮮半島で有事が起こった場合に、今細かい数字も出していただきまして、当然、大臣は御存じだと思いますが、米韓では、五〇二九作戦、これは米韓が合同で統一を行った場合の作戦のシミュレーション、それから五〇二七作戦、北側が侵略した場合に対しての対処法の作戦があると聞いております。

 我が国には、日米同盟はあるんですが、日韓同盟というのは存在していないというふうに思うんです。そういった中で、邦人救出も含めて、後方支援とか、今おっしゃられたものの中で、実効性とシミュレーションというのはどれぐらい進められているか、もしお答えいただければお願いいたします。

小野寺国務大臣 今、御発言のありました作戦計画五〇二九あるいは五〇二七というのは、あくまでも、私ども、報道ではそういうことがなされているのは伺っておりますが、そのようなことがあるかどうかは、正式に答弁する立場ではないとは思っております。

 お尋ねの朝鮮半島有事の場合も含めて、個別具体な事案については、発生した場合の自衛隊の具体的な対応ということがわかってしまうこともありますので、差し控えさせていただきますが、一般論として言えば、防衛省・自衛隊は、我が国を防衛する観点から、平素から情報収集、監視活動を行っており、特に各国の軍事動向の把握については、しっかり把握すること、兆候を察知することに万全を期していると思っております。

 また、周辺国、その他いろいろな状況に対応してまいりますが、特に日米間で行う活動を効果的に調整するということ、そして米国に対して後方支援等を実施するということでございます。

 御指摘にありました、米韓で今対応の、ちょうど訓練期間中だとも思っておりますが、日本としても、米国、韓国、そしてまた、例えば多国間の防衛大臣の枠組みがあるときには日米韓、このような中で、防衛大臣としてそれぞれの意見交換もしながら、そのような対応に備える努力をしております。

中丸委員 なかなか答えにくい質問だったと思います。ありがとうございます。

 それでは、次の質問に入らせていただきます。

 いわゆるオスプレイタイプの輸送機について、来年度予算の中にその調査費が、少額ではございますが、計上されておりましたので、具体的にどのような調査をお考えなのか、教えていただければと思います。

江渡副大臣 委員にお答えさせていただきたいと思います。

 防衛省は平素より、高度化、多機能化する諸外国の装備品の技術動向等について幅広く情報収集を行っておりまして、その一環として、今御質問にあったティルトローター機や、あるいは高高度の滞空型の無人機等についても所要の情報収集を行っているところでございます。

 特に、ティルトローター機につきましては、速度とか搭載能力、行動半径等においてすぐれた性能を持っておる機でありまして、諸外国で実用化がかなり加速化していることから、その研究開発や運用等の実情について所要の情報収集を行い、ティルトローター機の実用化が我が国の安全保障にとってどのような意義があるか、あるいは我が国としていかなる利用可能性があるか、これらの検討に資するために調査研究費を平成二十五年度の予算案に計上したというところでございます。

中丸委員 ありがとうございます。

 私が調べたところによりますと、このオスプレイ型に関しては外注で調べるというふうに聞いておりますが、それで本当に調査できるのかという不安もちょっとあります。それについて追加の御説明をいただければと思います。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 まず、八百万という限られた予算の中で、できる限りのということで、その観点から、まずは、どのような能力等々を持っているかということを調べさせていただくというところから始めたいと思っておるところであります。

中丸委員 これは質問というよりお願いなんですけれども、調査結果がいいものであれば、やはり輸送能力、行動半径等をとりましても非常に優秀なものであるというふうに私も考えておりまして、ぜひとも自衛隊への導入を御検討いただければと思いますが、大臣いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 今回、調査費をとらせていただきました。調査というのは、このティルトローター機の有効性を確認するということでありますので、有効だというふうに確認されれば、それは省内で今後の活用について検討していきたいと思っています。

中丸委員 ありがとうございます。その一言をお伺いしたかったところでございます。

 それでは、ちょっと質問をかえまして。

 国際平和活動それから海賊対策、さまざまな作戦が今、広範囲化、長期化していると思うんです。そういうことが見込まれる中で、空自においては空中給油機、それから海自においては補給艦、実際、現場の皆さんにお伺いすると、全然数が足りないという御意見も耳に入ってくるんですけれども、今のところ、調達予定というのが、今年度の予算を見ても載っていないんです。今後の必要性についてどのようにお考えでしょうか。お願いします。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 航空自衛隊は現在、空中給油・輸送機を四機保有しておりまして、常時可動三機体制を維持しておりまして、これにより、有事に際して、常時一カ所での戦闘機による空中警戒待機ということが空中給油で可能となっております。

 また、海上自衛隊は現在、補給艦五隻を保有することにより、補給艦の常時可動三隻体制を維持しておりまして、例えば海自の有する四個護衛隊群のうち、即応段階や部隊錬成段階にある三個護衛隊群への補給支援を行う態勢というものを維持しております。

 他方で、今委員が御指摘のとおり、一層厳しさを増す我が国周辺のこの安全保障環境ということにおきまして、各種事態に実効的に対処するためには、戦闘機や艦艇の継続的な運用体制の保持というのは不可欠であるわけであります。

 ですからこそ、防衛省としては、現在実施しております防衛力のあり方検討におきまして、空中給油能力や洋上補給能力が十分かどうかということもしっかりと検討してまいりたいと思っております。

 ただ、かなり厳しい財政状況もあるわけでありまして、委員初め各位の方々の御支援もいただければありがたいと思っております。

中丸委員 ありがとうございます。

 ほかにもそろえていただきたいものはたくさんございまして、DDH型も今二隻なので、最低四隻でもう二隻、建造中というのは聞いていますので、できれば護衛艦という呼び方はやめていただくといいかなというふうに思います。これはお答えいただかなくて結構です。

 続きまして、我が国は専守防衛、それから、それに際しては抑止力という基本的な考えについて全てお考えいただいていると思いますが、専守防衛と抑止力について、小野寺防衛大臣に、基本的な定義、お考えをお伺いできればと思います。

小野寺国務大臣 専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたとき、初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであり、我が国の防衛の基本的な方針であります。

 また、抑止力とは、侵略を行えば耐えがたい損害をこうむることを明白に認識させることにより、侵略を思いとどまらせるという機能を果たすものと理解しております。

中丸委員 ありがとうございます。

 専守防衛、この字のままでいくと、専ら守るという言葉になります。午前中の大臣の御答弁でもありましたが、ぶつからないように回避する、専ら守り回避する、果たしてこれが本当に抑止力になるのかという素朴な疑問を私は持ってしまいます。

 専ら守る、最低限の抑止力という言葉もよく聞くんです。最低限の抑止力というと、スネ夫とのび太とどっちが抑止力があるかというところで、一番あるのはジャイアンじゃないかという話もあるんですけれども、そういう一番の抑止力というのは、私は、やはり他国に、手を出せないなという環境づくりもですが、もちろん、そういった一言一言のお言葉も抑止力につながるというふうに考えます。

 我々日本維新の会は、国家防衛について、やはり賢く強い日本ということを確立していこうということで立党しております。

 両大臣にお伺いします。

 強く賢い日本というのは、どのような日本のビジョンだと思われますでしょうか。

岸田国務大臣 強く賢い日本ということですが、まず、国の安全と繁栄を維持し、そして国民の生命財産を守る、これは政府の最も重要な責務であります。こうした大切な責務を果たすために、我が国は、外交を初め、さまざまな方策を講じていかなければなりません。

 外交、安全保障の分野においても、厳しいアジア太平洋地域の戦略環境を踏まえて、防衛費の増額、あるいは防衛大綱の見直し等、まずはみずからの防衛力強化のために努力をしなければいけないと思いますし、あわせて、先ほど来議論に出ておりますような、日米安全保障体制による抑止力を向上させていく、さらには国際環境安定に向けた外交努力を続けていく、こうした努力を続けていくことにより、我が国の繁栄と安全を維持していく、こうした姿が強く賢い日本ではないかと考えます。

小野寺国務大臣 防衛力をしっかり整備し、しっかり守るということ、それから、日米を含め同盟する国、あるいは日本と行動を一にする国を多くふやす中で、しっかりと我が国を守る体制をつくっていくということ、それは外交努力だと思っております。

中丸委員 では、時間になりましたので、最後に、実際の現場に出られている隊員の皆様も人間ですし、同じ日本人でありますから、やはり政治家が腹をくくって、その指示、命令に関して責任を持つという強いメッセージをいざというときに発信していただくことを両大臣、皆様にお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

薗浦委員長代理 次に、畠中光成君。

畠中委員 みんなの党の畠中光成です。

 地元は兵庫七区、西宮、芦屋でございまして、いわゆる阪神間。私が大学を卒業する平成七年に阪神・淡路の大震災がありまして、実家が全壊し、仮設住宅での暮らしも経験するなど、東日本大震災はまさに人ごとではありませんでした。全力で災害派遣に向かっていただいた自衛隊の皆様に心より感謝申し上げます。また、被災地選出の国会議員として今もなお復興に取り組んでおられる小野寺防衛大臣に、震災の経験をぜひ国家の防衛に生かしていただけるようお願い申し上げます。

 私の経験した阪神の震災ですが、これは早朝でありましたが、ベッドで寝ておりまして、どおんという音とともに近所の方々の悲鳴が聞こえ、ミサイルでも落ちたのではないか、そういう思いをしたのを記憶しております。災害、あるいは第三国からの攻撃などの有事、あるいはテロ、こういったところについては共通項も当然あるかと思います。そういった観点から、まず自衛隊の東日本大震災への対応における教訓から、幾つか質問させてください。

 一つは、海についてであります。

 東日本大震災から明らかになりましたのは、海から陸へのアクセスという発想、あるいは幅広く海の活用という構想に欠けていたのではないかということだと思っております。例えば、水陸両用の部隊や装備、また幅広く海の活用に関する構想、こういったことについて防衛大臣の見解をお聞かせください。

小野寺国務大臣 畠中委員におきましては、阪神・淡路大震災、さまざまな御経験をされたと思っております。

 今回の東日本大震災においても、兵庫の皆様に大変お力をいただきまして、今でもたくさん、兵庫県庁を含めて支援に入っていただいております。改めてここで感謝を申し上げさせていただきたいと思っております。

 実は、私は、阪神・淡路大震災のときは、ちょうど大学の教諭をしておりまして、ボランティアに被災地に入りました。長田区の菅原市場の脇にプレハブを建てまして、そこで炊き出しの支援をさせていただき、実はそのとき、直後、物資が本当に不足したので、私の郷里、気仙沼からマグロ漁船を仕立てまして、マグロ漁船に物資を積んで、海から、海上輸送で食料、水を運ばせていただいた経験がございます。

 まさしく海の活用というのは大変重要だと思っております。

 ただ、今回の東日本震災で私が感じましたのは、実は津波もあわせて来たものですから、海面が瓦れきですっかり埋まりました。通常の船ではここは航行できなくなりまして、例えば海上自衛隊が持っていますLCACを使えないかということでも検討をお願いしたと思いますが、やはりそこはホバークラフトのような、ソフトなものが周りにありますので、瓦れきの中を上がっていくというのは多分難しい。実際に私が経験しましたのは、米海兵隊が上陸用舟艇でずんずんと上がってきて、これが実は一番有効だったという状況もあります。

 このような震災対応も含めて、これから例えば水陸両用車の検討も必要かと思いまして、二十五年度予算では、参考品というもので、とりあえず水陸両用車を購入させていただき、これが災害、そしてさまざまな、離島防衛等に活用できないかということを今後検討していきたいと思いますが、まさしく海からの輸送というのは大変重要なテーマだと思っております。

畠中委員 ありがとうございます。

 我が国のような島嶼国家においては、今大臣がおっしゃられたような海から陸へのアクセス、水陸両用のこういった装備は、予算も限られているかと思いますけれども、海に囲まれた我が国の地理的条件というのが変わらない以上、常設的に持っておくべき要素かと思います。

 また、海の活用という観点ですけれども、小野寺大臣は、水産あるいは環境工学、こういったことを学ばれたというふうに認識しております。そういった観点から、例えば海洋資源とか海上交通、あるいは海の持つ環境、これは我が国が存立する基盤となるものであると考えますから、幅広く海の活用について、防衛大臣のお立場からぜひ取り組んでいただければと思っております。

 昨日発表されました海洋基本計画というのを私も拝見いたしましたけれども、島嶼防衛等、あるいは海洋資源について、こういったところを強く記載されているように思いましたので、基本的には評価をさせていただいております。

 あと、東日本大震災からもう一つ明らかになったのは、あの福島の原発事故。ここから、化学、生物、放射性物質、核、高性能爆薬を意味する、この頭文字をとったCBRNE、こういったものの被害管理など、CBRNE事案対処部隊の必要性があったのではというふうに考えますが、今現在、どのような取り組みをしておられるか教えてください。

小野寺国務大臣 防衛省・自衛隊は、世界に類のない経験をしたと言われています。

 例えば、地下鉄サリン事案でのサリンへの対応、東日本大震災での福島第一原発事故での対応。実は、このような経験を持つ世界の同じような防衛組織に関して、日本の自衛隊は最先端の経験をしたんだ、そう思っております。

 そういう中で、核・生物・化学、NBC兵器が使用された場合の対応をするために、化学防護車、生物偵察車、NBC偵察車、除染車等を装備する化学科部隊を十七個部隊、約九百五十名有しております。万が一、原子力災害等が発生した場合には、これら化学科部隊が、放射線による汚染地域における情報収集や人員、車両の洗浄を行うということになります。先般、私も部隊を直接見せていただいて、最先端のさまざまな装備について見せていただきました。

 これらの化学科部隊は、米国のCBRNE対処部隊が有しているような高性能爆薬への対処やNBC被害者への医療支援を行う能力は有しておりませんが、これら化学科部隊に加えて、不発弾の除去及び処分を担当する不発弾処理隊や、生物剤感染患者等の治療を担当する対特殊武器衛生隊を同時に運用して、包括的な対応を行うこととしております。

 大変重要な御指摘ですので、このCBRNEの対策に対しては、防衛省としてもしっかり頑張ってまいります。

畠中委員 先ほど、原発などの重要施設に対して、自衛隊の観点からどの程度取り組むかという議論があるというお話も出ました。

 そもそも論といたしまして、私、日本の原発について思うわけですが、日本の原発が安いというのは、万が一の危機管理まで十分に織り込んでいないこと、だから日本の原発が安いと言われていることと無縁ではないというふうに思います。万が一の対処には非常にお金がかかる、これは当たり前のことでございますが、そこを我が国はおろそかにしているというふうに私は思わざるを得ません。よって、今大臣がおっしゃられたようなCBRNEへの対応は、国民の安心、安全、生命を守るために、ぜひとも取り組みをお願いしたいと思います。

 また、先ほどの海の質問と重なるわけでありますけれども、原発というのは沿岸部にあります。海から陸へのアクセスという観点からも、災害であってもテロであっても必要な要素かと思いますので、重ねて御検討をお願いしたいと思います。

 もう一つ、東日本大震災で私が気づきましたことは、通信であります。現代社会において、通信機能というのは大変高度化しておりまして、また、その重要性も増していると考えます。自衛隊も例外ではないと思います。

 東日本大震災時に十万人の隊員が動員されて、大変な人数でありました。部隊展開時などに通信システムの脆弱さがあったと聞きますが、広帯域多目的無線機や野外通信システムの導入で、隊員や小隊間、関係機関との連携はどのように強化、改善されているのか、お聞かせください。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生今御指摘の、陸上自衛隊の野外通信システムでございますけれども、もともと、昭和五十四年から整備されたものを含めまして、陸上自衛隊におきましては、新旧三世代のシステムが混在していたという現状がございました。このために、東日本大震災への対応におきましては、東北地方に全国の部隊が集中いたしましたので、一部の部隊で保有する通信装備が旧式であった、特に派遣部隊間で画像とか映像といったデータ通信ができないといったようなことから、情報共有に制約が生じたところでございます。

 このため、この教訓、反省を踏まえまして、陸上自衛隊の情報通信能力を向上させ、今後の災害への備えに万全を期するために、現有の方面隊電子交換システム、師団通信システム、各機能別の無線機システムの後継といたしまして、野外通信システムの整備を二十三年度からしております。

 二十三年度の補正予算におきましては、今先生御指摘の、システム全体を構成するもののうちの広帯域の多目的無線機、これは携帯のものもあれば、車載のものもあれば、机上のものもございますが、その無線機を八式、二十四年度の当初予算におきましては野外通信システム全体を二式、二十四年度の補正におきましては同じく野外通信システム十二式を計上させていただいたところでございます。

 これによりまして、今後は陸上自衛隊の通信は二世代になります。これによりまして、データ通信に係る課題が解消をされます。具体的に申し上げますと、大容量の通信が可能になりますので、音声とデータ、画像、映像、こうしたものが同時に送受信可能になります。それから、GPSによりまして自己位置が自動的に配信をされるということで、部隊の位置情報がより正確に、地図上にリアルタイムで明確にされるといったような大幅な改善が図られるものでございます。

畠中委員 それらの新しい通信インフラですが、防衛省・自衛隊以外の関係省庁、例えば警察であったり、消防であったり、自治体、こういったところとの連携、活用の検討というのは行っているのでしょうか。

黒江政府参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘の、他の機関との連携ということでございますけれども、当然のことながら、部隊が展開しております現場で異なる機関同士の連絡がとり合えるということが望ましいわけでございまして、先ほど御説明のありました広帯域多目的無線機あるいは野外通信システムといったものを利用しますと、これらのシステムは、ソフトウエアを書きかえることで他の省庁が保有しております無線機との連接が可能となる、そういう拡張性を有したものでございます。

 これらにつきましては、今後、さまざまの災害対処の訓練、防災訓練等々の機会を通じまして、関係の機関と拡張の仕方等々について調整を進めてまいりたいというふうに考えております。

畠中委員 災害支援において、次期Xバンド通信衛星が現在のものと比べてどのように優位に機能するのかということを教えてください。

黒江政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のXバンド通信でございますけれども、通信衛星が使用しますいわゆるXバンドの電波でございますが、これは、周波数帯の特性上、雨等の荒天でありますとか電離層になかなか影響されづらいということで、大変安定した通信を確保するということが可能になります。

 その点を我々は期待しておりますのと同時に、現在進めようとしております次期Xバンド通信衛星を打ち上げますと、現在使用しております衛星通信よりも容量が非常に大きくなる、さらに通信速度が非常に速くなるということで高速大容量化が図られる、さらに、現在ですと各自衛隊別に通信の中継器等々の使用といったことをやっておるわけですが、これを一括して管理するということを行いまして、各部隊の間、各自衛隊の間の通信というのがさらに容易になる、そういう効果を期待しておるところでございます。

 こういったことを通じて、通常の行動時のみならず、災害時におきましても効果的な運用というのは可能になるというふうに考えております。

畠中委員 今から申し上げますのは防衛省や外務省の範疇ではないと思われますが、現代社会におきまして、情報端末というのが非常に発達しているわけであります。国民にとっても、災害時の情報伝達手段というのは大変重要なテーマかと思います。私が阪神・淡路のときに被災した際には、携帯電話というのは限られた人しか持っていないものでありましたから、当然テレビも映らない、一番の情報源というのは、ラジオをつけろ、こういうのが平成七年でありました。今現在におきましては、先ほど申し上げたように、例えば携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートパソコン、データを扱う通信端末がいろいろ国民に普及しております。

 こういった通信端末の高度化、多様化が進むと同時に、同様に通信事業者も多様化しているのが現状かと思いますが、国民の防災の観点から、災害時の情報通信ネットワークの耐災害性強化のための研究開発、あるいはこれに類する政府の施策がどうなっているかということを教えてください。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃりましたように、通信インフラは、今日、国民生活や経済社会活動を支える大変重要な基盤となっておりまして、その防災対策にしっかり取り組んでいくことは大変重要であると私どもも認識しておるところでございます。

 このため、総務省では、一つには、さきの東日本大震災でもそうであったわけでございますけれども、大規模災害時において、安否確認等のために特に音声通信の需要が高まることから、通常時の五十倍程度の音声通信需要が発生した場合にも対応可能となる、通信混雑の対策技術の研究開発などに取り組んでいるところでございます。

 また、電話局舎が被災し使用できなくなった場合に備えて、輸送、搬入すればすぐに音声通信、データ通信の双方に使用できる小型の通信処理設備を実現するための研究開発にも取り組んでおるところでございます。

 さらには、通信設備の安全、信頼性に係る技術基準の強化でございますとか、公共性の高い電気通信事業者が行う通信ネットワークの強靱化に係る事業に対する補助を平成二十四年度補正予算において新たに用意するなど、通信ネットワーク全体の耐災害性を強化するための取り組みを進めておるところでございます。

 総務省といたしましては、引き続き、電気通信事業者などと連携して、通信サービスの耐災害性の強化に向けた取り組みを全力で進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

畠中委員 政府、自治体など、復旧支援に当たっている通信を阻害しないことを前提に、できるだけ被災住民も情報収集できるようにすべきかと考えます。災害のときは、先ほどおっしゃられたように、五十倍、六十倍の電話の通信があるということであります。こういう民間通信事業者への災害時の通信規制というのが総務省からあると思いますが、この規制の考え方について、災害のときはどうなっているかということを教えてください。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 大規模災害時には、安否確認などのための膨大な通信需要が発生することによって通信がつながりにくくなる状態、いわゆるふくそう状態が発生することがあるところでございます。電気通信事業者は、こうしたふくそう状態にあっても災害救援や緊急通報といった重要な通信の疎通を確保しなければならず、そのために、一般の通信を抑制することがあるところでございます。

 例えば、東日本大震災の際には、音声通話について最大で七〇から九五%という率で通信規制が行われたところでございます。この通信規制につきましては、現実の通信需要の発生状況に応じて、各電気通信事業者が、交換機や基地局設備などにおいて、重要通信確保のために必要な最小限度の率で行っているものと認識しておるところでございます。

 なお、総務省では、災害時における音声通信の重要性などに鑑みまして、現在、先ほど触れさせていただきましたようなふくそう回避に向けた研究開発、いわゆる通信混雑の対策技術の研究開発などの取り組みを進め、できる限り必要な通信の疎通が円滑に進むように、鋭意取り組みを進めておるところでございます。

畠中委員 情報通信の世界は日進月歩でありますから、もちろんそれを阻害しない一方で、耐災害性についてもぜひ全力で取り組んでいただけたらと思います。

 次期Xバンド通信衛星に話を戻しますが、災害支援等の観点から、これを、今現在は防衛省が主で進めているというふうに聞いておりますけれども、民間等に開放することなどは検討しているかということをお聞かせください。

小野寺国務大臣 次期Xバンド通信衛星は、Xバンドという周波数の特性を踏まえて、災害時を含めた自衛隊のあらゆる活動に資するため、平成二十四年度のPFI事業によって整備をするものであります。

 同衛星は、自衛隊の通信所要を満たすべく設計されておりまして、また、災害時には自衛隊の活動に伴う通信量の増大が見込まれることから、現時点においては、災害時に次期Xバンド通信衛星を国民の通信に開放することは想定しておりません。

 なお、PFI事業の枠組みとして、事業者が同衛星に別途、民間用通信機器を併載して通信サービスを行うことは可能と思っております。

畠中委員 大臣の答弁で理解はいたしましたが、通信衛星というのは十数年も運用するわけでありますから、あらかじめ十数年後の社会に耐え得る構造を持っておかないといけないものだと思います。国民全てにXバンド通信を開放するというのは極端だと私も思いますけれども、例えば警察とか消防、あるいは自治体、企業、こういったところの情報の共有という観点、このコンセプトも重要かと考えますので、そういった観点から、将来を見据えた設計というのをお願いしたいと思います。

 次期Xバンド通信衛星というのは、広範囲に分散したネットワークを結合できる反面、統合的なネットワークシステムの脆弱性をもあわせ持ってしまうのではないかと思います。つまり、この衛星がかなり重要な衛星だから、宇宙にその衛星があって、これを攻撃されてしまうと大変なことになるというわけであります。

 我が国の防衛にかかわる衛星に対して、ASAT兵器による攻撃が察知された場合、これを防衛する手段にはどのようなものが考えられるか、教えてください。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 対衛星攻撃兵器につきましては、諸外国において研究開発が進められているというふうに我が方も承知をしておりますけれども、今、実用化されて配備をされている、そうしたような情報には接しておりません。また、その具体的な性能あるいは運用構想といったものは全く明らかにはなっておりません。

 この対衛星攻撃兵器につきましては、例えば弾道ミサイル技術が応用されているとか、あるいはレーザーといった指向性エネルギーが使われるといったような話もありますけれども、いずれにいたしましても、無害化するといったようなことも含めまして、兵器から衛星を守るといったことが可能かどうかといったようなことについては、なかなか、現時点におきましては、実用化されていないということもありまして、確定的に申し上げることは困難と考えておるところでございます。

畠中委員 二〇〇七年の一月に、中国がASAT実験ということで衛星を爆破して、スペースデブリというのがまき散らされたわけでありますけれども、これを兵器というかどうかはさておきとしまして、衛星を破壊する技術というのは当然あるわけでございます。

 そういった観点から質問させていただきますけれども、防衛にかかわる我が国の衛星に対して攻撃があった場合、自衛権行使の範囲とみなすことができるのでしょうか。また、日米安保の対象となるのでしょうか。お聞かせください。

左藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 衛星に対する攻撃も含め、我が国に対する攻撃が自衛権行使や日米安保条約第五条の対象になるかということについては、そのときの国際情勢、相手国の明示された意図、そして攻撃の手段、態様等をもって個別具体的に判断する必要が当然出てまいります。

 したがって、衛星に対する攻撃という与件のみによって自衛権行使の可否や日米安保条約第五条の適用についてあらかじめ一概に論じることはできない、非常に難しい、このように思っております。

畠中委員 かつてアメリカも、二〇〇一年のラムズフェルド委員会で報告書が出されたと思いますけれども、スペース・パールハーバー、宇宙の真珠湾攻撃ということ、これのおそれがあるということを十年以上前にアメリカは言っていて、それだけ衛星というのは大変な脆弱性をあわせ持っているということであります。

 先ほどの次期Xバンド衛星通信、大変な機能を持つものであります。だからこそ、原発のような重要施設と同じような観点から、いかに防衛をしていくか、また、その法整備の考え方をどのようにしていくかということは大変重要なことかと思います。

 もちろん、宇宙の利用ということに関して、国際法上においても幾つかの難しい論点があるということは認識をしております。だからこそ、万が一の際の対処を想定しておく必要があるのではないでしょうか。

 宇宙は、人類にとっての新しい海、フロンティアであります。だからこそ、現在起こっている尖閣などの離島防衛と共通の課題が将来想起されるのではないかと思います。憲法の解釈内で、宇宙における警察や海上保安庁、あるいは消防、そして自衛隊、そういった危機管理の観点というのが求められているのではないでしょうか。これを先送りすることなく想定していただけるよう、お願い申し上げます。

 さて、次の質問に移らせていただきますが、サイバーやセキュリティーについてお伺いいたします。

 アメリカ政府は、先月二十六日に成立した暫定予算法に中国製のIT機器の政府調達を制限する条項を盛り込んだと新聞報道でありました。中国の企業や子会社が組み立てた製品に仕込まれた部品やソフトを利用したスパイ行為やハッカー攻撃を防ぐのが狙いということであります。

 我が国では、内閣官房情報セキュリティセンターが、政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群というのを設けて、政府全体の情報セキュリティー対策に取り組んでいるものと認識しておりますが、この基準の中には、このようなハッカー対策の観点から、特定の外国機器を制限する規定はありますでしょうか。また、今後制限していくお考えはありますでしょうか。

占部政府参考人 お答え申し上げます。

 今、議員から御指摘があったような、特定国の製品を制限するということについては、現在のところ特段設けてございません。

 しかしながら、今御質問の中にあったように、政府機関では、基本的な事項を定めました政府の統一的な基準、これは政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群というふうに言っておりますが、それを策定して、その適切な実施に努めているところでございます。

 各省におきましては、この基準に基づきまして、それぞれのシステムに対応する必要なセキュリティーを考えて、その設計、構築、調達等を行っているというところでございます。

 また、これにつけ加えまして、この基準の中でございますけれども、IT製品やソフトウエア、この中にどういう製品があるかというのを個々具体的に検証する必要があるんですけれども、その中に国際標準みたいなものがございまして、これはISO・IEC15408というふうに言っておりますけれども、その認証を取った製品を必要であればちゃんと調達するようにということをいって、高いシステムの安全基準をとるようにということになっております。

 特定国のIT調達の制限ということについては、その制限のあり方とか、実際にそれがどう実施できるかとか、いろいろもろもろの観点がございますので、そういう観点も含めて、我々は、諸外国でどういうような取り組みが行われているかということに注視をしているというところでございます。

畠中委員 何も特定の国の機器を制限しろと言っているのではなくて、何が申し上げたかったかといいますと、我が国の情報セキュリティーについての意識というのがどの程度かということを知りたかったわけでございますが、恐らくというか間違いなく、我が国の情報セキュリティーに対する意識というのは低いと言わざるを得ないのではないでしょうか。

 内閣官房が統一基準というのを出されると、各省庁もその基準に従いながら、それを参考にしながら、それを超えない範囲でセキュリティーというのを考えざるを得ない。ですから、これだけ情報機器が発達した社会におきまして、このセキュリティーに対する意識というのをもっと高めていただきたいと思います。

 原発とか衛星とか、これを何とかするといったら、予算も大変なことでありますけれども、このセキュリティーに関しては意識の問題です。意識の問題ですから、徹底して我が国の安全というのを、情報セキュリティーの観点からお願い申し上げたいと思います。

 時間が限られておりますので次に行きます。

 サイバー攻撃への対処を統合的に実施するための中核組織としての位置づけであるサイバー空間防衛隊、これから始まるということでございますが、これの任務には具体的にどのようなものがあるのか、教えてください。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 サイバー空間の拡大に伴いまして、サイバー攻撃が行われた場合においては、社会活動に広範囲で甚大な被害が生じる可能性があるわけであります。

 また、サイバー攻撃は、目的、手法が多様でありまして、攻撃源の特定、抑止が困難といった特性が存在します。そのため、自衛隊の任務遂行上、サイバー空間の安定的な利用の確保というのは不可欠の前提であることから、日々、高度化、複雑化するサイバー攻撃の脅威に適切に対応するため、サイバー空間防衛隊を平成二十五年度末に新設する予定であるわけであります。

 サイバー空間防衛隊では、防衛省・自衛隊のネットワークの監視及び事案発生時の対処を二十四時間体制で実施するとともに、各自衛隊に分散しているサイバー攻撃等に関する脅威情報の収集や分析及び調査研究や技術支援を一元的に行い、その成果を防衛省全体で共有することとしております。

 なお、部隊の組織の詳細とか具体的な業務内容につきましては、我が国のサイバー攻撃対処体制の詳細が明らかになるということで、今後の対処活動に支障が生じ、国の安全を害するおそれがあることから、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

畠中委員 サイバー空間防衛隊はこれからの話でありますから、ぜひしっかりとした取り組みをお願いいたします。

 今現在の、防衛省職員や防衛関連企業社員に対するソーシャル・ネットワーク・サービス、SNS教育の訓練の状況や考え方、あわせて、可搬型記憶媒体、USBメモリーとかSDメモリーカードとかいうのがございますね、こういったものの使用方法の指導や考え方についてお聞かせください。

左藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 お尋ねの、防衛省職員に対するSNS教育訓練についてですが、本年二月の防衛省情報セキュリティー月間においてSNS等の利用に際しての注意喚起を行ったほか、ことし一月、隊員に対して、運用企画局長通達、先ほど先生がおっしゃったようなソーシャルメディアの私的利用についていろいろ書いてあるんですが、業務用データを私的に取り扱ってはいけない、私有パソコン及び私有可搬記憶媒体で業務用データを取り扱ってはいけないとか、隊員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならない等々の通達を出しております。そして、職員に周知徹底をまず図っております。これが一点であります。

 そして、可搬記憶媒体の集中保管や持ち出しについても規制をさせていただいております。特に、情報流出の防止について、定期的な教育をしっかりやって、実施をさせていただいております。

 そしてもう一つ、先生がおっしゃった関連企業の社員に対しては、関連企業との契約締結時についている秘密保全の特約条項等の定めるところによって、社員に対する秘密保全教育を定期的に行っています。その結果を防衛省に届けることにしています。

 そして、可搬型記憶媒体の使用に関しては、社員に周知することを求めております。これは四点ほど求めておりますので、しっかり守って、徹底させていただきたいと思っています。

 以上です。

畠中委員 指導されているのはわかりましたけれども、大体こういった指導というのは型決めのものでありまして、悪意のある人間や組織がどういった方法でやってくるかという、ケースワーク的な指導というのもぜひ取り入れていただけたらと思います。いろいろな、成り済ましとか、こういう表現をするとこれは情報漏えいになっているんだよということとかを含めて、ぜひ指導していただけたらと思います。

 続きまして、質問の中身をちょっとかえまして、日米同盟について外務大臣にお聞かせいただきたいんです。

 民主党政権時代に後退が懸念された日米同盟でありますが、日米同盟の深化とか強化という言葉は躍るものの、具体的な進展というのは一体何だろうというふうに思うわけであります。今後の日米同盟に関して、何を具体的に強化とか深化させようとしているのか、外務大臣、お聞かせください。

岸田国務大臣 二月に行われました日米首脳会談におきましては、両首脳間で日米同盟の強化の方向性について率直な議論を行い、そして、日米のきずなと信頼を取り戻し、緊密な日米同盟が確認されたということで、大きな成果があったと認識をしております。これを踏まえて、あらゆる分野において、日米間は緊密な協力を具体的に進め、強化していかなければならないと考えています。

 例えば、安全保障の分野においては、拡大抑止、弾道ミサイル防衛、さらには先ほど来議論に出ております宇宙、サイバー分野、幅広い協力を進めていかなければならないと思っておりますし、ガイドラインの見直しも検討を進めていく、こうした課題があると思います。

 また、経済ということでいえば、TPPに関する日米協議が今継続しております。また、米国からのLNG輸入等のエネルギー協力も大きな課題だと思っています。それ以外にも、グローバルな課題への対応など、両国が貢献できる分野は多いと認識しております。こうした幅広い分野で、ともに責任を果たしていく考えでおります。

 今月中旬にもケリー国務長官の訪日が調整されております。この際にも、ぜひ日米同盟について具体的に深化を確認していきたいと考えています。

畠中委員 以上で終わります。ありがとうございました。

薗浦委員長代理 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 まず、国土交通省、いらっしゃいますか。国土交通省に、一般的に、公有水面埋め立ての手続について質問をいたします。

 公有水面埋立法第二条では、埋め立てを行おうとする者は都道府県知事の免許を受けることとされています。また、埋め立てを行おうとする者が国である場合には、同法第四十二条で、都道府県知事の承認を受けることとされています。免許、承認の権限が都道府県知事に与えられているのは、どのような考え方に基づくものですか。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 公有水面埋立免許の権限は、国の所有に属する水面を埋め立てるという事務でございますが、地方の事情に精通しているといったことなどから、都道府県知事に法定受託事務として行わせているものでございます。

赤嶺委員 今度は、都道府県知事が免許、承認を与えるかどうかを判断する場合なんですが、どのような基準に基づいて判断するのですか。また、免許の場合と承認の場合で、その基準に何か違いはありますか、同じですか。いかがですか。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 公有水面埋立免許の基準につきましては、公有水面埋立法第四条におきまして、一つには「国土利用上適正且合理的ナルコト」、二つ目には「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」、三つ目には「埋立地ノ用途ガ土地利用又ハ環境保全ニ関スル国又ハ地方公共団体ノ法律ニ基ク計画ニ違背セザルコト」、四つ目には「埋立地ノ用途ニ照シ公共施設ノ配置及規模ガ適正ナルコト」などといった基準が定められております。

 この免許の基準は、承認の場合にも準用されているところでございます。

赤嶺委員 もうちょっと国土交通省に聞いていきますが、埋め立ての法律の要件の第一に挙げられている、先ほどお述べになりました国土利用上適正かつ合理的であるというのは、具体的にはどういうことを指しておられるんですか。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 先ほどの規定が入れられました昭和四十九年の公有水面埋立法改正時の施行通達におきまして、この部分につきましては、埋め立てそのもの、それから埋立地の用途、これが国土利用上適正かつ合理的であるかどうかを審査するべきというふうなことにされているところでございます。

赤嶺委員 いや、ですから、具体的にどういうことを指しているんですか。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 まさにその現場の事情に応じて、国土利用上適正か、合理的であるか、適切に判断していただくというふうなことでございます。

赤嶺委員 よく言われているのが、景勝地における埋め立て、あるいは環境保全上重要な地域などにおける埋め立て、良好な住宅地の前面の工業用地造成目的の埋め立て、こういうのが国土利用上合理的であるかどうかの問題になっていくという理解でいいですか。間違いありませんか。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 先ほど挙げられた例につきましては、解説等にもいろいろありますので、そういったことも含めて、現場の実情に応じて判断していただくというふうなことになろうかと思います。

赤嶺委員 つまり、景勝地を埋め立てたり、環境保全上重要な地域などを埋め立てたり、こういうのは一般的な基準からしても認めがたいということになっていくわけです。

 環境保全、そして災害防止への十分な配慮、これも埋め立ての要件の二つ目に挙げられましたが、これは具体的にどのようなことを指しておられるんですか。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 環境保全に関しましては、同じく施行通達におきまして、埋め立てそのものが水面の消滅、自然海岸線の変更、潮流等の変化、工事中の濁りなどに関し、海域環境の保全、自然環境の保全、水産資源の保全等に十分配慮されているかどうかを審査することというふうにされております。

 また、災害防止につきましては、埋立地そのものの安全性、あるいは埋め立てに伴いほかに与える災害に十分配慮しているかどうか、こういったことなどについて審査するというふうにされております。

赤嶺委員 ですから、埋め立ての承認には、いわば要件が法律上明確になっているわけですね。今まで御説明いただきました国土利用や環境、防災などの観点から、あくまで法律の要件を満たすかどうかで判断していくことになるわけです。

 要件を満たすと判断できるものでない限り、免許、承認を与えることは認められていない、これで間違いないですね。いかがですか。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 そういった審査基準が承認のときの基準になっております。

赤嶺委員 次に、地方自治法との関係について伺います。

 地方自治法第二百四十五条の七は、各大臣が、その所管する法律、政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、違反の是正、改善のため必要な指示をすることができる、このように規定されています。

 公有水面埋め立てに係る都道府県知事による免許、承認の事務も法定受託事務の一つとされています。公有水面埋め立ての免許、承認の事務に関して国が是正の指示を行う場合というのは、どのような場合が考えられるのですか。

山崎政府参考人 地方自治法二百四十五条の七におきまして、都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるとき、こういったときに違反の是正または改善のために講ずべき措置について必要な指示をすることができるというふうにされております。

赤嶺委員 公有水面埋め立ての事務にかかわって、是正の指示が出された事例というのはあるんですか。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 これまでにそのようなことはございません。

赤嶺委員 いずれにしても、公有水面埋立法に照らして、法令への違反や、あるいは著しく適正を欠くような場合でない限り是正の指示をすることはできない、そういうことですね。

山崎政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますが、法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときに是正の指示ができるものでございます。

赤嶺委員 最後に、もう一点確認いたしますけれども、都道府県知事は、申請書の提出があった場合、書類に不備がないかの形式審査を行った後に告示、縦覧を行い、その間に、利害関係を有する者は、都道府県知事に意見書を提出することができるとされています。

 告示、縦覧を義務づけられているのはどのような理由からですか。また、意見書を提出できる利害関係者の範囲に何か限定はありますか。この点を説明してください。

山崎政府参考人 公有水面埋立法第三条における出願事項の告示、縦覧の趣旨でございますが、埋立免許の出願事項を一般公衆に周知し、埋め立てに関し利害関係を有する者の意見を埋立免許の際の判断に反映させるということでございます。

 また、利害関係人の範囲についてでございますが、一般的には、例えば、漁業権を有する者ですとか、それから埋め立てによって営業上とか生活環境の面から影響を受ける方ですとか、あるいは関係市町村長さんですとか、こういったことが利害関係人に当たるというふうにされております。

赤嶺委員 何だか、今の答弁だと、限定があるかのような答弁でありましたけれども。

 法律の趣旨は、行政機関だけではなくて、一般の住民や、埋立区域に漁業権は持っていないものの、その周辺海域で漁業を営み、工事による影響を受けるおそれのある漁業者、さらには、希少動植物の保護は国際的にも高い関心が寄せられている問題になっておりますが、国の内外の環境問題の有識者や団体、市民も含めて、利害関係を持つと考える人は誰でも意見書を提出することができる、そういうことですね。

山崎政府参考人 もちろん、利害関係を持つというふうなことであれば、提出することができるということでございます。また、利害関係の程度に応じて、その意見について判断していくというふうなことになろうかと思います。

赤嶺委員 つまり、範囲はないわけですね。

 国土交通省、御苦労さまでした。もう退席して結構であります。

 それでは、お待たせをいたしましたけれども、防衛大臣に伺います。

 沖縄防衛局は、三月二十二日、名護市辺野古への新基地建設に向けて、公有水面埋立申請書を沖縄県に提出いたしました。名護市内にある県の北部土木事務所で、防衛局の職員が名乗らなかったんですね、入ってきて。しかも、担当部署は二階にしかないんですが、三階に段ボールを持ち込んで、わずか一、二分で立ち去るという、極めてこそくなやり方をとられました。

 名護市の稲嶺市長は、アセスを含めて、県民を欺くような形で強権的に進められたことに県民は非常に怒っていると、政府の対応を厳しく批判しております。

 防衛大臣は、提出後の記者会見で、地元の久辺三区からの要請や、名護漁協からの埋め立てへの同意を得たことなどを挙げて、こういう沖縄の声に一つ一つ応えていくと述べておられます。地元住民の理解は得られている、そういう認識ですか。

小野寺国務大臣 沖縄にはさまざまな声があるということは、私どもも承知をしております。

 今回、埋立承認願書を出させていただきましたが、そのさまざまな声の中には、特に今回、私どもは、例えばここの漁業権を有します名護の漁業協同組合、あるいはその地区に有します久辺三区、この皆さんの声も聞き、また同意を得ているというふうに理解をしております。

    〔薗浦委員長代理退席、武藤(容)委員長代理着席〕

赤嶺委員 防衛大臣は、いつごろの情報を聞いたのかわかりませんが、少し認識が違うと思います。

 県知事や四十一市町村長、四十一市町村議会の反対という県民総意の枠組みは全く崩れていません。いよいよ強くなってきております。

 同時に、大臣が挙げられた人たちは、もともと基地の受け入れに賛成してきた人たちであるわけです。埋め立てに同意した名護漁協の古波蔵組合長の名前が報じられてきましたが、従来から、補償金で折り合いがつけば基地建設を認めるという立場をとってまいりました。

 今回の同意についても、本土では移設に向けた進展のように受けとめられていますが、沖縄では特段目新しいことでも何でもありません。

 むしろ、新しい出来事は、皆さんの埋立申請の行動によって、その周辺の漁協で反対の動きが広がっていることです。

 辺野古の南側の海域に共同で漁業権を持つ宜野座村、金武、石川の三漁協が、三月十六日、移設に反対する漁民大会を開きました。共同第七号と呼ばれるこの水域の一部は、キャンプ・シュワブの演習海域に含まれ、米軍の演習によるサンゴ礁の破壊がたびたび起こっている地域です。採択された決議は、魚介藻類は激減し、漁業をなりわいとすることは大変困難な状態にあります、普天間飛行場代替施設が建設されると、さらなる漁場崩壊につながり、我々漁民は生きていけません、このような切実な声を上げております。

 さらに、地元中の地元と言われた辺野古では、これまでずっと移設を推進してきた区長にかわって、区民の意見を聞いて協議を重ねるという立場の区長が当選いたしました。

 また、先ほどの名護漁協の組合長は、これまで、辺野古の行政委員会で普天間基地問題の対策特別委員会の委員長も務め、政府とのパイプ役の役割も担ってきましたが、先月の行政委員の選挙では立候補を断念するところに追い込まれております。

 地元でも反対が広がっているのが実態だと思いますが、大臣、そういう認識はありませんか。

小野寺国務大臣 沖縄にさまざまな声があるということは、私どもも承知をしております。

 それから、今先生が御指摘になりました、先日、三月十六日、宜野座村、金武、石川の三漁協が、宜野座漁港におきまして、辺野古地先海域の米軍専用飛行場建設に反対する漁民大会を開催して、普天間飛行場代替施設の建設計画の即時中止などを決議したということも承知をしております。

 ですが、私どもは、この問題の大前提は、普天間飛行場の固定化があってはならない、それをしっかりこれから推進していくためにも、今回、日米合意の案に沿って埋立申請をさせていただいたということでございます。

 また、宜野座村の漁協においての海洋汚染やさまざまな懸念につきましては、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価におきまして、宜野座村の前面海域では事業の実施に伴う水の流れ、水質等の変化は見られないものと予測しておりますが、事業の実施に当たっては、事後調査を行うこととしておりまして、必要に応じて環境保全措置の改善や調査範囲の拡大を図るなど、環境の保全に万全を期す所存でございます。

赤嶺委員 辺野古の埋め立てによって宜野座の海が汚れないというのは、現場を知っているなら誰も信用できる話ではない、非科学的な話ですよ。

 ただ、この間、防衛大臣が、地元中の地元の辺野古は賛成だとかいうことを言ってきた、名護の漁協長が推進しているということを言ってきた。その名護の漁協長が、辺野古での政府とのパイプ役の役割もなくなり、区長も新しい区長にかわった。まさに、地元中の地元の辺野古の区民の賛成が多数というメッセージは全く根拠がないんだということを指摘して、強調しておきたいと思います。

 次に、埋立申請書に添付した環境アセスの補正評価書について伺います。

 まず、総合評価についてですが、評価書にあった「環境保全上、特段の支障は生じないと判断しています。」という文言が補正評価書ではなくなって、「環境保全への配慮は適正であり、」という文言に変わりました。「特段の支障は生じない」という文言がなくなったのはなぜですか。

伊藤政府参考人 先生にお答え申し上げます。

 評価書の補正をするに当たりまして、評価書に対する沖縄県知事さんの御意見を勘案するとともに、当省におきまして、自然環境及び生活環境の有識者で構成いたしました普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価に関する有識者研究会を開催し、科学的、専門的観点から討議を行ったところでございます。

 研究会の最終報告に当たりまして、評価に当たっての基本方針のほか、事業計画、生活環境、自然環境及び事後調査、環境監視に係る提言がまとめられたところでございます。

 先生がおっしゃいました補正評価書は、本提言を受けまして、評価書から事業の実施により消失する海草類の移植等の新たな環境保全措置や事後調査の項目を追加するなどして作成しておりまして、事業者として最大限の環境保全措置を講ずることとするなど、環境の保全に万全を期したものとなっておりますので、そういう状況でございます。

赤嶺委員 有識者の意見を変えて、評価書の文言を補正評価書で変えた。だから、「環境保全上、特段の支障は生じないと判断しています。」という部分が抜けたわけですね。

 有識者研究会の提言を読みますと、「事業を実施すれば、生物等の環境に対して何らかの影響を与えるのは間違いなく、むしろ、安易に影響が無いと評価するのは間違いである。」このように指摘しております。これは、防衛省が科学的知見を持っていると評価した有識者研究会の提言であります。

 要するに、基地建設によって環境への影響があること自体はもう認めているんですよ。だから、「特段の支障は生じない」という文言を削ったのではありませんか。そういうことですよね。

伊藤政府参考人 先ほどのお話の繰り返しになりますが、有識者の先生方の研究会の報告書を受けまして、その上で最大限の環境保全措置を講ずるということで、環境の保全に万全を期すということでございます。

赤嶺委員 有識者研究会が、環境への影響は避けられないと言っているわけですからね。今の答弁も説明になっていないですよ。

 具体的に、埋立土砂の問題について聞きます。

 今回の補正評価書によると、必要とされるのは二千百万立米、そのうち千六百四十万立米を沖縄、九州、瀬戸内周辺からの購入を想定していると明記いたしました。

 しかし、これらの地域の具体的にどこから、どういう土砂を年間どれだけ調達するかについては一切書かれていません。それらが明記されない限り、実行可能な計画なのかどうかも、環境保全上問題がないのかも判断できません。なぜ明記しなかったんですか。

伊藤政府参考人 お答えいたします。

 埋立土砂の調達に関する御質問でございますが、普天間飛行場の代替施設建設事業におきましては、約二千百万立米の埋め立て用の土砂を調達することとしております。

 このうち、早期に埋め立てを完了させる区域に安定的に供給する土砂として、辺野古ダム周辺から採取する約二百万立米、飛行場事業区域の整地により発生する約二百万立米につきまして、土砂の採取に係る環境影響評価を行っているところでございます。

 また、残りの約一千七百万立米の土砂につきましては、事業に伴う土砂採取によります新たな土地の開発を最小限にするなど、環境に配慮しつつ効率的な土砂の調達を行うため、本事業の有無にかかわらず、市場に流通しております土砂の購入をすることとしたものでございます。

赤嶺委員 千七百万立米の埋め立てに必要な土砂の確保というのは、補正評価書を読んでも全く見通しがないんですね。この埋め立てが、埋立土砂を確保する当てもないのにできるのか。

 ところが、沖縄ではもう一カ所、埋立計画があるわけですね。那覇空港の滑走路建設事業があります。ここでも千五十五万立米の埋め立てが計画されております。沖縄でとれる土砂は年間数百万立米ですよ。

 今回の補正評価書で示した埋立土砂の数値、これは、同じように那覇空港でも埋め立てが行われるという事業計画との関係で、埋立土砂の確保の見通しを検討したんですか。

伊藤政府参考人 埋立土砂の確保についての御質問でございますが、当該事業の実施によりまして、土砂供給元における環境への著しい影響を与えないという基本的な考え方のもとにおきまして、本事業の有無にかかわらず発生いたします岩ズリ等を優先することというふうに考えておりまして、現時点におきましては、千六百四十万立米につきまして岩ズリを使用することとしたいというふうに考えております。

赤嶺委員 終わりますけれども、埋め立てが南と北で、広大な埋立土砂が必要。今、岩ズリを使うと言いましたが、岩ズリを使ったらすき間だらけで、すき間だらけだと滑走路は沈下してしまうんですよ。

 こんな技術的検討の曖昧さが残るような埋立事業は技術的にも到底容認できるものではない、県民も納得していないということを申し上げて、そして普天間基地は撤去以外に解決の道はないということも強調しまして、質問を終わらせていただきます。

武藤(容)委員長代理 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーです。

 国の安全保障に関する件、小野寺防衛大臣の大臣所信について質問をさせていただきます。

 まず、米軍の再編計画についてお伺いをしたいと思います。

 アジア太平洋地域の平和と安定確保のため、日米同盟の強化、これはよく言われているところですが、それとともに、日米防衛協力のための指針の見直しの検討、これを行うとしています。そして、日米の防衛協力の実効性を強化すると発信しています。

 アジア太平洋地域の平和と安定確保とはどのようなことを示しているのか、見解をお聞かせください。

小野寺国務大臣 我が国周辺には、核戦力を含む大規模な軍事力が集中し、朝鮮半島や台湾海峡をめぐる問題が存在するなど、依然として不透明、不確実な要素が残存しております。

 さらに、多数の国が軍事力を近代化し、また、北朝鮮による人工衛星と称するミサイルの発射や核実験の実施、中国による我が国周辺海空域における活動の急速な拡大、活発化などに見られるように、軍事的な活動等を活発化させています。

 このように、我が国周辺の安全保障環境は一層厳しさを増していると認識しております。

 こうした安全保障環境において、日米安保条約に基づいて我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、地域における不透明、不確実な要素に起因する不測の事態の発生に対する抑止力として機能しており、我が国のみならず、地域の諸国に大きな安全をもたらすいわば公共財としての役割を果たしております。

 以上でございます。

玉城委員 大規模な軍事力、核の脅威等々に対する我が国の抑止力は米軍とともにあるというような内容ですが、その所信の中では、日米両国間のみならず、地域の国々、とりわけ我が国と基本的な価値及び安全保障上の利益を共有する関係諸国との防衛協力・交流を促進すると述べられています。

 この場合の、安全保障上の利益を共有する関係諸国とは具体的にどこを示し、さらにその安全保障上共有する利益、関係諸国及びその利益とはどういうものかということをぜひお聞かせいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化を図るためには、日米両国間のみならず、地域の国々との協力関係を深めていくことが不可欠であります。

 具体的には、民主主義や法の支配等の基本的な価値や、地域の平和と安定という安全保障上の利益を共有するオーストラリア、韓国、ASEAN諸国、インド等との二国間の防衛協力を強化していくということであります。特に、米国と同盟関係にありますオーストラリア、韓国とは、米国を含む三国間の協力も推進してまいります。

 また、この地域の安全保障に大きな影響力を持ち、隣国であります中国、ロシアとも、相互理解や信頼関係を強化してまいります。特に中国については、国際社会で責任ある行動をとるよう、同盟国等とも協力して、積極的な関与をしてまいります。

玉城委員 やはり、オーストラリア、韓国は、アメリカあるいは我が国とも、ACSA協定等々も含めるとオーストラリアも、それから、それ以前に米韓の、韓国の状況も価値観を共有するだろうということは安全保障上十分認識されることであります。

 一方で、やはり強大な軍事力を有する国、ましてやそれが、毎年何倍もの軍事予算をかけている国があるということを聞きますと、新しいニュースを、もう耳にしていらっしゃるニュースだと思いますが、これを少し踏まえておきたいと思います。

 来年ハワイ沖で展開されますリムパック、環太平洋合同演習に、一九九八年はオブザーバー参加のみにとどめておりました中国が正式に招待国として参加いたします。もろもろ、お互いの関係がありますので、最初からすぐ軍事的な協力関係ではなく、当面、正式参加をして、二〇一四年は災害対応訓練や、いわゆる共通して、こうなった場合はこうしましょうねという確認をする、そういう関係で軍事演習の入り口に立つというふうな認識になると思います。

 そうすると、果たしてこれからのアジア太平洋における中国との関係はこれまでのような関係のまま据え置いて、その抑止力として米軍に頼ることがこれからも可能であり続けるのかということが大きな疑問になるわけですね。そして、それに合わせて沖縄からは負担軽減を求めなくてはいけないということを考えると、やはりこういうふうな時期が来ているということをしっかりと把握し、情報を分析して、これからロシアとどうするのか、中国とどうするのか、ASEAN諸国とどうするのか、しっかりと情報交換も含めて交流をとっていただきたいと思うんです。

 沖縄を初めとする地元の負担軽減を図るため、普天間飛行場の移設問題が述べられています。この普天間飛行場の移設問題を含む在日米軍再編計画について着実に進めるとあります。

 では、アメリカはどうなっているのかということをちょっとここで確認しておきたいと思います。

 アメリカ議会では、海外への派兵及び海外の既存基地存続のための大幅な歳出削減が求められている記事を少し紹介したいと思います。

 これは、アメリカから特約記者が発信した記事ですが、オバマ・アメリカ大統領は一日、アメリカ政府の支出を二〇二一会計年度、二〇年十月から二一年九月までに計一兆二千億ドル、約百十兆円カットする強制削減発動で大統領令に署名をしたということですね。

 これは何かといいますと、国防費を中心に、教育、医療、福祉など、幅広い分野で政府の経費を一律カットするという強制歳出削減なんですが、ことし九月までの一三会計年度で国防費が一三%、非軍事九%の合計八百五十億ドル、約七兆八千億円が削減されます。ということは、海兵隊のアジア太平洋地域における訓練規模が縮小される可能性もあり、在沖海兵隊の活動展開にも変化が生じそうであるというふうにメディアはアメリカからその一報を届けています。そして、その中で海兵隊のエイモス総司令官は、中東やアジア太平洋地域での訓練縮小は免れず、沖縄を含む海外での展開が大幅に削減される可能性が高いと指摘し、新たな基地や施設の建設計画を見直す姿勢を示しているわけですね。

 これは言うまでもなく、オバマ政権が発足してから四年間、本予算が一本も通らず、それまでの支出のペースを維持する短期のいわゆる暫定予算をつないできているという財政の崖問題がアメリカには横たわっているわけでございます。

 そういうことを考えると、このような財政状況は日米安保体制の変革について大きな流れになるのではないかと考えられますが、大臣の見解はいかがでしょうか。

小野寺国務大臣 先ほど全体でお話をしました中国、ロシアとも、これはさまざま、大切な隣国であり、大国でありますので、防衛協力あるいは交流を深めていくということは大切だと思います。リムパックの中国の参加についても、これはやはり防衛交流の中で大事なことだと思っております。

 その中で、今御指摘のありましたアメリカの財政的な問題、これは私どもも米上院のさまざまな議論等も含めて注視をしております。確かに、財政的な問題で米側として今いろいろ苦労をされていることは承知しておりますが、少なくても、先日私が行いましたヘーゲル新国防長官との電話会談、あるいは累次米側と調整する中で、普天間の移設を含めた沖縄の負担軽減の方向ということについては、変更について、私ども、特段先方から何かの申し入れがあるわけではありませんので、現在、負担軽減について日米合意のもとに進めさせていただいているということであります。

玉城委員 今、ヘーゲル国防長官の名前が出ましたので、ヘーゲル長官の発言も紹介しておきたいと思います。

 米国では、今後、軍事費の削減だけでなく、軍事費削減を理由とした世界からの軍事的、政治的な撤退及び国際問題を軍事でなく外交で解決すべきだと主張して、オバマ大統領から、アメリカ上院で二月二十七日、人事承認をされたということがあります。つまり、これからは平和外交ですよとおっしゃっているんですね。

 ですから、そういうことを軍事的に解決すべきではないということを、これからのアメリカとの関係は、向こうから言うのを待つのではなく、日本から積極的に、地元の負担軽減も含めて、大臣所信で述べていらっしゃるとおり、やはりお互いがウイン・ウインの関係になることをしっかり考えていこう。それに沖縄も入れればウイン・ウイン・ウイン、アジアを入れればマルチウインの関係をつくろうというのが従来から主張させていただいている私の考えです。

 それからもう一つ、アメリカのワシントンから届いた情報です。

 アメリカ上院のカール・レビン軍事委員長は、二十九日、アメリカの公共放送局、PBSの番組に出て、維持に膨大な費用がかかっているとして、米軍の撤退が決まっているアフガニスタンだけでなく、海外への派兵を縮小する必要性を強調した。

 上院の軍事委員長は、この意見をずっと繰り返しています。特に、太平洋地域、とりわけ沖縄であると名指しし、一定数の兵員を本国に戻すべきだと主張しています。在沖米軍の兵力削減について、いいですか、軍事委員長がおっしゃっているんですよ、沖縄の負担を軽減するためにも重要だと番組で強調したそうです。認識はここまで来ているわけですね。

 ですから、我々がずっと言い続けているのは、財政的な危機があり、地元の負担軽減の声がある、しかし、中国やいろいろな国々はどんどんアメリカとも、あるいは日本とも、ある意味でいうともっとマルチな関係を築こうというふうな戦略に入っているかもしれない。しかし、我々だけが、そのことをアメリカと決めました、国同士が決めましたからといって、地元の合意をまるで無視するような形で進められる沖縄の負担軽減はあり得ないというふうに思うわけですね。

 このような状況の中では、従来より繰り返されている普天間飛行場の辺野古移設という方針をとることの方が現状から大きく逆行している、これは沖縄県民だけではなく国民的な常識に照らしてみても間違いないと思います。

 さらには、先ほども委員からの質問がありましたが、県民を不意打ちするかのような辺野古の公有水面埋立申請は、県内移設に反対する主権者たる県民の意思、意向よりも、日米同盟依存、二国間同意ありきという安倍政権の姿勢を際立たせているということで、県内でも大きな反発の波紋を広げています。それは、地元、辺野古でもいろいろな意見が、反対の意見がどんどん広がっているということにほかなりません。

 大臣、この状況においてどのような考えをお持ちでしょうか。

小野寺国務大臣 委員も御存じのとおり、東アジアの安全保障環境というのは決して予断を許すようなものではないと思います。北朝鮮の問題もあり、また、今、南西海域では、中国を含めたさまざま、それぞれの国の関係が、思惑も動いている、そのような状況にあると思っております。

 その中で、今御指摘がありましたレビン上院議員の発言というものも私ども承知をしておりますが、私ども、累次米国政府と交渉させていただいている中で、具体的な、レビン上院議員の発言のような方向が今のところあるわけではありませんので、そこは従来の日米関係の中でしっかり対応していきたい、そのように思っております。

 そして、何よりも大切なのは、やはり普天間の固定化があってはならない、そして、私どもとしては、少しでも沖縄の負担軽減ができるように努力をしていく、そのような中で対応していきたいと思っております。

 玉城委員がおっしゃるように、沖縄にはさまざまな意見があることは私ども重々承知をしております。一つ一つ丁寧に対応しながら、理解を得る努力をこれからもしていきたいと思っております。

玉城委員 私も繰り返し申し上げておきたいと思います。普天間の固定化があってはならない。

 その端緒は何かというと、県民の基地の被害負担の軽減です。どうして、いつまで沖縄に置き続けるのかということを私たちは政府に問いかけているわけですね。沖縄では解決しないんです。アメリカの予算の問題、中国のリムパックへの参加、さらにはアジア全体のこの緊張感を、日本がどうやって平和的に外交問題として解決していくのか、それを沖縄だけの問題に押し込めていてはいけないわけですね。

 レビン上院議員はその番組の中で、アジア太平洋地域で軍事力配備を強化するオバマ政権の構想について、こう述べています。

 私は、その方向にはシフトしない、それだけでなく、沖縄から兵力を削減し、本国へ戻すべきである、無駄な分野を選び集中的に予算を削るべきであり、米国が数千発の核兵器を所有する必要はもうないとも述べているんです。

 これは、海外派兵を縮小するためにも核軍縮を加速すべきだと、より一歩踏み込んで発言をしているということをあわせて紹介をしておきたいと思います。

 普天間の問題に関しては、県内移設は私は反対の立場です。それでは負担軽減は解決しません。その中で、ではどういうふうに沖縄の声を政府が取り上げるのかということについて、今度は沖縄県との協議体制について答弁を求めたいと思います。

 二十二日の唐突な辺野古埋立申請が出される三月十九日、安倍政権発足後初めての沖縄政策協議会が開催されました。政府側が県側の要望に、一連の段取りを踏んで、努力をしているというような、ある種の演出がなされたことについて、私は大臣に質問したいと思います。

 十九日午前に行われた菅官房長官の会見ですが、その日の沖縄政策協議会の様子が報告され、続いて記者からの、民主党政権での基地負担軽減と振興策についてはそれぞれ別に協議するとの方針でしたがという質問がなされました。それに対して、菅官房長官はこのように答えています。まずその件を確認したいと思います。

 「沖縄政策協議会について 本日、閣議後に安倍総理も出席の下に沖縄政策協議会を開催いたしました。」中略「協議会の下に、沖縄の米軍基地負担の軽減及び沖縄振興に関する諸課題を具体的に検討するために小委員会を設置をし、議論を行うことといたしました。」その小委員会では、官房長官、山本沖縄担当大臣、岸田外務大臣、そして小野寺防衛大臣、さらには仲井真沖縄県知事との間で、米軍基地負担軽減及び沖縄振興に関して率直な意見交換を行いました。

 先ほどの記者の質問をもう一度繰り返します。基地負担軽減と振興策についてはそれぞれ別に協議するとの方針でしたがということに対して、官房長官は、それぞれの会合日程、例えば沖縄県の市町村長の皆さんだとか、あるいは関係閣僚だとか、それぞれの日程を調整して会合できる、そういう仕組みにさせていただきました、民主党政権下での負担軽減と振興策について別に協議をするという点は、ある意味で建前論だったのではないかと思う、しかし、これは沖縄の皆さんにとっては一体のものですから、一体として行うことの方が、知事を含め沖縄の皆さんにとって効率的な会合ができるのではないかということで判断させていただいたということなんですが、私はこの会見を聞いて非常に違和感を覚えたんですね。

 一般的に聞くと、基地の負担軽減と振興策を一緒にやろうやというのは、これは、その状況、今までのいきさつを余り耳にされてこなかった情報に薄い方でしたら、ああ、そうだよ、そのとおりだよと思うかもしれません。しかし、従来、民主党政権のときに、基地負担の軽減と沖縄の振興につながる計画については、基地の移設計画のいかんにかかわらず、それぞれに結果を出せるよう、より専門的、具体的に取り組んでいくということがこの件の核心部分なんです。

 つまり、基地の負担軽減はしっかりやる、しかし、沖縄の振興も、日本国のアジアの玄関口としてしっかりやりましょうね、二つは、同時であるけれども、別々にしっかり議論をして進めましょうということだったと思います。ですから、その二つの課題の取り組みについては、二月十二日の予算委員会で、安倍総理から、基地のことは基地のこととして、振興についてはまた別にして行っていくという答弁を得ています。

 こういうふうに、今までは、基地の負担軽減は確実にやりましょう、そのために沖縄県は、県外ですよ、国外ですよというプランを出して、いや、二国間の話し合いがあるのでそれを前提にということで、では、どうすればその解決策が得られるのかということをやりましょう、これが基地負担軽減部会だったんですね。一方で、振興計画は振興計画で、負担軽減をするけれども、おくれることがないように、しっかりと沖縄が自立経済を確立するためにこれはやりましょうというはずだったのに、官房長官の会見を聞くと、日程上合わせた方が都合がいいでしょう、これは二つ一体のものでしょうと、いつの間にか、またこれがパッケージになっているんですね。

 これは私は、議論の後退であって、その中で負担軽減と振興計画を一緒にやろうとすると、また余計にそこでこじれるのではないかというふうに思うんですが、大臣の率直な見解をお聞かせください。

小野寺国務大臣 今、玉城委員からお話がありました、負担の軽減をしっかりやる、そして沖縄の振興をしっかりやる、これは私ども政権も、前政権と同じように、変わりないスタンスだと思っております。

 そしてその中で、今回、官房長官がこの沖縄協議会のある面で責任者になりますので、その官房長官から、議論をするときに小委員会という形で集約をした方がいいということで、機能的かつ効果的に検討を行うための小委員会の設置ということを提案されたんだと承知をしております。

玉城委員 では、そこで協議をする場合でも、今の沖縄の現状がどうであるかということをしっかり御認識いただきたいと思います。

 従来から負担が続く沖縄の現状を打破したいという強い思いから、普天間基地の県外移設を求め続けている仲井真知事を初め、沖縄県下全ての四十一市町村長、議会議長及びオスプレイ配備に反対する実行委員会を構成する経済団体、社会福祉団体、女性団体代表の皆さんから、一月二十八日に、総理を初め防衛大臣、外務大臣、各関係閣僚に対して建白書が直訴されました。これは多くの県民が求めている、オスプレイの配備反対、米海兵隊基地の県内移設断念と普天間飛行場の即時閉鎖、返還という主張なんですね。

 ですから、どんなに小委員会で二つのことを一緒にやろうと言っても、この建白の思いは絶対に変わるわけがないんです。そのことをしっかりと踏まえていただきたいということが一つあります。

 それには、アメリカの議会が示すように、今、予算の削減など大きな流れになっている、世界全体の米軍が前線からもう本国に撤退するんだという方向を踏まえて、災害などへの緊急援助、人的、技術的最大貢献こそが、日本がアジア太平洋諸国から信頼をかち得るために最大にして最適な手段であるというふうに思います。

 さらに、もうお一方、新しく今度副知事になられました歴史研究家の高良倉吉さんの新聞のインタビューを紹介しておきたいと思います。

 沖縄にこれだけの広大な基地がある、過重負担が根本的な原因だ、もう一つは地位協定の問題がある、米軍基地と兵士の数を減らしていかなければならない、安全保障のあり方を中央政府だけに任せるのではなく都道府県も含めて考えていくことを望んでいる、さまざまなチャンネルを使って対立をエスカレートさせないことを話し合わないといけない、そのための沖縄のチャンネルがあってもいい。

 これはまさに、沖縄と中国との歴史的な背景を踏まえた研究家ならではの大胆な提言につながると思います。

 沖縄、琉球王国と中国との歴史を日本がアジア全体として捉えたときに、よくお言葉に出される地理的優位性、歴史的史実、そういうことを踏まえると、私は、沖縄にこのように外交問題をいろいろと話し合う役割を与えるべきではないかというふうに思うんですね。大臣からその辺をお聞かせいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 恐らく玉城委員もそういう真意ではないと思いますが、ある面でこれは大変危険なことも想定される内容だと思っております。やはり外交については政府が一元的に対応していく、そして、さまざまな御意見があることも重々理解をしておりますので、それに真摯に私ども対応させていただきたい、そのように思っております。

玉城委員 沖縄からのその思いは、国益のために発言していること、発せられていることであるということを重々御理解いただきたいというふうに思います。私の発言に至らないところがあれば、そこはおもんぱかっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さて、では最後の質問になりますが、自衛隊の規律についてお伺いいたします。

 二〇〇六年十一月、札幌市の陸上自衛隊真駒内基地で徒手格闘訓練中に亡くなった沖縄県出身の一等陸士島袋さんの事故で、島袋さんの御両親が国に求めた損害賠償、通称命の雫訴訟で、三月二十九日、札幌地裁の石橋裁判長は、国の安全配慮義務違反を認め、六千五百万円の支払いを命じています。原告弁護団は、自衛隊の格闘訓練の危険性を初めて認めた判決であるという談話も発表しています。

 自衛隊の訓練の安全管理体制のずさんさが司法で明確に指摘され、自衛隊員も働く一人の人間なのであり、国家と国民を守る職責を担うという崇高な理念において、訓練を行う隊員一人一人の人権も組織においては当然尊重すべきであるということが改めて問われた裁判ではないかと思います。

 防衛大臣に、この裁判の判決の見解を伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 今般の札幌地裁の判決につきましては、国の主張について一部裁判所の理解が得られなかったものと受けとめておりますが、今後の取り扱いについては、判決内容を慎重に検討し、関係機関と調整の上、適切に対応してまいりたいと思っております。

 とうとい隊員の命が失われた本件を踏まえ、今後の自衛隊における格闘訓練中の同種事故の再発防止に努めるため、格闘訓練に携わる教官や個々の隊員の規範となる徒手格闘訓練における段階的錬成要領を定め、部隊に周知を図り、隊内の規律の保全に万全を期しております。

 私といたしましても、昨今、教育の場などで体罰やいじめなどが社会問題となっていること、あわせて自衛隊の使命である我が国の防衛は平素からの国民の信頼と支持なくしては達成し得ないことを踏まえ、自衛隊においても、職務上の指導などとして下位の階級にある隊員に対して職務権限を越えて、また逸脱して不当に精神的または肉体的苦痛を与える行為についても、私的制裁として厳に禁じていることについて、各隊員が肝に銘じるとともに、監督者は部下隊員に対して徹底するよう、本年三月に指示をさせていただきました。

玉城委員 これは、沖縄でも四十年かかって自衛隊の存在意義というものが認められてきた。それは、二〇一一年のあの東日本大震災の献身的な、本当に崇高な理念と、御家族をも犠牲にしてその職務に当たられたことに対する称賛の念は、私は本当に誇るべきだというふうに思います。その一方で、組織としてきちんとやってほしい、決して、訓練中であろうとも隊員の命を粗末にするべきではない、それが御家族の思いだと思いますので、ぜひしっかりとお酌み取りいただきたいと思います。

 さて、このような組織内における事件、事故のほかに、一般住民と自衛官との事故や事件が発生する日常的な指導監督について、例えば、公務として、通勤、対処時の時間帯に物損あるいは人身などの交通事故が発生した場合、どのような対応をとるべきと指導しているか伺います。

三村政府参考人 組織内の日常的な場面での事故における自衛官の対応についてお答えを申し上げます。

 自衛隊員は、日本国憲法及び法令を遵守し、自衛隊法第五十二条に規定をいたしております服務の本旨にのっとり行動し、国民の負託に応えることが重要であると考えております。こうした服務の本旨に関しまして、服務規律の保持確保について部隊等における服務教育や監督者等による服務指導を徹底してまいりました。

 今後とも、各自衛隊員が服務の本旨を肝に銘じ、国民の信頼に応えるよう努めてまいります。

玉城委員 服務規律の保持というのは、通常の活動の中で、当然、一般の県民や国民の方々と触れ合う機会が多いわけですから、それはしっかり規律保持をしていただきたい。

 では、今、私は公務の場合について伺いましたが、公務外、例えば、休日でありますとか、あるいは公務の解けた休暇中であるとか、そういうふうな場合においてはいかがですか。

三村政府参考人 お答えをいたします。

 公務内外を問わず、自衛官としては、服務の本旨にのっとったきちっとした対応を行い、各自衛隊員が国民の信頼に応えるよう努めていくことが重要だと考えております。

玉城委員 ありがとうございます。

 私は、かねてより、大変厳しい意見があるのは承知をしつつも、米軍が沖縄から撤退した後、国民、国土、領海、領空を守るのはやはり自衛隊の責務だというふうに思っています。

 そういう意味であれば、やはり信頼たり得る自衛隊であるべきであり、私たちは、その自衛隊に対してしっかりとその任を任せたいという思いもありますので、今後とも、自衛隊員の規律、服務規定の遵守にはしっかりと取り組んでいただきますようお願いを申し上げ、私からの質問とさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

武藤(容)委員長代理 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。

 最初に、小野寺大臣に尋ねます。

 先ほど玉城デニー議員も聞いておりましたが、去る三月二十九日、札幌地裁において、札幌真駒内基地徒手格闘訓練死国賠訴訟の判決が言い渡され、被告国に対して約六千五百万円の支払いが命じられました。この裁判は命の雫裁判とも呼ばれ、徒手格闘訓練で死亡した自衛官は沖縄出身の島袋英吉さん、原告はその御両親であります。

 この判決の受けとめは先ほど大臣からお聞きをしましたけれども、私は、この命の雫裁判で、長男を失った御両親のお気持ち、そして本件事件の内容に照らして、自衛隊の最高司令官としての大臣に、原告、遺族に対して謝罪の意思があるかどうか、尋ねます。

小野寺国務大臣 本件は、平成十八年十一月二十一日火曜日、真駒内駐屯地で実施されました、第一一師団、当時ですが、この支援連隊輸送隊の徒手格闘訓練において、同隊所属の一等陸士島袋英吉さんが、訓練相手の陸士長から投げ返されて背部から落下し、その際、後頭部を強打して意識不明となり、病院に搬送された、そして翌二十二日水曜日に死亡された事案でございます。

 沖縄出身の若い隊員がこのような形でとうとい命を失ったこと、私どもとしても大変残念に思っております。そして、御両親、御家族の皆様には改めて弔意をあらわしたいと思っております。

 この内容につきましては、今札幌地裁の判決が出ておりますので、私ども、この判決内容を慎重に検討して、関係機関と調整の上、今後のことについては適切に対応してまいりたいと思っております。

照屋委員 大臣、島袋君には双子の弟がおって、二人とも使命感を持って自衛隊に入隊して、兄が死んでしまった、こんなつらいことはありませんよ。

 私は、個人として、また弁護士として、国会議員として、現下の自衛隊は憲法違反の存在だと考えます。一方で、自衛官の基本的な人権、人間としての尊厳は厳重に保護されるべきだという考えなんです。

 だから、これまで、大臣、護衛艦「さわぎり」でいじめで自殺に追い込まれた、浜松基地でイラクにまで派遣された優秀な自衛官がいじめで死んじゃった。これで、民主党政権下でも、当時の北澤大臣が、遺族に直接面会して謝ったんです。

 私は、あさって、弁護団、沖縄から遺族が上京して防衛省に行くようですが、ぜひ、最低限政務三役のどなたかが直接お会いしてほしいと思いますが、どうでしょうか。

小野寺国務大臣 防衛大臣に就任しまして、隊員のさまざまな状況について、事情を聞きました。自殺者がいること、これはさまざま心のケアが必要だというふうに思っております。

 そして、最近の事案として、やはりいじめなどが社会問題になっていることを踏まえて、まず、各隊にそのような事案が上がっていないか、そのような申請が上がっていないか、これをすぐ調べるように指示をさせていただきました。そして、各部隊に、このようなことがないようにということで、具体的な指示を出しております。三月四日付、これは事務次官通達という形で、隊員の服務規律の一層の確保についてという内容で、このいじめ等の問題について指示を出させていただいております。

 今、先生から御指摘がございました、四月四日に原告弁護団、支援する会の方々が防衛省を訪問するというお話を承っております。防衛省としましては、できる限り誠意を持って対応させていただきたいと思っております。

照屋委員 大臣、陸上幕僚監部が作成した陸自教範によると、徒手格闘は、当て身わざ、投げわざ、関節わざ及び絞めわざを総合的に駆使し、旺盛な闘志をもって敵を殺傷し、または捕獲する戦闘手段であるとされております。したがって、必然的に訓練そのものが危険を内包しております。

 札幌地裁判決も、死亡した島袋英吉さんの訓練立ち会い上官及び指導教官らに、訓練に内在する危険から訓練者を保護するために常に安全面を配慮し、事故の発生を未然に防止すべき注意義務に違反する過失があったと判断しております。

 大臣は、札幌地裁判決をお読みになりましたか。

小野寺国務大臣 地裁判決が長文にわたることもあり、その概要について、数回にわたり事務方から説明を受けております。

照屋委員 私は手元に持っていますが、事務方から説明を受けるんじゃなくして、これを大臣初め政務三役は精読して、その上で、自衛官の尊厳をどう守っていくかというのを真剣に考えていただきたい。

 実は、私はその裁判の弁護団の一員なんです。それで、精査して、これは控訴すべきじゃないと私は率直に思います。大臣はどうでしょうか。

小野寺国務大臣 まず、隊員のこのような服務のことに関してのさまざまな注意に関して、照屋委員から、大変厳しくも正確な御指摘をいただきました。しっかり対応していきたいと思っております。

 そして、今の控訴事案のことにつきましては、判決の内容を慎重に検討しまして、関係機関と調整の上、適切に対応してまいりたいと思います。

照屋委員 大臣、沖縄防衛局が去る三月二十二日、沖縄県知事に、普天間飛行場の辺野古移設を前提にした公有水面埋立承認申請書を提出しました。

 私は、普天間基地の辺野古移設には反対です。小野寺大臣は、辺野古の海を埋め立てることができて、そこに新基地建設ができるとお考えでしょうか。イエス、ノーで答えてください。

小野寺国務大臣 私どもとしましては、普天間の危険性の除去のことを考え、普天間が固定化してはならないという思いで、今回、辺野古への埋立申請を出させていただきました。

 さまざまな声があることは承知をしておりますが、誠心誠意、これからも理解を得るよう努力してまいりたいと思います。

照屋委員 大臣は、仲井真知事が埋立承認申請について許可する見込みがあるとお考えでしょうか。

小野寺国務大臣 私どもとしては、承認申請を出させていただき、御理解をいただくということで、今、沖縄県の方に提出をさせていただいております。

 沖縄県の方で適切に判断をして、その御回答をいただけるものと承知をしております。

照屋委員 沖縄選出の自民党国会議員で、普天間の辺野古移設、埋め立てに賛成している議員がおりますか。

小野寺国務大臣 私、直接、それぞれの議員とこの問題でお話をしているわけではありません。

 ただ、沖縄県連はこの問題について懸念を表明されているということは、承知をしております。

照屋委員 小野寺大臣、仲井真知事が埋立承認をする見込みはありません。全てお先真っ暗、前が全く見えない。これで話を進めたふりをする、あるいはアメリカに進めるというメッセージを送る。同じことの繰り返しじゃないですか。すごく無責任だと思いませんか。

小野寺国務大臣 私どもとしては、普天間の固定化を避けるということ、そして、沖縄の負担軽減に全力を挙げるということで、今回の日米合意に基づいた対応をさせていただいております。

 今後とも、誠心誠意、説明をさせていただきたいと思っております。

照屋委員 大臣、今、辺野古埋め立てに関する私の質問を聞いて、思い当たるところがあったでしょう。ないですか。なければ思い出してください。

 今、私が質問したのは、大臣が、平成二十三年の十月二十六日に衆議院外務委員会で、当時の玄葉外務大臣に質問して聞いたことなんですよ。私は、同じことを、当時、野党の国会議員としてあなたが玄葉大臣に聞いたことを聞いただけなんです。しまったと思うでしょう。思いませんか。平成二十三年十月二十六日、議事録も持ってまいりましたよ。

 だから、安倍総理や内閣の皆さんは、民主党政権が日米同盟を壊したとかそんなことを言うけれども、自民党にも大きな責任があるということを私は言いたい。そこを忘れちゃだめですよ。

 それで、次に、去る三月二十六日、米海兵隊員十五人が、国頭村の村環境教育センター、やんばる学びの森に入り込み、行軍訓練をしました。在沖米海兵隊は、訓練場以外の訓練になったことを認め、謝罪の意思を表明しております。

 防衛省は、本件行軍訓練の事実関係、訓練の詳細な内容について、海兵隊からいかなる報告を受けているのか、尋ねます。

小野寺国務大臣 三月二十六日火曜日、沖縄防衛局は、国頭村から情報を受けて、直ちに在沖海兵隊に対して事実関係を確認いたしました。

 三月二十七日水曜日に、在沖海兵隊から、北部訓練場内の着陸帯に着陸したオスプレイから約十五名の海兵隊員が次の目的地へ向かうために提供施設・区域外へ出たということで、北部訓練場の基地司令から、部隊に対し、今後このようなことがないように指示したとの回答が得られたとの報告を受けましたが、訓練の目的や内容については、情報がまだ来ておりません。

 いずれにしても、今回の件につきましては、沖縄防衛局から、周辺住民等に対して不安感を与えるもので、遺憾であり、米側に対して周知徹底と再発防止について申し入れをさせていただきました。

照屋委員 大臣、この問題になった訓練は、日米地位協定五条二項の基地間移動に当たりますか。

小野寺国務大臣 今回の米軍の行動は、これは私どもは、SACOの最終報告に記載された公道における行軍に該当するということが確認できるかどうか今検討しておりますが、いずれにしても、施設・区域外における本件のような行為は周辺住民に対して不快感を与えるものであり、米側に対して周知徹底と再発防止について申し入れをさせていただいております。

照屋委員 大臣、日米地位協定五条二項の基地間移動には該当しませんよ。行軍訓練でもありません。ところが、武田沖縄防衛局長は、実弾射撃訓練以外の活動を区域外ですることは地位協定上許されないわけではないと全くとんちんかんなことを言っている。海兵隊が謝っているのに、日本政府の沖縄防衛局長が正当化するようなことを言っている。もはや沖縄防衛局長の資格はないということを言っておきます。

 岸田大臣に最後にお尋ねします。

 政府が、四月二十八日、例の主権回復の日式典を挙行するようです。私は式典開催には反対であり、中止すべきだと思っています。また沖縄では、歴史の真実をゆがめるものだとして、同式典に反対する声が日増しに高まっております。県議会も、公明党を含めて、自民党以外の超党派で抗議決議を採択しました。四月二十八日、政府式典と同時刻に抗議の県民大会も開催する動きであります。

 式典案内状が私にも来ましたよ。それを見ると、サンフランシスコ講和条約によって我が国の完全な主権回復がなされたと記載されております。

 外務大臣、サンフランシスコ講和条約発効によって本当に我が国の完全な主権回復がなされたとお考えでしょうか。

岸田国務大臣 政府としましては、四月二十八日、主権回復・国際社会復帰を記念する式典、これを挙行することといたしました。それに対して、沖縄の皆様方からさまざまな意見が寄せられていることは承知しております。

 そして、お尋ねの完全な主権回復という文言ですが、まず、この文言は地理的なことを意味するものではありません。

 これは、連合軍の占領中は我が国の主権が制限されていたところ、サンフランシスコ平和条約の発効によりまして、同条約第一条(b)の「連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する。」という規定に基づいて、かかる制限を受けない主権を回復した、こうしたことを意味しているものであります。

 本式典に当たっては、沖縄がさきの大戦において悲惨な地上戦を経験したこと、また、同条約の発効以降も、一定期間、奄美群島、小笠原諸島及び沖縄が我が国の施政権の外に置かれたという苦難の歴史を忘れてはならないと考えます。苦難を耐え抜かれた先人の心情に思いをいたし、沖縄の方々が抱える基地負担の軽減に取り組むとともに、奄美群島、小笠原諸島及び沖縄を含めた我が国の未来を切り開いていく決意を新たにすることが重要であるというのが趣旨でございます。

武藤(容)委員長代理 もう終わっていますので、短くしてください。

照屋委員 大臣、サンフランシスコ講和条約三条によって沖縄、奄美、小笠原がアメリカの施政権下に置かれた。我が国の主権が及んだとはとても思えない。国際法上の主権の概念からも、完全な主権回復というのは、私は、政府のうそ、歴史の真実に反するということを申し添えて、これからまた議論していきたいと思います。

 終わります。

武藤(容)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十七分散会


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