衆議院

メインへスキップ



第6号 平成26年4月8日(火曜日)

会議録本文へ
平成二十六年四月八日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 江渡 聡徳君

   理事 今津  寛君 理事 左藤  章君

   理事 薗浦健太郎君 理事 中山 泰秀君

   理事 武藤 容治君 理事 長島 昭久君

   理事 中丸  啓君 理事 遠山 清彦君

      岩屋  毅君    大野敬太郎君

      勝沼 栄明君    門山 宏哲君

      木原  稔君    笹川 博義君

      瀬戸 隆一君    東郷 哲也君

      中谷 真一君    野中  厚君

      浜田 靖一君    宮川 典子君

      武藤 貴也君    若宮 健嗣君

      中川 正春君    渡辺  周君

      今村 洋史君    宮沢 隆仁君

      伊佐 進一君    大熊 利昭君

      三谷 英弘君    赤嶺 政賢君

      玉城デニー君    照屋 寛徳君

    …………………………………

   防衛大臣         小野寺五典君

   外務副大臣        岸  信夫君

   外務副大臣        三ッ矢憲生君

   内閣府大臣政務官     亀岡 偉民君

   防衛大臣政務官      木原  稔君

   防衛大臣政務官      若宮 健嗣君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山崎 和之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  武藤 義哉君

   政府参考人

   (内閣府宇宙戦略室長)  西本 淳哉君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山田 滝雄君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           磯谷 桂介君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     中山  亨君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   黒江 哲郎君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 吉田 正一君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  中島 明彦君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  豊田  硬君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  山内 正和君

   安全保障委員会専門員   齋藤久爾之君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月八日

 辞任         補欠選任

  岩屋  毅君     宮川 典子君

  勝沼 栄明君     瀬戸 隆一君

  三谷 英弘君     大熊 利昭君

同日

 辞任         補欠選任

  瀬戸 隆一君     勝沼 栄明君

  宮川 典子君     岩屋  毅君

  大熊 利昭君     三谷 英弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

江渡委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官山崎和之君、内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣府宇宙戦略室長西本淳哉君、外務省大臣官房参事官山田滝雄君、文部科学省大臣官房審議官磯谷桂介君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長中山亨君、環境省水・大気環境局長小林正明君、防衛省大臣官房長黒江哲郎君、防衛省大臣官房審議官吉田正一君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君、防衛省運用企画局長中島明彦君、防衛省人事教育局長豊田硬君及び防衛省地方協力局長山内正和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江渡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武藤容治君。

武藤(容)委員 自由民主党の武藤容治です。

 安全保障委員会の皆さん、改めて、おはようございます。

 まず冒頭に、小野寺大臣には感謝を申し上げなきゃいけません。二月の二十三日だったと思いますけれども、我が選挙区にあります航空自衛隊の岐阜基地にわざわざ激励にお駆けつけをいただきまして、後に岐阜県連の青年局に御丁寧な講演をいただきましたことを、心から感謝を申し上げたいと思います。

 航空自衛隊の岐阜基地も、大正六年にあそこは設立をされましたので、二〇一七年、三年後にちょうど百年を迎える時期に当たります。私どもも、自衛隊の方々、また地元の商工会議所や市町村を初めとして、周辺のいわゆる首長さんとも、この百周年というものをしっかりと、今までの百年の御恩返しも含めて、一つの大きなイベントにしていきたいというふうに思っておりますので、大臣にもいろいろまた御教示を賜りながら頑張らせていただければと、まずは感謝の気持ちを申し上げさせていただきます。

 そして、あのときに大臣にちょっとお話をしたんですが、私がきょうこの胸につけているバッジは、各務原の岐阜基地のマーカーであります。先生方からも大変評判でございまして、決して欲しいとは言っていただけないんですけれども、いいねと言っていただいているわけでございます。ピンバッジと、大臣は、ゴルフはやられましたか。やらない、今はやっちゃいけない立場ということで。マーカーの部分は日の丸になっていまして、その上にマーカーを載っけるということで、大変好評ですので、もしよろしければ、後でお使いいただければ。お役御免になられてから、ゆっくりやっていただければと思います。

 そんなところで、いよいよきょうの質問に入らせていただきます。

 きょうは、防衛省の設置法の一部改正ということで、人事案件が特に多いわけですけれども、今の我が国の状況は、大変な勢いで安全保障については変化をしているわけでして、昨年からNSCができて、基づいてNSSができて、そしてそれに基づいて防衛大綱そして中期防の見直しと、まさに立て続けに大きな成果を上げておられるわけです。

 ことしに入りまして、つい先日は、いわゆる防衛装備移転の三原則ということで、これも、今までだめだよと言われるものが、全く、百八十度方向変換をして、その中の厳しい条件のもとで世界に対する新しい貢献策を模索している、このような状況でもあり、また、集団的自衛権も、長年の、積年の、本当に皆さんの御議論がありますけれども、我が自由民主党の平場でも改めてまた議論が始まり、そしてこの安全保障委員会でも、先週でございましたが、民主党の長島先生やら、中丸先生、維新の方からも大変積極的な、前向きな御提案もいただいているわけであります。

 まさに、我が国が今、中国の脅威の台頭を初めとして、極めて安全保障環境が変わる中で、これだけ、安全保障委員会の先生方を初めとして、日本が変わろう、そして、この世界の脅威に対抗しようと、まさに安倍総理を中核とした、防衛大臣をまた先頭に、このすばらしい議論の中で新しい日本を築くことを切に私としても願っているわけでありまして、そういう中で、今回、この防衛省の設置法の改正について、きょうは人事案件ですので、ちょっとそういう意味で議論をしていきたいというふうに思っております。

 今回、この法案に当たっては、振り返りますと、ちょうど私が前回当選したのが、第一回目のときは十七年のときであります。ちょうど不祥事が、防衛省を初めとしていろいろありまして、世の中がいろいろなことで、何か悪い気がしているときでもあり、そしてそのとき、たしか当時、石破大臣だったと思いますけれども、いわゆる防衛省改革ということで、あのときに大臣、石破さんが、これを防衛省の改革として、バイブルとして、よくこれからも身近に置いて、しっかりとした防衛政策をとっていきたいと言われたのを今でも覚えております。

 そういう流れの中で、我々自由民主党政権の最後の方に、さまざまな形で、二二改編に結びつき、行ったわけですけれども、そこで、政権交代ということで、二二改編については一応白紙に戻ったというふうに聞いております。

 ただ、おかげさまで、今回また政権に復帰をし、そして昨年、委員長である江渡先生が副大臣として、この防衛省改革の、新しい今の世界的環境の変化を踏まえて、防衛省の不祥事の改革等とともに、新しい安全保障の位置づけを目指して、この改編をやられたというふうに認識をしております。

 そういう一環の中、今回の法案が幾つか出ているわけでございまして、まず一つとして、いわゆる防衛審議官の設置から御質問させていただきます。

 このときの自由民主党の、いわゆる防衛省改革に基づきまして考えると、そのときは、きょうは岩屋先生がいらしておりませんけれども、岩屋先生がこの安全保障委員会で討論に立たれて、反対の討論をされた。この審議官の設置はいいけれども、ただ、このときの改革路線として、当時の、防衛監察本部副監察監のポストを廃止するということが、不祥事にまつわる一連の流れから、この意義から逆行するのではないかというような御指摘をされました。もっともなことだというふうに思っております。

 防衛省の今回の改正で、このことについてはどういうような対応をされるのか、最初の質問として、お答えをいただきたいと思います。

黒江政府参考人 今回の法案の中におきます防衛監察本部の副監察監の取り扱いでございますけれども、先生御指摘のとおり、平成二十三年度及び二十四年度において組織要求を行った際には、防衛審議官の新設に当たってのいわゆるスクラップ財源の一つといたしまして、防衛監察本部の副監察監のポストを使うということを考えておりました。

 他方、当時の自民党から、一つは、防衛省における司令塔強化のための組織改革、これはいわゆる防衛省改革そのものですが、これ全体が進まない、不十分な中で、審議官だけを新設するというのはいかがなものか、さらに、御指摘の防衛監察本部の副監察監の廃止という点は、当時の防衛施設庁の改革といったものの考え方に逆行する、そういう御指摘を受けたものでございます。

 そういった御指摘も踏まえまして、今回、改めてその取り扱いにつきまして検討を行いました結果、今回の要求におきましては、防衛審議官のスクラップ財源としてこの副監察監のポストは使わない、そういう結論を出したところでございます。

武藤(容)委員 ということは、いわゆる我々の方向性と一致しているということですね。ちょっとその確認だけお願いします。

黒江政府参考人 御指摘のとおりでございます。

武藤(容)委員 ありがとうございます。

 やはり我々の思いというのか、積年の、防衛省を何とかいい形で組織立てていきたいという中での改革路線ですので、今後とも、その辺についての路線はひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

 伴いまして、今回、文官と自衛官、いわゆるUとCというんでしょうか、一体感を醸成するということで、内局へのいわゆる自衛官ポストの定員化の問題が出ております。

 これもずっと、ある意味で議論をされておられると思うし、私自身も、昭和五十三年、当時まだ会社に入ったときですので、営業マンとして防衛庁にも行っておりました。そのときにはまだ案外ルーズでして、我々営業マンでも入れた環境があったんですけれども、ああいうときには、見ると、内局というのは案外、事務官の方ばかりだと思ったら制服の方も随分いらっしゃったんですが、今回はこういう形で、NSC等々、そして国家戦略というものをつくる上で、今まで不明確なものをしっかりとした定員という形で位置づけをして、そして制服と文官が一緒になって日本の国家というものについて仕事を共有するということだろう、そういう認識でおります。

 そういう意味で、特に、今回もちょっと出ておりますけれども、戦略立案というものが極めてこれから大事なものだろうと思うし、前回もいろいろな勉強会に出させていただきましたけれども、あれ、そんなこともやっていないのというところが正直なところでありましたので、今回は、この改正に基づいて、しっかりとした自衛隊、防衛省としての、特にまたNSCを中心とした日本の新しい安全保障体制としての位置づけが果たせるものではないかと思います。

 今回の改正で本当にこの目的が果たせるのかどうかという点は、ちょっとコメントをいただきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

黒江政府参考人 御指摘の自衛官の内部部局への定員化という件でございますけれども、このプロジェクトの大きな目的の一つは、内局の事務官と自衛官との間の一体感の醸成ということでございますが、あわせまして、今回四十名定員化する自衛官の中で、そのうち十六名につきましては防衛政策局という、先生御指摘の防衛戦略に係る部分の企画立案を行う部署に配置をするということで要求をいたしております。

 これによりまして、政策の企画立案の段階から、自衛官の持っておられる軍事専門的な知見を活用する、したがいまして、防衛政策局の戦略の立案機能の強化といったものにも資するということを考えてございます。

武藤(容)委員 ありがとうございます。

 以前、事務調整訓令とかいって、旧保安庁時代の名残が、正直言って、やはり職責が違ったり服が違ったりという、基本ですけれども、そういう意味でなかなか、あいつの待遇はちょっととか、そういうやはり人間関係というのがどこの社会でもあるのは現実でありますけれども、今回はこういう形で、定員をいわゆる法律に入れるということによって、何というか、周りからの決められたということじゃなく、ぜひ飲みニケーション、日本酒を飲んでいただいて、飲みニケーションを働いていただきながら、しっかりとこういうものを、将来というものを見据える組織にぜひ今後なっていただけるようにお願い申し上げたいというふうに思っています。

 それから三つ目、次に行きますけれども、今回、早期退職募集制度というものもこの議題にのっておりますけれども、ここはこれでいいのかなという気がしないでもないので、ちょっと質問させていただきます。

 いわゆる自衛隊のあり方から考えると、精強性を維持向上するということが必須の役目であるのは、これは世界の軍隊を見ても当然のことであります。特に、そういう意味では、日本人は高齢化しているということで、大きな問題であろうと思います。

 ただ、これは考えてみると、早くやめられるような出口をつくるというのも大事なんでしょうけれども、私からすると、どっちかというと入り口の方が大事なことでして、若手が入ってこぬというのはなかなか大きな問題であろうと思うし、若手が国のために働きたいという思いの中で入ってくるという気持ちを大事にしてあげたいと思う。ただ、やはりこの出口が、そういう意味で非常に先行きに見通しが悪いと、なかなかこれはいい気持ちになれないというのも現実です。

 今、アベノミクスということで経済成長を一生懸命やっていますけれども、やはり景気が悪いと、どんどん悪い気になりますと、先行きがいいんでしょうか。自衛隊さんですから、三食の飯がついて、家もついているからというので入って、その先どうなのかというと、あれ、案外早くやめさせられちゃうと。一番厳しいときにやめさせられる、案外そういうところだけは、ネットで若い子はいろいろな情報を持っていますので、そういう意味でいうと、これはやはり、やりたいけれども、ほかの道を選んだ方がいいかな、あるいは非正規に行こうかという話になっちゃうというのがここ十数年の話ではなかったのかなという気がします。

 今回、経済再生で力強い経済力が底上げできれば、ある意味で、そういう意味での心配はなくなるんだと思いますけれども、やはりこの辺、出口というものをもうちょっと明確に示してあげないと、やる気をそいでしまう、簡単に言うと。入りたくても入れない、そういう意味で、先行きの見通しが再就職というところに非常に絡んでくるんだと思いますね。

 うちの基地も、いろいろな意味で再就職というものを一生懸命やっています。党内でも、昨年、たしか佐藤政務官がリーダーでやっていただいた取りまとめもあると思いますけれども、やはりこういう出口をもう少ししっかりやっていただく。

 あるいは、なかなか今、自衛隊というのは軍隊として認められていませんので、そういう制度的な漏れがやはり各国と比べてあります。したがって、若い子たちが誇りを持って自衛隊へ入れる環境整備というのが、これは憲法というものも一部絡むところもありますけれども、ぜひ我々としては検討していかなきゃいけない課題でもあり、当面、そういうものは置いておいて、自衛隊に入隊する気持ちをそがないように、ひとつ、こういう制度の中で明確にお示しをしていただきたいと思いますので、何か答弁がありましたら、お願いします。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、再就職をきちんとやるということが、優秀な若い隊員を確保するために必要不可欠であるというふうに私ども認識しております。

 今般、若年定年退職者給付金の関係の規定を整備させていただくようお願いしておりますのは、昨年の十一月に早期退職募集制度が施行され、勧奨退職が廃止されたため、定年退職日以前一年内に退職する場合には若年定年退職者給付金の支給ができなくなるという問題が生じたものでございます。

 私どもとしましては、年齢構成の適正化を図る観点から、早期退職募集制度を積極的かつ実効的に運用していくことが重要であると考えておりますので、ぜひ所要の規定の整備を図らせていただきたいというふうに考えております。

 委員御指摘のように、早期退職募集制度の実効性を高めるためにはいろいろな手段を講じる必要があると認識しておりまして、例えば、早期退職募集に応じまして退職する若年定年制の自衛官の方を就職援護の対象にするということなど、さまざまな施策を検討、実施させていただいているところでございます。

 大変重要な課題であると認識しておりまして、委員の御指摘も踏まえつつ、一層検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

武藤(容)委員 ありがとうございます。ぜひ御検討のほどを、続けてよろしくお願いいたします。

 時間がだんだん迫ってきましたので、最後、あと二問あるんですが、僕からの要望とします。

 今回、装備品の移転関係にしても三原則をつくり、そして、新しい調達改革ということで、これは昨年からの改革に基づいて、既に議論を重ねていただいていると思います。この件につきましては、私どもの基地の周辺にも大変多くの航空宇宙産業もあり、また、防衛産業もあるわけですけれども、大変厳しい状況で今も続いています。それは大臣御存じのとおりでございます。

 しかし、この中で、どういう形でこれをやっていくかということを考えると、我々からすると、まず、閣議決定をされて、今回、またいろいろな法律改正を来年に向けてやるんだと思いますけれども、現実のその先のことを考えると、民転とかいろいろな形で検討はされていますが、US2のインド、あるいはP1の中東の方からの引き合いとかいろいろありますけれども、今回の党内の議論を見ていても、経済産業省が出てきたり、防衛省さんの位置づけということがもうちょっと明確にならないと、ここはしっかり、連携というよりも、やはり主体は防衛省だと僕は思っていますし、各国の状況をよく調査していただきまして、そして、我が国が世界平和に対する貢献ということで、武器三原則と言われた本当に長い議論をしっかり踏まえながら、新しい日本としての体系をつくっていきたい、そんな思いで私自身も一生懸命頑張ってまいりますので、よろしくお願い申し上げて、そして、大臣に最後に一言だけお聞きしたいのは、そういう意味で、今大きな変革の時期に来ている。

 私どもは、やはり地元でもよく言われます、武藤さん、頼むから、子供を戦争に出すようなことだけはしないでと。そういう話では全くない、我々が今の世界の変化に合わせて、我々が今まで議論を、正直言って目を背けた部分も確かにある、この反省をもとに、我々は今回政権をまた委ねられた。そういう責任のもとで、新しい安全保障環境をつくっていくということで細かい説明をさせていただきますが、やはり夢は、そういう意味で一つの産業として、世界への貢献策としてのこういう形だと思います。

 その中心となる自衛隊の方々には、これから、こういう改革論は出ていますけれども、さらに、いわゆる定数についても大きくしていかないと、これはなかなか対応ができない、仕事がどんどんどんどんふえるわけですから。

 そういう意味でも、ぜひ整理統合を、大臣のお気持ちをお聞きして、質問を終わらせていただきたいと思います。

小野寺国務大臣 武藤先生初め御地元の皆様に、岐阜基地が大変お世話になっています。各務原周辺には多くの関連産業もあります。私どもとしては、ここはたしかゼロ戦が初めて飛んだ空と覚えております。新しい装備もここで研究開発をする、そういう重要な場所になっております。

 今御指摘がありましたが、今回の防衛装備の移転の三原則につきましては、これは民主党政権下でもこの問題について重要性をよく認識していただき、それをまた今回の新たな三原則という形で出させていただいたところであります。

 いずれにしても、私どもとしては、この国の平和を守るということ、それが前提であります。そして、その中で今後とも防衛技術の開発に努力をしていきたいと思います。

武藤(容)委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 質問を終わります。

江渡委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。

 本日は、防衛省設置法案の改正法案の質疑ですが、その前に一問だけ。

 週末に行われましたヘーゲル国防長官の訪日の際に、大臣とも会見をされたと伺っておりますが、それについて一点だけ確認をさせていただきたいことがございます。

 それは、集団的自衛権の取り扱いについて。

 米国の、これまで日本の集団的自衛権についての議論というのは、米国はどういう立場でいたかというと、これは日本自身が決めることだ、だから日本がもし議論するということであればそれはウエルカムだし、また日本が決断するのであればそれはウエルカムだ、歓迎するというような、これまで一貫した姿勢を持ってきた。つまり、米国としては、みずからが外圧になるような見られ方をするのを避けたいという思いがこれまでずっとあったというふうに私は認識をしております。

 ところが、今回、一部報道に見られましたのは、米国の姿勢が変わった、積極的に変わったと。

 つまり、これは、ヘーゲル国防長官が大臣とともに共同会見、プレスの会見に臨まれたときに、プレスの方から、日本の集団的自衛権の議論についてどう思うかという質問をされた。そのときに、ヘーゲル長官は、そのウエルカムという表現、これまで使ってきた表現じゃなくて、サポートという表現を使った、支持するんだと。これで大きく、実は米国は日本に対して積極的な姿勢を示したんじゃないか、こういうような報道がなされておりました。

 そこで、大臣にお伺いしたいのは、このヘーゲル長官との会見の中で、今まで米国の姿勢が、集団的自衛権に対する米国の姿勢が、少しでも何か変化があったのか、大きな変化が見られたか、どう感じられたかについて、お伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 六日に開催しました日米防衛相会談におきまして、私の方から、集団的自衛権の問題につきまして、日本国内での議論の現状について簡潔に説明をいたしました。

 その中で、ヘーゲル長官は、これは自後の記者会見の場でありますが、米国が、集団的自衛権に関する憲法解釈の再検討を含めて、世界及び地域の平和と安定に貢献するため、より積極的な役割を果たそうとする日本の取り組みを歓迎するという旨、また、記者の質問に答える形で、日本の利益に基づいて自衛権の問題を検討することは日本の責任であり、米国はその努力を支持するという旨の発言をされました。

 このような発言の中身といいますのは、私としましては、ヘーゲル長官は、集団的自衛権に関する議論も含みつつ、幅広い我が国の安全保障上の努力について歓迎あるいは支持するという趣旨で発言されたと理解をしております。その立場というのは、昨年十月の日米2プラス2の時点と同じようなスタンスにあると承知をしております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 先ほどの大臣の御答弁、つまり、集団的自衛権というよりも、日本が今さまざまな議論をしていることに対して、全体として支持しますというような発言であったか、そう認識しております。

 ヘーゲル長官が、この記者会見の場所でも、この言葉を使う前にも、やはりいつもと同じように、まず日本自身が決めることだということをしっかりと発言された上での、そういうラインでの発言だったというふうに認識しております。

 そういう意味では、今回のこの報道というのは少し前のめりだったのではないかなと私も思ったので、あえて確認をさせていただきました。ありがとうございました。

 それでは、防衛省設置法の改正法案について、何点か質疑をさせていただきたいと思います。

 まず一つは、定員の話です。

 よく言われておりますのは、防衛省の自衛官の数というのは、数字が三つあると言われております。三重の基準になっている。

 まず一つは、予算上の定員。予算上の定員というのは、今、各部隊が任務遂行で必要な数がどれぐらいか、これを精緻に積み上げていく。そして、これぐらい必要だというものが予算上の定員という形になっています。

 この予算上の定員に合わせて、毎回、防衛省設置法を書きかえていく。そこで、法律上の定員というのを書きかえることによって、国会で審議することによって、この数自体をシビリアンコントロールとしてしっかりと管理していくという手続をとっていると認識しています。

 この法律上の定員と実際上の必要性からくる予算上の定員というものが長らく乖離をしておりました。それは、この三年間、四たびにわたってこの設置法案というのが廃案になった。その乖離というのも、今回もしこれで改正されれば、この二つの基準の乖離というのは解消されるということになります。

 もう一つの基準が何かといいますと、これが実員です。実際の自衛官の数。実際の自衛官の数は、先ほど申し上げた、任務遂行で防衛省が必要だと思っている実員の数と比べて、大分少ない状況になっております。今回の法改正事項になっている予算上の定員あるいは法律上の定員というのは二十四万七千百六十人、ところが、実員は二十二万八千九百四十三人と、二万人近く差があるわけです。

 そこで、まず質問は、任務遂行にとって必要だと積み上げた数字と実際の実員が違うということに対して、防衛省はこの差をどう考えるかということを質問させていただきたいと思います。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生から御指摘ございましたとおり、自衛隊の定員、これは、自衛隊の任務遂行に必要な自衛官の人員数を積み上げたものでございます。

 しかしながら、実際には、これは過去の経緯がございますが、自衛官の募集、採用が非常に困難であった時代というのが昔ございました。そのときに、定員分の人件費、糧食費を計上しても実際に執行が困難であったということもございました関係から、予算効率化という観点から、当時、実員、実際の人数ということで、そういう概念を導入いたしましたので、定員に対する実員という問題が生じてきたわけでございます。

 しかしながら、定員というのは、あくまで任務遂行のためにこれだけのものが必要であるということを我々の方から申し上げて、そういうような勢力の設計をしているわけでございますので、この乖離があるということ自体、そもそも好ましくはないんだろうというふうに考えております。

 自衛官の充足の向上、これは、特に自衛隊の体制強化という観点から、これからますます重要な課題となっていくと考えておるところでございます。二十五年度に引き続きまして二十六年度も、南西地域の警戒監視体制それから実効的な対処能力の充実強化という観点から、七十一名の自衛官の実員を増員いたしまして、さらに充足を向上させることとしておりますけれども、今後とも、この自衛官の充足の向上についてはしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

伊佐委員 この定員の話をするときによく議論になるシビリアンコントロール。シビリアンコントロールは、定員が一応上限になっているんだ、だから実員が上限以下であればシビリアンコントロールはきいているんだ、こういうように防衛省は言われるわけですが、そもそも必要だと思う数が予算上の定員であるはずなので、我々は、防衛省が、どれぐらいの人員が必要かというもの、この数を議論していると思っておりますので、ぜひ、そういう意味では、シビリアンコントロールをしっかりときかせていくという意味でも、実員と定員の乖離というものはできるだけ解消に努力をしていただければと思っております。

 次は、防衛省改革について質問させていただきたいと思います。

 ここ数回、この防衛省設置法案、改正法案というのは廃案になりました。その廃案になる過程の中でどういう審議があったかというと、これまでの廃案になった改正法案の中にも、今回に含まれていますような定数の話であったりとか、あるいは防衛審議官の話であったりとか、あるいは部隊の改編、こういうものも入っていたわけです。

 ところが、指摘をされたのは、防衛省改革の取り組みがまだまだ不十分だという議論がありました。つまり、防衛省全体としてどういうように改革していくのかという全体の絵の中で、では、どういうポストが必要で、どれぐらいの定員が必要でと、こういう議論がそもそもあるべき姿じゃないか。そういう意味で防衛省改革がまだまだ不十分だということで、これまで数次にわたる国会の審議でも指摘があったというふうに伺っております。

 では、今回、ここに至りまして、防衛省改革はどこまで進んだかという話ですが、防衛省改革については、さまざま報告書がございます。平成二十年には防衛省改革会議の報告書、あるいは平成二十五年には「防衛省改革の方向性」というものも示されました。

 その示された報告書の中に幾つか課題があったと思うんですが、幾つかの課題は、今回の、今審議しております改正法案の中でしっかりと盛り込まれている。ところが、幾つかはいまだ積み残しになっているところがあります。

 例えば、一つは部隊運用の一本化。部隊を運用するとき、オペレーションする中で一本化していく必要がある。陸海空の統幕に、今まで例えば内局の運用企画局でやっていたようなものも全部、統幕に一元化しよう、そこで、情報が二つのルートから伝わるのではなくて一本化しましょう、こういうような議論があったかというふうに伺っております。

 もう一つ、大きな積み残しとしてありますのが、装備品の取得、調達をどう効率化するかというところです。これまで、陸海空それぞれ、幕僚でばらばらに調達をしていた、ここを一本化しましょうという議論もあったと思います。具体的には、防衛装備庁というのを設置しよう、こういう議論さえあったというふうに伺っております。

 こうした積み残しの課題について、今後、防衛省はどういうようなスケジュールで進めるかについてお伺いしたいと思います。

黒江政府参考人 防衛省改革の進め方のスケジュールという点についての御質問でございます。

 先生御指摘のとおり、我々、昨年の八月に「防衛省改革の方向性」という考え方をまとめて、現在、これに基づいて改革を実施しておるわけでございますが、この改革の方向性の中で、各事項につきまして、短期、中期、長期といったようなタイムスケジュールの分け方をしてございます。これは、防衛省改革そのものが、組織の改革であると同時に、自衛官、事務官を問わず、職員の意識の改革ということもございますので、段階的に着実にやっていこう、そういう考え方に基づくものでございます。

 その上で、先ほど御指摘ございました部隊運用の一元化の問題、それから、防衛力整備の効率化という中で防衛装備庁の設置も視野に入れる、そういう問題でございますが、これにつきましては、中長期で取り組む事項ということで我々としては区分をいたしておりまして、具体的には、早ければ平成二十七年度の概算要求、すなわちことしの夏に政府として取りまとめさせていただく概算要求の中に計上できるように、現在、防衛副大臣を委員長とする改革の検討委員会で検討を進めておる、そういう状況でございます。

伊佐委員 これまでの防衛省設置法の審議の中でもう一つ大きな課題になったのが、先ほど武藤先生からもお話のありました防衛審議官、この新設に伴って、何をスクラップ財源にするか。スクラップ・アンド・ビルドの中で、新しいポジションをつくるために、では何を総務省に差し出すかというような議論の中で、前回までは防衛監察本部の副監察監。しかし、これは、これまでの改革の流れから逆行するということで、反対の討論の理由にもなったと伺っております。

 では、今回は何をスクラップ財源として差し出すのか。中身を見ておりますと、例えば、大きなものでいいますと地方協力局の次長。これは、地方協力局というのは、全国の基地とか駐屯地とか、そういった地元対策を行うところだというふうに伺っております。現在お二人いらっしゃるので、ここを一人削って一人にしましょうというスクラップ財源だというふうに伺っております。

 今、特に私が質問させていただきたいのは、沖縄の地元対策、沖縄の方々との意思疎通の問題です。今、沖縄は非常に重要なときでして、地元からは五年以内に運用停止というようなことを求められていて、我々政府としても、これをいかに加速化させていくかという議論をしているところだ、そう認識しております。あるいはグアムへの移転というのもあって、この重要な時期の中で地方協力局次長というのがカットされるということになります。

 ぜひ、私は、この地方協力局次長がたとえ減るようなことになったとしても、決して、沖縄の地元の皆さんとの意思疎通を、別におざなりにする、そういう意図じゃないんだと、ある意味、もしかすると、ここは全省的な対応として沖縄の皆さんとしっかり話を進めさせていただきたい、こういうような決意を、改めてこの場で聞かせていただければと思います。

若宮大臣政務官 お答え申し上げます。

 今、伊佐委員から御指摘の防衛審議官の新設ということに関しまして、法律に設置を規定いたします高位職でございますものですから、特に、行政の肥大化を防止するという観点から、相応のスクラップ財源をやはり出さざるを得ない、こういった実情がございます。そういったところで査定当局との調整をした結果が、最終的に、御指摘の地方協力次長を、それからまた課長級ポストを三つ、スクラップ財源ということとさせていただいております。

 特に、沖縄との調整を含みます地方協力局の所轄業務につきましては、今までもそうですし、それから現在も、そして御指摘のとおり、これから先も大変重要な任務であり仕事であると思っているところでございます。複数おります大臣官房審議官の活用など、委員からも御指摘、御指導をいただきましたとおり、業務に支障がないことはもちろん、御地元の皆様方の御意見、御意向もしっかりと踏まえて、引き続き、十分な注意力を持って対応させていただきたい、このように思っているところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 次の質問ですが、航空戦術教導団、これを新しく今回の法改正で組織として新設するということを伺っておりますが、この航空戦術教導団というものが一体どういう趣旨で、何を行う組織として新設されるかということを御説明願えますか。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 航空自衛隊の航空戦術教導団、これは我が国の防空能力の相対的な低下を回避して、航空優勢を確実に維持できるように、高度な戦術技量の一層効果的な向上を図ることを目的といたしまして、これまでの訓練支援機能を統合するものでございます。飛行教導隊それから高射教導隊、基地警備教導隊、これらは今でも航空総隊のもとにありますが、これに加えまして、さらに電子戦の関連の組織、こうしたものを部隊として統合する、こういうものでございます。

 具体的には、航空戦術教導団として、例えばF15といったような戦闘機、それからペトリオットといったようなミサイル、こうした機能の異なる複数の部隊を組織横断的に用いた部隊の運用方法である戦術を継続的に調査研究をする、それから、電子戦機能も含めた各種の機能を連携させた教導訓練を行うというようなことを主たる目的とするものでございます。

伊佐委員 つまり、今までばらばらになっていた教授陣の方々をまず一本化して一緒のところに集めましょうという話であったりとか、あるいは、航空部隊の戦術研究、それぞれにやっていたものを一つの場所で統合的に戦術の研究をやっていきましょう、そういう意図だと。つまり、何か新たなミッションが与えられているわけではないということでよろしいでしょうか。

 というのは、一部、またこれも報道でありましたのは、今回、この新しい航空戦術教導団をつくるということによって、策源地攻撃、敵基地攻撃の研究に着手というような報道がありました。

 これは、防衛大綱の中でも、「弾道ミサイル発射手段等に対する対応能力の在り方についても検討の上、必要な措置を講ずる。」つまり、敵基地攻撃、策源地攻撃については検討して必要な措置を講ずるというふうに書かれているわけですが、この検討とか必要な措置がまだなされていないままに戦術面の研究だけ始まってしまうということじゃないんだろうなということ、ここだけ確認させていただければと思います。

徳地政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたように、機能の異なる複数の部隊を組織横断的に用いた戦術を継続的に調査研究する、それから電子戦機能を含めた各種機能を連携させた教導訓練によりまして部隊運用能力を向上させる、それから実効的な対処を目指す、こういうものでございまして、先生御指摘の、防衛計画の大綱にありますいわゆる対応能力の検討というものとは全く関係のないものでございます。

伊佐委員 最後にお伺いをさせていただきたいのは、サイバー攻撃への対応ということについて質問させていただきたいと思います。

 言わずもがなですが、サイバー攻撃の脅威というのが今ますます高まっておりまして、各国、いろいろな例があります。エストニアでサイバー攻撃を受けて政府の機能あるいは金融ネットワークが打撃を受けたであるとか、あるいはイスラエルでシリアの核開発施設を爆撃したときにも防空システムを無力化したとか、いろいろな例があります。

 我が国においても、先月、三月末にサイバー防衛隊というものを立ち上げたと伺っております。現在九十名ということですが、これは、今定員が、先ほど申し上げたように、二十四万七千百六十人、ところが、今、九十人がサイバー防衛隊と。本当に九十人で大丈夫なんだろうかという課題があると思います。

 アメリカでは、今回、ヘーゲル国防長官が来られる前に、米国のサイバー防衛隊についてこう発言されています、二年間で七倍にする、六千人程度にすると。

 アメリカは、どんどん国防予算が減っていて、そしてまた陸軍もどんどん縮小している中で、これぐらい、サイバーについては七倍にふやすんだというような意気込みで取り組んでおりますが、最後に質問させていただきたいのは、我が国の今九十人ということに対して、今後どういうふうに充実強化していくのかについてお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 御指摘のサイバー防衛隊、これは発足したばかりであります。これから日米で、これは協力関係を今結んでおりますので、しっかりと充実した形にしていきたいと思っています。

伊佐委員 以上で終わります。ありがとうございました。

江渡委員長 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 おはようございます。民主党の渡辺でございます。

 それでは、早速中身に入らせていただきます。

 この法律をめぐっては、私どもが与党のときにもほぼ同内容の法案を出したんですが、時の政治情勢によって、なかなか日の目を見ないで今日まで来た。これは、部門会議で我々も防衛省の方々にお越しをいただきまして、また事前の説明も含めて、当時の状況と、与党が入れかわるような状況の中で、ある意味では、政治的な環境のもとで非常に翻弄された法律の一つであったのではないか、当時の当事者としても、そんな思いを持つわけでございます。

 さりとて、いつまでも言っているわけにもいかないので、恩讐を超えるという言葉もございますが、言いたいことは山のようにありますが、そこはのみ込んで、あえて中身のことについて、今後はよりよきものにしていかなければならないということで、我々としても、審議に応じ、態度をはっきりとさせていくということに至ったわけでございまして、そのことは私も議事録に残る形で冒頭に申し上げておかなければいけないということでございます。これ以上は申しません。

 では、中身について申し上げますけれども、まず、今回の防衛審議官の新設によって、何がどう変わるのか。

 先ほどからも質問が出ていますけれども、政務三役の補佐体制に万全を期すことを目的として、対外関係業務等を総括整理する防衛審議官を新設するんだ。

 このことについては、かつて反対された方の中にも、防衛省改革が進まない中で、何か、文官の焼け太りじゃないか、また新たなポストをつくるんじゃないかという御批判もありました。また、実際、空将OBの方も、御自身が発言される中で、織田さんという方ですけれども、この方が、官僚の焼け太りじゃないか、必要ないというようなことが新聞記事になって出ているのも読んでおりますけれども、実際、これができることで何がどう変わるのかということが一点。

 そして、事務次官と防衛審議官の役割の分担というのはどう考えているのか。つまり、頭ばかり重たくなって、なかなか物事が決まらないようなことになりやしないかということを思うわけですが、その点についての御答弁を求めます。

黒江政府参考人 防衛審議官の新設に伴って何が変わるのかという御指摘でございます。

 この新設の意義につきましては、近年の安全保障環境の変化といったものを踏まえますと、防衛省において次官級の会合、次官級の協議といったものを諸外国との間で行う機会というのが急速にふえておる、そういう実情がございます。これは、実績で申し上げますと、過去五年間で七十回を超える次官級の協議といったものが行われておる、そういう状況でございます。

 そういう中で、例えば災害救援でありますとか、あるいは海洋安全保障、テロ対策といった防衛省全般にわたる重要課題について、諸外国の事務方のトップ、次官レベルでございますが、そういった者と適時かつ対等に協議、調整を行える、そういう体制をつくるということが今回の新設の目的でございまして、このポストができ上がれば、防衛審議官はそういった職務に当たるということになります。

 それで、御指摘の事務次官との分掌といいますか、所掌の整理でございますけれども、現在、事務次官が防衛省の行っております省の仕事について全般的に総括整理するという体制をとっておるわけでございますが、この次官級の防衛審議官が新設されることで、防衛審議官には、国際関係業務、主として、先ほど私が御紹介しましたような国際関係の業務を総括整理させる、他方、残った部分、国内的なさまざまな調整でありますとかそういったものについて主として事務次官が所掌する、そういったような切り分けで運用してまいりたいというふうに現在考えております。

渡辺(周)委員 ちょっと確認ですけれども、過去五年で七十回の事務次官級の会合があった、最近とみにふえている、五年間で七十回というんですけれども、毎年どれぐらい、その前の五年間に比べてふえたという意味ですか。今の説明だと、ちっともふえたかどうかわからないんですよ。過去五年間で七十回ということは、一年間に大体十四回ぐらいということですかね、月に一遍ぐらいのペースで行われているということですが、それは多いんですか、少ないんですか。それがまず一点。

 それから、今、国際関係業務ということで、では、その対外的な次官級会合というものには、これから防衛審議官が出るということですね。そうすると、事務次官は今度は何をするんですか。対外的なこと以外ですと、それは何をするんですか。国内的な調整といいますけれども、事務次官会合に出るということですか。それはどういうことですか。

黒江政府参考人 まず、実績でございますけれども、過去五年間のうち直近のところをとりますと、二〇一二年で十三回、二〇一三年で二十回という形で、逐次増加をしてきておるというところでございます。

 また、新たに次官級の2プラス2を行うといったようなことで、インドでありますとかカナダといったところは、インドにつきますと二〇一〇年からそういった対話が始まっておる、逐次その対話をする相手というのがふえてきておるというのが今の実態でございます。

 また、事務次官につきましては、これは、国内的な業務と一言で申し上げましたけれども、例えば、予算の取りまとめでありますとか、あるいは法案の取りまとめでありますとかそういったこと、あるいは、国内的なものでありますれば、防衛施設の安定的な使用のためにさまざまな調整を行う、そのために各地方自治体の首長さん等々とお話をするといったようなことが、次官のレベルで必要な業務としてございますので、そういったことを主として行っていくということでございます。

渡辺(周)委員 では、同席はしないということですね。これから、例えば事務次官が今までやってきたことは防衛審議官がやると。

 防衛審議官にかわるということによって、事務次官の仕事の量は減るということでいいんですか。つまり、次官級会合といったものに事務次官も出ていくんだけれども防衛審議官も一緒に出ている、結局、要は二人ともいつも出ているということになりはしませんか。そこは、かわるんですね。

黒江政府参考人 御指摘の点でございますが、もちろん、扱っている事柄の重要性につきまして柔軟な対応をする場合というのは当然ございますけれども、我々は、原則としては、次官級の対話といったものには、事務次官ではなく、新たに新設されれば、防衛審議官が出ていくということを考えてございます。

渡辺(周)委員 そうすると、今までやってきたことの中で、事務次官がどちらかというと国内的なことに、あるいは予算の編成であるとか各省との調整とか、そういうトップでやることはやるんだけれども、対外的なことについては防衛審議官がやるということで理解します。

 だけれども、結果的に、対外的にどういうことが行われたか、どんな話し合いをしたかということについては、では、当然、審議官は事務次官に上げるわけですよね。それをまた事務次官が理解して、例えば、省庁間のいろいろな横断的なことでこういうことがあった、例えば防衛省であれば外務省であったりあるいは内閣府だとかいろいろなところ、官邸と話をするということで、では、それは事務次官がやるということになれば、結果的に、言い方は余り、例えはどうかと思いますが、二度手間みたいになりませんか。一元化してやった方がいいんじゃないんですか。

 だから、どういうふうに役割、結局、意思決定が、さっき申し上げたように、トップが二つ、ヘビー級の人が二人いる、結果的に、そこで共有するためにはまた新たな会合をしなきゃいけなくなるんじゃないんですか。そこはどうなんですか。

黒江政府参考人 御指摘の、事務次官と防衛審議官との間の分掌でございますけれども、極めて大事な次官レベルの協議でございますので、その内容については、事務次官との間で適切なシェアというのは当然必要になります。

 他方、国内的な、例えば対外的な関係業務の中でもちろん外務省さんとの協議が必要であるといったような部分について、改めてそれを事務次官にやらせるということが常に必要だということではございませんので、そこのところといいますのは、例えば、ある案件については防衛審議官に外務省さんとの話もしてもらうといったような運用で、先生が御指摘のような事務の重複、あるいは時間がかかるといったようなことがないように運用していきたいというふうに考えてございます。

渡辺(周)委員 いずれにしても、このことについては、この法律が通った後どんなふうになっていくのか、意思決定がおくれることがないように、第二事務次官とやゆする声もあります、二人の事務次官がいて、結果的には一つ新しいポストをつくったことによってかえって意思決定がおくれたりすることがないような、そのことについては我々もしっかりと見ていきたいと思います。

 次の質問ですが、内部部局において自衛官ポストを定員化する。

 これまでも、設置法に基づいて、実際、自衛官の方々が内局にいることはあるわけでございますが、私どもが政権にいたときに何回か申し上げたことがあったと思いますけれども、制服組の国会答弁というのはできるようにはならないんですか。

 あるいは、国会の中に制服組の連絡室のようなものがあって、実際、もっと現場の声を聞きたい、あるいは、内局の声というフィルターを通さないで、いわゆる文官の方々ではなくて、私どもとしてはこれから政府の参考人として制服の方に話を伺いたい、例えばそういうことになった場合にできないのかと言ったら、なかなかそれはハードルが高かった、これまでも制服組が国会で答弁したことはなかった、あったのは昭和二十年代に一遍あったんだということがありましたけれども。

 これで、どうなんですか、少しは、内部部局において自衛官ポストを定員化するということで、確かに文官と自衛官の垣根が取り払われて、ある程度現場に近い政策立案ができるようになるだろうというふうには期待をするところですけれども、例えばそれを国会で聞きたいということになった場合、国会答弁というのはできるんですか。

黒江政府参考人 自衛官の国会への出席あるいは答弁といった件でございます。

 これは、まさに今委員御指摘のように、昭和三十年代の前半までは、陸海空の幕僚長などが国会の委員会に出席して答弁したという実績がございます。ただ、その後、過去この五十年以上にわたりまして、それは行われていないということでございます。

 これにつきましては、基本的には、自衛官を呼んで国会で答弁させるということの是非、あるいはそれをやるかどうかといったことにつきましては、国会において御判断をしていただく、そういう事項だろうというふうに思います。

 他方、その際に、例えば、部隊運用で、まさに自衛官サイド、例えば統幕が非常にばたばたしておる、事案に対処しておるといったような際に、そういった部隊運用に必要な仕事をしておるという中でお呼びいただくのかどうかといったようなことは、ちょっと御勘案いただかないといけないかなと思っておりますけれども、原則、そこは、我々の姿勢というよりは、国会で御判断をいただく事項であるというふうに考えております。

渡辺(周)委員 今現在も、自衛官の方、制服の方が内部部局にいる。それは、必要がある場合ということで、法に基づいて、要請に基づいているわけですが、今度は定員化することによって、これは正直、現場の方々による政策的立案が行われるという、その意思決定のプロセスを確認する意味において、例えば、内部部局にいる、今のところは一佐が一名、二佐が十八名、三佐が十七名ではないかというようなことが言われておりますけれども、この四十人の中の方に出てきていただいて、例えばその政策立案についてはどうなんだということを、こういう場で、国会で質疑をするということについては、これは国会が判断すれば、いい、今、そういう意味ですか。

 防衛省からして、結局、文官の方が答弁するのであって、いわゆる制服の方は答弁させたくない、そういうことじゃないんですね、確認しますけれども。

黒江政府参考人 基本的には、国会への出席といったことにつきましては、国会で御判断いただく。

 ただ、今先生が御引用になった二佐、三佐というのが、今回、定員化するもののうちの一番多い部分でございます。通常ですと、こちらの委員会、我々も政府参考人として登録させていただくレベルがございますので、そのあたりの平仄といいますか、そういったものはいろいろお考えはいただかないといけないとは思いますけれども、原則、そこのところは、国会においてそういう形でおまとまりになれば、それは、答弁といったことは何ら問題はないというふうに思っております。

渡辺(周)委員 では、ぜひ、与党の皆さんにも聞いていただいているので、五十何年間、制服の方が国会に立ったことがない、答弁に出たことがないと。実際の国会の委員会の運びやらも含めて、ぜひ与党の方にも、充実した審議を進める上においても実現のために汗をかいていただきたい、そのように思うわけでございます。

 残り三分ほどになりました。

 もう一つ、法案に関連してですが、勧奨退職制度が廃止されて、早期退職募集制度に基づく退職が可能になった、若年定年退職者給付金の支給に係る規定を整備するとあるんです。

 ここに関係する中で、実は、私の身内にも自衛官がおりました。五十四歳でやめることになりますと、もうその随分前から、セカンドライフというか、退職後のことについていろいろお話があるので、スキルを身につけたりもできますが、なかなか、結果的に、自衛官という、一般人としては経験ができない、大変さまざまな経験、資格、あるいは能力を身につけながら、どうしてこんなことをしているのかなというぐらい、もちろん、職業に貴賤はないんですけれども、もっと経験を生かせるような仕事があるのではないだろうか、もったいないというふうに思うことが多々ございます。

 お尋ねしたいんですけれども、一つは、地方自治体が最近採用をふやしていますけれども、防災監、これは今、どれぐらいの自治体で、どれぐらいの人数を採用しているのか。特に、首都圏直下型や南海トラフ地震の発生を前提にいろいろな諸施策が講じられております。その上において、やはりマンパワーという意味においては、現場を経験してきた自衛官の方々の知見というのは大変必要でございまして、その点について今どうなっているのかということが一つ。

 それから、私どもが与党のときに終盤取り組んだ、ヘリコプターや艦艇が港や学校のグラウンドにおりるにも、ヘリコプター、航空機の大きさによって、おりられるグラウンドの大きさはまちまちでありまして、港といったって、水深によっては、入れる船もあれば、入れない船もある。

 そういう意味では、こういうマップをとにかくちゃんとつくっておくべきだということで、当時の総務省の副大臣だった大島さんと話をしまして、自治体にも協力を求めて、何かがあったときに自衛隊のヘリコプターが夜間おりられるのか、高圧鉄塔は近所にないか、野球の高いバックネットはないか、そういう形状を踏まえた上で対応できるような一つのカルテのようなものを、データをつくっておくべきじゃないかということで取り組んだんですが、その進捗状況たるやどうなっているか、その点について最後にお尋ねしたいと思います。

豊田政府参考人 前半の御質問についてお答えいたします。

 地方公共団体の防災関係部局には、平成二十五年十二月末現在、四十六都道府県に七十九名、百八十一市区町村に二百十七名、合計二百九十六名の退職自衛官が、危機管理監あるいは防災監といった形で在職していると承知しております。

小野寺国務大臣 自衛隊のヘリや艦艇の防災マップの進捗状況ということで、これは、渡辺委員が副大臣のときに、総務省の当時の大島副大臣とともに検討され、進めていただいたということでございます。

 現在、防衛省としましては、平成二十五年度までに、ヘリコプターの場外離着陸場については二千三百カ所、自衛隊艦艇の接続可能港湾につきましては三百カ所について状況を把握し、データベース化しております。

 昨年十月の伊豆大島の災害におきましても、このような知見が有効に機能し、私どもとしては、輸送、救援あるいは救難等について役立てることができたと思います。

 今後とも、南海トラフや首都直下、さまざまなことに備えてしっかり対応していきたいと思います。

渡辺(周)委員 終わります。

江渡委員長 次に、今村洋史君。

今村(洋)委員 日本維新の会の今村でございます。

 では、早速、今般の防衛審議官の新設に伴って廃止されるポストがあるやに聞いておりますけれども、まず、そのポストをお教えください。

黒江政府参考人 今回の防衛審議官の新設に伴って廃止されるポスト、いわゆるスクラップになるポストでございますけれども、地方協力局次長が最終的に廃止されるほか、課長級のポストが三つほどスクラップ財源として利用されておる、そういうことでございます。

今村(洋)委員 これは先ほど来の質問でもいろいろ出ておりましたけれども、防衛監察本部副監察監というポストが以前はなくなるということでしたけれども、今般はなくならないということで、今回、そのポストがなくならないという理由は、これは先ほども質問が出ましたけれども、もう一度お答えください。

黒江政府参考人 防衛監察本部の副監察監を今回スクラップ財源にしないということの理由でございますが、これにつきましては、平成二十三年度、二十四年度の段階でこの法案を審議いただいたときに、防衛監察本部の機能自体が、防衛施設庁を初めとします不祥事対応ということで極めて重要な機能であるというところから、これをスクラップ財源にするのはふさわしくないのではないか、そういった御指摘を多々頂戴したわけでございます。

 そういった御意見を踏まえて、今回、副監察監についてはスクラップ財源にしなかった、そういう経緯でございます。

今村(洋)委員 わかりました。

 では、地方協力局次長、これは複数いらっしゃると思うんですけれども、ここのポストを減らす理由というものを教えてください。

黒江政府参考人 地方協力局の次長のポストをスクラップの財源として使ったという理由でございますけれども、この点につきましては、現在、地方協力局の次長が二つポストとしてあるといったこと。さらに、仮にこれを一つに減らしたときに、先ほどちょっと御紹介がありましたけれども、大臣官房審議官といった、それと並ぶような位のポストが幾つかある。

 さらに、そもそも大臣官房審議官のポストといいますのは、さまざまな事態が生じたとき、あるいはさまざまな行政需要が生じたときに、これに柔軟に対応するために機動的に特命事項を担当させる、そういうことが一つの考え方としてございますので、そういったポストを利用すれば、仮に地方協力局次長が一つ減ったとしても、十分、現在そのポストで行われておる仕事というのは分掌させることが可能ではないか、そういう判断から行ったものでございます。

今村(洋)委員 わかりました。その辺は、事務方の方で調整してやっていただけるものだというふうに思います。

 では、次に、今回新設される審議官は、諸外国の国防当局の事務方トップレベルとの間で対等に協議、調整できる者であるというふうにありますけれども、具体的に、その職務内容というものは今決まっておるんでしょうか。

黒江政府参考人 本件につきましては、昨年の八月に、「防衛省改革の方向性」ということで防衛省としての考え方を一旦取りまとめさせていただいたところでございます。

 防衛審議官につきましては、いわゆる国際関係の業務、これを総括整理するということで、近年、先ほどちょっと申し上げました安全保障環境が変化したといったこと、あるいは我が国の活動が非常に拡大しておるといったことを受けて、諸外国の非常に高いレベルの事務方との間で協議を行う、対話をするという機会が飛躍的にふえておる。そういったところで、次官級の相手との間で協議、対話を行う、それを主たる仕事の内容というふうに現在考えてございます。

今村(洋)委員 これは、最初にこの法案が、審議官のポストの法案が出てきたときに、民主党政権当時の北澤防衛大臣が、防衛政策局長が対外関係業務の大半を担っていく中で、専門の職種が必要だろうということでこのポストをつくりますとおっしゃっておられるんですけれども、そういう意味合いというか理由も含んでいるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

黒江政府参考人 今先生御指摘のとおりでございまして、私が申し上げました対外関係業務といったものにつきましては、局単位で見ますと、防衛政策局がこれを担当して下支えをしておるということでございますので、そういった仕事について、次官級の対話の場では防衛審議官がこれに対応する、そういう考え方でございます。

今村(洋)委員 では、防衛政策局長の職務というのは、量が軽減される、少し楽になるということでよろしいんでしょうか。

黒江政府参考人 私先ほど申し上げました、次官級協議の実績として過去五年で七十回、逐次この間ふえておる、これはあくまで次官レベルの協議でございまして、防衛政策局長のレベルで対話をするといった機会というのも、当然これに比例するぐらいの形でございますので、当然のことながら、一部それは、それまでやっておった部分を防衛審議官がやるといった場面もあろうかとは思いますが、必ずしも、これが新設されるからといって防衛政策局長の仕事が減るということには、直接的にはつながらないというふうに思っております。

今村(洋)委員 僕は、防衛政策局というところの仕事というのは非常に大事なものだと思っていますので、これはまた、すぐ後にもう一回お聞きします。

 私は、在日米軍の駐留に関して、米国の防衛予算、日米地位協定等々の観点からもいろいろな問題が山積していると思いますけれども、外務審議官というポストが政務担当、経済担当というふうに二名いるということから考えますと、国内向け、特に在日米軍駐留関係の事務担当のトップに近い、次官級の役割を担う者として、今回の審議官ポストというものをもう一名ふやして外務審議官と同じように二名という体制もとり得るのかなと思いますけれども、そういうところではお答えいただけないでしょうか。

黒江政府参考人 大変貴重な御指摘を頂戴しておると思っております。

 他方、このポスト自体、非常に高位の、高いレベルのポストでございますので、行政実務的にはなかなかこれを簡単にふやすというわけにはいかないというところもございます。

 また、今後、今回新設される防衛審議官は一名でございますけれども、こちらは対外関係業務を主として担うということではございますが、その中にはアメリカとの協議、調整といったことも当然含まれてまいりますので、その文脈の中で沖縄の問題といったことに触れる機会というのも当然あろうかと思います。

 いずれにしましても、二名にしてはどうかという御指摘については、将来の課題ということで受けとめさせていただければありがたいというふうに思います。

今村(洋)委員 ありがとうございます。

 次に、内部部局に四十名の自衛官ポストを定員化するということですけれども、内部部局の大臣官房、他の局への自衛官の配分というものは決定しているんでしょうか。特に、防衛政策局次長という、これは現況二名いらっしゃると思うんですけれども、そこの次長ポストへの自衛官の配置というものはお考えになっているんでしょうか、お答えください。

黒江政府参考人 今、二点お尋ねがございました。

 今回定員化をします四十名の自衛官の配置先でございますけれども、順に申し上げますと、大臣官房に十一名、防衛政策局に十六名、運用企画局に三名、人事教育局に三名、経理装備局に一名、それから最後に、地方協力局に六名ということで配置を行おうということを現在考えておるところでございます。

 また他方、防衛政策局の次長への自衛官の配置ということでございますが、これは、内部部局におきます自衛官の定員化といったものにつきましては、自衛官と文官との間の一体感の醸成、これはある意味意識の改革ということでございますので、段階的に我々は拡大していく必要があるだろうというふうに考えてございます。あくまでも、平成二十六年度で要求させていただいております四十名につきましては、その第一歩ということでございますので、御指摘のような次長クラスの高位級の自衛官ポストをどうするかということについては、今のところ、将来課題にしておるわけでございます。

 他方、昨年の八月にまとめさせていただいた「防衛省改革の方向性」の中では、高位級のスタッフ、そういったところに自衛官も配置しましょうということは明確にうたっておりますので、これは、逐年自衛官を拡大していく中で、ぜひ検討させていただきたいというふうに思っております。

今村(洋)委員 今回、内部部局へ配置する自衛官の位といいますか、その中で、一佐、これは昔でいうと大佐というクラスなんですけれども、その方が一名いらっしゃると。

 これはかなり僕は高級武官だというふうに思いますけれども、その方のポストというのは決まっているんですか。

黒江政府参考人 一佐の自衛官の方の内局における配置でございますが、現在、衛生、保健衛生というふうな、医療、衛生ですね、そういったところにつきまして、三自衛隊の医療体制といいますか衛生体制といったものを取りまとめる、そういったポジションということで、人事教育局に配置をするということを考えておるところでございます。

今村(洋)委員 では、先ほどの次長とかそういったポストに徐々には、将来的にはお考えになるということになりますと、僕は自衛隊の中の位と事務方の方の位というのがどう比べられるかわからないんですけれども、一佐の、今回一名ということですけれども、それが二名、三名というふうになり得る可能性もあるということでしょうか。

黒江政府参考人 先生御指摘のとおりでございます。

今村(洋)委員 わかりました。

 「防衛省改革の方向性」として、従前、統合幕僚監部、各自衛隊の主要部隊の方にも新たな文官ポストを定員化するというようなお話があったかに聞いておりますけれども、そういう御予定というのはありますか。

黒江政府参考人 ただいま先生御指摘のとおり、「防衛省改革の方向性」の中では、今度はお互いに事務官を各部隊等にも配置を拡大していこう、そういう記述がございます。

 これにつきましては、平成二十六年度、今年度の予算の中でも既に措置をいたしておりまして、まとめて言いますと、今回の予算の中では、十七名の文官を、統合幕僚監部あるいは陸上自衛隊の方面総監部、さらには海上自衛隊の横須賀及び佐世保の地方総監部、それから航空自衛隊の航空総隊司令部、さらに航空支援集団の司令部といったところに配置をする、定員化をする、そういう事業を進めているところでございます。

今村(洋)委員 わかりました。ありがとうございました。

 では、ちょっと話はかわりますけれども、先日、小野寺大臣とヘーゲル国防長官が会談されました。その会談後の記者会見の中で、二〇一七年までに在日米海軍に、BMD対応型イージス艦二隻を日本の方へ追加配備するというふうに公表されました。

 米海軍は、国防費削減から、タイコンデロガ級を七隻退役させるという予定ですけれども、それでも現有八十隻を超えるだろうというふうに考えます。

 日本へ転出させるイージス艦は、イラク、アフガニスタン方面から配置転換するというふうに予想しますけれども、ことしが二〇一四年ですから、二〇一七年というと、あと三年あるというふうに考えますと、随分、少し気の長い話かな、部隊の配置転換というのはそういうものではないかもしれませんけれども、そういう気がします。

 先月発表されたQDRにおいても在日米海軍の重要性が明記されていることから、今回のイージス艦の配備というものもそういったものに基づくんだろうと思いますけれども、そのQDRの中で、今とられておりますけれども予算強制削減措置にも触れざるを得ないというか、触れている内容になりました。

 米国防総省は、その中で、今、海兵隊のグアムへの移転も、予算計上を認めているものの、一部を除き執行が停止されているという中で、マスタープランの提出を求められております。そういった中で、今回の会談の中では、グアムへの移転とか、そういったお話は出ましたでしょうか、お教えください。

小野寺国務大臣 まず、日米の防衛相会談の中で、米側から、今回、日本において二隻のBMD対応が可能なイージス艦の配備ということの説明がありました。

 委員も御承知のとおり、実際の配備となりますと、当然、人員、そしてまた、母港化するということになりますと、人員の数を含めたかなりの大きな移動ということになります。そのための準備ということで二〇一七年というのを一つの目安にしていると思いますが、私どもとしては、やはり速やかにこのようなリバランスを図っていただき、我が国周辺のみならず東アジア全体の、特に対北朝鮮という中では目に見える対応がとても重要な内容だと思っております。

 今お話がありました、グアム移転を含めた沖縄の負担軽減につきましては、これはヘーゲル長官との会談の中でも議論をし、とにかく嘉手納以南の早期の返還も含めた沖縄負担軽減に努力をするということはお互いに意見を出し合ったということであります。

今村(洋)委員 わかりました。

 小野寺大臣におかれましては、昨年五月にグアム視察を行って、日本の資金で基幹ユーティリティーや敷地の造成等が行われているアプラ地区、アンダーセン空軍基地などの基盤整備を視察されておられますけれども、そのときの進捗状況というものは、大臣御自身の感触としてはどうだったでしょうか。

小野寺国務大臣 昨年五月、私のグアム訪問以降の、そのときも現地を見まして、さまざまな基盤整備が行われているということは確認をさせていただきました。その後、この問題については、実は、防衛省の職員がグアムには常駐しておりますので、そこで随時、進捗状況について報告を受けております。

 アプラ地区における基盤整備事業、これは電線、上下水道等の整備でありますが、これは、昨年の視察時には工事の真っ最中でありましたが、現在では工事がほぼ完了していると承知をしております。また、アンダーセン空軍基地北部地区における基盤整備事業、これは敷地造成、正門及びアクセス道路の整備等でありますが、これについても、昨年の視察時と比べ、工事が順調に進捗していると承知をしております。

 いずれにしても、これまで日米両政府は、補足的環境影響評価の影響を受けない事業を中心に、可能なところから事業の進捗を図ってきたところでありますが、政府としては、沖縄の負担軽減を促進するという観点から、引き続き、日米間で緊密な協力をしながら、グアム移転事業の着実な実施に取り組んでいきたいと思っております。

今村(洋)委員 ありがとうございます。

 その中で、日本は今現在、この計画に約九百億円拠出しているんですね。その中での資金の凍結解除というのがなされたんですけれども、百二十億円。そうすると残り八百億円弱というものが凍結されているんですけれども、私が聞き及ぶところでは、その凍結されているものというのは利子がつくものですから、そういった報告が米国から日本の方へ上がっておるやに聞いておるんですが、その辺は把握されておられますか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 在沖海兵隊のグアム移転に関しまして、日本政府から米国政府に提供された資金につきましては、まさに委員御指摘のとおり、利子がつくこととなっております。

 この利子の額につきましては、米国政府から毎月の取引状況に関する報告が日本政府にあるところでございまして、その利子の額につきましては、平成二十五年十二月末日時点におきまして、約八百万ドルというふうになっておると承知しております。

 いずれにいたしましても、私どもとして、日本側から移転した資金につきまして、その管理、支出については適切に行われるよう今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。

今村(洋)委員 今、八百万ドルというお話がありましたけれども、その利子は、使途はどこにどうなるんですか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 この利子につきましては、現在改正をお願いしておりますけれども、現在のグアム協定の第七条におきまして、原則として、全事業の契約終了後、日本政府に返還されることというのが原則となっておりますが、事業の執行時におきまして資金不足などの事態が生じた場合には、日本側の同意を条件に、当該利子を真水事業のために使用することが可能となっておるところでございます。

 なお、その際、米側が使用した利子につきましては、日本政府の拠出額、これは、二〇〇八年度価格で上限二十八億ドルでございますが、その内数として算入されるということになっております。

今村(洋)委員 わかりました。

 今、事業の予算というか、そういったものが、工費が膨れ上がるんじゃないかというお話がありました。二〇一二年四月の費用見積もりでは、日本側が真水で二十八億ドル、米側は八十六億ドルというふうになっておりますけれども、米側はこれまで五年間で約五・七億ドルの予算を計上して使っております。まだ八十億ドルを残しています。

 この計画は先が長いんですけれども、移転費用というものは当初の予算よりも膨れ上がるという報道もなされていて、果たして、米側の財政、凍結をせざるを得ないような、強制予算削減というような状況が起きている中で、このグアム移転というのは本当に可能になるのかどうか。その辺の感触というのはお持ちなのかどうか、お聞かせください。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆるグアム協定におきましては、日本側の負担額というものにつきましては、委員御指摘のとおり、二〇〇八米会計年度価格での二十八億ドルというのを上限とする、残余の部分につきましては米国が負担するという形になっているところでございます。

 他方、このグアム移転事業につきましては、まさに、先ほど大臣からもお話がございましたとおり、沖縄の負担軽減という観点、あるいは米国自身の抑止力の維持といった観点からも重要な事業であるというふうに承知しているところであって、これについては着実に実施されるというふうに考えておるところでございます。

今村(洋)委員 二〇一三年末、去年の末に、アメリカの民主党、共和党の両党が、二〇一四年度、二〇一五年度のそれぞれの連邦予算総額をめぐる合意が成立して、これを超党派予算法というらしいんですけれども、そういう法律が成立しています。その結果、この二年間の予算については、強制削減の影響はかなり緩和されたというふうになっておりました。

 しかし、国防総省、ペンタゴンが出した予算、これは数週間後に出した予算では、合意した予算額というか上限額を早速上回ってしまい、かなりの批判を受けているそうです。つまるところ、米軍のメンツを保つための予算というものと実際の財源というものがつり合わなくなっているというのが実情なんだろうと思います。

 我が国においても、ことしの二月から三月にかけて行われた陸上自衛隊と米海兵隊の共同訓練におきましても、海兵隊は当初の予定を変更して、オスプレイが不参加になっています。そのときにささやかれたのが、オスプレイの不参加は費用節約のためではないかという声が聞かれたほどなんです。

 私が以前質問させていただいた中で、アメリカは、米軍は、リバランスといいながらも、低下するプレゼンスを、中国の台頭があり、また、その中で、中国が台頭する理由として中国の飢えと乾きがあるというふうに申し上げましたが、そういうことを考えると、先ほどのお話じゃないですが、グアム移転の予算についても、日本が真水で二十八億ドルというのが上限というふうになっておりますけれども、我が日本がそれ以上の拠出を求められる可能性が全くないわけではないのかなと。

 これは私の個人的な考えですけれども、日本はそうなった場合に、お金を出さざるを得ない、出すべきだ、出しても沖縄の負担軽減はなさなければならない、なぜならば、もう米国は西太平洋においてプレゼンスを維持できない状況まで来ているんじゃないかというふうに思っております。

 また、ちょっと話はかわりますけれども、先ほどの小野寺大臣がおっしゃられた集団的自衛権というお話で、みずからが述べられたというところに、僕はそんたくしますけれども、ヘーゲル長官、アメリカ側からは、お前のところはどうなっているんだというふうにはなかなか表立っては聞けない、ですから、大臣みずからがお話しになったというスタンスで、集団的自衛権の行使についても国内での議論が活発化しているというふうにお話しになったと思われますが、それについてヘーゲル長官が、歓迎する、また記者会見では、支持するというふうにおっしゃっておられます。

 米国にとっても、消退するアメリカのプレゼンスを補う形で日本がアジアに平和と秩序をもたらすことができれば、これは歓迎すべき事柄なんだろうというふうに思います。

 しかし、今回、いかにヘーゲル長官が、集団的自衛権が議論が進んでいますということに対して、直接お答えになったわけではないですけれども、尖閣は日米安保の適用になるというふうにおっしゃっても、過去にモンデール大使であるとか、二〇一〇年当時にはオバマ政権のクローリー報道官が、安保条約が尖閣諸島に適用されるかと聞かれたらイエスだというふうな極めて消極的な応答に終始しているということを考えますと、私は、米国は、日本の軍事的な自立が高まることを基本的には好まない国だ、基本的には日本のプレゼンスが高まることを好まない国だと思っておりますけれども、尖閣の問題を含めても、アメリカはもはや、中国と手打ちをするか、日本の自立を容認して中国への抑制を主とするかという選択を余儀なくされてきているんだろうと思います。

 ゆえにも、私は、前回の質問でもお聞きいたしましたけれども、何かアクシデントが起きた場合に、アメリカ軍が日米安保にのっとって必ず日本の自衛隊と一緒に共同行動をとれるかというところは、ちょっと疑問があるというふうに思っておるんです。

 それにつきましても、今回、集団的自衛権の行使が可能になり、日米安保条約の片務性を解消できたなら、沖縄における在日米軍の移転、これは先ほど申し上げたグアム移転とかそういうことも含みますけれども、移転し、かわりに我が自衛隊が沖縄に駐屯する、それも、米軍に出ていってもらうということが可能になるんだろうと思います。

 他国の軍隊と自国の軍隊の駐留では、やはり沖縄県民の気持ちも全く違うものになるだろうと僕は考えています。沖縄県民の負担を日本国民全体で分かつことも可能になるんじゃないかと夢想しますけれども、それにつきましても、先ほどの日米地位協定においても、特別協定のもとに思いやり予算を計上して、同じ敗戦国のドイツの数十倍も払っているわけですね。その反面、日本は地位協定を見直すことができず、法的拘束力のない運用改善でお茶を濁しているというのが実情です。

 質問ですが、島嶼等への侵攻があった場合に、防衛出動に関して九大臣会合で合議する、会議するというふうに御答弁いただきましたけれども、それでは、その中で、今回のNSC法案の中にある緊急大臣会合というものはいかなる場合に開かれるのか、お答えください。

    〔委員長退席、中山(泰)委員長代理着席〕

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 国家安全保障会議の一形態でございます緊急事態大臣会合についてでございます。

 この緊急事態大臣会合は、武力攻撃事態や周辺事態等の事態以外の緊急事態であって、日本の安全に重大な影響を及ぼすおそれがあるもののうち、通常の緊急事態対処体制によっては適切に対処することが困難な事態への対処について審議するために開かれるものということに、国家安全保障会議設置法でなっております。重大緊急事態への対処については、必要に応じて、関係の深い国務大臣の間で集中して機動的かつ実質的な審議が行われるようにするという趣旨で、緊急事態大臣会合は設けられているものでございます。

 委員から、領海の侵入とか不法上陸事案のようなものについてのこの緊急事態大臣会合とのかかわりについての御指摘がございましたけれども、先ほど申し上げましたように、武力攻撃事態には至らないけれども、我が国の主権が及ぶ海域において外国船舶等により政治的意図を持って行われる不法行為のうち、外国船舶等による領海侵入や外国船舶等を用いた不法上陸に係るもので、通常の緊急事態対処体制によっては適切に対処することが困難な事態が生じた場合には、この緊急事態大臣会合が開催されることが想定をされているということでございます。

今村(洋)委員 ありがとうございました。

 では、島嶼侵攻とかそういう事態が起きたときに、以前我が党の石原代表が小野寺大臣に質問しましたが、いわゆる交戦規定というものはどういうふうになっていますかというふうにお聞きしたかと思いますけれども、島嶼防衛のための新たな立法措置というものが私は必要じゃないかというふうに思います。

 その中で、領土、領海、これは主権ですね、主権を侵害するような外国船舶を取り締まるための法律というものの検討が自民党内でもなされているやに聞いておりますけれども、この制定というものをお考えになっておられるのかということをお聞きしたいと思います。

 自衛隊法第八十二条の海上警備行動において海上自衛隊に付与される権限というのは、警察権、警察官職務執行法の準用であるというふうに、私も以前質問してお答えいただいておりますけれども、日本の法律の適用外にある他国の軍隊への対処をするにはやや不適切かなというふうに考えます。

 中国は、政府公船などを尖閣諸島周辺海域に常駐させることによって我が国の実効支配を否定することをもくろんでいるというふうに考えますから、それに対する措置を行うことは当然必要だと思います。その措置として、ネガティブリスト方式による交戦規定の策定を急ぐ必要があり、それを担保するものとして、この外国船舶を取り締まるための法律というものの制定が必要になるかと思いますが、それについてお答えください。

小野寺国務大臣 領土、領海の治安の維持については、警察や海上保安庁が第一義的な対応の責任を有しています。自衛隊は、警察機関では対処できない場合等には、治安出動や海上警備行動を発令して、警察機関と連携しつつ対処するということになります。

 そのため、警察機関との共同訓練、自衛隊の演習への関係省庁の参加等により連携強化を図るなど、現行法の枠組みにおいて事態に十分対応できるよう努めているところであります。防衛省・自衛隊は、我が国の防衛、警備の体制に間隙を生じさせないよう、万全を期してまいります。

 いわゆる領域警備のあり方の御指摘だと思いますが、尖閣諸島を含む我が国の領土、領海、領空をしっかり守るため、現行の法制度でどのような対応が可能かを含めて、不断のレビューが必要だと思っております。現在、安保法制懇で議論されている内容、あるいは国会における御指摘等を踏まえつつ、関係省庁と相談をしてまいりたいと思います。

今村(洋)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 もう一つお聞きしますけれども、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律というものがありますけれども、この中の対処基本方針というものを策定しなきゃいけないというふうになっておりますが、これも先ほどおっしゃられた九大臣会合というものでなされるのでしょうか、それとも、どこかそういうものを審議する場というのは決まっておるんでしょうか。

山崎政府参考人 ただいま御指摘がございました武力攻撃事態等への対処に関する基本的な方針につきましては、国家安全保障会議設置法に基づきまして、九大臣会合で審議されるということになっております。

今村(洋)委員 ありがとうございました。

 では、質問を終わります。

    〔中山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

江渡委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。

 初めてこの委員会で質問に立たせていただきます。本日、ピンチヒッターでございます。よろしくお願いを申し上げます。

 まず、今回の法律案と、それから平成二十五年八月三十日に提出というか発表されている「防衛省改革の方向性」という文書がありますが、この二点の関係について、これまでもあったかと思いますが、改めてお尋ねを申し上げます。よろしくお願いいたします。

黒江政府参考人 今先生御指摘の「防衛省改革の方向性」は、昨年の八月三十日に防衛省としてまとめたものでございますが、この考え方に従いまして、その報告書の中で、短期的に、二十六年度にこれを事業化するという位置づけをしたものを今回の法律案の中に盛り込ませていただいている、そういう関係になります。

大熊委員 今、短期的にというキーワードをいただきました。それは、では、法律の条文のどこに書いてあるんでしょうか。

黒江政府参考人 お答えいたします。

 私が今申し上げました短期的にといいますのは、「防衛省改革の方向性」の中での位置づけということでございまして、法律上の文言ではございません。

大熊委員 防衛省改革を実現するために改正案を出す、こういうことなんですよね。違いますか。

黒江政府参考人 今先生御指摘のとおり、防衛省改革を実現するために、本法律案といったものの一部は、これを提出させていただいておるということでございます。

 私、冒頭で短期的にと申し上げましたのは、防衛省改革につきましては、幾つかの事業が含まれておるわけでございますが、これを一挙に単年度で実施するということではなくて、徐々に、行っております事業の定着を図りながらこれを進めていくという考え方で、段階を分けてこれを実施していくという考え方を示しておるところでございます。

大熊委員 それでは、法律のたてつけとしては、今回はこの段階、そして一年後はこういう段階、三年後はこういう段階、そういうプログラム法的なたてつけにすべきではなかったんでしょうか。今回の法律はそうなっていないですよね。

黒江政府参考人 法律の立て方としまして、今先生御指摘のような、さまざまな、プログラム法的なもの等々、いろいろなやり方はあろうかと思います。

 他方、今回の法案につきましては、短期的にといいますか、平成二十六年度に実施が可能であるということで、十分な検討の成果を得たものから順次法案化しているということでございますので、必ずしもそういうプログラム的なものを今回はとっていない、そういうことでございます。

大熊委員 先ほどの質疑の中でも、この後もちょっとお伺いしますが、例えば、定員の四十名ですか、これは、まずは定員四十名なんだというお話がありました。まさにそれは段階的なという御説明とは整合しているわけでございますね。

 であればこそ、この法律の条文とは整合していないというふうに思うわけですね。今の御説明あるいは先ほどの説明、それは整合しているんですが、それと条文が整合していない、こういうふうに思うわけです。

 なぜプログラム法的なたてつけでつくらなかったのか。これはおかしいんじゃないですか。御説明と法律の条文が合っていないですよね。これがそういうふうな条文で書かれていればいいですよ、そういう御説明どおりだ。そういう説明と条文が違っているんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

黒江政府参考人 この点につきましては、先ほど来の質疑の中でも、一部私からも御答弁いたしましたけれども、防衛省改革の非常に大きなポイントといたしましては、文官と自衛官の融合といいますか、一体感の醸成ということでございまして、これは、組織の立て方、あるいは自衛官の内部部局での定員化といったことにとどまらずに、そういったことを通しまして文官と自衛官との間で意識を改革していくということでございますので、その意識を改革していくために、一歩一歩、段階を踏んで、成果を確認しながらこれを行っていくということが必要でございますので、アプリオリに次の段階のものを法律にも定めておくということを今回はとっていないということでございます。

大熊委員 そうすると説明が整合しなくなるじゃないですか、アプリオリにとっていないんだったら。段階的にとずっと先ほどから説明してきた、それから冒頭も、短期的にはこうなんだという説明をしてきた、そしてその後、段階的にされるんだという説明をしてきた。でも最後に、アプリオリには定めていないと。これは今度は説明が整合しなくなりますよ。どうしてこういうたてつけになっているのか、プログラム法的なたてつけにしなかったのか。短期的には、二十六年でできるのはここまでですよ、これからもあるんですよ、そういうたてつけになっていないのはおかしかったんじゃないですかね。

 将来的な検討、審議官をふやすという話が先ほどありました。それは将来的なというお話もありました。まさに、そういうことであればこそ、防衛省さんの立場からしても、プログラム法的な立場、今回はこの段階、次はこういう段階ということで、つまり、この防衛省改革がこれで完結するわけじゃないんですよね、ここだけまず確認をします。そして、そうであれば、プログラム法的な、段階的なたてつけにすべきであった、それが今回の法律ではなっていない、これはなぜなのかというのをもう一回お伺いします。

黒江政府参考人 防衛省改革につきまして、今回の法案が成立すればこれが終わりではない、今後続いていくプロジェクトがあるということは、そのとおりでございます。

 他方、プログラム法的に、先の目標、それをかなり具体的に定めるということになろうかと思いますが、これをとっていないということは、先ほど申し上げましたように、防衛省改革そのものが職員の意識の改革という極めて微妙なところにかかっておる部分がございますので、これは段階的に、各段階の成果を踏まえながら次の段階に進んでいくということが適切であろう、そういうことから、検討が進んで、成熟したものから法案に出させていただく、これは予算も同じでございますが、そういうやり方をさせていただいておると。

 他方、防衛省としての考え方につきましては、防衛省としてまとめた昨年の八月三十日の「防衛省改革の方向性」という文書の中できちんとお示しをしておる、そういうことでございます。

大熊委員 百歩譲りまして、法律はそういうたてつけになっていないんだとしても、例えば、大臣の所信表明、法律の趣旨説明でそういうことが表明されるべきではなかったかと思いますが、大臣にお伺いいたします。

小野寺国務大臣 どの省庁もそうだと思いますが、基本的に、常に改革を目指し、そして、常に、私どもとして、現在の状況でいいのかということを検証しながら進んでいくというのが、全ての役所、あるいはそこを担当する大臣の役割だと思っております。

 今回の防衛省改革の答申をいただきました。そしてまた、私どもとして、その内容を受けて、一歩一歩、これからその改革の方向に向かっていくということが大切だと思っております。

大熊委員 法律の趣旨説明とか所信ですか、そういったことに、一言も今言われたことは書かれていないんですね。段階的なんだ、一歩一歩なんだということはどこにも書かれていない。今初めて大臣のお話を伺いました。これは書面には書かれていないことなんですね。書かれていないということだけ確認をさせてください。お願いいたします。

小野寺国務大臣 何度もお話をしておりますが、どの役所においても、どの大臣においても、所管するそれぞれの省庁、行政機関に関して、常に改革を検討しながら、一歩一歩改革を進めていくというのは、これは同じスタンスだと思っております。その基本のことが例えば大臣所信にあるかないかということについて、そこは、委員の御指摘の部分について、私どもとしては、これは基本的にどの閣僚も同じスタンスで臨んでいるということで御理解をいただきたいと思っております。

大熊委員 ないけれども理解をということで、私もよく考えさせていただきたいと思います。

 これは、お話を伺っていれば伺うほど、ミニ公務員改革、つまり霞が関全体の、私は内閣委員で公務員制度改革をずっとやってきたんですが、その防衛省版ですよね、防衛省改革ですから。

 この後、この公務員制度改革の関連法との関連、通告させていただいておりますが、では、ちょっとこちらに若干飛びますけれども、この公務員制度改革全体と防衛省改革の関係性、これについて教えていただけますか。

黒江政府参考人 公務員制度改革全体との関係ということについて、必ずしも適切なお答えになるかどうかあれですが、防衛省改革につきましては、平成十九年ごろに防衛省において多発しましたさまざまな不祥事をどうやって改善していくか、そういう文脈の中で組織立てあるいは職員の意識といったものを改革していかなければならない、そういう考え方のもとに今実施をしておる、そういうものでございます。

 他方、一般の公務員制度改革につきましては、これは現在、私の手元にそういったものというのはございませんけれども、公務員制度改革の基本的な考え方、進め方といったものに従って行われておるものであろうというふうに認識をしております。

大熊委員 防衛省の皆様方も公務員なわけで、公務員改革全体の中の一部分に包含されないとおかしい話なわけでございまして、そういう意味では、公務員改革の基本法の中の一部でも、やはり公務員全般でも不祥事等のことも理由の一つとして公務員制度改革というのがずっと検討されてきたわけでございますので、重なるところはかなり大きいのではないかなというふうに私は思います。

 その上で、通告どおり、順番に戻りますと、ポストの定員化は先ほど来議論がございますが、なぜ四十名なのかという通告を申し上げておりますが、先ほどの質疑で、これは第一段階なんだという御回答をいただいておりますので飛ばします。

 そうすると、四十名定員化されることによって機構がどう変わるのか、これも通告しておりますが、先ほどの質疑でもって、次長さんのポストが一つ、それから課長さんのポストが三つ、これが変わるんだ、こういうお話があったんですが、もう一回ちょっとこれを確認させていただきたい。防衛審議官の新設に伴うものなのか、この四十名の方なのか、ちょっと一度、この確認をさせていただければと思います。

黒江政府参考人 先生の御指摘は、多分、地方協力局次長の一名の削減と課長ポスト三つでございます。これにつきましては、定員化ではなくて、防衛審議官の新設に伴うスクラップの財源という措置でございます。

大熊委員 それでは、審議官の方の質問のときにこれはまた伺いますが、そうすると、戻りまして、四十名の定員化に伴って、これは、四十名のもともとの内部部局員の方が減るということではないというふうに、今勤務されている方が定員になるんだ、こういう理解、つまり、定員そのものが四十名、もともとの内部部局員の方が減るんだ、こういうことではないんだ、こういう理解でよろしいかどうか、確認をお願いいたします。

黒江政府参考人 今の先生の御指摘のとおりでございまして、今回の定員化につきましては、内部部局における政策の立案といった過程に自衛官の持っておる軍事専門的な知見を生かすという新たな行政需要が生じたということで、査定当局の査定を受けまして認められたものでございますので、これによりまして四十名分のシビリアンのポストが減るということではございません。

大熊委員 その雰囲気では公務員人件費の削減にはつながらないということを確認させていただきました。もちろん、ただ削減をすればいいというふうに思っているわけではないわけなんですが、一応、つながらないということは確認をさせていただきました。

 その次でございますが、これは、先ほど来議論の出ております一体化という文脈の中で措置されるような話なんだろうと思いますね。

 この一体化というのは、これはなかなか、私も民間企業で働いていたときに、数々の、その会社が合併をしたりいたしまして、そうすると、違う会社の人がどんと入ってくるわけでございます。あるいは株主が大きく変わるというような事態もありまして、そうすると、全然知らない人がどんと、しかも外人さんなんかがどんと入ってくるわけでございます。このときに、同じ部に配置しても、ずっと一体化しないんですね。何年たっても一体化しないんです。

 これは、私が思うには、何でそうだったかと経験上思うかというと、まとまって、固まって来ちゃうと、これは一体化しない。例えば五十人の部局がありますね。その中に十人とか十五人まとまっていると、三十五人と十五人に分かれたまま、何年でも分かれたままになるんですね。

 したがって、私が思いますのは、では、部局の中に自衛官の方がいらっしゃる、ぽつんぽつんと配置することが一体化のためにはかなりキーになるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。大臣、あるいは政府参考人、お願いします。

黒江政府参考人 今回定員化いたします自衛官の配置先ということになりますけれども、これは、先ほど、局単位につきましては、大臣官房以下、一官房五局にそれぞれ数を分けて配置をすると。具体的な数はちょっと御紹介いたしませんけれども、した方がよろしいですか。(大熊委員「先ほど十名とかなんとか言われていましたよね」と呼ぶ)はい。大臣官房十一名、防衛政策局十六名、運用企画局と人事教育局が三名ずつ、経理装備局が一名、地方協力局が六名でございます。

 また、この中身につきましても、これは、それぞれ各局に各課がございますので、課ごとに今申し上げたような数を分けていく、そういう配置の仕方を今考えてございます。

大熊委員 人事なので私なんぞが申し上げる筋のものではないかもしれませんが、私の思いとしては、先ほどのとおり、例えばその十六名ですかの局に配置される方、その先ばらばらに配置されないと、例えば三、三、何とかとやっていると、固まりをつけますと、これは間違いなくその固まりで何年でも一体化しませんので、これは強くそう思いますので、ぜひその点を踏まえた適切な人事、この目的に合う、四十人を定員化することが目的じゃございませんので、うなずいていらっしゃいますが、私も、こういうのはえてして目的と手段が逆転すると思います、少ない経験上。

 これは、ぜひ、ばらばらに配置していただくこと、それからお昼は一緒に食べに行くこと、これはすごいベーシックなことかもしれませんが、夜飲みに行くかは別にして、お昼は一緒に食べに行くこと、それでばらばらに配属、これが、簡単、単純なことで意外と一体化できるんじゃないか。難しい会議をしていろいろな議論をする、これは、議論をすればするほどばらばらになっていく要素がありますので、ぜひその点をお考えいただければというふうに、これはちょっと、質問じゃないので、要望ということでさせていただきまして、その次に参ります。

 防衛審議官の新設でございます。これもやはり、いろいろちょっとわからないんですね。

 何がわからないかというと、先ほど来も出ていましたが、これは事務次官とのツートップなのか、上下関係がラインとしてあるのか、これがまずわからないので、この点を確認させていただければと思います。

黒江政府参考人 役所の事務次官の性格としましては、これは、所管の事項について全般的に総括整理をするというものでございますので、その中には入るわけでございますが、次官級のポストとしてこういったものをつくるということでございますので、実態上の事務としましては、そこの重要な事務については専ら防衛審議官が、今回の場合でいえば国際関係でございますけれども、そういったものは防衛審議官が一義的に行う、そういう関係になります。

大熊委員 指定職俸給表だったでしょうか、防衛省の場合は違うかもしれません、その人事評価上は事務次官と同等だ、例えば人事評価の政令とか、あれも同等だというのは存じていますが、実際の業務のラインとしては、では、ツートップなんだ、こういうことでよろしいですか。対外業務については、分掌して、責任者は事務方のトップなんだ、そういう認識でよろしいでしょうか。

黒江政府参考人 原則として、対外関係業務につきましては防衛審議官がそのラインに入るということでございます。

 ただ、他方、先ほど来申し上げておりますように、これは、役所の事務の中で、ある種の事務の重要性あるいは国内的な業務との関係性の強さといったことを考えて、柔軟な対応をしないといけない場面がございますので、そういったときには、当然、事務次官もそこに参画をするということになります。

大熊委員 手短に確認なんですけれども、レポーティングラインは誰になるんですか。防衛審議官は誰にレポートするんでしょうか。

黒江政府参考人 細部の要領につきましては、これからまた法案が……(大熊委員「細部じゃなくて原則」と呼ぶ)原則は、対外関係業務につきましては、当然、上に対しては大臣でございます。他方、事務次官に対しては、当然、所管事項を全般的に掌理する立場にございますので、これにつきましては同時並行的にレポートをすることに当然なろうと思います。(大熊委員「業務は大臣に直接ですか」と呼ぶ)はい。上下の関係でいえば、大臣でございます。

大熊委員 ツートップだということがはっきりしました、業務ライン的には。

 そうすると、先ほどの公務員改革の基本法で言うと、これは政務スタッフの仕事。つまり、今回は大臣補佐官ということで一名限定になったんですけれども、もともとの基本法の政務スタッフ、複数名だったら、昔の自民党案はそうだったですけれども、今回の自民党案というか政府案は一名だけに限定、要するに縮小されたんですけれども、もし、もともとの自民党案だったら、私どもと一緒に出させていただいた複数だったら、これは政務スタッフで対応できた、つまり、特別職で対応できたポストじゃなかったですか、直接のラインだったら。違いますか。

黒江政府参考人 結論的には、そういう形にはならないんだろうというふうに我々理解をいたしております。

 各府省に置かれます大臣補佐官につきましては、特に必要がある場合に置くことができるといういわゆる政治任用の官職でございまして、常に置かれるものではない、また、その職務の内容につきましても、あくまで大臣を直接補佐することを職務としておるいわば黒子的な存在でございます。そういう意味では、対外的に省を代表するような立場にあるということではないんだろう。

 他方、今回お願いをしております防衛審議官につきましては、国際関係の業務について、これは、対外的にも防衛省を代表して諸外国のカウンターパートとの間で協議を行うということで、そこには恒常的な行政実務というのがある。そういう意味で、当然のことながら常設のポストでございますので、さまざまな意味で違いがあろうというふうに思っております。

大熊委員 いやいや、それは大臣の指示で常設させればいいわけであって、まさにこれは政務スタッフの業務そのものではないかなというふうに私は思いますが、今回の公務員法では一人しか置けないので、これはちょっとできないということで、こういうところにやはり公務員制度改革が縮小された影響というのが出てきているのではないかなというふうに思います。

 時間が少ないので飛ばさせていただきまして、航空戦術教導団、これはいろいろ、高度な戦術技量の向上のため云々という御説明をいただきましたが、一方で、そうなりますと、訓練中の事故の関係、これも同時に心配になるわけでございます。

 この辺もこの教導団に一元化され、また、過去の事故データの分析、知見等はこの組織に一元化されるのかどうか、手短にお願いいたします。

徳地政府参考人 お答えいたします。

 航空戦術教導団の方は、機能の異なる複数の部隊を組織横断的に用いた部隊運用につきまして継続的に調査研究をする、それから、電子戦機能を含めた各種機能を連携させた教導訓練を行う部隊ということでございますので、先生御指摘のような事故事例の蓄積、こうしたものを一元的に行う部隊ではございません。

 そして、もちろん、安全管理、これは非常に重要なことではございますけれども、万一事故が発生した場合に備えましては、航空機事故の調査分析、それから再発防止策の検討を任務とする別途の部隊が既にございます。大臣直轄部隊でございます、六十名規模の航空安全管理隊というものが既にございまして、こちらの任務となっております。(大熊委員「過去の事故データはどこか。そこに入っているのか」と呼ぶ)それも含めまして、この航空安全管理隊が行うこととなっております。

大熊委員 いや、それはやはり、過去の事故の関係と、高度な戦術をやるんですから、一体化すべきではないかなというふうに思うんですよね。

 過去の事故のデータというのは、皆さん、把握されていますか。ちょっと手短なんですが、私のかつて同級生だった方が、一九九二年の百里基地の事故で加藤和人君というF15のパイロットだった方が亡くなっているんですね。この事故の検証をまだ行っておりませんよ。こういうものは防衛機密になっているのかもしれませんが。

 こういうことをしっかり、やはり、前向きの方の訓練をやるんだったら、それに伴うリスク、それから事故、こういったものも統合的に、統合運用と言われているなら、運用だけじゃない、全てのものを統合した方が合理的なのではないかなというふうに思います。

 ちょっと時間がなくなってきてしまいましたので、若干、最後に通告させていただいています集団的自衛権の関係のお尋ねなんです。

 通告のとおり、昭和五十八年の三月に、個別的自衛権の範囲内で、有事のときは、米艦艇が相手国から攻撃されたときに、我が国を防衛するための必要な限度内と認められた以上、反撃できる、こういう答弁があるんですが、この点、昭和五十八年の解釈でできるという政府答弁なんです。

 これは今現在変更がないということでよろしいですか、確認させてください。

小野寺国務大臣 御指摘の、昭和五十八年、これは谷川防衛庁長官の答弁だと思いますが、公海上における米艦防護について、我が国に対する武力攻撃があった場合において、我が国を防衛するために行動している米艦艇が攻撃を受けたとき、自衛隊が共同対処行動の一環として米艦艇に対する攻撃を排除することは、個別的自衛権の範囲内として認められる旨を答弁されたというふうに承知しています。

 前提は、我が国に対する武力攻撃があった場合ということだと思います。

大熊委員 これで終わりますが、一般のマスコミを含めて、ほとんどの人は今の事態というのを理解していないと思います。これを集団的自衛権だと誤解していらっしゃると思うので、ぜひ、その辺、広く議論を進めていただきたいと思います。

 以上で終わります。

江渡委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 法案について質問をいたします。

 まず、防衛省に、今回の自衛官定数の変更がどのような部隊の変更に伴うものかという点について聞きます。

 事前にいただいたペーパーでは、二〇一四年度の改編内容として、陸上自衛隊の水陸機動団の新編に向けた準備隊や、航空自衛隊の航空戦術教導団の新編などが挙げられておりますが、これに間違いないですか。

徳地政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成二十六年度予算におきましては、新しい防衛計画の大綱、それから新しい中期防衛力整備計画を踏まえまして、南西地域の防衛体制の強化を初め、各種の事態における実効的な抑止、対処の実現のために、統合機動防衛力の構築に向けた定員措置を行っているところでございます。

 そして、主要な部隊改編の概要でございますが、まず、陸上自衛隊におきましては、水陸機動作戦を専門とする部隊を可及的速やかに編成することが重要と考えておりますことから、約三十名から成る水陸機動準備隊を新編することとしております。それから、島嶼防衛を見据えた実効的な対処体制を構築するため、第一空挺団の定員を約百六十名増員いたしまして、約二千十名とすることとしております。

 それから、航空自衛隊でございますが、南西地域における常時継続的な警戒監視体制を強化するために、早期警戒機E2Cによる部隊を約二十名増員いたしまして、約百三十名から成る第六〇三飛行隊を新編することとしておりますほか、我が国周辺の厳しい安全保障環境を踏まえた戦術技量の向上を行うために約十名増員をいたしまして、全体として約六百六十名の航空戦術教導団というものを新編するということとしているものでございます。

赤嶺委員 次に、いわゆる策源地攻撃能力の保有の検討について、防衛大臣に確認をいたします。

 防衛大綱、中期防は、「弾道ミサイル発射手段等に対する対応能力の在り方についても検討の上、必要な措置を講ずる。」ということを明記いたしました。

 これは、自民党の提言にもあった、いわゆる策源地攻撃能力の保有の検討を含むものと理解してよろしいですか。

徳地政府参考人 お答えいたします。

 今回の新しい防衛計画の大綱におきましては、北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上を踏まえまして、我が国の弾道ミサイル対処能力の総合的な向上というものを図ることといたしております。

 その関係で、もちろん、降ってくる弾道ミサイルを撃ち落とすということが基本ではございますが、また、日米間の適切な役割分担に基づきまして、日米同盟全体の抑止力を強化するために、我が国自身の抑止、対処能力の強化を図るよう、弾道ミサイル発射手段等に対する対応能力のあり方というものについても検討の上、必要な措置を講ずる、これが防衛計画の大綱に書いてあるものでございます。

 この検討はあくまで、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃が繰り返されるということも想定をいたしまして、我が国に対する被害拡大を防止するために必要最小限度の対処能力についての検討を行うものでございまして、専守防衛あるいは日米同盟の強化という前提のもとで、さまざまな角度から慎重に今後議論していくものでございます。

赤嶺委員 その慎重な検討の中に、策源地攻撃能力の保有の検討も含む、そういう理解でよろしいですか。

徳地政府参考人 このいわゆる対応能力のあり方についての検討でございますが、先ほど申し上げましたように、専守防衛といったような基本的な防衛政策のもとで、今後さまざまな角度から慎重に議論をしていくということとしておりまして、弾道ミサイル発射手段等に対する対応能力等、具体的なところについては、まさに今後の検討に係るものと考えております。

赤嶺委員 ですから、今後の検討の中に、策源地攻撃能力の確保、保有の検討、これも含まれているということですね。

徳地政府参考人 御指摘の点につきましては、繰り返しになって恐縮ですけれども、今後さまざまな角度から慎重に検討していくということとしておりますので、その具体的な内容ということについてはまだ申し上げられる段階にはないということで御理解をいただきたいと思います。

赤嶺委員 それでは、ちょっと法案の次の質問に移りますが、航空戦術教導団の新編が法案には盛り込まれております。ここで敵基地攻撃能力の研究を行おうとする報道については、防衛大臣は二月七日の記者会見で否定をしています。

 ここでその研究を行わないということの確認と、では、航空自衛隊における敵基地攻撃能力の研究はどこで行うのかという点について、お伺いをしたいと思います。

徳地政府参考人 先ほど申し上げましたような、弾道ミサイルの発射手段等に対する対応能力のあり方についての検討でございますけれども、これにつきましては、今後、防衛省全体として検討していくということとなっておるところでございまして、単に航空自衛隊だけの問題と考えているわけではありませんが、いずれにいたしましても、防衛省の中央を中心といたしまして、慎重に、さまざまな角度から今後検討をしていくということとしておるところでございます。

赤嶺委員 さまざまな検討というのが繰り返されているわけですけれども、今回の部隊の新編、結果として研究を行うこともあり得る、そういうことですか。

徳地政府参考人 今回の部隊の新編ということとの関係でのお尋ねかとは思いますけれども、二十六年度に新編を予定いたしている部隊の中で、いわゆる、先生おっしゃったような策源地攻撃の研究というものを念頭に置いた部隊はございません。

赤嶺委員 歴代政府は、敵基地攻撃能力の保有について、他に手段がないときは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能としながらも、平生から他国を攻撃するような、脅威を与えるような兵器を持つのは、憲法の趣旨とするところではない、こういう答弁をなさっております。一九五九年の当時の伊能防衛庁長官の説明であります。

 敵基地攻撃能力の保有を検討するといいますけれども、現行憲法下で、なぜそのような検討を行うことが許されるのですか、大臣。

徳地政府参考人 今回、新しい防衛計画の大綱において検討をするとされているものは、北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上を踏まえて、我が国の弾道ミサイル対処能力の総合的な向上を図るという観点から行われるものでございまして、弾道ミサイルの発射手段などに対する対応能力というもののあり方について検討を行うというものでございまして、その結果につきましては、まだ具体的に、予断を持って申し上げられるものではございません。

赤嶺委員 ですから、そういう検討をしていくことは現行憲法下では許されないこと。

 予断を持って今答えられないといって、結果としてそういうようなことになる、そんな選択肢は現行憲法下ではないということでよろしいですか。

徳地政府参考人 当然のことながら、我が国として、この防衛計画の大綱のもとで行われる検討は憲法の範囲の中で行われるもの、これは当然のことであると考えております。

赤嶺委員 憲法九条というのは、戦争放棄と戦力不保持、交戦権の否認を規定したもとで、歴代政府は、自衛のための必要最小限度の実力だから自衛隊は憲法に違反しない、こういう説明を繰り返してきたわけです。他国を攻撃するような、脅威を与えるような兵器を持つことは憲法上許されないという見解としてきたはずであります。ですから、今回のさまざまな研究といいますが、歴代政府の憲法見解との関係では、それはできないことだと。

 北朝鮮の問題で問われているのは、国連安保理決議に従って、国際社会が一致して、いかに核開発をやめさせるかということであります。その努力を非軍事、平和的手段で行うというのが安保理決議の枠組みであります。国際社会の努力の方向と全く逆のことをやろうとしているということを、私たちとしては厳しく指摘していきたいと思います。

 では次に、日米防衛首脳会談について聞いていきます。

 防衛省が公表した会談要旨を見ますと、普天間飛行場の五年以内の運用停止を初めとする沖縄における基地負担の軽減に関する沖縄県の要望と、これに対する日本政府の取り組みにつき説明したとあります。

 普天間飛行場の五年以内の運用停止は、日本政府の正式な要請としてではなく、沖縄県の要望として伝えたということですか。

小野寺国務大臣 先般のヘーゲル国防長官との会談におきましては、今御指摘の在日米軍再編に関し、私から、普天間飛行場の五年以内の運用停止を初めとする沖縄県の要望と我が国の取り組みにつき説明をしたことを受け、日米両国が、沖縄の負担軽減の取り組みにつき認識の一致を見たことも踏まえ、具体的な協力を一層進展させていくことなどにつき一致するなどということが成果というふうに考えております。

赤嶺委員 今私がお尋ねしましたのは、五年以内の運用停止、これについては日本政府の正式な要請だったのかどうか、この点を聞いているわけです。どちらですか。

小野寺国務大臣 これは従前から、普天間飛行場の五年以内の運用停止ということに関しては、委員にも累次御説明をさせていただいていますが、沖縄県側からこのような要請があったということについて、これは沖縄県側の要請ということで、政府としてはできることは全て行う、それが安倍総理のお答えだというふうに思っております。

 ですから、この今までの答弁したラインで、当然、私どもの方から米側には説明したということであります。

赤嶺委員 以前に、小野寺大臣も御承知だと思いますが、稲嶺知事の時代に、十五年使用期限という期限を稲嶺知事が求めて、それをアメリカに日本政府の要求として求めていくのではなくて、知事の要求を重く受けとめ、そして日本政府はその沖縄県側の要望を伝えるということを長く繰り返す立場に立っていて、破綻をいたしたことを今の大臣の答弁を聞きながら思い出しております。

 日本政府の要望として伝えるのではなくて、沖縄県側の要望を仲立ちして伝えるということでこんな重大な問題が実現に向かっていくのか、大変疑問であります。

 あと一点、沖縄県は、牧港補給地区の七年以内の全面返還を求めております。

 当然、統合計画の見直しが必要になってまいります。日本政府の正式な要請として、七年以内の全面返還と統合計画の見直し、これを求めておられますか、今回のヘーゲル長官に対してであります。

小野寺国務大臣 今回、長官との会談の中では、沖縄の負担軽減について日米がそれぞれしっかりと対応していくということについてのお互いの意見交換があったということであります。

赤嶺委員 知事側は、牧港補給基地の七年以内の全面返還を求めているわけですね。そうなると、去年の統合計画は全部見直さなきゃいけないわけですよ。

 少なくとも、統合計画を見直さなきゃいけないような、それにかかわる沖縄県側の要望が出ている、それについて日本政府としても取り組んでいきたい、このようにはおっしゃらなかったんですか。

小野寺国務大臣 いずれにしても、これは政府として、委員の、答弁に対して、私も一貫しておりますが、沖縄県側からこのような要請があるということについては私どもは承知しているということ、これが私どもの今までの理解であります。

赤嶺委員 一貫した答弁でなかなか理解できないから繰り返し質問をしているところであります。

 それでは、次の質問です。

 報道によりますと、オスプレイ十二機の分散配置などの県側の要望を伝えたとされておりますが、三月二十六日に、米カリフォルニア州ミラマー基地所属のオスプレイ一機が普天間飛行場、普天間基地に飛来をいたしました。

 オスプレイの外来機の飛来の中止、これは求めましたか。

小野寺国務大臣 委員の今御指摘のことにつきましては、私どもも報道として承知をしております。

 その後、米側に確認をしておりますが、米側からは、運用の問題ということで、私どもにまだその内容について報告は来ておりません。

赤嶺委員 まさに運用の問題として、沖縄の基地から一部どこかに訓練移転しても、アメリカ本国から外来機が飛んでくる。これが、負担の軽減にならないじゃないかということは、ロードマップ、嘉手納基地の際も問題になったわけです。

 結局、沖縄県の要望を伝えただけで、日本政府の要請としては行っていないわけです。総理が昨年沖縄知事に説明した中身というのは、全くの口約束だったと言わざるを得ません。

 外来機の飛来に手をつけられない、アメリカの運用だからということでいえば、これは沖縄の基地負担の軽減には絶対につながりません。本土の沖縄化、沖縄の負担軽減だといって本土の各基地に移したけれども、沖縄の負担はますます重くなっていくというのが外来機の飛来の問題であります。やはり、そこに手をつけられない負担の軽減というような発言は、本当に口先だけ、実行に移される内容ではないということを、強く、厳しく指摘し、沖縄の負担の軽減のために頑張っているという言い方はやめていただきたい、このように思います。

 次に、ちょっと時間がありませんけれども、防衛装備移転三原則について質問をします。

 今回の運用指針によると、防衛装備の海外移転を認め得る案件として、我が国の安全保障に資する海外移転が挙げられております。この中で、ACSAに基づく防衛装備の移転が含まれておりますが、政府がこれまでACSAを締結した国、また、協議を進めているか、協議を始めたことのある国はどこですか。

山田政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、我が国は、アメリカとの間で日米物品役務相互提供協定、豪州との間でも日豪物品役務相互提供協定、いわゆるACSAを締結しております。

 また、カナダとの間では、昨年九月に日・カナダ物品役務相互提供協定の実質合意を確認し、現在、法的、技術的な詰めを行っているところでございます。

 また、韓国との間でも実務的な話し合いは行っております。

赤嶺委員 我が国との間で安全保障面での協力関係がある国に対する救難、輸送、警戒、監視及び掃海に係る協力に関する防衛装備の海外移転が挙げられておりますが、この安全保障面での協力関係がある国というのは、何をもって協力関係がある国と判断するのですか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 安全保障面での協力関係にはさまざまな態様がありますが、新たな原則においては、国際共同開発、生産の実施や、安全保障、防衛分野での協力の強化を図るにふさわしい程度に我が国との二国間の協力関係がある国を想定しております。

 具体的な対象国については、防衛装備の種類、性質、協力内容など、個々の事例に応じて個別に判断していくことになると考えております。

赤嶺委員 現在、装備にかかわる防衛交流、協力を進めているか、あるいは、協議を進めている国の名称と内容を明らかにしていただけますか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、アメリカとの間でございますが、これまで十九件の日米共同研究を実施しております。また、平成十八年度よりBMD用能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発を実施しており、平成二十五年度からは、F35の製造に日本企業が参画してございます。

 次に、英国との間でございますが、昨年七月に防衛装備品等の共同開発等に係る政府間枠組みを締結するとともに、生物化学防護技術に関する共同研究を開始いたしました。

 次に、豪州との間でございますが、平成二十四年九月の日豪外務・防衛閣僚協議において、防衛分野における科学技術協力を深化すること等に合意いたしました。また、昨日の日豪首脳会談において、防衛装備・技術協力分野における枠組みの合意に向けて交渉を開始することが決定されたところでございます。

 次に、フランスとの間でございますが、本年一月の日仏外務・防衛大臣会合に際しまして、防衛装備品協力及び輸出管理措置に関する対話の枠組みを設置するとともに、具体的な案件を検討し、また、これに対応するような適切な政府間の取り決めに向けて取り組むことに合意してございます。

 最後に、インドとの間でございますが、昨年五月に発表された日印共同声明において、救難飛行艇US2に関する協力の態様を模索する合同作業部会の設置が決定されてございまして、昨年十二月にデリーにおいて第一回を、第二回の会合を四月に東京で開催する、このような予定となってございます。

赤嶺委員 武器輸出の問題はまだまだたくさん疑問点がありますので、これからも安全保障委員会を何度も開いてその疑問を解明していただくように委員長にお願いを申し上げ、質問を終わります。

江渡委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーでございます。

 きょうは、防衛省設置法の一部を改正する法律案、法案審議から、まず質問をさせていただきたいと思います。

 今回、自衛隊の円滑な任務遂行を図るため、自衛官定数等の変更その他、改定、整備を行うものとなっておりますが、まず伺います。

 部隊の新編、改編に伴い、自衛官定数を五百八十六人削減し、二十四万七千百六十人へ変更するものとなっております。今回の陸海空及び幕僚等を含めた自衛官の現員数、定数との充足率、幹部及び准曹、士などの全体に見る構成の割合について、まず御説明をお願いしたいと思います。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十四年度末における自衛官の現員は、自衛官全体で二十二万四千五百二十六人、全体の充足率は九〇・八%でございます。そのうち、人数だけ申し上げますが、幹部は四万三千四十八人、准曹は十四万三千百二十二人、士は三万八千三百五十六人となっております。

 防衛省におきましては、装備品が高度化、複雑化いたしまして、任務が多様化、国際化する中で、部隊の精強性を確保するため、高度な専門性を有して人員の養成に時間を要する幹部、准曹の高充足を優先的に追求してきております。

 私どもといたしましては、各自衛隊の任務や各部隊等の特性を踏まえつつ、各自衛隊の任務を最も適切かつ継続的に遂行できる階級構成を実現することが重要と考えております。

玉城委員 今の答弁について、一点確認をさせていただきたいと思います。

 この構成の割合を見ますと、本来であれば裾野型の人員構成が最も求められているということもありますけれども、充足率は九〇・八%ということで、定数にも足りていないという現状もあります。

 しかし、その一方で、現在やや、恐らくはつり鐘型の、そういうふうな割合になっているということを考えると、今後のいわゆる計画については、さらに若い世代の人たちを自衛隊の方へ積極的に任用していくというふうなことが必要だというふうに思われますが、その点についての見解をお聞かせください。

豊田政府参考人 先生御指摘のとおり、自衛官の年齢構成につきましては、過去の定年延長の実施でございますとか、少子化、高学歴化の進展といった社会環境の変化によりまして、これまで自衛官の平均年齢については上昇している状況でございます。自衛隊の精強性を維持向上する観点から、適正な年齢構成を確保することが私ども重要と考えております。

 このため、新防衛大綱及び新中期防におきましては、幹部、准曹、士の各階層において年齢構成の適正化を図るため、例えば、六十歳定年職域の定年のあり方の見直しでございますとか、中途退職制度の積極的な活用ですとか、より適切な士の人事管理あるいは自衛隊操縦士の民間における活用といった、さまざまな施策を実施することといたしております。このうち、自衛隊操縦士の民間における活用につきましては、本年三月十四日に再開を発表させていただいたところでございます。

 いずれにいたしましても、各自衛隊の任務や部隊等の特性を踏まえながら、適正な階級構成それから年齢構成を確保するための取り組みに努めてまいりたいというふうに考えております。

玉城委員 現場の専門官であります各自衛官の処遇等々については、さらに、まあ省内でも行われているとは思いますが、適宜適切なしっかりとした配分そして構成を求めることについては、しっかりと私どもも協力をしていくという方向で一致をしているものというふうに思います。ありがとうございます。

 さて、日米同盟の深化、諸外国との防衛協力及び交流等の推進、それから政務三役の補佐体制の強化に資するということを目的に、今般、防衛審議官を新設する提案が行われております。

 この件に関しては防衛大臣にぜひ伺いたいと思いますが、過去の国会における新設提案の際の説明には、地方協力局次長一名、防衛監察本部副監察監一名、大臣官房参事官二名の廃止を挙げ、さらに、二〇一四年度改編では、地方協力局次長一名、大臣官房審議官一名、大臣官房参事官三名のポストを廃止する予定である旨を伺っております。

 かかるポスト等の改廃の経緯を経て新設される防衛審議官の意義及び任務分掌について、説明をお願いしたいと思います。

小野寺国務大臣 近年の安全保障環境の変化や、我が国が担うべき役割、責任の増大に伴い、防衛・外務閣僚会合が、同盟国たる米国に加えて、オーストラリア、ロシア、フランスとの間でも開催される状況になっております。また、防衛、外務の次官級会合もインド、カナダと開催される状況など、次官級協議の実績も、過去五年間で七十回を超えるまでになっております。

 このような中、例えば、災害救援、海洋安全保障、テロ対策、防衛装備品等の共同研究、開発、生産といった防衛省全般にわたる重要課題について、諸外国の国防当局の事務方トップレベルとの間で、適時かつ対等に協議、調整し、防衛大臣を初め政務の補佐体制を万全にするため、事務次官にかわって、防衛省に、国際関係業務等を総括整理する防衛審議官の新設が必要であると考えております。

 今、委員の方から、その任務についての御質問もございました。防衛審議官が総括整理する具体的な任務については、国際関係業務ということになります。

玉城委員 では、大臣、一点お伺いいたします。

 この防衛審議官は、外部からの登用になりますか、それとも内部からの常任ということになりますか。

小野寺国務大臣 現在、この防衛審議官の新設も含め、自衛隊法改正の御審議をいただいている最中であります。その審議が終わりまして、認めていただく中で、その後、どのような人材が適当かは考えていきたいと思っております。

玉城委員 ありがとうございます。

 では、次の質問に移ります。

 この今回の防衛省設置法の改正案によりますと、先ほどは自衛隊の部隊の新編、改編に伴う現員数をお伺いいたしましたけれども、即応予備自衛官についても、ここで上がっておりますので、質問させていただきます。

 この改正案によりますと、陸上自衛隊組織の新設及び改編等に伴って、即応予備自衛官の数を二百九十二人削減し八千百七十五人とするとなっております。この即応予備自衛官の確保に関しては、防衛省の招集のほか、災害、国民保護等に対応するための緊急対処とする上で十分な体制をとるべきものである、私はそのように考えておりますが、即応予備自衛官の養成や確保等についてどのように取り組むのか、その見解を伺います。

豊田政府参考人 即応予備自衛官についての御質問がございました。

 私ども防衛省・自衛隊は、今から三年前でございますが、東日本大震災への対応のため、訓練以外で初めて即応予備自衛官及び予備自衛官を招集し、災害派遣をいたしました。

 このうち、即応予備自衛官につきましては、給水支援や入浴支援等の生活支援活動や捜索活動等に従事させていただきました。実数で約一千四百人、延べで約二千二百人でございました。

 こうした即応予備自衛官等につきましては、ふだんの職業で培った資格や技能が災害派遣時に有効であったことから、即応予備自衛官が有する個々の資格等のデータベース化などの取り組みを現在行わせていただいております。

 また、即応予備自衛官の充足状況につきましては、残念ながら、平成二十四年度末で約七割でありますことから、さらなる充足向上のため、制度の周知及び即応予備自衛官本人あるいは雇用企業等に対するインセンティブを高める施策を検討いたしておりまして、平成二十六年度予算においても予備自衛官制度広報の充実強化などを進めることといたしております。

 さらに、新たな大綱、中期におきましては、予備自衛官等の充足向上を盛り込んでおりまして、この制度の改善を図り、招集訓練の充実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

玉城委員 やはり、東日本大震災を含め、専門的な即応態勢がとれる人員を常に確保しておくということは、あらゆる意味で、即応予備自衛官の任務を啓発と申しますか、しっかりと広く広報していくということも、国民にとってその理解を進める上で欠かせないものだというふうに思いますので、引き続き、この確保に関してはしっかり取り組んでいただきたいということをあわせて要望させていただきたいと思います。

 では次に、我が国における安全保障に関する件について、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、昨年まとめられました安全保障戦略において、その中から幾つか質問させていただきたいと思います。

 まず、その中で、サイバーセキュリティーの強化、カウンターインテリジェンス機能の強化及び宇宙空間の安定的利用の確保及び安全保障分野での活用の推進がおのおのうたわれていることに関して質問をさせていただきます。

 平成二十五年の防衛白書で、サイバー空間の安定的、効果的利用に関する記述があります。それによりますと、二〇〇五年、我が国の情報セキュリティー対策の基本戦略を決定する情報セキュリティ会議及びその遂行機関である内閣官房情報セキュリティセンター、NISCが設置され、NISCが主導的役割を果たしつつ、官民を含めたさまざまな取り組みが進められてきているというふうにあります。

 自衛隊指揮通信システム隊が二十四時間体制で監視に当たっている点なども踏まえて、この安全保障戦略におけるさらなるサイバー対処強化等の点について取り組むことに関しては、大臣から、まずその見解を伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 国家安全保障戦略において、サイバー空間は、社会活動、経済活動、軍事活動等のあらゆる活動が依拠する場となっているグローバルな空間であり、サイバー空間の防護は、我が国の安全保障に万全を期すために不可欠であるとの認識のもと、サイバー空間の防護及びサイバー攻撃への対処能力の一層の強化を図ることとされております。

 防衛省・自衛隊にとっても、情報システムや通信ネットワークで構成されるサイバー空間の安定的利用は不可欠であり、サイバー攻撃により指揮システムの機能が停止するなどした場合には、例えば、指揮命令や情報伝達の途絶により弾道ミサイル対処が十分に行えなくなるなどの我が国防衛の根幹にかかわる問題が発生する可能性があります。

 このため、防衛省・自衛隊においては、従来より、我が国の平和と安全を守るための自衛隊の活動に支障を来さないよう、まずは、みずからの情報システム及び通信ネットワークの防護のための能力向上に精力的に取り組むこととしております。

 具体的には、先月二十六日にサイバー防衛隊を新編したほか、自衛隊の各種の指揮システムや情報通信ネットワークの抗堪性の向上、情報収集機能や調査分析機能の強化、サイバー攻撃対処能力の検証が可能な実践的な訓練環境の整備、優秀な人材の育成、確保等、所要の取り組みを行ってきているところであります。

 また、昨年十月に設置しましたサイバー防衛政策ワーキンググループも活用した米国との協力強化を初めとする各国との協議や共同演習、さらに、防衛省及び防衛産業との協力を推進するため昨年七月に設置したサイバーディフェンス連携協議会を初めとする民間部門との協力等を通じて、サイバーセキュリティーにかかわる最新のリスク、対応策、技術動向等を常に把握するように努めております。

 サイバー攻撃への対処は差し迫った課題であることから、自衛隊のサイバー攻撃対処能力の強化に向け、引き続き積極的に取り組んでまいります。

玉城委員 まさに、サイバー攻撃に対しては、見えないところから見えないものがやってくるという感覚でいった方がいいのではないかと思う。ある日突然そこが侵略されていくというふうな、重要な機密が漏れ、さらにそれが侵食といいますか、侵されていくということを考えますと、常に二十四時間、きちっとした体制で取り組むということが、まさに今大臣から答弁があったとおりであります。

 そのような総合的なサイバー攻撃への対処をとっている中における組織改編で、先ほど大臣から、平成二十五年度、サイバー防衛隊の設置がうたわれている件に関して、少し質問をさせていただきたいと思います。

 防衛白書によりますと、サイバー防衛隊のイメージとしては、自衛隊の指揮通信システム隊のもと、サイバー攻撃、インターネット、マルウエアなどの防御、それから各種情報システム、これは陸上、海上、航空自衛隊の各システムを統合的に情報収集し共有するというふうなことがうたわれておりますが、この新編される予定のサイバー防衛隊について、防衛省における新たな任務と、そして、これまでの内閣官房情報セキュリティセンター、NISCとの連携を含めたサイバーセキュリティー対処への取り組みをどのように行おうとするものであるか、伺います。

中島政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員の御指摘いただきましたサイバー防衛隊でございますが、三月二十六日に、一佐を部隊長といたしまして、約九十名の規模で新編しているところでございます。

 特徴的な機能、五点ほどあろうかと思います。

 一点目がまず防護でございまして、御指摘のとおりネットワークの監視。攻撃がどのような形でなされているかということを二十四時間体制で監視いたしますとともに、事案発生時にはそれに対処していく、これが一点目でございます。

 二点目が情報収集、共有でございまして、いわゆるサイバー攻撃に関します情報の収集及び分析並びにその結果の共有、これは従来各自衛隊に分散していた機能でございますけれども、これを一元的に行う、これが二点目でございます。

 三点目が訓練でございまして、統合訓練の実施、評価並びに省内の各機関等に対します訓練支援でございます。

 四点目が、先生今御指摘いただきましたけれども、マルウエア、不正な動きをするソフトウエアでございますけれども、この解析を含みます、いわゆるサイバー攻撃などの手法及び防御手法の調査研究、これも各自衛隊に分散していた機能を一元化してサイバー防衛隊が実施することになります。

 最後、五点目でございますけれども、省内の機関等の対処におきます技術的支援、こういった機能を有しているところでございます。

 それから、NISCに関する支援でございますけれども、こうした活動を踏まえまして、内閣官房セキュリティセンター、NISCと呼んでおりますけれども、こういうところへの要員派遣、それから情報提供、さらには緊急支援チームへの要員派出、こういうことで、政府全体の取り組みにも積極的に貢献したいというふうに考えておるところでございます。

玉城委員 ありがとうございます。

 今答弁の中にありましたとおり、やはりそれぞれの情報を共有する、そしてさらに統合的に運用していく、それが、ある意味でいいますと網の目を細かくしていくというふうなことは、常に、日進月歩という言葉そのものすらもう陳腐化されているような現代のサイバー環境の中にあっては、しっかりと取り組んでいくということについて、今答弁にありましたとおり、日々の活動強化に取り組んでいただきたいというふうに思います。

 続いて、安全保障戦略から、今度は情報機能の強化について、カウンターインテリジェンスの強化について伺いたいと思います。

 国家安全保障に関する政策判断を的確に支えるということで、人的情報や公開情報、電波情報、画像情報など、多様な情報源に関する収集能力をしっかり強化するということと、その能力を有する高度な情報専門家の育成、人的基盤の強化、政府が保有するあらゆる情報手段を活用した総合分析、オール・ソース・アナリシスを推進するということであります。

 そして、そのような情報はNSCに適宜提供し、情報サイクルを効果的に稼働させるということでありますが、このカウンターインテリジェンス機能の強化についての見解、どのような方向性の取り組みになるのかについて伺います。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛省・自衛隊といたしましては、国の防衛という任務を有しております。その関係もありまして、機微な情報を多く取り扱っております。そして、外国による諜報活動からこうした防衛省・自衛隊が保有する重要な情報を防護するため、カウンターインテリジェンス機能というものを強化するということは大変重要な事柄であると認識をしております。

 そして、このような認識のもと、防衛省におきましては、カウンターインテリジェンスを円滑かつ効果的に行うということを目的といたしまして、平成二十一年に防衛省カウンターインテリジェンス委員会というものを設置しております。この委員会が策定をいたしましたカウンターインテリジェンスに関する基本方針に従いまして、カウンターインテリジェンスに関する機能強化等に努めるとともに、カウンターインテリジェンスに関する情報の集約それから共有に努めているところでございます。

 さらに、各自衛隊の情報保全隊を統合いたしまして、情報保全機能を集約化した自衛隊情報保全隊の新編、これは平成二十一年の八月でございますが、こうしたことを通じましてカウンターインテリジェンスに関する情報の効率的な集約、共有に努めておるところでございます。

玉城委員 このカウンターインテリジェンスは、特に、ヒューミントといいますか、さまざまな情報を収集、分析する能力を統合的に高めていくことが必要ですが、最後に、それらに含めて、今度は宇宙空間利用について質問させていただきます。

 安全保障戦略でも、「宇宙空間の安定的利用を図ることは、国民生活や経済にとって必要不可欠であるのみならず、国家安全保障においても重要である。」としっかり位置づけられています。情報収集衛星の機能の拡充強化、自衛隊の部隊の運用、情報の収集、分析、海洋の監視、情報通信、測位といった分野においても、宇宙空間の監視体制の確立を図るというふうにあります。

 しかし、宇宙空間の利用については、防衛省、内閣府、文科省と、所管するその運用や管理体制がそれぞれ異なっておりますが、この安全保障という分野における宇宙空間利用について、それぞれ、できれば端的に説明を伺いたいと思います。

徳地政府参考人 それでは、まず防衛省からお答えをさせていただきます。

 防衛省といたしましては、商用画像から取得した画像を活用した情勢分析、それから商用通信衛星回線の借り上げによります指揮通信など、情報収集、指揮統制、情報通信といった分野におきまして、各種人工衛星を活用しております。

 それから、平成二十七年度に設計寿命が到来いたします現用のXバンド通信衛星、スーパーバード二基につきまして、自衛隊の将来の通信所要の増大を踏まえ、能力の高い通信衛星を確保すべく、平成二十七年度、二十八年度の打ち上げに向けて準備を進めています。したがいまして、防衛省といたしましては、この衛星が打ち上がりますと、初めて衛星を保有するということとなります。

 それから、宇宙のごみ、いわゆる宇宙空間のスペースデブリでございますが、こうしたものの増加、それから衛星機能を阻害する技術の進展といったものを踏まえまして、衛星の抗堪性向上のために宇宙状況監視能力を充実することも重要と考えております。

 このため、安全保障分野における日米宇宙協議などを通じまして、宇宙状況監視に関する日米協力のあり方につきまして協議を進めるとともに、平成二十六年度予算におきましても、内閣府あるいは文部科学省とも連携をいたしまして、調査研究費を計上するなどの取り組みを進めておるところでございます。

西本政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、我が国におきましては、政府関係の衛星といたしまして、先ほど御紹介いただきましたように、情報収集衛星とか、あるいは気象衛星の「ひまわり」とか、あるいは準天頂衛星の「みちびき」など、これを合わせて二十二基の人工衛星を今運用中でございます。これらに加えまして、平成二十六年度中には、ALOS2を含む六基の人工衛星などを打ち上げる予定でございます。また、平成二十七年度以降につきましても、現在計画されているものでも、十八基の人工衛星等を打ち上げるべく開発が進められているところでございます。

 これらの人工衛星等の運用につきましては、内閣衛星情報センターさんとか、あるいは気象庁さん、あるいはJAXAさん等の各機関がそれぞれ責任を持って担当しているものと認識いたしております。

 内閣府といたしましては、安全保障上も人工衛星は非常に重要なものでございますので、司令塔機能の強化に努めまして、宇宙基本計画に基づきまして、総合的、計画的に宇宙利用の拡大に取り組んでまいりたいと思います。

江渡委員長 次に、文部科学省磯谷大臣官房審議官。なお、時間が参っておりますので、手短によろしくお願いいたします。

磯谷政府参考人 御質問ありがとうございます。

 文部科学省、JAXAといたしましては、御指摘のあった人工衛星の開発と利用促進に積極的に取り組んでおります。例えば、本年二月には、地球上の降雨を観測するGPM主衛星を打ち上げたところでございまして、これは、極めて観測精度が高いことで、少ない降雨も観測可能としたところでございます。これによりまして、気象予報や洪水予測の精度の向上に役立つものと考えております。

 それから、先ほど御紹介がありましたように、本年五月には、東日本大震災の際に、津波浸水域の把握に大いに活躍しました人工衛星「だいち」の後継機として、レーダー性能機能を抜本的に向上しました「だいち」二号を打ち上げる予定でございます。災害対策分野において大きな貢献が期待されております。

 文部科学省、JAXAといたしましては、今後とも、関係省庁や幅広いユーザーのニーズを踏まえて、性能の向上など技術開発を推進して、衛星活動に取り組んでまいりたいと思っております。

玉城委員 ありがとうございます。

 まだ答弁が残っているところではありますが、時間ですので終わらせていただきます。

 ぜひ、この問題に関しては、引き続き、全体の統合でNSCとの関係がどういうふうになっていくのかについてさらにただしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。ニフェーデービタン。

江渡委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社民党の照屋寛徳です。

 今回の防衛省設置法改正案には、文官及び自衛官の一体感を醸成するため、内部部局に自衛官を定員化することが盛り込まれました。本来、内部部局は文官主体の組織であり、防衛大臣を初めとする政務三役への政策的見地からの補佐がその主たる任務だと理解いたします。

 内部部局への自衛官四十人の定員化によってシビリアンコントロールに悪影響を及ぼすおそれはありませんか。小野寺大臣の見解を伺います。

小野寺国務大臣 委員御指摘の文民統制ということでありますが、文民統制は、民主主義国家における軍事に対する政治の優先を意味するものであり、防衛省においては、文民たる防衛大臣が自衛隊を管理運営し、副大臣及び政務官が大臣を補佐するといった体制により担保されているものであります。

 また、自衛隊の管理運営に当たり、防衛大臣が的確な判断を行うに当たっては、政策的見地からの補佐と軍事専門的見地からの補佐の双方を適切に受けることが必要となります。

 今般の改革は、内部部局に自衛官を定員化することにより、文官と自衛官の一体感を醸成しつつ、内部部局における企画立案当初から自衛官の軍事専門的知見を恒常的に得ることで、一層厳しさを増している安全保障環境等に対応すべく、防衛大臣の意思決定について、的確性を確保した上で、迅速化を図ることとしたものであります。

 これにより、内部部局による政策的見地からの防衛大臣を補佐する体制が強化されることから、文民統制機能がむしろ強化されるものと考えております。

照屋委員 大臣おっしゃるように、私もやはり、政治と軍事の関係におけるシビリアンコントロールの原則というのは大事に守っていかなければいけないと思います。

 それで、今度の防衛省設置法改正案で、文官と自衛官の一体感の醸成というのをその理由にしておりますが、現在、その一体感の醸成に欠けるような何らかの要因があるんでしょうか。そもそも、一体感の醸成というのをなぜ今回問題にしたのか、もし大臣のお考えがあれば教えてください。

小野寺国務大臣 既にさまざまな、例えば防衛省の内局においても、正確な定員化という形ではありませんが、自衛官がその中に入り、そしてまた事務官と自衛官がそれぞれ専門的な見地から私を補佐するという体制ができておりました。

 今後、その形をより明確化するということが重要だと思い、今回の隊法改正について今御審議をいただいているということであります。

照屋委員 それでは、内閣府にお尋ねをいたしますが、私の住んでいるうるま市に所在をする米海軍基地、ホワイトビーチ地区には、たびたび米原子力潜水艦が寄港をして、半ば母港化しております。

 ところで、東電福島第一原発事故の後、原子力規制委員会は、原発の被害想定範囲を半径十キロメートルから三十キロに拡大をする原子力災害対策指針を策定いたしました。

 一方で、二〇〇四年に国が定めた原子力艦の原子力災害対策マニュアルでは、応急対応範囲として、空母が半径三キロ、潜水艦は半径わずか一・二キロにとどまっております。

 原発と原子力艦で指針が異なることを憂いて、見直しを求める関係自治体の声が高まっておりますが、内閣は見直し作業に着手をするお考えはありましょうか。

亀岡大臣政務官 まさに、今委員が言われたように、政府においては、原子力発電所の原子力事業所における原子力災害の応急対策とはもともと別に、厳しく、我が国に寄港した原子力艦において原子力災害が発生し、または発生するおそれがある場合においては、関係省庁の活動要領として、原子力艦の原子力災害対策マニュアルを平成十六年にしっかりと策定しているところであります。

 このマニュアルでは、関係省庁等における情報収集と集約及び共有など警戒体制の確立、対策本部の設置のほか、避難等の応急対応範囲とその実施手続等、災害応急対策を行うための必要な手続を定めているものでありまして、原子力艦の原子力災害対策の見直しについては、現在政府内で行っている、東京電力の第一原発における事故を踏まえ、原子力安全規制の見直し、検討結果を踏まえた上で、関係省庁において適切に対処してまいりたいというふうに現在考えております。

照屋委員 関連して、外務副大臣に教えていただきたいんですが、御案内のように、原子力艦とか原子力潜水艦が、浮かぶ原発あるいは海上の原発、そういう形容もなされております。

 岸外務副大臣は、ことし一月、横須賀市を訪れ、この指針見直しについて、政府内での議論になお一定の時間が必要であると吉田市長に説明したとの報道に接しましたけれども、私は、米軍の原子力艦安全神話を追認するような後ろ向きの姿勢ではいけないと思う。このマニュアル作成当時は、米側から、原子力艦に搭載されている原子力システムについて、そもそも日本側に具体的な情報はなかったんですから、今の指針見直し、これは国としても積極的に取り組むべきだと考えますが、副大臣の見解を教えてください。

岸副大臣 今委員御指摘の点でございますけれども、本年一月に、横須賀に前方展開をしておりました空母ジョージ・ワシントンが、当時、ロナルド・レーガンに交代になるという連絡を米側から受けました。そのときに、私が横須賀市長のもとを訪ねまして、御指摘の原子力艦の原子力災害対策について御説明をしたところでございます。

 原子力艦の原子力災害対策の見直しにつきましては、今も亀岡内閣府政務官から申し上げましたとおり、現在行っております福島第一原発の事故を踏まえた原子力安全規制の見直しの検討結果等を踏まえて、関係各府省において適切に対処してまいりたいと考えております。

 横須賀市長に対して、このような政府方針を御説明してまいりました。

 また、政府といたしましては、米国政府に対しまして、米海軍の原子力軍艦の安全性につきまして、引き続き万全の対策をとるよう働きかけてまいりたいと考えております。

照屋委員 環境省に尋ねます。

 在沖米軍基地の運用によって生ずる粉じん、あるいは洗機場からの洗浄水飛散、排ガス等による悪臭発生について、関連国内法の適用はどうなっておりましょうか。また、日本環境管理基準に基づき、いかなる国内法が適用されているのか、尋ねます。

小林政府参考人 在日米軍におきましては、日米の環境法令のうち、より厳しい基準を採択する、選択する、そういう基本的な考え方のもとで作成される日本環境管理基準がございます。これに従いまして、在日米軍施設・区域及びまたその周辺地域の環境保全について環境管理を行っている、このように承知をしております。

 主に大気汚染防止法それから水質汚濁防止法、日本にございますこの基準を踏まえてこの日本環境管理基準というのは作成されているもの、こういうふうに考えているところでございます。

照屋委員 環境省、この日本環境管理基準二〇一二年度改訂版によって、米軍基地からの排水について、当該都道府県条例で定める基準値が適用されるようになったと承知をしております。

 沖縄県は、二〇一一年度改正の県条例の基準値適用を求めておるようですが、どうなったんでしょうか。

小林政府参考人 先生の御指摘のとおりでございまして、この日本環境管理基準、通常、二年ごとに見直し、更新をしているものでございます。

 二〇一二年版の日本環境管理基準の更新におきまして、水質汚濁防止法の規定に基づきまして、各地方自治体が行っております条例において定められている排水の上乗せ基準、こういうものも盛り込むということにしたところでございます。

 この基準の改定自体は、日米合同委員会のもとに設置されております環境分科委員会の枠組みを通じて、環境省から在日米軍に対して、最新の環境の法令、これは上乗せ条例も含むわけでございますが、これについて情報提供を行う、こういう協力を行っているものでございます。

 具体的な協議内容についてお答えすることは難しいのでございますが、環境分科委員会の枠組みを通じまして、最新の環境法令などが反映されますように、米軍と協議を行っていきたいと考えているところでございます。

照屋委員 最後に手短に聞きますけれども、嘉手納、普天間基地周辺では、排ガス、これの悪臭で苦しんでおります。それから、伊江島補助飛行場では、オスプレイが巻き上げる粉じんが農作物や洗濯物を汚しております。

 国内法に基づく環境調査は在沖米軍基地やその周辺地域で定期的に実施をしているか、そのことだけお聞きをします。

江渡委員長 小林水・大気環境局長。なお、申し合わせの時間が参っておりますので、手短にお願いいたします。

小林政府参考人 これも、環境省が、日米合同委員会のもとに設置されております環境分科委員会の枠組みを通じまして、在日米軍と協議をしまして、環境汚染の未然防止を目的として、周辺地域に影響を与える可能性があると考えられる米軍の施設・区域につきまして、水質それから大気質について、毎年環境調査を行っております。

 中身については、随時協議をしてやっているということでございます。

照屋委員 終わります。

江渡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。赤嶺政賢君。

赤嶺委員 私は、日本共産党を代表し、防衛省設置法等一部改正案に反対の討論を行います。

 本法案は、安倍内閣が昨年末に閣議決定した国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防を具体化するものであり、断じて容認できません。

 水陸機動団の新編に向けた準備隊をつくり、検討を本格化させようとしておりますが、これは、米海兵隊のような強襲揚陸能力の保有に踏み出すものです。

 敵基地攻撃能力の保有を検討し、結論を出すとしておりますが、歴代政府の憲法見解に照らしても、このような能力の保有が許されるはずがありません。

 北朝鮮の核問題を非軍事、平和的手段で解決しようとしている国際社会の努力の方向とも相入れません。

 軍事に軍事で対抗することは、周辺諸国との緊張を高めるだけです。国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防を撤回し、東アジアに平和的環境をつくるための外交努力を政府に求めます。

 内部部局における自衛官ポストの定員化は、文官から成る内部部局に自衛官を制度的に組み入れることによって、自衛隊の意向をよりストレートに反映させる軍事行政機構をつくろうとするものです。

 また、防衛審議官の新設は、米国を初めとする諸外国との軍事当局間の連携協力を強化し、国際社会における日本の軍事的役割の拡大と武器輸出を推し進めるもので、容認できません。

 以上、討論を終わります。

江渡委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江渡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江渡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

江渡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十八分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.