衆議院

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第10号 平成18年5月9日(火曜日)

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平成十八年五月九日(火曜日)

    午後二時八分開議

 出席委員

   委員長 木村 隆秀君

   理事 石崎  岳君 理事 岩永 峯一君

   理事 加藤 勝信君 理事 松浪 健太君

   理事 山本 公一君 理事 田島 一成君

   理事 長浜 博行君 理事 富田 茂之君

      井脇ノブ子君    岩屋  毅君

      宇野  治君    小杉  隆君

      木挽  司君    近藤三津枝君

      坂井  学君    篠田 陽介君

      竹下  亘君  とかしきなおみ君

      並木 正芳君    根本  匠君

      馬渡 龍治君    近藤 昭一君

      篠原  孝君    高井 美穂君

      村井 宗明君    吉田  泉君

      高木美智代君    江田 憲司君

      野田 聖子君

    …………………………………

   環境大臣         小池百合子君

   環境副大臣        江田 康幸君

   環境大臣政務官      竹下  亘君

   政府参考人

   (消防庁次長)      大石 利雄君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 深田 博史君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局次長)           塚本  修君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        奥田 修一君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  小林  光君

   環境委員会専門員     齊藤  正君

    ―――――――――――――

五月九日

 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七九号)

同月八日

 アスベスト対策基本法の制定、すべての被害者の補償に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一八九九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一九三一号)

 同(石井郁子君紹介)(第一九三二号)

 同(笠井亮君紹介)(第一九三三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一九三四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一九三五号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九三六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一九三七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一九三八号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一九三九号)

 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の改正においてとらばさみ・くくりわなの全面禁止を求めることに関する請願(田島一成君紹介)(第一九五一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六二号)


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     ――――◇―――――

木村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として消防庁次長大石利雄君、外務省大臣官房参事官深田博史君、経済産業省製造産業局次長塚本修君、国土交通省大臣官房官庁営繕部長奥田修一君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君及び環境省地球環境局長小林光君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本公一君。

山本(公)委員 自由民主党の山本でございます。

 環境委員会での質問は久方ぶりになるわけでございまして、もうやることはないだろうと自分では思っておったんですが、この国会、フロン回収・破壊法の改正案が出てまいりました。もちろん私一人がつくったわけでも何でもありませんけれども、自分の国会議員生活十四年の中で一番思いのこもった法案でございました。もう改正の時期が来たのかなと思うと、感無量なものを覚えます。

 平成十二年に、私、当時自民党の環境部会長をやっておりました。小池大臣も、実は、この後法案が成立をしていく過程の中で、保守党の、与党PTの一員でございました。もう当時から環境に関心を持っていただいておったということを非常にうれしく思い、今日があるんだと思っております。

 このフロン回収・破壊法案、公明党さんも民主党さんも、自民党が立ち上げたときにはもう既に法案の準備にかかっておられました。私どもも、このフロンというものをやっつけないかぬという思い、それに輪をかけたのが、当時の、もうこの方も自民党から出ていっちゃったんですけれども、亀井政調会長、亀井政調会長のツルの一声、議員立法も一つも出さないような部会だったらやめてしまえという一言なんです。当時の環境部会長の私は、じゃ議員立法、一体何をやるかといったときに、ある自民党の政調の職員が、部会長、フロンをやりましょうよと言ったんです。私も簡単に飛びついたんです、何たるかわからずに。やろうやろう、フロンをやろうかといって飛びついたところが、とんでもない難しい問題でした。今、こうやって法案ができて改正の時期に来てみると何でもないことのように思いますけれども、とんでもない法案でした。

 もう公明党さんも民主党さんも一つのひな形をつくっていらっしゃいました。これはお許しをいただきたいと思いますけれども、読ませていただいて、いいとこ取りで、これじゃ実効性は余り上がらぬな、どうせやるんだったら実効性の上がる法案をつくってやろうという思いがむらむらとわいてきたものだから、余計話がややこしくなってきた。実は、法案成立までに一年半かかりました。

 さっき申し上げたように、十四年間の国会議員生活の中でもひょっとしたら一番充実をしていた一年半であっただろうと思うぐらい、もうフロンフロンフロンフロン。フロンに反対する者はみんな悪人に見えました。フロンをやっつけようといって同調してくれる人たちはみんな善人に見えた。こいつはとんでもない悪人だと思ったのが、経団連初めさまざまな役所の方々。まあ、最終的にはみんなが協力をしてくれて、みんな善人になってくれて、法律ができ上がっていきました。

 今申し上げた大部分の話は、実はカーエアコンの方の話なんです。今回の改正案は業務用空調機器、これはもういきさつは御存じだろうと思いますが、最初つくったときには第一種と第二種に分けました。第一種が業務用空調機器、第二種がカーエアコン。第一種の業務用空調機器に使われているフロンの最終的な回収・破壊に至るまでの過程というのと、車というものは全く違いました。これは、同時に考えると話がややこしくなってしまう、実効性が担保されないかもしれないということで、二つに分けて物事を整理して進んでまいりました。

 さまざまな業界でヒアリングをする中で、実は、業務用空調機器の業界の団体の方々のヒアリングを、この質問をするということで、昔のものを引っ張り出してきて見てみました。

 ヒアリングの業界の答えというのは、「機器の廃棄時にユーザーが意識をもってアクションをとれば、回収率は飛躍的に向上する。」このペーパーにはこれだけしか書いておりませんけれども、彼らが部会の場で、ヒアリングの場で言ったのは、もう自主的に取り組んでおります、自主的に取り組んでおりまして、業界内部でこういう制度をつくって、まあ言ってみれば、この数字もおかしいんですけれども、五六%という数字、回収率五六%にふさわしい取り組みをやっております、法律ができましたならば、何もしなくても、バックアップしていただいて飛躍的に向上いたしますと言ったんですね。我々、実はこれを真に受けたと言っては語弊がありますけれども、ああそうか、自主的に取り組んで随分回収率も上がっていますねと。

 一方、自動車業界、その五六という数字に比べても当時一八でした。これは自主的に取り組むということになっていながら、回収率は一八%の世界だった。では、こっちの方を主にやっつけようということで、この一年半、時間をどんどんこっちの方に消費していきました。最終的には自動車リサイクル法というのができて、この法律の中から自動車の部分だけは自動車リサイクル法に包含されていきましたけれども、これはこれで非常にうまくいったシステムができ上がったなと自画自賛をいたしております。

 とりわけ自動車リサイクル法というのは、ひょっとしたらこのフロン法案ができなかったら成立はもうちょっと後になったかもしれないというような気がいたしておりますので、自動車リサイクル法を早目に成立させることができたのはフロンでしりをたたいた結果だというふうに自負をいたしております。

 一方、翻って業務用空調機器の方。今回の法改正の趣旨説明の中で、三割になんなんとする数字、遅々として進まないということが法改正の一つのきっかけというか要因だというふうに書いてありました。ユーザーが意識を持ってアクションをとれば回収率は飛躍的に向上する、法ができたら、後押しをしてくれて、今やっている回収作業がより進むでしょうと業界はおっしゃったんです。私は非常に、今回の改正案の説明を見るときに、あのときに彼らが言った言葉と全然違うな、結果はこうだったのかというような気がして残念でなりません。

 小林さん、今私が言ったことについて間違いありますか。

小林政府参考人 いつも御指導を受けておりますけれども、数字の認識等々、まさしくそのとおりでございまして、業者の方にもいろいろな誤りというか、認識の違いもあったのかと思います。ここで業者の方の弁明をする気もございませんけれども、数字についてはもう御指摘のとおりだというふうに認識をしております。

山本(公)委員 当時から、実はこのフロンの回収率という数字、河野太郎君が特に、一体分母はどういう数字なんだ、分子はどういう数字なんだ、どこにどういう根拠があってこういう数字が出てくるんだということを彼はかなり厳しく言っておりました。ただ、私が彼に言ったのは、実際問題、分子や分母も、それは難しい基礎データがあるんだろう、回収可能容量とかといういろいろなことがあって。ただ、言えることは、業務用空調機器はこれだけ自主的に進んでいるけれども、カーエアコンは進んでいないんだよね、その点だけとらえればいいんじゃないですかという数字の見方をしていたんです、当時。今回、三割しか進んでいない。

 まあ、フロンというものは本当に、私も現場に行ってみてつくづく思ったんですけれども、無色無臭、人畜無害。有害なのはオゾン層。本当に簡単に抜けるんですよね、シュッと。瞬間の音です。ある自動車解体業者のところへ行ったときに、こういう言い方を彼らがしたんですね。私らはこの自動車を解体して、この部分は売れると思ったら分解して置いておくんです、この部分はもう廃棄物だな、売るところはないなと思ったら捨てるんです、フロンもお金になったらやりますよ、商品として、フロンもお金になるんだったら回収しますよと彼らは言ったんですね。

 そうやって、自動車の方はある意味でお金もつくるようにしました。大変な苦労をしたけれども、お金もつくるようにしました。そして、フロンを最終的に回収した方が破壊業者に持っていき、そのいわゆるお金を代価として払うようにきちんとしました。

 一方のこの業務用空調機器、何回も言いますけれども、彼らは、自主的にできると言ったんです。確かに難しい話がいっぱいあった。大きなメーカーの大きな業務用空調機器の世界はできるんでしょう。魚屋さんや野菜屋さんのショーケース、これだって業務用空調機器なんですよ。ここまで把握できぬと。そういうややこしいことがあったから外したわけじゃないんですけれども、ただ、彼らの業界全体、今振り返ってみると、みんな来ているんですね。日冷工、日設連、自販機工、全清飲、ありとあらゆる方がみんな来て、自主的にやっていますとおっしゃったんです。

 私は、今回の法改正で、多分、我々が五年前にやり残したことをカバーしてくれる、補足してくれると思っているんですが、小林さん、そういう自信はありますか。

小林政府参考人 前回の議員立法でつくっていただいた法律、自動車リサイクル法の先鞭にもなりました。そういう意味では、大変フロンの発生源の大きな部分を防いだ法律でございます。

 業務用空調機器につきましては、やはり量が相当多い、こういうことでございまして、現在の市中量でも三十三万トン、この回収率が悪いということでございます。その内容を、今回、中央環境審議会等々で議論いただきまして、何ゆえに回収ができないのか、私も現場を見せていただきましたが、そういったところで、問題のあるところについてふさいでいこうという法律でございます。

 一端を申し上げれば、例えば、解体工事のときに機械が壊されてしまうというようなことがございますので、ビルの施主さんの側の責任はもちろんございますけれども、解体業者さんにもこれにかんでいただいて、フロンがあるかないかをちゃんと見て、そして、この解体に当たってはフロンの回収は要りますよということを言っていただくといったようなきめ細かな仕組みを設けるというところがエッセンスかと思いますけれども、そういった仕組みを設けて、今おっしゃったとおり、ふたをしていこうというふうに考えてございます。

山本(公)委員 確かに、業務用空調機器の世界は事業者対事業者という相対の世界なので、若干ビジネスというものが介在しているので、このいわゆる人畜無害なものを処理することについては、うまく逃げる人は逃げることが可能な世界なんだろうというふうに思っているんです。

 今回の法律で、それをどこまでカバーしてくれるのかなという思いがあるんですけれども、確かに、調べてみると、この法律には書いていないと思うけれども、自主的な管理組織というのを彼らはちゃんとつくっているんですよね、全県下、全国に。だから、そこがうまく機能しているかしていないかという話に最終的になっていくんだろうと思う。一応、法律上は県知事が云々とか書いていますけれども、県知事というか、私に言わせれば、環境省及び環境省の出先、やはりこのあたりがうまくこの組織に対してチェックを果たすことができたら、より効率よくできているはずのこの組織が回るんじゃないかなといつも思っている。

 確かに、環境省、人手がないからそんなにはなかなかやりにくいということはよくわかっているんですけれども、何かしらそういうものが働かないと、せっかく業界内部が自主的につくっている、彼らに言わせるといい組織、私も、客観的には、この組織図を見たらいい組織だなと思うんだけれども、だから、それがうまく動くためには、やはり何かしらのものがうまく作用しないと、何度も言いますように、人畜無害のものですから、不法投棄しようが何しようが全くわかりません。わからない世界で済んでしまう話なので、何かしらそういうことを今後とも考えていくような気持ちは、小林局長、ないですか。

小林政府参考人 議員立法から閣法ということでバトンタッチをさせていただくわけでありますけれども、組織を挙げて、今御指摘のとおり、こういった地域の取り組みといったものを支えていきたいと思っております。

 今御質問にありましたものは、地域の協議会の御指摘かというふうに承りましたけれども、そういった協議会が非常に盛んな地域ではフロンの回収率が高いという実績もございます。私ども、どんな予算措置が講じられるかわかりませんが、新しい法律を成立させていただいた暁には、これにのっとりまして、地域の取り組みといったようなことも支えていきたいというふうに考えてございます。

山本(公)委員 多分、後の委員の方の御質問にも出てこようかと思うんですけれども、このフロンの問題の議員立法をつくるときに、私どもは、業務用空調機器と、そしてカーエアコンに特化した法律をつくりました。例えば断熱材であるとか、やり残したものがいっぱいあるんです。だけれども、当時は、断熱材の中に含まれているフロンの処理の仕方は技術的に非常に難しいという話等々もあって、二つのことに特化した法律にしていったんですけれども、やはり、このあたりも今後ある程度法整備していくということを視野に入れておく必要があると私は思っております。

 長くしゃべるつもりはありませんけれども、改正案が出たからといって、私は、フロンの対策としてこれで終わりだと決して思っておりません。ただ、改正案が出る以上は、きのうよりはきょう、きょうよりはあす、よくなっていくんだと私は思っております。当初つくった我々の法律よりも、この改正案が出ることによって、半歩でも一歩でもこのフロン対策が前進をしたんだということを私は思いたい。

 このフロンの法案をつくるときに、一年半かかる間に途中で投げ出そうとしたときがありました。正直言いまして、もう自民党内部からはたたかれるわ、業界からはたたかれるわ、これは一つもいいことないわ、やめようかと思ったときに、やめるなと言ってくれたのは、環境省の当時の若い官僚、そしてもう一つはNPOの諸君なんです。彼らが、やめるなと。最終的にでき上がったときに、法が成立したときにNPOの方が言ってくれた最大の私に対する褒め言葉、よくぞ自民党でこんな法律ができましたねと言ってくれました。これは、私は、多分これからも忘れない言葉だと思う。

 それぐらい思い入れの強い法案なんですけれども、ぜひ改正案を機に、環境省のいわゆる所管の部分、さっき申し上げたように、皆さんが目を光らせて、このフロンの撲滅に向かって頑張っていただきたいなと思います。

 以上で終わります。

木村委員長 次に、高井美穂さん。

高井委員 民主党の高井美穂です。引き続きフロンの法案、よろしくお願いいたします。

 ゴールデンウイークを挟んで少し間があいてしまいましたけれども、小池環境大臣におかれましては、お元気で国会に戻られましたことを心からまずお喜び申し上げます。男性よりも女性の方が十倍頑張ってしまうというようなコメントが新聞に載っておりましたけれども、御自分のお体の管理はぜひともお気をつけられて、国会の審議にさまざまに影響が出ますので、御無理なさいませんように重ねて申し上げたいと思います。

 実は、フロンの質疑に入る前に一つだけ少し確認させていただきたいことがございます。

 最近の新聞等で相次いで報道された環境省関連の談合問題についてなんですけれども、五月六日付の毎日新聞の夕刊に大きく一面トップで取り上げられておりました。これは、汚水処理施設建設工事をめぐる談合事件を主導したプラントメーカー十一社が、環境省所管の業界団体、社団法人日本環境衛生施設工業会というところですか、これの分科会名目で三回ほどゴルフのコンペなどを伴う旅行会を開いていたというような報道がございました。きょうの読売の朝刊にも、環境省関連で汚泥・し尿処理施設建設をめぐる談合事件のことがまた取り上げられております。

 連日騒がせております事件の件なんですが、司法の取り扱いについては公正取引委員会や検察庁が担当されておられると思いますので、捜査上のことはもうこの場でお尋ねはいたしません。しかし、問題となっておりますこの社団法人の関係や、加盟のプラントメーカーに対する行政上の指導や監督権限というのがやはり環境省にはあるはずだと思います。この点に関して、この問題に対する対応をお聞かせいただけたらと思います。

由田政府参考人 御指摘の報道内容の事実関係につきましては、御質問にありましたように、公正取引委員会の調査等を待つ必要があると考えておりまして、言及は差し控えさせていただきたいと思います。

 し尿処理施設をめぐります昨年来の公正取引委員会の調査や大阪地検の捜査も踏まえまして、これまでも社団法人日本環境衛生施設工業会に対しまして、不正行為への関与はあってはならず、工業会の活動について十分注意するように伝えてきております。今後の公正取引委員会の調査等を見守りまして、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

高井委員 談合等で貴重な税金が無駄に使われるようなことがあってはならないというふうに思います。増税の議論がなされている中でもございますので、どうぞ重々お気をつけいただいて、いろいろな御指導をお願いしたいというふうに思います。

 それでは、本題に入ります。

 先ほど来、山本先生からさまざまな今までの御労苦のお話がございました。私も若いころムースを使ったりして、フロンというのがいかに有害であるか知らなくて使っていたことを、今から思いますと大変環境悪化に加担したのではないかというような気持ちもありまして、知らないということは怖いことだなというふうに改めて感じているところであります。

 フロンは、冷蔵庫やエアコン、発泡剤、エアゾール等さまざまなものに使われているということで、我々の生活を豊かにしてくれたということは事実であろうと思います。しかしながら、フロンがオゾン層を破壊して、地上に到達する前に有害な紫外線が増加して、皮膚がんや白内障などの健康上の被害の発生の原因となるおそれがある等、それから生態系への影響をもたらす等の懸念があるというふうに聞いておりますが、オゾン層破壊物質の代替物質として近年多く用いられるようになってきたHFCは、オゾン層破壊物質ではないということではございますが、温室効果もあり、京都議定書においても排出削減の対象とされているところでございます。

 オゾン層の保護のためのウィーン条約が一九八五年に、それから、より具体的な対策を盛り込んだモントリオール議定書が一九八七年に採択され、オゾン層保護に国際的な取り組みが開始されてから約二十年がたったということでございます。はや二十年がたっている中で、一たん破壊されたオゾン層が回復するにはその何十倍もの時間がかかるということでありますから、着実な対策が必要だというふうに思います。

 それで、具体的に、オゾン層保護のためのこれまでの取り組みと効果について、少しお伺いしたいというふうに思っています。

 国際的なフロン消費量の現状とオゾン層破壊の現状はどのようになっているのでしょうか。将来的な回復の予測等がありましたら、教えていただけますでしょうか。

小林政府参考人 御説明申し上げます。

 フロンの排出とオゾン層の関係、そして国際的な取り組みについては委員御指摘のとおりでございますので繰り返しを避けますが、一九八九年以来、具体的な取り組みというのが行われております。その結果はどうか、こういうことでございます。

 一番多く使われておりましたフロンは、CFCの11、11と言っているものでございますが、これのオゾン層の破壊効果を一とした換算で、いろいろな種類のフロンがございますので足し算をして申し上げたいというふうに思っておりますけれども、一九八九年、モントリオール議定書の規制の開始年におきましては、CFCを中心に世界じゅうでは百万トンを超えていた、これは消費量と言っておりますが、生産量とそれから輸出入量でございます。そういった消費量が、二〇〇四年には、その規制の効果がございまして、CFCについて見ますと六万トン、そしてHCFC、代替物質の一部でございますが、これについては約一万トンということで、排出量がそれに大体見合うと思いますけれども、大幅に削減されたというのが現状でございます。

 ただ、御指摘のオゾン層の状況というのは、フロンが大気中で壊れるのに大変時間がかかるということもございまして、現在のところは悪くなったままということで、南極のオゾンホールの大きさ、現時点では、残念ながら縮小する兆しはまだ見えていないということでございます。

 予測によりますと、現在が一番悪くて、今後、オゾン層は大体今世紀の半ばごろには回復をするのではないかというふうな予測が立てられておりますが、今後のモントリオール議定書の世界的な実施というのが非常に重要だ、かぎになるというふうに考えてございます。

高井委員 相当の努力も必要かと思います。

 それでは、この約二十年間の我が国のフロンの消費量はいかがでしょうか。どのように推移しているか、教えていただけますでしょうか。

塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 この二十年間の我が国のフロンの消費量の推移ということでございますけれども、フロンの消費量につきましては、先生のお尋ねにもありましたように、モントリオール議定書におきまして、生産量と輸入量を足しまして、それから輸出量を引いた量、これが消費量というふうな定義になってございます。これにつきましては、平成元年より、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律及び外国為替及び外国貿易法に基づき消費量の規制を実施しているところでございます。

 それでまず、規制が始まりました平成元年につきましては、規制対象フロンはいわゆるCFCになるわけでございますが、オゾン層の破壊係数で換算しました実績としては、当時約十一万トンの消費量がございました。これが議定書の規制スケジュールにのっとりまして、平成八年には我が国では全廃となっているというふうな状況でございます。

 それからまた、平成八年以降、これはCFCの代替物になるわけですけれども、新たにHCFCが規制の対象となりました。規制開始時点では、同様にオゾン層の破壊係数で換算した実績としましては、年間約四千トンの消費量がございました。議定書に基づきまして、二〇二〇年にHCFCというのは全廃をしていくというスケジュールになっておりますけれども、現在、その段階的な削減の過程ということでございます。

 ただ、御案内のように、業務用の冷凍、冷蔵機器の冷媒にHCFCがまだ使われているということで、それなりに削減してきておりますけれども、平成十六年段階で四千トンであったものが今は一千五百トンということで、大幅な削減をしてきている状況でございます。

 いずれにいたしましても、さらにこれらの全廃に向けて努力をしていきたいと思っております。

高井委員 産業界挙げた支援と取り組みもぜひともお願いしたいというふうに思います。

 効果が出るまでにオゾン層対策というのは時間がかかるものでもございますので、引き続き対策を続けていくとともに、オゾン層を守るためには、我が国の取り組みだけではなく、やはり国際的な取り組みが必要だというふうに考えます。

 モントリオール議定書に基づいて先進国ではCFCの生産が既に全廃されているということでございますが、途上国ではこれから対策が必要だというふうに思います。途上国での対策がきちんと行われるよう我が国も支援していく必要があるというふうに思います。

 我が国としては、発展途上国へのフロン類の排出抑制対策について、積極的な支援、協力等、政府としてはどのような取り組みを行っているか、教えていただけますでしょうか。

深田政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、これは国際的に一体となって取り組んでいかなきゃいけないということであるわけですけれども、議定書で定められたオゾン層破壊物質の消費、生産それから輸出入を規制する、こういう措置を自力で実施するというのは、途上国の多くにおいて、やはり資金的あるいは技術的に難しい、こういう場合があるわけですね。

 したがって、こういう途上国を支援するために、九〇年に多国間の基金というものがこの議定書のもとで設置されております。この基金は、先進国を中心に各国が資金を拠出して、それをもとに世界銀行、UNDP、UNEPあるいはUNIDOといった国際機関が途上国において、そういうオゾン層の破壊物質を使用している生産施設の破棄だとか、あるいは代替物質にかえていくとか、こういったプロジェクトを実施する、こういうことでございます。

 そして、この基金の予算は三年ごとに定められておりまして、現在は二〇〇六年から二〇〇八年までの予算ということで、これは総額で四億七千万ドル定められております。この総額に対して、各国、国連の分担率に応じて拠出をすることになっておりまして、我が国は二二%ということで約八千八百万ドル、これはアメリカに次いで第二位の拠出国になっていて、これだけの資金を供与しておる。

 単に資金を供与するだけでなく、こういう途上国でプロジェクトを実施する際に、資金を拠出した国がその拠出金の一定の範囲内でイヤマークを行うことができるわけですね。例えば、日本として、この途上国でこういうプロジェクトを実施したい、こういうプロジェクト提案を行うことができるわけです。それがこの基金のもとに設置された執行委員会で審議されて採択されたら、そのプロジェクトが、先ほど申し上げた国際機関によって実施される。

 したがって、日本はお金を出すだけでなく、積極的にプロジェクトの提案をやっておりまして、現在まで十七のプロジェクトが既に承認をされており、現在実施あるいはこれから実施されていく、こういう状況になっております。これはマルチの取り組みです。

 それからもう一つ、バイでの取り組み、これは二国間のODAを用いた協力ですが、これは主に技術協力ということで、国際協力機構、JICAを通じて途上国政府の担当官などを呼びまして、それでオゾン層の保護対策あるいは代替技術などに関する研修をJICAで行っておるということで、過去五年間に約七十名が参加しております。

 こうした技術協力を通じて、途上国の能力の向上にも日本として貢献をしておる、こういうことでございます。

高井委員 ありがとうございました。

 私の選挙区は徳島県なんですけれども、お隣の高知県の高知市に大旺建設という会社がございまして、この会社は、名前のとおり、もともと建設会社でございます。ただ、女性の技術者を積極的に採用したり、女性の視点からさまざまな建築工事に力を入れている一方で、フロンやPCBの分解無害化の技術を発明して事業化している会社でございます。

 我が国のフロン破壊装置のシェアナンバーワンだそうでございまして、この大旺建設という会社が京都メカニズムによる温室効果ガスの排出権ビジネスの一環として、総合商社などと一緒に中国の方にフロン処理プラントを建設したというニュースが新聞に載っておりました。

 これ自体は、私は、今後の日本の海外援助、国際的な環境対策の取り組みとして高く評価できると思うんですが、同社の方に実は電話してお話を伺ったところ、ODAなど国の助成制度を申請しようとしたら、基準に合わないということで、補助、助成を受けられなかったということでございました。

 制度ができたときのタイミングとかさまざまな要因はあったんだろうというふうに思いますが、こういうプロジェクトこそ、また本来国が力を入れるべきところでもあると思いますので、制度の運用など十分に配慮していただけたらというふうに考えますが、政府のお考えがあればお聞かせください。

小林政府参考人 今御指摘の案件、温暖化対策で国際的に取り組みを進めていこうということでございまして、CDM事業ということになろうかと思います。この間御審議賜りました温暖化対策推進法の方で京都メカニズムということで、全体として、日本の例えば技術資金で途上国の削減対策を進めていく、こういった事業の候補として、大旺建設の方から、HFCの23、これはHCFC22をつくるときの副生物で、使いようのないものでございますが、従来は空気中に捨てられていた、これを破壊する施設について、そういったCDMプロジェクトにしたらどうかという御提案があったというふうに承知をしてございます。

 結論から申し上げますと、どういった事情で実際に補助を受けられなかったのか、最終的には御申請がなかったというふうに承知をしておりますけれども、その事情については、もし御関心ということであれば調べさせていただきたいとは思いますけれども、いずれにいたしましても、そういった事業を一生懸命進めていくということは非常に大事だというふうに考えてございまして、私ども、例えば、そのCDMプロジェクトのフィージビリティースタディーだとか、あるいは実際に設備をするときの補助金、そして今度新しく、法案をこれから参議院で御審議いただきますが、それが認められた暁には、そのCDMプロジェクトでできましたいわゆる認定削減量、これを政府として買い上げる、こういった仕組みでも援助ができていくというふうに思っておりますので、今御指摘、おしかりもありましたけれども、そういった御指摘、おしかりをいただかないように、きっちりと民間の方々の努力を支えていきたいというふうに考えてございます。

高井委員 ありがとうございました。

 私も本当に細かい事情は聞かなかったんですが、実際にやっているビジネスがいいことであれば、ぜひとも支援していただけるようによろしくお願いいたします。

 それでは、法案の中身の方、課題等についてもう少しお聞かせ願えたらと思います。

 フロンの生産を制限することによって、国際的な取り組みでオゾンを守るという取り組みが行われておりますけれども、地球温暖化等の効果を考えると、既に生産されていて現在使われているものに対しても回収を進めて、やはりより確実にオゾン層回復を図る観点が大事だというふうに思います。

 我が国においては、オゾン層破壊物質の生産規制に加えて、これまでも、先ほど来お話ございましたとおり、フロン回収・破壊法等に基づいても、破棄される機器からフロン類を回収する法制度を整えてやってきたということでございますが、必ずしも十分な回収が行われていないということでございます。

 今回の改正案が十分に機能するかどうかはこの運用次第だというふうに思いますので、幾つかの点について確認をさせていただきたいというふうに思います。

 フロンが大気中に放出された場合に、どのように感知してこの排出源を特定して対策を講じることができるのか。建築物の解体前に、所有者がフロンの回収費用を逃れるために故意にフロンを排出させるようなことを防止するにはどうすればいいのか。今回の改正案では、フロンの大気中への放出を防止するためにどのような措置が講じられているか、お答え願えますでしょうか。

小林政府参考人 御指摘のとおり、我が国の特殊性といいますか独自性というのは、生産規制によることだけではなく、生産規制されたものは、残りはすべて大気に放出しても構わないということではございませんで、使っているフロンについても回収をし破壊をし、大気には出さないようにしよう、こういうことでございます。

 そういうことで、現行法、これは先ほど山本委員から御指摘のあった現行法でございますが、ここにおきましても、一番中核的な規定といたしましては、みだりにフロン類を大気中に放出した者には一年以下の懲役または五十万円以下の罰金ということで、いわゆる直罰規定が設けられてございます。

 御質問の点は、しかし、実際にはみだりな放出というものを、見張っていればともかくとして、なかなか立証は困難じゃないか、この直罰規定だけではなかなかふたをかけたことにならないのではないか、今回の法案では、そこでどういう取り組みをしているのか、こういう御質問だったわけでございます。

 今回の改正案におきましては、まずはフロンの引き渡しを書面で捕捉する、そして書面で管理するという行程管理制度を導入するということが一つのポイントでございます。そして、こういった行程管理制度に伴ってやりとりされます引き取り証明書等をきちっと保存していただくということでございます。さらに、この点に加えまして、実際に機器を廃棄する方に対しましては、都道府県知事から指導、助言をするあるいは立入検査をするといったような新たな権限を設けてございます。

 そういうことで、例えば、これはビルのオーナーなんかが空調機器を廃棄するというときに、フロン類が充てんされた機器を廃棄したんだけれども引き取り証明書が保存されていないとか、そういったことではございますけれども、そもそも頼んでいないとかいうようなことがございますと、都道府県知事によります調査あるいはその結果を踏まえて指導することができるということで、書面になることではございますが、全体の仕掛けといたしまして、故意にフロンを排出するということの極力歯どめをしていこうというふうに考えている次第でございます。

高井委員 都道府県知事が指導、助言、勧告等ができるという規定が新設されているというお話が今出ましたけれども、恣意的な指導によって、中小企業の事業者に過大な負担がかかる、そういうことはないのでしょうか。

小林政府参考人 当然、指導、助言、勧告、命令といった知事の権限というものは法律事項でございまして、その範囲でしか実行できないということになります。

 今回の改正で提案させていただいております点を申し上げますと、新たに指導、助言の対象となりますものは、例えば、空調機器の整備をする人がフロン類を回収するということを回収業者に委託する場合、そして、さらに、実際にフロン類の引き渡しが行われるというようなことがちゃんと行われているかどうか、あるいは、先ほど山本委員にもお答えをいたしましたけれども、解体工事の元請業者さんが実際にビルに入りまして、空調機器があって、そこにフロンがあるかということを調べて、そして、それを施主さん、廃棄する方に、入っていますよというようなことを言わなきゃいけない、こういうことでございますけれども、そういったことがきちっとされているかどうか。こういったことが不十分であった場合に、それぞれの義務の方々にその義務を履行するように促すという限りの指導を行わせていただく、こういうことでございます。

 なお、念のため、当然、法律が成立をしましたら、その運用につきまして、いろいろ説明会等をやらせていただきたいと思いますので、今委員御懸念の点は、そういった過度の指導、助言がないように注意をしてまいりたいというふうに考えてございます。

高井委員 お話がありましたとおり、整備時のフロン回収に対しても、機器を廃棄する際のフロン回収と同様に、規定が整備されることというふうにこの法案でなっておりますが、行程管理制度自体はこの部分には導入されておりませんね。この整備時のフロン回収について、行程管理制度を導入すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

小林政府参考人 実際に整備を行う方々が、事実上回収を行う方々であるということでございますので、そこの引き渡し自身については書面をもってやることはないのではないか、実態面を踏まえた、過度の規制にならないようにという配慮でございます。

高井委員 それから、産業廃棄物等のマニフェスト制度では、電子マニフェストの推進というのが行われていますけれども、今回、新たに導入が提案されているこの行程管理制度の中では、電子化が制度化されておりません。検討要項としてあるのかどうか、お聞かせください。

小林政府参考人 御指摘のとおり、マニフェスト制度につきましては、廃棄物の管理の方で定着をしてきているわけでございまして、私どももそれを参考にしたわけでございます。

 結論から申し上げますと、廃棄物の処理につきましては、日常の行為として排出事業者さんが実際に処理業者さんにお願いをするというようなことでございますけれども、このフロンの空調機器の場合には、空調機器、建物ともうほとんど運命をともにするような、数十年の寿命だったりというようなことがございます。短く見ても十年に一度といったようなことでございまして、なかなか電子マニフェスト制度をつくるまでの手続といいますか利用の勝手といいますか、それによりますところの施主さんの費用の合理化といったことが余り期待できないのではないかということで、今回は普通の書面によるマニフェスト制度ということを考えた次第でございます。

 御指摘の点については、実は中央環境審議会でも議論があったところでございますが、そういったような結論になったということでございます。

高井委員 フロン類の回収が必要な場合として、機器の廃棄時に加えて、整備時とか部品のリサイクル等を目的としてリサイクル業者に譲渡する場合も追加されていますが、これがうまく働けば回収率はかなり向上するというふうに思います。

 例えば、この業務用冷凍空調機器が中古品として譲渡される場合は、フロン類の回収業者への引き渡し義務は生じないということでございますが、中古品といいながら、実際にそれがもう使えない、スクラップになってしまった場合は、フロン類の回収が適切に行われないのではないかというふうに思いますが、この点、いかがでしょうか。

小林政府参考人 そういった御懸念もあるわけでございますので、今回の法律につきましては、実際にフロンの回収義務というのは、スクラップといいますか、リサイクルのとき、こういったときにもかかるということで、その後スクラップをいよいよされる段階でその回収義務を発揮しなきゃいけないということになっているわけでございます。こういうことを明確にしたというのが、今回の法改正の提案の一つのポイントでございます。

 さらに、その場合でも、悪意を持って、あえて中古品として引き取ってスクラップをしてしまう、そしてフロンの方は捨ててしまう、こういうことがあるのではないか、こういうことでございますけれども、この辺になりますと悪意の話ではございますが、関係の業界に対して今回の法改正の趣旨といったものを周知徹底いたしまして、そういったことのないようにしていきたいというふうに考えてございます。

高井委員 関係者に対しても制度の中身について十分に周知するというお話もございましたけれども、どのような周知の仕方を行うのか、お聞かせいただきたいと思います。

 この改正法の対象となるビル管理業者等には、個人のビルオーナーや営業用の冷凍機器の中古品を扱うリサイクル業者、いわゆる古物商とかいう方も少なくないというふうに思います。先般から、PSE問題でかなり騒動が起こっておりましたけれども、個人の業者さんに対しても周知徹底が図られる必要があるのではないかというふうに思っています。

 これは、月曜日の新聞ですが、環境関係の広告、チーム・マイナス六%、大きくこうやって出ておりましたのを私も拝見いたしました。こうやって環境行政に対して大変に広告費をかけて周知、宣伝をしているわけでございますから、これは全紙一面となると相当お金もかかるだろうと思います。個々個別の法案に対する丁寧な個人への周知、指導の方がもっとより大事だろうというふうに私は思うんですけれども、どのように中小零細企業の方やオーナーの方にお知らせをするのか、お聞かせください。

小林政府参考人 フロンを使われる方、大変幅広いわけでございまして、こうした方々がきっちりとフロンの回収・破壊の義務ということを認識していただかなきゃいけないのは、もうそのとおりでございます。

 予算的には、今年度の新規事業ということで、既に予算に盛り込ませていただきました業務用の冷凍空調機器フロン回収強化対策推進費、金額を申し上げますと、多い少ないあろうかと思いますが、三千四百万ということで、こういった周知徹底をしていく費用をちょうだいしてございます。

 ポイントといたしましては、やはり、めったにフロンを廃棄されないビルのオーナーさんというよりは、建物の解体元請業者さんといったような方々、それから空調機器の日ごろの整備点検をされる整備の専門業者さん、こういった方々が実際に機器を見に行くわけでございます。また、オーナーさんにいろいろなことを申し上げる、そういった立場にございますので、肝としては、こういった方々を中心にした普及啓発、周知徹底というのに特に力を入れて取り組んで、今申し上げたような予算の合理的な執行を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

高井委員 三千四百万という話でございましたけれども、全面広告、これを全国紙四紙で拝見したんですが、恐らくこれだけでももう三千四百万はとうに超えているのではないかというふうに推察します。十分な周知徹底ができるか少し懸念は残るんですが、ぜひとも御努力をお願いしたいというふうに思っています。

 それから、残り時間で、このフロン回収・破壊法の対象とならない用途のフロンの対策についても少し確認をさせていただきたいというふうに思います。

 根本的な対策を講ずるためには、やはり今回の法案で対象とならなかった部分に用いられているフロン類の排出抑制、それからフロン類以外のオゾン層破壊物質の対策も多分重要であるというふうに感じます。それらについての対策を少しお伺いいたします。

 例えば、コンピューターとか精密機器の掃除に使うダストブロアについては改正法の対象とはなっていません。同じフロンでありながら、業務用冷凍空調機器に充てんされているものは大気中への放出を禁止するということではありますが、ダストブロア等に用いられているフロンについて何ら規制を行わないのは少しアンバランスではないかというふうに思いますが、ノンフロン化の促進等政府の取り組みを教えていただきたいと思います。

小林政府参考人 ダストブロア、確かに、従前でございますと、HFCの134a、134aと言っておりますが、温暖化係数でいいますと、CO2の一千三百倍といったようなことで、かなり強力な温室効果ガスが使われていたということでございます。しかし、LPGみたいなはっきりした可燃ガスというわけにもまいらないということで、従来、HFCを使われていたわけでございますが、私ども、今回、法案に入る入らないは別といたしまして、やはりきっちりとそういったもののノンフロン化とかあるいは温室効果ガスの低減といったことを進めていかなければいけないというふうに認識をしておりまして、平成十六年に、グリーン購入法に基づきますところのダストブロアの判断基準、これ以下の温室効果ガスでないと買うのはいかがかということで既に基準を定めております。

 そういった基準は、実は、温室効果係数でいいますと、さっき申し上げました一三〇〇に対して一五〇ということになっておりまして、かなり低い温室効果ガスのブロアにかえるということが進められてございます。また、そういったグリーン購入の進展を受けまして、事業者の努力で、機械式で空気を噴射させるものあるいは二酸化炭素が充てん剤になっているもの等々、新しい製品も出てきてございます。

 こういったグリーン購入法、政府は最大の消費者でございますから、そういった消費者パワーも使いながら、新しい製品が市場に受け入れられていくように努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。

高井委員 と言うからには、やはり、環境省や国環研などでは、国の機関や独立行政法人等ではダストブロアは使用されていない、まだ一〇〇%ではないかもしれませんが、できるだけ使用を控えるようにしていただきたいというふうに思っています。

 時間がございませんので、次の質問に移ります。冷媒用途に次いで市中ストックが多い建材用断熱材のフロン対策について教えてください。

 冷媒フロンの回収だけでなくて、建材用の断熱材に用いられているフロン類についても回収を進めることが必要だというふうに考えます。この点はいかがでしょうか。

小林政府参考人 断熱材フロンの対策というのも非常に重要でございまして、現在の法律の附則におきましても、そういったことについての検討をするようにということが言われております。それを受けまして、私ども、専門家によりますところの調査研究ということを行ってきました。

 その結果を申し上げますと、実際に断熱材に入れましたフロン、建物の解体時までにはかなり大気中に散逸してしまうというようなこと、それから、フロンが入っているのかどうかというのが、なかなか現場で識別したりあるいはそれを分離するといった方法がございませんで、結果、処理施設まで全量持ってこなきゃいけないというようなことでありまして、結論から申し上げますと、断熱材のフロンの回収を法的に義務づけるというのはなかなか困難だ。これは、私が申し上げるというよりは、むしろ中央環境審議会で御議論いただいたわけでございますが、そういったような結論になってございます。

 では、どうするのか、こういうことでございますが、ノンフロン化、発泡剤等でございますからそれをフロン以外の物質にかえるということが一番大事ではないかというふうにも考えてございまして、先ほど申し上げましたグリーン購入法あるいは公共工事における率先利用といったようなことがそのきっかけになろうかと思いますが、こういうことで推進をしてまいりたいというふうに考えてございます。

高井委員 ノンフロン化のお話が出ましたけれども、ちょうど衆議院会館や参議院会館が建てかえとなるに際して、ノンフロン化のものが用いられるのかどうか、教えてください。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども国土交通省官庁営繕部が整備いたします政府関連の建物に使用する断熱材につきましては、ただいまお話のありました、いわゆるグリーン購入法に基づきます基準にノンフロン断熱材の要件が規定されるに合わせまして、平成十七年度までにすべての断熱材についてノンフロンのものに切りかえております。

 御指摘の衆議院、参議院の議員会館の建てかえにつきましても、平成十七年度に発注手続を行っておりますので、ノンフロン断熱材を使用することを条件としております。

 以上でございます。

高井委員 政府が最大の購入者というお話も先ほどございましたけれども、隗より始めよの言葉どおりで、やはり、まず身近なところからノンフロン化のものを使うようぜひとも努力をしていただきたいというふうに思っています。

 それから、消火剤として用いられてきたハロン、フロンと比べて三倍から十倍程度オゾン層を破壊する能力が大きいということでございます。

 先般、私も、原子力機構の視察に一緒に行かせていただいたときにも、まだ消火剤としてハロンがそのまま残っているというのを見せていただきました。先進国の中ではモントリオール議定書に基づいて既に生産は全廃されているということでございますが、我が国の状況は過去に生産されたものがそのまま管理しながら用いられているということでございます。建物を解体する、建てかえるとき等にみだりに大気中に放出されないように厳重に管理することが必要であろうというふうに思います。

 この消火用のハロンなんですけれども、この五年間ぐらいで、放出量とオゾン破壊係数を勘案した換算量はどの程度でしょうか。

大石政府参考人 お答えいたします。

 ハロン消火剤の最近五カ年間の年平均放出量は、約十六トンでございます。この放出されたハロン消火剤のオゾン層破壊係数は一〇でございますので、フロンに換算しますと約百六十トンということになります。

高井委員 大変な量だと思いますが、この使用の現状と大気中へ放出を抑制する対策等に関しては検討されていますでしょうか。

大石政府参考人 お答えします。

 ハロン消火剤の使用は、消防庁の通知によりまして、通信機器室であるとか美術品展示室などのように水を使用できない施設で、人体に重大な影響を与えない消火剤としてほかにかわるものがない場合、いわゆるクリティカルユース、こう申しておりますけれども、それに限定して設置することが認められているわけでございます。

 ハロン消火剤の大気中への放出を抑制するために、平成五年に、消防庁それから環境庁の働きかけによりまして、消火装置関連事業者等で構成されますハロンバンク推進協議会、これが設立されまして、使用されなくなったハロン消火剤の回収、それから再利用の仕組みが整えられたわけでございます。

 現在、ハロンバンク推進協議会はNPO法人消防環境ネットワークということになっていますけれども、今後とも、この仕組みによりましてハロン消火剤の放出抑制が図られるように、消防庁としても努力をしてまいりたいと思っています。

高井委員 ありがとうございました。

 最後になってしまいましたけれども、今後のフロン対策の推進について、環境大臣に一言いただいて終わりにしたいと思います。

小池国務大臣 このフロン類の排出削減でありますけれども、オゾン層の保護という観点、それに加えて地球温暖化の防止の観点からも、両方の面で大変重要であるわけでございます。

 今回、フロン回収・破壊法の改正案を御審議いただいているわけですけれども、業務用冷凍空調機器に冷媒として使用されているフロン類の回収率の向上を図る、そしてフロン類の一層の排出削減を目指すということでありますけれども、これは、先ほど地球温暖化の防止の観点と申し上げましたけれども、京都議定書の目標達成計画にも関連してくるわけでありまして、ぜひとも、この法律の早期成立、そしてその円滑な施行、両面から必要だということを感じているところでございます。

 フロン回収にかかわる関係者の皆さんがその重要性を理解して取り組んでいただかないと、せっかく改正してもその効果が伴わないということでございます。また先ほどの周知徹底ということも、今回、例えば大型の空調の機器に携わっておられる方々など非常に的を絞りやすいという点もございますので、そういったターゲットに向けての適切な周知徹底を進めてまいりたいと思っております。

 それから、制度の運用に加えまして、冷媒であるとか断熱材そしてダストブロアなどのノンフロン化のための技術開発であるとか製品の普及など、総合的なフロン対策も今後も進めてまいりたいと思っております。

高井委員 ありがとうございました。

 山本先生のお話にあった当時よりも、環境政策に関してはさらに多くの応援団がふえていると思います。さまざまな面で、関係各位の御努力を期待するとともに私どもも頑張っていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。

 ありがとうございました。

木村委員長 次に、吉田泉君。

吉田(泉)委員 民主党の吉田泉です。

 引き続き、フロン回収・破壊法改正案についてお尋ねをいたします。

 小池大臣におかれましては、元気に回復されて何よりでございます。またよろしくお願いします。

 先ほど先輩議員からもお話ございましたが、五年前、議員立法でこの法律ができた、大変画期的なことだというふうに思います。別途定められた家電リサイクル、自動車リサイクルと相まって、フロンの回収・破壊につきましては、我が国を世界の先進国に一挙に持ち上げたということだろうというふうに思っております。

 きょうは、フロンに関する現状を確認しながら、今回の法改正の意義についてお尋ねしたいと思います。

 最初に、世界全体の状況についてお伺いしたいと思います。

 一九八九年にモントリオール議定書ができまして、オゾン層を破壊するようなフロンについては生産規制をしようということになりました。しかし、既に生産してしまったフロンを回収して破壊しようという国際的な取り決めはいまだできていないわけであります。そこまでは各国の足並みがそろっていない。そのぐらい回収・破壊というのは難しいことなんだろうというふうにも思うわけであります。

 五年前から我が国ではこの取り組みが始まっているわけでありますけれども、これは地球温暖化と同じように、フロンのオゾン破壊というものは地球的な環境問題であります。一部の国だけ張り切ってもしようがありません。地球全体でこの足並みをそろえていく必要がある問題だというふうに思います。

 そこで、まず最初に、日本の回収・破壊の取り組み、他国と比べてどうなのか、よその国でここまで回収・破壊の法規制をしている国がどのぐらいあるものなのか、教えていただきます。

小林政府参考人 モントリオール議定書の趣旨は、今御指摘がありましたとおり、生産規制をしたら、その残りについては放出されても仕方がない、こういうことでございます。

 そういうことで、今委員御指摘のとおり、各国の法律におきまして、フロンの回収・破壊ということを細かに義務づけているというものは承知をしてございません。

 幾つか申し上げますと、例えば、法律によらず、自主的な取り組みということで回収・破壊をやっているというふうに聞いてございますのが、オーストラリア、デンマークなどでございます。また、一般的な規定、一般訓示規定でございますけれども、回収すべし、あるいは大気放出はいけないといったようなことが責務規定として書いてある国ということで、イギリス、米国、カナダといった国があるというふうに承知をしてございます。そういうことで、各国におきましても、実際の回収・破壊の統計、データといったところも余り整備をされていない。

 日本の場合でも、まだ三年分ぐらいのことではございますが、そういったことで、我が国の取り組みというのは、おかげさまをもちまして、前回の現行法に基づく制度改正をもちまして、かなり進歩したものになったのではないかというふうに考えてございます。

吉田(泉)委員 日本以外にも、ヨーロッパ、アメリカで回収・破壊が行われているようでありますけれども、そちらの方は自主的な規制とか訓示規定ということですから、ある意味では、ここまで法律をつくって踏み込んでいるという意味では、日本が一番先進的なのかなというふうに今受け取りました。

 先ほど高井議員の質問に対する御答弁にもありましたけれども、オゾン層の破壊というのは今がピークである、そして、五十年後、今世紀の半ばぐらいには昔のレベルまでに回復するという予想が今されているようでございます。

 そこで、お伺いしたいのは、五十年後にもとに戻るという予想の前提条件は何であるか。モントリオール議定書による生産規制だけでよろしいのか、それとも、日本が取り組んでいるような回収・破壊もある程度やっていかなくちゃいかぬのかという質問であります。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 いろいろな予測が立てられてございますけれども、科学評価パネルというものがモントリオール議定書の締約国会議のもとに設けられておりますが、これが二〇〇二年に行った予測というのが最新予測でございます。

 このため、ここに基づきますと、先ほど申し上げましたように、今世紀中ごろにオゾン層がもとの水準にまで回復していくというための条件、どんな条件を入れてそのシミュレーションをしたか、こういうことでございます。

 一、二ございますが、一つ一番重要なことは、やはり、二〇四〇年までには開発途上国においてもHCFCの消費も全廃になるということで、これは大変厳しい前提でございます。すべての国が、モントリオール議定書に従って、フロン等のオゾン層破壊物質の全廃を進めていくということでございます。放出抑制までは実は計算に入れてはございませんけれども、それを除きましても、かなり厳しい仮定を立ててございます。

 そういうことでございますので、まだフロン類が使用されている分野はたくさんあるわけでございます。日本でも蓄積量があるわけでございますが、そういった分野も含めまして、代替品あるいは代替技術の開発普及、これが実は大きな前提ということになってくるのではないかというふうに考えてございます。

吉田(泉)委員 生産規制を前提に五十年後にもとに戻るという予測が立てられているようでありますけれども、さらに回収・破壊ということがふえていけば、この五十年が四十五年になり四十年になる、こういうことだろうというふうに思います。

 それから、我が国の現状について何点かお伺いいたします。

 二〇〇一年にフロン回収・破壊法ができて、二〇〇二年からこの法に従った回収・破壊が始まっているわけでありますが、施行後のフロン類の回収量はどのように推移しているものでしょうか。それから、法律が施行される前と比べてどういう状態なのか、お伺いします。

小林政府参考人 まず、業務用冷凍空調機器、本案のカバーする部分で申し上げますと、先ほど申し上げましたように三年間のデータしかございませんが、トン数でいいますと、十四年度が千九百五十八トン、そして、十五年度が一千八百八十九トン、十六年度が二千百二トンということで、回収量自体は伸びてございます。

 また、御指摘のように、ほかにも、家電そしてカーエアコン、カーエアコンはもとはこの法律のもとにあったわけでございますが、現在は自動車リサイクル法のもとに移っておりますが、こういった冷媒フロンの回収量というのが合計でどうか、こういうことでございます。

 先ほどの数字を内数で、合計量で申し上げたいと存じますが、家電、カーエアコンも含めますと、平成十四年度では三千三百七十八トン、平成十五年度が三千六百七十四トン、そして、平成十六年度は四千七百三十六トンということで増加をしてございます。まだ数量の大宗はやはり業務用の冷凍空調機器、こういうことに相なっております。

吉田(泉)委員 三年の数字を今お伺いしますと、一歩一歩回収量はふえているという状況だと思います。

 ただ、別途聞いたところですと、生産量は五万トンということですから、フロン回収量は五千トン程度ですから、一けた違う。そういう意味では、総合的なフロン対策もまだ道半ばなのかなというような感じを持ったところでございます。

 それから、フロン類の主要な使途として四つあるわけですが、業務用、家庭用、それからカーエアコンと建材用、それぞれについてフロンの回収・破壊の状況をお伺いします。

小林政府参考人 まず、今回御審議いただいております業務用の冷凍空調機器、これが量的に多いわけでございます。先ほど申し上げましたように、十四年度からフロン類の回収が行われてきたわけでございます。

 そして、この数字につきましては、分母、分子をどうとるか、先ほど山本委員からも御指摘がありました。いろいろな意見がございますが、私どもが使っておりますのは、廃棄された機器中に存在したと思われる量を分母といたしました回収率ということで申し上げますと三割程度、これを引き上げていきたい、これが現状でございます。

 トン数については、先ほど御報告申し上げたとおりでございます。

 次に、ほかのものはどうなんだろうか、こういう御質問でございます。

 家庭用冷蔵庫、そして家庭用のエアコンからでございます。これにつきましては、平成十三年度から、家電リサイクル法に基づきまして、家電小売店等を通じまして、廃家電のリサイクルと一体といたしましてフロンの回収が行われているということでございます。

 数字だけを申し上げますと、家庭用エアコンについていいますと、平成十六年度の回収量が九百九十五トン、それから、家庭用の冷蔵冷凍庫については九百三十六トンというようなことになってございます。

 なお、今九百三十六トンというふうに申し上げたものの一部には、冷蔵庫の中に断熱材が入ってございまして、ここから回収が、義務づけられもしたわけでございますが、技術的にもできるようになった部分がございまして、そういった部分が新たに入ってございますが、そういったトン数になってございます。

 それから、カーエアコンでございますが、これは平成十七年一月一日より、自動車リサイクル法に基づきまして、これは自動車のリサイクルの中でカーエアコンのフロンの回収もするということが行われております。これの回収量が、これは平成十七年一月以降の数字というのは、一部分、三カ月でございまして、年度のデータで申しわけございませんが、七百三トン、これは今後大幅に改善していくと思いますが、七百三トンほどございます。

 それから、最後のお尋ねの建材用断熱材ということでございます。

 これは先ほども答弁をさせていただいたところでございますが、有効な回収方法等、残念ながらございませんということでございまして、この回収のデータというのは持ち合わせていない、こういう状況にございます。

 以上でございます。

吉田(泉)委員 四つの使途について、できたら回収率というのをお伺いしたかったんですが、なかなかその分母、分子の関係もあって、データがないようであります。

 先ほどのお話だと、業務用が大体二千トン回収している。家庭用は、今二つ数字が出ましたが、これも二千トンぐらい。カーエアコンが七百トン。建材用は数字がないということであります。家庭用とカーエアコンについてはリサイクル法がありますので、業務用よりも回収率は多いんだろうというふうに私は思っているところですが、いずれにしましても、今回、業務用、三割の数字をもうちょっと上げようということでございます。

 そこで、ここでちょっと改めて確認しておきたいんですが、そもそも生産規制だけじゃなくて回収・破壊までやろうということで始まったわけですが、先ほどからのお話にあるように、国際的にはそこまで足並みがそろっているとはなかなか言いがたいというふうに思います。我が国はなぜ回収・破壊まで重点を置いて一生懸命やろうとしているのか、改めてお伺いします。

小池国務大臣 先ほども、オゾン層の破壊を防止して地球温暖化の防止に資するという観点からのフロン類の排出削減の必要性ということを語らせていただきましたけれども、オゾン層の破壊、逆説的に言いますとオゾン層の保護ということについては、御承知のようにモントリオール議定書に定められているわけでございまして、そして長期的にオゾン層の回復を図るという観点から、フロン類の生産が国際的に規制をされているところでございまして、この国際的な取り決め、規制によって、我が国についてはしっかりそれに対応して進めていくという観点と同時に、より早くそして確実にオゾン層の回復を図るということからも、冷凍空調機器からのフロン類の回収・破壊の取り組みを率先して行っているところでございます。

 それからもう一点の地球温暖化対策の観点でございますけれども、このフロン類のうち、ハイドロフルオロカーボン、HFCですけれども、これは京都議定書の対象のガスで、温室効果ガスの一つでございます。よって、この回収をしていくということは、京都議定書目標達成計画にさらに近づくということになりまして、これが結構ばかにならない数字になってくるわけでございます。

 いずれにいたしましても、フロンの回収・破壊をなお一層推進するということは、オゾン層の保護という観点、そして地球温暖化の防止を図る観点、いずれにしても重要な意味があると同時に、我が国としても、それを世界に先駆けていろいろな技術なども確保していくことは、今後の環境を進める上で、我が国にとっても必要なアドバンテージになっていくのではないか、このように考えております。

吉田(泉)委員 ぜひ、世界に先駆けて今のようなお考えを率先垂範といいますか、実行していっていただきたいというふうに思います。

 次に、今回の法改正の中心になります業務用の冷凍空調機器について何点かお伺いします。

 まず最初に、先ほど数字をいただきましたけれども、回収率が三割。カーエアコン、家庭用機器と比べてこれが相対的に低いのか高いのかよくわかりませんけれども、一応三割というのはまだまだ回収率が低いという判断だと思いますが、低い原因をまずお伺いします。

小林政府参考人 現在三割というふうに低迷をしている、こういうことでございまして、これを六割程度に引き上げたいというのが京都議定書の目標達成計画の目標でございます。その三割から六割へのステップアップということで、何が悪いのかということを中央環境審議会の方でも御議論を賜ったわけでありますが、せんじ詰めると二つ問題点があろうというふうに考えてございます。

 一つは、機器をいよいよ壊す、捨てる人、ビルのオーナー等々でございますけれども、そういった方々がフロン類の回収業者さんに対しましてフロン類の回収を適切に発注していない、オーナーの責務が発揮されにくいということが一つあろうかと思います。

 それから二番目に、仮にオーナーがフロンの回収を発注いたしましても、建物の解体業者さん、そしてさらに下請の方といったようなことで、第三者を経由する間にそういった回収の施主さんの意図が途切れてしまう、引き継がれない、こういったことが原因だというふうに中央環境審議会の方で御議論いただいたところでございます。

 今回の法律は、それについての手当てをするということが提案の内容というふうになっている次第でございます。

吉田(泉)委員 業務用の冷凍機器の回収率が低いということについては、このリサイクル法がないからではないかという指摘もあります。家電、自動車にはありますし、それから建設廃材についてもリサイクル法があって、回収業者がはっきりしている、回収ルートがはっきりしている。これを業務用冷凍機器についてもつくればフロンの回収もしやすくなるんじゃないかという意見もあるんですが、なぜ業務用冷凍機器についてはリサイクル法というのはできないものなんでしょうか。

小林政府参考人 お答えから申し上げますと、現にリサイクルされているということが大きな答えのポイントではないかというふうに思っておりますけれども、業務用冷凍空調機器、その素材が、八割以上が鉄とか銅、アルミニウムといったようなことでございまして、再利用の価値の高い金属でできているということでございますので、市場原理のもとでもリサイクルのインセンティブが進みやすいということが一つあろうかと思います。実際に結構高値で取引をされているということでございます。

 それから、二点目として申し上げたいのは、やはり家電とか自動車のように大量生産品で、また持ち運びができる、逆に言いますと、こういったものは不法投棄もされるわけでございますが、こういったものと違いまして、大変ずうたいの大きいものでございます。専門の業者さんが解体して持っていく、こういう取り扱いをされるものでございますから、不法投棄のおそれがない一方、なかなか画一的な取り扱いがしにくい、こういったようなことも恐らく理由の一つに挙げられるのではないかというふうに思っておりますが、機器の本体についてのリサイクルというのは行われているので、むしろフロンが置いてきぼりにならないようにというのが今回の法案のエッセンスではないかというふうに考えてございます。

吉田(泉)委員 それから、今の現行の法律を見ますと、みだりにフロンを大気中に放出してはならないということになっております。そして、これに違反して大気中にフロンを放出してしまった者については「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」という規定が既にあるわけであります。

 三割しか回収されていないわけですから、七割は放出されているわけであります。一体、この現行法にある罰則が放出者に適用されたことはないのかどうかお伺いします。ないとすれば、何か理由はあるのか。そして今回、行程管理制度というのが導入されるわけですが、これによってそういう違反者の摘発がしやすくなると考えていいのかどうか、お伺いします。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど高井委員から御質問のありました点をさらに深く掘り下げた御質問かというふうに承ります。

 今御指摘のとおり、みだりにフロン類を大気中に放出した者には一年以下の懲役または五十万円以下の罰金というのが現行法で置かれておるわけでございますが、まず、この罰則が適用されたことがあるのか、発動されているのかということでございます。現在までございません。

 でございますが、しかし、この直罰規定は、やはり法制上最後の歯どめでございますので、きちっと置いておく必要があるというふうに考えてございます。しかし、これも山本委員から冒頭御指摘がありましたように、フロン類は気体でございます。すぐ蒸発をする、そして無色無臭ということでありまして、見張っていないとなかなか実際の摘発というのは困難かと思います。

 そうしたことでございますので、この条文を発動するということ自体に頼るというよりは、その前の段階で、そういったみだりに放出をされない仕組み、仕掛けというのをつくっていこうということが重要なことかなというふうに思ってございます。そのために、今御質問にもありましたように、行程管理制度を導入して、目に見える書面の形でこの管理をしていこうということでございます。

 例えば、実際にフロンの回収・破壊を依頼した施主さんがいて、その行程管理票が依頼したにもかかわらず戻ってこないというようなことがございましたら、これは都道府県知事さんに言いつけるといいますか、こういったことがあったというようなことを言っていただくというようなことで、都道府県知事の権限も強めまして、実際にそういったフロンの回収そして破壊がどうなっているのかということを、実際にそういった機器の廃棄者からの申し立てに基づいてチェックをするというようなこともできるようになってくるわけでございます。そういった仕組みを置くことによりまして、みだりな排出というのが行われないような大きな社会的な枠組みというものを育てていきたいというふうに考えてございます。

吉田(泉)委員 関連でもう一つお伺いしますが、回収率が三割で、残りの七割が放出されてしまっているという現状を見ますと、やはり悪質な廃棄者がいるということを考えざるを得ません。

 今後、そういう費用負担を免れるために悪意を持って自分でフロンを抜いてしまった、放出してしまったというような場合に、その業務用の冷凍空調機器を処分する工事を請け負ったような受託業者もしくは中古スクラップ業者、こういう人は、この廃棄者は悪意を持って抜いたというようなことを感じたときには、どのように対応したらいいものなんでしょうか。

小林政府参考人 大変難しい御質問でございまして、法律上、具体的に、そういったときに不法行為があるということを直ちに告発しなさいというようなことの規定は置かれておりません。置かれておりませんけれども、私どもの期待するところは、そういった不法行為がありましたならば、ぜひ都道府県知事等に通告をしていただく、そして見張っていきたいというふうに考えてございます。

吉田(泉)委員 法律をつくって回収・破壊をやろうということですから、悪質な場合についてはこれは厳しく取り締まろうということにしないと、正直者がばかを見るということになってしまうと懸念するところであります。

 それから、もう一つこの行程管理制度に関してですが、先ほども産廃のマニフェスト制度との比較の質問がございましたけれども、産廃の場合と比べると、今回のフロンの伝票制度は、最終処分者である破壊業者まではこの伝票が行かないということになっております。回収業者まででいい。そこが今までの産業廃棄物のマニフェスト制度と大きく違うところだと思うんですが、そのように違えた理由をお伺いします。

小林政府参考人 御指摘のとおり、産業廃棄物の場合には、最終的な最終処分場というところにまでマニフェストが回付されるということでございます。

 ただ、廃棄物処理法でも、考え方としては、まず排出事業者さんから中間処理業者さんまでが第一次のマニフェスト、そして、中間処理業者さんが出します廃棄物が最終処分者まで行くところのまたステップというふうに分けて考えられている、こういうことだと思うんです。これをフロンの場合に照らして考えますと、先ほど申し上げましたように、フロン類の回収率が悪い理由というのは、実は、回収業者から破壊業者の間ではなくて、施主さん、廃棄をしようとされる方から回収業者の間で抜け落ちている、こういうことでございますので、この部分について主眼を置いて手当てをしようというふうに考えたものでございます。

 それで、では、回収業者から破壊業者は何もなくてもいいのか、こういう御質問であろうかと思いますが、実は、現行法におきましても、既に回収業者から破壊業者へのフロンの引き渡しにつきましては、それぞれに引き渡し、引き取りに係る記録を作成して、保存し、そして報告をしなければいけない、こういう義務が課されております。個別の伝票ではございませんけれども、これでもってマクロのバランスというのはわかってくるという仕組みになってございますので、それに屋上屋を架して個別の伝票制度を持ち込まなかったという一つの判断かなと思っております。中央環境審議会ではそのような整理がされたということでございます。

 長くなって恐縮ですが、ちなみに、業界等では、さらに優良な方は破壊業者まで行くマニフェストの仕組みといったものを既に先行的に実行されておる例も承知はしてございますが、法律上はこういったような整理をさせていただいた、こういうことでございます。

吉田(泉)委員 次に、先ほどもちょっと話題に出ましたけれども、多数国基金というものについてお伺いします。

 国連の分担金比率に応じて日本も多数国基金にお金を出しております。二二%という比率が先ほどありました。もう十八年間、これは毎年毎年、平均大体三十億円ぐらいお金を拠出しているわけでございます。一方、国内のフロン対策予算をどのぐらい見ているのかを聞いたら、大体二十億円ぐらいだそうでございます。つまり、国内のフロン対策費以上のお金を多数国間基金に十八年間拠出しているというわけであります。

 改めて、この基金全体は、どのようにこのお金は使われているのか、日本が重点を置いている回収・破壊にもこの基金として力を入れているのかどうか、お伺いいたします。

小林政府参考人 先ほど御質問のありました基金でございます。さらに詳しくお答え申し上げたいと思います。

 この基金につきましては、モントリオール議定書に基づきまして、開発途上国が規制措置を実施するために財政的な支援あるいは技術的な協力ということを行うことを目的に、一九九〇年にその設置が合意をされまして、現在までの活動歴が十六年間ということになってございます。

 三年刻みで事業予算を立ててございますけれども、最新の二〇〇六年から二〇〇八年の三年間の事業の予算額、これは日本の拠出分も含め全体でございますが、四億七千万ドルということでございまして、大変膨大な事業が行われてございます。

 また、この基金は具体的に何をするのか、こういうことでございますけれども、具体的な事業といたしましては、オゾン層破壊物質の生産施設あるいは使用設備、これをかえていく、転換するプロジェクト、それから、途上国政府の体制整備、人材育成あるいは技術者の研修といったようなオゾン層破壊物質の生産・消費量を削減していく、そしてフェーズアウトする、なくしていく、こういったことに向けましたさまざまなプロジェクトのうち、こういった対策をしなければ、通常必要であろうと思うコストは自国で負担をしていただくわけでありますけれども、オゾン層保護のために追加的に必要となる金額については全額を持つという仕組みでこの基金が運用されてございます。

 特に日本の絡みでいいますと、具体的な破壊のプロジェクト等々についても協力をしているのかということでございます。

 一例を申し上げますと、それぞれ担当の省庁がございますけれども、中国におきまして、これは経済産業省の御所管でございますけれども、冷媒分野におきますところの消費量の削減のプロジェクト、それから、インドにおきます、これも経済産業省でございますが、四塩化炭素の削減、転換のプロジェクト、それから、例えばモンゴルにおきますところの冷媒管理、これはむしろ漏らさないということになろうかと思います。そして、最終的にはこの使用を停止するプロジェクトというようなことで行われてございまして、回収・破壊というよりは、回収あるいは管理といったようなことに今のところ力点が置かれておりますが、そういったような形で、我が国としてもこの二国間協力というのを進めている、こういう状況にございます。

吉田(泉)委員 先ほどもお話が出ましたけれども、分担金の二〇%の枠内で二国間協力事業を行えるということで、十七事業をもう既にやっているということなんですが、これは二〇%を使い切っているということでよろしいんでしょうか。

小林政府参考人 重ねてのお尋ねでございますけれども、答えから申し上げますと、実は、我が国におきまして、その拠出額の二〇%を二国間協力に使える、こういうことではございますけれども、実際に使っておりますところ、実績ベースで申し上げますと、一割強ということで、半分ぐらいを使い残しているということでございます。

 他方、特にドイツなどにつきましては、こういった枠をすべて消化しているということでございまして、実は、我が国の二国間協力の枠の消化状況は決して十分なものというふうには考えてございません。

吉田(泉)委員 二割の枠の半分使って半分余しているということですが、ここはもうちょっと再考の余地があるんじゃないでしょうか。日本の権利を使い切っていないということだろうと思いますので、何とかドイツ並みの事業をやるようにしたらどうかなというふうに思います。

 それから、国際協力に関する手法として、京都メカニズムのクリーン開発メカニズム、これを使ってフロン破壊事業をやろう、これが温暖化防止にもなる、フロンの破壊にもつながるということですが、これも幾つか事業が進んでいると思いますが、これの現状を改めてお伺いします。

小林政府参考人 途上国におきますところのフロンの破壊ということは、オゾン層の保護ももちろんでございますし、また温室効果ガスの削減という点でも非常に効果があるわけでございますし、さらに、そういったことの事業に日本が協力した場合に、その認定削減量といったものを日本の削減量にカウントできるということで、二重に意味があるということが言えようかと思います。そういう意味で、今御指摘の京都メカニズム、そしてCDM事業、大変重要だということで、前回委員会でも御審議賜りました温暖化対策の推進法の改正ということをお願いしているわけでございます。

 そういった中で、省エネのプロジェクトとかいろいろなものがございますけれども、このフロンのプロジェクト、実際にどのように行われているかということでございます。

 端的に申し上げますと、四つのプロジェクトが動いておりますが、これはどういうものかといいますと、特に途上国におきまして、HCFC22、これは冷媒なんかによく使うものでございますが、これの生産をする、冷蔵庫に使うとか先ほどの空調機器に使う、この冷媒をつくるときに副生するフロンがございます。これはフロンでいいますとHFC23というものでございますが、これは有用には使われないということで、これも先ほど答弁したところでございますけれども、空気に捨ててしまうということに現状相なっておるわけでございます。これだけを分離いたしまして破壊をするというプロジェクトが今行われているところでございます。

 世界全体では、これはやや古いデータで申しわけございませんが、本年一月時点では九件のHFC23の破壊プロジェクトというものがその認定を行いますCDM理事会に申請をされている、こういう状況でございますが、この九件のうち四つが我が国関係のものということで、熱心に我が国としても取り組んでいるところでございます。中身は中国、インド、韓国、こういうことでございます。現在のところ、これは、CDM理事会の登録は終えておりまして、プロジェクトの実施中あるいは実施準備中というところまで来てございます。

 HFCの破壊、途上国におけるCDMプロジェクトというのは、実は日本関係は現状では四つでございますが、HFC23、これは二酸化炭素の約一万二千倍の温室効果を持つということで、同じ対策の量でございますと大変費用対効果の高いプロジェクトだということは言えようかというふうに思ってございます。

 そういうわけで、京都議定書目標達成のためには、国内対策がこれはもう最重要でございますけれども、このCDMを補足的に使うという中で、こういったフロンの破壊プロジェクトということについても努力をしてまいりたいということでございまして、それぞれのプロジェクトのフィージビリティースタディー、形成支援、そしてさらには、もう少し間接的になりますが、途上国における人材の育成といったようなことで、民間の動きではございますが、こういったサポートを国としてもしてまいりたいというふうに考えてございます。

吉田(泉)委員 最後になりますけれども、結局、業務用の冷凍空調機器を中心に回収率をもっと上げようと。最大の障害は、やはりそういう機器類を廃棄する人たちが費用負担を嫌がる。お金を出すぐらいならばフロンを抜いちゃえ、こういうことが最大の障害だろうと思います。

 今回いろいろな新しい工夫でそれを防ごうということですが、最終的にはフロンの回収費用を前払いしてもらう、廃棄時に不法放出をさせないためには、その設備を設置するときに前払い方式で費用を負担してもらうという方式の採用が最終的には有効だろうというふうに思うわけですが、今回の法改正には盛り込まれなかったわけですが、今後どのように検討されていくのか、お伺いします。

小林政府参考人 今御指摘のとおり、検討課題、こういうことになろうかと思います。

 いわば処理料金をデポジットしておく、前払いして預かっておく、こういうことでございまして、確かに一つの考え方だというふうに思ってございます。中央環境審議会におきましても、そういった考え方についても、その採用の今の可否ということについて検討がされたところでございます。

 ちなみに、今回お諮りいたしました法案におきましてはそれを入れ込んでございませんけれども、中央環境審議会の中で今回入れなかった理由として挙げてございますのは、一つは、冷凍空調機器、これは規模や設置状況が大変千差万別でございます。実際にその回収の費用というのは、手間賃も置き方によって相当違う。ビルの屋上にある、地面にある、一遍にたくさん回収できる、そうじゃない、いろいろな状況でやはり一律な算定というのは困難であるというようなことと、そして、現在使われている機器が大変寿命の長いものがたくさんございます。何十年というものもあるわけでございまして、こういった既に販売された機器から費用を徴収するということがなかなか困難だということと、当然、お金を預かりましたら、そのプールをするための機構というものを設けなければいけない、そういったことの間接コストも考えなきゃいけないというような三点の御指摘がございまして、検討課題ということに相なったわけでございます。

 いずれにいたしましても、今回の行程管理制度の中で回収・破壊がきちっとできるのかどうかをしっかり見ていきたいと思いますし、今御指摘のとおり、そういった費用負担の問題ということについても引き続き検討してまいりたいというふうに考えてございます。

吉田(泉)委員 この回収・破壊というのは生産規制と同じ効果があるわけでございますので、引き続きこの制度を改善しながら、回収・破壊については日本が世界をリードするということでやっていきたいというふうに申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

木村委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 本日は、お元気な小池大臣のもとで、しっかりと審議をさせていただきたいと思います。

 それで、このフロン法の改正につきましては、これは一九七〇年代後半から、オゾン層が破壊されつつある、このことによりまして、世界じゅうの人々が真剣に地球環境問題に取り組む上で端緒を開いたテーマであると思っております。

 そこで、モントリオール議定書が八七年に採択され、そして翌年の八八年にオゾン層保護法が制定をされました。これを受けまして、公明党も独自で、田端議員等が中心になりまして、二〇〇〇年十一月、フロン回収・破壊法を提案いたしました。先ほど山本先生より、その当時の模様をふつふつと教えていただきました。

 私も、先輩たちから、最大のフロン消費国である日本がこの問題に取り組まなければ国際的な信用は失墜をしてしまう、諸外国では既に回収・破壊法に取り組んでいる、日本は、特に環境立国を目指すわけだから、どの国よりも率先して取り組もうと。そしてまた、二〇〇〇年には循環型社会形成推進基本法が制定をされました。このように、環境重視の連立政権の真価を発揮しよう、こういう熱い思いで取り組まれたと先輩たちから伺っております。

 地球規模で広がります環境問題の解決に向けまして、モントリオール議定書では、先進国でCFCの消費について、一九九六年以降全廃、HCFCについても二〇二〇年以降全廃、また、開発途上国につきましても、CFCの生産、消費は二〇一〇年以降全廃、HCFCの消費については二〇四〇年以降全廃、このような方法がとられまして、これからいよいよ本格的な削減期間に突入をするわけでございます。やはりこうした開発途上国が確実にモントリオール議定書を遵守し、オゾン層破壊から全世界の人類を守るという、このような共通した責任を担うという大事な法案であると思っております。

 先ほど来、我が国が発展途上国に対しましてどのような支援を行っているか、このことについてはるる伺いました。そこで、私はひとつ確認をさせていただきたいのですが、まず経済産業省にお伺いしたいと思います。

 日本は、フロン類の出荷につきましては、国内につきましては、HCFC、これはまだ二〇二〇年までは可能なわけですが、今、毎年約二万トン、そしてHFCについては約二・七万トン、このように認識をしております。そこで、CFCとHCFCの輸出と輸入が行われているのかどうか、この現状について伺わせていただきたいと思います。

塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、CFCにつきましては輸出入はございません。それから、HCFCにつきましては、御案内のように、今、削減段階途上にあるわけですけれども、平成十六年の輸出入実績といたしまして、オゾン層破壊係数で換算した値で、輸入が百四十八トン、それから輸出が五百九十六トンとなっております。

高木(美)委員 重ねてお伺いしますが、輸出の主な相手国というのは、どのような地域になりますでしょうか。

塚本政府参考人 ほとんどアジアが中心でございまして、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン等ということになっております。

高木(美)委員 恐らく、こうした国々に対しまして、今度はHCFCをどのように破壊していくか、また次の責任を担っていると思っております。その点も長期展望で、ぜひ今後の取り組みをお願いしたいと思います。

 そこで、CFCやHCFCの代替といたしまして、今、HFC、お話ありましたとおり、またPFC、そしてSF6等々、代替フロンでございますけれども、こうしたものが使われるようになりました。オゾン破壊係数はゼロでございますけれども、二酸化炭素に対しまして、地球温暖化係数と言われておりますが、これはいずれも千倍から数千倍と言われております。

 この三つのガスにつきましては、京都議定書の抑制対象となっております。我が国はもう既に八%、一九九〇年比で見ますと増加しておりますので、二〇一二年までの六%目標達成については、一四%をクリアしなければいけない、こういう状況がございます。今回のこの法改正が京都議定書の約束達成のためにどの程度貢献をするものか、このことにつきまして江田副大臣にお伺いいたします。

江田副大臣 京都議定書におけます温室効果ガス削減の目標は、先生もおっしゃいましたように、九〇年比マイナス六%でございますけれども、二〇一〇年度時点において、この温室効果ガスの総排出量の見通しは、現行の対策を引き続き実施するとした場合、基準年、九〇年比で、逆に約六%の増加になると見込まれております。

 こうした排出量の増加を抑えるために、昨年四月に閣議決定されました京都議定書目標達成計画におきまして、国内における排出抑制対策、また、森林吸収源の増大及び京都メカニズム等の追加的対策の実施によりまして、基準年比一二%の排出量削減を行わなければならないこととされました。

 この一二%のうち、国内排出抑制対策によります削減分は六・五%でございます。この五分の一に当たる一・三%分の削減を代替フロン等三ガス対策で見込んでおりまして、さらに、その四分の一弱に当たる〇・三%分をこのハイドロフルオロカーボンを対象とする本法案の効果によって削減する予定です。申しわけございません、複雑で。

高木(美)委員 よくわかりました。ありがとうございます。

 三ガス対策につきまして約一・三%分の削減というお話、そのうち〇・三%というお話ですが、この残りの差額の一%、これも恐らく三ガス対策に今後どのように取り組むかということにかかってくると思いますが、この三ガス対策、どのような取り組みが必要と思われますか。重ねてお伺いいたします。

江田副大臣 京都議定書の対象となっております代替フロン等三ガスのうち、パーフルオロカーボン、PFC、それと六弗化硫黄、SF6につきましては、使用業種が比較的限られております。したがって、京都議定書目標達成計画に基づいて、産業界の自主的取り組みや代替物質の開発、利用促進等によりまして、排出抑制を図っていくことが可能と考えております。

 これらの対策を通じまして、PFCの排出量は、二〇〇三年におきまして基準年に比べて約三〇%減少しております。また、SF6の排出量は約七〇%減少しておりまして、順調に排出削減が進んでいるところでございますが、政府としましては、京都議定書目標達成計画に掲げられました施策の進捗状況の点検を通じまして、これらの取り組みの確実な実施、施策の強化を図ってまいりたいと思っております。

高木(美)委員 これだけフロン対策を行いまして〇・三%、今後残り一%、どう考えましても残り一%の取り組みが必要なわけで、ぜひその点も今後推進をお願いしたいと思います。

 抜本的に、既に生産された空調機器、冷凍機器に含まれるフロン類につきまして回収することが重要でございます。もちろん、そうでございます。そのための法でございますが、やはり技術的にも一〇〇%の回収が望めないというのは、先ほど来、断熱材等に使われております発泡関係は空中に気化をしてしまうと。抜本的な対策のためには、脱HFCを含めたノンフロン化をどのように進めていくか、これが大事ではないかと思います。

 現在残されている分野の、HFCを使わざるを得ないと言われる分野の冷媒用途であるとか発泡用途の一部、またダストブロアの問題、この分野につきまして、ノンフロン化に向けて、環境省はどのような取り組みを行っていらっしゃるのか、この点につきまして伺います。

小林政府参考人 これは政府を挙げて推進していることでございますけれども、環境省といたしましては、例えば、これは一例でございますけれども、既に冷凍空調機器におきましては、特に家庭用のもの等でございますが、フロン類を使わない機器の実用化、製品化が進んでございますので、環境省では、こういった機器の普及を促進するためのパイロット的な補助事業といったようなものも実施をしてございます。

 また、普及啓発でございますけれども、今度は機器が実際にノンフロン型であるとかというようないろいろなマニュアル等をつくって配布をしているというようなことで、その使用促進を進めている、こういうことでございます。

 それから、もう一つ御指摘のありました断熱材の発泡剤ということでございます。

 これにつきましては、グリーン購入法の中で、そういった公共的な用途に用いますところの断熱材についてはノンフロン化をしていこう、それからダストブロアにつきましても、このグリーン購入法の中で、温室効果係数の少ない物質の購入を政府としては要は義務づけるといいますか、そういうものに限って買うというような形で、ノンフロン化の消費者としての推進ということを進めているところでございます。

 各省一体となって、こういった取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。

高木(美)委員 やはりそこには何らかの経済的な補助が必要かと思いますので、ちょっと時間もきょうは限られておりますので詳しくは伺いませんが、そうした方が環境のためにも、また、それぞれの企業のためにもいいのだというような効率的な補助事業の展開をお願いいたします。

 同じ質問を経済産業省にさせていただきます。

 特に、ノンフロン機器を、また、そうした材質のものを普及するためには、また、開発するためには技術開発が一番重要であると思っております。既に、イソブタンなど地球温暖化にもオゾン層にも影響のない物質の使用も始まっていると伺っておりますが、脱HFCを含めまして、ノンフロン化に向けての経済産業省の取り組みを伺いたいと思います。

塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 ノンフロン化につきましては、経済産業省としても種々の技術開発等を進めております。とりわけフロン類の出荷量の約七割を占めます冷媒分野、ここのノンフロン化を進めるということが非常に重要じゃないかと思っておりますけれども、やはり、可燃性であるとか毒性があるとか冷却の効率性といった点で、すぐに全部冷媒分野でということもなかなか難しゅうございます。

 ただ、例えば家庭用の冷蔵庫につきましてはもう既にノンフロン製品が出ております。家庭用の冷蔵庫でございますので使用する冷媒量が非常に少ない、それから、冷蔵庫の中の機器で使用されるので冷媒の漏えいが少ない、可能性が低いといったことで、こういう家庭用冷蔵庫につきましては既にノンフロン化が進んでいて、二〇〇四年の新規の冷蔵庫の出荷の約八割はノンフロン化のものが製品として出されている。それから、一部、業務用に関係しますけれども、自動販売機でございますけれども、これも既に炭化水素や二酸化炭素を冷媒に利用したノンフロンのそういう自動販売機が出回っているということです。

 ただ、やはり、大量に使います業務用とか自動車用のエアコン、それからショーケース等の業務用の冷凍機器につきましては、使用される冷媒量が非常に多い。それから、配管で冷媒を循環させるということで、安全性や効率性の観点から、今のところ、最適なノンフロンの代替物が見つかっていないということでございまして、引き続き鋭意技術開発等を進めて対応したい。

 それから、冷媒以外の発泡用途やダストブロア等ということでございますけれども、これは特に一九八九年当時、我が国では冷媒分野以外では約十三・三万トンのフロンを使っていたわけですけれども、この冷媒以外の分野でかなりノンフロン化が進んでございます。二〇〇四年の足元でございますけれども、十三・三万トン出荷されていたものが一万四千トンまで減少してきているということでございます。例えば金属製品の洗浄分野、これはもう九四%削減されている、それからエアゾール分野が七八%、それから断熱材分野が八八%削減ということでございます。

 ただ、まだ完全に一〇〇%に至っておりませんので、最適なノンフロンの代替物の開発とか、それから、新しいそういうもののシステムの開発とか、そういうことで、こういう分野におけるノンフロンの推進を図ってまいりたいというふうに考えております。

高木(美)委員 ありがとうございました。

 そこで、そのような先駆的な技術の取り組みと、それからまたあわせまして、この回収と、この両面が円滑に進むことが大事かと思います。

 先ほど地域協議会というお話が少しございました。中環審の答申にも、地域の協議会の活性化ということが提案をされております。回収に携わる設備業者や回収業者を中心とした協議会が設立をされて、自主的なフロン類の回収また破壊や講習会、普及啓発活動等が実施をされてきました。ただ、途中で、家電リサイクル法等の整備によりまして、中止したり廃止したところもあるというふうに伺っております。一方で、順調に回収が進んでいる地域では、協議会を活発に取り組んでいる事例が見受けられるとも聞いております。この成功例とまた成功している地域につきまして教えていただきたいと思います。今後、都道府県が指導、助言を行うといいましても、そのような地域のベースがあれば強いというふうに思われます。よろしくお願いいたします。

小林政府参考人 地域の取り組みは大変大事だ、大切だというふうに思ってございます。御指摘の点は、どんなところが大変活発な活動をしているのかということでございます。

 私ども承知しておりますのは、地域の協議会、今三十ほど活動をしているというふうに考えてございますが、特に活発なものとして有名なものは、群馬県そして東京都、静岡県、兵庫県といったようなところが有名でございます。

 しからば、どういった取り組みが、成功的な取り組みといいますか、よい取り組みか、こういうことでございますが、そういった先進的な協議会の例を見てみますと、一つといたしましては、フロン類の回収業者さんだけではなくて、機器の設置者、廃棄者になる方々、そして建設業者の方々、それからもっと広く冷凍空調機器のユーザー、それから製造者、こういったステークホルダー、関係業者の方の連携が図られている、大変多様な方の参加が図られている。そしてまた、現在別に法律事項ではありませんけれども、フロン類の回収証明書といったようなものを発行してみる、あるいは、フロン類を回収した機器には回収済みのシールを張って識別をして、後の廃棄等が容易になるようにするというようなこと。それから、これも今回新しく法律で入れるわけでございますが、整備時を含めた回収量の取りまとめ、統計の発表といったようなこともしているというようなところが非常に成功に結びついた取り組みとして知られております。

 私どもも、こういった成功に結びつく取り組みを各地に普及をしていく、こういったお手伝いをしてまいりたいというふうに考えてございます。

高木(美)委員 今普及をというお話がございましたが、そのような地域ベースの取り組みの推進をぜひともお願いいたします。

 かつて、一年半ぐらい前だったと思いますけれども、新聞報道によりますと、環境省が、企業の自主参加による温室効果ガス国内排出権取引制度を創設したいという、このような案をつくられたというのを大臣は覚えていらっしゃいますでしょうか。恐らく、いろいろ業界等の反対もあったというふうに伺っております。その対象としてはCO2だけではなくてフロンも含まれるという、このような案をお立てになっていたと思います。今後、こうしたことも実施に向けて検討する方向がおありなのかどうか。私は、個人的には、ぜひ日本の中でこうした制度も進めるべきと思っております。今ならできるのではないかという思いもございます。

 こうしたこととあわせまして、最後に、環境大臣のこのフロンに対する御決意を伺いまして、終わらせていただきたいと思います。

小池国務大臣 地球温暖化防止、そして地球環境の保全という観点からは、チーム・マイナス六%ではありませんけれども、国民、そして国、地方自治体、NGO、事業者、ある意味で総動員してやっていかなければならないと思います。また、その方策につきましても、今御指摘ございましたように、例えば経済界における自主的な排出権取引の取り組み等々、あらゆる角度から、そしてあらゆるツールを総動員してやっていかなければなりません。

 今回のフロンのこの破壊・回収につきましても、先ほど副大臣からるる説明がございましたように、京都議定書の目標達成計画の中にも組み込める一つのアドバンテージもございます。と同時に、オゾン層の破壊の防止という大きな観点に資するものでございます。

 いずれにいたしましても、本法案の改正に伴いまして、これから周知徹底を図ると同時に、冷媒、断熱材、ダストブロアなどのノンフロン化のための技術開発、製品の普及など総合的なフロン対策も進めてまいりたいと考えております。

高木(美)委員 では、この排出権取引は引き続き宿題という形で、私もしっかりと勉強をさせていただきたいと思います。

 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

木村委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

木村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

木村委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、加藤勝信君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。加藤勝信君。

加藤(勝)委員 私は、ただいま議決されました特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収が確実に行われるよう、業務用冷凍空調機器の廃棄等実施者、設備工事業者、建物解体業者、フロン類回収業者、整備事業者等の各主体に対し、関係各省の適切な連携のもと、本制度の周知を徹底し、適切な指導、助言等を行うとともに、関係者の自主的取り組みを推進すること。

 二 建材用断熱材に用いられているフロン類が、現在市中に存在しているフロン類の約三割を占めることを踏まえ、効率的な処理への支援並びにノンフロン化等、その排出抑制対策について着実に推進すること。

 三 フロン類の確実な排出削減のため、冷凍空調機器、断熱材、ダストブロワー等あらゆる分野においてノンフロン化を推進し、そのための技術開発及び普及を積極的に支援すること。

 四 オゾン層の保護の更なる推進のため、ハロン、臭化メチル等CFC及びHCFC以外のオゾン層破壊物質についても、適切な管理及び処理体制の整備、オゾン層の破壊をもたらさない代替物質への転換等、その対策について着実に推進すること。

 五 京都議定書の削減約束の確実な達成のため、京都議定書目標達成計画に掲げられた代替フロン等三ガスに関する対策・施策を着実に実施し、それらの進捗に応じ適宜その見直しを行うこと。

 六 フロン類の生産抑制、排出抑制に資する経済的手法の在り方について検討を進めること。

 七 オゾン層の破壊、地球温暖化が地球規模での環境問題であることを踏まえ、当該問題についての国際的な協調を推進するとともに、開発途上国におけるフロン類の排出抑制対策について積極的な国際協力を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

木村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木村委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小池環境大臣。

小池国務大臣 ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力する所存でございます。

    ―――――――――――――

木村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

木村委員長 次回は、来る十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十五分散会


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