衆議院

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第1号 平成21年11月13日(金曜日)

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本国会召集日(平成二十一年十月二十六日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 樽床 伸二君

      石田 三示君    大谷 信盛君

      太田 和美君    川越 孝洋君

      木村たけつか君    工藤 仁美君

      櫛渕 万里君    小林千代美君

      斎藤やすのり君    田島 一成君

      田名部匡代君    玉置 公良君

      橋本 博明君    村上 史好君

      森岡洋一郎君    矢崎 公二君

      山崎  誠君    山花 郁夫君

      横光 克彦君    吉川 政重君

      小池百合子君    近藤三津枝君

      齋藤  健君    園田 博之君

      古川 禎久君    山本 公一君

      吉野 正芳君    江田 康幸君

      阿部 知子君

平成二十一年十一月十三日(金曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 樽床 伸二君

   理事 太田 和美君 理事 木村たけつか君

   理事 橋本 博明君 理事 山花 郁夫君

   理事 横光 克彦君 理事 齋藤  健君

   理事 吉野 正芳君 理事 江田 康幸君

      石田 三示君    大谷 信盛君

      川越 孝洋君    工藤 仁美君

      櫛渕 万里君    小林千代美君

      斎藤やすのり君    田島 一成君

      田名部匡代君    玉置 公良君

      村上 史好君    森岡洋一郎君

      矢崎 公二君    山崎  誠君

      吉川 政重君    小池百合子君

      近藤三津枝君    園田 博之君

      古川 禎久君    山本 公一君

      中島 隆利君

    …………………………………

   環境大臣         小沢 鋭仁君

   環境副大臣        田島 一成君

   環境大臣政務官      大谷 信盛君

   環境委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十六日

 辞任         補欠選任

  阿部 知子君     中島 隆利君

    ―――――――――――――

十一月十三日

      太田 和美君   木村たけつか君

      橋本 博明君    山花 郁夫君

      横光 克彦君    齋藤  健君

      吉野 正芳君    江田 康幸君

 が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十一月十一日

 すべてのアスベスト被害者の補償を求めることに関する請願(服部良一君紹介)(第一二二号)

 すべてのアスベスト被害者を補償し、被害の根絶を求めることに関する請願(五十嵐文彦君紹介)(第一四一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の互選

 国政調査承認要求に関する件


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     ――――◇―――――

樽床委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 このたび、環境委員長に就任いたしました樽床伸二でございます。

 私たちの日々の暮らしは、健全で恵み豊かな環境の上に成り立っておることは論をまちませんが、持続可能な社会を実現し、この環境を将来世代に継承していくことは、今を生きる私たちの重大な責務であります。

 しかしながら、御承知のとおり、地球温暖化対策、循環型社会の構築、自然共生社会の実現など、環境問題の解決には課題が数多く山積しております。私たちは、不断の努力をしてこれらの課題に全力で取り組んでいかなければなりません。

 また、近年、環境政策と経済発展との関係について、世界的にも大変高い関心が集められております。地球温暖化対策は、まさに我が国が世界をリードする最大そして最重要のテーマになってきております。

 このような状況のもと、当委員会に課せられた使命はまことに重大であります。

 委員長といたしましては、その責務の重大さを十分認識し、委員各位の御指導と御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

樽床委員長 これより理事の互選を行います。

 理事の員数は八名とし、その選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

樽床委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      太田 和美君   木村たけつか君

      橋本 博明君    山花 郁夫君

      横光 克彦君    齋藤  健君

      吉野 正芳君 及び 江田 康幸君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

樽床委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 環境の基本施策に関する事項

 地球温暖化の防止及び低炭素社会の構築に関する事項

 循環型社会の形成に関する事項

 自然環境の保護及び生物多様性の確保に関する事項

 公害の防止及び健康被害の救済に関する事項

 公害紛争の処理に関する事項

以上の各事項につきまして、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

樽床委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

樽床委員長 次に、環境大臣小沢鋭仁君、環境副大臣田島一成君及び環境大臣政務官大谷信盛君より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。小沢環境大臣。

小沢国務大臣 環境大臣を拝命いたしました小沢鋭仁でございます。

 第百七十三回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に対する私の考えを申し述べ、樽床委員長初め委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。

 現在、IPCCが地球温暖化は疑う余地がないと断定しているように、地球温暖化問題については待ったなしの状況にあります。

 このような状況を踏まえて、鳩山総理大臣は、ことし九月の国連総会の場において、日本国の環境先進国としての立場を明確にする野心的な目標を示しました。すなわち、温室効果ガス排出削減に関する中期目標について、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組み構築や意欲的な目標の合意を前提に、温暖化をとめるために科学が要請する水準に基づくものとして、一九九〇年比でいえば二〇二〇年までに二五%削減を目指しますと発言をいたしました。

 二〇二〇年まではあと十年しかありません。その間に二五%削減という目標を達成するために、今からあらゆる政策を総動員していかなければなりません。その際には、環境先進国としての日本の位置づけを高めるためにも、来年には中間年を迎える京都議定書第一約束期間の六%削減約束を確実に達成することを示していかなければなりません。

 同時に、世界の人口が大幅に増加していることや、途上国の経済発展、社会の変化が進んでいることなどにより、資源枯渇が生ずるおそれが生まれ、また、生物多様性が危機を迎えています。これらの課題についても、将来世代に対する我々の責任をしっかり果たしていかなければなりません。

 一方で、世界同時不況から脱するための取り組みは、まさに正念場を迎えています。我が国が現在の経済不況から脱し、市場における自由な経済活動を通じた社会の発展を享受するためには、内需を中心とする安定した経済発展を目指す必要があります。これに対し、我が国の世界最高水準の低炭素型産業、緑の産業は、国の内外で短期的にも長期的にも需要が見込まれる持続的な成長分野と言えます。逆に、今、環境政策に取り組まなければ、取り返しのつかない問題が発生するというような環境面からの問題だけでなく、将来、莫大な対策費用が必要になるおそれがあります。

 このような状況を踏まえ、今こそ思い切った環境政策を行う必要があります。そして、そのような政策を通じて、経済発展を牽引し、雇用を創出します。それこそが、国民の暮らしの豊かさを実現するものであり、鳩山総理大臣が所信表明演説で打ち出した人間のための経済を生み出すものにほかなりません。

 さらには、新しい公共を担うNPOや地域コミュニティーの活性化なども含め、社会のあり方全体を未来に向けて持続的に向上、発展するものに変えていかなければなりません。

 このように、経済や社会のあり方全体を変革するためには、産業界は言うに及ばず、さまざまな組織から、何より国民お一人お一人までの、すべての主体の力を合わせていくことが不可欠です。私は、このための取り組みを先頭に立って進めていきたいと考えており、環境委員会の委員の皆様の御協力をお願いしたいと考えています。

 さて、このような取り組みの中でも、まず、地球温暖化防止のために全力を傾けていかなければなりません。

 地球と日本の環境を守り、未来に引き継いでいくための行動をチャレンジ25と名づけ、国民の皆様と一緒に、鳩山総理大臣のリーダーシップのもとで、環境省が中心となり、政府一体となって、あらゆる政策を総動員して進めていきます。

 具体的には、まずは、排出を削減することが評価され、経済活動における目標として組み込まれるように、市場を変革しなければなりません。地球温暖化対策税の来年度からの導入を含む税制のグリーン化や、キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度の導入を進めます。また、カーボンオフセット制度など、その他の経済的手法の活用もさらに進めていきます。

 また、我が国の環境技術の強みを生かして将来にわたって国際競争力を保つためにも、再生可能エネルギーや電気自動車など、緑の産業にかかわる研究開発を進め、グリーンイノベーションを推し進めます。さらに、チャレンジ25を国民とともに進めるため、国民の具体的な行動を促すチャレンジ25国民運動を進めます。

 もちろん、地球温暖化防止の問題は、我が国だけが努力をして解決できるものではありません。二〇一三年以降の国際的な枠組みづくりを成功させなければならないことは言うまでもありません。

 特に、世界全体の温室効果ガスの排出量を削減する上で、アメリカ、中国、インドは非常に重要な国々であり、私もこれまでも直接議論をしてまいりました。これらの国々を含むすべての主要国が参加する、公平かつ実効性ある国際枠組みづくりに向けて、コペンハーゲンでの合意が後世の人々からも評価されるようなものになるように、国際交渉を主導していきます。

 また、先進国と途上国とのかけ橋としての役割を果たすための鳩山イニシアチブの一環として、温室効果ガス排出削減と公害防止を同時に達成するコベネフィットアプローチによる取り組みを初めとする途上国支援を進めます。

 社会の変革は、温室効果ガスの排出削減と同時に、循環型で自然と共生するものを目指さなければなりません。

 このような観点から社会を変革するためには、国民一人一人に環境に配慮した緑の消費をお願いしなければなりません。エコポイントのように直接メリットが生じるような施策を進めるとともに、わかりやすく正確な情報の提供を推し進めます。

 また、事業者の皆様には、環境に配慮した企業活動、特に将来に向けての環境配慮型の設備投資など緑の投資を進めていただかなければなりません。そのような活動を国民から評価されるように、情報提供を進めるとともに、緑の投資に必要な資金を提供する金融の働きを促します。

 さらに、環境保全の側面から、新しい公共の理念をはぐくみ発展させる必要があります。それぞれの地域において、さまざまな主体が、地域の資源や人材を生かしながら、人と環境に優しいまちづくり、地域づくりを進めるため、枠組みの改善、資金の確保などを通じて支援いたします。そして、地域や全国、さらには国際的な環境保全の取り組みを支える環境保全の人づくりを進めます。

 来年十月には、愛知県名古屋市において、生物多様性条約第十回締約国会議、通称COP10が開催されます。生物多様性の危機が叫ばれる中、世界的にも注目されているこの会議を契機に、生物多様性を守る取り組みを国内外で強化していく必要があります。特に、我が国には、議長国としてCOP10の成功に向けて積極的な取り組みが求められます。

 COP10を通じて、世界の生物多様性がしっかりと守られていくための基盤が強化されることが期待されています。我が国としては、地球レベルの自然共生社会の実現に向けて、二〇一〇年以降における生物多様性保全の目標を設定することや、科学的基盤などその目標を達成するための基盤づくりに貢献していきます。また、途上国の知識や能力向上のため、条約事務局とも協力して、積極的に支援していきたいと考えています。

 生物多様性を守る上では、自然資源を持続可能な形で利用することが重要です。そのため、我が国の里地里山のように自然と共生してきた知恵を世界じゅうから集め、持続可能な自然の利用と管理に生かしていく取り組みをSATOYAMAイニシアチブとして進めます。

 さらに、COP10を契機に、国民の認識を深め、行動につなげていく国民運動を盛り上げていくとともに、多様な主体の連携強化を進めていきます。

 すぐれた自然環境の保全については、さきの通常国会における自然公園法の改正を踏まえ、国民の協力を得ながら、豊かな生物多様性を守りつつ、その恵みを実感できるような魅力的な国立公園づくりを進めていきます。

 また、絶滅のおそれがあるなど貴重な動植物を守りつつ鳥獣の保護管理を適切に行い、動物愛護を進め、鳥インフルエンザに関するモニタリングを行うなど、人と生き物が共生できるような関係づくりを進めます。

 循環型社会づくりも重要な課題です。資源の採取や廃棄に伴う環境負荷ができるだけ少ない社会へと変革し、社会全体の資源効率を高めることは、温室効果ガスの排出抑制にも結びつきます。また、循環産業の活性化は、経済発展と雇用の確保にも結びつきます。

 そのため、意欲と能力のある事業者を支援することなどを通じて、廃棄物の発生抑制、リユース、リサイクルのそれぞれを強化します。また、地域の循環型社会づくりを温暖化対策にも貢献する形で進め、国内の循環可能な資源をさまざまなレベルで循環させるとともに、アジアにおける適切な資源循環を確保していきます。さらに、産業廃棄物の適正な処理を推進し、不法投棄対策を進めるなど、安全、安心な廃棄物処理を推し進めます。

 最後になりましたが、国民が安心して暮らせる安全な社会を保つことは、政府としての基本的な務めです。

 特に、微小粒子状物質や光化学オキシダント、海岸漂着物などの課題には、我が国だけでなく、アジア全体の環境問題を解決するという視野を持って取り組まなければなりません。また、水の中にすむ生き物に着目した基準などさまざまな新しい方法で水質の評価をすることや、水域と陸域とを一体的にとらえた取り組みを進めること、浄化槽の整備を推し進めることなどにより、水環境を守ります。さきの国会における土壌汚染対策法の改正を踏まえて、汚染状況の把握や汚染土壌の適正な処理を進めます。

 近年急増している子供の心と体の問題に関して、環境問題によるさまざまな悪影響が指摘されていることにかんがみて、これに関する調査を進めます。また、化学物質審査規制法の改正も踏まえ、二〇二〇年までに化学物質の生産、使用に伴う人の健康及び環境への影響を最小化させるという国際目標の達成を目指して、すべての化学物質の管理を強化します。

 公害健康被害対策、石綿健康被害対策や毒ガス弾等による被害の未然防止対策を着実に進めます。

 特に水俣病については、さきの通常国会で成立した水俣病被害者救済特別措置法に基づき、救済措置の方針の策定や紛争の解決を図っていくことにより、水俣病被害者の救済を進めます。

 以上、当面の取り組みの一端を申し上げました。委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。

 ありがとうございました。(拍手)

樽床委員長 次に、田島環境副大臣。

田島副大臣 このたび、環境副大臣を拝命いたしました田島一成でございます。

 小沢大臣のもと、この職責をしっかりと果たしていくために、粉骨砕身努力をしてまいりたいと思います。

 また、山積するこの環境行政、しっかりと向き合っていくためにも、樽床委員長初め委員各位の皆様の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げ、一言のごあいさつにさせていただきます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

樽床委員長 次に、大谷環境大臣政務官。

大谷大臣政務官 環境大臣政務官を拝命いたしました大谷信盛でございます。

 田島副大臣ともどもに、小沢大臣を先頭にいたしまして、この委員会、皆さん方の御指導のもと、環境行政を前に前にと進め、経済と環境が両立する人間のための経済社会をつくるために頑張ってまいります。低炭素社会をつくるためにも頑張ってまいりますので、どうぞ御指導賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

樽床委員長 次回は、来る二十日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時十八分散会


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