衆議院

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第6号 平成13年2月15日(木曜日)

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平成十三年二月十五日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 野呂田芳成君

   理事 北村 直人君 理事 久間 章生君

   理事 小林 興起君 理事 自見庄三郎君

   理事 細田 博之君 理事 池田 元久君

   理事 佐藤 観樹君 理事 原口 一博君

   理事 谷口 隆義君

      池田 行彦君    石川 要三君

      大原 一三君    奥野 誠亮君

      亀井 善之君    栗原 博久君

      塩川正十郎君    田中眞紀子君

     田野瀬良太郎君    高鳥  修君

      谷川 和穗君    津島 雄二君

      中山 正暉君    丹羽 雄哉君

      西川 京子君    葉梨 信行君

      萩野 浩基君    牧野 隆守君

      松野 博一君    三塚  博君

      宮本 一三君    八代 英太君

      山本 公一君    吉野 正芳君

      五十嵐文彦君    岩國 哲人君

      生方 幸夫君    大谷 信盛君

      奥田  建君    海江田万里君

      金子善次郎君    城島 正光君

      仙谷 由人君    中田  宏君

      伴野  豊君    平岡 秀夫君

      松野 頼久君    白保 台一君

      若松 謙維君    鈴木 淑夫君

      達増 拓也君    中井  洽君

      佐々木憲昭君    春名 直章君

      山口 富男君    辻元 清美君

      保坂 展人君    横光 克彦君

      井上 喜一君    森田 健作君

    …………………………………

   総務大臣         片山虎之助君

   法務大臣         高村 正彦君

   外務大臣         河野 洋平君

   財務大臣         宮澤 喜一君

   文部科学大臣       町村 信孝君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       谷津 義男君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     福田 康夫君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      斉藤斗志二君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当大

   臣)           橋本龍太郎君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   国務大臣

   (防災担当大臣)     伊吹 文明君

   内閣官房副長官      安倍 晋三君

   内閣府副大臣       村井  仁君

   総務副大臣        遠藤 和良君

   法務副大臣        長勢 甚遠君

   外務副大臣        衛藤征士郎君

   外務副大臣        荒木 清寛君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   文部科学副大臣      河村 建夫君

   厚生労働副大臣      増田 敏男君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   農林水産副大臣      松岡 利勝君

   防衛庁長官政務官     岩屋  毅君

   会計検査院長       金子  晃君

   会計検査院事務総局第一局

   長            石野 秀世君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  柴田 雅人君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   江利川 毅君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    五十嵐忠行君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    金重 凱之君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部

   長)           大竹 邦実君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君

   政府参考人

   (外務大臣官房長事務代理

   )            飯村  豊君

   政府参考人

   (外務省欧州局長)    東郷 和彦君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    林  正和君

   政府参考人

   (国税庁次長)      大武健一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長

   )            日比  徹君

   政府参考人

   (厚生労働省職業能力開発

   局長)          酒井 英幸君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  谷野龍一郎君

   予算委員会専門員     大西  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十五日

 辞任         補欠選任

  大原 一三君     西川 京子君

  三塚  博君     松野 博一君

  宮本 一三君     山本 公一君

  松野 頼久君     大谷 信盛君

  山口 富男君     春名 直章君

  辻元 清美君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  西川 京子君     大原 一三君

  松野 博一君     吉野 正芳君

  山本 公一君    田野瀬良太郎君

  大谷 信盛君     伴野  豊君

  春名 直章君     山口 富男君

  保坂 展人君     辻元 清美君

同日

 辞任         補欠選任

 田野瀬良太郎君     宮本 一三君

  吉野 正芳君     三塚  博君

  伴野  豊君     奥田  建君

同日

 辞任         補欠選任

  奥田  建君     松野 頼久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十三年度一般会計予算

 平成十三年度特別会計予算

 平成十三年度政府関係機関予算




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     ――――◇―――――

野呂田委員長 これより会議を開きます。

 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 本日は、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団・報償費問題等についての集中審議を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官柴田雅人君、警察庁刑事局長五十嵐忠行君、警察庁警備局長金重凱之君、総務省自治行政局選挙部長大竹邦実君、法務省刑事局長古田佑紀君、外務大臣官房長事務代理飯村豊君、財務省主計局長林正和君、厚生労働省労働基準局長日比徹君、厚生労働省職業能力開発局長酒井英幸君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本公一君。

山本(公)委員 おはようございます。自由民主党の山本公一でございます。

 きょうは、去る二月の十日にハワイ沖で、本当に残念な、私にとりましては残念な、悔しい、えひめ丸のアメリカ原潜との衝突事故、このことについて御質問また御要望を申し上げたいと思います。

 と申し上げますのは、私は宇和島の出身でございまして、宇和島水産高とはいろいろな意味で縁もございます。また、行方不明になられている四名の高校生諸君、私の高校二年生の娘と地元中学校で同級生でありました。そういったような行方不明の生徒さんを持つ親御さんの気持ちが、私は痛いほどわかります。今ハワイに行かれております。私も、宇和島水産高の校門で御家族をお見送りいたしました。必死の思いで今ハワイに行っていらっしゃる。

 けさの報道を見ますと、情報の少なさ、何ともならないいら立ちを覚えていらっしゃるやに報道されておりました。あの出発のときの皆さん方の本当に不安そうな沈んだお顔を思い出しながら、一日も早く御家族の方々が現状をきっちりと把握されて、行方不明のお子さんたちと対面されることを切に切に祈っておるような次第でございます。

 今回のハワイの事故は、もう御承知だろうと思います、えひめ丸には一二〇%過失はありません。一二〇%、一五〇%と言ってもいい、全く過失はない。私も家業が船に関係いたしております。船の事故というのは、いろいろな状況はあるのでしょうけれども、どちらかに油断があったときには起きるというのが大体船の事故であります。今回は、申し上げたように、我がえひめ丸には何ら過失はありません。

 そういった今回の事故、外務大臣を初め伊吹担当大臣、当初より本当にお骨を折っていただきました。先週の土曜日、私は、第一報が入ってまいりまして、飛んで宇和島へ帰りました。宇和島水産高に二日間おりました。御家族ともお会いして、目の当たりにしてまいりました。河野大臣にも伊吹大臣にもお電話を差し上げて、よろしく頼みます、とにかく捜してください、米軍に強く強く言ってくださいということを申し上げました。そのとおり頑張っていただいておると思っております。

 しかし、きのうきょう、我が六万四千の宇和島市民は、やはりやるせない気持ちでいることは否めません。それは、現状もさることながら、残念かな、残念かな、我が自由民主党の森総理大臣がいささか宇和島市民の感情を逆なでするようなことが起きている。

 大変僣越な申し状で申しわけございませんけれども、私は森総理に、森総理というお方は我が宇和島とも非常に縁の深いお方であります。そういうお方なればこそ宇和島市民は大いに期待を申し上げているわけでございまして、この機会に大いに反省をしていただきたい。そして、まだ遅くはない、これからもリーダーシップを発揮していただき、これからいろいろな面で難しい交渉事が出てまいると思います。ぜひ先頭に立って、えひめ丸のこの事故のもろもろの解決に御努力をいただきたい。総理がいらっしゃいませんけれども、官房長官、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ところで、今我々が一番関心が深いのは、一体今、船体はどうなっているんだろう、そして行方不明の九人の方々はどうなっているんだろう、その一点であります。引き揚げということを強く強く愛媛県も要望いたしております。愛媛県百五十万の県民も要望いたしております。しかしながら、伝わるところによると、大変深い海であるがゆえに引き揚げは極めて困難だと言われております。偽らざる宇和島市民の心境としては、困難であろうとも不可能なことはないという思いであります。世界屈指の技術力を持ったアメリカ海軍がやろうと思えば必ず引き揚げは可能だ、私はかように思っております。

 その引き揚げの可能性について、伊吹大臣にまずは御説明を願いたいと思います。

伊吹国務大臣 まず、山本先生のお地元の宇和島で今回の事故に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、なお行方不明の御家族の方々の心情を思い、心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 それから、事故が起こりまして、先生が今お話しのように、水産高校においでいただき、そのお気持ちを背中に背負って、我々が連絡室に詰めておりましたところの場へおいでいただいて、お地元の小野代議士、それから野間参議院議員等と御心情をつぶさにお伝えいただいたということは、アメリカ等との交渉をやっていただいている外務省にもお伝えすることができまして、その御苦労にまず厚く御礼を申し上げて、敬意をあらわしたいと思います。

 さて、事故が起こりました明くる日に、愛媛県民のお気持ちを代表されて知事が御上京になりました。その前後に先生方もおいでいただいたわけでありますが、森総理から強い御指示がございまして、私のところで関係省庁に集まっていただきました。そのときにやりましたことは二つございます。

 まず第一は、先生がお話しのように、アメリカの主権内で起こっておりますことですから、しかし、アメリカは完全にその責任を認めるというか謝罪、アポロジー、グレートリグレットという言葉を使っておるわけでして、向こうとして、軍事上の問題があっても最大限の努力をして至急に引き揚げをやってもらいたい、しかし、その前に、なお海上に生存者がいらっしゃる可能性があるわけですから、そちらを最大限にやってもらう、これを外務省が、また防衛庁が強力に申し入れてくれました。それと同時に、その引き揚げの要請をいたしております。

 一方、日本の方として何ができるのか。つまり、アメリカが協力してやろうと言った場合、万が一アメリカがノーと言った場合に、日本として、それじゃやるという体制がとれるのかどうなのかを国土交通省、文部科学省、海上保安庁等の方々に検討してもらっております。

 それで、アメリカからは、既にサンディエゴの基地から無人の潜水機スコーピオというのが現地に行っておりまして、位置の確認、それから写真の撮影がもうすぐ始まると思います。十五日にパールハーバーを出るということになっておりますので、これはもうすぐに始まると思います。

 ただ、これをサルベージできるかどうかは、約六百メートルの海深に沈んでおりますので、技術的にどういうことができるかを含めて、先生おっしゃったように、軍事技術上は最先端の米海軍でございますから、この点も外務省の外交ルートを通じて今鋭意やっていただいているところです。

 先ほど来、政治の姿勢についての御叱正もございました。私も、この事案の第一報を受けたときに、これは外交あるいは安全保障上重大な影響、問題になるであろう事故だと実は思いました。しかし、行方不明者がおりますから、事故だとか危機管理だとか言っている暇が実は政治家としてはないわけですね。ですから、私の独断で、るる申し上げているようなことを外務省、防衛庁のルートを通じてお願いをしたわけです。

 そのことが結果的に危機管理か事故かという議論を呼び起こしたということであれば、私は森総理に大変申しわけなかったと思うんですが、危機管理か事故かということの議論は、国民の命がまさにどうなるかというときには、そういうそもそも論をしている暇が実はなかったということもひとつ御理解をいただきたいと思いますし、今後も、地元の国会議員や県会の方々、熱心に来ていただいておりますので、その御心情を十分体して頑張らせていただきたいと思います。

山本(公)委員 ありがとうございます。

 まさに私どもは、確かに危機管理論については論ずるべきことは多々あるんだろうと思います。しかしながら、私の立場、宇和島市民は、その話とは違うんです。本当に今大臣がおっしゃっていただきましたように、まだ一%の可能性もあるかもしれない、その生存者の捜索に、そしてまた船体の引き揚げに全力を挙げていただきたい、そのただ一点なんです。

 どうぞ今後とも、困難かもしれませんけれども、家族が、また市民が納得するまで、スコーピオを使って、また我が国の協力を得て、できるだけのことはすべてやっていただいて、その上でというようなところまでとことんやっていただきますことを心からお願いを申し上げておきたいと思います。

 次に、今お話がありましたように、私もとっさに、これは大変な外交問題になってくるなということを感じました。外務省、いち早く立ち上げていただき、すぐその日に河野大臣とも連絡をとらせていただきまして、大臣の方から、桜田政務官をすぐハワイに行かす、桜田政務官からも、出発直前に連絡がとれて、お願いをいたしております。

 冒頭申し上げたように、向こうで今家族の方々がいら立ちを覚えていらっしゃいます。こんなに情報が入ってこないんだったら宇和島にいても一緒だった、けさの新聞に家族の言葉が出ておりました。多分、桜田政務官を先頭に、外務省の方々が相当情報を集めていただいておると思います。そういったことで、多分難しい状況だろうと思いますが、逐一家族に知らせてやっていただきたい。

 けさの報道では、また腹立たしいニュースが入ってまいりました。民間人が操縦をしていた可能性もあるというようなことを書いていました。あってはならないことです。もう我々、今回の潜水艦の事故、当初から驚くことばかりであります。予想もしないことばかりであります。難しいと言われている急速浮上訓練、そのときに、民間人がひょっとしたら操縦していた可能性もあるかもしれないなんということは、おおよそ空の上でジャンボジェット機の操縦を民間人に任せたみたいなものです。こんなことが本当にあっていいんだろうか。そういった情報が錯綜する中で、家族の方々はハワイにいらっしゃるんです。

 外務大臣、これからもいろいろな意味で、米国との交渉は難しいことがいっぱい出てくるだろうと思います。日米安保の問題、友好国であるといって引き下がることがないように。我々は一二〇%過失がないんです。強い態度で米国に臨んでいただきたい。そのことについて外務大臣の見解を求めたいと思います。

河野国務大臣 事故発生当時から、山本議員にはいろいろと地元の方々の御心情等をお伝えいただき、また、私どもも、そうしたお気持ちを十分体してアメリカとは話し合いをしてまいりました。

 今お話しのように、事態は我々の想像を超えるさまざまな問題が露呈をされてきているように思います。

 昨日のCNNの情報を聞いて、私も大変驚きました。現地ハワイにおります桜田政務官をして、直ちにハワイの潜水艦部隊のコネツニ少将を呼んで、一体これはどういうことだということを説明を求めました。また、これまでそうした説明がなかったことについて、極めて強い遺憾の意をそこで表明してもらいました。

 その折、もう既にこれは新聞で報道されておりますけれども、コネツニ少将からは、事故発生時にグリーンビルには十六名の民間人が乗艦していたが、これは海軍の役割を理解してもらうための通常のオペレーションであったことという話があった上で、民間人の何人かが浮上動作に限定的な形で参加する機会を得て、二人が司令室に配置され、乗員の厳格な監督、誘導のもと、単純な操作に従事した。

 一人は操舵席で、乗員が手を民間人の手の上に置いて、それを誘導する形で動作を行った。艦長の命令のもとに緊急浮上のために実施する一連の動作はすべてマニュアルにより定められており、乗員の監督のもとで実施する限り、通常と異なる動きが起こることはないという説明であった。いずれにせよ、これらの点は調査の対象となっていて、米側は解明に向けて引き続き徹底的な調査を行うという説明でありました。

 これに対して、桜田政務官より、万が一民間人が浮上動作に参加したことが今回の事故発生につながったとすれば、事は極めてゆゆしき事態と言わざるを得ない、いずれにせよ早期に徹底的に調査をして報告をしてもらいたいということを先方に伝えました。

 また、私はけさ、パウエル国務長官に電話をいたしました。パウエル長官はちょうどニューヨークにおられましたが、長官にけさ電話をいたしましたところ、パウエル長官からは、重ねておわびを申し上げる、自分としては、この問題に強い関心を当然持ってフォローしております、この問題の深刻さ、そして日本国民のお気持ちというものは十分理解をしております、徹底的な調査をし、その結果を速やかにお伝えいたしますということをパウエル長官は答えておられたことをお伝えいたします。

 いずれにしても、今議員がお話しのように、民間人を巻き込んだこうした問題について、我々は、先方との話し合いで、譲歩をするとか、何か弱気な話し合いをするというつもりは全くありません。きちっとした原因の究明、そうしたものを徹底的に求めて、これの公表をしてもらうよう言うつもりでおります。

 他方、調査、捜索につきましても、引き続き全力を挙げてもらうように、これもまた要請をいたすつもりでおります。

山本(公)委員 外務大臣、本当にお願いいたします。

 宇和島市民というのは、本当に人情味のあるいい市民なんです。今、そのいい市民が怒っているんです。本当に怒っているんです。やるせない思いでいるんです。もし民間人の関与ということが事実であったとするならば、もう本当に私どもは、市民の気持ちとして、言葉には言いあらわせないような気持ちになってしまうと思います。

 徹底的に調査してください。そして、もし事実であるならば、とことんアメリカの責任を追及してください。我々には弱みはないんです、大臣おっしゃるとおり。一二〇%過失のない話なんです。ぜひ、この問題については強気な態度で今後もアメリカと交渉をしていただきたい。心からお願いを申し上げておきたいと思います。

 いろいろと申し上げたいことはたくさんあるわけでございますけれども、限られた時間でございます。

 私は、おととい、関西空港に行ってまいりました。幸いにして生存した高校生を出迎えに行ってまいりました。一人一人の顔を見ていると、本当に幼い高校生たちばかりであります。彼らがあのハワイの沖で仲間と生き死にを別にするようなつらい体験をしてきたかと思うと、私は、彼らの顔を見ていて、一人一人の顔を見ていて、頑張ってきたねと言うと同時に、本当に涙が出てくるような思いでした。

 本当に、多感な高校生という時期に仲間を失うということ、とりわけ海の仲間というのは連帯意識が非常に強く要求をされるし、また、あるものであります。その仲間を瞬時にして見失ってしまったという彼らの、高校生の体験。

 私は、水産県愛媛、だから水産高もあるわけでございますけれども、今漁業が大変厳しい中で、彼らは十五歳という高校進学のときに、みずからの進路を海に生きようと求めてあの学校に入ったんです。そして今回、事故に遭いました。恐らく、彼らの今の気持ちとしては、もう二度と再び船には乗るまい、海には出まいと思っているだろうと思います。当たり前だと思います。でも、彼らが最初に人生の目標を立てたその目標に対して挫折をするわけです。

 文部大臣、先般お伺いしたときも申し上げましたけれども、そういった有為な青年たちが異常な体験をして帰ってきております。昨日は河村副大臣に宇和島の方まで来ていただきました。十分にケアについては配慮をしていくというお言葉もいただいたようでございますが、大臣の口から、こういった高校生に対して、ケアの問題についてお考えがありましたらお伺いをいたしたいと思います。

町村国務大臣 山本議員には、あれは十二日でございましたか、ちょうど三連休の最後の日です。文部科学省まで足をお運びいただきまして、大変に、今の問題を含めこの事故対策、しっかり取り組むようにという叱咤激励をいただきましたことを今でも心から感謝しております。

 今お触れになりました子供たちの精神的な影響、ダメージの大きさ、いかばかりであろうかと私どもも考えておりまして、そのために、愛媛県の教育委員会では既に、生徒たちの心のケアをサポートするために、心のケアに詳しい職員を宇和島水産高校に派遣しておりますし、また、その学校の養護教諭でありますとか保健所あるいは愛媛大学の教育学部の専門家、こうした方々と連絡をとって対策を既に打ち始めている、こう聞いております。

 文部科学省といたしましても、そうした地元の動きをしっかりとサポートしていこうと思っておりますし、さらに御要望があれば、スクールカウンセラーを東京の方から派遣するなどいたしまして積極的な支援を行ってまいりたい、こう考えております。

 しかし、確かにこうした大きなダメージを受けた直後でございますから、しかし、人生七転び八起きという言葉もございますので、この厳しい試練から立ち直って、子供たちが、高校生たちがしっかりとまた将来に向けて前向きに生きていってもらいたいな、この試練を、災いを転じて福となせるように、そんな思いで私どもしっかりと支援体制をつくってまいりたい、こう思っております。

山本(公)委員 ありがとうございます。

 私ども宇和島市民も、彼らのことは温かく見守っていきたいと思いますし、私自身は、もう一度彼らが海に情熱を燃やせるようになってもらいたい。私どもの愛媛県は、宇和島は、水産で成り立っていると言っても過言ではない町であります。そういった町の有為な青年が、不幸な出来事で人生の一番最初に立てた目標を変更することがないように、我々も十二分に見守っていきたいと思いますけれども、文部科学省としても、ぜひそういった面に温かい御配慮をこれからもしていただきたいと思います。

 もう時間が参りますので、最後に再度申し上げたい、お願いをいたしたいと思います。

 まだハワイには一%の望みを持って御家族の方々が滞在をしていらっしゃいます。今、このえひめ丸の衝突事故は、ややもすると、新聞論調、またこの予算委員会の質疑を聞いておりますと、違った方向の視点からこの問題を取り上げられる方が多いように思います。しかしながら、私どもは、宇和島市民として、一%の生存の可能性を信じております。そういった宇和島市民の、愛媛県民の、御家族の思いをこれからも十二分に理解をしていただいて、皆さん方、力いっぱいお願いします。(発言する者あり)今いろいろと言っています、地元対策だと。私は地元対策でも何でもない。我々は必死なんです。失礼なことを言わないでください。私は、この言葉が地元に伝わらなくても何でもいいのです。政府に伝わればいいのです。

 ぜひ、これからも力いっぱい、全力を挙げて捜索活動、そしてまた船体の引き揚げに御努力をいただきたい。心からお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。

 次に、若松謙維君。

若松委員 公明党の若松謙維です。

 おとといに続きまして、この集中質疑におきまして質問をさせていただきます。

 外務大臣にまずお願いしたいわけですけれども、先ほど山本委員からも、特に地元でもありますので、まさに家族の方と直接接触された、本当に真情から訴えられる御要請もございました。

 私としては、再度同じような質問になるわけですけれども、今回、NTSBというのでしょうか、アメリカの国家運輸安全委員会、これが船内検証を行いまして、原因究明のかぎとなります事故直前の音響探知機、いわゆるソナーや、また潜望鏡の監視映像の記録を残していなかった、こんな事故や、さらには、全く信じられない、いわゆる民間人が、三人の操縦席のうち二人が座っていた。そういうことで、やはりどう考えてもアメリカの今のやり方というのは問題がある。

 それは、アメリカの海軍の中の問題であるということであればそれで済まされるわけですけれども、決してそうではない。私は、どう考えても、何で今回緊急浮上の際にアクティブソナーを使わなかったのか。また、先ほどの潜望鏡による安全確認は十分だったのか。そして、何よりも緊急浮上の際に民間人に操縦の一部をなぜ任せたのか。やはりこれは、直接事故には関係しなかったとアメリカ当局は言っておりますけれども、結果的に先ほど言いましたようなソナーとか潜望鏡の事実が残されていない。やはり間接的にしろかなり影響がある、私はそう確信せざるを得ません。

 そういうことで、再度外務大臣に、この問題は徹底的にアメリカ側に説明をしていただき、家族の方だけではなくて日本国民に十分に納得できるような、そういった形を強く要請していただきたいわけですけれども、改めて外務大臣の決意をお伺いします。

河野国務大臣 先ほど山本議員にも御答弁申し上げましたが、けさほどパウエル国務長官との電話会談におきまして、私からパウエル長官にも、今議員御指摘の徹底的な原因究明について強く要請をいたしました。パウエル長官は、国防総省、海軍が本件の問題を徹底的に調査し、正確な事実が判明し次第日本側に提供することになるということを言っておられました。

 国防総省、海軍とはいいますけれども、私は、パウエル長官とやはり日米関係をマネージする立場に立って、外務省、国務省、これはもう責任ある立場としてこの問題もきちっとフォローしなければならぬと思っておりますので、今議員からお話がございました点につきましては、またハワイの現地、さらにはワシントンでこの問題はきちっと要請を続けるつもりでおります。

若松委員 特に、アメリカの軍事関係も、当然アメリカは、情報公開がかなり進んでいる国といいながらも、いわゆる軍事機密情報はしっかり守る、とはいっても、やはり予算獲得のために今回このような過剰なサービスが行われた、そう理解せざるを得ません。

 ですから、重ねて外務大臣に、そういった思いを日本国民が全体として持っている、それを強く要請していただきたいのと、あわせて、先ほどの生存者の確認を何としても最後まで望みを捨てずに頑張っていただきたい。さらには、沈没船の引き揚げ、これも人類英知を結集した最大の努力をお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。

 報償費、いわゆるマスコミ用語で外交機密費、これについてさらに質問させていただきますが、本日で予算委員会は五日目になります。さまざまな観点からの質問が大勢の委員からされました。私は、この報償費が多過ぎるとか少ないとか、必要とか必要でないとか、そういう議論ではなくて、では、その報償費、外交機密費を使ってどのような情報が得られたのか、そういった観点から質問させていただきたいわけです。

 いわゆる国益を守るために、では、どのような重要な情報の収集がなされたのか。特に、国民にとっても大変記憶が鮮明に残っております湾岸戦争、例えばそういったものを例にとりまして、公開しても問題のないような件について、ちょっと具体例を挙げて説明をしていただきたい。よろしくお願いします。

河野国務大臣 情報がどういうものがあったかというお尋ねでございますが、情報にはいろいろな種類がございます。直近の問題についての情報もあれば、それが何年か先に起こり得る可能性についての情報もございます。さらには、ずっと中長期にわたって、こうしたものが例えば人脈、人間関係、さまざまな問題について蓄積をされていくべき情報もあるだろうと思います。

 情報の中で、今議員は、公開できるような情報があれば例を少し挙げてみろ、こういうお話でございましたが、私は、大変議員のこの報償費、機密費に対します御理解ある御発言に感謝をしながら、大変申しわけないことでございますが、情報の具体的なものについて、まだまだ申し上げるというわけにいかないということをぜひ御理解をいただきたい。

 これがいつの日また、相手先がそれにかかわって不利益をこうむるというようなことがあるかもしれません。あるいは、そうした情報の公開によって、積み上げてきた情報源、あるいは情報によって組み立てつつあるものが崩れるということもあり得るわけでございまして、その点についてはぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。

若松委員 項目が報償費、まさに外交機密費、そういうものですから、大臣のそういう説明の趣旨は理解できないでもないわけです。

 そうすると、じゃ、本当にそれが正しく日本の国益のために使われているかどうか、情報を公開できないまでも、やはりそのチェック、第三者チェックはどうしてもされるべきではないか。

 そう考えますと、会計検査院、これはおとといも会計検査院長が、大変大きな責任を感じている、そう申されたわけですけれども、じゃ、この報償費、これにつきましては、例えば、毎年会計検査院が決算検査報告を出しているわけですから、そこに項目として、中身をチェックした、それでその管理体制、さらにはその中身の項目について、特に国益等からかんがみて問題ない、そういったことをしっかりと記載すべきではないか。そうしないと、この問題は国民も納得しないし、永遠に続く問題。どうでしょうか、会計検査院長。

金子会計検査院長 毎年の検査報告への掲記でございますけれども、御承知のように、不当事項であるとか処置要求事項であるとか、それから意見表示事項であるとか、また特別に掲記する必要がある事項、また国民の関心の高い事項について検査の経過を報告する等、検査報告に掲記をしております。

 今回の事案につきましても、検査結果に基づきまして、掲記については検討をしていきたいというふうに考えております。

若松委員 院長、もう一つ。おとといの質問で、今対応に追われていると思うんですけれども、答えられる範囲で。

 今回の事件を教訓として、今後、こういうような予算の項目についてどう対処していくか、お答えできますか。

金子会計検査院長 私は、三つの点についてお答えをいたしたいというふうに思います。

 一つは、今生じております事態について、会計検査院として、事実関係の解明、発生原因の究明、そして適正な予算執行を確保するためにどのような措置がとられるべきであるかということを検討していくということが第一点でございます。

 第二点は、いわゆる報償費、捜査費という計算証明規則十一条に基づいて手元保管がされております費目について、これまでにもいろいろな問題が国会等でも議論されております。したがいまして、十一条で手元保管が認められている費目について、今年度の検査計画の中で十分注意をして、そして前回申し上げましたように、チェック機能がどうなっているのか、それが機能しているのかという点も留意をして対応していきたいというふうに考えております。

 それからもう一点は、省庁再編に伴いまして、手元保管を認めているものについて、省庁の名称変更その他がございました関係で、現在、十一条の規定による承認を、再度申請を出してもらって、その申請を認めるかどうかということについて見直しを行っております。これについても、適正な執行が確保されるような形で、当方にどういう書類を提出してもらうか、またチェック体制についてどういう体制を整備してもらうか、そういう点も含めて検討して、十一条に基づく承認をしていきたいというふうに考えております。

若松委員 今三点の御指摘がございました。いわゆる計算規則十一条に基づいて、そういうことで、先ほどのこういった予算項目の承認の見直し、それをしっかりぜひやっていただきたいと思います。

 それで、ちょっと観点が変わりまして、二月十四日の読売新聞、きのうの読売新聞によりますと、外務省では、外務大臣以下、課長、室長クラスまでの会食費の使用限度額を定めており、この会食費には外交機密費が充てられている、こう報道されておりました。これは松尾元室長も一部肩がわりしたとか、そんな情報が流れているわけです。これは事実ですか。

河野国務大臣 いかなる根拠によってああした報道が行われたのか私にはよくわかりませんが、私はああした事実を全く承知しておりません。

若松委員 わかりました。

 それでは、また別の観点から。

 これは二月九日発表ですけれども、外務省機能改革会議、これが発足されるということが発表されました。今月中にその委員の第一回目の会合が行われると思うんですけれども、これは別に個人的な攻撃をするわけじゃありませんけれども、やはり公平な観点からのチェックということを考えますと、そのメンバーの中に岩男寿美子さんという、これは武蔵工業大学教授をされている方が入っております。この岩男さんという方ですけれども、この方は、例の警察不祥事のときの国家公安委員、任期は来年の二月までだったんですけれども、ちょうど国家公安委員会のあり方が問題になったときに実は委員をされていた方なんですね。

 この岩男さんという方なんですけれども、これから想定されるのは月三日から四日ぐらい、どうも国家公安委員会として参加されていたようです。この国家公安委員会は、当時は月百三十四万六千円、国会議員そして事務次官と同じ給料ということですけれども、私は、前回、国家公安委員会で適切な、いわゆる委員会としての機能がなされていなかった、その委員になぜこの外務省の機能改革会議というまた重要な、ある意味で危機管理、まさに国家公安委員会をさらに上回る高度な話にもなるわけですから、そこでしっかりとその仕事をできなかった委員をまた再任するのか、これは非常に理解しがたいと思っております。

 では、まずこの方、なぜ選んだのか、そして、その方に対する報酬はどのくらいなのか、これからどのような勤務が想定されるのか、説明いただけますでしょうか。

河野国務大臣 機能改善会議の委員の方々の人選に当たりまして、それぞれの分野ですぐれた方をお願いしようということで、いろいろと相談をしたわけでございます。

 岩男先生は大学の教授、社会心理学の教授でいらっしゃいまして、男女共同参画社会の会議の委員でもいらっしゃいます。私は、外務省の人事の問題等についてもこうした視点というものもぜひお願いをしたいと思いましたし、またこの委員会の中で唯一の委員、曽野綾子先生には参考人として参加をしていただくわけですが、正規の委員として女性にはぜひ参加をしていただきたいと思いましたこともございまして、岩男先生にお願いをしたわけでございまして、岩男先生の識見というものは、私は極めて高い評価をさせていただいております。

 報酬については、ちょっと官房長から。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 この種の会議に御参加をお願いする場合の通例に従いまして、謝金、一回の会合につきまして三万円程度をお支払いすることを考えております。

若松委員 なるほど。そうすると、かなり御意見番と。一回の会合につき三万円ですね。

 そうすると、月に何回ぐらい開催される予定ですか。

飯村政府参考人 今後のスケジュールでございますが、第一回会合につきましては二月中に開催いたしまして、三カ月程度のうちに御提言をいただけることを期待しております。ですから、その間、会合の回数についてはまだ具体的にはっきり決めておりませんが、全体で十回前後行っていただくのかなという感じを持っております。

若松委員 私としては、これはたしか国会同意人事でもあるわけですね。ですから、我々は何らかの形で関与しているということでの責任も感じなくちゃいけないんでしょうけれども、こういう機能改革の場合には、どうも見ますと、大学教授とか弁護士とか新聞社長、あとは経団連の平岩名誉会長とか、こういう形で、やはり機能改革にはもっとプロフェッショナルで、コンサルタントというんですか、まさに民間の本当に現場の厳しい経済の中でやっている人、そういった人もこれから入れないと、どうしてもいわゆる役所がつくった意見をただ聞いて、それに対してちょっとコメントする、そういうふうに終わると思うんですけれども、それについてはいかがですか。

河野国務大臣 私は、委員をお願いいたしますときに、どうぞ自由に御意見をいただきたいということを申し上げております。仮に私どもがどういうことを申し上げても、そのとおりに御発言をいただけるような方ではないと私は思っておりまして、非常な高い見識、経験をお持ちで、非常に厳しい御意見もいただけるものと思っております。

若松委員 わかりました。

 いずれにしても、今言ったように、どうですか、ちょっと事務方、現場の企業等に対してまさに組織的に厳しいアドバイスをしているコンサルタントとか、そういった方をもっと入れないと機構改革というのはできないと思うのです。いかがですか。大臣の後に答弁させるのは失礼だと思うんですけれども、ひとつ。

飯村政府参考人 委員につきましては、先ほど先生が言われたとおりでございますけれども、討議の過程で民間の方々の仕事ぶりとかそういったことを参考にするということは、当然考えられると思います。

若松委員 ぜひよろしくお願いします。

 それで、KSD問題に移らせていただきますが、まず、現在、政治資金規正法第二十二条の三ですけれども、ちょっと読みますと、国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付決定を受けた会社その他の法人は、給付金の交付決定を受けた日から一年間は政治活動に関する寄附をしてはならない、さらには、国から資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部または一部の出資または拠出を受けている会社その他の法人は、政治活動に関する寄附をしてはならない、こうされているわけですけれども、今回のKSDはこれに実は該当しないという問題でございます。

 そして、該当しないからこそ、政治団体もしくは政治家にもう本当に密着型の公益法人も幾つかあると私は理解しておりますし、現に、野中元幹事長ですか、現在、自民党の行革本部長をやっていただいておりますが、その野中さんも、本当に現在の公益法人と公務員は何をやっているのかと、私に何かその怒りを向けられました。だから、私もずっと、公益法人は何とかしなくちゃいけないという思いで今回の事件に携わっているわけですけれども、やはり先ほどの二十二条の三だけでは規定は不十分ではないか。

 そこで、片山総務大臣にお伺いしたいんですけれども、今回のKSD事件に見られましたように、公益法人が任意団体を隠れみの、トンネルにして公益法人の資金を使って政治献金等をしている実態を見ますと、国や都道府県から認可を受けた公益法人、いわゆる民法による法人ですね、その公益法人が設立して資金を拠出している任意団体を含めて、政党の党費立てかえ、パーティー券購入、さらには政治献金、こういったものをやはり何らかの形で阻止すべきだと思いますが、総務大臣のお考えはいかがでしょうか。

片山国務大臣 今の政治資金規正法上は、公益法人が政治活動に対する寄附をしたりあるいはパーティー券の購入をすることは規制されていないんですね。今は法律上は認めているわけであります。

 そこで、若松委員の御提案のようなお考えも私は一つのお考えだ、こう思いますけれども、その場合に、最高裁の判決が出ておりまして、昭和四十五年の六月二十四日でございますか、企業・団体献金も政治活動の自由の一環として献金できるんだ、こういう判決が出ていますね。それともう一つは、公益法人だけじゃなくて、似たようなものに社会福祉法人や学校法人や宗教法人や医療法人がありますよね。これらの法人についてどう考えるのか。私は、この二点のクリアが要るのではなかろうか。

 だから、それらを含めての総合的な観点での検討が要るんではなかろうか。事柄は極めて政治的イシューですから、私は、まず各党各会派で十分そういう視点を踏まえて御論議いただく必要があるのではなかろうか。お考えはお考えとして大変傾聴すべき意見だと私個人は思っております。

若松委員 今回のこの公益法人、英語で言うとパブリックコーポレーションですね、いわゆる公益、私ども、この公益法人に対して外部監査をぜひ導入すべきだ。そういうことで、二月九日に片山大臣は対応されたわけですけれども、実際に見ますと、資産百億以上、負債五十億以上、事業収入十億以上。これですと、千二百社ぐらいが対象になる。現在、既に、中小入れてその基準に関係なく千三百社ぐらい外部監査を受けているんですね。ですから、あの基準では何ら公益法人の透明性は高まりません。

 パブリックですから、いわゆる上場会社、証券取引法による上場会社もパブリックです。パブリックは監査を受ける、これが前提なんです。ですから、基本的には公益法人はすべて外部監査を受ける。その二万七千社、私は、これをしっかりとまず議論すべきだと思います。パブリックだからこそ、それは政策要求のために政治家にいろいろしていいけれども、では、その裏というか、それを支援するための政治献金というのは、まさにこれはいわゆる政治家と公益法人の関係のモラルというんですか、極めて政治のモラルの問題なんですね。

 ですから、私はそういった観点から、先ほどの、さらに情報開示、外部監査、そして政治家との関係、この二万七千社の公益法人についてはもっともっとしっかりと議論をすべきだと思います。ぜひ今後とも片山大臣、御検討をいただきたいと思います。

 そこで、いよいよ時間がなくなりましたので、最後に橋本行革大臣にお伺いしたいわけですけれども、大臣に任命されて、物すごい勢いでいろいろな仕事をされております。

 その中で、今回の公益法人の肥大化ということを防ぐためにどうするかということですけれども、現実には、補助金等を公益法人が受けて、各府省がいわゆる公益法人丸抱えというのですか、そういった現状があるわけです。その前提には、公益法人をつくるには、何かの政策を実行するために公益法人をつくる、その公益法人のいわゆる基金、または出資金に税金を二十億とか五十億とか百億とか、そういう基金を拠出します。これは多額のお金になりますので、私は、この緊縮財政にあっては、こういう公益法人はあくまでも基金は要らない、運用益で今後そういった事業を続けるというのは適切じゃないと思います。

 ですから、国は、保証はする、いわゆるギャランティーをする。だけれども、公益法人が今後政策を遂行するに当たってのかかった費用を補てんする、費用を弁償する、そういった形の公益法人に対する予算の使い方、税金の使い方に切りかえるべきではないか、そう思いますが、大臣、いかがでしょうか。

橋本国務大臣 私は、議員が御指摘になられたその問題点を否定するものではありません。その上で、これは大変微妙な問題を含むのではないかと思います。そして、今議員が言われましたような基金というものが、例えば公益法人が行う一定の事業、これに着目して、その補助金などを原資として特別の基金を設ける、それによって事業の効率的な、あるいは安定的かつ円滑な運営に資する場合があることも間違いありません。

 その上で、これはメリット、デメリットがあると思います。というのは、基金造成に対する補助を廃止して、議員が言われるような形で費用を補てんするという形になりました場合に、確かに、毎年の予算編成を通じて必要なお金を寄附するわけですから、そこでモニタリングが確実にできる、運営の適正性というものを確保するメリットがあります。

 しかし、実は、そうやった場合に、費用補てんが例えば毎年その補助金として行われるようになりますと、これは逆に法人に対しての財政負担を固定化することになってしまいはしないだろうか。あるいは、そういうふうな補助金というものを考えました場合に、法人の自主的な経営努力というものが引き出せなくなりはしないだろうか。そうしたことを考えますと、事業の自立性とか効率性を阻害する可能性もないとは言えません。ですから、当然のことながら、基金造成というものに対して精査していくことは間違いありませんが、必ずしも一定の枠をはめるということがいいのかどうかというのには多少疑問がございます。

 しかし、政府として、これは今、公益法人に対する補助金などのあり方について行政改革大綱に沿って厳しく見直してまいりますので、御意見等もまたその中で参考にさせていただくことは当然のことだと思います。

若松委員 もう時間が来ましたのでやめますが、公明党として、二日前に公益法人運営適正化法案、その骨子を発表いたしました。この法案の作業を進めながら、また連立与党、自民党、また保守党とも一緒に議論しながら、国民の皆様が納得できるような公益法人のあり方について議論を進めたいと思いますので、ぜひ橋本大臣、また片山大臣も引き続き前向きな検討をお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて若松君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として国税庁次長大武健一郎君、国土交通省海事局長谷野龍一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 次に、城島正光君。

城島委員 民主党の城島正光でございます。

 きょうは集中審議ということでありますけれども、当初予定をしていた質問に加えて、この一両日起こった問題についても冒頭質問させていただきたいわけでありますが、いずれにしても、この重要な状況、そしてまた重要な問題について質疑するに当たって、森総理の出席がないのは大変残念だなというふうに思います。こういった重要な集中審議、並びに今、先ほどからの論議になっておりますけれども、えひめ丸の問題を含めて大変重要な問題が起こっているわけなんで、ぜひこういう場に総理自身の出席をいただきたいということを冒頭強く申し上げたいというふうに思います。

 それで、早速えひめ丸の問題についてでありますけれども、もうこれは、事故に遭った生徒の皆さんを含めて御家族の皆さん、また同時に、まだ行方不明になっている九名の皆さん方の御家族の皆さんに対しては、冒頭、本当に心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、先ほど山本議員がおっしゃっていましたけれども、わずかな望みがまだあると思いますので、質問に先立ちまして、この救出活動について政府からも要請を一段と強くしていただきたいということを申し上げたいと思います。

 それで、この事故を起こした原潜につきまして、アメリカの原潜が何と民間人を乗せていて、しかも、どうもその民間人が操作をしていたという報道が入ってまいりました。率直に言って驚いたというか愕然とした話でありまして、これは一体どうなっているのだという思いでありますし、同時に、事故に遭われた方々の憤りというのは察するに余りあるわけでありますが、この状況について、政府として、現段階、この内容についてはどれぐらい状況を把握されているかをまずお尋ねしたいと思います。

河野国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたが、現在、現地におきまして原因究明のための作業が行われておりまして、徹底的な原因究明をやるということを先方から言ってまいりまして、その結果が出次第、速やかにこちらに連絡があるということでございますので、連絡があり次第、我々としてもこれに対応したいと思っております。

城島委員 それで、一般的なルールというのでしょうか、法的なものについてお尋ねしたいわけでありますが、こういった船について、免許を持たないというのでしょうか、民間人が操作をするというようなことは、これは法的には許されているのでしょうか。

谷野政府参考人 御説明を申し上げたいと思います。

 船員の資格を定めております千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約というのがございますが、軍艦についてはこの条約の適用対象となっておりません。したがいまして、軍艦に対して民間人を乗せることの是々非々については、国際条約上は何も規定がないということでございます。(城島委員「いや、操作について」と呼ぶ)

 一般的な商船につきましては本条約の適用対象となっておりますが、船長の指揮のもとであれば操船ができるという考え方になっております。

城島委員 軍の、例えば今回事故を起こした原潜なんかについてはこのルールはどうなっているのでしょうか。防衛庁長官にお尋ねしたいのです。

斉藤国務大臣 自衛隊の船に関しましては、一般の人に操舵させることは一切行っておりません。

城島委員 民間人を原潜あたりに乗せるということはあるのですか、自衛隊においては。

斉藤国務大臣 お尋ねでは、原潜に乗っておるかという御質問でございますが、自衛隊は原潜を持っておりません。(城島委員「潜水艦です」と呼ぶ)

 海上自衛隊では、広報目的その他業務上の必要性がある場合に、限られた数でありますが、報道関係者それから自衛官就職援護協力者、関係省庁の職員また造船所関係者等、年間数十人程度、潜水艦に搭乗させて航海することがございます。

城島委員 いずれにしても、そうしますと、今回のアメリカの原潜のこの事態、すなわち民間人に操作させるようなことというのは、一般的には起こり得ないことだということですね。

 そうだとすれば、これが現実だとすれば、やはり、さらに詳細な報告をもって、政府としてアメリカに対する厳しい対応、抗議の姿勢が必要だというふうに思いますが、これについてはいかがでしょうか。

河野国務大臣 先ほど御答弁を申し上げて、重ねてで恐縮でございますが、潜水艦部隊のコネツニ少将を桜田政務官が呼びまして、事情説明を求めました。

 この折の説明によりますと、事故発生時にグリーンビルには十六名の民間人が乗艦していたということ。それから、民間人の何人かが浮上動作に限定的な形で参加する機会を得て、二人が司令室に配置され、乗員の厳格な監督、誘導のもと、単純な操作に従事した。一人は操舵席で、乗員が手を民間人の手の上に置いて、それを誘導する形で動作を行った。艦長の命令のもと、緊急浮上のために実施する一連の動作はすべてマニュアルにより定められており、乗員の監督のもとで実施する限り通常と異なる動きが起こることはないなど説明をいたしまして、いずれにせよ、これらの点は調査の対象となっているので、アメリカ側は解明に向けて徹底的な調査を行う、こういう説明でございました。

城島委員 ぜひこの部分については徹底した解明を政府としても求め、なおかつ、こういう問題についての厳しい対応をぜひお願いしたいというふうに思います。

 それからもう一つ、けさの新聞を見てびっくりしたことがございますので、これは官房長官にお尋ねしたいわけであります。

 森総理のゴルフに関しての件であったのですが、実は、けさの新聞によりますと、このゴルフ場の会員権について、一九八五年に総理の知人のメーカー社長が四千万円で買った、戸塚カントリー倶楽部でありますが、この会員権を、購入した時点で自分名義にし、事実上無償で譲り受けていたことが判明したということでありますが、閣僚の資産公開ではこの会員権が報告されていないという報道でありますが、これについて、事実関係について、どういう実態になっているのでしょうか。

福田国務大臣 私も、けさその新聞を見て、そういうことがあるということを知ったわけでございまして、総理と事実関係を確認するという時間もございませんでしたので、今何もお答えできないということでございます。

城島委員 いや、確かにけさということでしょうけれども、でも、これはまさしく今問題になっているゴルフ場そのものですから、それこそ大変な事態だなという、危機管理ではないでしょうか。これはやはり早速、総理にどういう状況なんだということを問い合わせられるのが普通だというふうに思いますが、まだだというのは、そのこと自身が私は大変問題だというふうに思います。

 この実態、現実どうなっているのかということと、この譲り受けた友人という方はどういう方であるかということをぜひ調査いただきたいと思いますが、いかがですか。

福田国務大臣 事実関係を調べて、お知らせできるところはしたいと思います。

城島委員 これは簡単なことですから、これから記者会見の中においても、退席中にぜひ御確認をいただいて、御報告いただきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。

福田国務大臣 努力いたします。

城島委員 これは、この新聞記事、これだけ一面トップで報道されているわけなので、一体どういうことなのかということについてぜひ確認をいただいて、御報告いただきたいと思います。

 それから、このゴルフ場の問題でありますけれども、きのうもクエスチョンタイムで論議があったようでありますけれども、これはやはり、率直に言って、きのうのクエスチョンタイム、ごらんになった国民の皆さんもそうでしょうけれども、全く理解に苦しむ答弁を繰り返されているということだと思います。

 しかも、そのクエスチョンタイムが終わった後も、問題が、何かゴルフをやったことみたいな話にまだ依然としてとらえられている総理でありますが、そういうことではなくて、基本的には、この問題の重要性というものを本当に認識されたのであれば、少なくとも、これは官房長官もおっしゃったわけでありますけれども、この時期にゴルフ場に行くこと自身もそうでありますけれども、そういう大変な事態だというふうに本来とらえたのであれば、そこで少なくともゴルフをストップする、それできちっとした対応をとるというのが百歩譲っても本来の対応ではなかったか。第一報を受けられてからさらにゴルフを続けられたということ自身に、大体、国民の多くの皆さんが、まずこの感覚のなさということについて憤りを持っているのだろうというふうに思っています。

 さらに、だんだん情報が明らかになってくるところを見ると、このときに、プレー中に秘書官そのものもいなかった。どうも連絡をとったのがSPの携帯であったというような報道もありますし、そうであれば、そのこと自身がまた一体これはどうなっているのだということでありますし、車もどうも近くにはなかったようだというようなこともあります。

 こういった状況からしても、万全の対策をとったというふうに総理は主張されていますけれども、それで本当に万全の対策をとったと言えるのかどうかということについては、甚だ疑問が多いというふうに言わざるを得ないと思います。

 同時に、一体ここにいた方がいいのかどうかというのを、これも総理の表現によると、秘書官に尋ねたというようなニュアンスのことがありますけれども、言語道断ですよね。自分で、まさしく一国のリーダーですから、どこにいてどうやることが一番適切かということを自己判断で指示するんだったらわかりますけれども、その判断を連絡を受けた秘書官の方から聞くということを含めて、どうも本当の意味での適切な処置、あるいは、まさしく国を預かるトップリーダーというものの認識が甚だ薄いという感じがして仕方がないということであります。

 どうも、夜ごと夜ごと料亭通いとかいうようなことの中で、国民の気持ちとか庶民の感情から随分離れてしまっているのじゃないかという問題意識を持つわけでありますが、この一連の原潜事故発生後における総理の対応ということについて、改めて官房長官の御判断、御見解を承りたいと思います。

福田国務大臣 総理の一連の行動について御説明するということになりますと、また繰り返しになりますのでそれは省略させていただきますけれども、私は、総理の対応として適切であったかどうかということを問われれば、ゴルフのプレーを一時中断してしかるべき処置をとったというふうに思っております。それは、まず第一に必要と思われる外務省そして防衛庁とかそういうところに指示をするということをしたわけでございますので、第一回の報道を聞いた処置としては、それは適切な処置だったというふうに私は思っております。

城島委員 この処置について、あるテレビのコメンテーターが言っていたようでありますけれども、まさに数年前起こった新潟県の、あの長い期間監禁されていた少女が救出されたというときにマージャンをやっていた、そこから指示を出したということと全く同じじゃないかと。これは全くそのとおりだと思いますね。国民の皆さんは同じような感覚で受け取ったと思いますよ。この感覚のずれ、これは大変ゆゆしき問題だと言わざるを得ないというふうに思います。

 同時に、私も非常に違和感を持ったのは官邸の対応だったのですけれども、この段階で森総理は、安倍副長官が当番でいるのだという発言があった。これを聞くと、素直に思ったのは、ということは当然官邸に当番で安倍副長官がいるのだろう、朝から、少なくとも八時とか九時ごろからいるのだろうというふうに思いますよ、普通は。ところが、そこにいたのではなくて、当番としては東京にいる、自宅にいるということだったようでありますけれども、これも、そうであれば、さっと、それこそ三十分ぐらいで官邸へ来るのであれば百歩譲ってまだわかるわけでありますが、どだい、当番といいながら、休日対応で官邸にいない当番というのはあるのかどうか。

 私は、三百六十五日、二十四時間、国民の生命財産を預かる立場としてみると、少なくとも九時とかそれぐらいから、当番という以上は休日であっても、責任ある、当番を決めた人たちが常時、世界では休日じゃないわけですから、物事はいつ起こるかわからないわけですから、当然いてもおかしくないのではないかというふうに思うのですけれども、これはいかがでしょうか。

福田国務大臣 ただいまの委員の御質問に対しましては、内閣情報集約センターというのが官邸の中に設置されております。二十四時間体制でこれは常駐をいたしておるわけでございますので、そこで情報の集約と報告、通報ということが適宜できる、こういうことになっております。当然、必要な情報は、総理、官房長官、危機管理大臣、官房副長官というところに瞬時に報告される、こういうことになっております。

 ただいま、官房副長官がいなかったではないか、こういうお話でございますけれども、それは、今のような体制があるから、自宅待機をする、もしくは、三十分ということは一つの目安でありますけれども、別に決まっているわけではありませんけれども、そのぐらいのところに住んで、そして官邸に来られるようにしよう、こういうことになっておるわけでございます。そういう意味において担当というものを決めておったわけです。当日は休日でございますので特に担当を決めた、こういうことでございます。

城島委員 いや全く、休日というのはそういう面ではあり得ないわけなんで、いつ何が起こるかわからないということの中で、まさしくそれで当番制をしかれているんだろうというふうに思うんですね。ですから、そうであれば即官邸に駆け込んでくるというのが普通の対応だと思うんですよ。

 今回も、その当番をされた副長官は随分遅く、数時間かかって来られた。いろいろな説明をされていましたけれども、これが本当に当番と言えるのかどうかということでありまして、今後、特に危機管理はもとよりですけれども、こういったものについて当番制でいくというんであれば、きちっと、当番になっている人は官邸にいるということぐらいはやはり常識じゃないかというふうに思うんですが、もう一回御質問させていただきます。いかがですか。

福田国務大臣 休日にいろとおっしゃるわけでございますけれども、それにかわるものとして、二十四時間体制で四人の情報集約センターの担当者がおるわけでございますから、私はそれでよろしいんじゃないかな、こういうふうに思っております。

城島委員 事件や事故は別に休日とかとかかわりなく起こってくる、万全な体制が必要だ。それが万全であるかどうかということだと思います。

 まさしく、そうであれば、先ほど申し上げたように、責任ある人がそれこそ常に、待機だという表現をされました、待機というのは駆けつけるということですから、そういう態勢というか、そういう行動をとらなかったということでありますから、これについては、もう一度やはり、私はこういった場合の官邸の対応ということについては見直しが必要ではないかというふうに思います。

 森総理がそのゴルフ場で記者にこの事件を聞かれたときに、ここはプライベートだというふうにおっしゃいましたけれども、プライベートなんだけれども、事が一たん起こったらそれはプライベートの問題じゃない。そういうことについては常に瞬時に公的な総理にかわるわけでありますから、そういう意味で、三百六十五日、二十四時間ということだと思うんですね。ですから、やはり、そういう瞬時の対応あるいは判断というものが極めて鈍かったと言わざるを得ないというふうに思います。

 この件についても、我々だけじゃなくて、やはり国民の皆さんの問題意識やあるいは不満というのがここにあるということを強く申し上げておきたいというふうに思います。

 それでは、次に、KSDの問題に移らせていただきたいと思います。

 このKSDの問題は、私もいろいろ調査をすればするほど、まず、問題が非常に広い、それから奥深いということに唖然とするばかりでありまして、率直に言って、一体、このKSDの問題ということだけをやれば、どこからつついていっていいのかわからないぐらいさまざまな問題があるということであります。その中でも、やはり政治に対する、さらには政治家に対する問題にかかわっていくであろうと思われるところに絞りながら質問をさせていただきたいと思います。

 特にこの問題は、このKSDそのものが、私はこれがスタートしたときの内容なんかを見てみますと、これはまさに中小企業、零細企業の経営者あるいはその御家族の皆さん方の災害補償ということからスタートをしているわけであります。そういう点でいうと、法的な不備もあって、この方々の労災認定あるいは災害補償というのは極めて不十分というところからすると、スタートした段階、これはある面でいうと見事な、しかも社会的な役割という点からすると評価できるスタートを切っているなというふうに思います。

 それから、途中で質問させていただきますが、ものつくり大学についても、もちろん、基本的には日本において物つくりが大事なんだ、まさに今日まで日本を背負ってきたのは、こうした特に製造業の、まして中小企業を含めた職人の技能、技術の伝承といったことも必要だというようなこと、これも非常に大事なことだし、賛同できるところです。

 そういうことであるがゆえに、逆に言うと、この問題がこういうふうになってしまった、すなわち、KSDの問題をこういうふうに取り上げざるを得ない、あるいはものつくり大学もいろいろなことを言わざるを得ないというのは大変に残念であるということをまず申し上げておきたいと思います。

 また同時に、このKSDの問題というのは、いわゆる中小企業の経営者の皆さんの先ほど申し上げたような観点からの掛金、これが源泉になっているということでありまして、多くのメンバー、会員になっている方々の失望、そしてまた憤り、これはすさまじいものがあるということを、私も地元を回っていますと大半の中小零細企業の経営者からこの問題を指摘されるということであります。そういう意味で、こういった観点に立ってこの問題を論議させていただきたいというふうに思います。

 したがって、かなり奥深い問題であります。そしてまた、どうも根深い問題でもあるという感じがしておりますが、今後のKSDのこうした問題について、特に厚生労働大臣として大変なお立場にあるわけでありますが、この解明に向けての坂口大臣の決意のほどをまずお尋ねしたいと思います。

坂口国務大臣 城島先生から御質問をいただきましたように、KSDの問題についてこういう御質問をいただき、そしてまたお答えをさせていただかなければならないというのは大変残念なことでございます。

 御指摘いただきましたように、KSDがスタートいたしましたのは三十数年前というふうに思っておりますが、それだけの歴史を持って、そして最初は中小企業の経営者やその従業員の皆さん方のためにやろうという大きな希望を持ってスタートしたのであろうと思いますが、途中からの大変な乱脈経営と申しますか、やはり経営者の理念の欠けたところからこういう問題に発展をしてきた、私も大変残念に思う一人でございます。

 いずれにいたしましても、過去のそうした経緯、責任というものをまず明確にしなければなりませんし、これからの責任というものを自覚して、どうこれを立て直していくかということをあわせてこの際にやっておかなければならないのであろうというふうに思っております。過去、かなり前にさかのぼる問題もございまして、究明するにも大変時間のかかる問題もございますけれども、ここはきちっとして、そして後世こういうことが再び起こらないようにしていくというのが一番大事なことではないかというふうに思っております。

 こういう時期に大臣をさせていただきましたわけでございますので、私の責任でもってやらせていただきたいと思っているところでございます。

城島委員 ぜひ徹底した解明というものを求めていきたいというふうに思います。

 本会議の代表質問の中で、我が党の鳩山代表は、この問題に絡む一連の流れの中で、まさしく政官業癒着構造の象徴的なものだということを申し上げさせていただきましたし、その点においては今日の自民党の体質ということも申し上げさせていただきました。そういう点からも、逆に徹底した解明が求められるのではないかというふうに思います。

 したがって、そういう点で、まず、KSDの内部についていろいろ御質問させていただきたいわけであります。

 今、大臣も乱脈経営というふうにおっしゃいました。まさしく、すさまじいばかりのと言った方がいいと思いますけれども、乱脈経営になっているわけでありますが、内部監査は一体どういうふうに行われてきたのか、だれがどういうことを監査してきたのかということがまず第一に問われなきゃいかぬだろうというふうに思います。同時に、労働省の管轄としてのチェックとか監査というのがどうだったんだということが問われざるを得ないということだと思いますが、KSDによる内部監査というのは一体どういうことが行われてきたのでしょうか。

坂口国務大臣 それでは、私の方から大枠のことを説明させていただいて、あと具体的なことにつきましては事務局の方からでお許しをいただきたいと思います。

 KSDにつきましては、二名の非常勤の監事によりまして内部監査が実施されてまいりました。

 労働省におきましては、毎年度、事業計画書、収支予算書、事業報告書、それから収支決算書等の提出を求めておりましたし、審査を行ってもまいりました。必要に応じてKSDの担当者を呼びまして事情聴取を行ってきたり、あるいは、最近でございますけれども、立入検査をしたりというようなこともあったわけでございます。

 こうした経緯が今までございましたが、また後ほど御指摘もあろうかというふうに思いますが、我々労働省としての監督というものが十分でなかったということも反省をいたしておりまして、その点に対する体制も現在強化をしているところでございます。

 さらに、監事の内容等、具体的なことにつきましては、事務局から答弁させます。

日比政府参考人 KSDの監査を行っておりました監事二名の者について申し上げます。

 二名おりまして、うち一人は、国税庁勤務経験を有しておりまして、所得税等の税務の仕事に長年携わっておられたと聞いております。いま一人は、企業の経営をされておられた方で、そういう意味で企業経営、企業内容等について一定の御経験なり知識を有する方と聞いております。

 なお、当時の状況についてただいま申し上げましたが、現状は、一月三十一日に監事お二人とも退かれ、現在は公認会計士の資格を有する方が、一人だけですが、監査役といいますか監事をおやりと聞いております。

城島委員 内部監査としては監事が二名いらしたということでありますが、この監査報告書は毎年ほとんど同じ内容になっていまして、「会計監査について、帳簿並びに関係書類の閲覧など必要と思われる監査手続を用いて計算書類の正確性を検討した。」「業務監査について、理事会及びその他の会議に出席し、理事から業務の報告聴取し、関係書類の閲覧など必要と思われる監査手続を用いて業務執行の妥当性を検討した。」という監査方法の概要があって、監査意見としては、「収支計算書・貸借対照表・財産目録は会計帳簿の記載金額と一致し、法人の収支状況及び財産状態を正しく示していると認める。」「事業報告書の内容は真実であると認める。」「理事の職務執行に関する不正の行為、又は法令もしくは寄附行為に違反する事実はないと認める。」

 これは、ほとんど毎回こういう監査報告書が財団法人KSDの理事長古関忠男殿あてに出ている。しかし、現実は、言わずもがな、全くこういうことになっていなかったということであります。

 今おっしゃいましたように、その監事の一人は、国税庁の職員というか、その経験があったということであります。しかし同時に、これだけのお金を扱う中で、本当の意味の専門的な公認会計士等の監査はこれからということですか、今まではそういうのがなかったということ自身も異常だと思いますけれども。

 今までの内部監査について、こういう報告書が出ていたにもかかわらず実態が全くそうじゃなかったということについては、監督官庁としてどういう判断をされているのでしょうか。

日比政府参考人 ただいま城島議員御指摘のように、内部監査のあり方につきまして、従前先ほど申し上げましたようなことでやっておったのは実情でございます。私ども、公益法人の指導監督に当たる際、その役員、監事等について、どこまで私どもが口を挟むべきかということについてはいろいろあろうかと思いますが、ただ、公益法人が置かれている状況等をかんがみますと、監査ということは非常に重要である。

 そしていま一つ、内部の自律的機能という意味では、評議員会というものも実はこのKSDについては設けてきておらなかったところでございまして、これも一月三十一日に設けられたところでございます。この評議員会で役員の人事につきましても選任行為を行うなどやっていくということで、従前十分な体制であったかなかったかについては私どもも考えるところはございますが、今後、評議員会等も機能を始めつつございますし、従前のことは従前のことといたしまして、やはりしっかりした体制を求めることが指導監督の任に当たる私どもとしての務めであろうと思っております。

城島委員 今また評議員会の話になりましたから、それも実態を調べてみますと、これは閣議決定で平成八年に公益法人の監督指導の基準というのがつくられているんですね。

 これに従って経過を見てみますと、ちょっとおくれますけれども、平成十年に労働省がKSDに対して、今ある審議会じゃなくて評議員会をという指導勧告をどうもしているようでありますが、全然従っていない、聞いていない。平成十二年の五月にも同じような勧告をしたというふうに当時の労働省は言っているわけでありますが、これにも従わなかった。やっとその秋に評議員会をつくる準備みたいなことをしたということになっていますね、調べてみると。

 したがって、公益法人の設立許可及び指導監督基準あるいは公益法人に対する検査等の委託等に関する基準というのが平成八年に閣議決定されて、そして、その年の十二月に公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針というのが策定されている。したがって、それからしてもかなりたってから労働省の勧告があったけれども、それも聞いていないというのは、これは相当異常ですよね、この間の事態を見ても。

 先ほど大臣は、労働省のチェック、監査、監督というのが十分ではなかったというふうな見解をお述べになりましたけれども、まさしくそうでありますが、それでは、端的にお尋ねしたいのですけれども、なぜ不十分だったのかということについては、どういう御見解がありますでしょうか。

坂口国務大臣 ただいま御指摘をいただきましたように、いろいろな年々歳々の経緯をたどっておりますが、しかし、それをなかなか聞き入れなかったという経緯があったことは事実でございます。

 これは、なぜそういうふうになったのか。いろいろな理由はあると思いますが、一つは、やはり公益法人たるもの、その理事長たる者は、いわゆるパブリックでありますから、そのことを一番わかっていなければならないのに、そのことを無視するような事態になっていたということは、それは一番責めるべきことだというふうに思いますけれども、しかし、それを指導監督しているにもかかわらず、十分にそこを聞き入れなかった。それは、指導監督をする方の体制にも問題があったというふうに思わざるを得ません。

 しかし、そのときどういう状態でやっていたかということをよく調べますと、やはり、監督をする側も、きちっとした専任の人がいてちゃんと指導監督をするという体制になっていなかった。当時、六百二十一もあります公益法人を抱えていながら、それぞれが大変忙しい仕事を持っている、片手間のような形でその監督に当たっていたというような状況がやはり不十分を招いた一つの原因ではなかったかというのが私の一つの結論でございまして、そうした意味で私は、今回、五名になりますか、専任の人間を置きまして、指導体制をきちっと確立していかなければならないということにしたわけでございます。

 その他いろいろなことはあるかもしれませんけれども、それが主なことではなかったかというふうに思っております。

城島委員 大臣、体制が不十分だった、人数も足りなかったしというようなことが、その他もいろいろあるかもしれないけれども中心ではないかということなんですけれども、私は、どうもそういうことの要素ではないのではないか。やはりそこにはいろいろな政治的なものも含めてさまざまな影響があった。したがってこれほど異常な状況に、すなわち、指導したといってもそれを聞かないとか、あるいはチェックそのものが極めて甘いとかということになっているのではないかというふうに思っているのです。

 また同時に、この問題については、特にKSDの会員の皆さんそのものもそういう感じを持っていますから、逆に言うと、やはりここをひとつきちっと解明していくことも大事じゃないかというふうに思うのです。

 そういう点で、よく言われるように、KSDの幹部とその監督すべき立場にあった労働省のまさしく幹部との、例えば癒着はなかったのかというような見方というのは当然出てくるわけでありますが、接待等を含めた実態について内部調査は行われているのでしょうか。

坂口国務大臣 約一カ月前になると思いますけれども、内部におきます、KSDとの、そして旧労働省の幹部との間の交流、そうしたことにつきます調査を開始するように命じました。

 そして、現在行っているところでございますが、やはりそのポジション、いわゆる接触をするであろうポジション、そういうポジションにおりました人間がかなりな人数に及んでおりまして、数十名に達するというふうに思います。それは、そのポジションにいた人の人数でございます。

 そうした人々に、もう卒業した人もたくさんその中には含まれておりますが、過去にそういうことがなかったかどうかということを今お聞きしているところでございますが、記憶をたどっての話でございますので、非常に十分でないところもございまして、また、同じようなケースに対しましても、それぞれ意見の異なることもございまして、ダブルチェックを今やらせているところでございます。そうしたことをきちっとして御報告を申し上げたいと思っているところでございます。

城島委員 ぜひきちっとした調査をされた上で、御報告をできるだけ早期にいただきたいというふうに思います。

 それから、財務大臣にお尋ねしたいわけでありますが、KSDに対して旧大蔵省OBが理事として天下っているわけであります。この天下りの状況についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思いますが、現状、それからこれまでKSDに対して旧大蔵OBの天下り状況をどういうふうに把握されているんでしょうか。

宮澤国務大臣 余り深いなにはないようでございますけれども、今おっしゃいました、一名、財務省出身者がおります。それは、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団常勤相談役、土居という人でございますが、平成元年に大蔵省をやめまして、平成十年に事業団理事になり、十三年の一月に常勤相談役と聞いております。

城島委員 KSDの業務実績、これをずっと見てみますと、スタート当初は本当に数千人の規模でしかない、それから百万を超す会員にまで大きく実はKSDは成長してきたんですけれども、このポイントを見てみますと、金融機関との関係がポイントごとにあり、会員をふやす面において極めて大きな役割を果たしているんですね。

 すなわち、金融機関がいろいろ勧誘をするあるいは契約をするといったことで、最初は信金を含めて信用組合等、さらには最近は地銀、都市銀行と、かなり大きくふえてきているわけでありますけれども、いずれにしても、KSDの会員が増加したことについては、金融機関の働きかけが大きく影響したのではないかという見方があるわけでありますし、変化を見てみるとそういうことも言えるかなという感じはするのでありますけれども、宮澤大臣の見解をお尋ねしたいと思います。

宮澤国務大臣 KSDですか、こういうことになって、何か手あかのついたものになりましたが、そうでない前はきっと、まじめなところだと思ってまじめにやっていた人もいるんだろうと思うんですね。それで、これは、いつぞや報道がありましたので私も知ったのですが、土居君というのは、そこのKSDに勤めて、それでKSDのために大いに働かなきゃならぬといいますか、そういうことで、おっしゃるようなことが私はあったんじゃないかなと思います。

 ただ、それは悪いことではないかもしれないが、金融機関としては、余りそんなことを度外れてやることは、もともと金融機関として感心したことではございませんから、いわんやこういうKSDになってしまっては、そういうことをすることは批判されるということになることであろうと思います。

柳澤国務大臣 先生の御質問の趣旨がちょっと不分明でございまして、今財務大臣の御答弁が先生に対する御答弁として該当しておるということであれば、私から何も申し上げることはございません。

城島委員 それでは、金融担当大臣に逆にお尋ねしたいのですけれども、KSDの会員募集に際して、この前ここでも論議がありましたけれども、他業の禁止という、金融部門の関与というのは、今やっていることについては法的に違反するのじゃないかという疑いがあるというふうに思うんですけれども、このKSDにかかわる実態調査を踏まえられた上で結構ですけれども、どういう御判断ですか。

柳澤国務大臣 この問題が問題化いたしまして、最初に当庁といたしまして、昨年十一月でございますが、十一月の下旬に、全国の銀行、信用金庫、信用組合、これは悉皆でございますと八百三機関あるわけでございますけれども、これに対して任意の実態調査を行ったわけでございます。

 そういう実態調査の結果が判明する過程におきまして、これはやや踏み込んだ調査を、実態解明をする必要があるというふうに感じられましたので、それに追っかけまして、本年の一月の下旬に、今度は法令に基づく実態解明のための報告の徴求をいたしておる、こういう状況でございます。

 我々といたしましては、この報告を受けまして、さらにいろいろな必要に応ずる補足の調査等を行いまして、その結果を踏まえ、法令に照らして適当でない事態が認められますと、これは法令に基づいて適切な対処をしていきたい、このように考えているということで、今そのプロセス、過程の中にある、こういうことでございます。

城島委員 多くの会員になった方々の話を聞きますと、ほとんどが金融機関から紹介、強制というわけではないのですけれども、大体話を持ってこられたのが取引先の金融機関というのが圧倒的に多いということはもう間違いありませんし、私の手元にもKSDにかかわる実態調査の結果というのがありますが、大変広範囲にわたっているということだと思います。

 したがって、これについても、こういったものが問題ないのかどうか、さらには強制加入の実態がないのかどうかというようなことについては、これは少なくとも徹底した調査と解明と、必要によっては是正ということをやっていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

柳澤国務大臣 今先生のおっしゃられるとおりのことを私どもとしても考えておるということでございます。

城島委員 それでは、時間が限られておりますので、次にちょっと重要だと私が思うことについて質問を進めさせていただきますが、KSDの補償準備積立金についてであります。これは端的にお伺いいたしますけれども、収支報告書の記載どおりにいわゆる財団としての責任ある積立金がちゃんと積み立てられているのかどうかということについて、どういうチェックをされて、しかもちゃんとあるのかどうかということについてはどうでしょうか、監査されている労働省として。

坂口国務大臣 昨年の五月の立入検査の際にも確認したところでございますが、今月、今月というのはこの二月でございますけれども、二月にも確認をしておりますが、財産目録記載の補償準備積立金の額につきまして、昨年十月末現在の各金融機関の発行する残高証明書で符合したところでございまして、積み立てられておることは間違いございません。そして、いずれも定期預金であることを確認いたしております。

 なお、KSDからは、これらの定期預金を何らかの担保に供していることはないというふうに聞いております。

城島委員 今、すべてのものが定期性預金になっているということですね。これはこの間、この間というのは長い期間ということでありますけれども、何年でもいいですけれども、五年とか十年の中で、少なくとも今まで監査した中で、取り崩した形跡というのは一度もないんでしょうか。

日比政府参考人 過去において取り崩した形跡がないかどうかについては十分調べておりませんが、ただ、もとの定期預金というものが、大きな額の定期預金もあれば少額のものもございまして、積立金に見合う定期預金の積み方等については、一定のわかりやすいものとする必要があろうかと思います。

 なお、そういう意味で、一年定期でほとんどがやっておるものですから、他の定期との関係で、積み立てるべき残高に見合う定期預金そのものが、別のものが入ったりということがあったかなかったかの問題ではなかろうかと思いますが、その点については、冒頭申し上げましたように、今のところ、過去の経過についてそういう意味の把握はいたしておりません。

城島委員 これはもちろん会員の皆さんからの不安でもありますから、同時に、いろいろこの面についても不安視する声もあるんです。また、現実的になかなかこの実態がわからないものですから、幾つかの話としても、大臣は、すべて定期性預金だったということなので、それを信用したいわけでありますけれども、どうもすべてが定期性預金になっていないんじゃないか、そういう話も一方であるし、ある時期、かなり取り崩しがされた、メーンバンクの富士銀行等の状況からしてもそういうことがあったんじゃないか、そういう話も現実にあるわけなので、これについては、今大臣がおっしゃったことを裏づけるきちっとした資料を、要するに取り崩しがされたことがない、きちんとやはり定期性預金になっているということを証明する資料をぜひ御提出いただきたいというふうに思います。

    〔委員長退席、自見委員長代理着席〕

坂口国務大臣 ただいま地検の調査中でございますから、それが整い次第こちらも調査をしたいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、積み立て先の金融機関が非常に多くなっております。例えば都市銀行九行でありますとか地方銀行三十三行でありますとか、あるいはまた信用金庫二百六行でありますとか信用組合百三十七組合でありますとか、大変多岐にわたっているわけでございます。こうしたことも踏まえまして、ひとつ地検の進行状況とあわせまして、我々の方も御指摘いただきましたように努力をしたいと思っております。

城島委員 ぜひその段階での資料提出をお願いしたいと思います。

 それからもう一つ、KSDの財務内容を見ますと、会費収入は災害補償共済事業に三割しか充当されていない、残り七割は自由に使えるようなお金になっている。率直に言って、もし三割だったらもうちょっと会費を下げるべきだ、あるいは補償内容を上げるべきだというふうに通常思うわけでありますが、これは以前、我が党がこの問題について指摘をさせていただいた段階では、労働省からは、どうも、この三割というのは金融当局からの指導なんだというお答えをいただいた経緯があります。これは改めてお伺いしますけれども、そういうことなんでしょうか。

坂口国務大臣 私も、そういうことがあったという話を聞きまして、そして確認をしているところでございますが、それはKSD側のそういう説明があったというだけでございまして、本当にきちっとそういうことがあったというふうな記録はございません。

 したがいまして、そういうKSD側の言い分であった、説明であったということにすぎないのかもしれませんし、そこのところは今明確にすることはでき得ません。それが現状でございます。

城島委員 ということは、その三割の根拠というのはないということですね。

坂口国務大臣 民業の問題を考えますと大体その辺のところが一つの目安というようなことは、全体で見ましたときにあったようでございます。民業圧迫ということもあってその辺のところが一つの目標ではないかというような話は、当時としてはあったことはあったというふうに聞いておりますが、しかし、きちっとした財務当局からの指導があって、そういう指導どおりにそういうふうにしたということではどうもなさそうでございます。

城島委員 なかなか納得できないわけでありますが、関西にいわゆる関西のKSDというのがあるわけでありますが、これが平成十年に日本フルハップというふうに名前を変えているわけであります。この名前を変えた理由、背景について御説明いただきたいと思います。

日比政府参考人 平成十年四月に、確かに名称を変えております。それまで、西日本ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団という名前でございましたが、平成十年四月に寄附行為を変更いたしまして、日本中小企業福祉事業財団という名称に変わっております。いわば愛称的に日本フルハップと言っておるものでございます。

 この寄附行為の改正事情でございますが、一つには、事業地域を従来、近畿、中国、四国地域としていたところを、地域の限定を外すということ、これが西日本が日本になったということでございます。それからいま一つ、従来、経営者福祉事業団と言っておりましたのが、中小企業福祉事業財団となっておりますが、その事情は、事業活動の対象が中小企業経営者に限るものではなく、従業員をも対象にしていることから、その実態等あるいは目的を適切に表現するために、名称から経営者という語を削除するということによって寄附行為の変更をしたということでございます。

城島委員 では、ここに労働省OBはどれぐらい行っているのでしょうか。

日比政府参考人 お答えいたします。

 日本フルハップに現在、旧労働省に在職、勤務したことがある者で、役員として九名、職員として四名在籍していると承知しております。

城島委員 この日本フルハップの方は、そういう面でかなり多くの労働省OBが行っているということで、こういったことも、逆に言うと、この経緯を調べてみますと、KSDからスタートを切っているんですよ、この日本フルハップは。そういう点からしても、最初問題意識として申し上げました、KSDに対する指導監督が甘くなっている遠因になっているということはないというふうには思いますけれども、そういうとらえ方もされかねないので、この辺についてもしっかりした監督をしていっていただきたいというふうに思います。

 次に、ものつくり大学の問題なんですが、これはいろいろ私の方でも調べましたけれども、ものつくり大学に向けて、実は振興財団それから準備財団というのがあります。

 これは、質問通告の中ではそれぞれの金額を問うということにしていましたけれども、時間がございませんので、私の方で調べた限りにおいて言いますと、この振興財団、国際技能振興財団の方に、平成十年から平成十二年まで国から、すなわち労働省から約八十五億行っている。この振興財団からそれこそ準備財団に対しては、労働省から行っているのは七十一億三千四百一万円ということでありまして、この差額が約十四億ぐらい。KSDのところを見ますと、KSDからは、平成八年から十二年までこの振興財団に対しては計三十一億二千三百万円、振興財団からものつくりの準備財団に対しては二十六億五千百四万円が行っている。すなわち、この間約五億が振興財団の中で使われている。

 労働省の分、国からの分でいうと、今言いましたような約十四億、KSDからいっても約五億程度でありますが、この振興財団そのものの活動を見ていますと、率直に言って、そんなお金を使うような事業報告にはどう見てもない。まさしくどうもトンネルじゃないかというふうに思えてならないんですが、この見方について、大臣の御見解を承りたいと思います。

    〔自見委員長代理退席、委員長着席〕

酒井政府参考人 今先生がおまとめになったわけでございますが、確かに振興財団と準備財団、二つあるわけでございます。

 大きな流れといたしましては、平成十年度に当時の労働省が予算を計上いたしました時点においては、まだ準備財団はなかったわけでございます。それで、振興財団を通じてといいますか、振興財団に十年度におきましては基本設計の予算を計上した。そういうことで、国トータルの予算の中で、準備財団にその部分は、十年度の部分は流れていっていないわけでございます。

 そういう年度の関係が若干ございましてやや複雑なんでございますけれども、先生、まとめて私どもの方から申し上げさせていただきますと、国際技能振興財団からものつくり大学の準備財団に対しての支出は、国からの補助分としては四十九億一千万円、KSDからの助成の分としては十一億七千万円の六十億八千万円でございます。十二年度の国からの補助のうちの第四・四半期につきましては、先生御案内の大学設置審議会等の、そちらの方からの、KSDの影響を排除しなさいということで、これにつきましては、直接国からKGSではなくて準備財団に補助するというような構造になっているところでございます。

 それから、これは補足でございますが、埼玉県あるいは行田市につきましても助成をしておるところでございますが、これが、今申し上げましたようなまだ準備財団ができておらなかった段階のものと両方にまたがる助成の体系がございまして、おおむね先生がおっしゃったベースと同様でないかと思うわけでございますが、基本的には、国からものつくり財団関係の助成として国際技能振興財団に出しましたお金は、それはそのKGSを経由して準備財団に、大学の施設設備の関係の費用は準備財団に行っている、そういう関係になるわけでございます。

城島委員 全くこれはトンネル財団と言ってもおかしくないような感じで、金の流れを見ると、このKGS、振興財団を通す必然性が全くない。どうもここが一つ、このものつくり大学、物つくりは最初に申し上げたように非常に大事なことであるし、そのことはいいことでありますけれども、こういうおかしな関係の中でこれが進んでいっているということについては、極めて大きな疑惑があるということを言わざるを得ないと思います。

 ものつくり大学についてさらに御質問したいわけでありますが、九九年十一月の、これはいろいろな報道をされていますけれども、予算編成時に、このものつくり大学の予算編成で、当時の亀井政調会長を含めて、今も政調会長ですが、自民党の幹部のメンバーとの朝食会があった。十一月二十九日ですね。これは、古関前理事長、村上参議院議員、小山前参議院議員、藤井元通産大臣の朝食会があったということですが、これには労働省幹部は出席されたんでしょうか。

坂口国務大臣 平成十一年、いわゆる一九九九年の十一月末におきます国会議員とそれから国際技能振興財団関係者、それに旧労働省の事務次官、担当局長が出席をしているというふうに聞いております。

城島委員 この会議ではだれが出席されたんですか、労働省幹部は。

酒井政府参考人 お答え申し上げます。

 十一月二十九日の朝食会で旧労働省から出席しましたのは、当時の事務次官、当時の職業能力開発局長及び担当審議官等でございます。

城島委員 では、もう一つ、これも報道で明らかになっておりますけれども、同じ十一月の予算編成時に、このものつくり大学の予算について、亀井政調会長が大蔵省の主計官に対して労働省の話を聞いてやってほしいということを要請したということが明らかになっているわけでありまして、亀井政調会長から増額要求についてこうした働きかけがあったことについても、厚生労働省の次官、当時の労働次官が認めているところであります。

 具体的にお尋ねしたいわけでありますが、当時の労働省のだれが亀井政調会長から働きかけを受けたのか、また、労働省はだれの指示に従って、だれが大蔵省に増額要求をしたのか、明らかにしていただきたいと思います。

酒井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど、十一月二十九日の出席者の件を申し上げたところでございますが、それに先立ちまして、亀井政調会長の求めに応じて、当時の担当局長が訪問したということがございます。亀井政調会長がお出になった先ほどの朝食会の場におきまして、亀井政調会長から、特色ある大学づくりであり、学生にとって魅力ある大学にする必要がある、体育館と学生寮は必要であり、その要望は正当である、これは予算上措置すべきという、党として、政調会長としての要請である、こういうお話があったわけでございます。

 それで、当時、労働省といたしましては、大学の関係者から、これは要望書つきで、より魅力のある大学にしてほしいという要望が、この朝食会とは別の話でございますが、ございました。そういうことが一つと、それから、民間からの寄附が少額にとどまったといったようなことを勘案して、最終的に、追加的な施設整備のための予算が必要であるという判断をいたしまして、十二月の七日に、当時の担当者が財政当局に増額の要求の申し入れを行ったということでございます。

城島委員 今の内容からすると、別に、亀井政調会長がそういうことを大蔵省にわざわざ電話して指示するような必然性は全くないということだと思います。

 当時の小渕総理の所信表明演説にも、これは労働省も別にものつくり大学ということを入れてくれという要請もしなかった、当時の文部省もしなかったということは明らかになっているわけでありますが、あえてもう一度坂口大臣にお尋ねしたいのでありますが、我々からすると非常に、このものつくり大学というのが所信表明演説に入ってきたということについては、額賀当時の官房副長官、この方がKSDから二回にわたって献金を受けている。しかも、その後半部分の一回については、一千万円については、これは派閥への上納金だという話もあるような内容になっているという、極めて疑わしいものであるわけであります。

 この所信表明演説について、額賀前大臣の働きかけというものがやはりあったんじゃないかと考えるのが普通でありますけれども、坂口大臣の御見解をもう一度承りたいと思います。

坂口国務大臣 政策的な問題として、ものつくり大学が必要であるということは当時から言われておりましたし、これは社会的要請にもなっていたというふうに私は思っております。したがいまして、当時の与党、自民党を初めとする連立与党の一つの要求にもなっていたというふうに考えておりますが、個人的な政治献金の話というのは、我々の旧労働省関係のKSDの問題とは少し離れた問題でございまして、そして、そこに我々がどうこうということは言える立場にはございません。そういうことがあったのかどうかということも我々にはわからないわけでございますし、そこのところに我々がコメントすることもできないというふうに思っております。

城島委員 今おっしゃったように、少なくとも連立与党の共通政策になった、ものつくり大学が必要だということがあったという状況の中で、額賀前大臣の、この疑惑についての記者会見での、ものつくり大学って聞いたこともなかった、新聞で初めて知ったということは、物すごく大きな落差がありますよね。これはどう見ても、やはりこの弁明というのは全く信用することはできないということだと思いますよ。

 ということは、どう見てもこれは、今までるるいろいろな観点から、また、実は時間がありませんでしたからはしょった部分もありますけれども、今幾つかのポイントに絞っただけでも、KSDをめぐるさまざまな資金の流れ、あるいは資金づくり、先日の週刊朝日にも出ておりますけれども、あれも前々から言われていた、金づくりの、KSDの中で言われていた疑惑でありまして、中の人は大体一般的に知っている話ですね。

 したがって、あえてきょうは時間の関係もあって取り上げませんでしたけれども、そういったことを含めて極めてうさん臭い話が多いという中で、額賀前大臣について、今みたいな、まさしく一般的な状況としてもう既にものつくり大学の必然性が言われていたという状況にもかかわらず、聞いたこともなかったなどという、しかも、それは机の中に入れていたんだというようなことを信ずる国民は一人もいないというふうに私は思います。

 そういう観点でも、これはぜひこの場で証人喚問を要請したい。委員長、よろしくお願いしたいというふうに思います。

野呂田委員長 今、理事会で協議中であります。

 これにて城島君の質疑は終了いたしました。

 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 先ほど同僚の城島議員の方から、森首相のゴルフ会員権の問題が提示されました。実態の方は、先ほど福田官房長官が事実関係を確認することで努力するというふうに言われていましたので、帰られたらお聞きしたいと思いますけれども、その前に、ちょっとゴルフ会員権の取得をめぐっての課税関係の話を聞いてみたいと思います。

 一般論でとりあえず結構なんですけれども、質問としては、ある人がゴルフ会員権を借りて名義を自分のものにしているという状態の中で、さらにその会員の経費、会員料を自分で支払っているというような状態がある場合には、これは課税上どのような問題が生じますか。お答えください。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。

 一般論で申し上げますと、他の方の名義でゴルフ会員権などの取得がされた場合、あるいは名義変更がなされた場合には、これらの行為は原則として、相手方が個人の場合には贈与、相手方が法人の場合には一時所得として取り扱うこととしています。

 ただ、資産の取得の経緯、その後の管理状況等から、贈与ないし取得の事実がないということが確認できる場合には、贈与税ないし所得税の課税はされないということになります。

平岡委員 一般論としてはそういうことであろうということでしょうけれども、この森総理の場合はどういう課税関係になっておりますでしょうか。

大武政府参考人 これはもう御存じのとおり、個別の事柄につきましては守秘義務を課されている以上、具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと存じます。

平岡委員 さらに、報道によりますと、一九八八年に都市銀行からゴルフ場の会員権についての融資を無担保で受けているということが言われていますけれども、この件についての課税関係はどういうふうになりますでしょうか。

大武政府参考人 これも一般論で申し上げますと、個人が金融機関などから無担保で融資を受けた場合も、無担保で受けたこと自体で特別の経済的利益の供与を受けていないということから、所得税の課税は生じないということでございます。

 ただ、いずれにしましても、国税当局としては、個々の事実関係に基づきまして、法令に基づいて適正に取り扱うということでございます。

平岡委員 いずれにしても、国税当局におかれては、こうした、国民から、一部の政治家が何かうまい汁を吸っているのではないかというような疑惑を持たれて、それに対して何らの課税も行われていないというような状況が生じていたのでは、本当にまじめな納税者の方々は本当にまじめに支払いをする気持ちがわいてこないということであります。たとえ相手が総理であったとしても、国税当局としてしっかりとした調査と適正な課税を行っていくということを重ねて質問したいと思います。

大武政府参考人 それは、先生が申されましたとおり、我々国税当局としては、いかなる場合でも公平適正な課税を目指すという意味で、いかなる場合でも適正公正な課税に努めているということでございます。

平岡委員 それでは、国税庁にはそういうこともまず要請いたしまして、次の質問に移りたいと思いますけれども、まだ官房長官が戻られておられないので、若干質問の順番を変えざるを得ないのでありますが。

 まず、会計検査院にお聞きしたいと思いますけれども、せんだって、同僚議員の質問に対しまして、官房報償費が総理の外遊のための費用に充てられていたことは認識していたけれども、それが旅費の差額等に充てられていたということについては知らなかったという答弁がありましたけれども、その答弁でよろしいでしょうか。

石野会計検査院当局者 お答えします。

 内閣官房の報償費の使用の一つといたしまして、総理の外国訪問に際してのものがあるという説明は受けていると申し上げたわけでございますけれども、その中身が、本件の松尾元室長の宿泊費の差額として支払ったものであるとの説明を今まで受けていたとは思えないということでございまして、先日の委員会では若干言葉足らずの点がございましたけれども、そういう意味で申し上げた次第でございます。

 検査院としましては、本件の事態、今検査中でございますけれども、さらに、そういった事実関係を十分調査いたしまして、なぜ本件事態が発生したのか、その原因はどこにあるかといったことを明らかにし、再発防止を図る方策などを検討してまいりたいと考えております。

平岡委員 今、松尾さんの件について宿泊費の差額ということはわからなかったと言いましたけれども、松尾室長以外ではわかっていたのですか。

石野会計検査院当局者 報償費の使い方の具体のところでございますので、その中身の答弁は差し控えたいと思いますが、本件についてはそういう説明を受けていなかったのではないかというふうに思っております。

平岡委員 会計検査院の検査の方法なんですけれども、通常、この報償費については、計算証明規則の中で特例が設けられているということで、それはそれとして必要な場合もあろうと思うのですけれども、例えば私が会計検査院の検査官として行ったときに、この報償費は何に使われていますか、総理の外遊の費用に使われています、それは何に使われていますかというのは、通常のやりとりじゃないかと思うのですね。それを、会計検査院としては、総理の外遊経費に使われているということを聞いただけで、さらにそれ以上の追及も何もしない。それで本当に会計検査ができるのですか。

石野会計検査院当局者 報償費の使い方としまして、今お話しのとおり、総理訪問に際してのものがあるということでありますと、その具体的な使途というのは当然、聴取するなりあるいは関係資料の提示を受けるなりして説明は受けておると思います。それで、その中で適切に支払われておるかどうかということについての心証を得るまで検査をしておるということになっておると思います。

平岡委員 会計検査院には、先ほどの答弁にありましたように、しっかりと検査してほしいと思うのですけれども、今までの検査というのが、報償費であるということでかなりいいかげんな検査であったということは、今の答弁でもわかったと思います。

 そこで、外務省に対して会計検査が、この一月の二十九日から二月の二日まで行われたということで聞いておりますけれども、この検査はどういう理由で行われ、どういう検査が行われたのでしょうか。

石野会計検査院当局者 去る一月の二十九日から二月二日までの五日間、外務本省に対しての実地検査ということで実施しております。その中で、報道等で取り上げられたという経緯もございまして、本件事態につきまして検査を実施してございます。

 その中身でございますが、本件の事態のさらに詳細な中身ということと、報償費の使い方についてどういう状況であったのかということを検査したところでございます。現在、その検査を持ち帰って検討しておるという段階でございます。

平岡委員 持ち帰って検討ということなんですけれども、その検討結果というのは、いつ我々に示されますか。

石野会計検査院当局者 今まさに検査途中ということでございまして、いつということに確定的なことは申し上げられないわけでございますけれども、なるべく早急にその結果をまとめまして、どういった形の公表ができるか検討してまいりたいというふうに思っております。

平岡委員 会計検査院は、憲法上認められた独立性の強い機関でございます。ぜひ、こうした政府においての公費の使い方について、どしどしと指摘していっていただきたいというふうに思いますけれども、そういう中で、これだけ官房報償費について今問題になっているわけでありますけれども、内閣官房に対する会計検査の方針、これからいつ検査に入っていくのか、どういう方針で臨んでいくのか。これは会計検査院長にお聞きします。

金子会計検査院長 内閣官房に対する実地検査につきましては、この外務本省の検査結果を踏まえ、効果的な検査ができるよう、最も適当な時期を検討し、できるだけ早急に実施したいというふうに考えております。

 会計実地検査においては、今回の事態について、会計検査という観点から、報償費の管理体制がどのようになっていたのか、またその内部的なチェック体制がどういうふうになっていたのかなどの事実関係を十分調査いたしまして、その発生原因を究明し、再発防止の方策を検討していきたいというふうに考えております。

平岡委員 現在、この松尾元室長は逮捕されていないということで、強制調査は行われていないわけですけれども、仮に強制調査の段階に入れば、関係資料というのは多分多くのものが押収されてしまうということになるわけです。そうしますと、会計検査院が検査に行こうと思っても書類がないというふうなことになってしまう。できるだけ早く、逮捕される前に、強制調査が入る前に、会計検査院として検査に入るべきじゃないですか。

金子会計検査院長 先ほど申し上げましたように、できるだけ早急に検査に入りたいというふうに考えております。

平岡委員 この問題は会計検査院が起こした問題ではないので、とりあえずここでおしまいにします。

 官房長官が戻られたので、先ほど同僚議員の城島議員がお伺いしました、総理のゴルフ場会員権の購入の事実関係、退席中に事実関係を確認してほしいというふうに依頼いたしまして、福田長官は努力しますというふうに答えられたのですけれども、その結果を今ここで御披露いただきたいと思います。

福田国務大臣 短時間でございましたので、十分と言えないかもしれませんけれども、以下申し述べます。

 昭和六十年三月に、戸塚カントリー倶楽部の会員権を所有する長年の友人より会員権の名義のみお借りし、御好意で会員としてプレーさせていただくことをお認めいただいたものであります。当時、腰痛で苦労をしていた総理の健康を心配しました長年の友人が、プレーが可能となるよう会員の名義を貸してくれたので、会費もプレー代も総理が負担しておるということであります。

 したがいまして、会員権の所有者はその友人の方であり、総理がそのゴルフクラブの会員権を所有しているという事実はございません。したがって、資産公開の際にも記載していないということであります。

 その友人との間には合意書なるものが取り交わされております。その合意書において、会員権の所有者はその友人であり、その証拠に、その友人が会員権の名義を戻してほしいというそのときには、すぐに名義を移転するということを約束しております。ということであります。

平岡委員 それでは、その合意書というのがある意味ではこの事件の、事件といったらあれかもしれませんが、この問題の、どっちに問題が転げていくかという大きなキーポイントになっているような気がするのですけれども、この合意書について、この国会に提出していただけますか。

福田国務大臣 そのことは理事会にお任せをしたいと思います。

平岡委員 理事会にお諮りいただくということなので。

 私、思うのですけれども、今総理をめぐるいろいろな問題は、本当に、これからも私は申し上げますけれども、何か隠そうとしているんじゃないかという国民の意識というのが非常に強いわけです。問題がないと思うのなら、積極的に情報を開示して国民の信頼を取り戻す、そういう行動にぜひ出ていただきたい。そういう意味では、理事会でも積極的な対応をしていただくように、与党の理事の方々にもお願い申し上げたいと思います。

野呂田委員長 平岡君に申し上げますが、理事会で後日協議いたします。

平岡委員 ありがとうございます。

 そこで、外交機密費の問題に戻りますけれども、この外交機密費の問題について言うと、先ほどちょっと私が言いかけましたけれども、今国民は非常に大きな疑惑を感じ、あるいは疑問を持っているということでございます。

 もうちょっと具体的に言いますと、一つは、これは外務省ぐるみで何か変なことをしているんじゃないか、個人だけの犯罪じゃないんじゃないか。例えば、クレジットカードによる支払いというのは外務省も了承していたんじゃないか。あるいは、外務省の一部の職員の遊興費に報償費が充てられていたのではないか。あるいは、本省なり在外公館でスペシャルファンドと称するようなものが持たれて、これで本来ならば使用しないでも済んだものが使用したような形になっているんじゃないか。

 次には、外務省、内閣官房がこうした問題について疑惑隠しをしようとしているんじゃないか。例えば、内閣官房は、みずからの予算の問題であるにもかかわらず、何らの調査もしようとしないし、何らの処分もしようとしない。あるいは、外務省の調査チームが、松尾氏のほかの口座、調査をした以外の口座、あるいはクレジットカードの入出金の調査、こうしたものをしようとしていない。あるいは、外務省報償費が官邸に上納されているんじゃないか。あるいは、機密費が適切に使用されていない。本来であれば機密費の削減ができるはずなのに、財政当局は何もしようとしていない。会計検査院の検査も、先ほど言いましたように、十分にチェック機能を果たしていない。本当にこれ、日本の政府はどうなっているんだというのが国民の率直な感情だろうと思うのです。

 そこで、官房長官、外務大臣、財務大臣、皆さん方の、政治家としてのこの問題を解明していくための基本的な姿勢について、決意を述べていただきたいと思います。

福田国務大臣 このたび、国民の信頼を裏切る不祥事が起きましたことは極めて遺憾であり、この事態を厳粛に受けとめております。

 内閣官房としましては、今後捜査当局による真相解明に全面的に協力し、その進展も見ながら、政府として原因の解明と再発防止に万全を期してまいる所存でございます。

 内閣官房の報償費の運用につきましては、この際点検を行いまして、より厳正かつ効果的な運用に努め、国民の御理解を得る努力をしてまいりたいと思います。

河野国務大臣 内閣報償費をお預かりした外務省職員が起こしたと思われる公金横領事件でございます。外務省を預かる人間として、重い責任を感じております。

 しかしながら、先ほどお話がいろいろございましたけれども、私は、これまでの調査その他から、今回の問題は松尾個人の不心得といいますか、個人の起こした問題であり、この問題については、何としても全容を解明することによって事態を皆さんに理解をしていただくと同時に、事件を解決しなければならぬ、こう考えております。

 一方、こうした状況を引き起こしました外務省の体制と申しますか、システムチェック体制の不備というものはまことに申しわけないことでございまして、このことにつきましては外務省として深く反省をし、二度とこのようなことがないように再発防止のために万全を期したい、こう考えております。

宮澤国務大臣 予算の支出が適正に行われますよう、特に各閣僚に御留意をお願いいたします。

平岡委員 外務大臣は、せんだっての答弁の中で、私は捜査当局ではございません、外交の責任者として外交政策の遂行に当たっているのでございましてというような発言をされておられるのですけれども、まさに今外務省をめぐる報償費の疑惑について言えば、外交というものも当然のことながら国費を使って行うものであります。その国費がいいかげんな使われ方をしている、あるいは個人的に使われている、こういうことでは信頼ある外交はできない。そういう意味でいけば、外交の責任者としても、この問題についてしっかりと調査をする、そういう姿勢で臨むべきではないですか。どうして個人の犯罪とだけ決めつけられるのですか。

河野国務大臣 外務省として調査をいたしました結果、個人による公金の横領だということが明らかになったと思える五千数百万の金額の問題が出てまいりました。したがいまして、外務省として、これを捜査当局に告発をしたわけでございます。

 私は、国民の皆様にも御理解をいただきたいと思いますけれども、捜査当局に告発をして、捜査当局がこの問題の全容を解明するということになっておりますから、外務省としては、この捜査に全面的に協力をする。自分自身でいい悪いを決めないで、捜査当局によって全貌を解明していただく、それに全面的に協力をするというのが私の現在の立場だということをぜひ御理解いただきたいと思います。

平岡委員 捜査当局の捜査も当然犯罪という面ではあろうかと思いますけれども、予算の不適切な使用といったような面は、やはりその予算を執行する、あるいは預かっている立場の者がきちっとやらなければいけない。その努力を今怠っているのではないですか。

 例えば、この調査報告書では、松尾が持っていた銀行口座、五銀行八口座、そして郵便局の口座が一つあるというふうになっておりますけれども、どうして一つの銀行の二つの口座しか調べていないのですか。

河野国務大臣 これまで繰り返し御説明を申し上げてきたのでございますけれども、松尾元室長は、この事件について本人は否定をしているわけです。否定をしている中で、外務省として調査をしてまいりました。しかし、外務省の調査では限界がある。つまり、捜査権がございませんから限界がある。

 したがって、告発をして、一日も早く告発をして、捜査権を持つ捜査当局によって全貌を解明していただく。捜査当局ならば、今御指摘の銀行口座その他の提出を求めることもできるかと思いますけれども、外務省と松尾元室長との関係では、これは強制的に口座、通帳の提出を求めるには限度がございます。これ以上のことは我々にできないわけでございますから、一日も早く全貌を解明するためには、告発をして、捜査当局の捜査に全面的に協力をするということがいいだろうというのが我々の判断でございます。

平岡委員 その告発の内容は、個人の犯罪で五千四百万円の業務上の横領だという内容にしかすぎないのです。それ以上の捜査はするんですか。それは、やはり外務省がきちっと、それ以外の問題についても全容を解明するための努力をしていかなければいけないのじゃないですか。

河野国務大臣 これも、繰り返し何度も御答弁をさせていただいてまいりましたけれども、私どもは、五千数百万の公金横領の疑いというものが事件の全貌だとは決して申し上げていないわけでございまして、我々が確認をした、我々が調査をした結果、こうした横領の明白な疑いがあるということをつかみましたので、告発をして、これから捜査当局によって全容を解明してもらう。それには、捜査当局の御指示どおり、外務省としては全面的にその捜査に協力をすると申し上げているわけでございますから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

平岡委員 その告発状の中身というのは、捜査当局に対して、五千四百万円の業務上の横領があったかもしらぬけれども、それ以外にも犯罪の嫌疑があるのでぜひ捜査してほしい、そういう内容になっているのですか。なっているのなら、その告発状をちょっと提出していただきたいと思うのです。

飯村政府参考人 告発状そのものは、捜査上の関係もございますので、提出するのは差し控えさせていただきたいということはたびたび申し上げておりますけれども、告発の根拠は、少なくとも五千四百万円の公金の横領があったということでございます。

平岡委員 やはり外務省としても全容を解明するための努力をしてほしいと思いますけれども、では、これまでどれだけ努力をしたのかということについて、ちょっと聞いてみたいと思います。

 五銀行八口座とあって、一銀行二口座だけしか調べていないのですけれども、ほかの銀行は一体どこの銀行なんですか。

飯村政府参考人 松尾元室長は、今申し上げます五つの銀行に、八つの預金口座を有しているとしております。一つは第一勧業銀行二口座、日本信託銀行に一口座、東京三菱銀行に一口座、住友銀行に一口座、富士銀行に三口座、そのほかにも一つの郵便貯金口座を有している模様でございます。

平岡委員 その口座が松尾元室長の口座であるということは確認されましたか。

飯村政府参考人 そのように了解しております。

平岡委員 それでは、銀行がわかっている、口座がわかっているわけでありますから、この銀行に対して、外務省はこういう状況にある、ぜひ調査に協力してほしい、そういう依頼はされましたか。

飯村政府参考人 これはたびたび大臣の方からも申し上げておりますけれども、本件の調査は松尾からの任意の事情聴取、任意の調査でございます。したがいまして、松尾が公金を入れたと供述しております第一勧業銀行、ここに集中的な調査をかけたということでございます。その中で、私ども、五千四百万円の公金の流用が明らかに行われているのではないかという認識をいたしまして、告発をしたということでございます。

平岡委員 ちょっと質問に答えてほしいのですけれども、外務省として、実態解明のために銀行に対して調査の協力の依頼をしたのですか、しなかったのですか。

飯村政府参考人 先ほど申し上げましたように、全貌の解明は捜査当局にお任せするということで、任意に提出されました第一勧業銀行の口座について調査したということでございます。

平岡委員 お答えがないということは依頼をしていないということだろうと思いますけれども、その点、そういう理解でいいわけですね。

飯村政府参考人 松尾との間ではさまざまなやりとりがございましたけれども、最終的な形としては、ほかの銀行に正式に依頼したということはございません。先ほど申し上げましたように、第一勧業銀行の口座に集中的に調査をかけて、そこで五千四百万円の公金流用が明らかになったということでございます。

平岡委員 この前、福田官房長官の答弁の中にも、九億六千五百万円の旅費の差額。それ以外に、二千八百万円だけじゃなくてもっとあるのだとは思いますけれども、一般の旅費。それ以外に、報告書を見るといろいろ書いてありますから、もっと多くの金額が松尾に渡っている。その中で、五億六千万円しかこのA銀行の口座に入っていない。こういう状況の中で、もっとほかの銀行にもあるのじゃないか、これが当然の疑問じゃないかと思うんですね。それに対して何らのアクションも行わない。これは国民の目から見たら、何かまずいことがあるから調査しようとしていないんじゃないかというふうに思われても仕方がないと思うのですね。どうですか。

飯村政府参考人 たびたび申し上げておりますけれども、私ども、任意の調査を行っているわけでございます。それで、松尾元室長が否定をする中で調査を行い、少なくとも五千四百万円の公金流用があったということで告発したわけでございます。全容の解明は捜査当局におまちしたいと思いますが、私ども、五千四百万円がそのすべて、全容であるというふうに認識しているわけではございません。

平岡委員 今の答弁では、外務省は全くやる気はないというふうにしか受けとめられないですね。

 何か本当に、昨日も鳩山代表が、外務省が調査をしていないほかの銀行の口座について、国政調査権の発動をするよう合同審査会長に取り扱いを要請したいということで申しましたけれども、これをこの予算委員会で、合同審査会の方にゆだねるようなことじゃいけないと思うのですね。やはりこの予算委員会できっちりと国政調査権を発動して、銀行に対して、これこれの口座についての詳細を求める、これをぜひやっていきたいと思うのですけれども、これはだれに聞いたらいいでしょうか。委員長、いかがでしょう。

野呂田委員長 後刻、理事会で相談します。

平岡委員 委員長の方で理事会で諮っていただくということなので、これも先ほど冒頭申し上げましたように、国民の疑惑を晴らしていく、国民の疑問を解いていく、こういう基本的な姿勢でこの問題に臨んでいっていただきたいというふうに思うわけであります。

 そこで、午後の質問に備えまして、外務省が調査をいたしました内容について聞くために、先日来から、一体松尾室長にどんな金が渡っていたのか、松尾室長はどういうふうにその金を支払っていたのかというようなことがいろいろ出ておりました。

 私、今配付させていただきましたけれども、これは事前に関係省庁にも見ていただきましてチェックをしていただいております。中身はここに書いてあるとおりでありますけれども、まず、内閣官房職員については、旅費規程の中における旅費、あるいは官房報償費についてもすべて松尾さんにお預けし、これをホテルに一括払いしたという形になっております。外務省職員の場合は、これは二つに分かれておりまして、一つのケースは、官房報償費は当然松尾室長が預かったわけですけれども、一般の旅費については各職員へ松尾から支給をしている。そして、ケース二では、外務省の各職員の本来の旅費も各主管課より松尾が預かって、官房報償費でいただいた差額分と合わせてホテルに一括払いをしている、こういう内容になっております。

 この内容で間違いありませんね。これは技術的な問題でもありますので、外務省官房長、それから内閣審議官にお聞きします。

飯村政府参考人 外務省の職員分につきましては、御指摘のとおり、官房報償費、宿舎……(平岡委員「中身はいいです」と呼ぶ)はい。松尾元室長に預けられ、規定分の旅費につきましては各職員へ支給されているということでございます。

 それから、時によって……(発言する者あり)各職員に支払っているわけでございます。

 それから、状況によりまして変わってくるわけでございますけれども、規定分の旅費は、先生のお書きになっているように、主管局より松尾に渡しているということでございます。

柴田政府参考人 内閣官房職員分の関係でございますけれども、先ほど先生御指摘のような形でなっております。

平岡委員 時間が来たようですので、午後の質問に回します。

野呂田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

野呂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。平岡秀夫君。

平岡委員 午前中に、今までの松尾元室長に渡されたお金がどのようにしてホテル等に支払われていたかということについての皆さん方の確認をいただきましたけれども、そこで、平成十一年四月から五月の小渕総理の米国訪問、それから六月のケルン・サミット、平成十一年七月の中国、モンゴル訪問については、この表にありますケースの中でどのケースで支払いがなされているかについて御答弁願います。

飯村政府参考人 午前中お答え申し上げましたように、このお金の流れ、規定旅費、それから官房報償費の流れ、これは先生の書かれたとおりでございます。

 それで、少し、ちょっともともとに戻らせていただきますけれども……(平岡委員「端的に最後の三つの訪問はどの分か」と呼ぶ)ちょっとお待ちいただけたらと思います。

 松尾元室長在任時の最後の三回の総理訪問の際の外務省職員の宿舎費支払いの件でございますけれども、平成十一年四月から五月の米国訪問時は一括払いということでございます。それから、六月のケルン・サミット時は個別の支払いを行っております。それから、七月の中国、モンゴル訪問時は一括支払いでございました。

平岡委員 七月の中国、モンゴル訪問は一括払いということですけれども、これには松尾元室長は同行していなかったというふうに聞いておりますけれども、そうすると、これはだれが官邸に行って報償費をもらわれて、だれが一括払いをしたのか、お願いします。

飯村政府参考人 総理の中国、モンゴル訪問でございますけれども、同訪問についても、内閣への見積もりの提出、それから現金の受け取り、精算はすべて松尾元室長が行っております。

 他方、松尾元室長は中国、モンゴルに同行しておりませんので、現地に赴きましたのは、後に松尾元室長の後任者となった者でございます。私どものこれまで調査した結果では、その後任者が支払いを行っているというふうに了解しております。

平岡委員 その支払いの方法は、クレジットカードでやったのですか、それとも現金をもってやったのですか。

飯村政府参考人 お答えを申し上げます。

 現金で一括払いした可能性が高いと思っております。

平岡委員 可能性が高いというのじゃ返事にならないですね。これはちゃんと調べてください。ちゃんと調べて報告してもらえますか。

飯村政府参考人 調べて御報告いたします。

平岡委員 いつまでに。

飯村政府参考人 なるべく早くさせていただきたいと思います。

平岡委員 この一括払いが仮にクレジットカードで払われているとしたら、今までこのクレジットカード方式で支払うことについて外務省は何らの関与もなかった、何らの了承もしていなかったということについてのいろいろなそごが生じてくるということであります。そこのところは非常に重要な問題でありますので、外務省、しっかりと調べていただきたいと思います。――何か答弁を求めておられるので。

飯村政府参考人 その時点では、同後任者は同後任者名義の口座で公金を扱っておりませんので、松尾元室長名義のクレジットカードを同後任者が使用することは可能ではないというふうに考えます。

平岡委員 いずれにしても、その結果をできるだけ早く教えていただいて、それを踏まえてさらに質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 次に、いろいろと調査報告の関係について質問をしたいと思うんですけれども、調査報告書の八ページの中には、松尾前室長がいろいろとやっておった中に、宿泊費等一部の経費については、所要経費見積もりを作成して、官邸で見積もりに応じた必要資金を一括して現金で受領して、それを自分のA銀行の預金口座に振り込んでいたというふうに書いてあるわけですね。

 これまでのこの委員会における質疑では、旅費の差額について支払いが行われていた、それから、ついせんだっては、内閣官房の職員の本体部分もこれで渡されていたという話なんですけれども……(発言する者あり)

野呂田委員長 ちょっと静粛に聞いてください。

平岡委員 それ以外に、ここに言うところの「宿泊費等一部の経費」という部分の宿泊費等の中には何があるのですか。官房長官。

福田国務大臣 その中身についてはまさに私どもがむしろ知りたいというくらいでございます。今捜査していることでございまして、外務省にある資料に基づいてお調べいただくしかないと思います。

平岡委員 外務省、この調査報告書をつくったときに、宿泊費等の中には何があるのですか。外務大臣。

飯村政府参考人 松尾元室長は、今委員御指摘のとおり、宿泊費等について官邸から現金で受領していたというふうに承知しておりますけれども、見積もり等の写しが外務省に残されておりませんので、その詳細については外務省として承知しておりません。

平岡委員 前に、福田長官の答弁の中では、九億六千五百万円というのは宿泊費の差額である、二千八百万円は宿泊費であると。これはいずれも宿泊費なんですね。そうすると、宿泊費等というその等の中には、論理的に宿泊費じゃないものがあるということですね。

 何があるのかちゃんと教えてほしいと思うんですけれども、そこはまた後日聞くとしても、実はこの福田長官が答弁されている中に、この九億六千五百万円あるいは四億二千五百万円について、なぜここで公表したのかということのくだりとして、これは犯罪捜査の対象となっているものであるからあえて御答弁申し上げますというような趣旨のことを申されておられます。

 しかし、この報告書にあるように、業務上横領の対象になったのは必ずしも宿泊費の差額だけじゃなくて、宿泊費そのものあるいは宿泊費等と言われている等もあるわけです。

 そういう意味では、ここで松尾室長に対して渡された全額について、その金額をお答えください。官房長官。

福田国務大臣 今回の犯罪容疑の対象になりましたのは、見積もり、支払い、領収書の受領、精算を一人で一貫して行っていた宿泊費であると考えておりまして、内閣官房から支払ったのは、訪問団全体の宿泊費差額と、内閣官房職員についての規定分の宿泊費であるというふうに考えております。

平岡委員 それでは、松尾室長の口座に振り込まれた五億六千万円というのは、どうしてこれが宿泊費の差額であるということが確認できたんですか。外務省、外務大臣。

飯村政府参考人 けさほどから御説明申し上げているとおりでございますけれども、第一勧業銀行の口座に、松尾は公金すなわち内閣報償費を入金したということを言っておりまして、出と入りを詳細に点検、突合いたしまして、五・六億円の公金が口座の中に入った、そういうふうに理解しております。

平岡委員 五・六億円がその中にじゃなくて、五・六億円が宿泊費の差額であるというのはどうやって確認ができるんですかということを聞いているんです。もう一遍答弁を。

飯村政府参考人 先ほど申し上げましたように、松尾元室長が内閣から受け取りました現金、これを第一勧業銀行に入れていたということでございますから、すべてが、そのお金の内容がどういうものかはもちろんわかりません。私どもは、しかし、基本的に宿泊費の差額であるというふうに認識しております。

平岡委員 必ずしも自分たちが確認できていないで、そう思うからということで、五億六千万円の金額のもととなったのが九億六千五百万円である、宿泊費の差額の一部であると言うのは、これは論理の飛躍ですよ。

 松尾室長に渡された、官邸から出された官房報償費の全額について、まずここで明らかにしてほしいと思います。官房長官。

福田国務大臣 これは、繰り返しになりますけれども、今回の犯罪容疑の対象になったのは、見積もり、支払い、領収書の受領、精算を一人で一貫して行っておりました宿泊費であるというように考えております。

 内閣官房から支払ったのは、訪問団全体の宿泊費差額と、内閣官房職員についての規定分の宿泊費でございまして、総理外国訪問に伴うその他の経費がありますれば、それは報償費の用途に係ることでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

平岡委員 この渡された金額が何なのかということはいろいろあろうと思いますけれども、この九億六千五百万円というのは、一体、精算前の金額ですか、それとも残金を、この報告書に基づけば返したというふうにあるわけですけれども、残金を戻してもらった後の金額ですか。どっちですか。

福田国務大臣 精算後です。

平岡委員 それでは、精算前の金額とそれから返された残金それぞれを、全体とそれから官房職員の分について、ここで公表してもらえますか。

柴田政府参考人 精算額におきまして過不足が生じていたことは事実でございますけれども、内閣官房として既に被害届を出しておりまして、犯罪の真相解明を捜査当局に全面的にゆだねているということもございますので、御質問に対して具体的な答弁は差し控えたいというふうに思います。

平岡委員 官房長官は、犯罪捜査対象になったということであえて申し上げているということでありますけれども、これはやはり犯罪捜査対象になっているそのものの情報でございます。ぜひ、最初幾ら出して、そして残金として幾ら戻ってきたか、これを御答弁願います。

福田国務大臣 委員のお尋ねですけれども、ただいまの政府参考人がお答えしたとおりというように御了解ください。

平岡委員 そういうことでは我々もちょっと、これだけ限られた情報の中で質問することはなかなか難しいんで、実態がわからないということで、きちっと答えていただきたいと思います。

野呂田委員長 官房長官、再答弁をお願いします。

福田国務大臣 毎回精算はきちんといたしております。その中身を申し上げることは、政府参考人のとおりでございます。

平岡委員 精算して残金を受け取った、このお金というのはどういう取り扱いになるんですか。

福田国務大臣 報償費から出ているものでありますから、余れば報償費にまた繰り入れる、こういうことになります。

平岡委員 それは、具体的には官邸の金庫の中に入るんですか、それともどこかの預金口座に入るんですか。

柴田政府参考人 官邸の中で適正に保管しております。

平岡委員 ちょっと答弁が余りにもいいかげんなんで、これを進めていくということはできないんですけれども、いろいろ聞きたいことがたくさんあるんで、とりあえずここで置いておいて、別の話を聞いてみたいと思うんです。

 実は、今皆さんは旅費を、差額であるとかあるいは旅費に支払っているということを言われているんですけれども、旅費法では、一定額が上限として決められている、そういう中であります。たとえ報償費といえどもそれを超えて出すことは、きちっとした手続がないままに出すということは、これは旅費法違反になるんだと思うんですけれども、この点どうですか。

林政府参考人 今回の事案は報償費の支出でございまして、旅費法、これは御案内のとおり国家公務員が出張いたします際の旅費の支給基準あるいは手続を定めているものでございますが、これに基づく支出とは異なるものでございますので、旅費法との関係で問題を生ずるということはございません。

平岡委員 旅費は国費で賄うんですか、それとも私金で賄うんですか、主計局長。

林政府参考人 公金か私金かというお尋ねかと存じますが、報償費の場合には、その性格上、御案内のとおり、取扱責任者に資金が交付された段階で、会計法上の適用はございません。会計法の規制は受けない。

 そういう意味では公金ではないということでございますが、ただ、これはあくまで国の金でございますので、公金ということになります。そこは結局、公金か私金かという、公金の定義という問題になろうかと思います。

平岡委員 旅費法を見ますと、この旅費法というのは、「公務のために旅行する国家公務員等に対し支給する旅費」について「国費の適正な支出を図ることを目的とする。」と書いてあるのです。だから、報償費で払おうが何で払おうが、これは国費でありますから、やはりこの法律に基づいた支出しかできない。

 もし、この法律に具体的に書いてあることじゃなくて、もっと高いものを差額で出したいと思えば、旅費法に書いてある手続に基づいてきちっとやるということが必要なわけですね。そういう手続は行われているのですか。

林政府参考人 先ほどもお答え申し上げましたように、旅費法は旅費支給の手続、基準を定めているものでありますけれども、今回の事案で問題になっておりますのは、宿泊費の差額、これを報償費から支給したということなわけでございます。

 それで、報償費は、首脳外交を円滑かつ成功裏に遂行するために、これは官房長官の責任と御判断のもとに行われたものでありまして、結局その報償費の目的、こういうことだろうと思いますが、そういうものから逸脱したものとは考えていないということでございます。

平岡委員 財務大臣、この宿泊料の一部というのは宿泊料じゃないのですか、どうですか。

宮澤国務大臣 恐らく、何に対して支払われたかといえば、宿泊という行為に対して支払われたものだろうと思います。

平岡委員 やはりこれは、報償費で払われたから旅費法に違反して宿泊費を払ってもいい、そういう論理になっているように思うんですね。ここの予算委員会の議論の中でも、報償費というのはどんなものにも使われていいのですかという話の中で、私的なものには使っちゃいけませんというようなことは言っておられました。では、法律に違反するような支出は報償費でやっていいのですか、どうですか。

宮澤国務大臣 それは何度も御議論がありましたから省略いたしましたけれども、報償費はどういう目的に使われるかということを何度も政府側から答弁しておりまして、この場合の宿泊は、総理が旅行をされて、総理と一緒のところに泊まることが総理の出張の目的を達するに必要だという意味で、いわばふだんなら泊まらないような上等なところへ泊まるわけでございますから、それはそういう意味で、総理の出張の目的を助けるためということが説明されることで、それは間違いがないと思います。

平岡委員 その目的のためなら、旅費法に違反して出してもいいということですか。

宮澤国務大臣 旅費法に違反をしておるのではなくて、旅費法に基づいて払われた分と、それでは足りませんからそこを継ぎ足した。それで、そのことは主計局長は申し上げましたか、平成十二年から扱いを少しきちんと、きちんとといいますか、正確にいたしましたけれども、従来では、それはやはり旅費法の定めるより以上のものでございますから、やはりこれは報償費から出すと。

平岡委員 どうもその答弁には納得がいかないので、やはり政府の統一見解として、報償費で宿泊費の一部を支払う、つまり宿泊費を支払うという場合には、旅費法に規定してあることじゃなくて、旅費法の規定に違反して支出することも可能であるという政府の統一見解を示していただきたいと思いますけれども、どうですか。財務大臣。

宮澤国務大臣 旅費法に違反をすることはできませんから、旅費法で定めるものは定めて、それ以外のものはそれ以外の方法で払う、ですから違反にならない。

平岡委員 それは政府の統一見解として出していただけますか。

宮澤国務大臣 統一見解を申し上げるほど難しい話じゃないと思います。

平岡委員 では、今度内閣法制局にもちょっと来ていただいて、この辺の議論を十分にさせていただきたいと思います。

 どうも今までの答弁では、報償費で出すのならいろいろな法律の規定に違反しても出すことが許される、そういうふうに私は理解したのですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

宮澤国務大臣 たびたび政府が申し上げております、国の行政あるいは業務を円滑に、機動的に行うために入り用なときに報償費を出すというのが報償費の定義でございますから、その報償費の中に入ることは間違いございませんですね。ほかの法律があればそれで出す場合もございましょうが、そういう報償費というものの性質がほかの法律に違反するということはないのだと私は思います。

平岡委員 ちょっと納得はいかないのですけれども、とりあえず次の質問に行きたいと思います。

 先日、同僚の議員から、外務省の報告書の中で、A銀行について「詳細な入出金の記録」というのは何ですかという質問をしました。それに対して飯村答弁は、コピーであるか本物であるかというのは調査の内容にかかわるので、答弁を差し控えたいというような趣旨の発言をしておられます。これは全く納得いかないのですけれども、どこが調査の内容にかかわってしまうのですか。

飯村政府参考人 いずれにいたしましても、調査の詳細につきましては、捜査の関係で差し控えさせていただきたいというふうにお返事したものでございます。

平岡委員 改めて聞きます。この報告書に書いてある「詳細な入出金の記録」とは一体何ですか。

飯村政府参考人 これは銀行の口座でございます、通帳でございますけれども、それを一つ一つ照合して、公金、私金を確認していったということでございます。他方、先ほどから申し上げておりますとおり、任意の事情聴取でございますので、その限界はあろうかと存じます。

平岡委員 今、銀行の通帳であるというふうにおっしゃいました。この通帳には、いつからいつまでの入出金が書かれているのですか。

飯村政府参考人 私どもが調査のプロセスで照合いたしましたのは、松尾室長が平成五年十月十日に就任いたしまして、それから十一年の八月十六日に離職するまでの間の調査を行っているわけでございます。まことに申しわけございませんが、この口座自身がいつ開設したかというのは、今ちょっと手元にございませんので、追って御報告させていただきたいと思います。

平岡委員 それで、先日の飯村さんの答弁の中で、平成十一年末のこの口座の残金は二億円だということを言われておったのですけれども、それは確認させていただけますか。

飯村政府参考人 私が申し上げましたというふうに記憶しておりますのは、今回の告発の原因となりました時期、つまり平成九年の十月、具体的には十月一日でございますけれども、この時点で残高が一・三億円、これは公金の入りであるというふうに判断いたしまして、その後、公金が十一年の三月までに約二億円入り、他方、私金が数百万円入ったということで、この時期の競馬馬四頭それから種つけ、これは公金を使ったというふうに判断される、そういうことでございます。

平岡委員 今、平成九年の十月一日から平成十一年の三月十一日までの間、私金が数百万円入っているという話がありました。この在任期間中に公金の累計が五・六億円入っているということですけれども、私金の累計は幾ら入っていますか。

飯村政府参考人 まことに申しわけございませんけれども、今御質問の趣旨がわかりませんでした。

平岡委員 外務省が集中的に調べた平成九年の十月一日から平成十一年の三月十一日までの間、公金が約二億円入っている、報告書には数百万円の私金が入っているというふうに書いてあるわけです。そして、トータルでこの在任期間中に入れられた公金が五・六億円、五億六千万円と言っているわけですけれども、この間に入れられた私金の額は幾らですか。

飯村政府参考人 今の御質問の趣旨は、平成九年の十月から十一年の三月までに私金が幾ら納入されたかということだと思いますけれども、約四百万円入っております。

平岡委員 いや、私が言ったのは、在任期間中に、平成五年の十月十日から平成十一年の八月十六日までの間に公金が五・六億円入っているというふうに報告書になっているわけですね。その間の私金の入金は幾らかということを聞いているんです。

飯村政府参考人 先ほど申し上げておりますけれども、公金の入金というふうに思われますのは五・六億円でございますけれども、それ以外の入れられましたお金が私金か公金か、必ずしも確認できていない部分がございますので、私金はこれこれというふうには申し上げられないと思います。

平岡委員 だから、私金じゃなくてもいいです。では、公金以外に入金されている金額は全部で幾らですか。この期間だったら私金が特定されているわけですね、数百万円と。だから、あえて別に私金というふうに定義しなくてもいいです。在任期間中に入っている公金以外の金額の合計額は、この口座に幾ら入金されていますか。

飯村政府参考人 先ほど申し上げましたように、平成九年の十月から十一年の三月までの経緯を申し上げましたけれども、それ以外は公金、私金が混在しているということでございまして、プライベートなことにもかかわりますので、額については差し控えさせていただきたいと思います。

平岡委員 平成九年の十月一日から平成十一年の三月十一日までは四百万円と今言ったんですよ。報告書の中でも数百万円と書いてあるんですよ。どうして在任期間中の公金以外の入金の額がここで言えないんですか。ちゃんと言ってください。話が進まないじゃないですか。

野呂田委員長 飯村君、答弁を明確にお願いします。

飯村政府参考人 四百万円につきましては、これは告発の上で必要でございますので私は数字を申し上げたわけでございますけれども、そういうものとして御理解いただけたらと思います。

平岡委員 この外務省の報告書は、告発をするためにつくったわけじゃないんでしょう、結果的には告発に結びついている部分があるけれども。やはりこれは、官房報償費がどのように使われていたか、これを我々予算委員会として、国費が使われているわけですから、この国費がきちっと使われているかどうかを見なければいけない。そういう意味で全体を把握しようとしているわけです。答えてください。

飯村政府参考人 この調査報告書は、やはり一刻も早く公金が流用されたという疑いのある中で告発をするという目的で調査を進めたわけでございます。(発言する者あり)

野呂田委員長 速記はとめないでください。

 どうぞ、平岡君。

平岡委員 では、質問の角度を変えて聞きますけれども、この在任期間中の調査について言うと、平成九年の十月一日から平成十一年三月十一日の間だけ調査したのであって、それ以外は調査をしていないということですか。

飯村政府参考人 調査をしております。ただ、告発に至ることが判明、事実関係が私どもとして判明したと確証を持てましたのがこの時期でございまして、そのほかの部分は、調査を行っておりますけれども、任意の事情聴取ということでございますので、限界があったということでございます。

 ここら辺は、捜査当局にお調べいただく事柄だと思います。

平岡委員 この調査報告書を見たら、別に業務上横領につながっていない話もいっぱい書いてあるんですよ。平成九年の二月二十六日に二千百七十万円をゴルフクラブで払いました。その直前には二千二百万円引き出されている。こういうことも、この調査期間を外れて幾らでも書いてあるんですよね。何で在任期間中の公金以外の入金についてここで言えないんですか。

飯村政府参考人 調べてはおります。ただ、特定ができないということが、私どもの強制的な捜査権を持たない限界でございます。

平岡委員 特定ができないというのは、何が特定できないんですか。公金でないことは特定できたんでしょう。公金は五億六千万と特定できたんですから、それ以外の金額は公金以外のもの。簡単に特定できるじゃないですか。何でだめなんですか。

飯村政府参考人 私が申し上げておりますのは、公金と私金が混在している口座でございますから、その公金が直接流用されて、その他の、今先生が言われたようなところに使われたかどうかということを特定できないというふうに申し上げているのでございます。

平岡委員 先ほど私がお見せしましたこの宿泊料支払い方式の中を見ていただいても、ケース二なんかでは、ホテルに一括払いするという形で、主管課から預かった旅費も松尾さんが官房報償費からもらったものと一緒になって払っている。カードで払っているというのがあるわけですよね。そのときに、常識から考えてみて、官房報償費はA銀行のこの口座から、それ以外のものはB銀行のこの口座からと払うようなことは通常考えられないんですよね。だから聞いているんですよ。

 だから、この期間に、公金以外のもので、公金以外と皆さんが言われている、それ以外の入金がどれだけあるのか、これを明らかにしてください。

河野国務大臣 議員のお尋ねのお気持ちはよくわかりますが、大変恐縮ですが、私どもから申し上げれば、繰り返し申し上げておることでございますが、松尾元室長は現在に至っても横領の事実を否定しているわけでございます。この横領の事実を否定している人間に対して、外務省としては任意で事情を聞いている段階でございまして、これを強制的にあれこれするということはなかなか難しいということは繰り返し申し上げたところでございます。

 例えば、議員がお話しになりました、他の銀行口座も調べるべきではないか、こういう御質問がございました。しかし、外務省はどうやって他の銀行の口座及びそのバランスを調べればいいのか。銀行に問うてみると、第三者が他人名義の銀行口座のバランス及び内訳を請求することは可能かと聞いてみると、一切回答することはできないと。これは、たとえ夫婦の間の、親族間でもできませんというのが銀行の答えでございます。

 そのだめだという理由、根拠は何か、こう聞いてみると、法令、財務省の通達あるいは指導、銀行協会などによる取り決め、そういったものがあって、他人から、本人が拒否し、本人が了承していない他人の口座のバランスを聞くということは難しい状況にあるということはどうぞ御理解をいただきたいと思うのです。

 私がなぜこんなことを申し上げたかというと、私どもはまだ、松尾を告発はいたしましたけれども、松尾元室長を犯人として特定をして全部取り調べをしているわけではないのです。我々はやはり、任意で事情を聞き、本人からの事情を我々が聞き出すことによって状況というものを解明しようと思っているわけでございまして、私どもは最低限度、申し上げた、告発をいたしました五千四百万円のあのくだりは、恐らくこの部分は公金を私的に流用したと言える、そういう確信を持って告発をしたのでございまして、これからは捜査当局が捜査権を持って捜査をするということになるわけで、恐らく捜査当局であれば銀行の口座についてもいろいろと御指摘をなさることはあるかもしれませんけれども、私どもができることには限界があるということを申し上げているわけで、我々は別に、隠そうとか知っていることを言うまいとかということではないということをぜひ御理解いただきたい。

平岡委員 今、我々は予算審議をしているわけですね。予算審議では、予算の額はどれだけが適当かということを考えなきゃいけないのですよ。今、捜査機関が捜査しているのを待っていたら、来年度予算はこの報償費額でいいのか、この旅費額でいいのかというのはどうやって判断するんですか。やはり我々は最大限の努力をして、予算がどのように使われていたのか、どのように流用されていたのか、こういうことをできる限りの手段を通じて調べるのが我々の役割じゃないですか。

 外務省、ちゃんとやってください。我々も予算委員会として、ぜひ実態解明をして、そして来年度予算が本当に適切な予算なのか、国民の国税を預かってやる予算が本当に適切な額になっているのか、これをここで審議しなきゃいけないのです。そういう役割を担って我々はここにいるのです。

 外務大臣、本当にこの予算が適切であるかどうかという視点に立って、徹底的にこの問題について調査していただきたいと思います。外務大臣、お願いします。

河野国務大臣 全力を挙げて全容解明のために、しかもそれは一日も早く全容が解明できるように努力をいたしております。私どもは、私どものできる範囲で全力を挙げているわけでございまして、この点はどうぞ御理解をいただきたいと思います。

 私、今銀行口座のことについても申し上げましたけれども、銀行内部の就業規則による守秘義務ということが、私どもの銀行口座のバランス及び内訳の請求に対する、回答できないという答弁であったということを申し上げておきます。

平岡委員 今のは、国政調査権に基づいて照会をした場合でも答えられないというふうに銀行は答えていましたか。

河野国務大臣 外務省は国政調査権はございませんし、そこまで外務省が言うのは、これは分に過ぎたことだと思います。

平岡委員 外務省で調べられないのなら、この予算委員会でぜひ国政調査権を発動していただいて、そして銀行の実態を把握するようにしてほしい、そうしないと、外務省の予算が適切な予算なのか、官房の予算が適切なのかわからない、そういうふうにして我々予算委員会の方に政府から要請してくるべきじゃないですか。どうして要請してこないんですか。

河野国務大臣 したがって、私どもは告発をしたわけでございます。一日も早く全容を解明してほしい、そう考えて告発をしたということを御理解いただきたい。

平岡委員 ぜひ、この外務省の報告書に出ている銀行の口座の状況について、国政調査権に基づいて銀行に対して報告を求めるようにお願いしたいと思います。

 委員長、お願いします。

野呂田委員長 理事会において協議いたします。

平岡委員 それでは、とりあえず理事会ということで。

野呂田委員長 これにて平岡君の質疑は終了いたしました。

 次に、中田宏君。

中田委員 民主党・無所属クラブの中田宏でございます。

 ここのところ数日、本委員会で、今の議論もそうですけれども、全く情けない限りでありまして、政府・与党一体で、問題がどこにあるのかという本筋を全く理解していないような答弁があらゆる問題で繰り返されていると私は思います。

 そのことはさておいて、早速課題に入りますが、私がお聞きをしますのは、まず危機管理ということについてであります。

 二月の十日にハワイのオアフ島沖で、アメリカの原子力潜水艦のグリーンビルに、日本の愛媛県の宇和島水産高校の実習船えひめ丸が、潜水艦の方の一方的な瑕疵によって、緊急浮上というような形によって衝突をされて、事故に遭いました。

 既に救出をされた、事故に遭った高校生の皆さん、またその御家族、学校関係者の皆さんには心からお見舞いを申し上げますし、また、まだ行方不明の高校生の御家族や学校の関係者の皆さんには、その心中を本当に拝察申し上げて、ともに希望を持って吉報を待ちたい、こう思っているわけであります。

 しかしながら、先ほどお昼のニュースでは、日本でも、またCNNなどでも流れておりましたけれども、行方不明者の捜索をアメリカ側は打ち切ったというような報道が流れています。それに対して我が国政府は、まだ続けろ、こういうふうに主張しているようでありますが、当然のことでありまして、最後の最後まで望みを託して、やはり救出できるならば全力を挙げるというのは、それこそ日本政府が全力を挙げて要請をしていかなければいけない、こう思うわけでありますけれども、外務大臣、最新の情報というものを、今現状どうなっているか、まずお聞きをしたいと思います。

河野国務大臣 捜索救助活動の継続強化につきましては、これまで、森総理御自身及び森総理の御指示もありまして、さまざまなレベルで働きかけてきたところでございます。

 沿岸警備隊の捜索救助活動の扱いにつきましては、十五日の桜田政務官からの働きかけに加えまして、総理、私からの指示で、十五日、藤崎北米局長よりラフルアー・アメリカ公使を通じてアメリカ政府に再考を強く申し入れました。また、ワシントンにおきましても、在米日本大使館よりハバード国務次官補代行、スミス国防次官補代理を通じて同様に再考を強く申し入れたところでございます。

 この結果、十五日午後でございますが、アメリカ政府より、日本側の申し入れを踏まえ、現在の体制での捜索救助活動を真剣に検討する、日本側からの要請を真剣に受けとめて検討するという趣旨の連絡があったと承知しております。

 なお、アメリカ海軍は、本十五日よりスコーピオを現場海域に派遣し、探索を本格化したというふうに承知をいたしております。

中田委員 ぜひ本当に、やはり一縷の望みを私たちはつないでいきたいわけでありまして、その点については、引き続き情報収集並びに日本側の意思をしっかりとアメリカに伝えていただきたい、こう思います。

 午前中にも既に本委員会で議論がありましたけれども、きのうになって発覚した事実としては、アメリカの原潜側では、どうも浮上の際に民間人が操舵をしていた、こういう事実がわかってまいりました。これは、衝撃を持って日本でも、もちろんアメリカでも受けとめられているわけでありまして、大変重大な問題であります。

 我が国では果たしてどうなっているのかという議論も既に午前中ありましたけれども、我が国では、自衛隊の潜水艦に仮に民間人が試乗するような機会があったとしても、操舵をさせるなどということは絶対にあり得ないというふうに防衛庁長官からも回答がありました。私は当然のことだと思います。

 この種のことについては、私も実は驚いたのですが、資格を持っている人間しか操舵してはいかぬとかなんとかいう法律はないんだそうであります。これは日本側も、日本側のモラルにおいて、自衛隊において民間人に握らせることはないんだ、こういう見解だったということですね。

 ということは、やはりアメリカ側が、果たしてどういう法規になっているかわかりませんけれども、実にアメリカ軍全体がたるんでいるな、こう言わなきゃいけない。これは、沖縄の各種の、知事を批判するような電子メールもしかり、あるいは放火という事態もありました、これもしかり、そして今回のこともしかり。日本政府は、アメリカに対してここはしっかりと物を言わなければいけない。アメリカ軍のモラルにまで踏み込んで、日本は、人命がかかっている問題であり、そこまで踏み込んででも言っていく必要があると私は思います。外務大臣、そこら辺について、ぜひモラルにまで踏み込んで言うべきだ、こう思います。

河野国務大臣 けさ、ニューヨークにおりますパウエル長官に電話をいたしまして、直接話をいたしました。ハワイ・オアフ島沖の事故、さらには沖縄の問題等極めて重大だと我々は認識している、この問題にアメリカ側として真剣に取り組んでもらいたい、私は外務大臣として、国務長官、あなたと日米関係をよりよく維持するために努力をする必要があると考えているので、そのためにもアメリカ側の真剣な対応をぜひお願いしたいという旨申し上げておきました。

 パウエル長官は、極めて真剣に、深刻に話を聞きました。日本側の感情についても私はよく理解いたしましたということを言っておられまして、私としては、パウエル長官は現在の日本側のこの問題に対する感情についても理解をして対応をされるもの、こう期待しております。

中田委員 ぜひそこは、本当にアメリカ軍のモラルにまで日本人が口を挟まなきゃいけないというのは過ぎたることと通常だったら思いますが、こういう機会にぜひ言う必要がありますね。そうでないと、やはり同じようなことが、決して今回のような悲劇だけでなく、沖縄においてもまた起こりかねないと私は思います。

 さて、総理がきょうこの予算委員会に御出席をされないというのは、極めて残念であります。沖縄の問題もあります。あるいは、きのうの予算委員会において、限られた時間の中で今回の総理の行動について十分に言えなかったというのも、きのうのクエスチョンタイムの中であったでありましょうし、短い時間でも総理がやはり出席をすべきであると我々は主張してきたわけでありますけれども、むしろ、総理がみずから積極的にこういう場所に出てきて発言をしていくというぐらいのことがなければいけないと思うのに、出てこないというのは、ちょっと抗議をしたい気持ちもあります。

 きのうの党首討論では、総理は、このえひめ丸の事故について、きちっとした対応をとった、しかし場所が御批判をいただく場所であったというならば、その批判は甘受する、こう発言をしていますけれども、要は、ここで総理が言いたいのは、ゴルフ場にいたことが悪いならばそれは謝りましょう、そういう言い方ですね。もっと腹の底を勝手にこっちが推測すれば、ゴルフ場にいたことが実に自分はアンラッキーだ、こういうようなことをさも言いたげな雰囲気でありました。

 問題は、私、逆だと思うんですよ。そのときにゴルフ場にいてもいいんです。むしろ、一国の総理大臣としてしっかりとした対応をとられているかどうか、ここが重要なのであります。

 そもそも、政府の危機管理については、昨今ずっと言われてきましたけれども、現体制が整うまでにおいては、まず平成七年に阪神・淡路の大震災があって、その後、地下鉄サリン事件や全日空機乗っ取り事件、ペルーの日本大使公邸占拠事件、ロシアタンカーのナホトカ号海難・油流出事故といったことがあって、内閣の危機管理機能の強化が進められた。このことは内閣官房から出ている資料の中でも明らかに書いてあるわけであります。

 そういう意味で、今まで例えば国土庁が担っていた防災分野なども、省庁再編によって内閣府の中に集約をして、そして、今伊吹大臣にもお越しをいただきましたけれども、防災担当大臣、危機管理担当大臣というのを一元化してお働きをいただいているわけであります。後でも聞きますけれども、まさにこの危機管理体制が今回ちゃんと機能していないわけです。

 そのことを後で聞きますけれども、まず官房長官にちょっとお聞きをしたいんですが、総理は、ゴルフ場に来たマスコミに対して、危機管理ではないでしょう、事故でしょう、こう発言をしているらしいですね。危機管理と事故の違い、総理はどういう認識をされておられるのですか。

伊吹国務大臣 総理の認識については、後ほど官房長官からお話しいただくのが適当だと思いますが、昨日の党首討論でも、事故か危機かというのは非常に議論になりましたので、少し、先生の今のお話をも含めて、説明させていただきたいと思います。

 まず、先生御指摘のとおり、平成七年のいろいろな事故の反省から、あらゆる情報を内閣の情報集約センターに集約するという措置が今とられております。ここへは、種々雑多な、ありとあらゆる情報が各省や通信社から入ってまいります。その入ってくる情報の中で、緊急事態の情報というのがございます。内閣官房でも内閣官房初動対処マニュアルというものをつくっておりますが、その中に、この緊急事態の情報というものが入ってきたときにこれをどうするかということがずっと書いてあるわけです。

 まず、これは、入ってまいりますと、実は率直に言って誤報もございます。それから、各省で処理していただかなければならない事態、例えば同じぐらいの人命が今福島沖でまだ不明ですが、これは海上保安庁が処理しております。こういうものがすべて入ってまいります。それは、内閣で危機管理の対象として対策室を設けてやるべきもの、それから連絡室を設けて各省の調整をするべきもの、それから各省の対策に任せるものと、大体概念的には三つに分かれてくるわけですね。その中で、対策室の対象になったものが、いわば危機管理の対象になる。内閣が総合的に各省庁を指導しながら、各省庁の機能を発揮してもらうために総合的に指導するというオペレーションの対象になるということですね。

 ですから、法律には、内閣法の中にも「危機管理」という言葉が法律の中に使われております。これは、「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が」、結局この「重大な」ということの解釈だろうと思いますが、これを細かにこの内閣官房初動対策マニュアルの別紙の中にいろいろ書いておるわけです。

 これは、るる説明をすると時間をとってしまいますので簡単に申しますと、国民の主権が侵される危機、国の主権が侵される危機、それから国の秩序が揺らぐ危機、それから国民の生命財産が大規模に危険にさらされる状態、これが内閣が主導的立場に立って各省を指導して対応すべき危機だと。そして、もちろん各省が対応している危機もございます。そんなふうな仕分けをとりながら対応している、こういうことです。

中田委員 官房長官、今の議論はちょっと後でもう一回やりますから。

 総理の認識ですね。官房長官はお話しになっていると思いますが、総理はどういう認識なんですか、これは危機管理ではないでしょう、事故でしょうというのは。

福田国務大臣 今危機管理のお話は伊吹担当大臣から話をされましたけれども、そういうことだと思います。

 これは、総理が昨日事故と申し上げたのは、事故でもいろいろな事故があるわけで、重大な事故ということもあろうかと思います。ですから私は、それは言葉の問題かなというふうな感じがいたします。

 問題は、そういう報告を受けてどういう対応をしたかということが問題だろうというふうに思っておりますので、そのことについて私は、総理もしっかりとやられたというように理解いたしております。

中田委員 言葉の問題というのは、あの方は言葉の問題で今までいっぱい問題を起こしているわけですから、官房長官、またもや言葉の問題という話でこれを片づけるのだったら、何の反省もしておらぬし、進歩のない方ですね。毎回言葉の問題ですから、これも。

 先ほど伊吹大臣にお答えいただいたように、内閣法は、危機管理というのを「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態への対処及び当該事態の発生の防止をいう。」こう書いてあるわけであって、どこから読んでも今回の場合、危機管理ですね。広い意味で、十分危機管理ですよ。

 そもそも危機管理というものは、これはもう当たり前の話ですよ。危機管理だから危機管理を今回やるとかやらないとかということが危機管理じゃないわけですね。何か事故が発生した後にどういう手続で物事を進めていくという一連の流れが危機管理というわけであって、今回は危機管理なんだとか今回は事故なんだとか、そういうことを言う筋合いの話では本来ないのですよ。

 それを、危機管理じゃないでしょう、事故でしょうと言うのは、これは日本語にもなっていないのですよ、はっきり言って。これは日本語にすらなっていないですよ。危機管理というのは、何か起こった後その対応をしていくこと、全体の一連の流れを危機管理というのですよ。

 伊吹大臣は、午前の本委員会の中でも、危機管理か事故かというそもそも論をやっている暇はなかったとおっしゃるけれども、それすらも、だから私が申し上げているように、その段階ではそんな暇はなかったというのはわかるけれども、これは危機管理だとかいうそんなことを求めているわけじゃなくて、その一連が危機管理だということですね。

 それに加えて、伊吹大臣はこう発言された。外交上重大な事故になるであろうことは実は私は思っていたと言ったんですよ、午前中。

 ですから、ここでは、危機管理をやろうなどと言って危機管理をやるものじゃなくて、一報を聞いてすぐにアクションを起こしていく。それはありていの平たい言葉で言えば、既に世論からも出ているように、じゃ、自分の子供が、家族が交通事故で、今事故に遭ったという一報を受けたときに、本当にゴルフを続けられますか。あるいは、そのときに病院にまず真っ先に駆けつけますよね。そして、その病院でけがが軽かったといったらほっとするんですよ。そうじゃなくて重かった場合は、これは大変だ、そう考えるんですよ。それが危機管理なんですよ。

 ですから、今回の場合は、まず総理にしても官房副長官にしても、あるいは官房長官、伊吹危機管理担当大臣にしても、そういった行動をまずとる。何のために電話があるのかなんというばかばかしい議論をしなくても、そうした対応がとられてなければいけないはずなんです。いかがですか。

伊吹国務大臣 先生がおっしゃっていることと私が答弁していることは、ほぼ合っているんじゃないかと思いますが、先生も広い意味での危機管理という言葉を今使われました。つまり、国民の生命財産ということからいたしますと、私は、情報が入ってきたときに、何度も申しておりますように、これが内閣が主導を持ってやるべき危機管理なのか、それとも各省が対応してもらうべきものかという判断をする、今まさにおっしゃったように、国民の命や財産を預かっておる立場からすると、そういうことを言っている暇がないから、私が独断で、ともかく生命救助を最優先に外務省と防衛庁のルートを通じて対応しろということを第一報をもらったときに言ったのは、先生が今おっしゃったのと全く同じ気持ちなんです。

 あえて言いますと、私は――これはすべて後講釈ですよ。後で落ちついて考えてみると、国民感情などを考えると、日本の安全保障に重大な影響を持っているパートナーのアメリカの原潜が起こした重大な事故だから、いろいろな問題が起こってくるだろうということは、それはおっしゃるとおりなんです。

 しかし、国民の生命が大規模に侵されるという今の例えば内閣法の定義等々からしますと、十五人の方がなお襟裳岬で沈んでおられるときも、内閣が主導をとってやっていたのか。福島沖でも六人、七人の方が今、海上保安庁を中心に捜査が進んでおります。

 しかし、その議論をするということが、まさに今、あるいは初動態勢のときに、政治家がそんなことを、事故だとか危機管理だとかということを考える暇がないだろうと思ったから、私は独断でとあえて申し上げておりますが、独断で、軍事的なことであれ、アメリカが軍事機密と言うかもわからないけれども、即座に、防衛庁と外務省のチャネルを通じてやってくれと、そして、総理もまた折り返し、生命の維持を最優先にやれという御指示を我々のところへ打ち返してきておられるということを申し上げているわけです。

中田委員 伊吹大臣はさっき、私はメモをとって聞いていたけれども、こういうふうにも言っているのです。対策室設置なるものが危機管理になる、こうおっしゃっているのですね。きのうの議論の中にもあったのです。これは連絡室ですからという話になっている。だから危機管理じゃないという話じゃないわけですよ。これは当たり前の話なんですね。

 ついでに言います。今の議論のその先を言いますが、こうした緊急事態の場合は、まさに危機管理の中で三十分で緊急センターの方に駆けつける。これは緊急センターなのか連絡室なのか対策室なのか、そこら辺もいま一つあいまいなんだけれども。ましてや官房長官の言葉をかりれば、三十分というのは目標であってというような言葉になって、そんなんだったら何も時間を区切って明示する必要はないんだけれども、あくまで目標ですみたいな言い方でしかきのうは片づけていない。

 伊吹大臣はきのうこうおっしゃっています。米国の主権下で起こっていること、もし日本沖でこの事故が起これば、海上保安庁をどう動かし、防衛庁をどう動かし、警察をどう動かし、あらゆる政府の機能をどう動かすかというオペレーションをやるんだ、だから今回は入る必要がない、こういう見解なんですよ、きのうは。(伊吹国務大臣「入る必要がないとは言っていません」と呼ぶ)いやいや、こういう話をしているわけですよ。

 だって、今の襟裳沖の話だってそうなんですよ。それが果たして危機管理として、これも、だから広い意味で言ったら危機管理ですよ、当然のことながら。ただ、こっちにすぐに駆けつけるか駆けつけないかというときは、それは政治家の判断がそこに入るでしょう。

 そして、今回の場合、何よりも駆けつけなきゃいけない理由はどこかというのを明確に言えば、これは外国が絡んでいるからなんですよ。

 襟裳沖の問題も危機管理の一つです。しかし、そこは日本が、海上保安庁あるいは各都道府県といったところも中心になってやっていくわけですよね。ところが、今回は、遭難をした家族にしてもその関係者にしても、手も足も出ないわけですよ、外国のことなんだから。だからこそ、日本政府が国を通じてアメリカと交渉しなければいかぬわけであって、情報の収集をしなければいけないわけであって、そのことがまさに、すぐにでも行動を起こして三十分でこっちに駆けつけるという理由なんですよ。日本政府しか対応できないんですよ。おわかりいただけますか。

伊吹国務大臣 そのとおりだろうと思います。ですから私は、まず情報を受けたときに即座に、今先生がおっしゃったことをまずやってくれということを申し上げ、総理も即座に、連絡室というか、まだそのときは連絡室は立ち上がっていないと思いますが、担当者のところへそのようなお話が来たわけです。

 ですから、おっしゃっていることはよくわかります。おっしゃっていること、実態的にはそのとおりだと思います。しかし、広義の危機管理だとか、これも危機管理だとかということを総理は実は言っているんじゃなくて、総理が言っているのは、内閣が主導的な立場に立って処理すべき危機管理なのか、外務省が対応すべき危機なのか、そういうことをいろいろ考えると、総理としては、まず手を打つべきことを打ったということを言っておられるわけですよ。

 ですから、先生のおっしゃっていることはよくわかります。そういうときに、まず姿を見せるということがどういう安心感を与えるかとか、そういう議論はよくわかりますよ。しかし、広義の危機管理だから、狭義の危機管理だから、すべて姿を見せる、あるいは何だということになると、あらゆることに対してすべて内閣総理大臣が対応しなくちゃいけなくなります。つまり、どこで線を引くかということなんですよ。

中田委員 もちろんそうでして、そんなことは私、一言も言っていないではないですか。総理大臣のみならず、だからこそ在京における当番が決まっていたわけでしょう。だれですか、当日の当番は。

福田国務大臣 当日は内閣官房副長官が担当する、こういうことになっていました。土曜日で休日でございましたので、休日にはだれか必ず残ろう、こういうことを申し合わせをしておりまして、当日は安倍官房副長官が在京いたしたわけであります。

 先ほど三十分以内に官邸に入るというお話がございましたので、ちょっと申し上げますと、これは、こういうルールは特にマニュアルとしては存在しないのです。しかし、そのぐらいをめどにしてやろうじゃないかというようなことで、幸いにして安倍副長官も三十分で来られるようなところにお住まいであるということもありまして、私もそういうことが可能であるわけで、そういう意味において、私も極力在京いたしまして、そして休日には対応できるようにというように心がけてやってきたつもりでございます。

 安倍副長官も家にいてここに来なかったのは悪いとおっしゃられれば、それはそういう見方もあるかもしれぬですけれども、しかし副長官として、まず第一報が入って、やるべきことは総理がやられたと同じようにやられておられますので、私は、その仕事、任務は立派に果たしておられる、こういうふうに思っております。

中田委員 官房長官、三十分で来られる距離にいるということと三十分で来なかったというのは全然差があり過ぎじゃないですか。三十分で来るんでしょう。三十分をめどにでもいいですよ。めどにでもいいけれども、何でそれが十時四十分に第一報を受けてから一時半になっちゃうんですか、官房長官。

福田国務大臣 それは事件の内容にもよるんです、事故の内容とか。例えば自然災害とか、それも大規模なというようなことになりましたら、もう何をおいても早速官邸に駆けつけて、そこで全体的な指揮をとるということが求められるということでありますけれども、それは、家におってとるべき対応というのは十分とれるし、またその方がよいということもあるんですね。こちらに駆けつけるよりは、その三十分をむだにしないで、そしていろいろと連絡をするということも可能なわけですね。家であれば、自宅であれば自宅の電話もございますし、連絡ルートも余計あるわけですから、車に乗っかって、その間の三十分どうしようか、こういうこともあるわけですね。また、家でその仕事がスタートすれば、その家に電話がかかってくるというようなことになると思いますので、その方がよいという判断もできるわけであります。

中田委員 家にいてもできることはある、それはそうかもしれないですよ。それだったら別に、三十分で来る、来ないなんという議論をそもそもそんなところでまとめている必要はないわけだし、では何のためにそういうものをつくっているんですか、一応了解をされているんですかという話になっちゃうわけですよ。ましてや、来たのは一時過ぎなんだから。

 いや、いいですよ。家にいてできることがあるというのもそのとおりかもしれないけれども、安倍官房副長官の自宅はそんなに電話がいっぱいあるんですか。耳だって、右と左と二つしかないわけでしょう。そんな幾つもの、防衛庁から、海上保安庁から、外務省から、次々と連絡が入ってくる、そういうものを家の中で次々と連絡、一本のライン、まあ何本あるか知らないけれども、何本電話があるのかお答えいただいて、そんなことが物理的に可能なんですか。

安倍内閣官房副長官 今委員幾つか誤解をされているんだと思うんですが、まず、三十分ルールというものは、これはひとり歩きしておりまして、そもそもそんなルールはございません。これはございません。明確に申し上げておきますが、明確にはございません。

 そして、官房長官がおっしゃったことは、しかし、自然災害のときに緊急参集チームというのがございまして、その緊急参集チームの方々がそれぐらいをめどに、それは私どもではなくて事務方であります、限られた方々でありますが、事務方の皆さんが、お役所の方々は必ずしも都心の近くに住んでおられませんから、そういう方々のためにもある種便宜を図って、そういう地域に住んでいただくということになっております。ですから、そこをある程度三十分ということになっているわけでありますが、政治家は必ずしもそういうことにはなっていないわけであります。

 ただ、福田長官がおっしゃったことは、我々は、今住んでいるところを確認すれば大体そこらあたりなので、休日で休みのときには自宅で待機をしようということで、私がそこにいたわけであります。

 それと、私は十時三十五分に第一報を受けたわけでありますが、私が留守番として何をなすべきかということでございますが、それはまず、自然災害が起きたときに、総理あるいは伊吹大臣、また福田長官に連絡がとれないというときには、私が行って指揮をとるということであります。それとまた、会議を至急やる必要があるというときには私が行くわけではございますが、私が電話を受けたときには、既に総理また官房長官、伊吹大臣には連絡を開始した、その後すぐに電話がございまして、既にもう連絡はとれたということでございます。

 かつ、総理もまた伊吹大臣も長官も、これは直接外務省と海保に指示を出されていたということでございまして、その後の指示というのは、これは危機管理センターを通じてではなくて、直接総理―外務省あるいは官房長官―外務省、そしてまた伊吹大臣―外務省という形でなされていたということでございます。その後、連絡室が十二時に立ち上がったわけでありますが、これはあくまでも重大な事案でございますし、外交上の事案でございますから外務省に対策本部がつくられたということでございまして、内閣としては連絡室ということになっているわけでございます。

 私がとった処置によって何か大きな問題が結果として生じた、また、そのことによって問題が生じる可能性があったということであれば、それを御指摘いただきたいと思います。

中田委員 きのうもそのことを言っていますけれども、伊吹大臣とも総理とも、また官房長官とも全く連絡がとれなくなって直接指示を仰げなくなった段階では入る、皆さん、これ、総理とも危機管理担当大臣とも官房長官とも連絡がとれなくなる事態がそもそも許されていいんですか、我が国は。それは、とれなくなることが前提にあるんですか。我が国はそんなむちゃくちゃな国なんですか。この情報化時代に、総理とも官房長官ともだれとも連絡がとれなくなることを想定して、そのときだけ官房副長官が入る。むちゃくちゃな国ですね、我が国は。それじゃ、むちゃくちゃですよ。

 大体、三十分ルール、そのことがきちっと法律上とかで定まっているかどうかは別として、ないと今官房副長官は言った。しかし、三十分ルールという一応の目安はあると官房長官は言っている。これはどういうことですか。

伊吹国務大臣 きちっと整理してお話ししないと失礼だと思いますので、申し上げたいと思います。

 先生が一番最初御指摘になったように、阪神・淡路大震災の大変な教訓からこの情報集約センターというものができまして、そして、中でつくっているマニュアルは、三十分で官邸に担当者が集まろうというルールを付しておるのは、震度六弱の地震があった場合のマニュアルなんですよ。だからといって、三十分以内に来なかったからそれが正当化されるという問題とは、このことは無関係です。それは先生おっしゃるとおりです。

中田委員 三十分ルールはどうなっているんですか。あるんですか、ないんですか。

福田国務大臣 先ほど申したのは、そういうすべてのケースにおいて三十分以内に来なきゃいかぬというルールはないということを申し上げているので、そういうマニュアルがあるというのは、今、伊吹大臣が答えたとおりであります。

中田委員 ということは、三十分ルールはないの、あるの、どっちなんですか。ないならば、とにかくいつ入ってもいい、二時間三時間、のらりくらりと後から入ってもいい、それは別に何にもルールがないんだからしようがない、こういう話ですね。

福田国務大臣 それは、そういうルールはないんですよ。めどとして集まろうという、まあ言ってみればできるだけ早く集まろうというぐらいの精神的なものであって、何も決めているものじゃないんですよ。そこのところはおわかりいただきたい。ですから、あとはその事態によって考えるべきことであって、それは我々がどういう判断をするかということにかかっているわけであります。

中田委員 きのうは、三十分ルールというのはある、そして、それはめどなんだと。三十分きっかりではないけれども、ルールはあるということを前提にやっているんですよ。全然納得できない。

福田国務大臣 私は、すべてのケースにおいて三十分ルール適用なんて、そういうことを言ったことはありません。

中田委員 私だってそんなこと言ってないですよ。

 では、我が国には何にもルールはないんですね。何分に入るかのルールは全く我が国にはないということですね。そういう解釈でいいんですね。

伊吹国務大臣 マニュアルには、何分以内に入らなければならないということは明示はされておりません。ただし、明示されているのは、今の、地震で六弱の地震があった場合には三十分をめどに担当者が集まろうという申し合わせはありますから、我々は、例えば十五分で来なければならないときもあるし、それはその情報によってそうじゃないときも当然あるでしょう。それがまさに危機に対する、危機の様相に対応する判断というものじゃないんでしょうか。

中田委員 明確にはないけれども、申し合わせではある、その申し合わせが守れてないんだったら、何にも意味ないじゃないですか。それとも、今回は大した事案ではない、こういう解釈ですか。

伊吹国務大臣 ちょっと先生、正確に議論したいんですが、申し合わせがあると言っているのは震度六弱の地震なんです。そのときのマニュアルにそう書いてあるわけです。それ以外のところには時間の定めはないんです。ないからといって、三十分以内に来ないのは当たり前だという話ではございません。それはおっしゃるとおりです。

中田委員 いや、地震のときにそう書いてあるのはいいとして、それならば、それ以外のときには我が国は基本的にはないということですね。それで、ないということだから、めどとして地震のときのルールのように三十分で集まることを確認し合っているけれども、今回はそれは適用しなかった、なぜならば大した問題ではなかった、こういう解釈ですか。(発言する者あり)そうは言ってないといっても、じゃ、それで何で午後の一時半になるんですかと言っているわけでしょう。じゃ、何で一時半になるんですかというのを聞いているわけでしょう。(発言する者あり)

野呂田委員長 ちょっと、不規則発言はやめてください。

中田委員 だって、それで二時間も三時間も経過しているわけでしょう、実際問題。

安倍内閣官房副長官 先ほど私が述べたことで、連絡をとれなくなった場合というふうに申し上げたときに、連絡できなくなる場合というのはないじゃないかというお話でございましたが、しかし、それは自然災害等では十分あり得る、可能性もある。可能性もあるときに十分対処するのが危機管理ということでそれが決まっているということであります。

 そして、先ほども申し上げましたように、決して、これが小さいことだということは全く考えていないわけでございます。ですから、そういう中でそれぞれしかるべき指示を出していたわけでありまして、これは外務省が米当局に対して情報の収集と人命救助に全力を挙げるように要請をしている、そのための指示は総理と伊吹大臣からなされていたわけでありますから、それは十分に責任を果たしていた、このように思っております。

中田委員 特別な自然災害のときに総理を初めとした人と連絡をとれなくなった、そのときの基本的な対処の仕方はあるけれども、そういう場合でない危機管理については我が国はほとんど決まってないということですね。

 だって、普通の会議だって考えてみてくださいよ。それぞれに連絡が、いろいろなところから電話がいっぱい入るわけですよ。官房長官にも入る。危機管理担当大臣にも入る。総理にももちろん入るでしょう。官房副長官にも入るでしょう。それぞれが三本、四本のラインと交渉をしながら、情報収集しながらですよ。そういうことをやっていると、情報が錯綜したり、みんなで合議をして瞬時に判断したりすることができなかったりする。だから、それを指揮できる人がすぐに対応するというのが、これは普通の一般の会議だってそうですよ。それぞれの相互のやりとりだけをやっていて、おまえ聞いたか、あの件は、いや、うちにはまだ連絡はないぞとかなんとかいうやりとりをやっていたらできないから、連絡室を設置して、そこに情報がいろいろなところから上がってくる。そしてそれをすぐに、例えば、あの日の当番ならば官房副長官が入ってきて、情報を整理して、総理に判断を仰いだりということをするために戻ってくる。それが恐らくは皆さんの中で確認をされていた三十分ルールなんじゃないですか。なければつくった方がいいですよ、マニュアルがなければ動けないんだったら。

安倍内閣官房副長官 今、私がすぐに行って指示を出せというお話でございましたが、しかしながら、伊吹大臣にも福田長官にも総理にも連絡をとれる状況でありました。ですから、私が指示を出すのではなくて、当然、総理が指示を出して、伊吹大臣が指示を出すわけでありまして、私が総理と連絡がとれる、あるいは伊吹大臣と連絡がとれるにもかかわらず、それを飛び越えて私独自の指示を出すということは、かえって混乱を増すだけであります。

 また、外務大臣も、外務省に入られて、外交ルートを通じて指示を出されているわけでありまして、それに対して私が外務大臣に指示を出すというのは、極めておかしな形になるというのは当然の理だと私は思います。(発言する者あり)

中田委員 くだらない質問だとかなんだとか自民党の方はおっしゃるけれども、こういうところができてないから対応が速やかにとれないんですよ、我が国は。

 別に総理に指示を出せとかなんとか言っているんじゃなくて、情報がいっぱい来る中において、その情報の精査をしていく、そういうところにきちっとつかさがまさに働くというのが政治家の仕事であって、そのことを電話で片づくというんだったら、別に緊急の何とかセンターを設ける必要もないし、はっきり言ったら国会だってみんなでそうやればいいじゃないかという話に、何でも転嫁できるわけですよ。私は逆に、これをくだらないと言っている人の気が知れないな。

 それから……(発言する者あり)あなた、もう少し前向きになった方がいいですよ、栗原さん。

 総理はプライベートというのを、どうも私は履き違えているような気がしてならない。プライベートというのは、単に時間や空間を指しているわけじゃないわけですね。その置かれた状況がプライベートかプライベートじゃないかというのを決するわけですよ。首相公邸、公の邸です。公邸の中にいても、仕事が終われば、それはプライベートでしょう。ゴルフ場にいたって、それが公務であるならば、それはプライベートではないわけですよ。

 そして、あのときは、まさにプライベートというつもりで総理は出かけてゴルフを楽しんでおられた。そのことについての是非もあるけれども、しかし、私は別にそのことを今百歩譲って取り上げない。しかし、事一たん我が国にとっての緊急事態、今回だって緊急事態ですね。それは間違いない。この緊急事態が発生したときは、公の人に戻る、すぐに行動を起こすということがなければ、ここはプライベートでしょうとか、そんなことを言っていたら、プライベートというのは空間で、ここから先はプライベートで、こっちから先は公務だって、冗談じゃない。それだから総理の資質がないというふうに言われるわけですよ。

 プライベートというのは、総理秘書官がきちっとある意味では連絡のとれる体制の中にいたり、連絡といったって、これは後で聞きますけれども、だれの電話でお話をしたのか。総理はプライベートを履き違えていますよ。官房長官、いかがですか。

福田国務大臣 私も、総理がプライベートと言ったその状況というのはよく存じませんけれども、総理としては、休日などの対応につきましては、総理御自身の信念として、公私の峻別はいつもはっきりいたしております。完全にプライベートな日程の場合には、休日の場合に秘書官を同行しない、そういうことでございます。

 しかし、いついかなる事態でも万全の対応はできるように、必要な連絡手段についてはこれを確保しておる。今回もこれがしっかりと機能して、情報を受け取ったということでございます。

中田委員 完全なプライベートのときには、総理大臣は秘書官もついていかない、これ、総理大臣として許されるんですか、我が国は。連絡をとれるところにいるかどうかでしょう。ついていかないというのは許されるんですか、我が国は。それでいいと官房長官は御認識ですか。

福田国務大臣 プライベートな場所という、まさにゴルフ場はそういうことだと思います。そういうところに、コースを回るときに秘書官を連れて回るということは普通はないんじゃないかと思いますね。そんなことになりますと、自分の家にいるときにも秘書官を置いておかなきゃいけない、こんなことになるんじゃないですか。

中田委員 では、SPはついてなかったんですか。

福田国務大臣 SPはもちろんついています。

中田委員 では、何でSPはついているんですか。

福田国務大臣 これは、SPサイドの、警護の必要からついているんです。総理が特にお願いしますと言っているわけじゃないんです。

中田委員 総理大臣たる者がプライベートで楽しんでおられる時間でも、何か総理の身に降りかかるような危険性というものがある可能性、そのことを考えたときにSPはついているんでしょう。

 では、秘書官が、何も一緒にゴルフを楽しめとか、一メーター以内を歩けとか言っているんではなくて、政務を担当する秘書官がきちっと総理と連絡をとれる体制に常にあるというのは、SPが警備上の問題からいるのと同じように、これは当然の話ではないですか。

福田国務大臣 SPはまさに総理の身辺警護ということでございますから、これは密着してなければいけないんですよ。しかし、秘書官は、これは連絡がとれる体制をいつもとっております。日曜日だろうが、祭日だろうが、四六時中連絡がとれる体制はあるんですよ。ですから、御指摘の点は御懸念にすぎないと思います。

中田委員 では、総理が一報を受けたときに携帯電話でお話しになられたということでありますけれども、この携帯電話はだれの携帯電話ですか。

福田国務大臣 正確を期せば、私はどなたの所有物かはわかりません。

中田委員 これは、きのう、SPの携帯電話と言っていますよ。言っていますよ、これは。

金重政府参考人 事務的な事柄でございますので、私の方からお答えさせていただきます。

 ただいま、だれの携帯電話かというお話でございました。これは、SPが秘書官から総理への電話を当日取り次いだ事実はあるというふうに報告を受けております。

中田委員 では、出てきたついでにもう一つ聞きましょう。

 SPの任務というのは何ですか。

金重政府参考人 いわゆるSP、警護員というふうに私ども呼んでおりますけれども、これの任務でございますが、内閣総理大臣、閣僚、国賓その他、その身辺に危害が及ぶことが国の公安に係ることとなるおそれのある方につきまして、その身辺の安全を確保するということでございます。

 その業務としましては、総理の警護について申し上げますならば、常時総理の直近に配置するということのほかに、官邸とか公邸、私邸にも配置して警護を実施しておりますし、それからまた、外出するときには各行き先地に配置して警戒に当たっておるということでございます。

中田委員 もう一点お聞きします。

 電話の取り次ぎをするのはSPの仕事ですか。

金重政府参考人 総理の御動静を承知するというようなことは警護にとって必要なことでありますから、電話の取り次ぎというのもその一環として行うということがあるというふうに承知しております。

中田委員 いや、これは本当に大事な問題で、電話を秘書官よろしく警護をしている方が取り次いでいる、その間、総理の身辺というのはだれが見るんですか、メモをとりながら電話をしている最中に。そういう指導は、本当に電話をとってもいいという指導になっているんですか。

金重政府参考人 総理警護についておるSPというのは一人ではございません。直近のところに数名おりますし、それ以外のところに配置されておる者、周辺におる者等ございますので、一人が電話を取り次いでおるから警護ができないというものではないというふうに思います。

中田委員 SPが総理に伝言、伝達をする、そうしたことについて、当然見識や教養のある方々だと私は思いますけれども、しかしそれは警備をする方の本来の業務ではないはずであります。むしろ、きちっと秘書官が連絡をとれる体制になければ、これはくだらない議論といって片づける話ではなくて、こういうところが、最初の話に戻りますが、危機管理なんですよ。そういったところがきちっと危機管理としてできていない。だから、SPがいいとか悪いとか電話をとってとかなんとか、瑣末な議論ですね。

 そうなんです。瑣末な議論なんです。こういう議論をせざるを得ないような危機管理の体制。しっかりと秘書官が連絡をとれるように、総理がきちっとみずからの立場をわきまえていない。だって、車まで帰しているんですよ。帰りは十六時ごろになるからどこかで休んでいていい、場合によっては帰ってもいいと言っているんですよ。どうやって、何か事態が発生したときに総理は移動するんですか。(発言する者あり)タクシーで移動するんですか。今、自民党の議員がタクシーとおっしゃいましたが、そういう認識でありますか。

福田国務大臣 先ほどの電話ですけれども、電話は、SPが話の中身に立ち入ることはありません。かかってくれば、だれからですということを言うだけなんですよ。その取り次ぎだけをしているわけでございます。

 それから、今の車ですか、きのう総理が言われておりました、私が四時まで使わないからゆっくりしておくように話したのは事実であるが、緊急事態に備えて運転手等は常に待機しており、今回も駐車場で待機していたと報告を受けている、こういうことでございます。

中田委員 しかし、車の問題にしても、その後、総理は記者とのやりとりの中で、何時に入ろうが関係がない、外務省などのつかさが動いている、こういうふうに発言をしているわけでありますから、車があってもなくても実際は関係ないわけで、帰っていていいよと言っても、確かに、こういう何時に入ろうが関係ないという御認識であるならば、それは帰していても全く問題はないでありましょう。

 しかし、これなら総理大臣なんて要らないですね。役人の指示に従ってゴルフ場で待機、私邸で待機、これで総理大臣が務まるんだったら別に総理大臣なんか要らぬわけであって、何のリーダーシップも発揮できていない。ところが、本人いわく、リーダーシップは発揮したと思う。何がリーダーシップを発揮したのか。待機せい、待てとか動けとかなんとか言われている人がリーダーシップなんですか。全くリーダーシップになっていない。そして、危機管理というものについて全く自覚がない、周りも残念ながらそういう自覚がなかった、こう思います。

 先ほど申し上げたように、私は、しっかりとこれを教訓として、それこそきちっと動ける体制をつくらないと、我が国のトップというのが余りにも情けない現状であることを憂えます。

 では、次の問題へ行きます。

 集中審議でありますから、そもそもKSDの問題や外務機密費の問題あるいはこのえひめ丸の問題の危機管理のお粗末さといったことについて集中審議をしなきゃいかぬこと自体が、我が国の予算委員会、本当に情けない限りであって、そういう事態が目の前にあるからやらざるを得ないわけであります。

 伊吹大臣は、どうぞ御公務にお戻りください。

 KSDの問題に入ります。

 私は、KSDの問題について、先般、連休でありましたけれども、その会員さんを当たって、精力的に取材、調査をしてまいりました。結果、どういうことであったかというと、KSDが提供している災害補償といったものについて、これはニーズが中小企業の経営者の皆さんにはあるのですね。したがって、会員の皆さんにおいては、今回の一件は裏切られたという印象が非常に大きいわけであります。労災などでなかなかカバーし切れない中小企業の経営者の皆さんをKSDが災害補償していたという意味においては、正義の味方のような形で中小企業の経営者が受けとめていたKSDが実に悪徳財団だったということで、そういう怒りが先般のデモ行動に至るまでの怒りになっているというふうに、私はつくづくよくわかりました。

 なぜ一般会員をKSDはある意味でだまし続けることができたのかということは、私は、KSDという財団が会員に向けたディスクロージャーをしっかりとしていなかったということに大きな原因があるというふうに思います。そしてまた、同時にそれは、財団法人を、公益法人をしっかりと監督する立場、この場合は労働省ですけれども、労働省の怠慢でもあったということにも当然なるわけであります。

 それは何でそうなったのか。はっきり申し上げて、天下りのOBも数多くKSDには労働省から移っています。役員の方は昨年だったら二人、そして職員は十五人もいた。ところが、今回問題が発生したから、このまま役員にしておくのはまずいだろうということになって、今は改組されてその役員の方は二人いなくなった。ところが、いなくなったけれども、実態としては職員として残っているのですよ。常任相談役というのがその名称だそうでありまして、そういう形で残っているということで、私は、言いたくはないけれども、なぜこういう事件が発生したのかということについては、やはり長い間の官界と自民党とのべったりとした構造の中で発生している、そのことはもう間違いがないというふうに思います。

 KSDの会員数というのは、平成十一年末で百七万九百五十七人いました。現在は、私はもうやめたというふうに脱会をされた方が二十万人近く出て、八十七万人と激減をしているそうでありますけれども。

 さて、この会員がここまで百万人以上超えてきた、そうしたKSDの拡大にとって一番重要な役割を果たしたのは金融機関であります。これは既に本委員会の中でも明らかになりつつあるわけであります。

 銀行法やあるいは信用金庫法などで、銀行は他業の禁止ということがしっかりとそこにうたわれているわけでありますね。既に、ここの点について、今回のKSDの件、照らし合わせて金融庁に確認をしました。すると、金融庁からこういう答えが返ってきました。例えばパンフレットを置いたり、あるいは振替口座を勧誘したりするといったところは別に問題はないではないか。そこは問題ない。では、今回、仮に問題があるとすればどういうケースが問題があるのかということになれば、これは実態は定かではないけれども一般論としてと前置きをされた上で、どういう答えだったかというと、銀行が金銭を受け取って勧誘をしている、あるいは組織的にその勧誘を行っている、そういったことが確認をされれば、これは銀行法や信用金庫法に触れるであろうというのがその答えだと思います。

 現在、ここに抵触をするのではないかと金融庁は調査をしている段階だと思いますけれども、その調査の状況についてお教えをいただきたい。

柳澤国務大臣 KSDの会員の勧誘についての銀行の関与につきましては、この問題が表面化をして以後、当初は信用金庫協会というようなものも調査をしたようですけれども、金融庁といたしましても、しっかりした調査をした方がいいだろう、こういう判断のもとで、昨年十一月の下旬に任意ベースでの調査をいたしたわけでございます。

 そういう調査結果がだんだん上がってくる、そういう過程の中で、これはやはりちょっと見逃せないというか、もうちょっと立ち入った調査というか状況の把握をした方がいいだろう、こういうように判断をいたしまして、一月の下旬に銀行法に基づく報告の徴求というものをいたすことにいたしました。この調査が今進んでいるわけですけれども、補足の調査というかそういうこともやはりしなきゃいけないというような認識もございまして、現在、その調査が続行中というか、そういう取りまとめの過程にあるというのが現況でございます。

中田委員 金融庁長官もお忙しいでしょうから、実際に現場でそうしたことを御自身が調査できるわけではもちろんないわけでありますが、私は逆に、成りかわったつもりで調査をしました。

 そうすると、昭和六十年代には既に勧誘活動を金融機関はKSDに関してかなりやっておりまして、平成三年ぐらいから都銀も参入した。都銀も参入したというのは、それ以前は中小企業とつき合いの深い信用金庫が中心であった。平成三年ぐらいからは都銀も参入をしてきたということで、逆に信用金庫の方は、都銀さんが参入をするんだったらということで、一部ではその勧誘をやめたというところもあるようであります。しかし、ここ近年は、また信用金庫も復活をしてKSDの勧誘をかなりやっておったということであります。

 私が調べた信用金庫、東京に本社を置くところでは、行員が二十人ほどいるような大規模店やあるいは十五人前後の中規模店というところでは、それぞれの支店で二十口ぐらいを目標に、キャンペーンを張ってKSDの会員勧誘活動をやっていたそうであります。これは、主に四、五人ほどのお得意様係といった部署に当たる方々が中心になってやっておられたようであります。各行員さんにとっては、特段、これが自分の査定とかに響くようなインセンティブが何かあったわけではないようでありますが、むしろ支店のメンツということで、ノルマが与えられた以上やらざるを得ないというような感覚にあったそうであります。唯一インセンティブということがあるとすれば、各行員にはKSDの会員を一人ふやしたら五百円のキックバックがあった、現金で五百円がキックバックをされていたということがわかりました。

 こういう事態であるならば、明らかに銀行法や信用金庫法に触れますね、金融担当大臣。

柳澤国務大臣 先生御指摘のように、金融機関の一部におきましてキャンペーンを実施したというような事実も、当初の任意調査の結果で我々もこれを把握いたしております。今先生の御指摘になったようなところまでは、実は、私、今初めて先生から伺ったということでございますが、これらもいずれ今度の法令に基づく報告徴求の中で明らかになりまして、それらを踏まえて、私どもは法に照らして適切な処理をいたしてまいりたい、このように考えております。

中田委員 今踏み込んで発言をしていただいたように、キャンペーンを張っているというような事実は既に調査の中でも確認をされているということでありますし、今、私の調査の結果というものも真摯にとらえていただいたというふうに思います。

 先ほど申し上げたように、金融機関でだれが担当するのかというと、得意先課とか得意先係と呼ばれるような人たち、いわば、外に出ていって中小企業の社長さんと窓口に直接なる方々、その人たちがメーンで、銀行内における融資課の人たちが、窓口に来た人たちに対して、少々そのキャンペーンの中で協力をできるかなというような形になっていたそうであります。

 なぜこういうふうになるのかというと、得意先課の人たちは、どういうことか、やはり融資先をいっぱい知っているわけですね。融資をするその先だと勧誘しやすいとはっきり言っていました。逆に、純預金先の方はという表現をしていましたが、純預金先の方は現実はなかなか勧誘しにくいですよと。すなわち、お金を貸してほしいと思うお客さんに、ここはKSDに入ってくれということを非常に言いやすい。はっきり言ったら、弱い立場とは一概に言えないかもしれないけれども、そういう部分にやはりKSDの勧誘を持ちかけるのが一番効率的だ。当然ですね。これは、うなずきながら今聞いていただいたわけでありますけれども。だから、やはりここが問題なんですよ。銀行がまさに中小企業の生殺与奪を握っている中において、ここが問題なんです。

 ですから、そういった事実は、もう既に今大臣も御答弁をいただいたように、かなり認識をされ始めているでしょうから、ここについては厳重に監督をして、以降やめさせるということについて御発言をいただきたいと思います。

柳澤国務大臣 先般来、金融機関の関与の態様についていろいろな御指摘もいただいておるわけであります。それからまた、宮澤大臣からも午前中に、こういう、いわば悪い、社会的に批判を浴びるような団体のために銀行が妙な絡まり方をするのはそれ自体適当でない、こういう御発言をいただいて、私も経験のある宮澤大臣の御答弁を聞いて胸におさめたわけでございますけれども、いずれにしましても、調査結果を踏まえて我々としては適切に対処してまいりたい。その適切に対処というものの中には、当然そういうことはもうやめるということも含まれることになろう、このように考えます。

中田委員 もう時間もありませんからさっと行きますが、私は、KSDの調査をしてみて、その仕組みというのが非常によくわかりました。

 どういう仕組みになっているかというと、一部の人たちは得をするという仕組みになっているのですよ。これは、小関さんを筆頭にその親族あるいはその幹部というだけでなくて、会員の中でもそういう仕組みをうまくつくっているのですよ。すなわち、KSDは各都道府県に支局をつくっているのですね。その中に、例えば川崎なら川崎北支部とか南支部という支部をつくって、その中には今度はブロックをつくって、さらに、その中に例えば文化教養部とかスポーツ部とか旅行部というのをつくっている。旅行部は日帰り旅行へ行ったり温泉一泊旅行へ行ったり、文化教養部というのはカラオケやダンスをやったり、スポーツ部というのはゴルフや釣り、こういった形でレクリエーションをやっているわけですけれども、そこにも参加をする実費以上の見返りが参加した人にはある。全員参加すると、これは全然成り立たないというような仕組みをうまくつくっているんですね。

 その最たるものがスポーツ部や旅行部、そういったところの役員をやっている人。役員という広い呼び方をしていましたけれども、例えば部長さんあるいは副部長といった人たちは、役員ということで年に一回みんなで泊まりがけの研修会に行くんです。この研修会というのは事実上は慰安旅行なんですよ。その年に一回の研修会というのが、例えば川崎の各支部の場合は、これは昨年の六月の八日、九日に鴨川グランドホテルに行ったりしているわけです。そのバスの行き帰りでビールも出て、そしてコンパニオンも出てきてというような大宴会をやって、私たちが考えたところでは、恐らく三万円程度のものを参加費三千円でやっているわけですね。

 だから、そこに幹部として参加をする人たちはなかなかおいしい思いをできるけれども、一般の会員の人たちはそういうことを知らずに、災害補償ということについてだけ、自分たちが弱いところを補ってもらえるというようなところをうまく仕組みをつくって今まで運営してきたようであります。

 もう質問時間が終わりましたから最後にいたしますけれども、私は、三割しか災害補償にKSDが使われていないというところに、残りの七割のお金をさまざまな旅行やら何やら、あるいは政治家にということで額賀さんにもお金を出した、こういったことが可能であった仕組みがあると思うんですね。ですから、ここら辺をきちっと、坂口労働大臣に今後の是正を求めたい。

 最後にいたしますけれども、こういったことを中小企業の経営者がいわば知らずに今までお金を出し続けていた。その知らないお金が額賀さんのところにも渡ったわけです。政治資金規正法では預かりなんていう定義はないんですよ。預かりなんて定義は政治資金規正法にはないわけで、これは証人喚問をちゃんとやらなければいけないということは委員長にも申し添えて、そして、最後、厚生労働大臣に御答弁をいただきたいと思います。

野呂田委員長 時間でございますので、簡潔な答弁をお願いします。

坂口国務大臣 共済事業に専念をするKSDにしなければならないというふうに思いますし、そのためには現在までの内容をすべて見直していかなければならないというふうに思います。

 そして、今御指摘になりましたように、三割程度というお話でございましたが、そこのところをどういうふうにしていくかは、新しく出直しをする新しいKSDがどう決めていくかということになるだろうというふうに思いますが、御指摘のとおり、私もそこはそういうふうにしていくべきだというふうに思っております。指導強化をしていきたいと思います。

中田委員 終わります。

野呂田委員長 これにて中田君の質疑は終了いたしました。

 次に、達増拓也君。

達増委員 KSD事件、それは前代未聞の政治乗っ取り事件であります。古関元理事長がKSDという組織を使い巨額の資金と人手を集め、それで自民党というシステムのすきをつき、国会の審議をコントロールし、これは質問をコントロールし答弁を引き出し、そして総理の施政方針演説までコントロールし、さらに予算措置にも影響を及ぼす。これは日本の民主主義の危機であります。

 小山氏。神道政治連盟が小山氏を一生懸命応援しておりました。それがKSD事件のせいで議員辞職、さらには逮捕。一生懸命応援していた人たちはやりきれない思いだと思います。

 村上氏。参議院憲法調査会の座長として憲法の改革に大きくリーダーシップをとっていただくことを期待した人も多かったでありましょうが、今はその動きも挫折してしまいました。まじめな国民の思いが踏みにじられ、政治が混乱しております。

 額賀氏についても同様であります。

 最近、二十世紀最後の十年、政治が混乱し、それが失われた十年につながっていると言って歩いている人たちがおりますけれども、その中で、改革のために奔走していた人たちをやゆしております。しかし、今申し上げましたように、政治が混乱したのは、そして今もしているのは、既得権にしがみつき、いまだに金権政治を再生産している人たちが政治を混乱させているのであり、そういうシステムを守ろうとしている人たちが政治を混乱させているのではないでしょうか。

 思えば、ロッキード、グラマン事件、リクルート事件、そういう巨大な疑獄事件がございました。ロッキード、グラマン事件については、田中角栄氏の五億円分については逮捕され裁判にゆだねられたわけでありますが、児玉ルートの二十億円、当時中曽根通産大臣が関与していたと言われた、それについては決着を見ませんでした。リクルート事件でも、中曽根内閣の官房長官であった藤波氏の逮捕で検察が妥協してしまったと言われております。検察の妥協で巨悪が残ってしまった、残されてしまった。そうしたことが尾を引いて、自民党を中心とする日本の政治システムに、KSDに、これはつけ込まれるというよりはつけ込ませる土壌があったのではないかと考えます。

 KSD事件を克服して我が国を再生していくためには、検察が果たす役割は非常に重要であります。そんな折も折、福岡地方検察庁次席検事が同福岡高裁判事に捜査情報を漏らしてしまうという事件が発生いたしました。これほど検察に国民の期待が高まり、また、検察官を主人公にしたドラマの視聴率が三〇%を超えているそうであります。そういう状況下で国民の検察に対する信頼を大きく揺るがせる事件が起きてしまったんですが、この事件に対する法務大臣の所見を伺います。

    〔委員長退席、自見委員長代理着席〕

高村国務大臣 検察に対する国民の信頼、特に公平性というものに対する信頼を揺るがせていることに心から憂慮している、申しわけなく思っているということでございます。

 今、本件の脅迫事件の捜査と別に最高検で調査をしているわけでありますが、その調査結果を見て私として判断をしなければいけないこともあるだろう、こういうふうに考えております。

達増委員 法務大臣、検察の公平性ということをおっしゃられました。まさにそこが重要なんだと思います。KSD事件に対しても、やはり検察の公平性を揺るがすことなく取り組んでいっていただきたいわけでありますが、刑事局長に伺います。

 KSD事件に関する捜査状況なんでありますが、なぜこういうことをあえてお聞きするかといえば、去年の十一月二日、参議院の法務委員会で我が党の平野参議院議員が、当時既に新聞等でKSD事件が表ざたになり取り上げられていたので、捜査状況はどうかと刑事局長に質問をしたところ、既に労働大臣でありますとかあるいは総理大臣までも、捜査に入っている、既に捜査が行われていると言っていたにもかかわらず、刑事局長が、捜査が始まっているかどうかも含めて答えることができないと非常に抑制的な答弁だったので、そのとき平野議員も、何か圧力でもかかっているんじゃないかというようなことを言っていたわけでありますけれども、今KSD事件に関して、そういう圧力とかなく、順調に、適切に捜査が進んでいるのでありましょうか。

古田政府参考人 ただいま御指摘の、昨年の参議院法務委員会におきます平野委員の御質問につきまして私の申し上げましたことは、あくまで捜査当局の立場として、その時点で捜査をしているとかしていないとかいうことについては、これはお答えを差し控えたいということを申し上げたということでございます。

 それで、ただいまのKSD事件についての検察の捜査状況についてのお尋ねでございますが、もとより検察当局におきましては、一般論で恐縮ではございますけれども、刑事事件として取り上げるべきものについては、これはきちっと証拠あるいは法律に照らして対応するということでやっておると承知しております。

達増委員 KSD事件の重要性と、それから戦後の日本の政治疑獄の先ほど申し上げた経緯などから、あえて法務大臣に確認させていただきたいのですけれども、このKSD問題について政治的圧力などが検察に、捜査にかかるなどということがない、そのことを確認させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

高村国務大臣 どこからか圧力がかかっているなどという事実は私は承知しておりませんし、仮に圧力がかかったとしても、日本の検察はそんな圧力などというものははねのけてくれるだろう、こういうふうに思っております。

達増委員 心強い答弁をいただいたと思います。日本の検察、テレビのキムタクとか松たか子に負けないように頑張っていただきたいと思います。

 さて、KSD事件、これを刑事訴追していくに当たっていろいろな議論が行われております。いわく、巨額な党費として党にお金が納められたのであれば、これは政治家個人が自分の政治資金管理団体にもらったわけではないので、わいろにならないのではないかでありますとか、国会議員がお金をもらう場合、職務権限というものがないとだめなのではないか、そういったいろいろな議論がございますので、改めて考え方を整理するため、刑事局長に、これはもう一般論であります、あくまで一般論として伺いますけれども、ある公務員が請託を受けてある人のために何かをし、その請託をした人が、その公務員当人ではなく公務員が所属する団体にお金を渡した場合、これは刑法百九十七条の二にあるいわゆる第三者供賄罪というのに当たるのでしょうか。

古田政府参考人 ただいまのお尋ね、あくまでも一般論でということではございますけれども、やはりある特定の場面を想定してのお尋ねのようにも思われます。

 いずれにいたしましても、ある具体的な場面で、特定の何らかの犯罪に当たるかどうかということについては、これは正確な事実関係に基づかなければ判断のできないことでもありますし、またそういうことについて、捜査当局なりあるいは裁判手続で判断されるべきことでもありますので、私の方から今ここで、お尋ねの点についてお答えするのは差し控えさせていただきたいと存じます。

達増委員 では、刑法百九十七条の二の第三者供賄罪というのは一体どういうものかを簡単に御説明いただけますか。

古田政府参考人 第三者供賄の要件を申し上げますと、公務員または仲裁人が、その職務に関し、請託を受けて第三者にわいろを供与させる、これが第三者供賄罪と言われるものでございます。

達増委員 よくわかりました。

 もう一つ、職務権限をめぐる議論に対して、刑法上単純収賄という、その職務権限にかかわる、つまり請託事項がはっきりしていなくても、それは刑は軽いわけでありますけれども、一般的に説明のつかないお金をもらうことが単純収賄という罪になる、そういう場合があるという、これもまた一般論で伺いたいのですが、刑事局長、そういうのはあるのでしょうか。

古田政府参考人 委員御案内のとおり、わいろ罪におきましては、職務に関してわいろを収受するということが必要でございまして、その職務に関するかどうかというような点につきましては、それぞれの実際のケースにおきまして判断されるべきことになるわけでございます。

 説明がつかないということだけで一般的にそういうことが言えるかということになりますと、先ほど申し上げました「職務に関し」ということが実際に認定できるかどうかという問題に帰するものと思っております。

達増委員 去年の十一月と違って、今、一般論を予算委員会内で議論するのはなかなか難しい状況になってきているというのがよくわかりました。

 さて、厚生労働大臣に伺いますけれども、KSD事件で、KSDの会費が三十億円補助金として豊明会に回って、その豊明会から自民党に資金が流れているという疑いがあるわけですけれども、古関理事がKSD事件でやっていることが今までのロッキード、リクルート事件などと違うところは、自分で稼いだお金ではなく、中小企業の本当になけなしの、あるいはつめに火をともしての月々一人二千円というそういうお金を使っているところがまた非常に悪質。もう政治、社会、経済のそういうあらゆる秩序をも破壊するような振る舞いだと思うのです。

 この点確認したいのですが、やはりそういうお金が豊明会経由で自民党に流れた可能性があると考えてよろしいのでしょうか。

坂口国務大臣 KSDから豊明会へ補助金が出ておりますことはそのとおりでございます。年間約三十億前後でございますが、そのお金が出ておりますことはそのとおりでございますが、そこから先、それがどのように使われているのかということについての検討が、旧労働省がいろいろ調査をいたしましてもそこを見抜けなかったということを我々は深く反省しているわけでございます。

 そこから先がどのように使用されているのかということを明確にしてほしい、また、この補助金と自前の経理との区別というものをきちっとしてほしいということを再三にわたり要請したわけですが、それが守られなかった、そこを守らせられなかったというところにも大変我々は反省をしているわけでございます。

達増委員 坂口大臣に確認させていただきますと、今のところまだ、中小企業が会費として、経営者が会費として納めたお金が自民党に流れていないと断定はできない、可能性を否定はできないということですね。

坂口国務大臣 我々の方の検討いたしました内容では、そこはまだ十分にわかりませんししますので、ここは捜査の成り行きを見守りたいと思っております。

達増委員 KSD会費がまた不明朗に使われた疑いがある事件として、去年の十二月一日の産経新聞の一面トップに載ったことでありますけれども、玉沢徳一郎元農水大臣が、地元のギフト業者をKSDに紹介して、五億円分の乾燥ワカメを、ノベルティー、何か販促かそういうのに使う記念品というか何というか、ギフトとしてKSDが買ったという事件について、自由党も独自にいろいろ調査をしておりました。それで、きのうの夜に私のところに入った最新の報告によりますと、そのことがKSDの平成十一年事業報告書予算書にはっきり書いてあったそうであります。

 そこに書いてありましたのは、事業報告書予算書の財産目録の項、これは去年、平成十二年三月三十一日付の財産目録ということになるんでありますけれども、そこにこの地元のギフト業者、これを仮にHとしておきましょう。この財産目録のところには実名が書いてあるんですけれども、さすがにここは武士の情けでHとしておきます。有限会社H。前払い金、有限会社H他、五億二千二百十三万九千六百四十六円。

 まず、前払い金というところが、新聞に載ったこととちょっと違うなと。前払い金で五億円ぐらい出しているということは、代金総額は十億とかあるいは二十億とかかもしれないということであります。

 そして、実はこの有限会社H、従業員三人でやっている小さい規模の会社でございまして、大体の年の売り上げが一億二千万から一億七千万くらいの規模で、平成十一年の決算は、売り上げは一億七千万円だけでありました。この年、三百四十万円利益が出ておりまして、その二年前は利益が五万三千円しか出ないというピンチだったわけでありますけれども、平成十一年は利益が三百四十万ぐらいまで回復というか、これはかつてない利益を出している。ただ、それもそのくらいの数字なわけであります。

 そこで、有限会社H他、五億円という前払い金、これは非常に不思議な記載でありまして、ひょっとしたら、この「他」の部分に数億のお金が流れた可能性がある。もしそれが流れているとすれば、サンデー毎日がまとめたKSD汚染度ランキング、今のところは、一位、村上正邦、五億七千三百七十万、二位、小山孝雄、四億四千五百万、三位、額賀福志郎、一千六百二十万なんですが、三位にぽんと入るかもしれないし、村上、小山両氏は党の方にもらった数億円がここにカウントされていますから、個人がもらったものとしては一気にトップに躍り出るかもしれない。ただ、もちろん政治家個人が寄附金をもらうことは、これは一円たりとも許されておりませんので、もうそうなると金額は問題じゃないんでありますけれども、そういう事実が判明いたしました。

 せっかくですから、新しい問題なので初めて聞いたかもしれませんが、高村大臣、これについても、当然、必要であればちゃんと捜査するんでありましょうね。

高村国務大臣 初めて聞いた話でありますし、初めて聞いた話でなくとも、私が特定の事案について、捜査すべきだとかすべきでないとか、そういうことを申し上げる立場にいない、こう思っておりますので、答弁は差し控えさせていただきます。

達増委員 質問する相手と質問の仕方を間違ったようでございます。

 刑事局長に伺いますけれども、本件について既に捜査は進んでいるんでしょうか。

古田政府参考人 具体的にどのような事項について捜査をするかとか、こういうことにつきましては、これは捜査機関の判断でございます。

 したがいまして、私からの答弁というのは御遠慮申し上げたいわけでございますが、いずれにいたしましても、一般的に申し上げまして、刑事事件として取り上げるべきものが認められれば、それについてはきちっと対応をするということでございます。

達増委員 これは、我々国会議員にとっても、KSD事件のまた新たな広がり、重要な問題でありますから、当委員会としても今後もきちんと追及していかなければならないというふうに申し上げたいと思います。

 さて次に、中尾元建設大臣の収賄事件、先週金曜日の予算委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、証人、これも仮にHといたしますけれども、H証人が、中尾大臣だけではなく亀井静香議員と竹下登元総理にもお金を渡したと証言をしている。

 また一般論で恐縮なんでございますけれども、高村法務大臣に伺いたいのです。高村大臣、いろいろ司法については昔から取り組んでこられたり、また御自分もいろいろな経験もあると思いますけれども、刑事裁判における証人の証言の信憑性、これは偽証とかというのは普通なかなかそう起きないものなんでしょうね。

高村国務大臣 証人が行った証言が真実であるか真実でないかということは、個々の裁判において裁判官が判断すべき話でありまして、一般論といっても、そういうのがめったにあるのかめったにないのかという話もなかなか難しい話で、これも答えを差し控えたいと思いますが、あえてつけ加えれば、偽証罪という構成要件が存在するということは、そういうことはなくはないということを前提にしてそういう構成要件がつくられているんだろう、こう思っております。

達増委員 今の答弁にもありましたように、偽証罪というのがつくかどうかがやはり証言の信憑性、発言の信憑性に非常に深くかかわるんだと思います。

 先ほど述べた、中尾元建設大臣の裁判に関する、そのH証人が亀井静香議員にもお金を渡したということについて、亀井事務所では事実無根と否定しているそうでありますけれども、やはり偽証罪をかけて話している方に若干分がある、これはあくまで印象の問題ですけれども、感じてしまうので、やはり亀井議員についても、そういう偽証罪になるかもしれない、うそをついたら偽証罪というようなものを背負った上で、御自分の身の潔白を国民の前でぜひお話ししていただければいいんじゃないかと思いまして、これは先週金曜日の委員会でも委員長に申し上げたことですが、やはりこの予算委員会の場にいらしていただいて、みんなでそれを聞く機会を設けていただきたいと思います。

 なお、つけ加えると、先ほどの……(発言する者あり)そうですね、じゃ、きょうも伺いましょう。

自見委員長代理 理事会で協議をいたします。

達増委員 よろしくお願いいたします。

 第三者供賄というKSD問題の刑事訴追の論の立て方に関連すれば、亀井議員もまたKSD問題で、ものつくり大学への予算措置への関与、また、そもそも村上、小山両議員は、亀井氏がリーダーシップをとっている派閥に所属するということもある。政党がお金をもらうというほかに、派閥という団体もまたお金をもらったり利益を供与する。公務員本人が直接もらわなくても、その公務員が所属する団体が非常な利益を受けることが第三者供賄というものにつながる可能性、これをやはり私としてはこの委員会で議論していきたいと思っているわけであります。

 機密費問題について質問をいたします。

 官房長官に伺います。私、この機密費問題が大きく世間で取り上げられるようになってから、この松尾事件というものが新聞に載るようになってから、一つ腑に落ちないことがあります。それは、公務員として行政事務を執行する際、松尾氏が旅費の差額を補てんする、そういう事務の執行をする根拠は一体何なのかな。だれのどういう命令に基づいて行うのだろうか。

 私が外務省で働いていたときの経験によれば、海外出張などをする場合、そういう支出が要るような場合には、ちゃんと決裁書をつくりまして、何のために幾ら旅費が要る、そういう決裁書、それは関係者と責任者のサインが入りまして、きちんとそういう行政のラインで組織的に意思決定をした上で担当がその事務を執行する、そういう仕組みになっているはずなんですけれども、松尾事件についてはそういう旅費差額を補てんするための決裁書なんというのはつくられた形跡がない。内閣官房の人に、外務省側の室長である松尾氏に旅費の補てんをせよという命令権限が果たしてあるのかどうか。また、あるいは外務省側が命令したのであれば、それに基づいて官邸がお金を出す根拠は何か、ここが全然すとんと腑に落ちないのであります。

 伺います。松尾元室長が旅費差額補てんを執行するその根拠はどういう構成になっているんでしょう。

福田国務大臣 総理が外国訪問する際に確保するホテルの宿泊費というのは、これはもう御案内のとおり、大変高価なものになります。旅費として支給される経費を大きく上回ることが多いのでありまして、その結果生ずる差額を、総理を懸命に支えてくださる随員個人の負担とするのではなく、訪問団の活動条件を整備し、首脳外交を成功させるように、経費として報償費から支出をしております。

 そして、これは財務省の承認というお話もあろうかと思いますけれども、宿泊差額というのは、従来の旅費支給の取り扱いについても個別協議ということで、実費支給を行う方法もございましたけれども、総理外国訪問というのは、もうこれまた御案内のとおり、日程もしょっちゅう変更になるとか人数もどんどん変わってくるとかいうようなことがございまして、そういう特性から、事実上活用できなかったのでございます。仮に他の経費から流用いたしたとしましても、差額について旅費として支給するということは困難であった、こういうことでございます。

達増委員 これはこの機密費問題を解決する核心の一つなんですけれども、松尾室長に渡ったお金は旅費ではないんですね、旅費の差額という位置づけでもない。これは、先ほど民主党さんからの質問で財務省の主計局長さんが答弁していましたけれども、旅費法の関係で問題ない、報償費だから、そういう答弁でありました。

 つまり、あのお金は報償費として松尾氏に渡っていた。これはもう当たり前の話ではありますけれども、旅費としての支出じゃないんですね、報償費としての支出なんです。報償費というのは何かというと、内政、外交の目的、円滑どうのこうのという定義もありますが、要は文字どおり御褒美であります。つまり、松尾室長がもらったお金は御褒美なんですよ。松尾室長がいろいろ、競馬馬を買ったり、マンションを買ったり、競馬馬に愛人の名前をつけたりとか、非常にスキャンダラスでびっくりするようなことをしているから、みんなその犯罪性に目を奪われて、そういう人にお金を出すことの問題性をいま一つ追及し切れていなかったんです。

 私も外務省時代、しょっちゅう出張しておりました。旅費をもらってやるんですけれども、チェックアウトは自分でやりますから、自分でカードで払って、自分の貯金の中のお金でそこは決済されて、別途もらった旅費、それは封筒でもらうんだったか後で振り込まれるんだったか忘れましたけれども、いずれそういうふうにもらっているわけであります。それが、首相にくっついてすごい高いところに泊まらなきゃならないということになると、かなり、まさに自腹で今までの貯金を取り崩して払わなきゃならないということになる。

 その旅費の差額を制度的に補てんするという仕組みは平成十二年の制度改正以前はなかったわけでありまして、それは気の毒だ、せっかく総理大臣のために働く公務員、その同行者、関係者が自腹を切ってまでそんな苦労をする、では御褒美を上げようということで、松尾氏にこれでよろしくやってくれといってぽんと渡していた。それは、行政法あるいは財政法とか会計法とか旅費法とかそういう予算に絡む法律、行政のそういう法律の位置づけからするとまさに報償費であって、御褒美としか言いようがない。だから、それを旅費以外のことに使うことについていま一つ松尾氏を追い詰め切れないでいるのは、そこに理由があるんじゃないかと考えます。

 国税庁次長に伺いますが、公金横領で不正に得たお金、それはもう正規の所得じゃありませんから、そんな違法な形で入手したお金について、その所得を申告していない申告漏れだとか脱税だとか、そういう犯罪で得たお金について基本的に脱税というのはないですよね。

大武政府参考人 お答えさせていただきます。 所得税法上、収入の基因となった行為が適法であるかどうかを問わず、現実に収入を得ているとすれば、これから生ずる所得は課税の対象となるということです。

 ただ、業務上横領等によって金品等を得た場合は、不当利得の返還請求等に基づいて返還請求される。そうした金品等については、経済的成果がなくなりますので、課税の対象とはならないということでございますし、また、業務上横領等によって得た金品は、刑法上も没収または追徴できるということになっておりまして、判決に基づいて没収または追徴された場合には、同様に経済的成果がなくなるので、課税の対象とはならないということかと存じます。

達増委員 せっかく外務省が告発をして公金横領ということでやっていこうというときに、既に税務当局が調査に入っていると聞いております。あたかも、そういう公金横領になるかどうかはもうお構いなし、あるいは、公金横領になった場合、まずその返還が先とかいろいろあるわけですが、そういうのをすっ飛ばして、公金横領にならないならちゃんと脱税でやっちゃえというような動きが出ているんじゃないかと思いますし、また、たびたび取り上げられている松尾氏がなかなか逮捕されない問題については、やはり検察としても公金横領として犯罪構成要件を詰め切れないでいるんじゃないかなと。つまり、外務省は公金横領だ、公金横領だと言っているけれども、法務省、財務省はそこを疑っているんじゃないかという事態が今展開しているわけですね。

 改めて官房長官に伺いますけれども、そういう意味で、この報償費問題は過去の問題ではなく、今でも報償費がそういうものとして使われている。本来、情報工作費とでも名づけましょうか、本来の機密費の意味で情報工作費とでも名づけて、それは内閣情報官の事前か事後のチェックにかからしめて使い、ほかの費目で立てられるような旅費とか交際費とか、あるいは本当の御褒美という、省庁によっては、それは功労費とか功労報償費とか、別の費目で立てている。それはそれで別に立てる。そういう報償費制度改革をやはり今やって、できれば三月までにそれをやって、そして、それを前提とした新しい平成十三年度予算というものをつくらなければならないと考えますけれども、まず内閣官房報償費について、官房長官に伺います。

福田国務大臣 先ほど委員がおっしゃっていました、何か御褒美のようなことでございますけれども、今回のことにつきましては、総理の外国訪問の際の宿泊差額でございますが、在外公館を擁して、そしてまた現地の情報に精通した外務省において見積書を作成し、この見積書に従って支出をしているということでございますので、その御懸念はないというふうに私ども思っております。

 報償費の運用につきましては、今後、より厳正に、かつ効果的な運用に十分意を用いていくということで、いろいろ考えてまいりたいと思います。

達増委員 ただ、その積算も、それが決裁書の上に載っかるわけではございませんし、まさに紳士協定、口約束のようなものであります。

 それは、相手が本当に善良でまじめな場合には、そして日本国の公務員がおよそすべてそうであればいいのでありますけれども、やはり制度というのはそうじゃない場合にも備えておく必要があるし、また逆に、やろうと思えば、虚偽の見積もりで多くとってしまう、あるいは、見積もりさえせずにいいかげんに、言い値で幾らくれと言って、もらえてしまう。

 今回の事件は、例えるならば、小遣いをせびって、それをむだ遣いしていろいろな悪いことに使った子供、これが悪いのは当然ですけれども、その子供の言うなりにお金を出し続けた政府の責任というのはどうなのか。国民の税金、最終的に使っちゃったのは子供の側ですが、やはりその国民の税金をきちんと取り扱う親の責任というものが全うできる、そういう仕組みを新たにつくっていかないとだめなんじゃないかということを、もし政府がやらないのであれば、これはもうこの予算委員会がやるしかない。

 ですから、外務省の方の報償費についても伺いますけれども、あわせて、外務省は結局あの報告書、松尾氏の公金横領というところに事態を矮小化し、かつ、報償費がまさに報償費として、御褒美として松尾氏に渡されていたとしたら、それは松尾氏だって、御褒美と思ってもらっていたら、横領じゃない、横領じゃないと言い張りますよ。あたかも松尾氏個人に罪をなすりつけて、本来必要な改革を先送りする、平成十三年度予算を通しさえすればいい、そういう内閣の保身のために、何か国家組織を挙げて個人の罪をつくり上げようという。

 さっきも答弁の中で政府参考人から、あの報告書は告発するためにつくったという答弁がありました。本来、もう国会、政府を挙げて報償費改革をやらなきゃならないにもかかわらず、そういう間違った報告書をつくってしまった。これについて、大臣、どう考えますか。

    〔自見委員長代理退席、委員長着席〕

河野国務大臣 今回の御審議の中でもそうでございますけれども、報償費というものは、かねてから繰り返し申し上げておりますように、国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため、最も適当と認められる方法によって機動的に使用する経費、これを報償費と言っているわけで、議員がお話しのように御褒美とは考えていないわけですから、今申し上げた定義に基づいて報償費というものを我々は考えているということをまず御理解いただきたいと思います。

 それから、議員から御指摘がございました、国民の税金をああいう形で外務省の職員によって使われたということについて外務省の組織としてはどうかと言われれば、確かにああしたことが、例えば一人の人間が長くその職にあったということも一つの理由であったかもしれないし、その組織それ自体がチェックできなかったということもその理由だと私どもは幾つかの理由について考えておりまして、そういう意味で外務省としてはまことに申しわけない、これは責任を痛感いたしております。

 問題は、この金を流用した、横領した人間は、私は松尾元室長だと思いますが、それを今議員がおっしゃるように長期にわたって見過ごしていた、チェックできなかったということについての責任は、私は外務省にあるというふうに考えまして、かねてから申し上げておりますように、事態の全貌を解明するということと、こうした事件が二度と起きないための組織の点検と申しますか、むしろ新しい組織を、仕組みをどういうふうにつくるかということについて、今全力を挙げて取り組んでいるところでございます。

達増委員 せっかくだから財務大臣にも伺いますけれども、旅費とか交際費とかあるいは功労報償費、公表できる形で年度の初めに予算として立てて、ことしは幾ら使うと決めている、そういうものが、どうも足りないからといって、使途を明らかにしなくていいようなところから、自由にそこからお金を流せるとしたら、これはもう年度初めにきちっと予算を組む意味もなくなってしまいますし、そういうときには財務省と相談しながら適切に処理する。そこには流用とか移用とかありますし、予備費を使うとか、本当にいざとなったら補正予算を組んでふやせばいいわけでありますし、財務省そして国会のチェックのもとで国民の税金を民主的に財政コントロールしていくという趣旨からして、ほかの費目で立てられるところにどんどんお金が流れていくというのは好ましくないですよね。

宮澤国務大臣 こういういろいろ御議論がありまして、そういう不祥事件が起こらないようにいろいろ注意をしなければならないということはつくづく感じておりますが、予算を編成する立場から言いますと、予算おのおのの費目に明確な目的がございますし、その目的のために、目的に従って消費されなきゃならない、それが基本であると思います。しかし、その目的の中に入らずに、毎度申し上げますような、国の国策あるいは事業を遂行するために、円滑に、機動的に使わなきゃならない金というものは、私はやはりあるだろうと思っております。

 報償費を必要とする目的が存在する限り、私は、やはり報償費というものは存在する理由があるというふうに考えます。

達増委員 時間がなくなりまして、わざわざいらしていただいた防衛庁長官、質問できないことをおわびいたしまして、終わります。

野呂田委員長 これにて達増君の質疑は終了いたしました。

 次に、春名直章君。

春名委員 日本共産党の春名直章です。

 私は、米原潜によるえひめ丸の衝突沈没事件について、外務大臣を中心に質問をさせていただきたいと思います。

 私、四国の高知出身でして、事故当日直ちに、その夕方になりますが、宇和島水産高校に直接駆けつけました。関係者の皆さんにお見舞いと激励を申し上げたわけですが、御家族の皆さんにはとても声がかけられるような状態ではありませんでした。もう御察しのとおりです。教頭先生に激励をし、そして宇和島市長さんともお話をしてまいりました。その後、県内の声あるいは宇和島市民の声をつぶさに私も聞いてまいりましたし、対応に追われてきました。

 そこで、まず大臣にお伺いしたいわけですが、一昨日、県議会でも全会一致で二つのことが決議されましたよね。第一は、もちろん、行方不明者の九名の捜索と救出に全力を尽くしてもらいたい。もうすべての国民の願いです。第二は、えひめ丸の船体引き揚げ、どうしてもやってもらいたい。この二つの決議がされて、昨日上京されてきていると思います。

 そこで、米沿岸警備隊と海軍による調査の打ち切りが強行されるかもしれないというこの報道を私も聞きまして、大変驚きました。私は、ここに米軍の姿勢があらわれているなと、本当に怒りを感じました。したがって、こんな事態は絶対許されないわけですし、外務大臣として、先ほども御答弁があったようですが、こんな非情な仕打ちは断じて許さない、日本政府の決意をまず示していただきたいと思いますので、御答弁をお願いします。

河野国務大臣 本日午後、愛媛県知事は総理官邸に総理を訪ねられまして、今議員が御指摘になりました県議会におきます二つの項目について強く総理に要請をされたというふうに連絡をもらっております。

 宇和島水産高校に御関係のあると申しますか、だれしもが今回の問題については大変強い驚きを持っておりましたけれども、今や驚きは怒りに変わると言っても差し支えないかというふうに私も思います。

 総理から先ほど来指示がございまして、外務省に、こうしたことについてアメリカ側とさらに折衝をしろ、申し入れをしろという総理からの御指示がございまして、私どもとして、当然アメリカに対しまして、愛媛県知事の御要請を体して申し入れをするつもりでございます。私は、けさほどパウエル長官とも直接電話で話をいたしましたし、先ほどの総理の御指示を受けて、さらにアメリカ側にこの問題について申し入れをしたいと思っています。

春名委員 米軍の姿勢がそこにあるわけなんで、一〇〇%相手が悪いわけであって、これはもう断じて許すわけにいかないわけですね。したがって、申し入れはもうしたんですね。当然、延長する、今打ち切るということは許さぬということは外務大臣からもきちっと抗議をしたわけですね。

河野国務大臣 きょう、たしか十時ごろのニュースで私ども聞いておりまして、それ以来私はずっとここにおりますので、私が直接するわけにはまいりませんが、私から指示をいたしまして、北米局長からラフルアー・アメリカ公使に対しましてまず申し入れをいたしました。

春名委員 私、宇和島水産高校のホームページをずっと見ております。そして、地元の声をたくさん聞いています。奇跡的に帰郷できたある水産高校生はこう言っています。探索をもっと強化して船の引き揚げを急いでほしい、友達のことが気になって仕方がない、現地に残りたかった、仲間全員が一緒なら万歳と言えるけれども、この状況では両手を挙げて喜ぶことはできない。宇和島水産を一昨年卒業し、今回の事故が他人事に思えず本当に心配です、九人無事でありますように、少しの希望も捨てずに捜索してください、お願いします。もうこの声に満ちあふれています。

 もう一点伺っておきます。船体の引き揚げについて全力を尽くす、この点について、外務省、政府としてはどういう全力の尽くし方をされるのか、簡潔にお答えください。

河野国務大臣 現在、ハワイに出張しております桜田外務政務官から、米側に対しまして、船体の引き揚げについて強く申し入れをいたしております。またそれ以外にも、総理から直接、ブッシュ大統領との電話会談でも申し入れをいたしておりますし、総理の指示で、あらゆるレベルと言っても差し支えないと思いますが、先方に申し入れをいたしております。現在、アメリカ海軍は、本日十五日よりスコーピオを現場海域に派遣いたしておりまして、探索を本格化したというふうに承知しております。

春名委員 二点、当然のこととして改めて要望いたしました。

 さて、次の問題で話を進めたいと思います。事件直後の米軍の救助のあり方、問題についてであります。

 宇和島水産高校のホームページの掲示板には多くの県民の怒りや悲しみが寄せられているのですが、中でも、本来先頭に立って弱者を助けねばならない米軍潜水艦搭乗員が何もせず傍観していたとは怒りの余り声も出ない思いだ、アメリカ側の対応に憤りを感じる、怨嗟の声が広がっています。

 昨日、私どもの志位委員長が森総理に対して、米軍の救助の問題でただしました。事故直後からのこの問題での日本政府の態度は、私は、率直に言って異常だと思います。

 聞いていただきたいのですが、例えば、パウエル国務長官は十一日のCBSテレビで、一度潜水艦が浮上すれば、ハッチをあけ、乗員が外に出る前に艦それ自身を安定させなければならないということだ。これは今までも言ってきたことです。しかし、乗員が行ったことについて判断を下すのは待ちたい、こう言っているわけですね。十二日、バウチャー国務省報道官は、助けなかったことにどのような責任があるかと問われて、私はそれらは調査の中で注目しなければならないということだと考える、こういうふうに明言をしているわけです。

 つまり、これは、ハッチがあけられなかったからもう無理だったんだ、最善を尽くしたんだ、いろいろ言われていますけれども、救助できたのか、できていないのか、あるいはできない状態だったのか、できる状態だったがやらなかったのか、これから調査、精査しなければならないということが公式の見解なわけでしょう。アメリカの政府部内でさえ結論を出すのはまだだとなっている。

 ところが、派遣した桜田外務政務官が太平洋軍司令部のブレア司令官との共同記者会見で、原潜の救助作業は適宜行われた、適切に行われたと認識している、こういうふうに明言したと報道されている。

 そこで、伺いたいのですが、あなた方は、外務省は、適宜適切に救助は行われたという見解を今もお持ちなのでしょうか、この点をお聞かせください。

河野国務大臣 結論から申し上げれば、全く適切に救助が行われたかどうかは、調査の結果を待って判断をするのが一番正確だと思います。

 ただ、恐らく桜田政務官は、現地におりまして、現地の担当者から逐次話を聞いておりまして、その話を彼は頭に入れ、さらにそれ以外の関係者の話も含めて聞いた上で発言をされたと思います。

 しかし、桜田政務官の発言それ自体がどういう全体の発言内容になっていたかは、私はその前後関係がよくわかりませんので、ここでそのことについて評価をすることはしばらく猶予をいただきたいと思います。

春名委員 これは私、驚きですね。政府の代表として政務官を現地に送っているんでしょう。そして調査に当たらせているんでしょう。そして、ブレア司令官との共同記者会見で、救助作業は適宜行われたんだという発言をした、明言したと言っている。日本政府の公式な見解だというふうになるじゃありませんか、こんなもの。

 外務大臣は、こんな大事な共同記者会見の中身すらあの人本人一人に任せて、外務省はそんなことは知らない、個人的見解だといって言い逃れするんですか。それは余りにも無責任じゃありませんか、これだけの大問題が起こっているときに。

 私は、河野外務大臣自身が、桜田政務官からこういう発言をしたいということを聞いて、そしてその確認をして、正式に、公式に発言していると思っておりましたけれども、違うんですか。一体どういうことですか。

河野国務大臣 先ほども申し上げましたが、桜田政務官の発言は、現地におきまして米側の説明を受けたとりあえずの感触を述べたものであって、いずれにせよ、グリーンビルの対応についての評価は、先ほど申し上げましたように、さらに情報収集、分析をした上ではっきりと評価をしたいと思います。

春名委員 とりあえずの感触ですって。信じられないですね。

 きのう志位委員長が、ホノルル・アドバタイザー、ハワイの英字紙の特集号が出ているというのを出しました。私は英語がちゃんと見えませんから翻訳しているものを持ってきているわけですけれども、何と書いてあるかわかりますか。

 潜水艦が行った救助活動は、海の状況からして妥当なものであった、また事故を沿岸警備隊にも報告している、日本の外務省の桜田義孝政務官は述べた。非難を受けるようなことはないなんということを述べている。その前の文章は、これから捜査しなきゃだめだ、ダイバーを入れることだってできたかもしれない、検証しなきゃいけないとアメリカの識者が言っているんですよ。その後に、日本の政務官がこんな態度をとっているというのが書かれているんですよ。

 とんでもない話じゃないですか。撤回させなさい、この発言は。

河野国務大臣 繰り返し申し上げますが、先ほど申し上げたように、最終的な評価につきましては、もっときちんとした調査、分析が行われなければならないというふうに思います。

 今手元にございますブレア・桜田二人の記者会見のメモを見ますと、桜田政務官は、遭難に対し、視認をしたり、ボートが流れないように一緒に移動したり、沿岸警備隊に対する連絡などをきちんと行っていたというふうに聞いている、そう述べております。

春名委員 そんなことはわかっているんですよ。そういうことを言い続けてきたのが問題だと私が言っているんでしょう。

 適宜適切に救助が行われたと言っちゃっているんですよ。撤回させてください。

河野国務大臣 そこはちょっと落ちついてきちんと聞いていただきたいのです。

 私が申し上げておりますのは、先方がそういうふうに言っているということを桜田氏は会見で述べているということを私は申し上げたということをきちんと聞いていただきたい。

春名委員 全くそんなことないですね。

 いいですか。共同記者会見の中身をちゃんと出しなさいと言っても、外務省は出さなかったのですよ。わかっていますか。原潜の救助作業は適宜行われたと認識している、これが日本全国に発信されているのですよ。御本人の認識としてそうなっているんだといって、もう発信されているのですよ。

 だから、米政府の内部でもいろいろな意見があって、これから調査しなければいけない、今外務大臣もちゃんと調査しなければいけないと言っているのに、現地に行っている政府の代表責任者がこんな発言を平然とやって、現地の新聞にも書かれて、どうなっているのですか、これは。そこをちゃんとはっきりさせてください。

河野国務大臣 繰り返し申し上げて恐縮でございますが、私どもは、最終的には調査、分析の結果を待つということが正しい判断であろうと思いますが、現地におきまして、メディアの方々から質問をその場で受ければ、アメリカ側の説明を聞いている桜田政務官が、こういうことを言っていますよということを言うのは、これはあってもおかしくはないと思います。

春名委員 「原潜対応「適切」で決着」かなんて書かれているのですよ、同意をしていると。

 したがって、委員長にお願いしますが、この共同記者会見の中身を一字一句漏らさず正確に理事会に出していただくということにしたいと思いますが、いいですか。

野呂田委員長 はい、後ほど相談します。

春名委員 事実上、適宜適切などという言葉は撤回するということだったと思います。

 そうしますと……(発言する者あり)決めつけじゃないのだったらどうするのですか、そうしたら。

野呂田委員長 春名君、理事会に相談するということですから、そういうことで納得してください。

春名委員 後で議論していただくということにしておきたいと思います。

 しかし、全国に、そして日本国民にはそのように伝わっているというこの紛れもない事実があるわけでして、そのことをちゃんと精査しないと大変なことになりますよ、これは。こんないいかげんなことでは本当に、この問題に対する姿勢が私は問われていると言わざるを得ません。

 海が荒れていて乗組員は潜水艦のハッチをあけられなかったかもしれないとブッシュは言った。それでも艦長のスコット・ワドル代将はグリーンビルの司令塔からレスキューダイバーを送り出すことができたはずだ、こうブッシュは語っていると。これは、ブッシュさんというのは、弾道ミサイル積載原潜のサイモン・ボリーバルを指揮していたフロリダのジム・ブッシュ元艦長で、先ほど私が紹介したホノルルのアドバタイザー、二月十三日付に出ているものです。

 一言確認しておきたいと思うのですが、まだ調査をこれからやらなければはっきり言えないということであれば、外務大臣、外務省として、なぜレスキューダイバーを送り出さなかったのか、なぜそれができなかったのか、米軍にきちっと聞いたでしょうか。

河野国務大臣 けさ、私は、パウエル長官との電話で、何点かの問題について調査をしてもらうようにパウエル長官にはお願いをいたしました。長官からは、今調査中であるから、全体の調査の結果が出れば速やかに連絡をしましょう、こういう話でした。

春名委員 私は具体的に言っているわけなんです。

 海の男の経験として、このブッシュさんは、たとえ、波が高くてハッチがあかなかったと、しかし、その司令塔、上から縄ばしごは垂れていたわけでしょう、そこからレスキューダイバーをすぐに派遣して、海に沈んでいるかもしれない友人を、生徒を見つけに行くなんというのは当たり前なんだ、絶対できるはずだと言っているわけですね。

 日本側として、これだけの事故をやられているのだから、それぐらいやったのかどうか、なぜやらなかったのか、厳しく詰めなきゃだめじゃないですか。その中身はちゃんと言ったのですか。何点かという中身には、そのことはちゃんと言っているのでしょうか。

河野国務大臣 大変恐縮でございますが、全く新しい潜水艦のこうした状況について、ベテランの方の御意見もそれは貴重だと思います。しかし、現に乗組員もいるわけです、艦長もいるわけです。その人たちから事情をきちんと聞いて調査をすると言っているのですから、その調査の結果を少しの間待つということは、我々として、その程度の時間は辛抱するということもまた必要ではないだろうかというふうに思います。

 調査については、徹底した調査をやると先方は言っているわけですから、その徹底した調査というものの報告をしばらく待っていただきたいと思うのです。

春名委員 私は非常に情けない思いがするのです。私たちは一〇〇%悪くありません。そして、後で申しますけれども、危険な訓練をこんな形でやられて、とうとい命を奪われるかもしれない、そんな深刻な状況になっているときに、余りにも受動的じゃないですか。例えば、こういうことがもう既に専門家から言われているじゃないか、本当にやったのかやっていなかったのか、一分一秒を争ってただすのが日本の政府の姿勢じゃないのですか。

 先ほどのお話の中では、そのダイバーについては、聞いたのか聞いていないのかもわかりません。もう情報は入っているわけですから、こんなことはやったのかどうか、具体的に詰めないとだめなんじゃないですか。私はそういう姿勢を要求したいと思うのですが、大臣、どうなんですか。

河野国務大臣 受動的とおっしゃいますけれども、現に私どもは、現地に政務官を派遣して時々刻々先方と、報告を聞き、またこちらからの申し入れをしているわけです。我々は、別に東京で向こうからの報告を待っているだけではないのでございます。

 それは、ただ単にハワイでやっているだけではなくて、ワシントンでも同じように、向こうの国務省あるいは国防省のトップ、中枢とそうした話をしているわけでございまして、我々は当然のことながら、我々の主張を先方にきちっと伝える努力というものを、最大限の努力をしているということをぜひ御理解いただきたい。

春名委員 その姿勢が、私は質問してもなかなか受けとめることができないので、こういうふうに質問をせざるを得ないわけです。

 私はどうしても許せないと思うのですけれども、これは外務大臣も同様だと思いますが、危険きわまりない緊急浮上訓練を、実習船も通過をする、民間船、ボートなどがひしめいている、こういう海域でやったことそのものの問題であります。

 二月十二日付の愛媛新聞の社説にも、異常過ぎる事故の第一に、原潜が緊急事態を想定した浮上訓練を行っていた点が第一に異常だ。「事故現場は一般の船舶が自由に航行でき、交通量も多い近海だ。そんな海域でなぜ警報や通報もなく、付近への立ち入り規制などもしないまま、他の船舶に対する危険度が高い訓練を試みたのか。だれもが抱く疑問」である。こう言っています。みんな、県民、国民、同じ思いです。

 そこで、外務大臣にそもそもの認識を伺いたいのですけれども、この訓練の危険性をどのように御認識されているのか、聞かせていただけますか。

河野国務大臣 原子力潜水艦の緊急浮上訓練というものは、私はテレビの、あれはビデオの画像でしょうか、見ましたけれども、やはり大変なエネルギーがある、しかもあれだけ巨大な潜水艦でございますから、やり方によっては相当な危険が伴うということだろうと想像をいたしました。

春名委員 やり方によっては危険が伴うのじゃなくて、本質的に危険なんです。

 一九八九年の六月に、原潜ヒューストンが緊急浮上訓練をやって、そこで衝突、アメリカの漁船です、この衝突が起こって、その事故の調査報告を九〇年の五月にアメリカ国家運輸安全委員会が発表しているのですね。そこでは、緊急浮上は本質的に危険な軍事行動であり、その過程でどんなことに遭遇するか、はっきりとはわからない、こういう報告書がまとめられているわけです。

 大臣、確かにあの姿を見たら危険だな、そういうふうに人ごと的に言うのではなくて、どれほど危険なのかということを、米側からこの事件が起こって直ちに説明を受けたのでしょうか。

河野国務大臣 原子力潜水艦というものは、アメリカの海軍の中ではもう多数の数を数えているわけでございまして、そうした原子力潜水艦のさまざまな訓練というものはアメリカで行われていると承知をいたしております。したがいまして、私は先ほどやり方によってはということを申し上げたのであって、その原子力潜水艦の緊急浮上が常に危険な行為だというふうには我々は認識をするわけにはいかないだろうと思うのです。もし、そうであるとすれば、そうした艦船というものを我々は認めるわけにはまいりません。

春名委員 まさにそのことが問われていると思うのですね。

 そこで大臣、ぜひ議論したいわけですが、当のアメリカの報告書でこの訓練が本質的に危険な訓練だと言っている。それはそうだと思いますよ。重大なことは、この訓練がまず一つは日常的にやられている。現地時間の十日、日本時間で十一日ですが、例のファーゴ氏は、今度の緊急浮上訓練は一日じゅう海で行ってきた通常行っている作戦、ルーチンオペレーションである、こう答えていますし、この事故は、ホノルル沖のダイヤモンドヘッドの南方ほぼ九マイルで通常の作戦を実施している間に、ここでも通常の作戦と言っているのですね、実施している間に日本のえひめ丸と衝突した。この海域では常日ごろやっている訓練なんだ、本質的に危険だという報告書が出ているようなその訓練をこの海域では常日ごろやっているんだ、こういうふうに言っているのですよ。

 外務大臣、この事実、重大だと思いませんか。こういう海域は今度のえひめ丸のような形でたくさんの実習船が行っているわけでありまして、米側から、この常にやっているんだという説明は、どういう訓練をどれぐらいやっているか、ちゃんと確かめているのでしょうね。

河野国務大臣 訓練は危険のないことを確認してされるべきものだというふうに思います。

春名委員 何を情けない答弁をしているのですか。答えてないじゃないですか。常日ごろからこの危険な緊急浮上訓練をこの海域でやっているんだと相手は言っているのですよ。確かめましたかと聞いているのです。

河野国務大臣 アメリカの領海の中でアメリカの原子力潜水艦が訓練しているわけでございますが、それにしても、私は、危険があるかないかはきちんと確認をしてなされるべきものだということを申し上げているのです。

春名委員 全然まともにお答えがないですね。私は信じられない思いです。何のために、あんな事故が起こって、この教訓をくみ出そうとしているのか、本当に情けない思いですよ。

 それから、大臣聞いてください。この海域を米軍や米政府がどう位置づけているか。ファーゴ司令官はこう言っていますよ。ジャパン・タイムスの二月十三日付、事故に遭った家族との面談の中で、事故現場は軍民両用の海域である、こう述べたと伝えられていますよ。この海域が軍民両用の海域であるということは確認しているんでしょうね、これぐらいは。

河野国務大臣 軍民両用の海域、軍民両用海域というカテゴリーがどういうカテゴリーなのか、国際的にきちんと定義されたものであるかどうか、まず調べてみなければならぬというふうに思います。少なくとも私は、現在は軍民両用海域という海域があるというふうには承知をしていないのでございます。

春名委員 それじゃ、ファーゴ司令官がそういう表現を使っているということについて調べてみないとわからないと言いましたので、調べていただいて、ちゃんと理事会に報告していただくということで進めていきたい。いいですね。

河野国務大臣 ファーゴ氏がどういう発言をしたかということよりも、軍民両用海域という海域が定義された海域であるかどうか、国際的に認知された海域であるかどうかということをまず調べてみる必要があるということを申し上げたのです。

春名委員 定義を調べるんじゃなくて、これだけの重大事故が起こっているんですよ。軍と民が自分の領海だからといってこれだけの航行をしているところに、これだけの危険な訓練をやる。それは、それをやってもいい海域だという位置づけをしていると言っているんですよ、相手が。起こるべくして起こった事故と言えるかもしれませんよ。そこのところを日本の外務大臣として真剣に受けとめなかったらどうするんですか。泣けてきます。

河野国務大臣 議員の御疑問というものは、御質問というものはわかります。わかりますが、私が申し上げていることは、こういう海域だからだめなんだ、軍民両用海域だからだめなんだと言うのには定義が必要ではないかということを申し上げているのです。そういう定義があるかどうかということを確認する必要があるということを私はまず申し上げているのです。

 そして、議員が御心配になっておられる、民間の船とこういう原子力潜水艦というものが非常に近いところで練習をするということの危険性というものについてアメリカにきちんと言ったかという御質問であれば、それは私どもは言っております。

春名委員 農水省にいただいた資料では、この海域、その周辺で、平成十二年度だけで高校生が参加する海外実習の許可件数は三十七件あるんですよ。インド洋はもうやめて、大体こっちの海域の方向になってきているんですよ。十人、二十人という実習生がそこに乗っていたら、年間に四百人、五百人、六百人という高校生がそんな危険なところでもし実習をやらされているとしたら、いても立ってもおられないでしょう。そのことを言っているんですよ。

 ですから、軍民共用の定義がどうとか、そんなことではなくて、それは定義があるのかもしれません、私は専門家じゃないからわからないけれども、しかし、相手方がそういう海域だったんだということを言っているような状況について、直ちにただすのが日本の外務大臣じゃないのかと言っているんですよ。後でもう一回聞きます。大変危険な状況があるわけです。

 そこで、谷津農水大臣、高校生が海外で水産実習をするのには、それは許可を行うのは農水省だとお聞きをしております。今回のえひめ丸の実習許可の場合に、どのような条件や留意点をつけたのか、少し農水大臣に状況を教えてほしいと思います。

谷津国務大臣 このえひめ丸、実習船でありますけれども、これにつきましては、実は大臣の、私の方の許可が要るということになっているわけであります。これは、商業操業で行う場合につきましては、はえ縄漁業については大臣の許可という範囲になっております。

 ただし、これは試験研究等の許可ということでございますので、これにつきましては、操業区域、先ほどお話がありましたが、最初はインド洋の方でやっておったのですが、あそこは海賊船が出るというような問題があるものですから、こちらに決めたわけであります。ですから、そこでやっておったわけですが、これまで外国の海域での演習や船舶の航行に危険が予測される海域等の情報については、事前に情報があった場合においては、これは漁業団体等あるいは学校等を通しましてちゃんと通達をしているところであります。

 ただ、ここは排他的経済水域、いわゆる二百海里の中でありますものですから、ここでは、はえ縄の実習は実はできないわけでありまして、単に移動といいましょうか、そういう状況にあったというふうに聞いております。

春名委員 先ほど、事前に連絡があれば、そのことについては伝えるということだったのですが、実際、情報を事前に、こういう深刻な海域だということを私も初めて知ったもので驚いているわけなんですが、そういうことが事前に伝わるという仕組みになっていないのですね。

 それからもう一つ、町村文部科学大臣にお聞きしますが、高校生の海外での水産実習が安全に実施されるように、今までどのような手だてをとってこられたか、あるいは安全確保のためにどんな手だてをとってこられたか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。

町村国務大臣 水産高等学校の実習船を含めまして、海上を航行する船舶というものは、その大きさとか種別、用途を問わず、海上交通の安全や保安などにかかわる国際的なルールに基づいて、航行規則に従って航海をする。まず、これが安全運航の基本だと思っております。それに加えまして、船舶につきましては、緊急時に関係機関や他の船舶と遭難、安全に関する通信を確実に行う通信システムを搭載する。今回もこのシステムによって海上保安庁が発見をしたということになっているわけであります。

 こうした航行や安全に関するシステムのもとに、水産高等学校の実習船による実習は行われている。これは世界の海を行く場合に当然のことだ、こう思っております。

 文部科学省といたしましては、高等学校学習指導要領におきまして、漁業乗船実習あるいは海洋の実習を行う場合には、施設設備の安全管理に配慮し、学習環境を整えるとともに、事故防止の指導を徹底して、安全と衛生に十分配慮すること、特に海上においては事故防止について特別な配慮を行うこと、さらにまた、その詳しい中身もあるようでございます。

 今回、事故発生の当日、全国水産高等学校実習船運営協会というものがございまして、これを通じまして、各実習船の管理者に対して、特に入出港の際の沿岸航海において、航行に十分注意するように指導したということでございます。

春名委員 時間が参りましたので終わりますけれども、実習は、要するに生徒にとっては海が教室なんですね。ですから、その教室がこんな危険な教室だったら教育にならないわけですよ。そういう問題として、私は、真摯にこの問題を受けとめて対応することがどうしても必要だと思います。

 外務大臣にも最後に言ってほしかったのですが、もう時間が来ましたので、改めて私の思いを伝えました。徹底的にやっていただきたい、厳しくやっていただきたいと思いますし、私たちもそのつもりでいきたいと思っています。

 以上で私の質問を終わります。

野呂田委員長 これにて春名君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房長江利川毅君、外務省欧州局長東郷和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 次に、保坂展人君。

保坂委員 社会民主党の保坂展人です。

 河野外務大臣に伺いますが、本日の夕刊を見ると、先ほども話題になっていましたけれども、アメリカの側が捜索打ち切りを打診してくる。我々は非常に憤りを感じるわけです。

 刻々と事態が変化していますよね。私は一昨日質問に立ちましたけれども、その段階ではまだ、民間人が乗っていたことはわかりました、しかし、民間人にサービスなのかという話も指摘する方がいますけれどもということで言いましたが、この方たちが操舵室に入っていた、あるいは音波を聞く非常に大事な、静寂が必要とされる場に入っていた等々、問題がどんどん明らかになってきました。

 今の段階で徹底した情報公開、日米共同調査というふうに前回強く要請しましたけれども、さらに必要性が高まったと思いますが、いかがですか。

河野国務大臣 アメリカ海軍が引き起こしたこうした事故でございます。アメリカは、事故の原因究明を徹底的にやります、原因を徹底的に究明した上で速やかに日本側に連絡します、こう言っておりますから、我々としてはその連絡を今待っているところでございますが、ただ我々も、漫然と待っているだけではございません。総理からの御指示もございまして、さらに我々としてやるべきことをやれという御指示でございますので、今、その指示に従って作業をしているところでございます。

保坂委員 外務大臣にお尋ねしますが、アメリカ軍の原潜が民間人を乗せること自体について、日本政府からそれ全体について要請することはできないにしても、少なくとも、このような緊急浮上訓練、こういうところに民間人をこの事故のような形で乗せるべきではない、関与させるべきではないという要請を行ったらいかがですか。

河野国務大臣 私が承知しております限りでも、米側はこうしたことが起こったことを大変驚いておりまして、こうしたことはあり得べからざることだという感じの驚きを表明しておりまして、そんなことが通常行われているというふうには私ども思っておりません。

保坂委員 ですから、その通常行われていないことがあったわけですから、そこは重々指摘をしていただきたいということを加えておきます。

 さらに、アメリカ軍の海兵隊員による、沖縄の北谷で起きている放火容疑のアメリカ兵に対する身柄引き渡しをめぐって、今沖縄で大変深刻な議論があります。もちろん、これは沖縄だけの問題でないのは外務大臣も御承知のとおりです。

 十四日の予算委員会で河野外務大臣は、日米地位協定の運用をきちんと考えなければいけない、しかし、それができないなら改定も検討しなければならないと発言されました。さらに十四日、外務大臣は、稲嶺沖縄県知事との会談においても同様のお考えを表明しているというふうに聞いております。

 これについては大変スピーディーに対処されていると私ども思っておりますが、今までの、地位協定の運用改善を図るという方針から、外務大臣として、今回の事件を機に、同種の事件がずっと続いておりますから、これは地位協定の改定の協議を開始するという方針だと受けとめて理解してよろしいでしょうか。

河野国務大臣 私は、まず、この事件で被疑者の身柄を日本側に引き渡させるということが何よりも先決だというふうに思っておりまして、そのことが一刻も早く行われるようにしたいと考えております。

保坂委員 外務大臣なら御存じのとおり、例えばひき逃げというのもございました。さらに、いろいろな事件が起きる。起きるたびに沖縄ではこの問題が出てくる。これは、いわば九五年の段階のあの少女暴行事件のときに、凶悪事件の定義をはっきり、例えば放火も含むとかあるいは強盗だとか、もちろん殺人は当然でしょうけれども、そういうところをきちっと定めていないのですね。したがって、同じ問題が何回も出てくる。

 大臣は、予算委員会においても稲嶺県知事に対しても、運用の改善でだめなら改定も視野に入れて考える、こうおっしゃっている。それはそういう考えなのかどうか確かめたいという質問なんです。

河野国務大臣 運用の改善でうまくいかないということであれば、放置するわけにはいかないと思っています。

保坂委員 その放置するわけにはいかないということは、日米地位協定の改定も含めてこれを考える、こういうふうに受けとめてよろしいですか。

河野国務大臣 あらゆる方法に選択肢があると思っております。議員が地位協定についておっしゃるならば、それも視野に入れてと申し上げていいと思います。

保坂委員 それでは、官房長官、いらっしゃいましたか。

 今、日本じゅうが怒っていると思うのですが、潜水艦の痛ましいこの事件、そして、まだ行方の知れない高校生も含む皆さん、そのさなかに、きのうのクエスチョンタイムを聞いて感じたわけですけれども、ゴルフ場が悪いわけじゃないのです。森総理がいたのがゴルフ場だったから云々という議論は私どもいたしません。しかし、その後の対処について随分議論が出てまいりましたよね。

 そしてきょう、いらっしゃったそのゴルフ場の会員権が無償で、いわば十五年にわたって便宜供与されていた、この問題が明らかになったじゃないですか。総理は、この問題について、税法上問題ない、こういうふうにいわば主張されているようですが、しかし、国のトップリーダー、しかも十五年にわたってですよ。これは国民注視の問題ですよ、こういうことが許されるのですか。日本政府として、その長に立つ者が、これは何にも問題ないよ、何が悪いの、こういう発言が許されるのでしょうか。官房長官の見解をいただきたいと思います。

福田国務大臣 午前中にも答弁をさせていただきましたけれども、繰り返しますけれども、昭和六十年三月に総理の友人……(保坂委員「一言でいいです」と呼ぶ)経緯はよろしいですか。(保坂委員「はい」と呼ぶ)

 これは、便宜供与とおっしゃいますけれども、例えば当初の名義書きかえ料とかそれから年会費、もちろんプレー代もそうですけれども、全部総理自身が負担をしてきたということでございますので、また、そのゴルフ場を使用した頻度も平均すると年一回ぐらいというようなことでございますので、特に便宜供与とかいうような問題ではないというように思っております。

保坂委員 官房長官、これは正式に森総理のこういう行為はいいんだと言ったら、国民全体、ああ、ではこういうことはありだ、年に一回ぐらい、そういう形だったら全然問題ないんだ、本来の所有者じゃないんだ、こういうふうに天下に宣言しているようなものなんですよ。それでいいのですか。

福田国務大臣 私は、便宜供与というように言われましたけれども、実費は負担しておりますし、そしてまた、このゴルフ権が森総理の資産にはなっていないのですね。そういう契約書を友人と取り交わしをしているということで、その友人が希望すれば、三カ月の余裕を持っていつでも所有権は移転、所有権というか、名義を書きかえることができる。要するに、友人の意思によってかえることができるということでございますので、資産には完全になっていないということで、税法上も、税理士等に相談しながらやっておられたということでございますけれども、問題ないという、そういうふうな指導を受けておったというふうに伺っています。

保坂委員 宮澤財務大臣に伺いますが、問題ないんでしょうか。

宮澤国務大臣 詳しいことを知りませんので、判断ができません。

保坂委員 この問題は大変不謹慎な話でありまして、今の税法上問題ないということを大変重い発言として、今後も追及していきたいと思います。

 KSDの問題に移りたいと思いますが、前回、一昨日ですが、片山総務大臣が、いわば肩がわり問題について若干の議論がございました。他の人がかわって払うことはあり得るということを片山大臣はおっしゃった。ただし、払う人と払われる人、党員に登録された人に一種の了解、コミュニケーションが普通前提だろう、こうおっしゃったんですね。これは本人の同意と了解というふうに解してよろしいですか、そのコミュニケーションという中身です。

片山国務大臣 私がコミュニケーションと言いましたのは、本人の同意と了解があれば一番はっきりしているんですよ。そうでなくても、両当事者間の今までのいろいろなつき合いだとかあうんの呼吸だとか、そういうことを含めて、私は、一種のコミュニケーションがお互い通じておれば……(発言する者あり)不規則発言はやめてください。それはもう個々の事案についての事実認定の問題でございますから、私は一概に言えませんからコミュニケーションという表現をとったわけであります。

保坂委員 片山大臣はKGS議連の世話人、まあ知らないうちにされたとおっしゃっていますけれども。しかし、今、ことしの参議院選挙も公正に行わなきゃならないんですよ。

 これはもう大変重大な答弁で、あうんの呼吸で党員にして構わないんですか。同意、了解なくて、あうんの呼吸でいいというのが正式な総務大臣としての答弁ですか。もう一回確認します。

片山国務大臣 それは、私は例えで申し上げたんで、両当事者のいろいろな今までの経緯や、何かそういうことの個別の認定の上に立った場合ですから、極端なことを言えばそういう場合もあるのではなかろうかと。

 しかし、何度も言いますけれども、一種の了解がなければならないだろう、こういうことを言っているんです。一々、あなた、立てかえますよ、結構です、いつどうしますということの了解が私は必ずしもある必要はないんじゃないかと。それは事案によって違うと思いますよ、事案によって。

保坂委員 総務大臣の答弁、毎回驚くんですが。

 当人に無断で、それから同意どころか連絡もしない、入党手続をしてしまう。その手続事務も納金も、団体が丸ごと肩がわりする。これで大丈夫なんですか。何ら問題ないのか。はっきりしてください。

片山国務大臣 それは、党員が党員の申し込みをして党費を出すのが本来のあれであります。(保坂委員「そんなこと聞いてない。無断の場合どうか」と呼ぶ)いやいや、だから、無断というのはその間に全くコミュニケーションがないわけだから、それはいいとは言えません。

保坂委員 そうすると、今回のKSDが、例えば参議院議員の村上さんや小山さんを支援するのに何万人という人を、これはあうんの呼吸で全部テレパシーで同意をとったなんて言えないわけです、こんなのは。だから、これはやはり違法なんでしょう。

片山国務大臣 何万人もあうんの呼吸というのはないんですよ。あうんの呼吸というのは一対一なんですよ、あなた。そんなに何万人も何千人もあうんの呼吸というのはないんで。

 私は、何度も言っていますけれども、払う方と払ってもらう方との一種のコミュニケーションがなければだめだ、こう言っているわけです。それが一々、あなた、大丈夫ですか、結構ですというような関係でなくても、長い間のつき合いでそういうことがあるというケースもないとは言えないと。(発言する者あり)不規則発言は黙ってくださいよ。そう申し上げているわけであります。何万人も立てかえて結構だなんてどこにも言っていない。

保坂委員 法務大臣にも前回同じことを聞いたんですよ。例えば私文書偽造で五人がやる。これは立件する。しかし、万を超える場合、事務手続が煩雑になるのでやらないというようなことはしないでくださいよと私は求めたんです。答弁はありませんでしたけれども。

 片山大臣、聞きたいんですけれども、それじゃ、一万人単位ならあうんはだめだけれども、十五人ならいいんですか、あうんで。どうなんですか。

片山国務大臣 私が言っているのは、個々の事案ごとに個別の事実認定の結果で結論が出るので、そんな、十五人ならいい、十人ならいいということじゃないんですよ。私は、一対一の関係を見なきゃだめですよ、こう言っているんですよ。それがしっかりした文書を書いて、明示でなくても、二人の今までの関係やぐあいを見て、それは一種のコミュニケーションがあったと解される場合もあろう、こう言っているんですよ。よく聞いてくださいよ。

保坂委員 それでは、今回の党員肩がわり問題というのは、ことしの参議院選挙がどうなるのかということを国民全体が見ていますから、これは引き続き、丸ごと、本人に無断で入党申し込み手続をして、そしてそれでやってしまう、こういうようなことは許されないんだということを私は言いたい。

 高村法務大臣にちょっと伺いますけれども、やはりもう一度聞きますよ、これは大事な問題なので。これは自民党だけじゃなくて、どの党でも、党員の入党手続ですよ、これを無断で、判こまで押して、そして入れちゃう、本人も知らない。これは違法じゃないですか。法務大臣、お願いします。もういいです、片山さん。法務大臣に頼んでいるんですよ。もういいですよ、時間がないから。法務大臣にお願いしたい。

片山国務大臣 私が無断でいいなんて言ったことは一遍もないんですよ。(保坂委員「だから、法務大臣にお願いしたい」と呼ぶ)いやいや、委員長に指名されたんだから。

野呂田委員長 ちょっと待ってください。もう一度総務大臣の意見を聞いてから、法務大臣を指名します。

片山国務大臣 党員でない者が党員の申し込みをして党費を立てかえるということは、これはよくありませんよ。それは何度も私は申し上げている。無断でなんということは、コミュニケーションと私が言っているのはそのことなんですよ。やはり一種の、その間に関係が、コミュニケーションの関係がなければ、それはよろしくないと申し上げている。(発言する者あり)黙っていなさいよ、あなた。何を言っている。

野呂田委員長 法務大臣。法務大臣。(発言する者あり)ちょっと、答弁を聞いてください。

高村国務大臣 一定の状況……(発言する者あり)

野呂田委員長 ちょっとごめんなさい。後刻私の方から厳しく注意しておきますから。(発言する者あり)

 それじゃ、保坂君。(保坂委員「とめていますか、これ」と呼ぶ)いや、少し延ばすから……(保坂委員「委員長、とめてくださいね、今の時間。質問時間に含めないでくださいね」と呼ぶ)とめる必要ないよ。所要時間を一分間延ばしますから。今一分かかりましたから。

保坂委員 はい。

 もう一回、法務大臣。

高村国務大臣 違法か違法でないかという話ですが、一定の状況を想定して、まさに法務大臣に聞くわけですから……(発言する者あり)ちょっと黙っていてください。何様だと思っているんですか、あなた。私の答弁中じゃないか。

野呂田委員長 答弁が聞こえませんから、自粛してください。(発言する者あり)

高村国務大臣 黙っていてください。答弁、邪魔しないでください。(発言する者あり)

野呂田委員長 いや、不規則発言、やめてください。法務大臣、答弁してください。

高村国務大臣 一定の状況を想定して犯罪の成否を聞かれても、犯罪の成否というのは証拠によって認定された事実、それに基づいて考えるべきものでありまして、私として、これが違法だとか違法でないとか、特に公選法だとかあるいは政治資金規正法は私の所管ではありませんので、答弁を差し控えたいと思います。

保坂委員 ことしも参議院議員選挙があるわけですから、今の大臣の答弁、もちろん片山さんの答弁も含めて、あうんの呼吸など、これはわけわからない表現ですよ。

 架空の党員で、判こを買ってきて、全部、千人、二千人、一万人とでっち上げて、それを比例順位の根拠にしたんでしょう。自民党がだまされたんじゃないですか。何で自民党は告発しないんですか。とんでもないですよ。ことしも選挙があるんですよ。こういうことを絶対許さないという決意はないの、片山大臣。あるかないかで簡潔に答えてください。

片山国務大臣 でっち上げかどうかということは、これは個々の事案の事実認定の問題でありまして、私どもの方の総務省は、そういう権限は実はないんですよ。だから、それは今いろいろな形で証拠を含めて御調査になっているんで、私が言うのは、あなたが仮に言われるように、全く党員でない者が党員の申し込みをしてお金を払うということはよくないということを何度も申し上げているんです。それは同じであります。

保坂委員 最初からそう言ってくれれば、こういう議論にならないんですね。

 官房長官に伺います。

 官房長官、前回聞きましたよ、去年の小渕総理の施政方針演説にものつくり大学という文言が入ったのはなぜか。会議でそれを主張した人はいなかったと以前お答えになっていますね。そして、一、二回目の検討会ではこのものつくり大学の文言がなくて、三回目に入った。このあたりのことを事実確認されていますか。官房長官。

福田国務大臣 一言で申し上げれば、昔のこと、事実確認はなかなか難しいのですよ。しかし、できるだけお答えしたいと思いますけれども。

 要するに、演説の検討においては、だれがどのような主張をしたかということについては、記録もないんです。また、関係者が入れかわり立ちかわり、こういう状況の中でやっておりますので、確認はなかなか難しいということです。

保坂委員 官房長官、国民はこの問題について重大関心事、この予算委員会でも今現在集中をやっていますね。このものつくり大学という文言が施政方針演説の中になぜ入ったかというなぞは解けてないんです。

 おっしゃるように、中央省庁再編があって役所の組織も変わった。内閣もかわった。小渕内閣当時の方は今いないわけです。だったら、その当時いた人にきちっと答弁してもらう、私はそれを求めたいと思うのですね。内閣として、そのことに前向きにならなきゃいけない。ところが、きょう、この問題で、当時首席参事官だった、現在内閣府の官房長を要求したんです。ところが、国会には出てこれない、自分の所管じゃない、こういう何度も何度も断りがありまして、私は、これは大変おかしいと思いますよ。

 福田官房長官がわからないのはいいんですよ。だったら、わかる方にやはり出て答弁していただくということを内閣としても責任持ってやるべきじゃないですか。

福田国務大臣 私から、私の知り得る範囲のところを申し上げますけれども、首席内閣参事官を通じまして当時の官邸内のスタッフの記憶を確認したところ、だれがどのような指示をしたかというのは確認するのは困難である、こういうことなんです。ですから、正直申しまして、はっきり申し上げる材料はないんですよ。

 ですから、調べてくれと言われましてもなかなか困難な状況だということを御理解いただきたいと思います。

保坂委員 それでは、内閣府官房長に来てもらっていますので、小渕内閣当時の首席参事官として、施政方針演説の取りまとめに当たってどういう役割を果たしたのか、答弁していただきましょう。

野呂田委員長 質問者に申し上げますが、先ほど理事会で議論になりまして、政府参考人は現在の職務に関連して答弁するものであって、既に職務を離れている者からそういう答弁をするのは適切じゃないという理事会の結論になっておりますので、その点は認めません。

保坂委員 委員長、この集中は真相を解明するためにやっているんですよ、これは与党も野党も含めて。福田さんはわからないわけですよ。去年、その施政方針演説の現場にいない。いないんです。だから、今その当時……(発言する者あり)何でですか。内閣として前向きになるんなら、これは委員長、やはり出してくださいよ。今来ているんだから。

野呂田委員長 理事会の結論に従って処理しますので、そのように協力願います。

保坂委員 官房長官、それじゃ疑惑にふたじゃないですか。だれが納得しますか。ものつくり大学はだれが入れたんですか。何にもわからないんですよ。そのときに首席参事官でいた人が答弁していいことじゃないですか。何で答弁できないんですか。疑惑にふたですか。何でですか、それは。理由がないじゃないですか。

 では官房長官、答弁できない理由を言ってください、答弁できないというんなら。内閣としてこういうことにはもう一切解明に協力しないという姿勢の表明ですか。そうなりますよ。

福田国務大臣 先ほど首席内閣参事官と、こう申しました。当時の内閣官房副長官に確認をしたところ、そうした主張をしたことはなく、また特定の人からそうした主張はなかったとのことであった、こういうことなんです。

 また、当時の内閣参事官室のスタッフに確認しましたところ、だれがどのような主張をしたかについては記録がなく、また関係者が先ほど申しましたように入れかわり立ちかわりということでございまして、どのような指示をしたかは定かでないということでございます。

保坂委員 委員長、これじゃ質問できません。出してください。

野呂田委員長 質問してください、保坂君。

保坂委員 質問できない。

野呂田委員長 どうしてできないのですか。質問権の放棄と認めますよ。保坂君。今官房長官が答弁しているじゃないですか。

保坂委員 何もわからないと言っているんじゃないですか。(発言する者あり)

野呂田委員長 速記をとめないでください。

保坂委員 ちょっと速記をとめてくださいよ、理事協議をやっているんだから。それはおかしいよ。真相解明できないじゃないですか。速記をとめてくださいよ、委員長。

野呂田委員長 それでは、保坂君、もう一度……(発言する者あり)ちょっと聞いてください。指名していませんから。

 昼の理事会で諮りましたが、いま一度理事会で協議して処置しようということになりましたので、御了解いただきたいと思います。

 どうぞ質問を続行してください。

保坂委員 これは私は本当に初歩的な話だと思うんです。

 委員長にお話ししますけれども、私は、きのうの夕方、政府に質問予告をしましたよ。そして、福田官房長官のお話を聞いてもわからないんですね、そのときにおられないから。おられないからわからない。では、古川官房副長官でもどうですかと言ったら、慣例的に出てこれないというわけです。そうしたら、首席参事官は今内閣府の官房長だと。では、それで来てくださいと要求しているんです。実は要求しているんです。何回も電話がありましたよ。七回も八回も電話があった。じゃ、今質問してもいいんですけれども、内閣府の官房長として、どうしても前任者がこれは答弁しなきゃいけないわけです、真相を解明するためには。

 ですから、本当は委員長の判断で答弁させてほしいんです。それができないのなら、参考人として要求するということになりますよ。どうですか。

野呂田委員長 その扱いについては、先ほど言いました。昼もその点については協議したんですが、再度協議しようということになりましたから、それで処理したいと思います。

 どうぞ質問を続行してください。

保坂委員 とすると、福田さんは何もわからない、当時いませんでしたからね。施政方針演説について、一体だれが、どのぐらいの人数の方が入れられるのかということについては、じゃ正式に要求をして、これはもうこの国会の場で明らかにしてもらいましょう。そういうふうに重ねて要求しますからね。

野呂田委員長 はい。

保坂委員 では、いいですか、次に移って。

野呂田委員長 はい、どうぞ。(発言する者あり)ちょっと、審議の邪魔になるから言わないで。

保坂委員 では、次の点に行きますが、労働省の方が、ものつくり大学の予算増額について亀井政調会長から要求があった、これはもう述べられていますよね、はっきりと。

 それで、大蔵省の主計局に亀井さんが働きかけたということになっていますが、今は財務省ですが、いかがだったんでしょうか、お願いします。そういう事実はあったんでしょうか。

宮澤国務大臣 それは、お尋ねがありましたので、当時の主計局の担当者に確認しましたところ、平成十一年十一月下旬に、亀井さんから、職業訓練に関する学生関係の施設の予算については労働省からよく話を聞いてほしいとの電話がありましたが、当時、主計局次長がおりませんで、受け取った者にはっきりしませんでしたので、労働省に情報としてその内容を伝えたということはございます。

保坂委員 大蔵省にもそういう働きかけがあったと。

 では、労働省の日比さん、来ておられますね、登録していますね。

 これは、大蔵省からさらに、どういうことなのかという電話があって、結果としてその亀井政調会長の働きかけが実った、こういうふうにお感じになりましたか。一言で答えてください。

酒井政府参考人 亀井政調会長から十一月中旬に求めがありまして、当時、担当局長は先生今おっしゃいました日比局長でございますが、訪問して、その際、党の政策として物づくりというのは大切であり、学生にとって魅力のある大学づくりをしてほしい、しっかりやってほしいといった趣旨の話があったと聞いておるところでございます。

保坂委員 では、同じく局長に聞きますが、前回、四者協議、行田市議会の会議録を示して、民間資金がうまくいかない場合は国の方で責任を持つからという、これは行田市役所の企画部長さんですかね、言っておられる。これは、労働省からはだれが行って、どういう発言で行田市がそう受けとめるような経過になったんですか。

酒井政府参考人 先生御指摘の四者協議というのは、ものつくり大学の行田市への設置内定後に、その円滑な建設を進めるために、実務的な協議を行うことを目的といたしまして、労働省と埼玉県、行田市の担当課長クラス、それとKGSの理事クラスが出席してやった、平成十年の一月以降でございますけれども、その打ち合わせのことだと思うわけでございますが、平成十一年の十二月八日の、先生今話題にされました答弁の関係でございますけれども、その四者協議は、そんなわけで、事務的な詰めということでございましたので、数次にわたってやっておるわけでございます。

 労働省側からは、当時の技能振興課長が出ておるわけでございます。途中、異動がありまして二人にまたがるわけでございますが、労働省側は技能振興課長でございました。

保坂委員 きょうせっかく資料をつくってきたんですが、これはやっている余裕がなかなかないんです。

 坂口厚生労働大臣に聞きますが、これは資料を後から見ていただくことにしまして、ばっとめくっていただきたいんですが、これは参議院の本会議で村上さんが、職人大学をぜひやりたいから総理どうかと。総理の方は、橋本さんは、興味持って勉強させていただくと答えていますね。

 その後、二ページ目は、これは佐渡に、当時サイト・スペシャルズ・フォーラム、SSFの予定地はあったということを示す文書です。

 その次の三番目は、これは日比谷公会堂で二千人の決起集会があった。その中で村上さんが、参議院の本会議のやりとりもきっと指しているんでしょう、職人大学構想については、三の四になりますけれども、国会など政治の場で職人大学の必要性について論議されるようになったいきさつをここで語っているんですね。

 さらに、資料の四を見ていただきますと、この国際技能工芸大学の体制は、ものつくり大学一つではないんですね。九カ所の構想があるわけです。

 このものつくり大学一つの予算の点でもこの予算委員会で大問題、予算の執行、あるいはこういうふうに使われていいのか、雇用保険の原資になるような、そういう会計から使ったということもさることながら、これだけの構想があったということを、今の段階で、やはり相当に政治が労働省の政策をゆがめてきた、こういうふうに感じられませんか。これは率直に答弁していただきたいと思います。

坂口国務大臣 経緯につきましては先生が御指摘になったとおりだというふうに思います。

 そして、このいただきましたパンフレットを拝見いたしますと、そうそうたるメンバーが御出席になっておることも事実でございます。先般も申し上げましたとおり、しかし、この中には社民党出身の永井労働大臣も御出席になっておるということも、先日申し上げたとおりでございます。

 そして、永井大臣が、平成八年の四月における御答弁の中で、労働省の職業能力開発に対する施策、それとこのものつくり大学というものとが一致してきている、これは表裏一体をなすものであるということをお述べになりまして、そして、ぜひこれは進めるべきものであるということをお述べになって、私は、それは非常にその当時のことをよく物語っている。決して私はそれは反対しているわけではない。私もその当時その場にありましたらそういう発言をしたかもしれないというふうに思うぐらいでありまして、立派な御発言だというふうに私も思いますが、この御発言にありますように、全体として、個々のどれがどうというよりも、これはその当時の連立政権の一つの施策になっていたというのが私の実感でございます。

保坂委員 大いに反論はありますけれども、時間がありません。

 あと金融庁柳澤大臣に、先日、二戸信用金庫の旅行会のチラシ、これは強制捜査が既に東京地検で入った後のことだということで、しかも参加費が相当高いんですね。三万三千幾らということで、旅館の宿泊費、バス代を含めても余り安いとは言えない。相当ぎっしり大勢の方が来たみたいですけれども、会計も報告されていないのですね。そうすると、窓口業務の逸脱だけではなくて、他業禁止にも触れてくるのかな、こんなふうに思うのですが、何か、わかった限りで構わないので、調査されましたでしょうか。

柳澤国務大臣 若干のことを財務局から事務レベルで状況を聞いておるようでございますけれども、やはりこれは、ここで申し上げるとしたら、今回実施しております報告に、期間的にも対象にしておりますので、それらを含めた報告を踏まえて我々としては対処すべきものだ、このようにお答えさせていただきたい、このように思います。

保坂委員 柳澤大臣にお願いだけしておきますが、この資料の五に、KSDと金融機関の提携の年表を私どもの調べでつけておきました。ぜひこの流れも、私、宮澤さんなら御存じかと思ってお聞きしたのですが、よくわからないという前回の答弁でしたので、ぜひこれは柳澤さんのところで、その調査に加えて、しっかり調べていただけないかと思います。

 時間が来たようですが、一問だけ河野さんに。

 一昨日、上野官房副長官がバッグを盗難に遭ったということで、現地ベルギー、これは事務当局にお願いしていたかな、バッグの盗難届について、被害総額等どの程度だったかということをちょっと調査をお願いしたのですが、それだけ聞いておきたいと思います。

東郷政府参考人 お答え申し上げます。

 確かに九六年九月十三日、ベルギーにおきまして盗難事件が発生いたしました。ベルギー大使館としましては、この盗難事件が起きた直後に現地の警察に連絡し、被害届の提出に対して最大限の協力をしたということでございます。

 しかしながら、個々の被害、これは被害に遭われた方がそれぞれ個人としてベルギー警察の方に被害届を出しておられまして、今私どもの方にその被害の内容の資料はございません。

 以上でございます。

保坂委員 それでは、町村大臣に質問を予定していたのですが、時間が来てしまいました。大変申しわけないと思いますが、委員長にも、ぜひ先刻のことを調査を前向きに行っていただきたいということを要請して、終わります。

野呂田委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十六日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時九分散会




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