衆議院

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第8号 平成13年2月19日(月曜日)

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平成十三年二月十九日(月曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 野呂田芳成君

   理事 北村 直人君 理事 久間 章生君

   理事 小林 興起君 理事 自見庄三郎君

   理事 細田 博之君 理事 池田 元久君

   理事 佐藤 観樹君 理事 原口 一博君

   理事 谷口 隆義君

      池田 行彦君    石川 要三君

      大原 一三君    奥谷  通君

      亀井 久興君    亀井 善之君

      倉田 雅年君    栗原 博久君

      左藤  章君    七条  明君

      田中眞紀子君    高木  毅君

      高鳥  修君    津島 雄二君

      中山 正暉君    丹羽 雄哉君

      葉梨 信行君    萩野 浩基君

      福井  照君    牧野 隆守君

      三塚  博君    宮本 一三君

      村田 吉隆君    森岡 正宏君

      八代 英太君    五十嵐文彦君

      岩國 哲人君    生方 幸夫君

      海江田万里君    金子善次郎君

      城島 正光君    仙谷 由人君

      中田  宏君    平岡 秀夫君

      松野 頼久君    白保 台一君

      高木 陽介君    東  順治君

      若松 謙維君    鈴木 淑夫君

      達増 拓也君    中井  洽君

      児玉 健次君    佐々木憲昭君

      塩川 鉄也君    矢島 恒夫君

      山口 富男君    辻元 清美君

      横光 克彦君    井上 喜一君

      森田 健作君

    …………………………………

   内閣総理大臣       森  喜朗君

   総務大臣         片山虎之助君

   法務大臣         高村 正彦君

   外務大臣         河野 洋平君

   財務大臣         宮澤 喜一君

   文部科学大臣       町村 信孝君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       谷津 義男君

   経済産業大臣       平沼 赳夫君

   国土交通大臣       扇  千景君

   環境大臣         川口 順子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)

   (男女共同参画担当大臣) 福田 康夫君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当大臣)     伊吹 文明君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      斉藤斗志二君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当大

   臣)           橋本龍太郎君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   国務大臣

   (経済財政政策担当大臣) 麻生 太郎君

   国務大臣

   (科学技術政策担当大臣) 笹川  堯君

   内閣官房副長官      安倍 晋三君

   内閣府副大臣       坂井 隆憲君

   内閣府副大臣       仲村 正治君

   内閣府副大臣       村井  仁君

   総務副大臣        遠藤 和良君

   総務副大臣        小坂 憲次君

   法務副大臣        長勢 甚遠君

   外務副大臣        荒木 清寛君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   厚生労働副大臣      増田 敏男君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   農林水産副大臣      松岡 利勝君

   経済産業副大臣      松田 岩夫君

   国土交通副大臣      泉  信也君

   内閣府大臣政務官     西川 公也君

   防衛庁長官政務官     岩屋  毅君

   防衛庁長官政務官     米田 建三君

   外務大臣政務官      丸谷 佳織君

   経済産業大臣政務官    竹本 直一君

   国土交通大臣政務官   吉田六左エ門君

   環境大臣政務官      熊谷 市雄君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    津野  修君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  黒澤 正和君

   政府参考人

   (防衛施設庁長官)    伊藤 康成君

   政府参考人

   (外務大臣官房長)    飯村  豊君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  大石 久和君

   予算委員会専門員     大西  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十九日

 辞任         補欠選任

  池田 行彦君     福井  照君

  石川 要三君     村田 吉隆君

  奥野 誠亮君     森岡 正宏君

  亀井 善之君     奥谷  通君

  塩川正十郎君     亀井 久興君

  谷川 和穗君     七条  明君

  萩野 浩基君     倉田 雅年君

  若松 謙維君     高木 陽介君

  山口 富男君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  奥谷  通君     亀井 善之君

  亀井 久興君     高木  毅君

  倉田 雅年君     萩野 浩基君

  七条  明君     谷川 和穗君

  福井  照君     左藤  章君

  村田 吉隆君     石川 要三君

  森岡 正宏君     奥野 誠亮君

  高木 陽介君     東  順治君

  塩川 鉄也君     矢島 恒夫君

同日

 辞任         補欠選任

  左藤  章君     池田 行彦君

  高木  毅君     塩川正十郎君

  東  順治君     若松 謙維君

  矢島 恒夫君     児玉 健次君

同日

 辞任         補欠選任

  児玉 健次君     山口 富男君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 公聴会開会承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十三年度一般会計予算

 平成十三年度特別会計予算

 平成十三年度政府関係機関予算




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     ――――◇―――――

野呂田委員長 これより会議を開きます。

 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として防衛施設庁長官伊藤康成君、外務大臣官房長飯村豊君、国土交通省道路局長大石久和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。亀井久興君。

亀井(久)委員 皆さんおはようございます。総理初め閣僚の皆様方には、連日お疲れさまでございます。

 私、最近、決して朝早起きというほどでもないんですけれども、朝起きて朝刊を見たりあるいはテレビの朝のニュースを見る、そのときに、本当に毎朝不安な気持ちを持って、きょうは一体何が起こるだろうか、そういう思いを持って見るわけでございます。

 今、次から次へといろいろな出来事が起こってまいりますけれども、そのことに対してトップリーダーである総理がどのように対応されるのか、そしてまた、森政権が、政府がどのように対応をされるのか、そのことを国民は注視しているわけでございます。

 今は、いわば超高感度社会と言ってもいいような社会でございますから、ちょっとしたことがすぐぱっと響いてしまう、そういうときでございます。それだけに、政府の対応が国民の常識というものを踏まえてしっかり対応されているのかどうか、そのことが非常に大切でありまして、総理や閣僚の皆様方の常識と国民の常識が一致をする、そういうことでないとやはり信頼関係というものは生まれてこないと思います。

 これから大変思い切った政策をどんどん打ち出していかなくてはならないときでございますけれども、そういうときであるだけに、どんな政策を打ち出しても、やはり総理を初め閣僚の皆様方、政府と国民との間の信頼関係というものがなければ、何をやってもうまくいかないわけでございます。総理の常識が国民にとって非常識だと言われるようなことであってはならないわけでございまして、そのことを踏まえまして、改めて総理の御決意をしっかりと承りたいと思います。

森内閣総理大臣 きょうは集中質問で私が予算委員会に招かれておりますので、きょうまた、各党議員からの御質問に対してもその都度お答えをしてまいりたいと思いますが、冒頭に、まず、今回のえひめ丸沈没事件に対しまして、行方不明になっております方々の御家族を初め今回の事故に遭われた方々、関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、皆さんの御心痛はいかばかりかと御拝察を申し上げております。引き続き、政府といたしましても万全の対策を今講じているところでございます。

 この事案への私の対応をめぐりましても、国民から強い御批判のあることも十分承知をいたしておりまして、謙虚に受けとめさせていただきたいと思っております。その関連において、今、亀井委員から御指摘があった点がお話のゆえんであろうというふうに私は拝察いたしております。

 いずれにしても、こうした情報化社会でありますから、いろいろな事件が起きたり出来事があったり、我々政府としては、一番大事なことはできるだけ早くその情報を収集することだろう、そしてそれに対して的確な対策をとることだろう、このように考えております。これは国内外においてもすべて同じであろうと思いますが、ただ、国の内と外、外国によってはその対応する責任がどこにあるかということの判断もしていかなければならぬ、そういうことであろうというふうに思っています。

 いずれにいたしましても、先日もハイジャックの情報が入りまして、一瞬我々も大変な事態だなと思いましたが、これは三報目で誤報であるということがわかったわけでありますが、絶えず大事な情報を慎重の上にも慎重に、そしてまた的確にして機敏にその対応をとっていくということが政府として最も大事な対応の仕方ではないか、このように考えております。

亀井(久)委員 ありがとうございました。

 次に、河野外務大臣にも申し上げたいと思うのですが、国民にとって大変関心の深い外務省の報償費をめぐる出来事でございますが、そのこと、また今回のえひめ丸の事件、こうしたことに対して、外務省並びに外務大臣がどう対応されているのか、そのことにも大変関心を持っているわけでございます。

 私、河野大臣の身近におりますので、大臣のお人柄は十分に承知をいたしております。大変責任感の強い、まじめな方でございますけれども、どうしても自分の今おられる立場、そのことをお考えになる余りに、外務省の官僚を守りたいとか外務省の組織を守りたいとか、そういうことをお考えになることもやむを得ないかもしれません。しかし、やはり外務省の最高責任者として、国民の立場に立ってしっかりと対応する、明らかにすべきところはきちんと明らかにする、二度と再びこういう事件が起こらないようにしっかりと管理システムをつくり上げるんだ、そのことが大切だと思いますし、さすがは河野洋平だと言われるような、そういう対応をぜひやっていただきたいということを特にお願いを申し上げておきます。

 それから、今回のえひめ丸の事故をめぐっていろいろな事実が出てきておりますけれども、船体がようやく発見されたということでございますが、その事故が起こった直後に、グリーンビル、アメリカの原潜がその救助活動をしなかったのではないか、ただ黙って見ていたのではないか、そういうことも言われているわけでございますけれども、本当にそうだったのかどうか、あるいは、それができなかったという何か客観情勢があったのか、そのことについて、外務省並びに防衛庁から事実関係を明らかにしていただきたいと思います。

河野国務大臣 昨今の外務省をめぐりますいろいろな問題につきまして、国民の皆様からいろいろと御批判をいただいていることを私は十分承知いたしておりますし、私は、この御批判を逃げようと思う、そんなつもりは毛頭ございません。国民の皆様方の汗の結晶である国税を使った報償費、そうしたものの流用事件というものを外務省職員が起こしたということについては、国民の皆様に深くおわびをしなければならないと思いますし、また、それが一人の人間の起こした不心得な犯罪であったとしても、外務省の組織がそれを未然に防げなかった、チェックすることができなかったということを考えますと、外務省という組織も、謙虚にこの事態を反省して、二度とこうしたことを起こさないということをみずから考えなければならないというふうに思っております。

 したがいまして、国民の皆様に対するおわびと同時に、国民の皆様の、あるいは国際的に見ても、日本の外交に対する信頼感というものが低下をしたということについては、これはゆゆしきことでございまして、私としては、一日も早くそうした信頼を取り戻す努力をしなければならないと考えております。この問題につきましては、事件の真相の解明と、そして再発の防止、この二つの分野に分けて全力を挙げたいというふうに思っているところでございます。

 お尋ねの、えひめ丸の衝突事故並びにその後のアメリカ原潜のとった態度についてでございますが、原子力潜水艦グリーンビルの衝突後の動きについては、これまでのアメリカ側の説明を総合いたしますと、以下のとおりでございます。

 グリーンビルは、事件発生直後から捜索救助活動に当たった。グリーンビルは、海中に漂流する人がいれば直ちに飛び込む準備は整っていたが、そのような人は見当たらず、漂流者がいないか捜索に当たった。グリーンビルは、事故発生後直ちに沿岸警備隊に通報するとともに、えひめ丸の救命いかだを視認し、沿岸警備隊と連携しつつ捜索活動に従事した。ただし、そのとき洋上には三から六フィートくらいのうねりがあって、ハッチを開くことができなかった。また、潜水艦の湾曲構造もあって、潜水艦で救命いかだにいた乗員を直接収容するよりも、現場に急行した沿岸警備隊の船で乗員を収容する方が安全であるとの判断があった。そして、グリーンビルは、その後も現場海域にとどまり、現地時間十日朝港に戻った。こういう説明がございます。

 この説明につきましては、防衛庁関係者、自衛隊の専門家等にも、私どもはこうした説明の妥当性といいますか、そういうものを聞いているわけでございまして、基本的には、一般論としてでございますが、こういうことであろうというふうな説明を聞いているところでございます。

斉藤国務大臣 えひめ丸衝突後の原潜の行動を評価する上で、一般的な軍事面の観点から申し上げれば、次のことが言えるのではないかと思っております。

 まず、状況次第で一概には申し上げることができませんが、一般論としては、原子力潜水艦の乾舷が極めて低いということがございます。この乾舷というのは、浮上いたしました際の水上にあらわれる部分の高さでございますが、これが低いということがございまして、したがって、数フィート程度のうねりがある場合でも、ハッチをあけ救助活動を行うことが困難な場合があるということで承知をいたしております。また、潜水艦の円筒形の構造、こういう構造体をしておりますので、波をかぶるような状況においては海上からの乗船が非常に難しく、救助される人が既にいかだに乗っているとき、それを確認できるようなときは、あえて潜水艦側がこうした人たちを潜水艦に乗り移らせるような試みをしない場合があるというふうに聞いております。

 いずれにしても、今回の米原子力潜水艦の事故後の対応の評価につきましては、米側の調査結果を待ちたいと考えております。

亀井(久)委員 ありがとうございました。

 いずれにいたしましても、船体が見つかったということでございますから、これを速やかに引き揚げるということが必要だと思いますし、また、行方不明になっておられる方の御家族の御心中というものを考えれば、アメリカに対してきちっと要請すべきことは要請するということで、しっかりとした政府の対応をぜひお願いしたいと思います。

 さて、総理、今非常に夢の描きにくい時代だということが言われております。確かに、経済もいま一つ明るい展望が開けない。また、医療保険の問題、年金の問題、将来どうなるのかという不安があるわけでございますし、また、いろいろ凶悪な事件が起こってくる。想像もしないような事件が起こり、外国人の犯罪もふえている。そしてまた、IT化が進んでいく中で、日本人の生活が一体どうなってくるのだろうか。そういうことで、非常に夢の描きにくい時代になっていると思います。しかも、非常に生活様式が多様化しておりますから、国民の価値観も多様化してきている。そういう中で、この夢を実現すればすべての人が満足するのだ、そういう時代ではないと思います。

 しかし、そうだからといって、政治が国民に対して夢を与えないということは大変困ることでありまして、やはり国民に対してトップリーダーがどんどんと夢を提示して、その夢を国民と共有する、そこのところに政治の信頼感というものが生まれてくると思いますけれども、総理にとっての夢というのは一体どういうことでございましょうか。大変お答えにくいことかもしれません。また、総理大臣になるのが夢だ、そういう政治家はたくさんいると思いますけれども、もう既に総理になられているわけでございますから、改めて総理の夢ということを簡単にお聞かせいただければと思います。

森内閣総理大臣 率直に、最近は夢を見るようなそういう睡眠状況ではないということをまず申し上げられると思います。

 しかし、今亀井委員の御指摘になったのは、国民の皆さんに、やはり将来の大きな夢、ビジョンを持って、そして努力をする、政府がそれに対してこたえていくようにということの御示唆であろうというふうに受けとめて、お話を申し上げたいと思います。

 近年、こうした激しい経済社会の変化の中では、戦後の日本のいわゆる発展を示してきたシステムあるいは物の考え方というのは、時代にはもう適合しなくなってきているというふうに考えられます。国民が将来に対するさまざまな不安や漠然とした閉塞感を持っておりますことも今御指摘のとおりでございまして、明るい夢や目標のようなものを持ちにくくなっているということは、これはある面、私は御指摘のとおりだろうと思います。

 私としては、この二十一世紀が我が国の力強い発展の原動力となるのは、やはり人間、人だろうというふうに考えております。創造性と人間性にあふれる人が、それぞれの価値観に従って存分にその力を発揮して、そして自己実現を図っていけるような国づくりを進めていかなければならない、こう考えております。このため、教育改革などを通じまして、個性と創造性を持ちつつ心の豊かさを失わない人、その育成に力を入れるとともに、こうした人が自由濶達に活躍し活動して、それぞれが夢を実現できるような環境を整備していくということが政治に求められているのだろう、私はこのように考えております。

 私は、日本そして日本人は潜在的な大きな力をみんなが持っている、そう思っています。日本の経済社会システムを抜本的に改革して、こうした潜在的な力を引き出す、そういうことが今まさに求められているわけでありまして、それが私は日本の新生であり、また改革であるというふうに考えております。

 私は、このような思いでかねてから日本新生を提唱してきたわけでありますが、こうした改革を通じて、我が国の経済社会を健全で活気にあふれたものとし、国民が夢を持ち、夢を実現できる国家、ひいては世界じゅうの人々が日本で夢を実現したいと思えるような、そういう国家をつくるということが大事な目標ではないか、このように考えております。

亀井(久)委員 ありがとうございます。

 総理は、IT社会の実現ということにかねがね大変力を入れておられるわけで、IT戦略本部、IT戦略会議、そうしたものを通じて熱心にそれを推進しようとしておられるわけでございます。

 ただ、IT化、日本にとって大変結構なことではありますけれども、国民の生活が非常に、ITをうまく、情報通信技術を活用することによって便利になる、それは大変いいことではありますけれども、その一方において、情報通信技術がどんどん進めば進むほど生活様式が変わってくるわけであります。生活様式が変わってくれば当然価値観も変わってくるわけでありまして、そうした中で私が大変心配をしておりますのは、従来日本が長い歴史の中で培ってまいりました伝統文化、そういうものが何かなし崩しに壊されてきているのではないだろうか、そうした思いを大変強く持っているわけでございます。

 やはり、全国各地にすばらしい地方の文化も根づいているわけでございますが、そういう伝統文化のよさというものをもう一度見詰め直して、それをまた次の世代に引き継ぎ、さらに発展をさせていく、日本が新しい文化というものを世界に向かって発信をしていくのだ、そういう気構えが必要だろうと思っております。

 その伝統文化を守るということにつきまして、十三年度の予算で文化庁が百億の予算をふやされた、大変結構なことだと思っておりますし、また文化振興全体で千五百億の予算を確保された、これもすばらしいことだと思っております。

 この伝統文化の活性化ということに対して、町村文部科学大臣はどのようにお考えになっておられるのか、御決意を伺いたいと思います。

町村国務大臣 亀井委員から大変重要な御指摘をいただき、感謝をしているところであります。

 確かに、IT化、グローバル化等々進みますと、地域あるいは国家が持っておりますそうしたよき伝統というものがとかく見失われがちであるということに私どもは大変危機感も覚えておりますし、また、そうあってはならないし、そうならないために、伝統文化を含めて、現代芸術、舞台芸術等々も含めて文化の振興を大いに図っていきたい、こう思っております。

 特に、御指摘のありました十三年度予算の中でございますけれども、地域文化の振興ということで八十八億円を計上いたしました。例えば、ふるさと文化再興事業ということで、地域に伝えられております貴重な文化財、用具類の修理、復元を図る、あるいは茶道、華道、こうしたものの活動の支援を通じまして、拠点地域の伝統文化の総合的な支援活動を行う事業を考えております。また、もう一つ、芸術団体等の活動基盤の整備事業ということで、例えば隠岐の島にも神楽があるようでございますけれども、そうした地域の伝統芸能の保存、伝承を行う団体を支援、あるいは資料を整備したり活動基盤の整備を行う。

 こうしたようなさまざまな施策を通じまして、伝統文化の活性化、そして地域の振興というものにつなげていけばいいな、かように考えているところであります。

亀井(久)委員 町村文部科学大臣には、この上とも今のお考えのもとにしっかりと進めていただきたいと思います。

 さて、経済の問題に入りますが、私、今、日本の経済を見ておりまして、いわゆる日本経済の持っている潜在的な力というものは決して小さくなってはいない、そのように認識をしております。外貨準備高も三千五百億ドル以上になっておりますし、対外純資産が一兆ドルを超えている。そして、国民の個人金融資産というものが千四百兆円に達しようとしている、こういう状況。そしてまた、貿易は恒常的な黒字を稼いでいる、そういう状況でございます。

 ただ問題は、公的なところが借金で首が回らない、そういうところでございまして、国、地方を合わせれば六百六十六兆という大変な債務を抱えている状況でございますけれども、民間部門にはそれだけの力があるんだということでございますので、その力をどう引き出していくかということが、これが経済再生の一番大きなポイントだというように認識をしております。

 個人金融資産、千三百八十兆とか千三百九十兆とか言われておりますけれども、その中で、個人の預貯金が依然として五〇%以上あるわけでございます。これだけ低金利の時代になっておりながら、国民の預貯金が減ってこない。それこそたんすの中に入れておこうが金融機関に預けておこうがほとんど変わりはないという中でも、個人の貯蓄というものが減ってこない。それはどういうことかといえば、私はやはり、今明らかにデフレにもう陥っているんではないか、そういうことを感じております。

 バブルがはじけて以来、株が急落をする、土地の値段がどんどん下がる。土地にいたしましても、もう九年連続でずっと下がって、どこまで下がる、どこが底なのかということがいまだにわからない。そしてまた、金融機関の不良債権の処理も、金融二法を使って相当程度進んだとはいいながら、さらに不良債権化するようなものが出てまいりますから、依然として不良債権というものも減ってこない、こうした状況にある。そして、物価が下がっている。卸売物価ばかりか消費者物価まで下がってきている、こういう状況です。ですから、物の価値が下がる、土地が下がる、株が下がる。物の価値が下がるわけですから、個人が物にかえるはずがないわけであります。現金で持っているのが一番安全だ、そういう状況ですから貯蓄が減らない、そういうことになっております。

 したがって、私は、政府がまず、もう日本経済というのはデフレに陥っているんだ、そういう共通認識を持たれることが大切ではないのかな、そういう思いがいたしますけれども、麻生経済財政担当大臣、いかがお考えでしょうか。

麻生国務大臣 六百六十六兆円のいわゆる総債務という話がよく出ておりますけれども、国家というものを一つの会社の経営に例えれば、どれくらいの借金を持っているかというのは、その企業なり国家というものを考えるときに非常に大事な視点の一つだとは思いますけれども、同時に、借金がある分に関しては、こちらにそれに対応する資産、担保、債権というものと比較して見ていただかないと、この総債務が大きいからこの国はだめなんだということになりますと、大きな企業は総じて借金を抱えている会社が多いのであって、無借金経営のみが善で、そして借金で経営しているのはすべてだめということになるのなら、それは経営者のいわゆる思想、哲学の部分でありますので、私どもとしてはその総債務だけでいうのは甚だ問題だと思っております。

 ただ、今比率としてはかなり大きなものになってきておりますことは間違いないと思っておりますし、このままの状況では非常に大きな問題を、後顧に憂いを残すことははっきりしておりますので、この種の問題は、先ほど御指摘のありましたように、きちんと非常に大変なものなんだという認識をやはり共通して持つというのは、これは大事なことだと思っておりますので、その種のことを十分に頭に置きながら、取り急ぎは景気の回復に軸足を置きませんと、税収はさらに落ちていくということになって、いわゆるデフレーションのスパイラルに陥っていくということになりかねないというところで、当面といたしましては、景気回復に軸足を置きつつということになるんだと理解をいたしております。

亀井(久)委員 宮澤財務大臣、G7の会議からお帰りになった直後で本当にお疲れだと思っておりますけれども、G7でも日本経済についてかなりの議論があったのではないかと思っております。

 先般、日銀が公定歩合を引き下げた、あるいはまた買い切りオペをやるとか、ロンバート型の貸し出しをやるとか、そういう日銀としては思い切ったことをやったんだと思っておりますけれども、私ども与党の立場から、従来、もっともっと金融の量的緩和をやるべきだ、そういうことを言ってきたわけでございますけれども、そうした日銀の対応の後のG7でございますが、G7でどのような日本経済に対する議論があったのか、また宮澤財務大臣の現在の情勢に対する見方についてお伺いしたいと思います。

宮澤国務大臣 G7の結果出されました声明につきましては、亀井委員、当然もうごらんの上でお尋ねになっておられると思います。したがいまして、今言われましたように、二月の九日に日本銀行が新しい政策を発表したというその考え方に対しては、関係者みんなそうもあろうというふうに考えておりますが、ただ、それがどれだけ効果を持つかについては、ちょっと日にちが少のうございますので、そこはまあ、みんなもう少し見るしか仕方がないなと。しかし、やはりそういう措置がとられなければならないような日本の経済の、言ってみれば物価は下がっておる、需要が非常に少ない、家計が伸びないということは、これは共通な認識でございます。

 それで、一般的にはもっと金融を緩和すべきなんだという受け取られ方は、それで私は間違っていないと思うのですが、ただ、ここで議論されましたことは、日本銀行がああいう措置を既にとっておりますので、その上での問題は何だろうかという議論の方がむしろございまして、それがここに言っております金融セクターを強化しろという問題になっておると思います。

 それは、長くなりますといけませんが、御承知のように、我が国の金融再建、この三年来のことでございますが、金融機関が不良債権を償却せずに、いわば引き当てという形で対応してきたということについて、これは御承知のように、日本の金を貸します場合には、プロジェクトに貸しますよりは会社に貸しておるという感じがあるものですから、一つのプロジェクトがだめになっても、それですぐライトオフしないで、やはり会社との関係もあって、引き当てておいてそれを見ているという習慣がございますが、このことについてアメリカは三年前から非常に批判的であって、バランスシートから落としてくれないと信用ができないし、また、金融機関としてもバランスシートにそういう形で持っていては会社の中身は、銀行の中身はよくならないじゃないのということは絶えず言われてきた、御承知の問題でございますが。

 今回、これだけ財政がやり、金融当局もやって、どうもうまくいかないとすれば、その金融機関の不良債権処理のそういうところに問題があるのではないかということの議論が、詰めて言いますと、一番の議論であったのではないか。ですから、我が国でも、柳澤大臣が、引き当てというのは確かに伝統的な方法ではあったけれども、やはり償却をしないと金融機関が身軽にならないし、国際的な信用も得にくいのではないか、そのような問題が今度の会議の一番底にあります問題であったのではないかというふうに見ております。

亀井(久)委員 ありがとうございました。

 きょうは柳澤金融担当大臣は御出席でありませんので、金融の問題をいろいろ伺いたいところですが、それは次回に譲りたいと思います。不良債権の処理についても、もっともっと積極的な対応をしていかなくてはいけないときではないか、そのように思っております。

 さて、肝心の個人の預貯金の活用方法でございますが、それはいろいろな知恵を出していかなくてはいけないということで、先般来、与党三党でも証券市場の活性化対策にも取り組んだわけでございまして、間接金融から直接金融への流れをつくりたいということ、そしてまた個人投資家がどんどん参入できるような環境をつくりたいということがその基本にあるわけでございます。

 どうも個人が株式に投資をするということが何か道徳的に悪いことでないかというような風潮が今あるので、それは大変困ったことだと私は思っております。資本主義の世の中では、特に株式に個人が投資をして資産形成するということは決して間違ったことではないわけでございますから、まず、そのことが決して間違いではないんだ、正しいことなんだということを政府がやはり国民に対して堂々とはっきり言われるということが大切ではないかと思いますが、その点、いかがでしょうか。

宮澤国務大臣 おっしゃいますように、我々が伝統的に受けました教育は二宮尊徳のところまででございまして、ためるのはいい、しかしそれで株を買うなんということになると、これは修身の本には出ないというようなことで、国会議員は株をいじってはいかぬなんということもそのついでにあるわけでございますが、貯蓄まではいいとして、投資ということを近代の経済で何となく悪であるということは、やはり明白に私は考え直さなければならないことだと思います。

麻生国務大臣 今の点につきましては、これはいろいろ経済、財政に与える影響が多いと思いますので、私の方からも一言だけつけ加えさせていただきたいと存じます。

 三十年前に、一九七〇年に百万円のお金を銀行預金でマル優を使って預けたという前提に立ちますと、今日までの間に、金利平均は五・五〇%になるはずであります。複利で計算をいたしますので、結果として、得るべき金は約四百九十九万円になっております。

 同じ百万円を株に投資したといたします。TOPIX平均でまいりますと、これで平均で約九百七十四万円になるはずであります、TOPIX平均でですよ。金利でいきますと七・八八がつくことになるので、決して株というものは、それなりの利益を生んでおるということは間違いありません。しかし……(発言する者あり)いえいえ、TOPIX平均だからね、間違えないでよ、ここのところは。そこのところが一番問題。

 しかし、問題はそれによって発する税金です。税金は源泉分離課税で二六%かかりますので、結果的には、TOPIX平均で得られる方は四百四万円にしかなりません。金利でいきますと四・七七%。すなわち、リスクのある株を買って四・七七、リスクのない銀行預金でやって五・五〇、それはだれが考えたって預金する方がかたいと思うのが当たり前だと思います、そういう税制になっておりますから。

 今までは、先ほど宮澤大臣も言われたように、いわゆる二宮尊徳でいってそういう方法でやってきたんですから、そういった意味で、これだけ豊かな時代になってきますと、そこらの点は改めて考え直さないかぬことになっておるのではないか、間接金融というのであればましてやそういうことになっておるんじゃないかなというような考え方ももう一つ考えておいていただければと思っております。

亀井(久)委員 いろいろ伺いたいことも山ほどあるのですが、時間も過ぎてまいりました。

 証券市場の活性化のために、私どもはいろいろなことを盛りだくさんに中間報告の中に入れておりますけれども、自社株保有を原則自由にする、いわゆる金庫株の解禁、それから単位株の引き下げとか純資産額の引き下げとか、そういうことも言っております。政府提案としてぜひやっていただきたいとも思っておりましたけれども、ぜひ議員提案でという空気でございますので議員提案の準備を始めておるところでございますが、政府としてもしっかり御協力をいただきたいと思っておりますので、これは高村法務大臣、よろしくお願いいたします。

高村国務大臣 いわゆる金庫株の問題は、おっしゃったように、自社株の取得、保有、これの規制緩和の問題でありまして、経営の自由度を増す、そういう意味の経済構造改革の一環としても大切なことだと思っております。

 ただ、この問題には、そもそも資本充実の原則をどう考えるのかとか、あるいはインサイダー取引を防止するためにどうするのかとか、いろいろ難しい問題があるので、最善のものをつくるには今国会ではなかなか難しいのではないか、これが私の考えでありますが、今与党三党で、株価対策の一環としてともかく早くやるんだ、こう決められたことは一つの考え方であろうかと思います。そうであれば、早くやるにしても最善のものに近いものをつくっていただかなければいけないわけでありますから、法務省としても全面的な協力をいたします。

亀井(久)委員 伺いたいことはたくさんあるのですが、一つは、こういうデフレ状況に近い状況でございますから、私は、この際、思い切って通貨の呼称単位の変更、デノミネーションをやるべきではないか、そういうことを従来から考えております。インフレのとき、物価が上がっているときはとてもできることじゃありませんけれども、こういう安定をしているとき、むしろ物価が下がりぎみのとき、そういうときこそチャンスではないかというように思っておりますし、円の国際化を進めるということ、そしてまたドルとユーロとのバランスから考えても、思い切ったデノミをやるべきではないかな、そういうように思っております。

 財務当局はどうも消極的のように承っております。宮澤財務大臣の考えを承りたいのですが、ちょっと時間がございませんのでまたの機会に、一つの提言として申し上げておきます。

 それから株式の問題ですけれども、日本の大企業、数万人を抱えるような大企業というのはたくさんあるわけですね。日立製作所あたりは六万人も抱えている。そういう方々の家族とかまたリタイアした人たち、そういう人たちの数というのはもう数十万人になるのじゃないか。そういうリタイアした方々というのは、中には相当経済的に余力のある方もあるわけですね。海外旅行をされるとか、かなりリッチな週末を過ごされるとか、そういうことを現にやっておられる。

 そういうOBの方々にお金を拠出してもらいまして、それでファンドをつくって、それで日立グループが日立グループの株を買ってそれを運用する。そしてその運用益は一切、個人とか会社のためじゃなくて、福祉とか教育とかあるいは海外のボランティアとかそういうことに使うということに限定をして、そういう基金、財団のようなものでございますけれども、それに対しては思い切った税の優遇措置をとる。

 そういう仕組みをつくれば、日本の大企業、たくさん大きいところはありますし、やはり企業の持つ社会的責任ということはみんな考えているわけだし、自分のもといた会社がそれだけ大きな社会還元に役立っているんだということになれば、私は大変結構なことだと思う。どこかがそれを始めれば私はどんどん大きく広がっていくのではないかというように思いますけれども、そうしたことも一つの提言として申し上げておきますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 それからPFI、これも、今、官の方はお金がないけれども民の方にはお金があるのですから、大都市における公共事業なんかはどんどん民間の資金を活用してやるべきだというように思います。

 この間、石原都知事と亀井政調会長が相談して、東京の都心にあります公務員住宅がもう建てかえの時期に来ている、これを思い切って高層化して、できるだけオープンスペースをつくって緑地化していこう、そういうことを、財政資金ではなかなか今金がないからできないということであれば、思い切って民間資金でそうした建物を建てて、それを国が借りればいいわけで、国は、とにかく家賃収入、これは間違いなく民間の方は入るわけですから、そういうプロジェクトを三大都市圏でどんどんつくっていく、そのことによって民間の資金を循環させるということも必要ではないかと思います。お答えは結構でございます。

 それから最後に、これは非常に重要な問題なんですが、今、IT化が進みますと個人情報がどんどん流通してしまう、そのことによって個人のプライバシーというものが侵されるということになってまいります。

 今、政府IT本部のもとに作業委員会をつくられまして、IT基本法をつくるための大綱というものが出ておりますけれども、その大綱で、法律の目的と原則、それはすべての人にかかる、しかし、その個人情報を取り扱う業者というものに対して一定の義務を課するということになっている、その義務に反した場合には主管大臣が改善・中止命令を出せる、それに従わなかったときには罰則規定を設ける、こういうスキームになっておりますけれども、その義務規定はいわゆる報道機関というものは対象にならない、そういう整理になっております。

 私は、これはどうもおかしいのではないか。報道機関、報道というものの定義もどうも明白ではございませんけれども、新聞とかテレビが公益性を持っているということは私も十二分に承知をしておりますし、国民に正しい事実を伝えるという大きな責任を持っているわけでございますから、やはり報道の自由、表現の自由というものはしっかり守らなくてはいけないと思っております。

 しかし、報道機関というのもコマーシャリズムの上に乗っかった営利事業をやっているわけでございます。NHKは公共放送ですけれども、それ以外は全部営利事業としてやっているわけで、それを所管する役所も今決まっていない。放送法がありますから、テレビ、ラジオの方はありますけれども、新聞とか雑誌についてはその所管する役所も決まっていない、そんなことになっております。

 私は、個人情報法というのは、やはり個人の基本的な人権というものを守るということでございますから、憲法上非常に重要な問題であって、そのことが、その基本原則、目的はすべてにかかるといいながら義務規定はかからぬということになりますと、その目的や基本原則に反することをやった場合に、だれかがそれはおかしいよということを言える、そういう仕組みはやはりつくっておくべきではないかと思っております。

 そしてまた、今、BROという放送と人権等権利に関する委員会、これを自主的な機関としておつくりいただいて、苦情処理をやっておられる。それももっと進んで、ある会社のやっている、あなたの会社のやっているこういう報道は少しおかしいよということを、BRO、BRCというものがもっと積極的に乗り出すような、そういうこともぜひお願いをしたいと思いますし、また新聞や雑誌についても、やはり自主的な機関をしっかりとつくられるということがまず第一歩だと思っておりますので、この点もぜひお願いしたいと思っております。

 時間がもう過ぎておりますので、答弁は結構でございます。ありがとうございました。

野呂田委員長 この際、北村直人君から関連質疑の申し出があります。亀井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。北村直人君。

北村(直)委員 自民党の北村直人でございます。

 私からもえひめ丸の関係者の皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。これが日米の外交問題に発展しなければいいなという危惧を持っております。また、適時的確な対策をしっかりと日本の国はやっていただきたい、このことをまず申し上げる次第でございます。

 さて、外交問題といいますと、日本の大きな課題の一つにロシアとの関係がございます。そのロシアの、我が国の固有の領土である国後、択捉、色丹、歯舞、この四つの島、北方領土問題を解決しなければ戦後が終わらない、こう言われて久しいわけであります。三月二十五日にやっとイルクーツクの首脳会談が合意に至りましたけれども、その経緯と会談に臨む総理の決意というものをまずお聞かせいただきたい、このように思います。

森内閣総理大臣 昨年十一月にAPECブルネイ会合、その機会にプーチン大統領と会談をいたしました。そこで、次回の首脳会談を年内にもイルクーツクで行うということで一致をいたしました。

 これを受けまして、十二月に、私の親書を携行いたしまして鈴木議員が訪ロをいたしまして、首脳会談を二月に行うということになったわけであります。そのことをフォローしていくために、一月十六日に外務大臣会談で日程を確定するということになりました。外相会談におきましては、首脳会談を二月二十五、二十六日に行うという方向になったわけでありますが、外務大臣がモスクワを離れられましてから四時間半後に、ロシア側から三月二十五日との再提案があったわけであります。

 首脳会談の日程調整をめぐるこうしたやりとりは大変残念でありましたが、その後、ロシア側から一定の遺憾の意の表明、さらに、日ロ関係を全体として前に進める、そういう努力を続けたいという声も聞こえてまいりました。そのような中で、私としては、プーチン大統領と培いました個人的な信頼関係を基礎に大統領と直接お話をし、日ロ間でもつれておりましたこの不幸な事態をほぐして、そして改めて日ロ関係全体を前に進めていくためにはどうすべきであるか、この相談をする方がよいという結論に達したわけです。

 先般、プーチン大統領との電話会談で、私から、日本においてロシア側の対応が意外で残念であるとの強い反応が出たことに言及をしながら、素直にお話を申し上げたことに対しまして、大統領から、今回の不幸な事態が近年培ってきた日ロ関係の流れを断ち切ってはならないとした上で、日程についてのやりとりは純粋にこれは技術的なものなんだ、したがって、私の都合がつくのであればぜひ三月二十五日に会談が行えないだろうか、このように述べられたわけであります。

 こうした大統領とのやりとりを踏まえまして、私としては、この日程で首脳会談を行うことが今後の日ロ関係にとって最善の対応であると判断し、これに同意をいたした次第でございます。

 イルクーツク会談では、二つの点が目標になると考えております。

 第一は、二〇〇〇年までの平和条約の締結という目標に向かいまして両国が全力を尽くした結果どうなったかについて、きちんとこれを総括し、国民の皆様にそれを示すことである、こう考えます。第二に、そのことを基礎として、プーチン大統領との間で今後の平和条約交渉を新たに進めていく旨明確に合意をするということであろうかと思っています。

 このような考え方に基づいて、北方四島の帰属の問題を解決して、そして平和条約を締結するとの一貫した方針のもとに粘り強い外交努力を続けていかなければならない、このように考えております。

北村(直)委員 ロシアという国はなかなか外交が上手だ、私はこう思っております。ぜひ、人のいい日本の外交ではなくて、しっかりとした我が国の立場というものを明確にしながらこの首脳会談を成功させていただきたい、こう思う次第でございます。

 さて、北方担当橋本大臣は、おととい、十七日の土曜日に北方領土、北方を視察していただきました。そこで、現地の元島民の皆さんや関係者の方々との懇談、それを通じて何を担当大臣として感じられたか、そして、そこで決意をしたこと、あるいは国内対策として今後なし得ること、こんなことをお聞かせいただきたい、このように思います。

橋本国務大臣 海上保安庁の協力を得まして、領空すれすれまで進出をしながら、北方四島の現状を改めて自分の目で見直してみて、幾つかの点に対して今非常に強烈な思いを持っております。

 そのまず第一は、このところしばらく続きましたメディアの報道によって、日本政府の外交方針が変わり、四島一括返還という方針がいつの間にか変えられてしまったのではないか、二島返還、あるいは二島返還先行ということに日本政府の態度が変化したのではないかという疑問を一様に関係者がお持ちであったことであります。

 そして私は、これは明確に、我々はその姿勢を変えていない、四島一括返還という方針以外の方針を日本国政府が相手側に伝えたことはないはずだ。また事実ありません。その上で、我々は今、イルクーツクにおける総理とプーチン大統領の会談を待っている状況ということを繰り返し御説明いたしました。

 しかし、メディアの方々からは執拗に二島返還にこだわった御質問が続きまして、四島が一括返還される段階において先行の二島返還ということは、それは選択肢にあり得るかもしれないということまでは私も申しましたけれども、報道に出ましたのは、二島返還先行論は非公式であるとか、あるいはそういう方針があたかもロシア側に日本国政府から伝えられているような、そうしたニュアンスの報道が散見されましたことを私は大変残念に思っております。

 本委員会の席をもちまして、改めて、四島一括返還というものを日本国政府はロシア側に主張し続けており、これを変える提案はしておらないということだけは明確にさせていただきたいと思います。

 二点目は、旧島民の方々が、発足当初一万七千人ぐらいおられたと聞きましたが、恐らくことしは九千人を割るであろう。平均年齢も既に七十になんなんとしておられる。そういう中で、疲れが見えておられるということです。そして、この方々からは、補償ということが求められました。しかし、補償と言われる限り、国は既に、他の地域との均衡を考えましても、補償措置は講じてきており、補償という御提案である限り、既に判例でも確定しております以上、公式にノーと申し上げざるを得ません。

 しかし、それと同時に、北方領土返還の日を待ち、生活設計においても不安定さを残しながらここまで持ちこたえられた皆さんに対して、何か工夫をすることはできないのだろうか、これは率直にそのような思いを持って私は東京に帰ってまいりました。明日、時間があるならば、閣議後の閣僚懇で、改めて私は総理初め閣僚各位にもそうした思いをお伝えしたいと思っております。具体的な施策があるわけではありません。しかし、何らかの工夫を我々は必要とするのではないか、これは率直な感じであります。

 もう一点は、その返還運動を支えておられる北海道の多くの方々にとって、例えば今現実に起きておりますマダラの自主休業、あるいはロシアの巨大なトロール船の一方的な操業に対し、なすすべのないやるせなさであります。そして同時に、それが実体経済に大きく影響を与えている状況を考えますと、相当広範な目配りをし、対策を講じる必要があるのではなかろうか。これも、事務局を通じて各省にお伝えをするとともに、明日の閣僚懇で提起をさせていただきたいと考えておる問題でありまして、以上、見てまいりましたそのままの感想を申し上げます。

北村(直)委員 今担当大臣から、まさしくマダラの問題が出たわけであります。これは、昨年の漁から八〇%も激減されてしまった。これは、日ロの地先沖合交渉、まさしく日本が交渉する、農林水産省がその窓口であります。谷津大臣に、このことによって大変な被害が漁民の方々に出ているわけであります。減船もやむを得なし、九九%減船をしなきゃもう生きていけない、こういう事態に至っている、こういうことであります。そうなりますと、いろいろな国内的な対策をしなきゃならぬ、こう思います。時間がありませんので、国内対策として万全の措置を農林水産大臣としてやるのかやらないのか、そのことをぜひお聞かせいただきたい、このように思います。

谷津国務大臣 ただいまお話がありましたマダラの漁業の件ですが、大幅に削減されることになりましたけれども、漁期の途中において割り当て量については見直しの協議を行うことが決まっておりますので、その交渉をしっかりやらなきゃならぬというふうに思っているわけであります。

 そういう状況でありますので、まだ、ここで補償云々というふうなお話は避けておきたいというふうに思っております。

北村(直)委員 最後に、避けるということでありますけれども、ぜひ総理、そしてまた担当、橋本大臣含めて谷津大臣、このことについては本当にできるだけの国内対策をしっかりやっていただくことを重ねてお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

野呂田委員長 これにて亀井君、北村君の質疑は終了いたしました。

 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 私ども公明党は、一昨年の十月、連立政権に参画をいたしました。これはひとえに、今の日本の経済、バブルが崩壊してからの十年間、このままではだめだ、そういうような思いの中で、自民、そして当時は自由党でしたけれども保守党の皆さんと連立政権に参画をした。そういった中で、今の日本経済を何とかしなければいけない、そういう思いで、特に連立政権の結束というものを重視して今までやってまいりました。そして、この通常国会が始まりまして、とにもかくにもこの本年度の予算を成立させること、これが一番重要である、そういう思いでやってまいりました。

 しかしながら、国会スタートとともに、KSDの問題、また外務省の機密費の横領の問題、そういう問題で政治に対する不信が大いに高まってしまった、こういう状況であったと思います。さらに追い打ちをかけるように、えひめ丸の衝突事故、さらには総理のゴルフの会員権の問題等々が出てまいりました。

 KSDやまた外務省の問題というのは、真相を究明し、原因を究明しながら、二度とそういうことが起こらないようにしなければなりません。また総理自身もそういう思いでしょうけれども、ただ、それは自分の在任中ではない、もしくは自分が当事者ではなかったという思いがもしかしたらあるかもしれません。しかし、今回のえひめ丸の衝突事故は総理の在任中、今の問題でありますし、またゴルフ会員権の問題というのは、これはまさに御自身の問題であるということで、今、きょうはテレビ中継をされておりますけれども、国民は、総理がこの問題についてどう考え、どういう言葉を発するかということを注目していると思います。そういった中で、この問題についてきょうは質問をさせていただきたいと思います。

 まず、えひめ丸の問題、事故が起きまして、もう九日間がたちました。そして、危機管理だとかまたは事故だとか、そういった言葉がいろいろと言われておりますけれども、国民から見れば、そんなのはどっちでもいいんだ、今九人の方々が行方不明になっている、どうにかしてもらいたい、御家族の思いはもちろんのこと、多くの国民がそう思っているはずであります。また、きょうの報道によりますと、海底の中にえひめ丸が沈んでいたというのが発見されました。そういった状況下にあって、この九日間の間、一体、その捜索やまたは原因究明の問題、だれが中心なのか、外務省が中心にやっているのか、官邸なのか、または潜水艦の問題だから防衛庁なのか、そういうものが国民に見えていないと思います。

 そういった中で、この問題の日本の戦略、方針、こういうふうに今やっているんだ、またやっていくんだというものをだれが決めるのか、そういった中でリーダーシップを発揮するのはだれなのか、これをまずお伺いしたいと思います。

森内閣総理大臣 今回の事故は、米国領海で発生をいたしました。我が国としては、直接の現場対処活動を必要とする事案ではなかったわけでありまして、むしろアメリカ政府との折衝が中心となる、そういう事案であるということは御承知のとおりであります。

 このため、私といたしましては、当初から、人命救助と情報収集、これにつきまして米国政府との間に最大限の協力を確保すべし、そういう指示を外務大臣にいたしております。もちろん、その他の関係大臣にもそのように申し上げております。

 したがって、事故発生直後の初動対応の後は、外務省の対策本部を体制を強化いたしまして、桜田外務大臣政務官、次いで衛藤外務副大臣をアメリカに派遣いたしますなど、外務省が中心になって対応いたしております。事故の概要が明らかになるにつれまして、私としても、捜索の継続、船体の引き揚げ及び米側の原因究明等について適時外務省を指導してきておりますし、またこれからもさらに強力に進めていきたい、このように考えております。

高木(陽)委員 今のお話でいきますと、外務省が中心となってやっている。もちろん外交ルートを通じてやらなければいけないことなんですけれども、やはり今国民の求めていることは、総理が表に出てくるような、見えるような形じゃないかなと思うのです。例えば、この予算委員会でも同僚の議員が、総理出席ではなかったですけれども、例えばその第一報を聞いたとき、ゴルフ場の問題もありましたけれども、そのときにまずはブッシュ大統領に電話を入れればまた違っていた、捜索自体は電話を入れたから方法が変わったということはないと思いますけれども、そういう姿勢を今国民が求めているのではないかな、そのように思います。

 その上でもう一つ、今、アメリカとの問題ですから日米関係、日米同盟関係というのは、もう一番重要な関係は論をまちません。そんな中で、この日米関係を強固にしていくためにも、これは何も政府だけの関係ではありません、一番大切なのは国民と国民の信頼関係。

 そういった中で、今、日本の国民、当事者でもある水産高校の関係者の方々、御家族の方々から見れば、アメリカの、まあ捜索はしてくれている、ただ、その一連の流れの中で不信感が出ている。例えば民間人が乗っていた、または緊急避難訓練を訓練区域外でやったのではないかだとか、いろいろな報道がなされることによってそういう不信感が高まっている。そういった中で、例えば、報道によると、もし民間人が乗っていなければ緊急浮上訓練はやらなかったのではないか、こういう話もございます。

 こういう中で、今一番御家族の方々また関係者の方々が思っているのは、ビデオできのう見せられて、その船体が沈んでいる、しかも数分間の間に沈んでしまった、こういう情報もありますから、もしかしたら行方不明の方々は船体に残されたままいるかもしれない、そういう思いの中で御家族は、何としてもこれは引き揚げてもらいたいと。もちろん要望はしているかもしれませんけれども、そういう引き揚げるという、これは技術的な問題等々もあるかもしれませんが、総理みずからが大統領に電話して、これは何とかしてくれ、そういうようなメッセージを発信しなければいけないのじゃないかと思うのですけれども、どうでしょう。

森内閣総理大臣 政府といたしましては、これまでアメリカ側に対して、引き揚げについても、あらゆる手だてを尽くすように申し入れてきております。

 まず最初に、十日に事故が起きましたとき、そのときはまだ情報収集等いろいろ進めていたときでありますが、その日の午後、官邸にアメリカ大使館の公使がお見えになった。その際も、官房長官から強く、当時はまだ確定的なものじゃございませんでしたが、沈んだとするならば常識的に考えられるのはそういう事態だろうと思うので、当然、捜索とそして引き揚げを万全にやるようにそのときから既に官房長官から強く公使に申し入れております。また、その日の夜もフォーリー大使が官邸にお見えになりまして、私からそのことも強く申し上げてございますし、十三日の夜も、大統領から電話がありましたときにも、そのことを強く申し上げてきたところでございます。

 アメリカ側は、日本側の要請を受けまして、現地時間の十六日の午後に無人潜水機スコーピオを海中に投入して、その結果、同日深夜、約六百メートルに沈んでいるえひめ丸を発見いたしたわけでありまして、これを受けまして、現地時間十七日の午後、ハワイに出張中の衛藤外務副大臣がブレア太平洋軍司令官に対しまして、えひめ丸の引き揚げを重ねて要請いたしました。ブレア司令官は、スコーピオを使って情報収集し、専門家同士の意見を踏まえ、日米間で今後どういう対応をするかについて話し合いたい、このように答えをいただいております。

 引き続き、我が方として、あらゆる手だてを尽くしてほしい旨要請をいたしております。

高木(陽)委員 総理、今、そういうような答弁を国民の人たちは求めていないと思うのです、国民の人たちは。時系列的な経過のそういう説明も必要なんですけれども、今総理に求められているのは、断固引き揚げたい、自分もその思いなんだというようなものを発信しないと。もちろん、そういう指示を出された、また政務官も副大臣も言っている、外務大臣も国務長官とやっている。やっているのは事実なんです。ただ、新聞のその紙面に出ると、そういう要請という二文字だけ。そうなると、本当にやっているんだろうか。もっと心からやっているんです、やりたいんですというものを今政治は求められているのではないかな、そういうふうに思います。

 続いて、外務大臣にもお伺いしたいんですが、先ほどちらっと言いましたけれども、民間人が乗っていた、それで操舵も行っていたということで、多くの人たちが驚いたと思います。

 そういった中で、この情報が最初に伝えられたのは、アメリカのマスコミ界から入ってきたわけですけれども、それが事故発生後五日たってからです。これも遅いと思うのです。だから、こちらが一生懸命求めているんだけれども、そういう情報自体がマスコミ経由で入ってくる、こういうこと自体も問題があると思います。

 ただ、この問題は終わったことですから、今後大切なのは、日本近海、在日米軍でも潜水艦の体験乗船、乗艦をさせている。新聞の報道でもありました、体験記が載っていました。ハワイの沖でもやっている。体験乗艦、緊急浮上をやっているかどうかは別にして、やっているということに対する不安感というのが、日本近海でいろいろな漁船の方々だとかは思っているかもしれません。

 そういった中で、その実態は外務大臣は把握されているんですか。

河野国務大臣 民間人が乗艦しての今回の事故ということについては、私どもも大変驚き、さらには怒りという感じすら持っております。

 我々といたしましては、今議員からもお話がありましたように、こうした情報が我々に伝えられたことがいかにも遅い、民間人が乗っていたなんという情報、しかもそれが操舵にかかわるような近い距離にいたと言われる情報を、我々に対してなぜもっと早く情報提供してくれなかったのかということについては極めて遺憾だというふうに私は考えておりまして、この旨は、パウエル長官初め米軍当局には伝えてございます。

 しかし、今議員もおっしゃいましたように、そのことばかりを今言い募っているわけにはいきません。この問題については、今事故の原因究明という視点に立った作業は行われておりますから、その作業の結果を我々としては十分関心を持って見たいと思っております。

 一方、日本近海で一体どういうことになっているかということについてでございますけれども、議員も御承知だと思いますが、十五日にブッシュ大統領が、国防省に対しまして、軍事演習中の民間人の行動の見直しを既に命じております。また、十七日にファーゴ太平洋艦隊司令官は、とりあえずの措置として、海軍の視察プログラムに参加する民間人はオブザーバーとしてのみ参加し、また、調査が終わるまで緊急浮上のデモンストレーションを中止するように命じた、こういうことを言っているわけでございます。政府としては、御指摘の点についてもなお情報を収集すべく努力をしたいというふうに思っております。

 米軍が日本近海においてどういう作業をしておったかということについての詳細の情報というものはまだ入手できておりません。

高木(陽)委員 これもやはり遅いと思うんですね。いわゆる日本近海で体験乗艦をやっている、こういう事実が報道されて、そういった中で、やはりその問題を聞いてもなかなか向こうは言わない。だからこそこういう問題は、地位協定二十五条に基づく日米委員会、これは毎月開いているというふうに聞いていますけれども、こういったところでしっかりと日本側からそれを議題として提示する。その中で、もう二度と起こしちゃいけない問題ですから、可能性のあるものは全部芽を摘み取っていかなきゃいけないと思うのですが、そこら辺はどうなんでしょうか。

河野国務大臣 合同委員会におきまして提起をして先方と議論をし、我が方の主張をきちっと伝えたいと思います。

高木(陽)委員 よろしくお願いしたいと思います。

 また、総理にお伺いしたいと思いますが、先ほどリーダーシップの問題もちょっと申し上げましたけれども、今国民の大多数が思っていること、このえひめ丸の衝突事件に対して、総理に対してどういう思いを持っているか。

 それは、とにもかくにも、ゴルフを続けていた。クエスチョンタイム等でも野党の党首の方々からいろいろな追及がございました。その中で、例えば、連絡がきちっと私のところに来るようにするためにはこの場所にいることが間違いないだろうと判断した、こういうふうに総理はおっしゃられました。しかし、その連絡は、その後第一報、二報、三報、携帯電話で来たわけですね。そうなりますと、携帯電話ですから、移動しながらでもとれるわけです、車の中で。

 そう考えると、例えば、発生後、テレビでは速報が流れました。日本テレビで十時五十一分、NHKが十一時六分。マスコミはマスコミの判断があったんでしょうけれども、まず第一報、原潜とぶつかった、これは大変な事故なんだろうな、これは日米の問題にもなるのかもしれない、いろいろな推測ができたと思います。だから、速報で流れたわけですね。

 一方、総理のところには、十時五十分、十一時に二回、そして十二時二十分に三回目の連絡でようやく官邸行きが決断されたというか決まったというか、ここら辺のところで危機管理意識がなかったんではないか。危機管理だとか事故だとか、そういう問題じゃなくて、これは大変だぞと思わなかったんじゃないかというのが、その感覚、それに対する国民の不信感なんじゃないか。だから、総理はここをどう考えておられるか。

森内閣総理大臣 御指摘のとおり、第一報が十時五十分に参りましたときには、三十五人の乗船があったえひめ丸が沈没したようだ、原潜に触れた、そして二十五名でしたか二十六名でしたか、大体引き揚げた、残りを今救命、捜索中であります、こういうことでございました。したがって、極めてこれは大事だから、とりあえず外務省に対してすぐ情報をとるように、また外務省として対策本部をとるように、それから、これは官邸としてどのような措置をとるべきか、これも直ちに危機管理監を呼び、それへの対応をすぐとるように、同時にまた、学校関係であるということであれば文部省も大事な対応をとらなければならぬだろう、それをすぐ指示をしてほしいということで、次の連絡を待とうという判断をいたしました。

 二回目の判断をいたしましたときは、これは特にアメリカ側からの情報等でございました。そのときは、とにかく今捜索中だということでございましたので、できるだけ全員が救出されてほしいな、そういうことを祈りながら私はおりましたけれども、先ほど申し上げたように、それぞれ外務省あるいは文部省、そしてまた官邸の危機管理、連絡室等々、これが副次的にまたがりますから、その連絡等をとりやすくするためには私はこの現場を離れないことがいい、そう判断をしたんです。

 その判断が過ちであるかどうかということは、これは皆さんのいろいろな御批判があろうと思います。ただ、その場所がゴルフ場であったということが御批判をいただいているわけでありますから、それにつきましては、私はその批判は甘受しなければならぬと思っていますが、第三報の連絡が来るまでには、私は、いつでも帰れるように、一報がありましたとき、直ちに車も呼ぶように手配をし、いつでも出られるようにしておいてほしいよと。ただし、もう一回連絡が来るまで待とうということでございまして、第三報が参りましたときには、どうも人身あるいは命にかかわるような事態になっているようだという報告を受けた。同時に、私は、先ほど指示したそれぞれの対策本部等はできたねということを確認しましたら、できました、動いておりますということでございましたから、それではここを離れるよということでその場所を離れた。

 こういうのが経緯でございまして、確かに、その判断については、これは後ほどやはりいろいろな批判というものはあるんだろうと思いますが、私は、その時点で、今までのいろいろな危機管理がございました。阪神・淡路の震災もございました。そういうことに対応しながら、やはり私は動かないということが一番大事だ、既に政府の対策本部がそれぞれ動き出してそれぞれ責任者が配置につくまではそこで指示していくことが大事だ、このように判断をしたわけです。

高木(陽)委員 総理、先ほども言いましたけれども、そういう言いわけというか、言葉は悪いですけれども、開き直りみたいなことを言えば言うほど、テレビで見ている国民は納得しなくなっちゃうんです。

 だから、大切なことは、例えば、人間ですから判断を過つこともあるかもしれません。情報が少ない中で、ではすぐに戻れという、これも無理だったかもしれない。そういった中で、その後一週間の間にいろいろな報道がなされる、いろいろな声もある、与党の中からも出ているというようなところで、もしそういう意見があるならば、それはしっかりと受けとめて、言いわけをするんじゃなくて今後に生かしてもらいたい、そういうような思いというものが必要なんじゃないかな、そういうふうに僕は思います。

 もう少し、これは官邸としての動きをちょっと確認したいんですけれども、まず、官邸への第一報というのが十時十五分、総理へ秘書官からの第一報が十時五十分、三十五分かかっているわけですね。これは官邸だけではありません。悪い情報、よくない情報というのは、すぐに入ってそれで判断をする、または対応していくのが大切なんですが、ここら辺の三十五分のずれというものが、結局、情報収集能力の問題もあったでしょう、総理の判断が、決断がつかないような形になってしまった、そういうふうに思われますけれども、そこら辺のところ、官房長官いないから、副長官、どうですか。

安倍内閣官房副長官 内閣情報集約センターにはさまざまな情報が入ってくるわけでございまして、入手した情報の中で報告が必要なものにつきましては、まずメモを作成いたしまして、その後、関係者に順次連絡をするわけでございますが、総理、官房長官、副長官につきましては、秘書官を通して報告することになっているわけでございます。

 内閣情報集約センターには随時さまざまな膨大な量の情報が入ってくるわけでございまして、そうした情報につきまして、その中には誤報もたくさんあるわけでございますので、秘書官が整理等々行いましてその後報告をするという作業は不可欠ではないか、こういうふうに思います。

 いずれにいたしましても、今回、総理に伝達するまでの時間が非常に遅かったということでもございませんし、またそれによって重大な支障を来したというふうには考えてはおりませんが、しかしながら、情報の伝達を迅速にすべき努力は今後ともしていかなくてはいけない、このように思っております。

高木(陽)委員 結局、総理も判断をしなきゃいけない、そういう状況下にあって情報がない、だから待っていたとさっきお話がありました。

 そういうようなシステムをもっともっときっちりしていく。そうなりますと、細かい情報、細かい事故まで全部総理に入れなきゃいけないのか、ここら辺の判断が難しいところなんですけれども、そういった中で、やはり今回の問題は、原潜という本当に今までない形が起きたわけですから。

 よく言われる危機管理という言葉も、想定されて起きるのは危機管理じゃないわけですよ。想定されていないことが起きたときに、ではどう対応するか。まさにこれは役所、役人が考えることじゃなくて、政治家が判断しなきゃいけないことだったと思うのです。ところが、総理の今までの御答弁を聞くと、なかなかそこら辺のところが、こうこうこういうふうに対応した、万全だった、いろいろなお話がありました。

 もう一つ国民が怒っていること。これは、断片情報ですから難しいと思うんですけれども、記者がそのゴルフ場に取材に来た。プライベートという言い方をした。もちろん、プライベートだったかもしれません。でも、総理の座右の銘というのは滅私奉公ですから。総理大臣というのは、ある意味じゃ二十四時間、一年三百六十五日、これはすべて国民のために投げ出さなければいけない立場なはずです。そんなときに、いろいろな理由で行かれたとは思いますけれども、そこのところでそういう開き直り、そういう言いわけ、ここがいつも国民が何でというふうに思うところだと思うんです。そこをしっかりと認識していただきたいと思いますが、どうですか。

森内閣総理大臣 いつもこういうところで誤解を受けるんですが、これはぶら下がりといいましょうか、正式に立ちどまって話し合うという、そういうやりとりではございません。

 私が申し上げたのは、ゴルフ場のクラブというのは、これはクラブによっていろいろな仕組みがあるのでしょうけれども、私は、ここがプライベートな場所ですよという意味のことを申し上げたのです。

 私のプライベートだと言っているのではないんですよ。ゴルフ場のそこに入ってくることが、普通はみんな入り口で全部とめられますよ、ホテルでもそうですよ。ですから、そこへ入ってこられたから、ここはプライベートな場所ですよ、こう申し上げたのです。

高木(陽)委員 総理、それはその言い分だと思うのです。だから、そういう形ではなくて。野党の皆さんが今言っている、総理を守らなければいけないと。守ろうと思うからこそ、こういうあえて厳しい言い方をするわけです。国民は、与党だとか野党だとか何党だとかということではなくて、この問題について、日本のトップリーダーがそういう判断をしてもらいたい、そういう願望があるわけです。ということで、あえてそう申し上げているということを御理解いただきたいと思います。

 もう一つ、これは報道されていろいろと物議を醸し出している問題で、ゴルフの会員権の問題がございます。総理は、このゴルフの会員権の問題で、名義が自分の場合、これは贈与になるのかならないのか。ここでみんなが怒っているわけですね。総理は、それをどうお考えなのか。

森内閣総理大臣 ちょっと長くなって恐縮ですが、大事なところですから申し上げます。

 昭和六十年三月ですから、十五、六年前の話でありますが、戸塚カントリー倶楽部の会員権をたまたま会社として二口所有しておりました私の長年の友人がおりまして、そして、ちょうど私は五十二年ごろから腰痛でしばしば支障を来しておりまして、そういう話をいたしておりましたときに、医師から、できるだけ運動するように、週に一、二度はゴルフぐらいした方がいいですよと、そういう指摘は受けておりました。

 私は、まだそのときにはなかなかそういう状況ではございませんでした。友人たちが心配をして、なかなかウイークデーにできるわけでもないだろうから、土日にできるだけ近いところでできるようにしたらどうかということになって、御好意として、プレーが可能となるような会員権の名義を、私が使用できるような形にしていただいた。こういう申し出を私は快く受けたわけです。

 そのかわり、友人との間には、書面によって、今御指摘があったように、会員権があたかも私の所有のように、そういうふうにとられてはいけないし、私自身もそういう気持ちは全くないのでありますから、したがって、会員権の所有権はその友人の会社にあること、そして及びその友人が会員権の名義貸与を求めたという場合は三カ月以内に名義を移転する、こういうことも確認をいたしておりまして、また、友人の会社の方も、当該その会員権は自分の会社の資産としてきちっと計上しているわけでありまして、したがって、その会員権は私のものではないということだけは、これは明らかなわけであります。

 本件につきましては、当時、私の事務所を通じまして、税務届け等がございますので、そのときにはいわゆる税理士とも十分相談をいたしております。特段税法上にも問題を生じることがない、こういう税理士の指導でもございました。誤解を招きますので、ほとんど使っておりませんでしたし、この際、友人との合意を解消して、そして速やかに会員権の名義の移転を今いたす手続を開始いたしておりますことを申し添えておきます。

高木(陽)委員 時間も限りがないのですけれども、例えば、これもいろいろと報道されているいろいろな識者等々のコメントの中にあったのは、例えば、定期券を買ってもらった。これは岡野加穂留さんが言っていたことなんですけれども、定期券を買ってもらって、名義を変えて、それでずっと電車に乗っていた。今久間さんが言われましたけれども、それはちょっと違うかもしれない。でも、一般の庶民感覚からしたらそういうことなんです。

 例えば、親が子供に、これも新聞に書かれていました、家を買ってあげた。名義は子供の名義にした。普通だったら贈与になる、贈与税がかかる。ところが、念書を書いて、これは親から借りたんですよ、そういうような中で、いざとなったら返しますから、私は税金は払いません。

 今確定申告が始まりました。庶民は、一般の人は、そういったことに対してやはり潔癖さを求めているという、ここら辺のところを、さっきから何度も言いました。言いわけ、言い分はあります。言い分はあります、総理自身は。でも、そういった中で、やはりトップリーダーですから、そういったところでのけじめだとか、そういうものをしっかりと持ちながらやっていただきたい。それを強く与党の一員として求めて、質問を終わりたいと思います。

野呂田委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。

 次に、井上喜一君。

井上(喜)委員 保守党の井上喜一でございます。

 まず、私、最初に宮澤財務大臣から御質問をさせていただきたいと思います。

 イタリアのパレルモでG7の会議がございまして、宮澤大臣が政府を代表して出席されました。その少し前、経済の月例報告がございまして、日本の経済も従来とはいささか違った様相を呈してきているというような報告がございました。アメリカの経済の減速等々で輸出が減退をするといいますか、やや弱含みになるとか、個人消費が依然として回復しないとか、あるいは物価が低落をしている等々、回復のテンポがより緩やかになっているというような総括判断でございました。

 そういう中でのパレルモでのG7の会議だったと思うのでありますが、出席されまして、今後の日本の財政、金融の運営につきまして留意すべき点があるなというようなことをお感じになりましたら、そういった点、どんな点だったのかお聞かせいただきたいと思います。

宮澤国務大臣 お時間のぐあいがおありになりましょうから、アメリカ経済のことをちょっと省きまして、日本に直接関連する部分だけ申し上げます。

 声明の文章は比較的簡単でございまして、日本では景気の緩やかな回復が期待されるが、物価の下落が続き、下方リスクは残っている。この観点から、金融政策は潤沢な流動性供給を引き続き確保すべきである。金融セクターをさらに強化する努力が拡充されるべきである。このステートメントは、準備の段階ではまだ日本銀行の二月九日の新政策が出ておりませんでしたが、新しい政策が出ました後、このように日本に関する部分をやや書きかえております。

 したがいまして、関係者の認識は、日本の財政は相当極限まで来たということは当然知っておりますが、それについて、金融の問題はどうなんだろうかということはひとしく疑問に思っていたが、日本銀行がかなり思い切った政策を発表した、ちょうどその直後でございますので、したがって、それはわかったが、その成果というものは果たしてどういうものであるのかなと。依然として日本経済には下方リスクが残っているのではないかというのが基本的な関係者の持っている疑問でございまして、この点は、井上委員の言われましたように、先日の月例経済報告が述べておりますことをもう少し端的に述べておる、こうお考えくださって私どもと問題意識は共通である、こう申し上げていいのだと思います。

 そこで、最後の、金融セクターをさらに強化せよというのは、先ほど亀井委員にも申し上げましたのでごくごく簡単に申し上げますが、金融機関が不良債権をどうして償却してしまわないのか。これを引き当てで持っているということは相手との、日本の債権債務はプロジェクトについてより相手の会社との関係が多いものでございますから、相手の会社が十分な力がある場合には、また取引関係もあって、特定のプロジェクトについてそれを償却してしまうということは金融機関はなかなかいたしません。それがアメリカが常に不満に思っている点ですが、それなりにはその理由があるのですけれども、しかし、金融機関にとってそれは相当の負担じゃないか。そういう意味では、やはり償却するものは償却して、身ぎれいになってもらわないと、なかなか日本の金融機関は、外から見るといつでも古いものをしょっているし、それでは競争力もなくなるじゃないか、こういうことに特に議論が集まった、こう申し上げていいかと思います。

井上(喜)委員 どうもありがとうございました。

 次に、機密費についてお伺いをいたしたいのです。

 KSDとか原潜問題につきましては、当委員会におきます質疑を通じまして、大体概要というのがはっきりしてきていると思うのです。したがって、これからどうするのかというようなこともはっきりしてきていると思うのでありますが、どうも機密費につきましては、問題になっていることの全体がよくわからない。国民の目から見ますと、どうも外務省が余り情報の開示に積極的でないんじゃないか。もっと極端に言いますと、何かある種のかかわりがあるんじゃないかというような憶測すら生ずるような状況なんです。

 私自身も、外務省からお聞きしますと、十二月の中旬に警視庁の方からの事情聴取がありまして、その内容を外務省も承知したということなんですね。調査内容が発表されましたのが一月の二十五日なんです。中身を見ますと、五千四百万、つまり公金横領を固める、そういう調査になっているような感じがいたすわけであります。

 私は、この四十日間余りの期間があれば、相当のことが調査できたんじゃないかと思うのです。松尾室長の口座、二口座についても調査をしたということでありますから、いろいろなことがあったんじゃないかと思うんですね。もとより機密費でありますから、公表できないところは公表できないのですけれども、要するに、私用にわたるようなところがあったんじゃないか、そういうようなことは公表すべきだと思うのです。あるいは、外務省の職員の私的な飲食にこういった金が使われているんじゃないかというような、そんな疑問ですね。これを明確に、そうじゃないということを言わないといけないと思うのです。

 そのためには、幹部に調査をするというようなことですね。これはすぐできます、書面の調査というのは。その上で、関係が深かった人に個別に面接をして調査するというようなことをすべきだと思うのでありますけれども、どうもその辺のところがすっきりしないといいますか、ゆっくりしているような感じがするのです。

 私は、これはちょっともう時間がありませんので御答弁は求めませんけれども、ぜひきちっとやるべきことはやりまして、公表できるところ、あるいはすべきところはやはり公表していくということをぜひお取り上げを願いたいと思います。

 そこで、私は、機密費もなかなか大事でありますけれども、ODAですね。これも、ODAの見直しの議論があります。けれども、ODAの経費が必要であることはだれしもが認めるところでありますけれども、対象の事業がどうなのか、その必要性とか緊急性等々から見ましてどうだろうかというのは、これはもう当然のこととして見直されると思いますけれども、もう一つは、その事業を実施いたします場合の実施の仕方につきましても、私は問題があると思うのです。

 たまたま、こういう事業があるんですね。資料を出してくれと言っても、外務省はなかなか出してくれないんですよ。きょうは持ってこなかったけれども、こんなでかい英語のものでばっと持ってきたりしまして、それからあと、事業概要といったって、七行ぐらいですっと持ってくるのです。わからないんですよ。本当に不親切だと思うのでありまして、何か問題があるのじゃないかと、それこそ私だって感じざるを得ないのです。

 これは、こういう事業なんですね。これは私は、この事業がというのじゃなしに、典型的に恐らくほかの事業に共通する問題があるのだろうということで申し上げるのであります。

 それは長江の、長江といいますのは揚子江ですな、昔の。長江の支流に漢江という大きな川があるのですが、そこの上流の地域で造林をするのに必要な機材、機械器具等々の供与の事業なんです。大体十二億円ちょっとぐらいの規模の事業でやったのですが、中身はどんなものかといいますと、苗畑ですね。つまり、松なんかを植えるので、松の木を育てる苗畑の機材、これはビニールハウスだとかあるいは水をかけるかん水の施設とかフォークリフトとかトラクター等々、台数等ありますけれども、そういうことは省略いたします。

 それから、造林用機械、これは給水車とかバックホーなんかですね。あるいは調査設計機材、それから林道開設用機械。これには、ブルドーザーとか油圧のショベルとかオイルローダーとかトラック等々ですね。それから運搬機械、これは耕うん車とかバスとかあるいは四輪駆動車なんかです。それから普及、訓練用の機材、要するに技術員を訓練するというので、映写機、テレビ等々。それから科学研究用機材というので、これは気象観測とか、そういった顕微鏡等々の機械。それから種子処理機械、これは種をまきますから冷蔵庫なんかを何台か入れる。

 それから、森林保護用機材といいまして、これは湖の周りなんかにあるらしくて、モーターボートを二台とか、オートバイを九十四台とか、トランシーバーとか双眼鏡とか等々となっていまして、これを中国政府が一応対象の業者を選びまして、それについて日本政府に承認を求めてくる、こういう仕組みになっているんですね。

 それで、中国政府が入札をしたんですが、この入札、三社応札しまして、実際したんですよ。この三社というのもいかにも少ないんですよ。私は、どうしてこうなのかよくわからないんです。たった三社なんですよ。大した中身ではないんです。そんな事業にたった三社なんです。これを、私はきょうは答弁求めませんけれども、よく調べておいていただきたいと思うのです。

 その次。

 応札をしましたら、一番低いのが七億六千八百何万です。四捨五入して七億六千九百万でしょう。その次が十億四千九百八十万だから十億五千万でしょうね。それから三番目が十一億九千九百万ぐらいの応札価格になっているんですね。これは二番札が落札したんですよ、二番札。実に二億八千万余りの差があるんです。二五%以上の差があるんですね。

 なんでそうなったのかといいますと、ビニールハウスでかん水をするんですが、そのかん水の、つまりスプリンクラーのちょっと、口のところの大きさが差があると。この仕様書には八ミリと書いてあったと。八ミリ。それが十三ミリだったというんですよね。それが不落の原因になったというんですが、それにしても非常にこれは差が大き過ぎるということで、私は、こういった場合、日本政府がやるんじゃないんですから、中国政府がやって、それを日本政府に承認を求めてくるんですからね。余りにも大きい価格差の場合はもう一度そこを直させて、どれぐらいなんだ、直した場合どれぐらいになるのかというようなことを私はやるべきだと思うのです。

 私は、ずっと調べましたら大した金額じゃないんです。確かに仕様書では八ミリです。最低価格で入札したのは十三ミリだけれども、価格差としてはそんなに大きくありません。こんな二億八千万も違わないんです。

 ですから、その辺は、中国政府は中国政府なりで業者を選んだと思うのでありますけれども、日本政府はそれをチェックしないといけないんじゃないかと私は思うので、ぜひともそこのことをこれから検討していただきたいと思うのです。

河野国務大臣 御指摘のとおり、無償資金協力につきましては、我が国政府と途上国政府との間で資金供与に関する交換公文というものを締結いたしまして、その後、両者で合意をした無償資金協力調達ガイドラインというものをつくって、それに沿って一般競争入札を行うということでございます。一般競争入札を行うということは、透明で、しかもフェアな条件で入札が行われるということが大事なことでございます。

 御指摘の案件では、最低価格を提示いたしました、今おっしゃいました七億数千万ですね、応札企業の機材のスペックが全体として二十六件、金額にして三〇%の点で入札仕様に合致しなかったと。また、御指摘以外にも、プロジェクトの実施に大きな支障を生じるおそれがある点もあったために、中国政府が失格と判断したものだというふうに聞いております。

 しかし、今委員御指摘のとおり、国民の税金を原資として使う無償資金協力でございますから、これが効果的に、なおかつ両国の友好関係といいますか、両国関係をよりよくするということのために使われるというのが一番大きな目的であることは当然でございます。

 今後とも、入札時の技術審査を強化するということなど考えまして、より効果的、効率的な無償資金協力の実施を行わなければならぬというふうに考えております。

井上(喜)委員 スペックを間違うということ、つまり、仕様書、設計書がありまして、その中で特定の機材のスペックをいうんですが、これを間違うというのは、私は役所の人、業者の人にも、いろいろな方に聞いてみましたよ。あり得ないことだと言うんですよ。本当に不思議だと言うんですよ、これ。そういうこともありますから、これもよく調査していただきたいんです。

 ですから、私は、まず一つは業者数がなぜこんなに少ないかということと、こんなスペックを間違うなんというのは起こり得ないこと、よく調べていただきたい。それから、今申し上げました、大きな金額の差がある場合は、仮に中国が、中国というか被援助国の方が採用しなくても、もう一遍日本の方で再検討して適切なる判断をすべきである、そういうことですね。この三点をお願いして、三点目は、よく承知しましたというような趣旨で私は受け取りました。

 さて、そこで公共事業でありますけれども、公共事業の見直し、これは大分十三年度予算でやられてまいりまして、事業の重点化でありますとか、経費を体系的に整理して再編成をされるとか、あるいは個々の事業につきましても見直しがされてきた、あるいは地方公共団体が配分権を持ちます統合補助金、こういうのはさらに拡充されてきた、こういう点で一歩も二歩も前進をしてきたと思うのでありますが、私は、きょうは道路につきまして、質問の時間の関係もありますので質問いたします。

 道路予算の見直しも当然こういう範疇の中でやられておりますけれども、どちらかといいますと、最近は町づくりに関連して道路をつくってほしいというような要望が多くなってきているんじゃないかと思うので、また公共事業の希望の中でも道路事業というのは一番多いと私は思っておりますけれども、当然そういった地域のニーズに応じたようなこと、例えばマラソンコースをつくってくれなんて、マラソンコースだって道路ですから、そんな要望もあるんですけれども、こういった点につきましての、国土交通大臣でも道路局長でも結構ですが、お答えをいただきたいと思います。

大石政府参考人 お答え申し上げます。

 新しいニーズに対応した道路整備についてお尋ねがございました。道路整備につきましては、これまでも国民の御意見や地域の御要望をお伺いしながら事業を進めてきたところでございます。

 具体的には、例えば、住居系地区におきましては、車道部分をジグザグにすることなどにより歩行者を優先したコミュニティー道路の整備でありますとか、あるいは、歴史的な史跡を歩ける形で結んでいこうというようないやしのみちづくりといったような整備など、地域のニーズを踏まえ、地域主体の魅力づくりを支援する道路整備に努めているところであります。

井上(喜)委員 そういう小型の道路は当然でありますが、もう少し、マラソンコースなんというのは大きいのでありますが、こういう点についてはいかがですか。

大石政府参考人 地域からの御要望を踏まえて道路整備をする際に、今委員から御指摘ございましたように、マラソンコースとして必要な認定が行えるような、そういう整備をやってほしいという声も確かにございます。

 具体的には、自動車交通を迂回させるためのバイパスの整備なども含まれると思いますが、さらに、マラソンに参加しやすくするため、スタート、ゴール地点における駐車場や休憩施設の整備、コース途中の距離標の設置など行っていきたいと考えてございます。

 また、マラソンコースを活用したイベント等が同時に行われることがございますが、こういった際につきましても、関係の機関と種々の協力をしながら、道路管理のあり方でありますとか、地域の方々の協力のもと、種々の施策を実施したいと考えております。

井上(喜)委員 この原潜問題、きょうも大分取り上げられましたが、ハワイの新聞というのは、ちょっとこれを私は拝見させていただきましたけれども、物すごい記事ですね。東京で取り上げる記事以上にこの悲劇的な事故を取り上げているんですね。記事の中身につきましても、日本と同じであります。ですから、恐らくこれは、松山の方で、愛媛県の方で発行されている新聞なんかと同じレベルの、あるいはそれ以上かもわかりませんけれども、やはり向こうに原因がありますから、そんな取り上げ方であります。この記事を読む限りは、恐らく問題意識もそんなに違わないんじゃないかなと私は思いますので、日本政府の方もひとつしっかりと頑張ってやっていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

野呂田委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。

 次に、森田健作君。

森田(健)委員 21世紀クラブの森田健作でございます。よろしくお願いいたします。

 何分持ち時間が十分なものでございますから、一つにまとめてお話しさせていただきます。

 九年前、私が参議院に初当選したとき、文教関係に参りたい、そのように申しましたら、文教といえばこれは森先生だよ、非常に熱心だし、精通しているし、言うなれば文教のドンだと私は聞きました。私は、文教の巨匠じゃないかな、そのように思っている次第でございます。

 総理、競い合うということはそんなに悪いことでしょうか。私、最近の学校教育を見ていると、何か首をかしげるようなところが多いんですね。

 運動会、一位、二位、三位、四位、五位、六位、七位、順番をつける学校が最近は少なくなってきているんだそうでございます。過日、予算委員会で町村大臣がおっしゃいました。用意ドン、みんなぱあっと走った、さあゴール前になった、みんなで手をつないでヨイショとゴールインする。これはおかしいですよね。その理由は何か。差別をしちゃいけない、足の遅いやつもいるんだ、子供たちは平等でなきゃいけない。

 棒倒し、騎馬戦、組み立て体操、これもだんだん少なくなってきている。なぜならば、けがをする、けがをしたら一体だれが責任を持つんだ、そういうことで少なくなっているんだそうです。総理、こんなことをやっていたら、運動会の競技なんというのは本当に玉入れとお遊戯だけになってしまいますよ、私、そう思いますよ。

 では、クラスに戻って考えてみましょう。試験のテストがあった。その順位をクラスに張り出すということは最近ほとんどないんだそうです。つまり、出ない子がかわいそうじゃないか、これは子供を差別しているんだとか、それから、これが受験戦争につながる、果ては落ちこぼれにつながるんだ、そういうことなんでございます。

 私、おかしいと思うのです。そうじゃなくて、私は競争心をあおれとは申しません、しかし競争心を持つことは大事だと思います。要するに、よし、今度あいつに負けたな、でも、おれは今度あいつに勝つぞ。それで、頑張っている中において友情が生まれ、ライバルが生まれ、そして向上心、自分が切磋琢磨するという気持ちが生まれると思うのです。

 私は、数年前イスラエルに参りました。教育関係者に会いました。その教育関係者が生徒と面談するときに必ず最初に聞くことがある。君はほかの生徒とどういうところが違うか、ほかの生徒よりどういうところがすぐれているか、それを聞いて、その子のいいところを集約し伸ばすような学習カリキュラムをつくるんだそうでございます。

 人間というのはみんなそれぞれ役割があって生まれてきたんだと私は思います。人それぞれ顔が違います。得意な分野もあるでしょう、不得意な分野もあるのです、当たり前ですよ。学校で、おれは英数国はできない、でもさ、おれは野球をやったらみんなに負けないよ、おれは歌を歌ったらみんなに負けないよ、おれは機械いじりをやったら絶対負けないよ、そういう子供たちもいると思うのです。いっぱいいて当たり前ですよ。だったならば、そのいいところを教育者が、先生が見つけて引っ張り出してあげて、それを伸ばすような教育カリキュラムをつくってあげてしかるべきじゃないかな。そうするならば、私は、その子も非常に自信も持つし、また勇気も持つし、そして将来の大きな羅針盤になるのではないでしょうか。

 これは余談になりますが、例えば、町村大臣、町村大臣のころ、私は政務次官としてお仕えしました。当時、文部省内で、町村大臣は非常に頭脳明晰、頭がいい人だ、あの人は一言ったら十わかる、言うならば五段階のオール五だと。それでは森田健作はどうだと。体育は五だ、音楽は四、あとは全部三だ、時々二がまじることもある。そういう町村大臣に、私が学業で一生懸命やったって、大臣に私が勝つわけがないですよ。でも、大臣、これだけは忘れちゃいけませんよ。大臣と私が短パンをはいて夕日に向かって走ったら、私の方が格好いいですよ、大臣。これだけは譲れません。言うならば、お互いに長所を使って、大臣は東大に入った、私は松竹映画に入って青春スターになったんですよ。

 まあ、大変くだらないことを申しましたが、でも、やはり私は、そういう競争する心と、そしてその人の個性を伸ばす心というのは非常に大事ではないかな、そのように思うのでございます。

 大臣、今大臣も、いろいろくちゃくちゃ言われているところでもございましょう。でも、大臣の長所は教育なんですよ。この国会を教育問題と位置づけたじゃないですか。その教育、もううっぷんを晴らすような気持ちで、自分の熱い気持ちをぜひこの際お話ししていただきたい。それと同時に、町村大臣、今の子供たちの教育をお話し賜りたいと思います。お願いします。

森内閣総理大臣 思いを話したいのですが、三分しかございません。町村大臣の分も余計残さなきゃならぬと思っております。

 先般、国会の予算委員会の中でも、私はテレビを拝見しておりました。町村さんから、たしか結果の平等ということをおっしゃったと思いますね。最近ではやはり、結果平等であればいいんだということがどうも前面に出過ぎたのではないかな。だから、走るところまでは一緒で、ゴールに入るときは一緒だ、こうなるんですね。

 単にスポーツだけではなくて、例えば学芸会というのも、最近どういうふうに行われているのか。乙姫様になりたい人がたくさんいて、浦島太郎と乙姫様になるのは二人しかいないわけで、どうしてうちの子はタイやヒラメなんだろうか、そういう苦情が出るので、それで、そういうのはできるだけしないようにして、みんなで、全員参加させるんだということを聞きました。

 要は、やはり大事なことは、競争するということは私はいいことだと思うのです。おっしゃるとおりだと思います。結果よりも、それに参加することに平等であるということだろうと思うのです。したがって、今おっしゃったように、大学が区別をするのではなくて、結果としては、やはり教育というのは、その人それぞれの能力と個性というのがあるわけで、その能力と個性をどう引き出すかということが教育なんだと思う。ですから、教育は、エデュケートするというのはそういう意味だろうというふうに、私は識者からもそういうふうに伺っております。

 問題は、教師が順番をつけることに、あるいは乙姫様にすること、浦島太郎にすることに、教師は恐れてはいけないと私は思うのです。先生の考え方として、あるいは、みんなで合意をしたことに、こうだと決めることが大事なのであって、そして、みんながなれなかったら自分は何をやるかということを、さらに自分の個性と能力に応じて努力していく、そういう環境をつくることが教育の場だろうと思う。

 それが、なぜ最近そういうことを怠るようになったかというと、やはり教師が自信を持っていないということが一つあると思う。それからもう一つは、親が構い過ぎるということもあると思う。だから、父兄が学校に任せたら、教員は責任を持ってやるということでなきゃならぬ。

 そういう基本的な考え方に立って、今回、教育改革をやろう、こういうことで、この国会に教育改革、一連の改革法をお願いすることにいたしておりますので、ぜひひとつ森田議員も御協力いただき、御賛成を賜り、またあなたのこれまでの得られた知識をぜひお聞かせもいただきたい、このように希望いたしておきます。

町村国務大臣 お時間もないということだから一言だけにさせていただきますが、もうちょっと実務的に申し上げますと、平成十四年度から新しい学習指導要領が始まります。

 その中で、ゆとりのある教育を展開し、しかしゆとりと緩みは違うということで、基礎、基本は徹底する。その上に立って、個性を生かす教育ということを大いにやっていこうということで、今森田委員の御指摘のとおりの方向で、少しでもいい学校づくり、教育づくりをやっていきたい、かように考えております。

森田(健)委員 ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて森田君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

野呂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、公聴会の件についてお諮りいたします。

 平成十三年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと思います。

 公聴会は来る二月二十七日、二十八日の両日とし、公述人の選定等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

野呂田委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 質疑を続行いたします。池田元久君。

池田(元)委員 民主党の池田元久でございます。

 私の質問時間に強行採決をされるというのは、大変遺憾でございます。この前の理事会で、委員長職権で公聴会の日程の採決を強行いたしました。

 私は、各委員の方々や国民の皆様に申し上げたい。この委員会では、KSD、機密費の問題等について審議を続けております。また、真相究明、政治的、道義的責任の追及のために、村上元労働大臣、額賀前経済財政大臣、それに外務省の松尾前要人外国訪問支援室長初め五人を証人として喚問するように求めてまいりました。自民、公明、保守、与党三党は、理事会で協議をすると言っておりました。それは結果的には引き延ばしであったわけであります。先ほど、証人喚問を事実上拒否する回答をいたしました。

 そこで、自民党総裁である森総理大臣、真相究明のために証人喚問に応ずるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

森内閣総理大臣 たびたび本会議等でもまた当予算委員会でも申し上げてきたと思いますが、いろいろそうした疑惑がかけられたということであれば、できる限りそのことについて自分でその疑いを晴らすための努力をするということは重要だ、私はこう指摘をしてまいりました。

 今御指摘がありました証人喚問につきましては、これは議会運営上の問題でございますから、議運で今まさにそのことについて御協議をされておる、そのように承知をいたしておりますので、どうぞひとつ議会の中で結論を適切に出していただきたい、このように思います。

池田(元)委員 総理大臣のリーダーシップと言われておりますが、ぜひここでも、ここだけでもいいですから、リーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 KSD問題は、KSDの金と票で議席を買うという、まさに自民党政治の腐敗した構造そのものであります。機密費問題は、外務省ぐるみの疑いの強い巨額の公金横領事件です。与党の対応は、全く不当な疑惑隠しと言わざるを得ません。臭い物にふたということであります。私たちは引き続き、証人喚問を実現するために行動を強めていきたいと思います。

 さて、野呂田委員長、休日の間に太平洋戦争を正当化する発言をされたようでありますが、どんな要旨であったんでしょうか。

野呂田委員長 予算委員長の役目は、予算委員会をスムーズに運営することにあります。委員と委員長の間の応答というのは、私は慎むべきだと思います。

 言いたいことはたくさんありますけれども、後刻理事会において十分協議をしたいと思います。

池田(元)委員 私が質問者ですから、どうぞ言いたいことがあったら答弁をしていただきたいと思います。

 野呂田委員長は、農林水産大臣をおやりになった後、小渕内閣で防衛庁長官を務められたわけです。この報道によりますと、太平洋戦争を大東亜戦争と言って正当化する発言をしております。そして、戦いに負けたのは政策の誤りだった、こんなふうに責任を矮小化しております。また、問題なのは、日本はやむを得ず南方の資源を確保せざるを得なかった、まさに武力進出を肯定しております。

 この報道による野呂田発言、森総理大臣に感想を一言お尋ねしたいと思います。

森内閣総理大臣 野呂田議員の発言につきましては、直接伺ったわけではありませんし、今、新聞のコピーなども拝見をいたしておりますが、現時点でこのコメントは差し控えたいと思っております。

 政府といたしましては、これは一九九五年八月十五日の村山内閣総理大臣談話を基本といたしておりまして、我が国が過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配や侵略により、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたとの認識であるということで、政府は一貫してこの考え方でおります。

池田(元)委員 まさに総理が後半述べられたような、そういう認識で私たちもおります。野呂田委員長の発言は、これと大きくかけ離れた内容であると私は思います。

 そこで、もうお一方、公明党出身の坂口厚生労働大臣、一言感想をお尋ねしたいと思います。

坂口国務大臣 野呂田委員長の御発言につきましては、私も十分に存じ上げておりません。今、新聞を少し拝見をしたところでございます。

 私個人の考え方といたしましては、この太平洋戦争というのは、中国などに対する侵略的行為があって、それに対する欧米からの反発があり、その結果として太平洋戦争に発展をしたと考えておりまして、いろいろの考え方があると思いますけれども、私はそのように考えております。

池田(元)委員 委員長、よくおわかりいただけたと思います。

 あなたは防衛庁長官をやっていた。そのときにこのような考えでいたのかと考えると、我々はもう前のことではございますが、そんなことでよかったのか、そんな感じがいたします。

 あなたに申し上げたい。有名な演説があるんですが、西ドイツのワイツゼッカー大統領が一九八五年の五月、森さんがゴルフ会員権を取得した年でありますが、ドイツの敗戦四十周年に当たっての連邦議会で、「過去に目を閉ざす者は、結局のところ現在にも盲目になる、非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすい」と述べました。名言であります。よく肝に銘じていただきたいと思います。また野呂田発言については、引き続き追及をしてまいりたいと思います。(発言する者あり)こういう戦争の反省がないのが自民党の議員の一部にいるわけであります。

 きょうは久々に森総理大臣が出てこられましたので、これから、ちょっと順序が逆になりますが、ゴルフ場の会員権問題、また危機に対する総理の対応を中心に質問をしてまいりたいと思います。

 質問に入ります前に、不幸な事態に遭われたえひめ丸乗組員、家族の方々に心からお見舞いを申し上げます。また、行方不明となられている九名の方々の一刻も早い発見を心から願うものであります。

 さて、総理大臣、ゴルフの会員権問題が二つも出てまいりました。総理大臣の説明を聞く前に、一般論として財務大臣にお尋ねしたいと思うんですが、まず一般論として、他人の名義でゴルフ会員権を取得した場合、または名義の変更が行われた場合、税法の上では課税関係はどうなるんですか。端的にお答えしていただきたいと思います。原則どうなるのか、お尋ねしたいと思います。

宮澤国務大臣 おっしゃいますように、具体的なケースがわかりませんので一般論として申し上げますが、他人の名義で不動産、株式等の資産の取得が行われました場合には、原則として、その名義人に対する贈与として税法上は取り扱っております。

 したがいまして、両方が個人であればそれは贈与税の対象になりますし、贈与者が法人の場合には、名義人が所得税の一時所得の対象となるはずであります。

 そこで、それが一般の原則でございますが、資産の取得の経緯、その後の管理の状況等から、贈与の事実がないことが確認された場合には一時所得の課税は行われません。例えば、その財産権が会社に残っておった場合には、移転が行われなかったかどうかといったようなことは、具体的について調べませんと申し上げることができません。

池田(元)委員 お手元に資料が行っていると思いますが、この上の方に書いてあるとおり、他の者の名義で新たに不動産等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものである、これが原則であります。

 では、森総理大臣の場合、具体的にどうかということをお尋ねしたいと思いますが、戸塚カントリー倶楽部の会員権について、総理が一九八五年の二月、電気部品製造業のN社長のおかげで会員権の名義を手に入れた。この社長が会員権を四千万円で買ったのは、その直前ですね。まず、端的に一点だけ答えてください。

森内閣総理大臣 今御指摘がありましたN社長がお買いになった、移転とかそういうことは私は全く承知をいたしておりません。あくまでもN社長から御好意によって、できたらいつでも使えるようなふうにしてさしあげたいのでと、こういうお話でございました。もちろん彼とは長い友人としておつき合いをさせていただいていた、そういう関係でその御好意を受けたということでございます。

池田(元)委員 私たちの調べでは、直前ということであります。

 この社長は、自分の名義にせずに、最初から総理の名義にしたので、結局、総理は取得費用を肩がわりしてもらったと見られてもやむを得ないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

森内閣総理大臣 どうも池田議員は、別の方が、Nさんがお買いになるのを、私が買えないからかわりに買って代金を払ったというふうに、どうもそういうふうに御自分で想定をされて質問をされているんだろうと思いますが、私は、あくまでも自由に使えるようにしてくださる、そういう御好意からお受けをさせていただきましたけれども、しかし、これはまたあらぬ疑いをかけられてはいけないというふうに考えましたし、大変貴重なものでもありますので、そのN社長との間に、この会員権はあなたの会社のものでありますよということで、私のものではないということを明確にお約束する、そういう約定書を交わしたということであります。それに対する手続料とかあるいはその後のプレー代も、私が支払うということは当然なことだと思っています。

池田(元)委員 端的に答えていただきたいんですが、肩がわりで取得したと思われてもやむを得ないと私は言ったわけですから。私はそうだと思いますよ。

 では、別の面から聞きます。

 資料の二ページに出ておりますが、総理はこのゴルフ場の個人正会員ですね。ハンディキャップは言いませんけれども、真ん中あたりに総理の名前がある。これは紛れもない個人正会員です。総理は、クラブの定款にのっとり、正会員三人と役員一人の推薦を受けて、この社長の購入先の前会員と連名で名義変更願を出して、八五年二月六日、理事会の承認を得た、そして三月の七日、名義書きかえ料を支払って個人正会員となったわけです。

 ゴルフ場会社の責任者は、この社長が所有者とは全く知らなかった、手続は個人正会員になる普通の手続だった、入会してからも他の正会員と全く同じ扱いだと話しておりました。会員名簿には正会員として記載されております。そして、クラブハウスのボードには、森首相の名前がこのように掲げられている。

 総理は、裏のいきさつはどうであれ、名実とも個人正会員の権利を享受する立場にあったわけですね。このようなケースは、ごく常識的に言って、庶民感情からいっても、贈与ということにはなりませんか。

森内閣総理大臣 先ほどから申し上げておりますように、あくまでも使用することが自由に、正会員でなければ特に土曜日とか日曜日には行けませんので、そのような取り扱いを友人としてやってくださった、その御好意を受けたことです。

 ですから、くどいようですが、その会員権は私のものでないということを明確にしておかなきゃならないし、いつでもお返しをいたしますよということで、約定書も入れたのもそのような意味からでありますし、同時に、N社長の方も、これは私どもの財産です、資産ですということをきちっと会社資産として届けておられます。

 ですから、私どもがその会員権を譲り受けたと、先ほど池田さんはそのようにおっしゃっていましたけれども、そういう事実は全くないということをぜひ御理解をいただきたいと思います。

 ただ、今御指摘がありましたように、国民の皆さんからは多少そのことについてはやはり誤解を受けるというようなことであるとするならば、大変これは私としても反省をしなければならないことだと思っていますが、現実問題としてはほとんどここ数年も使用したこともございませんし、でき得ればお返しをしておけばよかったんだろうと思いますが、ついついそれも失念をしておったというぐらいの間隔でしか実は、その間ほとんど使用していなかったということでありまして、直ちにその社長の方に名義のお返しをするように、今その手続をいたしたところであります。

池田(元)委員 当委員会に、我々の要求によって、総理とその社長の方の間の合意書というものを、社長の方の名前を伏せて出していただきました。しかし、この合意書があると言われますが、これは、社長は期限の定めなく総理に会員権を貸すが、貸すのをやめたと言えば自分の名義にする、そういう約束なんですね。あくまで当事者間の約束ですね。

 税法では、だれが会員権を処分する権利を持つかが大きな判断基準になるとされております。国税庁もそう言っております。戸塚カントリー倶楽部の定款には、当然のことでありますが、資料の二枚目の真ん中にあるとおり、第十条に、「会員はその会員権を入会保証金と共に他に譲渡することができる。」と書いてありますね。これは当たり前のことですね。

 さて、総理は個人の間の約束があると言いますが、資料の三ページ目をちょっとめくっていただきたいと思います。ここに念書がございます。

 これは、一九九八年当時、ある方とある方が戸塚カントリー倶楽部のゴルフ場会社にあてたものです。今度のケースと非常に似ております。第三者に対して、実際にお金を出した人が処分権を持つことを明確にするため、名義人と念書を交わして、ゴルフ場会社がこれを承認したものなんです。

 ゴルフ場会社では、こういうのは通例になっていると言っております。税法上、処分権はこういう念書があったら明確なんですね。法律関係者に聞いても、当事者間の合意書は余り意味がない、これは不十分ということですね。

 いずれにせよ、このようなプレーができるという、普通の人が行ったら三万円を超えるビジターフィーを二万七千円ぐらい土曜日では安くできる、そういう個人正会員の立場といいますか会員権を行使できるわけですね。

 実際からいっても、今申し上げたように処分権からいっても、贈与でないという理由は極めて薄弱であると私は思いますが、いかがでしょうか。

森内閣総理大臣 どういう想定で池田議員はお話しされているのかわかりませんが、私と社長との間は友人でありまして、また、その前からたびたび戸塚に呼ばれて一緒にゴルフをいたしておる仲間でありますから、その仲間の皆さんもそのことをよく知っておられるんです。ですから、友人の御好意で、やっていただいたその好意に対して、政治家として裏切ったり自分のものにしてしまったり、そんなことはあり得ないことであって、私ができなくなったりあるいは議員をやめたら、もうそのままお返しすることは当然だ、そういう前提でお約束の書面を交わしたということでありますし、向こうの方も、そのことを前提として会社の資産として届け出てあるということでありましょう。

 そのことについては、私としては税理士と十分相談をしたということを、そういう指導を受けたということをぜひ御理解していただきたいと思います。

池田(元)委員 動機を幾ら言っても、残念ながらこの説明にはならないと思うんですね。やはり、実際どうか。名実ともにゴルフ場の個人正会員。そして処分権についても、多くの人がやるように、念書も入っていない。第三者に対して自分の権利を明確にできない。こういうものはもう贈与と言うしかないんですよ。それをあれこれ動機で説明してはぐらかして、そんなことでは審議できません。明確に贈与と認めてください。

森内閣総理大臣 たびたび申し上げているように、動機を申し上げているんじゃなくて、事実を申し上げているんです。

 ですから、友人の会社の方ではこれを自分たちの資産として届け出をして、きちっとそのことは税理士も掌握しておりますし、恐らく税務署もそのことを掌握しているんだろうと思います。私のものではないということだけは明確なんですから、それはそのように決めつけられても、お答えのしようがないんじゃないでしょうか。

池田(元)委員 それは、資産計上の話も聞いていますよ。しかし、会員証は紛失すれば本人が届ければ再発行できるわけですから、そんな理屈は通らないと私は思います。

 総理はちょっとびっくりした発言をまたされたんですが、十五日の朝、記者団に、税務署や税理士にも相談した、こんな例は幾らでもあると反論をした。どこの税務署と税理士さんですか。

森内閣総理大臣 私はちょっと言い違えましたが、税理士と御相談申し上げたということであります。

池田(元)委員 我が国の税務署の信頼がどうかと私考えましたけれども、若干安心をいたしました。

 その税理士さん、どこの税理士さんですか。

森内閣総理大臣 それは、私個人と税理士との関係でございますから、プライバシーに関することでございますし、そのことはここで申し上げることにはならない。しかし、毎年毎年所得の申告をするわけでありますから、今もまだやっておるわけでありますから、その都度税理士とお話をしているということは当然なことであります。

池田(元)委員 実名を挙げろというよりも、どういう関係でどういう方だということをお尋ねしようと思ったんですが。

 それよりも、こんな例は幾らでもあると言われた。税理士の人もちょっとびっくりしているんですが、総理自身もこんな例が幾らでもあると思っていらっしゃるんですか。

森内閣総理大臣 ケースはいろいろあるんだろうと思いますけれども、私はそのようにクラブでは聞いておりました。

池田(元)委員 いや、あなたはどう思っていらっしゃるんですか。総理御自身はどのように思っていらっしゃるんですか。

森内閣総理大臣 ですから、そういうことの話は、クラブ間でもメンバーの中でもいろいろなお話を聞いておりますので、そういうことはあるんだろうなという。私自身もそういうようなお話があったので、初めてのことですからね、私もそういうことでいいんだろうかということを当然友人に確かめますね。そうすれば、いや、こういうことはよくあるんだよということで、あなたのものでないということだけは明確になっているんだから、それでいいんじゃないですかということでございました。

池田(元)委員 幾らでもあるんだろうなと思われたということでありますが、それは思うのはそれぞれの勝手ですから、総理はそう思われたわけですね。

 官房長官、十五日午前の記者会見で、こういったことは世間的には一般ではないと私は思いますと明言されたようですが、そうですか。

福田国務大臣 いろいろなことがありますので、そういうこともあるかもしれませんけれども、私は、そうしょっちゅう聞く話ではないという意味で申し上げたのです。

池田(元)委員 それで、総理と女房役の官房長官が、随分違いますね。どっちなんですか、よくあるということは。これは納税者の名誉にもかかわるから、聞いておきたい。どうですか。

福田国務大臣 それを私が申し上げたのは、私の考えで申し上げたわけでございますので、じゃ何件あったらよくあるのかとか、そういったような話じゃないので、まあ、言葉のあやですね。

池田(元)委員 官房長官、今の発言、取り消してください。取り消しなさい。

福田国務大臣 まあ、たくさんあるかどうかといえば、そんなにたくさんある話ではないと思います。

池田(元)委員 総理、官房長官が、世間的には一般でない、こう言っていますが、あなたの考えはどうですか。

森内閣総理大臣 ゴルフ場で一般的にそういうことはなされないのだということは、その後、最近このことが話題になり、そのような発言がいろいろなところで見える、参考になりました。

 そういう意味では私も大変反省をいたしておりますが、当時として、友人の皆さんが私に、そういうことで自由に使えるようにしますよ、ぜひ健康のためにもどうぞやってくださいと言われたときは、正直言ってうれしかったですよ。ですが、しかしこのことは、私も、やはり大事なことですから、それだけ大事な、高価な会員権が私のものになるということはあり得ないことだけれども、そういうことで手続は構わないのですかということを申し上げたときに、その友人たちは、そういうことは時たまよくあることだ、こういうようにおっしゃいました。クラブの方にも確認をしていただきました。当事者同士でそういうお約束であれば結構だということだったわけです。

池田(元)委員 同じことを繰り返していただきたくない。それは先ほど言ったじゃないですか。そういう合意書があっても、第三者に対して権利を確保するためには、特にゴルフ場会社に対しては念書というものが一般的だ、これがよくあることなんですよ。総理のケースはよくあることじゃないのです。

 さて、贈与税の納税は時効になっているんですが、時あたかも確定申告のさなかで、国民の皆様方は納税の努力をしているときであります。総理はみずから国庫に贈与税の納税額分、四千万として大体一千二百万円余りとなるんですが、納めるべきではありませんか。

森内閣総理大臣 先ほどから申し上げておりますように、私のものではないのでありまして、その好意をしてくださった会社の資産としてきちっと届けてあるわけですし、私のものではないということの証明も私は出しているわけでありますから、私は、それで贈与税を払わなきゃならないというのは、どうもそこのところの意味がわからないのです。

 ただ、いずれにしても、今池田さんがそうした国民の批判というもの、誤解を招きやすいことだということについての御指摘でありますから、それは私は謙虚に反省をいたしております。そういう意味で、手続を今いたしておる、こう申し上げておるところであります。

池田(元)委員 私は、税法上贈与になる、このように言っているわけであります。

 もう一つのゴルフ場の会員権絡みの話がございますね。戸塚カントリー倶楽部の会員権問題に加えて、千葉県の浜野ゴルフクラブの会員権問題がまたまた明るみに出ました。これは、総理が知人の会社の法人会員権の単独の記名者として登録され、プレーする権利を無償で譲られた。その譲られた時期も、大体先ほどの戸塚と同じ時期ですね。今度は、名義は会社になっていると弁解をされておりますが、これは個人正会員と同じ扱いだ。要するに、民間の業者から無償で権利を譲り受けたことは共通しているわけです。この、長期にわたる、十五、六年間にわたる便宜供与に問題はないと思っていらっしゃるわけですか。

森内閣総理大臣 本件も、今明るみに出た、こう池田さんおっしゃいましたけれども、戸塚カントリーの問題が報道されましたので、同じようなことが御指摘をいただいてはいけないと思いまして、これは私の方から実は申し上げたことでございます。

 そして、これも同じようなときというのは、ちょうどそのころが私にとりまして一番健康上、ゴルフができるような、そういうことにしてやりたいという、私の友人たちがいろいろと心配をしてくれた好意でございまして、たまたまその会社に二口といいましょうか、二名できる分があるので、その一名をどうぞお使いください、こういうふうにお申し出してくださったので、私としても心からそれをありがたく受けさせていただいたわけです。

 ただこれも、あえて申し上げれば、いろいろと誤解を生み、また国民感情から見れば理解はしにくいという御批判があるということでございますから、これも直ちに、今、その名義を変更するように申し出て、その手続をとらせております。

池田(元)委員 長期にわたるこのような便宜供与、これは、問題ないというのではなくて、本当に問題があると私は思います。これは、どのような関係にあったかということはさらに我々は関心を持っていきたいと思っております。

 そこで、官房長官。福田官房長官は、十七日の夜、この浜野ゴルフクラブのケースについて、「この前とは違い、軽微なケースだ。法人会員で普通は社長と専務の名前を載せるところを森首相にしているということだ。」その後こう言っているんですね、「国会議員はみんなやっている」、このように述べたわけです。少なくとも私は、私の周りでは、私の近くにゴルフ場、二つも三つもありますが、そんなことは全く聞かない。福田官房長官、まじめに答えてくださいよ。国会議員がみんなやっているという根拠は何ですか。

福田国務大臣 何を見られたんですか、それは。新聞記事ですか。(池田(元)委員「そうですよ」と呼ぶ)私はそういうことを言った覚えはありません。

池田(元)委員 ここは否定しないと非常にまずいですよね。だけれども、これ新聞の二面に、官房長官はスポークスマンですからね、スポークスマンというのは普通は余り間違えないんですよ。全然言っていないこと書きますか。根も葉もないことは書かない。多少ずれることはある。しかも、一番デリケートな問題。皆さん、デリケートな問題ですよ。「この前とは違い、」云々と述べ、「問題はないとの認識を示した。」これ、本当に言っていないんですか。もう一度答えてください。

福田国務大臣 金輪際言っていませんから。

池田(元)委員 それなら、国会議員がみんなやっているという、こういう大変な発言ですからね、あなたが違うというのなら、抗議しなさいよ。(福田国務大臣「何新聞ですか」と呼ぶ)官房長官、抗議する意思があるかどうか、ちょっと聞きたい。

福田国務大臣 新聞社の名前を言ってください。(池田(元)委員「日本経済新聞」と呼ぶ)

池田(元)委員 官房長官、その対応は何ですか。だれでもわかっておるじゃないですか。日本経済新聞の二月十七日の朝刊。ちゃんと答えてください。

福田国務大臣 私はそのようなことは申しておりません。

池田(元)委員 先ほど質問したことに答えなさいよ。(福田国務大臣「何ですか」と呼ぶ)抗議しないのかと聞いているわけです。

福田国務大臣 新聞記者の書いていることはすべてそのとおりというように私は思っておりません。克明に見ていますけれどもね。しかし、それは間違いなく誤報です。

池田(元)委員 このとおり言ったとすれば、官房長官がうそをついて責任を免れるということになります。しかし、あなたはそうでないと言っている。これはちょっと聞いてみなければなりません。しかし、あなたが今言ったことは私はテークノートしておきますので。全く言っていないですね。――わかりました。

 さて、国会の予算委員会で、これまでしたような議論は、正直言って余りしたくないんです。しかし、戸塚カントリー倶楽部、浜野ゴルフクラブ、どちらのケースも、長期にわたり無償で一国の総理が便宜供与を受けていた。権力を持っている人が甘い汁を吸っているというふうに国民の方々は思っている。総理、政治家として大いに反省すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

森内閣総理大臣 十六年ほど前からのことでございまして、その当時としては、ゴルフを土曜とか日曜日にやれるということは私の健康上からいっても非常にありがたいことだと思って、本当に率直に友人の皆さんの好意に感謝をいたしました。

 便宜供与を長期にわたってと、こうおっしゃいますが、使用料も名義の書きかえも毎年の年会費、これも全部私が支払っているわけでありますから、便宜供与ということは私は当たらないと思うんです。同時に、そういう機会を与えていただいたということに感謝をしておるということであります。

 ただ、このことで、先ほどからたびたび申し上げておりますように、国民の皆さんから誤解をいただいている、そういうふうに……(発言する者あり)いや、池田さんからそういう御発言がございましたから、それについては私は深く反省をし、直ちにその手続を今変更させているということであります。

池田(元)委員 あなたは、言いわけすればするほどおかしくなりますね。反省しているなら反省すると言えばいいんですよ。便宜供与といっても私は払っているとかなんとかおっしゃいますけれども、国民の方々の立場からいったらどうですか。ゴルフ場の会員権というのは本当に高いものですよ。なかなか買えないですよ。しかも、会員権を持っていない人はビジターフィーで行くわけですよ、二万円も三万円も払って。それをあなたは、やすやすと十六年間もこういう便宜供与を受けている。そこを反省するのは当然じゃないですか。もう一言。

森内閣総理大臣 言いわけをしているというわけじゃないんです。だから、反省をしていると申し上げているじゃないですか。

 ただ、便宜供与というふうにおっしゃいますから、それについての使用料とか会員権等の費用とか、年会費ですよ、そういうものをきちっと払っておりますと、こう申し上げている。だけれども、誤解を大変受けて、そして池田さん初め皆さんからおしかりをいただいておりますから、深く反省をして、直ちに今手続を変更させておりますと、こう申し上げております。

池田(元)委員 これはもう典型的な便宜供与じゃないですか。我々とか一般国民がこんなことできますか。便宜供与を受けているから遺憾だと言うならわかるけれども、便宜供与を受けていない、それなら反省をしないと言えばいいじゃないですか。どっちなんですか。

森内閣総理大臣 友人の好意として私はありがたく受けた、しかしそのことは国民の目から見て大変誤解を生じやすい、そう思うから反省をいたしておりますと、こう申し上げているんです。

池田(元)委員 この発言で森総理大臣のことはよくわかったと思うのですよ。これは便宜供与ですよ、だれから見たって。そんなことを便宜供与でないと言う人はまさかいないと思ったのですが、いらっしゃったのに大変びっくりいたしました。この便宜供与論争をしても、これは明らかに便宜供与ですから、むだなことですから、次に入りたいと思います。

 さて、もう一つの問題、アメリカの原子力潜水艦とえひめ丸の衝突事故について、総理は戸塚カントリー倶楽部で第一報を聞いて、ゴルフを中断、すぐやめて東京に帰るつもりはなかったのかどうか、国民の方々の素朴な質問だと思いますので、率直に答えていただきたいと思います。

森内閣総理大臣 これも、午前中も申し上げましたし、前の予算委員会でも申し上げました。また、党首討論のときも申し上げましたが、第一報の時点で直ちにゴルフを中止して、今池田議員がおっしゃいますように、すぐ移動を開始すればよかったという御意見もあることは十分承知しております。

 私は、その場で指示をすべきことはきちっと指示をする、このことの方がより大事だと判断をしたのです。全員救出の報が入ってくれることを期待しながら、第一報、第二報を受けました。ただし、そのときには、すぐ帰るよ、帰らなければならぬことになるだろうと思うから、直ちに車の手配等をしてほしいということを、そばにいるSPに命じました。

池田(元)委員 安倍内閣官房副長官の先週十六日の答弁などによりますと、総理は一報で、宇和島水産高校の実習船が沈没をした、相手はアメリカの原子力潜水艦であった、その段階では捜索中という乗組員が十名前後いることを承知していたと思いますが、総理、端的に答えていただきたいと思います。

森内閣総理大臣 第一報では、三十五名の乗組員がいるえひめ丸、つまり宇和島水産高校、私はすぐわかりました。これが今捜索中だということでございまして、現在のところ二十五名、第一報は、二十五名救出をされています、引き続き捜索をしながら救出をしております、こういう連絡でございました。

 私は、そのときに、これはアメリカとの関係であるから外務省とすぐ連絡をとってやっているね、それから対策本部というのは、これは官邸に置くべきかあるいは外務省に置くべきか、これをすぐ直ちに検討してその対応をとるように、こう言いまして、引き続き連絡を欲しい、こういうふうに待っておりました。その後、十分してから、今度は外務省関係の報道が入りました……(池田(元)委員「三点を承知していたかだけ聞いているわけです」と呼ぶ)ですから、そのことは承知をしながら進めておりました。

池田(元)委員 総理もお認めになっていると思いますが、この一報で、安倍副長官によれば、安倍副長官が受けた一報、二報を合わせた形で総理に連絡をした。その連絡の内容は、もう御存じのとおり、宇和島水産高校の実習船であったこと、これは、総理が宇和島に若いころいらっしゃいましたから御承知でしょう。相手はアメリカの原子力潜水艦であること、それから捜索中の乗組員が十名前後いるということ、この三点はわかっていたわけですよ。

 としますと、相手がアメリカの原子力潜水艦であること、乗っていたのは高校生を中心に安否が気遣われているということなどから、この事故は日米の外交・安保問題に発展する可能性のある事故である、そして、邦人の多数が危機に瀕している、そういう重大な事態だと感じなかったのですか。

森内閣総理大臣 極めて重大な事態だというふうなことを私は感じました。ですから、連絡をそれぞれの各省庁で緊密にとるようにということ、人命救助を第一にするということ、アメリカとの情報をよくとれということを指示いたしました。

池田(元)委員 私は、ちょっと総理の感覚は理解できないんですよね。

 福田官房長官、十三日の答弁で、私が、福田官房長官が一報段階で受けたのは米国の原子力潜水艦だ、こういうことで、これはちょっと違うな、国際問題だな、こういうふうに受けとめた、率直に言って、私もすぐ帰ろうかということを言ったのだけれども、秘書官がもう少し情報を確認させてくれと言うので予定を続行したと答弁しております。

 まあ、この秘書官頼みというのはちょっといただけませんね。しかし、この感覚は正しいと思う。総理はそういう感覚を持てなかったんですか。

森内閣総理大臣 私も同様な感じを持ったから、ですから外務省、そして高校生だということだから文部省、そして、このことはやはり全省庁いろいろと影響ある問題だな、こう考えましたから、官邸の危機管理はどうするのか、このことについて政府としての対応を直ちにとるようにという指示をしたので、そのことが定まるまでは、私は連絡を待っておるから、こういうことを申し上げたんです。

池田(元)委員 そこを離れない理由にはならないと思うんですが、これはこれから聞いていきます。

 総理の緊急事態に対する備え、心構えについて聞きたいんですが、総理は、今回のゴルフ行きについて秘書官を同行させませんでした。また、総理公用車は、この日、結果として運転手などの判断でゴルフ場の駐車場で待機を続けた、ゴルフ場関係者もそう言っておりました。総理は、記者団への反論、釈明の中で、公用車の運転手に対して、帰りは十六時ごろになるからどこか少し休んでいいよ、場合によっては帰ってもいいよと言ったと述べています。つまり、公用車を待機させるつもりはなかった。

 総理、秘書官も公用車もつけずに東京を離れて、緊急事態に対応できるとあなたは思っているわけですか。

森内閣総理大臣 私は、これは自分の信念なんです。公私の峻別をはっきりさせるというふうに、自分はいつも自分に言い聞かせております。

 ですから、完全にこの日はプライベートな日程でありましたから、私は、公務の秘書官を連れて果たしてゴルフに行くことが、逆の面から見ると、ゴルフに行くのに一々役所出身の公務員を連れていっていいのかというまた批判になることも、別の角度から見ればあるのかもしれない。もう一つは、月曜からちょうど金曜まで、本会議、予算委員会、ほとんど秘書官はもう寝ずでやっておりましたから、この日は私は休ませてあげることもまた大事だ、そう思いましたから、私は自分の判断で行きました。

 ただし、どちらにしても、警護官がいつもついていってくれることでもありますし、それから車についても、私が帰れと言っても車は帰りません。そのこともよく知っています。いや、私はこれまでの例で何度もあるんです。プライベートなときでも官邸の車を使えということになって、私は実際は自分の個人の仕事のときなどは官邸の車を使うということは、私は余りいいとは思っていないんですけれども、それは総理としてやむを得ないことだというふうに注意をされましたので、使っております。

 ちょうどこの日は十時のスタートでしたから、しばらく時間があるからゆっくりしていなさいという意味のことを言ったんです。そのことを言ったからといって帰るような、そんな運転手さんじゃないですよ。ただ、私は、少しゆっくり休んでもらえたらいいな、そう思っただけのことであります。

池田(元)委員 総理の発言は民間会社の経営者だったらいいですよ。あなたは一国のリーダーなんですから、そういうわけにはいかないんですよ。総理は二十四時間国家の危機管理の責任者であるわけですから、そういう自覚がないんじゃないかと私は思います。

 時間がありませんので、ゴルフを中断しなかった理由についてお尋ねしたいのですが、党首討論で総理は、連絡をきちっと私のところに来れるようにするためにはこの場所にいることが間違いないだろうと判断したと言っています。よく意味がわからない。どういうことですか。

森内閣総理大臣 第一報、第二報の連絡を受けて、まだ詳細すべてが掌握できる段階ではなかったということで、それぞれの省庁の対策本部あるいは連絡室等ができたら、その立ち上げをまず急いでほしい、こういうことを私は指示いたしましたから、そして同時に、官邸には、それぞれの担当責任のある大臣もそこへ皆急いでいる、そういう状況でもございましたから、ですから、私は、ここは動かないで連絡を聞いた方がいい、聞いて判断した方がいい、こう考えたわけです。

池田(元)委員 果たしてその場所がそういう場所であったか。総理との連絡はSPの携帯電話だけですね。緊急事態で、一国の総理との連絡がSPの携帯電話だけというのは大変お寒い限りだと私は思うんです。

 私はゴルフ場を見てまいりました。このゴルフ場では、コースやクラブハウスで携帯電話の使用を禁止しております。それから、SPにもコースに入る場合にはゴルフシューズを履いてもらうとか、総理の発言をおかりすれば非常にうるさいゴルフ場なんですね。何かと制約が多い。連絡という点からいったら、むしろ一刻も早くゴルフ場を離れて、公用車にはSPの携帯電話に加えて固定電話もあるでしょうから、連絡をとりつつ帰京すればよかったんじゃないですか。

森内閣総理大臣 おっしゃるとおり、このゴルフ場は、あなたの選挙区のすぐ近くか、選挙区でしょう。ですから、お調べになっているのは当然わかっていて私も申し上げているんです。非常に厳しいいろいろな制限がありますが、これはありがたいことに、私どものような立場で、そして警護官がいる場合は、これは電話を使うことについては恐らく黙認をしていただいていると思います。当然、警護官の方も、私は確かめませんが、そういうときには必ずゴルフ用のシューズを恐らく履いて警護をしてくれているというふうに私も承知をいたしております。

 ですから、そういう意味では、確かに車に乗り、あるいはいろいろなケースは考えられますけれども、その時点では、一報、二報と入ってまいりましたから、引き続きどんどん入ってくるなという判断をいたしましたから、そこにいた方がいい、こう考えたんです。

池田(元)委員 SPの携帯電話一本で、実はあの辺は余り感度がよくなかったんですね、ちょっと今よくなりましたけれども。それはもう総理は御存じでしょうけれども、ここはそんな総理が指示を出すような場所ではないと私は思います。

 ちょっと事実関係を端的にお聞きしますが、一報と二報、三報はそれぞれどのホールで受けたのか、ゴルフを切り上げたのは何ホールか、聞きたいと思います。

森内閣総理大臣 よく予算委員会でいろいろ議論になっておりましたが、これはインの方から回ったので、何か十七とか十五というと、随分回っていた、そんなふうに新聞に書いてありましたけれども、十番から始まった。(発言する者あり)五十歩百歩じゃありませんよ。大変大事なことですよ。ですから、十番から回ったんだということです。

 それで、第一報が入ったのは、ちょうど茶店のところでございました。その茶店のところで第一報が入ったということです。それから次、第三報が入りましたのは十七番だったと思います。

池田(元)委員 当初、一報を受けたのは十五番ということが出ておりましたが、ティーグラウンドの後方に売店があるのは十四番ですね。ですから、三ホール続けたというんではなくて、総理は一報を受けた後、四ホール続けたわけですね。そうでしょう。十四、十五、十六、十七じゃないですか。

森内閣総理大臣 私は余り、茶店だったので、一々、逆回りしていますからすぐ十四、十五とわからなかったけれども、茶店とこう申し上げた。その次は十七ですから、十四、十五、十六と回ったということです。

池田(元)委員 先日の答弁によりますと、ちょっと不可解なことがあるんですが、安倍副長官は、一報段階で総理の秘書官と連絡をとる一方、現地にも、つまりゴルフ場にも、総理と直接ではないが連絡をとったと言っております。

 これは、SPの携帯に電話したが、総理は出なかったということだと思うんですが、いかがですか。

森内閣総理大臣 それはどの時点のことをおっしゃっているのかわかりませんが、私は……(池田(元)委員「一報段階」と呼ぶ)第一報ですか。第一報は秘書官です。第二報も秘書官です。(池田(元)委員「その前後、その後は」と呼ぶ)その前後は、私はその後で、車に乗りましてから、河野外務大臣それから安倍副長官と、車の中でその状況などを、あるいはその報告を受けました。

池田(元)委員 安倍副長官、ちょっと前後関係、簡単に言ってください。――安倍副長官、どうしていないんだ。危機管理の話をしているんだ。どうしていないんだ。

森内閣総理大臣 今のところだけちょっと申し上げておきますが、安倍さんはされたのかもしれませんけれども、私には通じていないんです。ですから、私は、ゴルフ場を出た直後に車の中で副長官と話をしたということです。

池田(元)委員 安倍副長官は、先日の答弁では、一報段階で現地にも連絡をとったが、総理とは直接でなかったと述べています。

 当日の当番の安倍副長官から電話が入っても、総理は電話に出ない、何か理由があったんですか。

森内閣総理大臣 ですから、連絡は秘書官から一報、二報とあったわけです。安倍副長官はされたかもしれませんが、それは何らかの関係で電話にはつながらなかったということで、つながったけれども私が出なかったということじゃないと思いますよ。

池田(元)委員 当番の副長官と総理の間の連絡がスムーズにいかない、これは引き続きよく考えておいていただきたいと思います。

 午前十時にかけて、一報と二報が立て続けに入った。そして、一報、二報、三報、この時間、随分あります。一時間二十分もある。この間に、十一時にアメリカの国防次官補が駐米大使に謝罪をした。海上保安庁が遭難事故対策室を設置した。さらに、十二時には官邸の危機管理センターに連絡室が設置された。重要な動きがあったわけですね。

 総理は一報段階で、新しい情報があればすぐ速報せよ、こういう指示を出したと言われておりますが、一時間二十分も総理への連絡がなかったというのは、これはどういうことですか。これは、要するに、指示を出したのに速報すべきものは一切入らなかった。ということになると、これは指示したというようなことではなくて、何か人任せにしていたんじゃないか、そんな感じがするんですが、いかがですか。

森内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、それぞれの省庁での本部、連絡室をきちっととって、そしてそれぞれ連絡調整をきちっとするように、こういう指示をいたしております。人身に問題ありということであれば直ちに連絡をくれるようにということを申し上げ、今直ちにここを出る手配だけは全部する、こう秘書官に伝えたわけであります。

池田(元)委員 次に、十二時二十分に第三報が入って、ゴルフ場から離れることになった。党首討論で、総理は、すぐに車に乗り込みましたと言っておりますが、実際にゴルフ場を出発したのは十二時五十四分、三十四分後ですね。なぜすぐにゴルフ場を出なかったんですか。

森内閣総理大臣 私は、そこは時間を見ておりませんが、クラブに入りまして、とにかく部屋へ行って、洋服とかばんをとるのが精いっぱい、そこに食事の用意、あるいは水の用意、お茶の用意をしてありましたが、私は一切飲まず、そのまま車に飛び乗りました。

池田(元)委員 食事もしなかったということは聞いております。しかし、これはちょっと時間がかかったのは不思議でならないと私は思います。

 さて、最後に、衝突事故に対する森総理の受けとめ方、認識、危機管理に対する最高責任者の心構え、実際の判断と行動というのを論議してきました。関係の官僚にも緩みがあったと思います。しかし、あなたはリーダーなんですね。官僚から言われたとおりに人任せにするのなら、リーダーは要らない。いた場所が悪いということならば責任は甘受するなんて発言は、私たちはゴルフをやって悪いなどと言っているんじゃないんですよ。論点をすりかえるべきではないと私は思います。

 この事故をめぐる総理の判断と行動に、私は、先ほどから申し上げているとおり、大変反省すべき点が多い、非常に感度が鈍い、そのような感じを強く持ちましたが、あなたはどのように反省していらっしゃいますか。

森内閣総理大臣 私としては、これまでのいろいろなケースのマニュアル、また自分の経験に照らし合わせながら、判断に誤りのないようにいたしたつもりでございます。同時に、政府のそれぞれの部署に、たびたび申し上げるように、間違いのない、対策本部、そして連絡、特に今回の場合は日本ではなく外国、アメリカということでありますから、米国との連絡を中心にとるように、そういう指示をいたしましたので、私は誤った指示をしていないというふうに思っております。

 ただ、ゴルフ場にいたということで大変おしかりをいただいておりますから、そのことにつきましては私は深く反省をいたしておる、こう申し上げているわけです。

池田(元)委員 私は、別に指示がどうだったからどうだという話じゃないんですよ。その感覚を言っているわけです。感度を言っているわけです。あなたは、最近、今度は早朝に起きて対応した、イラクの空爆の際にそういうふうにちゃんとやられたと聞いております。ということは、今度のえひめ丸の事故の対応はやはりまずかったんじゃないですか。そこをしっかりとやはり総括しなければ次の前進はないと私は思います。

 時間がちょっと押しておりますので、それは野呂田さんもいろいろな発言をしたり、与党も証人喚問を拒否したり、そういうことで私たちは私たちの立場を申し上げざるを得なかったんですが、最後に私は、世論調査というものは必ずしもそれが正しいとは思わない。特に、統計の量の問題、大数の原則があります。ですから、その数が問題なんですが、傾向は出ます。

 けさの朝日新聞の支持率は、森内閣は九%に急落をしたと伝えています。それから、きのうのテレビ朝日は、五百だけですが、また一けたになっている。そしてさらに、きょう午前、日本テレビの調査では、これはサンプルは千ですね。ですから、五百よりは多い。前回は一六%、今回は五%。森総理大臣にとって大変厳しい数字だと私は思います。竹下内閣もたしか七%だったと思うんですが。

 私は、政治家の進退というのはみずから決しなければならないと思っております。あなたができるだけ早く決めることです。その前に証人喚問とかいろいろやるべきことはやっていただきたい。

 この支持率の急落について、またみずからの進退についてどのように考えているか、お尋ねをしたいと思います。

森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、支持、不支持は、やはり国民の動向でありますから、謙虚にそれは受けとめております。

 ただ、私は、今何としてもやり遂げなければならぬことは景気の回復だと考えております。そのために、今こうして御審議をいただいております予算をぜひひとつ成立させていただきたい。私はそのための努力もいたしております。

 さらには、教育改革を初めとして、IT改革、多くございます。そうしたことにしっかり責任を果たしたい、そういう思いでこの国会にも臨んでいる次第であります。

池田(元)委員 この数字は、やはり重大にかつ謙虚に受けとめるべき数字であると私は思います。

 そして、今、景気回復等に言及されましたが、現在のこの状況は、結局、構造改革、そして不良債権の処理がおくれている、なかなかよくならない。構造改革を進めない自民党政権が続いている、森政権がいろいろな問題を起こす、ですから株価も急落しているわけでありまして、あなたはぜひ早急にみずからの進退を決めていただきたいと私は思います。

野呂田委員長 この際、岩國哲人君から関連質疑の申し出があります。池田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岩國哲人君。

岩國委員 岩國哲人でございます。

 民主党・無所属クラブを代表いたしまして、総理の政治に対する姿勢、あるいは最近の一連の経済情勢、そういったことについて質問させていただきたいと思います。

 この委員会でのやりとりを聞いておりまして、非常に悲しい思いをしました。ころっと変わるのですよね。わずか一週間ぐらいで随分違っているんです、言っていることとやっていることが。だから、総理自身がもう何を言っても信用されない状況になってしまった。経済の状況をますます深刻化させてきた経済失政の責任をとれと、こう言っているんですよ。開き直り、居座り、責任逃れの論理、今日までの経済政策は、いわば負けたんですよ。与党の皆さんも、言うなら連帯責任なんだ。それを、自分たちの責任逃れをするためにいろいろやじったりなんかしておりますけれども、そんな話じゃないんです。もう少し、あなた方も良心というものがあるならば、少し胸に手を当てて考えてみてください。

 マーケット、市場がもはや政府自身の経済政策を信用していない、いわば内閣を信用していないということのあらわれなのではないですか。総理の辞任説が走ったら株価が上がって、景気対策が出たら株価が下がって、実に皮肉な状況であって、我々日本人としてこんな悲しいことはないのですよ。総理自身の問題があるんですよ。幾ら与党のおかげで総理になっておられるとしても、今の日本の置かれている経済状況からいえば、ただみんなで相談して仲よくわいわいやって、みんなで渡れば怖くないというようなことじゃないのであって、むしろこの国の経済をどうやって立て直すかという基本戦略というものが明確にあるということが大事なことなんです。

 以上申し上げたことは、私の言葉ではありません。これは、三年前、この予算委員会でこの発言席から橋本総理に対して野田毅委員が言われたことを私はここで繰り返しました。

 三年前の予算委員会、この席から橋本内閣に向かって野田毅委員が言われた言葉は、今聞いてもまことに新鮮な響きがある。リアルだ、臨場感があるということは、三年間、日本の政治は全然よくなっていない。その間に変わったのは野田毅委員の立場だけであって、野田毅委員の言葉だけがこの野党席に残されて泣いています。

 総理、もうそろそろおやめになるんでしょうか。先ほど池田委員からの質問もありました。私は、昨年の十月だったでしょうか、笹川大臣は退席されましたけれども、野球振興議員連盟の役員だけで食事をさせていただいたことがありました。私は総理の隣に座らせていただいて、そして、九月にニューヨークへ行って、ニューヨークのシェイ・スタジアムで始球式をされた。ピアザ・キャッチャーのところへ向かって直球ですばらしい球だったそうですね。そのことを総理は大変楽しそうに私たちの前で披露されました。

 そして、そのときにおっしゃったのは、メッツのバレンタイン監督がノートとボールペンを持って私のところへすぐ飛んできて、ミスター森、すぐ契約してくれぬか、ことしでどうだろう、来年か、そう言われたときに総理は、ことしはまだちょっと私は大事な仕事を今やっているところだからそれは無理だ、来年ならと、こういう話をされたということを私は覚えております。

 その席を前に、ここにいる皆さん、きょうはゆっくりと話をするから、予算委員会なんかでこんな話は使わないでくれよということも実は言われておったのですけれども、まあこういう話ぐらいはいいのではないかと思ってお聞きします。

 来年になったらというのはことしのことですけれども、そのときまでは全力投球をしてというお気持ちがそのときあったのでしょうか。今もそのお気持ちは変わりませんでしょうか。御感想をおっしゃってください。

森内閣総理大臣 今のお話は、テレビをごらんになっている方が理解をされないといけませんので、岩國さんおっしゃったように、野球振興議員連盟という、野球が大変好きな議員の皆さんでのそういう懇談の席で申し上げたわけです。たまたまアメリカから帰ったばかりでございましたので、そういうお話を申し上げた。

 ただ、一点違うのは、来年まで待ってくれ、そういう言い方をしなかったと私は思いますよ。あくまでもこれはメッツのオーナーの大変なジョークで、アメリカ人というのはそういう大変なジョークというものをよく口にするわけですが、契約をしたらどうかと言うので、私はまだ大事な仕事があるので契約には応ずるわけにはいかない、こう申し上げたわけです。

岩國委員 来年の約束をされたとははっきり私は記憶しておりませんけれども、ことしはだめだ、こうおっしゃったわけですから、バレンタイン監督はまだ待っているかもしれません。

 それはそれといたしまして、本日は、危機管理の問題について、私も外国に長くいましたし、いろいろなこうした政府首脳の対応ぶりというのを私も見てきました。その中で大変残念に思いますのは、なぜあのときにすぐにゴルフ場を去っていかれなかったのか。

 私は、一国の危機管理というものは、伊吹大臣は、いろいろと、危機管理じゃなくて事故じゃないかとか、あるいは総理自身も、あれは危機管理というものではなくて事故でしょう、そういうことをおっしゃいましたけれども、一国の危機管理というものは、釈迦に説法ですけれども、何も阪神大震災やテポドンが空を飛んだ、それだけを危機管理というものではないと思うのです。本当の危機というのは、自分の国の国民の心を失うこと。それこそ、政治家にとって、そして最高責任者にとって一番重大な危機なんじゃないんでしょうか。

 あのときに、異国の海の中で同盟国の軍事組織との衝突によって起きた、高校生がいまだに行方不明で異国の海の中をさまよっているときに、総理は森の中で木陰から白いゴルフボールを眺めておられた。このコントラストが余りにも国民の心に失望感を与えてしまったんです。

 一国の総理としての危機管理は、国民の心を失わないこと、そして大事なときには必ず存在感を示すこと、そうではないでしょうか。どうやってゴルフ場の中で大事なときに存在感を示すことができるのですか。一刻も早く、結果は同じであったとしてもすぐに行動する、そこに最高責任者の存在感というものが出てくるんじゃないでしょうか。私は、そういった点において、この危機管理においては、森総理のとられた対応は全く合格点に値しない、そのように思います。

 高校生は海の中、森総理は森・の中。こういう状態を見ておって国民がどう思うでしょうか。御感想があればお聞かせいただきたいと思います。

森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、私といたしましては、事がアメリカ、米国との交渉、連絡がより大事だというふうに考えましたことと、複雑多岐に所管が分かれておりますから、その連絡体制がしっかりとれるまではやはり動かない方がいい、指示をできやすい方がいいと私は考えた。ただ、それが今おっしゃるようにゴルフ場の中だということについては、私は大変残念に思っておりますし、その点について国民の皆さんから理解を得られないとするならば、これは私の誤りであった、こう思って、深く反省もいたしているところでございます。

 ただ、初動の連絡等については間違いなかったと思っておりますし、そういう意味においては、その後のこれに対する取り組み方は、常に先手先手と打って、アメリカの考え方に対して常に日本側の考え方を強く申し入れてきて、それによって捜索であるとかあるいは深海の調査であるとかそういうことが行われている。私はそのように、結果としてはよかったと思っているんです。

岩國委員 総理は先手先手とおっしゃいますけれども、電話はいつかけられたのですか。事故は十日。待てど暮らせど、向こうからは電話はかかってこない。ブッシュ大統領の電話がかかってきたのは十三日の夜の十一時二分でしょう。あと一時間したらもう十四日になろうというとき、三日間もたっています。その間、なぜ総理は電話をかけられなかったのですか。被害を受けたのはこちらなんです。抗議をし、そして捜索に全力を尽くしてほしいという日本人の願いを届ける最高責任者は、森総理、あなたじゃありませんか。官邸の機密費や外務省の報償費の使い過ぎで電話がかけられないということはないでしょう。電話一本そんなに高いお金じゃないと思います。

 外務大臣はなぜそのときに、森総理、電話をかけなきゃいけませんというアドバイスがなかったのですか。一言。

河野国務大臣 ちょっと逆になりますが、この事件が起きまして、森総理から最初に外務省に指示がありましたのは十一時、つまり、えひめ丸が事故に遭った直後に既に外務省に森総理から指示があったことをまず最初に申し上げておきます。

 それから、今議員がお話しの大統領とのやりとり、アメリカとのやりとりでございますけれども、大統領からの直接の電話の前には、パウエル国務長官から大統領からの伝言を私に伝えてきておられます。

 それ以外にも、事故直後にアメリカ側からは、あらゆるレベルと言ってもいいほど、各レベルで日本側に対して遺憾の意の表明がございました。こうした事故についておわびをしなければならぬということで、さまざまなレベルで連絡が繰り返しあったということを申し上げておきます。

岩國委員 いろいろなレベルで連絡があるのは、それは当然のことです。しかし、事故に遭われた御家族あるいは大勢の日本人が関心を持っているのは、日本を代表して電話をするのは森総理。それは当然の常識です。なぜ三日間も、そして結局、総理の電話はワシントンへ向かってかけられることはありませんでした。向こうの電話が来てしまったのです、しかも三日たってしまってから。

 もう一つ、総理と外務省にお伺いいたします。

 ブッシュ大統領は総理に電話をする前の日に、軍隊を前にしてこの事故について触れて、みんなで祈りをささげようと、ささげられました。その文面を私は持っております。そして、ニューヨーク・タイムズもこれを報道しております。この事故に遭った訓練船は、ブッシュ大統領やニューヨーク・タイムズはどういう表現を使っているのですか。正確に訓練船と使っていますか。

 その前に、町村文部大臣にお伺いいたします。

 日本語ではこれは正確にどう言うのですか。貨物船ですか、観光船ですか。一言お答えいただきたい。

町村国務大臣 実習船と私どもは言っております。

岩國委員 これは、各水産高校それから各県庁の財産目録には、水産実習船とか訓練船と書かれています。漁船と書かれている例はありません。しかし、ブッシュ大統領が使った言葉は、フィッシング・ボート、そういうふうな言葉です。フィッシング・ベッセルズ。ニューヨーク・タイムズもフィッシング・ベッセルズ。これではただの漁船になってしまうのです。漁船が悪いわけではありません。しかし、日本の多くの人たちが心を痛めているのは、これは漁船ではなくて、高校生が乗り込んだ訓練船だったからみんな心を痛めたんじゃありませんか。(発言する者あり)漁船でも多くの人が心を痛めるのは当然です。しかし、いたいけな十七歳の高校生が初めて見るアメリカに胸を躍らせて、だからこそ多くの日本の人たちがより一層心を痛めているということは、日本人だったらおわかりになるはずです。

 なぜ、外国の大統領がそういった、フィッシング・ベッセルズ、漁船とだけ言って、日本で発行されている朝日、読売の英字新聞は全部トレーニングボート、正確に言っているのです。こういう小さな日米ギャップ、言葉たった一つの違いじゃないかとおっしゃられるかもしれませんけれども、私はこれは大事なことだと思うのです。アメリカ人の頭の中に、日本からアメリカへ魚をとりに来たおじさんたちが乗っている船が沈んだんだというイメージで伝わるか、そうではなくて、高校生がたくさん乗っていたんだというときとでは、アメリカ人の反応は、私は知っております、違ってきます。

 そういうところに心を砕くのが外務省の仕事じゃありませんか。総理大臣が一々、向こうの大統領はどういう英語を使ったか、ニューヨーク・タイムズが何を使ったか、それは御無理です。それをやるのが外務大臣、あなたの責任でしょう。外務省の責任ではありませんか。そういった点について、何らかの抗議をされましたか。こういう表現が正しいんだという訂正をした外交官が日本の外務省の中に一人でもいましたか。答えてください。

河野国務大臣 今回の問題について大変心を痛めたアメリカ人の一人は、フォーリー大使であったと思います。フォーリー大使は直ちに総理を訪問されまして、アメリカを代表して深いおわびをされました。フォーリー大使は、この問題について深く関心を持ち、状況というものを十分理解しておられます。

 それから、今お話しのニューヨーク・タイムズを初めとする報道、さらにはアメリカ首脳の理解というものが正確でないではないかという議員の御指摘でございますが、これについても、ワシントンの大使館から正確な理解を求める旨の申し入れをいたしております。

岩國委員 私は、外交というのは、自分の国の国民の心をしっかりとつかむこと、同時に、相手の国の政府と相手の国民の心をしっかりとつかむこと、これだと思います。今回の対応は、決して森総理のゴルフ場云々だけではなくて、その後のフォローが次々と、ふだん日本の外交官が何を心がけているかということについて疑問を持たせるような展開となってしまったことを、私は大変残念に思っております。電話一本かける費用がなかったはずはありません。欠けているのは、お金ではなくて外交センスではありませんか。そういう相手の国の国民の機微をつくような努力をふだんからやっておれば、こんなことに私はならなかったと思います。

 その点において、日本の外務省の今回の対応は私は落第だと思います。この程度の外務省であれば、私は、三菱商事か三井物産に業務委託でもした方がいいんじゃないか、それぐらいにさえ思います。精鋭の五十人が残っておって、あとの日常の業務やそういったようなことはもう業務委託でもする、そういう思い切った発想が必要ではないかと思います。

 次に、文部大臣にお伺いいたします。

 昨年のソ連の原潜の事故、イギリスがすぐに呼ばれて飛んでいきました。恐らく、イギリスのイメージ、英国に対する尊敬は上がったでしょう。

 今回の事故、もちろんアメリカに近いところですからアメリカが出ております。海洋国家日本として、総理、いかがでしょう。この十年以内に、世界のどこで遭難が起きても、日本の捜索技術が一番すぐれている、最初の電話は日本にかかってくる。人命救助も日本にはかなわない、遠くてもとにかく日本に頼もう。世界じゅうの国が、海に関しては日本の技術、能力に敬意を表し、それを頼りにする。今回のこうした残念な事故をばねに、私は日本だったらできると思います。ことしの予算にはそれが十分でないかもしれません。

 文部大臣、そういう決意を持っておられるかどうか、簡単で結構ですから、お答えをお願いします。

町村国務大臣 先ほど、我が国外務省のことをお触れになりました。けさ、現地に行っておりました文部省の課長が戻っておりまして、もう一人現地に置いておりますが、その課長の私に対する報告によりますと、現地におられる御家族の皆さん方を含めて、日本の外務省には本当によくやっていただいているという声が圧倒的に多いという報告があったということを、念のために岩國委員にお話をさせていただきます。

 それから、今、深海の探索能力あるいは捜査能力という御指摘がございました。日本の深海調査は「しんかい六五〇〇」、これは有人でございます。それから、無人潜水機は「かいこう」、これは一万一千メートルということで、これは世界的に見ても大変高い能力を現在持っておりまして、これを使って学童疎開船の対馬丸とか、あるいはロシアタンカー、ナホトカ号の状況調査、あるいは、余り別に自慢できることではありませんが、HIIロケットが失敗をいたしましたが、そのエンジンの探索など、数々の成果を上げてきておりますが、今の御指摘のとおりでございまして、より一層強力な捜査能力といいましょうか、深海を調べる能力をつけていきたい。

 なお、救助に関しては、これはちょっと直接どういうことをやっていいのか、私どももこれから政府関係部局とも相談をして検討してまいりたいと思っております。

岩國委員 大変前向きな御答弁をいただきましたけれども、文部大臣も、そして総理も一体となって、ぜひ、こうした悲劇をばねとして、海洋国家日本の、そういう現実面に、よその国から感謝されるような技術や能力を持つ、そういう決意でこれから予算その他に必要な修正を、足りないのであれば加えていただきたい。

 それこそが、今でも行方不明になって心を痛めておられる御家族に対して、この予算委員会は何ができたか、我々が行って探すわけにはいきません、我々にできるせめてものことは、こういうことを繰り返さない、そして仮にあった場合に日本がよその国を助けるまでの力を持っている、そういう予算をつくること、それが国民の負託にこたえる道ではないかと私は思います。

 Bの資料を配ってください。次に、河野外務大臣にお伺いいたします。

 外交報償費等について、マンションに変わったり、それから、馬が十五頭じゃなくて何か数えてみたらさらに三十頭にふえたとか、国民を驚かせるような、次々と残念なお金の使われ方があって、連日これについては質問が繰り返されております。その点については、私は時間の点もありますから繰り返すことはいたしませんけれども、そういった外交報償費について、どういう内部的なルールがあるのか。

 新聞では、あると書いている新聞もありました。また、この質疑の中でも、政府参考人からの説明によると、一定の一つのルールがあってやっておると。その内部の基準というものを私は出してほしいということを担当の課に聞きましたら、これが回答であります。内部のものだから出せない。内部のものだからといっても、国民の皆さんの税金を使っていること、しかも、文書にできないものならともかく、あるものを出さないとはどういうことですか。

 そして、この最後の三行、「いずれにせよ、」こういう言葉からきておりますけれども、この費用は「適正に使用されております。」河野大臣もそう思っておられるんですか。この報償費は適正に使用されたんですか。使用されていなかったからこそ、毎日毎日こうやって議論しておるんじゃありませんか。不正に使用されておったからこそ告訴されたんじゃありませんか。担当の会計課の責任者が適正に使用されているとは何事ですか。

 これは去年の日付ではありません、ことしの日付です。連日予算委員会でこういう議論をしているときに、担当の責任者が「適正に使用されております。」というのは、この予算委員会に対する侮辱じゃありませんか。我々は時間つぶしをやっているということですか。そして、内部にそのような、不正に使う場合であっても不正な使い方のルールというものがあるんだったら、それを出していただきたいんです。簡単にお答え願います。

    〔委員長退席、自見委員長代理着席〕

河野国務大臣 岩國議員は少し勘違いをしておられると思います。今回問題となっておりますのは官房報償費の問題であって、外務省報償費の不正使用の問題ではないのです。

 今議論をされておりますのは、官房の報償費がどういうふうに使われたかということが問題になっておりまして、私ども大変申しわけなく思っておりますのは、その問題に、外務省の職員がそうした行為をしていたということで、外務省としては大変申しわけない、その方法について外務省として調査をすると言っているのでございまして、外務省報償費の問題ではないということをどうぞ御理解いただきたい。

岩國委員 これ、いただいたのを読み上げましょうか。「報償費につきましては、その適正な執行を図るためにその使用に関しての外務省としての内部の手続を整えておりますが、報償費の性格に鑑み、」難しい性格なんでしょうね、「そのような内部手続に係る文書を公表することは差し控えたいと考えております。」これ、今問題になっているその報償費だからこそ出せないとおっしゃっているんです。そして、「いずれにせよ、外務省報償費は、情報収集及び諸外国との外交交渉ないし外交関係を有利に展開するという目的に則して、」「適正に使用されております。」こうでなかったからこそ、今問題になっているんじゃありませんか。

 私は、今から三年前だったと思いますけれども、この予算委員会で長野証券局長の答弁を私の席から聞いておりました。それは、そういう接待に関して、受けてはならない、そういう松下次官の禁止命令を実は破って接待を受けておったという事件です。御記憶に新しいところがあると思います。しかし、さすがに大蔵省の官僚は、掟を破るための掟をちゃんと自分たちではつくっておったんです。

 鬼平犯科帳の中にも出てきます。おつとめ派といういい方の盗賊、いい盗賊と言うとおかしいですけれども、それに関連して、江戸バブルが崩壊して、今度はいそぎばたらきという凶悪な盗賊が出てきた。鬼平が戦ったのはそちらです。いそぎばたらきの方が利益率は高かったんです。人をあやめるわ、女性を手込めにする、そしてあり金は全部とっていく。それに対してこのおつとめ派は、三つの掟をしっかりと守っていったんです。それは、盗まれて難儀、困るような人の物をとってはならない、つとめをするとき人を殺傷せぬこと、三番目、女を手込めにせぬこと。この三つの掟、盗賊は悪いことですけれども、ちゃんとこういう三つの掟を守っておったんです。

 大蔵省の官僚は、掟を破るために三つの掟をつくっていました。どういう掟であったか。それは、長野局長の答弁によりますと、こちらから御要求しない、二番目、反復継続しない、三番目、特定の方に偏らない。立派じゃありませんか、こうして掟を破るための掟までわざわざつくって、せっせとおつとめに励んでおったんですから。

 これに比べて外務省の方は、掟らしいものはあるようですけれども、なぜそれが出せないんですか。どうしても出せないんですか、出せるんですか。一言よろしくお願いします。

    〔自見委員長代理退席、委員長着席〕

河野国務大臣 報償費の使い方について申し上げられることは、外務省の報償費は、国際情勢の変化、そういったものを十分考えて、国益のために十分必要と考えられるものに対して、適正な手続を踏んで使うということが外務省報償費の使用についての考え方だと私は思います。

岩國委員 これだけいろいろな点から問題になり、そして、残念ながらよその省のお金の使い方まで疑惑がどんどん広がっている、国民の疑惑の目は。そういうときに、外務省としては、出しにくいかもしれませんけれども、あえてそれを公開し、そしていろいろな方の批判も仰いで、きちっとしたルールをつくるべき、それが役所の務めではないかと私は思います。

 次の質問に移ります。最近の経済情勢について。

 アメリカは十年間で株価が五倍、日本は十年間で株価が半分。向こうは五倍でこっちが半分ということは、差し引き十倍の差をつけられたということです。何が違ったのか。政策を間違えてきたからです。この三年間を見れば、国民の払った税金と同じだけの借金がふえているのです。

 なぜ税金を払っても借金が同じ金額だけふえていくのか。この借金はいつとまるのか。その借金は、いつ、だれが、どのような方法で返すのか。これについて、責任者の総理からの明確な国民に対する説明がない、借金が幾らふえたかという説明だけはしょっちゅうありますけれども。

 なぜふえたのか。いつとまるのか。だれが、いつ、どのようにして返すのか。六百六十六兆円に達する借金は、言ってみれば、これはサラリーマンの家庭に例えてみれば、十三年分の給料を前借りして、それを担保に入れてサラ金からお金を借りて暮らしている。こんな恥ずかしいことをやっているのは世界の先進国で日本だけです。十三年分の給料を前借りして。ことしの予算は八十兆円を超えています。これを家計に例えれば、八百万円。そのうち使えるお金は幾らですか。八百万円のうち三百万円は借金をしてきている。そのうち二百万円はサラ金への利子に返している。結局、八百万の予算のうち六百万しか使うお金がない。いつまでこういうことを続けるのですか。いつから改善するのですか。いつからもっと悪くなるのですか。一家の主人が、自分の名義じゃなくて子供や孫の名義でどんどんそれを連帯保証人にして借りまくって、将来、どうして、いつ返済するのか説明もしない、そんな家庭がどこにありますか。

 総理、御説明いただけますか。この借金はなぜいつまでもふえるのか。借金はいつになったらとまるのか。だれが、いつ、どのようにして返済するのか。例えば、橋本大臣と宮澤大臣、総理になり、あるいは大蔵大臣になり、お二人でずうっとどちらかが関係してこられた十二年間の間に三百兆円も借金がふえています。人によっては双子の赤字とか双子の借金バブルとか言われますけれども、橋本さんの方が責任が多いのですか、それとも宮澤大臣の方が責任が多いのですか、この双子の中身は。

 そして、総理にお伺いします。国民の前で、わかりやすく、いつ借金のふえ方がとまるのか、いつ、だれがこの借金を返していくのか、お願いします。

宮澤国務大臣 私から先に申し上げます。

 借金に関する部分は今岩國委員のおっしゃったことに間違いがございませんけれども、少なくともこの三年足らずの経緯というものを岩國委員はよくごらんになっておられて、この不況打開のために公共事業をやり、減税をやり、金融機関の手当てをし、いろいろやってきまして、それは大変な財政支出になったことはもうおっしゃるとおりですが、その結果として、とにかくデフレスパイラルは起こらなかったし、国際的な金融、信用はまずまず回復したし、それで、企業設備は戻ってまいりましたが、今泣きどころは、家計のいわゆる国民消費というものが戻ってこない。

 そういうのが今の我が国の姿で、それにはいろいろ理由があると思いますが、この家計消費が戻ってきますと、GDPの六十何%ですから、ある程度の成長というのはそんなに苦労をしなくても、また、財政がこれ以上そういう意味の支出をしなくても回復できると見ておりますので、問題は、いつそういう国民消費が正常に復するかということだと思います。

 それで、それができますと、我が国の経済は正常な回復軌道に乗るわけでございますから、その段階において、これだけできました借金、これはもう弁解はいたしません、非常に大きな金である、間違って使ったとは私は思わないけれども、非常に大きな負債でございますから、これはやはり、財政再建という軽い話ではなくて、それはもう税制も社会保障も、あるいは中央、地方の関連も全部ひっくるめた、総合的なマクロモデルを使ってシミュレーションをやって、二十一世紀の最初の十年かぐらいは日本はどういう経済社会になるかということを国民に決定してもらって、それに従って政策を進める、これしか私は方法がないのだと思います。それは、非常につらい選択をすることになりまして、どの程度の福祉、どの程度の給付に対してどの程度の負担かというところまで、どうしても選択をしなければならないわけでございます。

 それで、その中でいわば借金を返済していくということですが、これだけ大きい借金ですから、そんなに簡単に返済することは、楽なことではありません。ただ、毎年の債務というものはそれだけ減っていって、そして、いわば負担と給付の中で国民経済がバランスのとれた運営になる。そういう長いプロセスをとらなければならないことは、もうそれ以外の方法はないというふうに考えています。

森内閣総理大臣 今財務大臣からお話しになった、これまでの経緯だろうと思います。

 たびたびこれは、この委員会でも先日申し上げたと思いますが、やはり債務あるいは設備、雇用、これがいわゆる過剰になって、これをどうしてもやはり減らさざるを得ない。それは、バブルの崩壊、アジア経済全体を通じて、その施策に日本は移行したわけですね。その結果、いわゆる民需にかわって公需をふやしていかざるを得ない。そういう意味で財政出動をしたというのは、今財務大臣からお話しのとおりだと思います。

 しかし、おかげさまで着実な方向を今歩み続けておりまして、今若干の陰りも幾つかございます、アメリカの経済もございますし、また雇用の面もございますが、それでも着実に、何とかこれが上昇の機運にある。でき得ればこの国会で、この十三年度予算案も成立をさせていただいて、そして民需が回復できるような方向にぜひ皆さんとともに努力していきたい、こう考えております。

 したがいまして、この後の問題をどうするかは、今財務大臣がおっしゃったとおりでありまして、幸い政府には、今回の内閣の、省庁の大きな改編によりまして、経済財政諮問会議というのができましたし、そこに経済の専門家あるいは民間の専門家にもお入りをいただいて、そして、先ほどお話があったとおり、いわゆる税あるいは社会保障負担、それも含めた国民負担がどうあるべきか、そのためには、税は中央と地方とどうあるべきか、あるいは社会保障はどういうふうにして国民が負担と給付の関係をつくり上げていくか、これは、これから議論をしていきたいと思います。

 しかし、いずれにしても、まずは経済、財政の再建をさせるためには、やはり税収をふやしていくということだろうと思いますし、税の収入についてはほぼ政府が見通したとおりに今進んでおりますので、何とかして本格的な民需回復をなし遂げて、そして税収をまずふやすということが一つの私は判断の基準になる、このように考えているわけであります。

岩國委員 総理はダボスの国際会議で、我が国の経済は本格的な回復の軌道に既に乗り始めたと。このことが随分話題になりました。しかし、景気の見通しの下方修正はその日から始まったじゃありませんか。総理が外で言われたことと中で起きておったことは、はっきり言って違っておったのです。

 麻生大臣にお伺いいたします。

 そうした将来の経済計画という観点から、我が国の生涯賃金、生涯税金、生涯借金、日本人と生まれたら一生涯の間にどれだけ収入があるだろうか、日本人と生まれたら一生涯にどれだけ税金を払わされるのか、日本人と生まれたら一生涯にどれだけ借金がふえていくのか。我が国で生まれる赤ん坊は生まれたときから六百六十六万円の借金があり、出口、入り口で待っておって、それが怖くてなかなか赤ちゃんが出てこないじゃありませんか。生まれる赤ちゃんの数がどんどん減っているでしょう。世界の国の中で、日本で生まれた赤ちゃんが一番最初に一番大きな金額を負わされるわけですから。

 そういう生涯賃金、生涯税金、生涯借金について、シミュレーションをきちっと大臣の役所ではさせておられるかどうか、お答えいただけませんか。やっているかやっていないかだけ。

麻生国務大臣 今御質問があっておりましたところですけれども、借金が多いから子供が生まれないという、その相関関係がどれぐらいあるかという証明は、ちょっと正直私どもの方も持ち合わせてはおりません。正直なところです。

 しかし、今申し上げておりますように、多分、岩國先生の方は商売をしておられましたというか民間におられましたので、私と同じにそこらのところはおわかりいただけるのだと思いますが、少なくとも、今一番の問題は、私どもというか、正確には政府が予想しているのと比べて、企業の業績もしくは収益状況は、間違いなく、九八年度の最悪期のころに比べて約二・五倍から二・七倍ぐらいまで回復しておりますから、常識的ですと、それがいわゆる雇用増につながってみたり、設備投資に回ってみたりして、それが家計費増につながり、消費の増につながっていくというのが従来のパターンだったのだと思うのです。

 ところが、今何が起きているかといえば、経済用語で言えば、多分合成の誤謬ということが起きていて、ちょっと例を引くのはいかがなものかと思いますが、ここに久間さんがいるから久間さんを例に引けば、久間さんが酒もやめた、ゴルフもやめた、何もやめた、かにもやめた。それは、久間さんのうちは喜ぶし、久間先生の体も喜ぶでしょうが、これは、一億二千万、せえのでそれをやったら、ゴルフ場はつぶれる、酒会社はつぶれる、全部つぶれちゃうわけです。

 合成の誤謬というのはそういうことで、今回起きておりますのは、今、企業からいいますと、これは全部借金を返しているんですよ。全部借金の返済に充てている。したがって、かつて、資金需要からいきましたら、レベルに対して一〇%のマイナスだったのが、今企業は、資金繰りじゃなくて、資金需要というのは五%余しておるわけですね。五十兆足りなかったから二十五兆余した。プラスマイナス七十五兆の差が出てくるということになりますと、基本的にはみんなまともに借金を返済する。まともなことをやればやるほどという合成の誤謬が今起きている、従来とは全然違ったことになってきておるというのが現状だと私どもは理解をしております。

岩國委員 とても理解できない答弁ですけれども、そういった経済計画、経済予測というのは、もう少しいろいろな前提を置きながらもシミュレーションをして、総理大臣なり財務大臣が、国民の皆さんに、街頭ででもどこでもわかりやすく、何十兆何十兆の話だからなかなかわかりにくいのです、家計に合わせて何百万円単位で説明ができるように。

 そして、借金はいつになったら減るのだ、そのめどがさっぱりつかない。景気がよくなれば、そんなことを我々はずうっと、三年も四年も五年も同じことばかり聞かされているのです。景気がよくなれば、景気がよくなれば、景気がよくなるためにもっと借金しましょう、こんな話がずうっと続いておるわけでしょう。いつまでやるのですか。

 そして、合成の誤謬というのがありましたけれども、久間さんが酒をやめて、たばこもやめて、ゴルフもやめれば日本が困るというのだったら、そういう人にはこれからもっと酒を飲んでもらう、ゴルフもやってもらう、それが借金を減らす方法なんです、そういうわかりやすい話をしていただきたいと思います。

 次に、四年前に消費税を上げるときに、行政改革を必ずやりますと自民党さんはおっしゃっている。行政改革を担保にして消費税をお上げになりました。消費税は上がりました。約束した行政改革はどうなったのか。結局、二十三の省庁を十二にまとめて、ことしの一月から始まりました。大臣の数が減ったか。大臣の数は、副大臣を合わせて前よりちょうど倍の四十人。役人の数は減ったか、一人も減っていない。役所で使う金が減ったか、一銭も減っていない。何のための行政改革だったのか。小さな包みになっていたのを大きなふろしきに包みかえただけ、これを大ぶろしき改革と言うのです。四年前の大ぶろしきを絵にかいたような。

 今我々は、地方分権を言って、中央を小さくして地方を大きくしよう。やっていることは反対じゃないですか。大きな中央をつくってしまった。地方分権と全然逆方向で大きな官庁をつくってしまった。我々政治家でもなかなか太刀打ちできない。大きなふろしき包みは風通しが悪い、外から見えにくい、ばい菌がふえる、汚職がふえる。官僚が高笑いして喜んでいるじゃありませんか。こういう逆行した行政改革を私はやってはならないと思います。

 この行政改革に関連して、私は、今から二年前に、野中官房長官に質問し、約束していただいたことがあります。これは、石川県の鳥屋町、総理、そういう町がありますでしょう。そこで、職場における男女差別の起訴があり、私はそれを取り上げて、まず、男女共同参画社会をつくるとおっしゃるのだったら隗より始めよ、役所の中の男女差別をなくすべきじゃないか、徹底的に全国の三千三百自治体あるいは政府機関を調査していただきたい。野中官房長官は、直ちに調査に手をつけると約束されて、それから二年間、私が内閣に対する質問書を出してから、何やら慌てて答案をつくっていらっしゃるような気がいたしますけれども、総務大臣、なぜ二年間もかかったのか、簡単に説明し、そしていつそれが出せるのか、答えをおっしゃってください。

片山国務大臣 今の男女参画型社会の方は、これは官房長官の御担当でございまして、私のあれでございませんので必ずしも答弁ができませんが、恐らく、委員御指摘にこれからなるのかもしれませんけれども、男女の地方公務員の退職勧奨の年齢の差ですね、これはもう前から――そのお約束されたのなら、去年の四月一日の現在で男女の勧奨年齢に差があるのは五十三団体。そこで、もう一度ことしの二月一日に調査をいたしましたら、四十団体に減っております。

 私は、ぜひ年度内にできるだけ、全部間に合うかどうかわかりませんけれども、この差別はなくしてくれ、こう言っておりますから、結果としては約束を守ることになると思いますし、ちょっと北陸三県が多いことは事実でございます。

岩國委員 年度内に解消するということは、来月中ということですね。(片山国務大臣「そうです」と呼ぶ)

 官房長官、何か答弁なりコメントなりいただけますか。職場における男女差別の解消について、今、片山大臣からはそういった部分的な明確な回答はいただきました。ありがとうございました。官房長官の方から、総合的な調査は続けておられるのか、いつ終わるのか。

野呂田委員長 では、総理がお答えになるそうですから。森総理大臣。

森内閣総理大臣 北陸三県が多いと今片山大臣から御指摘ありましたし、今回の鳥屋町も、私の選挙区ではございませんが、私の石川県でございます。そういう事態でございましたので、地方公務員の任用につきましては、性別による差別を禁止する地方公務員法の平等扱いの原則や成績主義の原則を踏まえて行わなければならないものでありまして、性別によって一律の退職勧奨年齢に差を設けたり、あるいは結婚退職を強要するなどの取り扱いをすることはあってはならないものである、このように承知をしています。

 昨年十二月、閣議で決定いたしました男女共同参画基本計画におきましても、女性地方公務員の採用、登用等の促進を地方公共団体に要請しているところでありまして、地方公共団体においては、率先して男女平等な人事管理の運営に努めるべきものであるという認識をいたしておりまして、この線に沿って地方にも指導していきたい、このように考えております。

岩國委員 再び経済の方に返りますけれども、こういった予算の使い方、これについては、まだまだ国民の間には、ばらまき、薄まき、鉄火巻き、こういうふうな公共事業が日本じゅう多過ぎるんじゃないか、こういう印象が非常に強いわけです。そして、そのばらまきはどこに入ったか。中尾建設大臣の逮捕の例に見られるように、一部の政治家や事業家の腹巻きに入っている。ばらまきは結局腹巻きに入っているだけ。そして、腹巻きのない人は、鉢巻きを締めて一生懸命働かなきゃいかぬ。

 去年の六月の総選挙において一つの大きな争点になったのが、この腹巻き組が勝つか、鉢巻き組が勝つか、これでしたよ。東京都民は怒っていました。私は街頭で毎日毎日訴えてきました。昨年六月の総選挙で、結果として、この東京都で自民党は第一党の地位を失いました。森総理の長年の仲間でおられた方たちが、まるで水戸黄門か西部劇のラストシーンを見るかのごとく、次々と倒れていかれたのです。東京で山手線、二十九の駅がありますけれども、今自民党の選挙区にあるのはわずか六つだけです。中央線は東京から高尾駅まで三十二の駅がありますけれども、自民党の選挙区にあるのはわずか四つです。これだけ大きな激変が既にこの首都東京で起きているのです。

 これは、民主党が愛され、民主党が信頼されているからではありません。自民党のやり方が余りにもお粗末で、そして、借金はするわ、行儀は悪いわで、少し恐ろしくなってきた、これが都民の率直な感情だと思います。その上、自民、公明、自公政権をこれから十年続けるというので、都民は震え上がっています。マッカーサーの占領も六年で終わりました。自公の占領は十年間続ける、これで自民党にちょっと票が入れられなくなったというのが東京現象です。この東京現象は自民党の政策がお粗末である限り、そして自公占領政権が続く限り、全国に拡散していくと私は思っています。そうした姿勢を今改める、それでなければ、国民の税金はいつまでも泣かされるんじゃないでしょうか。

 今お配りいたしましたのは、内閣に対する支持率と日経ダウとの相関関係です。総理、ごらんになるのはちょっと嫌なお気持ち、よくわかりますけれども、この十年間にわたって驚くほど株価とそれから内閣支持率は相関関係。どういうふうな相関か。株が下がるから支持率が下がるのか、支持率が下がるから株が下がるのか。後者です。株価というのは景気を六カ月、八カ月先を見ています。この赤い方が日経ダウ、黒い方が内閣に対する支持率です。驚くほど相関関係がある。そして、内閣の支持率が下がると株価が下がり、株価が下がると景気が悪くなる。内閣支持率こそ景気に対する一番の先行指標。これが間違ったときが二つありました。このルールが二回だけ外れている。一回はこの細川政権の異常な人気の高さのとき、もう一回の例外は宮澤内閣の異常な低い支持率のとき。この二つだけが例外で、あとはぴったり一致しているのです。まさにいい政治をやることが景気をよくすることにつながっている、このグラフはそれを物語っているのではないでしょうか。株価対策、これについては残念ながらきょうは時間がありませんけれども、株式市場の活性化ということは、いい政策とそしてきれいな政治家、きれいな官僚を持つこと、そのような政治こそ私は大切だと思います。

 そのことを申し上げまして、私の時間が残念ながら尽きましたので、この辺で終わらせていただきます。

野呂田委員長 この際、生方幸夫君から関連質疑の申し出があります。池田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。生方幸夫君。

生方委員 森総理にお伺いいたします。

 私は、先週の土曜日に、地元でフォーラムというのを毎月一回やっておりまして、今回は予算委員会の開催中ということでもございまして、ふだんは講師の方を招いて話を一時間ほど聞いて、その後一時間ほど質疑応答をするというのがパターンなのですけれども、今回は私の国政報告というのをさせていただきました。こう言ってはなんなのですけれども、講師を招かないで私がやると、余りふだんは人が集まらないのですけれども、今回は非常にたくさんの方が集まりました。なぜかというと、やはり森総理のこの一連の発言あるいは行動に対して国民の皆さん方が非常に大きな怒りを持っている、その怒りのぶつけようがないので、私のところへ来て私にでも言えば森総理にひょっとしたら伝わるんじゃないか、そういう思いで多くの方が来てくれたんだというふうに思っております。

 そこで、まず第一点お伺いしたいのですが、クエスチョンタイムのときもやや私も隔靴掻痒の感で聞いておりました。国民の皆さん方が一番聞きたいのは、総理がゴルフに行っておられた、これは予算委員会の最中にゴルフに行くのはいいかどうかというのは議論があるところでございますが、それはある程度、個人の趣味の問題というのもございますから、あえてそこは私は言いません。しかしながら、総理に対してえひめ丸の事故の一報が入った十時五十分の段階から、総理がゴルフ場をお出になる十二時四十六分まで、時間が約二時間あるわけですね。その間、総理はいろいろここでも御説明をなさっております。その場を動かなかった方がいいという判断をなさった、そこまでは私は納得をしてもいいと思います。

 しかし、先ほど池田委員も言いましたように、ゴルフ場というのは非常に電波の状態が普通の場所と違っていいとは限りません。私は、まず最初に、十時五十分の段階で総理が一報を聞いたとき、直ちにゴルフをやめて、ゴルフ場を去れとまでは言いません、ゴルフをやめて、何でゴルフクラブへ戻らなかったのか、その一点をまず最初にお伺いしたいと思います。

森内閣総理大臣 第一報がありましたときは、ちょうど茶店のところでございました。したがって、当然そのときは警護官が持っておりました携帯に入ったわけですが、茶店のところにいる方が連絡がしやすいかなということが一つございました。それは、今御指摘ありましたように、有線の電話で、通常の電話で連絡がとりいいかなと判断をしました。

 人が非常にそこで詰まっておりまして、しばらくその様子を見ながらそこで連絡をとっておったのです。その後、またどんどん人がたまりかけてまいりましたので、指示を一応いたしましたので、もう一度連絡を下さい、ただし、先ほども触れましたが、直ちに帰る準備をしようということで、警護官に車の手配、そしてここを途中で出ることもあるぞということもクラブの方にも連絡をして、そして動いたということでございます。

生方委員 もう何度もここでこの話が出ておりますので繰り返したくはないんですけれども、国民の皆さん方の多くが思っているのは、総理大臣というのは、国民の生命財産を守る、これが一番大きな仕事ですよね。そのとき、国民の生命財産が失われるかもしれないという重大な、総理は事故とおっしゃいますが、我々は危機だと思いますけれども、そういう危機が発生をしたときに、総理が直ちに措置をとった場合、茶店で休んだならば、茶店にクラブの車を呼べば、すぐクラブハウスへ戻れるわけですよ。何でその茶店を離れてまたゴルフクラブを持たなければいけなかったのか、そこに国民の怒りが集中しているんですよ。

 その部分をしっかり総理が認識をして、いや、ゴルフ場にいたのは申しわけなかったと言う以前に、ゴルフを続けたこと自体、やはり私はえひめ丸の家族あるいは日本国民に対して総理は素直にお謝りになるべきだ。そうでないから、きょうの新聞に見えますように、支持率が九%、十人のうちの一人も支持をしていないという状況になったんじゃないのですか。総理がやはりもっと素直に、いや、ゴルフを続けてしまったことは申しわけなかったということを最低国民の皆さん方にこの場でおっしゃるべきだと私は思うんですが、いかがでございましょうか。

森内閣総理大臣 くどいようですが、池田議員の御質問のときも申し上げましたけれども、第一報のときは、今二十五名でしたか、救助できた、また引き続き救助いたしておりますと。救命というのは数字の九名ととらえたようですが、いわゆる命を救うという救命、捜索をやっていますということで、何とか皆さんがそれぞれ救助の手によって助かるということを私は期待いたしておりました。したがいまして、その時点では、その状況がもう少し詳細に入るまでこの場にいたらいい、そういう判断を私はいたしたわけです。

 そういう意味で、ゴルフ場にそのまま居続けたということについては、今生方議員がおっしゃるように、そこは私の判断の誤りだったと思いますから、そこは大変深く反省もいたしておりますし、御批判は御批判として承っている、こう申し上げたわけであります。

 ただ、私としては、もう少し連絡をしっかりとるような、そういうことがより大事だという判断をいたしたということでありますが、それも国民の皆さんに理解を得られない、あるいはおしかりをいただくということであれば、私はそれは甘んじて受けなければならぬ、そういう意味では反省をいたしておる、こう申し上げているわけです。

生方委員 官房長官にお伺いしたいのですけれども、首相の警護官、SPの方の仕事というのは何でございましょうか。

福田国務大臣 もちろん、首相の身辺警護をするということです。

生方委員 この予算委員会の話の中で、総理が第一報を秘書官からお受けになったのはSPを通してであるということが言われております。SPの方が当然携帯電話を持っていたということになります。SPの方がやることは警護であって、総理に対する電話を取り次ぐというのは本来の仕事ではないと思うのですけれども、官房長官、いかがですか。

福田国務大臣 もちろん警備が主たる仕事でございますけれども、緊急のときとか何かそれに近いようなことがあった場合には、そういう電話をSPのところにするということは我々はよくやることであります。

生方委員 SPは警護が第一の仕事でございますから、車の運転はしちゃいけないというふうに言われているぐらいですよ。すなわち、警護の方が電話をとっていれば、総理を守ろうとしたって、もしだれかが来たとしたって、こちらに気をとられていてしっかり守れないということがあるじゃないですか。そのために秘書官がきちんといて、総理の連絡に当たるというのが原則なんじゃないのですか。総理、いかがですか。

森内閣総理大臣 そういう御指摘をいただくと、確かに判断の誤りがあるかもしれませんが、先ほど池田議員に申し上げましたように、月曜から金曜までずっと国会対応に秘書官はとられておりましたので、ここは秘書官を休ませてあげたい。こうした事件が起きれば御批判はあるにいたしましても、やはりプライベートなゴルフの時間に、それぞれ秘書官といいましても役所でいえばかなり高級な方のお立場でありますから、そのため、プライベートタイムには秘書官を連れていくというのもいかがなものかという判断を私はいたしました。ただ、私は、自分なりに、公私を常に峻別するようにということを絶えず秘書官にも申し上げているし、警護官にも申し上げております。

 警護にもいろいろございまして、私に専任にずっと終始ついております方が二人おられます。その方はいろいろな役割をされております。ですから、私が個人になるときには、すべてこの護衛官が電話を持っておることは、これは秘書官も全部連絡がとれるような体制になっていますし、そのためには必ずその二人の警護官の電話番号が全部登録されて、緊急の場合は必ずこの警護官に連絡をする。常に一心同体のようなものでありますから、よほどのことがない限り離れることはありません。恐らく便所の中ぐらいです、離れておりますのは。あとはほとんど一緒におりますから、もし緊急に連絡をとるとすると警護官の方が早いということがあります。

 私の防御をする、あるいは警護をするという目的はまた別の警護をされる方々がおられまして、その皆さんが私の警護に当たっておられるということになります。

生方委員 SPの方はたくさんいらっしゃるし、秘書官の方も五人もいらっしゃるということでございますので、五人いるわけで、当然総理の秘書官ということになればそれなりの使命感を持ってやっておられるわけで、総理がそんなことに気を使うことはないわけです。当然国のために秘書官も働くわけですから、秘書官の五人いる中でそれはローテーションで回せばいいだけの話で、ぜひともこれからは秘書官をお連れになって夜の会合も行くようにしないと、緊急事態があった場合また同じようなことがあったら困りますので、その点だけは強く要望しておきます。

 それから、総理はゴルフ場で指示をしたことによって何ら誤りはなかったというふうに申しております、えひめ丸の件に関して。しかし、総理がゴルフ場にいて万全の指示ができたのかというと、私は必ずしも万全の指示ができたというふうには考えておりません。

 それは、アメリカ側の原潜の対応、民間人が乗っていたとか、きょうの報道によれば、あれは緊急浮上訓練ではなくデモンストレーションだったというような発言も出ておりますし、それから潜望鏡でのぞいて船が確認できなかったというふうに最初、一報で言っておきながら、きょうの新聞によれば、確認をしていたというような話もある。

 このように、アメリカ側の発言内容というものが非常に大きく揺れ動いている、違っているというのは、総理がやはり最初の段階で毅然たる態度をとって、もうヘリコプターでも呼んですぐに総理官邸へ戻って指示を発しなかったから、そういう態度がアメリカ側に伝わって、アメリカ側の対応の鈍さ、二転三転する説明に私はつながっているのではないかというふうに思うのですが、いかがでございましょうか。

森内閣総理大臣 私は、ちょっと逆ではないかと思います。

 非常に、このケースの場合は、外務省また政府、私も強く出ております、アメリカに対しまして。ですからこそ、その日にすぐ官房長官のところに公使が来ております。もうそのときにも、官房長官から強く、この国会で議論をされておるようなことをすべてアメリカ側に申し入れております。あるいは桜田政務官をその日の夜のうちに向こうに行かせたのも、あるいは衛藤副大臣を伺わせたのも、こちら側の意向が十分に伝わるように、そうした強い日本側の姿勢があったから、今、生方さんが御指摘になったようなことをアメリカ側も精査せざるを得なくなったのではないでしょうか。

 そういう意味では、私は、例えば大使が、正直申し上げて、宇和島の父兄たちが関西空港からアメリカに向かわれる、ホノルルに向かわれるというときも、でき得れば、日本人の感情からいえば、アメリカ大使館から、あるいは大阪の総領事館になるのでしょうか、一応どなたかアメリカの大使館員が行くべきではないかということを、これは外務大臣が申しました。しかし、それにはわざわざ東京から大使が行かれたということも、そうした日本人の感情というものを伝えたからでありまして、その後、私とブッシュ大統領、あるいは国防長官同士、防衛庁長官、さらに外務大臣、国務長官、もうあらゆるすべてのチャネルを通じてアメリカ側に強い要請をいたしております。

 私は今度の問題で、先ほど岩國さんもお話しになった、よくアメリカのことを御存じだから、アメリカ人のいわゆる感情というのと日本人の感情と、やはり違うのですね。文化の価値観も違う。そこが私は一番やはりそごがあってはならぬと考えました。

 ですから、初めから、技術的に難しいから深い海だから救助できないかもしれない、技術的な問題だ、こういうことをアメリカが言ってきた。桜田さんは私に十二日の朝早くホノルルから電話をくれまして、どうもそのようなことが伝えられているということでありましたから、私は直ちに、町村文部科学大臣そして伊吹担当大臣に、もし引き揚げるということが技術的に難しいなら、難しいということを証明しなければいけないよと。それであれば、先ほど町村さんからも答弁がありましたように、日本はよく深海の調査というのはできているわけだから、それを潜らせればいいではないかということを私はそのときに申し上げたのです。アメリカにそのことも強く言えと。そして、そういうものがないと言うのなら、日本から持っていけばいいではないか。何日かかるのだと調べたら、十二日ぐらいかかる、構わない、日本から深海調査船を持っていけということまで申し上げた。

 アメリカはさすがに自分たちのところにある、こう言い出して深海の調査を始めたというわけでありまして、すべて先手先手と、アメリカ人のかたぎといいましょうか、アメリカの人たちの物の考え方というものを私は絶えず心配をしながら、伊吹大臣あるいは河野外務大臣あるいは町村大臣に指揮、指示をしていた、そのこともぜひ私は理解をしていただきたいと思うのです。

生方委員 私はそれが十全だったというふうには思いません。

 きのうのテレビでもやっておりましたけれども、あの海域にはえひめ丸以外に訓練船が十七隻いたそうでございます。その十七隻がすべて、やはり同じ日本の訓練船が沈没をしたということで直ちに現場に急行しようとした。そうしたらアメリカ側は、ここは領海で私たちが捜査をするのでその邪魔になるから入らないでくれと言って、みんな泣く泣く帰ったというのですね。そういうこともちゃんと外務省やら危機管理担当大臣に入っていれば、日本人の心情として、そんなことは、邪魔はしないから、少なくとも一緒に捜査をさせてくれということを要望することもできたのではないかと思うのですよ。その方たちは非常に残念な思いをして、同僚を救いたいという思いで駆けつけたのに、また戻らざるを得なかったということ一つとってみても、政府の対応が万全だったというふうに私は思いません。

 それから、桜田政務官のことが出ましたので、この間もここで論議になりました、原潜の最初の捜索が適切であったかどうかということで、河野外務大臣は適切であったというふうに必ずしも我が方は認めているわけではないという御答弁をなさいました。

 しかし、これは今外務省からいただいた当日の桜田政務官の発言であります。「みなさんが疑問にお持ちのところでありますけれど、この点について」、というのは「捜索活動に不満を抱いていると聞いているが、」という点ですね、「この点については潜水艦の救助活動が適宜行われて、適切に行われたというふうに私自身認識しています。」というふうに言い切ってしまっているわけですね。それから、この後の方で「技術者等いろいろな方を招いて、いろいろアドバイスを聞きながら交渉して参りました。そして、専門家の立場からも、これは落ち度がなかったということが認識されています。」と。

 アメリカの方でまだこれから、本当に原潜がきちんと捜査をしたかどうか、ハッチもあけなかったとか、その後いろいろ出てくるわけですね。そういうのを認識する前に、アメリカ側の言っていることをうのみにしてこういうことを言ってしまうような政務官を派遣したのが正しい判断だったんだかどうだか、私は非常に疑問を持つのですけれども、いかがでございますか。

河野国務大臣 十日の十二時に外務省は対策室を立ち上げまして、その直後、私は桜田政務官に対して直ちにハワイへ行くように指示をいたしました。その日の夕刻、桜田政務官はハワイに向かっていったわけでございます。

 その後、現地でアメリカ側の説明、それから日本側の説明、現地にいる人たちの関係者の説明を聞いて、その上で桜田政務官は、今議員が読み上げられた、共同記者会見に臨んで、適切であったというふうに私は認識しているという発言をされました。それは私は、現地にいて関係者の話を聞いて桜田政務官がそういう認識をされたということであろうと思います。

 先日、私はここで、外務省としてさらにもっとアメリカ側の調査の結果その他をよく見たいというふうに私は思っているということを申し上げました。アメリカ側は、できる限り急いで調査をし、調査の結果については日本側にもその節目に連絡をするというふうな連絡をしてきております。

 桜田政務官のその発言がいろいろ取りざたされておりますけれども、これはきょうの午前中にも防衛庁長官から御発言がありましたが、日本側の潜水艦の専門家からの意見を徴しても、一般論として言えば適切であったのではないかという発言を聞いているわけでございまして、私は、桜田政務官の発言が一概に、言われるように、こういうことをあの時点で言い切ってしまったことがいいかどうかということについては、私は間違っていたというふうには思っておりません。あの時点、現地にいて関係者の発言を聞き、関係者というのはアメリカ、日本それぞれの関係者の意見を聞いて、あの当時の印象といいますか認識を桜田さんが述べられたというふうに素直にとっていただきたいと思います。

生方委員 先ほどの質問の件なんですけれども、今度の原潜が緊急浮上訓練ではなくデモンストレーションだったという報道がなされておりますけれども、政府が確認しているのはどちらなんでございましょうか。

河野国務大臣 アメリカ側は十日のグリーンビルの浮上が緊急浮上であったことを認めています。アメリカ側の説明によれば、緊急浮上にはデモンストレーションと訓練及び装備の機能の有効性の検証の三つの目的があるところ、十八日、ファーゴ・アメリカ太平洋艦隊司令官は、グリーンビルの今回の緊急浮上がデモンストレーションを目的とするものであったと思うと述べておられるというふうに承知をしております。

生方委員 もう一つの報道では、周辺に船を確認したという船員の話があるというふうに報道されておりますが、この点についてはどう確認されておりますか。

河野国務大臣 次々といろいろな情報が入ってきているものですから、やや私のところへ参ります情報も錯綜しております。

 現時点で、水面上に船がいたという情報は、公式の話としては発表されていないと承知しております。

生方委員 真相はこれから調査をしていくということなんでございましょうが、総理、緊急浮上訓練が、民間人が乗っていたいわば船のスケジュールにのっとってデモンストレーションとして行われた、それがしかもいっぱい船が行き交うところで行われていたということは、今度は新たな事態だと思うんですよね。

 もしこれがデモンストレーションとして行われて、民間人の接待というんですか、それに気をとられて日本の船が沈められちゃったとしたら、これは本当に大変な問題だと思うんですけれども、もしこれがデモンストレーションだということが明らかになったら、新たに政府としてはきちんとアメリカ側に抗議をする気があるかどうか、お伺いしたいと思います。

森内閣総理大臣 先ほど外務大臣からも御答弁がありましたように、今まさにそのことを、調査を向こうとしてもやっておられる段階ですから、いろいろな段階にいろいろな連絡が入ってきております。

 私は、今の点につきましては、民間人の関与については我が方としては重大な関心を有しておりまして、十五日、河野外務大臣からパウエル米国国務長官に対し、電話で提起をいたしました。パウエル国務長官は、民間人の関与に関する情報が日本の方々にどのように受けとめられているかについては理解をいたしております、このように応じているようです。

 また、同日夜、河野外務大臣からフォーリー大使に対しまして、約一時間半ばかりお二人で話されましたが、その中で同様な問題を河野大臣から提起いたしました。フォーリー大使は、自分の理解しているところでは民間人の同乗は本件事故の原因ではない、しかし、公式な調査が終わるまで事故の原因が何であったかについて申し上げることはできない、このように述べている、このような連絡が来ております。

生方委員 きのうもテレビの映像でえひめ丸の船体が映し出されたわけでございます。あれだけビデオで鮮明に映るわけですから、技術的にはいろいろな困難な問題もあるかと思いますが、ぜひともこれは引き揚げる、アメリカ側だけで無理であれば、日本側もできる限りの協力をしながら引き揚げる努力をしていただきたい、そのことを申し上げます。

 総理から一言あれば。

森内閣総理大臣 これにつきましては、衛藤副大臣がワシントンに参りまして、私がブッシュ大統領に親書を託しておきました。そうした中にも、そうしたことをすべて日本側の意向として織り込んで、そしてアメリカ政府に対してそのことを強く要請いたしております。

生方委員 先ほどのゴルフの件にちょっと戻るんですが、ゴルフの会員権の問題でございます。

 ちょうど先週から確定申告が始まって、みんな今税務署に行って申告をしている時期でございます。先ほど池田議員との話で、これは貸してもらっただけである、贈与ではないという答えをもうるるされておりますので、そのことを繰り返して述べるつもりはございません。

 ただ、一般の国民の常識からして、ゴルフの会員権というのは何のために持つのかというと、これはゴルフをプレーするために持ちますよね。森総理は、お友達からそのゴルフの会員権の名義を譲ってもらったというふうに言っておりますが、それはゴルフをプレーするために譲ってもらったのであって、そのことを普通の人は、ゴルフの会員権をプレゼントされたというふうに言うんですよ。

 これは、貸してもらったであろうが、贈与であろうが、何であろうが、その名義を持ってゴルフをしているということは、その名義人の主たる森総理がそこの会員になるということが国民からすれば常識であって、そのことについては、友人からそれだけの大きな便宜供与を与えられているわけですから、名義人が森総理であるという便宜供与を与えられているわけですから、きちんと――私も地元で税理士の方何人かに聞きました、こういうことがあり得るのかと。あり得ない、贈与税が普通だったらかかりますよと多くの税理士の方はおっしゃるんですよ。だれに聞いても、いや、この場合は税金を払わなくて済みますよと言う人を私は少なくとも一人も聞いていないんですよ。

 森総理だけがこの中で、これはただ貸してもらっただけであるということを言っているので、国民の多くの方から見ればこれは贈与であるというふうに理解をしているということを総理が理解をすれば、今ちょうど確定申告の時期でございます、総理は国民から税金を集める一番トップにある方でございますから、少なくても、疑問を持たれているのであれば、総理の認識はどうであれ、ここは、普通のケースであれば贈与税が約一千二百万円かかるということでございますから、一千二百万円を国庫にお返しする気があるかどうか、その一点だけお伺いいたします。

森内閣総理大臣 私は、贈与でないという認識をいたしております。毎年毎年申告があるわけですから、直接私がするわけじゃありませんが、私の家内が税理士を呼んで、特に我々のようなこうした立場でありますから、一議員でありましてもきちんと申告しなきゃならぬことは当然なことでありますから、その都度、こういうケースがあるということをこの十五、六年の間、きちんと税理士と相談をしているわけです。

 贈与をしたということなら当然かかるんでしょう。贈与をされていないわけで、私のものでないということのきちんとした証明は私の方も担保しておりますし、会社側も、持ち主もきちんと資産であるということを登録しているわけでありますから、そういう意味では、プレーをするということの好意を受けたということだと思うんです。その好意は友人としてしてくださったことで、私は感謝をいたしておりました。

 しかし、今、生方さんおっしゃるとおり、そのことは国民感情をやはり逆なでするといいましょうか、国民感情から見れば怒りがあるということであるとするならば、これは私の判断が誤っていたのかもしれません。

 しかし、十六年にわたって私はそのことをずっと、毎回毎回、確定申告のとき、また同時に資産公開のときもその相談をしながら進めてきたということだけは、注意をしながらやってきたということはぜひ理解をしていただきたい。しかし、この問題につきましては、誤解があってそうした御批判もあるということを承知いたしておりましたので、そのことについては直ちに今手続を変更をさせているということであります。

生方委員 何度も支持率のことを言うのはなんなんですけれども、支持率が九%まで下がったということは、総理がおっしゃっていることを国民の皆さん方が理解できないからなんですよ。国民の皆さん方の目線に立って言えば、政治家は何だかんだ言いながら、いろいろな便宜供与を受けているんだな、それを指摘されると、口だけでうまいことを言ってごまかしてしまうんだなと。それが政治不信をどんどん積み重ねていっているんですよ。

 だから、総理にとってはこれを贈与だということをお認めになることはつらいことかもしれませんけれども、そういうことをほとんどの国民の方が思っているんであれば、率先して総理が、自分はそうは思わないと仮に思ったとしても、その贈与税に関する部分を国庫に返すぐらいのことをやらなければ、とても私は政治に対する信頼は取り戻せないのではないか、このことだけを申し上げておきます。

 次に、報償費の件についてお伺いをいたします。

 この間もこの場で、報償費、非常に流用されて、それを横領した人物もいるということでございます。この額が六年間で九億六千五百万円だったということも官房長官の方から明らかにされております。この報償費の支払われた名目は、総理が、総理とは森総理だけじゃないですけれども、歴代の総理が海外に出張したときに、その宿泊費と実際に泊まったホテルの差額を支払ったということで、九億六千五百万円、六年間で払われているわけです。

 これが、去年の四月から旅費法が改正をされて、少なくてもこれからはそうした形で差額を支払うということがなくなったわけですね。すなわち、この六年間で九億六千五百万、これは横領分ももちろん含まれるわけですが、そうした名目で払われていたものが、これからは払わなくて済むようになるわけです。これは一年に直せば大体一億六千万から一億七千万ぐらい。あと二千八百万別途払われたということもございますようですから、ほぼ十億でございますから、十億の六年分というと一億七千万円になるわけです。

 これは、少なくても去年の四月の段階で差額分はすべて国庫から出るということになるので、機密費から出す必要がなくなったわけでございますから、今年度予算から一年間につき約一億七千万円減額をするべきであると多くの国民が考えていると思うのですが、減額について総理はどのようにお考えになりますか。

福田国務大臣 報償費の責任者でございます私から答弁させていただきます。

 内閣官房の報償費は、我が国の予算の規模、経済規模はかつてに比べて拡大しまして、また首脳の外交の重要性も増しまして頻度も多くなる、そういう中でこの十年間、現在の水準にずっと据え置いておるということがございますので、でき得ればこの額は維持したい、このように考えております。

生方委員 総理、これだけ財政が逼迫している折、どう考えても一億六千万か七千万円は、その差額分はこれからはきちんと予算措置されるということで、出なくて済むわけですね。そうであれば、きちんと今年度からは削減をするということを国民の皆様方の前に言うということが政治の信頼の面からも大事だと思うのですけれども、いかがでございますか。

森内閣総理大臣 こういう財政状況でございました、ここ近年。ですから、むしろ必要な経費を抑えてきたというふうにぜひ御理解をいただきたいと思うのです。

 したがいまして、これからは、いろいろな意味で我々も反省しなきゃならぬ点もありますし、当然、これらのことについて適正に、そして本来の我が国のいわゆる首脳外交というのはこれからますます比重が重くなってまいりますし、そういう意味では、この金額がこれまで抑えられてきたという現状から考えますと、やはり減額するということは適切ではないというふうに思っております。

生方委員 これは、旅費法をせっかく改正して差額分については払わなくてよくなったわけですから、その分、今まで出ていた分だけは少なくてもことしからやめようというぐらいは言ってもいいと思うのですけれども、財務大臣、いかがでございますか。

宮澤国務大臣 いろいろなことがございますから、支出等の問題については注意をしなければなりませんけれども、要求側でここは減らしてもいいんだとおっしゃればともかく、私から言いますと、ずっと長いこと同額できております予算でございますから、全体が膨張している、あるいはいろいろな政府の活動が大きくなっているときに現状を維持してもらっているということはいろいろ御苦心があるだろう、むしろそう思っておりますので、私からは何も申すつもりはございません。

生方委員 これは、この議論を聞いている国民の皆さん方が、政府がこれだけ借金がふえてしまった原因がそういう放漫な財政にあるのではないかなというふうに感じるかもしれません。

 少なくても報償費に関しては、何がどういうふうに使われているか国民の皆さん方にわからないから不満があるわけで、情報公開法もございます。今すぐ公開をすればそれは外交や国の政治に支障が出るということであれば、例えば十年とか十五年とかというのを区切って、どういうふうに支出をされていったのかということを明らかにすれば国民の皆さん方もそれが適切に支出をされたのか不適切だったのか判断ができるわけで、今のままだったら、判断材料が何もないままに、本来であれば旅費の補てんとして使われていた、ことしからは旅費の補てんをする必要がないのに、今までずっと据え置いてきたから同じようにそのままの額が出ますよというのじゃ納得ができないと私は思いますので、総理大臣、その十年とか十五年、情報公開をきちんとするというお約束をしていただけないでしょうか。

福田国務大臣 内閣官房の報償費というのは、内政、外交を円滑かつ効果的に遂行するために、その都度の判断で機動的に使用する経費である、こういうことでございますので、決して積み上げとかそういうような形でやっていないということがございます。

 しかし、こういうようなことがございましたので、内閣官房の報償費運用につきまして、この際、点検を行った上でより厳正かつ効果的な運用に努めまして、国民の御理解を得たい、このように考えております。

生方委員 本当はここで総理にIT立国ということについて論議もしたかったんですが、きょう、先週からの話で、与党内からも総理におやめになってほしいというような声が出ている、一部には予算案の成立と引きかえに総理の進退が明らかになるのではないかというようなことも言われております。

 総理御自身、現在の時点で、御自身の進退についてどうお考えになっているのかをお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

森内閣総理大臣 大事な予算案の御審議をいただいているときであります。一日も早く、年度内に成立ができるように、私としても最善の努力をしていきたい。さらには、この国会におきまして、教育改革を初め、今御指摘がありましたIT関連にいたしましても、あるいは景気対策、そしてさらに経済の改革を進めていかなきゃなりません。そうしたことを一生懸命やり遂げたい、こう思っております。

生方委員 終わります。

野呂田委員長 これにて池田君、岩國君、生方君の質疑は終了いたしました。

 次に、中井洽君。

中井委員 自由党の中井洽です。

 三十分の時間ですので、現在一番問題となっております原潜の衝突事故、そして機密費問題、KSD、これらのことをお尋ねいたしてまいります。

 最初に、悲惨な原潜の事故の総理の対応がいろいろと議論を呼んでおります。

 私は、一番不思議でならないというか、少し総理どうしたんだろうと思いますのは、伊吹さんでも、伊吹さんでもと言ったら大変失礼ですが、官房長官でも、これは日米安保条約、日米安保体制にとって大変なことになると事故の悲惨さと同時に一瞬に思ったというのに、総理は、重大だなと思ったとはおっしゃるけれども、この日米安保体制のことについては何もお触れにならない。そして、その判断が、ただの事故じゃないかという言葉につながり、ゴルフを続けられたというところにつながった。私どもから見たら信じられない判断の悪さだ、こう言わざるを得ないんですが、その点について確かめさせていただきます。

森内閣総理大臣 御指摘どおりでありまして、私は、これはアメリカの領海で起きたこと、アメリカの原子力潜水艦であったということ、これはもう単なる事故というふうに考えられない。したがって、この本部は外務省を中心にやらざるを得ない。当然、防衛庁、そしてまた、犠牲者といいましょうか、被害を受けた方が教育関係であったということで文部科学省、そうしたところとすべて連絡をとらなきゃならぬなと。しかし、何はともあれ、やはり的確な情勢の判断、それからいろいろな資料をとらなきゃならない、そういうことを考えて、日米関係ということがこのことによって大きな支障になってはいけないということは、私はそのとき一番脳裏に去来をいたしました。だからこそ、連絡を緻密にとれるようにしなきゃならぬ、そういう判断をいたしたわけです。

中井委員 私は、今回のことで総理のいろいろな失敗の一つは、お話がありました秘書官をお連れにならなかったことだと思っています。

 このことは、例えば安倍内閣官房副長官には十時半に連絡が行っている、伊吹さんには十時四十分ぐらいに連絡が行っておる、総理だけ十時五十分であります。ほかの方は、秘書官と御一緒におられたか家におられたから、すぐ連絡がついた。総理の場合は、秘書官がよそにおられたから、秘書官経由で総理へ連絡が行く分だけおくれたんだろう、僕はこう思っております。

 それから二つ目は、もし総理がそうやって日米安保条約上の大事な問題だと一瞬御判断なさったのなら、どうしてそこから、安倍さんや伊吹さんや、あるいは官房長官や防衛庁長官、外務大臣に直接お電話を入れなかったんだ、どうして役人任せにするんだ、ここのところが一般国民から見ておかしいじゃないか。また、私どもの危機管理観、政治家は危機管理のときにはこうあるべきだ、こういう観点からいって到底納得できない行動であった。秘書官に指示して、外務省、防衛庁と連絡をとりなさい、対策室、ちゃんとやりなさい、こんなことで済んだ問題ではないだろう、こう私は思いますが、いかがですか。

森内閣総理大臣 ですから、私は、それぞれの所管の責任者にすべて連絡をとれておるかということを確かめましたら、とれているということでありましたから、それでは引き続き対策本部をスタートさせるとかいろいろな点をさらに詰めてやってほしいということを申し上げたわけでありまして、それぞれの担当大臣、責任者にもう既に連絡をとれて対応をされ始めました、動かれております、こういうことでございました。

中井委員 新聞等にも出ておりますが、ようやくつくりました内閣の危機対策の初動マニュアル、この中をずっと見ましたり、今回のいろいろな経過を聞きますと、内閣危機管理監というのが判断をすることになっている。それで、内閣危機管理監が判断したことを総理やらがそのまま受け取るシステムになっている。

 これは、伊吹さんでもみんなが、安倍さんでも、十二時過ぎじゃないと東京へ戻られなかったのは、内閣危機管理監が、官邸連絡室でいいでしょう、連絡室はどうも十二時ぐらいになる。ここへお集まりの皆さんに聞いたら、このお集まりの役人さんは、大体三十分で対応しなきゃならないということだけれども、大体十五人いらっしゃる中で午前中十人が参集された。十二時過ぎてからようやく全員集まった。全員集まった、総理、お戻りください、これが大体真相じゃなかったのか。

 私は、このマニュアルを変えるべきだ、これはこれで結構だけれども、総理が一瞬これは大変なことだとお思いになったら、危機管理監に、いや、それは違う、対策室だ、連絡室ではない、こういう形であえて言われてでも、あるいは伊吹大臣に言われてでも対応される、それが政治家や内閣の危機管理じゃないか、このように思いますが、総理、いかがですか。

伊吹国務大臣 先生御指摘なのは、内閣官房にございます初動対策マニュアルのことだと思います。これは事務的な初動の体制を書いたものですから、もしこのとおりやっているとすれば、対策室を立てて、その段階で政治家に連絡することになっています、内容すべて御存じのように。しかし、今回起こったことは、情報が来ている段階で既に総理にも私にも連絡が来て、そして連絡室を立て、対策室は各省に立ててやろうということになっているわけです。

中井委員 伊吹大臣のせっかくの御答弁でありますが、この内閣情報集約センターから皆さんへは直接情報が行くんです。対策室が立って、あるいは連絡室が立ってから連絡が行くんじゃなくて、情報は行っておるわけです。その情報をもらったときに、総理はさっき、内閣危機管理監とも連絡をとるように言った、こうおっしゃる。ここの御判断が、私は、単なる事故だ、もう少し待っていいですよという御判断であったんでしょう、そういう役所の判断に任さずに、政治家が判断をして、役所にこうしなさいと言うのが内閣や政治家の危機管理じゃないでしょうかと。今回、このことに関して、少し役所の判断に乗っかかり過ぎたんじゃないですか、私はそう申し上げているんです。いかがですか。

森内閣総理大臣 既に危機管理監にこのことは連絡が行っていますね、もちろん、それで動いておられますね、動いておられます、こういうことでございましたから、そういう判断をしたんです。

中井委員 だから、危機管理監は事故だという判断で官邸連絡室で済ませた、それを森総理はお変えになるべきだったんじゃないのか、これを私は申し上げておるのでありまして、危機管理監に総理が命令をする、こういう体制を入れないと政治家の危機管理にならない。これは、今回のお互いの反省をしなきゃならない、僕はそう思います。そういった意味で、ぜひこの危機管理のマニュアルの再編成、また同時に、政治家、ポストにつかれる人たちの心構え、そういったところを改めていただきたい、このことを強く申し上げておきます。

 それから第二点目は、先ほど御議論の中でいろいろございましたが、桜田政務官を十二時の段階で判断してアメリカへ行かせた。これはこれで私は適宜な措置だと思っております。しかし、ここからが日本の外務省だ。相手は米軍じゃないですか。相手は原子力潜水艦じゃないですか。なぜ専門家の自衛隊を同行させなかったんだ。どうして自衛隊に行けと言わなかったんだ。

 大臣、来ていただいておって恐縮ですが、もう時間がありません、私が言いますが、二日後に自衛官、潜水艦の艦長をしている一佐、二佐クラスがアメリカへ行った。したがって、そこで初めて桜田君はさっきのとんちんかんな原潜のことについていろいろな専門的な知恵をもらったのです。二日間、やはり日本政府の対応がおくれたんじゃないか。

 ここに私は、今回の処理で、政府が一生懸命おやりになったかもしれないけれども、間違えておる、こういうときには専門家をきちっと入れて対策をする、アメリカへ行く、こういったことが必要だと思いますが、河野大臣、いかがですか。

河野国務大臣 政務官をハワイに派遣するに当たりましては、総理からも御指示をいただきまして、総理からの御指示は、捜索活動について、アメリカに徹底的に要請をして捜索活動をやってもらうようにしろということが一点。

 それからもう一点は、日本から関係の方がハワイへすぐに行かれるだろう。宇和島の御関係の皆さんが行かれるだろう。あるいはそれ以外にも、例えばメディアの方も相当大量に行かれるかもしれない。そうなると、現在のハワイの総領事館でそれが十分対応できるかどうかということも心配だ。とにかく、宇和島の御関係の皆さんをきちんと先方、ハワイにおいてお世話をして、この御関係の皆さん方のお気持ちに沿ってできるだけのことをするようにしてこいというのが総理から桜田政務官に対する、出発間際ですけれども、直接の指示でもございました。

 十日のあの時点におきましては、我々としては、とにかく救助活動、捜索活動というものがまず何より大事だということが一つと、それから、日本から行かれる方がホノルルへ着いてどうしていいかわからないというような状況であってはならぬ、そういうことについて十分配慮をするということがとにかくとりあえず何より先だというふうに考えたわけでございまして、私としては、十二時に外務省で対策室を立ち上げた直後に桜田政務官を呼んで、直ちに行けという指示をした次第でございます。

中井委員 僕は、どうして防衛の専門家をお連れにならなかったのか、こう申し上げたので、桜田さんを行かせたのはよかったと最初に言っているわけですから、長々と違うことを答えないでください。こういうときに専門家を送るのを二日もおくらせたということが対応のおくれであると申し上げたわけであります。

 三つ目は、今、日本国民は本当に怒っているんですよ。さっき、河野さんは、怒りすら覚えると言われました。僕は、そのとおりだと。だけれども、ずっとアメリカの対応を見てみたら、国民全部は、アメリカと仲よくしよう、日米安保体制は大事だよと思っていますが、今回の事故、情報が次から次へと後から出てくる、考えられないようなことが言われる、そして勝手に遺体の捜査をやめようとされるとか、こういったことを含めて国民の怒りというのは沸騰点にある。これに対して政府はアメリカに抗議していない、強く当たっていない。これを国民全体は感じていらっしゃる。

 確かに、フォーリーさんが来られたら遺憾の意を言った、ブッシュさんとの電話でもおっしゃった、こう言われております。私どももいろいろな新聞記事で読んでおります。しかし、国民全体は、政府が何だ、いたいけな高校生を含めたああいう船に原潜がめちゃくちゃなことをやって、そして沈没させて死なせてしまう可能性の大きい事故を起こした、このことに対して非常な憤りを感じている。政府が、たとえ日米安保条約の同盟国であろうとも、アメリカに対してきちっと怒りの声を上げるべきだ、抗議の声を上げるべきだと僕は思いますが、総理、いかがですか。

森内閣総理大臣 私どもとしては、先ほど言いましたように、それぞれのチャネル、チャネルでいろいろな話し合いをいたしておりますが、かなり強く申し上げていますよ。これは外交上、これでいいのかなと思うぐらいの気持ちを込めて申し上げておりますし、大統領などの御発言についても、私どもとしては、たしなめなければならぬことはたしなめているのです。それは常に、愛媛県の宇和島の皆さんのお気持ち、御家族のお気持ちを体して当然話すべきだ、私はそういう思いで話しております。

 ですから、衛藤副大臣を派遣するときも、その必要はないのではないかという意見が国会の中にございました。しかし私は、河野大臣に、どんなことがあっても派遣しろ、とにかく政府として、何人派遣してでも、日本の姿勢が強いということをアメリカ側にきちんと理解されるまではそうした方法をとっていくべきだということを私は指示してきたつもりでございます。

中井委員 お気持ちは承りましたけれども、記者会見なり、あるいは緊急のアピールなりをおやりになるべきであった。私どもは、そういう意思表示が日本人全体として下手なのだ。しかし、それでは国際社会の中でやっていけないのではないか。このことを含めて、また御遺族の、御遺族とまでは言い過ぎかもしれませんけれども、被害に遭われている方々の御家族のお気持ちを考えたら本当に強く出て当然だ、私はこのように思っています。そういうことを含めて、今後ともえひめ丸の引き揚げを含めて十分な対応をとるように強く要請をいたしておきます。

 次に、外務省のいわゆる報償費、松尾元室長の公金横領、この問題について、十日前と同じくお尋ねをいたします。

 その後も、私どもはいろいろな聞き取りをしたり調査をいたしてまいりました。外務省がなぜあんなずさんな調査で打ち切って、訴えて、そしてあとは捜査当局だ、こういうことをおやりになったのか、どうしても理解できません。また、そういう中で、平気で昨年と同じ額の内閣報償費、外務省報償費を予算の中に入れられて今回の予算として対応をしようとされている、このことも理解ができません。

 河野外務大臣にお尋ねをいたしますが、要するに、松尾さんを任意で調べた、調べたとおっしゃるが、要は、松尾元室長がこれだけは使い込みましたと言った金額だけを調査として出されただけで、あとは一切おやりになっていないんじゃないか。

 例えば、外務省の職員お一人お一人にお聞きになったのか。あるいは、記者会見でお出になりましたからおられませんが、官房長官は、あの中には大蔵省と他の省庁のもある、こう言われております。大蔵省や通産省に外務省からお問い合わせになったのか。僕は、部屋へ外務省に来てもらって、それでは、その五つも六つもある銀行の中で松尾室長の給料振り込みの口座はどこですかと言ったら、わかりませんと言うのですよ。何にも調べていない、それで二日ほどたったら御返事いただける。そういうずさんな調査で本当にいいのか。

 この間も申し上げました。あえて、こういうずさんな調査で打ち切って対応されておられる、この外務省の対応について、もう一度お尋ねします。

河野国務大臣 松尾元室長に対する公金横領の疑惑につきましては、外務省として、一日も早くその全貌を解明するということが我々に与えられた使命だというふうに考えました。

 ただしかし、私どもは松尾室長に対しまして、この問題について説明を求めましたけれども、松尾室長からは十分な説明を得ることができませんでした。しかし、我々としては、松尾室長とのやりとりの中で、松尾室長の第一勧銀にございます口座に、彼が公金はここに入れましたという返事を確認して、そして第一勧銀のその口座の中身について集中的に調べて、横領の疑いが明白な部分というものを見つけ出したわけでございます。

 今議員からお話がございましたように、やらなければならない問題はまだあるということを我々も承知をいたしております。私どもが発表し、説明をいたしました部分が外務省職員にかかわる問題のすべてだというふうに私は決して思っておりません。もっともっと調べなければならないことがあるというふうに私も思います。しかし、その調査は、外務省がおのずからできるものと、それから捜査当局にお願いをしなければならないものと両方あるということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

 今議員は、あの五千四百万円の横領疑惑を告発して、それで打ち切ってしまったのかというふうにおっしゃいましたけれども、外務省内にございます問題をさらに掘り下げるために、現在でも調査委員会をつくりまして、荒木副大臣を調査委員長として内部の調査を続行いたしております。そして……(中井委員「大蔵省と通産省に頼んだかというのを、返事を聞かせてください」と呼ぶ)

 大蔵省、通産省の差額について、私どもはまだそこまで問い合わせをしておりません。これは、とにかく松尾室長の横領というものをできるだけ早くつかんで告発をするということに集中して我々としては作業をしたということでございます。さらに省内では関係者、例えば松尾室長の元上司等からの聞き取り調査はいたしております。

中井委員 初めに調査書をもらったときに、私どもは、内閣と十分連携をとって、幾ら渡したのか、幾ら行方不明なのか調べたのですかと言ったら、聞いていません、こういうお答えでした。今、大蔵省や通産省、総理の外遊のときには必ず随員を出される役所にお問い合わせになったのですかと言ったら、聞いていません、外務省の職員に聞いたのですかと言ったら、聞いていません。僕は、外務省の方が僕らの部屋へ来て、どうですか、こう言ったらしゃべられないのは、箝口令がしかれているのではないか、こう疑ってすらおります。簡単ではないですか、調べることぐらい。

 財務大臣、お調べになったことはありますか。

宮澤国務大臣 特に調査としていたしたことはございません。

中井委員 経済産業大臣、いかがですか。

平沼国務大臣 私どもは調査をやっておりまして、松尾元要人外国訪問支援室長の在任中、総理の外国出張に通産省から職員が随行いたしましたのは、四十六回のうち四十回でございます。そして、公式随員数の延べ人数は二百四人でございまして、そのうち総理と同じホテルに宿泊した者は、延べ百八十四人に相なっております。

 そしてお尋ねの、その中で機密費というのは、今、現職幹部職員を中心に私どもはいろいろ聞き取りをやっておりまして、ただ、この問題に関しましては今捜査も開始されております。ですから、我が省としては、今そういう聞き取りをやっておりますけれども、その推移を見守りながら我々は検討していきたい、このように思っております。

中井委員 財務大臣、お手元に資料は行っていないかもしれませんが、御依頼をいたしましたところ、三日間で財務省はおつくりをいただきまして、個人名も挙げてございます。一切差額はもらっていません。一切補てんは、外務省、内閣官房、受けておりません。自分たちは、調整額をもらえるときはもらう。また、もらえずに、一万円ぐらいの額なら、局長級ですから、日当が出ていますから、それでホテル代の差額を埋めて個人で払っています。こういって御返事をいただいております。

 経済産業大臣平沼さんも、多分外務大臣のお立場を考えて、わかっておってもお答えにならなかったのでしょうが、同じだと思うのですね。外務省だけどうして差額をもらうのですか。これは、僕は申し上げたように、外務省と内閣との間の、機密費で昔からの密約があって、内閣とそれから外務省だけがこういう使い方をしてきた、ここに問題があるんだと僕は思います。

 それはそれで、過去十数年、これは国会も予算で全部認めてきたのですから、それをどうだこうだと言うつもりはありません。それよりも、国民の皆さんに対して、この予算からこういうふうに機密費は分けます、だれのところで使います、旅費はどうします、交際費はどうします、きちっと分けてやるんだ、これが私どもの務めだと前にも申し上げました。残念ながら、その方向は一向出てこずに、さっさときょうは公聴会の日程を委員長が強硬にやられて、大変不愉快だ、こんな予算委員会はないんだと僕は思っています。

 そういう意味で、私は、だれの責任だと言いません。河野さんに責任があるとしたら、こんなずさんな調査書で終わってしまおうとしたところに僕は責任がある。また、内閣はこんな予算を出してきたところに責任がある。自分らの意思でもってでも報償費のところは凍結するなり、野党と相談をしてやり直す、このことが僕は必要だと思いますが、森総理、いかがですか。

森内閣総理大臣 本件につきましては、既に捜査が開始されているところでありまして、その中で真相が解明なされていくものと考えられております。

 各省の公式随員につきましては、宿泊費差額が支給されていたかどうかの調査については、捜査の進展も見ながら、その必要性の有無を含めて検討してまいりたいと思っております。

中井委員 何も調べずに、捜査の進展に任す、こればかりであります。捜査は何年かかるのですか、裁判が終わるまで。そのころ森さんは総理をやっていますか。その間、何回予算がこのままでいくのですか、このままでいったら。こんなことでは私どもは国民の負託にこたえられるとは言えないと考えています。

 これと同じことを、総理は自民党内でKSDの幽霊党員肩がわりを調べるとお約束になられました。いつまでに調べて発表なさいますか。また、調べて、現実に肩がわりがあった、片山総務大臣は何かあうんの呼吸で判を押せばいいんだとめちゃくちゃなことを言っておりますが、そういうばかな調査じゃなしにきちっと調べられて、本当に十数万の肩がわり幽霊党員がおるのなら、このお金をお返しになる、こういうことを表明されるお気持ちはありませんか。

森内閣総理大臣 時間をとって恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、政府としては原因の解明と再発防止に万全を期してまいりたい。これは前段のものでございます。

 同時に、報償費の運用につきましては、この際、点検を行った上で、より厳正かつ効果的な運用に努めて、国民の御理解を得たいと考えております。

 それから、KSDの問題につきましては、たびたび申し上げておりますように、入党の手続においては特に問題がなかったというふうに我々は聞いておるわけでありまして、ただ、KSD豊明会がどのような形で党員を取りまとめたかについては、党としてはなかなか把握し得る立場にはないわけであります。党員として登録された後は党から機関紙が配付されておりますし、あるいは党の総裁選挙では有権者としての投票用紙が配付されるわけでありまして、そうした際に拒否されなければ、党としては、これは正規の党員として扱うということはむしろ当然なことだというふうに承知をいたしております。

 そこで、今後、これらの問題につきまして今調査をいたしておりますので、御指摘がありましたように、そうした事実が判明し、あるいは返還の請求がなされた場合は、これは党費の返却も含めて適切に対処しなければならぬ、このように党側には私は強くその指示をいたしておるところでございます。

中井委員 坂口大臣にお尋ねいたします。

 もう長い、同一選挙区でやってまいりましたし、新進党では一緒に北川知事を担いだりしてやってきた仲であります。自民党のことはお互い裏から表まで知ってまいりました。

 公明さんは盛んに森総理かえなきゃだめだだめだと言われるけれども、総理かえたって一緒でしょう。自民党の体質が変わらない限り私はだめだと。もう一刻も早く連立を出られる、この御決心をひとつぜひお聞かせをいただきたい。

坂口国務大臣 私は、森総理に任命をされました一閣僚でございます。最後まで森総理と国家国民のために頑張る以外に私はございません。その決意でございます。

中井委員 終わります。ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて中井君の質疑は終了いたしました。

 次に、児玉健次君。

児玉委員 日本共産党の児玉健次です。

 つい今し方、ハワイ現地に私たちが送っている調査団から一枚のファクスが参りました。これは、日本時間できょうの午後二時、二時間前です、行方不明になった皆さんの御家族の方々とお会いして、そこで出された意見と要望です。三点あります。

 第一点は、アメリカ政府、アメリカ海軍は情報を公開せよ。肝心なことは一つも伝わってきていない。二点目、そのことを要望しても、期待にこたえるとのポーズだけである。三点目、人間として、事故を起こした責任者が謝罪すべきだ。海軍はこの要求を受け入れていない。

 その三つをおっしゃった上で、こう述べていらっしゃる。私たちのこの声を、日本の国会と政府が党派の別を超えて実現するために努力をしてほしい。

 私はこの努力をしたい。森総理、どうですか。

森内閣総理大臣 先ほどからたびたび各議員からの御質問に対しまして、政府としては、すべてのチャネルを通じて強く究明、あるいはまた海の中の調査、あるいは沈没したえひめ丸の調査等、万全の対策をとるように努めておりますし、またそれぞれ、大統領が私に対し、あるいはパウエル国務長官が河野外務大臣に対し、防衛庁長官に対して国防長官、それぞれ謝罪と遺憾の意は伝えられてきております。私どもは、それに決して満足しているわけではございません。さらに次の捜査、次の解明、そして事実関係をきちんと日本側に説明するように求める。特に、犠牲になっておられる御家族の皆さんのお気持ちを体して、そうした措置を万全にとるように常に強く申し上げているところでございます。

児玉委員 総理、これは昨年度のえひめ丸乗船実習報告書です。拝見しました。ことしも、実習を終えて一段とたくましくなって宇和島に帰ってこられるはずであった。しかし、いまだに四人の高校生と二人の教師、三人の乗組員が帰ってきていらっしゃらない。御家族、関係者の不安と悲しみ。私も、商船大学航海科に一時在学しておりまして、そのころ練習船進徳丸、海王丸でそれぞれ一カ月の実習を経験しただけに、今度の事故は胸に迫るものがあります。

 十日の朝、何が起きたんでしょう、八時四十五分、衝突の瞬間に。着のみ着のままです。プールで泳ぐのと違います。ズボンをはき、作業衣をつけ、そして救命胴衣を身につける暇もなかった方も随分いらっしゃったという。そういう方々が海に投げ出された。

 アメリカの海軍当局はどう見ているでしょう。AP通信の二月十四日です。ネービーオフィシャルズがこう言っている。九名の行方不明者があるいは船内に閉じ込められ、またはおぼれたであろう、そして、生存された乗組員がいろいろな方たちと調べてみて、確かにブリッジにいた方で何人かの方が行方不明になっている、こう言われていますね。そこが今、日本でもハワイ現地でも大きな問題になっています。

 ホノルルの海事法弁護士のフリードハイム氏、彼は二月十三日に、彼らは子供たちだ、高校生たちがおぼれているのに乗組員は捜索しようとしなかったと率直に原潜の対応を批判されている。そして、あなたもごらんになったでしょう、二月十一日の記者会見で大西船長が、潜水艦に救助された乗組員はいない、ただ監視していただけだと無念の涙を流されたではありませんか。

 生存者がボートでびしょぬれになり、油をかぶり、寒さに震えたとき、あなたは何をなさっていたんだろう。

 あなたは、党首討論で、その場所、ゴルフ場です、その場所にいたことについて御批判があれば甘んじて受ける、こう述べられた。しかし、実習船が原潜と衝突し沈没したその一報をあなたが受けて、なおかつプレーを続けたことに関して、あなたはいまだに謝罪をされていない。このことに国民の批判が集中しています。きっぱりと謝罪されてはいかがですか。

森内閣総理大臣 前段のお話については、私が御答弁申し上げることよりも外務大臣がよろしいかと思います。

 後段の、私のとった行動でございまして、これは、今あえて児玉議員からも御紹介ありましたように、私としては最善の努力をしたつもりでございます。

 ただ、場所については御批判をいただいておるということで、私は、それに対しての御批判は甘受しなければならぬ。そういう意味では、大変、私のとったその場所におけるその判断は、政府に対する措置は、政府といいますか各省庁に対する措置は、私としては万全をとりましたが、その場所にいてその判断をしたということについて御批判があれば、私はおわびしなければならないと思っております。

野呂田委員長 外務大臣は……。

児玉委員 外務大臣は後から御発言があるでしょう。

 何回も言われていますが、ハワイではどう言われているだろう。ハワイで、森首相はゴルフのスコアは上がったが国民の支持率は下がった、実に辛らつな報道がされていますね。そこのところをあなたは受けとめるべきですよ。それが受けとめられなかったら、国民の命と財産を守ることはできません。

 今国民が何を一番求めているか。それは、さっき現地の声も伝えましたが、原潜がなぜ救助しなかったか、事故が起きた一時間後の問題ではありません、そこが肝心なんです。

 太平洋艦隊のブレア司令官自身が、二月十三日に、最初の一時間の救助活動がどうだったか、まだ十分な情報を得ていない、外務大臣も御存じのように、そう述べています。

 そして、ホワイトハウスリポート、私、それを読んでみました。二月十三日のものです。皆さん御存じのこれですね。それによれば、報道官の発言です、報道官によれば、森首相とブッシュ大統領、二人の指導者の十分間にわたる緊密な対話の後、ホワイトハウスの報道官は、ブッシュ大統領が、森首相は、アメリカ潜水艦側が事故当初に十分に犠牲者の救助活動を行わなかったというような主張は持ち出さなかったということをつけ加えた。事故当初に十分に犠牲者の救助活動、おぼれた人がいる。何と言っているかというと、イニシャリーという言葉を使って、そしてレスキュー・ザ・ビクティムズ、こういう言葉を使っていますよ。そのとき、原潜が何もしなかったというような主張は持ち出さなかったとわざわざ報道官が記者会見で述べています。

 私は、端的にあなたに伺いたい。大西船長のあの無念さ、潜水艦が救助してくれなかった、そしてホノルルの現地でも、おぼれているのは子供たちだ、救おうとしなかった、そのことをアメリカ大統領にぶつけて抗議すべきだったと私は思います。どうですか。

河野国務大臣 総理から、アメリカに対しては、当日にも、フォーリー大使に、救助の万全を期してもらいたいという強い要請がなされております。また、総理からの御指示もございまして、私どもも、それぞれのチャネルを通じて、救助の万全に行われることを要請いたしております。

 また、最初の一時間と申しますか、初動の救助体制についてもお尋ねがございましたけれども、これは先ほど来から、グリーンビルがとった行動については、アメリカ側の説明は聞いておりますと同時に、日本側の専門家のそれに対してのコメントも防衛庁から私どもは聞いているところでございます。これは委員会でもそうしたお話があったと思います。

 今我々にとって大事なことは、さまざまな情報がさまざまな時間差で流れておりまして、どの情報というものが我々にとって最も重要な情報であるかということを選別しなければなりません。我々が考えておりますのは、恐らく二十二日に行われると言われております審問委員会等の議論というものが極めて重要な議論になるだろうということを一つ考えているところでございます。

児玉委員 けさ来政府がたびたびお話しになっているのは、二月十一日にファーゴ艦隊司令官、そして桜田外務政務官が会った、そのときアメリカ、彼らが言ったこと、洋上には三から六フィートの波があり、ハッチを開くことができなかった云々、このことの繰り返しです。これは二月十一日です。十三日に司令官自身が、救助当初の状態がどうだったか承知していない、こう答えているんです。

 そして、大西船長がどう述べているか、そこが、日本国民全体としてぜひ受けとめなければならないことですよ。なぜ海に飛び込んで救助しなかったのか。そのことで、ハッチが一重だというふうに言っているけれども、国際的にも、日本の潜水艦もそうだが、ハッチは二重です。そして、攻撃型原潜の任務は非常に広くて、沿岸区域における偵察活動や救助活動も、幅広い活動の中の一つに入っています。これはもう軍事的な常識です。私は、それを今あれこれ議論しようとは思わない。肝心な点は何かといえば、初期の救助のときに飛び込んで救ってほしかったという家族の思いをアメリカに伝えることじゃありませんか。それを私は強く述べたい。

 そこで、次の問題です。

 ああいったところで潜水艦が緊急に浮上してくる。きょうの午前中のここの場所でも、日本の近海ではどうだろうかというお話があった。今回のような原子力潜水艦の緊急急速潜航、アメリカ海軍の、部外者を搭乗させての緊急急速潜航が日本近海で行われている。しかも、海上自衛隊の幹部も搭乗させて行われている。総理、このことを御承知でしょうか。知っているか知らないか、その有無を聞くだけです。

河野国務大臣 恐らく、メディアの方であるとか、そうした専門の人たちに対して、理解を深めるために同乗を要請する、あるいは同乗を認めるというようなことは、あるいはあったかと思います。しかし、確たる御答弁を申し上げるだけの資料を今持っておりません。

野呂田委員長 防衛庁長官がお答えします。

児玉委員 一言で答えてください。

斉藤国務大臣 海上自衛隊では、広報目的その他業務上必要性がある場合に、ごく限られた数ではございますが、報道関係者、自衛官就職援護協力者、さらに造船所関係者等を潜水艦に搭乗させて航海をすることがございます。その際、搭乗させた者を操舵室に座らせることはあっても、一般の人に操舵をさせるようなことは一切行っておりません。また、座らせる際も、しかるべき者を横に配置するなど、安全管理に十分配慮している状況でございます。

児玉委員 私が聞いているのは日本の潜水艦のことではない。アメリカの原子力潜水艦が日本の近海で何をやっているか、これを聞いている。

 ここに、元アメリカの外交官であるケネス・キノネス氏、これは中央公論で昨年九月に発刊されたものです。こういう記事がある。

 彼と、それから日本の海上自衛隊の幹部が、一九九二年六月の初めのある朝、小さなランチで横須賀米海軍基地を出て一時間、日本海上自衛隊の海将とともに、アメリカ原子力潜水艦インディアナポリスに乗り込んだことがある。その夜、艦長の命令によって展開された緊急の急速潜航について、彼は次のように書いています。

  不意にあらゆるものが転げ落ち、我々は太平洋の深海に向かって四五度の急角度で潜航していった。

  私は寝台から起きて、潜水艦の心臓部である戦闘発令所に向かった。そこには、顔面に笑顔をたたえた艦長と眠そうな顔の海上自衛隊海将の姿があった。艦長が潜水艦の「操舵」をやらせてくれたので、急速潜航の驚きは頭から吹っ飛んでしまった。いや、すごい、なんというパワーだ。我々は海中を時速三十ノットで進んでいた。操縦桿を左右に、あるいは上下に動かすだけで艦は自在に動く。

今度の事故は、ある意味では、いつか起こるべき事故であったと言わなければならないかもしれません。

 そこで、私は言いたい。あの日、あの時刻、何の予告なしに原潜の緊急浮上が行われた。これは外国の新聞の表現です、えひめ丸はナイフでバターが切られるように機関室を破壊されて、数分で沈没したと。アメリカ海軍の対応はどうでしょう。記者会見、最初いろいろ言っているけれども、結局、緊急浮上訓練だと言う。民間人が乗ったと言い、そしてかじを握り、レバーを握る。現地にいらしている御家族の皆さんたちがどうこれを思っているだろうか。

 さっき外務大臣がお話しのとおり、アメリカ海軍の責任者は、これが民間人のためのデモンストレーションであったと私は信ずる、ビリーブという言葉を使って明らかにされた。それによって息子、夫が失われた御家族の思い、悔しさ。森首相、この思いをどのように受けとめますか。

森内閣総理大臣 桜田政務官が、河野外務大臣からホノルルの方に向かって出張するようにという命を受けて、そして危機管理室においでになりました。私はそのとき申し上げました。

 日本では、今テレビで放映をされて、そして国民が見ています。特に愛媛県関係者もその画面を見ておられます。我々から見て、確かにハッチを上げていたようだけれども、あるいは縄ばしごを出していたようだけれども、またそれを引っ込めてしまった。そういう点が恐らく日本の国民から見て、私どもから見て、なぜかなという感じを持った。どうして飛び込んで捜さなかったのかな、捜索をしなかったのか、そういう純粋な気持ちはある。しかし、わからないけれども、それなりに彼らも努力しているはずだろうし、また技術的に難しい面があるのかもしれない。そのことだけはよく向こうで解明をしてほしい、その点について十分調査もしてほしい。そのことを私は官邸の横の危機管理室で桜田政務官によく申し上げて、国民の感情というものをよく見て向こうで十分なるお話をしてほしいということを申し上げておきました。

児玉委員 桜田さんのことは一言言いましょう。

 私は、森総理の態度についてこの機会にただしたい。

 なぜブッシュ大統領がわざわざ、森首相は事故当初に十分に犠牲者の救助活動を行わなかったというような主張は持ち出さなかったと言ったのだろうか。それは、ブッシュ大統領自身がその点を日本国を代表する森首相からつかれると思っていたからだ。どう答えようかと思っているとき、あなたがそのことについて一言も触れなかった。それで、日本の総理はそのことをついに持ち出さなかったとわざわざつけ加えたのじゃないですか。そこのところに国民の怒りがある。

 そして、桜田氏の問題でいえば、それこそ先ほどのハワイの御家族のことじゃないけれども、日米関係についてはさまざまな考えがあるでしょう。本当に日本国民とアメリカ国民の友好を前進させていこうとすれば、日米の軍事同盟の五十年間がどうのこうのではなく、国民みんなが思っている、なぜ救ってくれなかったのか、なぜあの海域で危険きわまる緊急浮上がされたのか、そのことを、それこそ党派の別を超えて明らかにしていくことが求められているのじゃないでしょうか。

 この点、総理の答えを求めます。

森内閣総理大臣 先ほど桜田さんのことを申し上げましたように、これは、河野大臣とフォーリー大使あるいはファーゴ米太平洋艦隊司令官、官房長官とラフルアー在京米次席公使、あるいは大臣とパウエル国務長官、それまでのことについて、起きたことについてもつまびらかに申し上げているわけです。

 確かに、私とブッシュ大統領の中では、済んだことについて、起きたことについてそこで申し上げるよりも、今大事なことは、捜索を続けてほしいということと、日本の国民感情は、何かもう沿岸警備隊が捜索を打ちとめて海軍にすべて任せてしまうというような、そういうニュースが伝わっていたこと、これは日本の国民感情としては受け入れられませんよ、どんなことがあっても引き続き海上の調査を続けてほしい、同時にまた海底の捜査もやってほしい、そして引き揚げのことも十分考えてほしい、アメリカにはアメリカなりの考えがあると思うが、そういうアメリカの国民感情ではなくて、日本の国民感情について十分に理解をしてほしいということを私はブッシュ大統領に強く申し上げました。

児玉委員 私は、やはり総理に申し上げなきゃいけない。

 ブッシュ大統領自身が、衝突直後の救助活動がどうだったのか、その不十分さを被害国である日本の総理からつかれはしないか、ところが何も言われなかった、森首相はそれを持ち出さなかったとわざわざつけ加えた。ここのところが、やはり私はあなたに真剣に考えていただきたいことです。これは偶然ではありません。なぜかといえば、子供たちが生死の境をさまよっていたとき、あなたがやっていた行動と関係があるんです。そして、そこに国民の怒りがあります。

 私は最後に言いたい。

 行方不明の皆さん方が要望書を出していらっしゃる。この中で、その中心は、さっき三つがありましたが、地点がわかったえひめ丸を早く引き揚げてもらって、行方不明者を抱きかかえたいというのが、これがはっきりあります。それと同時に、ヨットやボートの多い海域であんなツアーのようなことを今後も続けさせるのか、この怒りがあります。やめさせようじゃありませんか。その意思がないような森首相、そして森首相を支えている自民党、公明党、保守党内閣の速やかな退陣を要求して、私の質問を終わります。

野呂田委員長 これにて児玉君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として警察庁生活安全局長黒澤正和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 次に、横光克彦君。

横光委員 社民党の横光克彦でございます。質問をいたします。

 森総理、本当に今国民は、あなたが我が国の最高責任者であるということ、トップリーダーであるということに大変な不信感を持っております。不信感というより、私は、もう怒りが渦巻いている、今そういった状況であろうと思うのです。

 あなたが就任されて以来、何人もの閣僚の辞任、あるいはKSD疑獄、機密費の横領事件、また景気の低迷、株価の下落、そして今回のこのアメリカの原潜に対する対応の不手際、まずさ、そういったことをひっくるめて、今、国民は激しい、列島じゅうが怒りで渦巻いている、私はそう言ってもいいと思うのですよ。恐らく、総理はそのことはひしひしと感じておられることと思います。

 きょうは朝から、与野党問わず、総理に対して大変厳しい質問の連続でございます。恐らく、総理は今、針のむしろの上に座っているような気持ちじゃないでしょうか。正常な神経であれば、恐らくそうでしょう。しかし、私ももうちょっと、きょう最後の質問でございますが、厳しい質問をさせていただきます。

 まず、十日にゴルフに行かれましたが、十日にゴルフに行くことは九日の夜に決定されたのですか。

森内閣総理大臣 前の夜に決定をいたしました。

横光委員 福田官房長官にお聞きします。

 九日の夜に、総理が次の日ゴルフに行かれるということを御存じでしたか。

福田国務大臣 私は、十日の早朝に伺いました。

横光委員 伊吹危機担当大臣に同じ質問をいたします。

 九日に、総理の十日の予定を御存じでしたか。

伊吹国務大臣 当日、当番の安倍副長官にお願いをしておりましたので、私は存じませんでした。

横光委員 安倍副官房長官、いらっしゃいませんね。

 総理の次の日の日程を前の日に官房長官、危機担当大臣が知らなかった。いわゆる危機管理体制は万全であったとこれまで何度も皆様方お答えでございます。一番肝心の、官房長官と総理というのはまさに一心同体でしょう。総理の足りない部分を補い、あるいは暴走するところに手綱を締める、まさに官房長官は総理と一心同体でしょう。次の日の予定を前の日に知らなかった。それで、もし何か起きたときの危機管理体制が万全であったと言えるんですか。担当大臣も知らなかったと。こんなことがあって、それでも万全であったとあなたたちは言い続けている。国民はここに大きな不信感を感じるんですよ。いや、答弁は求めていませんよ。

 私は、ここのところがやはり、実際はいろいろな官僚の皆様方が対応したと申すでしょうけれども、最終的にはそれぞれの担当の長に判断を求めるんですよ。最終的には総理に判断を求めるんですよ。それが途中で途切れているじゃありませんか。そうでしょう。このことを今強く指摘しておきます。

 次に、総理は零時二十分に、いわゆる九名の行方不明者が出た、けが人も出ている模様だという情報を受けた、そのとき大変な事態だと思ったということでゴルフをやめたそうですが、そのとき初めて行方不明者のことを知ったのですね。

森内閣総理大臣 第一報、第二報は、今捜索をしておるという情報でございました。

 ですから、この時点で、これは事態は、私の気持ちとしては、何とかみんなが救出されればいいなと。海の状況はどうかと言ったら、比較的穏やかであるということ、また夜ではないねということで、お昼であるということで、九名が助かってくれればいいなと、そういう思いはいたしました。しかし、これは出なきゃならぬという事態になるなと思いますから、その時点ですぐ警護官に、車の手配と、ここからすぐ出なきゃならぬ事態になるよということは指示をいたしました。

横光委員 最初に十時五十分に第一回の連絡を受けてから、先ほどの零時二十分に大変な事態ということを感じたと。じゃ、第一報を受けて、第二報を受けて、それまでは大変な事態だという認識はなかったのですね。

森内閣総理大臣 大変な事態だからすぐ帰ることもあり得る、警護官にそういうことを伝え、そして調査をして、至急、その都度変化があれば報告をしてほしい、ただし、政府としてとるべき対応だけはきちっとしなさいと。お急ぎのようですから、余り長い答弁をしては失礼でありますが、それぞれの諸官庁にどういう対応をすべきかということを指示いたしました。

横光委員 大変な事態と第一報を受けたときに認識していれば、零時二十分に大変な事態と感じてプレーをやめたのが恐らくもっと早くなっていたでしょう。

 そして、先ほど、第一報を受けた後、皆無事でいてくれればいいなと、救出されればいいなと思ったと今おっしゃいました。第一報を受けて、そういう思いを抱きながらあなたはプレーをしたのですね。

森内閣総理大臣 次の連絡を受けるまではこちらにいる方がいいと思って、そこに立っているわけにもいきませんので、プレーは続けました。

横光委員 あなたは、原子力潜水艦、ハワイ沖、高校生が乗っている実習船、衝突した、こういったことを聞きながらプレーをした。どういう心境であなたはプレーをしたのですか。国民はこれを知りたがっていると思いますよ。そういうことを聞きながら、それでもあなたはプレーをされているのです、一時間以上。どういう心境であなたはプレーしたか、お聞かせください。

森内閣総理大臣 助かってほしいな、そういう思いはいたしましたし、早く次の連絡が来てほしいという思いもございました。

横光委員 助かってほしいなという思いでプレーをするのなら、助かってほしいなという思いを、プレーじゃなくて別な行動にあらわすべきじゃなかったんですか。

 先ほどもお話がございましたが、総理大臣車、これには本当に、情報通信機能、自動車電話、ファクスそして警察無線、こういったものが備えられております。そこにいてくれ、秘書のそういった要求に従ったということですが、まず国民は、第一に官邸に戻るべきであったであろう、これはもう理由のいかんを問わず、まずそうあるべきであったと、国民はそれを願っていたと私は思います。

 そして、最初の報道では、大臣専用車もなかったんでとか、いろいろな情報が錯綜する、そういった理由でもってそこにとどまったということを聞いておりますが、この総理大臣車はすべての情報を受け、送る機能が備わっているんです。どこよりも備わっているんです。移動しながらもできるんです。なぜそういったものがありながらそこにとどまったか。警護車も二台ついていたんでしょう。すぐそのまま官邸に行けばまず三十分で行ったであろうと私は思いますよ。それをあなたはやらなかった。

 百歩譲っても、そこにとどまっても、やはりプレーはやるべきでなかった。やはりクラブハウスの一室を借りて、そこを情報の場所にすべきだった、これさえもやらなかった。そして、あなたは零時二十分までクラブを振り続けた。ここに国民は激しい怒りを感じているんですよ、不信を通り越して。それを私は申し上げているんです。

 あなたは、党首討論の答弁で、いわゆる場所と対応とは切り離していただきたいということをお答えになっております。私は、その答弁を聞いたときにあの新潟県警の不祥事を思い出しました。あの県警本部長が、九年間監禁されていた少女が発見された、そういう情報を受けながらも、県警本部に戻らずに、監察官とともに温泉宿で雪見酒飲んでマージャンをしながら指揮をとったんです。あなたはそのとき、恐らく怒り狂ったと思いますよ、あの県警本部長の行動に。それと同じことを今回あなたはやったんですよ。あれだけの情報が入っていながら、官邸に戻らずに、ゴルフをやりながら指揮をとったんですよ。同じことだと私は思いますよ。国民はそう思いますよ。

 やはり今考えると軽率であったと、一言、国民に言ってくださいよ。

森内閣総理大臣 軽率だという、そういう御批判というのは私はそのまま甘受するわけにはいきませんが、先ほどからたびたび申し上げておりますように、各省庁間の連絡もございますし、それからハワイ沖におきます状況についてはもう一度詳細に連絡をしてくれるということでもございました。したがって、各省庁に対して指示をしたこと、それらの連絡を考えてみますと、そこを動かない方がいい、その判断を私はしたのであって、決してそれを私は軽率だとは自分で思っておりません。

 ただ、場所柄がそういうふうな御批判を受けますので、それについては自分の判断に誤りがあったのかなという反省はいたしておりますから、先ほどおわびも申し上げた次第であります。

横光委員 軽率であったとあくまでも認めないという、今の総理大臣のお言葉でございます。

 危機管理が万全だったという話を聞くんですけれども、総理が結局行方不明者のことを聞いたのが、先ほどから言うように零時二十分であった。しかし、十時五十一分には日本テレビで速報が流れておるんです、テロップで行方不明十人と。つまり、総理が国民の行方不明者の存在を知るまで、国民の方が先に知っているんですね。これが本当に危機管理体制、万全だと言えるんですか。総理が知る前に国民の方が先に知っているんですよ。そんな大きな事件が起きて、国民が十名も行方不明だということをそのとき総理は知らなかった。通報を受けたけれども、そこまでは受けていない。そして初めて行方不明と知ったのが零時二十分である。そしてこれで大変な事態だと思って、やっとゴルフをやめた。この一時間三十分前に、国民は大変な事態が起きて、行方不明まで出ているんだということをもう知ってしまっておる。一番早急に、早く知らなければならない皆さんが知らなかった、これが実態なんですよ。ここのところをどうか本当にしっかりと、国民に対して私はおわびすべきだと本当に思います。そう要求しても恐らくしないでしょうから、次の質問にちょっと移ります。

 実は今回、十日にハワイで原潜の事故、これは衝突事故とか沈没事故とか書かれていますが、私は、私個人的にはこれは撃沈事件であると。激突して沈没したんでしょう、撃沈事件だと思うんですね。それが十日、ハワイ沖で起きた。しかも、民間人が操舵桿を握っていた。

 ところが、その一日前の九日に、大分県の日出生台の演習場でアメリカ海兵隊の実弾の砲撃訓練が行われていたんです。そのときに、アメリカ海兵隊が、公開中でございまして、日本の民間人三名に大砲を撃たせておるんです。百五十五ミリりゅう弾砲、大砲です。これを発射させているんです。向こうでは民間人に操舵桿を握らせる、その一日前の日本ではアメリカの海兵隊が公開中の民間人に大砲を発射させる、こういう事態が起きているんです。

 これは大変大きな事態、要するに、日出生台での演習が三回目になるんです。最初のときには本当にもう、国の方針であると、自治体も地域住民も大変な不安を抱えながらも、最後の最後は泣く泣く、やむを得ないということで受け入れた。そのためには、本当に慎重にやってほしいということをずっと願い続けてきた。それが三回目には、とうとう民間人に大砲を発射させるというような異常な事態が、これも事件です、これもまた発生してしまったんですね。

 このときに、いわゆる防衛施設局は、不適切な行為ということでアメリカ海兵隊に抗議を申し入れて、二度とこのようなことのないようにと要求を出しております。しかし、不適切な行為ということでいいのだろうか、こんな大きなことが。絶対にあってはならないこと、そういった行為である。二度とこのようなことがないようにと再発防止を強く申し入れるべきであって、不適切な行為で、二度とこのようなことがないようにお願いしたいなんて言ったって、そんなことで再発防止はできませんよ。意識が違うんです。何でもっと毅然として、正しいことは堂々となぜ主張しないんですか。なぜ不適切なのか。あってはならない事件が起きたんですから、間違ったことをしたんだと、そのことを強く防衛庁は申し込むべきであった。防衛庁長官、どうですか、その意識はあなたの中で。間違ったことであったんでしょう。

斉藤国務大臣 委員御指摘のように、二月九日、日出生台演習場でかかる事案が発生をいたしております。

 早速、私といたしましては、米海兵隊からどのようなものかということの事情聴取をいたしました。安全管理規則に基づき安全を確認した後、見学者にひもを引いてもらったという説明がございました。安全上の問題はないといたしておりますが、私としては、この訓練の目的、趣旨にかんがみれば適切でないというふうに判断をいたしておりまして、米側に今後このようなことがないよう申し入れたところでございますし、米側からも、二度とこのようなことはしない旨の回答を得ているところでございます。

横光委員 安全であろうとなかろうと、民間人に大砲を発射させたということは異常な事件なんです。これは不適切だとか適切だとかいう問題じゃなくて、間違ったことであったと、なぜ強くそういった認識のもとでアメリカ側に抗議を申し込まないんですか。非常にもう地域の住民はこのことに対しても怒り狂っている、本当に何を考えておるんだ、もっと強く言ってくれなきゃ同じことが起きるぞと。ほかの四カ所も実弾砲撃訓練をやっておるんですよ。本当に何回も何回も、なれればどんどん規律が緩んでくるんです。そこのところを強く要望しているんです。

 そして、実は、民間人に大砲を発射させた、そしてまた発射したということは、私はこれは法に触れることだと思うんですね。国内法では法に触れると思うんですよ。前、平成六年に、陸上自衛隊の東富士演習場で民間人に小銃を発射させた事件がございました。これは両者ともに罰則を受けたわけでございますが、これと同じことだと思うんですね。

 ただ、今回の行為は米軍が一時的に使用をしているという演習場の出来事、であるから、当然日米地位協定が絡んでまいりますね。絡んでくるんですが、こんなことは国内法で初めての事件です。演習場の中で日本の民間人に大砲を撃たせたということは初めての事件であって、法律で想定されていない事件でもあるわけですね。ですから、こういった地位協定がどうしても絡んでくる。しかし、この地位協定の第十六条では、日本国の法令を遵守する義務がまずあるということでございます。これがまず第一ですね。

 そして、公務中の行為でございますので、結局最初の裁判権は、第一義的にはアメリカ側にあるということに地位協定ではなっております。しかし、これはアメリカでは、銃社会でございますし、演習場の中で民間人が銃、大砲を撃ったとしても恐らく罪にはならないと思いますが、いかがですか。

伊吹国務大臣 先ほど来御答弁がございますように、まことに不適切な事案だと思いますが、法律に違反するかどうかについては、私は二つポイントがあると思います。

 一つは、縄を引いた日本人が銃刀法、火薬類取扱法に違反するか。そしてもう一つ、それをあれした……(横光委員「私は日米地位協定でアメリカに裁判権があるかと聞いているのです」と呼ぶ)いや、ちょっと待ってください。それから、米側に今度はそれを幇助した容疑があるかどうかということだと思います。

 したがって、私は政治家でございますから、容疑云々という個別事案については、委員長のお裁きで、ぜひ参考人から意見を聴取していただきたいと思います。

横光委員 私は、アメリカに最初の裁判権がある、第一義的にはアメリカにあるようになっているのです、日米地位協定は。だから、アメリカではこれが罪になるかどうかを今聞いたんです。

 ところが、アメリカでこれは事件になるわけがないのです。というのは、今回は、民間人に試射を事前に、海兵隊があらかじめ発射させることを予定していた。海兵隊総ぐるみでやろうとしていたことが何で罪になるんですか。罪になるわけがないんです。

 アメリカで罪にならない以上……(発言する者あり)ちょっとあなた、黙っていてください。アメリカで罪にならないとなれば、この十七条第二の(b)で、これは日本国の裁判権のもとで裁かれることになりますが、それでよろしいでしょうか。

黒澤政府参考人 本件につきましては、本事例のような場合であれば、アメリカ兵の行為につきましては、法令上正当な行為でございますので、銃刀法の問題は生じないところでございます。

 一般的に申し上げまして、民間人の行為につきましては、銃刀法、銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法には当たらないものと考えております。

横光委員 今、国内法でそういった方針を示されまして、ここはまたもっとちゃんと調査して、やはりどう見ても一般常識からして、演習場の中でいわゆる百五十五ミリりゅう弾砲を発射させた、そしてまた発射したというこの事実は、私は大変大きな事件であろうと思っております。

 ちょっと、もう時間がございません。

 総理、本当に総理はよく愛国心という言葉を申しますが、私たちの国民は本当にすべて私は愛国心を持っていると思うんです。国を思い、国民を思わない人はいない。本当に愛国心をもっともっと必要とするのは、私は総理であろうと思う。

 というのは、本当に国民国家のことを思うならば、何で今度のこのえひめ丸の撃沈事件を、もっと本当に、先ほど言いましたように、正しいことを堂々とアメリカに主張してくださいよ。何で腰を引くんですか。毅然とした対応をとってくださいよ。

 本来なら、これは逆の立場だったら、外務大臣か防衛庁長官がすっ飛んでいって謝罪しますよ。同じぐらいのクラスの担当の人たちを日本に呼び寄せて、そして、えひめ丸関係者の皆様方、国民に謝罪させるべきだと私は思いますよ。だって、あの問題は、えひめ丸サイドには一点の瑕疵がないんです。一〇〇%、二〇〇%アメリカサイドが悪いんです。それなのに、なぜ堂々と主張しないのか。何で向こうから日本に来て謝らないのか。国民の多くは不信感を持っている。これを、本当に国を、国家国民を思うなら、総理は当然やるべきです。

 そして、先ほど言いましたように、地位協定、非常に不平等です。河野外務大臣は、これから運用がなかなか改善されない場合は改定に取り組むという、この前お話もございました。これは大きなお言葉。これは言葉でなく行動と形で示していただきたい。そのためには、総理がともに地位協定の改定、いわゆる不平等をいかにして平等の協定にするか、このことを強くお願いいたしております。

 最後に、総理はよく、人生はラグビーのようなものである、この楕円球はどこに飛んでいくかわからない、しかし、必ずチャンスは来るんだと話したことがございます。確かに、棚からぼたもちが落ちるようにあなたは総理になられた。しかし、総理になった後、先ほど申しましたように、本当に多くのいわゆるノックオン、多くの反則の連続だと思いませんか。私は、一度もトライしたことないような気がするんです。それなのに、何が悪いんだという、そういう態度には私はフェアプレーの精神はかけらも感じられないという気がするんです。もうプレーをする資格はないと思います。

 終わります。

野呂田委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 この際、申し上げます。

 林省之介君が地元でまかれた辻元清美君を誹謗中傷した印刷物と同様のものを予算委員会の際に数人の議員に配付した件で、委員長として林君に、今後このようなことがないように厳重に注意をいたしました。本人からも深く反省している旨の発言がありました。

 なお、この種のことについては、委員長として今後とも十分に注意してまいります。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会




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