衆議院

メインへスキップ



第9号 平成13年2月20日(火曜日)

会議録本文へ
平成十三年二月二十日(火曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 野呂田芳成君

   理事 北村 直人君 理事 久間 章生君

   理事 小林 興起君 理事 自見庄三郎君

   理事 細田 博之君 理事 谷口 隆義君

      池田 行彦君    石川 要三君

      岩倉 博文君    岩崎 忠夫君

      小渕 優子君    大原 一三君

      岡下 信子君    上川 陽子君

      亀井 善之君    木村 太郎君

      栗原 博久君    後藤田正純君

      田中眞紀子君    高鳥  修君

      谷川 和穗君    津島 雄二君

      中山 正暉君    丹羽 雄哉君

      葉梨 信行君    萩野 浩基君

      牧野 隆守君    三塚  博君

      宮本 一三君    森岡 正宏君

      八代 英太君    吉野 正芳君

      白保 台一君    若松 謙維君

      井上 喜一君    松浪健四郎君

      金子 恭之君    森田 健作君

    …………………………………

   外務大臣         河野 洋平君

   財務大臣         宮澤 喜一君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       谷津 義男君

   経済産業大臣       平沼 赳夫君

   国土交通大臣       扇  千景君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     福田 康夫君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      斉藤斗志二君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   国務大臣

   (防災担当大臣)     伊吹 文明君

   内閣府副大臣       村井  仁君

   外務副大臣        衛藤征士郎君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   厚生労働副大臣      増田 敏男君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   農林水産副大臣      田中 直紀君

   経済産業副大臣      中山 成彬君

   国土交通副大臣      高橋 一郎君

   内閣府大臣政務官     山崎  力君

   防衛庁長官政務官     岩屋  毅君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   吉井 一弥君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君

   政府参考人

   (食糧庁長官)      石原  葵君

   政府参考人

   (気象庁長官)      山本 孝二君

   予算委員会専門員     大西  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十日

 辞任         補欠選任

  石川 要三君     小渕 優子君

  大原 一三君     岡下 信子君

  奥野 誠亮君     森岡 正宏君

  亀井 善之君     岩崎 忠夫君

  塩川正十郎君     木村 太郎君

  田中眞紀子君     後藤田正純君

  津島 雄二君     岩倉 博文君

  三塚  博君     吉野 正芳君

  井上 喜一君     松浪健四郎君

  森田 健作君     金子 恭之君

同日

 辞任         補欠選任

  岩倉 博文君     津島 雄二君

  岩崎 忠夫君     亀井 善之君

  小渕 優子君     石川 要三君

  岡下 信子君     大原 一三君

  木村 太郎君     上川 陽子君

  後藤田正純君     田中眞紀子君

  森岡 正宏君     奥野 誠亮君

  吉野 正芳君     三塚  博君

  松浪健四郎君     井上 喜一君

  金子 恭之君     森田 健作君

同日

 辞任         補欠選任

  上川 陽子君     塩川正十郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十三年度一般会計予算

 平成十三年度特別会計予算

 平成十三年度政府関係機関予算




このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

野呂田委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合所属委員に対し、事務局をして御出席を要請いたさせましたが、御出席が得られません。

 再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

野呂田委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官吉井一弥君、法務省刑事局長古田佑紀君、食糧庁長官石原葵君、気象庁長官山本孝二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村太郎君。

木村(太)委員 委員長初め皆さん、おはようございます。

 国民生活に直結します予算案の審議を初め、いろいろ実りある議論をすべく、この予算委員会に野党の皆さんが今現在出席していないことはまことに遺憾だと思っておりますが、我々自由民主党初め与党はその責任を果たしてまいりたいと思います。本日のトップバッターを務めさせていただきます、私、木村太郎でありますが、よろしくお願い申し上げます。

 まず、この予算委員会でもきのうまで取り上げておらず、しかし、国民生活に現在進行形の形で大きな、深刻な支障を与えているテーマ一つに絞って御質問してまいりたいと思います。それは、この冬の豪雪のことであります。

 私の地元の例で言いますと、県都青森市では真冬日が二週間以上続いておりまして、そして積雪が一メートル五十四センチを超え、また累積の降雪量というものは九メートル三十六センチで、大変大雪という、豪雪の状況になっているところであります。観測史上ことしのこの雪は八番目に多い豪雪の姿になっており、いろいろと被害も出ております。特に死者も五人ほど出ており、この人的な被害やあるいは農林関係を初めとする物的な被害など、いろいろな被害が既に出始めているところであります。

 こういう中で、先般、岩井国土交通政務官が青森県入りをしていただきまして、地元の県や市町村あるいは我が党の県連会長であります津島雄二先生初め関係者同行のもと、この状況を視察していただきました。私は、まず扇国土交通大臣初め政府の今回のこの対応に感謝を申し上げたいと思います。

 しかし、この豪雪の状況は青森県に限る話でありませんで、北海道から山陰、日本海側を中心に、あるいは東京でもことしは雪が降りましたし、全国的な被害も生まれているのではないかな、こう思っております。

 ゆえに、この全国的な被害状況がきょう現在までどういう状況なのか、まずお尋ねしたいと思います。

扇国務大臣 今、木村議員からお話ございましたように、本年は例年に増して大変な豪雪に見舞われていらっしゃるということも私は如実に皆さんから伺っておりますし、また、今お話ございましたように、国土交通省としましても、一月十九日、今村政務官を福井県に、吉田政務官を新潟県に、そして岩井政務官を山形県に、また岩井政務官を青森県にと、すぐに政務官を派遣いたしまして、豪雪状況というものを把握してまいりました。

 御存じのとおり、本年は、青森県におきましても、過去の十年間の平均三百五十八・七センチメートルを超える五百九・六センチメートルになっている、また山形県におきましても、過去平均の四百二十三・二センチメートルが今は七百八十九・九センチメートルになっているという大変な状況であるということも伺っておりますし、また報告も受けております。

 本年は、今木村議員がおっしゃいましたように、青森県では昭和五十九年の豪雪に匹敵する大変な状況であるということも、昨日も知事さんが私に御報告に来てくださいました。また、山形県は、今申しましたように年平均の二倍近くの雪が降っているということでございますので、少なくとも我々としては、県への除雪の補助の増額を実施しなければいけないのではないかという、その必要性に関しては今考えているところでございます。

 また、市町村道におきましても除雪費の不足が深刻な問題になっておりますので、例年にない雪の状況にかんがみまして、私どもは除雪費の補助を特例的に実施する方向にございます。そして私は、その状況を把握するために必要な調査を実施することを本日付で指示したところでございますので、きょう、その指示どおり皆さんから御報告が上がってくれば特例措置ということも考えるということでございます。

 以上、今の状況はそういう状況でございます。

木村(太)委員 後ほど大臣にさらにお聞きしようと思っていたことを既に前向きに御答弁いただきまして、我が青森県を初め雪国で今現在雪片づけをしながら生活している国民にとっては、大変ありがたい答弁だと思っております。

 私は、ここでまず確認したいことは、いろいろ被害がある中で、政府として、災害対策基本法に定める災害とことしのこの冬の豪雪を位置づけることができるかどうか、まず基本的な部分、しかし大事なことでありますので、確認をさせていただきたいと思います。

吉井政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま扇国土交通大臣からもお話がございましたが、関係省庁から得た情報によりますと、これまで、青森県を初めといたしまして二十都道府県の累計で、雪おろし中の転落などによる死者三十九名、負傷者五百二十名などの人的被害のほか、住宅等への被害も多数発生してございます。また、市民活動、経済活動への影響も大変大きなものとなってございます。

 災害対策基本法第二条第一項第一号では、災害の定義といたしまして、暴風、豪雨、豪雪、その他の異常な自然現象により生ずる被害をいうと定義されてございまして、豪雪により国民の生命または財産に相当程度の被害が出た場合には、災害対策基本法に言う災害であると認識しております。

 今回の豪雪でも、現在、七つの県、二百三十四市町村におきまして対策本部が設置されまして、地域防災計画の定めるところにより、除雪の実施や被害状況の把握等が行われていることと承知しております。

木村(太)委員 そこで、この豪雪に対する政府としての迅速かつ最大限の取り組みというものを今後求めてまいりたいと思いますが、この点、政府を代表して伊吹大臣からお答えいただきたいと思いますし、またあわせて、先ほど扇大臣からも既にありましたけれども、除雪費、特に県、市町村がもう底をついておりまして、専決処分をしながら対応しているのが実態であります。もちろん道県に対する補助の増額、そして、先ほどもありましたけれども、特に市町村道に対しては国からの補助制度がないというのが本来の姿で、しかし、調べてみましたら、過去には五度ほど特例的な措置が行われたということで、ぜひこの特例措置というものを発動していただきますよう、そしてできる限り早く発動していただきますことをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

伊吹国務大臣 後ほど扇大臣からも御答弁があると思いますけれども、今政策統括官が参考人として申し上げましたように、災害基本法として取り組めるかどうかというのは、法律上いろいろな考えがあると思います。しかし、政治主導ということは、そのような法律的な解釈を大切にしながら、今先生がおっしゃったように、地元の方々の御苦労を考えていろいろな措置を講ずることだと思っております。

 したがって、中央防災会議の会長でございます内閣総理大臣が、既に、先生が今御指摘になりましたように、ことしは異常な降雪がございますので、全国の都道府県等に、そしてまた関係省庁等に、最大限の配慮及び種々の対応を講ずるように通知をいたしております。それを受けまして、今お話がございましたような被害に対しましては、国土交通省においても先ほど来扇大臣がお話しになっているような措置を講じていただいておりますし、また、特別交付税等において何らかの措置が講じられないのか等を私どもの方から総務省等にお願いをいたしておりますので、特に被害の大きな県については、最大限の努力をさせていただきたいと思っております。

扇国務大臣 御存じのとおりでございますけれども、私は調べておりましたけれども、過去五回、豪雪に対する臨時特例措置が行われております。それは、御存じのとおり、五十一年にまず五百七十四の市町村に対して、また昭和五十五年も五百六十四、五十八年には六百三十二、五十九年には三百八十九、そして六十年には六百六十七と、対象の市町村に対しての臨時特例というものを発令しております。

 ですから、今お話ございましたように、きょう私は皆さんに指示をいたして、調査に出るようにと申し上げましたので、その調査が帰ってくるのを待ちまして、豪雪地帯の対策基本計画というものは、御存じのとおり、豪雪地帯の対策特別措置法、これに関しましては、国土交通相それから総務大臣及び農林水産大臣が都道府県知事を初め関係者に協議して、閣議を経て決定するという手続がございますので、今申しましたように、きょう発令しました結果というものがいつ帰ってくるのか、帰ってくれば、でき得れば早目に、迅速に、皆さん方に御安心いただけるように私たちは協議していきたい、そのように考えております。

木村(太)委員 両大臣の前向きな答弁がこの予算委員会であったことを、我々は大変ありがたく、また重く受けとめたいと思いますので、調査結果を踏まえながら、迅速に、早目の発動というものをお願いしたいと思います。

 この豪雪を受けまして、平成十一年に閣議決定されました豪雪地帯対策基本計画、これがこれからどのように計画を実践していくのか、いま一度確認したいし、また、この十三年度予算案の中で、この豪雪に対してあるいは雪対策に対してどういった内容が反映されているのかということも一度確認させていただきたいと思います。

扇国務大臣 今までの豪雪の経験というものを踏まえまして、本年予算におきまして、今木村議員がおっしゃいましたように、現在のこの計画は第四次の計画でございます。もう御存じのとおりでございます。

 例えばスパイクタイヤの禁止、あるいは高齢化の進展等、あらゆることに、豪雪地帯の情勢の変化に適応する、また、それに対応できるようにしようということで、新しい全国総合開発計画の内容も踏まえまして、今おっしゃいましたように、平成十一年三月、これを変更したところでございますけれども、本年の十三年度予算におきましては、道路の消融雪施設等の整備を行う、いわゆる防雪設備の整備、そういうことで三百四十六億円の予算が計上されております。また、ほかには民間の社会福祉施設の除雪の単価を改善するという方法を本年度予算の中に組み入れておりますし、基本計画に基づいて積極的な対応を今後も図っていきたい。

 今後とも関係省庁と密接に連携しながら、豪雪の皆さん方、あるいは除雪あるいはその防除の生活環境の改善を図っていくということに私どもも力を合わせ、また話し合いをしながら、雪国の地域づくりの推進に頑張っていきたい、そのように決意しておりますし、また総合的な計画として豪雪地帯の対策、その推進の万全を期していきたい、そのように考えております。

木村(太)委員 時間が参りましたので、最後に。

 我が自由民主党も党内に雪寒地帯振興委員会というのを常設しておりまして、与党とも連携しながら政府をバックアップしてまいりたいと思います。ぜひ、伊吹大臣、扇大臣初め、連絡を密にしまして、政府一体となっての迅速な対応をお願いしたいし、ましてや野呂田予算委員長も秋田県の出身でありますから、我々与党一体となって雪に対しても責任を果たしてまいりたいと思います。

 そこで、最後に、この冬前に気象庁はこの冬を暖冬というふうに予報しました。予報ですから外れることもあるでしょう。しかし、この予報のあり方というものもいま一度点検してはいかがかな、こう思いますが、このことを最後に聞いて終わります。

山本政府参考人 お答えいたします。

 十月に発表いたしましたことしの寒候期予報では、全国的に気温は高目に推移するというふうに考えておりました。しかし、ことしは北日本を中心に冬型の気圧配置が大変多くなりまして、断続的に強い寒気が北日本を中心に流れ込んでおります。したがいまして、北日本の一月から二月の気温は約十五年ぶりの低さで経過し、これに伴いまして大変大雪となったわけでございます。このため、気象庁では、一月に発表いたしました一カ月予報で、北日本の気温は低目に推移するという予報の修正を行って発表したところでございます。

 今後は、地球全体の大気の状態の解析をさらに充実させまして、仮に大気の状態の推移が予測と異なる可能性が生じた場合には、適時予報の修正等を行い、大気の状態の推移に関する解説を適切に行うなど、国民の皆様に御理解いただけるよう適切な情報発表に努めてまいりたいと考えております。

 さらに、数値予報モデル、スーパーコンピューターを導入した技術でございますが、この開発に鋭意取り組んでございまして、特に長期予報に関係いたします海洋の状態を把握することが大変重要でございますことから、ミレニアムプロジェクトの一つでございます高度海洋監視システム、ARGO計画を推進することによりまして、海洋データの拡充に努め、さらなる長期予報の精度向上に努めてまいりたいと思っております。

木村(太)委員 終わります。

野呂田委員長 これにて木村君の質疑は終了いたしました。

 次に、田中眞紀子君。

田中(眞)委員 自由民主党の田中眞紀子でございます。

 ただいま木村議員が質問なさいました豪雪対策につきましては、野呂田委員長や木村議員だけではなくて、私も名立たる豪雪地帯新潟県の出身でございますので、迅速な対応をしていただきますように私からもお願いを申し上げたいと思います。

 さて、当委員会が始まりましてから約一週間ぐらいの日にちがたったかというふうに思いますけれども、日航機のニアミス事件、それからKSD、外務省の機密費の問題ですとか、それからえひめ丸の事件とか、各党から、与党も含めてですけれども、いろいろな質疑応答がございました。

 率直に申しまして、私も与党の一員といたしまして、その内閣、政府からの答弁のすべてが納得できるものであって、胸にすとんと落ちるものであったとは残念ながら言いがたいということは感じてはおります。ですが、本日は、私の持ち時間は四十五分間でございますので、平成十三年度の予算の内容につきまして具体的に伺ってまいりたいというふうに存じます。

 一般会計予算の規模は約八十二兆六千億円。そして、その中身につきましては、歳出の主な経費ですけれども、例年どおり、やはり社会保障関係費が大変大きくて、地方交付金、そして公共事業関連というふうにいくわけですけれども、社会保障関係費の十七兆五千億円、この中身でございますけれども、これは歳出が昨年に比べまして、当初予算に対して二・七%、今回はトータルで減少しているということは理解いたしております。

 しかし、この予算編成の段階で、私も、例えば、高齢者問題の特別委員会の委員長をさせていただいたりしておりますけれども、そういう特別委員会等の予算編成を見ておりましても、やはり従来の縦割りといいますか、行革、むだの見直しということを言いながらも、省庁が我先に自分の予算を、省庁再編があるにもかかわらず従来と同じ形でもって予算の獲得に汗を流しているという実態を見まして、もう少しスリム化を図るための知恵、工夫をもっと早い時期から内閣としてやっていくことが必要ではないかということを感じたことをまず申し上げておきたいと思います。

 この予算の中身を見ますと、やはりこの内閣が、残念なことなんですけれども、内閣としての国会運営とか方向性といいますか、断固たる内閣としての意思というものがなかなか明確に見えづらい予算編成であるというふうに感じています。

 二十一世紀というときを迎えておりますけれども、そういう社会経済のあるべき姿といいますか、望ましい税制と社会保障制度がどういうふうなものであるかということについて、ポイントを絞ってお尋ねしていきたいと思います。

 現在、厚生年金の保険料というものは月収の一七・三五%、これを企業主とそれから従業員が折半をして負担しております。少子高齢化というものが進んでいるわけですけれども、今の給付水準をこのまま維持していけば、これはもう既に厚生大臣も財務大臣も御案内のとおりでございますけれども、二〇二五年を超えてしまうと負担が倍になっていく、今のような賦課方式というものは当然立ち行かなくなってしまうということはもう明白でございます。

 したがって、その給付と負担のバランスというものをよくとる上で、一昨年の二月だと思いますけれども、経済戦略会議でもって答申が出ました。私も社会保障制度審議会のメンバーとして、この年金制度については大変多岐にわたって細かい議論があったということを承知いたしておりますけれども、その中でいろいろな案が出ておりました。

 一番わかりやすいのは、公的年金というのは基礎年金のいわゆる一階部分、そこだけに限定をしてしまって、全額を税負担にしたらどうだろうかという意見がございます。

 それから二つ目の案としては、厚生年金は公的な関与をすべてなくしてしまって、約三十年ぐらいしたらば積立方式に戻してはどうか。一九四二年のころには、この年金は初めは積立方式であったというふうに承知しておりますけれども、そのように戻してはどうかというような考え方、すなわち、平たく言えば民営化ですね、そういうふうな案もございます。

 それから第三案として、公的年金として残してはおくんだけれども、現在のような賦課方式ではなくて積立方式に変えてしまったらどうかというような意見がございますけれども、これについて、厚生労働大臣、どのようにお考えでいらっしゃるか。この内閣が長く続くことがよいかどうか、いろいろと判断があるところと思いますけれども、やはり、委員会がまだ開かれておりませんので、私も厚生労働委員会のメンバーにしていただいておりますけれども、ぜひ大臣の御所見というものを伺っておきたいというふうに思います。

坂口国務大臣 田中先生から大変難しい御質問でございますが、この公的年金の将来像をどう決めるかということにつきましては、今御指摘いただきましたように、いろいろの意見がございます。基礎年金を非常に充実させていくということを中心に考えるべきか、一階、二階をあわせて充実していくという方向でいくべきか、そして、その二階建ての部分は民間にするとかあるいは積み立てにするとかというようなこともその議論の中ではあることも、私も承知をいたしております。

 いずれにいたしましても、年金としていきますためには、まず基礎年金のところを充実させていくというのがまず私は大事なことではないかというふうに考えております。したがいまして、この基礎年金の充実を、公的負担が今三分の一でございますが、これを二分の一に引き上げるということが既に一応決まっているわけでございますので、できるだけ早くこれを引き上げていくということを考えるのが一番大事なことではないかというふうに私個人は今思っているところでございます。

 そして、この基礎年金をきちっとした上で、その二階建ての部分の厚生年金の部分につきましては、それぞれの民間でも十分に今議論を進めていただいているところでございますから、それをさらに充実していくということで、しかしそれは基礎年金の上の話でございますから、まず基礎年金をきちっとした上での話というふうに思っている次第でございます。

 この基礎年金のところの充実のためにまず何をなすべきかといったようなこと、まずこの議論を深めていくというのが今課せられている最大の課題ではないかというふうに思っている次第でございます。

 言い足りませんなら、また後で御指摘いただきましたらつけ加えさせていただきます。

田中(眞)委員 御趣旨はわかっておりますけれども、やはりその一階の部分を充実していくんだということですけれども、その財源をどこに求めていくのかということについて、そろそろ、いろいろな意見がもう出尽くしているという感もございますので、これはもう政治的決断といいますか、そういう時期に来ているというふうに思います。

 先送りはいかようにもできると思いますけれども、まさしく今の政治が見えにくいと言われていることは、この年金制度は非常に複雑ではございますけれども、それで私は先ほど内閣とのことをちょっと申し上げたのですけれども、どこかでどなたかが決断をしなければいけないときに来ておりますし、この少子高齢化がここまで進展していて、価値観も多様化している中で、政治が今イニシアチブをとるべきときであるというふうに考えております。

 これに関連して、もう一度御発言を期待いたしますが、今与党内で、例えば、公明党御出身でいらっしゃるからもちろん消費税ということは反対でいらっしゃることはわかった上で申し上げますけれども、年金が今約百四十兆円の積立金がある。そうですね。これを大体取り崩していって、そして消費税を例えば二%年金目的でもってアップをする、そのかわり、では社会保障の中でのほかの医療とか福祉の分はどうするかというと、これはかなりの自己負担というものを考えなければいけないというような、かなり厳しい考えもあるように聞いております。

 そういう意見について、先ほどの一階部分の財源も含めて、大臣の御意見を伺いたいと思います。

坂口国務大臣 やはり、この基礎年金の部分の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げますときに、現在の段階でも二兆四千億ぐらいの財源が必要だというふうに思っております。その財源につきましては、これはやはり税なりあるいは保険料なりそうしたところで求めるのが常識でございますが、保険料というわけにいきませんから、これは一応税から求めるというのが基本的な考え方ではないかというふうに私は思っております。

 ただ、その税を、それではその次にどういう税でというところまで議論はまだ深まっていない、ただし、税でそこは何とかしなければならないというところまでは大体合意ができているのではないかというふうに思っております。

田中(眞)委員 厚生労働委員会で税のどこの部分に求めるかということについてもぜひ指導力を発揮していただきたい。よい議論が深まることを期待いたしております。

 そして、宮澤大臣には、先ほどもこの会の始まる前にちょっと私語でお話をさせていただきましたけれども、私が初めて政治家としての宮澤先生にお目にかかったのは、私が中学を卒業して高校生のころに、ワシントンの空港でございまして、池田内閣の大蔵大臣を父がしておりまして、たしか宮澤大臣は経企庁長官をしていらして、ヨーロッパからいらっしゃって、空港でお目にかかったと思います。私どもも年をお互いにとりましたけれども、同い年ではございませんけれども、あのころからすっかり経済の状況も大変大きく変化をして、それを一番実感していらっしゃるだろうというふうに思います。

 あのときも、ワシントンの大使館で食事をさせていただきましたときに、あれは機密費でも何でもなくて、現職閣僚を大使館が呼んでくだすって、なぜか私も紛れ込んでおったわけでございますけれども、あのときにも食卓でいろいろと、ヨーロッパからいらっしゃって、当時の欧州、アメリカの経済状況、そして日本の池田内閣での、まさしく高度経済成長の中での経済のダイナミズムについて御教授いただいたことを覚えております。

 きょう、こうしてまた財務大臣として、そしてまた私が予算委員会の委員として質問をさせていただけること、そして当時の、きょうは横を向いて寝ていらっしゃいますが、池田先生もいらっしゃって、大変、時の流れる中でいろいろなことが起こるなというふうな個人的な感慨を深くしております。

 今、日本の個人金融資産が千三百八十兆円。そして、その内訳は、大体七百五十兆円が貯金等であって、残りが株式とか保険であるということでございますけれども、昨日、大蔵省を通じていろいろ調べていただきましたらば、七百五十兆の二から三割は、六十五歳以上のいわゆる高齢者の方が所有していらっしゃるという数字を伺いました。そして、高齢者世帯の平均の貯蓄額は二千二百八十万円だそうです。これは、きのう大蔵省から伺った数字でございます。

 それ以前に、日本人が平均で亡くなるときに、今何歳で亡くなるかというのはありますけれども、どのぐらいの個人資産を持っているかというと、平均三千五百万円、アベレージで持っているのだという数字を聞いて、私が想像していた以上に、やはり個人金融資産は、そうか、あるものだなということを感じました。それから、高額納税者もかなり高齢者が多いということは、これはもう大臣御承知のとおりだというふうに思います。

 そういう中で、先ほどの年金の問題とか社会保障全体について、宮澤大臣の御意見を伺いたいと存じますけれども、私ども一般に、観念的には、高齢者というと、大変弱い立場でいらっしゃる、お守りしなきゃいけないのだというふうな意識がありますけれども、今申し上げたような、個人としての金融資産という観点から見ますと、お年寄りであるからすべて守るというのではなくて、むしろ個人個人の資産に着目をした社会保障制度の構築というものを、私は政治家として目指していかなければならないところに、日本の財政状態等を見まして、そこに立ち至っているというふうに思っております。

 ただ、それがなかなか政治家が、選挙でありますとかいろいろな事情を勘案して、なかなか決断しづらい、言いづらい、情報を発信しづらいというのが実情ではないかというふうに思うのですけれども、むしろ、生活保護を受けている方でありますとかあるいは身体に障害のある方、そういう本当に困っている立場の方は、国が責任を持って守ってさしあげる。これは文化国家として必要だと思いますけれども、その先は、社会保障についてはかなり個人個人に着目をして、そして選択肢のあるようなメニューをむしろ政治の側が提示していって、選んでいただく。国民の方は、私はむしろ、そういう受益と負担の関係についてかなり理解が進んでいるというふうに思います。

 ただ、政治家としての、政治の側の決断といいますか、覚悟がなかなかないというふうに思っているのですが、社会保障制度費トータルの予算も含めて、どのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

宮澤国務大臣 まことに隔世の思いがいたしまして、御活躍で何よりと。

 それで、先ほど坂口大臣が、その二分の一負担しますときに財源をどこから持ってくるかは、これからの問題だとおっしゃいました。それで、きょうは田中委員は財政改革という言葉は使っておられませんけれども、明らかに背景にある問題はその問題と申しましても、同じことを申し上げることになると思うのでございます。

 どうしてもこの財政というのは、このままできないことは明らかでございますから、経済がちょっとでも正常に回転し始めましたら、案をつくらなければなりませんが、今から実は考えておりますことは、この間も経済財政諮問会議にお願いをしたところでございますが、財政改革という名のもとに、しかし考えられることは、財政はもちろんでございますが、税制、国民負担、それから社会保障、それから地方、中央の行財政の再編成、それらが全部絡み合ってまいります。

 そういたしますと、財政改革とは申しながら、それらのお互いにぶつかり合う要素を一つに、一義的に解決するとすれば、やはりモデルをつくってシミュレーションをやるしか方法がないというふうに思いまして、既に経済財政諮問会議でそのことについてはお願いをしてございますし、麻生大臣のもとに、経済社会総合研究所で、今度新鋭の所長も来られまして、そのシミュレーションのためのモデルを既につくっていただくことにお願いをしてございます。恐らく半年ぐらいかかるのではないかと思いますが。

 そういうことを思いましたのは、やはり、今いみじくも言われましたように、方向はわかっていても、政治家としてはどうしてもそういう方に行きたがらない点がございますから、シミュレーションをしていきますと、どうもそれしかないという答えが出てまいる。シミュレーションとしては、各問題について一義的に決定をするとすればこれしかないという答えが出てまいります。

 それは恐らく、今国民負担が三六%ぐらいと思います。一四%ぐらいが社会保障関係、二二%が税でございますが、これは、実は税が非常に低くなっております。それは、毎年国の税が取れなくて歳入欠陥を生じておりますことの裏側でございますが、二二%なんという税負担は、景気がよければとてもそんなことで済まないと思いますし、また、三六%で済むはずがしたがってないわけです。

 ですから、シミュレーションをやってまいりますと、恐らく、給付は下げなければならない、負担は上げなければならないということにどうも私はならざるを得ないと思います。そういうことを政治の上でちゃんと処理していけなければ、二十一世紀の最初の十年あるいは十五年の中における、財政再建はもちろんでございますけれども、日本経済の整合的な、しかも成長を実現していく運営は難しいのではないか。

 さて、そういう答えが出ましたときに、どういう問題がいろいろあるかという中に、今おっしゃいました高齢者の問題がある。つまり、負担はどんどん上がる、給付は減っていくなんという道しかないとすれば、何か今と違う方法を考えなければということの一つは、やはり私は高齢者の問題なんだろうと思っていますし、あるいは、場合によって民営化という問題もあるかもしれません。

 しかし、そういうことを我々は、やがてそういうことに直面しなければ、皆さん財政再建と言ってくださるのですが、具体的に経費の削減、負担の増大ということは、具体的になりますとなかなか賛成していただけない部分が多うございますから、やはりシミュレーションによってどうもこれしか道がないという状況をつくり出して、そして国民の決断をしていただく、どうも私はその道しかないのではないかと思っております。

 坂口大臣が先ほど、半分は国が負担すると言われましたこのことの法律も、しかるべき財源を得てと書いてございまして、そういうごまかしをしているわけでございますから、実際にこういう財源があってこうするということにならなければ半分というのは実現できないはずでございますので、やはりもう余り長い時間が待てませんので、モデルができましたらシミュレーションをして、政府・与党の間でも議論をしていただいて、そして、やむを得ないとすれば、それをどういうふうにして行うかという決定をしていただかなければならない種類の問題ではないかと考えております。

田中(眞)委員 ぜひ、そのシミュレーションをこういう諮問委員会でやっていただくのは結構なんですが、大変時間がかかってしまうということがありますので、そういうときに、やはり政治的なリーダーシップといいますかガバナンスといいますか、そういうものがもう少し全面的に出てくることを希望しております。

 そして、今財源のことをおっしゃいましたけれども、ついでですけれども、私はかねがね複数税制論者でございまして、今すぐということは難しいかと思いますが、今のような税収状態、それから先行きの見通しというものを考えた場合に、消費税をこのままずるずると上げて、広くあまねく皆さんから負担をいただくというのではなくて、むしろ流通とか日用品とか、そういうものはもっと消費税を抑え込んでいくけれども、高級品、ぜいたく品につきましては、もっと十数%に、残念ですけれども上げていかないと立ち行かなくなる。

 これは、それこそシミュレートすればわかる話でございまして、私は、いろいろな全国の集会、自分の地元もそうですが、これをわかりやすく具体例を挙げて説明をいたしますと、拍手が起こる会場もございます。それは別にインテリ層だけではなくて、農村部でも漁村でも、町工場の方たちが集まるような集会でもかなり理解していただけるのでございますけれども、これは差別じゃなくて、いろいろな学者だけの会ではないという意味なんですけれども、その辺の複数税制について、大臣はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。導入についてです。

宮澤国務大臣 おっしゃることは十分ごもっともなことだと伺っております。

 私が思っておりますのは、シミュレーションというものがそんなに長いこと私はかかってはいけないと思っておるのでございますが、その結果としてどうしても国民負担がふえざるを得ないとなったときに、それをどこでどういう税制なりあるいは保険料なりで負担するかということになりますが、想像いたしますと、いずれの場合にも消費税を上げなければならないという答えになる公算が高いと思います。また、そういうシミュレーションの結果そうなりますと、それはよけていくんだというわけにまいらないなという国民の御理解が出るといたします。

 そういたしますと、これは全く仮想の話でございますが、今の程度の税率でございますとこんな一本のやり方ができますけれども、この税率が西欧に近いところまで上がるとすれば、今おっしゃるようないろいろな意味での控除なり複数税率なり、そういうことをしなければまた国民がそれを受け入れられないだろうと思っておりますので、上げることに伴う、恐らく今おっしゃいましたことは、私は必然の結果であろう。それはまた、そういう状況であれば十分に説明のできることだし、国民もやむを得ないと思われることではないか。それを考えずに、一本やりに、一本だけの消費税をどんどん上げていけるかというと、私もそういうことではあるまいと実はひそかに考えております。

田中(眞)委員 お答えをいただきまして、我が意を強くいたしました。ぜひそのシミュレーションが非常に早く出てくることを期待いたしております。そして、そのときにしっかりした内閣ができていることも期待いたしております。

 柳澤大臣、十三年度末、もうたびたびこの委員会でも言われていることでございますけれども、中央と地方の債務残高が六百六十六兆円に達する見通しであるという大変悲壮なことが言われております。要するに、額は、債務は少ない方にこしたことはないわけですけれども、要は政策対応をどうするかということで、これは、前の柳澤先生の勉強会、経済再生シナリオでも随分勉強をさせていただいたのですけれども、要するに、債権者と債務者のどちらに負担を求めていくのかというような政治的な決断というものをおくらせて今日まで来ているのではないかというふうな感じがいたしております。

 そして、時系列的に言えば、もちろん諸先輩御案内のとおりですけれども、一九八〇年代の日本の経済は極めていい状態で、最強でありましたけれども、冷戦の終結後にバブルがはじけて、そしてこの長期不況の、失われた十年ということで言われておりますけれども、何もしなかったわけではなくて、我が与党内で何をしていたかということを振り返ってみますと、やはり選挙制度の改正ですとか省庁再編ですとか、そういうことにかなり時間を割いていたというふうに思います。

 でも、そうではあっても、やはり打つべき手を打たなかったために、IT革命によって、情報通信だけのグローバリゼーションではなくて、金融の面で世界がグローバル化してきているということについての対応ができずに今日を迎えている。ですから、今になっていろいろ、もちろんパレルモの会議で大臣が、宮澤大臣お帰りになったばかりでございますけれども、そこでも、いろいろな新聞の記事等を見ましても、昨日のを見ましても、やはり不良債権処理のおくれですとか、それから株式の含み損の拡大とか、そういうことについていろいろ御示唆があって、きっと宮澤大臣御難儀なさったというふうに思いますけれども、こういう国際水準に日本が達し得ないでいる状態についての指摘が諸外国からなされているわけなんですね。

 それで、そういうときに、今まで政府がやってきたことを振り返ってみますと、それぞれのときに応じて、カンフル剤として景気刺激策を効果的に打ってきたかもしれませんけれども、その効果はもう次第に薄れてきてしまっているというのが実態です。

 そういう中で、言ってみれば、財政出動はしたし、それから金利政策というものもある程度手を打ってきているということであると、短期の手は打っているのですけれども、根本的な、今一番求められている長期的な施策、中長期的な計画というものがどうあるべきかということについて、特に日本人は、アメリカ、欧米に比べて貯蓄性向が非常に高いわけでございますから、それを要するに直接金融にシフトする。そのために具体的にどのような手を考えていらっしゃるか。何度か質問に答えてもいらっしゃると思いますけれども、再度お答えいただけますでしょうか。

柳澤国務大臣 先ほどの宮澤大臣に対する御質問の中にあったかと思いますけれども、日本の家計の、あるいは個人のと言ってもよろしいかと思いますが、金融資産は大変な、千四百兆近くの金額に上っているわけですけれども、その保有形態というものを見ますと、元本が保証されているとされておる、されておるとされておると私はあえて言わせていただくのですが、ペイオフになりますと必ずしもそうでなくなるわけで、ペイオフが今禁止されていますので元本が保証されているということがあるわけですが、その元本が保証されていると考えられている預貯金というものにその大半がそういう形で持たれている。

 他方、ややリスクの伴うとされている株式あるいは出資あるいは投資信託というものに対する保有というものが、非常に諸外国に比べてシェアが少ないというようなことになっているわけでございます。

 これが、今度は金融界の方、産業資金あるいは生活資金を供給する金融界の方にも投影されておりまして、今金融の形は、専ら産業金融等については間接金融の形で行われる。つまり、銀行というものを介在させた形での金融というものが専らのものでございます。

 ところが、事業というものはどうしてもリスクが伴うわけでありまして、事業資金の供給というものを金融機関を通じてばかりやっているということになりますと、金融機関が背負うリスクというのはもう大変なものになってしまうということでございます。

 そこで、こういう間接金融の形だけで金融機関が専ら事業の、実際の経済界のリスクを背負うという形というものはやはり耐えられないということが、昨今の金融情勢から明らかになってきつつあるということでございまして、我が国の金融におきましても、やはりもっと直接金融という形で、産業資金なりなんなりが、最終的なリスクを背負っていただくべき家計というか個人というか、そういうものにつながる格好で、そうなりますと、必然的にこれはリスクが分散いたします。大勢の投資家、個人の投資家が株式という形で持っていただければ、リスクは非常に分散される。そういうことを考えなければならないところに我々の金融システムというものが追い込まれているというか、そういうことが促されているということだろうと思うのです。

 日本の金融の中において、個人が、なぜそのようなリスクをとってもらうような形での保有形態が少ないか。これは、国民性もあるとかいろいろな議論があると思うのですけれども、例えば、最近におきまして私が注目しているのはドイツの例でございます。

 ドイツはやはり日本と同じように、八〇年代の最初のころというのは、株式あるいは出資の形での保有というものが非常に少なかったのですけれども、このところ非常にそれが高まりまして、日本とアメリカの間ぐらいのところに来ておる。アメリカは、そこのところは、特に四〇一kが導入されてから非常に顕著に高い形が維持されているのですけれども、それまでは当然いっていませんけれども、ドイツにおいては最近、株式の形での保有というものが非常に顕著に増大しているわけでございます。

 その背景になったものは何なのか。現在私は事務局に勉強させていますけれども、どうも、ちらっと資料を見る限りにおいては、やはり税制というものが非常に大きな役割を演じているのではないかというのが私の今現時点での感じでございまして、多分、調査の結果もそういったところに結論が出てくるのではないか、こう思います。

 インフラと我々申しますけれども、個人の株式投資に関するインフラとして、いろいろなものがありますが、特に私は税制の面の働き、効能が強いのではないか、このように考えておりまして、この個人の株式投資にかかわる税制、これは一つは配当もございましょう、しかしまたキャピタルゲインもあろうと思うわけでございますけれども、譲渡益でございますけれども、そういうようなものについての税制について、ドイツ等との比較において改善すべきはぜひ改善していただきたいというのが私が今考えていることでございます。

 これは余分なことかもしれませんが、あるいは内分にしなければいけないかもしれませんが、閣議でも私、宮澤大臣に、そういったことを含意してのお願いをしておるというところでございます。

田中(眞)委員 ありがとうございました。

 今の御意見を受けて宮澤大臣、いかがでございましょうか。

宮澤国務大臣 非常に大事なところでございますので、私は、柳澤大臣の言われることでしたら十分考えさせていただきます。

田中(眞)委員 それで、日銀のゼロ金利の問題でございますけれども、これは半年前ですね、解除をしてから。そしてまた公定歩合を〇・一五%引き下げるということをやっておられるわけです。

 きのう、岩國先生でしたか、野党の先生が、森内閣の支持率とそれから日経平均株価との折れ線グラフか何か出しておられましたけれども、私は、本来示すべきは、日経平均株価のグラフとそれから不良債権の処理、これの必要額についての折れ線グラフを出していくことによって、かなりいろいろなことが学べるのではないかな、その関連した連動グラフというようなものが出るとありがたいなというふうに思っておりました。

 アメリカの議会の予算局が既にその分析をしているという情報がございまして、それは、日経の平均株価が一万三千円であった場合には、大手の日本の銀行十五行の抱えている株式の含み損というものが約三兆五千億になる、日経平均株価がもしも五百円下がって一万二千五百円になった場合、それは約五兆円になるのだというような分析が出ているというふうに聞いております。

 四半期ごとの経済動向で、三月期決算の含み損は計上しないでいる、時価会計の適用は九月期の中間決算からということであるから、要するに、九月までの間にこれが出なければ、しばらくは含み損については世間に知らされずにいられるかというふうな御判断があるのかもしれませんが、先ほど申し上げましたようなグローバリゼーションの時代でございますから、金融でのITが非常に進んでおりますので、これはやはりいろいろと改めていかなければならないことではないかというふうに考えます。

 そして、柳澤大臣に伺いたいのですけれども、市場金利を〇・二五%で据え置いたとしましても、公定歩合を〇・一五%引き下げても、要するに、これは極めて限定的な限られた部分でしかそういう効果は実際にあらわれない。言ってみれば、逆に言いますと、政府ですとかあるいは日銀だけではなくて銀行自体の、あるいは民間の企業の努力というのですか、そういうものが本当に活性化してこないと、もっと市中にお金が回るような、もう少し具体的に踏み込んだ施策がないと、なかなかこの問題は処理されないと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

柳澤国務大臣 ちょっと最初、お断りしておきますけれども、金融という名を冠しても、金融政策というか、マクロの金融政策についてはこれは日本銀行が、ある意味で独占的にと申しましょうか、そういう形で担当しておるということでございます。私の担当している部分は金融行政、もっと言うと金融機関行政ということであるというふうに御認識をいただければありがたいわけでございます。

 そうした意味で、この間、日本銀行がとりました金融緩和策、金利政策というものについての真っ正面からのお答えということになると、私がその資格者かどうかというのは大変疑問があるわけでございますが、先生がそれに対して、金融機関の側にどういう影響があるか、それがひいては実体経済の側にどういう影響があるかということでございますから、私がお答えできる範囲で申させていただくわけでございますけれども、日本銀行の金融機関に対する貸し出しなり、あるいは手形の割り引きなりというようなものの金利が下がりますと、どうしても金融機関の貸し出しの金利がすぐにそれに応じて下がるわけではないという時間のずれがありまして、率直に言って、金融機関の収益にはややプラスの影響があるということでございます。もちろん、それが一定のタイムラグを置いて金融機関の貸し出し、つまり、貸出先企業の金利負担に影響が出てくるわけでございますけれども、これには若干のタイムラグがあるということでございます。

 それが果たしてどのような影響を持つかということでございますが、これは当然いい影響があろうかと思いますけれども、マクロ経済的な次元における効果とか分析というものについては、やはり私がここでお答えするのはちょっと筋違いではないか、このように思いますので、以上でお答えとさせていただきます。

田中(眞)委員 ありがとうございます。

 いずれにしても、日本は金融機関が抱えている不良債権の山を片づけなければならないわけでございますから、外資の積極的な導入といいますか、海外の力もかりるというぐらいの英断を持って日本は取り組まなければならない、大きな覚悟を持って、トランスペアレンシー、透明性を持って事を進めなければならない段階であろうということを申し上げておきたいと思います。

 あと、私は議員立法を現在手がけておりまして、二年近くになりますけれども、上級国家公務員の報告義務ということについてかかわっております。これはもちろん、本来でしたらば橋本大臣に伺うべきですけれども、ねちねちやられると時間がかかってしまいますので、寝覚めが悪くなりますので、あえて内閣の中枢部におられます官房長官に、トータルで内閣の姿勢として伺わせていただきたいというふうに思っております。

 私の考えております、グループでもちろんやっておりますけれども、この議員立法の趣旨は、例えば薬害エイズでございますとか、あるいはジェー・シー・オーの臨界事故、それから最近の外務省の機密費の問題等ございますけれども、いわゆる不作為の行為、意図せずに見て見ぬふりをするといいますが、そういうことを、官僚あるいは国家公務員である国会議員も含めてでございますけれども、そういう不作為の行為によって、結果的に国の名誉でありますとか国民の生命財産が著しく損なわれたというようなときに、なかなか今責任が明確でない。かつてはもっと明確であったというふうに思いますけれども、だれも責任をとらずにたらい回しをしてうやむやにする。そういうところに政治不信というものも惹起している一つの原因もあるというふうに考えておりますので、この立法を進めております。

 この法案も、初めは、私は国家公務員の上級指定職の方を対象にと思ってグループで作業いたしておりました。

 ところが、つまらない公務員倫理法なんという、小悪を追っかけ回して、小さな悪ばかりをたたくようなつまらない法案がたまたまちょっとした時間差でできてしまったために、何か田中眞紀子は屋上屋をまたつくるのではないかなんていってかなり不興がございまして、いろいろとまた仲間やら識者の方と検討した結果、やはり、国会議員も当然公務員でございますから、大臣、副大臣等も含めまして、報告を十二分に聞かなかった、実情を理解していなかったために、あるいは理解しようとしなかったために、抑止力がきかなかったということのためにこういう結果が派生することを抑えるために、この法案の対象者を国会議員にも広げたいということを思っております。

 それを進めておりましたら、たまたま先日、人事院が新たな基準というものをつくって、公務員の降格とか免職に基準をつくって信賞必罰である、これを徹底するんだぞということが報じられておりましたけれども、これも大変片手落ちではないかということを思っております。

 現在の国家公務員法の規定にのっとって、現在は各省庁が対応をしていらっしゃるそうですけれども、これは新たにしても、今度は、みずから設定した目標の達成度を見て公務員の方たちを降格や免職にするということなんですが、これは公務員の方ばかりに厳しくて、公務員の方から一番指摘された、公務員といいますか行政の方たちから、私どもがやっている議員立法の途中で強く指摘された、国会議員、立法府の人間に対する視点がこれは欠落していると思いますが、この辺について、アドバイスも兼ねまして、官房長官の御意見を賜りたく存じます。

福田国務大臣 委員が今おっしゃられたことについて、議員立法を目指して一生懸命やっていらっしゃるということはかねがね伺っておりますけれども、今おっしゃるように、公務員に対しては公務員倫理法という一つの例がございますけれども、あれも細かい規則を、内規と申しましょうか、つくっていったらば、もう本当のすき間もないというようなことになりまして、今公務員の中でも評判が悪いというのはこれは当然かもしれぬけれども、しかし、我々が見てもちょっとやり過ぎかなという感じがなきにしもあらずということでございますので、私、その辺のことはこれからいろいろと議論をしていかなければいけない問題だろうと思っております。

 政治家の方のことでございますけれども、私はまさにそれはよく感じておるところでございまして、今度、大臣、副大臣、政務官規範というものができました。これもそういうことの一つだろうというふうに思いますけれども、我々は、我々として守るべきところをきちんと守らなければいけないということは、公務員に要求すると同時に我々の義務としてあるわけでございますので、その辺はよくお気づきいただきまして本当に頼もしいんでありますけれども、ぜひそういう観点からの御検討をお願いしたい。

 また、政治家とそれから公務員との関係というのは、これは紙に書いたものでない、やはりお互いの信頼関係ということが一番大事なんだろうというふうに思います。その信頼関係を醸成するような、そういう環境とか状況をいかにつくるべきかということもあわせてお考えいただきたい、このように思っております。

田中(眞)委員 ありがとうございます。公務員倫理法のような細かいことでもって人をたたくというネガティブなことではなくて、むしろポジティブな法案をつくってほしいということを御示唆いただいたと思いますし、また、大臣規範ですか、ミニステリアルコードがあるということも十二分に承知をいたしておりまして、また官房長官の御助言を頭に入れながら立法作業に進んでまいりたいというふうに考えます。

 最後に、今政治に求められているものは何かということを考えなければいけないと思いますが、きょう、たくさんの大臣方から大変いい御指導を賜りましたけれども、やはり国際的な視野に立った情報発信力といいますか、明確な責任を伴った、説明責任を持って情報を開示しながら、私ども国会議員が、明確な、非常にわかりやすい意思決定というものをしていくということが求められている。説明責任、そして合理的な判断、わかりやすい判断というものが求められている。そのために、またぜひ諸先輩からも御指導を仰ぎたいと思います。

 以上をもちまして質問を終わります。ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。

 次に、栗原博久君。

栗原委員 栗原でございますが、質問の機会をお与えくださいまして、まことにありがとうございます。

 まず私は冒頭に、野党席にいらっしゃらないこの状況を見まして、大変嘆かわしいと思っております。

 また、最近この委員会の議論を通じますと、野党やあるいはまたマスコミが、米国の潜水艦におきます事故の中に総理がゴルフをしておられたということで大変攻撃をしておりますが、問題は、その潜水艦の中で民間人が操縦をしておってそしてあのような痛ましい事故になったということが、何かすべて森総理に対するバッシングになってしまって、大変私も残念と思っております。私は、総理におかれては、起きてしまったことはもうどうにもならぬことでありますから、遺族の皆さんのお気持ちを察しながら、日本国の総理として米国と常に交渉に当たられることを期待したいと思っております。

 また、我々はやはりこの予算委員会で一刻も早く予算を通過させまして、今国内、大変景気が低迷している感がございます、まず予算を通過させることが予算委員会の使命であると私は思っておりまして、そのためには、森総理に対して激しい攻撃をしながら、党利党略といいましょうか、あるいはまた選挙に有利になるとか不利になるとか、そんな議論で一国の総理の立場を批判してはならぬと私は思うんです。何としても、総理は、やはり信義に基づいて、国民の幸せのために堂々と職務を遂行していただいて、そして、国民が本当に期待し納得する政策の実現を期すことが必要だと私は思っております。

 さて、私は、きょうは自由民主党の割り当ての時間があと二十分しかないようでございますので、端的に御質問をさせていただきます。

 まず、今我が国で、緊急輸入制限、要するにセーフガードということで、繊維のセーフガードと野菜関係のセーフガードが議論されております。特に、繊維につきましては、地方の農村と経済とは一体的でございまして、繊維産業と、米を初めとする価格の低迷している農村がリンクしているわけでありまして、そこでまず繊維問題からお尋ねしたいと思っています。

 昭和四十三年にニクソンさんが大統領に出馬したとき、日本からの繊維攻勢を規制するということを選挙公約にいたした。日米の繊維問題がそこから派生して、そして国内の繊維業者も大変大きな痛手をこうむって、その犠牲のもとに今日の繊維があるわけであります。

 しかしながら、今我が国の繊維産業の約一割がこの繊維製造業に携わっておりますし、約百六十万人の雇用があるわけなんです。ところが、最近は、中国を初めとする各国から安い品物が洪水のごとく入り込んできている。そして、それも毎年一五%ずつ前年度比で入ってきている。こういう中において、国内の繊維、アパレル産業は、もはや太刀打ちできない。

 タオル業界でも、今セーフガードの要請の準備をしているようでございますが、実は私の選挙区は見附市、栃尾市、加茂市など戦後の経済復興に大変大きく貢献した、まあ五泉市もあるわけですが、貢献した地域でございまして、そこが今大変な状況です。

 例えば、こんなことを申して大変恐縮でございますが、私の地元の見附市では、実は昨年の十月前後二カ月間で、繊維産業の経営者約八人の方が自殺されました。これは大変なことなんです。

 私は、その自殺の原因というものは、警察の発表などもあるようでございますが、それは別といたしまして、私ども地元の新潟中央銀行が破綻しました。この地域は、新潟中央銀行と取引を大変していた地域であります。あるいはまた、そごうが倒産しましたから、アパレル関係の発注もその影響を受けておったと思うのですが、本当に残念なことは、私も暮れに町を歩きまして、お亡くなりになった忌中札が立っているわけですね。まさしく自分の命にかえて家族を守ろう、そして企業を守って、働いている職員を守ろうというその行為に、私は大変胸が痛むわけなんです。

 それだけやはり繊維問題は深いのでありまして、繊維問題も、国内の業者が中国を初めとする地域に技術的な指導をして、その反面、それがまた日本に入ってきているという点もありますけれども、ただニット関係は、もはや輸入浸透率が九五%くらいだという状況です。

 そこで、地元の企業も一生懸命新しい製品を開発しながら、何とか逆に輸出をしようという努力はしております。しかし、やはり業界としては、もう努力しても努力をし切れない点もあると思うのですよ。

 今、宮澤財務大臣がおられますが、たしか宮澤財務大臣は、昭和四十四年の佐藤内閣の改造のとき、一月十六日だと思うのですが、通産大臣におなりになりまして、ジュネーブに飛び、あるいはまたワシントンに飛んで、日米交渉に大変お力を示されました。また、先ほど質問しました田中眞紀子先生のお父様は、翌年には通産大臣になられて、これまたアメリカとの交渉に当たられて、日米の繊維協定の締結に至ったわけです。私、今ここで質問をしながら、この歴史の中における、大変やはり一つの縁を感じているわけです。

 そこで、繊維問題はセーフガードでも数量規制だけだと伺っておりますが、まずこの点について平沼大臣から、この繊維に対して今後どのように政策的にやるか、あるいはまたセーフガードはどの程度考えられるかということをひとつお聞きしたいと思います。

平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。

 繊維産業が置かれている今の状況というのは、委員御指摘のとおり、大変厳しいものがある、これは経済産業省といたしましても強く認識をしているところでございます。

 まず、繊維のセーフガードについてのお尋ねでございますけれども、繊維のセーフガードというのは、御承知のように、WTOの繊維協定の中でも認められていることでございまして、経済産業省といたしましても、政府といたしましても、いろいろ国内の規定を整備してきたところであります。

 著しく輸入が急増した、あるいはまた、その産業に致命的な打撃を与える、それからもう一方の観点からは、消費者やユーザーの動向ということも総合勘案をしなければなりません。しかし、現実に非常に困っておられる方々がおられますので、やはり繊維のセーフガードを発動する要件は、ことしの一月に構造改善のいわゆる要件策定、こういうことも削除をさせていただきまして、発動しやすい状況にさせていただきました。

 今、タオル業界のことを言われましたけれども、タオル業界もこの二月十六日に、いわゆる発動要請を行う、こういうことで決定をされまして、今事務的な手続が進んでいるようでございます。

 そういうことに関して、我々といたしましては、やはり総合的に勘案をしながら、その発動要請を待って、そして着々と準備を進めていきたい、こういうふうに思っておりまして、基本的には発動要請があれば今言った観点から十分に検討させていただきたい、こういうふうに思っています。

 それから、繊維産業が大変苦しい立場に立たれている、こういうことでありますので、既に幾つか我々としては、ニット業界を初めとして繊維産業に具体的な、金融面やあるいはその他の支援策を行わせていただいています。

 先生御指摘のように、中国の繊維産業の技術水準の向上とか、また我が国の消費者が非常に価格を重視する、こういうような傾向がございまして、繊維業者自体が生産の拠点を中国を初めとする海外に移している。これが輸入の急増になって、例えばタオルでは六四%が輸入になり、また御指摘のように、ニットなんかは八〇%以上を超える、そういう輸入比率になって、これが国内の業者を圧迫しています。

 そういうことでございますので、平成十三年度の予算におきましては、地場産業等活性化補助金のうち、事業費ベースで約六億円を繊維中小企業特別対策枠として、これは初めてでございますけれども、確保することにいたしました。これは地場産業の活性化のために、組合や中小企業のグループが行う新商品開発、競争力をつけていただく、それから人材育成、さらには販路開拓等の事業に対して、国と地方が二分の一ずつ負担する、ですから、事実上全額を補助する、こういう対策を講じさせていただきまして、今申し上げましたように、繊維産地のためにこういった特別枠を確保したのは初めてのことでございまして、我々としては平成十三年度予算が無事に成立をして、そして今、見附市というお名前が出ましたけれども、そういったところを中心に、各産地においてこの特別枠を有効に使っていただけるように私どもとしては願っておりまして、一日も早い予算成立を願っているところでございます。

栗原委員 そのような措置をぜひひとつお願いしたいと思います。

 また、WTOでは、このセーフガード等については二国間の規制はしてはならぬというような項目もありますが、かつて、日米繊維協定の中では、アメリカのデイビッド・ケネディ特使は日本に四回参りまして、一生懸命に我が国と交渉をされたと思うんですよ。今こういう状況ですが、我が国もこれらの中国を初めとする東南アジアにある程度の、セーフガード発動までは私は時間がかかると思うし、またなかなか厳しいと思うんです、やはり政府がとるべき措置を中国側にも要請することも私は必要と思いますので、そういう点もひとつよろしくお願いします。これは野菜にも言えることであります。

 また、我が国は感性豊かなファッション産業がたくさんあるわけでありまして、そういう中で、逆にこれをてこにいたしまして輸出攻勢をかける、そういう支援が国に求められていると思いますので、企画とか素材とか縫製など、これを担う各業界にぜひひとつ指導といいましょうか助言をいただいて、国内繊維産業が残れるように、そしてそこに働く方々の生活が安定して、見附のような事件が再び起きないようにひとつお願いしたいと思っております。

 次に、野菜の問題とまた米の問題について、まとめて谷津農林大臣にお聞きしたいと思います。

 この前、財務省そしてまた経済産業省に対しまして野菜のセーフガードの準備についての申し入れをされて、今その段階であるそうでありますが、今、野菜が約百万トン近く外国から入ってきております。そして、我が国の野菜の消費の二〇%ぐらいが実は海外生産の野菜であります。しかし、我が国の貿易の金額でいうならば、〇・八%しかないんですね。この〇・八%しかない野菜が日本に入ってくることによって、今日本の野菜農家は悲鳴を上げております。昨年度の野菜相場を見ましても一キロ二百円を割っているわけでありますから、これでは農家の方は生活できません。

 そういうことで、ひとつ農林大臣から、今どのような取り組みをされているのか、そしてまた経済産業大臣から、どのような形で経済産業省として取り組んでいるか、そしてまた財務大臣から、この発動に向けての強い御決意を順次ひとつお願いしたいと思います。

谷津国務大臣 先生御指摘のとおり、最近、野菜等の農産物の輸入が急増しております。そういうことから、先ほど中国等の話が出ましたですけれども、今国内農業への影響が懸念されているなどの問題がありますものですから、今般、輸出している国との、これは韓国、中国でございますけれども、情報交換の場を設けているところであります。

 韓国とは、二月の五日にソウルにおきまして日韓野菜需給情報交換会を行ったところでありますし、また中国とは、本日北京におきまして日中農産物情報交換会を行っているところでありまして、これは野菜や水産物等の中国からの輸入が急増している点に的確に対応するために、これらの品目について情報交換を行っているところであります。両国間との円満な貿易関係の構築に資していきたいというふうに考えているところであります。

 また、セーフガードの点にお尋ねがございました。

 これはネギ、生シイタケ及び畳表、イグサですね、三品目についてセーフガードに係る政府調査を昨年の十二月の二十二日から実施をしているところでございます。具体的には、輸入の増加が国内産業に与えている損害についての実態調査を進めるために、生産者、生産者団体、それから輸入業者、流通業者、消費者に質問状を送付いたしまして、回答のあったものから順次今チェックをしておりまして、その集計作業を急いでいるところであります。これにあわせまして、三月二十二日までに利害関係者からの証拠等の提出を受けることとしておりまして、さらに四月の二十七日までの間、利害関係者等からの意見表明の機会を設けることとしているところであります。

 このように、政府調査のプロセスを経まして、極力速やかに結論が得られるように努力をしていきたいと思っております。

平沼国務大臣 農林水産大臣の御答弁に尽きるわけでございますけれども、今農林水産大臣が言われましたように、財務省と農林水産省と我が省で検討して作業を進めております。

 したがいまして、WTOのルールに基づいて、そして実態を正確に把握して、その上でなるべく早く結論が出るように努力をさせていただきたい、このように思っています。

宮澤国務大臣 農林水産省及び経済産業省と共同いたしまして、国際ルールに従って透明かつ公平、厳正に調査を進めてまいるつもりであります。

栗原委員 今の農家の状況を見ますと、米の生産調整が今度は四万七、八千ヘクタールプラス割り当てであります。そして、米価が今大変下がっております。この五年間で実は三〇%も下がっているわけですから、コシヒカリのいい米でも、例えば庭での渡しが一万六千円としますと、三、四割生産調整していますから、実質的には、米一俵一万です。一万ですが、土地改良、圃場整備を今いろいろやっていますが、土地改良の償還金あるいは土地改良の維持負担金を入れると、中には三万近くも負担する農家もあるんですよ。そうしますと、三俵も土地改良の維持費、償還金に充てねばならないような状況にもなっている。

 だから、今農家は大変な状況です。農地の価格は下落しております。下落していますから、農協から借り入れしておりましても、あなたのところにはもう金を貸せないと。今の早期是正措置も農協まで行き渡っておりますから。そうしますと、農家の方々は、じゃどこから生活費を借りていいかと、苦しみ、悩み抜いている。こういう中で、何としても私は、農政に対して抜本的なメスをさらに入れていただきたいと思っています。

 時間の関係で短目にひとつお願いしたいのでありますが、米の値段が下がっている。では、消費者価格は下がっているかというと、余り下がっていない。自主流通米の価格センターでリベートをやって売る。リベートというのは、農家から委託契約を受けて経済連などが行っている、それを流通センターにかけるわけですから、そのときリベートを払うということは、農家との委託契約に違反すると思うんです。下手をすれば、これは背任に当たる、横領に当たると私は思っております。

 そこで、このリベート問題について、大臣から、あるいはまた長官から、かたい決意だけ端的にひとつお聞きしたいと思います。

谷津国務大臣 先生御指摘のリベート問題については、適正な価格形成、流通コストの削減等の観点から、JAグループみずからもその廃止を明らかにしているところでございまして、緊急総合米対策の決定を受けて、政府といたしましても、食糧事務所が、産地の経済連あるいは卸売業者を個別に訪問するなど、監視を強化しているところであります。

 先生がおっしゃいました中に、量的に大量に購入された場合には、価格を、出荷者、いわゆる農家の方たちの了解を得た上で、幾らかその大量出荷に対する分の値引きというのは行う場合もありますけれども、これも、どこまでも生産者の了解を得た上でないとできないことでありますから、今先生が御指摘なされたようなことにつきましては、十分に私どもは監視をしていきたいというふうに考えております。

栗原委員 刑事局長がいらっしゃいます。

 このリベートについて、どのように御見解があるか、ひとつ御回答をお願いします。

古田政府参考人 先ほどの委員の御質問の中には、背任になるのではないかというふうなお言葉があったように承知しております。今のお尋ねの趣旨も恐らくそういうことかと思うわけでございます。

 背任罪と申しますのは、他人のためにその事務を処理しております者が、自己または第三者の利益を図り、あるいは本人に損害を与えるという目的で任務に背く行為をする、その結果本人に損害を与えるということが犯罪成立の要件となっているわけでございます。

 ただ、具体的なケースあるいは特定の事案におきまして、それがただいま申し上げました要件に当たるかどうかということについては、これは事実関係の詳細によって判断されるべきことでございますので、一般論ということで答弁をさせていただきたいと存じます。

栗原委員 今、こうやって生産調整が強化されております。それは、やはり国民が米を食べなくなったのも大きいと思うのですね。昭和三十五年ごろは約百十四キロ食べた。今は、聞きますと、六十五キロしか食べない。もう半分に近い状況になっていると思うのですね。

 その中で、今子供たちの非行問題が社会問題化して、いろいろ起きています。やはり日本の御飯、米の御飯を家族団らんで、家庭で食べる。そういう、衣食住足りても、やはり中身だと思うのです。そういう中で、食の中における米に対する見直しが、日本伝統文化を継承する意味においても大事だと私は思っております。

 その中で、表示の問題です。米は、新潟には魚沼コシヒカリとか、あるいはまた新潟コシヒカリ、あるいは茨城にもおいしいのがありますし、栃木、秋田にもいろいろおいしいものがございます。ただ、店頭に見ますと、例えば魚沼コシヒカリはキロ六百円程度なのが、店頭だとキロ三百五十円だ、あるいは新潟コシヒカリは五百四十円なのが、中には二百七十円程度で売っている。こういう問題があるわけで、私は、あれは混米をしている、だからコシヒカリがたくさん出回っていると思うのです。

 この表示の問題についてちょっとお聞きしたいと思うのですが、このようなにせものが出回って、国民が本当においしいものについての価値観について誤解している点もあるかと私は思うのです。別に私は、魚沼コシヒカリだけがいいとは言いません。しかしながら、やはり精米表示、産地を明示する、そういうことだと思うので、この点についてどのように考えているかということを、田中副大臣がおられましたら、ひとつ御答弁願いたいと思います。魚沼の御出身でありますから、なおさらひとつよろしく。

田中副大臣 お答えを申し上げます。

 新潟県の出身ということで私を御指名いただいて出番をつくっていただき、大変恐縮をいたしております。

 二点あったと思いますが、米の消費拡大についてどう取り組んでいるかという問題でございます。

 委員御承知のとおり、食糧自給率の向上を図るということで、食料及び農業・農村基本法に従いまして平成二十二年に四五%の目標を達成しようということで努力をいたしておりますので、米の消費の拡大が最重点であろうかと思っております。

 また、御指摘のとおり、四万七千ヘクタールの生産調整を平成十三年度はお願いしておるところでございまして、稲作農家の健全な経営のためにも米の消費が大切であるというふうに認識をいたしておりますし、また、消費におきましては、大変、最近若い方々、あるいはダイエットされておる若い女性の方々にも協力をしていただきまして、専門家の皆さん方に御協力をいただいて、平成十二年度は努力をしてきておるところでありますが、平成十三年度はなお一層効果的に政策を遂行するということで、四十五億円の予算を組んでおりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 委員の御指摘のように、米飯の学校給食もふやしていきたい。新潟県のような米の生産県はなお一層努力をしていかなきゃいけないと認識をいたしておりますので、委員にも御協力をいただいて、米飯学校給食の拡大を図っていきたいと思います。

 それから、もう一点でございますけれども、精米の表示の適正化の対策はどうか、こういうことでございます。

 JAS法の改正によりまして、御存じのとおり、二月に農林水産省におきましても対策本部を設けまして、店頭の販売価格の調査、そしてまた納入業者の立入検査を実施しておるところでございまして、御指摘のとおり、表示価格そしてまた内容が大変疑問な点が二、三見受けられるという状況でありますので、現在、納入業者の立入検査も実施していこうということで、この四月以降はそういう御心配がないように対処をしていこうというのが現状でございます。

 以上でございます。

栗原委員 ありがとうございました。

 私は、繊維の問題につきましても、米の問題につきましても、やはりそれを消費することが大事だと思っています。ですから、米についても、大いに我々は食べねばならぬ。私も太っていますが、米をたくさん食べていると今若松委員からも言われましたけれども、そのとおりであります。

 それから、繊維も、やはり国内産の繊維の着物を政府の首脳部の方々がみずから着られて、まあ着ていらっしゃいますが、国民がそのように国産品を消費するということを喚起する、それによって国内の需要も起きるわけですから。例えば国家公務員も地方公務員もなるべく国内の着物を着てくれ、買ってくれ、それでまた地場の、地元の経済が潤うわけですから。これがまさしく政治に求められていると私は思いますので、ぜひひとつそういうことについても御配慮をお願いします。

 これで私の質問を終わります。

野呂田委員長 これにて栗原君の質疑は終了いたしました。

 次に、白保台一君。

白保委員 外務大臣にはたびたび大変恐縮でございます。

 まず初めに、イラクの空爆がございました。十六日でしたでしょうか、米英両軍が二十四機で、イラクの対空司令部でしょうか、空爆を行ったわけでございますが、ブッシュ大統領が就任されて初めての軍事行動の命令である。これは強固なフセイン体制に対する断固とした対決姿勢を示したものというような、さまざまなことが言われておりますが、これについて外務省としてはどのように分析をされて、そして我が国としてはどう対応なされ、あるいは姿勢を持っておられるのか、まず初めにこのことをお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 まず、日本の立場でございますけれども、イラクをめぐります状況というものは、やはり平和的に解決される、平和的手段によって状況が改善されるということを我々としては基本的に願っている、これが我が国の基本的な立場でございます。

 それで、アメリカが今回の軍事作戦について言っておりますことを聞きますと、過去二カ月程度、イラクの対空システムによる攻撃が増加した、またその精度が向上している、南部飛行禁止区域、ノンフライゾーンでございますが、南部の飛行禁止区域の監視活動を実施しているアメリカ、イギリスの飛行機にとってこれは大変な脅威になってきたので、自衛のための措置として攻撃をして、その後国連事務総長と安保理の議長に通報した、こういうことを言っているわけでございますが、いずれにしても、我が国としては、今回の行動について、米英両国に対してさらに説明を求めるとともに、事態がこれ以上緊迫化しないように関係国などと話し合っていかなければいかぬというふうに考えているところでございます。

 イラクをめぐりますさまざまな問題については、アメリカ、イギリス、かつてはフランスも一緒になってこの問題にかかわってきたわけでございますが、その後事態は変化しているということもございまして、私どもとしては、さらにアメリカ、イギリスからの説明を聞きたいというふうに思っているところでございます。

白保委員 大臣まさにおっしゃるように、平和的な解決が一番大事なわけでございまして、力による抑え込みだとか、あるいはまた挑発を繰り返すとか、こういうことがあってはいけないわけで、まさに対話、交渉、こういうものが続けられていかなければいけない、日本の政府としても、まさにその平和的な解決を目指して一層頑張っていただきたい、私はこういうふうに思います。

 次にお聞きしたいことは、十四日のこの場でも申し上げましたが、米海兵隊の放火事件の問題がございました。そして、この問題は、非常にスピーディーに解決の方向といいますか、起訴、逮捕という、引き渡しという形の方向にいきました。

 ところが、今度は十六日になりますと、海兵隊じゃなくてグリーンベレーが暴れ出すという、もう毎日のようにそんなことが起きている状況です。酔っぱらって国道で大暴れをしてというふうなことがありますが、その経過について、概要を教えていただきたいと思います。

河野国務大臣 十七日の土曜日、午前四時過ぎでございますが、北谷町の路上におきまして、今議員がおっしゃるようなことが発生をしたわけでございます。

 沖縄県警によりますと、十七日午前四時二十分ごろ、北谷町の路上におきまして、在沖縄米陸軍トリイステーション所属の二等軍曹ケビン・L・マレー容疑者が、信号待ちで停止中の車両のボンネットによじ登ってワイパーを折ったという通報がありまして、警察が現場に向かったところ、被疑者らしい人物を発見して職務質問をしたところ、同被疑者が警察の車をけっ飛ばしてドアの窓についていたサイドバイザーを壊したりしたために、器物損壊の現行犯で逮捕したということでございます。事件当時、被疑者は刃渡り十・一センチのナイフを所持していたことから、現在、同被疑者は銃刀法違反容疑も含めて沖縄署において取り調べ中である。同署としては、少なくとも器物損壊罪で事件送致する方針である、こういうふうに聞いております。

白保委員 外務大臣にわざわざ説明いただいて大変恐縮でございますが、きょう、米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチームの六回目の会合があるというふうに外務省沖縄事務所の方からの報告を受けております。要するに、外務省それからまた民間人、沖縄県警、県、多くの皆さん方が一緒になって米軍人や軍属等による事件、事故を防止するためにどうすればいいかということを、こちらの方が必死になって検討し、いろいろな方策を考えてやってきています。

 昨年、サミット前に不祥事が余りにも相次いだために、幾つかの規制がかけられました。八月にその規制が解かれて、今度は夜間のお酒の販売禁止をこの一月に解除する、こういうことになってきた途端に、またこういう不祥事が起きています。非常にそういう面では、外務省も苦慮されていると思いますし、また司令部も、苦慮しているかどうか、向こうの物の言い方というのはちょっと違いますから、この辺を考えますと、我々はしっかりとしたルールが確立されていかなきゃならない、こういうふうに思っています。

 できるならば、ワーキングチームの中でしっかりとしたルール確立ができればいいなとは思いますが、この際、大臣、私どもは何度も申し上げているのですが、例えば演習を行います、演習によって事故が発生する場合があります。その場合にも、原因究明ということでも、長く原因究明がはっきりしない、まあいつかは出てきます。しかし、その間、同種の訓練を、みんながここでまた同じような事故が起きるんじゃないかと心配して見ているにもかかわらず、原因究明がなされないまま、軍隊は練度を高めることだということで演習を始める。こういうことがあってはならないと私は思います。したがって、事故を起こした同種の訓練は、ペナルティーをかけて、原因究明がなされるまではやってはならないということが一つ。

 そしてまた、事件を起こす、そういった所属の部隊や組織、これに対しても一定のペナルティーを科さないと、演習をして事故を起こす、そしてまた隊員の不祥事が起きる、これでは安心して周辺住民は生活していられないということですから、この辺のペナルティーを、当然地位協定の改定を目指してしっかりとした協議をしていかなきゃいけませんが、演習だとか、そして隊員がそこらで生活しているというのは毎日あることですから、この辺のことを、まずしっかりとしたルールを確立してもらわないといけないんじゃないか。

 これは提案ですが、いかがでございましょうか。

河野国務大臣 議員がお話しのワーキングチームでございますが、第六回の会合を本日午後開催することになっております。御案内のとおり、このワーキングチームは、外務省の沖縄事務所が事務局となりまして、国、沖縄県、関係市町村、沖縄県警、地元商工会など関係団体、そしてもちろん在沖縄米軍などをメンバーとして、沖縄の施設・区域外における米軍人などによる公務外の事件、事故の未然防止のために今どういう措置をとることがいいかということで議論をしているわけでございまして、私としては本日の会合で、意見交換の上、少し具体的な何か出てきてほしいと思っているところでございます。

 そこで、今議員御提案の問題でございますが、議員のお気持ちはよくわかります。それから、地元の方々が担っている御負担というものも私は十分理解をいたしております。ただしかし、米軍を置いて、その米軍の訓練をやらせないということは、訓練のない軍隊というものはどういう意味があるかということもまた考えなければならないと思うのです。

 アメリカは、この問題について、大変遺憾である、沖縄県民の皆さんとの関係をよりよく維持していかなければならない、基地周辺の皆様方の負担をでき得る限り軽減しなければいかぬ。しかし、訓練はしていかなければ自分たちの務めが果たせない。ただそこにいるだけでは意味がないので、訓練をして、そして練度を高めて、維持をして、そして一朝事あるときにはきちんと防衛ができるというだけの能力は維持していかなければならないというわけですから、訓練をとめてしまうということが果たして適当なやり方かどうか。これはよく検討もいたしてみますけれども、今のお話を伺って、そういう感じがいたしました。

 それから、不祥事を起こしたことに対するペナルティーと申しますか、つまり、グループとして、そうした不祥事が起きないような歯どめをどうやってかけるかということであろうと思いますが、これはもう全くおっしゃるとおりでございまして、何かその方法を考えなければならない。

 ただ、議員も御承知のとおり、ローテーションで、いろいろな条件が出てまいりますから、それを一概にきちっととめるルールというものができるかどうかということを多少心配をしながら、しかし、議論をきちっとして、米側にも理解をさせ、米側からもアイデアを出させて、出たルールはきちっと守らせるということをしなければなりませんし、もう一つは、地元の方々にもいろいろと、またこれによって経済的な御迷惑をおかけするという問題も出てくるわけでございまして、その辺の地元の協力といいますか、お考えというものもしっかり踏まえて具体策をつくらなければならないというふうに考えております。

 今議員の御指摘を踏まえまして、十分、ワーキングチームの議論その他にもでき得る限り反映をさせて、いい方法をひねり出したいというふうに考えております。

白保委員 大臣まさにおっしゃるとおりで、先ほども申し上げましたように、特に事件の問題等に関して申し上げれば、昨年、サミット前の不祥事、そういったことがサミットの中であってはいけないということで、アメリカ側も相当きつい規制をかけていきました。そういう規制をかけた間はやはりそれなりの効果が上がる。しかし、今度は周辺の経済効果の問題等、ここがまた長く続かない。そういう意味では、ワーキングチームにはそういう関係者も参加をして、どのあたりで線を引くのかという、この辺は非常に大きな課題であろうとは思います。しかし、軍の方もそういった辺のことについてはまさに自制をしていくというものがなければ、これはなかなかうまくいくものではありません。

 もう一つは、事故の問題について申し上げれば、演習、例えばヘリコプターが飛んでいる、このヘリコプターが結構幾つも墜落する。こういうようなものが普天間から国頭の演習場に移動しながら、これが毎日起きていて、それでまた時々落ちるということになってきますと、この演習は本当に大丈夫なのかということもありますし、そういった面のことも含めて、しっかりとした御検討をしていただかなければいけないのかな、こういうふうに思っております。

 次に参りますが、せんだって兵力削減問題で、余り時間がなくて大臣のお考えを十分に聞くことができなかったわけで、きょうは、まず一つは、この間はひっくるめて物を申し上げましたものですから、ちょっと分けてお聞きしたいと思います。

 ナイさんだとかアーミテージさん、この方が去年報告を出されているような考え方、要するに、軍事的にはアクセスとして必要だろう、しかし政治的には県民の負担を軽減するときが来ているんじゃないかということに対する大臣のお考え方はいかがでしょうか。

河野国務大臣 県民の御負担をいかに軽減するかということについて米側がああした理解を示された、仮にそれは民間の報告書であっても、そういう理解を示されたということを私は大変うれしく思います。

 もちろん、他方、国際情勢を考えれば、我が国の安全をどうやって守っていくかということについては、これは政府のしかるべき立場の人たちがきちっと考えてもらわなければならない。もちろん、アメリカだけが考えるのではなくて、日米双方で国際情勢についての議論をしなければなりませんから、ここは、私は、大きな変化が現実にあったかと言われると、確かに朝鮮半島には我々にとって好ましい動き、兆しはあるけれども、現実にどこが変わったかといえば、変わったところはない。北の兵力がどう変化したかといっても、恐らく変化はないでしょう。したがいまして、大きな変化があったというふうに我々が今直ちに申し上げられる状況ではございません。ございませんから、この国際情勢については、さらに専門家が相当深く検討をし、議論をしなければならないというふうに思います。

 後段の県民の負担についての理解というものと前段とを、ではどうやってつなげるかというところはなかなか難しいわけでございますが、分けて申し上げればそういうことだというふうに思います。

白保委員 もう一つもお伺いしようと思いましたが、大体同じだろうなと思いますから。キャンベルさんも同じようなことを言っております。

 それともう一つは、今大臣がお答えになっているのは、いわゆる国際関係というか周辺の関係というか、こういった全体の立場からお話があるんだろうと思います。

 一方、基地の実態論といいますか、基地の使用目的、実態論、そういった部分からいくと、今度は米軍自体が、訓練の制約がある、こういうふうに言うわけですね。訓練の制約がある、これじゃ小さい、思うように訓練できない、こういう実態論があります。それは皮肉にも、また、県民が何でこんな狭いところで訓練するんだろうなと思っているのと一致しますねということをこの間も申し上げました。

 この実態論からいって、今お答えになりましたが、負担を軽減していかなきゃいけないということで、SACO合意があって、SACOを進めているんだろうと思いますが、そういう面で、先般も私は、使用目的と現在の実態と、それをあわせて検討を一層進めていく必要があるだろう、こういうことを申し上げました。

 時間がもう余りありませんので、この話はまた引き続き議論をさせていただきたいと思います。

 今度、質問は変わりますが、実は、在日米海軍厚木基地の航空機騒音問題で、国は十二年度の予算で、騒音被害防止などのための調査研究事業費を計上しておられます。これは、当時の野呂田防衛庁長官が、訴訟に勝った者だけが補償されるという繰り返しでは困る、何らかの救済措置を検討していかないといけない、こういう御答弁がありまして、そこからスタートしたというふうに伺っております。

 この実態、今どのように行われているか、このことをまずお聞きします。

斉藤国務大臣 御案内のように、嘉手納飛行場におきます航空機騒音訴訟判決においては、国が行っている住宅防音工事等の現行施策をある程度評価していただいておりますが、しかしながら、周辺住民がこうむっている精神的被害等については、防止、軽減が十分図られているとは言えないとして、過去分の損害賠償請求を容認する判決が出されたところは、御案内のとおりでございます。

 野呂田元防衛庁長官のお話が出ました。これは平成十一年だったと思いますが、「裁判を起こさない、協力をいただいている方を救済する何かの措置が他にないか」という御答弁を踏まえまして、全国の住宅防音工事対象世帯数の約三分の一が所在しております厚木飛行場周辺において、住民の精神的被害等の緩和に資する施策についてどのような施策がとれるかを検討するために、平成十二年度中に、関係自治体の御協力を得て、住民意識調査等を実施することといたしております。

 具体的には、航空機騒音の影響度、新たに必要と考える航空機騒音対策等について、周辺住民を対象としたアンケート形式による調査票の郵送、回収、整理、分析等を予定しているところであり、現在、地元関係自治体の御協力を得て、まさに着手しようとしているところでございます。

白保委員 これを受けまして、嘉手納の空軍基地周辺もそういった動きが大きく出てまいりました。

 御存じのように、嘉手納空軍基地においても、一九八二年に嘉手納基地爆音訴訟というのが提訴されて、十六年間争っておりましたが、九八年に判決が出されました。うるささ七十五デシベル以上の地域に居住する住民に対する被害補償ということで、補償がなされておると思います。

 そういたしますと、国の防衛や安全保障、こういったものに協力しようということで訴訟に加わらなかった人たちもいっぱいいる。この方たちは、それでは、私たちはどうするのかね、こういう話になりまして、公平補償を求めるというグループが会を結成して、非常に大きな運動となってきておるわけでございますが、恐らく県の方から、この皆さん方からの、公平補償を求めるという要請が出た際には、国としてはどのように対応されますか。

斉藤国務大臣 お答えいたします。

 御指摘のように、訴訟に参加されている方、参加されていない方、それぞれおられます。訴訟に参加されていない嘉手納飛行場周辺住民の方々が不公平感を持っておられ、補償を求める運動が展開されているということは承知いたしておるところでございます。

 防衛庁といたしましても、このような住民の方々のお気持ちについて十分理解しているところでございます。しかしながら、このような精神的被害等に対する補償については客観的な評価判断基準の確立が困難であることがございまして、検討すべき多くの問題がまだまだあると考えているところでございます。

白保委員 野呂田防衛庁長官が、訴訟を繰り返されては困る、こういうような答弁をされておりますが、一つの判断が嘉手納爆音訴訟で出てきた、それを基本に置いて公平な補償を求めるというのがその周辺の皆さん方で、あえて訴訟を起こして安保論争をやったり、こんなことをやろうという話ではない。周辺に居住していて、七十五デシベル以上の周辺に同じように居住している以上は同じような公平な補償が必要であるというのが考え方ですから、国としても真剣な取り組みをお願いしたいと思います。ここは時間がありませんから答弁を求めませんが、これを要請しておきます。

 それで、最後になりますが、実は、坂口厚生労働大臣においでいただいておりますが、一昨日、沖縄で二十一世紀の保育を考えるシンポジウムというものを開きました。

 御存じのように、認可保育園が本土においては九二%、無認可が八%、沖縄においては、認可保育園と無認可と大体五〇%、むしろ無認可の方が五〇%を超えている、こういう状況にあります。こういう状況の中で、少子化対策のために臨時特例交付金などを行いましたが、ほとんどが対象とならない、こういう状況にあります。

 一生懸命頑張って、戦後の経済の中で、復帰前の経済の中で、非常に厳しい状況の中ででき上がってきた、そういう無認可の保育所でございまして、この人たちも認可保育園になっていこうという努力をしているんですが、なかなか厳しいものがあってならない。この際、この無認可保育所を経営している皆さん方は、規制緩和をしてもらって何とか認可保育園にしてもらいたいなとか、あるいは特例を設けてもらいたい、あるいはまた、新たな沖縄振興新法の中で位置づけをして何らかの形でもって対応できないだろうかというような声が多くあります。

 二万四千人からのお子さんが無認可へ行っています。二万三千人のお子さんが認可保育園です。むしろ五〇%を超えています。こういう実態について厚生労働省としてどのように取り組んでいただけるか、このことをお伺いしたいと思います。

坂口国務大臣 保育所の問題、御質問をいただきましたが、資料を見せていただきますと、合計特殊出生率は、沖縄が一・七九で全国第一位であります。それで、多くのお子さんが生まれていながら、そのお子さん方が行く保育所がないという状況がある。認可保育所が約二万三千人、認可外保育所に二万四千人、そして、待機児童と申しますか、待機しておみえになります方が、全国平均でございますと一・八%でございますが、沖縄の場合は七・〇%と非常に高い、こういう非常に特殊事情があるというふうに私も考えております。

 全国的な問題といたしまして、この認可外保育所の問題を今後どうしていくかということにつきましては、今後検討をしていかなきゃならない問題だというふうに思っておりますが、それだけではなくて、特に沖縄の場合の特殊事情をどう考慮していくかということも考えなければならないのだろうというふうに思います。

 そこで、これは少し沖縄県と協議をさせていただいて、今後のあり方をどうしたらいいかということをもう少し検討させていただきたいというふうに思いますが、その猶予をいただければ幸いでございます。

白保委員 もうほとんど時間がないと思いますので、最後に申し上げたいと思います。

 今の県との相談、協議というのが極めて重要でございまして、県も、厚生労働省から指導を受けているので、非常にかたい形でもって物事を運営しているような形でございますから、その辺は一歩踏み込んだ形でぜひやっていただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わります。

野呂田委員長 これにて白保君の質疑は終了いたしました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十一分開議

野呂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合所属委員が御出席されておりませんので、理事をして再度御出席とともに質疑者の通告を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

野呂田委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席及び質疑者通告を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合所属委員の御出席及び質疑者通告が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 質疑を続行いたします。

 これより民主党・無所属クラブの質疑時間に入ります。

 民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合所属委員の御出席がいまだ得られません。

 理事をしてさらに御出席及び質疑者の通告を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

野呂田委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席及び質疑者通告を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合所属委員の御出席及び質疑者通告が得られません。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後二時七分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕




このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.