衆議院

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第13号 平成13年2月28日(水曜日)

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平成十三年二月二十八日(水曜日)

    午後三時三十一分開議

 出席委員

   委員長 野呂田芳成君

   理事 北村 直人君 理事 久間 章生君

   理事 小林 興起君 理事 自見庄三郎君

   理事 細田 博之君 理事 池田 元久君

   理事 佐藤 観樹君 理事 原口 一博君

   理事 谷口 隆義君

      池田 行彦君    石川 要三君

      大原 一三君    奥野 誠亮君

      栗原 博久君    塩川正十郎君

      高鳥  修君    谷川 和穗君

      津島 雄二君    丹羽 雄哉君

      葉梨 信行君    萩野 浩基君

      牧野 隆守君    宮澤 洋一君

      宮本 一三君    八代 英太君

      山本 明彦君    五十嵐文彦君

      岩國 哲人君    生方 幸夫君

      海江田万里君    金子善次郎君

      城島 正光君    中田  宏君

      平岡 秀夫君    松野 頼久君

      白保 台一君    若松 謙維君

      鈴木 淑夫君    達増 拓也君

      中井  洽君    山田 正彦君

      小沢 和秋君    佐々木憲昭君

      日森 文尋君    横光 克彦君

      井上 喜一君    松浪健四郎君

    …………………………………

   総務大臣         片山虎之助君

   外務大臣         河野 洋平君

   財務大臣         宮澤 喜一君

   文部科学大臣       町村 信孝君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       谷津 義男君

   経済産業大臣       平沼 赳夫君

   国土交通大臣       扇  千景君

   環境大臣         川口 順子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     福田 康夫君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   国務大臣

   (経済財政政策担当大臣) 麻生 太郎君

   内閣府副大臣       坂井 隆憲君

   外務副大臣        衛藤征士郎君

   外務副大臣        荒木 清寛君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   文部科学副大臣      河村 建夫君

   厚生労働副大臣      増田 敏男君

   経済産業副大臣      中山 成彬君

   国土交通副大臣      高橋 一郎君

   環境大臣政務官      熊谷 市雄君

   会計検査院長       金子  晃君

   会計検査院事務総局第一局

   長            石野 秀世君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  柴田 雅人君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   飯村  豊君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    林  正和君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長

   )            澤田陽太郎君

   政府参考人

   (厚生労働省職業能力開発

   局長)          酒井 英幸君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房長) 田原 文夫君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長

   )            木下 寛之君

   政府参考人

   (水産庁長官)      渡辺 好明君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 岩村  敬君

   予算委員会専門員     大西  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  大原 一三君     林 省之介君

  葉梨 信行君     宮澤 洋一君

  三塚  博君     山本 明彦君

  宮本 一三君     福井  照君

  八代 英太君     谷田 武彦君

  鈴木 淑夫君     山田 正彦君

  山口 富男君     小沢 和秋君

  辻元 清美君     日森 文尋君

  井上 喜一君     松浪健四郎君

同日

 辞任         補欠選任

  谷田 武彦君     八代 英太君

  林 省之介君     大原 一三君

  福井  照君     宮本 一三君

  宮澤 洋一君     葉梨 信行君

  山本 明彦君     三塚  博君

  山田 正彦君     鈴木 淑夫君

  小沢 和秋君     山口 富男君

  日森 文尋君     辻元 清美君

  松浪健四郎君     井上 喜一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十三年度一般会計予算

 平成十三年度特別会計予算

 平成十三年度政府関係機関予算




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     ――――◇―――――

野呂田委員長 これより会議を開きます。

 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官柴田雅人君、外務省大臣官房長飯村豊君、財務省主計局長林正和君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、厚生労働省職業能力開発局長酒井英幸君、農林水産省大臣官房長田原文夫君、農林水産省農村振興局長木下寛之君、水産庁長官渡辺好明君、国土交通省大臣官房長岩村敬君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。城島正光君。

城島委員 民主党の城島でございます。

 質疑に先立ちまして、ただいま参議院の方で行われておりました村上前議員に対する証人喚問、私もずっと見ておりましたけれども、予想されたとはいえ、肝心のポイントになるところについてはことごとく証言を拒否されておりました。大変残念なことだなと思いますし、御自身、身の潔白を証言したいとおっしゃりながら、一番肝心なところになればことごとく拒否であったということであります。

 また、先日開かれました政倫審においても、額賀前大臣におかれましても、非公開でありましたけれども私も出席をさせていただきましたけれども、ゆめゆめ弁明について、これも同じように、国民の皆さんがお聞きになったときになるほどそうかと得心いくような弁明では一〇〇%なかったというふうに思っております。

 ほとんど数回しか会わない方が、理由もなく、お役に立ててほしいなどと言って一千五百万もやるような人があるということをどだい信じる人はだれもいないと思いますし、また同時に、六カ月にもわたって一番腹心の秘書から一切報告がないということも、その理由についても、御本人自身も、なかなか国民の皆さん、納得していただけないでしょうねとおっしゃいながら、それ以上の理由はなかったと。そして結局、その報告も何てことない、電話で、秘書からの報告で初めて知ったなどといういろいろなことがあって、まことに疑惑は深まるばかりであったというふうに率直に申し上げざるを得ない。

 したがいまして、改めてこの委員会においても、こうした、今本当に政治家として我々は問われている、政治の倫理ということでありますから、この委員会において、村上前議員並びに額賀前大臣及び先日ありました小林秘書の証人喚問を要請したいというふうに思います。委員長、よろしくお取り計らいいただきたいと思います。

野呂田委員長 引き続き理事会で協議させていただきます。

城島委員 それでは、まず雇用問題から入らせていただきます。

 まず、「平成十三年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」ということの中で、今年度の政府の見通し、特に雇用情勢については失業率四・五%ということを目標とされているわけでありますが、この失業率見通しを四・五%と見込んだ根拠について、麻生大臣にお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 ただいま御質問のありました、平成十三年度失業率の見通しを四・五%に見込んだ理由ということでありますけれども、平成十二年十月、とうとう四・七、四・八ということになっておりますのはもう御存じのとおりですが、傍ら、有効求人倍率というのが確実にこのところ伸びてきておりまして、十月から〇・六四、〇・六五とずっと上がってきております。その前の七―九でいきますと〇・六一でしたので、確実に上がってきておりますということが一つの大きな理由になっております。

 御存じのように完全失業率は有効求人倍率とは違いますので、そういったものの数字が上がってきておりますので、雇用というか、そういったような状況が傍らにありますので、私どもとしては四・五という数字を置いております。

城島委員 そういう見通しの背景というのはわかったのですけれども、この基本的態度の中の「労働・雇用」のところにつきましては、こういう表現になっているのですね。「雇用情勢については、経済の回復にともない、完全失業率は前年度に比べやや低下する(四・五%程度)。」率直に言って大変心もとない表現だなと思いますのは、「経済の回復にともない、」つまり景気がよくなっていくことによって失業率が低下していくんだ。もちろん、そういう部分にかなり大きな要素があるということは当然でありますし、また後ほど論議したいわけでありますが、現下の失業情勢、雇用情勢というのは、単に、景気が回復していく、そのことによって改善していく部分ということだけでは済まない大変深刻な雇用情勢にあると私は認識しているのです。

 そういうことからすると、この表現というのは、ある面でいうと、景気が回復すれば雇用もよくなるよという景気の従属変数みたいなことでこの失業率が置いてあるような印象を受けざるを得ない。いかがでしょうか。

麻生国務大臣 今、いわゆる経済構造が大きく変わってきておりますのは城島議員御存じのとおりでして、いろいろな意味で従来の二次産業から三次産業へのシフトが起こるはずと思っております。少なくとも、先進諸国の中で、アメリカ、フランス等々が三次産業、サービス産業の労働人口比が約七〇%を超えておりますのに、日本の場合は約六〇%ということであります。約一〇%の差があるというのはかなり大きな差でありますので、そういう状況から考えましても、五千五百万の労働人口、勤労者の人口比で割りましても一〇%というのはかなり大きな数字の移動であります。

 そういうことで今後二次産業から三次産業へと移ってくる、また移らせていくために、いろいろな意味で、何もほたっておいたらそのまま自然にいくようなものとも思っておりませんので、労働省のいわゆる職業訓練校などで今いろいろな補助を出して、そういったミスマッチが起きております部分に関して埋めるべくいろいろ努力をしておるということであります。

城島委員 今の雇用情勢、言うまでもなく、昨年の暦年でいっても完全失業率が四・七%、完全失業者数は約三百万を超す。しかも、非自発的失業者、やむを得ず職をなくした人が約百万人。また、特に問題だと思いますのが、世帯主で失業されている人が百万に近くなってきているという状況でありますね。

 失業率の変化を見てみますと、それまで一貫して、統計をとって以降ずっと一%台だった失業率が、オイルショックの後になりますけれども、三年後ぐらいに、一九七六年に二%になり、そして約二十年間二%台で続いた完全失業率が一九九五年に三%へ上がって、あっという間に九八年に四%台になってということで、ここ数年間のうちで三%と来て四%という、一気に日本の雇用情勢はまさしく悪化をしてきたということだと思うんです。

 中身を調べてみても、この四・七%を、経済白書等の分析にもなっていますけれども、あえて四・七という数字を置きますと、そのうちの三・五が摩擦的そしてまた構造的な失業である。すなわち、いろいろな観点でのミスマッチが原因だ。地域間のミスマッチがあったり、求人、求職のミスマッチがあったり、いろいろな観点での、まさしくさっき大臣がおっしゃったような労働力の移動に伴っている部分のさまざまな観点での構造的な問題が三・五%。一・二%がまさしくある面での需要不足による、景気悪化による失業率。

 これは、よくよく考えてみると、したがって、生半可な手だてでは、この四・七とか五%近くなっている失業率を低下させていくということは、相当なことをやらないとなかなか下がっていかない。三%台や、ましてやかつての二%とは言わない、まだつい数年前までの三%台に戻すことにおいても、景気がよくなればその従属として雇用がよくなるよなんということでは、とてもじゃないけれども改善は難しいんじゃないかというふうに思っているんですよ。

 特に経済成長率と失業率の関係も、私が調べた限りにおいて見ると、一%の成長率でまさしく改善する失業率は〇・一程度だという報告があるんですね。とすると、一・二の方の短期的な需要不足による雇用改善も、例えば二%ぐらいの成長を五年ぐらいやってもかかるぐらいのことを控えている。ましてや三・五の構造的、摩擦的失業を解消するには、ある程度の時間と、今おっしゃったようにさまざまな、これは後で論議したいんですけれども、手だてが必要だ。

 とすると、今まさしく三百万を超す失業者、まして……

野呂田委員長 ちょっと静粛にしてください。

城島委員 百万人程度の世帯主の人たちの差し迫った状況、まして失業している期間が長期化している。今国民の最大の関心の一つは雇用の改善にあるということだと思うんですね。

 したがって、政府として、特に森内閣として、ここは官房長官にも、時間がないということなのでお尋ねしたいんですけれども、今の政治を預かる政府としての最大のテーマはやはり雇用の改善にあるはずだ、それが率直に言って伝わってこない。やはり政府挙げて今言った深刻な、生半可では改善できないという認識が本当におありなのかどうか、その辺をまずお尋ねしたいと思うんです。

福田国務大臣 経済浮揚のためにも、活性化のためにも、雇用対策というのは極めて大事なテーマだというふうに考えております。そういう意味合いで、今御答弁申し上げた経済財政担当大臣が主宰しております経済財政諮問会議、詳細は担当大臣からお聞きいただきたいんですけれども、この中でもこの問題を解消するための方策を考えようということで重視をいたしております。

 いずれにしましても、厚生労働省とか経済産業省、こういう一番責任を持つべき省庁が緊密な連携をとってやるということでありますけれども、内閣を挙げてこれは取り組んでまいりたい、このように思っております。今の経済を活性化するという観点からもやらせていただきたいと思っております。

城島委員 それにしては、今回の予算の中で本当に失業対策さらには雇用創出、両面からの対策が極めて私は不十分だというふうに思っております。

 それで、厚生労働大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、今私が申し上げたような雇用情勢、私は極めて深刻であり、しかも根が深く、なかなか簡単なことでは改善をしないというふうに思っているのですけれども、大臣としてのこの雇用情勢に対する御認識、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 雇用情勢につきまして、非常に大変な事態になっているという認識は私も持っているところでございます。

 それで、先ほども大臣からお話がございましたが、一方におきまして失業率が四%後半でずっと横ばいになっている。しかし、有効求人倍率の方は、昨年の一月から十二月にかけまして月々大体回復をしてきておりまして、昨年の十二月には〇・六六までなったというふうに記憶をいたしております。ここが、失業率がそのままで有効求人倍率がふえ、そして新求人もふえて、そして職安におきます新しい職につく人もどんどんとふえてきているにもかかわらず失業率が減らない。これは一体何を物語っているのかということだろうというふうに思います。もちろん、失業率は全体で統計をとっておりますし、有効求人倍率の方は職業安定所という一つの中でとっておるわけでございますからそこに違いはありますけれども、それだけなんだろうか。

 私もいろいろとデータを検討しているわけでございますが、失業者の中に非自発的、自発的、その他とあるわけでございますが、自発的それから非自発的、この二つは若干の出入りはございますけれども、この三、四カ月、大体横ばい程度に来ているというふうに思います。この四カ月ぐらいにふえておりますのは、その他の部分でございます。

 では、その他とは一体何なのかということでございますが、この中にはいろいろなものがございますけれども、大きいものは、今まで労働市場に入ってこなかった人が新しくそこに入ってきているという問題がございます。有効求人倍率がふえて、そして新しく職につく人ができてくる。できてくるのですけれども、その後を埋めるように、また新しい雇用を求める人が後からそこに参入をしてくるということで、失業率そのものはなかなか減っていかないということが起こっているのではないだろうかというふうに思っています。

 これは、厚生省の、保育所におきます待機組をなくするというので特例交付金というのを出しまして、そして三万九千人ほどありました待機組を少なくとも半分以下にしようというのでやったわけですけれども、それが三万二千人ぐらいまでは減りましたけれども、一向に減らない。もっと数からいえば減っているはずですのに減らなかった。これも、それならばというので後から新しく参入をしてくる、それなら私も働きたいというので参入してくる人たちが後からまたふえてきているというようなことがございました。同じようなことが起こっているのではないかというふうに思っております。

 もちろん、全体として失業率が高いということを心配しなければならない事態だということには変わりはございませんけれども、中身をよくよく見ますとそういうこともあるということを我々は認識をして、そして、さらにミスマッチがなくなりますように、そこをどうしていくかということにやはり知恵を絞らなければならないのだろうというふうに思います。

 そして、ややもいたしますと、失業対策といいますと何か仕事が終わった後の後片づけのような感じにとられがちでございますけれども、新しい仕事を生み出していくような雇用対策とは一体何なのか、そこに知恵を絞らなければならないときが来ているというふうに感じている次第でございます。

城島委員 基本的な認識はよくわかりましたけれども、そういう点でいうと、あえて申し上げるとすれば、私は今までの政策の中で、宮澤大臣もちょうどいらっしゃいますので、答弁は求めませんが、ある面でいうと、八〇年代ぐらいからでしょうか、経済成長がやはり低くなった、高度成長から中成長になり、まさしく今低成長という、場合によってはマイナス成長ぐらいになるかもしれない、こう言われるような時代になったときに、まさしく、例えば二、三%の成長でも経済がバランスするような、そういう経済とか社会構造に変えていく政策をもうちょっと早目に打つべきだったのではないか。

 したがって、例えば雇用という面からいいますと、完全雇用を達成する成長率というものが、まだやはり四、五%の成長がないと完全雇用が達成されないような社会構造、経済構造のまま、今どんと景気が悪くなって成長率が下がっているというところに一つ大きな構造的な問題がある。

 したがって、今お触れになりましたように、例えば雇用を創出するような部分も大事だというふうに言われましたけれども、まさしく経済構造をそういう、ある面でいうと、低成長、一、二%の成長でも雇用も充足できる、経済がバランスするようなところへの、まさしく経済対策あるいは投資みたいなことをやってくるべきだったのではないか。これは今から振り返ったときの私なりの総括でありますけれども。

 したがって、そういう点からすると、今、先ほど申し上げたように既に百万程度の非自発的な失業者がいる。しかも、本当にあすどうするかというような世帯主の失業者が間もなく百万程度になろうとしている。長期化してきている。六カ月を超す失業者がふえてきている。場合によっては一年になろうとする人も多くなってきているという、今悲鳴みたいな声が上がっている。こういう人たちに対しての雇用を保障するという意味と、それから今申し上げましたように、いずれ、今でもそうでありますけれども、社会が必要としている人材、そういう分野がいっぱいあるわけなのですから、その分野を中心とした、それこそ緊急的な雇用創出ということをどうしても今早急に求めることが必要ではないかというふうに思うわけであります。

 すなわち、介護とか医療とか福祉とか環境とか、あるいはそれこそ学校教育とかといったような分野、いずれさらにこれからも多くの人材が必要になってくる分野において、この分野におけるそれこそ緊急的な雇用創出策というのは考えられないのでしょうか。逆に言うと、そういうことをぜひやらなければ、この今の状況を少しでも改善する手だてにはなり得ない、そういう深刻な情勢だと思いますが、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 御指摘をいただくことは十分に理解できます。

 それで、その辺のところをこれからどうしていくかということでございますが、先ほどもお話がございましたとおり、外国に比べまして、日本の場合に三次産業の率というのはまだ低いわけでございます。現在これだけグローバルな経済になってまいりまして、そしてさまざまな経済が諸外国と対抗してやっていかなければならないという事態になりますと、賃金が発展途上国に比較をしますと非常に高い日本におきましては、なかなかそこが対抗できないということであろうと思います。

 そういたしますと、諸外国と対抗をしなくてもいい部分、全然対抗しなくてもいいというわけではございませんけれども、第二次産業のように、あるいは第一次産業のように、諸外国ともろにぶち当たる場所ではない、そういうところで雇用をどうつくっていくかということにもう少し苦心をしなければならないのではないかという気がいたします。それは、やはり第三次産業のところにうんと力を入れて、第三次産業といいますと何となく雇用環境が悪いというようなこともありますから、その環境を整備して雇用が伸びていくような形に一つはしなければならないのだろうというふうに思っております。

 もう一つは、もう数年前でございますけれども、アメリカ並びにヨーロッパの人たちは、日本は今後失業率を低下させるということを中心にしてやっていくのか、アメリカはそういう方針をとった、しかしヨーロッパの方は失業率がやや高いのを容認しながらむしろ賃金を守るということを中心にしてやっていくという方針をとった、日本は失業率をとるのか賃金をとるのか、いずれをとるのかということを問われたわけでございます。

 そのときに、日本としましては、いや、それは両方とも下がるということは困るんだ、失業率が上がることも困るし賃金が下がることも困る、両方ともそれはちゃんとやっていくんだというのが日本の答弁だったわけでございますけれども、しかし、そんな手品のようなことはできないというふうに言いましたのが欧米でございました。

 それから数年を経まして今日を迎えているわけでございますが、そういたしますと、今日本はこれだけ失業率がある、この失業率をどうしても直していこうということになると、それでは賃金の方をどうするのかという厳しい局面に立たされているというふうに私は思わざるを得ません。

 最近、ややもいたしますと、パートの方々がふえてきているというような状況を見ますと、それが何となく一つの選択のあらわれみたいになってきているのではないか。ここをどうするか、腹を決めてやらなければならないときを迎えていると考えております。

城島委員 坂口大臣の御見解は一部そういう部分はあるかもしれませんが、私は、現在の日本の状況においては二者択一ではないというふうに思います。

 したがって、先ほど申し上げたように、今の失業情勢ということは、この十年から十五年ぐらいの中のまさしく政治の中においての経済政策なり、あるいは社会構造を変えていく投資のあり方ということにおいて、先ほど言ったように、成長率が低くてもバランスするような経済のあり方を求めるようなところへの投資が極めてウイークだった。そのことによるツケとしての失業率の高さという要素がまだ極めて高い。

 したがって、今回の予算においても、私は後の方で述べようと思ったのですけれども、やはりそうしたところへの投資をもっとすることによってこういう失業率を下げていき、なおかつ経済成長が低成長でもそういうことがバランスするような状況が組み立てられる、私はそう思っています。恐らくそういうことを、財政再建か景気回復かじゃありませんが、今の日本においては両方を求めていくべき時期にあると私はそこは思っております。

 その論議を本当はやりたいのですけれども、時間がありませんので、私はそういうふうに思っているということの中で、今深刻な失業情勢の中で一つ、例えば雇用保険の受領を終わった、終了した人でなおかつ失業が長期化している、そういう離職者に対して、今申し上げたような、将来的に我々社会が必要とするような分野において就職できるように、国が何らかの手当等の支払いを行いながら職業訓練ができる、そういうことの対策を講ずる必要があるのではないか。そういうところに投資をすべきじゃないか。ある面では職業訓練としての雇用と言った方がもっとわかりやすいかもしれませんが、そういうふうに思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。

酒井政府参考人 御説明申し上げます。

 先生御指摘のような雇用保険受給終了後の離職者につきましても、実は、非自発的な離職者の場合に、手当の支給を受けながら訓練の受講ができるよう、平成十年度から特別訓練奨励金制度を設けて円滑な再就職を促進するということをやってございまして、訓練受講日数に応じますけれども、日額で六千五百円、これをいわば生活面の保障という点で出し、かつ職業訓練をしているということをやってございます。

 それに際しましては、離職者の方にその御希望をよくお聞きしながら的確な訓練コースを御提案するという趣旨で、公共職業安定所長が当該離職者の希望等を聞きながら、また訓練を受けておられる際にもいろいろな御希望の職種に関して仕事があれば、それについての御相談もするということで、連係プレーでできるだけそういうことをやっていくようにしているところでございます。

城島委員 そうしますと、例えば、現在国及び地方の公共団体によってさまざまな公共職業訓練というのが実施をされているわけでありますけれども、これらの施策について、政府として十分機能しているというふうに判断されているのかどうか、政府としての御見解を承りたいと思います。

酒井政府参考人 大変な雇用の事態に対応してさまざまな取り組みをしなければならないということで、旧労働省といたしましては、昨年五月には、ミスマッチ解消ということで緊急雇用対策を実は行いました。公共職業訓練という形で、実は離職者につきましては、十四万人の人たちが訓練を受けられるようにということで計画を組んだところでございますが、まだ年度の途中でございますが、それが一月現在で十九万人やっておられる。私どもは、もっと伸びればそれもお受けしてやっていくという姿勢でございます。

 さらに、IT関連、政府の新生プランの中でありますところのIT分野、これにつきましても、昨年十月の閣議決定を踏まえまして、IT分野の職業能力開発ということで、平成十三年の一月から十五カ月予算ということで、百四十万人につきまして、コンピューターを中心とした職業能力開発ということに取り組むなどしているところでございまして、この辺に力を入れていって、できるだけ公共職業訓練の効果を発揮したいと思ってやっているところでございます。

城島委員 今、私どもから見ると、この分野というか、こういったところにおいても本当に、それこそ腹をくくってやっていただかないと、目に見えた雇用情勢の改善にはならないというふうな深刻な状況だというふうにとらえております。

 先ほど坂口大臣は、アメリカ、ヨーロッパ、それぞれの道筋をお話しになりましたけれども、まさしく、例えばアメリカにおいても、あるいはヨーロッパ、特に最近また再びスウェーデンなんかが注目をされているわけでありますけれども、本当に数年前、約十年前まで、日本の今の状況以上に財政赤字があったりあるいは失業率が高かったりしたアメリカやヨーロッパ、なかんずくスウェーデンなんか、見事に今日本よりもはるかにいい経済状況になり、あるいは雇用状況になってきている。

 両方見てみますと、共通しているのは、そういう状況の中で経済を活性化する、そしてまた雇用を改善していくキーワードは、やはり人だ、人材なんだということを両方とも言っているわけですね。最大の投資を、まさしく日本的に言えば公共投資から人材の能力開発投資へどんとシフトしていった。そのことによって、もちろんその他のこともありますけれども、当時の状況を脱皮するために人への投資を置いたということが最大の特徴だったし、そのことが見事に成功しているんじゃないかというふうに私は思います。

 まさに、失業状況を改善すると同時に景気を回復するためにも、国際競争力をつけるためにも、人材しかないということで見事に復活していった。何か、かつて日本でも同じような論議があったようなことをまさに実践していって見事に復活しているのが、私は、今のアメリカであり、ヨーロッパであり、なかんずくスウェーデンではないかというふうに思うわけであります。

 そういう点からしても、今回の予算において、私どもが組み替えを出させていただいた中で、この雇用対策ということ、特にその中で能力開発、きょうは時間の関係で触れておりませんが、若い人たちの失業対策も含めて、ここに対してもっと、本当に一けた違うくらいの予算をつけて、今まさに国を挙げて人材投資の時代なんだ、政府は今の日本の状況を明るい未来にするには人への投資をやるんだということを高らかに宣言するくらいの中で、雇用創出、雇用対策、失業対策ということをぜひやっていっていただきたい。また、そうしなければ、今の雇用情勢は、なかなか高どまりした失業率は下がらないんじゃないかというふうに思っていまして、強くそこを要請したいと思います。

 私の持ち時間は残りわずかになりまして、ちょっと駆け足になりますが、環境大臣と文部技術大臣に、数分でありますけれども質問と要請をさせていただきたいと思います。

 駆け足になってしまいますので、説明を簡単にさせていただきますけれども、環境大臣、文部大臣も見ていただきたいのですけれども、これはアメリカの人道協会のポスターなんですね。

 これはちょっと見えにくいと思いますので、日本語に直したパネルをつくらせていただきましたけれども、何と書いてあるかというと、熟練した連続殺人鬼にはどうしたらなれるでしょうか、練習、練習、練習というポスターですね。これはアメリカ人道協会が出しているポスターで、その下には「連続殺人犯のほとんどが、青少年期において動物を虐待していたという経歴の持ち主です。だれかが動物を虐待しているのを見たら必ず通報しましょう。それによって、大変な暴力事件の発生を防ぐことができるかもしれません。」「動物虐待は深刻な問題です」

 これがアメリカのポスターなんですけれども、実はアメリカでは一九六〇年代から、日本においてもやっと最近いろいろ言われるようになってまいりましたけれども、最近の凶悪な事件、なかんずく青少年が起こしている凶悪事件、この犯人というか、その起こした青少年のほとんど多くが実は動物虐待をやっていた。

 昨年の十二月一日に施行されました新しい動物愛護法のきっかけになったのも、実は神戸の少年の事件がきっかけになりまして超党派で成立をしたわけでありますが、最近軒並み凶悪な事件を起こした青少年、佐賀のバスジャックにしてもそうですし、大分の一家虐殺もそうですし、今申し上げたような神戸の少年もそうでありますし、ほとんどがこの関連性がある。すなわち、このポスターが示すように、動物虐待を繰り返すことによってそういうふうな精神的な状況になり、あるいは凶悪な事件を起こす前ぶれになっているんだということがほとんど確立をされているわけであります。

 したがって、逆に言いますと、動物愛護あるいはそうしたことをきちっと、愛護教育を特に小学校等で徹底をしていくということ、あるいは動物愛護の、今度法改正の中で環境省の中にセクションができまして、その推進員というのを置くようになりましたが、こういったことの充実を図るということが実はいかに大事かということだと思いますので、環境大臣の方からこの動物愛護の新しい法律についての体制の強化ということ、それから文部大臣については学校教育についての愛護教育のあり方、それぞれ一言ずつで結構でございますので、御見解をいただきたいと思います。

川口国務大臣 動物の愛護が青少年の健全な発展に大きなかかわり合いを持っているということは、私どもも認識をいたしております。

 お話にございました動物愛護推進員でございますけれども、これは、おっしゃった改正動物愛護管理法で、有識者のネットワークを地域レベルでつくっていくということで動物愛護推進員制度が設けられたということでございます。これから後、これが昨年の十二月に施行になりましたので、都道府県において適切な方を選んでいただいて、動物愛護推進員の活動を支援していくということが重要だというふうに考えております。

 それから、環境省におきましても、予算を十三年度で若干ですが確保しておりまして、モデル事業を行って、先進的な各都道府県と協力をしてこのモデル事業を行っていきたい、それで他の都道府県の参考になるようにしたいというふうに考えております。

町村国務大臣 学校教育の中で動物愛護の重要性というのは委員御指摘のとおりでございまして、現在でも、生活科あるいは理科あるいは道徳、そんなような時間で動物について学習したり、実際いろいろな学校に行ってみるとウサギを飼っていたりとかいうようなケースがしばしばあるのは、委員御承知のとおりでございます。

 そんなようなさまざまな形で子供たちが命の大切さというものを、動物を飼育したり愛護したりするという過程を通じて、しっかりと根づくようにこれからも努めてまいりたいと思っております。

城島委員 最後に一点だけ町村大臣にお尋ねしたいんですけれども、これまた最近ちょっと重要だと思いますのは、まだ施行前だと思いますけれども、クローンの人間をつくることを禁止する法律案をやっと前回の臨時国会で、我々も一緒になってつくりました。ところが、最近の情報によると、つくろうという動きがある。しかも、その中に、医師団もそうだし、希望者も日本人がいるという報道があります。

 私は、現段階で見て、やはりこれはどうしても避けるべきだと思います。そのかわり、海外でつくった場合、あの法律の中では罰則規定がないというふうな私は認識をしていますけれども、やはり海外でそういうことをやっても罰せられるような法改正が早急に必要じゃないかというふうに思っておりますが、この点についてはいかがでしょうか。

町村国務大臣 委員御承知のように、非常に特別な場合を除いて、日本人の国外における行為について日本の国内法で刑罰法規が適用されるというのはないというのが原則であろうかと思っております。

 いずれにいたしましても、先般、笹川大臣と私の連名で、国内の関係するいろいろな団体等に、今回、委員御努力をいただいて成立をした新しい法律に関する周知徹底を改めて図っておりますし、また、海外の機関に対しても、できるだけこういうことがないように、報道されているようなことがないようにお願いをしたりしているところであります。

 いずれにしても、この法律は附則で三年以内に再検討するという規定があるわけでありまして、その際には、国際的な動向、あるいはこの三月に行われると言われておりますそうした国際会議等も踏まえながら、よく考えていく必要があるのではなかろうかと思っております。

城島委員 終わります。

野呂田委員長 これにて城島君の質疑は終了いたしました。

 次に、金子善次郎君。

金子(善)委員 外務大臣にまずお伺いしますけれども、きょうのNHKの朝八時半のニュースで、アメリカのニューヨーク・タイムズが、例の実習船えひめ丸の事故で、逆に日本に抗議の記事を一面トップで掲載したというような話につきましては、これは確認されていますか。

河野国務大臣 ワシントン・ポストの記事と思いますが、ワシントン・ポストの記事は報道で承知をしております。

金子(善)委員 ニューヨーク・タイムズではなくてワシントン・ポストでした。

 これは大変な問題だと思うのです。アメリカの一流紙が、しかも、そこでは日本の戦後賠償の問題にも言及している。つまり、この新聞の一面トップですから、その論調というものは、私はまだ目にしておりませんのでよくわかりませんけれども、私が今手元にしています情報、これは岩國委員の支持者の方が緊急だということで情報を心配して入れてくれたわけですが、どういう気持ちなのか、恐らく、過去の戦争において日本が戦後賠償というものは何もしていない、それと今度の事故を同列に一流紙と言われる新聞が言っているのかと。

 これは大変な日米間の問題にも発展する問題じゃないかと思うのです。これについては、外務省として、日本政府として、これは厳しく抗議を逆にする必要がある。

 沈没船の問題については、当方には、日本サイドと申しますか、このえひめ丸の方には何の責任もないわけです。それがこういうようなことで一流紙が書き始めたということは、恐らく、日本政府の対応もいろいろな後手後手に回ってきたというような背景があるからじゃないのでしょうか。その辺を外務大臣からお答えをお願いしたいと思います。

河野国務大臣 昨夜、アメリカから特使が参りまして、ブッシュ大統領を初めアメリカ国民のおわびの気持ちを伝えるということで来られまして、昨夜は総理と会談をされましたし、きょうはえひめ丸の御家族の方々とも会っておられます。最終的な結果をまだ私は確認しておりませんが、アメリカからは、宇和島といいますか、愛媛にも行っておわびをしたいという気持ちを持っておられるというふうに伺っております。アメリカの政権あるいは海軍を初めとする実際の担当者は、この問題について全く深くおわびをしたいという気持ちを持っておられて、そういう行動をとっておられるというふうに承知をしています。

 他方、ワシントン・ポストの記事の中にも、ワシントン・ポストも前段は、アメリカは日本人の悲劇について十分理解をしているし、同情の気持ちを持っているということを書きながらも、中段から後半にかけてワシントン・ポスト紙は、日本もわかってほしい、アメリカがこれだけ謝罪しているということをわかってほしいという意味のことを書いて、その中で、今お話しの意思、意図、これは従軍慰安婦の問題その他を例に引いて、日本だって謝っていないじゃないかということを書いておられるわけですが、直ちに在米大の柳井大使は、こうしたことは認識が間違っている、我々は今申し上げたような従軍慰安婦の問題その他について謝るべきはきちっと謝っているよということについては説明をいたしております。

 私はこの問題は、こうしたやりとりの中で日米関係にひびが入るといいますか、両国関係というものを悪く悪くしていくということのないように、アメリカにも誠実な対応を要請いたしたいし、我々もまた、もちろん御家族のお気持ちというものを十分大切にしながらも、この問題は十分注意深く対応していきたいと考えております。

金子(善)委員 この問題は、筋論から申し上げましても、実習船の方に何らかの問題があったということじゃなくて、全く被害者の立場でございますから、その点については、ワシントン・ポストの方にも日本政府として何らかの対応はぜひともしていただきたい、このように思います。強く要望いたしまして、別の問題に入らせていただきます。

 今度、地方分権推進委員会が法律的に解散になるような方向だということが一部言われておりまして、昨日の総務委員会で総務省の方にお尋ねしたわけですが、今どうするかということをお考えになっているということでございました。それはそれとして、非常に重要な機能を果たしてきた委員会でございますから、これからも何らかそういう機能が必要だという御認識のようですから、何とか実現の方向で考えていただければというふうに思っております。

 そこで、関連いたしましてお聞きしたいと思いますが、私ども、昔と申しますか、大分前でございますが、アメリカの事情をいろいろ調べた経験がございます。その中で、当時でございますが、アメリカは連邦制でございますから、連邦と州との関係というのはまた日本とは違うわけでございますけれども、連邦議会の法律によりまして、政府間関係助言委員会という、これは日本訳でございます、こういう機関が当時設けられておりました。いろいろな州と連邦の関係について調査研究あるいは助言等を連邦政府にするというような機関でございましたが、これは数年前廃止になったというふうに聞いております。

 時代の流れと申しますか、アメリカにおきまして、その機能を、今、全米知事会が積極的に果たしているというようなことを聞いているわけでございます。いわば、連邦政府がつくった機関ではなくて、州独自と申しますか、言ってみれば地方独自というふうに言えると思いますが、そういう立場で、国と対等の立場で調査研究をして連邦とも交渉を行うというようなことになってきているというふうに聞いております。

 また、イギリスでも同じようなことで、これは地方自治体連合という機関がございまして、税財政問題初め国と地方とのいろいろな重要問題につきまして協議を重ね、それで、国段階における重要な改正等をやる場合には、必ず国の方が地方自治体連合の方に事前に相談をする、協議をするというようなことが慣例になりつつあるというふうに伺っているところでございます。

 日本の場合でございますが、地方自治体関係団体といたしましては地方六団体が有名でございまして、それぞれ多少の調査研究あるいは国に対する要請活動等を積極的にやっていることは私も承知いたしておりますが、まだまだ対等の立場で調査研究あるいは要請というようなものをやるところまで行っていないんじゃないかなというふうに考えられるわけでございます。

 そういう意味で、今度自治省という省が総務省ということで統合された流れの中で、地方分権推進委員会というものを、その機能を存続させることも考えておられるということでございますから、直ちにこういうものが必要かどうかは今後の問題になろうかと思いますが、ただ、私はやはり、地方と国が対等の立場で協議をする、真摯な態度で協議をするというような場を設けることが、これからの日本の地方分権というものを本当に考えていくためにはそういう場が必要なのではないかと考えておりますが、総務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 今、金子委員から御指摘ございましたが、地方分権推進委員会は、実は去年の六月末で任期が終わるところでございましたが、全国知事会等の強い要請がありまして、いろいろな経緯があったのですが、一年延長、こういうことになりまして、六月末で一応期限が来る。

 ただ、それを単純に延長するよりも新しい組織を考えた方がいいのではないか。地方分権の推進一括法が去年の四月に施行になりましたから、それについてのフォローをしなきゃいけませんし、また、もう少し景気が落ちついたならば、地方に対する税財源の再配分、移譲も本気で検討しなければならない。そのためには、今の地方分権推進委員会をそのまま延長するよりも新しい組織を立ち上げる方がいいのではないかと個人的に考えておりますが、関係省庁とも十分協議して、どうするかについては結論を得たい、こういうふうに思っております。

 そこで、今、金子委員御指摘の点ですが、実は、かなり前ですけれども、地方自治法を改正しまして、二百六十三条の三というのをつくりまして、簡単に言うと地方六団体ですね、六団体が、地方自治に影響を及ぼすような法律や政令を国会が決める、こういう場合には、あらかじめ意見を内閣に言える、それは、今でいうと総務省を通じて内閣に意見が言え、国会にも意見書が出せる、内閣はその意見が出たら必ず回答する、こういう規定をわざわざ入れまして、そこのところのコミュニケーションの道はしっかりつくったわけでありますから、私はぜひその規定を御活用いただきたいと思いますし、自治省も、ほかの省庁とあわせて総務省になりましたから、しっかりとした役割を果たしたい。

 また、全国知事会を初め各六団体ともに、政策審議会だとか、外部の専門家、学者の方も入っていただいた研究会だとか、いろいろなものを持っておりまして、アメリカほどではありませんが、一種のシンクタンク的な活動もやっておりますから、それをさらに独自に、自主的に拡充して活用していく、こういうことも考えられるのではなかろうか、こう思いますが、総務省はいずれにせよ、内閣、国会と地方六団体あるいは各都道府県、市町村との中に立って、お互いの風通しをよくし、意思疎通をよくするために今後とも頑張ってまいりたい、こう思っております。

金子(善)委員 いずれにいたしましても、地方分権推進のために積極的な対応を心から要請いたしまして、次の問題に入らせていただきたいと思います。

 次に、今、地方分権の流れの中で、今度の国の行政改革大綱の中にも、補助金を整理統合するということで取り組むというようなことがはっきりとうたわれているわけでございます。ところが、いろいろ難しい点もあるということは私も聞いてはいるわけですが、補助金の額が逆にふえてきている、こういう現実の姿になっているわけでございます。

 今、制度的補助金あるいはその他補助金というようなことで、区分けも一応の区分けはなされているわけでございますけれども、時間の関係もありますので細かく触れるわけにはいかないんですが、制度的補助金につきましては余り手をつけないで、中身の見直しは多少なさっているとは思うんですが、その他補助金は一割削減ということが既定の方針になっていると。

 そういう中で、どう考えても、例示は時間の関係でちょっといたしませんけれども、制度的補助金というような分類をするのはちょっと無理があるんじゃないかなというような、私が見る限り、そういう補助金もかなり含まれているという気がするわけでございます。

 そういう中で、どうしてこのように、もっと思い切った、行政改革大綱におきましても補助金というものを整理統合するんだ、また、地方分権推進委員会の場におきましてもやるんだということで、それを受けた推進計画というものを政府としてつくっている。にもかかわらず補助金がふえるというのは、どうも抜本的な対応がなされていないのではないかという気がしてならないわけでございますが、その点、お答え願いたいと思います。

林政府参考人 補助金の整理合理化のお尋ねでございます。

 簡単に御説明申し上げますが、今御質問にございましたように、補助金の整理合理化に当たっては、制度的補助金とその他というように二つに分けまして、その他については制度そのもの、それからその他については一〇%ということで、平成十年から、財政構造改革法を受けまして、基本的にはそういうことでやってきております。

 確かに、制度的補助金を見てみますと、十三年度五千四百億円ほどふえてございますが、これは、御案内のとおり、人口の高齢化に伴います社会保障関係費の補助金、これで六千三百億ほどふえているという事情にあるわけでございます。

 あと、制度的補助金とその他の補助金の区分けでございますが、制度的補助金につきましても、我々、毎年度の予算編成の中で、それぞれ補助対象あるいは補助要件、こうした見直しを行っているところでございまして、平成十三年度でも、御案内のとおり、こうした見直しを行いまして、十二年度予算ベースですが、四百二十億円ほど制度的補助金からその他ということに区分変更を行っているところでございます。

 引き続き、補助金の整理合理化については、これからもしっかり取り組んでいきたいと思っております。

金子(善)委員 私が申し上げたいのは、今の思い切った地方分権と申しますか、事務の整理をするというようなことだけではなくて、行政のやり方と申しますか、事務そのものを地方団体に移していくということをしなければ補助金は減っていかない、そういうことで、これからのいわゆる地方分権を進める上で、事務そのものを地方に移すんだというような形での取り組みが必要だということを御指摘しておきたいと思います。

 もう一点でございますが、いろいろ事務的にお伺いしますと、主計局の方でもいろいろ御苦労なさっているというお話は聞いております。ただ、やはりどう考えても、常識からいって、制度的補助金と法律上の位置づけがあるとかいろいろな理由があるようでございますけれども、そういう点もすべてゼロベースで見直していくんだというような観点で取り組んでいただきたい、このように要請をいたしておきます。

 次の問題に移らせていただきたいと思います。

 次に、外務省の報償費についてお伺いしたいと思います。

 まず、在外公館で使用する報償費につきましては、平成五年以降は三十五億台、それから平成十一年からは三十六億円程度ということになっているわけですが、この九九・九%が常に使われているというようなことになっているわけでございます。ただ、領収書の手元保管が認められている、いわゆる会計検査院の承認された事項というふうになっていると思いますけれども、会計検査院はこの調査、検査というものをやっているんでしょうか。

石野会計検査院当局者 在外公館の実地検査につきましては、毎年十程度の国に所在する大使館等に赴きまして行っているところでございます。

 その際、報償費につきましても検査を行っておりまして、違法不当なものはないか、支出目的に従って適切に使用されているかなどについて検査している状況でございます。

金子(善)委員 ちょっと今の答弁では、もう少し本当は詳しくお伺いしたいと思うんですけれども、そうすると基本的に、例えば去年、おととしは何公館ぐらい検査されましたか。

石野会計検査院当局者 大使館、総領事館等で十程度でございます。

金子(善)委員 在外公館の数からいいますと、これは十程度毎年やって、保存期間が五年というふうに恐らく領収書のあれがなっていると思いますから、なかなか検査そのものが十分にできないというふうにしか考えられません。これは物理的に考えまして、五年ということになりますと、ちょっと一回りする間に五年がたっちゃって、領収書も何もとっておく必要がないということになってくるわけです。

 これは、そうすると、基本的にはなかなか検査がなされていないというふうに了解してよろしいんですか。

石野会計検査院当局者 与えられました人員あるいは検査院の経費というものの中で、先ほど申し上げたような形で実施しているというところでございます。

金子(善)委員 それで、もう一つこの問題につきまして指摘しておきたいんですけれども、在外公館で報償費が使われる場合でございますけれども、当然のことといたしまして日本円をドルで使うというふうになると思うのです。それで、平成五年以降の円・ドル為替レート、年平均の値を調べてみたんですけれども、一番価値があったのが平成七年、これは一年を平均してですが、平成七年で一ドル九十三円九十七銭、一番価値がなかったといいますか、低かったのは平成十年度で、一ドル百三十一円二銭となっております。つまり、三十七円以上の開きがあるわけです。

 そうすると、在外公館の報償費というのは十億円以上の差がある、三十五億程度、三十六億としてでもいいんですが、この中で十億の差がある。それで、そのとき、聞いている限りでは、予備費で少ないところを補充したという話も全然聞いていないわけですが、いつも九九・九%使う。どうもこれはそもそもが、本来の使い方をしているというふうにはちょっと考えられない、そんな気がするわけでございます。この点、会計検査院はどのような検査をなさったんですか。

石野会計検査院当局者 委員御指摘のとおり、為替の変動によりまして、外国通貨建てで使用できる報償費の額というのも当然増減することになろうかと思いますが、会計検査院としましては、在外公館の報償費の検査に当たりまして、一件一件、その報償費の支出が適切かどうかということを検査しているということでございます。

金子(善)委員 ちょっと答弁になっていないような気がします。

 新聞報道なんかで、やれワインを購入したとか、いろいろ外務省報償費につきましても言われているという状況でございます。会計検査院としても今後、今私は会計検査院の答弁に納得をしているわけではございません。会計検査院としてもいろいろ言い分もおありかもしれない。ただ、要は、会計検査院としてやはり十分な検査をするというのを国民が期待しているわけですから、会計検査院がほとんどできない、物理的にできないような状態のものを検査しろと言ってもこれは無理な話ですから、そこは、会計検査院としてその体制をどう持っていくのか、そういうこともこれからよく検討していただきたい。今度の一連の質疑をお聞きしまして、どうもその辺の対応が必ずしも十分ではなかったんではないかというような気がして仕方がない、そんな感じでございます。

 続きまして、外務省にお伺いしますけれども、公金の入っている松尾元室長の銀行口座、毎日新聞の報道がございました。外務省のこれまでの答弁でございますと、ほかの銀行にある口座までなかなかわからなかったんだ、八口座だけというようなことでのこれまでの外務省のあれでございましたが、これが、毎日新聞のあくまでも報道ではございますけれども、たしか二十四口座あったというようなことまで報道がなされているわけでございます。

 国会質疑もかなりの時間がたちまして、外務省として、あの当時、ほかの銀行については調査もしていないし、調査の申し入れもしていない、八口座のときですね。それが今、二十四口座というふうになっているわけですが、その調査というものはその後なされているんでしょうか。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもが松尾元室長から事情聴取し、調査いたしました段階での松尾の供述によって判明していた口座数というのは、御承知のとおり、預金口座八つということ、それから郵便貯金口座一つということでございまして、それ以上につきましては、私どもの調査の段階ではわかりませんでした。

 したがいまして、告発という段階を経て、今捜査当局が全容解明の作業をしておられるということでございますので、そちらの方に全面的に協力をさせていただきたいという考えでおります。

金子(善)委員 答弁が全く進展がないんですね。日にちがかなりその後もたっているのに、全体の、これだけ国民的な疑惑と申しますか、国民の目がここに集まっているわけなんですけれども、外務省として本当に調査をする気持ちがあるのかどうか。

 では、これに対しまして御質問申し上げますけれども、恐らく松尾元室長は、クレジットカードとか銀行の自動引き落としとか、そういうこともやっていたと思われるんですが、電話代とか水道光熱費、こういうものがどういうふうになされているのかということがまず第一点ですね。

 もっと極端なことを言いますと、生活費とか競走馬のえさ代ですね。今まで競走馬を保有していたわけですから、そのままほっておけば、だれのお金でその馬のえさをやるか、まあこれは引き落としになっているとはちょっと考えにくいんですが。ただ、電話代とか水道光熱費なんかは、これはストップをかけないことには、仮に捜査が入ったとしても、これはとめられないわけなんです。これはあくまでも仮差し押さえを要求して、それできちっとしないことには、財産を――これは、横領されたのは国の公金だと思うのです。公金以外もあるかもしれませんが、ほとんど公金だと。これを押さえる行動を既に起こしているのかどうか、その辺につきましてとりあえずお聞きしたいと思います。

飯村政府参考人 ただいまの委員の御質問にお答え申し上げます。

 私どもの調査の結果、松尾元室長の横領の対象は内閣官房所管の報償費であるということが判明しているわけでございます。

 したがいまして、国としての賠償請求を確実にするために現時点でどのような法的措置が可能であるかについては、内閣官房において御検討されていると承知しております。外務省としても、捜査当局に全面的に協力していくとともに、財産保全の観点から、法務省と協議しながら、内閣官房に対してできる限りの協力をさせていただきたいというふうに考えております。

金子(善)委員 今まさにその辺がおかしいのではないかということを申し上げているんですが、あえて外務省に今の点はお聞きしたわけです。

 というのは、内閣官房報償費だけじゃなくて、松尾元室長のもとにはいわゆる正規の旅費分が入っているはずなんです。そこは一括して、整理して幾ら足りないから云々ということをやっていたわけですから、官房報償費だけじゃないですよ、この口座に入っているのは。ところが、何回お聞きしても、捜査当局に協力しているから協力しているからといって、これでは捜査当局だって困っちゃうじゃないですか。いや、答弁しても一緒ですから、あなたは。

 それで、こういうケースがあるということを御存じかどうか聞きたいんですが、一九九三年に娘さんが殺害された御両親が、一度嫌疑不十分で不起訴処分になった男を相手に民事訴訟を提起いたしまして、一審、二審とも民事で殺人が認定されまして、今度は逆に、捜査当局というか、横浜地裁ですけれども、再調査、二月の二十六日、殺人の容疑でその男が逮捕されたというケースがあります。

 要は、私が申し上げたいのは、民事と刑事というのは違うんだということを申し上げたいんです。その点、外務大臣、いかがでございますか。

河野国務大臣 先ほど来からお話、御質問をいただいておりますが、私どもも告発をいたしまして、捜査当局での捜査が進んでいるというふうに思っておりますし、その後、荒木副大臣のもとで省内の調査もいたしております。先ほどから議員がお話しになりますように、口座が二十四あると新聞に出ていたじゃないかということを私も新聞を見て承知しております。

 ただ、その新聞を見ますと、二十四の口座の中には、知人の名前の口座、あるいは元妻の口座というようなことが、それも新聞にきちっと書いてあるわけでございまして、これらについて外務省がその口座の調査ができるかといえば、これはなかなか難しいわけでございまして、そうしたことはしていないというふうに私は承知しております。

 横浜での民事の話は、私も、最近のことでございますが、新聞でこれまた承知をいたしております。民事で大変な努力をされて、それが結果として、不起訴処分であったものが殺人容疑になったという、たしかそうした記事だったと思いますが、これらにつきましても私も承知をいたしておりますが、私どものケースは、今告発をして捜査当局が今まさに立件するという作業をしている、ちょうどそういう最中でございますだけに、私は捜査当局の捜査をもう少し待つべきではないか。そして、捜査当局から御指示があれば、外務省としてはいかなる資料も提出をいたしますし、また人物についても、たとえどういう状況下でも事情聴取その他に応じるように我々から慫慂するつもりでいるわけでございます。

金子(善)委員 全く納得できません。私ども、この問題につきましては三回にわたりまして質問いたしておりますけれども、何ら進展を見ていないというのが実際のところです。

 きょう、もっと、新しいお話しすることがあったんですが、残念ながら、ちょっと時間の関係でできなくなってしまいました。いずれ別の機会にさせていただきたいと思いますけれども、ただ、この問題は、だれが考えてみましても、先般官房長官にお伺いした際に、内閣官房報償費のあり方、はっきりと旅費の差額に使ったということを明言されているわけでございまして、旅費の差額が何で機密費なんだというところは、これは恐らく、だれもが理解のできない根本的な問題がそこにはあると私は思っております。

 民主党としては、これからいわゆるこの報償費について、そのあり方というものを根本的に変えていくというようなことで提案をしているところでございますけれども、官房長官にお伺いいたしますけれども、本当にこの報償費のあり方というものは一切今後も検討しない、このままでいいんだというようなおつもりでいらっしゃるのかどうか。恐らく、それでは国民の納得は絶対に得られないと私は思っておりますし、私ども民主党としてはそれは絶対に許せないというふうに思っているところであります。御答弁をお願いします。

福田国務大臣 内閣官房としては、今回の不祥事、ただいま捜査当局による真相解明をしているわけでございまして、これには全面的に協力して、その進展を見ながら原因の解明と再発防止に万全を期してまいりたい、このように考えております。

 この報償費の運用についてですけれども、この際、点検を十分に行いたいというように思っております。いかなる制度も運用する人が問題でございまして、とりわけ、使途を公開しないという報償費の性格上、これを預かる者の責任というものは、これは極めて高いものだろう、重いものだろう、こういうふうに思っております。

 こういうことを考えながら、より厳正かつ効果的な運用に十分意を用いるようにしていかなければいけないということもあわせ申し上げたいと思います。

金子(善)委員 全く納得できませんが、時間が参りました。

 それで、大変恐縮でございますが、財投機関債につきましても質問をさせていただくということで通告をさせていただいておりますが、ちょっと時間が参りましたので、申しわけございません。

 それでは、私の質問を終わらせていただきます。

野呂田委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。

 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 今、同僚の金子議員の方から、外交機密費の問題につきまして損害賠償請求のお話がありましたので、話の流れで、それからいきたいと思います。

 今、外務省の方から、内閣官房が損害賠償請求をするについてできる限りの協力をしているという話があったんですけれども、その請求の主体となっている内閣官房においては、この損害賠償請求の問題については今どのような状況になっておられるのでしょうか、お伺いいたします。

福田国務大臣 そのことにつきまして、今まさに捜査当局でもって、私ども被害届を出しておるそのことについて実態を解明している最中でございますので、その結果がいずれわかるであろうというように思っております。そのときに、損害賠償と申しますか被害の返還請求を行わなければいけない、このように思っております。

平岡委員 今の話では、外務省は何のために協力しているんですか。外務省は、できるだけ早く損害賠償請求を内閣官房がすると言えばこそ、今一生懸命協力しているんでしょう。そんな、捜査が終わってからでは本当にどうなってしまうかわからないじゃないですか。

 そもそも損害賠償請求というのは、賠償額が決まってからというよりは、今既に五千四百万円の被害届を内閣官房としても出しておられる、告発状も外務省の方から出しておられる。少なくとも、五千四百万円の損害があるということを国としては認識しているわけですね。これに対して一刻でも早く保全措置をとらなければ、この五千四百万円は取り返しがつかないことになってしまうかもしれない、こういう状況に今あるわけですね。国家に対して損失を与えていることに対して、国家がその回復に努めるという努力をどうして一生懸命しないんですか。官房長官、もう一遍。

福田国務大臣 先般外務省が告発したその対象金額は、五千四百万円でしたか、それは一部の金額なんですね。外務省として把握したその金額は、一部の部分であって、全体ではないということであります。そのことについても、今捜査当局が捜査をして、それがそうなのかどうかということもあわせやっているのではないかと思います。ですから、そういうことが判明してからでよろしいんじゃないかというふうに私どもは考えているわけです。

 もちろん、早い方が、早いにこしたことはないんですよ、おっしゃるとおり。そうは思っております。

平岡委員 早い方がいいというふうに官房長官は言われたんですが、本当に早くしてもらわなければ、この五千四百万円を、松尾さんがもし第一勧銀の問題となっている口座の預金をどこかに移すということになってしまったら、もう追いかけることができないというようなことになってしまうわけですね。

 この問題については、先日公明党の北側委員も指摘されておられましたけれども、ぜひ早急に手を打って、横領された金額が確実に国庫に戻ってくるように、そういう手はずを整えていただきたいというふうに強くお願いしたいと思います。

 そこで、実は先日、私の方から幾つかこの外交機密費について質問をさせていただきまして、幾つか宿題になっておることがございます。その点についてちょっと質問をしたいと思います。

 二月十五日の私の質問で、これは松尾元室長にとってみれば在任中の最後の総理の外遊であったわけでありますけれども、中国、モンゴル訪問時の宿泊料についてはどのように支払いがなされているのかということについて私が質問しましたところ、官房長の方から、調べて報告をしますということだったので、調べはつきましたでしょうか。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 調査の結果でございますけれども、平成十一年七月の総理の中国、モンゴル訪問の際には、その後松尾元室長の後任者となりました者が同行いたしておりまして、同人が現金で一括支払いの処理を行ったというふうに承知しております。

平岡委員 その調査は、どのように調査されたんでしょうか。今言われた松尾元室長の後任者に対してお話を伺ったんでしょうか。

飯村政府参考人 後任者に対して事情を聴取いたしました。

平岡委員 この問題だけじゃなくて、当然に松尾元室長の件については、後任者がいろいろと松尾元室長から引き継ぎも受けているだろうと思いますので、事情聴取を行っているということだろうと思います。その中で、この後任者の方、平成十一年八月に交代をしてからこの旅費の支払いの制度が変わる平成十二年三月までの間に、総理外遊に十四回同行しているというふうに伺っておるんですけれども、その際の宿泊料の差額、あるいは宿泊料についてどのように支払いを行っていたというふうに説明していたか。官房長、お願いします。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 松尾元室長の後任者も、平成十一年八月に就任してから十二年四月の旅費制度の運用変更を受けた新たな運用が開始されるまでは、基本的に、松尾元室長と同様に、総理大臣の外国訪問同行者の宿泊費差額、内閣の官房報償費でございますけれども、それと内閣分の規定額を官邸から受領し、支払いを行っておりました。

 すなわち、松尾元室長の後任者も、内閣官房職員については、宿泊費規定額と宿泊費差額とを合わせ、一括支払いを行っておりました。また、外務省職員については、あらかじめ宿泊費差額を各人に配付し、個別の支払いにゆだねていたこともあれば、内閣官房職員の場合と同様、外務省分の宿泊費規定額を主管局から受領いたしまして、差額と合わせて一括支払いしていた場合もございます。

 なお、一括支払いの際の支払い方法としては、クレジットカードと現金の双方がございました。

平岡委員 今、松尾元室長の後任者もクレジットカードで支払いをしていたという事実を言われたわけでございますけれども、ということは、外務省もこの官房報償費による支払いがクレジットカードで行われていたということを当然に知っていたというふうに理解していいわけですね。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 松尾元室長の後任者としては、同元室長からの引き継ぎを受けまして同様の決済方法を踏襲したとのことでございますけれども、直属の上司である官房総務課長は、このような引き継ぎが行われたことは認識していなかったというふうに理解しております。

 このような点で、まさに組織としてのチェック体制に不備があったと言わざるを得ないというふうに感じております。

平岡委員 それは組織の不備じゃなくて、実は外務省の調査報告書の中にクレジットカードによる支払いについてのくだりがあるのですけれども、「公費支払いを目的として、クレジット・カードの使用を開始するために、同人が、」これは同人というのは松尾元室長ですけれども、「上司から指示ないし了解を得るという手続きを踏んだ形跡はない。」全く松尾元室長の個人的犯罪に押し込めようとしているのがここにもありありと見えているわけですね。

 しかしながら、さっき御説明していただいたように、松尾元室長からちゃんと引き継ぎを受けて、自分でクレジットカードをつくって、それで支払いに充てているということをしているわけです。まさに外務省そのものが、外務省が組織としてこういうことをやっていたということの証左じゃないですか。外務大臣、いかがですか。

河野国務大臣 官房長の御説明は、松尾元室長の後任の者もクレジットカードを使用していたということを申し上げたわけであります。恐らく、同行者などは、後任がクレジットカードで支払いをしているところを見た者もきっとあるだろうと思いますが、それらが、そのクレジットカードで決済をすることについて上司の決裁を受けていたかどうかということまで承知はしていなかった、そういうことを官房長としては述べたと思います。

平岡委員 普通の公務員の行動として、前任者から引き継ぎを受けて、そのときに、こういったクレジットカードをつくるといったときには、やはり組織としてそういうことをしているんだということの認識のもとにやっているわけであって、そういうことをすれば、会計課長とか総務課長とか関係のある方々には当然そういう情報を、こういうことをしましたということの報告はあるというふうに私は思います。

 そういう意味で、ますます外務省がこの問題について組織的に物事を、報償費の問題についてはかかわっていたという疑惑は深まっているんじゃないかというふうに指摘したいと思います。

 そこで、もう一つ、私が質問した件で宿題になっている件がございます。それは、やはり前回の十五日の私の質問の中で、松尾元室長の第一勧銀の預金口座についての入出金の記録は通帳であるという答弁がありまして、その通帳にはいつからいつまでの入出金が書かれているのかということについて私が質問を申し上げました。それに対して飯村官房長が、追って報告したいというふうに答弁していただいておるんですけれども、この調査結果について報告していただきたいと思います。

飯村政府参考人 御質問のありました松尾元室長の第一勧銀の二口座でございますけれども、普通預金口座は平成五年五月二十四日に開設され、定期預金口座は平成六年三月十八日に開設されております。これらの口座について、外務省が調査した通帳は、口座開設から平成十二年十二月までカバーしております。

平岡委員 今、調査した期間が十二年の十二月までということでございました。そうすると、その入出金記録には、平成十一年八月十六日に松尾元室長が室長として離任をした後に動いている預金の動きということも、当然わかるわけでございます。

 考えてみますと、この離任をした後には、松尾室長は公金を、公金であるかどうかというのはいろいろ争いがありますけれども、宮澤財務大臣が言われるいわゆる公金的なものでございますけれども、これについて使用する権限は何もないわけでございまして、そういうふうに考えると、離任後に預金残高が減っているものについては、これは公金の横領であるということは明白であるというふうに考えるんですけれども、なぜこの部分について告発をしていないんですか。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 先般御説明申し上げましたけれども、松尾元室長の口座は公金と私金が混交いたしておりまして、私ども、任意の事情聴取ということでございますので、松尾がこれは公金であるということを認めたものについて調査せざるを得ない状況であったわけですが、そこではっきりいたしましたのが、この前申し上げましたように、一定の期間、ほとんど公金しか入っていない口座、これについて私的な目的の流用が行われているということが判明したわけでございまして、それ以外の口座については、告発に至るだけの明確な公金の流用がわからなかったということでございます。

平岡委員 私が聞いているのは、別にほかの口座のことを聞いているのじゃなくて、まさに問題になっている、松尾元室長の第一勧銀の口座のことを聞いているわけであります。

 そういう意味でいくと、今、松尾元室長のこの第一勧銀の口座の入金、出金が公金であるのか私金であるのかよく特定できないというようなことがありましたけれども、それでは伺いますけれども、五千四百万円が横領であるということで特定されておられますけれども、この五千四百万円が横領金額であるということはどうやって特定したんですか。官房長。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 平成九年でございますけれども、十月の時点で、松尾室長からの供述によりますれば、その時点で公金が一・三億円入っている、公金のみの状況になっているということが判明いたしたわけでございまして、その後、平成十一年三月までの間、数百万円の、具体的には四百万円でございますけれども、私金の流入がございましたけれども、他方で二億円の公金の追加があったということで、このときに競馬馬等の購入を行っていて、これは明らかに私的な流用であるということが判明、私どもとしては確信を持ったわけでございます。

平岡委員 これは簡単な数式の問題なので、そういうことでちょっとごまかさないでほしいんです。

 数百万円、四百万円ほど私金が入っていたら、五千四百万円のうち四百万円は私金ですから、五千万円の横領でしかすぎないんじゃないですか。それはやはり、私金としてこの口座の中で使われたものが幾らかあるということがあって初めて五千四百万円そのものが横領になるわけでありまして、そんな簡単な計算式がわからない外務省のエリート官僚じゃないと思うんですけれども、もう一遍、どうして五千四百万円という金額を特定したのか、答弁願います。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 すべて任意の事情聴取、彼の発言に基づいておりますけれども、その結果、先ほど申し上げましたように、ある一定の時点で公金しか入っていない、他方で競馬馬の購入が行われている、そこのところは私的な目的に、つまり競馬馬の購入に充てられているということが特定できたわけでございまして、そこで告発したということでございます。

平岡委員 それで、私はさっきの質問に戻るわけですけれども、松尾室長が本来の室長としての立場をかわって、転任をして、彼はこの公金を使う立場にないという状態になったときに、預金の残高がありました。それから、その後この口座から出されているお金というのは、基本的にすべて公金を使っているということになるわけですね。そこは横領ということになるんだと思うんですけれども、松尾さんが離任したときのこの預金口座の残高と、先ほど言われました平成十二年十二月の時点におけるこの口座の残高を教えてください。

飯村政府参考人 ただいま委員が御質問されました、松尾元室長が職を離れた時点での第一勧銀の二口座の残高及び外務省が調査した時点における残高、これにつきましては、まことに恐縮でございますけれども、現在進められている捜査との関係もあるので、説明を差し控えさせていただきたいと思います。

平岡委員 何で答えられないんですか。それは、調査すればすぐにわかっている話でしょう。預金口座を見ればすぐわかる話でしょう、先ほど十二年の十二月までの入出金の記録はあると言っているわけですから。

 私が言ったように、この間はもう公金を取り扱う立場に松尾元室長はいないわけですから、そのときに減っている金額というのはほとんどが公金の横領ではないかというのは容易に想像できますよね。そういう情報について何で我々に提供できないんですか。もう一遍お願いします。外務大臣、お願いします。

飯村政府参考人 私どもの作業は公金横領の特定でございまして、これも松尾室長からの供述に基づいて公金横領を特定していくという作業でございました。そういった作業の中で五千四百万円は明らかに公金の横領であるということが特定できたわけで、その部分について告発をしたわけでございます。そのほかの部分については、必ずしも十分に私どもとしては確信を持つに至っておりませんので、こういう状況になっているわけでございます。

平岡委員 また同じ質問に戻りますが、五千四百万円が横領金額に特定できたといったって、さっき私が言った、私金で幾ら使われたかということもわからない状態で特定できたというのは、これは本当に不思議な話ですよね。野党議員の方からも、松尾の話だけで横領を決めたんじゃないかというお話があったように、本当に外務省は調査したんですか。本当に調査したのなら、離任時の残高と調査したときの残高、どうして言えないんですか。それは非常に公金横領の疑惑の高い金額じゃないですか。どうして言えないんですか。外務大臣、お願いします。

河野国務大臣 公金横領の疑惑が非常に高い大事な金額だということになれば、捜査当局は一番関心を持つのはその部分だというふうにも思えます。先ほど来、官房長が御答弁申し上げておりますように、捜査当局との関係がございますので、大変恐縮でございますが御了承いただきたいと思います。

平岡委員 捜査当局と関係あるんだったら、最初から五千四百万円も、何でそんなのを出すんですか。それはおかしいじゃないですか。やはり、公金横領という疑いが強いのであれば、それはちゃんと告発するなり、あるいは、告発できないのであったとしても、そういうおそれの高い金額である、ただし我々としては特定できなかった、そういう報告書を出していただければいいじゃないですか。もう一遍お願いします。

飯村政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもとしては、五千四百万円、これは明らかに公金横領であるということを確信を持ったわけで告発したわけでございます。他方、これは調査報告書でも述べておりますけれども、この銀行の口座に公金は少なくとも三・一億円蓄積されているわけでございまして、ここは私どもとして使途が不明であるということは申し上げている次第でございます。

平岡委員 外務省は確信を持たれたかもしれませんけれども、我々はまだ確信が持てないんですよ。我々が確信を持てるように、外務省のエリートの皆さんが確信を持ったんだから、その説明を、調査した結果を我々にそのまま教えてくれたら確信を我々は持てると思いますね。我々が確信を持てるようにちゃんと説明してください。

飯村政府参考人 これはたびたび繰り返しになってまことに申しわけございませんけれども、先ほど申し上げたように、一定の期間についてはほとんど公金しか入っていない状況の中で競馬馬の購入等に充てられたという、私的目的への流用が特定できましたので、公金の横領という確信を持ちまして告発をしたわけでございます。

 他方、それ以外に、私どもとして、使途が必ずしも明らかでないという数字についても調査報告書で御報告申し上げているわけでございまして、ここら辺の部分につきましては捜査当局の全容解明に私どもとしても全面的に協力させていただきたい、こういうふうに思っております。

平岡委員 これも新聞報道に、平成十一年末の残高が二億円で平成十三年一月の時点での残高が一億四千万円という数字がもう既に出ているわけですね。これが正しいか正しくないかというのは私にはわかりませんけれども、外務省は調査しているからわかるわけでしょう。どうですか。正しいですか、正しくないですか、答えてください。

飯村政府参考人 先ほどの繰り返しになってまことに申しわけございませんけれども、私どもとしては、捜査当局との関連がございますので発言を差し控えさせていただきたいと思います。

平岡委員 そういうことだと我々は本当に審議できないですね。こんなことぐらいちゃんと教えてくださいよ。そうでないと我々は、本当にこの外交機密費が横領されているのかされていないのか、全然わからない。本当に必要な金が国庫から支出されているのかどうかもよくわからない。こんな状態でこの予算を審議せいと言われたってできないですよ。

河野国務大臣 公金横領事件、公金横領問題というのは、公金が横領されていなければならないわけでございまして、支出があろうとも、それが私金であれば公金横領にならないのはだれでもわかる話でございます。したがって、公金が私的に使われたかどうかというところを私どもとしては調査して、先ほど来官房長が御説明を申し上げているような調査の方法によって、公金が明らかに私的に使われているという部分に着目をして、そして告発をしたわけです。

 告発を私どもして、警視庁はこれを受理されたわけでございますから、それからは捜査当局の捜査が始まっているというふうに私どもは考えておりまして、この捜査に全面的に協力をするということは、資料を提出するし、指示に従うということでございまして、この捜査当局の指示に従うということが協力でございますから、私どもとして、この捜査に影響のあるものについて我々が何かするということは捜査に協力をすることにならなくなってしまうわけでございますから、その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。

平岡委員 全く理解できないんですけれども、ただ一つだけちょっと望みがあるのが、荒木副大臣でございます。

 荒木副大臣は、二月八日の同僚議員である菅委員からのいろいろな質問に対しましてこう答えております。「今委員から御指摘がありました点も含めまして、果たしてこうした税金の横領ということについてだれも知らなかったのかといった点も含めて、徹底的に、国民の負託を受けた立場として頑張ってまいりたいと思っております。」というふうに立派に答弁されております。

 この前、この答弁をされてからもう二十日がたちました。今、予算審議も、公聴会を終わりまして、残された時間も少なくなってまいりました。今ここで荒木副大臣がちゃんとした調査結果を出していただかないと、我々はこれ以上審議を続けられない。こういう事態におかれては、荒木副大臣、ぜひお願いします。

荒木副大臣 まず前提としまして、告発にかかわります業務上横領罪のいわゆる構成要件に該当するかどうか及びそれに関連する事柄につきましては、我々調査チームとしてもしっかりと捜査当局に協力をするというのが大前提になっておるということでございます。

 その上で、私が委員長を引き継ぎました調査委員会といいますのは、一月二十五日の調査報告書を踏まえながら、これに対する御意見も踏まえながら、総理の外国訪問に係る外務省の体制内の問題を初め、公金横領疑惑に関連する事実関係につきまして精査をする目的で調査をしております。

 先般も申し上げましたように、どうしてこんなことになったのか、あるいはだれか手伝ったのではないか、あるいは供応接待を受けた人間もいるのではないかといった点を含めて調査を進めております。

 具体的には、官房長経験者、官房各課長経験者等から改めて聞き取り調査を行い、問題点の所在をさらに突き詰めておる最中でございます。また、松尾元室長からの供応接待の有無につきましては、六百人以上に対しまして文書等によって照会を行っておるところです。

 これまでのところ問題となる事実は見つかってはおりませんが、調査は続けておりまして、仮に問題が出てくれば厳正な措置をとる考えでございます。

平岡委員 荒木副大臣、先ほど私が質問いたしました、松尾元室長が離任をしたときの預金残高と、それから平成十二年十二月までの預金残高、これを我々に報告してもらえますか。私が言いましたように、彼は公金を使う立場になかったわけですから、この残高の減というものが公金の横領に物すごく、極めて黒色に近い状態にあるわけです。

 ぜひ調べて我々に報告していただきたいと思いますけれども、いかがですか、荒木副大臣。

荒木副大臣 まさにそういう点は、業務上横領罪が成立するかどうか、あるいはどういう範囲かという問題そのものでありまして、そうしたことは、我々は、もうまさに強制的な捜査権限を持った捜査当局にあらゆる面で協力をしていくというのが我々調査委員会の任務であると思っております。

平岡委員 我々は、捜査も大切だと思いますけれども、今、国費である報償費が適切に使われているのかどうか、ほかの用途に使われていないのかどうか、本当にこの報償費というのがこれだけの金額が必要なのか、これを審議しなければならない立場にある。これは前回の私の質疑でも申し上げましたけれども、それを審議するために必要な情報をぜひ出してほしい、もし皆さんが出せないのだったら、ぜひ国会の方で国政調査権でも使って調べさせてほしい、こういうふうに申し上げているわけでありまして、これができないということだったら、我々は審議できないですよ。

河野国務大臣 今議員から御質疑がございましたものは、これは明らかに官房の報償費の問題でございます。外務省報償費について今議論になっているわけではないわけでございまして、官房報償費の問題について、今議員のお尋ねはその方向に向いているわけでございます。その問題を、官房報償費の使い方云々ということを外務省の調査あるいは外務省にお聞きをいただいても、それはなかなか御返事はできないわけでございます。

野呂田委員長 この問題につきましては、後刻また理事会で協議をしたいと思いますが、外務省に申し上げますけれども、できるだけ、提出できるものはできるように、委員長からも強く要請しておきます。

平岡委員 それではちょっと、理事会で協議されるということなので、その結果を待ってまた話を進めたいと思います。

 私、もう一つ、公共事業についてちょっとお聞きしたいと思っております。

 公共事業等予備費でございますけれども、平成十三年度予算で三千億円の公共事業等予備費が計上されております。この公共事業等予備費というのはどのような場合に使えるのか、財務大臣、御答弁いただけますか。

宮澤国務大臣 公共事業予備費は、過去におきましても計上したことが何度かございますが、最近は、昨年、一昨年、公共事業予備費五千億円を計上いたしました。ただいま御審議中の予算におきましては、三千億円を計上いたしております。

 計上して御審議をお願いいたしましたのは、我が国の経済の回復が、官需から民需へのバトンタッチが、御承知のように、企業ではまず行われましたが、家計に十分に行われていないという現状でございますので、将来のことをいろいろ考えまして、念のためこれを計上して、御審議をいただいておるわけでございます。

平岡委員 私はもうちょっと、答弁としては、予備費というのは、公共事業等予備費も含めて、「予見し難い予算の不足に充てるため、」という規定が憲法と財政法にあるわけでございますので、そういう要件にはまった場合でないと使えないということを確認したかったわけですけれども、まあそれはそれでいいです。

 ただ、平成十二年にやはり五千億円の公共事業等予備費を計上して使っているわけでございますけれども、このときにどういう予見しがたい予算の不足があったのか、これを御答弁ください。

宮澤国務大臣 平成十二年度の公共事業予備費は、昨年の七月二十五日に使用決定をいたしましたが、この基本は、経済の回復が殊に個人消費について弱い、したがいまして、政府が景気回復を図る予定したコースを十分に経済が走っているかどうかということに問題がございましたので、したがいまして、年度内に経費の不足が見込まれるもので景気浮揚効果が大きいもの、即効性のあるものを対象として使用いたしました。

平岡委員 今の御説明も、当時の経済企画庁の月例経済報告を見ても、想定されている経済成長の範囲であって、特にこの公共事業等予備費を使わなければならないような状態では全くなかったというふうに私は思うのです。そういう意味で、この脱法的な予備費の使用というのは非常におかしいのじゃないかということをまず指摘したいと思うのです。

 さらに言えば、これはちょうど七月に使用したということでありましたけれども、去年、六月二十五日に衆議院議員選挙がございました。このときに、一体自民党の幹部あるいは政府の幹部というのがどこでどういうことを言っていたか、皆さん思い起こしていただきたいと思うのですけれども、例えば亀井政調会長は、予備費は官僚には指一本触れさせない、すべて我々の手で具体的に割りつけるんだ。あるいは、総選挙後に五千億円の予備費を公共事業につぎ込む、これは地元の選出議員としてでなく官房長官として約束する、公共事業は島根にとって大切だ。あるいは、亀井政調会長も、島根県は一人当たりの公共事業が日本一だ、私の地元の広島県に来る銭まで来ている、竹下先生が引退するときにはチャンスが来たと思ったが、亘さんではチャンスがない、こういったことを堂々と選挙前に言って、この公共事業等予備費というのを選挙道具にして使っているわけですね。これは本当におかしい。こんな公共事業等予備費の使い方ってないですよ。

 時間がないので、きょうはせっかく国土交通大臣に来ていただいております。農水大臣も来ておられます。この公共事業等予備費を昨年七月に決定したときに、この選挙結果というものを踏まえた配分が行われているのですか、どうですか。簡潔にお願いします。

扇国務大臣 予備費のことに関しまして、今財務大臣がお答えになったとおりでございますけれども、御指名でございますので、私は、この公共工事、少なくとも御認識賜りたいのは、昨年の有珠山の緊急災害復旧工事等々で九十二億円と二百八十三億円、そして有珠山、三宅、神津、それに関しましては百五十九億円、そして、御存じのとおり、少なくとも国民の生活の改善に使おうということで、細部に至っては……(平岡委員「選挙結果、選挙結果」と呼ぶ)私、選挙じゃございませんから、選挙結果に左右されたのではなくて、公共工事の真に必要なもの、緊急の有珠山等々に関しては、必要なものに使うというための予備費でございますので、これによって多くの被災者の皆さんがほっとされたということでございます。

谷津国務大臣 先生御案内のように、公共事業については地方負担というのがあるのは御存じかと思うのです。ですから、地元の要望、それとまた緊急性ということで予算をつけているわけでありまして、特別、島根県に多く行ったというようなことではございません。

平岡委員 今はっきりと御答弁いただいたように、この公共事業等予備費が、選挙結果によって配分がいろいろと影響を受けてしまったということは全くないという御答弁でございました。公共事業等予備費というのは、あくまでも予備費でございます。本当に必要なところに配分するという考え方を忘れないでほしいと思います。

 ただ、今までの公共事業等予備費の配分の仕方を見てみますと、先ほど言いましたように、非常にいいかげんな、恣意的な使い方がされている。どんなときに使えるかということについても、全く説明ができないような状態。あるいは、選挙のときには、ここにおられる立派な方々はそうではないかもしれませんけれども、地方に行けば、こんな公共事業が来るよ来るよと言って選挙をやっておられる方も何人か、先ほども読み上げたようにおられる。こういうような使い方をされる公共事業等予備費というのは、やはり計上すべきではない。本当の意味での公共事業等予備費として使えるようなものならいいですけれども、今のこの内閣にはそれは期待できないのじゃないかというふうに思います。

 そういう意味で、今回の公共事業等予備費については全額削減ということを我々主張しておりますけれども、ぜひそれを受け入れてもらいたいというふうに思います。

野呂田委員長 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。

宮澤国務大臣 先ほど申し上げましたように、我が国の経済の先行きがもう一つ不安な要因がございますので、この予備費はぜひ私は計上いたしたいと思います。

扇国務大臣 特定の地域にということではなくて、私のように全国から出ている者は、全国に配分するという、地元の要望にこたえて、公平に、私たちは公共工事というものの配分の見方をしておりますことだけはつけ加えさせてください。

平岡委員 ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて平岡君の質疑は終了いたしました。

 次に、山田正彦君。

山田(正)委員 自由党の山田正彦です。

 大変残念なことに、きょう発表されました生産指数、これによりますと、実は前月比マイナス三・九%、これは大変な事態だ、そう思っております。先ほどの株価が、一万三千円を割って一万二千八百八十三円。日銀は早速、公定歩合を〇・一%下げて〇・二五%にしたようですが、このような大変な事態。日本経済はどんどんどんどんとどまるところを知らないぐらいに落ち込んでいる中で、一体、政府の対応は、日銀は少なくともすぐに〇・一%下げた、この予算も含めて具体的に宮澤財務大臣に、どうやってこの危機を救うつもりか、まさに今、国難のときを日本は迎えているのではないのか、ぜひお聞きしたい。

宮澤国務大臣 政府といたしましては、既に成立いたしました補正予算を迅速に執行いたしておりますが、願わくば、この本予算もできるだけ早く成立いたしまして、執行させていただきたいと思っております。

山田(正)委員 予算を執行したからといって、このとどまるところを知らないくらいの前月比三・九%という落ち込みの経済が持ち直せるのか。もっと具体的に、大胆な経済政策をここで打ち出さなければならないのではないですか。

 財務大臣にお聞きしたいのですが、あのパレルモでのG7の中で、いわゆる欧米諸国から、日本は金融機関に対する不良債権の償却を急げ、そう求められたように聞いていますが、政府は、どこまで、どのようにする覚悟があるのか、具体的に説明していただきたい。

宮澤国務大臣 声明には直接そうは書いてございませんが、山田委員の言われたような議論でございました。

 恐らく、日本は大変に、財政も大いに金をつぎ込んだし、また、二月九日に日本銀行の政策の発表もあった後でございますので、一体これがどうなるのだろう、どこに一番問題があるのだろうということで、いわゆる金融機関の活動がもう一つ十分でないんじゃないか、それは金融機関が不良債権をなおそのまま抱いているからではないか、これを早く償却してしまうべきではないかという、これは殊にアメリカの考え方ですが、そういう主張が強うございました。

 他方で、我が国では柳澤国務大臣が既にそのことは十分に気がついておられまして、現に、前の言葉で建設省それから通産省でございますが、不良債権をたくさん持っておりますと考えられます業界を主管します官庁に協力を求められて、そういう中からどうやってこの不良債権の処理をできるか。これは、場合によりまして、金を借りている方に倒産とかいろいろな事態を起こしやすい事態でもございますから、柳澤大臣はそういう注意を払いながらこの債権の処理に乗り出されたというのが、ただいまの状況であります。

山田(正)委員 柳澤金融担当大臣にお聞きしたい。

 柳澤金融担当大臣と今の財務大臣のお話……(発言する者あり)呼んでないか。ちょっと、緊急事態なので、ぜひ呼んでいただければ……。

野呂田委員長 今、連絡をとってみて、出られるならば出るように措置します。

山田(正)委員 ぜひお願いいたします。

 では、財務大臣にちょっとお聞きしたいんですが、柳澤金融担当大臣のお話等を聞いていますと、いわゆる銀行等の赤字決算を容認するようなお話に伺えますが、財務大臣もそういうお考えでしょうか。

宮澤国務大臣 前段といたしまして、今の不良債務は、かなりの銀行が実は引き当てをしておるわけでございます。銀行としては引き当てをしておりますから処理は済んでいるわけですけれども、殊にアメリカから見ますと、そういう引き当てをしている、それなら早くバランスシートから切ったらいいじゃないか、そういうものを積んでおるから採算が悪くなるんだ、これが批判の問題点でございまして、アメリカは本当に切ってしまいますが、日本はプロジェクトの融資をするよりは企業に融資をしておりますものですから、そう簡単にぽんぽん切るということが果たしていいことかどうかということがあって、引き当てをしているわけです。

 それは銀行としては一つのやり方なんですが、それでは銀行の採算が悪くなるということが批判でございますから、それで、柳澤大臣がそういうことを考えられた。

 なお、私が承知しております限りでは、その結果としまして、バランスシートにあるものが切られるわけでございますから、その範囲でバランスシートは悪くなるといいますか、つまり償却いたしますから、悪くなることがあろうが、そういう行き届いた形でいろいろ相談をしてやった結果として、多少銀行の採算といいますか、決算に影響が出ても、多少のことであれば、それは大きな目的から見ればやむを得ないのではないかということを、原則としてでございます、原則としては考えておられるのではないかと思いますが。

山田(正)委員 今、財務大臣のお話を聞いていましても、まあ決算上ある程度赤字になってもやむを得ないと。言ってみれば、そこまで覚悟して今回いわば金融機関の不良債権の償却を思い切ってやるという考え方にとってよろしいでしょうか。

宮澤国務大臣 私の了解しているところでは、赤字になってもとまでは言っておられないようですけれども、決算に多少の影響があるということ自身はというようなことを言っておられると思います。

山田(正)委員 株価が一万二千八百八十三円、ここまで下がったら、各銀行はそれぞれ株を持ち合っておりますし、いよいよ来年度からそれぞれ時価評価の決算を、株価について時価会計導入というのですか、やるということになれば、当然のことながら、いわゆる赤字決算というか、剰余金がなくなって、そして配当もできなくなる。私が聞いている限り、いろいろ私なりに調べた限りでは、かなりの銀行はこのままでいけば赤字決算、直接償却して実際にやればそうなってしまうのじゃないか。もしそうでない決算をしたとしたら、これは粉飾決算になるのじゃないのか。その点、財務大臣、どうお考えですか。

宮澤国務大臣 これもかわりの答弁でございますので、それだけお許しをいただきたいと思いますが、そういう売りが恐らくございまして、それで今日の株式の状況もありましたこともあって、先ほど日銀総裁から、私はここにおりましたので電話で伝言をいただきましたが、そういうこともあって、きょうの新しい処置に出たということでございます。

 他方で、しかし、来年からそういうことではございますから、多少の売りはありますけれども、銀行自身の資本比率は多少のことがあっても傷つけられることはない、一二%というのが原則でございますが、そんなに傷つけられることはないので、そのこと自身は、銀行の立場から、内容からいって心配するほどのことではない、こう承知しております。

山田(正)委員 きょう、このような株価の下落、そしてまた前月比の指数の三・九%という大変な下げ、こういった中で、本当にこういう意味では大変な時代になりつつある。この中で、大胆に、早急に、政府は、今度の予算でもそうですが、景気対策を講じなければ、これは大変なことになっていくのじゃないか、そう思います。

 きょうは、私の質問は農水大臣に予定しておりましたので、農水大臣、お願いいたします。

 実は、二月十八日の夜、NHKのスペシャル番組、農水大臣、見られたでしょうか。野菜について、日本の市場がねらわれているという、韓国とかタイとかその他の、大変厳しい状況がありました。実は、私も若いころ、牛を四百頭ほど飼って、豚も八千頭ほど出荷して、プロ農家をやっておりました。農業については大変関心があるのですが、このままでいくと、もう本当に日本の農業は食べていけなくなっていく。いわゆる米の四割減反、野菜もそうなんだ。

 そういった中で、農水大臣として、セーフガードの問題、これを実際にやる気があるのかどうか、それをお聞きしたい。

谷津国務大臣 先生御指摘なのは、多分、NHKのクローズアップ現代と思いますが、見ました。と同時に、録画も撮ってあります。

 そこで、セーフガードの件なのでありますけれども、今調査に入っておるわけでありますけれども、この調査の結果、この九項目に合致するものであれば、これはセーフガードをかけるということでございます。

山田(正)委員 いろいろ新聞等でも、農水省からもお聞きしておりますが、今、三品目について調査に入った。これは十二月の二十二日です。

 そうすると、セーフガード協定の中の第六条に、実は、いわゆる生産者に影響があるようなおそれがある場合は直ちに暫定措置ができると。緊急暫定措置。だから、例えば調査に入ったらすぐできるようになっていますね。となれば、今でもすぐやらなければ、例えば今こうして話しているときもどんどんどんどん、特にネギは物すごい勢いで輸入されておりますが、それはますます農家にとっては大変なことになるのじゃないですか。なぜ、今すぐこの緊急暫定措置を出せないのか、それを明確にお答えいただきたい。

谷津国務大臣 暫定措置についてのお尋ねでありますけれども、先生御案内のとおり、暫定措置については、セーフガード協定上、遅延すれば回復が難しい損害を与えるような危機的な事態が存在する場合に、輸入の増加が重大な損害を与えていること等について明白な証拠があるというときには仮の決定をすることができる。いわゆる暫定措置のことでありますけれども、今、調査をしている段階であります。それから、いろいろな資料が集まっている段階であります。その段階で、この仮の決定というのは、そのような状況が確実に見られたという場合には暫定措置がかけられますから、私どもは、今、調査の資料を見ておりますから、その段階でそういうふうな状況になりましたら、暫定措置をかけるのもやぶさかではございません。

山田(正)委員 前年比、例えば一〇〇%、二〇〇%の伸びで入ってきている、そういう数量的に、ネギなんかはそれくらいの勢いで入っていると思いますが、トマトとかあるいはピーマン等もかなりの勢いで入っています。実際に、前年比あるいは前月比の数値を見れば大変な量の勢いで入ってきていることと、そして市場での価格、これを見ただけで仮に暫定的にすぐに措置をとる。調査の結果、重大な危害を与えるおそれがある場合とかいろいろなことを言っているようですが、もし仮に、これが例えば中国から、あるいは韓国からWTOに異議の申し立てがされたとしても、これは、パネル裁判になったとしても、別に罰金とかその他の罰則、定めはありませんね。

 そうであれば、当然、農水大臣としては、即刻今やらなければ、まさに先ほど言った、まだまだそういう生産者に影響を与えるおそれはないのだと言えるような状況ではない、だれが見てもそう思いますが、もう一度、本当にどう考えているか、お答え願いたいと思う。

谷津国務大臣 先生、調査の結果じゃなくて、今、調査をしている段階でありますから、その段階において仮の決定ができるような資料が出てくれば、暫定措置をかけるということであります。

 それで、この点につきましては、三月の二十二日までにその資料を集める、そして、四月の二十七日までにその意見を聞くということでありますが、その前にも、私は、そういう状況になればかけるということを申し上げているわけであります。

野呂田委員長 山田さんに申し上げますが、金融担当大臣が来ましたが、質問されますか。

山田(正)委員 先にこの農水問題をちょっと。

 谷津大臣に、まだ調査の結果が出ていないと言っておりますが、例えば、私が素人であったとしても、今月の輸入実績あるいは市場相場というのは、見ればすぐに、例えば調査として出てくるわけですから、それ自体で調査は上がっている。それなのに、結果を待たなければ緊急暫定措置ができないというのはおかしいのではないですか。

谷津国務大臣 調査の項目は九項目、実はあるわけですよ。先生御案内かと思いますが、輸入増加率あるいは輸入増加量、それから輸入品の国内市場の占拠率、販売、生産、生産性、操業度、損益、雇用、こういうものがあるわけでありますから、そういうものを今ずっと見ているわけでありますので、そういうところで、これがはっきりと仮の決定ができる状況であるならば暫定措置をかけるということであります。

山田(正)委員 まだいろいろと聞きたいことがあるのですが。

 柳澤大臣、わざわざ来ていただいて申しわけありません。では、柳澤大臣にお聞きしたいと思います。

 実は、きょう発表になりました生産指数が前月比三・九%も落ち込んでいる、そして、株価が既に先ほど調べましたら一万二千八百八十三円まで落ち込んだ。こんな中で、ひとつ大胆に景気対策をやるとして、いわゆる金融機関の不良債権の償却、これで大臣は赤字決算も容認する、そういう発言をなさっているようですが、それについてどういうお考えなのか、どういう覚悟をしておられるか、改めてお聞きしたい。

柳澤国務大臣 前々から申し上げておりますように、不良債権でバランスシート上まだ計上されているものについても、会計規則に基づく、あるいは検査マニュアルに基づく適切な貸倒準備金が計上されているわけであります。したがって、不良債権のオフバランス化をした場合にも、その損失は当然その引当金でもって対処できるというふうに考えられるわけです。

 しかし、そうは言い条、バランスシートから外れるということになりますと、やはりそこに損失の拡大ということも全く予想されないとは言い切れない。そういたしますと、その損失がどのように金融機関の損益計算に反映するかといえば、これは当然利益の足を引っ張るというか、マイナスが立つわけでございます。

 その結果、損益の最後のしりがどういうことになるか、これが問題なのでございますが、今ここで一つ準則として資本注入行について課せられていることは、当期利益、最後の、いわばしりの、すべて税金とかなんとかも全部引いた最後のしりですけれども、当期利益が健全化法で予定されていて計画されていたものよりも三〇%超下振れした場合には、その経過等を見て経営改善計画などの提出を求めるという、いわば処分が発動されるという仕組みになっているわけであります。

 問題は、今先生は赤字というようなことをおっしゃられたわけですが、赤字ということになれば、赤字を初めから健全化法上うたっているところはありませんから、したがって、これはもう当然のことながら三割以上下振れたということになると思います。その場合に、経営健全化計画の提出を求める等のいわゆる処分が発動されるかといえば、それは今現在もそういう仕組みになっているのですが、その経過をよく見た上で、私どもがそれをある程度容認できるかどうかということで判断をされることになるであろう、こういうことでございます。

 したがいまして、経営の責任を問うような形の下振れということになれば、それは我々は当然経営健全化計画の提出を求めますけれども、我々の方がそういうことを慫慂したり誘導したりしたことをそのまま実行した結果そういうことになったとしても、果たしてそれですぐそういう処分にいくかどうかということについては、いろいろな配慮の余地があるであろう、こういうことを申したということであります。

野呂田委員長 山田君、質疑時間が終わりました。

山田(正)委員 大変残念ですが、質問の時間がなくて。

 柳澤金融大臣にぜひともお願いしたいのは、ただただこのような生ぬるい金融政策を、三〇%下振れがどうのという形ではどうしようもない、早く直接償却をやって、時価会計の導入もやることですから、大胆に不良債権の償却を図り、日本を早く景気の底から回復させることをぜひともお願い申し上げます。

 私の質問を終わります。

野呂田委員長 これにて山田君の質疑は終了いたしました。

 次に、小沢和秋君。

小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋であります。私は、有明海のノリ問題について、農水、財務両大臣にお尋ねをいたします。

 今、日本一のノリ生産地である有明海の異変は、全国の注目を集めております。漁民たちは、今回の空前のノリ不作の原因が諫早湾干拓事業にあるとして、直ちに工事を中止し、水門をあけよと要求しております。

 もともとこの漁民たちは、干拓事業がこういう被害をもたらすと反対してきた人々であります。しかし、政府は、この要求にまともに対応しようとしません。ついにたまりかねた漁民たちが、諫早湾干拓事務所や熊本の九州農政局に押しかけ、それでもらちが明かないと、きょうも雨の中、午前五時半から八百名が七カ所の干拓の工事現場入り口にピケを張り、工事車両をストップさせております。あす三月一日には、代表が大挙上京してくることになっております。

 私は、この人たちの怒りは当然だと思いますが、大臣のこの漁民たちに対する誠実な対応を期待いたしますが、どうするおつもりなのか、まずお尋ねいたします。

谷津国務大臣 福岡県の有明海の漁民の組合員の皆さん方が、二十二日に、潮受け堤防の管理事務所、実はこれは調査をしたいというか、見学をしたいといいましょうか、そういうことがありましたから、私は、普通はあそこは入れないのでありますけれども、漁民の方たちがそれを見たいということであるならば、ぜひ入ってもらって、そして調査をしてもらうのも大事なことだということで入っていただきました。

 それから、二十三日には九州農政局に対しまして抗議行動を行いました。それから、二十四日と二十六日、また本日も、工事現場で工事用の出入りの封鎖を行っているということも報告を受けているところであります。

 私も、漁業者のこのような行動をとることに至った今回のノリ不作の重大さは十分に認識をしているところであります。一月二十九日にも現場を見させていただきまして、これはひどいなと正直私は思ったわけでありまして、こうした事態に対しまして、あくまでも誠意を持って対応するように現場に指示をしているところであります。

 今、この原因につきましてはまだ現時点では明らかではございませんけれども、私はできるだけ早くこの調査に入るべきだという考えがあったものですから、過日委員を発表させていただきまして、三日の日、これは土曜日でありますけれども、一回目のその委員会を開くということになっております。

 先生御案内かと思いますが、実は長崎県の方では、これは漁業者も含めまして、あの水門をあけてはいかぬ、工事を進めてくれ、こういう強い要望も来ていることも御案内かと思うわけでありまして、そういった面を考えますれば、私は、この第三者委員会の中には、福岡県の有明海の漁連の会長もいわゆる委員の一人として入っておるわけでありますから、この委員会の中で、ぜひあそこで、あけてそして調査したいということを私はむしろ発言をしていただいて、そのように取り計らってもらうのがよいのではないかなというふうに思っているわけであります。

小沢(和)委員 今大臣は、現時点ではノリ不作の原因は明らかでないというふうに言われましたけれども、こういう立場からの調査では、時間ばかりかかって結局何もわからないままに終わる危険があると思います。

 私は、副次的、局部的な原因はいろいろあり得ると思いますが、諫早湾干拓が決定的な原因であることは極めて明瞭ではないかと思うのです。

 このパネルを見ていただきたいのです。皆さんのところには同じグラフをお配りしております。これは、私が農水省からいただいた有明海の魚介類全体の生産量と生産額をグラフにまとめたものであります。生の数字はお配りした資料に載っておりますが、これでおわかりのとおり、一九九〇年の諫早湾の潮受け堤防の工事の前は、むしろ生産量はふえていました。それが、工事が始まった直後から漁獲量が目に見えて落ちており、四年前、九七年の堤防締め切り後、さらに決定的になっております。

 これだけ漁獲量が減っているのに、私が昨年十月と十一月の二回提出した質問主意書に対し、内閣総理大臣名で、二度とも、漁獲量にさしたる変化はないとの答弁が出されております。

 これをごらんになっても、本当に漁獲量にさしたる変化はないのか。この答弁書は、まさに事実を偽るものではありませんか。

谷津国務大臣 数字を見る限り、確かに、私が持っておりますところの資料におきましても、そういう傾向が出ているということは、私も認識をしておるところであります。

 ただ、この原因につきましては、いろいろな意見があるわけでありまして、確かに、潮受け堤防のことをお話しになる方もいらっしゃいます。それから、もっといろいろな要素が重なっているということをおっしゃっている学者の方もおるわけであります。

 ですから、私は、この調査の中においては、私が大事だと思っているのは、常にあそこで仕事をしている人たち、この人たちはずっと肌で感じているだろう。これは大事にしなさい。だから、今度の調査委員会の中にもそういう方を入れてくれということを、頼みましたということよりもむしろ決定をさせていただきまして、そして四人の方たちが入っておられるわけでございます。

 そういう中で、私は、一日も早くこれは調査に入らなきゃならぬというふうに思っているわけでございまして、もしその調査の中で、水門をあけて調査するのも調査、それから水門を閉めて調査するのもまた調査だろうというふうに思いますけれども、しかし、そういうふうなことが第三者委員会で決まったならば、即座にあけて、もうしっかりと調査をしてもらいたい。

 そして、私は、一番大事なことは、有明海は宝の海というふうに言われておりますが、この有明海をやはりもとに戻すといいましょうか、復活させることが非常に大事だということを根底に置いて調査を進めてもらいたいというふうに思っているところであります。

小沢(和)委員 私がお尋ねしたのは、漁獲量にさしたる変化はないとはこのグラフを見たら到底言えないではないかということでして、今大臣、事実上それをお認めになったと思うのです。そうすると、私は、答弁書はうそを答弁したというふうに言わざるを得ないと思います。それで、政府がそういう態度に固執し続けた結果が、今回のノリの養殖さえできなくなる事態を引き起こしたと言わざるを得ないのです。

 潮受け堤防締め切り後、汚れた調整池の排水が有明海に流れ出し、大量のプランクトンが発生するようになりました。長崎大学の東教授の調査によれば、それまで一年に一・八回だった有明海の赤潮、これもプランクトンが原因ですが、九七年に堤防を締め切ってから、一挙に年に八、九回にもふえております。冬のプランクトンの発生時期も、堤防締め切り後、この四年間、年ごとに早くなり、一昨年の作付は昨年一月中旬ごろできなくなった。昨年の作付では、ついに昨年十二月中旬に発生するようになり、収穫開始後、間もなく色落ちで収穫不能になっております。

 もう一つの、ノリの収穫量の推移を示すパネルも見ていただきたいのです。これも農水省の数字をそのままグラフにしたものであります。

 ノリは、もともとある程度富栄養化が必要です。だから、干拓工事で環境が悪化して魚介類の水揚げが減る中でも、ノリだけは生産を減らさずにやってきました。それが、堤防締め切り後のわずか四年間の著しい水質悪化によって、ついにノリまで危機的状況に追い込まれた、これが今の有明海の環境破壊の到達点ではありませんか。干拓工事によって、かつての宝の海が死の海になりつつあるという因果関係は明らかではないでしょうか。

谷津国務大臣 今先生のお話の中にありました長崎大学の東教授の意見というのを非常に私は注目しているのです。ですから、今回の委員の中にも、これは当然、地元の推薦を受けて委員を構成したのでありますけれども、私自身も東教授を入れてくれというふうに頼みまして、そして今回入ったわけでございます。

 そういう中で調査をするわけでございますので、そういった面では万全の調査ができるのではないかなというふうに私は思っています。そして、何回も申し上げますけれども、この有明海をやはり宝の海としてもう一回復活させるということが私は大事な要件だというふうに考えているわけであります。

小沢(和)委員 ここで財務大臣にも一問させていただきたいのです。

 新年度予算案では、諫早湾干拓工事事業費に約百億円が計上されております。今の工事は内部堤防建設が主になっておりますが、これを進めればいよいよ農地の造成が進み、水門をあけて海水を入れるためには、できた内部堤防を壊さなければならなくなってしまいます。そんなばかげたことにならないように、少なくともこれらの工事を中断し、干潟の再生が可能な状態を保持するため、新年度のこの予算の執行を凍結すべきではありませんか。

宮澤国務大臣 農水大臣としては、予断を持たずに徹底的に調査をしたい、不作との因果関係が明らかでない時点においては工事を中断するということはお考えでないということに承っておりますので、調査をされ、その後の推移をどうされますか、それを見守りたいと思っておりまして、したがいまして、予算を不執行にするというようなことは考えておりません。

小沢(和)委員 今の点、農水大臣にもお尋ねしたいのですけれども、実際に、今から工事をやっていってしまったら、海水を入れる必要がある、水門をあける必要があるという話になってきたときには、それは壊さないとできなくなるんですよね。だから、私は、そうさせないためにも今の段階で工事をとめておいた方がいいのじゃないか。その点、いかがですか。

谷津国務大臣 先生、壊さなければならないという意味がちょっとわからないのですが、水門をあけるわけですから、水門を壊してしまうわけじゃありませんから、間違えないでください。

 それで、あけますと、そこで海水が入ってきますね。ただ、あそこの干満の差が六メーターもあるのだそうで、日本一干満の差があるところなんだそうです。ですから、あそこをあけますと、一秒間にどうも六メーターぐらいの速い速度で入っていくということもわかっているものですから……(小沢(和)委員「いや、私はわかっている。内部堤防の話」と呼ぶ)わかっているんですね。

 ですから、そうなりますと、私は前から調査しておけと言ったのは、前々からありますところの潮受け堤防というのがあるんですね、四百年も前からつくってきた、その一番最後につくったところのものを、これを越えていくようなことがあると、諫早湾の、あそこの住民の方たちのところへ水が入ってきますから、そういうことのないように、よくその辺を先に調査しておいてくれということで今調査もさせているわけでありまして、そういうことになってきますと、あそこの工事というものがどういうふうになるかということも、実はそれも調査しておいてくれ、今そういうことを私の方から強く要求しているところなんです。

小沢(和)委員 ちょっと今の答弁では納得できませんけれども、先に行きたいと思うのです。

 一昨日、有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会が発足をいたしました。農水大臣は、二十三日の当委員会で、その委員会の中で水門をあけて調査すべきであるというふうに決定されれば私どもはそれをあけていきたいと答弁されました。私は、大臣はこれまでより一歩踏み込んだ答弁をされたと思うのです。それなら漁民の要求との接点をつくるため、もう一歩踏み込んでいただきたい。

 私は、多くの漁民から、有明海は今のままでは水質がもっと悪くなり、ことしの秋も今回と同じことになる、今でも一千万単位の借金が設備投資で残っているのに、恐ろしくて次の作付をするという決断ができないという声を聞いております。

 今一番必要なことは、諫早湾周辺の漁民が納得するような、ヘドロの放出を最小限に抑える方法で水門を開いて、諫早湾に海水を入れ、干潟を再生し、有明海全体をよみがえらせることだ。韓国の始華干拓事業も水質が悪化したため水門を開放し、干潟を復活させた先例があります。そういう決断をするところに政治の責任があるのではありませんか。

谷津国務大臣 先生、今第三者委員会、これは名称が長いので、私どもは第三者委員会と申しているのですけれども、この委員会で、水門をあけて調査する必要があるということが起きた場合は、私は、直ちにあけて調査に入ってもらいたい。と同時に、そのために工事を一時中断してもということであるならば、それも考えておりますということであります。

 しかし一方では、長崎県等においては、その工事は続行してくれ、しかも、水門はあけないでくれ、こういう強い意見もあることでありますから、どこまでも第三者委員会でそういうようなものが決められれば、私はやっていきたい。

 しかも、梅雨どきになってまいりますと、あそこはいつまでも水門を閉めておくと水があふれ出まして、大変なことにもなるということもあるんですよ。いろいろなそういう問題がありますから、もしあけるということであるならば、むしろ早くでないと大変な問題になってくるだろうというふうなことも私は思っておりますので、そういうことをきちっとやっていきたいなというふうに思っているところであります。

小沢(和)委員 今私、韓国の始華の干拓事業の例を挙げたのですけれども、この前テレビで見ておりましても、やはりあのあける水門のすぐ近くの漁民は、あけたらどうなるかといって非常に心配して、実際あけたら一時的にはその辺にもいろいろ影響が出たんですね。しかし、何年かたってみたら、今そういうような漁民たちもみんな、ああ、やはりあけてよかった、それで魚も帰ってきたと、これが現実なんですよ。始華と非常に似ているんですよね、諫早湾。(発言する者あり)いや、その点はぜひ考えていただきたい。

 それで、もう時間も迫ってまいりましたから、最後にもう一問させていただきますけれども、政府は一定の金融措置や共済の早期支払いなどを決めておりますけれども、多くの漁民は、ことし秋以降の見通しがつかないのにさらに借金することはできないと言っております。当面の漁民の一つの重要な要求は、働いて現金収入を得たいということです。私は、そのために、漁港やその周辺の基盤整備とか水産振興に役立つ事業、諫早湾再生のための工事などを政府の責任で緊急にいろいろ起こすことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 これで終わります。

野呂田委員長 時間が参りましたので、簡潔な御答弁をお願いいたします。

谷津国務大臣 これも調査の結果といいましょうか、結果が出る前に中間でじゃんじゃん出してもらおうと思っておりますから、そういう必要があった場合はそれもやらなきゃならぬと思いますが、御存じですね、それは今やっていますから、そういうふうな中でいろいろと作業も進めていくというところでもございます。

小沢(和)委員 終わります。

野呂田委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。

 次に、日森文尋君。

日森委員 社民党の日森文尋でございます。

 十九分しか与えられた時間がございませんので、ものつくり大学に関してのみ御質問申し上げたいと思います。

 実は、KSD疑惑、なぜか埼玉でございまして、最初に逮捕されました小山孝雄前参議院議員さんは埼玉県川越市というところにお住みでございまして、きょう証人喚問に出席をされました村上正邦前参議院議員さんは埼玉県志木市にお住みでございます。小山さんが逮捕の契機になったアイム・ジャパン、これの研修施設の一部が実は埼玉県越谷市にございまして、きょう質問いたしますものつくり大学が埼玉県行田市ということでございますので、県民の一人として、どうしても、ものつくり大学について、その建設の経緯あるいはその補助金上積みの経緯、これについてぜひその真相をお聞きしたい、こんなふうに思って質問に立たせていただきました。

 それで、いろいろ質問が出ているので、幾つかまとめてといいますか、絞った点で申し上げたいと思うんです。

 特に、関係六省庁会議、正確にはこういう名称の会議はないようですが、九七年の二月に発足をしたと。この会議は、労働、文部、建設、通産、農水、自治が集まってやられたようですが、実は、大学の設立推進議員連盟の村上会長の招集があってこの会議が始まったというふうに言われているわけです。

 また、この会議の中では旧労働省と文部省が幹事役となってこの会議をずっと運営してきたという話もございますが、まず第一点、これは間違いがないことなのかどうなのか、これをお聞きしたいと思います。

増田副大臣 私も埼玉でございます。

 それでは、お答えをいたします。

 国際技能工芸大学設立推進議員連盟の呼びかけで開催をされたという六省会議は、平成九年二月に開催された会議であると承知をいたしております。先生がお時間の関係を心配なさりますので要点だけで恐縮ですが、また重ねて尋ねてください。

 現在残っている記録では、議員連盟の呼びかけにより六省庁が集まった、このときだけだったというふうに承知をいたしております。この会議の場で、旧労働省からいわゆる職人大学構想に関する検討状況についての説明を行ったと承知をしております。詳細については、残念ながら議事録が残っておりません。

 以上です。

日森委員 これは九七年二月、一回だけしかこの会議はやっていないということなんですね。

 それで、この九七年二月の六省庁会議の中で、実は出席をされた村上前参議院議員が、ものつくり大学、当時はまだものつくりではなくて国際技能工芸大学という仮称だったかと思いますが、この大学が成り立つように文部省から労働省に指導してほしいという発言があった、そういう報道もございました。この真偽についてお伺いをしたいと思います。

河村副大臣 お答えいたします。

 先ほど増田副大臣からも御答弁がございましたが、あの会議でどういう発言があったか、どういうことがされたかという具体的な議事録が不明でございますが、文部省といたしましては、私立大学設立のために一般に必要とされる手続等々を説明したということでありまして、村上議員から具体的に文部省に、労働省に働きかけてどうかというような働きかけはなかったというふうに承知をいたしておりまして、この会議そのものが、大学の設立構想に従って各省の理解を求めたいし、その権限の範囲内で助言等を求められた、このように聞いておるところでございます。

日森委員 その話はなかったということですね。そうすると、文部省は当然労働省にも働きかけをしていない。労働省、旧労働省ですが、労働省の方もそういう話は伺っていませんか。

増田副大臣 お答えをいたします。

 話は伺っておりませんが、ちょっと関係を申し上げますと、旧労働省は、いわゆる職人大学構想に関する検討状況について説明をしたということを承知いたしております。この会合の場で村上元議員が個別具体的にどのような発言を行ったかということは、先ほど申し上げましたように、記録がございません。

 以上です。

日森委員 記録がない、これは各省庁の、当時省庁ですが、官房長がお集まりになった会議、その会議でも記録をとらない、そういう会議であったということなんですね。それは結構です。

 それで、この会議が、一回だけという話はきょう初めて聞いたんですが、招集をされました。その前段として、実はこれも新聞報道で最近明らかになったんですが、労働省の次官、局長クラスが村上さんから接待を受けている。もちろん、その金はKSDから出ていたということなんです。七人いた次官のうち六人はこの接待を受けていて、それが九四年ごろからずっと続けられてきたという報道がございました。

 したがって、労働省の、いわば高級官僚と言っていいんでしょう、こういう方々を村上さんが接待をして、金をKSDから出させて、それは一回や二回じゃなかったようでございますが、そういう伏線があって実はこの会議が成立をして、そこで、一回だけにもかかわらず、一気に労働省が問題提起をする、文部省もその設立に向けての手続について説明をするというふうなことができたんじゃないのか、こんなふうに考えているんですが、この接待をされた事実だとかそういう一連の経緯について、特に労働省は確認をされているんでしょうか。

増田副大臣 お答えいたします。

 前に大臣からもお答えがあったかと思いますが、現在、省内で一生懸命、全部当時の記憶を呼び起こしてもらう調査を続行中であります。(日森委員「記憶ですか」と呼ぶ)ええ。関係者に全部記憶を呼び戻す以外ないというので、真剣に対応しております。

日森委員 中央官庁というところは記録をとらないところだということがよくわかりましたが、記憶を呼び戻す作業というのは大変難しい作業でございまして、きょうの証人喚問でも大分記憶をなくされました証人がおりまして、大変御苦労なことだと思いますが、ぜひその辺はきっちりとやっていただきたいと思います。

 それから、この省庁会議で確認をされたことが、実はものつくり大学の建設に至る大変主導的な役割を果たしていたんじゃないかというふうに考えているんです。

 特に私が今ここで言いたいのは、それまで全国九カ所につくる、例えば佐渡につくりましょうとか月夜野につくりましょうとか、いろいろな意見がございましたけれども、埼玉県行田市にこの建設が決定をしていく、その経緯について、どうも県民の一人としてなかなか釈然としないというところがあるんです。

 実は、聞くところによると、九七年の七月に第二回目の職人大学の視察というのがございました。ラトビア、リトアニアというふうになっていまして、ここはもちろん村上さんも主導的な立場で参加をされているし、それから議連の方々もたくさん参加をされている、その視察なんですが、その段階で既に埼玉・行田市への設置というか建設が決まっていたのではないかという話もございました。

 そこで、行った先でどんな話がされたのかというのはなかなか確認するのが難しいんですが、実は、建設省の職員なども含めて、当時の労働省の姉崎企画官が参加をされているようです。公費で参加をされているようですから、当然復命書などというのは各省庁に出さざるを得ないと思うのですが、姉崎さんから労働省はどんな報告を受けていたのか、報告書が存在するのかどうか、まずお聞きをしたいと思います。

酒井政府参考人 先生御指摘のとおり、我が方から参加をした職員が概要的なことで報告したものを私どもとしても理解をしているところでございますが、それによりますと、これは、ドイツにおいて、我が国と違う形の職業訓練あるいは技能の育成というようなことでございまして、訪問地としましても、アスマンズハウゼン建設業研修センターほか……(日森委員「いや、どんな報告があったのかということだけ」と呼ぶ)

 そこで、視察先において、ドイツのマイスター制度につきまして、いろいろなマイスター制度の運用につきまして、例えば手工業分野におけるマイスター制度、あるいは工業分野におけるマイスター制度、それぞれ、ある程度の詳細な情報を収集してきたところでございます。

日森委員 そこで埼玉に決まったという確証も別にないのですが、実は、その前の月の、視察の直前の九七年六月に、KGSが大学設立本部を設置しているわけです。設置をして、具体的な準備作業に入りましたというふうにKGS自身の経過報告の中に触れられています。

 この具体的な準備作業に入ったというのはどういうことか、具体的な中身は書いてありませんが、建設先がほぼ確定しつつある、だから具体的な準備に入ったというふうに考えるのが自然じゃないかというふうに思っているのです。

 この辺のKGSの動きについて、労働省は実態を把握しているのかどうか、お聞きをしたいと思います。

増田副大臣 当時の記録によりますと、平成九年八月に埼玉県から労働省に対して大学構想について問い合わせがあり、その後、九月に行田市から国際技能振興財団に対し大学構想について話を聞きたいとの連絡があった、こういうことでございます。

 このため、旧労働省においては、大学設立を支援する立場から、当時の担当審議官等が、お話にもございましたが、大学誘致の意思があると認められた行田市に対して大学構想の説明等を行うとともに、埼玉県に対しても説明し、協議を行うなど、国際技能振興財団に対し必要な協力を行った、このように実は理解をいたしております。

日森委員 KGSが六月に準備を開始したということについては御存じなかったということなんでしょうか。

増田副大臣 六月の関係は、できたというのはわかっておりますが、そのときに、準備のことで決まった、しかし、どこにつくる、どうするということは決定をしていなかったと思います。

日森委員 決定がいつどこでされたかということはちょっと後で御報告いただきたいと思います。

 先ほど、埼玉県から九七年の八月に打診があったというお話でございました。ところが、順序がどうなのか、これはちょっと確認をしたいと思いますが、埼玉県の土屋義彦知事は、平成九年、九七年の九月に労働省の担当の審議官の方から、これは名前もわかっていますが、物つくりの技能離れが進み、技術者の不足があるということで、ものつくり大学の建設構想の推進について埼玉県の御協力をお願いしたいという働きかけがございましたと。埼玉県は、労働省から働きかけがあったというふうに議会で正式に知事さんが答弁をされています。先ほどの、埼玉県の方から誘致の話があったというのと若干食い違うのですが、その辺の経過についてはどうなっているでしょうか。

坂口国務大臣 坂口でございます。

 ものつくり大学、この建設の経緯でございますが、埼玉県の行田市に決まった経緯を今御質問でございますけれども、今御質問がございますとおり、平成九年の八月ごろでございますが、これは行田市の方から労働省の方に、一応その内容についてどういうことを考えているのか知らせてほしいという電話があったというのが、労働省が知った一番最初であったということでございます。

 それで、先ほどお話がございました平成九年の九月九日になりますが、労働省の審議官等が埼玉県の副知事さんを訪問いたしまして、埼玉県の意向等をお聞きした、県として検討している旨のお話がそのときにあった、順序といたしましては、そういう順序でございます。

日森委員 わかりました。

 ちょっと時間がなくなりましたので……

坂口国務大臣 済みません、さっきちょっと行田市と言いましたけれども、埼玉県でありました。申しわけありません。

日森委員 埼玉県から要請があって、行田市を紹介したというふうに知事さんが言っていらっしゃいますので、恐らくそういうことだと思います。

 この中身について、経過についてはもう少し触れたいのですが、また後で機会があると思いますので、後にしたいと思います。

 そして、その後、民間資金が足りなくなって、どうも大学建設が危ないという話が出てきたことは、もうこの委員会の中でも何度もお触れになっていると思うのですが、行田市は、これは私どもの保坂委員からも触れていますが、この大学建設が、民間資金六十億円集めなければいけないのに三億八千万しか集まらない、こういう状況の中で、行田の市議会の中でも大変心配する議論がたくさんありました。

 それに対して、行田の理事者の側は、実はこれは国策だから、国の政策でやっている国策という言葉を使っているのですが、国策でやる大学なんだから心配要らないということを前提にして、民間資金の足りない分は国が積極的に面倒を見ること、それを四者協議という場で確認をしている、だから心配要らない、平成十三年四月には必ず開校ができるということを、再三再四、議会で言っているわけなんです。

 実は、その四者会議というのは一体何なのか。その場で国策、国策というのは一体何かというと、国の政策としか辞書には出ていないものですから、昔、国策会社というのがありましたけれども、そうすると国策私立大学というふうになるのでしょうか。よくわかりませんが、いずれにしても、そういう話が出ているのです。

 四者会議というのは一体何か。そこでどんな議論がされて、そこで労働省から、国の関係は労働省だけですから、労働省から、これは国策の私立大学ですという話でもされたのかどうなのか、それをちょっと確認したいと思います。

野呂田委員長 増田副大臣。時間が終了しましたので、簡潔に答弁願います。

増田副大臣 結論を申し上げますが、国が物づくりに関する人材確保、育成策の一環として、ものつくり大学の設立に向けまして予算計上をしていることを踏まえ、恐らく当時の市の企画部長が国策と表現したものと理解しております。国で予算を組んでありましたからそういう理解をしているのだ、このように理解をいたしております。

日森委員 時間になりました。もう少し続けてやりたかったのですが、この問題については引き続き、機会があったら御質問させていただきたいと思います。ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて日森君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明三月一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時三十五分散会




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