衆議院

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第14号 平成13年3月1日(木曜日)

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平成十三年三月一日(木曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び内閣府所管並びに他の分科会の所管以外の事項)

   主査 亀井 善之君

      高鳥  修君    野呂田芳成君

      仙谷 由人君    辻元 清美君

      森田 健作君

 第二分科会(総務省所管)

   主査 自見庄三郎君

      池田 行彦君    久間 章生君

      八代 英太君    生方 幸夫君

      佐藤 観樹君

 第三分科会(法務省、外務省及び財務省所管)

   主査 宮本 一三君

      石川 要三君    塩川正十郎君

      海江田万里君    平岡 秀夫君

      若松 謙維君    中井  洽君

 第四分科会(文部科学省所管)

   主査 細田 博之君

      奥野 誠亮君    田中眞紀子君

      池田 元久君    城島 正光君

      山口 富男君

 第五分科会(厚生労働省所管)

   主査 谷口 隆義君

      津島 雄二君    葉梨 信行君

      岩國 哲人君    白保 台一君

      達増 拓也君

 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)

   主査 北村 直人君

      大原 一三君    谷川 和穗君

      五十嵐文彦君    佐々木憲昭君

      横光 克彦君

 第七分科会(経済産業省所管)

   主査 小林 興起君

      丹羽 雄哉君    牧野 隆守君

      原口 一博君    松野 頼久君

      鈴木 淑夫君    井上 喜一君

 第八分科会(国土交通省所管)

   主査 栗原 博久君

      小島 敏男君    中山 正暉君

      三塚  博君    金子善次郎君

      中田  宏君

平成十三年三月一日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 野呂田芳成君

   理事 北村 直人君 理事 久間 章生君

   理事 小林 興起君 理事 自見庄三郎君

   理事 細田 博之君 理事 池田 元久君

   理事 佐藤 観樹君 理事 原口 一博君

   理事 谷口 隆義君

      池田 行彦君    石川 要三君

      奥野 誠亮君    上川 陽子君

      栗原 博久君    小島 敏男君

      後藤田正純君    田中眞紀子君

      高鳥  修君    谷川 和穗君

      津島 雄二君    中山 正暉君

      丹羽 雄哉君    葉梨 信行君

      牧野 隆守君    三塚  博君

      宮本 一三君    八代 英太君

      五十嵐文彦君    岩國 哲人君

      生方 幸夫君    海江田万里君

      金子善次郎君    城島 正光君

      中田  宏君    平岡 秀夫君

      松野 頼久君    白保 台一君

      若松 謙維君    鈴木 淑夫君

      達増 拓也君    都築  譲君

      中井  洽君    木島日出夫君

      佐々木憲昭君    山口 富男君

      辻元 清美君    保坂 展人君

      横光 克彦君    井上 喜一君

      森田 健作君

    …………………………………

   内閣総理大臣       森  喜朗君

   総務大臣         片山虎之助君

   法務大臣         高村 正彦君

   外務大臣         河野 洋平君

   財務大臣         宮澤 喜一君

   文部科学大臣       町村 信孝君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       谷津 義男君

   経済産業大臣       平沼 赳夫君

   国土交通大臣       扇  千景君

   環境大臣         川口 順子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)

   (男女共同参画担当大臣) 福田 康夫君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当大臣)     伊吹 文明君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      斉藤斗志二君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当大

   臣)           橋本龍太郎君

   国務大臣

   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君

   国務大臣

   (経済財政政策担当大臣) 麻生 太郎君

   国務大臣

   (科学技術政策担当大臣) 笹川  堯君

   内閣官房副長官      安倍 晋三君

   内閣府副大臣       坂井 隆憲君

   内閣府副大臣       村井  仁君

   外務副大臣        衛藤征士郎君

   財務副大臣        村上誠一郎君

   文部科学副大臣      河村 建夫君

   厚生労働副大臣      増田 敏男君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   経済産業副大臣      中山 成彬君

   国土交通副大臣      泉  信也君

   財務大臣政務官      大野 松茂君

   農林水産大臣政務官    金田 英行君

   環境大臣政務官      熊谷 市雄君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    津野  修君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   江利川 毅君

   予算委員会専門員     大西  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月一日

 辞任         補欠選任

  大原 一三君     後藤田正純君

  亀井 善之君     上川 陽子君

  萩野 浩基君     小島 敏男君

  鈴木 淑夫君     都築  譲君

  山口 富男君     木島日出夫君

  横光 克彦君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  上川 陽子君     亀井 善之君

  後藤田正純君     大原 一三君

  都築  譲君     鈴木 淑夫君

  木島日出夫君     山口 富男君

  保坂 展人君     横光 克彦君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十三年度一般会計予算

 平成十三年度特別会計予算

 平成十三年度政府関係機関予算




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     ――――◇―――――

野呂田委員長 これより会議を開きます。

 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房長江利川毅君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田元久君。

池田(元)委員 おはようございます。民主党の池田元久でございます。

 ことしの予算委員会は総理が出席する総括質疑は四日間と、去年よりかは多いんですが、例年よりかははるかに少ない。貴重な機会でありますので、持ち時間は一時間でございますので、簡潔に答えていただきたいと思います。

 財政を中心にお尋ねしてまいりたいと思います。

 総理大臣、森内閣になってから、国債の発行額は合計でどのぐらいになるんでしょうか。――突然ですから私の方から申し上げますと、二〇〇〇年度補正で約二兆円、二〇〇一年度当初で二十八・三兆円、合わせて三十兆円余りになるわけです。

 これだけ借金をするということについて、総理の御感想はどうでしょうか。

森内閣総理大臣 借金というふうに一言で表現されますと、できる限り借金というのはないことが一番いいということになるんだと思います。しかし、日本経済はいわゆる九一年から九八年までのバブルというのが崩壊をいたしましたし、アジア経済が非常に低迷をいたしました。そういう中で、日本の経済を何とかして景気回復軌道に乗せようということで、いろいろな努力をしてきたということだと思います。

 そういう中で、やはり何としても、GDPの大きな部分を占めます消費といいましょうか、そこを何とか伸ばす、つまり、国民の家計部門を元気づけるということが大事。しかし、そのためには、まず民間の景気を、経済をよりよくしていくということになりますから、やはり適切なる下支えをしていく公共事業を中心に、何としても本格的な民間への、いわゆる公需から民需への切りかえ、そのための努力を続けてきた。

 そういう意味では、財政を出動して下支えをしていくという一つの選択はやむを得なかったというふうに私は考えております。

池田(元)委員 感想でありますので、ぜひ、感覚的な印象といいますか、答えていただきたかったんです。

 小渕内閣では、短い期間でしたけれども、八十三・五兆円の国債を発行したわけです。小渕前総理は、世界一の借金王になってしまった、借金を六百兆円も持っているのは日本の総理大臣しかいないと、やや自嘲ぎみに発言をされたんですが、当委員会で去年私が質問いたしましたら、表現が余り適切ではなかったと釈明をされました。借金の重みについては自覚をされておりました。森総理も、ぜひその借金の重みというものをよく自覚していただきたいと、国民の立場から申し上げたいと思います。

 宮澤財務大臣にお聞きしたいんですが、宮澤さんは、大蔵大臣が長かったこともありますが、総理大臣と大蔵大臣に在任していたときを合わせると、百十六兆円国債を発行しております。それに先ほどの森内閣の三十兆円を加えると百四十六兆円ということになります。これはそうですね。これは数字ですからそういうことなんですが。

 宮澤さんは、今回の予算の大蔵原案を閣議に提出した後の記者会見で、大きな歴史で見ると、恐らく大変な借金をした大蔵大臣として歴史に残るだろうと述べたということであります。私はテレビでそのシーンを拝見しておりまして、確かに将来に大きな負担を残したとおっしゃりながら、どこか人ごとのように、責任感もやや薄い感じもいたしましたが、どうなんでしょうか。

宮澤国務大臣 大蔵大臣でも運のいい人と悪い人とありまして、私は本当に大変な借金をしております。

 この間、本当に借金したなと申しましたが、人ごとで申したのではなくて、しかし、日本は日本だけの力がありますから、これで国がつぶれたりなんかはしないんだが、そういう印象を国民に持っていただく必要はないんだけれども、これはしかし、なかなか大変なことですということを申し上げようと思ったわけです。

池田(元)委員 そういう大変な借金を抱えているわけです。巨額の財政赤字を出して、膨大な国債残高を積み上げております。

 きのうも公聴会で話も出ましたが、財政構造改革はどうするのか、本当の大筋の考えを総理大臣からお尋ねしたいと思います。総理大臣からよろしくお願いします。

宮澤国務大臣 最初に私から申し上げます。

 かねてから、財政改革についてマクロモデルのことを申し上げておりましたが、今般、政府の経済財政諮問会議で、正式にマクロモデルの作業に入ることになりました。

 これは、申し上げましたように、財政改革と申しましても、税制、中央、地方の関係、あるいは社会保障等々幾つかの要素がございまして、それらを同時に満足する答えを出しませんと財政改革ができない。一言で言えば負担と給付との関係でございますから、一義的には、マクロモデルをつくってシミュレーションをするということで初めて答えが出る。そのことはもう御了解いただいていますが、これはしかし、やりますと、言ってみればのっぴきならないことになるわけでございまして、国民の負担というものがこれ以上超えてはならないということを仮に前提にいたしますと、それならば給付はどのぐらいにしかならないといったようなことになってくるわけでございますから。

 しかし、これ以外に本当にまじめな解決策はないと考えましたので、マクロモデルをつくることを決定いたしました。数カ月かかると言っておりますから、夏過ぎにはそれができましてシミュレーションをすることになると思います。ただ、そのときに日本の経済が正常に歩いてもらっていることが大事でございますけれども、成長軌道にまあまあ乗っているということになりましたら、そこからそういう作業に取りかかりたい。時間はかかると思いますが、そういう手順で考えております。

池田(元)委員 マクロ経済計量モデルについて初めからお話をいただいたので、その点について私も申し上げたいことがあります。

 マクロ経済計量モデルといいますが、直近で経済財政政策に大きな変更のない現状では、これから申し上げますが、「財政の中期展望」というおなじみのものがありますので、それで大筋明らかになっていると思います。私も、そもそも、財政構造改革法の審議のとき以来、特別委員会等で、このようなマクロモデルをつくるべきだと主張してきたわけです。今ごろになってつくるというのはちょっと遅過ぎる。

 大事なことは、幾らマクロ経済モデルをつくっても、関係の官僚の方も言っていらっしゃるようですが、それ自体は答えを出すわけじゃないのですね。数式に大きな意味はない、そこに入力する政策を決断できて初めて機能する、当然ですね。与件として何を入力するか、政策または政策の幅を決断できますか。一言で答えてください。

宮澤国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、マクロモデルを動かすのは、これは人間が動かしますから、私の申すのは、そういうことでフレームができてしまいますので、恣意的な決断はできない、こういうことを申し上げております。

池田(元)委員 総理大臣にお聞きしますが、森内閣総理大臣の施政方針演説、景気の回復そして財政構造改革についてはこのように述べています。「経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せることが最重要課題である」「さらに、我が国経済を自律的回復軌道に乗せつつ、財政構造改革について、その実現に向けて議論を進めてまいります。」と。

 景気の回復は大事です。特に現在の状況はそうだと思うんですが、総理に基本的な認識をお伺いしたいんですが、景気が回復していくと財政も改善するという認識ですか。

森内閣総理大臣 財政経済の改革というものへの準備の胎動ができるというふうに私は考えております。その動きをさせていかなければならぬだろう、そういうように思います。

池田(元)委員 ところで、この先の財政の中期的な見通しを取り上げてみたいんですが、麻生経済財政政策担当大臣、政府の計画で、日本経済の二〇一〇年ごろまでの中期的な経済見通し、成長、これをどう見ているのですか。

麻生国務大臣 中長期的な経済成長ビジョンにつきましては、平成十一年に「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の閣議決定がなされております。

 二十一世紀初頭に築くべき経済社会というもののいろいろなものがその中に入れてあるところですけれども、先ほど、人が恣意的にとか、政策をきちんとやっていくというお話もあっておりますけれども、そういったようなもので自由な競争とか、今の状況がさらに少子高齢化とか、いろいろなものを全部突っ込んで計算をしなくちゃいかぬところだと思っておりまして、それを実現するために、今後十年程度のあるべき政策、二〇一〇年と言われましたんで、政策の方針のまず前提条件というのが出てきますけれども、その中で、基本的には、自由ということで魅力のある経済条件を整備しないと、規制緩和とかいろいろなものがその中に入っているということですが、それから少子高齢化、人口減少を踏まえて社会保障とかそういったようなものを新しい形につくり変えていかねばいかぬという点、それから環境という点につきましては循環型な経済社会というものを構築していかなきゃいかぬというような中で、そういったものをきちんと満たしながら、世界の中の経済的には主要な国家として世界経済の安定的な発展に積極的に寄与するなどというような形を大体示して、あるべき姿をわかりやすくするために、二〇一〇年の経済社会というものを一応つくり上げております。

 その中に、新しい成長軌道に回復した後の経済成長率につきましては、これが大前提になろうと思いますが、実質約二%前後というものを付し、今の名目が下がっている低い分を逆に名目の方は高い約三%程度のものにし、消費者物価の上昇率は今マイナスがこの数年続いておりますけれども、その点につきましては、消費者物価上昇率は年率二%程度ぐらいというもので大まかに試算をさせていただいておるというのが実情です。

池田(元)委員 要は、最後に述べられましたが、新しい成長軌道に回復した後、二〇一〇年ごろまでの中期的な実質経済成長率は年二%程度になるものと見込まれるということですね。

 それで、先ほど総理にちょっと続いてお伺いしたかったんですが、景気が回復すれば財政構造改革の環境が整うという趣旨のことをおっしゃいましたね。それは、その環境が整う意味は、景気が回復すれば財政状況も改善するという意味ですか。

森内閣総理大臣 冒頭にも申し上げましたように、日本の本格的な景気の回復ということになれば、やはり税の収入が順調に入るということだろうと思うんですね。そのためへのいろいろな努力を今しているというふうにお考えをいただく。

 そこで、財政を再建させるということは、できるだけ歳出を少なくし、それから税もできるだけ少ない方がいいというのは、国民にとってはその方が喜ばれるわけです。これは恐らく財政の再建だろうと思いますけれども。

 財政の構造改革というのは、少しまた私は意味が違うんじゃないかと思いますね。いわゆる仕組みが少し変わってくる。生活様式が変わればやはり家庭にとっても家計の支出部門も変わってくるということだと思うんです。

 そういう意味で、国全体の予算のつくり方あるいは国の税の賄う歳出のあり方、そういうものを、先ほど財務大臣も、地方と国との関係やあるいは社会保障の関係、税のあり方、そういうものすべてを包含して考えていかなきゃならぬということを述べておられますが、まさしくそこのところであって、幸い、内閣府に経済財政諮問会議というのがスタートを今いたしておりますので、ここでそうした問題を議論していく。そのためには、やはり若干の準備も必要、少し時間をかけなければならない。

 しかし、当面は、一昨日にも経済財政諮問会議を行いましたけれども、やはり来年の、十四年度の、少し早いですよ、今は十三年度予算を御審議いただいていますが、十四年度の予算というのはどうあるのか、どういう概算要求をしていくのか、そのあたりが従来と、かなり思い切ったことをしていかなければ財政構造改革への道筋というのは示されないのではないか、今そういう議論をちょうどいたしておるところ、これから具体的に検討に入っていきたい、こんなふうに考えております。

池田(元)委員 総理、よく聞いていただきたいんですが、今の話は財政構造改革の話でありまして、景気が回復すれば環境が整う、景気が回復すれば、そうであれば財政が改善するかどうか、こうお尋ねしたわけですよ、財政収支といいますか。その点、一点だけお答えいただきたいと思います。

宮澤国務大臣 総理のお答えになったとおりだと私は思っているんですが、総理の言われましたのは、景気が回復しますということはプラス成長になるということですから、それだけの税収の増を見込むことができる、国庫としてはそうでございます。ただ同時に、金利が上がるということを考えなければなりませんので、その点で国債の利払いに多少の負担がかかるという問題はございますけれども、しかし、基本的には、やはりプラス成長をして国庫の、あるいは地方もそうでございますが、税収がプラスが見込めるということでございませんと、先々の財政の立て直しというものの一番基礎ができないものでございますから、そういう意味でそれが大事だと言われたんだと思います。

森内閣総理大臣 財務大臣がお話をしたとおりでありまして、まずはやはり国庫をふやしていく、収入をふやしていくということから始まるんじゃないでしょうか。

池田(元)委員 先ほど申し上げましたが、これは「財政の中期展望」。ちょっと体裁が変わりましたが、これは、今麻生大臣がおっしゃったように、このあるべき姿という計画の見込み成長率二%に基づいてこの推計をしたわけです。この中期展望は、予算の提案理由の説明の際出されるおなじみのものであります。財務大臣は最近はお好きでないようですが、これは後で聞きます。財政がこの先どうなるかを示す重要なものです。これは、この先四年間の試算ではあるが、現実にはかなり近いものか、少なくとも財政の傾向をあらわしていると思いますが、財務大臣、簡潔にお答えいただきたいと思います。

宮澤国務大臣 まず、成長は少し、そのとおりいけばなという感じがいたしますが、真実の部分は、仮に成長して税収がふえても、金利が上がるであろうから国債の利払いが大きくなるということと、少子高齢化が避けられないので社会保障の負担はどうしても大きくなりやすい、この限りにおきまして、その数字そのものはともかく、一つの傾向を語っておることは事実です。

池田(元)委員 お認めになったわけでありますが、前に宮澤さんですか、政策努力が入っていないとか、そういうことをおっしゃいましたが、しからばどうか。歳出の重要項目であります社会保障関係費はどうか。この中期展望をひとまず離れて、厚生労働省は、社会保障に係る公費負担はどうなるか、どのように見ているか、お尋ねしたいと思います。

坂口国務大臣 社会保障にかかわります負担でございますが、昨年、厚生省を中心にしまして出しましたもの、それは、二〇〇〇年度で七十八兆円、そして二〇一〇年で百二十二兆円、そして二〇二五年で二百四兆円。これは、社会保障給付費という形で出しますと、現在七十八兆円、そして一〇年には百二十七兆、二〇二五年には二百七兆、若干の数字が違いますけれども、過去のデータをもとにしまして、これを延長する形で一定の条件を置けばこういうことになるということでございます。

池田(元)委員 今、社会保障に係る負担をおっしゃいましたが、この内訳は、同じ資料だと思うのですが、国の負担というのは、二〇〇〇年度は予算ベースで十八兆、二〇〇五年度は二十三兆、二〇一〇年度は二十八兆、いずれもふえ続ける。社会保障の改革で財政状況は改善できないと思うのですが、一言、もう一度お願いしたいと思います。

坂口国務大臣 先ほどもお答え申しましたとおり、過去の社会保障制度を基本にして、その延長線上で考えますと、先ほど申し上げた数字になるわけでございます。これから先、年金、医療、介護等をどのように改革をしていくのかということもあろうかと思いますし、そうした問題を含めて今後検討をしていかなければなりません。

 しかし、高齢化が進んでまいりますことだけは紛れもない事実でございまして、その高齢化率の延長線上、その高齢化率によりますところの増加ということは避けることができないところでございますから、そこについては覚悟を決めて我々はやる以外にないというふうに思っております。

池田(元)委員 社会保障の改革といっても、負担のあり方が中心なんです。むしろ、年金では基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる、そういうことになりますと、国の社会保障関係費はさらに増加するということであります。減る要素は余りありません。

 それで、公共事業関係費についてお尋ねしようと思ったのですが、私は、財政構造改革法のときもそうだったと思うのですが、公共投資基本計画とか十六本の長期計画がありますから、この先数年についても推計があると思ったのですが、ないということでありますので、時間の関係もありますので、これは要するに、公共事業というのは見直しはありますが、大幅にカットする計画はないと私は理解をするんですが、それでよろしいかどうか。扇国土交通大臣、せっかくですから一言お願いします。

扇国務大臣 今先生がおっしゃいましたように、私たち、二十一世紀の幕あけに関して、やはり今までの二十世紀と二十一世紀と、どこをどう変えていくかというのが、我々国会議員、皆さんのお知恵をかりながら私は将来性を展望していくべきだろうと思うのですけれども、例えば今先生がおっしゃいましたけれども、社会資本の整備ということから考えますと、我々の日本の社会資本整備というものが果たしてどの程度達成できているかということに関しては、私はまだ大きなおくれがあると思うんですね。

 何も欧米にまねしようというわけではありませんけれども、少なくとも私は国土交通担当でございますので、港とかあるいは空港とかそういうところから、日本のいわゆる有料道路とかあるいは主要都市に、少なくとも空港、港湾等々から十分ぐらいでそこに到達できるようなという私は基準があるだろうと思うんですね。欧米では、少なくとも空港に関しましては、アメリカではもう十分以内で行けるというのが九八%、そういうことですから、何としてもやはり、まねするわけじゃありませんけれども、せめて日本の物流コストを考えても社会資本整備をやっていきたい、水準を上げていきたいと思っております。

池田(元)委員 これではとても公共事業費のカットなどはできない、そんな印象を受けました。宮澤さんはいつも、公共事業ばかりでなく社会保障をいじるとか、いろいろおっしゃいますが、なかなか難しいことをおわかりいただけたと思います。

 いずれにせよ、「財政の中期展望」は、試算ではありますが、現実離れをした見通しではないのですね。そうですね。この中期展望によれば、実質経済成長率を二%としても、歳出はむしろ国債の利払い費がかさんで税収等でカバーできない、歳出と歳入のギャップが広がるわけです。前は公債金収入というのを別にしてありましたが、今回は中期展望の中に入れ込んでありますが、国債の発行が二〇〇二年度では三十三兆円余り、二〇〇三年度では三十五兆円余り、そして二〇〇四年度は三十八・四兆円と、どんどんふえていく。このような額の国債を発行せざるを得なくなる。つまり財政が悪化することになるわけですが、これは膨大な国債残高があることが原因ですね。

宮澤国務大臣 それで、その中期展望というのは、これではだめですよということを申し上げるための表でございます。

池田(元)委員 これは、二%程度の成長率では、膨大な国債残高があるため利払い費がかさんでむしろ財政が悪化する、つまり、景気が回復してもむしろ財政は悪化するわけですね。そういうことをあらわしていますね、宮澤財務大臣。

宮澤国務大臣 ほっておきましたらということでございます。

池田(元)委員 森総理大臣、どうすればいいのですか。

森内閣総理大臣 長期展望に立ちつつ、また中期の問題点も十分加味しながら、財政再建をそのためにやっていくいろいろな方途を検討していくということじゃないでしょうか。

池田(元)委員 余り意味がはっきりしなかったのですが、これだけのデータといいますか現実、まさに内閣の長としてこれをどうするか。もちろん、景気の回復は大事です。しかし、今やもう制御不能に近い形にまでなっている。成長率を上げても結局財政は悪化するわけですから。どうするんですか、もう一度明確にお願いします。――総理大臣に聞いている。

宮澤国務大臣 先ほども申しましたように、ですから、マクロモデルをつくってシミュレーションをやって、出すものは出す、抑えるものは抑える、給付と負担というものを全体として見なければならないということを、最初から申し上げているわけです。

森内閣総理大臣 ですから、先ほど申し上げましたように、今経済財政諮問会議で、従来のそうした支出の構造ではなくて、改めて、財政というものをどういう形で出動していくか、そしてそのことの準備をしていくために少しモデルをつくっていかなきゃならぬ、これは先ほど財務大臣もおっしゃっていたとおりです。私どももその作業の準備に入りたい、こう思っておりまして、当面は、十四年度の予算編成をどのような形で行っていくのか、そういう中で、不要なものはやはり削減をしていくということになるであろうし、必要なものはもちろん伸ばしていかなきゃらならぬであろうし、そういう中で財政の再建への道筋を鋭意つくっていきたい、そのような準備をこれからしていきたい、こういうふうに申し上げているわけです。

池田(元)委員 私は、それでは遅いと言っているわけであります。

 宮澤財務大臣にお尋ねしますが、先ほど「財政の中期展望」の現実性というものを認められたと思うのですが、宮澤さんはことしの一月、この「財政の中期展望」の公表を嫌がった、避けたかった、その理由は何でしょうか。

宮澤国務大臣 簡単に申しますと、これは勉強しないと落第生になるという表でございますので、政府があたかも落第生になることを認容しているようにおとりいただくといけないな、こういうことでございます。これではいかぬのだということをごらんいただく表でございます。

池田(元)委員 それはやや違うのじゃないですか。何か勉強する要素が入っていれば、このままでは落第生と、そういうことは言えるかもしれませんけれども、先ほどから見ているとおり、社会保障についても何にしても財政が改善する見通しはないわけですから、要は、これを素直に見れば、最初宮澤さんがおっしゃったことが正しい。これがやはり現実の傾向なんですよ。単なる試算としてばかにしちゃいけませんよ。それとも、宮澤さんはそんなことはないと思いますけれども、現実を直視するのがつらいわけですか。

宮澤国務大臣 いや、そうではなくて、こういう現状でございますからこれではいかぬと思っておりますということを申し上げておわかりいただきたいと思っているので、このままでいいというつもりで申し上げているのでは、もちろんございません。

池田(元)委員 これに関して毎日新聞への投書があるのですが、「財務省が国会に毎年提出している「財政の中期展望」に対し宮澤喜一財務相が、やめられないかと事務方に要求したとか」、途中省きます、「財政の危機の現状と将来展望を、国会はもとより国民にきちんと説明し、改革、改善の処方せんを示して実行するのが財務省と財務大臣の仕事ではないか」、このように国民の一人の方、福島県の六十歳過ぎの男性から投書があります。

 こういう声をやはり聞くべきですよ。こういうのをやめなさいとかなんとかというのは、これは全くおかしいと私は思います。素直に出せばいいわけですから。自分だけ賢者だと思うのは誤りですからね、そう思っていらっしゃるかどうかわかりませんが。こういうものはやはり当然むしろ大いに公表すべきなんです、こういう状況にあると。その現実を直視するところから始まるわけですから。

 ところで、ことしは、「財政の中期展望」とともにいつも出る「財政構造改革を進めるに当たっての基本的考え方」という方針が出されませんでした。これはどういうことですか。

宮澤国務大臣 これはもう、財政演説等でるる申し上げてございますから。

池田(元)委員 例年財政演説でいつもおっしゃっていますので、それは余り理由にならないと思うのですが、この基本的な考え方の中には、昨年までは、一番最後の大事なところでありますが、財政構造改革に入る前提として、「我が国経済が民需中心の本格的な回復軌道に乗ることを確認することが必要」であるとしていたわけです。これは昨年来の論争の明確な一兎論だったと私は思うのですが、政府は一兎論の誤りを認めたのではないか、こんな感じがいたしますが、いかがですか。

宮澤国務大臣 イット論というのは何ですか。(池田(元)委員「ウサギ一匹」と呼ぶ)ああ、ウサギ。

 それは私は、やはりこの国会でも、少なくとも成長軌道に乗ったという確認ができませんと、どういう計画をつくっても、自分の歳入がわからないようでは仕方がありませんということを申し上げてございます。

池田(元)委員 いや、我々は、やはり政策の変化とかそういうものには、だれしもそうですが敏感です。例年これは大蔵省が去年まで出していたわけです。これは必ず一緒に出すわけです。重要な文書なのですよ。財政構造改革、これがことしはなかった。この中には、ことしよりもっと明確に、財政構造改革に入る前の前提としての景気回復を言っているわけですが、それがなくなったということは、微妙にあるいは隠微な形で修正したのではないか、こう思わざるを得ないのです。

 政府の対応はまだあいまいです。それは施政方針演説で、経済を自律的回復軌道に乗せつつ、財政構造改革について、その実現について議論を進めていくというふうになっています。そこにあらわれていると思うのですが、まだ議論を進めていくのですか。どうなんですか、総理大臣。

宮澤国務大臣 そういうふうに書きましたのは、先ほどから申し上げておりますように、マクロモデルをまずつくってというようなところのプロセスを、まあマクロモデルとも申しかねますので、そういうふうに表現いたしました。

森内閣総理大臣 ですから、先ほどもちょっと触れまして、また同じことを言うなとおっしゃるかもしれませんが、財政構造改革というのは、一概に歳出カットをするとか増税をするとか、そういうことではないと私は思っているのです。財政構造改革というのは、やはり、社会構造全体が変わったり、あるいは国民の意識改革があったり、そのことによって、従来ずっと積み上げてきた財政の伸びというものが変わったり変化をしたり、そういう見直しというものは必要になってくるだろうということを私は先ほどから申し上げているわけでありまして、財務大臣もおっしゃっておられますモデルをつくってみたいというのも、恐らくそのことだろうと私は理解をしているわけです。そこで、財政構造会議でそのことの準備をそろそろ始める段階であろうということで、議論を始めているというのはそういうことを申し上げているわけです。

池田(元)委員 会議をつくって議論を始めると。いいですね。これまでの日本では、官僚の世界ではよく行われた、官僚主導の政治ではよく行われた、そういうやり方です。この大事な財政構造改革を、議論を進めてまいりますなんというものではないでしょう。先送りですよ。マクロ経済計量モデルは、それは言いわけですよ。マクロ経済モデルをつくらなくても、もう中期展望があるわけですから。それは、橋本内閣のときはなかったんですから。今ごろになって、このコンピューターの時代に、マクロ経済計量モデルをこれからつくって、六月か七月に答えを出すというようなことをおっしゃっていますが、それはそれで、私も前から勧めていましたからおやりになればいいわけです。政治家としてこれをどうするのか、議論を進めていくだけでいいんですか。

 もう一度総理大臣に聞きます。簡潔に答えてください。

森内閣総理大臣 議論を進めることが何か悪いみたいですけれども、議論をしなければ答えが出てこないんじゃないでしょうか。(池田(元)委員「積年のあれがあるじゃないですか」と呼ぶ)いや、もちろん、ですから、今申し上げたように、従来のような流れの延長の中で財政構造の改革をしていくというのは非常にやはり難しい問題があるだろうと思います。先ほど言いましたように、すぐ増税であるとか単に歳出カットであるということは、一概には、なかなかそういう形で一律的にはそういう数字ははじけないだろう、そう思うんです。現に、ことしは公共事業の見直しも思い切ってやったわけですね。あるいは、重点分野として四分野、従来と違った形で予算の優先づけも新しい時代を見通しながら進めてきたわけですね。

 ですから、十四年度の予算というものをこれから検討していく段階において、財務大臣もしばしばおっしゃっておられますが、税制のあり方、それから社会保障のあり方、つまり、これを二つ合わせれば国民負担がどの程度が一番いいのかということの検討もしなきゃならぬ、これも議論じゃないでしょうか。

 そして、その中から、さらにどういう項目を伸ばし、どういう項目が不必要であるならば少しそれは抑制をさせていくとか、そういう議論をやはりしていくということ、議論という言葉がよくなければ、協議になるのかもしれません、勉強になるかもしれませんが、そのこと自体は進めていかなければ、結論は出てこないんじゃないでしょうか。

池田(元)委員 その議論は初めから、ゼロからスタートするんですか。国会でも政府でも、もう橋本内閣以来の積み重ねがありますよ。今ごろ議論を始めるなどと聞いて私はあきれました。私は今の答弁にちょっと失望をいたしました。これだけの緊急事態といいますか、ここまで来たら、これまでの積み重ねがあるわけですから、財政構造改革の道筋を早急に立案すべきですよ、明らかにすべきですよ。先日、自民党の増原さんもたしか同様の趣旨のことをおっしゃったと思うんですが、皆さんそう思いますよ。

 日本の国がどうなるか、膨大な国債残高を抱えた財政がどうなるか、国民の皆さんの不安が増しているわけです。宮澤さんはこれも嫌かもしれませんが、財政赤字を垂れ流している国が支出をふやしても、需要がふえないという非ケインズ効果が現実になったという分析があるわけです。そうですよ。財政構造改革の道筋を明らかにすれば国民の皆さんは安心するわけです。マーケットは歓迎しますよ。どうですか、森総理大臣。

宮澤国務大臣 わかっておっしゃっていらっしゃいますので、くどいんですけれども、中期展望で問題が提供されて、それにどう答えるかというのをこの会議で議論しようと言っているんですから。今までそんな答えは出ているよといっても、数字が出なければこの問題の最終的な解決はできないわけですから。

池田(元)委員 宮澤さんはいつから大蔵大臣なんですか。大蔵大臣をいつからやっているんですか。そんな答えは大変失望しました。あなたが百十六兆もそれから三十兆も国債を出していて、どうしてもっとスピード速く我が国の財政立て直しのために動かないんですか。何をやっているんですか。私は失望しましたよ。だから、閣議後会見でも、大借金をした大蔵大臣として歴史に残るだろうという、そんなのんきなことを言っていられるわけですよ。

 もう既にあるでしょう。小渕内閣のときに、平成十一年二月二十六日、経済戦略会議の答申が出ている。これは、「中長期的に財政バランスが改善に向かう道筋を今のうちに明確に示しておくことが、萎縮した消費マインドの改善や市場の金利上昇懸念を払拭するためにも極めて重要である。」当然のことが書いてある。そして、この後、財政のサステーナビリティーの回復に向けて提言をするとして、「中期的な目標として、「プライマリー・バランスの均衡化による持続可能な財政」を十年程度先に実現することを掲げる。」それで、戦略ステップを三つに分けて書き込まれております。残念ながら閣議決定には至らなかったようでありますが、こういうものがあるわけです。

 森総理大臣、財政構造改革の道筋を早急に明らかにすべきだと思いますが、どうですか。

森内閣総理大臣 ですから、先ほどから申し上げておりますように、財政構造改革への準備を始めなければならないということを申し上げている。それは、池田さんから見れば遅い、こうおっしゃいますが、しかし、やはり日本の経済がきちんと回復して本格的な景気の回復をするということが、つまり健康体になることがまず大事なんじゃないでしょうか。そのために政府としてはやはり景気回復へ軸足をまだ置いているわけでありまして、一兎、二兎といういろいろな議論はございましたけれども、政府としては、やはり健全な税収が国に入る方向、つまり経済成長でいえば二%を求めるための努力をさらに引き続きしていくことじゃないかと思います。

 そして、それを進めながら、一方においては、新たな、中央省庁再編に伴って、民間の皆さんの御意見を入れながら、いわゆる官僚主導ではなくて、経済を現実に担当しておられる民間の方、さらに学者の皆さん、そして関係閣僚が入って今一生懸命議論を始めて、そしてその道筋をできるだけ早く国民の皆さんにお見せできるように努力をしておるということは、ぜひ私は評価をしてもらいたいし、またいろいろとそういう意味では御意見もちょうだいをしたい、こう考えているんです。

池田(元)委員 これまで議論してまいりまして、危機に陥っている我が国の財政、経済をもう森内閣に任せるわけにいかないということにますます確信を深めました。

 さて、残りの時間は連立政権についてお尋ねしたいと思うんですが、果たして森自公保連立内閣は統治能力があるのかどうかという観点からお尋ねをいたします。

 坂口厚生労働大臣、坂口先生は、私が金融国会のときに御一緒に再生法をつくった仲でありまして、大変正直な方で、我々がつくった早期健全化法の採決の際には中腰まで立って態度を表明していただきました。そういう正直な人であると私は思っております。

 公明党の神崎代表が閣僚でないので、副代表でいらっしゃる坂口氏に政党人として聞きたいことがございます。村上、額賀両氏などの証人喚問問題についてですが、公明党の幹事長はテレビなどでやればいいと述べていた。しかし、現場の理事は応じない。また、政倫審の公開問題についても、神崎代表は講演で、額賀氏は公開の場で堂々と釈明してはどうかと述べていたわけですね。ところが、実際、現場の理事は公開論にだんまりを決め込んでいたそうであります。当予算委員会の理事は、協議に応じると言いながら、その後引き延ばして、最後はゼロ回答、だから応じないということを言ったわけでありまして、そんな細かいところで議論はしたくないんですが、このような、テレビなどで一たん前向きなことを言いながら実際には前言を翻す、これは国民にはわかりませんよ。まさに二枚舌と言われても仕方がないんじゃないかと思うんですが、坂口副代表、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 我々は今連立政権に参加をしているわけでございますから、この連立政権を支えていくという範囲の中で発言をすることは当然でございます。

 したがいまして、ここで発言をいたしまして、そのことが非常に一方的なストーリーのもとにだんだんと引っ張られていくということがございますが、同じことを言いましても、我々は連立政権の中でやはり生きていくという立場からの発言をしているわけでありまして、ストーリーは違うということを先日申し上げたわけでございます。

 また、私自身は、先日も申しましたとおり、森総理に任命された一閣僚でございますから、この森内閣の中で最後まで誠心誠意、一生懸命に務めるというのが私に課せられた任務でございます。

 したがいまして、いろいろの人間がおりますから、私の党内もいろいろなことを申しますけれども、しかし、やはりそれは一つの枠内での話であって、よかれと思っての発言であって、うたの文句のことをここで言うのは甚だ失礼でございますけれども、嫌い嫌いも好きのうちという言葉もあるぐらいでございますから、そこは御理解をいただきたいと思います。

池田(元)委員 珍しい国会答弁でありまして、私も初めてです。意味不明、本当に坂口先生の日ごろの発言とは違う口調でございました。大変苦しいということだけはよくわかりました。

 保守党の扇党首、記者会見で、証人喚問という形にとらわれないと思うが、基本的には証人喚問をすべきだと思うとおっしゃられたようでありますが、保守党の現場の理事は先ほどと同様でございまして、つまるところ証人喚問には応じなかった。これはどういうことですか。

扇国務大臣 私ども国会議員は、だれとか、与党だとか野党、すべてを超えて、国民に選ばれ、国民の前にあらゆることを開示していくというのが私は基本姿勢であろうと思います。いやしくも国民の皆さんに疑いを持たれたということであれば、その疑いが、なぜ疑われたという原因はやはり国民の皆さんにも開示していくというのが私は基本姿勢だと思っております。

 ただ、その解明の方法が、あるいは証人喚問がいいのか。かつての証人喚問を見ても、必ずしも証人喚問で、一度やればすべてが明快になったというような事例が数少ない。ほとんど解明されない。それは犯罪としてのものはもちろん司直の手で国民の前に解明されるのであろうと思いますけれども、今回の場合はきちんと、まず議員を辞職するという、まずみずからの姿勢を明快にされて、きのう村上前参議院議員会長が証人に応じられました。

 そういう意味では、我々は、一つのことが起こったときには速やかに国民の疑義を晴らすという手段は、私は証人喚問だけではなくていろいろな場があろうと思いますので、私たちみんながそういう態度をとっていきたいなと思っているという意味を申し上げたのでございます。

池田(元)委員 現場の理事とのニュアンスは大分違うようであります。

 三党の連立政権合意というのもございますが、これには政治倫理とかそういうものは入っていない。スローガン的な項目ばかりだ。失礼ながら、これはまさに、各党の生き残りのための数合わせの連立だと私は言わざるを得ません。

 それで次に、公明党の幹部、結局幹事長だったようでありますが、先月十四日朝、森さんはもうやめた方がいいと述べた。これを手始めに、翌十五日夜には神崎代表と保守党の野田幹事長が会談して、森総理の退陣が望ましいという考えで一致した。十六日には神崎代表が不信任案には必ずしも反対しない考えを明らかにした。これで政界は大変驚いたわけでありますが、その後、十九日には公明党幹部が、流れが完全にできた、首相の名誉ある撤退を考えなくてはならないと述べた。

 私もこういうものを長く見てきましたが、これは本当に驚きました。前に政局ではしゃぎ過ぎという言葉がはやりましたが、まさにそれに当たるのじゃないか。私は別に森さんに加勢をするわけじゃありませんが、連立といっても他党の党首の退陣を積極的に主張する、これは支持者や国民には大変わかりにくいんじゃないですか。そうであれば連立を解消するというのが筋ではないか。坂口先生、簡潔にお答えいただきたいと思います。

坂口国務大臣 マスコミの報道がすべて正しいとは思っておりません。マスコミに出ておりました冬柴幹事長の言葉にいたしましても、本人は、絶対そんなことを言っていなかった、そういう質問を受けたけれども私は答えなかった、そうしましたら質問した方の意見がそのまま本人が言ったことで流れていった、けしからぬ、そういう話がございました。

 そういうことを中心にして私たちは考えてはおりません。

池田(元)委員 余りに反響が多いのでそういう訂正をされたようでありますが、では冬柴さんの話の後の話はどういうことですか。これは公開の席で言っている話ですよ。要するに、不信任案には必ずしも反対しない、それから、流れが完全にできた、これははしゃぎ過ぎですね。これは各党の党内で反発といいますか、それがあるのは当たり前の話であります。

 連立を解消すべきである、これが筋だと私は思うのですが、扇党首、これはやはり、そんな他党の党首の退陣を求めるのではなくて、そうであれば潔く連立を解消すべきではないですか。

扇国務大臣 日本の政治は、ここ十年、国民が一党に単独支配を許さないという選択を選挙によっていたしました。ですから、私は、一党が単独でできないのなら、だれと、どことどういう政策で一致するかという、例えば民主党の、先生のところも、では、政権をとられたときには、民主党単独ではなくて、どことお組みになるかということを私は国民に明示しなければならないと思いますから、政策も何も全部一致であれば党が一つになればいいので、お互いの党の基本姿勢は持ちながらも、ある一点で日本の政治の安定のために連立をしたのですから、私は、今、現段階で解消するに至る何物も見つけることはできません。

池田(元)委員 こういうものが連立と言えますか。これだけ見てくると、これだけざわついてくると、これだけいろいろ出てくると、森内閣は、森自公保連立内閣は自壊作用をもう起こしているわけですよ。統治能力が失われているわけです。

 そして、森さんはきのう何か大阪で、予算委員会をパスしてきたと、その真意はもう時間がないから問えませんが、私は、大事なことは、自壊作用を起こしている、統治能力は失われていると思いますが、森総理、反論されるなら一言お願いします。

森内閣総理大臣 各方面から、温かくも厳しくも、激励やら御叱正をいただいておりますことを心に毎日しっかり締めながら、今何をやらなければならぬのか、これから何をしなければならぬのか、政治家として賢明な判断をしていきたいと考えております。

池田(元)委員 ぜひとも賢明な判断をされるように私も要望いたします。そして、森自公保連立内閣のそれぞれの方が、連立与党を含めて、これはわかりにくい、もっとわかりやすい筋の通った対応をしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

野呂田委員長 これにて池田君の質疑は終了いたしました。

 次に、海江田万里君。

海江田委員 民主党の海江田でございます。これから一時間ばかり質問をさせていただきたいと思います。

 昨日、参議院で村上正邦元労働大臣、あるいは先ほどの扇大臣のお話によると前参議院の自民党の会長と言った方がいいかと思いますが、証人喚問をされました。これは大変国民の大きな関心の集まったことでございますが、森総理はいかがですか。昨日の証人喚問を直接ごらんになった時間はなかったかもしれませんが、恐らく、国民も大きな関心を持っていたわけですから、当然大きな関心を払っていただろうと思われますが、喚問を終えて、現在どんな感想をお持ちでしょうか。

森内閣総理大臣 村上議員の証人喚問は、直接私は拝見をいたしておりませんが、政治家として御自分のお気持ちに正しく述べておられたのではないかというふうに思います。

 ただ、これから司直の手その他いろいろな捜査ということもあるのでしょうし、そういう今日のような状況の中で、私の方から、その証言について感想をこうした場で求めるということは、私は控えなければならぬというふうに思っています。

海江田委員 別に、私が感想を求めたことに控えなきゃならない理由というのは、私は全然ないと思います、これは。別に証人喚問でも何でもありませんし、訴追のおそれも何もないわけでございますから、ここは。

 私は、正直に、やはり国民の大変多くの皆さんが感心を持っていたわけでございますから、そして自民党の前参議院の会長でもありますし、それから何よりも、森総理にとりましては森総理をお選びになったお一人でもあるわけですから、関心を持って当然だと思いますので、一体どういうような感想をお持ちになったのか、そのことをお聞かせいただきたいということでございます。

森内閣総理大臣 今申し上げましたように、別にここが証人喚問でないということはよく承知しておりますが、村上議員が自分の思うこと、またそうした疑いをきちっと国民の前で明らかにするということは大事だということは私は常々申し上げてまいりましたから、きのうはその範囲の中できちんとお話をされていたと思います。それがすべてよく解明されたとか、いや明確ではなかったとかいうことは、これはそれぞれ、人さまざまなそれこそ感想だろうと思います。

 しかし、いずれにしても、これから捜査をお受けになるお立場であるということだけは間違いがないと思いますから、そういう意味で、昨日の証人喚問というものを参考にもされながらさらに捜査が解明をされていくことになる、こう思いますから、そうした場でしっかりと捜査がなされ、そしてしっかりと解明をしていただくということが、私としては希望しているところであります。

海江田委員 感想でございますから、本当に置かれた立場の中で一生懸命前向きに証言をしていたと思うというような評価でもよろしゅうございますし、あるいは、いやいや国民の疑惑というのはもっと深いものがあって、それにほとんど答えていなかったから不十分であるというようなお答えもあると思うのです。どうなんですか。それが全然、全くわからないのです。

 あるいは、今の話しぶりを聞いておりますと、恐らく喚問のとき、そのやりとりを見ていたわけではないということはわかります。それから、余り新聞なども、喚問のところに関して、あるいは喚問を受けてきょうは新聞各紙などでもほとんど社説にその問題を取り上げているようなわけでございますが、それについても余りごらんになっていないんじゃないですか。どうですか。

森内閣総理大臣 大変関心も持っていますし、それから率直に申し上げて、我が党の所属されておられた額賀さんもあるいは小山さんも村上さんもそれぞれ大事な党員の方であったわけですから、総裁という立場あるいは友人という立場で、やはり私にとってはとてもつらい場面であったというのは正直に申し上げていいと思います。ですが、先ほど言いましたように、そのこととまたこれから捜査当局が解明していくということは、これは厳格に厳粛にやっていただきたいというふうに私は思っています。

 感想をそれだけ申し上げると、どうも私の感想は気に入らないようですけれども、まあ、感想というのは幅広くいろいろあると思いますが、私は、そういう意味では村上さんとは随分長い、彼の秘書時代からおつき合いをしておりましただけに、また参議院の改革については、多少私の方から見てすごくやり過ぎだなと思うぐらい、参議院のことについては大変大きな、やはり参議院をよりよくしていきたい、そういう思いで、ある意味では非常に衆議院に対する意識を持ちながら努力してこられただけに、ああした場でああいうテーマで証人喚問を受けなければならぬということは、とても私は見るにたえないと言いましょうか、正直言ってつらかった。

 そして、本当に政治家としてあれだけ努力をされてきた人が、こういう形で最後の国会の場で、職を外れて、そしてああいう場でお話をされなければならなかったということについて、これはすべての国会議員がよくそのことを注視して、そして反省すべきことは反省をしていかなきゃならぬ。まず、みずからそのことについても省みていかなければならぬという、そんなことを思ったというのがあえて感想といえば感想でございます。

海江田委員 ありがとうございます。それを聞きたかったわけでございまして、中身をおっしゃらないで、私の感想に私は気に入らないだろうからというのはちょっと言い過ぎでございまして、私は気に入るも入らないも言っていないわけで、正直にお話をしていただければそれも森さんのお考えだなということで、私はあえてそれに反論をするつもりはございません。

 あと、坂口厚生労働大臣、それから扇国土交通大臣も党が違います。先ほど来、連立だということを主張されておりますので、考え方も違って当然でございますので、きのうの、特に参議院の、扇大臣は同じ参議院でいらっしゃったということもありますので、恐縮ですが、扇大臣の方から先に、それから坂口労働厚生大臣も感想をお聞かせいただきたいと思います。

扇国務大臣 先ほど池田先生の御質問のときにもお答えしましたけれども、私は、国会議員が、与党だとか野党だとかだれとかということではなくて、みずから選ばれた国会議員として、身の処し方、国民の皆さんの前にどのような行動をとるかというのは、すべからく私は同じ条件だと思うのです。

 ですから、自分の身を皆さん方の前で恥ずかしくない行動をしなければならないというのは私も自戒しておりますけれども、きのうのテレビを私も全部ではありませんでしたけれども拝見しまして、私は、あの証人喚問の前にみずから国会議員を辞職するという重みというものを、自分の身に振り返って考えてみましても、辞職をすることの決意の重さというものは、私は、多くの人に選ばれて、なおかつ重責にあり、皆さん御存じだと思いますけれども、参議院の地位向上のためにはやはり希有な国会議員でございました。

 参議院のためには衆議院と渡り合ってでも、与党、野党を超えて参議院の地位向上に努力されたという村上先生の姿というものは、私たち参議院にとっては大きな力でございましたから、そういう意味では、私は、大きな力を失ったと思う反面、村上先生なればこそ即辞職なすって堂々と証人喚問に出るという御決意をされた、表明もされた。

 また、テレビを、静止画像ではなくて動くそのままを映すことも御本人が了解されたということも、国会議員としての潔さというものもお持ち合わせになった先生の態度であろうと思いますけれども、司直の状況に照らし合わせて思い切り表現できなかったことは、村上先生の御性格からしたら大変残念な気持ちだったんだろうなと。出た限りはもっと言いたい、もっと自分から明らかにしたいこともおありになったんだろうなという感覚で見ておりました。

坂口国務大臣 村上前議員の証人喚問につきましては、村上先生が前に労働大臣をおやりになったということもございますし、また、KSDという旧労働省が関係をいたしておりますところの公益法人、それに絡みましての話でございましたから、大変私も感心を持ち、ぜひずっと全体を聞かせてもらいたいというふうに思っておりましたが、途中で、最初の場面だけしか私はお聞きすることができませんでした。あと、新聞紙上等で全体像を拝見いたしまして、明確になったところ、ならなかったところ、やはりこれは率直に、あるなというふうに思っている次第でございます。

海江田委員 今の坂口さんの答弁は、中身に立ち入りましたけれども、まさに明確になったところとならなかったところがあったということで、やはりならなかったところが大切なことで、私どもは、当然のことながらこの衆議院でも証人喚問は必要だと思いますし、それから、私、きのうの証人喚問を聞いておりましてびっくりしましたのは、何か、もみ殻党員という言葉が、隠語ではあるけれども非常に広範に流布していたというようなことが、これは村上証人の口から出てきたわけでございますが、森総理、そのような、もみ殻党員などという言葉を聞いたことがございますか。

森内閣総理大臣 きょう初めて伺いました。

海江田委員 きょう初めてというのは、私が言ったことで初めて聞いたわけですか。そうですか。そうすると、これは実はきのう証言があったわけですけれども、そのくだりというのは全く聞いていなかったわけでございますか。

 やはり非常に、その意味では森総理、それから新聞も恐らくその部分はごらんになっていないだろうと思いますが、新聞にも出ておりますし、きのうも、本当に私にとってみれば大変奇妙な表現でしたのでびっくりしたわけでございますが、これは、自民党に流布をしているということでございますが、どなたかそういう言葉を御存じで、こういう中身だということを説明できる方が大臣の中にいらっしゃったら、恐縮ですが説明していただきたいんですが。(発言する者あり)ない、ないと言っておりますが、では村上さんが特殊に使っておられたんだろうと思います。

 要するに、中身がないということなわけですよ。私らは架空党員という名前をこれまで、名前といいますか表現をしていたわけでございますが、周りはあるけれども、まさにもみ殻ですから、脱穀をしましてお米の部分を除いてしまった周りの部分だけがあるということで、その周りの部分が、つまり会費を、党費を払っているということになるわけでございますから。

 そして、きのうの証言では、少なくとも九八年の分でKSDが獲得をした自分の党員というのは九万人いるということは、御本人がおっしゃっていたわけですよ。そうすると、九万人で党費を計算しますと、大体年間約二億円からのお金が自民党に、まさにもみ殻党員の党費として入っていたということになるわけでございますが、このお金というのは、どうなんですか、やはりお返しになった方がいいんじゃないですか、KSDの会員の皆さん方に。

森内閣総理大臣 たびたび申し上げてまいりましたように、党員の手続は、そうした支部の皆様が党員の募集をされる、あるいはお集めになる。海江田さんからいえば、そうじゃない、自分たちでつくったとおっしゃるかもしれませんが、いずれにしても、そうした支部を経ながら党本部に入ってくるわけでありますので、入党される本部への手続というのは全く瑕疵がないんです。それから、そこでチェックするということは、今までの仕組みでは難しいわけです。しかし、御指摘があったようなことがあれば、これは今後もあってはならないことでありますから、どういう形で入ってきたのか、それを今調査しておるということでございます。

 そして、ただ、これまで党員登録を本部としてはコンピューターに全部入れておりますので、必要があれば、いろいろな通信、新聞、あるいは総裁選挙のあるときなどには投票用紙等をお送りするわけです。そのときは、ノー、あるいは入っていないよという返事はないんですね。ですから、チェックのしようがないわけです。

 したがって、それはそれなりにまた御批判もあろうと思うのですが、しかし、今後、今それをお返しになったらどうかということであって、返してほしいという党員からの要求がある、あるいは支部からあれば、これは私は、お返しをするということの手続はしなきゃならぬだろうということは事務局にも指示をいたしております。(発言する者あり)

海江田委員 まさに今委員席から発言がありますように、本人は、一人一人は、自分が党員になっているのはわからない、だけれども恐らくなっているんじゃないかなということを言っているわけですよ。

 だから、それは今総理がおっしゃったように、調べてみるということは、今だけじゃなくて、これまでも何回かお話しになっていますから、それもやはり言いっ放しじゃありませんで、最初にたしか調べてみるということをお話しになりましてからもう十日ぐらいたっているはずでございます。

 しかも、コンピューターに入っているということであれば、例えば、その中に、新聞報道にありますような徳川家康でありますとか石川五右衛門でありますとか、そういう名前がいるかどうかなんというところはたちどころに、コンピューターをたたいてみればわかるわけですから、いつ幾日までにそういうことをまず明らかにするということは、やはりおやりになった方がいいんじゃないですか。

 調べてみる調べてみるというお話があってからもう十日以上過ぎておりますので、いつごろまでに調べてみるのか、あるいはもう調べておられるのか、そこのところをお話しください。

森内閣総理大臣 そういうお名前の方があるかどうかというのは、別に我が党から出したことじゃございませんので、まあ新聞などにそういうふうに書いてあったということだと思います。

 今、事務局ではいろいろ調査をいたしておりますが、私は今国会運営にすべて専念をいたしておりますので、今党本部に行って、どこまで、どういうふうになったかということを今調べたり、あるいはそれを聞くという時間的余裕がないわけでありまして、できるだけ急いで正確な調査をするようにということを指示いたしております。

海江田委員 別に、森総理が自分でコンピューターの前へ行ってたたく必要もないわけですから。一言事務方に、早くやれ、いつ幾日までにやれということをおっしゃればいいわけで、これはものの一秒か二秒で済むことですから、すぐそれはやる、調べる。それから、そういう架空の党員も、これは不名誉なことですから、別に党員名簿を全部出せなんという話じゃ全然ないわけですから、やはりそういうことも含めて、とにかく厳正な調査をする、直ちに調査を事務方に改めて命じるということを明言してください。

森内閣総理大臣 党内には党内のまたそういう機関がございますから、その機関の皆さんにそういう指示はいたしておきたいと思います。

海江田委員 私は森総理の人柄も十分存じ上げておりますし、それはやはり密室で五人組が総理を決めたとか、いろいろな言われ方をしますけれども、それでもやはり、日本国の総理大臣というのは、今はまさに森さん、あなたしかいらっしゃらないわけでございますし、それはやはり総理として選ばれれば、やはりみんなそれなりの敬意も払わなきゃいけないし、それから、そういう器が人をつくるということもありますので、私はこれは本当に、別に野党だから言うとかいうことじゃありませんが、国民から選ばれた代議士としまして、私は、やはり森さんは一日も早くおやめいただくのが、日本にとって一番いいんじゃないだろうかというふうに思っているわけです。

 それから、きょうの、投書なんか毎日新聞なんかにもありますけれども、日本国憲法第十五条第一項には、公務員を選定し、これを罷免することは国民固有の権利である、こういう条文があるわけでございますけれども、高校の先生が高校の授業で、この条文を含め参政権について取り上げた。その際、ある生徒から出た質問は、支持率九%の森喜朗首相を罷免することはできないのかということだったということがあるんです。

 私どもは、不信任案というものを出して罷免することができるわけでございますが、やはり本当に森総理、この低い支持率の中で、低いといっても、それこそ三〇%だとか二〇%だとかというなら、これはまだ今は理解されないんだということが言えるかもしれませんが、やはり十人に一人いないという状況の中で、御自分の出処進退をどのようにお考えになっているのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。

森内閣総理大臣 果たすべき責任をやはりしっかり果たしたいというのが、私の気持ちでございまして、十人のうち一人しか支持していないというのはどういうエリアで見るか。私は少なくとも、いろいろな会合に出ておりますと、十人中十人が支持してくださっている、そういう会もあるわけでありまして、いずれにしても、御忠告は御忠告として承っておきますが、毎日毎日私は一生懸命、今与えられている職務だけはしっかりやっていきたい。それが国家国民のためになる、そう信じて努力しておるということも、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

海江田委員 これは森さんだったか、前の小渕さんでしたかね。森さんじゃありませんけれども、経済の楽観主義の中で、コップの水をもう半分しかないと考えるのか、まだ半分残っているというふうに考えるのかということは、これは確かに一つの考え方でありますが、九分がもうなくなってしまって一分だということは、これはやはり深刻に考えなければいけない。森さんがお出かけになるところは九割方が支持だということですが、それも本当かどうかわかりませんね。

 つい一昨日ですか、たしか森総理は、堀内さんが文芸春秋の受賞をされまして、大変いい論文をお書きしまして、読者賞ですか、そしてその中で堀内さんは、森総理がお見えになる前に、名分を明らかにすべきだということを言ったと。私は久しぶりに本当に名分といういい言葉を聞いたと思うんですね。もちろん森総理は御案内だろうと思いますが、名分というのは、人にはそれぞれ身分や立場があるけれども、その身分や立場によって守らなければならない道義的な責任があるという言葉でございますね。

 だから、そこへ森総理は行って、そこでお話をされて、会場がばっと沸いたということだそうですけれども、森総理がお見えになる前は、その場所でもってまさに堀内さんが、人はそれぞれ名分を守らなければいけないという大変いいお話をされて、恐らくそこにいた人たちはみんなそのように感激をしたと思うんですね。こういう言葉を聞いてどうお思いになりますか。

森内閣総理大臣 私は、堀内さんが政治家として大変思い切った書物をお出しになったということで、御尊敬も申し上げておりましたし、また、お人柄も大変私は好きな方でもあるので、素直な気持ちでお祝いに行きました。その前、堀内さんがどういうことをお話しされたかということもちゃんと私は耳にしておりました。しかし、それはそれ、これはこれだと思います。そういう表彰を受けられた堀内さんに対して、心から敬意と祝意を表しに伺ったというだけのことであります。

海江田委員 まさに総理というのは、御自分でやめる気にならなければなかなかそう簡単にやめさせることができるものじゃないわけで、またそのようにできているわけですよ。

 私はそれでいいと思うわけですけれども、堀内さんがおっしゃったまさに名分ですとか、あるいは私も比較的中国の古典なんか好きですからよく読みますけれども、昔、韓非子という人がいて、これは法家でございますから、大変厳しい、法律によって人を裁いていこうということを秦の始皇帝の時代にやったわけですよね。だけれども、そのときも、法は士大夫に及ばずといって、いわば知識階級の人にはその法律を適用しないよ、それは何となれば、その知識階級の人たちというのはまさに自分の身の処し方を知っているからだということがあるわけですよ。それがあるから、法律を適用されないわけですよ。

 だから、そこのところで、まさに日本国の総理大臣というのは士大夫なわけですから、やはりそういう士大夫としての毅然とした自覚を持っていただいて、総理も時々教育勅語なんかを引用されますけれども、その教育勅語にあらわれている言葉だとか何かだとか、一番根本のところは、やはり東洋的な身の処し方だとかそういうものがあるわけですから、そういうことに基づいて、本当に身の処し方というものは自分自身が深く心に期しているところがある、今は言えないけれども自分は自分なりに考えているところがあるというようなことはやはり一度おっしゃる必要があるんじゃないですか、どうですか。

森内閣総理大臣 御忠告、本当にありがとうございます。

 中国には、ならぬ堪忍するが堪忍という言葉もございます。

海江田委員 そんなのは聞いたことがないんで、それは日本の中国地方じゃないですか。私は聞いたことがありませんがね。

 前に、これは橋本総理にお話ししましたように、四面楚歌、きょうの新聞を見ましても森総理は四面楚歌だという言葉も出ているんですね。

 あの四面楚歌というのは、もともと項羽と劉邦の戦いで、漢が劉邦で項羽が楚の国なわけですよ。四面楚歌だから、本当は周りが全部、自分を取り囲んでいる敵から自分のふるさとの歌が聞こえてくるということで、まさにそこで彼は絶望して、そして、その日の夜寝つかれないのでお酒を飲んで、虞美人のことを虞や虞やなんじをいかんせんと言って、翌日の朝、垓下というところで垓下の戦いというのをやって、本当はそこへ船が一そう来て、烏江というところで、川を渡るところで、本当は村長が船を準備して、あんたこれで逃げなさい、これで逃げれば自分の本拠地に帰れるから、そこでもう一回旗上げをしたらどうですかということを言って助け船を出すんですよ。

 だけれども、そのとき項羽は、そうは言うけれども、私は、この江東の地から八千人の子弟を連れて中原に攻め上がっていった。だけれども、今それが、戦いに敗れて、志が破れて、八千人のうち全部死んじゃった、全部殺しちゃった、自分は連れて帰る子弟がもう一人もいない。だから、自分はもう何の面目があって国に帰ることができようかと言って、そこで騅という馬をその船頭にやって、そして自分は徒歩でおりていって、しかも、自分の知った敵がいたものだから、その敵のために、敵に恩賞を与えるために、自分で首をはねて死んだわけですよ。今から二千二百年前の話ですがね。

 やはりそういう情というものが必要なわけで、そういう出処進退というのは必要であって、それを何か、ならぬ堪忍するが堪忍とかいうような話じゃなくて、私はまさに今敵ですけれども、私に首を与えるぐらいの思いやりがあってもいいんじゃないですか、どうですか。

森内閣総理大臣 いろいろお説はよく承りました。

 先ほど申し上げておりますけれども、私は、果たさなければならぬ責任がたくさんございます。ですから、今私の、これは私の判断ですよ、海江田さんはそう思っていらっしゃるかどうかは別として、四面楚歌のそういう状況ではない、私はそう思っております。

海江田委員 どうですか、責任を果たすのはいいんです。責任を果たした暁には自分の身の処し方は知っている、それくらい言ってもいいんじゃないですか。

森内閣総理大臣 それは余計なことだと思います。

海江田委員 といいますのは、今のはちょっと中国の話ばかりしましたけれども、実は欧米人の間でも、エコノミストという、これは恐らく宮澤さんや橋本さんがよく読んでおられる雑誌でしょうけれども、二月の十日号、ここにございますけれども、「ホワイ・ジャパンズ・モリ・マスト・ゴー」という、なぜ森政権は続くのかあるいは続かなければならないのかということの中で、これは本当に多くの世界の知識人が読んでいるわけですけれども、やはり森政権が続くということは日本の政治的無気力が続くことで、これは日本の危機が続くことになるというようなことを書いているわけですよね。

 世界が、森政権が続くということが日本のためにならないんだ、森政権が続くことはまさに日本の危機だ、こういうような認識を持っているということにもやはりそれは耳をかさなければいけないと思うんですが、いかがでしょうか。

森内閣総理大臣 そうしたお考えがあるのかもしれませんが、そういう外国の皆さんは何の資料をもとにそういうことをお書きになっているのか、原典もあるんだろうというように思っています。

 私は逆に、私が今果たさなければ日本の将来はない、私は毎日毎日、今すぐ即効的に答えが出てくることもあるでしょうけれども、少なくとも、五年や十年たって、これからの十年、私は、いわゆる二十一世紀の最初の十年が大事だ、こう申し上げてきた。その十年のために幾つかの施策を講じておくということが私に与えられた責任であって、長きをもってとうとしとすると思ってもおりませんし、一つ事をなし遂げたから自分がかわってどなたかにお願いするということでもないと思う。やれることだけはきちっとやる、日々毎日努力をする、そのことが私に与えられた、よく使う言葉でございますが、天命だと思っております。

海江田委員 あともう一つ、これもアメリカのワシントン・ポストなんですが、きょうの新聞に随分大きく書かれていて、きのうの当委員会でも質問がございましたけれども、リチャード・コーエンさんという、この方は大変に高名なコラムニストなわけでございますけれども、アメリカの原子力潜水艦と日本の練習船との、まあ衝突というよりまさにアメリカの原潜が日本の練習船を撃沈したわけでございますけれども、これに絡んで、アメリカはもう十分に謝罪をしたじゃないだろうか、これだけ謝罪をしたのに何で日本はその謝罪を受けとめてくれないんだと。南京の事件で謝っていないじゃないかとか、慰安婦の問題でも謝っていないじゃないかとか、そんなようなことまで言われるようなことになってしまったわけですよね、これは。

 このワシントン・ポストの記事について総理はどういうふうに思われますか。

森内閣総理大臣 今回の事件が起きて、やはりアメリカの国情、それから日本の国民の感情、そこに大きな違いがあるということを私は当初から大変心配を実はいたしておりました。こうした悲惨な、あってはならない事件と対比するわけにはいきませんが、これまでも日米間でいろいろありました。経済摩擦もございますし、政治的な摩擦もございました。そのときに、その国の持っております文化性、あるいはその国の国民が持っておる感情、あるいは価値観とでもいうんでしょうか、これはやはり最後のところには違いになってあらわれてくるんですね。

 ですから、できるだけそういう問題にならないようにするためには、政府ができるだけその中に入って、そして、犠牲をこうむられた方々、その御父兄や関係者の方々の立場に立って、政府から現地に赴いている者は、そういう皆さんの立場に立って強くアメリカ側と交渉したり、話し合っていく。この姿勢は貫くように、最初にすぐ、十日の日の午後から出ました桜田政務官、あるいは途中で参りました衛藤副大臣、途中で望月政務官にかわりましたが、望月政務官、あるいは私も含め、河野外務大臣、防衛庁長官すべて、アメリカ側といろいろなお話をしていく中で、そのことをいつも念頭に置きながら、犠牲をこうむられた皆様のお気持ちだけはしっかり体して、その皆さんのお話がしにくいこと、その皆さんが言ってほしいと思うこと、疑問に思っておられること、遺憾に思っておられること、そのことをかわって代弁をしていく、そういう姿勢を私どもはやはり貫いていくべきだ、こういう指示を、私は、それぞれ、外務省その他関係の省庁には指示をしてきました。

 ですから、長くなって恐縮ですが、例えばアメリカ流の考え方からいえば、あの深いところで掘るというのはなかなか大変なんだというふうに、ある意味ではあっさりとそういう答えを言う方もあったようです。しかし、それでは日本側は、御父兄のお気持ちを考えて、あそこに深海船を潜らせて、そして調査しましょうよ、それはできないんだろうかと。

 私はもう十二日の朝には、桜田君からそういう連絡が参りましたので、すぐ町村文部大臣、伊吹担当大臣に申し上げて、日本にそうした深海調査のすばらしい船があるんだから、もしアメリカができないと言うのなら、直ちに日本が持っていったらいいよ、その準備もしたらいい、十二、三日かかるということでしたから、それでは一遍分解して、そしてカーゴに載せていって向こうで組み立てるという方法だってあるんじゃないのかなということなどまで指示をし、あくまでも日本で、船底まで見るよということを強く言いましたら、アメリカも、自分のところにそういう調査するものがあるということで、調査にかかったということであります。

 ですから、一々申し上げませんけれども、そうしたことがこの十日から以後、随分ございました。その都度、日本の考え方、日本人の考え方は当面強く出していくということだと思う。しかし、アメリカも、大統領を初め、今、海軍大将も見えていますけれども、とにかく、遺憾であったこと、自分たちに非があること、謝罪をしているということ、これは確かに、従来にないぐらい絶え間なく、いろいろな形でおわびをされているわけです。

 おわびがあったからそれでいいというものではないと思いますし、そういう中に、日米間の何か大きな不信感のようなものが出てきてはやはりいけない。そこはまた政府も十分そのことを考えながら、何とかして、今、御父兄の皆さん方が求めておられることを解決でき得ないだろうか、まずそのことをやり遂げられないだろうか、そのためにぜひアメリカ側にも協力してほしい、これは日本人の価値観なんだからということで申し上げているわけであります。

 また、御指摘どおり、ワシントン・ポスト等では、これはアメリカの形の文化性というか、アメリカ製の考え方の価値観で述べられている点もあるんだろうと思いますけれども、アメリカの皆さんのお考え、すべてこうであるというふうに私は思っておりません。

海江田委員 ただ、このワシントン・ポストでありますとか、それからエコノミストのところで、私はさっき引用しませんでしたけれども、実は、私が気になっておりますのは、いいですか、新たなナショナリズムですとか、そうした中で、守勢で後ろ向きの新たなナショナリズムの台頭の兆候がある、中国からの輸入規制を求める保護主義が高まり、対外強硬路線の支持もふえている、また、正常な民主的政治だとか政策論議の範囲内だが、日本が普通の国でなくなる危険性が募っているとか、そういうふうにやはり見られているんですよ、これは。

 そこのところが大事なところだったんですが、では少し変えまして、ただ、森総理に一言言っておかなければいけないのは、やはり初動のところのいろいろな問題点が今度のえひめ丸事件の問題では影を落としていることは事実なんですよ。私は、そこは截然として区別をしなきゃいけないと思っているわけですけれども、何か森総理に対する、これは批判という言葉をあえて使わせていただきます、それのようなものと、それから、もしアメリカの原潜の問題とが一緒になってしまっていたら、これはやはり日米関係にとって大変不幸なことですから、そういうこともお考えをいただきたいということで言っておるわけです。おわかりになりませんか、そこのところは。

森内閣総理大臣 おしかりをいただくかもしれませんが、私も政府も、初動のところで誤った対応をしているとは思っておりません。これは、私はきちんといたしたと思っています。

 ただ、私が最初に聞いて、そこで連絡をしていた場所が、なかなか国民の皆さんから理解を得られない場所であったということでおしかりをいただいているというなら、そのことについて私はおわびしましょうと申し上げているんです。

 しかし、そのことによって対応がおくれたとか、アメリカとの関係にそごを来したとか、これは絶対にありません。もしあったら、何だということをむしろ説明してもらいたい。そのことだけ私はきちっと申し上げておきたい、そう思っています。

海江田委員 私がお怒りになるかもしれないがと言って、森総理がお怒りになっておるわけでございますから、これは逆でございますが、私は別に怒りません。それは総理の言い分として、何度も私も聞いたこともありますから。

 だけれども、そういうふうに受けとめている人たちもいるということは、私は、少し総理の腹の中に入れておいていただきたいということでございます。これは何も、九割そういう人がいるなんということはさらさら言っておりませんからね。何割かはそういう人もいるということは、どこかに入れておいていただきたい。度量の広い、大きなおなかの方でありますから、その片隅に入れておいていただきたいということであります。

 それから、財務大臣、きのう日銀が公定歩合の引き下げをやりましたけれども、日銀の公定歩合の引き下げについて、どういうふうにお考えになりますか。

宮澤国務大臣 総裁が談話で言われていることに尽きると思いますけれども、二月九日に前回の政策を出されてわずか二十日ぐらいでございますので、事態の緊急性を認識されてとられた措置であろうというふうに考えています。

海江田委員 もう本当に時間が余りありませんので、少しはしょってお話をさせていただきます。

 私は、やはり今景気が、特に年が改まりましてからかなりブレーキがかかってきたんじゃないだろうか、主に、アメリカの景気後退なども大きな理由になっておりますけれども。政府は、新しい年度は一・七%の実質成長ということを置いておりまして、その前になることしの十二年度、一・二%という数字を置いているということでありますね。

 この一・二%が本当に、果たして達成できるのかどうなのか。七―九月のGDPがマイナスになりましたし、これで一・二%を達成するためには、十―十二月と一月―三月がそれぞれ〇・四ですか、たしかそういう数字も出てきたと思いますが、これは本当に達成できるんですか、どうですか。

麻生国務大臣 一・二%の件につきましては、今御指摘のありましたように、〇・四、〇・四というので、単純計算するとそういうことになるんだと思いますが、その数字どおりいくかどうかは別にして、十―十二の方の〇・四の方がきつい。残りの一―三の方が高いと思ってはおりますけれども、結論としては、一・二に最終的には行くという感じを今でも持っております。

 厳しいとは思いますよ、はっきり申し上げて。今年度の初めのころの民間のを見ますと、最大値で二・五、最小値で一・一、平均値で一・九が民間のいわゆるQEの見通し、民間の見通しは、大体七―九の見通しをとると、みんなそういう数字に上がっておりますので、それに比べれば政府の方が厳しい見方を当時からしておりましたけれども、いずれにしても、今年度当初、楽々一・二は行くと思っておるほど楽ではないことだけははっきりしております。

海江田委員 最初はたしか一・一だったのを、堺屋長官がわざわざ一・二に直したというような経緯もあるわけですから、それから、もちろんここが発射台になって十三年度の成長率に大きな影響が出てくるわけでございますからね。

 これ、どうなんですかね、私どもは予算委員会で財務大臣の所信の表明も聞いていないわけでございますが、本会議でやった財政演説でありますとか経済演説でありますとか、そういうのを聞いておりましても、かなり楽観的なといいますか、民需が順調に推移をしているからあとはどうやったら個人消費に点火できるのかとか、あるいはデフレスパイラルについては、平成十年の十一月に決定した緊急経済対策でデフレスパイラルに陥りかねない危機的状況からの脱却に成功したとか、非常にはっきり書いているわけでございますが、まさに日銀の昨日の公定歩合の切り下げも、かなりデフレの危機といったようなものに対する配慮もあると思うんですが、ちょっとこれは楽観に過ぎやしませんか。今さら書きかえをするなんということはできないわけでございますが、どうですか。ニュアンスが、少し変えた方がいいとか。

麻生国務大臣 予想よりアメリカの経済の下落が大きかったという点は、当初の予想とは非常に大きく違ってきておる要素だとは、私ども率直にそう思っております。

 ただ、先ほど名前が出ておりますグリーンスパンという人の話を見ましても、この人の対応というのを見ても、これはどう考えても、バブルと言われたアメリカのあの経済を、つぶすというのではなくて、少なくとも緩やかなソフトランディングというのを目指しておりますし、また、彼の手腕に負うところも大きいんだとは思います。今言われたようなところを勘案していろいろ投資家というのは動くんだと思いますけれども、私どもとしてはその手腕に期待しているところも大きいことは認めますけれども、厳しい状況であるということは、率直に私どもそう思っておりますが、一・二につきましては、最終的には三月末、達成できるのではないかというように考えております。

海江田委員 あと、ことしの予算で際立っておりますのは、公共事業費が前年比十二億円と、非常にわずかではありますけれども、やはり上回っている。これとは別に三千億円の予備費があるわけでございますけれども、昨年の衆議院の選挙は、実は私ども民主党、特に都市部の民主党の議員というのは、こもごも私どもは、むだな公共事業を削ろう、そして財政に配慮しなければいけないというようなことを訴えてきたわけですね。

 先ほどの池田委員の質疑の中でも出ましたけれども、朝日新聞が去年世論調査をやったら、もうそろそろ財政の健全化ということに心を配らなければいけないというのはたしか七六%ぐらい。これは一般の人ですから、片一方でもちろん生活実感で景気が悪いということもわかりつつでありますけれども、だけれども、それと同時に財政の健全化に対して気配りをしなければいけないという人たちが七六%ぐらいいたというようなこともあって、私どもは、その意味では、むだな公共事業は削って、そして、もちろん失業だとかなんだとかという問題に対してはきちっと雇用対策の方で手当てをしなければいけない。だけれども、歳出の構造を変えていく上でも、むだな公共事業を削ることが今の日本にとって大事なことだよというようなことを言ってまいりました。

 その選挙が終わった後、当時の野中幹事長は、たしか二百七十二の公共事業についてこれを中止するということを言った。当時言われておりましたのは、この二百七十二を中止することによって、将来の事業費、今の事業費じゃありませんけれども、将来の事業費で大体二兆六千億円ぐらい削減になるんじゃないだろうかというようなことも言われていた。

 ですから、これは将来の事業費ですから、この二兆七千億がどのくらい毎年毎年の予算に計上されているかなというようなこともあるわけでございますけれども、それにしても、やはり私は、少しここのところは減るんじゃないだろうかなというふうに思っていたわけですよ。そうしたら、総額はほとんど同じで九兆四千三百五十二億円、今年度が九兆四千三百四十億円ですからプラス十二億円ですが、そういう公共事業の予算が出てきた。

 しかも、一番その中で目立ちますのは、これはまた森さんのところへやってくるわけでございますが、最近は我田引水じゃなくて我田引鉄なんという言葉があるように、新幹線鉄道整備事業費が七百五十億円計上されていますね。平成十二年度が四百四十一億円ですから、三百億円プラスになっている。

 この七百五十億円のうち、内訳を見ると、日本新生枠が二十億円ぐらいですか、入っているんですね。この七百五十億円の中身を見ますと、たしか通常分が三百二十五億円、それから日本新生枠が二十億円、生活関連枠が四百億円、こういう内訳になっておりますね。生活関連枠も若干牽強付会かなと思うわけでございますけれども、どうも腑に落ちないのは、日本新生枠で二十億円というのは、これはどうしてですか。

宮澤国務大臣 公共事業のあり方については、海江田委員も、また皆様も非常に御批判がずっとありまして、いろいろな反省をしております。今度の場合は、今おっしゃいました新生の四つで、合わせまして三兆九千億円ぐらいございますから、おっしゃいます九兆四千億のほぼ四〇%ぐらいそこへ集中させておりまして、かなり苦労をして前向きのものを取り上げつつありますことは、ごらんいただきますとおわかりいただけると思います。

 それで、新幹線のことでございますが、従来、率直に申しまして、財源をきちんとせずにどうするこうするという議論がいろいろございましたので、それはそれこそ資源、資金のむだ遣いになりやすうございますから、このたび改めまして、これから将来に向かって財源をきちんとするという決定をいたしまして、そのベースになりますが、七百何十億でございます。

 その上で、これだけのものを十二年ぐらいの間に処理しようということをいたしたわけでございます、そうでありませんと三十年ぐらいかかることになりますから。新幹線というのはそれ自身非常に必要なものだと考えておりますから、したがいまして、きちんと財源を配賦した上でこの事業をいたそう、その範囲はこれだけということを先般決定したわけでございます。もちろん、そのために生活関連枠が入りましても、一向にそれは差し支えないと思います。

海江田委員 生活関連枠というのは比較的幅広ですから、これはわかるんですよ。だけれども、日本新生特別枠というのは、これはまさにIT革命の推進、環境問題への対応、高齢化への対応、都市基盤整備、一応その他というのはありますけれども、このうちの、これもそれぞれ金額がついているわけですから、整備新幹線の日本新生枠の二十億円余りというのは、この日本新生枠のどこに入るんですかということをお尋ねしているんです。

宮澤国務大臣 それは調べますとわかりますから、ちょっとお時間くださいませ。――それでは主計局長から。

野呂田委員長 主計局長は登録されていないそうですので、財務大臣お願いいたします。

宮澤国務大臣 失礼いたしました。それでは私からお答えいたします。

 最後の都市の部分、都市の安全性、利便性、競争力の向上に資する基盤整備の中に二十億三千百万円計上しております。

海江田委員 都市の整備と言ってしまえばそれまでなんですが、御案内のように、今度の整備新幹線というのが、まさに、北陸新幹線、長野―富山それから石動―金沢ですか、それから東北新幹線、それから九州新幹線ですね、新八代―西鹿児島、博多―新八代ということになっているわけで、これをつくっても本当にどれだけの経済的な効果が上がるのかというのは甚だ疑問なわけですね。

 総理は石川県の出身でありますが、今はもちろん、主にほとんど飛行機で行ったり来たりになりますよね。ここで果たして本当に北陸新幹線、しかもフル規格のができて、どうですか。いろいろ運賃だとか時間、調べてみましたけれども、これは恐らく長野に行って、長野から入っていくことになるわけですから、その意味では、距離は短縮はされるわけですけれども、飛行機で二万円ぐらいで行けるわけですから、一時間弱、まあ待ち時間だとかなんだとかを含めましても二時間ぐらいで行けるわけですから、新幹線ができたって、東京の人たちがこの新幹線を使って金沢に行くとは到底思えないんですけれども。一石川の住民として本当に、東京に住んでおって、まあ今は世田谷の住民ですけれども、これは使いますか、できて。

森内閣総理大臣 これは扇大臣にお答えいただくことがいいかと思いますが、たまたま私の名前が出ましたから。

 整備新幹線ということだけで余り御議論をなさらないで、ぜひ一遍私はあなたと議論をしてみたいと思いますが、やはり将来の総合交通体系というものを考えてみなきゃならぬ。現に今、羽田周辺、成田周辺を見ましても、制空権の問題でいうと、ある意味では過密状況になっているわけですね。そういうことを考えますと、外国の路線というのはできるだけやはり受け入れる方向でいなきゃならぬ、国内線をできるだけ整備していくというのが一つの方向だろうと思います。

 今御指摘ありましたけれども、東京と石川県の小松空港というのは今十一便ございます。それでも大体七割ぐらいで黒字だと言っていますね。大変お客が多いんですね。ですが、端的に言えば、新幹線ができれば恐らくこの便は相当削減されると思いますね。現に新潟―東京、あるいは、三塚議員いらっしゃいますが、新潟―仙台もかつて大変利用率の高い便だったけれども、新幹線ができてから仙台―東京はなくなった。逆に言えば、仙台と四国とか仙台と九州ラインが出てきて、日本は多面的にいろいろな形で交通体系が組めるわけだと思いますね。やはりそういう議論展開をする必要がある。

 飛行機だけにすべて二十一世紀の高速体系を依存すると、私は大変な事態が起きるだろうと思う。これは当然、いわゆる環境の問題もありますね、ガソリンの問題もありましょう。ですから、そういうことを考えますと、やはり一番環境によくて効率的なのは鉄道だという答えは、これは専門家から出ています。ですから、秋田であれ山形であれ、ミニ新幹線も大変いい数字が営業成績として出てきているところです。

 さてそこで、今長野までやっていますね。これが、今既に投資をして上越まで行きますね、日本海。これは決められて工事しています。これだけで試算すると赤字になるんですよ。しかし、これを富山ないし北陸まで持っていきますと黒字になる。しかも、これは私が言うだけじゃなくて、プロが調べても、民間のいろいろなシンクタンクが調べても一番いい数字が出るんですね。ということを考えると、今整備新幹線というのは逆に、国に対して税を納める意味では非常に、年間一千億近い大きな役割を果たしているということも考えますと、総合的にやはり考える必要が私はあると思っております。

 今回、この予算編成のときに、何か順番がたまたま北陸方面になったもので、私が何か我田引鉄だなんて随分マスコミにしかられたけれども、これはもう何十年このことを進めてきたプロセスの延長線にあるだけの話であって、それでは民主党の皆さんはこれは反対なんですかとお尋ねするとどういう御判断をなさるんだろうか。あるいは、自由党の皆さんは反対なんですか。

 ですから、こういうものは短絡的に考えるのじゃなくて、これまでの長い間の経緯、そしてその中でできるだけかつての国鉄のようにしないということ、そして在来線の見直しもしていこう、そういう総合的なやはり計画を進めていくということが大事な視点ではないかな。余計なことでございますが、私はそのように考えているんです。

海江田委員 それは今、長野からこっちへ持ってくれば赤字が黒字になるというような話もありましたけれども、これはどうも、JRも余りこの種のデータ、特に長野の新幹線のデータというのはないんですよね。ミニ新幹線は本当に利用者が多いというのは聞いておるんですけれども、長野がどうなっているのか。それから、現在は赤字ですけれども、それがつながったら、本当におっしゃるような黒字に転じるものかどうなのか。やはり費用対効果のところ、ここはきちっとしたデータをこれから出してもらわなきゃ私はいけないと思う。

 今総理は、いや黒字になるんだということを確信を持って言っておられたけれども、本当にそうなのかどうなのか。これはぜひ資料としてお願いをしたいと思います。

 それから、本当にもう時間がありませんので、きょうは橋本前総理にもお出ましを願っておりますが、橋本行革担当相は、去年の十二月ですか、総理をやっておられたころの行革のメンバーを集めて、どうも財投の機関債が全然少ないじゃないか、三十三法人のうち二十法人で一兆円ぐらい、当時はまだ金額は入っていなかったですけれども、もっと低い、とにかく少な過ぎるんじゃないかということをおっしゃられたということですが、どういう趣旨でおっしゃられたのか。それから、確かに今度の予算の中に入っている金額を見て、どういうふうにお感じになられるのか。

橋本国務大臣 よく、行革で一体どれぐらいのコストの削減が出るという御質問が出ます。そして、それを実際に定量的にお答えしようとすると、そのときの純減する職員の数ぐらいしか出てこないのが通例でありまして、むしろ、例えば独立行政法人等をとりましても、これがスタートをして中期計画の終わりの時点で、結果としてこれだけ達成したねということは言えましても、定量的に把握できる部分が非常に少ないというのが、行政改革がなかなか世間から御理解をいただけない一つの原因だと思います。

 そうした中で、今回の場合、財政投融資の制度の改革により資金運用部への預託を廃止することから、資金運用部からの財政投融資に頼っていた機関は、その資金の調達を市場に求めなければならなくなる。その中で一体どれぐらい機関債が出るだろうというのを、私は本当に真剣に注意していました。

 そして、七、八千億出るだろうと言われていたものが、一時期それを随分下回った数字しか出せないという状況になったということを仄聞しておりまして、ということは、相変わらず特殊法人の中身が外に明らかにされないままに政府保証をつけた財投債に依存せざるを得なくなるのか、とすれば、それは国債と市場でバッティングする、同じようなものになってしまう、改革の意味が出てこない。本当にこれは心配をしておりました。

 私は、その意味で、これはいろいろな批判のあることは承知をしておりますけれども、それでも一兆一千億を超えるところまで財投機関債が積み上がりましたことにほっとしております。

 そして、同時に、その反動でもないでしょうけれども、本年度の財政投融資計画、十三年度の規模と対比してみますと、十三年度の財政投融資計画の規模は三十二兆五千四百七十二億円、一五%の減になっています。

 これは私は、やはりそれだけ財投を使用する機関が、自分のところの経営というものに真剣になり、同時に、その内部の情報を外に発表せざるを得ない中で、むだを省く努力をしてきてこういう数字がまとまったもの、そのように理解をしておりまして、この点は、ある意味ではほっと胸をなでた部分でございます。

海江田委員 そうしますと、これは昨年の十二月の段階ですが、そういう発言があったことは確かですよね、その時点では規模がもっと小さくなるというふうに思っていたと。それが、とにもかくにも一兆一千億出たから、その意味ではほっとしているというのがお話の趣旨だろうと思いますが。

 例えば、その中身を見てみましても、やはり、先ほどもお話をしましたけれども、三十三法人のうち二十法人だと。当然出てくるだろうと思っていた例の国民生活金融公庫でありますとか、あるいは中小企業金融公庫でありますとか、こういうものがやはり出てきていないわけですよ。

 まあ、そのノウハウがないという言い方をしていますけれども、それだったら、別に天下りをたくさん雇うより、そういう本当にノウハウを持った人を呼んでくればいい話でありますし、私はもっともっと、特にこういうところが率先をして出していく必要があるのじゃないだろうかというふうに思いますので、これは担当は橋本大臣でいいのだろうと思いますが、やはりもっとここのところをしっかり出させるというふうな努力を、さらに一層の努力をさせる必要はあるだろうと思います。お考えはいかがでしょうか。

橋本国務大臣 この御指摘は私もそのとおりだと思います。

 そして、必ずしも私の守備範囲とばかりも言えませんが、当然のことながら、今後一層財投機関債が多く出されていく、そしてそれが市場において評価をされる状態が生まれる、そうしたことを心から期待しております。

海江田委員 では、持ち時間が終わりましたので。ありがとうございました。

野呂田委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。

 次に、都築譲君。

都築委員 自由党の都築譲です。

 きょうは、森総理御自身の問題と、それからそれを支えておられるスタッフや閣僚の皆さん方の問題、こういったところをお尋ねしよう、こう思っておりましたが、きょうの株式市場も何かまたバブル以降の最安値を更新したということで、一時きのうの比較でマイナス二百四円三十八銭、一万二千六百七十九円をつけたということでございます。きのうもその最安値を更新いたしたわけでありますし、そんな中、日銀も急遽異例のことに一カ月に二回の利下げをやるということでございまして、それも前提となります経済状況、実際に今経済回復基調というふうなことを、あるいはまた緩やかに回復というふうなことを言ってまいりましたが、一月の結果が前月比マイナス三・九%という大変厳しい数字が出たわけでありまして、こういった状況に株式市場全体がもう嫌気を差してきたのではないか、こんなふうに思うわけであります。

 そうすると、問題は、実は今株式市場自身が、森政権に対して、あるいはまた自公保連立政権に対して不信任といったものを突きつけているのではないか、こんなふうに思うわけですし、きのうは実に連合の皆さん方も、この衆議院の議員会館の前で怒りの抗議行動ということで、KSDの疑惑や、あるいはまた外務省の機密費、証人喚問の速やかな実施、そういったものを求めて座り込みをやっておったわけでありまして、そういうことを考えますと、今までの森政権の対応、昨年発足してからこれで七千円以上の株価の下落といったもの、そしてまた、国民の皆さんにとっては、賃金もなかなか上がらない、景気もよくならない、こんな状況の中で、早くかわれということを言っているのだ、こんなふうに思うわけであります。

 現実に、森総理も、何か新聞報道では政策を議論したいと言われたというふうに聞いておりますし、自民党の幹事長さんも、もっと国会で政策を議論というふうなことを言っておられます。ただ、私たち野党だって、政策をいろいろ勉強して、それを大いに議論をして、二十一世紀の日本といったものをどうつくり上げていくか、やりたいと思っておりますが、国会は、開くたびにいつも問題になるのは、証人喚問とか参考人質疑とか政倫審、そして、いつも問題になるのは大抵の場合自民党の国会議員の皆さん方であるわけでございまして、一体これは何だと。

 そもそも、公のお金、国民の皆さんが納めた貴重な税金や、あるいはまた保険料、こういったものを扱う資格のない人たちが国会議員になって、政権与党に着いて、そして国家予算の配分を決めている。これでは、国民にとっては、血税が本当にどこに使われているかわからない、たまらないということだろうと思いますし、また株式市場も、こんなことでは、今まで構造改革だ、あるいはまた経済改革だ、こういうふうに言われておりましたが、そういったものも進まない中で一向に夢が見えてこない、こんな中での不信任が突きつけられているのではないか、こんなふうに思うわけであります。

 まず、総理御自身、皆さんがやめろやめろ、こういう合唱のようでございますから、実際にこれから本当に今の株価対策をやるとしたら、総理が身を引かれることが株式市場にも日本の経済にも社会にも一番いいのではないか、こんなふうに私は思うのですが、御自身のお考えをちょっと聞かせていただけますでしょうか。

    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕

宮澤国務大臣 株式市場のことをおっしゃいましたけれども、市場はいろいろな事情で売り買いしておりますから、新聞が書くように、これは何がこうだから株が下がったって、そんな簡単なものじゃございません。

森内閣総理大臣 財務大臣からお話しのとおりでありまして、日本の経済の基礎的な条件というのは私はしっかりしているというふうに見ておりますし、株価の上がり下がりというのはいろいろな意味での要因があろうと思っています。もちろん、株価が上昇してくることを国民も期待をしておられることもよくわかりますし、我々も関心も持っております。しかし、上がり下がりによって一喜一憂するというものでも私はないというふうに考えております。

都築委員 基礎的な条件はしっかりしているというのは、民間企業が必死の思いで、そしてまた、そこに働く勤労者の皆さんが一生懸命働いているからしっかりしているのでありまして、国家の運営を担当する政治がそういったものを台なしにしてしまうようなことをやり続けていてはそんな基礎的な諸条件だって崩れていってしまう、そういう危機感を持って政治に取り組んでもらわぬといかぬ、こう思うわけであります。

 そして、具体的にちょっと、今経済問題の方から入ってしまいましたが、私自身がきょうお聞きしたかった今回のえひめ丸の原潜との衝突事故について、いろいろと総理御自身の醜聞といいますかスキャンダルまがいのことが出てまいりました。こんな中で、幾つかまだ私自身おかしいなと思うところもありますし、いろいろなお話を聞きますと、確かめられたのだろうか、こんな思いがあるわけでございまして、まず幾つかそこをただしてまいりたいと思います。

 まず、森総理の戸塚カントリー倶楽部の会員権の問題でございます。総理御自身、名義を戻すのだと、実際には所有はしていなかった、戻すのだ、こういう手続を開始しましたということが過日新聞で報道されておりました。そこの手続はもう完了されたのでしょうか。

森内閣総理大臣 直接私がやるわけではございませんし、本来の持っていらっしゃる方の方で手続をお進めになるだろうと思います。今すぐそういう書面が来れば、私もサインをしたり、そういうことはしなければならぬと思っていますが、すぐに、きょう申し入れて、あすすぐできるというものではないようですよ。

都築委員 もう新聞報道が出て一週間か、たしか十日ぐらいたっているのではないかな、こんな気がいたします。そういうことを自分が直接やるわけではないというふうなお話ですが、これだけ問題になった、実は新聞でも取り上げられた課題について、総理御自身がそんな判断で本当にいいのだろうか。

 というのは、国民の皆さんは、結局、自分たちは税務署に本当に血税、今確定申告の時期ですから税金の申告などをする方もいらっしゃる、また、働く人たちは毎月給料から税金を天引きされている、こんな状況の中でしっかりと払っている。ただ、政治家だ、あるいはまた政府の高官だ、こういうことになったら税金は払わなくてもいいのだ、こんな話になったらこんな不公平なことはない。こういう思いで、実はまた政治に対する不信といったものが募ってきてしまう、あるいはまた税務行政に対する不信といったものが募ってきてしまうだろうと思うわけで、むしろ信頼を回復する、それが私はリーダーたる総理大臣の一番の責務ではないかな、こんなふうに思うわけです。

 それで、今総理はそんなふうにおっしゃられましたが、ちょっと確認をさせていただきたいのですが、これは三月九日付の一写真週刊誌に出ておりました。合意書ということで、森総理の署名が書いてある、あて先の人が書いていない、こういうあれですが、これは事実ですか。それとも、これは否定されるものなんですか。

森内閣総理大臣 それは、私がきちんと相手の方と、相手の御好意でございましたけれども、私のものではないのですよ、当然私の友人である方のものですよということをきちっと明確にしておきましょうと。私も性格はそういう性格ですから、とりあえずプレーができるようにしていただいた。しかし、この権は私のものではないし、私の財産ではない。したがって、そのことを明確にしておかないと、またいろいろな疑いがあってもいけない。

 ゴルフ場というのは、おわかりだろうと思いますが、出してきた会員権の使用者が、それがその人のものだというふうに、ゴルフ事務所はそういう判断をするのです。しかし、そういうことになると私のものになってしまいますから、私のものにしてはいかぬという思いでそういう約束状を書いたのです。したがって、向こうの方の会社も、友人の会社も、そのことを自分の会社の資産としてきちっともう届けてありますから、これまでの会社の税務の報告あるいはいろいろなことをなさるときには、必ずそれは向こうの会社の財産として残っている、記録されているということです。

都築委員 それは会社が所有をしていたということになるわけですね。

森内閣総理大臣 会社なのか個人なのか、私はわかりません。個人的には友人ですから。ただ、会社の方で自分の資産だというふうに届けてありますということですから。

都築委員 今、ちょっとどうも、本当によくわからないのですが、会社の方の資産として届け出ていると言いながら、会社か個人かわからないと。一体どっちなんだろうか。

 それから、私が聞いたのは、これは本物かということなんですよ。それから、この森喜朗とサインをして、印鑑の割り印のようなものが見えるわけですが、これは本物なのかということをお聞きしているのです。

森内閣総理大臣 私のものです。ですから、ちゃんとそれは委員長にお届けをしてあります。理事会の方もごらんになっているはずだと思います。

都築委員 そうすると、これはバランスシート、貸借対照表の方にも、今総理が言われた会社の資産報告、そういったものに計上してある、こういうことでありますが。

 ちょっと委員長、済みません、恐縮ですが、その委員長に報告してある、届け出てあるというのは、今総理が言われたのですが、それは契約書を出されたということで、もう一度ちょっと確認したいのです。それを委員長に確認できますか。

北村(直)委員長代理 理事会、委員長に提出されております。理事会で理事の皆さんが見ていただいております。

都築委員 その問題については後日もう少し議論をしてみたいと思いますが、それからもう一つ、今度はゴルフをプレーされておられた戸塚カントリー倶楽部、一報が入ってから実は戻ってこられるまで相当時間を要したということが、いろいろ議論になっております。

 それで、その問題について幾つかお聞きをしたいのですが、この間の二月十四日の党首討論のときに、秘書官から最初に連絡があったのが十時五十分ごろ、それから十一時ごろに第二報を受けた、これからまたゴルフを続けておられた。その点については今までも随分聞かれておりました。

 もう一つの問題は、実はゴルフを終えられて私邸に戻られた。それは、着がえるためだ、こういうことでございました。その間の経緯が随分とおかしいではないか、なぜ官邸に直行しなかったのだろうか、こういう議論もあったわけであります。

 私は、もう一つお聞きをしたいのは、その過程で、当初は、指示によれば私邸で待機ということでございましたけれども、途中で車の中で外務大臣、安倍副長官あるいは安藤危機管理監、電話を受けたので官邸に行くことにした、こういうふうに答弁をされておられます。指示によれば。総理に指示をされるというのは、だれが一体どういうことでそういう指示をされたのか、そこら辺のところをちょっとお聞かせいただけますか。

森内閣総理大臣 私に直接指示をしてくるというのは、やはり秘書官でしょうね。秘書官はそれぞれの関係省庁と連絡をとって、それは指示というのか連絡というのか、まあ指示でいいと私は思っていますよ。

 それから、都築さんらしくもないことをお尋ねになるなと思っていますが、私は、そのまま行こうとは思っていましたが、その日はお休みの日だったので、また私宅と非常に近いところだったものですから、いわゆるネクタイも何も持っていかないで行ったのです。ですから、そのままの格好で行ったのでは、かえってまた批判を受けるかもしれない。しかし、既に態勢が全部とれて、それぞれ閣僚もお集まりになるし、とにかく責任者がきちっとやっておられるから、それじゃ通り道だから、きちっとした服装に、フォーマルな服装にかえてから行った方がいい、そう判断をしただけで、そのゴルフ場から官邸に行く通り道だから立ち寄った、それだけのことです。

 それから、もう一つありましたね。私邸に行くことになっておった、そういう指示を受けたというのですけれども、基本的には、これは伊吹担当大臣おられるからお聞きいただいてもいいのですが、私が官邸のそこに入って陣頭指揮をとる、そういうことではないのですね、形としては。ですから、一応、その後の推移等もございますから、できるだけ一定の場所にいてくださいということはだれからも受けている指示ですから、その前はゴルフ場におりましたから、しかし、ここからもう乗って動きますよと。それで、そのまま官邸に行くのがいいか、どっちの方がいいかということによって、秘書の連絡では、私邸で一応待機しておってください、こういうことだったのです。

 しかし、私は、車に乗っていろいろ意見を聞いてみて、これは私は行くべきだ、そうまた判断をいたしましたので、それじゃ洋服を着がえて行った方がいい、そんなに時間が違うものではない、そう考えただけです。

    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕

都築委員 それほど時間が違うものではない、こういうことですが、戸塚カントリー倶楽部、私は行ったことはありませんが、よくわかりませんが、運転手さんたちに聞くと、それこそ今、秦野の方を通って保土ケ谷から直行すれば、官邸まで一時間かからずに到着するだろうと。官邸には、官邸は職務の場所でありますが、公邸がありまして、総理もそこで生活をされておられる。そこにネクタイや背広なども当然お持ちなんでしょうから、そちらに直接入った方がよかったのじゃないか、そういう考えはなかったのか。あるいはまた、急いで帰るということであれば、実際に警備の先導車をつけるとか、そういう発想とか、そういったものはなかったのかどうか。そういったところはどうですか。

森内閣総理大臣 私は、私的な行動であれ何であれ、ちゃんと先導するパトカーがついております。後ろにもついております。本当に申しわけないことだと思っています。個人の用事で出るのに警察官がそうやってついてくださることは、私は本当は余り好きじゃないし、御遠慮申し上げているのですけれども、森個人を守っているのじゃなくて日本国総理大臣を警護しておるのだ、警察の方がそうおっしゃいますから、甘んじてそれを受けていますが、内心は、申しわけない、申しわけないと思っております。急がすときには、もちろんやむを得ず鳴らすこともございますけれども、できるだけそういう御迷惑をかけないように、できるだけ国民の皆さんに影響を与えないような走り方を私はいたしております。

 おっしゃるとおり公邸にもありますけれども、自分の家で自分の洋服を着がえるということがなぜ悪いのですか。先に公邸に行ったからといって、それがどう違うのですか。やるべきことはきちっと指示し、それぞれの連絡本部も、外務省も文部省もみんなきちっと動き出しているということがわかったから、それで私は家へ寄って、洋服を着がえる。公邸で着がえることと家で着がえることと、どうしてそんなに違って、そのことによって何か支障があったのですか。何度も、さっき海江田さんのときにも申し上げたけれども、そのために何か支障があって、私が洋服をかえるために家に寄ったために、何か問題があったのですか。あったら御指摘ください。

都築委員 一連の問題で、やるべきことをしっかりやった。では、第二報が入ってからもゴルフをやり続けることがやるべきことだったのか、それが総理のお考えなのか、こういうことになるわけですよ。

 それから、そういったいろいろな問題に対して的確に対応される、最高責任者である総理大臣が陣頭に立って国民の生命や財産の安否を気遣う、そういう姿勢を国民に示すことが、私は政治に対する信頼をつなぎとめる一番重要な役割を果たすと思うのにもかかわらず、そういったことをやっておられる。しかも、マスコミの問題は、これはマスコミの問題かもしれませんが、なぜ官邸に直行せずに私邸に寄られたのか、そこについて何か問題があるのではないか、こういうことさえ言われてしまうこと自身が、総理に対して国民の不信感が募る、あるいはまた信頼感が失われていく、政治全体に対する信頼感を損なう問題を起こしている、私はこんなふうに思うわけであります。

 今現実に、各種の新聞やテレビの世論調査を見ますと、もう軒並み一〇%以下になっておるわけであります。私自身は、この世論調査も、実は非常に大きな、政治を安定的な形で運営をしていくための一つの貴重なメルクマールである、こんなふうに思うわけであります。

 同時に、今回のこのえひめ丸の原潜との衝突事故について、実は、ワシントン・ポストだったと思いますが、きょうの毎日新聞でも日本語の紹介がありますが、コラムニストのリチャード・コーエンさんという方が書いてございます。米国は十分に謝罪をした、こういうふうに言っております。

 私自身、政治家というのは、確かに、国民の皆さんの税金を預かって、そして、それをどうやって国民全体の安心や安全あるいはまた豊かさの向上につなげるのか、そういうお金を使って、政策手段を使ってやっていく役割を持っていますが、国民の意識も統合していくという大変重要な役割があるだろう。

 人間は感情の動物ですから、やられたらやり返せとか、怒りを持つとか、憎しみを持つとか、あるいはまた悲しみを持つとか、そういったものがあるだろう、こう思います。ただ、それにも、国と国との関係になったら、できるだけ理性的に物事を話し合っていかなければいけないのに、そのときに、日本の国民はだれを見るのかといったら、本当は一国の総理大臣である森さんを見るだろうと思うのです。

 ところが、森さんがこのていたらくになっていて、本当に国民を統合していくことができるのかどうか。今、それこそ、森総理御自身の資質と、それからそれを支えておられる閣僚の皆さんあるいはスタッフ、あるいはまたアドバイザー、補佐官とか呼ばれる皆さん方の体制自身が実は大きく問われているのではないか。

 だからこそ、冒頭に申し上げたような株式市場の問題、宮澤大臣は、それはいろいろな要因があるのだ、こういうことをおっしゃっておられますけれども、そこのところをわきまえてぜひ取り組んでいただきたい、そうすることが一番大切ではないか、そんな思いで見ているわけでございます。

 もう質問時間が終わってしまいました。本当は、公明党の坂口厚生労働大臣あるいはまた保守党の扇大臣にも、ぜひこういう政権を支えていていいのかという質問をしたい、こう思っておったのですが、ぜひ速やかな退陣を求めるという立場を明らかにして、終わりたいと思います。

野呂田委員長 これにて都築君の質疑は終了いたしました。

 次に、木島日出夫君。

木島委員 日本共産党の木島日出夫です。

 一昨日、政治倫理審査会で額賀福志郎前経済財政担当大臣の弁明が行われました。

 総理にお聞きしますが、総理は、これで額賀問題は一件落着した、そういう御認識でしょうか。

森内閣総理大臣 額賀議員は、御自分で政治倫理審査会において御自分の疑惑等についてぜひ釈明をしたい、そういうお申し出の中で、議会でお取り上げをいただいて、御自分なりにきちんとお話をされておられたというふうに私は思っております。議員としてとるべききちっとした対応をされて釈明されていたな、説明をされていたな、そのように私は受けとめております。

木島委員 総理はもちろん政治倫理審査会を傍聴していないわけでありますが、私は政治倫理審査会を傍聴いたしまして、直接額賀氏の弁明をお聞きいたしました。率直に言って、弁明は、国民の常識から見て、また政治家の常識から見ても、全く説得力のないものだったのではないかと私は感じています。

 そこで、二つの問題を提起して、総理の認識をお聞きしたいと思います。

 まず第一、額賀氏は、弁明の中で、小林照夫秘書がKSD古関前理事長から五百万円を受け取ったとき、協力したい、役立ててほしいと言われ、領収書は御心配なくと言われた、こう小林秘書から報告を受けていますとはっきりと弁明をいたしました。

 そこで、総理の常識を聞くのですが、国会議員が私人から五百万円、一千万円という単位の現金を渡されたとき、渡されるとき、渡す側から、役立ててほしい、領収書は心配なく、こう言われたら、その金はどういう趣旨の金と考えるか、総理の常識をお聞きしたいと思います。

森内閣総理大臣 政治家と金というのは大変私は大事なことで、きちっとけじめをつけておかなければならぬことだというのは言うまでもないことだと思います。特に今は、どういうお金であれ、いわゆる企業や団体の献金は個人には受け入れるということはできなくなっているわけでありますから、当然、党としてどういうふうに、党の活動費として預かれるかどうかという判断をしなきゃならぬということだと思います。同時にまた、それについての上限というものも、限度の額も決められているわけでありますから、そういうお話があれば、私に今お尋ねがあれば、これは、そうした幾つかの法律や幾つかの制限というものにきちっとかなっているものかどうかということをまず考えなきゃならぬと思います。

 それから、恐らく額賀議員は、秘書の方がそういうふうなことでお預かりになったので、これはいけない、そう思ったから、お返しをしなさいというふうに指示された、私はこういうふうに伺っております。

木島委員 直接私の質問に答えていないのです。秘書が渡す側からそう言われたときに、そう言われたときにはその金はどういう趣旨の金と判断するのが常識かと聞いているのです。役立ててくれと言われて渡されたということは、五百万、一千万の金です、これは政治活動のために役立ててくれという趣旨じゃないのでしょうか。領収書は心配なく、こう言われて渡されたということは、金を渡す側も金を受け取る側も双方とも、表に出ない金ですよ、いわゆるやみ献金ですよ、そういう趣旨ではないのでしょうか。総理の認識、総理の常識を聞いているのです。

森内閣総理大臣 ですから、さっき私は常識のことを申し上げたのです。そうしたら、私の質問に答えていないとおっしゃった。だけれども、額賀さんは、それはよくないと思われたから、秘書から報告を聞いて初めて、これはいけない、返しなさいよという指示をされたのじゃないでしょうか。

木島委員 いや、渡されたときのことを聞いているのです。では、役に立ててくれ、領収書は心配なくと言われたときに受け取った金はやみ献金という趣旨だということは、小林秘書は認識した、こう聞いていいでしょうか。

森内閣総理大臣 だって、私はそこにいたわけではありませんし、そのお話を聞いたわけじゃありませんが、それは私が答えるわけにいかないから、さっき私は一般論として、最初に申し上げたのはそういうことだと。

 それから、額賀さんは、後からそれをお聞きになって、これはいけないから返しなさいとおっしゃったんじゃないですか。

木島委員 だから、渡されたときの金の趣旨が何であったかというのはこの問題の根本的に重要な問題の一つなんです。額賀氏は弁明で、受け取った金は預かり金である、そのまま秘書が机の中に保管して、額賀氏の指示でそのまま返還した、こういう弁明をいたしました。それで聞くのですよ。預かり金だったかどうかが決定的にこの問題のポイントの一つなんです。そこで聞くのですよ。役に立ててくれ、領収書は心配なく、こう言われて受け取った金が、しかも相手が持ってきた金じゃないのですよ、小林秘書がわざわざKSDの本部まで行って、前理事長の理事長室に行ってもらってきた金なんですよ。そういうことを言われて受け取った金がどうして預かり金ということになるんでしょうか。私は、そんな額賀氏の言い分は、そんなことを小林秘書から報告を受けてそれを信用するということは、世間の常識としても政界の常識としても全く通用しない。額賀氏の弁明は不自然だと言わざるを得ないのです。どうですか。

森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、私がその場にいたわけでもございませんし、どういう意図でどういうふうになさったということも、今あなたからの御説明でわかる程度のことでありますから、ですから、額賀さんは、それは受けてはいけないお金だ、そう思われたから、後で聞かれて返しなさいという指示をされたということじゃないんでしょうか。それ以上のことを私が申し上げるわけにはいかないのです。

木島委員 では、もう一つの額賀氏の弁明にある非常識について聞きましょう。

 後から聞いて返せと言ったと今総理おっしゃいました。そのとおりなんです。その問題なんです。額賀氏の弁明によると、九九年十一月に五百万、二〇〇〇年四月に一千万を、代議士の指示を受けるまで小林秘書は預かった。しかし、そう言いながら、秘書は半年間も電話一本もせずに額賀氏に報告もしなかった、報告したのは二〇〇〇年の五月二十日だと弁明しているわけなんですね。半年間も、五百万もの大金をそういう形で受け取って国会議員に報告しなかった。さすがにこの問題については、額賀氏も政倫審の弁明で、国民には理解してもらえない、こう認めざるを得なかった問題なんです。こんないいかげんな話ないじゃないですか。総理、どう思われますか。

森内閣総理大臣 だから、そこのところが、政倫審で先生が御質問になったのかどうか知りませんけれども、お尋ねになるべき事柄なのであって、私にそれを問われても、私はそれを見ているわけでもありませんし、だから私が申し上げられることは、それはよくないことだと額賀さんが判断をされたから秘書に注意をして返しなさいと言われたんだ、それしか申し上げられないんじゃないですか。

木島委員 だから私は最初の質問をしたのですよ、政倫審でこの問題は決着と考えているかどうか。そうしたら総理は、最初、額賀さんはきちんと話をされた、きちんと釈明をされた、こう答えたんでしょう。きちんとなんか釈明されていない。大変な、国民の常識から見て、政治家の常識から見てとても信用できないようなことを平然とおっしゃられている、それが事実として出てきた。疑惑は解明されたどころかますます深まったというのが政倫審の結果だった。

 今のわずかな私と総理とのやりとりの中でも明らかになったと思います。政倫審で、額賀氏の疑惑は晴れるどころかますます深まったと思います。これで一件落着なんかじゃない。額賀氏が、受け取った金を預かり金として強弁し続けている限り、これで終わりというわけにはいかないと思います。

 そこで、真相解明のために、当予算委員会に、額賀福志郎議員と小林照夫元秘書、両名の証人喚問を要求いたします。お取り計らいをお願いいたします。

野呂田委員長 後刻、今検討中でありますけれども、引き続き理事会において検討させていただいております。

木島委員 そこで、次に移ります。

 政治倫理審査会で額賀氏は、KSDから千五百万円を受け取った、こういう事実を派閥の責任者である前自民党幹事長の野中広務氏に報告をしたと明言されました。

 そこで、総理にお聞きします。あなたは、額賀氏を昨年十二月に入閣させるに際して、この事実について野中氏から報告を受けていますか。

森内閣総理大臣 そういうお話は受けておりません。

木島委員 受けていない。私は、組閣に当たって、こういう極めて重要な情報が、入閣を推薦した派閥の責任者から、権限をお持ちになっている総理に報告されなかった、これは、昨年のあなたの組閣というものがいかに政治倫理問題に無感覚であったかということを証明しているものだと思います。

 もう一つ。総理、あなたは、昨年末に、額賀氏が千五百万円の受領の問題を認める、預かりという言葉でしたか、認める記者会見をしたとき、インタビューにこたえて、だってお金は返されたんではないですか、こう言って額賀氏をかばいました。閣僚辞任問題では額賀氏をかばいました。これも、現に今額賀氏は辞職しているわけですが、あなたが政治倫理に関していかに無自覚、無感覚であったかということを示すものではないでしょうか。私は、この問題を一つとってみても、あなたに政治を担う資格はないと思います。

 そこで、次に、村上氏の問題についてお聞きをいたします。

 昨日、村上前参議院議員に対する証人喚問が行われました。我が党の筆坂議員の追及等によって、自民党費を立てかえていたというこの問題については、事実上村上証人は認めました。しかし、村上証人は、自分の身は潔白だ、こう言いながら、KSDとの間の金の授受、ものつくり大学への口きき、こういう疑惑の焦点については、現在検察から被疑者として捜査を受けていることを理由として、一切証言することを拒絶をしたわけであります。

 確かに法律上の権利でしょう。しかし、一政治家として、身の潔白をしたいんだ、自分は潔白なんだと言っているわけですから、それならこれらの事実について堂々と政治家として証言するべきだったんじゃないかと私は思うのです。

 そこで、総理は、こういう村上氏の政治家としての態度をどう思うか、こういう態度で本当に今真相解明を求める国民は納得するとお考えでしょうか。総理のお考えを聞きます。

森内閣総理大臣 村上前議員の証人喚問につきましては、御自身が司法当局から事情聴取を受けておられるわけでありまして、そうした面からは、木島議員も御専門家ですからよくおわかりのとおり、刑事訴追のおそれがある、そういう制約はあった、しかし、その中で、それ以外についてはみずから説明をされるという努力を払っておられた、私はこのように理解をいたしております。

 いずれにいたしましても、一連のこのKSDをめぐる事件につきましては、今後司法当局が捜査をするわけでありますので、徹底的に司法当局によって真相解明が行われて、そして国民の前に真相が明らかにされていくべきものである、このように考えております。私も、極めて重大な関心を持ってその進展を注視していきたい、このように考えております。

木島委員 総理は、今、刑事訴追を受けるおそれがあるときには事実を証言しない、制約があるという言葉をお使いになりました。これは制約じゃないんですよ。権利なんですよ。刑事訴追を受けるおそれのある者が持つ自己防衛の権利なんですよ。そこで、そういう権利を行使するかどうかは当事者の判断に任されているんです。政治家として堂々としゃべるという態度も当然あってしかるべきなんですね。大事なところになると、政治家としての自分が身が潔白だというのなら堂々と事実をお述べになればいい、その部分になると証言を拒絶する。これはやはり政治家としてどうかな。真相解明を求める国民はこれでは納得しないと思わざるを得ません。

 次に、総理は、KSDによる自民党費の立てかえ問題について再三、先ほども党内で事実調査をしていると答弁をしております。志位委員長が追及してからもう三週間たつのですが、二十六日の予算委員会で、我が党の山口富男質問に対して、総理は、東京、神奈川、千葉、埼玉、四つの自民党豊明支部の解散について知らぬという答弁をいたしました。報告も受けていないんでしょうか。

 我が党のしんぶん赤旗の調査によれば、実はその東京、神奈川、千葉、埼玉、四つの自民党支部ですよ、その支部の解散届も、支部代表者の署名と押印が本人の承諾なしに偽造されていたことが判明しているのです。我が党のしんぶん赤旗の調査によってもそんなことは判明しているんです。一体、まともな調査をしているんでしょうか。四人の支部長なる者の名前はわかっています、住所もわかっています、電話もわかっているのですから。調査させればそんなぐらいわかったはずじゃないでしょうか。まともな調査をしているんでしょうか。しているんなら、ここにきちっと報告してほしい。

森内閣総理大臣 党の調査は今いろいろな方面からいたしておるのだと思いますが、私どもは今、国会運営にまさに専念をいたしておりますので、そうした細かな報告は、今のところはまだ党から入ってきておりません。

 赤旗の調査、赤旗の調査とおっしゃいますけれども、赤旗の調査がそんなに信頼されるものなのかどうか私どもはわかりませんけれども、しかし、何度も申し上げておりますように、この支部組織というのは、それぞれ支部の単位で皆さんがおつくりになっておりまして、そして、そのことが結果として党本部に入ってくる形になっておりますので、その辺のチェック体制とかそうしたものは確かに不備な点もあったことを今反省をいたしておりますから、実態と、これからどのようにしていったらいいのかということと、その両面をあわせて今研究をしているということだというふうに、これは我が党のことでございますので、どうぞしばらくお待ちをいただければと思うのです。

木島委員 これは、あなた、今細かな報告なんという言葉を使いましたが、断じて細かい問題じゃないんですよ。

 我が党内の問題だと言いましたが、もしそれが真実だとすれば、これは有印私文書偽造の問題、政治資金規正法上の問題、そういう問題にも触れるのです。何よりも自民党支部が丸ごと架空だったかどうか。先ほど、幽霊とかもみ殻とかいうこともありましたが、そういう問題。もう今の姿勢では、到底政治倫理は回復しないと思わざるを得ません。

 最後に、私は、昨日、あなたの地元である石川県で発行されている北陸中日新聞の声欄に、ある七十四歳の金沢市民の次のような投書が載っておりますので、披露します。

 私は旧満州出身だ。「毎年全国各地で開催される牡丹紅聖林小学校、哈爾浜中学校、建国大学などの同窓会に出席しているが、昨年はどの同窓会でも森喜朗は歴代最低の首相だとぼろくそにけなされた。その都度、私は「軽率な発言に対するマスコミの批判が厳し過ぎるが、そのうち森カラーを発揮して内閣支持率も上がるだろう」と弁護してきた。しかし、」中略しますが、「もう弁護の余地はなくなった。」「これ以上、恥の上塗りをしないよう、早急に退陣してもらいたい。」これが一金沢市民の声であります。

野呂田委員長 木島君、質疑の時間が過ぎていますから、簡潔にお願いします。

木島委員 この国民の声を率直に受けて、速やかに森内閣は退陣することを求めて、私の質問を終わります。

野呂田委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂委員 社会民主党の保坂展人です。

 今の木島委員のお話の中にも、総理の軽率な発言というのが出ていたのですが、当予算委員会で、月曜日なんですが、民主党の佐藤委員の総理に対する、KSD問題とはすなわち自民党問題ではないかという問いに対して、総理が、御党の方も、御党の幹事長も何らかの形で関係をされたわけでありますし、また社民党の方々も関係しておられたということ、これまた事実でありますからと。これは重大な、公党にとってみれば大変な発言をされたわけで、この点についてはちょっと官房長官にお聞きしたいと思うのですね。

 官房長官、これは正式に我が党が厳重に抗議をして、理事会での議論を踏まえて、官房長官から我が党の幹事長に、この点は削るとお電話いただいた、丁重なお電話をいただいたそうですが、間違いありませんか。

野呂田委員長 官房長官。訂正の事実だけ言ってください、議事録から取りましたと。(森内閣総理大臣「私は事実だけ申し上げます」と呼ぶ)そうですか。

 では、総理大臣。

森内閣総理大臣 私は、政治資金であるとか献金であるとかパーティー券であるとか、そういうことだけを申し上げているのじゃなくて、KSDといろいろなことで、いろいろな政党がやはりかかわり合いを持っていたことは事実でしょう。それを私は申し上げたのです。

 ですから、現に村山さんもあの大会にお出になっていましたよ、僕は見ていたもの、そばにいましたから。それから、野坂さんもいらっしゃったのです。そういうことを申し上げているのです。それから、その後、何か次の会合、三十周年か何かのときに土井さんも行っていらっしゃったと思いますよ。そういうことを私は申し上げたのですよ。

保坂委員 官房長官に聞いたので、総理に聞いていないのですね。

 そういうお電話を、その議事録は削除で、これは不正確だったというお電話をいただいたそうですが、間違いありませんか。

福田国務大臣 ちょっと誤解を招く可能性があるので、取り消しを申し上げました。

保坂委員 ここでこの問題、私たちは厳重にこれは申し入れて、今そういうふうに官房長官からも、そういう電話をいただいているので、そういう失言を繰り返される方にあえて答弁を求めません。

 そして、次の問題にいきたいと思います。(発言する者あり)

野呂田委員長 ちょっと、このままじゃまずいですから、総理から答弁いたします。(保坂委員「そうじゃなくて、時間がなくなりますから求めません」と呼ぶ)いや、言われっ放しじゃ困るんだよ。

 内閣総理大臣。(保坂委員「求めないです、質問があるので。委員長、質問権は私にあります」と呼ぶ)一方的な発言じゃいかぬですから、総理から答弁を求めます。(保坂委員「答弁は要らない」と呼ぶ)委員長の指示に従ってください。

森内閣総理大臣 今、あなたは総理の失言とおっしゃったから。失言じゃないです、あれは。

 私は、何も、社民党の方々が券を買ってもらったとか資金をもらった、そんなことを言っているんじゃないんですよ。いろいろなことで関連がありますねと、こう申し上げたので、現に、民主党の菅さんの秘書さんだって、切符を買ってもらったじゃないですか。社民党の皆さんも、そういう意味では、大会にお出になっていたじゃないですか、そういう意味では関係がありますねと、こう申し上げているんです。

保坂委員 議事録をよく読んでお願いしたいところですが、時間がありませんので、次に行きます。(発言する者あり)

 これは、もう官房長官もちゃんと、誤解を招く発言なんで削除ということで言っているんですから、しっかり踏まえていただきたいと思います。

 この官邸機密費の問題でお配りをした資料があると思いますが、この資料は官房長官の方にもありますでしょうか。この資料は、我が党の北川れん子議員が内閣府の会計課からいただいた資料でございます。追加として、三枚をいただいております。

 この資料をざっとごらんになって、特にこの三枚目なんですが、「請求書」とございますが、官房長官、この請求書に見覚えはございますでしょうか。

福田国務大臣 請求書は、今のその分ですね……(保坂委員「これに見覚えがおありですか」と呼ぶ)これは、内閣府の会計課で事務的につくっております。

 訂正します。内閣総務官室です、現在。

保坂委員 この機密費の議論は堂々めぐりのお話が多くて、一体、国民も、何がどのように使われて、どうコントロールされているのかというのは定かじゃない。今回の予算でもこれは減額されていないということで、大変重大。政府は本当にこれは調査しているのかということ、我々野党各党からも指摘があると思います、与党内からもあるというふうに聞いておりますが。

 この請求書を官房長官ごらんになって、手元にありますよね。その請求書なんですが、これは日付、署名あるいは「記」とありますね。何に使うのか、あるいは金額、「報償費として下記金額を請求いたします。」とあるわけですが、これは御自身でお書きになるのでしょうか。

福田国務大臣 これは、私の方から事務方に指示をしてつくってもらう、こういうことになっております。

保坂委員 官房長官、これは内閣官房から説明に来てもらっていろいろ説明を受けたのですが、これは、官房長官御自身のサインはないのですか。つまり、これは余り見たことがない、こういうことですか。

福田国務大臣 それは、その後で私が判こを押しております。それで確認しております。

保坂委員 つまり、判こを押すということは確認行為があるわけですよね。現在もこれは使われておりますか、報償費の請求書で。いかがでしょう、官房長官。

福田国務大臣 実物をまじまじと見たことはないのですけれども、恐らくこんなものだと思います。

保坂委員 官房長官、これだけ予算委員会でこの問題が問題になって、政府としても内部で調査すると言っているわけでしょう。これはおかしいですよ、報償費のこの請求書、今も使っているのであれば。まじまじと、きょう初めてごらんになったのですか。初めてですか。調査もされていないのですか。

福田国務大臣 いや、これは、この上の方にこういうのが書いてありますね。ですから、ちょっと印象が違うものだからそういうように申し上げたのです。

保坂委員 官房長官、では、これははっきり確認しますね。これは今も使われていて、報償費の請求書として御自身で判こを押すだけですか、官房長官の署名もお役人の方がやるのですか。

福田国務大臣 これは正確に申し上げれば、確認をさせていただきたいと思います。判こは私がやっております。

保坂委員 正確に確認をされたいと言っているので、後ほど委員会にきちっと報告していただくということで、委員長としても求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

野呂田委員長 相談させてもらいます。

保坂委員 続いて、余り細かいところは官房長官、大変だと思いますから、一枚目の資料、支出負担行為の決議書という方に移りたいと思うのです。

 これは内閣府会計課の方からいただいたものなので、内閣府の官房長においでいただいていますが、これは、ここに鉛筆書きでちょっと書き入れてありますが、報償費がこのように記載をされて手続されるというのは間違いないのでしょうか。

江利川政府参考人 お答え申し上げます。

 会計課内の手続で、このようなことが記載されております。(保坂委員「ちょっと聞こえなかった」と呼ぶ)会計課内の手続、会計課内で書類をつくりますので、その際にこのようなことが記載されております。一般論でございますが、このようなことが記載されております。

保坂委員 時間を短縮するためにこう書き込んだのですね。

 では、官房長官にまた戻ります。ここの支出負担行為の決議書の、「入力者」というのは打ち込んだ人の名前ですね、そして「確認者」というのは、ここに書いてあるように、その打ち込んだものが正しかったかどうかということをこのお二方が確認される、そして報償費というものは出てくる。先ほど示した請求書があって、これがあって、その二枚目についている支出決定決議書というのがある。こういう流れになっているのでしょうか。官房長官、どうですか。

福田国務大臣 私がこれをやっているわけじゃないので、聞いた話でございますけれども、内閣官房報償費の支出手続、これは取扱責任者である内閣官房長官から内閣府会計課に対して支出の請求を行う、これを受けて、他の予算科目と同様に、支出負担行為、支出の決定などの会計手続を経て、内閣府会計課から内閣官房長官に対して支出をする、こういう流れでございますので、具体的にこのことの詳細については承知しておりません。

保坂委員 つまり、これだけ国会、予算委員会でもこの報償費の問題が問題になっている。主に松尾室長の問題も、一回出たら良心をもって適正にやるということが原則になって使われていたのがこの報償費だったということが明らかじゃないですか。だとしたら、これは出るときの手続問題ですね、今私が示しているのは。そこで適正な審査があるのか、チェックがあるのかということをぜひお調べをいただいてこの委員会に、先ほど協議してもらうことになりましたけれども、内閣として報告をしていただきたい。これは国民の求めでもあると思います。よろしいですか。では、うなずいておられますのでお待ちしたいと思います。早くお願いしたいと思います。この予算審議中にお願いしたいと思います。

 続いて、教科書問題についてなんですが、これは森総理に伺いますが、御存じのように、きのうのニュースでも、アジア各国で、我が国に近いところでも、大変この教科書問題で大きく揺れている。日本の政府に対する誤解あるいは懸念がアジアのいろいろな国の人たちから、これは歴史観の問題で明らかになっている動きがあります。政府としても大変重大な事項だと思います。

 教科書検定基準には、近隣のアジア諸国との近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がなされているという、いわゆる近隣諸国条項というのがあります。これは八二年当時、宮澤さんが内閣官房長官だった当時に発表されて、これは一つの基準として行われているものと思いますが、こういう基準を踏まえて、今アジア各国で起こっている日本に対する懸念と不信について、総理、どうお考えになりますか。

町村国務大臣 委員御承知のとおりに、平成十四年度から使用されます中学校の歴史教科書につきまして、現在、文部科学省において検定作業中でございます。今後、教科用図書検定調査審議会の御審議を経まして、本年三月末ごろを目途に検定を終了したい、かように考えております。

 いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては、学習指導要領、そして今委員のお触れになりましたいろいろな検定基準等に基づきまして、厳正に検定を実施している最中でございます。

保坂委員 それでは、河野外務大臣にお聞きしてから森総理にお聞きしたいと思います。

 外務大臣、新しい歴史教科書をつくる会の教科書が今問題になっているわけですね。中国との問題で、これは昨日の委員会でのやりとりでしょうか、外務省アジア大洋州局長が、内政干渉と断じるには無理があるという答弁をされているようです。

 今総理にお聞きしたことと全く同じことも含めて、外務大臣として、アジア諸国に対する、あるいは誤解や懸念というものを生じている今の事態について、この局長の答弁も含めて見解を明らかにしていただきたいと思います。

河野国務大臣 韓国、中国がこの教科書について関心を持っておられるということにつきましては、私も承知をいたしております。

 我が国の教科書制度というものは、今、文部科学大臣御答弁のとおりの手続でございますが、こうしたことを私どもは、今に始まったことではない、これまでもずっとこの手続で教科書というものはつくられてきているわけでございますから、この手続を正確に踏んでいただくということが重要だと思います。

 ただ、先ほど議員が述べられたように、近隣諸国条項というものが入っている。これも、何も最近入ったことではない。今議員がおっしゃったように、いきさつがあって、かつていろいろないきさつの中でこうした条項が入っているわけで、そのことを踏まえて、教科書というものは、文部科学省においてそうしたすべての手続を踏まえて作業がなされている、こういうふうに考えております。(保坂委員「局長答弁」と呼ぶ)

 局長答弁、私、今議員のお話で伺いましたけれども、先ほど申し上げましたように、教科書について、韓国、中国が関心を持っているということについては、私は報告を受けております。

森内閣総理大臣 両大臣からお話がございましたように、教科書は、御承知のように国定ではないわけでありまして、ややもすると、それぞれの国で教科書のつくり方というのは違うわけでありまして、何か我が国が、国がつくっている教科書だというふうに見ている向きもないわけではありません。これは特定の国を言っているのじゃありませんよ、そういうふうに見られるケースもございますが、我が国は、そうした検定基準をもとに今その検定を進められている、こういうふうに我々は理解しております。

 ただ、その過程の中で、我々さえも見る手段もない、見る方法もない、これがどうして外にそうして漏れていくのかというのは、私は非常に残念なことだと思っているのですね。どうしてそれが日本のマスコミに流れたり、そして、そのマスコミによって外国にまたそのニュースが流れて、その教科書がまだ検定が済んでいないのに外国からいろいろな声が出てくるということは、私は非常に残念なことだというふうに思っているのです。

保坂委員 総理、今また大事なことを言われたのですね。今、それは中国だったり韓国だったりアジア諸国が、総理がどういう見解を示すか見ているのですよ。それが、その検定の経過が途中で漏れたことが大変残念だということが総理のきょうの見解でいいのですか。アジア諸国の人たちが今大きくこの問題を問題にしていることについて、日本のトップリーダーとしてきちっとした見解を示すべきじゃないですか。残念なことなんですか。それだけですか。そこをはっきり言ってください。

森内閣総理大臣 むしろ、残念だと言ったのは、私は控え目で申し上げたのです。あってはならないことなんです。

野呂田委員長 質疑時間が終了しました。簡潔にお願いします。

保坂委員 はい。

 では、指摘をしますが、あってはならないことだということと、結果としてこれがニュースになり、アジア各国の人たちに大きな波紋を呼んでいるということに対して、総理としての見解が一切語られなかったということを確認して、私の質問を終わります。

野呂田委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

野呂田委員長 この際、御報告いたします。

 去る二十六日の分科会設置の際に、分科員の配置及び主査の選任につきましては委員長に御一任をいただいておりましたが、分科員の配置につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりといたします。

    ―――――――――――――

  第一分科員

      高鳥  修君    野呂田芳成君

      仙谷 由人君    辻元 清美君

      森田 健作君

  第二分科員

      池田 行彦君    久間 章生君

      八代 英太君    生方 幸夫君

      佐藤 観樹君

  第三分科員

      石川 要三君    塩川正十郎君

      海江田万里君    平岡 秀夫君

      若松 謙維君    中井  洽君

  第四分科員

      奥野 誠亮君    田中眞紀子君

      池田 元久君    城島 正光君

      山口 富男君

  第五分科員

      津島 雄二君    葉梨 信行君

      岩國 哲人君    白保 台一君

      達増 拓也君

  第六分科員

      大原 一三君    谷川 和穗君

      五十嵐文彦君    佐々木憲昭君

      横光 克彦君

  第七分科員

      丹羽 雄哉君    牧野 隆守君

      原口 一博君    松野 頼久君

      鈴木 淑夫君    井上 喜一君

  第八分科員

      小島 敏男君    中山 正暉君

      三塚  博君    金子善次郎君

      中田  宏君

    ―――――――――――――

野呂田委員長 また、各分科会の主査は次のとおり指名いたします。

        第一分科会主査 亀井 善之君

        第二分科会主査 自見庄三郎君

        第三分科会主査 宮本 一三君

        第四分科会主査 細田 博之君

        第五分科会主査 谷口 隆義君

        第六分科会主査 北村 直人君

        第七分科会主査 小林 興起君

        第八分科会主査 栗原 博久君

以上であります。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会




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