衆議院

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第6号 平成14年2月4日(月曜日)

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平成十四年二月四日(月曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 津島 雄二君
   理事 伊藤 公介君 理事 木村 義雄君
   理事 北村 直人君 理事 小林 興起君
   理事 藤井 孝男君 理事 枝野 幸男君
   理事 城島 正光君 理事 原口 一博君
   理事 井上 義久君
      伊藤信太郎君    石川 要三君
      衛藤征士郎君    大原 一三君
      岡下 信子君    奥野 誠亮君
      亀井 善之君    栗原 博久君
      小坂 憲次君    小島 敏男君
      高鳥  修君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    西川 公也君
      野田 聖子君    細田 博之君
      三塚  博君    宮本 一三君
      持永 和見君    森岡 正宏君
      八代 英太君    赤松 広隆君
      五十嵐文彦君    池田 元久君
      岩國 哲人君    河村たかし君
      筒井 信隆君    中沢 健次君
      中津川博郷君    野田 佳彦君
      松野 頼久君    松本 剛明君
      青山 二三君    赤松 正雄君
      達増 拓也君    中井  洽君
      中塚 一宏君    山田 正彦君
      佐々木憲昭君    矢島 恒夫君
      辻元 清美君    横光 克彦君
      井上 喜一君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         片山虎之助君
   法務大臣         森山 眞弓君
   外務大臣
   環境大臣         川口 順子君
   財務大臣         塩川正十郎君
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       武部  勤君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (男女共同参画担当大臣) 福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当大臣)     村井  仁君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      中谷  元君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当大
   臣)
   (科学技術政策担当大臣) 尾身 幸次君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   国務大臣
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当大臣)   石原 伸晃君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   防衛庁副長官       萩山 教嚴君
   外務副大臣        植竹 繁雄君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   厚生労働副大臣      宮路 和明君
   農林水産副大臣      遠藤 武彦君
   経済産業副大臣      古屋 圭司君
   国土交通副大臣      佐藤 静雄君
   農林水産大臣政務官    宮腰 光寛君
   環境大臣政務官      奥谷  通君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    津野  修君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            重家 俊範君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局中
   東第二課長)       宮原 信孝君
   政府参考人
   (国税庁次長)      福田  進君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月四日
 辞任         補欠選任
  伊吹 文明君     西川 公也君
  萩野 浩基君     伊藤信太郎君
  岩國 哲人君     中津川博郷君
  達増 拓也君     山田 正彦君
  山口 富男君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤信太郎君     萩野 浩基君
  西川 公也君     岡下 信子君
  中津川博郷君     岩國 哲人君
  山田 正彦君     達増 拓也君
  矢島 恒夫君     山口 富男君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     森岡 正宏君
同日
 辞任         補欠選任
  森岡 正宏君     伊吹 文明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件


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     ――――◇―――――
津島委員長 これより会議を開きます。
 この際、一言申し上げます。
 去る一月二十八日の当委員会の運営が円滑を欠いたという指摘があります。
 今後、公正な運営に努め、審議が十分尽くされるよう努力いたしたいので、委員各位の御協力をお願い申し上げる次第でございます。
     ――――◇―――――
津島委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
津島委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長古田佑紀君、外務省中東アフリカ局長重家俊範君、外務省中東アフリカ局中東第二課長宮原信孝君、国税庁次長福田進君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
津島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
原口委員 おはようございます。民主党の原口一博でございます。
 冒頭委員長からお話がございましたとおり、私たちは、この委員会を国民に、大変厳しい経済情勢の中でしっかりと議論をする場として、与野党が審議を、そのきずなを深めながら進めておりました。一回も審議拒否をした覚えもなければ、あの二十八日の、私の目の前で、言った言わないでまさに泥仕合を繰り広げたのは政府の方である、厳しくその反省を、まず申し上げたいと思います。
 そこで、法務省に伺いますが、税理士が、しかも国税庁のしかるべきつかさにあった人間が脱税を補助する、こういうことがどうして起こるのか。逮捕された札幌元国税局長の捜査の状況について、まずお伺いをいたします。
古田政府参考人 お尋ねの件につきましては、去る一月十日、東京地方検察庁におきまして、東京国税局の告発を受け、浜田常吉元札幌国税局長を所得税法違反により逮捕し、同月三十日、同法違反により東京地方裁判所に公判請求しております。
 公訴事実の要旨を申し上げますと、被告人は税理士業を営んでいた者であるが、自己の所得税を免れようと企て、売り上げを除外するなどの方法により、同人の平成九年から平成十二年までの四年間の所得合計約七億四千百九十万円を秘匿し、所得税合計約二億五千二百八十八万円を免れたというものでございます。
原口委員 この人は税理士になってから四年なんです。その短い期間で百件を超える関与先件数、そして巨額の報酬、今御報告になりました大きな脱税額。決して許してはならない、こういう事件であるというふうに思います。
 なぜ、つかさのトップにあった人たちがやめてすぐこんなことができるのか、私は不思議でたまらない。
 先週、これと同じように、大和都市管財の被害者の皆さんが東京に来られました。その中で、多くの人たちが泣き崩れていらっしゃいました。御年配の方、なけなしの年金をはたいて、その元金が返ってこない。この事件についても、金融庁ぐるみあるいは黒い政治家の影、こういったものを、私たちは数々の証言をいただいています。現在、捜査がどうなっているのか、まずお伺いを申し上げます。
古田政府参考人 お尋ねの事件につきましては、平成十三年十一月六日、大阪府警察におきまして、大和都市管財元代表取締役豊永浩ら十九名を詐欺罪により逮捕し、同月二十七日、大阪地方検察庁におきまして、同人ら三名を同罪により公判請求しております。
 主犯格と認められる豊永浩の公訴事実の要旨を申し上げますと、資産運用商品であるGFPシュアー・ファンドの募集と称し、ゼネラルファイナンスパートナーを営業者とする匿名組合契約に基づく出資金名下に、平成十一年十一月ころから同十三年四月ころまでの間、投資家八十六名から合計約十一億二千五百二十四万円を詐取したというものでございます。
 さらに、平成十三年十一月二十七日、大阪府警察におきまして、同じく豊永浩ら十八名を別件の詐欺罪により再逮捕いたしまして、同年十二月十八日、大阪地検におきまして、同人ら七名を詐欺罪により公判請求しております。
 この事件についてのやはり主犯格と認められる豊永浩の公訴事実の要旨を申し上げますと、DTK抵当証券の販売と称し、大和都市管財が買い戻し特約つきで販売する抵当権の共有持ち分権の買い付け代金名下に、平成十一年十一月ころから平成十三年四月ころまでの間、投資家二百七名から合計約十八億五百九万円を詐取したというものでございまして、現在、いずれも公判審理中でございます。
原口委員 平成六年の金融検査で、グループ企業を含めた債務超過をつかんだと金融庁は言っています。平成九年十月の業務改善命令から二カ月後の十二月には、抵当証券業の免許を更新しています。しかし、十一月十八日に、大和都市管財から経営健全化計画が出されています。私はそれを見ましたが、あれをまともに検査していて、どうして更新ができたのか、だれにも説明ができないんです。皆さんが、国民を詐欺から守るはずのつかさつかさの人が、あるいは脱税を摘発するつかさつかさの人が、逆のことをやってどうするんだということを強く申し上げたい。
 私たちは、今問われていることは、きょうパネルを持ってまいりましたが、まさに総理はよく、官から民にということをおっしゃいます。民間にできることは民間に、これも正しいでしょう。しかし、官というのは公僕なんです。問題は、この公僕が私物化してしまって、国民が被害を受けているということでございます。私たちは、この私化されている官を公に戻す作業を一方でやらなければいけない。今回のNGOの参加拒否の問題についても、まさに同じことが言えるというふうに思います。
 アメリカのライス大統領補佐官は、昨日記者会見をして、ブッシュ大統領がイラン、イラク、朝鮮民主主義人民共和国の三カ国を悪の枢軸と名指しで批判したことについて、ブッシュ政権は手かげんはしないと強調し、大量破壊兵器の査察などを受け入れなければ、先制攻撃を含む強い措置も辞さない、そういう警告をされたということが報じられています。これに対して、名指しをされた三カ国は大変大きな反発をしています。
 大変厳しい国際情勢の中で、私たちは一刻の外交の停滞も許されない、そんなときに、私の目の前で、外務次官と外相がまさに言った言わないで、よく総理は、言った言わないで何を議論するんだとおっしゃいますが、言った言わないの主語は私たち国会じゃないんです。言った言わないの主語は皆さんの内閣なんです。
 そういう中で、事実を明らかにしなければいけない。きょうも、田中前外務大臣、そして野上事務次官、この方はまだおやめになっていません、国会に来てしっかりと、どうだったのか、なぜ政治主導の改革が田中さんの更迭という形で一つの区切りを迎えなければいけなかったのか、そのことを明らかにしてほしい、私はこのことを強く求めます。
 さてそこで、新外相川口さんにお尋ねしますが、あなたはイワノフ外務大臣に土曜日にお会いになって、北方領土の問題について一つの合意の文書にサインをされたと報じられていますが、何を合意したんですか、お尋ねを申し上げます。
川口国務大臣 土曜日に、ロシアのイワノフ外務大臣と私は初めての公式会談をいたしました。原口委員が先ほどおっしゃいました、合意された、署名をした文書というのは、実は領土問題についての文書ではございませんで、国際テロに対する共同声明でございます。両国一緒に闘っていくという種類の文書でございました。
 そこの会談で話しましたことでございますけれども、なかなか具体的にいい雰囲気で私は会談が持てたのではないかというふうに思っております。幅広い分野で日ロの関係を進展させていこうということに合意をいたしました。
 領土問題につきましては、歯舞、色丹の二島の返還の態様、それから国後、択捉の帰属の問題を同時並行的に議論をするということで合意をいたしまして、これにつきましては、来月、三月に次官級の会談を行うということになっております。
 以上でございます。
原口委員 領土問題について合意をしたんではなくて、いわゆる国際テロについて、今もダニエル・パールさん、米国の記者の方でございますが、パキスタンで身柄を拘束され、まさに命の危険にさらされていらっしゃいます。こういうひきょうなテロを絶対に許さない、そういう中で日本とロシアが一つの合意に至った、これはとてもいいことだと思います。
 しかし、今おっしゃった後段、同時並行的に議論をする、これは、四島の帰属をしっかりと確認した上で平和条約を結ぶ、この基本が変わりようはない、その基本の上に立っての合意であるというふうに理解しますが、いかがですか。
川口国務大臣 おっしゃるとおりでございます。基本方針に変更はございません。
原口委員 私は、ちょうど一年前に樺太に行きました。そして、日ロ両方で日ロ専門家会議、お話をして、三十本ずつぐらいの論文をお互いに交わして交流を、いわゆる民間交流でございますが、してまいりました。
 その中で、ロシアの方から出てきた論文の三十本のうち、たしか三十六本だったと思いますが、六本は、鈴木先生に大変お世話になっています、日ごろから鈴木先生のおかげでというお言葉がありました。鈴木先生というのは、今回のNGO問題でもお名前が取りざたされた鈴木宗男議運委員長のことでございますが、そういう感謝を鈴木宗男さんにしているというロシアの人がたくさんいらっしゃったということを目の当たりにいたしました。
 そこで、総理に伺いますが、総理は、金曜日の参議院の予算委員会で、外務省が一部の特定の議員を気にし過ぎる傾向にある、そして影響を受け過ぎた、だらしない、こういうことをおっしゃっています。そして、鈴木議員の影響力は格段に少なくなると。それを聞いた我が方の浅尾議員は、それは鈴木議員の影響力を排除するということですかということをお伺いをしています。まあそんなところですねというお答えになっていますが、このことは事実でございましょうか。
小泉内閣総理大臣 鈴木議員が、いろいろな外国の要人の方が見えると、忙しい合間を縫ってよく話し合いをしたり、食事をごちそうしたり、丁寧に日本と外国との関係の間を持たれているということ、それは結構なことだと思います。外務省の役人ができないことを、国会議員として、少しでもいろいろな国との友好関係を結びたいという気持ちでやっておられるのだと思います。しかし、そのことと、そういう熱心に外国の要人と会っているということと、だからその議員の言うことを聞かなきゃならないということとは全く別の問題だと私は思っております。
 ほかの国会議員ができないような外交の仕事を熱心にされているということは、別に非難することは何もないと思います。それと、鈴木議員が外務省にどういうことを言ってくるか、何を言っても結構でありますが、その言っていることが適切なものであるか不適切なものであるかということについては、外務省、十分に検討しなけりゃならぬということを私は言っているわけであります。鈴木議員が言っていることは多少無理なことでも聞かなきゃならないと思う必要は全くないと。そこをしっかりと、今までのことを反省しながら、あるいはいろいろな方々が言っていることをよく踏まえて、果たしてそれが適切なものであったか不適切なものなのかということをよく検討して、今後、いかなる議員が言ってきても、その言っていることがどうかということを判断すべきだと。
 与党の議員でも野党の議員でも、いいことを言ってきたら受け入れればいいじゃないか、与党だから受け入れる、野党だから排除する、そういうことは必要ない、野党がいいことを言っていたら遠慮なく受け入れればいいじゃないか、与党でも変なことを言ったら拒否すればいいじゃないかということを言っているわけであります。その趣旨を参議院の委員会で私は答弁したつもりでございます。
原口委員 私は、言った言わないという議論をここでもう一回蒸し返す気はありません。
 資料をごらんいただきたいと思います。資料の六でございます。これは、ジャパン・プラットフォームです。今回、大西さん、彼が主宰をしているそのNGOはピースウィンズ・ジャパン、しかし、ピースウィンズ・ジャパンだけではなくて、ジャパン・プラットフォームも参加の拒否をされているんです。
 資料六をごらんになればおわかりになるように、ジャパン・プラットフォームの概念図をごらんになってください。これは、政府と経団連や企業、NGOユニット、評議会、メディア、民間財団あるいは学識経験者といった人たちがみんなで力を合わせて草の根外交をやっていこう、NGO外交をやっていこうといってつくったものでございます。なぜこれを拒否しなければいけないんですか。
 局長にお尋ねをしますが、局長は、鈴木さんではなくて自分たちが怒っている。総理、あの記事もごらんになりましたか、十九日の朝日の記事。あんなものでNGOが、外務省から参加のインビテーションを受けておいて拒否されるような記事じゃないんですよ。にもかかわらず拒否をされている。そして、拒否をするどころか、どうぞ鈴木さんにあいさつに行ってくれとまで言っている。なぜですか。
 局長にお伺いしますが、なぜジャパン・プラットフォームまで拒否をしているんですか、お尋ねを申し上げます。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 ジャパン・プラットフォームは、幾つかのNGOの傘になる団体でございます。そういう意味で、今回は、そのメンバーは出席していただくことになっておりましたし、それから二番目に、信頼関係が、大西さんが代表をしておられるということで損なわれたというふうに思いまして、参加不許可という決定をいたしたわけでございます。
原口委員 ジャパン・プラットフォームも代表は大西さんなんですか。
重家政府参考人 ジャパン・プラットフォームのNGOユニットの代表でございます。
原口委員 新たなことがわかりましたね。
 今の資料の次のページをごらんになってください。アフガニスタン難民支援、これもジャパン・プラットフォームのホームページからとったものですが、その二段目、ピースウィンズ・ジャパンのテント支援活動。前回、二十八日のこの委員会の質疑でお配りをしたピースウィンズ、まさにこのトップなんです。
 要は、大西さんをねらい撃ちにしているのですよ。このこと自体でも私は許しがたいと思う。なぜ、鈴木議員にあいさつに行かなければいけないのか。そして、十七日にはもう許可をしているものを土壇場になって、二十日の直前になって取り消さなければいけないのか。
 私たち国会は、最初、だれかの電話があったんだと思っていたのです。鈴木さんから電話があって、そして、それで慌てた皆さんがその圧力を怖がって、そして大西さんの参加拒否をしたんだというふうに思っていましたが、どうも全体像を眺めてみると、そうではない、もっと長い、根深いものがわかってきました。
 資料の次をごらんいただきたい。資料の八でございます。NGO参加拒否問題について、一連の流れを私がまとめてみました。この八の、私たちがこの国会の中で問題にしているのは四ページです。八の四、野上次官との答弁の食い違い。野上さんたちは、まさに朝の、菅さんが質問する朝のレクで鈴木さんの名前が出たか出ないか、こんなことに矮小化しようとしているのじゃないかと思います。あるいは二十四日、これはいわゆる十九日に鈴木さんの名前が電話で出たか出ないか、このことがここで食い違ってまさに紛糾したわけです。
 しかし、全体像を見ると一つの流れがわかります。総理が参議院の予算委員会で、まさに田中さんは、一部の議員の介入によってNGOの参加拒否問題がねじ曲げられたんじゃないか、そのことを正そうとしたんじゃないかという答弁をされています。田中さんは何を正そうとしたのでしょうか、お尋ねします。
小泉内閣総理大臣 NGOの一つの団体が参加を拒否されたから、それはおかしいんじゃないのか、参加させたらどうかということを言って、外務省もそれに従ったんだと思います。
原口委員 資料がたくさんで、皆さんに追っかけていただくのは恐縮なんですが、「議事速記録」という資料の五をごらんになってください。
 参議院の予算委員会議事速記録、一月三十日、共産党の筆坂委員に対して総理は、「一部の議員の発言によって、出てもらいたいNGOに、出ることがなかったということを田中大臣は気付いた。出させるようにしたんでしょう。それでいいじゃないですか。」というふうにお答えになっています。
 そうなんです。気づいたんです。一部の議員の発言によって、今お話しになった、局長があいさつに行ってくれと言った鈴木議員のいろいろな発言によって。それは、出すか出さないか、参加か不参加かを鈴木さんがおっしゃったとか、そういう小さなことじゃないのです、恐らくは。こういう人、こういうNGOのいる会議には予算をつけないぞ、そんなふうにおっしゃったんじゃないですか。
 総理、もう一回確認します。
 田中外務大臣は、一部の議員の発言によって出てもらいたいNGOに、出ることがなかったということを気づいたんでしょう。出せるようにしたんでしょう。いかがですか。総理がお答えになっています。
小泉内閣総理大臣 それでいいんじゃないですかと私言ったのです。それで、あとは大臣としてもっと省内しっかりしなさいよと言えば、私はおさまると思っていたんです。反省すべき点は反省しなさいと。もっとしっかり、私が言っているように、変な議員の変な言うことは聞かないようにしなさいよということでおさまると思っていたんですよ。
原口委員 変な委員の変な何だっけ、なかなか私も言いにくいことをずばりとおっしゃいます。
 資料の四をごらんになってください。
 「アフガン支援国会議へのNGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」これは政府見解ですよ。従っているじゃないですか。食い違っているじゃないですか。(発言する者あり)違わぬ。どう違わぬ。
小泉内閣総理大臣 この政府見解の「アフガン支援国会議へのNGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」田中前大臣も大臣当時、そのとおりですと答えているのですから。そうでしょう。
原口委員 そのとおり、じゃ田中さんはそう言っている。
 しかし、あなたはさっきおっしゃったじゃないですか。特定議員の、変な人の変な声にこの参加問題が、出てもらいたいNGOに、出ることがなかったということを田中大臣は気づいた、出せるようにしたのでしょう、それでいいじゃないですかと言っているのです。違うじゃないですか、今の答弁は。
小泉内閣総理大臣 ちっとも違っていないのですよ。結果的に、特定の議員の言うことを聞かなくて参加が決定したのじゃないですか。
原口委員 いや、びっくりしましたね。つまりは、NGOの参加決定は、最終的にはその議員が言ったことは覆っているから。そんなことは当たり前なんですよ。じゃ、この政府見解はそういうふうに読むわけですね。いいんですか、それで。
 委員長、私は、この問題でまさに多くの皆さんがどうなんだということを言ってきたわけです。ちょっと協議してください。
福田国務大臣 ただいま総理が御答弁されたように、このNGOのアフガン会議に出席するかしないかということについて、特定の議員からサジェスチョンがあってそれに従った、そういうことはない、こういう意味でございまして、これは前の委員会でも御説明申し上げたのでありますけれども、昨年の十二月にいろいろそういう関係でやりとりがあった、それはこの一月のアフガン会議のことではなかった、こういうことでありまして、そういう一般的な議論はいろいろあったというような話は伺っております。
原口委員 日本語になるように言ってくださいよ。
 あのとき私たちが何でここでやっていたかというと、まさに特定の、さっきおっしゃったじゃないですか、変な議員が変なことを言ってきて、それに参加拒否という形でこたえたのですよ、外務省が。そのことは一体あったのかなかったのかというのを聞いている統一見解なんですよ。それが、結果的に参加することになりました、そんなばかな政府見解で私たちは二時間半も三時間半も待たされたのか。ふざけた答弁をするなと言いたい。
福田国務大臣 政府見解は私が最終的に責任を持って、最終的には総理ですけれども、私が取りまとめをいたしましたので、私からお答えいたしますけれども、この「アフガン支援国会議へのNGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」これは、今までの我々の知る限りではそのようなことでございまして、それをここの政府見解に取りまとめたということでございまして、これ以上のことはないのですよ。
 このことについては田中前外務大臣、当時外務大臣も、この政府見解については了解をされていらっしゃいますので、これは全く問題がないというように考えているのです。
原口委員 私は、こういう詭弁を弄されるとは思わなかった。統一見解をここで出してくださいと言ったのは私なんですよ、お願いしたのは。そして、あなたがそこで約束をしますと。
 なぜ統一見解を出してくださいと言ったかというと、まさに政府の中で全然違ったからなんです。特定議員がNGOの参加拒否、参加、不参加やさまざまな予算やそういうことについて圧力をかけた事実があるかないか、そしてそれに外務省が振り回されたのかどうか、統一見解を出してくださいということを言ったわけです。
 今の御答弁であれば、田中大臣が私にお答えになったことは全く無効であったということですか。田中大臣は、まさに鈴木さんの名前があって、そしてそのことによってNGOが不参加になった、とんでもないことだ、きょういらっしゃっている重家局長に、あなた、偽証みたいなことはしないでくれ、そこまでおっしゃっているんですよ。では、田中さんに来てもらおうじゃないですか。いかがですか。
福田国務大臣 お呼びするかどうかということにつきましては、この委員会にお任せするしかありません。
原口委員 委員長にお願いしますが、積極的に事実を解明しようという誠意が全く見られません。総理はまさに、変な人の変な声があって外務省が振り回されたのはけしからぬ、私はそのとおりだと思うんです。そして、そのことを田中さんがここで闘っていたんでしょう。政府見解がこういうふうになる。もう一回資料に行きますか。
 これは資料の八の三をごらんになってください。田中さんはこういうふうにおっしゃっている。野上事務次官より鈴木議員の名前が出たと外相は答弁しているが、野上次官は本当に鈴木議員の名前を取り上げたのかという私の質問に対して、私は、きょうは一つの、委員長に申し上げますが決意を持って臨んでいる、与党とか野党とかじゃないんだ、政治に対する不信を払拭するために来ているんだ、外務省改革をきょうできるかできないか、意を決して来ているんだ、ここまでおっしゃって、きょうの重家局長に国会を愚弄するなとまでおっしゃっているんです。
 それは、そういう事実があったからでしょう。違うんですか。今の政府見解、これとも違う。事実は、そういう議員の力によって、NGOの参加、不参加の問題だけじゃなくて、結果的には拒否という形になったというのが事実として認められるんでしょう。違うんですか。そこが違うんだったら、次の議論にはなれない。
小泉内閣総理大臣 この政府見解をよく読んでくださいよ。二番のこの「NGOの参加決定にあたり、」というところは先ほど読みました。その前、「一、昨年来NGOの在り方については与党も含め各方面の議論がなされ、その過程で外務省に対しても様々な意見表明がなされたことはある。」そして三番、「本件に関して、一月二十四日の予算委員会における田中外務大臣の答弁と外務省事務当局の答弁との間に相違があるが、政府としては、引き続き関係者の申述等を聴取し、事実関係の確認に努める。」「よって、現下の経済状況に鑑み、第二次補正予算の一日も早い成立をお願いしたい。」
 そして、政府関係者の申述等を聴取したんですよ。それで、参加決定においては、結果的に、田中大臣の言うとおり、NGOが参加された。この見解、田中前大臣もそのとおりだと答弁された。で、二十四日の、前の言った言わないの議論があって、私は、引き続き関係者の申述等を聴取し、そういう中で参議院の答弁になっているんですよ。
 確かに、経緯を見ると、特定の議員の声に気にし過ぎた面もある、反省しなさいと。これからは、与党であれ野党であれ、変な意見は拒否して、いい意見は採用した方がいいと。ですから、この見解とは矛盾していないんです。
原口委員 特定の議員の主張に従ったということはもう明らかです。それで、最後の結果が、田中さんが出しなさいと言ったから、この二は結果を書いてあるということですね。
 そして、この三について、あなた方は「引き続き関係者の申述等を聴取し、事実関係の確認に努める。」とされたわけです。私たち予算委員会もやるべきなんですよ。私の目の前で全然違うことを言って、どっちかがうそを言っていないとおかしいんですよ。
 資料五をごらんになってください。「アフガン復興会議へのNGOの参加に対する鈴木議員の介入の有無について野上次官から言及があったかどうか」、八名中八名がなかったと回答しているわけです。幾ら何でも、これと田中外務大臣の答弁が違わないとは言わないでしょうね。全く違うんですよ。田中外務大臣は、私の目の前でうそをついている。この申述聴取結果、これは公式に政府から出されたものです。このものと、田中さんが、朝、間違いなく野上さんがおっしゃいましたと言ったことは真っ向から違うんです。議事録を削除するんですか。そんなうそつきの外務大臣をあなたは任命したんですか。お尋ねします。
小泉内閣総理大臣 政府見解の聴取を確認して、その結果、私が判断したんですよ。この申述聴取結果、こんなこと何回もやっていたらこれはらちが明かぬと。言った言わない。ということで、この事態の打開を図るためには三人やめてもらうのがいいのではないかと。三人、わかりましたと言ってやめた。それで事態が打開されたんですよ。そして、私が一番傷ついている。事態が打開されて、私は、正常化に進んでよかったと思っております。
原口委員 野上事務次官は、役所にお帰りになって、万雷の拍手でお迎えになられたそうです。真実をしっかりと国民に明らかにしないで、まさにこういう族議員、このきょうの資料の一番最後に、フィナンシャル・タイムズが、パワーブローカーたちのよりどころとなってしまっている自民党ということで書いています。まさにNPOというのは市民公益、自由に活動できる人たちが補助金をいただいているということで、一部の官僚に、自民党の有力者にあいさつに行かなければいけないような社会というのはどんな社会なんですか。自由な社会ですか。自分の部下との日常的な衝突、これはマスコミによって生々しく報道され、外務省を単なる笑い物に転じ、世界における日本の権威を傷つける結果となったとまで言っています。
 よく抵抗勢力というお話をされますが、マクロの経済政策をほとんど間違っている。一ページ目をごらんになってください。小泉内閣発足後の経済情勢の変化です。すべてマイナスです。二ページをごらんになってください。円相場、長期国債、日経平均、全部、トリプル安。こういう中で、マクロの経済政策を間違うから、ミクロの改革も進まなければ、まさにこういうパワーブローカーというものの暗躍、一つも解決していないんじゃないですか。このことを私は強く申し上げなければいけないというふうに思います。
 委員長にお願いをします。
 政府がこうして申述書をお出しになる。しかし、予算委員会では、特に私の議事録はそのまま残っています。ぜひ本委員会で集中審議をし、そして野上事務次官、田中外務大臣、鈴木宗男議運委員長、新しい事務次官、そして大西さん、お呼びいただいて、国民が今一番知りたい、一体何でこれほどの大臣を小泉総理が更迭しなければいけなかったか、答えを出していくのが国会の務めだというふうに思いますが、委員長の御発言をお願い申し上げたいと思います。
津島委員長 原口委員にお答えいたします。
 本予算の基本的質疑が終わりましたら、直後に外務省問題の集中審議を実施することで理事会で合意されております。その場でしっかりとまた御議論をいただきたいと思います。
原口委員 参考人についてはいかがですか。
津島委員長 お答えをいたします。
 当該審議における参考人招致につきましては、野党四党の御要求がございますことはよく承知をしておりますので、そのことについて与野党で合意できるよう私としても最善を尽くすことにいたしたいと思います。(発言する者あり)
 それでは、もう一度申し上げます。野党四党の要求を勘案し、合意し得るよう最善を尽くします。
原口委員 今、最善を尽くすというお約束をいただきました。政府も、これは外務省の中の話だけじゃないのです。官邸と外相がまさに確執を繰り広げて、そしてそれを傍観していた小泉総理の責任は重いということを申し上げて、野田委員と交代をしたいと思います。
 ありがとうございました。
津島委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。
 次に、野田佳彦君。
野田(佳)委員 今までの外務省問題についてのやりとりを聞いていまして、私はちょっと強く感じたことがございます。これは質問ではございません。要望をさせていただきますが、言った言わないということは大事なことではないという認識が何か広がっているようです。私は、それは間違いだと思います。外交というのは記録です。言った言わないをしっかり解明することは、日本の外交がしかるべき機能を回復するための大前提だと私は思いますので、先ほど原口議員が述べられました五名の方の参考人招致、重ねて申し上げますが、委員長の善処方を心からお願い申し上げたいと思います。
 では、質問に入ります。きょうは農水大臣中心の質問でございますが、細かい法令上の根拠であるとか細かな数字をあげつらう話はいたしません。すべて大臣の基本姿勢や責任についての質問でございますので、若干通告の順番が狂ったりとか、あるいは膨らんだりすることがあるかもしれませんけれども、ぜひお許しをいただきたいというふうに思います。
 その前提で、まず最初にお伺いをしたいのは、大臣に就任をされてから、もう個々のことは言いませんが、とても失言が多かった。なぜそんなに失言があなたは多いのでしょう。端的にお答えいただきたいと思います。
武部国務大臣 私に失言が多いという御指摘でございますが、そういう御印象を持っておられるとすれば不徳のいたすところでありまして、十分謙虚に反省をしながら誤解のないような努力をしていかなきゃならない、かように存じている次第でございます。
野田(佳)委員 そういう印象を与えたならではなくて、これまでの予算委員会や農水委員会は、ほとんど大臣のこうした発言に対する質問が多かったと思うのですね。
 例えば、感染源、感染ルートの解明はそんなに大きな問題ではないとか、給食に牛乳を出さないのは情緒的であるとか、肉骨粉を使用しないように求めた行政指導を知らなかった農家は恥ずかしいとか、そういう発言について、私は明らかにこれは失言だと思います。それについて、釈明とか弁明とか愚痴はたくさんおっしゃっていますが、私はこういう発言というのはこれからも続くのではないかというふうに懸念をしています。
 失言というのはイコール失政であります。国民の牛肉離れは、もちろんBSEの発生、これが最大の原因でありますけれども、あなたの不適切な発言、粗っぽい言葉、この影響も極めて甚大であるというふうに思っております。
 この言葉遣い一つ、私は農水相の資質に欠けるというふうに思いますが、重ねて、自分自身のお言葉の使い方についてお尋ねをしたいと思います。
武部国務大臣 これまでの私の発言が、ただいま御指摘されたように、感染原因の究明の軽視や責任転嫁等と報道されておりますが、私は、実際にはそのような趣旨のことは申し上げておりません。真意が伝わらないことはまことに残念なことでありますが、しかし、かかる報道がなされたことによりまして、国民の皆様に誤解を招き、関係者の方々に多大な御迷惑をおかけしたことにつきましては、まことに申しわけない気持ちでいっぱいでございます。
 私としては、現在、農林水産省の先頭に立って、感染原因の究明に全力を尽くしております。農林水産省としては最もエネルギーを割いていると言って過言でありません。生産者や流通業者等、影響を受けた方々に対する関連対策の実施等にこれからも全力で取り組んでまいりたいと思いますが、今委員御指摘のことにつきましても、やはり閣僚として、しっかり反省すべきところは反省して、特に消費者の方々に正確な情報を提供し、冷静に事態を認識し、対処してもらうということが牛肉の需要回復に非常に大事なことでございますので、今後しっかり反省をしながら職責を果たしてまいりたい、かように存じている次第でございます。
野田(佳)委員 ちょっと直接的なお答えではないと思うのですが、我が党の筒井議員との一月十日の農水委員会のやりとりの中で、言葉遣いに乱暴なところがあったり、表現に適切さを欠いたり、説明が不十分であったり等々言われまして、謙虚に反省しなければならない、今とおっしゃったことは同じです。でも、私はこのことは、これからも同じような傾向は続くのではないか、だから、その言葉において農水相としての資質はないというふうに申し上げたわけでございますが、では、具体的な問題をもう一つお聞きしたいと思います。
 十二月二十八日の群馬県の宮城村における畜産農家との意見交換会での大臣の御発言、みずからの進退問題に触れられています。千葉県内で確認された一頭目の感染牛が出たのは、これは北海道の佐呂間町で自分の選挙区だから、仮にやめたいと思ってもやめられないと言っていますが、これは事実でしょうか。
武部国務大臣 仮にやめたくてもやめられない、そういう気持ちで今頑張っていると申し上げたわけでございます。
野田(佳)委員 事実ということですよね。
 自分の選挙区だからやめたくてもやめられない、私は、これはおかしな考え方だと思います。自分の選挙区ではなかったらやめてもいいということでしょうか。御自身の次の選挙の当落を優先して、大臣としての出処進退という大局観を欠いていると私は思いますが、いかがでしょう。
武部国務大臣 それは、私は年末にも根室、猿払、群馬にも参りました。また、一頭目は私の地元から出たということでございます。このBSEが発生して、行政に構造上の問題がある、これは政治主導で徹底究明しなきゃならない、そのためには私自身が先頭に立って頑張ろう、責任回避はできない、そういう思いで申し上げたわけでございます。
    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
野田(佳)委員 そういう積極的な意味にはこれは受け取れません。
 十一月十六日の衆議院の連合審査会、「牛は私の選挙区から出ているわけでございます。この対応を間違えば次の選挙では出てこられないであろうというぐらいの、これはまじめな話そういう状況にあります」。これは群馬県だけではなくて、国会の中でも言っているわけです。ある意味では正直です、確かに正直。正直過ぎる。自分の選挙区事情を優先して、先ほどと同じですけれども、大臣の出処進退というのを考えていないと思います。
 次の問題に行きます。
 私は、予算委員会とか農水委員会のいろいろな答弁を聞いていまして、もちろん今回のBSEの問題の発生というのは、もともとは一九八六年にイギリスでBSEの牛が発見されて、九〇年代から肉骨粉の危険性が広く報道されて、それへの対応が農水省として極めて遅かった、注意義務もある意味では怠ってきた、そして九六年のWHOの勧告が出た後も、あの百九十数文字の行政指導だけで終わらせて、しかるべき対応をしなかったという意味で、これがBSE発生の最大の原因だと私は思っているのですが、そういう問題について、大臣は、たまたま自分が今そのポストについてしまって、どっちかというと運がないなというような意識がすごく強いと思う。何で自分がその責任を問われるんだという意識が極めて強いと私は思いますが、いかがでしょう。
    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
武部国務大臣 全くその逆と言って過言でないと思います。
 WHO勧告を受けて、私は、それをしっかり真摯に受けとめて行政対応していたらよかった、このように思います。したがって、いろいろな委員会の席でも、当時としては専門家に相談したりいろいろやるべきことはやっていたというような、そういう考えでやっていたのかもしれないけれども、私自身振り返ってみると、これは法的規制をして実効の上がるものにすべきだったということを明言しております。
 BSEが発生した後、当初いろいろな混乱がございました。私は、これは行政に構造的な問題がある、あるいは縦割り行政との問題がある、これは役人任せにはできない、したがって、私自身が政治主導で徹底究明し問題の解決に当たらなければならない。私もいささか、酪農畜産地帯の出身でもございます。ですから、私自身が先頭に立って真剣にやろう、そういう気持ちで申し上げているわけでございます。
野田(佳)委員 過去のこれまでの農水省のある意味では不注意、不作為というものについては責任を感じていらっしゃるわけですね。責任があると思っていらっしゃるわけですね。その上で現在の状況に対応しようというのが答弁の趣旨だろうというふうに思いますけれども、私は、過去の農水省の失敗、責任があるとするならば、本来ならば、そこにかかわった、判断をした当事者の皆さんの、政治家、役人を含めて、その責任というものは追及していかなければいけないものだと思います。
 もちろんそのことはしなければいけないと同時に、しかし、組織としての反省の意というものを国民に示すには、現在最も責任のある人が、トップに立つ人が一人責任をとるというのが一番わかりやすいというふうに思いますが、いかがでしょう。
武部国務大臣 私は、本会議においても、責任の重大さを痛感しているということも申し上げました。報道等を通じても、責任を痛感する、あるいは謝罪、反省、そういう文字を数多く発した、私はこのように記憶しております。
 農林水産省の一番の責任者は私でありまして、過去から現在に至るまでのさまざまな経過がございます。これに対して、私は、トップとしての責任感があるからこそ、責任を感じているからこそ、過去の検証について、行政対応上構造的な問題があるに違いない、あるいは縦割り行政の弊害というものがどのようにして出てきたのかということを感じておりますから、これはやはり客観的な検証、科学的な知見を求めなきゃならぬということで、はっきり申し上げますが、当初、第三者による調査検討委員会を立ち上げることにつきましても、私がやろうとしていたときよりも実際に時期がずれております。私は通常国会前ぐらいにはしっかりした結論が得られるようにというような努力をしつつあったのでありますけれども、非常にこの問題究明に対しましてはいろいろなさまざまな意見がありまして、しかし、私は、これはもう役人任せには絶対できないということで、BSE対策本部長の遠藤副大臣とともに、二人で誓って、これは必ずや解明しよう、そういう努力を続けている次第でございまして、今お話しのとおり、私は一番大きな責任を感じつつ、その責任を果たすために今努力しているということを御理解いただきたいと思います。
野田(佳)委員 農水省だけの問題ではなくて、行政判断を誤って、具体的にその結果が失敗に終わったとか国民に大きな被害をもたらすということはこれまでも間々あったと思うんです。私は、そのときに、いつも過去の責任を問えず、常に行政責任というのがうやむやになってきたということをとても残念に思っていまして、先ほど大臣は縦割り行政の弊害をおっしゃいましたけれども、私は、行政というのは連綿とした営みであって、その判断の積み重ねがあって今があると思うんですね。
 ということならば、縦割り行政というのは、農水と厚生との縦割りだけじゃなくて、私は、農水省の中に時間軸における縦割り意識があると思う。私は、そのことはちゃんと自分の責任として受けとめる、そのことを出処進退の参考にするというのが本来はあるべきではなかろうかということを申し上げたいと思いますが、この点についてはちょっと堂々めぐりのようでありますから、次に行きたいというふうに思います。
 過去の責任はまあいい、いいということはないんですが、次の問題、当面の、在任中の責任についてお尋ねをしたいと思います。
 何よりも最も大きな分岐点だったのは、EUのBSEステータス評価を、カテゴリースリーでEUが評価しようというときに、農水省は六回も抗議の書簡を送って中断をしている。そして、過日の参議院の委員会でも明らかになりましたけれども、EUからの書簡、五月八日付のものを、大臣には報告がなくて、それを知ったのは十二月だという。この経緯というのはとても私は決定的な問題だと思っています。
 日本がEUのステータス評価を拒否することによって、カテゴリースリーの我が国が今どうなっているか、リスク評価を避けて逃げる最も危険な国という扱いじゃないでしょうか。私は、これはとても大きなミスだったというふうに思います。
 加えて、EUの書簡を大臣が報告を受けたのは十二月。これはさっき時間軸の縦割りを申し上げました、あるいは厚生労働省との縦割りの問題、連係プレーのなさを言いました。私は、農水省の中のそれぞれのセクションの横の連携、農水省の中の上下の連携の関係、農水省自体の組織が私はおかしいと思います。農水省の中の縦割りにも問題があるし、上下の連絡、報告、相談がない。それは当然、報告をしなかった担当者を厳しくしかったというような報道がありました、当然かもしれませんが。
 その組織を統率をしているのはあなたです。統率者としてのあなたの責任も当然厳しく問われると思いますが、いかがでしょう。
武部国務大臣 お説、私はそのとおりに受けとめております。
 まず、このEUのステータス評価に関するEUとの協議について、私が六月に事務方から説明を受けた内容等について少しお話しさせてください。
 その際には、今お話しのとおり、レベルスリーといったEUのステータス評価の概要とともに、ステータス評価は、当初、医薬品及び化粧品等の輸出に関して必要であるということから評価を受けることにしたということが一点、それから、その後これらが規制の対象から除外されたということが二点、そして、EUが家畜衛生分野の国際機関であるOIEの評価基準を取り入れ、新たな評価基準による評価を開始する予定であるということの説明を受けました。つまり、OIEは五月に総会を開いて、新しい基準を採択しているわけであります。
 こういったことについて説明を受けまして、また、OIEの基準や、EU委員会が新たに採用することとしていた新たな評価基準を受ける予定であるという説明がございましたので、私は本評価を取りやめることについて了とした次第であります。事実、EU委員会は昨年七月にOIEの国際基準に沿った新たな基準を採択しているところでございます。
 しかし、この評価を受ける受けないということよりも大事なことは、委員指摘のとおり、その評価の内容について農林水産省全体が真摯に受けとめて、都道府県や厚生労働省や他省庁とも連携をとってしっかりしたマニュアルをつくって、万々が一BSEが発生した場合でも、今やっているように、屠畜場からは絶対安全を証明した牛肉以外は流通しないという体制をつくるためのシステムづくりはできていたはずなんです。それがなされていなかったということは、私は、これは本当に遺憾千万でございまして、そのことについて非常に大きな責任を感じておりまして、これは役人任せにできないと。農林水産省省内のことも今御指摘がございました。したがって、政治主導でこの問題を徹底解明する必要がある。
 同時に、これは私ども一人じゃなくて、専門家やマスコミあるいは消費者の皆さん方も入っている第三者による調査検討委員会に、もう御案内のとおり三千ページに及ぶ資料を出しているわけであります。そういったところできちっと御議論をいただき、御提言をいただいて、それに基づいて私どもは、行政上のけじめといいますか責任をしっかり果たしていかなきゃならない。そのためにこれからさらに真剣に努力していこうということでございます。
 私のとるべき責任は、政治主導でこういった問題がなぜ起こったかということを解明して、二度とこういうことにならないように農林水産省を改革することが私の責任だ、このことに執念を持って取り組んでいる次第でございます。
野田(佳)委員 今までの御答弁はいろいろなところで折につけ私もよく聞いているお話なんですが、ポイントとして先ほどお聞きしたかったのは、要は、ステータス評価を避けることによって、我が国の評価はリスク評価を逃げようとする最も危険な国という、そんな状態になっていることについてどう思うかということと、先ほど申し上げたとおり、大事なEUの書簡があなたのところに上がってこないという、ほかの省と省との連携じゃなくて、農水省としての組織の問題。先ほど出ていたNGOの参加拒否の問題は、その問題が大臣に上がっていなかったということが大きな問題でしたよね。
 大臣の相談もなく大事なことが決められたということ、これは今回全く同じ構図であって、こういう大事な問題が大臣に上がってこなかった、半年もたってからあなたがわかったという、この組織的な問題をどうとらえているかということについてお尋ねしたわけでありますので、その点に絞ってお答えください。
武部国務大臣 全く委員御指摘のとおりだと、私はそのように思います。
 当初、私は就任時に、報告、連絡、相談、点検と確認、起こり得ないことが起こるというのが最近の傾向であるということを申しました。そして厳しく叱正したのでございます。にもかかわらず、昨年十二月二十一日に開催された第三回BSE問題に関する調査検討委員会に資料として出すということを、初めて私は残念ながらこのことを知らされたわけでございます。
 私は、このとき、何でまたこんなことをやっているんだということで激怒いたしまして、厳しく叱責したわけでございますが、今あなたが指摘されたことは全く同感でありますし、私もそう思っているものでありますから、これは役人任せにはできない、政治主導で徹底究明しなきゃいけない、農林水産省を変えなきゃいけないということ、そして、変えるためには、私の主観的な物の考え方だけではなくて、第三者による調査検討委員会においてもありとあらゆる資料を出して、しかも公開のもとにやらせていただいているわけでありまして、そこで出てきたものを受けて真剣に農林水産省改革をやろう、正していこう、こういう決意で努力中でございますので、御理解をいただきたいと思います。
 私自身の責任は非常に重い、このように認識しております。
野田(佳)委員 では、ちょっと今の件で具体的にお聞きしますが、報告を上げなかった担当者については、しかっただけで終わるわけですか。しかるべき行政責任を問うということはあるんでしょうか。
武部国務大臣 それは口頭で厳重注意をいたしました。そして、人事の刷新の一環で、当該部署からかえました。
野田(佳)委員 私は、そのポストポストにいて、緊張感を持って本当に仕事をしてもらわなければいけないと思うんですね。そのときに、まさにこうした大きな政治的な問題になるような大きな判断ミスをしたときには、信賞必罰だと思うんです。口頭でしかったというのは、何の記録にも残りません。これはペナルティーではないと思うんですね。やめられた前農水事務次官も、満額というか増額で退職金をもらったり、私は、大臣だけではなくて、責任ある人たちが何の責任もとっていないことに、農水省に対する国民の批判があると思うんです。
 その中で、雪印食品には厳しい姿勢で臨む。厳しい姿勢で臨むには、みずからが襟を正すことが大事であります。そのことが全くできていないということについて、私は極めて遺憾に思っていますが、どうでしょう。重ねてお願いします。
武部国務大臣 私は、役人を守ろう、あるいは組織を守ろうなどという考えではありませんで、農林水産省の構造的な問題を徹底究明しよう、正すものは正さなくちゃいけない、役人の言いなりにはならない、そういうことで人事の大刷新を改革の端緒としてやったわけでございます。当該責任者は、私は、その職からほかの職にかえました。
 そういうことで、これは、不祥事でありますとか刑事事件でありますとか、そういうことではありませんで、私どもといたしましては、責任というもののとり方についても真剣に考え、人事の刷新ということでけじめをつけさせていただいた次第でございます。
野田(佳)委員 不祥事でも何でもないとおっしゃいました。では、これは何なんですか、一言で言うと。失政じゃないですか。失政ですよ。
 実際に、過日参議院の委員会で、今回のBSE発生に伴うさまざまな業界や国民への影響、被害総額がようやく出てまいりました。二千億を超える。でも、私は、多分こんなものじゃない、とんでもないと思っています。最小限で二千億。加えて、そのための補助金で千五百億円、補正予算で千五百億円というように、国民の税金で補てんをしなければいけない。
 金額でもこのように実害が出ているわけですね。実害が間違いなく出ているわけですね。では、これはだれが責任を負うべきものなんでしょう。
武部国務大臣 責任のとり方の一つは、私は、しっかりした対策を立て、対策の実を上げることだ、このようにも考えております。
 したがいまして、BSE発生以来、まず人の健康に影響を与えないということを優先して、厚生労働省とも提携して全頭検査体制をとったわけでございます。これによって、屠畜場から流通する牛肉は安全を証明したもののみということが明確になっているわけでございます。同時に、BSEの侵入を今後許さないということのために、肉骨粉の輸入をすべて禁止し、国内における製造、出荷等も停止したわけでございます。
 そのほか、今、生産者はもとより、中小企業の皆さん方に対しましても大きな損失が生じているということに対しまして、関連対策を実施しているところでございます。
 さらに、こうした対策に万全を期すということがまず私どものとるべき責任であり、感染源の究明とともに、一日も早く消費が回復するためには何をなすべきかということで、今苦心惨たん努力をしている次第でございますので、御理解をいただきたいと思います。
野田(佳)委員 いつもとても長い御答弁をいただきますけれども、常に本質からずれていらっしゃると思うんですよね。私は、先ほど申し上げたような被害総額が出て、そして補正予算を組んで、これだけの金額を使っている、これだけの金額の被害が出ている、そのことについてどうとらえるかというお話でした。万全の対策をとっているというお話ですが、そのことについてはまた後で触れたいと思いますが、それにストレートに今答えていらっしゃいません。
 問題なのは、被害総額二千億以上だろうと先ほど申し上げましたけれども、実際にBSEの発生した実害だけではなくて、風評被害が相当含まれている。その風評被害の中に、私は、あなたの存在というのもとても大きな比重を占めている。お肉をおいしそうに大きなお口で食べていらっしゃったあの非科学的なパフォーマンス以来、私は農水省の科学的知見というものは信用されていないというふうに思っている。私はそう思います。そうした意味で、この被害の中ではかなりあなたの存在も影響しているということを申し上げたいと思います。
 先ほど、今後のことについては万全を期して頑張っているということをるる申しておられましたが、では、その中で一点お聞きしたいと思います。
 感染経路の特定に有効だと言われている死亡牛、廃用牛の全頭検査は、これは専門家の皆さんやあるいはこの国会の中でも随分前から指摘をされていますが、いまだにまだ具体的な動きが見えてきていません。ということは、あなたは感染経路の特定の仕方に理解がないのか、熱意がないのか、あるいは実行体制を組める指導力がないのか、この三つに一つだとしか私には思えません。問題認識能力がないか、問題解決能力がないか、どっちかだと思いますが、いかがでしょう。
武部国務大臣 厳しい御指摘は謙虚に受けとめたいと思いますが、BSEの我が国における発生を早期に根絶するためには、EUが取り組んでおります二十四カ月齢以上の死亡牛についての全頭検査の導入を目指して、今、早期に検査体制の強化を図っていくこととしているわけでございます。
 しかし、現行の死亡牛のサーベイランス体制をさらに強化することについては、死亡牛からの検体の採取、検査体制、死亡牛の検査終了までの取り扱い等、一連の検査システムとそのあり方についていま少し詰めなければならない問題があるわけでございまして、特に都道府県においても、このシステムに応じて予算、人員を確保していかなければなりません。そういった体制づくりを整えることが必要でありますことから、現在、都道府県と調整を行っているところでございます。
 具体的には、今年度中に四十二県、四十五家畜保健衛生所においてBSEエライザ検査機器の整備を予定しております。なお、十四年度で残る県につきましても準備を整えるということでございまして、十月十八日の全頭検査の開始以降、廃用牛も含めまして屠畜場に出荷されたすべての牛に対して検査が行われているところでございます。
 今、問題の認識あるいは能力というお話がございましたが、私は、私のあとう力の限りを尽くして、遠藤副大臣を本部長とするBSE対策本部の皆さんとともに全力を挙げている次第でございます。厳しい指摘は謙虚に受けとめて、それをエネルギーにして努力したい、こう思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
野田(佳)委員 極めて具体的な問題ですから、精神的な、頑張りますという路線ではこれは納得できないわけであって、これはさっき申し上げましたとおり、専門家であるとか国会の中の議論で二カ月も三カ月も前から出てきている議論。そのお答えはずっと今とほとんど同じですよ。全然変わりませんよ。それこそ政治主導でスピードアップをして、予算をつけて、体制をつくる、それがあなたの責任だと思いますが、もっと具体的に、いつまでにできるのかどうかおっしゃってください。
武部国務大臣 可能な限り速やかにやれるように、今申し上げましたように、四十二県については準備が整いました。あと残るは五県でございまして、これも十四年度には整うということでございますので、委員の御指摘を踏まえて、最大限の努力をして、速やかに体制を整えたいと思います。
野田(佳)委員 るる責任の問題で具体的にいろいろとお話を聞いてきました。農水省としての、組織としてのこれまでの後手後手の対応、認識の甘さについて、これは過去からさかのぼっての現在のポストにある大臣の責任と、そしてEUのBSEステータス評価、あのころのまさに不始末の問題、さらに、実際に昨年の九月に日本でBSEが発生してからの不手際あるいは今の対応の遅さ、そして一番最初に申し上げた不適切な発言の多さ、トータルに見て、私は、改めて申し上げますけれども、武部大臣、大事な大事なこの局面における農水大臣のその任にあらずだと思っています。
 一月二十二日の毎日新聞に、国民の世論調査が出ていました。大臣やめるべきだという人が五〇%、そうでないという人をはるかに上回っています。虚心坦懐に、自分を無にして、この国民の声に私は耳を澄ましてほしいと思いまして、この一点、最後、大臣にお尋ねします。
武部国務大臣 行政対応の問題も含めまして、私も非力であることは自覚しておりますが、私の果たすべき責任は、この困難性を克服して、一日も早く国民の皆さん方に安心していただき、信頼を回復する努力を真剣に続けることが私の果たすべき責任、このように考えておりまして、そういう努力をさせていただきたいと思います。
野田(佳)委員 全く国民感情からはかけ離れた、全く正反対の御決意だと私は思っております。そのことは私は極めて残念に存じます。
 それでは、今大臣に辞職の決意があるかどうかをお尋ねしてまいりましたけれども、任命権者である小泉総理大臣にお尋ねをしたいと思います。極めて端的にお尋ねをします。
 田中前外務大臣はやめた、やめさせられた。武部大臣についてはどうお考えでしょうか。解任をするお気持ちがあるかどうか、お尋ねします。
小泉内閣総理大臣 今後、BSE問題のようなことが起こらないように最善の努力をして、反省すべきは反省し、しっかりした省内体制をとるよう、そういう点で責任を果たしてもらいたいと思います。
野田(佳)委員 小泉総理大臣の小泉内閣メールマガジンには、田中前大臣のことを評して、多くの国民を引きつけ、透明で身近な外交の実現と外務省改革に真剣に取り組んでいただいた云々と、大変高く評価をされている。にもかかわらず更迭。一方で、武部大臣については、これは厚生労働省とも一緒でありましたけれども、九月二十七日に総理は、農水、厚生労働省の対応を遺憾と注意をして、両者の対応の問題点として二点を指摘しています。
 一つ。関係者間の連絡が不十分で、対応に混乱が見られるなど、国民の行政に対する不信を招いた。これだけでも大きな私は失敗だと思います。もう一つ。BSEは海外で既に発生し、問題点も明らかになっていたにもかかわらず、これまで対応、処置がとられていなかったということで注意をされています。私は、この二つとも、とても本質的な問題であり、とても責任の大きい問題だと思っています。
 田中前外務大臣では、メールマガジンで高い評価をし、やめさせ、このような不始末を続けている農水大臣はなぜ守ろうとするのか。そのスタンダードが私は国民にはよくわからないと思いますので、もう少し丁寧にお答えをいただければと思います。
小泉内閣総理大臣 武部農水大臣の場合には、これから、今までの点を反省して、関係省庁とも連携をとって、大臣、省庁、一体となって反省すべき点は反省し、今後の対応に十分誤りのないような措置をしていただきたい。全省庁一丸となって、今言われた指摘も踏まえて体制をとるということで責任をとっていきたい。
 田中前大臣の場合にも、本来は、田中大臣のNGOに対する問題、いろいろな過程の議論はあったとしても、田中大臣の意向に従ってNGOは参加するという結果を見て、今までのいろいろな点を反省しながら、ぴしっと省内をおさめて改革に取り組んでいただきたかったわけでありますが、その点がいろいろな問題を起こして、一外務省の問題ではない、政府全体、国会全体の問題になってきた。この混乱を打開するために処置をとったわけであります。歴然と違いがございます。
野田(佳)委員 違いがよくわかりませんが、時間ですので、終わります。
津島委員長 これにて野田君の質疑は終了いたしました。
 次に、山田正彦君。
山田(正)委員 自由党の山田正彦です。
 今、テレビで、新聞で、連日雪印の問題が報道されておりますが、この十月十八日、いわゆるBSE問題での全頭検査をする以前の牛肉の在庫、これの緊急保管対策事業について、ひとつ農水大臣からお聞きしたいと考えております。
 これはもともと、農水省は、安全宣言をする十月十八日以降の肉はもう大丈夫ですよ、それ以前の、十月十七日以前の牛肉を隔離保管しましょうということから始まった事業だ、そう思いますが、その中で実は一番危ない危険部位、すなわち内臓とか骨とか、そういったものはこのいわゆる保管対象からなぜ外したのか。大臣、明確にお答え願いたいと思います。
武部国務大臣 今回の牛肉在庫緊急保管対策事業は、牛肉は本来安全ではありますものの、消費者の不安を念には念を入れて払拭する必要があるということ、また、滞留在庫の円滑な流通を図ることが必要であるというようなことから実施したものでございます。
 今委員御指摘の骨、内臓等につきましては、通常、生鮮状態で流通し、長期保管されるものではないことから本事業の対象にしなかったということでございます。
山田(正)委員 それでは、肉は消費者が食して、心配だから保管して隔離するけれども、内臓、ホルモンとか骨は長期保管に適応しないからやめてしまった、構わない。どうも納得いかない。農水大臣としては、これは国民に対して非常に冒涜というか納得いかない行為だと思うが、それでも内臓、骨の回収については構わなかったということですか。
武部国務大臣 そもそも、内臓も牛肉も本来安全なものということでございますが、十八日、全頭検査によって屠畜場からは安全を証明した牛肉以外流通させない。しかし、当時としては、消費者の皆さん方の間には、では十七日以前のものは危ないのか、そういう認識といいますか、そういう風評が出てくる、私はこのように思いまして、これは市場隔離をして、念には念を入れようということを講じたわけでございます。
 さらに、十八日からの全頭検査による牛肉の円滑な流通のためには、一万三千トン近く滞留していたという、この十七日以前の牛肉を隔離することによって円滑に進めたい、こう思っていたわけでありまして、そもそも牛肉も内臓も安全なものである、そういう認識でございまして、御理解いただきたいと思います。
山田(正)委員 これ以上言っても仕方ありませんが。
 この肉についてですが、いわゆる国民が安心して食べていくには、十月十八日以降は絶対大丈夫だと。それ以前の肉について、実は、既に肉の小売屋さんとか焼き肉レストランとかいろいろなところにあった肉については、私も随分調べてみたんですが、農水省から買い上げと保管について一片の連絡もなく、いわゆる小売、焼き肉レストランからは回収されなかった。これは、農水大臣としてその責任はどう考えますか。
武部国務大臣 基本的には、スライスしてしまったものはなかなか調整保管できませんで、部分肉を対象にしたということでございます。しかし、箱詰めできる部分肉についてはできる限りこの対象に入れるように、周知、努力をさせた次第でございます。
山田(正)委員 私が調べた限りでは、ほとんどの肉屋さん等々、焼き肉屋さんでも、その肉の回収はなされなかった。農水大臣はその程度の措置しかしなかった。
 これについて、総理大臣。農水大臣の今回のこの緊急保管事業について、適切であったかどうか、農水省として十分なことをしたと思えるのかどうか、いわゆる内閣の責任者として総理大臣の意向をお伺いしたい。
小泉内閣総理大臣 このBSE問題の事態の発生に対して、その対応については反省すべき点が多々あると思います。
 そういう点について、よく調査、点検して、どういう点が手抜かりがあったか、反省すべき点は何かということをしっかりと調査をして、今後こういうことが起こらないような体制をとるのが必要だというところで、今関係省庁に、武部大臣あるいは厚生労働相、よく連携をとりながらしっかりした対応をとるように指示しているところであります。そういうことによってこの責任を果たしていくべきだと思います。
山田(正)委員 私が聞いているのは、今の、その先ほどの措置一つにしても、農水大臣のとった措置が適切であったかなかったか、総理大臣がどう考えるかという意見を聞いているのであって、その意見について、明確に、適切であった、そうではなかったと思う、どちらか答えていただきたい。
津島委員長 武部農水大臣。
山田(正)委員 総理に。(小泉内閣総理大臣「後でします」と呼ぶ)
武部国務大臣 委員長から御指名がありましたからお許しをいただきたいと思いますが、最前申し上げておりますように、牛肉はそもそも安全というふうに国際機関から言われているわけですね。内臓についてもしかりでございます。しかし、消費者の不安というものは実際あるわけであります。十七日以前の肉なのか、十八日以後の肉なのかと。
 十八日以後の肉は、確かに、全頭検査体制によりましてこれは安全を証明した肉であろう。
 しかし、十七日以前の肉が流通しているということは、それが十八日以後の肉なのか、十七日以前の肉なのかという不安が消費者の間に走るのは想像できるわけでございまして、したがいまして、念には念を入れるということに加えて、せっかくこの全頭検査体制になったわけです。安全な牛肉以外を流通しない体制になったわけでありますから、これが円滑に流通をしていく、させるということが私どもとしては一番大事だ、こう思いまして、十七日以前の牛肉については市場隔離するという決定をしたわけでございまして、このことまで総理が詳しく御存じかどうか、大変総理には失礼ですけれども、そういうふうに思いまして、答弁に立たせていただいた次第でございます。
山田(正)委員 まとめてまた最後に総理にはお聞きいたしますが、今度の牛肉保管事業において一万二千六百二十六トンをそれぞれ買い上げていたわけですが、その全肉連の六千百七十トンとハム・ソーセージ組合の三千四百十四トン、今度の雪印の問題はハム・ソーセージ組合の三千四百十四トンの中にいろいろ問題のものがあったわけですが、この買い上げ価格が、全部キロ当たり千百十四円で買い上げた。
 ところが、実際にその牛肉の中には、霜降りの高級牛肉から、いわゆるすそ肉と言われる、キロ単価二百円とか三百円とかする乳用の廃用の肉とか、いろいろな肉があるわけです。いわゆるすそ物だけで一七、八%あるわけなんですが、それもすべて定額、千百十四円で買い上げたとなったら、その情報が入るや否や、いわゆる農水省OBの天下りしているハム・ソーセージ組合に入っている会社、いわゆる問屋、そういったところは、一斉にくず肉を買いあさった。二百円か三百円ですから。それを買いあさって、大量に買って、それを千百十四円で、いわゆる在庫証明さえあればどんどん農水省は買ったわけですから、そして大量にもうかった。ある新聞によりますと、段ボールの注文が相当ふえたとか、いわゆる安いくず肉とか輸入肉の相場が上がったとか、そういった大変なことが横行してしまった。
 これについては、まさに農水省が事業団を通じて、何でもかんでもいいから千百十四円で買い上げるという、そういうことをさせた行政の失政、手抜かり、これがまさに今度の雪印の問題を発生させた。そういう農水省の責任、それを考えずに、雪印の社長にだけ、やめろ、告発するという農水大臣の態度、これはおかしいのじゃないのか。
 そうすると、農水大臣、今度の措置について、農水大臣としては手抜かりがあったのかなかったのか、それについて十分弁明いただきたい。
武部国務大臣 委員はちょっとこの事業について誤解があるようでございますので、少し説明させていただきます。
 牛肉の市場隔離事業は、先ほども言いましたように、国民の不安に対して、念には念を入れて払拭し、円滑な食肉の流通を確保するために、現に流通している多様な種類の、また規格の部位の牛肉を迅速に確保するということが必要だったわけであります。この場合、会員に対して、同じ価格で買い戻す旨の買い戻し条件というものをつけております。つまり、当初の隔離事業というのは、今回のように焼却するということを前提にしておりません。将来、また流通することも念頭にあるわけです、市場が円滑に流通するようになったら。
 ですから、このため、事業実施主体の買い上げ価格は個別の牛肉の時価を正確に反映する必要性は少なく、牛肉の安定基準価格であるキログラム当たり七百八十円を部分肉価格に換算した千百十四円という一律の価格に設定したものでございまして、なお、買い戻し条件がある以上は、低価格の肉を買い上げ対象といたしましても同じ価格で買い戻すことになるわけでありますので、不正だとかそういうようなことには当たらない、そういうことにはならないという前提でこの事業をやっているわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
山田(正)委員 買い戻し前提でということですが、それは国民を欺くものではないですか。いわゆる十月十八日以前の肉を、それはもう安全宣言をしたんですから、それ以前の肉についてはでは保管しますよ、隔離しますよ、そしてこれは、そのうち国民がBSEのことを、うわさにもならなくなったら、そしたらもう一度買い戻してくださいと。言ってみれば国民を欺く行為を農水省がさせようとしたということに今の説明だとなるんじゃないですか、それは。いかがですか。
武部国務大臣 先ほども申し上げましたように、もう一度市場に流通させるというときには、この買い戻し条件があるわけですから、千百十四円で買ったものはいい肉も悪い肉もその値段で買い戻すわけです。しかし、買い戻さない場合には、これは実施団体が新たな価格を設定して、適宜適切に対応するということになっているわけでございます。
山田(正)委員 私の持ち時間もあと二、三分なので総理にお聞きしたいんですが、そういった農水大臣のずさんな今度の保管事業、それによって、買い入れ枠をめぐって十一月八日には徳島で肉屋の問屋同士の殺人事件にまで発展した。これは大変なことなんです、このことは。
 そして、私が各都道府県の買い入れの数量を調べてみましたら、実は、愛知県は千五百五十六トンある。ところが、前月の屠殺場での肉の屠殺量を調べてみると六百トンぐらいしかない。東京都は、それなのに七百五十七トンしか買い入れしていない。そして、福島県は七トンしか買い入れしていない。この数字一つ見ても、いかにずさんなことを農水省は今度のことでやったか。それが結果として今度の雪印の問題、それが横行していったんだ。この雪印の問題は、まさに農水省の今度のずさんな保管事業、我々の、国民の税金をそういうむだなことに使ったところにある。
 総理大臣、今お聞きになっていて、これでいてなお、この農水大臣、武部大臣は立派に一生懸命このBSE問題の対策を講じていると本当に思われるのかどうか、ひとつ総理大臣から明確にお答えいただきたい。
小泉内閣総理大臣 今いろいろ御指摘の点も踏まえまして、しっかりと今までの体制に問題がなかったかということをよく点検、調査することが必要だし、そして、反省すべき点は反省するということに対して、今武部大臣は熱意を持って取り組んでおります。その取り組みをしっかりと果たすということが責任のとり方の一つだと思っております。
山田(正)委員 私は、自分でも牛を飼っていたりいろいろやってきたので生産者の声をしょっちゅう聞いていますが、今小泉大臣に生産者が言っていることは、武部大臣にばかり任せておって、このBSE問題はただ大臣がしっかりやっているからそれでいいじゃないかと。あんな、本当に今度のBSE問題を小泉総理大臣はわかっているのか、責任をどう思っているのか、総理大臣そのものが、そういう声を私頻繁に聞くわけです。
 今回、田中さんの問題もいろいろありましたが、この武部さんの問題も、小泉内閣、小泉総理大臣の責任として、ひとつぜひこの対応と、そして本当に適切であるのかどうか、含めて考えていただきたい、そう思います。
小泉内閣総理大臣 そのとおりだと思います。
山田(正)委員 時間が参りましたので、終わります。
津島委員長 これにて山田君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 私は、アフガン復興会議へのNGOの参加拒否問題についてお聞きをしたいと思います。
 NGOというのは、アフガンなど、地雷撤去の面でも、あるいは医療の支援の面でも、援助物資を末端の住民に届ける、こういう面でも極めて重要な役割を果たしていると思います。まさに政府のできないことをやっている。アフガンの復興に関しても、なくてはならない存在であります。
 そのNGOを会議の初日のNGO会議、二十日の会議から排除したということは、これは外交上の重大な汚点となったというふうに思うんですけれども、総理はそういう認識はお持ちでしょうか。
小泉内閣総理大臣 NGOと協力すべきは協力するという点について、これからも、今までの経緯をよく反省しながら、外務省も、いろいろなNGO団体があると思いますので、適切なNGOとは今後も協力体制、連携体制をしっかりとって外交に当たっていただきたいと思っております。
佐々木(憲)委員 問題の重要性について私はお聞きをしたんです。これは国際的な、大変重大な問題をもたらしたと思うんです。
 例えば、アメリカの貧困対策NGOのマーシー・コープスの副議長はこう言っておられるんですね。世界のNGOと政府が連携してアフガンの復興に取り組もうというせっかくの機会に、NGOの役割を理解しない今回の措置は残念で驚きだ。あるいは国際NGO、ICVAのデンマーク代表は、会議からの排除はヨーロッパならあり得ない、NGOは時には政府を批判するものだ、政府は批判に耳を傾ける度量を持つべきだ、このように言っておられるわけですね。
 まさに世界に恥をさらしたというか、大変な問題を残したものであります。その責任というのは私は極めて重大だと思うんです。
 そこで、総理に伺いますけれども、政府を批判したNGOを政府主催の会議に参加させないというのは私は根本的に間違っていると思うんですけれども、そういう認識はお持ちでしょうか。
小泉内閣総理大臣 政府を批判しようがどうしようが、適切なNGOとは協力をとっていった方がいいと思います。
佐々木(憲)委員 それでは、重家中東アフリカ局長、お見えですか。お聞きしますが、総理のこれまでの答弁では、不参加の決定をしたのは、細かな点は別として、特定の議員、すなわち鈴木宗男議員の影響があったからだ、こういうふうに言っておられます。外務省はだらしがないと述べているわけです。しかし、これまで重家局長の答弁というのは、NGOの不参加決定というのは外務省が決定したことであって、鈴木議員に言われたり圧力を受けたのではない、そういうことはないと言い続けてこられました。
 例えば一月二十五日のこの予算委員会で、この決定は外務省自身の判断で行ったものでございます、あるいは一月二十八日の予算委員会でも、先生から参加問題について圧力があった、かかったということもございません、こういうふうに答弁されている。あなたは一貫してこういうふうに言われている。
 今までの総理の答弁とこれは明らかに違うんじゃありませんか。いかがですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の決定は外務省自身の判断で決めたことでございまして、特定の政治家の主張に従ったものではございません。
佐々木(憲)委員 全然違うじゃないですか。
 総理は、変な議員の変な言い分を聞くことはなかったと言っているんですよ。鈴木宗男代議士の圧力があってこのような事態が発生した。あなたが今言ったのは、そういうものは全然なかった。違うじゃないですか。
小泉内閣総理大臣 違わないんですよ。議員がどんな意見を言ってもいいんです。決めるのは外務省なんですよ。気にするかどうかというのは問題ですよ。しかしながら、決めるのは外務省なんですよ。議員が決めるんじゃないんですよ。そこについて反省すべき点があったと私は言っているんです。最終的に、外務大臣が参加させた方がいいということで外務省は決めているんですから。
佐々木(憲)委員 途中で、最初外務省が、NGOの参加を決定した、招待状を出した、十日の日に。十九日になって、二つのNGOの代表を参加させない、こういうふうに排除の決定をした、そして伝えた。その過程で鈴木宗男代議士の影響があった、圧力があった、変な言い分があった、総理はそうおっしゃったわけでしょう。重家局長はなかったと。総理と違うじゃないですか、あなたの答弁。
小泉内閣総理大臣 違わないんです。いろいろな意見があってもいいんです、議員は。それに従うかどうかというのは、最終的に外務省が決めるんです。野党の議員の中には参加すべきだという意見もあるんです。それが、野党が言ったから決めるというんじゃないんです。野党の意見も、参加すべきだという議員の意見も聞きながら、最終的に決定するのは外務省なんです。それをおわかりいただきたいと思います。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 外務省の判断として決めたことでありまして、特定の政治家の主張に従ったものではございません。
佐々木(憲)委員 全然答弁が食い違っているじゃないですか。どっちが正しいんですか。はっきりしてくださいよ、これは。
小泉内閣総理大臣 よく聞いてくださいよ。
 参加、不参加のことについて特定の議員のことに従ったわけじゃないと。どのNGOに参加しろとか参加すべきだということは、外務省もそういう影響は受けていないと。
 決まったのは、意見はいろいろ言いましたよ、議員は。それは野党もそうです。このNGOを参加させろと野党は言っているでしょう。影響力行使という意味においては同じですよ。しかし、それに従ったわけじゃない。いろいろな意見を聞いて、最終的に判断するのは外務省なんです。
佐々木(憲)委員 最終的に、間違った判断を是正したのは田中外務大臣でしょう。その以前に出席が決定されていたのを、それを覆して、外務省に圧力かけて外務省の方針をゆがめて、その結果、排除したんじゃないですか、途中で。問題はそのことを言っているんですよ。
 総理は影響があった、外務省は全然なかった、全然違うじゃないですか。だめだ、こんなのは。全然違うじゃないか、答弁が。食い違っているよ。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 総理の言われましたとおり、外務省の判断で決めたことでございます。(発言する者あり)
津島委員長 佐々木憲昭君。
 質問をして究明をしてください。佐々木委員、質問をして究明をしてください。――佐々木委員、質問をしてください。(発言する者あり)冷静にやってください。冷静にやってください。冷静にやってください、これは予算委員会ですから。
 佐々木君、質問をして究明をしてください。(発言する者あり)
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
津島委員長 それでは、速記を始めてください。
 それでは、佐々木委員に申し上げます。
 もう一度局長に答弁をさせ、それから総理からも答弁をしていただきます。
 それでは、重家局長、御答弁をお願いします。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年来、NGOのあり方につきましては、与党も含めましていろいろ議論がなされておりまして、その過程で外務省の方にもさまざまな意見が表明されていたことでございます。しかし、会議の参加問題につきましては、外務省自身が判断したことでございまして、特定の議員の主張に従ったことはございません。しかし、その判断につきましても、二十一日に至りまして、大臣の御指示によりまして、省内で検討の上、二十二日の閉会セッションにはオブザーバーとして他のNGOと同様に出席していただくことに決めたわけでございます。
佐々木(憲)委員 問題は、参加を十日の日に決めていて、招待状を十日の日に出して、その後十九日になってそれを撤回して拒否をした。つまり、今までの方針を変えたんですよ、途中で。その変えた過程で何があったのか。
 総理は、参議院の小池議員の質問に対して、「簡単に言えば影響を受け過ぎたんでしょう。そこが外務省のだらしないところですよ。」と答弁されているんですよ。影響を受けたんでしょう、鈴木議員の発言によって。
 大体、鈴木議員というのはもともとどういう意見を持っていたか。これはもう既にテレビでも放映されているわけですけれども、なぜ政府を信用しないと言う人が政府主催の会議に出席したいのか、お上を信用しない者がなぜお上の会議に出たいのかね、これが鈴木議員の考え方ですよ。
 その影響を受けたんでしょう。その影響を受けて、参加だった大西さんを代表とするNGOが参加できなくなった、そういうことじゃないんですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 その間、十八日の新聞記事が出まして、これで私どもは、信頼関係が損なわれたことがいわば決定的になったというふうに考えた次第でありまして、そういうことで、外務省の判断としてそういう決定をしたということであります。
佐々木(憲)委員 これ、全然総理の見解と違うじゃないですか、あなた。こんなんじゃ全然だめだよ、これ。進まない。同じじゃないか。
津島委員長 重家局長、明確に答弁してください。速記をとめてください。
    〔速記中止〕
津島委員長 速記を起こして。
 外務省重家中東アフリカ局長。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年来、先ほど申し上げましたように、NGOのあり方につきまして与党内部で議論があったわけでございます。鈴木先生も発言をしておられるわけでございます。
 しかし、会議のことにつきましては、総理が先ほど御答弁されておりますように、私ども自身の判断でそういうことを決めたということでございます。
佐々木(憲)委員 総理の発言とあなたの発言、まるっきり違うよ。
 総理は――いや、今質問します。総理は、参議院の答弁でも先ほどの答弁でも、途中でNGOを排除したことについて、特定の議員の影響を受け過ぎた、外務省はそれを聞き過ぎたという趣旨の御発言をされましたね。そのとおりですよね。
小泉内閣総理大臣 過程で、鈴木議員も含めていろいろな意見があったと思います。それについて最終的に決定したのは外務省です。だから、そういう過程で、いろいろな今の事情を考えてみると、事情聴取した様子を私が聞いてみると、鈴木議員の意見も気にし過ぎたな、その点はよく反省しろと。だから、事務方の責任者として次官もやめてもらうことにしたんですよ。
佐々木(憲)委員 では、局長の答弁は総理の答弁と全然違うわけですね。全然違うじゃないですか。
津島委員長 重家中東アフリカ局長。――重家局長、答弁してください。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 一部のNGOの会議におきまして、鈴木先生がNGOの支援について、より詳しく申し上げれば、草の根無償の使い方についていろいろ御発言されておられたことは事実でございまして、しかし、会議の参加、不参加の問題につきましては、総理御答弁のとおり、外務省自身の判断で行ったものでございます。(佐々木(憲)委員「全然違うよ」と呼ぶ)
小泉内閣総理大臣 では、よく聞いてくださいよ、違わないということを。
 いろいろな意見を議員が言っても結構。それは与党でも野党でも言ってくるでしょう。しかし、そういう意見を聞いて判断するのは外務省なんですよ。そういう判断に今回気にし過ぎた点があったから反省すべきだと、私はそういうふうに思ったから、この問題は今後外務省改革に生かしていかなきゃいかぬということで、外務省もこれはきっちりとした対応をとるべきだということで、今回、次官もやめることになったし、そして外務省の改革について国会の紛糾があったから大臣もやめることになった。何も矛盾していないじゃないですか。
 しかし、決定は外務省なんですよ。いろいろな意見がある、与党も野党も。それは、この団体を参加させるべきだというのも意見、参加さすべきでないというのも意見、与党が言うのも意見、野党が言うのも意見、そういう意見を聞いて決定するのは外務省なんですよ。
津島委員長 佐々木委員、総理が明確に答えておられます。(発言する者あり)
 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。(佐々木(憲)委員「何を言っているんだ、質問中でまだ終わっていないよ」と呼ぶ)
 佐々木君、時間が参りました。(発言する者あり)
 それでは、佐々木君の質問に対して、重家局長から、総理の答弁を踏まえて答弁をしてください。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年末の自民党の合同部会でNGOの問題につきまして議論がありまして、草の根無償の使い方に関して鈴木議員から意見があったことは事実でございます。しかし、他方、今回の会議につきましては、その参加、不参加のことにつきましては外務省自身が判断したことでございます。
津島委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 今のこの委員会の質疑を見てもおわかりのように、本当に、この問題は結局真相がほとんどわからない。それぞれの言い分、答えがあって、錯綜するだけです。
 今の、鈴木議員の関与があった、あるいは影響があったかどうかという問題ですが、総理ははっきりと、影響を受け過ぎたと、そしてまた、きょうも、鈴木議員の言うことを気にし過ぎたという答弁をされました。影響を受け過ぎた、気にし過ぎたということは、その鈴木さんの意見というものが最終判断に影響を与えた、その鈴木さんの発言がNGOを拒否したことに影響を与えた、気にしたために出席を拒否したということになるわけですが、そのとおりですね、総理。
小泉内閣総理大臣 鈴木議員がいろいろな意見を、党の部会等、調査会等あるいは委員会等で発言するのは自由です。そういう意見に対して、野党の議員も言うのも自由です、どういう意見があっても。それについてどういうふうに判断するか。その点について、いろいろ、今回のNGOの問題については、外務省も鈴木議員の言うことを気にし過ぎたな、その点は反省すべきだということを私は言っているのです。
横光委員 気にし過ぎたことがあの判断につながったと認識しておるのですね。
小泉内閣総理大臣 そういう部分もあったでしょう。私はそう思いますよ。その辺は反省すべきだということで、次官も、反省すべきだ、事務方の最高責任者として今回の混乱の責任をとりたい、それもまた当然なことだと思います。
横光委員 重家中東アフリカ局長にお聞きします。
 今の総理の発言のとおりでしょうか。
重家政府参考人 そのとおりでございます。(発言する者あり)
津島委員長 御静粛にお願いします。
横光委員 では、今までの発言は全部取り消すということですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来御答弁申し上げておりますように、昨年の自民党の外交合同部会で、先ほど申し上げましたような議論がございまして、鈴木議員からも発言があったことは事実でございます。
 しかし、その後の会議につきましては、総理言われておられますように、外務省の判断として決めたことでございます。
津島委員長 横光君。(発言する者あり)
 横光君、質問してください。質問してください。
横光委員 重家局長にお尋ねします。
 今、発言を受けたとおっしゃいましたが、その発言を受けてNGOの参加を拒否した、それは総理が言ったのですが、そのとおりでいいんですね。発言を受けて、その結果、参加拒否を決定したということでいいんですね。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来御答弁申し上げておりますように、信頼関係が損なわれたと考えまして、不許可ということにしたわけでありますが、これは外務省自身の判断で行ったものでございます。
横光委員 これでは、またもとに戻りましたよ。
 信頼関係が損なわれたのでということで、鈴木さんのことは一切言わなかった。総理は、鈴木さんの発言を気にし過ぎた、影響があり過ぎて、それを受けて最終判断に至ったと総理が答えた。ところが、全然、その重家さんの答弁。
 このように、委員長、本当にこの問題は、政府の中だけでも、これだけ意見が食い違っているのですよ。国民は今何を求めているのか。本当に事がはっきりしないということが、すべてこれからの政治の信頼につながる。すべてこのことは、あなたの言うように景気にも影響していくんですよ。ですから、早急に解決していかなければならない。解決していくためには、やはり私たち野党四党が要求しております参考人のお話を聞く以外に私はない、このように考えております。
 この問題は、またこの総括質疑直後に集中審議をやるということでございますので、その間に本当に政府の統一的な見解をまとめて、国民の前にはっきりとした形を示していくように、私たちもさらに追及をしていきたいと思っております。
 今回、私ちょっとお尋ねしたいのは、総理が川口新大臣の就任を発表されたときに、能力、識見、経験、申し分のない人である、いい人になってもらったという発表がございました。申し分のない人とおっしゃるのなら、なぜ最初にお願いして最後までお願いしなかったんですか。
小泉内閣総理大臣 何を最初にお願いしなかった、どういうことですか。もう一回質問してください。
横光委員 私は、そんな申し分ない人になってもらったと言う前に、総理は官邸を挙げて、前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんに結局就任を要請して、最後までこだわった。それは恐らく、川口順子さんと同じように申し分のない人だと思ったからでしょう。
 しかし、その裏には、本音は、あの更迭をしたことによって結局大変な国民の怒りが噴き上がった。そして支持率がどんどん低下し始めた。(発言する者あり)ちょっと静かに。ここに歯どめをかけるために、あるいは、その支持率、このダメージを埋め合わせるために、私は、今や世界の顔となった緒方さんを、言えば人気取りというような安易な考えで、相手のお立場を考えることなく、政府やあなたたちのことだけを考えて緒方さんに要請し過ぎたのではなかろうか。
 結果的には、緒方さんは大変悩まれた、お断りになられた。しかし、安易なそういった要請がかえって緒方さんを傷つけてしまったことになったのではないかという気が私はしているのです。酷な要請ではなかったか、あるいは本当に失礼とも言える要請ではなかったかと私は思っておるのですが、総理はどうお考えですか。
小泉内閣総理大臣 緒方さんも立派な方であります。川口さんも申し分のない立派な方であります。
横光委員 私は、やはりもうちょっと慎重であるべきだったと思います。この不手際の責任は私は免れないと思いますよ。
 それで、外務大臣が就任されたわけですが、大変おめでとうございますと言いたいところですが、大変このポストを受諾されて私は御苦労さまですと正直申し上げたいと思っております。
 田中前大臣の後を引き継がれたわけでございますが、田中大臣がなぜあのように国民から支持が高く期待されていたか、どのように認識されておりますか。
川口国務大臣 一言で申し上げれば、田中大臣には大変なカリスマがおありになると思いますし、大変に魅力的な方でいらっしゃると私は思っております。国民がその魅力を感じ、また田中大臣は、外交という日ごろ国民の生活の範囲から遠くにあることについて国民の関心を引きつけられたということが、国民が田中大臣に魅力を感じられたということだと思っております。
横光委員 この一年間、外務省は、公金、いわゆる血税を、機密費流用事件ということで、相次いで起きてしまったわけですね。いわゆる省を挙げての根深い腐敗体質を国民の前にさらけ出してしまった。その官僚の腐敗体質に田中大臣は切り込んでいった。そして、これまでの歴代の外務大臣が一切手を触れることができなかったそういった分野にメスを入れようとしたわけですね。その姿勢や行動力が大変国民の共感を覚えたわけでしょう。今も川口大臣がおっしゃったとおりだと思います。そういった評価の高い大臣を総理は切って捨てた、更迭されたわけです。このことによって今の混乱が始まっているわけですね。
 先ほどの問題に戻します。
 やはりどう見ても総理と中東アフリカ局長の答弁は一致しておりません。この矛盾というものを政府としてはどう考えておるんですか。全然違うんですよ、先ほどから答えが。
 アフリカ局長、いいですか。総理は先ほど……(発言する者あり)静かに聞いてください、冷静に聞いてくださいよ。鈴木議員、いわゆる特定の議員ということは鈴木議員ですが、この議員の影響を受け過ぎてしまったと。そしてきょうも、鈴木さんの言うことを気にし過ぎたという、それがNGO参加拒否問題の判断の最終結果につながったという趣旨のことを総理がおっしゃいました。
 中東アフリカ局長、そのとおりでよろしいかどうかということをお尋ねしておるのです。
小泉内閣総理大臣 局長に後で答弁させますが、私の言っていることをよく聞いていただきたいんですが、局長は、いろいろな意見が鈴木議員も含めて党の会合であった、最終的に判断したのは外務省だと、私はそのとおりだと思います。
 そして、いろいろな事情聴取を受けて、私も事情をよく調べてみた。私の感想を言えと言うから、参議院で、これは鈴木議員の影響をといいますか発言を気にし過ぎたのじゃないかと、私の判断なんです、それは。局長と違っていても何ら矛盾ないんです。ただ、局長は、それは外務省で決めた、私もそれを事実だと思いますよ。
 しかし私は、そういう点も含めて反省すべき点があるということを私は言っているんですから、局長はそういう判断だったけれども、いろいろ調べてみると、特定の議員の発言に対して気にし過ぎることはない、そういう点はよく反省すべきだということを言っているんです。
横光委員 総理の発言、総理はそのように思ったという判断……(発言する者あり)
津島委員長 質問してください。
横光委員 局長の言っていることは真っ向違うということで行政が成り立つんですか。これは質問できませんよ、こんな答弁じゃ。
津島委員長 横光君。
横光委員 これは質問できませんよ。
津島委員長 横光委員、総理の率直な答弁です。横光君。(発言する者あり)
 内閣総理大臣小泉純一郎君。
小泉内閣総理大臣 よく聞いてくださいよ。(発言する者あり)
津島委員長 答弁中です、答弁中です。
小泉内閣総理大臣 今まで局長が、この参加の決定は外務省として判断した。それはそうだと思いますよ。しかし、その過程で、私は気にし過ぎたのではないかという印象を持ったから、今後そういうことについては、特定の議員の意見というものは、与野党だれが言ってきてもいいけれども、適切かどうかはよく判断すべきだ、そういう点はよく反省すべきだということを言っているんですよ。
横光委員 気にし過ぎた印象を持ったということは、確証があったから今のような答弁になるわけですよ。でなければ大変無責任な発言になりますよ。確証があったから今のような答弁になったわけですよ。
 局長、どうぞお答えください。先ほど総理は、やはり影響を受け過ぎた、気にし過ぎた、それがあのような、途中の過程で影響を受け、気にし過ぎた結果あのような判断につながったという感想を、印象を今述べられました。総理のお考えと現場の局長のお考えが違って、外務省の行政が成り立つんですか。
 その前、まず川口大臣にお尋ねします。今のような状況で、あなたは外務大臣の職責を全うすることができると思っているんですか。お答えください。総理と現場の声が違うんです。川口大臣のお考えをお聞かせください。(発言する者あり)
津島委員長 横光委員に伺います。
 まず答弁は……(横光委員「川口大臣に、今のような差があって行政を……」と呼ぶ)
 川口順子外務大臣。
川口国務大臣 私は、その時点では環境大臣をしておりましたので、それから、まだ就任をして二日目でございますので、後からよく経緯を聞いて考えたいと考えておりますが、ここで座って聞いていた範囲では、双方それぞれ、総理がおっしゃっていることも、重家局長が申していることも、矛盾はないように私には聞こえました。
横光委員 全く矛盾しているじゃないですか。
 重家さん、局長、どうぞ。局長、矛盾のない答弁してください。今大臣が言われた、矛盾がないと言われたなら、矛盾がないような答弁してください。(発言する者あり)
津島委員長 外務省重家中東アフリカ局長、答弁してください。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 総理が申し上げられましたように、決定は外務省自身の判断として行ったものであります。また、総理が言っておられますように、それらの決定について反省すべきところがあるということもそのとおりだと思っております。
横光委員 反省じゃないんですよ。反省するということは、その前の経過を認めたということですね。反省をするということはそういうことになるんですね。局長、どうぞ。何もなければ反省する必要ないんですよ。反省をするということは、その経過によって影響を受けたということをお認めになるんですね。局長、どうぞ。
津島委員長 重家中東アフリカ局長、答弁してください。(発言する者あり)重家局長、答弁してください。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 これらの決定につきまして、一たん決定した上で、また大臣の指示により変えたわけでございますが、そういう一連の決定について、反省すべきところは反省しなければいけないと思っております。
横光委員 ということは、今、決定した後の、二日目のことをおっしゃった。そうじゃなくて、その前の経過のことを総理は言ったんですよ。そこで、全然川口大臣が言うようなことで矛盾しないと言いますが、全く矛盾しているじゃないですか。これ以上これは質問できませんよ。質問できませんよ、これじゃ。(発言する者あり)
津島委員長 横光委員、質疑時間が終了しております。もし最後に一つ御質問あれば……(発言する者あり)横光委員、最後に質問あれば、質疑時間は終了をしております。
横光委員 総理、これはますますおかしくなります。とにもかくにも、私は、関係者を処分する前に、この関係者の真相を明らかにして、順序が逆だったと思う、総理のやったことは。だから国民はこれだけ激しい反発の声を上げているんですよ。小学生でもわかるような、順序を間違えた結果このようになっている。これは、国内の問題だけではなくて国際的な信用にかかわる問題です。ですから、もし関係者がそういった判断をされたなら、その経緯、真相というものをはっきりして、もし誤った判断であるならば、そこで初めて関係者は責任をとらなければならない。その誤った判断がわからないうちに責任をとる……(発言する者あり)
津島委員長 委員長として申し上げます。
 質問時間が終わりました。
横光委員 最後に、じゃ、局長にもう一回御答弁をいただいて終わります。川口大臣が言われたような、矛盾のない答弁をしてください。
津島委員長 重家局長、最後にもう一遍答弁してください。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年来の自民党の外交部会での議論、そこでの鈴木先生の御発言等の経緯もありまして総理がそのような印象を持たれたということではないかと思いますが、その点も含めまして、今回の決定の一連につきましては反省するところがあると思っております。しかしながら、決定そのものにつきましては外務省自身で判断したことでございます。
津島委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十二分散会


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