衆議院

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第9号 平成14年2月13日(水曜日)

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平成十四年二月十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 津島 雄二君
   理事 伊藤 公介君 理事 木村 義雄君
   理事 北村 直人君 理事 小林 興起君
   理事 藤井 孝男君 理事 枝野 幸男君
   理事 城島 正光君 理事 原口 一博君
   理事 井上 義久君
      伊吹 文明君    石川 要三君
      衛藤征士郎君    大原 一三君
      奥野 誠亮君    亀井 善之君
      栗原 博久君    小坂 憲次君
      小島 敏男君    近藤 基彦君
      阪上 善秀君    七条  明君
      田中 和徳君    高鳥  修君
      中山 正暉君    丹羽 雄哉君
      野田 聖子君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    細田 博之君
      三塚  博君    宮本 一三君
      持永 和見君    森岡 正宏君
      八代 英太君    赤松 広隆君
      五十嵐文彦君    池田 元久君
      石井  一君    岩國 哲人君
      河村たかし君    筒井 信隆君
      中沢 健次君    野田 佳彦君
      松野 頼久君    松本 剛明君
      青山 二三君    赤松 正雄君
      達増 拓也君    中井  洽君
      中塚 一宏君    山岡 賢次君
      佐々木憲昭君    中林よし子君
      藤木 洋子君    吉井 英勝君
      辻元 清美君    横光 克彦君
      井上 喜一君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         片山虎之助君
   法務大臣         森山 眞弓君
   外務大臣         川口 順子君
   財務大臣         塩川正十郎君
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       武部  勤君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   環境大臣         大木  浩君
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (男女共同参画担当大臣) 福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当大臣)     村井  仁君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      中谷  元君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当大
   臣)
   (科学技術政策担当大臣) 尾身 幸次君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   国務大臣
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当大臣)   石原 伸晃君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   内閣府副大臣       熊代 昭彦君
   内閣府副大臣       松下 忠洋君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   防衛庁副長官       萩山 教嚴君
   法務副大臣        横内 正明君
   外務副大臣        杉浦 正健君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   文部科学副大臣      岸田 文雄君
   厚生労働副大臣      宮路 和明君
   農林水産副大臣      遠藤 武彦君
   経済産業副大臣      古屋 圭司君
   国土交通副大臣      佐藤 静雄君
   外務大臣政務官      今村 雅弘君
   衆議院法制局第二部長   高橋  恂君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    津野  修君
   政府参考人
   (法務省大臣官房長)   大林  宏君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   小町 恭士君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局南
   東アジア第二課長)    上村  司君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    齋藤 泰雄君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            重家 俊範君
   政府参考人
   (外務省経済協力局長)  西田 恒夫君
   政府参考人
   (財務省主計局長)    林  正和君
   政府参考人
   (国税庁次長)      福田  進君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  大石 久和君
   参考人
   (日本道路公団総裁)   藤井 治芳君
   参考人
   (日本銀行総裁)     速水  優君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  松田  昇君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十三日
 辞任         補欠選任
  奥野 誠亮君     森岡 正宏君
  亀井 善之君     田中 和徳君
  野田 聖子君     七条  明君
  葉梨 信行君     近藤 基彦君
  松野 頼久君     石井  一君
  中塚 一宏君     山岡 賢次君
  山口 富男君     藤木 洋子君
同日
 辞任         補欠選任
  近藤 基彦君     葉梨 信行君
  七条  明君     野田 聖子君
  田中 和徳君     阪上 善秀君
  森岡 正宏君     奥野 誠亮君
  石井  一君     松野 頼久君
  山岡 賢次君     中塚 一宏君
  藤木 洋子君     吉井 英勝君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上 善秀君     亀井 善之君
  吉井 英勝君     中林よし子君
同日
 辞任         補欠選任
  中林よし子君     山口 富男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十四年度一般会計予算
 平成十四年度特別会計予算
 平成十四年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――
津島委員長 これより会議を開きます。
 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算、平成十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房長大林宏君、外務省大臣官房長小町恭士君、外務省アジア大洋州局南東アジア第二課長上村司君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、外務省中東アフリカ局長重家俊範君、外務省経済協力局長西田恒夫君、財務省主計局長林正和君、国税庁次長福田進君、国土交通省道路局長大石久和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
津島委員長 この際、昨日の岡田君の質疑に関連し、昨日に引き続き、石井一君から質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石井一君。
石井(一)委員 おはようございます。
 昨日私が申し述べましたいろいろな問題について、閣僚の皆さんから御反論なり御意見がございましたら、時間の許す限りやっていただいていいのでございますが、その場合は、ひとつ簡潔に御答弁の方をお願いしておきたいと思います。
 きょうは私、総理、あなたがお書きになった本をたくさん読んできたのです。「官僚王国解体論」とか「小泉純一郎の暴論・青論」、暴論は暴力の暴、青論は正しくなく青い方ですね。こういう本もたくさんございます。ちょっと古いですけれども、やはりあなたの政治理念、哲学というふうなものがよく理解できると思うのでございます。
 その点で、今もそれを主張されようとするのか、やはり総理になって少し方向転換をしようとされるのか。こういうことなどについてひとつ、感想でも結構ですが、町のうわさを言うこともあれば、お互いの心情、感想を述べ合うのがやはり開かれた国会の場だと思いますので、自由濶達に御議論をいただきたいのです。
 まず最初に、選挙制度の改革ということで、私は、五増五減とか二増三減というような話ではなく、あなたはこの著書の中で、今の小選挙区比例代表という制度は間違っている、国民から選ばれた議員が目の前で落選するのに比例ですくい上げられて当選する、憲法違反だ。政党をばたばたとかわる議員もある、これまた、有権者は政党に投票して、ほかへ行ってもらったらどうなるのか、その政党なくなっちゃう。一票の格差、これだって一対二がいいのだというような今のような考え方はだめだ、一県一議数を与えているというのもおかしいということも国会でも答弁をされたりしております。公認調整という名のもとに談合やらあるいは党幹部の横暴というのもある。これはみんな正しいと思います。私も賛成です。
 あなたがもう一遍中選挙区に返れと言うのはちょっと問題があると私は思うのです。中選挙区のいいところもありますよ、あなたの言われている。しかし、最大の悪いところは、中選挙区というのは自民党の一党単独政権というのが常に続くということなんです。そのかわり、選挙区内においては激しい派閥争い、金のまき合いというのが繰り返されるんですよ。中選挙区だから自民党の政権がずっと続いたとも言えるかもわかりません。
 小選挙区になりましたら、小選挙区の部分は、三百の小選挙区のうち七割、八割、八割五分、第一党と第二党がとるんですよね。したがって、この制度を延長すれば二大政党というのはできるのです、過去の二回の実績でも。ただ、そこへ哲学の違う比例をくっつけておるからややこしいことになっておるのですけれども。
 私は、だから、中選挙区、小選挙区の理論はおきまして、いろいろのあなたの矛盾だと思っておられるところは、悪いところ、おかしいところ、国民から見て不思議だと思うことはもう変えたらいいと思うのです。そうしなきゃ、今の制度の不備をそのままほうっておくというのはおかしいと思うのですが、御意見いかがですか。
小泉内閣総理大臣 いろいろな選挙制度においては、いい点、悪い点、長所、短所あると思います。
 私は、中選挙区だから自民党一党政権が続くとも思っていません。現に、中選挙区の場合で自由民主党が過半数を割ったことがあるのですけれども、野党が団結すれば反自民政権もできたのです。だから、中選挙区だから自民党が永久政権だとは限らない。小選挙区におきましても、これまた永久に一つの政党が単独政権になるとも思っていない。イギリスでもアメリカでも、単純小選挙区制だけれども政権交代があります。
 今行われております小選挙区比例代表並立制、衆議院の場合も、私がおかしいと思っているのは、小選挙区で落選した候補が何で比例で当選してくるのかなという点なんです。憲法には、両議院の議員は選挙された議員で構成されなきゃいけないと言っているのです。選挙されたということは、選挙で当選されてくることでしょう。有権者が落選と審判を下した人が何で当選してくるのかというのは、疑問に思いますよ。だから、これは私は憲法違反じゃないのかと言うんだけれども、全然受け付けてくれない。
 なおかつ、二位で落選した人が惜敗率で何とか当選してくるというのは、まだ少しはわかるような気がする。惜しいなと。ところが、二位の人は落選して、三位の人、四位の人が当選してくる。これは選挙区の人はわからないでしょう。こういう点は何とか直せないものかと思います。
 しかし、これは今の選挙制度、決まったわけですから。だから、私は、将来、首相公選というものも考えていいんじゃないか。その場合に、一院と二院、どう考えるか。一院、二院を廃止して、新たな審議会を設けて、そして、国会と国民から選ばれた首相の権限というものをどうするか、そういう点も考えていいだろうということで、今、私の私的諮問機関で、首相公選というものを実施した場合には具体的にどういうところを憲法で変えなきゃならないかというような、そういう案を出すように、今、一つの案を検討してもらっています。
 この問題におきましては、私は、まず、選挙制度というものは、国会議員全部にかかわってくるものでありますし、国民全体にかかわってくる大事な、民主主義制度の一つの大きな柱をなすものでありますので、より多くの、各政党の議論を待つほかないと思います。
 しかし、私は、現行制度で今やるというのだったらば定数是正というのが一番大事なものではないかということで、勧告も出ました、今の法律に基づいた選挙区画定審議会の案が出ました、これは尊重されなきゃならないでしょう。しかし、より抜本的に改正しようという議論もありますから、それを見守りながらも、結論が出ない限りは今の画定審議会の答申もやっちゃいけないということになると怠慢のそしりを免れませんから、期限をつけて、ある程度、結論が出ないんだったらば、その勧告を尊重して定数是正に向かった形で次の選挙をした方がいいな、そう思っているわけであります。定数是正といいますか、まず一票の格差是正というものについては真剣に取り組むべき問題だと思っております。
石井(一)委員 非常によくわかる御答弁でありますが、例えば中選挙区で自民党が負けたと言いますが、あれは自民党からたくさん、私も含めて、だあっと出たときなんです。私らがおれば、あのときにもやはり自民党は勝っているんですよ。だから、いろいろその議論は昔政治改革の熱病にかかったころによくやったから、これはやめましょう。
 そこで、今最後に言われましたけれども、定数是正を今の選挙区画定審議会委員の案でやりましても、これから十年国勢調査はないんですね。十年先になったら、またもっとむちゃくちゃな状態になりますよ。それをやっていたら、一票の格差というものが余りにもいびつなものになるんですよ。ここにも大きな問題があるのです。基本的な問題にメスを入れなきゃ解決しないんです。
 そこで、総理がそう言われるのなら、このことは与野党で協議に入って、少なくとも、一位が当選して二位が落選して三位、四位が当選して、その中には供託金没収まで入っているというようなこと、国民の皆さんに説明のつかぬこと、これは協議したらどうか。今すぐ協議を与野党で始めたらどうか。与党だけの協議は、医療制度改革とかあるいは道路の問題とかというのは結構ですよ。しかし、選挙制度で与党だけの協議はだめですよ。それは協議になりません。
 したがって、次までに、五増五減の問題はそばに置いておいて、こちらの問題を緊急に与野党で協議する。そのためには、一票の格差をどうするかということもやるべきじゃないかと思いますが、御提案申し上げますが、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 これは国会で今議論を進めていると私は伺っています。与党の中では、選挙制度に関係する議論をしていこう、そういう中で五増五減の勧告案が出てきたわけでありまして、これも現行制度でいくということになりますと、五増五減の案を尊重しなければならないということになりますが、その中で、現行制度でいくというんだったら、今議員が言われたような協議は大いにすべきじゃないかと思っております。
石井(一)委員 五増五減の協議は余りする必要はない。それよりも、あなたが前段言われた、国民のサイドから見て余りにも矛盾をしておるという、その問題について協議をするべきではないか、そういうことを申し上げておるので、それでいいんですね。
小泉内閣総理大臣 それは私も歓迎したいと思います。いい御提案だと思います。
 現行制度で次いくというんだったら、現行制度の矛盾点は何かということは各党で協議すべき問題だと思っております。
石井(一)委員 内閣総理大臣としてリーダーシップを発揮してください。我々も真摯に協議に参加をしたいと思います。
 首都機能移転の問題について、あなたは、これは大変重要な自分の政治姿勢を示されておるわけでございます。読み上げる必要もありませんが、要するに、東京一極集中というふうなものを排除して、ぶち壊して、そして東京に集まった既得権というものを全国民に引き渡す、つまり遷都だ。この考えに今もお変わりはないんですか。
小泉内閣総理大臣 首都機能の移転、遷都となると、皇居の移転とか入りますから、それは一応、遷都という確実な定義になりますと、皇居の移転というものも絡みますから、そうではなくて、国会機能、そういうものについては私は国会機能移転論者です。今でも変わりはありません。
 それをなぜやらないのかという御質問になるんだと思いますけれども、それは、私は憲法改正論者ですから、憲法を今なぜ改正しないのかとなると、課題をどれを取り上げられるかというのは、そのときの首相として政治状況を判断しなきゃなりません。その論者だから常に、首相だからその課題を政治課題にのせなきゃならないという問題とはまた別の問題だと思います。状況を見てどれに一番今エネルギーを注ぐべきかということも考えながら、いろいろ考えなきゃならない問題であります。その論者だということは事実であります。
石井(一)委員 私が十年前に国土庁長官をしておりましたときに、この議論は最も盛んなときでして、懇談会をつくったりいろいろやりました。私も非常にその熱病にかかっておりました。
 しかし、今、私考えてみまして、あなたも書いておられる、田中角栄の日本列島改造のときにやっておればできておったとか、私も、十年前ならまだやる力がこの国の国力にあった、バブルもはじけていなかったと思うんだが。今この時期に、立派な官邸もできて、あなたが第一の首相になられるというようなことにもなっていますが、霞が関の周辺でどれだけの林立した、それこそ何兆円ですか、のものができて、こういうふうな状態にもある。
 機能の移転とかなんとか言われることは、それは中期的、長期的にはいいと思いますが、私は、本論賛成、各論反対といいますか、やるのは理想としていいけれども実際はやらないんだというような、こういう理論を政治家としてやるというのは無責任だと思うんだよ。
 私は、この際、ある意味において、これは問題を一遍方向転換する、そういうことがあってもいいんじゃないか。少し発言がきついかもわかりませんけれども。私は、あなたは昔そうだと言っているけれども、やはり現実に対応するということも必要じゃないかと思うんですが、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 現実に対応しているんですよ。今、国会で、国会移転に関する委員会で審議されています。そういう状況も見守らなきゃなりませんし、また時期というものもあります。
 今取り上げるべき課題はたくさんあります。どれを選択するかというのもまた、そのときの政治情勢で判断しなきゃならない問題でしょう。そういう論を持っていたとしても、その論をいつ実現するかというのはそのときの判断だと思います。
 こういう論を持っているというのは、お互い意見の違いがあるのは私は当然だと思っております。
石井(一)委員 まあ、国会でどれほどの議論をされておるのか。国会の機能移転の特別委員会ができて長いですけれども、十年間、どれだけの実りある議論があるか。結局は、リーダーがしっかりとした姿勢を出すということが私は重要だと思います。(発言する者あり)それは一生懸命やっておるけれども、やる気があるのかということなんですよ。
 首相公選制の問題について話をしたいと思うんですけれども、これも、首相公選を考える懇談会で、この権利を国民に引き渡そう、まあしかし、憲法の改正もあるし、相当道のりは遠いなと。この懇談会でも両論あるというふうに聞いておりますがね。
 私は、この間あなたが選ばれたというのも、あれは一つの、首相公選じゃないけれども、国民を巻き込んだ戦いをされたと思う。二大政党ができて、その党首の戦いを広く広げるというふうなことでも十分できると思うんでありますが、この問題に対しても、ここに書いておられるような姿勢を持っておられるんですか。
小泉内閣総理大臣 首相公選論というのは、五十年ほど前からいろいろ取り上げられておりますが、私は一つの政治制度として、国民参加の政治を実現するという上において意味のある制度だと思っております。
 ただ、これは憲法改正を要します。私の考える首相公選というのは、憲法改正なしでできるという方もいますが、やはり憲法改正しないと無理であろうという部分が非常に多いと思います。
 そういうことから、今、首相公選というのは議論はたくさんありますが、具体論はまだ一つも出ていません。そういうことから、具体論、こういうものですよという案をつくって、一つの、国民の間でこういう姿を見てもらって議論をする段階、機関をつくった方がいいんじゃないかと思って、今懇談会をつくって識者の意見を聞いているところであります。
 これは、国民投票によって総理大臣を選ぶ。そしてまた、議会を廃止するわけじゃありません。その場合には、議会が一院制がいいのか二院制がいいのかというものを議論してもらう。さらに、いわゆる売名行為とかいう候補、余り乱立しても困りますから、その首相たる候補者には何名の議員の推薦が必要かとか、あるいは国会議員でなくてもいいのか国会議員の方がいいのか、いろいろな議論があります。
 そういういろいろな議論が出ております中で、一つか二つまとめていただいて、首相公選制というのはこういうものですよという姿を提供するのも、これからの国民の選挙制度に関する考え方、あるいは民主政治に対する考え方、政党政治に対する考え方、そういう材料を提供するのも必要なことではないかなと思いまして、今、懇談会の議論を進めているところであります。
石井(一)委員 首都機能移転にしましても、首相公選論にしましても、今の話を聞いておりますと、百年河清を待つようなことになるなと。今懇談会で議論をしていますとかなんとかというようなことで、いつになったらこれはできるんだろうか、そういう感じを持ちますよね。
 あなたの三本柱の最も主張されておりますことは、郵政三事業の民営化ということです。私、これにも相当疑問を持っているんですよ。
 後ろに片山大臣座っておられますが、片一方で、この国会、公社化の法案を審議する。しかし、民営化問題を含めて検討するということから、信書に関する法律を今回出す。一体、公社にするのか民営化にするのか、懇談会とあるいは研究会というのが二つ同時並行的に動いている。中央省庁改革基本法の中には、その六項には、「前各号に掲げる措置により民営化等の見直しは行わないものとする」という規定まである。
 きのう、おととい等々の医療制度改革で起こっております与党内の話し合い、厚生労働大臣も巻き込んで。こんなことを見ていたら、あなたが声高く叫ばれたこの民営化も、第一、第二の政治課題と同じようになかなか時間がかかるんじゃないかなと思いますが、どうですか。
小泉内閣総理大臣 これは順序がありまして、十五年に公社化するというのは決まっているんですよ。公社化に対して、その後、民営化の議論を盛んにしてもらって、将来は民営化を目指す方向で何とかできないかということで、私は努力を続けていきたい。私が総理大臣になったときは、もう国営の公社に決まっているんですから、その後の問題だ。そのときに、民間事業に全面参入させちゃいけないというわけでしょう。それをさせるんですから。
 これに対して抵抗があるのは知っていますよ、いまだに与野党ともに。しかし、それを今度は民間参入の前提でこの公社化も進めていくんですから、大分変わってきますよ。
石井(一)委員 期待を持ちたいのですが、三つのあなたの最大のテーマ、これをやるんです、絶対これなんですとやって、国民すべてが注視していたが、今の話を聞いていると、小泉内閣がいつまで続くのか知らぬが、その間にどこまで進むだろう。まあ中期的、長期的な中に変わってくるんじゃないかなというふうに思います。
 議論をもっともっとしたいのですが、私は、あなたが総裁選挙に立たれて、見事に総裁に就任をされた過程から、国会の中でいろいろ話しておられること、いわゆるこれが小泉の聖域なき構造改革だということ、たくさんあると思いますが、リストにしてきたんですよ。これ以外にもありますよ。しかし、思い当たるところをこういう形で書いた。
 さて、これを大学生の通信簿といいますか、石井一教授が小泉純一郎という内閣の採点をしたんです。まことに失礼でありますが、この記録をひとつ後世にまで残しておいて見ていきたいというふうに思うんですがね。
 Aというのは、完成してできたというのはないんだよ、これは全然。九カ月だからね。Bというのも、どうにもならぬ、一生懸命探してこの医療改革を挙げたんだけれどもね。なぜかというと、きのうから、来年四月にやる、三割負担にするなど言っている。我が党は三割には賛成しておりませんよ。しかしながら、総理の政治姿勢を、抜本改革もやるというのなら無理してBにした。しかし、坂口大臣のあの答弁なぞも見ておったりすると、これもやはりDかなと思い出した。しかし、大学教授として一つもBもやらぬというのは余りにもかわいそうでしょう、いかに悪い生徒でもね。だから、どれにしようかと思って困ったが、これは何だったらDに変えたい。何か別のものをBに挙げたい。国民の皆さんにひとつこの表を見ておいていただきたいと思います。
 そこで、郵政民営化は努力しておるのでC。首相公選論は全然頭を上げていない、D。首都機能移転というのはこれまたどうにもならぬ、D。医療問題改革は、B改めD。道路公団の問題についても、いや、これ、ひっくり返るわね。三十年が五十年になるわ、おおよそどうにもなっていない。地方交付税といったって、格好は少しつけておるけれども、しかしながら問題は先送りされておる。
 特殊法人の廃止、民営化、これは私、きのう少し石原さんに失礼なことを言ったかもわかりませんから、その反省も込めながら申し上げるんですけれども、七十七の特殊法人なんかというのは、もうみんな形を変えるだけで先送り。官僚の天下りとエリートのその地位というものを守り続け、天下りは何ぼしてもいい。独立行政法人と名前を変えるだけで、先送り。こういうことであって、一体庶民の、国民の気持ちはどうなるのかと思います。公務員制度の改革、景気と財政、不良債権等々、D、D。
 国債三十兆円枠、これも努力したけれども、私はこれで、この国債三十兆円の枠で思い出すことは米百俵の話ですよ。長岡藩が米を食べずに後世へ残したというけれども、三十兆円枠では、NTTの株にしても何にしても、借金を先に残してそれを食べておるというんだから、米百俵の精神と逆じゃないか。一内閣一大臣制については、きのう述べたとおりであります。
 聖域なき構造改革を唱えられる小泉内閣が、わずか九カ月ではありますが、大学生としてはこれは卒業できないな。留年確実という状態に今日あるということを私はあえて私の立場から主張しておきたいと思います。
 この間、山崎幹事長が、ネバーギブアップ、ネバーギブアップ、ネバーギブアップと三回言われた。あなたもネバーギブアップと言われて、今度、川口大臣、相当英語のわかる方だと思うが、ネバーギブアップと言われたが、ネバーギブアップというのは、私、不思議に思って調べてみた。
 ウィンストン・チャーチルが、第二次世界大戦のさなか、ドイツから激しい爆撃を受けるロンドンにおいて、学生が打ちひしがれ、そして倒れかかっておるところへ行ってそれを言った。三回言っただけではなしに、その後にいろいろ言っておる。とにかくあきらめずに生きてくれ、こういう悲惨な叫びなんですね。ネバーギブインという言葉を使っている。ギブインもギブアップも、イギリスとアメリカの英語の違いはそこにあるなと僕は思ったんだけれども、そういう言葉がそうじゃないんですが、最近、小泉内閣に対しては、国民よりの絶縁状、もう痛みも感動も要らない、こういう声が出てきておるわけであります。
 どうか、聖域なき構造改革に対して、劣等生でなく、もう間もなく一年がやってまいります、立派な成績をおさめられますように御期待を込めて御要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。
津島委員長 この際、五十嵐文彦君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。五十嵐文彦君。
五十嵐委員 おはようございます。民主党の五十嵐文彦でございます。
 最初に、通告をしていないんですが、通告後に入ってきた情報が大変重要でかつ確度が高いものなので、質問をさせていただきたいと思います。
 一つは、ブッシュ大統領が訪日をされる際に、もう間もなくでありますけれども、不良債権問題決着に向けて政府側から何らかのアジェンダがなければ、意思表明がなければ、アメリカのイベントドリブンファンドが再び日本の銀行株を大量に売り浴びせるということが予定をされている、このことは金融庁も既に認識をしているというのが一点であります。
 もう一つは、これを受けたのか受けていないのかはわかりませんが、どうやら官邸とそして渋る金融庁も、そのブッシュ訪日の際に、十八日の首脳会談で公的資金の注入を表明する。そして、その規模は十兆円程度になるのではないか。理由は、株価下落による金融システム不安の危険が生じつつあるということで、強制注入ではなくて銀行側に手を挙げさせての注入である。したがって、柳澤金融担当大臣、森昭治金融庁長官、銀行の経営者については責任をとらせることはない。そういうことを、私のところにかなり確度の高い情報として入ってまいりました。
 そういうような予定、おつもりがあるかどうか、総理から伺います。
柳澤国務大臣 初めて聞かせていただきました。
五十嵐委員 けさの朝刊各紙、それは私存じ上げなかったわけですけれども、知らなかったわけですが、そこにも、どうやらデフレ対策の諮問会議を開く中で同様の方向性が打ち出されるのではないか、こういう報道もなされております。
 私どもは、もはや今や金融危機の状況にある、強制的な資本注入が必要ではないか。その準備をしていかないと、金融庁が今までおっしゃってきたように、あるいは柳澤大臣がおっしゃってきたように、具体的な個別の銀行の破綻が起き、その個別の銀行だけではやらないと言っているんですね。その連鎖が起きてから、金融システムの不安が起きてからやるということであれば、その準備はできていると言うんですけれども、国民負担の最小化の原則に反するのではないか。むしろ、強制的に、事前に、今の危機を危機ときちんと認識して強制注入して、そのかわり、九九年の資本注入のようないいかげんなことではなくて、しっかりと株主責任や経営者責任をとらせる、あるいは行政責任もとるということでなければならないと思うんですが、今の状況はそうではない方向に行きそうになっております。
 もし金融危機対応会議を開くようなことがあれば、直ちに金融庁長官の責任のみならず小泉総理大臣の責任が問われる。なぜならば、一年間ペイオフを延期して金融システムの安定化に努めるというはずだったのが、その逆の方向に行っている。あるいは九九年の注入がむだであった、なぜならば、あれだけ注入をしておきながら、そしてもう危機は去ったと言いながら、それを使い切って、新たにまた公的な資金の注入が必要だということになるわけですから、当然責任は免れない。そう思いますが、そういうお覚悟はありますか。
柳澤国務大臣 かねて申し上げておりますとおり、私どもは、全責任を挙げて仕事を遂行いたしております。
 加えまして、現在の、今先生るるお話しになられたこと、私どもずっと、一つは自己資本の比率がどういう状況になっているか、こういう健全性の見地、それからもう一つはやはり流動性ですね。これは金融の場合には欠くことのできない視点でありまして、この両面から状況を注意深く見ておるわけでございますけれども、現在のところ、先生が今御指摘になられたようなことは、そういう状況にあるとは認識していないということ。
 それから第三番目に、強制注入云々の話がありましたが、これは私よりも委員の方がずっとお詳しいと思うのでございますけれども、こういうようなことはやはり自由主義経済のもとで不適切である、できない、こういうことで、一九九七年、九八年の金融危機に対しても臨時措置、緊急措置がなされたもの、このように考えておりまして、このような観点は今においても私は変更すべきものとは考えていないということです。
五十嵐委員 今金融危機だからばたばたと、金融機関だけでなく、それに対する金融機関からの健全な借り手まで、ばたばたと連鎖で倒れる可能性があるから、国民負担の最小化を考えるならば先に強制注入が必要ではないかということを申し上げているわけであります。
 認識は、私は今のお話でわかりましたけれども、まだ柳澤金融担当大臣は認識をお変えになっていないということのようです。今までの自分のやってきたことに対する正当化、そしてメンツを重んじられているということがわかりましたけれども、総理大臣は同じ認識ですか。
小泉内閣総理大臣 同じ認識を持ちまして、デフレ阻止に向けてあらゆる手だてを講じよう、また金融不安を起こさせないような注視が必要であろうということで、今、政府、日銀一体となって、金融不安を起こさせないために、デフレ阻止のために、総合的な具体的な対策を打とうということで協議をしているわけでございます。
五十嵐委員 私の知っている小泉さんより大分、人がよくなられたのか、悪くなられたか、答弁がお上手になられたんですけれども、同じ認識かというふうにお尋ねをいたしました。
 柳澤大臣は、そういう状況にない、まだ金融危機という状況にないんだ、心配はないんだということをお話をされているわけです。そうではない認識を日銀総裁も持たれているし、まだおいでになっておりませんけれども、また、官邸もかなりな重要な危機の認識を持たれているというふうに私は伺っておりました。
 もし同じ認識だというなら、万が一、私が申し上げたように、ブッシュ大統領が来日をされたときに公的資金注入のお話がなされない、もし出るということになったら、今の総理のお言葉は食言になります、同じ認識だというならば。それでよろしいんですか。
柳澤国務大臣 今もこちらの方でもおっしゃられたんですけれども、金融に係る事態というのは、私はもう本当に一瞬のときに潮の潮目が変わることもあり得ると思うんです。しかし、私どもはそういうようなことを、これは一般論ですよ、今この状況で、そんなことが近い将来あり得るとかなんとかということは、金輪際私は言いませんから。そもそも、私、金融の問題を論じ過ぎていると思うんですよ、正直言って。
 本当に問題があれば言ったらいい。何年間、こんなことを言っているんですか。同じことじゃないですか。九月危機がある、三月危機がある、その前、三月危機がある、毎回のように危機を喧伝している。そういうようなことがどんどんどんどん、これは人の信用ですからね。そういうようなことからいったら、私は本当に、我々はきちっと決められたことを着実に実行しているということであります。
五十嵐委員 これは危機対応なんですよ、危機対応。危機対応というのは、あらゆる事態、最悪の事態を想定して準備をするということなんです。それが必要なんです。
 それじゃ、何のために金融庁の中に、金融庁の中に危機対応室があるのはなぜですか。(発言する者あり)黙りなさい。黙りなさい。
津島委員長 御静粛に。
五十嵐委員 いいですか、危機対応室があるのは何でですか、それで何をやっているんですか、それでは。
 それから、財務省の中にも同様の組織があるんじゃないですか。
塩川国務大臣 財務省の中に危機対応室は設けておりません。しかし、内閣としていろいろ事務方の方で情勢分析をしておる会合がございますが、それを世間では危機対応会議だと言っている人もありますけれども、危機対応としてあながち制度的につくったものではございません。
柳澤国務大臣 金融庁におきます危機対応室は、御案内のように、金融再生委員会事務局が廃止された後、そのいわば継続の事務を処理するためこれが置かれたということでありまして、加うるに、新しい預保法上の百二条の運用等に当たって、その庶務を掌理するために金融危機対応室は置かれているのでございます。
五十嵐委員 百二条というのは、危機なんですよ。危機のときに発動される条項じゃないですか。自分たちも準備しているんですよ。そんなこと言って、自分たちは危機をあくまでも否定するといっても、矛盾しているんですよ、行動そのものが。
 それでは、私の方はまた金融の問題は後ほどやりますので、その間、気持ちを静めておいていただきたいと思います。
 田中外務大臣の更迭による小泉内閣の支持率の低下が起こりました。これについていろいろな発言がなされておりますけれども、私は、この支持率低下の本質は、どっちが正しいとかそういう問題ではなくて、結局、官僚制の矛盾、責任をとらずに政治を官僚が支配したり、行政をゆがめたり、お手盛りで不正を繰り返す、そして、あげくの果てに責任は全くとらないということが一番今最大の問題なんだと。
 この問題、政と官の問題です。これをやらないと構造改革も仕上げの段階で、最後には巧妙に官僚によってすりかえられてしまったり、弱められたりしてしまうんだ。そういうことに対する国民の認識、すなわち田中さんがどういう資質があろうと、欠陥が例えばあったとしても、あるいは問題があったとしても、田中さんの問題ではなくて、そういう田中元外務大臣の姿勢が支持をされたということだと認識をしているわけですけれども、そういう認識に総理は賛成をされますか。
小泉内閣総理大臣 私は、国会の混乱した事態を打開する必要がある。外務省の問題が政府内の問題、国会全体の問題になり、私の責任というものを痛感し、混乱を収拾するのは私の責任であるということで判断した次第であります。
五十嵐委員 いや、私はそういうことを聞いているんじゃなくて、支持率が低下したということをどう評価するか。それは、田中さんの人気がどうだ、小泉内閣の支持率に対する貢献度がどうとかいう問題ではなくて、田中元外相の人気に反映されているのは、それは官僚制を打破するということが重要なんだ、そういう国民のメッセージが込められているのではないかということを申し上げているわけであります。そのことを御認識なさっているから、むしろ外務省改革というのをもっと強く打ち出されるようになったと解釈しているんですが、そうではないんですか。
小泉内閣総理大臣 田中さんの外務省に対する改革意欲というものを国民は買っていたと思います。しかし、支持率が下がったからといってその改革意欲をなくしたという批判は当たらないと思います。高かろうが低かろうが、今までの改革は進めていこうという点において、私は全く揺るぎはありません。
五十嵐委員 いや、ですから、そういう話をしているのではなくて、いわゆる構造改革そのものが、その前提として官僚制の打破というものがなければならないのではないですかということを言っているんです。そして、その問題の典型が、実は高速道路の問題にあるんだろうと思います。
 国費の三千億円のカットは、これは私は本質的な問題ではないと思うのです。借金でつないでいけば最後には赤字、破綻すれば国費で補てんするということになるのであれば、それは先送りにすぎない。この高速道路の問題のポイントは、やはり償還期限が三十年か五十年かというところにあったのではないか。
 三十年なら不採算路線は一切新規に建設できないということになったはずですが、五十年なら何とかごまかし得る余地があるというところにポイントがあったわけで、私は、日本の気候、風土、経済状況では、道路は五十年償還というのはおかしい、もたないと思っているわけでありまして、この問題は、単に期間が何十年、どこで線を引くかという問題ではなくて、財政の規律や、政治を行う、行政を行う側のモラルの問題として妥協をしてはならない問題だったんだろうと思っている。ここが、民主党が小泉内閣について批判的な立場に変わったというふうに言われるわけですが、そのターニングポイントだと私は思うわけであります。これについてはどうお感じになりますか。
小泉内閣総理大臣 全く違います。
 まず、道路公団を民営化する、四公団一体となって民営化する、これは昨年だったらちょっと信じられないことでしたね。それと同時に、国費を三千億円投入しない、これもでき得ないと思われたことでした。
 三十年から五十年に延長したといいますけれども、これは五十年を上限としてできるだけ短縮していくということでありますので、私は、妥協でも何でもない。三十年でつくろうと思ったのを五十年でやって、同じ費用でどこが必要かというものを、より徹底的に費用対効果を見直すでしょうし、今までの費用でできないんだから、コストをどうやって下げればできるようになるかということも考えられる。三十年から五十年に延ばすのは本質的な問題どころじゃない。それよりも、四公団民営化、国費を投入しない、それの方がはるかに大きな本質的な問題だと思っております。
五十嵐委員 プール制のもとでは、三十年償還なら新規の採算性の悪い路線は一切つくれないんですよ。一切つくれないんです。そこが私は問題だというふうに思います。ですから、こだわっている、いわゆる族議員と言われる方々がそこに強くこだわった理由はそこにあるわけであります。
 さて、道路公団の問題、いろいろあります。私の手元に資料が、皆様のところにもお配りをしてあると思いますが、開いていただきたいと思います。
 いわゆる高速自動車国道の整備のあり方検討委員会、別名諸井委員会、諸井虔さんが委員長の委員会の中間報告というのが昨年の十一月二十二日に出されております。その中間報告の、諸井座長が最初にこれを自分でおまとめになった文書が、これは非公開の文書でありますけれども、手に入りました。諸井さんはこれを出す予定であったわけであります。
 これは二のところに、見ていただきたいのですが、はっきりと書いてあります、「民営化の利点を最大限に発揮させるため上下分離、地域分割せず一体のまま株式会社化する。」こうなっているわけですね。ところが、これが国交省の手に渡って、そして発表される文になりますと、「高速自動車国道の整備のあり方について」という同日付、同じ日付の文書になりますが、ここでは「一、日本道路公団は一体のまま民営化して株式会社とする。」そして四のところですか、地域分割しないということが書いてあります。しかし、上下分離せずとわざわざはっきりと明記されていたことが消えてしまいました。
 これはどうしてこうなったんですか。道路局がねじ曲げたのではないでしょうか。扇大臣、いかがですか。
扇国務大臣 今、五十嵐先生がお示しになった文書、これは公には出ておりませんといいますか、諸井委員長の私案としてお出しになったものでございます。また、諸井委員会を設立して、今まで私が、この委員会というものは九回、十月の二十六日から延々と懇談会あるいは委員会等々、全部これは公表をして、しかも、朝、勉強会をしましたものも記者会見をして、すべて発表してございます。
 ですから、一番最後に今先生がおっしゃいました公表した文書、「一体のまま」という文章の中に諸井委員長のすべての思いが込められているということで、私は、これは恣意的に曲げたものではなく、今までの七回の論議を全部公表しておりますので、それを見ていただきますと、おのずと諸井委員長の意思はこの一言、「一体のまま」という言葉の中に込められているものと思っております。
五十嵐委員 そんなことはないですよ。はっきりと書いてあるものがなくなっている。どういう事情でなくなったのですか。大石道路局長、おられますか。あなたが変えたんじゃありませんか。
大石政府参考人 御説明申し上げます。
 今大臣が御説明いたしましたように、諸井座長が二十二日の懇談会に先立ちまして、民営化の利点を最大限に発揮させるため上下分離、地域分離せず一体のまま株式会社化すると記載された座長メモを作成されたことは承知いたしております。
 座長が取りまとめられました骨格は、最終的には上下分離、地域分割せずといった文言は記述されておりませんが、上下分離、地域分割せずとの趣旨は、日本道路公団は一体のまま民営化して株式会社化するとの表現に含まれているものと理解しておりまして、座長がお考えになりました内容と何ら変わらないものと考えております。座長メモが委員会の議論を踏まえ修正されたものと理解いたしております。
五十嵐委員 うそを言っちゃいけませんよ。諸井さんはそのように解釈していないんでしょう。
 ですから、週刊文春の記事、諸井さんがすべてを語った。私どもはなぜ諸井さんの文書を持っているか、わかりますか。話を聞いているからですよ。いいですか。そこに諸井さんははっきり言っているじゃないですか。なぜその言葉がないのかという記者の質問に対して、「どうも役人からすると、私の文書は、文書になっていないらしい。役人の文書と、我々一般社会の人間の文書は違うらしくて、私の文書をもとに道路局の連中が書き直したんです」とはっきり書いてあるじゃないですか、「書き直した」と。これは明らかに改ざんですよ。意味がある言葉、意味のない言葉が入っているのじゃなくて意味のある言葉、上下分離せずという極めて意味のある言葉がそこに含まれている。
 そして審議の過程でも、いいですか、私どもは審議の過程、みんな手に入れていますよ。審議の過程でも、有識者の皆さんが上下分離は反対だと言っているのじゃないですか、上下分離は反対だと。
 諸井委員会の第一回目の会合に、議事録がありますけれども、役人側は口を挟まないんだということを扇大臣は言われていますよね。この趣旨にも反するのじゃないですか。全く結果を、諸井委員会の委員の方々がそろって上下分離はだめだとおっしゃっていることを、最後の修文の段階で、これはお役人の手なんですね、修文の段階で、文章を多少手直しさせていただきますということで、言葉をみんな都合のいいように変えちゃうのです。
 これは改ざんですよ。諸井さんが喜んで変えるのを承認したという状況にないことは、今の発言を読んだだけでわかるじゃないですか。私の手元にこの資料があることでもわかるじゃないですか。
扇国務大臣 五十嵐先生がおっしゃるように、委員会を立ち上げましたときに、私は、私自身も質問以外は発言しません、しかも、道路局、すべて役人は質問以外のことは発言してはならないと私はたがをはめました。
 そして、この委員の皆さん方の自由な論議をしていただきたいということで結論を出したわけですけれども、今局長が申しましたように、諸井座長から最初に出された文章は、諸井座長自身の文章でございましたけれども、その文章でいいかどうかということは、あとの皆さん方、奥田、杉山、高木、森地、この各委員の先生方の御意見に、全部この諸井先生の文章を持ち回りまして、これでよろしいかという最後の発表のときに諸井委員長が、ここまで書かなくても、今までの論議でおわかりいただいているから、この、一体にするということでまとまったというふうに私は聞いておりますので、道路局が勝手に改ざんしたということではないということは諸井座長も御存じでございます。
五十嵐委員 そんなことはないでしょう。なぜわざわざ上下分離せずという文章が中に入っているのかという、意味があるわけですね。それは書かない、どうしてもここだけは書かないでくださいと頼んだのでしょう、大石さん。だから入らなかったに決まっているじゃないですか。
 いいですか。ここに内部文書があります。「有識者ヒアリングの記録」。十一月七日、平松守彦大分県知事、加藤秀樹慶応義塾大学教授。十一月九日、岩見隆夫毎日新聞東京本社編集局顧問。十一月十九日、水口弘一経済同友会副代表幹事、鈴木良男旭リサーチセンター代表取締役社長。内部文書です。全部一致して上下分離反対です。
 これだけそうそうたるお忙しい方々を呼んで意見を聞いて、それが反対だということは、反映されるのが当たり前であるし、そうであれば文章に表現されるのも当たり前であります。これは、諸井さんが渋々了承したとしても、強力に事務方から、こういう文章にしたいのですが認めてくださいねと言ったに決まっているじゃないですか。
扇国務大臣 五十嵐先生のおっしゃるのは、過去の経緯を、私は、むしろ諸井委員会の権威にかかわることだという思いから私は申し上げたいと思います。
 諸井先生の最後に出されたこの文章、「一体のまま」というのは、だったら何を意味するかというのを考えていただきたい。「一体のまま」というのは、上下分離を一体のままということでございます、分離しないということの一体で、「一体のまま」という文章の根本は何かということを、じゃ、どう理解したらいいのかというのを教えていただきたいと思います。
五十嵐委員 あなたがそうおっしゃるならそう書けばいい話ですよ。なぜ書けなかったのかが問題なんです。それは書くなと言った人がいるんでしょう。扇さんじゃないんだと思うのです。私は扇さんを責めているんじゃないんです。(発言する者あり)これは重大な話なんですよ。その後ろには自民党の道路族の動きがあるからじゃないですか。
 大石さん、古賀元幹事長、今の道路調査会長ですか、自民党の方ですけれども、大変親しいんじゃないですか。どういう御関係ですか。
大石政府参考人 与党自由民主党の道路調査会長でいらっしゃいますので、道路局長としては、よく御指導をいただいておるところでございます。
五十嵐委員 ことしに入って一体何回ぐらい古賀さんと会っていますか。
大石政府参考人 申しわけございませんが、何度お会いしたかは覚えておりません。
五十嵐委員 去年の十月四日のことは覚えていますか。自民党道路調査会に出られていますよね。(発言する者あり)くだらないこと言うんじゃないよ。
大石政府参考人 申しわけございませんが、記憶にありません。
五十嵐委員 やじを飛ばすなら、もう少し気のきいたやじを飛ばしてください。
 いいですか。私、重要な意味があって言っているんですよ。その十月四日、あなたは、調査会終了後に古賀前幹事長と部下とともに同時に会って、あしたまでに建設管理分離案を持ってきてもらいたい、それを古賀案にするからと言われているんじゃないですか。
大石政府参考人 道路局でそのような考え方をまとめてそれを古賀案にするからと言われた、そのような御指示を受けたことはございません。
五十嵐委員 うそを言っちゃだめですよ。いろいろと裏がとれている。改ざんは、何よりもそれを反映しているんですよ。こういう道路行政はまさに変えてもらわなければいけない、私はそう思いますね。
 それでは、次の問題に移らせていただきたいと思うんですが、仏経山トンネル西工事問題なんですが、その資料としてまず……(発言する者あり)いや、この問題は関連があるんですよ。しり切れトンボに終わっているんじゃないんです。
 私どもに談合の情報が入りましたので、調査団を派遣しまして調べさせていただきました。その前提となることについて確認をさせていただきたいと思います。
 三千億円の国費のカットが決められました。それに伴って、日本道路公団は、発注を予告していた事業のうち十三事業、約二百億円分を取り消すということをされました。既に指名通知があったわけですけれども、その取り消しが行われたわけであります。これは、十二月の十二日までに行われたというふうに承知をしているところでございます。
 その後、いろいろな動きがありました。特に、先ほど申し上げました建設族の大変な動きがあったわけでありますが、この道路公団の発注の中止といいますか、凍結といいますか、それはどういう理由で行われたのか。また、今私が申し上げたことは事実なのか、道路公団の方から御確認をいただきたいと思います。
藤井参考人 御説明させていただきます。
 今先生おっしゃった十三件の案件でございますが、ちょうど昨年の十一月ごろ、私ども、外債を千二百億円発行する権利をいただいております。それから、財投機関債を千五百億円発行する権利をいただいております。合わせて二千七百億円。
 これが、実はアフガン等々の問題もありまして、国際的な金融状況から外債の発行の見通しが極めて困難になりました。不可能ではないと思いますが、極めて困難です。さらに、財投機関債は、まだ行革のいろいろな御議論をしている最中で方向性が明確でないということから、機関投資家への説明のときの説明の内容が十分まとめ切れない、そういうこともございまして、資金需要の見通しが不透明になった。さらに加えて、十一月の末に、十四年度以降、高速道路に入れる国費をやめるために三千億投入しないことになった。
 こうなりますと、二点ございます。十三年度末に、既に払わなければいけない工事の支払いについても、資金需要から厳しい見通しが出てきた。それから、十四年度も厳しくなる。そこへもってきて、どうしても十三年度だめであれば、十四年度のお金を十三年度の工事の支払いに一部向けざるを得ないような状況も考えられる。これは相当慎重にしなければいけないなということから、緊急的措置として、十二月契約予定の事業以降について全面的な見直しをさせていただきました。その中の十三件でございます。
五十嵐委員 それは正しい判断なんだろうと思いますね。ただ単に当面のものを中止したんではなくて、全体を見直した上で、効率がどうも低い、優先度が低いものを凍結したということなわけですよね。それでいいんだろうと思うんですが、大石局長は、この先送りについてどのような認識を持ち、どのような説明を聞いたのか、あるいはしているんですか。例えば、党内外に対してどういう認識で説明をされましたか。
大石政府参考人 今、総裁から御説明させていただきましたが、資金調達の見通し等が不透明な中で資金ショートを起こさないという考え方から、工事の発注を見直したというように説明を受けております。
五十嵐委員 あなたは、実はここに資料があるんですが、これも内部資料ですね。自民党国土交通部会、道路調査会、内閣部会合同会議議事概要、十四年二月五日ですからつい最近でありますけれども、朝のことです。ここで道路局長は、この問題について、十三件の発注中止のことについて報告がなかったということに対して、関係者の方々には御迷惑をおかけした。道路公団は、これまで順調に入れられていた国費がとめられて、事務方は慌てふためいて発注を中止した。まことに拙速、説明不十分だと思う。改めて発注計画を練り直したところだという回答をしているんですね。答弁をしているんですね。
 慌てふためいて事務方が失敗をした、軽率に中止をしたんだ、そういうことなんですか。先ほどの道路公団総裁の説明とは大分食い違っている。十分に全体を見直して、全体の中からその要不要を選択して中止を決めた、こうおっしゃっている。すかさず官邸筋からも、これは官房副長官かなという推測をするんですが、あるいはほかの方かもしれません。それは当然のことだという反応が新聞の方にも出ておりました。優先度を考えて、経済状況、入りが少なくなったら選択をするのは当たり前だ、当然の反応、正しい反応を官邸の方はしているんですが、大石さんは、今言ったように、慌てふためいてめちゃくちゃに中止しちゃったんだ、こう言っているわけですね。これはとんでもない話だと思うんですが、道路公団総裁、どう思いますか。
藤井参考人 今私が説明したように、私ども、あくまでも事務的な状況判断を十分いたしまして、しかし、できれば計画どおり事業は進めたいなという気持ちは持ちつつも、しかし、一番私どもが考えたのは、十三年度末に中小企業の方々にお金を払えなくなったときにこれはえらいことになる、これが一番私が感じたことでございます。
 そこで、何とか資金調達を頑張らないかぬということで、十二月の二十五日に、証券会社等にたってお願いしまして、財投機関債の説明会をやっと開かせていただく、こういうことに至ったわけでございまして、あくまでも道路局とは相談しながらやらせていただいておりますし、今後ともそうしたいと思っております。
五十嵐委員 そもそも大石局長には発注にかかわる権限は全くないんですよ。それがこういう発言をしているのはおかしいんですが、それだったら、本来の権限に属するかもしれませんが、資金確保の方には責任があると思うんですが、どういう努力を大石さんはされたんですか。
大石政府参考人 御説明申し上げます。
 道路公団の資金は、いわゆる国費及び財投、それから道路公団が発行する諸債券から成っておるわけでございますが、その大枠は予算措置でございますので、道路局が財務省に要求させていただいて、その中で決まっていくというものでございます。一方、公団は、今総裁から御説明いたしましたように、公団として財投機関債の手当てやあるいは外債の手当て等を行う、そういう責任を有していると考えています。
五十嵐委員 十分な資金確保の手助けや努力はしないで発注についてのみ文句をつける、そういうことじゃないですか。無責任ですよ。
 それで、この過程で重大なことが起きているわけであります。わずか一カ月ほどでこの道路公団の見直しが白紙に戻されて、また工事再発注ということになったんですが、これはどうも腑に落ちないわけであります。(発言する者あり)いや、落ちないですよ。だって、財投機関債が、その後発行のある程度のめどがついたと言うけれども、これは一年だけの話じゃないんですから。後年度のめどまでついているんですか。そうじゃないでしょう。これは、後年度のことまで考えて発注の停止ということをしたはずでありますから、これはやはりおかしな逆転の行政の変化があったということですよ。(発言する者あり)言いたいことはわかるでしょう。余計なことを言うな。そういうことです。
 そこで、この間にあったのが、新聞にも報道されております青木さんの、実力者であります青木元幹事長の介入ということであります。十二月の十九日に、青木幹雄参議院議員事務所に道路局の課長さんが参られて怒られてきたということがあったと思うんですが、また、その後、大石局長は青木事務所に出向いていったはずでありますが、この日どんなことが起きたのか、何を言われたのか、明らかにしてください。
大石政府参考人 御説明申し上げます。
 日時は具体的に定かに覚えておりませんが、十二月の下旬に、青木議員から、日本道路公団が入札手続中の十三件の工事の発注を延期したことについて、経緯等の問い合わせがございました。
 なお、今委員御指摘の、週刊誌に一部報道がされておりますような、課長が一喝されて、したがって青木事務所に私が説明に飛んでいった、そのような事実はありません。
五十嵐委員 それはうそでしょう。十九日の午前中は、谷口企画課長、行かれているでしょう。谷口企画課長。うそだというんですか。
大石政府参考人 道路局企画課長であります谷口や高速国道課長である者が説明に行ったのは事実であります。
五十嵐委員 本当じゃないですか。何で、先ほどのとは答弁が違うじゃないですか。何を言っているんですか。
 その後、大石さんはこの件で藤井総裁に電話をしたはずですが、何をおっしゃいました。
大石政府参考人 先ほども御説明いたしましたように、十三件の工事の発注延期について、経緯等の問い合わせがございました。道路公団総裁とは、当然のことながら常日ごろから連絡をとり合っておりますが、青木先生からの問い合わせを受けまして、その事実についてもお伝えしたところでございます。
五十嵐委員 資料の要求があったというんですが、単なる資料の要求じゃないでしょう、単なる資料の要求じゃないですよね。あなたは、道路公団に対して、工事発注先送りにかかわった個人の名前を書いて持ってきなさい、そういうことを要求され、また要求したんじゃないですか。
大石政府参考人 先ほど御説明したことがすべてでございまして、個人名の入った文書を提出しろといったような指示をしたことはございません。
五十嵐委員 これは、公の場でうそを言っているんですよ。いろいろ調べた結果わかっている。それから、これは一回だけじゃない、何回も、個人名を書くように、持ってくるようにということを言っているわけです。
 それから、十二月二十日、青木さんが何でおれのところなんだと怒っていたということを伝えているはずですし、また二十一日には、藤井総裁のところに、青木先生のところへ一緒に行ってそして資料を渡してくれ、そう頼んだのではありませんか。
大石政府参考人 先ほども御説明いたしましたように、青木先生からは経緯についての問い合わせがあって、その旨を道路公団に伝えただけでございます。
 以上でございます。
五十嵐委員 二十日の朝には、青木議員はあなたに対して、今度はなぜか、公団と会う気はない、十三件の発注をなぜ外したのか、文書でその理由を説明しろ、でなければ議院調査権を使うぞ、こういう発言をされているんじゃありませんか。
大石政府参考人 繰り返しになりますが、青木先生からは、十三件の発注延期についての経緯の問い合わせがあったわけであります。
五十嵐委員 そういう丸めた話ではなくて、今私が言った発言があったのかどうか、イエスかノーかでお答えください。
大石政府参考人 私の記憶にはございません。
五十嵐委員 要するに、事実だから記憶にないと言って逃げているんですね。うそをつきたくないという気持ちなんだろうと思います。大体、経緯を説明しろ、資料を出せというのは、これはまさに族議員用語、政治用語、自民党用語であるかもしれません。謝りに来いということなんでしょう。名前を出せ、名前を出しなさいということは、首にしなさいということなんでしょう。おどしの言葉ですよ、おどしの言葉。
 それでは、質問を変えたいと思います。(発言する者あり)いえいえ、何も聞いていないですから。私は事実関係、重要な事実関係を確認しているんですから。今、肝心なところは記憶にないとおっしゃった。イエスかノーか、こういう印象的な言葉を具体的に言って事実関係を確認しているのに対して、記憶にないと言って逃げたのですから、当事者ではない扇大臣がお答えする必要はないわけであります。この間の当事者ではないでしょう。この間のやりとりの当事者じゃないじゃないですか。
 それでは、藤井総裁にお尋ねしたいと思う。藤井総裁、大石局長から青木さんが何でおれのところなんだと怒っていた、そういうふうに言われたのではないですか。
藤井参考人 御説明申し上げます。
 また先生から怒られそうでございますけれども、道路局長とはしょっちゅう電話の連絡をしてやっておりますので、いろいろなことを言います。ですから、正直言って、そのときに詳しくどう言われたか、近ければ覚えていたと思うのですけれども、この段階ですと正確な記憶がありませんので。ただ言えることは、十三件、一体どうして外したんだということの理由だとか経緯だとか、こういったものについてきちっと整理してほしいということは言われております。
五十嵐委員 ですから、そういう中で、個人名を挙げて持ってこいとか、あるいは青木先生のところに一緒に行ってくれとかいうことを言われた覚えがあるのか。また、あなたの方から、契約工事中の件だから、お渡しできるものは公表できるものに限られているというふうに、自分の言葉ですから覚えがあると思うのですが、そういうお答えをしてお断りになったことがあるかどうか。私はそういう誤解を受けるようなことはできないという、ごく当然のお言葉だと私は思うのですが、そういうことを大石さんに言ってお断りになったことがあるかどうか、伺いたいと思います。
藤井参考人 先ほど申しましたように、道路局長とはいろいろとお話しします。特に今回の場合、指名をした工事の、言ってみれば指名解除をする、こういう特殊な事例でございます。これは、道路公団としては生まれて初めてに近い、大災害だとかそういうときはございますけれども、そういうことでございますから、言ってみれば極めて注意深くしなければならないということから、こういうものはどういうふうな資料にしたらいいかといったような打ち合わせを、道路局長の知恵をいただいたり、私の知恵を言ったり、いろいろなことをやりとりしたのだと思います。
 そういう意味で、個々について十分、こう言ったか、こう言ったかというのは、ちょっと今のこの状況のもとでお話し申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
五十嵐委員 しかし、御自分の、青木さんから大変な怒りがあるということを認識され、倒すか倒されるかだというような発言もあったと聞いています。あるいは、十二月の二十一日やその間、総理はお会いになられて、幹事長、歴代幹事長との懇談会だったと思いますが、その後青木さんに、いわゆる有名な、報道された言葉ですけれども、抵抗勢力が本気になったらこんなものじゃ済まないぞというふうに言われたのじゃないですか。まさにこの件が頭にあってそういうことを言われたのじゃないですか。総理にちょっと伺います。
小泉内閣総理大臣 そんな話は酒飲んでいる冗談話で、私は、抵抗勢力もみんな協力してくれるということを期待しながら進めていますから、私は敵も味方と思って改革を進めていきますという中で、笑い話で出た話でしょう。そんな大した話じゃないんですよ。
五十嵐委員 話でしょうというふうにおっしゃった。否定はされなかった。なぜかというと、総理自身が、番記者ですか、周りの方に話されているんですよ。それは、やはりこういうことに口出しされては困るという気持ちがあるからお話しになったのだと思います。
 それから、道路公団総裁はやはり怖かったのだろうと思いますよ。それは、おどされたんですよ。いわば、総理もそういう言葉で、冗談めかしたというふうに言っているけれども、おどかしの言葉ですよ、これは。おどかしの言葉。これで藤井総裁もおどかされたのです。
 この間の経緯は、私は別途調べておりますけれども、二月七日付の週刊文春にも出ております。それでは、この記事は、かなり調べられてある記事だと思いますが、うそだというのですか、藤井総裁。
藤井参考人 申しわけありませんが、いろいろな雑誌はそれぞれの権威でもってお書きになっているとは思いますが、それについてのコメントは差し控えさせていただきます。
五十嵐委員 それでは藤井総裁は、私は、大変怖がられた、あるいは途中では怒られた、怒りを発せられたというふうに聞いておりますけれども、青木議員からそうした威圧、圧力があったということをお認めにならないのか、お認めになるのか、伺いたいと思います。(発言する者あり)芸能問題じゃないでしょう。重要な問題ですよ。国費をどう使うか。何を言っているんですか。
藤井参考人 先ほど申しましたけれども、正確にちょっと資料、二十日にお電話を先生といたしました。これは正確に言いますと、これは何で覚えているかといいますと、車から電話したからです。それは、先生が私の事務所にお電話をされました。それで、私はまだ着いていなかった、途中だったので、それを連絡いただきましたから、私から電話を青木事務所の方に入れました。そういう意味で、私、記憶が残っているわけです、非常に特異な形ですから。
 そのときに青木先生からお話があったのは、十三件の工事の発注を今回急に延期したけれども、これはどういう理由なんだい、どういう経緯なんだいというお問い合わせでございました。そこで、件数が十三件もあるけれども、これはどういうところなんだいというお話もありましたので、これは電話で一々御説明するわけにいきませんから、資料でもって後日御説明させていただくということにいたしました。
五十嵐委員 資料によって説明をすると言ったけれども、それではなぜあなたは長い間、その資料による説明を拒んできたのか。名前を出せ、名前を出して持ってこい、あるいは名刺をつけて持ってこい、こう言われたからではありませんか。私は、これは明らかに青木議員による道路公団への威圧だ、こういうふうに思うわけですけれども、そういうことをお認めになるのかならないのか、はっきりお答えをいただきたいと思います。
藤井参考人 御説明します。
 私、先ほどの先生の御質問でお答えしましたように、一言で言って、資金のショートが出るということからやむを得ずとった緊急的な措置、これは道路公団の責任者として私が判断をいたしました。
 ただ、そのときに、当然のことながら、例えば圃場整備事業とあるいは団地、工業団地や住宅団地との調整とかいうことをやりながら仕事はするものでございますから、本来ならばもっと綿密に地元に説明を、調整をすればいいわけですけれども、こういった事情から若干その説明がおくれていたケースもあったかと思います。これは、そういう意味での反省はしなきゃいけないわけでございます。
 あと、そういうことから、私ども、資金需要の調達を、機関債が一月の二十四日に一応公募して、即日、即刻、全部応諾していただきました、六百五十億円。出してすぐでございます。その段階で、先ほど言った二千七百億円、欠損が最大のときに見込まれるわけですが、そのうちの六百五十億円は今の機関債の第一回分だけで大体見通しが立った。そこで、私ども、第二回とか外債の問題がありますので、民間資金をお願いしておりました。そこである程度民間資金の積み増しということの見通しもこの段階で立てられたわけでございます。
 なぜそんなに早く発注の解除をしたのかということが、あるいは圧力というふうにおとりになられる一つの原点だと思いますが、二月一日の官報告示をいたしますと、当然のことながら、WTOのルールで、日にちを追って全部公告をして、それから、応募させて、あるものは落としたらその理由を全部説明するという、決まったルールの日にちをセットしなきゃいけません。そうすると、三月の末までに発注できる、そういう見通しのものですと二月の一日には公告をぜひしておきたい、こういう後ろから追った行程が二月の上旬でございました。
 そこで私が焦ったのは、何とか一月の下旬までに資金見通しを立てたい、こういうことで、もうこれが一番私の、支出のことよりも収入のことで、何か会社の社長みたいになったような気持ちで、資金繰りのことばかり考えておりました。それが一月の二十四日以降で何とかなったので、私はほっとして、この動きになりました。
 そのことと、それから、なぜおくれたかという御質問のこととは、これは別でございます。私どもは、そういうことでこの事業の一時見送りと再開をした、これだけを御説明させていただきます。
五十嵐委員 後年度の資金のめどは、はっきり全部立っているんですか。そうではないでしょう。後年度の分までめどが立っているんですか。
藤井参考人 これから十四年度の御予算を決定していただくわけでございます。そうすれば、来年度、十四年度の資金需要が確定いたします。
 私どもは、三年債務、三年間、発注してから三年後に完成させるとか、長期の工事になります。そこで、こういう長期にわたるものは、単年度工事と違いますから、財務省が中心になってそういう資金の全体の状況を把握して、道路公団はこのぐらいは債務で発注していいよという債務枠を私どもにいただきます。それが今回いただいた、発注できた根拠なんですが、しかし、残念ながら、十四年度の全体は減りましたので、千七百億円、もともと十三年度に発注する予定であったものを見送りをいたしました。そういう意味では、千七百億円は十三年度に発注しないという結果になっております。
五十嵐委員 そうなんでしょう。めどは立っていないんですよ。しかも、全体を見回して、比較的優先度が低いところから切ったはずなんですから、切ったままにしておいてよかったはずじゃないですか。その間、何があったんですか。
 それから、藤井総裁のところへ来た青木議員からのその電話、それは今おっしゃったように優しくおっしゃったんですか。そうじゃないでしょう。私は、どういう表現だったのか、あなたがそれに対してどういう威圧を感じたか感じないのか。あるいは、今申し上げた文春の記事、これは署名記事ですよ。わけのわからぬ記事ではないんです。責任を持って署名記事が書かれているわけですから、これをあなたは否定するのかどうなのかということをはっきり答弁してください。
藤井参考人 まず、御質問の状況でございますが、私のところには、国会の先生あるいは民間の評論家の方々、いろいろな方々から電話がございます。そういう意味で、その中には詰問調で来る電話もありますし、それから依頼調で来る電話もございます。いろいろなものがございます。ですから、一つ一つをどういうふうに分けていくかわかりませんが、一言で言えば質問であったというふうにお答えさせていただきたいと思います。
 それから、資金の需要とか、それと先生が、威圧を感じたということについては、そういう意味でございますので、その中で個別の感情論は、そのときにどうだったかというのは、そこまではちょっと今ここで申し上げる記憶はございません。
五十嵐委員 質問調だったというんですが、詰問だったんでしょう。質問でもいろいろあるんですよ。詰問調だったんじゃないですか。
 それから、最後のことにお答えになっていないんですが、記事に事細かく書かれているところがありますね。それはうそだとおっしゃるのかどうなのか。事実ではない、全くうそだとおっしゃるのか。これは筆者も、相当覚悟を決めて、名前を出して、証拠を挙げて書かれているんだと思いますが、どう思いますか。
藤井参考人 先ほど申し上げましたように、それぞれの雑誌がいろいろなことを記事になされますが、恐らくそれぞれ権威を持って皆さんお書きになると思っております。ですから、私ども、それに対して、正直言いまして、いろいろな雑誌の中には間違った数字であるとか内容がある場合もあります。ですけれども、それぞれいろいろとありますので、一々それに対して公団としてはコメントを差し控えさせていただいておりますので、今回も同じようにコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、その一内容として、例えば青木先生から電話があったかとか電話をしたとか、その内容はどうだかという御質問がございましたから、それについては、確かにございました、こういうことでしたということを御報告させていただきます。
    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
五十嵐委員 それは明らかに圧力があったということなんですよ。
 御自分のことなんだから。記事全体のことを、よその記事まで一々、いろいろなところで道路公団の名前は出てくるでしょう、確かにそれは。それは一々コメントする立場にない、わかりますけれども、あなたが言われたこと、大石さんが言われたこと、青木さんが言われたこと、はっきり書かれているのですから。また、あなたもかなり記憶が、思い出されて確かなところもあるのですから。あなたに関する限りのところは、正しいですか、正しくないですか。
藤井参考人 その記事そのものを全部記憶しておりませんし、一回読んだ記憶はありますけれども、したがって、ちょっとコメントだけは遠慮させていただきたい。
    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
五十嵐委員 では、記事がなければわからないというリクエストがありましたから、リクエストにおこたえいたしたいと思うのですが、本当はこの問題で時間をとりたくないんですけれども。
 総裁の部分のところは、例えば、二十一日の午後、大石道路局長が、道路公団に電話がありまして、「そこで大石局長は藤井総裁に、「会えるかどうか分らないが、午後三時までに青木先生のところへ資料を持って行って欲しい」と懇願したんです。しかし、藤井総裁が「検討させてくれ」と言ったので局長は困っていました」という証言があるんですね。
 それで、その一時間後、大石道路局長は、藤井総裁に電話をし、「青木先生のところへ一緒に行ってくれ。そこで資料を渡してくれ」と頼んだ。これに対して藤井総裁は、「すべて局長の責任ということで資料を渡して欲しい。これは契約行為中の件だから、本来、お渡しできるものは公表できるものに限られる。私が誤解を受けるようなことはできない」と言うと、大石局長は黙ってしまった。
 さらに、一時間後に三たび道路公団に電話してきて、「誰か理事が総裁の名刺を持って資料を届けに行って欲しい。その際、資料は公団からと言って渡してくれないか」、何としても大石局長は藤井総裁を青木官房長官のところに連れていき、頭を下げさせたいということではないかということになっているわけですね。
 このようなやりとりはあったんですか。
藤井参考人 ちょっとそういう、細かく記憶がございませんけれども、その中で一つだけ私として理解しておりますのは、この事業というのは非常に慎重にしなければいけないものだよということを大石道路局長と電話でやりとりした、この記憶はございます。ただ、そのほかいろいろと、たびたびいろいろなことをやっていますから、そういう細かくまで記憶を呼び起こすことは、ちょっと困難でございます。
五十嵐委員 それでは、その青木議員から直接あった、あなたが覚えている電話の内容をもう少し具体的にお話をいただけませんか。
藤井参考人 御説明します。
 先生からの御質問は、十三件、今回工事を中止したそうだな、それはどういうわけだい、どういうことでそうなっているのかというようなお話の内容でございました。
 したがって、私は、先ほどの資金需要のこととか、そういうことは電話では申し上げられますけれども、では、十三件の個々について、何でその十三件がそういうふうになったのか、ほかとどうして違うのかというような意味合いの説明になりますと、これはちょっと電話でやるわけにもいきませんので、後ほど資料で御説明いたしますという形で電話をおさめた、こういうことでございます。
五十嵐委員 そのときに、その島根県の問題の、仏経山トンネル西工事の話が出ましたか、出ませんでしたか。
藤井参考人 仏経山が出たかどうか、多分、仏経山の名前も出たかもしれませんけれども、十三カ所ということを強く強調されておられました。おれのところもというふうにおっしゃったかもしれませんが、その辺は私、ちょっと記憶が定かでございません。
五十嵐委員 そこが肝心なところなんですよ。なぜ肝心なところだけ記憶が定かでないんですか。だって、あちこちで、なぜおれのところなんだと言って回っているのは、たくさんの人が聞いて証言しているんですよ。おれのところもと言ったに決まっているじゃないですか。どうなんですか、もう一回記憶を確かめてください。
藤井参考人 十三件ということは強く言われて、その例として仏経山トンネルのこともおっしゃったかとは思いますが、その記憶よりも、十三カ所ということの記憶の方が強く残っております。
五十嵐委員 いや、おっしゃったかと思うというふうに言っているんですが、おっしゃったんでしょう。これはちゃんと答弁してくださいよ、おっしゃったんでしょう。
藤井参考人 電話でそういうふうに言われたかどうか、今、この場で確信を持って言うにはちょっと、その十三件という方だけははっきり言えますけれども。
 ただ、いろいろな新聞紙上等の情報で、地元の新聞の情報で、このトンネルについて強い御関心を先生がお持ちだったということは、その情報は新聞から得ております。
五十嵐委員 それは、やはり圧力としか考えられないじゃないですか。それは重大な問題なんですよ。その後、資料をお持ちになったと。だれがどこへお持ちになって、どうなったのですか。
藤井参考人 資料につきましては、多分、二十何日か、四、五日か、一週間か、時間的余裕をいただきましたけれども、それはなぜかというと、例えばこの工事はどういう工事であるということと、それはどうしてそんなに、今回、緊急という意味では、ちょっと見送らせることができるかという理由というようなことを整理しなきゃいけません。
 ただし、その際に私が非常に神経を使うように思っておりましたのは、公表している資料、やはり極めて慎重な対応をしなけりゃいけないと思っておりましたので、公表している資料でもって、これは新聞だとか業界紙であるとか、いろいろな形で公表しておりますが、そういう資料でもってその内容をまとめさせた記憶がございます。
 それは多分、道路局のお供で一緒に、うちの理事だったと思いますけれども、行ったと思います。私が直接、いつ、だれに、ここへ行けというふうに指示したわけじゃないので、道路局と相談して対応してくれというふうに言っただけでございますので、多分、理事だったと思いますけれども、道路局と一緒に行った、こういうことでございます。
五十嵐委員 今、総裁は、電話があったということをお認めになって、仏経山のお話が多分あっただろうというお話もおっしゃいました。
 そして、その後、私どもからいえば極めて不可解な政策変更、発注の取り消しの撤回というのがあったわけですけれども、この一種の行政処分に対して、青木さんのお怒り、あなたは地元紙でお怒りを知ったということをおっしゃいましたけれども、その影響があったのですか、なかったのですか。
藤井参考人 そういうことは全然ございません。私は粛々と大臣の指示のもとに仕事をしているだけでございます。
五十嵐委員 それにしては説明がつかないんですよ。十分に全体を見回して、緊急度の低いものを落とした、資金手当ては後年度分までは見通しがついていない、どこか落とさなきゃいけない、そのかわりに犠牲になる地域があるはずじゃないですか。そうでしょう。なぜそういう選択が行われたのか、それは御要望があったからでしょう。お認めにならないのですか。
藤井参考人 先ほど申しましたように、今回公表した際に、約一千億円の工事を全部公表、年度内に発注するということで、新聞記者会見でも資料をお渡ししました。
 その際、私ども十三年度の全体の発注枠として財務省からいただいていたのは七千三百億円の枠でございました。そのうち、十三年度に最終的に五千六百億円の工事を発注することが見通しとして立ったわけでございます。したがって、十四年度に先送りされる工事は千七百億円あります。
 あくまでも私ども、仕事をするのは、仕事を工程的に組み立ててやっていきますから、トンネルのように長期に時間のかかるものとか橋梁の高架橋とか、そういう難しい工事は比較的早目に出して、易しい工事を後でやって、全体の工期を早めます。有料道路は、投資したらすぐ料金を取るように早く完成させるというのが、有料道路事業の経営者としての基本でございます。何しろ、投資した利息はすぐ料金で回収する。
 そういう意味で、工程管理も、時間がかかるものは早く、早くできるものは遅く、こういうことでやっておりますので、そういう意味合いのチェックをして、五千六百億円分は今回出させていただいて、その中に今回の二月一日に御報告した千億分が入っているわけです。
 十四年度の予算は、これから決まりましたら、十四年度もともと予定していたものではございますけれども、既に概算要求の時点から少し厳し目に枠を考えておりましたので、この千七百億円送ったものを最優先にしながら十四年度の工事をどう組み立てるか、これがこれからのポイントになります。
五十嵐委員 お答えになっていないんですよ。
 とにかく、見通しがついていない、青木さんがこの件について大変怒られたということをあなたは十分に認識した、これは事実じゃないですか。そして、不可解な変更があったということも事実じゃないですか。
 私どもは重大な疑惑を持っております。青木さんが今なぜこれほどに怒られたのか調査をしてまいりましたけれども、この青木さんのところに、青木議員が支部長を務められている島根県の総支部、第一総支部ですかに献金が行われている。
 株式会社フクダというところがございます。この会社は、青木さんと大変親しい関係にあって、以前から献金がなされている。また、そことJVを組んでいる東亜建設という会社があるんですが、この東亜建設とフクダのJVが、この工事について談合が成立して入札するらしい、落札するらしいという談合情報が事前に私どものところにありました。
 そして、調べてみますと、このフクダという会社、東亜という会社、両方とも青木さんに献金をしているわけですけれども、フクダという会社は、島根県内で大体十位ぐらいの会社であります。それ以上の会社が十近くあるにもかかわらず、なぜか、この今の時期、落札したいはずのこの工事に応札していないんです。そして、約十番目のこの会社が一社だけ応札をしている。そして、談合情報が寄せられていたというところから見て、これは重大な、私は、青木さんの行為はあっせん利得の未遂の疑いがあるというふうに、未遂というのは、工事をやり直すということに、発注の入札をやり直すということになっているからであります。ですから、これは重大な問題をはらんでいる、まさに族議員の特徴がここにあらわれているというふうに私は思うわけであります。
 こういうことを許してはならないし、あるいは疑われるような行政を行ってはならないというふうに思うわけですが、総理、御所見ありますか。
小泉内閣総理大臣 公共工事の入札に関しましては、国民の疑惑を招かないような適正な対処が必要だと思っております。
五十嵐委員 これは大変重大な問題だと私は思います。民主党としても、引き続きこの問題を毅然たる態度で追及をしていくつもりでありますけれども、委員長におかれましても、この青木議員の問題について、私は、民主党として参考人の招致を、この場に青木参議院議員をお招きして事実を確認したいと存じますが、お手配のほどをよろしくお願い申し上げます。
津島委員長 理事会で協議をいたしますが、一言五十嵐議員に申し上げますが、今の御質問の中で、献金の献金先、その経緯について、これは議事録を念査しなければいけませんが、私は、少し正当を欠いたような表現があったんではないかというふうに感じておりますので、これも含めて理事会で検討させていただきます。
五十嵐委員 委員長のお言葉ですので、それでは御説明を申し上げたいと思います。
 青木幹雄参議院幹事長が支部長を務める自由民主党島根県参議院選挙区第一支部に対して、株式会社フクダ、平成十二年度に百万円の献金をいたしております。東亜建設工業株式会社、平成十二年度に三十万円の献金をされております。また、青木幹事長の地元後援会に対する寄附金は、株式会社フクダ、平成十一年度、五十万円しておりますし、その前年、十年度にも五十万円の献金をされております。また、青木幹事長の地元後援会の有力幹部をこの株式会社フクダの経営者たる長岡社長がされているというふうに伺っております。
 李下に冠を正さずという言葉もありますし、それどころではない、露骨な働きかけが国交省及び道路公団に行われた、そういう重大な疑惑があるというふうに私は思いますので、ぜひこの問題を真剣に取り上げていただくように改めて申し上げます。
津島委員長 理事会で協議をさせていただきます。
五十嵐委員 もう一つ、実は、余りやりたくないんですが、中谷元防衛庁長官にお尋ねをしなければならないことがございます。
 中谷防衛庁長官のお父様が経営される大旺建設という会社がございます。この会社から、加藤紘一代議士の事務所代表を務めていた佐藤三郎氏が経営していたコンサルタント会社に一千万円の入金があったという帳簿の記載が判明をし、国税庁がこれを調査された、あるいは東京地検特捜部が事情聴取を始めているという報道もされておりますけれども、これが事実かどうか。
 また、続けて申し上げますが、中谷防衛庁長官の政務秘書官である波川国夫氏は、中谷長官が議員となると同時に秘書となられたわけですが、それ以前はこのお父様の経営されている大旺建設の職員、社長さんの秘書だったと伺っているわけですが、これが事実かどうか。
 また、現在はこの政務秘書官は退職をされているわけですが、なぜ、いつ、どういう理由で退職をされたのか。
 そして、続けて申し上げますが、たくさんで大変恐縮でございますが、佐藤三郎氏は山形県内の公共工事に大変影響力があって、口きき行為をしていた。そして、受注料の三%から五%を受け取っていたと言われているわけですが、山形県内の工事における大旺建設の指名参加、工事受注状況について、私どもが調べたところではあるようでありますが、かなりある。それから、あなたが管理をされている防衛庁の中の防衛施設庁においても、大旺建設の指名参加及び工事受注があるというふうに認識をしておりますけれども、この一千万円が事実であれば、私は、この公共事業の受注と関係があるかどうか解明をしなければならない、そう思いますが、中谷防衛庁長官の御認識を伺います。
中谷国務大臣 私は、父の調査につきましては、報道がありまして初めて知ったわけでございます。
 私は、初当選以来、公職、国政に身を置く身といたしまして、自分の親族の会社のことと自分の公職については重なるところがあってはならない、また関与することがあってはならないと肝に銘じて行動してきましたし、むしろ関知しないように努めてきたつもりでございます。報道があったということで、父親の方に確認をしましたところ、そのようなことはないというふうに申しておりましたので、それを信じたいというふうに思っております。
 また、私の秘書につきましては、私と同じ郷里の出身で、元航空自衛隊に勤めておりまして、その後父の会社に勤めておりましたが、私が防衛大学校当時に彼と出会いまして、話をしたこともありまして、平成二年に当選したときに、私の方から仕事を手伝っていただきたいということをお願いして、ずっと秘書をしていただいております。
 今でも政策秘書をしておりますが、これら、防衛施設庁も含めまして公共事業のあっせんに関することにつきましては、私自身そういうことがあってはならないというふうに思っておりますし、そういうことが大嫌いでありまして、その件につきましては厳重に申しておりますし、秘書もそのようなことは絶対ないというふうに言っております。
 また、途中で防衛庁の政務秘書官の交代につきましては、私自身、四月から九月までは波川秘書に政務秘書官をお願いいたしましたけれども、基本的に政務秘書官が役所のことに口出しするということは好ましいことではないと思っておりますし、また、ローテーションをして、その次席の者と今交代をいたしておりますが、この貴重な経験というものは将来勉強にもなるという意味で交代をさせたわけでございます。現に、波川秘書は私の政策秘書として勤めておりまして、何ら問題がないというふうに認識をいたしております。
五十嵐委員 李下に冠を正さずという言葉がございます。これは、権力を持つ側は最大限の注意を持って公正な運営がなされるように気をつけなければならないということだろうと思います。これらの問題については引き続き調査をさせていただきたいと思います。
 次に、パネルをちょっと見ていただきたいと思うのですが、経済問題に移ります。
 実質GDPの成長率なんですが、よく見る図であります。この波は当然需給によって起きてくるわけですけれども、この波だけが注目をされますけれども、実際には、この帯全体の流れが私は重要だと思うのです。
 このそれぞれの帯の中で波があるというのが当たり前のことでありますけれども、これは需要の追加によって上がりますし、公共事業の追加によっても数字は動きます。しかし、この帯は一貫して下り坂であります。この長期的な成長率のトレンド、これは供給側の要因で決まるというのが今の経済学の常識であります。この長期的なトレンドは供給側の事情で変わる、それは供給が需要をつくり出すということであります。
 例えば、ディズニーランドを御存じだろうと思いますけれども、常に新しいアトラクションを、今度ディズニーシーというのができましたけれども、次々につくっていくというようなことで新たな需要を引き出すから、この不況の中でもかなりな集客能力を維持し、また発展をさせているということがわかる。
 あるいは、昔のこと、三Cというのがありましたね。クーラー、カー、カラーテレビ。こういったものを供給側が提供し、イノベーションによっていいものにし、あるいは努力によって価格を下げるということによって需要が生まれるという形で、全体的な成長率のトレンドというのは供給側の要因で決まる、これが今や常識になっているわけです。
 日本以外の国で、景気対策のために公共事業で、フィスカルポリシーといいますけれども、財政出動をするという国はもはやないんです。公共事業というのは社会の基盤をつくるということでありますから、長期的な視野に立って、計画に立って、国家百年の計に立って計画的に整備を進めていく、優先度をつけて整備を進めていくべきものであって、そのときそのときの景気の道具に使うというのはもうやっていない。むしろ、それは基本的な経済の成長にマイナスに働くというのが世界の常識であります。
 私、なぜ構造不況が起きるかというのをよく考えてみたんですよ。(パネルを示す)大もとには、環境として経済のグローバル化というのがあります。そして、この経済のグローバル化が全体に影響しているんですが、構造不況というのは結局何か。一つは、先ほど言いました供給の質の問題、競争力の低下が日本は起きているということですね。
 去年も、一年前に説明をいたしました。かつて日本は第二位だったんです。経済の競争力が二位だった。一方的に落ち続けて、今や二十六位であります。大変な競争力の低下が起きている。これは供給側に問題があり、生産性の伸びが低い分野に人や物や財が停滞していて、生産性の高い分野に移行していない、非効率的な資源配分があるということが原因になってくるわけであります。
 もう一つは、デフレの問題があります。当然ながら、デフレの問題があります。
 この二つが構造不況をもたらしている。だから、循環的には確かに需要はあるけれども、需給のバランス論があるけれども、それは一時的にしかきかない。特に、財政がこれだけ逼迫してくると、ほんの一時的にしかきかないんです。ですから、基本的にはこの構造問題が片づかなければだめだという御認識を総理も持っているから、聖域なき構造改革というふうに言われているんだろうと思います。
 では、この供給の質の問題、競争力の低下とデフレがどこから出てくるかというのを私が考えますと、これは一つは、先ほどその辺でありましたが、明らかな需給ギャップという問題があります。もう一つは、金融仲介機能の低下という問題があるわけでございます。
 そして、では需給ギャップは何から生まれるかという問題がありますが、ここにも、先ほど申しましたように供給の問題が出てくるんです。供給の質と強さの問題が出てくる。先ほど言いましたように、需要というのは供給側が生み出すという要素が非常に大きい。それからもう一つは、量の問題もあります。それは、供給過剰の問題もあるし、あるいは価格決定力が生産者側にないという問題があるわけであります。しかし、供給の質の問題というのがここにも出てくるということが私は大変重要な問題だと思います。
 それから、これらはどうして起きるかという原因を探ると、土地本位制が崩壊をしてしまった、土地に対して与えられていた信用の大幅な収縮が起きている。それから、もともと日本が高コスト体質を維持してきた。維持できたのは実は土地本位制が維持をしてきたわけですけれども、高コスト体質というものは持っている。それがこの供給の質の問題や量の問題に反映している。
 もう一つは、全体の人口もこれから数年先には減少しますけれども、もう既に労働人口の減少は起きております。このこと自体も影響しているけれども、大事なのは、実は供給の側の問題、供給の質の問題、競争力の問題、それと、あちこちに影響している金融仲介機能の低下というものがむしろポイントなんだ。だから、金融機能を早く改善することがデフレの解決にもつながるし、あるいは供給の質の問題、競争力の低下を逆方向に、引き上げる方向に持っていけば、このデフレ問題もこの競争力低下の問題も解決をしてくるというふうに私は考えるわけであります。
 そこで、競争力の向上を図る政策にすべて考え方を戦略的に集中していくということが極めて重大な問題だと思うわけですが、政府側がおやりになっていることは、相変わらず、竹中大臣にしましても、今言った構造的な問題が大事だと言いながら、一方で、いや需要も大事だということを常におっしゃるわけですよね。しかし、公共事業による単なる量的な需要追加というのは、先ほども言いましたように、先進国ではやっていませんし、逆にマイナスの効果が大きいんです。
 なぜならば、これだけ財政が悪くなってくると、これから先、それは単に後で借金が積み増すんだ、税金が高くなるかもしれないという予測を国民に与えますから、いわゆる非ケインズ効果と言われる効果が生まれて、単なる量の需要の追加、本来ならば成長率のアップに貢献すべきその効果が大幅に減殺される、ないしマイナス方向に働くという効果があるわけです。
 と同時に、公共事業を景気対策に使いますと、そこで技術職員を例えば雇わなきゃいけないというようなことが官の側、役所側に起きてまいります。これは人件費を下方硬直的にしますし、また、それらの雇った人たちを日本の構造では簡単に少なくすることはできませんから、これがいろいろな要因になってくる。そして、その人たちのためにむしろ仕事をつくって、またさらに新たな需要追加をしなければいけない、そして赤字がふえるということになってしまうわけであります。
 ですから、公共事業の追加策というのをもういいかげんにやめなきゃいけないというふうに私は思うわけですけれども、それが相変わらずされているということに大変大きな危機感と問題をはらんでおります。特に十三年度の第二次補正予算、大変無理をした予算が組まれました。これは泥縄式である、しかも効果がないということを今申し上げましたけれども、それだけでなくて非常に重大な問題を含んでいるんです。
 資料の中にあると思いますが、NTTの株式の売り払い収入を国債整理基金に入れるわけです。そのうちの一部を運用して無利子貸付事業というのをやっているわけですが、この第一条の法律には、「国債整理基金の資金の一部を運用し、」とはっきり書いてあります。ところが、皆さんがおやりになった今回の措置は、売り払い収入十・一兆円、六十一年度から六十三年度にありました。これまでに七・六兆円貸し付けていますから、残りが二・五兆。この二・五兆を全部使ってしまったわけです。そうすると、基金の一部を運用しという法律に違反しているじゃないですか。
 時間がありませんから言いますけれども、第二条の二には、これは別の話ですけれども、全部または一部を運用するという言葉があるんですね。つまり、法律はきちんと見分けているんです。認識しているんです。全部または一部というのが必要なときは、全部または一部と書いているんです。一部と書いてあるのは、あくまでも一部でなければならないという思想が込められている。単に法律ではなくて、思想が込められている。それを破って全部使ってしまうというのはどういうことなんですか、財務大臣に伺います。
塩川国務大臣 これはいろいろと政治的な判断をいたした結果でございまして、新しい財源を捻出するために国債発行で賄ったらいいではないかという御説もございますけれども、これはしかし、内閣として政治決定をいたしまして、とにかく十三年度は三十兆円で終始一貫するという、その財政の節度は、これは重大な政治問題でございますので、これを貫くということ。
 そうであるとするならば、何かの新しい財源を見出すということで、所有しておるものを売却するということの一つの手段もあります。しかしながら、株式を保有しておりますのを売るのが一番流動化しやすい資産でございますので、保有しております株式を検討いたしましたところ、それを売却しようとするならば全部、すべての点において法的な措置が必要になってくることで、それほど厳重に政府は管理しておるわけでございますから、そういたしますと、むしろこれを借用して一応これを財源に充てよう、こういう考え方になったのでございます。
 そうすると、一部か全部かという問題はございますけれども、一部も全部も、要するに、意義を拡張いたしますと、一部は全部に通じることでもございますので、それで、あるものは使おうということでそういたしたということでございまして、要するに、おっしゃるように、一部か全部かということは、議論は確かにあったことはございました。けれども、この際に我々としては決断をして、全部を借用してこれを充てよう、こういうことになったという次第です。
五十嵐委員 それは、政治的にそういう判断をしたというのはわかるんですが、やはり法律というのは厳密なものなんですよ。法律を運用するのは政府の役割でありますから、これは簡単に、その裏には思想があると私申し上げましたけれども、裏に思想があるんですから、その一部と書いてあるのは一部でなければならないという考え方が入っているわけで、これは法律に明らかに違反していると思いますが、主計局長、それじゃ一言、余計なことは言わなくていいですから、どう考えているかだけ。
林政府参考人 簡単に申し上げますが、一般論として、これは私どものあれではありませんが、法律の条文中に一部と規定されている場合に、その一部が例外的に全部を意味することがあり得るかどうかについては、その法律あるいは条文の趣旨等を踏まえて、必要に応じて個別に判断すべきものだと思います。
 今御質問の社会資本整備法について言いますと、十三年度の二次補正予算、それから十四年度の当初予算では、過去のNTT株式売却収入を、これは厳密な意味で申し上げますと全部用いているわけではありませんで、なお若干の残額がございます。無利子貸し付け等の財源に充てられるのは過去のNTT株式売却収入の金額の一部でありまして、同法に照らし、そういう意味で特段の問題はないというように考えております。
五十嵐委員 それはごまかしですよ。たまたま端数があったみたいな話を言われても困るわけで、それから、重大な発言なんですね。一部は全部を含むとおっしゃった。大臣もおっしゃった。そんなことはない。全部は一部を含むけれども、一部は全部を含まないですよ。これは問題だと思いますよ。
 これは今後ともこういう法律の運用をされたら困るから言っておくんですが、法制局はどういう見解ですか。
津野政府特別補佐人 お答えいたします。
 先ほど主計局長の方から一般的な解釈につきましては答弁がございましたので、そこは省略いたしまして、その考え方は主計局長が述べたのと同じでございますけれども、今回の問題になっておりますNTTの社会資本整備特別措置法、これの一条と六条一項との両方に「一部」という文言が使用されているわけでありますけれども、この「一部」の解釈につきましては、これは少なくとも立法時、これが最初にできた当時におきましては、日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入金に相当する金額の全部を無利子貸し付け等の財源に充てるようなことは想定されていなかったというふうに考えております。
 そして、現在ではどうかということでございますけれども、平成十四年度までを含めましても、まだ当該株式の売り払い収入金に相当する金額の全部には達していないと私どもも承知しておりまして、現時点において全部を繰り入れたというようなことはないわけでございますから、この法律に違反しているというようなことはないと存じます。
五十嵐委員 何かわけのわからぬ話でありまして、これこそ、小泉総理がお得意の常識論で判断すべきじゃないですか。全部は一部を含むけれども、一部は全部を含まないんですよ。こういう苦しい答弁をしなきゃいけないということ自体が、この政策が泥縄式であって、めちゃくちゃだ、無節操だということを示すにすぎないのであります。
 こういう公共事業の単なる量的な追加はやめて、戦略的に今の構造不況に対抗する政策を集中すべきだということを私は言っておりまして、問題は、我が党が言っているように、早く金融の機能を回復しなければいけないということが第一点であります。
 不良債権の問題は、見てみますと、この資料にもありますけれども、腐った大企業というか、生産性の低い大企業に、不良債権がたまっている企業に、ゼロ金利でなければ生きられないような企業に追い貸しをして、中小企業から大幅な貸しはがしをしている。
 ところが、競争力というのはどこから出てくるかというのは、これから成長する産業に出てくるわけでしょう。中小企業ですよ。かつては、今の松下電器にしたってソニーにしたって、あるいは自動車のホンダにしたって、町工場ですよ。小さな中小企業から新たな成長産業が出てくる。その成長産業の芽を一律的に貸しはがして奪ってしまった、そこに成長力が下がってきた大きな原因の一つがある。
 この金融政策の大失敗。大企業に追い貸しして、これは、金融機関がかわいいから、自分のところに早く赤字を表に出してしまうとまずいからといって小出しにしてきた。そういう腐った大企業に追い貸しをして、中小企業に……(発言する者あり)全部が腐っていると言っているんじゃない、腐っている大企業に追い貸ししているのはいかぬと言っているのです。誤解をしないでください。
 そこで、中小企業から貸しはがしている問題というのが非常に大きい。私どもは、中小企業こそ企業再生を果たし、イノベーションを果たして、次の次の成長産業になってもらわなきゃいかぬ。企業再生とイノベーション支援、そして開業支援。もっと中小企業に、まだ芽の小さい、開業を支援していくという政策を集中的にしなきゃいけないんだということを申し上げるわけであります。
 特に、金融の機能はここで大事ですから、私どもは、要注意以下の中小企業の債権を、これをファイナルプランというふうに称していますけれども、中小企業支援に特化した銀行に移して、そこで徹底的に企業再生を図るということをすべきだという提案をさせていただいております。
 金融機関の厳格な一斉資産査定を行い、そしてバッドバンクとグッドバンクに分ける。そして、グッドバンクはそのまま存続してもいいですけれども、バッドバンクの中で、中小企業に特化した銀行に変えようというところを見つけて、そこに資産を集中して、そして企業再生させるということを提案しております。
 それから、今の金融庁の政策に欠けているのは、地域金融についての考え方が抜けています。地域は小さいからどうでもいいみたいな話になっている。協同組合金融機関が、この間の論議にも出ていましたけれども、大変難しい状況に陥っている。これをこのままにしていったら、地域の金融が崩壊をしてしまうというところがたくさん出てきている。これはどういう救済をするのか。
 私は、危機対応を少し幅広く解釈をして、地域金融の危機も危機対応会議を開いて救う、強制的な合併やら資本増強というものも視野に入れておやりになるべきだ、こう思うわけですけれども、そうした考え方について、金融担当大臣のお考えを伺いたいと思います。
柳澤国務大臣 金融再生ファイナルプランというものを私、見せていただきました。ざっと目を通させていただいた程度で、深くまだ研究をさせていただいておりませんけれども、まず、検査ということが大前提になっているんですが、この場合、検査基準はどうなるのでしょうか。検査基準を変えるということでしたら、それはそれでわからないわけではないんですが、その点は一体どうなるのかということがございます。
 それからもう一つは、検査の担当者についてもお触れになっていないような受けとめをしておりますけれども、私どもの検査と違う検査結果を招来しようということであるならば、今の検査の担当者のどこがどう問題なのか。私、かねてからこの問題については、能力不足のためにそういうことをおっしゃられるのか、あるいはもう一つは、何らかの作為というか故意というか、そういうものが働いているというふうにごらんになっているのか、これが私は非常に問題であります。
 これは別に、我々何か、現状を何が何でもしゃにむに正当化しようという気持ちに駆り立てられて言っているんじゃなくて、日本の金融検査体制というものが本当に信頼されるものにならなくちゃいかぬ、それだとしたら、それは一体どこをどう修正すべきなのかと。私は……(発言する者あり)引き当ても同じなんです。引き当ても検査マニュアルから出ているわけでありまして、そういうことについて、一体どこをどう直せばいいのかということについて建設的な論議なしに、ただもう一回やればいいじゃないかということでは、なかなか私ども説得ある議論だとは受けとめかねるということでございます。
 そういうようなことで、それがいわばスタートでございますので、その余のことは必要ないかとも思うんですけれども、余りにも計画の思想というか設計の思想というか、市場原理から、御自身は、最後の中小企業のところでは、市場原理あるいは競争力あるいは効率性というのが生まれてくるのはそういうところなんだからそこを伸ばしていくようにということを言いながら、この金融システムについてはそういうようには言わない。役所がつくるのかどなたがつくるのか知りませんけれども、計画の思想でもって仕切ってしまう。これはちょっと首尾が一貫しない。私は、今やっているのは、やはり市場原理を重視していこうということでやらせていただいているということでございます。
 地域の金融についての危機対応については、もう五十嵐委員御承知のとおり、地域の金融の危機に対しても百二条でこれに対応できることになっております。
五十嵐委員 私どもは、金融検査をゆがめろというようなことを言っているわけではないんです。その後の処理の仕方について、例えば、二年間でしなければいけないというようなのは大手行にはあるけれども、中小の銀行にはない。確かにないんですが、それをまた三年、四年に延ばすとか、あるいは中小の金融機関は、大手行はメーンバンクで処理をするところがありますね、出てきますね、そうすると債権放棄やあるいは法的処理におつき合いしなきゃいけなくなる、それで自分のところが危なくなるということが出てくるわけですね。
 しかし、これはそのままにしておったら地域金融がなくなってしまいますから、何らかのルールをつくって、メーンバンクに肩がわりさせるルール、全額でなくてもいいかもしれないけれども、ルールをつくるとか、いろいろな方法で地域の金融機関の、手心を加えるという形ではなくて、救う方法があるじゃないですかということを言っているわけです。(発言する者あり)手心じゃないですよ、これは。そういうことを言っているわけで、何もダブルスタンダードでめちゃくちゃ甘くしろとかいうことを言っているわけではないんですね。今のマニュアルでも、そういう意味ではダブルスタンダードあるわけですから、そのマニュアルを特別に変えなきゃいかぬということを言っているわけではないわけであります。
 それから、さまざまなその他の方策もあると思うんですね。NPOをもっと活用するという、そこに融資制度を、縦割りの融資制度になっていますけれども、これを集中的にできるような制度にする、あるいは税制上の優遇措置をつけるというようなことも必要でありますし、あるいは私は、お金を使わない、財政を出動させないいろいろな活性化の方策があると思うのです。
 これは私の私案ですけれども、国有宅地なんというのが今たくさん出ていますけれども、こういうようなところを、売り飛ばすのではなくて、定期借地権として民間に開放して住宅を建ててもらうというようなことは、これは大きな役に立つと思います。
 あるいは、公的な宿泊施設が全国に三千カ所もあるんですよ。かんぽの宿だとかあるいは厚労省関係の施設もあります。この旅館業を国がやる必要は今全くありませんから、これは省庁の壁を破って介護施設や総理のおっしゃっている保育施設というものに転換をする、公設だけれども民営にして活性化を図る、新しい産業をつくる。あるいは、インフラ分野のコスト削減を、電力や通信や、先ほど出ました高速道路なんというのは料金を思い切って下げるといったことによって、本当の波及効果、新産業を生み出すような波及効果を生み出すような政策を集中するというやり方もあります。
 あるいは、税を使うんだったら、私が提案をしてもう党の政策になっておりますけれども、単にばらまき減税をするのではなくて、ローンで物を買う、あるいは教育ローンを利用するというようなことをすれば、その金利分は所得から控除するというやり方ならば、確かに所得税は減額になりますけれども、確実に消費に振りかわる、そして消費税の税収が上がる、そういう減税の仕方もあるじゃないですか。もっと知恵を使って、ただ総需要の単なる政府支出の追加ではないやり方というのをもっと考えるべきだ。
 あるいは、教育制度についても、ビジネススクールというのがアメリカでは相当な効果を発揮いたしました。このビジネススクールのようなものは日本でもつくれないか、もっと教育を自由化できないかというような観点からのそうした政策も考えておりますし、まださまざまな政策があるわけですけれども、単に、総需要を追加する、あるいは金利を下げる、金融を緩和するという古典的な手法以外の政策を集中して、みんなで仕切りを見直して、各省の仕切りを見直して政策を集中するということが私は必要だということを提案します。
 どうか総理、耳を傾けていただきたい。総理は御自分の政策を宣伝されるのは非常にお上手でありますけれども、もっと野党の政策にも耳を傾けて、それを取り入れて、こっそりとられて自分の手柄だというのは困るんですけれども、そういう野党の政策に耳を傾けるということをしていただきたい。
 最後に総理の答弁をいただいて、私の質問を終了します。
小泉内閣総理大臣 税金を使わなくても需要を喚起できる仕事、いろいろあるじゃないか、全く同感でありまして、今言われた幾つかは、既に取り入れてやっております。
 そのような趣旨というものを生かして、新しい構造改革に資するような事業を、できるだけ税金を使わないで、なおかつ、規制改革によってできることもあります、あるいは公的施設に民間の経営手法を入れるという事業もしております。幾つかいい提案をいただいておりますので、改革に資するような事業を展開していきたいと思っております。
五十嵐委員 終わります。
津島委員長 この際、河村たかし君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。河村たかし君。
河村(た)委員 総理をねらう男、河村たかしでございます。民主党でございますが、総理をねらう男、河村たかし。
 私は名古屋で小さい企業をずっとやってまいりまして、だから、本当の小さい自由主義経済に生きてきた人間なんですね。その立場から、この間の札幌国税局長の話、絶対許さぬ、あれは。みんな怒っておると思いますよ、テレビ見ておる人も。本当に今、金ももうからぬ。大変なんだよ。それで、税金のシーズンが始まる。なぜかこの問題が出てこぬのだよ。
 これはどういうことかといいますと、後でずっと事実を摘示して言いますから、総理、これは本当によく聞いておいてくださいね。あなたはこういうことを変えると言った人ですから、それは信頼しているからね。よく聞いていてください。
 この事件というのは、全国に何万という会社があるんだけれども、そこに大体月に五万とか十万とかいうお金を国税局が頼んで、みかじめ料です、要するにこれは。用心棒代だ。税理士やらないんだよ。そういうところの企業がそういうところへ出すと、そこに顧問が、国税庁の、税務署のOBが税理士となって行く、こういう構造ですよ。要するに金を出せる、若干金持ちというか大企業が多いんです、特に。
 金を持っておる人たちというのは国税とつるんで、出す方はなぜ出すんですか。税理士なんかやらないんですよ。なぜ出すんだ、要は口ききをしてほしいからなんだよ。いろいろな税の解釈がありますよ、交際費になるとかならぬとか。そういうことをやっている。本当の庶民だけ、僕らの会社でもそうだよ、そのみかじめ料を、用心棒代を払う金がないところはみんな苦労して、全部取られているんだ。これから、きょうテレビ見ておる源泉徴収の皆さん、これは何ともできない、きょうはこの事実を明らかにしますから。
 国税庁は表のあっせんを言う、あっせんシステム、それだけでもとんでもないけれども、実は裏のあっせんがあったんだ、裏のあっせんが。だから浜田さんはあれだけの、四年間で七億何千万、裏だけでですよ。初めの年はわずか四カ月で二億です。どうやってそんな顧問料が集められるんだよ、これ。そうでしょう、総理。そのシステムを明らかにするからね。いろいろな構造腐敗がある、やらないかぬことはたくさんあるよ。だけれども、税ですよ。国民の義務なんですよ。これは本当にやってもらいたい。反対に小泉さんに、これは僕はチャンスだと思う、ここを切り込んだら。ここはチャンスだと思いますが、これは後で事実を明らかに言いますからね。
 それからもう一つ。実はこれは十分か十五分ぐらいで終わりたいんですが……(発言する者あり)五分でいいですか。いやいや。実は、先月の二十四日ですか、うちの菅さん、後ろに見えますが、菅さんがここで眞紀子さんに、まあ余り気安く呼んでいいかわからぬけれども、大臣に質問されて、野上さんから鈴木さんの名前が出たか出なかったかという話で、それで何と――まず、ちょっと総理に聞きましょう。
 要するに、特定の議員の影響力を排除していこう、こういう御方針でいいですね。ちょっとそれだけ答弁。
小泉内閣総理大臣 もういろいろな議員が外務省を問わず言ってきますが、その意見が適切かどうか慎重に考えなさい、どんな実力のある議員でも、それが不適切であったらば排除しなさい、野党の議員でも、いいという意見だったら受け入れても結構だ、そういうことを言っているわけであります。
河村(た)委員 それで、事実を一つ言います。
 実はその夜に、二十四日の夜です。外務省に鈴木さんの圧力があったかどうか、ちょうどここでもめた夜に、はっきり言いまして、夜の十一時半から、鈴木さん、松岡さん、それから重家さん、小町さん、これらの方が集まって、赤坂の料亭で酒を飲んでおられた。これは事実だ。どうだ重家さん、答弁してもらおう。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 二十四日の夜、私は、官房長と一緒に、松岡利勝先生、吉田六左エ門先生主催の在京外交団、これは私の局の所掌している地域の国の外交団でございましたが、との夕食がございまして、急遽招かれましたので、たしか十時過ぎだったと思いますが、お伺いしました。そのお伺いしたときには、鈴木先生はおられませんでした。(河村(た)委員「その後、その後ですよ」と呼ぶ)
 その後松岡先生が、鈴木先生かどなたかと連絡をとっておられまして、十一時半ごろだったかと思いますが、鈴木先生が来られまして、十分ぐらいで帰られました。私自身は、遠くからごあいさつはしたと思いますけれども、会話は一切しておりません。
河村(た)委員 冗談じゃないんだよ、そんな日に集まって。どこで飲んだんですか。どこですか。赤坂の料亭ですか。まず答えてください。それから、お金はだれが払ったか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 名前は確かに記憶していないのですが、乃木坂の近くの日本料理屋さんでございました。お金、経費の方は松岡先生に支払っていただいたものと思っております。
河村(た)委員 そういうことなんだ。そういうことがいかぬのだよ。そういうことがいかぬのだ。その席であいさつすると言っていますけれども、料亭はあいさつする場所じゃないんだよ、言っておきますけれども。
 そこで多分、多分じゃない、大体私も聞いておるけれども、重家さんこう言ったんじゃないですか。実は鈴木先生、うちの野上はそんな、鈴木先生の名前なんか出してませんよと、こう言ったんじゃないですか。どうですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 そういうことは一切ございません。会話はいたしておりませんので、そういうような事実は全くございませんので、明確にさせていただきたいと思います。
河村(た)委員 とにかく、これはもう口裏合わせをしたとしか思えない、悪いけれども。
 とにかく、私も実はプライバシーを大事にする、自由主義を愛する人間ですから、鈴木さんに二十日の日でしたか、委員会にぜひ出てきていただいて、本当にそういうことはないのか、本当にあいさつだけだったのか、料亭へ入っていて。こんにちは、さよならですか。信じられない、これは。信じられない。それと、眞紀子さんにとってひどいですよ。問題になっておる大臣でない方と一緒に一杯飲んでおるんだ。
 僕がさらに怒るのは、これを質問通告したときに、今前半に言った話、ある会には一緒でそこにはおりませんでしたということだったんですよ、夜会っていただろうというのが。おかしいなと思って、僕はそれが終わってからはどうだろうなと思って、再度聞き直したらこれがわかったんですよ。(発言する者あり)十一時半からですよ、十一時半から。
 だから、小泉総理、要はこういうことですから、もうやはりずぶずぶになっているんだよ。ずぶずぶになっているんだ。議員が役人に金を出して、一杯飲む。それで、みんなで集まっていろいろなことをやる。こういう人をいつまでも置いておっては無理だよ、小泉さんの言っている特定議員の圧力排除は。
 だから、この二人を更迭させることと、それと、自分がリーダーシップを発揮して、院が決めるんだと言わずに、鈴木さんに二十日の日に出てきてもらうように、これを答弁してください。
小泉内閣総理大臣 委員会でだれを参考人に呼ぶかどうか、それは委員長を初め理事の皆さんが協議することであります。
 そしてまた、今、川口大臣を中心にしまして外務省改革に取り組んでおりますので、その外務省改革に向けて、これからも積極的に協力をしていきたいと思います。
河村(た)委員 不満でございますけれども、きょうは事実を摘示いたしましたので、お願いいたします。それでは、時間もございませんから、これは本当に、ぜひ党派を超えまして、主張は民主党がいたします。しかし、こんなところへ税金が払えると思うのかね。本当に冗談じゃないですよ。
 まず、それでは国税庁、来ておると思いますので。
 確定申告、二月十六日からでしょう。浜田さんが四年間で八億、裏でですよ。初年度は、答えられぬと思いますので言っておきます、これは大体二億です。
 初年度といいましても、小泉さん、七月十日に退職するのですよ、実は。それで九、十、十一、十二、四カ月で二億なんです。四カ月で二億ですよ、国民の皆さん。退職して四カ月で二億の収入があるんです。まず、これを理解しておいてくださいね。
 国税庁、何か聞きますと、あなたたちは、国税のOBを、一人で税務署の職員にほかっておくと悪いことをやるから、国税庁としてあっせんしてOBを税理士に送り込む、そういうシステムがあると聞いておりますけれども、そういうシステムは、全国で何人おって、何社、金は幾ら、この三つだけ答えてください。
 それで、ちょっと言っておきますけれども、税務に携わってみえる方に言いますが、今確定申告が始まりまして、お忙しい。だから、ほとんどの方は当然熱心にやっておられるんだよ。まじめです。これは当たり前なんだ。税務署員五万七千。だけれども、本当の上の方がとんでもないことをやっておられる。民間企業を食い物にして、自分たちの保身とあくどい金もうけに走っているんだよ。役人の不正は絶対許したらいかぬ。
 ということで、次長、どういうシステムで、長くしゃべらないで、あなたたちがやっている表のシステムを説明してください。
福田政府参考人 お答え申し上げます。
 税理士資格を有する職員につきまして、退職後、顧問先を紹介することは、勧奨退職後の当該職員の生活設計に関する職員の不安の解消、非行防止、民間需要に対する的確な対応等の観点から、退職管理の一環として必要であると考えております。(河村(た)委員「裏でやったのか、やっていないのか。人数と金を言ってください、全国の」と呼ぶ)
 御指摘の人数でございますが、平成十三年で申し上げますと、三百五十七人でございました。あっせんの件数が平均で十三・二件でございまして、一人当たり年間報酬額が九百四十一万円でございます。(河村(た)委員「年間で全国で三十三億だ」と呼ぶ)掛け算いたしますと、先生が今おっしゃった数字になろうかと思います。(河村(た)委員「三十三億とちゃんと言ってください」と呼ぶ)三十三億になろうかと存じます。
河村(た)委員 よし、わかりました。
 ちょっと一枚目のパネルを出します。
 これを見ていただきますと、いいですか、浜田さんは、ちょっと見にくいかもわかりませんけれども、初年度二億円収入がある。国税庁の話によりますと、一九九六年、とにかく今言ったやり方でいきますと、一日〇・〇三七社しかあっせんにならないわけ、全部割りますと。一年に何社というのを何カ月、日にちで割ればわかるでしょう。〇・〇三七社。ところが、浜田さんは四カ月で二億なんです、二億。これを割りますと、四カ月で割って、二十日で割って、大体、このみかじめ料、用心棒代というのは三万円、五万円、十万円ぐらいなんです。私はよく知っているんです、商売やっているから。仲間にたくさんいるし。悪いけれども、私は変なこと聞きませんよ。物すごい電話しました、大企業の僕の友達に。ようけやっているよ、やはり。何にもせぬ税理士に物すごい金払って雇っているよ、本当に。実にわかった。大企業がすごい、わかりました。
 それで、これを割りますと一日五十社だ。いいですか、浜田さんの場合は一日五十社ずつ新規契約がないとだめなんですよ、月五万円出す人が。これは国税庁、あなたのやり方でいくと一日〇・〇三七社だ。何倍だ、これ。百倍、五百倍か。あっ、千三百五十倍だよ。裏のあっせんシステムがあるんじゃないのか。どうして浜田さんはこれだけ集められたんだ。どうだ国税庁。うそつかぬでくれよ、本当に。
福田政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほどもお答え申し上げましたように、税理士資格を有する職員について退職後私どもがあっせんしているのは事実でございますけれども、いやしくも納税者等から批判や疑惑を招かないように注意いたしますとともに、人事の担当者が責任を持って一括して行っております。
河村(た)委員 では、先ほど次長が言われた以外に……(発言する者あり)さっき、数字が違う、明らかに。千倍なんだ、実際集めたのは。あなたが言ったシステムと。だけれども、あなたは、システム的にあっせんしておるのはこれしかないんだね。ほかには国税庁は一切そういうあっせんをしていないんだね、システム的には。個人的にも。どうだ。
福田政府参考人 国税庁、国税局として、実際は国税局でございますけれども、それは別にいたしまして、国税局として実施しておりますのは、先ほど私がお答え申し上げたとおりでございます。
河村(た)委員 大うそだよ、そんなの。どうしてできるのよ、一日五十社。毎日電話かかってくるの、これは一体。無理じゃないか、そんなこと。そして、その事務所は、悪いけれども、途中でふえたかどうかわからぬ、私も聞きました。女の税理士が一人と家族の方と、そんなものですよ、やっているの。一日五十社ずつ、五万円ずつ入るのよ。こんな天国があってどうするのよ、みんな苦しいときに、納税者は。冗談じゃない、うそ言うんじゃないよ、本当に。
 総理、いいですか。今の、なぜそれじゃ年間三十三億、表で堂々と言っているかといったら、個人でやる人がおるから、だめだからと言っているんだよ。ほかっておくと個人で悪いことやるから、団体で、国税局でやるんだと。何なんだよ、これは一体。かえって悪いじゃないか。とんでもない話だ。
 ということで、もう一枚出してください。実は、皆さんに、これは私もきちっと調べた結果です、どういうあっせんシステムがあるかをこれで公表いたします。
 こうです。いいですか、「国税局 ウラ斡旋の実態」「1国税局人事課の斡旋」、これはまあ局によって言い方は違うようですけれども、A勘定とかA勘といいます。ここが三十三億円。今福田次長が言われたのは三十三億です。
 これで合うはずないんだよ、なぜなんだよこれと思って、いろいろ、本当に皆さんにもお願いしたいんだけれども、情報も寄せていただいた。それによると、「2国税局調査部の斡旋」。これは資本金一億円以上なんです、総理。大きい企業を扱うのを調査部というんです。東京調査部は一から四まであります。二万社弱ぐらいの会社を扱っている。ここが独自にあっせんしているんですよ、実は裏で。そういうことだ。だからこんなばかげたことが起こるんですよ。
 それから、言っておきますけれども、後で見せますが、浜田さん一人じゃないですよ。局長クラスは大体年間二億と言われております。それから、ある程度大きい税務署は年間一億。これだけをあっせんするシステムがあるんですよ、実は。ここがどういうことであったのか。
 それからもう一つ、税務署の法人の副署長、これは皆さん、中小企業の方はわかると思うけれども、友達に聞いてくださいよ。みんな副署長が声をかけます。どうだね、うちのOBおるけれどもどうだよと、みんなそうやってやっておるんですよ。事実です、これは。これが三番目。
 それから「職員個人的の斡旋」、こういうのがあるんです。こういう状況です。
 要は、警察の不祥事もありますよ、警察が泥棒して、覚せい剤もあるけれども、税務署の脱税は本当にいかぬですよ。小泉さんの聖域なき構造改革の一番根幹だ。これが崩れておったら何もできないですよ、本当に。ほとんどの税務署員はまじめなんだけれども、こうなってしまった。
 どうですか、小泉さん。これはファクト、事実ですから。私、確信がありますから。当たっていますから。これはどうされるか。どうですか。
塩川国務大臣 その問題は、私は河村さんから何遍もお聞きしていまして、現に国税局に、この前も地方国税局長を集めまして、そういうことに対する真相の究明をまずやるということが大事でございまして、私たちも認識が薄かった。あなたから御指摘をしていただいて私もわかった。
 それで、ここについて勉強さすようにして、それで制度的にどうなっておるのかということをやっていこうということを今手をかけておる。それで、法律的な問題、要するに身分的な問題もございますしいたしますので、勉強させてくれと言った、一カ月ほど前だったと思いますが、あなたに申し上げたところです。
河村(た)委員 悪いけれども、塩川さんは本気かわからぬけれども、人柄と大臣とは違うからね。厳しく言わせてもらうけれども、うそなんだよ、これ。内閣の質問主意書にどう答えているんだよ。同じように続けると答えているじゃないの、ついこの間。本当ですよ、総理。
 もう私、大蔵委員会、財務金融で二年間にわたって七回質問しているんです。一切変わっておりません。だから怒っているんだよ、私、納税者にかわって。僕も本当に命かけてやっているんだよ。
 だから、総理、今まで聞かれたことを聞いて、質問通告してありますけれども、初めてかもわからぬ。だけれども、財金でも何遍もやっている。どう思いますか。この事実を確定して、ちょっと意見を。
小泉内閣総理大臣 税に対する信頼を揺るがせる大きな問題でありますので、こういうことがないように、さらに財務省としても、国民の信頼を得られるような改革に取り組む必要がある。
 今財務大臣が答弁いたしましたように、調査をよくして、今議員が言ったような指摘や疑惑を招かないような体制をとっていきたいと思っております。
河村(た)委員 そういう話じゃだめなんだよ。まず、これからやめるよりも、物事を変えるときは全貌を明らかにしてもらわないかぬ。そうでしょう、国民の皆さん。これからやめると言ったって、何をやっているかわけのわからないものを、やめようがないじゃないか。
 これは東京国税局に人事調査官というのがみえるから、名前を出すのは特別にやめておくけれども、彼に聞けば全部わかる。全部公開してくださいよ、ロッカーをあけて。小泉さん、やれますか。いや、やれますかじゃない、やってください、これは。納税者として、やってください。聖域ない改革、あなたはそれをやるから人気があるんだよ。やってください。
小泉内閣総理大臣 初めて聞いたお話なので、よく調査をして、不正のないような対策をとりたいと思っております。
河村(た)委員 これも何回も質問通告してありまして、情けない、本当に。わかりますよ、わかるけれども、しかし、小泉さん、これはある程度直観的に、これはいかぬと思ってもらわにゃいかぬ、本当に。これをやれなければ、私、本当は小泉さんはおもしろい人で、なかなかいいこともあるんだけれども、おもしろいだけで総理大臣ではないものでと思いますけれども。
 本当に自由主義経済の根幹を揺るがす。これは脱税とかそういう問題だけじゃなくて、企業の、私はどっちかというと新しい経済学をとっておりまして、いわゆるシュンペーター流というんだけれども、やはり、どんどんいろいろな企業ができ上がっていく、一つ一つの中小企業とかラーメン屋のおやじとかそういうのを大事にしよう、そういう経済学なんです。それが、ある程度もうかっていくと、何と上に何か広域暴力団がおるわけだ、みかじめ料を取る。冗談じゃないぞ、本当に。本当なんだよ、これ。
 いいですか、表のあっせんだけで一万社あるんだよ、表のあっせんだけで。こういう状況でございますので、また後で、一時間ありますから、昼に、その間にさらに聞いていただいて、この問題は全貌を明らかにする、人事調査官を呼ぶということを御答弁いただきたいと思います。
 それで、あと五分ございますね。――あと一分で終わりですか。
 もう一つ、知っておったという証拠に、支払い調書というのがあるんですね。税理士さんに報酬を払うと、源泉徴収といいまして一割引かないかぬ。この書類は、実は、浜田さんなら浜田さんは幾ら払いましたという、これは全部税務署へ集まるようになっているんです。そこで確定申告書と合わせて、この税理士さんの収入はこちら側と同じだなと合わせるようになっているんです。国税局長、だから、全部四年前からわかっていたんでしょう、二億足らぬということが。これが行くんですよ、税務署に。麻布署というのは税理士三百人ぐらいですよ。税理士監理官というのは、東京局には税理士係というのは三人いるのよ。わかっていたんです、完全に。それをほかっておいたんだ。なぜなんだ、これは。どうですか。
福田政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもといたしましては、あらゆる機会を通じて課税上有効な資料情報の収集に努めております。これらの資料と納税者から提出された申告書等を総合検討いたしまして、課税上問題があると認められる場合には、当然のことでございますが、その者の過去の経歴等に関係なく、適時に税務調査を行うなどして適正かつ公平な課税に常に努めているところでございます。
 今回の件につきましても、東京国税局査察部で査察を行い、告発したところでございます。
津島委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
津島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。河村たかし君。
河村(た)委員 初め、冒頭ですけれども、ちょっと休憩時間中に、先ほどの外務省のことについて、一、二分だけですけれども。
 そういうような、ここで問題になったような日に料亭で、当事者が、議員とお役人が議員の金で酒を飲んでおったということについて、議員の不当な圧力を排除するというのがきょう出ました総理の方針ですので、これについて、総理と外務大臣、ちょっと一言二言で、あとの大問題をやらないかぬですから、答弁してください。
小泉内閣総理大臣 いろいろ関係者との話し合い方、つき合い方、国会議員も含めまして、どうあるか、外務省改革の一環としてさらに徹底させたいと思います。
川口国務大臣 その件につきましては、けさほど話を聞きまして、事務方が先ほど申し上げたようなことを私も聞きました。私は、事務方の言うことを信じたいと思います。
 ただ、こういう時期に、一つの省の幹部として、やはり何が適切な行動であるかどうかという判断はあってしかるべきであるというふうに思います。
河村(た)委員 それでは、午前中に皆さんにお話をいたしました、税務署、国税庁が民間企業と癒着をして、そこから金をかすめ取るというようなことが行われている。とんでもない話です、これは。役人の保身とあくどい金もうけに走っている。
 まさに大塩平八郎の乱のときと同じですよ。小泉さんは三方一両損だと言って大岡越前守をやってみえるけれども、あのときによく出るでしょう。代官がおって、おい越後屋と言って、おまえもういやつじゃのうとかなんとか言って、あるでしょう。(発言する者あり)悪じゃのうと。越後屋さんに申しわけないけれども、あれと全く同じだよ、何百年たっても。だけれども、ここから大岡越前守、遠山の金さんは正したよ、これを。
 問題は、最後に聞きますからね、小泉さん、一時間あったと思いますけれども、これは本当にやってほしい。それと、塩川さんに僕は二年間、七回にわたって質問しているんだから。
 それと、総理、あなたの名前で、総理の判で、質問主意書というのがあるんですよ、国民の皆さん。それにこういうあっせんは続けるというて回答されているから、これはだめですよ。本当にだめです。
 そういうことで、ちょっともう一回、A勘定、B勘定、出ますか。ちょっと国民の皆さんに、NHKの放送が切れたようですから、どういう状況かお話しします。
 午前中の話でわかった事実は、国税庁というのは一定の表のあっせんがあるということですね。これは、年間三十三億ということでございます。三百何人に三十三億ある。三百五十七人、四千七百十二件。二年でありますから、大体一万件ぐらいの会社に国税庁はあっせんしてやっている。それでいきますと、全然話が合わなくなるわけです、札幌国税局長のは。一千万か二千万になるわけですよ、年間に、あっせん額が。だけれども、彼は、こちらの計算でいきますと、四カ月で二億、初年度から。全然合わない。
 そこで、何があったのかということが、今テレビに出ますから、国民の皆さん、見てください。1というのは「国税局人事課の斡旋」、今、午前で出た、これをやっているというやつです。これでもけしからぬ、こんなことは。とんでもない。一人でやるから悪くなる、みんなでやったらもっと悪くなるんだよ、これは。とんでもない話。これがA勘定と言われて、三十三億、これは認めています。
 そのほかに、国税局調査部というのは、これは東京国税局調査部というのは一部から四部まであります。ここは、いわゆる大企業、資本金一億円以上のところをやっている。ここが膨大な企業の利権を持っているわけです。ここが大変すごいあっせんをしているのではないかということで、国税庁はないと答えております。
 それから「税務署法人副署長による斡旋」、これはC勘定。それから個人でやるあっせんもある。
 こういう状況が一緒になって浜田さんの所得になっていった。後で言いますけれども、彼一人じゃないですからね、言っておきますけれども。一人だけだったら一人かわかりませんよ。だけれども、雪印のときもそうだったじゃないですか。あのときも、何かセンター長の個人的だとだれか言ったじゃないですか。大うそだよ、そんなの。みんな組織ぐるみだ。これこそ大組織ぐるみですからね。それを今から実証していきます。
 まず、財務大臣。私が直接聞いたというか、浜田さんが言ったということを聞きましたけれども、OBから、こうやって何億と収入のある方から、要するに、現職の税務署の方に、現金、ビール券、タクシー券が還流している。かなりの量です。去年は数百万だと言われております。ビール券に至っては、第二の貨幣だなんていう話をしておるようです。こういう事実がありますが、どうでしょうか。
塩川国務大臣 そういううわさということは聞いております。
 このことで実は、いつでしたか、先月の末ごろに、財金委員会で河村さんが御質問を私にされましたので、私は、それは非常にけしからぬことだ、だから、事実、こういうようなものが具体的にあるということを、もし差し支えなかったら知らせていただいたら、私の責任でやりたいということを答弁申し上げたと思うております。だから、その気持ちを私は持っておりますから、どうぞ一緒になってでもそういうものの追及をしていくということを答えたい。私にはそういう情報が入ってこないんです。だから、あなたから情報があれば、やっていただいたらと。
河村(た)委員 私はやります。これ、命をかけてやっているんです。この問題、実はタブーだったんです。あと、検事総長、検事長の問題もあります。それからマスコミも汚染されています。言いますから、事実を調べましたから。だれも質問しなかった、ほとんど。だから、私、命がけでやっているから、納税者を守るために。調べますけれども、私、残念ながら、財務省、国税庁の中で、僕が行きたいのは国税局の人事調査官、ここ行ってロッカーをあけたいんだよ。あけれないんだ、僕は。あなたはあけれるし、小泉さんあけれるでしょう。一緒にやりましょうなんて、どういうことなの。
塩川国務大臣 先生の持っておられるような情報が私らのところに入ってこないんです。(河村(た)委員「何で」と呼ぶ)いや、入ってこない。だからそういうことを言っているんです。
 私は、先月の何日だったか、国税局長会議を開いて、そういう実態調査にこれからかかるから、だから、そういうところの体制をとっていくからということは言ってあるから、だから、そういうニュースを聞けたら私は具体的にやれるんですよ。だからその点を一緒に、そういう情報も欲しい、こういうことを言っておるんです。
河村(た)委員 まあその問題は、うちもいろいろな書類が来て、後でお見せするが、しかし、あなたのところ何もやらずに、ロッカーあけてみろよ本当に、ロッカーを。簡単なことだよ。副大臣、政務官もおるんだよ。何のために役所があるんだ。冗談じゃないよ、これ。何を言っているんだよ。納税者をどう思っているんだよ、納税者を。みんな国民見ているんだよ。本当はやめないかぬの、あなたは。冗談じゃないよ。
 それから次の、法務大臣さんに伺います。
 私、これも聞いてまいりました。検事長とか検事総長、大変偉い方でございます。検事長というのは、全国で八つぐらいですか、ありますね、大きいところで。そこをやめられるときに、国税局の方から、やめられるならあっせんいたしますよ、どうですかという話があります。うわさじゃない、あります。私の聞いた話では、大体一社三十万、月にですよ、月に。それが大体、検事長で十社ぐらい。そうすると月に三百万。それから、検事総長だと二十社から三十社。そういう状況がある。
 しかし、高額納税者になぜ出てこないのか。きのうから質問通告しているけれども、まあ答弁聞きましょうか。わけのわからぬことを言われると思いますが、お願いします。
森山国務大臣 今お話しのようなことを、法務省であっせんするとか国税の方にお願いをするとかいうことはいたして……(河村(た)委員「いや、反対、反対、国税が頼む」と呼ぶ)そのようなお話は私は承知しておりません。(河村(た)委員「高額納税者はどうですか」と呼ぶ)
 それも、一人一人の税額については、詳しく調べるという手だてもございませんし、把握いたしておりません。
河村(た)委員 手だてもありませんって、高額納税者が検事長なんて何人おるんですか、過去十年間で。それこそ二十人か三十人でしょう。一応確認しますか、検事長と検事総長。聞きましたけれども、十年で三十人ぐらいですかね、二十人ぐらいでしたか。とにかくそんなものです。すぐ調べられるじゃないですか、そんなの。事務所がどこにあって、そこの管轄の高額納税者名簿を見ればいいんだよ。
 わかっていただいたと思いますけれども、それも答えられない。うそです。これは調査を求めますよ。(発言する者あり)いや、質問しません、次があるから。それでは調査に対してはお答えいただこうか、改めて。
森山国務大臣 平成八年から十四年までの間に検事総長、次長検事、検事長の退職者という名簿はここにございまして、二十数人、名前だけはわかっておりますが、先ほど御指摘の収入その他については把握しておりません。
河村(た)委員 わけのわからぬ話ですね、これは本当に。そんなことすぐわかるんですよ。だから、これ、うそなんだよ、残念ながら。本当に悲しいことに、こういうことが言えない日本になっちゃっているんですよ。
 具体的に言いますよ。国税局の幹部が、これは国税局長は検事長と同じようなのがありますから、どうですかとやっているんですよ。これが事実です、確認してまいりましたから。あなたたちが知らないわけはない、そんなことは。うそだよ、そんなこと、残念ながら。検事が、検事総長がうそつくこと、やめてくださいよ、本当に。そんな、知らないわけないじゃないか、きのうから質問通告してあるよ、これ。検事長が幾ら収入があるかなんてすぐわかるじゃないですか。
森山国務大臣 昨日から通告は確かにちょうだいしておりますが、法務省としては、おやめになった検事長あるいは検事総長等の収入について把握するということはいたしておりません。
河村(た)委員 非常に悲しいことでございますが、真実を言いますと、言えないということですね。これは、言いますと高額納税者逃れしていることがわかってしまうということがあります。残念ながらそうなんです。
 それでは、次の方に。このことはまた再度いろいろ、いろいろというか、調査要求します。あきらめたわけじゃないですからね。
 それから、マスコミについて、これは私は本当に言いにくいんだけれども、きょう記者の方たくさんお見えになるけれども、本当に残念だ、これは。私、なぜマスコミに聞くかというと、私は自由主義論者ですから、やはり報道の自由というのを非常に大事にします。だけれども、マスコミ、ジャーナリズムというのは、一定の公器という、パブリックの意味がありますよね。だから、どうなっているのか調べてみた。ほとんど全部のところに手紙を出しましたよ、皆さんのところに国税OBが税理士で入っていないかと。ほとんど入っている、名前は言いませんけれども。これは事実です。ほとんど大手。入っていないところは一つ返事が来ました。出版社です。ちょっと名前は言いません。残念ながら、ほとんどです。
 こういう状況なんですよ、総理。いいですか。国税局、国税庁、それから検察庁、それからマスコミですよ、ここがみんなこうやって、国税ってすごい権限ですから、これはお金ですからね、それをみんな取り仕切って、そこへみんなこういうふうにばらばらと自分のところの天下りといいますか。
 さらにいかぬのは、今度の場合は、金を払う方が問題なんですよ。顧問業をやらないからね。やっておる人も間々にありますけれども、やらない。なぜ払うかといったら、何だと思いますか。総理、何だと思いますか。わからないですか。これは、何にもやらないのに払うんだから、いざというときに何とか口をきいてほしい、今言った交際費や何かまけてくれる、そういう話なんですよ。そういうことが起こってしまっているということでございます。
 それで、私はもうちょっと広い話をしますと、今までの経済学と違って、本当に小さいけれども企業をみんなでつくっていこうと。自分でやっていたからね。なかなか貴重なんですよ、僕なんて人間は本当に。落選二回十年、当選三回九年ですけれどもね。やはりこういうものを大事にしていこうという気持ちがあるから、とにかく役所がそういうものを取り仕切る世の中は絶対やめさせたいという気持ちがあるんですよ。
 それで、実は、国民背番号について一つだけ聞かないかぬけれども、これは同じ意味だから。
 総理、本当に個人的に、この間ちょっとトイレの中で会ったでしょう、こんなことを言ってもなんですけれども。来年の八月五日に国民の皆さん全員に十一けたの番号がつきます。十一けたの番号。全員です。自治省はそれで住民票をとりやすくすると言っています。大うそだ、そんなことは。私は、本当に自民党は情けない。なぜ自民党は反対しないんだよ、こんなことに。病気だとか財産だとか家計だとか、それから遺伝子の研究をやっているんだよ、あるメーカーで、実際は。総務省は総務省でやらないと言っているけれども、通産省を中心にして全部企業がやっているんだ、そういうのを番号で統率するのを。
 こういうことについて、総理大臣、これは通告してありますから、どうですか。――いや、総理大臣に言わせてください。ここはわかっているから、悪いけれども。
小泉内閣総理大臣 国民の利便性を考えてこういう番号制をしいた。また、今、国会で納税者番号を早く導入せよというのは、各党から意見が出ております。こういう観点から、国民の利便性を図るという観点から私は導入されたんだと承知しております。
河村(た)委員 今の話を聞きますと、まず――いやいや、もう言っているのはわかっているんですよ。決まったことしかやらないと言うんだから、悪いけれども。
 だけれども、これは今言いましたように、脱税なんて、こんなところで脱税があるわけでしょう。番号をつけたってよくなりませんよ、言っておきますけれども。そんな、経済取引には使えませんよ、現金取引に。銀行は今だって名寄せできるんだから。国民管理だけなの、これ。(小泉内閣総理大臣「民主党はよく知っているんじゃないの、国民背番号」と呼ぶ)いや、私は反対ですよ。それはいい。そういうことです。
 ですから、自由を守る人は本当に反対しなきゃだめですよ。ブッシュさんだってやらないですよ、こんな大きいICカードをつけたのは。ここは本当に一遍自由主義の観点から考えてもらいたいということです。
 それから、一つパネルを提示させていただきます。
 実は、浜田さん……(発言する者あり)まあ、後で見せるから。本当はここに肩書が全部出ておりました、きょうの朝まで。悪いですけれども、肩書が。でも、自民党の方から、まあ一応というお話で。僕はプライバシー論者で、実は二年前に知っていたんです、この名簿は。だけれども、さすがにプライバシーがあるからやめていたんです。だけれども、十一番目に、浜田常吉さん、年収一億二千万、それから高額納税者申告なしがあのようなことで逮捕されてしまった。だから、私は本当に勇気を持ってこれを出したいと思うんです。
 これはどういう名簿かというと、ここにありますけれども、「国税庁、検察、マスコミ 世紀の構造腐敗。タブー。」である。「摘発あるところに天下りあり」「食い物にされる民間企業」ということです。一番上の方からいいますと、年収六億、これは高額納税者申告は五千五百万しかない。次の方、四億、これは申告は一千三百万しかない。次の方、四億、申告は二千四百万。それから次は一億八千万、申告なしだ。ずっとなしなんですよ、これ。こういう状況でございます。(発言する者あり)国税OBです。国税OBの税理士さんの収入と、それから年収。これは大体かたいです。何人かは当たっています。それから納税者申告、これは調べりゃわかります。この状況なんです。こういうことなんだ。
 ですから、皆さん、名前はわかりませんけれども、ちょうどこのテレビを見ておられたら、ぜひ説明してもらいたい。私、脱税しておると言うんじゃないんだ。しておる可能性もあるかもわからぬけれども、そうではないんですよ。一番下なんだ、浜田さんは。なぜこれだけ収入があるんだよ、こんなに。そして、なぜ高額納税者申告に出てこないんだ、これだけの人が。
 そこでお伺いします。
 三月三十一日時点ですけれども、高額納税者というのは一千万を超えると要するに名前を出さなきゃいかぬ公示制度というのがあるんです。これをわざと例えば四月一日に申告を出すとか、非常に単純なやり方は、三千五百万申告のある人が、五百万と書いて、間違えておりました、三と入れたり、それから源泉徴収の分をごまかしたり、そういうやり方があると聞いております。
 どうですか、塩川さん。
塩川国務大臣 残念ながら、それだけの知識がございませんでした。
河村(た)委員 知識がないというのはわかりませんけれども、違いますでしょう、二年前に聞いたじゃないですか、私。一年前ですか。とんでもないです。私もぼけるところだったじゃなかったですか。とんでもないですよ。ぼけに乗るところだった。一年前、財金委員会で私聞きましたよ。(発言する者あり)いやいや、一年前はわかりませんが、必ず、塩川さんに聞きましたよね。それを答えてください。聞いた事実。
塩川国務大臣 この問題は、私は、河村さんから三回か四回聞きました。そのたびごとに調査を私は依頼したりいろいろなことをやってまいりましたが、昨年の十二月でしたか、委員会で質問がありましたので、すぐに私は、ことしの正月からこれの調査を国税局に命じて、段取りに入ってきておる。そして、先ほども何遍も言っていますように、一月の十六日には国税局長会議を緊急招集して、こういう事実のことは言って、それからやっておるんですから。
 それはあなたも長年、これは私はあのとき言うた、河村先生はこれをライフワークのように思うておる、これは命がけでやっておられるんだから、だからこっちもそれにこたえるようにしてやるということを言ったはずなんだ。だから、それを準備して今やっています。
 それで、やめた後の身分というものと人権問題ということについて、法制局等に検討もやってもらっておりますし、今いろいろな準備をしておるということを言っている。
河村(た)委員 準備準備より、まず全貌を公開すればいいんですよ、国民の皆さんへ。それこそ、まず事実がわからないと、直すと言ったってどうしようもないじゃないですか。(小泉内閣総理大臣「一日おくらせたらどうなんだ」と呼ぶ)一日おくらせましたら、その延滞税が若干つきます、ちょこっとだけ。延滞税と利息分がちょこっとつきます。そういうことですよ。だから、名前が出るよりはるかにいいわけですよ。名前が出ないんです。自分の名前を隠すことができるんです。
 だから、私は何を聞いたかというと、要するに三月三十一日に本当は出るはずだったのを後で直して出た人の数、税理士さんだけでいいですよ、その中の国税庁OBの数でいいと。本当は名前を入れてもいいんですよ、本当は出るぐらいだから。聞いても答えないんですよ、前から。
 小泉さん、どうですか、今の。けしからぬと言ってくださいよ。言ってください。
小泉内閣総理大臣 こういうのはまことにけしからぬことだから、調べて、一日おくらせても、隠そうとしてもだめだというような措置を講じた方がいいと思います。
津島委員長 河村委員、国税庁の次長に事実関係だけ。
河村(た)委員 いや、いいですよ、ちょっと時間がないもので、あと十分しかないので。
 あと、それから言いますけれども、問題は、こうやって一遍も来ないような税理士さんをぼんぼん雇って、これは何か経費で落としているけれども、交際費でないかという気がするんですよ。そうでしょう。みかじめ料ですよ、これ。もしそれを経費と言うんだったら、脱税と言ってはなんだけれども、脱税ではない、多くは、何か解釈が困ったときとか、そういうややこしいときの経費なんですよ。これは本当におかしいですよ。三十三億分課税してくださいよ、わかっておる分だけでも。どうだ。
津島委員長 国税庁福田次長。前の点もあわせて答弁してください。
福田政府参考人 まず最初の公示の関係でございますけれども、何人の方が云々の話でございますが、特定の個人、集団の課税情報でございますので、個人のプライバシーにかかわりかねない問題でございますので、これは税理士、OBとか非OBとか税理士とか、そういうものじゃございませんで、どの個人、集団でも同じでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
 それから、顧問契約についての御質問でございますが、法人が、税理士あるいは弁護士等の資格を有する者と顧問契約を締結いたしまして月決めなどでその顧問料等を支払うことは、一般に行われているところでございます。
 一般論として申し上げますと、このような顧問契約は、役務提供の内容が具体的に定められている場合はともかくとして、通常は、その顧問契約期間において、法人がその税理士あるいは弁護士等に対していつでも必要に応じて専門領域に関する相談等を行うことができるというものでありますので、支払い側の法人としては、そのための費用であると考えられます。
 一方、交際費等は、法人が取引の維持または円滑な進行を図ることなどを目的として、その取引先の関係者等に対する接待供応等の行為のために支出するものでございますので、税理士等の顧問料はこのような交際費等には該当しないものと考えるところでございます。
河村(た)委員 まず、税理士だといっても、それは働いておる税理士は当然いいですよ。これは名前だけですから。それで、いつ働くかわからぬといって、二年ごとにころころかわるシステムですよ。全然違いますよ。その個人に対する信頼感がほとんどないんですよ。見たこともないと。二年、来るときにこんにちはと、さようならもない人が多いですよ、言っておきますけれども。そんなものが何が経費だよ、本当に。これは本当に脱税だよ、悪いけれども。悪いけれどもじゃない、本当にそうだよ、これ。税務署の脱税は一番いかぬ、本当に。
 もうあと五分ですから、総理にお伺いします。
 今までいろいろ話を聞いていただきました。私、納税者は本当に怒っておると思う。こんなにもうからぬとき、法人税だって、うちでもかつかつで苦しいですよ、本当に。そういう、みんなで集めた金を、そこで上におるのが、何と民間企業を食い物にして、検察にも、企業を自分の私物化のようにして、ああ、どうだい、どうだいとやっている。僕は本当はここで、みんなに納税したらいかぬと言おうと思ったけれども、まあ民主党がそこまで言うなという説もあるものだから。
 だけれども、これは本当にだめだ。僕は、小泉さん、ここだけは信じたい、やってくれると。人事調査官のロッカーをあけてくださいよ、方法はあるんだから。その情報を全部公開してください。それをもしやってくれなければ、検察もだめだから、悪いけれども。本当に悲しいけれども。マスコミもそうなんだよ。
 だから、納税者の皆さんみんなの、昔なら一揆だよ、一揆。くわやすきを持って戦うんだよ、納税者が、昔の。今それがないから、税金で闘おうよ、税金で。この問題を小泉さんが、これは内部情報でわかっていますから、全情報が既に人事調査官のところにありますから、一週間で公開できます。納税者の皆さん、この一週間以内に小泉さんがこの問題をきちっとわかってくれなかったら、本当に税金で一揆を起こしましょうよ。それが国を変えることなんだ、本当に。それが国を変えること、自由主義経済を守ることなんだよ。
 その第一歩を、ひとつ小泉さん、返事してください。お願いします。
小泉内閣総理大臣 今のお話も含めまして、税務当局が、特に今までの点で正すべきことを正して、信頼をかち得るような体制をしっかりととっていきたいと思います。
河村(た)委員 本当に小泉さん、そこで人気があるというのか、やられているわけで。
 それと、新しい経済学を考えるときに、企業を本当に大事にしてほしいんです、企業を。何でだめかといったら、これは竹中さんはわかっておるかどうか知らぬけれども、やはり二十年間、経済学が古いんですよ、今のものは。国が全部やるという考え方なんだよね。僕は、郵貯も簡保も廃止論者ですよ、言っておきますけれども。もっと多くの銀行をつくろうという。とにかく、努力して企業をつくっておる人をどんどん育てていこう、こういう経済学に立たなきゃだめなんだ。そのときに、わかったでしょう、こんな、企業からみかじめ料取って、役人がみずからの保身とあくどい金もうけしている。絶対、絶たなきゃだめですよ、これは。
 いろいろお話をしてきましたので、大体これで終わりますけれども、本当に、先ほど途中でも言いましたが、これの一番悲しいことは、こういう金を払っておるのは大企業ともうかっておるところだけなんです。わかりますか、小泉さん。小さな企業、こんなお金払えませんよ、月に五万、十万、余分な金を。だから、本当に庶民が苦しむ世の中をつくったらいかぬ、小さいラーメン屋のおやじが苦しむ世の中をつくってはいかぬ、そういうことをお願いしまして、質問を終わります。
津島委員長 これにて岡田君、石井君、五十嵐君、河村君の質疑は終了いたしました。
 次に、山岡賢次君。
山岡委員 自由党の山岡賢次でございます。
 自由党を代表いたしまして、小泉総理並びに関係閣僚の皆様に御質問をさせていただきます。
 きょうの私の質問のテーマは、景気回復でございます。小泉構造改革によって一体いつ景気がよくなるのか、その一点についてお聞きできれば、もうそれできょうの私の使命は終わったと自分では思っております。
 小泉総理が総理に就任されてから十カ月近くがたちましたが、あなたが総理におなりになられた最初の国会、最初の予算委員会で、私はこの場所に、この時間帯に立ちまして、総理に次のようなことを申し上げました。あなたは、勝海舟や山岡鉄舟になって新世紀維新を起こすのかと思っていたら、総裁選に勝った途端に第十五代将軍徳川慶喜公におなりになってしまいましたね、こう申し上げたのを覚えていらっしゃると思いますが。
 勝海舟という人は、徳川の要人でありました。時代の見える人でありました。日本の幕藩体制、すなわち政官並びに一部の業者による権力体制あるいは利益体制を百八十度転換して、すべてを欧米のように、一般市民すなわち一般国民の権力と利益中心の体制に変えていかなければ、日本は世界の中で生き残ってはいけない、こう看破した人であります。したがって、江戸城を無血開城して、維新に道を開いた英雄であります。
 一方、徳川慶喜公は、改革的な人ではありました。みずからも改革案を随分と提案し、試みてもいきましたが、結局は、徳川の三大改革と同じでございます、失敗いたしました。その失敗の理由は、みずからが徳川幕藩体制の将軍、言うなれば総裁であったがゆえに幕藩体制をなくす改革をできなかった、そこに成功しなかった原因があるわけでございまして、お聞き苦しいかもしれませんが、どうも最近のあなたの姿は、私があのとき申し上げた徳川慶喜公の姿そのまま、自民党の政官業の体制あっての小泉総理というふうになったように見えてしようがないのでございます。
 施政方針演説を伺いましたが、人気は落ちたが改革はやるんだとアドリブで絶叫されました。また、方針の中にも、ことしは「改革本番の年」、こういうふうにも書いてありますが、何となく、今聞くとむなしいような気がしてならないわけでございまして、総理は、就任当時は、新世紀維新とか解党的出直しとか聖域なき構造改革と何度も言っておられましたが、今では単に改革と言うだけになったような感じがいたします。
 また、所信表明では、構造改革なくして景気回復なしと高らかに打ち上げられておりましたが、今回の施政方針演説では「改革なくして成長なし」と大幅にトーンダウンしております。特に、景気回復なしという言葉がなくなったのは、これは総理はどこまで注目しているか知れませんけれども、これをつくった人たちにそういう意思が如実にあらわれているんじゃないか、そういう気がしてならないわけでございまして、別に総理の言葉じりをとらえて言っているわけじゃないのでございます。
 総理の総理なりの改革への意欲を今ここでまず改めてお聞きしてから、次に進めたいと思います。お願いいたします。
小泉内閣総理大臣 就任以来、改革は着実に進んでおります。私は、所信表明に述べたとおりのことを着実に実施に移している。既に行政改革、特殊法人改革、そして予算の、財政構造の改革にも着手し、今、この構造改革を進めるために、デフレ阻止、金融不安を起こさせないためには大胆かつ柔軟な対策をとる、はっきりと方針を示し、それは既に一年足らずして着々と実施に移しています。
 自民党も変わってまいりました。今まで私が言っていたこと、自民党の部会、調査会を尊重していたら全部否定されていた意見です。道路四公団民営化もそう。特殊法人に対する財政支出一兆円削減もそう。政府関係金融機関の見直しもそう。今回の第三者機関をつくる場合の国会同意人事、これもそう。医療制度改革、これもそう。今までの自民党の、段階的に部会、調査会、政審、総務会の手順を踏んでいたら全部否定された意見ばかりです。全部前進しているじゃないですか。
 私は、この構造改革を着々と推進するために、その過程で進む痛みを和らげるためには雇用対策をしっかりやります。デフレ阻止に向けてあらゆる手だてを講じます。これはいずれも私は、構造改革に資するために、ある程度デフレ阻止のための対策をとらなきゃいけないということでやっているわけであります。ただただ改革を進めて、失業が多ければいい、倒産が多ければいい、そういう手法はとりません。私は、構造改革に資するための手だてはそれなりに進めていかなければならないということでやっていることを御理解いただきたいと思います。
山岡委員 この後お耳ざわりなことをたくさん言いますから、先に総理のおっしゃることを承っておきました。
 しかし、相変わらず勇ましいお言葉は承りましたけれども、どれを聞いても、そういう方針を示したとか、だれもやらないことをやったでしょう、こういうことは確かに言っておりますが、どんなことをやったとしても、成功するかしないか。つまり、成功しなきゃ景気はよくならない。そのことが一番重要なんで、その壁の向こう側に行かなければ、今まで自民党の中のほかの人がやらなかったことをやったというのは、三大改革の人たちも言ったし、慶喜公もずっと言っていたんです。はるかに改革的だったんです、自民党の中、あるいは徳川の中では。
 しかし、なぜ成功しなかったかといえば、壁のこっち側、自民党のこっち側を守ることだけ、そういうことで日本を直そうと言っても直りませんよということを私は言っているんです。だから、何も私は党利党略で言っているんじゃないんですよ、みんな生活しているんだから。
 そこで、あなたにお聞きしたいのは、あなたにあのとき言ったじゃないですか、新世紀維新という維新という言葉は、三月二十七日にあなたと話したじゃないですか、革命という意味ですよと。自民党をなくしてもやるんだと言ったのはだれですか。では、あなたは自民党を解党してもこの改革をやりますか。
小泉内閣総理大臣 自民党が確実に変わってきているんです。私の改革を支持して、協力してくれているんです。
 しかし、私の進める改革を自民党がつぶそうといったときには私は考えますよ。選挙中でも言ったでしょう。私の改革をつぶそうということで自民党が出てきたら私は自民党をつぶす気でやると言ったことは、何ら変わっておりません。
山岡委員 総理は、自民党をつぶすこともある、こう言ったと受けとめて、次に進めます。
 しかし、言うだけじゃだめなんです。本当にそういうことが行われるかどうか、こういうことを具体的にこれからお聞きをしてまいりたいと思います。
 具体的なことを聞いていけば、これから出てくること一つ一つが、もう政官業癒着の政治姿勢是認のものであります。あるいは政官業の権力構造の上に乗っかっている、それを前提とした改革、こういうものであるから景気はよくならない。現になっていないじゃないですか。そういうことを具体的に申し上げたいわけでございます。
 まず、この政官業癒着の一番わかりやすいもの、これが、今問題になっている自民党元幹事長加藤紘一議員の事務所代表佐藤三郎秘書が公共工事に絡む口きき料をせしめていった脱税・口きき疑惑及び自民党国会議員の元秘書グループによる公共事業の入札介入疑惑について言う前に、まず総理にお伺いします。これをどう思いますか。
小泉内閣総理大臣 疑惑がないように政治家というのは日ごろからきちんと身を律していくべきだと思っております。
山岡委員 あなたはそう言いますけれども、今国会はこの問題が出てくる。ここでこういうことを言いたくない人がぶつぶつ言っているけれども、多分心当たりがあるから言っているのかもしれませんけれども、しかし、今まで、去年のこの国会では何をやったか。あのKSDの問題が出てきたわけです。もう大騒ぎになって、でも、すっかり今やころっと忘れちゃっていますけれども、自民党イコール・ザ・KSD党だ、そうまで言われたのがこの間の国会。そして、村上参議院議員会長、小山参議院議員が逮捕され、そして、党費立てかえで久世金融再生委員長が辞任をして、そしてまた、額賀福志郎経済財政担当大臣が辞職をする、ちょっとその前には中尾建設大臣がゼネコン汚職でやめられる。そのリストがここにいっぱいありますけれども、もうしゃべるのも大変ですから申し上げませんが、いずれも政府の要人であったり党の幹部であったり、そういう重要な人物の事件が次から次へと出てくる。
 これは構造的問題があるからであって、また現にこうやって出てくるということは、その都度その都度言われるが、構造的問題、これは一向に解決されていない、こういうことじゃないですか。総理、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 毎年、政治家にまつわる金との疑惑でいろいろ不祥事が続いております。そのたびに政治改革と、いろいろ対策を講じてきたわけでありますが、また相次いで疑惑が明らかになっております。こういうことに対して、我々は、今国会におきましても、各党、この再発防止のためにどういう手だてが必要かということを、今、与野党を通じて真剣に議論しております。
 私は、むしろ今回の問題を契機に、こういうことが今後起こらないような対策を各党真剣に協議しておりますので、その動向を見ながら、むしろ今回こそは政治不信を払拭するチャンスだととらえて適切な対応をとる必要があると思っております。
山岡委員 その言葉は、前回の予算委員会で全く同じことを聞いたんです。私がなった以上とまで言われたんです。しかし、十カ月たったらまたこの国会で同じものが出てきている。何にも解決されていない。触れられたくないかもしれないが、出てくる方が悪いんです。これでは触れないわけにいかない。
 人ごとのようなことを言われても困るんで、もうちょっと身近なことを申し上げますと、業際研の秘書グループの事件が端緒となったのは、三塚博議員の元秘書の内紛からと言われています。また、業際研グループは、元三塚、現森派である清和会の元秘書たちの集まりである、こういうふうに言われております。
 小泉総理は、あなたが総理におなりになる前は、その森派の会長だったわけです。いかに、政治家の秘書だった、秘書がやった、こういうことを言ったって、単なる秘書が政治家の威光をかりずにこれだけの利権を手にすることはできないと思います。
 派閥の前会長として、この業際研、森派グループだと言われていることについて、知っておりましたか。
小泉内閣総理大臣 全く知りませんし、山岡さんも自民党で清和会にいたことがあるんじゃないですか。それで、鹿野さんも自民党で、清和会で同僚でしたよ。だから、私は、その秘書をやった方々を知っているということとは全く関係ありませんし、答えようがないですね。知らないとしか言いようがないです。
山岡委員 私は元清和会でも知っているんです。あなたは現に清和会の会長だった、つい前に。それで知らないと。あなたは、私が清和会にいたから私も一蓮託生だろうと。それも違う。あなたも覚えておると思うかもしれないけれども、この党を直さなきゃいけない、党風刷新連盟をやらなきゃいけないと、福田官房長官の御尊父と一緒にやった間柄じゃないですか。
 だから、小泉総理がそうだと言っているわけじゃないですよ。あなたは会長なんだ、何と言おうと、自分がどうあろうとこうあろうと。そうでしょう。責任というものがあるのです。まるで人ごとのようなことは言わないでいただきたい。どうですか。
小泉内閣総理大臣 実に乱暴な議論をされますね。清和会と関係ないじゃないですか。(山岡委員「関係ないかどうか聞いているのですよ」と呼ぶ)関係ない。関係ないじゃないですか。
 私がたしか清和会の会長を受けたときは、既に山岡さんも清和会にいなかったですよね。鹿野さんもいなかったと思いますよ。今回の事件と、私は全く関係ありません。
山岡委員 意味不明なことを言っていますね。私たちがいなかったからどうだというのですか。だから、いる人が関係ある、こういうことを言っているのじゃないですか。
 それでは、役所の秘密であるべき情報が、政治家あるいは秘書に役人の手によって流されている。その情報によって談合が行われて、結果として多額の国民の税金がむだに使われている。一説によると、四割近いものがそのことでむだになっていると言う人もいるわけです。それを使うに当たっては、当然いろいろと大義名分は立てたといっても、本当に国民に必要なものかどうか、こういうものについても極めて疑問であるわけでございまして、国民にとって本当は必要はない、そういうものであっても、業者や役人や政治家たちがそういうものをどんどん使ってしまう、こういうことをやっていたら、いつになったって国民の生活はよくなるわけがないのでございます。
 ここに談合の生々しい秘密資料というのがあるわけで、これは、出した人の名誉があるからこのことを表に出すわけにはいきませんけれども、しかし、これはもうれっきとした東名高速道路の施設や通信設備の改良についての資料なんです。
 九十七件の工事件名、それから施工内容、そして、これが非常に、こんなことがあるのかというと、発注予定額、そしてさらに言うと発注者。これは役所のれっきとした資料ですよ。これはどういうことかというと、予算を立てて入札をする前の四月にそういう発注予定額から受ける人まで決まっている。
 それを知るのはどこのだれなんだ。そういうことがあるから、その間で暗躍をする人たちが出てくる。会社までつくっちゃって、暗躍会社までつくってやっているところが出てくる。それを、政治家はみんな知らないと言う。自分の派閥の元秘書がやっていても知らないと言う。こういうことがある限り、この日本から談合はなくならないし、この癒着の構造もなくならない。
 こっちも同じマル秘資料。これは、公団の登録者の一覧がずっとここに書いてある。そして、何をやるか。これは、業者名はその登録業者。逆だ。これは反対の方だ。登録業者がずっと書いてある。そして、中身が、汚水それから軸、車、ごみ、エレベーター、ポンプ、空調、こういうふうに分けてある。そして、そこに丸とか黒丸、二重丸というのが入っている。
 これも同じことで、要するに、最初から、この黒丸、二重丸の者が落札するともうスタートのときから決まっている。この情報を聞き出した者が、金になる、商売になる、こういう事件が起こる。こういう体質が全く改善されていないどころか、役所が公然と役所の仕事のようにやっているじゃないですか。
 こういう体質がある限り、総理が知っているか知っていないかは別にしても、総理は責任者だ。日本のこういう談合体質がある限り、直ると思いますか。こういう事件がなくなると思いますか。なくなるわけがないじゃないですか。総理、いかがですか。
扇国務大臣 公共工事の入札に関することですから、私の方から事実としてお答えしたいと思います。
 それは、一昨年の十二月、全党一致で、私は、公共工事の入札と契約に関する適正化法を通していただきました。それから以後、何としても公共工事の入札談合、丸投げをやめようということで、この法案を通していただいて、今、国土交通省の中に改めて、昨年の四月からこの法案を施行しましたけれども、徹底しようということで、改めて今度、今おっしゃったような談合入札、丸投げができないように、金額の事前公開、これをしてみてはどうだ。そういうことで、メリット、デメリット、それを、二月の八日、第一回の会合で事務次官以下委員を決めまして、この防止に全力を尽くしていくということで政府として対応していきたいと思っております。
山岡委員 扇大臣に、担当ですけれども、お聞きをして責めようなんて思っているわけじゃないのです。それは、大臣に言うわけないんですから。田中眞紀子大臣もそう。幾らあれだけの馬力でやっても、中には手を突っ込めないんですよ。それが今の役所の現状。要するに、役人の手のひらの上で踊っている政治家が一番いい政治家で、役人の中に手を突っ込もうという者には寄ってたかっていろいろなことをやって排斥する。今度の田中眞紀子大臣は、まさにその典型。
 だから私は、扇大臣にここで、あなたはわかっていないじゃないかと言うつもりはない。確かに大臣の言ったのはそのとおり。そのとおりだが、それじゃ、その先の、相手の先まで決まっているなんというのは考えられないでしょう、思ってもいないでしょう。それが現実なんですよ。
 まあ、このことを言っても、わからない者同士が言っているのですから、これはもうしようがない。いや、わからない者同士というのはそっちの二人のことを言っているんですよ。(発言する者あり)わかっているから言っているんですよ。
 そこで、総理。まあ毎回毎回、今度は今度はと言いますが、ここで申し上げたいのですが、今度こそはこういうことがなくなるようにしていただきたいのですが、どういうふうにしようとお考えになっていますか。
津島委員長 山岡委員にこの機会に申し上げますが、国民注視の中で、当委員会で利用される資料は、公開できないとか、あるいは出所を申し上げられないというような種類の資料の利用については、極力慎重にしていただきたい。委員会として申し上げます。
 小泉総理大臣。(発言する者あり)いや、一般論として、一般論として申し上げます。(発言する者あり)では、発言に責任を持っていただくということで……(山岡委員「何言っているんだ、あなた。発言に責任を持たずにやっているとでも思っているのか、あなたは」と呼ぶ)持っていただくという前提で、質問を続けてください。
山岡委員 そんなこと当たり前だ。何を言っているんだ、あなたは。あなたもそういう心当たりがあるからそういうことを言うの。当たり前じゃないか、責任を持ってやっているのは。さっき命をかけてやっているという人がいたけれども、国会議員というのは命をかけてやっているんですよ。
津島委員長 山岡君、当委員会で個人攻撃はやめていただきたい。
山岡委員 個人攻撃じゃないじゃないですか。総理に言っているんじゃないですか、談合問題はどうだと。総理がやったなんて言っていないじゃないか。扇さんがやったなんて言っていないじゃないか。何を言っているんだ、あなたは。何をやっているんだ、あなた。何が個人攻撃だ。だれを攻撃したんですか。みんなで直そうと言っているんじゃないか。そうでしょう。
津島委員長 山岡君、総理に答弁させますか。
 では、小泉総理大臣。
小泉内閣総理大臣 公共工事に関する入札や契約に対する適正化を促進する法律が既に成立しておりますので、これをより一層適正に運営できるように、常に努力をしていかなきゃならないと思います。
 あわせて、今御指摘のいろいろな不祥事を起こさないような方法については、今各党で協議しています。それをよく見ながら、実効ある対策はどうかということで我々も今真剣に協議しているんですから、その経緯の中で、できるできないというよりも、できるように努力しましょうよ。私もしないと言っているんじゃないんですから。一歩でも二歩でも、実効ある措置を講じよう。
 ちょうど与党でも野党でも今議論していただいているわけですから、お互いが協力して、こういう不祥事が今後起こらないような適正な法律は何かということで、真剣に努力していきたいと思います。
山岡委員 お言葉はそのとおりなんです。そうありたいんです。前回もそうでした。そしていろいろ協議をしました。結果で、野党案というのはちゃんと出したんです。出したけれども、ことごとく否決をされました。総理が今度私設秘書も入れようという提案をされた、こう承っておりますが、それも野党が出したんです。
 しかし、事件が起こったらまた私設秘書を入れようとか、一個一個そうやってやっていけば、ここでまた私設秘書を入れたって、またその次のことが出てくるんです。やるなら徹底してきちっとこういうことをなくそうというような法律にしないと、今回はこれをやりました、次やりました、だから次から次へと出てくるので、ちなみに申し上げますと、その法案を提出したときはあなたは自民党の森派の会長、その我々の修正案が否決されたときは現にあなたは総理大臣だったわけです。だから、そういうことを今さら言うのもおかしなことだ、こう申し上げたい。
 そして、私たちが言っているのは、まあ考えられるだけでも私設秘書といってもこれはまたいろいろ範囲があるということは、逆に言えば、またどうにでも抜け道があるということになる。そういうことで、これはだれが判定するか、きちっと決めなきゃいけませんけれども、秘書という名前がついていようとついていまいと、秘書と認められる者がやった場合はと、だれの目にもはっきりしているわけです、これは。そういう者は対象にするとか、第三者供賄も入れるとか、二親等以内にするとか、それからまた広告費などといって莫大に使っているものも、これもなくしていくとか、それから請託を受けたことが立証されなければ犯罪にならないなんということは、実際は請託で収賄でやったものは今一件もまだ捕まっていない、こういう抜け道があったり、いろいろなそういうものをきちんと野党は提案しているんです。
 だから、この際、総理がそう言われるなら、相談までは一緒にやりましょう、結果は反対ですじゃ、一緒にやりましょうにならないんです。要するに、結果を出していただかなきゃ、こういうことがちゃんとされない限り、本当にこの事件は絶えないし、絶えないどころじゃなくて、こういう政官業癒着の体制と言われたって、不愉快ですけれども、現実ですから。そういうふうにされたらいかがですか、総理。
小泉内閣総理大臣 今議論の経過ですから、結果を出すように努力しましょうと言っているんですよ。
山岡委員 もう努力じゃよくならないんです。ほかの話もそうですけれども。指針を示したって景気はよくならないんです。自民党の中でやれないことをおれが言ったと言ったって、景気はならないんです。少し前に行っただけの話なんです。本当によくなる結果の先に行かなきゃ、すべての結果、景気もよくならない。こういううみも出てくる体制が直らない。
 そういうことからすると、これも毎々出てくる話ですが、今は業際研で持ち切りですけれども、そっちが余り証拠がたくさんあるものだから、今そっちで随分手がかかっているそうですけれども、この後になると、佐藤三郎氏が今月、早ければ今週末あるいは今月いっぱいぐらいに逮捕される、こういうふうに情報が流れているわけでございます。
 この佐藤三郎氏というのは、ちょっとほかの人とは違うわけです、当然のことながら。我々常識ですけれども、事務所の代表といったら、ある意味じゃ自分の奥さん以上の立場です。そういう表裏一体、一心同体、そういう人が逮捕されよう、こうされているときに、我々はそれをまたほおかぶりするというわけにはいかない、残念ながら。小泉総理はYKKの間柄でちょっと忍びないかもしれませんけれども、自民党の実力者であり、その代表が逮捕される事態が近づいている。
 加藤紘一議員の証人喚問は、これは当然行わなきゃいけないと思うけれども、総理のお考えをお聞きします。
小泉内閣総理大臣 まず、疑惑を持たれた議員は、その疑惑を晴らすために、国民にきちんと説明する責任があると思っております。どの場であろうが、政治倫理綱領にのっとってきちんとした行動をとった方がいいと思います。
 そして、証人喚問についても、いろいろな委員会がございます。どの委員会でやるか、どういう場でやるか、委員会あるいは委員長、理事の方々がたくさんおられるわけですから、よく協議していただきたいと思います。
山岡委員 総理の、いつも決意は賛成するんですが、その途中の、どの場であろうがと、こういうところが結果が伴わない原因なんです。
 例えば政倫審。私も国対委員長をやっていますからもう中身はよくよく知っていますが、政倫審というのは秘密でやるんです。非公開でやるんです。自分たちだけでやる。そんなことで国民は納得しないんですよ。だから、政倫審でやればいいじゃないかと言っているけれども、これはやらないということと同じ。
 我々政治家は、国民に責任を負っているんですから。こんなことで自分たちの税金がむだにかすめ取られている、そういうことの実態を知る権利がある。だから、ぜひ証人喚問をやっていただきたいと思いますが、総理、おやりになると言ってください。
小泉内閣総理大臣 それはいろいろな方が各党議論をしているじゃないですか。よく議論していただきたいと思います。
山岡委員 これはぜひ実現をして、国対委員長をしていますから、いきたいと思います。おたくにも国対委員長がいますから、よく言っておいてください。
 次に、BSE問題。狂牛病と言うのは失礼ですからこれからはBSEと申し上げますが、この日本がこれだけ今BSEの問題で大きな騒ぎになり、その対象となっている人は苦しんでいるわけでございます。
 私たち自由党は、一月二十九日に、小沢党首を団長といたしまして東京中央卸売市場食肉市場の視察に参りました。耳にはしていますが、現場で見るのは本当に大変です。生産者や市場関係者の余りにも悲痛な声。出荷した牛が万一、一頭でも発病したということがわかったら地域全体に迷惑がかかっちゃう、だから出荷もできない。子を産み終わった、また、お乳をとり終わった牛は経産肉用牛、こう言っていただきたいんでございますが、経産の経は、子供を産む経過の経です。産はお産の産。つまり、子供を産んだ肉用牛です。言葉を使っちゃいますけれども、廃牛じゃありませんから。
 経産肉用牛を出荷しようとしても、屠殺代にも輸送費にもならない。私の地元にも生産者がたくさんいますが、ここで言うのははばかりますけれども、倒れたままの牛が、もう食もとれないでいるのに片づけるわけにもいかない、こういう現状になっているわけでございます。
 また、我々がこのBSE関係者の大会を開いて、そしてその実情を聞いていたとき、それで胸が締めつけられていたときに、まあそんなことは言いたくないが、総理はロックバンドのX―JAPANのフィルムコンサートを見に行って胸が躍っていた、こんな報道を耳にして、私は、一体何を考えているのかとあのとき思いました。ちょうどそのときには、また例の田中外務大臣の更迭の問題で、その休みを挟んで前後して国会は大騒ぎ、私どもは徹夜も続いた、そういうさなかであったわけです。
 やはりこういうBSEの問題等は、現場を見ないと臨場感も起きないし、本当に真剣に取り組まないんじゃないか、そんな思いがするわけですが、総理は今までそういう現場をどこか直接見に行ったことがおありになるかどうか、お聞きいたします。
小泉内閣総理大臣 いろいろな、BSE関係のことでその現場を見たことはございませんが、各地のいろいろな現場に行っております。
 ただ、日曜日にコンサートに行ったということを非難されるというのは、極めて残念です。もっと心豊かになっていただきたいと思います。
山岡委員 別に総理がいつどこへ行っていようとそれはいいですけれども、要するに、私が申し上げているのは、こういう悲惨な現実を、そんな時間があったら直接その目、耳でちゃんと体感をしていただきたい、そういう意味で時節柄言っているわけでございます。
 厚生労働大臣、薬害エイズという問題がありましたね。あのときの経緯というのを簡単に御説明いただけますでしょうか。
坂口国務大臣 薬害エイズの事件、これは、アメリカで採血されました血液を材料といたしまして、血液製剤の投与を行ったことによりまして、我が国の血友病患者五千人のうちの千四百人の方々がHIVに感染をしたということでございます。
 これは、株式会社ミドリ十字が関係していたわけでございますが、本件における血液製剤を製造、供給した血液製剤メーカー五社のうちのこれは一社でございまして、大きいところでございます。国や他のメーカーとともに民事裁判の被告となりましたし、これは和解をいたしておりますが、それから、刑事裁判におきましても、加熱製剤承認後も非加熱製剤の販売を継続し、肝臓病疾患をHIVに感染させ死に至らしめたとして、当時の社長以下三人がその責任を問われている、これはまだ、現在裁判続行中でございます。
 厚生労働省といたしましては、血液製剤によるHIV感染という悲惨な被害を拡大させたことによりまして、民事訴訟の際に裁判所から指摘をされた重大な責任を深く反省し、そして、被害者の方々に対する恒久対策や医薬品によりますところの健康被害の再発防止対策に現在全力で取り組んでいるところでございます。
 厚生労働省の今までの職員でありました人間につきましても、今裁判が行われているところでございます。(山岡委員「一審はどうなりました」と呼ぶ)一審は有罪でございます。
山岡委員 ありがとうございました。
 裁判中とはいえ、一審は有罪でございます。
 この図式は何かといえば、HIVに感染する可能性がある、非加熱だとわかっていながら、ミドリ十字が大量にその薬を売りさばいて企業利益を上げた。そして、なぜ厚生省の役人さんが有罪になったか。それを、要するに、よく言えば放置した、悪く言えば知っていてやらせた、そうじゃなきゃ有罪にならないんです。そして、さらに言えば、何でそんなことが起こったかといえば、その中に政官業癒着の利権構造があってこういう悲惨な事件が起こった、人災だと。これは、私が言うまでもなく、だれでもそう思っているんです。
 武部大臣、今度のBSEの事件も、感染経路は本当はよくわかっているんでしょう。どう思いますか。本当はわかっているんでしょう。じゃ、言ってください。
武部国務大臣 感染経路のことをお話しする前に……(山岡委員「そんなことはいいです。わかっているかわかっていないかと聞いているんです」と呼ぶ)感染経路については、過去のデータがいろいろございます。このことについては、第三者による調査検討委員会で検討いただいておるわけでございますので、三月にはいろいろな提言、御指摘等があると思います。
 しかし、私ども、過去のいろいろなデータをそのまま真に受けておりません。もうとにかく、あり得ないことが起こり得るという前提で、各国に職員を派遣して調査いたしております。残念ながら、いろいろな問題が指摘されましたけれども、川上から……(山岡委員「いいです」と呼ぶ)よろしいですか。
 これは一言で言うと、残念ながら特定できておりません。しかし、私は、このことについては非常に大事なことでございますので、絶対迷宮入りにはさせないという決意で、今、鋭意調査を継続しているということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
山岡委員 大臣の前の発言で問題になり、不信任案の提出になった原因でもある、感染源や感染ルートは安全性の問題にとってそんな大きな問題なんでしょうか、安全性と感染源の問題は別だ、こういうふうに前は発言されたと言われております。(武部国務大臣「言っていません」と呼ぶ)そうですか。そして今は、大変重要な問題だ、こういうふうに言っておられる。つまり、感染源がどうかということがはっきりしなきゃ、国民はいつになったって安心はしないんです。だから、この感染源をはっきりさせるということが、ある意味じゃ今一番重要な問題なんです。
 それじゃ、大臣、私どものところで山田座長を中心にプロジェクトチームをつくりました。BSE研究のプロジェクトチーム。そこの調査によりますと、イギリスで発症した狂牛病の肉骨粉が、ベルギーやイタリアに大量に輸出された。日本の商社は、それがイギリス産のものだと知っていながら安く買い取って、この業界で通例なんでしょうけれども、雪印食品がラベルを張りかえたと同じように、産地の表示を偽り、あるいは伏せて、これを日本に持ち込んだ。肉骨粉をレンダリング業者に売って、レンダリング業者はそれを飼料に配分をして、そしてそれを生産者に行き渡らせた。その間、こういうものは極めて安く買える、そこに大きな利益が上がる、こういうものが裏にあるわけでございます。
 そして、それを食べた牛は実は発症しなかった。農水省の不手際によって発症が発見されなかったと言う方が正しいかもしれぬ。実は発症はしていたわけであります。その牛からつくった子牛用の油脂、つまりそれを食べた牛からつくった子牛用の油脂が、それがまたあちこちに売られていった。結局は、そこから出てきた二次感染なんです。
 その間、大臣に聞きますけれども、また二月十一日に新しいニュースが出て、今から十二年前の一九九〇年、平成二年に英国から、肉骨粉を牛に食べさせると狂牛病になるおそれがある、こういう連絡があったんですか。ニュースで聞きましたけれども、どうですか。
武部国務大臣 先ほどのことで、感染源の究明が大きな問題でないという発言はしておりません。感染源の究明が牛肉の安全性にとって大きな問題なのですかという私の質問でございまして、私の真意が……(山岡委員「同じことじゃないか」と呼ぶ)違いますよ。牛肉は、全頭検査体制によって屠畜場からは安全なものしか出回らない体制になっているんだ、そういうお話をしたわけでございます。真意が伝わらず、国民の皆さん方に誤解を与えたということは、まことに残念でございます。また、関係者の方々に御迷惑をおかけしているということについては、まことに申しわけない気持ちでいっぱいでありますことをあえて申し上げたいと思います。
 ただいまの二月十一日の件でございますが、これはNHKが伝えた報道だと思います。このことについては、まだ確認できておりません。また、感染経路も含めてそうでありますけれども、これまでのWHO勧告の問題、あるいはEUのステータスの問題等々、私は、先ほど申し上げましたように、とにかくあり得ないことが起こり得るんだという前提で徹底的に再調査をさせているわけでございまして、そのことは正しく評価いただきたいと思います。
 なお、やはりこういった問題は客観的な検証が必要です。それから、科学的な知見ということも必要でございます。今、委員は、感染源が究明できなければ牛肉は安全でないかのような、そういうお話をされたように私は受けとめましたけれども、まず私どもは人の命と健康に影響を与えない体制を優先してとりました。それが全頭検査体制でございます。これから関連対策を初め、今お話ありましたように感染源の究明は非常に大事でございますので、私ども、先ほど申し上げましたように、迷宮入りにはさせないという決意で真剣に取り組んでまいりますので、御理解のほどをいただきたいと思います。
 なお、過去の検証等については三月中に答申がいただける、こう思っております。
 二月十一日の件についてはまだ確認できておりません、そういうニュースの伝えたことは。
山岡委員 聞いていることに答えていただきたい。知っていることを全部しゃべられても困るんですよ。
 でも、今大変重要なことを言われちゃったんです。言わなきゃいいことを、余計なことを一々言うから。感染経路は科学的に判明しなきゃ認められない、はっきりしない、科学的にならなきゃと。それは裁判所の論理であり、役所の論理なんですよ。国民の皆様は、科学的に証明されなくたって、現にBSEの英国型が日本で出ているんだから、もうそれだけで不安がいっぱいなんです。視点が反対なんです。あなたは政治家なのに国民の視点に立っていない。役所の視点に立っている。そんな話をするつもりじゃなかったんだけれども、余計なことを言うから。
 こうやって農水大臣は今そういうことを言っておりますが、これは農水大臣の不手際だけじゃなくて農水省の不手際とも言われている。例えばきょうも、もう触れませんよ、こんなこと何回も。大変なことだけれども。
 WHOの勧告を受けたのに肉骨粉の販売の禁止をしなかったとか今までも随分言われましたから。それから、EUから発病のリスクが極めて高いと言われたのに農水省は否定してEUの調査を中断させてしまったとか。そんなことを言われていることを今言うつもりはないと言っているんです。いいですか。
 しかし、ここが問題なんです。いろいろ言われているが、当たらずとも遠からずのことがあるでしょうけれども、農水省の不手際や怠慢によって出てきたようなことを言っているけれども、日本の農水省の役人はそんな怠慢でもばかでもないんですよ。日本の官僚というのは世界一優秀なんです。農水省の役人が一連の経緯を本当にばかで知らずにやったなんて、そんなことはないんですよ。要するにそこに何があるかというと、結局はミドリ十字と同じ、裁判で結果が出るまで認められないかもしれないけれども、業者と族議員とそしてこれを放置した官僚、こういうところから生み出して出てきた、その結果なんです。明々白々なんです。
 この証拠はすべて農水省が持っているんですよ、実を言えば。だから、私たちは、証人として当時の畜産局長であった熊澤次官を参考人として出せと、委員会やあらゆるもので何回も要求した。私も後ろから、申しわけないけれども大きな声で言った。しかし、熊澤事務次官は、再三の要求にもかかわらず参考人として委員会に出すことも拒否して、しかも退職をさせてしまった。何で出てこないんです。やましいことがなきゃ出てきたらいいじゃないですか。自分の主張を堂々と言ったらいいじゃないですか。なぜ出てこないんだ。そしてなぜやめさせたんだ、なぜやめたんだ。
 そして、よく言われているけれども、熊澤さんはそういう点じゃ失言は一個もないんですよ、言っていないんだから。あなたと違うんですよ。その熊澤さんがなぜやめているんだ、やめさせられたんだというのが問題になっているわけでしょう。あなたがそこにいて、次官はなぜやめたんだ。その理由がないじゃないですか。
 しかも、途中退職であるにもかかわらず八千八百七十四万円もの満額の退職金をもらっている。何でですか。途中でやめて、なぜ満額もらえるんですか。(発言する者あり)上乗せ満額だ。何で上乗せ、口どめ料ですか。我々の感覚からするとそういうふうにしか見えない。なぜ上乗せして途中でやめさせなきゃいけないんですか。まさに薬害エイズと同じ構図だと言っているのは、熊澤次官の始末のつけ方がそれを雄弁に物語っている。
 そこに座っている大臣、どうですか、このことは。
武部国務大臣 まず、委員がいろいろ御指摘ありましたけれども、私も、BSE発生時、危機管理意識の希薄さ、これは行政上、構造的な問題があるなということで、これは私の責任で徹底究明しよう、役人任せではだめだということで、今、厚生労働大臣と私の調査検討委員会で御検討いただいているわけです。それには三千ページ以上の資料も出しているわけです。そして公開でやっているわけです。その当時の職員の調査もやっております。ですから、隠ぺいしてやろうということじゃなくて、私は徹底公開、オープンにやろうということで、今やっているということを御理解ください。
 それから、熊澤前次官のことでございますが、これは一月で一年になります。いろいろ、予算のこともセーフガードのことももろもろ、農林水産省の懸案が一つの節目を迎えるというときになりました。しかし、私は当初から、農林水産省の大改革をしなきゃならない、その端緒として人事の刷新をしたということでございます。退職金のことについては、これは不祥事、刑事事件等にかかわるものでございませんで、法令に従ってやった次第でございます。
山岡委員 農水省の大改革をしなきゃならない。そうすると、改革の対象に熊澤さんがなったということですな、今言っていることは。
 それで、テレビでちらっと聞いたけれども、最初は、責任をとらせてやめたとあなたは言っているのを私は見たんだから。何の責任をとらせたんだ。(武部国務大臣「委員長」と呼ぶ)まあいいですよ。きょうはあなたのことを責めようと思って来たんじゃないの。もうさんざん今までほかがやっているから、そればかりやっているわけにいかないですから。
 そこで申し上げたいんですが、野党四党でBSEの緊急措置法案というのを今出しているんです。これについては、山田チームで一生懸命つくったんだけれども、これは一党や個人の名誉や利益や、そういうプロパガンダの問題じゃない。本当にみんなでやらなきゃいけない。まずは野党四党に呼びかけて、みんなで一生懸命つくった法案がある。しかし、私は国対委員長だから、みんなと語らって、まだ出していない。なぜか。出すだけが目的じゃない、おれたちはこんなことをやっているぞという見せかけるだけが目的じゃないんだ。本当にこの人たちのためにやってやらなきゃならない。これは与党も野党も今ないんです。政治の責任が問われている、政治家が問われているんです。
 中身はもう今さら言いませんが、そういう生産者に対して、そういうものを救う手当てをしてあげよう、あるいは販売者に対してもきちっとやってあげよう、こういうのを出してあるわけですよ。もし与党からいろいろ御注文があるなら、何でも聞くと言っているんですよ。合わせてやりましょう、ないよりましだから。だから、言ってくれとも言っているんです。それで出さずにこうやって待っている。相手の方は一日千秋の思いで待っているんですよ、みんな。なぜこれができないか。(発言する者あり)やっているよと言っていますが、与党の中で確かにやっている方もたくさんいるんです。自民党の中で、本当のことを言うと。名前は言いませんけれども。
 しかし、率直に言って、なぜそれができないかというと、結局は、今私が指摘したように、本当の黒幕、族議員が、野党の言うことなんかに乗れるか、こういう大義名分にして、そして今度出したように、我々の法案の中身をつかみ金で二百億出している。経産肉用牛に出している。これは族議員にとっては便利いいんですよ。おれたちの気分次第、おれたちの好きなところにやれる。これが諸悪の根源。だから、これは、もしそういう良心があるなら、法律をちゃんとつくって、そしてだれが、政治家が何と言おうと、こうなった場合には救われる、こういうふうにして法を定めるべきだと思っているんですよ。
 だから、総理にこの際聞いておきますが、こういう法案は、与党の言うことはみんな合わせてやろう、こう言っているんです。ぜひやるべきだと思います。こういうことをやらないとよくならないと思う。総理、いかがですか。
武部国務大臣 野党四党がBSE緊急措置法案について取りまとめられたことは承知しておりますし、BSE問題の解決に向けての御努力を多としたい、かように存じます。
 しかし、当該法案については、死亡牛に対する検査の強化など当方としても措置すべきと考えているものもある一方、肉骨粉に関する規制など法的措置済みのもの、あるいは肉骨粉や全頭検査の牛肉の焼却など既に予算措置により対策を講じているものについてあえて法律で国による買い入れを規定するなど、具体的方法について実現の難しいものもあるようだ、こう聞いております。
 今後の立法府での検討を私は見守りたい、かように考えております。
山岡委員 もう何言っているんだかわからない。
 もう時間がないから、外務省の問題、ちょっとだけ聞きます。
 このことももう随分聞かれているから今さら申し上げませんが、しかし、これは総理が言われるように、外務省の中の、うそをついた、つかない、予算委員会を速やかに通すための、そういうことで三人にやめてもらったんだと、そんな中身だと思っている人は一人もいないんです。もしそんな中身であったら、これは田中さんの名誉にかかわる問題だ。
 これは、政官業の抵抗勢力、ODAをめぐる利権問題派と、それから田中大臣のように、これを改革しよう、機密費も改革しよう、そういうものが激突をした、そういう外務省問題であるわけでございまして、どちらも政治生命をかけて一歩も引けない重大な問題で、言った言わない、うその問題なら、同じ省庁の大臣と事務次官が自分の首をかけてまでやるはずがないんだ。これは極めて重要な問題であるわけです。
 そこで、総理にお尋ねをいたしますけれども、飯島秘書官というのは、一体総理にとってどういうお方なんですか。影武者で実力者で片腕とは知っておりますけれども、何か知らないけれども、週刊誌でまるで総理にでもなったようにいろいろと言っていますが、どういうお立場の方なんですか。
小泉内閣総理大臣 長年私の秘書をやっていた、信頼すべき秘書であります。
山岡委員 その秘書官は、これは今度の田中辞任の問題について、言うなれば官房長官や総理と相談して、また、鈴木議員とは昔の、それこそ清和会の秘書仲間、中川一郎先生の秘書、そういうときの秘書仲間、そういうところとやってこれをうまく更迭したんだと、まるで自分の手柄のように言っているみたいですけれども、そういうことはあるんですか、総理。
小泉内閣総理大臣 何を言っているか詳しくは知りませんが、この決断は私がしたことであります。それは誤解しないでくださいよ。
 この打開の中で、いろいろなことをいろいろな人が言っていますけれども、私は今、ここ、ちゃんと委員席にいますから、聞きたいんなら私に聞いてください。私が責任を持ってとった措置ですから。
山岡委員 私に聞いてくださいと言うから聞いているんですよ、直接。ほかで言っているわけじゃないんですよ。あなたの秘書官がそういうふうに言っているけれども、そんなばかなことを言わせていいんですかと。
 それでは、委員長、そういうことをおっしゃっているんなら、この人を参考人に呼んでください。
津島委員長 理事会で協議をしております。
山岡委員 特殊法人の問題についてお話を申し上げます。
 特殊法人の整理合理化計画、これが策定されて、十七法人の廃止、道路公団など四十五法人の民営化、政府系金融機関の見直し、こういうことがうたわれておりますけれども、廃止または民営化の中の先行七法人ですら、まさに方向性を出すといっただけで、実際の構造改革とは大分ほど遠いような感じがするわけです。特に、昨年四月に国の組織から独立行政法人に移行したもの、大部分のものがここに行くわけですけれども、そこは、今現に、逆に役員数がふえて、天下り数がふえて、給与の上限もなくなって、実質給与も上がっている。役人にとっては、たがが外れて思うままになり笑いがとまらない、こういう構造改革になっている。
 このことについてどうお考えですか。
石原国務大臣 整理合理化計画の中の質問でございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 三十八法人につきまして、独立行政法人ということを整理合理化計画の中でうたわせていただいておりますが、御理解いただきたいのは、独立行政法人というものは、もともと特殊法人の抱えている弊害を克服する制度として、二年前の行革大綱の中でうたわせていただいた、独立行政法人は特殊法人とは違うものでございます。
 何が違うかということは、もう山岡委員も既に御承知のとおりだと思いますが、特殊法人は一本一本設立法があります。独立行政法人は、そんな中で目標管理を行いますし、あるいは第三者機関において、その業績が本当に国民のニーズに合ったものかどうかということを管理するようにもなっております。
 また、特殊法人は法律を出さない限り廃止することができませんけれども、独立行政法人は、三年から五年で、その事業というものがもう時代に合っていないものであるならば廃止することも可能でございますし、今委員御指摘されたように、業績が上がれば給与は上がりますけれども、業績が下がれば首にもなるし給与も下がるというフレキシビリティーを持ったものと認識をしております。
山岡委員 私はあなたをまた責める気はないのですけれども、この特殊法人というのはもう手に負えないのですよ。非常に根が深い。とてもとても政治家じゃ太刀打ちできないぐらい根が深い。そうでしょう。そうなんですよ。こんなのみんなわかっている。うなずいている、正直でいいですよ、みんなわかっているんだから。これを前の方からああしたこうした、ああしたこうしたと言うと、国民は何かそうしたのかなと思うけれども、しかし、これをゴールの向こう側に行くという話になったら、夢のまた夢。これによって景気がよくなるなんということは永遠に考えられない、このままいったら。何の改革改革といっても、これはできるわけがないのです。何年たっても景気はよくならない。
 そこで、総理、提案があるんです。こっち側から向こうへもって一生懸命やりました、自民党が改革やっております、方針は出しました、前の人がやらないことをやっているじゃないですか、ここまで行きました、やっているじゃないですか、そのとおりかもしれないですけれども、結果が出なきゃしようがないんですよ。だから、逆に言えば、結果から、あなたが総理の間にやれるのは、みんな何て言っていると思います、言いたいことややりたいことをやらしておけばいい、きょうは道路公団に触れませんけれども、あと何年やっているか知らないが、いなくなったらもとのもくあみに戻すんだ、そうやって飲みながら語っているんですよ。
 だから、そんなことをさせないために何をしたらいいのかといったら、我々が提案をしている法案は、結論だけを言うと、三年以内にまずはこの特殊法人を全部民営化しよう。三年以内ですよ。そういうのをばちっと定めるのは、今の今の総理にできるんですよ。そして、そのプロセスをみんなで、第三者機関でこれからちゃんとやっていこう。前国会の十一月九日に、我々はそういう特殊法人廃止法を出しているんです。そういうのをおやりになってやれば現実味がありますけれども、どうですか、他党のものでもやりませんか。
小泉内閣総理大臣 それは、かけ声で全部廃止とか民営化、それの具体案を今我々はやっているんじゃないですか。いつもかけ声かけ声と批判しますけれども、同じことを言っているんじゃないですか。私は、廃止、民営化を原則として、民営化できるものは民営化しましょう、廃止できるものは廃止しましょう、そして独立行政法人として置いた方がいいものは独立行政にしましょうと。しかし存続を前提にやってくるから、まず廃止、民営化を前提にして考えなさいと言って、着々と進んでいるんじゃないですか。
 だから、これからもそういう廃止、民営化賛成ならば、これから評価監視機構もできますし、今で終わりじゃないんですから、今後とも続いていくんですから、御支援をいただければありがたいと思っております。
山岡委員 御支援を申し上げたいんですけれども、そこが勝海舟と徳川慶喜公の違いなんですよ。幾らやったって、努力したって、もうずっとみんなやっているんです。これじゃできないし、景気はよくならないんです。しかし、海舟みたいに江戸を開城しちゃう。あなたの得意なやり方ですよ。江戸を開城しちゃう。三年で全部と切っちゃったらどうするんですか。もうこれは黙っていたっていくんですよ。ところが、いつかいつかいつか、こんなにやっている、ここが違いだ。最初から言っているのは、そういうことを私は申し上げている。
 例の医療費のこともそうですけれども、医療費も、自民党の抵抗族を私は押さえつけたんだと、いかにも英雄のように見えるんです、確かに。テレビも報道機関もスキャンダルとけんかは大好きですから、けんかが起きたというと大報道。そんな意味のある報道なんですか、これは。いずれにしたってみんな高くなるんじゃないですか。ちっとも安くならない。総理の言っているのは、三方得ならいいけれども、三方損、三方一両損。何か自虐趣味があるのか、損、損、損、損、みんな損でいいでしょうと。何で得の話をしないんですか。
 私たちが前から提案しているのは――そういう、みんなを高くしてみんな負担を上げて、四月一日からやるかその先か、同じことですよ。五十歩百歩ですよ、そんなことは。そういうことじゃ世の中はよくならない。そういうことよりも財源を確保しなきゃいけないですよ、何でもいいから。本当に福祉のことを言うなら、本当に財源をつくって初めて政治なんです。財源なくして幾ら構造改革なんといったって、できるはずがない。
 だから、我々は消費税五%、我々の提案ですよ、違ったっていいんですよ、これを福祉目的税にしようじゃないか、そして、これを充当しようじゃないかと。そうすれば、今のこの問題は解決して三方得なんですよ。どうですか、総理、おやりになりませんか。
小泉内閣総理大臣 医療皆保険制度を効率的に、持続的に維持発展させていこうということが国民にとってプラスであるというくらい、それぞれの分野が痛みを分かち合おうということで、患者さんも、保険料を負担している方々も、そして医師会側も、今のままでいくとこれは税金をどんどん投入していくことになる、あるいは保険料がどんどん上がってしまう。お互いどの程度負担すればどの程度の給付ができるか、そういうことで今この改革に取り組んでいるわけであります。
 医療費を考えても、私はいかに多くの国民が軽い負担でいい医療を得られるかということを考えて言っているわけでありまして、この医療費を賄うためには、患者さんが負担する保険料、病気になっていない人も保険料で負担してもらう、同時に医師会の皆さんにも協力してもらう、そして税金を投入する。看護婦さんの方々もおられる、医療従事者もたくさんおられる、そういう多くの方々の協力を得ていい医療制度をつくろうとしているわけでありまして、この負担を考えると、税金を投入するか、保険料で負担するか、患者が負担するか、この三つの組み合わせしかないんですから。
 そこで消費税が出てきた。しかし、消費税五%を全部使いなさいといったって、今、消費税五%を全部福祉に使っていると言ってもいいのですよ。それは、考えようによっては、今は一般財源ですけれども、消費税、地方に行っている分を全部国に戻したとしても、十兆円程度で足りないのです。だから、大体一%で、二兆円ちょっと、二兆円ふえている。ですから、この問題については、消費税を福祉税に使えといえば、消費税を上げざるを得ない。それはやはり嫌だという国民も強いですから、そういう点も考えなきゃいけない。
 だから、こういう点を考えて、税金と保険料負担と患者さんの負担をどううまく組み合わせて、なおかつ質のいい医療のためにどういう改革をしていくか、こういう視点が必要ではないかと。これが結局は、最終的には国民の皆さんがこの医療保険制度で、いい医療をできるだけ軽い負担で受けられる制度を継続していくということが、私は一番得に、プラスになるということでやっていることを御理解いただきたいと思います。
山岡委員 小泉総理が言われたとおり、保険料でも消費税でも同じなんですよ、どっちでも。だから、今の保険料はそのままにして、新たに消費税五%をこれに充当して財源を調えない限り、福祉というのは幾ら言ったって充実しませんよ、こういうことを言っているだけなんです。だから、やろうと言うんなら財源を確保しなきゃならないのです。やらないと言うんなら確保しない、それだけのことなんだ。やろうと言うんだから、やったらどうだと言っているだけのことなんです。
 時間がなくなりましたけれども、私どもの党は地方分権法というのも出しているのです。もう国会議員は、行革と地方分権、口を開くとみんな言いますよ、地元に帰って。それが一度も行われたことはない。なぜ行われないか。行革と地方分権をやったら、損するのは国会議員と役人だからですよ。だから、口では言うが一度も行われていない。そういうものを総理は思い切って、我が党の法案そのままじゃなくてもいいですから、一括補助金、国が握っていて、それをつかみ金としていろいろとやっている、そういう今の体制が政官業癒着の構造を生んでくるわけですよ。だから、そういうものをどうせやるなら、地方分権なら地方に一括して上げればいいじゃないですか。そういうことをやれば景気はよくなる。努力します、方向性でといったって、具体策がなきゃよくならないということを言っているのです。
 また、業法の廃止法案というのも出しました。日本じゅうが全部業法でコントロールされているのですよ。言うなれば戦後の名残。中央集権、護送船団、官尊民卑、日本株式会社、この根底にあるのが業法。どの商売も全部業法によってコントロールされて、役人がこれを支配している、これが現実ですよ。こんなことをやっている限り、景気なんかよくならないのですよ。
 この業法は百何十とある。まあ、ひどいものですよ。英国には建設業法などないし、なぜ日本では外国人を案内するのに通訳の資格がなければいけないのか、よくわかりませんよ、そんなことは。今どきそんなものはなくたって十分だ、身ぶり手ぶりだって。映画館も国の許可を得なければならない、そんなばかなこともない。全部コントロールして、お上の言うことを聞かないとやっていけない。こういうものを開放すべきですよ。
 これをみんなにやれば、日本人はそんな愚かじゃないんだ。今、中小零細企業だってみんな優秀なんですよ。ただチャンスがないだけ。だから、そうやって国の手から、役人の手から解放してやれば、今からだって第二のホンダも第二のソニーも日本は出るの。そうすれば景気はよくなるのですよ。そういうことをしないで構造的改革だなんと言ったって、それは改革は成らないのです。それをやると自民党、つぶれちゃうのですよ、率直に言うと。言うなれば、今の政官業の構造が全部つぶれちゃうことを言っている。
 藤井理事が前に食料のことを言いましたけれども、私も持論ですから聞いていましたけれども、これも言いたいのですけれども、農水大臣の答えは答えになっていませんね。四五%にする。まず、基本法なんというのは、やらないという法律じゃないですか。目標に定めるだけではだめなんですよ。いくわけないじゃないですか。
 しかも、これは法人をやって自給率をふやす、ばかなことを言うんじゃないですよ。日本は三百万戸あるのですよ。法人というのはたった、三万のうちの今一万ぐらいしかないの。そして自立する農家を充実する、こんなことで自給率なんて上がるはずがない。それを農水省から言われると、ああそうですかとしゃべっていたのでは、これは自給率なんて幾らたったって上がらないし、我々の子供や孫たちは干からびて死んじゃうというのが今の農政。今のうちにやらなければだめなんですよ。
 穀物の自給率、言ったでしょう。もう同じことだから言わないが、日本だけが二七%で、先進国はみんな一〇〇%を超えて必死に取り組んでいるのですよ。だから、このままいけば日本の……(発言する者あり)そう、そのとおり。国家戦略でいったら、農水省の位置づけを変えなければだめなんですよ。
 もう農業生産じゃないの。言うなれば、これを通産省の商品という分野に入れてはだめですよ。(発言する者あり)そう、この点では一致しているけれどもね。防衛庁、安全保障に入れなければだめなんですよ。そして、農業というのは、農家が食うためにあるものだという位置づけはだめなんですよ。都会の人間が生きていくためにあるものだという位置づけにも変えていかなければいけない。そういう農業の基本的転換をしなければ、これは、あすの農業はないだけじゃなくて、あすの日本がないのですよ。
 そういうことによっては、言うなれば農業は、これは安全保障ですから、ほかのものとはちょっと違うんですよ。だからセーフガードも、これはほかの通産省と同じに、申しわけないが、やってはだめなの。エネルギーもそうだけれども、家をぶっ壊したって火はたけるけれども、食べ物はそうはいかないのです。
 そういうことで、私たちが申し上げたいのは、これは最後に一つだけ言っておきますけれども、要するに、総理、主食用の穀物の自給率を一〇〇%にする、そのためには、一〇〇%にしようといったら法人なんて全然だめですよ。減反政策を直ちにやめなければだめなんです。とても自給なんて上がりませんよ。
 では、余剰米をどうするんだ。これは長期備蓄で、総理はあのとき何と答えたかといったら、金がかかってしようがない。それはもみ殻じゃなくて、要するに玄米で保存するからなんですよ、民家に。これをもみ殻で低温保存して専門設備でやれば、それは大丈夫なんですよ。
 しかも、それは、土地土木の予算が一兆一千億ついているんですよ。せっかく土木の予算をつけてとれるようになっても、片や減反しろといってとらせなければ農家は生きていけないですよ。それだったら土地改良はやめて、その予算で減反を直ちにやめさせて、そしてそれを備蓄にすれば、農家は生きるし、我々の将来は明るくなる、そして景気もよくなる。ぜひやっていただきたいのだ。
 ほかにたくさん申し上げたいことはありますが、景気がよくなることを私ども申し上げましたけれども、これで終わらせていただきます。ありがとうございます。
津島委員長 これにて山岡君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、アフガン復興支援会議から二つのNGOが排除された問題についてお聞きをしたいと思います。
 その前に、NGOに対する総理の認識を確かめたいと思うわけであります。
 NGOは、貧困、飢餓、難民、地球環境の悪化、さまざまな問題に対して、その解決に向けて、市民の立場で国境を超えた活動をしている非政府組織でございます。政府にできないことを、政府と協力しながら対等の立場で活動している。ですから、国際機関やあるいは欧米の政府のパートナーとしての役割を果たしていると高く評価をされているわけですけれども、総理はNGOについてどのような認識をお持ちか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 今、各地区で国境を超えてNGOがそれぞれの分野で活躍されております。政府の組織でもない、企業でもない、そういう中で、いろいろな地域の発展のために力をかそうという意欲にあふれた方々が各分野で活躍されるということは大変頼もしいことでありまして、これからも、いろいろなNGOがあると思います。そういう有益ないいNGOだったならば、日本政府としてもどんどん協力していくべき一つの団体ではないかなと思っております。
佐々木(憲)委員 今総理もお認めになりましたように、大変重要な役割を果たしているわけですけれども、そのNGOを一月のアフガン復興支援会議に正式に招待していながら、二つの団体を直前になって排除したということで重大な問題が起こったわけであります。
 この過程で鈴木宗男議員の関与があったのかどうかというのが問題となったわけです。先週末、予算委員会の理事会に私も出席しておりましたけれども、この調査結果という文書が発表されました。
 これを見ますと、外務省の言い分を調べたものでございます。結論は、鈴木議員に言われたり圧力を受けたりしたことはないということでありました。しかし、政府が一月二十八日の夜、政府見解というものを出しましたけれども、これには、「一月二十四日の予算委員会における田中外務大臣の答弁と外務省事務当局の答弁との間に相違があるが、政府としては、引き続き関係者の申述等を聴取し、事実関係の確認に努める。」このように書かれているわけであります。
 福田官房長官にお聞きしますけれども、片方の当事者である外務省の言い分は確かにお聞きになって、このような調査結果を発表されました。それでは、もう一方の当事者であります田中前外務大臣や、排除された側の大西さんの申述は、いつ聴取されるんでしょうか。
福田国務大臣 二十八日の段階で政府見解を出しました。ここでは、一月二十四日の予算委員会の田中外務大臣の答弁とそれから外務省事務当局の答弁との間に相違がある、こういうことでございまして、「政府としては、引き続き関係者の申述等を聴取し、事実関係の確認に努める。」こういうふうにしたわけですね。それで、たしか翌日だったと思いますけれども、申述をいたしました。これは役所関係です。
 大臣の方はとおっしゃいますが、これは、国会で答弁されていらっしゃいますので、その答弁が、これは公のものでございますから、これでもって大臣の答えというように理解しております。
 大西氏のことにつきましては、私どもは大西氏まで調べるという、そういうことはする必要があるかどうか。と申しますのは、政府の関係ではございませんし、そういうふうな、調べる権限と申しますか、また、大西氏がおしゃべりになったことが真実かどうかということを確認する方法もないという、そういうこともございますから、私どもは調べておりません。
佐々木(憲)委員 前外務大臣は国会で答弁をしているから調べる必要はないと。外務省当局も国会で答弁したじゃないですか。国会で答弁をした二つの見解が全く違った。答弁が違った。だから、その違いについて真実を調べていく。政府見解では、「事実関係の確認に努める。」と書いてあるんですよ。外務省の言い分しか聞いていないじゃないですか。
 だから、もうやっていることは全く、一方の関係者の田中外務大臣、あるいは大西さんまで調べるのはいいかどうかという問題はあるのかもしれませんけれども、ここで答弁が食い違ったわけですから、もう一人の当事者の田中外務大臣の意見を調べる、聞く、事実関係を究明するというのは当たり前なので、大体、政府見解で述べたことさえやらない。政府が聞こうとしないわけですから、これはどうにもならぬわけであります。
 委員長、私は、そういう状況ですから、やはりこの委員会で話を聞いて、具体的な事実関係を究明する必要がある。田中前大臣は、呼ばれればいつでも出て真実を述べます、こうおっしゃっているんですね。あるいは、鈴木議員も、自分も話をしたいんだ、こうおっしゃっているわけでありますから、この問題の究明のために田中前外務大臣、鈴木宗男議員、野上事務次官を参考人として呼んでいただきたい。
津島委員長 参考人の問題については、協議をいたしております。
 福田官房長官。
福田国務大臣 この一月二十八日の調査というのは、調査をなぜするか。これは、外務大臣と外務省事務当局との答弁の違いということでありますけれども、その違いというのは、一月二十四日のやりとりのことなんです。特に、一月二十四日の朝の外務省における田中外務大臣と外務省の職員との間のやりとりであるという意味でありますので、その職員、全部で九人だったと思いますけれども、この九人について事情聴取をした。ただ、野上事務次官についてはこれはしておりません。国会でも答弁いたしておりますので、これはいたしておりません。この残りの外務省職員についてはすべて申述調書をとっておるわけであります。
佐々木(憲)委員 全然説明になっていないじゃないですか。なぜ一方だけを調べて。二十四日の問題ももちろんありますよ。二十四日だって一方しか聞いていないんだから、これ自体だって問題じゃないですか。しかし、真実は何か、圧力があったのかどうかというのを明らかにすることが大事なんです。
 鈴木さんはいろいろ問題がありまして、ロシアとの関係の深さというのはもう周知の事実でございます。実際、先日イワノフ・ロシア外相が来日したときに、森前総理と一緒に、議運委員長をやめたばかりの鈴木宗男議員が同席しております。総理は、今後鈴木議員の影響力は格段に少なくなるでしょう、こういうふうに答弁をされました。相変わらず、ロシアに対する影響力を持っているということじゃありませんか。
 そこで、外務大臣に経済援助の手続の問題についてお聞きをしますが、通常、国と国の間の援助の場合は、相手国政府から正式の要請があって、例えばJICA、国際協力事業団が事前に調査団を派遣して調査をして、外務省に調査報告書を提出する。それを検討して、閣議決定を行って、相手国政府との交換公文に署名をする。その上で業者の入札が行われるという手続になると思うんですが、そういう流れだというふうに理解してよろしいですね。簡単にお答えいただきたい。
川口国務大臣 概略、そういうことかと存じます。
佐々木(憲)委員 平成四年、一九九二年から北方四島への人道援助という名目の援助が始まっております。これは、これまで総額で幾らの援助が行われましたか。また、この北方四島支援というのはどういう手続を踏んで行われているか、お答えをいただきたいと思います。
川口国務大臣 総額でございますけれども、まず、ソ連邦崩壊後、旧ソ連諸国を支援するための国際機関として支援委員会が設立をされまして、我が国がその委員会を通じまして平成十三年九月までに実施した人道支援でございますが、これが約百三十五億六千万円でございます。
 また、支援委員会以外にも、赤十字国際委員会等を通じまして、平成十三年末までの十年間で約七十五億九千万円の支援を実施いたしております。
 それから、北方四島の住民に対しまして、実績値が確定しているところでは、平成十二年度までに約八十七億八千万円の人道支援を実施いたしております。
佐々木(憲)委員 今私がお聞きしたもう一つは、どういう手続を踏んでこの支援が行われるかという点であります。
 私がお聞きしたところ、まず四島住民の代表から支援要請が来る、それが日本政府に伝えられて、その内容を外務省のロシア支援室を中心に検討して、その上で、住民の皆さんにこういうものを贈ります、こういう贈与証明というものがつくられる、そして四島住民に渡される、こういうやり方をしていると思うんですが、まずそこを確認しておきたいと思います。
齋藤政府参考人 お答え申し上げます。
 北方四島住民支援につきましては、北方四島住民から直接外務省のロシア支援室に対しまして支援要請がなされます。これを受けまして、ロシア支援室が要請を検討いたしまして、支援内容を決定しております。支援委員会事務局に実施を指示いたしまして、同事務局において、コンサルタント、業者の選定、物資運搬手段等の調達手続を行うことになっております。また、島側に対しまして支援内容を記した贈与目録を送付する、また、外務省より在京ロシア大使館に対しまして支援団派遣を口上書にて通報いたしまして、在京ロシア大使館から受け入れ回答を得る、そういうことでございます。
佐々木(憲)委員 つまり、通常のODAと違う形式をとっているわけですね。こういう流れですと、特定の議員の関与の余地というのは非常に大きいわけであります。
 具体的にお聞きしたいと思います。
 昨年の六月初めに進水式をしました友好丸という船があります。これは北方四島支援のためにつくられたものでありますが、(パネルを示す)この船ですけれども、ところが、これは五カ月間引き取られずに造船会社にいわば放置されていた。この船ですね。なぜ五カ月間もこれが放置されたままになっていたんでしょうか。
齋藤政府参考人 友好丸を受け取ります島側の手続が遅延したためにおくれたというふうに承知しております。
佐々木(憲)委員 手続というのは何ですか。まず初めに住民の側から直接要請があるとおっしゃいましたよね。つまり、このように使いたい、このためにこの船が必要ですからよろしくお願いします、こういう要請が来ますよね。それなら、何も調整は必要ないじゃないですか。調整なんか何もないですよ。これは、できたら、はい、できました、よかったといって引き取っていけば、すぐそれで使えるじゃないですか。何の調整をやるんですか。おかしいじゃないですか。
齋藤政府参考人 私どもといたしましては、迅速な手続を求めてきておりましたけれども、島側におきまして、免税手続等の所要の手続に時間がかかったというふうに承知しております。
佐々木(憲)委員 全然事実と違いますね。
 これは、新聞報道ですけれども、日本側は、返還に向けた環境整備として、つまり、友好丸を色丹島の港とその沖合の船との連絡手段、はしけとして想定していた。しかし、ロシア側は、色丹―国後島間の定期便として活用する、こういう予定であった。
 おかしいじゃないですか。要するに、ロシア側は定期便として使いたい。しかし、この定期便というのは、こういうものをつくりますと社会基盤の整備という範疇に入るために、人道支援から枠の外に出てしまう。だから、日本は、そうではない、人道支援にするためには、この船ははしけとして使わないと人道支援の枠に入らない、そういう違いがあったんじゃないですか。いかがですか。
齋藤政府参考人 そもそも、北方四島支援につきましては、北方四島住民が大変困難な生活環境に置かれていたということに加えまして、一九九四年の北海道東方沖地震によりまして甚大な被害を受けましたために、さらにその困難の度を増すこととなりました。
 このような困難な状況に置かれている四島住民に対しまして、政府としては、人道的な観点に加え、実効性があり、また目に見える支援を迅速に実施することが、四島住民の我が国政府に対する信頼感、期待感を高め、ひいては領土問題解決のための環境整備にも資するとの考え方に立ちまして、人道支援を行ってきております。
 先ほどのはしけの件でございますが、我々としては、島側に対しまして、はしけとして使うという確約をとりまして供与したものでございます。
佐々木(憲)委員 だから、確約をとって供給したんでしょう。それまでは食い違っていたんですよ。
 だから、こういう援助というのはそもそも税金を使うわけですから、最初から何に使うかという目的を明確にして、その上で入札が行われて船が発注される、こういうのが順序でしょう。この北方四島支援というのはそうなっていないじゃないですか。
 平成九年度にも希望丸という船がつくられていますが、これも国後島のはしけで、一億三百九十五万円の工事費がかかっております。一体、この友好丸と希望丸、この二つはどこが受注しましたか。どんな入札をやりましたか。
齋藤政府参考人 一般競争入札に基づきまして、根室造船という会社が受注してございます。
佐々木(憲)委員 根室造船。しかし、一般競争入札といいますけれども、たった二社しか入札していないんですよ。何が競争ですか。これは随意契約と変わらないじゃないですか、ほとんど。
 問題は、根室造船の社長の河原勝治さんという方がどんな人物かという点でありますが、この人は、鈴木宗男議員の政治活動を支えている二十一世紀政策研究会根室支部の代表であります。ここに選管に出した書類があります。これがその書類ですけれども、根室市の鈴木宗男後援会のこれは幹部なんです。
 鈴木宗男議員の後援会の幹部がつくった船じゃないですか。最初から目的がはっきりしていないのに、船だけは先につくる。おかしいじゃないですか。
 では、ちょっと資料を配付してください。
 重大なのは、この会社から鈴木宗男議員に献金が行われている。希望丸が発注されたのが九七年でありますけれども、ちょうどその前の年の九六年、その後毎年献金が行われて、合わせて二百四十万円。船の発注とこれは密接な関係と言わざるを得ませんね。
 総理にお聞きしますけれども、こんなことが許されていいのでしょうか。
小泉内閣総理大臣 今突然聞かれて、事実関係がよくわかっていないのですから、それは、今聞かれて、本人にも確かめないでどうだと言うのも、これまた失礼でしょう。
 よく調べて、確かに、今言っているのは初めて聞きましたし、よく調べているなという、感心しながら聞いていましたけれども、疑いのないような、疑念を抱かないようなODAなり、目的に沿った使われ方をすべきだなと思いながら伺っていました。
佐々木(憲)委員 この支援そのものが極めて不透明な面が多いのですね。そこに鈴木氏の後援会の会社がかかわって、そこから献金が流れる。人道支援あるいは税金が食い物にされるということじゃないですか、これは。
 しかも、やっていることはこれだけじゃありません。国後に、日本政府が四億一千六百八十五万円を拠出して、友好の家というのがつくられているのですね。我が党もこれは調査しましたし、国後に行った人からも話を聞きました。この友好の家は、ムネオハウスと呼ばれております。この家はムネオという有力政治家がつくってくれたんだ、現地ではそう言っているのですよ。鈴木議員がいかに深く関与しているか、明らかであります。
 このムネオハウスの工事受注者は犬飼工務店、この社長犬飼勝氏は、鈴木宗男中標津後援会の会計責任者でございます。ここにその証拠が、選管に出された書類がございます。この後援会幹部からも八十二万四千円の献金が行われております。
 このムネオハウスには何が書かれているかというと、「鈴木さん、あなたは私たちの友達です」こういうものが書かれております。ムネオハウスという家に行くと、こんな横断幕があって、しかも食堂の壁には鈴木宗男議員の写真が飾られている。これは極めて異常ですよ。
 それだけじゃありません。色丹の診療所の所長にお聞きしますと、これは道議会議員が訪ねたそうです。ここは鈴木宗男診療所と言われているんだ、堂々とそうおっしゃっている。九四年に贈られた十人乗りの四輪駆動車はムネオ号と言われている。マイクロバスにも、鈴木さんは友達ですという横断幕が張られている。
 すべて国民の税金でこのような援助が行われているにもかかわらず、何で個人の名前がこんなに出てくるのですか。税金の私物化、援助の私物化としか言いようがありませんね。
 配付した表のように、鈴木宗男議員の関係者が北方四島人道支援の仕事を受注して、受注した企業から鈴木宗男議員に献金が行われる、資金が還流する。この六年間で鈴木議員に一千百八十二万、大変な金額の献金が流れている。おかしいと思いませんか、これ。直ちに調査をして事実を究明して、改める点は改める、これは当然やるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 個人のお金で寄附したならともかく、ODA資金で、そのような、今言われているような形で使われているようだったら、これはよく調査しなきゃいかぬと思っております。
佐々木(憲)委員 鈴木議員は、ロシアだけじゃないんです、アフリカへの関与も大変なものでございまして、ケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電事業というのがありますね。日本の経済援助の対象となっているようですけれども、この第二期工事は、いまだに円借款、つまりお金のめどが立っておりません。しかも、政府の間で交換公文という契約書も結ばれておりません。ところが、奇妙なことに、工事の入札、発注だけは早々と行われている。
 参議院で我が党の富樫議員がこの点をただしたところ、川口外務大臣は、「入札に関しては、ケニア側が自らの責任において手続を進めた」という答弁をされましたが、とんでもない答弁だと思うのですよ。ケニアが単独でやれるような事業ではございません。日本の円借款がなければ、こんな事業はできませんよ。
 なぜ入札と発注のその前にきちんとした手続を踏まないのか。最初のODAの手続と全然違う、逆のことをやっているのですから、この点をはっきり答えてください。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 先ほどの御質問のケニアのソンドゥ・ミリウの事業につきましては、前回の通常国会の際にも国会の審議で質問をいただいております。その際、田中外務大臣からも明確にお答えいたしましたが、この件につきましては、現在まだ、引き続き政府部内でこの案件を採択するかどうかは検討中でございます。
 また、先ほどのいわゆるケニア側における入札につきましては、政府としまして正式に本件を取り上げることを決定した上で、JBICのガイドラインに従って改めて審査するということでございます。
佐々木(憲)委員 入札と発注の前に手続が行われていないのです。その上で、入札だけが、発注だけが進んでいる。私は、これは極めて異常な状態だと思う。ここにも鈴木宗男議員の関与がある。
 鈴木議員は、小渕内閣の官房副長官をしていた当時、平成十一年八月にケニアを訪問しておりますが、そのときの状況を報告した外務省の公電がここにあります。ここに記録されているのは、鈴木宗男議員の発言なんですね。こう言っているのです。「自分が帰国次第、関係省庁に連絡・指示を行ない、本件プロジェクトへの円借款供与への迅速な検討を進めることを約束する」こう述べたと書いてあるのです。これは、平成十一年八月十八日二十一時十分ケニア発。
 ですから、入札、発注が行われたのは、こういうことがあったから行われたのじゃないですか。この会談の後、外務省は鈴木議員から指示を受けたのじゃありませんか。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 御質問のとおり、当時、鈴木宗男官房副長官は、政府を代表しましてケニアを訪問し、政府の意見としてただいまの御発言をされたということでございます。したがいまして、戻られてから政府関係機関に検討するようにと言われたことは当然のことと考えております。
 それから、先ほどのことでございますが、これは、ケニア側におきまして、当時、委員御案内のとおり、債務削減ということについて政策を迷っておりました。したがって、債務削減を行いますれば当然新規の円借款はできませんので、その件についてケニア側の対応をただすというのが、当時における会談の主要な目的の一つでございました。その際、ケニア側から債務の削減を行わないという明言がございましたので、それに対応した形で官房副長官より、では、この案件についての採択について政府として検討を進めたいという旨を発言されたものでございます。
佐々木(憲)委員 会談の後、外務省は鈴木議員から指示を受けた、そういうふうに今、事実上おっしゃいましたね。
 このソンドゥ・ミリウ発電所の土木工事を受注した日本企業はどこですか。
西田政府参考人 これは国際入札を行いまして、日本の企業が入った国際的な企業連合であったというふうに承知をしております。(佐々木(憲)委員「企業名」と呼ぶ)日本側の企業は鴻池組でございます。
佐々木(憲)委員 ここでも鴻池組の名前が出ましたが、事業を受注したゼネコンのこの鴻池組から鈴木議員に献金が渡っているんですよ。
 ちょっともう一つの資料を配ってください。
 アフリカのODA事業受注者から鈴木議員への献金は、鴻池組は四年間で百八十万円。アフリカのODA事業の受注業者から鈴木議員への献金はこれだけじゃありません。この六年間で、実に十一社、六百九十六万円が渡っております。これはもう北方四島支援と全く同じ構造でありまして、鈴木宗男議員は、この業者の利益を図り、ODAを食い物にしているとしか言いようがありません。
 ここにパネルがありますが、これは鈴木議員が議連会長を務めているものであります。十六の議連の会長を務めております。これは鈴木議員が自分で走り回って、三年ほど前に一斉に立ち上げたんですよ。ちょうどソンドゥ・ミリウのこの公電の事件のあたりであります。鈴木議員が自分で走って歩いて、結局、二十数人がそれぞれ重複して名前を連ねたと言われているんですね。
 自民党きってのアフリカ通だとかロシア通などと言われているけれども、利権まみれじゃないですか、これじゃ。自分がすべての決定権を握っているように圧力をかけて介入し、外務省が唯々諾々と従っている。常識では考えられない、余りにもこれは異常な世界であります。
 総理、このアフリカ問題についてもきちっとメスを入れるということが大事だと思いますけれども、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 そのとおりだと思います。今御指摘の点を外務省もよく調査して、疑念の持たれないようなODA、それを考えるべきだと思います。
佐々木(憲)委員 私は、これらの疑惑の真相を解明するために、鈴木宗男議員を当委員会で証人喚問するように求めたいと思います。
津島委員長 委員長として、理事会で協議をいたします。
佐々木(憲)委員 次に、経済問題についてお聞きをしたい。
 日本経済は大変な事態となっております。もうつるべ落としのように深刻な状況が進んでおりまして、失業も倒産も最悪であります。成長率もマイナス。
 アメリカのフォーブス、これは二月十八日号ですけれども、「タイムズ・アップ、ジャパン」、時間切れの日本という大変ショッキングなタイトルの特集を組んでおりまして、日本経済は十二年間の低迷を経て最悪の状態にまで悪化した、各種経済指標の落ち込みは一九三〇年代の世界恐慌を引き起こしたアメリカの状況とよく似ていると。構造改革を掲げる小泉内閣に対してはこう言っている。内閣発足以来九カ月たっても、彼はレトリック以外にはほとんど実行してこなかったと断言しております。
 実際、小泉内閣になってから、もうほとんどすべての指標が悪くなりました。国際的にも批判を浴びておりますが、総理にお聞きしますけれども、こういう批判というのは、今の日本の実態から見て当然の批判だと思うのですけれども、どのようにお考えですか。
小泉内閣総理大臣 私は、その批判には同意できません。着実に構造改革が進んでいる。そういう中で、一、二年の低成長は覚悟しながらやっているわけです。確かに、不良債権を進めろという声と、まあもっと緩やかにしようという声もありますけれども、私は、不良債権処理を進めていかない限りは、日本の経済の再生は成り立ち得ないと。そういう中で、企業の倒産も起こり得ます。失業者の方々も困難に直面しています。しかし、この構造改革を進めることなくして、私は日本国経済の再生はないと思っていますから、その間における、構造改革を進めるためのデフレ阻止あるいは金融不安を起こさせないための措置はあわせてしていかなくてはならない。非常に狭い道でありますけれども、この道は、進めていかざるを得ない道だと思っております。
佐々木(憲)委員 不良債権早期最終処理というのは、小泉内閣が掲げる構造改革の中でも中心的なスローガンになっておりますが、こんなことをやりますと大変な失業と倒産が生まれる、デフレを加速するということを我々は前から指摘してまいりましたけれども、本当に、現実的に大変な事態になったなというのが実感であります。しかし、総理は、これはあくまでもやるんだと。
 政府の甘い試算によっても、このことによって新たに六十万人の失業者が発生する、これはもう政府自身が、失業者がふえるんだと言っているんですから。民間の研究所の研究によりますと、この不良債権処理によって新たに百万人以上の失業者が生まれる。我々の試算でも、二十万、三十万の倒産が生まれて、百万人以上の失業者が生まれるということになるんです。
 こういうことを進めなければならないのか。私は、今、二、三年とおっしゃいましたけれども、先がどうなるかわかりませんよ。このまま、どんどんどんどん不況が深刻化しても、総理はあくまでも、それでもやる、こうおっしゃるんですか。
小泉内閣総理大臣 今出されましたフォーブスの批判論者は、たしか、不良債権の処理が遅いということで批判しているんじゃないでしょうか。そこが共産党と違うんですね。もっと早くやれと言っているんですよ。これは非常に、各党で意見の分かれるところであります。私は、着実に進んでいるんですけれども、それでも、早過ぎるというのと遅過ぎるという両方批判が出ているのは、これは承知しております。
 私は、今の状況において、より成長の可能性の高い分野に、また生産性の高い分野に早く必要な資金が回るような改革をする中でのいろいろな痛みでありますので、こういう段階というのは、将来の発展を考えると必要なことではないかと。
 それで、不良債権処理を進めませんと、金融機関においても、あるいは、これから、不良債権が足を引っ張る形になって、元気の出る企業に働いてもらおうという融資ができなくなる、そういう面も考えなきゃいかぬし、同時に、新しい時代に対応できる企業、できない企業というのはどの時代にもあります。全部の企業をそのまま倒産しないで活性化できるんだったら、これは最高です。そういう状況でないから今難しいのであって、確かに失業者はふえています。しかし、そういう中にあっても、今、雇用対策を打っておりますし、なおかつ、いろいろ失業者がふえている中にあっても、新しい雇用も生まれている産業もあります。
 こういう点をよく注視しながら、私は、この改革を進めるための諸施策を講じていく責任があると思っております。
佐々木(憲)委員 新しい分野に資金が回る、そのことが必要だからやるんだ、こうおっしゃいましたけれども、これは全然事実と違うと思うんですね。
 資金が回らないのは、金融の機能が低下しているからではありませんよ。今は超金融緩和じゃないですか。ほとんどゼロ金利ですよ。じゃぶじゃぶ供給が行われている。しかし、銀行から先に資金が回らない。
 なぜかといえば、政府だって言っているでしょう。これは内閣府の経済財政白書、この中で、景気悪化は不良債権が減らない理由の一つだ、債務者区分や貸出資産等の査定を厳格化しているからだ。つまり、銀行から先に回らないのは、景気が悪いから資金需要が減っている、銀行が貸し渋りをやっている、貸しはがしをやっている、資産査定を厳しくやっているからそうなるんですよ。そこを直さないで、不良債権だからどんどんつぶしてもいいんだ、こんなことで日本経済がよくなるはずありませんよ。
 では、不良債権を処理したら、本当に不良債権が減っているんですか。不良債権が、昨年三月十一・七兆円。ではこの九月に減りましたか、幾らになりましたか。数字だけ言ってください。
柳澤国務大臣 破綻懸念先以下の債権だけ、今、佐々木委員はおっしゃられました。
 しかし、私、それだけで申し上げても、今回、五千億ふえて十二兆二千億になっているわけですけれども、これは、オフバランス化をした後ということでございまして、大体五千億ぐらいの増加ですけれども、これはオフバランス化と新規発生がお互いを引っ張り合ったわけですけれども、若干新規発生が多くてこういう結果になっている、こういうことでございます。
佐々木(憲)委員 結局、処理をしたのが二・五兆円で、新規に不良債権が三兆円ふえているんですよ。
 それで、金融庁が出した資料を見てもはっきりしていますね。破綻懸念先以下債権の債務者の業況悪化等による新規発生です。つまり、どんどん実体経済が悪くなっているから不良債権がふえているということなんです。不良債権の早期最終処理ということで処理をどんどんやればやるほど倒産がふえ、失業がふえ、業況が悪くなって、ますます不良債権がふえている。
 悪くなった原因は、政府が不良債権処理を強行して、倒産や失業をふやしたからじゃないですか。この政策によって、どれほど国民が深刻な痛みを押しつけられてきたか。かつてない倒産と失業、ホームレス……(発言する者あり)与党の方から、そのとおりだという話ですから、多重債務がふえ、自殺者がふえている。これが今までの小泉内閣がやってきた政策の結果ですよ。
 一方で、では、銀行にはどんなことをやったか。七十兆円の税金投入の枠組みをつくって、三十兆円も投入した。十兆円はもう返ってこない。超低金利政策で、銀行に預けたって利子がつかない。国民の懐から十兆円あるいは二十兆円、これを取り上げた。大企業の債務を免除した銀行に対しては減税措置を行う。
 こういうことで、大銀行にはもうこれ以上やりようがないほど至れり尽くせりの応援をやっている。それでも不良債権は減らない、景気はますます悪くなる。だから、小泉内閣の政策はもう既に破綻しているんですよ。それにもかかわらず、まだやるんだと、破綻した政策をますます大がかりに広げる。
 ブッシュ大統領が来日するということなんですけれども、公的資金をまた新たに十兆円も十五兆円も投入するなんという話がありますけれども、本当にそんな約束をするんでしょうか。この点だけちょっとお聞きしておきます。
柳澤国務大臣 今、佐々木委員、十兆円はほぼ返ってこないというようなお話をなさいましたけれども、これは銀行にやったものじゃないですね。預金の全額保護のために、預金者にその全額を保護して、ペイオフしないで、預金者の預金を確実に返す、返還する、こういうことのためにやったんです。預金者、金融債の保有者のためなんです。
 そこを間違われて、銀行にこのお金をやって返ってこないんだなんというようなそういう誤解を生むような表現は、ぜひ委員の良心にかけてもそういうことをおっしゃらないでいただきたい。冗談じゃありません。それは訂正してください。
佐々木(憲)委員 訂正する必要はありません。
 公的資金を三十兆円、二十九兆円ぐらい投入しましたね。返ってこないのが十兆円、これは事実ですよ。それがどのように使われたかというのは、それは私は今問題にしているんじゃないんです。税金をそんなに使って、不良債権はふえる、国民の懐から利子は取り上げる、こんなやり方をして果たして日本の経済はよくなるのかということを聞いているんですよ。
 それで、先ほど総理の、新たにまた十兆円、十五兆円の公的資金投入という話がありますが、そういう約束はされないんでしょうね。
小泉内閣総理大臣 現時点でそのようなことは必要ないと思っています。デフレ阻止のためには、あらゆる手だてを大胆かつ柔軟に講ずる。金融不安を起こさせない。金融危機を起こさせない。
佐々木(憲)委員 金融不安を起こさせない、そのためには何が必要か。経済全体を活性化させる、そのためには実体経済をしっかりと立て直さなきゃならぬのです。実体経済の半分以上の六割が家計消費、個人消費で支えられているんですから、その部分をどう支援するか、これが今我々に課された課題であります。
 私どもは、社会保障の充実あるいは雇用不安の解消、消費税の減税、こういうことによって家計をしっかりと応援するという政治こそ日本経済を活性化させる最大の道だ、また、金融不安を起こさせないというならそういう方向に転換することこそ今求められているんだ、このことを申し上げまして、中林議員に交代をいたします。
津島委員長 この際、中林よし子君から関連質疑の申し出があります。佐々木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中林よし子君。
中林委員 日本共産党の中林よし子でございます。
 BSE、いわゆる狂牛病問題での武部農水大臣の責任はもう既に明らかになっております。そこで、きょうは総理にのみ質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 今、畜産農家や肉関連業者に多大な被害を及ぼし、さらには国民に大きな不安を与えた今回のBSE問題、政府の責任はさまざまあるわけですけれども、大きく言って二つの点である、私はこのように思います。
 その第一点ですけれども、異常プリオンに汚染された肉骨粉の進入を日本に許して、それが牛に与えられるということを防ぎ得なかった、この点です。
 一九九六年四月に世界保健機関、WHOが、牛の肉骨粉を牛にえさに与えてはならない、こういう禁止勧告を出しました。それに対して日本政府は、検討会だとかあるいは審議会で専門家が法的禁止をすべしだと求めたにもかかわらず、行政指導にとどめました。今回日本で三頭BSEが発生をしたわけですけれども、この三頭の生まれた日というのは、ちょうどWHOの勧告が出たその前後なんですね。そのことを思えば、あのときに法的禁止をしておけば防げた、こういうことはもう明らかになっているわけですね。
 今、現に農水省と厚生労働省がいろいろ調査をされているわけです。ここに農水省の九〇年以来の局長以下の職員に対するアンケート、その結果が発表になっております。当時の担当の局長だとか課長などですけれども、そのうち八人までが、法的禁止をすべきだった、こう答えているわけですね。それから武部農水大臣も、今になって思えば法的禁止をすべきだった、こう答弁もされているわけですね。
 総理に、ぜひ総理の認識として、あなたも、九六年、このWHOの勧告、それを受けて法的禁止をしなかったということが今回の発生に結果的につながっていった、こういうことをお認めになりますか。
小泉内閣総理大臣 今、いろいろ、原因を究明するように武部農水大臣に指示しております。よく御指摘の点も踏まえて、今から考えれば、ああやればよかった、こうやればよかったということもたくさんあると思います。そういう点をよく詰めて、二度とこういうことが起こらないような措置を武部農水大臣にも指示しているところであります。
中林委員 当時の局長や課長でさえも、やはり禁止をすべきだった、行政指導ではまずかった、こう言っているし、武部大臣でさえもおっしゃっているわけですね。それが総理として、大臣にその点をちゃんと調べるようにと命令しているとおっしゃるんだけれども、私は今、内閣の最高責任者としての総理の認識をお伺いしているんですよ。
 それで、当時は、九四年の六月まではEUはすべてもう禁止をしておりました。それから、このWHOの勧告を受けて、翌年の九七年にはアメリカやオーストラリアも禁止措置をしているんですよ。日本はどうですか。去年、BSEが発覚した後の九月十八日になって、やっと法的禁止をしているんですよ。五、六年開きがあるわけです。
 総理、どうですか。
小泉内閣総理大臣 私はそういう専門家ではありませんけれども、手抜かりはあったんじゃないか。よく原因を究明して二度とこういうことが起こらないような措置をしろ、それが大事だということで、詳しいことは農水大臣に聞いていただきたいと思います。
中林委員 農水大臣とはもう随分委員会などでやっております。
 そこで、総理は今、農水大臣にそういうことも含めて今いろいろ原因究明をやっているんだ、検証もしているんだとおっしゃるんですけれども、私は、総理自身の責任も決して免れないんじゃないかというふうに思うんですね。
 というのは、今こういらっしゃる閣僚の中で、BSE問題に直接携わった、一番長い閣僚は総理大臣ですね。それは、九六年十一月から九八年の七月まで厚生大臣をなさっていますね。それから、昨年の四月二十七日から今日までずっと総理大臣をおやりになっている。この経過を考えれば、私は、厚生大臣として一体どういう対応をなさっていたのかということを、やはりお伺いしないわけにはいきません。
 飼料安全法という法律があるんですね。この飼料安全法の第二十二条。ここには、厚生大臣は、公衆衛生の見地から必要があると認められるときは、農水大臣に対して意見を述べることができる、こうなっているわけですよ。厚生大臣のとき、どうされたわけですか。――何で、厚生大臣じゃないでしょう、あなたは。
津島委員長 武部農水大臣。(発言する者あり)簡潔に事実関係を。
武部国務大臣 委員長の御指名ですから、ちょっと説明させていただきます。
 WHOの勧告については、審議会と専門家の皆さん方にいろいろ意見を聞きました。
 なお、九七年の衆参両院における農水委員会においての附帯決議は、共産党も賛成して、行政指導を続けるということになっているわけでございまして、過去の問題の検証については客観的にやる必要がある。さらにまた、科学的な知見が必要だということで、今、第三者委員会による御検討をいただいているわけでございますので、それを待って、しっかりした行政対応をする必要があるんじゃないか、私はかように思います。
 事実関係を申し上げさせていただきました。
中林委員 あなたはいつも、九七年の家畜伝染病予防法の附帯決議の話を出されます。都合がいいときだけ附帯決議を出されるんですよ。今まで数々附帯決議があったけれども、一体どれだけ実行しているんですか。セーフガードの発動の問題などは衆参両農水委員会で全党一致で発動すべしだと決議しながら、そんなこと一つもやらないで、都合がいいときだけ持ち出しちゃだめですよ。
 しかも、この九七年、家畜伝染病予防法、この審議の過程の会議録を私は持っていますよ。日本共産党は、人畜共通のものがいわば外されるということで、本法に反対しているんです。そして、この附帯決議というのは、そのときの答弁で、日本には汚染された肉骨粉は持ち込まれていません、これが当時の局長の答弁ですよ。そんなことをやって、附帯決議に賛成しているから行政指導を追認しているんだなどという強弁は当たりません。
 私は、当時厚生大臣だった総理にお伺いしているんですよ。だから、本当に国民の健康に責任を持つ厚生大臣としてよかったのかと。本来ならばこのアンケートには大臣の回答も出なきゃいけないんだけれども、局長以下になっているということで、あえてお伺いしたわけですけれども、九六年の政府としての受けとめ方、どうですか。
小泉内閣総理大臣 今までの対応に不適切な点があったからこそ、そういう点も含めて今よく調査をして、二度と起こらないような対応をとるのが大事だと思っております。
中林委員 今まで対応のまずさということは一定お認めになったと思うんですね。もちろん今、検討委員会で検証はしておりますけれども、それも当然踏まえなければなりませんけれども、それならば、九六年当時だけの問題じゃなくて、総理になられて、昨年の四月以降の対応の問題で、私はこの点でも大きな問題点があったと言わざるを得ないと思うんです。
 それは、EUのステータス評価を小泉内閣が断ったというこの問題です。
 このEUステータス評価というのは、EUが諸外国から化粧品だとか医薬品だとかそういうのを輸入する際に、相手の国がどれだけBSEに汚染されているのか、その程度を評価するためのものです。この評価を受けなければカテゴリー5ということで高発生国とみなす、こういうふうになっていたから、日本政府は九八年にステータス評価を受けると正式に依頼をしたんです。それが小泉内閣にずっと引き継がれました。
 それで、六月十五日に政府は正式に断っている。なぜ断ったかというと、そのステータス評価で、日本にはBSEは発生していないけれども発生する可能性が非常に高い、こういう、レベルスリーと評価されることがわかったので慌てて断っているといういきさつがございます。
 断らなかったら、BSEが発覚したときの後の政府の対応が後手後手に回ったりする、そういうことはなかったはずだというふうに思います。この責任は小泉内閣のときなんです。総理の責任、どうですか。
小泉内閣総理大臣 そのような責任も含めて、二度とこういうことが起こらないように、今までの原因究明、対策をしっかりとやっていきたいと思います。
中林委員 私は、総理がいかにも人ごとのようにおっしゃっていると。あなたが内閣の最高責任者として、今これだけの被害を及ぼしていることにどういう認識でもって立っているかということ、本当にちゃんと国民は聞いているわけですね。
 そこで、実は、このステータス評価を断るときにEUと日本政府の間ではいろいろとやりとりがあっております。このときに日本政府はどういうことを相手国に伝えているかというと、日本が未発生国なのに発生する可能性が高いというのはけしからぬというようなことで、もしそういうようなことになると日・EU間の深刻な貿易問題にまで発展しますよとおどしまでかけているんですね。
 しかも、六月十五日に断るときに、こういう中身について実は農水大臣は把握していなかった、そのことがはっきりといたしました。
 それは、昨年の五月八日付、大臣あてにEC委員会から手紙が行っているわけですよ。その中には、BSEは発生していないけれども日本にも家畜の中にそのおそれがありますよ、そういうことが書かれた手紙が行っているんですね。大臣あてなんです。ところが、それを見たのは去年の十二月ですよ。見ないで断った、こういうことが起こっているんです。
 総理大臣ですから、内閣の最高責任者として、そういう問題がもう明らかになっているんですから、このEUステータス評価、それを断ったということ、これはやはり間違いだった、このように総理、お思いになりませんか。もう大臣はいいです。大臣はいいですよ。
武部国務大臣 これは、私を今、名指しで委員から御指摘がございましたから、説明させていただきます。
 我が国がこのステータス評価を断ったのは、OIEが五月に新たなる基準を採択しました。そして、EUも近くこの基準に準じた評価に変えるという情報もあったわけです。現に、七月にはEUは新たなOIE基準に準拠した評価をつくっているわけでございまして、私は今、書簡のことについてはお説のとおりでありますが、しかし、レベルスリーということについては承知しております。
 今委員御指摘のとおり、断った、私が了とした理由は、新たにEUもOIEに準拠した評価をするんだなということで、それなら了とするということにしたわけでありまして……(発言する者あり)今後ろの方から怒声が聞こえますからこれ以上詳しくは申し上げませんが、そういうことでございまして、事実関係は正確に御承知おきいただくために申し上げているわけでございますので、お許しをいただきたいと思います。EUも七月に新たな評価をしております。
中林委員 事実関係を正確にとおっしゃいますけれども、事実関係を正確に私も言っている。大臣あての手紙をあなたは見ていないじゃないですか。それを見ていないのに断っているなどということが通りますか。
 しかも、OIE、つまりこれは国際獣疫事務局といいますけれども、この基準にそろえていくとおっしゃるけれども、全然発想が違うんです。EUは、人にうつる可能性がある、だから厳しくやっているんです。OIEは、動物だけを対象にしているんですよ。だから、もともとその基準は違うというのは、今BSE検討会をやっていますけれども、そこでの専門家の意見としても十分出ているじゃないですか。それなのに、OIEの基準が出るからそこにそろえるなんというようなことは、全然通らないと言わなければなりません。
 大臣、いろいろ言われたけれども、今月の七日の衆議院の本会議で、我が党の志位委員長の質問に対してこうお答えになっております。結果的に昨年九月に発生を見たことからすれば、EUの指摘も踏まえて、我が国独自の判断として、発生時に備えた対応のあり方等について危機意識を持って検討を行っていく必要があったのではないかと考えていると。つまり、あなたは認めているわけじゃないですか。どうですか。
小泉内閣総理大臣 今までの対応を、不適切な点は反省して、こういうことが起こらないように今後適切な処置をとるように、今の原因究明、対策をしっかりやっていくのが責任だと思っております。
中林委員 その今まで不適切なという点を、非常に大きい観点から私は二つ申し上げた。それさえも言明はされない。しかし、いろいろ不適当な行政の対応があったということはお認めになったというふうに思うんですね。
 EUステータス評価でレベルスリー、このようにEUが評価をしたその理由として、実は、汚染国から日本は肉骨粉を輸入している点と、それからもう一つは、九六年当時、行政指導にとどめたことがその理由だとはっきりと書いているんですよ。だから、EUの厳しい評価の中でもここに原因があるということを明らかにしているわけですから、そこはちゃんと私は見ていただかなければならないというふうに思います。
 今まで私が申し上げましたように、WHOの受けとめが非常に甘くて、やはり行政指導に走ってしまって法規制をしなかった問題点、それから、EUステータス評価というのは的を得た評価だったわけですよね。それを断ったがために、実は初動のときのマニュアル、これが十分できなくて、その後の政府の対応が大変後手後手に回って一層の被害拡大になってしまった、こういう大きな責任があると思います。
 畜産農家、酪農農家、関連業者の皆さん、これらに責任がないということは明確じゃないでしょうか。総理、それだけは確認したいと思います。どうですか。
小泉内閣総理大臣 生産者、消費者には責任があるとはだれも言っていないので、政府が、これは責任を感じて、これから、牛肉の消費のみならず、食品の安全対策に万全を期していくということで、しっかりした対応をとらなきゃいけないと思っております。
中林委員 農林水産省の試算で、昨年発生以来十二月まで二千二百億円近い損害があると。これは農家だけではありません、関連業者も含めての試算を発表になりました。当然、今言われたように、農家に責任はない、関連業者に責任がないわけですから、この被害に対して政府が補償するというのは当然のことだというふうに思いますけれども、総理、今多くの農家の人たちはあなたの言明を見守っております。ぜひ被害補償をすべきではありませんか、総理。
小泉内閣総理大臣 この被害対策は今自民党でも与党でもしっかりやっておりますので、このような問題に対して、大変苦しんでいる方に対してどういう有効な手だてがあるか、今検討中でございます。
中林委員 私もずっと政府の対応を見てきました。確かに幾つかの対応はございますけれども、しかし、現実とは大きくかけ離れているとこれを言わざるを得ません。しかも、被害についての補償という問題、これは出ていないんですよ。
 私の地元は島根県です。そこで二月の初めに競りがございました。そのときに成牛で値がついたのはわずか一頭だけです。中央市場ですよ。その一頭、これは大体五百キロ以上の重さがあるでしょう、値段は幾らだったか。何と一万一千五百五十円。肥育です。経産牛です。五百キロ以上で、しかも一頭しか値がつかなかった。ほかのは値がつかなかったんですよ。みんな持って帰ったんですよ。もちろん、今の肉の値段、ずっと調べました。本当にこれで経営が成り立っていくか、こういう状況です。私は、北海道から九州まで農家の方、消費者の方と相談をして、いろいろと懇談をしてまいりました。一夜にして奈落の底に突き落とされた、何を自分たちは悪いことをしたのか、本当にと、こういう思いなんですよ。
 だから、総理、今野党四党が法案も準備しておりますけれども、与党、野党の違いを超えて、今困っている人たちに対する被害補償、これを強く要望いたしまして、質問を終わります。
津島委員長 これにて佐々木君、中林君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。質問をさせていただきます。
 十四年度当初予算の審議が始まったばかりであるにもかかわらず、与党の幹部の皆様方から、早くも来年度の補正の必要性についての発言が出ております。これは非常に不謹慎きわまりない発言だと私は思うんですね。このような発言が出るということは、今提案されている予算案が不備である、欠陥であるということをみずから認めているようなものじゃありませんか。ですから、そのような予算は、予算が成立する前に補正が必要であるというならば、改めて、そういった意見を取り入れて組み替えた形で再提案したらどうかと申し上げたい。
 このような異例とも言える発言について、厳に慎んでもらわなければならないんですが、総理の見解をお示しいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 いや、聞いておりません。
横光委員 ここにあるんですよ。見てください。補正予算案について早くも出ているんですよ、ちゃんと日付つきで。こういった声が出ておるんですよ。今、来年度の予算案審議しているのに、もうその後の、補正が必要だというような声が上がっているということは、この予算案が不備だということじゃないですか。完全なものであるなら出るわけないじゃないですか。こういったことをしっかり提案者としては認識していただきたい、まずこのことを申し上げておきます。
 この来年度予算案の主眼、いわゆるウエート、これは財政の健全化の方に置かれているのか、景気対策の方に置かれているのか、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 財政の規律の重要性を意識しつつ景気にも配慮した、そういう予算であります。
横光委員 そういった御答弁になるかと思っておりました。
 最近の世論調査、各種の世論調査で、国民が今政府に何を一番求めるか。景気対策が六五%以上なんですね、ほとんどの世論調査が。それほど国民は、現実は厳しい経済状況に置かれているんです。ですから、私は今聞いた。どちらにウエートを置いているかということを聞いたんです。
 この小泉政権が誕生してからもうそろそろ一年になろうとしているんです。この一年間、まさに日本経済は悪化の一途をたどるばかり。これはすべて小泉政権に責任があるとは申しませんよ。しかし、小泉内閣がスタートしてからその悪化のたどり方は激しい。失業率それから有効求人倍率、設備投資、生産力、企業収益、個人消費、輸出、すべてが下降線をたどっておるんです。目を覆うような状況だと言っても過言ではないんです。政府もデフレ状況に突入しているということをお認めになっておりますよね。そういったデフレ状況の中で構造改革を推し進めようとしている。
 構造改革そのものをすべて否定するのではありません。しかし、デフレ状況の中で構造改革を推し進めていけば、結果はどうなるか。イギリスのサッチャー改革もアメリカのレーガン時代の改革も、すべてインフレのときに行われているんです。基本的な状況が全く違うんです。
 あの一九三〇年代初頭の世界大恐慌、あれを今、私たちは歴史的な教訓としなければならないんじゃないでしょうか。一九二九年に、株価の暴落によりアメリカ経済は危機的な状況に陥った。危機的な状況に陥ったにもかかわらず、なお、時のフーバー大統領は、あくまでも緊縮財政に固執し過ぎたんです。し続けたんです。そして、GNPが下がり始め、四年後には何と三〇%以上のGNPが減少したんですよ。そして、デフレに突入した。そして、四人に一人の大失業者を生むという、いわゆる大恐慌に突入していったんです。
 あのときのアメリカの経済と今の日本の経済状況、恐ろしいほど似ていると思いませんか。現に、内外のエコノミストの間では、小泉総理はあのときのフーバー大統領の再現ではないかという声が実際に起きているんです。それほどに、今の日本経済は厳しい。その厳しい状況に対応できる予算案なのであるかどうかということを、これからの予算委員会で問いただしていかなければならないと思っております。
 まず最初に、この来年度予算案に計上されておりますODA予算九千百六億円、これは外務省が中心になって担当するわけでございますが、こういったことを考えますと、外務省の問題は避けて通るわけにはいかないわけですね。
 血税である機密費流用事件、そしてまた裏金づくりにせっせと励んで、その国民の税金を我が物のように使うこの金銭感覚、そういったものに代表されるように、外務省挙げての根深い腐敗体質が昨年国民の前にさらけ出されたんですよ。その上に、今回のいわゆるNGO排除問題、国民やNGOを見下すような特権意識。こういった外務省に、果たしてこれだけ膨大なODA予算を有効に使うことができるのか、真に途上国のために有効な援助としてやっていけるのかという国民の不安もある。そういった不安を解消するためにも、今回のNGOの排除問題というものの解明は避けて通れないと私は思うのです。
 総理にお尋ねをいたします。
 田中外務大臣の更迭は国会の混乱を打開するための処置である、このように述べられておりますが、ということは、外務大臣として不適格であるから更迭したというわけではないんですね。どうぞ、お答えください。
小泉内閣総理大臣 国会全体の状況を考え、一日も早く補正予算を成立させなきゃいかぬということで御協力をいただきました。
横光委員 ということは、不適格でないということでしょう。国会打開のためということでした。不適格だから更迭したんじゃないというお答えだと思います。ということは、国会の運営のために田中前大臣を犠牲にしたということですよ。もっと言えば、田中大臣をいけにえにしたということじゃないですか。非常に冷たい仕打ちだと思います。
 冷たいといえば、あの田中前大臣が流した涙、あの涙を見て総理は、何か今のような笑みを浮かべながら、涙は女の最大の武器だなんて人ごとのように言いました。あの田中大臣が流した涙の状況を見て、よくあんな言葉を言えましたね。相当つらいことを言われたのでしょう。耐えていた涙を耐え切れずにこぼした。その涙を見て、あなたは武器だと言った。非常に冷たい人だなと私は思いましたし、多くの国民は思ったでしょう。とりわけ、多くの女性はそう思ったんじゃないでしょうか。そう思いますよ。
 田中大臣を更迭して、支持率が二〇%から三〇%急激に下がったわけでございます。たった一人の大臣を更迭したことで、なぜこんなにも多くの国民の心が小泉内閣から離れてしまったのでしょう。やり方が間違っていたと思う。そして、やる順序が間違っていた。国民は、なぜなんだと思っているんですよ。
 このなぜなんだというのは、私は大分県出身ですが、なぜなんだというのはなしかと言うんです。よく地元に帰って言われる。なしかという素朴な気持ちでこれからちょっと質問をさせていただきたいんです。
 参加拒否をされたNGO二団体、これを次の日には出席をさせることができました。この出席をさせることをしたのが田中前大臣でございます。もし出席をしていなかったらどうなっていたでしょう。大変な国際的な信頼は落ちていたでしょう。そしてまた、NGOと外務省との関係は余計ぎくしゃくしたでしょう。さらに、これから始まるアフガン支援、あるいは世界で頑張っているNGOの人たちにも大変な影響を与えたでしょう。
 そういった意味で、二日目を出席させたということは、国益の損失を助ける、そういったいわゆる大変な功績者である。正義の行動をとった功績者である。その田中大臣をあなたは切って捨てたんですよ、国会運営のために。そうでしょう。たとえどのような理由があろうと切って捨てた。小学生でもなしかと思うようなことをあなたはやってしまったのです。
 その上に、野上事務次官は、更迭とはいえ自発的辞任という形をとっている。さらには、この問題の火元と言われております鈴木宗男議員の議運委員長辞任の申し出を清い決断と、このように持ち上げるに至っては、これはもう国民からすると、なしかというものを通り越してばかにするな、そういった声が吹き上がるのも当然だと思います。
 ですから、今支持率が下がりました。しかし、この支持率がさらに下がり続けるのか、あるいは下げどまるのか。それは、すべて総理を先頭として、政府・与党がこの問題を、真相を明らかにする気があるかないか、そこにかかっていると思うんですよ。このまま臭い物にふたをしてやぶの中に押し込もうとする姿勢を見せるのか、真相解明をするのか、この二つにかかっておる。
 総理は、この真相解明を行っていきたい、それは外務省改革の一環であるということを明言されておりますね。ですから、川口大臣にお聞きいたします。
 このNGO排除問題の、これはまだ明らかにされておりませんが、解明が、今総理は、解明をしていきたい、それは外務省改革の一環であるという発言をされておるんです。それと同じ考えでよろしいですね。当然でしょうけれども。
川口国務大臣 アフガニスタン復興支援国際会議に係るNGOの参加の問題、そのときの外務省の対応の問題につきまして官邸が調査をなさいまして、八日にその結果が発表をされております。
 この調査結果にございますように、鈴木議員から個別のNGOの参加不参加について意見が述べられたことはないということでございます。ということでございまして、NGOの不参加の問題は、外務省自身の判断として決定したものでございます。また、この判断に至った直接の要因というのは、十八日の朝日新聞の記事であったということでございます。
 他方で、外務省がこの判断を行うに当たりまして、昨年、ODAによるNGOの支援を含めまして、NGOのあり方について与党で議論がなされる過程で、外務省に対してさまざまな意見がなされたということが脳裏にあったということでございます。ということで、鈴木議員のことを気にし過ぎて影響を受け過ぎたということで私も報告を受けております。
 ということで、官邸で調査をしていただきましたということでございますが、私としては、今までのこの経緯を見ますと、外務省として反省すべき点はあると思いますので、こういうことを踏まえまして、昨日、開かれた外務省の改革、十の改革ということについて発表させていただきまして、その中には、NGOとの関係、新しい関係を築くことも一つの項目として入っておりますし、ODAの透明化ということも入れてございます。
横光委員 ちょっと大臣、私は、そのNGO排除問題がまだ国会で論議されるほど解明されてないんで、解明される意欲があるか、大臣、総理と同じお考えなのかと聞いたのに、何でそんな答弁するんだ。鈴木議員のことなんか私聞いてないですよ。解明されるお気持ちはあるんですね。いやいや、うなずくだけでいいんです。当然でしょう。あなたは外務省改革案を出されました。あれはぜひ進めていただきたい。そのためには、まずこの目の前の問題を解決しないで何で外務省の改革ができるんですか。
 どうぞ。総理と同じ考えでよろしいんですね。
川口国務大臣 NGOの排除の問題につきましては、官邸で調査をしていただいたということだと私は思っております。
 ただ、私は、反省すべきは反省すべきだと思っておりますので、改革を一生懸命にやらせていただきたいと思っております。
横光委員 判断とか反省とかじゃないんです。なぜあのようなことが起きたかということがまだわかってないんですよ。そのことをはっきりしない限り、幾ら外務省改革に取り組むといったって難しいということを私は言っておるんです。
 だから、なぜあんなことが起きたのかということを、今度二十日の集中審議でやるわけでしょう。そのときに、今はこういった問題いつまでもやっていてどうするんだ、確かにそのとおりなんです。このような経済問題がある。国際的な信頼を、まだ国会であんなことをやっておるのかと言われるのも信頼失墜につながる。早くけりをつけなければいけない、解明しなければならない。それが二十日なんですよ。そのときに、解明しなくてさらにずるずるいってしまったら、さらに景気とかに悪影響を与えてしまう。ですから、私はここで、参考人、関係者を呼んでいただいて、やはり、なぜこんなことが起きたのかということがわからなければ、次にまた同じことが起きるぞと。なぜ起きたかとわかれば、次はそういうことが起きないような方策を立てることができるんで、それが改革につながるわけでしょう。ですから、その二十日の集中審議で我々は参考人を要求しております。しかし、これはまだなかなかいい返答がございません。
 十五日、今週末には最善の努力をするという予算委員会の筆頭理事のお話がございますが、最善の努力をするといっても、我々が要求している、田中前大臣や鈴木議員や、あるいは野上事務次官やNGOの大西さん、こういった人たちを要求しているんですが、最善の努力をしていただきたい。しかし、最善の結果を出していただくためには、総理、あなたの指導力が必要なんです。参考人招致について……(発言する者あり)いやいや、ほかの方の参考人を出席させていただくように指導力を発揮していただきたいと思います。どうぞ。
小泉内閣総理大臣 今、委員長を初め理事の皆さんが努力してくれているんでしょう。それで私は、その努力を多としたいと思います。
横光委員 いやいや、総理、あなたは政府の代表者であると同時に自民党の代表者でもあるんです。ですから、政府関係の人たち、あるいは自民党関係の人たち、両方ともあなたの指導力によっては参考人として出席できるような状態ができるからあなたにお願いをしているんですよ。現に、田中前大臣や大西さんや、そういった要請があれば出席するという意思表示もされている。それから、鈴木議員も議運の場で、どこでも行くという話もされたそうです。
 そういった中で、我々も要求している、国民の皆様方も、この問題は早く解明してほしい、こんな問題をいつまでも引きずってほしくないと思っているのがほとんどだと思います。そのためにも、なぜ参考人招致ができないのか、なぜ腰を引くのか。(発言する者あり)ほら、こういった声があるでしょう。こういったことによって、ふたをしようとするんですよ。やぶの中に押し込もうとするんですよ。これじゃ全然解明されませんよ。終わったなんて言っている。映してください、この終わったと言うような人たちを。終わったんですか。そんなことを言っているから物事が前に進まないんじゃないですか。
 ですから、総理、みんなが要求しているのに、数の力、いわゆる自民党を中心とした与党が腰を引くことによってこの問題が覆いかぶせられるというのを国民が一番心配をしておるんですよ。そこで、総理に頑張っていただきたいということをお願いしたい。
 ですから、この数の力で結局参考人招致を拒むようなことがあれば、まさにこれはNGO問題を拒んだのと同じ構図じゃありませんか。それだけは絶対しちゃいけない。ぜひとも総裁として、自民党の皆様方を説得して、この問題が早く終わるために、参考人として出席するよう働きかけていただきたい、私はこのことを思っております。
 なぜ私がこういった問題をいつまでも、みんな引きずりたくない。でも、与党の皆様方がもう一つ積極的になれないのか。何か解明されたら困ることがあるんでしょうか。困ることがなければ、真相を明らかにするために、堂々と参考人に来ていただいて意見を述べていただくことが真相解明の最大の近道である、このように思っております。
 これは、総理、外務省が引き起こした問題なんです、政府の問題なんですよ。小泉内閣は、国民に対して説明責任が今問われているんですよ。責任を果たしてくださいよ。
 参考人招致が実現するまで、私たちは要求し続けていきたいと思っております。
 四日のこの委員会で、私の質問に対し、総理と中東アフリカ局長の意見がかなり食い違って、それを政府も認めて、整合性のとれる答弁をするということで調査結果をいただきました。これがそうなんですが、調査結果をいただきました。
 しかし、これは一体何ですか。これは日にちごとにその経過を羅列しているだけであって、私たちは経過を求めたんじゃなくて、見解を求めたんですよ。見解になっていないんです、これは羅列しているだけ。
 しかも、この最後のページ。一月三十日、「未明、鈴木議員より次官に電話。」「同議員「色々あったな。」」「次官「色々ありました。」」終わり。了。
 これは、最初から見ると、鈴木議員にすべて報告したり、意見を聞いたり、訪問したり、そんなことばかり。田中大臣の名前は一言も出てこない。まだ田中大臣在任中ですよ、これは。この今読み上げました、一月三十日未明、田中前大臣が更迭された直後です、未明、更迭された直後、鈴木議員から事務次官に電話があって、「色々あったな。」「色々ありました。」……。先ほど河村議員がちょっと想像しましたが、この後の会話が想像できますよ。これで一件落着だな、そうですね、そういった会話が想像できますよ。まさに悪徳代官と悪徳商人の会話と言われてもしようがないような話じゃないですか。
 これはどこから出たと書いていないのが不思議なんです。官房副長官が持ってきたんですが、この最高責任者は官房長官だと思うんですが、官房長官は今記者会見でいらっしゃいませんので、官房副長官、ちょっとお聞きいたします。
 これは、いわゆる政府サイドの見解だけをまとめている。これですべてこの話は終わりだというお考えを持っているわけじゃないと思うんですが、いわゆる政府サイドの一方的な見解であり、田中前大臣あるいは大西さん、そういったサイドの見解は一つも入っていないわけですね。ですから、一方の意見としては承りますが、もう一方の意見としては、先ほどからしつこく言っておりますように、あくまでもこの場で参考人という形でお聞きする以外にないと思っておりますが、この報告書をつくった官邸の長官の意見をお聞かせください。
安倍内閣官房副長官 二月四日の当委員会での議論を踏まえまして、鈴木議員から外務省に対して特定のNGOを排除するようにという意見がなされたかどうか、また、鈴木議員がいろいろな局面で外務省に影響力を与えているかどうかという議論がございました。それを踏まえて、私ども、できる限り政府関係者に当たりまして、意見を伺いました。そして、それを時系列的に整理し直したものが、提出をさせていただいたものでございます。
 その中からわかることは、明示的に、鈴木議員が外務省に対して特定のNGOを排除するという意見表明はなかったということでございますが、他方、鈴木議員が外務省に対していろいろと意見をおっしゃった、また外務省の職員も鈴木議員のもとを訪れるということから、影響力があるという印象を受けるのも事実であったということでございますが、私どもは、政府関係者に話を伺うということで資料をつくらせていただきました。
 また、命題として、なかったことを証明するというのは極めて困難な作業であるわけでございますが、その中で私どもはできる限りのことはした、このように考えております。
横光委員 政府サイドの一方的なお話、見解をまとめた、系列を並べたというお話でございました。この中を見ますと、今お話しのように、電話したり訪ねていったり、そういうことばかり。まさに私は、鈴木外務大臣かなと思うような外務省との深いつながりがここに書かれているわけでございます。
 中東アフリカ局長にお聞きいたします。最終判断をしてNGOの方々に連絡をした、その最終判断をしたのは、外務省の中では事務次官でしょうか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 十九日に、ピースウィンズ・ジャパンなどに対しまして、信頼関係が損なわれたという考えから参加不許可の決定を行いましたけれども、その際は、事務次官を含めまして事務当局で決定したものでございます。
横光委員 外務大臣に報告しなかったのはなぜでしょうか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 その際、参加NGOの決定につきましては、事務次官を含めまして事務レベルで決定を行えるものと考えていたため、大臣には報告いたしませんでした。しかし、その後、振り返ってみますと、大臣にも早い時期から相談し十分に検討すべきであったというふうに反省しております。
横光委員 その後その後ではだめなんですよ。なぜ、このような問題を鈴木さんには連絡して、田中大臣には報告しないのか。もし報告していたら、私はこのような問題は起きなかったと思いますよ。そういった意味では、報告しなかったということは、私は、外務省の責任は物すごい大きい、事務次官が決定したというなら事務次官の責任は物すごく大きいと思う。本当にそう思います。もっと聞きたいことがありますが、二十日の集中審議でいろいろお聞きしたいと思います。
 BSE問題をお聞きいたします。
 先ほどから各委員が質問をいたしておりますが、去る二月五日、私たち野党四党が、このBSE対策の不手際により武部農水大臣その任にあらずということで、不信任案を提出いたしました。しかし、残念ながら、与党の数の力でこれは否決されたわけでございます。ただ、与党の中でも、非常に勇気のある、信念に基づいた行動をとった議員が二人いらっしゃいますが、いずれにいたしましても、国会の中では信任されたわけでございます。民主主義のルールに従わなければなりません。
 しかし、私が許せないのは、国会の本会議場の場で信任、いわゆる不信任案を否決、大臣を信任していながら、大臣を認めていながら、その直後に、与党各党の幹部の方々から、信任はしたけれども責任がないわけじゃない、辞任すべしという声が上がっているのですよ。こんなわけのわからないことが起きてしまっている。私は、これほど国会を愚弄して、また国民をばかにした話はないという気がするのですね。辞任すべしというのであれば、なぜ本会議場で不信任案に賛成してくれなかったのか。これまた、小学生でもなしかと思うようなことを、平気で国会では大人がやっておるのですね。このことによって、政治離れは本当に子供のときから起きてしまいますよ、これは。
 ですから、これはよく考えたら、今回に始まったことではない。毎年こんなことが平気で行われているんですね。昨年も、森内閣不信任案が否決された後、森おろしというのが始まった。そういった状況の中で、私たちは、この大臣の不信任案が否決されたことは非常に残念なんですが、これはもうしようがない。ただ、この問題は、国会で承認されたかもしれません。しかし、国民は恐らく承認していませんよ。
 私、連休で地元に帰って、いろいろな畜産関係者や農業関係者に意見をお聞きいたしました。非常にその意見は、悔しい意見がほとんど、あるいは、もうあきらめている意見がほとんどなんですね。ちょっと参考までに例を挙げてみます。
 Aさん、三百五十頭肥育牛所有。不信任案否決はとても悔しい。これが自民党のやり方の最たるものだ。自分たちは何も悪くないのに肩身の狭い思いがしている。
 Bさん、肥育牛三十頭所有。今の政府は本当にいいかげんである。怒りを感じるが、どうしようもない。米、麦では食えないから牛を飼ったが、こんなことになろうとは。
 Cさん、肥育牛四十頭所有。小泉さんには期待していたが、これが今の政府のやり方ですか。自分たちがどんな苦労をして牛を飼っているのか、農水省の職員を半年ぐらい現場に実習に来させるくらいなことをしてほしい。生産農家のことを何もわかっていない。
 Dさん、五十頭所有。外国で狂牛病が発生したとき、日本も危ないと感じたので、自分は余り飼料に頼らず、牧草地をつくるなど、苦労に苦労を重ねてやってきたが、情けない。家内と話をしたが、もう牛を飼うのはやめて、ほかの仕事をしたいと思うが、牛舎などの設備投資の借金があるし、ほかの仕事も今はない。
 Eさん、四百頭所有。体調が悪い。話したくない。政治はわからぬ。どうしていいのかわからぬ。もう帰ってください。
 これはほんの一部です。私の党の各議員も、この連休中、各地域で意見を聞いてもらいました。ほとんどが今のような声です。全く、私は、国会では承認されたといっても、国民は承認していないなというのをつくづく感じました。
 これは、この問題と同時に、先ほどから出ていますように、あれだけの被害、何の罪もない、責任もないのにあれだけの被害を受けていながら、被害を発生させた責任者がどんな責任をとったのかということが何にも明らかにされていないんですね。
 熊澤次官の退任の件もありました。八千九百万、約九千万近い退職金をもらいながら、自然退職なんですね。引責でも何でもない。こんなことが本当にまかり通るのだろうかな。本当に総理、こんなことでいいんですか、お聞かせください。この退職の件。
小泉内閣総理大臣 確かに釈然としない気持ちはあります。今の法令、公務員制度等から考えるとこういう措置になるということでありますが、今後、こういう点も含めて、公務員制度見直しという点も考えていかなきゃならないのではないかと思っております。
横光委員 あなたは、農水省の人事は大臣にお任せしていると言っていましたが、すべての政府の責任者でございます。もし、間違いである、あるいはおかしいことがある、国民から見たら許せない、そういったときに、あなたは指導力を発揮できると思うんです。私は、この退職は、引責退職、責任をとってやめたという形にやり直してほしい。そして、八%という退職金の上乗せ、これをカットしてほしい。お答えください。
武部国務大臣 国民感情から見れば、委員御指摘のことは私もよくわかります。しかし、今回の場合は、農林水産省の人事の大刷新というものを一つの節目に当たりまして行おうとしたものでございます。懲戒処分等は、国家公務員法第八十二条第一項各号に定める法令違反や職務上の義務違反等に該当する確たる事実に基づいて行うものでございまして、通常の法令に従った対応になっているわけでございます。そのことを御理解いただきたい、かように存じます。
横光委員 今のような答弁で、本当に被害に遭った方たちが怒りがおさまると思いますか。せめて責任をとる、あるいは、八%割り増しなんて到底考えられないような状況で受け取っている。今の答弁で国民はさらに怒っていると思いますよ。
 次に、石原大臣にちょっとお尋ねいたします。公務員制度改革についてでございます。
 公務員制度改革というならば、先ほど私申しましたような、外務省あるいは霞が関全体に根深く貫かれております特権的キャリア制度にメスを入れて天下りを禁止する、このことこそが国民の声だと思うんですよ。しかし、政府・自民党は、特権的キャリア制度を一層強化して、天下りを自由化する公務員制度改革を閣議決定して、お手盛りの改革を強行しているわけでございます。
 そこで大臣にお聞きしたいのですが、昨年六月のILO総会において、政府は、職員団体と誠実に交渉、協議すると約束しております。これはいわば国際公約ですね。しかし、公務員制度の制度設計を担当する大臣は、労働基本権問題の取り扱いについての結論が出た際、そしてまたその後に、責任者であるにもかかわらず、この職員団体と一度でも交渉、協議をされましたか。出た後、一度でも協議をされたかどうか、それだけお聞かせください。したかしなかったかだけでいいです。
石原国務大臣 ただいま御指摘の点でございますが、事務局をして事務局長が先方に面会を申し込んだところ、先方が拒否いたしました。
横光委員 医療改革も大変な状況になっております。この質問、またしたいと思いますが、本当に抜本改革もなく、まだまだ国民、患者だけに負担を押しつける。そしてまた、失業者、失業率の増大によって、これから来春卒業する高校生の就職内定率も過去最悪になっております。これから社会に飛び立とうとする若者に仕事の場を与えることができないような事態にまで立ち入っている。そしてまた、この失業の波は、今、障害者の方々の就職率もこの半年非常に減少し続けているんですね。そしてまた、母子、寡婦の方々にとっては命綱とも言える児童扶養手当が削減されようとしている。いわゆる高校生や患者や、そしてまた障害者や母子家庭の方、社会的に弱い立場の人たちに非常に今痛みが広がり始めております。
 総理には、こういった人たちの痛み、悲鳴というものが聞こえないんでしょうか。総理の言う改革というのは、あくまでも競争原理の徹底であり、弱者切り捨て以外の何物でもない、私はこのように思います。
 これらの問題につきましては、また次回質問いたします。ありがとうございました。
津島委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申し出があります。横光君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。
辻元委員 社会民主党、社民党の辻元清美です。
 さて、今週の日曜日にはブッシュ大統領も来日されますので、私は、外交と外務省改革を中心に質問させていただきたいと思います。
 といいますのも、やはり私は、経済の活性化のためにも、日本は外交力が必要だと思います。経済はグローバリゼーションでグローバル化しています。安全保障の問題も、それから環境問題の解決も、外交力なくしてこれからはやっていけないという時代に入っています。
 昨日、イスタンブールで、イスラム諸国会議機構と欧州連合共同フォーラムが開かれたこと、総理も御存じだと思います。やはり、ここでも議題になりましたのが、いわゆるブッシュ大統領の先日行われました一般教書演説でした。
 そこで、ブッシュ大統領も来日されますので、まず総理に、ブッシュ大統領が、特にこの一般教書演説の中で、イラン、イラク、北朝鮮の三カ国を悪の枢軸と名指しで非難した。小泉総理は、ブッシュ大統領が名指しで非難するこの意見に賛成でしょうか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 それはブッシュ大統領の考えでありますから、テロを撲滅しよう、大量破壊兵器等拡散を許さないという、すごい決意のあらわれだと私は思っております。
辻元委員 さて、ここで、悪の枢軸と言っているんですけれども、これは過去に、歴史的に同じようにアメリカが名指しした三国があるわけですね。これは英語で言いますとアクシス・オブ・イーブル、悪の権化として枢軸国と過去にアメリカが呼んだ三つの国というのはどこですか。御存じですか。総理。
小泉内閣総理大臣 日独伊枢軸とか、日本にとっては余り芳しくない言葉も歴史上ありましたね。それを想定して言っているとは思いませんけれども、アクシス・オブ・イーブルというのは、テロに対していろいろな問題がある国ということで言っているんだと思いますし、これは、それぞれの国においていろいろな考えがあると思っております。
辻元委員 ところが、この後ブッシュ大統領は、こう続いてくるわけですね。これらの国々は悪の枢軸で、ここから後です、世界平和を脅かし、テロリストに武器を与える、無関心でいれば破壊的な結果を招く、我々は同盟国と連携すると発言しているわけです。
 さて、日本は、まあ小泉総理もキャッチボールする仲で、同盟国の中でもブッシュ大統領と非常に親しい方の一人だと思いますが、このアメリカの発言に対して、日本は、今人ごとのような発言をされましたよ。それはブッシュさんの意見でしょう、そんなのんきなことでいいんですか。日曜日に来るんですよ。同盟国として、この発言、同盟国と連携する、無関心でいけば破壊的な結果を招くとブッシュ大統領は言っています。そして、USAツデーにも、イラク攻撃で周辺国説得へというようなニュースもアメリカで出ていますよ。
 同盟国として協力してくれと言われたら、どうされますか。
小泉内閣総理大臣 それは、イラクに対してもイランに対しても北朝鮮に対しても、話し合いの場は閉ざしていないんですから、その辺はよく会談の中でいろいろな意見交換をして、日本とアメリカというのは強い同盟関係で結ばれている、ともにテロ撲滅のために今後も闘っていこうということに変わりないんですから、いろいろな意見を聞いてみたいと思っております。
辻元委員 さて、こういう中で、例えばフランスのジョスパン首相、それからプーチン大統領も先日、かなりこのブッシュ大統領に対して、特にこの悪の枢軸国発言に対して批判的な発言をしました。きのうのこのヨーロッパとイスラム社会の共同フォーラムでも批判が続出しています。各国の首脳ははっきり発言しているわけです。
 これはある意味で、アメリカの暴走を牽制するという意味で、G8に出席している国の大半、要するにブッシュ大統領と小泉総理を除いては、こういう善悪二元対立の発想での世界的な戦略はおかしいんじゃないかというような批判的な発言をはっきりしているわけですよ。私、そういうことが外交だと思いますよ。
 いや、来たら話し合えばいいとかじゃなくて、あらゆる場面で牽制するところは牽制する。しっかりメッセージを伝える。そうじゃないですか。他の国の首脳は、もうきちっとこれについては御自身の意見を述べていらっしゃる。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 日本は日本として、率直に日米友好関係を強化していく中で話し合いをしたいと思っております。
辻元委員 さて、その中で、今の、総理、ちょっと私、情けないと思いました。やはり、日本は先進国と言われているところの一国の総理です。きちっと自分の外交の理念を持ってしゃべってほしいと思います。
 さて、そこで、特にこの中のイランとの関係で、ハタミ大統領が、イランの大統領ですね、文明の対話ということを国連総会で発言されましたね。総理はこれについてはどういう評価ですか。
小泉内閣総理大臣 イランにつきましては、先日外務大臣もお見えになりましたし、今後とも日本と協力関係を維持していこう、またイランの進めている改革を支援していく、そしてイランがアメリカ等に持たれている疑念を払拭してほしいというお話し合いをこれからもしていきたいと思います。
辻元委員 今の総理の御答弁の、イランが国際社会に持たれている疑念の払拭とおっしゃいました。どういう疑念ですか。御自身の言葉でお答えください。
小泉内閣総理大臣 テロに対してのいろいろな問題があります。ここでどういう疑惑があるかと、イランの立場もあります、ここで表明するのは差し控えたいと思いますが、イランにはイランの考えがあるでしょうし、日本としても、日本としてアメリカとは違ったイランに対する対応の仕方があると思っています。
辻元委員 今総理が、国際的な疑念を払拭するようにイランにも言う、そして、この間イランの外務大臣が来られたときの、これは外務省の見解も出ております。総理もお会いになりました。そこにきちっと書いてあります。ですから、中身をしゃべってくださいと申し上げたんです。総理は、外交の問題になると物すごく空虚なんですよ。相手とお話しします、それをバージョンを変えて言っているだけですよ。先ほど申し上げましたように、これからは経済の活性化も外交力ですよ。それは、きちっと自分の主張をするということです。
 そこで、総理、お伺いします――そんな、ちょっとあなた、総理に伺っているんですから、ちょこちょこ行かんといてください。
 私は、これはちゃんと総理と議論したいと思っています。ブッシュ大統領が見えるし、大事なポイントですよ。
 先日のダボス会議、竹中さんも行かれましたけれども、あそこでも、アメリカの国務省のスタッフとイランの外務政務次官が物すごい論争になっていて、これは国際社会みんなニュースとして回っているはずなんです。ですから、日本がどういう発言をブッシュ大統領とするのかというのは、日本がイスラム社会とどうつき合うのか、ヨーロッパとどうつき合うのか、全部関係してくるんですよ。ですから、ブッシュ大統領にお会いになる前に幾つか確認しておこうということです。
 さて、そこで、ブッシュ大統領は、この教書の中でイランのことをこう言っているわけです。テロを輸出し、選挙で選ばれていない者が人々の自由を抑圧している国だ。総理は、この意見にはまさか同意されないでしょうね。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 日本としては、イランの改革を推し進めていくというその姿勢に支援をしていく、イランとも友好関係を保っていきたいということでありまして、今、あの人がこう言った、この人がこう言ったと日本の首相としてとやかく言うつもりはございません。
辻元委員 そうしましたら、さっきそういう意見をおっしゃればいいわけですよ、ブッシュ大統領の一般教書演説についてどう思うかと。いや、それぞれの立場があるでしょうと。特にイランは石油の依存度も高い国ですよ。これを悪の枢軸国と呼んでいるわけですよ。同盟国とも連携すると言っているわけですよ。
 ですから、外交というのは、私は今までは東西の冷戦で非常に二元的な外交だったと思います。しかし、これからは非常に多元的なチャンネルを持っていくということがとても大事だと思っているわけです。
 その中で、やはり小泉さんはどうもアメリカに引きずられているなという印象をずっと持っています。かつ、外交のプロだけがやってきたという時代ももう終わりました。経済界の人たちは経済界の人たちで外交しています。ダボスにもたくさん行っていますよ。NGOも出てきました。ですから、私は、日本の外交力をつけていくという点においては、今の総理の御答弁では満足ではないです。やはり理念が感じられない。
 そこで、私は、外務省の改革という話に続けていきたいと思うんですけれども、外交力をつけていくためには、外務省の改革は必要だと思います。この外務省の改革の中でも、特に、先ほどからも議題に出ていますが、一部議員が族議員として官僚などに圧力をかけて外交をゆがめるというようなことはあってはならぬという話は、きょうの一つの予算委員会のポイントだと思うんですね。ですから、これも一、二点、私は総理に伺いたいと思います。
 先ほどから、もう解決されたというようなトーンの御発言が多いのですけれども、私はそうではないと思うんです。それは、今回の言った言わぬという話よりも、日本の外交力をつけていくための最低の条件がやはり今回のきっちりした解決ですよ。世論調査だと、九〇%の国民は決着していないと答えています。そこで、総理、国民はどういう点が納得できぬ、決着していないと思うと言っていると総理は理解されていますか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 NGOに対して田中前大臣が適切な参加の判断をした、それなのにやめさせたのはいかがかということに対して釈然としないという気持ちがあるんでしょう。
 しかし、私としては、この問題が政府全体の問題になり、補正予算を成立するということに対して、国会がなかなか正常化しない、この問題全体を打開しなければならないな、将来の外交政策を推進するにおいても、一日も早くこの予算を成立させて、審議を正常にのせていくのが必要だなということで決断したわけであります。
辻元委員 第二次補正予算の審議がありました。そこで問題が発覚しました。そして今、予算委員会の審議をしています。ここに例えば田中大臣が座っていらっしゃっていろいろなことをまた答弁するかもしれない。その前に、そういう事態を招きたくないから――総理の今の御答弁を私は訳しているわけです。ですから、田中さんもやめてもらおうか、そういうことじゃないですか。そんなこと納得できませんよ。
 私は、もっとこの問題は根が深いと思います。今の総理の御答弁は非常に表面的、上っ面やと思うんです。今回の問題の構図は、よく聞いてください、単に外務省の問題だけではないと思います。要するに、例えば、公共事業の箇所づけなどでは、道路族と国土交通省の癒着とか言われていますね。先ほどから出ていますBSEの問題、いわゆる狂牛病の問題などでは、農水族と農林水産省との癒着と言われています。あらゆるところに族議員と官僚の癒着の構図があって、それが税金を食い物にしてここまで財政赤字をつくってきた温床になっている、ほかの問題でも当てはまる構図やないかと。そこにうさん臭さを国民が感じ取っているんだと思います。ですから、納得いくまで解明してくれと。私は、かなりそこまで踏み込んで考える問題だと思っています。
 ですから、この問題での一番のポイントは、一番国民が知りたいのは、この癒着の構図につながるポイントである鈴木宗男議員が外務省に政治的な圧力をかけたのかどうかという点でしょう。宗男疑惑とちまたでは呼ばれているんですよ、先ほどからもODAの話もありましたが。さらに小泉政権の説明責任と体質が問われると思うんです。
 さて、そこで政府見解、これにも触れざるを得ないんですけれども、アフガン支援国会議へのNGOの参加決定に当たり特定議員の主張に従ったことはないという政府見解を言い張っています。しかし、この当事者の一人の田中前大臣は、私がうそを言っているということかと激しく反発しているじゃないですか、総理。
 総理にお聞きします。この田中さんの反発について、あなたはどう思われますか。総理です。
小泉内閣総理大臣 これは、政府見解も田中前大臣は了解されているんですよ。了解されているんですよ。国会で答弁しているんですよ。
辻元委員 いつ了解されたんですか。いつですか。いつ、どこで、だれが了解を取りつけたんですか。
福田国務大臣 一月二十八日の夜ですけれども、この政府見解をつくる前の段階で原案というのがありまして、その原案について私が田中大臣とお話をして、それで了解をとりました。そして、その後、関係者との調整の結果、若干変更いたしました。その変更した分についても大臣の了解をとっております。
辻元委員 あなたが変更する前のペーパーとその後のペーパーを私はここに持っています。これは二つは非常に意味が違うんです。一方は田中外務大臣の言い分を認める趣旨になっていて、一方は認めないわけですよ。小泉総理は、それはその後のものでしょう。注釈が入っていないものですよ。全然支離滅裂なんですよ。
 川口新大臣が透明性とおっしゃいました。私は再調査が必要だと思っています。特に、川口大臣は昨日、田中外務大臣と引き継ぎをしたいと連絡をされた。それは、形式的なことというよりも、実務的な、きちっと引き継ぎをしたいという御趣旨だと思うんです。
 そこで、川口大臣にお聞きしたいと思いますが、この引き継ぎをされるときに、田中前外務大臣は、私がうそをついていることなのかと、テレビでも放映されていましたね。そうおっしゃっているわけですから、そこの言い分をよくお聞きになってから、そして疑惑があればきっちり解明してから引き継ぎされた方がいいんじゃないですか。田中外務大臣にお会いになるとき、あなたはその点について触れられますか、いかがですか。
川口国務大臣 田中大臣との間でどのような引き継ぎの内容があるかというのは伺ってみないとわかりませんけれども、いずれにしても、それは二人の閣僚の間の引き継ぎでございますので、外に公表するというようなことはございませんし、それを伺って、私はそれなりに自分の仕事につなげたいというふうに考えております。
辻元委員 非常にお行儀のいい官僚答弁やと思います。
 川口大臣が透明性とおっしゃった。しかし、この二日間ここで御答弁されていることは、川口大臣はもう調査しないということをはっきりおっしゃったんですね。その姿自身が不透明性をもう既に外務省に持ち込んでいるわけですよ、就任早々に。そこにお気づきになるべきですよ、あなたは。
 私は、そこでお聞きしたいんですけれども、この鈴木議員の関与についてです。
 昨日もこの話が出ましたね。今回もあの調査、外務省が出された調査を見ますと、十九日に重家局長が大西代表に電話したことになっています。このときに、大西さんたちはほかのプラットフォームの評議会メンバーとちょうど緒方貞子議長と会談するところだったんです。その場にすぐ評議会のほかのメンバーの方もいらっしゃったので、こういうことを言っています。今重家局長から電話で、お上は信用できないと私が新聞で言ったことで鈴木議員が大西を会議に出すなと怒っている、謝ってほしいと言うのだがどうしましょうと相談しているわけですよ。この後、直後に吉川国連大使も同席して、緒方議長と会談しているわけです。
 問題の記事は、この前日の十八日の朝に出ています。にもかかわらず、この会談は重家局長がセットしているわけです。予定どおり行われているわけです。普通、前日の朝の朝刊が問題になって、これらのNGOの参加が問題だったら、この会談も実現していないと思いますよ、緒方議長に会う。十九日の緒方さんとの会談は、参加を前提にした行為ですね、普通。記事が出てからも一方で支援して、十九日の夕刻に突然拒否になっているんです。
 この間に一体何があったのか。この問題の十九日の昼に鈴木宗男議員がロシアから帰国したんですよ。そして事態が変わっているんです。
 川口大臣、もう一回調査されたらどうですか。いかがですか。
川口国務大臣 NGOの排除問題については官邸が調べてくださったということでございます。
 私は、総理の御指示をきちっと踏まえて改革に取り組みたいと思っております。
辻元委員 また優等生の御答弁ですね。また不透明性を一つ持ち込みましたよ、外務省に。
 さて、そこで官房長に聞きます。鈴木議員の外務省への影響力の問題です、昨日も出ましたが。
 外務省内でラスプーチンというあだ名で呼ばれている人はいますか、官房長。
小町政府参考人 ちょっと、そういう名前の外務省員については承知しておりません。
辻元委員 先ほどお聞きした別の外務省の方ははっきりお名前を答えられましたね。これが、きのうから問題になっている、要するに鈴木宗男議員の事務所や私邸にべったり入り浸っていると言われている外務官僚の佐藤優主任分析官のことですよ。この主任分析官というのは、ポストは一つしかないそうですね。これも鈴木宗男議員がねじ込んだと言われています。
 さて、きのうも議題になりましたが、鈴木宗男議員は、橋本政権以降三十七回外国訪問しているんですね。そのうち、この佐藤主任分析官という外務官僚が同行したのは約半分ぐらいとおっしゃいましたが、正確にお答えください、何回ですか。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 佐藤主任分析官につきましては、昨日、私が鈴木議員の外遊の半分に同行したと答弁いたしましたけれども、同行は十九回です。
 その中には北方四島への出張が四回入っております。これは国内出張扱いでございますけれども。それから、小渕総理及び森総理が外遊された際に鈴木議員と同主任分析官が同行した三回、計七回が含まれておりますので、この七回は、そういう意味では外遊ということにはならないかもしれません。
辻元委員 そのうち十七回がロシア訪問で、この十七回は全部、この外務省の佐藤さんと一緒に行ってはるわけです。
 そこで、いろいろ計算しますと、あの方は、総理の特使とかされていましたので、そういう政府側の公務を抜きましても、衆議院議員という肩書での訪問も、佐藤さんと、この外務官僚と十回一緒に行っているわけです。
 これらの費用はすべてだれが出しましたか。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 鈴木議員に同行した際の佐藤主任分析官の出張はすべて公務でございます。それは、昨日も申し上げましたように、種々の公式行事に際しての通訳等を行ったわけでございます。したがいまして、佐藤主任分析官の外国出張経費は、基本的に外務省予算から支出しております。
辻元委員 ここにリストがあって、総理、ごらんになりますか。先ほどから問題になっている北方四島友好の家、何か、鈴木宗男さんありがとうみたいなあの家、目録贈呈、支援物資供与とか。ごらんになったらどうですか、ちょっと。――公務ですか、鈴木さんも公務ということですか、その理解ですか。公務で行ってもらったわけですか、外務省から。いかがですか。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘の北方四島への御出張につきましては、当時官房副長官として、友好の家目録贈呈及び支援物資の供与、そういった公の目的で出張されたというふうに理解しております。
辻元委員 ですから、外務省が頼んで行ってもろうたんですかと聞いているんです。どうですか、官房長。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、官房副長官という職におられました……(辻元委員「ですから、衆議院議員として行っているときです」と呼ぶ)衆議院議員として行かれたときも、公の行事、例えば友好の家完成式典出席、支援物資供与といった公の目的で行っておられます。
辻元委員 外務省から行ってもらったんですかとお聞きしているんです。答えられないんですよ。怪しいな。外務省から頼んでもらって行ったんですか。もうそのリストは今総理に渡して、私も持っているんですよ、どういうところに行っているか。
津島委員長 小町官房長、はっきり答えてください。
辻元委員 ちょっとお聞きしたいんですけれども、私は、もうあなたの答弁は結構ですよ。結構です。
 私、総理、総理にお聞きします。改革、改革言ってはるけれども、私は、先ほどからこの鈴木宗男議員と外務省の癒着の問題、これだけ議論になって、総理を初め閣僚の皆さんにぜひ、全員にお聞きします。これで真相は究明されたと皆さん思っていらっしゃいますか。正直にお答えください。もうちょっと真相を究明しないと、国民は納得せえへんし、政治不信も高くなってくるし、もうちょっと真相を究明した方がいいん違うかという方は挙手してください。――だれもいないんですか。
津島委員長 小泉総理大臣。(辻元委員「だれもいないんですか」と呼ぶ)答弁、指名しましたから。
小泉内閣総理大臣 二十日にやるんでしょう、集中審議。真相を解明するなんて、私は阻止しませんよ。どんどんやってもらえばいいじゃないですか。要は、勝手に決めつけないでください。
 それで、官房長が質問に答えたいと手を挙げているんだから。(辻元委員「答えなかった。委員長、委員長」と呼ぶ)
津島委員長 官房長を指名いたします。答弁してください、さっきの質問に対して。小町君。(辻元委員「答弁、鈴木さんに頼んだのか、頼んでないのか、一言ですよ」と呼ぶ)答弁しなさい。
小町政府参考人 先ほど申し上げましたように、公の目的に出張していただいておりますので、外務省からお願いしております。
辻元委員 こんなにお願いしているんですか。びっくりしましたね。
 先ほどの中身が、ムネオハウスでしたか、これ、癒着というん違いますか。今真相究明とおっしゃいましたけれども、鈴木宗男さんを、ここに筆頭理事いらっしゃいますけれども、二十日、出してくださいよ。田中眞紀子前外務大臣やNGOの大西さんだって出るとおっしゃっているわけです。いつも……(発言する者あり)私が言わなくても言ってくれていますけれども。出してくださいよ。
 公明党というのは疑惑解明の党じゃなかったんでしょうかね。どうなんですか。
 私は、委員長に申し上げたいですよ。ここで言っても――そうですか。では、出すのに賛成ですか、坂口さん、いかがですか。
津島委員長 辻元委員に申し上げます。
 今、理事会で協議中の問題でございます。
坂口国務大臣 それは理事会で今議論をしていただいているでしょう。一大臣の私が言うことじゃありません。
辻元委員 それが今までの政治的決着のお家芸なんですよ。そういう政治のやり方が嫌だからいうて、小泉さんは一回期待されたんですよ、あなたが。
 私は、委員長に申し上げたいと思います。一番心配しているのは、これで政治不信が高まることなんですよ。中学生が投書したりしているんですよ、政治が信じられなくなったとか、いろいろ。
 アフガニスタンの復興会議から排除された問題で、中学三年生です。「学校で「奇麗な」政治をならったばかりの者にとって、そもそも国会議員や官僚のだれかが平気でうそをついていることが信じられない。でも、それが「普通のこと」のようになっている政治。私たちはいったい何を学んでいるのだろうか。何だか悲しい。」と言っています。
 強行採決であるならば、委員長職権でこの間されたわけです。私は、委員長の御見識に期待して、きょうは質問を終わります。
津島委員長 これにて横光君、辻元君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。
 次回は、明十四日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時一分散会


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