衆議院

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第14号 平成14年2月20日(水曜日)

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平成十四年二月二十日(水曜日)
    午前八時五十分開議
 出席委員
   委員長 津島 雄二君
   理事 伊藤 公介君 理事 木村 義雄君
   理事 北村 直人君 理事 小林 興起君
   理事 藤井 孝男君 理事 城島 正光君
   理事 原口 一博君 理事 松本 剛明君
   理事 井上 義久君
      浅野 勝人君    伊藤信太郎君
      伊吹 文明君    石川 要三君
      衛藤征士郎君    小渕 優子君
      大原 一三君    岡下 信子君
      奥野 誠亮君    梶山 弘志君
      金子 恭之君    亀井 善之君
      倉田 雅年君    栗原 博久君
      小坂 憲次君    小島 敏男君
      近藤 基彦君    左藤  章君
      佐藤 剛男君    阪上 善秀君
      新藤 義孝君    高木  毅君
      竹下  亘君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    野田 聖子君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      原田 義昭君    菱田 嘉明君
      細田 博之君    松島みどり君
      松宮  勲君    三塚  博君
      宮澤 洋一君    宮本 一三君
      持永 和見君    八代 英太君
      五十嵐文彦君    池田 元久君
      岩國 哲人君    大石 尚子君
      河村たかし君    筒井 信隆君
      中沢 健次君    長妻  昭君
      野田 佳彦君    牧野 聖修君
      松野 頼久君    青山 二三君
      赤松 正雄君    上田  勇君
      東  祥三君    達増 拓也君
      中井  洽君    中塚 一宏君
      赤嶺 政賢君    佐々木憲昭君
      中林よし子君    辻元 清美君
      保坂 展人君    横光 克彦君
      井上 喜一君    小池百合子君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   外務大臣         川口 順子君
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   外務副大臣        植竹 繁雄君
   外務副大臣        杉浦 正健君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   外務大臣政務官      今村 雅弘君
   外務大臣政務官      松浪健四郎君
   外務大臣政務官      水野 賢一君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    津野  修君
   会計検査院長       金子  晃君
   会計検査院事務総局第一局
   長            石野 秀世君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   小町 恭士君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            重家 俊範君
   政府参考人   
   (外務省経済協力局長)  西田 恒夫君
   政府参考人
   (外務省経済協力局無償資
   金協力課長)       小原 雅博君
   参考人          田中眞紀子君
   参考人          鈴木 宗男君
   参考人
   (外務事務次官)     竹内 行夫君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十日
 辞任         補欠選任
  大原 一三君     小渕 優子君
  奥野 誠亮君     阪上 善秀君
  亀井 善之君     金子 恭之君
  栗原 博久君     松島みどり君
  小坂 憲次君     浅野 勝人君
  小島 敏男君     倉田 雅年君
  高鳥  修君     岡下 信子君
  丹羽 雄哉君     新藤 義孝君
  葉梨 信行君     左藤  章君
  萩野 浩基君     伊藤信太郎君
  持永 和見君     宮澤 洋一君
  八代 英太君     近藤 基彦君
  赤松 広隆君     牧野 聖修君
  枝野 幸男君     長妻  昭君
  赤松 正雄君     上田  勇君
  達増 拓也君     東  祥三君
  山口 富男君     中林よし子君
  辻元 清美君     保坂 展人君
  井上 喜一君     小池百合子君
同日
 辞任         補欠選任
  浅野 勝人君     梶山 弘志君
  伊藤信太郎君     萩野 浩基君
  小渕 優子君     高木  毅君
  岡下 信子君     菱田 嘉明君
  金子 恭之君     佐藤 剛男君
  倉田 雅年君     小島 敏男君
  近藤 基彦君     八代 英太君
  左藤  章君     葉梨 信行君
  阪上 善秀君     奥野 誠亮君
  新藤 義孝君     丹羽 雄哉君
  松島みどり君     松宮  勲君
  宮澤 洋一君     持永 和見君
  長妻  昭君     枝野 幸男君
  牧野 聖修君     大石 尚子君
  上田  勇君     赤松 正雄君
  東  祥三君     達増 拓也君
  中林よし子君     赤嶺 政賢君
  保坂 展人君     辻元 清美君
  小池百合子君     井上 喜一君
同日
 辞任         補欠選任
  梶山 弘志君     竹下  亘君
  佐藤 剛男君     原田 義昭君
  高木  毅君     大原 一三君
  菱田 嘉明君     高鳥  修君
  松宮  勲君     栗原 博久君
  大石 尚子君     赤松 広隆君
  赤嶺 政賢君     山口 富男君
同日
 辞任         補欠選任
  竹下  亘君     小坂 憲次君
  原田 義昭君     亀井 善之君
同日
 理事枝野幸男君同日理事辞任につき、その補欠として松本剛明君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 公聴会開会承認要求に関する件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成十四年度一般会計予算
 平成十四年度特別会計予算
 平成十四年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――
津島委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事枝野幸男君から、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に松本剛明君を指名いたします。
     ――――◇―――――
津島委員長 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算、平成十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 本日の午前は、外務省関係予算に関し、特にNGO問題についての集中審議を行います。
 これより参考人田中眞紀子君に対して質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浅野勝人君。
浅野委員 自民党を代表して質問をさせていただきます。
 一連の問題に対する世の中の人たちの思いを代弁して、率直に伺います。端的なお答えをお願いをしておきます。
 田中議員は、外務大臣をおやめになってからも人気は一向に衰えていません。高い眞紀子人気はなぜか、御自分ではどうお考えになっておりますか。
田中参考人 高い支持率があるかどうか、私には自覚は余りできておりませんけれども、あえて申し上げるとすれば、私の政治信条は、議員になりましてから約九年になります、その中で、私は、主権在民、私たちは国民の皆様の目線で、どういうニーズが生活者の視点であるのかということを決して忘れてはいけないと思っておりますし、それから、やはり私たち国民、私たちみんなの幸せと、それから邦家の進展、そして世界の平和のためにどのようなことをするべきかという視点でいつも物を考えていることが少しは理解していただいているのかというふうに思います。
浅野委員 私も、田中大臣が外務省職員の不正を厳しくただし、政治生命をかけて役所の改革と取り組もうとしたその姿勢が人々の共感を呼んだんだと思っています。
 実は、私は、スロバキアという中部ヨーロッパの小さな国の友好議員連盟をつくって会長をしております。九年前にチェコから分離独立したこの小さな国が、日本大使館を置いてほしいという長い間の要請がありました。やっとその思いがかなって、一月二十二日に首都のブラチスラバに日本大使館が開館されました。
 ところが、人事の大臣決裁がおくれて、大使館の開館に初代の大使が間に合わなかったんです。外務省の事務当局は、去年の秋のうちに人選を終えています。田中大臣にとっては記憶にもないくらいのささいなことだったと思いますけれども、小さな国が経済大国の日本から軽く扱われたと思っている節があって残念でなりません。
 これは、外交が正常に機能していなかった小さな例にすぎませんけれども、一事が万事ということもございます。田中大臣が外務省の職員の不正と取り組むその姿勢が高く評価されている一方で、外交活動を空白にさせたという批判があります。的外れの批判ですか。
田中参考人 いろいろな見方があるというふうに存じますけれども、私は、決して外交を空白あるいは空転させたという思いはございませんで、もし、私が昨年四月二十六日に着任したときに、この一連の不祥事が完全にいわゆる松尾事件で終了して、本当にふたが閉められてしまったと私は思っておりましたけれども、あれで完結しているのであれば、私は今までどおり、諸先輩がなさっていたように、外交だけに専念ができたと思っています。
 しかし、松尾事件で終わったはずであったことが、数千万円だと言っていたことが、少なくとも一番最後のプール金の問題までで十億円を超す公金横領ですとか、不祥事が、私になりましてからも七つぐらいの事件が出ていることは委員も御案内のとおりでございます。そして、私は、普通の、本来の外交をやりながら、そうした問題にも対応せざるを得ない特殊な立場にいた外務大臣であったということをまず御理解をいただきたく存じます。
 したがって、今御指摘の国の大使のことですけれども、いつも、大臣が判こを押さないとか、そういうことがしょっちゅう喧伝されておりました。ですけれども、それは御迷惑をおかけしていますけれども、根本に人事というものが、私は常にお金と人事というものが、民間の企業もそうでしょうけれども、官庁には大変重要なファクターであるというふうに思っておりまして、その二つのルールがめちゃめちゃに運用されていたということ。
 そして、何度も外務省改革のことを申し上げ、大綱もでき上がりましたけれども、事務当局がそれを完全に無視をして、毎月人事を、たくさんのときもありますし、少しのときもあります。その中で、これからの質疑で出てくるのかと思いますけれども、もう議員と癒着をしていると。もう外務省の方々、私が着任したその日から出ているんです。驚愕しました。そうした中で、三年のルールということを、私たちが副大臣や政務官と一緒に、民間の方の知恵もかりながら築くのに大変骨を折りました。その方は今も六年十カ月、同じ場所にいます。松尾事件の教訓は何だったんですか。浅川事件は何だったんですか。したがいまして、勝手に、たくさんの中に、動かすべき人を動かさないで、そしてその逆もあったということ。
 ですから、私は、全部は、細かいことは国務大臣はやっている時間がありません。たくさんの法案をつくったり、委員会で答弁をしたり、二国間会談があったり、電話会談があったり、あるいは国際会議、十三もこなさせていただきました。条約も通しましたし、テロ特措法の審議もございました。そうした中で、限られた時間の中で、体力の中で、そうしたものが突然出てきましても、その中に、私は何度か怪しいという言葉を使いましたけれども、そういうものがいつも紛れ込んでいる。入れるべき人を入れない、逆に言うと。そういうことがあったということを申し上げたいと思います。
浅野委員 今、参考人が触れられた、特定のNGOをアフガン支援国会議から排除しようとした問題についてですが、外務大臣の折、田中参考人は、一月二十一日午前十一時四十五分、高輪プリンスホテルから野上当時の次官に電話をして、このNGOを最終日の閉会セッションには出席させるようにという指示をなさいましたですね。
 その折に、予算委員会のあなたの答弁によりますと、野上次官は、鈴木さんは、鈴木宗男議員のことですけれども、鈴木さんは難しい人だ、それに前からの経緯もある、鈴木さんの言うことを聞かないわけにはいかないので、これは絶対に出席させられないと言ったとありますが、間違いありませんか。端的にお答えください。
田中参考人 間違いございません。
浅野委員 あなたは、野上次官の言ったことを、これは大変なことだと思って、民主党の菅直人幹事長からの申し入れ書に「私がもうだあっと走り書きでいいからと思って書きました。」と述べて、予算委員会でその証拠の紙を見せておいでですが、この答弁も間違いありませんか。
田中参考人 間違いございませんが、多分委員はこの紙のことをおっしゃっていると思いますが、時系列が、この菅先生からの申し入れがあって、お会いしたのが一時四十分で、その前の時間の段階で重家局長及び野上次官と話をしているのでこれはあり得ないということが言われましたので、そのことをお確かめであれば、私は、本会議が始まる前に、バッグからこの紙を菅先生からいただいた後出しました。ほかにメモ帳を持っておりませんでした、この日は陛下が御臨席の開会式等もございましたし。
 この当日の予定表、これは役所がつくったものですが、大変複雑な、大変過密なスケジュールでございまして、七時二十分に朝家を出ましてから、夜までずっとスケジュールがございました。その間でしたので、私は、バッグから、この紙は本当は重要な紙だから書いていいんだろうかと一瞬思いました。ですけれども、記憶が間違えないうちに即メモを書いておくために、大事な紙であってもそれを取り出して書くということは人間あるのではないでしょうか。
浅野委員 今お答えいただいたことを私は確かめておきたいと思ったんですね。
 午前十一時四十五分に電話をなさった。衆議院本会議わきの廊下で菅幹事長から申し入れ書を受け取ったのは、おっしゃるように午後一時四十分なんですね。そうしますと、午後受け取った紙に午前中の電話のやりとりを走り書きはできないのではないかということを思ったわけですね。
 通常は、通常は、電話をもらったときに、覚えておこうと思ったら走り書きはするでしょうから、午後受け取った紙に午前中に書くというのは妙な話だなと思ってただしました。この日は、おっしゃるように、朝早くから夜遅くまで大臣のスケジュールが立て込んでおいででしたから、何か時間の勘違いでもあったのかなと、そういう思いがあって伺いました。
 これは、あなたの答弁を記録した予算委員会の議事録に基づいて予見を交えずにありのまま申し上げたんですが、今のお話で、午前中の話を午後受け取った紙にその後時間の合間を見て走り書きをしたということが、伺って、ああそういうこともあるんだなというふうに存じました。
 それから、一月二十四日の朝、予算委員会が始まる前、国会連絡室で答弁の打ち合わせをしていた席で、例の特定のNGOと鈴木宗男議員との関連について、あなたは予算委員会で、野上次官が具体的に名前をおっしゃって認めておられましたと述べておいでです。ところが、同席していた外務省の職員、幹部ですね、八人が、総理官邸の詳細な事情聴取で、そういうことがあったと答えた人はいないそうなんです。
 この同じ席であなたは、鈴木議員と会ったのではないかとか、鈴木議員から電話は来なかったかなどと出席者に聞いていらっしゃいますので、混同したんじゃないでしょうか。
田中参考人 重要なポイントでございますのでちょっと明確にお答えをさせていただきますが、先ほどのまず二十一日の件でございますけれども、これは私は、NGOが排除されたということは、前の二十日の日にレセプションがございまして、パウエル長官とバイの会談をやって、レセプションがあって私がスピーチいたしました。その帰りに、ホテルの玄関にずっと並んでいたカメラの放列の中から、一部のNGOが排除されたことを知っていますかというお尋ねがありまして、そのときに、私は知りません、後ろにいた秘書官にも知っていますかと聞きましたら、全然知りませんと言われましたので、そこで何かと思いました。
 それから、その後私はずっとそのことが気になっておりまして、そして、先ほどお見せした忙しい日にちの中で、最初に八時十五分に重家局長に、この日は臨時閣議がございました、朝八時から、そして、車の中で重家さんにまずかけています。確認をいたしました、排除なんかあったのかと。そこで本人は認めています。そして、このことは次官が知っているのかと、どういうことなのかと手短に聞きました。そのときに、議員の名前、出ております。そして、その後が、野上さんには今度バイの会談をやった後に、ホテルですね、ホテルの中からおかけしています。それから、ここの外の、お手洗いのところだと思いますけれども、そこでもおかけしておりまして、その中で先ほど委員がおっしゃったようなことがありました。
 それで、私は、総理にはこのことを、お心を煩わせてはいけないと思ったのでこれは申し上げずにおきたいと、自分でいつも外務省のことは対処するようにおっしゃっておられましたので、できるだけお心は煩わせずにと思いましたけれども、菅幹事長が面会を申し込んでおられるということを衆議院本会議が二時から始まる前に秘書官から聞きましたので、これはもうただごとではなくなるので、総理にお話をしなければいけないと思いました。それで、総理にももちろん事前に申し上げました。それから、出てきて、廊下で菅幹事長にお目にかかっているわけですけれども。
 ですから、先ほどの時系列の問題、その途中で私が、秘書官とか警護官もいました、何時にかけたかしら、あれはどう言ったかしらと確認しながら書いておりまして、これを、言い違いがあってはいけないと思ったので、先ほどの紙に走り書きをしたというのが実情です。
 それから、二十四日の件でございますけれども、確かにこれは、大勢がいて、間違いなく全員でその話をしていたという証拠がもうございまして、それは、この二十四日の日に菅委員から質問があったんですね、出ておりました。そこにもう答えがあるんです。これについての勉強会を政府委員室というところでもってやりました。時間が非常に短かったんです。
 その質問の趣旨は、アフガン復興支援会議では、アフガン復興に取り組んできたNGOが外務省によって出席を拒まれた、鈴木宗男衆議院議員が外務省に圧力をかけたとされるが、外務省はなぜ出席を拒んだのか、このような暴挙が許されるのか、外相の認識いかん、これが菅先生の質問でございました。
 あと、ほかの委員の方から想定されている問題等もございましたが、このことが私はずっと、その二十日の日から、そして、外務省が、もうこのことが起こる以前から、私が着任以前から、時間があれば私もちろん申し上げますけれども、着任以前から、もう役所自体が政治家のプレッシャー、それと、逆に言うと癒着しちゃっていると。みんながもう日常的に言っているんですね、あの先生に聞かなければと。人事が特にそうです。もう日常的です。在外にいる人もそうです。みんなそうなんですよ。驚きました、私は、知りませんでしたから。その中でこうなりました。
 したがいまして、なぜ出席を拒否したかについて、私は事務次官と接触をしたかったので、前の日から、出てくるように、そして、私は、二十三日の夜だと思いますが、打ち上げパーティーをやっております、アフガンの御苦労さん会を。そのときにも、野上さん来ていません。もう秘書官を通じて、小町さんを通じて、とにかく、このことがあるから必ず委員会で聞かれるに違いない、だれかからきっと聞かれますよと。したがって、このことをと言って、このことの勉強会をやったんです。したがって、鈴木さんの話が出ております。
 そして、今おっしゃったようなペーパーですが、私も手に入れていますが、そのときには七人が出ておりまして、プラス私と野上さん。野上さんは、その日の同じ時間に食事の会がある云々言っておりましたけれども……(浅野委員「端的にお願いします」と呼ぶ)端的に申しますが、一番大事なポイントです。これは一番大事なんです。
 そこで、どうしても、来ないと私は事実を全部言わなけりゃいけなくなりますよと申しましたらば、彼が途中で入ってきました。そして、そのときの会話の一部が、ごらんになったのはこれだと思いますけれども、これを、私に相談もせずに、御自分で官邸に、何かしょっちゅうあの日は行っておられて、一回は御本人が、あれは後で私が官邸にファクスしたと、どなたにと、官房長官かどなたか知りません、副長官か。そこまで、私の知らないところで官邸と仕事をなさっていたということを申し上げます。
浅野委員 国会での論議はその点の食い違いからスタートしているものですから、参考人おっしゃるとおり、ここが今回の議論の発火点になっているものですから、食い違いを改めて確かめさせていただいたわけですね。
 それから、報道の後追いは私はしないことにしておりますけれども、一つだけ触れさせていただきますが、外務省の部局が裏金をプールしたことにメスを入れた結果が十一月三十日に発表されました。その折、田中大臣もみずから一カ月分の外務大臣の報酬を返納するとおっしゃっているわけですけれども、そのことについてまだだというような報道があったものですから、それについてちょっと、時間が参りましたので、一言だけ。
津島委員長 一言お願いします。田中参考人。
田中参考人 この問題につきましては、前の大臣もそうでいらしたかと思いますけれども、私も自分の外務大臣としての給与の半額をお納めするということを十一月三十日に霞記者クラブでもはっきり言っておりまして、メディアも全員わかっております。そのときに私は、私がいただくその大臣としての中から引いてほしいということを言っております。
 ところが、その指示が出ているにもかかわらず、そのとおりに、相変わらずお金については極めてルーズで、そして私が突然更迭された段階で事務的に処理がされていなかったのです。したがいまして、私は、一番最後の件についてはお払いできていませんで、外務大臣あてに、そして小町官房長あてに……(浅野委員「お払いになったのですか、まだですか」と呼ぶ)ですから、それについてどのように振り込むのか。
 ところが、現在一議員でございますから、これは、何ですか、政治資金規正法に違反すると。それは、事務方が十一月の段階、十二月、一月でやらなかったから起こったことじゃないんでしょうか。
浅野委員 終わります。
津島委員長 これにて浅野君の質疑は終了いたしました。
 次に、野田佳彦君。
野田(佳)委員 民主党の野田佳彦でございます。
 一月二十八日に、当時の田中大臣が、私は一つの決意を持って臨んでいる、政治不信を払拭できるか、外務省改革をできるか、意を決して来たとお話をされました。
 今大臣でなくなられましたけれども、私は、政治不信の払拭と外務省改革は、きょうこの場で真実を白日のもとにさらすことによって十分可能だと思っていますので、ぜひそうした思いでお答えをいただきたいと思います。
 一番大事な部分について先ほどお話がございました。予算委員会における田中代議士の御答弁、野上事務次官が具体的に鈴木さんの関与、名前を挙げたということを明言されまして、先ほどもそのことが確認をされました。
 ということは、野上次官は、当時の次官は、きっぱりそのことを否定をしていました、記者会見でも予算委員会でも。鈴木代議士はあなたのことを、うそをつく癖があると言った。福田官房長官は、あなたの勘違いと言った。外務省の申述調査結果も、これもみんな事実を認めていない。あなたがうそをついているという、ある意味では包囲網なんですね。国民の皆さんはそう思っていないかもしれないけれども。
 ということは、あなたの先ほどの御答弁だと、従来と変わらない御見解です。自分が言ったとおりだということですね。だとするならば、鈴木さんがうそをついている、野上さんがうそをついているということでよろしいでしょうか。
田中参考人 鈴木先生のことはわかりませんけれども、野上次官については、残念ながらそうであると申し上げます。
野田(佳)委員 野上さんはうそをついている。
 官邸はどうですか。
田中参考人 官邸は、非常にネガティブな情報が外務省から頻繁にもたらされているために、善意で解釈すればですけれども、それをうのみになさっていたとしか思えません。
野田(佳)委員 それじゃ、政府見解についてお尋ねをしたいと思いますが、基本的には、この政府見解を見ると、田中代議士の言い分は認められていないものだと思うのですよね。これを、総理大臣も官房長官も、田中外務大臣は認めたとおっしゃっています。これはどういうことなんでしょうか。
 これ、ちょっと資料ありますからお見せします。よろしいでしょうか、お渡しするだけですから。
津島委員長 それじゃ、渡してください。
野田(佳)委員 この政府見解を田中代議士は認められたわけでしょうか。
田中参考人 結論から申しますと、棒をのむ思いで了とせざるを得なかったというふうに申し上げさせていただきます。
 なぜかと申しますと、先ほどもありましたけれども、全員が、出席していた人たちが、二十四日の朝の会で、ちょっと説明させていただきたいと思いますが、そのときに、最初の、これは官邸がつくられたものだと思いますけれども、紙がございまして、その中では、関係者の記憶、主張が異なっており、政府としては今後速やかに整理したいと、関係者の記憶、主張が違っているということがはっきり書いてある。これは官房長官から私が院内控室でいただいたものでございまして、伊藤先生、こちらにおられる伊藤公介先生もおられるところで確認をしております。
 ところが、それがどんどん変わって政府統一見解に、二回三回変わっていっているというふうに思いまして、最終的にこれになっております。
 その途中で、私は、この二つ目の、二ポツですが、「NGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」と当然のことが書いてあるのはなぜですかということを官房長官に伺いましたら、何でしょうかねとかおっしゃって、そして、多分これは文章を膨らますために必要だったのかとおっしゃったので、私は、本当だ、当時の外務省、与党側といいますか、私どもの立場でいけば、私個人は違うのですけれども、NGOの不参加についてとかあるいはNGOの排除に当たっては特定の議員の主張に従ったことがないということは官邸や与党は言いたかったのだろうと思ったのですが、参加決定なんて当たり前のことなわけですから。参加決定して、排除されて、また私が軌道修正したわけですから。それを、いや、文章を膨らますんだという御説明がありました。
 別室で、小町官房長と、それから官房四課長のうちの一人がおりまして、そこでも私が聞いています、秘書官と一緒に行って。そして、これは何だということを言いましたらば、これは余り意味がないということを言っておりましたけれども、でも、これは不参加というならわかるけれどもということを言っております、排除についてというのならわかるからと。文言をすりかえたりあいまいにするのは各役所が得意なことは、先生方、皆様御案内のとおりと思います。
 そこで、私は、善意で解釈すると、参加ということを生かすのであれば、初めの参加では認めていて、それがだめになって、そしてまた参加になったから、結果オーライだという意味なのかしらと言ったら、小町さんは、ああ、そうです、大臣、そうですと言われました。私は、ばかみたいで、変なことを言うなと思ったのですが、これがどうなるか、私は何も聞かされておりませんでした。
 結論から言いますと、なぜ棒をのむことになったかと申しますと、もう全体でこれで走り出していて、予算が通らなくなる、野党が邪魔をする、こんなことをやっていて国会を空転させていいのかということが頻々と言われておりました。したがって、私は本当に、一国会議員として、孤独でもありましたし、懊悩いたしました。閣僚でございます。したがって、やはり私のような者を国務大臣の重責に登用してくだすった総理大臣に対する御恩というものもありますし、また、経済が厳しくて三百三十七万人もが失業している、この中で予算を通さなければいけないという国会議員、国務大臣としての使命がしっかりとありました。しかし、国会でうそをつくということは断じて許されません。
 したがいまして、私は、今示されたこの文章のあいまいさといいますか、不透明さといいますか、玉虫色というか、そんなことに私は納得はしておりませんでした。今もいたしておりません。しかし、そうではあっても、棒をのむ思いでぎりぎりの選択をせざるを得なかったということを申し上げさせていただきます。
野田(佳)委員 政府見解の文章はいろいろ出てきたけれども、最終的にはこの政府見解の文章を棒をのむような思いで、納得しないけれども一応認めたということの御答弁と理解してよろしいですね。納得をしていないということですね。これはとても大事なことだと思うのです。
 今までは、言った、言わないの問題につながる話でしたが、今度また新たに、出した、出さないという話が出てまいりました。ブッシュ大統領の歓迎レセプションに田中代議士は本当は出たかったのだろうと思うのですが、案内状が来ていない。だけれども、官房長官は出したとおっしゃっています。これまた事実は一つのはずなのに、なぜこうした二つのお立場があるのか、よくわかりません。
 案内状が来たのか来ないのか、お答えをいただきたいと思います。
田中参考人 きのう事務所のスタッフ全員で事務所じゅうも確認いたしました。記録も確認いたしましたが、案内状は届いておりません。
野田(佳)委員 案内状は来ていない。ということは、御案内をしていないということですよね。
 普通、正式にレセプションに呼ぶんだったらば、通行証とか、駐車場がどうなっているとか場所がどうだとかという案内状が来て初めて、これは私は正式の御案内だと思いますが、それが届いていないということは、では官房長官が言っていることが間違っている、うそをついているということでよろしいですか、確認をして。
田中参考人 それこそ官房長官のお得意な勘違いをなさっているのではないでしょうか。
野田(佳)委員 官房長官、勘違いということですね。
 それでは、田中代議士が外務大臣のころに一番取り組まれたかったのは、人事とお金を中心とした外務省の改革だったと思うんですが、人事案件について、二点だけお伺いしたいと思います。
 これはまとめてお伺いしますが、もともと、野上前事務次官、きのう退任しましたけれども、最終的には対立をした構図のまま終わってしまいました。必要な情報も大臣に上がらないような大変不幸な状況が続きました。その野上さんを昨年の八月の段階で形式的に任命をしているのが当時の田中大臣だと思うんです。なぜその野上さんが事務次官になったのか。これは、想像するに官邸の強い働きかけがあったと思うんですけれども、なぜ野上さんが次官になったのか、その経緯と、もう一人、上村司さん、今の南東第二アジア課長ですか、この方は、大臣就任早々のころの秘書官を務めていらっしゃったと思います。五月十一日に休養された、休暇をとられた。そのときに伏魔殿発言が出ていると思いますけれども。
 この上村さんは、先ほど出た政府見解にも多分深くかかわっているのではないかと思われますし、一月二十四日の、この後多分議論になると思いますけれども、鈴木代議士や松岡代議士と十一時半以降に外務省の高官たちが集まった場にもこの上村さんが来ています。節目節目でこの上村さんが出てきますね。
 上村さんは、もとは大島国対委員長が官房副長官のころのそれこそ秘書官も務めたことがあるという経歴ですし、中東アフリカ局出身で、鈴木宗男代議士とも、これまた影響力を受けている人だと思いますが、この野上さん、上村さんについて、どのように九カ月の在任中お感じになっていらっしゃいましたか。
田中参考人 関連、連動していることでございますので、まとめてお話をさせていただきたく思います。
 次官人事につきましては、私は、次官人事といいますか、外務省に行きましたときに、その日の夜、皇居で認証式が終わって、初登庁いたしまして、幹部との初対面といいますか、そこがございました。そのときに、途中から当時の欧州局長であった現オランダ大使がおくれてどたばたと入ってこられました。大変興奮した面持ちでございました。そして、私にファイルに入った二枚紙を渡されまして、大臣これを座右に、座右にと。全員長いテーブルで座っていますのに、一人だけおくれて入ってきて、どたばたとその書類を持ってきて、ここに立たれて、大臣、これを座右に、座右にとおっしゃったんです。
 何のことかわからなかったです。ほかの局長はみんなしらっとしていました。後でそれを見ましたらば、ある日本の大変重要な政策に関するものでございまして、あのような認証式が終わって大臣が来ただけのときに、本当の顔合わせのときに、そんなことを言うということは異常でした。
 即、上村秘書官に翌日からずっと聞いていました。そしてあることがよくわかりました。したがって、これは人事だと。先ほども自民党の先生の御質問にも話をしましたけれども、それも、各幹部にも聞きました。みんなが、それを動かさないと、それを排除しないと、もう外務省はだめなんだ、機能していないということを、むしろ外務省の方たちから私はレクチャーを受けたぐらいです。私は驚きました。
 そして、中村歌右衛門丈の御葬儀があった日なんですけれども、そのときに私はその御葬儀に行きまして、その後、だれと将来この人事全体、外務省を活性化するために、そしていい外交をするためにも、やはりいいスタッフ、みんながやる気のある外務省をつくるためには、やはりどういう布陣が大事かということはもう最初から念頭にありましたので、だれに相談するべきかと上村秘書官に言いましたらば、出てきた名前が加藤良三審議官、これはもうたしか衆目の一致するところでございます。今もそうだと思います、私は。
 私は、その方と野上さんが審議官で二人おられまして、そしてその方を呼んで内密に、どういうことを、次期次官になる方は、私は、人のお役所の人事のことなんか関心ありませんし、いかに機能するいい外務省にするかということしか念頭にありませんでした。ですが、彼は意見を言うことをかなりちゅうちょしまして、それも上村秘書官のアドバイスで、彼は非常に私、有能だと思いますし、非常に誠実ですし、私に本当にぴたっと吸いついていい仕事をやろう、そういう気持ちの感じられる秘書官でした。で、その話があったときに、これは当時の川島次官に相談をしてほしいということを言って、当時の加藤外審はかなりちゅうちょしておられました。そうしたことがいろいろ漏れて、人事に口を出した秘書官ということになったんだと思います。
 しかし、あらゆる意味でもって加藤さんということで、私は在外の方、ノンキャリアの方、一般事務の方、皆さんに聞きました。どうだろうか、だれがいいんでしょうかと聞くと、もう加藤さんですと。もう彼はクラウンプリンスなんです。
 そして、その線でずっといきましたときに、夏です、夏、官邸から突然、まあ官邸と外務省の事務次官というのは川島さんのころから、その前はどうか存じませんが、大変もう密接不可分な関係にあったようでございまして、なぜか知りませんが。
 そこで、私は、これは外務省からもらった私の在任中の日程表でございますけれども、これに外務省がしっかり書いてありまして、ここにおられる伊藤公介先生とそれから飯島首相秘書官という方があらわれまして、この日も勉強会を、私本当に外務省でいろいろな政策の勉強を十二分にやらせていただいたと思っていますし、感謝もしていますし、それは本当にすばらしいチャレンジングなことでした。そうした勉強会や、局長やなんか六、七人いるときですね、入ってこられて、人事の話になりました。
 その八月二日の夜に、九時〇五分、ここにも、外務省の書類に書いてございます。官邸に福田官房長官から私は呼ばれまして、たしかあのときには植竹副大臣も一緒に、私は一人では恐いものですから、ぜひ一緒に行っていただきたいと言いまして参りました。そこで人事について、大変、私にしたら恐ろしい経験をいたしまして、ああ、外務大臣というのは官邸にいるのかと思ったぐらいでございました。
 そして、八月三日、翌日です。ここにまたございますが、三日の一時、実は朝から飯島秘書官が、秘書官なんですね、総理秘書官だと思いますが、その方が朝から役所に来ておられました。これは金曜日です。そして、私に、とにかく早く人事のことで急ぐから話をしたいという督促がございましたけれども、私はこの日午後、局長たちと勉強会をすることになっておりました。総政局長、条約局長、経協局長、欧州局長、経済局長、北米局長、もうしょっちゅう勉強会を、私もうしょっちゅうやらせてもらっていました。
 その中で彼がずっと待っておられて、そして、私が登庁したのは午後ですが、そのときに即、彼が、大臣室にですよ、幹部と大臣が政策の勉強をしているときに飛び込んでこられまして、私は何事かと思いました。ここまで外務省に、政務秘書官というのはそんな偉いんでしょうか。私はこれもとにかく驚きましたが、だれも排除もできず、私もどうぞと申しました。そこで人事について彼が、私見かどうか知りませんが、省庁みんなが思っている人事とは違うことをおっしゃっています。これが官邸の意思だということだと思います。
 これは本当に大変な日でございまして、そして、この日も四時に、官房長官、官邸、また呼ばれております。なぜかと私覚えている理由もここに書いてあるんですが、ハワードというオーストラリアの首相が同じ時間に、先にハワードさんが四時に決まっていたんですが、その時間に割り込んで官邸に来いとおっしゃったので、相手は首相ですから、はい、私はぜひそちらに行くと言ったんですが、だめだと言われまして、官邸に呼ばれて、結果的にハワード首相との面会が、ホテルに伺うのが二、三十分おくれてしまったんですね。
 そこまでしても官邸が人事を覆すことを急いでおられたということ、その結果、野上次官が誕生したというふうに思っております。
野田(佳)委員 詳細にお述べいただきまして、外務大臣が官邸の中にいると。その名前は、じゃ、政務秘書官の飯島さんであるということでよろしいですか、印象として。
田中参考人 いや、だれとは申しませんけれども、やはり官邸からの指示であるということでございます。官房長官と政務秘書官が動いているということでございます。
野田(佳)委員 官房長官と、では政務秘書官ということで理解をいたしましたけれども。
 では、その官邸の意思によって、一月の二十八日から二十九日の未明にかけて、三人の方が辞任をするという措置がとられました。田中外務大臣、野上事務次官、そして鈴木当時の議運委員長でございます。
 これは、三方一両損とかけんか両成敗と言われていますけれども、実態は違うだろうと。鈴木代議士の場合は、ODAを初め隠然たる力を多分これからも持ち続ける、まあこれからの追及によって違いますけれども。それから、野上さんは、外務省をやめたわけではなくて、官房付であります。隠然とまだ次官級の力を発揮するかもしれません。外務省から完全に去ったのは、あなただけですよね。
 このやめ方の経緯なんですが、これは更迭なのか、自発的辞職、依願退職となるのか、やめ方についてちょっと経緯をお尋ねしたいと思います。
田中参考人 これはもうメディアで報道されているとおりでございまして、私は、その統一見解を私がなかなか渋っていたころから、これはいよいよ打ち首だなというふうなことは感じてはおりましたけれども、更迭だと総理がおっしゃったわけでございますので、依願ではございません。
 ただし、御存じない方がおられると思いますので申し上げますが、内閣総辞職をいたしますとき、私が前科学技術庁長官のときもそうですけれども、本意でなくても、フォームは、紙自体の形が依願というふうな形になっておりますことは申し上げます。
野田(佳)委員 更迭であるということですね。
 更迭をされました。更迭をされて、総理のその判断にどういうお考えをお持ちですか。たしか十二月に、たしか外国の通信社か何かのインタビューで、総理が変わった、ころっと姿勢が変わったと。これは外務省改革についておっしゃったんだろうと思います。落胆をしたというような発言をされていました。
 今回の一連のてんまつで、今までのお話を聞いていると、田中参考人は、自分が正しいと主張されています。正しくて、しかも、NGOを、排除されそうなNGOを戻したという、ある意味で軌道修正をした、正しい道をとられた方です。その方が更迭をされたわけです。更迭をされて、今の小泉さんに対する評価はいかがなものでしょう。率直なことをお聞きしたいと思います。
田中参考人 評価は国民の皆様が、お一人お一人がなさることだというふうに思っておりますので差し控えさせていただきますが、一月二十九日の夜の、更迭された深夜の出来事ですが、そこで私が発言したことは、記録にも残っておりますので御存じかと思いますが、私はあのとき、自分で大体予感がずっと、先ほど言ったようにございましたので、私としてはかなり落ちついていまして、ここに総理がおられて、山崎幹事長がでんといて、私のすぐわきに官房長官がいらっしゃって、そして、そこでもってさっきの会話になったわけですけれども、人事ということをおっしゃって、身柄を預けてくれとおっしゃったわけです。人事というのはだれのことかと私がもう一度伺いましたら、あなたのことですとおっしゃって、それで、事務次官もそうだと総理がおっしゃったので、私がそこで、事務次官の人事については私にしっかりとさせていただけませんかと申し上げました。
 ここで私は、政と官が、国務大臣と事務次官が、人格は平等かもしれませんけれども、職能が同じで相打ちみたいな形は間違っている、総理の判断は間違っていると思いました。なぜならば、今回のずっとの経緯を見ましても、NGO排除のことがきっかけですから、その中で、本人も言っているじゃないですか、重家局長も。次官だけであった、そこから上に上げていない、そんなことはあってはならないことなんです。
 ですから、私は現在、幹部公務員の報告義務という議員立法を手がけておりますけれども、まさしくあってはならないことを平然とやっている。それを官邸の方たちに、お墨つきを与えている。それが過去にも、かつてもあったわけです、きっとずっと。したがって、そのことが、もう大臣なんか必要なくて、私以外の大臣がどうだったか、今の大臣がどうかは私は存じませんけれども、官邸の後ろ盾があれば何でもできるということですよ。
 ですから、そうあってはならないということを私は込めて総理に、事務次官の人事については私にしっかりさせていただけませんかと申し上げたんですけれども、両方一緒だという総理の御判断、これは私は間違っていると思います。まず事務次官に責任をとらせて、様子を見るということはできたはずじゃないですか。そういう危機のときに、ピンチのときに判断がつかなかったということは、大変、総理のためにも残念であるというふうに思います。
野田(佳)委員 次官と大臣の、こういう同時の辞任というやり方については、更迭をされたということについては評価を避けたいというお話をされましたが、今明快に、総理は間違っていると明言をされたというふうに思います。これはとても大事なことだと私は思います。
 それから、この九カ月間、大臣として在任をされました。今までちょっと人事のことに偏って随分お話が出たと思いますが、例えば、大事だったのは、外務省の一番の聖域は外交機密費の問題、これは官邸に、内閣官房に上納されているという、その解明は残念ながら大臣在任中進みませんでした。あるいはプール金の問題。いろいろな問題があったはずでございますけれども、この九カ月の在任、総括をしてどのような御感想、特にお金の関連の解明についてはどうお考えでしょうか。
田中参考人 私は、改革のことばかりやっていたわけじゃ決してございませんで、十三回も、最後のアフガン復興会議に至るまで、最初の北京での国際会議から始まりまして、十三回の国際会議に出て、国内、外国で勉強もさせていただきましたし、発言もいたしました。
 外交というものは、国益を守るもの、国益と国益がぶつかる場、それが外交ですから、日本がどのようなスタンスで現在あり、将来どういう見通しに立って、いかなる方針を持つかということを言うのが外交でございますから、そうした場でしっかりと勉強もし、発言をしてまいりました。二国間会議もやっております、数多くやっております。電話会談もやっております。そのほか、皇居での侍立大臣をしながら、外交官とも話をしております。それは本当に、極めてチャレンジングであり、私は、勉強させていただいて感謝をいたしております。
 しかし、この外務省の問題の上納云々につきましては、もうないと、歴代の、これは閣僚中も申し上げましたけれども、官房長官、総理がおっしゃっておられますので、それはないと今も申し上げざるを得ないのではないかと思うんですが、ところが、会計検査院が九月二十八日、昨年、出した紙がございまして、これもよく内閣から言われましたが、ここにすべてがあるんじゃないんでしょうか。
 これは大事なポイントを言っています。内閣官房の予算執行事務の一部が外務省にゆだねられているのに、支払い委任等の会計手続がとられていなかった。「それぞれが所管する予算を自らの責任において執行する体制となっていない。」これらは赤字で書かれています。
 それから、会計検査院が指摘する原因及び問題。内閣官房と外務省で、総理外国訪問に係る事務及び経費の分担が明確でない、ここにはっきり書かれていますよ。それから、内閣官房で報償費の管理が明確に定められていないため、取り扱いが不明確な部分がある。
 それから、会計検査院が要求する是正及び改善も、また書かれているんですね。内閣官房と外務省における事務及び経費分担の明確化、報償費執行体制、機密費ですけれども、執行体制の整備、内部確認、監察体制の構築。
 これらを私の在任中にも随分具体的に外務省改革でつくりましたけれども、要はこれを本当に実行するのか、言葉ではなくて、それをしょっちゅうしょっちゅう第三者がチェックできるのか、それを情報公開するのか、説明責任を持つかどうか、これにかかっているんじゃないでしょうか。
野田(佳)委員 今の会計検査院の指摘であるとか今の田中代議士の御指摘は、全くそのとおりだと思います。
 そういうことを踏まえて、九カ月の間の成果もあるし、失敗もあったのかもしれませんが、総括をして初めて改革につながるはずですね。そのためにはちゃんとした引き継ぎが必要だと思います。今の御意見であるとか反省とかを踏まえて、ちゃんと川口新大臣に引き継ぐのが筋だと思いますが、これはちゃんと引き継ぎ、行われていますか。
田中参考人 外交の中身につきまして、具体的なイシューも大事ですし、またこの改革についても、私がじかに感じたこと、総理にも言えないことも外部に他言できないこともございますので、速やかに事務引き継ぎをしたいと思っておりました。私が言っているのは、花束をもらいたいとか省員の前で演説するとか、そんなセレモニアスなことを言っているわけじゃなくて、しっかりと……(発言する者あり)いや、いいんです。しっかりと話をしたい、二人で。
 ところが、もうこのことは終わってしまっていると現大臣がおっしゃって、それは関係ないと。では、私から、百歩譲って、小泉総理大臣に事務引き継ぎ、一切しておりません。総理が三日間外務大臣を兼務なさった間に、たしか休みの日も入っているんじゃないでしょうか。そうすると、何が引き継がれたのでしょうか。
 私はするべきであったと思いますが、この間、委員会があるころに、もう矢の催促で、川口大臣が、もうとにかく、引き継ぎではなくて、とにかく会いたい、会いたい、会いたい、どこでもいいから、そればかりうるさいほど言ってきましたが、委員会が終わったらぱっととまりました。そして、おとといか何か、引き継ぎでいいから会いたいとおっしゃってこられましたが、私が今多忙でございます、今もこのようにとらわれておりますので。考え中です。
野田(佳)委員 実態としては、田中大臣の後の小泉さんが外相を兼ねましたね。それのちゃんと引き継ぎされていない。しかも、今の川口大臣とも引き継ぎされていないという認識。引き継ぎというのは、双方が引き継いだという意識を持って引き継ぎだと思いますが、少なくとも参考人はそういう意識を持っていないということで確認してよろしいですか。
田中参考人 持っておりません。
 ただ、もう委員会が始まって、新大臣がどんどん発言なさっておられるので、官僚のペーパーを読んで、二週間ぐらいでなさっているんだろうというふうに思いますし、それでまた運んでいるわけですから、それで運んでいるという事実を、やはり私たちお互い議員一人一人がしっかりと、これが国益なのか、外交というのは、申し上げましたけれども、繰り返しますと、国益と国益がぶつかる場ですから、後でほぞをかむことにならないように、これは私ども一人一人、国会議員として、国民の代表としてしっかりと見ていく義務があるというふうに存じます。
野田(佳)委員 いろいろお話しされました。ぜひ、私の持ち時間、もうほとんどないんですが、なくなってしまいました。ずっと真剣にまなざしを向けて、真剣なお答えをいただいたことを感謝します。ありがとうございました。
津島委員長 これにて野田君の質疑は終了いたしました。
 次に、中塚一宏君。
中塚委員 外務大臣としての決定や方針というのが族議員の介入によって覆ったことがあったということを先ほどおっしゃいましたが、その族議員の介入ということの中に、族議員の中に、鈴木宗男さんを含みますか。
田中参考人 外務省の方々が日常的に言っていた言葉の中からも、当然含まれます。
中塚委員 田中さん、あなたは、外務大臣就任前から、鈴木宗男さんが外務省に対して影響力を行使しているというのは知っていましたか。
田中参考人 私は、個人的に存じ上げませんで、外務大臣になる前は。むしろ、あの先生は農林族というふうな方でいらっしゃるというふうに思っておりました。
中塚委員 ふだんから、そうしますと、この鈴木宗男さんという方は、人事等、外務省に対して介入をされていたということでよろしいんでしょうか。
田中参考人 六年十カ月にわたって盤踞しているんだという言い方まで外務省の職員の方が言われるその方ですね、ロシアの、国際情報局にいる方でしょうか。その方については動かせないということは、前の次官、前の官房長のころからずっと言っておりまして、一番象徴的なことは、私が去る、更迭になった一月二十九日の日に、小町さんがまた人事異動を持ってきましたので、ぱらぱらと見て、入ってないじゃないのと言ったら、その日にも、その期に及んで、言ったでしょう、鈴木先生の許可なくてさわれないんですよと言っていました。
 ただし、候補の場所を挙げていました。前の川島さんのころは、アメリカに行かせる、ほかの局長、某幹部、高級幹部もアメリカに勉強に行かせる、それから前の次官も今の次官もウズベクか何かに行ってもらったらどうかと。それから最後に聞いたのは、ロシアに行かせたら、何でと言ったら、大勢の中に入ったら見えなくなるからということを言っておられました。
中塚委員 続いてNGOの参加拒否の問題について伺いますが、このNGOの参加拒否の問題ですね、それに鈴木宗男さんが介入をしたというのは、一番初めはどなたからお聞きになりましたか。
田中参考人 重家さんです。重家局長です。電話のときでございます。
中塚委員 あなたは、そういう意味で、NGOのこの参加拒否の問題、鈴木氏の介入ということが発端になりまして、国会が混乱をし、その結果として更迭をされたということになると思うんですが、いかがでしょうか。
田中参考人 そういうふうに言われております。更迭の理由として公にそのように言われておりますけれども、それはむしろ、そういう圧力はあちこちから、私、前の予算委員会でも申し上げていますけれども、圧力等はいっぱいあるかもしれない、どこの委員会も。しかし、それを正しく解釈をして排除する見識を持つべきだし、それ以前に、そこまで強い排除要求があったのであれば、国務大臣たる私に言うべきであったということは事務方によく言っております。しかし、それを私と相談もしないで、即また官邸と言って、そこでもって勘違いでないかとか、あるいは、いろいろなことが言われていますけれども、そういうことは極めてゆゆしきことであるというふうに思っております。
中塚委員 この一連の騒動を指して、福田官房長官は会見等で、外務省内の問題だというふうにおっしゃっていたわけですが、それについてどう思われますか。
田中参考人 総理もそのようにいつもおっしゃっておられて、外務省内のことは自分でやるようにと、確かに私にも何度もおっしゃっておられました。
 しかし、そうでありますが、私がいつも感じていたことを、ちょっと幼稚かもしれませんが申しますと、やっていいんだよと。総理に私が、でも総理と意思確認をしないとこれは大変なことになると思うときに、必ず、総理のサポート、バックアップが必要でしたから、必ず電話なりじかに伺って御意見を伺っています。そうすると、もう総理は、もういい、いいという感じで、もう外務省でやって、やってという感じなんですが、でも、そこで、妨害をしている外務省とつながっている人が官邸にいるわけですから、その者を排除してほしいということを私が申しますと、総理は、聞かなかったことにしてくれという話になるんですよ。
 したがって、私は、例えは悪いんですが、前へ行って自分で自由にやれ、自由にやれと言うから、動こうとすると、スカートをだれかが踏んづけているので前へ出られないんですよ。それで、だれが踏んでいるのかと思って見ると、言っている本人じゃないかなという思いがずっとしておりました。
中塚委員 そういった意味で、外務省の事務方というのは、あなたの言うことよりも、族議員または総理官邸の言うことの方をよく聞いていたということでよろしいんでしょうか。
田中参考人 そのとおりですし、ですから、必要ないのであれば外務大臣というポストはやめた方がわかりやすいんじゃないんでしょうか、廃止した方が。
中塚委員 今までの委員会答弁、予算委員会での答弁、そして本日の御答弁、大変誠実にお答えになっていただいていると思いますし、そしてまた事実をお答えになっている、お話しになっているというふうに思うんですが、そういう意味で、田中先生、今お話しいただいたことはどのような場所でもお話しいただけますよね。
田中参考人 議事録を正確にちゃんと見ておかないと、またメモを書いたりすると、時制が違うとか言われますので、しっかりと記録を見ながらでしたらお答えできます。
中塚委員 もちろん、そういった一連のお話の中で言われたこと、そのことについては、まあどういった場所でもお話しをいただけるということでよろしいわけですね。
田中参考人 はい。
中塚委員 次に、引き継ぎの問題をもう少し詳しく伺いますが、総理とは引き継ぎはされていないわけですね。
田中参考人 いたしておりません。更迭というお話があって以来、言葉をいただいたこともございませんし、呼ばれたこともございません。
中塚委員 そのことについて、あなたがずっとやってこられました外務省改革及び外交の問題というのが今の川口大臣に引き継がれていないということについて、どのようにお気持ちをお持ちですか。
田中参考人 まあ、官邸と事務方が上手に補佐をなさって、しっかりとやってくださるというふうに期待をいたしております。
中塚委員 予算委員会での答弁でいきますと、二十四日の日に、まず田中さんのお話がありました。朝の勉強会で鈴木宗男さんの名前に言及があったというふうなお話があったわけですけれども、それ以降、二十五日、そして二十八日、二十九日というふうにつながっていくんですが、この週末、土日の間に、その答弁調整というか事務方との打ち合わせというのはあったんでしょうか。(田中参考人「何ですか。もう一回、済みません」と呼ぶ)
 二十四日の予算委員会で、まず、菅直人議員の質問に対して、鈴木宗男氏の名前が出たというふうなお話をされましたが、その後、月曜日、火曜日と予算委員会が週を越えてあったわけですね。月曜日の予算委員会、その後の夜にあなたは更迭ということになったわけですけれども、週末、答弁の調整をする機会があったというふうに思うんですが、事務方とは答弁の調整というのはされたんでしょうか。
田中参考人 事務方といたしておりません。
中塚委員 こういう、田中さんが意を決してお話しになったことについて、事務方と答弁の打ち合わせもないということについて、どのようにお考えになりますか。
田中参考人 事務方と申しますよりも、ここでまた伊藤先生があらわれるわけでございますけれども、それから大島国対委員長、この方、大島先生は、先ほど言った上村秘書官と大変親しい関係におありになると。大島国対委員長が、何ですか、官邸での、官房副長官か何かのときの秘書官でお仕えしたということで大変親しい関係におありになるそうでございまして、この大島委員長と伊藤先生で、一種の、簡単に言えば手打ち式をするというか、そのようなことについてのすり合わせみたいなことがございまして、そこでは、先ほど言っている、外務省がみんな一緒に、二十四日の日に話がなかったと言っているけれども、実際は、伊藤先生から私がいただいたあの例の紙ですけれども、それによりますと、そのうち一名が所管事項でもないのでよく話を聞いていなかったと。七、八人中、七人ですね、次官と私を抜かすと、佐藤アジア大洋州審議官が聞いていないと言っています。それから、三人の説明では、次官から発言がなかったと言っていると。この三人というのは、野上さんと重家さんと宮原さんの、この経協であり、中近東アフリカ局関係ですから。そのほかはコメントしていないわけです。
 ですから、最後の二十九日になって、私の秘書官及び秘書官室の人が呼ばれて、福田先生と、安倍先生、安倍官房長官と思いますが、いろいろ聞かれて、まあ、そうだったということになったんでしょう、そう思っています。そういうふうなことはやりましたが、私は手打ち式はいたしませんでした。
中塚委員 終わります。
津島委員長 これにて中塚君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 田中さんに率直にお伺いしますけれども、あなたの外務大臣在任中に、特定の国会議員の圧力によって外交がねじ曲げられようとしているということを実感したということはありますか。あれば、お話をいただきたいと思います。
田中参考人 特定の議員だけではなくて、やはり、ここ何年間、何回かの内閣の中でそういうふうな方向性が出されてきているというふうなことは理解いたしております。
佐々木(憲)委員 私は先日、北方四島人道支援に関連をしまして、鈴木宗男議員が介在して、ムネオハウスですとか、あるいはいろいろな個人名、いろいろといいますか、宗男さんの個人名をつけた、そういうふうに呼ばれている家ですとか、あるいは車ですとか診療所ですとか、そういうものを明らかにしたんですが、田中さん、御在任中に、こういううわさを聞いたり、あるいはこういう問題について疑念を感じられたようなことはありませんでしたか。
田中参考人 相当な御活躍であるやには聞いて、漏れ承っておりましたが、それほど具体的なものがあるということは承知いたしておりませんでした。
佐々木(憲)委員 アフリカに対する影響も大変大きいということを私も指摘をさせていただきましたが、この点については、何かお感じになったことはございませんか。
田中参考人 外務委員会で、あるいは予算委員会もあったかと思いますけれども、主に外務委員会で、ケニアのソンドゥ・ミリウでありますとか、それからミャンマーのバルーチャンもあります、これはアフリカじゃございませんけれども、それらについて具体的に何度も質問がございました。
佐々木(憲)委員 それだけ影響が、関係が深かったということだと思うんですけれども。
 次に、上納問題についてですが、先ほど、会計検査院の資料を御指摘になったわけですけれども、この上納問題について、今の段階で上納はなかったというふうにお考えなのか、それともそうではないとお考えなのか、そこはどうでしょう。
田中参考人 先ほどの、会計検査院が、公的機関が書き込まれていることの中からそれぞれが理解するしかないというふうに思います。
佐々木(憲)委員 理解するというのは、もうちょっと具体的に言いますと、事実上あったということですね。
田中参考人 いや、これは、国会でも私も大臣中に御答弁申し上げているとおりでございまして、歴代の官房長官、外務大臣、総理大臣がなかったとおっしゃっておられますので、それを繰り返させていただきます。
佐々木(憲)委員 どうも同じ御答弁なんですが、現時点で、この上納問題を含めて、機密費の全体像についてすべて解明されたというふうにお考えでしょうか。すべてが機密費の内容について解明されているというふうにお考えか、いや、まだこれは始まったばかりだというふうにお考えか、どちらかお伺いします。
田中参考人 機密費は削減されましたけれども、十四年度で三十三・四億円。前は五十五・七億円もございましたし、ODA予算も一兆円あるわけですね。外務省分だけでも五千億円、五千億円ですよ、あるわけですね。渡切費、これは在外公館が、大使館等が自由に使うものですが、使い切っていいということです。七十五億円もありますね、これは。機密費の倍以上、倍近くあるんですか。そうしますと、あと諸謝金というのが三十四億円もありますので、まだまだいろいろなことが起こる素地は十二分過ぎるほどあるというふうに思います。
佐々木(憲)委員 終わります。
津島委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 きょうは、田中眞紀子参考人、御苦労さまでございます。
 まず、私たち国民は、田中前大臣に心から感謝しなければならないと思っております。さきのアフガン復興支援会議に、NGO、参加拒否された二団体を、次の日には、強い指導力のもと復帰させることができました。そして、国際的な信頼の失墜を阻止することができた。さらには、伏魔殿と称されておりましたが、ベールに包まれていた外務省の底知れない腐敗体質を国民の前にさらけ出すことができた。今、多くの国民は感謝していることかと思います。
 そのあなたが、残念ながら更迭という事態になってしまったわけですが、あなたは、いわゆる小泉内閣の誕生の生みの親とも言われております。小泉内閣誕生から更迭まで約十カ月、この十カ月、大変劇的な思いでいっぱいであろうかと思いますが、小泉首相はあなたから見てどのような人物であるかということも含めまして、この約十カ月の今の思いを、思いのたけをお話しいただければと思います。
田中参考人 総理には大変私は御指導をいただきましたし、先ほども申しましたように、私のような者をこうした重責に据えてくだすったということに対して、生涯御恩は忘れません。その気持ちは変わっておりません。
 しかし、この九カ月間での外交、それからほかの問題、いろいろ、防衛の問題もありますし、いろいろ言われている国土交通省絡みの問題も、もう委員皆様が、国民の皆様も御存じのとおりですけれども、やはり古い体質といいますか、まあそうでしょうね、十年間も国会議員をなさっていて、六十歳過ぎておられて、そういう中で、一見新しいことをおっしゃるし、格好もよくていらっしゃるんですけれども、やはりこういう対応の仕方を見ていますと、やはり御自分がおっしゃっているような、聖域なき構造改革であるとか、とらわれず、何でしたか、何とかせず、とらわれず、ずとおっしゃっている。それがなくて、むしろそれに逆にとらわれて、御自分自身が抵抗勢力であるということに踏み切ってしまったのではないかと私は思っております。
 したがって、大変残念なんですけれども、私は、やはり政治改革をするということ、まず政治改革なくして構造改革はあり得ない。これは私、前も申しました。隗より始めよです。そして、取り巻きが悪過ぎます。それをもう少しやはり主体性を持って、私は生み直すこともできませんし、閣内に復帰もあり得ないわけですから、一議員として議員立法をしたりいたしますけれども、その中で、やはり私はたくさんのことを外務省の皆様から教えていただきました。
 特に一番感謝しているのは、若い秘書官グループがよくやってくだすったこと。私がたった一人で去る日に、ある若い大臣室の職員の方が、立ったまま涙をぽろぽろ流して、大臣、大臣、何もできなかったと言ってくだすったこと、このことは終生忘れませんし、たくさんのノンキャリアと言われる方たちが在外でも一生懸命一生懸命日本の外交のために働いておられますから、私はよい勉強をさせていただきましたので、議員立法等をしながら、ぜひまた外務省が再生して、霞が関で一番いい役所だと言われるように、立場は変わっても一生懸命努力をいたしますことをお約束いたします。
横光委員 ありがとうございます。
 あなたの在任中に、人事は末端まですべてフリーズ、機密費もそうだが、どす黒い利権の問題もあると、外務省のことをこのように発言しております。先ほどからのお話のように、そのどす黒い利権の中心は鈴木議員であるということが、ほぼ国民の皆様方、さきのお話の中からうかがえるんではなかろうかと思いますが、こういった発言の、どす黒い利権の発言のときには、鈴木議員のことを想定されておられましたか。
田中参考人 私は、鈴木議員であるとか、だけであるとかないとか、そういうことは申しておりませんで、それは国会の場で皆様が解明なさることであると思いますが、やはり役所が、官邸というもののバックアップがあって、それで何でもできる。そのことを座視して、そして派閥から羽交い締めにされ、そして政官の癒着。逆に言えば、私はむしろ国会が役人にコントロールされているということまで感じていますので、我々バッジをつけている国民の代表はそんなことを残念ながら認めてはいけないので、そのために何をするか、与野党を超えて。これこそ、総理がおっしゃったじゃないですか。与党野党関係なく、選挙のとき、自民党をぶっつぶすとまでおっしゃったんですから。つぶす必要はないかもしれませんけれども、やはり有権者のためにみんなでいい政治をするということ、これのために、ぜひ与野党仲よく一緒にお願いをしたいと思います。
横光委員 終わります。
津島委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして田中参考人に対する質疑は終了いたしました。
 田中参考人は御退席いただいて結構でございます。御苦労さまでございました。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
津島委員長 では、速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
津島委員長 引き続き議事を進めます。
 これより参考人鈴木宗男君に対して質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浅野勝人君。
浅野委員 単刀直入に伺います。
 鈴木宗男参考人は、就任したばかりの議院運営委員長を今月四日に辞任をされました。重い公職を退くということは非を認めたことを意味する場合が多いと存じますが、なぜおやめになったんですか。
鈴木参考人 浅野委員の質問にお答えする前に、委員長初め委員の皆さん方に、私のことで大変御迷惑をかけていることを、まずもっておわびを申し上げます。
 また、大事な国民生活を守る予算審議が行われている、そのことが遅延したり遅滞したりしてはいけない、こんな思いもありまして、私は議運委員長の職をみずから辞させていただきました。特に、私の名前が出たことによってのこの国会の停滞といいますか、委員会が一日たりともおくれるという現象はいけない、こう思ったものでありますから、私から身を処したということであります。
浅野委員 これまで問題になってきたNGOのアフガン支援国会議のオブザーバー参加の件ですが、鈴木議員が外務省に圧力をかけて、特定のNGOの出席を取りやめさせたという指摘があります。その一方で、去年十二月の六日の自民党の外交三部会という公の席で、NGOのあり方、なかんずくNGOに対する外務省のお金の使い方について問題を提起し、結果として鈴木議員の指摘どおりになりました。
 この間の関連と経緯をお聞かせいただきたいと存じます。
鈴木参考人 昨年十二月のNGOの東京会議ですね、アフガンの。それと、一月二十一、二十二のアフガン支援の国際会議ですね、政府主催の。今までの議論を聞いておりますと、一緒に混同されている嫌いもありますから、この点は明確にさせていただきたいと思いますが、あれは昨年の十二月の中ごろ、十日、十一だったと思いますが、都市センターホテルでNGOの皆さん方がNGOのアフガン支援の会議を開くということになりました。
 あれは十二月の六日の外交部会であったと思います、自由民主党の。そのとき、NGO側から外務省に対し資金協力の要請があったと。そこで、外務省は、草の根無償資金で対応したい、こういう説明をされました。そこで、私は、草の根無償資金というのは海外でのみ使えるお金であって、国内での宿泊費だとか、あるいは飲食代だとか飛行機代には充当できないのでないだろうかというお話をしたんです。そのときは外務省も結論が出ませんで、次の部会で調べて返事をよこしますということでありました。
 そして、その結果、これは二十日の日に、これは外務省がペーパーも部会で配りました。外務省の中で調べたところ、草の根無償資金というのは海外でのみ使える公金であって国内では使えません、それが外務省での結論でありますから、そのようにさせていただきますという答えをいただきました。これは平場の議論でありますから、明快でないかと思っているのです。
 同時に、今最初の先生の御指摘で、NGOの排除について鈴木宗男の圧力があったかないかという御指摘もありましたが、私は、特定のNGOについて言及したことはございません。
浅野委員 それらのことに関連して、暮れの十二月十八日にピースウィンズ・ジャパンの大西代表と議員会館の事務所で鈴木議員は会っているそうですけれども、大西代表は記者会見で、たびたび鈴木に呼ばれ、言動にクレームをつけられたと言っています。本当に鈴木議員が呼びつけたのですか。
鈴木参考人 私も、大西さんが記者会見で、私に四回呼びつけられ、どやされた、怒られたという表現をしておりますが、はっきりしておきますが、私の方から呼んだという事実は一回もございません。同時に、四回のうち、大西さんが来られたのは二回であります。ほかの二回はほかのNGOの方々でありまして、大西さんが来られたのは二回ということであります。
 この点、呼びつけられたという印象と、先方から来たという印象では、おのずから私は受けとめ方は違う、こういうふうに考えております。
浅野委員 その際、あいさつにも来ないで何だ、税金を集めているのはおれなんだ、こんな行儀の悪いNGOへの支援は考え直さなきゃならぬなどと鈴木議員が言ったことになっています。
 呼びつけて圧力をかけたことはないというお答えですが、あなたの話し方や態度が威圧を感じさせるような誤解を与えたのではないかと思いますけれども、本当にこのような発言をなさっているのですか。
鈴木参考人 あいさつにも来ないで何だ、こういう私は表現はしていないのです。
 これは、十二月の十八日、大西さんが私のところに来ることになっておりました。ところが、何の連絡もなくそれはキャンセルになりました。そこで、かわりに来た方に、電話一本でも済むんだから連絡があってしかるべきでないかという話をさせていただきました。
 あと、税金を集めているのはおれなんだという表現はしておりません。私自身、国税庁の役人でもありませんから、そういう認識は持っておりません。私がお話をしたのは、皆さん方は一生懸命ボランティア、NGO活動をやっておりますね。しかし、その皆さん方の海外での活動資金は国民の税金ですね。その税金は予算で措置されて、それは国会で審議されているんです。その国会の審議というのは、与野党さまざまな意見があって、大変な議論を重ねてこれは成立をさせているんです。その国会審議の重みや国民の税金で活動しているということをぜひともおわかりいただきたいということを私は話をさせていただきました。
 また、こんな行儀の悪いNGOには支援はできない、こう言ったことはございません。ただ、今浅野委員御指摘のとおり、私はどちらかというと、力が入りますと声も大きくなります。同時に私は、たたき上げの政治家で、どちらかといえば今流の政治家でないかもしれません。古い政治家と言われるタイプかもしれません。ですから、私と長いつき合いの人たちとは、私の人間性や私の政治姿勢はわかってくれると思いますが、民間の方で、初めて私にお会いして、鈴木流に言われてショックを受けたり、あるいは、あらっという、まあ驚いたといいますか、威圧を受けたというような印象を与えたとするならば、私自身反省しなくてはいけないし、これは申しわけないことであったな、こんなふうに思っております。
浅野委員 外務省がピースウィンズ・ジャパンのアフガン支援国会議への参加を断ったのは、ピースウィンズがメンバーになっているジャパン・プラットフォームですね、そこに五億八千万円、ピースウィンズそのものに二億二千四百万円、大西代表を信頼して国のお金を出しています。それにもかかわらずお上の言うことには余り信用しないと言うので、そういう団体を国際会議に参加させるのはお断りしようと外務省が決めたと私は理解しています。
 ところが、一月十七日に出席が認められたのに、十九日になって突然出席を断られているものですから、十七日と十九日の間に事情を変更させる何かがあったと憶測を呼んでいます。その何かが鈴木議員の政治的圧力ではないかと疑われています。
 あなたは、十四日から総理特使としてタジキスタン、次いでロシアを訪問して、十九日のお昼ごろ帰国しておいでですね。仮に外務省に圧力をかけるとしたら、出張先の外国からか、あるいは帰国後短時間のうちに手を打つしかないわけですね。そういうことになると思いますけれども、事実はどうなんですか。
鈴木参考人 先ほども申し上げましたとおり、私は具体的にNGO等について言及したことはないんです。
 ただ、今私はこの予算委員会の審議等を振り返ってみるときに、昨年十二月の民間のアフガン復興支援会議のNGOの集まりの議論、いわゆる草の根無償資金等の意見ですね、その話とこの一月二十一、二十二の政府主催の会議が一つの流れとしてあるものですから、私がNGOに対して物を言ったということが何か尾を引いてきたのかなという感じを持っております。
 同時に、小泉総理の答弁にもありますけれども、逆に、十二月のNGOに対する発言、意見が、逆に、そのことをそんたくしてといいますか、ウエートを置いてもし役所の方が判断したとするならば、私は、これは逆にお互いそごがあったし、誤解があったし、また、そういう何がしか配慮といいますか判断があったとするならば、外務省にも申しわけないことだし、大西さんにも私は申しわけないことだな、今そんなふうに感じております。
浅野委員 先日の予算委員会で、共産党の委員が、「鈴木さん、あなたは私たちの友達です」という垂れ幕のかかった写真を示して、日本政府が人道援助として資金を出して国後島につくった宿泊施設、友好の家がムネオハウスと呼ばれているとか、色丹島のプレハブ診療所は鈴木宗男診療所と言われているとか、十人乗りの四輪駆動車はムネオ号と言われていることなどが指摘されました。
 早速、外務省を通じて現地の地区長などの当事者に確かめてみましたけれども、そのような看板や表札、表示は一切ないということであります。
 鈴木参考人は、こんな言われ方をしたことに対して、どのように思っておいでですか。
鈴木参考人 共産党さんの質問等、しかもパネルを持ち出しての話、私も拝見をいたしました。
 私自身、北方四島に日本の国会議員として最初に足を入れた者であります。日本の閣僚としてあの四島に足を入れたのも私が最初であります。浅野委員、北方四島に行かれたかどうか私は存じておりませんけれども、あの北方四島というのは、一センチの舗装もなければ、インフラも進んでおりません。
 そこで、人道支援、特にこの人道支援が始まったのは平成七年からであります。それは、平成六年十月の北海道東方沖地震というマグニチュード七あるいは七・五の大変大きな地震がありまして、学校が壊れ、診療所が壊れてしまったと。
 翌年の五月に私は初めてビザなし交流で行ったんです。当時は、沖縄北方、衆議院の特別委員長でした。そこで先方さんから言われたのは、何とか診療所を建ててもらいたい、命が助かるんだというような話を聞いて、その話を私は外務省に伝えました。その結果として、十月です、平成七年の十月、行ったとき、それがまたちょうどでき上がったということなんです。
 ですから、看板は間違いなく診療所、色丹島診療所であります。そして、国後島の友好の家も、間違いなく友好の家という看板です。ムネオハウスだとかムネオ診療所にはなっておりません。この点は明確にしておきたいと思います。ただ、島の皆さん方が私に、ある種の感謝の念だとか、ある種の仲間意識なんかを持って、これをムネオハウス、ムネオ診療所と言っている人がいるかもしれませんが、それは公式の名称ではないということであります。
 私はモンゴルにもいろいろ関係していますけれども、例えば皆さん、モンゴルに行きまして、日本の車がたくさん走っていますと、小泉さんからの車だと言う人がたくさんいます。それは、小泉総理の善意でクロネコヤマトさんの車をモンゴルに贈った。モンゴルの皆さん方は親しみを込めて小泉さんの車だと言うことを私も聞いたことがあります。私は、そういう話でないかと。何も私自身、スズキハウスと呼んでくれだとかムネオ診療所と呼んでくれと言ったことはありません。
 同時に、私は、友好の家でのあいさつ文も持っております。診療所の落成式でのあいさつ文は持っております。きちっとそのあいさつ文には私は、国民の善意だとか、日本国民は人道支援を積極的にやります、またこれは日本の国会議員の皆さんの協力のたまものですということは、ちゃんと入っております。
 しかし、一部、テレビや報道では、正式な場所でのあいさつでない、ちょっと何人かのぶら下がり的な話でこうやっているところの、私がやったんだとか、つくらせていただきましたという、その部分だけをとって、前段の、国民のこれは善意ですとか、日本国の総意でのこれは人道支援ですとかという、その大事な部分は報道されていないんですね。一部分だけとられて、私はまた誤解を与えている部分もあるかな、こんなふうに思っております。
浅野委員 北方四島は一貫して我が国の固有の領土です。北方領土から引き揚げてきた旧島民が大勢住んでいる根室が選挙区の鈴木議員が特別な思いを持つことはよくわかります。
 問題は、国際機関への拠出金の一部である人道援助を鈴木議員が私物化しているのではないかという批判です。
 例えば、おととしの十一月には、色丹島のディーゼル発電施設に十四億四千九百三十二万円、同じ年に、択捉島のディーゼル発電施設に五億九千七百四十五万円、次の年の十二年には、国後島のディーゼル発電施設に二十億九千百八十八万円の資金が投入されています。結構大きなプロジェクトがありますから、受注をめぐってさまざまなうわさが出がちです。
 これら一連の北方四島の人道援助に伴う工事の受注に、あなたは関与したり働きかけをしたことはありますか。
鈴木参考人 人道支援、なかんずくこの北方四島に対してでありますけれども、これは平成五年にこの支援委員会ができております。
 そこで、この人道支援というのは、相手側の要請主義であります、相手側の要請主義。例えば色丹島のプレハブ診療所、これは四島側からの要望であります。今、浅野委員細かく数字も挙げられましたディーゼル発電所、このディーゼル発電所は、橋本総理とエリツィン大統領との首脳会談で出た話であります。これもロシア側からの要請であります。
 同時に、友好の家だとかはしけについては、これは四島交流、ビザなし交流だとかあるいは自由訪問が始まりました。また、遺骨収集、いや失礼しました、日本人の墓地の訪問も年に四回ぐらいやっておりますね。そういった場合、泊まれる場所がないということで、四島交流をさらに活発化させようということで、例えば友好の家だとか、はしけを使うということでつくられたというふうになっておりまして、私は、相手側の要請、さらには首脳同士の会談等で出てきたプロジェクトが整々と進められている、こう認識をしております。
 同時に、それらの仕事に関しましては、私自身、この問題が出ましたから調べてみましたところ、新聞等による公募による公募型の競争入札だ、しかも、資格基準等も設定してやっている。私自身、どこどこにという話をしたことはございません。これは明確にしておきたい、こう思います。
浅野委員 鈴木議員は、友好議員連盟の会長を幾つ引き受けておいででございますか。そのうちアフリカは何カ国ですか。
鈴木参考人 全部で今十八の議員連盟の会長をやっております。一番大きいのは日中緑化議員連盟かと思いますけれども、その中で、またあと中央アジアの国も入っていますけれども、アフリカは十六の議連の会長をやっております。
浅野委員 その十六の中に、日本とケニアの議連の会長が含まれていますか。
鈴木参考人 このアフリカの十六の議連は、在京の大使さんだとか、あるいはアフリカから訪問された国会議員、あるいは政府の方から議連をつくってくれということで、私は頼まれてつくったものでありまして、ケニアも私は議連の会長をやらせていただいております。
浅野委員 アフリカは、リビア、アルジェリア、コモロ、シエラレオネ、ソマリアの五カ国を除いてすべて日本政府のODAの対象国ですから、ODA絡みの工事の受注をめぐって、とかくのうわさになりがちなんですね。
 率直に伺いますが、鈴木議員はケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電事業に関与したと指摘されておりますけれども、事実ですか。
鈴木参考人 このソンドゥ・ミリウの水力発電所に私が絡んだという話がよく出ます。去年の通常国会でも、衆議院の外務委員会あるいは参議院のあれは外交安保委員会でしたかね、民主党さんや社民党の先生方が質問されております。私は、正確な情報に基づいての質問ならば結構ですけれども、一部間違った情報で一方的に、私が関与した、こう断定されるのはいかがなものかな、こんなふうに思っております。
 私がこのソンドゥ・ミリウの仕事があると初めて知ったのが内閣官房副長官のときでした。たまたま平成十一年八月に私はユネスコの選挙でアフリカを訪問することになりました。当時、小渕総理でありまして、私は内閣官房副長官で、総理親書を持って総理特使の形で、日本から松浦さんという人が立ったものですから、その選挙応援で私はアフリカ数カ国を回ったんです。
 そのとき、官邸におりましたからばたばたしておりまして、十分なブリーフも受けないで、ケニアに行ってあすモイ大統領と会談する、そのときはこのラインで話をしていただきたい、こういうことを言われて、承りました。それは、ケニア政府の最優先順位はこのソンドゥ・ミリウの仕事であるから、もしモイ大統領から言及があった場合、さらにケニア政府から債務は責任を持って払うというお話があった場合は、日本政府は前向きに検討しますよ、そう答えてくださいと、私は、大使館、当時は青木大使でした、青木大使、さらには外務省、同行したアフリカの部局の方からそういう説明を受けて、初めて私はこのソンドゥ・ミリウというのがわかったんです。
 そして、浅野委員、ぜひともこれ、調べてもらったらわかるんですけれども、このソンドゥ・ミリウというのは平成七年から始まっていまして、もう私が行く前に工事も着工しているんです、第一期工事は。ですから、私は最初から何か関与しておったというならば、平成七年にさかのぼらなければなりません。私がソンドゥ・ミリウを知ったのは平成十一年の、その八月のケニア訪問であったということ、同時に、このソンドゥ・ミリウの問題が出てきましたのは、平成十一年の十二月、地球の友ジャパンというNGOが大蔵大臣等あてにあるいは一部国会議員等あてに、その地球の友ジャパンの思いというか考え方、それが流れてから国会でも議論されるようになった、私はそんなふうに承知をしております。
 同時に、もう一つ言わせてもらいますけれども、この件に関しましては、昨年の九月、衆議院の外務委員会が院の海外視察として、当時、民主党の土肥代議士さんが委員長でありますけれども、ソンドゥ・ミリウを視察しております。それで、現地のNGOや地域の住民や、さらにケニア政府とも会談をされております。そして、そこで明確に土肥委員長がコメントを発しておりますから、この点、日本に帰ってきてから、視察した先生方も懇談会を開いております、NGOからすべての人を集めて、親切に、丁寧に説明もされておりますから、それを聞いてもらえればおわかりになるのではないか、こう思っております。
浅野委員 外務省の職員に佐藤優という主任分析官がいます。佐藤氏は鈴木議員の海外出張にたびたび同行をしていて、まるで個人秘書だと言われておりまして、いささか異常な感じを受けますが、どうなんですか。
鈴木参考人 これも一部報道等でおもしろおかしく書かれていますね、秘書をやっていたとか運転手をしていたとか。全くそういう事実はございません。これはまた役所側もこの予算委員会で明確に答弁していると思います。外務省は外務省で出勤簿を私はつけていると思っておりますから、これは調べてもらえばわかる話であります。私の事務所に何分いたか、あるいは何時間いたかといったって、何がしかの報告等で来たことはあっても、私の秘書をやっておったとか、あるいは運転手までしておったというのは、私は、佐藤さんの名誉のためにもこの点ははっきりしておくべきことだ、こう思っております。
浅野委員 委員会でNGOの排除問題が議論になった一月二十四日の夜のあなたの行動について伺います。
 まず、あなたと外務省の小町官房長、それから重家中東アフリカ局長と、三人が会った。その後、自民党の松岡利勝議員に呼ばれて、近くの飲食店に席を移して、引き続き会合を続けたと伝えられています。専らその席で答弁のすり合わせをしたと見られていますが、いかがですか。この夜のあなたの行動を明らかにしていただきたいと存じます。
鈴木参考人 これも間違った、事実関係も確認しないで、お話がひとり歩きしておりますから、明確にしておきたいと思っております。
 一月二十四日の夜、私はアフガン復興支援会議の、この国際会議に来た国連職員があす帰るというものですから、それであればちょっと慰労会をしようということで、私は日本食をもてなしをしました。そしてその国連職員に、どうぞ、あなたの気の許す方を一緒しても構いませんよ、こう言ったんです。その国連職員は、もうこの委員会でも名前が出ておりますから、今アフガン復興の国連特使ブラヒミさんの補佐官をやっている高橋博史さんです。その高橋博史さんは、上村さんと沼田さんという方を一緒にして来ました。それと私の秘書と五人で会食をしたというのが正確な話であります。
 そして、十時半ごろですか、松岡代議士から電話がありました。今どこにいるかということですから、私は、日本料理屋さんにいて今食事をしているんだ、こう言ったんです。そうしたら、あ、おれも近くにいるんだということになったものですから、もうそろそろ食事が終わり、帰る時間だったものですから、じゃ、帰り寄っていくわと。私のうちの通り道なものですから。
 そこで、私は十一時半ごろ、十一時半ごろ松岡さんの席に行きました。そこで、松岡さんの席に行ったところ、外人さんがおりました。名刺交換して、初めてシリアの臨時代理大使だということがわかりました。そのシリアの臨時代理大使の正面に、小町さんと重家さんが座っておりました。
 私自身、その席に小町さんや重家さんがいると知らなかったんです。ですから、私は松岡さんに呼ばれて行っただけですから、松岡さんと十分ぐらいですかね、お話をして、私はすぐ退席をしました。そのとき、小町さんと重家さんとは会釈を交わした程度であって、答弁のすり合わせなんというのは、全く私はこれは不愉快であります。事実でないということ。
 それと、最初から私はその重家さんだとか小町さんとの夜の会合のセットはないわけでありますから。あたかもあったようにテレビ報道は流しておりますけれども、私は、よく調べてからやってもらいたい。私は、衆議院議員、公人でありますから、批判は受けても結構ですが、役所の皆さんには立場がありますから。私は、役所の皆さん方がこれではかわいそうだ、私はそんなふうに考えております。
浅野委員 その夜の大体の時間的な行動はわかりましたけれども、それでは、その松岡代議士とシリアの臨時代理大使との席、あなたは何分くらいいたんですか。外務省の幹部と何かやりとりはあったんですか、何もないままですか。何もないままというのはちょっと、会合に一緒にいて言葉を交わさないというのもおかしくありませんか。
鈴木参考人 十分か十五分ぐらいいたと思うんですが、そこでシリアの問題を松岡さんが話されました。そこで、通訳を挟んでの話でありますから、実際の往復時間を入れると十五、六分かな、二十分かなという感じがしますけれども、正味、松岡さんと私の話なんというのは七、八分のものだった、こう思うんです。
 ですから、重家さんとか小町さんと私は話をする時間的なものはなかったし、いま一度明確にさせてもらいますけれども、それは、答弁のすり合わせなんというのは邪推も邪推であるということ、これは明確にしておきます。
浅野委員 質疑を通じて、鈴木議員が北方領土の人道援助や開発のおくれているアフリカの国々のために真剣に取り組んでおられる、その政治姿勢はわかりました。
 最後に、お述べになりたいことがございましたら、この機会に短くお話しください。
鈴木参考人 私の選挙区は、これは釧路、根室であります。また、中選挙区時代も釧路、根室は選挙区でありました。
 私自身、この根室という場所、ここには元島民の人がたくさんおられます。私は今でも覚えているんですけれども、北方四島の中に多楽島という島がありますが、そこからの引揚者で浜谷政次郎さんという方がおりました。今から八年前に九十七歳で亡くなったんですけれども、この人は私にいつもこう言っていました。鈴木さん、私の代でだめなら息子の代で、息子の代でだめなら孫の代で、孫の代でだめならばひ孫の代で、ぜひともこの四島の返還をなし遂げてくれ、これはよく言われました。今も耳に残っております。
 そして、国会を見ても、あるいは我々同僚を見ても、なかなか、北方四島というのは民族の悲願であるといいながらも、ローカル的な問題でしか扱われてきませんでした。
 私は、政治家として、しからば私のライフワークとして、この領土返還運動、あるいは日ロ関係、平和条約の問題について取り組もうと思って、私は一貫してやってきた政治家なんです。それゆえに、四島にも私はだれよりも足を運んでおります。もう計七回も行っているんです。その思いだけはぜひともおわかりをいただきたい、こんなふうに思っております。
 同時に、アフリカにつきましても、私自身、あのソマリアだとか、あるいはエチオピアのおなかが膨れた子供を見たり、あるいは路端で亡くなっている映像等を見たときに、何とかしてやりたいという思いで私はアフリカ問題に取り組んでいるんです。
 私とアフリカを近づけさせてくれたのは、オスマン・サンコンさんでした。そして、オスマン・サンコンさんのおかげで、アフリカの青年も私の秘書をやっております。もう十六年にもなっておりますね。
 私は、日本も、戦後、食うや食わずの時代があった、しかし、今、日本もおかげさんでここまで来た、まだ日本は余裕がある、助かる命を日本の力でできることがあるならばやってやろうじゃないかという私は純粋な気持ちで、アフリカの開発だとかODAをやっているだけなんです。そのアフリカをやりますと、すぐ利権だとか、すぐですね、お金にかかわる話、これを私は……(浅野委員「ODAと取り組んでいるという意味ですね、ODAをやっているというのは」と呼ぶ)はい。そういった意味で、私は海外開発援助等に取り組んでいるということをぜひともおわかりをいただきたい、こう思っています。
 同時に、批判をするのは勝手でありますけれども、しからば、北方四島にどの政治家でどの人がいかほど取り組んでいるか、アフリカ問題にどの政治家がいかほどやってくれているか、もし頑張っている人がいるならば、また教えていただきたい、私は協力してやりたいものだ、こう思っております。
浅野委員 ODAをやっているというのは、ODAの課題と取り組んでいる、そういう意味だったと存じます。
 政治が社会の中で弱い立場の人のためにあるとしたら、政治ほど大切なものはないと私も思っています。
 これで質問を終わります。委員長、ありがとうございました。
津島委員長 これにて浅野君の質疑は終了いたしました。
 次に、原口一博君。
原口委員 おはようございます。民主党の原口一博でございます。
 鈴木参考人、御苦労さまです。ありがとうございます。
 まず、今お話のありました、オスマン・サンコンさんの御縁で秘書になられたというアフリカの青年、この方のお名前は何とおっしゃいますか。
鈴木参考人 ムウェテ・ムルアカ君といいます。
原口委員 この方は、いろいろなマスコミにもお出になって、大変背も高くて、二メーター九センチぐらいですか、ビッグ・ジョンとか、そういうあだ名がつかれていらっしゃる方ですが、いわゆるマスコミでおっしゃっているのは、御自身は、外交官である、コンゴ政府の一員だと。在日本コンゴ民主共和国大使館通商代表機関代表ということで名刺をお配りになっていると思いますが、これは事実でございますか。
鈴木参考人 名刺は、私は、私の私設秘書という名刺を使っている、こう思いますね。
 それと、そのザイール通商代表の肩書ですか、それを受けているかどうかは、ちょっと私は、通商代表部というのがある話は聞いておりますけれども、その仕事をやっているかどうかは確認、私は今できていません。
 ただ、大学の先生もやっていることは事実であります。大学の先生をやっておって、あと、授業を受けていることも事実でありますから、私のところには、その大学の講義のないとき、あるいは授業のないとき来ているということであります。
原口委員 このムルアカさんは、もう幾つも、報道でもありますし、御自身もそういうふうに名乗っていらっしゃる。
 委員長にちょっとお願いしますが、この方がやはり外交官用のパスポートやIDカードをお持ちか、これを本委員会に資料として提出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
津島委員長 理事会で相談をさせていただきます。
原口委員 鈴木参考人、何でこんな質問をするかと申しますと、もしムルアカ氏が外交官だとすると、他国の外交官を国会議員が、今私設秘書とおっしゃいましたが、お使いになるということは、日本の国益を守る意味で、これは正しいことではない。アメリカでは、これをスパイ活動を支援する行為として、犯罪に問われる行為でございます。それはもう当たり前の話です。
 私ども、少し確認をしてみました。この方が外交官であるかないかというのは、御自身がいろいろなところで、メディアでもお話しになっているんですから、鈴木委員は確認する立場にいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
鈴木参考人 私は、彼が外交官であるというふうな認識を持っておりませんでしたので、今、原口委員からそういう御指摘がありましたから、私の方もすぐこれは確認したい、こんなふうに思っております。もし、私自身、外交官であったとするならば、当然それは私設秘書なんという肩書を与えませんから、私は、民間人だという認識で使っておっただけでありますから、この点はっきりさせたい、こう思っております。
原口委員 ここはとても大事なところでございまして、もし外交官でないということであれば官名詐称になりますし、そういう問題のある方が私設秘書であったとすると、先ほど議論がございました、アフリカの十六カ国、会長をお務めになって大変熱心になさっています。私も、ロシアへ行ったりさまざまな国に行くと、委員のお名前が出て、委員に感謝をしているという、もう生で聞いてきています。しかし、十六カ国の、あなたが会長を務める議連の事務局もこの方がなさっているんじゃないんですか。
鈴木参考人 議連にはそれぞれ幹事長とか事務局長を置いておりまして、それぞれの先生に分担して協力をお願いしているということです。
原口委員 いや、今私が伺ったのは、鈴木参考人、このムルアカさんがその事務局役をお務めになっていると思うんですよ。それは、私ども確認していると思うんですが。
    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
鈴木参考人 私の私設秘書でありますから、私が議員会長でありますから、例えば在京大使が会いたいとかというときの日程調整なんかは、当然、彼が中に入るということはあり得るということであります。
原口委員 そういう身分は今から確認されるということでありますが、私は、これは少し問題があるということを指摘させていただきます。
 それから、ムネオハウスあるいはムネオ号という話は今否定をされたわけですが、ケニアには、スズキホールという私財を投じられたホールがあると思いますが、これはどういう経緯でおつくりになったんでしょうか。
鈴木参考人 正確にお答えいたします。
 スズキホールというのは、ケニアではございません、タンザニアのアリューシャという場所であります。
 そこで、タンザニアの政府の次官が、一昨年日本に来られました。そこで、その人いわく、今一番困っているのは学校建設が途中でとまっている、この協力をお願いしたいんだという話でありました。私は、幾らぐらいかかるのかなと聞いたら、まあ十万ドルぐらいかな、ただ、正確にはわかりませんという話。それで、私も、私のできる範囲で協力をしますから、お帰りになったらどうぞ我が方の大使館にお申し越しをいただきたい、こう言いました。
 そして、向こうから来たのが、約八百万円、日本円にして七万ドルですか、七万ドルぐらいで建設が可能だと……(発言する者あり)ああ、失礼、日本円で八百万円、米ドルで七万ドルで可能だということでありましたから、私は、その八百万円、私の政治資金の方から出させていただきました。私の個人の政治資金管理団体であります。
原口委員 いや、非常にびっくりするんです。なぜこれを聞いたかというと、ホームページに書いてあるわけで、ケニアのアルーシャに立ち寄り、スズキホール落成式に出席した、モレル・タンザニア首相府次官がお話しになったことを感動されて、寄附をされているから。
 ただ、それで、私どもが国会議員の資産公開の取り決めに基づいて資産をチェックしてみると、とりたててその資産の増減がないわけです。つまりは、御自身のいわゆる資産から寄附をされていない。
 今、政治団体から寄附をされたということですが、政治団体からの寄附が他国に許されるんでしょうか。
鈴木参考人 これは、私は外務省に渡して、外務省から送ってもらっております。そこで、これは送金の写しもすべてありますから、私は、その点は迷惑かけたと。
 同時に、昨年の政治資金はことしの三月いっぱいの報告でありますから、当然事務的な手続も私はとられているものだ、こんなふうに考えております。
原口委員 これは幾つか法的にも、それから今、外務省をとおっしゃいましたが、非常に問題がありますし、しかも、私たち政治活動で集めたお金を、それを他国に寄附をするということが、こういったことが許されるのか。
 委員長にお願いしますが、これもまた理事会で協議をさせていただきたい。私は、非常に問題であるというふうに思います。
鈴木参考人 私の認識では、こういうふうに思っています。外国の企業等からの政治献金は受けられませんが、出す分については、私は、今原口委員指摘の点は、どこにも書いてない、私はそんなふうに考えております。
 失礼しました。もう一つ、委員長。
 なぜ外務省かといいますと、この点はっきりしておきますけれども、口座の確認とか、間違ったら困るものですから、正式に大使館に、先ほど私が言ったように、大使館にお申し越しをいただきたい、それで、どこに振り込んだらいいのかも大使館に連絡をいただきたいという、あくまでもそれは事務的な話でありまして、その写しははっきりありますから、これは後で、もしその写しを見たいというならば、出しても結構であります。
原口委員 私は、個人的な寄附を、そういった外務省をお使いになったということについても、それが果たしてよいのかということは指摘しておかなければいけない。七万ドルの寄附だけでは買えないプライスレスな笑顔があったと、すばらしい笑顔で志を遂げていらっしゃいますので、このことについては、また後日、少し調べてお話をしたいと思います。
 次に、二〇〇〇年の十二月、鈴木議員は森総理の親書を携えてロシアを訪問されています。そこでプーチン側近のセルゲイ・イワノフ安全保障会議書記に会ったとされていますが、これは事実ですか。
鈴木参考人 事実でございます。
原口委員 委員長にお願いして、橋本内閣以降の鈴木参考人の海外出張についての資料をお配りいただきたい。
 この際、同席したのはどなたですか。そして、個人の資格での訪ロでございますか、公式訪問でございますか。
鈴木参考人 これも国会でいろいろ取りざたされたこともありますから、明確にしておきたいと思いますけれども、十二月、セルゲイ・イワノフさんにお会いをしましたその経緯を原口委員に御説明したいと思いますが。
 その年の十月、当時の河野外務大臣とイワノフ外務大臣との間でも、河野大臣の方から、鈴木宗男議員をセルゲイ・イワノフさんに面会できるようぜひとも仲立ちをいただきたいという話が、まず十月の日ロの外相会談であります。翌月の十一月、ブルネイにおけるAPECにおいて、森総理からプーチン大統領に対し、ぜひとも鈴木議員をセルゲイ・イワノフさんに会わせてもらいたいと、大統領お願いしたいという話を、総理自身からもされております。それを受けて、十二月にセルゲイ・イワノフさんと私の会談がセットされたものだということをまず御承知おきをいただきたい、こう思っております。
原口委員 聞いていることだけお答えいただきたいのです。時間が短い、きょう、テレビが入っていますから。
 同席したのは一体だれですか、それは個人の資格ですかということを聞いているわけです。
鈴木参考人 私は、総理親書を携行して行きましたので、後でまた質問が出てくるかと思いますけれども、個人の資格といいながらも、政府と一体の中で私はそのときの会談に臨ませてもらった。同時に、先方さんから、テタテ、俗に言う一対一の会談をしたいというものですから、私と通訳のみということでありまして、そのときの通訳は佐藤優さんであります。
原口委員 先ほど田中元外務大臣がお話しになったことは、いわゆる公と私が非常に不明確なんですよ、委員の行動やさまざまな思いはわかりますけれども。しかし、その中で、どこからどこまでが公で、どこからどこまでが私かというのがよくわからない。もし公式訪問であるとするのであれば、政府関係で行くのであれば……(発言する者あり)出してください、この人、委員じゃないので。委員長、出してください。(発言する者あり)
津島委員長 御静粛にお願いします。
原口委員 政府関係で行くのであれば、外相が知らず、しかも、東郷欧州局長らが同行したにもかかわらず、同席をしたのは佐藤さんと中野さんだけというふうに聞いています。こんな政府の会見はないんですよ。
鈴木参考人 原口委員、原口委員、ここはよくおわかりをいただきたいのですが、東郷さんも来ましたけれども、先方の方で、一対一の会談をしたい、ですから、通訳とノートテーカーだけということですから、そういう形になったということなんです。これは、御党でも外務省出身の方がたくさんおられますから、聞いてもらえば私はわかることでないか。東郷さんも確かにモスクワにおられました。しかしそのときの状況で、私が、よく、外したなんという話があります、大使も外したなんという話もありますけれども、そういうことはないということだけは、これまたはっきりさしておきたい、こう思います。
 同時に、議院内閣制ですから、我々与党は政府の外交方針をバックアップするというのが建前でありますから、この点は何ら私は問題のあるものでない、こんなふうに思っております。
原口委員 今明確にお答えになったのは、先方の方から鈴木委員とお二人でと、やはり先方の方の意向に沿ったものであったと。私は、それはいかがなものかと思うのです。外交というのは、やはり専門家をきっちり交えて、積み重ねの上でやっていきます。
 そこで、お伺いしますが、次の資料をお配りをいただきたい。それは、いわゆる日露青年交流事業、この資料でございます。
 これは、いわゆる、今お話しになった佐藤主任分析官というのが実質的に仕切るとされている事業でございますが、一九九八年の小渕・エリツィン会談を受けて、十九・二億円の拠出金を事業資金として、九九年の七月から始まっております。千二百名規模のもので、滞在日数が十日間、年間約五億円という国費が使われていると思いますが、いかがでしょうか。
鈴木参考人 この日ロの青年交流、今原口委員お話しのとおり、当時の小渕総理とエリツィン大統領の、平成十年の十一月の小渕総理の公式訪問の際、決まった話であります。
 同時に、私は官房副長官でありましたから、この計画には積極的にかかわってまいりました。その結果、翌年からこの事業が動き始めましたが、私自身、時間のある限り、この青年交流で来日された皆さん方には極力会って、交流を深めているというのが事実でございます。
原口委員 今、このペーパー、私は二〇〇一年の分を全部持っていますが、すべてこの、今皆さんのお手元にお配りしたのは、モスクワ国際関係大学生一行の日程、成田に着いて、鈴木宗男衆議院議員表敬、あと、ディズニーランドに行き、築地の市場に行き、京都を視察し、京都を視察し、京都を視察する。ほかのも大体よく似ているのです。地方行政府関係者、鈴木宗男衆議院議員表敬、東京ディズニーランド、京都。政党関係者、鈴木宗男衆議院議院運営委員長表敬、大相撲初場所観戦、東京ディズニーランド、東京湾クルーズ。青年団関係者、鈴木宗男衆議院議員表敬、東京湾クルーズ。こういうことをやっていらっしゃるわけです。
 この中で必ず、私も実際に出た人にいろいろ聞き取りをしてみました。この金をとるのに尽力したのはおれだ、プログラムを行うときには事前にいろいろなことを相談をしなさいということをおっしゃっているということですが、いかがですか。
鈴木参考人 どうも、何かすればすぐ鈴木という結びつけで話をされますけれども、この金をつけたのはおれだなんという話は、これまた言ったことはございません。どうしてそういう話が出るかということ。
 ただ、先ほど言ったように、小渕・エリツィン会談で決まった話、同時に、決まるまで私も、先ほど言ったように官房副長官ですから、この事業の何たるかもわかっているということ、それを踏まえているということ。
 例えば、今原口委員がお示しになりましたこのモスクワ関係大学生の一行、私は、これは極めて重要だと思っているのです。なぜかというと、これは、今のパノフ大使もそうですが、全部この学校の出身でありまして、ロシアの外務省の方は大体ここが中心になっておりますね。ですから、この人らに会うのは意味があるし、同時に、もう一つ、原口委員、しっかり認識していただきたいのは、このメンバーの中にミトロファーノフさんという国会議員の息子さんがおって、そのミトロファーノフさんが、ぜひとも鈴木宗男に会ってこい、そういうメッセージを携えて私のところへ来ているというのも事実なんです。
 何がしかの御縁だとか何がしかの向こうからのアプローチがあって、私も極力時間を割いている、これが事実でありますから、この点、予算をとったのはすぐおれだと、どうしてそういう短絡的な話が出るか、もし具体的なものがあれば、私は示していただきたい、こう思っております。
原口委員 私が言っているのではなくて、あなたがおっしゃっているとたくさんの人がおっしゃっているわけです。証人を出せというのだったら出しましょう。委員長、それでも結構です。
 この中で何回も小宴を開いていらっしゃいますが、これもあなたのポケットマネーから出していらっしゃるものですか、違いますか。
鈴木参考人 小宴というのは何を指すのでしょうか。例えば、夕食会とかそういうのですか。(原口委員「いやいや、あなたが主催の夕食会があるでしょう」と呼ぶ)こういった公式の行事が終わった後、例えば、またどこかでもう少し食事をしたいだとか、あるいはお話を聞きたいということについては、すべて私の方で、外務省には一切の負担もかけず、先方の要望ができるだけかなえられるように、私は誠意を持って対応しております。
原口委員 事前に自分のところに話を持ってきなさい、北方のさまざまな問題についても、おれの話を聞いていない、だから必ずあいさつをしろ、こういうことをいろいろなところでいろいろな人に対しておっしゃっています。NGOの参加問題についても、先ほど、御自身の判断でおやめになったということですが、これは総理の判断ではないんですか。御自身の判断ですか。
鈴木参考人 一月三十日未明の総理の記者会見でもその点ははっきりしておることでありまして、私はみずから身を処したというのが事実であります。
原口委員 その理由は何ですか。
鈴木参考人 先ほど浅野委員の御質問にもお答えしましたが、私のことで国会が混乱をした。議運委員長というのは国会の議事運営の責任者でありますから、これは申しわけないことだと。同時に、田中大臣の更迭、また野上次官の辞任ということもあったわけでありますから、私も、ここは身を処すのが政治家としての出処進退ではないか、こう思って決断をしたということであります。
原口委員 NGOに対して、先ほど、十二月から四回、自分が呼びつけたのではないとおっしゃっていますが、机をたたいたり、あるいは、もうこいつらの援助はストップするからな、外務省はNGOが勝手にやっているのを許しているのか、任せっきりなのはけしからぬ、また、与党が政府なのに野党も同等に扱うのは許しがたい、もっと早くあいさつに来い、NGOというのはとんでもないのがいる、こんなやつらに税金を出すというのはどういうことだ、こういうことをおっしゃったのは事実ですか。
鈴木参考人 先ほど浅野委員にもお答えしました。今いみじくも原口委員が相当語気を強めて物を言いました。じゃ、今の原口委員の表現は普通なんでしょうか。私も、例えば力が入ったとき、ある程度オクターブが上がることも事実でありますから、私はその点、熱心の余り物を言ったことは事実でありますが、先ほど、浅野委員の質問と重複しますから、原口委員も時間を気にしておられますから同じことは避けますけれども、先ほど浅野委員にお答えしたのが事実でございます。
原口委員 おっしゃっているわけでしょう。おっしゃっていますよね。
鈴木参考人 それでは、いま一度丁寧にお答えします。
 私が呼びつけたという事実はございません。同時に、おれが税金を集めているんだとか、あいさつにも来ないで何だだとか、予算をつけてやらぬぞとか、そういうことは言っておりません。
 私は、ぜひとも原口委員にもおわかりいただきたいのですが、話が、五の話を十に膨らませて相手に言ってしまったら今のような話になると思っているんです。ですから、この点、もっと私は冷静に議論をいただきたいものだなと。
 同時に、私自身、この際はっきりさせておきますけれども、なぜこのジャパン・プラットフォームに対してそれなりの物を言うかというと、私はジャパン・プラットフォームを推進する議員連盟のメンバーであります。きょう、この中にも何人かの委員の人がおりますけれども、このジャパン・プラットフォーム推進議連というのは、おととしの八月にできました、若手の先生方で。私のところに相談に来まして、それはいいことだからやれと私は推し進めた者なんです。そして去年の十月、十二人しかいないから、十二人じゃ寂しいからもっと数をふやしたい、やはり鈴木先生にも入ってくれと言うものですから、私も正式にメンバーになって、歳費からも今会費が取られているはずであります。
 ですから、私は、ジャパン・プラットフォームは身内だという思いがありますから、仲間でありますから、ここは甘えの構造は許されないという思いもあって、はっきり物を言ってきたということ、同時に、協力しているものは私は協力しているということをこの際明確にしておきたい、こう思っております。
原口委員 今おっしゃったのは、内容について言ったか言わないかはおっしゃっていないわけですよね。おっしゃったわけですね、やはりそういう自分も思いがあったから。
鈴木参考人 そういう表現はないということは明確に言っておりますので、きょうはテレビも入っておりますから、後でまた議事録を起こしてもおわかりいただけるし、浅野委員の質問とも重複している部分もありますから、ここはよく見てもらえれば私はおわかりいただけるものだ、こう思っています。
原口委員 佐藤主任分析官のこの一年間の残業と申しますか、今秘書の役割をしていないということをおっしゃいましたが、あなたが海外に行かれるこの三十七回のうち、実に十八回御一緒になられて、そして、タイムカードを調べてみればわかるということを言われましたが、資料を、三枚目をお配りいただきたいと思います。実に六十二時間から百二時間に至るまでたくさんの超過勤務をなさっています。そして、私どもがこの佐藤分析官について調べてみたところ、赤坂の一等地におうちを持って、そこから通っていらっしゃるということでございました。
 私は、委員長にお願いをいたしますが、佐藤分析官、先ほど田中元外務大臣は、モスクワに行って、みんなと一緒にいないと紛れてしまうからということを事務方が申しておりましたということをおっしゃっていました。この佐藤分析官という方があなたにとってどのような方なのか、そして、北方領土返還運動をずっと続けていく上でどのような役割をされてきたのか、教えてください。
鈴木参考人 佐藤さんが赤坂にお宅を持っているというんですか、自分のうちを。私は今それも初めて聞きましたから、新しい、それもまた情報として承りたい、こう思いますね。私は、赤坂のアパートに住んでいるというふうに思っておりましたから、自分のうちとアパートではまた意味が違ってくるなという感じもします。
 私は、外務省の中にそれぞれ専門家がおります、この専門家が日本外交を支えている、こういう認識を持っております。その中でも佐藤優さんは一級の私は情報分析官だ、こう思っております。これは、外務省はもとより、外の方でも評価をされている、こんなふうに思っております。
 ちなみに、私は、これは平成十年九月の各全国紙ですけれども、佐藤さんが主任分析官になったということを大々的に報じております。外務省もいい人事をやった、たたき上げ、いわゆるノンキャリアでも能力のある者は登用するんだ、外務省は、これはしっかりしているという非常に好意的な記事もあります。
 私は、外務省も上級職あるいは専門職、きちっと何がしか区別されているように見られていますけれども、人間的な配慮のされた、私は外務省も時としていい人事、人の配置をやっているんだなという認識を持っているし、佐藤さんの分析能力、あるいはロシアのみならず、中央アジア含めて、私は一級の外交官だ、こんなふうに認識をしております。
原口委員 ここにサハリン・フォーラム二〇〇〇、それから日ロ専門家会議の議事録を持ってきました。
 このサハリン・フォーラム二〇〇〇では、六本の論文の中に、鈴木さんにお世話になっていますというのが入っています。しかし、この方々に領土の話をすると、鈴木さんはそんなことは言わない、鈴木さんは友好と援助のことは言うけれども、領土のことなんか言わない、あなたたちはまさに一括返還論者、伝統派であって、もっと開かれた、友好な態度で臨みなさいということを言います。
 私は、二元外交と言われるような、今まで政府と違ったところで、そしてロシア政府がまさに指名をされた、あなたが一体でお話しになったことが、結果的には日本の外交姿勢のメッセージを大きくゆがめてきたのではないか、そして、まさに外務省を私物化して、そして多くの人たちに物を言えなくしているんじゃないか、このことを指摘をして次の委員にかわりたいと思います。
津島委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。(鈴木参考人「委員長、委員長」と呼ぶ)
 時間がございますので……(鈴木参考人「委員長、大事な部分ですから、これは議事録に残りますから、大事な部分ですから、私はこの点明確にしておきたいと思います。原口委員、日本政府の……」と呼ぶ)
 鈴木参考人、まだ答弁される機会がありますから、時間を割り振っておりますから、ちょっとお待ちください。
 次に、東祥三君。
東(祥)委員 自由党の東祥三です。
 議員は物事をはっきり言われます。僕もはっきり言いますから。時間、十分間しかありません。単刀直入に聞きます。また、できるだけ重複を避けたいと思いますが。
 一月二十一日から始まりましたアフガニスタン復興支援会議において、いわゆるNGOの参加拒否問題がありました。先ほど議員は、一切その圧力にかかわっていないと言明されました。少なくとも、公文書を読む限りにおいても、議員は常にNGOの問題について深く関心を持っていたことは公文書を通じてもよくわかります。先ほども言及あった、十二月におけるNGO東京会議においても、そのこと、先ほど言及されていたとおりであります。
 意見交換は少なくともされていたんでしょう。外務省との間でNGO問題に関して意見交換はされていたでしょう。いかがですか。
鈴木参考人 自由民主党の部会にはNGOをやはりサポートする会等もありまして、平場の会として開かれておりまして、NGOの皆さん方を呼ぶ、そして、我々も参加して自由にやるということでありますから、そういった意見交換はしております。
東(祥)委員 ただ、自民党の部会のみならず、外務省の役人を呼んで外務省との間でNGO問題について議論されていましたよね。当然、アフガニスタン復興支援会議において、どのNGOが参加するか参加されないかというそういう情報交換もされていたでしょう。
鈴木参考人 十二月のそのNGO……(東(祥)委員「イエスかノーかだけ言ってください。時間ないんだから」と呼ぶ)
 ですから、そういった具体的な相談はしておりません。してないんじゃなくて、伺っておりません。
東(祥)委員 わかりました。
 おかしいじゃないですか。公文書において、一月二十日付、中東第二課長より鈴木議員に別件もあり、そのとき、当該関係のNGOを外務省として不許可としたことを説明と書いてあるじゃないですか。あなたが事前にこういう問題について情報を得てなければ説明する必要ないじゃないですか。
鈴木参考人 私は、先方から会いたいという連絡があって、二十日ですから、それは何曜日になりますかね。(東(祥)委員「日曜日です」と呼ぶ)日曜日ですね。私は十九日、ロシアから帰ってきました。そこで、その間は恐らく外務省何も連絡やっていませんし、同時に、私はタジキスタンなんかに総理特使として行っていまして、アフガン復興にもかかわっておりますから、当然事務的な連絡として来られたものであるし、そういった連絡で会っているということであります。
東(祥)委員 昨年の十二月から、NGO問題に関して深くかかわっているということはあなた自身もお話しになっている。無償資金、いわゆる草の根資金を国内においてNGOに直接出すことできない、あなた正しいんですよ。それ以後ずっとかかわってきているんでしょう。その一連の流れの中で、NGOの方々と外務省の役人を踏まえた上で議論しているんでしょう。当然、あなたはアフガニスタンの復興の問題に関しては深くかかわり合いを持っている、関心がある。
 関心がある問題に対して、いつもあなたは執拗に攻めていくことは、僕は外務総括政務次官もやっているわけですから、二回やっているんですよ。先ほど田中外務大臣が、外務省においてあなたの影を常に感じている。僕は第一回目のときは感じませんでした。いわゆる九九年から入ったときに物すごく感じました、後から具体的に申し上げさせてもいただきますが。
 そういう意味におきまして、ちゃんとNGOとのかかわり合いに関して関心を持ち、意見交換されていたでしょう。それすらもあなた認められないんですか。
鈴木参考人 例のアメリカの同時多発テロが昨年の九月の十一日ですね。それを受けて、十月の七日、八日、私は総理特使として中央アジア、アフガンの隣接のタジキスタンに行っておりますから、そういった意味で、アフガン復興、アフガンの和平、安定のためには周辺国の環境整備というのは大事でありますから、その関係で外務省は、当然、私のところに説明に来たというのは何回もあるということであります。
東(祥)委員 じゃ、そういう意味では情報交換はされていた。ただ、あなたは直接、ピースウィンズ・ジャパンあるいはまたジャパン・プラットフォーム、これを排除するだとかいうことは言及していない。
 鈴木議員、私は、総括政務次官をやっているときに、まず初めに自民党本部にごあいさつに行きました。欧州局の局長以下皆さんがあなたのところであいさつしている姿を見て、驚いてしまったんですよ、初めに。何で鈴木さんのところへ行くんだと。いや、東さん、いろいろありましてと。ここから始まるわけですよ。鈴木さんというのは外務省の中で何を一体やっているのか。
 そしてその後、覚えていますか。一九九九年末、チェチェン紛争があったときに、このときにあなたは外務省の原案に関しても、河野外務大臣の発言する要綱ですよ、原案、これに対して茶々入れてきたことを覚えているでしょう。国内問題だというふうに論じろと。それに対してあなたは――我々は政府の見解だ、あなたからとやかく言われることはない、意見は聞きますよ。そしてその後、河野外務大臣、あなたが言われたことを言わなかった。何で河野外務大臣、そういうことを言わないんだということを欧州局に言ってきたでしょう。あなたはそういうやり方をやるんですよ。そういうやり方をやるんです。
 さらにまた、先ほどお話あったイワノフさん、あなたの親友ですね。イワノフ、今国防長官ですよ。当時、安全保障会議の書記、プーチン大統領の右腕だと言われる人ですよ。そのとき、二〇〇〇年暮れ、初めて会ったんだと思います。そしてその後、ある人が、外務省を通じてその人に会わせようとしたときに、会えなかったんですが、あなたはクレームをしているじゃないですか、外務省に直接。おれが彼のカウンターパートだ、どうしておれを通さないで彼に会わせようとするのかと。あなたのやり方というのはこういうことをやるんですよ。そうでしょう。
鈴木参考人 先生、これ、決めつけないでください。私は、じゃセルゲイ・イワノフさんに、邪魔をしたというのは何の件か、後で具体的に教えてください。それが一つ。
 チェチェン問題は、これは正確にやりましょう。
 日本は一貫して、チェチェン問題はロシアの国内問題だと言ってきたんです。それをアメリカやヨーロッパの方から、これは人道問題にカーブを切ろうと、日本も協力してという話があったんです。そこで外務省は……(東(祥)委員「委員長、委員長」と呼ぶ)これは大事なところですから、委員長。(東(祥)委員「話をずらさないで」と呼ぶ)いやいや、違います。ここは、チェチェン問題は大事でありますから。
 そこで、そのとき外務省もぶれたんです。国内問題から人道問題にぶれようとした。私は、アメリカやイギリスは領土問題はないけれども、日本には領土問題があるから、私は……(東(祥)委員「問題をずらさないで。あなたとチェチェンの問題……」と呼ぶ)
津島委員長 今参考人が話しております。
鈴木参考人 国内問題でいこうということになっておりますから、この点、日本の……(発言する者あり)大事な部分であります。
 それともう一つ。委員長、なぜ私はこだわるかというと、プーチン大統領も、日本だけだと、チェチェン問題でぶれなかったのは。今、日ロ関係がうまくいっているのは、この日本の政策のぶれがなかったことが今、日ロが友好に動いている、これは大きなことなんです。
東(祥)委員 私は、あなたとロシア問題、チェチェン紛争についても議論しましょう。
 私が言っているのは、あなたのやり方について言っているんですよ。大声を張り上げて、自分自身の関心があるところに言及しているんですよ。それをあなたは、おどしととられても仕方がない、それは相手の問題だという、そういうとらえ方をするかわからない。圧力ととられても仕方がない。あなたみたいな形で言う人っていないんですよ。私の意見はこうだ、考えてくれ。おまえ、何なんだ、こういう言い方をあなたはするんですよ。それが圧力ととられない。それは相手の問題でしょうと。
 あなたは一月二十四日、この問題に関して、田中前外務大臣はうそを言っている、判断することは外務省だ、私には言う権限がない、すべてのものを政治的圧力ととられてしまえば困ると言っているんですよ。判断するのは外務省。判断するためには、何か言わない限り判断できないじゃない。
 もう時間が来てしまった。委員長、おかしい。大西さんが言っていることとあなたは全面的に違う。直接あなたと田中外務大臣、関係ないかもわからない。しかし、田中外務大臣が先ほど言っていたことも、一生懸命外務省の改革をやろう、このように言っていながら、結局、結論として官邸が外務省改革を阻んでいる、そういう発言、もう重要な発言をしているんですよ。
 大西さん、大西さんだって人権あるんですよ。あなたも、うそだというふうに言われたら、人権問題だと言っているでしょう、いろいろなところで。大西さんにも人権がある。これは問題のらちが明かない。彼はノーだと言っているんですよ。大西さんをちゃんと呼んで証人喚問をやるべきだ。そうでなければ、見ている国民の皆さん方、何を言っているのかということになってしまうんじゃないんですか。
 チェチェン問題について、また北方四島問題については公の場でやりましょうよ。しかし問題は、ちゃんとあなたのやり方、私は実感しているんですよ。言うべき具体的な例、たくさんあります。
 以上。
津島委員長 参考人問題については理事会で協議をさせていただきます。
 これにて東君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 私は、北方四島人道支援に関連をして、事業の受注に関して入札が公平、公正に行われているのかどうか、この点についてまずお聞きをしたいと思います。
 鈴木さん、あなたは北方四島人道支援の事業の入札、受注に関して介入したことはありませんでしたか。
鈴木参考人 委員長、お答えする前に、私も、これは参考人で出てまいりまして、誠心誠意答えているんです。一方的に、私の話も聞かないで片方の主張だけ言われたんじゃ、逆にテレビを見ている皆さん方は、私は、間違ったメッセージを与えますから、この点、お願いをしたい、こう思っております。
 今の御質問にお答えしますけれども、私は、関与したことはございません。
佐々木(憲)委員 とんでもない、事実と違う発言でございます。
 私は、ここに外務省の内部資料を持っておりますが、これは「国後島緊急避難所兼宿泊施設(メモ)」というものであります。九九年五月二十八日につくられたもので、「秘 無期限」、こうなっている資料でありますが、九九年五月二十七日に鈴木宗男官房副長官と外務省がこの、いわゆる友好の家、地元ではムネオハウスと呼んでいるものでありますが、この入札公示の内容に関連して、鈴木さんと外務省がやりとりをした記録であります。
 こういうふうに外務省は言っているんですね。「六月初頭に道新等に入札説明会の案内を掲載するべく、現在、その内容を詰めているところであるが、一番頭を痛めているのは、入札参加資格のところである。」こういうふうに、これはもう明確に文書で記録が残っているんです。
 それで、この点について議論があった。こういう議論はありませんでしたか。
鈴木参考人 今、私もそのお話を初めて聞きますので、もしその資料があるなれば見せてもらいたいし、外務省にあるなれば私は出してもらってもいいと思っております。
佐々木(憲)委員 では、具体的に申し上げましょう。
 ここで鈴木宗男さんはこのように発言をされているんです。「道開発局基準のBランクで該当企業が二百社程度というのは知っている。そもそも二百社もいらないだろう。多すぎる。根室管内には旧島民が多数居住している。いっそのこと地域を北海道内ではなく根室管内に限定してどうか。根室管内にはB以上は何社か?」、Bランク以上は何社か、こういうふうに聞かれているんですね。
 それに対して外務省は、「根室管内と限定するという点については持ちかえって検討させて頂きたい。」こういうふうに答弁をされていますが、「例えば根室管内ではなく道東ということでは如何か?」、こう聞かれて、鈴木さんは「それはやはり根室管内だろう。」こういうふうに発言をしているわけです。こういう記憶は全くありませんか。
鈴木参考人 外務省がどういう説明をしたか定かじゃありませんけれども、私は外務省のラインに沿ってやりとりをしている、こう思っています。
 ということは、私は、私の方から物を言うよりも、外務省の方がこういう基準だとかこういうフレームでいきたいだとかという説明はあったやの記憶はありますけれども、そういう細かいやりとりはありません、それは。
佐々木(憲)委員 全然説明になっていないですよ。はっきりと根室管内に持っていくべきだ、地域を限定すべきだと。大体、北海道新聞というのは、全道に、道民が見るんですよ。その道民が見る道新に、何で根室管内だけの業者しか応札できませんよということになるんですか。おかしいじゃないですか。
 しかも、結論としてどうなっているかというと、結局、結論はこういうふうになっているんですね。「この案のポイントは、入札参加資格は「北海道内」としつつも、施工実績のところで「根室管内において施工実績を十分有する者」として、入札資格審査の段階で実質的に地元の業者が有利なように配慮することである。」はっきりとこういう結論が外務省の文書に出ているじゃありませんか。ですから、明確な証拠があるんですから。
津島委員長 鈴木参考人、答弁してください。鈴木参考人、指名しております。
鈴木参考人 これは正確にお答えしますけれども、どこでのやりとりで、どういう文章で、この点もはっきりしなければいけない。私は、そういう細かいことまで話は外務省から受けた記憶はありません。
 一方的に、説明は受けているし、同時に、もう一つ大事なことは、地元の市長だとか地元の商工会議所の話なんかも混同されますと、私はこれはちょっと困るな、こう思っています。
佐々木(憲)委員 だれも地元の市長や商工会議所の話をしているんじゃないんだよ。外務省の内部であなたが参加した会議の話をしているんですよ。逃げちゃいけないよ、あなた。
 どういう文書かということだから言いますが、九九年五月二十八日、外務省の内部の文書であります。「国後島緊急避難所兼宿泊施設(メモ)」こうなっている。
 実際、じゃ北海道新聞にどういう結果が出ていますか。ここで検討されたとおりのことになっているじゃありませんか。
 例えば、私は、北海道新聞のこのムネオハウスの公募の文書があります。北海道新聞、これは一面をちょっと縮小してありますが、ここに、右下の方にこういう公募の文書がある。大体活字自体もめちゃくちゃ小さくて見にくいんですよ。そういう中で、これをちょっと拡大しましたけれども、こう書いてあるんですよ。「入札参加者の資格」「北海道内に本社を有する者であって、気象条件が国後島に近似する根室管内(根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町)において、類似施設建設工事の施工実績を充分に有する者であること。」外務省の、あなたとやりとりをして、外務省は北海道全体で公募するんだと、それをあなたの発言によってゆがめて、しかも、こんな前代未聞の公募文書が北海道新聞に載っているじゃないですか。入札応募に、実際にこれをあなたがゆがめ、この方針をゆがめて、そしてこういう結果が出ているというのはもう明確じゃありませんか。いかがですか。
鈴木参考人 一方的な資料に基づいて一方的に私は決めつけられても、これはまたいかがなものかな、こう思います。
 少なくとも、新聞は北海道新聞と北海道建設新聞二紙に載せたというふうに私は報告を受けていますし、そこで、公募型の入札方式だということを私は外務省から説明を受けたということであります。
佐々木(憲)委員 北海道新聞と北海道建設新聞の二つに載った。よくそれを御存じですよね。二つに載って、しかも、全道の業者が応募できるのかなと思ったら、根室管内ですよ。根室管内しかこれは受けられないんですよ、これは。あなたの選挙区だけではないですか。
 そういうものを、圧力をかけてゆがめて、実際にこういう公募がなされたというのは、これは地域限定の公募、今までこういう事例はありません。はっきりとこれはゆがめたということはもう事実であります。
鈴木参考人 共産党さん、佐々木委員がこの問題についてこの委員会でも質問されましたから、根室の市長さんなんかも私のところに連絡をよこしました。根室市長はこう言っていました。地元を使ってもらいたい、今根室は大変なんだということで、外務省にはよくお願いをしてありますと、こういう話。それと鈴木先生の話を一緒にされたら、逆に我々の動きが悪かったことになりますから。しかし、少なくとも、間違いなく公明正大に行われたということで承知していますということは、地元からも言ってきました。同時に、地元は、根室市長さんや商工会議所は、とにかく地元が、経済、疲弊しておりますから、しかも四島の返還の発祥地の根室を大事にしてほしいということは再三外務省にお願いしてきましたということです。
 ですから、私自身が一方的にこう言った、関与したと言われても、これは困る話であります。
佐々木(憲)委員 まあ、語るに落ちたとはそういうことですね。自分で、この地元のためにやったんだと、その声にこたえたんだと、事実上あなたはそれをお認めになったということですよ。
 しかも、大事なのは、このムネオハウスを受注した会社というのはたった一社ですからね。全然競争になっていないんですよ。しかも、その受注した会社からあなたに政治献金が渡っているんですから。まさに明確にこの入札をゆがめ、そこに介入し、そこから受注した会社から、あなたは、自分のところに資金が還流している、そういう仕掛けをつくっている。これを税金の私物化、援助の私物化と言う以外にないじゃないですか。もう明確なんですから、これはやはり国民に対して、はっきりと事実を認めて、謝罪すべきだ。いかがですか。
鈴木参考人 一方的に、謝罪というのは、私はいかがなものかと思います。
 なぜかといいますと、私自身、この業者を使えとかこの業者にしなさいということは言ったことはありませんから。これは明確にしておきます。この点、ぜひとも、何かしら私が特定の業者だとか特定の者を言ったならば、今の佐々木委員の意見も通るかと思いますけれども、私、少なくとも公明正大に公のメディアを使ってやって、そしてそれなりの資格要件等がクリアされて、手続がされたというふうに聞いておりますから、この点、私ははっきりしておきたい。
 同時に、佐々木委員のその資料等も、それが公式にあるとするならば、私はぜひとも出してもらいたい。公式にあるというならば出してもらいたい。それならばはっきりすると思います。
佐々木(憲)委員 では、その資料を、具体的に外務省に、私はこれでこの日付も指摘をいたしましたから、外務省でお調べいただきたい。また、当委員会に資料として提出をしていただきたい。
 委員長、いかがですか。
津島委員長 理事会で相談をいたします。
佐々木(憲)委員 時間が参りましたが、私は、こういうやり方というのは、今まで鈴木宗男さんが北方四島について具体的に介入をし、そしてそれを自分の後援会の幹部の企業に受注させ、そしてその企業から政治献金が渡っている、まさに税金の還流であり、税金の私物化以外の何物でもない。このことを厳しく指摘をして、質問を終わらせていただきます。
津島委員長 鈴木参考人。
 簡潔にお願いします。
鈴木参考人 今、税金の還流というお話がありましたが、非常に間違った表現だと思っています。
 私は、五十八年の選挙から応援をしてもらっている人ばかりでありますから、五十八年からの応援者を、何か仕事をしたから政治資金というのは、私はちょっと困る、こう思っております。
津島委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、保坂展人君。
保坂委員 社民党の保坂展人です。
 一番手の自民党の浅野議員からの質問にもあった、これはNGOが問題提起をしたケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電所事業について伺います。
 調査段階も含めると、これは巨額なプロジェクトですね、百八十億円を超えています。そして、有償ですから、これは利子をつけて返していただかなければいけないという、そういう案件です。そしてしかも、第二期の工事が今ずっととまっているという大変問題の多い案件なんですが、先ほど鈴木議員は、九九年八月、ここで初めてケニアに行って、モイ大統領などと会談した際に、このことを外務省側から、ケニアの方が債務削減を求めないのであれば積極的に検討する、前向きに検討するということを言う、そのくだりで初めて知った、こういうふうにおっしゃいましたよね。そういうやりとりがあったということをもうおっしゃっています。
 すると、去年の五月、フリージャーナリストの横田一さんに対して、おれがモイさんに会ったときに、おれが進めるなんていうのは言っていない、決め打ちできるのかと、今この横田君をしかっているところだと。これは外務省の方と電話をして言っておられますよね。今度は、もっと上の方を電話でつかまえて、正直者がばかを見るんだ、ケニアのダムは一回も頼むと言ったことはないし、ケニアに行ったときもそんな話はなかったんですよ、何で鈴木宗男が進めているということになるんだ、心外だ、鴻池組があって、そこから政治資金をもらって連動しているのではと、げすの勘ぐりをしているんだ、こういうふうに言って、一切進めていない、無関係だというふうに言われていますよね。
 矛盾するじゃないですか。
鈴木参考人 今保坂委員がおっしゃったとおりで、私は、ユネスコの選挙でケニアに行ったんです、平成十一年の八月に。いいですか。そのとき初めて、ケニアの話、ケニアに行って、ソンドゥ・ミリウという案件を知ったんですよ。
 で、私は、進めていないんですよ。政府に言われたとおりの、政府はこういう考えですから、このラインで首脳会談でお話をしてくださいと言われて言っただけですから、私が個人的に進めているととられるのは違いますよということなんです。
保坂委員 もう一回繰り返しますが、ケニアの側からそんな話はなかったとインタビューに答えているんじゃないですか、まさに官房副長官として公式に会ったときに。逆じゃないですか、さっきの答弁は。ケニアの側からもあったんでしょう、その話が。矛盾するじゃないですか。
鈴木参考人 先ほども説明しました、他の委員の質問に対して。外務省側から、あるいは我が方のケニア大使館側から、モイ大統領との会談で、恐らくケニア側は、このソンドゥ・ミリウは最優先事業ですよという話が来ますから、その話が出たときは、日本も前向きに考えます、検討します、こうぜひとも答えてくださいという話で、私はそのラインで言っただけなんです。
 ですから、私は、ソンドゥ・ミリウがどこにあるか、どんなダムかというのは全く承知していないということなんです。
保坂委員 全く、その矛盾を指摘した質問に答えていないんですね。
 このジャーナリストに対するインタビューでは、ケニアからそんな話はなかったと言っている。しかし、今のお話では、ケニアから出たときには、そういう、外務省の言うとおりやったと言っている。ここは、真実、これ以上やっても――これは正式に明らかにしていきたいと思います。
 もう一点、鴻池組の話が出ました。鴻池組は、これは総額で、第一期四十四億ですか、第二期だと大成と合わせて五十三億、かなり巨額な、これは受注予定ですね、第二期は。こういう鴻池組から百八十万円に上る献金を受けている。これは、政府高官としてケニアに行って、今お認めになったそういう話をしているわけですから、これは不見識そのものじゃないですか。鈴木宗男の応援団が鴻池組だとおっしゃっているようですけれども、じゃ、その応援団の鴻池組は、ああ、受注ができた、おお、それはよかった、こういう話になるんじゃないですか。非常に不透明だし、これはもうおかしい。どういうふうに考えているんですか。
鈴木参考人 保坂委員、先ほど、ケニア側から話がなかったと私が言っているというのは、それはちょっと短絡的で、鈴木が進めたんではないかと言うから、それはなかったというのがまずありきなんですよ。ですから、話はきちっとまとめて、整合性を持って私は言ってもらいたい。
 同時に、私がユネスコの選挙でケニアに行ったのが、これは平成十一年の八月ですね。鴻池さんはそれ以前から私の後援会員です。そして、月二万五千円ですね、今、年間三十万円いただいておりますから。私は、社会通念上で、きちっと届け出も出ていますから。何かそこで物を頼まれた、何か私が口ききをしたというなら問題かもしれませんが、一切そういうことはありませんから、これは誤解のないようにしていただきたい、こう思います。
保坂委員 鈴木議員がケニアに副官房長官として行ったのは九九年なんですね。その年も五十万円の献金が入っていますね。翌年も入っている。これは指摘をしておきたいと思います。
 そこで、ODAの、先ほどの同僚議員からの質問にもありましたけれども、巨額な資金が動くわけですね。これは国民の税金ですね。そして、もしこれが焦げついたりすれば、またこれは税金で穴埋めしなければいけないという大変重いお金です。
 私が入手した資料によれば、鈴木議員が、例えばここにいらっしゃる衛藤さんが経済協力の特別委員長だったときに委員長代理、こういうときに、つまり、根回しがないのでこの案件はとめると。要するに、鈴木議員に対する外務省側からの根回しがないので、何でおれのところに話がないんだと有償課長をどなりつけて、しかり飛ばして、そして外務省の方で、これはまずい、もう一回根回しをしなければということで契約を順延する、こういうようなことはあっちこっちから聞くんですね。
鈴木参考人 今、保坂委員の言ったことは一切ございません。これは、何かしらためにする話は本当に困ります。何でも鈴木というのは、どうしてそう言われるか、私自身もそれは反省するところもあろうかと思いますけれども、ない話をあると言われるのは困りますから、この点だけは明確にしておきたいと思います。
保坂委員 これについては、借款契約の根回しを行ったところ、鈴木議員はノーだったと。そして、これについて、これは交換公文のときに話を聞いておらぬ、こういうふうに言ったという話なんですが、この鈴木議員の、今、鴻池組の話をしましたよね。あらゆるところのODAの、自民党の委員長代理だったり、あるいは委員長だったりして、まさに鈴木議員のチェックを受けなければいけないという非常に不透明なシステムがある、こういうふうに言われているわけです。
 そして、例えば、そういう中で、相手国と議論する中で、この案件は商社が興味を示しているからぜひ政治の側からも働きかけたい、こういうふうに言ったことはないですか。
鈴木参考人 自由民主党というのは、各部会があって、そこで平場の議論がされておりますから、何も、何かにつけ私が言うとか、聞いてなかったからとめただとかという話がひとり歩きしますけれども、そういうことはございません。意図的にそう言われたとするならば、私は本当に、私自身困るなという思いでいっぱいであります。
 同時に、保坂先生、このソンドゥ・ミリウをよく経緯を調べてください。私は、先ほど言ったように、官房副長官、総理特使としてケニアに行った。そのとき、外務省が、こう言ってください、政府の方針はこうですからというラインで私が言っておって、ソンドゥ・ミリウというのは全く頭になかったから、私は知らない、関与していない、週刊誌の取材にもそういうふうに答えているだけなんです、これは。
保坂委員 そうすると、先ほどもスズキホールの話を、個人の寄附といいながら外務省に預けたりということが答弁の中でありましたよね。これは今聞いていません。
 この間、問題になっている、例えば佐藤主任分析官、鈴木議員と海外に同行しております、何回も。この同行をしている際に、出張費を外務省から出してもらったら、これは六百九十四万円ですね。例えばウズベキスタン、タジキスタンに行ったときには、佐藤さんが七十四万円かかっていて、今度は、鈴木さんの方は五十万円。
 こういうことで、どういうふうに出張を、外務省は、鈴木さんに外務省が頼んで全部行ってもらったと言っているんですね。これはやはり私物化じゃないですか、こういうふうに使うのは。
鈴木参考人 保坂委員、総理特使で行く場合はおのずから、これは政府の方で私は経費が出るものだ、こう思っていますね。これはもう当然のことだと思っています。
 同時に、外務省職員の出張は、私がだれだれと決めるものでなくて、外務省の中で手続をとって、その手続は局長から大臣まで行くものだと思っていますよ。その手続をとって外務省職員は出張しているはずであります。私がこうだなんて言って決まるものじゃありません。
 それと同時に、例えばロシアなんかと外交する場合は、やはりそのロシアの情報だとかあるいはその分析をよく知った人でなければ、私はいい交渉はできないと思います。特にハイレベルの交渉になると、私はなおそれが大事だと思っているんです。そういった意味では、私は、佐藤さんの情報だとか分析は評価のされるものだ、こう思っています。
保坂委員 今回、田中外務大臣が突然に更迭された。そして、この一連の事態の中で、NGO、そのピースウィンズ・ジャパンというのは結局排除されたわけで、田中外務大臣の指示のもとにまた戻ったわけです。そして、一連の展開の中で、外務大臣も更迭され、鈴木議員も議運の委員長をやめ、そして事務次官も、きのうですか、やめたわけですね。
 これは三十一日の新聞報道ですが、おれが仕組んだとおりになった、こんなにいくとは思わなかった、こういうふうにおっしゃっているようです。鈴木議員としては、この一連の事態、田中外務大臣が更迭された、意外だったんですか、あるいはこれが、このコメントどおり、うまくいった、こういうことだったんですか。
鈴木参考人 これも明確にしておきます。
 それは私の発言ではないはずであります。そういうことを聞いたというのが記事になっておりましたね。でも、私は言ったことはありませんから、その新聞の、書いた会社には、その責任者に私は抗議をしました、私はそういうことは言っていないということを。
 これは、全国の皆さんが聞いておりますから明確にしておきたい。新聞記事をもとに、その新聞記事も、鈴木宗男のかぎ括弧じゃないんです。そう聞いたという話になって出ていまして、私は、それは正確でないということで、きちっと抗議をさせていただきました。
保坂委員 それなら、今NGOの存在も大事だ、そして田中外務大臣は、NGOをしっかりそこに参加させろということで、そこは正しい指示をしたわけです。なのに更迭をされるということに対して、鈴木議員はどういうふうに受けとめたんですか。
鈴木参考人 これは、私が答えるのは僣越ですし、また、私が答える話ではない、こう思っています。
保坂委員 それでは、ピースウィンズ・ジャパンが参加できなかったということについては、これはどういうふうに評価したんですか。そのことについて外務省の幹部と意見交換をしたり、そしてその後も意見交換をしてきたわけでしょう。このことについてははっきり答えてください。
鈴木参考人 先ほど来の質問にもまた関係するかと思いますけれども、私は、外務省が判断をした、あるいは外務省が基準を持ってやったと。
 ただ、先ほども私、言いましたけれども、昨年十二月のNGOの会議での問題について、私が部会で言ったことなんかがちょっと尾を引いて、また外務省もそれに引きずられたとするならば、私自身、外務省に申しわけなかったと思うし、また大西さんにも迷惑をかけて申しわけないなという思いがあるんですよ。
 同時に、今回の一月の会合は政府間の会合で、二十五のNGOが希望した、日本でも。しかし、出れたのは十二なんですね。
 それからもう一つ、大西さんがジャパン・プラットフォームやピースウィンズを主宰しているけれども、大西さんのその組織であるアフガンのピースウィンズやアフガンのジャパン・プラットフォームは出ているんです。これも、私は、きちっと皆さん方にもおわかりをいただきたいな、こう思っています。
保坂委員 これでは、大西さんの言っていることと全く違うんですね。要するに、重家局長から電話がかかってきて、鈴木議員が大変怒っている、朝日新聞の記事を見て、とんでもない、こういう言い分と全く正反対、違うし、真相は明らかにならないんで、証人喚問を要求します。
 鈴木議員にまずそういう責任ある立場で答えてもらいたい。
鈴木参考人 これも正確に答えますけれども、先ほど来言ったように、総理の答弁なり役所の答弁を聞いていると、昨年のやはり十二月のNGOの会議の、その際の草の根無償資金等の私の発言が尾を引いている嫌いは多分にあります。ですから、そのことで、逆に、外務省が私の考えをそんたくして言ったとするならば、私は、外務省に対しても申しわけないし、また大西さんに対しても申しわけなかったということは再三述べているとおりであります。
保坂委員 そういうのを間接話法というんじゃないですか。外務省を使って、自分がこういうふうに言っているということを伝えただけなんで、これはもう絶対に納得できません。
 終わります。
津島委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしますが、きょうの質疑を通じて、鈴木参考人、最後に、言い残したことございましたら、簡潔に。
鈴木参考人 こういう場をつくっていただきましたことに感謝申し上げたい、こう思っております。ありがとうございました。
津島委員長 以上をもちまして鈴木参考人に対する質疑は終了いたしました。
 鈴木参考人は御退席いただいて結構であります。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
津島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより外務省問題についての集中審議を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、参考人として外務事務次官竹内行夫君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として外務省大臣官房長小町恭士君、外務省中東アフリカ局長重家俊範君、外務省経済協力局長西田恒夫君、外務省経済協力局無償資金協力課長小原雅博君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
津島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田勇君。
上田(勇)委員 公明党の上田勇でございます。
 きょうは、この予算委員会におきまして、小泉総理それから川口外務大臣に、アフガニスタンに対する支援の問題、それから外務省改革の問題などについて御質問をさせていただきますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 その前に、本題に入ります前に、ちょっと冒頭一つだけ、きょうは官房長官にもお越しをいただいておりますので御質問させていただきたいのです。
 報道等で、十八日の夕刻に、ブッシュ大統領来日に際しましてレセプションが官邸で開催されまして、それに田中元外務大臣が招待されなかったということで、これについていろいろなことが言われているわけでございますけれども、官房長官の御説明ではまたちょっと違った角度からの御説明もあったわけであります。私、最初その話を聞いたときには、随分これはひどいことをするものだなというような印象を受けたのが正直なところでございますので、これは総理や官房長官のまさに人間性にもかかわることでありますので、その辺、事実関係を再度確認をさせていただきたいというふうに思いますので、官房長官、よろしくお願いをいたします。
福田国務大臣 私も、御招待をしたかしないかという問題でこんな予算委員会で問題になるとは夢にも思っていなかったのでありますけれども、記者会見で私聞かれましたので、そのときに要点のみ申し上げておりました。すべての前、元外務大臣、外務大臣経験者には御案内をしておるということで、このことについては、再度よく官邸の事務局とも確認をいたしております。
 そしてまた、事実関係のことでございますので、経緯を申し上げるしかないと思いますので申し上げます。
 時系列的に申し上げますけれども、二月十二日、外務省北米局より議員会館田中事務所の上野秘書に対し、電話にてレセプションの日時、場所について御案内を行った。
 二月十三日または十四日、改めて外務省北米局より議員会館田中事務所の上野秘書に電話したところ、先方は検討中との回答があった。
 二月十四日、議員会館あての招待状を外務省よりまとめて官邸に搬送、官邸でいただきました。同日昼過ぎ、衆議院第一議員会館への配付を担当していた官邸職員が、議員会館の七階から順次配付を行った。田中元大臣の事務所においては、同職員より、官邸の者ですが、十八日の招待状をお持ちしました、よろしくお願いいたしますと述べて、事務所入り口近くに座っていた男性、眼鏡着用、真ん中から髪の毛を分けている、中肉中背、三十代との印象を受けた、に招待状を手交した。当該男性からは、わざわざ御丁寧にありがとうございますとの返事があった。事務所にはもう一人女性の秘書の方もいたので、こちらにもよろしくとあいさつをした。
 二月十五日、外務省北米局より議員会館田中事務所に電話したところ、応答した女性が男性にかわり、氏名をこれは名乗っておりません、当該男性より欠席であるとの回答があった。
 以上が経緯でございまして、このことから御判断をいただきたいと思っております。
上田(勇)委員 御丁寧に御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 それで、本題に入らせていただきますが、まず総理にお伺いをいたします。
 一月に東京で開催されましたアフガン支援の国際会議、これは大成功、大きな成果をおさめたというふうに私も評価をいたしておるわけでありますが、この一環として、その初日にNGO会合が開催されました。これは、アフガン復興支援に当たりまして、NGOの役割を非常に重く受けとめているということで、私も感じたわけでございます。
 確かに、このアフガンへの支援につきましては、従前から、日本だけじゃなくて世界各国のNGOが、医療、地雷処理、その他難民支援などさまざまな活動に、実際に現場に非常に近いところで従事しているわけでございます。
 こうしたNGOは、やはり政府とは異なった視点から、いろいろな現地の民衆のニーズといったようなものも把握しているでしょうし、なかなか政府だけではわからないいろいろな事情、現地の事情ということにも精通しているものだというふうに思うわけであります。そういう意味で、政府がNGOと連携し、協力していくことによって、より政府の施策の効果が大きくなっていくのではないかと期待できるというふうに私は考えております。
 このアフガン支援の問題に限らず、外交政策、とりわけそういう途上国に対します支援、協力の政策、その効果を最大限に発揮していくためには、やはりNGOとの連携協力の関係を強化していく、これは非常に重要なことだというふうに私は考えております。
 そこで、これからの我が国の外交を行う上に当たりまして、総理に、このNGO、どのようにその重要性を認識されているのか、まず基本的なお考えを伺いたいというふうに思います。
小泉内閣総理大臣 アフガン復興支援等につきましても、政府のできないことでNGOでできることもあると思います。
 今後、アフガン復興支援のみならず、発展途上国に対する援助、支援活動におきましても、NGO自身の今までの経験、そして経験から得られたいろいろな知識の集積もあると思います。そういう点を踏まえまして、政府としても、NGOとの連携協力を密にしまして、日本政府としてできる限り発展途上国の支援、協力に向けてふさわしい活動をしていきたいと思っております。
上田(勇)委員 今、総理から御答弁をいただいたとおり、やはり政府だけじゃなくて、民間で実際に現地の中で活動している、そういったNGOの方々の力をおかりするというのが、政府の政策の効果を上げていくという上でも重要だというふうに私も考えているわけでございまして、その点、まさに今総理から御答弁いただいたのと同感でございます。
 そこで、今度はアフガン復興会議の内容についてちょっとお伺いをいたしますけれども、小泉総理も田中元大臣も、その会議におきまして、日本としての重点項目の分野として、地雷、不発弾の除去支援を挙げておられます。
 我が国としても、これまでもNGO等が現地で行っている地雷除去活動への支援も行っておりますし、UNDPなどの国際機関への拠出も行っているわけであります。また、文部科学省では、大学等におきます新しい地雷探知・除去技術の開発に対しても支援を行っていますし、また、政府だけじゃなくて、民間のNPOや企業においてもいろいろとこの問題、特に技術の開発などには取り組んでいるわけでございます。
 我が党でも、党内に地雷除去支援の小委員会を設置いたしまして、こうした政府の関係者はもちろんのこと、NPOの方々、それから現地で実際に仕事をされているNGOの方々、また大学の研究者の方々などからも幅広く意見を伺って、それぞれがやられていることは非常に重要だ、もっと積極的に進めていかなければいけないということに感じたわけであります。
 ただ一つ、どうも、それぞれが行っている役割をもう少しコーディネート、連携をしたらもっと効果が上がるのになと感じたというのも率直なところでありまして、例えば新しい技術を開発した、では、それを現地でどういうふうに実際に応用するのかというと、なかなかその辺の連携ができなかったり、現地ではこういうふうにやりたいんだけれどもといったことが、それがフィードバックされないというような感じもいたしましたので、ここはぜひ外務省に、いろいろな省庁にまたがることでありますけれども、外務省がぜひそこはイニシアチブをとっていただいて、こうしたいろいろな取り組みのもっと連携強化に努めていただければというふうに思いますけれども、川口大臣、いかがでしょうか。
川口国務大臣 国際機関の推定によりますと、アフガニスタンには全部で数百万発の地雷が埋まっているそうでございますけれども、アフガニスタンの復興をこれから進めていくに当たりまして、アフガニスタンの国が安全でないとこれをやっていくことができないと思います。
 したがいまして、日本政府といたしましても、アフガニスタン復興の前提として、機材の整備あるいは除去事業への支援、犠牲者支援計画への協力を行いますとともに、地雷除去の技術開発にも努めてまいる所存でございます。
 各省の連携のお話がございましたけれども、これは大変に重要なことだと私は思っております。各省の連携だけではなくて、やはりこの研究開発したものは実際に機材にならないといけないわけでございますので、産業界との連携も重要だと思っております。
 こうした必要な連携をきちんとしていくために、それから、これを実際にやっていくということからはNGOの方々との連携も重要だと思っておりますので、外務省として、連携の中心になって物事を進めていくようにしていきたいと思います。
上田(勇)委員 せっかく、それぞれの立場で一生懸命やっていることでございますので、ぜひ大臣にリーダーシップを発揮していただいて、より効果が大きく発現できるようによろしくお願いをいたします。
 それで、もう一つ、この支援会議の中で、麻薬対策と代替作物の開発というのが大きなテーマとして、いろいろな国また国際機関からもこの問題を取り上げられました。小泉総理それから田中元大臣のスピーチの中ではこのことに言及されなかったのは、多少、ちょっと私は残念だったような気もいたしますけれども。
 この麻薬の問題、アフガンでは、かつて旧ソビエトが侵攻したとき以来、農地が非常に荒廃をいたしまして、貧困にあえぐ農民が、食料生産から、手っ取り早い現金収入としてのアヘンの生産に切りかえてしまった。国連の薬物統制計画の推計では、世界のヘロインの七割から八割がアフガンの地域で生産されていて、それがイランとの国境を密輸されて、ヨーロッパから世界じゅうに広まっているという、非常に深刻な問題になっているというふうに言われております。
 これはまた、旧タリバン政権のときには、こうした麻薬の収入が何と年間一億ドル近いものがあって、それが武器の購入だとか、場合によってはテロ資金にも使われたのではないかということも言われているわけでありますので、いかにしてこの麻薬の栽培を断ち切っていくかというのは、やはりこれは国際社会にとって非常に重要な課題であるというふうに思っております。
 幸い、日本はこの麻薬の、特に代替作物の栽培ということについては、ミャンマー、いわゆるゴールデントライアングルと言われている地域で、ソバへの作物の転換、そしてそれをまた日本に輸入するというような形での協力も、そういう実績もあるわけでありますので、ぜひ、このアフガニスタンの復興支援に際しましても、この麻薬の問題にもっと積極的に取り組んでいただければというふうに思いますけれども、総理の御見解、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 直接、演説では麻薬対策等については触れておりませんでしたけれども、当然、アフガンにおきましても、麻薬というのがいわゆる金になるということで、なかなか栽培を断ち切れないという事情もあるようであります。麻薬にかわる作物を奨励して、麻薬栽培しなくても生活できるような代替策はないものかという点は、よく現地と相談しまして、これはアフガンだけの問題ではありません、麻薬というのは世界的な関心事でありますので、アフガン自身の復興策と同時に、麻薬対策という観点からも取り組んでいく必要があると思います。
 よく現地とも相談して、また国際社会、周辺国ともいろいろな事情を調査の上で適切な対処をとる必要があると思っております。
上田(勇)委員 ありがとうございます。
 四月には東京で国連の麻薬統制サミットが予定されているわけでありまして、このアフガンの麻薬対策もこの麻薬統制サミットの重要なテーマになることというふうに予想されますので、ぜひこの問題に積極的に取り組んでいっていただきたいということを御要請いたしたいと思います。
 そこで、実は、この麻薬統制サミットで、けさちょっとテレビのニュースを見ておりましたら、いわゆるプール金問題で問題となったホテルを会場に予定しているんだということが報道されました。
 私は、この麻薬サミットをずっと関心を持って見てきましたので、日程が何回も変わったというような、いろいろな事情があるというのは十分承知しておるんですが、あたかも、その報道を見ますと、このプール金問題、当然これは、それにかかわった、加担をしたそのホテルが取引停止になっているということでございますので、それだけのニュースを見ますと、このプール金問題について外務省は何か全く反省がないんじゃないかというふうに受け取られる嫌いがございます。
 そういう意味で、ぜひ川口大臣には、こうした不信が持たれることがないように、この問題にも適切に対処していただきたいというふうに思いますけれども、よろしいでしょうか。
川口国務大臣 私も、けさテレビでこの話を聞きましてびっくりいたしまして、外務省に行きまして話を聞きました。
 それで、話を聞きましたところ、経緯的に申しますと、浅川事件がありまして、その結果、ニューオータニとのお取引をしばらくは停止ということにしているわけでございまして、実はその前にこの麻薬会議のことは決まっていたようでございますけれども、いずれにしても、その後、浅川事件が起こりまして、そういう取引をしないということでやらせていただいている状況でございますので、これについては検討し直すように私からきょう事務方には申しました。
上田(勇)委員 ぜひともそういう不信を抱かれることがないように、適切に対処していただけるということでございましたので、どうかよろしくお願いをいたします。
 それで、ちょっと冒頭、NGO会合のことについて言及させていただいたんですが、このNGO会合には幾つかのNGOの出席が拒否されたというようなことが大きな話題を呼んでおりますが、この会合には、十二の我が国のNGOを含めまして約六十団体、世界のNGOが参加しているというふうに伺いました。
 外務省に伺ったところ、これらのNGO、これは日本から参加しているNGOですね、に対しては外務省からも相当積極的な支援を行っているというふうに伺いまして、これら十二の団体に、平成十二年度には総額で四億二千万円、十三年度にも二億円近い助成を行っているというふうに聞きました。
 また、話題になりましたピースウィンズ・ジャパンに対しても、十二年度でも六千六百万円、十三年度には約四百万円、ジャパン・プラットフォームには、これは十三年度だけでございますけれども、五億八千万円の拠出をしているというふうに伺ったところでございます。
 NGOは、これは非政府組織といいますので、私も、こんなに外務省が支援をしているんだなというのは正直言ってびっくりしたんですけれども、これはやはりそういうふうに意外に思われている方も多いんじゃないかと思います。
 ただ、私は、NGOに対してこうした公的な助成を行うというのは、冒頭総理からもお話がありましたけれども、やはりNGOに非常に我が国の外交を進めていく中で重要な役割を期待しているんだという意味でそういうふうに助成を行っている、そういう姿勢ではないかというふうに考えるわけでありますけれども、川口大臣に御見解を伺いたいと思います。
川口国務大臣 委員のおっしゃられるとおりだと思います。公は官のもののみではないという言葉がありますけれども、私も全くそう思っておりまして、こういったアフガニスタン等の復興の分野のみならず、環境についてもあるいは高齢化社会への対応におきましても、いろいろな分野でNGOの方に活躍をしていただく必要があると思っておりますし、また、そういうことが可能になるようなNGOに育っていただきたいと思いますし、育てていく必要もあると思っております。
上田(勇)委員 こうした多くのNGOが、実際、現地で本当に地元の民衆の方々と力を合わせて大きな成果を上げている、そうしたところに政府として支援をしていくというのは当然のことだろうというふうに私も思うんですが、ただ、最近一部にこうしたNGOのことについていろいろな批判もあるのも事実でありまして、一部のNGOが行っている営利事業のあり方、それが適正なのか、あるいは補助金の執行について、問題があるというような指摘も一部にございます。
 こうした問題というのは本当に氷山の一角、一部の問題でありますけれども、やはり公金を支出しているNGOについては、これは国としても、またそうしたたくさんの非常に大変な貢献をしているNGOの名誉を守るという意味からも、そうした疑義が生じないように、適正な運営を確保するための施策が必要だろうというふうに思いますけれども、外務大臣、御見解を伺いたいと思います。
川口国務大臣 私も全く同じ問題意識を持っておりまして、この間発表させていただきました外務省の十の改革の中でも、NGOについての一項目を設けさせていただいておりますけれども、NGOの方々に、先ほどいいNGOに育っていただく必要があるというふうに申しましたのは、今すべて、例えば公のお金を使う立場にある、あるいはそういうことがないとしても、団体としてその活動を世の中にきちんと認識をしてもらうためには、透明性というのは必要だろうと思います。
 したがって、NGOの方々にも自分たちの活動を透明にしていただく必要があると思いますし、特に公のお金を出すということについては、透明な形でそれがなされる必要があるというふうに私は思っておりまして、改革の中のNGOの項は、そういったことを念頭に置いて書かせていただきました。
上田(勇)委員 先日読みました雑誌の記事の中で、一部のNGOが余りにも公的な助成に依存し過ぎて、本来の趣旨が失われているんではないかというような批判の記事がございました。これは、必ずしもそこに挙げられていた団体が、どうも私も調べてみましたら、必ずしもそういう財政構造にはなってはいないというふうに理解をいたしておりますけれども、一部そういうような批判があるのも事実なんですが、これはやはり、その原因というのは、どうしても日本のNGOというのは自主的な財政基盤が弱いというところにそういうような原因の一つがあるんではないかというふうに思います。
 欧米では、個人や民間の企業が寄附をして、その寄附がNGOの非常に強い財政基盤をつくるわけでありますけれども、残念ながら日本の場合には、そういう文化も、またいろいろな制度も整っていないという面がございます。
 そういう意味で、もちろん公益法人についてはいわゆる特増法人という制度がありますし、NPOについても認定NPOの制度が昨年発足をいたしましたけれども、やはりそういう財政基盤を強化していくという観点からはまだ不十分なのではないかというふうに考えているところでございます。
 具体的には、これから御議論を政府の中でもしていただくことになろうかというふうに思いますけれども、基本的にこういう税制上の措置、とりわけ寄附金控除の問題などを含めて、そういったNPO、これは海外で活動する場合にはその多くがNGOという形で活動しているわけでありますけれども、そうしたNPOの財政基盤の強化のための対策、そういう施策を進める必要があろうというふうに私は思いますけれども、御見解を伺えればというふうに思います。
塩川国務大臣 御指摘のように、最近、公益活動に対する寄附金の問題、あり方が非常に大きい問題となってまいりました。それは、やはりそういう公益法人の活動範囲が広がってまいりましたことと、それからさらに、公益法人が社会的に貢献しておられる度合いが非常に大きいことがございますので、この制度につきまして一段の整備拡充も必要であろうと思っております。
 したがって、現在、公益活動に対する寄附金が四段階ぐらいに分かれて区別をいたしておりますけれども、NGO、NPOの法人に対する寄附につきまして、一層の勉強を進めて合理性を求めていきたいと思っております。
上田(勇)委員 アフガン復興の関連につきましてはちょっとこの辺にさせていただきまして、次に外務省改革のことについて、残された時間でお聞きをしたいというふうに思います。
 昨年の初めに、報償費、いわゆる機密費の横領事件が明らかになって以来、当時は河野大臣でありましたけれども、河野大臣そして田中大臣も一生懸命外務省改革に努力をされまして、そしてまた新大臣になりまして外務省改革を最優先課題として訴えられているわけでございます。
 その間、昨年の六月には外務省で、外務省機能改革会議、これは外部の有識者を集めての会議をやりまして、それの提言を踏まえて、田中大臣のときに外務省改革要綱が策定をされました。そして十二月には、その改革要綱の実施状況をフォローアップするような資料が発表されたわけでありまして、また、つい先日、川口大臣が就任されて、今度は、「開かれた外務省のための十の改革」という御提案をいただきました。
 そういう意味では、これまで外部の有識者も含めて、いろいろな角度から外務省改革を検討して、一定のそういう方向性が明らかになってきた、これを後はどうやって実行していくかという段階に来ているのではないかというふうに私は認識をいたしております。
 そこで、総理も川口新大臣御就任のときに、外務省改革をしっかりやってほしいという御指示をされておりますので、総理は、これまでずっとそうした流れの中でいろいろな提言が出てきた、もちろんそれはすぐに全部が実行に移せるものではありませんけれども、現状、これは順調に外務省改革というのが進んできているというふうに認識をされておられるのか、それとも、まだまだちょっと課題が多く、もっと抜本的な改革が迫られているというふうに認識をされているのか、基本的な認識を総理にお伺いをいたします。
小泉内閣総理大臣 外務省に対する信頼を獲得するために、いろいろ国会あるいは多くの国民から指摘されました批判に対して真剣に受けとめて、外務省が大臣と事務方、一致協力して日本外交を推進する体制を一日も早くつくってほしい、そして、いろいろな議員、与野党問わず、いろいろな意見を言ってくるのはこれは結構でありますけれども、その意見が適切であるかそうでないかということは、外務省自身の見識をもってしっかりと検討して正しい判断を行ってほしい。さらに、いろいろなODA等に対する問題につきましても、批判を招かないような体制を確立すべきだ、このような方向性に向かって、今、川口新大臣も鋭意外務省改革に取り組んでおりますので、引き続き、いろいろな意見に謙虚に耳を傾けながら、あるべき外務省の体制を立て直すために一層の努力を傾けていきたいと思います。
上田(勇)委員 今まさに総理のおっしゃったとおり、外務省に対する信頼を回復する、そのことは、政府のみならず、本当に国益という意味からも急務なことであろうというふうに思っておりまして、そういう意味では、私も、川口新大臣に外務省改革、ぜひ強力に推進をしていただきたいというふうに思っているところであります。
 ただ、先ほど申し上げましたように、いろいろな有識者の方々から非常に多くの提言をいただいているわけであります。引き続き検討しなきゃいけない点も多々あるのであろう、こういうふうに思いますが、今、やはり課題は、実行力にかかっているんじゃないかというふうに思いますので、ぜひその辺の外務省改革への川口大臣の取り組みを期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
津島委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。
 次に、長妻昭君。
長妻委員 民主党の長妻昭でございます。
 小泉総理、昨日までブッシュ大統領が日本に来日されて、いろいろ御苦労さまでございました。華やかな外交が済んで、今また足元を見ますと、日本の外務省、この黒い霧は、晴れるどころかますます濃くなっている、こういう感じをいたします。特に、きょうの午前中の質疑がありましたけれども、総理も報告を受けられていると思いますが、またさらにいろいろな疑惑が深まったというふうに私は考えています。
 特に、NGOの排除問題に関しまして、田中元外務大臣が来られましたけれども、野上事務次官はうそをついている、官邸はそのうその報告をうのみにしているんだ、こんなような話があった。また、鈴木宗男議員本人がここに来られて答弁されましたけれども、こういうことを言われているんです。NGOに物を言ったことを役所がそんたくして、ウエートを置いて役所が判断したとすれば申しわけない。だから、自分の影響があったという可能性も否定していないんですよ、御自身が。
 これは総理、新しい展開がきょう午前中あったわけですので、この鈴木宗男議員のNGO排除問題、再度調査をするということをぜひ明言いただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 私は、いろいろな議員の影響を役所は受けると思いますよ。それは与野党を問わずです。役所がどういう行政をするか、国会議員、賛成、反対、意見を言うのは自由です。それをとめるつもりは毛頭ありません。これは今後も、外務省のみならず、すべての役所に言えるでしょう。各政党が外務省の役人を呼びつける、あるいは他省庁の役人を呼びつける、もう日常茶飯事行われています。そういうことについては私はとやかく言うつもりはありません。
 ただ、その意見を受け入れるかどうかというのは、役所の判断が、国民のためになるかという判断でしてもらいたいということでありますので、私は今後も、一部特定の議員、いかに力があったとしても、その議員の言っていることが適切であるかどうか、そこに絞って判断すべきだということを言っております。
 今までのNGOに対するいろいろな意見の問題につきましても、ある面においては、特定の議員の発言に気にし過ぎた面もあるのではないかという発言をしておりましたけれども、そういう面もあったでしょう。そういう点は反省すべきは反省して、いかなる議員の意見も、耳を傾けるのは結構だけれども、それが適切であるかどうかということをしっかりと再度点検して、正しい行政を行ってもらいたいということが私は大事だと思っています。
長妻委員 だから、総理の答弁は非常にわかりにくいんですね。
 私が、今皆さんに資料をお配りしているかと思いますけれども、質問主意書というのを出させていただきまして、そのときに、鈴木宗男議員の影響を聞いているんですよ。
 そうすると、「本件決定に当たり、」これは政府からの回答書ですけれども、本件決定というのはNGOを排除したという決定です。「本件決定に当たり、特定の国会議員の主張に従ったことはない。」と明確に否定しているわけですよ、政府が。
 だから、再度、変えてくださいと、その内容を、中身を、もう一回調査して。断定しているんですよ、従ったことはないと。それを変えてください。こういうことを総理に今お尋ねしております。
小泉内閣総理大臣 これは、最終的に外務省が決定したものであります。その中のいろいろな意見の経緯を聞いて、鈴木議員の意見を気にし過ぎた点もあるんじゃないかと私は言っているんです。それでいいんじゃないですか。
長妻委員 総理、日本語をちゃんと、ちょっと論理的に使っていただきたいんですけれども、それはどんなに影響、例えば総理にすごく影響を持った人物がいて、こういうふうにしろ、ああいうふうにしろと言って、総理は、まあそうかなと思ってそういうふうに決定したと。それは、最後は決定するのは自分ですよ、それは当たり前ですよ。ただ、いろいろな影響があって、それに影響されて決定したのかというのを聞いているわけですよ。厳密に言えば、それは全部、すべては全部自分で決定しているわけですよ、どんな物事も。
 だから、それに関して私が申し上げたのは、午前中に、田中元外務大臣が、野上次官はうそついているんだ、官邸は外務省をうのみにしているんだ、こういうふうに明言、ここ国会の場でされているわけですから、当事者が言っているわけですので、もう一度調査をぜひしていただきたいことを言っているんです。
小泉内閣総理大臣 それは、幾ら調査しても、言った言わない、切りがないでしょう。最終的には外務省が決定したんですから。私に対しても、いろいろな意見は与野党問わず言ってきますよ、議員。決定の責任は全部私にかかってきます。だから、どういう議員の影響を受けたかどうかというのは、それはわかりませんよ。しかし、決定は最終的には大臣がする、大臣が責任を持ってするんです。
長妻委員 だから、小泉総理、今も認識違うんですよ。大臣が決定したんじゃないんですよ、今回のNGO拒絶の件は。事務次官レベルで決定したということで、質問主意書にも、これ小泉総理の名前で回答を寄せているわけですよ。大臣に上がってないということなんですよ。
 だから、ぜひちょっと再調査、これは断定口調で、「本件決定に当たり、特定の国会議員の主張に従ったことはない。」と断定口調でこう来ているわけですから、これは再調査をぜひしていただきたい。
福田国務大臣 確かに、事務当局の判断で一たんは拒否をした、しかし、それは復活したわけですね。
 問題は、言った言わないと言っていることは一月二十四日のことじゃないんですか。一月二十四日の予算委員会でもって田中大臣が言われたことが本当なのかどうかということについて言われたんじゃないでしょうか。(長妻委員「午前中です」と呼ぶ)午前中ですか。
 午前中についても、これ以上調査するかどうかということだと思いますけれども、私どもは、その言った言わないとかいうようなことにつきましても、その他の、野上次官以外の事務当局八名から事情聴取をしている。それは予算委員会に提出しているわけでございます、その結果につきましては。
 そういうことで、これ以上調査をする必要はないんだろうというふうに思っております。(長妻委員「眞紀子さんは違うと言っている」と呼ぶ)違うとおっしゃられても、それは言った言わないの話で、際限ない話を続けるわけで、だから、私どもは既に十分な調査はした、こういう判断をしているわけであります。
長妻委員 その言った言わないというのは、これは国会の場で重大な問題ですから、そういうことで逃げないでいただきたいと思うんですね。
 言った言わないで、じゃ田中眞紀子さん、外務省、言った言わない、外務省の言い分だけを聞いていると。言った言わないんなら、両方の言い分をちゃんとそんたくしないといけないわけじゃないですか。
 それともう一つ。これは大西さん、NGOの当の当事者である大西さんには、ちゃんときちんとヒアリングしたんでしょうね。
福田国務大臣 調査をしろとおっしゃるけれども、何を調査するのか、正直言ってよくわかりません。私どもは、調査すべきことは十分調査した、こういう判断をしているわけでございます。
 また、大西さんにつきまして、この方は民間人でございます。ですから、民間人の方に対して私どもはどういうふうな調査をするのか、そういうふうな権限があるかどうか。そして、大西さんが私どもに、もし、話をしたということが本当なのかどうかということについて、どういう私どもは判断をすべきかということがわかりません。
 ですから、これは私どもとしては調査すべきでないというように思っております。
長妻委員 それは、だって当の当事者が大西さんじゃないですか。
 何を調査していいのかわからないと今答弁されましたけれども、これだけ国民的な大問題になっている、特定の議員の圧力があってNGOの参加が排除されたという、それを調べるんですよ。わからないんですか、何を調べるのか。今、何を調べていいかわからないというお話があったんですけれども。
 それで、大西さんは民間人ですけれども、お呼びしてお話を聞くということはできるじゃないですか。だから、何で一方的に外務省だけの話を聞いてそういうふうにされるのか。
 そして、きょう午前中も、そういうふうに眞紀子さんの答弁もあったわけですから、宗男さんの答弁も。再度、特定の議員の主張に従ったのかどうか、特定の議員の圧力があってNGOが排除されたのかどうかというのを、こんな木で鼻をくくったような答弁じゃ納得できません。
福田国務大臣 調べるということは、まあ、大西さんのことをおっしゃいましたけれども、では、ここでもって大西さんにおいでいただくという方法があるかもしれませんけれども、これはこの委員会で決めることでございますから、それはお任せしたいというふうに思います。
 それから、けさ、まさに田中議員、鈴木議員をお呼びになって、そしてそういうことを聞かれたんじゃないんですか。そういうことじゃないんですか。もし不足であるなら、そこで聞くべきだったんじゃないでしょうか。ですから、そういうふうに効率的な質問をされればよかったんですよ。聞き方が悪かったというふうに私は申し上げたいと思います。
長妻委員 きょう午前中……(発言する者あり)
津島委員長 質問してください。質問を続けてください。長妻君、質問してください。(発言する者あり)私が指名しています。
 質問してください。長妻君の聞きたいことをちゃんと質問してください。そうでないと委員会は進みません。
長妻委員 ですから、きょうの午前中は、何度も言わせないでください、田中眞紀子さんは、野上事務次官はうそをついている、鈴木宗男さんの名前を出しているんだ、にもかかわらず、出していないとうそをついた、官邸は外務省をうのみにしている、こういう発言が午前中出たわけですよ。
 大西さんを呼ぶ呼ばないという話は、国会で我が民主党も大西さんを要求しましたよ。ところが、何ですか。予算委員会の理事会で要求しましたよ。自民党が、大西さんを呼ばないでいい、呼ぶ必要ない、ふたしたわけじゃないですか。自民党総裁じゃないですか、小泉総理は。
小泉内閣総理大臣 いや、それは、私は、何から何まで国会の運営に、総理判断してくれ、総理判断してくれ、そんなことやるべきじゃないと思っているんです。予算委員会で呼ぶか、外務委員会で呼ぶか、それは国会の事情があるでしょう。いつどういう参考人を呼ぶかということまで私は口出しする必要はない。しかし、それは、予算委員会とか外務委員会とか、あるいはいろんな委員会あるんですから、その委員長初め与野党理事がいるんですから、良識を持って判断してくださいということを言っているんです。
 それで、午前中の意見でも、それは、言った言わない、うそついている、どっちがうそついたのかわからない。今もまた、招待受けているのか受けていないのかと、意見が違う。これはやり出したら切りがないですよ。言った言わない、言った言わない。だから、これは、私は、委員会でもし必要だったら参考人呼んでやっていただきたい。私は、この問題について、言った言わないというのは、御本人に聞いていただくしかない。私、その現場にいないんですから。どっちがうそか本当かというのはそれはわからない。私はそう思います。
長妻委員 だから、今総理言われましたけれども、わからない、どっちが言ったか、水かけ論じゃないかと。何で、水かけ論なのにこう断定的に政府の見解を出すんですか、そうしたら。水かけ論なのに。
 ここでは、本件決定に当たり、特定の国会議員の主張に従ったことはない、NGO排除で鈴木宗男さんの主張に従ったことはないと、ばちっと断定しているじゃないですか。それを言っているんですよ。いや、総理、答弁いいです。
 いずれにしても、もう一回これは調査して、もうちょっと書き方というか、こういうふうに断定して、「本件決定に当たり、特定の国会議員の主張に従ったことはない。」そういうような断定口調で言うのじゃなくて、今みたいなことであれば、もうちょっと調査しますとか、わからなかったでもいいんですよ、それは。そういうことだってあるでしょう、政府は。ぜひそういうふうにしてください。それ以上、納得できません。
小泉内閣総理大臣 決定については外務省が行ったんです。その間にいろいろな議員が言ってきたでしょう。言った言わないというのは、ある日時の時点で、外務次官、前野上次官は言わないと言っている、田中前大臣は言ったと言っている。これは切りがないでしょう、両方。(長妻委員「では、何で確定したんですか」と呼ぶ)だから、外務省の決定は、これは外務省でしたことだ。影響を受けていない。外務省がしたものだ。しかし、その過程で……(長妻委員「眞紀子さん、外務大臣ですよ、外務大臣」と呼ぶ)眞紀子さんが最終的に参加を決定したわけでしょう。(長妻委員「外務大臣ですよ」と呼ぶ)外務大臣は。
長妻委員 眞紀子さんは当時外務大臣ですよ。外務大臣で、更迭される前ですから、その外務大臣が、鈴木宗男議員の名前を野上事務次官が出したというふうに明言しているわけですよ、外務大臣が。だから、今外務省の言い分を聞いたようなお話ししましたけれども、外務省じゃなくて、外務省の事務方がいて、それで田中眞紀子外務大臣がいて、それで外務省の事務方の言い分をそのままうのみにしたということなんですよ、これは。だから、もう一回調査をしてくださいというふうに頼んでいるわけですよ。国民の皆さんもそう思っていると思いますよ。総理、ぜひ。
小泉内閣総理大臣 調査をした結果、言った言わないで切りがつかないんですよ、これは。そして、最終的に外務省で判断したんですから、これは。(長妻委員「大臣を何で尊重しない」と呼ぶ)いろいろ総合的に判断して、外務省が判断したことだということでいいと思うのです。
長妻委員 これは不可解なんですね。不可解なんです。先ほど午前中も田中眞紀子さん、外務大臣のような、外務大臣以上の権限を持った人が官邸にいるというような話も眞紀子さん午前中されていましたけれども、非常に不可解なんです。
 何かというと、総理、外務大臣の言い分がある。当時現職ですよ、田中眞紀子さん。外務大臣の言い分がある。それで、外務省の事務当局の言い分がある。それがお互い違っている。そうしたときに、普通は外務大臣の言い分をとるでしょう、総理なら。何で見捨てるんですか。
小泉内閣総理大臣 それは、外務大臣というのは、事務方とよく協力して外務省一体となって取り組む責任があるんです。それは、よく総合的に判断して、外務大臣が責任を持って、いろいろなNGOの参加問題については、参加が、不適切だということで最終的に決まったんだから。(長妻委員「事務方の意見なんでしょう」と呼ぶ)事務方の意見というものを、一時は不参加というものを、外務大臣が決定して、参加に決定したわけでしょう。(長妻委員「そのことを聞いているんじゃなくて、初めの拒絶の問題ですよ」と呼ぶ)それは外務事務当局が、外務省で決めたことだ。それが不適切だと思って直したわけでしょう。外務省の判断ですよ。(長妻委員「それで、影響があるんでしょう」と呼ぶ)ちょっと、立って質問してください。
長妻委員 全然、総理、ちょっと委員長、総理にちゃんと質問に答えるように言ってください。
 どういうことかといいますと、もう一回、再度申し上げます。
 外務大臣が、当時、田中眞紀子さん、現職ですね、外務大臣がおられた。それで、外務大臣は、鈴木議員の名前を野上事務次官が出した、こういうふうに言っている。ところが、外務省の事務当局は、いや、まさにこの答弁書ですね、「特定の国会議員の主張に従ったことはない。」と外務省の事務当局は言っている。そうすると、現職の外務大臣と外務省の事務当局の言い分が違っている。そうしたときに、政府は外務省の事務当局の言い分をとったわけですよ、今の説明でも。だから、それはおかしいんじゃないですかと。
 外務大臣の方がそれは統括するわけでしょう、外務省を。そうしたら、外務省を統括する外務大臣の言い分を、どちらか受け入れるんなら受け入れるべきだと思うにもかかわらず、外務省の事務当局の主張を受け入れてこういう答弁書をつくって政府統一見解になっているということはおかしいんじゃないですかと。だから、もう一度新たな見解書を作成してください。そうじゃないと納得できません。
福田国務大臣 何度も申し上げますけれども、我々は、我々のできる範囲で事実関係の調査をいたしました。したがって、その当事者のそばにいた、見聞きしていた八名の外務省の職員に、一人一人呼んで話を、事実関係を確認しました。
 そういうこともございますけれども、そういうことも含めて、政府見解において、「特定の議員の主張に従ったことはない。」こういうふうに政府見解を出したわけですね。これは御存じですね。これは、田中外務大臣もそのとき了承されたことでございますので、我々は、そういう意味において、大臣も事務当局も同じ見解だ、こういうように理解しておったわけでございます。
長妻委員 だから、きょう午前中に外務大臣が言われたわけですよ、棒をのむような気持ちで了承したと。ただし、その後に、政府統一見解は今も納得していませんということも、午前中、田中大臣言われているんですよ。ですから、もう一度きちんと調査をしていただきたい。この質問主意書の回答書というのは内閣の決定事項で、小泉総理大臣の名前で出てくるものでありますから、「特定の国会議員の主張に従ったことはない。」こう断定的に書かれていますから、もう一度調査をしていただきたい。
 さっき、言った言わないの水かけ論だと言っておられましたけれども、じゃ、何で片方の事務方だけの意見を聞くのか。これに答えていないですよ。
小泉内閣総理大臣 それは、大臣と事務方が調整するのは大臣の責任でしょう、これから外交を一体でやるのに。それはよく事務当局と相談して統一見解なり調整してくださいと。
 そして、答弁書においても、外務省なり、最終的には鈴木議員の影響を受けていないんですよ。しかし、中には印象で、気にし過ぎた点もあるんじゃないかという点もあると思います、今までの経緯で。しかし、最終的に決めたのは外務大臣。政府見解も外務大臣は納得しているんです。大臣をやめたら、納得していないと言っているようでありますけれども……(長妻委員「だから、それを調査してください」と呼ぶ)それは、私は、これはもう幾らやっても、言った言わない。外務大臣のときには外務大臣として責任を持ってもらわなきゃ困る。政府見解、外務大臣が了解して、私は外務大臣に任せたんだ。外務大臣、いいですねという報告を受けて、そして政府見解を出したわけでしょう。やめたら承知していないと言う。これはやはり、当時了解したんですから、これはいかがなものか。
長妻委員 ですから、これは国民の皆さんもそうだと思いますけれども、小泉内閣は臭い物にふたをしない、こういう内閣という期待があると思うんですよね。その意味で、きょう午前中、田中眞紀子さんは、やはりあの統一見解、納得できないと言ったわけですよ。それは一時、棒をのむような思いで納得したかもしれませんけれども。そうであれば、再度きちんと調査すると、そのぐらい調査してもいいじゃないですか。何で調査しないんですか。
小泉内閣総理大臣 では、なぜそのときに納得できないと言わなかったのか、それが不思議でしようがないですね。外務大臣は最高責任者ですから、私は外務大臣の意見を尊重しますよ、政府見解を出すときには。外務省の問題については外務大臣の意見を尊重します。それで外務大臣がいいと言ったから、それでいいんじゃないですか。
長妻委員 ですから、総理、きょうの午前中の時点で、田中眞紀子さんは、この統一見解は今も納得していない、こういう話をされているわけなんですよ。そうであれば、過去の経緯はどうであれ、そのときの最高責任者である外務大臣が納得していないと言っているわけですから、もう一度調査をしてください。
 では、田中眞紀子さんはうそをついていると総理は思われるんですか。
小泉内閣総理大臣 いや、外務大臣当時、あの政府見解を納得したんですから、それを尊重するしかないでしょう。
長妻委員 ですから、きょう田中眞紀子大臣が言った、野上事務次官がうそをついているとか官邸は外務省をうのみにしているとか、そういうような話、これは田中眞紀子さんがうそをついている、そういうふうに総理は思われているんですか。
小泉内閣総理大臣 うそとかなんとか、そういう問題じゃないですよ。いろいろな印象を述べるのは結構です。しかし、現実に外務大臣当時としての見解を私は尊重する、それしかないでしょう。
長妻委員 田中元外務大臣は午前中に、小泉総理自身が抵抗勢力になってしまった、こんな話もされておられるようであります。ですから、いずれにしましても、もう一回申し上げますけれども、鈴木宗男さん自身も午前中に、NGOに物を言ったことを役所がそんたくして、ウエートを置いて役所が判断したとすれば申しわけないと御本人も言っているんですよ。そういうことがあれば申しわけないと言っているんですよ。
 だから、こういうふうに木で鼻をくくったように、全くNGOの排除に関して特定の国会議員の主張に従ったことがないというふうに、これで本当によろしいんですか。国民の皆さん納得していないですよ。国民の皆さん納得していないですよ。我々民主党も納得していないですよ。だから、これをもう一回見直して、新しい見解、これを出していただきたい。
福田国務大臣 私どもは、私どものできる範囲、そしてこれで間違いない、そういうかたい判断をしたところでございますので、これ以上調査をする必要は全くないというように考えております。
長妻委員 それでは、例えば午前中に田中眞紀子さんが言われたことは、この調査結果と違うことを言われているわけですよね。そうすると、それに対しては、官房長官、どういう対応をおとりになるんですか。
福田国務大臣 田中議員にどうぞお聞き願いたい。今、外務大臣をやめて、そして一議員になられたのでありますので、どうか議員同士の話をしていただきたいというように思っております。私からは何もいたしません。
長妻委員 総理は、過去の予算委員会の民主党の原口議員の質問に対して、こういう答えをしております。変な議員の変な言うことは聞かないようにしなさいよということでおさまると思った、こんなような答弁をされていますけれども、変な議員というのはどなたのことですか。
小泉内閣総理大臣 ちょっと一般論としてはおかしな意見を言う議員はあちこちいますよ、私から考えても。私の常識とか感覚とは合わない意見を言う議員も結構いる。私も変人と言われたことがある。
 しかし、その意見が適切であるかどうかということはしっかりと判断すべきじゃないか。だから、特定の議員の特定の意見に耳を傾けるのもいいでしょうが、最終的には、その意見が正しいかどうか、適切であるかどうかで判断すべきだということを言ったわけであります、一般論として。それが、変な議員の変な意見というものに余り気にし過ぎることはないという表現になったと思います。
長妻委員 それは総理、ちょっとごまかしだと思いますよ。二月四日の予算委員会議事録をぜひお読みになっていただきたいと思うんですが、これは原口議員が質問をしているんですけれども、この今回のNGOの拒絶の問題に関して質問しているんです。それで総理が、「反省すべき点は反省しなさいと。もっとしっかり、私が言っているように、変な議員の変な言うことは聞かないようにしなさいよということでおさまると思っていたんですよ。」こんな大ごとになると思わなかったということを言っているんです。
 このNGOの今回の排除問題に関して、総理は、変な議員の変な言うことは聞かないようにということを言われているんですよ。鈴木議員のことを指しておられるのは明白なんですよ、これは。何でそれをごまかすんですか。
小泉内閣総理大臣 全然ごまかしてないですよ。鈴木議員の言うことを気にし過ぎる点があったんじゃないか、反省すべきだと言っているんですよ。全然ごまかしてない。変な議員という質問があったから変な議員という質問に答えただけであって、ごまかしなんか何にもしていません。
長妻委員 変な議員という質問の言葉はなかったと思うんですけれども。
 今、小泉総理から、鈴木議員が変な議員ということで話がありましたから……(小泉内閣総理大臣「いや、そんなこと言ってないだろう」と呼ぶ)
 じゃ、もう一回どうぞ。
小泉内閣総理大臣 変な議員というのは一般論ですよ。同時に、鈴木議員の意見を気にし過ぎる点があったんじゃないか、その点は反省すべきだと言っているんですよ。だから、変な議員というのは一般論を言ったんですよ。それと、鈴木議員の意見は意見として、気にし過ぎる点もあったんじゃないかと言っています。それは、私は、いかなる議員でも発言をとめることはいたしません、自由であります。その意見が変な意見かどうかということはしっかりと見きわめるべきだということを言っているんです。
長妻委員 何でそういうふうにだんだんと答弁が後ろ向きになってこられるのかわからないんですけれども、これは、だから、明白ですよ。二月四日の予算委員会で、過去の、これは議事録を読んでいただきますと、記憶をたどったって明白ですよ。「変な議員の変な言うこと」というのは、これは鈴木議員じゃないですか。(小泉内閣総理大臣「そんなこと言ってないじゃないか。また同じ質問ばかりだ。前向きにしてくれよ」と呼ぶ)
津島委員長 長妻君、質問をしてください。
長妻委員 だから、ある意味では、総理、変な議員の変な言うことということで総理自身が認めているんじゃないですか。
小泉内閣総理大臣 一般論を言ったんです。変な議員と思うのは、皆さんいるでしょう、自分と意見が違うと、あれは変な議員だなとか変な意見だなと思うでしょう、私も変人と言われたぐらいなんだから。そういう中で、これは一般論を言ったまでで、外務省を問わずどんな役所も、特定の議員の変な意見については従う必要はない。そういう中にあって、私は、このNGOの問題については鈴木議員の意見を気にし過ぎた点があるんじゃないかということをはっきり言っているんです。明確に言っているんです。
 もっと質問を前に進めてくださいよ。
長妻委員 いや、本当、がっかりするんですよね、総理。どう考えても、これは国民の皆さんも、皆さんはテレビを見られていると思いますけれども、二月四日の予算委員会で総理が言われた「変な議員の変な言うこと」というのは、明白に鈴木議員なんです。それで、そういう形でマスコミだってちゃんと報道していますよ、そういうふうにとられていますから。
 あれは鈴木議員じゃないということなんですか。だれですか、じゃ。
小泉内閣総理大臣 それは一般論を言ったまでで、鈴木議員が変なことを言えば変な議員ですよ。ほかの議員が変なことを言えば変な議員ですよ。それを特定しないでくださいよ。どの役所についても、いろいろな意見を言ってくる人、いますよ。だから、NGOに関して言えば、鈴木議員の意見を気にし過ぎた点があるんじゃないかということをはっきり私は言っているんです。そういう前提の上において、あらゆる問題について、変な議員の変な意見は聞く必要ないということは、外務省だけじゃありません、すべての省庁です。そういうことを言っているわけです。
長妻委員 本当に、こちらに質問した原口委員がおられますけれども、あきれていますよ。質問者がやりとりして、もう鈴木議員のことということで明白に意識して質問者が認識しておりますから、本当に総理、率直に答弁いただきたいと思います。
 それでは、もう一点聞きますよ。
 その拒絶をしたNGOに対して謝罪しましたか。
津島委員長 長妻委員、どなたに質問しておられますか。もう一度、長妻委員、どなたにどのようなことを聞いておられるか、的確に質問してください。
長妻委員 総理大臣に、では、お聞きします。
 排除したNGOに対して謝罪はされたんですか。
小泉内閣総理大臣 それは、私が言うべき問題じゃないですよ。外務省に任せていますよ。
川口国務大臣 私は、そのときの当事者ではございませんでしたので、私がそのNGOの方に謝罪をしなければいけない立場にあるとは思っておりませんし、それから、外務省の判断として、NGOの方に御参加をいただくという判断を当初しなかったということについては、私は不適切だというふうに思いますけれども、その後、田中元大臣が御判断を、正しい、適切な御判断をなさって御参加できるようになったわけでございますから、それでよろしいのではないかと思います。
長妻委員 ちょっと、今の御答弁も大変びっくりするんですよね、その謝罪をする立場にないと、外務大臣。謝罪をする立場にないというふうに今御答弁されましたけれども、では、ずっと謝罪はもう一切されないわけですか。
川口国務大臣 外務省として、その後判断を適切なものに変えたということでございますので、そこで、そういうことで決着をしていると思っております。
長妻委員 川口大臣にお伺いしますけれども、このNGOの拒絶された二団体、これは拒絶を一回された、その後入れるようになったということですけれども、拒絶を一回されたことによる実害というかは、どのくらいあったと思いますか。
川口国務大臣 アフガニスタンの復興に対してNGOの方がかかわっていただくということは非常に重要であると私は考えております。今後、アフガニスタンへのこの間の会議でプレッジされたお金を出して、それを使って、世界全体としてアフガニスタンの復興にかかわっていくということでございまして、その過程で、私は、NGOの方にも適切な形で大いに関与をしていただきたいというふうに思っておりますので、これから復興が、うまく協調がとれた形で、連携がとれた形でやっていけるということが大事でございまして、私としては、そういうふうにしたいと思っております。
長妻委員 ちゃんと、委員長、私の質問に答えるようにしていただきたいと思うんですが、この排除された二つのNGO団体は、排除を一たんされたことによってどれだけ実害があったのか、会議に出られないとか何か、そういうのがあったのか、どのくらい認識されているのかということをお尋ねします。
川口国務大臣 どれぐらいの実害があったかという御質問でございますけれども、それは、これから復興をまさにやっていくということでございまして、それによって、それがうまくできないということであれば、実害があったという判断もあり得るかと思いますけれども、それはこれからみんなで連携をしてやって、うまくやっていく、むしろこれからが大事だというふうに思っております。
長妻委員 これはちょっと本当に驚くべきことなんですよ。今回のNGO排除問題というのはこれだけ大きい問題でありながら、皆さんの認識は、二つのNGO団体を一回排除した、でも、その後急遽入れるようにしたからいいじゃないか、こういう認識なんですね。
 一体、どれだけの会議に出られなかったのか。これは、総理大臣も実は国会答弁で言われておられるのですよ。総理大臣も、結果的に参加したじゃないですかというふうに言われているのですけれども、これは大事な問題ですので総理の御認識も聞きますけれども、この排除されたNGO、一回排除されたことによってどんな会議に出られなかったか、それとも出られたのか、御存じですか。
小泉内閣総理大臣 詳細は詳しく知りませんが、結果的にこれから、今までのいきさつも含めて、NGOとも協力してやっていこうということでお互い了解していると、私は、今後ともNGOと協力していける体制が整ったと思っております。
長妻委員 総理、質問に答えていただいていないのですけれども、どれだけこの一回排除された二つのNGO、会議に出られなかったか。川口大臣も御存じないようなので申し上げますと、これは、アフガン復興会議、東京で開かれたものは一月二十日、二十一、二十二と三日ありまして、この一月二十日の十四時から十七時、これがNGOの会合なんですよ。これが本チャンのNGOにとっては会合なんですよ。それが出られなかったわけですよ、一番NGOが発言できる会合が。それで、翌二十一、二十二というのは閣僚級会合で、NGOの発言する場所はないのですよ。オブザーバーなんですよ。それも出られなくて、やっと最後の二十二日火曜日、三日目の最終日の閉会セッション、十一時半から十二時三十分、一時間の閉会のセレモニーですよね、そこにオブザーバーでやっと参加できた。
 ですから、これ、皆さん、認識ぜひ持っていただきたい。これ、認識ないのはとんでもないことだと思いますよ。二十日日曜日の十四時から十七時の、一番NGOが、一番というか唯一の発言の機会のあるNGO会合というのに、十四時から十七時、これが出られなかったのです。もう取り返しつかないのです。総理が言うように、結果的にオーケーしたからいいじゃないか、こういう問題じゃないのです。それでも謝罪しないのですか。
川口国務大臣 まず、日程のことでございますけれども、私が理解しておりますのは、その二つのNGOの方は、おっしゃったように二十日の午後の会議には出席をできなかった、これはそういうことでございます。翌日の二十一日の会議は、これはNGOの方にはクローズドな、NGOが入らない会議でございまして、したがいまして、ここはいずれにしてもNGOは入ることができなかったということでございます。(長妻委員「構内には入れるのです、NGOは」と呼ぶ)いや、会議には参加ができないという意味で、会議がクローズドということでございます。それで、その次の日は参加をいたしましたので、実際に参加できなかったというのは二十日の午後半日ということだというふうに私は理解をしております。
 ただ、先ほど来申し上げましたように、二十日の午後出られなかったということは残念なことでございますし、外務省にとっては非常に適切でない判断をしたということで、外務省はこれを反省をしていますし、反省すべきであるというふうに思っておりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、大事なことは、これからのアフガニスタンの復興のために、政府も、あるいは産業界もNGOの方も連携をして、いい復興につなげていくことができるということが大事でございまして、私としてはそのために努力をしていきたいと考えております。
長妻委員 これ、外務省、骨太の改革十本、こういうのを出されておられますけれども、その大臣とは思えない今答弁だと思うのですよ。その二十日日曜日の会議だけ出られなかったということを言われましたけれども、この三日間の会議で二十日日曜日の会議が、唯一NGOが発言できるメーンの会議なわけです。それに出られないわけですよ。それで謝罪はしないということで言われておられる。わけのわからない理由で一回拒絶されて、会議に出られなかった。そして、今度は出ていいよと言われた。それで、もてあそばれて何の謝罪もない。こんな外務省でいいのですか、日本は。ちゃんと答えてください。
川口国務大臣 何回かこの予算委員会の場でも申し上げたかと思いますけれども、NGOの方に御出席をしないようにということを言ったということについての判断は、私は適切ではなかった、不適切であったというふうに言っておりますし、外務省はそれについて厳しく反省をしておりますし、それについて今後二度と起こらないようにということで、その十の改革のところでも、NGOの方々の役割をきちんと議論していただくための委員会を立ち上げるということで考えております。
 ということで、大事なことは、これからNGOの方も含めて、アフガニスタン復興のためのいい仕事ができるということであると私は思っております。
長妻委員 委員長、これ、私、簡単な質問をしております。謝罪をしないのですか、理由は何ですか。
川口国務大臣 これからNGOの方々とも含めて、アフガニスタンの復興のために全力を尽くしていきたいというふうに考えております。再三再四申し上げておりますように、それがこれから私どもがすべきことだというふうに考えております。
津島委員長 それでは委員、もう一遍、何を求めておられるか、質問してください。
長妻委員 委員長、委員長はどっちサイドに立っているのですかね。私、さっきから申し上げています。謝罪はされないのですか、理由は何でですか。
小泉内閣総理大臣 今までの質問に総合的にお答えします。
 謝罪する、しないの問題じゃないと言っているのです。あなたは謝罪すべきだと、我々は、謝罪するしないという問題じゃないと。NGOとも、今までのいきさつも含めて、これから協力するということで了解がついている。だから、謝罪するしないの問題じゃない。あなたは謝罪すべきだと言っているのだけれども、我々は、これは謝罪するしないの問題じゃないと言っている。これは見解の相違です。
長妻委員 政治用語で、総理も、政治用語かどうかわかりませんけれども、よく理解できない答弁なんですね。メーンの会議にわけのわからない理由で拒絶をされた。それで、今度は最後のレセプションだけ出ていいよ。こんな扱いをされているのですよ、NGOが。総理、では、今の話は謝罪をしないということでよろしいのですね。
小泉内閣総理大臣 今までのそういう不適切な判断も含めて、謝罪するしないの問題じゃないということでNGOとは了解がついているということを言っているのです。あなたは謝れと言っているのでしょう。そういうことではなくて、了解がついて、これからも協力していこうということで了解がついているのです。
長妻委員 私は、今、NGOと了解がついているというお話がありましたけれども、NGOの方と話しましたけれども、そういうことは言っておりませんよ、総理。だれがどういう了解をしたんですか。
川口国務大臣 局長がその判断をし直した時点で、田中元大臣から判断を変えるようにというお話があって判断をし直した時点で、NGOの方にコンタクトをしましたときに、これからは仲よくやっていこうというお話をしたところ、NGOの方はそれを了となさったというのが私が聞いていることでございます。
長妻委員 いずれにしましても、これだけのことをやったわけでありますので、それで謝罪しないというのは、どう考えても私は納得できませんので、ぜひ謝罪をして、総括をしていただきたい。私、きのうNGOの方とお話ししたら、やはり総括はしていただきたいんだということを言っていましたよ、NGOの方は。ぜひ、そういう謝罪をしないなんという薄情な政府ではあっていただきたくないということを申し上げて、次の質問に移ります。
 そしてもう一つ、これは私が出しました質問主意書への回答でございますね。これは小泉内閣からの回答でありますけれども、その中で、先ほど川口大臣も言われていましたけれども、本NGO排除の責任はどこにあるのか、この責任は、外務省としては率直に反省している、大臣に上げなかったことを率直に反省している、外務省が責任があるというふうに言っているんです。
 この外務省の事務方の責任は、だれがどういう形でとるんですか、大臣。
川口国務大臣 先ほど申しましたように、NGOの参加問題について、適切でない判断をした、不適切な判断をしたということは、これは外務省の判断でございまして、外務省として大いに反省をしております。
 その上で、私も組織に、これで四十年近く仕事をしておりますけれども、すべからく組織である以上、組織が行った判断というものはその組織の長がとるべきものであるというふうに私は思っております。その長が対外的にはとった判断、責任について、その後内部でどうするかということは、内部のルールに基づいて判断をされるべきであるというふうに私は思っております。
長妻委員 ちょっと、また質問にきちんと答えていただけていないんですけれども、NGOを排除した外務省に、事務方、責任があるという質問主意書で答弁をいただきました。その責任はだれがどういう形でとるんですか、こういう質問なので、端的に答えてください、大臣。
川口国務大臣 質問主意書に、「その責任は第一義的には外務省が負うべきものである。」というふうに書いてございます。
 それで、私が先ほど申しましたことは、すべての組織は組織の長が、これはその中でどういうことがあったとしても、あるいは長自身には責任が全くないとしても、組織としての責任は長がとるべきというのが組織のルールであると私は考えております。それで、その上で、組織の中で、では、実際にはどういうような責任のとり方があるかということについては、その組織の中のルールで決めるべきであるというふうに思います。
 この件につきまして、田中元大臣がおやめになられ、それから、野上前次官が次官の職を離れたということは、これは、国会にいろいろ御迷惑をおかけしたということを総理が御判断なさって、厳しい決断をなさったというふうに私は理解をいたしておりますけれども、この件について外務省の中でどういう責任をとるかということについて言いますと、これは中のルールに照らして、この問題、要するに判断が適切でなかったということ自体について、処分の対象になるかという観点から考えますと、中のルール、これは日ごろいろいろな判断がたくさんあるわけでございまして、仕事については常に判断を毎日していくというのが仕事でございますから、中のルールからいいますと、この判断の間違い、これについて責任はとるべきでございますけれども、委員のお尋ねが処分をするかという観点でおっしゃっているとしましたら、この処分は、処分をすることにはならないと私は考えております。(長妻委員「責任はだれがとるのですか」と呼ぶ)
 責任は、ですから、外務省の責任でございますので、組織の長がとるべきだと私は考えております。
津島委員長 長妻昭君。ちゃんと質問してください。ちゃんと立って質問してください。
長妻委員 今、長がとるべきだというふうにおっしゃられました。
 そして、この質問主意書の中では、私も質問したんですけれども、野上次官が辞表を出されたのは、NGO排除問題の責任なんですかと聞きました。そうしたら、小泉総理からの答弁書では、いや、そうじゃない、国会混乱の責任をとったんだ。田中眞紀子さんの辞任、更迭も、これも国会混乱の責任でやめたんだ、こういう答弁、公式見解ですね、来ているわけです。
 そうすると、NGOを排除したという事務方の判断ミス、これに対する責任はまだだれもとっていないわけです。今、長がとるべきだと言われましたけれども、その長というのはどなたですか。
川口国務大臣 組織の長は外務大臣だと私は自覚しております。
長妻委員 そうすると、田中眞紀子外務大臣の更迭、この理由、答弁書いただきましたけれども、これはちょっと違うということですね、この答弁書は。この答弁書だと、田中眞紀子さんが更迭された理由は何ですかと私がお尋ねしているのですけれども、そのときには、「国会の審議の正常化のために協力を要請した」、こういうことを書いてあるのです。
 そうすると、これに新たにもう一点、NGOを排除したというところの責任もつけ加わった、それで更迭と。今そういう御発言ですか。
小泉内閣総理大臣 すべて含めて、国会の事態の打開、NGOの出席あるいは参加、不参加の問題を含めて、この問題をめぐって委員会が紛糾し、国会全体が混乱した、そういう事態打開を図るために総合的に判断してとった処置であります。
 責任というのは、これからしっかりした体制をつくるというのも一つの責任でしょう。いろいろな責任があると思います。
長妻委員 まあ本当に、ちょっと総理、臭い物にふたじゃないですけれども、そういう感じを受けますよ。
 だって、この答弁書は、田中眞紀子さんの更迭の理由は国会審議正常化。そして、今私が、事務方の判断ミスの責任はだれがとるんですか、そうしたら、長がとる。総理は、それも含めて田中眞紀子さんは更迭なんだという今御答弁があった。いや、これはびっくりしますね。
 だって、事務次官を頂点とした外務省の事務方の判断ミス、それで事務方は全く責任とらない。それで、もう更迭された田中眞紀子さんに新たに更迭の理由を、今ここで一つ新たに加わった。こういうようなことになっているということで、本当に日本の国会はどうなっているんだ、日本の行政はどうなっているんだと思います。
小泉内閣総理大臣 あなたが勝手に判断するのはいいけれども、違う、私らは私らで別な判断があるのですから。
 NGO問題に端を発して紛糾した。そして野上前次官にもこの紛糾の責任をとらなきゃならないという判断があった。国会全体の問題、大臣にもあった。そういうことで、私が総合的に、田中さん、野上さん含めて、やはり事態打開のためにこのような措置が必要だといって判断したのですよ。
 あなたが勝手に解釈、私の言っていることを勝手に判断するのはそれは勝手ですけれども、意見が違うということははっきりしているのです。意見を合わせる必要はないのです。野党と与党で、人格も違うんだし、人柄も違うんだし、与党と野党の立場も違うんだ。あなたの意見に私は合わせる必要はないでしょう。私の意見にあなたも合わせる必要はないけれども、勝手な解釈はやめてもらいたい。
長妻委員 全然勝手な解釈ではありません。これは、小泉総理の名前で出てきた答弁書の中の更迭の理由なんですよ。
 それと、もう一つ、野上事務次官の辞任の理由も、ここの答弁で、NGOの排除、そういうことじゃなくて、国会正常化ということがあるわけでありますので、全然、この答弁書と今のここの発言では、新たに事務方の責任までも眞紀子さんの更迭の理由に加わったというふうに私は理解して、これはちょっと理解できません。
 本来は、事務方の責任、処分、これをきちんと明確にすることが再発防止につながるから、私どもは言っているのです。二度とこういうことが起こらないように、真相究明と再発防止のために言っているのです。
 もう一点、質問を移しますと、田中眞紀子さんの更迭は、眞紀子さんの個々の発言、いろいろな発言がありましたけれども、そういう発言にも問題があったという、これも理由の一つなんですか。
小泉内閣総理大臣 総合的に判断した結果であります。
長妻委員 ですから、また、この質問主意書の答弁書、紙できちんといただいたものと違うのですよ。ここに書いてあります、小泉総理からのいただいた答弁書では、「今回の田中元外務大臣の更迭は、田中元外務大臣の個々の発言を理由とするものではない。」個々の発言が理由じゃない、明確にここに書いてあるわけですよ。何でそんなに変わるのですか。
小泉内閣総理大臣 だから、言ったでしょう。個々の発言を理由とするものではない、総合的に判断したと、何回も言っているでしょう。少しはわかってくださいよ。
長妻委員 いずれにしましても、今回、国会の正常化のために田中眞紀子大臣を更迭したというふうにありますけれども、田中眞紀子さんを更迭しても、国会は全然真相究明できないじゃないですか。真相究明をきちんとしていれば、全然更迭しなくても正常化するんですよ、国会は。国会の審議が紛糾して、だから更迭した、それは責任転嫁でしょう、国会に対して。田中眞紀子大臣を更迭しなくても、真相さえ明らかになれば国会は正常化したのです。どうですか、総理。
小泉内閣総理大臣 しかし、予算委員会で補正予算の採決に、民主党、出席しなかったじゃないですか。本会議の採決も出席していなかったじゃないですか。これは、私は、正常な状況じゃない。(発言する者あり)
津島委員長 長妻昭君。(発言する者あり)
 長妻昭君、今の答弁に対して質問があれば、質問してください。――長妻昭君、質問を続けてください。
長妻委員 小泉総理、今の答弁を修正していただきたい。
小泉内閣総理大臣 全く修正する必要はありません。私は事実を言っているんだ。出席をしなかったというのは事実でしょう、委員会にしても、本会議にしても。事実を言っている。何にも修正する必要はありません。
津島委員長 長妻昭君。――長妻君、質問を続けてください。(発言する者あり)
 小泉総理大臣、もう一度御答弁をお願いします。
小泉内閣総理大臣 何回言わせるんですか、同じことを。出席しなかったというのは事実でしょう。私は事実を言っているんだ。だから、修正する必要はない。
津島委員長 長妻昭君、質問を続けてください。あなたの質問時間はちゃんと決まっておりますから。
長妻委員 今回の国会審議が紛糾したというのは野党の責任じゃないですよ。与党が真相究明しないから混乱しているんですよ。
 だから、さっきの質問は、混乱は、別に更迭しなくても混乱はおさまるんです。真相究明すればいいんです。正しいことを言えばいいんです。だから、更迭した理由がわからないわけですよ。もう一回、更迭した理由。
小泉内閣総理大臣 私は野党の責任なんて一言も言っていませんよ。国会が紛糾した責任を政府としてとったわけです。
長妻委員 ですから、国会が紛糾したその状態を正常化するために更迭した、しかし、更迭しなくても、真相を究明すれば国会は正常化するんですよ。それもわけもわからず、更迭すれば国会正常化する、そういうようなことで一国の国務大臣を動かすというのはいかがなものかということを私は申し上げて、次の質問に移ります。
 総理大臣に質問しますけれども、鈴木議員に関して、ムネオハウスとかいろいろな視点、観点が指摘されております。
 それに対して、二月十三日の予算委員会で、総理大臣は、北方四島とアフリカ向けODAなどの事業を受注した企業が鈴木議員に政治献金をしている実態を解明すべきだとの指摘に対して、総理はこう言われている。そのとおり、指摘の点を外務省もよく調査して、疑念を持たれないODAを考えるべきだと総理答弁しているんです。それともう一つ、その業者から献金されているということに関して、こう答弁されている。個人のお金で寄附したならともかく、これは個人のお金で鈴木議員に寄附したんならともかくという意味だと思いますけれども、今言われたような形で使われているようだったら、よく調査しないといかぬ、こういうふうに言われているんです。この調査はいつまでやりますか。
小泉内閣総理大臣 答弁のとおりであります。今調査していると思います。
長妻委員 これは国民の皆さんに理解できない答弁だと思うのですよ。
 というのは、一般の社会では、調査をするといったら、何月何日までに調査書を出す、それで発表する、こんなの常識なんですよ。こんなの常識なんです。国会はいつもそうじゃないですか。調査する、期限はわかりません。調査すると言ったら、調査しているのかしていないのかわからない、こういうことになる。だから、総理、いつまでに調査するんですか。
小泉内閣総理大臣 できるだけ早く調査するように外務省に指示しているんです。
長妻委員 ですから、そのできるだけ早くというのも、一般社会じゃないんですよ、こういう重要な話で。一国の総理大臣が約束をした、調査をしますと。何月何日までにやる、余裕を持ってもいいですよ、それをきちんと言ってください、総理のリーダーシップで。
 これは、お役所仕事とよく言われますよ。何月何日というふうに言ったら、三カ月期限切ったら三カ月でやるかもしれない、五カ月だったら五カ月かもしれない。厳密な調査をしようとしたら、それは一年、二年かかるかもしれないですよ。でも、ある意味では、ある程度期間を切って、その範囲内でわかる、これが調査じゃないですか。
 総理、いつまで、それを明言してください。
小泉内閣総理大臣 できるだけ早くというのが一番いいでしょう。
長妻委員 それは、できるだけ早くという日本語は、普通はまあ一カ月はかからないでしょう。そうすると、三月中旬ぐらいまでには報告を出すということでよろしいですね。
川口国務大臣 これは、本当にできるだけ早くと思っております。
長妻委員 その調査の中には、午前中に出た鈴木宗男議員の入札に関連した問題、これも入りますか、大臣。
川口国務大臣 北方四島の支援の問題につきましては、この間、国会でも……(長妻委員「入札」と呼ぶ)入札の問題も含み、その支援の問題につきましては、この間、国会でも御指摘をいただいたところでございますので、私はその後、指示をいたしております。
 それは、外務省には……(長妻委員「入札ですか、入札の問題」と呼ぶ)全部含みですね。外務省には、最高裁判事でいらした園部参与がいらっしゃいまして、この方が監察査察担当で来ていただいていますので、実は御出張にいらしていたこともあって私は間接にしかコンタクトをまだできていないんですけれども、北方四島の支援の問題につきまして、透明性を確保するような観点で何ができるか御相談をして、園部参与にお願いをしようと思っております。(長妻委員「そうすると、入札疑惑も調査するんですね」と呼ぶ)
津島委員長 長妻君、立って質問をしてください。
長妻委員 ですから、質問に答えていただきたいんですが、午前中に出た入札疑惑についても調査の項目に入っているわけですね。
川口国務大臣 さまざまな点を、入札も含めてやっていただきたいと考えております。
長妻委員 まあ、そういう答弁があって、なるべく早くというお話があった。それで、期限は言えないということであります。もう本当になるべく早く、せめて今月末か遅くとも来月中旬、ぜひ出していただきたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、一月二十四日の夜の会合がいろいろ問題になっておりますけれども、川口外務大臣、予算委員会の答弁で、これに関連して川口大臣はこう答弁されています。こういう重要な時期に、国民の不要な疑惑を招き、外務省の信頼をさらに地に落とすような行動をすることは非常に遺憾である。
 不要な疑惑、信頼をさらに地に落とすというのは、どういう行動のことですか。
川口国務大臣 一月二十四日に、外務省の職員のうち何名かが食事をし、その際に特定の議員の方々と接触をする機会があって、それが、現在言われている答弁の打ち合わせがあったんではないかという観点から不要な疑惑を招く結果になったということについて申し上げているわけです。
長妻委員 かなり強いトーンで川口大臣は、不要な疑惑を招き、外務省の信頼をさらに地に落とすような行動をすることは非常に遺憾だというふうに言われているわけでありまして、これは何らかの処分はされるんでしょうね。
川口国務大臣 このことにつきましては、私は、十五日付で、文書をもって小町官房長と重家局長には注意をいたしました。
長妻委員 注意をしただけですか。そして、ほかの人にはどうするんですか。
川口国務大臣 責任ある立場に立つ者として、二人に注意をしたということでございます。
長妻委員 これは、川口大臣にも小泉総理にも要望するんですが、これこそまた調査をきちんとしていただきたいと思います。
 川口大臣の骨太の改革の中では、透明性というのが高らかにうたわれております。この一月二十四日の会合の詳細について、内容、詳細についてきちんと調査をするということをここでお約束いただきたいと思いますが、いかがですか。
川口国務大臣 一月二十四日の会合のことにつきましては、この委員会の場でも、今までさまざま御質問をいただいて、関係者から御答弁を申し上げている次第でございます。
長妻委員 その中で、まだ事実は究明されておりません。ぜひ文書で、これが大体の全容ですよというものを、透明性というのを大臣が言われているんですよ、ぜひ出してください。
川口国務大臣 御疑問の点につきましては、国会の場でとことん御質問をいただきたいと思います。
長妻委員 あくまで調査はされないということなわけで、結局は、川口大臣、透明性というふうに言いながら、非常にきらびやかな言葉が外務省改革で躍っておりますけれども、実際の中身が本当に伴っていないと思うんですね。みずから、国会に言われる前に、これだけ疑惑が出て、答えられないとかいう話も、官僚の方が全部しゃべられているわけじゃないんですよ。大臣が率先して、こういう疑惑の会合があって、そして大臣自身が、かなり強い口調ですよ、不要な疑惑を招き、外務省の信頼をさらに地に落とすような行動、こういうふうに大臣は言われているわけですから、こんないいかげんな答弁じゃ納得できません、本当に。ぜひ調査をしていただきたいということをお願いして、もう一点質問をいたします。
 佐藤優さんという国際情報局の主任分析官、この方は六年以上同じ部署におられる。午前中の田中眞紀子さんの答弁でも、鈴木先生がいてさわれないんですよ、この人の人事を、そういうふうに事務方に田中眞紀子さんは言われているということがありましたけれども、前の松尾室長さんもかなり長く同じ場所におられたということで、いろいろな問題が出てくると思います。佐藤さんを動かしますか。
川口国務大臣 私はまだ実は来て二十日でございまして、これからいろいろ考えなければいけないということがあると思っておりますけれども、昨年の外務省の人事制度改革、これは昨年十二月に発表されたものでございますけれども、ここに書いてございますのは、任期については最長三年を原則としていくというふうに書いてございますので、私としては、この原則に沿って、円滑な人事のローテーションに努めていきたいというふうに考えております。
 ただ、他方で、私は外務省の外にいまして見ていましたときに、民間企業の目で見ますと、実は、民間企業から、私自身も感じましたけれども、役所の人事について感じることというのは、役所の人たちが早く動き過ぎて過去の経緯がつながらないというようなことがあるということでございます。こういった見方についても十分に留意をしなければいけないというふうに思いますし、それから個人の方の家庭の御事情やら健康の事情やら、あるいはその仕事の特性ですとか、さまざまな事情を勘案して人事をやらなければいけないというふうに思っております。
 ただ、御指摘の職員の件につきましては、国会でさまざまな御指摘がありましたので、私としては、みずから事情についてはきちんと聞いてみたいと考えております。
長妻委員 ぜひ、問題になっている、人事が、長く同じ場所におられるといろいろな問題が出てくるということで、先ほど三年というお話がありましたので、ぜひ厳守をいただきたいと思います。
 そして、皆さんにお配りしている資料一でございますけれども、これは総理特使に関する質問でございます。
 小泉総理が総理大臣に就任してから、二回、鈴木宗男議員を総理特使として任命して送っておりますけれども、これは私が聞いたところによると、鈴木議員が外務省に、特使をやりたいというような希望を持たれていた、そしてあうんの呼吸でこの特使が決まったということを聞いているんですけれども、総理、この特使を鈴木議員に任命したというのは、いろいろな議員がいる中で、それも特使、国会議員、鈴木議員、なぜですか。
小泉内閣総理大臣 アフガン周辺国、この支援も大事でありますので、特にタジキスタンについては鈴木議員が前からいろいろな人脈を持っているということで適切だろうという外務省との判断もありまして、私は特使をお願いしたわけであります。
 事実関係あるいは経緯については、外務省に聞いていただければ、その辺の今までの交友関係というのはよくわかると思います。
長妻委員 総理特使で二回任命をされているんですけれども、それが適当な人選なのかどうか。ある意味ではこういう総理特使というお墨つきを与えることによって当然外務省内での発言力というのが高まるわけですので、今後、総理特使というものの決め方を透明化する、ぜひこういう御検討をしていただきたいんですね。頼まれたら総理特使になれるということがあるとすればこれは問題ですから、総理、そういう検討をするということをぜひ明言していただきたい。
小泉内閣総理大臣 それは、それぞれの議員がそれぞれの国にいろいろ交友関係を持っていると思います。特使が必要かどうか、また人選が適切であろうか、今後、今までの経緯も踏まえてよく検討すべき課題だと思っております。
長妻委員 総理特使の選び方についてはよく検討する課題だというお話がありましたので、ぜひ総理、検討をしていただきたいと思います。
 本当はこれも、いつまでというのが、期限がついていないと、世間一般社会とまた国会、行政はかけ離れていると言われますので、総理、大体いつぐらいまでに検討結果は出ますか。
小泉内閣総理大臣 政府特使の問題は、もう一国一国、一件一件、そのときの事情によってだれをいつどこに、これを判断しなきゃならないんです。いつまでにという問題じゃないんです。いつどの国に特使を送らなきゃならないかと……(長妻委員「決め方自身」と呼ぶ)決め方自体もその時点なんです。そういう全体状況を踏まえながら検討すべき問題じゃないかと思っております。
長妻委員 そして、もう一点の質問ですが、皆様にお配りしている資料二というのがあります。これは、排除されたNGO側が鈴木宗男さんと外務官僚とお会いした議事録を、四日間にわたる議事録をとっている、そのペーパーでありますが、そして、福田官房長官は、これが事実であるということであるならば、やはりそれは行き過ぎだというふうに一月三十一日の参議院の予算委員会で答弁されております。この議事録が本当かどうか。
 宗男さんが、「外務省は、NGOが勝手にやっているのを許しているのか?任せっきりなのはけしからん。また、与党が政府なのに、野党も同等に扱うのは許しがたい。」鈴木さんが、「もうこいつらへの援助はストップするからな。」鈴木さんの発言ですね。「NGOってのにはとんでもないのがいる。こんなやつらに税金をだすっていうのはどういうことだ。とりあえず、アフガン会議ではNGOには一銭も金はやらんからな。覚えておけ。」と外務官僚とNGOの方に向かって鈴木宗男さんが言ったというNGOの作成した議事録、彼らはこれは自信があると言っています。きょうも国会で配ってもいいですよと言っています。
 これは、この議事録、福田官房長官、国会で答弁されておりますので、真偽は確認しますね。
福田国務大臣 そのピースウィンズ・ジャパンから出した資料についての真偽は、私どもは確認しておりません。
長妻委員 いや、福田官房長官が、一月三十一日の参議院の予算委員会で、この議事録が事実であればそれは行き過ぎだと答弁しているんです。だから、行き過ぎということは問題がありということですね。そうすると、これは事実かどうか確認しなきゃいけないわけです。
福田国務大臣 それは、私はその文書を見て、全くそのとおりであるということであるならば、まあ穏当でない発言もあるなというふうに思ったから、そのように言ったんです。
長妻委員 外務大臣、透明性ということがありますね。外務官僚、勤務時間中に四日間にわたってこういう席におられるわけですけれども、川口大臣、これをきちんと確認しますか。国会答弁でも、お役所の方にこれを聞いたらこういう記憶はないんだということを報告を受けたというように答弁されていますけれども、もっと深く、本当にこういうやりとりがあったのかどうか、確認をぜひしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
川口国務大臣 これは、拝見いたしましたところ、国会議員の方とそれからNGOの方、外務省の人も入っていますけれども、のお話し合いでございますので、国会議員の方が絡むお話は国会で御確認いただくのが一番よろしいのではないかと思いますし、その意味で、けさそれをなさっていただいたのではないかと思います。
長妻委員 それは全然、外務省改革の、骨太の改革の方針と全然違うじゃないですか。政治家の不当な圧力は排除する、そして政治家の圧力があったらそれは公表する、これが骨太の方針の根幹でしょう。何でそんな、関係ない、国会に任せます、さっきから全部国会に任せますじゃないですか。もう一回答弁してください、骨太の改革。
川口国務大臣 NGOの参加問題自体につきましては、官邸でこれを御確認いただいたというふうに私は思っております。
 それから、外務省の同席した者についての話について言えば、具体的な個々の発言について記憶しているわけではないわけですけれども、十二月十三日と十二月十八日に鈴木委員長を訪問した際には、鈴木委員長より、全体として厳しい調子で以下の御指摘があったというふうに私は承知をいたしております。
 それはどういうことかといいますと、外務省が自民党内の異論に配慮してNGO東京会議への支援を撤回したと報じた一部報道に関しまして、対外的にきちんと説明を行うべきである。二番目に、NGOへの支援も国民の税金であり、適正に使用すべきである。三番目に、アフガニスタンでは、高橋前国連政務官のように、国際的に高く評価されている外務省員が活躍をしており、NGOだけが活躍をしているということではないというようなことであったと承知をしております。いずれにしても、全体として非常に厳しい御指摘と受けとめたということでございます。
 それから、十二月の二十日に鈴木委員長を往訪した際には、鈴木委員長より、自民党議員のマザリシャリフ出張をピースウィンズ・ジャパンが支援していることに関しまして、ピースウィンズ・ジャパン関係者に経緯について、また外務省に便宜供与についてそれぞれ質問があったというふうに承知をいたしております。それから、一月八日には、ピースウィンズ・ジャパンより活動の状況を報告して、鈴木委員長はこれに耳を傾けられたというふうに承知をいたしております。
長妻委員 ですから、これの内容を、外務省自身が政治家の不当な圧力を排除してそれを公表するということでありますので、ぜひ調査をしていただきたいというのを強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
津島委員長 これにて長妻君の質疑は終了いたしました。
 次に、中井洽君。
中井委員 自由党の中井洽です。
 きょうは、外務省の、一連の議論になっています問題について、総理以下御出席の大臣にお尋ねをいたします。三十分という時間でありますから、私もできる限り繰り返しをやめて簡潔に聞きますので、簡潔にお答えをください。
 先ほどから出ております政府見解というもの、いわゆる田中元外務大臣も了承したと過般外務大臣も委員会でお答えになり、官房長官もきょうもお答えになった政府見解というのは、ここにある、二十八日の夕方といいますか、夜十一時前に私ども理事に御提出をいただいた見解でございますか。
福田国務大臣 さようでございます。
中井委員 この見解について、先ほどから承っておりますと、田中外務大臣も当時了解をした、そして、その後も、大臣当時は了解をした、こういう御答弁でございます。
 あのときは、私どもは、野上事務次官の出席を求めて、外務大臣との答弁、整合性を問いただしましたところ、私も長い国会経験でありますが、事務次官が出てきたというのも初めてですが、局長と事務次官の言うことと大臣の言うことが正反対、こんなことは初めてでございます。「羅生門」であるのか、まあ「薮の中」の世界みたいな議論でございます。したがって、私どもは、たびたび紛糾しましたが、政府としての正式見解をつくってくれ、こう要望して、官房長官は、つくる、こう言われたわけでございます。
 このおつくりになる間、外務大臣も野上さんも官房長官も、予算委員会から出ていって結構ですよ、私ども自由党と共産党と社民党はその点について質問もせずに、委員会もとめずに、ここで補正予算の質疑をしながらお待ち申し上げておったのであります。
 六時半に質疑が終わっても、まだ待てというから延々と待っていたら、十一時前にぽこっと出てきて、何だこれと言った途端に、どんと採決。どうして、外務大臣が了承されているのなら、その後、夜中であれ朝であれ委員会を開いて、僕らに、外務大臣に対して質疑させなかったんですか。答えてください。
福田国務大臣 私どもは、委員会の運営につきましてはすべて国会の御指示に従って動いておりますので、そのときも、まさに委員会の御指示に従って、そのとおりにしたつもりでございます。
中井委員 これは、この見解も、政府統一見解という約束だったのに政府見解。そして、外務大臣と外務省事務当局の答弁との間に差異があるが、政府としては、引き続き関係者の云々、補正予算早う通しておくれと書いてあるんです。
 だから、質疑にならないというのをわかっておって、要するに、田中外務大臣が自分の御発言を訂正するということをなさらないから質疑に耐えられないということで、与党と御相談の上強硬にやられたんだ、こういうことであろうかと思うんです。
 ここに、週刊誌で、総理の最も信頼される秘書官、飯島さんがいろいろと言われております。その中で、とりあえず補正予算が終わってから、NGO参加拒否の問題はしっかり調査して公表する、こういうふうに言っておるじゃありませんか。これは同じ文句です。
 先ほどから、田中外務大臣が了解した、了解したとおっしゃっておるが、私は、田中外務大臣の了解がとれなかったからああいう暴挙に出られたんだ、このように理解をいたしておりますが、総理、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 それは違います。政府見解、了解されたんですよ。それで出したんです。田中大臣の了解なしに政府見解は出しません。
中井委員 政府見解を了解したのなら、どうして明くる日首をとられたんですか。
 田中眞紀子さんに対して実にいろいろな説得工作をやっておられるじゃないですか。二十八日にも、これ、重家さんいますか、鈴木宗男さんのところへ外務省を代表して、そしてNGOについての文書を持っていって了解をとったと書いてあるじゃありませんか。この同じ文書を二十八日、外務省は田中眞紀子さんのところへ持っていって了解をとったと。これ、同じく飯島総理秘書官のインタビューに出ているじゃありませんか。
 この文書を出してください。また、そのことは事実ですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 その時点で、官邸の岡本参与、私が知っております限り、岡本参与がいろいろな努力をしておられまして、これは復興支援におけるNGOの役割について関係者の認識を統一しておくことが助けになるのではないかという努力をしておられまして、ある紙を、要請を受けまして、私は鈴木先生のところに持っていったことは事実でございます。
中井委員 それを外務大臣のところへ持っていったのは外務省のどなたですか。官房長、あるいは重家さん、どちらでも。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 私、直接の責任ではございませんでしたけれども、記憶によれば、会議の場で外務大臣にその内容を御説明したように聞いております。
中井委員 その岡本さんのおつくりになったやの文書を外務大臣は了解されたんですか。
重家政府参考人 私の記憶でございますが、たしか、朝の勉強会で、岡本参与のつくられたペーパーを鈴木先生にお見せして了解を得ましたということを申し上げて、大臣もそれをごらんになっていたと思います。
中井委員 そんなこと聞いていない。大臣が了解したかと聞いているの。答弁違うじゃないですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 私は、大臣も了解されたものとそのとき思いました。
中井委員 そういう了解のもとで委員会をやったけれども、委員会になったら田中さんと野上さんの答弁が全く違って、了解なんということは全然なかったということで、もう国会はこれ以上なかなか難しいと御判断なすって、強行をやられて、責任をとって田中眞紀子さんの首をお切りになったんだ。それまで総理は、二十四日に伊藤さんや自民党の国対委員長が田中眞紀子さんを呼んで、二十五日ですか、発言を変えろと言ったら、彼女はそれは受けた。しかし、外へ出て泣いた。総理は……(発言する者あり)じゃ、何だ。報告しておる。そうじゃない。調整しろと言うんだから、変えろという。ここの文章にはすべて田中眞紀子さんが違うことを言ったと書いてあるじゃないですか、皆さんの文章に。だから、合わそうと思ったら、田中眞紀子さんがうそをついたと、田中眞紀子さんが発言を変える以外に整合性のある答弁なんかできないじゃないですか、あの予算委員会の流れの中で。とんでもない話を言わないでください。
 そういうときに、彼女は涙を流して、ひょっとしたらこれは棒をのむような形で、受けると決めたのかもしれない。しかし、そこで総理は御事情を余り詳しく知らずに、官邸でテレビに対して、女の涙ほど強いものはない、こうやっちゃった。だから田中眞紀子さんは、総理は味方だ、こう思ってまた強気に出られたんだ。そうしたらぴょんと首を切られた、こういうのが実際じゃないんでしょうか。
 彼女は、きょう午前中の審議の中でそういう方向を言われた。小泉さんは変わられた、抵抗勢力になられたんだ、外務省改革ということについて味方をしてくれなかった、こう陳述をされました。これらのことをお聞きになられましたか。お聞きになっておったら、感想はいかがですか。
小泉内閣総理大臣 私は、外務省改革を進めていきます。田中さんがどう言われても、それは個人の判断ですから、それは個人それぞれ判断があるでしょう。私は、改革の手綱を緩めることはいたしません。
中井委員 総理のおっしゃる外務省改革ということはどういうことか、私どもは理解ができません。それは、具体的に何も今まで出されたことがないからでございます。
 少なくとも田中眞紀子さんの外務省改革は、鈴木宗男さんという族議員、これに人事からすべて牛耳られているやり方を直そうとして闘われた。その闘いのやり方は稚拙であったり、僕らから見たらもっとうまい方法があるんじゃないかと思ったところはあります。しかし、彼女の思いを聞いてみると、なるほどと、この一年余りのことがよくわかる。
 私どもも国会におって、外務省って一体どうしているんだ、ここ数回、質問したら答弁はひどいし、一体何なんだろうと思っていたら、鈴木宗男さん一人、大臣にしておったんですね。外務省に族議員なんておらぬじゃないですか。国民の皆さんも、族議員にもいい人もいるだろう、しかし、鈴木さん一人だけというのは一体何だ、その人が全部牛耳っている、こういう思いで今回の騒動を見ておったんじゃないでしょうか。
 それに対して総理はかばうことなく、いわゆる族議員を逆にかばって、妥協して、そして田中眞紀子さんを更迭した。私はそう思いますが、この判断、どうでしょう。
小泉内閣総理大臣 全く違います。族議員をかばったことなんか私は一度もありません。特定の議員の意見に耳を傾けるのもいいけれども、その議員の意見が適切かどうかということを判断すべきだと思う。これは外務省もこれから気をつけなきゃいけない。
 そして、今回のいろいろな、国会の場でNGO問題が紛糾いたしました。これはやはり大臣と事務方、一致してもらわなきゃ困る、調整で。質問する人も困るでしょう。役所の意見、どっちが代表しているのか。これは省庁、大臣も事務方も一体となって外交に取り組まないと大変なことになる、そういう点も心配しました。
 私はこれから、部下とのいさかいにエネルギーを費やすのもたまにはいいけれども、外交本来の仕事もある、そして国会の事態を正常化する責任もある。そういうことから総合的に判断したものでありまして、私は、やはり大臣と事務方というのは協調体制をとって国民に行政の責任を果たしていくということも大変大事なことではないかということでありますので、別に族議員をかばったとかいう気は全くありませんし、これからも、外務省のみならず、各役所それぞれ影響力のある議員がいるでしょう。それは与党も野党も問いません。そういう中にあっても、特定の議員の意見が適切かどうか、それをもとにしっかりとした見識を発揮して誤りない判断をしていただきたい、これがやはり改革につながっていくのではないかと思っております。
中井委員 午前中の田中眞紀子さんの陳述で、自由にしろ、自由にしろとおっしゃるけれども、自由にやろうと思ったらスカートを踏む人がいた、こういう話がございました。
 私どもは、これらの話の流れを聞いておって、福田官房長官なのかな、飯島さんなのかな、こう思っておりますが、総理のここしばらくのお話を聞いていますと、あるいは御様子をずっと見ていますと、私は、田中眞紀子さんの更迭のチャンスを見ておった、そして今回のことで、ちょうどアメリカ大統領もお越しになる、外交にとって大事なとき、ちょうどこの時期を利用して、こういうことで田中眞紀子さんがうそをついたということを理由に更迭をなすったんだ、こう思っています。
 しかし、それは族議員をかばっていらっしゃらないと言うが、今のままでいったら外務省と鈴木さんの関係、何か変わりますか。相変わらず鈴木さん一人が外務省に力を振るうんじゃないでしょうか。私どもはここを、総理は族議員に妥協したんだ、こう申し上げておるんだ。
 ひとつ、改革をいかに支持率が下がってもやるとおっしゃるんなら、例えば農水大臣、農林省の族議員とこれはどうなっておるんだ、ここのところも明らかにできていない。要は、自民党と族議員と、自民党の中の族議員と官僚、ここのところをぶち壊さないと政治改革というのはできないと私どもは考えておりますので、総理はそこの点にねらいを絞られて頑張られるようあえて申し上げておきたい、このように思います。
 外務省にお尋ねをいたします。
 外務大臣それから新次官、来ていただいております。御就任に当たり、あるいは御就任後、鈴木さんのところへあいさつに行ったり電話をかけたりしたことはありますか。
竹内参考人 ごあいさつ並びに電話につきましてはやっておりません。
 もちろん、外交関係に深い与野党の議員の方々には礼儀をするのが必要なことだと思っておりますけれども、いささかも何らかの疑惑、誤解ということを招くことのないように配慮しながら、礼儀は尽くしたいというふうに考えております。
川口国務大臣 私が就任いたしました時点では、鈴木先生は、対外経済協力特別委員会という名前だったと思いますけれども、その委員長でいらっしゃいましたので、とりあえず委員長にということでは電話でごあいさつは短時間いたしましたが、その後委員長をおやめになられまして、それ以降につきましては、私はお電話でもお会いもいたしておりませんし、まさにこういう重要な時期でございますので、私はそういうことをするつもりはございません。
中井委員 鈴木議員個人のことをとやかくとあげつらって言うつもりは何もありません。ただ、お二人のお言葉に、記者会見も含めてでありますが、とにかく国民の外務省に対する信頼を取り戻したい、こういうことが盛んに言われています。
 国民の疑惑は二つ、一つはお金、もう一つは、どうして鈴木さん一人が外務省の族議員であんなむちゃくちゃなことができるんだ、このことであります。
 幾らやっても次から次へと出てくるじゃありませんか、夜の十二時まで飲んでいるとか。これは何なんですか。あるいは、外国へ行かれると、同じ人がずっとついていく。僕が若いころ、自民党のボスの、何か二人ほど、海外旅行へ行くたびに役所から旅行へついていく人いましたよ。それは買い物持つんですね。キャリアの人が買い物持たされてかわいそうにと、よう思うたものですよ。
 だけれども、鈴木さんのは違うでしょう。今こんなことをしている役所、ないですよ。重家さん、何であなた、松岡さんらと飲んで、説明したら帰ればいいのに、十二時まで飲んでおるんだ。そんな役所、今ないよ。そういうところの襟の正し方が全然足りないんだ。
 外務大臣、そんなにみんな役所悪いわけじゃないですよ。いろいろな不祥事で議論して議論して、みんなまじめにやってきているじゃないですか。私はさっき、どうして、あなた電話しましたか、かかってきましたかとつまらぬ議論をしているのは、この際すぱっと縁を切って、そして新しい外務省の体質をつくらないと、すぐもとへ戻る、こう思いますが、いかがですか。
川口国務大臣 私は外務省を刷新したいと思っておりまして、十の改革ということを出させていただいておりまして、今後はこれを実効性、スピード、それから透明性をキーワードとして進めていきたいというふうに考えております。
中井委員 あなたもお酒はお強いようですから、お気をつけいただきますように。
 もう一つは、会計検査院にお尋ねをいたします。
 先ほど、午前中、田中眞紀子大臣が会計検査院の出された報告書の中の幾つかを読んで、これを読めば大体上納金のことが察せられるんじゃないか、こういう言われ方をいたしました。この前外務大臣がお読みになった文書を見て、どういうことであるか御答弁をいただきます。
金子会計検査院長 九月二十七日に本院が行った処置要求の中で、「内閣官房と外務省との間において、総理外国訪問に係る事務及び経費の分担が明確となっていないため、相互に連絡する体制が十分でなく、双方とも組織的に関与しない部分が生じ、経費支払の実質的な確認が行われていないこと、また、それぞれが執行する事務に応じて、自らの責任において予算を執行する体制となっていないこと」、さらに、内閣官房において、「報償費の管理状況が十分把握できない状況となっていたりなどして、その取扱いが不明確になっている部分があること」などを挙げております。
中井委員 すなわち、今のことは、幾らが内閣官房機密費で幾らが外務省の報償費かというのはわからない、そしてどっちが幾ら使ったかもはっきりしていない、こういう言い方を私はされているんだと思います。
 私は、かつて当委員会で、上納金じゃなしに埋め込みという言葉を使いました。自民党といいますか、大蔵省的、財務省的予算方法でいけば、多分埋め込みという言葉の方が正しいんだろうと思いますが、そこらのことがきちっとできていないと書かれています。この点について、官房長官の御認識はいかがですか。
福田国務大臣 いわゆる松尾事件、あの事件が発覚する前、平成十二年度から、外務省とそれから内閣官房の経費の分担について明確にするような、そういう作業が行われております。それ以前にどういうことがあったか、それは私が申し上げているわけじゃないですよ、そういうことじゃなくて、十二年から、いわゆる松尾事件が発生したような根幹というものは断ち切っているという、そういう作業は行っているわけです。
 なお、平成十三年も十四年も、この経費の役割分担、それぞれどういうふうに外交関係のことについて役割分担するかということについて、打ち合わせをよく行い、その責任を明確にする、こういう体制を今組んでやっておるところでございます。
中井委員 昨年のこの予算委員会のいろいろな質疑の後、与党と野党で機密費を凍結しよう、こういう話がかなり具体的に進んでおったわけでございます。ところが、野党が、まあそれはそれぞれの党の事情がありますから、組み替え要求を出したために、そこの話し合いが流れまして、当時の野呂田委員長が、委員会採決後、特別に、官房機密費の使い道について明らかにしろ、気をつけろ、こういう委員長宣言みたいなことをされて締めくくられたわけでございます。いまだにどうもすっきりとした線引きや明らかな使い方ということが出てきていない、大変残念に思います。このことについて外務大臣は、お調べになって明確な線引きをされる、こういうおつもりがあるのかどうか。
 それからもう一つは、この同じ報告書の五十九ページと六十二ページを見ていただきますと、この松尾事件のことでも、私は前にも申し上げましたが、外務省の同行者には差額が支払われている、しかし、他の役所の同行者には、官邸からお金が出ているにもかかわらず一切支払われていないと私は申し上げました。会計検査院は、調査ができたのとできないのとがある、こういう書き方をいたして逃げているのでございます。
 あなたも通産省ですが、もとの。だれ一人もらっていませんよ、通産省の人は、総理についていった人は。財務省もそうですよ。僕、全部聞きましたから。だから……(発言する者あり)農林省もと後ろから言っておりますが、お調べいただいて、松尾事件というのはあんな金額じゃない、このことをぜひ御調査をいただきたい。
 それから、もう一つ申し上げると、プール事件であります。
 外務省の職員は今六千ですか、六千五百ですか。一年間の予算が七千億ぐらい。ちょうどこれ、私の地元の三重県と一緒ぐらいでございます。三重県は、今から六年、七年前に空出張騒ぎが起こりまして、当時私どもは三重県の与党でありましたから、知事ともいろいろな議論をして、二年間全部めくり上げる、全部出す、こう言ったら、警察と教育委員会はノーと言いましたが、他の部局は全部出して十六億七千万、空出張、二年間。外務省、五年で二億円って、そんなばかなことありますか。もっと多額なお金が使われている、不正に使われていると僕は思っています。
 その調査で終わるということでは到底国民の納得は得られない。ここの調査を再びおやりになる、こういうお約束をいただきたいと思いますが、いかがですか。
川口国務大臣 私もちょっと、就任をして二十日でございまして、その間にロシアの外務大臣やアメリカの大統領やおいでになられましたし、改革の十項目を出させていただいたり、いろいろ忙しかったので全部についてよくわかっているとは思いませんけれども、委員がおっしゃられた今までのことについては、今までの時点でそれなりの調査を元大臣までのところでなさっていただいたというふうに私は理解をいたしております。
中井委員 先ほど田中大臣は、十億という数字を挙げられました。だけれども、外務省の、飯島さんの、検察が訴えている金額やら外務省の内部調査では十億もいかないじゃないですか。それだけでもお調べになる――前大臣のところで終わっているなんていう言い方をされたんじゃ、到底外務省改革ができるとは思えません。国民の皆さんに、ここのところは全部やりますと。僕は外務省の職員を罰しろと言うているんじゃありません。明らかにして、もう二度とやらない体制をつくることが大事でしょう。途中でふたするのはだめだ、このことを強く要求いたしておきます。
 時間ですので、委員長、最後に。
 本日、私ども質疑を聞いておりまして、例えば前の野上さん、総理の秘書官の飯島さん、重家さん、NGOの大西さん、それから話題の佐藤さん、これらの方々にぜひ参考人として当委員会へお出かけをいただいて、この情けない話、一刻も早く明らかに決着をつけたい、こう考えておりますので、委員長として御対応のほどをお願いいたします。
津島委員長 理事会で協議をさせていただきます。
中井委員 終わります。
津島委員長 これにて中井君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 私は、十三日の予算委員会で、鈴木議員の対外援助への関与、すなわち北方四島人道援助あるいはアフリカのケニアODAなどに関与し、その事業を受注した企業から政治献金を受けていた、こういう問題について質問をいたしました。また、きょうの午前中の質疑で、鈴木議員の入札にかかわる疑惑を取り上げました。ここでも、外務省が鈴木議員の介入によって意思決定をねじ曲げられたということが明らかであります。まさに人道援助というものを私物化していると言わざるを得ない、極めて重大な問題だと思うわけです。
 午前中に紹介をいたしましたのは、今配付をされている資料でございます。ここには、日付が九九年五月二十八日、「国後島緊急避難所兼宿泊施設(メモ)」「秘 無期限」となっておりまして、「国後島緊急避難所兼宿泊施設の入札公示の内容に関し、鈴木官房副長官を○○が往訪したところ概要次の通り。」こうなっているわけであります。この施設は、いわゆるムネオハウスでございます。
 この内容は大変重大でございまして、「当方」と書いているのは、これは外務省のことでありますが、「六月初頭に道新等に入札説明会の案内を掲載するべく、現在、その内容を詰めているところであるが、一番頭を痛めているのは、入札参加資格のところである。」こうなっているんですね。「とりあえずの支援委員会事務局の考えとしては、道開発局基準でBランク以上という基準を設定すれば道内で約二百社が対象企業になることがわかっている。」こういうふうに言って、こういう考えでおりますよということを鈴木宗男議員に説明をした。
 「先方」というのは、これは鈴木宗男さんのことでございます。何を言っているかというと、「道開発局基準のBランクで該当企業が二百社程度というのは知っている。そもそも二百社もいらないだろう。多すぎる。根室管内には旧島民が多数居住している。いっそのこと地域を北海道内ではなく根室管内に限定してどうか。根室管内にはB以上は何社か?」こういうふうに聞いているわけであります。これについて外務省は、「持ちかえって検討させて頂きたい。」ということでありますが、「それはやはり根室管内だろう。」ということで、強引な形で根室管内というものを強調されているわけであります。
 二枚目を見ていただければ、外務省当局が非常に困り果てておりまして、「何故、参加資格自体を「根室管内」に限定するのかと詰問された場合等々、事務局としてとても持ちこたえられない」、こういうふうに書かれているわけです。「そこで、」ということで、結論として、「以下の案で上げてみることを事務局と共に検討中である。この案のポイントは、入札参加資格は「北海道内」としつつも、施工実績のところで「根室管内において施工実績を十分有する者」として、入札資格審査の段階で実質的に地元の業者が有利なように配慮することである。」こういうふうになっているわけですね。
 結局、こういう計画でいかがでしょうかと鈴木宗男さんのところに案を持っていった。それに対して鈴木宗男さんは、こんなBランクだと二百社もあるから多過ぎる、根室の方に持ってこなきゃいけない、地域的に根室管内としろと。しかし、説明がなかなか難しいと、外務省としては。そこで、いろいろな理屈をつくりまして、「施工実績を十分有する者」というようなことで書き入れて、実質的に鈴木宗男さんの言うとおりの公募形態をとる、こういうことがここに書かれているわけであります。この内容は、私は非常に重大だと思うんです。
 外務省が人道支援の入札公示というこんな重大なことを、特定の議員、鈴木宗男議員にわざわざ説明に行っていること、しかも結果が鈴木宗男議員の注文どおりになっていること、特定の議員を交えたそういう会合に外務省が出て、それで、その議員の主張に唯々諾々と外務省が従っている。私は、こんなことは絶対に許されないと思うんですが、総理自身の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 この今の文書を初めて拝見しましたけれども、言われている問題が事実かどうか、よく確認したいと思います。
佐々木(憲)委員 これは極めて明確な事実でございますが、午前中の質疑で私は鈴木議員にこの点をお聞きしましたら、鈴木議員はこのようにお答えになりました。私は外務省のラインに沿ってやりとりをしていると思っています、私の方から物を言うよりも、外務省の方がこういう基準だとかこういうフレームでいきたいだとかという説明があったやの記憶はありますがというふうにおっしゃっているんですね。つまり、こういうことがあった、そういう記憶があったと。事実、認めているというふうに私は思うわけであります。
 しかも、もう一つの文書を見ていただきたいんですが、平成十一年一月のロシア支援室の文書でございます。
 この文書は、「平成十一年度北方四島住民支援(集会所兼宿泊施設の設置) 設計・施工監理業者(コンサルタント)及び施工業者の選定について」。私、重大だと思うのは、この経緯が書かれておりますが、(二)のところで、「右施設の建設に携わる業者について、これまで、鈴木官房副長官より、本件支援の趣旨にも鑑み地元企業を使うことが重要であるとの示唆があり、」こういうふうに書かれているわけであります。つまり、もう既にこういうことが、はっきりと鈴木さんが示唆をしていた、つまり、介入をしていたということがこれで明確になるわけでございます。
 私は、この文書は極めて正確な文書だと思いますけれども、介入があったという事実、これは明白だと思いますが、いかがでしょうか。
川口国務大臣 ただいま総理もおっしゃられましたように、この文書がどういう種類のどういう性格の文書であるかということも含めまして、精査をさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、四島支援問題について、もしも入札の点その他について不適切な点があるということであれば問題だと思いますので、この点につきましては、園部参与にお願いをして、検討を、調査をしていただくということで考えております。
 それから、こういった点について、国民の方の不要な疑惑をお招きすることがないように、透明性を入れていくということは非常に大事なことだと考えております。
佐々木(憲)委員 具体的にお聞きしますけれども、いわゆる国後島の友好の家、通称ムネオ・ハウスでありますが、入札したのはどこでしょうか。落札したのはどこでしょうか。
杉浦副大臣 事務方が参考人として呼ばれておりませんので、私から……(佐々木(憲)委員「呼んでいますよ、新事務次官は」と呼ぶ)
津島委員長 杉浦君、答弁してください。
杉浦副大臣 国後島緊急避難所兼宿泊施設、友好の家でございますが、受注者は渡辺建設・犬飼工務店ジョイントベンチャー、JVでございます。(佐々木(憲)委員「入札は」と呼ぶ)
 一般競争入札……(佐々木(憲)委員「いや、入札した会社」と呼ぶ)受注者ですから、ここが受注したんだと。(発言する者あり)入札した会社は、ここには記載されてございません。
佐々木(憲)委員 つまり、結局は、北海道全体に新聞に公募をするという形をとった。しかし、実際上、根室管内の、その地域の会社しか受注できないという限定をつけた。これは、鈴木宗男さんがそうしなさいと、外務省の案になかったんだけれども、鈴木宗男さんが指示をした結果、そういう形の、先ほども、午前中紹介をしましたけれども、北海道内に本社を有する者であって、気象条件が国後島に近似する根室管内において類似施設の建設工事の施工実績を十分に有する者である、つまり、外務省のこの内部文書で書かれているとおりの公募が、限定的な、極めて異例な公募が行われた。
 何も北海道全体に公募したって、受注できるのは根室しかないんですから、根室管内しか。そういう形で、しかも、応募したのはたった一社であります。落札したのも一社であります。
 皆さんにお配りしたこの資料の一番最後を見ていただければわかりますように、根室管内にBランクの会社というのは一社しかないんです。渡辺建設工業。
 ちなみに、下に何か手書きでありますが、根釧地区、根室、釧路地区ということであれば、Bランクだと三社ある。道東ということであれば、Bランクは四社になる。ところが、こういう限定をすると、これは一社しか落ちないということになるわけでありまして、何の競争にもなっていない。これが一般競争入札と言えるんですか。川口大臣、いかがですか。
杉浦副大臣 入札説明会には、落札いたしました渡辺建設、犬飼工務店を含め六社が参加しましたが、結局、入札に参加したのは、渡辺建設・犬飼工務店JVのみでございました。
佐々木(憲)委員 ですから、説明会には来ても、資格がないんですよ。一社しか資格がなかったということになるわけです。ですから、鈴木宗男議員が何をねらって根室管内にしたか、そういうところに限定したか、Bランクに限定したかといえば、一社しかないから、そこに落ちるように仕掛けをつくったんじゃありませんか。もう明らかじゃありませんか。
 それから、もう一つ外務省にお聞きしたいのは、鈴木宗男議員がこういう介入をしたことは極めて重大な問題であって、鈴木さんが悪いのは明らかですけれども、それに、つまり、変な人の変な声を、それに唯々諾々と従っている、こういう外務省も問題ですよ。大体、自分たちでこんなことを鈴木議員の方に説明に行く、これ自体が重大な問題であります。
 新事務次官にお聞きしますけれども、外務省というのは、入札をやるたびに関係議員に説明に行くんですか。
竹内参考人 私の今まで承知する限りにおいては、そのようなことが通例行われているということはございません。
佐々木(憲)委員 じゃ、この事例というのは極めて異例な事例なんでしょうか。鈴木さんについては特別。なぜ鈴木さんだけに説明に行かれたんでしょうか。
竹内参考人 私はその当時の事情についてつまびらかにしているわけではございません。ただ、その書類を精査するということが必要でございますので、先ほど大臣が申しましたように、いろいろな観点から精査が行われるべきであるというふうに思います。
佐々木(憲)委員 これは本当に重大な問題なんですよ。総理は、私の前回の質問に対しまして、個人のお金で寄附したならともかく、対外援助の資金で、そのような、今言われているような形で使われているようだったら、これはよく調査しなきゃならぬと。つまり、ムネオハウスだとかムネオ号だとかムネオ診療所だとか、国民の税金で、政府のお金で人道支援をやっているのに、俗称とはいいながら、そんな個人名があちこちから出てくるなんというのはおかしいと。しかもその受注した業者から献金がまた回っている。こういう問題について、これはよく調査しなきゃならぬというふうにお答えになりました。あれから一週間たちましたけれども、どういう調査をされていますでしょうか。
川口国務大臣 園部外務省参与、この方は監察査察の御担当の参与でいらっしゃいますけれども、この方にこの件についての調査をお願いするように指示をいたしまして、そのように伝わっているというふうに理解しています。
佐々木(憲)委員 その調査で具体的にどういう問題が発見されましたですか。
川口国務大臣 その私が申しました時点で園部参与は外国にいらっしゃいまして、お帰りになったばかりでいらっしゃるということですので、むしろ、今のところ事務当局でやっていますけれども、園部参与に関係をしていただくのはこれからということになります。
佐々木(憲)委員 全然具体的にやっていないじゃないですか。やる気になれば、外務省にこういう記録があるわけですから、この記録をすぐ調べれば、もうこんなのは一日ですぐできますよ。これに関連するいろいろなやりとりも記録がある。総理、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 既にこの前の質問におきましても調査するよう指示を出しております。今御指摘の点も含めまして、しっかり調査するように指示を出しておりますので、できるだけ早く結果を報告できるような体制を整えていきたいと思います。この文書の事実確認も含めて調査をしたいと思います。
佐々木(憲)委員 つまり、外務省というのは鈴木議員と一体となってこういうことをやっているわけなんですよ。ですから、外務省に対して何とか調査をしなさいと言っても、これは本人なんですから、こういうことをやってきた。その本人が自分の悪い過去の事実を表に出すというのは、これはなかなかやらぬですよ。
 ですから、外務省の中で調査をしても、外務省が調査をしてもだめなんです。外務省を調査しなきゃいかぬのです。外務省を調査するためには、これはやはり官邸、総理自身がしっかりと指示をして、総理自身がリーダーシップを発揮して、一体どうなっているんだということを究明する。今は何かその担当者は外国に行っていてまだ連絡もついてないと、そんなんじゃだめですよ。総理、どうですか。
小泉内閣総理大臣 既に私は外務省に対して、この案件の選定理由、確認する、そして入札が適正であったかどうか、この確認、そして支払いもこれは適正だったか、こういう点を重点的に調査するように指示を出しております。
佐々木(憲)委員 日本の外交、あるいは日本の対外援助が一政治家によってゆがめられる、あるいは私物化するということは、私は絶対にあってはならないことだと思うんです。総理がやはり責任を持って調査をするということが必要でもありますし、また同時に、この予算委員会としてもしっかりとした調査をやる必要があるというふうに思います。
 委員長にお願いをしますが、鈴木宗男議員を当委員会の証人として喚問していただきますように要請したいと思います。
津島委員長 理事会で協議をいたします。
佐々木(憲)委員 鈴木議員の関与というのは、対外援助、ODAあるいは人道援助、こういうものに対する介入だけではない。まさにNGOの排除の問題にしても、鈴木議員が関与していたということは、いろいろな形で質疑の中でも明らかになってきたと思うんです。
 これだけ事実が明らかになって、いわば外務省への関与、ODAへの関与、NGOへの関与、関与だらけですよ。こういう事実が次々と明らかになっているわけですから、私は、例えばNGOを一つとりましても、この事実経過で、田中前外務大臣の答弁でも極めて見解が、政府の見解と事実関係あるいは田中前大臣の御答弁が全くこれは食い違っております。ですから、この政府見解自身も、こういう立場でもう一度見直すというようなことがどうしても必要になってくると思いますけれども、総理の御見解をお聞かせいただきたい。
小泉内閣総理大臣 この政府見解は、当時の大臣であった田中さんも了解していることでありますので、私は変更する必要はないと思っております。
佐々木(憲)委員 田中大臣は、午前中の質疑で、意に沿わないが棒をのむような気持ちで了解したとおっしゃっているんです。しかも、午前中の質疑でも全く事実が、外務省の見解と田中前大臣の見解は違っている。これはやはり明確にしていかなければならぬというふうに思います。引き続き、当委員会でもその点は明らかにするための対応を求めていきたいと思っております。
 私は、十三日の委員会で、北方四島人道支援の問題というのを、希望丸、友好丸、これははしけとして利用するというものでありました。あるいは、先ほど申しましたように、国後島の友好の家、あるいは三島のプレハブ倉庫、そういう問題を取り上げましたけれども、実はそれにとどまらないんです。
 例えば一九九八年に行われました国後島の桟橋改修工事というのがございます。これを受注した三社のうちの一つの網走の島田建設、この社長は、鈴木議員の政治活動を支援する団体、二十一世紀政策研究会オホーツク支部の代表であります。この桟橋修理の受注額は四億五千五百万円でありますが、これを受注した島田建設、真壁建設、浜谷建設の三社から、鈴木さんは合計三千三百三十八万四千円の献金を受けております。かなりこれは、今いろいろと私は指摘してまいりましたけれども、これは一番金額が大きいんです。
 それだけじゃないんです。一九九九年、平成十一年度に色丹島、択捉島、二〇〇〇年度に国後島に建設されたディーゼル発電施設というのがありますね。これは、施設だけではなく、燃料の供給、これも人道援助で行われました。鈴木議員は、この燃料を供給しているヒシサンという会社から献金を受け取っております。
 結局、こういうことを、事実関係を調べてみますと、やはり、国民の税金で行われる北方四島への人道支援、これを、事業を受注した会社から鈴木議員に資金が還流している。まさに税金の還流、援助の私物化、こう言う以外にはございません。
 やはりこういう点もきちっとさせていかないと、これは、このままいいかげんな形で、外務省の内部調査で、外務省の中では余りよくわかりませんでしたなんという報告で終わる、こういうわけにはいかない。やはり国民環視の中で、一体実態は何だったのかと、すべて資料を明らかにして、その責任、そこをはっきりと国民の前に明らかにしていく、これが政府の役割だと思いますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
小泉内閣総理大臣 これは、政治資金等、疑念を持たれないような対策というものもしっかりやっていかなきゃならない。また、ODAあるいは政府関係の援助、そういう問題に対して、不正が行われないような監視とか、あるいは評価とか、調査というものをしっかりやっていかなきゃならないなと痛感しております。
佐々木(憲)委員 私は、この事実解明と同時に大事なことは、国民の税金を使って、例えば公共事業やさまざまな施策が国によって行われますけれども、その事業を受注した企業が特定の政治家に献金をする、こういうシステム自体がやはり問題だったんじゃないだろうか。
 やはり、我々は企業・団体献金の全面的な禁止というのを主張しておりますけれども、少なくとも、税金を使って仕事をしている会社からは資金は受け取らない、献金は受け取らない、この程度のことはまずはやるべきじゃないでしょうか。総理、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 今回、政治と金の結びつきにいろいろ国民から疑惑を持たれている。そのための防止措置というものをどうしたらいいかということを、今各党それぞれ議論をしていただいているところであります。公共工事に関しましても、こういう不正が行われることがないように、また、政治資金の調達方法に対しましても、どういう方法が適正であるべきかという点を含めまして、この国会で何とか実効性のある対応ができるように懸命に努力をしていきたいと思います。
佐々木(憲)委員 以上で、時間が参りましたので私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
津島委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 やはりNGO排除問題、そしてまた、それに関して、こうして参考人まで来ていただいて国会で審議されているわけでございますが、NGOのあの問題以来、報道が非常にふえている、そして国民のNGOに対する関心が高まっている。しかし、こういった状況の審議の中を見てみますと、何か政府とNGOの対立の構図が浮き彫りにされているような気がしてならないんですね。それでは絶対いけない。
 総理も先ほど、これからもNGOとは協力的にやっていくんだということをはっきりおっしゃられましたし、本当にこれから政府とNGOの協力関係がいかに大事かということを考えますと、やはりこの問題をなあなあで終わらせてしまってはそれも進まないのではないか、そういった思いで質問させていただきます。
 まず、政府、外務省のNGOに対する認識を改めてお聞きいたしたいと思っております。お聞きするというより、私の認識を申し上げますので、それで同じ認識なのかどうかということをちょっとお聞きしたいのですが、NGO、御案内のように、ノンガバメント・オーガナイゼーション、いわゆる国連憲章の中では非政府組織という形で表現されているんです。ですから当然、政府と同じ立場でない、政府と違うわけですから、当然のように政府に対しては批判的な精神を持ちながら、政府と違う視点、あるいはそういったところから率直に意見を申し上げる、そこがNGOに課せられた使命の一つだと私は思うわけです。
 その使命に基づいて世界各国で活動している。貧困や飢餓や、あるいは難民や地球環境の劣化や人権侵害、こういったものに国境を超えて、国籍を超えて、さらには文化の違いを超えて取り組んでいる、活動している国際協力市民組織である、こういう認識を私は持っているんですが、総理も同じ認識でよろしいでしょうか。
小泉内閣総理大臣 NGOについては、さまざまな組織があると思います。しかも、政府にできない貴重な仕事をやっているNGOもたくさんあると思います。いわば、今まで公共の福祉に活動するのは政府あるいは政府関係機関だという考え方が支配的だったと思いますが、最近ではむしろ、民間のグループ、民間の組織も公共的な事業、仕事に大いに役割を果たすことができるんじゃないかという考え方も根強く浸透してきたと思います。
 今後も、政府にはできない、NGOのいい面もあると思います。そういう団体とは連携協力を密にしていくことが対外援助に対しましても必要ではないかと認識しております。
横光委員 総理、政府のトップリーダーがそういう認識を示されました。今私が申しました中には、いわゆる政府と違うので、政府に対して批判的な精神は常に持っておる、いろいろな形で意見を申し上げる、そういう団体であるという認識をされたわけです。
 ところが、今回NGOの排除の理由、この理由をずっと重家さんは、政府に批判的な発言をした、これを排除の理由にしている。ここは全く矛盾しているわけです。政府に対しては批判するのは当たり前だと思っている団体が批判したのに、なぜ拒否したんですか、そこのところをはっきりしてください。これは先ほどから、適切でなかったと言っております。しかし、これもあいまいです。政府が拒否した理由は間違っていたとはっきりおっしゃってください。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 十九日に至りましてこれらの二団体につきまして参加不許可の決定をいたしました直接の要因は、従来も申し上げておりますように、十八日の朝日新聞の記事でございます。
 先生御存じのように、お上の言うことは余り信用しないとか、北部同盟の有力者の携帯番号を知らないからだ、こういうのはまさに私どもから見れば事実誤認でありまして、私どももそういう連絡はいつでもできる体制になっていたわけであります。また、政府はかけ声ばかりか、それが目的化しているというようなこともございまして、政策論議であればもちろん我々甘受いたすべきものでありますけれども、これを見まして、私どもは、会議二日前にありまして日夜働いておりまして、信頼関係が損なわれたというような衝撃を受けたわけでございます。
 したがいまして、看過すれば今後の協力関係が難しいというふうに考えざるを得ない。明らかな誤りを含む記事が掲載されたということで、先ほど来申し上げておりますように、信頼関係が損なわれたと判断いたしましてそういう判断をいたしたわけでございますが、振り返ってみますと、それは適切な判断ではなかったというふうに思っている次第でございます。
横光委員 そんな思いで、拒否したのが適切でなかったと次の日ころっと変える。今のような答弁で、要するにいいかげんな拒否の仕方だったわけですよ。もともと政府に対していろいろな意見を言うのをわかっていた団体が、そういった意見を言ったから拒否した。これは本当に、この前も質問しましたが、子供でもなしかというようなおかしい拒否の仕方ですよ。ですから、大臣は適切でなかったとおっしゃった、はっきりおっしゃった。適切でなかったということは間違っていたということだと思います。
 なぜ私がこれをはっきりしてほしいかと申しますと、NGO活動の根幹を揺るがす大事な問題だから、これからの、NGOの活動をしている方々にとって、ここが、批判したから拒否されたということだけはあってはならない部分なんです。ですから、はっきり言ってくれ、このことを申しているわけです。
 適切な判断でなかった、間違った判断ということを政府が示しましたので、NGOの方々も理解してくれていると思います。
 しかし、では、なぜ政府はその間違った判断をしてしまったのか。ここに私は、そういった批判的なことを言う団体であるのはもう当然だという認識がありながらそういった理由で拒否した、そのときに、やはり今問題になっている、この委員会でなぜこんなにまで長時間にわたって審議しなければならないか、要するに、特定の議員の圧力があったのかなかったのかということですよ。
 ですから、外務省だけの判断で決めたというのはそうでしょう。しかし、そこに至るまでに何らかの圧力、これは直接的でなくてもいいんです、間接的でも圧力は圧力なんです。そういったことはやはりあったんだと、もうこの時点ではお認めになってもおかしくないんです。重家局長、いかがですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 従来から申しておりますように、NGOの参加は、外務省自身の判断としてやってきたものでございます。また、鈴木先生から個別のNGOの参加、不参加について意見が述べられてきたことはないということも、繰り返し御説明しているところであります。
 直接的な原因になったのは、先ほど申し上げましたように十八日の朝日新聞の記事で、これは、それだけの記事だと言われればそれまでですけれども、私どもにとっては大変にやはり衝撃的なものであったということでございます。
横光委員 ここで、もう大方の人たち、いろいろな意見を聞いたら、大方、やはり間接的であれかなり意を受けたな、そんたくをしたなということが大体流れになっているのです。そこであなたたちが、やはりそういった影響を受け過ぎたなということをここで認めれば、この問題は私は終わると思うのですよ、きょうで終わると思うのですよ。それをあなたがやらないから、どうしても引きずってしまう。
 では、新聞で見てそんな判断をするなら、なぜその日に、協議はしたでしょうけれども、その日じゅうには拒否できたでしょう。一日半置いて拒否の通告をしておるのですよ。この間、何ですか。
 十八日、鈴木議員はモスクワに森総理とプーチン大統領との会談のために同席しております。そのときに、外務省からその日の朝の新聞が届いています。そして、「ひと」の欄をコピーして見せています。そのときに鈴木議員は――私はこんなことをもう言うつもりじゃなかった、あなたが認めれば。そのときに鈴木議員は、けしからぬ、政府の言うことを聞かないNGOがアフガンに入るのは危険ではないかと、その朝日の「ひと」の欄の記事を見て、そう言葉を荒げているのです。これはもう随行記者の報道です。
 ですから、その状況は外務省の人たちはもう勘案してしまった、そして、その状況をすぐ本省の方に連絡しているはずです。あなたに、あなた以外でいいですが、連絡はございましたか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 私は、そういうことは知っておりませんでしたし、また、報告も受けておりませんでした。
横光委員 これは、もうマスコミで即報道されていることを外務省が知らなかったというのもおかしなものですが、次の日の、十九日のお昼前に成田に到着しています。この到着してから四時間後、四時間か五時間後に拒否の通達をしておるのですね。この鈴木議員が成田にお帰りになってから通達するまでに、何らかの接触はございましたか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 全く、何の接触もございません。
横光委員 これまでの状況を見ると、総理も、やはり影響を受け過ぎたなとはっきり申しておるのですね。
 例えば二月四日の私の質問について、総理の答弁、「いろいろ、今回のNGOの問題については、外務省も鈴木議員の言うことを気にし過ぎたな、その点は反省すべきだということを私は言っているのです。」そのことに対して、私は、「気にし過ぎたことがあの判断」、要するに拒否という最終判断のことですが、「あの判断につながったと認識しておるのですね。」と質問しますと、総理は、「そういう部分もあったでしょう。私はそう思いますよ。」と、ここまで総理はおっしゃられている。そして、すぐ私は重家局長に「総理の発言のとおりでしょうか。」という質問をしますと、ここで重家参考人は「そのとおりでございます。」と、一たんはそこまで答えておるのですね。ですから、状況からすると、そこまで間接的なそんたくは受けているというのが事実。
 しかも、鈴木さん自身がきょう述べたじゃないですか。迷惑をかけたかもしれない、自分の発言、大西さんたちの発言、いろいろなことから迷惑をかけたかもしれない、尾を引いている嫌いもある、ここまで本人が言っている。それを、周りにいる外務省の人が、いつもいつも気にしている人の発言を、何にも関係なく、外務省だけの判断で拒否の通達をしたのだと言っても、それはいつまでもこの問題は、むしろ本当に尾を引くだけですよ。そうでしょう。
 あなたが、そういえばやはり鈴木議員に言われていたし大分影響は受けたなということを言っても、だれもあなたを責めることはないと思います、私は。周りはみんなそういうふうに認めておるのですから。総理も認めた、鈴木さんもみずからそう言った、国民も恐らくほとんどそういうことはわかっている。あとは、あなたがそういうことを発言すれば、この問題はここで終わるのですね。いかがですか。それでもやはり、あくまでもなかったと。あくまでもなかったということになると、我々はさらに証人喚問を要求しますよ。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御答弁を続けさせていただきたかったわけでありますが、後半部分で申し上げたかったことは、外務省がこの判断を行うに当たりまして、昨年来、ODAによるNGOの支援、そういう問題を含めましてNGOのあり方について与党でいろいろ議論がなされる過程で、外務省に対しましてさまざまな意見表明がなされたことが私どもの脳裏にございまして、この過程で、草の根無償の使い方に関して意見を表明された自民党経協特委の委員長であります鈴木先生、鈴木議員のことを気にし過ぎて、影響を受けたことは否定できないというふうに思っております。
横光委員 かなり前向きな発言でしたね。それでいいんですよ。やはり影響を受けたんだと。
 ですから、こういった問題を素直に認めながら川口大臣が言うような改革に取り組んでいかなければならない。不当な圧力の排除をやるということは、まさに総理、不当な圧力が存在するということを図らずも言っているわけでしょう。
 ですから、そういうことを改革していくためには、今のような、やはり関与はあったならあった、少なからず影響を受けたということを認めながら改革をしなければ、この改革をやらなきゃいけないということは、これほど役所にとって恥ずかしいことはないんですよ。そうでしょう。やらなくてもいい改革をやらなきゃならない。それを外務大臣が打ち出したんです、トップに。
 ですから、そこのところをしっかり認識して、やはり過ちは改むるにはばかることなかれ、このことをしっかり肝に銘じていけば、私はそんなに混乱する問題じゃない、収束に近づくんじゃないかという気がしますが、それでもなかなか、問題はまだすべてが解決したとは思っておりません。
 時間が来ましたので、質問を終わります。
津島委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申し出があります。横光君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。
辻元委員 社民党の辻元清美です。
 きょうは、まず総理にお伺いしたいと思います。
 午前中に田中元外務大臣がこういう発言をされました。総理の今回の御判断、相打ちみたいな総理の判断は間違っている、危機のときに判断がつかなかったのは総理のためにも残念だ。
 人間、何か危機に陥ったとき、問題解決するとき、その人の本性が出るというわけですよ。田中元外務大臣の、総理の判断は間違っている、この主張をどのように受けとめていらっしゃいますか。
小泉内閣総理大臣 田中さんは田中さんの判断だと思います。私の判断は実に適切だったと今でも確信しております。
辻元委員 それでは、適切であったかどうか、一つ一つ事実関係を詰めていきたいと思います。
 重家さんにお聞きします。今の続きです。
 前回の私の質問のときに、一月十九日の夕刻に、あなた、参加拒否ということを通達されているようなんですが、その前に、この大西さん初めジャパン・プラットフォームのメンバーは緒方議長と会談をしています。NGOは十四団体呼ばれていますけれども、この十四団体のうち、緒方議長と会談したのはこの大西さんたちの団体だけと承知していますが、それでよろしいんでしょうか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 そういうことでございます。
辻元委員 大西さんたちのNGOは唯一緒方議長とも面会しています。非常に重要視されていたんです。この緒方議長との面会は重家さんがセットしたんでしょうか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 担当課が取り次ぎましてセットしたということでございます。
辻元委員 問題の記事は十八日の朝刊です。朝です。そして、この会談は十九日の四時にセットされて、実現して、非常に実りのある会談だったと聞いています。十八日の記事が問題で、先ほど重家さんがおっしゃっていたように、これはもう信頼関係を損なったとおっしゃるんだったら、どうして十九日、緒方議長との会談は予定どおり実現させているわけですか。不自然じゃないですか。どうですか。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 この会談は十八日の記事の前に既にセットをしておりまして、私どもといたしましては、事を荒立てたくないというような判断もあって何もアクションをとらなかったわけであります。
辻元委員 アフガン支援国会議のNGO会議は二十日にセットされていたわけです。
 事を荒立てたくないと言いましたね。もう本当にあいた口がふさがらないですよ。この四時、この直前に重家さんは、大西代表の携帯に、鈴木さんが怒っておる、大西を参加させるなと言っておると携帯に電話したでしょう、あなた。大西さんと一緒に別の評議員のメンバーもいたんです。私は確認しましたよ。いかがですか、重家さん。
重家政府参考人 申しわけありません。十九日の午後、私がお電話したのは事実でありますけれども、十八日の記事が非常に問題であるということを申し上げまして、参加辞退ができないかということを申し上げました。その際に、私の方から、外務省が非常に、言葉は適切でなかったかもしれませんが、怒っているということは申し上げましたけれども、鈴木議員が怒っておられるというようなことを申し上げた記憶はございません。
辻元委員 今のは私は虚偽の答弁だと思いますね。私も調べましたよ、その場にいらっしゃる方々に。まだそういうことをおっしゃっている。
 さて、重家さんに聞きましょう。
 今回の拒否問題は、だれと相談して、だれが結論を出しましたか。あなたが通告しましたね。だれと相談しましたか、外務省の。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 私は、担当課長と相談しまして、その後事務次官と相談しまして、先方にお伝えしたということでございます。
辻元委員 それでは、小原外務省経済協力局無償資金協力課長には相談しましたか。いかがですか、重家さん。
重家政府参考人 お答え申し上げます。
 私自身は直接相談はしておりません。担当課長があるいは相談していたかもしれません。
辻元委員 小原課長、来ていただいていますが、相談がありましたか。事実関係で結構です。お答えください。
小原政府参考人 お答え申し上げます。
 私は、アフガニスタン復興支援国際会議については当時直接関与しておりませんでしたので、相談を受けたということではございません。
辻元委員 実は、ここにジャパン・プラットフォーム評議員のメンバー表があります。この中にはNGOサイドからも数名入っておりまして、この議長が大西さんです。そして、この評議員のメンバーの中に経団連の方やそれから大学の先生なども入っているんですが、この小原無償資金協力課長も評議員のメンバーなんですよ。普通、ジャパン・プラットフォームが問題ならば、同じ外務省の中に、評議員のメンバーで入っている人にまず相談しないんですか。問題だよ、信頼関係を損なっているよ、こういうことを大西さんが言っていることをどう思うのと、どうして相談しなかったんですか、重家さん。それが当たり前じゃないですか、普通、評議会のメンバーに外務省の人が入っているわけですから。どうしてですか。重家さん、聞かなきゃわからないの。
重家政府参考人 御答弁申し上げます。
 私は、直接小原課長と相談したわけでもございませんし、当然、必要があれば担当課長が判断してやるものと思っておりました。
辻元委員 先ほどから、あの記事が大問題だ、信頼関係を損ねたと。それで、唯一緒方議長とも会談を前日にして重要視したNGOの問題です。その評議員のメンバーに外務省の方が入っているのに相談もしていない。どう考えても、あなたたちのやっていることがおかしいというだけではなく、鈴木宗男議員がその昼にロシアから帰ってきて、そして重家さんに、大西を参加させるなと。私はほかからも聞いています。その夜までもつれ込んで、結局、ジャパン・プラットフォームなどのNGOとしては参加させても、大西だけ参加させない線でどうかというような話し合いまで夜までもつれ込んでやっていたという話も漏れ伝わってきているわけです、鈴木議員の圧力で。いかがですか。
重家政府参考人 担当課長が夜遅くまで大西さんと相談をしていたということは事実でありますし、また、その過程で大西さん自身の出席辞退という可能性も一つの可能性として相談していたということは報告を受けております。
辻元委員 普通、外務省の中で、先ほどからも申し上げています、外務省の方も評議員のメンバーに入っていて、このプロセスは不透明ですよ。鈴木議員が帰ってきて、そしてその後電話をかけていらっしゃるわけです、大西さんにですよ。あなたは頑としてそう言い張っていらっしゃいますけれども、私は、今ごらんになっている方、どっちが本当のこと言うているのかと、はっきり皆さん判断できると思いますよ。
 では、小町官房長にお伺いします。
 鈴木議員が外務省に異常な影響力を持っているというような趣旨のことを田中外務大臣はきょう答弁されています。私は、この前の予算委員会で、ラスプーチンというあだ名の職員がいるかと聞いて、あなたは知らないとおっしゃいましたが、佐藤主任分析官のことです。この佐藤さんの人事をめぐって、田中外務大臣は小町さんに、あら、また同じところにいるじゃない、どうして動かせないのというような趣旨のことを言ったら、鈴木議員の了承をとらないと佐藤さんの人事は動かせないと小町さんが言ったときょう答弁されていますが、事実ですか。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 田中大臣は、御案内のように、三年を超えた職員につきましてはなるべく配置を転換すべしという御意見を強くお持ちでございまして、そのとおり昨年ルールを原則化したわけでございますけれども、その過程で、田中大臣の方から、三年を超えた者については人事異動を考えるべしという御指示がございました。それにつきまして、個々のケースにつきまして御説明したことはございます。
辻元委員 私が聞きましたのは、佐藤さんについて、鈴木宗男議員に相談しないと動かせないというようなことをあなたがおっしゃったかどうか、その点のみお答えください。
小町政府参考人 個々の職員が動かせない理由につきまして、その都度御説明したことはございます。
辻元委員 ですから、佐藤さんの人事について、鈴木さんと相談しないと動かせないんだと言ったかどうかという点を答えてくれと言っているわけです。イエスかノーかですよ。どっちかで答えてください。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 佐藤主任分析官の人事異動につきましては、彼の役割、彼のやっている仕事等につきまして、事情を御説明したことはございます。
辻元委員 今、総理も後ろから、はっきり答えろよと言っているんですよ。言えないんですよ、またこれ。
 だから、鈴木さんの名前が出たんですか、そこで。はっきり答えてくださいよ。ふざけるんじゃないですよ。
津島委員長 小町官房長、質問に答えてください。――川口外務大臣。
辻元委員 官房長ですよ。委員長、官房長です、これは。はっきり言ってください、田中大臣がきょう午前中言っているんだから。
津島委員長 小町官房長。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 佐藤主任分析官につきましては、彼の果たしている分析関係に関する特別の役割等、それに関します事情を御説明したことはございます。
辻元委員 どうして言えないんですか。今、これはポイントなんですよ。田中元外務大臣がけさおっしゃったわけです、そのように。ですから、鈴木さんと相談しなきゃできないんだと、鈴木さんの名前を出したかどうか、イエスかノーかですよ。委員長、お願いします。
 そのとき外務大臣はいらっしゃらなかったんじゃないでしょうか、川口さんは。何を相談しているんでしょう。透明性とおっしゃったじゃないですか。どうしてですか。
津島委員長 小町官房長、しっかり答弁してください。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 佐藤主任分析官の仕事は、継続性等の観点から重要な点がございますので、その過程で、鈴木議員との関連といいますか、そういうことについても御説明は申し上げました。
辻元委員 今、鈴木さんとの関係も申し上げましたと言いましたよ。事実上、私、今のは明らかにこれ、認められたと思いますよ。鈴木さんに相談せにゃでけへんと言わはったわけですね。
小町政府参考人 先ほど申し上げましたように、佐藤主任分析官の人事につきましては、鈴木議員との関連についても御説明をしなくてはいけないということで、そういうふうに田中大臣に申し上げました。
辻元委員 明らかに鈴木議員が外務省の人事に口出ししているんじゃないですか。これは大問題ですよ。
 そして、最後に一問、総理に、今時間とられましたからね、総理にぜひ聞きたいんですよ。
 きょう、飯島秘書官の話が出てきました。田中眞紀子外務大臣が、八月二日、三日、外務省の事務次官の人事どうしようかといって悩んでいたときですよ。外務省の会議のところに、飯島秘書官、政務秘書官が来て、そしてこの外務省の人事について口を挟んだと。
 あなたの政務秘書官にこういうことをさせていいんですか。どういう権限あるんでしょうか。いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 私は、外務省の人事は、田中大臣、事務次官とよく相談してやりなさいと、一切口出ししておりません。
辻元委員 今のでは納得できないですよ。これは、はっきり言うて、官邸挙げて田中さんをだまし討ちに遭わせたようなものですよ。政府見解だって、ごまかしで、でっち上げですよ。でしょう。だまし討ちに遭わせて、何が改革ですか。
 最後に、野党四党で要求したい。
 鈴木、田中両氏証人喚問を要求したいです。そして、参考人として、野上前外務事務次官、そして飯島、今の秘書官、そして佐藤外務省主任分析官、そしてNGO代表の大西さんの参考人を野党四党共同で要求しますので、ぜひ委員長、御協議をお願いします。
津島委員長 理事会で協議をいたします。
辻元委員 以上です。
津島委員長 これにて横光君、辻元君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
津島委員長 この際、公聴会の件についてお諮りいたします。
 平成十四年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じます。
 公聴会は、来る二月二十七日、二十八日の両日とし、公述人の選定等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
津島委員長 起立多数。よって、そのように決しました。
 次回は、明二十一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十二分散会


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