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第20号 平成14年3月5日(火曜日)

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平成十四年三月五日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 津島 雄二君
   理事 伊藤 公介君 理事 木村 義雄君
   理事 北村 直人君 理事 小林 興起君
   理事 藤井 孝男君 理事 枝野 幸男君
   理事 城島 正光君 理事 原口 一博君
   理事 井上 義久君
      伊吹 文明君    石川 要三君
      衛藤征士郎君    大原 一三君
      奥野 誠亮君    亀井 善之君
      栗原 博久君    小島 敏男君
      高鳥  修君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    野田 聖子君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      蓮実  進君    細田 博之君
      三塚  博君    宮本 一三君
      持永 和見君    八代 英太君
      山口 泰明君    赤松 広隆君
      五十嵐文彦君    池田 元久君
      岩國 哲人君    上田 清司君
      河村たかし君    筒井 信隆君
      中沢 健次君    野田 佳彦君
      松野 頼久君    松本 剛明君
      青山 二三君    赤松 正雄君
      達増 拓也君    中井  洽君
      中塚 一宏君    木島日出夫君
      児玉 健次君    佐々木憲昭君
      吉井 英勝君    植田 至紀君
      辻元 清美君    保坂 展人君
      横光 克彦君    井上 喜一君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   外務大臣         川口 順子君
   財務大臣         塩川正十郎君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   国務大臣
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       松下 忠洋君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   外務副大臣        杉浦 正健君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   厚生労働副大臣      宮路 和明君
   経済産業副大臣      古屋 圭司君
   国土交通副大臣      佐藤 静雄君
   外務大臣政務官      水野 賢一君
   会計検査院長       金子  晃君
   会計検査院事務総局第一局
   長            石野 秀世君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部
   長)           大竹 邦実君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   小町 恭士君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    齋藤 泰雄君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            重家 俊範君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局ア
   フリカ審議官)      小田野展丈君
   政府参考人
   (外務省経済協力局長)  西田 恒夫君
   政府参考人
   (国税庁課税部長)    村上 喜堂君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  辻  哲夫君
   政府参考人
   (国際協力銀行理事)   岩田 満泰君
   参考人
   (日本銀行総裁)     速水  優君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月五日
 辞任         補欠選任
  衛藤征士郎君     蓮実  進君
  松野 頼久君     上田 清司君
  佐々木憲昭君     児玉 健次君
  山口 富男君     吉井 英勝君
  辻元 清美君     植田 至紀君
同日
 辞任         補欠選任
  蓮実  進君     衛藤征士郎君
  上田 清司君     松野 頼久君
  児玉 健次君     佐々木憲昭君
  吉井 英勝君     木島日出夫君
  植田 至紀君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  木島日出夫君     山口 富男君
  保坂 展人君     辻元 清美君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十四年度一般会計予算
 平成十四年度特別会計予算
 平成十四年度政府関係機関予算
 主査からの報告聴取


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     ――――◇―――――
津島委員長 これより会議を開きます。
 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算、平成十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長古田佑紀君、外務省大臣官房長小町恭士君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、外務省中東アフリカ局長重家俊範君、外務省中東アフリカ局アフリカ審議官小田野展丈君、外務省経済協力局長西田恒夫君、厚生労働省年金局長辻哲夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
津島委員長 本日の午前は、特にデフレ対策について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本剛明君。
松本(剛)委員 おはようございます。
 早速、それでは、私の持ち時間も限られておりますので、デフレ対策についてということで審議をさせていただきたいと思いますが、冒頭に、このデフレ対策も含めて、大変課題の山積した我が国の状況、またこの予算ということでございますので、ぜひ充実した審議を委員長初め皆様に引き続きお願いしたいということを申し上げたいと思います。また、大臣各位におかれましても、予算の審議の中からいい政策が生まれてくるということで、真摯な御答弁をお願い申し上げて、質疑に入らせていただきたいというふうに思います。
 二月の二十七日の日に、経済財政諮問会議から「早急に取り組むべきデフレ対応策」ということで発表をされました。それに関しまして、まず中身に入る前に、二十六日の我が党の城島議員の質疑の中で、インターネットでこのデフレ対応策のペーパーが流れているということを質問させていただいておりました。そのときに、何が流れているかは承知をしておりませんがと大臣はお答えでございますが、そのときにインターネットからとりましたペーパーの要旨と翌日発表されましたものは、基本的に項目立ては全く一緒でございました。
 その辺の情報管理を含めて、竹中大臣からコメントがございましたらいただきたいと思います。
竹中国務大臣 議論の中身に関しましては、各省からの、今回の場合ですと金融庁及び経済産業省、一部財務省からいろいろな議論を出していただきまして、それの取りまとめを行っております。
 情報の管理には十分な注意をしているつもりでございますけれども、何分関係者が多く、今後、さらに情報の管理については改良すべき点がたくさんあるかというふうに考えております。
松本(剛)委員 この件に時間をかけるつもりはありませんが、最初からそのように御答弁をいただいていたらよかったんですが。二十六日の日、大臣は、あした何を議論するかという素材は、きょうの予算委員会が終わってからじっくり検討することになっておりますとおっしゃっておいでなんですよ。それが、大臣がじっくり検討される中身が、その前に通信社の方が全部お持ちである、大変奇妙なことになっておるんではないか、このように思うわけであります。
 最初に各大臣にも真摯に御答弁をお願い申し上げたいというふうに申し上げました。その場でとりあえずおっしゃるのはぜひおやめをいただきたいということを申し上げたいと思います。何かございますか、おっしゃること。
竹中国務大臣 何を議論するかというのは、確かに予算委員会が終わりまして、どういう点を議論するかということを、民間人を踏まえて準備のための打ち合わせをしたわけでございまして、私が申し上げたことは決して間違いではないというふうに思っております。いろいろな、各省庁から上がってきた議論を踏まえて、それに基づいて、さらにそれをどのように深めるかということの準備は、私はその時点では現実問題としてしておりませんで、そういった趣旨で申し上げたわけでありまして、決してその場限りで申し上げたということではございません。この点をぜひ御理解賜りたいと思います。
松本(剛)委員 このことに時間をかける気はありませんが、何を議論するかをこれからじっくり検討するとは大臣はおっしゃっていないんです。何を議論するかの素材というのは普通やはりこういうたたき台のペーパーのことを言うわけでありまして、大臣が御存じないというところでまとめたのがそのまま事実上出てくるということであれば、これまた大臣として何をやっておいでになるのかということが問題になります。
 ただ、これ以上申し上げませんが、はっきりと、これは聞いておられる方が大臣の御答弁をどう受けとめられるかというのは、皆さんが御判断をされることだと思いますので、そのことを申し上げて、中身の議論に入らせていただきたいというふうに思っております。
 まず、本デフレ対策でございますが、さまざまな評価がございます。たしかこの予算の公聴会であったと思いますが、保守党の井上政調会長も、大変評判がよろしくないとおっしゃった、二十八日の日ですか。また、公明党の政調会長の北側先生は、今月中に第二弾が必要だというお話もありました。自民党の麻生政調会長は、金融政策だけでデフレが解消すると思っては困るというような御発言もございました。与党三党そろって、私どもの出る幕がないぐらい、このデフレ対策について論評をしていただいておるわけでありますが、これについて、まず財務大臣。
 三月一日の会見でも、デフレ対策は終わったんじゃない、これがスタートや、こうおっしゃっておいででありますが、このデフレ対策に対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
塩川国務大臣 去る二月の十三日であったかと思いますが、総理からデフレ対策に対する基本的な考え方について指示がございまして、五項目についての指示がございました。それを受けまして、二十七日の経済財政諮問会議で討議いたしまして、一応当面するデフレ対策という基本的な考え方をまとめました。ここからが本格的なスタートになってくると私は認識しております。
 けれども、それをより一層具体化する、かなり具体的な対策として明示されておりますけれども、なお一層、これを実施するとするならば、個々の行政としてどのようにしていくかということを具体化していかなきゃなりませんので、ここをもっと詰めて、そして多様性を持たせていかなきゃいかぬと思っておりまして、それをどんどんと推進していくことによって、第二段階への発射台ができてくると思っております。でございますから、デフレ対策はこの後すぐにまた引き続いて、より一層拡大したものを提示していかなきゃならぬと思っております。
 おっしゃるように、金融だけじゃございませんで、総合対策としてのデフレ対策が必要だと思っております。
松本(剛)委員 今、十四年度の予算の審議をさせていただいておるわけでありまして、一月には二次補正を、緊急対応プログラムとともに実施するのはデフレスパイラルに陥ることを回避するためにということで、二次補正の審議をさせていただいたと記憶をいたしております。
 この本予算についても、景気のためにも早い成立が必要であるというのが政府の御見解だというふうに承っておるわけでありますが、この二次補正も、本予算があっても、そしてこのデフレ対策があってもまだ足らずに、もうこの次のデフレ対策が要る。しかも、今財務大臣、すぐに引き続いて、しかも金融だけではなくてやらなくてはいけない、こういうお話でございましたが、具体的に、これはすぐにというのはいつごろ、そしてまた金融政策以外のというのはどういったものを指しておられるのか、お伺いをしたいと思います。
塩川国務大臣 そのためにはまず、何といっても早くこの十四年度予算を成立させてもらわなければ、手が打てませんしいたしますので、それはぜひ国会にお願いいたしたいと思っております。
 それを遂行していく部分において、前倒しで予算の執行をしていくなり、あるいはより重点的な執行を目指すということもございますし、またさらには、ことしの夏ごろまでにかけまして、税制の基本的な、構造改革に結びつくような基本的な税制改革への考え方を示して、それを具体的な政策に移していくということもございましょうし、いろいろな多角的、多様な政策を盛り込んでいきたいと思っております。
松本(剛)委員 与党の一角を占めておられる公明党の北側政調会長が、三月中に第二弾をということを、NHKの「日曜討論」だったかと思いますが、おっしゃっておられたかと思いますが、今の大臣のお話ですと、夏ごろまでの税制改革というのが一つ具体的な形で出てきたわけでありますが、与党の一角を占められる公明党さんの三月中に第二弾をということについては、財務大臣、いかがでございますか。
塩川国務大臣 私が言っているのは、税制改正が六月ごろと言っておるのでございまして、それにあわせてさらに大きい政策の展開が必要であろうと思っておりますが、それまでの間に、デフレ対策に関していろいろな政策を、新しい政策を推進していく方向を打ち出していきたい、こういうことを言っております。
松本(剛)委員 では、三月中に何かもう一つ出てくるということで、私どもは待つことになるのでございましょうか。
塩川国務大臣 できるだけ努力していきたいと思っております。
松本(剛)委員 三月中にまた一つ出るわけでございますね。本予算を審議しておるという中で次々と経済対策が出てくると、どういうふうにやったらいいのか。予算の審議については、当予算委員会に付託をされておりますので、委員長の指揮のもと、私どももしっかり議論をさせていただいて話をさせていただきたいと思いますが、二月にデフレ対策が出て三月にもう一つ出るということであれば、そのこともしっかり私どもは含めて議論をさせていただかなければいかぬ、こういうことになってくるのですけれども、お待ち申し上げておいてよろしゅうございますか。
塩川国務大臣 経済政策というのはいろいろな面から議論されるものでございますが、一つは、デフレ対策という中に、一番やはり問題は、物価対策とかいろいろございますけれども、総合的に見てデフレ対策、経済政策全般という意味の中の一つのデフレ対策ということに絞って有効なものを、金融政策でいろいろなものも複合されるであろうと思っておりますけれども、そういうものについてより積極的に行政を進めたい、そういう意図で言ったものであります。
松本(剛)委員 今お話があったことは、しかし、本当に十四年の四月一日からスタートをする本予算の審議をここでさせていただいている中で、この二月、三月と続けて経済対策が出てくる。これが予算を使うものであれば当然ここへ出していただかなければいけないわけでありますし、税制改正ということであってもこれは予算の金額にかかわってくる話でありますから、今お考えになっている話は、予算を伴わない、税制改正を伴わないものが三月に出てくる、こういう理解だけ確認をさせていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
塩川国務大臣 おっしゃるとおり、現在の制度の中においてより一層積極的に推進する方法ということで御理解いただきたいと思います。
松本(剛)委員 予算も税制改正も当然筋として伴わないということを確認させていただいた。したがいまして、財政出動というものも当然入らないという理解で先へ進めさせていただきたい、このように思っております。
 もし予算が絡むものであったとすれば、この審議そのものが、前提が一から覆ることになってしまいますので、ここまで積み上げてきたものをもう一遍やらせていただく。私は質疑をさせていただくのは好きでございますので、チャンスをいただけるのは歓迎をいたしますけれども、この国の大事なときでありますから、むだな時間ということにならないようにお願いをさせていただきたいと思います。
 竹中大臣にもお伺いをさせていただきたいと思います。
 今、評判のお話は既に申し上げましたけれども、大臣も記者会見で、これは第一歩だというふうにおっしゃっておいででございます。二年ほどかけてこのデフレと、これは集中調整期間の二年を指しておいでなのだろうというふうに思いますが、そういうお話でございましたが、今後の二歩目、展開というのをどのようにお考えになっているのか、財政出動についての御見解もあわせてお伺いをしたいと思います。
竹中国務大臣 ただいまの委員と財務大臣のやりとりに関連すること、若干付言させていただきたいのでございますけれども、今回のデフレ対応策というのは、詳細の最終的なものを今手元にお持ちだと思いますが、その中にしっかりと書いたつもりでございますけれども、経済活性化のための全般的な政策というのを私たちはずっとやっているつもりであります。しかし、その中で、金融面での問題を重視して今回のデフレの取りまとめを行ったというのが趣旨であります。
 かつ、やや形式的なことでございますが、今回、したがって、予算措置を伴うようないわゆる経済対策というふうには位置づけておりません。したがって、通常でしたら、経済対策でしたら私がその取りまとめ責任を負うわけでありますけれども、そうではなくて、総理が各関係大臣にそのデフレへの対応を進めるように、これはつまり、経常的に進めているものだけれども金融面で一層進めるように指示を出したというのが今回の趣旨であります。
 したがいまして、今回、二年後にはデフレを克服していたいというふうに考えているわけでありますから、その金融面について、具体的に言えば不良債権について、さらに、今特別検査を行っているわけでありますから、その結果を踏まえて必要なアクションをとるとか、そういうことも踏まえてさらに二歩、三歩と前進をさせていかなければいけない、そのような位置づけをしているわけでございます。
 財政について、したがって、これについては既に予算、十四年度の予算、それと第二次十三年度の補正予算、その他のさまざまの活性化のプログラムにおいてかなり準備をしているつもりでありますので、今回のデフレの対応策というのはその金融面での問題であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
松本(剛)委員 金融面が主になっているということは私も拝見をさせていただくとわかるのですが、金融面についても、今のお話ですと、不良債権ですとまだアクションをとらなきゃいけないというお話でありましたが、これで金融面が終わりではないわけですか。金融面は一応これで手当てをされて、ほかの部分についてデフレ対策が残っているということなのか、金融面についてもこれは単なる第一歩だという御理解なのか、お伺いをしたいと思いますが。
竹中国務大臣 経済活性化そのものが重要であるということをその一番最後に書かせていただいております。経済活性化に関しては、今その税制の論議を含めてこういうふうに既に議論を進めておりますということを書いているわけでありますから、それはそれで進めるわけです。これは経済の活性化ですけれども、結果的にはデフレに対しても当然のことながらいい影響をもたらすものというのが位置づけであります。
 それで、金融に関して、金融面での今回とられた措置に関しても、さらに、今申し上げましたけれども、例えば、今特別検査をやっておりますから、その特別検査を踏まえてということは前から議論されていることでありますから、そういった今までのその中で書かれた議論の延長上でさらに必要な措置は必要があればとっていく、そういう位置づけをしているわけです。
松本(剛)委員 これで終わりか終わりでないのかというのは、答えが出たような出ないようなお答えでございます。
 大臣、この日曜日の日にテレビ朝日の番組にお出になられたときのことを御記憶だろうというふうに思いますが、このデフレの対応策、財務大臣と福田官房長官と私とが集まって、構造改革加速のために、おくれている金融の問題、これは後ほど柳澤大臣から御意見を伺いたいと思いますが、おくれている金融の問題を進めるものであって、小出しでない不良債権の処理を終結させるもの、こうテレビでおっしゃっておられました。
 しかし一方で、これは一〇〇%までいく政策だけれども、今は二五%だと。一つ一つ聞いていると、そうかなと思うのですけれども、ずっとまとめて並べて見ると、これで終わるのか終わらないのか。二五%だけれども、これから一〇〇%までいくのに何か手当てが要るのか要らないのか。一番最初は、おくれている金融を進めて不良債権の処理を終結させる、こういうことで、官房長官と財務大臣と三人で話をして、総理に進言をしてこれをつくった。柳澤大臣が入っておられないのが変だなとは思いますけれども、こういうお話でありました。
 もう一度、この金融政策、これも、まだ必要があればとおっしゃいましたけれども、大臣の認識では、これも不良債権処理を含めてまだここに書いてあることは第一歩だ、こういう理解でよろしゅうございますね。
竹中国務大臣 これはもう何度も申し上げておりますけれども、第一歩です。
 デフレ対策そのものについて、どのようにどこまでやれば成果がどのぐらい出てくるかということは、理論的にもなかなか解決していない難しい問題でありますから、いろいろな政策について検討を深めながらさらに踏み込んでいかなければいけない、ここの点では、第一歩か、これから続くのか続かないのかわからないということではなくて、これはもう明らかに第一歩であります。
松本(剛)委員 不良債権処理、金融についてということで絞ってお聞きをしたのですが、お答えがなかったのですが、お答えができないということは、これは第一歩で、まだおやりにならなければいけないという御認識だというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 ただ、先ほども、財務大臣と議論をさせていただいているときも申し上げましたけれども、一月に第二次補正予算、これはデフレスパイラルに陥ることを防ぐ、需要追加型の要素も含むと、大臣とここで議論をさせていただいた記憶がございます。この二〇〇二年度本予算も景気にかかわる重大な予算だ、こういう政府・与党の認識であろうというふうに理解をします。
 そしてまた、このデフレ対策、またこれも広い意味での経済に対する対策でありますし、これでまた足らずに、三月中に、財務大臣、何かお出しになるとおっしゃいましたし、また夏にも出てくる。
 そもそも経済に対する対策は、この十年間、兵力の逐次投入が問題だという話がありましたけれども、小出し小出しにしている。大臣御自身がテレビの番組で、小出しでないことが必要だとおっしゃったんですけれども、こんな毎月毎月五月雨に、少しずつ少しずつ出てくるようであっては、到底、経済に対しての国民の認識も、またマーケットの認識も、全く整理をされて、ああ、これでそこまで来たんだなというふうな認識を持てるというような状況には一向にならないのではないか、このように思います。
 一つ一つコメントをいただいていると時間がなくなりますので、少し先へ行かせていただきたいと思います。
 速水総裁にきょうおいでをいただいておりますが、二十八日の日に政策決定会合をされまして、さらなる量的緩和を実施されました。その後の記者会見のときに、総裁の御認識では、これまでも相当な対応をとってきた、追加的な対応であるということでございますけれども、私どもも、ここでの議論、また総裁の御発言を聞いておりまして、本当にこれから追加的な部分が効くのかどうか必ずしもはっきりしないのではないかというニュアンスを何度かお話の中からうかがえたように思うわけでありますが、今回の追加策というのをどのように位置づけておられるのか、その効果をどのように予想されておられるのか、お伺いをしたいと思います。
速水参考人 日本銀行は、物価が継続的に下落することを防止するために、断固たる決意を持ってこのところ金融緩和措置を次々と講じてきたつもりでございます。この結果、金融市場におきましては強力な緩和効果が生じております。
 すなわち、短期金利はほぼゼロに低下しておりますほか、マネタリーベース、日銀から出ていきます金は、前年二月比で二七%という記録的な増加額が出ていて、それが当座預金に戻ってきているというようなことが起こっております。
 今回も、二十八日の日に新たな緩和措置をとりました。これはたまたま、デフレ対応策、諮問会議のステートメントの翌日になったわけでございますけれども、私どもとしては、むしろ、今回は期末を控えて、この三月末は大変な期末だと思うんです。
 といいますのは、やはり銀行の株も下がっておりますし、一般的に株が下がってきておりますし、そこへもってきて、四月一日からのペイオフが始まるといったようなことを控えて、かなり思い切った、銀行は警戒的に手元に随分資金を置くでしょうから、そういうことも考えまして、まず量的緩和である当座預金を今まで十兆から十五兆円と言っておりましたのを、今回、年度末、年度初め、これはいわば流動性需要の増大に応じて青天井で当座預金残高がふえていくことを認めるということにいたしました。これは非常に大きな変化、これが随分市場に安堵を与えたと思っております。
 それから、長期国債の買い増しも決めました。さらに、ロンバート貸し付けも、三月一日から四月十五日まで、今まで五日間しか使えませんでしたのを、四十六日間いつでも使っていいですよ、公定歩合で、担保さえ持ってくればいいですよということをいたしました。それに加えて、預保向けとか、地方交付税特別会計向けの銀行の貸し付けを適格担保として、十六兆ぐらいそれぞれあるんですけれども、それをとりますと。これなんかもかなり大きな緩和だと思うんですね。
 こういうことをやって金融市場の方はかなり資金は潤沢になっていると思いますし、あの翌日金曜日、あるいはきのうの月曜日、けさもそうでしょうけれども、アメリカの相場がよくなったということもあるかもしれませんが、やはりそれだけの緩和効果は十分出てきたように、明るくなってきているように思います。これがいつまで続くか、これはまた別の問題ですけれども。
 ですけれども、市場はよろしいのですが、金融市場の外側にいる企業の活動というのは、まだ活発的に動き始めているとは申せません。したがいまして、デフレを防止していく上では、やはり粘り強い金融緩和の継続と並んで、金融システム面や経済産業面の構造改革などを通じて、家計や企業、金融機関の前向きな活動を引き出していくことが不可欠であるというふうに考えております。
 今回のステートメントにおきましても、その点は特に強く強調させていただきました。要するに、「税制改革、公的金融の見直し、規制の緩和・撤廃等により経済・産業面の構造改革を進めることが前提」となっておるわけであって、「この点について、政府および金融機関をはじめとする民間各部門の一段と強力かつ果断な取組みを強く期待したい。」ということを書かせていただきました。これは政府に対するお願いだというふうにお受け取りいただきたいと思います。
松本(剛)委員 速水総裁から、政府に対するお願いというのがございました。
 竹中大臣、おくれている金融という言葉は、金融システムの問題もあると思いますが、恐らくあの時点では、金融政策、量的な部分についても指しておいでであったんだろうというふうに思っております。
 先ほどのお話でも、もちろんほかの部分もやっているんだ、こういうお話でありましたが、速水総裁はどちらかというと、金融はもうこれだけやっているから政府にしっかりお願いをしたいという趣旨だと私は理解をさせていただきましたが、大臣は、金融がおくれているから金融をやれ、こうおっしゃっておいでであります。認識が少しずれておいでだと思いますが、金融、今回の量的緩和、これで一段落というふうに大臣も思っておいでなのかどうか、お伺いをしたいと思います。
竹中国務大臣 金融政策もその他の構造政策も、今、未知の領域に入ってきているわけでありまして、ここから先どこまで行けるのか、その効果はどういうふうになるのか、非常に不確かなものばかりが目の前にあるのだと思います。そういうことを踏まえた上で、しかし、それでも政策を総動員して経済を活性化させる、デフレに関しては、デフレを阻止するということが必要なんだというふうに思うんです。
 現実にマネーサプライがなかなかふえない。マネーサプライがなかなかふえない要因は幾つかあるでしょうけれども、銀行に不良債権があって金融仲介機能が低下している、いや、ひょっとしたらハイパワードマネーをもっとふやしたらいいのかもしれない、こういう議論が拮抗して今行われているわけですね。これは、その結果としてのマネーサプライが今後どのようになっていくかということ、物価がどうなっていくかということを踏まえながら、やはり機動的にあらゆる政策を考えなければいけないのだと思います。
 その意味で、すべての政策について、これで打ちどめということはない。デフレ克服という困難な問題に向かって、やはりそれぞれの分野で総合的な努力を重ねていかなければいけないんだというふうに思います。
松本(剛)委員 打ちどめでないということであればまたやるということなんでしょうけれども、思いついたものを少し少し、少しずつやっていくということで、これだったら、今までと多少お化粧の仕方は変わったかもしれませんけれども、本当に経済の政策が変わって日本がよくなるのかどうか。
 坂口大臣もお見えでございますが、先日、ここで私、医療制度の議論をさせていただいたときも、小泉総理当時厚生大臣は、抜本改革はできるのかという趣旨の質問に対して、やってみなきゃわからないといったニュアンスのお答えでありましたし、今回もそうであります。今、竹中大臣も、未知の領域だということは、裏返せば、やってみなきゃわからない。政府が、合い言葉がやってみなきゃわからないでは、我々国民は大変困るわけでありまして、しっかりとそれは進めていただきたいと思います。
 一つ一つ詰めていかせていただきたい問題がたくさんあるんですが、時間が限られております。もう一つ、金融システムの問題ということで柳澤大臣にもお伺いをしてまいりたい、このように思います。
 今回のデフレ対策、必要があれば、また、法令に従って資本増強というお話でございましたけれども、この件も確認をさせていただきますが、年度内にはもう資本増強は必要ないという現在の御認識だけ確認をさせていただきたいと思うんです。
柳澤国務大臣 金融危機のおそれがある場合、もうちょっと法律では厳格な表現を使っていますが、要はそういうことだというふうに理解をさせていただいております。そういうことがあれば三つの措置をとる、こういうことになっております。
 その時期については、いつでも、金融危機のおそれがある場合、あるときということになりますので、それがいつのことか、三月末までは金融危機とかそういうことが全く考えられないのか、何とか、それは別に金融危機がありそうだということを言っているわけでは毛頭ないんですけれども、いずれにしても、我々は、法令というのがかなりセーフティーネットとして完備されておりますので、それを運用しますということを申し上げているわけでございまして、三月の末がどうのこうの、前であろうと後であろうと、必要なことは何でもやるということで、必要がないことは何にもやらない、こういうことでございます。
松本(剛)委員 ぜひここで創造的な議論をさせていただきたいと思っておるんですけれども、なかなかそうはいかない。
 速水総裁にお伺いをさせていただきたいと思います。
 二十八日の記者会見で、公的資金の注入に関して、記者の質問に対してですが、「年度内にやれればいいと思うが、」とおっしゃっておいでであります。「金融庁の検査結果がまだ出ていない、三月いっぱいかかるらしい、それが出るのを待っているというのが金融庁の今のスタンスではないか、」こうおっしゃっておいででございますが、「年度内にやれればいい」というお考えを確認させていただきたいと思います。もう時間が限られていますので、恐縮ですが、端的にお答えをいただけたら幸いです。
速水参考人 我が国金融システムに対する内外市場の見方が大変厳しいことは、御承知のとおりでございます。その基本的な背景には不良債権問題があるわけで、不良債権問題の克服が依然として最大かつ喫緊の課題であることは間違いないと思います。
 不良債権処理を一段とスピードアップしていけば、自己資本が毀損する事態もあり得ると思います。このほかにも、銀行は多額の株式を保有しておりますし、その価格変化によって自己資本の充実度が上下することも起こり得ます。また、みずから発行する株式の価格の動向によっても、自力で資本増強するということが難しくなる場合もあると思います。
 こういった状況のもとで、万が一、金融システム全体の安定について疑問が呈されるような事態に陥った場合には、タイミングを逸せずに、大胆かつ柔軟に対応していくということが必要であると思います。
松本(剛)委員 ちょっと、総裁のお考え、変わられたんですかね。年度内にやった方がいいというのが、今、危機があればというようなことで、お変わりになられたようであります。
 一部の報道で、二十七日の経済財政諮問会議で柳澤大臣と速水総裁との間で公的資本注入をめぐって激論があった、「激論は伏せられた」、こういうふうに報道されております。この二十七日の議事要旨というのを拝見させていただいて、ずっと見ていきますと、確かに激論はないんですが、速水総裁がお話しになった後、「速記中止」というところがあるんですね。「速記中止」、委員長はお嫌いな言葉だと思うんですが。議事録ではなくて議事要旨で「速記中止」というのは、どうも私にもよく理解ができない。
 私どもは、むしろ記者会見でおっしゃった速水総裁の認識に私は近いわけでありまして、日本の金融システムは大変傷んでいるのではないかと認識をいたしております。速水総裁が率直にそれを申し上げて、経済財政諮問会議の中でもその議論をされようとしたときに、ほかの方々がこの議論を封殺し、もし記録にも残さないということにされたんだとすると、これは、我が国の方向をどちらへ持っていくべきかということ、大変大きな判断を、しかも、ふたをしてしまったということになるのではないかということをまず申し上げておきたいと思います。
 こちらが一方的に申し上げてもなんでございますから、柳澤大臣、「激論は伏せられた」とけさの記事にも出ておりますけれども、まず、激論はあったんでしょうか、お聞きをしたいと思います。
柳澤国務大臣 どういうことをもって激論とおっしゃるかわかりませんが、私は、常に冷静にお話をしたつもりでございます。
松本(剛)委員 この経済財政諮問会議の事務方の所管は竹中大臣でよろしゅうございますね。この「速記中止」という部分というのはどういうことか、今おっしゃっていただけますか。
竹中国務大臣 これは、会議の中で、懇談をするという部分がございます。懇談の部分については、当然のことながら記録には残さないわけでありまして、ここは懇談をさせていただいたということです。
松本(剛)委員 大臣、これはごらんになったでしょう。ずっと諮問会議をやっていて、突然懇談になって、またそれで竹中大臣がお話をされているわけですね。議題の途中で懇談になっちゃだめじゃないですか。そんな財政諮問会議に我々の行方をゆだねていると思ったら、どうにもならないわけですね。ぜひこの中身をしっかり明らかにしていただいて、公開の場の中で、はっきりとした議論を展開させていただきたいと思います。
 これは座長は小泉総理だと思いますので、もしこの委員会と同じ構図であれば、速記をとめてくださいと言えるのは座長の総理ということになると思いますが、総理がそう言われたかどうかわかりませんが、議論にふたをするという形でこの国は決してよくならない、このように私は思いますので、ぜひこれは、「速記中止」の部分というのも、中止ではなくて、恐らく後から出さないことにされたんではなかろうかというふうに……(発言する者あり)そんなことはないですか。
 では、中止ということであったとしても、諮問会議の中の大事な話でありますし、こういった報道が流れている。これはいつも申し上げますが、事実でなければ、しっかり否定をしていただかなきゃいけませんし、事実であったとすれば、これは大変大切な議論でありますから、やはり公開をしていただきたいということをお願い申し上げて、あとの部分は先輩の枝野議員に引き継いでいきたいと思います。
 時間も最後でございますが、最後に、坂口厚生大臣においでをいただいております。この前もこの場で確認をさせていただきましたが、市場対策ということで、マーケットの方では、いわゆるPKO、年金勘定によるPKOが行われているということが、まことしやかにというべきかどうかわかりませんけれども、言われておりますが、そういうことは決してない、また、させないという御決意を伺いたいと思います。
坂口国務大臣 先般も、古川議員でございましたか、御質問をいただきまして、そのときにお答えをさせていただいて――済みません。松本委員でしたか、お答えをさせていただいたというふうに思いますが、法律上も、専ら被保険者の利益を目的としというふうに書いてございますし、また、専門的な知識に基づき適切に行わなければならないということにもなっておるわけでございまして、したがいまして、株価の維持操作を目的として年金資金を運用するということは、これはやってはならないというふうに思っておりますし、これからもそのように指導したいというふうに思っております。
松本(剛)委員 間もなく時間でございます。最後に、そうしましたら、今の御決意を伺いましたので、坂口大臣に一つお願いをさせていただきたいと思っております。
 自由民主党デフレ対策特命委員会の「デフレ対策について」というペーパーが二月の二十六日に発表になってございます。この中で、株式市場の活性化対策、郵貯、簡保の資金、年金資金の運用を拡大する、このように書いてございます。
 私、まだそんなに時間もたっておりませんので覚えておりましたが、大臣とお話をさせていただいたときに、もし仮に、株価のためというようなことにこれが使われるというようなことになっていたとしたら、それはもう厳重に我々も言わなければなりませんと、坂口大臣、おっしゃっていただきました。これは、株式活性化対策にこれが入っているということでありますから、ぜひ大臣から自民党デフレ対策特命委員会に厳重に言っていただくことのお約束をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。お約束いただけますか、大臣。
坂口国務大臣 先日も、我が党の政策も出ているという御指摘もいただいたわけでございますが、やはり年金資金は年金資金でございますから、年金資金としての運用というもののその趣旨に合わせてこれは運用をさせていただきたいと思っております。
松本(剛)委員 質疑を終わります。ありがとうございました。
津島委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。
 次に、枝野幸男君。
枝野委員 引き続き、デフレ対策を中心にお尋ねをさせていただきます。
 まず、デフレ対策の位置づけについて一点、ちょっとまず竹中先生に教えていただきたいんですが、消費者心理とデフレということについてはどんな関係があるんでしょうか。
竹中国務大臣 消費者心理とですか。消費者の心理としては、デフレによって物の値段が下がる、自分の賃金の低下がそれにおくれますから、普通はおくれるでしょうから、賃金が余り下がらないで物の値段が下がるということに関しては、これは心理というよりは実質賃金がふえてプラスだと感じるという面が一面であります。
 しかし、心理という観点からいうならば、きょうよりもあしたもっと物の値段が下がるかもしれないという非常に強いデフレ期待を持つならば、財布のひもを締めるということもあり得るのだと思います。そうすると、さらにきょうの消費を冷やしてデフレが加速するというスパイラル的な悪化にもなるわけでありますから、両面あろうかと思いますが、心理ということであれば、二つ目の、あしたの物の値段が下がるからきょう買わないというような行動の方が強いのかなというふうに感じます。
枝野委員 そうですよね。デフレが続くと思ったら、できるだけ物を買わない、後にしようと思う、だからますますデフレが進む。そうですね。
 ところが、竹中大臣御自身が、先ほど来の議論でも、デフレ対策はまだ先があるんだと。けさの朝日新聞を見ますと、二年くらいはデフレと戦い続けなければならない、それから総理が、長期戦だ、みんなこらえ性がなくなってきた、今回が最後ではないと。要するに、あと二年ぐらいはかかりそうだし、今回のことで最後じゃないと。
 つまり、デフレ対策を御自身で認めて発表された皆さんが、まだデフレの傾向は続きますよと御自身で認めていたら、それは消費者の皆さんは、ああ、総理や竹中大臣も二年ぐらいあとデフレが続くと思っていらっしゃるんだ、だったらまだお金使っちゃだめだねという話になりませんか。
竹中国務大臣 総理なり私なりが、デフレはきょうで終わりです、あしたから物の値段が上がりますというふうに言ったら、確かに枝野委員おっしゃったように、皆さん急いで物を買うかもしれません。しかし、現実問題として、物の値段のトレンドを変えるというのは大変なことで、そんなことはあり得ないわけであります。インフレを抑えるときも同じような問題がありました。
 しかし、重要なことは、このデフレはおさまるんだ、このデフレというのはおさまる方向に行くんだということを政府としてやはりメッセージとして非常に強く発信して、まさに消費者の皆さんに長期的な安心感を持っていただくことが私は重要なのだと思います。
 繰り返し言いますけれども、政策の効果があらわれるには時間がかかるけれども、その方向に確実に向かうんだ、そういったメッセージを私なりに発信しているつもりです。
枝野委員 きょうでデフレは終わりだと政府が言って、それでみんなが信頼をしてくれる政府であれば、多分デフレ対策は余り深刻な問題にならないんでしょう。まさに今の政府では、デフレ対策を打ちましたと言っても、国民の皆さんがそれを信じて、これからインフレ傾向になっていくんだな、物の値段はこれ以上下がらないんだなとだれも信じていないから、この間物価はどんどん下がり続け、デフレ傾向が進み、経済はますます冷え込んでいくという悪循環なんじゃないですか。そのことを政府みずから認める、つまり、あと二年ぐらいかかりますよ、長期戦だということをみずから認めるということは、まさに、自分たちのやっていることは自信がないんですよと国民に認めているようなものじゃないですか。
 そういうあいまいな姿勢、もちろん私だって、経済ですから、何かの政策を打ったらそれであしたからすぐに方向が、トレンドが変わるだなんということがあるとは思いません。しかしながら、まさに先ほどの松本議員の質問の中にもありましたが、だから小出しにしちゃだめで、政府として自信を持って、これでデフレ対策にあらゆる手は打った、これで間違いなくデフレ対策になるんだ、見ていてください、信じてくださいと胸を張って言えるようなものを出して初めてデフレ対策ということの意味があるので、初めから小出しですというような話自体は、その政策の出し方そのものに自己矛盾がある。そうじゃありませんか。
竹中国務大臣 先ほどの御議論にもありましたが、政策が小出しであるというその表現に対しては、やはり正直言ってかなり違和感があります。
 小出しということの意味は、もっとたくさんやればいいんだけれども、まあこのぐらいにしておこうかと、いわゆるけちる議論なんだと思います。しかし、そうではないわけですね。
 例えば金融政策一つとっても、それによってマネーサプライをどのぐらいふやせるか、それによって一種の、非常に大きな政策をとることによって別のコストも懸念されるわけですね。だから、そのコストとベネフィットを勘案しながらやるというのが、やはりまさにそれがフロンティアの政策なんだと思います。その意味では、何かやればいいとわかっていることをけちって小出しにするということではない。
 しかし、それだけデフレというのはやはり難しい問題で、リアリスティックに、現実的に考えて、二年ぐらいの期間をとって、しかし確実にやっていこう、これは、私はやはり唯一とり得る現実的な政策だと思います。
枝野委員 竹中大臣御自身が、例えばけさの朝日新聞の記事に載っている中では、今回の政府がまとめたデフレ対策の評価、「市場対策は小さなものの寄せ集めだが、短期的には意味がある。」「ただ、デフレを二年で阻止する中期的な狙いがあるので、デフレ対策は今後も大事だ」とおっしゃっているわけですよね。
 御自身が主観的にどう思われているかはともかくとして、受けとめる側は、要するに小出しにしていますと受け取られるような発言を御自身でしているんじゃないか。その姿勢を問題にしているんですよ。幾ら小出しにしていないと御自身は言ったって、受けとめる側は、小出しにしてまだ先があるんだな、まだ最初の一歩なんだなと。第一歩だと御自身も言っていらっしゃるじゃないですか。第一歩だとおっしゃったら、受け取る側は、先があるんだな、小出しなんだなと受け取るに決まっているじゃないですか。
竹中国務大臣 第一歩というのが小出しと受け取られるかどうかというのは、ちょっと私には理解しかねるところでありますけれども、その点は、今後の全体としてのデフレを克服するためのシナリオをさらに深めて提示することによって、そういった疑念が生じないようにぜひ努力をしたいと思います。
枝野委員 今、後ろの方から、国語を勉強しろというやじが飛んでいましたけれども、姿勢自体としてもうこのデフレ対策は、まだ先がありますというような姿勢が国民に受けとめられた、主観的にはどう思われようと、国民に受けとめられた瞬間にデフレ対策として効果がないということなので、中身について細かく具体的に議論をするのもある意味では意味がないかなと思いますが、中身も、個々のところも大変問題があるので、念のために申し上げて議論をしておきたいと思います。
 「不良債権処理の促進」のところで、主要行に対して要請をした、問題企業について、市場に評価される再建計画の策定云々を主要行に対し要請をしたということを書いておられます。再建計画の策定、その後に法的手続というのがありますから、これは私的整理等をおっしゃっているんでしょう。
 昨年の九月、銀行協会がみずから、私的整理に関するガイドライン研究会をつくって、私的整理に関するガイドラインをおまとめになっております。当然、この「市場に評価される再建計画の策定」というものは、銀行協会加盟の主要行の皆さんは、昨年九月に発表された私的整理に関するガイドラインに従ってなされるという前提のものだと理解してよろしいですね。
柳澤国務大臣 この私的整理のガイドライン、これは、私ども、いわゆる不良債権の最終処理をするということの中に企業の再建を目指しての最終処理というものがあるということを認識していまして、そういうことが何でもっとはかばかしく行われないのかということのヒアリングをいたしました中で、多数債権者がおるときに、お互いにその間の話し合いがなかなか難しくて、そうしたことがはかばかしく進展しない、こういうある種の障害というか悩みを訴えられました。そこで、これをもっとはかどらせるためにはどういう方法があるだろうかということを勉強させていただく中で、ヨーロッパに発祥したINSOLという原則があるということを知りまして、そのINSOLの日本版をつくろうじゃないか、こういうことでつくったわけでございます。
 しかし、それは別に、このガイドラインそのものも言っておりますけれども、これでなきゃならないということではなくて、多数債権者の絡んだ話し合いを進捗させるための一つのガイドラインとしてこうしたものを定めておきますよということになったわけでございます。
 したがって、私どもといたしましては、何々によれということを言っているわけではなくて、要は、例えば企業再建型の最終処理をするんであれば、その再建計画なりなんなりが合理性を持って、高い実現可能性を持つことが大事だ、そういうものをつくってそういう最終処理をするようにということを言うにとどめておりまして、別に、それを受けて、金融機関がガイドラインも念頭に置きながらどういう方針で再建型の最終処理をするかということは、それぞれの経営判断にゆだねているということでございます。
枝野委員 おかしな話ですね。確かに、すべての私的整理が対象にはならないのはそのとおりです。それはこのガイドラインそのものの中でそう書いているんですから、ガイドラインを適用するといったって全然問題ないわけですよね。その理屈はわかりますね、ガイドラインの中に、すべての私的整理に適用するわけじゃないと書いているわけですから。ですから、そこの話は全然理屈にならない。
 その上で、銀行協会を初めとする当事者の皆さんが再建型の私的整理をするに当たっても、ただ何をもって再建に向けた合理性があるかとかということを恣意的にされているという批判もたくさんあったから、ちゃんとガイドラインをつくって、特にこの中で、例えば、三年をめどに実質的な債務超過を解消することを内容とするとか、あるいは「債権放棄を受けるときは、支配株主の権利を消滅させる」、「減増資により既存株主の割合的地位を減少又は消滅させる」、「債権放棄を受ける企業の経営者は退任することを原則とする。」
 つまり、国民の皆さんが今不信、不満に思っている、一部の何か特定の特に大きな企業だけは公的資金を受けた税金による債権放棄で助けられ、名も知らぬ小さな企業だけはただぶっ倒されて身ぐるみはがれる。どこにどんな基準があって、どういうルールでやっているのかわけわからぬ。せめて銀行協会がみずから定めた私的整理のガイドラインぐらいは守っていただいて、ノンルールでやっているんじゃないんだ、恣意的にやっているんじゃないんだ、こういう明確な文書になったルールに基づいてやっているんだ、そういうことを徹底させるのが政府の役割じゃないんですか。
柳澤国務大臣 冒頭のところで、私的整理のガイドライン自身がすべてこれによらなくてもよろしいと書いてあるんだから、ガイドラインによれば、その中身として、これによらなくてもいいということが起こり得るんじゃないか。これはもう枝野委員らしい大変精緻な議論でございますけれども、それはまさに形式論でありまして、要するに、私的整理のガイドラインというのは、すべてがこれによらなくてもよろしい。
 例えばそこに、ガイドラインで、私ざっと目を通したときに、一つ、なるほどなと思いながらもすごいなと思ったのは、停止命令のところですね。すべての債権、まあ一種の保全ですね、そういうような財産の保全の命令を一度に出して、停止命令をかけるわけですね。そういうような仕組みでできているわけでございます。
 これは多数債権者があれば当然ですね。動いているんではなくて、一回とめちゃう、こういうことでして、やはりそういうものが適用できるものとそうでないものとがあるというのは、私はその一点を見ても十分理解できる、こういうように思っていまして、枝野委員の形式的な、精緻な論理はともかくとして、要すれば、もっとはかばかしく、市場が納得する再建型の整理ができればそれで目的は達せられるというふうに我々は考えております。
枝野委員 では、具体的にお尋ねしましょう。
 このせっかくつくったガイドラインの趣旨、例えば、わけのわからない、再建の見込みもないところを債権放棄するようなことはあっちゃいけない、だから、きちんと三年をめどに実質的な債務超過を解消する。先ほど幾つか挙げましたね。それから、要するに、株主や経営陣の責任も問わないで債権放棄して救ってしまうということでは説明がつかないから、ちゃんと責任とらせましょう。
 この私的整理に関するガイドラインの「七 再建計画案の内容」というところに書いてある中身、その趣旨は、形式的にとかいろいろな意味で、このガイドラインそのものがダイレクトに適用されるされないはともかくとして、少なくとも、実質的に「市場に評価される再建計画」と言う以上は、この「再建計画案の内容」のところに書いてある、先ほど私が挙げたような中身、当然守られるべきだと思いますが、違うんですか。
柳澤国務大臣 これはもう全くケース・バイ・ケースだろうと思うんです。そして、そのケース・バイ・ケースでの経営判断、これが市場で評価されるかどうかというのは、別にアプリオリに決まっているものじゃなくて、まさに事後的に市場の評価は出てくるものだ、このように考えます。
枝野委員 具体的に聞きましょう。
 ダイエーは、これ、適用されていませんね、ダイエーの処理は。どうですか。
柳澤国務大臣 適用をされてはおりません。
枝野委員 何でですか。
柳澤国務大臣 要するに、このダイエーの私的な整理については、大口の債権者だけが負担を背負う形で話し合いができた、こういうことが基本的な背景だろう、このように思います。
枝野委員 大口の債権者の中には、むしろそのメーンは、私たちの税金が公的資金として入っている銀行が大部分じゃないんですか。
柳澤国務大臣 その問題はまた別の見地、別の次元の問題でして、それはそれで、公的資金の注入を受けた金融機関については、しかるべきことで我々は監督をしているということであります。
枝野委員 聞かれたことにだけ答えてください。
 今の、合意をした債権者、債権放棄をする債権者というのは、我々の税金が公的資金として入っている銀行が大部分じゃないですかと聞いているんです。違うんですか。
柳澤国務大臣 公的資金というものでありまして、今現在段階で税金というような言い方をするのは余り適切でない、このように思います。
枝野委員 税金じゃないんですか。何なんですか。まだ返ってくるか返ってこないかわからないというそちらのお答えはよくわかっていますよ。だけれども、税金には違いないでしょう。
柳澤国務大臣 これは、預金保険機構が預金保険機構債なりあるいはその他の借り入れをして調達した、いわば融資金であります。
枝野委員 つまらないところで形式論議をやるんですね。
 結果的に、この債権放棄が間違っていたら、債権放棄が間違っていて、再建もできないところに債権放棄をして返ってこなくなったら、そのことによって資本に毀損が生じたら、結果的には税金で穴埋めされるお金ですよね。
柳澤国務大臣 仮に債権放棄したお金がいわば生きなかったというような場合でも、それが即資本を毀損し、それでいわば金融機関の破綻を起こし、それが預金の保護というような形で税金が投入されるということに至るまでには、今委員も認められるように、何段階ものいろいろな要素が介在するということであります。
枝野委員 委員長、質問に答えさせてください。
 私は、もしも毀損をすることがあったときには税金で穴埋めされるお金じゃないんですかと。その質問には何も答えてないです。質問に答えさせてください。
柳澤国務大臣 これは枝野委員もよく御存じで言っていると思うんですけれども、資本が毀損されても、その金融機関は自力でほかの増資を求めることも可能なんです。そして、健全銀行に回復することも可能なんです。ですから、それが即いろいろな税金の問題に結びつく、まさに委員もお認めのように、直結するとは言ってないというのは直結しないということです。
枝野委員 だから、直結はしないでも、別にダイエーのこの件だけでダイレクトにいくわけじゃない、トータルで、いろいろな話の中で、最終的には税金で穴埋めされる可能性のあるお金なんじゃないですか。どうして認めないんですか。
柳澤国務大臣 枝野委員、大変恐縮ですが、三月三十一日までにそういうことが起こったら、今は預金保険法で全額保護されていますから、資金の贈与というのは起きますよ。しかし、論理的にあなたが言うから論理的に私は答えているんです。論理の問題として、資本が毀損されたからすぐ税金が投入されるなんという論理で我が法制はできておりません。
枝野委員 おかしいですよ。だから、私はすぐなんて言ってないでしょう。最終的に毀損をしたら税金で穴埋めされる可能性のあるお金じゃないんですか。税金で穴埋めされる可能性は全くないんですね。そうですね。いいんですね、そう答えるんだったら。
柳澤国務大臣 可能性としては、百二条で全額保護ということが行われますから、その意味では預金保険法百二条の二号、二号措置がとられる場合にはそういうことがあり得る、これは法律そのものに書いてあることです。
枝野委員 だから、私は最初に言っている話ですよ。
 ここで、つまり、ダイエーのことだけでなるとは言いませんよ。だけれども、ダイエーのことを初めとして、公的資金を受けている銀行が、今回のダイエーの債権放棄のようにわけのわからぬ債権放棄をして、その判断が間違っていて、そういうものがたくさん累積されて、そして、ある条件が整った場合には、そのロスは、その判断の間違いによるロスは税金で埋められる可能性がある、そういう問題なんでしょう。
柳澤国務大臣 そういう可能性を論ずるのであれば、ガイドラインに従ったって同じ問題が起きますよ。
枝野委員 質問に答えさせてください。
 ガイドラインの話なんかしていない。その可能性があるんでしょうと僕は聞いているんですよ。
柳澤国務大臣 先ほど私は、可能性としてはあるということを言ったんです。それ以上何を答えさせようとしているわけですか。
枝野委員 可能性がある、可能性があるんだったら、当然政府機関として、その再建計画が、債権放棄が適切なものであるのかどうか、その判断をしっかりとする必要があるんじゃないですか、政府として。これは法律論じゃなくて政治論として、政府として判断する必要があるんじゃないですか。
柳澤国務大臣 もちろん我々は、先ほど冒頭に申し上げましたように、市場の評価を得られる、その再建計画について合理性がある、それからまた実現可能性があるものをつくりなさい、そういうことをあなたの経営判断でやりなさいということを申し上げているということであります。
 我々は、企業の経営判断について一つ一つをチェックするというような立場にはない、このように考えています。
枝野委員 要するに、そこでの判断が誤りで将来税金がロスすることになってもおれは知らない、そういうことですね。
柳澤国務大臣 おれは知らないという意味が、突如としてそういう話になりましたのでちょっと何とも申し上げかねますが、しかし、我々は、健全化計画というものを出していただいておりまして、この健全化計画が計画どおり遂行されるということについて監督をしている、こういうことです。
枝野委員 その計画が全部めちゃくちゃじゃないですか。そもそもダイエーだって、一次計画が発表されて、また直後に、何か追加だか何だかよくわけのわからないのが出ているじゃないですか。いいかげんなものだということをみずから認めているじゃないですか。五年も十年もたって、やはりあのときの計画は間違っていましたと修正するならともかく、一カ月だの二カ月だのの間にまた追加だなんといういいかげんなことをやっているじゃないですか、現実に。
柳澤国務大臣 枝野委員にちょっと申しますが、私が今健全化計画と言ったのは、金融機関の健全化計画のことです。ダイエーのやつは経営の再建計画だとかそういう問題でありまして、ちょっと受けとめ方に混乱がございます。
 それからもう一つ、一カ月ぐらいの間に変更があったというのは何かのお間違いでありまして、まず最初にアクションとして出たのは、ダイエー側のいわば銀行に対する、こういうことを我々は再建計画として考えますからぜひこういうことに御協力くださいという支援の要請の計画なんです。それに対して銀行側が、その後いろいろ精査した結果、こうでなきゃならぬのじゃないか、こういうことで答えて、それで、そうだということで、お互いに合意のもとでの最終的な計画ができる。その過程が何か計画の変更であるかのようにおとりになったのは、事実の認識、ちょっとお誤りだと思います。
枝野委員 また話をずらそうとされるんですけれども、いいですか、法律論じゃないと先ほど途中で言いましたでしょう、ここからは法律論じゃないと。いろいろと言いわけをしていましたけれども、最終的には、ロスが出たときに税金になるかもしれない部分のところの企業の再建計画、それがいいかげんなものであれば銀行の再建計画だっていいかげんなものになるわけですから、強い関心を持って見ていなきゃいけないわけですよ。
 その個々の企業の再建計画が、ガイドラインもあるのにガイドラインは全然使わないで、わけのわからない話で、ダイエーの話も二転三転しているということを問題にしているんですが、もっと明確な話をしましょう。
 佐藤工業、破綻をしました。過去に、この佐藤工業に対しては再建計画を認めて銀行が債権放棄していますね。
柳澤国務大臣 そういう事実はあります。
枝野委員 その前回の債権放棄をしたとき、再建計画を認めた銀行経営者の責任はどうなるんですか。
柳澤国務大臣 これは当然銀行内において責任が追及される、このように考えます。
枝野委員 政府としては、金融当局としては、お任せなんですね。
柳澤国務大臣 私どもとしては、債権放棄については、金融再生委員会時代に一つの考え方を出しています。出していますけれども、銀行そのものの責任とかそういうようなものについては、あくまでも銀行の健全化計画、金融機関の健全化計画というものがちゃんと実施されるかどうか、こういうスクリーンを通じて銀行の監督をいたしている、こういうことです。
枝野委員 では、健全化計画だと言うんだったら、これを聞きましょうか。
 中小企業に対する貸し出し、健全化計画できちんと枠をはめましたね。守れなかったら責任をとらせるんですね、各銀行に。
柳澤国務大臣 これはかねて申し上げておりますとおり、融資が最終的に行われるかどうかというのは、これは両当事者の合意がなければ行い得ません。そういう意味ではある種の限界があるわけですけれども、私どもとしては、中小企業の融資について計画を出していただいているわけですが、それを遂行するような体制の整備、こういうものについて怠りがあれば、それは我々は指摘をして改善を求めます。しかし、そういう体制をとって一生懸命やっている、にもかかわらず、結果において健全化計画に達しない。これは、我々としては、督励はいたしますけれども、最終的にその計画どおり融資をちゃんと実績として上げろ、これはどこまでいっても我々の自由企業体制のもとでは難しい問題だ、このように考えています。
枝野委員 都合のいいところは自由経済体制だと。だったら、何で公的資金なんか銀行に入れたんですか。国が個別の民間企業の資本を増強してあげる、どこが自由主義経済なんだ。
柳澤国務大臣 これは、我々は、国民を代表する国会においてでき上がった法律を運用する立場でございます。私は、これの運用に当たったということでありますから、枝野委員からそういうようにこの議場で罵倒されるというのは、ちょっとお言葉としていかがか、このように考えます。
枝野委員 ばかなこと言わないでください。あなたも自由民主党の党員で、法律に賛成したんじゃないですか、金融健全化法は。我々がこんなのは絶対だめだと言ったのに、我々の反対を押し切って金融健全化法に賛成した本人じゃないですか。今は政府の大臣だからといって、国会議員として賛成した法案、おれは関係ないなんてばかなこと言わないでください。反対したんですか。反対したんならいいですよ、金融健全化法に。
柳澤国務大臣 国会で成立した法律について、では私が個人として反対したらどういうことに、立場として、枝野さんが擁護してくれるかどうか、私はそんな問題じゃないと思いますよ。やはり、憲法が定めていますね。法律は、国民を代表する両院でもって成立すれば、それは法律じゃないですか。法の運用を懈怠するわけにいきません。
枝野委員 あなた、議院内閣制を否定するんですか。あなたは与党の一員だし、与党と政府が一体になってと、政府・与党一体だからといつも言っているじゃないですか。だったら、政府・与党連絡会議なんてやめてくださいよ。与党として賛成して通した法律、あなたも与党の一員なんで、あなた個人が賛成した反対したじゃないですよ。自由民主党として通した法律を、それは法律は勝手につくったもので、行政府の一員としてはそれに従っただけだなんて言いわけしたら、議院内閣制成り立たないじゃないですか。自由民主党として賛成して成立している法律について、何で自由民主党の大臣が、法律で決まっているからその法律の中身のことを問われたって知らぬだなんて逃げがきくんですか。そんなばかな話ありますか。
柳澤国務大臣 ちょっと私、今の議論のどこが問題で、どこに対して私が答弁をすればいいのか、ちょっとおぼつかないのでありますので、もう少し枝野委員に質問の論点を整理していただけたらと思います。
枝野委員 あなたが法律に従っているだけだという逃げの答弁をされるから、そんなことは無責任でしょうと。
 与党という国会の多数を握っているところの一員で、議院内閣制の与党から出された大臣として内閣をつくっているんですから、法律の中身が悪かったら変えることもできるんだし、そもそもでき上がっている法律自体が、あなたも加わっている自由民主党という与党が多数として、野党の反対を、野党の一部賛成したかもしれないけれども、少なくとも民主党の反対を押し切って成立させた法律に従ってやっているわけですよ。
 政権交代の直後で、前の政権のときにつくられていた法律なんでとりあえずは従わなきゃなりませんが、我々はこの法律はよくないと思っているんですというんだったら、それは法律に従ってやっているんですという言いわけがききますが、あなた自身も加わってつくった法律に従っているんだから、しようがありませんという、そういう逃げの答弁はないんじゃないですかと。
 だから、今のような、例えば、債権放棄についてきちんとチェックをしなきゃいけないし、それから中小企業に対する貸し出しがちゃんと健全化計画に書いてあるんだから、そこについてはきちっとやらせるべきだし、やらせられないで、そこは自由経済の話です、だけれども公的資金を入れたのは法律に基づいたのだから仕方がありません、そういう逃げはないでしょう。
 どっちなんですか。つまり、公的資金を入れるというような、自由主義経済に対する一定のきちんとした介入をするという立場なのか、それとも、この国は自由経済なんだから政府は干渉しない、どちらの立場なんですか、あなたは。
柳澤国務大臣 私は、自由企業体制の側でありますから、まさにそういう自由企業体制の原則を言っていられないような事態に対する緊急異例な措置として健全化法がつくられた、あるいは再生法がつくられた、このように考えています。ですから、本当にこれは全く異例なことだ、そんなにたびたび起こってはいけないんだ、こういう考え方で私は現在の局面にも対処しているということを申し上げます。
枝野委員 あなたが、あの当時は金融再生委員長でしょうか、国務大臣として、九九年、公的資金を入れた。入れる判断をされた。あのとき、入れることについては御本人は、自由主義経済に反することで反対だけれども、法律で決まっているから大臣として執行したんですか。それとも、あの時期に入れることについては当然だと思っていらっしゃったんですか。
柳澤国務大臣 これは、私を含む自由民主党を中心とする与党の方々が、今の金融情勢に対応するには、これはもう臨時異例の、要するに緊急措置法なんです、あれは。緊急措置二法なんです。そういう緊急措置として、臨時異例のことであるけれどもやむを得ずこういうことはやらざるを得ないんだ、こういう法律を制定していただきました。それの運用に当たったということです。
枝野委員 いいですね。御本人も賛成だったんですね。いいですね。
 なぜ当時公的資金を入れなきゃならない緊急性があったんですか。健全だったんですよね。公的資金を受け取った銀行は健全だったんですよね。健全な銀行に公的資金を入れなければならないという緊急例外的な措置をとらなきゃならないと御判断された根拠は何なんですか。どういう理由だったんですか。
柳澤国務大臣 これは、どうしてそうかということは、法律の一条の「目的」のところに書いてあるわけです。お読みできればしてもいいですよ。もう、すぐ簡単にわかりますよ。要するに、今の金融秩序が動揺している、これを、安定化を行うためにはこういう緊急措置が必要だということが書いてある。そして、その内容として、健全な銀行に対しても入れられるようなそういう規定も整備されておった、こういうことです。
枝野委員 銀行が健全だ、資本が健全だという状況で金融が動揺していたとしたら、それは市場の判断のミスであって、その判断のミスに対して、つまりいわゆる風評とかそういうことのレベルなんであって、その動揺をどうやって抑えるべきかということを考えるべきであって、健全である銀行に公的資金を入れるということがその解決策として全く合理性がつながるとは思えないんですが、いかがですか。
柳澤国務大臣 これは、今の金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の審議のときに十分御論議いただいたんではないんでしょうか。「この法律は、我が国の金融システムに対する内外の信頼を回復することが現下の喫緊の課題であることにかんがみ、」「金融機関等の資本の増強に関する緊急措置の制度を設けること等により我が国の金融機能の早期健全化を図り、もって我が国の金融システムの再構築と我が国の経済の活性化に資することを目的とする。」こういうふうに書いてありまして、それで、この資本注入の先について、「健全な自己資本の状況にある」ということも当然に前提になっているということをこの法律の二条でもう既に書かれているわけであります。
枝野委員 だから、もう一度聞いているんですよ。あなたも賛成だったその法律、何で健全な銀行に公的資金を入れる必要があったんですか。
柳澤国務大臣 これは、健全であってもシステム全体として内外の信頼が動揺している、こういう状況のもとでそういうことが考えられたものである、このように解釈をいたしております。
枝野委員 信頼が動揺すれば、資本主義、自由主義経済の例外である、税金で民間企業の資本をふやすというようなことをこれからもやっていいと思っていらっしゃるわけですね。
柳澤国務大臣 これは、正直言って、あり得ることなんです。あり得ることなんです。ですから、要すれば、私、この前からも同じような議論がありましたけれども、資本不足にならなければ入れないんですね、過少資本にならなければ入れないんですねという問いに対して、私は、そこは入れることもあり得るんですということでお話をした経緯もございますが、そういうことが、金融というような信頼ででき上がっている一つのシステムにはあり得るということを申し上げざるを得ない、このように考えます。
枝野委員 そもそも資本が充実しているところに入れる必要があるとは私は全く思いませんが、大臣の理屈の上に立った場合、資本は充実している、だけれども公的資金を入れないといけないような金融状況になったと。その責任はだれにあるんですか。
柳澤国務大臣 責任、よく出る言葉ですけれども、道義的責任、政治的責任、法律的責任、これが三つの大きな責任だろう、こう思うんですけれども、今の枝野委員のお話というのは、これはもう本当に、何と申しますか、極めて難しい問題で、何で難しいかというと、流動性の危機なんです。わかるでしょう。つまり、流動性の危機というものがなぜ起こるかということは、これはなかなか、どこに責任を求めたらいいかというのは、極めて難しい問題だろうと思います。
枝野委員 つまり、資本主義、自由経済論者なんですよね、大臣は。原則として、資本主義、自由経済で、政府は介入できないと言っているわけですよね、貸し渋り対策とかについて。そういう自由主義、市場経済の中で、いろいろな事情があるにしても、いろいろな原因があるにしても、結果的に税金でお上に入れてもらわなきゃならないようになる、なった状況というのは、当然、その自由主義経済の中で自己責任でやってきた銀行の経営者、つまり取締役とその株主の責任なんじゃないんですかとお尋ねしているんです。
柳澤国務大臣 自己資本が、例えばBIS規制の基準に照らしてこれは適格であるというような状況において、突如としてその銀行が流動性の危機にさらされるということは、非常に難しい話でして、それが即経営者の責任あるいは株主の責任というようなところに実際持っていけるかどうか、これは全くケース・バイ・ケースだろうと私、言わざるを得ないと思います。
枝野委員 資本主義、自由主義経済のもとではいわゆる社会的な言葉としての責任はない。つまり、経営者としては最善の努力を果たしてきた、だけれども、例えばたまたま取引先が雪印何とかだったので、そのあおりを受けて倒産して、身ぐるみはがれる、そういう中小零細企業がたくさんあるんですよね。たまたま隣にあったダイエーが店を突然閉めてしまった、お客さんの流れが変わってつぶれてしまって、身ぐるみはがれた中小零細企業はたくさんあるんですよね。御本人に社会的意味ではほとんど責任がない。まさに社会のいろいろな事情の中で倒産して、身ぐるみはがれて、残念ながらみずから命を絶っている人もたくさんいるんですよね。
 何で銀行の幹部だけは、それはいろいろな社会的事情があるでしょう、だけれども、お上に助けてもらわなきゃならないような状況をつくり出しておいて、刑務所入れとまでは言えないかもしれない、身ぐるみ全部はがすとは言えないかもしれない、もしかすると。僕ははぐべきだと思うけれども。だけれども、全く責任とらないで済んでくる。そして、そのことは今もお認めになっている。
 こんな話で今後も続けられたら、今現実に、自分では一生懸命頑張ってほとんど落ち度がない、だけれども身ぐるみはがれている中小零細企業、残念ながらそうした中でみずから命を絶っている人たち、納得できると思いますか。
柳澤国務大臣 私は、そういうことは本当にお気の毒だというふうに思います。
 先ほど来、私は、責任をとるかとらないか、とらなくてもいいということを言っているわけじゃないんです。そうではなくて、これはケース・バイ・ケースだろうということで、そういう中で責任の明確化というものが図られるべきだろうということを申し上げているわけであります。
枝野委員 いいですか。九九年のときも責任とらなかった、そして公的資金で、お上の力で助けてもらっておきながら、じゃ、佐藤工業に対する債権放棄は適切だったのか。結果、出ているじゃないですか。大間違いだった。二重三重に間違えているわけですよ、彼らは。その人たちがどんな責任とっているんですか。どんな責任をとらせる努力をしたんですか。当然それに対する責任をとらせることをやっていかなければ、納税者の立場、そして中小零細企業の立場、いや大企業だってほとんど社会的意味では責任ないのかもしれないけれども、いろいろな社会状況の変化の中で倒産しているところがあるのは、中小だって大企業だっていろいろある。
 とにかく、なぜ銀行だけ何やっても責任とらされないで、税金だけつぎ込んでもらって助けてもらった上に、佐藤工業の例なんか見ても間違えているんですよ。国民が納得すると本当に思いますか。
柳澤国務大臣 これはケース・バイ・ケースで、責任を明確にすべきところについては我々も責任を明確にさせていかなければならない、このように考えます。
枝野委員 そもそも、公的資金を入れたことは、資本主義、自由経済に対する異例の介入なわけですよ。そのことに対して、あるいはそのことに関連して、政府として責任とらせるんだったら、まさに異例の介入をしているからこそ明確なルールに基づいてやらないと、ケース・バイ・ケースだなんて言って、じゃ、今度は銀行の中でも、ここは何かやっても責任とらされない、こっちの銀行のこの幹部は責任とらされる、こんなばかなことがあってはおかしいんですよね。きちんとしたルールに基づいて、結果を間違えたら責任とらせるという明確なルールが要るんじゃないですか。
柳澤国務大臣 ちょっといろいろ議論がたくさん出てきまして、どこの場面での責任かということについて、私も若干明確に整理しがたくなっているわけですけれども、私が申し上げたのは、自己資本の比率において健全化のレベルに達したときに資本注入をするというようなこと、それから、そのような銀行が債権放棄をした後、それがまた実らないで再度の支援が必要になるというようなとき、この二つのケースについて申し上げているわけです。
 前者については、これは責任の明確化ということは言っておるんですけれども、今、枝野委員が質問の中で含意されているような引責退任というようなことは、実は法律上の要件になっていなかったということ。それから、第二番目については、これはいろいろな情勢もありますので、その情勢に応じてケース・バイ・ケースに判断を我々としてはさせていただく、こういうことを申し上げたのでございます。
枝野委員 ですから、九九年に入れるときに、法律の中に責任とらせると入れてなかったこと自体、あのときもおかしいと言っている。その法律に基づいてやったというのは、今の私の問いかけに対する答えになってないんです。国民がそれで納得できると思いますかと、お尋ねをしているんです。
柳澤国務大臣 これは、法律に規定があり、その法律に基づいてそういうことをいたしたということでして、当時において、枝野委員の所属する政党等は、そのときにどういうことを、お考えを表明されたかというのは、ちょっと私、記憶も定かでないんですけれども、一応、私どもの措置について大筋納得をいただいたというように当時は受けとめました。
枝野委員 だから、言いわけを聞いているんじゃなくて、今の時点で、国民の皆さんがこういう対応を納得していると思いますかと聞いているんです。今のは、納得されてないとしても、こういうことで言いわけがありますというお答えをしているだけなんで、納得していると思いますか、納得できると思いますかというお尋ねには答えてないんですよ。
柳澤国務大臣 大変枝野委員に恐縮ですが、こういうこととおっしゃったのをもう一度ちょっと明確にしていただければと思います。
枝野委員 私たちの将来は税金になる、それで穴埋めをしなきゃならなくなる可能性がある公的資金を入れるという、市場主義、資本主義経済に対する異例の介入をしたわけです。
 それは、そういうプロセスになったことについてはいろいろな理屈はあるかもしれませんが、それは社会のいろいろな状況の変化とかいろいろなことがあるかもしれませんが、銀行以外のところではばたばた企業は倒れている。ですから、なぜ銀行だけ、責任を全く問われないで、そうやってお上が税金で助けてくれるのという不公平感の感じがある。
 そのお金を受けた銀行が何をやっているか。わけのわからない債権放棄。本当に再建されるならいいですけれども、結果的に、佐藤工業の例に見られるように、再建計画を見て債権放棄をしてみたら、あら間違いでしたというケースがたくさん出てきている。公的資金をもらったこと自体でも、国民からは納得できないだろう。ところが、その先も間違い続けているのに、責任は問われない。今の法律では問えませんとかというお答えをしている。こういう状況について国民の皆さんは納得できるとお考えですかとお尋ねしているのです。
柳澤国務大臣 金融機関がほかの企業と違うということが説明できるかと、裏から言うとそういうことなんですが、要するに、金融機関というのは、まず一つは、仕入れが不特定多数だということなんです。つまり、預金者という不特定多数の人から仕入れをしなきゃいけない。一般の企業は、仕入れというのは本当に特定の人たちなんです。
 そういうようなことが特徴として一つあって、そして、さらに言えば、その預金者等関係者がとかく連鎖、きつい連鎖、それから連想、こういうようなことでシステムをつくっている。そのシステムが、全体として連鎖と連想の中で動揺するというようなことがありまして、個別の産業とはやや性格が違う。こういうことから、システムの救済というような立場から、金融機関が具体的には支援を受けるというようなことがあるということであります。(発言する者あり)
枝野委員 後ろからも出ていますが、今の話は、市場主義、自由経済に政府が介入をして公的資金を使いますということについての説明にはなっています。それは我々も否定していません。九九年のときも九八年のときも、入れ方については全然間違っていると思いましたが、入れること自体については、我々、肯定的です。今もそうです。
 ただし、入れ方が問題だ。金融は特殊であるということは、入れること、介入することについての説明にはなりますが、そこで働いている、そこの幹部の人たちに責任をとらせないことについての説明には全くなっていないということを申し上げて、時間がなくなってきましたので、もう一点だけ、わけのわからないことがもう一つデフレ対策に書いてありますので、お聞きします。
 RCCによる不良債権の買い取り、ここの二番目のところに、「買取価格について時価とされたことを踏まえて、適切な価格設定を行う。」と書いてあるのですが、時価と適切な価格というのは違うんですか。
柳澤国務大臣 これは時価であります。その時価というのもいろいろな設定の仕方があり得るわけで、できるだけ適切に設定するように、こういうことだろうと思いますが、含意するところは、要するに、預保が今まで、絶対に一本一本の債権について損失を生ぜしめないようにということでやってきましたので、今度時価に変わったんですよ、ですからその法律が改正された趣旨を十分踏まえて価格の決定をしてください、こういういわば確認的な意味のお言葉だろう、このように考えています。
枝野委員 時価といった場合には、広い意味ですよ、一本一本の債権ではいろいろなことが出てくるかもしれない、益が出たりロスが出たり、でもトータルとして二次ロスが出ないような価格、それが時価ですよね。
柳澤国務大臣 これは枝野委員御案内のとおり、この債権の時価というのは、基本的に、担保の価値、担保の評価額プラス、キャッシュフローがある場合には、そのキャッシュフローを現在価値にディスカウントする、ディスカウント・キャッシュフロー方式による価値、これの合計額ということになっております。
 したがって、やはり評価の要素があるわけでして、そういうことの結果、二次ロスということも全くあり得ないわけではない、こういうことに相なるわけでございます。
枝野委員 聞きたいのは、今までと何か運用が変わるのかどうかなんです。
 その後に、二次ロスに備え、買い取りに係る回収益を財源として活用することとし、時価買い取りの実効ある運用を行うと書いてありますが、時間がなくなっているのでまとめて聞きます。今までの回収額そのもの、トータルで買い取った額そのものの中で、額が幾らで、回収益は幾らですか。簡単に答えてください。
村田副大臣 元本金額で一兆七百六十八億円でございます。それを三百九十三億円で買い取りまして、回収益は百五十八億円でございます。
枝野委員 その益を生かすというのはどういうことなんですか。つまり、こんなに益があるんだから、もっとロスが出てもいいようにしましょうというようにしか読めないんですが、そうじゃないとすれば、全く意味のない話。
 今までは、それだけ買い取って、それでそこそこ益が出るようにやっている。まあ大体買い取り価格、そこそこうまくいっていますね。マイナスになっちゃやはりいろいろ困るから、少しプラスが出るぐらいでちょうどいいから、プラスが蓄積されている。まあとんとん、いいところじゃないかなと私は思います。
 だから、今までどおりで全然いいはずなんですが、あえてこんなこと書いたというのは、益がたまったからこれを吐き出してもいいようにもっと甘く査定しましょうか、こういうことなのか、それとも全く意味のない文章なのか、どっちなんですか。
柳澤国務大臣 今までのやつだと、そこにありますように、利益が出たわけですね。利益が出ると言うには当たらないんじゃないかということで、先ほど委員がお使いになった言葉で言えば、とんとんということをねらって時価による価格を定めていく、こういうことでありまして、その際、極めて厳格にロスを回避するということよりも、そうした利益が上がったことによる財源も念頭に置いて柔軟に価格の設定をすることは差し支えないですよ、こういうような意味だというふうにとっていただければいいと思います。
枝野委員 口頭の回答については細かい言葉の揚げ足取るつもりはありませんが、文章に政府としてまとめていることです。「回収益を財源として活用することとし、」と書いてあります。つまり、確かに利益は出ています、利益が出ているということは、今までの価格の設定の仕方が適正、これは神ならぬ身にはわからないわけですけれども、結果的に出てきた適正よりもちょっと低目で買っていた。だけれども、低過ぎた額で買っていたとは今の額からはとても思えない。ちょっと低目に買っていた。ということを考えれば、今までよりちょっと高目でいいかな、もうちょっとだけ上げてもいいかなという話はあるかもしれません。
 だけれども、その話と、これまでの回収益を財源とする、つまり、こんなにもうけが出ているから、これを吐き出してもいいように、本来の適正時価よりももっと高く買っていいでしょうと書いちゃっているわけですよ。
 これは明らかにおかしくて、こういう流れにしたら、要するに、その財源のあるうちは実際の価格よりも高目に買って、では財源が尽きたらどうするんですかという話になってしまうわけだから、こんな話、書いたこと自体が間違っていて、あえてこんなことを書いたというのは、我々は疑っていますし、皆さんも、そういうことをやったら補助金だと、前回の質疑の中で竹中大臣でしょうか、おっしゃられたとおり、実際の、要するに時価よりも高く買うようなことがあったら、それは国家による飛ばしであるから到底許すことはできない。そのことだけ申し上げて、時間になりましたので終わらせていただきます。
津島委員長 これにて枝野君の質疑は終了いたしました。
 次に、中塚一宏君。
中塚委員 自由党の中塚でございます。
 きょうは政府のデフレ対応策について伺いますが、まず竹中経済財政担当大臣に伺います。
 これはデフレ対応策ですね。デフレ対策ではないわけですね。
竹中国務大臣 これは、先ほどの御答弁の中でも一部御紹介させていただきましたけれども、いわゆる予算を伴う経済対策というパッケージの何か取りまとめを行ったというものではありません。デフレに対応するためには、日本銀行はこれまでもさまざまな政策をとってきましたし、金融庁もさまざまな政策をとってきた。それをさらに一段と強化して、当面考えられることを急ぎ検討せよという指示が各大臣に対して総理からあった。その意味で、言葉としては、いわゆる従来型の経済対策ではない、デフレに対応する策を現時点で取りまとめたものだという趣旨にしております。
中塚委員 私、すごい大事なことだと思うんですよ。デフレ対策とデフレ対応策というのは、ちょっとやはりニュアンスが違う。マスコミなんかは全部、デフレ対策、デフレ対策と言うし、きょうの集中審議もデフレ対策ということになっているんだけれども、皆さんがお出しになったのはデフレ対応策なわけですね。
 ということは、これはつまり、デフレに対して、デフレを解消するという話ではないわけですね。デフレ状況に今日本があるということ、日本経済はデフレであるということを認めた上で、そのデフレのいろいろな影響について一つ一つ対応をするという話なんですか。
竹中国務大臣 デフレによって生ずる悪影響を除去する、そういう趣旨ではございません。デフレを克服するということは中期展望の中に明示しているわけでありまして、その目標に向けてさまざまな政策をとっていかなければいけない。そういった趣旨で、それぞれの、まさに金融に焦点を当ててその対応策を提示したものでありますので、質問の御趣旨と少し違っているかもしれませんが、これは、デフレ問題が生じたからその悪影響を除去するという意味での対処策ではなくて、二年でデフレを克服するというその目的に向けてとられた政策であるということです。
    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
中塚委員 今のは逆なんじゃないんですか。日本経済がデフレにあるということですね。デフレにあるから、そのデフレの悪影響に対して一つ一つ手を打つということであって、デフレを解消するための政策ではないんでしょう。
竹中国務大臣 デフレを克服するためにとられた政策です。
中塚委員 デフレを克服するためということなら、それは確かにデフレ対策だと思うんですけれども、デフレ対応策なわけですね。
 私は以前から申し上げていたけれども、今の小泉内閣のやっていることが全部デフレ圧力を伴う政策ばかりなわけですよ。それはもちろんやらなきゃいけないことなのかもわからないけれども、みずからでそのようにデフレ圧力をずっとかけておいて、今デフレ対策をすると言うから、これはもう政策転換をされるのかなというふうに思ってきたわけなんですけれども、デフレ対応策というふうになっているから、だからこれは、デフレによっていろいろ生じてくる一つ一つの事柄について、それに対する対応を羅列したということなんでしょう。いかがですか。
竹中国務大臣 まず前半の部分で、小泉構造改革がデフレを促進するものばかりであるという点、以前も少し議論をさせていただいたかもしれませんが、全くそれは違うというふうに思っております。
 例えば規制改革、規制改革によって新しい事業分野が開拓されていく、これは通信の分野等々ではもう現実に九〇年代見られたことでありますから、むしろ経済を活性化するために構造改革を行っているわけです。これはやはり構造改革の基本的な問題であろうかと思います。
 対応策、対策については、従来のいわゆる経済対策のような形で一括して取りまとめているというようなものではないという意味で対応策というふうにつけさせていただいておりますけれども、目標はあくまでも、デフレを克服する、中期展望に示された、二年でデフレを克服する、それに向けてとられた政策であります。
    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
中塚委員 要は、お金がないからデフレ対策ではなくデフレ対応策だということですか、今の答弁だと。そういうことになると私は思いますけれども。
 次に、日銀総裁に伺いますが、日銀総裁、この場でも、これ以上金融緩和をしてもというようなことを述べていらっしゃったわけですけれども、これが、またもう一段金融緩和に踏み込まれたということですね。今までの答弁の中で、金融緩和だけじゃなくてちゃんとした改革というのが進んでいかなきゃだめだというふうにおっしゃっていたわけですが、金融緩和に踏み込まれたということは、これはそういった改革の確証というのを得られたからなんでしょうか。
速水参考人 今回の追加金融緩和、これは主として年度末年度初、期末対策を頭に置いて決めたものでございます。
 もとよりその背後にあるデフレ現象というものはあるわけですが、この三月末は、通常の期末に加えて株価が下がっている、また時価評価が起こる、金融再編も起こる、そしてまたペイオフも起こるといったようなことで、今まで余り経験しなかったことが起こる可能性がある。そういうことで、金融機関は手元に資金をうんと持っておきたいという気持ちがあろうかと思います。
 そういうものを考えて、次の決定会合は三月の二十日ですから、三月の二十日に決めたのでは期末には間に合いません。したがいまして、二月二十八日の決定会合で期末対策を主とする金融緩和策を決定したとお考えいただきたいと思います。
中塚委員 ということは、やはりこれも期末対策であって、別にデフレ対応策でもないしデフレ対策でもないということでよろしいんですか。
速水参考人 私どもは、前回にも申しましたように、デフレを何とかして抜け出すということを懸命になって努力してまいったつもりでございまして、その一環の流れの中でお考えいただきたいと思います。
中塚委員 いずれにしても、金融緩和をされたわけですね。それこそ、塩川財務大臣が月に一兆円、国債の買い切りを要請するというふうにおっしゃっていた、そのとおりのことを実際に行われるということを政策決定会合でお決めになったわけです。
 金融緩和がどんどん行われても銀行貸し出しが伸びないということは、総裁もかねてよりおっしゃっているわけですけれども、これは資金需要がないからなのか、それとも金融機関の抱える不良債権が問題なのか。もちろん、両方問題なんでしょうけれども、どっちの方がウエートが大きいというふうにお考えですか。
速水参考人 構造改革の問題の一つが、まさに不良貸し出しの累積ということだと思います。そういう意味では同じ問題だと思っております。
中塚委員 今、ジャパン・プレミアムというのがあるわけでもないし、これだけ金融緩和もしているわけですね。幾ら不良債権があったとしても、ちゃんと適切に引き当てをされていれば、そのことは別に問題はないはずですよね。それでもなおかつ貸し出しが伸びない。銀行がリスクさえとれれば、ちゃんと貸出金利を稼げれば、今だって貸し出しというのは伸びるはずだと思うんですけれども、じゃ、これは一体なぜ伸びないのかという問題になってくるんだと思うんですね。当然不良債権問題もあるけれども、やはり、より問題が大きいのは、これは実体経済が悪いということなんじゃないんですか。
速水参考人 それはおっしゃるとおりだと思います。
 今回の私どもの政策のステートメントの中にもそのことをはっきり書きました。
 「日本銀行の思い切った金融緩和が経済全体に浸透していくためには、迅速な不良債権処理を通じて金融システムの強化・安定を図るとともに、税制改革、公的金融の見直し、規制の緩和・撤廃等により経済・産業面の構造改革を進めることが前提となる。この点について、政府および金融機関をはじめとする民間各部門の一段と強力かつ果断な取組みを強く期待したい。」さらに、民間経済活動の活性化を図って、初めて我が国経済は持続的な成長軌道に復帰することが可能となるというふうに書いてあります。
中塚委員 今総裁がお話しになったそこのところなんですけれども、金融システムの強化、安定を図るとともに、税制改革、公的金融の見直し、規制緩和、撤廃、経済産業面の構造改革を進めることが前提となると書いてあるわけですね。前提となるというふうに言いながら、強力かつ果断な取り組みを強く期待したいと。前提を期待する、そして自分のところはまず先に金融緩和をする。おかしいんじゃないですか。
速水参考人 別におかしいとは思いません。といいますのは、この税制改革、規制の緩和、撤廃等、これらは私どもができることでもありませんし、政府がお考えになってどんどんお進めになっているのが今の構造改革だと思います。
 ただ、基本的な考え方については、私どもは私どもなりに持っております。
 例えて言わせてもらいますと、まず税制につきましては、経済活動に大きな影響を与える重要なインフラの一つでありますから、今後具体的な税制改革を検討するに当たりましては、一つは民間部門の活力をいかに引き出していくかということ、二つ目には経済、金融のグローバル化にどう対応していくかという、この観点に重要性を置いていただきたいと思います。
 もう一つの規制緩和につきましては、昨年十月に、改革先行プログラムにおいて、いわゆる重点六分野の前倒し実施が一応決まったわけです。規制改革の積極的な推進がうたわれたわけです。まずはそれを着実に実施していくことが出発点だと思います。これは申すまでもなく、医療、福祉・保育等、人材、教育、環境、都市再生、この六つであります。そういうものをどんどん政治面で進めてもらって初めて金融緩和の効果は十分に出てきて、民間の需要は膨らんでいく、引き出されていくということでございます。
 そのことは私は何度も繰り返し言わせていただいたつもりです。
中塚委員 繰り返し言っておられるのは私も知っているんです。けれども、それが全然進んでいないというふうに私ら見えるんですけれども、まあ総裁としては、それはちゃんと進んでいくことを期待されている、あるいはもう進んでいくことが確証があるということでよろしいですね。
速水参考人 そのとおりでございます。
 こういうものが効果を発揮して初めて金融緩和の効果は出てきて、民間の需要は頭をもたげてくる、企業の投資も民間の消費も、新しいもの、新しい需要が起こってくるであろうということを確信いたしております。
中塚委員 確信されるのはそうなんでしょうが、じゃ、その税制改革とか公的金融の見直しということはこのデフレ対応策には入っていないわけですね。それはこれから話をするということになっている。規制の緩和、撤廃ということもずっと、もうかねてより言っているけれども、全然歩みも遅いということ。
 そういう中にあって先行的にどんどん金融緩和をされるということが、果たして、私は、日本銀行のためにとって、日本経済のためにとっていいのかどうかという問題はあるというふうに思いますよ。だから、総裁も、それは、理屈の上でこうでこうでこうだからという話じゃなくて、もっとこれをこうしてくれなきゃ困るじゃないかという話をきちんとお述べになった方がいいと思う。
 次に、柳澤金融担当大臣に佐藤工業のことについて伺います。
 きょうの閣議後の記者会見で、柳澤担当大臣は、不良債権処理を加速させるため、経営破綻が懸念される融資先企業について選別を急ぐよう大手銀行各行に求めたということをおっしゃったというんですが、それは事実ですか。
柳澤国務大臣 選別という言葉は、私、使った覚えはありません。
中塚委員 具体的には、法的処理なら見きわめを早くつけろとか、あるいは、再建を考えるなら、本当に実現性の高い計画を出し、早期に実施するというふうなこと、これを大手行各行に求めたのは事実ですか。
柳澤国務大臣 事実でございます。
中塚委員 これはいつ要請されたんでしょう。
柳澤国務大臣 これは言ってみると一貫して要請していることでありますが、私が直接このお話を申し上げたのは年末のころでありました。そのときは、どういう御方針ですかというようなお話で聞きまして、その後そのフォローアップをした、こういうことでございます。
中塚委員 その要請と今回の佐藤工業の会社更生法の適用申請との関係、あるいは、今行っていらっしゃる特別検査と佐藤工業の会社更生法適用申請との関係、これについてはいかがですか。
柳澤国務大臣 まず、基本的に私どもは、個別の企業についてのお話というのはコメントしないということをまず一貫させておりますので、そういうことを申し上げますが、特に特別検査との関係云々というようなことについては、これは全くコメントを申し上げないということで御理解をいただいておきたいと思います。
 我々は、個別のことということは、あくまでも、我々の側から持ち出すというようなことはありません。
中塚委員 特別検査の結果が公表されたときには、そのことというのは明らかになるんでしょうか。
柳澤国務大臣 そのことというのはまたちょっとよくわからないんですけれども、もし佐藤工業云々というようなことであれば、そういうことは我々としては避けたいと考えている。つまり、個別のどういう企業が特別検査のときの関心の企業であったか等については明らかにすることを避けたい、このように考えているということをかねてから申し上げているところであります。
中塚委員 それだったら、このデフレ対応策の中に特別検査結果の公表ということが書いてあるわけですけれども、一体何のためにするんですか。
柳澤国務大臣 これは、特別検査というものが債務者の区分等についてどういう結果を招来したかというようなことを国民の皆様に開示したいということが目的でございます。
中塚委員 特別検査の結果の公表というのは、四月を越えてからということになるんでしょうね。
 いずれにしても、三月の末にかけて、今、危機だとか危機でないとかいうようなことが言われているわけですね。検査を進めていく過程で、終わってからその企業の再生なりなんなりが始まるわけじゃないですよね。特別検査の途中でそういうことが起こってくるわけですね。そのことについて、検査結果が公表された後もわからないということなんでしょうか。
柳澤国務大臣 前段、委員がおっしゃられたことは、可能性として私、否定は申しませんけれども、我々の検査結果の公表というのは、あくまでも検査対象企業等に対して風評被害が及ばないということについては十分留意した上でこれを行いたいと考えているということでございます。
中塚委員 不良債権の処理ということがデフレ対応策の中に書いてあるわけですけれども、不良債権処理ということも、何か閣僚ごとに全然意味がばらばらのような感じがするんですね。
 柳澤大臣は、不良債権処理というと大体会計上の問題なんだというふうなニュアンスでお話しになることが多いと思うんですが、加えてオフバランス化ということもおっしゃっています。
 しかし、閣僚の中には、不良債権処理というのは、借り手企業、特に問題企業自体を法的または私的に処理をするというふうに考えていらっしゃる方もいるようで、会社をつぶすということだけが不良債権処理ではないわけですから、それは、ちゃんと問題企業を優良企業に変えるということだって不良債権処理のうちの大変重要な施策のはずなわけですね。
 ところが、このデフレ対応策に書いてあるのは、特別検査の厳正な実施とか、あとは、RCCへの債権売却、企業再建ファンド、いずれにしても、その会社は一度は形を変えなければならないような施策しか書いてないわけですよ。そうなりますと、これはデフレ対応策にもなってないということだと思うんですね。
 結局、そうやって会社の選別というものを進めていくということだけで、ますます失業もふえる、倒産もふえるという話になっていくわけですから、不良債権処理をするということであれば、ちゃんとそれに応じた経済政策の下支えとか、あるいは産業再生のための政策というのは必ず必要になるはずなんですけれども、そういったことは全然書いてないわけですね。
 次に、このデフレ対応策の中で書いてあることで伺いますが、空売り規制ということが書いてあります。
 空売り規制が何でデフレ対応策なんですか。
柳澤国務大臣 これは、株価というものが一定の資産効果を持つ、あるいは逆に、それが逆資産効果というようなこともあるわけでございます。
 他方、空売りというのは、空売りそのものはむしろ市場のボリュームを高める等、市場の厚みを増すというプラスのことがあるんですが、この手法というのは、傾向というか、一つの性質として、やはり作為的な相場形成というものと結びつきやすい、こういうことがございます。
 そこで、今回、私どもの検査あるいは市場の監視をしている監視委員会の検査の結果、どうも空売りについてのルールというものの遵守状況が必ずしも十分でない、こういうことから今度空売りの規制をしたわけでございます。つまり、逆に言うと、規制がないときには逆に、最近においては株価を下方に押し下げる、売りですから当然そういうことが予想されるわけですが、そういうことが行われていた、しかもルール違反の形で行われていたということでありますので、そういったことの是正を行う。そういうことを念頭に置いて、今度この枠組みの中で空売りの問題を取り上げたということでございます。
中塚委員 それだったら、デフレ対策ではなくて株価対策じゃないですか。
 次に経済産業大臣に伺いますが、貸し渋り対策ということも書いてありますけれども、何で貸し渋り対策がデフレ対応策なんですか。
平沼国務大臣 今の現下の経済状況が厳しい中で、特に中小企業に対して金融機関の貸し渋りということが行われて、これが非常に大きな問題になっています。したがいまして、この貸し渋りというものを是正することによって企業が円滑に機能する、そういうことになってくればこれはデフレに対する大きな対策になる、私はこういう考え方で貸し渋りに対していろいろな方策をやらせていただいているところであります。
中塚委員 貸し渋り対策は貸し渋り対策で、別にそれはデフレ対応策でもデフレ対策でもないわけですね。中身についても、新規の立法もないし、何か要請するとかなんとかそういうことがずっと羅列してあるだけで、実効性も上がるとは思えないというふうに思います。
 次に、規制緩和、撤廃ということをさっき速水総裁もおっしゃったし、これにも書いてあるわけですけれども、規制緩和ということは確かにやらなきゃいけない課題ではありますが、これだって、要はデフレ圧力というのを伴うわけですね。
 塩川財務大臣に伺いますけれども、この規制緩和に伴うデフレ圧力というのはどういうふうにお考えですか。
塩川国務大臣 規制を緩和した方が、デフレの雰囲気を突破していくのに、開放していくのに役立つという意味において有効であると思います。
中塚委員 規制緩和をしなきゃいけないということはそれはもちろんなんですが、規制の撤廃、緩和をするということで、それまで保護されてきた人たちにとっては、やはりこれはデフレ圧力、厳しい試練に直面するということになるわけですね。だから、これをまたデフレ対応策の中に書き入れるというのは、それはやはりミスリードなんだろうというふうに思います。
 そして最後に、金融の問題にまたちょっと戻って伺いたいんですが、資本注入ということも閣僚の皆さん、また総裁の皆さんの間でも意見が分かれていると思いますけれども、資本注入が必要になるということは、前回もお話ししましたが、日本に金融危機が起こるということが大前提なわけですね、あるいは、そのおそれがあるということが大前提なわけですね。株価は一万円台を回復している。それこそ空売り規制のおかげだと思いますけれども、柳澤流に言えば、三月危機は起こらないということになるんだと思うわけですが、この金融危機の際の対応について資本注入のことばかりが言われている。
 日銀総裁も、資本注入のことについてはすごく御熱心に御発言になっておりますけれども、前回ちょっと伺いました日銀特融ということについて伺うんですが、この日銀特融の発動の条件と、あと、金融危機対応会議における資本注入ということの関係、どちらが先になるのか。資本注入というのは、それは銀行の財務内容ということなんでしょうけれども、今度、この日銀特融ということになれば流動性の問題ということになるでしょうが、危機というのがどのように起こるかということはあるにせよ、日銀特融と資本注入の関係について、そのあたりは明確に決まっているんでしょうか、日銀総裁。
速水参考人 日銀特融の発動の条件につきましては、この前も申し上げたかと思いますけれども、いわゆる四つの原則を持っている、これは極めて普遍性の高い考え方でありまして、今後とも、それ自体を見直す必要性は基本的にはないと考えております。
 それは、一つには、システミックリスクが顕現化するおそれがあること、二つ目には、日銀の資金供与が不可欠であるとみなされること、三つ目には、モラルハザード防止の観点から、関係者の責任の明確化が図られるなど適切な対策が講じられること、四つ目は、日銀自身の財務の健全性維持に配慮すること。これは、この四つの原則を今後も守っていきたいと思います。
 どういうときに日銀特融が発動されるのかということにつきましては、今度のデフレ対応策の中には一カ所書いてございまして、健全な金融機関が単なる風評によって資金繰り難に陥った場合に、日本銀行は、システミックリスクを回避するために、政府の対応のありなしにかかわらず、流動性供給の面で万全を期するといったようなことが書かれております。
 そして、私が申し上げておりますのは、今のような厳しい金融環境のもとで、すなわち、不良債権問題がいまだに深刻な状況のもとでそうしたことが起きた場合には、政府も対応するし、日本銀行も必要な対応をするということが非常に重要なことではないかというふうに思っております。
中塚委員 日本銀行の健全性に配慮する、健全性が確保される場合にのみということでおっしゃいましたけれども、そうなると、これは政府保証を付すべきなんだろうというふうに思いますが、その場合、財務大臣、政府保証はつけるというふうにお考えになっているのかということ、そして、あと、政府保証をつけるということは、これは預金を全額保護するということにつながるとも思うんですが、そこはいかがでしょうか。
塩川国務大臣 日銀が特融をされますときには、政府は、要請はいたしますけれども、政府保証はいたしません。
中塚委員 終わります。
津島委員長 これにて中塚君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉井英勝君。
吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。
 政府は、二月二十七日に、経済財政諮問会議でデフレ対応策を決定したわけですが、このデフレ対策として出したトップが「不良債権処理の促進」ということですが、しかし、この不良債権処理を進めればデフレを加速することになるということを政府はこれまで言ってきたのではありませんか。
柳澤国務大臣 不良債権を行う場合に、その処理の方法が直接償却である場合には、これはそうしたデフレ的な効果を一時持つということは否定しませんが、それ以上に、金融機関がその不良債権のくびきから解放されることによって、リスクテークをする余地がふえるということで、いわゆる金融仲介機能の向上ということを通じてデフレに対抗するそういう力を得ることができる、この両面があるということをかねて申し上げてきたというふうに承知いたしております。
吉井委員 昨年六月二十一日の骨太方針でも、不良債権処理がデフレ圧力になると言っておりましたし、柳澤大臣、今もそうですが、せんだって、二十七日にも、不良債権最終処理をする場合、いわば全体としてデフレ的効果を持つ、時系列的には、即効的な効果としては、デフレの方が先に出てくるというのが大臣のこれまでの答弁であります。
 結局、デフレ対策と言うんだけれども、本当にデフレを解消しようと思ったら、需要を伸ばすという対策をやらないことには、そして、実体経済の改善をやっていかないことには、だって、物が売れなければ中小企業にしたって投資しようということになりませんから、そうすると、幾らリスクテークだ何だといったって、肝心の借り手の方が設備投資ということになってこないわけですから、そういう点では、二月十二日の経済財政諮問会議で、デフレ問題スタディ・グループが「デフレ問題についての論点整理」という報告を出しておりますが、この中の「デフレの現状認識」の中で、注目すべきデフレの特徴の第一、バブル崩壊後の長期的な景気低迷が需給ギャップを拡大させた、これがデフレ最大の要因だと述べていますね。
 日銀が、同日、十二日に出した資料でも、我が国物価下落の背景として、景気の悪化による需要不足、需給バランスの悪化だということを書いています。
 つまり、デフレ対応策と言うんだけれども、肝心の、本当にデフレを解決するために最大の要因となっている需要不足、これに対して、個人消費を伸ばしていく対策など、こういうものは全くないわけですから、これでは幾ら柳澤大臣が不良債権の処理を促進すればデフレの対応になるんだと言ったって、実際には対策にならないということをきちんとまず認めた上での対策を考えていかなきゃいけないんじゃないですか。
柳澤国務大臣 これは吉井委員の従来からの立場、あるいは御主張というのをよく承知していますので、御主張をされるということは、まあ、私も何回もお聞きしているわけですけれども、それでは、吉井委員、不良債権の処理をしないでどんどんどんどん不良債権を金融機関の中に積み上げていって、金融機関の側に融資対応力が生じてくるというふうにお考えか、これはさすがに御否定なさるんじゃないでしょうか。
 つまり、不良債権の処理で何でもかんでもデフレがとまりますよとまでは私言うつもりはありませんけれども、不良債権の処理をすることによって、先ほども申し上げましたように、銀行のリスクテーク能力、リスクをとる力、あるいは融資姿勢というものが向上するということは、これは私どもやはり客観的な事実として存在する、このように考えて不良債権の処理をいたしているところでございます。
吉井委員 不良債権を処理するのは当たり前の話なんですよね。しかし、最終処理を加速するということでどんどんどんどんやっていくことが今問題なんですよ。それはデフレ対策になるのか。
 せんだっても、この委員会で、公聴会のときに、小野阪大教授は、不良債権を処理すればするほど倒産と失業がふえ、失業者がふえることで需要が減る、良好債権であった企業も不良債権化して、さらに不良債権がふえるというサイクルになってしまうと公述しておられます。「需要不足で不況になっているのに、需要を減らして生産性を向上させる政策をすると、これは典型的なデフレ助長政策である。」こういう指摘も小野教授はされました。
 大阪商工会議所副会頭の小池さんは、本格的な不良債権の処理に伴って本当の痛みを受けるのは、雇用の大多数を抱える中小企業とその経営者だということも公述されました。
 本当にデフレ対策ならば何をなすべきかということ、不良債権処理がデフレ対策どころか助長政策になるということを公述人の方たちはこもごも指摘しておられるんです。
 それでは、不良債権処理で、これまでやってきたわけですが、不良債権がなくなったのか、景気はよくなって、デフレ対策はこの一年間進んできたのかということを見ていくことも大事だと思うのです。
 この一年だけじゃなしに、少し、九八年ごろから見てもいいんですが、全国銀行ベースで見ても、柳澤大臣も同じ資料をお手元で見ておられると思うのですが、同じものを持っているからですが、リスク管理債権について見れば、九八年三月は二十九兆八千億、九九年三月で二十九兆六千億、〇〇年三月で三十兆四千億、昨年三月で三十二兆五千億、昨年九月には三十五兆七千億と、不良債権はふえてきているわけですね。実際には、どんどん直接償却やっているわけなんですが、新規発生が次々と生まれてくる。
 ですから、処理しても処理しても、逆に、実体経済が悪くなってくると、新規発生で不良債権はふえるわけですから、これでは、結果としてデフレを深めてきたということが事実の問題として挙げられると思うのですが、柳澤大臣、事実の問題としてはそういうことじゃないですか。
柳澤国務大臣 数字の推移は、今委員が御指摘になられたとおりでございます。
 問題はその要因でございますけれども、これには、若干検査基準が明確化と言いたいところですが、もっとわかりやすく言えば、変更になった。特に、要注意のうち要管理に分類すべき、要管理になりますとこれは不良債権、つまりリスク管理債権の仲間に入るわけですが、そこのところがかなり厳格になった。これはもう吉井委員もつとに御承知ですから、私はあえてどういうところがということまでは申しませんが、そういうことが主たる背景、理由でございまして、不良債権がどんどんふえているという今の表現に合致するような状況はない、そこまでには至っていないということを申し上げたいと思います。
 なお、私、加えてちょっと申し上げたいのは、不良債権の処理をすることだけでデフレに対抗できるなどということは考えていないということは、先ほども申したとおりでございます。これはいろいろなほかの政策と相まって、不良債権の処理による金融仲介機能の向上が、デフレの克服のためにプラスの影響を生ずるであろうと考えているということでございます。
吉井委員 債権をどのように査定していくかという議論はまた後でやるとして、要するに、これは財務省の財務総合研究所のレポートの中でも示されておりますが、デフレが過剰債務に与える影響の方がはるかに大きいため、まずデフレを解消することが過剰債務問題を解決する上で重要であることが示されたという指摘がなされております。経済が回復しないことには不良債権問題の解決というのはなかなかできない。実体経済が悪くなるたびに不良債権はふえていくわけですから。
 ですから、レポートも、不良債権の新規発生を食いとめるためには、まずデフレを解消することが最も有効であるとも書いております。不良債権処理すればデフレに進む。だから、実体経済の立て直しなしには、デフレ対策だといって不良債権処理をどんどんやれば逆のことになってくるということは、財務省のレポートの中でも指摘されているところであります。
 そこで、このデフレの原因というものについて幾つか考えていかなければいけませんが、きょうは、経済産業大臣にも来ていただいておりますので、実体経済の悪化のその一つの要因は、例えば大企業のリストラが行われる。そうすると、大企業のリストラは合成の誤謬になってくる、不況大運動を進めるのと同じだということは、かつて与謝野通産大臣も深谷通産大臣もそのことを国会でも発言しておられます。
 大体歴代の通産大臣、経済産業大臣はそういうスタンスで臨んできておられますが、不良債権最終処理の促進ということで、そこで大企業がどんどんリストラをやる、中小企業は貸しはがしに遭ったり廃業や倒産に追い込まれる、労働者は失業急増、こういう事態を加速してしまうと、デフレ対策どころか、逆にデフレを深めるということになります。
 ですから、こういうところをしっかり見据えた産業政策というものをマクロに考えて臨んでいくということをしないと、もちろんミクロにも大事な政策があるわけですが、不良債権最終処理促進だけで、リストラをどんどんやるのを野放しなどの状態では、逆にデフレを深めることになるじゃないか。そのことをやはりきちっと見据えたことを考えていかなきゃいけないと思うのですが、この点は経済産業大臣に伺っておきたいと思います。
平沼国務大臣 日本経済の悪化に伴いまして、御指摘の、大企業がリストラをする、そのことはやはり賃金の総体的な減少につながり、さらに先行きの不安を惹起して、そしてGDPの六〇%を占めている消費の縮小につながる。そのことは私は事実ある、こういうふうに認識しております。
 そこで、やはり政府といたしましても、これはもう吉井委員よく御承知のように、例えば、そういった状況に対応して、第一次補正予算で三千五百億計上いたしまして、緊急地域雇用創出特別交付金、こういうようなものを効率的にそういう歯どめとして今やらせていただいておりますし、私ども経済産業省、特に中小企業を預かる役所といたしましては、やはり経済の隅々にまで資金が行き渡るようなセーフティーネット、そして安全装置をやらなければいかぬということで、例えば政府のやっている中では、セーフティーネット貸し付けだとか保証、こういったものを見直して拡充する、こういうきめ細かい対策をやらせていただいています。
 御指摘のように、ミクロのことも大事ですけれども、中長期的にやはり産業が活性化してそれが消費の拡大に結びつく、あるいは雇用を確保するという形で、例えば新規事業を倍増していこう、こういう形で法律も出させていただきましたし、あるいは地域産業を活性化することによって、そういったデフレに対する中長期的なマクロの歯どめをしていこう、こういうことで私どもは力いっぱい今やらせていただいているということであります。
吉井委員 ですから、大企業がリストラをどんどんやりますと、これはますますデフレを加速する方向に行きますから、そこで、セーフティーネットを張る前に、何といってもリストラそのものを規制していくということをやらないことには、失業者はどんどんふえてまいります。
 それから、社会保障の改悪が次々と行われてくると、それ自体が国民の可処分所得を減らすとともに将来不安をふやしますから、これは消費マインドも冷え込んできて、ますます需要が減退する。
 やはり消費税減税など、実際に需要を喚起するというその政策を本当に進めないことには、そうしたことをきっちり進めないと、需要不足がデフレの最大の要因だということは政府の方でも指摘しているわけなんですから。ですから、これをやらないことにはだめなのに、実際にはその需要を喚起する政策は何にもない、それが今度のデフレ対応策の私は最大の問題だというふうに思います。
 次に、そういう中で信金、信組の問題。
 これがどんどん破綻させられることによって、ますます地域経済が大変になってくる。これがさらに景気を悪くし、不良債権をふやしていく、そういうマイナスの要因になっておりますが、一月二十五日に大阪の相互信金と千葉の船橋信金が破綻しました。見てみると、実は、昨年一月から四月の小泉内閣誕生まで信金、信組で破綻したのは五件なんですね。小泉内閣誕生後、ことし一月までで信金、信組の破綻は四十八件。だから、構造改革だ、不良債権処理だといって、どんどんどんどん信金、信組がつぶされてきたというのが現実の姿であり、それがまた地域経済の落ち込みというデフレスパイラルを加速するもとになっております。
 そこで、先日この委員会で、信金つぶしの例として塩川議員が紹介しましたが、「ふなしん」の場合、不動産鑑定士の評価を一〇〇%では認めずに、九〇%などどんどん評価を落として、貸倒引当金を積ませて債務超過へ追い込んだということ。しかも、あの大蔵省天下りの理事長さんは、金融庁検査マニュアルに抵抗するどころか唯々諾々として受け入れて、破綻とともに姿が見えなくなっちゃった。金融庁が選任した金融整理管財人のその補佐人には受け皿金融機関となる東京東信金、東信の職員が入る、東信の理事長が破綻した信金の破綻会見の同じ場所で即会見を行うなど、これはどう見ても金融庁が計画的に破綻させたと言われても弁解できない事実を示してまいりましたが、まず、このことを確認されたのか、大臣に伺っておきたいと思います。
柳澤国務大臣 これは、検査マニュアルにある不動産の担保評価額でございますけれども、終局的には、この処分可能見込み額というものが客観的、合理的な方法で算出されているかということを検証するということが大原則でございます。したがって、具体の不動産鑑定士による……(吉井委員「それはもうこの間言わはったから、補佐人の方を」と呼ぶ)失礼。そこのところも、非常に簡易なものもありますので、それらについてはやはり勘案した処置をとらざるを得ないということがございます。
 それから、なお、金融整理管財人の補佐人のことにつきましては、私ども早速にチェックいたしましたところ、御指摘の事実がございました。
吉井委員 事実があったということですが、同じ一月二十五日に大阪の相互信金の破綻もありましたが、ここでも不動産鑑定士の評価は一〇〇%でなく、こちらも引き下げて、そして債務超過へ追い込んでいっていたという問題もありますし、それから、金融整理管財人の補佐人にも、ここも受け皿信金の大阪信用金庫の職員がなったり、整理管財人に入った弁護士さんはこの受け皿金融機関の顧問弁護士を引き受けている事務所の同僚弁護士という問題も指摘されておりますので、私、まず調査を昨日のうちに求めておきましたので、その回答を求めたいと思います。
村田副大臣 御指摘の相互信用金庫の金融整理管財人のうち、弁護士の田中等管財人でございますが、淀屋橋合同法律事務所に所属しているわけであります。同事務所に所属する他の弁護士が相互信用金庫の受け皿金融機関であります大阪信用金庫の顧問弁護士であるということは、そのとおりでございます。
吉井委員 ですから、「ふなしん」以上にはっきりしてきたんですね。金融整理管財人が、金融庁が選任した人が、実は受け皿金融機関の顧問弁護士、確かに人と人とは別人になりますが、同じ法律事務所なんですよ。
 こういうことになってくると、同じ一月二十五日に破綻した相互信金も「ふなしん」も、金融庁が計画的に破綻に追い込んで、処理の仕方も受け皿金融機関の利益になるように思うように仕組んでいく。これはもうまさに計画的につぶしたということの証明じゃないでしょうか。これでどうしてデフレ対策になっていくんでしょうか。
 私は、ですから、この間、塩川議員の方から質問して、総理がよく調査し報告すると言った、全国五十三の破綻した信金、信組の金融整理管財人、その補佐人など管財人団の名簿というものをもう調査されたと思いますので、まずこの報告を求めたいと思います。
村田副大臣 管財人団の名簿を提出せよということでございますが、二月の二十六日の当委員会におきまして、理事会において協議をされる、こういうことでございますので、私どもといたしましては、その理事会の協議の結果に従いたい、こういうふうに考えております。
吉井委員 これはもう協議ももっと早くにやって、出せるようにするのが当たり前の話であって、だから、この信金、信組を金融庁として金融検査マニュアルに基づいてどんどんつぶしてきた。これは、昨年十二月四日の参議院財金で森金融庁長官は、ペイオフ解禁に向けてやっているんだ、翌々日の六日の日には柳澤大臣が、森長官の言ったことと基本的に同じだと思うと。
 つまり、小泉内閣は、不良債権最終処理、ペイオフ解禁対策を掲げて地域金融機関をどんどん破綻させてきたという事実があるわけですね。そして、これをやることによって地域の中小企業はますます金融が深刻になってきて、ますます倒産に追い込まれていったりして、景気を、経済を悪くしているんですよ。だから、やっていることは、デフレ対応策だと言いながら、実態としてはデフレ促進策をやっているんじゃないですか。どうですか、大臣。
柳澤国務大臣 これは私どもも、金融機関を破綻させた場合、特にそれが中小の地域の金融機関の場合に、これから融資を受けていた方々への影響ということについては、マイナスな影響は最小限にしたい、このように考えておりまして、これは吉井委員も御存じのように、私も、金融整理管財人、破綻の後に派遣される、そしてまた、当面、業務の遂行、管理に当たる金融整理管財人に対して、いわば管理中の融資の活動についてはよくよく中小企業者に配慮して行うようにという特別な留意のための連絡をさせていただく等、我々なりに努力をいたしております。
 それから、受け皿金融機関というものを早く決めて、ここからの融資が平常どおり行われるということに努めているところでございます。
 したがって、残念ながら破綻をせざるを得ない金融機関が生じるということと、その融資先が大きな影響を受けるということは、これは例の金融再生法そのものがそうしたことのないようにということででき上がってきたという、そういう精神がこの金融の破綻に伴う善後措置に流れる精神として存在しております。そのことを十分踏まえて、我々としては具体的な対処に努めているということでございます。
吉井委員 もう時間が参りましたのでこれで終わりにしますが、破綻させた上で被害を最小限にする、これは全然逆立ちしているんですよ。政策的に破綻させてきたということが大問題なんです。そのやり方というのは、デフレ対応策どころか、ますますデフレを加速させることになる、そうした誤ったやり方はやめるべきだ、このことを指摘して、時間が参りましたので、質問を終わります。
津島委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。
 次に、植田至紀君。
植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 政府のデフレ対応策について中心にお伺いするわけですが、ちょこっとだけ外務省に何点か御質問させていただきたいと思います。こちらで用意している質問はほんのちょこっとなので、あとは答弁次第でございます。
 報告書を一通り、私自身関心ありましたので、読ませていただきましたが、一つ欠落しているものがあるなと。外務省人事に国会議員が関与したかどうか、どこの報告書にもありませんよね。この点、一番基本的な問題やと私は思います。人事にかかわって恣意的な介入があるのか否か、このことを明らかにする必要がないとお考えなんですか、外務大臣。
川口国務大臣 調査報告書に人事に係る部分がないというお話でございますけれども、この調査は、予算委員会での審議を踏まえまして、まず、北方四島住民支援に係る案件に関しまして、行政機関たる外務省がどのような行動をとったか、どのような対応をとったか。二番目に、ソンドゥ・ミリウ水力発電所への円借款供与に係る特定国会議員の関与。三番目に、在京コンゴ民主共和国臨時代理大使へのIDカード発給に関する意思決定への外部の第三者の関与についての事実関係を中心として行ったものでありまして、鈴木宗男議員の外務省人事への介入の有無といった問題は、今回の調査の対象にはしなかったということでございます。
 外務省の人事異動につきましては、人事課長を中心とする人事当局が必要に応じまして省内の関係部局と調整をしました上で、任命権者たる外務大臣が発令をするということでございます。この過程で鈴木議員が、特定の職員の所属部局に対し当該職員の人事にかかわる申し入れを行うことがあったと聞いております。
 今後は、人事への不当な介入を断じて許さないように、適切に対応していきたいと考えております。
植田委員 今のお話では、鈴木宗男代議士が個々の人事にかかわっていろいろと介入をした、関与をしたということは事実として認識なされている、外務大臣としては。そういう理解でいいですね。――となりますと、それだけの答えをとるために、二十日の予算委員会で、我が先輩議員、かなり小町参考人とやりとりをされているわけですが、このときも、佐藤主任分析官について人事異動ができない理由について、継続性等の観点から重要な点があると当時の田中外務大臣に申し上げた上で、その過程で鈴木議員との関連について説明したというふうにおっしゃっておられるわけです。しかも、当時、官房長は鈴木議員の関与がなかったとは一言も言っておられないわけですから。
 これは小町さんにもお伺いしますけれども、この答弁は少なくとも、今の外務大臣の御答弁も敷衍していただいて、鈴木議員から人事にかかわる介入があった、また関与があったということをお認めになる意味で、ややオブラートに包んでお話しなさったのがこの答弁ですということですね。いいですね。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 私の今委員御指摘の答弁は、佐藤主任分析官に関しての田中大臣とのやりとりにかかわるものでございまして、その関連で私が田中大臣に申し上げたことを御紹介した次第でございます。
 今大臣がおっしゃいましたのは、人事当局が人事をやっていく過程で鈴木議員が特定の職員の所属部局に対して申し入れを行われたことがあったというふうに承知しておりますので、そういったことがないようにしていかなくてはいけない、こういうことでございます。
植田委員 この話は、そういうことがないようにこれからしたいですという一言で、ごめんで済んだら警察要らぬという話ですよね。要するに、立法府の一議員が行政府の人事に事実上影響力を行使したというのは、これは三権分立に反する問題なんですよね。
 ですから、この一件だけだったのかどうかを含めて、少なくともこの案件についても予算委員会で指摘され問題提起された問題です。少なくともこの案件について、事実調査するまでもなく、そうでしたとおっしゃる以上、具体的にほかの問題についてもそうした人事にかかわっての介入の例がなかったかどうか、真摯に今後調査する必要は私はあると思いますが、それはもうないとお考えですか。
川口国務大臣 先ほど申し上げましたことは、外務省の人事異動につきましては、これは外務省が決めて、任命権者たる外務大臣が決めて発令をするということでございます。
 申し上げましたのは、この過程で、鈴木議員が特定の職員の所属部署に対しまして申し入れを行うことがあったということを聞いたということでございまして、ですから、決めたのは外務省でございます。外務省の判断で決めているということを繰り返して申し上げさせていただきます。
植田委員 それはわかっています。それは、鈴木宗男さんの判こをぽんと押して人事を動かすわけではないでしょう。
 だから、その過程で具体的に圧力があった、介入があった等々についてどうした経過をたどっているのかということについて、事実について明らかにしてくださいよと言っているわけです。別に、外務省の人事を外務省が決めまっせという話を聞いておるわけじゃないんですから。
 だから、少なくともその点について我々が納得し得るだけきちんと調べますと言っていただければ、三分で済む話なんですよ。きのうのレクでも、三分で済みますと言っているんですから。
川口国務大臣 人事のことでございますので、そういったことについて細かい記録が省内に全部あるかどうかということについては私は承知をいたしておりませんので、まず、そういった経緯についての情報が外務省の中にどれぐらいあるかということについては、私は話は聞いてみようと思います。
植田委員 何につけても、議論する際には、事実関係が明らかで、事実認識を共有しないと議論にならないわけです。しかも、人事にかかわる基本的な問題なんですから、これをきちんとやらへんということは、外務省改革をやらないという意思表示をしたと同じやと言うても過言やないということだけ申し上げて、ちょこっと質問させていただきまして、デフレ対策の方へ移りたいと思います。
 外務大臣、あとまた両参考人、ちょっと重家さんには時間の関係でお伺いできませんで、本当に御足労いただきまして申しわけございませんでした。お三方、退席いただいて結構でございます。お手数かけました。
 さて、竹中経済財政担当大臣にお伺いしたいわけですが、今のデフレの現状認識にかかわって、既にデフレスパイラルの入り口にあるとか、もうとっくに始まっているという言説もあろうかと思いますが、この二月の十二日にまとめられた「デフレ問題についての論点整理」の中でも、「現状はデフレ・スパイラルに陥っているとは言えない。」と断言はされているわけです。
 ただ、丁寧にデフレスパイラルの定義がなされていて、「物価下落と実体経済の縮小が相互作用し、加速度的・継続的に進行する状況」という定義なら、今もうそう違うんかいなと私は思いますが、そのことはおいといて、ただ、あえてここで、ただし書きで「デフレ・スパイラルのシグナルとしてどのような経済現象に着目すべきかを、現状に即して予め検討し、事態の深刻さに応じて速やかに対応できるようにする必要があるとの見解が出された。」というふうに、恐らくこうした有力な意見が出たんでしょう。恐らくこのペーパーもそうした議論をできるだけ忠実に再現しようとしているので、わざわざこうした注意書きを出されたものと思いますが、竹中大臣自身、ではデフレスパイラルのシグナルとしての経済現象というのをどのように考えておられるのかという点から、まずお伺いしたいと思います。
竹中国務大臣 デフレスパイラルというのは、もう本当に、今御紹介くださいましたように、物価下落と実体経済の悪化が相互作用的に、加速度的に、らせん階段を滑り落ちるように生じるわけですから、一種の危機的な経済状況だと思うのですね。その危機を想定するのは非常に難しいんだという話を、たびたび総理初め我々はさせていただいておりますけれども、その意味では、こういうことが起きたらデフレスパイラルであるということは、厳密な定義としてはなかなか言えないんだと思います。
 ただ、やはり現実の目安としては、投資というのは経済の状況に合わせて非常に頻繁に変化します、まさに加速度原理に基づいて加速度的に変化するものですけれども、個人消費に関しては比較的安定した動きをするというのが通常の経済のパターンだと思います。消費が投資と同じように、非常に加速的な勢いで加速度的に変化するような場合、これはもう本当に危険な状況で、そういった投資と消費の相互作用には、これはぜひ注目しなければいけないなというふうに思っております。
 今委員御指摘くださいましたけれども、私自身は、デフレスパイラルにあるとはもちろん思っておりません。
植田委員 そこで、政府のデフレ対策は、今回、税制や財政での需要喚起であるとか、景気を直接刺激するような内容は見当たらないわけです。その点について、先ほどの質疑でも、竹中大臣の方は、今回のデフレ対応策というのは、金融政策に的を絞った、その枠組みで金融政策としてデフレ対応策どうできるかということで、そういう問題意識でこしらえたものなんだという整理がなされていたわけです。
 ただ、そこでちょっと財務大臣にもお伺いしたいところなんですが、やはり本格的なデフレ対策を実行するということであれば、需要喚起対策を具体化していくということがまず重要なポイントだろうと思うわけです。私自身、別に金融政策を否定はいたしませんが、少なくとも財政政策が両輪大きな柱としてないことには、現在加速しているところのデフレ要因というものを根絶していく、取り除いていくことはできないだろうと思うわけですが、その点の御見解はいかがでございますか。
塩川国務大臣 おっしゃるように、金融対策だけではデフレの解消はできないと思っております。そのためには、やはり総合的な対策を講じなければならぬということでございまして、よく需給ギャップ、そこからデフレが起こっている、こうおっしゃいますが、供給の面をもう少し活発化していくということがデフレ解消の一つの大きい動力になってくるということを考えております。
植田委員 それは、小泉構造改革が供給構造改革だということをせんだってもお伺いいたしましたけれども、もちろんそういうことでやっておられるんですからそういう答えが返ってくるんでしょうけれども、総合的なデフレ対策の中で、税制面からのアクションも重要だろうと思っておるわけです。
 詳しくは財務金融委員会でもいろいろ御教示いただきたいところなんですが、政府税調で六月をめどに抜本的な税制改革の議論がスタートしたわけですけれども、デフレ退治に効果があるような税制面でのアクション、その改正を待たずに、可能なものから先行実施するという発想を持って検討に入ることも一つの策ではないかというふうに私考えます。
 その点と、もう一つ、その場合、やはり個人消費の伸び悩みが不況の脱出を妨げているというのは、これは衆目の一致するところですが、消費者の懐を暖めるためには減税が先行するのが一つのポイントだろうと思うわけです。税制の中立性というものにこだわれば、かえって現状の情勢の中では税収の基盤が劣化するんじゃないか、むしろ減税先行の方が財政基盤を強化していく、財政健全化には、急がば回れといいますが、そのことの方が実は的確な政策になるんじゃないかと私は思うのですが、その二点、御見解をお伺いできますか。
塩川国務大臣 やはり税制改正ということは大きいファクターではあると私は思っておりまして、それがために政府としては、大体四月、五月に議論を始めまして、六月ごろをめどに基本方針を出したい、それを受けて具体的な対策を夏に決めていきたい、こう思っております。
 そこで、それじゃ税制改正をどこに重点を置くかということでございますけれども、いろいろな視点はありますけれども、当面考えなきゃならぬのは、やはり公平の基準を貫いていくということは税の根本でございます。これには、空洞化の是正であるとか、あるいはいろいろな雇用対策に伴うところの必要な措置というものを埋めていかなきゃならぬと思っております。そういう経済政策を重点に置いた考え方で税制の改正を考えていきたい。
 ただし、税はあくまでも国民全部に平等、公平でなきゃならぬ、この原則はやはり忘れてはいかぬと思っておりまして、夏に向けての議論を活発化していきたいと思っております。
植田委員 税の空洞化という話、今の話を伺っていると、これは塩川大臣の造語なのかなと。私もどこかで、この税の空洞化の意味するところは何なんでしょうかと聞くつもりでおったんですけれども、今の話を聞いていると、一つは、公平性が十分担保されていればどうなのかということも含めた問題意識をお持ちだろうというふうに思うわけですが、その点は、ちょっと詳しく別途聞きますわ、あと十分だそうですので、ほかの委員会もありますので。
 それで、これはあえて金融担当大臣の方にもお伺いしたいなと思っておったんですが、今回のデフレ対応策は、今まで言ってきたことをもう一回整理しただけじゃないかということがあるだろうと思いますし、株価対策としては有効だという意見はあるようですが、国内の市場関係者、また国外を含めて、すこぶる今回のデフレ対応策なるものは、非常に評価が芳しくないわけでございます。実際、例えば不良債権の処理、また特別検査の厳格化にかかわっても、これまで進めてきた政策を改めて確認をしているというところにとどまっているのではないかと思うわけです。
 というのは、例えば、金融危機を起こさないためにあらゆる手段を講じることにより、いわゆる不良債権処理問題の早期終結にめどをつけると言っておられるのですが、具体的なスキームに踏み込んでおられない等々、例えば、RCCに買取推進本部を設けるというんですけれども、それで時価の買い取りが大幅に拡大するのかという保証もない。そういう意味で、今回デフレ対応策が、本当に市場の信頼を十分に得られる問題提起と、また決意を示したものと言えるのかどうなのか非常に疑問なわけですが、その点は、金融担当大臣はどういう御所見をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
柳澤国務大臣 不良債権の処理の系統の仕事として、そんなに奇手妙手というようなものがあるという考え方には立っておりません。ですから、我々は、なすべきことをきちっとなしていくということが基本であろう、こういうように思っております。
 ただ、そういう中で、事態の推移に応じて、これはやはりもう少ししっかりした体制でなきゃいけない。例えば、RCCがこれまではどちらかというと回収ということを念頭に資産の買い入れをしてきたのに対して、今度は再生ということも考えて資産の買い取りをするということですと、やはりいろいろと、例えば一つ営業活動というようなもの、今回連絡協議会というようなものを設置しようということで、RCCの側から銀行の側に不良債権買い取りの営業活動をするというようなことを考えているわけですが、そういうことをいろいろ創意工夫をしてやっていくためには、やはり買い取りに専念する責任者を置いた本部をつくった方がいいじゃないか、こういうようなことを考えてそういう施策を盛り込んでいるわけでありまして、やるべきことをやるということの中で改善すべき点は改善するということがその文書にあらわれている、このように考えております。
植田委員 今の金融担当大臣のお話をお伺いしておりますと、金融政策の中で、特に、奇抜な政策をこのデフレ対応策で降ってわいたように提示するなんということは、なかなかしんどいよということだろうと思うわけです。とするのであれば、そもそもデフレ対応策を金融政策に収れんさせてこうしたペーパーをこしらえることの意味合い自体が、どれだけの意義を持っているのかということになってくるわけです。
 そこで、竹中経済財政担当大臣にお伺いしたいわけですが、恐らく、先ほどからの答弁でもおっしゃっておられますように、これはまあ第一歩だということでお話しされていたと思います。報道でも、今後二年間でデフレを克服していくための第一歩だというお考えを示しておられますけれども、総理自身も、これからも必要な手だてを講じるとおっしゃっていますから、これから二の矢三の矢が出てくるんだろう、もっとも、そういう小出しに二の矢三の矢ということ自体が私は疑問なわけですが、竹中大臣の所管外でも結構ですから、次に何を考えておられるのですか、どういう課題設定をされているのですか、ざっくばらんにそこは教えてください。
竹中国務大臣 ざっくばらんにという御指摘なんでありますけれども、今回の政策は、今までの御議論の中でいろいろもう要因は出てきていると思うのですが、デフレを解消するためには経済活性化という大もとがやはり必要なわけですね。そのために、第二次補正予算も御承認いただいて、今の本予算を御審議いただいている、さらには税制の改革、産業活性化戦略についての包括的な議論を今している。そこがやはりベースにあるわけですね。
 それに加えて、今度は金融で、今までここで議論した貸し渋り対策云々すべて、実はこれはすべてマネーサプライがふえるような政策なわけです。要するに、価格とマネーサプライとは、これは表裏一体、コインの両面だというのは御理解いただけると思うのですが、では、マネーサプライがふえるようにするにはどうしたらいいだろうか。これは、ハイパワードマネーを出すという意味での日銀のさらなる役割というのは大きいと思いますし、それが信用創造過程を通じて貸し付け増、マネーサプライに結びつけていくように、そのために、実は不良債権の処理をさらに加速させていただくということが必要だ。これに関しては、まさに今特別検査の結果を見て必要な措置をとるということでありますから、そこがやはり当面の大変重要な問題になるのではないでしょうか。
 さらに言えば、しかし、資産デフレというのは少し別の、資産市場の問題がありますから、それに対する対応とか、もう一つは、貸し渋り対策等々についても、これはやはりマーケットの変化を見ながら迅速に対応していく、そういったマネーサプライをふやすような政策という視点で引き続きぜひ検討していきたいというふうに思います。
植田委員 そうしますと、基本的にデフレ対策というものが金融政策を軸にこれからもいくということなんでしょうか。そういう発想なんですよね、ベースはね。ただ、恐らくそんなに奇抜なものは期待できないわけなんですけれども。
 それで、もう一つだけ聞きたいのですが、ここのデフレ対応策でも、金融危機のおそれがある場合、資本増強を含むあらゆる措置を講じると確かにおっしゃっておられます。ただ、これは恐らく公的資金の注入にも言及した脈絡だろうと思うのですが、これだったら施政方針の演説の域を出てへんのと違うのというふうに思うわけですよね。
 少なくとも、この時期にデフレ対応策というものを出して、今るる御説明いただいたような問題意識で政策を組み立てられたんであれば、少なくとも不良債権処理に伴い銀行の資本不足が明らかになれば、時期を逃さず公的資金の注入を決断するとかいうことを言わなきゃだめですし。
 もう一つ聞きますけれども、いわば注入に当たってのあらゆる選択肢を用意する。例えばそれは、予防的注入、強制注入、一斉注入等ですね。そのための法改正も含めて検討課題だよ、金融危機対応勘定の増枠も検討対象だよ、公的管理も念頭に入れますよぐらいのことを言えば、これは市場に対するアナウンス効果もあるんじゃないかと思うのです。
 今の対応策でしたら、私は、時間ありませんから、この対応策についての一つの批判的検証を十分に、先にちょこっと時間をとりましたのでその分がちょっとはしょられてしまっているのですけれども、いわば今まで言ってきたことのおさらいをさせていただいたような中身になっているという感が否めないのです。
 ですから、少なくともそれぐらいの問題提起をして議論を沸き起こすという姿勢がこの政策に見られること自体が、一つの効果を持つんじゃないかとも思うわけです。また議論もできると思うのですが、その点を最後に聞いて、おしまいにしたいと思います。
柳澤国務大臣 金融の問題は、いたずらに議論を起こすことは適当でないと考えております。
植田委員 ちょっと……。
津島委員長 植田君、時間が来ています。
植田委員 来ているのはわかっています。竹中大臣、どうですか。それだけ言うてくださいよ、竹中大臣に聞いたんですから。
津島委員長 竹中大臣、簡潔にお願いします。
竹中国務大臣 金融庁において、さまざまな観点から十分な検討がされているというふうに認識しています。
津島委員長 これにて植田君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
津島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長大竹邦実君、国税庁課税部長村上喜堂君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
津島委員長 質疑を続行いたします。
 本日の午後は、特に外務省問題について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村義雄君。
木村(義)委員 本日は、外交問題が主でございまして、外交というのは相手国との信頼、信義が一番大事ではないかな、こう思えてならないわけであります。そして、今までの日本の外交は、どちらかというと、土下座外交とか言われていまして、非常に私ども昔から切歯扼腕をしてまいったわけでございまして、総理におかれましては、胸のすくような外交をぜひしていただきたいな、そういう気持ちでいっぱいでございます。
 そういう中で、今回の調査に関してでございますけれども、昨年は、例のプール金問題というのがありまして、これは七月に調査を開始して、発表になったのが十一月三十日でありました。足かけ五カ月ぐらいかかっているのですが、今度は総理のリーダーシップによりまして、大変短い時間で調査結果の公表にこぎつけているわけでありますけれども、総理は、今回の調査結果についてどのようにお考えになっているのか、そして、十一日には証人喚問ということもございますけれども、証人喚問についてはどのような御感想をお持ちであるか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 今回のいろいろな外務省の問題につきましては、当委員会で取り上げられました案件に対しましては、できるだけ早く調査するようにということで、先日、十日以内に調査結果を出したらどうかという指示を出しました。今回、それにのっとりまして、外務省が、昨日調査結果を当委員会に提示したわけでありますので、今後この調査結果を外務省改革に参考にするように鋭意指示しているところでございます。
 また、証人喚問につきましては、当委員会で決定されたことであります。証人の意見をよく聞き、また委員としてよくただして、外務省改革に生かしていただければ幸いであると思っております。
木村(義)委員 調査結果によりますと、議員が働きかけない場合であっても、その意向を推しはかり、これを実現せざるを得ないような雰囲気が省内にあった、「こうした風土の形成に関与してきた当時の幹部職員の責任は極めて重い。」と、何か外務省内が風土病に侵されていたような、そのようなものが調査結果の中に文言としてございますけれども、このことに関しまして、総理並びに外務大臣、どのようにお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
川口国務大臣 園部参与の御印象、強く受けられた印象として、そういう雰囲気が外務省の中にあるということでございました。
 私としましては、外務省がそもそもどうしてそういうようなことになったのかということ、これはみずからの問題でございますので、きちんと受けとめて、反省すべきは反省して、今後改革を進めていく過程で、それを踏まえてきちんと改革をしていくということが大事だと思っておりまして、私は私なりに、どういうことでそういうことになったのかということを考えながら「開かれた外務省のための十の改革」の項目をつくらせていただいたところでございます。実は明朝、第一回の「変える会」の会合がございますので、そこできちんと議論をしていただき、外務省としてそれを踏まえまして改革の実行をどんどんしていくということだと考えております。
木村(義)委員 今、外務大臣から、みずからの問題だ、こういうお話がありましたけれども、ということは、外務省自身においてもまさに問題があった、こういうことで、この報告書全体のトーンは、何か外務省はあたかも被害者であるようなそういう印象を植えつけようとしている面もなきにしもあらずと考えるのでありますが、きょうのマスコミの論調なんかを見ても、果たして被害者だったんだろうか、加害者ではなかったのかというような論調も見受けられますが、このことに関しましてはどのようにお考えでございますか。
川口国務大臣 みずからの問題と申し上げましたのは、まさにそういう問題意識でございまして、この結果、外務省についてはいろいろな問題が、私は、被害者、加害者という言葉を使うのは必ずしも適切ではないと考えておりますけれども、組織としてこういう事態を招来したのは、当然外務省に責任があるわけでございまして、外務省だけではないと思いますけれども、外務省にも責任があるわけでございまして、これを今後、こういうことがないように、外務省としてはその原因をきちんと反省をして、それを踏まえて改革をする必要があるという、そういう意味でございます。そういうふうに考えております。
木村(義)委員 外務省でよくわからないことがたくさんあるんですね。組織においてもそういう問題がある。特に、この報告書の中で述べられております支援委員会というのがございますが、これは一体どのような機関なんでしょうか。支援事業において具体的にどのような役割、どのような活動をしておられるのか、まずその点、お聞かせをいただきたいと思います。
齋藤政府参考人 お答えいたします。
 支援委員会は、市場経済への移行を目指すロシア連邦を含みます旧ソ連邦諸国の改革を支援するために、日本政府と旧ソ連邦各国政府との間で締結されました支援委員会の設置に関する協定に基づきまして、平成五年一月に設置されました国際機関でございます。その事務局は東京に置かれております。実施事業は、大別いたしまして、旧ソ連邦諸国に対する技術支援及び人道支援並びに北方四島住民に対する人道支援でございます。
 次に、支援委員会の役割でございますが、北方四島住民は、もともと困難な生活環境に置かれていたわけでございますが、平成三年のソ連邦の崩壊、さらには平成六年の北海道東方沖地震の影響で、その生活は一層困難の度を増すことになったわけでございます。
 我が国といたしましては、このような状況を踏まえ、人道的観点から北方四島住民に対します支援を実施していくことが、我が国政府に対します島民の信頼感、期待感を高め、ひいては平和条約締結交渉推進のための環境整備にも資することになるという考えのもとに、平成四年一月よりこの支援を実施してきているところでございます。
 北方四島住民支援の実績値が確定しているところでは、十二年度までに、累計約八十七億八千万円を実施してきております。具体的には、食料、医薬品、燃料、はしけ、プレハブ施設、ディーゼル発電施設等を供与してきているところでございます。
木村(義)委員 今、国際機関という御答弁でございましたけれども、これは法人格はどのようなものになっておるんでございましょうか。
齋藤政府参考人 支援委員会の法人格についてのお尋ねでございますが、これは権利能力なき社団というふうに承知しております。
木村(義)委員 権利能力なき社団というのは、国際機関というよりは、むしろ民間の任意団体というような感覚でございますけれども、これは例えば銀行口座なんというのはどのような名義で開くんですか。
齋藤政府参考人 支援委員会の銀行口座につきましては、事務局長名義で口座が設けられているというふうに承知しております。
木村(義)委員 個人の名義で、百億近い資金の流れがあるということですか。それは本当にちょっと考えられないようなことでございますけれども、支援委員会の実施した事業について、経理のチェック体制というのは行われているんでしょうか。
齋藤政府参考人 支援委員会では毎年監査法人の監査を受けておりまして、当該年度の支援委員会事務局の貸借対照表、資金収支表等につきまして監査を行い、会計帳簿及び関連書類の査閲、支出項目の妥当性の検討等を実施しております。
木村(義)委員 これはあくまでも、よく同窓会で会計担当者が、会計担当者の報告を求めますというときに、ぱっと帳簿を見て、以上相違ないものと決しましたぐらいの、何かそんな会計監査でございまして、私が聞いたのは、支援委員会が実施した事業について経理のチェック体制等が行われているのかということを聞いているんです。実施した事業についてはどうなんですか。
齋藤政府参考人 平成十二年度会計検査の結果についてというのが私の手元にございますが、これによりますと、平成十二年度の監査の監査対象というものは、対象期間中の対ロシア及びその他の新独立国家諸国支援にかかわります日本政府の拠出金に関する支援委員会の資金収支について、それから人道支援事業の支出の明細について、それから技術支援事業の支出の明細について、それから北方四島住民支援事業の支出の明細について、さらに事務経費の支出の明細について、こういった項目が監査対象になっております。
木村(義)委員 ですから、その監査対象になっているというのは、実施した事業について具体的にチェックをしているんですか、例えば会計検査院のような仕組みをとられているんですかということをお聞きしているんですが、その点はいかがなんですか。
齋藤政府参考人 実施された事業は多岐多様にわたっておりますけれども、個別の事業についての監査といいますか検査というものがこの監査報告によってカバーされているかどうか、ちょっと私、詳細調べてみる必要があると思いますけれども、先ほど申し上げましたような、支出の明細についてということから判断いたしますと、個別の事業そのものについての監査、検査が国内の会計検査院による検査と同様な形でなされているということではないのかもしれません。
木村(義)委員 今の局長の話でもわかりますように、外務省として問題点が非常に多くあるなというのを今の答弁で強く感じたわけでありまして、問題は、やはり今後、今回の不祥事を機に、北方四島の支援事業のあり方も含めて、この支援委員会の役割、位置づけをどのようにしていかれるんでしょう。見直しも含めて、この辺をどのようにお考えになっているのか、御答弁をお願いします。
川口国務大臣 園部参与の調査報告書にもございましたけれども、私といたしましても、支援委員会の事業のやり方について、より透明性を与えていく必要があると考えておりまして、これについては、外務省としても、もちろん検討、改革を進めたいと思いますし、また、この内容について明日から始まる「変える会」で御議論をいただいて、制度あるいはやり方、仕組みを変えていきたいと考えております。
木村(義)委員 いつも外務大臣、透明性という言葉で逃げられますけれども、透明性だけで解決できるのかなというと、ちょっと問題じゃないかと思うんですが、次の問題に移ります。
 今度の改革の中で、不当な圧力を排除するとか、こういう点がありますけれども、何か政治が行政に口出しをするのは悪だ、やめさせよう、そういうような雰囲気が感じ取れるんですが、これはまさに外務省の焼け太りでありまして、官の暴走、外務省のそういう問題点を指摘するのが立法府のチェック・アンド・バランスの機能であります。それが大切な大切な政治の役割なんですね。
 それで、この役割の問題をすりかえて、何か一人の人に全部問題を押しつけちゃうとか、これではますます官僚のこれからの暴走、独走を許して、行政府に対する立法府のチェック機能を阻害するような、そういうことになっては私はおかしいと思うんで、この辺はむしろ、総理、どのようにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 今の御指摘に関しましては、前から私が答弁していますように、与野党を問わず、議員が役所に意見を言うのは差し支えない、その意見が適切かどうかというものはしっかりと役所として判断すべきだということを言っているわけでありまして、国会議員が、外務省を問わず、役所に口出ししてはいかぬということなどは全然言っていないということを御理解いただきたいと思います。
木村(義)委員 次に、今回、マル秘文書、いわゆる「秘 無期限」という文書が出ておりますけれども、何か外務省では秘と打つと流れてしまう、打たないとそのまま流れないというようなうわさも、うわさですよ、うわさもありますけれども、そういう秘密文書の流出について、なぜ流れるのか、この辺、どのようにして調査を進めているのか。
 それから、特に外交においては大変なんです。かつて田中外務大臣が、諸外国とのやりとりが表へ出まして、大変な騒ぎになりました。しかし、結局うやむやに終わったわけでございまして、あのときの教訓が全く生かされずにまた同じような問題が繰り返される。外務省改革、外務省改革といっても、改革じゃなくて改悪の方に行っているんじゃないか。もっとぜひしっかり取り組んでいただきたい、こう思うわけでありますけれども、こういう秘密文書が流出するような、国益を損ねるような事態に対してどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘の問題でございますけれども、私が申し上げるまでもなく、外交は信頼が基本でございまして、秘密保持の徹底の重要性につきましては、大臣みずから、「開かれた外務省のための十の改革」の中でも一つの柱として盛り込まれた次第でございます。
 そのような中で、かつ、今委員御指摘のような中で、今般御指摘のメモがどのように外部に渡ったかについては重大な関心を持っておりまして、調査を行っております。その関連で、我々としては、これから防止をどのようにしていくかということとの関係で、外務省の中の体制及びこれに関連する秘密保全規則の見直し作業を真剣に行っているところでございます。
木村(義)委員 次に移りますが、次にプール金の問題についてお聞かせをいただきたいと思うのですが、冒頭に、調査報告書というのがあるのですけれども、この中で、本年じゅう、つまりカレンダーイヤーの平成十三年中に職員などからの負担分の徴収を終わらせる、こう書いてございます。現在まで総勢何人の職員の方から幾らの還付金が集まったのか、また、OBも含めて全員がこのことに御協力をいただいているのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘のプール金の問題につきましては、昨年十一月三十日に発表いたしまして、年内にということで努力いたしました。海外からの送金もございましたので、若干時間がかかっておりますけれども、過去六年半に外務省員が使いました額として約一億六千万円、これに利息がつきますので、これがおおむね四千万円程度じゃないかと今想定をしております。この両者合わせまして二億円を返還する必要があるわけでございますけれども、これを勤務地の内外問わず外務省員に呼びかけてお願いをしたような次第でございます。今、それに見合います額が大体集計されておりますので、近日中に額を最終的に精査の上、手続をとる準備に入っております。
 それから、返還した数でございますけれども、ごく少数の、極めてごく少数の省員からまだ理解が得られていないところでございますけれども、これにつきましても引き続き努力をしているところでございます。
木村(義)委員 理解が得られていないというのはどういうことなんでしょうか。ごく少数と言いますけれども、具体的な人数もわかりませんし、理解が得られていないということは、そもそもそういうことに対して職員の中で、言ってみれば外務省改革に協力していない、こういう意味なんですか。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 改めて申し上げますけれども、非常にごく少数でございますけれども、この方々につきましては、今までプール金に関係のない部署にいたとか、そういう方が若干そういうお気持ちをお持ちになっているわけでございますけれども、先ほど繰り返し申し上げましたように、非常に少数でございますので、引き続き努力をしていきたいと思っております。
 それから、OBの方々も今一生懸命集めておられまして、間もなくこれについてもまとまる見込みでございます。
木村(義)委員 期限は年内だったんですよね。それがもう今は三月に入っている。やはり外務省職員が挙げて一人残らず、まさにみんなで返納を決めた。多くの職員が、恐らく、返された方の中には全然関係なかった方ももちろんたくさんいらっしゃったんじゃないかと思います。ですから、そこで何か外務省として一致結束がないというか、お互いが、職員相互間に信頼性がないとか、そういうもののあらわれがここへ出ているのではないかな、そういう懸念がしてならないのです。
 ところで、プール金に関して、おやめになった外務次官は、やめたにしてはまだ省内におられるということで、私も不思議だな、こう思っているんですけれども、記者会見で、プール金のようなものがないと不自由に感じるかもしれないが、仕方がないのでしばらく不自由にやってください、こう言っていると。そうすると、予算の求め方を変えるとか、新たに職員の方の弁当代等を予算要求に入れるようなことをお考えなのかと聞いたら、次官は、「そこは当分考えていない。当分の間不自由にやるということである。」こう言ったんです。
 当分の間不自由にやるということは、これは、後になったら、またほとぼりが冷めたら、もとに復帰しようとか復活させようとか、こういうことを言っておられるんじゃないか、あのひげの人だったらそういうことも考えるのかな、こう思うというのはあるんですけれども、その辺はいかがなんですか。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘の野上前次官の発言につきましては、要するに、確かにこの問題で過去に便益を受けていたという点はあるけれども、それは不適正なことであったので、これからはそういうことをなしで我慢するということを外務省に呼びかけられた次第でございます。
木村(義)委員 ニュアンスが違うんですけれども、もうそろそろ時間なので。
 最後に総理に、先般ブッシュさんがお越しになりました日米首脳会談のことについてお聞かせいただきたいのです。
 今回の日米首脳会談で、経済、金融問題については、ブッシュさんから、特に対日の、今まではよくある強力な圧力とかそういうのがなかった、まさに小泉総理との信頼関係だというお話なんでございますけれども、クリントン政権とブッシュ政権の間にそもそも根本的に両者に違いがあり、これは民主党と共和党、アメリカにおいてはコペルニクス的な転回なんですけれども、違いがあって、ブッシュ政権では経済問題等については内政干渉しない、つまり、クリントン政権とは違うんだという明確な対日政策の変更があったのではないかと考えるわけでございますけれども、総理の見解はいかがなんでしょうか。
 むしろ、それよりは、大統領は、はるかに総理にテロ対策における協力を期待している、そちらの方に重点を置いているのではないかということを感じるのですけれども、総理の率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 クリントン前大統領とは会談したことはございませんが、ブッシュ大統領は、私との最初の会談以来、ブッシュ大統領自身、日本がどのような政策をとるべきか、圧力めいたことを言うつもりはないということをはっきり明言しております。日本としては日本のためによりよい政策があるのであろうという姿勢だと私は理解しております。
 我々もアメリカ側がいろいろな意見を言う場合に、いい意見だったら取り入れる、誤解があったらばそれははっきりしていく、お互い率直に意見交換をしましょうということで今日に至っております。
 今までの会談の中においても、テロ問題のみならず、経済問題、外交問題、幅広い意見交換を率直にしておりまして、今回の訪日におきましても、テロの対策だけではございません、日本の構造改革、経済問題、金融問題、幅広い意見交換をしたわけでございます。
木村(義)委員 日本のマスコミあるいは一部の政界関係者、経済関係者は、上手に外圧を利用して、自分のところに都合のいいような政策になるような誘導をする傾向が今まで多々見られました。
 今回、ブッシュさんが、先ほど総理から御答弁いただきましたけれども、内政干渉のようなことはしないと。これは日米関係の新たな私はエポックメーキングなことだ、こう思えてならないわけでありまして、これからそういうのを前提にして、ぜひ総理が、やはり日本のアイデンティティーをしっかりと貫いてこれからの外交に当たっていただきたい。そして、国際社会から、こういう問題ではなくて、まさに信頼を取り戻していただいて、すばらしい外交を展開していただきますように、まさに先頭に立たれることを御期待を申し上げさせていただきまして、時間ですから終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
津島委員長 これにて木村君の質疑は終了いたしました。
 次に、上田清司君。
上田(清)委員 民主党の上田清司でございます。総理初め皆様、御苦労さまです。
 質問通告はしておりませんが、同僚議員からぜひ尋ねてくれというものがございましたので、川口大臣にお伺いします。
 野上前外務事務次官、そして川島元事務次官は現在どのような形で外務省で処遇されているのか、お伺いしたいと思います。できましたら、月額報酬や専用の個室があるのかないのか、小さな話で恐縮ですが、あるいは専用車がついているのかついていないのか。もし十分知らなければ、やっぱり知ってほしいと思います。どうぞお願いします。
川口国務大臣 川島元次官は、外務省をおやめになっていらっしゃいますので、全く今外にいるということでございます。
 野上前次官につきましては、ただいま官房付ということでございます。それで、官房付でございますけれども、指定職の官房付ということでございますので、外務省のルールによりまして、個室と車がついているということです。
上田(清)委員 これは総理にもお伺いしたいんですが、野上事務次官は、これは更迭じゃなかったんですか。
小泉内閣総理大臣 更迭であります。次官をやめたんです。
上田(清)委員 今お伺いしましたところ、官房付で指定職だ、多分待遇は事務次官と同じような仕組みになっているのではないかなというふうに推察いたしますが、川口大臣、今総理が更迭、つまり責任をとってやめさせたということでありますが、これは責任をとってやめさせた方の処遇なんでしょうか。
川口国務大臣 外務省の事務次官の職をやめたということでございます。
上田(清)委員 納得はいきませんが、これはちょっと事前にも通告しておりませんので、改めてまた機会がありましたら、同僚議員にやっていただきたいと思います。
 それでは、早速ですが、外務省の、大変それはそれなりに報告書として短い時間につくられたことに関しては敬意を表したいと思いますが、しかし、非常に不十分なことでありまして、今木村議員も質問の中身に触れられましたように、支援委員会というのは、私もこれ、いろいろ規則等を読みましたところ、設置目的は、いわばロシアの関連諸国、日本を除く十二カ国の市場経済への改革のために支援を行うというのが基本的な目的で、二番目に、受益国の要請主義によって支援を行う、そして、その中身については緊急人道支援があったりする場合もある、こういうふうな認識で私はこの支援委員会の中身を見たところでありますが、大臣におかれましては、このような認識でよろしいのでしょうか。
齋藤政府参考人 お答えいたします。
 一九九一年末にソ連邦が崩壊いたしまして、ロシア国内の政治、経済、社会が大きな混乱に見舞われました。もともと厳しい生活環境にございました北方四島住民の生活は、このソ連邦崩壊によりましてさらに困難を増すことになったわけでございます。我が国政府といたしましては、翌一九九二年から、四島住民の生活の困難を緩和するという人道的観点から、食料品や医薬品等の供与を開始いたしましたが、一九九三年に支援委員会が設置されましたのを受けまして、以来、支援委員会を通じる支援を実施してきたところでございます。
 九三年当初におきます支援の実績といたしましては、ディーゼル燃料ですとかプレハブ倉庫ですとか、その他食料品、医薬品、車両等について実施しておるところでございます。
上田(清)委員 今聞いたところ、要請主義という部分に関しては間違いありませんか。受益国の要請主義だというのは間違いありませんか。
齋藤政府参考人 四島支援及び支援委員会の活動の中には、その他ロシアの民主化あるいは市場経済への移行を促進するための技術支援あるいは対ロシア人道支援が含まれておりますけれども、いずれも先方のニーズを踏まえ、また先方からの要請を把握した上で実施してきているところでございます。
上田(清)委員 ちょっとずらしたような感じだけれども、要請主義だということは大丈夫ですね、間違いないことですね。余計なこと言わなくてもいいから。
齋藤政府参考人 先方の要請を受けて行ってきている次第でございます。
上田(清)委員 大臣も最小限度、今回問題になったわけですから、支援委員会の設置に関する協定、こういう文章は、斜め読みでもなされたと思います。
 一条は、「受益諸国における市場経済への移行を目指す改革を支援するための活動を行う機関として支援委員会と称する委員会を設置する。」ということで、目的そのものは、市場経済に移行する改革プログラムに対して支援をするという仕組みだということであります。
 第二条に、この目的を達成するために、相手国、つまり受益国の要請に従って検討を行う、こういう仕組みで成っているということをぜひ確認をしていただきたいと思います。
 そのような仕組みの中で、これまでに九三年以降、本当に支援委員会がその機能と目的を果たしてきたかどうか、このことについて大きな疑義があるということをこれから申し上げたいと思います。
 それでは、報告書の三ページに、真ん中当たりに「案件の選定」というのがあります。つまり、「北方四島住民支援に関する具体的な案件の選定は、」ということで、「四島側の要請に基づいて行われるものであり、四島側より明示的な文書による要請がある場合、或いは、現地調査団が四島側と意見交換している過程で選定される場合」がある、こういういろいろなケースもありますよということで、いつの間にかちょっと二条の目的からずれた雰囲気がありますが、とりあえず、事務方で結構ですが、四島側から明示的な文書で九三年以降何回あったのか、お答えしていただきたいと思います。
齋藤政府参考人 九三年以降、厳密に何回文書による要請があったかというお尋ねでございますが、ただいま手元に資料を持ち合わせておりませんので、調べた上で御連絡させていただきたいと思います。
上田(清)委員 私は、昨日のレクでこのことを申し上げておりますし、資料で間に合うようであれば出してくれということも要請しております。
 ただ、私の手元に一通しかありません。たった一通しかありません。文書では、地区のいわば町内会長みたいな方から文書で一通、電文で届いているもの、それ一通しか私には入っておりません。それ以外にないのかということを聞いているんですよ、余りにも少な過ぎるから。
齋藤政府参考人 文書による要請その他、視察団が行ったときとか、四島関係者が日本に来たときとかいうのはございますが、文書による要請は一回ならずあることは事実でございますが、厳密に何回文書での要請があるかというお尋ねでございましたので、正確には私、手元にございませんと申し上げました。
 例えば、二〇〇〇年九月に、ポトリャンという当時の地区長でございますが、この地区長から当時のロシア支援室長あてに小麦粉等の要請がなされているという文書は、私の手元にあるというわけでございます。
上田(清)委員 それが私が持っている一通なんですよ。それだけしかないんですよ。第二条に、相手国の要請についてやるということを言っているし、この報告書でも書いてあるじゃないですか、ちゃんと三ページのところに。文書で基本的に来るんだ、そこからスタートするんだ、支援事業のスタートは。どうもそうじゃないということが、今一つわかりました。
 それから、よろしいでしょうか、こういう原則に基づかない形に支援委員会がなってきているという事実が、まず一点ありました。
 同時に、お金の使い道についても、既に新聞報道でも明らかにされていますように、目的外使用について使われているという事実がある。例えば、イスラエルの会議にこの支援委員会からお金が出ている、あるいは専門家を招聘していろいろと調査をするということですが、なぜか鈴木議員が電力顧問という名前で、専門家扱いになっている。どういう専門家なのか私にはわかりませんから、二点についてお伺いしたいと思います。事務方で結構です。
齋藤政府参考人 イスラエルにおいて開かれました国際会議に支援委員会からその出席者の費用が出ていたという点と、鈴木議員が電力事情調査で四島を訪問していますけれども、電力顧問という形で行かれたときに事務局からそのお金が出ている、これはなぜだという御質問だと思います。
 まず、二〇〇〇年にイスラエルで開かれました国際会議は、ロシア情勢をめぐりまして、世界各国の有識者が意見交換を行ったものでございます。そこでの議論が、支援委員会が実施しております対ロシア技術支援の円滑、効果的な実施に有益であるとの当時の判断から、参加に要する旅費が支援委員会から支出されたものと承知しております。
 また、電力事情予備調査等のための鈴木議員の国後島、択捉島訪問につきましては、当時、鈴木北海道・沖縄開発庁長官に対しまして、支援団の顧問、これは専門家ということではございませんが、内部的に支援団の顧問ということになっていただくことを含めまして、支援委員会より特に参加を求めた経緯があると承知しておりまして、したがいまして、その旅費は同委員会が負担することとなったというふうに承知しております。
 いずれにいたしましても、お尋ねの二件につきましては、このような経緯のもとに支出されたわけでございますが、今後につきましては、支援の本来の趣旨に基づく旅費の支出が行われますよう一層注意して対応してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
上田(清)委員 趣旨に基づいていないと私は思っております。
 委員長にお願いしたいんですが、このイスラエルでの会議の会議録をすべて資料として当委員会に出していただきたいというふうに要請したいと思います。
津島委員長 理事会で協議をさせていただきます。
上田(清)委員 ありがとうございます。
 今、私は、これは目的外使用だというふうに思っております。国際機関という位置づけですから、会計検査院の検査は対象外ということですが、せっかく院長にもおいでいただいていますから、このような認識について、最小限度、参考意見を当委員会で後日で結構でございますから述べていただくようにお願いしたいと思いますが、どういうお考えでしょうか。
金子会計検査院長 今委員おっしゃられましたように、国際条約に基づいて設置された機関でありますので、会計検査院の検査対象にはなりません。
 したがって、検査対象になる国内機関ということを前提とした一般論としてお答えしたいと思いますけれども、拠出金が目的外使用か否かは、国際会議の目的、会議出席の意義等が当該機関の事務事業とどのように関係しているかなど、具体的な使用状況を見て判断されるというふうに考えております。
上田(清)委員 何かよくわかりませんでした。
 それでは、きょうのメーンであります。既に配付をさせていただきました。北方領土にかかわる質疑が平成七年五月三十一日に行われましたが、その前に、二〇〇〇年の十二月に鈴木議員が訪ロされた、ロシアを訪問された前後に、外務省の中にも俗に言う怪文書等もありましたけれども、二元外交が外務省の中で徘回しているというような中身で出ておりましたし、当時、東郷欧亜局長あたりの筋からも、歯舞、色丹両島の先行返還、こうしたニュアンスがロシア側に伝わったりして、我が国の北方領土にかかわる基本的なスタンスについて非常に揺れた、非常にわかりづらくなった時期が、二〇〇〇年の終わりから二〇〇一年の初めでありました。
 改めて総理にお伺いしたいと思いますが、北方領土にかかわる日本の基本的なスタンス、二島返還先行論とかいろいろ論ずる方もおられますが、基本的にはどういうスタンスなのか、改めてお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 この北方領土問題に関しましては、政府は一貫した方針をとっております。いわゆる四島の帰属を明確にして平和条約を締結するということであります。
上田(清)委員 基本的には理解できますが、外務大臣も間違いなくそのような認識でしょうか。
川口国務大臣 ただいま総理がおっしゃられましたように、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという一貫した方針にずっと基づいて進めております。
上田(清)委員 こちらは、今申し上げましたように、沖縄及び北方問題に関する特別委員会、このときの委員長は実は鈴木宗男議員でありました。あえて委員長を一たん辞任して、委員長代理が委員長席に着き、委員として質疑をされた。非常にこれは、日本外交史におけるいわば恥辱的な質疑に当たったんではないか、あるいは、日本の外交のターニングポイントとも言えるような貴重な、歴史的な質疑ではなかったかというふうに私は思っております。
 そこで、つらつら見ていただきましてもなかなかわかりづらいと思いますので、雑駁に1―2はどんなことが書いてあるかということを申し上げますと、サハリン沖の地震についての人道支援を河野大臣にお尋ねしたというくだりが1―2であります。
 1―3でありますが、ここのところで、下から七行目あたりから、鈴木議員は、プレハブの診療所だけでも色丹島につくらないか、こういう問いかけをされておられます。河野外務大臣は、しっかりとした見識を示されました。「あくまでも北方領土というものはロシアによって不法占拠されているところである、」その「不法占拠に、恒久的な建物等をつくってそれが恒常化するというようなことはいかがなものか」、このように答弁をされておりますが、その後、鈴木さんは同じような趣旨で、とにかくつくれ、すぐやった方がいい、こういう質問をされまして、当時の野村欧亜局長が、やはりいろいろ問題がありますからということで、大臣の指摘のとおりでありまして、「現状固定化、既成事実化ということについては」「懸念を持たざるを得ない」と否定的な発言をされました。
 しかし、しつこく鈴木議員は、倉庫をつくっているじゃないか、倉庫をつくっているんだったら診療所ができないことはないだろう、このような問いかけをさらにされまして、河野外務大臣は、若干誤解を受けやすいことで誤解をされたのか、誤解されたとは思いませんが、仮設というものですか、診療施設の整備への支援、診療所施設の整備、例えば、ロシア側が診療所をつくっているうちに緊急に病人が出た、そういうことについて例えば医者を派遣するとか、そういう支援であれば、「我が国の基本的立場を害さないという限度内であるという判断ができれば、」これはできる、こういう趣旨で河野外務大臣は発言されたのではないか。その理由は、その後段の部分で、「診療所というと、それは倉庫のようなわけにはいかない。」こう言って改めて否定されておりますので、まさに、つくるというよりは、整備をされている周辺の領域であるいは可能なことがあるかもしれないということを言っただけだと理解しております。
 ところが、鈴木議員は突然、「仮設の診療所の支援はできるということでよろしいのですね。」という全く反対のことを質疑されていまして、さすがに野村欧亜局長も、また同じように、違うと。要するに、仮設診療所の設備への支援といったことでございますれば、「支援のあり方について検討を行うことは可能である」と。要するに議論すること自体は問題じゃないといった程度なんですが、野村さんの後に、いつの間にか鈴木さんは、「大臣、仮設の診療所をつくることは人道的にもこれは問題はないという答弁をいただきました。」こういう、今総理も笑っておられますけれども、普通の人が聞けば笑いたくなるような。問題なのは、この後すぐ、外務大臣も余り否定しなかった。そんなこと言っていませんと言えばいいのに、知らぬ顔しているから後で問題になってくるんですが。
 1―6にも、そういう鈴木議員流の、大臣が反対の答弁をしているにもかかわらず、すぐつくれ、こういう話をしておりまして、まさしく、北方領土問題にかかわる我が国の基本的なスタンス、四島の帰属をきちっと我が日本として明らかにしてから返還あるいはその他のことが行われるんだという立場を貫いておるわけですが、この間に鈴木さんが誘導質問をしながら、しかし大臣はひっかからずに二回否定し、野村欧亜局長が三回否定し、しかし鈴木さんは三回畳みかけて、最後は勝手に問題なしにしてしまった。
 こういう議論でありますが、実は、支援委員会のそれから先の建物がつくられていく過程は、このときから始まったんですよ、総理、外務大臣。それまでは食料品や医療品で、先ほど申し上げた、この九三年につくられた支援委員会の設置に関する協定のとおりちゃんとやっていたんですよ、九五年のこの質疑の前までは。この質疑の後、外務大臣が嫌だ、欧亜局長が嫌だと言っているのに、最高決定者が嫌だと言っているのに、いつの間にか、この支援委員会は勝手に建物をつくり始めたんですよ。それがどういう我が国にとって利敵行為になるかというのがわからなかったのかということを私は強く申し上げたいんですが、これは利敵行為じゃないんでしょうか、総理。
小泉内閣総理大臣 今の御指摘の問題については、よく調査する必要があると思います。
上田(清)委員 まあ現段階では、総理の答弁としてやむを得ないかなという部分もあります。しかし、物事の考え方として理解していただける部分は、私ははっきりこの際、総理に聞いていただきたいんですが、どのような名目であれ、我が国が主体になって、我が北方領土に固定的なさまざまな建物をロシアがつくる、これに全面的に資金援助をしていることが正しいことかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 支援の方法あるいは形というのはいろいろあると思いますが、どのような支援を要請してくるか、当該国、当事国とのいろいろな政府機関を通じて交渉する必要があると思いまして、今、この問題につきまして、どういう事情でなされているかということについては、具体案件については私自身、知識はありませんが、やはり当該政府とのきちんとした交渉が必要だと思っております。
上田(清)委員 これは正式に残された議事録の写しでありまして、河野外務大臣は、不法占拠になっている我が国の固有の領土にロシア側がつくる建物等に支援をするというのは、まさにこの不法占拠を固定化し、恒常化し、長期化させることであるという、私は正しい認識を持っていると思います。この考え方は、外務大臣、継続されているんですか、それとも継続されていないんですか。
川口国務大臣 この答弁の随所で人道的かつ緊急にということが書かれておりますけれども、そういう考え方に基づいて今支援が行われていると承知をいたしております。
上田(清)委員 大臣、違うということを言っているんですよ。河野外務大臣はそういうことを言ってないんですよ。食料だとか、それだったらいい、仮設の倉庫まではいい、しかしそこから先はだめだよということを言っているんですよ。
 この考え方に立ってなされているのか、それとも、人道支援だったら、病院つくろうと友好の家つくろうと発電所つくろうと、何でも構わないのかということを聞いているんですよ。
齋藤政府参考人 色丹島に対しますプレハブの仮設診療所の建設の件でございますが、この案件は、平成六年の北海道東方沖地震の結果、色丹島住民が既存の医療施設を失いまして、十分な診療所施設等の再建のめどが立っていなかったという事情を踏まえまして、緊急かつ人道的観点から行ったものであるというふうに承知しております。
上田(清)委員 そうすると、外務大臣が嫌だと言って、当時の欧亜局長が嫌だと言ったことを外務省はやるということですか、外務大臣。これは大臣じゃないとだめですよ。
川口国務大臣 先ほど申し上げましたように、北方四島の支援あるいはロシアに対する技術支援、中でも、北方四島に対する支援は人道的に必要であって、かつ緊急を要するものという考え方に基づいて行われていると思いますし、行うべきであると思っております。
上田(清)委員 大臣、あなたにはこれが読めないんですか。河野外務大臣はそう言っていないじゃないですか。気持ちはよくわかると。診療所が壊れた、気持ちはよくわかる、その周辺のことだったらちょっとは可能かもしれない、しかし建物はだめですよと言っているじゃないですか。
 あなたは外務大臣でしょう。継続しているんですよ、行政は。いつ変わったんですか、方針が。では、変わった時期を言ってください。
齋藤政府参考人 北方四島住民に対します支援がロシアによる北方領土の不法占拠を助長し、その固定化、既成事実化に通ずる可能性があるものなどにつきましては、北方領土問題に対します我が国の基本的立場を損なうような可能性のものについて支援を行わないとの我が国の立場は変わっておりません。
 ただし、先ほど申し上げましたように、平成六年の北海道東方沖地震を踏まえまして、緊急的かつ人道的観点から、診療所、これはまさに固定化、既成事実化に通じないようにということでプレハブの仮設診療所の建設をいたした、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
上田(清)委員 答弁が違うじゃないですか。外務大臣はそう言っていないじゃないですか。これ、ちょっと出てください。答えになっていないですよ。全然違うじゃないですか。
 河野外務大臣は、今あなたが説明したとおり、地震があっていろいろある、だから鈴木議員が支援をしろと、人道的な支援はもう既にやっていますよ、やっているけれども、恒久的なものをつくったり恒常的なものになれば、それはプレハブ診療所とはいえ、我が国の基本的な立場を損なうんだ、そう言っているじゃないですか。だからだめだと言っているじゃないですか。
 どこでいいという話になるんですか。では、これが間違っているんですか。大臣、答えてくださいよ。
川口国務大臣 考え方といたしまして、その案件が緊急かつ人道的な観点から必要なものであるということが、それを踏まえて考えるということだと考えております。
上田(清)委員 いいですか、大臣。今総理が、これは極めて重要な指摘だ、調査もしなきゃならぬと言っておられるのに、何で大臣、総理大臣の言っていることと違うようなことを言うのですか。
小泉内閣総理大臣 それはよく調査する必要がありますが、河野大臣の答弁を今読みました。「緊急かつ人道上必要なものだという意味で、仮設のといいますか、診療施設の整備への支援といったことであれば、我が国の基本的立場を害さないという限度内であるという判断ができれば、これはできるだけ早くやりたいと思っております。」
 私は、支援の方法、どういうものを支援するかというのはいろいろあると思います。しかし、それが我が国の基本的姿勢を害さないという立場だったら考えてもいいという答弁だと認識しております。
上田(清)委員 総理、その下を読んでください。その後が続いているんです、ちゃんと。とはいってもいかがなものかと言っているんですよ。
 だから、整備の周辺に関して支援は考えられないことはないでしょう。先ほど私が言ったような例になるかもしれません。くぎ一本足りないから貸してくれとか、そういうのはあるかもしれない。私はそんなふうに理解しているんですよ。
 一貫して、これは非常に懸念がある。したがって、当時の野村欧亜局長も、畳みかけても畳みかけても、苦しいながらも最後まで頑張って、ある程度具体的に検討しなきゃならないとか、支援のあり方について検討することは可能だと。だから、どういう検討があるかということをこれから議論しましょうという話をしているんですよ。
 ところが総理、二カ月もたたないうちに、これは五月の三十一日ですよ、もう七月の二十四日には公告しているんですよ。工事の募集をしているんですよ、つくりますといって。何を考えているんだ。こんなとろい役所が、わずか四十日、五十日でもう公告を出すというのだから。
 大臣に聞きましょう。この議論をしていては切りがないからいいですよ。総理にもよく聞いてもらいたいと思いますけれども、では何で七月二十四日にこの診療所をつくる公告をしたんですか。どういう検討をされたんですか、この四十日、五十日の間に。
齋藤政府参考人 私が承知しているところによりますと、平成七年の七月初めに人道支援物資輸送の際に、島側からプレハブの仮設診療所をつくってほしいという要請が参ったということでございまして、その結果を踏まえまして、先ほどの七年七月二十四日に入札公告をいたした、こういうふうに承知しております。
上田(清)委員 もう最初に申し上げましたように、この案件は、この支援委員会の設置に関する協定そのものから違反なんですよ。箱物をつくることなんか何も考えていない、要請主義なんですよ。文書でも要請がなかった。困っているかもしれないという鈴木議員の報告をあなたたちが受けて、それで事実上やったんじゃないんですか。この質疑の後に鈴木代議士から呼ばれて、いろいろな話をしたでしょう。そのときのメモを出してくださいよ。
 委員長、今申し上げましたことについて要請をしたいと思います。
津島委員長 理事会で協議をさせていただきます。
上田(清)委員 まず、支援委員会の基本的な協定について違反をしているというこのことが明らかになっておりますし、それから、本当に、この平成七年五月三十一日というのは、我が国の北方領土問題にかかわる政府の基本的な政策を一部の議員の質疑によってねじ曲げられた日ですよ。
 これは考え方がいろいろあるでしょう。しかし、いろいろな考え方がありますけれども、少なくとも私は、河野大臣がこのとき言った言葉は正しいと思います。悩ましい、支援をしなきゃならぬ、しかし固定化したものをつくってあげるのはいかがなものか、こういう認識が基本的に正しいわけでありまして、全外務省の基本的な認識だったと思いますし、これはいわば利敵行為だと私は思いますから、こういうので法律がないのかなと思っていろいろ探しました。
 自由民主党のスパイ防止法案のパンフレットなのですが、その一部ですが、各国ではこういうことをどうしているのだろうと見ましたら、アメリカなんか死刑ですよ、売国的行為ということで。各国も十五年から二十年ですよ。そういう行為に匹敵する。もう読み上げませんけれども、時間がもったいないから。ぜひ機会があったら、自由民主党のスパイ防止法案というパンフレットがありますから、中身はともかく、各国の紹介については非常に簡潔に紹介してあります。
 これは看過できない大変な議論だと私は思っておりますので、総理もこれをもう一回熟読されて、大臣、あなたも熟読されてくださいよ。違うことをやったのですよ、この答弁と違うことを現実に役所の皆さんが。
 では、支援委員会でどういう議論をしたのか、この診療所をつくるときに。どういう要請があり、どういうメンバーが集まって、どういう決定をしたのか、齋藤さん、言ってください。
齋藤政府参考人 先ほど御説明申し上げましたとおり、この案件につきましての島側からの要請は、人道支援物資輸送の際に島を訪れた関係者に対してあったということでございますが、それを受けまして、内部での手続等につきましては、ただいま持ち合わせておりませんので、また調査の上、御報告したいと思います。
上田(清)委員 関係者とはだれですか。質問に答えてないじゃないですか。局長、質問に答えてないの。この支援委員会の協定書に書いてあるじゃないですか。十三カ国が署名したのですよ、日本も含めて。少なくとも、中身はともかく、皆さんの仕事は、法律を遵守し、決まったことを法令に従ってきちっとやるのがあなた方の仕事じゃないですか。だから私は聞いているのですよ、どんな会議をしてどういうふうにして決めたのか、わずか四十日で。大臣はいかがなものかと言っている。欧亜局長は検討することは可能かもしれない、これからの議論が要りますねと言うのに、どうして決まるのですか。だから、きちんと答えてくださいよ。
齋藤政府参考人 どういう関係者がどういう検討をしたかというお尋ねでございますが、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、調べたいと思います。(発言する者あり)
津島委員長 上田君、上田君、質問をしてください。質問の形で要求をしてください。(発言する者あり)
 それでは、速記をとめて。
    〔速記中止〕
津島委員長 それでは、速記を起こして。
 上田清司君。
上田(清)委員 では、急いでファクスで、国会連絡室を通じて取り寄せてください。あるんだから。今は待ってろという指示もありますけれども、関連する質問を続けますから。優しいですから、私。大丈夫ね、持ってきてくれますね。――はい。確認してください、委員長。
津島委員長 齋藤欧州局長。
齋藤政府参考人 九五年の時点でどのような要請がなされたかということは、さらに調査した上で御報告させていただきたいと思います。
上田(清)委員 これは調査じゃないんですよ。
 少なくとも五億円からの金が支出されているんですよ、日本のお金が。要請があったのかなかったのかもよくわからないわけですよ。しかも、この問題は、委員会の質疑で、外務大臣は嫌よ嫌よと言っている、欧亜局長も嫌よ嫌よと言っている。ところが、二カ月後にもう工事の募集をしているんですよ。だから、どういう議論があったのかということを明確に答えなければおかしいじゃないですか。
 調査をするような話じゃありませんし、私はきのう、ちゃんと九三年から九五年までのこの間のことについて資料をくれと言ったら、一枚しか来ないし。具体的に来ていないんですよ。だから、間に合わないんだったら間に合わないでいいんですけれども、私の質問の中身はわかっているんだから答えればいいんですよ。
 じゃないと、協定違反だし、しかも委員会の質疑の中身をねじ曲げた話ですから、なぜねじ曲げることができたのか、その議論をきちっと説明してくださいと言っているんですよ。わかるでしょう、言っていることが。
津島委員長 齋藤欧州局長、きちっと答えてください。
齋藤政府参考人 九五年の夏に要請に接したということでございますが、その九五年の夏の要請に接しまして供与に至るまでの経緯について、手元にございませんので、調べさせて、御報告させていただきたいというふうに思うわけでございます。(発言する者あり)
津島委員長 それじゃ、速記とめて。
    〔速記中止〕
津島委員長 それじゃ、速記を起こして。
 上田清司君。
上田(清)委員 三つだけ確認をさせてください。五時までに出すということであります。
 何よりもここでのポイントは、わざわざ、沖特の、沖縄北方領土特別委員会の委員長である鈴木宗男代議士が委員になってまで質問をして、大臣も欧亜局長も、恒久的な施設につながるものはいかがなものかと。仮設プレハブ、プレハブといっても、すぐ工事が終わる、解体することが前提になっている施設とプレハブ住宅があるんです、現実に。私の事務所もプレハブですが、二十年だって三十年だってもつんです。そういうプレハブと、工事のために解体するプレハブとは中身が違うんだ、そういうことを河野大臣も欧亜局長も言っているんです。しかし、その周辺に関して、いささかでも支援できることがあれば検討が可能だということをちゃんと言っているんですよ、野村さんは。だから、そういう検討はどんな形でしたんだということをここでは問うているわけですよ。
 つまり、この支援委員会の支援の中身が、九三年から九五年を境に変わったんですよ。それまでは食料品だとか医療品、それから解体することが前提になっているプレハブの倉庫。ところが、九五年から、診療所をつくり、教室をつくり、そしてまた国後、択捉にはプレハブの診療所をつくり、それからまたディーゼルの発電所をつくるという状況になってきているわけですよ。これによってまた予算の規模も、当時は一億だ、四億だといったのが、三十億、二十七億といって、ことごとく数字が上がっていっている。
 あくまで、むしろどちらかといえば、北方領土を不法占拠する者を肯定化するがごとき状況になりつつあるということを私は指摘しているんですよ。そういうターニングポイントになったんだから、そのときの議論は一体どうだったんだということを、この協定書に従って、これは国際条約だからね。あなた方は何を考えているか知らないが、国際機関であり国際条約なんだ、協定は。だから、何よりも遵守しなくちゃいけないんですよ。十三カ国、日本も含めてあるんだって。その議論が全然されていない可能性があるんじゃないですか。だから答えられないんでしょう。議論がされていれば答えられますよ、口頭でだって、資料がなくたって。まあいいでしょう。とにかく五時までに出すということですから、ないならないでも構いません。
 それで、これは大事なところなんです。この支援委員会の組織、中身、事務局、一体どうなっているんだ。こんなことがわからない状態になっているぐらいですから、構成メンバーはどうなっていますか。大臣、わかりますか。用意してあるでしょう。
齋藤政府参考人 支援委員会は、発足当初、旧ソ連十二カ国及び我が国より構成されておりましたが、その後、ロシア及びベラルーシを除く協定締約国がODA対象国に移行しましたために、現在の対象国は事実上ロシア及びベラルーシのみとなっております。ロシア側の政府代表は、平成九年九月にロシアが行った省庁再編の結果、空席となっておりまして、これ以降、現在までのところ、ロシアからもベラルーシからも支援委員会に対する自国政府の任命につき通報は得られておりません。したがいまして、両国に対する支援は、外務省を初めとするそれぞれの政府機関を窓口として行っているところでございます。
 支援委員会の国際会議につきましては、支援委員会の会合をいかなる頻度で開くかについて、協定上規定は設けられておりませんけれども、日本国政府代表たるロシア支援室長がロシアに出張した際等に、ロシア側代表との間で適宜協議し、意思決定を行っております。例えば、平成七年七月に、日本国政府代表とジューコフ・ロシア政府代表との間でモスクワにおいて行われ、日本センターの活動状況や色丹島プレハブ診療所の設置等の人道支援案件について協議が行われた次第でございます。
上田(清)委員 委員の皆さんも、皆さん聞かれたでしょう。これは十三カ国で始まったんですが、いつの間にか他の十カ国は抜けて、ロシアとベラルーシだけが対象国で、この三カ国で構成されているんですが、ベラルーシもロシアも代表者がいない、今日まで。
 したがって、要請もないんです。要請もないから勝手気ままにつくれる、こういう話でありまして、だから、勝手気ままにつくったんだったら、勝手気ままにつくっても構わないけれども、どういう議論でつくったかという資料を出せと言っているんですよ。実質的に何にもやっていないということでしょう。会議はやっていない。何か、例えばと言っているんですけれども、平成七年七月に、日本国政府代表とロシアの政府代表と一回話したことがある、それだけの話じゃないですか。それ以外にもいっぱいあるんだったら出してくださいよ。
 大体、いつの間にか協定違反、いつの間にか日本の基本的な、外務大臣あるいは日本の外交の立場を逸脱してしまっている、こんな組織なんというのはあり得ない。
 しかも、構成メンバー、事務局だっておかしい。もう細かい話を指摘すればあれですけれども、この構成メンバーに、あなたたちがコンサルタント業の契約したメンバーが入っているじゃないですか。こんなでたらめがあるかというんですよ。いいですか。それでは何でも漏れちゃうじゃないか。パシフィックコンサルタンツインターナショナル、前歴がこういう人が入っているじゃないか、事務局の中に。契約しているじゃないか、ここと。こういういいかげんなことばかりやっている支援委員会なんですよ、これは。もうこれは廃止ですよ、本当に。即廃止。
 残った時間を、川口大臣、こんないいかげんなものはないですよ。日本は毅然とした先進国、本当に世界に援助を与える最大の供与国なんですよ。そういう国にもかかわらず、こんなでたらめやっているんですよ。協定書を結んだ。そして、要請主義だ。いつの間にか要請する国々はいなくなっている。残った国の代表者もいない。しかし、予算だけは水膨れでふえていっている。会計検査院の検査もなし。そして、議論をした形跡すらもない。それで、どんどん北方領土が、不法占拠が固定化されている。何一ついいことないじゃないですか。だれかだけがいいことしているんじゃないですか。そういう話になってしまいますよ。
 外務大臣、私、後で十五分間だけお時間いただいていますから、五時に報告を聞いて質疑させていただきますが、どう思いますか、今の話聞いて。うそでも何でもないでしょう、本当の話をしているんですから。
川口国務大臣 北方四島の支援あるいはロシアの市場化経済へ移行への支援、それぞれ重要な支援だというふうに私は思っております。ただ、今のお話でございますけれども、やり方についてはいろいろ改めるべき点が非常にあると思います。
 いずれにいたしましても、調査の上、新しい、どういうような枠組みがいいのかということは、「変える会」の議論も含めまして考えたいと思っております。
上田(清)委員 それでは、最後に確認をさせていただきます。
 とにかく、この支援事業は九五年から中身が変わりました。それまでは衣料品や食料品や、そして畳むことを前提、つまり解体することを前提にしている倉庫なんです。そこから先は恒久化しているんです、中身が。そういう中身が変わった。しかも、偶然なのかあるいは意図的なのか、沖縄北方領土特別委員長が委員会で質疑をして、大臣や欧亜局長が嫌だ嫌だというのに、いつの間にか、問題ないんですねなんといって勝手に決めちゃって、その後二カ月もたたないうちに実際の受注を公告するという形になっている、そして二十日後ぐらいには入札をやっている、そしてその年のうちにもうつくっちゃったという、こういうスピーディーな、大変スピーディーですね、悪いことだけはスピーディーにやって、いいことはゆっくりやるという、そういう形ですが、このときの九五年のこの会議録を、どういう決定をしたのか、会議録を明らかにしてください。どのような人たちがどういう発言をし、どういう決定をしたのか、そして、九六年も九七年もどういうきちんとした議論をしたのか、それを出してください。
 以上です。
津島委員長 上田君の残余の質疑時間は保留することといたします。
 次に、原口一博君。
原口委員 民主党の原口一博でございます。
 外務省問題について、総理並びに関係大臣にお伺いします。
 まず、冒頭、総理にお伺いをいたしますが、先日、四島一括返還運動の皆さんが、総理が大変前向きのお言葉をかけていただいたということで、非常に喜んでいらっしゃいました。しかし、実態は、今、上田議員が指摘をしたような形でございます。
 委員長、お許しをいただいて、二種類の資料を皆さんのお手元にお配りさせていただきたいと思います。
 一種類目は、まさに先ほど総理がお話しになったところにこの問題の本質がございまして、政府を通して要請が来てないんです。要請が来ているのは一個だけ。あとは、皆さんのお手元に今お配りをした、こういう、南クリルの地区長V・A・ゼーマさんから、「親愛なる鈴木様」という形で、この紙がまさに要請文なんです。まず、これを読んでみます。
 一九九八年の十一月二日、「色丹島における学校や診療所の建設」、「国後島における桟橋補修工事及び自航式艀の供与」、さらに「二台のディーゼル発電機も、両国間及び両国民間の強固な友好の目に見える証となることでしょう。」
 一九九九年、「尊敬する鈴木さん」、「この冬両島が闇と寒さに包まれてしまった時のディーゼル燃料四百トンという形の日本の時宜を得た支援を忘れることはできません。加えて二千トンの人道支援のディーゼル燃料が我が地区に届き始めました。鈴木さん、まさに貴方が南クリルの人々を気遣って下さっているのだという証は少なくありません。」
 次、「ディーゼル燃料の供与という形で人道支援を行っていただいたことにつきまして」云々。
 その次は、まさに今度は、「ラジオ放送のための設備及び機材を人道支援として国後島に供与していただくようお願い致します。超短波」云々。
 まさに、総理、こういう形で人道支援が私物化されているんです。
 要請を、さっき総理がおっしゃったように政府同士でやって、それが予算という形になるんだったら私たちもそれは納得するでしょう。しかし、こういう形で行われてきた。だから、外務省の調査報告、私は、川口外務大臣、コンゴの問題についても誠意を持って調べていただいたことをここで感謝を申し上げます。しかし、十日の中であらわれてきたことは、まさに一部であった。そして、この我が国固有の領土、北方四島の主権がまさに脅かされ、私たちの税金が私されていた。こういう実態を総理も少しかいま見られたのじゃないかと思いますが、このことについて、まず、今回の調査、総理は外務省に指示したとおっしゃっていますが、やはり外務省のこの報告については、一方の私たちの疑惑の当事者であります経済協力局が聞き取りをする、あるいは、今齋藤局長がお話をされましたけれども、まさに人道支援、北方四島の支援室がやる。そこから聞いていても、実態わからないんです。
 総理に、徹底究明、そしてこれは第三者機関を入れて、私たち、委員長にもお願いをしますが、このことは国会を挙げて調査をしていかないと明らかにならないぐらい根の深いことだと思いますが、総理、しっかり第三者機関を入れて、また官邸みずからが調査をされる。私は、外務大臣がされた調査については一定の評価をしています。ありがたいと思っています。この十日間で出てきたものについても、いいものもいっぱい出てきました。しかし、それはやはりお手盛り。そして、今質疑の中で明らかになったようなこういうことについては何も触れられていない。ぜひ、官邸みずからが調査をされる、徹底的に国民に対して説明責任を果たす、この決意を総理にまずお伺いをしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 外務省として調査した結果を今当委員会でいろいろ質疑をする、そこに今後の外務省改革なり日本外交に対するあり方を政府で真剣に取り組む、これが大変有意義であり、必要なことだと思っております。
原口委員 私は、もう今の間の質問だけ、やりとり聞いていてもまだ矛盾が出てきたわけですから、ぜひ、さらに踏み込んだ調査を強く要請するものであります。
 総理は、二月の四日の本委員会の質疑に、私の質問に対して、変な議員が変な働きかけとおっしゃっていましたけれども、今回の外務省の調査を見ると、後でまた具体的にお話をしますが、鈴木議員の個別企業等に関する働きかけは、何もこの外務省だけではなかったんではないか、他の省庁にも深く及んでいて、そしてその応接録があるはずだ。
 刑事訴訟法の二百三十九条、これは公務員の告発義務を課したものでございます。なぜ、かくも大事な資料が今までマル秘の中で眠ってきたのか、我が国の主権を侵すような事態が見過ごされてきたのか、そのことについてしっかりと国会の立場から明らかにするためには、やはり全省庁を統括する総理のお立場として、鈴木議員の働きかけ、少なくとも過去三年間に、役所にはマル政と言われる政治家から働きかけられた記録が残っているはずです、このことについて精査を全省庁すべきだというふうに思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
小泉内閣総理大臣 具体的な問題があれば、それはきちんと調査すべきものだと思います。
原口委員 具体的な問題が、例えば防衛施設庁からも出てきています、あるいは扇国土交通大臣のところからも出てきています。
 先日報道されたところによると、ここにおいでのある議員の選挙、この選挙で、目の前で、自民党を落とした、そこの代議士がいるところにはそういう施設の予算はつくっちゃいかぬ。これはまさに予算の私物化であり、国益の私物化であると言わざるを得ません。
 私は、先ほど上田議員がお話をした、この一九九五年が、まさに北方四島の、私たちの未来にとって大きな影を投げかけるその日だったということを指摘して、ディーゼル発電施設の問題について少しただしてみたいと思います。
 委員長、パネルをお許しください。
津島委員長 どうぞ。
原口委員 これが、国後、色丹、択捉、いわゆるムネ電と言われているものでございまして、色丹島の穴澗につくられたこれは、人口が二千人であるにもかかわらず、十四億を超える電力施設でございます。じゃ、色丹島に電力施設がなかったかというと、あるんです。そこの機械を変えればできる。しかし、こういうものをおつくりになっています。
 そして、私が調べたところでは、一般競争入札がこの四島についてはなされていますが、ここでも、消費税を上乗せをして、そして消費税分余計にこの受注者にお支払いになっています。全部が三井物産です。
 そして、今お見せしたこの施設、色丹島の施設は、結果的には、伊藤忠商事が一番安い札を入れたにもかかわらず、二番目に安い三井物産が応札をしている。とても不思議なことが起こっている。
 しかも、この入札の経過を見てみますと、入札の説明会をしますという公示をしてから二日後に入札説明会をして、そこに来ない人は入札資格がありませんということまで言っている。そして、北海道東部に特段の知識がある人でないとここには入札できませんという限定をかけている。まさに、不透明そのものの入札が行われています。
 しかし、私は、ここにとどまらず、もう片方の資料を皆さんに、総理にもごらんいただきたいと思うのですが、この資料の七をごらんになってください。いわゆるこのムネ電の入札参加資格審査書類提出者、この一のところをごらんになってください。住友商事、兼松、三井物産、この三社がそれぞれ、ユアテック、新潟鉄工所、ダイハツディーゼル、北海電気工事というところと組んで、グループになって入札をしています。ちょうど上のところですね。
 しかし、ここで皆さん、不思議なことにお気づきになるんじゃないでしょうか。住友商事と兼松の間には同じ会社が入っているんです。兼松と三井物産の間には同じ会社が、ダイハツディーゼルが入っています。つまり、AイコールB、BイコールC、CイコールA、すべてのグループがお互いの入札価格というのはわかるんです。こんな入札があるでしょうか。そして、政治資金収支報告を見ると、しっかりと献金をなさっています。
 私は、今回外務省がお調べになった資料はとっても一面的である。このムネ電については何の問題もなかった、問題は見当たらなかったということですが、外務大臣、お伺いしますが、こういう入札の仕方、消費税も上乗せされています、そしてお互いがお互いの入札価格を知り得るような入札、私は、税の公平性、そして国民の信頼を大きく裏切る、まさに談合もここまで来ると、何といっていいのか……(発言する者あり)堂々とし過ぎという話はありますけれども、ひど過ぎる、こんなことがあっていいんだろうかということを思うんですが、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
川口国務大臣 今回の調査につきましては、行政機関である外務省がどのような対応を行ったかという事実関係についての調査でございますので、入札の実際についての調査ではございませんということで、その点についてはよくわかりません。
 それから消費税の件でございますけれども、これは支援委員会の事務局が、国内企業との契約である以上当然消費税を支払うべきものであるというふうに理解をして、契約を行ってきたということであったようでございます。
 今後の対応につきましては、支援委員会の事務局は、返還請求を行う可能性も含めまして調査検討をすることといたしておりますので、外務省といたしまして適切に対応いたしたいと考えております。
原口委員 外務大臣、やはりこれはとても問題だと思います。勝負のときには赤い服を着られるということで、きょうは青い服ですね。私は、きょうは赤い服じゃないかと思って、赤いネクタイをしてきたんですが、やはり国会で闘うよりも外務省の中で闘うことが多いんだな、その青いきれいな服を見て、そう思います。
 財務大臣にお伺いしますが、北方四島のこういう入札、こんなこと、許されますか。そして、財務大臣として、北方人道支援事業やODA予算の執行にこういう疑惑が持たれるようなことがあっていいと思っていらっしゃるのか。また、この消費税が必要ないにもかかわらず、これは支援委員会で確認しているんです、消費税かかりませんねと。その文書もあります。確認しておいて取るというのは、これは何というんですか。(発言する者あり)なかなか議事録に残しにくいことを言う人がいますが、それと同じようなことだと思います。
 財務大臣、消費税を彼らから、過払いを取り戻す、そういうおつもりがあるのか、そして国民に対して、税をしっかりと、タックスペイヤーの権利を守る財務省として、どのような姿勢をおとりになるのか、お尋ね申し上げます。
塩川国務大臣 入札の方法については、確かに変な入札ですね、私もそう思います。
 それから消費税のことについてですが、こちらの方はもらっておるものですから、払った方が国で、またこれはぐるっと回って、うちはもらっておる方ですから、その点は、もらっているのかもらってないのか、そこをやはり契約者との間で調査しなければわからないと思っておりまして、それを十分調査した上で、適当な措置をいたします。
原口委員 いや、もらっていることは明らかなんです。もらってなきゃ、こういう契約額にはならぬです。(発言する者あり)ああ、国がですね。
 しっかり調べて、国民の信に背かないような措置を強く求めます。
 さて、この資料の一枚目、二つ資料を配りましたので、これがスズキホールへの送金記録、外務省からいただいたものでございます。この問題について、一体だれが送ったのか。そして、これを見ると、単に「お受取人へご連絡する事項」とだけ書いて、真ん中にフロム・ミスター・ムネオ・スズキと書いてあるだけなんです。
 黒塗りのところは、これは一体だれですか。そして、私費を他国に送るときに、外務省がこういうことにかかわっていいんでしょうか。そして、私は、これを送った人はまさに外務省の課員だというふうに聞いていますが、外務省の課員が寄附したことにこれではなるんじゃないでしょうか。外為法はこんなことを許しているんでしょうか。
 以上四点について、外務大臣、お尋ねをいたします。
川口国務大臣 タンザニアのスズキホールと言われている建物への送金でございますけれども、この件については外務省で内部で調査を行ってまいりました。その結果によりますと、タンザニアのキマンドル中学校講堂及び事務管理棟の建設のために鈴木議員が支援を行われた、それに際し、鈴木議員から依頼をされて、同中学校口座への送金を外務省職員が行った、これは事実でございます。
 キマンドル中学校への資金援助、これは鈴木議員の提供によるものでございます。ただ、一国会議員の要請に基づき、この方は大変に対アフリカ外交に深い関心を持っていただいている方でございますが、そういう方であるとはいえ、一人の国会議員の御要請で、外務省の職員がこのように多額な個人的な送金の手続をお引き受けして、これに直接携わったということは不適切であったと言わざるを得ないと私は思っております。
原口委員 これは、鈴木議員のお金が送られたという証明には何にもならないんですよ。政治資金の収支報告、二〇〇〇年を拝見しても、それから資産報告を見ても、どこにもこういうものは出ていません。そして、外務省に尋ねたところ、現金を窓口に、こういう現金を持ち込んだんだということになっています。
 こういう形でマネーロンダリングをしてしまう、そのおそれもあるから、外為法は五十五条で「居住者若しくは非居住者が本邦から外国へ向けた支払若しくは外国から本邦へ向けた支払の受領をしたとき、」まさにその通知を定めているんじゃありませんか。財務省、外為法の趣旨を、御説明をお願いしたいと思います。
谷口副大臣 原口委員のお尋ねでございますが、外為法上は、海外送金につきましては原則として自由に行えることになっておるわけでございますが、国際収支統計の作成等のために、対外取引の実態把握の観点から、銀行等を経由して海外送金を行う場合には、当該送金額が五百万円相当額を超える場合には、外為法上、当該銀行等を経由して支払い報告書を提出していただくということになっておるわけでございます。
原口委員 まさに今谷口副大臣がおっしゃったとおり、これは五百万円を超えていますから、報告の対象になるわけですね。
 そして、谷口さん、もう一回お尋ねしますが、これに違反すると罰則があると思うんですが、いかがですか。
谷口副大臣 おっしゃるように、支払い報告書を提出しなかったり、また虚偽の報告をした場合には、外為法上、六カ月以下の懲役または二十万円以下の罰金に処するということになっております。
原口委員 この報告はあるんですか。それとも、たしか、これは書類の保管期間というのがあって、その保管期間を過ぎているからもうないというのか。
 私は、特に公人、政治家がお金の出入りをこういう疑義を受けるような形でやる。それは善意だったでしょう。タンザニアの皆さんに対する善意で行われたことだと私は思いたい。しかし、この送金そのものが、今外務大臣がお話しになりましたように、外務省を、一職員さんをまさに私物化して使う、そして外為法にも違反している可能性が高いと言わざるを得ませんが、報告はございましたでしょうか、財務省。
谷口副大臣 当該支払い報告書でございますが、この報告書はそもそも国際収支統計作成の観点から徴収しておるわけでございまして、統計のための集計が完了した段階で徴求目的が達せられるといったこともございますので、財務省の行政文書管理規則というのがございますが、この文書保存期限におきまして一年未満となっておるわけでございます。
 財務省におきましては、年間で八十万件に上るような大変な枚数になるものでございますので、保管スペース等の関係もございまして、半年分を半年後に処分するというようなことになっておりまして、当該支払い報告書は処分された後ということでございます。
原口委員 ということは、この送金が外為法に沿ったものであったか、そして、入金記録はあるんでしょうか。
 私には、七百万円ですか八百万円ですか、いわゆるそういうお金を手渡されたというふうに外務省の方はレクチャーのときにおっしゃっていましたが、それではだれが払ったのかわからないじゃないですか。外務省の方がここに寄附したという形になっているだけで、単にフロム・ミスター・ムネオ・スズキと書いてあるだけで、まさに誤解を受ける、李下に冠を正さずといいますが、そういう送金だったのではないかと思いますが、外務大臣、御所見をいただきたいと思います。
川口国務大臣 先ほど申しましたように、こういう事態といいますか、お引き受けをするということについては、非常に不適切な、適切でない判断をそのときに当人がしたというふうに、いろいろな事情はあったのかもしれませんが、私は考えます。
 それから、銀行においての手続の件でございますけれども、これは一流の銀行でなされておりますので、先ほどおっしゃられたような、そのときに提出をしなければいけない書類関係、これについては、私としては適切に行われているものと推測をいたします。
原口委員 一流の銀行で行われたということでございますが、そうであれば、そのときの、外為法にも違反せず、そして適正に行われたという証拠の書類を当委員会に出していただきたい、そのように思うんですが、外務大臣いかがでしょうか。
谷口副大臣 支払い報告書の件でございますが……(原口委員「いやいや、違ってます、外務省の方です」と呼ぶ)
川口国務大臣 こちらにコピーをお出しのこの書類はお持ちでいらっしゃると思いますので、それは必要ないと思いますが、先ほど財務省からお答えがありました海外送金に係る支払い報告書、これについては、先ほど副大臣がおっしゃられましたように焼却をされたようでございますけれども、私の承知をしております範囲ではこれのコピーは存在をすると聞いておりますので、これについては本当に存在をするのか調べたいと思いますし、もしコピーがあるということであれば、財務省と御相談の上対応させていただきます。
原口委員 前向きの答弁ありがとうございます。ぜひ出していただきたい。これはよくマネーロンダリングに使う非常に危ない、疑義を持たれる送金の仕方であるということを指摘して、次へ行きたいと思います。
 その次の資料、これは、昨日外務省が報告された資料の中で、私が二月二十日に鈴木参考人にお伺いしたジョン・ムウェテ・ムルアカさんをめぐる問題についての御報告であります。
 この四のbをごらんになってください。私は、園部参与のこの調査報告、aにおいて、外交旅券にのみ使用されるものを、ムルアカ氏が現在使用していると思われる旅券の旅券番号に記載されているアルファベット、これが示している、このことも大変大きな問題だというふうに思います。そして、次なる問題は、これはもう確認していることですが、このムルアカ氏が公用旅券を有していたということについては、中近東アフリカ局及び儀典官室は一九九九年の二月の時点で承知していたと言っているのです。これは看過できない事態でございます。
 小田野審議官、あなたは二月二十六日の当委員会の審議の私の質問に答えて、こうおっしゃっています。私は、こういうふうにあなたに聞きました。「私は、このムルアカなる人物が公用パスポートを持っていたということを確認していますが、外務省、いかがですか。」と小田野さんに伺いました。そのとき、小田野政府参考人は、「お答えいたします。本人がどのようなパスポートを持っているかにつきましては、我々は必ずしも承知しておりません。」
 私は、あなたが誠実に誠実にお答えになろうとしていたその姿勢を大変評価していました。しかし、ここでは明らかに、一九九九年二月の時点で承知していた、しかもこれは中近東アフリカ局、あなたが所掌されているまさにそのところじゃないのですか。どうしてこの国会でかくも違うことを答弁されたのか、明確なお答えをいただきたいと思います。
小田野政府参考人 お答えいたします。
 二月二十六日の予算委員会の際には、ムルアカ氏がどのような旅券を有しているか把握しておりませんでしたが、今回の調査の過程で過去の関連文書を精査しましたところ、ムルアカ氏が公用旅券を有していたことについて、中近東アフリカ局及び儀典官室は一九九九年の二月の時点では承知していたことが判明したものでございます。
原口委員 非常に問題のある答弁だと思います。
 私は、このときも何回も通告をして、そしてムルアカさん本人がどういう人か、そのことについてあなたと何回もやったのです。理事会でもやりました。
 今のような答弁が来るということは全く納得がいかない。整理をしていただきたいと思います。
小田野政府参考人 お答え申し上げます。
 本邦におります外国人がどのようなパスポートを所持しているか、外務省は知るシステムになっておりません。それですので、調査の過程におきまして鋭意文書を調べましたところ、今申し上げましたような事実が判明しましたので、報告いたした次第でございます。
原口委員 これはとても大事な問題を聞いたのです。
 なぜならば、この方が公用あるいは外交官のパスポートを持ち、そして本国政府とは違う、キンシャサが言ってくることと全然違うことをなさって、しかも鈴木さんのグループが、ここにムキシさん、ダンボさんの証言を私持ってきましたが、コンゴ政府は何年も外交ができなかったのですよ、総理。そういう事態に至ったから、では、どうして私設秘書がこんな影響を持つんだろう。
 また、この私設秘書がもしコンゴ政府からお金をもらっているあるいはミッションをもらっているとしたら、政治資金規正法上の国益条項、これに反するのです。私たちは、よその国からお金をもらっちゃいけない。これは当たり前の話なんです。他国だとそれこそスパイ罪になるんです。
 それに加えて、他国のミッションを帯びた人を事務局にして、実際に十六の議連の事務局をこの方がなさっているのです。そこでタンザニアやいろいろなところへ行って、この方が他国の間に入って、秘書がいたとすれば、よその国に漏れるわけです、二国間の交渉が。これは、我が国の国家の威信、国民の安全、そして外交の基本が問われている問題です。
 だから、二月二十日に参考人質疑をして、こうですね、鈴木さんは、出しますとおっしゃったのです。しかし、いまだに出てこない。そして、皆さんに、この方がどういう方ですかと。日本が、一部の議員によって外交がゆがめられて他の国に迷惑をかけている、こんなことまで言われているのですよ。そして、ダンボさんに至っては、本人の生命の安全を保障しない、殺害の予告までしているのですよ。
 法務省にお伺いしますが、私は、殺害の予告あるいは本人の生命の安全を保障しないということはどういうことなのか、我が国では脅迫罪の構成要件になるのじゃないかと思うのですが、法務省の法文の解釈を伺いたいと思います。
古田政府参考人 お尋ねは、具体的な個別のケースを想定してのお尋ねでございますので、それにつきましては、犯罪の成否は証拠関係いかんにもよることですからお答えは差し控えますが、脅迫罪の構成要件について申し上げますと、脅迫罪とは、人を畏怖させる目的で、相手方の生命、身体、自由、名誉または財産に対して危害を加えるということを告げるということによって成立するものでございます。
原口委員 いわゆる殺害の予告というのは、まさにこの脅迫罪に当たるのです。
 そして、外交を私物化し、我が国に赴任されたその大使を何回も何回も、これはもう外務省の職員ぐるみで邪魔しているんです、総理。このテープは私たち幾らも持っています。多くの国会議員が疑惑解明のプロジェクトでムキシさん御本人からもお話を伺っています。臨時代理大使、今も臨時代理大使です。きのうお示しされた外務省の報告の中にもそれはあるじゃないですか。
 そして、このムルアカなる人物は、前の臨時大使ンガンバニさんと組んで、そしてザイール通商代表部なるものをつくって、それはオータニのタワーにあったんじゃないですか。
 小田野さん、あなたが私にこうおっしゃいました、私と中井理事に。本国から来る送金が足りずに、そしてきゅうきゅうとされておられましたと。そういう方々がどうやってあのオータニのタワーにZAINIPという事務局を置くことができるんですか。ウィーン条約で外交官が他の職につくことは厳しく禁じられているはずです。皆さんも、コンゴ政府に対する口上書、それは好ましくないという口上書を出しているじゃないですか。なぜですか。あなたがおっしゃったことには矛盾点が多過ぎる。納得のいく説明を下さい。
小田野政府参考人 お答え申し上げます。
 今、オータニに居を構えているという機関のお話がございましたけれども、もしそれが、駐日コンゴ通商代表部とか、あるいは在日ザイール通商代表機関、あるいはザイール日本通商代表機関ということを指すのであれば、外務省はそれは公の機関として認めておりませんので、その活動内容その他につきまして特にコメントする立場にはございません。
原口委員 総理、資料の三をごらんください。今そうおっしゃるものだから、念のために資料をつけておきました。別にひっかけるつもりでつけていたんじゃないんですよ。ちゃんとあなたたちは園部参与の報告の中でこうやってやっているじゃないですか。どうしてコメントする立場にないんですか。その次のページには、ちゃんとこのジョン・ムウェテ・ムルアカ氏が、本商工会議所の日本の当局に対する代表理事を務めることを通報すると。これは私たちがつくったものじゃないですよ。皆さんがきのう川口外務大臣のお名前でこの委員会、理事会に最初に提出されたものです。
 今のような答弁、委員長、非常に残念です。一つ一つ事実を詰めて、今までどうして外交がこうやって曲がってきたかということを議論しているときに、今のような答弁が来ることは残念でならない。
 もう一回確認をしますが、一九九九年の二月の時点で承知していたということ、二の資料でございますが、承知していた根拠は何ですか。あなたは、外務省は、そういう個別の人について知る立場にないと言いながら、承知しているじゃないですか。あなた御自身というよりも外務省そのもののことを聞いているんであって、御存じでなきゃいけないはずなんですよ。新たにこのポストに新任したからなんというのは理由にならないと思うんですが、一九九九年の二月の時点で承知していた、この根拠となるものを出してください。
小田野政府参考人 お答えいたします。
 その一九九九年二月の件につきましては、ムルアカ氏が本邦在留資格につき中近東アフリカ局に相談してきました際に、同氏より関連情報が提供されたものでございます。
 在留資格につきましては外務省の所管ではございませんので、その際に……(発言する者あり)
津島委員長 原口君の質問に答えてください。
小田野政府参考人 失礼いたしました。
 ムルアカ氏が本邦の在留資格につき中近東アフリカ局に相談してきた際に、同氏より関連情報が提供されたものでございます。(発言する者あり)それは口頭で参りました。(原口委員「追っかけませんから大丈夫。正直に言っていただければ」と呼ぶ)
 もう一度、正確に答えさせていただきます。
 ムルアカ氏が本邦在留資格につき中近東アフリカ局に相談してきた際に、ムルアカ氏より関連情報が提供されたものでございます。
原口委員 その内容をこの委員会にしっかり出してください。
 どうぞ、小田野審議官、緊張されずに結構ですから。私も、机をたたいてみたり、この間、鈴木議員につい大きな声を出したら、おまえもおれと同じじゃないかと言われて、非常に反省するところがございました。
 私は、これはとても大事な、もう本当に笑い事じゃない話なんです。ムキシさんはこのように証言されています。外務省のNという官僚から、二時間、鈴木グループに協力するか、協力するんだったら大使館のかぎも渡しましょう、協力するんだったらIDカードも渡しましょうと。その間に、鈴木さんから三回電話がかかった。
 ある国の外務省の人が、一人の外交官が自分の国の大使館に入るのに、その国の、赴任の国の外務省が条件をつけることがありますか。今、コンゴは一生懸命、独裁から、その傷跡から立ち直り、争いから立ち直り、民主主義の道を懸命に歩んでいる国です。それが、我が民主国家、世界最大の経済大国の一つ、この日本に来て、なぜこんなことを外務省から言われなきゃいけないんですか。明快な答弁を求めます。
小田野政府参考人 お答え申し上げます。
 この部分につきましては、報告書に記載してありますとおりでございます。
 かぎの問題をめぐりまして、ムキシ氏とンガンバニ氏の間で対立が顕在化しましたことから、三月二日にムキシ氏は中東アフリカ局審議官を訪問し、大使館のかぎの問題を日本政府の責任で解決するように要請しました。
 これに対して、同審議官より、本件は基本的にコンゴ民主共和国政府部内の問題であり、日本政府が関与すべきことではないが、かぎの引き渡し問題を憂慮していることを伝え、ンガンバニ氏、ンガンバニ氏の代理としてのムルアカ氏、ムキシ氏、同審議官による四者間の話し合いの機会を持つことを提案しました。
 三月八日、ムキシ氏は同審議官を訪れて、本国政府よりムルアカ氏との交渉を禁じられているということを回答してまいりまして、この提案は拒否されたわけですが、その際に、その会談の最中に鈴木議員から同審議官に一回電話があり、内容は本件と別件の照会事項でありました。電話が終わった後、同審議官はムキシ氏に対し、電話の相手は日・コンゴ民主共和国友好議連会長の鈴木議員であったことは述べたものの、それ以上の言及は行わなかった。
 このような提案をした動機につきまして、同審議官は、当時、ンガンバニ氏を説得できるのはムルアカ氏しかなく、大使館のかぎの引き渡しを平穏裏に実現させるためにはムルアカ氏も参加する話し合いが不可欠との判断から、このような提案をしたとしています。
 また、通商代表機関に協力せよとの発言は行っていないとしております。(発言する者あり)
原口委員 本当に通用しない報告です。
 では、なぜ、ダンボさんは一回も大使館に入ることなく、そしてムキシさんについても、今だって大使の公邸はンガンバニさんが占拠しているじゃないですか。IDも出していない。
 このムキシさんがこうおっしゃった。日本政府、日本国民の名誉を一部のグループの行動が深く傷つけたことになる。日本の国民、日本の政府、そして日本の国会、あらゆる方々に、私が置かれているこのような複雑な問題に終止符が打てるよう御協力いただきたい。日本が民主主義国家として、民主主義の精神を大切にしていることに深い尊敬を払います。私の国、コンゴ民主共和国が日本と同じように、高い民主主義を謳歌する国になりますように切に熱望いたします。この言葉を私は聞いたときに、申しわけなさでいっぱいでありました。
 あなたがそういうことをおっしゃるんであれば、あえて名前を言います。野川さんは、二時間、このムキシさんに対して、鈴木グループに協力するように、イエスかノーかと言っているじゃないですか。そして、ムキシさんやダンボさんの証言によると――どうして後ろの方が違うと言えるんですか。あなたはこの委員会にお呼びしたつもりはないんです。なぜあなた、お入りですか、その後ろの方。あなた、お名前は何ですか。
 大変な問題です。総理、もう官邸が乗り出して、本来、他の国であれば、こういう不法な占拠があれば、アメリカ大使館がこんなことになったらどうしますか。我が国は全力を挙げてその占拠を解くはずですよ。コンゴの国、私たちにとっても大切な国です。しっかりとした対応を求めたい。
 そして、資料五をごらんになってください。これも説明がつかない。一九九八年、このコンゴ共和国とコンゴ民主共和国、二つの国に無償資金協力、技術協力をやっている。コンゴという国は二つあるんですか、外務大臣。
川口国務大臣 コンゴ共和国とコンゴ民主共和国と、二つございます。
原口委員 その二つは、今私が言っている国はどちらですか。そして、どのように違うんですか。一九九七年に、ザイール、変わってコンゴ民主共和国、これを我が国が承認したと私は理解をしていますが、もう一つコンゴ共和国という国があるんですか。
川口国務大臣 今問題になっている国はコンゴ民主共和国の方でございまして、コンゴ共和国はその隣にある国でございます。
原口委員 私は、この二つの国に対して、まさにほかの国のODA、これ全部調べました、無償資金協力。ここでも、今申し上げたこのムネ電と同じようなことが行われている。もう本当に、だれかずぶずぶという言葉をはやらせた人がいましたけれども、一体私たちの、国民の税金をどのように考えているんだろうか、外交って一体何なんだろうか、このことを深く問い直さざるを得ない事態でございます。
 さて、そこでもう一つ、事実を確認しておきたいんですが、一月二十四日、いわゆるODAの参加不参加の問題でさまざまな議論がなされていたときですが、このときに、重家さん、あなたは公務として、御自身の所掌に関する事務ということで会合に出ていらっしゃいます。そして、そこで御自身の職務行為をなさっています。加えて、ある政治家、数名いたそうでございますが、そこで酒食をともにし、その代金はその政治家が払った。そして同席人の名前も、在京シリア大使と通訳、そして同席人は、あのときにはこの委員会ではわからなかったけれども、もう御本人がみずからお名前を挙げられたということで、泉さんと武田さんということがわかっています。
 直接の利害を有する者、そして、そこに公務で、所掌する事務で行く。私は、これは収賄罪の構成要件といったものを頭に入れなければいけないというふうに思います。
 そこで法務省にお伺いをいたしますが、贈収賄罪の構成要件は何ですか。お尋ねを申し上げます。
古田政府参考人 まず収賄罪の構成要件でございますが、典型的に、いわゆる単純収賄と呼ばれております百九十七条一項について申し上げますと、公務員がその職務に関しまして、その職務に対する不法な報酬を受け取る、あるいはその要求をする、あるいは約束をする、これが構成要件でございます。
 一方、贈賄は、そういう公務員に対しまして、その職務に関しまして、ただいま申し上げた職務の対価としての不法な報酬を提供するということが贈賄でございます。
原口委員 本件はまさに、直接利害を有する者に対して所掌事務を遂行している、しかもそこを、酒食の宴をともにしている、そしてその支払いを自分がしていない、このことによって贈収賄の構成要件を満たすというふうに思います。
 さらに伺いますが、わいろを供した者に対する制限はございますか。例えば政治家であればそれはいいんだなどという間違ったことを考える人もいると聞いておりますが、刑法百九十八条の要件、わいろを供した者、主体についての限定はございますでしょうか。
古田政府参考人 贈賄につきましては、その主体について特段の限定はございません。
原口委員 今の二つの事実を総合すると、まさに刑法百九十七条、そして百九十八条の案件を満たしていると言わざるを得ません。
 そこで外務大臣にお尋ねしますが、川口外務大臣は、注意をされています。なぜ注意をされたのか。そして、本報告書には、この部分がすっぽりと抜け落ちています。まさに一部の政治家と、そして外務省とのパンドラの箱の中身そのものだったんじゃないでしょうか。なぜ御注意をされたのか。それは、犯罪を構成していた、このことを懸念されていたからではございませんか。明確な答弁を求めます。
川口国務大臣 一月二十四日に小町官房長と重家中東アフリカ局長が会食に、松岡議員との会食に参加をいたしました件については、国民の外務省に対する信頼を回復することが非常に重要な時期に、結果として国民の誤解を招くことになったことは極めて遺憾であるというふうに考えまして、二月の十五日に文書をもって、私から小町、重家両名に注意をするように申し渡しました。
 それから、この点が報告書になぜ入っていないかということでございますけれども、今回の報告書、調査の対象といたしました件、これは、予算委員会で調査をするようにというふうにお話をいただいて調査をお約束したことにつきまして調査を行ったということでございまして、全部の件について調査をするということではございませんでした。
原口委員 限られた調査だったということを外務大臣お認めになったわけでございますが、委員長、私たちはこの問題をあいまいにして、主権国家としての一番大切なものを守っていくその前提条件を満たすことはできないというふうに考えております。さらなる本委員会での充実した質疑と、そして調査、そして誠実に、今の時間だけでもやはり答弁について違うところが出てくる。そして資料についてしっかりしたものが出てこない。こんなことではいけないということを申し上げて、資料の八をごらんください。
 これは先週、根室の北方四島周辺の漁民の方が複数、私に、ぜひこれをただしてくださいといって持ってこられたものでございます。この「拿捕漁船の所属漁協」、これは羅臼、釧路、そして根室という、いわゆる北方四島の周辺に集中をいたしております。その方々がおっしゃるには、密輸と密漁と拿捕、この三つが、一部のロシアの人たちと結びついた日本のあるグループとの間によって仕切られている。二百海里が決められたことによって、あるグループにお金を払えば、それは二十トンのものが二百トンも密漁をして、そして水揚げをすることができる。しかし、払わなければ、拿捕をされ、ロシアに連れていかれて、そしてそこでもまたお金を要求されて、お金を払わなければ何カ月も抑留をされる。これは私たちのところではもう常識になっていることなんです、しかし私たちはだれもそのことを言うことができない、だから国会で、ぜひ、このことが真実か、それともうそか、ただしてくださいと。
 北方四島にはカニ御殿と言われるようなものもたくさん建っている。それはなぜか。ユジノサハリンスクに、総理、行かれてみてください。どういう生活をされているのか。一部の人たちは、まさに自分たちの子弟は米英の超一流の学校に出し、そして、まるで御殿のような、殿様のような暮らしをしています。私たちは、その陰で日本の漁民が泣いているとしたら、とてもそれを許すことはできない。日本の水産庁がこれをどうして見逃しているのか。
 あるいは、筒井委員がこの委員会で質問をいたしました。ロシアが発表しているその数量と日本が発表する数量、全然違うんです。そして、実際にここにポートクリアランスを持っております。ポートクリアランスにはこう書いてあります。カムチャツカや、あるいはユジノサハリンスクの税関の印があります。プーチンさんはそれを認めてないんです。その政府が勝手に出しているかもわからない。だけれども、そこも確認しようとしない。その中で漁民の皆さんが泣いているじゃありませんか。
 総理、私は、私のもとに複数寄せていただいた方々がうそをおっしゃっているとはとても思えませんでした。各漁協の帳簿を調べてみてください。そして、そこに暗躍している人たちが一体だれなのか、ぜひ調査をしてください。私たちの国境を侵し、私たちの国益を侵しているものの正体をぜひ突きとめていただきたい。私たちも全力を尽くし、協力をいたします。総理の御決意、お考えを伺いたいと思います。
小泉内閣総理大臣 密輸とかあるいは密漁、この問題は放置することができない問題だと思います。日ロ協力のもとに、真剣にこの問題に取り組んでいきたいと思います。
原口委員 外交をつかさどる神というのはエルメスというそうです。エルメスに欺瞞と追従を教えられたのがパンドラだそうです。まさに今パンドラの箱があいています。しかし、醜いものが出終わった後には希望というものが出てきます。私たちは、国会議員として、そして国民に責任を負う立場として、しっかりとこの悪を見きわめ、そして外交を立て直す、このことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
津島委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。
 次に、達増拓也君。
達増委員 まず、川口外務大臣に質問をいたします。
 きのう発表になりました外務省からの報告書についてでありますけれども、非常に変だなと思う表現がありまして、何度読んでもそこでひっかかるんです。
 それはどこかといいますと、国後島のいわゆるムネオハウスと桟橋について鈴木議員が入札参加資格の決定に関与をした、それが異常だ、社会通念上よろしくない、そういうことがそれぞれ書いてあるんですけれども、それぞれ、当時、内閣官房副長官や北海道・沖縄開発庁長官だった鈴木宗男議員を一国会議員と表現しているわけであります。「一国会議員(当時内閣官房副長官)が」云々、内閣官房副長官を一国会議員とは言わないですよね。もう一カ所は、「一国会議員(当時北海道・沖縄開発庁長官)」。例えば今、尾身幸次大臣のことを一国会議員と言うようなもので、明らかに不自然な表現なんですよ。
 ですから、これはそれぞれ一国会議員というのを削除して、括弧を外し、当時という言葉もなくし、それぞれ、内閣官房副長官が入札に関与して云々とか、もう一カ所、北海道・沖縄開発庁長官が入札参加資格決定過程における関与云々、そういうふうに直せばいいんじゃないでしょうか。
川口国務大臣 今委員がおっしゃられたところ、ちょっと報告書で直ちに見つけることができませんでしたけれども、その報告書部分は、園部参与がお書きになられた報告書でございますので、園部参与にそのようにお書きになりたいというお気持ちがおありになったのではないかと思います。
達増委員 ここが園部参与の重大な過ちなんです。園部参与は元最高裁判所判事ということで、法曹については詳しいのかもしれませんけれども、役所の仕事の進め方については余り詳しくなかった、まして、調査対象になっている当時の政治状況についても余り詳しくなかったんだと思います。
 役所では、特に外務省は、他省庁と一緒に仕事をすることが多いですから、しょっちゅう、他省庁のしかるべき高官と意見調整をしたり、情報交換、意見交換をするということはよくあるわけです。したがって、外務省が官房副長官に意見を求めたり、あるいは外務省が北海道・沖縄開発庁長官に情報を持っていったりすることは、これは国会議員と行政との関係ではなく、行政の中での仕事としてよくある話なわけです。
 特に、鈴木宗男議員が内閣官房副長官だったときには、小渕総理大臣、外務大臣は高村外務大臣ですね。実は小渕総理大臣は、その前橋本総理のときに外務大臣をしておられて、ロシア関係が急速に動いていた。それを担当していた小渕外務大臣は、小渕総理大臣になって、外交全般に非常に興味を持ったようですが、特に日ロ関係については、よし、自分でやるぞと。それで、高村外務大臣、自分が外務大臣のときに政務次官をやっていた高村さんを、そのまま外務大臣と政務次官の関係が総理と外務大臣の関係になったわけでありまして、日ロ関係については、かなり総理大臣が自分でやろうとしていた。
    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
 そうしますと、アメリカの大統領は、外交について国務長官というラインがあると同時に、ホワイトハウスの中に安全保障担当の特別補佐官がいるわけでありまして、あのときは、高村外務大臣のほかに鈴木宗男官房副長官が小渕総理大臣を支えて、日ロ外交を中心に、外交関係も官邸の方でかなり進める体制にあったわけであります。
 したがいまして、そのときの鈴木宗男さん、内閣官房副長官というのは一国会議員では全然ないんですね。それは完全に行政の中の役割の問題としてこれに関与していたはずであります。ですから、次のように表現するのが正しいはずなんです。
 すなわち、一国会議員が云々ではなくて、政府の一員が、その職務に関し、一部業者の便宜を図る不公正な行政を行った、しかも、当該業者から金品を受領している、そういう報告書をつくらなきゃだめだったはずなんです。
 そこを園部参与は大勘違いをされてしまいまして、報告書の一ページの「総括」で、鈴木議員の意向が突出したというような形で、「外務省という行政組織と立法府の一員たる同議員との間で、このような関係が当然視されてきたことは異常である。」突出した形で意向が重視されるような、そういう関係が当然視されてきたことは異常であると言っているんですが、今回のNGOのアフガン復興会議参加拒否問題のような場合には、まさにそのとおりです。
 変な議員が変なことを言ってきたという問題ですけれども、事ムネオハウスと桟橋については、これは変な議員が変なことを言ってきた問題じゃなく、政府の中で、その職務にある高官あるいは大臣が変なことを言って変なことをしたというのが問題の本質なので、実はこの報告書は、政府の中でそういう不正が行われたことをあたかも一国会議員の問題だとすりかえる巨大な隠ぺい文書になっているんです。そういうものがきのう出てきたわけであります。
 例えば、せっかく別添でついているいわゆるムネオハウスに関するメモですとか桟橋に関する報告・供覧には、ちゃんと鈴木官房副長官とか鈴木北海道・沖縄開発庁長官、あるいは鈴木大臣という表現がありまして、外務官僚は、あくまで政府の高官、大臣である鈴木宗男さんと会って話をしているという記録がばっちり残っているわけであります。それを一国会議員というのは、もう本当にむちゃな話です。
 園部参与がそういう役所の仕事の進め方については余り配慮していないなというのは、別添で決裁書とか報告・供覧の表紙まで今回表に出しちゃっていますけれども、本来中身だけ表に出せばいいので、こういう、どういう順番でだれに紙を回しているかという部分については、情報公開の対象には普通しないんだと思うのですね。
 ですから、かなり園部参与に任せっ放し、あるいは園部参与が強いリーダーシップを発揮してこういう報告書をつくったのかもしれませんが、それはかなり間違った方向に進んで結論を出してしまったと思うのですが、外務大臣、いかがでしょうか。
川口国務大臣 二つ申し上げたいと思うのですけれども、一つはこの調査の内容についてですけれども、これは、行政機関である外務省がどのような対応を行ってきたかという事実関係について調査をしたものでございます。したがって、委員がただいまおっしゃったような、職務権限云々というようなことを対象とした調査ではないということでございます。
 それから二点目、別添の資料等についていろいろお話がございましたけれども、この調査を園部参与にお願いをいたしましたのは私でございますので、この調査についての責任は私にあると思っております。
達増委員 職務権限の調査はしなくていいんです。職務の範囲内だというのは、これは自明です。内閣官房副長官が外交も職務の範囲内となっているのは当たり前の話。特に小渕内閣においては、鈴木官房副長官はもう総理の外交担当補佐官みたいな仕事をしていたわけです。さらに、北海道・沖縄開発庁長官が北海道の業界の発展という観点から内閣の、政府の他の部局に意見を言うことは、これは当たり前の話でありまして、職務権限かどうかの調査などは要りません。
 おっしゃるとおり、あくまで行政内部のことを対象に調査される、まさに行政内部の仕事の進め方として、普通政務次官同士とかあるいは大臣と大臣同士でやるようなところ、外務省の官僚が直接鈴木副長官なり長官なり大臣なりに当たったやり方にまずさはあるでしょう。また、結果として不公正な行政が行われたところにもまずさはありますが、問題なのは、行政のことを調査したと言いつつ、当時行政の中に入っていた鈴木宗男さんを一国会議員と位置づけて、「総括」のところでも、立法府の一員たる同議員と外務省という行政組織との間に異常な関係が起きたという、全く誤った、間違った、ミスリードするような報告書をつくったというところが問題なんです。
 あたかも本当に巨大な隠ぺい文書で、犯罪者をかくまうのも犯罪ですからね、一歩間違えると犯罪になりそうな文書になっていると思うのですが、もう一度、大臣、いかがでしょうか。
川口国務大臣 委員がおっしゃられた一国会議員、北海道開発庁長官あるいは内閣官房副長官というところ全部について、見つけることが今お話を伺っておりましてできなかったのですが、一カ所、例えば委員がただいまおっしゃられたところの「総括」のちょっと後、四ページから五ページでございますけれども、ここに書いてありますのは、「一国会議員(当時内閣官房副長官)が自己の影響力を行使して、その変更を求める等細部にわたり、入札参加資格決定過程における関与が行われたことは異常であり、社会通念上あってはならないことである。」という文章がございますけれども、これは内閣官房副長官だからおかしいのではなくて、一国会議員として考えて、社会通念上それでもおかしいと、そういう趣旨であったのではないか、私としては園部参与の気持ちをそのように推しはからせていただいているわけでございます。
    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
達増委員 一国会議員として考えれば全くおかしいのですが、実は、当時鈴木宗男さんは一国会議員ではなく内閣官房副長官、しかも、小渕総理から日ロ関係について、かなり外交についても任せられていたのだと思います。そういった経緯を完全に隠ぺいする、そういう政府内の仕事の進め方を完全に隠ぺいするのは問題でありますので、この報告書をどう扱うのか。
 例えば、先ほど同僚議員が指摘した色丹島の診療所の問題についても全然言及されていないとか、今問題になっている外務省問題、田中眞紀子元大臣や鈴木宗男、今は一国会議員と言ってもいいのかもしれないですけれども、当時は政府の中で重要な役についていた、そうした人たちの参考人質疑を受けての問題にはきちんと答えていないと思うのですけれども、この報告書はこの報告書として、さらなる調査でありますとか、あるいはこの報告書、法曹、司法ですね、裁判所的な観点からはこういう報告書が出てきたのでしょうが、そこに当時の小渕内閣としての外交の進め方のスタイルについての知見でありますとか、行政の中でふだん行われている、省庁を超えた中での内閣一体となった行政の進め方についても加えた報告書というものをつくらないと不備だと思うのですが、そういった作業をこれからなさるでしょうか、外務大臣。
川口国務大臣 外務省が調査をして出させていただいた報告書の対象となった事柄は、予算委員会で御指摘があって、調査をするようにというお話があり、こちらで調査をしますとお約束をいたしましたことについて調査をしたわけでございます。
 したがいまして、その中身は、コンゴ民主共和国臨時代理大使の件、北方四島住民支援の件、それからソンドゥ・ミリウ水力発電所の件でございまして、北方四島住民支援につきましては、その中で調査をいたしましたのは、国後島の緊急避難所兼宿泊施設建設工事、それから桟橋改修工事、自航式はしけ、ディーゼル発電設備、燃料支援ということでございまして、これ以外のことは、当初からこの調査の対象としては考えておりませんでした。
 したがって、お約束したものについては、外務省として最大限の努力をし、強制力がないという制約のもとで調査をさせていただいたということでございます。
 今後につきまして、さらにこれを調査するのかというお話でございましたけれども、そういうことで、強制力がないという制約下ではございますけれども、園部参与あるいは外務省の中で最大限の努力をいたしまして、最大限の調査をやったというふうに考えております。
 なお、もし今後別な件について、別な御指摘というものがあるようでございましたら、何かまたその場合に、こういう事実があるという事実をお示しいただいた上で、調査をするようにということでございましたら、もちろん調査はさせていただきます。
達増委員 では、足りないところ云々についての話はおいておきましょう。
 ただ、その「一国会議員」という表現は、明らかに国語的にも間違いですし、報告書の趣旨からしても間違いだと思いますので、ちゃんと、政府の一員がその職務に関し一部業者の便宜を図る不公正な行政を行って、しかも当該業者から金品を受領しているというような、正しい文章に変えなければ意味がないということを重ねて指摘したいと思います。
 さて、次に総理に質問させていただきます。
 外務省問題、このように大きく取り上げられる端緒となりましたNGOのアフガン支援会議出席拒否問題、きのう参議院の予算委員会で大西代表の参考人質疑がありまして、大西代表は、政府見解を否定する趣旨の答弁をしていました。すなわち、一月二十八日、田中大臣と官僚の答弁の食い違い等に関し、政府見解では「NGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」という結論を出していたわけですが、大西代表は、私の認識している事実とは違うというふうに明言をしていました。
 政府見解は官邸でまとめたものでありますから、その責任者である総理の御意見を伺いたいと思います。
小泉内閣総理大臣 それぞれの見解に対して、それぞれの認識を持つのはいいと思います。
 この政府見解においては、当時の大臣でありました田中さんも了解しているわけでありますので、私は、大西さんが違うと言っても、政府見解としてはこれが政府見解だという認識を持っております。
達増委員 本問題の一大当事者である大西代表から、あっさり事実と違うと言われるような政府見解を取りまとめたところに、実は国会混乱の原因があったんじゃないでしょうか。
 田中眞紀子外務大臣が更迭された理由は国会の混乱ということだったわけでありますけれども、きちんとまともな政府見解、だれもが納得して、なるほど、こういうことだったのかと腑に落ちるような政府見解が出ていれば、予算委員会の審議はスムーズに再開していたでありましょうし、本会議の強行採決という事態にも至らなかった。国会の混乱の主要な責任は、きちんとした政府見解をつくれなかった官邸にあるんじゃないでしょうか。
小泉内閣総理大臣 当時の国会の混乱は私にあるとはっきり言明しているんです。その事態の打開に私がとった処置であります。
達増委員 田中眞紀子外務大臣がその国会の混乱の主要な責任者ではなく、官邸みずからに国会の混乱の責任があるのに、外務大臣を更迭するというのは、論理的につながらないわけであります。
 そもそも、田中眞紀子外務大臣を、去年の四月二十六日ですか、組閣のときに外務大臣に任命する一方で、鈴木宗男議員については、外務委員会の筆頭理事、そして自民党の対外経済協力特別委員長、ODAに関する政策責任者です、そのままにしておいたわけですね。
 その結果、その後、外務委員会でのいわゆる眞紀子・宗男バトルなどという事態にもなりますし、そういう眞紀子・宗男バトルということが行き着いた結果が二月二十日の参考人質疑に至る現在の問題となっていると思うんですけれども、田中眞紀子さんを外務大臣に任命する一方で、鈴木宗男議員を党内的に外交に関する枢要なポストにつけたままにしておいたことが問題の原点だと考えるんですけれども、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 いろいろ党内には、それぞれの役職にだれをつけようかというのは、党内のいろいろな事情もあると思います。
 たしか、私が田中さんを外務大臣に任命した当時から、既に委員長も決まっていたんじゃないですかね。
達増委員 前からそのままだったわけですね。
 なぜこういう考えを持ちますかというと、今川口外務大臣のもとで行われている外務省改革的な動きは、この報告書が、きのう出た報告書が曲がりなりにも目指そうとしたように、鈴木宗男議員の外務省におけるそういう異常な関係の、そこの真実を明らかにし、そして改めるべきところは改めるということだったはずです。
 今、鈴木宗男議員は外務委員会の筆頭理事でもないし、党のODAの政策責任者でもないから、このようにスムーズにやれているわけでありまして、鈴木宗男議員が外務省に対して関与しやすいような、そういうポストに置いておきながら、そうしますと、そもそも田中外務大臣にはどういう外務省改革を期待していたんでしょうか、小泉総理。
小泉内閣総理大臣 当時やはり外務省の不祥事がありまして、外務省改革に取り組んでもらいたいと。同時に、外交問題、大変重要でありますので、外交に外務省が一体となって取り組むような体制をつくってもらいたいと。そういう気持ちで、私は田中眞紀子さんを外務大臣に任命いたしました。
達増委員 その田中大臣が一大危機を迎えるのが、外務委員会で鈴木宗男議員がリベンジということで、田中大臣就任直後、その鈴木宗男議員の関与で、圧力で左遷されたロシア課長をもとに戻そうという人事をし、そのときに鈴木宗男議員が、あらぬことを言われた、人権侵害だといって、外務委員会の場でバトルを展開した。
 田中外務大臣がやろうとしていたことをきちんと全うさせ、外務省が一体となって働けるような環境をつくるということを応援するのであれば、そのときにもまだ鈴木宗男議員に外務委員会とかそういった外交関係のところを自由自在にさせておくというのはおかしいんじゃないでしょうか。
小泉内閣総理大臣 それは、国会議員は国会議員の意見を持っております。委員会に所属する議員は、委員会の委員として、それぞれ発言は自由であります。それと、どういう議員がどういう意見を言おうが、外務省は外務省としてきちんとした対応をすべきだと思っております。
達増委員 二月二十日の参考人質疑以来、ここ一、二週間のいろいろな論説、新聞、雑誌等の論説を読んでいますと、やはり、国会の混乱という理由で田中外相を更迭したと総理が言い続けるのは、これはわかりにくいと。田中外務大臣には外務大臣としての資質がなかった、外務大臣としての仕事を全うできないでいた、はっきりそういう理由で更迭したんだと言い切れば物事がすっきりするという論説がいろいろなところに出ています。読売新聞、朝日新聞、日本で二大、発行部数の多い新聞ですが、去年十一月の時点で、田中大臣はもう更迭すべきだと言っていた。
 そこで、総理に質問しますけれども、田中元外務大臣には虚言癖、正確に言いますと、事実と違うことをついしゃべってしまう癖があると思いますか。
小泉内閣総理大臣 達増議員は、田中眞紀子さんが外務大臣に就任して以来、資質がないという批判をしておりますのは、私も承知しております。
 今、虚言癖とかいう話をされましたけれども、人間はだれでも完全無欠な人はいないんですから、たまには間違った発言をする場合もあると思いますが、私は、田中さんは大臣として懸命に努力されたし、また小泉内閣に協力してくれたと思っております。
達増委員 議論の公正のために言いますと、私は田中外務大臣には虚言癖があると思います。
 ただ、外務大臣としての資質ということについては、外交も内閣としてチームプレーでやるわけですから、きちんとしたサポート体制、あるいはほかの大臣との連携の中で十分にそういう資質なりを補うというか生かすというか、そういう体制があればいいのでありまして、もしそういう体制がとれないのであれば、それは外務大臣個人の問題というよりは、内閣全体の責任であると考えます。
 そこで質問ですが、田中外務大臣時代に、日米関係、ミサイル防衛構想、対中国関係、これは台湾の関係も含みますが、それから九月十一日、テロへの対策等、さまざまな外交上の重要課題がありましたけれども、総理と田中外務大臣との間で、どの程度日ごろのすり合わせが行われていたんでしょうか。
小泉内閣総理大臣 外交は、外務省のみならず、政府一体として取り組まなきゃならない問題であります。随時、大臣とは直接にあるいは事務当局を通じて、必要なときに必要な協議、連携を行って外交を展開してまいりました。
達増委員 随時、必要なときと言いますが、毎週一回とか二週間に一回とか、定期的な協議の場というのは持たなかったんでしょうか。
小泉内閣総理大臣 必要なときに協議を行ってまいりました。
達増委員 必要なときが非常に長い間認められなかったこともあったようでございます。
 さて、外務省改革を考える場合に、重要なのはやはりトップの意識、それは総理大臣の意識だと思います。総理大臣が明確な、今外交でこれをやるというビジョン、日本はこういう方向に進むというビジョンがあれば、そのためにこういう組織が欲しい、こういう仕事をしてほしい、そのとおりにあとは官僚を指導すればいいんだと思いますが、そういう意味で、総理に伺いたいと思います。
 二〇〇二年、ことしの日本の外交課題、何が大事か、総理の考えを簡単に述べていただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 我が国の最重要課題は、日本の平和と繁栄を維持することであります。外交というのは国益の追求であるということを考えれば、その国益追求のためには、日米を基軸とした国際協調体制を図っていくことが重要だと。
 当面、テロ対策に対しましては主体的に積極的に取り組んでいく。さらには、ことしは日韓、日中、それぞれ節目の年でもあります。近隣諸国であります韓国、中国とも友好協力関係を発展させていかなきゃならない。当然、ASEAN諸国もそうであります。さらには、日ロの領土も含めた平和条約問題、そして北朝鮮との正常化交渉、さらには今後、EUと日本との関係もいろいろ深まってまいります。
 世界が平和と安定を維持するためには、日本も一国だけのことを考えていればいいというものではない。国際社会の中で、日本としては世界の平和と繁栄のために何ができるかということを常に考えながら、日本国の平和と繁栄を維持していかなきゃならない、これが外交として大変大事なことだと思っております。
達増委員 今の予算案、外務省部分がそういう総理の思いをきちんと反映しているかどうか甚だ疑わしいので、まだまだ採決する段階にはないということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
津島委員長 これにて達増君の質疑は終了いたしました。
 次に、木島日出夫君。
木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。昨日、外務省から提出をされました調査結果報告書に関して、質問をいたします。
 第一に、北方四島住民支援事業に関し支払われた消費税問題についてであります。
 昨日提出されました報告書によりますと、「法律上支払う必要のなかった消費税分については、支援委員会事務局が返還請求を行う可能性も含めて、早急に調査・検討すべきである。」と指摘しております。
 そこで、外務省にお聞きをいたします。
 消費税名目で支払われた金員で、法律上支払う必要のなかったものの総額は幾らだったのか、御答弁を願います。
齋藤政府参考人 お答えいたします。
 工事案件、物資調達など、個々の事業形態によりまして契約上の消費税の扱いは一律ではございませんので、単純に計算することはできません。ただいま調査中でございますので、しばらくお時間をちょうだいしたいと思います。
木島委員 何たることですか。この調査報告書には、先ほど私が指摘しましたように、「法律上支払う必要のなかった消費税分については、支援委員会事務局が返還請求を行う可能性も含めて、早急に調査・検討」と書いてあるじゃないですか。幾らそういう金額があるのか答弁できないというのは、まともに調査が行われていなかったということを自白するものだ。
 私は、委員長のお許しをいただきまして、外務省からいただいた資料を基礎に、一九九七年度から二〇〇〇年度までの間に支援委員会が発注したすべての請負契約、物品調達契約に関し、件名、契約先名、契約日、契約金額、消費税額、内税か外税か、一覧表にしたためてまいりました。私は、これ以外に工事が行われた場所、物品が調達された場所についても本当は問い合わせしたのですが、それはありませんでしたが、この資料を取りまとめてまいりました。
 外務省にお聞きします。この資料に間違いありませんね。
齋藤政府参考人 今後さらに精査させていただきたいと思いますけれども、北方四島支援事業に関しまして、これまで判明しております範囲で消費税の扱いを整理いたしますと、とりあえず次のとおりではないかと考えております。
 すなわち、工事案件におきます請負契約につきましては、これは消費税込みとしていたわけでございますが……(木島委員「質問に答えてください。これに間違いないかどうかを答えてくださいというのが質問です」と呼ぶ)少し、課税対象外取引でございますので、返還請求の可能性があるということだと思います。
 他方、物資調達契約につきましては、支援委員会事務局が……(木島委員「委員長、時間のむだだ、こんなの。聞いていないんだよ、そんなこと」と呼ぶ)
津島委員長 答弁してください。これが答弁であります。
齋藤政府参考人 他方、物資調達契約につきましては、支援委員会事務局に対しまして……(木島委員「外務省からもらった資料が正しいかどうか確認しただけじゃないか。時間とめてください、委員長」と呼ぶ)
津島委員長 答弁してください。
齋藤政府参考人 一たん国内で物資の引き渡しがなされていたため、課税対象との整理で問題ないと思われます。
 また、用船契約につきましては、消費税を含まない契約としておりましたけれども、いわゆるかぎ括弧つきの国際輸送のため、消費税免税扱いで問題ないものと思われます。
 今いただきました資料につきましては、ただいま見させていただいたばかりでございますので、なお慎重に精査させていただきたいと思います。
津島委員長 木島君。(発言する者あり)
木島委員 私は、委員長……
津島委員長 質問してください。
木島委員 だから、私は十五分しか時間がないんだよ。
津島委員長 はい、時間がもったいない。質問してくれ。
木島委員 今、皆さんに配付した資料は、すべて外務省が出してきた資料なんですよ。だから、事実かどうかだけを確認したんです。――では、質問を続けます。
 私は、契約書もいただいております。大どころは、工事場所は北方四島です。日本の国内ではないことは、私は確認しております。
 この金額、消費税が払われた金額、総括いたしますと、九七年度、十二件、一千九十一万六千百九十四円、九八年度、二十三件、二千九百十七万七千三百八十円、九九年度、二十六件、一億二千七十七万三千四百十八円、二〇〇〇年度、二十三件、一億七百五十四万九千五百二円、締めて、九七年度から二〇〇〇年度までの四年間で八十四件、支払われた消費税が二億六千八百四十一万六千四百九十四円であります。
 そこでお聞きをいたします。
 報告書は、支援委員会事務局は、国内企業との契約である以上、当然消費税を支払うべきものと理解をしていたとあります。しかし、私は、そんな調査報告は到底信用できません。
 外務省にお聞きします。だれからの調査でこのような事実認定をしたんですか。簡潔に答えてください。
齋藤政府参考人 園部参与といたしまして、今回の調査の過程で北方四島住民支援事業に係ります消費税過払いの事実関係を調べる必要性を認識いたしましたことを踏まえまして、支援委員会事務局関係者からの聞き取りを行ったものでございます。
木島委員 消費税法第四条は、消費税は資産の譲渡や役務の提供が国内で行われたか国外で行われたかで課税対象か否か決めると明記されております。消費税の基本原則であります。
 北方四島が国外とされることも含め、これらのことを、北方四島での支援事業を一九九一年からずっと続けている支援委員会や、国の内外で商取引を行っている大商社、三井物産などが知らなかったというのは、常識的に通らない話であります。
 特に、資料を見てください。二〇〇〇年四月七日の三井物産との国後島ディーゼル発電施設請負契約は、消費税額だけで九千九百六十一万三千五百円という大変な金額であります。課税対象か否か、無関心でいられる金額ではありません。
 外務省は、この消費税課税対象かどうかの問題について、今回調査報告を出すに当たり、三井物産など契約当事者から事情聴取はしましたか。イエスかノーかでお答えいただきたい。
齋藤政府参考人 今回の園部参与による調査は、鈴木議員とのかかわり合いに関する調査を、事実関係を中心に調査いたしましたので、消費税につきまして関係企業から具体的に聞き取りを行ったということではないと承知しております。
木島委員 国税庁にお聞きをいたします。
 国税庁は、支援委員会事務局から、北方四島での工事請負契約や物品調達契約が消費税課税対象か否か、照会を受けたことはありませんか。
村上政府参考人 お答えいたします。
 平成八年九月二十日、支援委員会事務局より、北方領土で行う、これは建設工事ですが、建設工事の消費税の課税関係についての御照会を受けております。これに対しまして、本件は消費税の課税対象にならない旨回答をいたしております。
木島委員 その照会は文書ですか、電話ですか。それから、照会に対して回答したことが国税庁の内部文書に記録され、保管されていますか。
村上政府参考人 本件の照会は電話だと聞いております。したがいまして、正式な行政文書はございません。
木島委員 電話録取書をきちんと残して、その文書が保管されていませんかという質問です。
村上政府参考人 担当者が受けた電話のメモはございます。
木島委員 メモがあると答弁をされました。重大な事実が明らかになったと思います。
 平成八年、九六年九月二十日の支援委員会から国税庁の担当者に対する電話メモ、提出をしていただきたいと思いますが、その前に、電話の発信者はだれか、電話の受信者はだれか、明らかにしていただきたい。
村上政府参考人 ちょっと手元にございませんので、後日御説明させていただきたいと思います。
木島委員 大事なメモです。提出を願います。
津島委員長 理事会で相談をいたします。
木島委員 三井物産や渡辺建設工業は、新聞紙上でありますが、受け取った消費税分は通常の場合と同様に国庫に納めたと言っておるようであります。
 国税庁、お聞きします。そんなことはあり得るんですか。
津島委員長 村上課税部長。
 内税だから、ちゃんと答えろよ。(木島委員「そんな、委員長、何ですか、今の発言は」と呼ぶ)
村上政府参考人 お答えします。
 個別のことについてはちょっとお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
木島委員 答弁してください。そんなことあり得ますか。
 国税庁は、支援委員会からの電話照会で課税対象の取引ではないということを明確に答えて、メモにまでされていると答弁したじゃないですか。しかし、現実には、本年三月四日付読売新聞には、三井物産や渡辺建設工業は、消費税をきちんと税務署に申告しておる、今さら言われても何だ、こういうことを言っておるんですよ。税務署は受け取るんですか、こんな申告納税、消費税受け取るんですか。
村上政府参考人 お答えいたします。
 個々の企業の消費税の申告状況についてはお答えは差し控えさせていただきます。
木島委員 一般論でいいですよ、一般論で。北方四島での建設工事請負契約、非課税だと。そんなものは、仮に契約受注者から、消費税をもらったからといって申告されたって、税務署は受け取るんですか。そんなことやるんですか。
村上政府参考人 一般論でお答えしますが、企業からの消費税の申告書は非常にたくさんの取引が全部入っておりますので、個々の取引が具体的に明示されているわけではございません。したがいまして、申告書上から必ずしも明らかではありません。
木島委員 うやむやにごまかしておりますが、時間が迫っておりますから、外務省に聞きます。
 今、国税庁が明確に答弁をいたしました。支援委員会事務局は、九六年、平成八年九月二十日、国税庁に対して、北方四島での契約について消費税課税対象か否か照会した事実、これは認めますね。はっきり答弁してください。国税庁は認めておるんです。
齋藤政府参考人 当時の支援委員会事務局関係者に確認いたしましたところ、九六年当時に支援委員会事務局から国税庁に対し、北方四島支援事業につき消費税が課税されるか否かを照会していたことは確認されました。ただし、照会していたにもかかわらず、その後なぜ是正されなかったのかという点については、よくわからない点がございますので、引き続き調査しているところでございます。
木島委員 重大な答弁が出てまいりました。支援委員会事務局が、国税当局から課税対象取引でないということを知っていたにもかかわらず、多額の消費税名義のお金を、支払い義務がないことを承知の上、支出していた、そのことが明らかになりました。二億円以上の膨大な国費が食い物になった事実が明らかになってしまったと私は思います。
 どうしてそんなことになってしまったのか。大変な問題です。総理、真相の解明が必要ではないかと思いますが、最後にそのことだけ、総理の認識を伺って、私の質問を終わります。
小泉内閣総理大臣 よく調査する必要があると思います。
木島委員 終わります。
津島委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。
 次に、児玉健次君。
児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 鈴木宗男議員の国政に対する不当な関与は、外交の分野だけにとどまるものではありません。私は、一つの事例を取り上げて事実関係をただしたいと思います。
 まず、国土交通省の扇大臣に伺います。
 今お配りしている資料、北海道の特定地域農用地総合整備計画調査野幌東地区の九七年度予算、これは新規事業ですが、三千万円が鈴木宗男議員によって凍結された問題について私が入手した内部文書です。ファクス連絡文。日時は、平成十年八月十三日木曜。件名、「特定地域農用地総合整備「野幌東地区」の陳情経過について」。
 大臣、ごらんになって、きょうの午前中、国土交通省がお示しになった通信文、私もいただいておりますが、この通信文は、今お配りした文書を当時の担当者が記憶をたどって再現したものとしか思えませんが、いかがですか。
扇国務大臣 過日、二月の二十六日、そういうお問い合わせが国土交通省北海道局にあったそうでございます。そして、あるマスコミから、こういう文書を御存じですかというお問い合わせがあったそうですけれども、北海道局としては、その当時、調べたけれどもわからないということでお返事したと。そして、三月の一日に某新聞によって、今お手元にお配りになったような事例が新聞に発表されました。
 私、三月一日の記者会見のときに、ちょうど閣議の後でございましたので、その日の朝の朝日新聞に関しては、新聞社が持っている資料が役所にないはずがないと思って、あると思いますから調べさせていただきますと言って、私が調査をしました。
 そして、今先生からお配りいただいたのはきれいにワープロしてありますけれども、調べたところでは、ちょうど昨日まで、わかりました。これは手書きでございまして、それらしきものを、本庁の職員で、まだ現在しておりますので、思い出したものを手書きで書いて、私は見ましたので、今それをきれいに先生はワープロで整理してくださったので、それと同じような文書のものは、思い出しながら手書きで書いてあります。
児玉委員 皆さんがけさお示しになったのは、これですね。これは見事に手書きです。私が示したのは原本です。ごらんのとおり、ファクス連絡文。ファクス枚数が書いてあって、受信者が明らかにされ、そして、そこで記述されている中身を記憶で再現しようとしたのがこの手書きで、逆ではありません。
 そこで、私は言いたい。今お配りした文書の中で、九六年、平成八年十二月十八日、「S先生から諸般の事情により、野幌東地域は認めがたいと伝えられ、開発庁が対応する。」二十日が九年度予算内示。二十一日、「S先生から野幌東地域の予算を凍結すべきと言われる。」二十六日、「S先生からの凍結解除が出されるまで見合わせる。」こう書かれています。
 私は言いたい。九六年の十月、この直近の時期です、衆議院選挙で、南幌町、栗沢町が属する衆議院北海道十区で自民党の候補が落選しました。陳情のためその後上京した竹内前南幌町長に対して、鈴木議員は、おまえのところは自民党候補を落としたのだから、新規事業はだめだと。こう言い渡されてしまって、そのとおり事態が進んでいる。
 扇大臣、どうしてこのようなことが起こるんでしょうか。
扇国務大臣 私もこの記事を拝見してから、少なくともこういうことはあってはならないことでございますので、これを調査を依頼しました。事務次官、官房長、局長とチームを組みまして、現在二十六名から事情聴取をいたしました。そして、事情を明快にして、昨日その報告を受けました。
 そして、今先生がお示しになりました、本人が思い出して手書きで書いたものも出てまいりました。けれども、それはあて名がきちんとしておりまして、もともとなぜそのファクスがあったのかと私は聞きましたら、農林水産省の方からお問い合わせがあったということでございますので、それでは、なぜこういう問い合わせをしたのか、どういう疑義を持ってこの事件の発端をつくったのかということを、農林水産省に御協力をいただいて、そして、うちの方から、当時は北海道開発庁でございますけれども、こういうファクスを出したのかのその原因を再度調査をして、そして、これは町長さんからのお話の聞き取りが主でございますけれども、北海道開発庁五十一年の歴史の中でこういう空気があったのかどうかを今再調査しているところでございます。
児玉委員 国土交通省は、北海道開発庁、北海道開発局を統合した省庁ですからね。この資料がないはずがありません。そのことを私ははっきり申しておきます。
 その上で、今のお話だけれども、鈴木議員の圧力、関与がこのような形でまかり通る状況というのがなぜ起きたのか、そこのところを徹底的に明らかにする必要がありますね。大臣、どうですか。
扇国務大臣 私は、おっしゃるとおりだと思いますし、先ほど申しましたように、北海道開発庁五十一年の歴史の中で、少なくとも北海道開発庁を設置した目的外の何らかの働きかけがあったのであれば、それは私は厳重に調べて、そして北海道開発局の、当時、人事等も含めてどういう圧力を感じたのか、なかったのか、それを今明確にしたいと思っております。
児玉委員 その調査は全力で速やかにやっていただいて、この委員会に御提示いただきたいと思います。いかがですか。
扇国務大臣 北海道、私どもいろいろ調べたいと思いまして、また国土交通省に監察官というのがおりますので、この委員会が終わり次第、きょうは監察官を集めまして調査をしてもらうということに決定しておりますので、来週の火曜日ごろまでにその結果をお知らせできるようにしたいと思っております。
児玉委員 小泉首相に伺いたいのですが、ごらんになったと思います。鈴木議員は、外交以外の分野でも、国政に対する不当な関与、国政の私物化を行ってきています。これは、その一つの事例です。しかも、この事例は、総選挙で自民党が落選した地域に対する報復と見せしめのために行われたものですね。許せないことですよ。事実関係を総理としても徹底的に明らかにして、このようなことが絶対に繰り返されないように、総理として、そして自民党総裁としても御努力をいただきたい。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 ただいま扇大臣が答弁いたしましたように、鋭意調査を進めております。
児玉委員 それでは、その調査を見守りたいと思います。
 質問を終わります。
津島委員長 これにて児玉君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
津島委員長 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として国際協力銀行理事岩田満泰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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津島委員長 次に、保坂展人君。
保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 きのうの外務省の報告、大変厚いんですが、主に三種類ございました。コンゴの問題、北方四島の問題、そして最後にケニアの問題と。私は、ケニアのODAについて質問してまいりましたので、このケニアのODAについては随分、これは真っ白である、他の二つについては相当灰色あるいは黒いところもあるとお認めになっているんですが、調査の仕方自体が、これは経済協力局、担当部局みずからが調べて園部参与に見てもらう、こういう形のようですから、やはり調査として大変不十分じゃないかというふうに思います。
 具体的に伺ってまいりますが、資料の方、配付されていると思いますけれども、経済協力局長にまず伺いたいと思います。
 まず、この資料の一についておりますけれども、一九九九年、平成十一年六月の段階で有償課の方でつくられた文書です。これによると、百五億円の予定がとまっていると。その理由として、債務削減を希望している、そういう心配がある発言があったので現在中断。そして、これは鈴木官房副長官の行く前の段階の文書ですが、「本案件の重要性」とあります。ユネスコ選挙対策の観点からも死活的に重要だと。つまり、ソンドゥ・ミリウ水力発電所事業はユネスコの選挙の対策のために重要だと。これはどういう意味でございましょうか。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 前、先生から御質問をいただきましたときに御説明をいたしましたが、そもそも、当時鈴木議員がケニアを含めましてアフリカ諸国を訪問しましたのは、当時のユネスコの選挙のためのキャンペーンに出かけたというのが目的だからというふうに理解をいたしております。
保坂委員 ユネスコの選挙のためにODAの事業などをつける、やりますよという方向で工作するというのはいかがなものかなというふうに思いますけれども、中身に入っていきたいと思います。
 実は、この報告書の中で、JBIC、国際協力銀行の資料が載っております。外務省に伺いますが、この報告をまとめた局長に伺いますが、資料は二〇〇〇年の十月十六日につくられた。政府の勉強会、これはODA案件を正式に審査する場と聞いておりますが、どの省庁、関係機関が出席をしたのか、お答えいただきたいと思います。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 御指摘のとおり、円借款の供与を検討するための政府勉強会は、通例、外務省が主催をしまして、財務省、経済産業省等の関係省及びJBICの職員の参加を得て行われております。
 ただいまお尋ねの勉強会につきましても、通常どおり、外務省の主催により、当時の関係省庁及びJBICの参加を得て行われたものでございます。
保坂委員 ここは大変重要なところなんです。政府の勉強会というのは、ソンドゥ・ミリウに対してこれをどのようにするのか、これを審査し判断していく席で配られた資料。その内訳が、きのう外務省が発表した八ページに書いてあります。
 これは、放水などの工事で、鴻池、大成建設三十九億円、あと三つ、石川島播磨十四億円、三井物産、東芝十八億円、契約予定額九億円、これはきのうの資料でございますけれども、総計すると八十億円。このうち、円借款の予定額は幾らだったんでしょうか、短く端的にお答えください。
西田政府参考人 お答えを申し上げます。
 御案内のように、御指摘のいわば二期目の入札に関しましては、ケニア側のリスクにおきまして行われておりまして、まだ日本政府としてこれを認めていないということでございます。
 それで、今、それぞれの内訳についての御指摘がございましたが、これは、累次の国会における御審議、御質問を踏まえまして開示をさせていただいたということでございますが、入札手続自身が御案内のように完了しておりませんので、通常公表していない入札予定価格と密接な関連を有します供与限度額の内訳ということを公表することは、適正な入札手続に支障が及ぶと考えております。
保坂委員 次に聞こうとしたことを答えてしまったんですが、これは大事なんです。政府の勉強会で出されたのが四種類の工事で八十億なんですね。そのうち、ケニアの負担分もありますから、通常八五%と言われていますよね。八十億の八五%であれば六十八億とかそのくらいでしょう。それがこのケニア・ソンドゥ・ミリウの工事にかかりますよということが調査報告書の中に出ているんです。
 そして、百五億円の内訳はというふうに聞こうとしたんですが、今答えられないと先におっしゃった。私は調べましたよ。こちらの資料の二の方をごらんになっていただきたいと思います。
 これを見ると、この円借款の供与自身非常におくれているんですね。現地の工事もぎりぎりのところに来ていて、大変だというふうにも聞いています。つまり、百五億円は、一期工事と二期工事に分かれていて、一期工事はもう既に契約も終わっています。
 二期工事のところをちょっとごらんいただきたいんですが、何回見てもなかなか不思議でわかりにくいんです。一期工事の土木工事が、1―1というのが第一次借款の中にもあるし、第二次借款の中にも入っているんですね。そして、一期工事の2という項目もまた入っています。
 局長に伺いますが、おおよそこの百五億円の内訳はこういうことになっていますか。あるいは、手元の資料と照合して間違いはあるのか正しいのか、答えてください。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 御指摘のとおり、今御指摘の四つのいわばロットに加えまして、他の項目等も合わせまして、事前通報いたしました額、これは報告書の中にも今般明らかにさせていただいておりますが、約百五億円でございますが、それに相当する数字に近いものになるかと考えております。
保坂委員 お認めいただいたわけですけれども、これは、この資料二の下の部分に、私、鴻池組に確認をしてまいりましたけれども、第一次の契約というのは七十二億円で契約をしたと。したがって、1―1と書いている四十九億と、その二期工事の1―1、二つあるんですよね、ややこしいんですが。第一次の1―1、第二次の1―1を足すと大体この七十二億円になるんですね。大変複雑なことになっているんですね。しかも、第一期工事のこの2というのは、今度は環境案件に指定されたということで、これは日本企業しか入札ができないという形になっています。何でこんな複雑なことになっているんですか。
 これは、私はとても大事なことだと思います。これは、左側につけたのは西田局長にお示しをいただいたポンチ絵ですよ。私のところに持ってきたのはこれですよね。a億円、b億円、c億円、d億円までがJBICの資料に入っていて、e億円と予備費などは入っていませんと。g億円。なぜこのように、これは重大な、この使い道がどうなっているのか、どのように組まれているのかということを再三尋ねているんですが、お答えにならない。今の質問に、こういうことも踏まえて短くお答えいただきたいと思います。
西田政府参考人 先ほどお答えしたことの一部繰り返しになると思いますが、入札自身がまだ終わっていない、そして正式に認めていないというものについて、入札の予定価格を推定するかのようなものについては申し上げられないということでございます。それで今般、先ほどの御指摘を踏まえまして、そのうちのいわば第二回目に行いました入札の、実際に行われた四つのロットについてお示しをいたしたわけでございます。
 それからもう一つ、御指摘のございました特別環境案件でありますが、これは御案内のとおり、平成九年九月に導入をされたものでございまして、地球環境問題あるいは公害対策に資する円借款案件に適用するとされましたので、今般の第二期以降、これが適用されるのではないかという形で考えさせていただいているものでございます。
保坂委員 時間が限られていますので、私が調べたところ、当時の海外経済協力基金、九九年七月、鈴木官房副長官が行かれる直前ですが、飯島聡さんという方が、一期工事は土木工事であります、二期工事は、その土台の上に発電所や変電所をつくる、そういう工事だというふうにきっちり区分けをしているんです。
 今の説明では全くわかりません。なぜこのように入り組んだ構造になっているのか。きちっとこの予算委員会に資料を出していただけますか。そして、説明をその資料によってしていただきたいと思います。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 第一期の事業におきまして七十三億円の契約を締結している云々についての御質問でございますが……(保坂委員「資料を出してくださいということです」と呼ぶ)それにつきましてちょっと御説明をさせていただきたいのでございますけれども、いわば第一期におけるその七十三億円の契約につきましては、その後の円安等々によって、契約の範囲が、事業費がいわば広がったということでございます。当時は、百数円から百三十数円まで、ちょっと済みません、手元にあれですが、大変な円安になりまして、事業費が増大したという経緯がございます。
保坂委員 今の説明も初めて、何回も聞いているんですが、初めて聞きました。きちっとわかるように資料を提出していただくように、委員長に要請いたします。
津島委員長 理事会で協議をいたします。
保坂委員 続けて聞きますけれども、きのうの調査報告書の中で、つまり第二期工事の入札に応札をした企業の名前が発表されました。私が不思議に思ったのは、この土木工事の二期、環境案件に指定された、つまり継続分だけ鴻池と大成建設、二社とも鈴木議員にも献金がある企業でございますが、全く競争がなかった。この放水路などの追加工事というのは、そんなに魅力がないものなんですか。どういう事情なんでしょう。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 個々の企業が入札に参加されるいかなる考え方について、私たち承知する立場にはございません。
保坂委員 公開入札で二社しか出てこないわけですから、それに決まるわけであります。こんないいかげんなこと、あるいは先ほど局長は全く答えていませんけれども、六十八億円と百五億円の差というのは大きいんです。どのように積み上がってきたのか、説明責任があると思いますので、それはきちっと出していただきたい、改めて要請します。
 そこで、次に移りますけれども、実は先日、衆議院の外務委員会が、鈴木議員の要請によって、ケニアの現地水力発電所の事業も見に行かれたというふうに聞いておりましたが、ニュースで、同行ルポといいますか同行取材をされていた、これは日本テレビですが、番組を拝見いたしました。
 これで、ちょっとはっとする場面がありました。ちょっと資料を配っていただきたいと思うんですが、このはっとする場面というのは……(発言する者あり)私がびっくりしたという意味ですよ。実は、空港の待合室で、佐藤啓太郎タンザニア大使――鈴木議員はケニアの視察を終えてチャーター機で飛び立ちますので、その予定を資料の三につけておきました。大変忙しく動かれたようですが、これは、外務委員会の視察が二手に分かれて、与党筆頭理事お一人の調査がその後進んだということで、外務省も同行者を派遣したという、これ自体非常に疑問なんですが、そのタンザニアの空港だと思いますが、空港の待合室らしきところで、佐藤大使が、鈴木先生にお世話になりましたマクユニ―ンゴロンゴロですね、昨日テンダーがあって、鴻池が落としたそうです。鈴木議員、ほう、それはよかった、ほう、それはよかった、こういう会話があるんですね。
 一緒に同行された中東アフリカ二課長とビデオを見て、このシーンも確認をしております。担当局、いかがですか。どういう意味なんでしょうか、これは。鈴木先生にお世話になりましたというのは、どういう意味ですか。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 私たちもビデオを入手いたしまして、私も拝見をいたしました。それで、佐藤大使に現地の方、国際電話等を通じまして確認をいたしました。その結果を申し上げます。
 佐藤大使は、九月の三日、昨年でございますが、東京で行われましたその当該マクユニ―ンゴロンゴロ間道路整備計画の入札結果につきまして、鴻池組のタンザニア駐在事務所から連絡を受け、その後九月五日に、今御指摘のタンザニアに滞在中の鈴木議員に本件入札結果を伝えたということでございました。
 本件入札にかかわる入札図書をチェックいたしましたが、入札結果を開示することを禁止する規定はなく、入札に参加した鴻池組が第三者たる佐藤大使に落札者名を伝えても契約上の問題はないということを確認いたしました。
保坂委員 私は、外務省はムネオ省じゃないかと前回聞いたんですね。大分、脱ムネオ省の動きが進んで、これはよくないことだというふうに言っているじゃないですか、この報告書でも。鈴木議員の意向が突出した形で重視され、同議員の意向を推しはかり、無視し得ないものと、実現する方向に動かざるを得ない雰囲気がとありますよね。これはどうも、経済協力局だけがまだいわゆるムネオ局的な色合いを残しているのかなと。
 なぜならば、今弁護されましたけれども、この結論は、いろいろ聞き取りをして、全く特定の議員の、国会議員の影響力の行使はなかったということですね。ケニアの案件です。ほかの案件についてはいろいろ出たんですか。どうなんでしょう。つまり、ODAをめぐってこれだけ幅広い議論がされているとすれば、今の問題だってしっかり調べてしかるべきじゃないですか、自分でやっているんだから。できないんだったら、これは調査にならぬですよ。外務大臣、どうですか、今の件。
西田政府参考人 本件のタンザニアの入札について鈴木議員に説明したということは、なぜそのことを説明したのかということも確認をいたしました。佐藤大使によれば、以下のとおりでございます。
 同マクユニ―ンゴロンゴロ間の道路整備計画は、平成十一年八月に総理特使としてタンザニアを訪問した当時の鈴木官房副長官に対しスマイエ首相から要請のあった案件であり、鈴木議員が関心を有し、また、タンザニア政府にとっても、日本とタンザニアの関係から極めて重要な案件であったため、同案件の進捗状況を、当時の日・タンザニア関係の情勢一般一環の中で報告をしたというふうに説明をいただいております。
保坂委員 全くかみ合わないですね、やりとりが。
 これは、鴻池組がタンザニアにおいても、九〇年代だけで六件の無償供与、そして大変積極的に事業をされている。私たちは、ケニアの問題にももちろん注意と関心を払ってきました、人権上の問題が多々ありますので。しかし、やはりどこかで、ほう、それはよかった、そして情報をこうやって出す、これはお認めになったわけですが、そういうところもやはり調査対象にきちっと含めるべきじゃなかったかと思いますよ。
 大臣、いかがですか、その点に関してのみ。
川口国務大臣 現在、ソンドゥ・ミリウ以外のODAにつきましても、これは個別案件、かなり数がございますけれども、調査を経済協力局でやっておりまして、できるだけ早くそれを終わらせたいと考えております。
保坂委員 ちょっとはっきりしないですね。
 小泉総理大臣、外務省が中心になってこれを調べた。今お聞きのように、経済協力局自身が自分のしたことを自分で調べているんですよ、これは。そういう調査はやはり深くない、広がらないということについて今多々指摘をしましたが、この自分で自分を調べるということでは不十分じゃないでしょうか。総理、見解いかがでしょう。
小泉内閣総理大臣 外務省は外務省として調査をする、その調査に基づいて委員会がどういう指摘をするか、そして調査を深めていけばいいと思います。
保坂委員 そうすると、外務省の変革とか改革という、川口大臣の言っていることが全部崩れちゃいますよ。外部からしっかりメスを入れたり評価しなければ、例えばこのソンドゥ・ミリウだって、NGOの問題に端を発したこの間のいろいろな議論がありますよ。NGOの議論なんて聞いたんですか。聞いてないでしょう。やはり担当部局だけが自分で調べて、そして事足れりとするような調査では私はいけないと思います。その点、見解をただしたいと思います。
川口国務大臣 ソンドゥ・ミリウにつきましては、これは円借款でございまして、これを決める過程では、外務省だけではなくて、ほかの省庁、あるいは落札をできなかった企業に至るまで調査の過程でいたしておりますので、客観性は十分に担保されていると考えます。
保坂委員 NGOの問題をこれだけ言われて、そしてまだおわかりじゃないのかなと思います。
 時間がありません、小町官房長に伺います。官房長でいらっしゃるうちに一言お聞きしたいと思います。
 二月二十一日に、佐藤分析官の異動については、鈴木議員との関係があって説明が必要と田中大臣に申し上げたという趣旨の答弁をされましたよね。そのときに、まだ呪縛が解けませんかと、今もなお鈴木議員のチェックが必要ですかとただしましたよね。翌日だったと思いますね、金曜日、更迭をされたようですが、またそのときにも関係各所にお電話があった、こういう報道もなされています。
 電話はどのようにあったのか、そしてもう呪縛はこれで解けたというふうに言えるのかどうか。そして、外務省全体の調査というのは、例えばこの佐藤分析官のことなんか入っていないじゃないですか、全然。そういうことを含めて、いろいろ思いがあると思います。今尋ねた点について答えてください。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 二月の二十二日に佐藤主任分析官は大臣官房総務課外交史料館に配置がえになりました。その過程で、今委員御質問の、鈴木議員から外務省幹部に電話をかけ圧力をかけたのではないかという御質問でございますが、そのような事実はございません。
 佐藤主任分析官の異動は、大臣も明らかにされておりますように、同人が七年近くも同じ課に配置されてきておりましたこととの関係で、昨年決まりました最長三年の任期とするという人事のローテーションの原則に照らして異動を行ったものでございます。
保坂委員 川口大臣、どうも、改革の表紙はついているけれども、末端に行くと、個別具体的になると全部だめじゃないですか、これ。その佐藤分析官の、例えば鈴木議員と同行した旅費だって六百九十四万円かかっているだとか、さまざまなことが指摘されているんですよ。都合が悪いことは項目に含まないというんじゃ調査にならぬと思いますよ。やり直してください。どうですか。大臣ですよ、大臣。もう時間がない。
小町政府参考人 お答えいたします。
 今回の調査報告は、大臣も明らかにされておりますように、国会で質疑が行われて、その場で調査をするというふうになったことに関連して行われたものでございまして、したがいまして、この三つの報告書ということになっておるわけでございます。
保坂委員 国会で出たじゃないですか。大臣、お願いします。
津島委員長 川口外務大臣。
 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
川口国務大臣 昨日お出しいたしました調査資料でございますけれども、これは、予算委員会で御指摘があって、私どもとして調査をお約束したものについて調査をさせていただいて、強制権がないといういろいろ制約がある中で最大限の調査を行ったというものでございます。
 したがいまして、本件については、強制権がないという制約はございましたけれども、最大限の努力をしたということでございますけれども、もし新たな事実をお示しいただくようなことがありましたらば、そのときは、その新しい事実に基づいて調査をさせていただきたいと思います。
保坂委員 全く調査不十分で、とても採決などできる環境じゃない。徹底的に審議を求めます。
 終わります。
津島委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。
 この際、上田君の残余の質疑を許します。上田清司君。
上田(清)委員 早速ですけれども、まず、外務大臣にお伺いします。
 日本の外務省というのは、諸外国と結んだ協定と条約は遵守するという立場で臨んでおられますね。
川口国務大臣 当然だと思います。外務省がというより、日本国がそれはすべきものだと考えております。
上田(清)委員 お手元に配付しました「北方四島住民支援の流れ」ということで、これは当該外務省がつくられたものでありますが、既に先ほどから御案内いたしましたように、支援委員会の協定書にはこのような仕組みでは書いておりません。ちゃんと一条に、政府の代表者がそれぞれ一名、構成する、その委員会を。そして、要請主義に基づいて支援の中身を、従うということを第二条に書いてあります。そして、第三条に、一条、二条に従ったことについて決めていく、こういうふうになっているんですが、見ればわかりますように、まさに外務省は、要請を受けて、「ロシア支援室にて要請を受ける」まあ、これは形式上ですから構わないと思いますが、「外務省にて要請を検討、支援内容を決定」と言っているじゃないですか。支援委員会で決定するんでしょう。違いますか、外務大臣。
齋藤政府参考人 四島住民側からの支援要請につきましては、文書等いろいろな形で外務省に参りますけれども、それを支援案件として採択するかどうかというのは、外務省で決定するわけでございます。
上田(清)委員 支援委員会は何を決めるんですか。
津島委員長 齋藤局長。――齋藤局長、支援委員会は何を決めるのかと。
齋藤政府参考人 大変失礼いたしました。
 支援委員会は、先般お話し申し上げましたように、平成九年九月にロシアで行われました省庁再編の結果、ロシア側政府代表が空席になっているということでございまして、支援は実質的に外務省の方で決めている、こういうことでございます。
上田(清)委員 そうすると、もう支援委員会というのは実体がないということですね、こういうことですか。
齋藤政府参考人 平成九年九月以降、ロシア側の空席ということもございまして、ロシアとベラルーシに対します支援は、外務省を初めとするそれぞれの政府機関を窓口として行っているのが実情でございます。
上田(清)委員 窓口を通じてやってないことは先ほど言われました。平成七年に一回やったきりですね。実体がない。それであれば、この協定を、この組織を改組するか、そういうふうにしなくちゃいけないのに組織は続いている、そして、決定する人がいない、事務局が勝手に決めている、こういう構図じゃないですか。私がちょっと右の方に書いている、これが本当の仕組みなんですよ。支援委員会、それから事務局に入ってくるという形ですよ。でたらめじゃないですか。だから、資料も何も残ってないんでしょう。
 議案書はだれがつくったんですか。診療所なら診療所、先ほど申し上げましたように、日本の外交を決定する非常に大事なものが、平成七年の五月三十一日の、委員長みずから、委員長をやめて委員となって質問までされたあの質疑の内容、あれが具体的な形で診療所ができたわけですよ。大臣は、診療所をつくったらまずい、北方領土の違法占拠、不法占拠を助長するものだと。そういったものをわざわざあなた方はつくっているんだから、どういう論議をして、どういう議論をして整理されて、その議案書はだれがつくって、そのときのメンバーはだれで、だれが決裁したんだ。稟議書を出してください。それをさっき頼んだんですから。
齋藤政府参考人 平成七年七月五日から七日にかけまして、人道支援物資輸送のために国後島、色丹島を訪問した日本側一行に対しまして、南クリル行政府関係者、ポキージン南クリル地区長から、最もプライオリティーの高い課題の一つであり、ぜひとも実現してもらいたいという要請がこの案件についてあったところでございます。
 なお、本件診療所につきましては、それ以前からも累次にわたり島側から要請がございまして、特に、平成六年十月の北海道東方沖地震以降は強い期待感が表明されたところでございます。例えば、平成六年八月の時点で、南クリル地区副地区長から、外務省ロシア支援室に対しまして、診療室五部屋の診療所建設について、また、翌平成七年四月にも、島側関係者から病院を建ててほしい旨の要請がなされております。これは、根室での島側関係者との会食においてなされたというふうに聞いております。
上田(清)委員 委員長も、大変良識のある委員長だと私は認識しておりますが、わざわざこの時間をかけて、しかも、私も一応念のために、朝の質問要旨をつくるときの説明も確認しました。ちゃんと、十三年間の代表と副代表がいらっしゃったら、サブがいればサブを出して、だれがどこでどういう会議をしてこういう支援を決めたのか出してください、できれば事前に出してください、それから、九三年以降の支援事業の決定プロセスについて、支援の検討の開始日、それから決定日、事業開始日、出してくださいと。出ておりません。
 それで、今言われましたように、私の質問に答えてないんですよ。先ほどからずっと言っているんです。ないんでしょう、結局は。何の稟議もないままに、だれも決裁しない間に、いつの間にか予算が膨らんで何十億となっているんでしょう。
齋藤政府参考人 お答えいたします。
 平成七年六月一日、河野大臣が鈴木衆議院沖北委員会委員長ほかと朝食会を持ちました際に、鈴木議員より、昨日の沖北委員会でも質問したが、病院は無理としても、小さな仮設診療所の建設はぜひ早期に実現してもらいたいと述べたのに対しまして、河野大臣より、診療所については昨日の国会答弁のとおり速やかに着手する考えであるというふうに発言したという記録がございました。この河野大臣の発言を受けまして、同年六月二十八日、外務省内でプレハブ仮設診療所の建設を決定したという経緯がございます。
上田(清)委員 これは極めて重大な発言であります。河野大臣は二枚舌ということになります、大変失礼ながら。オープンな議事録でこうしてきちっと、周辺だったら考えられることもあるかもしれない、しかし建物はだめだと言っているにもかかわらず、朝食会ではオーケーと。その非公式な話でもって事業が進められる。しかも、現地の人たちとの七日の会食だと、それで、もう二十四日には公募させるというこの手回しのよさ、これは明らかに許されないことであります。
 総理、総理の前に財務大臣、いいですか、よく聞いてください、この仕組みを。実は要請主義があって、支援委員会で決めて、そして外務省のロシア支援室が財務省に相談をして、財務省は国際機関等への供出金という形で出しているんですよ。これは、財務省も大変責任もあるんですよ。何で、いつの間にか、食料と医薬品の支出が突然建物になっていったのか。その建物も、最初は四億とか五億だったのが、いきなり三十億とかになっていったと。そのときに何でチェックができなかったのかという問題も残っているんですよ。おかしいと思いませんか。大臣、率直な感想というか、見解をぜひ聞かせてください。
塩川国務大臣 いや本当に、常識的に考えたら非常におかしい事件である。私ども、それじゃ、これを、どういう査定をしてきたのか、そしてまた、これは会計検査院、一体何やっておったん、そういうこともございますしいたしますし、私は、十分もう一回実態を調べるようにいたします。
上田(清)委員 総理、もう何度も申し上げて恐縮ですが、先ほどの質疑のやりとりの中で総理も理解をしていただいたと思います。
 この中に、実ははっきり書いてあるんです。三条の(b)の項の(5)項というところに、「受益諸国における市場経済への移行の円滑な実現に資する施設の建設のために必要な生産物及び役務の購入」であって、施設の建設のために必要な周辺のものしか書いてないんですよ、ちゃんとこの協定の中に。しかも、この中には、第二条に、要請主義もありますが、評価もしなきゃならないということになっているんですよ。この協定のもとで実施された支援の進展を評価しなければならないと。
 どういう状況になっているかという評価のしようがないじゃないですか、稟議書も何もなくて。でたらめじゃないですか、この予算は。(発言する者あり)お金返せ、もう本当に金返せという話になっちゃいますが、総理、これは丁寧に確認をしていただかなければ、あすにでももう一回きちっと確認の指示をしていただきたい、このように申し上げたいと思います。総理の御見解をいただきます。
小泉内閣総理大臣 今までの御指摘を踏まえて、よく調査し、支援のあり方もよく検討しなきゃならないと思います。
上田(清)委員 具体的にもう少し、調査しますとかじゃなくて、予算の審議も詰まってきておりますので、のんびりしたことでは、きちっとした我々の判断ができません。ぜひこの問題を明らかに、これは予算の問題ですから、予算の執行の問題で今議論をしておりますので、もう少しきちっとした説明をしていただきたい。(発言する者あり)いえ、ことしも予算が組んであります。
 財務大臣、この北方支援の平成十四年度の予算について、執行される意向があるんでしょうか、このような状態を見ても。
塩川国務大臣 これは一財務省だけで決定できませんから、財務省、外務省、よく相談し、内閣で協議して決定いたします。
上田(清)委員 今、財務大臣が、外務省と協議の上に本年度の北方支援事業の予算について検討するという、こういう……
塩川国務大臣 執行についてと私は言っておりますから。
上田(清)委員 執行について検討する。しかし、この予算について、この執行について疑問があるわけですから、予算について何らかの形で変更するということはありませんか。
津島委員長 上田君、時間が参りました。
塩川国務大臣 予算は予算として提出しております。その後におきまして、執行について協議をするということです。
津島委員長 上田君、時間が参りましたので、最後に一言。
上田(清)委員 委員長の御配慮によりまして、最後に一言言えということでございますので、総理、七年の五月三十一日のこの議事録は、外務大臣として、当時の欧亜局長が、こうした恒久的な建物については我が国の主権にかかわる話、そして、ロシアにおける北方領土が固定化するものを助長するものだ、こういう認識できちっと答弁している。ところが、翌朝は、そうじゃないというようなお話もあります。これも大変大事なところであります。やはり確認をしなければなりません。
 もう一点、だれによってこのことがなされてきたかということが明らかでありません。いまだに稟議書も出てない。ちゃんと資料要求しても出ない、五時まで待っても出ないというこの事実だけは明らかでありますから、委員長におかれましても、いま一度指示をしていただきたい、きちっと材料を出していただきたいということを。
津島委員長 理事会でよく協議をいたします。
 これにて上田君の質疑は終了いたしました。
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津島委員長 この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。(退場する者あり)
 第一分科会主査亀井善之君。
亀井(善)委員 第一分科会について御報告申し上げます。
 まず、内閣府所管については、海外から我が国への直接投資の阻害要因、円安傾向がもたらす我が国経済への影響など、
 次に、国会所管については、速記者及び議員会館の管理業務の民間委託の必要性、文書配付のあり方など、
 次に、内閣所管については、国家公務員の早期退職勧奨制度の抜本的見直しの必要性、行政機関における旧姓使用の許可状況などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 第二分科会主査八代英太君。
八代委員 第二分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、総務省所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、地方の税財政問題、望ましいIT政策のあり方、外国人配偶者の住民票記載問題、在留外国人の地域社会への参画、地上放送のデジタル化などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 第三分科会主査木村義雄君。
木村(義)委員 第三分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、保護司制度の現状及び今後の課題、沖縄本島における旧日本軍接収地問題、労働債権保護のあり方、北方四島支援事業に関する調査状況などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 第四分科会主査伊藤公介君。
伊藤(公)委員 第四分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、文部科学省所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、産学官連携の推進方策、小中一貫教育及び中高一貫教育に対する文部科学省の取り組み姿勢、注意欠陥・多動性障害の児童生徒に対する教育のあり方、国立大学改革の推進方策、伝統文化尊重の必要性、読書教育に対する支援の必要性などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 第五分科会主査井上義久君。
井上(義)委員 第五分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、厚生労働省所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、障害者福祉政策のあり方、社会福祉事業団職員の処遇見直しの必要性、現在の食品表示制度に対する認識、カネミ油症事件患者救済に伴う問題、院内感染防止に向けた取り組み、骨髄移植推進策のあり方、食品安全行政の一元化に対する認識、薬物乱用問題に対する現状認識及び対応方針などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 第六分科会主査北村直人君。
北村(直)委員 第六分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、農林水産省及び環境省所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、肉骨粉及び乳廃牛の処理体制の強化、BSE問題に対する農林水産省の取り組み、食料の安全確保に対する体制強化の必要性、将来に向けた農村の担い手対策、鳥獣保護法改正の必要性、地球温暖化防止に対する規制強化の必要性、京都議定書の二酸化炭素排出削減基準年の見直しの必要性、京都議定書発効に伴う我が国経済に対する影響などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 第七分科会主査小林興起君。
小林(興)委員 第七分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、経済産業省所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、BSE対策における中小企業救済策、電力自由化問題、新エネルギー普及の現状と見通し、エネルギー政策における原子力の位置づけ、経済産業省として行うべきデフレ対策、産学官連携の推進などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 第八分科会主査栗原博久君。
栗原委員 第八分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、国土交通省所管について審査を行いました。
 主な質疑事項は、中心市街地の活性化、千葉ニュータウン事業の実態、バリアフリー化の推進状況、都市部における住宅政策、道路関係四公団の民営化に伴う道路整備事業への影響、港湾の国際競争力の強化などであります。
 なお、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと思います。
 以上、御報告申し上げます。
津島委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。
 次回は、明六日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十分散会


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