衆議院

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第29号 平成14年7月22日(月曜日)

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平成十四年七月二十二日(月曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 津島 雄二君
   理事 伊藤 公介君 理事 木村 義雄君
   理事 北村 直人君 理事 小林 興起君
   理事 藤井 孝男君 理事 枝野 幸男君
   理事 城島 正光君 理事 原口 一博君
   理事 井上 義久君
      伊吹 文明君    石川 要三君
      衛藤征士郎君    奥野 誠亮君
      亀井 善之君    栗原 博久君
      小島 敏男君    阪上 善秀君
      高鳥  修君    丹羽 雄哉君
      西川 公也君    野田 聖子君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      林  幹雄君    細田 博之君
      三塚  博君    宮本 一三君
      持永 和見君    森岡 正宏君
      八代 英太君    山口 泰明君
      五十嵐文彦君    池田 元久君
      岩國 哲人君    生方 幸夫君
      大谷 信盛君    河村たかし君
      仙谷 由人君    筒井 信隆君
      野田 佳彦君    松野 頼久君
      松本 剛明君    三井 辨雄君
      青山 二三君    赤松 正雄君
      石井 啓一君    達増 拓也君
      中井  洽君    中塚 一宏君
      佐々木憲昭君    吉井 英勝君
      横光 克彦君    井上 喜一君
      西川太一郎君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         片山虎之助君
   財務大臣         塩川正十郎君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   国務大臣
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   総務副大臣        若松 謙維君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   経済産業副大臣      大島 慶久君
   内閣府大臣政務官     亀井 郁夫君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  瀧野 欣彌君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    大武健一郎君
   参考人
   (日本銀行副総裁)    藤原 作彌君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月五日
 辞任         補欠選任
  井上 喜一君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  西川太一郎君     井上 喜一君
七月二十二日
 辞任         補欠選任
  大原 一三君     森岡 正宏君
  亀井 善之君     林  幹雄君
  中山 正暉君     西川 公也君
  山口 泰明君     阪上 善秀君
  赤松 広隆君     生方 幸夫君
  河村たかし君     大谷 信盛君
  中沢 健次君     三井 辨雄君
  松野 頼久君     仙谷 由人君
  青山 二三君     石井 啓一君
  山口 富男君     吉井 英勝君
  井上 喜一君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上 善秀君     山口 泰明君
  西川 公也君     中山 正暉君
  林  幹雄君     亀井 善之君
  森岡 正宏君     大原 一三君
  生方 幸夫君     赤松 広隆君
  大谷 信盛君     河村たかし君
  仙谷 由人君     松野 頼久君
  三井 辨雄君     中沢 健次君
  石井 啓一君     青山 二三君
  吉井 英勝君     山口 富男君
  西川太一郎君     井上 喜一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件(経済・財政・金融)


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     ――――◇―――――
津島委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 本日は、経済・財政・金融についての集中審議を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁藤原作彌君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として総務省自治税務局長瀧野欣彌君、財務省主税局長大武健一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
津島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮本一三君。
宮本委員 自由民主党の宮本一三でございます。よろしくお願いします。
 きょうは、総理初め主要閣僚に御出席を賜りまして本当に感謝いたしておりますが、まず最初に、マクロ経済政策についてお伺いしたいと思います。
 振り返ってみて戦後五十年を見ましたときに、日本は確かに世界が驚嘆するような高度成長を遂げてまいりました。未来学者のハーマン・カーンさんは二十一世紀は日本の世紀だというふうに言われましたし、また、ハーバード大学のボーゲル教授は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本を書きまして、日本こそは間違いなく世界一だ、こう言ったのはまだそんなに遠い昔ではございません。
 事実、日本のすばらしさを勉強したいというアメリカの学者とか、いろいろな方がおりまして、私自身も、ある大蔵次官経験者に随行いたしまして、ワシントン、そしてニューヨーク、ハーバードとか、ずっと回った経験がございますが、それにしてもこのバブル崩壊後の日本の経済、どうしたんだろうかということであります。
 私は思うのですけれども、どんなすばらしいシステムでも、やはり五十年間たちますとどうしても金属疲労が出てまいります。今、日本が直面している一番大事な問題は、こうした金属疲労をした、従来はかつて輝ける制度であったけれども、これは何としても根本的に見直さなければいけない。
 そして、小泉政権が掲げる構造改革、これはまさに歴史的な要請に対応しているすばらしい対応であるというふうに確信をいたしております。小泉政権が発足いたしましてから一年余りが経過いたしましたけれども、ある人は、小泉内閣は大ぶろしきを広げるけれども実績は余りないじゃないかというやゆをする人もおります。しかし、私は正直言って、この一年余り小泉政権がやってきた改革への努力とその成果は、大方の予想を変えるすばらしいものであったと心から敬意を表しております。
 ところで、これから先、一体どうなるかなと。構造改革なくして景気回復なしというキャッチフレーズ、これは本当に構造改革の必要性を非常にわかりやすく強調しているというふうに思います。しかし、構造改革は一朝一夕にはできない、あるいは三年、五年、十年かかるかもしれない。サッチャーの改革は十年かかったと言われるし、アメリカのレーガンの改革は、皮肉なことに民主党に政権が、カーター政権になってから効果が出てきたと言われておる、そんな時間がかかるわけでございます。
 ただ、今度の改革について日本の国民は、どんなことがあっても我慢しよう、出血を伴うことはわかっている、痛みは耐えよう、そういう決意をして今対処しておりますけれども、残念ながら日本の経済、我慢の限界に来ているんじゃないかなという心配を私はいたしております。特に中小企業につきましては、痛みは耐えるけれどもこのままでは死にそうだ、もうだめだという声が聞こえてまいるわけであります。
 総理、ここで一つお伺いしたいのですけれども、最近、十五年度予算編成に関連してかなり厳しい御指示が関係閣僚に出されたような報道を見ておりますけれども、十五年度予算編成に当たりまして、公債発行の三十兆円枠内におさめるというこの考え方は十五年度においても維持されるのでしょうか、それともより弾力的に考えていただけるのでしょうか、お願いいたします。
小泉内閣総理大臣 十五年度予算についての国債発行枠、これについて、私は大胆かつ柔軟に考えていきたいと思っております。十四年度においては、三十兆円の枠を守るためにいろいろな努力をいたしました。十五年度においては、一般歳出を実質的に前年度以下に抑えよう、そのための徹底的な歳出の見直しを始めようということでありますし、なおかつ十五年度には税制改革、これを経済活性化につなげたいと思っております。
 そういう面から見て、私は、十四年度と同じというわけにはいかないと思っておりますので、経済情勢をにらみながら、いかにもろもろの改革、規制緩和を経済活性化につなげるか、こういう面から大胆かつ柔軟な姿勢で臨みたいと思います。
宮本委員 ありがとうございました。
 思い切って弾力的に対応するという御回答は得ましたけれども、ただ、歳出カットということが残っております。そして税制改革ということ、つまり税制面での刺激策、減税をやるから、その結果としての枠は弾力的に考える、そういう趣旨にとらえたわけでございますけれども、今、十四年度予算については三十兆円枠を守りたいという考え方のお話を聞きました。
 確かに、最近二、三カ月間の景気動向を見ておりますと、底入れをした、あるいは若干いい傾向が出ているんじゃないか、こういった見方もありますけれども、私は、このたびのやや明るい姿勢が出ているといたしましても、これは、アメリカ向けの輸出が非常に伸びていることや円安の効果が出ている。しかしこれも、アメリカ向け、ちょっとこのところ、あの株の動きなり、ワールドコムの倒産というふうな大ショックもありますし、ちょっと心配じゃないのかな、また、円安のメリットももう消えてしまったような気がいたします。
 今ちょっとよくなっているというその一番大きな原因は、小泉政権が十三年度に第一次、第二次と補正予算を組んでいただいた、その効果が今出てきているんじゃないかな。そういう角度からいいますと、十四年度中におきましてもこのままでいいというふうに私は思わないのでございまして、何とか追加的な補正予算のことも、総理、考えていただけないでしょうか。そこをお伺いいたします。
小泉内閣総理大臣 十四年度予算、現在執行中でありますので、この円滑な執行について意を用いていかなきゃならないと同時に、民間需要をいかに引き出すか、規制改革あるいは都市再生事業等、今着々と準備を進めております。現時点で、補正予算ということは念頭にありません。
宮本委員 補正予算なしで過ごせれば一番ありがたいと思いますけれども、これは私の感想でございますが、このままでは非常に心配であるということを申し述べます。
 ところで、何としても総需要を刺激していただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、一九二九年のアメリカの大恐慌がありまして、あのときにアメリカのGDPが三〇%ほど一挙に減ってしまいました。これは大混乱であります。ルーズベルトはニューディール政策だとかいろいろな形で需要創出努力をやってまいりまして、しかし、相当な努力はいたしましたけれども、あの三〇%のダウンを回復できない。やっと一五%までぐらい回復したのがせいぜいでありまして、結局、大恐慌前のGDPの水準に戻ったのは、一九四一年、第二次大戦が始まってからであります。
 日本のバブル崩壊、これは、資産デフレでいうと一千兆円とも言われております大不況であります。アメリカの大恐慌と比較するのはどうかと思いますけれども、これだけの資産デフレに見舞われた日本経済ですから、当然に大不況に陥る心配がありました。
 最近よく、あれからの十年を失われた十年だというふうなことを言う人がおります。政府のやることは何もかも後手後手になっているじゃないか、また、不良債権だってどうだ、一生懸命やっていると言っているけれども、いまだにけりがついていないじゃないか、まだふえているじゃないか、そんな非難もあります。
 公共事業に至りましては、こんな公共事業幾らやったって効果がなかったじゃないか、そして後に膨大な国債の残高を積み残しただけじゃないか、こんな見方が、非常に強く言われる方があるんですけれども、私は、むしろよくやった十年と言いたいと思うんですね。
 公共事業を悪者扱いするのはいいんですけれども、よく考えてみると、この公共事業をやったればこそマイナス成長にならなかったと言えるんじゃないでしょうか。そして、この十年間、平均してみますと、中にはマイナス成長の年もありましたけれども、平均してみると、何と一%弱の平均成長率を保ってきた、その十年であったわけでございます。
 私は、そういう意味では、本当によくやってきたと思うんです。ただ、残念に思うのは、平成九年のあの財政改革への性急な取り組みであったと思います。
 確かに、消費税も上げる必要がありました。また、特別減税の廃止とか医療費の引き上げ、さらにまた公共事業も思い切ってカットしてしまいました。このことが、私は、残念ながら、政策的にはあのタイミングとしては間違っていたのじゃないかなと。そのために、山一の崩壊、北拓、そしてあの長期信用銀行も外国の資本の傘下に入らざるを得なかった。
 そういったことを考えますと、非常にあの政策について残念に思うわけですけれども、私は、残念ながら、今の小泉政府の総需要政策、何かそのスタンスは、こんな言い方をするとおしかりを受けるかもしれないけれども、平成九年の二の舞にいきはしないか、そんな心配を正直いたしております。
 公共事業は、従来の箱物型中心はよくない。また、談合みたいなこと、あるいは大企業が受注を受けて丸投げする、こんなことは絶対に許すべきじゃないと思います。しかし、公共事業そのものを何としても削らなきゃいけないという、そんな時代ではないと私は思うわけでありまして、時に、日本の公共事業支出費が、GDP比で見ますと欧米諸国に比べまして非常に高いじゃないか、これは抑えた方がいいというような意見もありますけれども、日本の場合、社会資本はまだ後進国並みなんです。公園もありませんし、そしてまた、サラリーマンの住んでいる家はウサギ小屋と言われる程度であります。
 道路にいたしましても、やっと六千九百キロメートル。これは、ほんの十年ぐらい前、中国はゼロから出発いたしまして、今、何と一万九千キロメートルになっている。アメリカには、もちろん想像がつきません、差があります。フランスやドイツも、一万一千から二千というレベルでありますし、道路についてはまだまだやってもらいたいというふうに思うわけであります。
 総理、公共事業、これは、中身は変えますけれども、そして構造改革を実現すべきだと思いますが、需要を引き出せるために、何としても積極財政をここ二、三年やる方向へシフトしていただけないか、このようなことを思うわけですが、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 公共事業の必要性は認めますが、すべての公共事業が景気にプラスになるかということとはまた別の問題だと思っております。やはり重点的、どこに公共事業の財源を回すかという視点も重要ではないか。
 しかも、財政出動といいますけれども、財政には余裕がございません。そういう中で、私は、いろいろな見直しが必要ではないか、また、公共事業以外にも経済活性化のための必要な事業というのはほかにもあるのではないか、そういう点もよく気をつけなきゃいけない時代に入ってきたのではないかと思っております。今まで、景気が悪いと公共事業ということに頼ってまいりましたけれども、もう構造問題に手をつけないと現在の景気停滞は打開できないのではないかと思っております。
宮本委員 総理のお考えもよくわかるのでございます、そして財政に余裕がないというその考え方も私はよくよくわかるわけでございます。
 しかしながら、この日本の経済、このまま二年、三年続けていきますと、構造改革は必要だし、またその成果を期待するわけでございますけれども、なかなかこの二、三年に構造改革の成果が景気回復に結びつくような形で出てくるかどうかについては、非常に私は心配をいたしております。何とかこの二、三年だけでも、財政赤字を覚悟で積極的にやっていただきたい。
 確かに、財政は心配であります。私も、その財政の心配を一番している一人であると思っておりますが、ちょうど二十年ほど前、渡辺美智雄大蔵大臣のときに、日本の債務残高、長期債務が百二十兆に達しておりました。GDPでいうと四十何%。しかし、このままいったら大変なことになるぞという危機を持ちまして、渡辺大臣にお願いをして、財政再建の必要性のキャンペーンをスタートしていただきましたが、それに対しまして、東京大学の内田忠夫教授が公開質問状で、どうも大蔵省の財政主導主義は納得できない、財政も大事だけれども、もっと大事なものがあるんだという公開質問が出されました。それに対して、私の方で、これは私の名前で大蔵省見解として、昭和五十五年の九月でございましたけれども、渡辺大臣にかわりまして内田忠夫に反論を日経新聞に出した記憶があります。
 私は、財政の健全性、これは本当に必要だと思っておりますけれども、しかし、今の日本の経済、これは財政も大事だけれども、本当にこのまま、今ちょっと景気はいい色は見えているというけれども、私は長続きするかどうか疑問です。何としても、この二、三年、勝負でございますので、そして構造改革はしっかりやっていただきたい。それだけに、それと並行して、二、三年、場合によっては百兆から百五十兆の公債発行がふえてもいいというぐらいの覚悟で、何とか財政運営を、そして経済運営をリードしていただけないか。
 確かにムーディーズが、A2の格下げにやられましたけれども、これはムーディーズの勉強不足だと私は思います。日本の場合、海外資産、特に国全体としてネットの海外資産が一兆四千億ドル。アメリカの場合は、今や二兆二千億ドルのマイナスであります。この日本の黒字に対して、二番手のドイツだって、せいぜい二千億ドルぐらい、あるいは三千ぐらいじゃないかと思います。もう断トツのネット資産を日本国は持っております。確かに財政は六百九十三兆という債務があるということで、一四〇%だと大騒ぎしておりますけれども、細かいことかもしれませんが、この六百九十兆の中には、特別会計の債務を全部国の債務として計算していますので、中には、国の債務と考える必要のないようなもの、例えば郵貯特会の借入金なんというのは六十兆ぐらいありますけれども、これは債務とは言えないと私は思うわけでありますが、そういった問題はテクニカルな問題ですから。
 それにしても、この数字だけに余り気を使わないで、何とか、場合によっては百兆、百五十兆。二十年前心配しておるころからすると、もう本当に百二十兆が六百九十兆になっちゃったわけですから、これからもうちょっといいだろうというのは大ざっぱな言い方かもしれぬけれども、今ここまで経済が傷んでおります。何とかもう少し、赤字を覚悟でこの二、三年走ってもらえないか。そして、この蛇口を握っているのが、総理、あなたでございますから、総理が蛇口を少し緩めれば、あしたにも景気はよくなります。何とかひとつお願いしたい。どのように総理はお考えでしょうか。
小泉内閣総理大臣 目先のことだけ考えてはいけないと思っております。現時点において、財政も金融も政府としてはかなり大胆な財政金融政策を打ってまいりましたけれども、なかなか経済の方は思わしい回復を示さない。そういうことから、この構造問題にメスを入れようということで、特殊法人等あるいは規制改革等、さらに政府と民間のあり方、中央と地方とのあり方、税のあり方、こういうものに本格的に取り組もうじゃないかということでやってきているわけであります。
 私としては、中長期的に望ましい改革は何かという観点から現在何が必要かという点に意を用いて、これからの経済財政対策を打っていきたいと思っております。
宮本委員 ありがとうございました。総理の御意見はよくわかるわけでございます。
 金融問題について、ちょっと時間がもうなくなりましたけれどもお聞きしたいんですが、ひとつ、その前に、高速道路の整備の必要性を強調したいと思いますが、同時にまた高速料金の問題です。
 今、明石と淡路の間にすばらしい橋がかかっておりますが、いかにも料金が高いわけでございまして、あの橋ができたときにはフェリーボートがもうなくなると思っておりました。ところが、フェリーボート、今も栄えております。なぜかといいますと、やはり橋の料金が高いからであります。また、橋の料金を下げるための――フェリーを使うのもいいんですけれども、そのついでにせっかくのハイウエーを走らないで一般道路を大きなトラックがばんばん走っております。これは非常に迷惑な話でございますし、またせっかくのハイウエーをうまく利用していない。そういう意味で、何としてもあの橋の料金とそして高速料金、これを下げるということを考えていただきたいと思います。
 特に高速道路については、夜中に大きなトラックが道の端をぶわあっと走るのは、本当にこれは迷惑でございますので、深夜だけでも高速料金を下げるということにしますともっと利用が高まるのじゃないかな、こういうことをひとつお願いだけをいたしまして、金融問題にひとつ入りたいと思うんですが、それと、大蔵大臣もいらっしゃいますので、固定資産税の問題について、ちょっと、確かに商業地の問題が問題になっておりますが、市街地になっている農家の固定資産税が非常に高い。一反例えば七万円の固定資産税を払って、しかし結局そこから生まれる生産は十万円しかない、そんな事態もありますので、ひとつ大臣にお耳にだけ入れていただきたい、このように思います。
 時間が参りましたので、金融問題については、ペイオフ、これは本当に大事なことではありますけれども、今のこの時期に何としてもやり切る必要があるのかどうか。よほどセーフガードを考えてもらわないと、心配であります。アメリカの場合も、大きな金融機関については、コンチネンタル・イリノイが十七年前につぶれた、それ以外つぶしておりませんし、これについても、つぶれたけれども全額保護している、そういうこともあるわけですので、実行するにいたしましてもよほど慎重に準備してもらいたい、そのように思うわけでございますが、どうでしょうか。
柳澤国務大臣 ペイオフは、私どもとしては、構造改革の一環だ、このように考えております。株主のみならず預金者の厳しい目も銀行の経営に注がれるということのために、銀行経営者は本当に死に物狂いでみずからの経営をしっかりさせなければならない、これが我々、金融機関の構造改革そのものだ、このように考えております。したがって、この基本を揺るがすということはあり得ないことだと私ども考えております。
 しかし、金融のことは、常に私ども、システムとしての信頼性、安定性ということには思いをいたしておらなければならないということも確かでございまして、私どもとしては、したがって、預金者の信頼が欠くるところのないように、不断に、官民挙げてより強固な、安定的な金融システムの構築のために気を配ってまいりたい、このように考えているところであります。
津島委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井啓一君。
石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず金融問題から入りたいと思いますが、柳澤大臣、よろしくお願い申し上げます。
 中小零細企業に対する金融検査でございますけれども、現行の金融検査マニュアルでも、中小零細企業に関する債務者区分、正常先か要注意先か要管理先か破綻懸念先か破綻先かという、この債務者区分については、その企業の財務状況のみならず、技術力や販売力や成長性、あるいはその代表者の収入状況や資産内容等を総合的に勘案し、当該企業の経営実態を踏まえて判断する、こういうふうに記述はされておるんですけれども、これが非常に抽象的でありまして、実態としては大企業と同じように財務状況だけで判断をされていて、経営実態はそんなに悪くないにもかかわらず債務者区分が悪くなっている、その結果、金融機関から貸し渋り、貸しはがしを受けている、こういう声が非常に多くございます。
 私どももこの金融検査の見直しというのは求めてきたわけでありますけれども、金融庁もこのたび対応をされまして、この六月の二十八日に、中小零細企業の債務者区分の判断にかかわる具体的な検証ポイントがどういうポイントなのかということと、その検証ポイントに係る運用例、金融検査マニュアルの運用例が公表されたところでございますので、本日は、その概要を御紹介いただきまして、そして、今後の金融検査では中小零細企業の特性に十分配慮いたしまして、経営実態を的確に把握した上で債務者区分を行うことを指導していただく、このことを表明していただきたいと存じます。
 柳澤大臣、よろしくお願いいたします。
柳澤国務大臣 金融検査マニュアルでもって金融機関の検査をさせていただいておりまして、今委員が仰せのとおり、各債権につきまして債務者企業の区分を決めている、こういうことでございます。
 そこで、債務者企業の財務の状況というものが基本的に区分をする上の着目点ということになるわけでございますが、その際、金融検査マニュアルにおきましても、中小企業を見る際にはよくよく注意して見なければだめだ、提出されている財務諸表の計数だけで判断をするということをやりますと、本当に企業の実態というものを見誤る危険性がある、こういうことは避けなければならないということが従来とも書いてあったわけでございます。しかしながら、その書き方がやや抽象的で、金融検査官の第一線の仕事に本当に反映しているだろうかというようなことについて、いろいろな方々からの声がございました。
 そこで、私どもとしては、今回、検査マニュアル別冊というものを作成いたしまして、中小企業融資に当たって着目すべきポイントというものを示すと同時に、その具体例を掲げさせていただいて、こういうことについては検査官が注意をしなければならないところであるということを明確に決めさせていただいたということでございます。
 その例を挙げてみろ、こういうことでございますので、若干主なところを挙げさせていただきますと、先ほども申したように、企業の実態的な財務内容というものを把握するに当たっては、中小企業者の場合には代表者等の資産と企業の財務とが一体になっているケースがある、その場合には、あくまでもその企業の財務内容だけで判断するのではなくて、代表者等が実際その企業に貸し付けをしている、しかし、その貸し付けをすぐ回収しようと思っていないというように、あたかも自己資本として機能しているというようなことがあれば、それはそれでしっかり参酌すべきであるというようなことを資産との一体性ということでは申しているわけでございます。
 第二に、企業の資質そのものを見るという着眼点を明らかにしておりまして、資質というのは潜在的な力ということでございますけれども、技術力がある、これはもう親企業だとか大企業から見ても、とてもそれは捨てがたいものである、そういう技術力がある、あるいは販売力がしっかりしている、こういうようなものについてはよくよく、表面にあらわれた財務状況だけではなくて、そうした潜在的な力というものを勘案して格付をしなければいけない、こういうことを申しているわけでございます。
 その他、業種等につきましても、業種特有のいわば懐妊期間であるとかそういうようなものがありますので、余り画一的にこれを判断してはいけないというようなことを掲げさせていただいておるというところでございます。
 私ども、このことにつきましては、事前の研修、それから、実際に検査が行われているその現場の第一線でいろいろ対応していただいているときに、経営者に、今入っている検査官の検査はどんなふうにお感じですかというようなことを、バックオフィスの検査当局が経営者との間でいろいろ打ち合わせをする、それから、場合によっては、不満だ、どうしても納得いかないということであれば意見申し出の制度も御活用いただいて結構である、こういうようなことを申させていただいておるというところでございます。
石井(啓)委員 ぜひ、検査官に徹底をしていただきまして、中小零細企業の方々が安心できるように、よろしくお願いいたしたいと存じます。
 続いて、ペイオフ解禁について引き続き柳澤大臣に、二つの質問、続けてお聞きいたします。
 一つは、ことしの四月、定期性預金のペイオフの解禁をいたしたわけでありますが、今の法律によりますと、来年の四月には普通預金、当座預金等のいわゆる決済性預金のペイオフ解禁が控えているわけでございますけれども、こういった決済性預金のペイオフ解禁を一年ずらした理由はそもそもどういうところにあるのか、こういうことが一つでございます。
 もう一つは、今金融庁で、特に地域金融機関を中心といたしまして合併等を促進する政策を検討しているというふうに聞いておりますけれども、その理由、背景、またその政策の概要について御説明をいただきたいと存じます。
柳澤国務大臣 ペイオフに当たりまして、これを二段階でもって実行するということで、ことしの四月からは定期性預金についてペイオフを施行させていただいております。そして、明年の四月からは流動性預金にもこれを適用させていただくということでございます。
 このように、二段階のペイオフ凍結解禁はいかなる考え方でそうなったのかということでございますけれども、これについては、金融審議会の御議論あるいは与党の御議論の中でいろいろと御議論がございまして、そして、特に流動性預金を解禁するに当たっては、迅速な破綻処理というようなことの体制がしっかりとれているという、その条件整備が必要なのではないかということでこういうふうになったものだと私ども理解させていただいております。
 それから第二点でございますけれども、地域金融の再編、特に合併等というふうに言わせていただいておりまして、必ずしも我々、再編というようにアプリオリに、何か、地域金融の各県別の金融機関のシステムはかくかくしかじかあるべきだ、それに向けて誘導をしていく、あるいは場合によっては強制をしていくというような考え方は持っておりません。
 むしろ、個別の金融機関がこれからのいろいろな経済情勢、金融情勢を展望する中で、自分たちはあの銀行と合併をする、あるいはその他の、子会社化とか、そういうようなものを考えて、そのことによって、より地域の人たちに充実した金融サービスの提供ができるというような経営戦略についての経営判断、こういうようなものがあって合併等の選択肢を選択される、こういう場合にはこれを支援していこうではないかという考え方で、先般、私ども、その検討項目のいわば外延を明らかにさせていただいた、その内容については今後さらに詰めてまいりたい、このように考えております。
 検討項目の外延いかにということでありますと、第一点は、手続の見直しというようなことでございます。それから第二番目には、コストを削減するための方策、これを何とか、合併等に当たってかさんでしまうコストを軽減してやれないかということでございます。第三点は、自己資本の充実のための方策について、規制の緩和その他、何が支援できるか。それから第四点は、預金保険上の経過措置、定期預金だと一千万ですけれども、合併した途端にまた一千万になると、そこの二つの金融機関に一千万円ずつやってきたら、それじゃもう間尺に合わなくなる、これは経過措置を置くべきではないか。こんなようなことを今検討項目の外延として明らかにさせていただいておりまして、今後検討を詰めてまいりたい、このように考えているところでございます。
石井(啓)委員 ペイオフ解禁を決めました預金保険法の改正を前にいたしました金融審議会の答申の中では、流動性預金、すなわち決済性預金を一年間ずらした理由としましては、個人や企業の決済が金融機関の破綻によって滞るようなことがありますと、これは経済に大変な影響を及ぼすという懸念から、破綻処理を迅速化したりあるいは多様な決済サービスをつくるという、決済になるべく混乱が生じないような措置をとるための猶予期間としてこの一年間というのは設けられているわけでございます。したがいまして、決済に混乱を生じないような措置がきちんととれるかどうかということは冷静に判断しなければいけないと私は思っております。
 それからもう一つ、地域金融機関の合併でございますけれども、私は、ペイオフ解禁する前にこういう合併等は本来はきちんと済ませておかなければいけない問題だと思うんです。
 ことしの四月の定期性預金のペイオフ解禁につきましては、普通預金とか当座預金がまだ全額保護されるということで、ある意味でバッファーがありましたので、避難場所があった。実際にデータを見ますと、定期性預金が相当減っておりまして、流動性預金がふえております。昨年の四月では、定期性預金が、これは銀行ベースでいきますと、約二百七十六兆円ありましたのが、ことしの四月では二百三十六兆円、四十兆円減っています。一方で流動性預金は、昨年の四月、百八十二兆円ありましたのが、本年約二百四十二兆円ということで、これは逆に六十兆円ふえているんですね。
 こういう大きな預金の流動があったわけでありますけれども、来年四月のペイオフ全面解禁というのは、こういういわばバッファー、避難場所がないということでありますから、これは相当、預金者の不安心理が払拭できるような金融システムの安定化というのを図っていなければいけないというふうに思うわけでございます。
 私は、ペイオフ全面解禁の前提というのは、今申し上げましたように、決済に混乱が生じないような措置がとれるのかどうかが一つ。もう一つは、預金者の不安心理がきちんと払拭できるような金融システムの安定化が図られているのかどうか。この二つの前提をきちんと見きわめることが重要であるというふうに考えます。総理の見解を伺いたいと存じます。
小泉内閣総理大臣 ペイオフ実施に向けて、金融機関も経営の健全化に努力していかなきゃいけない。実施への対応ができないから延期してくれという声が一部にはありますが、そういう方策はとりません。実施が円滑に行われるように不安をなくすような対応はとりますけれども、むしろ、実施だということによって金融システムの健全性を図る、官民挙げて改革の実現に向けて努力をしていかなきゃならないと思っております。
石井(啓)委員 ペイオフ解禁という目標を設定して、その目標に向けて金融機関の経営者に経営健全化の努力を促す、こういうことはよくわかります。今簡単にペイオフ解禁を延期すると、その緊張感といいますか、努力が緩むのではないか、こういう懸念も理解できるところでありますけれども、ただ、最終的に決断するに当たっては、やはり金融システムに混乱を生じることは絶対避けなければならないことでございますので、そういった観点から、解禁の前提が満たされるかどうか、冷静に御判断をいただきたいと存じます。
 引き続きまして、外形標準課税についてお尋ねをいたしますが、経済財政諮問会議のいわゆる骨太の方針第二弾あるいは政府税調の答申でこの外形標準課税の導入が盛り込まれておりまして、今議論が沸き上がってきているところでございます。
 まず、総務省にお尋ねをいたしますが、そもそも、都道府県税であります法人事業税に外形標準課税を導入しようとする理由について、まず確認をさせていただきたいと存じます。
若松副大臣 法人事業税の外形標準課税導入の必要性の理由でございますが、主に四点ございまして、一点目は税負担の公平性の確保、二点目は応益課税としての税の性格の明確化、三点目は地方分権を支える基幹税の安定化、四つ目が経済の活性化、構造改革の促進、こういう重要な意義を有する改革でございまして、受益と負担の関係を明確にして真の地方分権の実現に資するために、早急に導入をしていただきたいと考えております。
 ちなみに、これは県税でございまして、平成三年が六・五兆円あったのが平成十二年は三・九兆円まで四割激減しております。そこで、先週の七月十八日に開催されました全国知事会議におきまして、この外形標準課税の導入につきまして、平成十五年度税制改正において実現することの緊急決議がなされたところでございます。
 今後とも、平成十五年度税制改正での導入を目指して、全国知事会または全国都道府県議会議長会などとの連携をとりながら、関係方面の理解を得られるよう全力を尽くしてまいりますので、どうぞ御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
石井(啓)委員 それでは、竹中大臣にお伺いいたしますけれども、今の法人事業税は、所得に対して九・六%という税率がかかるわけでございます。今の外形標準課税として出ている案は、所得に対しては現行の半分の四・八%にする、残りの半分に相当するところを、給与とかあるいは資本金、新たな課税標準で課税をする、こういうことでありますね。
 経済財政諮問会議の基本方針では、法人課税の実効税率を下げる一環として外形標準課税を検討するというふうにしておるんです。確かに、所得に対する税負担は、今申し上げましたように下がるわけでありますけれども、新たに給与や資本金などの基準に課税されるわけですから、企業の実質的な税負担が軽減されるとは限らないわけですね。これは個別企業ごとに違うはずなんです。どうして、実効税率を下げる一環として外形標準課税の検討ということがうたわれたのか、この点について御説明いただきたいと思います。
竹中国務大臣 税の負担を御議論いただく場合に、いわゆるマクロの税の負担と、税を負担する構造の部分というのを分けて考える必要があるというふうに思います。
 御指摘のとおり、これは基本的には税収の中立で総務省の試算はなされていると思いますので、その意味では、負担というのは当たらないという委員の指摘はそのとおりであろうかと存じます。ただ、経済を活性化させるという観点から、課税ベースを広げてその分税率を薄くしていくということは、やはり活性化のための基本的な方向であるというふうに思うわけでございます。
 もちろん、その場合に、例えば零細企業等々に負担が極度に重くならないような配慮というのは、恐らくさまざまな制度設計、これは今後の問題でございますから議論がされていくわけであると思いますが、あくまでも課税ベースを広くしてその分の負担率を薄くしていく形で経済の活性化を図っていく、マクロの負担というよりは、その構造の部分でそういった議論が出てきたというふうに理解をしております。
石井(啓)委員 実効税率を下げるために外形標準を導入するというのは、私はそういう意味では誤解を招くと思うんですよ。何か企業の税負担を下げるかのような誤解を招くんじゃないかと私は思うんですね。そこは説明が必要だと思います。
 また、先ほど若松副大臣から説明がありましたように、そもそもこの外形標準の導入の目的は、公平性だとか、受益に応じた負担を求めるとか、あるいは都道府県の税収の安定性だということが主なる目的でありまして、実効税率を下げることが目的ではないんですよ。だから、実効税率を下げるために外形標準を入れるというのは、ちょっとこれはおかしいはずなんですね。
 そもそも、経済財政諮問会議の民間議員の間では、これは法人事業税ではなくて法人税の本体の税率を下げるという議論をされていたんじゃないんでしょうか。竹中大臣、どうでしょう。
竹中国務大臣 委員まさに御指摘のように、法人税の実効税率を下げるために外形標準の課税を導入するというのは、明らかにそういう考えではございません。実効税率をやはり下げるべきである、これは国際的な比較等々からさまざまに議論して、経済活性化をしようということが一方の議論であって、外形標準課税そのものは、先ほど副大臣が説明したように、まさに応益負担の原則から出てくる一つの税制の改革の方向だと思います。
 ただ、実効税率を下げるというその方向性を、経済財政諮問会議では基本方針でありますので議論しているわけで、では具体的にどのような形で実効税率を下げるのか、それをどの程度下げるのかというのは、まさにこれからの制度設計の議論になってくるわけでございます。その中の一つのやり方としてそういう外形標準の話もあるというようなことが議論されたことは事実でございますけれども、これは税の改革の目的からすると、実効税率を下げるということとその負担の公平を図るということは、やはり基本的な理念は違っている、そのように理解すべきであるというふうに思っております。
 委員まさにお尋ねの諮問会議の中での民間議員の議論というのは、実効税率を下げるということによって経済を活性化しろ、そこにあくまでも重点があるわけでございます。
石井(啓)委員 法人税の税率を下げる議論を避けるために外形標準課税を導入するということであれば、私はちょっとそれはこそくなんではないかなというふうに思います。
 それで、総理にお尋ねをいたしますけれども、この外形標準課税について、受益に応じた負担を求める、あるいは税収の安定化を図る、こういう目的自体は理解できなくもありませんけれども、やはり導入に当たっては景気の状況等を十分勘案していただきたいと思います。総理の御見解を伺いたいと思います。
小泉内閣総理大臣 今竹中大臣が答弁しましたように、法人税の実効税率を下げるということは経済活性化に資するものではないか、それと外形標準課税、これは法人事業税の議論とは分けて考えるべきだと思います。
 そういう中にあって、税制の抜本改革がどうあるべきかという観点で議論されているということを御理解いただきたいと思いますし、外形標準課税のやり方についてはいろいろ方法があります。中小企業に対して、どのような配慮が必要か、またどういう年次をどうすべきか、いろいろな方法があると思うんです。それは今後の議論にゆだねたいと思います。
石井(啓)委員 今の案でも、中小零細企業に対する配慮あるいは段階的に導入する、こういうことは盛り込まれてはおりますけれども、景気の悪いときに導入を決めること自体納得がいかない、こういう声が強いわけでございますので、この導入時期については慎重に御検討いただきたいと思います。
 以上で終わります。
津島委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。
 次に、西川太一郎君。
西川(太)委員 私は、ペイオフ問題についてお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 もとより、ペイオフ解禁が一部の預金者を救済するために納税者がコストを負担する仕組みに関連しているということは、重々承知をいたしております。金融システムや経済の健全な状況が確保され、また金融機関の情報が預金者に十分周知徹底されているという状況の中でペイオフは解禁されるべきだというふうに考えられるところでありますが、現在の状況はそうしたペイオフ解禁の前提条件を本当に満たしているのか、こういうふうに考えますと、若干の疑義があるんじゃないか、こんなふうに思っております。
 政府は昨年以来、信用金庫、信用組合の破綻をペイオフの部分解禁の前提として強力に推進してきたわけでありますけれども、それは本当に預金者に信任されているんだろうか。私は、金融庁が金融システムは安心であると何回も強くおっしゃっているにもかかわらず、預金者はなかなかそれを信用していない、そう言っても言い過ぎじゃないと思うんであります。
 結局、地域金融機関から都銀大手行への資金のシフトというのはかなり見られます。そして、来年四月の全面解禁ということのインパクトは、本年の定期性預金に関する解禁よりもはるかに大きな影響を与える、こういうふうに心配をいたしているわけでございます。特に地域経済が疲弊している中で、あくまで実行するという考え方は、まだ国民に十分浸透していない、こういうふうに心配をいたしているわけでございます。
 そこで、まずは地域経済を支える中小企業の現況について経済産業大臣にお尋ねをさせていただくわけでありますが、現在のように預金者が我が国の金融当局あるいはシステムに対して十分信任を与えていないような状況が仮に続いたとした場合、来年四月に向けて、地域の金融機関から都銀でありますとか郵貯に資金が大量にシフトする、こういう可能性の中で流動性リスクを管理する観点から、地域金融機関は、長期の貸し出しを渋ったり、または健全性の確保されている企業からも貸しはがしをしたり、長期貸し出しを抑制せざるを得ない、こういうようなことになる心配も私はあると思うのであります。
 こういう動きが地域金融機関の破綻にもつながるようなことがあった場合、地域経済の資金供給に大きな支障が生じて、企業倒産、失業ということがますますひどい状況になる。そして、一生懸命やっているにもかかわらず地域経済の回復が遠のく、こういうことになることを私は心配しております。
 ペイオフ完全解禁に関して、地域経済における中小企業に対する資金供給が円滑に行われることが大前提であると考えるわけでありますが、平沼経済産業大臣は現時点でこの点についてどんな御認識をお持ちなのか、まずお尋ねをさせていただきたいと存じます。
平沼国務大臣 西川先生にお答えをさせていただきます。
 バブルが崩壊をいたしました。そして、その後大型倒産が続き、また地方の中小金融機関、この破綻も続いたわけであります。またBSEの問題等もありまして、中小企業を取り巻く金融情勢というのは非常に厳しい局面にあることは事実です。
 一番厳しい状況のときは平成十年の十月でございましたけれども、このときは、調査によりますと、三五%を超える方々が非常に金融情勢は厳しい、こういう認識でありました。その後、いろいろ手を打たせていただいて、二年後の十二年九月には、それが一九・四ぐらいに減ってきたことは事実です。しかし、また最近調査をいたしましたら、本年の六月、直近のデータでは、それが二三・九、二四にふえてきているわけでありまして、大変厳しい状況に相なっていることは事実です。
 そういう中で、やはり日本の企業の屋台骨を支えていただいている中小企業にしっかりとした手当てをしていかなければならない。こういう観点で、実は、本年の二月の早急に取り組むべきデフレ対策におきましても、中小企業の金融に対するセーフティーネットを一層緩和をして、我が省としては対処させていただきました。さらに、例えば特別保証制度のいわゆる既往債務、これに対して、皆さん一生懸命頑張って払っていただいているわけですけれども、ここを条件緩和をしてその支払いを延期するとか、そういう形で我々、きめ細かく対応しています。
 いずれにしましても、非常に厳しい情勢でございますから、そういう状況をしっかり見て、そして適宜適切な措置を講じていくことが私は必要だと思いまして、来年四月のペイオフ解禁に向けて、我々は、さらにそういった慎重な調査と慎重な対応、そして十分な対応をしていかなければならない、このように認識しております。
西川(太)委員 柳澤大臣にお尋ねをさせていただきます。
 先週でございますけれども、この国会周辺のホテルに中小企業四団体の方々が大勢お集まりになりまして、そして、先ほど公明党の石井議員のお尋ねにありました外形標準課税の問題、消費税の問題、そして政府系金融機関の問題とあわせて、このペイオフの延期ということについて強い御要望があって、国会議員各位に、それぞれ地域の方々が陳情にお参りになったわけであります。私のところにもそういう方々がおいでになりました。
 そして、伺いますと、一番心配されているのは、ただいま申し上げましたように、ペイオフが、確かに国際経済の中で、ジャパン・プレミアムの問題とか資金が外国に流れてしまう問題とか、大きく見て、小泉総理の改革を実施するには必要なことであるというのは私もよくわかるんです。
 しかし一方で、中小企業者の切なる願いは、ただいま平沼大臣がおっしゃったような状況が実際ありまして、そういう金融が、中小企業の原資が減っちゃうんじゃないか。そして、現に三割近いお金が大手行や郵貯に回っている、シフトしちゃっている。それから、公的な区役所でありますとか市役所でありますとか、そういうところのいわゆる収納金対策というものが、指定金融機関を変更するということになって、そして定期性預金からもう既に決済性預金に変わっちゃっている。来年四月については、心配だから、その指定を取りやめて、そして大手行に、または郵貯に移るということになると、これは大変その地域金融機関のフェース・ツー・フェースの貸し出しができなくなる。
 ペイオフの解禁が、マクロ経済、日本の金融システムを国際社会の中で健全であるということを表明するということは重々承知しているんですが、しかし一方で、その中小企業の苦しい足をさらに引っ張るんじゃないかという心配がございまして、このことについてもっとやるべきことがあるんじゃないのか。例えば、情報を開示したり、それから不良債権をもう新たなものが出ないように徹底的に処理をしたり、そういうことの後にペイオフを完全実施しても遅くないんじゃないか、とりあえず来年四月は延期してほしいという声がありますが、いかがでございましょう。
柳澤国務大臣 今の西川委員のお話を聞いておりますと、何もかもわかっていらっしゃって御質問になっていらっしゃる、問いも答えも全部わかっていらっしゃっての御質問という気がいたしまして、何か私の方が申し上げることがかえって失礼になるような気持ちもするわけですけれども、一つは、私ども、今度、中期ビジョンの関係でいろいろと専門家の御議論を聞いておったわけですが、やはり地域金融機関というものはリレーションシップバンキングだということを、新しい概念、学者の世界では昔からの概念かもしれませんが、私なぞは教えていただいたわけでございます。
 そう言われれば、IRという言葉はよく知っているね、その前に何よりもPRという言葉は知っていますね、これはパブリックリレーションシップで、自分たちの企業のことをよくわかってもらっているということで、社会的な認知を受ける。それからIRとは何かというと、このごろ非常に盛んなんですが、インベスターズリレーションシップ、これは、自分の会社の株を買ってくれる人に対して、自分の会社はこうですよと一々説明に行くというようなことでございます。
 ですから、リレーションシップバンキングの場合には、今度は貸出先に対しても、貸出先のおやじさんのことも非常によく知っている、それから貸出先の方々も銀行の経営者をよく知っている、こういうリレーションシップ、そういうことでバンキングを行うんだということでございます。
 私は、加えて、デポジターズリレーションシップというものももっとあるべきじゃないか。つまり、インベスターズリレーションシップだけじゃなくて、金融機関にとっては預金の大事さというのはこれはもう言うをまたないわけでありますから、預金者に対して、自分たちの銀行はこういう銀行なんだ、こういう収益を上げる見込みなんだ、それからこういう健全性を持っているんだ、こういうようなことをどんどん言っていく。
 先般あたり、私、テレビをたまたま見ておりましたら、昔、銀行に就職すると、自転車をこいで、私の同級生なんかも預金者回りしておりましたが、そういったことを最近聞かなくなった。預金は店に座っていれば自動的に集まってくるなんという、そういう世の中になってしまったんですが、もう一回、デポジターズリレーションシップというものをやらなきゃならない、そういう時代に入ってきたと私は思います。
 そういう意味で、情報が行き届いちゃいないじゃないかというようなお話がございましたけれども、情報は、もう移しますよと言った途端、死に物狂いになって情報を提供しているというのが現在の銀行なんではないんだろうか。私は、あてがいぶちの情報よりも、もっとそうした個別の関係における情報の方がはるかに生きた情報を供与することになるんではないか、このように考えております。
 私は、やはり今構造改革を進めさせていただいておりますので、こういう努力、こういう銀行側の努力、それからまた、いろいろな銀行を取り巻く人たちの努力というものを全部捨象して、今からどうしたらいいかというような議論よりも、何をみんなが努力すべきかということをもう少し考えさせていただきたいということを改めて申し上げさせていただきます。
西川(太)委員 何か大変難しい御答弁で、私はよくわからなかったのですけれども、もう時間がほとんどありませんので、総理大臣に最後の一問をお尋ねして終わりたいと存じます。
 地域経済を考えた場合には、地域経済を支える中小企業やその雇用者が安心して事業や生活を行える環境というのは、これはぜひ整えていかなければいけない。しかし、現在の地域金融機関の不安定性ということを考えると、事業基盤を安心してそうしたところにゆだねることができない状況にあるというふうに見られているわけでありますが、こういう中で、中小企業金融に関する政府の役割が非常に重要だというふうに考えます。
 総理にぜひこの点についてお力を注いでいただくようにお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
小泉内閣総理大臣 金融システムの健全化を図る上において、大手、中小問わず、改革の時代であるという認識をよくしていただきまして、それぞれの消費者、預金者からの信頼をかち得るような努力をしていただきたい。政府としても、そのような努力を促進させるための対応をしっかりしていきたいと思っております。
西川(太)委員 終わります。
津島委員長 これにて西川君の質疑は終了いたしました。
 次に、五十嵐文彦君。
五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。
 私は、前回の予算委員会でも、本質的な日本経済の根幹の問題、これをお話ししたいということでさせていただきましたけれども、その続き、あるいは一部では繰り返しになるかもしれませんが、大事な話ですので、お時間をいただきたいと思います。
 私は、やはり日本の今の問題というのは、経済のグローバル化、これがまず基点にあるんだろう、こう思っております。東西の冷戦構造が終わりを告げ、IT革命あるいは交通手段の進歩によって、どこで物をつくっても同じような品質のいいものができる。コンピューターで品質管理しますから、もうどこでもできるんだということになってしまった。そして、ロシアや中国という新たな国が自由主義経済の社会の中へ入ってきて新たな生産基地になるということが、グローバル化というものが大きな原因になってきて日本の今の状況が生まれてしまった。これに立ちおくれてしまった、これに対する対応が。
 アメリカやドイツ、ヨーロッパ、それからシンガポールでも、この産業立地の国際競争激化というものに対応した国家戦略をみんな組んでいるんですけれども、日本は、一方でバブルの崩壊というものがあったものですから、それに目くらましといいますか、目がくらまされてしまって、バブルの前に戻しさえすれば何とかなるだろうという気になってしまったものですから、例えば、バブル崩壊以前の土地価格に土地の値段が戻ってもまだなお資産デフレが続いているということに対して、おかしい、おかしいと言うだけで適切な手が打てなかった、これが大きな問題なんだろうと思いますね。
 そこで、土地すらも、こうした状況の中では、国際競争の中に置かれると一つの条件にすぎない、いわゆる貿易財になってしまったということなわけでありまして、バブル以前に戻ったとしても、実は国際的な競争社会の中でどの水準なのかというのが問題になっているということなんですね。
 お手元に縦長の資料と横長の資料をお渡ししていると思いますが、直近の経済産業省の内外価格調査によりますと、日本の事務所の賃貸料は、アメリカの二・〇六倍、中国の六・〇九倍でありまして、要するに、バブル以前に土地の価格は下がっているんですが、まだ高いということなんですね。これが国際競争力という面で足を引っ張っている一つの、全部ではありませんけれども、一つの要因になっている。そして、この傾向がまだ続いているために資産デフレがとまらないんです。
 ページをめくっていただきまして、縦長の資料の二ページ目、土地の含み益が全産業の規模でどうなっているか。八二年を起点に計算をしてまいりますと、九〇年には含み益が六十兆円ありました。九三年にはそれがゼロになりました。そして、ことし三月末の時点では逆に八十一兆円の含み損になっているということで、問題なのは、それだけではなくて、なおかつ、現在でも毎年七兆円の新規の含み損が発生をしているということなんです。土地の含み損の発生が、ただ土地の含み損だけに終わらない。土地本位制が崩壊したにもかかわらず、いまだに土地本位制の中で日本経済がしがみついて生きている部分があるということが問題なんです。
 その次のページ、三ページ目を見ていただきますと、小売業の営業利益と商業地の地価との関係、それから建設業の営業利益と商業地の地価との関係をグラフにしたものでありますけれども、見事にほぼ一致しているわけです。要するに、土地が下落すると利益が下がってしまうという構造をいまだに日本経済が持っているということなんですね。そうすると、これは大変なことなんですよ、金融の面からいうと。実は、年々損失が新たに発生してくる、これが不良債権化してくるという問題を抱えているということなのであります。
 ですから、私は、この土地の問題だけではないんですけれども、土地からくる資産デフレがこのままでいくと長期間続かざるを得ないという状況をむしろ受け入れて、そのマイナス効果をどうやって減じていくかという方向に政策を転換していかないと、インフレターゲット論とか調整インフレ論とありますけれども、もし一時的に何らかの手段で土地の下落をとめたり、あるいは物価の下落を人為的に何かのやり方でとめたとしても、実はそれは国際競争力を逆に乖離させてしまうということにつながっていくんで、いつも、産業立地と国際競争力との関係、どこで物をつくっても今同じ物ができる時代になったんだということを頭に置いて政策をつくっていくべきではないかということをまず申し上げなければならないと思います。
 そのために、そういう時代に入った、ある程度長期間デフレは続くんだという上に立って、この資産デフレのマイナス効果をどうやって減じていくか。あるいは、一番きついのは庶民にとっては負債デフレです。借金を抱えていると、このデフレの時代には借金の相対的な価値が高まってくるので大変だ、これをどうやって減じていくかというところに神経を集中しなければいけない。土地の問題を解決しようと思ったら、ただ単に何らかの小手先の芸でやるんではなくて、場合によっては土地の規制を強化して、土地利用計画行政を強化して、居住地、宅地でしたら、その環境の価値を高めることによって土地の価値を高める、あるいは商業地でしたら、規制緩和によって実質的に、名目値の土地の値段を逆転させるんではなくて、実質的な土地の生産性、価値を高めるという王道に立った対策をとらないと、これは直らないというふうに思うわけであります。
 そして、この長期にわたるかもしれないデフレの時代というものに対応するためには、必要なことが三つあるということを言わせていただきたいと思います。
 その下に「三つの回復」と書いておりますけれども、一つは、金融機能の回復。金融仲介機能が今脆弱化している、弱っていっている、これをどうやって回復するか。それから、国際競争力をどうやって回復していくか。もう一つは、消費をどうやって回復していくか。この三つを徹底的に研究して進めていくことが大事であろうというふうに思うわけです。そして、その上に立って、まず入り口となる不良債権問題が大変重要でありましたから、金融問題から話を進めさせていただきたいんです。
 私は、柳澤大臣は尊敬を申し上げているわけです。金融問題に関しては、市場原理を極めて重視する立場の方だと思って尊敬をしていたわけなんですが、最近の動向、またお話を聞いていると、どうもそうじゃないんじゃないかという疑いを持ち始めたわけでございます。
 特に、つい最近のことです、与党の皆さんが相沢英之さんを中心に銀行等株式保有制限法の一部改正案というものを出されてまいりまして、七月の十九日に衆議院の財務金融委員会で可決をされました。私ども野党は一斉に反対をしましたし、与党の中にも、個別にお話を聞きますと、筋の悪い法案だね、どうしてこんなのが出てきたんだろう、あるいは、私はこういう法案には実はタッチしませんでしたからと、何人もの方が、しかも比較的知識の豊富な、金融問題について経綸をお持ちの方がそのようなことをおっしゃるんですね。
 この法案は本当におかしいんですよ。これは、株式保有制限を銀行にかけるから、一気に出てくると問題があるということで、それに対応して、実は銀行の保有株を放出する際に買い取りをするという、これに対しても我々は市場原理をゆがめるというふうに反対をしたわけで、今もそう思っておりますが、まだそれならば、国による法的な規制に対する見返りとしてそういう措置があるというのはわかるんですが、一般事業会社が銀行株を反対に売るときは、その期間の制限もなければ保有制限もない。にもかかわらず、銀行株を買い支えるという意味でこれを買い取り機構に買わせるという制度改正でありまして、これは全くモラルに欠ける、いろいろな悪用の仕方もできますし、筋の悪い法案だと思うんですが、どうしてこんなものが通ってしまったのか。
 しかも、そのときに金融担当大臣は、持ち合い解消という観点からは、これは一つの理屈だというようなことをおっしゃった。持ち合い解消だったらそうじゃないでしょう。事業会社同士の持ち合いだってよくないんです、そうですよね。コーポレートガバナンスという面から見ても、事業会社同士だって、ちゃんとした株を持っていない相手方の会社の社長が株主としての権限を発揮して、本当の個人株主にはその権限をスポイルされるということが起きてしまうので、これは持ち合い解消だったらみんな悪いんですよ。何も銀行との間だけここで救わなきゃいけないという理由はないということになってくるので、この筋の悪い法案をどうしてお認めになったのか。
 小泉総理大臣にも、私はこれは改革に逆行する法案だと思うんですが、どうしてこのような法案を自民党総裁としてお認めになってしまったのか、お話を伺いたいと思います。
柳澤国務大臣 日本の金融システムを健全化し安定化させるためには二つ問題がある。一つは不良債権の処理の問題がある。それからもう一つは、株を大変たくさん持っておって、この株式市場の変動というものからこうむるリスク、これもやはりもっともっと健全化しなきゃいけない、こういうことがございました。そこで、不良債権については、また後ほど御議論あろうと思いますが、我々なりの努力をさせていただいてきております。
 問題は株の保有ですけれども、これについても、まあ相当自己努力みたいなものも見受けられたけれども、例えばBISという国際のそうした監督機関の規律ですと、もっと厳しいものがすぐ、早晩来る。そういうものを展望いたしたときに、やはり金融監督当局としては、これはもう新しい規制をかけざるを得ないということで、保有制限というものを課しました。
 それを、それじゃ何で保有制限をかけるほどに銀行は株を持っているかといえば、これは持ち合いのために持ってしまっているというのが非常に大きな部分でございます。今委員は事業会社間にも持ち合いがあるとおっしゃいましたけれども、現実、あの資本自由化のときに安定株主を求めてやった持ち合いというのは、大半のものが全部お金を持っている金融機関にお願いして持ち合いをつくっていったわけです。
 したがって、私どもとしては、この持ち合いの解消というものをいかに円滑化するかという命題、課題のために、いっときそれが需給を非常にゆがめるというものをやはり緩衝、緩和しなければいけない、こういうことを考えて受け皿機関をつくらせていただきました。
 今回、自民党の方で、また与党三党のお話し合いのもとで、これを本当に最後のところ、とどめを刺すようなことをやるためには、その話し合いが円滑化するために、やはり事業会社が持っている銀行株についても放出をもっと円滑化するというところに手当てをした方がいい、こういう御判断で今回の措置がとられたわけでありまして、要は、持ち合いの解消のための措置をいかに円滑化するかという基本的な考え方に奉仕する一つの仕組みとして今回導入されるということでございますので、まあそれはそれでわからないことはございませんということを、またありがたいことでございますということを申し上げているということでございます。
五十嵐委員 それは最初からわかっていたことなんですね。それは、銀行が放出すれば相手側の一般事業会社も銀行株を放出するというのはわかっている。
 しかし、銀行が保有している株というのは一般の広い事業会社の株で、業種にあれはありません。しかし、それに対応する一般事業会社側の銀行株というのは、銀行株なんです、銀行株以外ないわけですから。特定の業種の株、これを買い支えるということになるというので、これはわざわざ検討したあげくに、一般事業会社が保有する銀行株の方は買い上げ機構の対象外にしないということをわざわざ決めたんじゃないですか。
 これはおかしいんですよ。しかも、答弁の中で柳澤さんは、そのもとの法案を審議する中で、これは持ち合い解消のためではありませんと言っているんですよ。言っていますよ、それは証拠がありますから。だから、これは持ち合い解消に確かに役立つでしょうけれども、そのために入れた法案ではない。だから、わざわざ法案の名前が銀行等株式保有制限法となっている。銀行の保有に制限をかけるからだという名前になっているんじゃないですか。おかしいというのをお認めになっているようなものですよ。
 なぜこういう名前の法案になっているか。法の趣旨から変わっているんですよ。子供の部屋を増築するのに、増築してみたら天守閣ができていたようなものになるわけですよ、これは。だから、これはおかしな話で、法の趣旨が途中で変わってしまうんですよ、これを入れることによって。これはおかしい、そうお考えになるのが普通であって、多くの、先ほど言いました与党の専門家の委員の皆さんも、筋が悪い法案だな、そうお思いになるわけですよ。今、委員長の顔を見たってそう書いてあります。そうじゃないんですか。
 それで、それだけじゃないんですよね。申しわけないけれども、相沢さんがアイデアを出されて、そしていろいろな法案が次から次と実は出てきて、確かに大ベテランで重鎮でいらっしゃいますけれども、RCCの簿価買い取り法案も準備していると言われておりますし、ペイオフの完全実施の再延期も、与党としてこれは大合唱、先ほども与党側からそのような意見が出ておられましたけれども。こういう逆行する法案が次から次に与党側から出てきて、それを政府の側が認めてしまうというのがどうも解せないんですね。
 ペイオフは、現時点では、予定どおりやるんだと再三再四御答弁をなさっているわけですが、与党側がもしこうした法案を出してきて、与党内の手続を終えて上がってきた場合に、党総裁として小泉さんはそれにどう対処されますか。
小泉内閣総理大臣 ペイオフは、予定どおり来年四月に実施いたします。そういう法案は出ないと思っております。
五十嵐委員 出させないと言っていただきたいんですが、出ないと思っていますということなんですね。私は、小泉さんの姿勢がそうであるならば、そんな準備をするなと先におっしゃる方が妥当だ、こう思うわけですね。
 ただ、ペイオフについては、一つは、やはりペイオフ完全解禁する前にやるべきことをちゃんとやるべきであったということなんですね。いまだにそういう話が出てくるのは、これはペイオフを、流動性預金まで完全にペイオフをしてしまったら、もっと、今までも貸し渋ってきた中小企業への貸し出しが、あるいは企業への貸し出しが細るのではないかというおそれがあるんだろうと思いますね。これについてどのようなお考えをお持ちですか、金融担当大臣。
柳澤国務大臣 地域の金融機関が中小企業の皆さん方への金融というものの主な担い手だというふうに思います。地域の金融機関から預金が抜かれるということがもし顕著に出てきた場合には、その金融機関はやはり貸し出しというものの原資がそれだけ細りますし、それから安定的なものでなくなるというようなことがあって、今委員がおっしゃったようなことが懸念されないことは当然ありません。
 ただ、そういうことが現実にならないようにどういう手を打っていくかということでございまして、私どもは一つこの前から出させていただいているのは、やはり合併等によって金融機関が信頼されるようになるんだったら合併支援しますよというようなことでありまして、そういう、どういう手だてを講じていくかということ、それなくして、いきなり、漫然としてその日が来た、さあどうなるでしょうか、そういう議論というのは、ダイナミックな経済の運営を心がけるべき我々がなすべきことではないと私は思っております。
五十嵐委員 いや、そのとおりなんですよ。ただ、漫然としてきたのは、むしろ行政の方が漫然としてきた面があるんではないですか。もっといろいろな手を打つべきだった。今やられていることは、弱者連合の合併をしようということで、これは私は本末転倒ではないかなと思うわけですね。
 基本的に金融機関の問題を解決するためには、入り口は厳格な査定をして十分な引き当てをする。そして、安心感のある、もうこの不良債権問題は幕が引けたんだという、金融機関の信頼性について問題はないんだということを強くアピールすることが必要だ。場合によっては、公的資金を注入してでも一挙に解決すべきだったということを我が党は主張してまいりました。
 それと同時に、やるべきことは幾らでもあったはずなんですね。それがおくれてきて、そうではないジグザグに、時には金融機関をかわいがるというか保護する、こういうことをとってきた。(パネルを示す)ちゃんとした正道の川の道を通っていけば、これは滝に落ちることなんかない、洋々とした大海に日本の金融丸はこぎつけることができたはずだ。しかし、途中で旗が立っていますけれども、いろいろな旗。この旗は、終わっちゃったところは立っているんですね。終わっちゃったところは、過ぎ去ったところなんですが、これから先、銀行株の買い上げや、RCC、不良債権の簿価買い取りとか、ペイオフの再延期とか、こういうことをしていくと、これは滝つぼに落ちてしまいますということなんですね。
 そこに至るまで、どうしてこんなにいろいろな逆方向のことをしてきたのか。不良債権の処理を、これを軟着陸路線でおくらせてきた、あるいは、RCCの不良債権について高値買い取りをするんだというふうに法案を直してきた、公的資金によってPKOをしてきたといったことをしてきたために、これが滝つぼの方向に誘導されてしまったということが言えると思うんですね。
 ぜひ私は、本来柳澤さんは、これはマーケットフレンドリーな、そうした原則に立った立場の方だということで国際的にも評価されたわけですが、どうしてそれを貫かれなかったのかということを思うわけです。
 ですから、RCCの簿価買い取り案がまた浮上しているようですけれども、これに対してはどのように対処されますか。
柳澤国務大臣 RCCの簿価買い取りなどというようなものが浮上しているなどと私は全く思っておりません。私は聞いておりません。いっときそういう議論が出たわけです。これは総理の目前で、目の前で出まして、私と党側の代表者との間でやや激論と言っては、私はそういう激論する者ではないですからそういうのは当たりませんが、私は、金融機能早期健全化法というのは、もし不足の資金があった場合には、それは銀行に直入するんですよと。アメリカのようなRTC、日本の場合に相当する機関はRCCですけれども、そこに公的資金を入れて金融機関の強化を図るというようなことは選択しなかったんですと。ですから、こっちを選択して今までやってきて、急に今度はこっちの方にやっちゃうといったら、国民の目から見たら全くあいまいなものになってしまうでしょうということで、がんがん、いや、おとなしくやったわけです。
 総理もその点はよく聞いてくださっていて、これはもうやはり健全化法を選択した以上こちらでやろうということでお決めいただいて、簿価というような、あるいは実質簿価ですか、そういうようなことを排除して今日に至っているというのが経緯でございます。
五十嵐委員 しかし、今申しましたように、与党の金融関係の議員の中の大物が、そうではない方向で動かれている。どうも二人、陰の金融担当大臣がいるようだ、こう言われているわけですよ。この状況はやはり直していただいて、私は、しっかりした国民の目に見える金融政策の方向をしっかりと打ち出していただきたい。
 問題は、金融機関の収益性が低いというところに非常に問題があります。その原因は幾つかあるんですね。かなりたくさんあると思うんです。
 一つはオーバーバンキングですね。それから、公的金融機関の存在が大きい。これは小泉総理大臣得意の議論になってくるわけですが、公的金融機関のシェアが大き過ぎる、日本では。それから、物担主義に安易に寄りかかっている、担保主義に寄りかかっているというところがある。それから、リテールの軽視。欧米に比べて個人向け貸し出しが非常に少ないですね。
 縦長の資料の五枚目にあると思うんですが、日本の全国銀行は、法人貸し出しが全体の七七・一%、そして住宅ローンなどが一五・七%、消費者ローンなどはほんの少ししかない。これに比べて、アメリカのバンク・オブ・アメリカの例でありますけれども、法人貸し出しは半分、住宅ローンが約三割、消費者ローンが二割ということなんですね。
 こういうリテールの部分で収益を上げているというのがあるわけですが、日本は大法人しか相手にしていなかった。大法人はみんな直接金融の方に移ってしまって、空洞化してしまった。それで極めて苦しい目に遭っている。そして、国債を一生懸命買って、今や普通の銀行も郵貯化してしまった。郵便貯金のように国債しか買わないというような、買うところがない、資金を投資するところがないという状況になってしまった。それで、ここへ来て慌ててリテールをふやそう、個人客をふやそうとしているんですが、スキルやノウハウが足りないということで、思ったように利益が上がらないということになっているわけです。
 それから、持ち合いのせいもあって、株価収益率の悪い株をいまだに抱え込んでいてパフォーマンスが悪いというようなことが挙げられるんですね。
 これらの点について、もう少し何とかならないか。少なくとも、政治がやれることは、公的金融機関とのイコールフッティングをしていって、公的金融機関によって民間の金融機関がこうむっている損害といいますか部分を、同じようにしてやるというのが必要だというわけなんですが、これについてはどうも十分なスピードで進んでいない、そういう印象がありますけれども、これについては、総理並びに金融担当大臣はどうお考えをお持ちでしょうか。
柳澤国務大臣 ただいま委員から日本の金融機関の低収益性というものがどこから来ているかということについてのお話をお聞かせいただきました。一々もっともだというのが私の感想でございます。
 ただ、オーバーバンキングということについては、やはりアメリカでまだ三千ぐらい銀行があるわけです。それにはさっき言ったような小さなところの、それこそ預金者も全部ファーストネームで、名前だけでわかるような預金者でもって金融をやっている。こういうところを含めてそのくらいまだございますので、日本の金融機関の数だけで何かそこで物を言うというのは、やや先走りではないか、このように思っております。
 それから、担保については、だんだんこれを金利の方に振りかえていくということをやっております。株については、もうさっき言ったように、保有制限をして、だんだん保有株の減額に努めているということでございます。
 リテールについては、これは非常に、アメリカのリテール金融というのは景気対策との関連も、アメリカでは今、景気対策を財政支出でやらずに専ら金融政策でやるというのの根幹は、リテール金融がこれだけ膨らんでいるということと関係があるということで、私も注意はしておりますけれども、私は、個人的に言うと、各銀行がリテールに注力しますということについては、私自身は、それは結構ですね、こう言うんですけれども、リテール金融で銀行がばんばん金もうけをしていって、それで万々歳だというふうには私は思わないのでございます。
 消費者金融でそういうことが幾ら盛んになっていっても、それはもう何というかハツカネズミのようなものになってしまうんじゃないか、先食い、先食い、需要の先食いということになっていってしまうんじゃないかという気持ちが私はありまして、私は、個人的に言うと、必ずしもそのことでみんなが同じような方向に行くということについては疑問を持っています。
 公的金融の問題は、私どもは強くイコールフッティングを今主張させていただいておるところでございます。
五十嵐委員 公的金融については、そのスピードが足りない、もっと急ぐべきだということを申し上げていると同時に、リテールについては、需要があるんですから、こういう時代においても、例えば、消費者金融はいまだに大手のところは盛んに収益を上げているし、あるいは問題になった商工ローンというようなところまでお客さんが殺到して、かなり貸し出し規模がふえている。もっと安心できる、低利で提供できるところがやれば、これは国民やその事業者にとっての福音になるという立場から、リテールがいいとか悪いとかではなくて、需要があるところに提供していってきちんとした収益を上げる、そして健全な貸し出しのバランスをとるというのは、私は何も悪いことではないというふうに思うわけであります。
 貸し出しが随分落ちているんですよ。(パネルを示す)ここへ来て、大企業向けと中小企業向けですが、この赤い線が中小企業向けで、緑の線が大企業向けで、大企業向けは一貫してふえてきているんです。最後にここで少し大企業向けも減っているのは、これは債権放棄したからですよ。そして、それに対して中小企業向けは一貫して減っているんですよ。トレンドとしては、もう極めてはっきりしている。これが、日本の経済を今活性化していない大きな原因になっている。
 何度も話題になっておりますけれども、この問題を解決しないことには日本は立ち直れない。特に中小企業というのは、前回も言いましたけれども、ソニーだろうがホンダだろうがナショナルだろうが、みんな最初は中小企業ですよ。そういうところから次の成長産業、大企業が生まれてくるのであって、ここに資金を回さないということが、新規産業が育たない、ニューエコノミーに立ちおくれたという日本の欠陥が如実にあらわれているわけでありまして、これに対して、中小企業の皆さんは大変貸しはがしに困っている。
 ここへ来て、今言ったリテールから利益を上げようということで一方的に金利上げが言われてきている。私は、金利でリスクをとるというのはいいことだと言っているんですよ。金利でリスクをとるのはいいことなんですが、それだったら、金利でリスクをとるんでしたら、不公平な金融慣行も直しなさい、過剰な個人保証をとったり連帯保証をとったり、過剰な、中小企業に対するいじめといいますか、担保をとるというようなことを、これは、金利に置きかえていくんだったら直していかなきゃいけない。確かに土地の担保が下がっているから追加担保を求めるという気持ちがあるんでしょうけれども。
 しかし、日本は異常なんですから。何でこんなにたくさんの人が、まじめに働いているのに、自殺しなきゃいけないんだ。三万人を超える自殺者が出て、私の周りだって、夜逃げも倒産も自殺も物すごく数多いですよ、私の選挙区でも。本当にまじめに悩んで苦労して働いている人が死ななきゃいけない社会というのは間違っていますよ。そういう意味で、中小企業とそれから金融機関との関係というのを根本から見直す時期が来ている。
 そこで、私どもは、中小企業家同友会というのがありますけれども、百万人以上の署名をたしかされていると思いますが、民主党が提案している金融アセスメント、実は与党の中にも賛同者がすごく多いんです。一緒につくりましょうと言ってくださっている方もたくさんいるんです。
 金融アセスメント法案でこの弱い立場の人たちに、これは何も強制的にやろうというんじゃないんですよ。ディスクロージャーで、どれだけ地域に貢献していますか、地域に頑張っている零細、中小企業のためにどれだけ貢献してくれていますか、あるいは、そうした支配、被支配の関係を金融機関とその借り手である中小企業とは持ちがちですから、その関係を是正して、トラブルのない貸し出しというものをどうやって担保するかということで、金融アセスメント法案というのを提案させていただいた。
 そして、総理にも実は本会議でも質問いたしましたし、金融担当大臣にも御質問いたしましたけれども、結局、それは金融機関側の努力に任せるんだ、それを尊重するんであって、国の方で云々したくないというような、簡単に言えばそういう御答弁でありました。しかし、それは間違っているんです。我々は強制的に何かしようというんじゃなくて、ディスクロージャーで担保しよう、そして、何かあったときの調査権限を第三者的な委員会に付与して、そこで金融機関の健全性、モラルを守っていこう、維持していこう、そういう法案を提案させていただいているんですが、御答弁は変わりませんか。
柳澤国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、金融機関の側も、今、収益力の向上ということでは金利の引き上げ等を含めまして真剣な努力をしておるわけでございます。
 リテールというのは、先ほどちょっと私、概括的に物を言い過ぎましたけれども、リテールと通常言う場合には中小企業者も入っておりまして、消費者ローンだけではありませんので、そこはちょっと訂正というか明らかにしておきたいんですが、いずれにしても、そういう中小企業向けの融資こそが、ともすれば直接市場に行ってしまう大企業向けの融資よりも自分たちの収益の源になる可能性が多い、そういう分野だということで、そちらに注力をしておるというふうに私どもは見ているわけでございます。
 そういう中で、それをさらに特別な背景、特殊な事情のあったアメリカで地域再投資法というものができた、それに倣って、日本でも新しい法律とその法律を施行するための行政組織を設けようじゃないか、こういう御提案でございますけれども、私どもは、その機能そのものを市場原理で十分賄える、別にそんなに格別の、特殊な社会事情もないということを考えておりますし、さらに、新しい行政組織をつくる、その行政組織に立入検査権あるいは質問権等を付与するというのは、いささかどうも行政改革の趣旨にも反するんではないか。
 アメリカの場合でも、やはりそれぞれの金融当局がそういったことも配慮したいわば検査をする、質問をするということに尽きるわけでございまして、別途の行政機構がそういうことをやるということにはなっておらないというふうに承知をいたしておりまして、それやこれやで現在まだ到底賛成はしかねるテーマかな、こんなふうに考えているというところでございます。
五十嵐委員 それは、縄張り争いなんですね。金融庁の監督権限が侵されるからというような感じにとれますね。そうじゃないんですよ。アメリカでも二重、三重になっていますし。
 それから、私どもが言っているのは、何もアメリカのまねをしようと言っているんじゃないんですよ。日本には独特の、金融機関と、借り手と貸し手の間に支配と被支配の関係が成立しがちだ。それに困っている人たちがいっぱいいる。要するに、一方的な融資条件の変更が銀行側から出されているじゃないですか。そういう例、聞きませんか、平沼さん。そういう話で困っている中小企業がいっぱいあるんですよ。それが出ているんです。ですから、たくさんの中小企業家同友会の皆さんが、この法案を何とか成立させてくれないかという声が物すごくたくさん出ているんですよ。
 私は、金融監督官庁の縄張り争いで、自分の権限のほかにそういう権限が出てくるとか、また、出てきては困る、これは行革に反するんだというのでは話が違うと思うんです。これは二重、三重にチェックしていいと思う。そういう性質のものだと私は思いますが、総理大臣、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 五十嵐議員の御意見、御指摘にはうなずける点も多々あります。
 金融アセスメント法のよしあしはともかくとして、消費者ローンの問題、今の日本の金融機関の中小零細企業に対する対応についても、私は先日も、民間金融機関の経営者を前にして、宅配業者と金融機関とは違うけれども、宅配業者のやり方を見習うべきじゃないかと言ったのです。というのは、宅配業者は公的機関がやらない点をみずからの努力で開拓してきたのですよ。役所がやらないから宅配の事業を進めていって、これが当初は独占企業でした。参入が認められた途端に、今や公的な役所の宅配事業よりも民間の宅配事業は八割以上を占めています。こういう努力を少しは見習うべきじゃないか。
 というのは、今政府関係金融機関、公的機関は、民間の金融機関がやらないから中小なり消費者に対して手当てをしましょう、すると、国民は公的な金融機関が対応してくれれば安心ですよ。それは現実を見てみると、高金利でたくさん需要があるんですよ。二けたですよ。この一けたの金融時代で二けたの金利を出しながらも、消費者がそこに向かっている。これだけの利益がありながら、なぜ手をこまねいているのか。
 これは、私は、鶏が先か卵が先かの議論になるけれども、公的機関がやるから民間は出さない、民間がやらないから結局国民は公的機関を頼る、これが今の金融市場をゆがめている。そういう点について、やはり民間でできることは民間に任せて、普通の企業の努力を見習え、もう親方日の丸じゃないんだ、当事者間の努力。今まででんと構えていれば預金者が来る、借りに来る、条件を上げても不承不承従ってくる、そういう時代じゃない。
 私は、そういうことからも、五十嵐議員の御提案については、なかなかいい点があるな、参考にすべきだと思っております。
五十嵐委員 ありがとうございます。
 そのとおりで、要するに、我々の法案というのは、借り手や預金者が銀行を選べるようにしよう、そこで競争原理が働くようにしようというのがねらいなわけであります。ぜひ、こうした方向を取り入れて、私は与党との共同提案でもいいと思うのですよ、ぜひ実現をするようにお力、指導力を発揮していただきたいというふうに思うわけであります。
 次に急ぎたいと思います。
 国際競争力の問題を前回も取り上げさせていただきました。とにかくいろいろな面で国際競争力を引き上げる努力をしていかなければいけない。
 特に、私は技術、教育といった面が日本は欠けているかなというふうに思うわけでありまして、最近もある経済誌を見ていましたら、天下のソニーですらデバイス開発力が著しく低下しているという記事がありました。
 死の谷という言葉があるんですね。基礎研究の段階は日本も結構お金をかけています。かけているんだけれども、いざ実用化というところになると物すごい費用がかかるんで、そこで実は費用が捻出できないということで挫折してしまうということが最近の日本企業の中では非常に多く起きている。同じような基礎的な研究はあっちでもこっちでもしているけれども、全然効率化になっていないということが言われておりまして、その証拠がこの表でございます。
 お手元の横長の表の中に出ていると思いますが、「主要国の民間研究開発投資と経済成長における技術進歩との関係」。縦軸、上の方が技術進歩の伸びが大きいということなんですね。どれぐらいお金をかけているかというのを横軸で見ているわけです。日本だけがどうも下の方に、お金を比較的かけている割に下の方に来ているということなんですね。この問題があるわけで、どうも投資効率が悪過ぎるという問題があるのです。
 そこで、私は、増加試験研究費みたいな制度ではなくて、もっと思い切った試験研究税制でしたらどうかということを御提案いたしまして、前向きの御答弁を前にも平沼大臣からいただいているわけですけれども、改めて、この表を見て、試験研究についてどういう対処をするかということをお伺いしたいと思います。
平沼国務大臣 五十嵐先生にお答えさせていただきます。
 今御指摘のように、死の谷というのがやはり一つ大きな問題として存在しています。
 アメリカも、一九七〇年から八〇年にかけて日本がひとり勝ちの時代に、何とか日本を凌駕しよう、そういうようなことでプロパテント政策というのをとって見事に死の谷を克服した、そして黄金の九〇年代を迎えた、こういう実績があります。
 おっしゃるように、我が国の産業競争力の強化のためには、我が国が持っている、私まだまだポテンシャリティーはあると思うのです、そういった潜在力を引き出して、そして企業の活力を再生していくことが不可欠だと思っています。
 我が国の研究開発投資というのは、これは五十嵐先生も御承知のように、八割は民間企業の研究開発、民間企業がやっているわけでございまして、ここをやはり促進するということが非常に大事なことだと私は思っています。
 しかし、近年、民間企業の研究開発というのは、ある意味では伸び悩みの傾向を示しているのです。試験研究費の増加額に着目した現行税制による減税額というのは、ピーク時は、これは一九九二年でございまして、千百四十億円あったんですけれども、最近そういう形で伸び悩んでおりますので、二〇〇二年には三百二十億に減少している。こういうことはゆゆしき問題だと私は思っています。
 こうした状況を踏まえまして、去る五月十三日の経済財政諮問会議におきまして、国際水準や各国制度の特徴も念頭に置きつつ、産業全体の研究開発機能の底上げを図る観点から、研究開発関連税制の抜本強化を提案したところでございます。例えば、試験研究費の増加額だけではなくて、研究費そのもの、一定割合の税額控除を含めてそういったことを充実することを提案させていただいています。
 その後、政府税制調査会の「あるべき税制の構築に向けた基本方針」、それから経済財政諮問会議の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」におきまして、我が国の企業競争力強化及び経済活性化を図るためには研究開発税制の抜本的な改革が必要だ、こういうことで提言をされておりました。
 私ども経済産業省といたしましては、厳しい経済情勢の中でも将来の競争力の強化のためのチャレンジをする企業の研究開発投資を促進するために、現行税制の問題点も踏まえまして、今後の税制改正におきまして強力な形で研究開発税制の具体化に向けて取り組んでいかなければならない、このような認識を持っております。
五十嵐委員 それと同時に、私は、やはり教育力の回復というのが非常に大事だなと思っているのですよ。
 要するに、かつては日本は、比較的安価で優秀な労働力が日本の経済成長を支えたと言われておりますが、今や、高校を卒業したぐらいの若い労働者のレベルというものが中国に追い抜かれた、こう言われているのですね。ですから、若い人たちの能力をもっと開発し、鍛えていくという必要があるんだろうと思います。ここに文部科学大臣はお招きしておりませんけれども、ぜひ教育には力を入れていただきたいというふうに思うわけであります。
 それと同時に、今、科学技術、研究開発の面で日本はどうしても効率が悪いんだというお話を申し上げましたけれども、これは科学技術に限らないんですね。
 国土整備、社会資本の整備なんですけれども、この表、やはり同じく表の中にありますから見ていただきたいんですが、これは、二〇〇一年の一人当たり名目GDPを横軸にとり、縦軸にこれまでの累積した公的資本形成、いわゆる公共事業費等に対して実質GDP比でどれぐらい公共投資を今までにしてきたかという数字なんですね。
 「日本を除いた傾向線」というのが横に走っていると思いますが、少し斜めに下がっていると思いますね。すなわち、高度成長、成長を遂げて先進国になっているグループというのは、比較的効率的に、GDP比で余りかけなくても成長を遂げているということなんですよ。途上国の方はやはり、当たり前の話ではありますけれども、かなり予算をつぎ込まないといけないということになっているんですが、一人だけ日本が飛び抜けて上の方にあるでしょう。これは、飛び抜けて効率が悪い、要するに、社会資本の整備が税金をかけている割にはできていない、こういう証明のグラフなんです。
 要するに、公共事業費というときに、額ばかり言うんですね、総額はと。私どものように、公共事業費を削減すべきだと言うと、地方いじめだとか、公共事業を要らないと言うのかとすぐ言ってくるんですが、そうじゃないんですよ。公共事業費の削減と公共事業の削減は違うんです。
 今おわかりになったと思いますが、例えば、具体的に言いますよ。あのバブルのときは、公共事業費、例えば百億円の事業をかけたとすると、九割が土地代なんですよ、土地代。バブルのときは土地代だったんですよ、九割が。それは幾らでも例があります、実績が。そういう時代だったわけですね。
 それが今や、先ほど証明いたしましたように、地価は物すごく下がっていますから、逆に言うと、今の時点で、バブルのときと比べて、百億円あったら倍の仕事ができる。半分削ってもまだ多い。公共事業を別にそれはいじめているわけじゃないんだということなんです。そして、もっと効率のいい公共事業に変えていけば、さらに波及効果はあるはずなんです。公共事業費の量、額だけで考えるというのは大きな間違い、私はそう思います。
 決して景気に悪影響を及ぼすことなく公共事業の削減は可能だ。そしてまた、箱物等よりも、地場の工務店などに仕事を直接出せるような公共事業をやれば、さらに波及効果は上がると思うんですが、大手のゼネコンに、ただどこかで大規模プロジェクトをやって流しても、銀行に持っていかれるだけなんですから、ちっともそれは波及効果が出ないんですよ。
 ですから、やりようによっては公共事業は、額を大胆に削ったとしても、ちゃんと景気浮揚効果、経済波及効果は生まれるというふうに思いますが、そういう御努力をしていただけるのか、扇大臣に伺いたいと思います。
扇国務大臣 五十嵐議員のおっしゃることはもっともだろうと思いますけれども、今まで私どもの国が行ってきた公共工事、現状を考えてみても、今指標でいろいろ参考資料をお見せになりました。
 例えば、ことし供用開始しました成田、開港して二十五年目にやっと二本目。そして都市計画というものが戦後できて、今日までたって五五%しか達成できていない。あらゆることが、予定されたものが実行できていない。しかも一九八二年中国には高速道路ゼロでした。この二十年間であっという間に一万七千キロ、日本はオリンピックから始まって、今でも七千キロ弱。これだけ差がついてきますと、日本の二・四倍なんですね。ですから、どこに集中投資をして、どこに競争力を、国際競争力を持たすか、私は選択の問題だと思っています。
 ですから、今五十嵐議員がおっしゃったように、国際競争力という言葉を使われましたけれども、我々は、今までの均衡ある国土の発展というものも戦後は必要でしたけれども、二十一世紀は、私は、少なくとも個性ある地域の発展ということでそれぞれの投資、そして現実的な国際競争力がどうあるべきかということで方向転換をし、しかも総理からも公共工事等々長期計画の見直しをしろという御下命が出ていますけれども、それ以前に、我々国土交通省は旧建設、旧運輸等々四省庁を統合して、今までばらばらだったものが一本にできるという、この投資効果というものを改めて政策的に実行していくべき時期が来ている、そのように考えております。
五十嵐委員 今までの非効率を反省していただきたいというのがまず第一であります。
 それから、積極財政論が先ほどからも盛んに出ておりましたけれども、経済財政諮問会議の第二次骨太方針、これを見ましても、随分、当初厳しい削減の方針が出ていたのが、全部あいまいな表現に変わってきているんですね。私は内閣府に要求いたしまして、変わったところを対照表みたいにして持ってきてくれと言ったら、本当につくってきてくれたわけです。赤いところが全部直ったところなんですが、全部あいまいな方向に変わっているんですよ。
 これでは積極財政論に配慮したのかな、そういう方向にかじを切るのかな、こう思うんですが、そのところはどうなんでしょう。もう時間がなくなってまいりましたが、簡潔に竹中大臣。
竹中国務大臣 委員お持ちの対照表、私、済みません、持っておりませんので、正確にはあれなんですが、恐らく一番よく御指摘になるのは公共事業等々の話ではないかと思います。
 公共事業を削減ないしは縮減するというような表現が変わっているというのは事実でありますが、内容は実は「改革と展望」に示された線に沿って合理化するないしは、というような表現でありますから、「改革と展望」の中でその縮減のシナリオは示しているわけであります。その意味では、表現を他の部門とあわせて整合的にしたというのは事実でありますけれども、方向性そのものは全く変わっていないというふうに認識をしています。
五十嵐委員 どうもその辺が、いつも竹中さんへの批判は、腰が定まっていない、その時々で揺れる、そういう批判が出ているわけで、しっかりとしていただきたいな、こう思うわけですが、とにかく日本の競争力を強化するためには、税制やあるいはインフラ的な部分ですね、エネルギーあるいは交通料金、こういったものを下げて近づけていく。あるいはこの間財務大臣に御提案をいたしましたけれども、為替の問題ですね、為替の問題をもう少し真剣に中国に対しても迫る必要がある。アメリカからかつて迫られたように、これは正常なレートではないと元の切り上げをもう迫っていいんじゃないかという時期に来ていると思う。為替レートが適正に調整されれば、日本の人件費でのハンディというのも実は大幅に減るという試算もございます。ぜひそういう方向で対中国政策を見直していただきたいと思うわけであります。
 それからもう一つ、最後に一点だけ。
 私どもはローン利子控除というのを提案しております。これはローンを、キャッシュローン以外のローンやクレジットで物を買ったら、所得から落とす、経費として計算をするという制度であります。これをやれば、単に経済に対する消費刺激効果があるだけではなくて、いわゆる金利が上がった際の負債デフレ対策になるということがありますし、さまざまなメリットがあると思います。ぜひ真剣に御検討いただきたいということを申し上げまして、きょうは時間が参りましたので、仙谷さんに後を譲ります。
 ありがとうございました。
津島委員長 この際、仙谷由人君から関連質疑の申し出があります。五十嵐君の持ち時間の範囲内でこれを許します。仙谷由人君。
仙谷委員 総理は、先週金曜日、十九日にも政策制度改革案の指示をなさったというのを新聞報道で拝見をいたしたわけでありますが、総理、この公的部門の改革といいましょうか、行財政改革といいましょうか、こういう点については、日本の場合にはいわば金融社会主義、あるいは公共事業を社会主義的に使っている、こういう批判もありますし、官の部門、公的な部門の改革が避けられない、この改革なくして経済構造の改革もないというふうに総論的に私は思っているんですね。
 だけれども、民間のといいましょうか、経済構造そのものの改革というのは、やはり官の部門の資源配分を担う諸官庁等々の仕組みをいじくるだけでは不十分じゃないだろうか、こんな感じがしておるんですが、総理が目指される経済構造改革というのは、端的に言って、素人がわかりやすいように、私がわかるようにおっしゃっていただくとすると、一点、二点あるいは三点ぐらいに要約するとどういうことになるでしょうか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 全部話しますと質問時間を全部とっちゃいますから、それは遠慮しますが、簡単に申し上げれば、官と民の役割見直し、政府にできること、民間にできること、民間にできることはできるだけ民間にゆだねようと。同時に、地方と中央のあり方、地方においても個性的な地方活性化策を持っているだろう。なおかつ、これからの経済活性化を考えますと、不良債権処理と同時に税制改革というものも、今までゆがんできた面もありますから、その負担に値する簡素で効率的な政府をつくるためには、国民が参加してもらうような、給付と負担ということを考えながら参加してもらうような税制改革等、いろいろ改革すべきところはたくさんありますが、そういう点を総合的に考えながら、これからの、官の行き過ぎた分野に民間の活力をいかに引き出すかという点に大きな点があると私は思います。
仙谷委員 総理、先般の鳩山由紀夫民主党代表との党首討論で、だめだだめだ、悪い悪いと言うな、こんなによくなっているんだという話をされましたけれども、やはり、これは金曜日、きょうの株価を見るのみならず、総理が御就任されてからのデータあるいはこの五年間のデータを虚心坦懐に直視すると、日本はただならぬ状況に立ち至っているという基本認識がまず必要だと思うんですね。(資料を示す)
 今この一ページをごらんいただきますと、「日本経済の現状」ということが書かれておりますけれども、これはどこを見ても暗たんたる思いで見るしかないということだと思うんですよ。
 これは、成長率は、まあ見通しは絶えずプラス見通しを予算編成のときに立てるんだけれども、結果としては、特に名目の数字は二年連続マイナスですよね。六年前の規模に縮小しているわけですよ、名目のGDPの数字は。
 「国と地方の長期債務」は、総理が問題にされているように、ふえるばかりで、どんどんふえて破天荒にふえる、どこまで続くぬかるみぞみたいな話になって、ボツワナ以下に格下げまでされちゃった、こういうことでしょう。
 「サラリーマンの収入」も、これは一九九〇年に比べたら二万円も小遣いが減っているんですよね。これは、幾らデフレ状況とはいえ、二万円小遣いが減ったら、サラリーマンも昼飯に、あるいはコーヒーを飲むかお茶を飲むかしても厳しいということになると思うんですよ。
 「雇用情勢」は、就業者数が百三十二万人減少した。三百七十五万人の完全失業者の上に実質的な失業者が百十万とも百二十万とも百三十万とも言われる数が上乗せされている。もう失業保険をもらう期間もなくなったから職業安定所へも行かない、行けない。だから、現実の完全失業者数の上にカウントすべき失業者が日本には存在するということなんですね。
 「自己破産」、「企業倒産」に至っては、もう毎年毎年ウナギ登り、こんなことになっておるわけですよ。
 「株価」は、これはお渡しした資料の八枚目を見ていただくと、これは小泉さんが就任された四月二十六日の日経平均、TOPIX、いずれについてもちゃんと記載をしてございます。ことしの四月二十六日、先週の金曜日、いずれについても、書いてみるとこうなっておるわけです。時価総額でいえば何と百十兆円も、小泉さんが就任してから東京証券取引所に上場されておる会社の株式の時価総額が百十兆円も吹っ飛んでいるんですよ。そんな事態になっている。
 「不良債権」は、依然として出口がまだまだ見えない。というよりも、これは柳澤さんに後で聞きますけれども、柳澤さんの孤軍奮闘にもかかわらず、到底減らないですよね。体力を消耗して、ことしからはちびちびとつめに火をともすような業務純益だけで処理していかなければならない事態に立ち至っている。常識化しているわけですね、この話も。
 こんな中で経済構造を改革して、どういうところへ持っていこうとするのか。どうですか、何か目標はありますか。失業率をどのぐらいにする、経済成長をどのぐらいにする、あるいは、一番聞きたいのは利子率の問題ですが、どのぐらいの利率がこの日本という社会の中でいわゆる適正金利として通用するようにする社会にするのか。これはいかがですか、総理。
小泉内閣総理大臣 利子率の問題はともかく、私は就任以来、二、三年の低成長は我慢すべきだと。今、この厳しい状況だからこそ危機感を持って改革に立ち上がるべきときだと。この時代は明治維新と第二次世界大戦後の大きな転換期にまさるとも劣らないとよく言われておりますけれども、やはり数字を、今言われたようにすべて悪い、だからこそ危機感を持って新しい目標に向かって進むべきだということで、構造改革路線を進んでいるわけであります。
 当面のこの状況をすぐプラス成長にやっていけるような即効薬はないと思っています。そういう点で、私は将来、この二、三年の低成長は我慢しつつも、三年、四年はともかく、五年以降プラス成長を目指して今構造改革路線を進んでいるわけでありまして、私は、早急にこの停滞を脱却するために、かなり賛否両論はありますけれども、手をつけるべき改革に手をつけ始めた。若干時間がかかることは御理解いただきたいと思います。
仙谷委員 民主党に政権をいただいたら、この十数年の、あるいは少なくとも九二年からの先送りをやらなければ、多分私、二年いただいたら、三%の成長、三%の金利、三%の失業率、やってみせますよ。(発言する者あり)いや、あなた方は全然できない、それは。間違っているから、理論が。やってみせますよ。
 だけれども、総理のかく経済構造の絵姿が、果たして金利が発生するような自由な資本主義社会になるのかどうなのかわからないんですよ、わからない。
 もう一つは、私は、経済構造改革というときには、総理に言ってもらいたいのはこういうことなんですよ。やはり、利益率の上がる企業がもっとふえてくるようなそういう民間経済をつくるんだ、ここが一つ。つまり、金利を払えるような企業が簇出してくる、ここが一つですよね。
 もう一つは、産業自身が大胆にサービス化、ソフト化をしなければならないんだ。日本は、余りにも旧来の産業が、非効率で利益を稼げないけれども存在し過ぎる、残念ながら。これは財務大臣が一番わかっているんですよ、本当は。つまり、税金を払わない企業がこんなにふえてきた時代というのはないはずですよ。そうですよね。税金を払える企業をつくろうということが経済構造改革の目標であり柱だと私は思うんですよ。そのためには、企業をサービス化、ソフト化するということがない限り、あるいはそういう企業に変わっていってもらうということがない限り、これは絵にかいたもちになる。
 いつまでも公共事業に頼って、公共事業に出す金額が減ったら、どかんとその分だけ成長率が落ちるなんということを何回繰り返してもだめなんですよ。だから、総理がおっしゃるように、二年間辛抱せいと言うんだったら、みんな辛抱しようと思ったんじゃないですか、国民は。ところが、果たしてそういうふうになっているのかどうなのかが甚だ疑わしいということなんです。
 もう一点、重要なことを聞きます。
 総理、G7、G8、いろいろなところへ出かけていかれます。日本とアジア各国の為替レートの問題ということは、総理の方から、あるいは塩川財務大臣の方から問題提起をされたことがありますか。
小泉内閣総理大臣 個別の首脳会談で出る場合がありますが、本来、通貨政策、為替政策はその国独自の成果であります。とやかく口出しするべきでない点もわきまえながら、やんわりと日本の円安を批判されるときがあったり、あるいは、日本としても急激な乱高下は望まない、為替の安定策についてはそれなりに意を用いているんだというような話をいたしますが、基本的に、私は、通貨政策というのは各国独自の政策に関することでございますので、個別に下げろ上げろという点は、全般的な話の中では深くかかわるべき問題ではない。
 ただ、世界全体の中で協調的に何とか対応しようという点は別でありますけれども、個別の問題については、各国の独自政策を尊重すべきだと思っております。
仙谷委員 先ほど五十嵐委員からも提起いたしましたけれども、ちょっと中身を示します。
 五枚目をめくってください。
 これをあるシンクタンクが調べて、示していただいて、これを見て私はびっくりしたんですよ。何で経済の動向、景気の動向、もっと言えば経常収支の動向等々と反対に為替レートが動いているんだろうか、一九九〇年から。どうです、これ。アジア各国とのレート、とりわけ中国は、一九九〇年は一元が、人民元が三十円二十七銭だったのが、直近では十四・〇八円になっている。つまり、五三・五%も円が切り上がっているんですよ。韓国のウォンも五一・八%切り上がっているんですよ。
 これでは、平沼大臣所管の民間の企業が必死になって、物づくりが大事だ、工場を残さなければならない、一所懸命やっても、この為替レートではとても中小企業は、日本でつくって輸出するとか、あるいは日本でつくって日本で売るということすら困難な状況に立ち至っているというのはおわかりいただけるんじゃないんでしょうか。塩川さん、どうですか。
塩川国務大臣 今、アジア諸国並びに世界的に通貨の調整時期にあると私は思っておりまして、その点におきまして、円が高いか安いかという批判は、直接は避けたいと思っております。
 先ほど総理が申しておりましたように、この問題は、為替のレートはまさに市場原理によって決めるものでございますから、避けたいと思っておりますけれども、しかし日本でも、かつては一ドル八十円時代、そういう苦難な時代も抜けたことがございまして、要するに、そういう時代を抜けまして為替の安定を図ってまいりました日本は珍しい国ではないかと思っております。アジア地域におきましては、五十何%、六十何%の切り下げや切り上げという変動はやってまいりました。それは、すなわち、アジア通貨危機というものを引き起こしてきたことでもございます。
 ですから、仙谷さんのおっしゃるように、我々は実際はこの為替の問題、非常に心配しております。また、どちらかといえば、貿易の収支を考えるならば、円安に行く方向が望ましいということは当然であろうと思っておりますけれども、しかし、それがために日本のファンダメンタルズを崩してしまってはならぬと思っておりまして、そういう関係等を見まして、私たちは、市場の動向を十分に監視しながら、極端な動きがあったらいつでも介入し得るんだというその準備と態勢はとって為替の動向を見ておるというのが現在のあり方であります。
仙谷委員 今の御発言は、少々……(発言する者あり)
津島委員長 御静粛にお願いします。質問中ですから。
仙谷委員 何が冗談じゃないのか、わかりませんが。
 いいですか。まず、竹中大臣にお伺いする前に、平沼さん、この円高が日本の産業の空洞化に与える影響というのをどういうふうに見ていますか。
 つまり、産業の空洞化、経済産業省の方にお願いしましたら、産業空洞化の実態というのを持ってきていただきました。海外進出企業は、九〇年からでも約倍といいましょうか、海外生産比率が一七ポイントから三四・三ポイント、それから製造業全体で見ると六・四が一四・三ポイントに、ここまで空洞化が進んでいるといいますか、海外で生産する比率が多くなっている。あるいは逆輸入の比率等々、こういうものも見ても、激しい勢いでいわゆる空洞化と言われる実態が進んでいるということになるわけですが、円高とこの空洞化というのは関係あるというふうにごらんになっていますか。どうですか。
平沼国務大臣 仙谷先生が御指摘をした工場移転率といいますか、その移転率は今おっしゃったとおりでございまして、最近五年間でも、中国に三〇%、そういう形でふえていることも事実です。それはやはり、例えばお隣の中国ということを見ますと、労賃が日本の二十五分の一とか三十分の一、こういう大変大きな格差がある。そういう中で、やはり新天地を求めて日本の企業があちらに進出する、こういうことであります。
 ですから、そういう意味では、ある意味では私は影響なしとはしない、こういうふうに思っておりますけれども、しかし、大局的に考えますと、やはり、中国あるいは東アジアのそういった国々とは、お互いに補完関係、共存関係、こういう関係があります。
 ですから、そういう中で私どもは、お隣の中国を考えた場合には、やはり技術革新を起こして日本が二歩三歩先を行く、こういう体制をつくっていくことが日本にとっては私は非常に将来的に考えた場合には必要なことだ、そういうふうに思っておりますし、また、もう一方の視点からいうと、中国脅威論ということよりも、むしろ、人口が十三億いて、経済成長率が非常にこのところ堅調な、そういった中国と、十三億の市場がある、こういう発想でやはり中国とつき合っていくことが必要だと思っております。
 私は、立場として為替のことについては云々はできない、これは影響が出ますから云々しませんけれども、やはり、要はファンダメンタルズにぴしっと反映して安定的に推移をするという形で私どもは注意深く見守っていかなきゃいけない、こう思っています。
仙谷委員 平沼大臣にして国益について大変甘いお話しか聞けないので残念なんでありますが、竹中さん、デフレとこの円高というのはどういう関係になっていますか。どういう理解をしていらっしゃいますか。
竹中国務大臣 基本的には、デフレの原因が何であるかということと海外の物価がどのように関連しているかという御質問だと思います。
 デフレの要因は幾つかございます。一つには、国内の金融仲介機能が低下していて、マネーサプライがなかなかふえないという事実もありましょう。また、国内で、特に技術要因等々で、パソコンの値段が下がる等々が典型的ですから、供給側の要因もあると思います。同時に、海外との競争、特に中国との競合というのは、確かに一つの要因になっているというふうに思います。
 ただ、一点、先ほど仙谷委員が御指摘になりました為替レートのアジアとの比較、これは私たちも大変重要な問題だとして興味を持っておりますが、やはり、二点申し上げたいんですが、どこの時点と比較するかというのが一つの要因だと思います。九〇年と比較しておられますが、九五年と比較すると、九五年は一番円高でありますから、逆のまた結果が出てくるというのが事実だと思いますので、この点の評価は慎重にならなければいけない。
 それともう一つです。実は、デフレと為替レートはお互いに原因と結果になりますから、例えば申し上げますけれども、タイとかは物価上昇率が五%、六%ある、日本はゼロ%であるということになるならば、日本の為替レートは、名目為替レートは五%ずつぐらい切り上がっていかないと、実質為替レートは一緒になりません。これは、十年で五%の差だと五〇%ぐらいの数字はすぐ出てまいりますから、あの表だけで議論をするのは少しミスリーディングではないかというふうに思います。
仙谷委員 タイとかインドネシアについてはそういうことが言えると思うんですね。例えば、シンガポールの政府高官が、あるときに、サムスン電子がこの間、半導体の製造シェアあるいは出荷のシェアで完全に、日本の日立、東芝、NEC、その他電機メーカーの半導体製造よりもシェアが一社だけで上回った、こういう事態は何なのか、為替レート以外には考えられないという話なんですね。
 もう少し本当は為替レートについて敏感なんだけれども、物が言えないということなのかもわかりません、政府当局者は。しかし、私は、そんなことであっては日本の少なくともデフレの進行と空洞化はますます進む、その空洞化というのは多分地域経済をもっともっとひどくして崩壊に導くのではないか、そういう危機感を持っております。我々、地元へ帰りますと、優良な中小企業ほど出ていかざるを得なくなっているんですよ、中国やアジアに。そう思いませんか、皆さん。
 一つは為替ですよ。この円高ですよ。一九八五年のプラザ合意以降のこの円高なんですよ。何で日本が国際的な会議で、プラザ合意、ルーブル合意の中でドルとの関係において修正を迫られたのか。そのあげくに過剰流動性をつくってバブルをつくってしまった。この反省なしに、今のグローバライズしたこの経済に我々がどう立ち向かっていくのか。
 特に、政府のマクロ政策として、通貨について、為替について、戦略的な考え方を持たないで、その場限りであったり、必要以上に他国の思惑を気にして物を言えないというようなことになったらどうなるんですか。職場がなくなるじゃないですか。私は、マクロ政策を考えるときに、通貨を戦略的にもう少し考えていただきたい、そしてそのことをアナウンスしていただきたい、そういうふうにこの間ずっと考えているんですよ。
 もう一枚、六枚目を見てください。これは、中国の対ドルのマーケットレートと購買力平価で修正したレートをまず上の方に記載してあります。次は、円の対中国人民元レートと、同様に購買力平価で修正したものが書いてあるんです。
 ずっと、七〇年から見ても、元がドルに対しても安くなり、中国元がドルとペッグして安くなっているために、今度はドルと円の関係からして、円に対してもこんなに人民元が安くなっているんですよ。
 皆さん方御承知のように、中国は、七八年に改革・開放政策をとったというふうに言われています。九二年が例のトウショウヘイさんの南巡講話のときであります。九〇年ぐらいから見ましても、GDPが約三倍になっています。七〇年代から見ると約八倍になっています。そういう伸び行く経済を持つ国とドルとの関係、伸び行く経済を持って外貨準備高をため込んでいる国と円の関係がなぜに逆さまになるのかという、理解しがたいことがここで起こっている。
 中国がWTOに加入をしたわけでございますから、この中国の人民元あるいはアジア通貨との関係を、これは先進各国の共通の利益として議題として、サミットの中でも、あるいは蔵相会議の中でも議題として提起して調整が図られるようにすべきだと思うんですが、いかがですか、財務大臣。
塩川国務大臣 御指摘されたことは、本当に一番大事なところだと私は認識しております。
 実は、この前、上海で財務大臣のサミットがございました。そのときでも情報交換をしております。我々は、中国がWTOに加入したこともあって、為替の開放を強く要請しております。中央銀行の総裁で戴行長と申す方でございますが、行長さんにも私たちから、為替の自由化の促進を急いでほしいということを申し入れいたしております。行長、総裁でございますが、総裁も、その方向で鋭意努力する、しかし今までの国内経済体制の整備等の必要があるので急激なことはできにくいけれども、その方向性については我々も了解しておる、こういうお話でございました。
 今お話にございましたように、我々は、為替の推移についてはすべて市場経済に委任しておって全く無視をしておるというわけでは決してございませんで、お互いの財務担当間におきましては激しく情報の交換をしておりますし、また、介入の問題につきましても、自分らの一存でやるということをやりました場合に、世界のそういう自由な秩序を崩してしまうこともございますので、その間は十分な両方の情報の交換をやっての上でしておるということは御了解いただきたいと思っております。
 いずれにしても、先ほどおっしゃいましたアジアの通貨というものが、アジア危機を経ました結果として、IMFとの関係等がいろいろございまして、なかなか調整は難しゅうございますけれども、できるだけそういう公的な国際機関を通じまして、話し合いによって徐々にいい方向に誘導していきたいと思っておりますので、努力はひとつ続けてまいります。
仙谷委員 私は時は急を要すると思うのですね。このまま三年も五年も日本がゼロ%金利の中で停滞をし、つまり停滞をしている象徴がゼロ%金利だということになって、一方ではレートが、多少の変動はあるものの、現時点でのレート幅から、つまり円高から余り変わらないとすれば、これは私は、本当に製造業、地方経済は壊滅に至る、そのことによって地方金融機関も心中するということになる、こういう危機感を持っておりますので、ぜひこれは財務省の、昔の国際金融局、今は国際局というんですか、国際担当、それから総理も、これは大胆に提起をすべきだ。日本の国益を背負って、日本の浮沈がかかっているということで提起をしていただきたい。改めて申し上げておきます。
 さらに加えて、今度は総理得意の部分。これは、九ページを見てください。なぜ円高になるのかというもう一つのお話であります。
 日本は、この十年間、約三百九十八兆円、四百兆円金融資産をふやしたんですね。ところが、ごらんいただくとわかりますが、公的部門で三百十五兆円ふやした、郵貯、簡保、公的年金で貯蓄がふえた、こういう計算になっておるようであります。民間の方は、ふえたのは八十三兆円、約八十四兆円ですね、八十三・八兆円ですから。こういうことになっておるわけですが、この公的部門への貯蓄のため込みというのが次の問題です。
 そして、対外証券投資のところをごらんいただきますと、増減の八十三兆八千億のうち、民間の金融機関は、それでも四十兆八千億は対外の投資をしておる。ところが、公的部門は、三百十五兆の貯蓄をふやしながら、対外の証券投資が十六兆七千億、これだけしか外へお金を持っていっていない。この間の経常黒字の累積額が百四十一兆円ですから、百四十一兆円のうち、十六兆円、十七兆円ぐらいしか海外に公的部門は投資をしない。これは、この分が、当然のことながら、ISバランス論からいうと、つまり貯蓄超過分が経常収支の黒字になってあらわれてきているということになるわけですね。
 当然のことながら、これは円高を強く支えるというか、円高の原因になっているというふうに考えるのでありますけれども、竹中大臣でも塩川大臣でも結構ですから、御答弁いただけますか。
塩川国務大臣 数字から御指摘のように、公的部門におきますところの対外投資というのが非常に少ないのは、これは一つは、対外投資は、直接公的資金でやりますと、そのリスクはだれが負うのかということが問題になってくるのでございまして、そうであるとするならば、やはり民間を通じた、民間セクターを通じた投資をしなければいけない。その分が民間でふえておるということの理屈になってくるのでございまして、もっと投資をふやしていくということ、それは一つありましょう。
 けれども、最近におきましては、民間セクターにおきましても、外国証券、特にアメリカ国債の購入が非常に進んでおりまして、ちょっと日本だけが特異で、ほかの国は他の外貨準備にシフトしておるところが随分ございます。特にヨーロッパ等におきましては、米国債からユーロ債に切りかえておるところも顕著に出てきております。
 ですから、日本も外貨保有をできるだけ多様な資金に振りかえていくということは当然努力しなきゃならぬと思っておりますが、しかし、貿易を見てまいりますと、貿易の決済の六十数%はドル決済だ。これもひとつ考えなきゃならぬところでございまして、できるだけ円決済をしていただいたら、私は非常に円高是正に役立ってくるのではないかなと思ったりしておりますけれども、そういう介入はなかなか、民間取引に直接介入することでございますので、やり方は非常に難しいと思っておりますけれども、要するに、貿易の決済の方法もあわせて考えていくということも一つの対策であろうと思っております。
仙谷委員 さっぱり要領を得なくなってきているんですが、つまり、リスクをとれないとおっしゃるんだったら、そんないわゆるPKOと言われるような、郵貯、簡保の資金で指定単なんというところへ持っていくべきじゃないんじゃないですか。現に、これは七月十二日の新聞ですけれども、郵貯、簡保の二〇〇一年度決算で含み損を五兆六千四百六十七億円出したと書いてあるじゃないですか。株式投資でこんなことをやっているじゃないですか。
 つまり、我々が絶えず疑って言っているのは、マーケットでPKOだPKOだと言われる、つまり信託銀行を通して郵貯、簡保、年金の資金がどんどん株式を買い支えに来る。毎年毎年、年度末、九月末にそんなことがあると言われております。現にそのとおり、これは物の見事に二割ぐらい含み損になっているんですよ、一年間で。こんなことを放置しながら、では自主運用と称して、株式運用、外国債券運用をリスクが多いというふうに言って縮こまったら、これはどこへ行くんですか、このお金。巨大なお金なんですよ。そうですよね。この金がじいっとたんす預金になっていても困るし、かといって、おっしゃるように、では株式はリスクが大きい、外国債券はリスクが大きいというようなことで国庫の金庫の中へしまわれておっても、何の運用益も生みませんよ、これは。
 つまり、ここに、総理が今度の郵政関連法案の中で、本来は先にさわらなきゃいけない方を全然さわらないで郵便事業の方をさわっちゃった、この大問題がありますよ。だから、あなたの方向性が、もしここをやらなければ日本が、日本のせっぱ詰まった構造というのがここにあるんだということをおわかりだったら、思い切って何かやり方を変えなきゃいかぬ。つまり、外国債券を郵貯、簡保の資金ででももっと投資をするというふうなことを考えるか、要するに、ある種の相当程度のリスクをとったマネーとして出ていかざるを得ない、そうならないと経済が動かないということをお考えになった方がいいですよ、経済構造改革と言われるんだったら。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 私は、議員の中でだれよりも早く今の郵政三事業の問題点を指摘してきた者と思っております。
 今回は、郵政公社化の法案なんですよ。民間参入にしても、私が言い出す前にどの政党も言わなかったじゃないですか。これから大改革の大きな一歩だと言っているんです。
 今言った点も、非効率な部門に公的資金が投入される、利益の生むところに行かない、だからこそ構造改革しなきゃいかぬと言っているのであって、私が初めて郵便に対する民間参入を言ってきたからこそ、不十分だという議論が出たんでしょう。私はそれを歓迎しますよ。これから財政投融資を初め特殊法人、郵政の民営化というのはどんどん議論してもらえばいい。ともかく風穴があいたんです。今第一歩を進めて、不十分だという声が出ているのを私は歓迎しますよ。それじゃ、対案を出していただきたい。
 これからも大きな改革に向けて、さらに皆さんが、この公的金融のみならず、国の資金を、いかに生産的な部門に税金を使うかという点にも意を用いていただくことによって、私は経済活性化の道が開けるのではないかと思っております。
仙谷委員 そんなお話百遍聞いても、もう五十回ぐらい聞かされましたよ、私が初めてやったって。そんなの五十回聞いても、日本の――私が言っているのは、いいですか、資金の循環をあなたはどう考えているんですかと聞いているんじゃないですか。この公的資金を、公的に蓄積された貯蓄になっている資金をどうするんですかと聞いているんじゃないですか。私は外国債でも買えと言ったじゃないですか。何を言っているんですか。いいですか。
 日銀副総裁においでいただいていますので、ちょっとお伺いするんですが、今、ゼロ金利になっていますね、実質ゼロ金利。このことによって家計部門とかあるいは年金部門とか、いろいろなセクターでどういう不利益とか矛盾が発生しておりますでしょうか。
藤原参考人 お答えいたします。
 低金利の弊害ですけれども、先生御指摘のとおりに、まず家計の利子収入が減っているということもありますし、それから機関投資家が運用できなくなっているというようなこともあります。それから、日本銀行がマーケットのプレーヤーの一員として入っております短期金融市場、コール市場の規模が縮小したり機能が低下しているということもあります。さらには、非効率な企業の延命等による構造改革の阻害などという点を挙げる方もいらっしゃいます。
 私どもからしてみますと、確かに、低金利によりましてマーケットは以前にも増して縮小していますけれども、これは一つには、金融機関が市場で資金を調達する必要がないほど日本銀行が潤沢に資金を供給しているということの裏返しといいますか、あらわれであるかとも存じます。
 こうした金融緩和は、先般のアメリカのテロ事件とか、金融システム不安等々が何度も起こりましたけれども、そして我が国の経済にストレスがかかりましたが、その中で金融市場の安定を確保し、景気の底割れを回避するのに貢献しているんじゃないかという点は自負しております。
 それからまた、景気の下支えを通じまして、企業がリストラや事業再建に取り組みやすい環境を整え、構造改革を促進している面もあるかと思います。
仙谷委員 これは、ある意味では年金部門とかあるいは生命保険会社とか家計部門とか、金利がつかないことで大変痛んでいると私は思うんですね。それから、名目がやはり上がってこないというか、どこの部門においても名目が上がってこない一つの原因は、このゼロ%金利だと思うんですね。
 ところが、こういう状況で低金利を続けますと、今度は金利を、公定歩合でもあるいは長期金利が上がることでも、つまりそれを正常化するというふうに考えられなくて、それじゃ倒産をするじゃないか、あるいは政府の利払い費がふえるじゃないかと、怖くて今度はもうこのゼロ%金利を外せなくなる。これはいつまで続けたら気が済むんですかというか、いつまで続けたらどんないい状況が生まれるのか、これは日銀は何か見通しを持っていらっしゃるんですか。
藤原参考人 現在日本銀行が行っております金融政策は、デフレから脱却するということを旨としておりまして、一応めどとして私どもがコミットしておりますのは、消費者物価が前年比ゼロ%以上に安定して推移するまで今の金融政策を続けるという態度をとっております。
 その間、先生御指摘のとおりに、家計収入とかそれから年金その他の弊害がありますが、まずは、金融緩和政策を続けることによって経済を下支えして、まず経済を活性化させてから金利が上昇していくような状況を実現させていくという順路、その順路に従って私どもは今金融政策を運営しているわけでございます。
仙谷委員 終わります。
津島委員長 これにて五十嵐君、仙谷君の質疑は終了いたしました。
 次に、中塚一宏君。
中塚委員 自由党の中塚です。総理は……(発言する者あり)お手洗い。
 まず、きょう、経済、財政、税制、金融の質疑ということですけれども、小泉内閣が発足をして一年たちました。一年たって、当初三つほど大きな公約、柱立てをして掲げられていたというふうに思います。
 その三つの柱立て、一つは財政赤字の削減ということだし、また不良債権の処理ということだし、あと特殊法人の整理合理化ということを掲げられていたというふうに思いますが、一年以上たって見てみますと、やはりこれはどれもこれも落第じゃないかというふうに言わざるを得ませんで、そのことについてお伺いをしていきたいというふうに思いますが、トイレ長いですね。
津島委員長 どうぞ続けてください、時間がありますから。
中塚委員 財政赤字の削減ということについてまず伺いますけれども、総理、いいですか。
 財政赤字の削減、昨年度、十三年度の予算のことについて伺いますけれども、国債発行を三十兆以内に抑えるということをお決めになっていたわけですが、二回補正予算をお組みになりました。そのうちの一回は、国債整理基金特会から、将来の国債償還財源というものを前倒しに使って補正を組まれたわけです。そういうふうな予算の総合的な、トータルの結果として、昨年、十三年度歳入減が一兆七千億出ています。経済成長率も政府見通しを大幅に下回ってマイナスになってしまった。
 結局、この国債整理基金特会からの借金というものを含めて考えれば、まさにこの三十兆円の国債発行枠というのは守られていないということになります。また、三十兆円枠自体も意味がないということで、十二年は税収増だったわけですけれども、十三年度は税収が落ち込み、成長率はマイナス、国債発行枠三十兆円も守れずということであれば、この一年間、十三年度というのは一体何だったんでしょうか。お答えいただけますか。
小泉内閣総理大臣 やりくり算段、苦労に苦労を重ねた十四年度予算編成でありましたけれども……(中塚委員「いや、十三年度」と呼ぶ)十三年度は私の編成した予算ではありませんが、今の税収の動向はまだ定かではありません。もうじき明らかになるでしょう。
 そういう中で、私は、三十兆円の枠を守ったということによって、財政の健全化にも配慮しなきゃいかぬなと、財政規律を維持した面も十分あると思います。なおかつ、この不景気で公共事業削減なんかできるのかという声が多かったわけでありますが、それについてもやはりやろうと思えばできたと。
 この十四年度、十三年度から十四年度にかけまして非常に難しい経済財政状況ではございましたけれども、今の時点において、私は、景気が底割れしたとか経済恐慌が来るというような時点には至っていないと。これからも国債の発行状況あるいは税制の問題、そして景気状況、経済規律、財政規律の問題、そういう点を総合的ににらみながら、この経済活性化にいかなる対策が必要かということを考えていかなきゃならない、極めて綱渡りの状況であることには変わりないと思っております。
中塚委員 十三年度予算は総理が編成されたわけじゃないけれども、三十兆円国債発行枠というのをおつくりになったのは総理ですね。そして、その三十兆円国債発行枠があり、国債償還財源を、将来の借金返しのためのお金をとってきて補正をお組みになった。その結果として歳入減が出、マイナス成長になっているということをもって、この一年は本当に意味がなかったんじゃないかということを申し上げているわけです。
 その歳入減の原因ということですが、恐慌にはなっていないというふうにおっしゃいましたけれども、この景気の落ち込みというのが歳入減の一番大きな原因であることはもう間違いない。法人税の減収というのがその大宗を占めているわけですから、これは景気の落ち込みによって財政の赤字の幅が広がったということになります。
 そもそも総理の内閣の経済政策というのは、アメリカ任せ、外需主導型の景気回復シナリオというものを描いてきたわけで、外需主導というのはもう本当に線香花火みたいなもので、いっときはぱっといいかもしれないけれども、今のように生産拠点が海外にどんどん移っているという中にあっては国内の内需に結びついていきません。そしてまた、国内の設備投資というものがふえるという環境にもありません。
 政府みずからの経済対策というものがほとんどなかった中にあって、今後、アメリカ景気の先行きによっては日本経済はさらに落ち込むことになるんじゃないですか。いかがでしょう。
竹中国務大臣 まず、十三年度から十四年度にかけての財政運営の基本的な考え方でありますけれども、それは基本的には……(中塚委員「それはいいです。聞いていませんからいいです」と呼ぶ)その中で、十三年度から十四年度にかけては、財政の基本的な考え方の切りかえを行ったわけです。
 世界じゅうが、例えば、五%成長していたアメリカが二%成長になる、四%成長していたヨーロッパが一・五%成長になる、つまり世界全体でマイナス三%の風が吹く中で、日本も当然のことながらその風を受けたわけです。しかしながら、そういった問題に対しては財政が人為的に微調整をするのではなくて、財政が持っている自動安定化機能を使うということの、その財政政策の方向転換を行ったということが重要なポイントです。
 その中で今何が起こっているかということでありますけれども、日本の経済は決して外需依存だけではありません。ことしの第一・四半期、一・四%の成長をしておりますが、〇・七%は外需、〇・七%は内需です。その意味では、外需が大変重要な役割を果たしていることは事実でありますけれども、在庫調整等々内需の役割も非常に重要である。アメリカの動向というのは日本の経済にとっての大変重要なリスク要因ではありますけれども、日本の経済は、循環的には在庫の調整を終えて自律的に回復する一つのチャンスをつかんでいるという状況でありますので、外需の動向に注意を払いながら、内需が自動的に立ち上がる、自律的な回復に向けての運営を行っていこうとしているところであります。
中塚委員 そういうお話をされるのであれば、私がお伺いしていることと全然お答えが違うわけですよ。補正予算等の編成ということ、そして三十兆円以内に国債発行を抑えると言ったことが今全然実現していないじゃないかという、その話の関連として今後のアメリカ経済の先行きということについてお伺いをしているわけであります。もう答弁は要りません、結構です。長く答えられると困ります。
 また、総理が、そもそも改革には痛みが伴うというふうにおっしゃってまいりましたけれども、その景気の面の改革への痛みというのがやはりデフレ圧力ということになるわけですけれども、不良債権を処理する、財政赤字を削減するということ自体がやはりデフレ圧力というものを伴う。
 ことしに入ってデフレ対策ということを言い出しておられるし、また、骨太の方針第二弾を実施することが、これがデフレ対策だというふうにおっしゃっているわけなんですけれども、ことしに入ってこのデフレ対策を言い出さなければいけなくなったということは、これは当初は予想されていなかったということなんでしょうか。そしてまた、この骨太の方針第二弾が、どこがどういうふうにどうデフレ対策になるんでしょうか、お答えいただけますか。
小泉内閣総理大臣 デフレ対策に即効薬はないと思います。いわば規制改革、そして官から民へのいろいろな規制緩和、さらに来年度税制改革、それぞれ財政、金融両面の政策を見ながら対応しなければならないものでありまして、もとより日本国内経済だけの問題でもありません、世界経済、大いに影響があると思います。
 そういう点から、私どもは、今まで景気のために国債発行を増発して公共事業をふやせばいいということではないだろうということで、今もろもろの改革に進んでいるわけであります。
中塚委員 私が申し上げているのはその公共事業の話ではなくて、総理のやろうとしている政策がトレードオフなんじゃないかということを申し上げているわけです。
 そもそも、不良債権の処理なり財政赤字の削減ということを実行しようというときにデフレ圧力がかかるんだということは、それはもう初めからわかっていたわけなんですね。それを今になってデフレ対策ということをおっしゃるということ自体、これは当初の考え方、そのときにそれが織り込まれていなかったんじゃないのか、デフレ対策ということ、デフレ圧力を持つということをお考えになっていなかったんじゃないのかということをお尋ねしたわけです。答弁は結構です。
 そしてまた、財政再建ということにしても、やはり景気回復ということで税収増を確保しなければいけないはずですし、また不良債権の問題、金融庁から一番最新の直近のデータをもらいました。十四年三月期の半年で、六・九兆円不良債権がふえているというふうな結果です。そういうふうな中にあって、やはり景気の問題というのはもっとセンシティブに考えなければいけないし、何も公共事業による需要の追加が、それしか景気対策がなんということは一言も言っていません。
 小泉改革が企業をつぶして、改革が順調に進んでいると、昨年、建設会社がつぶれてそういうふうにおっしゃったわけですけれども、そんなことを言っているうちはやはり財政再建もできないし、不良債権だって減っていかないことになるということを話をしているわけです。
 痛みを伴うというふうにおっしゃるけれども、その一方で大きな企業ほどつぶれない、金融機関は資本注入をしろとか、あるいは株を買ってやるとか、そんな話がどんどん出てくる。そして、この痛みというものが大変不公平な形で国民に押しつけられるということ、その現実についてはどういうふうにお考えですか。
小泉内閣総理大臣 それは、市場経済において、私は、この企業をつぶせばいいとか、この企業はつぶしてはだめだということなんて一度も言ったことはありません。
 市場経済の時代におきまして生き残れる企業、それぞれの企業が独自の努力をしてもらわなければならない。そういう中にあって、私は、中には倒産やむない企業も出てくるでしょう。時代の変遷に従って企業の生き残り戦略というものも変わってくると思います。
 そういう点について、私は、企業の自助努力といいますか、こういう点について強く期待しておりますが、同時に、生産性の高い企業がどんどん輩出できるような構造改革、いわば規制緩和とか税制改革とかあるいは財政金融政策、多面的な方策が必要だということを言っているのであって、私は、これからもデフレ対策というのは、個別の対策ではない、経済全体の活性化策の中でデフレ対策をしたいということについては一貫しております。
中塚委員 またそれも答弁が違うんですけれども、私がお話ししているのは、企業をつぶすということが構造改革だ、そういう認識では景気はよくならないんじゃないですかということを話をしているわけです。
 景気がいまだに回復しない。さっきから総理は需要の追加、公共事業云々という話をされますが、それをしていたのは前半の与党の議員ですよ。与党の議員が、橋をかけるだの道路をつくるだの公園が足りないだのという話をされているわけであって、私どもはそんなことは全然言っていません。
 そもそも、総理だって改革なくして成長なしということをおっしゃっていたわけだから、いまだに景気が回復しないというのは、それは、一番はやはり改革が進展していないからだということになります。構造改革自体が景気対策になるものだってあるわけで、そういうものから優先的に実施しなければいけないし、構造改革にデフレ圧力が伴うことはそれは否定をいたしません。でも、それは構造改革をちゃんとやった上で、その上で需要の追加ということが必要だったら改めて検討するということが必要なわけであって、今みたいに何にもしないでほったらかしにしておいて、ただただ悪化を招くというのはこれはもう問題外というふうに言わざるを得ないし、また、今税制改革という話が出ていますが、景気との関係で税制改革論議が始まるということ自体、今までの従来型の政治と変わらないんじゃないでしょうか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 何にも進んでいないと言っていますけれども、私に言わせれば着実に進んでいるんですよ。
 多く答弁をすると時間をつぶしますから省きますけれども、今後、経済活性化策のための税制改革であって、単なる景気対策のための税制改革じゃないんです。そのあるべき税制改革を今議論していただいているのであって、これを十五年度予算に反映していく。当初から、二、三年、私は景気回復するなんて言っていませんよ、痛みに耐えて頑張ろうと言っているんです。二、三年は低成長を我慢しよう、あすの展望のために今は痛みを耐えていく時期だ。すぐ景気回復しないから何やれ何やれ、そういう政策はとりません。長期的な経済活性策は何か、そのための一、二年の低成長はやむを得ない、腹を決めてやっています。
中塚委員 一、二年は低成長やむを得ないというふうにおっしゃったわけですが、早ければ早いにこしたことはないはずですね。まさにそういう意味で、構造改革の集中期間というのが短ければ一刻も早く景気も回復をするようになっていくわけです。
 税制改革の議論にしたって、何で今から始まるのかということが問題なわけです。昨年議論を始めていれば今年度実施をできたはずじゃないんでしょうか。そういったことをやらないで、着実に進んでいるというふうにおっしゃる。
 その一方で、今度、健康保険法の一部改正案、これが今参議院で審議をされております。実効税率の引き下げとか、あと外形標準課税の導入なんということをおっしゃっているけれども、全部負担増の話ばかりじゃないですか、それ以外は。健康保険法の一部改正案、また雇用保険というものも引き上がることになる。
 総理は、所信表明、就任後のまず第一回目の国会ですが、在任中は増税をしないということをおっしゃったはずですけれども、保険料は、これは増税ということの範疇には入らないんでしょうか、国民負担増ということとは違うんでしょうか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 患者負担の引き上げだけが国民負担であって、患者負担をしなければ国民負担はないというのは大間違いです。保険料率を上げるというのも国民負担ですよ。この二割から三割をしなかったら、保険料率をもっと上げなきゃならない状況だったでしょう。私は、保険料率の上げ幅を小さくしろということで、この二割から三割にして、そして診療報酬初め医療提供体制、あるいは保険制度のいろいろな一元化等、やるべき改革、たくさんあります、あわせてやろうということです。
 ただ、患者負担だけが国民負担というのは大間違いで、増税しない、では、患者負担しなかったら税金投入ですよ。保険料負担を上げるんですか。給付と負担というのは裏腹なんです。それを総合的に考えなきゃいかぬ。患者負担引き上げだけが国民負担だというのは大間違いだということを指摘したい。
中塚委員 給付と負担の関係でいえば、税だって同じです。行政サービスに対して税を負担しているわけですから、それは全く同じことだというふうに思います。
 そして、窓口負担とか保険料の割合を言うのは、それは相変わらずの収支バランスだけの問題なんですよ。だから、構造改革、制度、仕組みを変えることが必要であるということを申し上げているわけであって、私どもは、高齢者医療、基礎年金、介護という部分を消費税だけで賄うような、そういうふうな政策をとるべきだというふうに申し上げているわけです。(小泉内閣総理大臣「それは増税だ」と呼ぶ)
 増税とおっしゃるが、それは保険料だって同じことでしょう。そんなことありませんよ。社会保障制度の中身の見直し、例えばICカードなりなんなりを電子医療に用いるという、そういうふうなことだって絶対これは構造改革になるし、医療費とあと薬価の見直しとか、そういったことでも負担を減らすということはできるはずなんです。そういったことがあるにもかかわらず、結局、収支バランスの帳じり合わせだけでまたやっていこうとしている。(小泉内閣総理大臣「消費税を上げろというのは」と呼ぶ)
 消費税の問題だけではありません。私が申し上げているのは、そうやって負担の調整の割合だけのことしか言っていないじゃないかということを申し上げているわけです。来年以降もそういうことです。国民全体で広く薄く支えていくということが基本的に必要なわけであって、どうしてそれが窓口負担であったり、あるいは高齢者医療の給付水準の引き下げであったりするんですか。その発想が構造改革を全然おくらせているわけじゃないですか。
 そもそも、橋本内閣のときの厚生大臣はあなたですよ。そして、そのときの自民党の政調会長は山崎拓さんですよ、今、幹事長じゃないですか。抜本改革は先送りをして負担増ばかりがずうっとずうっと先行をしている、これのどこが構造改革なんですかというお話をしているわけです。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 では、患者負担を引き上げないで消費税で負担する、消費税を引き上げるというのは構造改革なんですか。私は、消費税を引き上げないということを言明しているんです。消費税を上げろと言うんだったら簡単ですよ。私は消費税は上げません、当面。
 そういう中で負担と給付の問題をどうやっていくか。自由党は確かに消費税を引き上げろという主張でしょうけれども、それは一つの主張として理解できます。しかし、小泉内閣として消費税を引き上げないという前提の中で抜本改革をしようということでありますので、私は、消費税引き上げが構造改革に結びつくという議論とは、今回の医療費引き上げの問題と診療報酬等の改定というのは、関係あると言えば言えますけれども、当面、消費税を引き上げないという前提の中で改革しているということを御理解いただきたい。
中塚委員 消費税を上げる上げないだけの話じゃないんです。国民負担全体の話をしているんですよ。だから、総理が増税をしないというふうにおっしゃっていたけれども、では、窓口負担を上げたりするのは、これは負担増にはならないんですかという、その問いを一番初めにしているわけであって、そういったことの議論というのが全然されない。結局、答弁をすりかえていらっしゃるじゃないですか。そして最終的に、結局は負担の割合だけを変えるというふうな、そういう話にしかならない。どこが構造改革なんですか。それはおかしいと思いますよ、本当に。
 これからの社会保障のあり方というのをちゃんと示した上で、そして負担の公平化というものを図っていくのが本当の制度改革ということになるじゃないですか。どうしてそれが保険料やら本人負担の引き上げだけになっちゃうんですか。このやり方だったら、ずうっと同じことを続けていかなきゃいけないでしょう。このやり方を続けていくこと自体、限界ですよ。
 そもそも税制改革の議論ということについて申し上げれば、総理の腰がちゃんと据わらないということがこの税制改革のグランドデザインをぼかしてしまっているわけで、例えば財務相、そして経済財政担当大臣、またそれに加えて総理の御指示というものもいろいろとふらついてしまっている。だから、減税なのか、増減税一体なのか、それとも全くの増税なのかというのがわからないわけなんです。やはり歳出削減ということをちゃんと実施するようにして、その歳出削減の果実というものを減税に回していくべきだというふうに思いますが、その歳出削減に取り組む、来年度、当然増経費の増というのは五・六兆円ということで、財務省の資料によれば、ほっておいても五兆六千億の歳出増がふえてくるというふうになっている、そういう中で改革還元減税ということをおっしゃるのであれば、本当に大変な額の行政改革というものを実施しなければいけないということになります。
 私どもは、例えば補助金の廃止と地方自治体の独自財源化とか、あと、あるいは規制の撤廃、緩和ということについて、総理も小さな政府ということをおっしゃるけれども、私は、財政の規模じゃなくて、やはり小さな政府というものの基準は法律の数だと思う。だから、その法律の数を減らしていくというふうな法律もつくって、今、国会へ提出をしているところです。そして、その五兆六千億の当然増というものを上回って歳出削減をし、減税をするということになれば、やはり政治家みずからがこれは身を切る覚悟というのをちゃんと示さなきゃいかぬというふうに私どもは考えております。
 さきに衆議院で、定数是正の法案、五増五減というのが通りました。けれども、私はこの五増五減の五増の方は余計だと思います。民間がこういう経済事情の中にあって大変厳しいリストラをしているし、また、地方議会だって地方議員の定数をどんどん削減しているわけです。また、三千三百の市町村を千にまで統合するということになれば、市町村長さんだって三千三百人が千人まで減るわけですね。国会議員だけがこの定数の削減の努力というのをしないでいいということにはならない、私はそのように思います。
 だから、この五増五減というものの増の部分は要りません。減だけで一票の格差を一対一に是正する、そういうことが可能なはずです。総理自身は、この一票の格差是正ということについては、参議院の予算委員会で大変熱心に前向きに御答弁をされていたはずです。これはやはり国政ですから、国の政治なわけですから、一票の格差というものは一対一でなければいけない。地方振興政策というのはそれとは別に考える話であって、この国会議員が、与党か野党かとか、あるいは与党の中でも実力者かそうでないかによって地域の発展に差が出るなんということ自体がおかしいと私は思います。
 そういう意味から、私ども、十五の定数を削減する、小選挙区の定数を十五削減することによって一票の格差を一対一に是正をする、そういうふうな法律を国会に提出いたしております。五増五減自体は参議院へ行っていますが、けれども、今からでも遅くない。私は、十五削減によって国会議員も身を切るということをちゃんと国民に示すべきだし、そしてその上で一票の格差を一対一に是正をするべきだというふうに思いますが、いかがでしょう。
小泉内閣総理大臣 一票の格差を是正するということは重要なことだと思っております。
 今回の法案、今審議中であります五増五減案、これは、政府の区画画定審議会の意見を尊重するという前提で諮問していたわけでございますので、その答申を尊重したいということから、今、政府案を提出しまして、その勧告案どおりに成立させるよう努力しているわけでございます。
 今後、その削減の問題、一票の格差と並んで大変大事な問題でありますので、各党各会派間でよく議論をしていく必要があると思います。
中塚委員 終わります。
津島委員長 これにて中塚君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉井英勝君。
吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 政府は、景気は底を打ったと言っておりますが、国民はそんな実感を持っておりません。企業の経営者の皆さんも、大企業にしても中小企業にしても、依然として深刻な状況にあると思っております。そういう中での政府の増税計画について、危機感というものが広がっております。
 そこで、まず、順番に伺っていきたいんですが、総理は六月七日に、総理官邸に政府税調の石会長を招いて、来年度税制改正の主な事項として、配偶者特別控除、特定扶養控除等の簡素集約化、それから、外形標準課税の導入による法人課税の実効税率の引き下げなどを指示したと言われております。これはまず事実なのかどうか、最初に伺っておきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 これからのあるべき税制改革に向かってどう具体的な項目を検討していけばいいかということの中で、今言った配偶者控除の問題あるいは外形標準課税の問題、法人の実効税率の引き下げ等の問題、検討していただくように指示を出しました。
吉井委員 そこで、私、最初に主税局長と自治税務局長に、配偶者特別控除、それから、十六歳から二十三歳未満の高校、大学の就学年齢の子供を育てている家庭向けの特定扶養控除、七十歳以上の老人扶養控除を廃止するなど、簡素集約化ということを言っているんですが、この三つの控除をやめると、所得税、住民税でそれぞれ国民の負担は幾らふえると試算をしておられるか、また、その影響はどれだけの国民にかかると見ているのか、これを最初に両政府参考人から伺っておきたいと思います。
大武政府参考人 お答えをさせていただきます。
 最初にお断り申し上げますが、やはり個人や企業の多様な選択をゆがめない税制を構築していくという観点から諸控除の簡素集約化を検討しているもので、ただ単に増収を図る趣旨から議論しているものではないということだけはお断りをさせていただきたいと思います。
 その上で御質問にお答えさせていただきますと、増収額というのは、配偶者特別控除をもし全廃するとしたら五千億、特定扶養控除の割り増し部分の廃止が二千億、それから、老人扶養控除の割り増し部分の廃止が一千億と試算されます。
 なお、廃止したときの影響を受ける人員でございますが、このあたりは民間給与の実態及び申告所得税の実態からの推計で、単純推計でございますが、配偶者特別控除で約一千二百万人、特定扶養控除で五百七十万人、それから、老人扶養控除で三百三十万人かと推計されます。
瀧野政府参考人 住民税についてお答えいたします。
 住民税につきましての所得控除の見直しの目的につきましては、国税と同じように、各種控除の集約化なり簡素化をねらいとするものであるわけでございます。
 その場合の影響でございますが、個人住民税につきまして配偶者特別控除を廃止するということになりますと、平成十三年度の数字でございますが、約千四百五十万人が影響を受けまして、その税額としては約二千七百億円余ということでございます。
 それから、特定扶養控除につきましては、約六百七十万人の方が対象になっておりまして、この割り増し分を廃止した場合には約六百億円の影響が出る見込みでございます。
 また、老人扶養控除につきましては、約四百万人の方が対象になっておりまして、この割り増し分を廃止した場合には約百億円の増収という見込みでございます。
吉井委員 ちょっと確認しておきたいと思いますが、主税局長、これは、国民の負担がふえるものは所得税、住民税合わせて大体約一兆一千億円台、こういうふうに見て間違いありませんか。
大武政府参考人 お答えをさせていただきます。
 一応単純に合計いたしますと、国税で八千億円ぐらいでございまして、先ほどの地方税の方が約三千四百幾らかという感じかと存じます。
吉井委員 ですから、合わせて一兆一千億円台の増税になる。不況が深刻なのは、個人の所得は減って需要が不足しているという、ここに大きな問題がありますが、そのときに一兆円を超える所得増税をやれば、さらに所得を奪って、これは景気の足を引っ張るということになってしまいます。
 そこで、総理、それでもあなたは増税をするという立場で臨まれるのかどうか、これを伺っておきたいと思うのです。
小泉内閣総理大臣 増税はしない前提で、どういう税制改革があるべきだと。経済活性化策のためにどのような税制改革が必要かと。一年限りの税収中立ということではなくて、中長期的に考えなきゃいかぬ。そして、来年、再来年、どういう税制がいいかという観点から、今、税制改革議論を進めているわけでありまして、今の主税局長が言った答弁も、間違えないでくださいよ、全廃したらという話なんです。それをすぐ増税と結びつけるのは余りにも飛躍的過ぎる。
 全廃したら、確かに増税になります。しかし、いろいろな組み合わせがあります。どこを減税するのか。一項目だけ増税部分があった場合に、全体が増税とは限りません。当然、所得税は、減税の部分もあるでしょう、増税の部分あるでしょう。全体を見なきゃだめです。今のは仮定で、配偶者控除を全廃したら幾らの増収になりますよという話ですから、それと、現実に全廃するというのはこれからの議論ですから。全廃するなんか、はっきり言っていませんよ。整理統合したいと言っているんですから、そこを間違えないでくださいよ。
吉井委員 総理が指示したのは、配偶者控除、特定扶養控除などの簡素集約化ということで、これはちゃんと出している資料が皆さんの方にあるわけです。この上を全部切るという話なんですよ。
 それで、これをやめるということも言っていないんです。やるということを言っているんです。私は、増税をやるのかということを聞いたんです。そうすると、それは結局、否定していないんですよ。私は、全部切るのかとか、そういう質問をしていないんです。増税をやるのかと聞いたら、それを否定しないわけです。これは結局、庶民への所得増税の道だということを言わざるを得ない。
 次に、中小企業への税制について伺っておきたいと思います。
 赤字の企業は税金を払えない。景気がよくて黒字なら、しっかり税金を払っているわけですよ。実際、これまで払ってきたわけです。ところが、不況で赤字企業になっているときにも税金を支払わせる、これが外形標準課税の問題です。
 これで自治税務局長に伺っておきますが、現在、赤字法人はどれぐらいありますか。その割合というものを聞いておきたい。
瀧野政府参考人 赤字法人の比率についてのお尋ねでございますが、私ども総務省で集計しております都道府県の課税状況等に関する調べというのがございます。その十二年度の数字によりますと、今回、外形標準課税の対象になる法人、約二百四十六万社でございますが、そのうち欠損法人の割合は約七〇%というふうに承知しております。
吉井委員 七〇%ということですが、外形標準課税を導入すると、赤字法人であるこの七割の企業は全部増税になります。
 日本商工会議所が先日発表しておりますが、一万二千百八十四社の回答をもとに試算したところ、黒字法人でも八五%が増税になる。一社平均二百二十九万円の増税です。赤字法人は一〇〇%増税ですが、その額は一社平均百七十九万円の増税です。黒字法人でも、収益が薄く、人件費比率の高い小規模企業ほど増税率は高い、こういう結果も出ております。黒字、赤字を合わせたこの一万二千百八十四社の全調査企業の九一%、九割が増税になります。赤字法人七割として、残る三割の法人、仮にそれが八五%増税と計算すると、九五%が増税、こういうことになるわけです。
 あなたは、石会長に外形標準課税導入の検討を指示しているわけですが、これだけの、九割を超える企業が増税になる、それでも外形標準課税の導入を行うという立場なんですか、伺っておきたい。
小泉内閣総理大臣 詳細については総務大臣が後ほど答弁するといいと思いますが、今、全赤字法人が課税されるという前提で話していますが、確かに、法人の中で税金を払っていないのが七割いる。これについても、やり方はいろいろあるんです。外形標準課税を導入したとしても、払わない、増税にならない企業も出てくるでしょう。時期によっても違いますし、いろいろな算定方法はあります。そういう点は中小企業に配慮しながら、外形標準課税というようなものを検討していいのではないか。これは、確かに増税の部分も出てくるでしょう。同時に、減税の部分も出てくるわけですから、組み合わせですから、そういうこともよく考えていただきたい。
 詳しい点は、総務大臣に答弁いたさせます。
片山国務大臣 今委員が言われた資料の信憑性については、いろいろな議論があるんですよ。
 まず、前提は、絶対増税はしないんです。仮に外形標準を入れても、税収中立でやるということが一つ。
 それから、全部を外形標準にしないんです。当面は四分の一だけするんです。(吉井委員「それはわかっているんです、わかって聞いているわけです」と呼ぶ)いやいや、言わないとわからない。それから、最終的には二分の一にするんです。
 それから、今の案なら、中小企業に外形標準四分の一を入れるのは、平成十八年度なんですよ。まだ三年も四年も先ですよ。大企業は十六年度から。今の案ですよ。だから、この案をこれからどうやって、さらに皆さんの意見を聞いて検討していくか考えますよ。
 七割もの人が地方団体からサービスを受けて一切払わない、一銭も。中にはいろいろな企業がありますよ。その方が私は公平じゃないと思いますよ。警察、消防のサービス、道路、港湾、工業用水道、従業員の方の福祉、医療、教育、全部地方団体がお金を出しているんですよ。三割の者が全部の税収を負担するという方が公平じゃないんです。
 また、受益に応じて負担してもらうのが地方税なんですよ。国税の方は能力に応じて負担してもらうんですよ。地方税の方は受益に応じてなんですよ。受益を受けながら一銭も払わないという方がおかしいんで、だから、それは一部だけ、少しだけ払ってもらう、しかも段階的に。最終的にも二分の一にしか外形標準しないんですよ。だから、そういう点で関係の方の御理解を今後得ていきたい、こういうふうに思っておりますので。
 それから、今の案も、これからいろいろな人の意見を聞いて、直すべき点が仮にあるんなら、我々は直していきます。ぜひ御理解賜りたい。
吉井委員 べらべらべらべらしゃべっただけの話で、全然おかしいんだよ。簡易課税だとか実施時期の話だとか、当初二分の一の配慮だとか云々というのはありました。しかし、九割の中小企業が増税になるというこの事実は変わらないんです。
 大体、現在の税収三兆八千億が四兆一千億へ、三千億になるという増収の問題もあれば、現在だって法人住民税均等割とか固定資産税その他、これは赤字の企業だって払っているわけですよ。何か全く払っていないような話にしてすりかえて、そして何かしばらくは関係ないような話はとんでもない。
 大体、私は、今外形標準の導入をこういう状況でやるのかと言っているのに、今のは全然答弁になっていませんよ。九割の企業が課税になる。赤字で苦しむ中小企業が増税になっても当然だとする考え方は、本当に許せないということを指摘しておきたいと思います。
 税制中立と言うわけですが、中小企業の九割は増税になります。そうすると、自治税務局長に伺っておきたいんだけれども、大企業のトヨタも増税になるのか、ここは減税になるのか、どちらですか。
瀧野政府参考人 個別の企業につきましてのお尋ねでございます。
 個別の企業が外形標準課税の導入によりまして増税になるのか減税になるのかということにつきましては、その企業の現在の法人事業税額のほか、報酬給与額でありますとか、純支払い利子とか、純支払い賃料の額とか、いわゆる付加価値額と言われるものを正確に把握しませんと計算できないところでありますし、また、個別企業のことでもございますので、お答えできない旨御理解いただきたいと思います。
吉井委員 何だ、それは。あらかじめレクに来ていただいたときは、片山さんのさっきのお話よりもっと詳しいのはありましたよ。その上で、どうなんだと言ったら、一般的に高収益の黒字企業の場合減税になると言っているじゃないですか。減税になるんじゃないですか。
瀧野政府参考人 ただいま御答弁申し上げましたように、個別企業の税額がどのように変動するかということについては、その中身を正確に把握しませんと計算できないということでございます。
 なお、一般的に言えば、経常利益を多く上げている企業は、現在多額の法人事業税を負担していただいている可能性が高いわけでございますが、企業会計上の利益と税法上の課税所得というのは違いはあるわけでございますけれども、一般的には、外形標準課税の導入により減税となる可能性も高いというふうに考えられます。
吉井委員 素直にそう言えばいいんですよ。
 経常利益上位十社について試算をするように、私言っておきました。この場で言ったら、急に言われても困るとおっしゃるでしょうから。これは明らかにできるならばしてもらったらいいんですが、ちょっと資料を配ってもらえますか。実は、これは、外形標準課税を導入した場合に、大企業の減税がどれぐらいになるかという試算です。
 これで、まずトヨタの事業税、これは最も新しい企業会計年度の資料から取り出したもので、あくまでも推計額ということでないと私たちもこれは言いづらいわけですが、これが外形標準課税を導入しますと、まず所得にかかわってくる法人事業税部分が大体半分の四百五十億円になるわけですね。それで、外形標準課税の部分については、今度はこの外形基準掛ける税率ということで出てきます。これは付加価値割二、資本割一ということで総務省案をつくっておられますが、それに税率やるわけですね。それが、概算すれば大体百三十億円ぐらい。そうすると、この外形標準課税導入後、五百八十億円ですね。現行の法人事業税から外形標準課税導入後の推計額を差し引きすれば、三百二十億円の減税になる。武田薬品で百十億円の減税、サラ金のアコムが七十億の減税、武富士が五十億の減税、プロミスが五十億の減税などなど、経常利益上位十社だけで八百四十億円の減税になります。ユニクロも十番目に入ってきますが、四十億の減税ですね。
 それで、外形標準課税を導入すると、中小企業は明らかに増税なんですね。一部の高収益の大企業には減税になる。このことがはっきりしてきたと思いますが、そこで、総理、これだけ深刻な大不況のときに増税をかぶせて景気はよくなるのか。これはあべこべにますます景気は悪くなるばかりじゃありませんか。ですから、国民に対する所得課税、それから中小企業を中心とする外形標準課税の導入という問題については、総理、これは再検討をするべきじゃありませんか。
片山国務大臣 吉井委員、今、この表をお配りになりましたが、何度も言っているでしょう、当面は外形標準は四分の一なんですよ。四分の三は収益課税なんですよ。六年も七年も先に二分の一なんですよ。これは丸々外形じゃないですか。そんな制度考えておりませんよ。だから、そこのところはぜひよくお考えいただきたい。中小企業は、十八年度までは、これは全く収益課税なんですよ。だから一銭もかかりません、もし赤字ならば、十七年度までは。
小泉内閣総理大臣 前提が違うという点もありますが、一般論で申しますと、これは今利益が出る企業を挙げましたけれども、大企業の中でも、売上高が多いのにもかかわらず全然税金を払っていない企業もあるわけです。そういうところも、外形標準課税を導入すればかかります、負担していただきます。
 だから、特定の、利益が上がるところだけに税金を払えというのは、これからの時代に合わないと思っています。やはりそれぞれの応益、利益、便益を受けている、地方においては。そういうことから、薄く広く税負担をしていただく。この国の税制というのは、一部特定の法人なり一部特定の人に税負担を重くかけて、あとは税金を負担しないでいいという時代じゃないと私は思っています。薄く広く、それぞれどうやって税負担をしていただいてそれに見合う給付を得るかということが大事であって、私は、何もこのとおりにはいきませんが、その点は考えながら、やはり利益を上げる生産的な企業には伸びてもらいたい、そしてそういう企業が活躍することによって税収も伸びていく。
 私は、そういう点から、単なる増税だけ、減税だけというのはあり得ない、片っ方で減税があれば片っ方で増税があるかもしれない、片っ方で増税があれば片っ方で減税がある、そういう点を目配りしながら、あるべき税制改革を進めていきたいと思います。
吉井委員 景気がよくて収入があれば、みんな税金払うんです。景気が悪くて困っているときに税金をぼんぼんかけたら、ますます景気は落ち込むんですよ。どうしてそれで税収が上がるんですか。
 しかも、赤字企業といえども、払っているんですよ、現に。そういうことを全部無視して、何か赤字企業は固定資産税も法人住民税の均等割も何にも払っていないような話は、全くのうそなんです。
 それで、大体、今、企業に元気になってもらうというお話なんだけれども、サラ金の武富士、アコム、プロミス、アイフルの四社だけでも、外形標準課税の導入で百九十億円の減税になります。日本経済の基礎である物づくりの中小企業には、赤字でも増税だというんでしょう。銀行の貸し渋りに便乗して大もうけしているサラ金には減税だ。サラ金業者を幾ら元気づけてやっても、物づくりの方が元気にならなかったら、国際競争力の強化も雇用の拡大も望めないじゃないですか。そんなもの、これは景気対策としても、全然あべこべのやり方ですよ。
 私は、小泉総理が政府税調の石会長に指示された、来年度から所得控除の見直し、これで大体一兆一千億円台の増税になりますが、そして外形標準課税の導入。これらを実施すると、本当に、所得税での一兆一千億円台の大増税、それから外形標準課税の導入では、一部の高収益の企業には減税になるが、九割を超える中小企業にはこれは大増税になるんですよ。その上、税調答申では消費税率二けた増税まで主張するなど、本当に論外だと思いますよ。
 この大不況の中で、医療改悪や社会保険料の値上げなど三兆円を超える負担増と、この大増税計画を強行したら、これは本当に国民生活も経済も財政も破局に向かってしまう。直ちに大増税計画を中止するべきだ、このことを求めて、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
津島委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。質問をさせていただきます。
 まず、総理にお尋ねをいたしたいんですが、構造改革の基本方針として骨太の方針第一弾が発表されましてから、一年以上が経過をいたしました。構造改革なくして成長なしと総理はずっと叫んでこられたわけでございますが、叫び続けてから一年以上が経過した今、成長の兆しは見えてきたとは思えません。確かに、景気は底入れした、あるいは明るい面も見えてきたというお話もございますが、これはあくまでも、先ほどからお話にございますように、外需依存のものであり、内需主導の自律的な回復と言えるものではありませんし、まして成長と言えるものではないと思うわけでございます。
 構造改革なくして成長なしということは、成長がなければ構造改革が行われていないということにもなるわけでございます。総理は、きょうもそうですが、改革は着実に進んでいると言うかもしれませんが、それが成長に結びつかなければ、これはもう国民にとっては何の意味もないし、理解をしてくれない、このように思うわけでございますが、総理、いかがお考えでしょうか。
小泉内閣総理大臣 改革なくして成長なし、その決意でやっているわけでありまして、この改革がすぐ目に見えるということはないと思っております。当面の、今行っております経済活性化策、規制改革にしても、あるいは民営化路線にしても、将来必ずきいてくる。そういう改革を今のうちに手をつけて、改革路線を進むことによって持続的な経済成長を図る、そういう点でやっているわけでありまして、まだ見えない見えないというふうに言われるのは勝手でありますけれども、よく見ればわかる、見る人が見ればわかるということであります。
横光委員 総理、まだ見えない見えないと言うが、時間がかかるんだ、先ほども言っていました、何年もかかるんだと、構造改革。確かにそういった部分もあるでしょう。
 しかし、事経済においては、私はそうじゃないと思う。まさに一日一日が経済は動いているわけです、激しく。アメリカも激しく動いている。その影響を日本も受けている。そういった中で、まだ一年しかたっていないというのは、これはもう言いわけにしかならないわけです、事経済に関しては。しかも、一つの判断によって、即効果をあらわす、あるいは逆効果になり得る、こういったことが経済の世界では起きるわけですね。期間がたつという問題は、この経済の場合には私は当てはまらないという気がするんですね。
 ですから、構造改革といいながら、一年たった場合は、成長どころか、本当に、先ほどからお話がございましたように、痛みばかりが広がって、まさに痛みの成長である、こう言わざるを得ません。
 完全失業率五・四%、完全失業者数三百七十五万人ですよ、総理。こういう人たちが今、職を求めて痛みにあえいでいるんですね。三百七十五万人といっても、どれだけの数か余り判断できないかもしれませんが、例えて言えば、静岡県の人口が三百七十六万、平成十二年の国勢調査の結果。静岡県の赤ちゃんからお年寄りまですべてが、今職を失ってあえいでいるという例えができるんですよ。それがこの一年間の失業者の増大。こんな厳しい状況にある。
 しかも、給与は下がり続けている。逆に、医療費は上がろうとしている。株は下がり続けている。しかも、これから失業給付を抑制しようという話もあるし、逆に雇用保険料を上げようという、児童扶養手当も引き下げられようとしている。もうすべてが国民にとっては痛いことばかり。それも、弱い人ばかりを直撃している。自民党の議員が先ほど言いましたでしょう、もう限界じゃないかと。与党の人たちだって、もう限界だという認識を持っている。
 そういった厳しい状況の中に今あるということを申し上げなければなりませんし、例えば、国債三十兆円枠にこだわった結果、この一年の経済の状況はどのようになったか、どのように総括しているか、お答えいただけますか。
竹中国務大臣 経済の状況が大変厳しいということは、私たちも当然のことながら十分に認識をしております。しかし、御承知のように、今、日本はGDP比で六%の財政赤字を計上している。六%の世界最大の景気刺激をある意味では続けている。その意味で、残念ですけれども、やはり私たちの、国民の生活水準が今までの財政拡大の中で非常に水膨れしてしまっているというのが現状だと思います。それをやはり正常に収縮していかなければいけないという過程で、その意味では、摩擦的な痛みが出てきているというのが現状なんだと思います。
 しかし、それでも、例えば経済活性化のための税制の改革という抜本的なものに手をつけて、経済のイノベーションの力を高めるための規制改革、その引き金としての特区というものに手をつけて新しい改革をしているというところでありますので、その成果が、総理が指摘しましたように、やはり時間はかかるのでありますけれども、着実に出てくる段階に私たちは差しかかるというふうに思っているわけです。
横光委員 国債三十兆円枠にこだわった結果、まず出てきたのが歳入の欠陥ですよ。今、歳入の欠陥になろうとしている。これは、結果的には、日銀の納付金で調整して、数字的には回避される可能性があります。今月末にはっきりするでしょう。しかし、税収の不足、先ほども出ましたが、この一兆六千八百億円という税収不足が発生したことは、これは事実なんですね。紛れもない事実。
 なぜこのように税収減ができたか。いわゆる所得税、消費税よりも法人税の税収減が非常に大きな原因であると思うわけですね。これも、国債三十兆円枠に固執した余り、いわゆる補正予算での税収見積もりの減額を少なく見積もったんではないか、そう思われても仕方がない面があると思いますが、いかがですか。
小泉内閣総理大臣 社民党は、国債三十兆円枠、こだわらないでやれと言いましたか。むしろ、赤字国債はいかぬ、国債の発行を抑制しろと言っていたんじゃないですか。今初めて伺いましたけれども、国債三十兆円枠なんか取っ払えという主張になったんですか。
横光委員 いやいや、国債三十兆円枠は必要であると言うけれども、時と場合をちゃんと見て柔軟に対応せいというのを我々は言ってきておるんです。ですから、これにこだわり過ぎた余り、一兆六千八百億円という税収減が出てきた。しかも、それは、補正を計上する場合に減額を甘く見たのではないかという質問を私は今しているんです。これはどうですか、財務大臣。
塩川国務大臣 そうおっしゃって、法人税が減額になったとおっしゃいます。これはしかし、違った角度から見ますと、法人は物すごい体質改善したんです。
 何で十三年度の税収に法人税が響いてきたかと申しますと、これは例えば、法人内におきますところの退職給与の引当金の問題、それから企業会計の基準が変わりましたことに伴うところの含み損というものを全部吐き出してしまった、そういう物すごい体質の改善が行われたということ、その結果として、法人税が非常に減額されてきたということ、これは私たちも非常に注目しておるんです。もちろん、不景気があったということは当然でございますけれども、しかし、非常に法人税が減額したということの理由は、言ってみれば、それも大きい原因であったということを認識してほしい。
横光委員 私は、一番大きい、これだけ大きな税収減が出てしまったのは、先ほどから言っていますように、昨年、十三年度予算は二回補正を組みましたね。最初の十一月の第一次補正、このときには、やはり三十兆円という枠にこだわり過ぎたために税収減額を小幅にしているんですよ。これを大幅にしてしまえば国債発行をせざるを得ない。ところが、枠があるものですからそれができない、どうしても小幅にせざるを得ない、そういったことが恐らく起きている。これはある意味では恣意的という感じがするんです。
 さらに第二次補正、ここに至っては、もう国債を発行できない。ために、NTTの売却益を充てるという、いわゆる隠し財源とも言えるものを使って補正を計上している。このときにはもう税収見積もりの減額さえ見送っているんですね。
 補正を組むときには、要するに、新たに税収のやりくりを見直すわけでしょう。結局、本予算をしたときの春の経済状況、そして補正を組まざるを得ないときの秋の経済状況、これを見たときに、その減額幅というものを想定して補正は組むわけでございますよ。それが、今言ったような形で、非常に厳しい状況であったにもかかわらず減収額を小幅に見積もった結果、このような結果になったと言わざるを得ないと思うんですが、こういったことは、ある意味では、税収見積もりを恣意的に甘くするような財政当局であると言われてもしようがないと思いますよ。
 ですから、平成十五年度予算、これからこのような甘い見通しで行っていいのか。この日本の景気状況は今非常に不透明な状況にある。そして、このところ急激にアメリカの状況が悪くなっている。これはいずれ大変な、日本にも悪い意味で波及効果が、波及してくることは避けられないと思うんです。そういった中で、来年度の、十五年度予算というのは相当厳しい状況で予算を組まなければならない。
 ですから、例えば、とりあえず補正予算の編成のときに甘い経済見通しに基づく甘い税収見通しを行って国債の発行額を抑え、そして決算でその欠陥が露呈するような事態では、これはもう景気の回復どころか、総理の持論であります財政の再建さえおぼつかなくなってくるんじゃないんですか。いかがですか。
塩川国務大臣 いろいろおっしゃいますけれども、結局、政治決定をどこかでしなけりゃならぬというのが政治家の務めなんです。ですから、我々は、税収の見込みを厳しく見ました。それがために、補正予算も一次、二次、あるだけの知恵を絞って国債発行しなかった。
 まあ、あなたがおっしゃるように、じゃんじゃん国債発行せいというんだったらいいですよ。それだったらそれなりに我々もやり方がありますけれども、それは国民は承知しないでしょう。そうすると、やはり国債の発行を極力抑えてどのような補正を組むかということ、税収の減少を見込んだからこそ、あの程度の補正、一次、二次しかできなかった。しかも、あらゆる知恵を絞ってやったんです。
 こういうことを総合的に見ていただかないと、一方から見ていったら、論理の矛盾が、今のお話を聞いたらもうずたずた出てきますから、だから、やはり政治決定がそうなったんだということで御承知いただきたい。
横光委員 確かに、政治決定ということは最後はやらなきゃならない。それだけに、私は責任が大きく伴ってくると思うんですよ。税収の見通しをちゃんと行えないような政府、財務当局の方々が、これからいわゆる骨太の方針第二弾では、経済社会の活力を最重視する、こういった方針の税制改正に取り組もうとしているんです。本当にこういうことができるんですか。私は非常に疑問に思わざるを得ません。
 この税制改正のことでちょっとお尋ねをいたしますが、この中身はどうかといいますと、やはり税制改正のうたい文句、これは、日本の産業構造を変えて経済を活性化するといううたい文句になっております。しかし、内容は果たしてそうなっているでしょうか。
 法人税実効税率引き下げをうたっておりますが、この中身は、外形標準課税とセットでやるということになれば、これはもう企業部門全体に対してはネットで増税になる可能性が高いんです。そしてまた、生前贈与とか相続税も、これもセットでの減税措置ということになれば、控除額が一定で変えないということになれば、これまたネットでは減税にならない可能性がある、いわゆる減税効果がないという見方があるわけですね。これでは、いわゆる経済の活力を生み出すための税制改正ではなくて、あくまでも財政を改善するために税制を拡大している。取るものだけはまず取ろうという、そういった色彩が非常に強くなっているという思いがするんです。
 経済活性化とうたっていますが、実際は財政の再建という形になっているんじゃないか、主眼が財政の方に向いてしまったのではないか、こういった気がいたしますが、いかがですか。
塩川国務大臣 一度横光先生に、税制のタウンミーティングをやっておりますから、それに出席していただいて国民の広い声も聞いていただき、税のあり方を検討していただきたいと思っております。私たちも一緒にやりますから。
 今、結論が、そういうことの項目は出ておりますけれども、その中身について税率だとか対象を決定したわけじゃないのであります。ですから、これからそういうタウンミーティング等広く意見を聞いて、大体九月の中ごろには基本的な方向を決めたいということでございまして、今おっしゃるような、税率がどうのこうのということは言っておりません。だから、一度ぜひ、私とかが案内いたしますから、タウンミーティングに出て意見もいろいろ聞いていただいた方がいいと思っております。
横光委員 今、九月中ごろにはそういった方向、細かいことは決めるということでしょう、秋から年末にかけて。しかし、方向性はもう出ているわけですね。ですから、どうしてもこの方向性に従った結論になるであろう。
 私は、外形標準課税そのものを否定しているわけじゃありませんよ。ただ、この外形の定義の仕方とかあるいは制度設計みたいなものをしっかりしなければ、やはりゆがんだ税制になるんじゃないかという気がしているわけでございます。取るものは取るだけではどうしても活力を失う。本当に汗水垂らして正直に頑張っている人たちを応援する仕組みというものも必要ではないか、そういうことを言っているわけでございます。
 きょうは金融、財政等の集中審議でございますが、国民から疑念を持たれている問題が本委員会で処理をされておりません。よって、ここに、民主党、自由党、共産党、社会民主党・市民連合四党共同提案による緊急動議を提出いたします。
 動議の内容は、証人鈴木宗男君の偽証告発に関する件について、本委員会として速やかに採決の上、決定されるよう求めるものであります。
 以下、提案理由を申し上げます。
 去る三月十一日の予算委員会において、鈴木宗男君が証人として出頭し、宣誓の上行った証言中、国後島緊急避難所兼宿泊施設工事受注に関する件について、入札要件に該当する会社が渡辺建設工業だという認識は持っておりませんでしたと述べた部分は明らかに偽証であります。
 既に逮捕、起訴されている渡辺建設工業や犬飼工務店の関係者から、工事入札に関して外務省に要請してほしい旨陳情され、これを受けて同君が外務省への働きかけを行っていたことは、七月十八日の検察側の冒頭陳述で明らかになっています。
 そして、同君の公設第一秘書がこの工事受注に関して偽計業務妨害で逮捕、起訴されていることも周知の事実ですが、鈴木君は、自身の第一秘書とのかかわりについて、同君の証言の中で、この件に関して、私が宮野秘書に指示したということはございませんと全面的に否定しています。しかしながら、その後、渡辺建設工業や犬飼工務店の関係者が総理官邸に鈴木君を訪れ、同君に対し工事受注のお礼を述べた際、同君が、聞いている、よかったななどと応じたことが明らかになっています。
 事実は、鈴木君の証言と大きく異なっています。これは明らかに議院証言法第六条に該当するものと認められ、本委員会として議院証言法第八条によって告発することが必要であります。
 以上が、本動議を提出する理由であります。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
 委員長、よろしくお願いいたします。(拍手)
津島委員長 ただいまの動議につきましては、理事会において協議いたします。
 これにて横光君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして経済・財政・金融についての集中審議は終了いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五分散会


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