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第4号 平成15年1月24日(金曜日)

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平成十五年一月二十四日(金曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 藤井 孝男君
   理事 斉藤斗志二君 理事 自見庄三郎君
   理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君
   理事 宮本 一三君 理事 末松 義規君
   理事 原口 一博君 理事 細川 律夫君
   理事 石井 啓一君
      伊吹 文明君    池田 行彦君
      石川 要三君    衛藤征士郎君
      尾身 幸次君    大原 一三君
      岡下 信子君    奥野 誠亮君
      亀井 善之君    北村 誠吾君
      栗原 博久君    高鳥  修君
      津島 雄二君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    原田昇左右君
      松岡 利勝君    三塚  博君
      宮澤 洋一君    山口 泰明君
      石井  一君    上田 清司君
      海江田万里君    河村たかし君
      田中 慶秋君    武正 公一君
      手塚 仁雄君    中村 哲治君
      長妻  昭君    細野 豪志君
      吉田 公一君    米澤  隆君
      斉藤 鉄夫君    丸谷 佳織君
      達増 拓也君    中塚 一宏君
      樋高  剛君    佐々木憲昭君
      矢島 恒夫君    山口 富男君
      保坂 展人君    横光 克彦君
      井上 喜一君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   法務大臣         森山 眞弓君
   外務大臣         川口 順子君
   財務大臣         塩川正十郎君
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       大島 理森君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   環境大臣         鈴木 俊一君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 谷垣 禎一君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   国務大臣
   (金融担当大臣)
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   農林水産副大臣      北村 直人君
   経済産業副大臣      西川太一郎君
   環境副大臣        弘友 和夫君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   国土交通大臣政務官    岩城 光英君
   国土交通大臣政務官    鶴保 庸介君
   環境大臣政務官      望月 義夫君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    秋山  收君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   吉村 博人君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部
   長)           高部 正男君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長
   )            西田 恒夫君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局長
   )            薮中三十二君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            安藤 裕康君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    大武健一郎君
   政府参考人
   (国税庁次長)      福田  進君
   政府参考人
   (国税不服審判所次長)  富田 辰郎君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  吉武 民樹君
   政府参考人
   (社会保険庁運営部長)  磯部 文雄君
   予算委員会専門員     中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十四日
 辞任         補欠選任
  持永 和見君     宮澤 洋一君
  山口 泰明君     岡下 信子君
  石井  一君     手塚 仁雄君
  海江田万里君     武正 公一君
  赤羽 一嘉君     丸谷 佳織君
  山口 富男君     矢島 恒夫君
  中西 績介君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     山口 泰明君
  宮澤 洋一君     北村 誠吾君
  武正 公一君     海江田万里君
  手塚 仁雄君     石井  一君
  丸谷 佳織君     赤羽 一嘉君
  矢島 恒夫君     山口 富男君
  保坂 展人君     中西 績介君
同日
 辞任         補欠選任
  北村 誠吾君     持永 和見君
    ―――――――――――――
一月二十四日
 平成十五年度一般会計予算
 平成十五年度特別会計予算
 平成十五年度政府関係機関予算
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十四年度一般会計補正予算(第1号)
 平成十四年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成十四年度政府関係機関補正予算(機第1号)


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     ――――◇―――――
藤井委員長 これより会議を開きます。
 平成十四年度一般会計補正予算(第1号)、平成十四年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十四年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長吉村博人君、総務省自治行政局選挙部長高部正男君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君、財務省主税局長大武健一郎君、国税庁次長福田進君、国税不服審判所次長富田辰郎君、厚生労働省年金局長吉武民樹君、社会保険庁運営部長磯部文雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
藤井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中慶秋君。
田中(慶)委員 私は、民主党の立場から、今補正予算を含めながら、経済全般あるいはまた諸問題等について質問させていただきたいと思っております。
 小泉内閣が発足してもう二年経過しているわけでありますが、小泉総理のかけ声とは逆に、日本経済はますます混迷の度を深めております。完全失業率は、もう既に一年以上も五%半ばの最悪な状態を現在推移しているわけであります。不況を背景に企業倒産も戦後二番目というこの記録、そして今回の補正予算が、こういう一連のいろいろな諸問題と逆に改革加速プログラム等を掲げているわけでありますが、私は、全般的に今、現場の経済とこの永田町なり政府の考え方の乖離が非常に大きいと思っているわけです。
 例えば、今、民間企業を初めとする可処分所得、賃金は、約二割ぐらい下がっているんです。ですから、住宅ローンの支払いも、あるいは教育ローンの支払いも、あらゆるところに皆さん御苦労いただいているわけでありますけれども、しかし一方においては、政府は、税制中立という名のもとに、値上げを、この一年間だけでもいろいろなことを言われたり、また値上げをこれからしようとしているわけであります。
 例えば、皆さんも御承知のように、物価が下がったからといって年金を一%下げるこの発想。全体的にいろいろな形で賃金が下がったりいろいろなことをしている、こういうときに、物価が下がったからというこの発想。あるいはまた、社会保険料のアップ、医療費負担増、あるいはたばこや酒、こういうところにさらなる課税をしよう、こういうことでありますけれども、基本的に私は、政治は、少なくとも国民の信頼や、あるいはまた皆さん方の生活を考えたときに、逆に不安を増幅するようなことをしてはいけないんだろうと思っています。ところが、現実に今やられているのは、将来に対する不安があるからお金は使わない、こういうことであります。
 まして、経済成長の六割が消費ということに支えられて経済成長があるわけでありますけれども、しかし、現実に、将来の不安を考えていくと、この消費は逆に買い控えやいろいろなことを含めて冷え込んでいる。その原因というものは、まさしくこれは政府にある。
 この認識の違い、この発想、本来ならば総理に聞きたいわけでありますけれども、大臣であります塩川大臣に、その辺についての考え方をまず冒頭にお伺いしたいと思います。
塩川国務大臣 非常に深刻な経済の停滞状態が続いておりまして、ここから脱出したいということは我々の念願でもあります。
 先ほどおっしゃいましたような、いわば国民負担を増額さすということについては我々もできるだけ避けたいということは、もうそれは同じ気持ちでありますけれども、今回の予算、十五年度予算の見通しを立てましても御存じいただけると思うのですが、総額の中の四二%から三%が国債に依存せざるを得ないような状況になってきておるということは、過去において、国債発行によりまして新しい需要を喚起して、何とか経済の底割れを防ぎたいと思って必死に努力してまいりました。そのために底割れなくして今日までずっとやってまいりましたことを、ここから構造を変えることによって新しい転換を迎えたい、こういう希望を我々は持って構造改革に取り組んでおるわけであります。
 そういたしますと、財政に弾力性というものが非常に少なくなってまいりましたので、保険制度等を維持して社会保障制度を運営しております立場から申しますならば、どこかの、いわば利用者であるか、国であるか、あるいは保険事業者自体か、その三者の中で均等に負担をしてもらわなければならぬという考え方から、利用者についても若干の負担のお願いをしておるというような状況でございまして、この間の事情をどうぞ御賢察願いたいと思っております。
田中(慶)委員 それは税の徴収側の発想であって、税を納める側の発想ではない、こういうことだと思うのです。それは、みずからの政治の失政のツケがここに来ているわけでありますから、まずそのことを、なぜそうなっているかということについての分析をしたんですか。やはりそのことから始まるんだろうと思うのです。この原因はどこにあるのか。やはり国民の皆さん方が、納税者の皆さん方が少なくとも将来不安になれば買い控えというものは当然出てくるわけですから、消費が六割あるということは今までのデータで全部、経済を支える大きなそのもとになっているということは全部データでわかっているわけでありますから、やはりむしろ今やらなければいけないのは、増税は当分棚上げしてでも、減税をしながらその消費マインドを多くできるような形をとっていくことではないかな。ところが、そういうことではない。
 アメリカを見てください。思い切って減税をぼんと打ち出すでしょう。そういうことを含めながら、いろいろな形の中で、こういう一連のことを含めて、今の経済のこのような冷え込んでいる実態がなぜできているのか、少なくともかじ取り役はそのことをしっかりとする。足りなくなったから税金を上げましょう、取りましょう、負担の分配をしましょう、だれでもできますよ、そんなことは。そうじゃないと思うんです。
 そのことをしっかりと、どういうふうに対応して、どのような形の中で今のような発言になっているのか、明確にしてください。
塩川国務大臣 もちろん、我々も、ただ単に国民に一半の負担をかけるという趣旨でやっておるものじゃございませんで、例えば医療制度一つ見ましても、政府も負担するものは十分いたしましたし、医師会側の方も負担もし、そして利用者側も一応の負担をして、それが患者負担ということになってきたということでございます。
 確かに、おっしゃるように、財政に余力がございましたら、それはそれなりの負担を強いることなくして維持はできると思うんでございますけれども、過去におきまして、財政の力というものを、景気の下支えのために思い切りそこにつぎ込んできたということでございます。ですから現在の日本の経済は、先ほども申しましたが、底割れすることなく維持してきておるということ、このことの上に立って現在を考えていかなきゃならぬと思っておりまして、今後とも、できるだけ国民負担は少なくしながらということをしていきたい。ついては、先ほど質問のございましたように、減税一つにしても、まず減税をしてということで、我々当然そうでございまして、今回、十五年度税制改正に提出させてもらっております法案を見ていただいても、減税先行であることはもう事実でございます。
 そこで、なぜ後年度にわたりまして増税と減税と、負担をバランスをとったかということでございますけれども、過去におきまして減税をいたしました分が、その分が必ずしも回収されるということなくして、財政上のバランスからいいましたら、絶えずそれが負の状態におさまってきておるということでございますので、そこで、今後とも財政を均衡化するためにおいて、減税した分については、後年度、長年にわたりましてその分をバランスをとるような方法をとったというのが今回の措置でございます。
 でございますから、十五年度減税につきましては、国、地方を合わせまして一兆八千億円の減税を先行させておるという事実もひとつ見ていただきたいと思います。
田中(慶)委員 確かに一兆八千億という減税の取り組みはされておりますけれども、中途半端なんですよ、はっきり申し上げて。やはり、思い切った、効率のある減税をすれば、もっともっと景気に対する対応はできると思っておるんですよ。昔から、中途半端な形でやることは、日本では焼け石に水、こう言うようなものであって、現実には、こういう一連のことを含めて、やはり発想を変えていかなければいけないんだろう、私はそう思っております。そのことばかりできょうは議論するわけじゃありませんから、しかし、その発想をまず変えていかないと、これだけ日本の今の深刻な状態を脱出できない、このことだけは警告しておきたいと思っております。
 次に、中小企業の問題に私は入らせていただきますが、日本の企業の九割以上が中小企業であります。今日の中小企業の不況の中で、一番大変な苦しみを味わっている経営者の皆さん、しかし、倒産は戦後最悪の状態に今なっているわけです。まず一つには仕事がないということもその一つでありますけれども、仕事の前に、今一番借金返済に困っているわけです。なぜかというと、国の土地政策の失敗で、担保価値が、もうはっきり言って十分の一ぐらいに下がっているわけでありますから。そうすると、運転資金を借りようとしても、現実には、あなたのところは担保割れしておりますと、貸してくれないんです。これが現実なんです。
 ですから、この土地政策の失敗があらゆるところに来ている、こういうことでありまして、特に、中小企業の皆さん方が一番望んでおります国の政府系金融機関、保証協会であろうとかあるいは国金、商工中金、中小企業金融公庫、大変頼りにしておりますけれども、現実問題として、この政府系金融機関も、全く国と同じようなこと、担保主義なんです、はっきり申し上げて。担保主義で、現実に第三者保証までいまだに要求しております。こういう実態が今の中小企業の悩みの実態であり、結果として、中小企業の皆さん方は自殺者まで出ているわけであります。
 今、夜逃げが昨年一年間で約二十万件。二十万件ですよ。そして、一年間の自殺者が約三万五千人。そのうちの四割が中小企業の経営者なんです。中小企業の経営者。そして、その人たちは、自分みずからの命を絶って、そしてその弁済を保険でする、こういう状態です。ところが、普通ならばそこの遺族やいろいろな形で保険料は残るわけでありますけれども、今、根こそぎ金融機関がみんな持っていっちゃうわけですから、こういう形で今、中小企業の皆さん方が現下の苦しみを味わっている。
 このことに、経済産業大臣、どう認識をされ、どう対処しているのか、お聞かせください。
平沼国務大臣 田中先生にお答えをさせていただきます。
 夜逃げが二十万件、それから自殺者が三万人を超える人数である、それから三万人を超える自殺者の中で四割が中小企業の経営者、こういう御指摘ですけれども、法務省の統計では、一応、中小企業の経営者というのは四千百人ということになっておりますが、恐らく先生の言われている数字は、その中でいわゆる無職という中にくくられていて、それも含めるとそういう数字になるんじゃないか。いずれにしても、非常に深刻な数字でございまして、私どもとしては、それは重く受けとめているわけでございます。
 私どもといたしましては、やはり土地担保に偏重をして、政府系金融機関は少なくとも中小企業者に対してはちゃんときめ細かく対処しなきゃいけない、こういう観点から、これは金融庁にもお願いをいたしまして、特に中小の金融機関に対しては、やはりメガバンクとは違った査定方法をとる、こういう形でマニュアルもつくらせていただいて、そこのところはきめ細かくやらせていただきました。
 それから、政府系金融機関も、非常に審査に時間がかかるという御不満もございますので、それに対しても迅速化という形で、これも私どもとしては、現場においてしっかり対処するように、こういう形でいろいろやらせていただいているところであります。
 この土地担保に関しては、やはり我々としても問題意識を持っておりまして、例えば、土地担保よりもやはり事業内容に着目をして、そして、その土地担保の、いわゆる資産デフレの中で非常に厳しい状況になっている方々に対してはそういう配慮もすべきだ、こういう形で私ども督励をしているところでございます。
 なお、これは法案等で御協力をいただきながら、この補正予算の中でも、さらなる中小企業に対するいわゆるセーフティーネット保証・貸し付けの拡充でございますとか、あるいは創業ですとか新産業育成に資する人材、あるいは研究開発の促進、こういうことも盛り込んでおりますし、不良債権処理と産業再生、それに伴うセーフティーネットの整備、こういった諸施策もあわせて私どもやらせていただいております。
 いずれにいたしましても、今、民間の金融機関が厳しいそういう状況の中で、政府系金融機関が中小企業の皆様に対してはしっかりと対処すべきことが必要だ、こういうふうに私ども認識をしておりますので、この辺はしっかりとこれからもやらせていただかなければならない、このように思っております。
田中(慶)委員 大臣、あなたの言うことはわかっておりますけれども、現実に現場というものが、今一番日本のこの政治経済の中で問題視されているのは、重点的に現場を知らな過ぎる、はっきり申し上げて。あなたはそんなこと言っておりますけれども、現実に商店街はシャッター通りになっているんですよ、はっきり申し上げて。中小企業の皆さん方は、仕事がしたくてもない、そういう中で借金の返済を迫られているんですよ。本当ですよ。現実には、きのうもはっきりありましたけれども、個人保証ではなく、第三者保証をとらないと一千万の融資ができない、こういうことですよ。
 こういう一連のことを含めて、次々といろいろなアイデアを出していただいているんですけれども、現実問題としてそれが実行に反映されていない、こういうことであるし、先ほどスピードの問題を言われました。国金も、あるいは政府系金融機関すべて言えることは、申し込んでから、早くても一カ月かかります。ひどいのは三カ月も四カ月もかかっているんですよ。三カ月後にノーという結論を出されたらどうなるんですか。会社が倒産するのは当たり前ですよ。これが現実に行っている実態なんです。これが、今あなたが言っているように、スピードの問題を解消するように努力しています、通達して、幾ら笛吹いたって、現場は全く民間の金融機関と同じことをやっているんですから。その辺、どう思っているんですか。
平沼国務大臣 先ほどの御答弁でも言わせていただきましたけれども、それは督励をさせていただいています。そして、我々としては、例えば中小企業の特別保証の後、一般の保証、そういった形で既に、例えば九万件を超えるそういう融資実績も持たせていただいていますし、さらに、非常に返済に今の状況の中で苦労をされている方々に対しては、いわゆる条件変更というのをさせていただいて、これも十七万件の条件変更に応じさせていただいています。
 そういう中で、委員の方から、おまえ、実態は余り承知していないんじゃないか、こういう御指摘がありましたけれども、私どもの例えば地元の岡山に帰りますと、やはり中小企業の皆様方からしっかりその実態を聞かせていただいておりますし、例えば、我が地元の岡山の、江戸時代から続いている、そういう由緒ある商店街もシャッター通りになっているということもつぶさに私は知っておりますし、また、私の後援会の方々の中でも、優秀な経営者の若手が自殺をする、こういうようなことも私は身近に知っております。そういう意味では、私も担当大臣として、非常に危機意識を持ってやらせていただいています。
 確かに、政府系金融機関の中でも、一方においては、国民からお預かりしたお金ですから、やはり公正にやらなきゃいかぬという意識もあると思います。しかし、その中で、可及的速やかに、融資を望んでおられる方々に対してはでき得る限り迅速に対応する、こういうことは必要なことでございまして、私はそういう実態は理解しているつもりでございますから、なお一層督励をして、中小企業者のニーズにこたえていかなければいけない、このように思っております。
田中(慶)委員 経済産業大臣はまさしくそういう認識で対応されていると思いますけれども、いろいろな形の制度が次々と出てくるんですね。あなたも、これだけ利用者がいると言う。しかし、今、中小企業、どれだけいると思っているんですか。全体からすれば、今の利用者の人たちというのはほんのわずかですよ、はっきり申し上げて。それから漏れている人たちがいっぱいいるということ、条件が合わなくて。その人たちが自殺へ追い込まれているわけです。こういうことですよ。ですから、その単なる利用者の数字だけを見て、実態が、あるいはこの政策が評価をされているといったら大間違いですから。今六百万なら六百万という日本の中小企業者のうちの、今の数字は本当に微々たるものですよ、申しわけないけれども。
 そういう一連のことを含めながら、今の日本の状態が大変深刻な状態に来ているにもかかわらず、政府はそういう問題について、なかなかこの深刻さについて敏感でない、こういうことをはっきりと指摘をしておきます。
 次、まだ中小企業問題ありますけれども、例えば、今補正予算をやっていますでしょう。なぜ今補正予算をやるんですか。本来ならば、昨年、我々が十二月までに補正をやってほしいということを政府に申し入れているんですよ。ここで幾らこの補正予算の議論をしても、例えば都道府県議会は二月ですよ、開催するのは。ましてことしは統一地方選挙ですよ。そんなことをしたら、現実問題として、今真剣に議論して補正の問題をされても、実効ある対応としていくのは結果的に年度末あるいはまた来年度にかかってくるんですよ。
 ですから昨年、この厳しい日本の経済の中で補正予算を組む、それならば昨年組んでほしいということを我々は申し入れをしているわけです。しかし、それが今の日本の政府の対応のまずさ、スピードのなさ、これが実態なんです。これは何も我々与野党関係ないんですよ、このことは。本当に今の政府のこのスピード感覚、実体経済の、真剣さのないということが、今やっている補正予算のことなんですよ。
 塩川さん、このことをどう思いますか。
塩川国務大臣 おっしゃるように、補正を早くやれという要望があったことは事実でございますけれども、しかし、我々といたしまして、その実態調査を十分にするということと、それから、特にセーフティーネット関係の予算が確実に利用し執行されておるかという実情を調査いたしまして、十月ごろになりましてから緊急に対応策を講ずる必要がある、こういう結論に達したのでございます。
 そのことを踏んまえまして、改革加速総合対策というものを設定いたしまして、それに基づき、またさらに、十一月中に税収の動向等を見きわめまして、十二月に入ってすぐに予算編成の作業に取りかかってきたということでございまして、それを、計数をまとめ、印刷にして議会に配付いたしますのにはどうしても三週間という時間がございますので、そういうことを勘案いたしまして、この現在の通常国会冒頭にということになったんでございますけれども、もっと早く努力せいとおっしゃることは、十分にその趣旨は我々もわきまえておるものでございます。
 なお、念のために、昨年の第二次補正でございますが、十三年度第二次補正、これは平成十四年の一月二十一日に国会に提出させていだたきまして、二月一日、これはもう議会が早期に成立していただいております。それを受けまして、二月の定例議会で各府県が受けましたのは、四十二団体がこれを予算化しておりまして、そして、臨時議会を開きまして一、二月に開きました団体が三団体ございまして、専決事項であったところが二団体という状況でございます。
 確かに、現在の補正予算の執行状態をどう見通していくかということは大事でございますけれども、そういう意味において、これを早期に成立させていただくならば、直ちに配分をする予定を伝えておりますので、各地方団体等においてそれを受けて予算化されるということを実行していただくよう努力いたしたいと思っております。
田中(慶)委員 大臣、私はそういう感覚がだめだと言っているんですよ。
 あなたは、ここでは、先日の提案でも、今度の改革加速プログラムという前提で、名前は改革加速、すばらしいですよ。しかし、このやっていること自体が、日本の経済の深刻な状態を踏まえたならば、行政というものは、その厳しい段階にタイムリーにいろいろな処置をすることなんですよ。風邪をこじらせてから幾ら薬を飲んだところで、なかなか治りにくいんですよ。それと同じなんですから、この補正予算のこういう一つの問題をとっても、政府の考え方というものは余り実体経済に合っていない。
 ですから、いろいろなことを、先ほどの中小企業の問題もいろいろな施策を打つんですけれども、実態と合っていない、利用しにくい。こういうこと、全く同じなんです。ですから、実体経済と合った形のものをこの補正予算を一つとってもやるべきではないか、こういうふうに私は申し上げておきます。
 次に、いろいろな諸問題があるわけでありますけれども、先ほど来申し上げている中小企業の問題は本当に深刻な状態になってきておりますので、再度、経済産業大臣、私は先ほども申し上げましたけれども、貸し渋り、貸しはがしに遭っているこの状態とあわせて、その大きな原因というものは、やはり第三者保証、個人保証という問題にある。
 私は、今の土地政策やいろいろなことを考えたときに、国の土地政策は、はっきり申し上げて、どちらかというと失政をしているわけですから。あのバブルのとき、土地が上がったときを見てください。国土法という形で値上がりをとめたわけです。しかし、今日のように、十分の一に下がって担保価値がなくなっても、下支え、それを支えようとする努力がどこにも見えてこない。結果として、中小企業の皆さん方が担保割れしたり、そして、個人保証どころか第三者保証までつく。こんな制度は外国にありますか。日本だけですよ。ですから、個人保証、第三者保証はもう既に、今の状態からすればやめるべきじゃないかと思いますけれども、大臣、どうですか。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 議員御指摘のとおり、現在の担保、保証人に偏重した融資慣行の中で、中小企業への資金繰りを円滑化するためには、可能な限り担保、保証を徴求しない資金調達手段を拡大していくことが重要だ、このように考えています。
 このような中で、当省といたしましては、担保、保証に依存しない資金調達手段の拡充のために、これはもう田中先生はよく御承知のことだと思いますけれども、一つは、中小企業総合事業団によるベンチャーファンドへの出資事業などによる直接金融の拡充をいたしております。
 また、二つ目は、これもよく御承知のことだと思いますが、国民生活金融公庫の創業者に対する無担保無保証の新創業融資制度、これはおかげさまで非常に、これまでと違って八倍のスピードでどんどん御利用いただいている、こういうことでございます。
 それからもう一つは、信用リスクを金利でカバーする民間金融慣行普及のための環境整備として、中小企業信用リスク情報データベース、こういうのをつくりまして、この整備拡充などに努めて、そういった形でこのデータベースをもとに融資が行えるような、そういうこともやっていかなきゃいかぬと思っています。
 また、さきの臨時国会におきまして、ベンチャーファンドによる資金供給を拡充するために、これはお願いして成立をしたんですが、有限責任組合法を改正しまして、出資対象に有限会社や企業組合を追加するとともに、株式投資以外のそういう投資手法を認めることによって、やはり、土地じゃなくて、そういう形で創業や新事業に挑戦する中小企業の資金調達が支援できるような措置をしております。
 個人保証という面が日本の場合には非常に大きいわけでございまして、今、法制審議会の方でも、自由財産の範囲の拡大、こういうことも御議論をいただいておりまして、私どもとしては、やはりでき得る限り土地担保主義によらない中小企業のためのそういう融資、これを拡大するように努めていかなければならないと思っています。
 それからもう一つ、時間があると思いますけれども、先ほど私は、一つの例として九万件というのを申し上げましたけれども、これは一つのメニューでございまして、商工中金のものでございますとかそのほかを合わせますと、やはり二十万を超えるものを特別保証制度の後、カバーをさせていただいておりますし、また特別保証制度では、よく御承知のように百七十二万件カバーさせていただいています。
 そういう中で、私どもとしても、結局、一部ということじゃなくて、幅広く、でき得る限りやらせていただいているということも御理解をいただきたいと思います。
田中(慶)委員 大臣、そういうことをよく、あなたは今自分たちのやっていることをPRしたいというのはよくわかりますけれども、私の言っているのは、個人保証、第三者保証をなくしたらどうですかという提案なんです。もうしないとだめなんですよ。
 いいですか、実はきのうもこういう相談を受けました。自分の奥さんの親戚で商売をやっていた。だから軽い気持ちで第三者保証の判こをついちゃった。ところが、その商売をやっていた先が関連倒産。要するに、関連倒産に遭って倒産を余儀なくされてしまった。結果的にそこが競売、そしてRCC、そして判こをついた第三者が今自分の家をとられようとしている。何らかの手だてがないんでしょうか、こういう相談です。
 今、中小企業の皆さん方が非常に自殺が多いというのはここなんですよ。だから僕は、もう既に第三者保証、あるいは個人を含めれば個人保証まで、これは政治の責任でやめさせるべきじゃないか、こう思うんです。そこを僕は質問しているんです。
平沼国務大臣 いわゆる融資というものを考えたときに、そういう意味では、国民の税金も使われておりますし、公正ということがやはり根底になきゃいかぬと思っています。
 ですから、アメリカでも個人保証というものを完全に否定しているわけではなくて、やはり個人保証というものはアメリカでも商習慣の中であるわけであります。
 それから、第三者保証ということでございますけれども、これもやはり今まで日本の金融慣行の中で来たわけでありまして、本当にお気の毒な目に遭っているという今事例をお出しになられましたけれども、それはお気の毒だと思いますけれども、そういう今の段階で第三者保証の危険な面があるということもやはりその業をやられている方々はよく認識をされて、そこに巻き込まれない、そういう身の安全を確保するということも、私は一方においては大切だと思います。
 したがいまして、今の段階で第三者保証というものをすべてなくすということは、私は今の段階ではまだできないと思いますけれども、やはりこれからの方向としては、個人保証を含めそういった第三者保証というものも、融資をする場合、その事業計画に着目するだとかその人物に着目するだとか、そういった形に比重を移していく、こういうことを私はこれから必要だと思っておりまして、現に、先ほど私も答弁で申し上げたように、そういう方向に私どもも手をつけている、こういうことでございまして、第三者保証に関してなくすかなくさないかという御質問に関しては、厳しい現状、そういう中をやはり考慮はしなきゃいけませんけれども、今の段階でそれを全廃するということは私から申し上げることはできない、こういうふうに思っています。
田中(慶)委員 大臣、少なくとも土地がこんなに担保価値がなくならなければ、こういう問題ないんですよ。担保価値がないから必ず政府系金融機関も第三者保証を求めてくるんですよ。だから、土地の今の担保価値がなくなった原因は個人の努力じゃないんですから、そういう点で、せめて個人保証じゃなく第三者保証はやめさせなさいと言っているわけです、絶対に。
 これは、民間金融機関だったらともかくも、政府系金融機関は思い切ってそのぐらいまで突っ込んで私は当たり前のことだと思う。それが原因でこれだけの自殺者が出ているということ、それが原因で倒産者が出ているということ、これも政治責任でしょう。私は、そのことを含めて思い切って第三者保証はやめさせるべきじゃないか、こういう提案をしているのです。もう一度答弁してください。
平沼国務大臣 それに関して、もう既にお答えをしましたけれども、私どもとしては、やはり一つ一つの状況をきめ細かく判断して、そして厳しい状況に置かれている方々にどういう最善な方法で御助言ができるか、こういうことは当然やらなきゃいかぬと思っておりますけれども、今この段階ですべて第三者保証を政府系金融機関からやめさせるということに関しては、私からは、これは今の段階ではまだできない、こういう答弁でございます。
田中(慶)委員 大臣、やはりあなたも、少なくとも先ほど自分の選挙区のことで、みんなそれぞれ困っている、こういうことを含めて実態を知った場合においては、あなた、責任者なんだから思い切ってそのぐらいやったらどうなんですか。いや、本当ですよ。
 なぜそういうことを私、今申し上げているかというと、あなたたちは、例えば今回も予定されている下請代金支払い遅延防止法の問題も我々が提案しているんですよ、昨年。ところが、そのときは、今検討しているとか、いや、ちょっと。ところが、現実に今の実態にそれをしなきゃいけないなというと、今度いいとこ取りして提案をする、これが現実でしょう。
 あるいはまた、皆さん、どうですか。去年、石油公団の問題だってそうでしょう。石油備蓄法、あの議論をしたときに、私は、もう既にその役割は終わったから廃止をさせなさいと言ったでしょう。そのときに、あなたは、まだ役割残っております。舌が乾かないうちに今度独法じゃないですか。金属事業団とあわせたんでしょう。鉄と油で全然関係ないものをくっつけたんじゃないですか。いや、本当ですよ。そういうことを含めて、自分たちが、あなたは官僚にそんなことを左右されないで、民間人なんですから、そういうことを思い切って現場に合った形でやったらどうなんですか。答弁してください。
平沼国務大臣 石油公団に関しては、私どもとしては、独立行政法人に……(田中(慶)委員「そうじゃない、このことに答弁しなさいと言っているんだよ」と呼ぶ)だから、石油公団の御質問があったから、そこから答えてそれに移ろうと思ったわけですよ。(田中(慶)委員「違いますよ。そういう例を申し上げたんですよ」と呼ぶ)ですから、私どもは、石油公団に関してはやはり国で担保すべき三つの機能がある、これはやはり必要だという形で、ああいう形で石油公団を廃止して独立行政法人にする、こういう一つの考え方に基づいて行ったところであります。
 ですから、今の第三者保証に関して、私どもとしては、これに関してはやはり、確かにお気の毒だということは私どもは地元へ帰ってよく理解しておりますけれども、しかし、やはり善意で一生懸命やっていて、それで経済の仕組みが成り立っている、そういうことを前提と考えると、もし第三者保証というものをなくしてしまうと、逆にマイナスの面も出てくるということは当然あるわけですね。極端に言えば、第三者保証をなくしてしまえば歯どめがなくなるということもあるわけです。
 ですけれども、そういう厳しい実態に置かれていることを、繰り返しの答弁になりますけれども、やはり一つ一つ、その事例の中で、我々としては、きめ細かく、本当にお困りの方々に対してはやはり親身になって相談に応じていく、こういうことで私はやらざるを得ない、こういうふうに思っているところであります。
田中(慶)委員 それは違うと思いますね。第三者保証の前に個人保証をとっているんですから、個人保証を。関係のない第三者保証を、ですから、そういうことを含めて僕はやめさせなさいと言っているわけですよ。もう既に検討は始まっている。
 私たちは、そのことを含めて、さきの国会でも、こういういろいろなことを含めながら、委員会で第三者保証の問題についてももう既に、検討しなさいという議論もさせて、前向きにいろいろなことをやろうとしているんじゃないですか。ところが、こういうところになってくると、あなたは後ろ向きになっちゃうんだよ。やはりそうじゃないと思うんです。
 思い切って、こういうことを含めて、今の自殺者の問題や夜逃げの問題を含めてトータル的に、原因がそこにあるとすればそこをやる、解決するのが政治の責任でしょう。いや、本当ですよ。あなたにそういうところを、あなたは役人の出身じゃないから期待しているわけですから、思い切ってそのことぐらいやったらどうなんですか。少なくとも、今補正予算をやっておりますけれども、今の実態、三月期というのはまた厳しくなっていくわけですから、そのぐらいまでにこれは前向きに検討してくださいよ。要望しておきます。
 それで、今の状態を踏まえながら、法務大臣、聞きますよ。
 実は、我々が破産防止法の問題で去年からいろいろなことを要求して、あるいは提案をしたりしております。これもタイミングなんですよ、はっきり申し上げて。あなたは十五年度中とかいろいろなことを言っておりますけれども、少なくとも今のような環境を少しでも認識したならば、もっと早く前倒しにやったらどうなんでしょう。
 アメリカだって、例えば、四百万、年間生活費を保障してやろうとか、自動車は保障しようとか、あるいは住宅を保障しよう、こういうことで欧米は大体そういう方向へ進んで、あるいは、そういうことが実行されているわけであります。
 日本の破産防止法の見直し等を含めて十五年度中なんという、そんなのんびりしていないで、即、やれないことじゃないんですから、去年から私どもは、そのことも含めて参議院先議でやってほしいとか、いろいろなことを含めて検討しているわけですから。これらの問題について、やはり今求められているのはスピードなんです、はっきり申し上げて。
 今のような自殺者の問題、夜逃げの問題、一方においてはそうでしょう。きのう経済産業大臣は、倒産した人が、少なくともベンチャーする人たちは非常に簡単に、またなおかつチャレンジャー精神が多い、こういうことですから、なおこういうもので保障しておけば、もっともっとチャレンジできる環境が出てくるわけですから、法務大臣、このことについて、あなたの見解を述べてください。
森山国務大臣 おっしゃいましたような中小企業の問題については、私も大変よく理解しているつもりでございます。私自身の選挙区にもそういう例がたくさんございまして、何とかしなければいけないということを日々感じているわけでございますが、今おっしゃいましたような自由財産の範囲の問題ということも含めまして、破産法の全面的な見直しというものの検討をいたしているところでございます。
 しかし、これは、検討については二つの考え方がはっきり分かれておりまして、自由財産の範囲ということを考えますと、これを広げるべきであるという先生のおっしゃったような御意見もございますが、また、範囲を広げますと、破産の場合、債権者に対する配当額が少なくなるということで、利害相反する問題でございますものですから、いずれにいたしましても、債権者と債務者との間の調整ということが非常に重要でございます。
 先ほど経済産業大臣もおっしゃっておりましたけれども、この問題も含めて破産法の改正について法制審議会等において今意見をいただいているところでございまして、できるだけ早くというふうに考えておりまして、今のところ十五年中の法案提出を考えているということを申し上げた次第でございますが、関係各方面たくさんございますので、その皆さん方の御意見をできるだけ早くいただいてというふうに考えております。
田中(慶)委員 大臣、この破産防止法というものは……(発言する者あり)破防法じゃないですから。破産法の問題は、少なくとも現下の非常に厳しい環境を含めて何とかしなきゃいけない、極端なことを言うならば、夜逃げ自殺防止法みたいな問題も含めて、これに匹敵するような考え方じゃないか。そのぐらい真剣に、いろいろな省庁等含めて議論するのであれば、こんな発想でやったらば、もう少しスピードアップするんじゃないですか。
 人の命は地球よりも重いと言った人もいるんですから、そんなことを含めて、夜逃げを何とか少しでも法律でサポートしてやるとか、自殺をサポートしてやるとか……(発言する者あり)サポートというか、とめる意味ですよ。そういう自殺者と夜逃げを逆にあおるということじゃないですから。そういう人たちのことを考えて法的にちゃんとしたらどうなんですか、それは新しくこういう問題をこういうふうにすればもっと促進ができるだろう、そういう意味で申し上げているんですから、そのことも含めて真剣に取り組んでいただきたいと思っております。
 さて、竹中大臣、来ておりますか。竹中大臣、日本の今の、あなたも経済担当を含めているわけでありますけれども、あなたは、金融関係の企業の人があなたの政策やあなたの行政手腕をどう言っているかわかっていますか。あなたはペーパードライバーと呼ばれているんですよ。その意味は、実体経済を知らないじゃないか、具体的な政策も打てないじゃないか、こんなことを言われているんです、はっきり言って。小泉さんよりはまだいいよね。小泉さんは無免許運転じゃないかと言われておりますから。真っすぐ行って、どこに行くのかわからない。
 そんなことまで言われているわけですから、日本の経済財政担当のリーダーが、あるいはまた責任者がこんなことを言われているようでは、私は非常に残念でしようがないんです。それは、あなたはデスクワークなりあるいは学者としては立派でしょう。しかし、実体経済においてはいま少し勉強すべきじゃないんですか。あなたにまずその辺についてお伺いします。
竹中国務大臣 ペーパードライバーという表現は承知をしております。私の部下が検索してくれたんですけれども、そのことを言っているのは一人しかいないということもわかったのでありますけれども。
 ペーパードライバー、これは、表現をお伺いしまして、何を言っているんだという思いもありますが、しかし、同時に、やはり謙虚に聞くべきことは聞きたいというふうに思っております。車に乗る人は、その瞬間だれもがペーパードライバーであるというふうに思います。それは、あなたは金融行政の監督の実務経験がないわけだから慎重にやりなさいという意味で、これは大変重要なメッセージであるというふうに謙虚に受けとめたいと思います。
 しかし同時にそのとき考えましたのは、では熟練ドライバーはどこにいるのかということであろうかと思います。八〇年代、九〇年代を通じて、国民の多くは、私もそうでありましたが、大蔵省を中心とした行政当局がしっかりとそのことをコントロールしているというふうに信じていた。しかし、そうではないということがわかった。それが今日の問題であろうかと思います。その意味では、新人ドライバーに課された責任は重いと思いますので、ぜひ初心を忘れず貫徹をしたいと思っております。
田中(慶)委員 そこでお伺いしますけれども、今の金融行政の中で、都市銀行の役割や地銀の役割、あるいは信金、信組の役割というのは、それぞれ分野分野で、インターナショナルであり、地域であり、あるいは本当に身近な職域みたいな形でやられているわけでありますけれども、今、貸し渋り、貸しはがしの問題を含めて、BIS規定なりあるいは検査マニュアルなりというものが、ある面では一定の同じような条件でおやりになっている。日本の文化というものはどこに行ったのかわからない。
 都市銀行はインターナショナルで結構でしょう、世界じゅうと一緒につき合うわけですから。信金、信組は、親の代、おじいちゃんの代から顔を見たりいろいろなつき合いでやってきているわけです。困っているからお金を貸したくても、検査マニュアルが厳しい、あるいはこのBIS規定そのものに左右されて貸したくても貸せない、貸そうとすると少なくともその分だけ積み立てを余計しなければいけない。これが実態なんです。ですから理事長さんや会長さんが、何とかこれを従来のようにしていけば日本の経済はもっとよくなる、こういうふうに言われているんですよ。あなたはそれをどう思いますか。
竹中国務大臣 担当大臣に就任した日の記者会見で、私は二つのことを申し上げました。一つは、メガバンクを中心に大手の銀行については、これはやはり資産査定を中心にしっかりやっていただかなければいけない。しかし同時に、地域に根差した金融、リレーションシップバンキングについては、それとは違う基準が必要であろう。これは、私の経験も踏まえてそのように申し上げました。
 委員も御指摘のように、自己資本の比率の規制というのは明らかに功罪両面ございます。自己資本比率が非常に低く、マイナスであるような銀行が存在していることは、やはりそれはそれで非常に大きな不安材料でありますから、何とか規制をしなければいけない。しかし、その結果として、自己資本から逆に総与信量が規制されて、ともすれば貸し渋り等々を招くのではなかろうか。そういった観点を踏まえて、地域の金融機関については現実には今、別の基準を適用しておりますが、さらに、リレーションシップバンキングの根本的なあり方ということで、今金融審議会で議論をしてもらっておりますので、年度内にその答申はぜひ受け取りたいと思っております。そういう点をぜひ金融行政に反映させたいというふうに思います。
田中(慶)委員 いずれにしても、現下の厳しい状態。単なるマニュアルどおりじゃなくして、いま少しフレキシブルに、まして日本の今までやってきた現場の実績というのはあるんですから、それが日本の今日の経済を支えてきた大きな経験、実績なんですから、何か知らないけれども、輸入されたものはすべていいんだなんというような発想じゃなくやらないと、日本の経済が大変おかしくなってしまう、このことを申し上げておきます。
 扇大臣、済みませんね。これから一生懸命あなたの、道路関係のをやろうと思っていたんですが、だんだん時間がなくなりました。
 ただ、そこで言いたいことは、大臣、これから公団関係も独立になる。しかし、あなたは少なくとも今、毎日ラジオを聞いていますか。道路混雑、見てください。十年間、全く同じところで同じ、あそこは込んでいるよ、こう放送されていますよ。あれを一つ改善したら、道路の行政というのは、ある面ではもう一〇〇%改善されることになるんです。
 いいですか、今、日本の道路行政で、渋滞を時間に換算して、それを金額に換算すると、年間約十三兆円の損失ですよ。それから、少なくとも燃料費あるいはまた環境対策費、二十兆円に近いお金が、目に見えないお金が吹っ飛んでいっているんですから。やはりそういう点を含めて、この道路の扱い方。必要なところは必要なんですよ。何も、全然人のいないところに道路をつくる必要ないんですから。そういうことを含めて、あの十年間も毎日込んでいる込んでいると言われているところの整備というものに積極的に私は取り組むべきである、一つ。
 もう一つは、やはり道路公団、あるいは首都高を含めて、その対策が非常におくれている。ETCを導入しても、少なくともユーザーの立場に立ったETCはつけていない、今の状態からすると。職員を減らさない、全然。ですから、ETCを導入されて今日に至って、何人減ったか。ほとんど減っていないと思います。これが一つ。
 もう一つは、道路公団のこの実態を調べてみますと、私の手元にデータが全部ありますけれども、このほとんどが、孫請、下請、全部大幅な黒字を出しておりますし、そればかりでなく、例えばここの中で一番問題なのは、競争入札をしているかどうか。ほとんどそれは、ある面では二割ぐらいしかされていないと言われているわけですから。みんな随契、丸投げ。そしてそこには全部天下って、国土交通の人たち、そしてあるいは公団の人たちが、孫請、下請、大体八百人行っているんですからね。そういう人たちのためにこの料金が下がらないんじゃ困るんです、はっきり申し上げて。
 こういう一連のことを含めて、きょう、あなたとずっと議論をする予定でおりましたけれども、私の時間配分がなくて次回にさせていただきますので、そのことをしっかりと、私は質問主意書でも出しているんですから、そのことを明確に取り組んでほしいということを要望して、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
藤井委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。
 次に、末松義規君。
末松委員 民主党の末松義規でございます。
 私の方は、今国民が大きく不安に思っております北朝鮮、そしてイラク、そういった外交、安全保障を中心にお話をさせていただきたいと思っております。
 さて、まず、北朝鮮の脅威といいますか、今、平壌宣言以降、小泉総理も努力をされておられるという話を表明されておりました。ただ、北朝鮮の動向を見れば、平壌宣言の中で国際的なルールに従うと言いながら、結局核開発を進めていたという事実が明らかになっておりますし、今の状況を見れば、例えばIAEAが核査察、NPTを抜けた関係で核査察を行うべしということから、今国連の安保理にこの問題を付託しよう、そういうことを言うと同時に、北朝鮮の中央通信が、これを受けて、米国が事態をさらに悪化させる道に進めば、我々は超強硬で対応する以外に対案がない、こういうおどしともとれる、あるいは本気ともとれるような話をしております。
 また、彼らの武器を見ますと、ABC兵器と言われる細菌兵器も含む武器を持っている、VXガスとかサリンとかあるいは天然痘とかあるいはプルトニウム爆弾何発か持っている、こういうふうに言われるわけでございます。こういう状況が、この米国の重油打ち切りと同時に、一方では交渉したいという北朝鮮の意思がありながら、一方では何をするかわからない、予測不可能なところがある、こういうことでございます。
 ちなみに、ノドンとかテポドン、十発から百発ぐらい、標的を日本に向けているという話もございます。そういう意味で、一部の米国関係者なんかは天然痘の予防注射なんかも始めたとかいう報道もございます。ということであれば、本当に非常に怖い状況も我々としては想定していなければいけない。
 そういう認識について、外務大臣と防衛庁長官にお伺いします。要は、北朝鮮が予測不可能な行動をとるんじゃないかという懸念、これをどう思っているか、つまり、その懸念があるかないか、そこをお伺いします。
川口国務大臣 委員が今まさにおっしゃられましたように、北朝鮮との間では、拉致問題を含む二国間の問題もありますし、それから、国際社会全体の懸念になっている核の拡散あるいは他の大量破壊兵器の懸念の問題がございます。
 こういった問題については、特に御質問が大量破壊兵器についての御質問であるかと思いますので、国際社会全体としてこれに協調して対抗するということが大事だと考えております。この問題は、非常に我が国としては重大な懸念を持っているわけでございまして、その問題について、国際社会が協調して、そして、平和裏に、慎重に物事を解決していくということが必要だと思います。
 我が国としては、日朝平壌宣言に沿って、北朝鮮とのその他の問題も、それからこの核の問題も解決をしていくという基本的な立場を持っております。
石破国務大臣 北朝鮮の状況につきましては、委員御指摘のとおりだろうと思っております。
 脅威というのは、要するに能力と意図の掛け算でございますから、能力は持っていると見るのが妥当でございましょう。それじゃ意図は那辺にありやというと、これはわからない。
 ただ、北朝鮮の場合には、先軍政治というのを鮮明にしておるわけであります。普通の民主主義国の場合であれば、それは、世論がある、そしてまたマスコミというものがある、議会というものがあって、そこで国の意思というものは決せられていく。しかし、北朝鮮の場合には、少なくとも我々がとっておるような国の意思決定のシステムはとっていない、そして、先軍政治というものを鮮明にしておるということがございます。
 そしてまた、抑止力という観点から見てどうなんだろうかということを考えてみました場合に、これがまた普通の抑止力という概念で推しはかれるものなのかどうか、いろいろな議論があるだろうと思います。
 私どもは、少なくとも、脅威脅威と言って不安をあおり立てるようなことが正しいとは思っておりません。しかしながら、どうすれば我が国の平和と安全、独立がきちんと保てることができるかということはちゃんとした議論をしていかねばならない、少なくともそのようには考えておる次第でございます。
末松委員 今、外務大臣は型どおりの答えしかありませんけれども、防衛庁長官の方では、北朝鮮が核を積んだミサイルを日本に飛ばすという能力があるということですね。
 それで、北朝鮮から日本にミサイルが飛んでくるとしたら、大体何分ぐらいかかるんですか。
石破国務大臣 これは確たることは申し上げられません。それは実験をしたわけでもございません。あくまで机上の計算でございますし、データもいろいろな、きちんと公表されたものではございませんから。そしてまた、それがノドンの場合には千三百キロというふうに言われております。どこから撃つかにもよりますが、日本のほとんど全域を射程内におさめているというふうに考えられます。
 そうしますと、少なくとも、一時間とかそういうお話ではないでしょう。場所によりましては、七分とか八分とかいうことがございましょう。最もかかりましても十数分ということであろうというふうに考えられます。少なくとも、そのように多くの時間的な余裕なく我が国に着弾をするという事態を懸念しておるわけでございます。
末松委員 私が選挙区に帰っていろいろと聞く話は、やはりすごく不安だということなんですよね。日本の民族そのものが、今、北朝鮮の核兵器あるいは弾頭、生物兵器、サリンとか、ああいったもの、それからさらには、この東京に落ちるということもあるわけですね、さっき日本の全域と言いましたから。あるいは新潟とかそういったところに、あるいは原発に落ちるということも十分にあるわけです。それに対して、今、政府はどう対応しているのか。特に、防衛庁長官は、基本的にまさかのときの危機管理の大将なんですよね。
 防衛庁長官の対応をお伺いする前に、私が一年前に、実は小泉総理に対して、五月ですけれども、このときは二つ聞いたんですね。
 一つは、九月十一日、アメリカの同時多発テロ、これが日本で起こる可能性も否定できない。そういったことから、もし起こった場合には、アメリカでああいう大変な状況になったわけですから、日本も予防するというためもあって、アメリカがあの直後に、こういったハイジャックされた民間飛行機、これが明らかに政治の中心あるいは経済の中心、こういったところに突っ込んでいくような場合には、司令官が大統領の委任を受けて攻撃できる、そのハイジャックされた飛行機を。これを、アメリカの対応を参考にして、日本もそのきちんとしたルールを定めるべきではないかと。これに対して小泉総理は、いや、これは日本ではできない、事件が起こってから考えると言ったんですよ。
 これで、私は続いて、では、北朝鮮からミサイルが飛んできたらどうするんだと。これに対して小泉総理が言ったのは、「実際、それは第一撃を受けた後でないと、対応せざるを得ないと思います。」こう言ったわけです。今、与党席からもばかみたいという話がありましたけれども、基本的に、これをアメリカの高官に言ったら笑われたんですよ。つまり、危機管理で有事立法を出している、その危機管理のキの字も知らないじゃないかと。
 私は非常に情けなく思うんですが、これでは、要は、これは国民を見殺しにしてから考えるということなのか。今、大変ですよ。東京に一発落ちたら、この辺も全部吹っ飛んで、我々もいなくなるんです。そうやった後で考えられるんですか。あるいは、国民が死んでから考えるということを言っているんですか。
 そういったところで、その後、どんな対応がなされたんですか、防衛庁長官。
石破国務大臣 当然のことながら、ありとあらゆる事態を想定して、その場合にどのように対応できるか、それは法律的にどのように構成をするかということもあります。それが対応可能なような能力を持つということもあります。しかしながら、そういうことは政府だけで決める問題ではなくて、よく国会の御議論も必要なんだろうというふうに思っております。
 委員がそのような御質問をなさったことは、私も横で聞いておりました。また、同旨の質問を、私自身も当時有事特の委員でございましたので、政府に対してしたことがございます。それは、総理がお答えになったのは、そのようなことになってから考えるとか、国民を見殺しにするとか、そういうことをおっしゃったのではないと私は思います。
 考えてみたときに、何百人も乗っていらっしゃる民間機がハイジャックをされる、それがどこへ突っ込むのかということ、その場合に、じゃ、正当防衛的な理論でいくのか緊急避難的な理論でいくのか。それは、正対正なのか正対不正なのか、いろいろなことがあるだろうと思っているのです。そういうことを全部考えていかねばならない。
 しかし、私は、かつて運輸委員会に籍を置いておったときだと思いますが、全日空の函館行きの飛行機がハイジャックをされて、機長さんが殺されたということがございました。あのときから私は、これは日本でも起こり得ることではないのか、これがもし仮にどこかの国の工作員であったとしたならばどうなるんだ、ゲリラであったら、テロリストであったらどうなるんだと、議論をそのときから私はしてまいりました。昔のことですが、児玉誉士夫氏の自宅にセスナ機が突っ込んだということもございました。
 今政府の中で議論をされておる、あるいは対策として講ぜられておるのは、とにかくハイジャックされないということが大事だと思うのです。何があっても操縦室はあけてはいけないということが大事だ。その上で、なおそういうことがあった場合にどのようなことが可能かということは、やはりぎりぎり考えていく必要があるのだろう。しかし、それは非常に重くて苦しい課題であるということも御認識をいただきたい。
 いずれにしても、そういうことは考えないんだということではなくて、一体何が可能なのかという議論をしていくことが必要だ。あわせてもう一言だけ申し上げますが、抑止がきかない相手にどうするのということも必要なんだろうと思います。(末松委員「ミサイル攻撃」と呼ぶ)ミサイル攻撃についてもお答えしてよろしいですか。
 ミサイル攻撃の場合には、これは政府が従来お答えしておりますように、ミサイル防衛というのは専守防衛的なものである、ほかに現在のところ手段が考えられない、したがって、ミサイル防衛の研究というのを行っておるわけでございます。
 しかしながら、それを実際にどうするかということは、当然、国会の御議論、安全保障会議の御議論を経て、法的に可能なのかどうなのかということ、そしてまた我が国の防衛力のあり方の中でどのように考えるか、それがどれほど効果的なものなのかということを、ミサイルの拡散という事実をよく念頭に置きながらきちんとした議論をすることが必要であるというふうに思っております。
末松委員 結局、何にも進んでないんですね。
 だって、実は石破さん、あなた自身が、事態特の席、五月十六日ですけれども、質問しているんですよ。防衛庁長官の、中谷長官の答弁を聞きながら、あなたが質問をして、「したがって、法的構成というのは今政府の中で鋭意検討中ですという御答弁を、五年ぐらいずうっと続いて同じ答弁をいただいておるわけですよ。」と。
 結局また同じことを、あなたが委員のときは早くやれという気持ちで言っておいて、防衛庁長官になったらとまるんですか。おかしいじゃないですか。死ぬ国民は、ひょっとしたら被害を受ける国民は、本当に不安ですよ。それを考えるのはあなたじゃないんですか。
 今あなたは、政府の中だけじゃ決められないと言った。それはもちろんそうでしょう。私たち、この国会の人間とやらなきゃいけない。でも、政府がイニシアチブをとるんじゃないんですか。それを全然詰めないで、また六年目、七年目、十年目、その間に北朝鮮からミサイルが飛んできますよ。どうなんですか、防衛庁長官。
石破国務大臣 そのような無責任なことを私は申し上げておるわけではございません。では、その場合に、つまり我が方が武器の使用もしくは武力の行使ができるとするならば、それはどういう場合にできるのかということです。それはいろいろな前提があります。
 例えば、これは従来御答弁申し上げておるところでありますが、じゃ、武力の行使、自衛権の行使としての武力の行使はどの時点においてできるのか。それは、もちろんおそれがあるときではだめです。しかし、被害が発生してからでは遅いんです。だとすれば、どの時点をもって着手と言えるのかということだと思います。ではその場合に、この場合に着手である、この場合に着手でない、今この席で子細に分析をしてそのようなことを申し上げることはできない。しかし、はっきりしておるのは、被害が起きてから、被害が起きてからでは遅過ぎるということ、着手の時点をどこだと考えるかということです。
 それは、かの国のミサイルがどのような状況にあるか。それは固体燃料であるのか液体燃料であるのか、その端緒をとらえるためにどのような手段が可能かということであります。
 私どもは、先生御指摘のように、被害が起こってから考えるというような無責任なことを考えておるわけではございません。そういうときに、どうすれば日本国民に犠牲が生じないでそれを撃破することができるか、あるいはそういう行使を思いとどまらせることができるかということは、私どもとして全力を挙げて考えております。
 いずれにしても、何か起こったときに、きちんとした法的な構成、そしてまた政治の責任ということは考えておるつもりでございます。
末松委員 このノドンが九三年に発射されてから、実験ですが、これから約十年でしょう。そしてテポドン、これが九八年に実験が、発射されて五年ですよ。そして九月十一日のあのアメリカの同時多発テロ、あの脅威が示されてから一年半ですよ。何やっているんですか。
 昔からの議論があることは私も調べました。昭和三十一年に、時の防衛庁長官が、いや、座して死を待つということではない、憲法的にその先制攻撃、基地をたたくことができるということを言っていますよね、憲法上は可能だと。この答弁で、ミサイルが、今防衛庁長官が言われたように、つまり一撃を受けてからでは遅い、だったらどうするんですか、だったら法的にどう構成するんですか。その着手の時期、それは液体燃料であろうが固体燃料、関係ないですよ。それは極めてテクニカルな形で話ができる話でしょう。それもそんなに違いがない話ですよ。いいですか。
 だから、いずれにしても、このミサイルが飛んでくることに対して法的な整理をいつつけるんですか、防衛庁長官。
石破国務大臣 法的な構成は、要は着手の時期がいつかということにかかっております。
 今委員が固体であろうが液体であろうが大して変わらないという御指摘がありましたが、私はそれは違うんだろうと思っています。固体と液体が違うのは、要はその液体燃料を注入し始めたという行為をどのように考えるか、その端緒をきちんとつかまなければ、それは我が方が行った行為というものが国際法的に正当な行為である、少なくとも私どもが言っております自衛権行使の三要件、きちんとそれに該当するようなことでなければ、私どもは自衛権として武力を行使することはできません。そのことはやはり私は検証として必要なことだと思っております。(末松委員「先制攻撃」と呼ぶ)
 先制攻撃というのはどういうものかといえば、おそれの段階で敵基地をたたくというような意味でおっしゃるのであるとするならば、それは現時点においてもできません。
末松委員 そうすると、北朝鮮が、東京を火の海にしてやるという発言を言って、そして液体燃料あるいは固体燃料でもいいでしょう、燃料を注入し始めた、そうしたときであっても対応はできない、おそれだから対応はできない、そういうことですね。
石破国務大臣 そのような個々具体的なことにつきましてここで御答弁をすることは適当ではないと考えております。
末松委員 ここで答弁、ここで話し合わなかったら、どこで話し合うんですか。そして、政府の中では話していないんでしょう。何か明らかになるものが出てきていますか。
 では、ちょっと角度を変えて聞きましょう。外務大臣に聞きます。
 日米安保条約では、この北朝鮮からまさにミサイルが発射の危険性が本当に間近だ、急迫不正の危険性があるというふうになったときに、日本からアメリカに対して、この基地、ミサイル基地をたたいてくれと、こういうことは可能ですか。
川口国務大臣 これは委員には釈迦に説法になりますけれども、日米安保条約の第五条、これによりますと、日本国の施政のもとにある領域にある、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するということとされているわけでございます。
 我が国に対して武力攻撃が発生した場合には、その発生ということが何かということは、先ほど来防衛庁長官がお答えしているように、着手ということでございますけれども、米国は同規定に従って我が国を防衛する条約上の義務を負っているということで、共同して対処をする、そういうことでございます。
末松委員 ちょっと答えてください。日本が要請できるんですか。そこを早く、一点だけでいいから答えてくださいよ。
川口国務大臣 米国は義務を負っているわけでございます。したがって……(末松委員「何の義務を」と呼ぶ)これは、安保条約五条に従って我が国を防衛する義務を負っているわけでございます。したがいまして、我が国に対しての武力攻撃が発生した場合には、共同してこれに対処をする、そういうことでございます。
末松委員 質問をちょっと聞いてくれませんか。
 まさに急迫不正の侵害が起こらんとしているとき、つまり、ミサイルがまさに打ち上がって、こちらの方に飛んでこようとしているときに、そのときに米側に対して、先制攻撃、その基地をたたいてもらうようにこれをお願いできるのかということを言っているんですよ。それに答えてくださいよ。
 先ほど、防衛庁長官だと、一撃を加えられないと。さっき、あなたも言っていた、その武力攻撃が発生しないとできないということは、東京が一回灰にならないと要請できないんですかということがポイントですよ。
川口国務大臣 先ほど来申し上げていますように、安保条約五条で、日本が、我が国が攻撃をされたときには防衛をする義務を負っているわけですね。防衛をする義務を負っているわけですから、我が国がこちらからそれについてしてくださいということを要請する、そういう必要はないわけでございます。日米両国が協議をして、共同して対処をする、そういうことであるわけです。
 それから、ミサイルのお話をおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、ミサイルについて言えば、まさに攻撃が発生をしたということで、それは、先ほど委員もお引きになられた過去の答弁、これによりますと、何も座して自滅を待つというのが憲法の趣旨というところではないというふうに過去の防衛庁長官はおっしゃっていらっしゃるわけでございまして、したがって、まさにそれが憲法の趣旨ではない。
 このような防衛を、攻撃があったときにそれを防ぐのに万やむを得ないという必要最小限の措置をとる、例えばミサイル等によって攻撃があったときに、それを防御するのにほかに手段がないということが認められる限り、ミサイル等の基地をたたくということは、法理的に申し上げれば、自衛の範囲に含まれて、可能であると言うべきものだと考えております。
末松委員 ちょっと防衛庁長官と外務大臣の答弁が違うんですよ。防衛庁長官は、そういったミサイルがまさに来るというおそれのあるときというのは攻撃はできないと言って、外務大臣は、いや、そういったときに、万やむを得ないときは攻撃できる、こう言っているんですよ。この辺、どちらが正しいんですか。はっきりしてください。
石破国務大臣 今、委員の御質問ですが、東京を火の海にしてやる、灰じんに帰してやる、そういうことの表明があって、そして、そのために、それを成就せんがために、実現せんがために、まさしく燃料を注入し始めた、あるいはそういう行為に及んだということになるとするならば、それは意図も明白でしょうね。
 これからこれを撃って東京を灰じんに帰してやるというふうに言って、そしてまさしく燃料を注入し始めた、あるいはそういう準備を、行為を始めた、まさしく屹立したような場合ですね、そうしますと、それは着手と言うのではないですか。それはそうでしょう、意図が明確であり、そういうことですから。ですから、外務大臣が答弁しておられるのと私が言っていることは、何ら変わりはありません。
 ただ、おそれというだけで、おそれというだけでそれは急迫不正の侵害があるということにはならない。おそれだけでは、それは自衛権行使の三要件を満たさない。当たり前のことでございます。その点におきまして、外務大臣と私は、何ら変わりはございません。
末松委員 ということは、そうであれば、その際に、では日本としてそのような状況のときには、ミサイルの基地に対して法理的に攻撃ができる、そういうことですよね。それを答えてください。確認したいんです、それは。あなたはできると言ったんだったよ、今。
石破国務大臣 それを着手というふうに考えれば、法理上そのようなことに相なります。
 つまり、いいですか、現実問題として考えて、そのときにどういう状況が行われているかということを考えて、ありとあらゆる外交努力をして、そういうことにならないようにやるわけですが、不幸にしてそういうような現実になったとしましょう。まさしく我が方が、つまり、北朝鮮が東京を灰じんに帰すというふうに宣言をし、ミサイルを屹立させたということに相なるとすれば、それは着手ということを考える。それが私は国際法上も理解できることだと思います。
 しかし、それは、その時点において防衛出動を下令するのか何なのかということは時の政府として判断をすべきことですが、法理上はそのようなことは可能であると考えております。
末松委員 ならば、能力的に可能なんですか、北朝鮮の。そこを言ってください。今防衛庁の総力を結集して、そういったことが、もし防衛出動が下令されるということを仮定した場合には、それは可能ですか。
石破国務大臣 敵地攻撃能力ということであれば、これは我が方はそのような能力を保有いたしておりません。
 それはなぜかといえば、日米安全保障条約によって盾と矛という関係がございます。私どもは、あくまで盾として日米安全保障条約を理解してまいりました。それは、敵地攻撃、そのようなものは米国、安全保障条約によってその能力、私どもは専守防衛という観点からこれを守るということが日米安全保障条約の趣旨でありますことは、委員御案内のとおりであります。
 敵地攻撃能力をすべて持つべきであるという議論も、それはあるかもしれない。しかし、その場合において、日米安全保障条約の意味は何なのか、そしてまた、両国の関係はどうなるのか、我が国が諸国に対する信頼というものをどのように保有していくのか。単に敵地攻撃能力だけを持つか持たないかというだけの単純な議論ではない。現状においてその議論を持っておりません。
末松委員 あなたは、その能力を今持たないと言った。では、それはアメリカがやるんでしょうというのが、さっきの外務大臣の答えでしょう。だから私は聞いたんですよ、日本がアメリカに要請できるんですかと。これに対して外務大臣は何も答えませんよ。日米安保条約があるから、アメリカがその義務を負っているから当然やるんでしょうと。
 日本が要請もしませんよというか、できるんですか、できないんですか。もう一回答えてください。何かその要請もしないのか。
川口国務大臣 先ほどお答えさせていただいたつもりなんですけれども、共同で対処する。要するに、義務をアメリカは負っているわけですね、我が国を防衛する。したがって、我が国として要請をするということではなくて、アメリカと共同して協議をして、それで対処する、そういうことであるわけです。
末松委員 ちょっとクリアにしたいんですよ。本当に協議をするといった場合に、うちは要請しないんですか、あるいはしちゃいけないんですか、はっきりしてくださいよ。国民の命がかかっているんですよ、あなた。
 あなたはいいよ、本当に選挙民も持っていないし、政治責任はないかもしれないけれども。こちらはみんな、日本民族の命がかかっているんですよ。はっきりしてくださいよ。
川口国務大臣 先ほど来申し上げていることと同じになりますけれども、防衛をする義務を持っているということですね、アメリカは。そして日本は、日本とアメリカは協議をして、共同で対処をしていくわけですね。
 協議をするときに、末松委員が御質問なさっていらっしゃるのは、日本は要請をしていけないのかということをおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、協議をするわけですから、協議をするという過程では、それはいろいろなことがあって、日本があることを要請することもあるでしょうし、要するに、要請する、しないということではなくて、それはいろいろな場合がある、そういうことであります。
末松委員 ちょっと委員長、今のは本当に全く明確になっていない。私は全く納得できない。そこは委員長からちょっと言ってくださいよ、明確に答弁してくださいと。
 要するに、要請できるんですか、できないんですか、それを問うているのに、それを言ってください。協議というのは、こちらが話さないと協議にならないんですよ。だれか、黙っていればできるんですか。(発言する者あり)
藤井委員長 お静かに願います。
川口国務大臣 先ほど来申し上げていますように、協議をするというときには、それは、アメリカが協議をしようと言ってくるかもしれない、日本が言うかもしれない、いろいろな態様があるわけですね。
 要請をしてはいけないかというと、いけないことではない。要請をすることもあるでしょう、要請をしないこともあるでしょう。それは態様であって、要請できないかという御質問であれば、もちろん要請はできるし、だけれども、要請をしなければ事が始まらないかというと、そうではない。これは、一緒に協議をする、まさにそれに尽きているということを申し上げているわけです。
末松委員 申しわけないけれども、外務大臣、あなたやめなさいよ、与党からも辞任を迫られていると思いますけれども。それだったら、局長さんが答弁すれば、外務大臣は要りませんよ。これ以上、外務大臣にはもう聞かないです。
 法制局長官、いますよね。集団的自衛権の関係なんだけれども、もしミサイルが発射されようとしたときに、そのミサイルがどちらに飛ぶかわからない、その議論があるわけですよ。そのときに、この法制局の見解、政府の統一解釈にあるように、これをたたけるんだと。座して死を待たない、その議論は憲法上どうですか。
秋山政府特別補佐人 今の弾道ミサイルの問題でございますが、これが我が国に対する武力攻撃の発生と認められないのにこれを迎え撃つということは、憲法九条との関係で問題が生ずると思います。
 ただ、まだ確定しているわけではないけれども、我が国に対する、我が国を目標として飛来してくる蓋然性が非常に高いというふうに判断される場合には、これが自衛権の対象として認められることもあり得ると考えております。蓋然性の問題であろうと考えます。
末松委員 前の答弁で、私が見たところによれば、これがどちらに向かって、例えば韓国に向けられるかもしれない、あるいは日本に向けられるかもしれない、そういったところで、過去の答弁では、それはなかなか判断しがたいという答弁だったんですよ。では、それは一歩踏み出したということですね。
 では、長官、もう一度言ってください。確認です。
秋山政府特別補佐人 迎撃ができるかどうかについて、技術的な問題がいろいろあろうということは私も承知しておりますけれども、ただ、我が国に対して飛来する蓋然性がかなり高いと判断される場合にこれを迎撃できないということは、やはり憲法の要請するところではないと考えております。
末松委員 あと、ミサイルの着手の関係でもありますけれども、そう防衛庁長官、にたにたしないでくださいよ。
 今アメリカから、やはり情報をより多く持っているのはアメリカでしょう。それで、ノドンのときに、アメリカから日本の総理官邸に着くまで三日かかったといいます、通報が。それから、テポドンの場合には、これは四十分かかった。これは昨年の江畑さんという参考人が述べている答弁であります、国会で、外務委員会でですね。この場合、本当にさっき言われた七分あるいは十分前後の話なんですよね。この態勢は、今度の有事法制、この中では処理できるんですか、できないんですか。
石破国務大臣 これは、あるいは私の所管外のことなのかもしれません。有事法制そのものと直結をする議論だとは考えておりません。しかし、その情報が少しでも早いにこしたことはないでしょう、対処時間が短いわけですから。同時に、合衆国あるいは友好国からの情報だけではなくて、私どもとして独自の情報の収集というのも行っておるわけです。対処の時間というものは短いことであるだけに、その対応というものにはさらに万全を期していきたいと考えております。
末松委員 今国民の皆さん、これをまたごらんになってわかるかと思いますが、結局、北朝鮮からミサイルが飛んでくる、あるいは蓋然性が高くなったときに、アメリカが自発的にといいますか、アメリカの判断で敵の基地をたたくということ以外には、これは第一撃をかわすことは不可能だろうと思います。
 それは、防衛庁長官、何か横に首を振っておられますけれども、それはそれ以外に何かあるんですか。言ってください。じゃ、答弁してくださいよ。それ以外に何があるんですか。我が国で北朝鮮の基地を撃てる能力はないと言った。そうしたらだれがそれを抑止するんですか。アメリカ以外にだれが抑止するんですか。答えてください。
 つまり、防衛庁長官、あなたが日本の防衛に責任を持っているんですよ。あなたが国民の命と財産に責任を持っているんですよ。だったら、あなたが一番寝ずに考えなきゃいけないんじゃないですか。だってそうでしょう。もうあの有事立法の法案からずっと、数カ月たっているんですよ。あなたはそのときに、これがないことを嘆いていたんですよ。そこはあなたの責任じゃないですか。
石破国務大臣 政府全体で考えてまいる問題でございますが、では日米安全保障条約とは何なんだ、日米安全保障条約の信頼性というものをどこに求めるんだという議論は私は必要だと思っています。そのような問題がなければ、日米安全保障条約は何の意味があるんだということであります。我が国ですべてやらねばならないという問題ではないでしょう。しかし、昭和三十一年の答弁にありますように、座して死を待つのは憲法の予定するところではないということになっております。では、その場合に、私どもがどのような能力を持つべきかということは、日米安全保障条約との兼ね合いからきちんと議論はしてまいります。
 ですから、委員としてどのようにお考えなのか。では、日本として対地攻撃能力を持ち、敵地攻撃能力を持つべきであるというふうにお考えだとするならば、それはそれで一つの議論でありましょう。そういう議論が国会できちんと行われるということが必要なのではないでしょうか。
 日米安全保障条約が冷戦が終わった後にどのような意味を持つべきものなのか、我々はどういうことを持つべきなのか、そういうことは国会の場できちんと議論をされる、私どもとしても責任上考えております。いいかげんに考えておるつもりは全くございません。
末松委員 それを、考えているのが長過ぎるんですよ。だから、早く結論を出してくださいと言っているわけですよ。無理なことじゃないでしょう。もう数年間もずっとやってきたんでしょう。早く出してくださいよ。期限をつけてくださいよ。要請しますよ。いつごろ期限をつけるんですか、言ってください。このまままた同じ答弁を来年、私もまた来年質問しますよ、また同じような答弁が出てくるんですか。
石破国務大臣 これは、私どももいろいろの御意見を承りながら考えます。しかし、民主党の御意見として、それでは民主党として、あるいは末松委員として、日米安全保障条約をどのように考えるか、敵地攻撃能力を持つべきなのかどうか、法的構成はどうなのか、その御提案もぜひ承りながら、議論の糧、私どもの参考にさせていただきたい、心からお願いを申し上げる次第でございます。
末松委員 あなた、政府の防衛庁長官ですよ。政府が、責任ある立場が、その人の言うことですか。何か、きのうの小泉総理と一緒じゃないですか、はぐらかさないでくださいよ。まずは政府がどうだということを早く期限をつけて言えと言っているわけですよ。それに対して、いや、あなたは、議員はどうお考えですか、それをもってどうこう議論しましょうというんじゃないのですよ。あなたが国民の命と財産に責任持っているんだから、まず、寝ずに考えてくださいよ。
石破国務大臣 私どもとして、今、例えて申し上げますと、防衛力のあり方検討というものを行っております。そして、統合のあり方検討というのも行っております。これは、私どもは組織として、また民主主義のあり方として、防衛庁長官だけでこうだと決められるものではありません。防衛力のあり方についても、あるいは大綱、中期防、どのようにしてできてきたかということは委員よく御案内のとおりのことでございます。この場で私がぽんぽんとお答えができるような、そういう生易しいものだと私は思っておりません。庁内におきましてもその議論は真剣にやっています。いいかげんなことは考えておりません。ですから、そのようなやゆするような御質問には私どもとしてはこういうふうにお答えをせざるを得ないわけです。
 しかし、その中において議論します。そして、今の大綱というものをどのように考えるかという議論もいたします。しかし、では御党としてどのようにお考えになるか、それは国民の多くを代表しておられる党として、こうあるべきだという御意見、御提言をいただければ、私どもとしてもまた新たな議論がさせていただける、そのようにお願いを申し上げているわけでございます。
末松委員 では、政府として、とにかく自分たちで考えてやる意思はないんですかね。まず、きちんとみずからの立場を明らかにしてから、それで議論すべきじゃないんですか。それは政府でしょう。あなたが防衛庁長官じゃなかったらこんなこと聞きませんよ。いいですか、そこはもう本当に自覚してもらわないといけない。
 これについて、もう私の質問がほとんど終わりに近くなってきましたよ、では、また聞きます。
 それでは、イラク問題に移りますが、きのう菅代表は、この安保理決議、武力行使に関して容認する決議がなくて、日本が、仮にですよ、アメリカ単独で攻撃する場合、これは反対だという意思を明らかに表明しました、そして政府の対応を聞きました。小泉総理は、仮定の問題には答えられない、こう言われたわけですが、外務大臣として、あなたの考えを国民に示してください。
川口国務大臣 まず最初に強調させていただきたいのは、現在、世界の各国が平和的に問題を解決しようとして外交努力を一生懸命している、今まさに平和的な解決のための外交努力が続いている、そういうことでございます。それをまず申し上げたいと思います。
 その上で、イラクが国連の決議を守らない、遵守をしない、無条件、無制限に守るということをしないで、重大なる違反があったということになったときに、決議の一四四一に従って安保理が開かれるということになるわけですけれども、そこでどういうような議論がなされるかということについては、まさに重大なる違反の態様ですとか、さまざまな状況によって、今どういう形になるかということはわからない、そういうことでございます。
 それで、私個人としての御意見をお聞きということでございましたらば、我が国として今コミットすべきは、平和的に解決をするための外交努力である。
 そして、イラクについて言えば、今、きちんと今までの決議を遵守して無条件、無制限に査察を受け入れているかというと、対応しているかというと、そうではない。これは、エルバラダイそのほかフランスその他も言っていますけれども、今イラクに期待されているということは、プロアクティブにと、英語で言えばそういうことですけれども、能動的にあるいは積極的に、世界の各国がイラクに対して持っている疑念を晴らしていくための努力をするということが大事であって、イラクがそれをしていない。これは、私もそう思いますし、ほかの国もそういうふうに考えているということです。
 したがって、イラクについては、ボールはイラクのコートにあって、イラクが能動的に、積極的に査察を受け入れる必要があるということです。
 それで、その上で、万が一重大なる違反があって武力行使があるというようなことになった場合に、これは三つの要素で考えるべきではないかと思っています。
 一つは、そういう先ほど申しましたような重大なる違反がどのような態様でどのような状況で起こったかということ、それに対して国際社会がどういうような議論を安保理でやったかというようなことも入ります。
 それからもう一つは、大量破壊兵器が、現在二十一世紀になって脅威の態様が変わっている中で日本にとって重大なる問題であるということであります。これは、どこかの国の問題ではなくて、日本の問題であるということです。
 それから三番目に、日本は、世界第二位の経済大国としてそれなりの世界の秩序づくりには責任を持っている国であると。
 その三つを要素といたしまして私としては対応を考えたいと考えています。
    〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕
末松委員 それを査察の結果、安保理で話されるわけですよ。安保理で話されて、そして安保理で、今、フランスとか、安保理で反対を表明しようじゃないかということは表明されているわけですよね、現時点において。また、ドイツなんかも、今度二月一日から安保理の議長国ですよ。彼らも、ドイツも反対だということを表明している。
 確かに、それは査察の結果をきちんと安保理で審議をしなきゃいけない。そこの中で、安保理で審議をして、そしてアメリカが求める武力行使容認決議ができなかった場合に、そのときに、アメリカが武力を行使しようと言ったときに日本はどうするんですかというのが私の質問ですよね。
 それに対して、あなたは非常にはぐらかして何も答えないんだけれども、それはもう答えないということで、仮定の問題には答えない、そういうことですか。そこをちょっと言ってください。
川口国務大臣 いろいろな状況がこれから起こり得るわけです。未知数は非常に多いわけでございます。そういったかなり幅を持った問題に対して、決議があったかどうかということだけを基準に、なかった場合といっても、たくさんのそのときの状況がある。それをどう考えるかという三つの要素を先ほど申し上げた。
 一つの要素だけで物事を判断をするということは、外務大臣としてすべきことではないと思っています。
末松委員 何を言っているんですか。安保理の議論が、いろいろなさまざまなことがかみ合って、そして議論で結論が出るんでしょう。一つのことしか要素がないなんて、あなた、それが外務大臣の認識ですか、安保理に対して。日本は国連中心主義じゃないんですか。
 と同時に、じゃ、決めていないということですね。日本が武力行使に協力するかどうか、決めていないということですね。そこを確認してください、一言でいいから。余計なことは言わないでください。
川口国務大臣 決めるための情報が今の時点では十分にない、したがって、決めるには早過ぎると、これは、総理がきのうお答えになられたとおりでございます。
末松委員 この新聞の記事があるんですよ。何と書いてあるか。これは一月二十二日ですけれども、毎日新聞ですよ。これは、日本が国際機関に資金を提供すると。アメリカに、イラクの復興支援、それとイラクの戦争で起きる難民の食糧、医薬品確保のために、国連難民高等官事務所とかあるいは世界食糧計画とか、こういったところに資金を提供するんだとアメリカに表明したと言うんですよ。そして、外務省の海老原北米局長、安藤裕康中近東アフリカ局長ら幹部を相次いで十二日から米国へ派遣したと言っている。これはイラクにおいて戦争があることを前提として言っていますよね。そして、あと邦人保護の関係で、きょうの日経にも書いています。
 要は、戦争が起こる前提で外務省はこういった資金提供まで話し合っているんですよ。それをあなたは、何ら決めていないと言う。これは矛盾じゃないですか。あなたは、決定していないのにこんなことを対外的に言わせているんですか。
川口国務大臣 いかなる論理で、今、武力行使が万が一あった場合の日本の対応について決めていないということと、万が一あったときの場合に備えてどのような議論をしておかなければいけないかということとが矛盾するかということを私はちょっと理解できませんけれども、我が国の立場、武力行使が起こったときの立場としては、先ほど申し上げたようなことですけれども、これは前の国会でも申し上げましたとおり、我が国として、いろいろな議論は、まさに邦人の引き揚げも含め、きちんとしておくことはしておかなければいけない。そういうことの観点から、難民の支援ですとか周辺国の支援ですとか、そういったあらゆる選択肢を念頭に置いて現在検討しているということは、さきの国会でも申し上げたとおりでございます。
末松委員 私は、非常にテロの問題で怖いのは、国民の不安があると思うんですよ。さっきも、ミサイルの日本に対する攻撃というのはやはり国民が本当に不安に思っている。これを何とか解消していくのが政治の責任だと思うから、防衛庁長官とも議論をしたわけですよね。
 今度、テロについて、例えばイラクに対して、日本が全面的な協力をアメリカにする、例えば安保理決議なしでするといった場合に、これは、私もアラブの世界に外務省のときにいましたから、わかります。いろいろな、今度は日本人自身に対しても、テロの攻撃なんかがやはり出てくるんですよね。そういったことはどんどん、日本人自身の危険性も増してくるわけですよ。だから、あなたもこういうことに対してきちんと責任を持って対応していかないと、本当に国民にとって無責任になってしまう。
 つまり、外務省の中でいろいろ議論をして、外務省の中でわかっているのは、それは外務省の問題でしょう。ただ、あなたは外務大臣として、国民に対して説明責任があるじゃないですか。あるいは、国会に対しても説明責任がありますよ。それを一切、何もわからない。
 私がちょっと外務省にいた関係で情けないのは、フランスとかやはりドイツなんかは、それなりに国民の中でいろいろな意見のある中で、現時点で国としてこういった方針でやると出しているわけですよ。なぜ日本だけがいつも出さないのか。これが私にとって非常に情けない話なんですね。
 例えば、さっき言った、国際機関に資金を提供するとアメリカに言った、こういう事実は本当に事実なんですか。まず、局長を二人派遣したのは事実なんですか。そして、こういうことをアメリカに言ったのは事実なんですか。そこを言ってください。
    〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕
川口国務大臣 一月の初めに、国会が始まるまでの間に海外出張を多くこなしておかなければいけない局長は大勢いまして、具体的に何人ということは今直ちに頭に入っていませんが、北米局長や、あとは中近東アフリカ局長は出張をいたしております。
 これは、この時期にいたしませんと、国会が始まってしまうとできないということもございますし、外務省の局長が日常ベースで、電話だけではなくて、意見交換を同盟国たるアメリカとしておくということは非常に大事である。当然に、今の時期でございますから、話の内容というのは北朝鮮であったりイラクであったりします。
 具体的に何を話し合ったかということについては、これはここでは申し上げられないですけれども、一般的に、私も2プラス2でイラクの話をしましたし、北朝鮮の話もいたしましたし、アメリカとの間では、そういったいろいろなことについて密接に意見を交換いたしております。
末松委員 結局、外務省だけが知っていて国民には知らせません、そういうことでしょう。そういう隠し事政治というか、官僚の政治が行われているから、結局最後、いろいろなことで政治の責任のツケが国民に回ってくるということなんですよね。要は、一切仮定のことにはお答えできないという小泉総理の答弁を踏襲したにすぎないんですよ。
 私、もう終わりになりますが、きょうのこの審議を通じて、本当に小泉総理の、何というか、本質を見た気がするんですね、内閣の。要するに、ぴいぴいあらゆることをいろいろと言うんですよ、一言で、改革、改革とか。それから、そう言いながら、結局、何というか、中身がないじゃないですか。そして、我々が中身がないと言えば、さらにまたぴいぴい言う。何か中身のないピーマンみたいな首相なんですよ。何かミスター・ピーマンという感じじゃないですか、あの首相は。本当に、私はここでけしからぬという思いを強くしました。またこれについて質問します。
 どうもありがとうございました。
藤井委員長 これにて末松君の質疑は終了いたしました。
 次に、細野豪志君。
細野委員 私からは、特に政治と金の問題について質問させていただきたいというふうに思っております。
 私、年末のある新聞を読みまして非常にショックを受けた経験がございました。朝日新聞なんですが、それぞれの仕事、それぞれの職業なりをどれぐらい信用するか、そういうアンケートでございまして、一番支持率が高い、信用しているというふうに答えられているのが天気予報士、これは九〇%以上の方が信用している。これは、天気予報は日本では定着しているんですね。銀行であるとか、それからほかに新聞であるとかお医者さん、警察、この辺は、大体五割から八割あたり、まあまあ信用されている。
 二つ大きく支持率、信用されていない職業がございまして、それが占いと政治家ということでございました。占いが二〇%で、政治家が一五%、当たるも八卦という言葉がありますけれども、占い師よりも今政治家が信用されなくなってしまった。この現状、もちろんいろいろな要素があると思うんですが、私は、さまざまな金銭スキャンダル、これが大きく影響していることは間違いないと思います。
 まず冒頭、大島大臣、そこにまだお座りになっています。我々としては、大島大臣自身がそこにまだお座りになっていること自体が政治家の信頼を損ねているというふうに考えるものでございますけれども、まず、どういう思いを持って今大臣職を務めておられるか、御答弁いただきたいと思います。
大島国務大臣 細野委員が、新聞の、信頼度ということを、調査の結果を見て今お話しされました。その調査の結果は重く受けとめて、それぞれが政治の場で努力しなきゃならぬことだと思います。
 もう一つは、そういう中で、今委員が、あなたがそこに座っていることがそういう原因の一つだと言われたこと、これはどういう意味を指しているかわかりませんが、昨年、臨時国会でさまざまに質問を受けました。そして、そのことの結果として、みずから身を律して、今の職に専念し、食の安全とか安心とかWTOとか、そういうものに全力を尽くしていくことが自分の今の役割だろう、こう思って頑張らさせていただいているところでございます。
細野委員 具体的に一つ一つ問題点を指摘しながら、今大島大臣がお答えになった部分について、それが正しいのかどうかということをこの場で検証していただきたいな、そんな思いでございます。
 資料をつくりましたので、それを大臣にもごらんいただけますでしょうか。
 まず、資料一でございますけれども、これは大島大臣が地元の後援会で配っていらっしゃる資料でございます。現地から入手をいたしました。「モーリー」ということになっておりまして、これはニックネームだというふうに思うんですが、写真がついて、それぞれ大島大臣はこういうことをやってきましたということが書かれているページになっているんですね。
 今回問題になっております宮内秘書の口きき疑惑、その中でも最も注目を集めておりますのが、右側の真ん中にあります新市民病院でございます。これは御存じですね。この部分について、ちょっと小さい字なので音読をいたしますと、真ん中辺からですが、「モーリーはこの市民構想のスムーズな実現のために厚生省、自治省に対し働きかけの努力を行った。厚生省の次官が」、官房副長官ということですね、「副長官時代の友人ということも幸いしたとか。」と書かれています。
 個人的な関係も使ってこの市民病院の実現に尽力をしたということを、これだけ後援会の新聞に堂々と書かれている。ちょっと正直私は驚いたんですが、この部分について、大臣自身が個人的なネットワークも使って病院の実現に働きかけた、このことについてはそういうことでよろしいんですね。
大島国務大臣 後援会の皆様方が、七年前、八年前のそれは後援会紙だと認識しております、したがって後援会の皆様方が、特にそれをつくったのは若い人たちだったと思いますが、さまざまに私からも意見を聞いたりなんかしてそういうふうなものを書きました。
 委員に申し上げますが、それぞれの議員は、国家、国益のために全力を尽くすことと同時に、あなたも地域あるいはまた選挙民のさまざまな御要請を聞くと思います。その夢あるいは構想実現のために努力をしていくということは、それぞれの議員にあって私は一つの責務だと思います。当時、そういうふうな中にありまして、八戸市自体がその大きな中核病院を建て直したいという、そういうふうな御相談に来たのは事実でございますし、そういうふうなことを踏まえて私のできる限りのことをした、そういう記憶はございます。
細野委員 大臣、時間もありませんので、簡潔に、聞いたことに御答弁ください。ここで私が説教を受ける筋合いのものではないということははっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 私が聞いているのは、官房副長官時代に、厚生省の次官と知り合いだったということも含めて、そういう個人的なネットワークも使ってお話をしたんですねと、この事実を聞いています。
大島国務大臣 どういう方にどういう具体的な話をしたか、ちょっともう七年、八年前の話ですから、もっと前ですね、それはわかりませんけれども、それは自治省に対しては市の財政上の事情、あるいは市民病院としてのその構想については厚生省に対しても、こういう構想があるのでどういう知恵があるのか、そしてどういうふうにしたらいいのか、御指導を仰ぐようにしたことはあると思います。
細野委員 地元の業者の方などとも少し話をしてみたんですけれども、大島大臣、こういう構図があるというんですね。地元で、ある政治家がある仕事をとってきました、認可をしました、尽力をしました。そうすると、そこに入ってくるさまざまな受注がありますね、それについては、その政治家のところに行けば仕事をもらえる、そういうことが地元ではまことしやかに言われています。そういう中で、あなたの公設秘書である宮内秘書が、さまざまな受注関係の業者から、あっせんをすると同時に、口ききをすると同時に、それに対して見返りを要求したんじゃないかということが今回問われている。その構図を確認したかったものですから、先ほどの冒頭の質問をしました。
 大枠の質問にもう一つなるんですが、宮内秘書が、あなたがとってきたこの新市民病院、それにかかわって口ききをして、しかも違法な献金をもらったりさまざまなお金をもらったということに関しては、一貫してあなたは否定してこられたけれども、今もその認識は変わらないんですか。
大島国務大臣 委員にお答えを申し上げますが、とってきたというお話を今されましたね。とってきたということではなくて、市民、八戸……(細野委員「それはいいですよ」と呼ぶ)いや、しかし、言葉というのは大事でございますから。八戸市の全体の市民のその夢として、そういう夢をお話しされ、そのことに努力をしました。そして、そのことに関して、これも昨年の臨時国会にお答えをいたしましたが、いわば発注元に対して、これをお願いしますとか、そういうことはなかったというふうな報告は宮内から聞いております。
細野委員 御尽力されたと言いかえましょう。あなたが御尽力されたこの市民病院の建設において、宮内さんが違法行為をしたことは一切ないと大島大臣は考えている、もう再度確認しますが、それでよろしいわけですね。
大島国務大臣 あっせんをするとか、それによってお金を得るということはなかったという報告でございました。
細野委員 そこで、私が一番よくわからないのが、大臣、この問題、週刊誌に書いてある問題と、大臣が御答弁されている事実が全く違うんですよね。宮内秘書官から聞かれていろいろ調査をされているんでしょうけれども、週刊誌の事実と全く違うんですよね。これだけ大きく事実が異なるにもかかわらず、なぜあなたが、この週刊誌なり、ここでいろいろなことを言われているA氏を告訴しないのか、名誉毀損で告訴しないのか。
 このことについては、もうさんざんこれはいろいろなやりとりがございまして、最後には、これはいつでしょうか、予算委員会の中で、名誉毀損について告訴するかどうかは、これは精査しますというふうにお答えになっています。それからもう一カ月以上たちましたが、この告訴についてどういうお考えを持っているか、お聞かせください。
大島国務大臣 委員、週刊誌を全部ごらんになっていただいたと思いますが、タイトル、そして私にかかわることというのは、一割かそれぐらいしかございません。しかし、そのことについて、今私は弁護士にお願いをしております。
細野委員 告訴を検討されているということでよろしいですか。
大島国務大臣 今弁護士にお願いをしているところでございますが、あの事態の全体を見ますと、私自身にかかわることは若干ございます。そのことについて、本当に私も、今資料を集めながら、そして弁護士にお願いしているところです。
細野委員 これは、前、筒井委員の方からもしっかり指摘していることなんですが、大臣、これは公務員の場合は、刑事訴訟法上、何らかの罪を犯したということについてきちっと把握した場合は告訴しなきゃならないんですよ。これは義務なんです。
 大島大臣は、自分のことを少ししか書いてないとおっしゃるけれども、大島大臣がいるから宮内秘書がいるわけでしょう。宮内秘書のこれだけあっせんの問題を書いているんだから、大臣に対する、これが事実じゃないとするとですよ、名誉毀損であることは、これは間違いない事実なんです。だとすれば、あなたには告訴するかしないかという選択権はなくて、告訴しなければならないんです、法的に。これは刑事訴訟法上そうなんですよ。ですから、あなたが、これは早急に告訴するかしないか。告訴されないとすると、この週刊誌に書いてあることはあなたの名誉を傷つけていないということをあなたはお認めになったことになる。すなわち、事実を認めたことになるわけです。一方で、これを告訴するということは、これはあなたの義務なわけだから、決めるなら早急に決めなきゃならない。いつまでに結論を出すか、お答えください。
大島国務大臣 今、先ほど申し上げましたように、弁護士にお願いしておるところでございます。
細野委員 告訴をする義務があなたにあるということ、結論を早く出さないと、この問題をあなた自身でどういう判断をしているかというのは客観的にも判断できないこと、そのことを申し上げて、刑事訴訟法上どうなっているかというのを多分弁護士に相談されるんでしょうから、ぜひ結論を出していただきたいなというふうに思います。
 この話をいつまでもやっていても、ちょっとらちが明きませんので、先に進みたいというふうに思うんですが、今回のケースで、この問題で一番問題になってくるのが、これはコンサルタント会社の社長のAさんですね。これは、大臣も一度お会いになっているという答弁をされていますね。よろしいですね。
 このAさんは、いわゆる口ききというものをやって、そして、宮内さんのためにですよ、宮内秘書のためにお金を集めていたんだということを言われているんです。これは言われているんです。ただ、大島大臣は、そのAさんはAさんでお金をしっかりプールしていて、Aさんがこれは猫ばばしていて、これが宮内秘書には行っていないと、ここのお金の流れを大臣は否定されていますね。そういうことでよろしいんですね。
 その中で、既に幾つか実はほころびが出ておりまして、もう既に確認されているところで言いますと、宮城野総合企画という会社、この会社、宮内さんとそしてこのA氏が共同で設立された、これはいわゆるペーパーカンパニーです。ここから宮内さんのお姉さんへ月十万円ずつ給与が振り込まれている、これはお認めになりますね。改めて聞きます。
大島国務大臣 今初めて伺いましたが、A氏も口ききをやっているというお話がございましたが、私はそういう事実はわかりませんが、そのことについては、昨年の臨時国会で、十月三十日、筒井委員から同様の質問がありました。しかし、委員から改めての質問ですから、経過をきちっと、私が受けた報告をお答えさせていただきます。
 平成九年ごろ、この会社の設立において、A氏から事業計画について相談があったと聞いております。しかし、設立するための資金及び人数が足りないので何とかしてくれないかと持ちかけられたようでございます。このため、前秘書が、出資金として、資本金の三分の一である百万円を出資したそうです。ただ、法律的には問題がないものの、公設秘書という立場であったことから、宮内にかわってお姉様に取締役に就任してもらったそうです。
 そのお姉様に対して、役員報酬として毎月約十万円振り込まれており、総額で百二十ないし百三十万になっていたそうで、その後、平成十一年ごろ、A氏の方から一方的に清算したいと申し出があり、清算されたそうです。その際、出資金は、諸費用がかかったとして、一部、六十万円しか戻ってこなかったという報告でした。
 このことは、昨年の臨時国会にも御答弁させていただいております。
細野委員 では、確認しますと、百三十万円程度宮内氏のお姉さんに振り込まれて、出資金がまた返ってきた分、四十万円を引いたとしても、残る九十万円は宮内氏のお姉さんがこの宮城野総合企画というところから給与で受けているということでよろしいわけですね。
 このお姉さん、勤務実態あるんですか。
大島国務大臣 役員報酬としてそういうふうにちょうだいをしておったということは今申し上げました。
細野委員 聞いているのは勤務実態があるのかどうかということです。役員として会社に貢献したんですか。
大島国務大臣 どういう勤務実態であったとかということは、私はそこまでわかりませんが、その経過として、先ほど申し上げたような状態でございました。
細野委員 宮内秘書が、自分は役員につけないからお姉さんの名前を貸したんですよ。そして、役員という名目で報酬を受けて、九十万円をこの宮城野総合企画からもらったんでしょう。これは明らかに、このA氏から宮内氏のお姉さん、お姉さんという形になっているけれども、実質入れたのは宮内さんなわけだから、宮内さんにこの部分ではお金が渡っているんですよ。これはもう紛れもない事実ですよ。そもそも、大臣がA氏から宮内氏にはお金は渡っていない渡っていないと言うのは、これは明らかに事実に反していて、宮内さんとAさんは一緒に会社もつくって、お姉さんを通じて宮内さんにお金を流している、その具体的な一つの例、これは大臣が既にお認めになっているんです。
 この部分について、何か弁明はありますか。
大島国務大臣 先ほど答弁したとおりでございます。
細野委員 弁明がないということで承っておきたいというふうに思います。
 もう一つ私の方から、このA氏から宮内氏へのお金の流れというのを資料を出しておりますので、指摘をしておきたいというふうに思います。資料二でございます。大臣、よろしいですね。
 資料二―一は、会社名をあえて消してありますが、二―一、「決算報告書」の部分をごらんください。これは一応名前は消してありますが、A氏の企画する会社でございます。これの平成十年の九月一日から十一年の八月三十一日、この期間の決算報告書を資料として提出いたしました。
 二枚目をごらんください。二―二でございます。この時期の決算報告書の中身でございますけれども、その項目の二つ目に「給料手当」というのがありますね。大臣、よろしいですね。百九十五万円、給料手当をこの一年間に払っています。
 問題は、この給料がだれに払われたかなんですね。次のページをごらんください。二―三です。
 これは、このA企画が税務署に出した資料です。その中で名前が入っているところがあります。十二月十日の賞与の部分です。二人の部分の給料が書いてありますので、お一人は御迷惑がかかりますから黒字で消してあります。もう一人、宮内という名前があります。この二人に対して給料が毎月支払われ、そして十二月十日には賞与も支払われている、そういう書類でございます。
 もう一枚、二―四をごらんください。では、この宮内さんというのはだれかということで、「給料支払明細書」のコピーも提出をいたしました。
 これが、宮内智子さん、これは宮内秘書の奥さんですね。ここに二枚用意しましたのは、この方が一番初めに給料をもらっているのが平成七年の一月、左側、そして最後にもらわれたのが平成十一年の八月。四年八カ月にわたって合計、給料だけで五百四万円、それにボーナスが何らかついていますので、その金額は私の手元にはございませんが、その給料明細がすべてここにあります。御迷惑がかかるから出していませんが、もう一人の方の給料明細も私の手元にはあります。
 つまり、どういうことかというと、A氏が経営するこの会社から宮内さんの奥さん、この方に対して、この四年八カ月の間にこれだけのお金が振り込まれている。しかも、これは勤務実態はないんです。これは明らかに、明確なA氏から宮内さんへのお金の流れじゃないんですか。
 この資料について否定する部分はありますか。大臣、お答えください。
大島国務大臣 この問題も、昨年の十月三十日でございましたでしょうか、筒井委員から同様の御質問がございました。そして、そういう中で、たしか週刊誌報道にもその明細書の写真も出ておったと思います。
 私は、前秘書に対して、もしそういうことがあるのであれば例えば通帳とかそういうのも調べて答えなさい、こういうことを強く申し上げたのでありますが、彼からの報告をそのまま申し上げますと、妻がA氏の会社の社員となったことは承知していないし、給与を受け取った事実はないとの報告でした。
 そこは私もかなり厳しく問いただしたつもりでございますが、そういう報告以外に私にはされませんでした。そのことを、そのようにお答えしたわけであります。
細野委員 何を無責任なことを言っているんですか。あなたの秘書が公設秘書時代にやったことについて聞いているんですよ。聞いたのをそのまま申し上げますじゃなくて、あなた自身が、責任を持って調査します、そういう話で言っていただかないと、こんな質疑をやってもしようがないんですよ。責任を持って答えてください、そんなのは。
 では聞きますが、ここに出した書類が、これは公文書偽造に当たる、そういうことでよろしいんですか。この文書が偽造されたものである、そう大臣はお考えになるんですね。
大島国務大臣 私は、もし渡せば、通帳とか領収書とかあるんだろうと思うんです。そういうものがありますれば、それを持ってまた彼に問いただすことはできると思いますが、今私が、昨年暮れ、既にそういう報道もあり、写真でそういうこともございました、そして委員からも問われて、相当厳しくそのことは問いただしたのですが、先ほどの報告を、それ以上のものを私は答えるすべはございません。
細野委員 いや、答えるすべがないのではなくて、我々はこれだけ資料を用意して出しているんだから、これで……(発言する者あり)
藤井委員長 もう一度、細野君、質問してください。
細野委員 私は大臣自身がこの面の、これだけ資料も出て、理事会にも出て、この委員会でも再度聞いているわけですから。
 何度も言いますが、あなたは、Aさんのことはよく知らない、その方が何をしたかよくわからぬけれども、宮内さんはAさんからお金もらっていないと言っているんでしょう。そこで切れていない限り、この事件は、A氏、宮内氏、そして市民病院の疑惑に直接つながってきて、あなたにもつながるんですよ。その部分について、唯一切れるとしたら、Aさんと宮内さんのところなんですよ。
 その部分についてこれだけ重大な疑惑があるのに、聞いたことで、そうでございました、これは通用しないですよ。あなた自身、そうじゃないという証拠を出してくださいよ。
大島国務大臣 今の質問の中で、市民病院に関することをお話しされましたが、どこに私がそこに関与したという証拠があるのでございましょうか。
 それからもう一つは、私も……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
大島国務大臣 そういうふうな意味で、昨年の国会でそういうふうな問いかけ、質問を受け、なおかつそういうことの資料もありまして、そして、そのことを踏まえて厳しく問いただすしか私にはないんです。そして、それ以上、もし例えばお渡しになったというなら、領収書等、あるいは通帳等がございますれば、また私は聞きただすことができる。
 前回の場合も、かなり彼の家に充てたということで、そのプライバシーまでいって、通帳等も出させました。だから、預金通帳も持ってこい、そういうことをしながら、その件についても問いただして、先ほどの報告を私がここで答えるしかない、こう思っておるところでございます。
細野委員 説明責任、今、大臣にあるんですよ。再度……。
藤井委員長 ちょっと速記とめてください。
    〔速記中止〕
藤井委員長 速記を起こしてください。
 大島理森農林水産大臣。
大島国務大臣 委員、その資料の中に、名前が違いますね。(発言する者あり)いや、細かいことではなくて、そういうことも大事ですが、いま一度私なりに本人に問いただしながらお答えをさせていただきたいと思います。
細野委員 大臣、これはこれだけ一応資料を出しているわけですから、そちらの側から逆にこれは違うんですというのを立証するために、何か、参考人を出すなり、大臣自身考えてくださいよ。何度も何度もこのA氏の参考人要求は私どもからしていますが、大臣はきちっとその方の話も聞いて反論する義務があると思いますよ、これだけいろいろ出ているんだから。
 これからやるというのは、本当に、これ以上続けるわけにいかないということを申し上げて、まだちょっと聞きたいことがたくさんありますので先に行きますが、今申し上げたのは、大臣、何度も言いますが、A氏から宮内氏への金の流れ、これは重要なんですよ。とりあえず、では、市民病院の話はおきましょう。だとしても、A氏が言っていること、そのお金が宮内さんに流れているかどうか、これは物すごく大事な部分なんですよ。そこの部分について、あなた、明確に意識を持って調査をしてくださいということを申し上げておきたいと思います。
 次に指摘をしたいのが、今度はA氏からのお金の流れではなくて、市民病院の受注企業である空調企業株式会社、この企業からのお金の問題でございます。
 これも過去に一度聞いております。昨年の十一月の二十五日の参議院の予算委員会で、福山委員の方から、この空調企業株式会社から、これも宮内さんの奥さんへ給与振り込みがなされていないかどうか、さくら銀行の世田谷通支店にということで質問をして、確認をします、そういう答弁がございました。これは確認されましたか。御答弁ください。
大島国務大臣 受注業者、下請として仕事をしておった会社だそうでございます。確かに、十二月の二日ではございませんでしたでしょうか、参議院の予算委員会で御党の福山委員が、宮内の夫人に空調企業から、平成七年から平成十一年八月まで、さくら銀行の世田谷通支店に夫人名義で月々十万円が振り込まれているとの御指摘を受けたのは事実でございます。私は、そのことは調査いたしますと、こう申し上げました。
 そして、昨年、その調査した結果でございますが、御指摘では平成七年一月からということでしたが、これは事実とちょっと違いまして、平成八年二月からでございました。また金額につきましても、十万円という御指摘がございましたが、実際には八万円だったそうです。
 さらに、その名目でございますが、顧問料もしくは社員の給与として夫人がお金をもらっていたのではないかという御指摘でした。その点についてはどうなんだというふうなことを聞きますと、そのとき、そのことも私自身初めての御指摘でございましたので、厳しく問いただしましたところ、その社長さんとは、平成五、六年ごろから家族ぐるみのおつき合いをしているということで、その社長さんから、仕事の関係で東京に行くことも多いが、連絡場所がなくて苦労している。そこで、前秘書の家を連絡所のように使わせてもらえないか。そして、会社として人を置くことはできない、連絡があった場合など、奥様に対応してもらえないかと手伝いを依頼されたそうです。その対価として振り込まれていたもので、給与、顧問料としてではなかったそうでございますが、事実、給与所得ではなくて雑所得として税務申告をしておったそうでございます。
細野委員 いや、これは重大ですよ、大臣。空調企業株式会社というのは、この市民病院の受注に直接かかわっているんですよ。この取り持ちをしたA氏はこう言っています。受注の見返りで宮内さんの秘書を紹介したんだ。まさにそういう話じゃないですか。
 もう一回はっきり位置づけを聞いておきますが、では、宮内さんの奥さんは、これはどういう位置づけで会社からはもらっていたんですか。何ですか、顧問料か社員給与、こんないいかげんな話じゃだめですよ。
大島国務大臣 まず第一に、昨年の臨時国会で、この会社は下請として仕事をしておったのは事実のようでございます。そこで、もう一度全部お答えをさせていただきます。
 平成五年、六年ごろからその社長さんとは家族ぐるみのつき合いをしているということで、そして、その社長さんが、仕事の関係で東京に行くことが多いが、連絡場所がなくて苦労している。そこで、宮内の家を連絡所のように使わせてもらえないか。また、会社として人を置くこともできないから、連絡があった場合などに奥様に対応してもらえないか。その対価として振り込まれておって、雑所得として税申告をしておったということです。
細野委員 会社側はどういう位置づけで出したか、この部分だけ簡潔にお答えください。
大島国務大臣 会社からは伺っておりませんが、私は、やはり先ほど来、昨年の臨時国会も、やめた秘書とはいえそういう関係があったということの中で、彼自身及び家族から聞くことが私の責務と思って、そういうふうなお答えをしております。
細野委員 いいですか、大臣、今いろいろ理屈はこねられるけれども、さっきから見ていると、宮内さんのお姉さんに月十万円入っている、これは宮城野総合企画から。そして、その後、A氏の経営するA企画から奥さんに、これが月八万円入っているんですか、月八万円入っている。交通費も含めると九万円入っている。さらに、この空調企業からさらに月十万円払っている。何だかんだ理屈つけたって、これだけどんどん顧問料なりなんなりもらえたら、そんなもの、ダミーの献金に全部なるわけですよ。それは理屈で、電話とったとか、何かいろいろやっているとか、貢献をしたとか、そんなのは後から幾らでも理屈つけられる話で、そんなあっちこっちからじゃぶじゃぶお金もらえるってどういうことなんですか。それはちゃんと全部説明できるんですか。
大島国務大臣 委員が今献金とお話しされましたが、私に対する献金はございません。したがって、その前秘書自身とA、あるいはまた、それからその何とか企画という、空調会社との関係でありまして、今話題になった、今質問があった金が、資金が私のところに来ているとか、そういうことはございません。
細野委員 もう短くて結構ですが、じゃ、秘書宮内さんの関係者のところにこれだけあっちこっちの会社から、少なくともこういう会社から、顧問料やらという形でお金が入ってくることに関して、これが全部きちっと仕事の対価だというふうに本当に大臣はお考えになるのかということだけ聞いているんです。
大島国務大臣 そこの関係については、さまざまに御議論があるんだろうと思います。また、私自身も初めて知ることばかりでございました。そういうふうなことも踏まえながら、今皆様方の質問に対して昨年来誠実に答えているところでございますし、また、私自身も今後身を律して政治の仕事に専念してまいらなきゃならぬということも申し上げているところでございます。
細野委員 秘書がこうやって、あっちこっちでいろいろな企業からおいしい思いができる、国民が聞いたら泣くと思いますよ。政治家は秘書について責任持つんですよね。どこからどういう役をやって、どういう金をもらおうが私は知りません、そんな答弁でいいんですか、本当に大臣。
 これ、本当に自民党政治の本質だとすると、これは大変なことですよ。表だけではなくて、秘書がいろいろな形でいろいろなお金をもらえる。そんなことが、何だ、おかしいことじゃないじゃないか、そんな答弁をされる、これ自体、本当に私、政治に携わる人間として情けないと思うし、それを問題意識を持たれない大島大臣は、私の感覚からすると、少なくとも私の方が国民には近いと思いますよ。異常ですよ。
 この部分については、最後はきちっとAさんに答弁を聞いて、それぞれの問題について確認をしないと、大臣がおっしゃったように、それぞれの給与なり名目なり雑所得なりに正当性があったとは到底思えません。そのことだけ申し上げて、次の質問に行きたいというふうに思います。
 次、このさんざん問題になってきた、宮内氏がお金をもらっているんじゃないか、そのお金が実は住宅の購入資金に流れているんじゃないかという話、随分ございましたね。大臣が、これも資料提出もされて、何点かの証拠も出して、これこれこういうことで調達しているんです、まあ、わけわからない資料も多いんですが、一応出されました。我々は納得をしておりません。
 ただ、その中で一つ重大な問題があるのは、この千五百万円の実母からの贈与に関しては、生前贈与ですね、これは贈与税を払っていない。これは大臣、お認めになりましたね。これは大変なことです。
 加えて、もう一つ確認しておきたいのが、義父、これは奥さんのお父さんということでしょうか、この方からの三百万円。また、義母、奥さんのお母さんですね、その方からの二百万円。さらには、しばらくたってから、三回忌のときに奥さんがもらってこられたという五百五十万円。これ全部合わせると一千万円以上になるんですね。この部分は相続税を払ったんですか。
大島国務大臣 先ほどのことでちょっとまず冒頭に申し上げておきたいと思います。
 昨年そういう報道があって以来、まず私は、そういうふうなことの中で彼をやめさせたこと、あるいは、彼が気持ちを決したことが一つあることを御理解いただきたいと思います。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
大島国務大臣 それから、今のことでございますが、当然に今も、さまざまな所得があったことを含めて税務署にすべて報告、相談に行き、その税を払いなさい、こういうことは昨年厳しく申し上げておきました。その結果、彼自身は、一部は支払いましたと。しかし、今、第二の道を歩むために彼自身は無職でございます。そういう状況の中で、税務署と相談しながら、全力を挙げて、さまざまなことの相続税あるいは税の対応をきっちりしてまいりたいというのが彼からの報告でございました。
細野委員 一部を払いましたというのはどういうことですか。正確に答えてください。千五百万の部分についてはきちっと相続税を払ったんですか。これ大臣、私も調べましたけれども、九五年当時で仮に千五百万生前贈与していたら、税だけでこれは五百万超えるんですよ。
 あなたの問題ですよ。あなたの公設秘書が在任中に脱税していた五百万を国庫に納めていないという問題なんですよ。一部払いましたとか、その人の未来が何とかと、そんな問題ではなくて、国民に対して、あなたは、税金をきちっと払ってくださいと言わなきゃならない側にいるわけでしょう。
 この部分について、どういうことなのか、きちっと答弁してください。千五百万の贈与税をきちっと払ったということですか。
大島国務大臣 一千五百万だけではございません。そのほかの贈与等もあるわけでございます。したがって、税務署と協議をして、税理士を通じて今税務署と協議をしているわけでございまして、その全体の中の一部は支払ったものの、しかし、今現在、所得、そういうものがないわけでございますので、今後支払っていく、それはあくまでも税務署との協議をしながら努力していくということでございまして、忌避をするとかそういうことではないということでございましたし、私からも、昨年御指摘いただいて、本当にその点だけは厳しく対応しなさい、こう言っておるところでございます。
細野委員 これはもう資料も出していただいている件ですので、じゃ、一体幾ら贈与されたのか、相続をされたのか、そのうちの幾ら、どういう形で税金を納めたのか、これをきちっと資料として出してください。いいですね。これは委員長にお願いします。
藤井委員長 それはちょっと……。
 いずれにしても、そういう御提案ですが、これはなかなか難しい面がありますが、いずれにしましても、理事会で協議します。
細野委員 それと、もう一つ大臣に伺いたいのは、この問題が明らかにならなければ、宮内秘書は間違いなく脱税をしていました。脱税をしたんですよ。一九九五年の贈与については、実は一九九六年の三月が申告期限で、時効が七年、ことしの三月に時効が成立するんですね。これは、運よくこの時期に事件が発覚したから一千五百万超の部分について贈与税の話が出てくるんだけれども、彼は明らかにこの贈与について、これが本当だとしたら、私どもはそれを疑っていますが、本当だとすれば、脱税しているんですよ。
 この部分について、過去いろいろ議論がありますけれども、大臣は一回も責任を認められていないんですが、自分の公設秘書が在任中に脱税をしていたということについて、政治責任をきちっと感じられていますか。これは大事な問題ですよ。加藤さんはこれで辞任したんですよ。
大島国務大臣 秘書に対して政治家がどこまで責任を持つか、四六時中、二十四時間、秘書を見守る、そういうことができないわけです。しかし、御指摘を受け、そのことが間違っていた、あるいはまた、そういうことがありとするならば、そのことを正さす、これが大きな責任の一つだと思い、昨年御指摘を受けたものですから、厳しく、税務署に行って相談をしなさいということをさせたわけです。
細野委員 脱税、それは気がついて、あなた自身が気がついたんじゃないですよ、委員からいろいろ指摘をされて、それで偶然にわかった。偶然わかったものだから、大慌てでそういう処理をしました。それが政治責任というなら、そんな軽いものはないです。軽い政治責任なら、だれでも果たせますよ。みずからきちっと見つけて、それについて厳正に処理をして、在任中やったというなら話はわかりますよ。そんな偉そうに言う話じゃないんですよ、今のは。
 贈与の部分については、では、この部分については厳正にやっていただいて、出せるだけの資料を出していただきたい、そのことを最後にお願いします。
藤井委員長 細野委員、資料を出してくださいと大臣に直接請求されましても、それは先ほど申し上げたように、理事会で協議するんです。
細野委員 最後に、これは過去の答弁を見ていまして、私、感じたことなんですけれども、大島大臣のこの問題については、実は、今長崎県連の問題で議論になっている特定寄附の問題に極めて密接にかかわる可能性があると私は思っております。
 まず初めに、時間もわずかですが、総務省の方から、公選法の百九十九条の選挙に関してという部分ですね、この部分に関してどういう解釈をしているのかということを簡潔に答弁してください。
高部政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘ございました公職選挙法の百九十九条、二百条に「選挙に関し、」というふうに規定されているところでございますが、従来より、選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてというような意味で解釈されているところでございます。
細野委員 確認しますよ。選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてという意味ですね。選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてということです。
 十一月七日に、これは参議院の農林水産委員会で紙委員の方から、大臣は、過去に佐々木憲昭委員から指摘された献金の問題、この病院が建った年に、やたらその受注企業から献金がふえているじゃないかということを指摘されましたね。それについてこう答えています。見返りでないとどうして言えるんですかと紙委員から聞かれて、こう答えている。「言わば私の献金の状態を見てみますと、政治活動が活発になった日にはパーティーやその他において増えております。二〇〇〇年もやはり増えております。」二〇〇〇年も選挙がありました。そういうふうな政治活動が活発ということは、選挙が近くなって政治活動が活発となっているということでございますと答えている。
 選挙があるから献金をもらった。いやいや、それは、受注があったから献金をもらったんじゃなくて、見返りではなくて選挙があったんですよと答えているんですよ。これは長崎県連の事件とどう違うんですか。選挙があったからと堂々と認めちゃっているんですよ。
大島国務大臣 委員、そこでくしくもお話をされましたように、政治活動が活発になった、だから政治活動に使われたわけでございます。そういう意味で答弁したつもりです。
細野委員 大臣、その後こう言っているんです。いいですか。「この年、選挙というものがあり、パーティーその他において特別に御支援をいただいた」と言っているじゃないですか。いいですか、「選挙というものがあり、パーティーその他において特別に御支援をいただいた」、これは、百九十九条、二百条に照らして、どこがどうセーフなんですか。どう違うんですか。
大島国務大臣 政治活動が当然に各党ともに活発になります。そして、そういう政治活動に、活発のために、そういうふうなものが多くの人々からの御協力をいただいているわけでございまして、そういうふうに私は答弁をいたしました。
細野委員 いや、「選挙というものがあり、パーティーその他において特別に御支援いただいた」、ここに政治活動なんて入っていないんですよ。一番高額の献金をもらっている大館建設工業、これは献金をもらったのは六月十三日、選挙中ですよ。選挙その他に特別な御支援をいただいた、選挙のためにですよ。公選法の規定の解釈は、さっき総務省は何と言ったか。選挙を動機としてでしょう。どこがどう違うんですか。
 これは公選法違反ですよ。大臣、公選法違反じゃないとどうして言えるんですか。
大島国務大臣 一般的な政治活動資金として受け取ったものであると報告を受けておりますし、私が答弁のときに、お話を冒頭にされましたように、政治活動が活発になっていく、そういうことを多くの人たちがしかとそういうふうに見て、そしてそういうふうな、だから政治活動と言っているわけです。政治活動とか党活動のために御芳志をいただいたものと理解しております。
細野委員 大臣、このときのあなたの答弁を聞いていると、明らかにあっせん利得のところに関しては明確に意識をして、いかに受注と一対一の関係がないかということを逃げるように答弁されているんですよ。公選法の規定、一切頭にない。あったら、「この年、選挙というものがあり、パーティーその他において特別に御支援をいただいた」なんて答弁しないですよ。
 これはまさに選挙法そのもので、実は、この年末年始の長崎県連の事件が明らかになったことによって、こういうのがだめだということを、あなた、気づいたんですよ。
 この部分について言い逃れはできないですよ。
大島国務大臣 その紙委員に対する冒頭のところもきちっと読んでいただきたいと思いますが、政治活動のためにということを申し上げております。
 さらに、私自身があちこちにお願いしたということもございません。
 多分、そういう皆さんの御芳志、あるいはそういうものの中で政治活動が活発になっていく、これは各党ともにそういうことがよくあるわけでございまして、そういうふうな一般的なことを申し上げたつもりでございます。
細野委員 この法律にグレーなゾーンがあることは認めます。ただ、さっき総務省が答弁したように、これは動機が大事なんです。これは選挙のためだと言われれば、公選法に違反する。選挙のためじゃないという詭弁は通用する場面と通用しない場面があるけれども、それは建前としてはあり得るけれども、動機が大事なんですよ。
 期間中にもらっておいて、あなた自身が答弁の中で、選挙のために、選挙があるからと。動機、まさに、あるからだから動機ですよね。そのまま答えているのに、これが公選法違反にならないとしたら、この法はもう全然意味がないわけですよ。
 じゃ、総務省、ちょっと答えてください。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
高部政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、公職選挙法の解釈として従前から、「選挙に関し、」というのは、選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてということでございますけれども、具体的には、個別の事案に応じて、具体的な事実関係に即して判断されるべきものと考えているところでございます。
細野委員 この部分は、これ以上議論をしても確かに水かけ論になるかもしれない。少なくとも、この問題に関しては、今予算の審議をしている最中ですからね、公選法違反になるとこれは大変なことですよ。
 政府として、片山総務大臣、この部分の解釈をきちっと再確認をして、大島大臣の問題が本当にグレーなのかどうなのか、クロなのかどうなのか。はっきり言って、これがクロじゃなきゃ、こんな法律は要らないですよ。きちっと見解を出してください。長崎県連の問題だって今出ているわけだから。
 少なくとも、大島大臣は国会答弁でこうされているので、その部分について見解を出していただいて、基本的にはその問題が本当にこれは片づかない限り、大臣も予算を出しているわけだから、これは大変なことですよ。じゃ、総務大臣ちょっと一言お願いします。
片山国務大臣 既に選挙部長からお答えしましたように、「選挙に関し、」とは、選挙に際し、選挙に関する事項を動機として、これはもうほぼ相当前から確定的な解釈としてこういうことになっておりますけれども、具体のケースについては、いろいろなケースがございますから、これはもろもろの状況を勘案して総合的に該当するかどうか、最終的には司法の判断に私はなると思いますけれども、今長崎県連については公選法違反という疑いで逮捕されておりまして、これによって状況の解明が私は進むと思いますけれども、我々としては今答弁した以上のことを、個別のケースを全部どうだこうだと、それは我が選挙部の、そこまでの責任はない、こういうふうに考えております。
細野委員 これ以上は水かけ論になりますが、国民の前で十一月七日にあなたそう答弁しているんですよ、まさに選挙を動機としてと。
 この部分に関して、政府としてきちっとした見解が出てきて、これは本当にシロかクロか判断していただかないと、では、これをずるずる引きずったまま予算をやるんですか、本予算も。もらっているとあなた言っているんだから。これはきちっと政府として統一見解を出して、なぜ大島大臣がシロなのか、公選法違反じゃないのか、これはきちっと出していただかないと、これはそのままずるずる行くわけにはいきませんよ。
 では、もう一度片山大臣に伺います。
片山国務大臣 我々は公選法の解釈を示したりはいたします。しかし、個別の事犯について、これがシロかクロか、AかBかなんかということを判断する権限も責任も私は法律上は与えられていない、こう理解しております。
細野委員 これは個人的な見解でございますが、大臣がこれだけ大きな疑惑を抱えて、あっせんの問題、それとこの公選法の違反の問題という新しい問題がこれだけ明確に国会の答弁の中からも出てきている以上、私はこの大臣のもとで予算の審議をする義務はない、我々はそういう立場にはないということを申し上げて、きょうは時間が参りましたので質問を終わりたいというふうに思います。
 以上です。
藤井委員長 これにて細野君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三分開議
藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。河村たかし君。
河村(た)委員 河村たかしでございます。
 まず、質問がたくさんありますので、最初に、滋賀県の豊郷小学校という校舎があります。きょうもお見えになっておりますから、これを一番最初にやりたいと思います。
 ここでは、いわゆる住民パワーが炸裂しまして、本当に、取り壊しになる校舎を住民の皆さんの力で守ったというすばらしい、まあ情けないことですけれども、本当は議員がこういう流れを変えないかぬのだけれども、なかなか、オール与党のところも多いですしとか、そういう中で、やはり住民のパワーが時代を変える先駆者になったという例で御質問をしたいと思います。
 まず、ここにちょっと、段ボールで申しわけないんですけれども、(パネルを示す)上にあるのは豊郷小学校校舎ですね。これは昭和十二年に、今の丸紅の創始者ですか、が個人の寄附でつくったということで、これはすごいですよ。
 下にあるのが、愛知県立旭丘高校校舎。これは実は私どもの母校でございますけれども、地震で壊れると言って関係者がうそをこきまして、壊されてしまいました。文化庁は文書で、申請があれば登録有形文化財になるよと、そこまで言ったんですけれども、要するに、昔の校舎は危険な建物であるというそういう言い方が残っておりまして、そういう誤解によって壊されてしまった悲劇。これが旭丘の校舎、上が今回の豊郷小学校です。
 これは文化の問題だけじゃなくて、この建物に二億のいわゆる国庫の補助金が出ます。ですから、これは予算委員会の問題でございます。
 それで、なぜこういうことが起こるかということで、ここにこういう、皆さんのお手元に資料、見ていただけますか。公立学校施設整備事務ハンドブック。ちょっと自見さん、その下です。いや違う、もっと下。公立学校施設整備事務ハンドブック、これは本物でございますけれども、ここに、要するに「6 不適格建物改築」というのがありますね。わかりますか。ここに、アンダーラインが引いてありますが、不適格建物の対象となる建物、「建物構造上不適格なもの(取壊し義務がある。)」こういうふうに実は書いてあるわけですよ。
 これは、不適格建物というのは、ずっと読んでいくとわかりますけれども、3に書いてありますね、3の3。おおむね五十年たつと、これは不適格となって、取り壊し義務があると書いてあるわけです。(発言する者あり)ええ、非文化的ですよ、本当に。これを見て、多くの人は、これは首長さんでも、これは岩永さん見えますけれども、この豊郷町の町長さん、なかなか迫力のある顔をしてみえるもので、いろいろ皆さん言いますけれども、いいところもあるんです。彼なんかが取り壊さにゃいかぬと思ってしまったんです。
 これは大臣、その前に、もう一つの誤解があるんです。この建物の、これはここにちょっと書いてありませんけれども、もう一つ危険改築というのがありまして、五十年たつと危険な建物である、こういうわけです。五十年たった建物はね。
 だから、ちょっと大臣、この不適格建物というのは、危険な建物なのか。私は必ずしもそうではないと思うんだけれども、そこのところはきちっと答えてください。
遠山国務大臣 お答え申し上げます。
 公立学校施設の改築事業の対象となります建物というのは二種類ございまして、(河村(た)委員「ちょっと、でっかい声でしゃべってください」と呼ぶ)一つは、危険建物でございますし、もう一つは不適格建物ということで、これは補助要綱の中で決めているものでございます。
 それで、危険建物というのは、構造上危険な状態にある校舎ということでございますが、不適格建物といいますのは、教育を行うのに著しく不適当な建物で特別な事情のあるものということになってございまして、例えば今先生がお挙げになりましたように、建築後五十年以上経過して、また教育機能上不適当な点がありまして、教育内容、教育方法などの変化に対応するために、改築によってこれを改善しようと設置者が決定したものを補助対象としている、そういう関係になってございます。(河村(た)委員「だから、必ずしも危険な建物じゃないということね」と呼ぶ)そういうことですね。(河村(た)委員「問題ありという」と呼ぶ)はい。
藤井委員長 ちょっと待ってください。委員長が注意します。
 不規則な発言をしないでください。委員長が指名して。座ったままでやりとりしないでください。
 どうぞ大臣、席に戻ってください。
 河村たかし君。
河村(た)委員 では、しっかりここで、不適格建物というのは必ずしも危険な建物ではないということをはっきり言ってください。
遠山国務大臣 補助要綱上、二つ別の定義でつくっておりまして、不適格建物というのは危険建物ではございません。
河村(た)委員 ぜひ、そんなことで、地元の方にも、ここから誤解が始まったということですね。危険建物となれば壊すじゃないですか、普通からいえば。
 それから次の質問が、この今言いましたハンドブックの中の取り壊し義務というもの、これはやはり削除してもらわないと、取り壊し義務、五十年たっているわけですね。要するに取り壊し義務があるわけですよ。こういうことで文化財が壊されていくわけで、これをぜひ削除していただきたい。これはどうですか。
遠山国務大臣 今引用していただきましたものは公立学校施設整備事務ハンドブックでございまして、これは市町村などの公立学校施設整備担当者向けに事務の手引として発行しているものでございます。
 確かに、先生御指摘のように、「建物構造上不適格なもの(取壊し義務がある。)」と書いてございます。その前のページの方に、「また、当該建物が文化財等のもので、その建物を保存する必要があると文部科学大臣が認めるものについては保存することができる。」と書いてあるのでございますが、ちょっとこの表現の仕方が、確かにこの部分だけ見ると取り壊し義務があるというふうに言われるかもしれません。この点は、私どもとしましても、制度の趣旨が必ずしも正確にわからない面もありますので、これは私どもとしても誤解のない表記となるように手直しをいたしたいと思います。
河村(た)委員 いや、誤解のないというより、削除するとはっきり言ってくださいよ。
遠山国務大臣 その部分のところからは取り壊すことは可能でございますけれども、ほとんどのものは取り壊しをして、そして改築をするということでございますが、今先生がおっしゃいましたように、文化財的価値のあるものについては、これは保存できるということが明確になるようにしたいと思います。(河村(た)委員「じゃ、義務を削除する」と呼ぶ)
藤井委員長 河村君に再度注意をいたします。委員長の指示に。
 河村君。
河村(た)委員 はっきり、やはり非常に誤解を招いたんです、これは。だから、もう一つのところに文化財的な価値のあるものは保存できると書いてあるんなら、義務という規定は削除する、このくらい言わないと。きのう言うと言っていたよ、むしろ。言ってください。
遠山国務大臣 この部分につきましては削除をして、もう少しわかりやすいように明記をいたします。
河村(た)委員 これでぜひ、豊郷町の議会の皆さん、それから住民の皆さん、そして町長もそうですけれども、やはり後追いでございましたけれども、こうやって五十年たった建物がおのずと危険になったり、それからいわゆる義務ですね、取り壊し義務があるというところは変わりましたので、ぜひ、国のお金も入りますし、お金のことも大きいですよ、これは予算も。全国民の税金が入ります。ということもありますし、それからやはり文化財を残していくというのは、これは全国民の誇りというかでございますので、ぜひ、後追いでございますかもわかりませんけれども、この教室を、また、この教室を残すことは残すと言われたんですよ。そうしたら、すぐ横に、残すことは残すけれども同じ小学校をもう一個つくると言うに至りまして、これもめちゃくちゃでございまして、絶対私は税金のむだ遣い許さぬということで力んでおりますけれども、一つこういうふうに進歩したということでございます。
 それから文部大臣、せっかくでございますので、要するに、今までは建物が古くなると、古くなるというか五十年、六十年たつと取り壊して新築するというのが一つの原則型であったということで。しかし、きのうも小泉さんも言っておったじゃないですか。循環型社会をつくっていく、宣言すれば世の中が変わっていくと。そんなことでございますのでぜひ、一方、文部省の中には文化庁というのがあって、五十年たつと登録有形文化財ということで、使いながら大事にしていこう、こういう制度を一つ持っておるわけですよ。一方、施設助成の方は壊していく。これではいけませんので、ぜひそこを整合性をとっていただいて、そういう残す方向で制度をつくっていく。助成制度も、まず、ぱっと判断したときに、壊すの方にすぐいかぬように、イーブンな形で、五十年たったものは残す、リニューアルして不便はなくすんですよ、古いまま使うんじゃありません、不便はなくして建物も補強しますけれども、そういう道も二つある。どちらか選択してくださいよというふうになるように、文部省の制度を変えていただけませんか、助成制度を。お願いします。
遠山国務大臣 現在も、先ほども御説明しましたように、国の方で保存が適当というような文化財に相当するようなものについては、これは保存するという方向でいくわけでございます。
 先生御指摘のように、今の社会、循環型社会を形成していくという角度から見ましても、古くなっても使えるようなものは、これは私は使っていくというのは非常に有意義なことと考えておりまして、学校施設をリニューアルして使用していこうという自治体に対しましては積極的に支援してまいりたいと思います。
 ただ、それは、それを保存して使っていくか、あるいは新たに建てるかということ自体はもちろん設置者であるそれぞれの地方公共団体において判断されるものでございますけれども、私どもは、そういう判断の際にそういった両方の道がとり得るというようなことについては、いろいろな方法でまた考え方を普及してまいりたいと思います。
河村(た)委員 それはそこまでとしまして、もう一方、総務大臣にこれ。もう一つの問題は、いつも、総務大臣、住基ネットでけんかばかりしておりますけれども、これは後で出てきますけれども、それはそれですけれども、今度はぜひ協力してもらわないかぬ。
 ここにちょっとつくってまいりましたけれども、(パネルを示す)もう一つ壊してしまう理由として、要するに、リニューアルですと、上の欄ですけれども、国庫補助が三割、建てかえも三割なんですが。これ補助裏というんですか、後の起債、交付税措置が、総務省ですが、結局壊した方がたくさんあるわけですよ。そうすると、壊すと国が、いわゆる後の交付税措置も入れて大体七三%もらえる。しかし、リニューアルだと三割しかもらえないということで、これもやはり文化財を壊してしまう悲劇を生む理由になっているわけね。
 だから、ぜひこれは一遍、片山さん、今こういう交付税に対して厳しい時代だけれども、リニューアルの方が安くつきますからね、リニューアルの方が。大体、いろいろあると思いますけれども、計算してみると、何と旭丘高校、あれ新築、坪九十六万もするんですよ、今建っているのが。今、マンション四十万か五十万ですよ。小学校は五、六十万です。リニューアルだと二、三十万、まあ四十万ぐらいかかる場合がありますが。程度によりますけれども、二十万から四十万ぐらいということです。全体がやはり規模がそういうふうになってきますから、ぜひこちらにも、こういう循環型社会という、これ政府の施策じゃないですか、これと逆行するようなこういう交付税措置をとらないように、これをリニューアルでも同じように交付税措置をやっていく、こういう点、ひとつ御答弁をお願いします。
片山国務大臣 小学校等の直しには改築と改造とあるんですね。改築と改造。今河村委員言われたように、改築が手厚いんですよ。改築は起債も九〇%認められるんですよ、地方負担の。改造は七五%なんです。それから交付税措置も、これはちょっとややこしいから言いませんけれども、やはり改築の方が手厚いんですよ。それは何でかといいますと、改築は額がたくさんかかるんですよ。平均の小学校の十八クラスで、改築だと十億ぐらいかかる。改造は一億なんですよ。そういうところがあるからそういう差をつけているんだと私は思いますけれども、物によりますね。物によるのでそれは検討いたしますが、全部の改造を改築並みというと、これはなかなか難しい。だから、そこのところは改造の中で、委員が言われるのには大変意味があって、改築に並ぶような重要性があるようなものについてはどう考えるかということですが、線引きは難しいと思いますが、せっかくのいろいろ御懇意にいただいている河村委員の御指摘ですから、十分検討いたします。
河村(た)委員 だからといって、私は住基ネットは手を緩めませんが。しかし、いいことはいいので、ぜひそういうことで、リニューアルがもっと盛んになって、循環型社会が進み、また文化財が残るように、ぜひ大臣、しっかりやってください。
 ついでと言ってはなんですけれども、こうなりましたので、ぜひ全国の、函館でこの間、一校小学校が壊れたんですね、いいやつが。だから、ひとつ文化庁、五十年たった建物、全部というと大変ですから、とりあえず小中学校でやりましょうか。こういうのをとりあえず全部リストアップして、地域住民なり国民の皆さんに、まず、こういうのをリニューアルする方向があるんだよという一つのファーストステップになるように、そういうふうにひとつやってもらえぬですかね。
 私がもう一つ言いたいのは、これは単なるノスタルジアで言っておるんじゃなくて、次の世代の教育環境として残すのに何がいいかということで、全く新しい、さらの、どこでもあるような、まあ刑務所と言うと悪いですけれども、どこにでもあるようなそんな建物で勉強するよりも、これはやはりおじいちゃん、おばあちゃんが大事にしたそういう建物で、不便はなくして、そういうところで勉強していく方が、僕は、今もう心の教育だとかいろいろ言っておるじゃないですか、はるかにいいと思いますよ、そういうところの方が。
 だから、古い建物を大事にする心というのは、森でいえば、いわば森の中の大木を大事にするような気持ちですね。それはやはり、じいちゃん、ばあちゃんを大事にする気持ちとか、そういうものにみんな共通しているんで、ぜひひとつ文部省、五十年ぐらいたった小中学校を全部リストアップしていただくようにお願いしたいんですけれども、いかがですか。
遠山国務大臣 小中学校校舎のように地域に根差しました文化遺産につきましては、地方公共団体が主体的にその価値を見出して、地域の大切な財産として継承していく取り組みが大変重要だと思います。その意味では、河村委員御指摘の点は賛同する面が多いわけでございます。
 それで、地方公共団体ごとに管内の小中学校の校舎の価値を認めてリストアップしてもらう、そして地域住民に周知していくというのは大変意義があるわけでございまして、国といたしましても、学校に限らず建物の近代化遺産総合調査というのをやっておりまして、今、各県に御協力をいただきましてその報告書もつくっております。
 例えば、滋賀県の近代化遺産という中に、先ほどお話ございました豊郷小学校のものもきちっと出ているという状況でございまして、まずは地方公共団体にやっていただくわけでございますが、その調査について私どもで補助をいたしております。ぜひともこういうものが広く行われていくといいなというふうに考えております。
河村(た)委員 余り舞台裏を言ってはいかぬけれども、先ほどちょっと打ち合わせしまして、五十年以上のものは、それはそれでやっていますけれども、リストアップしてやりますと言っていましたから、それをちゃんと言ってくださいよ。
遠山国務大臣 その点につきましては、それぞれの地方公共団体の協力を得てこれは取りまとめるということは言えようと思いますけれども、まずはそれぞれの地方公共団体においてしっかりリストアップをしていただきたいと思っております。
河村(た)委員 はい、わかりました。では、そういうことで、この小学校の問題は終わりたいと思います。
 ぜひ私は、せっかく残すんだから、それを博物館とかそういうものじゃなくて、やはり教育施設として使うようにこれはぜひ、どうですか大臣、もう一言。言えぬですか。そっちの方がいいというふうに一遍言ってくださいよ。どうですか。
遠山国務大臣 やはりこれは、それぞれの建物の耐震性でありますとか、とにかく安全でなくてはいけませんし、そういったことを総合的に判断して、そういう方向というのも十分考えていくべきだと考えます。
河村(た)委員 大分実は踏み込みましたね、そういう方向も考えていくべきだと言いましたので。
 ぜひこれは、本当に時代が変わっていく、やはりこういう現場というか、一つ一つの地域というか、そういうところから全体的な流れが出てきますので、豊郷町の皆さんの、住民の、本当に住民パワー、住民パワーが時代を大きく変えていく一歩になるだろうと思います。
 では、文部大臣、結構でございます。
 次は、住基ネット問題について、総務大臣に。
 私、ずっと本当に、これはもうこういうものを廃止しろというのはライフワークでございます。まことに情けない。本当は自民党がこれを言わないかぬ。自由を愛する党がなぜこんなものに賛成するんだと。本当に情けない。
 ところで、岩代町というところで、十二月に九千六百人分のデータが盗まれてしまったという事件がございましたね。このときにどういうふうに御対応されたかということをちょっとお聞かせ願えますか。
片山国務大臣 今委員言われましたように、岩代町というんですね、岩代町というところで、住民基本台帳は今みんな各市町村、コンピューター処理ですからね、その本来のコンピューター処理するバックアップのデータが、委託業者のやや不注意で盗まれたわけで、住基ネットそのもののデータじゃないんですよ。
 これは、御承知のように、基本台帳の中の四情報だけ抜き出してコミュニケーションサーバーに入れるわけで、それが住基ネットの方のデータなんですよ。だから、そういう意味では、正確に言うと、もとの住民基本台帳そのものを処理しているバックデータが盗まれた、こういうことですけれども、我々も事態をつかみまして、直ちに県と相談をして、いろいろな対応をとりましたし、全国にもそれは注意いたしました。
 ただ、恐らく、一日ぐらい連絡がおくれたんじゃないかということを河村委員は言いたいと思いますけれども、もともとは自分のところだけでやるものだから、そういうことの事情もぜひ御理解を賜りたいと思います。
河村(た)委員 よっぽど本人に罪の意識はあると思いますけれども、では、どういうふうに、盗まれたのがいつで、あなたから副大臣までどういう順、何時にどう知ったということを言ってくださいよ。
片山国務大臣 それは、もう一カ月ぐらい前の話ですから細かく覚えておりませんし、それは、いろいろ出しますよ、どういうことをやったかというのは。全国的に通知も出し、福島県にも通知を出し、また、それに係る関係の都道府県協議会とも協議し、私どもの方の本部でもいろいろな対応をしておりますから、どういうことをしたか全部出しますけれども、これは二十六日、二十七日、二十八日の年末ということもありまして、しかし、それにしては早急に対応いたしました。
河村(た)委員 何かわけのわからぬことを言っておるけれども、事件が起きて、それを総務省がわかったのはいつですか。だれが、いつわかったんですか。
片山国務大臣 二十六日に事件が起こりまして、二十八日に正式な通知があった。一部テレビや新聞に流れましたね。それに相前後して当方にも情報が入りまして、すぐ対応をとった。こういうことでございますけれども、若干おくれたということは、これは率直に認めざるを得ない、町の方の。
河村(た)委員 情報が入ったって、どなたから聞いたんですか。
片山国務大臣 私は担当の課長から連絡を受けました。
河村(た)委員 担当の課長はだれから聞いたんですか。
片山国務大臣 それは、恐らく県なり町からだと私は思いますけれども。
河村(た)委員 私は思いますというのはどういうことですか、それは。これは新聞記者から聞いたんじゃないのか。
片山国務大臣 もともと住基ネットは、これは全地方団体の共同のネットワークシステムなんですよ。これの管理の責任も、都道府県、市町村の全体の共同体でやっているんですよ。我々は、制度をつくっていろいろなサポートをする立場なんですよ。そういうことでの連絡はあったと思いますよ。
河村(た)委員 冗談じゃないよ、法律をつくっておいて。そんな、法律つくったのはあなたじゃないか。冗談じゃないですよ。
 課長、だれから聞いたんだよ。課長のところへどうやって情報が入ったんだよ。いいですか、全住民票のデータが盗まれたわけですよ、九千六百人分。本籍地とか全部入っておるわけですよ、それは。だれから聞いたんだよ。
片山国務大臣 いや、だれから聞いたか、それほど重要な問題と思いませんけれども、それはしかるべき人から聞いていると思いますが、いずれにせよ、これは住民基本台帳ネットワークそのものじゃなくて、もとの住民基本台帳のバックデータで、しかも全部暗号化しておりますから、しかも四日後にはそれを取り返しておりますから、その点、一切情報の漏えいはない。また岩代町は、全町民のところに回りまして、住民コードの変更を希望するものは全部直しておりますから、そういう対応をしっかりとっております。
河村(た)委員 だれから聞いたかを答えてください。あなたは答える義務があるから、国会において。
片山国務大臣 今担当の課長から聞きましたら、マスコミの取材があって、すぐ県に連絡して、こういうことのようであります。(河村(た)委員「マスコミ」と呼ぶ)マスコミの取材があったので、すぐ福島県に連絡をしてと。
河村(た)委員 マスコミから聞いたということですね、マスコミから。
藤井委員長 片山総務大臣。
 お互いにもうちょっと落ちついてやってください。
片山国務大臣 そのとおりであります。
河村(た)委員 最低だよ、これは悪いけれども。悪いけれども、全国民のデータが入っているやつですよ。これは、この町ですけれども。それぞれの……(発言する者あり)当たり前だ、そんなことは。
 各市町村のそれぞれに……
藤井委員長 河村委員、片山総務大臣、双方冷静に、そして、中身のある議論をしていただきたいと国民も期待しておりますから、落ちついて、質疑するときはしっかりと委員長の指名を、また答弁するときは委員長の指名を得てから、質問並びに答弁をしていただきたいと思います。
 河村たかし君。
河村(た)委員 とにかく、住民票の全データが盗まれて、それが、何と総務省に連絡がなかったということですよ。どうするつもりなんですか。やめたらどうなんだ、こんなの。当たり前じゃないですか。どうするつもりなんだ、こんな状況で。
片山国務大臣 何度も言いますけれども、既に河村委員御承知のように、これは国のネットワークでも何でもないんですよ。全地方団体共同のネットワークでございまして、責任の主体も仕組みもそこでできているわけで、我々は、先ほど言いましたが、制度をつくる、あるいはいろいろなサポートはする、こういうことでございます。
 しかも、今度のデータは住民基本台帳ネットワークそのものにかかわるデータではない。もともと本来の町だけのバックアップデータで、今言いましたように、しかも、暗号化して、三、四日後には返ってきておりまして、しかも、その後の対応は、町の責任で万全の対応をしておりますし、それについての注意は、全地方団体がつくっている協議会あるいは私どもの方の本部その他で対応しておりますし、通知その他も十分出しておりますから、その点はぜひ御理解を賜りたいと思います。
河村(た)委員 じゃ、順番にどうなったか正確に言ってくださいよ。まず町はどうして、県はどうしてということですよ。
片山国務大臣 それは、委員から通告があれば、しっかり調べて、一覧表でも出してお示ししますけれども……(河村(た)委員「言ってありますよ、この質問をするということは」と呼ぶ)いや、それは、県として、日付からどういうことをやったまで、それはちゃんと後で資料で出しますよ。しかし、しっかりやったということを今私は言っているので、しかも数日間で直ちに対応して、それは、だから資料で出しますよ。
河村(た)委員 これ、やっぱり今すぐ出してくださいよ、それじゃ。それまで待ちましょう。こんなの、きのう言ってありますよ、この質問するいうて。こんな町民の全データが突然なくなったやつを、マスコミに、二日後ですよ、聞いて初めてわかったような、こんなことで監督省庁になるわけないじゃないですか。私、質問やめますよ、これ。
藤井委員長 河村委員に申し上げます。
 あなたの質問の意を体してない答弁だという気持ちはわかりますけれども、この程度のことで……(発言する者あり)このことで質問をやめるということはだめです。
 もう一度答弁させますから。もう一度答弁させますから。
 片山総務大臣。
片山国務大臣 それじゃ、説明いたします。
 十二月二十六日、午後二時ごろ、委託業者にかぎをかけたジュラルミンケースを町は渡しております。これは委託業者ですからね。午後六時二十分ごろ、福島市中町内で委託業者が数分間運送車両のライトバンから離れて戻った際に、助手席後ろ側の窓ガラスが割られ、車に積んであった岩代町役場のシールが張られたジュラルミンケースが、車上荒らしに遭い、盗まれたことを発見。同日、午後六時三十分ごろに福島警察署に業者が通報。七時ごろに業者から盗難のあったことの報告が町に入り、直ちに町三役、関係課長に緊急連絡、対策体制をしいた。
 翌二十七日八時半、町関係者の対策の打ち合わせに入る。十時に業者から盗難の事情聴取を行う。十一時ごろ県市町村課に盗難の報告をする。午後一時三十分、二本松警察署に出向き盗難の対応について協議する。午後二時三十分、県市町村課に出向き報告、今後の対応の指導を受ける。午後三時十分、福島警察署に行き、捜査状況を伺う。午後四時二十分、役場において議長、副議長に経過説明を行う。
 翌十二月二十八日午後二時、緊急課長等会議を開き、盗難の状況報告を行う。町長、町民の住民票コードを変更することを決断。午後四時、議会議員へ経過説明を行う。午後五時、記者会見、事件発生の経過説明と再付番することの説明を行う。午後七時半、町長が防災無線により全世帯へ経過等説明。
 二十九日午後二時、緊急課長会議を開き、三十日、三十一日の二日間にわたって全職員を動員し、住民票コードの変更手続のため全世帯を訪問することとする。午後三時四十分、地方自治情報センターから住民票空きコードを郡山駅において受領する。(発言する者あり)やめましょうか。十二月三十日……。
河村(た)委員 県と国のところを聞きたいんです。県にいつ報告があって、県はどうしたかということです。――ちょっととめてちょうだい。あとまだ……。
片山国務大臣 今申し上げましたのは、町の対応ですね。それで、二十七日に町は県にすぐ連絡をして、県ともその対応の協議に入っておりますし、二十八日に県、町から私どもの担当のところに連絡が入って、そこでいろいろ対応を協議している、それに従っていろいろなことをやった、こういうわけであります。
河村(た)委員 とにかく、ちょっと先もやらにゃいかぬのであれですけれども。全然ここの危機対応が何にもないわけだね。要するに、どうしたらいいかとか、何もないわけだ。そうですね、マニュアルも何もなかったと。
片山国務大臣 これは、全関係地方団体でいろいろな基準をつくっておりまして、それから緊急時対応計画というものをつくっておりまして、それに従って町なり県は対応した、こういうふうに聞いておりまして、私どもの方は、省の中にこういうことが起こったときの本部をつくっておりまして、副大臣を本部長に。そこでもいろいろ協議して、通達だとか連絡だとかいろいろなことをやった、こういうことでございます。
 これについては、そういうことを言うとまたいろいろ御意見あると思いますけれども、このジュラルミンの、入れたものは、その後すぐ発見されまして、川べりに放置されておったんですね。それから、それ以降、特にトラブルが起こるとか支障があるとかということは、全く私どもは聞いておりません。
河村(た)委員 これは、だからこういう危機管理対応が全くなっていないということを指摘しておきます。
 それから、またもう一つ、総務省のうそについて言いますけれども。
 もう一つ資料をおつけ申し上げました。これは、兵庫県のいわゆる住基ネットワークシステムの活用についてという、これは審議会の資料なんですね。ここにありますけれども、右側のところにありますように、要するに、いよいよ税にも使うようになったということですわ。塩川さん、これはいかぬのだね、こういうことは。
 ここにいろいろ書いて、もうあれですけれども、四角に囲ってあるところを途中から読みますけれども、「住民基本台帳ネットワークシステムの利用を進めていくことが望まれる。 県税務課の調査によれば、自動車税納税義務者の転出先は、県内が約八五%、県外が約一五%であり、県内転出者について本人確認情報を利用することは十分な効果があると考えられる。」
 こういうことで、早々に税に利用することになったんだけれども、これは、条例でやることは違反じゃありませんね、大臣。
片山国務大臣 兵庫県が現在検討しておりまして、兵庫県の中のそういう関係の審議会の意見を聞いたり、あるいは住民の意見も聞くようですよね。
 結局、こういうことなんですよね。住所確認をやるために住基ネットに県として照会したい、こういうことでございまして、法律にちゃんと根拠があって、例えば県なんかが県の事務を条例に基づいてやりたいということの場合には、それは追加できる、こういうことでございまして、これは兵庫県の場合なら、兵庫県の議会で十分県民の代表で議論していただいて結論を得ていくということです。
河村(た)委員 ということは、税務署にこの住基データをつなぐということは、きちっと条例で定めればオーケーということですね。はっきり答えてください。
片山国務大臣 これは県税の話ですよ、兵庫県税の。税務署は関係ありません。(河村(た)委員「いや違う、県税事務所なんです」と呼ぶ)仕組みはこれからなんだから。
 だから、実際、住所確認をどういう形でやるかというのは、まず大きな意思を決定して、細かいシステムややり方についてはそれから関係者で議論していくわけですから。
河村(た)委員 こういうことで、これは条例で定まればできるということですね。
 だから、初めから、このネットワークは住所、氏名、生年月日、性別、それから番号、付随情報、それだけだと言っておったでしょう、自民党の皆さん。そんなもの、初めからどれだけでも広げられることはわかっていたじゃないですか、これは。そんなのうそじゃないのか。はっきりなぜ本当のことを言わなかったんだよ。背番号そのものだよ。簡単にもうこんなことが始まっているわけだよ。いいですか、うそじゃないのか、初めから言っておったことが。
片山国務大臣 住基ネットの利用は、法律に基づく事務について、法律に基づくことしかやれないんですよ。だから、法律で、今九十三ですか、今度追加しますけれども、二百六十幾らになりますが、それについてだけの本人確認をやるんですよ、氏名や性別や住所のですよ。それを都道府県や市町村の場合に、それぞれ本来の仕事について、特別に議会が承認する条例でやりたいというものについては認めるという制度になっているんです。それは国会で御了承を得ているんですよ。(河村(た)委員「できるじゃないの」と呼ぶ)だから、その範囲ではできるということ、それぞれの県や市町村の。しかしそれは法律で認めている、いわばセービングクローズですから。(河村(た)委員「言わなかったからみんな誤解しているんだよ」と呼ぶ)いやいや、言っていますよ。それは皆さんの方の質問もあったし。
河村(た)委員 何を言っているんですか。条文の中に入っておったかどうか知りませんけれども、まさか条例でどんどん、カードについては割と皆さんわかっていた人はいる、カードの中の記載事項については。しかし、こうやってつなぐ事務を条例でどんどん広げられるなんということをわかっておった人は少ない。これはどうだな、自民党の皆さん。
片山国務大臣 国が法律で決めたものは認めると。地方団体が条例、これはいわば地域立法なんですよ、これを一切認めないということは、今のこの地方分権や何かの時代に、いかがですか。しかも、これは本人確認だけで、兵庫県の場合には住所の確認をしたいということで、四情報なんですよ、兵庫県が仮に利用する場合にも。それは私は、国と地方団体の関係、公の仕事をやる、しかも条例でしっかり議会が承認して認める、これは地方団体について認めるというのが、現在の地方分権や地方自治の尊重からいっても当然のことじゃないですか。
河村(た)委員 そうなると、例えば都道府県警察に、まあ警察のいろいろな事情があるでしょう、それで、条例で定めて提供することはいいわけですね、県議会がオーケーすれば。
片山国務大臣 国の場合には、委員御承知のように、今の法律で決めた事務については、一切警察は外しております。
 それじゃ、地方団体の場合に、明示的に一切外れるか、これは議論があるかもしれませんが、それは恐らく都道府県、市町村で、市町村は関係ありません、警察の仕事があるのは都道府県でありますから。都道府県でそういうことはしない、こういうふうに思っております。
河村(た)委員 はっきり、できるかできないかを答えてください。
片山国務大臣 明らかに排除しているとは法律上は解釈できないと思いますけれども、明らかに排除しているということは、法律上今の規定の仕方では言えないと思いますけれども……(河村(た)委員「できると言ってください」と呼ぶ)いやいや、だから、それは慎重に、法律の趣旨や法律全体のあり方、システムのあり方を考えて判断されるべきものだ、慎重に判断されるべきものだと考えております。
藤井委員長 ちょっとお待ちください。
 河村委員も大臣も、先ほども申し上げましたように、委員長が指名してから、質問、そして答弁、これをきちっと守るようにいま一度注意をいたしておきます。
 河村君。
河村(た)委員 大臣、あなたは法律の主管者ですから、そんな、期待しておるとかしておらぬじゃない、はっきりした有権解釈を示さにゃいかぬ。はっきり示してくださいよ、できるのかできぬのか。
片山国務大臣 先ほども同じ答弁をさせていただきましたが、法律上排除はしていないと思いますけれども、しかしそれは、実際は慎重にやってもらうべきものだとこう思っております。(発言する者あり)
藤井委員長 片山総務大臣。(河村(た)委員「あなたは行政庁の長だろう」と呼ぶ)お静かに願います。
片山国務大臣 住民基本台帳法の規定からいって、できないとは言えないと思いますけれども、それは、法律全体の趣旨、現在の考え方を考えて、慎重に運用上は行うべきものだと考えております。(河村(た)委員「だめだよ、やはり」と呼ぶ)私の答弁は一つもおかしくないと思いますよ。
藤井委員長 河村たかし君。河村たかし君。(河村(た)委員「いや、できません。そんな、議会の機能を果たさないじゃないか、これ。だめだ、委員長。だめですよ、きちっと解釈していただかなきゃ」と呼び、その他発言する者あり)
 じゃ、速記をとめて。
    〔速記中止〕
藤井委員長 速記を起こしてください。
 片山総務大臣。
片山国務大臣 住民基本台帳法の解釈として、法律上は可能でございますけれども、実際の運用に当たっては、各都道府県議会で慎重な御検討、御審議を要するものだと考えております。
河村(た)委員 よし、わかりました。ここで大変なことがわかった。条例で決めれば、やはり警察が使えるんだ。それはわかりました。ぜひ報道の皆さんも全国民に正確に伝えてください、ということでございます。
 また、あとの問題は、その後やります。
 それでは、次になりまして、実は警視庁に……(パネルを示す)ここに、ちょっとこれが半分に切りましたからわかりにくいですけれども、まずこっち行きましょうか。下と分けました。
 警視庁に情報公開室があります。後でこちらに見せますけれども。情報公開室というところに、監視カメラ。これ、やはり二つ見ぬとわからぬけれども、私がおるものとありますけれども、これは私ですよ、そして、ここにこういう監視カメラがついております。このことについてお伺いしたい。こちらに見せますけれどもね。(発言する者あり)私、行きましたよ。きのうも行きましたし、去年の夏も行きました。
 これは、要は、去年大変な問題になりました防衛庁のいわゆる情報公開室の、情報を集めていたというので大問題になりましたね、それよりひどいのではないかと私は思っております。
 まず、この設置目的はどういうものでございましょうか。
谷垣国務大臣 これは、本来からいいますと警視庁、東京都の、いわゆる都道府県警の問題、庁舎管理権の問題でもありますので、国家公安委員長である私がどこまでお答えをするのが適当なのかという問題もあるんですが、御懇意をいただいている河村先生の御質問ですから。
 これはやはり、警察が扱っている問題はテロや防犯というものがございます。やはり、我々は防犯ということも強く言う立場にございます。したがいまして、庁舎を管理するに当たっても、万が一我々のところがテロにやられるとか、あるいは防犯上問題が起こるということは大変ゆゆしきことでございますから、こういうものを設置しているというふうに理解しております。
 そこで、河村先生、去年も行っていただいたし、ことしも、ついきのうですかも行っていただいたので、構造はよく御存じ、私はまだ、実は警視庁のそこまで行く機会がございませんので、構造等についてさらにお問いかけがあれば、また政府参考人から答弁をさせたいと思います。
河村(た)委員 防犯と言いますけれども、この部屋に行くまでどういうステップで行くか。これは参考人で結構でございます。
吉村政府参考人 設置の趣旨等については、大臣から御答弁あったとおりでありますが、警視庁に訪問する人につきましては、警視庁の受付で氏名、住所を伺いまして、用務先を確認の上、その担当者が迎えに来て初めて中に入れるということでありますが、情報公開センターは別途のところに設置をしてあります。普通の受付より十メートル離れたところに設置をしてございますから、警備の警察官に受付に行ってくださいと言われましても、ストレートに情報公開センターに行かれる人もいらっしゃるわけです。したがいまして、そこで防犯カメラを設置しておく必要性があるということでございます。
河村(た)委員 皆さん行かれるといいんですけれども、まずいわゆる門があるんですよ、警視庁へ入っていく門が。そこにまずちゃんと屈強の警察官がおります。これは国会寄りのところには、そこにもカメラが既についております。こっちのところはこっちのところで、さくがあります。警察が見張っております。そこで話をして、また中へ入っていって、そこでさらに中へ入っていくんです。そこに窓口があって、そこにまたカメラがついているんですよ、そこにさらに監視カメラが。そういうことです。そこからもう一回入ってくるんです。
 何が防犯上だというんですよ、これが。防犯なら、こんなことをやらずにもっとボディーチェックやったりしたら、そっちの方がよっぽど効果がある。もっとやらなあかんところが幾らでもある。そうじゃないんですよ。このカメラは、ズームアップができるカメラなんだよ。ズームアップができるカメラ。
 その隣の部屋がある。ビデオで録画している。防犯上だったらビデオ録画要るのかね。そこに何人いますか。じゃ、隣の部屋に何人おりますか。
吉村政府参考人 いずれにしましても、警視庁に見える方でありますから、総合的な窓口でまずそこを、用務を承る、氏名等も承るということでありますが、そこにおいでにならずに情報公開センターに直接行かれる方もいらっしゃるという前提でお話を申し上げております。
 ただいまお話がありましたが、毎日、録画したテープを取り出しております。取り出しまして、施錠されたロッカーに保管をしておりまして、翌日になりましたらその前日録画したビデオテープを入れますので、いわば上書き録画することになります。したがって、その時点で前日の映像は消去をされるということであります。ということでありますから、少なくとも一日弱はそれはテープはあります。それはしかし、防犯上の観点から必要なことと考えております。
 ちなみに、今、ズームということもございましたが、ズームアップ機能のついたカメラがございますが、この機能は現在使用はしておりません。
 それから、隣の部屋には文書課員の情報公開センターに携わっている人間が二十四名おります。二十四名おりますが、これは各種のそれぞれの事務に携わっているところでございます。
河村(た)委員 各種の事務というのは、それは何ですかね。どういう事務ですか。
吉村政府参考人 警視庁の情報公開センターは警視庁における情報公開に関する事務を行っておりますので、情報公開に係る各種の受け付け事務、それから開示請求に係る公文書について非開示情報になるのかどうかの該当性の判断の検討、それから、警視庁におきましては、そこの情報公開センターの窓口だけ、一カ所だけが窓口ではございませんで、都下百一警察署すべてが窓口になっておりますから、その百一警察署の担当の係員に対する指導の問題、教育の問題、あるいは、広く情報公開制度の調査研究、東京都情報公開審査会への諮問等に関する事務を行っているところであります。
河村(た)委員 平成十三年度に受け付けた情報公開の件数はどれだけでしたか。
吉村政府参考人 平成十四年一年間で三百三十五件であります。
河村(た)委員 皆さん、ちょっと資料を見てくれますか。情報公開室の職員の人数と受け付けた件数とあります。これを見ていただきますと、一番多いのが厚生労働省、平成十三年度受け付けた件数が二千九百六件、情報公開室職員の人数十三名。
 今の警視庁は、受け付けた件数が、これは書いていないといかぬけれども、三百三十五件で、警視庁二十四人です。何をやっておるかということですね、この問題は。これは物すごい数ですよ。もう一回言いましょうか。三百三十五件で二十四人ですよ。すごい数じゃないか。
 それから、このビデオを撮っているわけね。官房長かな、ビデオを撮っておって、毎日消していると。あきの、要するに空のビデオはそこに何本ありますか。
吉村政府参考人 警視庁の情報公開センターは平成十三年の十月にオープンをしておりますが、その時点でビデオテープを百三十二本購入しております。一日で三本、実はビデオテープは使います。百三十二本購入しておりますが、現在未使用の在庫は八十四本ございます。
 既に、今申し上げましたように、毎日かえるわけですけれども、劣化がだんだん始まりますので、一カ月たちますとこのビデオテープを破砕して全部廃棄をいたします。その処分をしたのが、百三十二本のうちに四十二本ございます。現在一月でありますが、三本、まだこれは一カ月分ということで使用しておりますから、使用中が三本、それから現在保管しているのが三本あります。
 これは、なぜ保管しているかといいますと、当該録画テープ自体に対しまして、警視庁に対して開示請求がなされました。したがいまして、これは保管する必要がありますので、三本あります。全部合計して百三十二本であります。
河村(た)委員 要するに、一日に三本を使って、これは一カ月に三本要るわけです。ということは、一カ月に三本要るということは、一年間三十六本ということは、三年分か四年分ですね。三年分か四年分のいわゆる空ビデオを持っているということなんです、これ。そういうことですね。
吉村政府参考人 平成十三年の十月にオープンをしましたときに百三十二本購入しておるのは、これは警視庁の必要性に基づいて購入をしたわけでありまして、一カ月三本ずつ少なくなっていくということでありますから、今申し上げたとおり、全くまだ使用していないのも八十四本ございますし、きちんと処理をされているのではないかと思いますが。
河村(た)委員 何が言いたいかというと、要するに三年分ものビデオを持っておるということは、はっきり言って必ずダビングしておるんですよ、これを。そういうことなんです。まず、撮るということだけでもいかぬのだぜ、言っておきますが。なぜかといったら、情報公開制度というのは、やはりパブリックサーバントというか、公務員というのはやはり国民を大事にしようということで、皆さんに情報を出そうということでできたんじゃないですか。その情報公開請求へ行ったら、何ですか、こんなカメラで撮って。これはまずどういう意味があるんだ。
 まず、カメラの設置がおかしいです。それから、一日分でも撮るという必要が、これはどういう意味があるんだ。それプラス、三年分の空テープがある。大体、予算の余分なことをやって何をやっているんだ、一体これは。では、他の都道府県はこういうことをやっているの。
吉村政府参考人 先ほど大臣が御答弁されたとおりでありますが、警視庁という庁舎でございますから、万一の不測の事態があってはならないということが、まずございます。かつ、ただいまずっと御説明を申し上げておりますように、窓口利用者を決して監視するようなものではございませんし、一日たったら完全に消去をしているということで、御理解をいただきたいと思います。
 ほかの県につきましては、これはそういうセンターが庁舎の全く中に設置されているケースと、いろいろ建物の状況で差があると思いますが、結論としましては、情報公開の部屋にこのような形でのカメラは、ほかの県ではございません。
河村(た)委員 ほかにないんですよ、これ。ということは、防犯上問題ないのかね。どうですか、国家公安委員長。では、反対に指導したらどうですか、防犯上と言うんだったら。
谷垣国務大臣 もちろん、我々は情報公開の趣旨は十分に体して尊重しなきゃならないと思います。しかし、他方、我々は治安を維持する機関であり、防犯をきちっとやる機関であり、同時にテロに対応もしなければならない機関であります。そして、各都道府県それぞれいろいろな任務を持っていると思いますが、警視庁はやはり首都の警察でございます。それで、私は、先ほど申しましたように、これは国家公安委員会の権限がどこまで及ぶかという問題もありますが、私は、これは東京都の施設である警視庁の庁舎管理権、そういう問題で適切に管理されていることではないかと思います。
河村(た)委員 防犯、防犯と言いますけれども、一般的に防犯といったら、銀行の方が危ないですよ、銀行の方が。それと、そこではみんな柔道か剣道をやっておるんでしょう。私、行きましたけれども。そうでしょう。そんなの、はっきり言ってうそじゃないのか、防犯カメラというのは。監視カメラじゃないのかね、これ。どうしても信じられない。なぜそこに二十何人もいるんです。それから、空ビデオが三年分もあると。悪いけれども、やはり権力というのはこういうものなんだよね、権力というのは。
 公安委員長、これは特にあれですよ、公安委員会というのはなぜできたかといったら、こういうことでしょう。民間のコントロールを警察権に及ぼすということでしょう。あなたは警察の代表ではいかぬのですよ。国民の代表でないといかぬのですよ、国家公安委員長というのは。そのためにできた。
 どう思いますか。情報公開に行って、このカメラが目の前で見ておるのですよ。これは私は見ましたから。奥でビデオで撮っておるのですよ。そこに二十人もおるんですよ。情報公開請求、一日一個しか来ないのに二十人も。これを信じろと言うの、これで、防犯カメラだというて。
谷垣国務大臣 先ほど河村委員は、危ないといえば銀行の方が危ない、金融機関の方が危ないとおっしゃいました。財産犯だけに考えれば、私はそうだと思います。しかし、テロとかいろいろな問題がございますね。金融機関の方が守るべきかどうかとか、いろいろございます。いろいろございますが、警察は、やはり治安を守る元締めとしてそれなりの対応を持つのも、私は警察の責務だと思います。
 公安委員会は、今、河村委員のおっしゃるように、警察官僚、制服だけではなくて、そこに市民の感覚を入れる、自衛隊に例えれば、いわゆるシビリアンコントロールみたいな役割を担っているところでございますけれども、そういう公安委員でいろいろ、東京はもちろん東京都の公安委員会がございます。そこでもいろいろ適切な御議論をいただいていると思いますが、そういう観点からも、やはり治安、テロ、こういうものに対しては相応の警戒体制をとらなきゃいけないという御認識であるというふうに思います。
河村(た)委員 まず、しかし、やはりそれはがっくりですよね、公安委員長としては。
 監視カメラだったらこういうのもあるんですよ、この中にあるやつ。これはズームがある据え置き型のやつですよ。わざわざあるんですよ、もう一つダブルで。これはズームできるんですよ。これは防犯上だと言えるわけですか。本当に防犯上だと言えるの。どうですか、委員長。
 一遍、全部、委員長悪いけれども、やりとりしておってもしようがないから、この情報を本当にどういうふうに処理していて、どうしているか、これはちょっと後で報告してくださいね。
谷垣国務大臣 これは、先ほど官房長からも御説明申し上げましたけれども、管理規則といいましたか、つくって、きちっと対応しているというふうに報告を受けております。
河村(た)委員 その管理運用マニュアルというのは実は私が行ってからできたんですよ、去年の夏に。きのう、また再度行きましたけれども。防犯カメラ作動中ほかのマニュアルをつくった。私が行くまで何もなかったんです。それで、きのうそれの写真を撮らせてくれと言うたら、いかぬと言われたよ、防犯カメラというのは。
 だから、もう一回谷垣さん、これはぜひ公安委員会として、やはり情報公開制度の趣旨にもとるんだよ、これ実は。これがなぜビデオを撮っていて、本当にどうなっているのか。なぜそこに二十人もいるのか。それを全部今度資料を出してください。
谷垣国務大臣 確かに、今河村委員おっしゃったように、河村委員の御注意があって、なるほど運用等も、今までもきちっとやっていたと思いますが、外から見た場合もわかるようにしようということで、よい御提案をいただいたときは直ちに受け入れてやったわけでございます。
 ただ、これは、私は国家公安委員長でございますから、警察庁の管理というのは私の責務でございますけれども、同時に、東京都の警視庁ということになりますと、これはやはり東京都の公安委員会の主たる職務でございます。(河村(た)委員「指導してください」と呼ぶ)指導って、これはなかなか、やはり都道府県警察というのはいろいろな問題がございますから、一義的に東京都公安委員会で管理しておられることを私どもが全部申し上げるというわけにはいきません。
 それで、私どもも、十分情報公開法の趣旨をかんがみて、今後とも、警察の情報公開が適切に行われるかどうか、それはもちろん管理をしてまいりますけれども、今ここでは、適切に運用されていると考えているというふうに御答弁を申し上げたいと思います。
河村(た)委員 いや、それは資料が出せないはないですよ。
 それと、すぐ地方分権が出てきますけれども、では、都道府県警察の本部長に何人警察庁から行っているんだよ。ほとんど警察庁ですよ。全部キャリアですよ。そういうことをやっておいて、突然都道府県警察だって、それはもう聞きませんよ。これは谷垣さん、そのくらいはちゃんと調べて報告しますと言ってくださいよ。それはそうですよ。これは民主的コントロールにもとりますよ。
谷垣国務大臣 国の警察庁と都道府県警察の関係、国家公安委員会と都道府県公安委員会の関係については、これは昔つくられた制度でございますから、時代の移り変わりによっていろいろ議論しなければならないことは私はあると思います。
 例えば、こういうふうにインターネットが発達してまいりますと、サイバーテロみたいなものに対する対応は果たして都道府県警察というようなことだけで対応できるのかといったことを初め、この警察の組織のあり方に関してはいろいろございますけれども、しかし、現在の段階で、国の警察庁と都道府県警察の関係、国の国家公安委員会と都道府県公安委員会の関係、それはやはり一線というものがございます。
河村(た)委員 いや、これは本当に疑惑が深まった、悪いけれども。やはり最低でも、これがどういうふうに運用されているかということを報告が出せないなんて、これは本当に。どうしましょうか、これは。これは国の全体的な問題もありますし、情報公開法という国の法律だから、それに基づいてみんながいろいろやりかけたもの、それに全く弓を引くような、こんなことが行われておって、その内容を報告できないというんだから、最高責任者が。どうしましょう。
谷垣国務大臣 情報公開法に関連しますのは国の機関なんですね。それで、東京都の警視庁の場合には、東京都の情報公開条例に基づいて仕事を行っている、これが原則でございます。
河村(た)委員 しかし、それはおかしいと思いますよ。やはり、少なくとも国家公安委員長、民主的コントロールを警察権に及ぼすリーダーが、それは警視庁は違います、知りません、これはないですよ。これは全くおかしいじゃないですか、どう考えたって。
 それじゃ、総務大臣に聞こうか。総務大臣、どうですか、これは。
片山国務大臣 河村委員も、河村委員が属する政党の皆さんも大変地方分権には昔から御理解があるな、私はこう思っておったんですよ。
 今の情報公開は国なんですよ、国の機関なんですよ。地方団体は情報公開条例なんですよ。そこはぜひお考えいただきたいし、条例というのは国の法律と同じなんですよ。ただ地域的な限界がありますけれども、効力は法律なんですよ。だから、法律でどう決めるかということはそれぞれの地方団体が、住基ネットについても同じなんですよ。国は警察的な業務は外していますよ、国の法律で。だから、地方は条例で場合によっては外せばいいので、そこが地方分権なので、何でも国の枠にはめて国の言うとおりにしよう、これは地方分権じゃありませんよ。
 だから、警視庁については、情報公開条例に基づいて、警視庁としてはそういう判断をし、それを東京都議会が認めているんですから、どうぞ、御党の東京都議会の中で大いに議論していただいたらいいと思います。
河村(た)委員 では、これは聖域ですか。あなたは何も自分でつくった法律について、条例で定むとまでつくったんでしょう、法律で。そうでしょう。それならそれで、それはどうだと言ったらどうですか。あくまでおかしいことはわかっているんだから、二十人もいるとか、今のいろいろな客観的情勢が。何にも言えぬで、それはおかしい、これは職務放棄じゃないのか。
片山国務大臣 いやいや、国と地方は今は対等、並列の関係なんですよ。だから、それは指導をしたり助言するということはありますし、地方の方からいろいろな意見を言うこともありますので、それはそういう立場で我々はやりますよ。しかし、一律に国の立場を押しつけるとかというようなことは、これはなかなか、私は地方分権推進の意味から慎むべきだと考えております。
河村(た)委員 またこれはさらにやりますけれども、まことにこれはおかしい。本当におかしい。これは地方分権で済まされぬ、警視庁の中でこんなことが行われておるというのは。だから、ひとつ今度は、次のチャンスにまたとっておきます。これは、こんな状況の中で、その状況がどうなっておるか報告できぬというのは恐ろしいことですよ、公安委員会として。そういうふうに申し上げておきます。
 あと、時間がありませんので、国税の問題を一つ聞きます。
 国税庁、国税OBで、いわゆる顧問税理士としてあっせんをしているということを去年指摘しまして、これは非常にいかぬことだ。特に札幌国税局長の方の事件が出ましたけれども、税務署が脱税して一体どうするのかということですね。ことしはどうなりましたか、このあっせん制度は。
福田政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十四年七月、去年の夏退職した者に対する顧問先あっせんについて申し上げますと、あっせんした職員数は三百三十三名、一人当たりの平均あっせん企業等の数は十二・七件、一人当たりの平均月額報酬等の額は七十七万二千円となっております。
 なお、従来の顧問先あっせんにつきましては、国家公務員法等の現行法上は問題はないと考えておりますが、問題はないとしても、押しつけではないか、あるいはそういった誤解、疑念、批判を招きかねないとの御指摘がございました。
 私ども、この御指摘を重く受けとめまして、平成十四年七月、昨年夏の退職者に対するあっせん事務以降、従来、副署長、調査管理課長等をいわば補助者として使っていたわけでございますが、このあっせん補助を廃止して、局の人事課で対応することにしたところでございます。
藤井委員長 河村君。
 最後です、最後の質問です。
河村(た)委員 年額を言ってください。これは申しわけないけれども、聞いてあるから年額を言ってくださいよ。
福田政府参考人 お答え申し上げます。
 今申し上げました金額と人数を掛けて年換算いたしますと、約三十億八千五百万円弱になろうかと存じます。
藤井委員長 河村君、時間がもう来ております。
河村(た)委員 いやいや、最後、最後。
 ここにちょっと出しますけれども、要するに、去年聞いたのは三十三億。去年三十三億でした。また同じように三十億ということでございますので、ぜひ、自由経済を守る立場から、これは速やかに廃止していただくように、また次の機会にやりますから、お願いします。
 終わります。
藤井委員長 これにて河村君の質疑は終了いたしました。
 次に、樋高剛君。
樋高委員 自由党の樋高剛でございます。きょうも質疑の時間をいただきまして、ありがとうございました。
 まず、政治改革、政治とお金をめぐる問題、今大変クローズアップされていると思いますけれども、このことから入っていきたいと思います。
 政治改革が叫ばれまして大変久しくなるわけですけれども、自民党の長崎県連の事件にも象徴されるように、政官業の癒着体質は全く変わっていない、全くそのままであるというふうに思います。
 公職選挙法第百九十九条第一項でありますけれども、つまり特定の寄附の禁止においては、衆議院選挙及び参議院選挙に関しては、国と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は当該選挙に寄附をしてはならないというふうに明記をされております。また、同じく公職選挙法第二百条では、第百九十九条に規定する者から何人も寄附を受けてはならないとあります。要するに、国政選挙に出る者は、国から公共事業などを受注している業者からの選挙活動に関する献金は一切禁止をする、つまり献金をする側も法律違反、受け取る側も法律違反であるということであります。
 そこで、元旦、朝日新聞の一面に大きく報道されておりましたけれども、農水大臣、環境大臣そして総務大臣、各大臣に対する献金は公職選挙法第百九十九条第一項に違反した疑いがあるというふうに報道されております。法律にあたかものっとって表面上は処理されているようでありますけれども、明らかに選挙に関しての献金であり、実質上は選挙活動に使用しつつも帳簿上でうまくごまかしているのではないかという疑いが持たれているわけであります。
 まず、片山大臣そして大島大臣、また鈴木大臣、この疑惑についてどういうふうに説明をなさるのか、私に対してではなくて、国民に対して、わかりやすく納得のいく答弁をお願いいたしたい、うそのない答弁をお願いいたしたいと思います。
片山国務大臣 元旦に朝日新聞が報道されたことは私も承知いたしております。しかし、あれは選挙に関する特定の寄附ではありませんで、政治活動に対します支部の一般的な寄附でございまして、朝日新聞がどういう書き方だったか忘れましたけれども、もし今委員が言われたような書き方なら、それは間違いであります。
大島国務大臣 午前中も答弁申し上げさせていただきました。昨年の暮れにそのことの御指摘があって初めて知ったわけでございますが、一般的な政治活動資金として受け取ったものである。また、選挙の前後に寄附がふえているとの御指摘で、あの新聞はそうでございました。当然政策の普及や組織活動等の政治活動も活発になっている時期なので、支援者が協力していただいたもの、このように思っております。
鈴木国務大臣 政党に対する寄附でありまして、その一つ一つに私が立ち会っているわけではございませんが、担当した者に確認をいたしましたが、あくまで一般的な政治活動資金として寄附をいただいて、そのとおりに処理をした、そういう報告を受けております。
樋高委員 鈴木大臣に伺いますけれども、この朝日新聞の取材に対してこのようなコメントであります。「選挙の前だったので、選挙で応援してくださるということでいろいろな団体が応援してくださった。その一環で建設会社からも寄付をいただいた」と。つまり、大臣みずから選挙という言葉を言われている。これは事実でしょうか。
鈴木国務大臣 電話での取材で、やりとりで、いろいろお話をした中の一つであると思っております。
 私の記憶では、先方からそういうお話があって、この時期ふえておりますね、そういうお話で、その時期確かに御指摘のようにふえているということは申し上げたと思いますが、あわせて、この御寄附については、これは選挙にはかかわりのない一般的な寄附であるということもそのときに明確に述べていると記憶をしております。
樋高委員 鈴木大臣のコメントの中で、「選挙で応援してくださるということで」と言ったことは事実かどうか、伺っております。もう一度お願いします。
鈴木国務大臣 選挙の時期ということでふえているということは申し上げましたけれども、選挙のための寄附ということは思ってもおりませんし、したがって、申し上げておりません。
樋高委員 では、法務大臣に伺いますけれども、公職選挙法第百九十九条第一項並びに第二百条に違反するケース、具体的にどういったことが考えられますでしょうか。
森山国務大臣 お尋ねは、一定の事実を仮定して犯罪の成否を問われるものではないかと思いますが、犯罪の成否は収集された証拠に基づいて判断されるべきことでございますので、お答えは差し控えたいと存じます。
 あくまで一般論として申し上げれば、国政選挙にありましては、公職選挙法百九十九条一項、二百四十八条は、国と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者が選挙に関し寄附をすることを禁止し、また、同法二百条、二百四十九条は、何人もこのような者に選挙に関し寄附を要求すること等を禁止しているものと承知しているわけでございます。
樋高委員 鈴木大臣、ここのコメントにもありますけれども、選挙で応援してくださるということでいろいろな団体が応援してくださるということでありますから、これは明らかに選挙に関係をしているということを大臣はおっしゃったわけですよね。だからここに書かれているんですよね。それとも朝日新聞がうそをついていますか。
鈴木国務大臣 いろいろの電話でのやりとりでございまして、私も記録をとっておりませんので正確なところはわかりませんが、あわせてそれは明確に、選挙のための献金ではなしに一般的な御寄附であるということもあわせて申し上げているわけであります。
 そういうことで、私といたしましては、それは、どういうやりとりがあったかわかりませんが、あくまでそれは選挙についての御寄附ではない、一般的な政治活動に対する御寄附である、そういうふうに認識をいたしております。
樋高委員 要するに、この「選挙に関し、」というところがポイントなんでありますけれども、さっき法務大臣がおっしゃいました、犯罪の成否は収集された証拠に基づいて判断されると。つまり、これが証拠になり得る可能性があるからただしているわけであります。
 大臣、いかがですか。ここはこのとおり、今お言葉では正確にはわからないがと言ってごまかしましたけれども、大臣、このとおり言われたんですか、言われないんですか。どちらですか。
鈴木国務大臣 私の申し上げたいことは、それはあくまで選挙にかかわる御寄附ではなしに、一般的な政治活動に対する御寄附である、そういう思いでそのときも答えたはずであります。
 ただ、長いやりとりの、電話のやりとりでございますので、どういうふうにそれがとられたかということは私はわかりません。
樋高委員 では、法務大臣に伺いますけれども、条文の中で「選挙に関し、」と入っておりますけれども、その献金の主たる目的が、選挙のみならず、仮に、ほかの目的が併存している場合であっても、逆に言えば、一部でも動機が選挙である場合は違反に該当すると私は解釈しますけれども、法務大臣、いかがでしょうか。
森山国務大臣 先ほども申し上げましたように、この犯罪の成否というのは収集された証拠に基づいて判断されるべきことでございますので、ここで私からお答え申し上げるのは適当ではないというふうに思います。
樋高委員 法務大臣、一般論でもいいですから、述べてください。
森山国務大臣 一般論として申し上げますと、これも先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、公職選挙法百九十九条一項、二百四十八条は、国と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者が選挙に関し寄附をすることを禁止し、また、同法二百条、二百四十九条は、何人も、このような者に選挙に関して寄附を要求すること等を禁止しているものというふうに考えられます。
樋高委員 同じことを繰り返されても話が前に進まないんですが、環境大臣、この記事の中に、百万円を寄附した建設会社会長は、地元後援会から軍資金が足りなくて困っていると頼まれて、陣中見舞いのつもりで献金したと、献金が選挙支援であることを認めております。これは明らかに百九十九条違反だと思いますけれども、環境大臣を応援なさった方が選挙資金として提供をした、献金をしたということは明らかなんではありませんか。いかがですか。
鈴木国務大臣 私もその記事は読みましたが、どなたがどういう御発言をしたのか承知をしておりません。したがって、それに対して私がここでコメントすることは差し控えたいと思います。
樋高委員 では、大島大臣に伺います。
 大島大臣の地元の秘書さんのコメントもこちらに書かれております。「選挙の年にある程度多くなるのは当然。選挙活動費としての献金があるから」と、選挙活動費としての献金とはっきりと秘書さんがおっしゃっておいででありますけれども、これは事実でしょうか。
大島国務大臣 私もその記事を見て確かめましたら、そういうことではなくて、政治活動費としてのものであるというふうに私には報告しました。
樋高委員 では、総務大臣に伺いますけれども、総務大臣の選挙の年、つまり九五年そして二〇〇一年でしょうか、もう細かいことは省きますけれども、いわゆる国から工事請負をしている業者から具体的に献金をいただいているという事実、これについてその業者に取材する方が尋ねたときに、「公選法の規定については「まったく知らなかった。今後は注意したい」」というふうに釈明をなさっているそうでありますけれども、これについてどのように考えますか。
片山国務大臣 だれがどう言ったか私は全く承知しておりませんし、取材の仕方にもよりますし、どういう部分をどういうふうに抜き出すかというのもありますし、しかし、私は総務大臣ですから、もうかなり長くやっていますし、選挙の特定寄附が違法だということは大体わかっていると私は思っております。
樋高委員 大島大臣と鈴木大臣もなんですけれども、選挙の年、総選挙の方であります九六年と二〇〇〇年、献金の額、これが断トツに例年より多いわけであります。これは、明らかに選挙ということを意識して金額が、しかもそれが例えば本当に二、三割多くなるのであればまだ別です。しかしながら、私もちょっと調べさせていただきましたけれども、金額の面でいきますと、五倍から十倍違っているんです。例年同じようにいただいているのであればまだわかります。しかしながら、その選挙の年だけ多くなる。
 確かに、大島大臣、きょう午前中は、答弁の中で、選挙だから、政治活動が多くなるからということもありましたけれども、これは客観的にどう考えても、選挙のために献金をいただいているということに私は理解をできるわけであります。このことについて、大島大臣。
大島国務大臣 後で、そういう経過、結果というのは、本当に昨年知ったわけでございますが、どこの政党もそうだと思います、支部があるいは党が、選挙の前後に寄附がふえているという状況は、傾向としてあると思いますが、そういう御指摘については、当然、政策の普及あるいはまた組織拡大等の政治活動が活発になっている時期なので支援者が協力していただいたもの、このように理解をいたしております。
樋高委員 環境大臣、同様に、この選挙の年に金額が五倍から十倍という金額になっていることについて、どう考えますか。
鈴木国務大臣 政党活動、多くの方から御支援をいただきながら、また政治資金面では御寄附をいただきながら活動をしているわけであります。
 やはりそういう選挙の年になりますと、例えば広報活動でありますとか政策活動でありますとか、そういう政治活動がこれは高まるんだと思うんです。そういうのに対して、支援者の方が、有志の方が、これを党に対する寄附として、していただいたということである、そういうふうに理解をしております。
樋高委員 総務大臣は当事者でありますから非常にやりにくいんでありますけれども、では、この百九十九条の立法の趣旨は一体どういうふうに理解なさっていますか。
片山国務大臣 これはかなり昔からある規定なんですね。これは選挙の公正を確保するという規定です。それが主たる目的で、それに伴う副次的な効果も、政治の腐敗とかなんとかということもあるんでしょうが、あくまでも条文としては選挙の公平を確保するためにこの規定は置かれている、こういうふうに理解しております。
樋高委員 選挙に関してある特定の者から寄附を受けると、その議員が特別な扱いをするおそれがあるかもしれない、こうした事態にならないように、要するに癒着しないようにこの法律があるのではないかと私は理解をするわけであります。
 この動機、きょうの午前中からの続きになりますけれども、「選挙に関し、」という意味ですけれども、解釈の部分なんですが、これは選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてということでありますけれども、この動機が、まず百九十九条と二百条とありますけれども、百九十九条は献金をする側です。二百条は受ける側の話ですけれども、では、百九十九条に違反をするということは、つまり、出す側の方の違反、献金を議員の先生方にする方の話なんですけれども、この動機が一部でもあるということであるなら、これは違反に該当するんでしょうか、総務大臣。
片山国務大臣 選挙に関してというのは、午前中も答弁させていただきましたが、選挙に際して、選挙に関する事項を動機として、この動機というのは、しかし、なかなかこれは難しいのですが、きっかけというような解釈をされているあれもありますが、ただ、それが少しでもあれば、ほんの少しでもあればと、この辺は解釈上定かでありませんし、私は、最終的にはやはりこれは司法の判断になるな、こういうふうに思っております。
樋高委員 二百条の方では、第一項の部分では要請をしてはならないということで、今回長崎県でも大きな事件になっているわけでありますけれども、この要請をなさったということ、三人の大臣にお伺いしますけれども、御自身でなさらないにしても、もしかしたら、自分を応援してくださる方々が、選挙のためにといって献金のお願いをしたことは一切ないと言い切れますか。どうですか。
大島国務大臣 私自身はもちろんございません。また、事務所の諸君に聞いてもそういうことはなかった、こういうことでございます。
鈴木国務大臣 大島大臣と同様であります。
樋高委員 総務大臣も御答弁お願いします。
片山国務大臣 私はもとよりありませんし、私の事務所の職員も、あるいは支部の役員も一切ないと思います。
樋高委員 どうしても納得できないのが、要するに選挙の年、確かに政治活動というのは、おっしゃるように多くなる場合もあります。だけれども、それが何倍も多くなるということが事実としてあるんであれば、それでお金を集めている、献金をたくさんいただいているわけでありますから、これは選挙に関して、たとえそれが収支報告書上は政党支部であって政党活動であると言ったところで、でもそれは選挙活動、選挙に関していただいたということに私はほかならないんじゃないかなというふうに思いますけれども、大島大臣、うなずいていらっしゃいますが、どうですか。
大島国務大臣 うなずいているのは、おっしゃっていることの意味を解釈するためにうなずいておるのでありまして、私自身、日ごろ、多いとか少ないとかというのは比較論でございますが、そんなに際立って我が党の中で云々ということはないと思います。
 ただ、そういう中で、やはり活動が活発になるとしたら、どの政党も自分の政策やあるいは組織づくりとかというのは、御党もやると思いますし、御本人もやると思うんです。そういうふうな状況の中で、民主主義の最も根本である国民に負託を得るという、そういう状況がこの全体的な中で絶えず私ども問われているわけですね。
 だから、そういう前後にそういうふうに多くなるというのは、そういう活動、党活動あるいは組織活動というものが活発になるわけでありまして、そういうことを見て多くの支援者が志を寄せてくれるもの、このように思っております。
樋高委員 きょうこれでしゃべられた答弁が議事録に残っていきますので、また後々明らかになっていくと思いますけれども、そもそも、それでは疑いを持たれたということに関しての責任、どのようにとられるおつもりでしょうか。三人の大臣、お願いします。
大島国務大臣 法にのっとって政治資金及び活動をするべきもの、このように思っております。
片山国務大臣 今大島農林水産大臣も言われましたように、それぞれ関係の法律がありますから、その法律を遵守してルールどおりにやるべきものだと思いますし、我々も今後ともやっていきたいと思っております。
鈴木国務大臣 御指摘を受けました御寄附は、これはあくまで一般的な政治活動資金として御寄附をいただいたものではございますけれども、そのような指摘をされたということは大変遺憾でありますし、また、それで政治不信が何か助長されたということであれば、これは申しわけないことだと思っております。
 ただ、あくまで、重ねて申し上げますが、これは一般的な政治活動に対する寄附である、そういうことでございます。
 これからもしっかりと法令を守ってやってまいりたいと思います。
樋高委員 どう考えてもごまかしているようにしか思えない。非常にグレーの部分なんであります。そもそも、政治に対する不信感がただですら高まっている今日において、こうして報道されること自体、現職の大臣なわけですから、私は責任があると思っております。そもそも、これは氷山の一角にすぎない、政官業の癒着構造そのものであります。
 いわゆる国民の政治と金に対する疑念を払拭するためにも、昨年五月でしょうか、四野党で共闘いたしまして、いわゆる政治資金規正法等の一部を改正する法律案を提出させていただきました。これによって、公共事業受注者が受注終了日から一年間は政治献金をすることの禁止などを盛り込んでおります。しかしながら、それは審議すらなされなかった。これは、こういった隠ぺい体質が全く変わっていないということであります。
 また、昨日の議論にもありましたけれども、小泉総理自身は、そもそも公共事業受注事業者の献金禁止を当初は表明をしておりましたけれども、いつの間にやらすっかりトーンダウンしてしまって、今は党内論議を踏まえてとしか述べていないのであります。
 総務大臣に伺いますけれども、昨年はこれが審議されなかったわけでありますけれども、所管する大臣として、こういった国民の政治と金に対する不信感を払拭するためにも、昨年四野党で提出をいたしました法律案、成立をさせるべきであるというふうに思います。つまり、グレーな部分があるから言い逃れを常に常に続けていく、癒着は着実に進んでいく、こういった状況にやはり歯どめをかけなくちゃいけない、ストップをかけなくちゃいけないと思います。いかがでしょうか。
片山国務大臣 さきの国会に野党四党で御提出になっている法案、継続審査でございますが、中身を見せていただいております。
 今のお話のような、請負企業からの献金の禁止だとか、政党支部の限定だとか、機関誌広告の規制だとか、いろいろ書いてありますし、多岐に及んでいると思いますし、また、与党でも今いろいろな検討がなされておりまして、私は、この問題は、議会制民主主義のコスト、民主主義のコストの問題でございますので、まず各党各会派において十分な御議論と合意を形成していただくことが一番必要なんじゃないか、国民の納得できる形でのそういう合意形成が求められる、こういうふうに考えております。
樋高委員 政治に対する信頼回復のためにも、しっかりとした法律をつくっていかなくてはいけない。また、こういった疑惑が次から次へと、これは本当に一部にすぎないというふうに思っております。氷山の一角にすぎない。早急に調査をして、全容を解明すべきであるということを申し上げたいと思います。
 次に、自由党が力を入れて取り組んでおります食品の安全の問題、ちょっと政策議論をさせていただきたいというふうに思いますけれども、まず冒頭、農水大臣に伺いますが、もう一年半前でしょうか、BSE、牛海綿状脳症が日本で発見されました。日本人の食生活、食べ物のスタイルが変わりかねない大きな事件が政治と行政の怠慢によって起きたわけでありますけれども、大分日にちがたちました。原因はもうそろそろ解明できたと思いますけれども、どうなっていますか。
大島国務大臣 お答え申し上げますが、自由党さんも一生懸命取り組んでおられるということでございますが、私どもも一生懸命取り組んでおります。
 今度のBSEの感染原因の究明はどこまで進んでおるかということでございます。まさにこのBSEの感染牛、今まで六例、七例と輩出しました。したがって、五例目までのBSEの感染牛に係る調査から、感染源、感染経路としての可能性は、まず一つは、イタリアからの輸入された肉骨粉、第二点は、配合飼料工場での肉骨粉の混入、三点目は、五例に共通して給与されている代用乳の原料であるオランダ産動物性油脂等に絞られてきたところでございます。
 したがって、今、六例目、七例目、大変残念なことでございますが、しかし、これも検査体制がきちっとできているからこういう結果が出ておりますけれども、まずこのことに万全な対応をいたしながら、しっかりとこのことを調べた上で、多分あと二週間ぐらいかかると思うんです、その結果ができましたら、さらにBSE疫学検討チームを設置しまして、感染源となり得た可能性についての分析評価を全力を尽くしてやってまいりたい、このように思っております。
 さらに、この国会に、いずれ御論議いただきますが、牛肉のトレーサビリティーの法律も出したいと思いますし、今、坂口労働大臣のところで食品衛生法の改正問題もございます。私ども、そういう総合的な対応をいたしながらも、まず感染源の経路の問題についても、なかなかヨーロッパでは明確な筋道がまだ見えていない、そんなことを理由にしないで、積極的に取り組んでまいりたいと思いますので、自由党さんにおかれましても、さまざまな指摘、アイデア等、あるいはあれがありましたらまた御指導いただきながら、全力を尽くしてまいりたい、こう思っております。
樋高委員 一年半もたってもまだ原因が究明できていないと。
 確かに、イギリスでは早くBSE事件が起きた。だけれども、イギリスがまだ解明できていないから日本が解明しなくていいというものではないというふうに思います。こういった、そもそも政治と行政の怠慢によって起きた事件であろうがなかろうが、やはりこの事件によって牛肉を食べなくなってしまった家庭も現にいまだにたくさんあるわけでありますから、一刻も早くはっきりと原因を究明していただきたい。そして、消費者の不安をぬぐい去っていただきたいというふうに思います。
 きょうは担当大臣にお越しをいただいておりますけれども、食品の安全に関しての基本法案も今いよいよつくり始めたということでありますけれども、今どういった状況になっておりますでしょうか。
谷垣国務大臣 食品の安全性に対する信頼を確立していくためには、私は、三つのことが必要だと思います。
 一つは、科学的、客観的ないわゆるリスク評価、食品健康影響評価、こういうものをきちっとやる。
それから二番目には、その科学的な評価の上に基づいていろいろな規制を施していく、いわゆるリスク管理。それから三番目に、そういった知見や情報を関係者全員で共有し交換していくという、いわゆるリスクコミュニケーション。
 この三つが必要だろうと思いますが、今委員がおっしゃった食品安全基本法をこの国会にもうじき提出させていただきまして、食品のいわゆるリスク評価、科学的なリスク評価にのっとった総合的な体制をつくっていこうというふうに今努力をしております。
 それから同時に、食品安全委員会も設立いたしまして、ここは科学的な食品健康影響評価を行うところでございますけれども、あわせてリスクコミュニケーション、こういうことも十分やっていきまして、本当に国民の安全に役立つリスクコミュニケーションの手法を確立していきたい。
 これはもちろん農水省それから厚生労働省の協力が必要でございますけれども、そのために今鋭意努力をして、御審議を仰ぐ日を今待っております。よろしくお願いいたします。
樋高委員 食品安全委員会ができるということによって、どこまで私ども消費者の健康が守られるのか。迅速で的確な対応が求められていると思います。
 前回、大きな反省点でありましたけれども、農水省と厚労省の縦割り行政ということ、こういった弊害はなくなるのか。過去の轍を繰り返さないで、過去の失敗を繰り返さないでいただきたいということを要望いたしたいと思います。
 厚労大臣にお越しをいただいておりますけれども、昨年は委員会では、この食品の安全の問題につきまして、何度も議論もさせていただきました。私が申し上げたいのは、昨年の何回もの議論を通じて思いましたのは、やはりリスクコミュニケーションの大切さということであります。それは、ただ単にリスクアナリシスあるいはリスクマネジメントの作業を行った結果に対していわゆる社会的な合意形成を行う作業ということではなくて、消費者がリスクアナリシスの過程全体に参加をするということが重要であるというふうに思いますけれども、このことについて、大臣、昨年の議論も振り返りまして、このリスクコミュニケーションについてどのような御所見をお持ちでしょうか。
坂口国務大臣 昨年も何度か御質疑をいただいたことをよく覚えております。
 リスクコミュニケーションのことを申します前に、食品衛生法の抜本改正を間もなく出させていただきます。その目的の中に、樋高議員が今まで御主張いただきましたように、国民の健康ということをその中にちゃんと位置づけろというお話でございました。目的の中に、食品の安全を確保することにより国民の健康の保護を図るということを明確にしたいというふうに思っているところでございます。
 それから、今お話にございましたリスクコミュニケーションのことでございますが、これは私たちもそのことを明確にしていかなければならないというふうに思っておりますし、やはり情報がよく見えるということにしていかなければならないわけでありますから、国民の皆さん方によくそのことが徹底できるように、よく見えるように私たちもしていきたいというふうに思っている次第でございます。
樋高委員 担当大臣に伺いますけれども、法案も具現化する、委員会も設置をしていくということでありますけれども、このリスクコミュニケーションの重要さを十分に認識して、国民の理解を促進するために、行政機関の説明責任をきちんと規定していただきたい。要綱の状態では私も拝読をさせていただいておりますけれども、ここをいかにはっきりさせるかというところが私は最も重要なポイントであろうというふうに思っております。
 あわせて、施策に関する具体的な措置もきちんと定めていただきたい。つまり、例えばですけれども、公聴会の開催ですとか、いわゆる消費者からの公聴会請求等の施策に関する具体的な措置をきちんと明記することが重要であって、真の食品の安全を実現するためにはなくてはならない眼目となるからだというふうに私は思うのでありますけれども、担当大臣、いかがでしょうか。
谷垣国務大臣 現在、鋭意最後の詰めを行っておりますが、御趣旨を十分体して、リスクコミュニケーションの徹底というようなものを図ってまいりたいと思います。
樋高委員 しっかりと反映をさせていただきたいというふうに思います。
 法律ができ上がって国会に提出されました後、修正というのはほとんどきかないというのが私も議員になってよくわかりましたものですから、今の段階でしっかりと法律案にその趣旨を、しっかりとポイントを盛り込んでいただきたいというふうに思います。
 いずれにいたしましても、何事も最初が肝心であります。出だしを間違えますと、新たな体制を構築しても形だけになってしまいます。また、消費者はすぐに信用をしなくなってしまう。幾ら大臣が牛肉を食べようが、牛乳を飲もうが、だれも信じないのであります。国民からの絶対の信頼を取り戻す自信はおありなのか私は不安でならないわけでありますけれども、例えば、今回の食品安全委員会というのはだれのためにつくるのか、やはり消費者のためにつくるんだというところをきちんと踏まえた上で、今回、形になるように、しっかりと魂が入った形ができ上がるように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、この食品の安全をめぐって考えなくてはいけないことは、やはり食品の安全というのは一体どういうことか、一体食品の安全とは何なのかということも考えていかなくてはならないと思います。食べ物の安全を脅かす要素を除いていかなくてはならないわけですけれども、例えば農薬とか検査体制などのいわゆる技術的な部分や規制だけではなくて、やはり人間社会のあり方にかかわる本質的な問題も見落としてはならないと痛切に感じます。
 つまり、今の社会を動かしている市場経済の原理を全く今のままで機能させていっていいのか、安さだけを追い求めることについての問題、あるいは企業倫理をどうしていくか、いわゆる社会教育のあり方までさかのぼって、本当の意味での食の安全の確保を追い求めていかなくてはならない時代に我々は生きているということも認識をしなくてはならないというふうに思います。
 今度、財務大臣にガソリン税の二重課税問題をお尋ねしたかったんでありますけれども、また次の機会に質問させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
藤井委員長 これにて樋高君の質疑は終了いたしました。
 次に、達増拓也君。
達増委員 今回の補正予算における公共事業について質問いたします。
 今回、補正予算三兆円の財政出動のうち二兆円は公共事業なんですね。この補正予算の説明にある総説を読みますと、「改革加速プログラムを実施するために必要な経費の追加等を行う」と。改革加速プログラム実施のための必要経費の追加ということで、セーフティーネット充実対策費一兆五千億円と構造改革推進型公共投資一兆五千億円、合わせて三兆円ということなんでありますが、いろいろ、構造改革推進型公共投資とは言いますが、結局のところ、従来型の治山治水対策事業費とか道路整備事業費とか、そういう中に分類されるようなものでありますし、また、いわゆる施設費ですね、各役所の建物を直したり、役所の関係の研究所でありますとか、独立行政法人でありますとか、そういったところの整備費、施設費等々で四千七百五十億円、約五千億円は整備費なんですね。これは当初予算、十四年度当初予算の五七%増という整備費の大盤振る舞いになっておりまして、これもまた補正予算にはつきものでありますが、本予算で入れることができなかった、各役所の修繕でありますとか、改築でありますとか、施設の整備でありますとか、それを補正予算で実現するというのも非常によくあるパターンなわけであります。結果として二兆円、公共事業費がふえることで、当初予算と比較して、公共事業費として三一%もふえている。そのうち施設費は五七%もふえている。
 本当にこれが構造改革推進型とか改革加速プログラムのためであるのであれば、当初予算の中に入れておけばよかったと思うんですけれども、そういう当初予算の中には入れられなかったようなものを今ここで出してくるというのは、本当にいつものパターン、財政出動ということで、各役所、とっておいたようなものをこの機会にばっと出してきて積み増しているということになるんじゃないんでしょうか、大臣。
    〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕
塩川国務大臣 おっしゃる理屈はよくわかるんですけれども、しかし、こう言えばああ言うで、こうなってしまいまして、第一こういう、当初予算に盛り込めばいいと、それは当然なんでございますけれども、そこが財源上の問題でできなかった。ところが、どうしても、不良債権の処理を加速いたしますと、そこではセーフティーネットも必要であろうし、景気の落ち込みに対する措置もしなけりゃならぬだろう、こういうことを配慮いたしまして、公共事業的な要するに支出というものにして民需を拡大しよう、こういうことに考えたわけでございまして、それが一兆五千億円、セーフティーネットが一兆五千と、こうなっております。
 そこで、その一・五兆円のGDPに対するはね返りの効果はどのぐらいかということは、ちょっと即断はできませんけれども、大体、私どもの方の腰だめでは〇・二%、〇・二%ぐらいは効果があるんではないかなと思ったりいたしておりますが、これはできるだけ早く、即効性のあるものを選びましたので、早期に着工したい、こう思うております。でございますから、できるだけ早く予算を通していただきたいとお願いしたいと思うので、よろしゅうお願いいたします。
達増委員 本予算のときと今回の補正予算のときで非常にちぐはぐなところが困るわけであります。
 ちなみに、自由党は、ほかの野党と一緒に今回の補正予算の組み替えの案を提案しておりますけれども、そこでは、公共事業経費ではなくて、雇用保険の財政基盤の安定化でありますとか特別信用保証の復活、同時に個人保証というものを廃止するといった、労働者そして中小企業、そういったところに直接当たっていくような、そういうセーフティーネットの充実で景気を回復させていくことを提案しております。
 先ほど、施設費が五七%も増になっているということを申し上げましたけれども、この施設費ということに関連して、非常に気になることを最近知りました。
 これは、福島県の福島刑務所についてであります。これは福島県の地元新聞に載っていたのでありますけれども、新年度から実施されるということですけれども、福島刑務所の増改築工事、これにつきまして、地元の建設産業団体連合会、県の建設産業団体連合会が、自民党の地元選挙区選出の、これ、新聞に名前も書いてあるんですが、あえて武士の情けでS議員としておきましょう。衆議院の法務委員理事なんですね。法務委員の理事と言えばわかってしまうかもしれませんが、その法務委員理事に工事の分離分割発注等々の要請をしている。
 数多くの業者が受注の機会を得られるよう分割発注してほしい、また、それは電気や設備についても同様にしてほしい、連合会会員はコスト低減に努める、つまり地元業者が仕事を受注しやすいようにしてくれという趣旨の要望を衆議院法務委員会理事にするという。その理事さん、当該S議員は「「要望の点について十分理解し、努力したい」と語った。」と。これ、新聞にその要望書を渡す写真入りで大きく載っているわけであります。
 これは鈴木宗男問題と全く同じパターンでありまして、内閣の、政府・与党のラインに乗っていない、いわゆる族議員、その分野分野に関係した議員が横から予算の執行にちょっかいを出すというのが鈴木宗男問題の本質であって、それに対して、もう議員と役人の接触はやめようと、政治の主導というのは、内閣の大臣、副大臣、政務官のラインを通じてのみ、行政の執行、予算の執行をやろうということが去年の教訓だったはずなんですけれども。
 これで法務大臣に伺いますが、これはもう早速、法務省の方にはこのS議員からの働きかけはあったんでしょうか。また、法務省は、そのとおりに予算の執行をするつもりなんでしょうか。
森山国務大臣 法務省の刑務所その他の行刑施設は、今、御存じのとおり、大変過剰に収容する結果になっておりまして、一刻も早く適正な人数を収容できるような施設をつくりたいということを熱望しているわけでございます。
 その考え方を認めていただきまして、補正予算の内容については財務大臣の方からも大変御理解をいただいているわけでございますが、そのうちの一つに、福島刑務所の増築等の工事が入っているわけでございます。これが、全国的に急増している収容者対策といたしまして、この国会で審議されているというわけでございます。
 この工事に関しましては、実は本年の一月十六日に、おっしゃいましたその議員の秘書さんが、福島県の建設業関連団体の代表者を伴いまして法務省に来訪されました。その際に、この建設業団体の代表者の方から、社団法人福島県建設産業団体連合会の会長名によります施設担当官房参事官あての要望書というものをお出しになられまして、この工事について分離分割発注等の要望をなさったようでございます。これに対して、参事官の方から、建物の分割発注はむしろ難しいのであるということを御説明申し上げまして、お引き取り願ったという報告を受けております。
 法務省といたしましては、この補正予算が御審議いただいて成立いたしました暁には、予算成立後に関係法令等に従いまして、通常どおり適正に発注することにいたしたいと考えております。
達増委員 鈴木宗男問題のときのようなふうになっていないということはいいんですけれども、これは国土交通大臣に伺いたいんですが、日本全国津々浦々で、そういう建設関係の業者さんやその関係の団体が、政府に直接陳情するならまだわかるんですけれども、政府のラインに乗っていない与党議員に対して政府に対する働きかけを要求するということは、鈴木宗男問題的なあっせん、口きき、鈴木宗男問題は恫喝とか暴力ざたにまで発展していたんですけれども、そういうことを全国津々浦々でやる、それにつながりかねないことが行われているとしたら、これはゆゆしいことだと思うんですが、監督官庁の大臣としてはどう考えますか。
扇国務大臣 今、せっかくの達増議員のお尋ねでございますけれども、今、私も新聞記事に載った福島県の問題を拝聴しておりまして、少なくとも私は、福島県自身が監督の公益法人でございまして、これは福島県の建設産業団体協議会ですか、連合会ですね、これがなさったことということで、まあ、もっともこれは福島県下の問題であって、私がどうこう論評することではないと思います、これは福島県の県自体の監督の公益法人ですから。
 ただ、今おっしゃったように、政官癒着ということに関しては、私たちはいい教訓もいたしましたし、また、それによって私は、こういうことがありますよと、特に私たちの場合は公共事業ですけれども、その地区その地区によっていろいろな事情があることを全部網羅して私知っているわけでもございませんし、ですから、その地区その地区でこういうことが大事なんだという意見を聞くことというのは、私は、全国十のブロックをつくって協議会をつくっていますから、その県知事さんとか政令指定都市の市長さんとかで懇談会をつくって、そこで地元の意見を聞くということをしております。
 私は、仮にも公明正大で、あるいは公正で、そして地元の意見が確実に反映されて公共事業も順序が決まっていくようにということを、私は一昨年からこれを続けておりますので、個々に、特定のものに対して、この業者を使えとか、ここを地元のこれに使ってくれなんということは、一切今のところでは私はできません。
 また、公明正大でなければ、今おっしゃったように、少なくともマスコミにそういうふうに書かれますから、こうしてすぐに達増先生が国会で取り上げられますように、すべて今、マスコミの皆さん方の前にも公開されておりますので、仮にもそういう疑いが持たれることのないように、公平公正、公明正大な公共工事の入札方法なり、そういう施策をとっておりますので、そういうことでは、意見を聞くことはありますけれども、そういう曲がったことになることはないということをぜひ御認識賜りたいと思います。
達増委員 憲政の常道という言葉がありますけれども、議院内閣制の本旨にのっとったそういう政と官の関係にしておかなきゃだめだということが去年からの教訓で、そのために国会内でも我々も努力しているわけでありますが、議院内閣制のラインと別な形で、族議員が行政、予算執行に影響を及ぼすというようなことがないように、これはもう必要に応じては法律をつくって、接触を禁じるとか、接触があったら必ず紙に残すとか、去年からそういう議論をしているわけですから、政府の方でもそこは不断の努力をしていかなきゃだめだということを指摘したいと思います。
 そうやって五千億円、今回施設費がどんと積み増される予定なわけですけれども、その一方で、旧正田邸は取り壊し、着手されてしまっております。
 旧正田邸については、自由党は、西村眞悟議員が内閣委員会で取り上げ、中塚一宏議員が財務金融委員会で取り上げ、私も、今週火曜日、代表質問で言及し、またここでも取り上げるわけでありますが、皇后陛下の御実家だから保存すべきという意見もあります。そういう意見にもなるほどと私は思いますけれども、私は、戦後民主化の貴重な、かけがえのないモニュメントだと思うんですね。戦後、日本が民主化し、今の日本国憲法が制定され、皇室と国民の関係も大きく変わって、憲法第一条、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴、そしてその地位は、主権者である日本国民の総意に基づく。歴史上初めて、民間から皇室に今の皇后陛下が嫁がれる。そして、そのことを国民こぞって祝福した。皇室みずから戦後の民主化ということにコミットされたということが言えると思いますし、そういう皇室のあり方を国民がこぞって祝福するという、本当に憲法第一条の精神を体現するようなことを記念する旧正田邸。補正予算で保存のための経費を盛り込めばいいと思うんですよ。これは内閣の決断でできる話だと思います。
 財務大臣に伺いますけれども、文化庁に相談した結果、残すべき文化財とは認められなかったというような経緯も仄聞したことがありますけれども、そういう文化庁の文化財行政とかの枠にはまる話ではないと思うんですね。そういう憲法の理念、戦後民主主義の理念というような観点から、内閣の決断で残すべきと思うんですけれども、この点いかがでしょう。
    〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕
塩川国務大臣 今ちょうどあなたがおっしゃったように、いろいろな方法でその意義を検証して、後に、将来に残すということは、私は非常に有益だと思っております。ですから、建物そのものをきちっと残していくということも一つの方法でしょうし、あるいは、そうではなくして、そこに、こういう因縁の土地であったぞということを検証して残していくというのも一つの方法だろうと思いますし、いろいろな残しようがあると思います。
 しかしながら、一方、これは物納財産として納められたものであるから、ですから、物納によって納められたものについては、趣旨は、もう自由に処分してもよろしいということの意思がきちっと伝わって物納されたことであるということがまず第一。そうであるとするならば、これはやはり法律によって処理するのが一番私は正鵠を得ていると思います。
 その法律によりますと、いわば前所有者の意思にかかわらず公正な処置をする。その公正な処置とは何か。取り壊して公開入札にかける、こういうことが公正だと。しかも、物納された方が自由な処分をもう国に委任しておられるということもございます。
 そこで、先生のお尋ねの、何か残す方法はないのかということについて、これはやはり地元の問題として今考えておられるようでありますから、私は、どういうことになるか、まだ成案は相談ございませんけれども、地元の人たちが、何とかその跡地だけでも記念するものに何かに使いたいな、あるいは残しておきたいなという意思があるということを聞いておりますが、そうならば、それを積極的に我々も支援して、その意義をやはり残したいと思っております。
達増委員 自由に処分してよいということで、まさに内閣に処分がゆだねられているというケースなんだと思います。したがって、政府・与党でこうと決断すれば、そうできる。
 私は、与党議員のかなりが実は建物をきちっと保存したいと思っているんじゃないかと推察しておりまして、一種、縦割り行政の弊害が起きているのではないか。財務省、中でも特に国有財産の管理や税務を担当する部署のあたりで、非常に事務的に、お役所的に決めてしまって、本当は内閣として、また与党としての決断に基づいて内閣として取り組むべき課題だと思うんですけれども、この点はいかがでしょう、財務大臣。
塩川国務大臣 こういうときだけ与党がどうのと言われてもちょっと迷惑するんですけれども、そうではなくして、私は、やはりこの問題は、前所有者がだれであったかということに余り拘泥してはいけないということが一つ。それから、公正に見て、これが文化財としての意義というものを、どこにあるのかということ等も検証した上で、そこで、これは取り壊して、法に従って処分するのがいいという結論に達したということであります。
達増委員 経済と外交、防衛が今日本が直面する喫緊の課題なんですけれども、なぜ経済そして外交、防衛が大事かといいますと、それが基本的には個人の尊厳にかかわるからであります。失業や倒産等によって本来受けなくてもいいような個人の尊厳のダメージを回避する、それは国として目指すべきことだと思いますし、安全保障上の脅威で個人の自由が奪われたりすることも国として防いでいかなければならない。
 国として本当に守るべきものというのをきちんと見詰めていけば、旧正田邸についてももっと違った内閣の対応があり得るんじゃないかということを指摘して、私の質問を終わります。
藤井委員長 これにて達増君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 このところ消費税の増税の議論というのがにわかに活発になっておりまして、日本経団連の奥田会長は、来年から消費税を毎年一%ずつ引き上げまして一六%にすべきだ、こういうことを言っておりまして、びっくりいたしました。
 小泉総理は本会議の答弁で、私は、在任中、消費税を引き上げることは考えていないが、安定的な歳入構造の確保などの観点から、中長期的にはその役割は重要となっていく、議論は結構だ、こう述べたわけであります。
 これは、中長期的に消費税を引き上げるということを容認した発言だと思うんですけれども、きょうは、この消費税問題について集中的にお聞きをしたいと思います。
 まず、税収に占める消費税、法人税、所得税の比率はどうなっているかということで、お配りした資料を見ていただきたいと思います。
 一枚目の資料ですけれども、これを見てわかりますように、一番大きな特徴は、法人税が毎年どんどん減ってきているわけであります。八九年に十八兆九千九百三十三億円でありましたが、二〇〇二年になりますと、九兆九千九百億円と約半分に落ちております。比率でいいましても、三四・五八%から二二・五六%と、そのグラフのようになっているわけであります。
 これに反しまして、消費税は急増しているわけであります。消費税は、三兆二千六百九十九億円でありましたが、九兆五千九百二十億円で、五・九五%であったのが二一・六六%と、約三倍にふえています。これは四%分の計算です。つまり、歳入に占める消費税ということで、このように計算をしました。これに地方消費税の一%分を加えますと、九八年以後は消費税の方が法人税を上回っている、こういう状態であります。
 法人税というのは、確かに景気の落ち込みがありまして税収が落ち込んでいるという面もありますけれども、しかし、法人税の税率をこの間下げてきたということが税収に響いていると思いますけれども、大臣、この点はいかがでしょうか。
塩川国務大臣 法人税の減収というのは、やはり基本的に景気の後退というもの、これが大きく影響しておるということでございまして、税率を下げたということ、若干は下げましたけれども、その影響というよりも、私は、景気対策の影響が大きいと思っております。
佐々木(憲)委員 若干下げたと言いますけれども、八八年の段階で、基本税率は四二%でありましたものが三七・五%に下げられて、九八年になりますと三四・五、それから九九年になりますと三〇%、つまり、四二%あったものが三〇%に大幅に下がっているわけでありまして、大変大きな減税の実施を行ったわけです。この減税で、もちろん課税ベースの問題も若干ありますけれども、しかし、この税率の引き下げというのは大変大きくきいているわけであります。
 この間の減税で幾らの減収になったでしょうか。平年度ベースでお知らせいただきたいと思います。
大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 平成五年度から平成十四年度までの各年度の税制改正の要綱に記載されました平年度の増減収のうち、法人税に対する措置に係る金額を単純に、これは期限到来とかいろいろございますので、単純に合計いたしますと、期限の到来により既に廃止された制度分も含めて、三兆一千億円程度の減税となっているということでございます。
佐々木(憲)委員 三兆一千億円、つまり、税率を引き下げるなどの税制上の改革をやって、その結果、落ち込んだ分が三兆一千億円であります。これは、ほんの少しというものではなくて、制度的ないわば減税効果がこれだけあるということでして、大変なことであります。
 これに対して、では消費税はどうかといいますと、消費税の分は、九七年に、御承知のように三%から五%に上がったわけで、一%分は二・五兆円ですから、単純に言うと五兆円の負担増でございます。
 法人税の減税の場合には、大部分は大手の側に減税が回るわけです。いわば大企業減税というのが中心的な内容ですね。しかし、消費税の場合は、圧倒的に、いえばこれは庶民増税になるわけでありまして、九七年の五%に引き上げたときは、消費税だけではなくて、医療の負担増ですとかその他合わせますと、大体九兆円の負担増になったわけであります。その結果、消費が大変冷え込みまして、大変な消費不況に突入したわけでございます。
 塩川大臣にお聞きしますけれども、九七年の消費税の増税を初めとする負担増というものが家計を冷やして景気にマイナスの作用を及ぼした、この事実はお認めになりますか。
塩川国務大臣 一九九七年のそういう改革のときに、多少、景気の変動とあわせまして、減税いたしたことは事実でございます。
佐々木(憲)委員 ちょっと趣旨がよくわからなかったんですけれども、マイナスの作用を及ぼしたということをお認めになったわけでございます。
 消費税の増税ということが結果的には景気に対してマイナス、つまり家計消費にマイナスの作用、大変な負担増という作用を及ぼすということは、政府自身もいろいろなところでお認めになっているわけであります。
 もう一つ大事なことは、消費税が、低所得者、所得の低い層になればなるほど所得に対する負担の比率というのは非常に重くなる、所得が大変高い階層になりますと、消費税の負担の比率が相対的には、比率からいいますと低い、こういう逆進性を持っているというのは、当時の竹下大蔵大臣の、消費税に対する九つの懸念というものを出しておりまして、その第一の懸念の中に、逆進的な税体系となり所得再配分機能を弱めるのではないかというふうに書いてある。もう一つは、第三の懸念として、所得税のかからない人たちに過重な負担を強いることになるのではないか、こういう懸念を大蔵大臣自身が表明していたわけであります。
 この基本的性格は今でも変わらないと思うんですが、いかがでしょう。
塩川国務大臣 それは、佐々木さん、ちょうど時点がこんなに違うものを一つにしてきた理論になっていまして、竹下総理が言ったときは、たしか消費税創設のときだと思いますね。ところが、消費税を上げましたときは五年前でございますから、随分経過した後。
 九七年に、私たちは大幅な個人所得税の減税をやっておりますね。それは、あのときに、配偶者特別控除であるとかあるいは一般の所得控除をやって、減税をやっておる。その減税によって低所得者の負担を軽くする。それに伴ってというか、それとバランスをとる意味において、直間比率を変えるという思想から消費税を二%上げる、そして安定財源を図る、こういう趣旨でやったことでございまして、何も低所得者を踏み台にして税制改正したということではございません。
佐々木(憲)委員 私が質問をしましたのは、消費税の税制自体が、その税というものの性格が、低所得者に比較的重くかかっていくという逆進性を持っている、そういう性格をお認めになりますかとお聞きしたわけです。
 所得税の減税という話をされましたが、所得税の減税といいましても、最高税率の引き下げというのがかなり中心でありまして、低所得者には、もともと所得税を払っていないわけですから、減税もないわけですね。しかも、所得の低い階層には減税効果はほとんど及ばないわけでありまして、むしろ消費税の増税だけがどんと来た。
 こういう経過があるというのを一つ御指摘をいたしますが、この前段の、基本的性格です。逆進性という性格は今も変わらないのではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
塩川国務大臣 これは、消費税の性格上、逆進性といえば、あえて言えばそういう性格も包含されておることも事実であります。
佐々木(憲)委員 この点は、政府税調の石会長も、第二十七回総会の中で、議事録を読ませていただきましたが、こういうふうに言われております。「私も逆進性は平成六年以降高まっていると思います」、むしろ逆進性というのは高まっている、こういうふうに税調会長も認識されているわけです。
 この日の総会では、逆進性をめぐりまして議論が行われていますが、逆進性そのものを否定された委員はだれ一人としておりません。逆進性はあると。こういうことでございます。
 そこで、私は、これはグラフにつくってみました。皆さんのお手元に配付してある資料のもう一枚をめくっていただきますと、これは、二〇〇一年の年間収入の階層別消費税の負担率であります。つまり、そこの一番下にありますのが年間の収入階層ですね。一番左側にありますのが、収入が二百万未満の階層です。一番右側にありますのが、年間収入が一千五百万円以上ということでございます。
 これは勝手につくったのではございませんで、総務省統計局、この家計調査報告の全世帯の統計から試算をいたしました。課税対象支出というのは、消費支出から家賃地代など課税対象外のものを除きまして算出をいたしました。
 そうしますと、非常にはっきりと逆進性、つまり低所得の階層ほど負担の比率が重い。二百万円未満のところには四・〇九%ということで、一千五百万円以上になりますと一・二六%、こうなります。これは、今塩川大臣がお認めになりましたように、基本的な逆進性という性格を持っているということを示しているわけであります。明らかにこれは逆進性になっている。この表の傾向ですね、これは私は否定できないと思いますが、これはいかがでしょう。
塩川国務大臣 これを認めろということですね。そのおつくりになった数字は、私自身がつくったものじゃございませんけれども、何か資料によって出たんであろうと思いますが、その傾向はあろうと思います。
佐々木(憲)委員 そうしますと、逆進性を持っている消費税が仮に増税されるというふうに仮定した場合に、この逆進性というものが一層きつくなっていくのではないかというふうに思うわけであります。
 それで、次の三枚目のグラフを見ていただきたいんですけれども、これは今の数字を基礎にいたしまして、この九六年の三%の消費税率の時点の数字は実際の統計から出しました。それから、二〇〇一年の五%の部分も実際の統計から出しました。
 仮に、これをベースにいたしまして、税率が倍になって一〇%になったら一体どうなるか、こういう試算をしてみたわけでございます。そういたしますと、年間収入が二百万未満の場合は負担率が八・一八%になる。千五百万円以上の場合には二・五二%でございます。したがいまして、この格差というのは非常に大きく開くわけであります。これを仮に、日本経団連の奥田会長がおっしゃるように一六%にする、こうなりますとこの右端の数字でございまして、一番低い階層は負担率が一三・〇八%になるのです。
 つまり、負担というものが一番低い階層に物すごく重くかかっていくわけです。それで、所得の高い階層には、比較的、相対的に低い。これはもう当然、逆進性があるから、税率が上がれば上がるほどその開きがどんどん大きくなっていくわけです。
 これはもうだれが考えたってこうなるに決まっていると思うのですけれども、これは非常にはっきりしていると思いますが、これはお認めになりますか。
塩川国務大臣 佐々木さんのはゲーム感覚で出ているようなあれですね、こうなればこうなるというのは。
 しかし、これが現実の社会でこうなるか、一挙になるかということは、これは数字から見たらこうなるでしょうが、そこは政治の問題が働いてまいりまして、要するに、これがすなわち、あなたの話を聞いておったら、これは国民の負担がみんなこうなってしまうぞ、こんなに聞こえるのですけれども。この負担の問題ではなくて、数字はこうだと、あなた、これは学校で教えているとなるとこうだろうとも思いますが、学生がこういうぐあいに計算したらこうなるだろうと、それは私は認めます。
佐々木(憲)委員 学生がじゃなくて、私がやったんですからね。
 これは、政府が出した資料に基づきまして試算をすれば、だれが試算してもこうなるんです。これは大臣が試算したってなるんです、学生じゃなくたって。だから、これを否定するんなら別な数字を出していただきたいんですけれども、これはもう明確なんです。だれも否定できないんです。
 ですから、私は奥田経団連会長というのは何を考えているのかよくわかりませんけれども、一六%に上げるという発想が極めて私は異常だと思いますよ。こういう格差が生まれる、低所得者の生活を破壊するということを全然考えていない。
 では、平沼経済産業大臣にお聞きしますけれども、あなたは一月七日に、経団連の奥田会長のこの一六%への税率引き上げ構想について記者に聞かれまして、示唆に富んだ提言である、こういうふうにおっしゃったそうなんですが、これは事実でしょうか。
平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
 それは閣議後の記者会見で、ちょうど奥田会長の経団連の発言の後の質問でございました。
 これは前段後段がございまして、むしろ前段で長く言ったんですけれども、やはり今の日本の経済というものは、これは先行きが不透明で、一方においては個人の金融資産が一千四百兆もあるのに、結局なかなかそれが動かない。しかも、今GDPの六割以上が個人消費である。これが動かないことが景気の低迷、経済の低迷につながっている。
 ですから、そういう観点を踏まえると、もちろん前提としては、政治というものが先行きの青図というものを明確に示して、そして国民の皆様方が納得するということが前提ですけれども、しかし、そういう中で、やはりこういう今の先行き不透明ということを打破して、国民の皆様方がそういう形で納得をするということの前提で考えれば、一つの示唆に富んだ提言だ、私はこういうニュアンスで申し上げました。
佐々木(憲)委員 国民が納得すればといいますが、納得しないと思いますけれどもね、私は。
 塩川財務大臣、同じ日に記者会見で社会保障の財源に触れて、「根源的な問題として、税によってこの負担をカバーしていく、耐えていくということでなければならない」と述べまして、「その根本的な負担、改革はどこに置くかというのは、私は直間比率の見直しをせざるを得ないのではないかと思います。そういうことから考えまして、間接税をもう少し強く負担してもらう方法に行かざるを得ないと、私はそう思っております。」こうおっしゃっていますね。
 つまり、消費税の税率引き上げ、これは逆進性があって低所得者に極めて重くなっているわけですけれども、どうしてこういう間接税中心という発想になるんでしょうか。なぜ法人税などではいけないのでしょうか。
塩川国務大臣 経済が進んでまいりまして、そういたしますと、国民の負担、これは給付と負担の関係が非常に変わってまいりまして、それに順応したものにしていかなきゃならないということは当然でございます。
 したがって、何も日本だけじゃございませんで、世界各国を見ましたならば、直接税の負担というものをできるだけ軽減して、そして間接税とバランスをとるということをしております。
 そして、トータルにおいては、絶えず国民の公的負担は幾らになるのかということが議論でございまして、現在日本におきまして議論されておるのは、公的負担が四五、六%ということ、これを何とか五〇%以下で確保していきたい、けれども、毎年進行していくところの高齢化社会に対して当然増が起こってくるが、その当然増をどう吸収しながら全体の国民の公的負担を抑えていくかということが問題だと。
 その場合に、公的負担が税に重点を置くのか、あるいは保険料というか受益者負担に重点を置くのかというこの考え方に、相当きちっとした考えを持ってこれからの税制を考えなければいけない、こういうことがまず第一点でございます。その発想のもとにおいて、私は、税負担を重点とするならば、この際に直間比率を見直さなければその負担に耐えていけないのではないのかということを申しておるということであります。
佐々木(憲)委員 公的負担というものを考えなきゃならぬ、それは一般的にはわかります。
 しかし、それをなぜ間接税、消費税で全部負担しなきゃいかぬのか。つまり、法人税の方はどんどん下がってきている、先ほど言ったように。大企業の方は負担が軽減されている。日本の社会保障負担も、ヨーロッパなどと比べますと三分の一、二分の一というのが企業の負担であります。それなのに消費税を上げて、五%に上げて大変な消費低迷になり、かつ生活が深刻な事態になっているその消費税の方にだけ負担をまた負わせていく。こういう発想というのは、私は全く逆ではないかと思うわけですね。
 大体、法人税というのは、今までも高い高いと言われてきた。だがしかし、どんどん下げられてきて、最近の「改正税法のすべて」という資料を見ますと、国、地方合わせた法人税率の実効税率は四〇・八七%、国税の法人税の基本税率の水準は、イギリスと並んで、主要先進国の中で最低の水準となっています。これは低いと言っているんです。その上に社会保障の負担がもっと軽いわけですから。
 だから、何で法人税の議論が出てこないのかな、消費税、間接税の議論ばかりしか出てこないのかな。私は、その裏に何かあるのではないかと思うのです。何があるんですか、この裏に。
塩川国務大臣 まあ、そこが共産党との違いですね。これはやはり思想的な違いがはっきりとそこに出てくるんです。
 それは、そもそも国民所得が低いときには直接税に依存せざるを得ないんです。これはエンゲル係数を見てもわかります。そうしますと、国民所得がだんだんとふえてまいりますと、ただ直接税だけに重点を置いた税制を組むことができない。
 しかも、こうしてグローバリゼーションの社会になってまいりますと、国際競争ということが起こってまいりますと、どうしても、企業活動を活発にしなければ国民の総トータルの所得の保障はできないということになります。そうしますと、やはり法人税を国際水準に近づけざるを得ないという状況になってまいりまして、そのために四二%であったものを三〇%に下げざるを得なくなってきたということは、国際競争場裏からなってきたんです。
 一方、所得税につきましても、いわば所得の向上に伴いまして、低所得者に対しましては、我々は十分な配慮をして、課税最低限はもう世界で最低のところまで考慮してやってまいりました。それだけの配慮をしておる。そのかわりに、少しは間接税でカバーしてバランスをとったらどうだろうということなんです。
 ですから、国民の税の負担というものはどの程度にするかということは、これは社会保障制度の維持と質の状態によって変わってくる。それはトータルで公的負担となってあらわれてくる。その公的負担の分担は税なのか利用者負担なのかという考え方もしなきゃならぬ。そうならば、税でやるとするならば、税がすべての階層に平等に当たるような措置を講じなきゃならぬ。何も、税を増収するためにどうするというんじゃないということでございまして、そういう点をとってやっています。
 まあ、共産党の考え方では、とにかく企業から取るもの取ったらいいじゃないかということ、そして個人はゼロにしたらいいと。それはそうで、それができれば理想でしょうけれども、そうしたら社会の活力というものは全くなくなってしまう。そうした場合に、実際に自分ら自身がいわゆる所得というものをどこで吸収するのかということも考えなきゃならぬ。
 現に国営企業を見てごらんなさい。何であんな状態になったのかということを見たら、これは、私はやはり歴史が歴然と語っておる問題だと思うんです。
佐々木(憲)委員 いろいろなことを言いましたけれども、結局、法人税は絶対上げない、消費税だけは上げる、そういう意図だけが極めて鮮明になりました。
 大体それが私はおかしいと思っているわけですよ。つまり、法人税は国際水準並みというんじゃないんです。国際水準以下なんです。それは政府の資料で明確に書かれているわけです。そこまで下げる。
 しかも、課税ベースからいいますと日本は非常に狭いわけです。実質的には世界で最低水準。しかも、社会保障の負担率は、日本はヨーロッパの二分の一あるいは三分の一という状況でございます。それを絶対に上げないと。そちらの方はほっておいて、もう本当に今毎日お買い物で大変な状況にある国民の側にだけ負担をかぶせていく。そういう発想というのが私は間違っていると。
 私は何でそうなるのかなと思いましたら、経団連はことしの一月一日に新しい何かビジョンを出したようでありまして、それを見ますと、消費税増税を主張して、法人税はもっと減税しろ、こういうことを求めているわけで、その経団連がこの要求に賛同する政党、政治家を選んで企業献金をやると。つまり、金を配ってこの政策を実現しようというわけです。
 どうも、塩川大臣の御答弁を聞いておりますと、献金をくれる大企業のためにはどんどん減税をするけれども、庶民の社会保障の負担、庶民にはどんどん押しかぶせる。大変、自民党と共産党の違いが明確にここに出ているというふうに私も自覚をいたしました。
 そこで、坂口労働大臣にお聞きをしたいと思います。
 坂口大臣は昨年の十月一日、時事通信社のインタビューに答えまして、二〇〇四年度実施の年金制度見直しの検討に当たりまして、基礎年金の国庫負担引き上げ、三分の一から二分の一へ、この財源について、消費税の引き上げでお願いする案を示し、国民に議論してもらう時期に来ていると述べたそうでありますけれども、これは事実でしょうね。
坂口国務大臣 それは、時事通信がしっかりと聞いていなかったからそういうあれになるわけでありまして、平成十六年から二分の一に上げていただかなければならないということは、これは決まっているわけであります。それに対する財源というものを明確にしていかなければならない、つくり出さなければいけないということ、これはもうはっきりしている。
 ですから、その財源をつくるについては、間接税だとか直接税だとか、そういう何でするということの前に、税制全般について御議論をいただいて、その中から財源を求めてもらわなければならない、こういうことを私は言ったわけで、それを短絡的にそういうふうに書いたとすれば、それは時事通信の大きな誤りであります。
佐々木(憲)委員 時事通信は消費税の引き上げというふうに書いていますけれども、学識経験者、団体代表で論議をしております社会保障審議会年金部会では、この財源について全額税方式にすることも含めて検討しているということでありまして、基礎年金の支給に必要な費用として、厚生労働省は、二〇〇二年度で十五兆七千億円、二〇二五年度には二十二兆九千億円というふうに試算をしまして、この財源を全額消費税とすると、二〇〇二年度で六・三%、二〇二五年度で九・二%の増税が必要になる、結果として税率は一五%を超える、こういう試算までしているわけであります。
 そうしますと、坂口大臣の消費税容認といいますか、つまり、消費税の増税は否定はされていないわけですね。この可能性、これは一つの試算ということでしょうけれども、消費税の増税でカバーするということはこれは排除していない、こういうことですね。
坂口国務大臣 それは税制全般について議論をしなければならないということを言ったわけでありますから、この部分は除く、この部分は除かないということを私は言っているわけではありません。
 少なくとも、これから少子高齢化が進んでいくわけでありますから、現在の段階でありましたら、公費半分そして保険料半分、それぐらいなところで、後期高齢者医療、介護、そして基礎年金、その辺のところは半々でやっていけるだろうというふうに思いますが、これ以上高齢化が進んでいく、少子化が進んでいくということになれば半々では済まないということになってくる。
 保険料をどんどん上げていくといいましても、保険料も限界があるということになれば、半々ではなくて、将来の、少子高齢化が進めば、それは保険料よりも一般財源の方のウエートを多くせざるを得ないというふうに私は考えているということでございます。
佐々木(憲)委員 一般財源で一定の負担をするというのは、私もそれは一般的にはそうだと思います。ただ問題は、その一般会計の負担を一体どこでやるのかという問題でございます。これを消費税で見ることに我々は反対しているわけであります。
 今の財政のむだ遣いというのは、公共事業その他いろいろあります。また税制につきましても、国際的に見て法人税の余りにも負担の軽さ、そういう点も全面的に洗い直して、もう一度負担を考える必要がある、これが我々の考え方であります。ところが坂口大臣は、消費税の税率アップも含めて検討の対象にする、つまり排除していない。ここに重大な問題があると私は思うんですね。
 ただ、私は、坂口厚生労働大臣にお聞きしたいのは、大臣の所属する公明党というのは、もともとは消費税導入に反対と言っていまして、あるいは消費税の廃止ということを唱えていたのではないかと思うわけですね。ここに、九二年の参議院重点政策、公明党の政策を見ますと、「わが党は消費税の廃止を主張しつつ」と、極めて明確に廃止というふうにおっしゃっているわけです。これは、そういう政策を掲げていましたですね。
坂口国務大臣 それは、そういうときもそれは確かにあったでしょう、最初、導入するときの話でありますから。
 しかし、年々刻々状況は変わってきているわけでありますし、非常にグローバル化してまいりました、国際化をしてまいったわけでありますから、先ほど御指摘のように、すべて法人税にすればいいかといえば、法人税を高くすれば、こういうグローバル化のときですから、それでは海外に出ていこうかという話になってしまう。所得税に全部いこうかということになれば、それでは高額所得者は全部外国に籍を置こうかという話になってくる。そうしたことも勘案をしてやはり全体の税制というものは考えていかなければならない時期に来ているのではないかということを主張しているわけでありまして、一つの税制で、それで全部確保していくということは、それはやはり難しい、あらゆる税制の組み合わせによってやっていかざるを得ないのではないかというふうに思っている次第でございます。
佐々木(憲)委員 どうも坂口大臣の答弁を聞いていますと、この程度の公約は大したことはないというような印象を非常に強く持ちました。
 それでは、坂口大臣自身は選挙のときにどういう公約を掲げていたでしょうか。私はここに、坂口大臣が平成二年二月十八日、これは選挙公報ですよ。この選挙公報の中で明確に、「公平な税とは「所得の多い人からはより多く、少ない人からはより少なく」が原則です。消費税はこの原則から大きく外れているので廃止をいたします。」こういう政策を掲げていたじゃないですか。選挙公報、国民に対する公約です。これはこのときで、その後、こんな公約は破棄しても大したことないと。結局、大企業や高額所得者には負担をかけたくない、この公約は破棄しても庶民に消費税を重くかぶせる、それでも当たり前なんだという。私はそういう発想は非常に問題だと思いますね。
 この公約は、坂口大臣は一体どのように位置づけておられるんですか、みずからの公約は。
坂口国務大臣 やはり公約というのは、それから三年ないし四年務めなければならない、その間にどうしていくべきかということを言うものでありまして、未来永劫これでいくということではないわけでありまして、時代が変わればそれに対する考え方も変わっていくというのは政治家として大切なことだと思っております。
佐々木(憲)委員 時代が変わればくるくる変わると。本当にひどい話でありまして、この坂口大臣の選挙公報が出されましたその四カ月前ですけれども、一九八九年十月四日、当時の公明党の石田幸四郎委員長は、所得の少ない人ほど負担が重い逆進性の問題、税率の歯どめがないと批判をしているわけですよ、消費税について。
 逆進性については今も残っている。残っているだけじゃない、税率上げたら逆進性はどんどん広がる、その基本性格は変わっていないんです、今も。逆進性があるからこの税率引き上げには反対なんだ、廃止をすべきだと言っていたんです。今、逆進性があってもこの税率引き上げは排除しない。全く逆じゃないですか。公約違反じゃありませんか。まあ、この程度の公約は大したことないと言っているから、ひどい話であります。
 要するに、坂口さんの方は、公明党は、以前に消費税に反対を言っていたんです。導入直後は廃止と言っていたんです。廃止の共同提案に加わったんじゃありませんか。国会で共同提案をしていたわけです。それなのに、今の五%の税率、さらに引き上げることを容認するという。時代が変わったからと。時代が変わったんじゃないんです。坂口さんの姿勢が変わったんだ。公明党の姿勢が、政策がくるくる変わったんですよ。私は、こんな国民を愚弄したやり方はないというふうに思います。
 私は、将来の税率引き上げの問題というのは今後大いに議論していきたいと思いますが、絶対に我々は税率引き上げは反対でありますから、その立場を今はっきりとここで表明しておきます。
 さらに、今度の税制改正の問題でありますけれども、将来の税率引き上げを目指して、当面何をやるかということを税調は決めているわけです。当面の対策は透明性の確保だと言っている。透明性確保の内容は何かといいますと、中小企業の事務負担を軽減するためにつくられた簡易課税制度を見直す、あるいは免税点を引き下げる、売り上げ三千万から一千万、その水準に引き下げる、こういうことですね。
 そこで、お聞きをしますけれども、免税点の引き下げ、これは売上高三千万から一千万に引き下げる、どうしてこんなことをやるんですか。
塩川国務大臣 これは、かねてから政府にいろいろな意見の申し入れがございましたことと、それから、私たちが昨年全国十一カ所でタウンミーティング、税によるタウンミーティングをやりまして、いろいろと参加者の方から意見を聞きました。そのときに、消費税の免税点の問題が、非常に多く議論が出てまいりました。益税、益税とおっしゃるから、私は、益税という考え方はやめなさいとむしろ言っているんです。そのかわりに、免税点を引き下げてというか、免税点を廃止しろという意見が圧倒的に多かった。これは国民の声ですから、私たちはそれを真摯に受けとめなきゃいかぬと思いました。
 ところが、一挙に免税点を引き下げますと、零細企業の方々の事務的負担が耐えられないと思いまして、どの辺がいいだろうかということで、いろいろとタウンミーティングで意見を聞きましたら、まあ一千万円だったら、農家の人もあるいは零細企業の方も事務的な制約からは助かるということでございました。そこで、一千万円ということを想定してやったのでございます。けれども、やはり消費税の納税については、国民全部が消費税を、徴収したら全部納めてもらうというのが本旨でございますから、免税点を設けたということは事務的な負担を軽減したということでございますので、誤解しないようにしていただきたいと思います。
佐々木(憲)委員 誤解はしていないんです。では、益税と言うなとおっしゃいましたが、益税というものはあるという証拠はないわけですよね。
塩川国務大臣 だから言うなと言っていたんですよ。
佐々木(憲)委員 わかりました。そうすると、益税があるから引き下げるという理屈は、そういう理屈は崩壊をしているわけであります。
 では、そうしますと、転嫁、つまり消費税分を消費者に負担をしてもらう、つまり、負担をするのは消費者である、それを納税するのは売った方が納税をするという仕組みになりますね。転嫁できているかどうかが問題なわけです。転嫁が全部できていて初めてとんとんで、消費者の負担したものを預かった部分を納税するということになるわけですけれども、これは、転嫁できていないというふうになりますとどうなるか。転嫁できない場合はこれはどうなりますか。
塩川国務大臣 私は、納税者は全部、また消費者も善意であるから、転嫁はそう抜けておるとは余り思っておりません。けれども、インボイス制を採用せいという意見が非常に多いのでございますが、その中には、あるいは転嫁不可能でそういう脱落しておるものも中にはあるということからインボイス制をとれとおっしゃっているのかなと思うたりいたしておりますけれども、現在の制度のもとにおいてこのまま運営していきたいという方針は変わっておりません。
佐々木(憲)委員 いや、転嫁できない場合はどうなるのかということを私はお聞きしているわけです。
塩川国務大臣 例えばどういうことか、例を挙げていただきたい。
佐々木(憲)委員 それでは、これは財務省の資料でございますが、「仕入価格の上昇分を価格に転嫁できなければ、いわゆる「損税」が発生することとなる。」益税ではなくて損税、つまり身銭を切らざるを得ない。税金の負担は本来消費者が負担するんですけれども、これは企業、業者が税金を負担しなければならなくなる、これが損税であります。そういうことになりますよね。
 さてそこで、現実に益税はないわけですから、すべて転嫁できていれば、これはとんとんなんですね。しかし、転嫁できていない業者というのは、私はかなりあると思います。
 これは、経済産業省、以前の通産省が、中小企業庁が実態を調査したことがございまして、以前の調査では、九七年の十二月の調査がございます。データを見ますと、転嫁できていないという方がかなりいらっしゃって、「転嫁せず」と「ある程度転嫁」、つまりすべて転嫁されていない、一〇〇%ではないというのを合わせますと、四七・八%、つまり半分近くが転嫁できていないわけであります。最近、これは転嫁できていない人がかなりふえているのではないかと思います。
 私、資料をいただいたんですけれども、これは平沼経済産業大臣にお聞きしますけれども、転嫁できていない業者は以前に比べてふえているんじゃありませんか。比較で、簡単に結論だけ言ってください。
平沼国務大臣 転嫁の問題でございますけれども、私どもといたしましては、この転嫁に関しまして、平成九年のときの、消費税のときにやらせていただいて、今おっしゃったような数字が出ております。今回さらに、八月か九月にかけてやらせていただきまして、そのときは、半数近くが転嫁することができるけれども、それを転嫁できないという人たちは統計上は若干ふえている、こういうことでございます。
佐々木(憲)委員 今おっしゃったように、以前は半分近くが転嫁できていなかったんですが、最近は半分以上の方々が転嫁できていないんです。ということは、数字で見ますと五二・三%、以前は四七・八%でしたから、大変厳しい状況にある。転嫁できていない。
 転嫁できない場合には、これは当然企業側が負担をして、自分で身銭を切って払わなきゃならぬのですね。預かっていないんだけれども、しかし納税義務が発生しているわけですから、これは今は三千万以上ですけれども、身銭を切って納税せざるを得ないということになりまして、そうなりますと、実質的には企業課税のようなものなんですね、転嫁できない場合にはその部分は。
 そういう状況になるわけで、三千万の売り上げの水準を一千万に下げるということは、転嫁できない人たちをさらにふやす、こういう結果にならざるを得ないと思うんです。新たに納税義務を負う業者というのは何社ふえるのか、個人で何人ふえるのか、その数字を教えてください。
平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
 事業者免税点の水準を三千万から一千万円に引き下げるといたしますと、免税事業者数で申しますと、三百七十万社から二百三十万社。ですから、百四十万という数字が出ております。
 ただ、佐々木先生御承知のように、平成十六年度の四月からの実施でございますので、私どもとしては、その間徹底的なPR、そういった形をしまして、そしてそういう割を食う方がないように、しっかりと私どもはPRをして徹底をしなきゃいかぬ、こう思っています。
佐々木(憲)委員 PRをすると言うんですけれども、身銭を切るという事態を解消することはできないと思いますね。これは、競争が非常に激しい、あるいはデフレ状態にある、そういう中で利益が減っているわけですから、しかも、今でさえ身銭を切る方がどんどんふえているわけです。これを、今まで納税義務がなかった百四十万の方にさらに納税をしてもらうということになりますから、そうなりますと、そういう方々が本当に負担に耐えられるんだろうかということになるわけです。つまり、中小企業、業者の営業破壊になるんじゃないか、こういう心配があるわけですね。
 大体、売上高一千万の業者というのは一体どういう業者か、どういう水準なのか。仕入れや経費を除いても、仮に三割残ったとしましても、年収、年所得わずか三百万円ですよ。わずか三百万円の、家族労働でやっている業者が納税義務を負うわけであります。このぎりぎりのところでやっているわけですから、長時間労働に追われて、記帳も、つまり帳簿もなかなかつけられない、そういう方々に帳簿をつけるということを義務づける、こういうことになっていくわけでありまして、これは大変な事務負担になり、そして帳簿をそろえない場合にはペナルティーを科す、こういうことになっていきますので、この細かな点についてはまた財務金融委員会で、私、やりたいと思いますけれども、最後に坂口厚生労働大臣に一つだけお聞きしておきたいと思うんです。
 免税点を引き下げると新たな納税義務者になるのは業者だけではございません。これは、社会福祉法人の認可を受けていない、いわゆる無認可保育所あるいは学童保育を営む方々、こういうところに消費税の納税義務が課されていくわけでありまして、年間一千万から三千万というこの水準に入る対象、どの程度の方々がこれに入るのか。無認可保育所とか無認可学童保育の場合ですね、やはり大変なことになるんじゃないかと私は思います。
 これは何らかの対応をしないと、これはもうどんどん、ともかく取り上げるだけ取り上げますよ。もうぎりぎりでやっているところが、保育所自身がやっていけなくなるという危険性があります。これは何らかの検討が必要だと思いますけれども、坂口大臣はどのようにお考えでしょうか。
坂口国務大臣 学童保育の方につきましては、二十人以上のところは、これは非課税になっておりますから、だから二十人未満のところなんですね。だから、二十人未満のところはそんなに、一千万もないと私は思いますから、それは学童保育のところは影響ないと思うんですね。
 問題のありますのは、今、出るとすれば、それは無認可保育所であります。この無認可保育所のところで所得税をきちっとお取りになっておれば、それは話は別だと思うのですね。お払いいただくのは当然だと思うんですけれども、そこが、お取りになっているかどうかということは一遍きちっと調べないといけない。
 その辺のところは、認可保育所にするのにいろいろの条件があったりしてなりにくいということがあって、できるだけ認可保育所にするように規制緩和を今一生懸命やっているところでございます。これからもやりたいというふうに思っております。
 ですから、できるだけそこは認可保育所になっていただくようにしていくというのも一つの考え方だと思っております。
佐々木(憲)委員 もう時間が来ましたので終わりますが、最後に、無認可保育所というのはいきなり認可保育所に簡単になれるわけではありませんので、無認可保育所で残る部分がかなりありますから、その部分をどう支えるかということをぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。
藤井委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、保坂展人君。
保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 坂口厚生労働大臣に、雇用保険の問題について伺っていきたいと思います。
 たびたび今国会でも触れられているように、みずから亡くなる方が三万人台で推移をしている。二〇〇一年度が三万一千四十二人、その前の年が三万一千九百五十七人。この中に、解雇やリストラ、首切りで失業に陥り生活設計ができなくなった方が少なからず含まれているだろうと思います。
 また、高校を卒業して就職を希望する、半数もなかなか仕事が決まらない。決まらないということを聞いて最初からあきらめて求職しないという状況も含めて、数字の上では、去年十一月の雇用失業情勢では、二十四歳までの若年層で八・四%、男子だけに限ってみれば一〇%を超える、こういう状況になっています。
 まさにデフレ、リストラ不況の中で、雇用保険の給付削減が行われようとしている。これはあべこべではないのか。セーフティーネットをしっかり張るというときに、ここを一部網を粗くする、これは基本から間違っていないか。この認識を伺いたいと思いますが、いかがですか。
坂口国務大臣 今国会におきまして、雇用保険制度の見直しを御議論いただきたいというふうに思っておりますが、幾つかの改正点がございます。
 一つは、今お話がございましたように、手当額を少し御遠慮いただきたいというふうに思っておるところもあるわけであります。
 それは、日額約九千円以上の雇用保険をもらっていただいているようなところについて、その皆さん方のところは、今まで六〇%から八五%までというふうに言っておりましたけれども、そこを若干、その六〇%を少し、五〇%からに下げさせてもらう。これは高いところでございます。中クラスのところ、所得の低いところについては変わりません。こういうことでございます。
 それからもう一つは、いわゆるパートでお勤めになっていた皆さん方に対する雇用保険というのがなかった。これは、雇用保険を正規の方と同じように見ていきましょうということですから、前進だと思っております。
 それからもう一つ、青年層、三十五歳から四十四歳のところの基本手当給付日数というものを延長しよう。
 大体、大きく言ってこの三つの柱になっているわけでございます。
保坂委員 今大臣が言われた三点のうちの二点、パート労働者の方、あるいは、なかなか仕事を見つけるのが難しい熟年の年代に日数を延長するということについては、これは改善されたわけですけれども、しかし問題は、御遠慮いただくと言われた部分であります。
 この部分は、例えば三十歳から四十四歳までの現在の上限額が九千六百四十二円です。これが見直し案では二五%下げて七千三百十円。月額だと、これまで二十八万九千円もらっていた方が二十一万九千円、これだけダウンするわけですね。四十五歳から五十九歳だと、現状では一日一万六百円、これで月額だと三十一万八千円。この方たちが日額上限八千四十円、月額だと二十四万円。これは上限の数字ですよね、大臣。
 したがって、例えば二十万の方は十五万、あるいは二十五万の方は二十万、こういう数字で、例えば住宅ローン、それから税金、子供の学費というものを果たして支払っていけるんだろうか、大変深刻な事態に追い込まれるんじゃないか。これは事実だと思いますね。この手当で果たして暮らせるのか、そこまで考えてのその遠慮いただくという発言なのか、ただしたいと思います。
坂口国務大臣 その十五万や二十万の皆さん方を切ろうというんじゃないですよ。そういう低いところは今までどおり。しかし、所得の高いところにおきましては少し御遠慮をいただく。
 というのは、その皆さん方が再就職を今度されますときに、再就職のときには、平均して見ますと今までの賃金よりもうんとやはり下がっているわけです。低い賃金のところしかないということになりますと、その皆さん方は雇用保険をずっともらい続けられるということになるものですから、やはり、その高いところにつきましては少し、逆転現象が起こらないように、再就職をされたときに低い賃金のそのベースに合わせてひとつお願いできませんか、こういうことを申し上げているわけです。
保坂委員 そういうふうに言われるんで、上限に限って議論しますと、今申し上げましたように、四十四歳、これはお子さんが何人かいて、まさに住宅ローンも支払いがあって、そういうサラリーマンの方が多いでしょう、働いている方が多いでしょう。こういう方が、今まで上限で二十八万九千円でもなかなか大変だったと思いますよ、しかし、これが上限で二十一万九千円になるんですね。大丈夫ですか、これで。暮らせますか。
坂口国務大臣 ですから、年齢でどうこうではないわけでありまして、今までの所得がどれだけあったかということによって決めようとしているわけでありますから、三十三歳とか四十四歳というような年齢で言っているわけではありません。
保坂委員 答弁になっていないですね。実際上、今回の給付の削減というのは、やはりかなり幅広い雇用保険をもらっている方たち、概算で二割近い方に影響を与えるものと思われます。
 そこで、もう根本的な話なんですが、坂口大臣にお聞きしたいと思うんですね。セーフティーネットというのは一体何なのか。
 これまで小泉内閣では、構造改革には痛みが伴うんだ、特に不良債権処理では失業者がふえることも覚悟しなければならない、そのために雇用のセーフティーネットの拡充が必要だと言ってきたんですね。そのとおりでしょう。セーフティーネットというのは何なのか。
 ビルの工事に例えると、ビルの工事の高いところから万が一落ちても大丈夫なように安全網、網を張るというのがセーフティーネットじゃないですか。このネットを拡充するというのは、坂口大臣に伺いたいんですが、網の目を細かくするということじゃないんですか。あるいは、網がかかっているところを、その面積を広げるということじゃないんですか。今のお話だと、一部でその網の目を広げる。これが拡充ですか。運が悪ければその広がったところに落ちちゃって、地面にぶつかって、自己責任であなたも運が悪かったね、こういう社会になるじゃないですか。いかがですか。
坂口国務大臣 セーフティーネットに対する考え方もいろいろございますけれども、委員のお話しになりました安全ネット、セーフティーネットの考え方に私たちも大体立っているわけでありまして、したがって、パート労働の皆さん方が今までおやめになりましても、それはなかなか雇用保険にありつけなかった、それはお気の毒だからというので、そうしたところを加えた。あるいは、三十五歳から四十四歳の一番の働き盛りで、その皆さん方に対する対応は、やはりもう少し手当てをしなければならないというようにしている。これは、まさしく安全ネットの考え方ですよ。
 そして、そうは言うけれども、月額例えば五十万以上もらっているような皆さん方につきましては、若干雇用保険の方は低く計算されますけれども、そこは御辛抱してくださいよ、そのかわりに、その低い皆さん方のところをしっかりやっていきますから、こういうことですから、まさしくセーフティーネットの考え方に立っていると私は思っております。
保坂委員 網が細かくなったところも一部あった、しかし、明らかに網が粗くなったところもある。そして、問題は、大企業で働いている方たちは、リストラあるいは合理化あるいはさまざまな形で離職するといっても、中小企業とは違う。まず、賃金水準が高いです。それから、退職金というものがそれなりにある、中小企業と比べれば。そして、例えば早期退職割り増し制度などの制度もあります。これは、中小企業で見るとないわけですね。ここに大変な落差がある。
 これは、厚生労働大臣として、例えばこういう痛みを伴う、あるいは御遠慮いただく、我慢していただくというところで、中小企業で働く、ぎりぎりの生活をしてきた、しかも失業して収入が途絶えたというところには、しっかりとむしろフォローを入れなければいけないんじゃないか、こう思うんですね。そういう政策を具体的に実現するつもりはあるのか、お答えいただきたいと思います。
坂口国務大臣 ですから、先ほどからお答えをしておりますように、所得の低い皆さん方や中ぐらいの皆さん方のところに対しましては、今までどおりに行います。しかし、所得の高いところについては少し御辛抱をいただかなければならない人もおりますよということを申し上げているわけでありますから、今おっしゃるように所得の低いところ、そして中ぐらいなところの皆さん方には今までどおり対応していきます、こう申し上げておるわけであります。
保坂委員 この議論はこれからも続けていきたいと思うんですが、今回の補正予算で、雇用保険料の値上げが直前でストップになり、そしてその手当てとして二千五百億円の補正の予算が組まれていると思います。しかし、どうして雇用保険がこんなことになっちゃったんだろうかという本質論を我々は考えなければいけないというふうに思います。少し前まで五兆円ほどの積立金があって、保険の優等生とまで言われた雇用保険が、やはり厚生労働大臣自身もおっしゃっているように、このままいけば、このまま失業される方がこの調子でふえていけば尽きてしまう。
 そこで、具体的に一つ。いわゆる宿泊施設、いろいろつくっていますけれども、スパウザ小田原という施設をつくっているじゃないですか。雇用保険料、それからこれは労災も入っているんでしょうか、四百五十五億円でつくったものを八億円で売ると。きのう厚生労働省の係の方を呼んで確かめてみたら、本当に進行しているんですね、そういう話が。
 今回の補正の財源二千五百億、そのうちの五分の一に相当するような、これはもう公的宿泊施設としてはつくれませんから、最後の豪華版と言われている。このパンフレットを見ると、確かに相当広いところにありますよ。それで、利用を普通の国民ができるのかなという値段ですよね。例えば、お正月に四人家族で行くと、一泊しただけで十万円を超えますよ。休前日は三千円アップですよ。こんなものをつくって、しかもがらがらで採算がとれない。そして、四百五十五億のものを八億円で小田原市に売る。こんなことを今まで放置してきた。
 雇用保険のこれだけの、五兆円のストックが本来の目的以外のところでも失われていったことに対するきちっとした調査をしてほしい。いかがですか。
坂口国務大臣 その前にちょっと訂正しますが、先ほど六〇%から八五%と言いましたけれども、八〇%の間違いですので、済みません。
 それから、スパウザ小田原の話でございますけれども、これはいつも皆さん方からも御指摘をいただきまして、そして平成十七年度中に処理をする、こういうことになっておりまして、ここを引き受けていただくところを鋭意探してきたところでございます。しかし、公的に一応つくったものでございますから、できれば公的なところにお引き取りをいただいて、そして、そこでその地域の皆さん方あるいはまた全国の皆さん方に今後も御利用をいただくということができればよろしいのではないかということでございます。
 この施設につきましては、小田原市がそれでは引き取ってあげましょうということになったわけでございます。つくったときにはかなりかかりましたけれども、現在、民間の不動産鑑定業者二社の不動産鑑定評価をしていただきまして、その平均値は十六億円でございます。その十六億円でございますが、小田原市という公的なところでお引き受けをいただくということでございますから、その五割の八億円で交渉をさせていただいているということでございます。
保坂委員 これは、今ハローワークに毎日列をつくっている方が聞いたらどういうふうに思いますか。五百億円近い保険料を投下して、不動産で鑑定してもらったら十六億だったと、それで半額ということで八億で小田原市に譲渡。それは、小田原市はこれはいいものですよね、八億で買えるんなら。しかし、これは一般の企業だったら背任じゃないですか、こんなことをしたら。これだけ公金を預かってきた責任追及はきちっとするんですか。その決意を伺いましょう。
坂口国務大臣 これは何年か前にやられたことでございますし、それから、つくりますときにはかなりそれは財源もかかっておりますけれども、建物というのは、年々歳々それは単価落ちていくわけでありますから、そのときの額で今売買しようといっても、それは無理な話でございます。
 だから、鑑定士の皆さん方にどれぐらいございますかというふうに聞きましたら、十六億円ということでございますし、また、先ほど申しましたように、公的なところがお引き受けをいただくわけですから、そこは市民の皆さんだけではなくて、全国の皆さん方にも御利用をいただけるようにしていこう、こういうことでございますから、それは今日までの継続の中で公的なところがおやりいただくということを大変私は喜んでいる次第でございます。
保坂委員 納得はできないんですが、次に進みます。
 財務大臣、いかがですか、ちょっと質問しますんで。
 年金の不安が広がっていますよね、今。年金の相談に、例えば受給者の方が、あるいはこれから年金、自分がどうなるのかという方が行く場合に、現在どのようなことが起きているか、何かお聞きになっていらっしゃいますか、年金相談の窓口で。
塩川国務大臣 いろいろと聞いておりますが、若い人は、意見を聞きますと、将来は本当に保証してくれるのかという意見が強い。それから、年齢の人たちは、額が下がらないでしょうなという不安を持っておると。それは率直な意見だと思いますが。
保坂委員 今財務大臣がお答えになったような相談があるのは、また事実だと思います。
 また、坂口大臣の方は恐らくお聞きになっていらっしゃると思うんですが、こういう事実を知っておられるでしょうか。
 例えば、年金受給者が一番多いのは埼玉県でございますね。人口もかなり多いし、年金受給者も多いんです。窓口が大変混雑している。混雑の仕方というのが、具体的に言いましょう。例えば、春日部という社会保険事務所に相談に行こうとします。八時過ぎから受付が始まるんですね。銀行のように番号が出てきます。それで、九時四十分には受付が終わっちゃうんです。この九時四十分に受付が終わるというのは、午前中の分です。そして、さらに見えます、相談者が。十一時半、十一時四十分ぐらいには午後の受付分も終わってしまうんですよ。
 ですから、午後、仕事を休んで、あるいは商売の段取りを終えて相談に来た人たちは、あなたはだめですよ、きょうはお帰りくださいと、帰されちゃう。帰さざるを得ないんですね。多過ぎて対応できない。こういうことが起きているようであります。
 また、これは越谷の年金相談センター、この管内に、近くにありますけれども、年金相談センターというところ、ホームページで調べてみたら、電話番号がないんですね。いろいろ調べてみましたら、こちらの方はもっと少人数でやっているんですね、少ない人数。ここは、朝九時に受付をして、九時十五分で午前中もう締め切りですわ。そして、九時四十五分には午後の分も全部打ち切りです。そうするしかないんですね。人が少ない。これ、例えば、埼玉県と人口でどっこいどっこいの愛知県では八百二十三人の職員に対して、埼玉では三百八十八人。
 最も相談に押しかけているところに、例えばこの冬の寒いときに、時にはみぞれまじりの雨が降るようなときに、年金受給者のお年寄りが外で一時間も二時間も列をなして待たなきゃいけないような、そういうことをやはり放置しちゃいけないと思うんです。これは、やはり定数配分をきちっと見直して、しっかり改善していただきたい。
磯部政府参考人 時期や時間帯による違いはございますが、御指摘のように、高齢化の進展等を背景にいたしまして、社会保険事務所の窓口等における年金相談件数は増加しているところでございます。
 このため、社会保険庁におきましては、混雑の著しい社会保険事務所の相談窓口の増加あるいは社会保険事務所の出張所としての年金相談センターの設置、また、定型的な質問にコンピューターで音声が答える自動応答システムの導入、それから、ホームページへのQアンドAの掲載等の施策を講じまして、増大する年金相談のニーズに対応してきたところでございます。
 今後はさらに、インターネットを活用した年金見込み額の提供、それから広報の推進、また、個別具体的な年金相談への対応を含みます年金電話相談の一層の充実や効率化などにより、効率的かつ多様な相談体制を構築して、国民の年金相談に対するニーズに適切に対処してまいりたいと考えております。
保坂委員 一通りの答弁をいただきましたけれども、これは本当に早急に改善をしていただきたいと思います。
 同時に、私、ずっとこの年金の運用の問題、きのうもこの委員会で激しい議論がありましたけれども、お尋ねしてまいりました。
 坂口大臣に伺いますが、現時点で年金積立金というのは幾らになっているでしょうか。
坂口国務大臣 計算の仕方はいろいろございます。百四十四兆、百四十五兆、そうした額になっておりますし、最近はもう少し、十四年度分を入れますともう少し大きくなるというふうに思っております。
 ちょっと今詳しい数字を手元に持っておりません。
保坂委員 実は、昨年の二月十五日の予算委員会で同じ質問を坂口大臣にしまして、このとき、辻年金局長は、「百四十八兆円でございます。」という答弁をしているのですね。
 手元に資料はなかったようですから、今幾らあるのか、これは額面の数字ですよね。いわば資金運用で、株式市場で運用して評価損を出している部分というのが、もうこれは隠せないほど出てきています。それから、年金住宅融資でも焦げつき分が出てきている。そして、グリーンピアなどの宿泊施設でも使っているものもある。
 そして、私、これは、日本医師会の総合政策研究機構というところが、年金運用先の財務研究、どこへ行った年金資金という、これはちょっと前の分析なんですけれども、新しい年金資金運用基金が発足する前の分析がここにあるんですね。
 これを見て改めて非常に驚いたんですが、「年金資金が運用されている融資先のほとんどが、自らの事業収入だけで利払い償還ができないばかりか、補助金や出資金といった政府からの資金援助を得てもなお利払い償還ができず、今年度新たに借りた資金を利払いや返済にまわしている状態に陥っている」。これは、格付すると大体CCという格付の、ほとんど追い貸し状態にあるという機関が、総計すると百八十四兆円もこの時点で、これは九九年ぐらいまでの数字ですけれども。
 だから、年金の資金が果たして今、私たち、これからのこの年金制度を支えるために幾らあるのかという実態解明をきちっとしていただきたい。今もしお答えできるなら答えていただくのが一番いいんですが、少なくとも、財務分析から何から、いろいろなところに年金資金が行っていますから、今、実態上幾らだということを査定する必要がある。いかがですか。
吉武政府参考人 お答えを申し上げます。
 平成十三年度末の状態でございますが、年金積立金のトータル額が百四十七兆千七百五十五億円でございます。
 ただ、昨日の当委員会での御質疑でもございましたように、自主運用で累積の欠損がございますので、これを、いわば時価会計的に欠損を除去いたしますと、百四十四兆三千三百十五億円という状態でございます。
保坂委員 坂口大臣に伺います。
 要は、そのトータルの数字はいつもここでお答えになるんですよ。しかし、それぞれに、例えば特殊法人それぞれに行った年金資金が今どのぐらい大丈夫なのということを我々は知りたいわけですよ。これをブラックボックスにしておいて、少子高齢化で、受給者がふえて、年金保険料を払う働き手が少なくなるからという一般論はわかるんです。しかし、積立金がどうなのかという根本問題です。これはきちっと調査してください。いかがでしょうか。
坂口国務大臣 そこはちゃんとしたいというふうに思います。
 いずれにいたしましても、来年、年金制度の改正、出していただくために、ことしは御議論をいただかなければならないわけでありますから、洗いざらいこの年金の問題というのは明確にしなければなりません。したがいまして、そうしたことも明確にして、そして厚生労働省として姿勢を正すべきところはちゃんと正して、そして信頼される年金制度にしなければならないというふうに思っておりますので、そこは明確にしたいと思います。
保坂委員 たびたび質問をしているグリーンピアなんですが、先ほどスパウザ小田原の話をいたしました。これは八億円という金額ですね。大変疑問が残りますけれども、しかし、このグリーンピアの方は、岐阜県の中央高原基地については、民間公募を行ったが不調で、建物を壊して更地にして、自治体、県などに引き受けを打診中ということなんですね。
 この解体費用は、財源、どこだったんでしょうか。まさか年金積立金じゃないでしょうね。しかし、それ以外に考えられないんですが、どうでしょうか。
吉武政府参考人 年金特別会計からの交付金でございます。
保坂委員 こう考えると、スパウザ小田原も驚くべき話だけれども、国民から預かっている年金積立金はだれのものかという本質的な議論をこれはしなきゃいけないです、ことし必ず。そのことを指摘して、ちょっとイラク戦争の問題に入りたいと思います。
 イラクに対する軍事攻撃がいよいよ切迫をしてきた。官房長官にまず伺いたいんですけれども、福田官房長官、よろしいですか、たびたびの議論の中で、我々は、今回のイラクに対する、アメリカが準備をしている、あるいはイギリスも準備をしている攻撃というものが、九月十一日のテロ事件、ここと関連があって、アフガニスタンのタリバン政権を倒して、しかし、まだオサマ・ビンラディン氏は捕捉されていませんね。それどころか、テロ事件があちこちで勃発しているという状態の中で、この九月十一日のテロ事件とイラクとの関連というのはあるんですか。日本政府はどういう認識ですか。
福田国務大臣 アフガニスタンの問題が起こったときに、あのころよく、イラクにビンラディンが逃げるんだとか、アルカイダが逃亡するんじゃないか、かくまわれるんじゃないか、また何らかの密接な連絡をとっているんじゃないかというような議論が随分あったように思われます。あのときも、あの時点においても、そういう兆候というのはあの時点においてはない、憶測であったんだろうと思います。
 そういう状況でありましたけれども、今、ではどうかと申しますと、今も関連があるというようには考えられていない、もしくは関連があるという証拠のようなものはない、こういうように考えております。
保坂委員 だとすると、ワールド・トレード・センターやワシントンに対する同時多発テロというのは、テロとの闘いということで新しい事態になった、そういうことが世界の世論を動かしてきた部分がありますが、今イラク攻撃については、ヨーロッパを中心に、外務大臣にちょっと伺いますけれども、やはり慎重な姿勢が出てきていると思います。
 特に、大量破壊兵器をイラクが所持していたり、あるいは開発途上であったり、あるいは開発計画があったり、アメリカが指摘するところのさまざまな疑問点がありますが、現在査察が行われていて、これはずっと以前から議論をしてきたことだし、私どもだけではなくて、自民党の河野太郎議員などからも出されていることですけれども、この一四四一の国連決議、最終的に安保理に戻して、国連の決議を待ってアメリカが攻撃するとは言っていないんですね、一貫して。結局そこは、アメリカとして国連決議を待たずに攻撃をできる状況にある、このように言ってきたと思います。
 とすると、大量破壊兵器を開発している、あるいは所持をしている、あるいはその疑惑があって、民主的ではなくて独裁的な政権というのはほかにもたくさんあるわけですね、どこの国とは言いませんけれども。中東各国、アフリカなど見渡しても相当あると思いますが、これが新しい世界のルールということに到底ならないだろうと私は思います。外務大臣はその点をどう考えていますか。
川口国務大臣 まず、イラクについてでございますけれども、イラクについては、今おっしゃったように査察が行われているわけですけれども、アメリカとしてこれに対して武力行使をするということを今決めたわけではないというのをまず申し上げたいと思います。世界の国が、日本も含めてですけれども、平和裏にこれが解決するように懸命に外交的な努力を続けているというのが現状だと思います。
 それで、イラクと同様に大量破壊兵器を開発している懸念があって民主的な体制でない国はすべて武力攻撃にさらされるのかという御質問であったかと思いますけれども、イラクについては、一四四一という国連の安保理の決議があって、それに沿って査察をし、そして重大なる違反があった場合には安保理に報告をするということになっているわけでございまして、ほかの国、例えばアメリカは、去年の初めに北朝鮮あるいはイランというのを挙げて、名指しで悪の枢軸ということで言っておりますけれども、アメリカも、イラクとほかの国とは同じではないということを言って、これは明確に言っているわけです。それから、現に、北朝鮮に対して今米国が考えていることと、イラクに対して考えていることとは違うということも現実にあるわけです。
保坂委員 一四四一をもとに今査察が行われている。イラクはこれを受け入れて、査察を妨害しない、協力するという義務を負っていると思います。同時に、ヨーロッパ各国が言っているのは、戦争、武力攻撃というその決定を下す前に、イラクの大量破壊兵器の存在と危険度について立証する挙証責任があるのはアメリカ、ブッシュ大統領ではないのかと。これについて日本の政府見解は一体どうなっているのか。
 二十七日には、安保理に国連監視査察委員会とIAEAが査察報告を行う予定ですね。フランスやロシア、中国などが、もしアメリカがイラクへの武力介入ということを強硬に踏み切るのであれば拒否権ということも一部考えるという報道などもあります。議長国であるドイツも、伝えられているとおり、この武力攻撃に対しては参加しない、こういうふうに言っているわけですね。
 仮定の質問に対しては答えられないなんて言わないでください。もう刻々と迫っている事態です。日本はどうするんですか。
川口国務大臣 まず、委員がおっしゃった、米国に挙証責任があるかどうかということですけれども、これは、まず一四四一においては、イラクの申告に虚偽や省略があった場合、あるいはイラクが決議の履行、実施のために協力を行わない場合、これはさらなる違反を構成して、安保理に直ちに報告をされるということになっているわけですね。
 それで、今委員が、イラクが査察の妨害をしていないというふうにおっしゃられて、それはそのとおりですけれども、実はそれだけでは十分ではないと国際社会は思っているということでございます。
 私が数日前にフランスでエルバラダイIAEAの事務局長とお会いをいたしまして査察の状況について伺ったときにも、エルバラダイ事務局長は、イラクが能動的に、英語で言うとプロアクティブという言葉を使いましたけれども、積極的に査察に応ずる必要があるということを言っているわけです。前々からの国連査察において国際社会が持っている懸念、これが大量破壊兵器についてあるわけでして、イラクは、例えばそういうことについて、それがどうなったかということを能動的に、プロアクティブに情報を提供する、しなければいけないというのが国際社会の今の考え方でございます。
 ということですので、イラクの中に、イラクのコートにボールがあるというのが現状でございます。
 それで、先ほども言いましたように、国際社会が今やっているのは、平和的に解決するように努力をしているということでございまして、私は先ほどアメリカのボルトン国務次官にもお会いをいたしましたけれども、米国が国際社会のこの点についての理解が進むようになる努力をするということは大事だろうと考えているというふうにも申しましたし、また、国際的な協調が引き続き重要であるというふうに我が国としては考えているということもお話をしております。
 今、国際社会すべてが努力をしている、そういうことでございます。
保坂委員 川口外務大臣に一言言っておきますけれども、十一月の段階で外務委員会などで私も聞いているんですね、この同じ質問を。これは軍事行動があるということを予断した上での質問で、こういう質問には答えられぬ、こういうふうに言っておいて、アメリカに行って、これは2プラス2ですか、武力行使が不可避となれば日本も主体的に考えて責任ある役割を果たしたいと述べたと。これは、国会答弁というのをどう考えているんですか、一体あなたは。国会でしっかり答弁をして、それから政府の姿勢を対外的に打ち出す、その基本がわかっていないんじゃないですか。
川口国務大臣 今委員がなさったことは、国会において再三再四、私、既に申し上げておりますので、今回、先ほどは一番新しい局面についてだけ触れさせていただいた、そういうことでございますけれども、我が国としては、平和裏に問題が解決するように努力をする、それがまず第一番であるということです。
 それで、万が一不幸にしてイラクの側において重大なる違反があって、武力行使ということになった場合にどうするかということでございますけれども、我が国としては……(保坂委員「そんなこと聞いていないですよ」と呼ぶ)それの御質問だと思いましたので、今それをお答え申し上げようと思っていたわけですけれども、そういうことになった場合には、これは我が国としては、大量破壊兵器が我が国にとっても大きな問題であるということ、それから、我が国が国際社会において責任ある国として行動をとらなければいけない立場にある国であるということをきちんと踏まえて、そのときに、例えば難民の支援ですとか、周辺国の支援ですとか、それから、当然ながら邦人の無事な日本への引き揚げといったようなことについて可能な選択肢を検討している、そういうことでございます。これは前々から申し上げているとおりでございます。
保坂委員 イラクに重大な違反がもし不幸にして見つかったならばなどと、そういう前提で聞いていないんですね。むしろ、その国連の決議を踏まえずに武力行使、もう時期が来たといった場合に、各国動くわけです、日本はどうするんですかと聞いているんですが、もう時間がありませんので、答えないということを確認して、これは、こういう体制は本当に早くかえてほしいと思いますね。
 官房長官、いかがですか、日本はどうするというのはもう刻々と迫っているんですよ。そういうときに、国際社会の一員として責任ある云々なんて一般論で言われても、全くこれは審議にならないじゃないですか。
福田国務大臣 そういう御質問があるのも、これはよくわかります。先ほど来外務大臣から答弁しているとおりなんでありますけれども、これは、今後どういうふうな筋道をたどっていくのか、この辺、いろいろな選択肢というか、道があるんだろうと思います。
 そういうような状況の中で、また、そのことについて、今一番何しろ大事なことは、国際協調を図った上で、イラクがうんと言うような、そういう協調を図っていく、これが大事なんだろうと思いますけれども、そういうところでぎりぎりの交渉をしているというわけでありまして、我が国の対応の仕方、これは国際協調ということを前提に考えてやっておりますけれども、そういう中で、今その先についてどうこう申し上げるということは、これはその国際協調に影響をするといったようなことも、これも問題があるんだろうと思います。
 でありますので、その辺は外務大臣も慎重にならざるを得ない、こういう立場なんだろうと思います。ですから、その辺はひとつ御理解をいただきたいという部分もある、そういうことでございます。
保坂委員 国際協調をもって武力行使に協力をするのか、それとも、私たちはやはり、武力行使という事態はとめなきゃいけないと思いますよ。少なくとも、基本的なスタンスはもう明らかにしなきゃいけない時期です。
 時間がありませんので、もう一点、法務大臣にお願いしていますので。
 きょう私、新聞見てちょっと、いろいろなことで驚くこと最近多いんですが、やはり驚いたんですね。CAPIC、御存じですよね。これは、受刑者の方が五万三千人刑務所内で作業をしている。皆さんも行かれたことは多いと思いますが、矯正展というのをやりますね。私も行って、本箱、いい本箱だなと思って愛用していますけれども、買ってきました。
 ところが、きょうの新聞によると、いわゆる刑務所でつくられたというはずの商品は、実は輸入されておったと。これは、いわゆる牛肉の問題や食品表示の問題で捜査がいろいろ動いていますね、ほとんど変わらないんじゃないかと思いました。
 それで、二〇〇〇年の四月に刑務所製品展示会のチラシを見た福岡県の家具屋さんの社長さんは、あれ、うちの商品とそっくりな飾り棚があるなと気がついたんですね。岡山刑務所作製と書いてあった。カタログをめくってみたらぴったり合った、これじゃないかといって、福岡刑務所に電話したら、当初は、そんなことはありません、全部刑務所ですと言ってきた。しかしその後、訪問があって、いや、刑務所外で仕入れた家具が一部展示されていたというふうに変えてきたんですね。その家具屋の社長さんは、こんなあいまいな話じゃ納得できぬといって公取に持っていったんですね。公取が何と法務省を注意するという事態になった。法務省の方でいろいろ洗ってみると、四十八品目あった。これはどういうことですかね。
 この刑務所の幹部が言うには、刑務所だけの作製では製品に質と量ともに限界があるので、売り上げを考えてやったと。どこかで聞いたせりふじゃないですか、最近。こういうことがある。しっかり調査して厳正な処分を行ってもらいたいし、一体どういうふうになっているのか。
 しかも、これが単なるいわゆるごまかしたという問題と違うのは、これは矯正制度全体の問題にかかわってくるんですね。では、刑期にまじめに三年なら三年で更生しようといってその家具を組み立てていく、こういうことを全部、いわばその矯正展とかそういう販売会に集まる方も社会的に認知をしていて買うわけでしょう。その根底から覆っちゃうわけです、こういうことをやっていると。どう受けとめていらっしゃいますか。
森山国務大臣 御指摘のような記事がございましたのは私も目にいたしまして、調べさせていただきました。
 法務省が監督しております財団法人矯正協会のCAPIC製品は、安くて丈夫でなかなか品質がいいという評判でございまして、先生もお買い求めいただいたそうで、ありがとうございます。
 お尋ねの件は、そのような信用を傷つけたものでございまして、本当に遺憾だと思っております。この事件につきましては、既に再発防止策が講じられまして、現在は適正に取り扱われていると承知しておりますが、今後とも、このようなことがありませんように監督してまいりたいと思っております。
保坂委員 この矯正協会というのは、一八八八年、明治二十一年に大日本監獄協会として創設されて、歴史あるんですね。五万三千人の人たちが刑務所内で作業しているわけですね。それを一般の人たちに買ってもらおうと。我々も矯正展に行ったりするわけです。
 その製品には、CAPICというシールが張ってあるらしいんですよ。きのう、家に帰っていろいろ探すと、どうも見当たらないんですね。私のところも家具屋さんから送られてきたのか、本物だったのか、わかりませんけれども。
 しかし、この報道によると、ほとんどできていたものの塗装だけ刑務所でやったものを出したというのも法務省の言い分としてあるんですよ。こんな作業をもし刑務所内でやらされていたら、更生できますか。ほかのところでつくって輸入してきたものを、その塗装だけちょいちょいとやって、はい、刑務所でつくりました、こんなことをやっていて、これは考えられないことですよ。どうですか。
森山国務大臣 お尋ねのシールのことも調べましたところ、財団法人矯正協会の刑務作業協力事業部、CAPICと言われているところですが、それが定めたものでございまして、この事案につきましても、既に再発防止策が講じられまして、現在は適正に取り扱われているというふうに報告されております。
保坂委員 これはしっかり調査をして。だって、ほかのところどうなんですか、食品メーカーとか、雪印食品なんかつぶれたんじゃないですか。その捜査を最終的に指揮していく検察庁を持っている役所が最も厳格じゃなきゃいけない。しかも、捕まった人が服役するところだよ、刑務所というのは。そこがごまかしているなんというのは信じられないじゃない。今は直っていますなんということじゃちょっと納得できませんよ。
森山国務大臣 ただいま御指摘の点は何年か前の話でございまして、そのとき、既に調査をいたしまして、是正がされているというふうに聞いているわけでございます。
保坂委員 委員長、ちょっと答えていないと思うんですが、もう一度答弁をお願いします。
藤井委員長 森山法務大臣に申し上げます。
 そういう事実があって、それは適正に対処してありますというのは、それは今現在そうでありましょうけれども、どういった原因でこうなって、そしてこういう対応をいたしました、その結果、現在適正に対応いたしておりますというふうに、経緯を含めた形での答弁をぜひお願いいたしたいと思います。
森山国務大臣 委員長がいろいろ御指示いただきましたので、私も、全くそのとおりでございますが、非常にこの事件がCAPICの製品についての信用を傷つけたということは本当に残念なことでございまして、そのとき再発防止策がとられまして、現在は適正に扱われているということで私は納得し、皆様にもその御説明を申し上げているということでございまして、先生のお目にとまりまして、いろいろと今御指摘いただいたこともあわせて、今後の注意するべきものとしてよく考えてまいりたいと思います。
藤井委員長 法務大臣、決して難しい質問をしているわけじゃないので、いずれにいたしましても、今、時間が参りましたけれども、二十七日にまた質疑がありますので、そのときに改めて……(発言する者あり)わかりました。
 法務大臣、要するに、もうちょっと丁寧に経緯、もうそのとき是正した……(発言する者あり)ちょっと御静粛に願います。
 是正したから、今は適正に対応しているだけでは、これは、やはりどういう原因があったのか、どういう経緯があって、そしてどういう処分をし、またどう対応して、現在は適正に行われているか。その経緯について、また後日、二十七日のまた社民党からの質問もあるわけでございますけれども、そのときにまた御報告をいただければと思います。
 とりあえず、そのことについて、委員長の、私の要請に対して、森山法務大臣、答弁願います。
森山国務大臣 委員長の御趣旨を体して、次回御説明申し上げたいと存じます。(発言する者あり)
藤井委員長 それは、今、経緯がまだわからないのですか。
森山国務大臣 今、私が承知しているところでは、先ほどのCAPIC製品の問題は平成十二年の話でございますので、その当時のことをよく調べないとよくわかりませんので、私の想像では、多分、刑務所において上の塗装をやったということが作業のプロセスの一つでありましたので、それをもってCAPICの製品と言って差し支えないだろうというふうな認識を持っていたらしいという話を聞いております。
 そんなことでございますが、さらに必要であれば、詳しくできるだけ調べたいと存じます。
保坂委員 到底納得できないので、ぜひこの委員会でしっかり説明を求めたいと思いますし、そして、法務省は、人権擁護法案を出していますよね、人権という、これだけ大事なことを本当に扱えるのかという根本的な疑問がわいてまいりましたし、きょうは本当は死刑の問題も議論したかったのですが、ぜひ徹底した調査を求めたいと思います。委員長にもお願いします。
藤井委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る二十七日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時九分散会


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