衆議院

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第10号 平成15年2月13日(木曜日)

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平成十五年二月十三日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 藤井 孝男君
   理事 斉藤斗志二君 理事 自見庄三郎君
   理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君
   理事 宮本 一三君 理事 末松 義規君
   理事 原口 一博君 理事 細川 律夫君
   理事 石井 啓一君
      伊吹 文明君    池田 行彦君
      石川 要三君    岩崎 忠夫君
      衛藤征士郎君    尾身 幸次君
      大原 一三君    岡下 信子君
      奥野 誠亮君    亀井 善之君
      栗原 博久君    小西  理君
      左藤  章君    高鳥  修君
      津島 雄二君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    西川 京子君
      萩野 浩基君    馳   浩君
      原田昇左右君    松野 博一君
      三塚  博君    持永 和見君
      山口 泰明君    吉野 正芳君
      石井  一君    上田 清司君
      大石 尚子君    海江田万里君
      河村たかし君    島   聡君
      田中 慶秋君    中村 哲治君
      長妻  昭君    細野 豪志君
      山田 敏雅君    吉田 公一君
      米澤  隆君    赤羽 一嘉君
      斉藤 鉄夫君    丸谷 佳織君
      達増 拓也君    中塚 一宏君
      樋高  剛君    藤島 正之君
      佐々木憲昭君    中林よし子君
      矢島 恒夫君    植田 至紀君
      金子 哲夫君    横光 克彦君
      井上 喜一君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   法務大臣         森山 眞弓君
   外務大臣         川口 順子君
   財務大臣         塩川正十郎君
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       大島 理森君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 谷垣 禎一君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   国務大臣
   (金融担当大臣)
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当大臣)   石原 伸晃君
   国務大臣         鴻池 祥肇君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   法務副大臣        増田 敏男君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   文部科学副大臣      河村 建夫君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   農林水産副大臣      北村 直人君
   国土交通副大臣      吉村剛太郎君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   内閣府大臣政務官     木村 隆秀君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      中島 忠能君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   吉村 博人君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  瀬川 勝久君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    属  憲夫君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  畠中誠二郎君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    海老原 紳君
   政府参考人
   (財務省主計局長)    細川 興一君
   政府参考人
   (農林水産省総合食料局長
   )            西藤 久三君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  須賀田菊仁君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長
   )            太田 信介君
   政府参考人
   (食糧庁長官)      石原  葵君
   政府参考人
   (林野庁長官)      加藤 鐵夫君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  洞   駿君
   予算委員会専門員     中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十三日
 辞任         補欠選任
  池田 行彦君     左藤  章君
  大原 一三君     小西  理君
  高鳥  修君     岡下 信子君
  松岡 利勝君     西川 京子君
  三塚  博君     馳   浩君
  山口 泰明君     吉野 正芳君
  上田 清司君     山田 敏雅君
  田中 慶秋君     大石 尚子君
  中村 哲治君     島   聡君
  斉藤 鉄夫君     丸谷 佳織君
  中塚 一宏君     藤島 正之君
  矢島 恒夫君     中林よし子君
  中西 績介君     植田 至紀君
  横光 克彦君     金子 哲夫君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     松野 博一君
  小西  理君     岩崎 忠夫君
  左藤  章君     池田 行彦君
  西川 京子君     松岡 利勝君
  馳   浩君     三塚  博君
  吉野 正芳君     山口 泰明君
  大石 尚子君     田中 慶秋君
  島   聡君     中村 哲治君
  山田 敏雅君     上田 清司君
  丸谷 佳織君     斉藤 鉄夫君
  藤島 正之君     中塚 一宏君
  中林よし子君     矢島 恒夫君
  植田 至紀君     中西 績介君
  金子 哲夫君     横光 克彦君
同日
 辞任         補欠選任
  岩崎 忠夫君     大原 一三君
  松野 博一君     高鳥  修君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十五年度一般会計予算
 平成十五年度特別会計予算
 平成十五年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――
藤井委員長 これより会議を開きます。
 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長吉村博人君、生活安全局長瀬川勝久君、交通局長属憲夫君、総務省自治行政局長畠中誠二郎君、外務省北米局長海老原紳君、財務省主計局長細川興一君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、生産局長須賀田菊仁君、農村振興局長太田信介君、食糧庁長官石原葵君、林野庁長官加藤鐵夫君、国土交通省航空局長洞駿君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
藤井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細川律夫君。
細川委員 おはようございます。民主党の細川律夫でございます。
 連日、この予算委員会、朝から夕方まで議論がなされております。きょう、私、最初の質問者としてこの壇に立たせていただいております。
 私の方からは、きょうは、日本という国が治安が大変悪くなって危険な状況になってきている、このことについて御質問をしたいと思います。
 国家にとって、安全保障は大変重要な課題でございます。イラクの問題あるいは北朝鮮の問題などがこの委員会でも大きな議論となっておりますけれども、国家の安全という点からいって当然のことであります。しかし、安全という問題は、単に国際関係、外交問題にとどまらない。国内に目を向ければ、治安の確保ということが国家の大きな役割だとも言えます。
 今、日本は安全な国だというこの神話が崩壊をしつつあります。例えば、ことしの一月九日の読売新聞の社説におきましても、日常生活の安全が揺らいでいる、家にいても道を歩いても、何ら心配する必要がなかった時代は、過去のものになりつつある、こういうふうに言っております。
 いわゆる体感治安、体で感ずる治安、この体感治安が急速に低下をいたしております。バブル崩壊から十年以上経過をして、景気の低迷が続いて、経済力の面でも評価が大変下がっておりますけれども、経済と同様に、治安の悪化も極めて大きな問題であります。
 平成十四年度の犯罪白書によりますと、平成十三年におきます刑法犯の発生率、これは人口十万人当たりの比率でありますけれども、二千八百十四件と戦後の最高値を示しております。交通関係の業務上過失などを除きますと、刑法犯の発生率は、五十三年ぶりに二千件を超えまして、二千百四十九件となっております。つまり、戦後の混乱期を上回る件数でございます。
 先月、昨年の刑法犯の統計が発表されましたけれども、刑法犯の認知件数はさらにふえております。また、重要犯罪と言われるこれらの犯罪については、認知件数が五年間で七五%ふえております。しかし、検挙率の方は、平成十年は八四・一%であったものが、平成十四年には三四%も減って、五〇・二%に下がっております。
 警察の資料によりますと、重要犯罪といいますのは、殺人、強盗、放火、強姦、略取・誘拐、強制わいせつ、この六種類が重要犯罪と言われておりますけれども、いずれも国民の生命財産について大変脅威となるものでございます。重要犯罪はふえる一方で犯罪者は捕まらない、こういうことになってきております。
 全刑法犯の包括罪種別を見てみましても、凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、いずれも、最近この四年間で急増をいたしております。平成十四年を平成十年と比べてみますと、凶悪犯では五二・三%増、粗暴犯では八三・四%増、窃盗犯では三二・九%増。反面、検挙件数はそれに追いつかずに、全刑法犯の検挙率は二〇・八%まで下がっております。犯罪件数で見れば、五件に一件しか捕まっていない。これでは犯罪の抑止力は失われて、ますます犯罪はふえていくだろう。
 私は、この我が国の将来を考えますと、経済の低迷と同様に、あるいはそれ以上に深刻な問題ではないかと考えております。
 まず、大臣にお尋ねいたしますけれども、なぜこのように犯罪が多くなって国民の安全が脅かされるのか、大臣としてはどういう原因とお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
谷垣国務大臣 きょうは、細川委員から治安の問題を集中的に取り上げていただきまして、心から敬意を表する次第でございます。
 今委員が御指摘になりましたように、大変治安情勢は悪くなっておりまして、刑法犯認知件数、これが増加の一途をたどっておる。昭和期は大体、平均百四十万件プラスマイナス二十万というところであったと思いますが、平成十四年は二百八十五万件というふうに、昭和期の二倍になってきております。そして、その中身も、先ほど御指摘になりましたいわゆる重要犯罪がふえてきている。
 それから、体感治安ということをおっしゃいましたけれども、街頭でのひったくりとか、あるいは我々の生活の本拠である住居やオフィスというものに侵入してくる、そういう街頭犯や侵入盗がふえているというような、非常に体感治安を悪くしておる。それから、来日の、特に不法滞在の外国人による集団犯罪、凶悪犯罪もふえている、こういう事情がございます。
 そういう事情に加えまして、今委員が御指摘のように、全刑法犯検挙率、これを過去五年で見ますと、平成十年には三八%ございましたのが、昨年は、今御指摘のように二〇・八%、十三年には一九・八%でしたので、ちょっと戻りましたけれども、依然としてこれは低い、こういうことがございます。
 そこで、一体、もちろん警察にこれは大きな使命が課されているわけですが、原因はどこにあるかということになりますと、私は、まずやはり経済情勢というものも基本的にあると思います。
 それから、やはり社会情勢ですね。家庭であるとかあるいは地域社会であるとかあるいは青少年の教育、こういうような全体の社会の情勢というものがあるのかな、こういう気がいたします。
 それから、今までの日本人の感覚だけでは対処できない、国際化に伴う、外国人がたくさん入ってこられるとか、こういうことがございますが、そういう国際化に伴う問題。
 それから、そういったこととみんな関連してくるわけでありますが、規範意識の低下。なぜ人を殺したらいけないのか、そういうことがすぐぴんとこないというような規範意識の低下、こういった問題が原因としてあるように思います。
 これは、総合的な対応が必要とされているゆえんであろう、こんなふうに思います。
細川委員 犯罪がふえております。聞くところによりますと、刑務所、拘置所それから留置場、こういうところも、犯罪がふえることによって、今ほとんどもう飽和状態だというふうに聞いております。
 犯罪白書によりますと、平成十三年の十二月三十一日現在、収容率といいますか、裁判が確定している既決拘禁者では一〇九・七%、平成十四年、昨年の十二月現在では一一七%です。だから、施設そのものも完全に足りない、そういう状況と聞いております。
 これらに対してどういうような対策が考えられているのか、法務大臣にお聞きをしたいと思います。受刑者あるいは未決囚が収容される施設についてどういうような対策がとられているか、要員の確保も含めてお答えいただきたいと思います。
森山国務大臣 おっしゃいますとおり、刑務所や拘置所等の行刑施設の収容人員というのが、この数年、急激な増加が続きまして、昨年末現在の収容人数は全国で約六万九千五百人というところでございます。収容率は、既決と未決と両方合わせて申しますと一〇七%に達しておりまして、既決の方が一一七%と、これもおっしゃったとおりでございます。
 法務省といたしましては、このような事態を深刻に受けとめまして、これまでも施設の増改築に鋭意努力いたしてまいりましたけれども、さきに成立いたしました平成十四年度の補正予算及び現在御審議いただいております十五年度の予算に関しまして、刑務所の新設や収容棟の増築経費によりまして、平成十五年度末には相当の収容定員増が確保できるかというふうに期待しております。
 また、行刑施設の職員につきましても二百四十三人の増員が平成十五年予算案に計上されておりまして、今大変、人員増については厳しい事態でございますのに、格別の御配慮をいただいたというふうに考えておりますが、現在の犯罪発生状況などから見ますと、被収容者は今後も増加するであろうというふうに考えられますので、その動向も踏まえながら、施設の増強に民間の資金を活用するなど、いろいろなことを含めて考えまして、必要な対策を継続していく予定でございます。
細川委員 今法務大臣の方から施設の増設などについてお話がありましたけれども、今刑務所が一一七%という、大変飽和状態といいますか、収容人員以上のあれになっておりまして、刑務所というものが満杯だと、既決、判決を受けた者が、刑務所に行かなければならないけれども刑務所に入れない。そうしますと、拘置所の方で順番待ちをしなきゃいかぬ。拘置所ということは、拘置所は未決の人がいるところですから、起訴されて被告人になってそして拘置所に入らなければいけない人が、今度は拘置所が満杯だから留置場の方にいなきゃいかぬ。留置場も満杯だから、そうしますと、組織犯罪なんかを一網打尽に捕まえたとしても、たくさんの被疑者を捕まえたとしても、留置場に入れられない、入られない。そうすると、ついつい現場では、捕まえたって留置場に入れられないんじゃないか、あるいは、入れるところがあったとしても、全然現場から遠いところのあいている留置場に入れなければいけない、護送するにも非常に不便なところにある。そうすると、現場では、逮捕して捕まえても入れるところがなければ結局釈放するしかないんじゃないかみたいな感じで、そもそも犯罪そのものを、捕まえるというか、犯人を捕まえる、そういうのが鈍ってくるのではないか、そういうことも言われているのですよ、実際。
 このことについて大臣、どういうふうにお考えですか。
谷垣国務大臣 昨年の十一月一日現在で、全国の留置場の収容率は八割なんですね。それで、平成十三年中の全国の留置延べ人員は約四百四十四万人日。この人日というのは、一万人の方が三百六十五日入ると三百六十五万人日になる、そういう計算で、平成十三年が四百四十四万人日ですが、これは平成四年と比較すると約二・一倍になっておりまして、全国では八割なんですが、都市部を中心に非常に収容率が高くなっておりまして、厳しい状況にあるわけですね。
 これは、逮捕した警察署以外のあきのある留置場に委託留置するというような、いわば総合的な運用を図りまして収容力を確保しておりますので、委員が御指摘のように、だから逮捕するのを手を緩めようというようなことはないのでありますが、運用に苦労していることも事実でございます。
 警察では、過去十年間で約千三百五十人分の収容力を強化しておりまして、今定員、平成十三年度で全部で一万八千百七十一人になっておりますが、今後とも、警察署を新築あるいは増改築するときに留置場の整備を図っていくほか、警察署と一緒になっていない、被留置者を収容する専用の施設を建設するといった、今の情勢に対応した収容力を確保するよう、これからも努めていかなければなりませんし、また、今法務大臣もお答えになりましたけれども、法務省等、行刑施設への早期移監を進めるということも過剰解消には必要なことであろうと思っております。
細川委員 今、収容率八割というふうに留置場の説明がありましたけれども、留置場というのは全国にあるわけでして、地方の方の犯罪率の低いところといいますか、件数の少ないところではあいているところがあるかと思うのですが、満杯というか、精いっぱい使っているようなところは、本当に、逮捕しても、あいているところまで護送して、捜査のたびに毎日行ったり来たりしなければいけないということで、結局そういうところにむだがあり、大変ですから、現場の人としてはついつい気持ちが抑制されてくるのではないかという心配を私はいたしておりますので、ぜひこの点は早く、早急に解決するようにお願いをしたいというふうに思います。
 それから、さらに気になりますのが少年犯罪の問題でございます。
 少年犯罪が大変多い。少年犯罪は成人以上に多くなっておりまして、人口比でいきますと成人の約八・四倍ということでございます。全刑法犯の検挙人員のうち約四割が少年だ、こういうふうに統計では出ております。ひったくりとかあるいは路上強盗が激増いたしておりまして、特に街頭犯罪なんかにつきましては、検挙人員の約八割が少年だというふうに言われております。
 私は、極言すれば、犯罪対策は少年の犯罪対策に尽きるのではないか。少年というのは将来の社会を担うものでありますから、そういう犯罪がふえている、多いということは、大変憂慮すべき問題だろうというふうに思います。
 なぜ少年犯罪が多いのか。その背景をやはり考えてみますと、若年層の著しいモラルの低下も指摘をされております。例えば、これは新聞などで報道されたこともありますけれども、十九歳と十八歳の二人の少年が強盗をやって、捕まえたら、強盗日記というのをつけていたとか、あるいは、十六歳の少年五人が路上でひったくりをやったんですけれども、被害者のことをどういうふうに呼んでいるかといいますと、歩く銀行とか、そういう表現で被害者のことを言っているわけですね。そういう少年の犯罪の繰り返しを見ますと、罪悪感そのものが大変希薄になっているんではないかというふうにも言われておりまして、大変私は深刻な問題だろうというふうに思います。
 そこで、未成年者の犯罪が非常に深刻化しているこの状況、これについて一体どういうふうに大臣は考えておられるのか、まずその御意見をお聞きいたしたいと思います。まず、国家公安委員長、お願いいたします。
谷垣国務大臣 今御指摘になりましたように、犯罪の多発の、人的に言いますと外国人犯罪と少年犯罪の増加というのが二つの柱でございます。したがいまして、少年犯罪にどう対応していくかというのが治安回復の一つの決め手と申しますか、ポイントだろうと思います。
 それで、なぜ少年犯罪がこうふえていくかということになりますと、今御指摘になりましたように、少年自身の規範意識といいますか、そういうものの希薄化がやはり根底にあるんだろうと思います。
 では、なぜ希薄化が起こってきたのかということになりますと、例えば、こういう表現が適切かどうかわかりませんが、家庭あって団らんなし、隣人あって隣人愛なしと言われるような風潮が無関係ではないのではないかと思います。
 家庭によるしつけというような力がやはり落ちてきているのではないか、あるいは学校における教育の問題、それから社会における少年、青少年問題への無関心といった環境の悪化があって、そして少年自身が、いわば悪いことをしているという罪の意識がなくて、遊び感覚で犯罪に入っていくということがあるんだろうと思います。いろいろ調査をしましても、例えば、子供の、児童売買春にしましても、なぜそういうことをしていかぬのかということがわからない青少年がふえてきているということはやはりあるのではないかというふうに私は思っております。
 街頭犯罪というものは、先ほど申しましたようにふえておりまして、その大宗が青少年でございますから、非行少年の効果的な取り締まりとか、非行グループへの加入を阻止する、そして立ち直り対策というものを推し進めていく、こういったようなことを総合的に考えなければいけないと思っております。
細川委員 少年の規範意識の低下、モラルの低下、これについてはどうですか、文部科学大臣、どのように考えていますか。
遠山国務大臣 私も、少年非行それから犯罪につきましての最近の増加傾向を大変憂えておりまして、その要因は何かというお話でございますが、今国家公安委員長の方から非常にきっちりしたお話がございまして、もうそれに尽きていると思いますけれども、背景、要因といたしましては、一番大きくは、やはり社会の中で起きるいろいろな凶悪な事件、次々にいろいろなことが起きていって、しかもそれがきちんと取り締まられてもいないし、次々にそういうことが起きるということが一つあろうかと思いますけれども、やはり私は、第一には家庭におけるしつけ、幼児のしつけ、これはそんなに難しいことではないと思うのでございます。子供が何か親から見て悪いことを、あるいは社会の規範から見て悪いことをしたときにしっかりとしつける。それは、盗んではいけない、うそをついてはいけない、人を傷つけてはいけない、ほんの幾つかの項目でいいんですね。それをしっかりと子供の時期に親がまず教えるというのが大事だと思います。それがなされていないのではないかと思います。
 同時に、学校も、学校段階、何年も預かっているわけでございますから、その過程において人間として持つべき規範意識というのをしっかり身につけてもらうようにすべきだと私は考えておりまして、就任以来、学力の問題で、確かな学力、そして心の問題で、豊かな心、豊かな人間性ということで、二つの柱で今教育改革に取り組んでいるわけでございます。
 同時に、世の中自体が大変豊かになってきて、子供たちが生まれたときには物が充満しているわけでございます。私どもの生まれた時代の心身ともに何だかハングリー精神のあった時期と違って、その辺がやはり、自分が欲すれば、自分が望めばそれをやっていいというふうな非常に安易な気持ちが子供たちの中にあるのではないかと思っておりまして、だからこそ、私は、親も学校も、そして社会や地域の人々も、事があれば、そういうことではいけないということをしっかりと教えていく必要があろうかと思っておりますが、いずれにしましても、非常に複雑な問題が絡んでいると思います。
 ただ、私は、委員もおっしゃいましたように、将来を見ると、これを是正していくのは教育にしかないと思っておりまして、学校教育において、あるいは家庭、地域とも連携をしながら、しっかりと教えるべきものは教えていく、そういうふうな学校の取り組みをこれからも推進してまいりたいと思っているところでございます。
細川委員 今、国家公安委員長それから文科の大臣から、その感想なりお聞きをしたわけですけれども、少年犯罪が全刑法犯の四割を占める、そして非常に事件も凶悪化している、大変深刻なこの問題に対して、何とかして少年犯罪を少なくしていこうという意欲がどうもちょっと感じられないですね、聞いていて。今まで大体こういうところで議論をされて答えられたような話しか出てこない。これではやはり少年犯罪というのは少なくならないと思いますよ。
 もっと、今のお話にしても、ここのみんなが、聞いている委員が、なるほど、少年犯罪、これは大変だ、だからみんなで力を合わせて少なくしていく、抑制していく、こういうような感じが受け取れないですね。もっと熱意を込めてこの問題に対して対応していくんだということを、私の方は期待したいですね、お二人に。
 私は、犯罪が増加をしている、その要因といいますか、原因について三つばかりあるだろう、今お二人の大臣の指摘のところとも重なり合いますけれども、三つあるというふうに思っております。
 少年犯罪だけではなくて、一般の犯罪が今大変ふえている、こういう点についての原因について三つばかり考えるんですけれども、一つは、やはりこの長期の不況に伴う国民の皆さんの大きな不安、あるいは経済的、あるいは精神的ないろいろな困難がありますから、それが一つの大きな原因になっているんではないか。自己破産なんかもたくさん、二十万件だとか、もう急激にふえております。そういうようなことも含めまして、いろいろな不安がある。
 いわゆる経済的な観点からの不安、精神的な困難、これは私は政治の責任でもあろうかと思いますけれども、こういう不安をいかになくしていくか、これが一つ大きなあれだ。これは、経済の、景気回復というようなことが大きな論点になろうかと思います。
 それから二つ目は、国民のモラルの低下あるいは規範意識の低下だというふうに思っております。
 なぜこう急激にふえてきたのか。これは、バブル期の拝金主義といいますか、お金中心の価値観が国民にマイナスの影響を与えた面が大いにあるんではないかというふうに思っております。加えて、競争原理を必要以上に重視いたしまして、勝者のみ、勝った人のみがすぐれているというような考えが強くなってきておりまして、人間の多様な価値を相互に尊重し合う、あるいは共生をしていこう、みんなで一緒に共生をしていこう、そういう価値観がだんだん薄れてきているんではないかというふうに思います。
 何とかして、人間関係とコミュニティーを大切にしていく、そういう価値観に変えていかないと、ますます、罪悪感といいますか、そういうのが低下していく、あるいは規範意識が低下していくというふうに私は思っております。
 それから三つ目は、やはり犯罪の国際化、谷垣大臣の方も言われましたけれども、国際化だというふうに思っております。
 ピッキングなどの外国人の犯罪が増加をしているということも見逃せないと思いますけれども、一つは経済的な問題で国民が大変苦しんでおられる、それからモラルの低下、そして国際的な問題、これらの要因があって事件が激増している、それに警察の対応が追いつかなくて、そこで検挙率が下がっている、こういうことになっているんではないかというふうに思います。
 それでは、これくらい犯罪が増加をしている、しかし、検挙件数はそれに伴って多くなっていない、対策ができていない、そこで、じゃ、どうしたらいいのかということについて、ここで考えてみたいと思います。
 まず、じゃ、どういう対策があるかといえば、手短なことでいえば、それは、警察官の増員と警察力の強化、こういうことになろうかと思います。これは、ニューヨークで警察力の強化によって犯罪が激減したということで、そういうことを聞いておりまして、これは一つは手っ取り早い方法だろうというふうに思います。
 そこで、例えば私の地元の、私は埼玉県なんですけれども、毎年、埼玉県では警察官の増員を要望しております。しかし、埼玉県は人口が物すごく増加をいたしておりまして、既に七百万を超えましたけれども、この人口の増加に警察力が追いつかなかった、こういう経過がありまして、犯罪の多発地帯、こういう印象が強いところでもございます。
 その体感治安、先ほど申した体感治安というのが非常に低くなっておりまして、つまり、平成十四年におきましては、全刑法犯の検挙率、検挙率が一体幾らだと思いますか。一二%まで下がっているんですよ、検挙率が。犯罪を百人が犯したって十二人、こういうところまで、八人に一人という数字になっておりまして、これでは、犯罪はやり得だというような、そういう感覚になってくるんではないかというふうに思います。
 埼玉県は、ずっと、警察官の一人当たりの負担人口といいますか、人口を警察官で割った負担人口、これが一番多いんですよ。全国一、人数が多いところになっているんです。ここ数年、増員にはなっておりますけれども、それでも全国第一位でございます。ちなみに、警視庁、東京都と比べますと、東京では警官一人について二百八十八人、警視庁の場合は。埼玉県では七百三十四人となっていますよ。だから、全然違う、差があるわけなんです。大体二・五倍になっております。
 それじゃ、検挙率はどうなのかということになってきますと、東京の方では埼玉県の約二倍の二五・二%の検挙率になっている。ということは、警官が、警察官が多ければやはり検挙率が高くなっている、こういうことも言えるんではないかというふうに思います。
 そういう意味では、やはり警察官の増員それから警察力の強化ということがまず第一に考えられると思いますので、そこでお聞きをいたしますけれども、十五年度予算では、地方の警察官の増員について、昨年は四千五百人だったんですけれども、今度の予算では四千人の人数が確保されているということで、それはそれで評価をしたいと思いますけれども、これで、負担人口、先ほど申し上げた警視庁と埼玉では大分違うわけなんですけれども、そういう負担人口の平準化がこの四千人という増員でできるのかどうなのか。まず、これをお伺いいたしたいと思います。
吉村政府参考人 お答えを申し上げます。
 我が国の治安情勢につきましては、刑法犯あるいは交通事故など、各種の警察事象が増加の一途をたどっておりまして、加えて、国際組織犯罪あるいはハイテク犯罪等が新しい治安課題として出現をしているということについては御承知のとおりでございます。
 こうした状況の中で、加えて、パトロールの強化あるいは被害者対策の強化も、国民の身近な要望にこたえる活動の推進ということで求められているところでもございます。
 このような状況下、国民が求めている安全と安心を確保するために、徹底的な合理化を行ってもなお不足するという人員について、ぜひ緊急に増員をお願いしたいということで、警察におきましては、平成十三年度に二千五百八十人、今年度、十四年度に四千五百人の地方警察官の増員を行ったところでありますし、来年度、四千人の増員をお願いしているところでございます。
 委員御指摘の埼玉県警察につきましては、警察官一人当たりの負担人口が全国第一位ということで、業務負担は極めて重いものと承知をしております。そこで、平成十三年度に四百人、十四年度に三百八十人の増員を行いまして、また来年度は三百八十人の増員を予定しているところでございます。
 ちなみに、三カ年とも、十三年度、十四年度、そして十五年度予定の数は、埼玉県が全国で最も多い増員数を割り当てているところでもありまして、十五年度に増員後の負担人口は全国第二位となる見込みでございます。ただ、その業務負担はなお重いと考えられますので、所要の体制整備について引き続き検討してまいりたいと思っております。
 いずれにしろ、警察におきましては、各都道府県の犯罪情勢、人口等を総合的に勘案しながら増員数を決定しているところでございまして、現在お願いをしております地方警察官四千人の増員を実現することにより、各都道府県間の治安体制の均衡を図りながら、我が国全体として必要な警察力の確保にぜひ努めてまいりたいと思っております。
細川委員 地方警察官の増員を今お話しになりましたけれども、それでは、私の方から別の観点からお聞きをしますが、今審議をしております予算でいきますと、この警察官の増員という点はそれは置いておきますと、予算そのものはマイナスになっているわけですね。
 それでは、この警察官の増員のほかに一体どういうようなことで犯罪の発生を防いでいくのか、あるいは検挙率を高めていくのか。全体の人数をふやす分はわかりますよ。警察官の増員はわかります。そのほかが全体的にマイナスになっているわけですから、一体どういうふうにして犯罪の発生を封じたりするのか、そのほかの施策は一体どういうことなのか。具体的に犯罪の発生の予防、検挙率を高める施策は一体どういうことを考えているのか、これについてお伺いいたします。
谷垣国務大臣 大変厳しい経済情勢の中でこういう予算を組んでいただいたわけですが、幾つかやはり我々としては柱として考えなければならないものがあると存じます。
 まず、先ほど、やはり地域社会のあり方とか、いろいろお話、御指摘もございましたけれども、警察だけでできるということも限られておりますので、地域社会や民間とのいろいろな連携を推し進めていかなければならないというのが一つございます。
 具体例を挙げますと、今までやってきたものの中では、例えば自動車盗みたいなものは、今までは、何か電線を結ぶとぱっとエンジンがかかるようなものを、イモビライザーというものを開発していただきまして、ちょっと今表現が適切ではないかもしれませんが、かぎがないと非常に動かしにくいような仕組みを開発していただきまして、例えば、保険会社とも御相談をして、そういうものをつけたところの保険料は安くしていただくとか、そういう自動車盗に対応するプロジェクトチームを官民一体でやりました。
 また、ピッキング盗、侵入盗につきましても、かぎのあり方などは、かぎメーカーやあるいは住宅産業といろいろな意味での御連携をとりながらやっていく必要がありまして、今までもやってきたところでございますが、そういう官民一体による総合対策ですね。
 それから、今のピッキング盗も関係してまいりますが、侵入盗や街頭犯罪に対する総合対策を立てていかなきゃならないということがございます。
 それから、やはり今まで、地域社会ということを考えますと、町づくり等も、犯罪に強い町づくりを考えていく必要があろうということでございます。池田小学校の例でも、学校の建物のあり方が、やはり十分教員から目の届くような設計が必要ではないかというようなことが言われておりますが、町づくりにおきましても、公園等、やはり暗がりがあったり何かすると、その暗がりに引きずり込まれて犯行が起こるとか、ひったくりが起きやすい。町づくりも含めて考える必要があるのではないか。
 それから、やはり国際化ということを考えますと、入管とか税関とか海上保安庁との連携による来日外国人対策を総合的に考えなければならない。
 こういうようなところが今後考えていく柱ではないかと思っております。
 そこで、平成十五年度の予算要求でも、犯罪情報地理分析システムというようなものを考えておりまして、要するに、コンピューターを使いまして、どこで犯罪が起こっているかというところに、地方警察官一万人増員計画でいろいろやっていただいているわけですが、犯罪が今起こっているところを有効につかんで有効に対応していくというようなことを考えていかなければならない、こういう予算措置もお願いをしております。
 それから、組織犯罪対策、街頭犯罪対策推進のために、車両とか装備資機材の整備などもお願いをしているところでございます。
 ちょっと先ほどの犯罪情報地理分析システムと関連して申し上げますと、最近、ATM等に対する、パワーショベルなんかで非常に乱暴な、ラフな犯罪がございますけれども、たしか福岡県警であったと思いますが、そういうATMの所在を全部コンピューターに落とすことによって、犯罪が発生してからその所在をぱっと確かめるまで時間を短縮するようなことを工夫しまして、そこで現行犯逮捕ができたというような例もございまして、そういうようなものをもっと推し進めていく必要があろうかと思います。
 こういうことによりまして、一線の警察活動を強化して検挙に結びつけてまいりたい、こう思っております。
    〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕
細川委員 警察官の増員、これも必要でしょうし、今長官の方から話されました犯罪の予防、検挙率の向上、これらの施策についてのまた予算措置も必要だろうというふうに思います。
 しかし、今、大変国家の財政も厳しい折でありますから、これはもう民間と同じように血のにじむような体質改善を図っていただいて、徹底的な合理化も進めていただかなければならないと思います。
 そういう意味では、今、自治体とか公営企業で民間に対して外部委託が進んでおりますが、委託そのものがすべてがいいとは私も思ってはおりませんが、警察の方も、犯罪捜査に直接かかわることのないようなことは、さまざまな民間とパートナーシップを進める必要があるんではないかというふうに思います。
 例えば、私が聞いているところでは、犯罪被害者の人権を守るということで、警察の方では、民間のいろいろな組織と連携して、心のケアなどについていろいろやっておられるということもいろいろ聞いて、私も理解をしているところがありますけれども、ほかの分野でも民間と連携ができるところもいろいろあるのではないかと思います。
 そこで、具体的にお聞きをいたしますけれども、例えば、軽微な交通違反、特に駐車違反など、こういうものは民間に委託して、警察官がもっと重要な犯罪捜査の方に専念をすべきではないか。駐車違反などは本当のいわば行政的な違反ではないかと。しかし、今は、これは道路交通法でいわば犯罪になっておるものですから、これを警察官の方がやっている、こういうことになっています。したがって、これらについて、こういう駐車違反なんかのことはもう民間に任せる、そういうことをして、アウトソーシングして、そこで警察官のする仕事の量を減らしていく、そういう合理化もやはりやっていかなければいけないんじゃないか。
 今、聞くところによりますと、一一〇番で来るので一番多いのは、駐車違反が多い。それの処理をやらなければいけない。大変、そういうことでの手間暇をかけなければいけないというのが実態のようでございますから、そういうこともなくなるような民間委託ということも具体的に僕はやるべきではないかと思いますけれども、こういうのはどういうふうに考え、やるつもりでしょうか。検討していることがあればお答えいただきたいと思います。
属政府参考人 お答えいたします。
 駐車違反は、特に都市部において常態化しておりまして、交通事故や交通渋滞の大きな原因になっていることから、警察としては、効果的な取り締まりに努めているところであります。
 違法駐車の取り締まりに当たりましては、違法駐車車両への警告やレッカー移動など、可能な範囲で民間に委託をし、事務の合理化に努めてきたところであります。
 最近の厳しい治安情勢を踏まえまして、昨年十二月の総合規制改革会議におきまして、違法駐車問題の解決のために、今後、現場における駐車違反対応業務の民間委託を幅広く行うことができるように、駐車違反に関する法制度のあり方を含めて検討すべきである旨の答申がなされております。こうした答申も踏まえ、諸外国の例も参考にしながら、民間委託の拡大も含めた、より効率的な駐車違反取り締まりのあり方について、現在、鋭意検討しているところであります。
 駐車違反は国民に最も身近な交通事犯の一つでありますので、広く各方面の意見を伺いながら、さらに検討を進めてまいる考えであります。
細川委員 検討中ということでございますけれども、もっと積極的なお話が聞けると思っていたんですけれども、どうなんですか、今国会あたりにきちっと法案を出すような、そういう方向で検討はされているんでしょうか。
属政府参考人 ただいまも申し上げましたけれども、駐車違反の取り締まりのあり方というのは、これは諸外国もいろいろな例がございます。例えば、違反者を直接処罰するケースもありますけれども、それ以外に、所有者とか使用者の責任を追及する、そういうことによって駐車違反全体を少なくしていく、そういったいろいろな手法がございます。
 どういうものが我が国において国民に最も納得を得られるか、そういうことで、今、鋭意検討しております。できるだけ早く検討を進めていきたいというふうに思っております。
細川委員 今、駐車違反について警察官が担当してやっているのは、これは道路交通法で、この違反についてはいわば刑法犯罪になるという、いわゆる犯罪捜査みたいな形になっているわけですよね。だから、それを外せば、むしろこれは犯罪ではなくなりますから、行政的な処分ということでもいろいろできるのではないかと思うんですけれども、その区分けといいますか、区別を変えれば、今は犯罪ですけれども、犯罪ではない形にすれば問題もすぐに解決するのではないかと思いますが、どうですか。これは国家公安委員長、ひとつ積極的にお願いします。
谷垣国務大臣 細川委員御指摘のように、犯罪にしておくとなかなか、当然、犯罪に伴う手続をきちっとやらなきゃいけないという面がございまして、そのあたりを総合的に検討しないと答えが出ないわけですが、今細川委員の御指摘のようなことも念頭に置きながら、平成十五年度中には結論を出すようにという答申をいただいておりますので、鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。
細川委員 ぜひ、こういう問題については、鋭意というのは、早く結論を出して、警察行政のスリム化といいますか、合理化に踏み込んでいただきたいと思います。
 そこでお聞きをいたしますが、ニューヨークの犯罪の減少を見てみますと、ジュリアーニ市長を初め市の当局、市が大胆な改革を行いまして、そして成功した、犯罪が少なくなった、そういう経緯がございます。しかし、我が国の警察制度を見ますと、自治体警察という名にそぐわずに、都道府県では大胆な改革ができるような裁量がない、そういうような仕組みになっているのではないかというふうに思います。
 他の行政と異なって、地方自治法には警察についての規定がほとんどございません。細かい規定は警察法に書かれております。
 地方自治法では、百八十条の九というところで、「公安委員会は、別に法律の定めるところにより、都道府県警察を管理する。」ということでありまして、具体的には警察法などの法律あるいは政令に書かれていることになっていて、地方自治法には詳しいことは書かれていないわけなんです。警察そのものは知事の所管ではありますけれども、個々の指揮監督権は含まれておりません。
 さらに、地方警務官制度というのがありまして、警視正以上の身分は国家公務員ということになっておりまして、妙なことになっているわけですね。例えば、県警本部長などは地方公務員ではなくて、いわゆる国家公務員になっているわけです。あるいは部長なんかでも、警視正以上は全部国家公務員になっております。地方自治体の県警本部の中でも、そういう国家公務員がずっと上の方にいて、そして下を指揮命令しているような、これはちょっと、どうもよくわからない組織といいますか、大変妙な話だというふうに私は思います。国家公務員が地方公務員を指揮している、こういう事例というのは、本来、国と地方公共団体、都道府県は対等の関係にあるということにも反するわけでもあるわけなんですね。
 先ほど出ました警察官の増員の話にしましても、政令の基準に従って交付税措置が講じられておりまして、財政による縛りがかかっているために、独自の増員というのはもう都道府県ではほとんど不可能でございますね。それに、自治体警察といいながら、実は何か現実は国家警察じゃないかというふうに思いますけれども、これは、どうしてこの警察だけがこういう例外になっているのか、どうもよくわかりません。
 そこでお聞きをいたしますけれども、自治体警察といいながら、警察のトップあるいは上層部の人たちは皆国家公務員で、指揮命令を本部でやっている、これは一体どういうことなのか、これをちょっと説明していただきたいと思います。
    〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕
吉村政府参考人 現在の警察制度におきましては、警察法におきまして、都道府県警察が当該都道府県の区域において警察の責務を全面的に遂行することとされております。基本的に、したがいまして、犯罪捜査等の執行権限は自治体警察である都道府県警察が有しているところであります。
 しかしながら、警察の事務は、地域の平穏を守るという意味では地域的性格が強いわけでありますが、同時に、国家的または全国的な利害に影響がある場合もありまして、個々の事務ごとに見ても、両方に関係するもの、あるいは事態の推移とともに性格が変化するものもございます。このため、警察法では、都道府県単位の自治体警察を基本としつつも、その上で、国家的要請及び全国的な調整の観点から、必要最小限の範囲で国が関与する制度を設けているところであります。
 今おっしゃいました地方警務官制度も、一面において国家的性格を有する警察事務が、都道府県の利害のみにとらわれることなく、国家的な視野に立って公正かつ円滑に遂行される必要があることなどの理由により設けられたものでございます。
 また、地方警察職員の政令定数制度についてもお話がございましたが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、各都道府県間の治安体制の均衡と我が国全体として必要な限度の警察力の確保を図るために設けられたものでありまして、この政令で定める基準は、国の立場から見て各都道府県の治安体制を維持するための最小限度のものを示すものでございます。したがいまして、警察官の定数について、この政令基準を上回る人員を置くことは差し支えないわけでありまして、現に多くの都道府県で政令定数を上回る条例定数が定められているところであります。
 また、都道府県警察の内部組織で勝手にできないのではないかという御議論もございましたが、これにつきましても、警視庁と道府県警察本部の内部組織は政令で定める基準に従って条例で定めるという規定が警察法でございまして、政令というのは警察法の施行令でございますが、このたび、去る二月の五日でございますけれども、都道府県がその治安情勢に応じた組織をより自主的に整備することができるように警察法の施行令を改正いたしまして、弾力的に内部組織の基準を決められるということで内部組織の基準を弾力化したところでもございます。
細川委員 ちょっと私の質問によく答えていただいていないようで、よくわからないです。
 例えば中央官庁の方、例えば国土交通省だとか農水省というようなところの役人が各都道府県に出向していろいろ働いておられますね。その一時の身分というものは、一たん国家公務員ではなくなるわけでしょう。そして、都道府県のあれで、例えば副知事になったり部長さんになったりして、身分は地方公務員になっているわけでしょう、出向するような場合。警察庁の場合は、例えば県警本部長に行く、あるいは部長さんで行く、そういう場合、全部国家公務員でしょう、身分がそのままでしょう。だから、それがおかしいんじゃないですかと。自治体警察というのならば、全部それは自治体の地方公務員であるべきじゃないですか。それがどうして、警察庁の人たちが行った場合になぜ国家公務員なのか、そこがよくわからないので、わかるように説明をしてほしい。
 大きな国家的な、いわゆる広域の問題があって、犯罪に対応するためにとか、国家的な観点からというようなこともちらっと触れたようなんですけれども、それは、各省の役人の人たちがそれぞれいろいろな出向をして各都道府県へ行っておられる、それも国家的ないろいろな立場とか、あるいは連携をしながらよく行政を進めていくためにやっているわけでしょう。全く同じじゃないですか、そういう意味では。自治体警察という、警察のものはいわゆる自治体だということが戦後ずっと言われてきておりますけれども、何で警察の場合だけそういうふうに違うのか説明をしていただきたいと思います。
吉村政府参考人 委員お尋ねの都道府県警察に、他省庁との比較で議論があったんですが、警視以下の人間につきましては、退職をして都道府県警、都道府県の職員として採用されて、それぞれのポストについておるわけであります。警視正以上につきましては地方警務官でございますので、先ほど申しましたように、全国で現在五百九十人の数がおりますけれども、その警察事務自体が、確かに自治体警察が基本ではあるものの、事務が国家的性格と地方的性格をあわせ持っているというところで、ある都道府県警察の本部長でありますとか、県警の部長でありますとか、大きい警察署の署長については警視正以上の職の者を充てておるところでございまして、その警視正以上の警察官については、任免権は、国家公安委員会が任免をすることになっております。
 任免に当たりましては、都道府県警察の自主的な自治的性格を尊重するために、国家公安委員会の任免に当たっては都道府県公安委員会の同意を要するという制度になっておるところでございます。
細川委員 どんなに御説明でもよくわかりませんね、何でか。
 では、大臣、ちょっとお答えください。
谷垣国務大臣 警察法制の歴史的な変遷に関しては私より多分、官房長の方がうんとよく知っていると思うんですが、私も、国家公安委員長になりまして、この警察の仕組みも日本独特の発展をしているものですから、確かにわかりにくい面がないとは言えないと思うんですね。
 アメリカの場合であれば、御承知のように自治体警察、ジュリアーニ市長のお名前をお出しになりましたけれども、ニューヨークはニューヨークの強力な警察を持っている、それぞれが、それから各ステートもそういうものを持っているほかに、いわゆるFBIというのがございます。しかし、このFBIというのは警察庁とは全然違いまして、それぞれが執行権を持っておりまして、アメリカの司法長官に伺いますと、FBIとそれぞれの自治体の警察のまた権限の調整というのが極めて頭の痛い問題だと司法長官はおっしゃっているわけですね。
 それに比べますと、日本は、出発点はそれぞれの市町村に初め警察をつくりましたけれども、どうもそれじゃ捜査なんかなかなかうまくいかないというので、ただいまのような都道府県警察をつくって、警察庁は、全国的な観点から総合調整をしたり、あるいは警察としてのミニマムなものを整備していく、そういうような役割を担って、警察庁自身としては執行権というのはないわけですね。あるのは皇宮警察だけでございます。
 今の問題は、ちょっと委員の問題意識とあるいは違うのかもしれませんが、一方で警察は、先ほどからのお話のように、自治体に密着をして、地域社会と密着をしながらやっていかないと犯罪捜査も治安もうまく保てないという面が一方でございます。
 しかし他方、私、今ここへ来てやらせていただきますと、例えばテロ対策、これは果たして都道府県県警だけで本当によくできるんだろうか。国家警察というものは否定されているが、テロ対策のあり方というものは今の仕組みでどうあったらいいんだろうかとか、あるいは、これには情報を集めることがまた必要でございまして、海外との情報のやりとりと申しますか、こういうことも必要でございますが、これはなかなか都道府県県警ではできないだろうな。あるいはサイバー捜査というようなものも、どこかの県でやりましても、それは北海道であったり、あるいは沖縄まですぐつながっていく。
 一体こういうものをどう考えていったらいいかというようないろいろな問題を突きつけられておりまして、私は、こういう今の都道府県警察と警察庁との絡み合いというのも、やはりこの国会でもいろいろな角度から御議論をいただく必要があるのじゃないか、我々もそのあたりは勉強していかなきゃならない、こう思っております。
細川委員 大臣の方からお答えいただいたんですけれども、それでもよくわからない。
 時間が参りましたので、これで私の方はきょうは終了いたしますけれども、さらに次の機会にまた質問をさせていただきたいと思います。それでは私の方は終わります。
 ありがとうございました。
藤井委員長 これにて細川君の質疑は終了いたしました。
 次に、島聡君。
島委員 民主党の島聡でございます。
 本日は、公務員制度改革の問題と構造改革特区の問題について質問をします。
 私、十二月にジュネーブに行ってきました。ILOに行ってきました。そこで感じたことは、今回、今石原大臣お座りでございますが、この平成十三年十二月二十五日、石原さんが出されて閣議決定された公務員制度改革大綱、これがいわゆる国際社会の基準に合わない。そして、それを政府が、情報不足、情報認識不足で誤った判断をしたもので、ますます混乱させている、そういう感覚を持ってきました。
 勧告は、「公務員の労働基本権の制約については、今後もこれに代わる相応の措置を確保しつつ、現行の制約を維持することとする。」というふうにしています。人事院の代償措置というものを削減していって、そして大臣のあるいは各省庁の人事権、いわゆる采配権だけを伸ばしていく。
 これは皆さん御存じだと思いますが、憲法は働く人々に労働基本権を与えています。公務員だけには、労働基本権のかわりに、労働基本権のうち、労働条件を労使交渉で決める団体交渉権の制限、スト権禁止、そのかわりに人事院制度が設けられているわけです。
 今度の改革というのは、人事院の制限をできるだけ縮小して、各省庁、大臣の裁量、権限を大幅に認めている。簡単に言えば、政治家の裁量をどんどんふやしていく。そしてこれは、労働基本権を保障した憲法やILO条約に違反する疑いが強い。だからILOが勧告をしたわけであります。
 勧告に対しまして、総務省見解というのが出ました。
 片山大臣、またホームページを見てみました。まだ、中学時代、知能指数県下トップだと書いてありました。その知能指数県下トップの人ですから、それを議論していくんですが、ホームページというのは、大臣、綸言汗のごとしと言いますけれども、重職が一度口に出した言葉というのは汗のように体内に戻らない、取り消せないんですよ。
 ホームページで片山大臣と公務員制度改革というのを引いてみましたら、二〇〇二年十一月二十一日の総務委員会の発言が出てきました。削除された部分が、それが全部載っています。削除されたんだから全部は言いませんが、どうも認識不足だったということのために、一つ言います、聞きます。
 要するに大臣の答弁は、全部言いませんよ、趣旨だけ言います、国際機関が何か言えば全部恐れ入りましたというのはおかしい、中間報告だった、これは最終報告じゃないからいいんだと。ここがポイント、問題なんです。これは書いてあるんです、ホームページに。もっともらしい国際機関にやられたら恐れ入りましたと言っちゃった。
 そのもっともらしい国際機関というのは、これはILOのことですか。
片山国務大臣 それに似たようなことを言ったと思いますが、私は表現能力が乏しいものですから、なかなか上手に言えないところがあるんですが、そういう意味では、ILOの勧告について総務委員会で御質問があったものですから、国際機関が言う指摘はもちろん尊重しなきゃなりませんが、全部、言われたからといって、それはそのとおりですと言うことはないので、やはり当方の立場や今までの経緯やそういうことについての理解を求めることが必要なので、向こうが誤解に基づいたり、あるいはもう一つ理解が浅いということも場合によってはあるんですから、全部恐れ入りましたということじゃなくて、こちらのことも言うことも言って、私は、適正な結論に持っていく、こういうことが正しいんではなかろうかという趣旨を言ったつもりなんですが、表現能力の問題がございまして、場合によっては適切でなかったかもしれないと思っています。
島委員 質問は、もっともらしい国際機関というのはILOを指したんですかという意味です。
片山国務大臣 そこでの議論はILOの中間報告の議論ですから、ILOでございます。
島委員 もっともらしい国際機関という言葉がどのように国際社会に広がったか、これはホームページで書かれていますから。川口外務大臣、後で聞きますけれども。
 重職、いわゆる大臣がこういうことを言ったというのは、かなり、これはホームページに書かれています。議事録は削除されたけれども、ホームページに書かれている。ちなみに、ILOというのは、日本は常任理事国ですから、四十六のILO条約を批准していますから、中心的な役割を果たしていますから、極めて日本は重要な役割を果たすべきところなんですよ。こういう認識で見解を出された。ホームページというのは全部広がるんです。私が例えば英語で読むように、日本語を読める人はこれを読む。国益を損するんです、こういうことは。十分反省をしていただきたい。
 総務省の中間報告、これ、私がジュネーブに行ってきました、直接聞いてきました。大いに誤解と調査不足がある。
 まず、これは総務省の報告ですから、もうおわかりだと思いますが、あえて読みましょう。三番目ですが、「我が国の実情を十分理解した判断とは言えず、従来のILOの見解と異なる部分もあることから、承服しがたい」。要するに、これは、よくわかっていないでしょうと書いてある。それから、「未だ実施途上である公務員制度改革の具体的内容を決めることは、純粋に国内問題であり、先に閣議決定した公務員の労働基本権制約を維持するとの政府の方針に対しこれを再考すべきとしたことについては、不適切なものである」。
 この「不適切」、再考すべきとしたことについて不適切なのか。どうですか、片山大臣。
片山国務大臣 例えば、今回の中間報告は、今の人事院制度、人事院勧告制度を含む人事院制度は、労働基本権制約の代償措置、代償機能としてそれは理解できる、あるいは、消防職員や監獄職員の団結権を認めておりませんけれども、それについても、それは今の条約上許容できる、こういう、長い経緯の中で、ILOはそういうことの一定の理解のもとに我々のいろいろなことを認めてもらった、今度はそれを、八十七号条約違反の疑いがあるというんでしょうか、そういうことを言われている。それは今までの解釈、運用、理解と違うではないか。
 それから、公務員制度改革大綱につきましては、石原大臣の方が中心でやっておりますが、これについては、まだ中身は決まっていないんですよね。方向は出していますよ。これについて、これが八十七号条約違反云々ということは、ちょっと私は、ILOとしては行き過ぎではないか。中身がもう少しきちっと決まって、それについて八十七号条約との関係で議論していただくのはいいですけれども、大綱ですからね。まだ、これからなんですよ。
 法案もできていない、何か細部も決まっていない、そういうことについて、高飛車にと言うとまたおしかりを受けるかもしれませんが、とにかくそれはおかしいと。こうやるのがまあ適切かな、こういうことで、あの見解をまとめさせていただいたわけであります。
島委員 ということは、大臣、八十七号条約に沿って、今後、法案とかそういうものはそれに合う形で進めていくというふうに、今の答弁、解釈していいですか。
片山国務大臣 後ほど担当の石原大臣からあるいはお答えがあると思いますけれども、八十七号条約を尊重しなきゃなりません。それは、私はそうだと思っております。
島委員 後で尊重と石原大臣が言われるかもしれませんけれども、尊重というのと今回の労働基本権が認めていないのはおかしいという、具体的にそれは違いますから、じゃ、また後で石原大臣に聞きましょう。
 それから、この問題につきましては、実は事前に私、総務省に聞いていまして、文書で出してくれと言った。これによると、ILOが掲げている内容について、具体的な判断をしたことが時期尚早であったと考えるから不適切、時期尚早であった、そういう判断でいいですか、大臣。
片山国務大臣 その八十七号条約との関係で指摘されるのなら、もう少し中身がきちっと固まるというのか、状況を正確に把握した上での御議論の方が適切ではないか、そういう意味では時期がまだ早いのではなかろうか、そういう趣旨であります。
島委員 では、その時期がいつかということは後でやります。
 川口外務大臣、いろいろな問題で今お忙しいときだと思います。ILOが勧告したわけです、国際機関が。その国際機関が勧告した。今お忙しいのは、多分、イラクとか北朝鮮の問題でお忙しい。イラクに関して国連の安保理がいわゆる査察をしなさいということを言った、日本もILOから勧告を受けている。私も事前にいろいろなことを調べました。
 これは、イラクが何度となく国際機関から勧告を受けて、その決定に対して、何か従わないとか従うとか、それは内政干渉だとか言っているということは、どこかよく似ている。よく似ているということは、日本も気がつかないけれども、そういう国だと見られる。ということで、事前に調べてきました。
 安保理決議の場合には国際憲章七章以下の決定について加盟国を拘束する、ILO結社の自由委員会の勧告は法的な拘束力はないという違いはあります。それから、決議の履行確保に関しては、安保理決議の場合は非軍事措置及び軍事措置が憲章上予定されておりますが、勧告の履行確保は道義的責任の追及のみであるという違いはあります。
 だけれども、大臣、これは国際組織による決定に対して、今も総務省の見解も求めて、誠実に対応を今のところしていない、したがって、その意味で、日本自体の国際政治上の地位、そういうものが下降しているという点では同じだと考えられませんか、川口外務大臣。
川口国務大臣 国連安保理の決議の拘束性については今、委員がおっしゃったとおりでございまして、この結社の自由委員会の中間報告の勧告については、審査を行って、その結果を理事会に勧告をするということでして、拘束性がないということも委員がおっしゃられたとおりです。それから、この結社の自由委員会は、ILO理事会の附属の組織でありますから、全体の意思決定機関ではないということがあります。
 そういった違いがあるということでして、これは先ほど片山大臣がおっしゃっていらっしゃるとおり、これについて政府の見解と異なっているというところがあるわけですから、今後、最終報告に向けましての過程で、関係の府省協調して、正しい理解をしてもらうように働きかけていくということが大事だと思います。
島委員 最終報告に向かって関係文書を提供して働きかけていくということですね、大臣。そうですね。
 それで、憲法九十八条二項というのがありますよね、条約遵守義務という。その条約遵守義務が規定されているこの条約、今の結社の自由委員会というのは、私、この条約には入らないと思うんです、勧告ですから。このILO八十七号条約及び九十八号条約は、この憲法の条約に私は該当すると思うんですが、外務大臣、どうですか。
川口国務大臣 該当すると考えます。
島委員 該当するんですよ。該当するんです。
 だから、今片山さんが、八十七号条約、遵守する、遵守すると、非常に重要なんです、これは。憲法の九十八条二項の条約遵守義務というのにこのILO八十七号条約及び九十八号条約というのは該当します。したがって、ILOという機関が勧告をした、そういうことに対して進めていくということは、それに対して遵守して、これから公務員制度改革大綱を進めていくというのは極めて大事。
 川口大臣、結構ですから、どうぞ、ほかの仕事をきちっとやってください。国際社会において日本の地位が落ちないように、しっかり見ておいてください。以上です。
 こういう状況です。私、本当に、ジュネーブに行きまして、私は組合活動の経験もありません、ですから、正直申し上げて、ジュネーブへ行って驚きました。驚いたというのは、国際基準というんですかね、国際労働社会の基準というものが、例えばILOの八十七号条約、九十八号条約というものに対して、極めて厳格に守られるべきだと。
 後で石原大臣にも聞きますから、ちょっと見ておいていただきたいんですが、これ、国際労働機関、ILOのパンフレットです。日本語ですが、ジュネーブから持ってきました。そこのところに、「社会正義の推進」というのがあって、「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」というのがあります。「自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」というのがあります。日本がこれに対して、今の憲法の遵守義務も含めて、きちんとやっていかないと、他の国の障害となるんですよ。そういう思いでこの公務員制度改革大綱をつくっているかというと、私は、そうでないように思える。
 石原大臣、基本的なことを聞きます。ILO八十七号条約、九十八号条約、これ、何ですか。
石原国務大臣 我が国が批准している労働関係に関する条約だと認識しております。
島委員 八十七号は何で、九十八号は何ですか。つまり、これは、あなたが出されて閣議決定された公務員制度改革大綱に対してわざわざ出ているんだから、それぐらいきちんと認識しているか、そういう意味で聞いているんです。
石原国務大臣 委員、条約はお持ちだと思いますが、読みましょうか。読みますか、全部。(島委員「読まなくていいですよ。内容だけで」と呼ぶ)全部読みますか。
藤井委員長 要点だけで結構です。
石原国務大臣 要点だけでよろしいですか。はい。
 まず、八十七号。結社の自由及び団結権の保護に関する条約、昭和四十年六月十四日登録。「国際労働機関の総会は、 理事会によりサン・フランシスコに招集されて、千九百四十八年六月十七日にその第三十一回会期として会合し、 この会期の議事日程の第七議題である結社の自由及び団結権の保護に関する提案を条約の形式により採択することを決定し、」云々。結社の自由の点でございます。
 九十八号はよろしいでしょうか。
島委員 要点だけでいいです。
 今聞いたのは、今すっとメモが出ましたよ、隣から。恐らくそういうことも御存じないままやっておられたんでしょう。その程度の感覚でこれをまとめられた。「公務員の労働基本権の制約については、今後もこれに代わる相応の措置を確保しつつ、現行の制約を維持することとする。」それをその程度の感覚でまとめられたというように私は今思いました。
 総務大臣、二月七日の予算委員会で総務大臣は、三月には三百二十九次報告に対する日本政府の見解をまとめて、提出したいと言っていますが、今どういうように進めていますか。
片山国務大臣 ILOの政府の窓口は厚生労働省でございますので、公務員制度ということで私どもの方が担当しておりますから、いろいろ今出ておりますが、厚生労働省を中心に、もちろん私どもの方も入って、結社の自由委員会の中間報告に対します政府の統一した見解をまとめて、ILOに提出する、こういうことで今各省協議をいたしております。
島委員 今、厚生労働大臣の担当だというふうに振られましたけれども、厚生労働大臣、どういうふうに今進めていますか。
坂口国務大臣 先ほどお話がありましたように、現在、話し合いと申しますか、検討を続けているところでございます。
 先ほどから問題になっております、一つは八十七号、そして一つは九十八号条約でございます。特に九十八号条約の第四条には、いわゆる団体交渉権について書かれているわけでございますが、短い文章でございますからちょっと読ませていただきますと、「労働協約により雇用条件を規制する目的をもつて行う使用者又は使用者団体と労働者団体との間の自主的交渉のための手続の充分な発達及び利用を奨励し、且つ、促進するため、必要がある場合には、国内事情に適する措置を執らなければならない。」こういうふうに書いてあるわけでありまして、これをどう解釈するかということなんだろうというふうに思います。
 前回にも若干申し上げましたけれども、この解釈の仕方につきまして、今までILOにおきましては、一般職の国家公務員及び地方公務員の団体交渉権につきましてはILO第九十八号条約に適合した方法で行われている、こういうふうに、日本が今までやってきたことに対して考えてきたわけでございます。しかし、御指摘のように、最近言われておりますのは、国の行政に直接従事しない公務員に結社の自由の原則に沿った団体交渉権及びストライキ権を付与すべきではないか、こういう意見になってきている。ここに違いが出てきた。
 条約そのものは変わっていないわけでありますから、この解釈の問題でありまして、この解釈の仕方として、今までは、九十八号条約に適合しております、しているとみなしますというふうに言ってきたんですけれども、そこが変わってきた。ですから、そこが、ILOの方の考え方がなぜ変わってきたのかということについて、我々の方も問いたださなければなりませんし、そこをどうしていくかということが今後の課題であるというふうに思っている次第でございます。
島委員 今、重要なことを言われました。ILOの方のも変わってきた、それに対して日本としてはどうすればいいかというのを今後の課題とすると言われました。要するに、その課題はどのように今後議論していくんですか、坂口さん。
坂口国務大臣 一月にも局長さんがお見えいただきまして、そしてお話し合いをしたところでございます。
 やはり、人がかわったらそのごとにこの解釈が変わるというのもこれはぐあい悪いわけでありますから、ILOとしても、なぜここが変わったのかということを我々も知らなければなりません。そうしたことをよく理解してもらわなければなりませんし、日本の立場というものも理解をしてもらわなければならない。
 また、「軍隊及び警察」という言葉があって、そこは別枠になっておりますけれども、その「警察」の中に消防団が含まれるという解釈が今までされていたのが、それは別だというふうに変わってきているのも、これもまたなぜかといったようなことを、なぜそれがそういうふうに変わってきたかということについても私たちは明確にしてもらわなければならない、こういうふうに思っております。
島委員 片山大臣、今もちろんこういう話がありましたけれども、私はジュネーブへ行ってきましたから、今、川口外務大臣が、情報提供をきちんとしていかなくちゃいけないという話がありましたが、これはタイミングが物すごく必要です、タイミングも。
 そのタイミングが、三月六日、七日に結社の自由委員会があるんですよ。これは、今の国際労働基準を日本が受け入れるか受け入れないか、あるいはどう解釈していくのか、それについて、きちんと、どういう態度でするかというのを三月六日、七日までに私は出すべきだと思いますが、どうですか。
片山国務大臣 国際労働基準を守るという立場は、日本政府は不変なんですよ。ただ、国際労働基準の解釈がILOさんの方で少し変わってきているんじゃなかろうかと、今坂口大臣が言われたとおりで、我々もそう思うんですよ。
 だから、そこのところはしっかりとわかってもらう努力が必要なので、七、八という話も聞いておりますが、まだ確定した日程とは聞いておりませんので、いずれにせよ、うまいタイミングで効果があるような政府の見解を出させていくように検討いたします。
島委員 坂口厚生労働大臣、今僕が六、七で、七、八、まだ確定していないようですが、それがタイミングなんですが、それまでにきちんと今の話、課題として議論されますか。
坂口国務大臣 最終的にどの時期になるのか定かでありませんが、できるだけ私たちも精力的に日本の立場というものを説明して、合意が得られるようにしたい、こういうふうに思っております。
島委員 今、片山さん、タイミングよくと言われたから、これはすごく大事ですよ。坂口大臣、タイミングよくというのが大事だから、ぜひこの三月六、七、八、それが私はタイミングだと思いますので、これは大臣が決めればできる話ですから、きちんとやっていただきたいと思いますが、坂口大臣、どうですか。
坂口国務大臣 三月の上旬が一つのタイミングであるとするならば、それは、それに間に合うように我々も精力的にやらなければいけないというふうに思っております。
島委員 今、それがタイミングであると私の情報から伝えましたので、きちんとやっていただけるという答弁だというふうに思います。
 石原大臣、同じく一月二十三日、予算委員会の答弁で、国家公務員法改正案の骨子がまとまり次第ILOに情報提供すると言っておられます。今、川口外務大臣も、情報提供をする必要があるということを言われて、今忙しいので帰ってもらいましたけれども、そういう状況でありますから、この骨子がまとまり次第ILOに情報提供するというのは、いつ、どのようなものをきちんと情報提供されるんですか、石原大臣。
石原国務大臣 ILOからは、情報提供と法律案の写し、これは訳ですから、英文を見ていませんのでわかりませんが、そういう御要望が来ておりますので、法律案の写しということは、国会に提出する法律を指しているものと承知しておりますので、閣議決定し次第この法律案を送らせていただきたいと考えております。
島委員 それ、違いますよ。一月二十三日には、国公法改正法案の骨子がまとまり次第ILOに情報提供をすると石原大臣言っているんですよ。これ、今だと法案がまとまり次第。予算委員会の質疑と違うんです、これは。違う。
石原国務大臣 ちゃんと話を聞いていただきたいんですが、ILOからの要求が情報提供並びに法律案の写しとなっているという話を前段にちゃんとしているわけでございます。情報提供の中には、議論をしていて骨子がまとまったら、それを情報として当然お届けするということは御理解いただきたいと思います。
島委員 そこまで詳しく言ってくれればいいんです。
 要するに、骨子を出す、それでいいんですね、石原さん。
石原国務大臣 何度も御答弁をさせていただいておりますけれども、情報提供の中には、タイミングを見て、政府としてこういうふうに決める、そしてそれがILO条約にどう合致するのか、あるいはILOの結社の自由委員会でどういうふうにお考えになられるのかというものを、ジュネーブには出先の機関も我が国は持っておりますので、十分に情報を提供させていただきたいと考えております。
島委員 何度も答弁しても、信頼感がないから何回も聞いているんですよ。何回言っても信頼感がないから、きちんとやらないから。何度も答弁してると、言うだけならだれでもできる。実行しなきゃ。すべてそうなんです、言うだけ。それをみんな思っている。だから何回でも聞いているんですよ。いいですか。(発言する者あり)いや、そっちはやらない方がいいのかもしれない。黙っていてください、僕が質問しています。
 さて、今申し上げているのは、公務員制度改革大綱というのが、憲法の遵守義務にも、労働基本権の制約ということでは非常に問題がある。これは見直してやるしかないと私は思っています。今、三月初めにはタイミングもいいと思って、見計らってやると片山さんも坂口さんも言いましたから、私、それを見て、それがきちんと実行できるかどうか。何遍も答弁してもちっともならないから言っているんですから、きちんとやってください。
 公務員制度改革大綱、今、大もとがおかしいとも言いましたけれども、各論もたくさんおかしいことがあるんですよ、各論も。どうも一部の、これは私が言っているんじゃなくて毎日新聞の社説が言っているんだけれども、「「国のかたち」を決める公務員改革が一部の官僚や政治家により進められ、独善的な案がまかり通る危険をこれまでもたびたび指摘してきた。」これは本当にそうだと思います。
 具体的な話を聞きます。
 この公務員制度改革大綱に「具体的措置」「採用試験の見直し」というのがあって、平成十四年度の試験は、採用予定数のおおむね二倍程度となっている合格者数を、1種試験ですが、おおむね二・五倍程度に増加させる。また、平成十五年度の試験から、合格者数を採用予定者数のおおむね四倍程度をめどに増加させるというように、この公務員制度改革大綱には書いてあります。
 ところが、これは新聞報道、また後で確認しましたらそうだそうですが、平成十五年度の試験から、合格者数を採用予定数のおおむね四倍程度をめどに増加させるというように平成十三年十二月二十五日の閣議決定に書いてあるわけだけれども、人事院は今回、平成十五年度も二・五倍にすると。
 これは閣議決定と人事院の関係、改めて聞きますけれども、どうしてこういうことができるんですか、人事院総裁。
中島政府特別補佐人 基本的に、人事院といたしましては、閣議決定そのものを尊重して仕事をすべきだというふうに認識いたしております。ただ、今回の場合のように、閣議決定されたことによって初めて関係者が内容を知り得る状態になった、そのことによって関係者からいろいろな意見が出てくるというようなこともございます。
 したがいまして、私たちは最終的に所管官庁として態度を決定するときに、いろいろな考え方がございました。四倍にしろという考え方もございますし、二・五倍にしろという考え方もございますし、また極端な考え方として、採用予定数そのものを合格者数とすればいいじゃないかという考え方もございました。いろいろな考え方がございますけれども、いずれの施策をとるかということを最終的に判断するときに、その施策の対象者、すなわち国民ですが、今回の場合には受験者とかあるいは地方の大学の関係者とか私立の大学の関係者とか、そういう方々の意見というものを尊重して最終的にとるべき施策というものを選択する、それが民主政治だろうというふうに考えております。
島委員 今の総裁の話はあれですか、あくまで内閣の一員だから閣議決定を尊重しなきゃいけないけれども、今回のやり方がどうもおかしかったから、それに対してこのような対応をとった、そういう解釈でいいんですか。
中島政府特別補佐人 私が申し上げましたように、今回四倍というふうに大綱で決定された、そのことによって初めて関係者が内容を知り得る状態になった、そして施策の対象者である国民を初めいろいろな方々がいろいろな御意見というものをお述べになったということでございます。その意見というものをやはりこの際尊重して、私たちのとるべき施策というものを決定するのがいいだろうというふうに判断したわけでございます。
島委員 今初めて関係者がここで知るようになったという話、今まできちんといろいろな議論をしていなかった、そういうことだと思います。
 改めて聞きます。
 これは人事院が今までいろいろな、私も人事院というものに対して今回いろいろと、代償措置について、ありますから、勉強をさせていただきました。人事院というのは、ずっと今までやってきた観点から、平成十五年度から四倍というふうに閣議決定に書いてある、だけれども、あえて二・五倍という結論を出した理由を言ってください。
中島政府特別補佐人 合格者数をたくさん出そうじゃないかという考え方というのは、採用側としては恐らくその方がいろいろな方から選択できますので、私は、採用側としては二・五倍よりも四倍の方がいいだろうというふうにおっしゃるのはよくわかります。そのこと自身は私は否定をいたしません。
 ただ、四倍にいたしました場合に、一つは、やはり、合格はしたけれども採用されないという方がそれだけふえてくる。そのことによって、就職浪人というのがことしも昨年よりは多くなっておるということがございますし、多くなることによりまして、選択の幅が広がることによりまして、多様な人材が獲得できるというような御意見でございましたけれども、結果は、二・五倍にいたしましたけれども、多様な人材が確保できたかどうかということについて、採用された、内定を受けた大学の数とか、そういうものから見た場合に、必ずしもそういうふうになっていないという判断もございます。
島委員 石原大臣、今の人事院の意見についてどうですか。
石原国務大臣 ただいま総裁が申しましたように、採用する側、すなわち省庁の側から言えば、人数が多い方が、すなわち今回の改革の趣旨である試験を受けるために予備校に通って特殊な勉強をした人しか受からない試験の中で人を採るよりも広がった方がいいということは、この改革の趣旨にのっとっているものだと思います。また、人事院総裁申されましたように、内閣の閣議決定、すなわち、国会というものは国民を代表するものでありますし、その国会に対して連帯して責任を持つ内閣というものがその内閣の総意として決定したものを尊重するということは、人事院としてもそのとおりであると申し述べておりますが、経過期間であるので二・五倍を維持したと総裁は申されていたんだと私は理解をさせていただきましたが、やはり、内閣が責任を持って示しました四倍、こういうものに近づけず二・五倍の、昨年と同じままであったということに対しては、もちろん、人事院の高度の中立性というものを考えれば、その人事院の決定に対してとやかく言える立場にはないのかもしれませんが、やはり内閣の閣議決定の重みというものを十分配慮していただきたかったというのが今の感想でございます。
島委員 ということは、やはり四倍の方にすべきだったと石原大臣は思っておられる、今でも思っておられる、そういうことですか。
石原国務大臣 そのとおりでございます。
島委員 これは、極めていろいろな意味で食い違いが出てきています。
 次に、公務員制度改革大綱、これは恐らく人事院が最初に言われたように、初めて知ったということが大きく問題があると思います。情報不足なんですよ。きちんと議論をしていないんですよ、これは。いろいろな人にいろいろなことを聞いて、専門家の意見も聞いて、そうやってやっていけばこんなことは起きない。
 まだある。公務員制度改革大綱、大いに問題があるところがまだあります。
 大綱の柱は、責任分担の明確化と能力主義の徹底である。新しい能力等級制度を導入。
 能力等級制度というのは難しい。片山大臣、先ほども非常に、もともとさすがにこちらの方も専門とされただけあって立て板に水のごとくしておられましたけれども、能力等級制度を導入すると考えていますけれども、これはなかなか難しいですよね。勤務条件にかかわる事項で政府が一方的に決めることは許されませんし、過程で、専門家、組合との交渉もほとんどなされていないそうですよ。
 現在の検討状況、準備状況を後で聞くのですが、片山総務大臣、綸言汗のごとしですから、こういう記者会見メモを見ました。二月四日記者会見メモ。
  能力を評定してやろうと。これは簡単に言うけど、難しいわね。皆さんの能力だってね、書くのがうまい人、しゃべるのがうまい人、まとめるのがうまい人、新しいことを見つけるのがうまい人ね、いろいろおるんで、公務員だって同じなんでね。例えば、今、税務署の確定申告の時期であるが、窓口相談員で、事務的に一時間に十人対応する職員と、老人も含めて懇切丁寧に趣旨を含めて対応し、一時間に三、四人の対応に留まる職員とがいた場合に、どちらが能力としてすぐれているというのか。前者は効率面では優れているが、国民の税務行政への理解の促進という意味では後者が優れている。
つまりこれは、能力制度というのは非常に難しい、きちんと準備していなくちゃだめだ、そういうふうに言っているということでいいですか、片山大臣。
片山国務大臣 正確に能力の評定ができれば、私は能力給がいいと思います。
 しかし、それは今、記者会見でも少し申し上げましたが、なかなか難しいんですね。しかし、考え方としては能力給を志向する、目指すということは、私は間違った方向でないと。ただ、今の給与は職務給ですからね。職務の複雑さと責任と困難の度合いに応じて職務がある。
 だから、能力の評定がきっちりできるようになるかどうか。能力を中心に任用や給与やあるいは評価、そういう仕組みができればいいと思って、今、法的に、内閣官房を中心に関係のところでいろいろ議論しているようですから。私は、能力給ということで、職務給も加味した能力給というのが方向としてはいいのかなと個人的には思っております。
島委員 今、内閣官房を中心に議論しているという話だから、石原大臣、どういうような検討状況、方向ですか。
石原国務大臣 ただいま片山大臣が申し述べましたように、能力基準というものが完璧にできればこんないいことはないわけですけれども、その試行を通じて能力給を目指すというのが今回の改革のポイントであります。
 そして、委員これはもう御承知のことだと思いますけれども、民間企業の人事制度においても、今どこの会社でもこういう方向で、能力によって等級が格付され、その基本として給与を支給する、すなわち能力給が一般的になってきている。
 そういうものを公務の世界にどうはめていくのか。片山大臣の記者会見の中にあったように、難しい部分はあると思います。税務業務あるいは警察業務。それらのものとは違う一般のところでどういうふうにやっていくのか。やはり職責に応じてやってきたものに限界がある以上は、試行していくことが大切であると認識をしております。
島委員 民間で導入していることはよく知っています。ただ、それは、随分多くの準備期間と、それを代表する組合とのいろいろな議論の中ででき上がっています。
 人事院総裁、今の議論を聞かれて、どうですか。
中島政府特別補佐人 先進的な民間企業におきまして、給与を能力に基づいて支給するようにしようじゃないかということが大体一九八〇年前後から普及してきた。
 ただ、片山大臣もお話しになりましたけれども、能力というものをだれが評価するんだ、そして、能力とは一体何かということで、何を評価するのか、そして能力を評価する基準というものがどういうものなのかといういろいろ難しい問題がございまして、これらについて納得性とか公正性というのがなかなか得られないものですから、能力給というものを採用した企業の中では、現在、仕事給、職責給というふうに移行している企業もございます。
 したがいまして、給与について職務給がいいのか能力給がいいのかというのは、現在移行期じゃないかというふうに私は正確には考えております。
 ただ、このことにつきまして、移行期だから何もしないというわけにいかないでしょう。いかないけれども、仮に能力等級制度というものを給与に導入するというふうにお考えになって踏み切られるのならば、その能力等級制度を導入することによって既存の給与制度にどういう影響が出てくるのか。私たちの方では給与勧告もございますし給与制度一般も所管しておりますので、これにどういう影響が出てくるのかということがございますし、人事給与制度を改正するときに労働団体の意見を聞かないということで成功したような企業もございませんので、そこは労働団体の関係をどういうふうに認識しておられるのかといういろいろな問題がございます。
 したがいまして、能力等級制度というものについての姿をお出しになったときには、各方面からいろいろな意見が出てくるだろうと私は思います。簡単に二週間や三週間でその議論がまとまるというような状況じゃないというふうに認識しておりますけれども、少なくとも能力等級制度そのものをしっかりお示しいただくとともに、関係制度にどういうような影響が出てくるのかという全体像もあわせてお示しいただくことが必要じゃないかと思います。
島委員 さて、知能指数トップの片山大臣、今までの議論を聞かれて、国際的にもいろいろと検討すべき点もある、専門的にも、今、いろいろ議論するべきである。例えばILOからきちんと最終勧告が情報提供して出る。そして、そういうことがきちんとされて、あるいはいろいろな組合その他も含めての協議がきちんとされて、それをされなかったら国家公務員法改正案は閣議決定すべきでないと私は思うんですが、どうですか。
片山国務大臣 委員も御承知のように、今回の公務員制度改革、国家公務員ですけれども、それは石原大臣が特命でやっておりますから、私の方は協力する立場です。
 しかし、今委員が言われたようなことは、全部これを視野、念頭に入れながらの検討をすべきだ、こう思っておりまして、これは国家公務員だけじゃありません、数が圧倒的に多いのは地方公務員ですから。だから、地方公務員制度にも連動する、そういうことの観点の中での検討をぜひ私どもとしては政府部内でやるべきだろうと思っております。
島委員 今なぜ片山大臣に聞いたかというと、閣議決定なんですよね。閣議は全会一致ですから。全会一致なわけですよ。石原大臣だと余り考えずに出してしまうときがあるから、だから、片山さんのように知能指数一、二の人が、今おっしゃったように、何というのか……(発言する者あり)黙っていてくださいね。そういう人がきちんといろいろなことをすべて加味した上でやらないと、大臣が反対すればそれで閣議決定できないんですから。そうでしょう。全会一致なんだから閣議は、今のところは。そういうことを今お話をしたわけであります。
 私は、ともかくこの公務員制度改革、五十年ぶり。それで、ジュネーブに行って聞いたのが、向こうのILOは、これはゴールデンオプチュニティー、黄金の機会であるという話をしました。日本が、この新しい、労働基本権を含めた上で本当にグローバルスタンダードにふさわしい形にできるかどうか、そのゴールデンオプチュニティーでありますから、それに従ってきちんとやっていただきたいし、今片山大臣がおっしゃったように、地方公務員も含めて、いろいろな全体をきちんと見た上でないと閣議決定をすべきじゃないというふうに思います。
 さて、あと二十分しかありませんので、次は構造改革特区法案についてお聞きいたします。
 鴻池大臣、青汁を飲んでいらっしゃるそうですね。何か健康に留意されて、医者にもかかれないから青汁を飲んでいるんだ、そういう話をお聞きしました。ホームページというのはおもしろくて、いろいろなものが出るんですよ、情報として。剣道五段だというのはこの前聞きました。言いましたよね。
 そういう流れの中で今いわゆる構造改革特区法案というのが議論をされている。前、内閣委員会で私は鴻池大臣と議論をさせていただきました。木村副大臣もお越しいただいていますね。木村副大臣ともそのときやらせていただきました。ありがとうございました。
 それで、きょうは、医療分野に関してまず特区の話をさせていただきます。
 第一次提案のとき、いろいろな医療関係の特区で対応というのがありましたが、厚生労働関係、いわゆる医療関係の特区で対応とあったのはゼロでした。第二次提案の今回もゼロでした。それで、厚生労働省、多分こういうことを言われるだろうと思いますので、先に言いますと、これはもう前、木村さんに聞いた話ですが、医療の提供など人の生命、健康などに関する規制については、一定の地域のみ異なる規制とすることは適当でないというような論旨が展開されています。
 ただ、坂口厚生労働大臣、坂口さん、きのう、小泉首相が閣議後の閣僚懇談会で、特定地域に限って規制を緩和する構造改革特区をめぐり、各大臣は各省庁の対応についてみずから聴取し云々かんぬん、つまり、対応しなさいということを閣僚懇談会で言われましたよね。
 厚生労働省、今まで、第一次提案のとき特区で対応ゼロ、今度もゼロ、今後もそういう方向性を、坂口さん、お続けになるんですか。
坂口国務大臣 きのう、閣議後におきまして総理から、できる限り、これはできないというのではなくて、できるだけできるようにひとつ各大臣ともに協力をすべし、こういう話でございました。私も、できる限りの協力をしなきゃならないというふうに思っているわけでございます。
 医療関係につきましてもさまざまございますから、できるものはそれはやりたいというふうに思っています。しかし、なかなかその中には難しいものもあるということでございます。
島委員 できるものからやるというわけですから、これ、次のときには、こんな特区対応ゼロなんということはないですね、坂口さん。
坂口国務大臣 私の方は、医療だけではなくて幅広いものですから、随分たくさんのものが出ておりますから、その中で、前回も、やらなければならないものはやったわけでありまして、今回ももう既に幾つかを提出をしているところでございます。具体的にどれどれをしたということまでは私ちょっと今手元にございませんけれども、もう既にオーケーを出しているものもございます。
 問題は、委員も言われるのは、医療特区、とりわけ株式会社の問題をどうするのかということなんだろうというふうに思っています。この株式会社の問題は、これは御承知のように、医療法人といいますのは、これは配当禁止、それから、附帯事業というものはこれはやってはならないということに医療法人はなっている。株式会社にもしもそれをしました場合には、そこはそうしますと配当を出してもいい、そしてまた、附帯事業というものをやってもいいということになってくる。
 そうしますと、特区という一つの県なら県の中におきましても、医療機関によりまして附帯事業をやる、例えば病院の先生が何か物の販売も一緒にやるということをおやりになるようになる。診察にお見えになった皆さんに、どうですか、こういう商売をしているんですからあなたはどうですかというようなことを言われるようなことになったら、それは医療の場として適切かどうかということがあり得る。
 それから、もう一つは配当の問題ですね。この配当をどんどん皆がするということになっていけば、これは医療費がなかなか高騰をしていくということに結びついてくる。
 この二つのことを一体どうするかということは、今後のいわゆる皆保険制度をどう守っていくかということに直結してくる話でございますので、ここは非常に慎重に我々検討をしているわけでございます。
 ですから、全然だめだということを申し上げているわけではなくて、こうしたことを念頭に置きながら議論を重ねたいというふうに思っている次第でございます。
島委員 何かすりかえのような感じがするし、配当の問題もおかしいと思いますが、鴻池大臣、今の坂口さんの答弁を聞かれてどうですか。
鴻池国務大臣 全体的なことをまず御報告申し上げますと、八月三十日締め切り第一次で四百二十六件、今回、一月十五日御提案をいただきましたのが六百五十一件ありました。これはやはり、内閣の方針と申しますか、中央から地方にできるものは移譲しようじゃないか、あるいは、官から民へという大きな目玉的な表現が、地域あるいは民に情熱を訴えたあらわれだと私は思います。その中で、医療に関しまして、株式会社でやりたいというのが、前回は三件、今回は二件であります。
 私は、内閣不一致ということじゃなしに、前回も、坂口大臣に引き続き検討をお願いしたいというお願いを担当としていたしておりますし、現在も、ただいまの坂口大臣の御答弁のように、引き続き御検討をいただいているものと承知をいたしておるわけでございますが、やはり、医療の質の向上のために株式会社でやりたい、これは建築会社が言っているわけじゃありません、医師が言っておるんです。優良なお医者さんが御提案を出している。それも、日本列島全部株式会社でやろう、いいじゃないかということを言っているわけでありません。試行的に一カ所で一遍やってみようじゃないかというのが、構造改革特区の担当としての気持ち、意見でございます。
 さらに、私が質問する立場じゃございませんけれども、島委員あるいは民主党さんはどのようにお考えかというのをお聞きできれば大変ありがたいことだと思っております。
島委員 それは、私が党首になって、党首討論のときにやりましょう。
 木村さん、今の鴻池大臣のお話について、前は株式会社参入について反対をされましたけれども、今も変わっていませんか。
木村副大臣 今、坂口厚生大臣もお話しいただいたんですけれども、やはり大きな問題点があるんですね。
 それで、株式会社の特徴というのは、もう島委員も十分御承知だと思うんですが、やはり利潤の最大化、こういうことを言っているわけですし、そして、御提案者の中には、医療というのはまだまだ十兆円ぐらいこれから市場が広がっていく、何でこんなところに手を出さないの、こういうような話も出ているわけです。
 仮に、今から医療費、十兆円ふえたとなると、例えば、これはもう、今の医療費の高騰に対して、できるだけ医療費は適正なものにしていこうという、この大きな流れに反しますし、それと、今のルールでいうと、十兆円、市場がふえるというと、大体国費も四分の一ぐらいの二、三兆円ぐらいはまた予算をふやしていただかなきゃいけない、そういう問題点もあるわけでして、言ってみれば、医療費の高騰を招くということにもつながってくるわけでございます。
 それから、大きなことは、今のお話にありましたけれども、どうしても、株式会社というのは利潤の最大化を図って、競争は激化するわけであります。そうすると、体力の弱い、既存の診療所や病院の経営に影響してくる。恐らく、撤退することもあり得るだろう。そうなって、その株式会社しか残らなかった。ところが、株式会社というのは利潤を最大化ですから、もし、その地域がもうからないということであれば、引き揚げられてしまったら、結局、無医地区になってしまうというようなおそれも、これも当然考えられるわけでございまして、こういう点から見ると、やはり株式会社を試してみるということは、私は、いかがなものかな、このように思っているような次第でございます。
島委員 きょうは、綸言汗のごとしというのをよく使いますが、木村さんも、前、非常に不適切な発言をされた。その不適切な発言のところは言いません、そのとき不適切だと言われたから、何々人のようなというところは言いませんが、今のお話の、そこが不適切だと彼は言った。十兆円であると。「神聖なる医療の分野に訳のわからないものが入ってきて、大きなダムを崩そうとしているのではないか。市場原理主義者に対しては、私ども、断固闘い、日本の社会保障の素晴らしいシステムを守り抜いていかねばならない」というのを、これを十一月に、厚生労働副大臣に就任されたばかりの木村義雄さんが、医療関係団体の集会で話された。不適切なところは言っていませんよ。
 これ、今、いろいろな話をされたけれども、李下に冠を正さずという言葉があるんだけれども、瓜田にくつを入れずという言葉もある。これ、幾ら木村さんが言われても、そのときに、これは一議員として言ったと言われている、副大臣としてではないと言われた。今は副大臣としての答弁。副大臣でこれだけのことを言われても、何か違うと思うんですよ。
 何が違うかというと、木村さんの政治資金を見る。木村さんの政治資金を見ると、どんどん、厚生政務次官、それから厚生委員長、副大臣、出世とともに献金額もアップしていますね。それで、副大臣の本年収入額が約一億四千万のうち、医療関係者からの合計が三千万ある、二一・六%ある。イギリスには大臣規範というのがあって、利害関係登録法というのがあって、大臣にいる間はこういうようなことは、あくまで副大臣として言われても、別の観点から見られる、だからこういうことは政治家として自粛すべきだということがある。これ、二〇%ももらっているのを自粛する気持ちはありませんか、副大臣。
木村副大臣 それぞれの皆様が、私の政治活動に対してずっと長いこと、皆さん、それぞれ御支援をいただいているわけでございまして、別段、後ろ指を指されるようなことはございません。
島委員 後ろ指を指されることがないのは当然です。あったら、すぐやめてもらいますよ、そんなの。
 そうじゃなくて、副大臣として発言されるときに、別の観点から見られてしまうから、これは、これもホームページですよ、私が言ったわけじゃありません、なり切り発言の裏にやはりあった政治献金、そうなってしまうんですよ。そういうふうにとられると、副大臣が幾ら株式会社参入というのはいかがなものかと思うと言っても、そういうふうに思われてしまうから、それを、身を処すために、これは自粛する思いがありませんかと聞いているんです。
木村副大臣 今もお話しになりましたように、処理は適切に行っておりますし、そもそも、私は信念でもっていろいろとお話をさせていただいているわけでございまして、日本の医療、地域の現場の医療のことも考えまして、やはり今の株式会社参入というのは大いに問題があると思っているから、そういう発言をさせていただいているわけであります。
島委員 それは、信念を持ってやっているのは当たり前の話でありまして、そうでなかったら、大変になります。
 私が言っているのは、誤解を招くから、自粛する気はない、そういうことですね、木村さんは。そういうことですね。
木村副大臣 誤解を招くことは一切行っておりません。
島委員 それをどういうふうに、今の答弁を聞かれて思われるかということが大事な話であります。
 ちなみに、鴻池大臣、ちなみにです、これもホームページで調べた話なんですが、規制改革担当ですか、根本匠副大臣は。(鴻池国務大臣「はい、そうです」と呼ぶ)その方も、約二億円の収入額のうち、四千万、約二〇・七%もらっておられます、医療関係者から。それも十分留意していただきたいと思う次第であります。
 さて、今、この株式会社等による医療機関経営の解禁について異論がありました。私も、前、内閣委員会で鴻池大臣に、特命担当大臣というのは内閣府設置法により勧告権があるんですよという話をした。そのときは、大臣、そうですとおっしゃったんですが、あれ、違うんですね。ちょっと答弁してください。
鴻池国務大臣 今、島委員御指摘のように、私は特命大臣ではございません。その権限、権力は所持いたしておりません。しかし、各規制担当の省庁、大臣に対しましてお願いする立場でございますから、そのような気持ちでこれからも、この株式会社が医療に参入するということも含めて、真摯な気持ちで調整役を果たしていきたい、このように思っております。
島委員 今、鴻池大臣は、株式会社参入、真摯な気持ちでやっていくと言われた。それで、木村さんは、信念で反対すると言われた。これは閣内不一致じゃないですか。
鴻池国務大臣 結論はまだ出ずに、各省庁に、今、役所同士で、役人同士で、事務方同士で話をいたしております。今、木村副大臣が信念とおっしゃいましたが、私は、その三倍の信念を持ってこれに当たりたい、このように思います。
島委員 そう、三倍の信念でやりましょう、やってください。そしてまた木村さん、その三倍の信念でやるかもしれませんが。
 木村さん、どうですか、今の話で。
木村副大臣 鴻池大臣と私とは、大体、体において倍と半分ぐらいの差があるので、その辺をしんしゃくしていただいたんではないかな、こう思うわけでありますけれども、私も、今申し上げましたように、この点に関しましては、やはり地域の医療のことを考えてしっかりと取り組んでまいりたい、このように思っております。
島委員 閣内において、閣議で決まった後、自分の信念と閣議で決まったことが不一致だった場合、政党政治家のとる道というのは辞任です。その決意はありますか、鴻池大臣。
鴻池国務大臣 ただいま調整役としての役割を果たさせていただいておりますが、委員が私をごらんになっていらっしゃるごとき人間でありますので、私なりの政治信念というものは貫き通したい、このように思っております。
島委員 木村さん、どうですか、今の信念。もう一度、信念でもって答えてください。笑っている場合じゃないですよ。
木村副大臣 鴻池大臣は本当に、私も長い間の友人でございますし、すばらしいメンバーだな、こう思っております。
 私も一生懸命、先ほども申しましたように、日本の医療のことを考え、地域の医療のことを考えて、しっかりとこれからも信念を貫き通してまいりたい、このように思っております。
島委員 何も言っていない、何というのか、すり抜けの議論ではありましたが、ともかく、鴻池大臣、今おっしゃったように、信念を持ってやってください。
 それから、片山大臣、閣議であなたが決めれば、公務員制度改革大綱はきちんと意義のあることになるんだから、あなたが不一致すれば。それはきちんと、これも信念を持ってやっていただくということをお願いしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
藤井委員長 これにて島君の質疑は終了いたしました。
 次に、河村たかし君。
河村(た)委員 河村たかしでございます。
 前回、谷垣委員長に、警視庁へ行きますと、私も、はや二回行っておるんですけれどもね。――大臣、結構ですよ。いやいや、聞いておるだけでおってもらってもいいですけれども。
藤井委員長 いや、財務大臣はだめですよ。だめですよ。
河村(た)委員 財務大臣は常におる。ああ、そうか。えらい御無礼しました。御無礼しました。そうですか。
 警視庁へ行きますと、情報公開室というのがありまして、その情報公開室へ入っていきますと、いわゆる警察側は防犯カメラだと言っておりますけれども、私は監視カメラだと。ズームのついたカメラがついております。これはズームがついておる。部屋の中に三つあるんだ。
 そこへ入っていくまでに、そこだけすぐだというとそれは違っておりまして、まず公道から入っていくところに関門があり、ここに屈強の警察がござるわ。そこからまたちょっと受付のところにもおるんです。そこにまた監視カメラはあるんです。そこで、そこからさらに行った部屋のところで座ると、そこにズームができるのが大体この位置についておるんですよ。私も中まで入ってそのビデオカメラを見ましたけれども、本当にズームで、顔が完全にばしっと撮れるようになります。
 そういうのがついておるということで、私、前から、住基ネットもそうですけれども、とにかく日本社会の社会主義化というか全体主義化というんですかね、本当に憂えておるんですよ。特に自民党にお願いしたいのは、やはり自民党は自由を守ってほしいということなんですよ。そういう立場で、自由主義社会を守るという立場から、やはりこの情報公開という場で、そこで警察権力と言うとなんですけれども、まあ皆さん、一遍行かれるといい。私も、ちょっと地元へ帰っていろいろしゃべるときに、それはみんな入っていくとびくっとしますわねと。警察ですからね。
 そんなことで、ぜひきょうは、これをしばらく三十分ほど谷垣さんにお話をさせていただいて、ぜひここは、国家公安委員会は何のためにあるかといったら、昔、戦前のいわゆるオイコラ警察、これではいかぬということでこれはできたわけですよ。民間の人が集まって、警察権力が乱用されぬように、やはり自由を守ろうということでできたんです。その最高司令官がここにおみえになりますので、最終的には谷垣さんにこれを外しますということをぜひ言ってほしいということで、順繰りに行きたいと思います。
 まず、入っていきますわね、この部屋の中へ。そうすると、カメラに撮られるということは、これはやはりプライバシー権とか、いわゆる肖像権というのがあるでしょう。これは判例がいろいろ出ております。みだりに容貌を撮られない権利というのがあるんですね。まずそれを侵害することになりませんか。
谷垣国務大臣 確かに、警察がやっております仕事の中でも、具体的な犯罪捜査になりますと、それを後、証拠にどう使うかという問題が出てまいります。
 それで、今河村委員御指摘のように、これはいろいろな判例がございまして、その肖像権をどうするかというような判例があるわけですけれども、これは犯罪捜査に使うわけではなくて、庁舎管理の必要上こういう仕組みを警視庁においてつくっている、こういうことでございますから、肖像権の問題とは関係がないんじゃないかというふうに私は思います。
河村(た)委員 じゃ、まずちょっと、何を撮っておるんですか。何を撮っておるんですか、このカメラは。ちゃんとお答えになって。
吉村政府参考人 警視庁情報公開センターに設置をされております防犯カメラは、先ほど大臣からもお話がありましたとおり、庁舎管理の必要性から防犯目的で設置をされているものでございますので、センター内の状況を撮影するために設置をされているわけでございます。
河村(た)委員 初めの谷垣さんの答弁ですけれども、庁舎管理の必要だと言われましたけれども、しかし、管理するなら何をやってもいいとは言えぬですぜ。そうすると、一たん庁舎の中へ入ると、肖像権とかプライバシーの権利というのは放棄して入らにゃいかぬですか、これは。どうですか。
吉村政府参考人 情報公開センターの防犯カメラは、ただいま申し上げたような趣旨で設置をされておりますし、かつ、以前の予算委員会でも御答弁を申し上げましたとおり、その目的の範囲内で適切に警視庁として運用されていると承知をしているところでございますので、少なくとも、プライバシー権あるいは肖像権に関しての憲法解釈について私どもとしてお答えする立場にはございませんが、最低、プライバシーの侵害には当たらないと承知をしております。
河村(た)委員 ここはやはり谷垣さんに、これはちょうどいいテーマなんだよ、国家公安委員会。国家公安委員会、ちょっと読みますと、警察法の第二章、五条というのがありますね。「国家公安委員会は、」むにゃむにゃむにゃとあって、「並びに警察行政に関する調整を行うことにより、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持することを任務とする。」という、こっちの方が先に出ておるんですよ。「個人の権利と自由を保護し、」これが国家公安委員会をつくった意味ですからね。これがなかったら、警察がそのままやりゃいいじゃないの、そんなもの。ということですよ。
 だから、もう一回言いましょう。谷垣さん、そこへ入るとプライバシー権はなくなるんですか、肖像権。
谷垣国務大臣 プライバシー権がなくなるというようなことではありませんで、例えば銀行で、防犯カメラがついているところだろうとどこだろうと、それは、その銀行の管理権に基づいてやっているわけですね。そのとき、プライバシー権がなくなるわけじゃないと思いますよ。
 要するに、何というんでしょうか、例えば金融機関なら金融機関においてそういう防犯をしよう、銀行窃盗とか強盗みたいなのを防ぐために使おうという目的と合理的な関係があれば許される、こういうことじゃないかと思いますね。
河村(た)委員 要するに、合理的な目的があれば制約も許されるのであるが、一応、庁内に入ったからといって何でもできるわけではないと。そこにはやはり国民の肖像権なりプライバシー権なりはある、その調整の問題だ、こういうことですね。もう一回、大臣。
谷垣国務大臣 憲法解釈といいますか、こういう問題について、公定解釈をするのが私いいのかどうか、これもちょっと実は……(河村(た)委員「やってもらわにゃいかぬ」と呼ぶ)ですから、そういう庁舎管理の合理的な目的の範囲内であれば許されるということだろうと思います。
河村(た)委員 では、これは防犯のためということでございますね。
吉村政府参考人 さきにも申し上げましたが、警視庁の庁舎には受付窓口が何カ所かあります。この情報公開センターには、実は、すべて一〇〇%、警視庁の受付窓口を経てそこに行っていただいておれば、それはあえてこの種の防犯カメラは必要ないと思いますが、じかに、直接そこにおいでになる方が何人かいらっしゃるという実態を踏まえれば、将来的なことを考えて、テロの問題もありますし、治安ということを考えました場合に、警視庁の庁舎内において合理的な範囲内でその種のカメラを設置し、適切に運用すれば問題はないのではないかと考えております。
河村(た)委員 そうしたら、いろいろな人が来るんだというんだったら、警視庁の中に交通課とかがあるでしょう、そういうところにもああいうズームつきのがついていますか。
吉村政府参考人 ですから、交通課、交通何々課を含めて、それぞれの部屋に行かれる方は、すべて警視庁の受付窓口を通っていただいて、そこに課員が案内に来てお連れをするというパターンでやっております限りは、防犯カメラは部屋の中には必要ないのではないかと思います。
河村(た)委員 交通課にはないですね。要するに、あるのはそこだけだな。情報公開室だけだね、こういうズームつきのものがあるのは。顔が全部クローズアップできるものは。
吉村政府参考人 私も一〇〇%警視庁の庁舎内の防犯カメラの実態を承知しているわけではございませんが、いずれにせよ、今ズームということもおっしゃいましたけれども、現在は、委員の御指摘もあって、ズーム機能は使ってなく運用をしております。これは情報公開センターにあります。それ以外の部屋にすべてこのような形で設置されているものではありません。それは、先ほど申しましたように、警視庁の入り口で用件なり住所、氏名等を伺った上で御案内をしているから、必要ないということであります。
河村(た)委員 これでわかりましたように、わざわざここにつけてあるということですね。それで、ズームの機能はあるけれども使っていないということですが、これはズームの機能により顔だけクローズアップして撮れるんですね。
吉村政府参考人 ですから、四基のカメラのうち一基はズーム機能が確かについておりますが、これはズーム機能を働かすことのないように措置をしているところであります。
河村(た)委員 それならやめてくださいよ、そんなもの。一体何を言っておるんですか。つけておいて使っておらぬなんて、そんなばかなことがあるかね。冗談じゃないじゃないですか。何を言っておるんだ。それも、去年夏に僕が行って、これはちょっとえらないかと。そう言ったものでそうなったんじゃないですか。冗談じゃないですよ。じゃ、大臣。
谷垣国務大臣 先ほどから河村委員は、プライバシーの関係とか憲法上の論点をおっしゃっておられまして、それを一般論として御答弁すれば、先ほど私が申し上げたようなことになると思うんです。
 ただ、例えば、国家公安委員会の建物であれば国家公安委員会が庁舎管理権に基づいてどうするか判断するわけでありますが、これは警視庁の建物でありますから、警視庁が果たして適切な方法かどうかを基本的に判断されるということだろうと思うんですね。
 それで、実は、先ほど細川委員の御質問でも御答弁をしましたけれども、国の国家公安委員会あるいは警察庁との関係と、警察庁と都道府県警察との関係というのは、いろいろな長い歴史があってでき上がっておりますが、基本的に今の問題は、この前の予算委員会でも河村委員に御答弁しましたように、警視庁においてまず基本的に判断していただきまして、それが適切に運営されていれば、我々が国家公安委員会として物を申し上げるところではないわけでございまして……(河村(た)委員「委員長」と呼ぶ)いやいや、もうちょっと言わせてください。したがいまして、先ほど来の御答弁のようになるわけです。
 ただ、河村委員が実際にここの警視庁に行っていただきまして、河村委員の問題意識も十分警視庁に伝わっていると思います。また、先日来の御議論も、警察庁から警視庁にこういう問題意識をお持ちだということは伝えてもらっております。我々は、それ以上いろいろ警視庁に言う権限はありませんけれども、私は、そういうことで、警視庁においてもいろいろな運用の仕方があると思いますから、よりよい運用の仕方は何かというようなことを今検討いただいているのではないかな、こう思っております。
河村(た)委員 このことは後で出てくる予定だったけれども、ちょっと言いましたので、皆さん誤解するといけませんけれども、実は、警察法の二十一条に「長官官房の所掌事務」というのがあるんです。そこに責任者で偉いさんがみえるけれども、そこの八号に「情報の公開に関すること。」と、これはここにあるんですよ。だから、これは警察庁がやらないかぬことなんです。
 それで、それを指揮監督するのが、十六条で、「警察庁長官は、」途中略して、「警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する。」こういう規定がありまして、これはいかぬですよ、こんなもの。職務怠慢だよ、こんなこと。
 これは警察法を改正して、二十一条の八号に情報の公開に関するとわざわざ入れたんだよ。大臣、ちょっとそれを言い直してください。いや、あなたじゃない、大臣だ。大臣、大臣。
藤井委員長 吉村官房長。(発言する者あり)指名しています、私が。
吉村政府参考人 警察法の十六条の二項には、「警察庁長官は、」「警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する。」という条文がございます。したがって、警察庁が都道府県警察に、指揮監督する、物を言うのには、警察庁の所掌事務について言うんだという規定ぶりであります。
 今委員御指摘のように、「情報の公開に関すること。」を二十一条一項八号ということで、改正で入れました。ただ、これは確認的に入れたまででありまして、それより以前から情報の公開に関することは警察庁の所掌事務としてつかさどってきたところであります。
 それでは、警察庁として都道府県警察にどの範囲で物が言えるのかということを考えますと、これは例えば、都道府県警察において積極的な情報公開を推進するよう指示することでありますとか、あるいは都道府県警察相互間、あるいは国と都道府県警察間で円滑な情報の交換を確保するために都道府県警察が保有する情報の開示、非開示の取り扱いについて必要な調整を行うというようなことが入るわけでありまして、今議論になっております本件の警視庁情報公開センターの防犯カメラについては、これは警視庁において庁舎管理権に基づいて適切に管理されているものでございますので、本件に関して、警察庁長官が警視総監に対して指揮監督を行うものではないものと認識をしているところであります。(河村(た)委員「だめだめ」と呼ぶ)
藤井委員長 谷垣国務大臣、いま一度答弁してください。
谷垣国務大臣 確かに、今御指摘になったように、警察法の中に情報公開に関することということが入っておりまして、その中で、警察庁は、都道府県警察における情報公開の運用に関して調整事務をするということがあるわけですね。
 そうすると、調整事務とは何かということになるわけですが、この具体例を挙げますと、一つは、積極的な情報公開を推進するよう指示するということが含まれているわけでありますが、これは、当時はまだ情報公開というようなものが各都道府県でできておりませんで、まずその大きな仕組みをつくれということがこの内容であります。
 それから、あとは、都道府県警察相互間または国と都道府県警察間で円滑な情報の交換を確保するために、都道府県警察が保有する情報の開示とか非開示の取り扱いについて必要な調整を行うことが掲げられるわけでありますが、現実に警視庁として東京都の情報公開条例に基づいて運用しておられるわけで、そして、庁舎管理権に基づいて先ほど申し上げたように警視庁としてやっておられることでありますから、国家公安委員会として、これを直接指揮監督するというような立場には今ないというふうに私は思います。
 そこで、先ほど御答弁申し上げたように、我々のできますことは、ここでの御議論や問題意識を伝えるということはできるわけでありまして、その中で今どういう検討をいただいているかというのは、警視庁の問題であるというふうに考えております。
河村(た)委員 それはちょっと保留しまして。
 それはいかぬですよ、これは積極的に情報公開を推進するという、そのことそのものじゃないですか。それは、東京都にも自治権があるのを認めますよ。だけれども、あなたにも同じぐらいあるんですよ。同じぐらいあるんです。それは当然じゃないですか。ここ、やはり答弁もらおうか。これはもらいましょう。同じぐらいあるんですよ。それは明らかじゃないですか。
谷垣国務大臣 同じぐらいと言われても、ちょっと非常にあいまいもこたる表現でございますが、先ほど申しましたように、具体的にもう東京都の条例に基づいてやっておりますから、私どもがやれるということは、その問題意識をお伝えするということでありまして、そこのもとで警視庁が今検討されているというふうに思います。
河村(た)委員 これはずっとやっておるとしようがないので、ちょっととりあえず行きます。
 先ほど大臣が言われた、銀行の中についておると言っておったでしょう。銀行の中にもカメラがついておるのがあります。これも問題なんだけれどもね。名古屋で十五行ぐらい、銀行のカメラが直接警察につながっておるのがあります。ボタンを押したらつながるんですけれども、しかし、直接つながっておる。これも問題だけれども、それは私人ですよ。まあ自分のうちとは違うけれども。お客さんが来る、割と不特定多数の人が来るけれども。
 警察は、あなた、全然違います。大臣、どういう認識だね、あなた。
 いや、公権力の場であるということですよ。
谷垣国務大臣 公権力の場でありますけれども、そこはまた適切に管理しなきゃならないわけですよね。そういう意味において、性質は民間の金融機関等が自分で防犯に備えるというのと同じ意味合いだと私は申し上げているわけです。
河村(た)委員 そうしたら、問題は、管理権の中かどうか、それから、それは防犯上の目的で正当かどうかということになりますわね。
 それから、テープの保存期間、一応ちょっとこれは議事録に残しておきたいんですけれども、防犯上の目的だったら、ぱっと見て、本来は常時撮っておるのも私はいかぬと言っておるけれども、すぐ消さないかぬじゃないですか。これはどうなっていますか。
吉村政府参考人 恐縮でございますが、先ほど私、警察法の二十一条の八号の関係で確認的にと申し上げましたが、より正確にちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 今、大臣からもお話のありましたように……(河村(た)委員「いやいや、時間がないので、委員長」と呼ぶ)情報公開に関する事務の重要性の高まりにかんがみまして、情報公開事務の施行事務あるいは……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
吉村政府参考人 都道府県警察における情報公開制度の運用に関する調整事務及び文書閲覧に関する事務等……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
吉村政府参考人 情報提供事務を所掌することを明確にするため、新たに規定を設けたというふうに訂正をさせていただきたいと思います。
 それから、先ほど御指摘の関係ですが、一日、テープを三本使っておりまして、それは三時間、三時間、二時間の都合八時間撮っているわけですが、それを現実の運用の実態としては、翌日上書きをして消去するというやり方でやっているところでございます。
河村(た)委員 特例で一年というのはありませんか。
吉村政府参考人 ただいま申し上げましたように、録画したビデオテープは原則として、翌日、上書き録画によって消去されるわけでありますが、当該ビデオテープにつきまして、開示請求があった場合、あるいは情報公開センターで不法事案があった場合には、そのテープをそのまま消去するわけにはまいりませんので、一年等必要な年月に保存期間を変更して保存することはございます。これは、せんだっても申し上げましたが、今、三本保存しているものがございます。
河村(た)委員 不法事案という中身をこれからずっと聞いていかないかぬけれども、わけがわからぬけれども、いずれにしろ一年ですね。不法事案というのは、何が不法なのか。暴力行為なのか、何かちょっとおかしい人間が来たのか、それらもあり得ます。それで一年持っておられることになっておるということですよ。
 それから、これは中に何人おるんだったね。
吉村政府参考人 情報公開センターは、閲覧部分がございまして、その隣の部屋に文書課の別室みたいなところがあって、二十四人勤務をしていると聞いております。
 この二十四人につきましては、隣の情報公開センターのために二十四人配置されているわけではございませんで、以前も申し上げましたが、警視庁管下の警察署でも情報公開の窓口になっておりますから、その各署の指導でありますとか、各般の事務に従事をしているということで、二十四名の人間がおります。
河村(た)委員 それはどこの省庁でも同じで、いろいろな出先がありますし。時間がないけれども、年間三百三十五件。これもことしはちょっと減っておるようですけれども、一日一件程度の情報公開のために二十四人おるということですね。二十四人おるということです。これは確認しておきます。
 それから、もう一つ言いますが、もう一つの問題は、これは情報公開の部屋だということね。大臣、情報公開の部屋だということだ。これは情報公開請求をやりに行く人ですよね、どう思いますか、入っていったときに。普通の部屋よりさらに問題があるんですよ、情報公開。情報公開請求権というのはどう思いますか、大臣。この性格。
谷垣国務大臣 情報公開請求権というのは、行政の透明性を担保する手段だろうというふうに思います。
河村(た)委員 その権利はいわゆる財産的な、憲法の話になりますけれども、そういう権利と比べてどうですか。これはその大事さといいますか、どういうふうに位置づけられておりますか。
谷垣国務大臣 学問的にどういう位置づけになっているかは、憲法学を勉強したのはもう随分昔でございますので正確にお答えする自信はありませんけれども、やはり知る権利というようなものと関連づけられた性格のものであろうと思います。
河村(た)委員 今言われましたように、そういうことなんだよね。これ、わざわざ法律をつくったんですが。いわゆる憲法二十一条、表現の自由を全うするために、そのために知らないかぬということですね。知る権利、言論の自由、これはもうどえらけない重要な権利なんですよ。そういうことをみずからやりに行くわけだよ。
 それは大臣、もっといろいろな人が来て、どんどん知る権利を行使してくださいよと、そうすべきじゃないですか。そういう性質のものじゃないですか。
谷垣国務大臣 一方で、できるだけ多くの方にこの情報公開の制度を利用していただく必要があることはもちろんそうです。しかし他方で、やはり治安を維持したり、あるいはそこの場でいろいろな不祥事件が起こらないようにするのも、これは当然のことだろうと思いますし、いわんや、これは警察でございますから、そういうようなことはやはり念頭にあるのは、私は不自然なことでは少しもないと思います。
河村(た)委員 非常に大事な権利ですから、これをどういうふうに、一方、防犯目的が仮にあるとしますよ、やはりそれは。それはあっていいでしょう。しかし、それはやはり合理的なものでないといかぬわね。部屋の中なら何でもできる、防犯なら何でもできるんですか。それはやはりだめでしょう。それはそうでしょう。合理的な制約を受けるということ、これはいいでしょう、大臣。
谷垣国務大臣 先ほどから申し上げていることは、第一義的に、庁舎管理権を持っている警視庁において、合理的な範囲かどうか考えてやられるんだろうと思います。それで、我々の観点から見ても、そういう逸脱したものではない、こういう判断をいたしております。
河村(た)委員 何を言っておるんですか。それじゃ、ちゃんと行きましょうか。
 まず、防犯だと言いますけれども、防犯と言うんだったら、何もいわゆる防犯カメラ、顔がズームアップするようなものじゃなくてもいいじゃないですか。どうですか。
吉村政府参考人 先ほど申し上げましたように、ズーム機能は今使っておりません。その部屋の中で、例えば爆発物が発見されたり、あるいは不審物が発見されたり、ファイルがめちゃめちゃにされたりということは可能性としてはあるわけでありますので、そういう面での防犯措置というものは十分に講じておく必要がある。
 かたがた、先ほどからお話がありますように、情報公開の窓口に見えて情報公開請求される方の権利というものもございますので、そこをどう折り合いをつけるかということについて、まず庁舎管理権を基本として警視庁が考えていくべきであろうと思いますし、先ほど大臣からもお話がございましたが、国会でこのような議論がなされておりますので、これは警察庁から警視庁にこうしろああしろということではなくて、警視庁でよりよい形でもう少し考えるべきものがあるのであれば、それは考えるのではないかというふうに思っております。
河村(た)委員 まず、ズームということについては、わざととめておるんでしょう。それじゃ、これは外したらどうですか。
吉村政府参考人 ですから、国会でいろいろな議論がなされておるのは警視庁も承知をしておりますので、警視庁が判断をするものと思います。
河村(た)委員 それから、こちらを先に言いますけれども、もう一つ、必要最小限でないといかぬ、そういう気はわかるでしょう、大臣。やはり情報公開請求権というのは大きい、知る権利に奉仕するものと言われましたね。
 それから、せっかく今ちょっとオーケーとりましたので、これは段ボールでリサイクル型のパネルですけれども、これは東京都庁のピーポくんというあれなんですよね、ホームページを見ますと。これは、「都民と警視庁のきずなを強めるため「親しまれ、信頼される警視庁」をテーマに、」こういうようなことになっていまして、それから、「都民と警視庁のかけ橋になることを」、こういうふうに言っておるんですよ。本当にこういうふうになってもらわないかぬ。私は、これをそのために言っておるのや。都民と警視庁のかけ橋、そういうことだ。
 そういうことですので、要するに、情報公開を請求するというのは、これは知る権利に奉仕するどえらい重要な権利である。だから、それに対する制約というのは必要最小限にせないかぬ、合理的な。一方、防犯目的もあるとしますよ。しかし、それは必要最小限度にせないかぬでしょう。この辺、大臣、どうですか。
谷垣国務大臣 どういう言葉で表現すれば適切なのか、ちょっとまだ私も正確に言う自信がありませんが、やはり防犯の目的なら防犯の目的から見て合理的な範囲内で、逸脱するようなものであればぐあいが悪いというのは、委員がおっしゃるとおりだと思います。
河村(た)委員 そういうことなんですよ。防犯の目的から逸脱するのはぐあいが悪いということです。そのとおりです。やはり国家公安委員会はそれでいいんですよ、公安委員長。これはそのためにあるんだから。そういうことなんです。
 では、防犯のためだったら、ボディーチェックを国会に入ってくるときに今やっておるじゃないですか、あれでやればいいじゃないですか。どうですか。それは大臣言ってくださいよ。いや、これはちゃんと言ってあるから。
谷垣国務大臣 それは先ほどから再々御答弁しておりますように、警視庁が、目的から見て合理的なあるいは適正な手法は何かとまず第一義的に御判断さるべきものだろうと思いますね。
河村(た)委員 ここで逃げるんだけれども、それはいかぬですよ、あなた本当に。申しわけないけれども。
 それは、さっきの警察法に書いてあるじゃないですか、情報公開を進めるということ、積極的にするということ。やらなこれは職務放棄だ。これは本当にとめさせてもらってもいいよ。これは条文に書いてあるんだから、それをやりなさいと。
 それで、都庁の、それは警視庁の話であることもありますよ。だけれども、やはり警察庁長官として、それは国家公安委員長として、国民の権利を守るためにはこうあるべきだということを言わないかぬですよ、判断しなきゃ。それはできませんよ、これは。これはどうだね。
吉村政府参考人 先ほど御説明を申し上げましたように、警察法の十六条二項は、警察庁長官が「警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する。」と書いてございますので……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
吉村政府参考人 警察庁の所掌事務に今の問題が当たるのかどうかということがポイントになろうかと思いますけれども、その件につきましては、本件の警視庁情報公開センターの防犯カメラについては、警視庁において庁舎管理権に基づいて適切に管理をされているということでありまして、本件に関して、長官が総監に対して指揮監督を行うものではないと認識をしているところであります。
 ただ、その議論と、警視庁がいろいろこのような議論を踏まえてどのような改善策を今後講ずるのかというのは、これは別論だと申し上げておるわけでございます。
谷垣国務大臣 これはもうさっきから何度も御答弁しておることの繰り返しになりますが、しかし、警察庁がやることは総合調整と、先ほど申しました条文もございますけれども、その条文の意味するところは、先ほど申し上げたとおりであります。
河村(た)委員 それじゃ、防犯上だと言いますけれども、それならカメラ見た方が防犯になりますか、実際これは。カメラ見て、一体何が防犯になるんですか、警察庁長官。それより、前に三人おるんでしょう、受付の女の子と二人警察官が。そちらの方がはるかになるじゃないか。これは全然関係ないじゃないか。
 だから、憲法違反ですよ、問題は。何が言いたいかというと、これは国家公安委員長、憲法違反の疑いがあるんです、少なくとも常時撮っているということは。ないんだよ、日本じゅうここしか。いいですか。こんなズームアップのカメラ、コンビニと全く違うんだ、警察でですよ。何を考えているんですか。
 警察の情報公開室はここしかないんです、ここしか。これ、常時撮っている。情報公開というのは、国民にとってどえらい重要な権利なんだ。そこへあなた、実際に行ったことあるの。ないでしょう、大臣。そこへ行って座ってみてくださいよ、情報公開するというの。国民はどういう萎縮効果を受けると思う。(発言する者あり)威圧、もうやめようかと思いますよ、これははっきり言って。
 そういうことをやめていこうと、みんなに、いろいろな人に来てもらおうと、そういうことをするためにというのが警察庁の所掌事務じゃないですか。これは大臣、本当にお任せしますじゃだめなんです。憲法違反の疑いがあるときに、これはやはり、じゃ、自分なら自分でこう思います、こうしますと言ってくれなきゃだめですよ、大臣。
谷垣国務大臣 憲法違反の疑いがあるという河村委員の御意見ですが、確かに知る権利というものは大事な権利であります。大事な権利でありますが、他方、治安を維持していく、あるいは防犯をきちっとやっていく、こういうことも劣らず大事なことであります。
 その場合にどういう手法を使うか、そしてその手法が逸脱していないかどうか、第一義的には、これは警視庁が判断するんですよということであります。
河村(た)委員 ボディーチェック、そう言うなら、そういう方法がありますし、入っていくときにもほかの人がありますし、そんな、交通課にはありませんし、要するにはっきり言えば、そこへ来た、警察に情報公開を請求してくるような人間、そういう人たちの顔写真を撮ろうとしているんじゃないのかね、これ。そうじゃないかね、大臣。
谷垣国務大臣 これは私が答弁することかどうかわかりませんが、やはりこういうものを設けて警視庁はやっているわけですね。そうすると、それは当然、管理規程というものを置いてやっておりますから、そこで目的とかいろいろな運用基準をしっかり定めてやっているわけですね。
 ですから、その中身で判断していただかないと、その中身でなくて、逸脱しているんじゃないかという御趣旨かもしれませんが、その中身できちっとやっているということを申し上げたいと思います。
河村(た)委員 これで最後にします。
 とにかく公安委員長、これはまた続きますけれども、あなたは公安委員長だということ、今言いましたように。警察の親分じゃないんですよ。親分なんだけれども、それは当然、こんなことを言ってはなんですけれども、公安委員会の性質、国民の権利を守る。それから、情報公開請求権というのはどえらい大事な権利だということですよ。そこへみずから飛び込んだ人の人権をどう守るかということだから、これは僕は絶対憲法違反だと思う。これは外すなり、顔写真が完全に撮れないいわゆる防犯カメラにかえてほしいということを要望しまして、次のチャンスにします。
藤井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。河村たかし君。
河村(た)委員 それでは、まず一問だけ、ちょっと情報をいただきましたものですから、厚生労働大臣に一問だけ聞きます。
 労働福祉事業団というのが入札をされまして、今まだいろいろ調べておりますけれども、とりあえずまず初めの段階ですけれども、浜松労災病院解体工事というのがあったですね。去年の十二月二十四日に一般競争入札されましたけれども、これは公告が川崎の事業団に掲載されているだけだったということで、これでは事実上、川崎に毎日行っておる人しか工事できぬではないか、こういう情報をいただいた方があります。
 一応、深くやるのはこれからにしまして、とりあえずぱっと聞いただけでも、これでは、みんな広く事業ができないじゃないですか。これは改めていただくようにひとつお願いします。
坂口国務大臣 これは申しわけなかったと思っております。
 二十二億二千万以上と以下に分けまして、二十二億二千万以上は公報に出すようになっている、それ以下は出さない、こういうことになっておるのだそうでございますけれども、これはそんなわけにいきませんから、今後、我が省に関しますものは、お金の多い少ないは別にいたしまして、全部インターネット等にもすべて公表したい、そういうふうに思っております。
河村(た)委員 ありがとうございました。きょうはこのぐらいでとりあえず、情報が入ったところでございますので、さらに、なぜこういうふうになったかということは調べますけれども、とりあえず、こういうことを改めていただくということで、ありがとうございました。
 では大臣、結構でございます。ありがとうございます。
 それでは、これは私のライフワークというのか、人間に背番号をつけたという世紀の愚行といいますか、社会主義国家、これについて、住基ネットについてお伺いをしたいと思います。
 まず、多くの市町村がこれは切断をしましたね。これは何か事故があった場合、住基ネットを切断することは、市町村長は法的に可能ですかね。
片山国務大臣 市町村長は、一般的には住基ネット接続の義務が法律上あるわけです。
 ただ、安全確保のために切断することはできるんです、緊急時には。例えば、具体的な不正行為が発生して、全体の住基ネットの本人確認情報の提供等に重大な支障が出るというような場合には、市町村が県や指定情報機関と連絡をとって、その上で切断することは法的には可能です、安全確保のために。
河村(た)委員 これはぜひ、報道の方もきちっと書いておいてもらわないかぬ。切断できるんです、これは実は市町村長は。これはきちっと今認められましたから。
 それで、問題はその要件だね。これは、漏えいが起きた、起きそうだということですけれども、もう一回ちょっとその要件のところをしっかり言ってもらえますか。
片山国務大臣 具体的な不正行為が発生する、具体的に発生しないとだめなんです。(河村(た)委員「発生せないかぬの」と呼ぶ)発生せなだめなんです。おそれがあるとか、何となくおかしいとかというんじゃだめです。
 しかも、それについて、今言いましたように、住基ネット全体に重大な脅威を与えるようなことについて、関係の都道府県や指定情報機関と相談をして、その上で、重大な脅威だということの認定ができれば、それは法的には切断することが可能であります。
河村(た)委員 起きたと言われますけれども、そうしたら、例えば、私はむかついたものだから、私の住民票コードの通知を受け取り拒絶してポストにほうり込んでやりましたけれども、私の番号を知りませんけれども、私の番号が例えば北海道の札幌で、まあ具体的に名前を出すと市町村長が怒るからどこかの市町村で、だれかが知っていた、こういう事案はどうですか。
片山国務大臣 御承知のように、住基ネットは閉じたネットワークですよね、インターネットなんかと接続していないんですよ。接続しているものは切ってもらうんですよ。したがいまして、閉じたネットワークですから、稼働してから、一次稼働から六カ月半たちましたよ、一切不正アクセスがないんです。ビールスもワームも一切侵入してきていないんです。したがいまして、今の委員が言われるような事案は全く起こらないと私は思いますけれども。
 しかし、今言いましたように、具体的な不正行為の発生、ネットワーク全体に対する重大な脅威ということの認定、その上でございますので、それ以外の場合には切断できないと我々は解釈しております。
河村(た)委員 しかし、一人でも名前が出る場合はあるでしょう。やみ金に流れたと、この間ちょっと話がありました。そういう場合はどうなんですか、そういうのは。
片山国務大臣 住民基本台帳の四情報は、もともとだれでも住民基本台帳を見られるんですよ。そういう意味では公開情報なんですね、名前と性別と年齢と住所ですから。
 だから、単独で名前が漏れるなんというようなことは、私はどういう場合なのか想像できない。
河村(た)委員 四情報だと言っていますけれども、それは何遍も言っておるけれども、大臣、それはいかぬ、そんなことを言っては。流れるのは全情報じゃないですか。これはちょっと確認しておいてくださいよ。
片山国務大臣 正確に言えば、四情報に住民票コードと、住民票コードを変えた場合の変更情報でございまして……(河村(た)委員「流れる」と呼ぶ)いやいや、流れない。漏えいをするようなことになっていないんですから。技術的にも制度的にも運用上も、それは我々は安全だと。現に、若干の機器等のトラブルはありましたよ、一切問題は起こっていないでしょう、六カ月半。
河村(た)委員 もう一回聞きますけれども、大臣、いいかげんにしておいてちょうだいよ。これは流れるのは、もう一回ちょっと確認していこうか。それでは、流れるのは、住所、氏名、生年月日、性別、番号、付随情報、これだけですか。
片山国務大臣 ネットワークで結ぶ情報はそれですよ。六情報ですよ。
河村(た)委員 間違いです、それは。流れるのは全住民情報が流れるんですよ。いかぬよ、こんなこと。これはだめ、こんな大臣の状況じゃやっておれぬですよ。
藤井委員長 片山総務大臣。
 片山総務大臣、もう一度。(河村(た)委員「大臣、そんなこと知っておらないかぬで。大臣、大臣」と呼ぶ)ちょっと待ってください。
 片山総務大臣、答弁。その上で。
片山国務大臣 私が言いましたのはネットワーク上の情報でございまして、住民票の広域交付というのがこれから始まるんですよ。私は現状のことを申し上げたので、我々は、ことしの後半ぐらいから住民票の広域交付ということを考えておりまして、市町村間ではそれ以外のプラス四情報が流れる、こういうことであります。これは、今のことを私は申し上げたのですよ。
河村(た)委員 まあ、なかなか上手に、うそをつかれると言ったら感じ悪いだろうけれども、取り繕われたと思うけれども、違うんだよ。
 ネットワークには全住民票データが流れるんです。それで、蓄積するのだけが今の、正確に言うと六情報、そういうことですね。
畠中政府参考人 システムのことですので、私の方からお答えさせていただきます。
 去年の八月から施行しております行政機関が確認するためのシステム、これにつきましては、先ほど大臣がお答えしましたとおり、四情報プラス住民票コードプラスその変更情報のみでございます。
 ただ、大臣も先ほど申し上げましたように、ことしの八月から住民票の広域交付、住民がどこの市町村に行っても住民票の写しがとれるというようなものとか、転入転出の特例手続が始まります。これは従来、現在もそうですが、転出する場合に、市役所へ行きまして、町役場へ行きまして転出届、証明書をもらってきて、それを、転入届の市町村に行って転入届をする。これは二回行かなきゃいかぬ。これが一回で済むという手続が始まるんです。その場合は、四情報のほかに八情報、続柄等の八情報についても、これは市町村から市町村だけです。都道府県に行ったり指定情報処理機関に行ったりはしません。市町村から当該市町村だけについてその八情報等が提供される、送られるということでございます。
河村(た)委員 流れるんですわ、これ。ここは本当に、大臣も自分で間違えておるぐらい、この法律が通ったときに、みんなころっとだまされちゃった、四情報、四情報ということで。そういうことですよ。
 だから、ネットワーク上は流れるんです。流れるんだ。(片山国務大臣「市町村間だけです」と呼ぶ)市町村間を流れるといったら全部流れることじゃないですか。全部流れることじゃないですか。(片山国務大臣「ネットワークじゃない」と呼ぶ)ネットワークで流れるということじゃないですか。
藤井委員長 ちょっと注意をしておきます。
 お互いに、質問者、答弁者、私が整理して運営していますので、それに従って発言してください。
河村(た)委員 では、住民基本台帳にこう書いてありますね。住基ネットの番号、これは住民基本台帳に書いてありますね。どうですか。
畠中政府参考人 御指摘のとおりでございます。書いてございます。
河村(た)委員 その番号ないし住民基本台帳データですね、これは市町村、これを使うのはどうやって使うんですか、大臣。これは大臣に通告してあるから。
片山国務大臣 市町村の中の業務で住民票コードまで使う必要はないのです、住民の基本的な情報は、皆さん市町村の中ではきっちり持っているわけですから。しかし、それは使ってだめだということはありません。それは市町村のそれぞれの御判断だ、運用上の話だと思います。
河村(た)委員 ここもちょっと確認しておきます。
 今までの理解ですと、何となく住民票のコード、番号を、何か前は九十三事務でしたか、一番最初そういうようなのしか使えぬという感じだったんですけれども、例えば名古屋市なら名古屋市、これは民生局、いろいろありますよね、財政局、教育委員会。こういうのは自由に使えるんですね、大臣。
畠中政府参考人 実際に市町村でどうしているかという御質問だと思いますので、私の方からお答えします。
 市町村においては、それぞれの市町村の住民に係る住民票の記載事項を、住民基本台帳の目的の範囲内において、当該市町村の他の部局の業務に利用することは可能でございます。現に使っている事例もございます。
河村(た)委員 こういうことなんですよ、実は。これは意外と大盲点でしたね。
 だから、住民票コードを、例えば教育委員会、これはちゃんと全部通告してありますからね、教育委員会が、学校に入るときに通知しますね、就学児童の。ああいうことをやるために住民票を使ってやってもいいですな。学籍番号に使ってもいいですね。
畠中政府参考人 ちょっと私の御説明が不十分で申しわけございませんが、住民票の記載事項というのは、住所、氏名、年齢、生年月日等を他の部局で使っている例があると。ただ、住民票コードそのものは、大臣も先ほど申し上げましたように、そのものを利用する必要性は極めて小さいんじゃないかというふうに考えております。
河村(た)委員 それより、それを法的に使えるかどうか聞いておるので、それをちゃんと答えてください。
畠中政府参考人 住民票のコードにつきましては、住民票の記載事項の一つでございまして、先ほど答弁しましたように。他の記載事項と同様、他の部局の業務に利用することは法的には可能でございますが、先ほど言いましたように、その必要性は少ないんじゃないかと。現に、市町村におきましては独自のコードを使っておりまして、住民票コードをあえて使う必要性は少ないんじゃないかということを先ほどお答えしたとおりでございます。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
河村(た)委員 では、どういう根拠で推測しておるんですか。その根拠を言ってください。
片山国務大臣 四情報については、これはいわば、何度も言いますけれども、ある意味では周知の情報でございまして、それを各部局が使うのは当たり前の話なんです、自治事務だから。だから、住民票コードを使えないとはどこにも書いていないから、それは使うことも可能だけれども、使う必要性がないのではないか、そういうことを言っているわけであります。(河村(た)委員「何でない。何でないの」と呼ぶ)
 いやいや、それは、それぞれの事務の処理上。四情報についた附帯情報ですからね、住民票コードは。四情報についた附帯情報なんですから、四情報についてしっかりと各部局は把握しているわけですから。それはしかし、いろいろな市町村の判断だと申し上げているんです。
河村(た)委員 全然違う。言うことが違うじゃないの。
 では、具体的に言おうかね。小学校へ入るときに、就学の通知が来るじゃないですか。ああいうのに教育委員会が番号を多分使わないだろうなんて、なぜ使わないんですか。
畠中政府参考人 お答えいたします。
 教育委員会が小学校に入る児童に通知するという場合は、住民票の記載事項の生年月日等を参照すればそれで容易に把握できますので、あえてそれ以上にコードを使ってやる必要性はないということでございます。住民票の記載事項を見ればそれは把握できますので……(河村(た)委員「わざと外すのかね」と呼ぶ)
藤井委員長 再度、御注意申し上げます。
 河村委員、発言するときは委員長からの指名をもって発言してください。
 河村たかし君。
河村(た)委員 わざと使わないと。住民基本台帳はあるわけね、これ。ついてきますよ。
 それと、ではもう一つ聞きます。学籍番号に使ってもいいですか。
畠中政府参考人 先ほどもお答えしましたように、同一市町村内で使用することは法的には可能です。ただ、その必要性はないんじゃないか、ないと申し上げておるところでございます。
河村(た)委員 何がないんだ。勝手に言うんじゃないよ、そんなもの。冗談じゃないんですよ。
 アメリカでソーシャル・セキュリティー番号というのがありますけれども、そういうのをそれこそ大学が使って大問題になったことがあるんですよ。そんな余分な答弁をしたらいかぬ。撤回してくださいよ、それは。
畠中政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、法的には可能です。ただ……(河村(た)委員「学籍番号も可能だね」と呼ぶ)そういう必要性は市町村からも聞こえてこないし、そういう要望もないし、とにかくコードというのは民間にも使用を禁止しているということから慎重な取り扱いが要請されるということもこれあり、必要もないのにその住民票コードを使って何とかするということは考えられないということを申し上げたわけでございます。
河村(た)委員 それでは、もう一回ちゃんと確定しますよ。学籍番号に使うことは法的に可能ですね。
畠中政府参考人 お答えいたします。
 法的には可能です。
河村(た)委員 では、病院なんかはどうでしょうか。公立の病院。ここで使うことは、市立病院というのがたくさんありますよね、そういうところで使うことは可能ですか。
畠中政府参考人 民間の病院、私立病院は民間の病院……(河村(た)委員「いや、市立、市立」と呼ぶ)だから、同一市内の業務に使うことは法的には可能、それは変わりございません。
河村(た)委員 では、そこのカルテの番号に使うことも法的に可能ですね。
畠中政府参考人 法的にというお尋ねですので法的なことをお答えしているわけでございまして、法的には可能ですが、そういう……(河村(た)委員「余分なことは言わぬでもいい」と呼ぶ)はい。
河村(た)委員 では、もっと聞きましょうか。特別養護老人ホームなんてありますよね。こういうところで番号を使うことは可能ですか。
片山国務大臣 住民基本台帳ネットワークは、何度も言いますけれども、御答弁申し上げましたが、全都道府県、市町村のこれは共同のネットワークで、それで番号は全国につけておりますけれども、もともと市町村等ではコンピューター処理ですから、それぞれの市のコードというのは持っているところが多かったんですよ。
 コンピューター社会ですから、番号なしでやれなんていっても、それはいろいろな議論がある、したがって、本来の市町村の仕事であれば、それは法的には使える、ただ、法的に使えても、使うべきかどうかというのはまた別の判断だということを何度も申し上げているわけであります。
河村(た)委員 悪いですけれども、では図書館を聞きましょうか、これも重要ですから。図書館は使えますか。
畠中政府参考人 お答えします。
 大臣もお答えしましたとおり、同一市町村内の市の機関でしたら、法的には可能だということでございます。
河村(た)委員 この住基ネットができる前に、市町村は番号を持っていましたよね。これもかなり昔ですけれども、導入のときにもめたんですけれども、これでいろいろなデータをマッチングしておりました、いろいろ市によりましたけれども。
 では、同じようなことをやってもいいわけですね。今度は番号は番号で、今までは、例えば私でしたら名古屋市の番号、別でしたからね、これは。今度は、私の、自分についておる番号はくそおもしろくないので言いたくないですけれども、自分の番号、名古屋市がやる場合にその番号で、要するに今言いましたように、少なくとも学校の関係、私は小学校に今から入りませんけれども、それから病院なんかあり得ますね、それから年食ったら特養へ入るかわからぬ、こういうことも、みんなそういうのをリンクすることは当然可能ですね。
片山国務大臣 住基ネットワークというのは、何度も言いますが、それぞれの市町村がコンピューター処理しておる住民基本台帳の処理の仕組みを、いろいろなほかの用途があるから全国的にネットワークでつなぐ、そういうことなんですよ、四情報とプラス二情報について。御承知のとおりでしょう。
 だから、我々はそれについての十分なセキュリティーやプライバシー保護の対策を講じている、もともとそれぞれの市町村は、いろいろな自分のところの仕事をコンピューター処理して、自分のコードを使って処理しておったんですよ。それは市町村で差がありますよ、どこまでどうあるか。ただ、我々は、その四情報について全国で共通にしようと。行政機関の本人確認やいろいろな用途がありますから、それについては、例えばファイアウオールだとかコミュニケーションサーバーだとかいろいろな仕組みをつくって、全国で共通するものについてはきっちりセキュリティーやプライバシー保護をやっていこうと。
 それぞれの市町村がそれぞれコンピューター処理しておるものについては、市町村が独自に、あるいは都道府県が独自にセキュリティー対策やプライバシー保護の対策をやっておるわけであります。そのために条例も持っている、こういうことでございます。
河村(た)委員 ついでにもう一点聞きましょうか。
 それでは、市民税なんかもありますね。市民税、税金。これも市の財政局、名前はちょっとわかりませんけれども、これも当然、税金の情報をこれで管理するのもできますね、法的に。
畠中政府参考人 その質問はこの前河村先生から御質問があって、住民の代表が条例で決めればできると。(河村(た)委員「それは県」と呼ぶ)
 市の場合です。市の場合は、現在も四情報を使っているところもございますし、それは可能でございます。
河村(た)委員 いや、実はこれで大変な誤解が国民の中にもかなりあると思いますよ。この住民基本台帳ネットワークというのは、番号は実は全国的に法律で制限されておるといって、まあ事実上どんどん広がっていきますけれども、それは国の、こういう市町村をまたぐ、県をまたぐ状況のことであって、県内においては、条例を定めれば新しい事務にも使えると。税務、それからこの間聞きましたのは税務の次に警察、これは大臣ここで言ったね、使えると。
 市町村内においては、要するに市町村が必要と思えば、住民基本台帳法一条の趣旨にのっとって住民の福祉と行政の効率化のためにいいと思えば、これは別に法律も何にもなしでも、一つの番号をつけてそこにいろいろなデータを入れる、市の行政事務の全データを入れることが可能、こういうふうに整理していいですね、大臣。
片山国務大臣 いや、もともとそれぞれの市町村や都道府県が今の行政はコンピューター処理しているんですよ。我々も、電子政府だとか電子自治体といったらまさにそういうことなんですよ。それぞれやっているんですよ、それぞれ独自にいろいろなことを考えて、場合によっては自分の番号をつけて。
 ただ、その中で四情報についてだけは抜き出して、全国の全都道府県、全市町村の共同のネットワークとして番号をつけます、したがって、その番号については十分な保護措置をとり、プライバシー保護をやります、こういうことでございまして、それと今もともとやっているものと委員の場合には混同されて、どうのこうのと。それは自治事務についてはもともとコンピューター処理をやっておったんですから、コードをつけて、番号をつけて。
 だから、それについて、住基ネットはそのことをとやかく言っているんじゃないですよ。御承知の、基本台帳にあるたくさんの情報の中から基本的な四情報だけ全国のネットワークにしましょうと。それは、何度も言いますけれども、行政機関に対して証明書を添付、住民票の写しを出したりいろいろな届けを出すものを、行政機関が住基ネットに照会すれば本人確認ができるようにしようと。これは国民の利便の増進ですよ。四情報ですよ。そのことを何度も繰り返し申し上げているので、もともとのコンピューター処理するのがいいか悪いか、これは、それぞれの市町村や都道府県が自分の中で十分議論して決めたんですよ。それが地方自治なんですよ。国がどうにかしようなんということを言っているわけじゃ全くありませんよ。
河村(た)委員 何か全然わかっとらんですね。
 問題は、今度は国民番号というのを付番されるわけだ。それこそ総背番号なんだよ。これはそのものじゃなかったのかね、大臣。今までの番号というのは市町村に個別についておるんだ。それと、僕は市町村の中でも違っとった場合もあり得ると思う。三千三百あるから。全部統一されていなかったから。
 今度は、片山さん、あなたは何番、委員長は何番、こういう番号で全部載るようになった。ここが問題なんじゃないですか。そういうことでしょう、大臣。それこそ、これを背番号というんじゃないの。
片山国務大臣 それは、全国の、全地方団体のネットワークですから。ネットワークで、全都道府県、市町村が、それじゃ共通の番号をつけましょう。しかし、その番号の用途は法律で厳重に限定して、しかも十分なセキュリティーやプライバシーの対応をとって、技術的にも。それでやりましょうと。
 それによって、例えば、今、何度も言いますけれども、いろいろな年金だとか共済だとか労災だとか、あるいはパスポートだとか、そういうことについての本人確認ということが、今御本人がやっているでしょう、お金を払って。住民票の写しをとったり、いろいろな証明をとって添付して。それを、そうでないようにしましょう、電子政府で、インターネットでオンラインで、自宅や職場からそういう申請や届け出ができるようにしましょうと。その場合に、本人確認を、別にそれだけ住民票を持っていけなんということになったら、何の電子政府かということになりますので。
 そこで、何度も言いますが、プライバシーやセキュリティーには十分な対応をとりながら、そういう共通番号をつけさせていただいている。そのための秘密漏えいや何かは絶対起こさないような仕組みにしている。現に、そこで問題になっている不正アクセスや何かは一件も起こっておりません。そのことは申し上げます。
河村(た)委員 あなたは不正アクセスと言って、ろくに何にもなっとらんものでやらないだけのことで。それから、住民票を全国でとるなんて大体ありゃせんしね。そういうことです。
 要するに、わかったのは、いいですか、市町村の中ではみんな国民番号を付番されて、そこの市の事務については全部そこでファイルされるということだ。そういうことなんだ。それをまた条例でも、例えば住民の福祉とか安全のためにとなれば、それは県レベルで全部ネットワークされる、そういうことですよ。そういうことなんでしょう、大臣。
片山国務大臣 その個々の、それぞれの市町村や都道府県がやっている、コンピューター処理されている行政の中身については、またこれはいろいろな御意見があると思いますが。
 今私が言っているのは、この住基ネットワークは四情報プラス二情報についてだけですよ。これは法律できちっと、どこの機関が何ができるか、これは全部書いているわけですよ。マッチングだとか名寄せだとか、目的外利用なんか一切できないような法にしていますよ。守秘義務も、大変厳重な守秘義務を課しているわけですから。
 だから、そこのところは、我々は四情報についての保護をやっているんだけれども、もともとのものについても、それは、個人情報保護条例やいろいろなものをつくって、セキュリティーについても万全な対策をとってくださいということを、これはこれでお願いしているんですよ。
 今の住基ネットは、四情報だけ抜き出して、今言いましたように本人確認の手続をなくするとか、今は転入転出の二回行くのを一遍で済むようにするとか、あるいはカードの交付ができるようにする、住民が望めばですよ。そういうことについての、我々は全体のネットワークを考えているわけでございまして、そこはやはり、ちょっと委員の方に混同があるんじゃないでしょうかね。
 それから、番号をつけるが、ネットワーク社会やコンピューター社会は番号で処理するんですよ。
河村(た)委員 悪いけれども、余りちょっと原理論を言ってるので。
 ネットワーク社会はどういう社会かといいますと、統一付番するのではなくて、限定番号で多様なデータを処理できる時代なんですよ。わかりますか。コンピューターがない時代は番号が要ったんです。そうでしょう。頭に番号をつけて、そこにずらっとファイルに書かないかぬのですよ、統一番号で。今は、同時に大量の情報が、それこそネットワークですから、ピラミッド型じゃなくて、送れるので、統一付番なんて要らないんですよ。あなたは、例えば病気の番号、財産、全部別にする、こういうふうにできるのをコンピューター社会というんだよ。全然あなた違っとるで、これ。何を言っとるんですか、それは。
 それで、要するに、今わかりましたように、市町村の中では、少なくとも、自動的に国民番号というか自分の番号がここでファイルされて、これは例えば学校、福祉、それからいわゆる今言ってきたいろいろなところ、これに全部使えるということはわかったということですよ。市立病院の看護婦さんが私の番号を知るということは十分あり得るわけだ。そういうことですな、これは。
片山国務大臣 それは、御本人には通知するんですから、御本人が知っているのは当然と思いますし、また、番号については、幾らでも変えてほしければ変える、こういうことで今やっておりますからね。
河村(た)委員 今の聞いてくださいよ。
 市立病院の看護婦さんが、治療によって患者さんの国民番号、住基ネット番号を知るということは、十分あり得ますね。
畠中政府参考人 公務員が、正当な業務を遂行する上でそれが必要だという相当な理由があれば、聞くことは可能だと思います。
河村(た)委員 こういうことなんですよ、やはり。だから、市の職員は全部番号を知っているということになります。全部番号を知っていることになるんです。
 これは自民党の皆さん、本当にちょっと訴えていきたいけれども、こういうのはどっちかというと社会主義政策というか、全体主義というか、管理主義の政策なんですよ、言っておきますけれども。各国を見ておりますと、大体、自由主義経済とか、いわゆる保守勢力ですね、特にキリスト教なんかを大事にする、宗教を大事にするような勢力、ここは本当に反対しますよ、こういうものには。
 これは本当に……(発言する者あり)アメリカは違いますよ、住民票がないから。アメリカの番号と日本と、全く違いますから。アメリカは、むしろそういう番号を使わないようにと、今大変なことになっていてね。
 だから、今も話があったから、ついでに言っておきますよ。納税者番号についても、私は、納番をやったとしても、別に経済取引には使いませんから、自由主義の立場からいうと。何にもいいことはない。源泉徴収と年末調整で終わっとるサラリーマンがダブルに捕捉されるだけで。
 もし、だけれども百万歩譲って、使うというなら、納税者に限定した番号をつくればいいんですよ、ほかに使えない。運転免許証番号、納税者番号、そういうのをたくさんつくれるのを、これをコンピューター社会といい、自由主義社会というんですよ。そういうことなんです。
 どうですか、大臣、こういう考えは。
片山国務大臣 だから、今の住基ネットは法律で限定した事務だけなんですよ。納税者番号にするとか、ほかの何とかに使うことなんか一切言っていない。法律で、国会でお認めいただいた本人確認の情報をやる。広域交付をやる。あるいは、カードのこれが根拠になる。あるいは、公的な個人認証をやらないと、金のやりとりなんかできませんからね、実印の証明にかえて。そういうことの基盤になるわけですよ、住基ネットは。
 ある意味では、そういう電子政府や電子自治体の基盤になるものの整備でございまして、委員が言うようなおどろおどろしいものを我々は考えているわけでもないし、これは国のネットワークでも何でもありませんよ。国は制度をつくりましたよ、いろいろな助言や指導や応援はしますけれども、これは全地方団体のネットワークです。法律を見てください。
河村(た)委員 そんなこと言うなら、共通番号つけるなよ、まず。何の必要もないじゃないか、あんな国民番号つけて。今までの普通の、ばらばらの番号でいいじゃないか。何を言っているんだよ、大体。
 それと、事実のことを聞きますと、八月五日の施行のときに、何か二百ぐらいの市町村で、これがいわゆる住基を庁内というか、LANにそのままつないでおったということで、接続をやめてくれという通知を出されたんだってね。
片山国務大臣 あれは、百何十かの市町村がインターネットと庁内LANをつないでおったんですよ。その庁内LANの外側にもう一つ住基ネットのシステムをつくりますから、一遍そこは遮断してもらって、必要なものだけのやりとりはするけれども、そこできっちりとそこのところを分離できるようになるまでゆっくりやってくれ、こういうことで、今、残ったものは三十ぐらいじゃないでしょうか。あとは、全部そこの遮断をやってもらっております。
河村(た)委員 一番最初に戻りますけれども、こういう状況が生じたら、要するに切断してもいいですな、こういうことがぱっとわかった場合、市町村としては。どこかの市町村ではLANにつないでおるらしい、じゃ、うちの市としては、住民のプライバシーを守るために切断する、これはいいですね。
片山国務大臣 住基ネットと切断するんじゃないんですよ。インターネットと庁内のLANがつながっているから、そこは一遍切ってもらって、セキュリティーを完全にしてと。住基ネットはそのままつないでいるんですよ。
河村(た)委員 それがどこかの市の人がわかったときに、どこかの市では庁内LANとつながっておるじゃないか、これはとんでもないから、私のところの市のネットワークは切断します、これは当然言えますね。
片山国務大臣 いや、切るのはインターネットと庁内LANなんですよ。その庁内LANとつないでいる住基の方の、コミュニケーションサーバーなんかでございます、そこはやりとりするんです、必要最小限の更新情報なんかは。だから、こっちの本体の方の遮断じゃないんですよ。そこは誤解のないように。セキュリティーを完全にやったら、全部もとにする、それまでは必要な最小限度の情報のやりとりだけにする、こういうことです。
河村(た)委員 漏えいの危険性があったときに、漏えいの危険性があると、市町村は守らないかぬでしょう、市民のプライバシーを。だから、どこかの市で、何やこれ省内LANとつながっているじゃないか、そういう状況を発見したら、これは現にあったことだから、これは切断できますねと言っておるんです。
片山国務大臣 いや、情報の漏えいもあるかもしれないから、そこは遮断をしてもらって、インターネットと庁内LANと。そこは遮断してもらっているので。それから、住基ネットの方は、個人情報の漏えいはありませんから、これは遮断する事由になりません。
河村(た)委員 全然話が違いますが。
 それから、もう一つ聞いておきますけれども、では、切断するという判断する人、切断してくれと今回は大臣がお願いしたようだけれども、これは別に市町村長が自分の判断でできるね。今言った重大な支障が生じる、そういうような状況において、市長が自分が考えたら。
片山国務大臣 それは、緊急時対応計画というのをあらかじめつくっているんですよ。これは、全都道府県が入りました協議会で基準に基づいてつくっておりまして、そういう緊急時で安全確保のために必要があるときは、その責任者がセキュリティー会議というのを開きまして、そこでの議論を経て切断するかどうかを決める。その場合には、市町村であれば、都道府県や全国の指定情報処理機関と十分な連携、合意のもとにやる。こういう手続が緊急時対応計画で決まっておりますので。
河村(た)委員 全然話が違いますけれども、とにかく市町村長がこれはいかぬと思ったときには、それは市町村の判断で、今言ったように、事態が起きた、ないし緊急の事態だというときには、できるね、それは。
片山国務大臣 それは、本当に緊急時で、安全確保にどうしても必要なら切断できますけれども、そこのところはある程度客観性が担保されないと、自分が嫌だから切るなんといったら法律違反ですから。法律は接続義務を全部課しているんだから。
河村(た)委員 次のきょうの朝刊の、北朝鮮の問題をやらないけませんから、大臣、これでやめておきます。結構でございます。
 ちょっと官房長官に、きょうの朝刊のことで、質問通告はしてありましたけれども、さらにきょう朝刊に詳しく出ましたものですから、若干詳しくなるかと。
 時間がありませんが、北朝鮮の核問題をIAEAが安保理に付託するということでございますけれども、これは日本としては、私、日本人として本当にストレートに思うんですけれども、イラクも大変ですけれども、やはりこれは日本人でしょう、すぐ近くで核開発が行われているというのは大変なことですよ。これについてどういう要求を、今まではNPTに戻れとかそういう話でしたけれども、しかし、今回のIAEAがこういう決断を出すについて、どういう働きかけを日本政府としてされてこられましたか。
茂木副大臣 委員御指摘の、IAEAの特別理事会という形になると思うんですが、十二日にウィーンで開催をされまして、IAEAの理事会において北朝鮮との保障協定の実施に関する決議が採択された。決議の内容はよく御存じだと思うんですが、大きく分けまして、二点ポイントがございます。
 一つは……(発言する者あり)ごめんなさい、ちょっと脈絡がありますので。まず一つが、北朝鮮がIAEAとの保障措置協定上の義務にさらに違反していること、これを宣言しています。
 それからもう一つ、その上で、この違反及び保障措置の適用を受ける核物質の非転用をIAEAが認定することができない、これをIAEAの加盟国、そして国連の理事会、そして総会の方にエルバラダイ事務局長の方から報告する、こういうことが決められたわけであります。
 御案内のとおり、IAEAの理事国、三十五カ国ございまして、今回そこの中で、今、パナマが欠席をした。そして今、スーダンが投票権を停止している。そこの中で、ロシアとキューバが棄権をした。日本としてはやはり全会一致のもとで決議をしたかったわけでありますけれども、二カ国が棄権、こういうことに関しては残念である、このように考えておりますが、しかし、ロシアにいたしましても、今回、安保理に今持っていくことについては時期的に賛成できない、しかし、違反という点では認識が一致をしている。
 この北朝鮮の核問題につきましては、日本としては、常にアメリカ、そして韓国、さらに中国、ロシア、さらにEU初め関係国とも連携のもとで平和的な解決を図っていく、このための努力をこれからも続けてまいりたいと考えております。
河村(た)委員 官房長官に聞きますけれども、では、一般的にいきますと、これはまず声明が出るんですか、議長声明とか経済制裁、こういうふうにいくというのが普通の道ですわね。
 そうなった場合に日本は、太陽政策かどうか知りませんけれども、この間小泉さんがそんなことを言われたような気がするんですけれども、そういった場合に、北朝鮮は、いわゆる経済制裁をした場合は大変厳しい反応をするということは自分で言っております。だから、これから見通しとしては、官房長官、これは国の最大関心事ですよ、ここに付託した以上は非常に厳しい結論が出る可能性があるんですよ、厳しい道へ行く方向に。その場合、どういうふうに見通しを持っておられますか。
福田国務大臣 安保理に付託されたというそのことについては、今、副大臣から説明申し上げたとおりでありますけれども、今後これがどうなるかということについて、これはやはり安保理、国連でもってどのような協議がなされるか、こういうことになるわけであります。
 ただ、今ちょっと制裁というようにお話ございましたけれども、直ちに制裁にいくことはない、そういうようなことも言われておるわけでございまして、私もそれはそれでよろしいのではないか、その方がよろしいのではないかというふうに思っております。
 今後、いかにしてこの問題を平和的に解決するかということに力点を置いて、いろいろな交渉はあるだろうと思います。そういう中で、我が国も、日朝関係というのはこれは一定の交渉の道も閉ざしておりませんし、また、米朝関係もこれは極めて大事な交渉だろうと思います。こういうことも行われるかもしれぬ。そういう中でもって、あくまでも平和的解決を目指す、こういうことであります。
 制裁については、その先の話であろうかと思います。今、そういうことについて言及すべき時点ではないと思っております。
河村(た)委員 それは今までと同じじゃないですか。あえてこれは安保理事会に付託したと。特に、この安保理事には入っていないでしょう、IAEAの理事にはなっているけれども。そうすると、日本政府としてはやはりそれなりの見通しを持っていないと、この直接の会議に入れないんだから。それを、今までと同じように平和裏に解決と言っておるだけじゃいかぬじゃないですか。何か隠しておることがあるんじゃないですか。
福田国務大臣 別に隠すようなことはございませんで、安保理に持っていきますと、確かに日本は安保理のメンバーでございません、今メンバーでないわけでございまして、そうすると、協議に参加できない、この北朝鮮の問題の解決に他の国々と一緒になって、安保理メンバーと一緒になってその解決のための努力ができない、そういうふうなことも心配、懸念をされるわけであります。
 そういうことについては、隣の韓国、そしてまた極めて近い関係にあります日本のこの立場、また意見というものなくして安保理における北朝鮮との平和的な解決はあり得ない、こういうことは非常に容易に想像されるわけでありまして、そのことはもう既にいろいろと議論がなされております。ですから、今までも、P5プラス2、2というのは日本、韓国でありますけれども、そういうような協議はしていかなければいけないのではないかということも言われておりますし、当然のことながら、日韓の意見は十分に聞く、こういうようなこともいろいろと協議をされているというふうに承知しております。
河村(た)委員 これで終わりますが、とにかく今言いましたように、自分が会議に入れないところに、そういう委員会に付託するように努力したということですよね、残念ながらかどうかは知りませんけれども。結果論はそうなっているということですね。だから、そのときに、確たる戦略が、見通しがなくてしゃべってもらえないということは、これは日本国民として非常に不安ですよ。そのことを申し上げまして、終わります。
 どうもありがとうございました。
藤井委員長 これにて河村君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉田公一君。
吉田(公)委員 民主党の吉田公一でございます。
 まず最初に、ここに置かせていただいたのが予算編成書でございます。一月の二十四日に配付をされまして、それから土日を挟んでわずか十三、四日で、もう質問が始まる。この内容は、前の予算書よりかはまだよくできていると思うんですが、これを渡されてわずか十四、五日で質問しろと言われましても、これはなかなかできないですね。
 特に、わかりにくくなっている、暗号文みたいになっていまして、解読班をだれか置いておかないと、とてもとてもわかるような予算書ではない。だから、これは各省の大臣だって、悪いけれども、各省の官僚の人だって、全部知っている人なんていやしない。それは一年ぐらいかかって、一年間かけてつくった予算だから、それを十日や十五日間でもって、おまえら読んですぐ質問しろなんて言われたって、これは本当にわからない。それは、一項目ずつ拾って聞いてもいいけれども、そんなことをいったって、これは容易なことじゃないからね。たまたま独立行政法人日本学術振興会なんて書いてあって、これは予算が書いてありますけれども、これだって、何を言っているんだか、ちっともわからない。
 それで、あっち行ったりこっち行ったり、予算がふくそうしておりまして、額がですよ、しようがないから、私はこれを手に入れて、これで少し質問しようと思ったわけだ。これしかないのに、これでもあっち行ったりこっち行ったりしているんだから、あれ、さっき出てきたなと思ったら、今度はこっち、あれなんていって、これを見るだけで容易じゃない。だから、わざとこれをわからないようにしておいて、それで予算委員会ではなるべく数字をびしっと、何で増減があるのか。政府の意向というのは、口だけじゃなくて、最後、数字にあらわれてくるわけです、姿勢というのは。
 だから、そういう意味では、この「予算書の作成の仕方」、これをもっと早く配付してくれるか、それとも、もっとわかりやすく編成してもらうか、ぜひひとつやってもらいたいと、まず最初に、冒頭、私はそれを要望しておきます。
 さて、小泉総理が熱心に取り組んできております道路公団民営化でありますが、ここに道路公団の民営化についての意見書があります。しかし、両論併記ということで、結論は総理の御判断ということになっておりますが、いずれにしても、道路四公団は四十兆円の赤字がある。
 一体何年で四十兆円の赤字ができたのか、なぜそういう赤字ができたのか、原因と年数を教えてもらいたい。
扇国務大臣 冒頭、吉田議員から、予算がわからないというお話でございましたけれども、一つの予算が各省の担当に分かれていることも、私も予算委員会で質問するときに、科学技術の予算をどこからどう拾うかというのですごく苦労したことがありますので、議員がおっしゃることも私は一部そのとおりだと思いますけれども、なるべくこういう予算委員会で、御質問に応じて、わかりやすいように、国民の皆さんに御理解いただくように答弁することも我々の仕事だと思って、精いっぱい国民の皆さんに理解いただけるような答弁をしていきたいと思います。
 今まさに四十兆円というお話でございましたけれども、もう先刻、吉田議員御存じですけれども、戦後今日まで我々は、日本の国をいかによくしていくかということで、一番最初に道路をつくるときに世銀からお金を借りまして、そしてつくったのも吉田議員は御承知のとおりでございます。東京都でございますから、特に御存じだろうと思います。けれども、その後は料金収入で道路をつくっていこう、そういうふうに努力しました。いわゆる受益者負担というような言葉も使われましたけれども、ある意味ではそれが今日までの経済大国、あるいは経済、輸出国あるいは輸入国、経済大国日本というものをつくる大動脈として、私は今日まで、二十世紀には大きな役に立ってきた、それは万人のお認めいただけるところだろうと思います。
 はてさて、それなれば、いつまでそのお金をどうしていったらいいかということが今の四十兆円になるわけでございまして、少ないところは、有料道路の借金、有料道路を借金でつくるんですから、その返済を、少なくとも期間が短い方がいいにこしたことはありません。けれども、ある程度皆さん方に高い料金をお払いいただくのでは申しわけないということで、少なくとも、今の世代の利用する人は一部高いかもしれないけれども、道路は腐るものじゃありませんから、メンテナンスは要りますけれども、後世にも少し負担をしていただきたいと。それでは、何年くらい後世に負担をしていただくんだろうということで、世代間の負担ということも私は考えてメンテナンスをしていくべきだと。
 そういうことで、少なくとも一つは、具体的な償還の問題については、建設国債の償還期間というのは大体普通六十年というのも先生御承知のとおりでございます。ですから、国債の六十年に比べて、税法上これが適用されるというのは、少なくとも、耐用年数と、それから各路線の諸施設、それらを含めて算出されます平均的な耐用年数が約五十年ではないかということで、そこで償還期間の六十年から比べても五十年にしようと。
 しかも、それはなるべく早くお返しして、国民の皆さん方に少しでも安くできるようにということから、大体五十年で償還できるという見込みで料金とかあるいはそういうものを設定したというのが、わかりやすく言えば多くの国民の皆さんにも御理解いただけるのはその辺だろうと思います。
吉田(公)委員 扇大臣の国政報告会を聞いているみたいで、何かわざわざ説明を求めたみたいで、要するに、道路四公団で四十兆円でしょう、大体十年で民営化していこう、そういう方針のようですね。そうすると、これから四十兆円返すのに、今大臣からお話があったように、約五十年までに返そうと。だから、国債の借換債だとか建設国債なんか、みんな借りかえ借りかえで六十年ですよ。そこに一つ無責任政治の原点があるんだけれども、六十年なんというのは無責任きわまりない償還期限ですよね、六十年。だって、だれもいないんだから、今ここにいる人、六十年後は。もうだれもいないですよ。(発言する者あり)そんなことないよ、幾つになっているの、百幾つになっているんじゃないか。今、だって、五十年といったって現職でいるのは中曽根総理だけだよ。たった一人だよ、五十年。だから、そういうのはやはり私は無責任だと思っている。
 今の政治の範囲の中でやるためには、十年か二十年というのが限度であって、六十年、借りかえ、どんどん借りていってしまいますよ、要するに、国債を返すために返す国債を発行しているんだから。それは自転車操業と全く同じだ。だから、そういう意味では、六十年なんというのはまさに無責任きわまりない借金体質で、五十年以内に返しますなんということは、だれが責任持つの。だれも責任持てないじゃないですか、五十年先の話なんか。だって、今から五十年前といったら昭和二十六年ですよ。昭和二十六年にいろいろなことがあったけれども、では、今までだれか責任持ってやっているのか。だれもやっていないんだ。だから、そういう意味では、五十年までに償還をするなんということは、これは要するに道路民営化の逃げの一つにしかすぎない、実は私はそう思っているわけですね。
 そして、特殊法人の中に入るんですけれども、まだまだ資金投入をせざるを得ないという状況になっているわけでしょう。これは最後に私、質問しますけれども、独立行政法人。私は、民営化というよりかも、つまり、四十兆円の借金を、道路公団の下請の六十一社というのは、これまた道路公団の天下りや何かで成り立って、そしてみんな関連企業で仕事をとって、そして利益を上げているというんでしょう。ところが、本元の道路四公団は四十兆円も借金を背負っていて、下請の方は全部、身内はみんなもうけているんだ。だから、四十兆円の金を逆に三十年で返せと。それだけで民営化と同じことになるわけです。これは、相当な効率のいい道路公団運営をやっていかなけりゃできない話ですから。そういう意味では、道路の民営化というよりかも、四十兆円の借金を三十年で返してくれよと。それだけで体質はもう民営化と同じですよ、必死になって返さなきゃ返せないわけですしね。
 第一に、最終的にはやはり国民の税金だから。国鉄清算事業団だってみんなそうでしょう。JRをつくったときに、清算事業団は国鉄の借金は全部引き受けますよと。何でそんな国鉄が赤字になっちゃったかといえば、全部政治路線だ、それは。だから、今度の道路公団もそうだけれども、やはり政治路線化している可能性がある。採算性は最初からわかっているのに引いている。
 私だって、東北へ行って、秋田の方へこの間行って乗ってきたけれども、だれも、車、行ったり来たりしなかったよ。夜だったけれども、あれは電灯つけなくたって走れるよ、だれもいないんだから。
 そういうような、やはり効率よくやらないと、これだけ日本の経済が弱って税収入は下がっているんだから、そういう意味では、私は、これから道路建設も、民営化なんて、十年でやるなんて言っていないで、三十年で四十兆円返しなさいよと言えばそれで民営化と私は思っているわけで、大臣、どうですか。長い話だと、またこっち大変だけれども。
扇国務大臣 これは、皆さん方にも御了解いただき、なおかつ閣議でも決定したことでございます。
 そして、今、採算性のとれない道路もあった、走ってきたとおっしゃいましたけれども、少なくとも、一つ考えてみれば、全国四十路線の中で採算性のとれたものは四路線しかありません。ですから、そういう意味では、採算性がとれているものだけでいいじゃないかとおっしゃれば、例えば中央線の富士吉田間、あるいは名神の西宮線、近畿自動車道の名古屋―大阪間、そして東関東の水戸線、これだけしかないんですね、採算性がとれているというのは。
 ですから、あとはすべて不採算性路線だというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、今言った、道路は国の、基本的に公共事業というのは公に共にするんですから、国民の税金から、本来は道路というものは公共でつくるべきだと私は思います。ただ、お金がそれだけでは配分できない、もっと要るところがあるというので、やむなく受益者負担ということにも甘えている部分がそれはあるかもしれません。
 けれども、私は、今おっしゃったように、下請、関連、子会社等々、あらゆるところでむだがあるものを、即、今切れるものは切ろうと。なぜ切ろうかと思いますと、先生御存じだと思いますけれども、八十四社の中で天下り職員がどれだけいるかということは御存じのとおりなので、それらの人たちをどうできるか。また、今、関連企業が、八十四社の中で少なくとも約十四億九千万円の剰余金がある。では、それは株式会社になっているんだったら、もう道路公団が民営化したらそれは持ち逃げでいいんじゃないか、それでは困る。何とか今おっしゃった採算性にこれを加味することができないかということも含めて、今、推進委員会からの御答申に基づいて、何とかそれを健全化する、食い逃げさせないようにもしようということを知恵を出しているのが現在でございますから、おっしゃったように、不採算性路線は、まさにほとんどが不採算路線と言ってもいいくらい、そして、需要が見込み違いであるというのも、経済の落差によって需要目標が狂ったことも事実でございますけれども、それを今正そうというときに、御意見もいただければ、より一歩進んだ改革ができるんだろうと私は思っています。
吉田(公)委員 一般道路にしても、それは都道府県道にしても村道にしても、全部やはり人、車のためにつくるのであって、要するに、ほかの目的のためにわざとつくるということはおかしいと思う。動物が通るためにつくるというのも変な話。だけれども、動物も通らないんだから、だから、もっと始末が悪いと思っているんです。
 プール制というのを実はやったことがある。これは、八年ぐらい前だか九年前だか、道路四公団の道路、高速の料金をプール制にしようと。だから、大阪や東京で乗っているやつは値段はどんどん上げられていくし、そのほかにどんどん、さっき言ったように、人も通らない、車も通らない、動物も通らない、通るのは何にもないなんというところへ道路をつくっている。
 これはどう考えても、私は、こんな小さな島国で、道路、道路、道路と言うのはおかしいと思っているんだ、本来。それは、アフリカ大陸やアメリカ大陸ならともかく、こんな小さい島国で、七割が山間部ですよ。その山間部の中へまで道路を突っ込んで、後でまた大島農林大臣に伺いますが、林道だの農道だの、広域農道だとか、いろいろな道路、こんな小さな島国で道路、道路と騒いでいる国は余りないと思うんだ。
 だから、そういう意味では、道路公団債というのが今度あるでしょう、道路公団債。そうすると、道路公団債というのを別に発行しているらしいんだけれども、二〇〇一年度は一千五百億円の道路公団債を発行したけれども、これが六百六十億円しか集まらなかったと。それで、一昨年は四千億円の道路公団債を発行したんだけれども、これはまだ数字になっていないからよくわかりませんが、ここにこういうことを書いてある。「依然として政治の介入が厳しく、採算が取れない路線の建設を強要されているため、リスクの高まりを嫌った投資家が購入を避けたのである。したがって、」ここから先、申しわけないんだけれども、「自民党の道路族による不採算路線の建設要請が続けば、ますます市場の支持を得ることができなくなり、資金不足から建設を縮小せざるを得なくなるであろう。」こういうのを全くの第三者が道路公団債発行に対して書いている。
 この道路公団債というのは、当然高速道路の建設のために、あるいは借金のためにやるのか。道路公団債というのは、別枠で、要するに、建設債とは別に道路公団債というのを道路公団で発行しているんだ、こう思いますが、大臣、このことについて御説明をいただきたいと思います。
扇国務大臣 なぜ道路公団債が発行されるようになったかという基本は、財投でございます。財投の金利よりも民間の借り入れの方が少なくとも金利が低くなったということで、これを借りかえるといいますか、シフトを変えるということが始まったのがそもそもでございます。
 そして、今、吉田議員が少しおっしゃいましたけれども、道路公団の十三年度の財投からの機関債、これは十四年二月に六百五十億円、今おっしゃいました。そして、予定額は、予算額が千五百億円でございますから、八百五十億円に対して、財投の資産、それから、民間の金融機関からの借り入れのときよりも必要な資金を確保できる見込みになってきた。それと、どういうわけですか、私もどうしてこんなに人気があるのかなとちょっとわからないんですけれども、平成十四年度の財投機関債については、本日現在で少なくとも五千四百九十億円を既に確保できているんです。そして、今とてもこれが皆さん余るくらいありまして、重ねて申しますと、十四年度の予算の四千億円に対しまして、前年度からの繰り越し八百五十億円を加えて、トータルで四千八百五十億円、これを既に六百四十億円上回ってしまっているんですね。
 それくらい民間の皆さん方に対しても、やはりこれは間違いないと、それは今少なくとも国がつくっている、国の保証があるというお気持ちがあるのかもしれませんけれども、私は、そういう意味では、やはり道路が必要だと思う方と、あるいは道路をつくることは間違いなく後世に残ると思って買ってくださっているのかなという気はしています。
吉田(公)委員 一つは、後ほどやりますが、低金利のために、国債とかいろいろなものを、道路公債みたいなものを、少しでも利率のいい方へお金が流れていっているわけ。だから、こういう道路公債みたいな政府保証のものについては、要するに低金利で〇・〇〇なんといっているよりかはまだいいだろうということでお金がそちらへ流れているからで、決して将来を見通してやっているわけではない、実は私はそう思っている次第でございます。
 次に、道路に関係して、塩川大臣、この間も少しやりとりありましたが、どうしても私は聞いておかなきゃならないのは、道路特定財源でございます。
 この道路特定財源というのは、御承知のとおり、我が国の道路をよくしていこうという趣旨から、実は昭和二十九年に、二十四年から始まっているんだけれども、二十九年に道路目的税にして以来、今日までどんどんどんどん種目がふえてきた。自動車重量税だとか取得税だとかいろいろな種目がふえてきて、そして何と、昭和二十九年から、道路目的税にしてから三百十七兆円というお金を道路に使っているわけ。
 私は、戦後の昭和二十年代、三十年代ならその話はわからないわけではない。自動車時代を迎えて、輸送力の増強あるいはまた鉄道以外の交通量の増加、そういうものを含めてこれはある程度やむを得ないな、こう思っていますが、しかし、さっきも申し上げたように、こんな小さな島国で、いつまで道路、道路、道路と言っているんだという気がしているわけですね。
 緊縮財政になってきて、税収が上がっていない。今度だって三十兆円の枠といいながら三十六兆円組んでいるわけですから、十五カ月予算で見ればですよ。補正予算も含めれば三十六兆円という国債を発行して、借金をして予算編成をつくっている。そういう時代にこれだけの大きな目的税ががんと一つあると、要するに財政がうまく利用できない。しかも、非常に金額が大きい。どうやれば増税したらいいかなんといって、発泡酒だのたばこ一円値上げするなんてみみっちい話をして、扶養控除の三十八万円を外すか外さないかなんと言っているときに、これだけの大財源を目的税だけにしておくということ自体が今の財政上好ましからざることだ、こう私は思っているんですが、大臣、いかがですか。今まで三百十七兆円なんというお金を、もちろん道路は補修もありますよ、それから必要なときは延長もしなきゃならない、そういうことはもちろんありますよ。そういうことを私は承知の上で聞いているんですから。どうぞ。
塩川国務大臣 道路に主として日本の大きい財源がつぎ込まれてきたということ、これは御指摘のとおりでございまして、だからといって、道路はもうこれで満杯かというと、そうではなくして、まだまだ生活の環境の変化等に伴ってやっていかなきゃならぬだろうと思っておりますが、第一、日本の国土全体を見まして、終戦後一番大きい変化を来したのはモータリゼーションではなかったかと思うんです。そのためには、モータリゼーションに適合するためには、まず何としても道路の改修をしなければそれの経済体制には応じていけないということがあった。要するに、経済構造が、モータリゼーション、すっかり変わって、それに伴って道路ということが起こってまいりました。
 そこで、道路もある程度、吉田さんおっしゃるように、もうこれからは必要に応じたものに限定していっていいじゃないか、そういう時代になってきたことは事実でございます。でございますから、特定財源として今日まで道路の建設に役立ってきた財源を、これをもう少し多様化して使ったらどうだろうということを発想するのは当然のことだと思っております。
 ところで、特定財源であるところの税の中身を見ますと、主としてガソリン税、燃料税等は、全部、いわゆる税金の本則とそれから暫定税率合わせて、さっきおっしゃるような収入になっておるんですね。約半分が暫定税率なんですね。そうしますと、これはもう目的税以外に使うんだということで割り切ってしまいますと、それじゃ、目的税以外の分として暫定税率を外せという意見が当然出てくると思っております。あるいは、もっと極端に言えば、もう本則税だって要らないじゃないか、こういうことになってくると思うんです。
 そうではなくして、やはり国民の理解は、道路は必要だという根本の思想が残っておりますので、この思想のもとにおいて特定財源をもう少し道路に関連したものに広く使って、それで生活環境なりいわば産業基盤の造成にこれを役立てたらどうだろう、これが今日発想しておるところでございまして、私たち小泉内閣といたしましては、この特定財源、道路特定財源をもっと幅広く使いたいということで昨年来これの多様化を進めてきたことでございまして、十五年度予算におきましてもこれを一層拡大して役立てていくようにしていきたいと思っております。
吉田(公)委員 今大臣から暫定税率というお話が出ましたけれども、この暫定税率の暫定を決めるのは、これは閣議決定でいいんですか、それとも、法律案を出して、暫定税率法という法律を出して、これとこれとこれには暫定税率をかけますよというのかどうか、その方法を伺いたいと思うんです。
塩川国務大臣 定義といたしまして、こういうことになっております。
 道路整備費の財源等の特例に関する法律案がございまして、これは昭和三十三年の制定でございますが、その第二条の中で、定義といたしまして、「この法律において「道路整備費」とは、高速自動車国道及び一般国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路の新設、改築、維持及び修繕に関する事業(これに密接に関連する環境対策事業その他の政令で定める事業を含む。以下「道路の整備に関する事業」という。)」この実施に要する国が支弁する費用を道路整備費という、こうなっております。
吉田(公)委員 要するに、大臣、読み上げていただいたのはいいんですけれども、暫定税率という法律で人からお金を取る以上は、ちゃんとした法令がなけりゃおかしいと思っているんですよ。
 だから、なぜ国民が知らないかというと、暫定税率、おまえ、ガソリンにかかっているんだよと私が説明して初めて、え、何だよ、倍も取られているのかよ、こういう話の人がほとんど。だから、ガソリンは今、ハイオクで一リッター百円から百十円の間、それから普通、レギュラーは九十円から百円の間ですよ。軽油はもっと低いね、七十円台だ。
 だけれども、暫定税率がかかっているなんということは、要するにトラック業者の人以外は、営業車以外の人は知らない。だから、知らないことを幸いに、大臣もこの間ちょっと口が滑って、寝た子を起こすなみたいなことを言ったみたいですけれども、要するに暫定税率がかかっているということを知らない。
 これだけの、一リッター倍にしておいて、もう大臣御承知のとおり、リッター、本則税率の倍かかっているんだから、そういう意味では、これはもっともっと国民に本来は周知徹底した上、納得させた上で取らなきゃいけない税金だ。しかも暫定ですから、本則税率じゃないわけですから。だけれども、一回だってこれは暫定税率をなぜ取っているんだという、意味がよくわからないんですよ。
 なぜ暫定なんという、揮発油税を本則は二十四円幾らなのに五十円ぐらい取っているわけでしょう。なぜなんだ、なぜ暫定税率を取らなきゃいけないのか。暫定税率はだんだん道路の整備と同時に少なくなってこなきゃおかしいのに、全然下げようとしない。一体どういうことでそういうことになっているのか、それを私は伺いたい。
 それで、もう一家に一台車を持っているような時代ですから、言ってみれば、これは消費税と同じように大衆課税なんですよ。だから、そういう意味では、なぜ暫定税率を維持しなきゃならないのかということをお尋ねしたい。
    〔委員長退席、杉浦委員長代理着席〕
塩川国務大臣 これは、国幹審が中心となりまして決めました高速道路整備計画並びに主要幹線道路、これの整備計画に基づいて、そのたびごとの五カ年計画をずっと計画いたしております。その五カ年計画の財源を見ました場合に、どうしても国幹審で決められた計画をその計画年度中に実施しようとしたら不足してきた財源、その部分の穴埋めに主として揮発油税を中心として暫定税率でこれを都合を合わせてきたという経緯がございます。
 したがいまして、今回も、おっしゃるように、揮発油税は幾らかかっておるかと一般消費者は本当は御存じないかもわからぬと思うぐらいこれがもう定着化しておりますけれども、とはいえ、この暫定税率を決めた趣旨は、道路の、幹線道路の整備に使うんだという目的のもとで決めたものでございますから、それを他に転用するとするならば、それには相当の理由と、それから説明をきちっとしなきゃならぬだろうと思っておりまして、それを今度の法律改正でやらせていただこうということになりまして、法律の改正ではそれを明記することにいたしました。
吉田(公)委員 道路特定財源制度というものがありまして、まず公平性だ、それから安定性だ、それから合理性、この三要素がそろっていなければならないと明記してあります。
 したがって、公平性、安定性、合理性というものが、暫定税率に果たしてこの三項目が合致しているかどうかということを再度考え直していきませんと、これだけ借金をして予算編成しているにもかかわらず、道路財源だけは、大臣、今平成十五年ですね、そうすると、平成元年から平成十五年度まで道路目的税だけで二百七兆円という収入があるわけだ。二百七兆円という収入があるんなら、庶民の飲み物である発泡酒を上げてみたり、それから、この間は国鉄清算事業団の借金を返すためにたばこを一円上げてみたり、これで二円だよ。そのうち今度は三円上げるだの、五円上げるなんていうことになったら大変なことになっちゃう、これは。
 だから、そういうところに目をつけるのではなくて、こういう問題にきちっとメスを入れるということが、私は改革なくして成長なしの小泉総理の言っていることに当てはまるんじゃないかというふうに実は思っているんですよ。大臣、いかがですか。
塩川国務大臣 私も、考えておられることにつきましては十分な理解はいたしております。
 そこで、今回、十五年度におきましては、先ほども説明いたしましたように、道路整備費ということで法の改正をいたしまして、それに関連したもの、道路に関連したものを入れるということにいたしました。
 今回は、そのもとにおいて、例えば、十五年度におきまして、全く新規なものとして、ETC車の搭載しておるリース制度の新規開設、あるいはDPF、酸化触媒装置の支援、公害関係ですね、公害関係の方に新しい対象を入れるということと、それから港湾関連道路、それから燃料電池自動車の実用化、バスロケーションシステムの新設、料金に係る社会実験施設、それから、もっと大きな方、モノレールだとか地下鉄の交通システムの整備、こういうものに、あるいは住宅市街地整備総合支援、町づくりですね、こういうふうにもつくれるということを政令で新しく決めようということにいたしました。これは相当な公共事業、一般公共事業に対するいわば支援になってくるものでございます。
 それから、先ほど吉田さんおっしゃった、確かに平成になってから今日まで二百数十兆円の道路、使っておりますけれども、しかしこれは、日本の経済成長といいましょうか、雇用対策なり景気対策に非常に役に立ってきたということも、また事実日本の経済の半面から見ましたら考えられることでございますので、両々相まって御検討いただければ結構かと思います。
吉田(公)委員 次に、要するに、赤字国債の発行をどんどんしているんですけれども、今年度予算の中で、国債利子、こう書いてありますね。この利子についての返還が八兆五千七百七十八億円だと。八兆、利子を返すだけで八兆五千七百七十八億円という大変な利子を返していく、これは元金を返したらえらいことになっちゃう。
 そこで、国債の利子をこれだけ払っているわけで、ただ、不思議なことに前年度よりかは減っているんだね、これは。前年度よりかは五千億ぐらい減っているわけで、利子だけで八兆円も払うようになったら、これはよほど効率のいい予算、国民生活に密着した予算を組んでいかない限りは、私は、日本の経済や国民生活は維持していけなくなるだろう、そんなふうに実は思っています。
 塩川大臣、この利子補給について、八兆五千億円という利子だけの負債を払っていますが、このまま借金を重ねてまいりますと十兆円になるのももう時間の問題だ、これは。利子だけで十兆円払うということは、これはもうムーディーズじゃないけれども、日本の国債価格が何かアフリカの国と同じぐらいになっちゃって、それで格付して文句を言ったとか言っていましたね、大臣。何でこんなに低いんだと、日本の国債は。要するに、抗議をした、こう言っていますが、そうですか。
塩川国務大臣 それは格付の話でございまして、格付に対しまして日本のファンダメンタルズは、世界においても、私は、非常に優秀な方だと思っておるのです。そのファンダメンタルズから見て、例えばボツワナとか、国名を言って失礼でございますが、アフリカの諸国と同等の格付に見られるということに対して、これは冷静な判断ではないと私は抗議した。
 それに対しまして、ちょうど議会の方で、財政金融委員会の方で、ムーディーズの役員の方々を証人にお呼びになりまして、いろいろと話を聞かされました。そのとき、彼らが言いましたのは、いや、これは日本の国内においての金融状況からの判断であって国際的評価ではないということをはっきり言いましたので、私はそれ以上の抗議はいたさなかったのですけれども、しかし、それは非常に誤解を生んでおると私は思っております。
 それから、つきましては十兆円の金利に近づくじゃないかということ、私たちはそれを非常に心配しております。それだけに、国債をできるだけ安い金利でやりたい。先ほど、一年間で五千億円の金利が減ったとおっしゃっていました。これはやはり金利情勢の変化というものがもろに我々に利益になったと思っておりますけれども、しかし、これは喜ぶべきものではないのでございまして、もっと積極的に金利負担を減らさなきゃならぬと思っております。
 そのためには、一つは、国債の発行の仕方というものも非常に大きく影響しています。長期国債をどんどん発行しますと、金利がやはりどうしても高い。短期でいきますと、金利は安いですけれども、しかし、そのかわりに国債の償還が不安定になってくるという。それじゃ、そのはざまをどこに求めるかということは、国債発行政策上は非常に難しいことでございますが、十分に市場の動向を見て、ますます金利負担が安くなるように努めていきたいと思っております。
吉田(公)委員 次に、ちょうど今、金融、金利その他で質問していますから、本来なら大島農林大臣に次に御質問したいのですけれども、ちょっとお待ちいただいて、竹中金融大臣にお尋ねしますが、低金利政策と言われていますけれども、この低金利によって一番だれが得しているんだと、まず大臣にお伺いしたい。
 こんなことをして、国民は痛めつけられるわ、政府の借金は助かりますよ、低金利政策で。利子だけで八兆円も払っているわけだから、金利を上げれば、それこそ何十兆円という金利を払わなきゃいけない。だけれども、一般預金で〇・〇〇だからね、これ。オキシダント濃度というのがあるでしょう。あれが〇・〇六以上になると毒なんだよ。だから、この金利は人間に間違いなく毒を効かせちゃって。だから、そういう意味で、このオキシダント金利というのは、竹中大臣、どういう予測を持っているんですか。何たって頭脳明晰、優秀で、ただ先行き不透明ということはあるけれども。頼みますよ。
竹中国務大臣 確かに、過去に例を見ない低金利というのは、金利というのも一つの価格でありますから、相対的な価格が変わっているという意味で、広い意味での資源配分をゆがめる。結果的には、委員御指摘のように、あるところには若干有利に、あるところには不利になるということだと思います。
 すごくシンプルに考えても、たくさん利子を払わなければいけない立場、つまり債務者にとっては、その意味では有利になる、政府もそのうちの一つに結果的にはなっているということであろうかと思います。一方で、資産を運用して、それによって生計を立てている人、これは年金生活者ということにもなりますし、企業の典型、産業の典型でいえば、生命保険のように、それを運用して、その率に依存しているところというのは不利になる。
 低金利そのものに関しては、金利をかなり下げないと経済がなかなかもたない、したがって、金融緩和をして低金利にせざるを得ない、そういうマクロ的な背景はあるわけでありますけれども、結果的に、こういう過去に例を見ないような低金利が長期に続くということは、委員御指摘のような、やはり資源配分に対するゆがみを生じている、そういった思いで見なければいけないというふうに思っております。
吉田(公)委員 景気のいいときは、何でもうまくいくんだよ。ところが、悪くなると、みんな悪くなっちゃう。だから、一カ所か二カ所直せば済むという話じゃなくて、それこそ床全体を上げなけりゃ家が傾いてしまう。だから、金利だけを上げるといったって、なかなかそうはいかないと思うんですよ。
 だけれども、この金利というのは実は大事で、消費につながるわけですね。昔は、金利の高いときには、みんな二泊三日で外国へ行ったり、あるいはお年寄りが観光バスに乗っかって泊まりに行ったりして、金利を楽しみにして、みんなどこかへ行ったり孫の駄賃にしたりして、かなり消費ができたんだけれども、これ、〇・〇〇だから。〇・〇かと思って、私は確認したんだよ、支店長に。何だ、ゼロ一つ間違えているんじゃないかと言ったら、いや、〇・〇〇、それじゃオキシダント濃度よりひどいなと言ったんだ。だから、〇・〇〇一なんというのは、これは金利とは言わないんだ。
 そのくせ、今度は延滞金だとか加算税だとか、それから、利子税なんというのは二〇%取られているでしょう。一五%国税で、地方が五%かな、取られているんだよ。だから、ほかの方は全然安くならないんだよ。ところが、金利だけどんどんどんどん安くなっちゃっているから、これはどうしようもない。
 それで、銀行はどうしているかというと、低金利政策で案外喜んでいるんじゃないかと思うんだ。貸してくれるときには二・三%ぐらいで貸してくれるんだよ。だから、何十倍ですよ。片方、定期預金だって〇・〇一とかなんとかいっているんだから。だから、銀行はそれなりに、低いんだけれども利益が上がっているわけだよ。何百倍になっているんじゃないの。だって、〇・〇〇一から二%ぐらいで貸すということになれば。
 だから、結局、しわ寄せは庶民に来る。だから、お年寄りはうんと金を持っているじゃないかという話をするけれども、先行き不透明で、自分でお金を積んでおかなければ生活できないと思っているから、みんな預金を持っている。五十歳以上の人が平均六百六十万ぐらい持っているというんだな。六十歳過ぎると、千二、三百万の預金はある。それは当たり前だよ。自分が最期まで、いつまで生きるのかわからないんだから、九十五まで生きちゃうのかもしれないし。そうなると、自分のお金で、自分で責任を持って確保しておかなければ不安定だと。
 だって、今、三割入らないというんでしょう、年金に、国民年金に。坂口厚生大臣、その三割入らないというのは何が原因だと、急に話が飛んで申しわけないんですけれども、何か大臣、難しい顔をしていたものだから、少しは御答弁いただいた方がいいんじゃないかと思って。
    〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕
坂口国務大臣 それは国民年金のお話でございましょうか。掛けない人が、あるいは掛けたくても掛けられない人、それから掛けられるけれども掛けない人、それから免除されている人、それらの人を総合すると三割になる、こういうことでございます。
吉田(公)委員 竹中大臣にもう一遍伺いますが、不良債権の処理は我が国の経済の回復には絶対な必要条件だ、こういうお話だと思うんですね。
 不良債権の処理をするということは、これはみんな言っていることなんだけれども、企業倒産と失業者がふえる。恐らくここ二年間で、倒産件数が約二万件、失業者が二十二万人いただろう、こう言われております。今度は、どうしても日本の経済に不良債権の処理が必要だと竹中金融大臣はおっしゃっているんだけれども、そのフォローをする厚生労働大臣と経済産業大臣と、それぞれ今度は受け持って、二万件の企業それから二十二万の失業者、それぞれ、内閣一体となって受け取って処理をしていかなければいけないんだけれども、坂口大臣、そういうネットワークができているんでしょうか。
坂口国務大臣 不良債権処理をやらなきゃならないということになりますと、できるだけ産業を再生させるということを、これは平沼大臣のところでやっていただかなきゃならない。それでもなおかつ、そこから漏れてくると申しますか、失業者になる人たちがいる。だから、ここは連携を密にしていかないといけない。
 ちょうど、もうおととしになりますが、一昨年の八月から、平沼大臣のところとこれは連携をしていかなきゃいけないというので、連係プレーをやっているわけです。それも、中央でやっておりましてはいけませんので、都道府県、地方における、経済産業省とそして我が省との間のだけではなくて、それは都道府県も入ってもらい、そしてまた都道府県の経営者やあるいは連合等も入ってもらって、共同でその地域地域の問題を決着していこう。そうでないと、中央でいかに雇用対策をやりましても、都道府県によってさまざまに皆違うんですから、その違いを乗り越えていくことができないというので始めている。
 ところが、始めたんですけれども、なかなか初めはうまくいきませんでした。もう一年ぐらいは、なぜこんなにうまくいかないのかな、なぜ進まないのかなと。それは、今まで地方も自分たちでやったことがないものですから、すべて国の方がやっていたということがありまして、地方もうまく回らなかった。最近になりましてようやく回り始めたというふうに思っております。
 先日も、代表の人にお越しをいただいて、いろいろな状況をお聞かせいただいているところですが、ようやく回り始めた。もう少しここは車輪をかけて、全力でここをやるようにしていかなきゃいかぬというふうに思っている次第でございます。
吉田(公)委員 この失業対策、要するに、雇用対策ができていれば失業対策は要らないわけで、だけれども、その前段の雇用対策がなかなかうまくいかない。失業した人は、半年は失業保険で何とかなる。だけれども、その後は、後から後から失業者がふえてくる、肩たたきやリストラ、倒産で。そうすると、窓口で処理しているうちに列に並んで順番待ちしているみたいな、そういう状況になっているわけですね。
 だから、具体的にどうするんだ、こうよく聞かれるんですよ。わかったよ、雇用対策はわかったよと。失業対策を充実しなければいかぬのですよ、それはわかったよ、じゃ、具体的にどうするんだと。例えば、二十二万人の失業者が出た、その二十二万人を具体的に雇用するのはどうするんだと聞かれたときに、平沼大臣、容易なことではないんだ、回答は。だから、大臣はどう思われているのか、どう対応しているのか、それを大臣にお尋ねしたいと思います。
平沼国務大臣 確かに、中小企業の倒産というのが、足元の三年間を見ましても、大体一万八千件の半ばから後半で推移しておりまして、大変深刻な数字になっていることは事実であります。それから、吉田先生御指摘のように、失業者も二十万人を超えるというようなオーダーで発生をしているということも事実だと思っています。
 そこで、先ほど坂口厚生労働大臣からお答えございましたけれども、やはり両省が連携をして、地方にもネットワークをして、きめ細かくやらせていただいて、なるべくそういった失業者を吸収するということもやらせていただいています。
 もう一つは、私どもとしては、倒産しないような仕組みをつくるということが非常に必要だ、こういうことで、実は、政府系の三金融機関でセーフティーネット保証、そして貸し付けというのを構築させていただいて、ここまででも平成十二年度から数えまして十七万四千件で、金額も四兆二千億、対応させていただいて、なるべくそうやって失業者がふえないためのセーフティーネットを張らせていただいたところです。
 それからさらに、補正予算でお願いをして、中小企業の皆様方が苦しい中で返済をしてくださっておりますから、その返済が大変厳しい、こういうことで、借りかえ制度というのもつくらせていただいて、実はこの十日から実施をさせていただいている、こういうアプローチが一つあると思います。
 もう一つは、やはりマイナス思考だけじゃなくて、新しく雇用を生み出す、そういった国としての取り組みをしていかないと、輩出する失業者というものを吸収できません。
 そこで、おかげさまで、今非常に順調に推移しているんですが、日本の場合では、新しく業を起こしたいという意欲を持っている人が年間大体百二十万人ほどいらっしゃるんですが、実際には、企業としては十八万社しか誕生していません。ですから、ここを倍増すればここに新しく雇用が吸収できる、こういう形で、これもさきの臨時国会でお願いをしまして、もう土地担保も本人保証も第三者保証も要らない、事業計画に着目して積極的に開業資金を融資しよう、こういうことで、おかげさまで、この制度ができまして、今までの十倍のスピードで新しい企業が誕生するようになってきております。
 そういった形で、やはり地域も地域産業クラスター計画というのをやって、産学官連携の中で、これもおかげさまで大学の数が二百、そして十九の地域で、企業も五千社が参画をして、そこから新しいベンチャー企業も生まれてきています。それも、厚生労働省と我が省と文部科学省も一体となって、新しいベンチャー企業を育てていこう、そういったところで大きく雇用を吸収していこうと。
 例えば、今約十八万社ですけれども、新たに二十万社そういうものを誕生させることができるとすれば、立ち上がり間もない企業ですから、一社平均五名しか雇わないとしても、例えば、その五名で二十万社といったら百万人の雇用が創出できる。こういうことでございますから、総合的に倒産をいかに少なくするか、それから地域の連携をして既存の制度をつくってやるか、それと新しく業を起こしていくか、こういったことで、私どもは今、一生懸命取り組んでいるところでございます。
吉田(公)委員 大臣の御説明がありましたけれども、具体化していくということが大事でございまして、だから、雇用対策、失業対策をこれから前面に押し出してやるんだなんと言ったって、現実に十人でも十五人でも職にありつけなきゃ意味がないわけで、したがって、そのことについては具体的にやはり考えていく必要があるんじゃないか。
 私なんか一つ考えているのは、自衛隊がありますね。自衛隊の中に国土災害の隊をつくったりして、二万人でも三万人でも青年たちを雇用して、規律正しい生活の中で、二年、そこでびっちり勉強と、災害があれば出動してもらって、そして世の中に出てもらう。二、三年の余裕は青年たちに与える。
 そういう具体的な、失業対策費を使っているだけじゃ意味がないので、どっちみち失業対策費を使わなきゃいけないんですから、だったら、例えば自衛隊なら自衛隊の国土災害隊みたいなのをつくって別個に養成する。それで二万人でも三万人でも、若い人たちが、今高等学校を卒業していたって四割ぐらい就職できないんだから、そういう人たちを具体的に採用して、規律正しい、そしてどこの社会へ行っても通用できる、そういう青年をこれから育てる。そういうふうに、例えば具体的に何か考えていただかないと。
 ただ、そのかわり、皆さん、戦車なんか運転させたり、大砲なんか撃たせちゃったらだめなんですよ、それは。潜水艦みたいに潜ってこいなんて言ったってだめなんだ。だから、そうじゃなくて、国土災害隊みたいなものを別途養成する。それで、そのかわり、イラク戦争でも何でも、終わった後、災害隊ならいいじゃん、行ったって。そうでしょう。自衛隊じゃどうだこうだと言っているわけだから。だから、そういう災害隊は、世界で災害が起きたときにどこへでも派遣できる、そういう人たちを養成したっていいわけだから、この際だもの、二万人や三万人、私は、青年を採用した方がいい、そういうふうに思っているんですよ。だから、ぜひ大臣、検討してください。
 それから、竹中金融大臣、何たって頭脳明晰、論旨明快、先行き不透明だからわからないけれども。
 大臣、不良債権の処理はいいんだけれども、それは大臣の役目だから、経済対策を考えてやっていくのは結構な話ですよ。だけれども、金融大臣だけが不良債権処理と言ったって、必ずついてくる問題が、必ず尾ひれが、もう嫌だと言ったって竹中金融大臣についていくんだから、二つは、リストラと倒産と失業はついていくんだから。だから、やはり大臣もその辺も考えて、十二分に配慮しながら、それは、経済を救うのは大事だけれども、大臣の話を聞いていると、一体いつまでならいいんだという目標が出てこないんだよな。何でもそうだけれども、日本の国民だって、目標がないと、毎年、来年こそは、来年こそはと、もう十回も言っちゃったよ。十年もそんなこと言っているんだから。だから、ことしだって、また来年こそはいい年になりますようになんて言わないように、大臣、その見通しぐらいはやってくれなきゃ。道路公団だって、これは十年間、やるかやらないか知らないけれども、十年間と言っているんだから、一応は。
 だから、大臣、大事なところだから、目標値はいつまでと。
竹中国務大臣 先行き確かに不透明な中で、できるだけそこのあたりのシナリオを明示していくのがやはり政府の重要な役割であり、説明責任であろうかと思います。
 その見通しはどうかということでありますけれども、これについては、委員御承知の「改革と展望」の中で、我々の今予測可能な範囲で見通せるものについてはかなりはっきりと書かせていただいているつもりでございます。
 これは、「改革と展望」の宣伝ばかりしても仕方ないのでありますけれども、この「改革と展望」というのは、そもそも、小泉内閣になってからつくったものでありまして、今までマクロの見通しと財政の見通しというのは別々だったものを整合的にしたということでありますので、その意味では一つの重要な進歩であったというふうに思っております。
 それに対して、その中でどのような見通しかということでありますが、まず不良債権に関しては、これは目標でありますけれども、二年で不良債権問題を終結させる。具体的には不良債権比率を現状の約半分ぐらいに持っていく。それに時期を合わせる形でデフレも克服して、二〇〇五年度以降は本来日本が持っている成長率に近い形のものを実現する。そういう中で、二〇一〇年代の初頭にはプライマリーバランスを回復させる。これが現状で我々が示せる見通しでありまして、この点については「改革と展望」の中に示させていただいたとおりでございます。
吉田(公)委員 あと十分しかないそうです。間違えちゃった、時間を。あと二十分ぐらいあるのかと思ったら。
 次に、平沼大臣、ぜひ坂口厚生大臣もよろしくひとつ、ネットワークでやっていただきたい。平沼大臣のおじいさんですかな、大審院長やって、検事総長やって、総理大臣やった人は。おじいさんが、西洋の天地は複雑怪奇なり、こう言った。それから複雑怪奇という言葉が熟語になったそうですが、日本の天地は複雑怪奇なりなんてならないように、わけのわからないようにならないようにぜひひとつ頑張ってお願いしたい、こう思っています。
 次に、石原大臣、済みません。もう時間がありませんから、難しいことは余り聞きませんが、独立行政法人という、今盛んに言われておりますね。不採算性とか、それから公団公社とか、いろいろ言って、独立行政法人に移行いたします、こう言いますが、要するに、一言で言って独立行政法人というのはどういう姿で、財産上は、財政上はどういうことが独立行政法人なのかということをお尋ねしたいんです。
石原国務大臣 御承知のように、一昨年の末に決めました整理合理化計画、特殊法人七十七あるうち、九つ、石油公団等々は廃止、あるいは、東京地下鉄とか環境事業団等々二十五を民営化、そのほか、二十九の法人を二十七に取りまとめて独立行政法人化するということを決めました。
 特殊法人の弊害、もうこれは委員御承知のことだと思いますが、非効率で、責任とらなくて、税金をがぶ飲みする。こういうものに企業会計を導入する。すなわち、公会計ではなくて、日本の民間企業と同じような会計にすることによってその存在を明らかにし、さらに、特殊法人は一々法律案によってできておりますので、廃止するにも法律が要る、民営化するにしても法律が要りますが、三年から五年の中期目標を持って、事業が必要なくなったら法人自体を廃止する、あるいは、そこの社長さんになった人は、なりっ切りということではなくて、業績が悪かったらやめていただく、そういうふうに、特殊法人の弊害を除去するシステムとして、独立行政法人、イギリスのエージェンシーを模倣してつくらせていただいたわけでございます。
吉田(公)委員 大臣、独立行政法人というのは八十八あるのかな、今。独立行政法人というのは、今年度の予算も運営交付金というのが出ておりまして、まだまだ独立行政法人にはなっていません。したがって、これからだろう、こう思いますが、効率のいい独立行政法人で、また税金におんぶにだっこのないようにぜひお願いをしたいと思っています。
 大島大臣、済みません、お待たせをいたしました。ところが、余り質疑時間がございませんで、大変申しわけないと思っていますが、先ほどから私が申し上げておりますように、国土交通省が道路を一生懸命今やっているわけですが、そのほかに、農林省が農道整備事業だとか林道整備事業、特に土地改良事業の中に農道が入っておりますが、予算の中に農道が入っておりますけれども、それとの関連性はどういうふうになっているんでしょうか。
大島国務大臣 吉田委員にお答えしますが、平成十五年度の場合は、農道整備、約八百十億入っております。
 吉田委員の議論を伺っておりまして、公共事業がどうあるべきかという中で、効率ということをよく言われます。効率ということを言う場合には、目的をやはり今改めて問い直す時期に来ているんだろうと思います。私は、農林水産省全体に対して、農林水産省が行うその目的というのは何かといった場合に、命、循環、共生、こういう視点に立った、国民の理解を得た事業を行うべきだ、そういう視点から、いわゆる土地改良事業というものも、本当に有効性のあるもの、効率性のあるもの、こういう視点に立って選択をしていくべきだ、こういう思いで行っております。
吉田(公)委員 例えば林道も、有料林道もあれば無料の林道もありますが、要するに、自然を破壊していくということもございまして、実は私は前に、長野の地方で、たまたま有料林道に紛れ込んじゃったことがある。本当は抜け道をしようと思ったら、有料林道だと看板に書いてあるものだから、どこかで料金所があって料金を取られるのかと思ったら、料金どころじゃないよ、道路は途中で途切れちゃっているんだから。有料道路じゃない、陥没道路なんだ。だから、そういう有料林道といいながら、最初は、有料林道だから、こう言って予算をとっておいて、後は知らぬ顔。人も通らない。
 それで、私が行った、前にこんなでかいシカがどおんとその林道の前を横切ったんだよ。これは林道じゃない、シカ道だなと思ったよ。だけれども、シカの道をわざわざつくるお金をつくることはないわけで、自由に動けばいいわけだから、シカは。
 だから、大臣、そういうような、余り人が行くところじゃないから、わけがわからないんだよ、最初つくったら最後。だって、物すごい土砂崩れでもう渡れないんだから。すると、今度は、こっちに曲がれだのあっちに曲がれだなんていったって、方向指示器がどこにもついているわけじゃないし、結局、山の中を二時間うろついて、林道をよく見させてもらいましたよ。
 だから、こういうむだなことを、しかも道路工事をするんだから、やはり環境を破壊するわけだよ。京都議定書じゃないけれども、私が外務委員長のときにやっとその議定書を承諾してもらって、条約を上げてもらって、守らなきゃいけないと言っているのに、そばから、林が大事だ、森林が大事だと言っていながら林道をつくっているというのはやはり問題だと思うんだな。それで、最後は、冬になればタヌキの滑り台みたいになって、それで、その下に今度は信号がついて点滅しているなんて、だれが信号を見ているんだといったって、だれも見ていない、赤だの青だの黄色だのなんて。だから、信号でさえ取りつけて、そんなの、タヌキが迷惑な話だ、夜中まで赤だの黄色だの変わっているんだから。だから、そういうことのないように、ぜひ気をつけてもらいたい。
 もっと大臣とやりとりしたかったんだけれども、時間がない。だけれども、札が来ないところを見ると、まだいいのかな。
 竹中大臣、いろいろな外資系の資本が日本へ来てどんどんどんどん食い荒らしているけれども、日本の経済にとって大丈夫かね。お寺の鐘みたいのが、ゴーンとかなんとかというのが来て、何かお寺の鐘たたいたら乗っ取られちゃったみたいな、そういうことにならないように、ぜひひとつ、大臣、その防衛もしなくていいの。
 今度ゆっくり聞きますよ、もう一回私にやらせてくれるという約束になっているんだから。それだから一般質問やるということになっているんだから。もう一回、大臣、ひとつ、やりますから、よろしくお願いしますよ。
藤井委員長 答弁しますか。どうしますか。
 大島農林水産大臣。
大島国務大臣 吉田委員のような人生の達人を迷わせるような大規模林道は、決して多くの国民に共感を得られない林道なのかもしれません。
 私どもも、昨年の八月から、やはり大規模林道どうあるべきか真剣に議論して、御指摘がないような、本当に環境にも優しい、しかし必要な林道を選択して、見直しをして、事業を進めていかなきゃならぬと思っております。
 なお、林道だからやはりタヌキも出ることもあるんでしょう。そのことだけは申し上げさせていただきたいと思います。
吉田(公)委員 それじゃ、それぞれ各大臣とも質問が足りなくて済みませんでした。またゆっくりやらせていただきます。
藤井委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。
 次に、藤島正之君。
藤島委員 自由党の藤島正之でございます。
 実は、昨日、参考人として東京都の関係の方をお願いしたんですが、自民党さんの方の反対で、ちょっと時間がないということもあったんですけれども、今回はだめだということで非常に残念に思っております。やはりこういうところで審議する場合に、地方自治体の関係者に私は意見を聞くというかその事実関係を確認する、そんなつもりでお願いしたわけですが、前例がないとかいうことでこれも拒否された。こういうことじゃ審議に身が一部入らない部分もあるわけでありますので、ぜひ今後御協力をいただきたい、こう思います。
 まず、外務大臣にお伺いしますけれども、外務大臣は先般の外交演説において創造的な外交、こういうことを今回新たに言っておるわけですけれども、この意味はどういうことなんでしょうか。
川口国務大臣 創造的な外交と申し上げさせていただきましたのは、やはり我が国にとってやるべきことというのは、創造的に、クリエーティブに世界の国際的な秩序づくり、これを行っていくこと、これに貢献をしていくことだろうと思います。それが、世界が我が国に期待をしていることであると私は考えております。
 例えばどういうことかといいますと、最近取り組みつつありますけれども、スリランカ、これの和平の過程への関与と、そしてその後の、平和の構築のプロセスというのも一つだと思います。それから、もう一つ例を挙げれば、現在WTOで新しいラウンドの交渉を行っています。今度の週末に東京でこのミニ閣僚会議がございまして、私のほかに大島大臣、平沼大臣御出席になりますけれども、そういった新しい秩序づくり、そこに貢献をしていくこと。この会合は我が国が招待をいたしまして、私が議長をやることになっていますけれども、そういった形で貢献をしていく、そういう姿勢及び実行が必要だという、そういうことを創造的な外交ということで書かせていただきました。
藤島委員 創造的な外交は、確かに今ちょっと例を挙げられましたけれども、現実にイラクの問題なんか見まして、とても創造的な外交をやっているとは思えないんです、これはぼちぼち聞きますけれども。
 昨年の暮れも、川口外務大臣に対して、民間人ではなくて政治家がやはり外務大臣をやるべきだ、こういう意見が実は与党の自民党の中から出てきたわけですね。大変声の大きいものでした。それは外務委員会でございまして、私もそこにおったわけですけれども。
 私も、外務大臣に川口さんがなられたころ一生懸命応援したつもりですけれども、この一年振り返りまして、やはり外務大臣というのは役人のつくったペーパーをそのまま読む、あるいは川口さんの場合、もっと、一つトーンダウンして読んでいる、そんな手がたい、それだけでしかし外務大臣というものがいいのかどうか。非常に、外務大臣としての顔が見えない、むしろほとんど官邸が外交をやっているような、そんな感じすらする。本当にそういうことでいいのかどうか。
 昨年は昨年だった、過ちを正すにはばかるなかれ、ことしは違うんだ、もうほとんど政治家っぽいような形で外務大臣というのはやっていくんだ、こういうお気持ちなのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
川口国務大臣 外務大臣というのは私は二つの顔があると思うんですね。一つは国内向けの顔、これも大事です。それから、もう一つは外向けの顔、この両方をやることが必要である。外務大臣は内政大臣ではないということを申し上げたいと思います。
 私は、決して自分の成果を自慢することを好む人間では全くございませんけれども、そういうふうにおっしゃいますからあえて申し上げれば、例えば私は昨年一年間、昨年一年間といいますか、就任して最初の一年、ことしの一月の終わりまでですけれども、例えば国際的な秩序づくりということで申し上げれば、米国のパウエル国務長官と会談をしたこと及び電話で会談をしたこと、両方合わせると十二カ月で十九回に上ります。こういった活動、これは外務大臣の外向きの活動ということですけれども、そういったことは必ずしも国内に見えないかもしれない。
 ただ、これはあえて、私は本当にこういうことを言うことを望みませんけれども、好きじゃ全くないんですが、申し上げれば、過去の外務大臣のいろいろな仕事のパターン、それはその方なりにいろいろなパターンがあると思います。そして、それはその時代にそれぞれ即して、それでよろしいと思うんですけれども、私の今の時代、日本が国際的な秩序づくりを必要とされている、あるいはそこでの貢献が必要とされているという時代の、それから今までよりもさらに国際的な協調が必要とされている、そういった時代の外務大臣のあり方、それを過去と必ずしも同じであるべきであるというふうに思われるのは、それは一部のことしか見ていらっしゃらないのではないだろうか、そのように思っております。
藤島委員 パウエルさんと何回会ったとか、そういう回数の問題じゃないので、むしろ日本国家の国益というものを考えて外務大臣としてどういうことをやっているかということが私は問題だ、こう思うわけであります。
 というのは、これから日米関係についてちょっと問いただしたいと思うんですけれども、やはり米国の力というのは世界で大変なものであって、これに下手に盾突いておるのが外交だとは思わない。したがって、やはり米国の意向をしんしゃくしながら、我が国の国益を考えながら我が国のあり方を決めていく、これは確かに大切なことだ、こう実は思います。
 しかし、そういう中にあっても、アメリカという国は、やはり言いたいことをきちっと言う、これも大事な国だと思うんですね。単にアメリカの言うことだけに従っていると、かえって、あの国はそういう国だということになる。したがって、私は、外交の自主性というか、自分の国の国益を考えて、どんどんアメリカには言うことを言う必要があると。これは、過去、やはり繊維交渉とかあるいは自動車や鉄鋼についても、こういうことをきちっとやった、外務大臣じゃない、通産大臣とかいろいろな大臣はそれなりに非常に評価されているわけですね。
 私は、そういう観点から外交についてもう少し議論させていただきたいと思うんですが、今回のイラクの問題ですね、これについて、イギリスのようなやり方と、ドイツ、フランスあるいはロシアのようなやり方とあるわけです。総理も言っておられるんですけれども、国際社会の責任ある一員として判断する、こういうふうに言っておるわけですね。しかし、これは単に逃げを打っているというだけなようにしか見えない。
 やはり、今挙げた両方の形は、それぞれ、既にはっきりその立場を表明しているわけですね。だから、我が国もずるずるおくれるんではなくて、対米支援きちっとやるんだ、もう何とあろうと対米支援やるんだ、それはそれで結構なんじゃないんでしょうかね。そういう意味で、ずるずるとおくらせるんじゃなくて、今、我が国の方向をはっきり示して、国民なりいろいろな人の評価を得る、これが必要なんじゃないでしょうか。
 そういう意味で、責任ある一員として判断する、こう抽象的に言っているんですけれども、これは一体どういうことなんですか。
川口国務大臣 委員のおっしゃっていることは、まさかそういう意味でおっしゃっているんではないと私は思いますけれども、御発言を伺っていると、アメリカに反対をするか、あるいは賛成をするか、そのことが基軸で日本が国益を守っているか守っていないか、毅然としているかしていないか、そういう判断のように、そういう言い方でおっしゃっているように聞こえてしまう。そういうことをまさか言っていらっしゃるんではないと私は思いますけれども、そういうことというのは、まさに物事の一面しか見ていない。
 ですから、委員はそういうことではないと思っているんですけれども、本質的なところでは、日本が、国益はまさに何かということであって、アメリカに賛成か反対かというのはその一つの軸といいますか側面にしかすぎない。結果的にたまたまアメリカと一緒になるのか、あるいは、アメリカに、京都議定書やあるいはミャンマーやイランに対する考え方のように反対の立場をとるのか、そういうことであろうかと思います。
 それでイラクの話について言いますと、これは総理もおっしゃっていらっしゃいますし、私も全く総理のおっしゃるとおりだと思っていますけれども、我が国の立場、イラクが大量破壊兵器を破壊する、そのために能動的に、プロアクティブに行動をとるということが非常に大事であるということは、全く我が国もほかの国も同じに考えているわけです。
 それで、今、武力行使をするということについて我が国が賛成をするか賛成をしないか、支持するか支持しないかということについて、これを申し上げることが我が国の国益ではないということを私は考えているわけでございます。それはいろいろな考え方があると思いますけれども、今大事なことは、国際社会が一丸となってイラクに圧力をかけるとき、そのときにはすべての国が協調してイラクに対して圧力をかけるべきであって、武力行使をするのに反対だということを我が国が言ったら、国際協調して武力行使を、その圧力をかけるということの力を二つに分断する方向に我が国が寄与することになりますし、それはイラクにとってまさに利用できる、そういうすき間をつくるということになるというふうに考えます。
 それからもう一つ。では、我が国が武力行使を支持するということを仮に言った、さっきのは支持しないということですね、支持するということを言ったということは、もしそれを言いますと、イラクとてもまだ努力をしている、あるいは努力することを我々期待をしているわけですから、そのイラクが最終的にまだまだこれから何をするかということがわかっていない時点で、武力行使をすべきだということを言うということは正しくない。
 そういうことで、現在、それは国によっていろいろな考え方がありますから、フランスやドイツが言うことを言っているというのはその国の考え方ですけれども、我が国としては、今私が申し上げたような理由で、現在の時点で武力行使をするのに支持するとかしないとか、そういうことを言うべきではない、それが我が国の国益であると私は考えております。
藤島委員 要するに、時間待ちじゃないんですか。だって、この件は、アメリカを応援する形のイギリスのような形になるか、あるいはドイツ、フランス、ロシア型で行くのか、あとほかにあるんですか、どっちかしかないんじゃないですか、とどのつまりは。その間、時間待ちしているだけ。
 いや、腹は米国支持なんでしょう、本音は、総理も外務大臣も。それを時間待ちして、タイミングが来るそのときに言うと、そのときはもう時間がなくなっちゃって、そういう表明をしたときに、我々や国民はもう何ともいたし方ない、ついていくだけしかない、こういうような状況になってそういう表明をしよう、本音は米国支持だ、こういうことなんじゃないかと言っているわけですよ。理想的には、それはイラクを、いろいろな形で議論をしながら従ってもらう。いろいろあります。それはそれでいいんですけれども、理想的なことを言いながら、実は時間待ちで、最後はどんじりで決めました、国民はもう黙って従ってくださいと。これでは与野党も、野党だけじゃない、与党もたまらないんじゃないんですか、こういうふうに申し上げているんですよ。
川口国務大臣 選択肢がアメリカ型かあるいはフランス、ドイツ型か、どちらかしかないでしょうというふうにおっしゃられましたけれども、実際、外交で今動いていることでございますので、申し上げにくいということを御理解いただきたいんですけれども、いろいろな国が知恵を出そうとしている段階にあるということだろうと思います。
 我が国としても、イラクが能動的に査察に協力をするように、そして、その大量破壊兵器の問題について、武装解除をするということが大事だという観点から、いろいろな国際的な協調が大事だとか、いろいろなことを言っているわけです。そういう段階であります。
 したがいまして、ただ待っているだけということでは全くない。我が国の立場というのは、総理も再三再四おっしゃっていますから、改めて繰り返しませんけれども、これはもう定まっている、そういうことでございます。
藤島委員 我が国は世界の主要国じゃないんですか。要するに、世界の主要国はそんなにあっちこっち右顧左べんしないで、自分の国はこうあるべきだと決めているわけですよね。我が国はまだ決めていないと。これはまさに我が国は主要国の一つじゃないということを言っているということになるんじゃないですか。まあ、これ以上余り申し上げても。それは我々野党の立場からじゃなくて与党の皆さんだって、どうなっているんだ、こう言いたいんじゃないですかねということを申し上げておきます。
 先般、外務次官がアーミテージさんに会っていますね。それで、国連の理事会による新決議の採択が望ましいと。望ましいんじゃないんでしょう。我が国としては、何としてでもこれはやってくれと言うのが筋じゃないんですか。望ましいというのはいかにも、何ですか、アメリカもうでして、これは何を言っているんですか。
 それと、こんな言い方をすればまた、アメリカのアーミテージさんだって私も知っている方ですけれども、いろいろ態度がありますけれども、アーミテージさんはどういう態度だったんですか。
川口国務大臣 後半、アーミテージ副長官が何をおっしゃったかということについては北米局長から答えてもらいますけれども、前半の次官の発言、これはもう総理も全くおっしゃっていらっしゃること、これが今、我が国の立場でございまして、国連の新しい決議があるということが最も望ましいということは言っている、これは、そういうことでずっと言っております。
 それから、アーミテージ副長官については、北米局長からお答えをします。
藤島委員 望ましいという言い方じゃとてもじゃないけれどもいかぬので、何としてでも、本当にイラクを攻撃するのであれば、新しい決議をするようにと。それを受けて米国が本当にするかどうかは別ですよ。ぜひやるように、何としてでもやるようにというのであってしかるべきで、望ましいというようなことでは聞いてはくれないんじゃないですかね。
 それはそれとして、それじゃ、アーミテージさんのを。
海老原政府参考人 お答え申し上げます。
 十日に行われました竹内外務次官とアーミテージ国務副長官との会談におきまして、イラク問題が取り上げられました。
 竹内次官の方から、この問題につきましては、国際社会が協調して毅然とした態度を継続していくという観点から、仮にイラクに対する軍事行動が不可避となった場合には、新たな安保理決議が採択されることが望ましいという考え方を述べました。これに対しましてアーミテージ副長官は、米国としては、ブッシュ大統領も述べているとおり、新たな安保理決議が、累次の安保理決議を踏まえ、イラクの大量破壊兵器を廃棄することを求めるようなものであれば支持するというふうに述べました。
藤島委員 私が申し上げたいのは、こんなとんでもない弱腰というか及び腰の外交で本当にいいのかと。我が国は、本当に主要国の重要な一つなんですよね。そういう自覚のもとに、アメリカに対しても言うべきことは言う、そういう態度が必要だ、こう思っているわけですね。
 ところで、ちょっと話は変わりますけれども、今の主体的な話にかかわるんですが、在日米軍の意義なんですけれども、在日米軍が我が国に存在するようになった当時は、やはり地位協定、安保条約にもあるように極東の安定と我が国の安全ということだったわけですけれども、この三十年の間にアジアにおける経済が物すごく発展した、ヨーロッパは成熟していますからそのまま余り変わりない。したがって、かつてアメリカとEUとの取引が圧倒的に多かったものが、今や米国とアジアの取引の方が経済圏としてはぐっと大きくなっているわけですね。その認識は、外務大臣、よろしいですね。
川口国務大臣 貿易あるいは投資というのは非常にダイナミックなものですから、時点時点でいろいろ変わり得ると思います。
 ごく直近まで、日本はアメリカとの関係では一位、二位という大きな貿易相手国でございました。それから、中国も今現在非常に大きなアメリカとの貿易国でございます。ただ、同時に、EUも今拡大、進化をしつつございまして、こういったことはダイナミックな文脈においてとらえなければいけないと思っています。
藤島委員 そういう答弁じゃないんですよね。今や、アメリカの経済圏としてのアジアというのは、大変なウエートがあるということなんですよ。
 それで、この次に申し上げたいのは、在日米軍の意味づけがそれによって少しずつ変わってきている。確かに、フィリピンにスービックだとかクラークの基地がありました。しかし、今それもない。本当、アジアにおいてちゃんとした基地があるのは日本だけなんですよ、米軍の基地は。あとハワイに陸軍、ちょっといますけれどもね。
 我が国の在日米軍の存在の意味づけが少しずつ変わってきておる。要するに、アジアの権益を守るために在日米軍が存在する意味合いが非常に大きくなっている、このことを私は申し上げたいんですが、この件は、外務大臣はどういうふうにお考えですか。
川口国務大臣 アジアの権益を守るためにアメリカ軍が駐留をしているとおっしゃった、そのアジアの権益というのはちょっとどういうことであるかひとつ定かでありませんけれども、我が国として考えておりますのは、アジア地域には、委員のおっしゃったような経済的発展、そういったことにもかかわらず、まず引き続き不透明性が、あるいは不安定性があるという認識でございます。これは、冷戦終了後のヨーロッパの動きと非常に異なるものがあるということです。そういう意味で、日本における米軍の駐在、前方展開が非常に大きな意味を持っているということは変わらないということだと思います。
 我が国が戦後ここまで発展できたのは、もちろん日本人の勤勉性その他いろいろありますけれども、日米安保体制が基軸としてあったということですし、引き続き不安定性、不透明性があるアジアの中において、その抑止力のもとで我が国の安全を確保するということが引き続き重要であるというふうに考えています。
藤島委員 そんな役人的な答弁を聞こうと思って言っているんじゃないんですよね。
 要するに、今までは日米安保に基づく在日米軍は本当に極東及び日本の安全だったものが、フィリピンの米軍基地もなくなって、ベトナムもほとんどない、シンガポールもちょっとある程度だ、今や日本からペルシャ湾まで行くわけでしょう、ないんですよ、米軍の基地が。そういう意味で、我が国にある米軍の基地がアジア全体の安定、これは我が国の安定のためにはアジアの安定がなきゃ成り立たないので、ここは大事なんですけれども、私は、これは我が国だけが今までと同じ負担じゃなくて、アジア全体で少しずつ負担すべきである、そういう観点から、我が国は、基地あっていいんですよ、もちろんなきゃいかぬのですが、我が国も言いたいことはちゃんと基地問題に関して言う必要があるということを申し上げたいんですよ。
 したがって、沖縄の米軍基地、これはもう橋本総理のころから大問題になって、普天間の移設があったわけですけれども、そのときさんざん議論した結果、七五%も基地があるというのは多過ぎだということもあって、整理縮小すべきという方向で実は今着々と進んでいるわけですね。
 この中にあって、ちょっと細かい話になりますけれども、先般、十五年問題、これは沖縄の知事から、今名護市につくろうとしているわけですけれども、これについて、十五年したらもう本当に完全に民間にしてくれという話があって、これについては、従来、外務大臣も、その意見については重く受けとめている、これは防衛庁長官もそういう発言をしたことがあるんですけれども、と言っているわけですけれども、この発言については、その後米側に何か言っておるんですか。外務大臣と防衛庁長官。
川口国務大臣 米側との関係では、例えば昨年の十二月、2プラス2がございまして、石破防衛庁長官と私とワシントンに行きまして、お話をいたしました。その折にも取り上げております。
藤島委員 機会あるごとにこれは米側には伝えておく必要がある、こう思うわけです。
 ところで、麻生政調会長が沖縄に行ったときに、十五年で廃止しちゃうようなところに数千億円もかけてつくるのはいかがかといったような発言をしたようで、これがまた自民党の中でごちゃごちゃやっているようです。この中で、嘉手納がいいんじゃないかという話もあったようですけれども、これはもう新しくも古い話でありまして、最初にいろいろな選択肢が出た中で、名護市の沖合ということに収れんしてきたわけで、今さら嘉手納という話は私はないと思うんですけれども、この点について、これは外務省よりむしろ防衛庁長官かもしれませんけれども、私はそう思うわけですが、防衛庁長官、どうですか。
 もうちょっと言いますと、これは私が現役中に元防衛庁長官のお供をして沖縄県上空を全部見たりしまして、いろいろなことを考えた末に最後あそこに落ちついた。市長選挙その他もいろいろ問題になりましたけれども。
 だから、やはり時間の問題もあるんですけれども、どんどん早く進めていくべきだ、もう今さらあちこち考えないで、名護で決めたのなら、どんどん国もちゅうちょしないで進めていくべきだ、こう思うんです。麻生発言は別にしまして、ここでまた戻るようなことがあっちゃいかぬ、どんどん前へ進めてもらいたい、こう私は思うんですが、防衛庁長官。
石破国務大臣 私の所掌としてお答えするのは適当かどうかわかりませんが、先生と同じように、私も着任をいたしまして空からずっと見てまいりました。今までの経緯もございます。そして、普天間の移設というものは名護というふうに決まって、地元の御理解も得、やっておるところでございます。したがいまして、ほかの選択肢というものを政府は考えておるわけではございません。
 この移設というものが地元の皆様方の御理解を得て着実に進展するように政府としては全力を尽くしていかねばならない、そしてまた、先ほど委員御指摘のように、十五年問題というのは、川口大臣とともに、私も米側に事あるたびに申し上げておるところでございます。
藤島委員 少しずつ話を進めていきたいと思いますけれども、先般、神奈川県の米軍施設について返還の方向で話し合いを進めたというふうに私は聞いておるんですけれども、これは私は非常にいいことだと思うんですね。米側に一たん提供しても米側が使わないままであるのを、今までの外務省の態度ですと、ほっておいて、そのままずるずるいっちゃう。
 ところが、かつては本当に田舎にあった地域、施設でも、今や都会地の非常にいいところになっているというケースがいっぱいあるわけですね。そういう意味で、そういうものは現実を見ながらどんどん話を米側に持っていく。返してもらえるものなら民間に返す。そうすれば、政府が民間から借り上げて、借料を払って米側へ提供しているわけですけれども、これを民間に返せるわけですね。そうすると、国の負担も少なくなる。
 民間は、そういう都会地ですから、どんどんほかのいいものに使いたいわけですよ。だから、民間も早く返してくれと言って手を挙げている。それを今までですと外務省が、もう米側に提供しているものは一切だめですよというふうな雰囲気でね。沖縄は全体を整理統合するよということで前向きに言っていますけれども。
 この神奈川の件については、非常に前向きでいい、こう私は思っているんですが、この事情はどういうことからこうなっていたのか。これは私はいい方で言っているんですからね。
海老原政府参考人 ただいま藤島委員から御指摘のありました神奈川県におきます在日米軍の施設・区域の整理に関してでございますけれども、先般発表をいたしまして、日米合同委員会の下部組織であります施設分科委員会がございまして、またその下に設置されております施設調整部会というのがございますけれども、課長クラスでございますが、ここで協議を行うということで日米が合意をしたという経緯がございます。
藤島委員 どんどん前向きに進めていただきたいと思います。
 それから、だんだん私の最終的な質問の方向に入っていくわけですけれども、岩国の基地がありますね。これは共用化の方向で今話を進めているということで、これも私は非常にいい方向だと実は思っています。これについては、あえて質問をしませんけれども。
 それで、米軍の海外における空軍の基地といいますか飛行場といいますか、どうなっているのか、それをお聞きしたいと思います。特に首都圏の基地について。
海老原政府参考人 ただいまの御質問は、海外の米軍の基地で首都圏、首都に特に近いところにあるものにはどういうものがあるかという御質問だろうと思いますけれども、我々の方で、これは国防総省の資料でございますけれども、それに当たりましたところ、韓国の烏山空軍基地でございまして、これはソウルからの距離が約五十六キロというふうに記載をされております。
藤島委員 そうじゃないでしょう。ほかの国の首都圏に米軍の広大な飛行場なんてあるところはないということですよ。たまたま韓国だけは事情があって例外的にある。ほかの国はないでしょう、首都圏に米軍の広大な飛行場は。
海老原政府参考人 首都圏ということでございますれば、今、藤島委員のおっしゃったとおりであると思います。大都市ということであれば、フランクフルトから約十六キロというところにラインマイン空軍基地というのがあるというふうに承知いたしております。
藤島委員 ただ、フランクフルトは、というか、ドイツはちょっと都市がばらばらですから、我が国みたいに集中していませんから。
 というのは、ここで本題に入るんですけれども、横田の飛行場なんですよ、横田の飛行場。ここに地図があるんですけれども、これは相当広いんですよね。横田の飛行場の概要について、これは外務省か防衛庁かどっちかですけれども、ごく簡単でいいです。
赤城副長官 お答えいたします。
 横田飛行場の施設の概要についてというお尋ねでございましたが、横田飛行場には、在日米軍司令部、第五空軍司令部、第三百七十四空輸航空団等が置かれており、在日米軍の司令部機能及び輸送中継基地機能を果たしております。この横田飛行場は、東京都の福生市、立川市、昭島市、武蔵村山市、羽村市、西多摩郡瑞穂町の五市一町に所在し、その面積は約七百十四ヘクタールであります。
 施設につきましては、飛行場施設、事務所、兵舎、家族住宅、倉庫等が所在しております。また、長さ約三千三百五十メートル、幅約六十メートルの滑走路を有しております。
藤島委員 七百ヘクタール、これは大変な広さなんです。
 ところで、国土交通大臣、お待たせしました。羽田と成田、これの概要について、もしあれだったら政府参考人でも結構ですけれども、今の関係とのあれで比較してみまして、羽田と成田が今どうなっているのか、どんなものかというのを御説明いただきたい。
洞政府参考人 羽田空港の面積は千二百七十ヘクタール、それから、成田空港の面積は千八十四ヘクタールでございます。
 羽田は滑走路三本、成田は滑走路二本ということで運用しております。
藤島委員 横田が七百、羽田が千二百、成田が千、ほぼ似たような広さなんですよ。ゆったりしているんですよ、要は。
 では、羽田、成田、それと横田、この三者の離発着回数、これをわかりましたら。
洞政府参考人 横田の離発着回数の実態は私どもは把握しておりませんけれども、大まかに申しまして、羽田は約二十四万回、それから成田空港は約十八万回でございます。
赤城副長官 横田飛行場の管制回数でございますが、近年の実績を見ますと、おおむね年間四万回程度と承知しております。
藤島委員 お聞きになったとおりですよね。横田が四万、羽田と成田がそれぞれ二十四万とか十八万ですね。だから、横田はまだ十分あるんですよ。
 それで、国交省の方に伺いますけれども、今後の旅客数の見通し、これをお伺いします。
洞政府参考人 羽田の年間国内旅客数は、平成十三年度実績で約五千七百万人でございます。将来予測につきましては、二〇〇七年で五千九百万人、平成二十四年、二〇一二年度で七千三百二十万人と予測しております。約三割伸びると予測しております。
 成田につきましては、同じく平成十三年度、二〇〇一年度で二千七百万人でございまして、将来予測につきましては、二〇〇七年、平成十九年度で四千万人、約五割増、二〇一二年、平成二十四年度で五千二百万人、約九五%増と予測しております。
藤島委員 今の数字、すっと聞いているとそのままいっちゃうんですけれども、この数字の二〇〇七年、五千九百二十万、これは、二〇〇〇年が五千七百万人ですから、二百万人しかふえていない。それで二〇一二年には一気に七千三百万人と、余りふえなくてぴゅっとふえる。これはどうしてこういうふうな数字を見込んでいるか。
洞政府参考人 羽田空港につきましては、国内航空需要の増加から既に発着能力の限界に達しておりまして、羽田空港の容量拡大は、先生御承知のとおり、喫緊の課題ということでございます。
 このため、国土交通省といたしましては、羽田に四本目の滑走路を新設する再拡張事業について検討を進めているところでございますが、そういう意味で、二〇〇七年度時点では、いまだ現有施設での対応ということにならざるを得ないために、羽田の容量制約の関係から、需要の予測値が低く抑えられた形になっております。
藤島委員 扇大臣、こういうことなんですよね。本当はずっと真っすぐ伸びたいんですよ。ところが、いろいろな事情もあって低く見積もらざるを得ない。それぐらい本来必要なんですよね。そこは御認識はよろしゅうございますか。
扇国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、予定どおり伸びればいいし、需要もあります。また、乗り入れの希望も殺到しております。しかも、今、少なくとも羽田は一時間で二十八便。一時間に二十八便ということは二分に一機と大変過密でございますから、当然私は、今おっしゃったように、平均して御希望どおりの離発着ができるようにするというのが理想でございます。
藤島委員 今手元には、比較して、ロンドン、フランクフルト、パリ、ニューヨークの数字も持っているんですけれども、相当の回数、我が国に比べまして多いんですよね、首都圏の飛行場は。もっとも、ロンドンはヒースローとガトウィックとか、パリはシャルル・ドゴールとオルリーとか、ニューヨークは御承知のジョン・F・ケネディとラガーディアとか、二つ三つあるんですけれども、ただ、それぞれ一つずつも結構大きい。余裕を持っているわけですよね。
 ところで、申し上げたいのは、時間がだんだんなくなってきましたので申し上げますと、アジアのハブ空港として東京、羽田、成田が相当機能しておったものが、今のような状態でいきますと、どんどんほかの国に食われちゃう。上海にしましても、あるいはシンガポールにしても、あるいはバンコクにしましても、どんどん食われていっているんじゃないか。この点についてはどういうふうに御認識ですか。
扇国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、ですから、日本の空港行政のあり方そのものを私は長期的に検討しようと。
 しかも、今藤島委員たまたまおっしゃいましたけれども、局長が成田二本と大きな顔をして言いましたけれども、私は大きな顔をして言えないと思います。二十五年たってやっと二本目が暫定ですから、暫定滑走路ということを言わないで二本ありますなんて大きな顔を私はできないと思います。
 私は、今ここで、今時間がありませんとおっしゃいましたのであえて言いませんけれども、少なくともアジアの近隣の空港を見ましても、国際プロジェクト、いわゆる国家的戦略というものを各国全部持っています。ですから、韓国の仁川にしろ、少なくとも四千メートル級二本、しかも、これを四本にしようというんです。これも観光客を誘致しようという大胆な発想です。そして、中国も、一カ所に集めよう、周りの小さいのはやめて国際空港に集中しよう、そして国内線に乗りかえを便利にしようという、これは国策をつくっております。
 そういう意味では、私は、成田、羽田、そして関空、中部、そういう日本の玄関口がいかに国際線と国内線の乗りかえが不便なのか、また高くついているか、そういうことを考えれば、国際競争はアジアに、中でもハブ空港たり得ない現状であるということは御認識のとおりです。
藤島委員 まさにそういうこと。これは我が国の経済の発展の阻害要因になりかねない。財務大臣は一生懸命財政金融でやっていても、こういうことが非常に足かせになる。これは、なかなか目に見えないようでも大変重要なことだと私は思っているわけなんですね。
 ところで、防衛庁長官に伺いますけれども、単純に言うと、自衛隊の軍民共用飛行場ですね、これは今どういうふうになっていますか。簡単でいいんですけれども。
赤城副長官 お答えいたします。
 お尋ねの件、どういうふうになっているかということでございますが、ちょっと一例として挙げさせていただきたいと思いますが、千歳の飛行場、例えば自衛隊機が二万一千回航空管制しております。軍用機が二百六十八回とか、民間機が十万九千六百十回、こういう資料がございますけれども、そういう点でよろしゅうございますか。(藤島委員「軍民の離着陸」と呼ぶ)はい、でありましたら、資料に沿ってお答えさせていただきます。
 千歳飛行場につきましては、これは新千歳空港と管制業務を共用していますので合わせた数字ですけれども、自衛隊機が二万一千七百二十一回、軍用機が二百六十八回、民間機が十万九千六百十回であります。三沢飛行場につきましては、自衛隊機が三万九百三十六回、軍用機が一万三千七百十七回、民間機が八千六百九十四回。百里飛行場につきましては、自衛隊機が二万六千百八十五回、軍用機が十九回、民間機が一万四千百十五回。小松飛行場につきましては、自衛隊機が二万九百四十回、軍用機が三回、民間機が一万六千八百十七回の管制回数。これは平成十四年の一年間の回数でございますけれども、そのような管制回数になってございます。
藤島委員 私が申し上げたいのは、軍の、自衛隊を軍と言っちゃあれかもしれませんが、軍の飛行場であっても民間と十分共用はできるということを申し上げたいわけですよ。
 それで、もう一つ、きのうの新聞ですか、羽田に深夜便の受け入れというようなことも国交省の方も考えているようですけれども、全体に首都圏の飛行場を効率よくやろう、こういうことで、私は非常によろしいんじゃないかと思うんです。
 そういう中で、石原さんが都知事になりましてから、横田の飛行場の民間共用化ということを実は言っておるわけですね。確かに騒音の問題も若干あるんですけれども。ここにあるんですけれども、騒音のうるさいところ、これは上の方が大きいわけです。これは、上の方の大きいのは米軍のC5のギャラクシーとか、あるいはC130なんです。小さい方がボーイング777ですね。これがこの中に入るんですよね。そういう意味で、騒音の問題はそれほど深刻にはならないというふうに考えているわけです。
 そんなことで、私は、東京にあるこの横田の飛行場を、今すぐということにはなかなか難しいかもわかりませんけれども、共用の方向で考えてみると。もちろん、市町村に若干反対があれば、それは東京都の方が説得すればいい話なんで。こんなこともあって、本当は東京都の担当の方を参考人でお呼びしたかったわけであります。
 私、政治家としての扇さんにお尋ねしますけれども、やはり、先ほど来のような議論の中で、横田が共用飛行場だったらいいな、こう考えるのが私は自然だと思うんですけれども、どうでしょう。
扇国務大臣 今、騒音の問題は東京都が解決すればいいとおっしゃいましたけれども、なかなかそれは年月がかかるということで、今すぐ、今の私たちが思っているときに解決できるというふうにはなかなか難しい問題がある。
 それはなぜかといいますと、過去に、横田空港の返還について、あるいは共用開始等々については、日米合同委員会の下に、下部組織で民間の航空分科委員会というのがございます。そこで過去七回にわたって、横田空港の空域の削減をしたいと。空域自体も、羽田に今度四本目をつくるについても、横田の空域を利用させていただければ大変便利であるということで、過去七回申し入れてございます。けれども、横田空港の返還あるいは共用については、米軍の運用上の必要性で今極めて困難である、そういう回答が七回来ております。
 けれども、私は、少なくとも米軍の空路の進入管制業務というものは、横田空港に関しては、羽田の四本目の滑走路を今回整備しようということで関連の関東圏の皆さん方と話し合って知恵を出し合っていますけれども、これが、もしも空域を日本で管制させていただくともっと便利になる、特に羽田から西へ飛ぶ場合は横田空域を通させていただければもっとロスが少なくなると私は思っていますので、これは、過去七回ありますけれども、気長に交渉するということはこれは可能ですけれども、今おっしゃったように、住民の反対等々、それでなくとも米軍の騒音だけでも大変なのに、そこに加味して民間の騒音が入ったら大変だという、これも簡単にはいかないということだけは申し上げられます。
藤島委員 いや、管制権の問題は最後に伺おうと思ったんだけれども、要するに、国交省としては、我が国は縦割りの役所ですけれども、非常に期待しておると。それはいいんですよ。だから、私が言った騒音の方は、さっき申し上げたでしょう、こういうふうにすっぽり入っておるんですよ。それは、地元はそう単純にいいとは言いませんよ。ただ、現実はこういうふうに入っているんですよね、騒音、この中に。それと四万回なんですよ。ほかはちゃんと十何万回、二十何万回、だから離着陸には余裕がある。しかも、大型のギャラクシーみたいなのが騒音をばらまいている中で、ボーイング777はちゃんと入ってうるさくない、こういう実態、あるいは東京都も非常に期待しておる、こういう実態を踏まえて、それは、扇さんがおっしゃるように、きょう、あした、これは無理ですよ。ですから国交省も四苦八苦しているわけでしょう、実際。本当の需要があるにもかかわらず、それに追いつかないと。だったら、横田の飛行場を軍民共用にしてもらったらいいじゃないかと。
 確かに、横田の飛行場というのは米空軍の重要な飛行場ですよ。これは三沢にもありますけれども、司令部としての機能が横田にありますので、重要な飛行場。ただ、民間が入ったとしても、ターミナルビルと格納庫みたいなのが必要。ただ、有事になれば、ここは輸送用の部隊ですからいろいろなものが来ますけれども、民間機が出ていった後、格納庫なんか十分使えるわけですよ。むしろあった方がいい。それなので、有事を考えた場合は、決してそんなに邪魔になるものじゃないので、私は十分に検討すべきだと思う。ですから自衛隊の方も、軍民でかなりやっているわけですね。どの程度やるかはこれから話をすればいい。しかし、きょう、あしたですぐ解決する問題だとは思わない。
 その辺を申し上げて、中長期でやはり米側としつこく何回も、それが自主外交じゃないですか、こう言っている。最初からあきらめていたんじゃだめなんですよ。
扇国務大臣 これは、私がこういう職についてから、東京都の石原都知事とこのことに関しては十分に話し合いも何度もしております。そして、都知事がアメリカまでいらっしゃいましたけれども、これは国の問題だというふうにおっしゃって、私たちは外務省と一緒に、この米軍への申し入れというのは今まで過去七回ですけれども、今後も続けていく。
 そして、それよりも早く羽田の四本目をつくるということとともに、私は気長に交渉を続けていきたいと思っています。
藤島委員 それは、国交省は自分の責任ですから、羽田をきちっとやらないかぬ。しかし、国民全体の立場からいえば、これは国民の財産なんですよ、言ってみれば。東京都だけの問題じゃない。国民全体の財産ですね。
 そういうことからきちっとやるべきだということなんですが、このやりとりから、外務大臣、きちっと、すぐという問題じゃないことはわかっていますけれども、中長期の問題として、私は、外務省は関係の省庁とも勉強して前向きにやっていく、こういう必要があると思うんですが、外務大臣はどうですか。
川口国務大臣 横田飛行場の件でございますけれども、これは、委員御案内のように、在日米軍の中枢的な施設ということでございまして、重要な役割を果たしているということでございますので、委員も今おっしゃられましたように、それから、扇大臣も先ほど来おっしゃっていらっしゃるように、現時点で、政府として、米国政府に対して横田飛行場の共用ということを、共同使用を求めるということは考えていないわけです。
 他方で政府としては、これは、いかなる施設も区域も、日米安保体制の目的を達成するという前提の中で、地元地方公共団体の御要望、これをしっかり踏まえまして、そして、各関係省庁と調整をいたしまして、委員もおっしゃられましたように、中長期的な課題といたしまして、日米安保体制の目的を達成するための在日の米軍施設及び区域のあり方について検討をして、そしてその中で、国民の皆様の御理解を得るように努めながら適切に対処してまいりたい、そのように考えております。
藤島委員 私が申し上げたように、今すぐということにはならぬのだけれども、中長期の問題ということで前向きに、積極的に取り組むという答弁というふうに私も受けとめて、ぜひそういう方向で頑張っていただきたい、こう思います。
 同じ横田関係で管制の問題ももう一つあるんですけれども、先ほど扇大臣が、空域の問題についてはぜひお願いしたいというのが国交省の御意見であるということでありますので、外務大臣も、この点も踏まえて、折を見てどんどん我が国の立場を米側に伝えておいていただきたい、交渉していただきたい、こう思います。
 最後に防衛庁長官にお尋ねしますけれども、先般、防衛庁長官はテポドンの件で、我が国を攻撃する意思が明確であり、油を注ぎ出した、その際には、我が国も、自衛権の行使の端緒として相手側に武力行使があった、こういうふうに判断してもいいんじゃないか、こういう発言がございましたけれども、これは新しくて古いような話なんですけれども、昭和四十五年にこんな話も実はあるんですね。
 これは、楢崎弥之助さんという議員が質問したんですけれども、要するに、相手が武力行使をした、自衛権の三原則のうちの一つがクリアしないといかぬわけで、その三つの時点で、どの時点で自衛権は発動し得るかという例で、日本艦隊がアリューシャンに向けて行って、「ニイタカヤマノボレ」の電報を打ったとき、つまりハワイ島に向かえというあの「ニイタカヤマノボレ」の電報が傍受されたとき、これはアメリカ側が自衛権を発動する際にですよ、それが一つ。それからいよいよ南下して、一定の地点から空母より艦載機が、我が国の空母ですけれども、艦載機が発進してオアフ島に向かったとき、これが第二の時点。それから、いよいよアメリカの領域内に攻撃機が入った場合、この三つのどこでいいんですか、こういうふうに実は質問をしたんですよ。
 それに対して、当時、見方は大変難しいと。「すでに着手があるかないか、これを説明しろといっても、むろんこれはできませんけれども、その具体的な事情に徴して、武力攻撃の着手があったときには、武力攻撃があったものと考えて少しも差しつかえないと思います。」こんなばかな答弁なんですよね。
 要するに、これだけ具体的なことを言っても、なお全然答えてなかった。それに対して、防衛庁長官は相当明確に答弁をして、これは法的な問題で、非常にすっきりはしていると思うんですけれども、今、なぜこういう発言なのか。決して非難する意味じゃないんですけれども、お伺いしたいと思います。
石破国務大臣 これはもう委員がよく御案内のことであって、要は、被害を受けてからでは遅い、しかし、おそれではだめだ。自衛権行使としての武力行使の三要件の中で、では、どこをもって実行の着手と見るかということであろう。そうすると、客観説とか主観説とか、いろいろな議論があります。しかし、ある意味、かなり不可逆的なものというのも考えていくことになるのだろうということだと思っています。
 要するに、これから日本に向けて撃つぞ、そのためにミサイル燃料を注入し始めたぞということになれば、それは一つの要素たり得るのではないか。しかし、そのことをもって定型的に、では、そういってミサイル燃料を注入し始めたら、それをもってすべて着手かといえば、そういうわけでもない。
 いろいろなことを総合的に考えていかなければいけないけれども、私どもがやらなければいけないことというのは、おそれがある段階で自衛権の行使はできない、しかし、被害を受けてからでは遅い、だとすれば、どうやって国民を守るんだと。国の独立と安全を守るのが政府の責任でありますから、その場合に、実行の着手というものをどの時点に求めるかというときに、これからやるぞといって燃料を注入する、それは一つの要素たり得るのではないか、総合的に判断する一つの要素たり得るのではないか、そういう意味で申し上げたのであります。
藤島委員 非常に国民の関心事について明快にお答えになって、非常にいいことだと私は思うんです。
 ところで、これで一つ、ちょっと心配なことが。それでは一体、我が国が対抗手段あるのかどうか。もう時間ありませんのであれですけれども、今、空中給油機を買うことにしていますので、今の戦闘機では、日本の基地から、小松が一番近いんでしょうけれども、飛んでいっても、向こうで爆撃というか戦闘行為やって、帰ってこれませんよね、空中給油機があればその点はあるんですが、これは戦闘機であって爆撃機じゃない。あるいはミサイルもない。私は、トマホークを改良するか日本の護衛艦に積む、そんなことも一つの考え方じゃないかと思うんですけれども、現実に国民は、では何も対抗手段がないのでいいのかと。きょう、あしたといって、これは無理ですけれども、防衛庁もこれを中長期を、そんな長い先じゃなくて、考えていかないといけない時代になってきているんじゃないかなということを申し上げておきたい、こう思います。
 最後に一言だけ、外務大臣にお願いしておきたいんですが、私、生まれは柏崎なんでございまして、柏崎は蓮池さんがおりまして、せんだってもそこで会合があったときに蓮池さんが言っていたんですけれども、よその国は人道援助と称して米を援助することがあっても、それは主権を侵害されていない国がそういうことを言っている分には構わないけれども、我が国は拉致の問題でこれだけ主権を侵害されたんだ、よその国と違うんだ、そこをはっきりさせないまま、よその国と同じようにつき合うべきだということで、人道援助の方ばかり言って米の支援をするのは国家としておかしいんじゃないかということをしきりに言っていたんですよ。
 まさにそういうことであって、国家の主権を侵害された国が、侵害されていない国と同じように、付和雷同していくということはぜひやめてもらいたいと私は思いますので、その決意を外務大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
川口国務大臣 食糧援助でございますけれども、これについては、従来から申し上げておりますのは、人道的な考え方それからその他のさまざまな要素を総合的に配慮して考えますということで、過去においては実施をしてきたという経緯がございます。
 一般的に申し上げればそういう考え方でございますが、現在のところ食糧支援を考えているかということであれば、そういうことは考えていない、そういうことです。
藤島委員 要するに、北朝鮮が拉致を認めなかった時期と、明らかに国家犯罪としてやりました、主権を侵害しましたと言った時点からでは、同じ人道援助である米支援も性格が全く違っている、そこをよく認識して対応してもらいたい、こういうことなんです。
 終わります。ありがとうございました。
藤井委員長 これにて藤島君の質疑は終了いたしました。
 次に、中林よし子君。
中林委員 日本共産党の中林よし子でございます。
 WTO農業交渉は大変緊迫した状況を迎えております。三月末に交渉の枠組みを決めるモダリティー、自由化の基準というものですけれども、その確立がスケジュール的には決まって、それに沿って進められております。いよいよあす十四日から、東京において非公式の閣僚会議が開かれ、その会議の内容いかんでは、日本農業あるいは食料にとって大変大きな意味合いを持ってくるだろうというふうに思います。
 これまでのWTO農業交渉、その過程の中で、二つの大きな食い違いが出てきたというふうに思います。一つは、アメリカ、ケアンズ・グループ、これは、工業製品と同じように農産物も一律二五%以下の関税率にすべきだ、こういうスイス・フォーミュラという提案。それからもう一つは、EUなどが提案している、品目ごとの関税率を定めていくというウルグアイ・ラウンド方式、こういう方向で、大臣も一月三十一日に、日本は基本的にはEU提案、これに同調していく方向を明らかにされました。
 ところが昨日、このWTO農業交渉の議長でありますハービンソンのモダリティー第一次案というものが示されました。ほんについ先ほどこの訳文をいただいたわけですけれども、それを見る限り、かなり厳しい中身だろうというふうに思うんですけれども、このハービンソン議長が提案した第一次案、その中身、基本的な点でよろしいので、どんなものなのか明らかにしていただきたい。
大島国務大臣 中林委員にお答えを申し上げます。
 委員の御質問の中で、二つの考え方がある、EU等という言い方をされましたが、これは日本もモダリティー提案としてきちっとお話ししている、そして、EUの提案を支持するということは、私どものモダリティー提案を前提として、その中の数字の部分、この部分について支持をいたしますということを申し上げたところでございますので、御承知だと思っておりますが、一応申し上げておきたい。
 さて、昨日、ハービンソン議長から一次提案がなされました。その全体を見ますと、ウルグアイ・ラウンド方式をとります、こういうふうにまず言ってはおりますものの、そこの中身は、一言で申し上げますと、まさに委員がお話をされたアメリカ、ケアンズ・グループの考え方であるところの、いわば一律に関税を引き下げる案に極めて近い内容がある。そういう意味で、私どもは、ハーモナイゼーション、こういうのでございますが、中身はそういう輸出国にかなり偏った内容ではないか。
 したがって、私どもは、そういう中身に対して総体的にそれを容認するわけにはいきません、今後その議論の中で、私どもの考え方を率直に申し上げていく、重要なさまざまな観点に対して強い修正をしていくといういわば交渉をこれからしていかなきゃならぬ、こういうふうな概略的な評価をいたしておるところでございます。
中林委員 実は評価を聞いたのではなくして、中身について少し具体的に言っていただければ。初めてです、この問題が国会で明らかになるのは。
大島国務大臣 今、さまざまに精査をしているところでございますが、例えば、現行関税率が九〇%を超えるすべての品目について、平均で六〇%、最低限四五%削減する、ミニマムアクセスを一〇%までに拡大する、ただし一定の代償措置を条件に八%までの拡大とすることもできる、AMSの削減に品目別要素を入れる、青の政策を大幅な削減の対象とする等が私どもの、委員も関心ある項目だと思いますが、そういうところが主な内容でございますし、また、途上国に向けての配慮にかなり重点が置かれている内容ともなっているところでございます。
中林委員 今、特徴的なことを大臣に答えていただいたわけですが、この一次案が容認できないというふうにおっしゃるわけですけれども、今、生産者の方々は大変注目をしているのでぜひお答えいただきたいのですけれども、この一次案がもしも日本に適用された場合、米を初めとする農産物への影響、これはどのようにお考えになっているでしょうか。
大島国務大臣 委員は、特に米についてがお聞きになりたい点だろうと思います。
 したがって、米の問題についてだけ申し上げますと、その一次案をそのまま適用して試算いたしますと、現行の関税が九〇%を超えておりますから、最低の削減率四五%が適用された場合に、米の関税は現行のキログラム三百四十一円、それがキログラム百八十八円となるわけでございます。六十キロ換算にいたしますと一万一千二百八十円、このようになるわけでございます。さらに、こういうふうなことをもし受け入れたとすれば、ミニマムアクセス米以外の、いわば枠外で外国産米の流入がかなり入ってくるだろう。
 したがって、私どもとしてはこれは受け入れられない案である、そういうふうに思っております。
 また、アクセス数量でございますが、最近三年間、つまり一九九九年―二〇〇一年の国内消費量の一〇%を適用するといたしますと、食料需給表ベースで約九十八万トン程度という試算がなされます。また、八%の場合には七十八万トン、こういうふうになるところでございます。
中林委員 今、大臣がお答えになったように、米に限ってのお話でしたけれども、六十キロ当たり一万一千二百八十八円。平均輸入価格を基礎にしてお答えになったんだと思うんですけれども、これだったらやはり相当量入ってくる、競争できない、こういう事態にさらされて大問題になるというふうに思います。
 さらに、ミニマムアクセス米についても、もし一〇%とった場合、八%とった場合、日本はそれを削減したい、農家の皆さんは廃止してほしい、こういう要求に真っ向から背いていく。ミニマムアクセス枠でもふえていくし、ミニマムアクセス米そのものもふえるということで、とてもこれは受け入れられないということは明白だと思います。
 今、お米だけおっしゃったんですけれども、九〇%以上については平均六〇%で最低四五%の引き下げというのがあるわけですが、九〇%から一五%、現在やっているところも平均五〇%、最低三五%の引き下げ案、これが第一次案の中身に出ているわけですね。
 それで、日本に主な作物として農産物が入ってきているのを見てみると、米だけではない、ほかのところも相当影響を受けるだろうということが予測できます。
 例えば小麦ですけれども、これなども九〇%以上ですから、現在二一〇%の関税率が、平均、これは六〇%で計算してみると八四%ということで、十キロ当たり大体三百三十円下げられるだろう。今、麦の転作を相当農水省としても進めているけれども、これではやはり太刀打ちできなくなってしまいかねない。
 それから、雑豆。これは北海道などが主な生産地になると思うんですけれども、現在四六〇%の関税をかけている。それを六〇%引き下げになると一八四%で、十キロ当たり二千百二十四円の引き下げになる。これは私の方から計算してみました。
 それから、コンニャクイモ。群馬県が主産地ですし、私が生まれた広島県の神石郡というところも主産地で、私も農家の子ですから、コンニャクをつくっておりました。これなどは、特産品として今みんな一生懸命やっている。これには大変な高関税、九九〇%かかっているんですけれども、これなども、実は三九六%まで引き下げられて、十キロ当たり一万六千七百七十六円の引き下げになってしまうということです。
 さらに、関税がもう既に低い、二段階目の問題ですけれども、牛肉、これがやはり相当引き下げてきます。それからオレンジですね。新鮮オレンジ、これは季節ごとに違うんですけれども、六月から十一月のは関税が今一六%ですけれども、これも八%ぐらい、野菜並みに引き下げられてしまうということですから、米だけではない、ほかの重立った農産物も大変打撃を受ける。これは、大臣、お認めになりますね。
大島国務大臣 さすがによく勉強してこられたなと思って拝聴いたしました。いや、本当にそう思いました。
 いずれにしても、関税を引き下げる案である今の案は、さまざまな農作物あるいは日本農業のありように大変な影響を及ぼすという認識では、委員と同じ認識を持つものと思います。
中林委員 大臣が談話を発表しておられます。この中で、途上国に配慮しているということについての一定の評価ができるというふうに述べておられるわけです。私どもも、途上国の言い分は、百四十五カ国WTO加盟国の中で大半が途上国なわけですから、その意見はやはり十分反映されなければならない、こういう立場ではあります。
 しかし、今回の第一次案の途上国に対する提案、これはどんなものか、ちょっと明らかにしていただきたいというふうに思います。
大島国務大臣 途上国に対してはさまざまな観点から配慮をしているわけでございますが、例えば、市場アクセスという問題につきましても、「先進国は、熱帯産品の完全な貿易自由化を含む途上国の関心品目に対するアクセス改善を通じ、途上国のニーズに十分な関心を払う。」とか、あるいは、「途上国の戦略的品目は、単純平均により十年間で平均一〇%、最低五%削減する特別セーフガードの対象とした品目を除く。」とか、あるいは特恵関税のところで、「特恵受益途上国の輸出上重要な品目に対する特恵に影響を与える関税削減については、特恵の供与国は五年間の代わりに八年間で実施することができる。当該品目は、当該途上国の全商業輸出の最低二五%を占めるものとする。」とか、あるいは関税割り当て数量の、これ、全部お話ししてよろしいですか。ずうっと言うと、かなり時間がかかりますよ。
中林委員 いや、私が一番聞きたいところを質問します。
 途上国はいろいろなところにちりばめられておりますので、それは私もこのあれを見ればわかるんですが、一番日本の農業に影響するだろうと思われるのが四番目の項目で、後発途上国、これがありますね。私もこの文書をいただいているので読み上げますけれども、先進国は、後発途上国からの全輸入に対して無税、無枠を提供する、こういうふうになっているわけですね。
 では、アジア諸国で後発途上国、これはどの国があるのか、お答えいただきたいと思います。
西藤政府参考人 数字にかかわる話でございますので、私の方からお答えさせていただきますが、所得が一定水準以下、人口の少ない国ということで、現在、たしか世界で私どもが容認しておりますのは四十数カ国であったと記憶をいたしております。
中林委員 いや、答えていないんですよ。後発途上国、アジアの国でどこなのかと。
西藤政府参考人 失礼いたしました。
 アジアの中でいわゆる低開発途上国は、バングラデシュ、ミャンマー、モルディブ、これがWTO加盟国でございまして、WTO非加盟国で、カンボジア、ネパール、ブータン、ラオスという国が低開発途上国になっております。
中林委員 今言われた国々、これは、無税で無制限に輸入するようにというのが第一次提案なんですけれども、これらはお米の生産が可能な国々ですよね。だから、仮に大手の商社が開発輸入に手をかけたら、もう大変な事態になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、途上国に対して一定の提案があるということは評価できるとおっしゃっているわけだけれども、何かそれを防ぐ手だてというのはあるんでしょうか。
大島国務大臣 途上国の対応に対して一定の評価をするといった範疇の中に、今の分野のところについては私どもも問題意識を持っているということでございます。したがって、ハービンソン議長提案の途上国部分をすべて支持するということではなくて、あるいは評価するということではなくて、ある一定の配慮をしている。
 そして、今般、私ども、この国会におきまして、いわば途上国対応としての関税措置を法案として、これは関税の中にお願いをしているところでございまして、今の分野においては私どももまだ議論の余地があるという評価をしておるところでございますので、今、米をそういう場所でつくったらどうかという、そういうふうな仮定においての御質問でございましたが、したがいまして、私どもは、もちろんさまざまな農産物が関心事項であることでございますが、米という世界におきまして、先ほど申し上げましたいわば関税のありよう、ミニマムアクセスのありようについて、到底受け入れがたいという基本で対応していくところでございます。
中林委員 このような問題をこの第一次提案というのは含んでいる。お米はもちろんだけれども、ほかの農産物にも多大な影響を及ぼし、さらにはこの後発途上国の問題なども問題は含んでいるということを大臣はお認めになったと思うので、これは毅然としてはねのけていく、これは確認できると思うんですけれども、もう一度お願いします。
大島国務大臣 毅然としてはねのけるという委員の御提案というか御意見でございますが、その意味がどういう意味かわかりませんけれども、テーブルに着かないということなのであれば、これはそういうわけにはまいりません。
 先ほど申し上げましたように、私どもとしては、総体として受け入れがたい、したがって、私どもの主張をしっかり通すために、修正あるいはまたさまざまな運動論、こういうものをしっかり戦略、戦術を考えながら、私どもの主張を入れられるように全力を尽くしてまいるという意味で、毅然としてやってまいりたい、こう思っております。
中林委員 そうすると、今大ざっぱな、毅然としてというか、日本の主張をテーブルに着いてやっていくとおっしゃったんですけれども、それならば、その日本の提案、これは一体、具体的にはどういう展望をお持ちなのか、本当に農民が見て、これならやっていけるというそういう展望をお持ちでしょうか。そこを明らかにしてください。
大島国務大臣 私は、就任以来、まずASEAN、そしてヨーロッパ、そして正月早々にカナダ、アメリカ、我々の主張を理解を得るべく全力を尽くしてまいりました。そして、実はきのうも、フィシュラーEUの農業担当委員と電話で会談をいたしました。いよいよ明日から非公式閣僚会議がございます。
 そういう中にありまして、このラウンド交渉、マルチの交渉において、委員が御指摘いただきましたように、いわゆるスイス・フォーミュラ的基本的理念を持つグループと、日本、EUを中心とした、各国の農業が多様に存在することを前提とした一層の農業交易ルールがつくられる、進展できるような、貢献できるようなルールをつくるという二つの考えが代表的なものだと思います。
 だとするならば、私ども、基本的に日本とEU、さらにフレンズ国と深く広く一層緊密な連帯と連携をとりながら、一方、意見が違うものとしても、そういうアメリカやケアンズの皆様方と議論しながら全力を尽くす、これが基本的な私どもの進め方であろう。そういう方向、あるいはそういう考え方に沿って、私どもがモダリティー提案として出した提案、これを基本にし、そして、EUのその上に立った数字、三六、一五、四五、そういう数字を目指して全力を尽くすことが私の責務だ、このように思っております。
中林委員 基本的にはEUが示したEU提案、数字は支持していくということをお述べになったというふうに思うんですけれども、本当に果たしてそれで日本農業が守られるのかということだと思うんです。
 このEU提案というのは、関税率については平均三六%の引き下げ、そして最低一五%の引き下げ、こういうふうになっているわけですね。それで、一番主生産であるお米、これはやはり一番低い関税率でいくとして一五%引き下げた場合に、計算してみました。平均輸入価格がキロ三十七円。関税率四九〇%、それに相当量は三百四十一円ということですから、十キロ当たり三千七百八十円だというふうに思いますね。もちろん価格によっては入らないものもあるかもわからないけれども、農水省が示された、首都圏内の家庭は一体幾らぐらいのお米を食べているのかという統計があります。大体十キロ当たり四千円前後。こうなると、当然この一五%EU提案の引き下げ、これによっても輸入米が出てくると、否定できないんじゃないかというふうに思うわけですね。だから、私は、このEU提案にその数字も含めて支持しますと大臣おっしゃったんだけれども、これではやはり日本のお米も農業も守れないんじゃないかと。さらに、お米以外、先ほどもその第一次提案についていろいろな作物ごとに言いましたけれども、これは平均三六%で、お米を一五%引き下げでとれば、ほかの品目がもっと引き下げ率が高くなれば、やはり関税率というのは必ず引き下がっていくわけですから、日本農業に大変な影響が出るということを指摘はしておきたいというふうに思います。
 ここで、EU提案の中で、全部支持はしない、数字は支持するんだというふうにおっしゃっているんですけれども、途上国条項、これが入っておりますね。この途上国条項は一体どういうものであるのか、そこを明らかにしていただきたいと思います。
西藤政府参考人 お答えいたします。
 EU提案のうち途上国にかかわる関連で申し上げますと、一次提案の中との関連するところでございますが、いわゆるLDC、後発途上国に対する無税、無枠の供与、これともう一つ、一般特恵ということで途上国からの全輸入の五〇%以上を無税供与するという、二つのことが途上国対応として柱になっているかというふうに理解をいたしております。
    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
中林委員 後発途上国については、先ほども議論して、大臣もこれは問題があるというふうにお認めになったわけですが、もう一つ、EU提案には、その第一次提案に入っていない、いわば途上国と言われる国々に対する問題が投げかけられているわけです。先進国は、途上国からの全輸入の五〇%以上を、今説明があったように無税を適用というふうになっているわけですね。
 これは答弁していただくとちょっと長くなるので、私の方から申し上げますけれども、日本が農産物を輸入している主な途上国、これはどういう国があるかというと、中国、タイ、韓国、インド、フィリピン、インドネシア、ベトナム、南アフリカ、ブラジル、チリ、メキシコ、ウルグアイ、アルゼンチン、台湾、イスラエル、ウクライナ、ロシア、ベラルーシ、こういうものがあります。この中で、米の輸出力があるのは中国、タイ、あるいはウルグアイ、こういう国です。
 これらの国から、米が、五〇%以上という一定の制限はついているものの、無税で入ってくるということになった場合、日本の米生産には大変な打撃になるだろうというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
大島国務大臣 当然のことだと思います。大変な影響が出るのではないか、このように思います。
中林委員 EU提案に乗るといったときに、数字については支持すると、それでも私は大変だと申し上げましたけれども、こういう途上国提案、切り離してEUの提案を支持する、そういうことが可能なんでしょうか。
大島国務大臣 何回も申し上げますように、私どもは、EU提案の全部をそのまま支持しますということを申し上げたのではなくて、つまり、三分野の数字の部分について、私どもが出したモダリティーの提案はX%というふうな形での提案でございました。したがいまして、私どものモダリティー提案を全体として、そしてEU提案の三分野の数字部分に対して支持を発言した。
 もちろんEUと私どものモダリティー提案の中身の違うところもございます。そこは、今委員が御指摘をされたLDCの対応の問題とか、あるいはまた地理的表示の問題でございますとか、これは農業分野でございません、TRIPの世界ではございますけれども、そういう分野でございますとか、さまざまな違うところもございます。しかし、全体として見れば、やはりEUの皆様方も、農業というものは各国において多様に存在するという基本的な哲学、そして非貿易的関心事項、その中には農業の多面的機能、そういうふうなものもきちっと存在理由として挙げておられる、そういうところにおいて考え方をお互いに共有することがあるという意味で、そのように申し上げておるところでございます。
中林委員 大臣はEUの数字については支持をしていくというふうにおっしゃっているんですけれども、私はそれが問題だというふうに思うんですね。必ずしもEU提案が通るとは限らないというふうに思うんですね。
 今回の第一次提案というものが出たのも、実は、アメリカやケアンズ・グループなどが主張するスイス・フォーミュラ、これに賛同を得ている国が今二十五カ国、それからEUや日本などが一緒になって、個別品目別々にというウルグアイ・ラウンド方式を提案している国が十七カ国。ということになれば、圧倒的に輸出大国であるアメリカやケアンズ・グループの勢力の方が優勢なわけですよ。だから、今回の一次案、それからアメリカなどの提案するもの、それからEUや日本が提案するもの、こういうことになっていって、そのEU提案が必ずしも通る見通しはないと思うんですね。そうであるならば、もう日本の国益が損なわれるような、そういう三つの選択しかないというところに入り込まない方がいいんじゃないかというふうに私は思うんですね。
 だから、食糧主権というものをしっかりと主張していく。それはなぜかというと、先進国の中で自給率が四〇%の国というのは日本しかないですよ。世界最大の農産物輸入国です。EUは、それだけの数字を示しても、実は基本的には輸出国なわけですね。だから途上国提案もできるし、こういう引き下げ率も提案できる、こういう条件を持っている。そこに日本が寄り添っていくというのは、私は日本の農民のためにも、安全な食料を得るためにもならない。ちゃんとそこは、国益を損なわない、そういう方向で最後まで主張していく、そういう決意はございますか。
大島国務大臣 中林委員と今まではかなり意見として同感をするところがございましたが、今のところはかなり違う考え方を持ちます。
 と申しますのは、日本は孤立してこの世界の中で生きているのではありません。ドーハのマンデートで、このWTOという、農業以外のことも含めて、世界経済あるいはまた通商政策においてこういうことをしようということで、お互いに納得して交渉事を始めました。そして、日本の国益を守るためにも、日本は孤立してはいけないと私は思うのです。
 だとすれば、日本農業、農家、農民あるいは農村を守るぎりぎりの線の中で、そして、できるだけそこに共感と同じ認識を持つ人たちとスクラムを組んで、そして我々の主張を通すことの方が、より現実的であり、よりまたその道を実現するすべではないかと私は思うのです。日本だけここを守って、日本の主張だけを叫んでいれば、この厳しい国際交渉の中で実現するということはあり得ないと私は思うのです。そこはぜひ御理解をいただくと同時に、また、共産党であればどのように、国際交渉の中でどういう戦術をとる、そういうふうなことをお聞かせ願えれば、参考にできれば、私は、してまいりたいと思います。
中林委員 それは、ぜひ参考にも、それからそういう方向で実践もしていただきたいことをこれから申し上げたいというふうに思うんですね。
 それは、私は、孤立を恐れて、じゃ、今、日本の国益を損なっていいのかという問題が問われる局面だろうと。それで、スイス・フォーミュラよりはウルグアイ・ラウンド方式の方がベターだからということで、しかし、そこへ乗っていくと大変国益を損なう、農業もさらに危機的な状況になるし、安全な食料を確保することもできない。こういう方向に、私は、すぐ賛成していくようなことであってはならない。
 次期WTOの実施が始まるのは二〇〇五年一月一日です。そうなると、今後、交渉の期間というのはまだまだ相当ある。一応、枠組みとして、三月三十一日までにモダリティーの確立をしようというスケジュールは合意されていると思うんだけれども、しかし、交渉事ですから、合意できない、そういう中身は当然出てくるというふうに思います。
 そこで、私は、今日のような、これを選んでも日本の農業や食料に大きな影響を及ぼす、あるいは、アメリカ提案をのんだらとんでもない、第一次案ものめない、こういう究極の困難な選択、そこに日本が追い込まれた原因が、私は、あなた方にあるということを指摘したいというふうに思います。
 それは、ここに会議録を持ってきておりますけれども、今から四年前、九九年でございますけれども、当予算委員会、当時、農水大臣は中川大臣でございました。二月四日ですけれども、私が中川大臣に、関税化によって日本の農業は守れるのか、ちょうど米を関税化に踏み切ろう、そういうときでございましたから、このことを聞きました。そうすると、当時の中川農水大臣はこういうふうに答えております、「関税化することによって、次期交渉への対応がより有利になるという判断」、だからやっていくんだと。次の交渉、今やっている交渉ですよ、これを有利にやっていく。つまり、関税化によって同じ土俵に乗っかることになるんだから大丈夫だと言ったんですね。
 しかし、私は、これまで関税化に踏み切った牛肉だとかオレンジ、これらの例もとり、あるいは、政府が言っている関税化とは一体どういうものか、それは確実に引き下げが行われるものだということで、米の特例措置、そこから関税化に踏み切ることはあってはならないというふうに指摘をいたしました。
 その年、大臣がかわって、玉沢大臣にも私は質問をいたしました。それは、高関税、これを維持できるのかという質問をしたら、これは農水委員会ですけれども、当時の玉沢大臣で同じ九九年の十一月十日の答弁ですが、「維持する、維持できる、そういう観点から交渉していく」、こういうふうにはっきり答弁されている。これによって、関税化に踏み切ることによって、ミニマムアクセス米の数量を若干下げることができるからということで、税にも納得をさせ、そして、私ども野党などが反対するのを押し切って、関税化に踏み切っていった。
 だけれども、事実はどうですか。有利に交渉が運ぶなどということは全く合ってない。まさに、関税引き下げ競争の中に日本政府も追い込まれているじゃないですか。この責任はどのようにおとりになりますか。まず、官房長官。
大島国務大臣 委員に、この米の、あるいはWTOウルグアイ・ラウンドの歴史を今説かれましたが、その前に、細川内閣時代に、ウルグアイ・ラウンドというものの決着をいたしました。政治は、そのことをいいとか悪いとかではなくて、そこをスタートとして考えなければならない継続性に責任を持ちます。そして、中川大臣、玉沢大臣がお話しされたのは、多分、そのときに関税という問題に真正面に立ち向かわないとミニマムアクセスという問題の拡大という総合的な判断の中で、そういう発言をされたのではないかなと、今お伺いして推測をいたしました。
 もちろん、関税について問われれば、私がそのときであっても、日本の農業あるいは水田、こういうふうなものをしっかりと守り、発展していくためにその関税をできるだけ守っていくという気迫と気概を持って答えることに相なるんだろうと思います。
 したがって、その歴史から考えますと、やはりスタートはウルグアイ・ラウンドなんですね。したがって、そういうことから出て、一連の中で、その都度、今を考え、将来を考えて判断をしてきたそのときの発言ではなかったのかな、このように思います。
福田国務大臣 ただいま農水大臣からお答えしたとおりだと思います。
中林委員 全く私は無責任だというふうに思います。それは、日本共産党はどのように考えているのかという提案は、その都度その都度、関税化のときもやりましたよ。踏み切らないで、特例措置としてちゃんとミニマムアクセス米、これをやりながら、将来はやはりWTOそのものを改定していくべきだということも言ってまいりました。(大島国務大臣「廃止」と呼ぶ)改定、改定です。
 だから、私どもは、細川内閣のときに反対しましたよ。自民党も野党だったというふうに思いますけれども、だからといって、その継続性のある政治の中で、この関税化のときは転換できたはずだというふうに思いますよ。
大島国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、細川内閣時代に、そのときの評価は別にして、そういう事実ということを申し上げました。
 そこで、委員に私は申し上げたいし、またお答えをしたいんでありますが、さまざまな御批判は、共産党あるいは委員からの批判として承りますが、私どもは、通商国家として、国際社会の中にどう生きるかという大きな国益という観点も考えなければなりません。そして、そういう中にあって、日本農業のその存在というものの接点を探りながら考えてきたことである、このように思います。
 もし関税化というものの議論なくして農業の決着ができたかということを考えますと、この委員会での議論としてはあるのかもしれません、しかし、マルチの、そしてWTOあるいはウルグアイ・ラウンド、非常に多くの国々が世界の通商ルールをどうするかという議論の中では、その議論だけ孤高にひとりで叫んで、そして、我々の主張が多くの共感を得て結論を得るものとは私は思いません。
中林委員 国際社会の流れだ、流れだということで、WTO農業協定の中でミニマムアクセス米を受け入れ、米の自由化への道に踏み込んでしまったということがあります。さらに、そういう状況のもとでも、やはり国内農業、とりわけ米生産をどう守っていくかということは問われている。この関税化に踏み切ったということは、今日のように、引き下げの競争の中に日本政府もさらされて、一番低そうなところにしがみついていくということで、それは成功しない、さらに引き下げになるかもわからない、今、そういう状況ですよ。
 EUの数字の中で、私どもは米の試算もして、これなら輸入されるな。ほかの農産物だってずっと引き下げになっていくわけですから、これもやはり影響が出てくる。あるいは、途上国条項、これなど実施されたらひとたまりもない、こういうものも含んでいるわけですよ。
 だから、今から四年前、関税化に踏み切ったということが交渉を有利にできるなんという状況ではさらさらないじゃないですか。日本は、先進国の中で大量の輸入国なんですから、それが輸出国を基本にするEUなどと歩調を合わせると、どうしても国益を損ないかねないということになると思うんです。
 だから、私は、こういう反省からして、今回の交渉というのは極めて重要だ。絶対、日本の米生産農家あるいはすべての農業生産者にマイナスの状況はもたらさない、そういう約束をしていただきたいと思うんですが、これは官房長官、それから農水大臣、外務大臣、それぞれお答えいただきたいというふうに思います。
    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
大島国務大臣 農林水産政策は私が責任を負わされておりますので、お答えを申し上げます。
 私たちは、日本の農業とて、国際社会の中でどう生きるかということを模索せずに日本農政の発展はあり得ない、こう思っております。そして、そういう中にあっても、日本の農業は、やはりしっかりと日本人の文化、伝統、多面的機能、そういうものを維持していく、そういうふうな視点をしっかり踏まえながら努力していかなければなりません。したがって、農業の、あるいは農協の、あるいは農業者の意識改革も含めた、やはりしっかりとした構造改革も行っていかなければなりません。
 今般、この国会でも、農業の米改革法案を出します。かつて、日本は備蓄米処理にどのぐらいのお金をかけたのでございましょうか。そして、その結果として、国民全体から日本の米政策に対してどういう批判と、また問題提起を受けたのでありましょうか。消費者と生産者がお互いに喜びと選択できるような農政をつくることに、今私たちは一方で全力を尽くさなければならぬと思います。そういう視点に立って努力してまいりたい、こう思っております。
中林委員 国益を損なうような交渉はしない、こういうことを、外務大臣、いかがですか。
大島国務大臣 先ほど申し上げたような視点で、国益を損なわないような交渉を全力を尽くしてやります。
中林委員 私は要求したんですよ。外務大臣は、閣僚会議、非公式ではありますけれども、議長になられるんだろうというふうに思うんです。いわば東京で開かれるわけです。非常に重要な会議ですよ。それで、政府一体となって貫く姿勢を明らかにしてください。
川口国務大臣 今、ずっと大島大臣と委員の御議論を伺っておりまして、我が国の農業が結果としてかなりの影響を受ける可能性ということについての御懸念、これについてはよく理解をいたしております。
 これは少し長い交渉、二〇〇五年までかかる交渉ですけれども、現在、農業について、まさに三月の三十一日までにモダリティーを確立するということで、非常に大詰めの時期に入ってきているわけですけれども、私としては、我が国の農業についての提案、これができるだけ通るようなことで考えたいと思っていますが、同時にもう一つ申し上げたいのは、このWTOのニューラウンド、これの目指すところというのは、世界全体として貿易をどうやって拡大して、さまざまな国が、日本も含めて、そこから均てんをしていくかということでございます。
 我が国には、農業のほかに、例えばダンピングについてのルールを強化するといったこともございますし、それから、海外投資についてのルールを厳しくしていって、あるいはきちんとしていって、我が国の経済が全体として伸びるような、そういう利益も実現をしたいというふうに考えております。そういったさまざまな、全般的な利益を頭に入れて、全体としてバランスのとれた交渉をやっていきたい、そのように考えております。
中林委員 それは、WTO交渉ですから、さまざまなものを交渉しなければならないことは私も承知しているけれども、一番問題になるのが農業なんですね。だからこそ、私は外務大臣にもその旨をお聞きしたわけです。
 具体的に、政府間だけで、国際的なそういう交渉事の中で日本が孤立するというふうにおっしゃるわけですけれども、そこだけに私は目を向けない方がいいんじゃないかというふうに思うんですね。
 例えば、JAグループ、このJAグループは、この非公式閣僚会議と時を同じくして国際集会、これを東京で計画されております。ここにその集会に当たっての実は呼びかけのものがございます。
 ここには、公正公平な貿易ルールというスローガンを掲げて、一、十分な情報公開をと。今回、非公式ということで、本当に情報が公開されないということに大変いら立ちを持っておられます。それから二つ目に、消費者の安全をということ。三つ目に、環境保全、市民の共存、共生を。四番目に、世界の多様な農林漁業を。これは、国際競争力のある先進国、農産物輸出国のみが有利である現行のWTOルールを改め、輸出国、先進国と途上国双方にとって公正で公平な貿易ルールが確立されるという提案をしております。それから五番目に、食料の国内生産を。要するに、自給率をそれぞれ高めていこうじゃないかという点。それから、飢餓や貧困の撲滅を。こういう六つの提起をして集会の呼びかけを行っておられます。私は、当然こういう方向だというふうに思うんですね。
 さらに、二〇〇一年WTO農業交渉に関する協力のためのアジア農業者グループの共同宣言というのを発表になっております。ここに参加したのは、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、スリランカ、タイ、そして日本の農協なんですね。日本以外は全部途上国なんです。
 この共同宣言を見ますと、すべての国の多様な形態の農業が共存し、繁栄するよう、開発途上国、先進国の双方、また食料輸入国、輸出国の双方にとって真に公正で公平な農産物貿易ルールを求めていくこと、これに合意をしたというふうになっているわけですね。
 だから、私どもは、各国の勢力分野から見れば日本が孤立するかのように見えても、幅広く世界に目を向けていくならば、やはりそれぞれの国々には多様な農業があるんだ、その農業の持つ多面的機能の意味合いなど、これをしっかり把握できるように、日本共産党とすれば、WTO農業協定の改定、これを提案しております。
 だから、私は、せめてこういう立場で突き進んでいく。国際的な中で孤立をしてはならないからということで言うんじゃなくて、主張していく。
 例えば韓国などは、まだ関税化に米は踏み切っていないわけです。もちろん途上国扱いですから、まだ関税に踏み切る時期には来ていないけれども、これはまだ態度が余りはっきりしていないということですよ。
 だから、孤立してもやはり国益をしっかり守っていくんだ、こういうNGOの人たちの動き、あるいはFAOの五年見直し会議の状況、そういうものを見たら、やはり食糧主権を貫いていく、こういう気持ちで臨んでいただきたいというふうに思うわけですけれども、簡単な答弁をいただきたいと思います。
大島国務大臣 輸出国、輸入国のバランス、多様な各国の農業の存在、多面的機能の重要性、これらは私どもがずっと主張してきている今次のWTO交渉でございます。したがいまして、今さまざまに言われましたその数項目、かなり、私どもが既に主張している、そしてこれからも主張してまいる、それを基本にしてWTO交渉に、そしてまた明日から行われるミニ閣僚会議においても全力を尽くしてまいりたいと思います。
 孤立しても自分たちの主張をするべきだ、それが国益だとお考えになるなら、それはそれとしての考え方でございましょう。
 私どもは、まさにそういうふうな基本的考え方を実現するために、フレンズ国あるいは同調される開発途上国も含めて、広く、そして深く、より連携をとりながら全力を尽くしてまいる決意でございます。
中林委員 だから、EUの基本的考えも多様な農業ということを認めているというのを私も知っています。しかし、今回、関税率の引き下げの数字がもう出てきてしまった、それに日本政府は賛成する、それは国益を損なうことだということはもう明確なんですよ。だから、そこへ乗ったらとんでもないというふうに思います。
 もちろん、今大臣は、今国会で農業の構造改革の一つとして米政策改革大綱、これを出しているんだから……(大島国務大臣「まだ出していません、これから出すのです」と呼ぶ)いや、大綱は決まりました。それに見合う法律案が今後出てまいります。しかし、この米政策改革大綱というのは、私は、やはりどう考えてみても、今回のWTO農業交渉で米が輸入されるということが前提になっているんじゃないかと。つまり、今度の米政策改革大綱、それがWTOの農業分野の交渉事と表裏の関係にあるんじゃないかというふうに思うんですね。
 それは、結局、安い米が入ってきて、そして生産から流通、販売にわたって、この米政策改革大綱によれば、国は基本的に徐々に手を引いていって、そして市場原理に任せていく。だから、輸入された米と競争できる大規模農家だけを育成の対象にしていこう、そういうものだというふうに思うんですね。だから私は、これは本当の意味で日本の農業を守る米政策改革大綱にはならないんじゃないかというふうに思います。
 なぜこういうものが出てきたのかと、これまでも臨時国会で若干大臣とも議論させていただきました。やはり需要に見合った米生産でなければならないなどとおっしゃっているわけですが、例えばこのEU提案、最高でもEU提案、政府がやろうとしているもので。これで輸入が前提になれば、今回の米政策改革大綱の中で、六年後には、需要の問題も含めて、農業者や農業団体に任せていくということになるわけですね。
 ただ、米の輸入がふえていく状況の中で、この需給の動向など、そういう農業者や農業団体が把握できるわけがないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
大島国務大臣 明確に申し上げさせていただきますが、このWTO交渉で既にこういうことを前提にするから、米政策改革大綱をつくったのではございません。
 委員も御承知のように、米をつくることをやめることに画一的に補助金を出すという政策は本当にいいんでしょうか。そして、つくる人も買う人も、どこかに米の閉塞感がある、米政策に閉塞感があるというのは、国民の、消費者の大きな問題提起ではなかったのでしょうか。
 そういう意味で、私たちは、やはり日本の米を守るためにも、米を一生懸命つくって頑張っていきたいという人を中心にして日本の米政策を考える。そして、そういう人たちが消費者の顔を見て、消費者の動向を見て、そして戦略的に米生産に挑戦していくという姿が新しい姿だと私は思うし、与党三党もそういうことに同調したわけであります。
 今までのように、ただ単につくればいいという時代では私はないと思うのです。むしろ新しい、日本の米を守るために、米の生産者を守るために、農村を守るために、私どもは米政策改革大綱をつくった、こういうことで御理解をいただきたい、このように思います。
中林委員 関税率の引き下げによって日本のお米もほかの農産物も大打撃を受けていく、私は、そういうことに決してなってはならない、これまでの過ちを繰り返してはならないというふうに大臣に強く申し上げておきたい。そうしないと、農村、崩壊しますよ。安全な食べ物を今庶民が求めている、消費者が求めている、それにもこたえられない状況になってはならない。
 日本共産党は、多くの国民の皆さんと、本当に農業がしっかり位置づけられ、安全な食べ物が日本の大地で育つ農業政策の展開、それを進めていくことを申し上げまして、質問を終わります。
藤井委員長 これにて中林君の質疑は終了いたしました。
 次に、植田至紀君。
植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 きょうは、厚生労働大臣にお越しいただきまして、とりわけ現在の雇用失業問題を踏まえた政策の方向性、特に、雇用拡大に必要な政府の姿勢また政策の方向等々を中心にお伺いをさせていただきたいわけですが、まずその前に一点お伺いしたいのは、実は、これは厚生労働大臣も御記憶だろうとは思いますが、昨年の十一月の本会議で、私どもは協同労働の協同組合法と呼んでおるわけですけれども、ワーカーズコレクティブとか労働者協同組合、そういう、働く皆さんがみずからの手で新たな雇用を創出しようという試みがこの間続いてきている、また進んできているわけですけれども、これら、こうした取り組みにかかわっての法的整備にかかわってお伺いしたところ、厚生労働大臣が当時はこういうふうにおっしゃっていただいたんです。
 「いわゆるワーカーズコレクティブなどを含めまして、多様な働き方を前提とした就業環境の整備は重要である」と。ここは認識はまず共有できたところですね。そして、人々の意欲的な取り組みと能力が生かされる社会の実現に向けまして取り組んでいきたい、法的整備については、企業組合やNPO法人など現行の各種法人制度との関係をどのように整理するかなど、検討すべき課題もございますので、最終的な取りまとめを行っているところですというのが昨年の十一月段階での大臣のお話でございました。
 あれから大体四月ぐらいたっておるわけですけれども、その辺の検討の状況をお伺いさせていただきたいんですが、とりわけ、関係者等からの意見聴取、どうなされたのか、具体的にそうしたヒアリングを行われているのか、また、どのような場所で検討がされて、めどとしていつごろ最終結論に達する予定か、その辺のところの今の作業状況についてお話しいただければと思います。
坂口国務大臣 ワーカーズコレクティブにつきまして、本会議でございましたか、御質問をいただきまして、そのときに答弁をしたことを記憶いたしております。それ以後、この問題につきまして、かなり熱心にいろいろと議論を実はさせていただいております。
 最初は、もう少し簡単にこの問題、決着つくのではないかというふうに思っておりましたけれども、いろいろの角度から検討いたしますと、そう簡単でもない、さまざまな問題があって、整理をしなきゃならないところが幾つかあることも明らかになってまいりました。
 その中心的なことだけを申し上げますと、一つは、前回の答弁でも申し上げ、今引用をしていただきましたが、いわゆる法人制度全体の再編成を視野に入れました企業組合でありますとかNPO法人など、いわゆる類似の各種法人制度との整合性をどのようにつけるかという問題でございます。その中で特に問題になりますのが、いわゆる使用従属関係、だれかが中心になってそこに雇われるという形ではないわけでございますから、そういう形でありますと解決しやすいんですが、そうではないワーカーズコレクティブの働き方というものと、それから、労働者の保護を前提とした労働者保護規制、労働者保護法規の適用のあり方、ここが一番難しい。
 どこかが、だれかが中心になって企業をおやりになって、そこへ三人なり四人なりほかの人が雇われているという形でありますと、そういう形に対してどういうふうな労働法規を適用するかということで今までの法規ができているものですから、そういう形でない場合に現在の労働法規をどう適用させるのかというところが一番問題点として浮き彫りになってきている。ここをどうするか。話はそこに詰まってきておりますので、ここについての議論をもう少しして、ここを整理させていただきたい、こういうふうに思っている次第でございます。
植田委員 今の話でいくと、前進しているのか後退しているのか、その辺はいま一つ判然としませんが、八合目まで来て急ながけっ縁に今当たっているところだということで、この点については非常に意欲的に、私が質問する前にも、これは厚生労働大臣、かなり積極的な姿勢を常に持っておられることは、私、基本的に評価しています。
 ただ、いわば政府の場合、雇用の流動化ばかり促進して、働かせ方はどんどんと変えていくんだけれども、既にこれはワーカーズコレクティブであるとか労働者協同組合の活動実績があって、まさに働く者自身がみずから仕事起こしをしてやっていく、いわば働き方の新たな芽がここにあるわけですから、現下の雇用情勢の中で、やはりこうしたものをどう生かしていくのかという視点で、できるだけ早い段階でやってほしいんですが、めどはどんなぐらいありますでしょうか。
坂口国務大臣 御指摘になっておることはよくわかるんです。働き方が非常に多様化してまいりまして、今までのような働き方でない働き方、そういう枠組みができ上がってきていることも事実でありますから、そうしたことも入れて、そして、いろいろの法律が適用できるようにしていかなければならないというふうに思っております。
 ですから、この問題、そこでちゅうちょしているわけではなくて、御指摘いただいたことを踏まえて、そういう問題点はありますけれども、それをどう乗り越えるかということで議論をこれからさらに詰めさせていただきたいというふうに思っておりますから、一カ月先か二カ月先かと言われるとなかなか苦しいんですけれども、少しお時間をいただいて、できるだけ早くこの問題の決着に向けて努力をしたい、そういうことでお許しいただきたいと思います。
植田委員 いつごろやということについては、できるだけ早くという以上のことはもう言えへんということですから、そこで何で言えぬのやというふうに気色ばむつもりはありません。きょうの質問の中でここは実は、こういう質問ばかりさせていただくなら非常ににこにこしながらできるわけですが、以下は、必ずしもにこにこしながらできる話ではございません。冒頭だけちょっと、まあ前向きな部分はこれでおしまいということで、進みます。
 では、きょう予定しています本題に入りますけれども、当面の政策展開において、雇用政策が最優先課題であるということは別に今さら言をまたないわけですけれども、実際に、これまでの雇用政策の問題点が那辺にあって、そして小泉内閣がそれをどう乗り越えようとしているか、乗り越えたか、ここがいま一つやはり判然としないなというふうに思いますので、幾つか検証していきたいわけです。
 まず、現在の雇用失業問題のいわば新たな特徴ということで私なりに考えているのは、まず失業者が高どまりしている、いわゆる失業者が急増しているということ、そして不安定雇用、パート、アルバイトが増加しておるということ、そして若年者の雇用の急速な悪化、この辺のところは、やはり今、新たな展開として出てきている現在の雇用失業問題の特徴点だろうと思います。
 そうした場合、小泉内閣における雇用政策がかかる現状にたえ得るものかどうかが問われるわけです。少なくとも、よく厚労省の施策を見ても、不良債権処理の加速をやると言うてはるわけで、それに伴うセーフティーネットとしての雇用対策も幾つかメニューはありますけれども、そうした意味づけを超えたところで本来的に、いわば最重点課題としての雇用政策がとらえられなければならない、私、当然そういうふうに考えていますけれども、質問の入り口として、そこは大臣、御同意されますね。
坂口国務大臣 失業率が例えば二、三%程度のときと、そして現在のように五%台になりましたときと比較をいたしました場合に、それはもう、もちろんパーセントが違うわけでありますから量的な違いになっているわけですが、私は、質的にも違ってきているというふうに思っております。二、三%ぐらいの程度のときでありますと、まだかなり求人があるわけでありますから、それほどミスマッチというものが存在しなくて、そして探せば雇用が見つかるという状況でありました。しかし、五%台になってまいりますと、これはミスマッチが非常に大きくなってまいりまして、そして探せどもなかなかない。したがって、今までの職とは違う新しい職、技能を身につけないことにはできないという、その新しい技能を身につけなきゃならないというところが、この五%台には、新しいところとして出てきているというふうに思います。
 もう一つは、地域格差というものがかなり大きくなってきている。地域による雇用率の差もございますし、失業率の差もございますし、そして、その内容につきましてもさまざまその地域による特色がございまして、一律で、国が一本で、一本やりの政策でやろうと思いましても、そこはなかなかできにくいという状況になってきている。いわゆる地域に見合った雇用政策というものをやらないといけないということになってきている。
 私は、総論的に申し上げますと、この二つの大きな変化が出てきている、これに対応をしなければならないというふうに思っておりまして、それに対応した政策づくりというものも現在心がけてきているところでございます。
植田委員 問題意識はそれでいいと思うんですが、では、それを反映した雇用政策が出てきているかどうかということが次に問われるわけですね。まあ、そこは問題意識として共有できると思います。
 ただ、量的な面で、では完全失業率が二%台と、今、ここ昨今の四%後半からもう既に五%半ばで高どまりしている状況、やはり当然、量的にも質的にも雇用政策の中身が転換されなければならないというところはお互い共有できるはずなんです。
 しかし、実際、幾つかちょっとデータを見てみますと、例えば、データの前に、実際、今までの二%台の完全失業率のときであれば、いわば公共事業費に依存しながら景気対策の延長線上で雇用をこしらえていく、そういう形での完全雇用政策というものは、七〇年代、また高度成長期、主流だっただろうと思いますが、少なくとも、今、そこからの転換、すなわち公共事業費に依存するよりはいわゆる雇用政策費にウエートを置いた雇用対策でなければ、例えば先ほどミスマッチと、後でミスマッチの話もするつもりですが、そうした現下の問題には対処できないだろうという問題意識もお持ちですよね。まあ、うなずかれはりました。
 すると、では、それだけの見合った転換が行われているのかどうなのかということが次に問われるわけですが、例えば、先進国における全体のGDPに占める公共事業費の割合の推移というものをちょっとOECD等のデータで見てみますと、一九七〇年以降今に至るまで三十年間ぐらいの間、大体GDPに占める公共事業費の割合は六%台、低くて五%台というのがデータとして出てきます。これは国、地方を合わせての公共事業費の額ですけれども。実際、七〇年代というのは、ドイツ、フランス、イギリスというのは、日本の公共事業費の割合よりはやや低いかなというぐらいだったんですが、急速に日本との差が広がってきているわけです。そういう意味では、少なくとも、公共事業費自体がかなり大きく変動したというのは必ずしも言えない。
 では、そこで、今度は、公共事業に依存した完全雇用対策からむしろ雇用政策費にウエートを置いた雇用対策に転換していかなければならないということを御同意されるんであれば、実際、同じ時期、この間ですね、雇用政策費を対GDP比で比較した場合、どのようなことが見てとれるんでしょうか。これはデータを厚労省さんお持ちでしょうから、副大臣、手を挙げてはりますので、どうぞ。
鴨下副大臣 副大臣を使っていただきましてありがとうございます。
 失業率が二%の前半でありました平成四年度においては、厚生労働省の雇用政策費、これは厚生労働省に限ったことでございますけれども、職業安定及び能力開発等に係る予算の対GDP比は〇・六%弱でありましたが、昨今になりまして、失業率が五%を超えた現在におきましては、当初予算ベースではおおむね〇・八%ということでありまして、ある意味で、雇用情勢の厳しさに応じて上昇してきている、こういうようなことでございます。
 また、雇用対策の内容についても、先ほど大臣からも申し上げましたけれども、その時々の雇用失業情勢に応じて充実させてきているところでありまして、また、加えまして、その時々の状況に対応して補正においても雇用対策を講じてきているところでありまして、特に平成十四年度の補正予算においては、雇用に関連する経費としまして対GDP比率で〇・一%を上回る補正予算を組んでいる、こういうような現状でございます。
植田委員 実際、九〇年代初頭で対GDP比が大体〇・三五%、九〇年代後半で大体〇・六パー、そして、今でいくと、それでも一・〇まではいかないわけですよね。実際この間、失業率自体は倍以上に伸びておるわけです。実際、これを諸外国と比較したときにどうなのか。これはもう僕の方から言いますけれども、〇・六%が〇・八%になった、そのことで、いや、公共事業に依存してきた完全雇用対策から雇用政策費に転換をしたんだとは言えないわけですよ。
 というのは、例えば、アメリカの場合は雇用政策費の水準は低いわけですが、イギリスでも一%を優に超えている、ドイツでも三%を優に、フランスでも三%を超えている。そしてこれら、例えばドイツ、フランスなんかは典型的ですけれども、イギリスもそうですけれども、一方で公共事業費は下がってきているわけですよね。そして雇用政策費の方へのウエートがかかってきているということは、明らかにデータに見てとれるわけですよ。でも、現実に、今説明されましたけれども、それはお金がないところでやっていますねんと言えばそれまでかもしれませんが、さほど従来と変わっていないんと違うかということです。
 例えば失業等給付、受動的な雇用対策に限って見ても、平成四年度で完全失業率が二・二%、GDP比に占める失業等給付の割合が〇・三パー。これが、実際に完全失業率が五%を超えた五・二%のときの平成十三年度でも、割合は〇・四六%。失業率の急増に対して、雇用政策費が、積極的雇用政策、受動的な政策含めて、実際間に合っているのかということは指摘せざるを得ないわけです。
 そこで、厚生労働大臣にお伺いしますけれども、実際にこれだと、このデータだけでいけば、雇用失業問題の新たな展開に対応した、問題意識はおありなんだろうと思いますが、それに対応した雇用政策が十分提案し切れていないというふうに認識せざるを得ないわけです。だから、そこは幾つか問題があると思うんですよね。
 私は、厚労省さんの個々の政策メニューを見れば、それぞれの個々のメニューは評価できるものもあるんです。私、そんな現場知らへんで机上で組み立てた政策やないかなんて、そんなやぼなことでほえるつもりはありません。机上であってもいいものはいいんです。しかし、決定的な問題は、小泉内閣、総理自身がそうした雇用政策の緊急性、重要性についての認識が余りに不足しているんではないか。それが全体の予算の中にも、今副大臣おっしゃったけれども、精いっぱい、筒いっぱい言うてはりますけれども、実際、国際水準的に見ても、雇用政策の比重というのが劣っておることにあらわれているだろうと思うんです。
 恐らく内心、坂口大臣もその辺は切歯扼腕されているんじゃないかなと推察しつつ、まずその点、御見解どうでしょうか。
坂口国務大臣 前回のことを思いますと、かなり最近は雇用対策に力を入れてきているということ、これは紛れもない事実でありまして、平成十四年度の補正予算におきましても、五千億円からの予算を組んだわけでございますし、また、雇用保険に対するバックアップをいたしますところの基金も二千五百億円つくったわけでありますし、さまざまな面でやってきているわけであります。
 それで、私もこの省を預からせていただきまして、いろいろと雇用政策をやってまいりまして、先ほど御指摘をいただきましたように、さまざまな政策も実はしているわけでございますが、なかなか思うように進んでいかない。それは、一つは、この雇用政策の中でやっておりますことを見ますと、先ほど申しましたように、地域によるそれぞれの格差があります。そこを乗り越えてひとつやっていかなきゃならない。そして、ミスマッチができてまいりまして、例えばITならITのところは非常にたくさん要りますよ、こういうふうに要りましても、このミスマッチといいましても、それが全部が全部それに対応できるわけでは率直に言ってないんですね。
 転職動線という言葉があるんだそうでありまして、ある一つの職業をしている人が次のステップに変わるときに、何に変わるかというのは大体決まってきている。物すごく、今までとは考えられなかったようなことをやるという人はやはり少なくて、そこは、例えば建設、土木に従事しておった人たちが、その次に、なかったときにやる仕事で一番多いのは何かといえば、それは自動車の運転ということが非常に主になってきているというふうにして、大体動線が決まってくるというんですね。そこを無視してこのミスマッチ政策というのをやってはいけないというようなことがございまして、それで、何がそこで必要かということになってくるわけですが、そういたしますと、その皆さん方がやりたいというふうに思われることと、現場に実際その職があるということとの、そこの連携を、いかに細かく相談に乗るかという人が必要になってきたということだろうというふうに思っています。
 今までのハローワークだけでありますと、だんだんと失業者が多くなってまいりますと、失業者がふえればふえるほど一人一人の相談する時間が短くなるといったことがございまして、キャリアカウンセラー等、とにかく五万人養成をしようというので、平成十四年度にまず一万人養成をした。ことしも一万人またふやそうといったようなことで、その皆さん方によってきめ細かく御相談に乗ってどう対応するかということをやっていかないことには、なかなか決着がつかないというふうに思っている次第でございます。
植田委員 もうちょっと、時間がないんで短目にお願いしたいんですが、ありていに言えば、それは雇用のミスマッチの解消やとおっしゃっているんですけれども、それは一般論として言えば、職業紹介を充実したらミスマッチを解消する、失業期間を短縮するだろうと言えますけれども、要するに、雇用機会が拡大されぬことには、能力開発、職業訓練、紹介の効果というのは発揮できへんわけですよね。
 そこで、やはり雇用機会の拡大ということで厚労省さんはどんな問題意識を持っているかということで、「平成十五年度雇用施策のポイント」を取り寄せてみたところ、「良好な雇用機会の創出・確保等」という欄がありました。恐らくここに厚労省さんなりの問題意識があるんでしょうけれども、千八百三十九億円積んでいますが、実際事業内容をいろいろ見ていますと、森林整備体験見学会への参加促進とか、求人情報をしごと情報ネットに掲載しますとか、そんなのばかり。あと、言ってみれば事業主に対する助成金。
 要するに、雇用機会の拡大という問題意識で並んでいるそこの事業内容が、就職支援活動や情報の提供、紹介の推進、そして事業主への助成金。要するに、雇用機会が拡大されぬことには能力開発、紹介の効果は発揮できへんことを認めておきながら、実際、雇用機会の創出策とは何ぞやと言ったときに、能力開発、職業訓練、職業紹介ですと言うのは、これは自家撞着じゃないですかということなんですよ。いかがですか、端的に。
坂口国務大臣 そこは、厚生労働省の中でできますことと、そして経済産業省でやっていただかなきゃならないことと、いろいろあると私は思うんですね。すべてが厚生労働省の中で私はできないというふうに思っています。ですから、経済産業省とも連携もいたしまして、そしてそれぞれの地域においてどうするかということを連携してやっているということがございましたし、きょう午前中にも平沼大臣からもお話のあったとおりでございます。
 我々は我々の範囲として、例えば不良債権処理に伴います離職を余儀なくされた労働者に対しまして、直接またはトライアル雇用を通じた就職や企業における支援策、こうしたものも今度新しくまた導入をしていく。また、地域に貢献できる事業を行う法人を設立した場合、法人をつくってもらった、それが三十歳以上六十五歳未満の雇用の場を創出した場合に対する支援策といったようなものをつくって、新しくそういうふうにつくっていただければそこに支援をしますよ、あるいは、今までありました企業がひとつおやめになった人たちを雇っていただくときには、そこには新しくまた支援もしますよと、こういうことを幾つかこれはつくってやっているわけです。
 また、若者につきましては、トライアル雇用でありますとか、あるいはまたインターンシップというようなことも導入をして、できるだけその皆さん方に対応をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
植田委員 それはできることとできないことがあるんだけれども、できること、雇用機会の創出ということで、現に、これは幾度も話題に上っている緊急地域雇用創出特別交付金の事業があるわけですよね。できぬことまでやれとは言っていません。
 要するに、この交付金事業の問題意識には、その背景となる実態はどないな辺にあるのかということをちょっと伺いたいわけですけれども、私は、少なくとも社会的な要請があって、民間の企業で十分提供できるような、例えばサービス部門、そうしたものが現に存在して、需要があって、そしてそれに合わせて適切な職業訓練を施せば、ミスマッチは起こらないはずなんですよね、理屈の上では。
 しかし、現実に起こっておるということは、実際、例えば、今でも厚労省さんのさまざまなこの雇用拡大に向けた事業を見ても、給与補助を中心とした対策を組み立てられています。別にそれ自体が問題だとは言いませんが、それを受けとめる企業の側、景気低迷が続く中でそれを利用する企業の側に限界があるということは認められると思うんですよ。
 民間レベルで新たな雇用の機会をつくる、つくらせるためにいろいろなメニューを用意しても、民間の側に限界があるということを認識されるがゆえに、例えばこの交付金の事業の果たす役割があると私は理解しているんですよね。そういうことですね、でしょう。
坂口国務大臣 お話しのとおり、民間に急激に雇用対策をお願いいたしましてもできないことが多いものですから、この交付金制度というのは、その、まあ言えば一つのつなぎの役割を果たしているというふうに思います。そして、そのつなぎの役割を果たしております間に、本格的なひとつ雇用を見つけていただく、あるいはまたそのつなぎの分野をひとつ継続的なものにつくりかえていただくという、地方の問題も大事だというふうに思っておりますので、それは御指摘のとおりだというふうに思っております。
 したがって、地域におきましては、なかなか使い勝手が悪いというふうに御指摘をいただくところもございますので、今後は、そこにつきましても、できる限り地域の皆さん方の御指摘におこたえをできるようにする。例えば半年でということになっておりますが、半年ではなくて一年に延長できるものもその中でふやそうとか、そうしたことも考慮に入れながら、それらの問題に取り組んでいく。
 ただし、これは今も御指摘のとおり、それはつなぎの役割でありますから、その間に本格的な雇用をどう見つけ出すかという努力があわせて行われなければならないだろうというふうに思っている次第でございます。
植田委員 失対事業というふうに私は別に交付金の事業をとらえているわけではありませんから、それはつなぎとおっしゃる意味はわかりますけれども、現実に財政規模がまだまだ少ないわけです。
 そして、やはり現状において安定雇用に結びつく事業たり得ているか。つなぎとおっしゃるけれども、それを契機にして、そういう人たちが安定雇用に結びつくような、言ってみればつなぎとしておるというよりは、実際働いている人にしてみれば臨時雇いでしょうと、現状ではですよ。そういう実態があるんだろう。
 結局、そこで培った、そこで仕事をした経験というものが次に生かす先がない中で、つなぎだけで半年、一年ということであれば、これは実際に雇用機会がないという現実の中で、民間が新たな雇用機会をつくるのが困難だ、そういう現状にあることを認めながら、その現状に見合った制度設計になっているのかということは、これは大いに疑問なんですよ。
 現実に、またこの事業が実際に、例えば職業紹介、職業訓練、そうしたものとうまく連関しているかというと、決してそうじゃないですよね。短期間の雇い入れですから、実際、例えば一定の資格なり技能なり必要とされるような職種の、活用した事業があった場合、既にそうした技能なり資格を持っている人が恐らくとりあえずつなぎで行かれるでしょう。それだったら、これは職業訓練を、わずか半年や一年の仕事をするために、新たな資格を取得したり技能を身につけたりする意味がほとんどないわけなんですよね。そこは問題やと思いませんか。結局、今の交付金事業に雇用創出というのは、既にその業務に対する熟練度が高いか、必要な資格を持っている人に限られてしまうんですよね。
 例えばこういうところで、先ほど私は評価すると言いました、職業訓練もよくやっている、職業紹介もよくやっている。しかし、それらの政策が全然連関し合っていないことは、この交付金事業、唯一と言ってもいい直接雇用をつくる交付金事業においてそういうことであったら、これはやはり、他省庁、経済産業省でもやっております、厚労省でやるべきポジションはここですと言っていても、現実にこうした交付金事業にだってそうした限界がある。それを突破するというお考えはないんですか。
坂口国務大臣 額そのものにつきましても、平成十五年度、十六年度に一千億ずつ既にもう市町村に配分をしてあるわけでございますが、これは十五年度にお使いをいただいても結構でございます、十六年度のを十五年度にお使いいただいても、前倒しをしていただいても結構でございます。また、今回の予算におきまして八百億円プラスいたしますから、それらの問題もあるわけでございますから、それらをお使いいただいて、そしてとにかくその地域地域でいろいろ工夫をしていただいて、いろいろの働き口をつくっていただいております。
 それはそれで私は認めたいというふうに思っておりますが、今認められておりますそれをそのまま、では、うちの市はそれを延長線上でやろうというふうに言っていただいているところもある。それはそれで私は大変ありがたいことだというふうに思いますが、全部が全部そうも言っていない。
 そうしますと、その人は半年なり一年で仕事が終わりになるわけでありますから、その次にどうするかという問題が出てくるわけでございますので、そこは、働いていただきながらそれぞれの地域においてどうするかということを、それを我々の出先、あるいは経済産業省の出先、それから県の方、あるいはまた連合や経済団体も一緒になっていただいて、それぞれの地域で何をつくり上げていくかということを一緒にやっていただこうというので、その予算も実はつけているところでございます。
植田委員 金額の話は別に私、言っていません。それは幾らか積み増しして、その分、金を余分に使った分、それなりの数は、それは確保できるでしょうし、使い勝手もようなるかもしれません。
 ただ、私がさっきから言っているのは、まず、社会的な要請があるけれども、民間の企業で十分提供できるような、そうした、とりわけサービス部門の中で人的体制が不備やということは御承知されていると思いますけれども、実際、民間レベルで新たな雇用機会をつくるのが困難な分野。今の坂口さんのおっしゃっているこの交付金事業というのは、やはりそうした背景にあることを認めながら、実は全然そうじゃないんですよ、言っていることが、大臣。
 なぜかというと、つなぎだとおっしゃる。別に、そのつなぎで、それが一年なのか二年なのか三年なのか、それはまた別の話です。私もそういう意味で、少なくとも、一定、もうちょい長い方がいいなとは思っていますが、要するに、民間レベルで雇用拡大をする条件が非常に厳しい状況の中で、しかし社会的要請はある、しかも国民のニーズが高い、そして人的体制は不備だ、しかも民間が今そこをやろうとすれば、実際、一定の中長期的な期間がかかる、採算ベースに乗せるには時間がかかる、そうした分野があるでしょう。そうした分野でこうした交付金事業を活用できるようにする必要があるんじゃないのか。そして、それに見合った職業訓練や職業紹介を施していく。要するに、訓練、紹介、そして雇用というものがきちっと結び合うような、そういう意味づけでこの交付金事業を位置づけなきゃだめなんと違うんですかと言っているんですよ。それでいいんでしょう。あかんのか、ええのか、それだけで結構です。
坂口国務大臣 現在、民間でないから、今この交付金制度を設けてやっているわけです。それで、しかし、それだけではいけないから、これが民間につながっていくようにもしたいというふうに思っておりますし、今やっているわけであります。ことしの中には、この使い方につきましても、中小企業に対してでも使えるようにしよう、こういうことにしている。それは今おっしゃったように、新しいものを、働く場をつくり出していこうということにもこれは連結をさせようという考え方でやっているわけであります。
 ですから、一方において新しい企業をつくり出していかなきゃならないことも御指摘のとおり。私は、それに反対しておるわけでも何でもない、そのとおりというふうに思っておりますが、しかし、その間にこういう交付金制度というものを使いながら、そこにどう結びつけていくかということが大事だということを先ほどから言っているわけであります。
植田委員 いや、別に否定するものではありませんとおっしゃっていただくだけで、そこはよかったところです。
 それで、もう一度話が戻りますが、かかる交付金事業、こういうことを実際にされているということは、いずれにしても現下の雇用問題、失業問題の解決には、つなぎとおっしゃったけれども、つなぎであろうが何であろうが、厚生労働省、すなわち政府の責任においていって公的雇用が必要だという認識があるんですね。あるからやったんですよね。そのことは否定されないわけでしょう。
 とするならば、今申し上げたように、社会的要請が高い、そして人的体制が不十分な分野、そして民間がそこに参入してやっていこうとするならば一定の期間がかかるだろうということは容易に想像できる、そうしたサービスの分野はあると思います。そこは公が責任を持ってやることに何の問題もありませんね。
坂口国務大臣 そこは、公的な機関がやるといいますよりも、そこがどこかということは、民間の活力によって私は出てくるんだというふうに思うんですね。それを、どこをどう我々はそこに結びつけていくかということであって、私は、公の機関がそこを見つけるというのではなくて、それは民間の活力が出てくることを期待して、どう結びつけていくかということだと思っております。(発言する者あり)
植田委員 いや、そのとおりと違うんですよ。要するに、民間の活力がそれこそこれから芽が出て花が咲く、それにはかなりまだまだいろいろな道のりが要りますな、そういう分野で公がきちっと、今まさに花開かすために責任持たなあきませんやろということを言っているわけなんですよ。
 それだったら、今の話やったら、最初から最後まで民間に丸投げしまっせという話で、そういうことをおっしゃったら、この交付金事業の意味づけそのものが一体、ではどこにあったんですかという話に戻ってしまいますよ。
 今のおっしゃることは、それは原則として結構なんですよ。ただ、そういう条件にない分野で政府がどういうふうに責任を持つかと。持つのか持たないのか、最後に。持つんですね。
坂口国務大臣 我々も責任を持たなきゃいけないというふうに思っておりますが、しかし、民間がひとつ頑張っていただく分野と我々が頑張らなければならない分野とがあるということを先ほどから申し上げたわけでありまして、決して責任がないということを申し上げているわけではありません。
植田委員 時間が来ましたので終わりますが、それだったらまだ、責任あると、役割分担というよりもそこはもうちょっと、ニーズに合わせた対策というものを考えていただきたいと思っています。これはまた次、どこかでやらせてもらいますので、よろしく。
 時間が来ましたので、終わります。
藤井委員長 これにて植田君の質疑は終了いたしました。
 次に、金子哲夫君。
金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。
 私は、在外被爆者の問題について、坂口厚生労働大臣にお尋ねをしたいと思います。
 この問題についてはもう何度か大臣とはやりとりをしておりますので、そういうことを踏まえながら御質問をさせていただきたいと思いますけれども、昨年の十二月十八日に在外被爆者訴訟の大阪高裁判決に対して政府は上告を断念するということで、事実上、在外被爆者の援護法の適用に道を開いたということになったわけでありますけれども、その後、その経過を見ておりますと、残念ですけれども必ずしも十分な対応ということになっておりませんので、その点について質問をしたいと思います。
 最初に、この大阪高裁の判決に続いて先日、二月の七日の日に、福岡高裁でこれまた在外被爆者の訴訟にかかわって国側が敗訴をするという判決が出たわけでありますけれども、私は、これも大阪高裁に倣って上告を断念して受け入れるべきだというふうに考えておりますが、今の見解をお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 在外被爆者の問題は、もう長い間金子議員との間でいろいろやりとりをいたしまして、大阪高裁におきます結果が出まして、それを上訴しないということで一応決着をこれでできたかなというふうに思っていたわけでございます。
 繰り返すまでもありませんけれども、大阪におきます問題も、それから今回の福岡高裁におきます問題も、共通点があったわけであります。そして、出国しても原爆法上の被爆者たる地位及び健康管理手当の受給権を喪失しない、こういうことでは一致しているわけでございます。
 ところが、ちょっと難しいことになりましたのは、福岡の高裁におきましては、事務の委託者である国が手当の支給義務を負う、こういうことになった。ここが、前回の大阪におきましては、それぞれの地方自治体が負うということになっているわけであります。
 大阪のこの判決が出ました後、既に政令も定めまして、そして今省令の整理をしているところであり、間もなくでき上がるところでございますが、これはあくまでも、いわゆる支給義務というものは地方自治体にある、都道府県または、これは広島、長崎等でありますけれども、そういうことになっているわけであります。だから、そこでおやりいただくように、今政令も省令もちゃんと整理をしておるわけです。
 ところが、整理をしておりましたら、今度は福岡高裁におきましては、国が手当を支給するということになってきた。国がこれを受けますと、前は地方自治体が受けるということを受けておいて、今度また国がするということをまた受けるというのは、これは相反することになってくるわけです。
 ただ、福岡高裁の場合に、この李さんに対する支払いは、これは長崎市を通じていたしますと言っているわけです。ただし、国が支払うことにするのかあるいは地方自治体がするのかということについては、これは整理をしなきゃならないということになってきているということなんです。
 問題点だけ御指摘申し上げます。
金子(哲)委員 ぜひその問題点は整理をしていただかなければなりませんが、私は、きょうはこの問題でこんなに五分以上も答弁いただくと思いませんでした。時間がありませんので、この問題は、とにかく上告を断念していただきたいということをまず申し上げて、前に進んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 在外被爆者の支援に対して、これから行われることで幾つか要望があるわけですけれども、一つに絞ってお話をさせていただきたいと思いますけれども、いわば各種手当の支給の問題です。
 日本で請求をして、帰国後も引き続き支給をする、今度それは実行されるわけでありますけれども、例えば健康管理手当などの場合には、三年もしくは五年によってその病気が治癒していない場合は再申請を行うということになっておりますけれども、その再申請に当たって、どうも国は、また再び日本に来て再申請をしなければこの健康管理手当の支給はできない、こういうことを主張されているというふうに聞いております。
 私は、今、被爆者たる地位は外国にいても認めるということであれば、外国からのそういう申請が可能なようにするというのは当然のことだと思うんですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 ここは、現行の被爆者援護法は、大阪高裁判決及び福岡の高裁判決、いずれの場合におきましても、日本において手帳の取得及び手当の支給認定を受けた後に出国した場合を除き、在外被爆者一般に適用があるわけではなく、この点については、大阪高裁判決及び福岡高裁判決においても認められていますことから、被爆者健康手帳交付申請時においては、日本国内に居住または在住していることが必要である、こういうことになっているわけです。
 ですから、ここは一度日本にお越しをいただいて、そしてその認定をお受けいただいて健康手帳をお受けいただいた方には、その人が再び出ましてもちゃんとしなきゃいけないよという判決をいただいているわけでありますし、それは私たちはそういうふうにしてほしいというふうに思っているわけであります。
 ただ、そうは言いますものの、在外被爆者に対しましては、本年度から、手帳取得でありますとか治療に対する渡日、日本にお越しをいただくための支援、それから、海外において被爆事実の認定を行う被爆確認証の交付等を内容とする支援事業を行う、こういうことでございまして、外国におみえになる皆さん方に対しましては、被爆確認証というものはお渡しできるようにしよう、ただし、その人が一遍それを持って日本にお越しをいただければすぐそれは手帳にかえられるようにしましょう、こういうことでございます。
金子(哲)委員 私は手帳のことを今言っているわけではなくて、手当の問題を言っているわけです。一度支給をして、そして継続してもう一度再申請をしたいという場合にも、あえて高齢の人が日本に来てその手続だけをしなければならないという理不尽な対応というのが本当にいいのかということです。
 例えば、日本にいる被爆者で被爆者健康手帳を再申請する場合に、入院中で本人が届け出できないような場合には代理の申請という受け付け方法もあります。では外国にいる人は、もし入院しっ放しの場合には、日本に来られなきゃ、健康管理手当が本当に必要な人が受給できない、こんな非人道的なことがあるんでしょうか。人道的立場に立って上告を断念したのであれば、少なくとも、そんなに数は多くない、しかも高齢化をしている被爆者に対して、とりあえず手帳の申請はおいても、一度被爆者と認定をされた健康管理手当の再支給の申請にすら日本に来なければならない、こんな理不尽な政策があっていいでしょうか。
 さらに言いますよ。私は時間がないので、この点、ぜひ委員の皆さんにも知ってほしいんですけれども、今まで厚生労働省が、在外被爆者に対しては援護法を適用しないという指導をしたために、例えば手当を支給するときには、手当の申請をして翌月からでないと手当の支払いができない。だから、その月に帰国をする人は、今までの厚生労働省の指導のために、そういう手当の申請をやっておりません。それは厚生労働省の指導が間違っていたわけでしょう。そのことが今度の裁判で、判決で敗れたわけです。
 例えば、中国にいる人、中国に二人、保健手当というのを、これは内容を説明しませんけれども、四名の被爆者がいらっしゃいますけれども、たまたま二人の人は月を越えるということで申請をされたから、今受給権がありますから、きっとこの遡及手続で五年間の支払いがされるでしょう。だけれども、残りの二人は、その月に帰るために、当時の厚生労働省の指導のために申請をしなかった。この人は、今受給権があるにもかかわらず、申請がないということで、今度はこの保健手当を受け取ることができません。この人に、中国から来て、その手当、一万六千何がしかの手当の受給のために改めて日本に来なさい、こういうことでしょうか。それは、日本が郵送なりなんなりの手段で、当然、手当の申請などを受け付けられるシステムというものをつくるのは当たり前じゃないでしょうか。そのことができなくて、なぜ人道的と言えるんですか。
 私はこれまでいろいろ言いました。手帳の問題はいろいろあるでしょう。援護法の手帳の交付の問題、最初に被爆者を認定するときに、日本に、国内にいなければならないという問題をクリアするのはまだ多くの課題があると思います。
 しかし、一たび被爆者として認定されたならば、被爆者はどこにいても被爆者ということは、裁判所も言い、坂口厚生労働大臣も今まで何度も言われてきた。そうであるならば、再度の申請ぐらい、そのために日本に来る――今大臣がおっしゃったのは手帳の取得のためでしょう。そうではない。健康管理手当は、五年もしくは三年で新たな病状の診断書をもって提出をしなければならない。病気になっている寝たきりの人に、日本に来なきゃ手当の申請は受け付けない、これは余りにも理不尽じゃないですか。
 そんなことぐらい、政府が今まで誤ってきた政策を改善する方向であれば当然のこととして、しかも、これからの人数が何十万人もなるわけでも何でもありません。今、現状言われているのは、五千名とも言われているし、しかも、手帳を持っていて申請をこれからする人、例えばブラジルにいる日本の国籍を持っている人たちが健康管理手当の請求のためだけに二十四時間かけて、七十歳、八十歳の人に日本に来いというのが、これが日本の政府の姿ですか。こんなことは、私は今大臣の説明を聞いていて、少なくともこの手当の申請ぐらい外国からでもできるようにする、これは今ぜひ答えていただきたい、このように思います。
坂口国務大臣 私が先ほど申し上げたのは、まだ申請をしていない人が最初に申請をするのは一度お越しをいただかなければだめですよということを申し上げたわけであります。そうでないと、これはちゃんとできないわけですから、裁判もそういうふうになっておりますということを申し上げた。
 一遍申請をお受けになった人が、五年間なら五年間をしてその後どうするかという問題も多分それはあるでしょう。その問題については今後検討させていただきます、これは。だけれども、最初のときは一遍来てくださいよ、そうでないと、それは受けられないということを言うわけであります。
金子(哲)委員 時間になりましたので終わりますけれども、私は、ちょっとこの問題は続いて、あすの質問もありますので、ぜひ続いて質問させていただきたいと思います。
 以上で終わります。
藤井委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明十四日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時二分散会


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