衆議院

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第15号 平成15年2月20日(木曜日)

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平成十五年二月二十日(木曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 藤井 孝男君
   理事 斉藤斗志二君 理事 自見庄三郎君
   理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君
   理事 宮本 一三君 理事 末松 義規君
   理事 原口 一博君 理事 細川 律夫君
   理事 石井 啓一君
      伊吹 文明君    石川 要三君
      石田 真敏君    衛藤征士郎君
      尾身 幸次君    大原 一三君
      奥野 誠亮君    上川 陽子君
      亀井 善之君    倉田 雅年君
      栗原 博久君    左藤  章君
      谷本 龍哉君    津島 雄二君
      中山 正暉君    丹羽 雄哉君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      原田昇左右君    松岡 利勝君
      松島みどり君    三塚  博君
      持永 和見君    山口 泰明君
      阿久津幸彦君    石井  一君
      上田 清司君    海江田万里君
      河村たかし君    田中 慶秋君
      中村 哲治君    長妻  昭君
      細野 豪志君    前田 雄吉君
      吉田 公一君    米澤  隆君
      赤羽 一嘉君    上田  勇君
      斉藤 鉄夫君    西  博義君
      達増 拓也君    中塚 一宏君
      樋高  剛君    木島日出夫君
      佐々木憲昭君    矢島 恒夫君
      中西 績介君    横光 克彦君
      井上 喜一君    山谷えり子君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         片山虎之助君
   法務大臣         森山 眞弓君
   財務大臣         塩川正十郎君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       大島 理森君
   環境大臣         鈴木 俊一君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   国務大臣
   (科学技術政策担当大臣) 細田 博之君
   国務大臣
   (金融担当大臣)
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣
   (防災担当大臣)     鴻池 祥肇君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   総務副大臣        若松 謙維君
   法務副大臣        増田 敏男君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   農林水産副大臣      北村 直人君
   国土交通副大臣      中馬 弘毅君
   環境副大臣        弘友 和夫君
   内閣府大臣政務官     木村 隆秀君
   農林水産大臣政務官    熊谷 市雄君
   会計検査院長       杉浦  力君
   会計検査院事務総局第二局
   長            増田 峯明君
   政府参考人
   (金融庁証券取引等監視委
   員会事務局長)      新原 芳明君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部
   長)           高部 正男君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   政府参考人
   (水産庁長官)      木下 寛之君
   予算委員会専門員     中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十日
 辞任         補欠選任
  池田 行彦君     左藤  章君
  尾身 幸次君     上川 陽子君
  奥野 誠亮君     松島みどり君
  亀井 善之君     石田 真敏君
  高鳥  修君     倉田 雅年君
  海江田万里君     阿久津幸彦君
  長妻  昭君     前田 雄吉君
  赤羽 一嘉君     上田  勇君
  斉藤 鉄夫君     西  博義君
  矢島 恒夫君     木島日出夫君
  井上 喜一君     山谷えり子君
同日
 辞任         補欠選任
  石田 真敏君     亀井 善之君
  上川 陽子君     谷本 龍哉君
  倉田 雅年君     高鳥  修君
  左藤  章君     池田 行彦君
  松島みどり君     奥野 誠亮君
  阿久津幸彦君     海江田万里君
  前田 雄吉君     長妻  昭君
  上田  勇君     赤羽 一嘉君
  西  博義君     斉藤 鉄夫君
  木島日出夫君     矢島 恒夫君
  山谷えり子君     井上 喜一君
同日
 辞任         補欠選任
  谷本 龍哉君     尾身 幸次君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十五年度一般会計予算
 平成十五年度特別会計予算
 平成十五年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――
藤井委員長 これより会議を開きます。
 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として金融庁証券取引等監視委員会事務局長新原芳明君、総務省自治行政局選挙部長高部正男君、法務省刑事局長樋渡利秋君、水産庁長官木下寛之君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第二局長増田峯明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
藤井委員長 本日は、特に政治資金問題等について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。杉浦正健君。
杉浦委員 自由民主党の杉浦でございます。
 我が党の長崎県連事件が契機となってこの集中審議が行われるようになったのはいささか残念ではありますが、しかし、非常に時宜を得た集中審議だと思うわけでございます。
 まず、刑事局長にお伺いいたしますが、本件は、二月五日に一次起訴があり、二月十八日に追起訴があって、捜査は終了した、そして被疑者、被疑者といいますか、被告になったわけですが、保釈が認められず、まだ勾留中だと伺っておりますが、それでよろしいかどうか、そして、事案の、それぞれ三つほどあるようですが、概略はどうなのか、御説明願いたいと思います。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のような経過で起訴された事案でございます。
 各事案の概要を簡潔に申し上げますと……(杉浦委員「終わったのね、終了したのね、捜査は」と呼ぶ)終了したというようなふうには聞いておりませんが、起訴は終わっているんだろうというふうに思っております。
 各事案の概要を簡潔に申し上げますと、公職選挙法違反事件につきましては、自民党長崎県連の幹事長でありました被告人浅田及び同県連の事務局長でありました被告人安田が、共謀の上、平成十四年二月施行の長崎県知事選挙に関し、平成十三年十一月、県との間で請負契約を締結している建設会社が加盟している長崎県建設業協会長崎中央支部の役職員に対しまして、今回の知事選に対して中央支部加盟各社で合計五千万円を金子県政四年間の実績に応じて寄附するよう協力してほしいと申し入れ、さらに、同年十二月、建設会社七社の役職員に対しまして、個別に選挙資金として寄附をお願いしたいなどと申し入れ、建設会社合計八社に対して選挙に関する寄附を要求したという事案、収賄事件につきましては、長崎県議会議員であった被告人浅田が、長崎県との間で建設工事の施工請負仮契約を締結し、同県議会の承認議決を経て本契約締結が見込まれていた建設会社の担当者に対して、県議会の承認に関し便宜有利な働きかけを行うことの報酬として金員を供与するよう要求したという事案、政治資金規正法違反につきましては、県連会長であった被告人浅田及び県連の会計責任者職務代行者であった被告人安田が、共謀の上、政治資金規正法所定の平成十三年の収支報告書について、法人その他の団体からの寄附による収入額につき虚偽の記入をして長崎県選挙管理委員会に提出したという事案及び県連会長であった被告人加藤及び県連の会計責任者職務代行者であった被告人安田が、共謀の上、政治資金規正法所定の平成十二年の収支報告書について、政治資金パーティーの対価収入額につき虚偽の記入をして長崎県選挙管理委員会に提出したという事案であると承知しております。
杉浦委員 この事件はこれから裁判になるわけでありますが、そこで十分解明されると思うんでありますが、事実であるとすれば甚だ遺憾と言わざるを得ないと思います。私は自民党の愛知県連の会長を仰せつかっておるんですが、愛知県連の場合には、もちろんこういうことはしていませんし、収入のほぼ三分の二はパーティー収入で、あとの三分の一が党費、ごく一部国会議員等の篤志寄附がありますけれども、企業献金はゼロに近いという状況で、信じがたい思いもあるわけでございます。
 この事案については公職選挙法百九十九条、百二十条が適用されておるわけでありますが、実にあいまいもことしたと申しますか、すっきりしないと申しますか、どうとも読める非常に問題の多い条項だと思いますので、次に、選挙部長の方に、この百九十九条及び百二十条の公権解釈についてお伺いしたいと思います。
 まず、この百九十九条に国、地方公共団体ということがございます。この国という中には、国と密接な関係にはありますが別法人であります、例えば公団とか公庫とか特殊法人等は含まれないと考えますが、いかがでございますか。
高部政府参考人 お答えを申し上げます。
 公職選挙法百九十九条一項には、委員御指摘ございましたように、国と規定されているところでございますが、国とのみ規定しているところでございまして、国とは法人格の異なる公庫、公団などは含まれないというふうに解しているところでございます。
杉浦委員 私もそう思いますが、となりますと、某党が機関紙等を通じて、道路公団から寄附を受けた、企業から受けた献金をあたかも問題があるごとく報道したのは間違っているというふうに言えると思うわけであります。しかるべく御訂正願えればありがたいと思います。
 一項に、請負その他云々特別な利益を伴う契約、こうございます。請負契約ははっきりした典型契約なんですが、云々の契約ということになりますと、特別な利益を伴う云々となるわけですが、さまざまな契約形態があり得るわけでございます。
 自治庁時代につくったコンメンタールによりますと、物品の払い下げ、納入等の契約、特定の運送契約、施設の特別使用契約等が例示されております。物品といってもいろいろあるわけで、自動車とか大型情報機器だとかさまざまある。国立病院に対して医薬品を納入するというのも当たるんじゃないかと思います。どのようなものが該当するのか、御説明願いたいと思います。
高部政府参考人 公職選挙法百九十九条第一項におきましては、特に「特別の利益」というふうに規定しているところでございますから、一般的には、利益の契約全体に対する割合が通常に比較いたしまして特に大きい場合を言うというふうに解されるところでございますが、利益の割合は通常でありましても、契約そのものが大きいために利益の総額も大きい場合で、例えばその利益が特恵的または独占的なものである場合などには「特別の利益」に該当するものと解されているところでございます。
 委員、自動車とか大型情報機器とかというものの契約について御指摘がございましたけれども、このような契約につきましても、ただいま申し上げました特別な利益に該当するということになりますれば、百九十九条第一項に規定する「特別の利益を伴う契約」に該当することになるものと考えるところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、具体の契約が「特別の利益を伴う契約」に該当するか否かにつきましては、この規定が、契約の当事者たる地位の取得、維持または更新等を求める代償として相当額の寄附がなされた場合には、そのために選挙の結果に好ましからざる影響が及ぶことを防止しようとするという趣旨でございます。こういう法の趣旨に従いまして、健全な常識で判断しなくてはならないものと解されているところでございます。
杉浦委員 健全な常識で判断といっても、非常に広範に把握される可能性があるものでは問題であると思います。
 同じ百九十九条一項に「契約の当事者である者」というふうにありますが、これは現に契約を結んでいる場合であって、例えば建設会社でも、契約を結んでいる場合、いない場合、あるいは同じ会社が契約を結んでいた、なくなった、また結んだといえば、結んでいない状態の場合はこれに当たらないというふうに思うんですけれども、この解釈はいかがでございますか。
高部政府参考人 お答えを申し上げます。
 公職選挙法百九十九条一項におきましては、「契約の当事者である者」というふうに規定されているところでございまして、この「契約の当事者である者」というのは、現に契約を結んでいる場合を指すというふうに解されているところでございまして、いまだ契約を結んでいない者及び既に履行の結果契約の消滅した者については含まれない、かように解釈しているところでございます。
杉浦委員 重ねてお伺いしますが、ある会社が、あるときには当事者であり、あるときには当事者でなくなるということはあるわけですね。
 それから、念のために伺うんですが、元請会社は国と契約しているけれども、その下請、孫請、これは、契約当事者は元請会社ですから、国と直接じゃないから当たらないわけですね。念のために伺います。
高部政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、現に契約を結んでいる場合を指すというふうに解されているところでございますので、契約がない状態、ある会社が、あるときには契約関係にあり、あるときはないといったような状態のときに、現に契約関係にないというような場合については、この「契約の当事者である者」には該当しないというふうに解されているところでございます。
 また、いま一つ御指摘ございました、直接の契約当事者ではなくて、孫請、下請というような関係がどうかということでございますが、これにつきましても、「契約の当事者である者」とは、直接請負等の契約関係にある者というふうに解しているところでございまして、下請、孫請につきましては該当しないもの、かように解しているところでございます。
杉浦委員 選挙に関しての一番問題になるところなんですが、選挙部長はいつもいつも、これは選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてというステロタイプの答弁を繰り返しておりますので、聞きません。それでいいんですね。聞きません。
 刑事局長にお伺いいたしますが、本件は政党への政治献金について立件された事例なんですが、本件以前に、政党への政治献金について公職選挙法上の特定寄附禁止の規定で立件されたことはあるのかないのか、お伺いいたします。
樋渡政府参考人 お尋ねにつきましては、必ずしも網羅的に把握しているわけではございませんものの、特定寄附禁止違反の事例として把握している範囲内では、政党への寄附について特定寄附禁止違反の規定が適用された事例は見当たりません。
杉浦委員 それでは、請負契約以外の契約、物品納入その他契約について、この百九十九条に言う「その他特別の利益を伴う契約」に該当するとして立件された事例はどんなものがございますか。何件ぐらいあるか、どんなものがあるか、お伺いいたします。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 このお尋ねにつきましても必ずしも網羅的に把握してはございませんが、判決にあらわれた事案としては三件ほどございます。
 その一つは、市と都市ガス供給契約及びガス管移設等補償契約を締結していた会社、二つ目は、市と緊急通報システム設置事業委託契約を締結していた会社、三つ目は、市による小型自動車競走、いわゆるオートレースでございますが、その施行のために同市に小型自動車競走場施設を賃貸していた会社などが請負その他特別の利益を伴う契約の当事者と判断されているものと承知しております。
杉浦委員 そういたしますと、今までのお話をあれしますと、政党が選挙の際に、選挙の前、選挙の最中等に、公共工事を請け負っている企業から政治資金を集めた場合、公職選挙法上のこの特定寄附禁止違反が成立するか、成立する場合もあり得ると解されますが、法務当局にお伺いしたいと思います。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 具体的事案における犯罪の成否につきましては、収集された証拠に基づき個々の事案ごとに判断されるべき事柄でございますので、お答えはいたしかねるところでございますが、あくまでも一般論として申し上げますれば、公職選挙法二百条一項等に言う「選挙に関し、」という要件は、先ほど委員が御指摘になりましたように、単に寄附が選挙に際して受領されたことのみならず、選挙に関する事項を動機として寄附が受領されたことも要するというふうに理解されているものと承知しているところでございます。
 政党が選挙に際して、自身の政策を普及し、その支持を拡大する活動を活発に行うことは、現行制度の中でも当然に予定されていると思われ、選挙の時期になされる政党への政治献金の要請が直ちに一般的に公職選挙法上の特定寄附禁止違反に当たるとは解してございません。
 しかし、一般的な政策普及活動の範囲を超え、専ら特定の選挙における特定の立候補予定者に対する支援をするための活動資金として寄附を求めるものであって、例えば、その要請が、当該企業が工事を請け負った見返りを求めるような形でなされた場合には、選挙の公正に好ましからざる影響が及ぼされるおそれが高く、これを防止しようとする特定寄附禁止の趣旨に触れるおそれがあり、これらの点も踏まえまして、関係証拠により犯罪の成否が認定されることになるというふうに思われます。
杉浦委員 非常にボーダーラインがはっきりしないわけでありますが、個々のケース、ケース・バイ・ケース。
 公共工事を請け負っている企業といっても、先ほど申したように、ある会社は、当事者である時期があり、当事者でなくなる時期がある。そうすると、寄附を要求する側が、その請け負っている企業が果たして当事者に当たるのかどうかということを認識して要求したかどうかということが問題になると思うんですね。この認識というのは違法性の大きな要素となる。
 つまり、知らない、知らなかった、知らずに要求したという場合もあると思うんですね。たまたまその会社が当事者であるかどうか、要請する側からすれば一々確認しなきゃならないのか。別にレッテルを張ってあるわけじゃありませんから、当然ないと思ったら公共工事を請け負っておったという場合もあり得ると思うんですが、この対象となる当事者であるかということを認識する、認知することが要請する側に求められているのかどうか、このあたり、いかがでしょうか。
樋渡政府参考人 お尋ねにつきましては、御指摘のとおり、公職選挙法二百四十九条、二百条一項、二項、百九十九条一項の特定寄附の要求、受領の罪におきましては、要求の相手方や寄附をした者が国や地方公共団体との間で請負等の契約を締結していることは、客観的な要件であるとともに故意の内容であると解されますので、犯罪成立のためにはそのような契約関係についての認識が必要であると解されます。
 もっとも、公職選挙法二百五十条二項、二百四十九条によりまして、重大な過失により特定寄附の要求、受領を行った場合もなお処罰されるものと承知しております。
杉浦委員 この特定寄附の場合に、重大なる過失というのはどんなものが予想されるんですか、故意はわかりますが。
樋渡政府参考人 なかなか具体的な事例について挙げるのも難しゅうございまして、個々のケースによるとしか言いようがないのでございますが、重大な過失というふうに規定されておりますから、普通に注意を払っておれば十分にわかり得たはずの過失をいうものと解しております。
杉浦委員 具体的な話として、例えば、選挙を控えまして寄附の要請に行く場合、相手との話の中で、選挙があるのでひとつよろしくと言った、ほかの話と一緒に、選挙もありますし、お願いしますわというようなことを言っただけでこの公職選挙法上の特定寄附禁止、この違反というのは成立するんでしょうか。
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 犯罪の成否は収集されました証拠の全体に基づいて判断されるべきでございまして、片言隻句のみをとらえて判断されるものではないと考えられます。したがいまして、収集された証拠によって、その要請が、政党として自身の政策の普及やその支持の拡大を求める一般的な活動資金の要請を超えていると認められる場合には、公職選挙法上の特定寄附禁止違反に該当し得るものと考えられます。
杉浦委員 選挙部長に伺いますが、公選法百九十九条第一項というのは、寄附の相手方について特段規定はありませんが、候補者のみならず政党や政治団体への寄附もこれは規制の対象としているんでしょうか。
高部政府参考人 お答え申し上げます。
 公職選挙法第百九十九条第一項では、寄附の相手先を限定していないところでございますので、寄附の相手先につきましては、候補者であると、政党であると、その他政治団体であると、この規定は問うているものではないというふうに考えておりまして、すべて規制の対象になるものと考えているところでございます。
 関連いたしまして、公選法二百条、これは要求、勧誘等についての規定でございますけれども、こちらの方も「何人も、」と規定されているところでございまして、個人であると法人であると、さらには法人格を有しない団体であるとを問わず、選挙に関し、第百九十九条に規定する者に対して寄附を勧誘または要求し、百九十九条に規定する者から寄附を受けることを禁止しているところでございます。
 なお、会社その他法人または団体が公職選挙法第百九十九条または二百条の規定に違反した場合には、その役職員または構成員として実際に当該違反行為をした者が罰せられるというふうになっているところでございます。
杉浦委員 いろいろお伺いいたしましたけれども、非常にこの境目がはっきりしない。趣旨はわからないわけじゃありませんが、処罰規定、規制の規定でございます。実際の運用に当たっては、請負契約以外の契約には余り適用になっていないとか、党に対する問題は今度初めてであるようでございますが、非常に抑制的にこの問題は扱われているというふうに感じます。
 検察当局にこの際求めたいのは、権力の行使というのは謙抑的でなきゃならないというふうに言われておるわけなんでありますが、こういうあいまいな、広げようと思えば何ぼでも広げられる可能性を秘めたこういう規制、処罰の規定の適用においては、今までもそのようでありますが、今後とも一層謙抑的に運用してもらうように強く望んでおきたいと思います。
 総務大臣がお見えになりますので、時間がございますのでお伺いいたしますが、こういう集中審議が行われることは非常に結構なことだと思います。いろいろ政治改革が進みまして、連座制の適用とか寄附行為禁止とか、あるいは政治資金もさまざまな規制が強化されて、政党に対する以外は企業・団体献金は禁止というようなことになりまして、私が初めて選挙に臨んだ十七年前と比べますと、随分金も要らなくなった、政治全体が身ぎれいになったと思うんですね。これは大変結構なことだ、こう思います。
 ただ、まだまだ問題はたくさんあるわけで、例えば秘書の給与の問題、議員が、田中さん、社民党の、ちょっとお名前はあれですが、おやめになったり、いろいろしておりますけれども、例えばプール制というのが今議運で問題になって検討されておりますね。アメリカに近いものなんですが、私は早くあれにした方がいいと思うんですね。そうしたら、たくさん人を雇える。今三人ですが、二千八百万ぐらいにしたら、四百万平均として七人ぐらい雇えるんじゃないですかね。早急に検討すべきだと思います。
 政治資金の規制、結構なんですが、政治に金がかかるということは間違いないわけで、公的助成も、アメリカに比べると、はるかに額的にも中身においても少ないと思うんですね。これは民主主義のコストですから、政治資金を広く集めていいというんだったらともかく、規制を厳しくするんでしたら、やはり公的助成ももう少し検討すべきじゃないかというふうに思いますが、大臣の所見はいかがでございましょうか。
片山国務大臣 今、杉浦委員言われますように、今の政治活動あるいは選挙活動にも金がかかるわけでございまして、そういう意味では、まさに議会制民主主義、民主主義のコストをどうやって合理的に負担し合うか、そういう問題だと私も思っておりますが、これは本当に難しい問題で、従来からいろいろな議論をし、いろいろな試みが行われてきたわけでありますが、私は、最終的には、国会の中において各党各会派で十分な御議論をいただいてコンセンサスを形成していくことが必要だと思いますし、秘書の給与の問題も、アメリカ方式がいいのかどうか、あるいは少し日本的に改良を加えて検討していくというようなことを含めて十分な御議論を各党各会派でお願いいたしたい、こういうふうに思っております。
杉浦委員 終わります。
藤井委員長 これにて杉浦君の質疑は終了いたしました。
 次に、細野豪志君。
細野委員 おはようございます。
 私は、きょうは政治と金の問題ということで、特に大島農水大臣の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 私、大島大臣とこうしてこの問題についてやりとりをするのがもう既に三回目でございますけれども、きのうは河村委員が監視カメラの問題を、三回目で非常に大きな成果を上げました。私も今回三回目ですので、もうそろそろこの問題にけりをつけたい、そう考えておりますので、大島大臣も簡潔に、今までのように、とにかく答弁が長くて要領を得ないということがないように、そのあたりは十分気をつけて御答弁をいただきたい、このことを冒頭お願いをさせていただきます。
 それでは、前回の質問で一つ積み残したテーマがございますので、その問題から入っていきたいというふうに思います。
 一月の二十四日に、私、大島大臣に質問をしているんですが、宮内元秘書の脱税の問題、この問題については大島大臣はこう答弁をされています、「彼自身は、一部は支払いました」と。そのとき指摘しましたとおり、ことしの三月でこの宮内元秘書の脱税の問題は時効を迎えます。その前にきちっと私はこの問題にけりをつけていただかないと、この話は終わらないんだというふうに考えておりますが、今、その状況がどうなったのか、まず御報告いただきたいと思います。
大島国務大臣 お答えを申し上げます。
 時効であるかどうか、そのことは私は定かにわかりませんが、いずれにしても、先生から言われて、それ以前からも、税金問題については、時効であったとしても支払うというすべがあるんだそうでございます。そういうことも含めて、とにもかくにも、御指摘をいただいた分について、昨年来から、しっかり対応するように本当に厳しく言っておきました。
 なお、その件について宮内に問い合わせいたしておりまして、全額支払うべく、本当に税理士と、今税務署と相談をして、協議を続けているということでございます。
 したがって、彼自身は今無職であることも事実でございますが、その一部は支払いましたということでございまして、その協議が出次第、それに必ず従います、こういうふうに言っておりますので、厳しく、しっかり対応するようには言い続けております。
細野委員 大島大臣、無職であるからお気の毒だということを、今ニュアンスとしておっしゃいましたね。前の御答弁でも、彼自身無職であるので、こういう状況の中でやれることを一生懸命やるというふうにおっしゃっているのですが、大島大臣、この問題は個人の問題じゃないんですね。
 何でこの委員会で何度も何度もこの問題が、脱税じゃないか、そして、実は脱税ではないんじゃないかということまで議論されているのかというと、ちょっとパネルを使わせていただきたいんですが、今回、大島大臣と、こちらの八戸市民病院が関係しているわけですよね。八戸市民病院から受託を受けた企業があって、そしてこの企業から宮内元秘書にお金が流れているんじゃないかということが疑われている。この間に入っているのが、私も何回もお会いをしましたが、A氏なんです。この流れも既に幾つか、もうお金の部分を認められているんですけれども、このお金の流れがあって初めて宮内さんが一・一億円、一億円以上の豪邸を建てることができたんじゃないかと疑われているんですね。
 それに対して大島大臣は、何度も確かに資料は出されましたけれども、その中にはまだ六百九十万円、説明されていない部分がある。さらに言うと、千五百万円、宮内元秘書のお母さんから贈与があったと言われるけれども、それは証拠がないんですね。現金を持ってきたとか、そういう話になっているんでしょう。千五百万、何に入れて持ってきたのか。だれもが、この時期、病院が建ったときに宮内秘書がいきなり羽ぶりがよくなって豪邸が建ったんだ、地元の人たちはみんなそう言っていますよ。
 そのことに対して、宮内さんが無職だからお気の毒だとか、そんな次元の低い問題ではなくて、この疑惑に対して、脱税の問題についてきちっと答えるというのがあなたの責任なんだということを再度言っておきますので、ぜひ、これ三月時効ですので、それ一つの区切りだと思います。
 きちっと私は資料としてこの委員会に提出すべきだというふうに考えます。これは理事会で議論していただくということでございますので、引き続き要望いたしますので、お願いを申し上げます。
大島国務大臣 税理士と税務署と協議が調った、少なくとも問われてきたわけですから、そして支払い方法等が決まり次第、何らかの形で報告する責務が私にあると思っております。決して無職だから云々ということを言っているのではございません。
 したがいまして、そういうものが協議が調って、どういう形になって、どういう結論になったかというのは、全部そういうものが調った時点で何らかの形で御報告をしたい、こう思っております。
細野委員 それでは続きまして、八戸医療専門学院、この問題について、大島大臣にかかわるテーマでございますので、質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今まで文春がいろいろ大島大臣について報道してまいりました。そして、そのいろいろな疑惑があった中で、大島大臣、これだけは告訴されているんですね。これは自分の名誉毀損に当たるということをお感じになっている。そして、答弁の中でも何度も、この問題について、自分は全くやましいところがないんだということをおっしゃっています。
 きょうは、午後にその辺のことについて私なりの見解を出して御質問したいと思っているんですが、午前中は、この入札のプロセスにおける、私この入札極めて実は問題があるというふうに思っております、そのことについて、大島大臣にはちょっと質問をいたしませんが、確認をしながら、担当されている厚生労働大臣と、あとは会計検査院の方に話を伺いたいというふうに思います。
 大体、この専門学校の建設に対しては全部で四億円程度の実は補助金がついております。資料としては六でございますので、そちらをごらんいただけますでしょうか。大島大臣もぜひごらんください。
 これは昨年の八月二十八日に行われたこの専門学校の入札結果届出書という形になっています。五社が指名入札で手を挙げておりまして、その中で落札業者名というところに丸がついているもの、東亜建設株式会社がこの専門学校を受注しているんですね。これは青森県に出された資料なんですが、補助金は、これは厚生労働省が約四億円つけています。
 坂口厚生労働大臣にお伺いをしますが、この入札は適切に行われたものと基本的に考えていらっしゃるでしょうか、お伺いをします。大臣にお答えいただきます。
木村副大臣 細野委員の質問に対してお答えを申し上げます。
 本件のような施設整備事業に国庫補助を行うに当たりましては、医療施設等施設整備費補助金交付要綱等によりまして、入札について、原則として五社以上の競争入札が行われなければならないとの条件を付しているところでございます。
 本件の国庫補助事業は、青森県が行う施設整備補助事業に対し、国が青森県に補助を行うものでございます。すなわち、法人に直接補助を行うものではございません。
 したがいまして、入札についてのチェックにつきましては、まず青森県において八戸医療技術専門学校から入札結果につき書面で報告を受け審査を行いますとともに、厚生労働省においても青森県から国に提出された資料をもとに審査を行ったところでございます。
 その結果、書類で見る限り、入札は適正に行われたものと受けとめているところでございます。
細野委員 青森県は一銭も出していないんですね。国が補助金を四億円出して、一たん確かに青森県の会計には入れているんですが、青森は全く、一円も出していないんですね。基本的に、そんな逃げは厚生労働省には通用しないんですよ。
 加えて言いますと、私、青森県へ行ってきました。担当者、元担当者、もう過去の方にも、すべての方からお話を伺いました。それで、青森県がどういうチェックをしているかというと、この資料六に出したもの、これを一枚見て、確かに五社の競争入札になっています、会社名も挙がっています、これで適切に行われたと判断せざるを得ません。この紙一枚以外、何のチェックもしていないんですね。そういう意味では、四億円が極めて安易に出ているということは、もう現時点では指摘できると思います。
 これが適切に行われていたら私も別に文句は言わないんですが、これから指摘をしますとおり、この入札に関しては、極めて多くの問題点がございます。
 まず一点目は、そもそも、確かに競争入札が形としては行われているけれども、公告が行われておりません。一般的には、まず公告を出して、業者が手を挙げます。その中で適切だと思われる業者を選んで、そしてそれで入札をするというのが、普通の大きな事業のやり方でございます。公告がまず行われていないという、前提が崩れているということが一つ。
 そしてもう一つ、実は、この七億六千万という価格に大きな疑義があります。資料七をごらんください。資料は、これは入札価格について説明した資料でございますけれども、まず、補助金がどうやって決まるかということを、事情を説明いたします。
 これは、厚生労働省のマニュアルにあるんですけれども、二番目の補助金の部分ですね。その二行目の、基準建築費というものがあります。これは、生徒数と平米数とそして単価を掛け合わせて七億八千七百三十六万、これはこのまま数字で出てくるんですね。
 それで、補助額はどうやって決まるかというと、この基準建築費の半分は補助金が出ますよ、そういうルールになっていて、上に出ております三億九千三百六十八万円、これが補助金の上限ということになります。これ以上は出ません。
 では、実際に東亜建設が幾らで落札したかというと、七億九千八百万円で落札をしているんですね、消費税をプラスすると。
 これは、実は事業者側からすると非常にいい価格でございまして、すなわち、基準建築費と同じ金額で仮に落札をすれば、半分補助金が出るわけですから、発注者側としては半分の負担でいいわけですね。ただ、それより価格が上がれば上がるほど、事業者の側の負担がふえるわけでございます。
 そうすると、補助金をベースとした割合でもう一度見直すと一〇一・四%。逆に、一般的な数字でいうと九八・七%で、逆から見るとそういう数字になるんですけれども、事業者の負担は、いっぱいいっぱいの部分と比較して、最低限のものと比較して、わずか一・四%しか上乗せできないという形になってしまいました。
 ほかの業者、確かに四つ、手は挙げているんですが、価格からいっても、私も青森に行っていろいろ話を聞いてみましたけれども、本気で落札しようと思って札を入れたところはないんですね。これはもう明らかに、できレースが初めからあるんだ。公告も行われず、この価格というのを見ても、よくよくそのことがあらわれている数字だというふうに思います。
 そして、もう一つ大きな疑問というのがございます。
 というのは、この価格で落札をしてしまうと、東亜建設は余りもうからないんですね、安いですから。それで、何をしたか。実は、これは十四年の八月二十日に落札が行われているんですが、次の日には工事の契約書が取り交わされております。これは八月二十一日です。そして、その後、何回か当事者の間で話し合いが持たれておりまして、その資料を、私、議事録を入手いたしました。
 これを見ると、驚くべきことに、何度も設計変更がされているんです。具体的に幾つか例示をいたしますと、例えば外壁を変える、これだけで三百万円、設計変更で価格が下がっています。これはゼネコンの方に聞いたんですが、外壁を設計変更するには、外壁というのは、実際に着工の一カ月以上前から準備をしておかないと、外壁を変えることは難しいそうです。実際に建設そのものの基礎から変えていかなければならない。そして下地も手配をしなければならない。もうこれは、東亜建設は明らかにこの入札をする前から設計変更を予定していたんですね。
 ほかにも、エントランスホールがステンレス製からアルミ製になっている。百七十万、これも設計変更されています。何回か設計変更された中で、私が入手した資料のこの一回分の設計変更だけで千八百六十六万四千円、設計変更で価格が下がっているんですね。
 つまり、これは何が行われているかというと、補助金いっぱいいっぱいの金額で落札をすることによって、発注する側が要するにぎりぎりの負担でできる。ただ、それだと受注する側が余りおいしくないので、こうやって設計変更することによって単価を下げて、受注する側もおいしい目を見る。見事にそういう構図が成り立っているんですね。言っておきますが、これは契約の後ですよ。こういうことが行われているということをぜひ承知をしていただきたい。
 そしてもう一つ、実は、この議事録を見ましてあることに気づいて、私は、ああ、なるほどなと思ったことが一つあるんですね。といいますのは、この協力業者、いろいろな方がかかわっているんですが、協力業者のサインの中に大成温調というのがあるんですよ。これは大島さん、大島大臣御存じですね。献金を大島大臣にされている企業です。前の委員会での御答弁では、大成温調が入っているかどうかわかりませんとおっしゃった、私は知りませんと。
 そして、確かに、県の方にも聞いたし、これをやっている事業者側にも私も質問をしましたけれども、一括受注をしているから、その八億円の中身が、どういう企業が受注しているかはわかりません、下請はわかりませんとおっしゃったけれども、ブラックボックスにはなっているんですが、実はやはり入っているんですね。
 これだけ多くの問題を抱えているこの事業ですので、これは坂口大臣にお伺いをしますが、金を出したのは国ですから、厚生労働大臣の責任で出されたわけだから、この部分をきちっとチェックする、そういうことをここでぜひお約束いただきたいと思います。
坂口国務大臣 現実の問題は先ほど副大臣が御答弁を申し上げたとおりでありまして、学校法人が受注されるわけでありますから、それに対しまして、一義的には県の方がきちっと見てもらわなければならない。そして、国の方は書類審査をしている、こういうことでございます。
 これは、ここに関してだけではなくて、ほかもすべてそういうふうにしているということでありますから、だから、そこをどうするかという問題があるとすればありますけれども、この件に関しましても、そのルールに従ってやっているということでございます。
細野委員 いや、厚生労働大臣、それはないでしょう。四億円で、発注する側はいい思いをしました、受注する側もいい思いをしました。四億円、だれが払っているんですか。これは国民が払っているんですよ。出した側として、しっかりもう一回チェックをする。当然でしょう、その責任が、厚生労働省として。もう一回、きちっと答弁してください。
坂口国務大臣 ですから、そこは、一義的には県がきちっとやってもらわなければいけないわけですね。そして、それに対して、我々はまたそれをチェックし直すということでありますから、そういうことがありとすれば、まず一義的には県がちゃんとやってもらわなければいけないというふうに思います。
細野委員 では、県には指導しますね。しっかり答弁してください。
坂口国務大臣 県がきちっとするように、私たちも、もう一度言いたいと思います。
細野委員 会計検査院に伺いますが、私は青森に二回行きました。何の権限もないけれども、いろいろな人から話を聞いて情報を集めただけで、これだけの問題が出てきているんですね。会計検査院には大きな権限がこの部分にはある。補助金ですから事後チェックだということになるとは思うんですが、これをしっかりチェックしてください。これは約束をしていただきたいと思います。
増田会計検査院当局者 お答えを申し上げます。
 まず最初に、補助金の検査の一般論につきまして申し上げますと、すべて……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
増田会計検査院当局者 補助金が交付された後に私ども検査をするということになっておりまして、本件の事業につきましては、私ども、まだ補助金が交付されていないというふうに承知をしておりますので、今現在では検査の対象にならないということで検査をしていないわけですが、いずれ、補助金が交付され、その後、事業主体の方から事業実績報告書がなされ、それをもとに補助金額の確定がなされた後に私どもとしては検査ができるということになりますので、その段階で、いろいろな諸点を勘案いたしまして、検査するかしないか判断したいというふうに考えております。
細野委員 何を言っているんですか。これは補助金が出るからできる事業なんですよ。ちゃんと予算の措置もされて、補助金が半分出ないとこんな学校できないんですよ。出ることが明らかで、これだけ私が今証拠出しているんだから、ちゃんと補助金が出された後のチェックすると答えてくださいよ。
増田会計検査院当局者 繰り返しになりまして恐縮でございますが、補助金が交付され、補助金の額が確定しました場合には、私ども、検査をするかしないか、十分検討して判断をしたいというふうに考えております。
細野委員 補助金が出た段階でしますかと聞いているんです。これはしっかり答弁してください、これだけ証拠を出しているんだから。疑いがあればするんだというのが会計検査院の姿勢なわけでしょう。全部やれと言っているんじゃないですよ。この事業に関して、きちっとするかしないか、するべきだと私は考えますが、きちっと答えてください。
増田会計検査院当局者 十分、国会での御議論を踏まえまして、考えたいというふうに思います。
細野委員 これをやらないような会計検査院なんてもうやめた方がいいですよ。こんな役所は要らないです。
 いいですか、局長、これ以上聞きませんけれども、こんなことが多分いっぱい行われているんですよ。あなたたち、ずっとそれを見逃してきたんだ。ちゃんとこういうものをチェックして、今、国会でせっかく政治と金の問題をやっているんだから、会計検査院がここできちっと答弁しなくてどうするんですか。もう一回答弁してください。
杉浦会計検査院長 現在の状況は局長が申し上げたとおりでありますが、私ども、補助金が交付されまして、検査の対象としてなりました段階におきましては、実地検査あるいは書面検査、いろいろ検査の手法がございます。そういった点で、検査の対象でございますので、十分配慮してみたいと思っております。(発言する者あり)はい、仕事という意味で、仕事をやることでございます。
細野委員 やるということですのでこれ以上突っ込みませんけれども、書面審査なんかだめですよ。書面審査、全然だめです。こんな一枚、ぺろっと紙が出てきて、確かに入札、形式的にはやっていますねなんというのは何の意味もないですからね。それをきれいにつくってくるのが仕事の人、いっぱいいるんだから。そうじゃなくて、実地検査をして、私が関係者にちょっと聞いただけでこれだけ出てくるんだから、会計検査院、しっかりやってくださいよ。
 この問題はこれで終わりにしまして、次に、大島大臣に、新しく出てきた問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 私、八戸に行ってまいりましたけれども、いろいろな方にお会いをして、景気が悪い悪いという話を皆さんされていました。タクシーの運転手さんもおっしゃっていました。まあ、それはどこも一緒でしょう。
 その景気の悪い八戸で、今、大変な問題が実は起こってきています。それは、八戸の中心街にあるイトーヨーカドーが二月の二十三日で閉店をする。今、セールをやっているんですね。
 この市街地の真ん中にあるイトーヨーカドーという中心的なスーパーの撤退は、地元で大きな波紋を呼んでおります。空洞化は全国共通の課題でございますので、大島大臣もよくよくこの問題は認識をされているというふうに思うんですが、この八戸においては、ヨーカドーを何とか残らせたいということで、何と五万人も署名が集まったそうでございます。それにもかかわらず、最終的には撤退が確定をした。パートの女性などには失業者も出ているということを伺っております。
 この問題で、昨晩、私は、八戸スカイビルの社長とお会いをして、いろいろ話を伺ってきました。大島大臣に何とかこのイトーヨーカドーを残してもらえるようにオーナー自身が依頼をしたという話がございましたが、大島大臣はそれをお受けになったのかどうか、そして具体的にヨーカドーの残留において働きかけをされたのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
大島国務大臣 今委員からお話があったことを御説明する、お答えするにあって、少し経過をお話ししなきゃなりませんので、その経過をお話ししながらお答えをしたいと思います。
 結論的に言えば、もちろん依頼を相談に来たこともございますし、働きかけたこともございます。
 このヨーカドーのありようにつきましては、平成十年、この平成十年ごろに、八戸の中心街に今の八戸店はございますけれども、先生も行かれたのであれば御承知だと思いますが、そこから車で、そうでございますね、十分か十五分ぐらいの海側の方に大型店をつくられるというお話があり、おつくりになられました。私は、そのときからこの中心街のヨーカドー店がいなくなるのではないかという心配を市長さんや商工会議所の皆さんが、あるいは市議会も含めて大変心配しておられたということは、その当時は陳情とかそういうことは受けておりません。
 当然に、先生がお話しされましたように、中心市街地の空洞化というのは全国で行われております。その後、平成十二年ごろでございました。市長さんあるいはまた議会の皆さん、会議所の皆さん、さらにそのオーナーの方も含めて、私のところにも、その運動の一環として、何とかおまえからも運動してくれないか、お願いしてくれないかと。このオーナーの方は私の後援会にも大変いろいろな配慮をしてきていただいた方でございまして、そういうふうなことから、当然に、この中心市街地の空洞化というのは市全体としてもまさに困る、今でもそう思っております。
 そういうことから、ヨーカドーさんの方にぜひ八戸市全体のそういう思い、市民の声というものを聞いて、知恵を出してくれないか、数度にわたってお願いをしたことは事実でございます。
細野委員 平成十年に、大島大臣の事務所の近く、比較的近い場所、そこに新しいスーパーができた。その時期から撤退がうわさをされて、最終的に撤退するまでの間に大島大臣に何度も何度もこの問題について陳情があった。それについて働きかけをされた。
 オーナーの社長に言わすと、その大島大臣の働きかけというのが本当に市民の立場に立ったものだったのかどうか疑問を呈されていました、昨日私が伺ったときには。ただ、それはやったとおっしゃるんだから、地元のためにやられたんでしょう。
 ただ、この撤退をめぐって、お願いをする中で、このオーナーの方がこういうことをおっしゃっているんですね。これは私、直接聞いていますので、それを読ませていただきます。ビルオーナーは、大島大臣への、このヨーカドーの撤退をしないような、その働きかけを期待してやっていただいているさなか、それを期待して、二〇〇〇年の六月十二日、これは私どもが前回の選挙を戦った公示の前日ですね、この日に、秘書の藤田さんに六百万円を渡したと、見返りを期待をして。失礼、見返りではない。失礼しました。六百万円を、お願いをしに行かれた、このお礼の意味も込めてしたとおっしゃっています。献金をしたとおっしゃっているんですね。それに対して、藤田秘書は、それを受け取って、その後、大島大臣がこの問題について働きかけをしてくださっているものだというふうにお感じになっていた。
 しかし、最終的には、ヨーカドーの撤退がほぼ確定をしつつあった二〇〇二年の一月二十三日、大島大臣の方から呼び出しがあって、自民党の国対委員長室でビルオーナーがお話を聞いた。そのときどういう発言をしたかというと、秘書の藤田が使い込んでいた、申しわけない、藤田はやめさせる、そう大島大臣が発言をされたとおっしゃっていました。そして、そのときに、ではお金をちゃんと返してくださいということをビルオーナーがおっしゃったら、一カ月後に、今おやめになりましたけれども、宮内秘書を通じて六百万円を返金したということを、このビルのオーナーが私に直接おっしゃっていました。
 これが事実だとすると明らかに政治資金規正法に違反するわけでございますが、大島大臣、これは事実でしょうか。簡潔にお答えください。
大島国務大臣 簡潔に申し上げるわけにはなかなかまいりません。しっかり事実経過を私なりにお話をし、そしてまたお答えをしなきゃなりませんので、いささかお時間をいただきたいと思います。
 私は、まず、そのオーナーの方が今おっしゃったと言われますが、私なりにまさに全力、何が全力かわかりませんけれども、数度にわたってお願いを、ヨーカドーさんにお話をいたしました。
 委員はこの時系列をどこまで御存じかわかりませんが、一たん、平成十二年四月にその賃貸契約が切れたわけですが、一年間自動継続をされました。そして、その間も私は、市長さんやそのオーナーの方も含めてたびたびにお願いが参りましたので、結果として、平成十三年から十五年までの二年間の延長が、頑張ってくれたもの、こう思います。
 どのように判断をして撤退するかというのは、まさにこれは民間のぎりぎりの判断であるんだろうと思います。私は、今でも撤退してほしくないという思いがありますし、あの中心市街地のあり方を商店街の方からも何回か相談されてまいりました。したがって、私が努力をしなかったという評価をその方がされるとすれば、その人の評価であるかもしれませんが、私は私なりに努力をしたわけです。
 そこで、平成十二年の総選挙の際に、当時私の秘書であった者がオーナーから、選挙活動に役立ててください、見返りとかそういうことではないと私は聞いておりました。そして、その後、六百万円を預かったそうでございます。しかし、その元秘書は一年半近く、結局、私あるいは今言われた宮内に対しても報告せず、預かっておったという結果でございますが、その平成十三年の暮れごろに、地元のうわさとして、そのオーナーの方が、六百万円、選挙活動に役立ててくださいと言っているんだけれども、どうもそれは行っていないんじゃないだろうか、うわさが飛び交ったということでございまして、平成十三年の暮れごろに、私のスタッフ、もちろん宮内も含めて、彼に問いただしました。そういたしましたら、彼は、大変申しわけありません、実は預かっておりましたということを聞き、それは自分自身、つまりスタッフだけで判断できることではないと思い、私にそのことの報告がございました。
 早速にその元秘書を呼びまして、こういう話があるが、これは事実かと。本当に長い間、また、私の親戚でもございます、信じて今日まで使ってきた者として、何といいましょうか、もう怒りにも似た気持ちで問いただしたところ、泣きまして、預かっておりました、本当に申しわけありませんと。おまえはこれを流用していたのかと言ったら、そのことに対して彼はノーと言いませんでした。
 したがって、私は、一年半も預かっていてそのままにしているということはあり得ないだろうという判断から、流用したのではないか、このように思って、直ちに返しなさい、これはその芳志をしてくれた方の思いと全く違うわけですから直ちに返しなさい、こう言いまして、そして彼は、秘書もやめますと。当然のことだということで、やめてもらい、そしてその後、宮内に、ぜひ彼から、預かっている金を自分が引き取って、そして、そのオーナーの方に返すように命じたわけでございます。
細野委員 大島大臣、政策秘書には宮内さんがいらして、市民病院でいろいろなことがあっておやめになりました。この藤田さんという方は第一秘書ですよね。第一秘書の方もお金を一年半着服されていた、横領されていた。もう秘書に責任をなすりつけるのやめましょう。もうこれは、大臣、いかんともしがたいですよ。まあ午後やります、テレビもありますので。やりますが、では、はっきり事実関係を確認させてください。大島大臣がこの六百万の話を聞いたのはいつですか。正確にお答えください。
大島国務大臣 平成十三年の暮れでございました。
細野委員 二〇〇二年の一月二十三日にビルオーナーに会って直接そのことをお話ししたのも、これも事実ですね。
大島国務大臣 当然に、その事実を私が知りましたので、そのオーナーの方に、オーナーの志と違った形の結果になっていることに対して私としておわびをしなきゃならぬという思いでお話をし、おわびをしたのも事実ですが、そのときに、今委員がお話をされた、お金を返してくださいというのは、そのオーナーは私には言わなかったと思います。
細野委員 そこは水かけ論になりますので、その話は、では、オーナーの方から出なかったと。
 お金を返しますという話は大島大臣自身がされましたか。
大島国務大臣 当然に、志と違った形でその元秘書が預かっていたわけですから、お返しするのは当然でございます、こういうふうに申し上げた記憶がございます。
細野委員 一カ月後に宮内秘書を通じて返した、これも事実ですか。
大島国務大臣 その後、オーナーと連絡をたびたびとらせました。しかし、大変お忙しい方でございますので、何月でございましたでしょうか、一カ月かあるいは一カ月半後か、確かにそういうことでお返しをしたという報告を受けました。
細野委員 もう一つ聞いておかなきゃならないことがあります。それは、返した六百万がどこから出てきたのかということなんですね。
 今、大島大臣の御答弁だと、藤田さんが持っていらして、一年七カ月、どこかに置いていたということでしたけれども、どなたがこの返した六百万円は支払われたんですか。
大島国務大臣 断じて申し上げますが、藤田本人から宮内に持ってきたものでございます。
細野委員 いや、きのう私、藤田秘書にお会いをしようと思ったんですね。そしたら、大島事務所に行っていると。きのう、そういう話をされたんですね。
大島国務大臣 それはどういう意味の質問かわかりませんが、それは本人がどう言ったか、私はわかりません。
細野委員 お会いになったんですね。
大島国務大臣 だれと会ったかということを質問していただけませんか。
細野委員 藤田秘書と大島大臣は、きのうお会いになりましたね。
大島国務大臣 何の確証を持ってそうおっしゃいますか。私は会っていません。(発言する者あり)会っていません。
細野委員 まあ、この問題は午後やりましょう。大島大臣、本当に、午後三時までありますので、もう覚悟を決めて、覚悟を決めて午後の審議に挑んでいただきたい。(発言する者あり)何言っているんだ。藤田氏は、藤田氏は……
藤井委員長 御静粛に、御静粛に願います。御静粛に願います。(発言する者あり)御静粛に願います。
 細野君、質問してください。
細野委員 まあ率直に言って、あと二十分はあるんですが、これ以上質問してもしようがないかなという感じもいたしますが、次もありますので一応聞きましょう、私も聞きたいことがいろいろありますので。
 さくら商事の話を前、大島大臣としましたね。そのときに、月十万円、奥さんがそのさくら商事からもらっていたという話をされました、たしかとかで随分いろいろ前がついていましたが。大分昔のことなんでよくわかりませんとおっしゃいましたね。
 私は青森に結構いろいろ知り合いができまして、新聞に十万円と出たら、三人の方から電話があったんですね。いや、あれは五十万円ですよ、もう一回追及してくださいと。私が調べたんじゃないですよ。複数の方からそういう話がありました。
 五十万円じゃないですか。
大島国務大臣 委員がどういう方にお会いになったか、そして、その方の名前を後で教えていただければ私なりにまた調べてみますが、この問題が、その設立の経過は私も知っておるものですから、前回もお答えを申し上げましたように、平成四年に中選挙区で、率直に言いまして、事務所経費その他、そんなに潤沢な形でやっているわけではございません。八人の私設秘書がおります。そういう中にありまして、最も古い秘書から、もし許されれば、そういう会社をつくって、秘書たちの社会保険やそういうふうな対応をしてやりたい。
 私はそのときにも、いろいろ申し上げません、一つは、法に違背しないようにやりなさいということと、公共事業に絡んじゃいかぬという中で設立したものでございまして、そして、私もそれに理解を示したものですから、家内もそこに参画をしたということで、そういうことを、十年前のことでございますので、本当に、この問題を提起されてから、その本人にも聞いたり、あるいはまたその秘書にも聞いたりしたら、十万前後ではなかったかという記憶なんです。
 資料はないのか、こう言いましたら、そのときお世話になった税理士さんにも聞いてみろ、五十万という話もあるよということを聞いたら、家内は、自分自身はそんなにいただいたような記憶はないし、十万前後ではなかったかと思います、生活費の一部にしておった、こういうことでございましたし、残念ながら、明確に五十万もらっている、あるいはそういうふうな資料等がない限り、その記憶のことを申し上げるしかないと思っております。
細野委員 十年前後の記憶とはいえ、私のような生活をしている者にとっては五十万か十万かというのは重要な問題ですね。そこの部分で、まあ十万円とおっしゃるんであれば、これは水かけ論になりますので。
 ただ、何で私に五十万だという情報が三人の方から入った、そこが重要なんですよ。要するに、━━━━━━━━━━━━━━━━地元で。いろいろな形でいろいろな企業にかかわっていて、要するにペーパーカンパニーなんですよ。そして、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━いや、そんなことないはずだと私のところに三人もわざわざ、地元の新聞に出ただけで情報が入ってくるんですよ。
 資料四、ぜひちょっと皆さんごらんください。
 先ほど、設立経過を大島大臣が御存じだとおっしゃったさくら商事は、一番左側に書いてございますが、平成四年の九月九日にできて、六年の十月一日までこの名前になっています。所在地は、前の委員会でも明らかになりましたとおり、大島大臣の事務所でございます。そして、社長に秘書、取締役に奥さんがつかれています。確かに、このお二人の役職は、平成六年の十月に、実は、これ、社名を変更しておりまして、有限会社データプロジェクションという形に変わっているんですね。役員は、確かにこのお二人はおりられています。
 しかし、じゃ、新しく代表取締役についた方がだれかと名前を聞いて、私、びっくりしました。━━━━━━この方は、あなたの後援会の、━━━━━━事務局長じゃないですか。これはそのまま存続している会社ですよ。同じ会社ですよ。役員はかわったけれども、代表取締役には事務局長がついている。
 確かに、この会社は平成八年の七月の五日に解散をしているんですが、実は業務内容が全くほぼ一緒の会社、ビジネスサポートという会社がその前にできているんですね。事業内容が同じものは重なるような行にしておきましたので、さくら商事からデータプロジェクション、ほとんど業務が変わりません。
 そして、ビジネスサポートという会社ができているんですが、上の一、二だけですね。各種清掃業務とビルの管理業務以外は、これはデータプロジェクションと同じなんですよ。そして、代表取締役の━━━━━━も同じ。
 さらにもう一つ、新しい事実として、住所を変更しているんですが、この新しい住所というのはあなたの後援会である━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━会社の所在地じゃないですか。今もこれは商売をやっているんですよ。
 つまり、さくら商事は昔のことで大島大臣、知らないとおっしゃるけれども、もう忘れたというようなことをおっしゃって、もうとっくにあなたとのかかわりは終わったようなことをおっしゃるけれども、綿々とこうやって続いていて、そして、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━立派なものですよ。
大島国務大臣 委員長にちょっとお願いしたいんですが、民間の名前を評判が悪いとか、そして一生懸命今仕事をしている人間をこの国会の場で、プライバシーがあります。そして、企業というのは信頼というものが資本だと思うのです。私に問われる関連することで質問をされるなら私も答えますが、そして、そういう状況の中で、今もその方々は、この厳しい環境の中できちっとした仕事で一生懸命頑張っておられます。
 したがって、できればそういうことも配慮しながら質問をしていただきたく、私は一人の議員としてお願いを申し上げたいと思うのです。
 そこで、私はお答えを申し上げさせていただきますが、さくら商事、そのように閉鎖するということになりました。そして、そういう状況の中で、その話を聞き及んで、今言われた方が自分で新しい事業を始めたい、そしてすぐに始めたいということで、その方に譲るということにしたということでございまして、私はそのことに、報告としてそのように聞いているところでございます。
 それで、さくら商事というものは、二年間赤字でございましたと報告も受けておりますし、さらに言えば、政治改革ということで政党交付金が交付される、そういうこともこれあり、そのことをやめるということにしたのであります。
 若い人たちが企業を起こし挑戦したいというなら、私自身がそれはもちろん頑張れと言うのもそうですが、そこに何かしら私のやましいことがあるような今御質問でしたが、そういうことはございません。
細野委員 さくら商事が平成五年の三月二十九日に目的を変更しています。下の方に業務内容を書いていますが、市場の開拓であるとか技術の開発、まあコンサルティング業務ですね、その下には建築資材、木材資材及び包装資材の販売、四つ目には土木建築請負工事業。
 大島大臣は、さくら商事は確かにやっていたけれども、公共事業にはかかわりませんね、この部分にはタッチしないんですねということをさんざん確認されたと言っているけれども、書いてあるじゃないですか、その業務。それを今も引き継いでいるから、この会社についてあなたは責任あるでしょうということを聞いているんですよ。
大島国務大臣 企業目的はさまざまに書くこともあろうと思いますが、実態の実務としてそういうことはあってはならぬよということは言うてきましたし、結果としてそれは、私に対する彼の説明は、八戸は食品会社がございます、包装資材等をやりますということで、それであればそうしなさいということでやらさせました。そういうことでございます。
細野委員 会社がわざわざ登記を変更して、目的を変えているんですよ。しかも、あなたの秘書が代表取締役、そして、あなたの奥さんが取締役をやっている期間のちょうどその期間にですよ、目的を変更して、土木建築請負工事業と書いているんじゃないですか。やっていないと何で言えるんですか。
大島国務大臣 仕事の実態として、そういうことにかかわってはいけないということは申し上げましたけれども、登記でどうあったかは、私はそこまではチェックしておりません。そして、間仕切りをして仕事をしておることの報告を時々受けたときに、包装資材とかそういうものの仕事でございますということでございました。
細野委員 大臣、データプロジェクションとビジネスサポートは、確かに違う方がやっているから、違う方といっても後援会の幹部の方ですけれども、それはまあ差し当たって、じゃ、そこまでおっしゃるのなら、置いておきましょう。
 ただ、秘書と奥さんがやられている企業について、定款を変更しているのに、目的を変更しているのに、それは私は知りませんは、それは通用しないですよ。この部分に関して、きちっと調べていただきたいと思います。
大島国務大臣 調べて報告を聞いてみますけれども、実態の仕事として、そういうことにかかわってはいかぬよということは、業務として、仕事としてそういうことをやってはいかぬよということは言っておきましたし、せっかくの委員がそう御質問ですから、経過はちょっと聞いてみたいとは思います。
細野委員 では、大臣の問題は午後の審議に譲りたいというふうに思います。
 最後に、総務大臣に二つほど聞いておきたい……
藤井委員長 細野君、ちょっと。先ほど、与野党の理事が集まりましたのですが、午前中の委員会が始まる前に理事会において、きょうの質疑の中で、第三者、つまり、民間人あるいは民間人を含めたそういったことを出すときには十分配慮するように、配意するようにということでありますので、どうか、民間人の名前、民間企業等々の発言のある場合には、十分その点を配慮しながら御発言を願いたいと思います。
細野委員 そこは委員長の御指示でございますので、従いたいと思います。申しわけございませんでした。
 最後に、総務大臣にお伺いをしたいと思います。
 私、今回、政治と金をめぐるこの問題を調べるのに、大島農水大臣を含めて各閣僚の皆さんの政治資金報告書を集めることに大変な労力を費やしました。これは、私だけではなくて、うちの同僚議員も含めて大変な体力を要したんですね。
 なぜ体力を要したかというと、そもそもそれぞれの団体の代表者がだれかわからないんですね。しかも、例えば私の政治資金報告書が、私は自分のことだから知っていますが、例えば片山総務大臣の収支報告書が、果たして国の方、総務省にあるのか、それとも岡山県庁にあるのか、それはわからないんですね。ですから、行って調べてめくって、その中の代表がだれになっているか、それを確認しない限り、例えば片山大臣の収支報告書は、全部集めることは無理なんです。
 ルール上は、確かに県の二つ以上にまたがるときは総務省で、一つのときは確かにそれぞれの都道府県庁でいいということになっているんですが、政治家である限り、国会議員なんというのは、もちろん地域でも活動しているけれども、当然東京でも活動しているわけですから、総務省に出すのも都道府県に出すのも、それはもう議員の意向次第なんですよね。これはやはりきちっと一元的に管理をできる仕組みをつくっていただきたいんですよ。それができないと、こんな国民の前に明らかにしなきゃならないことにおいて、大変な労力を要することになるんですね。
 これはもう我々だけの問題ではなくて、国民の知る権利、そっちに直結をしていると思いますので、大臣、ここは前向きにぜひ御答弁ください。
片山国務大臣 今の政治資金規正法上の仕切りは、釈迦に説法になりますが、一の都道府県内で活動する政治団体は、当該都道府県の選挙管理委員会にいろいろな報告を出してそこで閲覧してもらう、二以上だと総務大臣、こうなっているんですね、制度上の仕切りが。
 これについては、細野委員のような意見も恐らくあると思いますよ。しかし、これは恐らく、政治資金の閲覧をどうやるか、国民にどういうように提供するかという議論ですから、ひとつ国会内で各党各会派で十分御議論の上、御結論を出していただければ幸いだと思っております。
細野委員 いや、残念ですね、そういう御答弁しかいただけないというのは。国民の知る権利に貢献するつもりはないというふうにしか受け取れませんね。
 では、もう一つ聞きます。こっちは法律は関係ないので、大臣、前向きに答弁してくださいね。
 では、全国のを総務省に一元化するのは国会で議論しましょう。少なくとも総務省に集まっているものは、法律改正も必要ないわけだから、インターネットで公表する。これは、PDFでとってぱっと上げればいいだけですから、総務大臣、住基ネットもお得意なわけだし、ネットワーク化、Eビジネスとおっしゃっているわけでしょう。Eガバメント、E政府だと言っている。そのイロハのイですよ、我々国会議員がまず範を示すというのは。どうですか。総務省にある部分だけでも、これは法律改正は必要ないわけだから、インターネットで公表する、これをぜひお約束ください。
片山国務大臣 今我々は、e―Japan戦略、あるいはそれに基づくアクションプランでいろいろなことをやろうとしておりますが、その一つが電子政府ですよ。いろいろな届け出、申請をインターネットでオンライン化する。それから同時に、できるだけ情報も国民の皆さんに公表していく、インターネットを使って提供していく。こういうことで、今のお話の点も我々としては検討しておりまして、十五年度中にできれば実現したい、こういう方向で今検討を進めております。
細野委員 あわせて、最後に一言だけちょっと報告をしておきたいんですけれども、総務省もそうなんですけれども、地方に行ったときも、これはコピーさせてくれないんですよね。情報公開法で請求をしろとか言われるわけですよ。我々は何をしてきたかというと、都道府県によってはコピーさせてくれないものだから、三時間も四時間もかけて書き写すんですよ、この時代に。
 情報公開法の趣旨というのは、公開されていないものを出すときには情報公開法に基づいて請求しろというのはわかります。ただ、既に公開されているもの、これを手で書き写してこいというのは余りに理不尽です。こんな当たり前のようなことができなければ、本当に政治の、私どもの姿勢が問われると思いますよ。そのことだけ最後に申し上げて、時間が来ましたので、残りは午後にしたいというふうに思います。
 どうもありがとうございました。
藤井委員長 これにて細野君の質疑は終了いたしました。
 次に、長妻昭君。
長妻委員 民主党の長妻でございます。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、公共事業受注企業からの献金についてお尋ねを申し上げます。
 大臣というのは、国会議員じゃない方もおられますけれども、国会議員の大臣というのは、普通の国会議員と違いまして、かなりの権力が集中している職でもあるということでございますので、こういう表を調べてつくってみました。(パネルを示す)
 これは、小泉内閣の全大臣が、公共事業受注企業から一体どのくらい、その大臣が支部長を務める支部に、公共事業受注企業からどのくらいの献金があるのかという、ランキングリストにさせていただいております。その中で、こちらのピンク色の方は、地方、国含めた、あるいは公団も含めた公共事業すべてでございます。そして、こちらの緑色の方は、国発注の公共事業のみの企業からの献金でございますが、順位を、献金の金額の多い順に並べさせていただきますと、一位が片山総務大臣、公共事業受注企業だけの平成十三年一年間の献金が一千五百七十二万、そして二位が大島農水大臣で一千百万、三位が石破防衛庁長官で三百八十万、四位が鈴木環境大臣で三百六十万、五位が鴻池防災担当大臣で三百五十万ということで、きょうは、この上位五人の方に御足労をいただきました。そして、五人の方に一言ずつお尋ねをしたいということであります。
 そして、この公共事業受注企業の方に、私、お話をきのうちょっといろいろ聞きまして、本音のお話をしていただいたんですけれども、力のある政治家に献金を頼まれると、どうしたって、先のことを考えると、やはりつないでおかないといろいろあるからという思いで、強く頼まれなくても、秘書さんが何か紙を持ってきても、彼らにとってはすごい圧力といいますか、やはりこれは献金しないとまずいかな、こういう気持ちになるということを言っておられました。今、不景気の中で、こういう公共事業受注企業はいろいろ気にされるわけですから、国から事業をもらっている、その国会議員、そしてその大臣、この平成十三年には大臣じゃない方もおられましたけれども、大臣になるぐらいの実力のある方がお頼みするということは、やはりまじめにやっている公共事業受注企業も切ない気持ちというか、断れない気持ちになるわけでありますけれども、こういう気持ちについて、一言、どういうふうに思われているのか。
 まず、五番目の、第五位である鴻池大臣から、その気持ちについて、一言。そして、済みません、これ、順番に、鴻池大臣、鈴木大臣、石破長官、大島大臣、片山大臣ということで、私は一々指名いたしませんので、御順番に、どういう気持ちなのか、企業の、それを、ぜひ感想をお願いします。
    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
鴻池国務大臣 ただいまの御質問でありますけれども、私は、献金をしていただく企業というのは、少なくとも鴻池祥肇という者の政治姿勢に対して賛意を持って献金をしていただいているものと存じております。そういう気持ちでちょうだいしているものと存じます。
鈴木国務大臣 リストをお示しいただいて、それだけの会社から政治献金として御協力をいただいたということを改めて認識したわけでありますが、先ほどお話しありましたとおり、こちらから何か無理強いをするとかそういう気持ちは、私は持っておりません。ただいま鴻池大臣からお話がございましたとおりに、私の政治活動に対して純粋に協力をしていただけるという気持ちがおありになるのではないか、そういう気持ちの中で御寄附をいただいているところでございます。
石破国務大臣 おおむね両大臣と私も同じであります。
 このリストを改めて私も見てみましたが、それぞれの方、長い、もう二十年に近いおつき合いをいただいております。その会社に特定の利益を誘導するとかいうようなことは、いやしくも私は一度もやったことはございません。
 要は、そういう方々と本当に日ごろから国政のいろいろな問題について話をする、あるいは私の選挙区は地方でございます、どうやって地域の暮らしをよくするかということは、それは国会議員として当然の仕事だと思っております。そういうことについて一般論のお話をする、それは私は政治家にとって必要なことだろうというふうに考えておる次第でございます。特定の企業に利益を誘導するようなことは一切いたしておりません。
大島国務大臣 今委員が御指摘いただいたのは、政党支部に対する献金だと思います。自由民主党に対して、頑張れというふうな思いで御献金をいただいているもの、このように思っております。
片山国務大臣 私どもの方の政党支部の政治活動について十分な御理解をいただいて、御協力をいただいているものと考えております。
長妻委員 これは、ぜひ一つ提案をしたいのでございます。
 国の公共事業受注企業からの政治献金というのは、例えば選挙に関してはこれは法律違反になる、選挙に関してでなければ法律違反じゃないというふうに今残念ながらなっているわけでございますけれども、一歩進めて、せめて大臣は、やはり権力の中枢でございますので、せめて大臣は、大臣就任期間中は国が発注している公共事業を受注した企業からは政治献金は一切もらわない、自粛する、これは私は当たり前だと思うんですが、それについてまた先ほどの順番で、ぜひその御決意を、あるいは全然それをやらないのか、やるのか、検討に値するのか、いや、全然それは検討しないのか、お一人ずつ一言お願いします。
鴻池国務大臣 委員の御意見につきまして、私は反論をしたいと思います。
 これは政党活動であり、まずはやはり、いかなる企業でありましても政治活動に対しての参加ということは拒むものではない、このように思います。
    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
鈴木国務大臣 鴻池大臣と同様に考えております。
石破国務大臣 政党に対しますそういうような政治献金でありますから、鴻池大臣のお考えと同じであります。
 要は、民主主義のコストをだれが支えますかという問題でありますし、国会議員の活動をどのように支えるかということであります。ですから、政党に対します献金という点では、私は、そのような委員のお考え方に賛意を表することはなかなか難しいと思っております。
大島国務大臣 政党活動は民主主義の根本だと思います。そういう中に、法律にのっとってきっちり献金をいただく、そして大事なことは、その地位を利用して、その人たちのために何かをしてやるということがあってはならないということであろうかと思います。
片山国務大臣 先ほども申し上げましたが、政党支部の政治活動に対する協力でございますから、しかも、これは適法に認められておりますので、これを拒む理由はないと私は思います。
長妻委員 政党支部というのは、やはり国会議員と一体に動いていると見られることもあるわけでありますから、小泉総理自身も小泉内閣の公約として、政党支部が受ける企業献金、公共事業の受注の割合に応じて規制すべきだというのを小泉内閣の公約で出しているにもかかわらず、この上位五人の大臣が、全くやる気がない、取り合わないというようなお話だと今承りました。
 我が民主党は、野党共同で、公共事業受注企業からの政治献金は一切禁止する、こういう法律を既に国会に出しております。非常にがっかりいたしましたが、次の質問に移りますので、五人の大臣の方は御退席していただいて結構でございます。ありがとうございます。
 そして、次の質問に移らせていただきますが、我が民主党の原口委員が、二月十七日の本予算委員会で竹中大臣とやりとりをいたしましたけれども、そのときのやりとりは、原口委員が、竹中大臣は大臣になられてから一投資家としての行動をされていたんですかというような質問で、竹中大臣は、閣僚のその規範に沿って行動しておりますというような、閣僚の規範、大臣規範に沿って行動しているというふうに胸を張って答弁されたわけでありますけれども、大臣規範を竹中大臣は違反されているというふうに私は考えておりまして、それは、平成十三年十一月に竹中大臣はマンションを売却されている。
 今、資料一でお配りしておりますけれども、これが大臣規範でございますが、それの四角で囲んでいる、一番下でございますけれども、国務大臣は在任期間中は不動産の取引を自粛することとする、こういうふうに書いてございまして、これに違反しております。原口委員への答弁というのは間違いだったということで、御訂正ください。
竹中国務大臣 いわゆる、国務大臣、副大臣及び大臣政務官の規範には、株式等の有価証券、不動産、ゴルフ会員権等の取引を自粛するというふうに決められております。私はこのとおりに行動しておりまして、私はこうした取引を一切しておりません。
長妻委員 平成十三年十一月に売ったマンションはどういうことですか。
竹中国務大臣 私は、そういう売るべきマンション、今持っているマンションは自分が住んでいるところでありますので、売るべきマンションを十三年の時点で私は持っていなかったと思いますから、持っていないものは売れません。
長妻委員 佃島のマンションでございますが、謄本がございますけれども、平成十三年の十一月に個人の方に売却されている。このマンションは、竹中平蔵さんが平成十一年の三月に取得されたマンションでございます。
竹中国務大臣 十三年の十一月の時点では、私は所有者ではありません。
長妻委員 では、だれが所有者だったんですか。そして、その所有者と竹中大臣、どういう関係ですか。
竹中国務大臣 正確を期するために、どういう物件かということをもう一度明らかにしていただきたいと思います。
長妻委員 まあ、これほどとぼけておられるのはおかしいわけでありまして、竹中大臣が平成十一年の三月に佃島のマンションを購入された。その後、竹中大臣がかつて社長を務められ、今は竹中大臣の奥様が社長を務めている、私は節税会社だと思いますけれども、有限会社のヘイズリサーチセンターにそのマンションを売却している。これは竹中さん個人ですよ。そのヘイズリサーチセンターが平成十三年十一月にマンションを売却している。
 この大臣規範は、大臣みずからもこの前御答弁されていましたけれども、不動産の取引を自粛するというのは、大臣がいろいろな情報で有利に進めると困るからこういう大臣規範があるわけで、その所有者が、大臣が奥様とやっている個人会社が売却する。その意思決定は大臣がされているわけですから、これにひっかかるわけですよ。会社が所有者であっても、所有者を会社に変えても。大臣在任中ですよ。そういういいかげんな、とぼけた答弁しないでください。
竹中国務大臣 私と妻とで会社を経営していたことがございました。私はこの会社の役員をしておりました。大臣に就任するに当たりまして、私はその取締役の職を辞しております。もともと、この会社には私は出資関係はございません。私が大臣として職務に専念する、妻は妻として、これは職業としてその会社を運営しております。恐らく、議員の先生方でも、奥様が会社を経営しているという例はあるのではないかと思います。
 そういう場合に、この会社については、これは節税会社でも何でもなくて、きちっとした事業を行っている会社でありまして……(長妻委員「個人会社じゃないですか」と呼ぶ)
藤井委員長 長妻君、着席のまま発言しないでください。
竹中国務大臣 そこで経営者である妻がどのような経営判断をするかということは、これは経営者としての判断でありますから、大臣規範では私個人の取引は規制されておりますが、私とは別の人格の法人が行っているものでありますから、大臣規範とはもちろん抵触しないわけであります。
長妻委員 別の法人といっても、一体なんですよ。個人の会社なんですよ、奥様とやっている。個人会社ですよ。そのマンションだって、前は竹中さんの自宅ですよ。自宅だったところじゃないですか。そこにヘイズリサーチセンターが入っているんじゃないですか。同じ建物ですよ、竹中さんの自宅と、階が違うだけで。自宅なんですよ。まあひどい話であります。
 では、この不動産、ヘイズリサーチセンターが不動産を売った、その売ったときの判断には竹中大臣は全くかかわっていないですね。
竹中国務大臣 私が国務大臣として忙しくしている間、私の妻は一生懸命経営をしております。経営者として一生懸命やっているというふうに思っております。この不動産の販売等々につきましても、これは経営者として妻が判断したことでありまして、私は関与しておりません。
長妻委員 これは本当は奥様に聞かないといけないですね。個人会社ですよ、これは。個人会社で、あなたが決定をしていない、別人が決定したと。奥さんとあなた二人でやっているんじゃないですか、基本的には。
 私が実はこの問題を去年、財務金融委員会でお話ししたときに、これを報道した週刊誌を名誉毀損で訴えると、十月二十九日に言われておりましたけれども、訴えましたか。
竹中国務大臣 御指摘の、前回別の委員会で御質問を受けたときの週刊誌の記述には、小見出しか何かで、これは明確な大臣規範違反であるというふうに書いておりました。
 繰り返し言いますが、私は、個人の竹中平蔵としては不動産の取引はしておりませんから、これは、大臣規範に違反するというのは明らかに私の名誉を毀損するものであります。
 これは私の名誉を毀損するものであるという趣旨のレターを……(長妻委員「訴えましたか」と呼ぶ)ちょっと聞いてください。趣旨のレターを、弁護士を通して正式に抗議をいたしました。その中で、出版社に対して、これは著しい、事実に反する名誉毀損であるから、これに関して名誉を回復する措置をとれ、さもなくば、私は名誉毀損で告訴するということを申し上げました。
 その後、弁護士がいろいろ交渉をしております。先方は、名誉回復の措置として幾つかの提案をしているようでありますけれども、今、弁護士が交渉しておりますが、この名誉回復の措置としていろいろ議論されていることは今のところ十分ではないというふうに判断しておりますので、これは、比較的最近でありますけれども、再度、名誉回復のための措置としてどのようなものを考えているのかということを示せ、それが不十分なものであるならば法廷に訴えるということを含めた通告をしたところであります。
長妻委員 結局は訴えていないんじゃないですか、名誉毀損で。
 基本的には、やはり大臣規範は、大臣が売却の意思決定をしたということなんですよ、形式的に、会社が売却、会社が持っていて売却したからそれはクリアするということではないんですよ。
 この問題はまた引き続きやりますけれども、その次に、ETFの問題をやります。これも、政治と金の新しい形態だと思っておりますので。
 大臣、閣僚懇で二月の七日にこういう三枚の資料をお配りされたんですか。あるいはこれ以外の資料もお配りされましたか、ETF関連の資料で。どんな資料をお配りされましたか。
竹中国務大臣 資料としてお配りしたのは、その三枚というのは、その紙であります。
長妻委員 この紙を配って勧誘をして、ここにおられる細田大臣が御購入されたということでありますけれども、この資料は本当にメリット、ETFについてということで、これは多分手づくり、金融庁がつくった資料らしいんですが、投資家にとってのメリットということでメリットだけがずらっと書いてあって、元本保証でないということが全然触れられていない資料でありますけれども、そういう意味では、大臣の皆さんに対しても、このETFをこういう資料を配って勧誘していた。竹中大臣は記者会見で、いや自分に言い聞かせて、自分が買うということをただ言っただけでと。
 その前の閣僚懇でこういう資料を配って、リスクも書いてなくて、それを配付して勧誘しているじゃないですか。細田大臣、どんな言葉で竹中大臣は勧誘をされたんですか。
細田国務大臣 細かい表現は覚えてはおりませんが、ETFについて新しい税制もできたということで、これはいわば証券市場の株価指数の平均に連動するわけであるから、閣僚としてこれを購入することが何ら問題がないものであるという御紹介もありまして、私も、ちょうどその明くる月曜日の日にちょっと時間があったものですから、それではそれを購入しようかということで購入した次第でございます。
長妻委員 やはり勧誘して、もう実際買われた方がおられるんじゃないですか。大臣、全然違うじゃないですか、さっきの会見の説明と。
 この資料はだれがつくったんですか。
竹中国務大臣 この資料は金融庁の事務方でつくらせていただいたものでありますが、これはしかし、その中には、TOPIX等々に連動するというふうに書いているわけでありますし、投資信託と書いているわけですから、これは閣僚の皆様方の知識をもってすれば、そういうリスク商品であるというのはもう明らかにわかることであると思います。(発言する者あり)
藤井委員長 いま一度、細田国務大臣。
細田国務大臣 私は、勧誘を受けたという認識はございません。自分の意思で購入したわけでございますが、私自身は、竹中大臣よりは七年ほど、経済政策、産業政策、貿易、エネルギー政策に通暁しておるという自信がございますので、人に言われたから株が上がるだろうとか、下がるだろうとか考えるようなことはございません。みずからの判断でやりました。
 ただ、ETFの存在とか税制上の措置とか、そういうものは知りませんでしたけれども、この長年の感覚から、底値感もあるし、それから、もっと大きなことは、株価の低迷に小泉内閣も苦しんでおりますし、少しでもお役に立てればということで買ったような次第でございますので、誤解のなきようお願い申し上げます。人に言われて買ったり売ったりするようなものではございません。
長妻委員 だから、大臣自身が営業しているじゃないですか、このリスクを書かないで。大臣は、この紙一枚で、大臣だから全部そんなことはわかるんだというふうに言われていましたけれども、失礼ながら、これだけ見て、全部、ああリスクが、元本保証じゃないときっちりわかる大臣ばかりじゃないと思いますよ、残念ながら。大臣が営業マンで、リスク説明をしないで、こんないいこと、税制上の優遇措置、投資家にとってのメリット、これだけ書いて配って、勧誘していたんじゃないですか。これまでの答弁は全部うそじゃないですか。勧誘しているじゃないですか。自分に言い聞かせたんじゃないんじゃないですか。
竹中国務大臣 営業というふうに言われましたけれども、別にこれは、営業して私が利益を得るわけでも何でもありませんから、これは営業の定義ではちょっと違うのではないかと思います。
 これは繰り返し申し上げましたけれども、閣僚懇においては、私は、総理の施政方針演説でも貯蓄から投資への流れを加速する方針について触れていただいている、来年度の税制改革でもこの観点からその見直しが議論されている、また、金融庁としても個人投資家の参加しやすい証券市場づくりに努力している、こうした中で、投資信託は、これまで証券投資を行ったことがない個人投資家にとってなじみやすく、身近で投資しやすい商品として重要な役割を担っている、特に、TOPIXや日経二二五に連動するETFは、日本経済全体の見通しを反映しているものともいえるものであって、いわば日本経済の未来を買うということであるから、各閣僚にこの趣旨を積極的に御理解いただいて、一層の普及促進への協力を要請した、貯蓄から投資への流れをつくるために要請したということで、これは閣僚懇で私が申し上げたことでございます。その際の、ETFとは何なのかということに関する参考の資料として、これについては特に説明はしませんでしたが、お配りをしたということであります。
 繰り返し言いますが、リスクに関する適合性といいますか、相手に対してそれはふさわしい説明の仕方が要るわけで、いやしくも小泉内閣の閣僚については、投資信託が何たるかということは、私は一般論としては御存じだと思いますし、しかも、そこに連動するというふうに書いているわけでございますから、これは別に、営業したとか勧誘したとか、そういう趣旨のことではないということであります。
藤井委員長 長妻君、質問を続けてください。時間たちますよ。終わりますよ、そのままですと。質疑時間終了ですよ。質問しないなら結構ですよ。
長妻委員 では、これは申し合わせしたんですね、閣僚懇で。
竹中国務大臣 各閣僚に購入を、御協力を呼びかけたわけでありますけれども、その趣旨に御賛同をいただいた、そういう意味で共通の認識が得られたというふうに思っております。
藤井委員長 これにて長妻君の質疑は終了いたしました。
 次に、樋高剛君。
樋高委員 自由党の樋高剛でございます。
 きょうも質疑の時間をいただきまして、ありがとうございました。
 今長崎県で政治と金をめぐるさまざまな問題が噴出をしておりますけれども、また新たな疑惑をきょうは取り上げたいというふうに思います。
 鯨肉、いわゆる鯨の肉をめぐって不正購入があった。そして、そこには政官業の癒着を象徴するような事件があった。一部もう既に新聞、テレビ等で報道されておりますけれども、真相を究明してまいりたいというふうに思います。
 水産庁の監督下にあります財団法人日本鯨類研究所、いわゆる鯨研についてお尋ねをまずいたしたいというふうに思っています。
 鯨研は、いわゆる国際捕鯨条約第八条第三項にのっとりまして、調査捕鯨をした後、その鯨の肉をどのように販売されているのか、情報公開をする義務があります。きちんと履行されていると思いますけれども、水産庁長官に伺いますが、鯨肉を市場に流通されるに当たりまして、いわゆる公益用という枠がございます。これはどういった目的で販売されているんでしょうか。
木下政府参考人 お答えしたいと思います。
 お尋ねの鯨類研究所の副産物の販売でございます。
 公益枠販売につきましては、調査捕鯨の調査副産物である鯨肉の販売に当たりまして、鯨食文化あるいは捕鯨文化の維持、普及啓発を目的として実施をしているところでございます。このような公益枠によって購入された調査副産物でございますけれども、捕鯨問題に関します啓発活動のためのイベントにおける利用、また、地域住民に対する低価格での供給等に利用されているというふうに承知をしております。
樋高委員 つまり、利益は目的としていない、いわゆる市販用と違っていまして、営利を目的としていないということでありますけれども、では、どのような基準で鯨肉の割り振りがそれぞれ決められているんでしょうか、だれが決めるんでしょうか。
木下政府参考人 鯨類捕獲調査の副産物である鯨肉につきましては、日本鯨類研究所が、水産庁の担当者、それから地方自治体、消費者団体、また関係業界などの代表者から成ります販売委員会での議論を踏まえまして策定いたしました鯨類捕獲調査事業の副産物の販売処理基準に基づいて販売しているところでございます。
樋高委員 農水大臣に伺います。
 公益枠で購入をしたものを営利目的で利潤を上げようとすれば、これは詐欺に当たると私は思いますけれども、そんなことは許されてはならないと思いますが、大臣、いかがお考えになりますか。
大島国務大臣 少なくとも、公共のために、いわば一言で言えば、鯨文化というものを維持するためにそういうことをやろうとしておるときに、そのことを、もうける、そういう目的でやることはその趣旨に反することだ、このように私は思います。
樋高委員 総務大臣に伺います。
 地方自治行政を所管しておりますけれども、この公益枠購入に当たりましては、市町村長さん、いわゆる首長さんが、公益用を入手するに当たりまして、民間業者に仮に名義を貸してよろしいのかどうか、公益用の鯨肉を業者さんの代行として購入してもよろしいのでしょうか、いかがですか。
片山国務大臣 事実関係を十分承知しておりませんので、具体的にどうこうということは言えませんが、一般論としては、やはり市町村長さんは市町村の代表者、市町村住民の負託にこたえる、こういう立場ですから、その立場にふさわしい行動をしていただかなきゃいかぬな、こう思っております。
樋高委員 市町村で購入をするということであれば、当然、予算化をして、きちんと議会で諮って、決裁をとって、手続をとって購入しなくてはならないということであろうと思います。
 昨年の六月、長崎県壱岐郡に芦辺町という町がありますけれども、公益用という目的で、鯨研、いわゆる日本鯨類研究所、ここが水産庁のもとでいわゆる鯨の肉を扱っておりますけれども、購入の申請をしております。当初は三十五トン申請をしている。実際には十七・二トン、つまり一万七千三百キロを町長名義で購入して、その代金は、原価約五千三百万円に上るんだそうですけれども、卸値ベースで五千三百万円、地元の建設会社社長が支払っていたことが判明しております。
 農水大臣、このことを御存じだったでしょうか。
大島国務大臣 新聞報道、取材の過程で水産庁はその情報を入手した、このように伺っております。
樋高委員 今こちらに内部の資料があります。具体名もありますけれども伏せますが、芦辺町長さんから日本鯨類研究所の理事長さんあてのペーパーです。
 その中では、鯨肉の提供について依頼の文書であります。役場の上に判こも全部入っております。そして、購入目的、購入した鯨類の処理方法、必要枚数、必要数量というのが書かれてあります。そして、御丁寧に実施計画書まで添えられております。私、計算をいたしました。卸値ベースで三十五トン、申請段階は三十五トンでありますけれども、試算をいたしますと、約一億二百二十五万円分の実施計画書まで入っているわけであります。
 買うときは町長名、そして代金は業者からと、つまり、ここではまず町長さんと業者さんの癒着という構図が明らかなのではないかと思います。そして、購入をした業者さん、建設会社の社長さんは、鯨研が定めた公益用に使うという販売基準があるにもかかわらず、地元のスーパー、店頭で営利目的で販売しようとして、いわゆる小売用の店舗の工事まで実際に行ったということであります。
 申し込みは芦辺町長ですけれども、取り扱う実体は建設会社であります。このように、ルールを無視して、業者と首長が共謀して、営利を目的として鯨肉を不正に入手することは許されないと思いますけれども、農水大臣、いかがお考えになりますか。
大島国務大臣 いずれにしても、この仕組みは、委員から先ほど御指摘いただいたように、公共のために、そして鯨文化というものを維持するためにつくった仕組みでございます。そういう基本に立って判断をしていかなければならないと思いますが、委員が今言ったようなことがすべて事実だとするならば、やはり決してこれは褒められたことでもありませんし、いいことではない、このように私は、今委員からの質問を伺って、そう感じました。
樋高委員 今ここに請求書というのがあります。これは、振り込み先まで書かれておりますけれども、鯨類研究所のもとでいわゆる業務代行を行っております共同船舶という会社から芦辺町町役場あての請求書であります。総額五千三百五十四万円余りの請求書であります。
 この事実、水産庁長官に伺いますけれども、いつ知ったのか。そして、この鯨類研究所には農水省から天下りは行っていらっしゃるんでしょうか。
木下政府参考人 まず第一点目のお尋ねでございますけれども、私ども水産庁といたしましても、今回の事案、取材の段階で知ったわけでございます。
 また、日本鯨類研究所への天下りの件でございますけれども、現在、常勤、非常勤合わせまして十一名の役員のうち三名が水産庁の出身でございます。
樋高委員 天下っているということであります。そして、ここに政治家が絡んでくるから大きな問題になってくるというのであります。
 公益枠で卸されている鯨肉は、全国で一体どのくらいの量が毎年卸されて、一般的に一つの町、平均大体どのぐらいの量が卸されているのか、およそで結構ですから、お尋ねをいたします。
木下政府参考人 近年の調査捕鯨の副産物の実績でございますけれども、平成十三年度で申し上げますと、全体二千六百トンでございますけれども、このうち、公益用ということで販売されているのは三百トンということでございまして、どの程度の公共団体かということでございますけれども、大体五十程度の公共団体に販売されているというふうに承知いたしております。
樋高委員 せいぜい多くて、私もちょっと調べさせていただきましたけれども、一つの市町村なり町で大体二トンから三トン、念願かなっても卸されるのは二トンから三トンという量なんだそうです。
 しかしながら、この芦辺町は人口九千人しかおりません。そこで卸されたのが十七・二トンであります。全国の公益枠の実に、今、約三百トンという話がありましたけれども、五%にも及ばんとするこの数字から見ても、余りに不自然。ここには、政治の何らかの影が私は明らかに存在をしているというふうに断ぜざるを得ないのでありますけれども、この鯨肉の量が突出して多いというふうに思います。
 この十七トン、店頭価格にいたしますと約一億六千万円なんだそうです。原価が約五千万円でございますから、粗利が一億一千万円。ぼろもうけをするという構図になるわけなのでありますけれども、なぜ芦辺町だけに、一つの町にこれだけの大量の鯨肉を卸すことが認められたのか、不思議でならないのであります。大臣、いかがお考えになりますか。農水大臣。
大島国務大臣 なぜそうなったのか、私は承知いたしておりません。
樋高委員 監督責任があるから、しっかりと調べていただきたいと思います。
 ここに長崎県の公報のコピーがございます。これによりますと、疑惑の業者とその子会社から合わせて年間八十六万円、虎島県連会長に、少なくとも平成十二年と十三年に献金がされております。鯨肉を公益枠で購入し、営利目的で販売しようとした業者からの献金であります。これで、政治家と役所とそして町長さんと業者がつながったわけであります。
 そして、ここに、それを示すまた内部の文書がございます。これは、芦辺町長さんから共同船舶株式会社、つまり鯨研のもとで鯨肉を扱っている会社あてに出された。そして、この共同船舶の社長さんは、同時に鯨研の理事さんでいらっしゃいます。つまり、鯨研も共同船舶もほぼ同じだと。そしてそこに、この業者を薦めますよと、推薦書、鯨肉卸売業開設推薦書という内部の文書があります。まさしく政官業の癒着そのものにすぎない。
 これについてどうお考えになりますか。
大島国務大臣 委員のお話、一つの事実、一つの事実、一つの事実、ここが関連する資料がないのでございます。
 私は、今委員が我が同僚の議員の名前をお話しされましたが、そこがいきなり出てきて、資金、献金をルールにのっとっていただいていたからそこにかかわったんだと断定をすることはいかがなものでございましょうか。やはりそういうふうなことを考えますと、私、今そのことに、大臣としての評価をするわけにはまいりません。
樋高委員 今ここに、それならばお示しをいたしますけれども、また別の資料がございます。
 これは報告書というふうに書いてありますが、上に各役場の担当の方の判こがついてございます。ここには、町長さんと業者さんが協議した内容について下記のとおり合意したので、双方記名捺印の上申し合わせるということが書いてあります。そして、この鯨肉をめぐって、実績報告書というところがありますけれども、この業者は、事業が終了したときには速やかに事業実績報告書及び収支決算書を日本鯨類研究所に芦辺町長名にて提出をするというふうに書かれているわけであります。この資料が一つ。
 そして、この十七トンを、実はまだ販売をいたしておりません。なぜならば、営利を目的として売ってはならないからでありますけれども、この鯨研の総務部長さんに取材をいたしましたところ、その返却が決定をする前には、もう水産庁に報告も済ませたんだ、決算も済んだから、今さらその肉を、鯨肉を返したいと仮に言われても、お断りするしかないという当初の話でありました。
 しかし、そのように一たん宣言していたにもかかわらず、なぜか急に、その後、日にちがたってから急に態度を変えて、超法規的措置も仕方がないというふうに発言をされております。この対応の変化はどうしてなのでしょうか。ここで口ききがあったのではありませんでしょうか。
大島国務大臣 その町長、町と業者の関係は、今委員がお話しした資料の中で言われているようなことが一つの説明としてありましたが、我が同僚の先生がそこにかかわったということは何らそこで説明もされておりませんし、私は、やはり議論というのは確たる資料に基づいて議論するのであればいいのでありますが、私が今ここで先生の指摘されたことに、わかりました、理解しました、そうでしょうと言うわけにはまいりません。
樋高委員 昨年の八月でありますけれども、この鯨肉に関して芦辺町と業者さんの間で会議が行われました。その席で、自民党の虎島議員の秘書さんが、実名はわかっておりますけれどもここでは伏せておきます、働きかけをして、そして、その業者さんの証言でありますけれども、思ったよりも早く結果が出たというふうにおっしゃっております。報道まで出ております。
 もしそれが事実であるならば、これは明らかに口きき、つまり、何らかの接触、働きかけが虎島県連会長サイドから水産庁にあったということを私は証明できるのではないかと思いますけれども、いかがですか。
木下政府参考人 調査捕鯨の副産物でございます鯨類の販売でございますけれども、私どもは先ほど申し上げましたような販売基準に従って鯨類研究所で販売をしているというふうに認識いたしておりますし、私どもも、先ほどのような、国会議員から具体的な働きかけがあったという事実はございません。
樋高委員 それは、把握していないだけの話じゃないですか。隠ぺいをしているだけの話じゃないですか。
 そもそも、問題を大きくしないように、そういった案件が発生をしたときには、すべてそういう事実はないんだというふうにしようとしている、意図的に、恣意的にそのように伏せようとしている。なぜならば、今申し上げましたとおり、秘書さんが、業者さんとそして町長さんと打ち合わせをしたときに、働きかけをして、そして、おかげさまで思ったよりも早く結果が出たというふうにおっしゃっているわけなんです。
 しかも、その数量も通常では考えられない。普通の町であれば二トンから三トンがせいぜいなんです。それが十七トンも。卸売価格で五千万円を超えます。末端価格、店頭価格でしょうか、そこでは一億六千万円。人口は九千人しかいない小さい町なんです。
 公益用というのは、一番最初に水産庁長官が答弁しましたけれども、普通は、学校給食とかイベントとか、そして大臣がおっしゃいました鯨肉文化を広めるために使われるわけでありますけれども、それが、営利、業者と政治家とそして町長さんとぐるっとつながっているんではないでしょうか。私は、これは政官業癒着体質そのものにすぎない、これは明らかに癒着によって発生した新たな疑惑であるというふうに思いますけれども、大臣、いかがお考えになりますか。
大島国務大臣 我が同僚の議員が、今長官からもお話がございました答弁を伺いながら、そこに加わったという確証が、私は今の先生の御発言ではどうも感じられません。したがって、これは政官業の癒着だと、委員がそのように一方的に御判断されておっしゃるのは、それは委員の御判断かもしれませんが、私はそのように感じておりません。
樋高委員 現実に地元で今大騒ぎになっているんですよ、地元の議会でも。そして地元でも、一体これはどうしたものかという話になっているんですよ、現実に。しっかりと調べていただきたい。
 委員長にお願いをいたしますけれども、このいわゆる鯨肉の不正入手による疑惑、改めて虎島県連会長の参考人招致を求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
藤井委員長 理事会で協議いたします。
樋高委員 今回の鯨肉疑惑だけに限らず、政治家と役所といわゆる業者のつながり、つまり政官業の癒着構造は全国にごまんとあるわけであります。これは一例にすぎないんです。政治と行政の責任は重い。政官業の癒着体質、癒着構造を、やはり根本から、根っこから正していかなくてはいけない。そうしない限り日本はいつまでたってもよくならない、政治不信はなくならないということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
藤井委員長 これにて樋高君の質疑は終了いたしました。
 次に、木島日出夫君。
木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 定期借家制度創設にかかわって、本日は、政治と金の問題について質問をいたします。
 資料を配付していただきます。
 一九九九年、平成十一年十二月九日に参議院本会議におきまして、定期借家制度の創設を柱とする借地借家法の一部改正法を主な内容とする、良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法が成立し、同月十五日、公布をされました。
 法務大臣にお聞きしますが、法務省は、借地借家法における正当事由制度は国民生活の安定にとって重要な制度であり、正当事由のない定期借家制度の導入には消極の姿勢であったと私は見ております。
 配付資料の5をごらんください。
 一九九六年、平成八年十一月七日、これは法務省が当時作成した、定期借家権の創設についてと題する文書であります。その旨書かれております。もう内容は触れません。
 この文書は法務省が作成したものであると聞いて相違ないでしょうか。
森山国務大臣 平成八年十一月七日付の文書のことだと思いますが、大分前のことでございますので確認いたしましたところ、法務省が作成したものであるということがわかりました。
木島委員 ありがとうございます。
 定期借家制度の創設を強く求めていたのは、全国の不動産業者で組織する全国宅地建物取引業協会連合会、略称全宅連であり、その地域組織である都道府県宅地建物取引業協会、そして、そのそれぞれの政治活動のための組織である全国不動産政治連盟、全政連と略されます、そしてまたその地域組織の一つである東京不動産政治連盟、東政連と略称されます、でありました。
 法務省の消極的な態度に業を煮やして、これらの団体は、関係業界の皆さんを集めて定期借家推進協議会をつくり、定期借家制度の創設に向けて、関係議員等に対して陳情、請願活動を強力に展開したのであります。
 そのことを示す文書が配付資料の6であります。東京不動産政治連盟の第二十七回年次大会の平成十一年度活動報告書に生々しく記載されておりますが、ここでは三ページ、二枚目を真ん中辺、中段を見てください。資料6の二枚目、三ページ。
  一昨年より、社団法人東京都宅地建物取引業協会が中心となり推進してきた定期借家制度の創設に向けて、本連盟も組織を上げて支援するとともに、関係議員等に対して陳情・請願活動を強力に展開した結果、十二月九日、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」として可決・成立した。
あとははしょります。
 そこで、国土交通副大臣に組織関係だけを聞きます。
 全国宅地建物取引業協会連合会、全宅連は、当時の建設大臣を主務官庁とする公益法人であり、また、その地域組織である都道府県宅地建物取引業協会、それぞれ都道府県ごとに設立されておりますが、それはそれぞれの知事認可の公益法人であるということ、相違ないか。そして、全国不動産政治連盟、また、都道府県ごとに設立されている不動産政治連盟は、いずれもそれらの公益法人を母体としてつくられた、そして公益法人の要求を実現するためにつくられたいわゆる政治的活動をするための組織、こう聞いて相違ないですね。もう、イエスかノーかだけで結構です。
中馬副大臣 先生、今御説明されましたように、まさに国土交通省の所管団体ではございますが、法人でございますが、政治連盟の方は、これは政治資金規正法に基づく政治団体で、国土交通省は直接所管はいたしておりません。
木島委員 結構です。
 定期借家制度創設のための法律改正の法律案の作成、国会への提出、委員会、本会議審議経過、すべてを私は資料にして、配付資料4「審査経過」にしたためてまいりました。ごらんをいただきたい。これで全部であります。
 最初に議員立法として衆議院に提出されたのが借地借家法の一部改正法案で、提出日は九八年、平成十年六月五日であります。しかし、ごらんのように、この法案は、百四十二国会から百四十五国会まで、四国会にわたり一度も審議されず、衆議院法務委員会に継続案件とされたまま、九九年、翌年、平成十一年八月十三日、延長された国会の会期末の日、百四十五通常国会会期末において、審議未了で廃案となったわけであります。
 後から提出されたのが、良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法であります。百四十五通常国会の延長国会の会期末直前の九九年七月三十日に議員立法として衆議院に提出され、百四十六臨時国会の九九年十二月九日、参議院本会議で可決成立をいたしました。
 この法案は、良質な賃貸住宅等の供給などと飾り物がついておりますけれども、その主な内容は、最初に提出され、衆議院法務委員会に継続中の借地借家法の一部改正とほぼ同じ定期借家制度の創設でありました。
 この審査過程は、まことに異常ずくめであります。私は、三つの異常を指摘します。
 第一、提出の中心であった自民党議員が、借地借家法の一部改正法案がいまだ法務委員会に継続中であるにもかかわらず、装いを変えて、立法目的が同じ定期借家制度の創設であるにもかかわらず、看板をかけかえて、良質な賃貸住宅等の建設促進法案として提出していること。配付資料の2が自自社さの法案であります。配付資料の3が、後から出された自自公の法案であります。法律の中身は、大部ですからはしょりました。
 第二の異常は、衆議院議院運営委員会におきまして、良質な賃貸住宅等の建設促進法案の付託先を、法務委員会に付託するのが当然本筋であるにもかかわらず、早期成立のために、この法案を建設委員会に付託させたという異常さであります。
 そして、第三であります。法案の審議は、まことに拙速きわまりないものでありました。私も法務委員でありましたが、建設委員会に出ていって質問をいたしましたが、借家権の根幹にかかわる、正当事由のない定期借家制度創設という重大法案でありながら、衆議院建設委員会ではわずか二日間の審議、二日目の審議は参考人質疑終了後、即時採決であります。参議院国土・環境委員会では、わずか一日だけの質疑で採決であります。
 なぜこんな異常な状況が生まれたのか。その秘密を解くかぎが、東京都宅地建物取引業協会の発行している「月刊宅建」二〇〇〇年、平成十二年三月号に書かれておると思いますので、配付いたしました。
 配付資料の7、二枚目を見てください。最後の配付資料7。「定期借家制度創設報告会を開催 定期借家推進協議会」
  平成十一年十二月九日の定期借家法案成立に伴い、定期借家推進協議会は昨年十二月二十日、霞ヶ関ビルで「定期借家制度創設報告会」を開催した。
  冒頭、挨拶に立った代表世話人の藤田本会会長は「念願の法案が成立したのは、付託先を法務委員会より建設委員会に変更したことであり、業界、政治家、識者がガッチリ手を組んだ成果である。」
高らかに成果を誇っているわけであります。
 配付資料の6を見てください。これは、東京不動産政治連盟の発行した「第二十七回年次大会」、平成十二年五月二十九日、京王プラザホテルで行われたものであります。
 一枚めくってください。三ページ「平成十一年度活動報告書」、ちょうど中段、真ん真ん中のところです。
  一昨年より、社団法人東京都宅地建物取引業協会が中心となり推進してきた定期借家制度の創設に向けて、本連盟も組織を上げて支援するとともに、関係議員等に対して陳情・請願活動を強力に展開した結果、十二月九日、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」として可決・成立した。
その下にちょっと重要な、おもしろいことが書いてあるんですが、本題と直接関連ありませんから、はしょります。
 二枚めくって五ページ、上から三行目、法務省の態度を批判しております。
  しかし、我国の借家制度として昭和十六年より続いている正当事由を排除することが、法案の条文構成の主体であったこと、また所管する法務省等が導入に消極的な姿勢であったこと等により、導入の本来の目的である経済的な効果等について、理解を得ることに時間を費やしたため早期導入に向けた陳情・請願活動は、困難を極めた。
そして三行おいて下、次が重要なところです。
  この状況を打開したのが、藤田会長の獅子奮迅の陳情・請願活動と業界の結束した支援活動であった。「借地借家法の一部改正法案」を取り下げして、新たに法案を作成、提出し、付託先の委員会を換えるという奇策に賭けるものであった。
奇策を賭けられたんです、国会は。それで、
  新法案は、七月三十日、定期借家制度を盛り込む「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案」として、自民・自由・公明党の三党の議員提案により、第百四十五回通常国会に提出され、会期末の八月十三日、法務委員会から建設委員会への付託換えが決定した。
云々と書かれているわけであります。
 もう中身は問いません。国土交通副大臣にお聞きします。きょうは大臣を呼んでいたんですが、いません。副大臣は、これらの記事を読んだことありますか。イエスかノーかだけで結構です。
中馬副大臣 私はこれは読んだことございませんし、また、私のところにも配付されてきておりません。東京の雑誌のようでございます。
木島委員 これは配付してやってくださいよ。中馬さんに渡してやってくださいよ、資料。副大臣に渡しておかなきゃだめだ。
 異常なこうした経過の裏にあるものは何か。それをきわめるのが、私は、国会の仕事、予算委員会の仕事、きょうの政治と金にかかわる集中審議の仕事だろうと思います。
 配付資料の1を見てください。二つの法案提案者に対して、全国不動産政治連盟からの九八年以降四年間の政治資金規正法で届け出られた政治献金を私ども調べて、ピックアップしてみました。それがこれでございます。全国不動産政治連盟からのものだけであります。法案提案者に対するものだけであります。
 私どもは今鋭意、東京不動産政治連盟からの政治献金、その他全国各地の都道府県不動産政治連盟からどのくらいの金が支払われているか、また、法案提案者だけでなくて、いろいろな議員にどのような配分か、配付かと今鋭意調査中であります。まだ完成しておりませんのできょう提出をするわけにいきませんが、御披露だけしておきます。私、手元に物すごい資料を持っているわけでありますが、行く行くこれを完璧に整えて、委員会の皆さんには配付したい。膨大な資金が渡されているということをこれは示しておるんです。きょうはそこまでは立ち入りません。
 そこで、先ほど本人たちが出している資料を示しましたが、法案成立にかけた業界の異常な執念、また国会議員の法案提出のあり方、現状、議運で審議されたんでしょうが、委員会付託の状況、そして審議の経過、これら一連の異常さ。私も九〇年に初当選して法務委員会にずっといるんですが、非常に異常な審議の実態であったと思います。
 それから、これはこれから解明すべき課題でありますが、業界から政治家へどのように金が流れていたのか。私は、きょう私が指摘して皆さんに御披露した部分だけでもまことにゆゆしい問題を示しているんではないかと考えております。
 そこで、国土交通副大臣、公益法人全宅連の主務大臣として、これら事実関係、徹底した調査があってしかるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
中馬副大臣 先ほど申しましたように、政治連盟の方は役所は直接かかわっておりませんので、あえて調査する必要はないんじゃないかと思います。
木島委員 とんでもないですね。本当にこんな姿勢じゃ、政治と金の関係、断ち切れませんよ。全宅連は、今、国土交通大臣を主管大臣とする公益法人です。そしてその配下に、全国各地の知事認可の公益法人があるんですね。その公益法人が、みずからの目的達成のために、それぞれに応じて政治団体である不動産政治連盟をつくっているんですよ。
 きょうはそこには立ち入りません。立ち入りませんが、この親団体である公益法人と、それが母体になってつくられた政治団体との関係については、披露しておきますが、既に昨年、平成十四年十一月二十七日、衆議院決算行政監視委員会で、そして、昨年、平成十四年十二月四日、衆議院国土交通委員会で徹底した論議がされているんです。もう不可分一体だということまで、会長たち、役員もほとんど一緒、そこまで指摘されているんです。
 公益法人の指導は国土交通大臣でしょう。こんな態度だから、我が国において政治と金との関係、あるいは、もっと言うと、政官業癒着の三角関係、メスが入らないんですよ。厳しくそれは、今の答弁は私は批判をしておきたいと思います。
 時間も迫っていますから、本題に戻ります。
 法務省刑事局長にお聞きいたします。
 政治資金規正法により届けられた政治資金でも、それがいろいろな状況調査によってある政治目的達成のためのわいろだと認定できればという仮定ですが、これは収賄罪になる、政治資金規正法に届け出られたということがわいろ罪の成立をはなから阻却することにはならぬ、こう承ってよろしいですか。
樋渡政府参考人 あくまでも一般論として申し上げますれば、委員御指摘のとおり、政治資金規正法にのっとった処理がなされていたといたしましても、収賄罪に当たることはあり得るものと考えております。
木島委員 追加資料を配付します。早く配付してください、時間がありません。
 資料8、「月刊宅建」二〇〇〇年二月号、東京都宅地建物取引業協会が発行したパンフレット、定期刊行物であります。
 二枚目。このパンフの十七ページになるんですが、見出しは「定期借家制度成立の背景とその影響」。一番右欄「定期借家制度導入のプロセス 実った政治活動の成果」「一 議員立法の背景」「二 定期借家推進協議会の設立」「三 協議会が果たした官僚としての役割」、十七ページ「四 法案の出し直しの確認」と「五 借地借家法一部改正案の取り下げ、そして新法の提出」、生々しく書かれております。
 一つだけ指摘します。時間です。今のページの「四 法案の出し直しの確認」、一番下のところを見てください。さわりのところです。行き詰まってきたと。衆議院法務委員会に継続させたが、ちっとも審議が進まない、この行き詰まり、この状況を救ったのは、第百四十五国会開会中の昨年七月十三日の自民党三役、国対委員長、藤田協議会世話人・本会会長会談で、このとき、借地借家法一部改正案を取り下げ、別の新法案を作成し、国会提出の出し直しを図るという可能性を詰めていくことが確認をされた。法案を装いを変えて出し直すということを自民党三役と国対委員長と……
藤井委員長 木島君、時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
木島委員 その法案推進の中心になった世話人との間の会談で行われた。
 私は、法案買収だけじゃないと思うんですね。審議のあり方まで買収された疑いがこの問題はあると思えて、重大な問題だと思いますので、私は、この問題の徹底した調査が必要だというので、二人の参考人招致をお願いしたい。
 一人は、全宅連会長、東京都宅地建物取引業協会会長、東京不動産政治連盟会長を兼務しております藤田和夫氏と、法案筆頭提案者である保岡興治衆議院議員の当委員会への参考人招致をぜひやっていただきたい。委員長。
藤井委員長 理事会で協議いたします。
木島委員 終わります。
藤井委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。質問をさせていただきます。
 本予算委員会では、十五年度予算案の審議の真っ最中でございますが、もちろん、きょうの審議も予算に関連するわけでございますが、それでも、こうして政治と金の問題について丸一日もかけて集中審議を行わざるを得ない、この実情を私たち国会議員はまずしっかりと肝に銘ずるべきだ、このように思うわけでございます。
 また、この集中審議に至る最大の原因といいますか、それはやはり、さきの自民党の長崎県連の違法献金事件であることは申すまでもございません、もちろん、そのほかにも多くの不祥事が発生しておるわけでございますが。
 この長崎県連の違法献金に長崎地検がメスを入れた。これまでは、政党への献金は適正に処理しておけば、規正法上は合法であったわけでございます。たとえグレーゾーンであっても、合法ということで乗り切ってこられた。しかし、政治資金規正法上ではシロであっても、今回、公選法でクロ、いわゆる違法であると断定されたわけですね。この長崎地検の今回の自民党長崎県連に対する摘発は、これまでに前例のない画期的な摘発であると私は思っているわけでございます。この違法献金にメスが入ったということは、不透明な政治と金の流れを透明にする大きな一石を投じたと思うわけでございます。
 言いかえれば、この大きな一石を投じなければならないほど、長崎における政官業癒着による腐敗の実態が目に余る、あるいは、すさまじい状況であったということを物語っていると言えるわけでございます。
 そこで、この摘発を受けました、そして逮捕者まで出しました自民党長崎県連事件に対して、自民党が調査を行いました。その調査報告が去る二月十日に理事会に提出されたわけですが、しかし、この報告書は一体何ですか。これは、報道されている以上の新しいものは何一つないわけでございます。
 また、県連会長の事情聴取では、虎島和夫県連会長に事情を聴取したところ、県連における日常の収支の詳細については慣例により幹事長に一任しており、会長としては知り得る立場にはなかったとのことである、久間章生前会長も同様であると。これでは、県連会長というのはまるで飾りであるということを言っているようなものじゃないですか。責任を避ける姿勢しか見えてきませんよ。
 そこで、ちょっとお尋ねをいたしますが、平成十二年、十三年の長崎県連の政治資金収支報告書の代表者のお名前をお聞かせください。
高部政府参考人 お答えを申し上げます。
 自民党長崎県支部連合会と収支報告書に記載された代表者につきまして、長崎県選挙管理委員会に確認いたしましたところ、平成十二年分収支報告書については久間章生氏、平成十三年分収支報告書については虎島和夫氏と記載されている旨、報告を受けているところでございます。
横光委員 先ほど申しました、この両、前会長、現会長は、会長として一切幹事長に一任しており、知り得る立場になかったという報告をしておりますが、県連代表がこの収支報告書の代表者の名前ということになれば、収支報告書に記載のない献金があったということも判明をいたしております、となりますと、慣例により一任しており、知り得る立場にはないということが通らない話になってくると思うんです。
 つまり、政治資金規正法二十五条の二項、「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、五十万円以下の罰金に処する。」という、政治資金法二十五条二項がございます。この政治資金規正法上の責任を問われる可能性が出てくるんではないでしょうか。
高部政府参考人 お答えを申し上げます。
 個別の事案につきましては、具体の事実に即して判断されるべきものというふうに考えておりまして、総務省としてはお答えいたしかねるところでございますが、一般論として申し上げまして、政治資金規正法におきまして、政治団体の会計責任者は、収支報告書には当該政治団体のすべての収入、支出について所要事項を記載することとされておりまして、寄附につきましては、同一の者からの寄附で、年間五万円を超えるものにつきましては、寄附者の氏名、住所等の内訳を記載することとされているところでございます。
 また、政治資金規正法におきましては、故意または重大な過失により収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者または虚偽の記入をした者につきましては、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処する旨の定めがあるところでございます。この場合におきまして、御指摘ございましたように、政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったときは、五十万円以下の罰金に処する旨、定められているところでございます。
横光委員 今、すべて記載しなければならないということを言われました。ところが、すべてが記載されていないんですね。清水建設、飛島建設、若築建設、奥村組の献金の記載がない。自民党の報告書でも、清水建設は二〇〇一年、二〇〇〇年の両方に記載がないわけでございます。となりますと、すべて記載しなければならないという条項にこれはひっかかるわけではないですか。いかがですか。
高部政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、総務省として、具体の事案につきまして実質的な調査権を有しているものではございませんので、個別の、具体の事案につきましてお答えを申し上げることはいたしかねるところでございますが、収支報告書に必要事項の記載がないこと、あるいは虚偽の記載があった場合には、先ほど申し上げましたような罰則があるところでございますし、また、そういったことがあった場合には、政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったときには、五十万円以下の罰金に処するというふうに規定されているところでございます。
横光委員 すべて記載することにも違反している、それから虚偽の記載となっている、これは会計責任者の選任及び監督について代表者は相当の注意を怠ったということになると私は思います。あとは、これは司法の問題でしょう。
 次に、先ほど、政治と金の流れに大きな一石を長崎地検が投じたと申しましたが、さらにその後、今度は福井地裁でまた一石を投じました。福井地裁の判決、いわゆる企業献金に対しまして、司法が新たな大きな判断を下したわけでございます。
 金融機関から総額四千三百億円の債務免除を受けて経営再建中の準大手ゼネコン、熊谷組の自民党への政治献金をめぐっての訴訟で、献金当時の社長に対し、二千八百万円余りの返還命令が下されました。つまり、これは、巨額の赤字を抱えて株主に配当もできない企業が政治献金することは、取締役の果たすべき注意義務に違反に当たる、こういう判断をしたわけですね。これも今までになかったし、画期的な判決だと私は思うんです。
 まず、この福井地裁の判決について、総務大臣はどのような感想、認識をお持ちでしょうか。
片山国務大臣 福井地裁の判決は、何点かについて地裁の判断を示しておりますが、いろいろありまして、民法の公序良俗に違反するのではないか、あるいは公選法、あるいは政治資金規正法。結局、福井地裁が認めたのは、商法の善良な管理者違反だと。今委員が言われたとおりでございます。
 これは地裁の判断でございまして、今後、これは控訴になるのかどうか私も承知いたしておりませんが、これは一つの裁判所の判断として、それは評価する必要があるんではなかろうか、こう思っております。
横光委員 評価するというお話でございます。政治改革のトップ、最高責任者として、私は妥当な認識だと思います。
 この中で、私は、判決の中で特筆すべき条文があるんですね。ちょっと読ませていただきますが、企業や産業団体の献金が特定の政党、政治団体のみに集中することに対して、地裁は、国の政策に決定的影響力を及ぼすこととなって、過去に幾度となく繰り返された政界と産業界との不正常な癒着を招く温床ともなりかねない、ここまで地裁は踏み込んでおるんですね。
 ということは、これが、そういった政界と産業界との不正常な癒着を招く温床がもろにあるということを地裁は言ったわけでございますが、こういったことに対していろいろ、自民党の皆さん方の意見の中では、何で司法がそこまで踏み込むんだとか、こんなことでは政治活動ができにくくなるというような声も上がりますが、私はちょっと筋違いの受けとめ方ではなかろうかと思っております。やはり司法の判断というのは、今大臣が重く受けとめると言われたように、本当に重く受けとめるべき審判だなという気が私はするわけですね。その裏にはまた、国民の世論があるということも重々認識しなければならないと思っております。
 この判決を受けて、国会もこの司法判断を軽んずるようなことをしてはならない、この司法判断を受けて、やはり前向きに国会も動かなきゃならない、そういうことを私は打ち鳴らしたんだと思うんですね。そういう気がしてなりません。
 この裁判は、要するに民法上、違法性ありというわけで、政治資金規正法違反ではございません。それにはなっておりません。ですから、自民党に献金したわけでございますが、自民党に対しての返還命令は出ておりません。しかし、自民党に献金したんですね。そして、献金した社長が訴えられて、社長が個人的に返還しなきゃならない。自民党に行った献金はどうなるのか。しかも、債務免除を受けた献金、いわゆる税金が還流しているとも言える献金を受けたわけです、自民党としては。じゃ、それは今のところ違法でも何でもないわけですから、この処理はどうなのか、ちょっと大臣、お聞かせください。
片山国務大臣 これは自民党の問題でございまして、内閣なり総務省の問題ではございませんのでお答えする限りでありませんが、公選法や政治資金規正法違反ではないという判断ですね、公序良俗にも反しない、こういうことでございますので、御理解賜りたいと思います。
横光委員 確かに、今そういう御答弁になると思った。自民党の問題ですよ。しかし、これは税金の債務免除をされている会社が献金したわけですね。そして違反でも何でもない。違反は、献金した人がむしろ罰を食らって、もらい得なんですね。これをそのままにしておいていいのか。私は、今度は道義的な自民党の判断になろうかと思っております。恐らく自民党総裁もはっきりとこのことを聞いておられると思いますし、ここは適切に国民の理解を得られる処理をしていただきたい、道義的に、私はこのように思っております。
 次に、先ほどの、長崎地裁があのような違法献金にメスを入れたわけですが、その理由として、私は、やはり長崎県は特筆するほどいわゆる政治腐敗がはびこっていた、地検がもうこれ以上我慢できないという思いになったというのが一つだと思うんですね。それと同時に、もう一つは、やはり不明瞭な金の流れを許さないはずのこの政治資金規正法がざる法だからだということも言えると私は思うんですよ。
 この政治資金規正法、二〇〇〇年一月の改正で政治家個人には企業・団体献金を受けることを禁じたわけでございます。ところが、政党やその支部の受け入れは禁じなかった。禁じなかったために、国会議員から市会議員に至るまで、あるいは地方議員に至るまで、次々とみずからが代表の政党支部を設立しておるのが現実でございます。そして、そこを受け皿にして、結局は、事実上個人向けの企業献金を受けている。政治家個人への献金は禁止されたにもかかわらず、それは全く実態としては履行されていないというのが現実なんですね。
 その証拠に、総務省に届けられております自民党の政党支部の数、これは九九年、二〇〇〇年までは五千七百台だったんですね。ところが、先ほど言いました、政治家個人への企業・団体献金を禁止した二〇〇一年は六千九百三十一、二〇〇二年は七千百二十二、二〇〇三年度は七千二百九十一。とりわけ昨年は、一年で百七十もふえている。政治資金規正法が改正されてから、雨後のタケノコのようにふえているわけですね。これは何を意味するか。つまり、新たな個人献金の受け皿がそれだけふえていったということです。
 政治改革の最高責任者の片山総務大臣、このことをどうお思いになられますか。
片山国務大臣 政党活動の自由という大きな命題がございまして、その中で、支部をどうつくるかは、各政党が本部とあわせていろいろお考えになる、こういう建前になっておりまして、私は、この数についてはいろいろな御議論があるいはあるのかもしれないと思いますけれども、しかし、いずれにせよ、やはりこれも民主主義のコストの議論に最終的には絡んでくるわけでありまして、その辺は十分、国会内において各党各会派での御議論をいただきたい、こういうふうに思っております。
横光委員 終わります。
藤井委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。
 午後三時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    正午休憩
     ――――◇―――――
    午後三時開議
藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前に引き続き、政治資金問題等について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。杉浦正健君。
杉浦委員 午前中三十分ほどやらせていただきました延長線上で、総理に三点ほどお伺いをさせていただきます。
 まず第一は、長崎県連等の問題でありますが、まだこれから裁判ですから何とも言えませんが、事実とすればまことに遺憾なことだと思いますし、また、私としては、愛知県連会長をやらせていただいておるんですが、愛知県連ではああいうことはやっていない。収入の六割はパーティー収入ですし、あと四割は党費、その他、我々のような篤志の寄附であります。いささか信じられない思いもあるわけでございますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 自民党の長崎県連の前幹事長が逮捕されたということは承知しておりますが、こういうことがないように、これからも、どういう措置が必要か、真剣に考えていかなければならないと思っております。
杉浦委員 総理は今まで、こういう問題が議員等にかかわりますと、国会において、議員たるものは、政治家たるものは襟を正さなければいけない、疑惑がかかったらよく国民に対して説明する責任があるんだということを繰り返して御答弁なさっておられます。私も同感でございます。
 今次国会においては、予算委員会においても委員会外でも、数多くの同僚議員についての疑惑の追及が行われております。誠実に御答弁いただいている方もございます。長崎県連の問題についても、自民党は調査を進めております。中間報告いたしました。
 今後とも司直の手で解明が進められるわけでありますが、党としても当然解明を続けてまいりますし、また、長崎県連においても、会長を頭とする刷新検討委員会が設置されまして、改革、改善のための提言と方向性を打ち出されて努力がされていくものと承知をしているところでございます。
 さまざまな疑惑がある中で、私が特に総理の御所見を伺いたいのは、民主党の菅代表に関する疑惑でございます。
 これは、前議員山本譲司さんが週刊新潮に二回にわたっていろいろと語られていることの中に、平成元年でありますが、菅議員の秘書時代に、当時二十五万円だった第二秘書の給与のうち十五万円しか受け取っておられなかった、それから、第一秘書の勤務実態がなかったというようなことを語っておられるわけでございます。
 刑事事件とすると、平成元年となりますともう時効にかかっております。時効にかかっておりますが、しかし、野党第一党の党首であられる以上、政治的、道義的責任はあるはずでございます。当然、国民に対して説明される義務があります。そのお金が政治資金規正法上届けられているかどうか、差額がですね、それも明らかではありません。当然、議員として御説明をなさるべきだと私は考えますが、総理の御所見はいかがでございましょうか。
小泉内閣総理大臣 私はその記事は読んでおりませんが、だれであれ、疑惑があれば真摯に説明すべきだと思っております。
杉浦委員 三問目、最後の質問でございますが、さまざまな議論の中で、企業の献金があたかも悪であるという前提で、マスコミの報道にいたしましても、さまざまな議論が行われているという点は、私はそれにくみしない、個人的考えでございます。企業も社会的存在であり、法人格を有し、目的を有し、さまざまな活動を行っておる。雇用を社会に提供し、租税公課を納める、そういう機能も果たしておるわけでございまして、企業の政治献金も、もちろん法の許す範囲内でありますが、認められていいと思っておるわけでございます。
 企業の献金について総理の御所見をお伺いしたいわけなんですが、諸外国の例を、これは国会図書館から調べてもらって、パネルにいたしました。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本も含めまして五カ国の例ですが、企業献金を原則禁止しておりますのはアメリカとフランスでございます。イギリス、ドイツは、日本よりも緩やかに認めておるところでございます。
 長い民主主義の過程の中で、それぞれの国、歴史があって、それぞれのものを生み出しておるわけですが、例えばアメリカにしても、原則禁止とはいいながら、PACを企業がつくって献金するのは認めておる。それからフランスも、企業が党員になっていいということを認めておりまして、全面禁止といっても、企業が政治に参画する、参与するということは認めておるようでございます。
 日本は、政治家個人に対する献金禁止、ただし党に対しては認めるという制度をとっておるわけでございますが、総理の企業献金に対する御所見、これから日本の企業献金はどうあるべきか、いろいろ世間から言われておることでございまして、総理のお考えをお伺いしたいと存じます。
小泉内閣総理大臣 政党なり政治家が政治活動をする際には、当然資金が必要であります。その資金をどのように調達するか、各党各議員はそれぞれ大変苦労されていると思います。
 私は、税金だけで全部政治家の活動を見る、あるいは個人献金だけで見るというのには、現実の状況を見ると、無理があるのではないかということから、一定の制限を設けて、企業なり団体なり個人なりあるいは税金なりで政治活動を賄うということがいいのではないかと思っておりまして、必ずしも企業献金は悪であるとは思っておりません。
 既に政治家個人に対しては、企業献金は禁止されておりますが、政党に対しては、一定の制限を設けて認められております。この制限なり制約がどうあるべきかというのは今後の各党の議論にまつべきものではないか。
 すぐ企業献金は悪だという見方をされる方もおりますが、今の、現実の姿を見ますと、企業の活動は多岐にわたっております。政治活動のみならず、福祉活動あるいは文化活動、スポーツ活動、多岐多様にわたっている。そして、新聞、テレビも、企業の支援なくしてはもう成り立ち得ないぐらい、企業の協力、寄附を求めております。それは福祉活動でもそうですね。本来、政党というのは、福祉活動に最も挺身する団体が政党のはずであります。
 そういう面において、私は、企業というものに対しても、社会活動を認められている、一定の制約のもとに政治にも参画したいというのは、あってしかるべきだ。どのように制約を設けるかというのは、今後、各党会派でやはり十分議論すべき問題ではないかなと思っております。
杉浦委員 これで終わりますが、政治にお金がかかるというのは現実である。与野党を問いません。民主主義のコストでもございます。政府におかれても、そのあたりを踏まえて、さまざまな検討を進められるよう、大臣おられますが、お願いいたしまして、終わります。
藤井委員長 これにて杉浦君の質疑は終了いたしました。
 次に、上田勇君。
上田(勇)委員 公明党の上田勇でございます。
 今杉浦委員からも、秘書給与不正疑惑について質問がございましたけれども、ここ数年、山本譲司さん、田中真紀子さん、辻元清美さんと、国から支給される公設秘書の給与を架空名義などを使って不正に流用するというような事件が相次いで発覚をいたしまして、政治家と金にまつわる不信の高まりの一つの原因になっているのではないかというふうに思っております。
 この問題は、それぞれの事件が発生した当時、また昨年、大変な関心を呼びまして、連日のようにマスコミで大きく問題が取り上げられました。また、国会でもしばしばこの問題について取り上げられたわけでありますけれども、その後、この一連の事件の真相究明についてどうなっているのかなと思うと、どうもうやむやになっている部分が多いんじゃないかというような感じがいたします。辻元さんの事件に関しても、深く関与していたと言われていた秘書の方、いつの間にかおやめになったということでありますし、このままどうも、真相がわからず、うやむやになってしまうというようなことを危惧するものでございます。
 そこで、こうした一連の事件について総理にお伺いをするんですが、そうした真相が果たして十分に解明されたと言えるのかどうか、またそうではないのか、総理の御認識、現状についての御認識をまずお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 秘書の給与とそれにかかわる問題、あるいは自民党の長崎県連におけるような問題、いろいろ、捜査当局が入っている捜査中の問題もありますし、秘書の給与の問題については、今、各党間といいますか、たしか国会の中で協議会を設けて、今後、議員と秘書のあり方、給与のあり方等を議論するというような話し合いも進んでいると伺っております。
 いずれにしても、こういう事件を今後の改革に生かすためにはどういう措置が必要かという点については、私は、お互いの政党間、また議員個人間で十分議論しながら、一歩でも前進するような措置を講ずべきではないかと思っております。
上田(勇)委員 この問題によって生じました政治不信、これを回復していくためにも、やはり国会が責任を持ってこうした疑惑の解明には引き続き努めていく必要があるのじゃないかと私は思っております。
 先ほど、週刊誌の報道等のこともございました。まだそういうような報道がされているし、やはり、多くの国民は、そうしたことがまだ横行しているのではないかというような不信感を持っているのではないかと思います。
 昨年は、この問題が大変大きく取り上げられて、私のところで仕事をしてもらっている秘書も、人に会うと、何か悪いことをしているんじゃないかというような目で見られているということで、大変後ろめたい思いがしたというようなことを言っておりました。
 また、この秘書給与の問題については、ある政党では、秘書給与の相当部分が画一的に党に寄附されているというようなことがあります。これも、合法的ではあるかと思いますが、秘書給与というのは給与として支払っているというような趣旨からすると、私自身は、個人的には疑問に思う点もございます。
 このように、秘書給与の取り扱いをめぐっては、まだまだ解明していかなければいけない疑問点も多く残されておりますし、国会の中でその真相解明あるいはそうした議論をしていかなければいけない点がたくさん残っているのではないかというふうに思っております。
 先日、今総理からもお話がありましたけれども、衆議院議長の諮問機関といたしまして、有識者で構成をされております国会議員の秘書に関する調査会が設置をされまして、雇用関係や給与制度についての検討が始まったところでございます。
 その諮問事項には、先ほど述べさせていただきました、公設秘書による寄附の実態と問題点というようなことも含まれているように、これは非常に幅広い課題について議論するということでございますし、また、非常に見識の高い有識者の方々に委員になっていただいているのではないかというふうに思っておりますので、こうした秘書給与問題をめぐる不信や疑問の解消に貢献してもらえるのではないか、そういうような答申がいただけるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
 先ほど、ちょっと総理の方からもお触れをいただいたんですけれども、この調査会が発足したことによりまして、どういうような成果が得られるのか、総理はどういうふうに期待をされているのか、御所見を伺いたいというふうに思います。
小泉内閣総理大臣 議員と秘書という関係は、基本的に信頼関係ですね。そういうことから、今の御指摘にありましたように、今までの議論の中で、一定の秘書給与というものを議員に与えて、その範囲内で何人でも秘書を雇ってもいいのではないかという議論もありますが、これは、秘書にとってみますと、やはり使われる方の立場だと立場が弱くなって、給料が少なくても働かざるを得ないから、これはいかがかという反対の意見もあります。やはり一定の給与は全部使いたいという意見もあるわけです。どちらがいいか。それぞれ一長一短だと思います。議員によって、忙しい事務所もあるし、余りそうでない事務所もあるし、さまざまなんです。
 そういう点もありますから、それではどういうものがいいかという点も含めて、今、今後議論すべきであるという議論がありますので、私は、その議論を見守って、やはり各党、これはもう、政党が違っても、議員が違っても、秘書の身分を確定しなきゃいかぬ、しっかりしたものにしなきゃいかぬと。議員というのは秘書に助けられている面、たくさんありますから、やはり、議員の活動を支える、その秘書の身分というものを保障しなきゃいかぬ。
 そういう点も考えて、今までの経緯、秘書の給与をピンはねすることがないような、また秘書が働きやすいような、そして自分の活動が保障されるような、また議員にとっても、議員活動を支えてくれるような秘書制度はどういうものがいいかという点を総合的に考えて対処すべき問題だ。
 今、これがいいという結論には、まだ私、至っておりません。
上田(勇)委員 今総理の方からもお話がありましたように、秘書給与の問題をめぐっては、さまざまな問題、疑問が昨年提起をされました。そのことについて、制度的な面、構造的な面についてどういう問題があるのか、この調査会でそれは議論をしていただいて、その結論というのは、もっと透明性がある、信頼できるような制度になってもらえるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
 ただ、去年生じたいろいろな疑惑については、これはやはり風化させてはいけないんじゃないかというふうに思っております。国会の中でもあれだけ大きな問題として取り上げられたことでございますので、ぜひ、そうした制度的な検討と並行して、さらにそうした真相究明、また続けて努力をしていかなければいけないというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いしたいというふうに思います。
 以上で終わらせていただきます。
藤井委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。
 次に、山谷えり子君。
山谷委員 保守新党、山谷えり子でございます。
 評論家の大前研一さんが立候補をなさろうとしたときに、お子様が、おやじがそんな汚い人種とは思わなかったと言われた。よく聞いてみると、政治家というのは悪いことをしてお金を集めるという、そういう職業だというふうに思われている。私は、そのとき笑ったんですけれども、私自身が立候補しようとしたときに、やはり周囲からそのように言われて愕然といたしました。
 今、高校生がなりたくない職業は政治家だといいますし、それから、大学の政治学科の人たちも政治の話をしたくないというこの現状を非常に憂えております。これでは政治にいい人材が集まってこない、国の未来も非常に暗いというふうに考えております。
 しかしながら、学生さんで永田町で研修に来られた方たちは、その実態を見て、メディアと全然違うじゃないか、報道と、本当に朝から夜中までよく働いていると。休日も地元に帰って人々の苦しみを聞いて、政策の激論をして、本当にこんなによく働いているのかというような感想をお持ちでお帰りになられる。本当に、傲慢になってはいけませんけれども、私たちはこの思いを新鮮な気持ちで受けとめて、緊張感を持って働いていかねばならないと考えております。
 政治というのは、特定の利益あるいは不利益、それを調整して公の利益にしていくわざでございますけれども、対立するさまざまなことを合意形成していくためには、政治と政治家に対する信頼関係が国民との間になければ、それができないわけでございます。けれども、今、政治活動には非常にお金がかかる、そのことに対して国民の理解が得られない。それは政治家自身も反省するところがあるわけでございます。
 二月三日、衆議院本会議で、野党の幹事長から、小泉政権で幹事長は七億一千万円、これは政治資金収支報告書によれば使っているとの発言がございまして、小泉総理に改めるつもりはないかと問い詰められました。しかしながら、政党の政治活動はエネルギーであり、民主主義のコストであります。政治にどれぐらいお金をかけるべきかという議論はあっていいわけでございますけれども、現実には野党も、共産党で組織活動費四億二千四百万円、自由党は、幹事長名で、平成十二年で九億八千四百万円、政治資金収支報告書で組織対策費に充てたと報告しています。これが民主主義のコストであります。活力ある市民社会を支えるために、あるお金が要る。
 企業献金、個人献金、政党助成金、日本の現実を見てどのようなバランスがいいというふうにお考えになられるか、総理の見解をお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 政治活動にお金がかかるというのは、まず候補者になってみればわかると思いますよね。人に、一票投票してくださいとお願いするのもきついですよね。まして、政治資金をお願いします、お金も寄附してくださいと言うのも、これまたつらいことです。しかし、そうしない限りには議員活動ができない、政治活動ができない、これも現実であります。
 そういうことから、余り個人に負担をかけるのはどうかということで、政党本位の選挙にしようじゃないかということで、小選挙区制度が導入された。政党として、余り議員個人、候補者個人に資金を調達する苦労をかけないで、政党がそういう政治活動を手助けしていこうという趣旨だと思うのであります。
 しかし、それにしても、政党に全部おんぶにだっこしたら議員の自由度が少なくなる。やはり議員活動を、政党に余り縛られないで個人の自由度を発揮したいというためには、政党だけの資金に頼っていては議員活動についても支障が出るということにおいて、個人でやはりある程度努力して、個人も資金調達に努力しなければならないというのも、これまた現実であります。
 そういう点において、今、政党助成交付金というものが税金で手当てされておりますが、それだけでは当然足りないから企業献金、団体献金、個人献金、それぞれ資金調達しているわけでありますが、この苦労はどこの国でも民主主義である限り似たり寄ったりです。
 こういう苦労を乗り越えて、地域をよくしていこう、あるいは人の助けになりたい、国をよくしていきたい、社会をよくしていきたい、この世の矛盾を解消していきたいという、やりがいのある仕事だから、本来だったらこういう苦労をしないで政策活動、政治活動ができればいいなというのは、どの議員も思っていると思います。
 しかし、それだけでは当選できない。地域に帰って選挙民の中に入って選挙民の信頼を得る、そしてまた、その声を聞いて国会へ出てこういう議論を重ねて、この苦労は、もう政治家である限り避けられないと思うんであります。それをどうやってお互いがこれから、その政治活動に見合うだけの資金を調達しなきゃならないか、国民に理解を求めなきゃならないかということは、これは私、永遠の課題でありますが、できるだけ理解を得られるような資金調達方法を、各党各会派でいい案を出していくよう努力するべきではないかなと思っております。
山谷委員 英国型の政党主体の選挙というような形で政治改革が行われたわけですけれども、実際には不徹底であったということ、制度自体が。それから、日本の民族性これありで、どの議員も本当に個人後援会主体になっている部分がある。もう、バスの旅行だとか、ゲートボール大会。新年会、ことしどのぐらい出ましたかと言うと、二百回、二百五十回、二百八十回。六百回という方もいらっしゃるわけですね。本当に、政治改革も含めて、大きなフレームワークの中で私は議論しなければいけないのではないかというふうに思うわけでございます。
 自民党が設置いたしました有識者懇談会報告書によれば、公共工事の受注比率が一定割合を超えた企業について献金額に上限を設ける、現金による寄附を禁止して振り込みや小切手に限定してお金の流れを透明化する、アメリカで行っているようなインターネットを利用した政治資金収支報告書の公開などが提唱されておりますけれども、現在の議論の進み方、またどのように具体化していかれるおつもりか、御所見を伺いたいと思います。
小泉内閣総理大臣 今私は、山谷議員が言われたような改善策について幹事長に、よく党内外の意見を聞いて案としてまとめながら、なおかつ、与野党協議して、一歩でも前進できるような措置を講じてもらいたいと指示しております。いずれ党でも議論が始まりますし、各党各会派との協議もなされると思います。そういう状況を後押ししていきたい。
 また、これからの政治資金活動のあり方、あるいは資金の調達活動のあり方についても、それらの意見、各般識者の意見も参考にしながら進めていかなきゃならない。
 また、各国でも、私、いろいろ日本にもアメリカからもイギリスからも訪問される、その際にたまに聞くことがあるんです。政党本位の小選挙区しかないアメリカでもイギリスでも、本当に個人活動しなくていいのかと聞いてみましたら、そうじゃないですね。やはり政党より個人活動の方が最近強くなってきたと言うアメリカの議員もかなりいます。やはり、当選するためには、政策はもちろん大事なんですが、政党も大事ですが、その個人全体を選挙民は評価しますから、それだけに、いかにその地域の有権者、選挙区の有権者に理解し協力してもらうかについて、日本だけじゃない、各国もそれぞれ苦労しているなということを痛感しております。
 これからそういう面におきましても、やはりその活動を支えるのは、資金がなきゃ活動できない、もう何をするにしても資金が要るということも現実でありますので、その資金調達方法につきましては、今後も各党が真剣に、今のいろいろな状況を受けとめて、改善できる方法を考えていかなきゃならないと思っております。
山谷委員 本当に、アジアが変貌を遂げ、また北朝鮮の問題がシリアスであります。そしてまた、肝心な国のさまざまな社会保障制度、安全保障制度、それから教育改革、進めようとしますと国論が二分する。やはりスケールの大きな政治家を育てて、意思決定能力を高めていかなければいけないわけで、今回のこの政治と金の問題、政治改革、政治資金改革の問題を一歩、二歩、三歩前進させていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
藤井委員長 これにて山谷君の質疑は終了いたしました。
 次に、長妻昭君。
長妻委員 民主党の長妻昭でございます。本日は、よろしくお願いをいたします。
 政治と金の問題で、今や、政治家の信頼は地に落ちております。信頼を回復すべく、民主党は、まず、公共事業を受注した企業からの献金の禁止を野党共同で議員立法として、既に昨年五月、国会に提出をしております。これは李下に冠を正さずです。
 しかし、自民党は、この法案を審議しようともしません。国会で多数を占める自民党がこの法案を賛成すれば、あしたにでもこの法案は通ります。総理や自民党からは、一向に、政治と金の問題を解決しよう、こういうやる気の声が全く見えてきません。
 そして今、総理御自身の御関係にも、政治と金で疑惑が出ております。まず総理に、きちんと疑惑に答えていただきたいと思います。
 まずお尋ねしますけれども、総理の弟さんの個人会社が、横須賀市の公共事業で、横須賀市というのは総理の選挙区でございますけれども、特定企業の受注のお手伝いをしてお金をもらった、こういう話がありますが、どうですか。
小泉内閣総理大臣 そういう事実はありません。よく注意して御発言いただきたいと思います。
長妻委員 では、資料をお配りください。私は、きちんと調査をして、事実に基づいて質問をしております。
 そして、総理は、コンステレーションという弟さんがやっていた会社は御存じですか。
小泉内閣総理大臣 聞いておりますが、それは現在解散しております。
長妻委員 今、写真がここにありますけれども、これは横須賀市の舟倉ポンプ場という全体の建物でございまして、その中に、舟倉ポンプ場の中に沈砂池機械というのがございまして、こういう汚水細目自動除じん機という日立金属が受注をした機械でございますが、これは、二〇〇〇年の十二月、五千五百万円で日立金属が横須賀市から落札をした、こういうようなものでございます。
 これを落札したことによって、この成功報酬で、小泉総理の弟さんがやっている個人会社、コンステレーションにお金が渡った、販売手数料という、そういう名目らしいんですが。いずれにしても、成功報酬契約を結んで、受注に成功してお金が渡ったということを日立金属が証言をしております。
 そして、そもそも、このお金の授受は、弟さんの方からアプローチが日立金属にあった、そして、受注の前に契約を結んだということであります。そして、弟さんからもらった情報というのは、日立金属によると、一般的には手に入らない情報をいただいた、こういう話をしているわけであります。
 いかがですか。
小泉内閣総理大臣 そういう事実に反することはやめてくださいよ。お互い議員でしょう。全く契約なんかしていないし、横須賀市は電子入札ですよ、やろうったって、できないんですよ。お互い議員の立場、長妻さんも考えていただきたいですね。
長妻委員 いや、これは驚きました。それは総理、お金の授受の契約というのは、もうこれは日立金属もきちんと認めておられるんですよ。そのお金の中の性質をいろいろ言われるんだと思ったら、お金も一切もらっていないというお話でありましたけれども、この今お配りをした資料一でございますけれども、これは、私本人が日立金属の方に直接聞いたヒアリングのメモでございます。
 ここにございますけれども、こう太文字がいろいろありますが、一ページには、日立金属さんは、要するに、当社が受注できたら、それに対して成功報酬をお支払いいたします、というものですと。
 そして、二ページ目の下の方には、日立金属さんは、ただ、最初の段階で我々は、そういうその小さな物件については、情報は全くないですから、それについて情報いただいたら、それに対してお支払いする、ということです。
 そして、三ページ目でございますけれども、日立金属さん、どんな情報ですかということですけれども、一応当社にとって営業活動ができるという情報ですねと。
 そして、五ページ目ですね、このケースは、コンステレーション、これは小泉総理の弟さんの個人会社ですけれども、コンステレーションの方から日立金属さんにいわば申し入れがあったんですかと聞きましたら、日立金属さんは、はいというふうに言っておられるわけです。これは、ここにテープがございまして、やりとりがこのテープに詳細に入っております。日立金属さんと私のやりとりでございます。
 そして、日立金属さんに何度も、このやりとりだけではなくて私はやりとりしておりますけれども、覚書を交わしたと言われているんですね。先ほど、全く事実無根だというふうに総理は言われましたけれども、覚書ということでありまして、そこの下には、横須賀市から日立金属株式会社が受注する舟倉ポンプ場沈砂池機械設備工事に関して、株式会社コンステレーションに手数料を支払うことを約定する、金額のところは社内規定に基づく、支払い費目というのは販売手数料である、成功報酬契約のため、受注が不可能の場合は支払いはなし、こういうような覚書を結んでいるじゃないですか。もう事実ですよ、これはテープもありますし。
 いや、本当にこれは、政治家が今本当に信頼性が地に落ちている、その信頼を回復する先頭に立つべき総理がぜひきちんと説明をしていただくということが、本当に私は重要だというふうに思っているわけであります。
 そして、さらに申し上げますと、これが、総理の弟さんは総理の私設秘書ですよ。あっせん利得処罰法では、今度私設秘書も含まれたんですよ。あるいは、刑法の九十六条の三では入札妨害罪というのもあるんですよ。あるいは、漏らしてはいけない情報を地方公務員が漏らして、それを入札等を有利に進める形に使ったとすれば、これは地方公務員法の三十四条、守秘義務違反になるんですよ。弟さんであり、総理の私設秘書ですよ。
 そして、この日立金属が受注をした同じ日に、何件かの入札がございました。これが、予定価格というのと落札価格というのがございますけれども、それの比率をとったものでございますが、この当該の日立金属が受注したものは、落札したものは九七・三%という非常に高い落札率でございまして、弁護士さんのグループで談合をなくそうというグループがございますが、やはり九五%を超えるとこれはいろいろグレーな部分が出てくるのではないのかというような話もありますので、非常にこれは高い。
 いずれにしても、総理がきちんと、どういう情報なのか、あるいは金の授受がどういう形で行われたのか、そういう働きかけの実態があったのか、そういう調査をするおつもりはありますか。
小泉内閣総理大臣 ないんですから、もう言いようがない。私は、政治資金については全部法律にのっとって届け出ております。そういう面について、横須賀市でも、そんな入札情報なんかはできないんですよ。(長妻委員「でも、お金もらっているじゃない」と呼ぶ)それは全く、一部の情報に基づいて、どういう、本当にわからない。(長妻委員「一部じゃなくて、日立金属が言っているんです」と呼ぶ)それは全く事実に反します。(長妻委員「渡したと言っているんです」と呼ぶ)事実に反します。私は、そういうこと知りませんし。
長妻委員 いや、私は知りませんというのは、総理、総理の私設秘書ですから、そして総理大臣ですから。私は知りませんと。日立金属が言っているんですよ、私にきちんと。日立金属の広報部が言っているんですよ。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
長妻委員 内部告発じゃないんですよ。きちんと表からしゃべっているんですよ。このテープにも入っていますよ。
 ぜひ総理、きちんと調査をしていただきたいと思います。当事者がきちんとこう言っているわけでありますので。
 それで、委員長にお願いがございますが、日立金属のこの方、私がお話を聞いた方と、小泉総理の弟さんの私設秘書を参考人でこの委員会に呼んでいただきたいとお願いを申し上げます。
藤井委員長 長妻君に申し上げますが、その日立金属というのはどういうことですか。
長妻委員 日立金属の広報部の方です。お名前もわかります。Iさんという方です。
藤井委員長 わかりました。
 それでは、理事会で協議いたします。
長妻委員 ぜひきちんと説明をしていただきたいと、総理、思います。
 二点目でございますが、特定寄附の禁止にかかわることでございますけれども、自民党の長崎県連は逮捕者が出ましたけれども、これは公職選挙法の特定寄附の禁止に違反したものでした。これは、公共事業受注企業は選挙に関して寄附をしてはならない、政治家も、選挙に関して公共事業受注企業に対して寄附を勧誘してはならない、こういうものであります。
 資料七を見ていただきたいと思うのでございますが、これは、小泉総理が支部長を務めます自民党の神奈川県第十一選挙区支部というところの収支報告書でございますが、その二枚目に、寄附の内訳ということで、株式会社松尾工務店、五十万円、平成十二年五月三十一日というのがあります。
 この松尾工務店は、国からの公共事業を受注している企業である。そして、その企業が選挙に関して献金をしたら、その企業は法律違反。そして、その企業に献金を勧誘したら、その政治家は法律違反になるわけであります。これはどう説明されますか。
小泉内閣総理大臣 一般的な政治活動資金として政党支部が受け取るというのは何の違法でもない。これが違法だったら、何も政治活動できないじゃないですか。政党が政治活動、支部で受け取る。余りおかしなことで言わないでくださいよね。
長妻委員 いや総理、これ、松尾工務店の年月日を見ていただきたいと思うんですが、平成十二年の五月三十一日に献金があるんですよ。これは解散の、平成十二年に衆議院の選挙、前回ありましたけれども、解散の二日前ですよ。これは選挙に関しての献金じゃないんですか。そして総理、だから、先ほど一般的な寄附が何で悪いんですかと言いましたけれども、ですから、解散の二日前のこれは寄附であるということなんですよ。選挙に関してということじゃないんですか。
小泉内閣総理大臣 選挙制度が変わって、政党が選挙最中に前面に出る活動になったんですね、小選挙区になって。政党活動、選挙中にも政党活動というのはあるんですよ。民主党もそうでしょう。そのための政治活動資金を集める、政党として当然の行動なんですよ。これをおかしいと言う方がおかしいんじゃないですか。
長妻委員 いや、ちょっと総理、これは、もらう、受ける方は政党の支部だとか何だとかじゃないんですよ。払う方が、公共事業受注企業が選挙に関して寄附をしてはいけない、そして政治家も、公共事業受注企業に選挙に関して寄附を勧誘してはいけないということなんです。そのお金が政党活動に何だとかこうだとかじゃないんですよ。選挙に関してなんですよ。
 そして、これは総理、一番最後の、この三枚目の資料を見ていただきますと、これは支出ですよ、総理、総理の先ほどの自民党の十一選挙区支部の。支出に「選挙事務所家賃」とばっちり書いてあるじゃないですか。二十一万円。支出が平成十二年の六月十三日。これは、ちょうど六月十三日というのは衆議院の選挙の公示日であります。
 その意味では、お金に色というのはないわけでありますから、収入がこの松尾工務店から五十万円あったと、解散の二日前に。そして、投票日の前の公示日、これが六月十三日でありますけれども、そこで選挙事務所家賃ということで支出されている。お金に色はないわけでありますから、総理、これは非常に疑いが強いですよ、違反の。ぜひちょっと真摯に御説明をいただきたいと思うんです。
小泉内閣総理大臣 政党が選挙事務所の家賃を払って何でいけないんですか。政党活動でしょう。選挙活動、政党活動が一番活発になるときじゃないですか。むしろ、ただで借りる方がおかしいんじゃないですか。正式に、全部私は政治資金収支報告書は神奈川県選管において公表している。だれでも閲覧可能であります。だからわかったんでしょう。何のやましいこともない。
長妻委員 ちょっと総理、そうしたら、きょうは総務省の御担当の方も来られていると思うんですが、公職選挙法の百九十九条の説明を、特に選挙のところの絡みを中心に、簡単に説明いただきたいと思います。
高部政府参考人 お答えを申し上げます。
 公職選挙法百九十九条、選挙に関し寄附の規制がございます。「選挙に関し、」ということにつきましては、従前から、選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてという意味に解されているところでございます。
 選挙に際しということにつきましては、選挙の特定性ということで理解されておりまして、社会通念上、どの選挙であるかが客観的に認識し得る程度であれば特定の選挙というふうに解されておりまして、そういう意味で、選挙に際しという概念は寄附の時期に関連するような要素で、寄附の時期もこれを考える場合の考慮要素でありますが、もう一つこの「選挙に関し、」ということでいいますと、選挙に関する事項を動機としてという、二つで理解されているところでございますので、選挙に際しということのほかに、選挙に関する事項を動機として行われたものかというのを、諸般の事情を総合的に勘案して決められるということになろうかというふうに思っております。
長妻委員 失礼ながら、総理の解釈の方がちょっと間違っていたんじゃないですか。だから、時期が一つの要素であるという話ですよ。そして、選挙を動機とするということですよ。
 選挙を動機にしているわけじゃないですか。選挙事務所じゃないですか、支出が。
 そして、資料の八を見ていただきたいと思うんですが、こういうグラフでございますけれども、これは当該小泉総理が支部長を務める自民党神奈川県第十一選挙区支部の企業・団体献金の推移でございますが、これは平成十二年ですから、衆議院の選挙が六月にありました。このグラフ、見てください。六月、断トツに献金額が多いですね。選挙に関して、選挙に際し、選挙を動機とする、これは、だれが考えても、日本語で言えばぴったりですよ。これがだめだといったら、この国会というのは日本語でやっているわけでありますけれども、その概念が崩れてきますよ、総理。
片山国務大臣 選挙期間中でも政党支部の政治活動はやるわけですね。むしろ一番盛り上がるときですね。だから、その選挙中だからといって、全部、そこに寄附があれば特定寄附だなんということは全くの暴論でございまして、政党支部の政治活動に対する協力としてそれぞれの企業は……(長妻委員「選挙に関しというのは」と呼ぶ)関しというのは、言いましたように、選挙に際して、選挙に関する事項を動機として、こういうことでございますが、これは総合的に勘案するんですよ。(発言する者あり)いやいや、だから、そういう解釈は昔から解釈なんですけれども、ぜひ御理解賜りたい。政党の政治活動は常にできますよ。
長妻委員 今、総務大臣の御答弁とは思えませんね、本当に。では政党の支部が金を受ければ何でもいいということになりますよ。だって、長崎県連で逮捕者が出たのも、あれは政党支部ですよ、長崎県連も。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
長妻委員 そして、もう一点、こういう問題があるから我々は、公共事業受注企業からは政治献金を一切もらわないようにしようと、我が民主党は野党四党と共同で議員立法を国会に出したんですよ。何で自民党、審議しないんですか。政治と金の問題が全く手つかずで残るわけですよ。
 具体的に申し上げます。平成十四年の五月二十一日、昨年の五月です、国会で民主党の荒井議員に対して、総理はこう御答弁されていますよ。「国民の信頼を回復するには、公共事業受注企業からの献金等について、疑惑を招くことがないよう、法整備を含め、もう一段踏み込んだ仕組みを考えることが必要と考えます。」と言われておられる。
 そして、同じその前の月、平成十四年の四月には、総理は自民党に対して、一定割合以上公共事業に依存する企業からの政治献金は禁止する、こういう検討をしてほしいと、去年の四月に言われているわけであります。この小泉総理の公約というのはいつ実現するんですか。
小泉内閣総理大臣 どういう制限がいいか、今検討しているところです。
長妻委員 どんな検討ですか。例えば、具体的に我々は法律ということで提出しているわけですから、具体的にこういう検討をして、いつまでにそれを実行するのかということを明言ください。
小泉内閣総理大臣 今その具体的な、専門的な点については私は定かではありませんが、そういう点は幹事長を指示して、よく党内の意見、また内外の識者の意見、各党の意見もありますから、そういう点を踏まえて、どういう制限がいいかという点について今検討しております。できるだけ早く案をまとめて実現していかなきゃならないなと思っております。
長妻委員 これは、内外の識者の意見というふうに総理は言われましたけれども、昨年もう既に自民党が識者に、いろいろ検討をされて、そしてそこで提言が出たというふうに聞いておりますよ。でも総理は、いろいろ自民党の中の抵抗が強いので、それがなかなか実現できない、抵抗勢力を抑え切れない、丸投げを有識者にして、そしてまたはしごが外れた、こういうように私は見ているんでございますけれども。
 そうしましたら、これは今、ある新聞社のアンケート調査では、あなたはどの職業を信用しますかという調査があって、私も見ましたけれども、その世論調査では、いろいろ、この職業の発言を信用するという調査でありましたけれども、政治家は占い師よりも信頼性が低い、こういうような調査の結果が出ているわけでございますので、ぜひ我々はまじめに、政治と金の問題を本当にここで解決しなければ政治家が信用されない、そればかりか政治家で構成する政府が信用されない。信用されない政府が国民の皆さんに痛みを強要したり、痛みをお願いするということでは国はもちません。信頼できる政府をつくろうということで、我々は今、いろいろ悩みながらも、この議員立法をつくって国会に提出したわけです。
 それでは、総理、我が党と野党四党が共同で提出をいたしました、公共事業を受注した企業、そういう会社からは、李下に冠を正さず、政治献金はもらわない、この法律が今国会に出ているんですよ。ぜひ賛成していただきたいと思うんです、総理、本当に。
 これも第一歩です。これですべて、私はこの法律だけで政治と金の問題が全面解決するとは思いませんが、第一歩をぜひ踏み出そうということで我が党はやっているわけです。国会で成立するには、多数派の自民党の協力、自民党の賛成が必要なんです、総理。自民党の総裁として総理、ぜひ、賛成する、前向きに検討するという御答弁をいただきたいと思うんです。
小泉内閣総理大臣 我が党は、政党に対する企業献金は制限を設けて認めようという立場であります。個人に対してはもう既に企業献金は禁止されております、議員個人に対しては。
 そういう中にあって、公共工事もいろいろであります。そういう点があるから、今、野党の案も検討して、どの程度の公共工事なのか、そういう点も含めて今議論を詰めているわけであります。野党の皆さんも提案をされておりますけれども、その点については、与党内においても不十分な点もあるのではないかという点もありますから、いろいろ検討を進めて、より実効的な案を考えていかなきゃならぬと思っております。
長妻委員 いや、ちょっとこれは、もう一年もたって、総理が発言をされてから時間が経過をして、まだ検討される、そしてその中身も具体的なお話がない。本当にこれでは政治と金の問題、いつまでも信頼が回復できないと思います。
 ぜひ総理、では、いつまでに結論を出すんだ、総理が考えているのはこういうやり方だというのを国民の皆さんの前でぜひお話をいただきたいと思います。自民党の抵抗勢力に気兼ねをしないで自由に御発言を本当にいただきたいと思うんです。
小泉内閣総理大臣 私は、税金で全部政治活動を手当てする、個人活動で全部手当てするというのは無理だから、ある程度の制限を設けて企業・団体献金を認めようということで今協議をしているわけです。(長妻委員「公共事業」と呼ぶ)公共工事も含めてです。公共工事も多岐多様であります。
 そういう点もありますから、できるだけ早く結論を出して、各党会派協議の上に実効ある案をまとめていきたい、できるだけ早くやっていきたいと思っております。
長妻委員 具体的には、総理、例えば総理の心の中にはどういう措置が案としてあるんですか。一、二、ぜひ具体的におっしゃってください。
小泉内閣総理大臣 一定の、公共工事についても、どういう公共工事があるということをやはり調べなきゃなりません。その制限はどういう制限がいいかということも含めてであります。
 私は、それは専門家ではありませんから、よく専門家の意見も聞いて、各党の……(長妻委員「制限」と呼ぶ)制限を、どういう制限がいいかということを今協議、検討しているんです。だから、私は専門家でありませんので、皆さんが一つでも、一歩でも二歩でも前進できる案を考えてもらいたい。各党の意見もあるでしょう。そういうのを突き詰めてやる。当然制限は必要であります。しかし、企業献金、全面禁止しろという考えには立っていないんです。
長妻委員 やはり、この検討というのは、去年の五月二十一日の国会で法整備というふうに言われておられますから。このときも検討です。あらゆることが、これは丸投げ、そして検討。丸投げ、検討ですよ、総理は全部。
 冒頭の話にも戻りますけれども、先ほど申し上げた弟さんの個人会社、お金をもらっているというのが、一方の当事者である日立金属さんが明確に、この録音も了解をされて私に話をきちんとしていただいているわけです。ぜひ総理、総理も、私設秘書でありますから、弟さんでありますから、実態をせめて聞いていただく、調査をしていただくぐらいのことはぜひしていただきたいと思います。一国のトップでありますから、ぜひお願いをいたしますが、いかがですか。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
小泉内閣総理大臣 そういう事実はないんですから。ないものを今あたかもあるかのような、疑惑があるかのような物言いについては、極めて心外であります。
 また、自民党については、先ほど言いましたように、現在検討中でありますが、入札に関して行政処分を受けた企業あるいは債権放棄を受けている企業等からの一定期間の寄附の禁止と、公共工事の受注の割合が一定割合を超えた企業は寄附限度額を制限するというような提案も既に出ております。そういう提案を含めて、具体的な案をまとめていかなきゃならぬと思っております。
長妻委員 期限を明言しない約束というのは、約束じゃありません。
 先ほど、コンステレーションという会社、弟さんの個人会社でありますけれども、社長は弟さん、これは総理の私設秘書です。取締役には公設秘書がおられます。そして、総理の秘書官である飯島さんも監査役に入られているということで、これはもうファミリー企業ですよ。ここの、コンステレーションの本社の場所というのは、弟さんの御自宅が場所なんですよ。
 調査会社の調査報告書があります。そして、謄本もあります。調査会社の報告書によると、口ききで収入を、大部分は口きき料、仲介収入にとどまっている。平成十一年の二月が九百万、平成十二年の二月が一千三百万、平成十三年の二月が一千万の収入があるファミリー企業なんです。
 そして、一方の日立金属が、お金を払いました、成功報酬ですと言っているんですよ、きちんと。テープにもあります。私に言っているんです。一方がそういうふうに言っているわけです。弟さんは出てきません。この話にお話が出てきません。ぜひ総理、最後一点だけ、調査をお願いいたします。
小泉内閣総理大臣 そういう契約はないと言っているんですから。私ではありませんが、それは、やはり一方的な議論は私はやめていただきたいと思います。
長妻委員 がっかりいたしました。
 質問を終わります。
藤井委員長 この際、細野豪志君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細野豪志君。
細野委員 きょうは、午前中から政治と金の問題について議論をしているわけでございますけれども、この集中審議がこの予算委員会で開かれる最大の要因になった方が今大臣席に座っていらっしゃいます。総理、それが大島農水大臣であることはよくよく総理自身が御存じだというふうに思います。
 一年前は、この予算委員会で鈴木宗男さんのことが随分いろいろ議論になりました。議論がとまったり、いろいろな形で波及をして紛糾いたしました。疑惑のデパートという言葉がありますけれども、今はもう大島大臣自身が疑惑のデパートとして、次から次へと、どんどんどんどん疑惑が出てきて、どうしようもない状況になっています。総理にぜひきょう具体的に大島大臣の答弁を聞いていただいて、そして総理自体に政治的な判断をしていただきたい、そんな思いでございます。
 まず冒頭、パネルで、大島大臣の政治のある部分の本質をあらわしている、そんな図をごらんいただきたいというふうに思います。
 これは、先日も出しましたけれども、大島農水大臣が後援会の中で配られた資料ということでございます。こちら側に、「モーリーの実績」という形で書いてございます。それぞれの中身を見ると、東北新幹線の八戸までのフル稼働があったり、八戸港のことが書いてあったり、ハイテクパークが書いてあったり、いろいろ書いてあるんですが、その中の新市民病院もある。(発言する者あり)出していますよ、もう。
 新市民病院に関しては、これは宮内さんの問題で随分いろいろ議論になりました。果たしてこの問題が適切なのかどうか、これも後ほどちょっと御答弁いただければなというふうに思うんですが、ここにはこう書いてあるんです。厚生省の次官が大島農水大臣自体が副長官時代の友人ということも幸いをしたと。個人的なネットワークも使ってこれをやられている、これがよく書いてあるんですね。全部そういう形になっています。
 大島農水大臣、こういう今政治をやっておられて、個人的なネットワークも含めて……(発言する者あり)
藤井委員長 どうぞ続けてください。(発言する者あり)与野党の理事の皆さんも冷静に、冷静に。
 細野君、質疑を続けてください。
細野委員 こういう政治姿勢で今やられていて、実は今実績として幾つか挙がっていたんですが、この委員会の中でも何度かやりとりをしておりますけれども、また新しく一つ、この「モーリーの実績」が実は加わっている部分があるんですね。それは、実は青森県の八戸医療技術専門学校、四月のオープンに向けて今学生の募集もされています、この施設でございます。
 この施設をめぐってはいろいろ今まで議論がございましたけれども、実は私、大きな問題が今生じているというふうに考えています。青森に行ってそのことを感じましたので、その経緯を少し、冒頭、説明をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、この八戸医療専門学校でございますけれども、平成十三年の夏ごろからその施設をつくりたいという話があったんですね。総理もよく聞いてください。そして、いろいろ陳情はあったんだけれども、平成十三年の十一月二十一日に、実はこれは、青森県の担当の課が、この施設については需要を考慮すると必要性が低い、そういう判断をしております。
 そして、その次の日、十一月の二十二日、この日に、実は大島農水大臣、国対委員長になられる直前でしたけれども、国対委員長室に厚生労働省の担当者を呼んで事情を聞いている。実は、ここで大きく判断が変わります。
 十二月七日には、進達を県が決定をする。進達というのは、すなわち、国の方にこういう施設をつくってくださいということを進達した、上げたということですね。
 そして、平成十三年の十二月の十八日には、実は、今まで担当していた課長、このときまでは県は否定的な見解を持っていたんですが、その課長が突然異例の異動があった。内示は一週間ほど前ということでございますので、進達を決める前後に課長が異動になっています。この事実も私は現地に行って確認をしてまいりました。
 そして、十二月という異例の時期に、次の年度の予算に四億円という補助金を計上しているんですね。八億円の事業に対し四億円補助が出ているんですけれども、そのことは午前中も申し上げましたが、それが決まったのがこの時点でございます。
 そして、とんとん拍子で一応話はいくかに見えるんですけれども、実は今、現地は大混乱に陥っております。
 去年の夏、八月二十日に実際に入札が行われました。五社手を挙げました。しかし、それは午前中も指摘したとおり、五社一応挙がっているけれども、補助金が最大限出るように実は仕組まれておりまして、私はその疑惑は濃厚だというふうに思っているんですが、最終的には東亜建設というところが落札をいたしました。
 この落札によって、実はこの事業にかかわっている関係者の間で大変な混乱がございまして、発起人の六人のうち五人が離脱をして、発起人が今一人になってしまっている。この入札自体に大きな疑惑があると同時に、その後、実は、落札した業者が設計変更を何回も何回もしていて、そして、午前中も指摘をしましたけれども、数千万円の工事の減額がなされている。しかし、補助金はもろに出ているんですね。そういう中で今この事業は進んでいるということ。
 さらに、もう一つ大きな問題は、去年の秋に、実は、この事業者自体、資本不足に陥っておりまして、給与が遅配がなされている。スタッフに対してですよ。おまけに、専任教員、大切な先生が実は離脱をしてしまっている。そういう事情があるんです。
 現地が大混乱に陥っていることは、大島農水大臣もよく御存じだと思うんです。なぜこうなったのか。なぜこんなに今現地が混乱しているのかということに関して、私は、最大の原因がやはり大島農水大臣のこの十一月二十二日の国対委員長室での働きかけにあるというふうに考えています。
 資料を配っておりますので、そちらで詳しく見てまいりたいというふうに思います。
 資料八をごらんください。これは青森県の健康福祉部が出した資料でございますけれども、「需給見通しについて」の二つ目の丸、既存の養成施設の卒業生のみでも、作業療法士は平成十八年度の末までに、理学療法士についても平成二十一年度の末までには供給が需要を上回る見通しであると書いてあります。
 そして、次のページをごらんください。「今後の対応」というところで、最後に結論がこう書いてあります。二つ目の丸のところを読みます。「資格者の過剰な供給が心配される時点で卒業生を輩出することとなる当該養成施設について、県はその必要性が薄いと判断している。」そして、次には、予算としては計上しないとはっきり書いてあるんですね。
 これは本当に、大島農水大臣、この判断がなされた次の日、実は、資料九に出ておりますけれども、十一月二十二日、これは厚生労働省から出ている資料ですからね、あなたは何と国対委員長室に役人を呼んで、そして、この施設どうなんだということを働きかけているわけですね。
 大きな流れを変えたこの行為、大島農水大臣、今振り返って、どういうふうにお感じになっていますか。
大島国務大臣 るる御説明をされて質問をされましたが、その前に、大変恐縮でございますが、午前中の委員の御質問の中に、民間企業に対していわば誹謗中傷的な御発言がありました。ぜひそういうことは議事録から取り消していただきたい、このことをお願い申し上げ、お答えを申し上げたいと思います。
 さて、今るるお話をされましたが、既に私はこの問題について訴訟を提起して、司法判断にゆだねております。
 簡単に申し上げますと、私がこの事業というものの思いを知りましたのは、たしか平成十三年に、あれは夏ごろでございましょうか、その後でございましょうか、地元の町長さん、地元の県議の皆さん、そしてこの設立者の皆さんが、真剣に、町の発展のために、子供たちの教育の場をつくるためにもやりたいんですということの御陳情をちょうだいしました。
 そこで、私はそういう施設というものが、不勉強でございますから、当然に、それじゃ厚生労働省の皆さんにお話を聞く機会をつくって、どういう状況であるか、そしてこれをいろいろ進めるに当たってどういうふうに考えたらいいかということの、そういう場をつくったのは事実でございます。
 委員に私は申し上げますけれども、人の行為をさまざまな観点から判断することはできると思いますが、私は、そういう公の皆さんが来て、そしてその思いを述べられたときに、そのことに、地域の発展のために全力を尽くす、そしてやれることはやるというのは、私は政治家として一つのあり方だと思っております。そういうふうなことを今も思っておりますし、そういう観点から私は努力をしてまいりました。
 先ほどるるお話しした中に、表の中に一つだけ、委員に申し上げますが、私は知事さんにお電話したことはございません。
細野委員 私は、現地に行って担当者にも話を聞いてきました。大島大臣、県の見解はこうなんですね。当初は、県の担当者はこう言っていました。通常は県が必要なしと判断をすると業者はあきらめるものなんだと。しかし、今回の場合は、業者から非常に強い要望があって、そして、その後、実は必要性について、東北地方では必要であるかもしれないというようなレポートが出ているんですけれども、それをつくることに相なった。県は必要性を一切認めていないんです。その何よりもの証拠に、同じような施設には県が補助金をつけることもあるんですね、しかし、この事業に関しては、国は確かに四億円近く補助金をつけているけれども、県は一銭もつけていないんですよ。県会でも一度も議論になっていないんです。
 加えて、午前中も指摘をしましたけれども、ここからはブラックボックスですので疑惑にすぎないんですが、この議事録の中を見ると、事業者同士の打ち合わせの中を見ると、大島農水大臣の政治団体に献金をしている企業もこの受注に入っているんですね。私、いろいろ青森を見てきましたけれども、いろいろな施設があっち行ったりこっち行ったり動くんですが、動くたびに大島農水大臣の周りになぜかお金が落ちるんですね。この構図はやはりすさまじいものがありますよ。
 では、再度聞きますが、県は必要がないと考えていた施設について、国対委員長ですよ、国対委員長室といえば、それは役所の人が呼び出されて、五回も呼び出されているんですね。最初が十一月の二十二日。これ必要だろうと言えば、これは決定がひっくり返るんですよ。それが本当にいいんですか。ムネオハウスという言葉がありますけれども、これはモーリースクールと。あなたがつくった施設、そういうふうに現地で認識をされているんですよ。
 この横車、こういう動きについて、大島農水大臣自身何かお感じになることがないか、もう一度お聞かせください。
大島国務大臣 政治家はさまざまな言われ方に耐えなければなりませんが、今、私は裁判に提訴しております。そして、その場で明らかにしたいと思います。
 ただ、委員、これだけは私申し上げておきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、五戸の町長さん、地元の県議の皆さんが、自分の土地も提供してやりたいといって切望してきたときに、私は私なりの努力をするのは、そこの地元の全体利益のために私はなすべきことだと思います。
 それから、受注業者のお話をされました。私は、どなたがこの受注をされたかわかりませんでしたが、今、報道されたり質問されたときに調べました。五十数社、仕事をされたそうです。その中で、私の後援会の会員に入っている方は三社であったそうです。一切の業者を、私はお願いしますと言ったこともございません。
 したがって、地元の町長や皆さんの夢、あるいは地域の発展のために、ぜひこの学校は成立してほしい、こう思っております。
細野委員 会計検査院の方でも、この事業に関してはきちっと調べると言っています。私は、それを調べていただいて、中にどういったことがあるのか、出てくるのをしっかりと見たいと思います。
 そして、もう一つ言うならば、こういう政治のあり方、必要なものを働きかけるというのは、時に必要かもしれない。しかし、あなた自身が持っているその大きな力というものをどういうふうに利用するかということについて、もう少しきちっとした判断をしていただかないと、政治をねじ曲げることにつながる、私はそういうことを考えます。これは、私と大島大臣、もしかしたら見解の違いになるのかもしれません。
 質問を次の問題に移していきたいと思います。
 イトーヨーカドーの問題でございます。これは午前中にも質問をいたしました。テレビを見ている方には少しわかりにくいところがございますので、まず私の方から少し事情を説明させていただきます。
 今、イトーヨーカドーが八戸の市内から撤退をするということが言われて、大変な状況になってきている。二月の二十三日に閉店予定で、今閉店セールをやっております。そして、きのう、その閉店をするビルのオーナーから話を聞いたところ、実はこの閉店を何とか阻止しようということで大島農水大臣に依頼をされた。具体的に言うと、二〇〇〇年ごろから大島大臣に働きかけがなされた。これは本人も認められました。よろしいですね。
 そして、二〇〇〇年の六月十二日、これは衆議院選挙の前日ですけれども、大島大臣がおっしゃるには、選挙活動に役立ててくださいということで、六百万円をあなたの当時公設秘書であった藤田さんにお渡しになった。二〇〇〇年のこのもらった献金に関しては政治資金報告書には記載がない、これも事実でございます。そして、二〇〇一年の暮れに地元のうわさで、どうもそのお金がおかしいんじゃないかという話があって、二〇〇二年の一月二十三日、国対委員長室でビルオーナーに謝罪をして、六百万円の返金を約束した。最終的には、その一カ月後か一カ月半後には返却をした。そういう話でございました。
 これはどう考えても、私、ビルオーナーの方に話を伺いましたが、選挙のための献金だということで持っていかれたわけでして、公選法違反の疑いが極めて強い。大島農水大臣は秘書の問題だと言われるのかもしれないけれども、宮内秘書はもうおやめになりました。公設秘書です。そして、今の第一秘書、藤田秘書も、この問題でやめさせたとおっしゃっている。
 まず、道義的な責任をお伺いしたい。秘書の問題、これは連発をしています。大島大臣、どう考えられていますか。
大島国務大臣 昨年の十月以来、報道があったり、こうして皆さんから質問を受けていること自体、私が不徳のいたすところだ、このようにも思いますし、そして、そういう中にあって、事務所の刷新もいたしながら、身を律して職務に専念していくと同時に、一言で言えば任せっきりにしてきたところがあり過ぎたかな、もっともっと私自身も、そういう点を反省しながら、一層身を律して政務に努力することが私の責務であり、問われたことに誠実に答えていくことが私のまた責務である、このように思っております。
細野委員 昨年、鈴木宗男議員の問題が出たときに、大島大臣こうおっしゃっているんですね。大変重い事項だ、議員にはすべて秘書の監督責任がある、そうおっしゃっています。その監督責任も含めてこれから聞いていきたいと思います。
 まず、選挙部長に一つ一般論でお伺いをします。
 政治団体の会計責任者が、五万円以上の献金を受け取って報告をしなかった場合、これは公選法でどういう扱いになるんでしょうか。
高部政府参考人 個別具体の事案についてはお答えいたしかねますけれども、一般論として申し上げますと、政治資金規正法におきましては、政治団体の会計責任者は、収支報告書には当該政治団体のすべての収入、支出について所要事項を記載することとされておりまして、寄附につきましては、同一の者からの寄附で年間五万円を超えるものについては、寄附者の氏名、住所等の内訳を記載することとされております。
 また、同じ法律によりまして、故意または重過失によりまして収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者、または虚偽の記入をした者については、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処する旨が規定されているところであります。
細野委員 政治資金管理団体の会計責任者が五万円以上を報告しなかった場合は公選法違反で罰則もある、そういうお答えをいただきました。
 さて、この寄附を受け取った藤田秘書でございますけれども、これは大島大臣の御親戚、そして第一秘書という公設の立場であった、税金で給料を賄われている。そして、何よりも大きいのは、資料をお配りいたしましたけれども、おやめになるまで、大島大臣の政治資金管理団体の会計責任者をやられていた。大島理森政経会ですか、その会計責任者をやられていたということなんですね。
 これはどう考えても公選法に違反するんですよ。この部分、どう認識されているか、簡潔にお答えください。
大島国務大臣 公選法というふうにお話しされましたが、委員のそれは違うんじゃないでしょうか。
細野委員 大変失礼しました。政治資金規正法、先ほど選挙部長が御答弁されたこの法律違反に明確に当たると思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。
大島国務大臣 この経過を委員がお話しされましたので、やはりテレビを見ている皆さんにも私は若干一言申し上げて、(発言する者あり)簡単に答えます。それは委員もお話しされましたから。もう午前中に私お答えをして、委員がまたお話しされましたので。
 一言申し上げますと、まさにこれも、市長さんや議会の皆さんからの、そういう市街化活性化のために陳情に来て、努力してまいりました。
 さてそこで、今のお答えでございますが、先ほど申し上げましたように、その藤田が平成十二年の選挙のときに、選挙に用立ててくださいというふうに受け取ったという報告は、その一年半後いただきました。しかし、現実に政治資金として受け入れたというならば、それは収支報告書に記載すべきなのは当然だと思いますが、一年半後まで秘書自身が預かっていた、そしてその一部を流用したということでございますから、そのように、私どもは処理のしようもないところである、このように思っております。
細野委員 いや、今のが大臣の見解だとすると、とんでもないですよ。
 確認をしますが、ビルオーナーは政治献金として渡したと言っているんです。なぜか領収書をもらえなかったという不満をきのう私に述べられていました。そして、じゃ、どこの場所で渡したのか。これは選挙事務所で渡しているんですよ。国会議員が自分で献金をもらってきて、自分で処理して、自分で報告するなんてことないんですよ。それを最終責任を持つのが会計責任者なんじゃないですか。公選法、全部ざる法になっちゃうじゃないですか、そうなったら。
 秘書が個人で受け取ったというその根拠は何ですか。
大島国務大臣 一年半だれにもこのことの報告もせず、あるいは事務所の中にそのいただいたお金を置いたこともないし、現実に政治資金として受け入れたというのであれば、それは記載すべきなのは当然でありますが、まさに秘書個人のところにとどまっておりまして、その一部が流用されたということで、私どもは処理のしようがないということと思います。
細野委員 大臣、さっき選挙部長が、会計責任者がそれをやったら違法と言っているんですよ。会計責任者ですよ、今秘書は。これは全く言いわけできないでしょう。政治資金規正法にこれだけ明白に違反をして、まだあなたは大臣やるんですか。今、政治の信頼性を議論しているんですよ。
 まあ、大臣に聞いても多分お答えがないんだと思うので総理に伺いますが、総理、会計責任者が政治資金規正法に明らかに違反をしている、六百万受け取っているんです。大臣がそれを認識しているんです。これは明らかに政治資金規正法違反です。あなたは任命権者ですね。しっかりと、この問題にどう対応されるのか、お答えをください。大臣じゃない、総理、総理。
大島国務大臣 平成十二年の選挙の直前に、選挙に用立ててくださいと言ってそのオーナーの方が持ってこられたということは、報告として聞いておりますが、それを個人として預かっておったということでございまして、現実に政治資金としての処理のしようがないということでございます。
細野委員 総理、目をあけてください。
 会計責任者がお金を六百万受け取っているんですよ。これが個人にとどまっていたから、政治資金規正、この違法が問われないということであれば、こんな法律には全く意味がないんですよ。
 今、質疑を聞かれていると思いますが、総理、しっかり国民に対して答えてください。明確な政治資金規正法違反している大臣がここにいます。あなたが任命権者です。きちっと答えてください。
小泉内閣総理大臣 今私も初めて聞いたものですから、法に違反することはやってはならないというのは当然であります。やはり今の質問に大臣もしっかり調査して説明すべきだと思っております。
細野委員 では、総理、伺いますが、これが違法でないというふうにお考えになるんですか、今のやりとりを聞いて。今聞かれたでしょう。今判断できるじゃないですか。きちっと答えてください。
小泉内閣総理大臣 この点について、どういう法に違反するかという点については、よく調査していただきたいと思います。
細野委員 あなたは任命権者ですよ。公選法十二条と、さっき選挙部長も言っているじゃないですか。そして事実を認めていて、まだ調査するって、一体何を調査するんですか。(小泉内閣総理大臣「大臣に聞いてくれよ」と呼ぶ)総理に聞きます。
藤井委員長 大島農林水産大臣。大島農林水産大臣。(発言する者あり)御静粛に、御静粛に。
 大島農林水産大臣。
大島国務大臣 個人として預かっておったと。だから、したがって、そういうふうなことから、私自身は、政治資金としての処理のしようがありませんということをお答え申し上げているところです。
細野委員 今、私、政治が一つ破綻したと思いますよ。これだけ明確な政治資金規正法に違反をされて、大臣がそこに座っていて、総理は、調査します。国民がいかに今失望したか、そのことをぜひ考えていただきい。
 そして、今ここで、じゃ御返事ができないのであれば、もう時間はありません。この問題、ますます恐らく大きく報道もされると思います。総理が決断されることを私は切願をします。
 最後に一つだけ申し上げたい。
 私は、いろいろな方から話を聞いて、大島農水大臣が言っていらっしゃることにも一つ大きな疑問を感じています。それは、客観的な状況からいって、選挙事務所でお金を受け取った藤田秘書が個人でお金を持っていて、そして最終的に流用したというのが信じられないんです。私は、藤田秘書には直接会っていないけれども、いろいろな方からお話を伺いました。彼は、十円単位で、二十円単位でお金をきちっと合わせるために会計責任者として責任を果たしてたそうです。そして、やり手でどんどんお金を集めてくる宮内さんと違って、極めて実直な人物として藤田秘書は評価されていたんです。
 私は、率直に言って、この藤田秘書は事務所にお金を入れていたと確信をしています。そして、大島農水大臣がこの藤田秘書に責任を今転嫁することによって自分が生き残ろうとしている。藤田秘書には小さいお子さんもいらっしゃるそうでございます。私は、もう大臣席を、ぜひ今席を外していただきたいと同時に、議員についてももうあなたはバッジを外すべきだ、そのことを最後に申し上げて、質問を終わります。
大島国務大臣 ちょっと委員、お座りください。委員、お座りください。
藤井委員長 細野豪志君、座ってください。指名しましたから、委員長が。
大島国務大臣 今、大変なことを委員は私に断定的に言いました。それは、六百万をいかにも私が預かったとか、あるいは事務所が預かった。もしあなたがその確証があるなら、ここにお示しください。そして、その確証について私は反論いたします。ぜひこれは、私の名誉のために聞き捨てならない言葉です。
 委員長、これは、私の名誉のためにも、余りにもひどい、そして質問です。ぜひ、その確証があるなら、ぜひ理事会に出して、そのことを私に反論させてください。
細野委員 では、やりましょう、大臣。やりましょう。この問題について……(発言する者あり)
藤井委員長 細野君、最後、最後の質問。
細野委員 では大臣、やりましょう。ぜひ、この問題に深くかかわった宮内秘書を参考人に呼んでいただいて、この藤田秘書をめぐってどういう問題があるのか、あなたに証明する義務があるんです。
 ぜひ、大臣自身から証人喚問を求めていただくようにお願いをして、私の質問を終わります。
藤井委員長 この際、河村たかし君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。河村たかし君。
河村(た)委員 河村たかしでございます。
 大変な不況下でございますけれども、日本のやはり最大の問題は、いわゆる官製経済といいますか、役所にとにかく金が集中しまして、郵便貯金も国債もそうですけれども、役所にひれ伏す人間が楽をして、そして本当の庶民が苦しむ、こういう時代を絶対変えないかぬということでございます。税金を払う方が苦労して、税金で食っておる役人天国になっておる、これを絶対変えないかぬ、これが民主党の使命だ、そういうふうに思っております。
 そのシンボルといたしまして、いわゆる官製談合といいまして、今まで談合というのは、土建業者さんが、民間業者がもうけて、役所がどっちかというと損をするというのか、被害者になるということでしたが、最近は、日本じゅうに蔓延しておるのは、役所がリードして、それで土建業者さんはどちらかというと被害者になっている、こういう構図がありますので、この問題を、自民党の長崎県連、この問題に当てはめまして考えていきたい。ぜひ、きょう、土建業者の皆さんの解放の日になりますように、そんなつもりでやりたいと思います。
 まず、きのう、総理は自民党総裁でございますので、きちっと全部、これは質問通告と言いますけれども、細かいと思われるかわかりませんけれども、きのう全部通告がしてあります。それで、私どもも複数の関係者の方からお話をいただきました。それに基づいて確認をしたいと思います。
 自民党の長崎県連、逮捕者も出しました。しかし、そこで工事が行われたわけでございますけれども、問題は知事さんのところですよね。結局、長崎県が一体どうであったのか、工事の発注者、この問題でございます。それで、これは通告してありますから、自民党総裁としてぜひお答えをいただきたいんです。
 きのう確認をしてまいりました。これによりますと、五年前の、これはそういう話をきちっと聞いたということで、関係者から聞きました、証言を得たということです。五年前の知事選のときに、三千万から五千万でしょうか、自民党長崎県連に上納というか寄附というか、した。反対に、ちょっと日にちがあれでございますけれども、長崎県連の方から三千万、これはいわゆる知事側の方にお金が行ったというふうに話を聞きましたけれども、これは事実でございますか。
小泉内閣総理大臣 私に聞かれたって、わかるわけないでしょう。きのう通告があって、どうして私が調べるんですか。今、関係者は逮捕されているんでしょう。捜査は入っているんでしょう。私に聞かれたって、承知していないものを答えようがない、それは。よくちょっと常識で考えてくださいよ。いかに総裁だって、そこまで、各県連の資金状況まで調べろといったって、どうですか、これ。
河村(た)委員 これは、ぜひテレビをごらんの方も間違えられませんように。
 きのう、きちっと聞いてありまして、それは総理大臣ですから忙しいこともわかっていますよ、私も。当たり前ですよ、そんなこと。だけれども、この問題は、自民党総裁できょう長崎県連に電話を一本かければわかるんですよ、こんなの。なぜやってくれなかったんですか。きちっと言いましたよ、これ。そのための審議なんです、総理大臣。突然じゃないんですよ。私は、はっきりこのことを言って、必ず確認してくださいよ、事実と違うなら違うと言ってくれればいいから、そう言ってありますよ、これ。
小泉内閣総理大臣 しかし、今捜査中で、幾ら資金があったと一々私が聞けますか。そういうこと、できるわけないでしょう。けさ聞かれて、どうかという。それは、やはり党の幹事長等に今指示して、どういう事情かと指示しておりますので、調べるべき点は調査する。私が、もう各県連、資金だって、一々そんなできるわけないじゃないですか。
河村(た)委員 では、自民党の県連に、県連に電話一本、総理じゃなくてもいいんですよ、総理じゃなくても。だから、これは質問通告制度というのがあって、これからわざわざ、きょうはそのために集中審議をやっておるんじゃないですか。いいですか、総理、総裁、普通の会社が、どんなでかい会社でも、どんなでかい会社の社長でも、社長が、どこどこの出張所でこういうことがありましたけれども調べてもらえますかと言ったら、それは当然調べてくれますよ、当然。それが社長というものじゃないですか。何のために僕きょう出てきたんですか、ここへ。
小泉内閣総理大臣 党のことですから。まあ、深夜に質問通告があったということであります、昨夜。それで、私は、幹事長にそういう調査はするように指示しておりますので、時期が来れば、今、関係者が逮捕されているということでございます。そういう点は調査したいと思っております。
 常識で考えて、深夜十二時過ぎに質問出て、どうだこうだと私に、政府関係のことならわかりますよ。それを党の県連の、どういう状況かというのを今聞けと、これはちょっと無理だということぐらい、常識で考えていただかないと。
河村(た)委員 いや、申しわけないですけれども、これは困るんですよ、やはり国民のために政治をやっていますので。確かに、質問をお願いしたのは十二時ぐらいでした。だけれども、きょう今何時ですか。四時半、もう五時ですよ、朝からずっとあって。なぜ、この委員会の審議をしっかりやるために、電話の一本もかけてくれないんですか。
 それは、総理、総裁、別に総裁が御自分でやらなくてもいいんですよ、当然。スタッフが何人もおるじゃないですか、自民党本部に何人もおるじゃないですか。この委員会に出てきて聞くんだから、それを言ってくれて、その報告を受けて、会社でいえば社長がちゃんと答える、それが誠実な態度じゃないですか。それは当たり前ですよ。半日以上あるんですよ、これ本当に。
 では、いいですよ。では、いつまでにということで言ってください。
小泉内閣総理大臣 私も、全然調査しないわけではないけれども、幹事長に指示したところ、関係資料はもう今捜査で押収されていると。わかる点、わからない点あるし、そういう点も、まだわからない点がたくさんあるということでありますので、これは私がじかにここで答弁するよりも、しかるべき、どういうことが聞きたいのかというのは当然、長崎県連でも調べていると思いますので、時期が来たら報告はするようにいたします。
河村(た)委員 時期が来たらというより、具体的にきょうの場合はお聞きしましたので。総裁、これはぜひ、後のがありますので、これはきちっと聞いてくださいね。お願いします、具体的に。
 それから、金子知事さんの方の問題でございますけれども、明日の長崎県を創る会というのがありまして、これが、二〇〇〇年、ここから企業献金が禁止になりまして、この前の年から大体四千万、やはりこれは減っております。四千万ですね。
 ですから、今回の場合、どうも知事さん側は、私はお金の方は知事選で企業からの献金は受けていない、こういうふうに言っておられますけれども、これはやはり個人で受けられなくなりましたので、さっきからの問題ですが、政党の支部、ここをいわゆる窓口にして、結局これは迂回献金ということで、そういうようなことで自民党の支部が使われたんじゃないですか、どうですか。
小泉内閣総理大臣 金子知事のことについて、私が何で答えなきゃならないんですか。それは、そのぐらいちょっと考えてくださいよ、この予算委員会の質問で。
河村(た)委員 いや、それは自民党の支部に聞いていただければわかるんですよ。そういうことでないなら、ないと言っていただければいいんですよ。そういうことですよ。どうですか、委員長。
藤井委員長 では、いいですか、総理。小泉総理、もう一回答弁。
小泉内閣総理大臣 金子知事については、私は、どういう寄附を受けているかわかりませんが、長崎県の自民党支部については、これから、今どういう点が質問であるのかという点もよく幹事長を通じて調べてみて、そしてまた御質問があれば答弁したいと思います。
河村(た)委員 時間がとまりませんものですから、次にちょっと行きますけれども、今回、いわゆる簿外処理された三千万というお金の使い道が問題になっております。それが、これはこういうシステムになっておるかどうかよくわかりませんけれども、自民党の県連の場合、県連の幹事長さんが次は県連の議長に何かなるそうなんですね、これ。(発言する者あり)ああ、県議会の議長。これもちゃんときのうお話をしてあります。
 そのいろいろなために、県会議長になるためにそのお金が使われたという問題と、それから、これは質問通告ちょっとおくれましたから、もし総裁、それはちょっと無理だと言われれば、それは素直にそれで結構でございますが、何か高価なつぼがプレゼントされたりしておるという話があるんですけれども、そこら辺の話は、そういう使い方をされておったんでしょうか。
小泉内閣総理大臣 高価なつぼというのはどんなつぼか私はわかりませんが、それがだれに贈られていたんですか、私は知りませんが。(河村(た)委員「自民党の方に」と呼ぶ)それも知りませんが、いずれ、質問の趣旨がわかれば、調査して報告したいと思いますが、私は、このつぼの件について今初めて聞いたものですから、ちょっと答えかねます。
河村(た)委員 県会議長の選挙についてはどうでしょうか。
小泉内閣総理大臣 私、もう今県会議長の選挙がどういうふうに行われているのかわかりませんし、県会議長がだれになったのかも存じておりませんが、こういう点につきまして、長崎県については、私は、長崎県の関係者の方が私よりもはるかに承知しているはずでありますので、今後、疑問の点につきましては、調査するように指示をしたいと思っております。
河村(た)委員 いや、これは何度も言っておきますけれども、会社の社長ですからね。だから、どんな大きな会社でも、そこの支店でどういう問題があったか、時間があって、通告すれば、それは答えてもらう、自民党の総裁ですから。そういうことですからね。務めがあるということでございます。
 それから、これは総理の認識で結構でございますけれども、いわゆるゼネコンが中央会と、地元では中央会と言っておるらしいんですけれども、こういうような組織をつくって、スケジュール調整から献金金額までを調整して、幹事長を企業に案内して接待をする、そういう集金システムができているということでございまして、長崎の場合は、ちょっとここにつくってきましたけれども、(パネルを示す)これは段ボールでございますけれども、飲食費が断トツにあるんですよね。こういうような集金システムがあるということです。きのう、こういうこともぜひ党の総裁として地元に聞いていただきたいということでお願いしましたので、どういう感想を持たれますか。
小泉内閣総理大臣 長崎においてどのような集金システムがあるかというのは私は承知しておりませんが、これも、たとえきのう質問通告が出たとしても、夜の十二時過ぎでしょう、そして、けさ、たとえ問い合わせても、すぐ返事は返ってきませんよ。それで、私はもう、午後、本会議にも出て答弁しているわけですよ。そしてまた、この委員会。これは私が、その飲食費がどうかとか集金システムがどうかと、長崎のことについて、本当に……(河村(た)委員「それじゃ、スタッフは何をやっておるんですか」と呼ぶ)これを今急に言われて……(河村(た)委員「急じゃないですよ」と呼ぶ)きのうの深夜十二時過ぎでしょう。それをやるにしても、時間がかかりますよ。少しぐらい時間をくださいよ、きょうやるんだったらば。私が答弁するにしても、そういうスタッフが調査するにしても、きのうの深夜十二時過ぎで、もう午前から質問を、いろいろな質問通告があって、答弁の準備をして、本会議もあって答弁をして、それでここに来ているわけでしょう。実際、もう時間があってなきがごとしですよ。それで、私自身、それは長崎の県連について、一々、じかにどうだこうだと、そういうわけにいきませんよ、率直に言って。その辺もよく理解していただきたい。
 私は、そういう、この質問についてできるだけ、今捜査も入って、関係書類も押収されていて、できる点できない点もあると思います。よくそういう点も調べながら、できるだけ御質問に答えられるような報告をしたいと思っております。
河村(た)委員 これは大分前から、もう長崎県連の問題は物すごう前からでありますし、この集中審議も決まっておったことなんだよね。ですから、それは総裁、総理、小泉さん自体が、これは大変だと思いますよ、だけれども、膨大なスタッフがおるから、スタッフに怒ってくださいよ、なぜきちっとしなかったといって。そういうことですよ。僕らだってきちっとやっているんだから、これは。ということでございます。
 それから、総理、これは感覚でいいんですけれども、きょう午前中はちょっと総理、お見えになれなかったけれども、今、質疑で出たんだけれども、こういういわゆる特定寄附といいますか、選挙に関して、いわゆる役所と契約を持った人は寄附するといかぬという新しい切り口で政党支部がこうなるのは初めてなんですよね。ええ、初めてなんです。大変に捜査当局としては勇気を持って、新しい切り口でこれはやられたわけなんで、ぜひ、これは小泉総理も言っているように、政治と金の問題をクリアにして、いい日本をつくっていこうと言っているんだから、捜査当局にこれをもっと広げていただいて、大いに、エンカレッジといいますか、励ましていただいて、そういうようにぜひやっていただけるように、一言いただけませんか。
小泉内閣総理大臣 捜査は、公正に、厳正になされなきゃならないと思っております。
河村(た)委員 ぜひその言葉の精神で、ようわかりませんけれども、しかし、いろいろなうわさもありますから、いろいろな圧力もかかって捜査の方もなかなか十分にできないようになるのではないかというような話がありますので、ぜひそうならぬように、ひとつお願いしたいということでございます。
 それから、本当にこれは感想でいいです、感想でいいですけれども、今の官製談合の一つの大きな問題としまして、いわゆるジョイントを組みますわね。三社でやりますと、大抵、一番でかいところが五〇%、次が大体三割、それから本当の地元の一社が二割、こういうふうに事実上ほとんど決まってしまっておるんですよ。全部とは言いませんけれども、その二割のところが、割と政治家の口添えで、例えば、全部とは言いません、監督者一人出すだけでこの二割のお金をいただいていく、こういうようなことが非常に、まあ非常にと言いませんけれども、あります。
 こういうのはどういうことかというと、そういうところへへりくだる人間しか商売できぬようになるんですよ。そういうことでしょう。僕が言いたいのはそこなんですよ。役所にひれ伏す人間しか食えない時代というのは絶対いかぬのだ。
 ここはひとつどう思いますか。こういう構造です。
小泉内閣総理大臣 私は、ジョイントベンチャー、共同事業がどういう形でなされているかよく承知しておりませんが、いずれにしても、不正がないような発注、受注、そういうシステムを役所にしても考えていくべきじゃないかなと思っております。
河村(た)委員 それからもう一つ、これも聞いておきます。
 官製談合というのは、役所が中心になって、役所にへりくだる人間だけがもうかる構造の中に、これはやはりいわゆる天下りがあるんですよね。
 ところで、これは地方公務員には何の制限もないんですよ。これも総理、通告してあります。これはぜひ、私は、地方公務員、国家公務員と、権限でやるんではなくて、いわゆるあっせん行為ですね。最大の問題点は、役所がグループでやるわけですよ、これはグループで。一人ずつでやるといかぬというので、どうやって言うかというと、一人に任せると悪いことやるといかぬ、こう言うわけですよ。一人でやると悪いこと、いかぬ、これは刑法できちっとやればいい。
 これは総理、ぜひ地方公務員の制限ない天下り、そして行って、その人がリーダーになって、自分の後輩が役所におりますから、それで自分にへりくだる、献金を持ってきた役所ばかり、そこだけもうけさせる、こういう構図は改めていこうと。ひとつこれは日本の大きい構図ですから、片山さん、ちょっと待ってちょうだい、大きい構図ですから、これはぜひ総理大臣に答弁いただきたい。
小泉内閣総理大臣 地方公務員のことの具体的な詳細については総務大臣から答弁させますが、これは、中央官庁のみならず地方でも、そういう天下りについては不信を持たれないような体制をとることがぜひとも必要だと思っております。
藤井委員長 片山総務大臣。(河村(た)委員「いや、もういいです、時間がないから」と呼ぶ)指名していますから。(河村(た)委員「大臣、もういいよ」と呼ぶ)
片山国務大臣 簡単にやります。
 地方公務員の退職管理は、それぞれの都道府県でも市町村でも、ルールをつくりまして、それに従ってやっておりますので、即、地方公務員の退職管理が天下りだとか官製談合に結びつくものではありませんが、国の方もいろいろ今検討しておりますので、地方の方にも、そういうことで住民の不信を招かないように徹底してまいります。
河村(た)委員 そうしたら、要するに、役所が注文を出して、その額に応じて献金をさせる、こういう構図が今回長崎県連でわかったわけですね。
 私からすれば、これは先がた言っていますけれども、民主党は、公共事業を受注した人からはこれはだめだというふうにしようと言っていますけれども、僕は、これは党内でいろいろ議論せないかぬけれども、やはり先がた自民党は、企業献金はいいと盛んに言っていましたけれども、大きい流れを変えるために、やはり企業・団体献金そのものをやめる、これは。僕はそう思っております。
 現に、私は一月いっぱいでやめました。(発言する者あり)そうです、やめました。二百万弱減りました、私、献金がこれで。(発言する者あり)年間です。だけれども、僕はそう思っております。
 どうですか、総理、思い切って。やはりそれは、同じ中小企業のおやじが会社で出すのと個人で出すのと同じじゃないかと言うかわからぬけれども、やはり流れが物すごく変わるんですよ、それで流れが。今までのような、いわゆるずぶずぶの関係で、注文を受けたところから金をもらってどうにもならぬようになっていく、そういう政治を変えようというのが小泉さんだったんでしょう。思い切ってやりましょうよ。どうですか、小泉さん。
小泉内閣総理大臣 それは、政治資金をどうやって調達するか。政治活動というのは国会議員だけじゃないんですよ。地方議員、市会議員、全部税金で見る、個人献金で見るというのは、だれでも無理というのはわかっているわけでしょう。これは各政党、今までの活動で、パーティーもある。それは恐らく民主党の議員だって、企業からパーティー券を買ってもらう人、たくさんいると思いますよ。
 だから、そういう点も考えて、私は制限を設けることは賛成ですよ。今まで随分制限をきつくしてまいりました。そういう中で、私は、どのような制限が必要か、企業にしても団体にしても税金にしても、あるいは個人にしても。それはもうかなりきつく設けてあります。そういう点で、今後、今、長崎県の事件も踏まえまして、今よりも一歩進んだものを考えようということでありますので、それはしなきゃいけないなと思っております。
河村(た)委員 いや、すぐ個人献金は集まらぬからと言いますけれども、やはり議員というのは私は侍だと思うんですよ。だから、そういうことを自分で追い込んで努力すれば、世の中変わってくるんですよ。初めからできぬできぬ言っておったって、どうしようもならぬじゃないですか。
 だから、最後に一つ小泉総理に、とにかく最低でも、受注額に応じて献金をもらっていくような、こういう社会だけはやめようじゃないかと。(発言する者あり)いや、これは残念ながら長崎県連であったから。これは、総理大臣ないし自民党総裁として、この場で一言だけしっかり言ってください。
小泉内閣総理大臣 そんなことがあり得たということは、私はびっくりしています。こんなことは当然やってはならないことでありますし、やっていた事実も私は初めて聞いてびっくりしているんです。こういうことはあってはならないことだと思っております。
河村(た)委員 これで終わりますが、具体的な問題点を二つお話ししましたので、総理、総裁、ぜひお返事をいただけるようにお願いします。
 終わります。
藤井委員長 これにて長妻君、細野君、河村君の質疑は終了いたしました。
 次に、樋高剛君。
樋高委員 自由党の樋高剛でございます。
 きょう午前中は、政官業の癒着構造にまつわる具体的な疑惑追及をさせていただきましたけれども、午後は本質的な議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 今、国民の政治に対する信頼というのは地に落ちている。政治が信頼されていないこと自体が、私は最大の問題であろうと思っております。大体、この景気が本当に悪いときに、また、イラク、北朝鮮を初めとする大変な外交案件、大切な政治課題が山積しているときに、内向きの話であるこういった政治の疑惑、政治資金、政治と金にまつわる審議をやらざるを得ないほど政治の荒廃を招いてしまった責任を、そもそも総理はどのように感じていらっしゃいますか。
小泉内閣総理大臣 政治に対する信頼というのは一番大事な根本でありますので、疑惑を招かないような日ごろの政治活動、これは政治家自身が心がけなきゃならない点でありますし、同時に、制度として、そういう不祥事が起こらないような対策も必要ではないかなと思っております。
樋高委員 市民の側から見ますと、政治はもうだめだとあきらめてしまっているわけであります。総理は、具体的にいかようにして政治に対する信頼を回復させるおつもりなのか、私に対してではなくて、国民に対して御説明をわかりやすくお願いいたします。
小泉内閣総理大臣 政治家自身が日ごろの活動を常に有権者から見られている、また、選挙のたびに評価を受けるわけであります。まず、政治に対して、一番政治家を鍛えるのは有権者自身であります。有権者自身の目であります。その目にたえ得るだけの政治活動を政党なり政治家はしてこなきゃならない。
 同時に、政治活動するための資金調達はどうあるべきか。国民から疑惑を招かないような資金調達方法あるいは収支報告等、そういう点についても信頼を得るような対策を打っていくことが必要であると思っております。
樋高委員 今総理が言ったような程度では、私は政治の信頼回復は不可能であると思います。
 政治の信頼回復のまず第一歩、やはり私は、国会議員の数は減らすべきである。やはり議員みずから襟を正す、まずは隗より始める。自由党では具体的に法律案をつくっています。審議をして、成立をさせようと思えばすぐにできるんです。総理、いかがお考えになりますか。
小泉内閣総理大臣 これは、定数削減、出てきただけで、国会大変ですよ、議論が。私は減らすことに賛成ですよ。しかし、これは自民党一党だけでやると、自民党の横暴と言われますね。各党に相談しなきゃならない。自由党以外の方で、削減する必要ないという政党もあるんですから、現実に。
 選挙制度の問題というのは、これは自民党だけで変えるということも無理があるでしょう。与野党の協議も必要でしょう。そういう点から、私はそれは定数削減というのは結構でありますけれども、それは各党各会派で議論しなきゃならない点もあるし、自民党一存でできる問題でもない。これは、議会の枠を決めるという形で、今後も協議すべき問題であるとは私は認識しております。
樋高委員 他人事のように言わないでいただきたいと思います。それをまとめるのが総理のリーダーシップじゃないですか。そこに政治のリーダーシップがないからだめなんです。総理が各党を説得して、そして国会議員を減らしていくんだ、まずは隗より始めるんだ、そういった行動が今必要なのであります。
 ところで、お尋ねをいたしますけれども、逮捕されました鈴木宗男議員、今、国会には出てきておりません。仕事をしていないのでありますけれども、しかし、お給料は支払われております。税金である給料を出すなというのが国民の気持ちではあると思いますけれども、総理はどのように考えますか。
小泉内閣総理大臣 これはなかなか難しい問題で、議員が失職しない限り、給与は法律で定められているんですよね。たしか、まだ鈴木議員は議員をやめていない、やめていないですよね。ですから、議員である限り、やはり法律で定められているように支給される。これは、有権者が選んだということは、それだけ有権者の判断が重いということじゃないでしょうか。
 今後、こういう点についてどういう改正があるかという点は――前に参議院でもあったんですね、そういう事件、そういうことが。国会で議員辞職勧告決議案が出ても、本人がやめないと言えばやめなくていい制度なんですから。こういう点もありますので、これはやはり法治国家ですから、法律で定められている限りはそれに従わざるを得ない。法律をどう変えるかというのは、これは国会の問題でありますので、それは今後のやはり検討課題じゃないかなと思っております。
樋高委員 大体、こういった問題一つ一つに、自分、総理みずから、それを他人事のように、法律がどうだこうだとか、状況がどうだこうだとか、そういうふうに転嫁をするのではなくて、もっとみずからを持って、こうすべきではないかと。
 そもそも総理は、内閣総理大臣であると同時に自民党の総裁でありますから、そして鈴木議員は自民党にずっといらっしゃったわけでありますから、直接お会いになって、あんた、やめたらどうですかというふうに行動を起こされたらどうですか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 国会でやめなさいという勧告が出ているんですよ。それを聞かないんですから。これはもう法的にそういうふうになっているんですから。法律を変えられるならともかく。
 これは私は、最後は、政治家の進退というのは結局政治家個人が判断するものだ。次の選挙に審判を受けるんですから、次の有権者が。そうじゃないですか。
樋高委員 ちょっと自覚がなさ過ぎます。無責任なことを言っておりますと、ますます国民が政治から離れていってしまう。
 去年十月に行われました統一地方選挙では、投票率はとても低かった。関心が薄れているどころではなくて、信頼が……(発言する者あり)十月に行われました統一補欠選挙でございますけれども、そもそも、投票率が低いということは、関心がますます薄れてしまっている証拠である。もうどうにでもなれ、なるようにしかならないじゃないかという空気が、市民の心の中に奥深くにしみ込んでしまっている。
 総理は、自民党をぶっ壊すと言っておきながら、実際は、日本人の生活、そして日本人の心をぶっ壊しているという批判に対して、どのようにお答えになりますか。
小泉内閣総理大臣 私は、自民党を、今までの、旧来の自民党から新しい自民党に変えようと言って、いろいろ反対していた政策についても法案についても打ち出しているわけであります。そして現に、自由民主党も、今まで反対しておりましたけれども、協力して、賛成しているわけであります。そういうことによって自民党を変えていきたい。今回も、特定の自民党の支持団体が反対しておりますが、そういう法案も出している。現に成立している。一部の特定団体の支持、自民党を支持しているから、必ずしもそういうことはないだろうということでやっているわけです。
 だから、自民党を変える、変えれば、つぶす必要はないんですよ。そういう点において、私は、就任以来、着々と自民党も変わってきているな、変えてきているな、そういう認識を持っております。
樋高委員 全然変わっていません。どこが変わっているんでしょうか。
 ところで、総理、出身派閥はどちらですか。
小泉内閣総理大臣 まあ、派閥というよりも政策集団、いろいろありますよね、各党いろいろ。民主党も自由党もあると思いますけれども。
 私は、最初は福田元首相の福田派、そして安倍派、三塚派、森派、もうずうっと続いている、一貫して。いわゆる派閥が、政策集団といいますけれども一貫して、もう出たり入ったりしていないんです。一貫しているんです。政党もずっと自民党。そして、私、小沢幹事長のもとで全国組織委員長をしていたんですよ。小沢さんもよく知っていますよ、私は。幹事長が自民党を飛び出したということにはびっくりしていますけれどもね。
 ともかく、自民党にもいろいろグループがあります。しかし、そういうグループが切磋琢磨して、これからもよりよい政党にしていくということにしていかなきゃならないなと。まあ、派閥の弊害をなくすために私は派閥を離脱して、今はどの派閥にも属しておりません。
樋高委員 総理になっているときだけ派閥を抜ける、これがまさしく形だけの、口先だけの政治なんですよ。
 総理から、では、総理が所属していらっしゃる、本籍地のある森派、森派の会長であります前森総理に対して、派閥を解消すべきだと言われたんですか、言われていないんですか。
小泉内閣総理大臣 派閥は解消した方がいいと思いますが、親しい人たちがどうしても集まるというのは人間社会の常であります。
 しかしながら、私は、閣僚の人選に当たっては派閥の意向には従わないということをはっきりして、それを実践しております。それは、派閥とは限りません。
樋高委員 ところで、二年前でありますけれども、KSD事件が起きました。このKSD事件では、国の補助金が流用され、不透明な経理操作によって自民党の党費が肩がわりされた。その総額は、報道ですけれども、十五億円から二十億円という、我々庶民からはとても考えられないような金額が悪用されておりました。
 もう二年もたっていますから、当然、全額返還をなさった、そういうことですよね。自民党総裁、答えてください。当然返されましたでしょうね。
小泉内閣総理大臣 たしか、当時、返すべきものは返したんだと思います。具体的にどういう、正確にという資料は今ありませんが、当時そういう指摘を受けまして、返すべきものは返し、そしてKSD側とも納得された解決がなされたと思っております。
樋高委員 まだ返されていないんじゃないでしょうか。山崎幹事長が、これも報道ですけれども、十五億円から二十億円のうち約一億円しか返していないんですよ、二年もたっているのに。そういうこともいいかげんにしている。そもそも自民党の最高責任者である、総裁である総理自身がこのこと自体を把握していないこと自体が私はおかしいと思います。そのぐらいのことは当然引き継いで当たり前だと思います。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 この問題についてはもう決着しているんです。そうです。それがどういう決着をしたかというのは今手元にありませんけれども、ちゃんともう済んで、解決済みなんです。
樋高委員 こんな大事なことを、もっと具体的にきちんと、わかりやすく、説明責任が私は総理にはあると思います、総裁にはあると思います。こういうことすらごまかしているということのようであります。
小泉内閣総理大臣 それは、急に聞かれたって、今答弁するというのは無理ですよ、ちゃんと通告があればともかく。こういう問題について、あなただって聞かれたら、自由党のことだってわからないと思いますよ、突然聞かれて。
樋高委員 総理は自民党の責任者だから、そんなことを通告しなくても当然常識として知っているだろう、そういう前提で聞いているんです。それでも答えられないということ自体がおかしいんじゃないでしょうか。
 そもそも、こういった自民党的体質というのは何にも変わっていない。そもそも、政治の信頼を落としている政官業の癒着にまみれた体質を基盤にしていたら、政治改革はおろか、総理が目指していた真の構造改革の実を刈り取るまで十年も二十年も三十年もたってしまう。国民はそんなの待ち切れないですよ。スピードが今必要なんです。成果が上がるのを待っているうちに国がつぶれてしまいます。
 国民が見たいのは、どなたかがおっしゃいましたけれども、変人小泉を見たいんです。いつの間にか、今はごく普通の一自民党政治家に成り下がってしまっている。(発言する者あり)まだ変人だというやじも聞こえましたけれども、そもそも守旧派、そして抵抗勢力と裏で手を握っている、そして口先だけ改革改革という言葉を使って、その言葉をもてあそんでいる。そのこと自体が私は大きな犯罪にも匹敵するんではないかというふうに考えるわけであります。今の自民党的な体質が政治改革の邪魔をしている、政治をよくすることの、そもそも足を引っ張っている。
 私は、政治改革、やろうと思えばすぐできる。それは何か。自民党を壊すことである。自民党的体質によって今、世の中のさまざまな問題がたくさん発生をしているわけでありますから、やはり総理はここで思い切って自民党を解党する。そうすれば、歴史に名を残す、功績を歴史に刻むことが、総理、できるのではないですか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 いかなる政策、法案も、政党の協力なくしては成立しないんですよ。そして今、改革法案を国会に提出している。そして、この法案を通すにも、国会議員の多数の協力なしにしては成立し得ない。各政党、各議員、いろいろな国民の意見を代表して選ばれてきているんです。そういう方々の協力を得ながら、行財政改革あるいは金融改革、税制改革、規制改革等を進めていかなきゃならない。そうすることによって、今までの、旧来の日本から、新しい変化に対応できるような日本をつくり上げていきたいということで進めているわけでありまして、政党を解体すればすぐよくなるというものでもないんです。
 いろいろな考え方の人、反対者もできるだけ賛成に回ってもらおう、抵抗している方も協力してもらおうという努力がやはり必要ではないかなと私は自分に言い聞かせながら、政策遂行に努力をしている次第でございます。
樋高委員 総理は結局、本気で政治をよくしようという気持ちがないということのようであります。
 話を最初に戻しますけれども、先ほど総理は答弁で、国会議員の数を減らすことは賛成だとおっしゃいました。具体的にどういう行動をとられますか。
小泉内閣総理大臣 具体的に、私は、いろいろな考え方があると思いますが、衆議院と参議院、二院制でいいのかどうか、あるいは衆議院と参議院を両方一緒にして一院制がいいのではないか、いろいろな議論があると思います。そういう点も含めて、今の、衆議院が四百八十、参議院が二百五十ぐらいですか、二百四十八か、これよりも減らしていいかな、そういう幾つ減らすかというのは、やはり各党会派で議論する必要があるんじゃないかと。
 この議員の削減というのは、言うはやすく、各党、自民党だけでできないんですよ。現に、施政方針演説を衆参一緒にやればどうかということだって、皆さん反対なんでしょう、野党の皆さんは。こういう、どうかということでも、国会の問題は国会でやはり相談しなきゃだめだというんですから、議員の定数というのはもっと大きな問題ですよ。
 だから、私は、削減の方向は賛成であります。しかし、具体的に幾つ減るかということについては、やはり各党でよく議論を詰めていく必要があるのではないかと思っております。
樋高委員 結局、総理は、丸投げ、他人事、言っていることとやっていることが一致しないということのようであります。
 今、日本は危機的状況にあります。国民生活が危機に瀕している中にあって、一刻も早く真の改革、自由党の政策、日本一新を実現しなくてはならない、国の形を土台から変えていかなければ、不況克服も日本の再生もあり得ない。政官業の癒着の構造の上に成り立っている現在の自民党政治を終わらせない限り、自民党的仕組みを終わらせない限り、真の改革はなし得ない、しがらみにどっぷりつかった今の政権では改革はできないことを申し上げまして、私、樋高剛の質問を終わります。
 ありがとうございました。
藤井委員長 これにて樋高君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。公共事業受注企業からの政治献金について、自民党総裁でもあられる小泉総理にただしたいと思います。
 まず、事実関係でありますが、自民党の政治資金団体であります国民政治協会は、先月末か今月初めごろに、ゼネコンの業界団体、日本建設業団体連合会、いわゆる日建連に約三億円の献金を要請したそうでありますが、これは事実でしょうか。
小泉内閣総理大臣 具体的な詳細は承知しておりませんが、自民党は通常、毎年各支援団体に対しましてあいさつに回っております。その際、一般的な支援要請あるいは寄附の依頼がなされたということではないかと思います。
佐々木(憲)委員 一般的に三億円というのはびっくりする金額でありまして、公共事業受注企業からの献金というのは、これだけ大問題になっているわけであります。そういう時期に、例年やっているからということで要請する、私は、そういう自民党の体質といいますか、感覚というのが問われているんじゃないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 これは、各党法律に従って、正常な資金調達活動ですから、これは私は、法律にのっとって正規の手続を踏んで資金活動するのは何ら批判に当たらない、そう思いますけれども。
佐々木(憲)委員 政治資金に対する無感覚ぶりというのが非常によくわかったわけであります。
 要請を受けたあるゼネコンの役員は、こう言っておられるんですね。表立っては反対を口にできない、しかし、自民党もいいかげんにしてくれというのが率直な気持ちだ、このように我々に語っております。そういう意味で、この自民党の無感覚ぶりというのが非常に問題だ、総理自身もやはりそういう状況にあるということであります。
 二月十二日に、献金をめぐる重要な判決が福井地裁で出されました。準大手ゼネコンの熊谷組の自民党に対する献金が問われた裁判であります。ここに判決文がございます。
 熊谷組は、一九九七年度から株主への配当ができず無配が続き、業績が落ち込んで経営再建中でありました。本来、株主が出資した資本金をもとに事業を営む会社というのは、株主への配当を優先的に支払うという義務があります。無配というのは配当に回すお金がないということでありますが、それにもかかわらず、自民党、国民政治協会に対して、言われるままに政治献金を続けた、そのことが経営者としての注意義務違反に当たるということで、元社長に返還命令が出されました。
 判決文にはこう書かれているわけであります。少なくとも会社に欠損が生じて以後の政治資金の寄附に関しては、厳格な審査を行い、欠損の解消にどの程度の影響があるか、株主への配当に優先して寄附を行う必要があるかを慎重に判断することが求められる、そのような判断を経ることなく寄附することが許されると解すべきではない、これが判決の文章でございます。
 要するに、赤字で配当もできないような会社は、政治献金を優先し配当を怠るということはあってはならない、こういうふうに言っているわけでございます。
 この熊谷組の献金というのは、自民党の資金管理団体であります国民政治協会、すなわち自民党に対する献金であり、要請に応じて献金を続けてきたというわけであります。
 自民党の総裁でもあられる総理は、これからもこういう会社に対して献金の要請を続け、受け取り続けるというつもりなのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 この熊谷組の問題につきまして判決が出たということは承知しておりますが、政治資金規正法によりますと、「三事業年度以上にわたり継続して政令で定める欠損を生じている会社は、当該欠損がうめられるまでの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。」と規定されているわけです。
 だから、これは、してはいけないんです。してはいけないのにするということは、経営者のモラルの問題なんですよ。だから、こういうことから当然、自民党はそういう企業に対して献金を要請するようなことはしない。
佐々木(憲)委員 この判決で言われている熊谷組は、今総理がおっしゃったように、政治資金規正法上の三期連続赤字の企業ではありません。しかし、配当ができないような会社、それほど経営が困難になっている会社という判断でございます。そういう会社であるけれども注意義務を怠って経営者が献金をする、それが民法上許されない、こういう判断なのでございます。ですから、総理が言っていることと違うんです。
 ですから、経営者の責任として、無配の会社からの献金というのはよろしくない。実質的に赤字が続いている、そういう意味では、三期連続赤字という、これは実質判断として行われたわけですね。そういうことでございます。
 ですから、赤字で配当もできない、あるいは法人税も払えない、にもかかわらず自民党には献金する。つまり、株主には配当しないけれども自民党には配当する、大体そういう性格のものなんですね。ですから、これは重大な問題としてやはり受けとめていただかなければならないわけであります。
 ちょっと資料を配っていただきたいわけですけれども、配当ができない会社が献金をしている例というのは、これは熊谷組だけではないんです。大変たくさんあります。今資料でお配りしましたけれども、これは、建設会社の経営状況と自民党への献金を調べたものでございます。上場している建設会社のうち、一九九六年から二〇〇二年までの七年間の間に無配に転落したことのある企業をリストアップいたしまして、政治資金収支報告書をもとに、自民党への献金の有無を調べたものでございます。
 その結果、献金している三十七社、これを一覧表にまとめました。ここの三十七社というのは、すべて無配の会社、無配当の会社であります。この表の黄色い部分というのは、無配当のときに献金をしている部分でございます。これは二十九社もこの中にはあります。この二十九社には、上場している売上高上位四十七社のうち、二十五社が含まれている。そういう意味では、この表を見てわかりますように大変なものでありまして、三期以上連続して無配が続いているのに、自民党にはその期間も毎年献金している企業が十一社あるわけです。二期以上連続している企業を加えますと、二十社にも達するわけであります。この黄色い部分ですね。これは、見たら非常に全体として黄色いわけですよね。ですから、大変わかりやすくつくってあるわけです。
 総理にお聞きしますが、こういう状況というものが国民に理解を得られると思われるのかどうか。このような企業にはやはり献金は求めない、受け取らない、こういう姿勢に私は立つべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 これは経営者も、そういう無配の状況で献金するということは、これはあってはならないということをよく気をつけなきゃいけないと思っております。自民党も求めるわけではありませんが、恐らくこういう経理状況を知りませんからね、一般的に。そういう中で、今言った、御指摘の点も含めまして、私は、こういうような無配の会社からは求めないという体制にしていかなきゃいかぬなと思っております。
佐々木(憲)委員 これは大変重要な御答弁が出されました。こういう無配の会社から受け取らない、これは私は、改革の第一歩として大変重要な今答弁だったというふうに思っております。やはり、この熊谷組の場合の献金も、政治資金規正法上違法ではないけれども、株式会社のあり方として正しくない、裁判で返還命令が下されたわけであります。
 総理はこれまで、疑惑を招かないような仕組みを考えることが必要だとおっしゃいました。そういう意味で、こういうところからは献金を受け取らないと今おっしゃいましたので、必ずそれが実行されるように我々も監視をしていきたいというふうに思っております。
 それでは、この表をもう一度見ていただきたいのですけれども、この表の中には、政治資金規正法上の規定に照らして違反している、そういう献金もあります。これは、三期連続赤字の会社は献金したらいけないわけで、違法なんです。表を見ていただきますと、この赤い印のついているところですね。赤の印のついているこの会社というものは、貸借対照表上の欠損金、三期どころか四期連続して赤字でありますが、その間も毎年献金をしているわけでございます。
 これは明らかに政治資金規正法違反であって、罰金の対象なんです。これは渡した企業だけが罰金の対象ではない、受け取った自民党も違反しているわけでありますから、罰金の対象になるわけですよ。これはきちっと調査をしていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 そこで、今示したこのゼネコンの一覧表は、道路ですとか港湾あるいはダム、こういう公共事業を受注している会社なんです。公共事業によって利益を上げているという会社でございます。それが、株主には配当をしない、できない、そうしていながらどうして自民党にだけ献金をするのかということが問われておりまして、公共事業をめぐってそういう会社が献金をするのは、やはり政府・与党、政権党と深い関係があるからではないのか。
 私は、昨年、国会で鈴木宗男議員の疑惑を追及いたしました。ムネオハウスの問題を取り上げました。せめて、そのときには、公共事業受注企業からの献金は禁止すべきではないか、こういう提案を総理にいたしました。これに対して小泉総理は、それを含めて検討したいというふうにおっしゃいました。一年経過いたしましたが、どうも結論がいつまでたっても出てこない。先ほども質疑が行われましたが、やはりこれは大至急きちっとした結論を出していただきたい。今の無配の企業からの献金も受け取らないということも含めまして、しっかりした方針を出していただきたい。いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 今、無配で赤字が三年継続しているというのは、これは寄附をしてはならないということになっておりますので、こういう点につきまして、受け取る側はそういうことを知って受けてはならない。知らない場合があったと思うんです、自民党も。だから、これは経営者の判断の問題だ。これは大事だ。
 だから、こういう点についてどういう制限が必要か、自由民主党も、公共工事の問題についてどういう制限が必要かということについて今真剣に検討しております。だから、このような経営者が当然してはならないような献金もしている事態があるということがわかったわけです。しかし、それを受ける側も知らない場合、みんなあると思うんですよ、気がつかないで。一々調査して、この人はどうか、この企業はどうかといって調査して資金を受けるわけじゃないですから。そういう点も考えて、今言ったような、どういう制限が必要かという点について、前進できるような措置をできるだけ早く検討していきたいと思っております。
佐々木(憲)委員 私は、なぜそういう事態が起こるかということをぜひ考えていただきたいんです。
 といいますのは、毎年、今ごろになりますと、自民党の資金管理団体であります国民政治協会は、いろいろと回って歩いてお願いをするわけです。献金をよろしく、こう業界団体、例えば先ほど紹介しましたような団体に申し入れをします。申し入れをするときには、そういう会社、つまり赤字が続いているような会社からは献金は要りませんからとは言わないんです。すべて、団体、よろしくお願いしますとやるんです。そうするとその団体はどうするかというと、資本金の規模に応じて献金額をずっと配分するわけです。一律にやるわけですね。そうなりますと、結果的には、献金を要請された側は、これはうちの会社だけが断るわけにいかないということで、結局、断れないわけです。つまり、事実上の強制力が働いて、自民党は赤字企業からもどんどんどんどん、だから違法な会社からも知らないうちに献金を受け取ってしまうんです。
 そこに問題があるわけでありまして、要請する側は問題はないけれども、出す側が問題だというだけでは問題は解決しないんです。要請する自民党のそういう献金要請の仕方、ここをしっかりと、そういう会社には要請しない、それだけではやはり足りない。つまり、公共事業の会社にどんどん献金を要請するという、公共事業受注会社に要請するという、一律に要請する、そういうやり方をやめなきゃいけない。
 その点、総理、どのように対応されますか。
小泉内閣総理大臣 一律に要求するというか、自民党の支援者に対して、あるいは支援団体に対して、責任者いますから、担当者が。そういう方に対しては、健全な政治資金、協力お願いしますというのは、これはもう政党として私は何ら批判されるものではないと思います。
 ただし、これから、献金できない企業もあるんですよということを徹底したいと思います。経営者の判断ですから。法律で禁止されているのに、寄附してはいけないということを知らないで献金している経営者も中にはあるのではないかと思います。だから、こういう企業は献金できませんよということもやはりよく周知徹底して、そして、それぞれの団体については、健全な資金は協力をお願いしますというのは、これは政党として私は正規の政治活動ではないかなと思っております。
佐々木(憲)委員 今の答弁は大変あいまいでございまして、公共事業受注企業に対して一律献金要請するという姿勢そのものが問われております。ですから、そういうことはもう一切、公共事業受注企業からの献金は受け取らない。つまり、受け取るということは、国民の税金を使って仕事をする会社から献金もらうんですから、税金を懐に入れる、間接的にはそういうことになるんです。だから我々は、即規制をやるべきだと。
 日本共産党は、企業・団体献金の禁止、このことを主張しながら、公共事業受注企業からの献金は全面的に禁止するということを、野党四党一緒に今要求して、法案も提出しております。その実現のために全力を挙げて頑張っていく決意を申し上げまして、質問を終わります。
藤井委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。午前中に引き続き、質問させていただきます。
 総理、今、来年度予算の審議の真っ最中ですよね。このときに、こうして丸一日かけてこういった政治と金の集中審議をやらなければならない、このことを本当に総理、考えてください。なぜこうなったのか、どの政党のせいでこういった集中審議をやらなければならないのかということを、まずははっきりと胸に手を当てて感じていただきたいと思います。そもそも、やはり自民党の長崎県連のあの違法献金、あれが私、この集中審議の最大の要因であろうと思うんです。
 それ以外にも多くの、数々の疑惑がございます。そういった疑惑の中の一つを、私はまず大島農水大臣にお尋ねをいたします。
 今、四月開校に向けて建設中であります、先ほども質問がございました八戸医療技術専門学校、この建設の件で、さきの本予算委員会で、私、大臣に、大臣あるいはまた秘書さんがこの受注業者からお金を受け取ったことはありませんかという質問に対して、特定の業者にお願いをしたり、それによってお金を得ることは一切ないとお答えになりました。
 私も調べてみました。空調設備会社、これはまだ名前は申しません、わかっておりますが、この空調設備会社が、これはもう八戸市民病院そして八戸赤十字病院、さらに今回の学校建設すべて受注している企業でございますが、この企業を下請にするように大臣の地元秘書を介して元請に圧力をかけたという情報、そしてその結果下請を得ることができ、その関係である業者から、三百万円渡したという証言がございます。現在のところ、あくまでこれは疑惑でございます。こういったお話を地元の秘書からお聞きになったことはございませんか。
大島国務大臣 横光委員から今、自分御自身で、疑惑でございましてという、確証というよりはそういう話として御質問がございました。
 私は、この問題について、今までも申し上げておりましたように、本当に、地元の町長さんあるいは県会議員さん、また設立者の皆さんが熱い思いを持って、そして今日まで私に陳情し、そのことを受けて一生懸命やってまいりました。私の事務所ないし私自身が、特定の業者を云々して今言ったようなお金をちょうだいするとかそういうことはございません。
横光委員 先ほど言いましたように、あくまで疑惑でございまして、そういった証言があったということは事実でございますので、大臣もやはりもう一度、地元のこの秘書の名前もわかっておるんですが、きょうは申しません、もう一度しっかり事の真偽を確かめていただきたいと思っております。
 それから、きょうも大臣に関して数々の疑惑が質問されたわけですが、最初の疑惑、これがまだ全然疑惑の解明がされていないんですよ。八戸市民病院の件ですね。要するに、宮内秘書の件です。
 これは、国民の方はわからないかもしれませんが、八戸市民病院の建設の受注に当たった企業が、そのお礼として五千五百万円を仲介をとったA氏に渡して、そして宮内秘書に渡してくれということで渡した。A氏もそれを受け取って、宮内秘書に渡した。それぞれ、業者も渡した、A氏も受け取って宮内秘書に渡した、ここまでは何ら、金が流れておるんです。ところが、肝心の宮内秘書が受け取っていないと。そして、その金が一戸建ての豪邸の資金になったんじゃないかという疑惑なんですね。
 ここでとまったんです、A氏のところで。それですから、A氏と宮内秘書の参考人招致を呼んでおるわけですが、一向に与党の皆さん方は応じないわけですね。となりますと、この金はA氏のところでとまっていることになるんです。ですから、A氏は、これは耐えられないということで、事の真相をお話ししたい、国会に招致があればすぐに応じると言っているんですが、なかなか応じないわけですね。
 そしてまた、これは昨年の十月に週刊文春が報じて、約八回にわたって激しく、宮内秘書が金を受け取ったと断言しているんだ、記事の中で。ということは、もしこれが事実でなければ大変な名誉毀損なんですね。名誉毀損どころか名誉破壊なんですよ。そこまでされていながら、宮内さんは何ら提訴をしない。
 あなたは、ついこの前の週刊文春の第二の疑惑では、二週間ぐらいで提訴されましたよね。もうあれから五カ月になろうとしている。提訴しない、参考人にも応じない、しかし受け取っていない、矛盾しているじゃないですか。受け取っていないなら、出てきて提訴するべきです。それをしない。それをなぜあなたはさせないんですか。
大島国務大臣 横光委員に、これはテレビの前でございますから、今挙げられた全金額が業者からAさんに渡った、その業者がそういうことを言っているということは、今日までの報道また質問の中にも、私がすべて、その業者の方々がそういうふうに発言したという質問も受けたことはございません。一部はございました、一部は。
 ですから、正確にぜひその点をお話ししていただくことと、なぜ宮内に訴えないのかと言われても、それは、個人のそういう問題については、個人が判断することだと思うんです。私は、私にかかわったことについて提訴をいたしたということでございます。
横光委員 個人の判断といっても、あなたは、宮内さんのいわゆる言い分を全部ここに来て説明しているわけですよ。そして、宮内さんは受け取っていないということもあなたも信じて、その行動をとっているわけでしょう。
 ということは、宮内さんが個人といっても、あなたの元公設秘書であり、全く一心同体じゃないですか。であるならば、秘書の犯した疑惑には、おかしくなければ提訴すれば済むことなんですよ。あるいは、自信があれば堂々とここに来て説明すれば済むことなんですよ、大臣。それをしなくて、受け取っていないと言うから、これは国民は信用しないし、どうしても受け取ったと思わざるを得ませんよね、ずっとこの疑惑は。そうでしょう。
 結局、問題があれば提訴するわけですから、それがないということは、これはもう受け取ったと認めざるを得ない、こういうことでいいですか。
大島国務大臣 十月に週刊文春が報道され、私も、ある意味では、その週刊誌に報道された事実を、ほとんど初めて知るような事柄が多うございました。したがって、私にできる責任というのは、厳しく問いただして、そしてそのことを皆様方にお答えをするということで努力してきたつもりでございます。
 そして、個人の、いわばそういう訴えるか訴えないかというのは、私が判断して、こうせよああせよと言うことができる範疇ではないと思います。
横光委員 それはおかしいと思いますよ。大臣は、正々堂々と宮内さんに、おかしくなければ提訴しなさいと言える立場だと私は思います。ぜひ私は、A氏にもお話を聞いてみてほしい。片一方だけの話ではなくて、私が先ほど言いましたように、提訴すべし、参考人として応ずるべしということを、私は、宮内さんに言うべきだということを申し上げておきます。
 次に、上手の手から水が漏れるという言葉がございますが、大臣、あなたは昨年秋の臨時国会、参議院農水委員会において大変な発言をしておりますね。この八戸病院の企業献金が、九六年、一挙に十倍ぐらいふえたことを追及された答弁として、「この年、選挙というものがあり、パーティーその他において特別に御支援をいただいた」「二〇〇〇年もやはりそういうふうな状況でございます。」と。この年というのは一九九六年。二〇〇〇年、二つとも衆議院総選挙がございました。
 あなたはここで、選挙というものがあり、特別に御支援を、企業献金をいただいた、政治資金規正法にはちゃんとのっとってはいるが、いただいたとお答えになりました。
 これは長崎県連と変わらないです。長崎県連の事件は、選挙があるから献金をお願いします。あなたの場合は、選挙というものがあり特別に御支援をいただいた。これは公選法百九十九条、二百条に違反するわけです。要するに、お願いしてもいけないし受け取ってもいけないという法律があるわけです。
 ここの、長崎県連事件とどこが違うんですか。
大島国務大臣 委員は、その前後の私の答弁もぜひ見ていただきたいと思いますが、政党活動、政治活動としてということも申し上げているつもりでございます。
横光委員 あなたはそのときに、選挙というものがありということを何回も使っておるんです。その後に、今度は、先ほど細野委員がその件で質問したときには、選挙という文言は一言もない。すべて今度は今言われた政治活動、政治活動の一点張りなんですね。選挙という言葉を参議院の農水委員会のときには使ったけれども、その後の質問には一切使っていない。
 つまりこれは、総務省の見解もそのとき聞いておりますよ、選挙部長に。この百九十九条、二百条、「選挙に際し、選挙に関する事項を動機として」、こうなっているわけです。まさにあなたは、選挙に際し、選挙がありますので、選挙に関する事項を動機として御支援をいただいた。全くこの長崎県連と変わらないわけですね。もうこれは、私はどう見ても言い逃れできないじゃないか、これは公選法違反にはっきりと私は引っかかるという気がいたしております。
 これは片山大臣も、さきにこの件で、最終的には司法の判断ということをおっしゃられました。幾ら言ってもこれは水かけ論になりますが、恐らく司法の判断ということになるでしょう。ここまで選挙という動機がある以上、司法の方も適切な判断をしていただかなければならないと私は思っております。
 総理、本当に大臣には申しわけないですけれども、次から次から疑惑が出てきて、今は正直言って、農水大臣は大変な重職なんですよね。WTO農業交渉、あるいはこれから減反調整から数量調整へという大農政改革が始まるんでしょう。そういうときに、これだけ多くの疑惑が次から次から国会であげつらわれて、それにも対応しなければならない。大臣、果たして大島農水大臣は、今、本当にこの大事なときの農水大臣としてまさに適任だと今でもお思いなんでしょうか。
小泉内閣総理大臣 厳しい政治活動の中で、あれもやらなきゃならない、これもやらなきゃならない、大変な苦労の中を、職責の遂行に今、全力投球してくれていると思っております。
横光委員 これは先ほど言いましたけれども、もし司法ということに、これはまだ仮定の話ですけれども、大変なことになりますよ、総理、今の発言は。
 このように、本当に先ほどからこの政治の疑惑ですね、長崎県連を含め、先ほどの福井地裁の判決も含め、すべてが、公選法にしても、範囲にしても、期間にしても、何かこう定かでない。私はすべてグレーゾーンという気がするわけですね、グレーゾーン。
 ですから、例えて言えば、刑務所の塀の上を歩いているようなものじゃなかろうか。右行けば真っ黒のブラック、左行けば白、その刑務所の塀の上を、政治資金規正法にのっとり適正に処理していますというにしきの御旗を掲げてその上を渡っている。今まではそれで渡ってこれた。しかし、今回、長崎地検が動いて突風が吹いたんです。二人の方がブラックボックスにおっこったんですよ、現実に。政治資金収支報告にのっとってちゃんとしていても、公選法という風が吹いておっこちたわけです。これからもこれを突破口としていろいろそういう風が起きるでしょう。そうすると、さらにこのにしきの御旗を、腰をかがめて渡ろうとする。もうこういったようなことはやめようじゃないか、総理。ですから、やはり白いところを、塀の外をみんな歩いていくようなことをすべきじゃないか。そのためにはやはりもう法改正しかないということを私はかねてから言っておるわけですね。
 先ほどからいろいろ、かなり前向きなことを取り組もうとしているということですが、やはりここは、もう一部改正、制限を設けようとかじゃなくて、政治家個人への企業・団体献金の禁止はできましたが、実態はそうじゃないでしょう。政党支部を山ほどつくって、それをトンネルにして献金を受けているわけですから。そういったことはもうやめて、はっきりと、せめて公共事業受注企業からの献金は、制限とか関係なく、選挙のときだけでなく、今でも選挙のときはだめなんです、それを常時やろうというだけのことなんですから、そこのところはやはり総理、考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 これは、長崎のことに関しては、今捜査当局等が事実の解明に努力しているわけですから、この判断を待たなきゃならないと思います。
 それと、あいまいだと言いますが、そもそも政治活動と選挙活動というのはあいまいな点があるんですよ。選挙活動のときほど政治活動、政党活動というのは一番盛んになるわけでしょう、まして、政党本位の選挙制度にしようと変えてから。それで、政党活動の自由というものも保障しなきゃならない。
 選挙活動なのか、政治活動なのか、政党活動なのか、これをはっきり区別しろというのは、これはなかなか難しい。だからその辺は、私は、政党活動がこれは選挙活動じゃないという点と、これは選挙活動と政党活動は密接な点だという点は厳然と区別するのは難しい点があると思います。
 しかし、そういう点について、私は、今後どういう判断が捜査当局で下されるか。我々も、政治活動というのはやはり捜査当局に束縛されてはならない。やはり国民の自由な意思をどうやって展開するかということもありますから、その点はよくこれから議論する必要があるんじゃないかと思っております。
横光委員 わかりました。
 捜査の判断でも、いわゆる長崎地検の次席検事が、法の日に、「長崎から日本を変える」という文章を新聞に寄稿しております。ちょっと一部読みますと……
藤井委員長 横光君、時間が来ておりますので。
横光委員 要するに、贈収賄、談合などの公共事業をめぐる事件や……
藤井委員長 横光君、横光君、時間が来ておりますから、簡潔にお願いします。
横光委員 はい。
 司法も、地検も、福井地裁も動いたんですから、今度は国会が動くときです。立法府が動くときです。そのことを強く申し上げて、質問を終わります。
藤井委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十一日午後一時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十九分散会


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