衆議院

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第19号 平成15年2月26日(水曜日)

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平成十五年二月二十六日(水曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。
 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び内閣府所管並びに他の分科会の所管以外の事項)
   主査 持永 和見君
      亀井 善之君    中山 正暉君
      中村 哲治君    細川 律夫君
      赤羽 一嘉君
 第二分科会(総務省所管)
   主査 山口 泰明君
      自見庄三郎君    葉梨 信行君
      原田昇左右君    石井  一君
      末松 義規君    横光 克彦君
 第三分科会(法務省、外務省及び財務省所管)
   主査 杉浦 正健君
      石川 要三君    丹羽 雄哉君
      河村たかし君    樋高  剛君
      井上 喜一君
 第四分科会(文部科学省所管)
   主査 斉藤斗志二君
      池田 行彦君    萩野 浩基君
      長妻  昭君    達増 拓也君
      中西 績介君
 第五分科会(厚生労働省所管)
   主査 石井 啓一君
      衛藤征士郎君    津島 雄二君
      松岡 利勝君    上田 清司君
      細野 豪志君    佐々木憲昭君
 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)
   主査 萩山 教嚴君
      伊吹 文明君    大原 一三君
      海江田万里君    吉田 公一君
      矢島 恒夫君
 第七分科会(経済産業省所管)
   主査 宮本 一三君
      尾身 幸次君    奥野 誠亮君
      藤井 孝男君    田中 慶秋君
      中塚 一宏君
 第八分科会(国土交通省所管)
   主査 栗原 博久君
      高鳥  修君    三塚  博君
      原口 一博君    米澤  隆君
      斉藤 鉄夫君
平成十五年二月二十六日(水曜日)
    午後二時三十分開議
 出席委員
   委員長 藤井 孝男君
   理事 斉藤斗志二君 理事 自見庄三郎君
   理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君
   理事 宮本 一三君 理事 末松 義規君
   理事 原口 一博君 理事 細川 律夫君
   理事 石井 啓一君
      伊吹 文明君    池田 行彦君
      石川 要三君    衛藤征士郎君
      尾身 幸次君    大原 一三君
      奥野 誠亮君    亀井 善之君
      栗原 博久君    下地 幹郎君
      高鳥  修君    谷田 武彦君
      津島 雄二君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    原田昇左右君
      福井  照君    増原 義剛君
      松岡 利勝君    三塚  博君
      持永 和見君    山口 泰明君
      井上 和雄君    上田 清司君
      海江田万里君    河村たかし君
      近藤 昭一君    田中 慶秋君
      玉置 一弥君    筒井 信隆君
      中村 哲治君    永田 寿康君
      長妻  昭君    伴野  豊君
      平岡 秀夫君    細野 豪志君
      松本 剛明君    山花 郁夫君
      吉田 公一君    米澤  隆君
      青山 二三君    赤羽 一嘉君
      斉藤 鉄夫君    達増 拓也君
      中塚 一宏君    樋高  剛君
      佐々木憲昭君    春名 直章君
      金子 哲夫君    中西 績介君
      横光 克彦君    井上 喜一君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   法務大臣         森山 眞弓君
   外務大臣         川口 順子君
   財務大臣         塩川正十郎君
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       大島 理森君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   国務大臣
   (金融担当大臣)
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   法務副大臣        増田 敏男君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   法務大臣政務官      中野  清君
   厚生労働大臣政務官    森田 次夫君
   農林水産大臣政務官    熊谷 市雄君
   国土交通大臣政務官    鶴保 庸介君
   会計検査院長       杉浦  力君
   会計検査院事務総局第一局
   長            石野 秀世君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   吉村 博人君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    中井 憲治君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  吉戒 修一君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           渡辺 芳樹君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君
   参考人
   (衆議院法制局長)    窪田 勝弘君
   予算委員会専門員     中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  栗原 博久君     西川 京子君
  津島 雄二君     福井  照君
  山口 泰明君     谷田 武彦君
  石井  一君     城島 正光君
  上田 清司君     永田 寿康君
  河村たかし君     井上 和雄君
  田中 慶秋君     玉置 一弥君
  中村 哲治君     山花 郁夫君
  細野 豪志君     松本 剛明君
  斉藤 鉄夫君     青山 二三君
  矢島 恒夫君     春名 直章君
  中西 績介君     金子 哲夫君
同日
 辞任         補欠選任
  谷田 武彦君     下地 幹郎君
  西川 京子君     栗原 博久君
  福井  照君     増原 義剛君
  井上 和雄君     近藤 昭一君
  城島 正光君     筒井 信隆君
  玉置 一弥君     田中 慶秋君
  永田 寿康君     上田 清司君
  松本 剛明君     細野 豪志君
  山花 郁夫君     中村 哲治君
  青山 二三君     斉藤 鉄夫君
  春名 直章君     矢島 恒夫君
  金子 哲夫君     中西 績介君
同日
 辞任         補欠選任
  下地 幹郎君     山口 泰明君
  増原 義剛君     津島 雄二君
  近藤 昭一君     河村たかし君
  筒井 信隆君     伴野  豊君
同日
 辞任         補欠選任
  伴野  豊君     平岡 秀夫君
同日
 辞任         補欠選任
  平岡 秀夫君     石井  一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成十五年度一般会計予算
 平成十五年度特別会計予算
 平成十五年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――
藤井委員長 これより会議を開きます。
 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、参考人として衆議院法制局長窪田勝弘君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として警察庁長官官房長吉村博人君、法務省刑事局長樋渡利秋君、矯正局長中井憲治君、人権擁護局長吉戒修一君、厚生労働省大臣官房審議官渡辺芳樹君、医政局長篠崎英夫君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
藤井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青山二三君。
青山(二)委員 公明党の青山二三でございます。
 きょうは、私は女性の生涯に通じた健康支援ということについて質問をしてまいりたいと思います。
 近年、働く女性が増加いたしました。また、高齢化などを背景にいたしまして、女性が直面する病気や健康上のトラブルが多様化しております。例えば、女性の社会進出に伴います妊娠や出産の年齢の上昇が乳がんや子宮がんの増加要因になっていること、また、日本人の平均寿命が世界で最高となるなど大幅に延びている中で、女性の生涯を通じての健康維持、増進の体制の必要性は一段と高まっております。
 私の公明党では、この問題につきまして、去る二月五日の参議院本会議におきまして、浜四津代表代行の代表質問で触れましたように、これからの我が党の女性政策の重要課題として取り組んでまいることにいたしております。
 女性の健康につきましては、一九九四年のカイロにおける国際会議で、リプロダクティブヘルス・ライツ、つまり性と生殖に関する健康と権利が取り上げられまして以来、国際的な関心を呼びまして、欧米では官民挙げて女性の医療の充実に乗り出しております。しかしながら、日本でも女性の健康ケアに対する関心は高まっておりますけれども、他の先進国と比べますとかなり立ちおくれているのが現状でございまして、総合的な女性医療研究というところまでには至っておりません。女性は思春期、妊娠・出産期、更年期と、生涯にわたってホルモンバランスが大きく変わりますために、これまでのような画一的な医療では無理があります。男女という性差に基づく医学という新しい視点を持ち込むことで、男女がともに生き生きと暮らせる環境づくりが可能になると私は考えております。
 厚生労働省におきましては、平成八年五月十日付で、「生涯を通じた女性の健康支援事業の実施について」と題した児童家庭局長通知を出しまして、女性の健康の視点を打ち出しております。しかし、全国の実施状況を見てみますと、平成十四年度で、女性の健康相談支援センターが二十五カ所、不妊専門相談センターが二十八カ所にとどまっておりまして、まだ全都道府県で開始はされておりません。女性が生涯健康で生きがいのある生活を送るために克服しなければならない障害、男性の皆様にはおわかりにならないかもしれませんけれども、女性特有の心身に関する悩みがございます。その解決のためには、行政側の各部門、女性医療に関しての専門家、女性保健を専門とする研究者や関係団体、そして当事者である女性の参加を得て、包括的な体制を確立することが重要であると思っております。
 そこで、初めに、女性の健康を促進するための法整備についてお伺いをしたいと思います。
 近年の高齢化の進展に伴いまして、女性の健康が新たな視点で見直されてまいりましたが、先ほども申し上げましたように、我が国の女性の健康に対する取り組みは欧米に比べて大きく立ちおくれております。
 例えば、厚生労働省で女性の健康を扱っている部署は、雇用均等・児童家庭局の母子保健課など、わずかしかございません。また、母性並びに乳幼児の健康の保持増進を図ることを目的といたしました母子保健法がございますが、その名のとおりこの法律は母と子を対象にしておりまして、子供を産まない女性の健康を対象にしてはおりません。私は、本来、女性全体を対象にした法律を制定すべきだと思っておりますが、この母子保健法をより充実した内容、例えば女性の健康を総合的にケアできる内容の法律に改正することも必要だと考えております。
 また、そのような立法化を図るとともに、行政側として、厚生労働省に女性医療の担当部署を設けるべきであると思いますけれども、この点につきまして木村副大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
木村副大臣 今の青山先生の御質問にお答えする前に、先ほど先生の方から、女性の健康に関しては厚生省の中では雇用均等・児童家庭局一局ではないかというようなお話があったわけでございますけれども、女性の健康の支援施策に関しましては、これ以外に、保険局、健康局、老健局、労働基準局とそれぞれの局で対応させていただいているわけでございます。そのことを踏まえまして、ちょっと。
 先生が御指摘のように、女性は生涯を通じまして男性とは異なる健康上の問題に直面をするわけでございますので、女性の生涯を通じた健康施策を総合的に推進することが大変重要だとは当然考えさせていただいているところでございます。
 このため、厚生労働省といたしましては、従来から、思春期、妊娠・出産期、更年期などの女性のライフステージに応じた施策、乳がん、子宮がん、骨粗鬆症などの女性特有の疾病に対応した施策の両面から今まで一生懸命努力をしてきたところでございますが、先生がおっしゃいます、新しい部署を創設すべきじゃないかということに関しましては、今特定の部局はあるわけではございませんが、先ほどもお話しさせていただきましたように、それぞれの部局が現在緊密な連絡をとり合いながら取り組んでいるところでございますので、今後もやはりこういうことが大事じゃないかなというふうに思っておりまして、できれば御理解をいただければな、このように思っているような次第でございます。
青山(二)委員 ただいま副大臣が御答弁いただきましたけれども、私の質問は、母子保健課だけしかないとは申しておりません。などわずかしかない、こういうことでは、女性の生涯を通じた健康に対する支援はなかなか難しいのではないかという御提示をさせていただいたわけでございます。
 また、各自治体では、妊産婦健診あるいは乳幼児健診ということで実施されておりますけれども、私は新たに成人女性の、例えば、今お話がありましたけれども、骨粗鬆症や骨折、貧血、乳がん、また不妊、子宮筋腫等の予防とか改善のための総合的な婦人科検診を実施できるように国は何らかの支援をすべきではないか、このように考えておりますが、その点はいかがでしょうか。
木村副大臣 御指摘の点でございますが、女性特有の疾患を早期に発見し、早期治療につなげる検診は大変重要なものであるとの認識をしておるところでございます。厚生労働省におきましては、市町村が実施する検診において、昭和五十七年度に子宮がん検診、昭和六十二年度に乳がん検診を導入いたしたところでございまして、現在は骨粗鬆症に係る検診の補助を実施しております。
 これらの検診に関しましては、例えば子宮がんの死亡率の低下が見られるなどの評価が得られているところでございますし、今後とも、先生御指摘をいただきました、市町村において効果的な検診が実施できるように、検診方法の評価や必要な情報の提供等を鋭意行ってまいりまして、できるだけ御期待にこたえてまいりたい、このように思っているような次第でございます。
    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
青山(二)委員 今副大臣、御答弁いただきましたが、確かに自治体では乳がん検診とか子宮がん検診を行っておりますけれども、大変これが受診率が低い、早期発見にはつながっていないというのが現状でございますので、この点につきましても何らかの対応をしていただきたいと思っております。
 次に御質問したいのは、これまで医療の現場では、疾患の種類、また発症年齢、平均寿命に対して男性と女性でははっきりとした性差があることは認識されておりますけれども、実際は男女で同一の疾患と考えられ、診断と治療が行われてまいりました。しかし、多くの生理医学的研究は男子を対象に行われてきましたために、そこで得られたデータが、身長も、そして体重も異なる女性にそのまま当てはめられているという実情がございます。
 男と女という性差を考慮した医療の実現が切に望まれるところでございますが、そのためには日本人の女性のデータが非常に不足していることが今問題となっているわけでございます。それには、国民の理解を得るために科学的根拠に基づく医療が必要でありまして、まずは正確な現状分析が必要でございます。
 厚生労働省は、平成十三年度から十四年度の二年間にわたりまして、女性の生涯を通じた健康啓発・支援システムづくりに関する研究を行っておりまして、その中には、女性の健康維持に必要な医療システムのモデル案も報告されているところでございます。今後、この性差を考慮した医療の実現のためにも、長期的に女性の健康政策を考える総合的な女性医療の調査研究を積極的に推進すべきであると考えますが、厚生労働省はこの点につきましてはいかがお考えでしょうか。
渡辺政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、女性の健康に関連したもろもろの研究というのは比較的最近進んできつつある、こういう状況かと思います。ただ、私ども、今手元の資料で見てみましても、平成八年以来いろいろ研究を重ねてきております。例えば、更年期女性の健康支援に関する研究、あるいは子宮内膜症の予防、診断、治療に関する研究などに取り組んでまいりました。また今年度も、女性を対象とした健康と疾病に関する疫学的な調査、あるいは女性専用外来を設けるところが出てまいりましたが、そうした女性専用外来を受診した方々の追跡調査、年代別の健康づくりを支援するためのテキストの作成など、いろいろ取り組みをさせていただいております。
 今後も、思春期から更年期、老年期も含めた生涯を通じた女性の健康支援、また性差に配慮した医療の実現に資する研究というものを推進、蓄積しながら、その進捗状況をもとに適切な対応をさらに進めてまいりたい、こういう姿勢でやっておりますので、御理解賜りたいと思います。
青山(二)委員 ただいまの御答弁の中にありました、女性専門外来の設置の必要性について伺ってまいりたいと思います。
 これまでの日本の病院は、ともすれば医療を受けに訪れた女性に対しましてプライバシーもない、それから説明もない、女性に対するデリカシーがない、女性受診者への配慮に欠けている、こういうイメージがございました。妊娠とか出産を除いて、産婦人科にかかりたくないと思っている女性が多数いると言われております。
 ある書物によりますと、日本の女性の九割近くが月経障害を経験しているにもかかわらず、医師に相談した女性はわずか〇・七%しかおりません。欧米でも九割もの女性が乳がんや子宮頸がんの定期検診を受けておりますけれども、日本の受診率は先ほど申し上げましたように極めて低く、しかも乳がんを扱っていない、そういう産婦人科もあるのが現状でございます。
 欧米の女性のほとんどは、かかりつけの婦人科医か家庭医を持って、思春期の月経痛や不妊相談、がんの検査、そして老年期、更年期のいろいろな問題などの相談、あらゆる問題に対して対応できる体制になっているのでございます。日本でも、女性特有の疾患やあるいは出産等へのきめ細かい対応を図る医療施設は徐々にはふえてきており、一刻も早く女性に配慮した医療体制を整備すべきであると考えております。
 また一方、こうした中で、幾つかの自治体では、女性専門外来の開設へ向けた動きが急速に進んできております。そこでは、女性専門の外来ができて病院に行きやすくなったという声が多く聞かれまして、予約が殺到して、数カ月先までいっぱいであると伺っております。厚生労働省でも、平成十五年度予算案の中で、国立成育医療センターに女性専門外来を設置することを盛り込んでおりますが、これは七千万円の予算が計上されているようでございますが、今後さらなる拡充を目指すべきであると考えております。
 厚生労働省の今後の取り組みについてお伺いしたいのと、また、このように患者のニーズが大変大きいにもかかわらず、採算がとりにくいというために開設に積極的に取り組むことのできない地方もあるわけでございますが、各自治体が女性専門外来を設置するための支援体制を図るべきであると考えておりますけれども、この点について、厚生労働省のお考えを伺いたいと思います。
    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
篠崎政府参考人 先生今御指摘のように、女性が抵抗なく受診することができて、女性特有の健康問題に適切に、デリカシーを持って対応できる、そういう女性専門外来につきましては、大変重要な取り組みであるというふうに考えております。
 御指摘のように、十五年度から国立成育医療センターにおきましても女性外来を新たに設置することといたしておりますけれども、これは、こういう初めてのことでございますが、成育医療センターに設置をいたしまして、その取り組み、その結果を踏まえつつ、医療従事者の研修ですとか、あるいはそこで得られたさまざまな新しい知見、情報を発信する、そういう情報提供を図る。あるいは、女性の健康問題にかかわる、先ほど御指摘になりましたけれども、さまざまな調査研究を行う、こういうことをしていきたいと考えております。また、こういうものを普及を図るためにも、今おっしゃいました、女性の患者の視点を尊重しながら、地域において必要な医療が充足される体制の確保に向けても真剣に取り組んでいきたいと考えております。
青山(二)委員 大変ありがとうございます。
 女性のための専門外来の開設には、女性の身体的症状や精神的不安などを総合的に診療できて、また、男性医師には言いにくい症状や悩みを気軽に相談できる女性医師の育成が重要でございます。女性専門外来の成功は女性医師の育成にかかっていると言っても過言ではございません。
 患者の中には、じっくり話を聞いてもらっただけで気分がよくなったという人もいるほどでございます。女性ホルモン分泌の変化や更年期など、女性特有の疾病や病態をよく理解した上で、患者さんの話をじっくり聞き、適切な判断ができる医師を育てることは大変に難しいと思います。
 現在の医学教育は、専門が細分化されておりますために、心のケアにも配慮して全身を診るという教育はなされておりません。女性医師だけに限りませんが、女性の心のケアとともに体を的確に診察できる医師の育成のためには、医師の教育体制の改革が必要であると思っておりますけれども、これは遠山文部科学大臣の御所見を伺いたいと思います。
遠山国務大臣 青山委員御指摘のように、近年、女性の専門外来に対するニーズが大変高まっていると思います。私どもといたしましても、女性特有の疾病でありますとか心の悩みに十分こたえられるような診療の窓口があって、そしてその需要にこたえられるようにしていくということが大変大事ではないかと思っております。
 私立の病院を初め、たくさんそういう窓口を設け始めておりますけれども、女性専門外来を置く大学病院もできつつございます。今、調べましたところ、国立大学の病院で二病院、私立大学で三病院という状態でございますけれども、そうしたような場で教育研究あるいは診療活動の充実が行われて、地域の医療現場での女性専門外来の診療体制が充実されていくとは思います。
 我が省といたしましても、こうしたことのニーズにこたえられる医師をしっかり育成していくことは重要なことと考えているところでございまして、こうしたニーズに対応できますように、各大学における取り組みを促してまいりたいと思います。
 なお、大学の医学部に入学する女性の割合が、平成元年度二五%でございましたけれども、平成十四年度には三五%と増加いたしております。これらの人すべてがそういうことにかかわるとは思いませんけれども、しかし、そういうニーズにこたえられやすい状況が少しずつ出てまいっているというふうに考えております。
青山(二)委員 どうかよろしくお願いいたします。
 それではもう一つ、これは厚生労働省の方にお伺いしたいのでございますけれども、女性を的確に診察できる女性医師の育成のためには、医科大学を卒業した後にも、またいろいろな機会に女性外来に必要なカリキュラムを必修にいたしまして、将来的には、専門の研修を終えて一定水準に達した女性医師が女性外来を担当するという新たな認定制度を創設すべきだ、これは千葉県立東金病院の平井愛山院長先生が主張されておりますが、私も全く同感でございます。
 このような意見につきまして、厚生労働省、どのように対応をしているのか、お伺いをしたいと思います。
篠崎政府参考人 御質問の認定医あるいは専門医制度につきましては、これは従来から、各種の医学会が中心となって設けているものでございます。今後、先生御指摘のように、そういう女性のための医療を専門に行う医師が増加してまいりますと、当然、学会などが設立され、そういう専門医制度も設けられるのではないかというふうに考えております。
 私どもでは、昨年の四月からでございますが、広告規制を大幅に緩和いたしまして、専門医の広告が可能となったわけでございます。私どもといたしましては、こういう学会などの動きを見ながら、必要に応じて助言に努めてまいりたいと考えております。
青山(二)委員 女性のお医者さんなんですけれども、医師の皆さんが自分の子育てに大変お困りになっているという状況がございます。時間が少なくなってまいりましたので細かい数字は挙げないようにいたしますけれども、産休さえ満足にとれなくて、その現場を離れていくというそういう実態があるようでございます。女性の医師も仕事と育児の両立には大変悩んでいる、こういうことでございますので、そういう環境の整備も必要であろうかと思いますけれども、この点については何か厚生労働省はおやりになっておられますか。副大臣がお答えいただけますか。
木村副大臣 確かに、保育の場合に、今まで病院では、看護婦さんの保育に関しては支援をするシステムがあったわけでございますが、それがありませんでした。
 そこで、平成十四年度からは、病院内保育所運営事業の補助対象といたしまして、看護職員に加えまして、女性医師あるいは女性医師以外の女性の病院職員の方々の保育児童を補助対象に加えまして、制度の充実を図っているところでございます。もちろん今後とも、地域や事業所のおのおのにおきまして、女性の医師が仕事と子育てを両立することができますように、そして働きやすい環境を整備することができますように一生懸命努めてまいりたい、このように思っております。
青山(二)委員 大変前向きな御答弁、ありがとうございます。
 それでは最後に、もう二点ほどまとめて副大臣にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
 女性からの要望が今大変強いのが不妊治療に対する支援でございます。厚生労働省では、少子化対策の一環として、不妊専門センターですか、不妊専門相談センターの整備を新エンゼルプランに盛り込んで、平成十六年度までに四十七カ所を目標に取り組んでおられますけれども、しかし、現状は大変厳しくて、平成十四年度現在では実施件数は、目標三十六カ所に対しまして二十八カ所となっております。
 私の栃木県では、約四千人が不妊治療を受けていると言われておりますが、平成十五年度の新規事業としてようやく不妊専門相談センターを設置する方針を決めたところでございます。
 これまでは専門の相談機関がなくて、保健所の一般相談で扱っているという程度でございました。患者の心のケアのためには不妊治療に関するカウンセリング体制の整備が求められておりまして、不妊専門相談センターの早急な推進を図るべきであると思っております。
 今後の取り組みを伺うことと、もう一点は、不妊治療への公的支援についてお伺いをしておきたいと思います。
 子供を欲しいと思っている数多くの女性が待ち望んでいるところでございますけれども、例えば不妊治療手当など助成制度を創設するのか、あるいは保険適用の範囲を拡大するのか、何らかの支援を早急に決めるべきであると思っております。
 これまでも、坂口厚生労働大臣は、我が党の代表質問に対しまして、不妊治療の保険適用の範囲等について検討を進め、早急に、早急に結論を出すと、このような御答弁をいただいておりますけれども、いつまでに結論を出されるおつもりなのか。きょうは坂口厚生労働大臣いらっしゃいませんので、引き続き副大臣に御答弁をお願いいたします。
木村副大臣 まず、不妊専門相談センターでございますが、厚生労働省におきましては、地域の中核病院などにおきまして、専門医等が、不妊に関する医学的な相談や、不妊による心の悩みの相談、適切な情報提供などを行う不妊専門相談センターを平成十六年までに全都道府県に整備するように取り組んでいるところでございますが、確かに先生おっしゃるとおりに、特に専門の先生方の確保に苦労しておるところでございますが、今後とも、鋭意この整備の促進には力を入れてまいりたい、このように思っております。
 それから、御指摘をいただきました公的支援の件でございますが、おっしゃるとおり、坂口厚生大臣が一生懸命頑張っておいでになるところでございますけれども、厚生労働省といたしましても、重要な問題である、重要な課題である、こう考えており、今後引き続きこれらの問題につきまして、さらに検討を進め、関係各方面の御意見を伺いつつ、子供を産みたい方々に対する不妊治療の充実と支援のあり方について鋭意検討してまいりたい、このように思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
青山(二)委員 早急にというところに私は力を入れて質問をさせていただいたわけでございますが、私ども国民といたしましては、早急にというと、あしたか、あさってか、あるいは一カ月後かと、このように思っているところで、少し国との、早急というその幅が少しずれがあるのかなと思いますけれども、ともかく、大臣が早急にとおっしゃいましたので、早く結論を出していただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 大変ありがとうございました。
藤井委員長 これにて青山君の質疑は終了いたしました。
 次に、原口一博君。
原口委員 民主党の原口一博です。
 まず、きょうはミサイルの話をしたいと思いますが、その前に、財務大臣。
 委員長、お願いした資料をお配りしたいと思いますが、お許しいただけますでしょうか。
藤井委員長 どうぞ。
原口委員 資料の六―一と六―二を、塩川大臣、ごらんになってください。
 きょうは会計検査院にも来ていただいていますが、我が国は莫大な、一兆円を超える政府開発援助をやっています。平成十三年度の実績は、無償資金協力で二千三百億、そして円借款で八千百億。会計検査院の指摘では、これは、十四年度中に百十三事業について現地調査をして、そして、さまざまな指摘がされている。農民に届かない農薬、使われない掘削機、そして十分活用されていない漁船修理施設、よくぞこんなにたくさんあったものだなというような状況です。
 そこで、財務大臣、予算の立て方なんですが、資料の六―一をごらんになってください。これは有償資金援助です。この入札予定価格について聞きました。しかし、入札予定価格はここは立てていないというんです。じゃ、どうやるんだ。それから、六―二、これは無償ですね。無償については、御案内のように、これは一部を取り出したんですが、国と受注企業がよく似ていますね。国の名前と受注企業がよく似ている。これについても予定価格を出してくれということを言いました。そうしたら、答えは、これは先方の政府が発注しているから、先方の政府との関係で公表できないというわけです。だったら、じゃ、国民の税金がどう使われているか、どうやってチェックするんですか。
 会計検査院にお尋ねをします。
 会計検査院は、まさに昨年、北方支援事業で問題になったのはこの点なんですよ。国民に見えない援助、国民に効果のわからない援助、これは納得ができない。そして、予算の枠で出しているでしょう。この間、上田議員がここで指摘をしましたが、別に、要請主義と言いながら、この予算委員会の中で個別の事業について審議して決めているんじゃないんです。枠だけ持ってきているんです。私は、このやり方について改めなきゃいけない。
 まず、会計検査院にお尋ねをしますが、どのような会計検査を行い、特にアフリカ諸国については、もちろん発展途上国、大変御苦労されている国が多い。食糧の危機、そういったものと闘っている人たちも多い。だから、援助をするなとは言わない。しかし、国民に納得のいかないお金は一銭たりとも外に出すわけにはいかない、そう思うんですが、会計検査院、どのように調査をされているのか、お尋ね申し上げます。
石野会計検査院当局者 お答えいたします。
 会計検査院では、ODAにつきまして、いろいろ国会、国民等の関心が高いということを踏まえまして、重点的な検査を行ってきたところでございます。
 その中身でございますが、ODAによりまして供与した事業が有効に活用されているかどうかという点を、特に関心を払って検査してきているというところでございます。個々の事業の契約、入札につきましては、今お話しのとおり、相手国政府が一義的には責任を持って行うということでございまして、その個々の部分につきましては、検査に当たってはなかなか困難な面があるということは、ぜひ御理解いただきたいと思います。
 ただし、そういった契約、入札が、透明性が必要である、あるいは公平な競争が行われるということが重要だということは十分認識しておるところでございまして、そういった点につきまして、政府におきましても、援助国としまして、契約、入札に当たっては、ガイドラインを設けるというふうな一定のルールがあるというふうには承知しておるところでございますので、そういったルールどおりに行われているのかどうか、あるいは、そのルールでいいのかどうかということも含めて、十分留意して検査してまいりたい、かように考えております。
原口委員 このルールじゃだめなんです。国民がわからないんです。入札予定価格も公表しない。相手国政府のそのことをおもんぱかるのはわかりますよ。じゃ、国民に対する説明は要らないのか。
 財務大臣、これは外務省を指導して、こういう予算の立て方、あるいは入札の仕方、よくないと思います。そして、枠でやるんじゃなくて、予算のときにもっと精緻に、そして、どのような費用対効果が生まれたか。中央省庁再編基本法の二十九条の中には、政策評価ということも書いてあります。
 私たちは、もう無際限に財源を持っている国じゃない。きょうの午前中の公聴会でもありましたけれども、大変な財政的な危機を抱えています。ぜひ、ここの部分について、しかるべき透明な予算措置ができるように、前向きに検討をいただきたい。その決意だけ聞きたいと思いますが、いかがでしょうか。
塩川国務大臣 昨年、一昨年、ODAにつきましての厳しい査定を、主計局中心にやったんですけれども、長年の慣習がございまして、主計と外務省の担当の方との間でいろいろ話し合いがあるんだろうと思って、それは私は、一応白紙に戻して検討せいということをやかましく言っておるんです。ことしの予算につきましても、その点について相当メスを入れておるはずでございまして、また、最近、国際的な基金のおつき合いがたくさんございますので、この点についても、詳細を一回ずっと並べてみて、できれば一つ一つの基金の担当に当たるぐらいのことをしなければ、私は、外務省も忙しいからなかなかその実態がつかみにくいのではないかなと思うたりもいたしますので、そういう点も含めて、一度、主計の方を中心にして、一層の査定を厳しくやっていきたいと思っております。
原口委員 前向きの答弁をいただきました。国民に説明できない予算、私たちがチェックできない予算というのはあり得ないということを指摘して、ミサイルの話にします。
 資料の一をごらんになってください。これは、「立法と調査」という、調査局から出していただいたものをもとに年表でまとめたものです。
 九三年の五月二十九日、これは、ノドン一号、弾道ミサイル射程千キロを超えるというふうにされています。あのときは、事前に情報を知りながら、発射を防ぐための十分な手だてを講じられなかった。発射されたミサイルについての情報分析に手間取って、北朝鮮に対して断固たる措置がとれなかった。発射の事実を隠していたために、国民に十分な事実が伝わらず、結果として、日本が弾道ミサイルの脅威にさらされているという認識を国民に持たせることができなかった。
 九八年の八月は、この反省に立って、テポドン付近のミサイル発射施設、これは三段式の弾道ミサイル、これが何だったのかもわからない。北朝鮮は衛星の発射だと言っていますが、私たちはそうではないと思っている。十二時七分に米軍司令部から防衛庁に知らされて、このときも、防衛庁長官に対する伝え方が、情報がばらばらに上がるなどという混乱が見られました。当時、防衛庁長官がどこにいらしたのかということで、予算委員会でも質疑をいたしました。
 今度、ことしの二月二十四日、地対艦ミサイルであろうとされていますが、発射をされました。
 石破大臣に伺いますが、防衛庁はこの北朝鮮のミサイル発射準備の情報を入手していたというふうに言われますが、これは事実ですか。
石破国務大臣 今回のことに限って申し上げれば、北朝鮮の軍事動向につきましては、平素から細心の注意は払っておりました。そして、御存じのように、北朝鮮は、冬の間、いわゆる日本でいえば農閑期みたいなときに軍事演習をやるわけであります。したがいまして、数日前から、北朝鮮が北朝鮮北東部の沿岸海域に東北東に向けて航行制限海域が設定されるという情報は得ておりました。
原口委員 これは、北朝鮮から通知はあったんでしょうか。
石破国務大臣 そのようなものはございません。
原口委員 一体、いつ、このミサイルが発射されたのか。私が防衛庁から聞いたところだと、二十四日の十二時からその夜中の零時の間のいずれかでございます、こんな説明ですよ。そして、これはもう皆さん認めていらっしゃいますが、総理、官房長官、防衛庁長官に報告が上がったのは、翌二十五日の九時から十時の間だと。これは防衛庁が認めています。これは一体どういうことでしょうか。
石破国務大臣 事実は、今委員が御指摘のとおりであります。
 問題は、今委員が御提示になりました九三年のノドンミサイルあるいは九八年のテポドンミサイルとの対比について申し上げれば、これは委員御案内のとおり弾道ミサイルです。今回のは地対艦ミサイルです。私どもの事務方といたしまして、この弾道ミサイルなるもの、日本に近く弾着する、近くというのは距離的な意味ですが、弾着する可能性がある、あるいは日本を飛び越える、そういうようなミサイルに対する情報と、地対艦ミサイルというものについては、これは、私どもの国に対する脅威というのはおのずから異なるものであります。
 地対艦ミサイルというものが具体的にどんな種類であるかということは、現在、分析中でありますけれども、そのことが本当に日本に対する直接の脅威たり得るかといえば、それは直接の脅威たり得ない。日本国民の生命財産に対する直接の脅威たり得ない。したがいまして、事務方としてその情報を昨日の午前に私の方に上げたということは承知をいたしておるところであります。
原口委員 それを判断するのは、それがどういう脅威になるかということを判断するのは大臣でしょう。それを、発射後およそ、最高丸一日かかって大臣に入るなんということは、私は、地対艦ミサイルだから日本に対する脅威がないとは思いませんよ。例えば原子力発電所、どれぐらいの人で守っていますか。あるいは、地対艦ミサイルじゃなくて、艦船から発射をされるミサイルだってある。そういった問題については、やはり甘く見ない方がいい。しっかりとリスクをコントロールする姿勢が必要だということをここで指摘しておきます。
 そして、日ロ首脳会談があった日、一月ですね、この日に北朝鮮は何をやったのか。そして、日韓首脳会談が行われようとするときに北朝鮮が何をやったのか。しかも、通告なしでミサイルを発射したということは、今事実をお伝えになりました。これは、明らかに日朝平壌宣言の精神に反するんじゃないでしょうか。
 防衛庁長官、あなたに情報がこうやって上がらなくていいと思っていらっしゃるのか、このことについて反省の弁は一言もないのか、お尋ねをします。
 それから、川口外務大臣、資料の二、まだミサイルが何かもわからないときに、これは日朝平壌宣言に反するものではない、そういう趣旨の記者会見をされています。本当でしょうか。こんな答弁をする外務大臣のもとで私たちの国益は守れるんでしょうか。二点についてお尋ねします。
石破国務大臣 委員はミサイルの種類、それの性格等について全部御存じの上で質問なさっておられるものだと私は思っております。
 例えば原子力発電所に対してということであれば、これは地対艦ではだめで艦対地という話になるわけでありましょう。そういうような危険性はありとあらゆる想定をしていかなければならない、備えていかねばならないというふうに思っています。
 この情報が私に上がるべきであったかどうかということは、それは上がるべきであったというふうに思っております。私の方から、たとえ事務方が、それは地対艦というようなものである、だから大臣に上げてなくてもいいという判断をしたとしても、それはまさしく、委員御案内のとおり、それを判断するのは、文民統制の観点からいっても、大臣たる私が判断すべきものである、したがいまして、このような情報は前広に私の方に上げるようにということは申しました。これをきちんと徹底しておらなかったのは、これは私も反省すべき点であるというふうに考えております。
 ただ、問題は、ミサイルが日本海に向けて発射された、それはそれで事実なのです。しかし、それが、弾道ミサイルが日本海に向けて発射をされたということと、そして対艦ミサイルが、方向的には確かに日本海なのですが、日本に向けて撃ったわけではない、それはおのおの脅威というものが違うのだろうと思います。
 私は、過大評価をする必要もないが、過小評価をしてもいけない。正確に、国民の皆様方に御不安を与えないようにきちんとした情報をお伝えする。そして、本当にそれが国民の皆様方にお知らせをせねばならないような情報であった場合に、それを隠すというようなことは断じていたしませんし、それがきちんと上がってくる、その体制にさらに万全を期してまいりたいと思っております。
原口委員 防衛庁のいわゆる文民統制のシステムは、この一事をもっても世界に過小評価されますよ。国民に不安をもたらします。今大臣が率直に謝罪をされたので、もうこれ以上言いませんが。
 資料の四をごらんになってください。これは、この十二日にアメリカの上院の軍事委員会の公聴会でテネットCIA長官が証言をされています。私は、この証言は非常に重い。英文ですから恐縮ですが、二、三個のやはりプルトニウムから抽出された核を北朝鮮は持っている。そして、その射程は、ミサイルの射程とミサイルの形を資料三に載せておりますけれども、西海岸まで届くという証言をしている。
 私は、アメリカの戦略もこの証言によって大きく変わるだろうと思います。つまり、今までは東アジアの中で、直接的にはこの弾道ミサイルの脅威というのはアメリカ本土には届かない、そういう認識であったかもわからない。しかし、これはもう現実に自分たちの脅威になっている。そして、NPTの脱退、ミサイル発射、あるいは、これから、どんどんその間隔が短くなっている。しかも、それは日本の首相が隣国の首相に会うときにたまたまやられているというのは、そうは思えないんですね。
 私は、石破大臣、危機管理のフェーズをクライシスマネジメントというのに置くのではなくて、事後的なところに置くのではなくて、この間プリエンプティブのお話をしましたけれども、予防的なクライシスコントロールの方に置くべきだというふうに思いますが、石破大臣の御所見をお伺いします。
石破国務大臣 テネット長官の発言はそのとおりでありますが、これは、一部の報道にもなされておりますように、昨年の一月にも同じような報告というものが出ておるわけであります。つまり、これは、米国情報コミュニティーが発表しております二〇一五年までの海外におけるミサイル開発及び弾道ミサイル脅威というものでありますが、昨年の一月にも既にこういう指摘がなされておる。テネット長官のこの部分の証言というのは、ほとんど内容はそれを一にしておると思います。
 その時期はともかくといたしまして、合衆国まで届き得る長距離のミサイルの開発を行っておるということは、私は、かねてから国会答弁でも、テポドン2の開発が急速に進んでおるということを申し上げたところであります。
 これに対してどうするんだという議論だと思います。もちろん外交的にそれを撃たせないようにということの努力はしなきゃいけない。しかし、それが、仮に兆候があった場合にどのように対応するか、万々が一発射をされたときにどうするかというようなことをきちんとやっておいて初めて予防的ということが意味を持ち得るのだと私は思っております。
 そういうことにつきまして、また委員の御見解も含め、本当にどういうふうにすれば日本の平和と独立が守れるのか、武力行使に至ることなく平和的に解決をするためには一体何が必要なのかという議論を私どもも鋭意いたしております。また御教示を賜りたいと存じます。
原口委員 まさに今大臣がお話しになったとおりで、だからこそ、この予算委員会で、ミサイルの開発の中止を北朝鮮に強く求めるべきだ、ピョンヤンでもそれを外交的に求めるべきだったということを再三再四申し上げているわけです。
 つまり、外交姿勢、外交メッセージというのをどれだけストレートに出すか。もちろん出せない微妙な問題もあります。しかし、国際法と正義、国民の人権と生命財産、これを守るためにはしっかりとした姿勢を政府が示すということが必要である、私はそのように思います。
 さてそこで、今回、イラクの問題については、アルサムード2、これは、我が党の石井代表に対してサアディ大統領顧問は、破壊をすることはやぶさかではないということをバグダッドで伝えたということでございますが、アルサムード2は射程が四十キロ超えていて、それで国連決議に違反をしているということを言われているわけです。ここに書いているテポドン1、テポドン2とはもう全然違う。たしか百五十キロの射程を四十キロ超えて、これは国連決議違反だといって破棄を今求められているわけですが、川口外務大臣、イラクに対して特使を派遣し、そして、こういう破壊兵器を、きょうのニュースでは大量破壊兵器の資料が見つかったとイラクは報告をしたようでございますが、イラクに特使を派遣して、実際に、最後のチャンスを生かす、そのことに協力すべきだ、そういう行動を起こされるおつもりはありますか。
川口国務大臣 アメリカとイギリスとそれからスペインから新しい決議の提案があったわけでして、我が国としては、イラクがこの機会に大量破壊兵器の廃棄を行うという姿勢をきちんと示して、イラクに課された責任、決議によって課された責任、これをやってくれるということが平和的に物事が解決する唯一と言っていいぐらいの手段であると思っております。
 イラクにそれをさせるために、我が国としてできる最大限の外交的な努力をしなければいけないと思っています。したがいまして、特使の派遣も含めて、我が国として、今イラクにそういった国際社会が求めていることをやらせるために何ができるかということについて検討をいたしております。
原口委員 今、特使を含めてということで、前向きの答弁をいただきました。
 資料の十をごらんになってください。
 これは、自見筆頭や多くの皆さんと一緒にイラクを訪れたわけですが、今でも、劣化ウラン弾の被害、心臓の弱い方はごらんにならない方がいいというような状況ですよ。大量破壊兵器について、私たちはそれを憎む。それと同じように、この劣化ウラン弾やあるいはクラスター爆弾といったことについてもぜひ廃棄を求めていくべきだと私は思います。
 資料の十一をごらんになってください。
 「イラク攻撃をすべきか」これは、今月の初めの段階でもうほとんど反対です。そして、世界経済を見てみると、世界経済はこの戦争に耐えられない。我が国に復興後の支援をお願いされてみても、年間借りかえる国債がもうじき二百兆を超える状況では、我が国の経済も財政も、これはもたない。私たちは、平和の最後のチャンスにもっともっと真剣であるべきだというふうに思います。
 イギリスにおいても、これも川口大臣にお尋ねをしますが、パウエル報告の六ページから十六ページ、MI6が出してきた論文は、十二年前の学生の論文じゃないですか。私は、真実に基づいて平和が実現されることが最も大切だというふうに思います。
 今、アメリカ、イギリス、スペインのイラク安保理決議案、これも私の手元にあります。外務省からいただいたのとは随分違う。ここで、アメリカ、イギリス、スペインですら、「イラクが安保理決議一四四一が与えた最後の機会を生かすことができなかったことを認定し、」こうは言っていますが、「事態を注視し続けることを決定する。」というふうに書いておるわけです。これが彼らが出そうとしている新たな決議案なんです。武力行使の文言は一言もありません。
 大臣にお尋ねをしますが、昨日、安倍官房副長官がフランスの大使に、いわゆるこの案を、新たなアメリカ、イギリス、スペインの案を日本政府としては支持するんだということを伝えられたということですが、これが日本政府の姿勢と考えてよろしいでしょうか。
川口国務大臣 日本政府の姿勢ということでございますけれども、この三国の提案、これは、イラクが依然として査察について非協力的である、大量破壊兵器について今までの安保理決議で求めていることについては対応していない、そういう深刻な状況、この中で問題を平和的に解決するために真に最後の外交的な圧力の一環である、そのように理解をしている、それが我が国の姿勢です。
原口委員 生きた政治の言葉を使ってほしいんです。外務大臣は、その答弁でこの国会を乗り切れるかもわからない。しかし、国民は、どっちを向いているかわからないんです。米英のこの決議案について、はっきり支持と言っているじゃないですか。支持をするんだ、原口国連大使の演説についても、しっかり言っているじゃないですか。
 私は、イラクを訪れたときに、当時、他の党ですから、いらっしゃらないのであえて褒めますが、アジズ副首相から、今ごろ何をしに来たんだと言われているんです。日本製のポット、日本製のエレベーター、すべて日本製の大統領府の中で、今ごろ来た国はあなたの国だけですよということを言われた。しかし、そのときの私たち予算委員の団長は野呂田さんでした。野呂田さんはアジズさんに、聖書にはそう書かれていない、おくれて来た人にも門をあけるべきだ、そのことで返されました。アジズさんの態度は一変しました。政治が、外交においていかに言葉が大事かということを私はそのときに実感しました。
 もっと国民に向けて生きた言葉で説明できる人がいるんじゃないですか。私たちですら、どちらを向いているかわからない。そして、何をやるかわからない。きょう何でこういう資料を出したかというと、常に、いついつまでに、今は態度をはっきりできません、政府統一見解を提出するのは不適切と考えると、国民に対する説明義務は全部拒否しているとしか思えないんですよ。生きた言葉が国民に伝わっていないんですよ。私は、このことについては非常に不満です。
 外務大臣、米、英、スペインの決議案、これは支持するわけでしょう。違うんでしょうか。
川口国務大臣 言葉というのが大事であるというのは、委員がおっしゃるとおりだと思います。そして、具体的に、その言葉が伝わらないというふうにお思いになられるということでしたら、どこの部分についてそうかということをおっしゃっていただければというふうに思いますけれども、今の御質問、これについては、これが、先ほど申しましたように、最後の外交的な努力をする、外交的な圧力をかける一環であると理解をしているという意味ですから、そういった姿勢、アプローチといいましょうか姿勢といいましょうか、そういった国際社会の努力、それについては支持をしている、そういうことでございます。
原口委員 私は、もうこれ以上国会論戦を死んだものにするということはあってはならないと思います。
 資料五をごらんになってください。
 今ドイツがいわゆる安保理の議長国でありますが、次はギニアになります。日本は、非常任理事国に対するODA、さまざまな国のものを出したのがこれです。私は、決して、こういうODAを利用して一定の戦争に向けた、査察継続を拒否するような、そういうことを指示するような動きを外務省がしないことを祈ります。
 そして、国連大使の演説についても、これは委員長にぜひお願いをしたいんですが、訓令というものがあるはずです。日本文をつくって、そしてそこに英文を添えて、それを国連に送るんです。その訓令と、そして実際に原口大使が演説されたものが一致していればそれでいい。しかし、先ほど防衛庁長官には大変失礼なことを言いましたけれども、事務方が勝手にやって、外務大臣はこの場で、読売新聞が正しいのか私が正しいのか、どっちを信じるんですかということを言われたんです。しかし、英文で読む限り、読売新聞の方が正しいんです。
 どうぞ委員長、訓令をこの委員会に、外務省から国連原口大使に対する訓令を提示するようにお計らいをいただきたいと思います。
藤井委員長 その取り扱いにつきましては、理事会で協議いたします。
原口委員 質問を終わります。
藤井委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。
 次に、筒井信隆君。
筒井委員 民主党の筒井信隆でございます。
 きょうは、農水大臣が予算委員会において農水大臣として答弁する、この想定問答を法制局がつくっていた、こういう事実が明らかになりましたので、その事実についてお聞きをしたいと思います。
 具体的には、その想定問答を作成した日は二月十九日、つまり、予算委員会の集中審議が二月二十日に行われましたから、その前日でございます。
 農水大臣から直接頼まれて、夜の六時から八時過ぎまでの間に、法制局次長郡山さん、企画調整部長も兼ねている人でございますが、この人がつくりまして、ワープロ打ちをしたのは課員の笠井さんでございます。そこに参加していたのは、やはり調整部でございますが、企画調整課の伊藤和子課長と同じ課の正木さん、それから基本法制課の小林さんがいずれも参加をして作成した。これでできた結果が、きょう資料一―一として提出しているものでございまして、これをごらんいただきたいと思います。
 この資料一―一、想定問答でございますが、これをまず、事実かどうか、法制局長、きょう出席しておりますのでお聞きしますが、その前に私一言言いたいのは、これをつくったのは今言ったように次長の郡山さんでございまして、この人のきょう出頭を、参加を求めておりました。きのう郡山さんと打ち合わせした際には、郡山さんは出席して、これこれこのように答弁しますというふうに答えておりました。これを与党が反対で、きょうここに出席しないことになった。これは極めて強く抗議をしたいと思います。
 まさに当事者そのものがここへ来て、こういう重要問題ですから、行政の長たる大臣の金銭スキャンダルについての想定問答を、これを衆議院の法制局がつくったなんて、まさに三権分立に反するだけじゃなくて、衆議院の法制局の公正不偏に反する大問題なわけですよ。この当事者を呼ばないで、どういう質問ができるのか。
 まず委員長に、だから局長と大臣に質問しますが、その前に、次長のこの委員会での説明を求めることと参考人として出頭を要請すること、これを要求したいと思いますが、いかがですか。
藤井委員長 その取り扱いにつきましては、理事会で協議をいたします。
筒井委員 それで、局長、今申し上げたこの資料一―一、これを法制局がつくったことは間違いないですね。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 現行法の解釈を初めとする法律問題につきまして議員等からの問い合わせがあった場合でございますが、その具体的な議員等からの依頼につきましては、その有無も含め、内容等については答弁を差し控えさせていただきます。
筒井委員 そうすると、資料一―一、直接は法制局次長がつくった、この事実について答えられないということですね。こんな重要問題に答えられないで、質問が続けられますか。――同じ質問、逆の立場ですが、大臣にお聞きします。
 この作成を法制局次長郡山さんに頼んでつくってもらいましたね。
大島国務大臣 最初に申し上げておきますが、私は、議員として、答弁をつくってほしいという、法制局に依頼したことはございません。
 ただ、議員として、元秘書が起こしたさまざまな事柄、それらについて、私自身、私のスタッフと、今委員がお話しされたように、もう既に文春からもさまざま質問が来ておりまして、そういうことも踏まえて、そしてそこの論点、私なりにも整理をし、そして、例えばその中に政治資金規正法、公職選挙法、あるいはその他の論点とそれに対する自分の考え方を伝えて、国会議員として法律上の論点について誤りのない認識を持つために法制局に問いかけをし、そしてその御返事をいただいたのは事実でございます。
筒井委員 そうしますと、厳密に聞きますが、この資料一―一、法制局につくってもらって大臣が受け取ったことは間違いないですね。
大島国務大臣 私がお話ししたこと、そして論点整理したこと、そういうものについては大体網羅されている答えでありますが、その資料は筒井委員がどちらからいただいたのかわかりません……(筒井委員「そんな、全然質問に答えてない」と呼ぶ)いや、それはとても大事なことだと思うんです。
 というのは、筒井委員がたびたびに私に今日まで質問されたときに、A氏からいただいたとかそういうふうなことを言われて私に質問されました。(筒井委員「関係ない」と呼ぶ)いや、そのことが本当にそうかどうか、私は、週刊文春からいただいたのか、あるいはまた法制局からいただいたのかわかりませんが、非常によく似ております。
筒井委員 私の質問に答えていません。私の質問に答えるように指示してください。(発言する者あり)
藤井委員長 もう一度。もう一度。
 大島農林水産大臣。
大島国務大臣 おおよそ、これ、私も、いただいたものとほとんど同じであるという認識を持っております。
筒井委員 ほとんど同じという言い逃れはおかしいんだけれども。
 私は厳密に聞いているんです。この書類そのものを、これを法制局から受け取ったことはまず間違いないですね。
大島国務大臣 先ほど申し上げましたように、あの紙の内容は、ほとんど私が申し上げ、論点整理したことを、それを法制局からいただいたものである。
 ただ、本当にそれが一〇〇%そうであるかどうかというのは、筒井委員が一体どこからそれを出したかということを明確にしていただいた上でお答えしたいと思うんです。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います、御静粛に。
筒井委員 どうも認めているようで認めていないんで、また聞かなきゃいかぬのだけれども、一〇〇%これがその書類であるかどうかわからないと言って、まだ言っているんですか。違うとすればどこが違うんですか。私が聞いているのは、この書類を法制局から大臣が受け取りましたねという質問なんです。違うなら違うと言ってください。
大島国務大臣 その書類は、今委員が持っている書類は何かのコピーだと思うんです。だから、そのコピーがどこから出たか、そこは明確にしていただくと私も大変お答えしやすいんですが……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
大島国務大臣 多分、そのコピーだと思います。
筒井委員 要するに、私がこれをどこから入手したか言わなければ答えられないという答えですか、今のは。それだったら質問なんかできませんよ。
大島国務大臣 内容はほとんどそのとおりでございますから、多分それと同じものを私がいただいたものと思います。
筒井委員 それは法制局からですね。
大島国務大臣 先ほど申し上げましたように、私は、議員として、自分の秘書にかかわる問題を自分で論点整理をし、そして応答もある程度こういうことだということを申し上げ、法律上の認識を私は確かめたいので、そういう問いかけをし、そういう、法制局からいただいたものです。
筒井委員 では、わかりました、認められましたので。
 それで、法制局は、衆議院の法制局、国会の職員であることは御存じだと思う。あなたは大臣ですね。行政のまさに長です。その間の問題点があるので、その中身についてもまたお聞きしていきたいと思いますが、そういう大臣の答弁を前提に、法制局長、もう一回お聞きします。
 今大臣がそういうふうに言われました。認められました。その上でも、まだ答えられないという答弁ですか。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私どもの立場からは、どなたからどのような内容の照会があったとか、あるいはそれについてどうお答えしたというのは、答える限りではないわけでございますが、それは、大島議員がそのようにおっしゃいましたので、そのようなことであろうと存じます。
筒井委員 では、法制局も認められました。
 それで、その次の問題。今二人とも、議員、議員ということを物すごく強調していましたが、それはこの次の質問にかかわることを前もって予防的に言っていることだと。
 それで、この想定問答を見ていただきたいんですが、まさに一枚目は、法律問題では全くありません。法解釈の問題では全くありません。これは、六百万円を秘書が受け取ったけれども、大臣のところにはそのお金が来たという事実はありませんという事実関係そのもので、法解釈、本来法制局がやるべき職務とは全く関係ないことです、一枚目が全部。
 それから、いずれもこの想定問答は一月十九日につくられて、一月二十日の予算委員会の大臣としての答弁の想定問答としてつくられたもの、大臣としての。議員としてじゃないですよ、大臣としてですよ。そして、実際に大臣として、今言った部分で大臣として答弁されているでしょう、この予算委員会で。今言った趣旨そのもので答弁しているんですよ、大臣として。そして、具体的な表現もまさにこの想定問答と全く一緒なんだ。ほとんど一緒なんだよね。
 三枚目をちょっと見ていただきたいんですが、三枚目の、問いがある、問いがあって答え。私の資金管理団体が現実に政治資金として受け入れたというならば政治資金収支報告に記載すべきなのは当然でありますが、ずっと中略して、処理のしようもない、こういうことがここに書いてありますが、大臣は大臣として、まさに今の表現、言葉遣いもそのまま、ここで答弁しているでしょう。これ、全部一々挙げませんが、大臣としてここで答弁した中身なんですよ。
 これが法制局のどういう職務の範囲に入るんですか。まず法制局長。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 現行法の解釈を初めとする法律問題に関しまして、会派あるいは議員等から問い合わせがあった場合に、これに回答することは法制局の職務であるというふうに考えておる次第でございます。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
筒井委員 委員長、まずね……(発言する者あり)
藤井委員長 衆議院法制局長、いま一度答弁をお願いします。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 現行法の解釈を初めとする法律問題に関しまして、会派または議員等からの問い合わせがあった場合に、これに回答することは法制局の職務である、かように考えておる次第でございます。
筒井委員 まず、今、現行法の解釈と言いましたが、一枚目は全く現行法の解釈と関係ありませんね。少なくともこれは、一枚目はこの職務の範囲外ですね。この点はどうですか。
藤井委員長 大島農林水産大臣。(発言する者あり)
 指名してます。指名いたしております。
大島国務大臣 一枚目のことは、先ほど申し上げましたように、私自身が問い合わせを、法律の観点から問い合わせをするときに、事実関係をある程度申し上げなければなりません。そして、そういう観点の中で、自分としてはこういう論点整理をしてみた。そして、こういうことが、既に私にも弁護士さんやあるいはスタッフがいて事実関係を一生懸命調べておりますので、議員立法等々が、政治資金やあっせん収賄罪やそういうふうなものがたくさんございますから、そういう論点整理を私から申し上げて、そういう意味で、答弁をする際に、これは議員としての活動の分野でございますから、そういう意味で法律上どうであろうかという確認をして、正確に答弁をしなきゃならぬという思いで問いかけたものでありまして、その前段の部分を彼に書かせたというとか、あるいは法制局に書かせたというより、私が申し上げた点を書きとどめたということでございます。
筒井委員 法制局が書いた文書であることは先ほど認めましたが、まさに一枚目が一番大事なんですよ。大臣の一番の今までの主張の最大の論点ですよ。六百万円、秘書が受け取った、私のところには来ていない、すべてそれでもって今まで主張を通しているんでしょう。その一枚目を、まさに法制局がつくっているんですよ、一番大事なものを。この部分は法解釈とは全く関係ない。それを、法解釈と全く関係ないことを前提として聞かなきゃいかぬかもしれないけれども、もし聞くとしても、そんなの、こうやって想定問答の中に書く必要ないじゃないですか。
 いやいや、今は法制局に聞いているんですよ。法制局に聞いているんですよ。
藤井委員長 大島農林水産大臣。
 その後で。
大島国務大臣 筒井委員は弁護士で法律の専門家ですから、やはりそういうある程度私自身が調べて、そして私自身が確信を持っている事実関係を電話で彼に、法制局に言うて、そして、その上に立ってこういう論点整理を自分ではしてみた、したがって、そういう論点整理について法律上の認識を持ちたいということで、その前段の部分を申し上げてそれを整理したものだ、このように思います。
筒井委員 論点整理でも何でもない。答え方をここに書いてあって、答弁の内容、その答弁どおりにあなたは、ここに書いてあるとおりに答弁しているんですよ。
 それで、法制局に聞きますが、今の点ともう一点。これをつくったのは法制局の企画調整部です。企画調整部には企画調整課と基本法制課と二つあります。この二つの担当職務は、まず企画調整課は決算行政監視、議院運営、懲罰の各委員会担当、それから委員会の命を受けた法制に関する予備的調査に関する事務、これが担当。この中に入りますか、今の仕事が。
 それからもう一つは、基本法制課は国家基本政策委員会と憲法調査会担当なんですよ。この仕事がこの中に入りますか。
 農水委員会の問題、あなたは、議員として議員としてと言うけれども、予算委員会は第二部の第二課だし、農水担当は第四部の第一課ですよ。もし本当に議員としてのあれだったら、そっちの方にあれするべきでしょう。今の企画調整部でもって、全然今の担当の仕事の中に入っていないじゃないですか。法制局。
窪田参考人 二点お問い合わせがございましたので、お答え申し上げます。
 まず、事実認識云々というのは、私どもはお手伝いして書いているわけでございますが、それは現行法の解釈の前提となる事項について、その事実認識を依頼者に確認したもの、それを前提に、問い合わせに対する回答をしたものでございます。
 それから、第二点でございますが、課の分掌でございますが、規定上でいいますと、他の部課の所掌に属さない事務、特命の事務は企画調整課においてつかさどるということでございまして、だれとだれというのは、特に指名して事務をやっておるということでございます。
 いずれにいたしましても、所掌ははっきりしておるところでございます。
筒井委員 まず一つ目の質問についても全く問題外、それから二つ目に関しても、企画調整部の二つの課の職務担当は、さっき言った範囲で決まっているでしょう。まず、そのことを確認してください。さっき言った範囲で職務担当は決まっているのかいないのか。
藤井委員長 窪田参考人。端的にお答えください。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 バスケットクローズがございまして、企画調整課に、他の部課の所掌に属さない事務は企画調整課に属する事務ということになっておるということでございます。事務所掌としては……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
窪田参考人 はっきり決まっているということでございます。
筒井委員 だから、事務所掌ははっきり決まっている。それで、先ほど私が言った、事務が企画調整部の二つの課の事務として決まっている。これは認められたわけですね、今の答弁は。その中に、この想定問答の作成事務は入っていないでしょう。こういう質問です。
窪田参考人 現行法の解釈を初めとする法律問題に関する会派または議員等からの問い合わせについては、当然私ども法制局の所掌でございます。
 そして、お答えする場合に、口頭でお答えする場合もありますし、文書でお答えする場合もある。そして、文書で回答する場合には、箇条書きにする場合もございますし、また質問、答弁という形である場合もあるわけでございます。
 いずれにしても、どのように書くかというのは、依頼者との関係で、できるだけ依頼者の御要望に沿って取りまとめるということにいたしておるわけでございます。
藤井委員長 筒井君。
 筒井君、筒井君、質問してください。
筒井委員 全然答えていないんだから。
藤井委員長 もう一度質問してください。
筒井委員 答えるまで質問なんかできませんよ、次の質問は。
藤井委員長 指名していますから、もう一度質問してください。もう一度質問してください。筒井君、もう一度。(発言する者あり)私は指名しているんですから。指名しているんですから。筒井君、もう一度確認してください。もう一度確認してください。
筒井委員 もう一回確認します。じゃ、もう一回確認して……(発言する者あり)
藤井委員長 ちょっと静粛に、よく聞いて。窪田参考人、よく聞いていてください、質問を。
筒井委員 私は、衆議院の事務局がつくった文書、それから法制局のホームページを見て、この資料一―二にも書いてありますが、資料一―二を見てください。ここで、企画調整課は、「決算行政、議運、懲罰各委員会担当、法制に関する予備的調査の事務等」とありますね。この「法制に関する予備的調査」というのは、委員会の命によるとか、あるいは四十人以上の議員の要求による等の場合を指すわけですね。それで、基本法制課は、「国家基本、倫理選挙各委員会、憲法調査会担当」とはっきり限定的に書いてある。この中に、この想定問答集をつくる業務は入らないでしょうという質問なんです。
窪田参考人 企画調整課における事務でございますが、そこに、今先生がおっしゃいました事務のほかに、「他の部課の所掌に属しない事務をつかさどる。」という規定が入っておるわけでございます。
 ですから、今ごらんになっているそれはホームページからとっておられると思いますが、ホームページには、「他の部課の所掌に属しない事務」ということについては抜けておりますけれども。
筒井委員 そうすると、この想定問答は、他の部課の所掌事務に、業務に属さないということなんですか。一番当初は、この資料一―二にも書いてありますように、「議員等からの法律問題の照会に対する調査回答」の業務だというふうに答えられましたね。これに該当するのならば、その中身によって各部に分かれるわけですよ。農水問題だったら農水の方の担当になるしと。
 だけれども、今の答えはそれとまた違って、これは全然どの部署にも所属しない、そういう全然別個の業務だ、そういう答えですか。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 現行法の解釈を初めとする法律問題に関するお問い合わせについては、それぞれ所掌が決まっている法律につきましては、それはそれぞれの部課でお答えすることもございますが、内容が、あるいは公職選挙法あるいは政治資金規正法などにかかわるものにつきましては、法制企画調整部で答えておりますし、権限で申し上げますと、法律問題に関する問い合わせに対する回答というのは、法制局の当然の職務であるということでございます。
筒井委員 大臣の答弁が、今、答弁の想定問答をつくることの業務について聞いているんですよ。さっきからわけのわからないことを言っているんですよ。
 それで、この想定問答の中身を見ると、政治資金規正法関係だとか、あるいは企業・団体献金禁止だとか、公職選挙法関係というのがあるんです。今挙げた三つだったら、どこの担当になるんですか。
窪田参考人 所掌で申し上げますと、政治資金規正法、公職選挙法につきましては、基本法制課の所掌でございます。
筒井委員 公職選挙法は。
窪田参考人 公職選挙法につきましては、基本法制課の所掌でございます。
筒井委員 法律そのものは基本法制課に該当すると。大臣の答弁が次の日の予算委員会で予定されているわけですが、まさに行政の長の長としての答弁、これはどこに当たるんですか。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私どもは、国会議員あるいは会派からのお問い合わせがございますれば、それについて誠実に対応するということでやっているわけでございます。
筒井委員 私は先ほどから質問しているように、大臣としての答弁なんですよ。これはわかっているわけですよ。その業務について聞いているんですよ。
大島国務大臣 筒井委員に冒頭にお答え申し上げましたように、私は、答弁をつくってくれと言って依頼したのではございませんと。
 したがって、元秘書からの話が話題になり、その質問が来るわけですから、既にもうかなりの、そのQアンドAを私どもは用意しておるわけです。そして、そういう中にあって、本当に議員としての論点整理を自分でして、そしてその上に立って、こういうふうに答えようと思っているということについて、法制局としての法律上のその認識を聞いて、間違いないように、いろいろな人から、いろいろな人との私は議論をした上で、答弁資料はこうして別につくっております。
 したがって、そういうことでございますので、その前提だけは御理解いただきたいと思います。
筒井委員 何を一体そんなありもしない言いわけしているんですか。この文書を見れば、時期から見ても、予算委員会としての大臣の答弁をつくる、これはもうはっきりしているわけですよ。
 それで、実際に予算委員会でこういうふうに、ここに書いてある趣旨、あるいは言葉遣いが全くそれと同じように答弁しているんですよ。だから、大臣としての答弁なんですよ。
 これが業務の範囲に入るかどうか、法制局、もう一回。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私どもといたしましては、各会派あるいは国会議員等からのお問い合わせについて、誠実に対応をしている、そういうことでございます。
藤井委員長 衆議院法制局長窪田参考人に委員長から申し上げます。
 今の答弁ですと、同じ問答の繰り返しになります。いずれにしましても、きょう急遽、法制局長を、予算委員会の与野党理事会で、きょうは参考人として招致をいたしました。先ほど、筒井委員からも、本人と申しましょうか次長の参考人招致の要求も出ております。
 いずれにしましても、事実関係について、もっとよく整理して、早急に整理をして、事実関係等々整理して、それを局長として理事会に御報告いただきたい。その上で、今後、参考人の取り扱い等々どうするか、そういったことを整理しないといけませんので、その点についての委員長からの質問に対してお答えいただきたいと思います。
窪田参考人 議長の御趣旨を体しまして、私どもで的確に対応したいと存じます。
藤井委員長 では、必ずそれを早急に調査した上、後日理事会に……(発言する者あり)可及的速やかに、可及的速やかに理事会に報告をしていただきたいと思います。
筒井委員 いや、だけれども、それがはっきりしない限り、質問続けられないじゃないですか。
藤井委員長 これは参考人も要求していますから、事実関係の上で。それはさっき言った理事会の……(発言する者あり)
 では、速記とめて。
    〔速記中止〕
藤井委員長 速記を起こしてください。
 窪田参考人、先ほど私が言ったことをもっとよく理解してください。ただ確認するとかそういうことじゃございません。事実関係をよく精査して、そしてどういう関係であったか、それで今の問題が、いわゆるそちらの所掌事務に違反しているのかしていないのか、逸脱しているのかしていないのか、そういったことをよく整理した上で、そのことを予算委員会の理事会に報告を、可及的速やかに。
窪田参考人 委員長御指摘のように、事実関係を整理いたしまして報告するようにいたします。
藤井委員長 はい、筒井君、筒井君。――速記をとめてください。
    〔速記中止〕
藤井委員長 それでは、速記を起こしてください。
 筒井君、この問題について今理事会協議いたしました、野党。保留されて、そして後の山花委員の質問の後に、残り十四分間残っていますから。十四分間、あなたの持ち時間は。(筒井委員「もうちょっとでしょう、こっちの方の」と呼ぶ)あなたの時間は十四分です。山花委員は五十分ありますけれども、それにプラス十四分残っていますから。
 では、保留ということで。
筒井委員 では、後でまた質問します。
藤井委員長 それでは、山花郁夫君。
山花委員 民主党・無所属クラブの山花郁夫でございます。
 きょうは、また引き続きまして、名古屋刑務所の事件について何点か御質問を申し上げたいと思います。矯正局長、いらっしゃっていますか。
 名古屋の件だけではなくて、刑務所の中で正常じゃない形で亡くなる方がいらっしゃるようでありますが、特に、昨年の法務委員会でも質問をさせていただきましたが、府中であるとか横須賀でも、保護房に収容されている方が亡くなった件がございます。府中で二件、横須賀で一件ですけれども、この点について、どういう形で亡くなられたと少なくとも報告を受けているのか、そのことについて御答弁ください。
中井政府参考人 ただいまの委員の御質問にお答えいたします前に、委員長及び山花委員のお許しを得まして、去る二十一日、当委員会における末松委員の御質問に対する私の答弁を補足させていただきます。
 当局にありました情報提供の件を大臣に報告することにつきまして、私が、今から虚心坦懐に振り返ってみると、あのとき大臣に上げておくべきであったと反省いたしましたと答弁いたしましたところ、末松委員から、あのときとはいつかとの再度確認の御質問があった際、私はこれに答弁せず、本件強制捜査着手当日の大臣への報告状況をるる御説明しておりますが、これはもちろん、昨年の暮れ情報提供があったときと答弁すべきところであり、補足させていただきます。
 末松委員初め関係者の方に御迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げます。
 補足の機会をいただき、ありがとうございました。
 ただいまの御質問の件でありますが、府中刑務所で二件、横須賀刑務所で一件ございます。
 まず、時系列的に申しますと、平成十一年の府中刑務所の事案につきましては、同年八月九日、同刑務所収容中の四十代男性の受刑者が職員の制止に従わず大声を発するなどしたため、保護房に収容いたしましたところ、収容の翌日、職員の呼びかけに応じなくなったため、医師が診察を実施した上、保護房収容を解除し、病舎の集中治療室に搬送して救急救命措置を講じたものの、同日死亡したと聞いております。死因は急性心不全とされ、外傷等もなかったと報告を受けておりますが、これにつきましては、現在改めて調査中でございます。
 続きまして、横須賀刑務所の事案についてでございますが、平成十二年十二月三日、同刑務所収容中の五十代男性の受刑者が、職員の制止に従わず、房内の備品を損壊させるなどの異常行動を反復いたしましたため、保護房に収容いたしましたが、その収容の翌日、職員の呼びかけに応じなくなったため、保護房収容を解除して、救急車で外部の病院に搬送し、同病院で診察、検査等を受けまして、所要の治療を行われましたが、同日、同病院において死亡したと聞いております。死因は脳腫瘍とされ、外傷等もなかったと報告を受けておりますが、この件につきましても、現在改めて調査中でございます。
 最後の三件目でございますが、平成十四年の府中刑務所の事案でございます。同年三月十四日、同刑務所収容中の四十代男性の受刑者が職員の制止に従わず大声や騒音を発するなどしたため、保護房に収容いたしましたところ、同年四月二日に至りまして一たん保護房収容が解除となりました。しかしながら、同日、再び大声や騒音を発しましたため、再度保護房に収容する等の経緯を経まして、同月十三日、職員の呼びかけに応じなくなったということがございましたので、保護房収容を解除し、医務部診察室に搬送して医師等による救急救命措置を講じたものの、同日死亡したと聞いております。死因は急性心不全とされ、外傷等もなかったと報告を受けておりますが、この件につきましても、現在改めて調査中でございます。
 なお、これら三件、いずれの事案についても、革手錠の使用はなかったとの報告を聞いております。
 以上でございます。
山花委員 もともと、保護房の中で亡くなるというのはちょっと正常な話ではないと思うんですよ。しかも、仮にたまたま保護房にいたときに亡くなられたにしても、横須賀の件は脳腫瘍だというじゃないですか。一体刑務所の医療はどうなっているんですか。大変不思議に思うんです。
 そこで、私たち野党の理事の間で、府中でもこういうこともあったし、刑務所を見に行こうではないかというような話をいたしておりました。そこで、うちの事務所で府中の刑務所に、二十八日、今度の金曜日ですが、保護房を中心に見させていただきたいという旨申し上げましたが、本来であれば私は二時五十分ぐらいから質問に立つ予定でしたから、二時四十五分ですとこの場にいたのでありましょう、したがって、私の耳に入ったかどうかわからない時間をねらったのかどうかわかりませんが、二時四十五分ごろに府中の刑務所からお断りの御連絡がありました。
 どういうことでしょうか。何でそういうことを協力してもらえないんでしょうか。
中井政府参考人 ただいまの件につきましては、確認させていただきたいと思います。
 私は、現段階ではそのような話を伺っておりません。
山花委員 きょうのさっきのことですからそういう御答弁かもしれませんけれども、本当に、直ちにでもこれは御協力いただくように指示していただきたい。していただけないでしょうか。
中井政府参考人 いわゆる刑務所内部の視察につきましてはそれぞれの施設の長の権限に属しておりますので、委員御指摘の点を踏まえまして、終わり次第帰りまして、府中刑務所と連絡をとらせていただきたいと思います。
山花委員 長の権限ということですから、矯正局は、たしか組織的には法務省の長たる大臣の機関ということになるんでしょうか。大臣、法務省のトップなんですから、お約束いただきたいと思います。
森山国務大臣 できるだけ御協力申し上げるように、地元に確認いたしまして御返事したいと存じます。
山花委員 それはぜひ協力していただきたいと思います。
 ところで、幾つかあるんですけれども、あらかじめ、刑事訴追を目的とした質問ではないということを御理解いただいた上でお答えいただきたいと思いますが、客観的な施設の状況についてお伺いをいたします。
 名古屋の刑務所について、これは矯正局長で結構ですが、保護房に監視カメラがついておりますね。たしか保護房は三つあったと思いますが、私も昨年見に行きましたけれども、まず、名古屋の刑務所の保護房に監視カメラが設置されているかいないかという事実についてが一点。分けて答えていただきたいんですが、設置されている目的は、どういう目的で設置されているのか。御答弁ください。
中井政府参考人 委員お尋ねの名古屋刑務所についてでございますが、昭和四十六年度と同五十三年度に保護房を設置しておりますが、いずれもその一年ないし三年内に、保護房内の状況を監視する、見るためでございますね、見るために監視カメラを整備していると聞いております。
山花委員 今の御答弁ですと、四十六年、五十三年に設置されて、一年ないし三年の間に監視カメラが設置されたと。目的は施設内の状況を監視するためであるということは、つまりは事件当時、つまり九月事件、新たに発覚しました十二月事件の当時も、監視カメラがついていたという認識でよろしいわけですね。
中井政府参考人 そのとおりでございます。
山花委員 監視カメラが状況を監視するためであるということは、それについて私が見に行ったときも何人かの方がモニタリングされていましたけれども、当然何人かの方が、二十四時間体制なんでしょうか、見ているという認識でよろしいわけでしょうか。
中井政府参考人 監視カメラは、二十四時間作動しております。
山花委員 見ている人がいるという認識でよろしいわけですね。つまりは、ただ映しているだけでだれも見ていないんじゃ意味ないですよね、施設の状況を監視するためということですと。見ている人がいるという認識でよろしいですね。
中井政府参考人 見ている者はおりますけれども、マンツーマンで、一人の人間が一人の保護房の監視カメラをずっと見ているという体制は、残念ながら人員配置上できません。いろいろな場面を切りかえながら見ておる。要するに、ある保護房を見ることもあれば、その他の場所を見ることもある、そういう形で監視体制を続けているということでございます。
山花委員 私もその現場を見たことがありますので、画面が切りかわって、ただ、どういうことが起きているのかは見れる状況にあるということは理解しているつもりですが、やはり事件当時そういう状態にあったということだけ、まず一点確認をさせていただいたと思います。
 その次ですが、これも単に告発を目的としているわけではありません。この名古屋刑務所の中で、通常の業務としてホースを使用するということはあり得るんでしょうか。ホースといっても普通のホースではなくて、消防用のホースを業務として使用するなんということはあり得るんでしょうか。
中井政府参考人 通常の作業、業務ということでございますけれども、まず全般的に申しますと、そもそも、全行刑施設の消防用ホースの使用の実情、これは私ども調査を実施、まだ現段階でしておりません。
 そこで、確たることは申し上げられないという前提で御説明させていただきたいわけでございますけれども、消防用ホースというのは、通常の家庭用ホースと違いまして、非常に運搬しづらい、しかも、一遍使用しますとぬれるわけでございますから、その後処理に手間がかかるということでございまして、一般の清掃等の作業で消防用ホースを使用することは通常ない、かように我々は承知しております。
 ただ、お尋ねの名古屋刑務所の場合でございますが、これまでの取り急ぎの私どもの調査結果によりますと、本件受刑者のケースも含めまして、過去に保護房の汚染が著しい場合に消防用ホースで室内を洗浄したことがあるという報告を、取り急ぎの結果ではありますけれども受けております。
 今後、詳細につきましては調査いたしたいと思っております。
山花委員 消防用ホースで室内を洗浄したことがあるということですが、本当に洗浄だけで済んだかどうかについてはやや私は疑問を持っておりますが、ただ、もう一つ確認をさせていただきたいことがあります。
 今、消防用のホースというのは、運搬が大変しづらいものであり、後処理に時間がかかるというお話がありましたけれども、私の感覚からすれば、どこかに格納されていて、かぎでもかかっているのかどうか知りませんけれども、職員が勝手に持ち出していいようなルールになっているのか、あるいは、だれかの判断を仰いで、部内の規則かなんかで、例えば届けを出すとかかぎを預かるとか、そういう手続が必要なのかどうか、その点についていかがでしょう。
中井政府参考人 一般的に申し上げますと、行刑施設におきましては、消防用ホース等の消防器具はかぎのかかった倉庫等に格納されております。
 実情を申しますと、これは長いものですので、かぎのかからないところに置いておきますと逃走の道具に使われる可能性があるということで、かぎのかけた場所に保管しているわけでございます。
 したがいまして、職員が職務の上で消防用ホースを使用するという場合には、緊急に必要がある場合は除きまして、原則として上司の判断を仰いでいるものと私どもは承知しております。
 ただ、今回の事件の具体的な状況につきましては、現在調査中でございます。
山花委員 別に、私はこの場で何か刑事訴訟の現場を再現しようとしているわけではないので、今回の具体的な状況について、例えばだれがどうしたという話を問題としようとしているわけではありません。
 ただ、恐らく、今の話を聞いて皆さんお感じになったと思いますけれども、消防用のホースというのは、それだけ運搬、恐らく一人でできるものではない。また、監視カメラもあって、恐らく見ていた人もいるだろう。そして、上司もそうやってかぎについて判断をしている。これだけいろいろな人がチェックする機会があったにもかかわらず全くわからなかったということについて、これはやはり矯正行政の大変大きな問題ではないかと思います。
 ところで、刑事局長、通告をしていたわけではありませんが、簡単な質問です。
 刑事訴訟法の二百三十九条「告発」という条項がございます。第一項は「何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。」「できる」というふうに書いてある。第二項「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」
 「官吏又は公吏」の中に、国家公務員、ひいては矯正職員は入りますよね。
    〔委員長退席、杉浦委員長代理着席〕
樋渡政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、入るものと思います。
山花委員 つまり、こういう条項があって、告発をしなければいけないというふうに義務になっているわけですけれども、全く出てこない。つまりは、個別の今回のホースの件を離れても、ほかにも九月事件、五月事件とあって、それについても告発だったという話は聞いたことがございません。いかに矯正局の内部で隠ぺいということが行われていて、恐らく、隠ぺいしていたんでしょうなんと言ったって答えられるわけないでしょうが、ただ、報道機関は皆、九月事件、五月事件のときには口裏合わせのためのチームがあってということを報じております。恐らくそのとおりなんだと思いますが。
 ところで、これは毎日新聞でしょうか、九月の事件で名古屋地検特捜部から任意で事情聴取を受けた刑務官一人が、隠し持ったICレコーダーで聴取内容を録音していたということを報じております。この記事ですが、伝聞で書いているものではありません。他紙は関係者の話でわかったという書き方をしておりますが、この点について、録音内容は同刑務所内のパソコンに保存され、特捜部はこのパソコンを押収して、別に押収しているかどうかをお答えをいただこうとは思いませんが、同刑務所は録音の事実は認めたがと、認めているようでありますね、刑務所が。ただ、刑務官が勝手に録音したもので上司が指示したことはないと話しているとありますが、内容のことを上司に話したかどうか、あるいは、上から指示があったかどうか、さらには、その後に、これを聞いて口裏合わせをしたかどうかということは、とりあえずはお聞きしませんが、地検から任意で事情聴取を受けた刑務官がそれをICレコーダーで録音していたという、これは事実ですね。
中井政府参考人 委員お尋ねの件につきましては、私どもの特別調査チームにおいて調査を行っております。
 これまでの調査結果でございますけれども、当時、名古屋地方検察庁で名古屋刑務所職員の一人が事情聴取を受けた際、録音機を携行し使用した疑いが濃厚と思われます。その職員の上司である幹部らが了承していた話なのかどうかといったことにつきましては、実は、関係書類が既に押収されております。したがいまして、私どもの事実確認はいささか困難なところもございますけれども、なお調査をいろいろと継続いたしまして、実情を解明して適正に対処したい、かように考えております。(発言する者あり)
山花委員 今、場内からも御指摘がございましたけれども、そのICレコーダーは一体個人のものなのか刑務所のものなのか。大変大きな違いだと思います。押収されているということで詰めませんが。
 ただ、矯正局長、もう一度御答弁。違う論点ですが、以前矯正局長は、情願制度は不服申し立て制度として十分機能していると思っております、こういう答弁をされておりますが、今でも同じ認識をお持ちでしょうか。
中井政府参考人 情願につきましては、かつてお答えいたしましたように、件数もふえておりますし、監獄法上の不服申し立て制度として一定の機能はしているとは思いますけれども、法務大臣に対する情願というものを考えますと、要は、外部社会との連絡に制約を加えられている在監者が、刑務所の措置に不服があるときに、法務大臣に対し改善や救済を求める制度である、こういうことでございます。
 このような観点から、私どものこれまでの処理のあり方、これを改めて見直してみますと、事実上大臣が情願書を全く見ることがなかった、これは非常に長い間の運用のあり方がございまして、それにつきましては、私は、制度の趣旨にそぐわないところがある、かように考えております。
 実は、この点につきましては、昨年来から、法務大臣から御指摘を受けておりました。内部的にも、どういう形で大臣にお上げするものをグルーピングするのかといったような作業をやっておりましたけれども、このたびの名古屋刑務所の一連の事件にかんがみまして、情願が被収容者の人権救済制度として十分に機能するよう努めなければならない、かような大臣の御判断がございまして、既に委員御案内だと思いますけれども、先週からは、法務省に進達された情願書はすべて、まず最初に大臣御自身に目を通していただくことになったところでございます。
 情願制度につきまして、非常に古い歴史のある制度でございまして、現在、矯正局だけでなく、法務省全体としてその改革に取り組んでいるところでございます。全件につき大臣が目を通されることとしたほか、昨日には、大臣の御指示がございまして、今後、情願すべてを矯正局が処理するのではなくて、処理の客観性や公平さ等を一層確保するため、大臣から御指示があった案件につきましては人権擁護局の方で調査して処理することとされたところでございます。
 今後とも、情願制度につきましては、被収容者の人権救済制度として十分に機能するよう、さらに努力を重ねてまいりたいと思っております。
    〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕
山花委員 今の御答弁で少し驚いたことがあるんですが、昨年大臣が指摘をしていた情願制度について、何でことしになって初めて見るんですか、今まで見たことないというのに。法務大臣、何でことしまで見なかったんですか、指摘を自分でしていたにもかかわらず。
森山国務大臣 情願という制度があるらしいということを、昨年のいつごろでしたか、秋ごろだったかと思いますが、それを承知するに至りまして、これは一体どういうものかということを聞きましたところ、在監者その他外との連絡が絶たれた人たちが大臣に直接訴えたいことがある場合に直接送る趣旨のものであるということがわかりまして、それならば私が直接見るのが本来ではないかということを申したのでございますが、先ほど局長の説明にもございましたように、明治四十年あたりの監獄法に設けられた制度でありまして、それ以来ずっと続いてきた制度でありますので、それについては、いろいろな今までの処理の仕方の慣行がございまして、では、検討いたしましょうということになったんですけれども、直ちに結論がすぐには出なかったわけでございます。
 なかなか結論が出ないものですから、それでは結論が最終的に出るまで私がとりあえず見ましょうということをことしになってから申したというわけでありまして、実際には二月の二十日からほとんど毎日見ております。
山花委員 少なくとも、しかし、私はあるらしいというのも問題だと思いますが、あるらしいと思ったときに、あれだけ事件が起きていたわけですから、その時点で見るべきだったと思うんです。
 ただ、今のお答えですと、従来からの慣行があってということですので、従来の慣行はどうなっていたんですか、中井局長。つまり、過日もややこの委員会でも紛糾しましたけれども、一たん局長が見て、大事なものは次官が見て、それでももっと大事なのは大臣に上げるということですけれども、どういう仕分けをしているんですか、そこは。
中井政府参考人 情願の決裁についてでございますけれども、法務大臣の訓令によりまして、特に重要なものは法務大臣、重要なものは事務次官が、それからまた、一般のものは矯正局長がそれぞれ決裁することとされているわけでございますけれども、これ以外の具体的な基準として、いわば訓令、通達レベルで定められているものはないわけでございます。
 それで、いわゆる次官が決裁する重要なものにつきましては、結局のところ、その個々の内容に照らしまして、矯正局長がこれは次官に上げるべき重要なものだなという形で判断するという仕組みになっておりますし、大臣が決裁される特に重要なものにつきましては、当然重要なもののさらに厳選されたものになるわけでございますので、そういう形で、仕組みはそうなっているわけです。
 ただ、問題は、先ほど来申しておりますように運用のあり方でございまして、そういう法務大臣訓令があるんですが、長い間見ますと、大臣決裁はもとよりでありますけれども、私の記憶では、少なくとも着任以来次官決裁に上げた記憶はございませんので、次官決裁についてもまずないという形が非常に長い間続いてきたという点がございます。
 これは、先ほど来申し上げておりますように、これは情願制度の趣旨にそぐわないものがあると私も感じておりますし、その件につきましては、昨年情願の全体についての御報告を大臣にいたしました際に、大臣も、やはりこれは全く上がってこないというのは制度の趣旨に反するのではないかという御指摘を受けて、私どもの方も、さはさりながら、三千件に上る、中には何を書いているかよくわからないようなものがあるのですが、それをすべて上げますと、ちょっとそれはまた矯正局長は何をしておるんだということになるので、果たして大臣にどのようなものを上げるべきかということで、今までの情願の中身を非常に吟味しまして、グループ分けして、こういうものは大臣に上げたらどうかということを、いろいろ内部的に検討作業をしてきたというのが実は実情でございます。
 その結果を受けて、最終的には法務大臣訓令の問題になるのですが、とりあえずまず動かしてみようかということで考えておったところに、先ほど申しましたように大臣の御判断がございまして、まずとりあえず全部、私が全件を見てみましょう、こういうことがございましたので、非常に御負担をおかけして申しわけないと思ったんですが、それはそのようにやって現在に至っている、こういうことでございます。
山花委員 ちょっと確認ですけれども、大臣が決裁するか次官が決裁するかということについて、特に重要だとか、重要だとか、言葉ではあるけれども、全然基準がない、今までなしで運用はやっていた、そういうことですか。お答えください。
中井政府参考人 訓令、通達レベルで、そのようなものに決められているものは、先ほど申し上げましたように、特に重要なもの、重要なもの、一般のもの、この三種の区別しかございません。
 ただ、イメージ的には、特に重要なものですから、常識的に言えば、例えば大きな法令改正が伴うものであるとか非常に大きな混乱が生じたとか、イメージ的にはございますけれども、それはあくまでイメージでございまして、訓令、通達という形で、重要なものとはこういうものをいうというような形の基準は定められておりません。
山花委員 ただ、そういうイメージで言われたにしても、大臣に上がることなんてほとんどあり得ないじゃないですか。つまり、法令改正が必要か、必要であれば確かに重要は重要なんでしょうけれども、およそホースを使って人を殺そうなんというのは法令改正の話じゃないですよ。違法なことをやっているときなんてほとんど大臣に上がらない。
 今回のこの情願の話も、もとはといえば、ホース事件だけではなくて、九月事件だとかあるいは五月事件のときにも話があったんだと思います。
 そこで、私、今回の件というのは、大臣も刑務所の刑務官の人権の啓発にということで御指示を出されたりとかいうことを言われていますけれども、今回のは人権の啓発とかなんとかいう話じゃないと思いますよ。恐らく情願の中にも相当いろいろなものがあって、今まで、例えば暴行を受けたとか、いろいろなケースもあったんだと思います。これについてすべて局長レベルで決裁がされていたということを問題にしたいと思いますし、また、そのほかにもいろいろ受刑者からメッセージが来たりすることがありますが、法務大臣、済みません、これは通告していませんでしたが、昨日、こういうものが来たものですから。
 一月の三十一日に法務大臣の自宅あてに発信をされ、二月一日の十二時四分ごろ到着をしているという上申書というのがあるはずなんですが、見た記憶はございますでしょうか。もしよろしかったら、ごらんになってください。
藤井委員長 ちょっと待ってください。理事、ちょっと来てください。――では、渡してください。
森山国務大臣 このような手紙は毎日何通かずつ参りますので、定かには覚えておりませんが、見たような記憶がございます。
山花委員 その中でも指摘をされているんですけれども、例えば、刑務所の中でかんかん踊りというのを御存じですか、大臣。
森山国務大臣 そこにそのような言葉が書いてありました。
山花委員 刑務所で、受刑された方には大変有名な話で、身体検査をするときに全裸にして、手を上げさせられたりとか、いわば性器であるとか肛門の中まで検査をするということが行われております。これはどこの刑務所でもやられています。こういうことを、つまりはこのことについてはアムネスティなどからも、警告というか改善の勧告が出ていると思いますが、こんなことを日常からやっているから今回のようなむちゃくちゃなことが起きたんじゃないかと思うんですけれども、この点について、かんかん踊りだけじゃないですが、ほかにもいろいろありますよ、ありますが、刑務所の、行刑の改善について必要であるという御認識をお持ちになっていらっしゃいますでしょうか。
森山国務大臣 行刑は、それこそ長い間日本の治安を守ってくるために大きな役目を果たしてきて、それなりの効果があり、功績があったと思いますけれども、今お話しのような例にあるように、今の普通の国民の感覚では理解するのが難しいような一種の習慣もあるようでございますので、それらも含めて全部見直さなければいけないということで、先般命じましてつくらせました行刑に関する検討調査委員会等で、それらも含め検討していく予定でございます。
山花委員 その他、革手錠の使用案件についても随分いろいろと出てくるんです。
 革手錠については法務委員会でも議論させていただきましたが、必要であるというのが矯正局の認識のようですが、きょう、警察庁を呼んでいるんですが、警察の方ではこんな革手錠みたいなものを使っていますか、どうですか。いかがでしょうか。
吉村政府参考人 結論的には、革手錠は使っておりません。
 警察の留置場に収容する被留置者に対しまして使用する戒具には、手錠と捕縄と、それから防声具、鎮静衣の四種類があります。手錠は、標準の、いわば金属製の手錠、それからベルト手錠というのがありますが、これは幅五センチぐらいでナイロン製の帯でありまして、左右の腰に手首を固定するための輪を取りつけておりますが、この輪の内側には、手首にけがなどが生じないように、フェルト製の生地を張っている、そのようなものはございます。
山花委員 結局、矯正局に聞くと、革手錠みたいなあんな堅固な、しかも絞め殺しちゃうようなことが起きるようなものを、それでも必要だということを言われるんですよ。でも、警察だって、同じように身柄を捕まえて勾留するときには、あんなむちゃくちゃなものを使っていないですよ。布製のもっとやわらかい、けがしないような。留置場にいるときに人が死んだなんて話は、少なくとも事件として聞いたことないですよ。つまり、検討する気がないんじゃないですか、そういうことについて。
 これは昨年も指摘をさせていただきましたけれども、いや、一定の局面では必要だと言うんです。恐らく、これは別に警察の方に他意があって言うわけじゃありません、失礼な言い方になったらおわび申し上げますが、留置場だといつ接見の弁護士がやってくるかわからないから、けがなんかさせたら大変なわけですよ。ところが、矯正施設、刑務所なんというのは、弁護士なんか来たって断られることもありますし、ましてや府中なんか、国会議員が行きたいと言ったって断るわけですよ。つまり、ひょっと行って見えるような状態にしていない、可視性が低いからこういう事件が起こるのだと思います。
 また、最後に、これは私はちょっと問題だと思うんですけれども、今回、きょうの質疑をするに当たりまして、情願についてどういうのが出ているのか、昨日の昼ですが、お見せいただきたいということで、資料請求、資料要求をいたしました。
 私は、別にこれも刑事告発をしようという話ではありません。今まで出ていた情願の中に、特に名古屋なんかは、十二年が十七件、十三年が十七件、大した数じゃないんですよ。これについて、例えば受刑者のプライバシーがどうこうという話であれば、その部分、墨塗りにするなり何なり出し方はあると思います。また、刑事訴追を目的としているわけじゃないということはもう念を押しておきますけれども、要するに、今回、もしかすると暴行などを訴えるような情願が本当に出ていたかもしれない。そして、今までのお話からもわかるように、矯正局ですべてチェックされていた、だれも見ていない、そして、大臣もごらんになっていない。これについて、我々に見せてくれなければ、その処分が適正であったかどうであったかという行政の処分が、議会ができないじゃないですか。法務大臣、いかがお考えでしょう。
森山国務大臣 そのようなことを私も考えまして、やはり私が最初に見るというのが一番大事だと考えまして、二月の二十日以降、毎日しているわけでございます。
山花委員 いえいえ、御答弁、ちょっと違うと思います。
 ごらんになるのは、それはそれとして評価はいたしますが、議会の方が資料要求をして出せないということに対して、昨日いろいろ矯正局の方と議論させていただき、だめだということですから、長たる大臣に出すように御指示いただけないですか。
森山国務大臣 この情願というものの趣旨から申しまして、ほかのだれに言っても困るので、ともかく法務大臣にこれを聞いてほしいということで書いてくださるものでありますので、その書いた人も、ほかの方がそれを見るということは予想していないわけでございますし、やはり個人のプライバシー、あるいはその本人がわかるようなものがほかに書いてあったりすると、それは非常に支障になるわけでございますので、そのようなことを十分考えて対処しなければならないと思いますが、しかし、先生の御趣旨もよく考えまして、国会の方から御要請がありました場合には、よく考えてみたいと思います。
山花委員 残りの時間は筒井委員にお譲りをいたしますが、改めて、委員長、この点については、院として、これは議会が行政をチェックしようという話ですから、恐らく与党の方も反対されるような話じゃないと思いますが、ぜひこれは検討いただくよう要請をいたします。
藤井委員長 理事会において協議いたします。
山花委員 終わります。
藤井委員長 これにて山花君の質疑は終了いたしました。
 次に、中塚一宏君。
中塚委員 日本銀行の総裁の次の人事が決まりましたが、関連して幾つか伺いたいというふうに思います。
 まず人事、総裁ですけれども、金融政策に忠実な方がおなりになられた。また副総裁には、余り金融政策がおわかりになっていないと言われている元財務次官がおなりになっている。もう一人の副総裁は、デフレ克服あるいは円安政策重視というふうなことをおやりになるだろうと言われる方がおなりになるというふうに言われておりますけれども、またその一方で、日本銀行と財務省のいわゆるたすきがけ人事の復活じゃないかというふうな指摘もあるわけで、言ってみればアンシャンレジーム、そういうふうな指摘もありますが、財務大臣はいかがお考えですか。
塩川国務大臣 日銀人事につきまして、財務省と日銀との間でたすきがけ人事をやる、そういう考え方は毛頭ございません。
中塚委員 安定した人選というふうにおっしゃっているけれども、政策の面では三つ、向いているベクトルがみんな全然違う方になってしまっているというふうに思います。
 竹中金融担当大臣・経済財政担当大臣に伺いますけれども、この次期総裁内定、福井さんは、かつてインタビュー等に答えまして、量的緩和によって新たな世界が手品のように開けるというのは幻想だ、そういうふうなお答えをされていますが、これについてはいかがお考えかということと、あと、また新総裁に対しまして、今までと同じような政策スタンスをおとりになるのかどうかということについて。
竹中国務大臣 日銀総裁の人事は、言うまでもないことでありますが、総理が人選をされて国会で同意をされるということでありますので、人選そのものに対して私はコメントする立場にございません。
 あえて個人的な意見ということで、今福井さんのお名前を挙げられましたが、福井さん御自身は大変見識のあるお方であるというふうに、以前から存じ上げる中で、いろいろ議論する中で私は思っております。
 今引用された御趣旨の、量的緩和が何かマジックのようなものをもたらすものではないという趣旨のことだったと思いますが、それはそのとおりだと思います。量的な緩和、マネーサプライをふやすことは必要だというふうに私は思いますが、それが何かマジックのように今の困難な問題を解決していくということでは決してない。だからこそ、政府は政府として四本柱の構造改革をしっかりと進める。しかし、やはりマネーサプライがふえるというような状況をつくるということは、一方で、貨幣面では必要でありますので、そういった形での政策がとられるということを我々としては御期待をするわけでございます。
中塚委員 次に、財務大臣にお伺いをいたしますが、同様に福井さんは、増税で財政再建した国はない、思い切った歳出削減が必要だというふうな御意見をお述べになっているわけなんですけれども、これについてはいかがですか。
塩川国務大臣 当然、我々もできるだけ積極的な経済財政運営をすべきだと思っておりますし、特に予算上におきまして、むだを排してスリム化して、しかも有効なところに重点配分するということは、これはやはり予算上大胆にやっていかざるを得ない。このことが、言われるところの構造改革に直結することだと思っており、努力をしていきたいと思っております。
 金融だけに頼って日本の経済を運営するという考え方は実はございません。
中塚委員 ついでに、自民党の皆さんにもお伝えをしておくと、福井さんは、政治の安定性を理由に自民党を選んできた経済界にも問題があるというふうなコメントもおっしゃっております。
 いずれにいたしましても、今、この新人事について同意前に参考人質疑をして、御本人等の考えをただしたいというふうなことを野党の方で考えております。ぜひ政府側としても、政府が国会に同意を求めていくわけでありますから、その方向で御尽力をいただきたいというふうに思います。
 次に、自賠責特会等、いわゆる隠れ借金ということについて伺いたいというふうに思います。
 きょうは国土交通大臣にもお越しをいただいておりますが、自賠責特会の借入金ですけれども、これは、十一年末に大蔵大臣と当時運輸大臣の覚書によって、十六年までかけて返す、十六年までに返す、そういうふうな合意がなされているわけなんです。単純に分割払いをして返していけばよかったはずなんですが、これは三十兆円の国債発行枠の弊害だというふうに私は思いますけれども、今年度予算でも返っていないし、来年度予算でも返っていないということになると、来々年度予算ですが、一括で六千億ぐらい、これを返さなきゃいかぬということになるわけです。
 国土交通大臣にお伺いをいたしますけれども、そもそも自賠責特会、再保険の特会ですから、お金があるときもあるしないときもある、それはいろいろな状況に応じてそうなっていくんでしょうけれども、余っていれば保険料を下げるとか、そういうふうなやり方だって本来はあるはずなわけですね。ところが、それが財政の帳じり合わせのために隠れ借金に使われている。しかも、そういう隠れ借金自体は大蔵省自体がもうやらないというふうなことを、わざわざ今年度予算ではやっているわけですね。そういったことについての御所見と、この返済ということについてお考えはいかがですか。
扇国務大臣 今たまたま中塚議員からお話がございましたけれども、これは御存じのとおり、平成六年から平成七年でございましたけれども、合計で一兆一千二百億円というものが繰り入れられたというのはもう中塚議員御存じのとおりでございます。一般会計から合計で、これまでに約六千三百億円、これを繰り戻されております。
 けれども、国土交通省としましても、一般会計への繰入金部分が、あるいはひき逃げでありますとか、今議員がおっしゃいましたように皆さん方の、無担保車、そういうものが事故を起こしたときに、どうしてもこれで事故の被害者の救済をしたいということで積み立てているものですから、そしてまた交通遺児への支援等々もこれでいたしておりますので、御存じのとおり覚書が、平成十一年十二月十七日ですけれども、原則として十六年度までの間に繰り戻すということを大臣間の覚書、しておりますので、私は、原則としては、十三年度から御存じのとおり十六年度までの間に分割してという、中塚議員のおっしゃったとおりでございますけれども、今の財政事情の中で、一般会計の財政事情あるいは自賠責特会の収支状況等々に照らしまして、財務省及び国土交通省としましても、協議の上決定するということで、十六年までございますので、これは確実に覚書どおり実行していただくということで、今の財政事情、また被害者の皆さん方に御迷惑をかけない程度で今運営してきているというのが現状でございますので、その覚書どおりに十六年度を目指して返済していただきたいと思っています。
中塚委員 では、次に財務大臣に伺いますが、財政規律ということを総理も財務大臣もたびたび言われるわけでありますし、また、こういう隠れ借金をやりくりするようなやり方というのは、現実問題、将来への財政負担ということにもなるわけですね。昔の高い金利で借りたものであれば、早目に返して今の安い金利で固定した方が将来的には得なわけだし、本来であれば、ちゃんと分割払いで返しておくべきだったわけなんです。
 そういう意味で、今度、十六年で約束の期限が来るわけですけれども、これはちゃんと返さないと、財政構造改革ということじゃなくて、やはり旧態依然という話になってしまうわけなんですが、いかがでしょう。
谷口副大臣 今、扇大臣がおっしゃったとおりでございまして、この大臣間の覚書を踏まえまして行われたわけでございます。
 十五年度予算におきましては、この繰り戻しは行わなかったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、十六年度までということでございますので、大臣間覚書を踏まえまして、今後の予算編成の過程で検討してまいりたいというように思っております。
中塚委員 いや、財務大臣、検討するとかじゃなくて、覚書が十六年度ということになっているわけですね。これは返すとおっしゃらなければいけないんじゃないですか。大臣、いかがですか。
塩川国務大臣 返しますが、しかしながら、それの後の処理についてはまた協議があるではないかと思っておりまして、返すことは返しますけれども、またその後、協議をするということはあり得る、こう思っていただいたら結構やと思います。
中塚委員 何だか全然よくわからないんですが、お返しになるということはおっしゃいましたね。またお借りになるということなんですか。
 そうじゃなくて、私が申し上げているのは、隠れ借金をやめるということは、それは財務省の方針でもあるわけですね。財政規律を高めて透明度を高めるというのは、それは民主政治という観点からも大変に必要なことだし、わかりやすい政治をやはりやっていかなきゃいけないわけであって、十六年度に返すということでよろしいわけですね。
塩川国務大臣 覚書は実行いたします。
中塚委員 では、その覚書を実行されるという前提で、今、内閣府の中期展望等もすべてつくってあるという理解でよろしいわけですか。
塩川国務大臣 そのように心得ていただいて結構です。
中塚委員 では、その中期展望の関係で、次に総務大臣に、三位一体、地方財政の件について伺いたいというふうに思います。
 前回伺ったときに、義務教育の国庫負担金の一部を一般財源化するというふうなお話がありました。あともう一つは、自動車譲与税ですか、これを地方の方に移管するというふうな話がありましたけれども、そもそも、目的が決まっているものを、譲与の割合を変えたところで、それが本当に税源移譲と言えるのかどうかという問題点がまずこれについてはありますね。
 もう一つですけれども、義務教育の話はこの間もしましたが、国がやらなきゃいけないというものの財源の手当てを一般財源化するというふうなことも、これも税源移譲というふうには言えないんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
片山国務大臣 二つの御質問ですね。
 一つは、自動車重量税、地方の方は譲与税ですけれども、これを、今までは四分の一ですね、地方の配分を、それを三分の一にした。これが税源移譲かということですが、譲与税という制度は、国と地方両方に係るものについて、徴税の便宜から国に取ってもらう、こういう制度なんですよ。だから譲与税なんですね。だから、それの比率が変わって地方の取り分が多くなるということは、これは税源移譲なんですよ。譲与税というのはそういう制度なんですよ。
 国がまとめて地方分も合わせて取って、取ったものを、一定の外形標準で、それこそ道路の延長と面積で地方に配分するのでございまして、補助金では全くない。交付税とはもちろん違うわけでございまして、我々はそういうふうに理解しておりますから、一つの税金を両方で分けている、分け前が変わる、地方がふえるということは、これは税源移譲だ、こういうふうに思っております。特に、道路特定財源は、地方の方が道路投資に比べると特定財源比率が低いものですから、前から我々は、ふやしてくれ、こう申しておったわけでありますが、今回、いろいろな事情でこういうことになって、これは税源移譲だと思っております。
 それから、義務教育国庫負担金の方は、これは直ちに税源移譲じゃありません。私は、義務教育は国が責任を持つ、結構だと思いますよ。根幹の制度を決める、一定の水準を国がきちっとチェックする。結構ですけれども、それだからといって、半分必ず国が持たなきゃいかぬ、負担金として、あるいは半分でなきゃいかぬという理屈はないので。
 昔は、義務教育国庫負担金というのは地方交付税だったんですよ、昭和二十年代や地方財政平衡交付金時代は。しかし、それもいろいろな事情があって今の国庫負担金に変わったわけでありまして、制度そのものは国でやってもらう、しかし地方の自主性はある程度認めてもらう。その場合に、二分の一である必要があるかどうか、全部負担金でなきゃいかぬかどうか、この辺は私は議論があるところでございます。
 ただ、その財源手当ては、御承知のように、半分を地方特例交付金と、半分を地方交付税にしました。ある程度、我々は、何兆円オーダーでそういうことが行われた場合には、税制改正、税源移譲につなげてもらう、こういうことでございますが、今回の措置は税源移譲までのつなぎの措置だ、こういうふうに思っておりまして、こっちの方は税源移譲そのものではありません。
中塚委員 二つとも予想したとおりの答えというか、もちろんそれは税源移譲ではありませんね、義務教育の国庫負担金の方はそれに向けてということでしょうけれども。
 ただ、もう一つの譲与税の方は、これは国と地方の役割分担とかそういったことは全然見直していないわけですね。だって、それは、集めるところがどう変わるかだけという話は、それが三位一体の改革の芽出しということにはなっていかないと私は思いますよ。ふんふんというふうにうなずいていらっしゃいますけれども、それじゃ話にならないわけで。
 もう一つは、この三位一体改革との関連で前回も伺いましたが、あのときには財務大臣にはお聞きできなかったのでお伺いをしたいんですけれども、プライマリーバランスの回復のことですね。
 このプライマリーバランスが二〇一〇年代の初頭には回復をするというふうなお話をされていて、国の方はまだ赤字なんですね、地方が黒字になるという前提で組まれているわけです、内閣府の展望ですけれども。こういう中で税源を移していくということになると、猛烈な歳出削減をするか、あるいは増税をしなければ、税源の移譲なんというのはできないんじゃないかというふうに思いますけれども、まず片山大臣から、そのことについてお伺いをしたいと思います。
片山国務大臣 お話しのように、プライマリーバランスの数字は国の方が悪いんです、地方の方がいいんですよ。それはどうしてか。一つは、地方債の方は二十年で返すんですよ。国の方は借りかえて六十年なんですね。それが一つある。
 それからもう一つは、地方のいろいろな行政の中身は、国が法令や補助金、負担金で義務づけているんですよ。義務づけているものだから、その分の財源手当てをしているんですよ。それが国の場合と違うんです。国は自分で制度がつくれますからね。
 そういう意味では、プライマリーバランスが地方の方が確かにいいんですけれども、しかし、中身は、これは三千三百の地方団体全部の財政ですから、中身は相当地方も悪いので、私は、そういう意味では、プライマリーバランスの数字だけでの議論では、やはり必ずしも実態に合わないといいますか、正確でない、こういうふうに思っております。
中塚委員 いや、そういうことじゃなくて、増税なしには税源移譲はできないんじゃないでしょうかということなんですが。
片山国務大臣 そういう御議論もありますけれども、今私どもが言っている税源移譲は、国と地方の関係では中立なんですよ。国税で取ったものを、十二兆七千億、国の補助金、負担金として地方に交付しているんですよ。それを、例えば私の案だと、国と地方を五対五にするために、そのうちの五兆五千億をやめてくださいと。取ったものを補助金で出すんですから、国に残っているわけじゃないんだから、それをそのまま地方税に与えれば、手間も省けるし、国、地方を通じる行政改革にもなるし、だから国と地方の関係では中立なんです。だから、必ずしも税源移譲といって増税でなきゃいかぬということはありません。
中塚委員 ということは、片山大臣がおっしゃったのは、要は国、地方を通じてネットで増税ではないということですね。今の税の税収を、要は切り分け方を変えるんだということをおっしゃった、そういう理解をいたします。
 しかし、今度は財務大臣に伺いたいんですけれども、今の片山大臣の答弁を踏まえてということでお答えをいただきたいわけですが、例えば、地方の借金といったって、半分は交付税で元利の面倒を見ているわけで、そういう意味では、地方の借金といったって、ほとんど国の借金みたいなものですよね。そういった関係がある中で、今、片山大臣がおっしゃったように、国と地方の税収は変わらない、ネットで増税をしない中で、国から地方に税源移譲というのはできるんですか。それで国の借金というのは返していけるんですか。
塩川国務大臣 ですから、ここで三位一体論が出てくるわけでございまして、補助金、負担金の関係、それからもう一つは地方交付税の関係、こういうようなものを一体にしなきゃならぬということでありますが、同時に、根本的な問題、中塚さんは財政問題ばかりを議論しておられますが、一体行政の責任の分担をどうするのかという根本がありますよ。
 これは、実は地方分権推進委員会の方で決められた、機関委任事務、あれを法定委任事務に切りかえられましたけれども、あの場合、六十項目か何かですか、私、はっきりした数字を覚えておりませんけれども、それが解消されたけれども、大部分、三百何項目というものが委任事務として残っておるんじゃないでしょうか。こういうようなものも一度はっきり見直していかなければ、私はやはり税源の問題が出てこないと思うんです。その問題とあわせて議論してもらわないと、ただ財政の数字だけ合わすということだったら、これはなかなか無理な、お互いに矛盾が起こってくる問題でございますので、そういうようなものを一体としての処理をするということにしてもらいたい。
中塚委員 数字だけが羅列をしている中期展望をもとにお話をしているわけですから、それはまずやはり数字だけの議論になるわけですね。もちろん行政の中身を見直すのは、それは当たり前の話であって、それは当然のことなんですが、私がお伺いをしたのは、三位一体ということを仰々しくおっしゃっているわけですね。それをやっていくという中にあって、ネットで増税をしなくても国から地方へと税源移譲はできるんですか、そういうふうな問いかけなわけです。そして、国から地方に税源を移譲すれば、今の国の借金というのは、今の税収で前提でしているわけですよね。では、税源を渡すのであれば借金も一緒に地方に渡すとか、そういう議論が出たって本当はおかしくないわけですよ。
 そもそも、できもしないことを大層に言いまくって、そしてやはり最後はそれ以前の結果よりも悪くなってしまっているというふうなことが余りにも多過ぎるものだから、だから私はあえてこういう話についてお伺いをいたしているわけです。
 時間がだんだん迫ってきましたので、次に公的年金の話を伺いたいというふうに思いますが、坂口大臣、きのう朝の記者会見で、国庫負担率の引き上げについて、大胆な税制改革というふうなことをおっしゃった、それをすれば財源が出るというふうなことをおっしゃったようなんですけれども、一体それはどういうことを念頭に置いていらっしゃるのか。
 増税をしないというのは小泉内閣の基本方針、特に消費税は上げないという、消費税だけは個別の税目を挙げておっしゃっているわけだけれども、増税はしないということを言っているわけですね。そういう中で、どこをどういうふうに、どう税制改革をすれば二兆七千億の財源が出てくるのか。いかがですか。
坂口国務大臣 私が昨日申しましたのは、具体的にどの税制をどうするということを言っているわけではございませんで、税制改革の中で三分の一から二分の一への財源はつくり出していただく以外に方法がないということを申し上げたわけであります。したがって、そこは、わずかぐらいの税制改革ではなかなか出てまいりませんから、そこは大胆にやっていただく以外にない、こういうふうに私は申し上げたところでございます。
中塚委員 今の答弁について、財務大臣はいかがですか。大胆な税制改革によって二兆七千億円の財源というのは出てくるんですか。
塩川国務大臣 どういう表現でされたか、私はその記者会見の場に立ち会っておりませんが、しかし、いずれにしても、年金の国庫負担というものを三分の一から二分の一にするときには、確実な財源を確保してということがあの法案の中にうたってあるのでございますから、このことはやはりきちっとセットで解決しなきゃならぬだろうと思っております。
中塚委員 法案の中にうたってあるのは十分承知をいたしておりますが、その法案の中でうたってあるにもかかわらず、増税はしない、消費税は上げない。それも、景気がよくなるまで上げないとかいうのならわかるけれども、自分の在任中は上げないみたいな、そんないいかげんな話のオンパレードの中にあって、担当の厚生労働大臣が大胆な税制改革をすれば財源が出てくるというふうなお話をされるから、お伺いをいたしているわけです。いかがですか。
塩川国務大臣 それは禅問答みたいな話になってまいりますけれども、要するに総理の言っておるのは、まず税を上げるという前に、財政全体の中身を見直して財源を生み出す努力をしろ、そういうことが先決であるぞということを表現で言っておるのでございまして、それと同時に、年金の問題について、これから、ただ単に三分の一を二分の一に上げるというだけじゃなくして、年金そのもののあり方をどう変えるかということと結びついたことになってくる。
 ただ、二分の一にする場合の確実な財源を確保するということでございますから、もちろんそれは確実な財源を確保するんですが、その際に、やはり年金のあり方全体の問題にも関係してくることでございますので、ただ単に消費税の文言だけを取り上げて年金の矛盾をおっしゃるまでに、やはり私は年金そのものの中の財源ということで考えてもらいたい、こう思います。
中塚委員 そのもののあり方ということをおっしゃいましたが、さっきの国と地方の関係でも、行政の中身というふうな割には行政の中身は見直されていない、それで税の配分を変えるだけだというふうなことだったわけですね。この年金についても、これもまた同じで、そのもののあり方というふうにおっしゃるけれども、結局は、そのもののあり方というのは、三方一両損の前例のとおりに、今度は給付水準を削減するというふうなことにしかならざるを得ないんじゃないですか。小泉内閣全体としての発言を踏まえて私はお伺いをしているわけです。
 次に、公的年金の物価スライドの適用について伺いますけれども、一九九六年に消費者物価が〇・一%下落したわけですが、年金額は据え置かれた。これまで三年間も特例で年金額というのは据え置かれてきているわけなんですけれども、来年度の予算案から物価スライドを復活させて年金額を引き下げるということになっておりますが、今まで三年間適用しなかったものを来年度から適用するというのはなぜなんでしょう、坂口厚生労働大臣。
坂口国務大臣 三年間実は据え置きをさせていただきました。そのときにはなぜ据え置くのかと非常におしかりを受けたわけでございますが、三年間据え置きまして、それで一・七%、そしてことしで〇・九がございまして二・六でございますか、全体としてなるわけでございますが、今まで三年間のときには、いわゆる保険料を出していただくこの保険者の賃金が下がるというところまでは至っていなかったわけですね。平成十三年の後半から賃金の低下が起こってまいりました。
 したがいまして、保険料を支払っていただく皆さん方の賃金が下がってくるということとあわせて検討すれば、年金を受けていただいている皆さん方もやはりそれなりの御負担をしなければならないということで踏み切ったところでございます。
    〔委員長退席、宮本委員長代理着席〕
中塚委員 今、自民党の委員から、お金がないからだという非常にわかりやすい答えが出ましたが、ただ、そのお金がないからだということになれば、ではお金がなくなるような経済運営はだれがしたのかということにもなるわけだし、そしてまた、年金基金の運用で何兆円も穴をあけておいて、そして今までずっとやってこなかった、もう急に適用するという、そういうふうな責任があるということも申し上げて、終わります。
宮本委員長代理 これにて中塚君の質疑は終了いたしました。
 次に、春名直章君。
春名委員 日本共産党の春名直章でございます。
 藤田元秘書が、八戸スカイビルのオーナーから六百万円を受け取っていたことが明らかになりました。先ほども議論がありましたが、大島農水大臣に伺いたいと思います。
 あなたは、藤田秘書本人がそのまま一年半預かっていた、秘書個人のところにとどまっていたというふうにおっしゃっておられます。藤田秘書は、六百万円という大金を一年半も一体どこに保管をしていたのか、お答えください。
大島国務大臣 平成十三年の暮れに地元でそういううわさがあり、我がスタッフが確認して、そういう、預かっていたというお話でございましたので、私はそのことを彼に確かめまして、預かっておりましたと。一年半も預かっていたということでございますので、私的流用もしたのか、こう厳しく、本当に大きい声で申し上げましたら、そのことに、率直に言って、はいともいいえとも言いませんでした。さらに、それはすぐ返しなさい、こう言いまして、それもそのままに彼はすぐに持ってきたわけではございません。
 したがって、そういうことからすると、私は私的流用を確信はいたしております。彼の家のたんすのどこに入れたとか、あるいはどのようにしたかということは私はわかりません。
春名委員 現金であるのか、預金にしていたのか、どんな形で保管していたのか。六百万円ですからね。そして、どこに実際保管していたのか。当然、流用するということは、彼が横領罪になるわけですからね。どうして、どこにこの一年半保管していたのか、明確にするなんというのは当たり前のことでしょう。明確にしてください。
大島国務大臣 まあ、春名委員からそういう御質問がある意味ではあるかもしれませんが、私に青森のときから仕えてきた者で、信用して使って、秘書としてやってまいりました。そうして、平成十二年の選挙のときに、後でわかったことですが、そのオーナーから預かり、そして平成十三年の暮れにわかったということをもって……(春名委員「どこに置いたか聞いたんですか」と呼ぶ)そして、そのことを、返しなさい、即刻に返すべきだ、はい、わかりましたということで、私は、どこに置いたとか、通帳に入れたとか、そういうことまでは私は聞きませんでした。
春名委員 おかしいですね。事務所の中にそのいただいたお金は置いたこともないと、あなた、断言しているんですよ、二月の二十日のときに。どこに置いたかは聞いていないけれども、事務所の中にいただいたお金は置いたことはないとは断言している。どうしてですか。聞いていないのであれば、どうしてそれがわかるんですか。
大島国務大臣 事務所の中というのは狭いところでございますし、本当に、例えば、その当時、私の会館は三人から四人いました。また、彼自身は、私が預かっていましたと言うのでありますから、事務所になかったのは、だれも知らないわけでございますので、事実だと私はそのように確信をいたしておりますし、またそのとおりであります。
 したがって、本人がそのことをどのように持っていたかというよりは、その志を持ってこられた方の意図とは違う形で預かっていたわけでございますので、したがって、返すということがまず一番大事なことだと思い、そのことを彼に厳しく言って、そして彼も返しますということですから、私としてはそれ以上のことは聞きませんでした。
春名委員 全然つじつまが合わないんですね。
 あなた、流用を、流用したということを断定しているわけでしょう、あなたが判断で。その根拠になる一番大事な、最初の出発点じゃないですか。一年半、どこに保管をしていたのか。
 では、次、聞きますよ。
 流用したといってあなたは断定しているわけだけれども、どれだけ流用したのか、何に使ったのか、ちゃんと聞いたんでしょうね、藤田が泣くほど詰めたとあなたは言っているわけだから。
大島国務大臣 そういうことも聞きましたが、彼は、ただただ、済みませんと。そういうことで、答えはありませんでした。
 春名委員と私は人間に対する応対は違うかもしれませんが、私自身としては、まずお返しをするということが大事だと思い、彼に対して、そのことだけはきちっとしなさいということは厳しく申し上げたわけでございます。
 したがって、彼が答えない以上、なかなかそこはそれ以上聞くことはできませんが、ただ、二つの点で、私は、彼は一部流用したと確信すると申し上げたのは、それじゃすぐにそのお金を返しなさいといってもそこには若干の時間があったということ、そして、一部流用したんだろうということに対して彼はそれも否定しなかったこと、そういうことから今のような答弁をしているわけでございます。
春名委員 全く納得がいかないわけですがね。
 ノーと言いませんでしたということによって流用というふうにあなたは断定したというふうにおっしゃるわけだが、藤田元秘書は、私が流用しましたということを言っていないんですか、言っているんですか。
大島国務大臣 先ほど申し上げましたように、そのときはもうおろおろしまして、そして、ただただ、済みませんと。流用したのではないかということに対して、そんなことはしていませんという言葉もございません。
 そして、彼は私の遠縁でございます。青森時代から私の運転手をしたりして、東京に連れてきたことを考え、そういうことも考えますと、ともかくその預かったお金を返すことが君のまず第一の責務だし、そして、そういうことをしかとしなさい、すぐやりなさいといっても、そこは、もし彼がそこをたんすに入れたりなんかしておるとすればすぐに持ってこれたかもしれませんが、若干の時間があったということを考えて、私は流用したものというふうに確信をいたしております。
春名委員 あなたが流用と決めつけた根拠をきちっとみんなに明らかにしてくれということを言っているわけです。
 流用しましたというふうに御本人が本当に言われたのか、言われていないのか。流用しているのであれば、幾ら流用したのか。そんなことは基本中の基本であって、泣くほど詰めていると言って、何を詰めているんですか、あなたは。何を聞いたんですか。そこをきちっと答えてください、わかるように。
大島国務大臣 委員と秘書の関係というのはどういうものかわかりませんが、私は、やった行為そのものに対しては厳しく、そういうふうな形で、本人の意思もあったのでありますが、やめなさい、こう申し上げました。したがって、どういうところに使ったのかということに対しても彼は答えることができない状況でした。だとすれば、これは当然に、一年半も彼自身が預かっていたということをみずから言い、そして、私も事務所もだれも知らないということをすれば、そういうことから、当然に一部流用しておったもの、このように私は確信いたしております。(春名委員「本人が言ったのかどうか、言ってください」と呼ぶ)先ほどお答えしたとおりであります。
    〔宮本委員長代理退席、委員長着席〕
春名委員 本人が言っていないのかどうか、言ったというふうに言わないわけですけれども、二月の二十七日付の週刊文春によりますと、この藤田元秘書は、懐に入れたことはありません、お金はきちんと渡しています、お金は宮内さんに渡しています。使い込み発覚でやめさせられたのではという問いに、秘書という稼業は向かないので、半年くらいからやめさせてほしいとお願いしていました、一月末になったのは就職先が決まったためです、その就職口も代議士が紹介してくれたんです、首と言われて、他の職業は探してくれません。使い込みの調査を受けたかの問いには、ありません。御本人は流用していないと言っているわけですね。
 農水大臣の答弁と、今の弁明と、この藤田さんの意見は、言っていること全く違うわけですね。どっちが本当なんですか。
大島国務大臣 私の言っていることの方が正しいと思います。
春名委員 はっきり言いまして、全く疑惑晴れません。六百万円という大金を一年半にわたって、あなたの選挙資金だからといって受け取って、しかし、一年半保管していたけれども、保管場所もわからない、幾ら使ったかも聞かない。あうんの呼吸かどうか知りませんけれども、そういう形で、流用したということも本人は言っていない。しかも、雑誌のインタビューに対しては、流用しておりませんと言っている。もう全然話が違うじゃないですか。
 これ以上、もう話はあれしますけれども、ますます疑惑は深まるばかりですから、藤田さん、宮内さんの両秘書、スカイビルのオーナーの参考人招致をやらないと、全く事態はわかりません。必ずこの参考人招致はやっていただきたい。委員長、お願いしたいと思います。
藤井委員長 既に、今の挙げられた参考人については理事会で協議中でございます。
春名委員 大島大臣、結構です。
 続いて、総務大臣に、強制合併と市町村切り捨て、小規模市町村の問題についてお聞きしたいと思います。
 昨日、町村自治確立総決起大会が開催されました。全国から町村長、町村議長が総結集して、合併の強制や、人口が一定規模に満たない町村の権限を制限、縮小したり、他の自治体へ編入することは絶対行わないことという決議を上げました。総務大臣も来賓でごあいさつをされて、私も参加をしておりました。
 もう西尾私案についてはるる申し上げることはありませんが、一万人という規模は書いていませんが、自民党の地方自治に関する検討プロジェクトチームの案の中には一万人という明記がされていて、両方をあわせて読みますと、一万人以下の自治体は、ある程度強制的に合併やった後、残ったあとは、事務配分特例方式かあるいは内部団体移管方式という形で、地方自治体でなくしてしまう、あるいは権限を大幅に取り上げる、こういう方向が明記されているわけですね。これはもう御存じのとおりであります。
 そこで、私は、まず聞きたいのは、小規模市町村の果たしてきた役割、現在果たしている役割について、総務大臣がどう認識されているかということについてなんですね、一言で結構ですから。私自身も高知の田舎でもありますので実感しているわけですが、住民の生活や安全や命を守ってきたのは当然なんですけれども、国土の保全だとか環境の保全だとか、食料や人材の供給とか、非常にかけがえのない役割を私は果たしてきたと思いますし、今も果たしていると思うんです。これは大臣も同じ見解かと思いますが、いかがでしょうか。
片山国務大臣 私も、小規模な市町村も一定の役割を果たしてきたと思いますが、過疎化、高齢化の中で、だんだんその果たす役割が縮小している現状にあります。
 市町村というのは、私は何度も言っているんですが、きのうも申し上げましたが、仕事をするためにあるので、役場があればいいとか、首長さんがおって議会があればいいというものではないんですね。やはり、住民の福祉の増進をしたり、地域の活性化にちゃんと役割を果たすということが必要なので、それだけの私は規模、能力は持ってもらいたい、こう思っております。
春名委員 役割が今果たせていないかのような発言をされるのは、それは心外でありますし、訂正していただきたいと思いますが、あなたは、西尾案をたたき台の一つだと言って、否定しておりませんね。たたき台の一つだと言われている。そこで、私は一つの作業をしてみました。かけがえのない役割を担っている小規模市町村あるいは農山村がどんな実態になっているかということについて調べてみました。
 これが、ちょっと見えやすいようにと思いまして、赤い地図でありますけれども、私も四国の出身なものですから、西尾私案とか自民党が自治体でなくそうとしている一万人以下の自治体は、全国で千五百四十六あるんですね。大きいですよね。自治体数の四八%、それに上るわけですが、四国で見ますと、一万人以下がどういうところにあるかというのがこの図なんです。赤く塗った部分が人口一万人以下の自治体で、二百十六自治体のうち百二十五自治体、五八%を占めているということになっているわけです。
 もう一枚の図を見ていただきたいんですが、これはなかなかややこしいもので済みません。この二枚目の図ですが、これは同じ四国の自治体が一九六五年、人口がわかる最古といいますか、統計なんですが、一九六五年から二〇〇二年までの三十七年間にどれほど人口が減少してきたかというのを調べたものなんですね。
 それで、減少率五〇%以上を赤にしているわけです。それから、四〇%以上がダイダイ、三〇%以上が黄緑、それ以下は何も塗っておりません。
 赤の五〇%以上が三十五自治体ありまして、全自治体数の一六%。それから、ダイダイの四〇%から五〇%未満が二十四自治体ありまして一一%。それから、黄緑の三〇%以上四〇%未満が二十八自治体ありまして一三%。つまり、三割以上人口が減少している、そういう率が、その自治体が、合計八十六にも上っておりまして、四国の全自治体数の四割を占めるということになっています。
 これは、比べてもらえばわかるように、大体共通している特徴がありまして、一つは、人口規模現在一万人以下の自治体が四国の中央部、山間部、そのほとんど、島嶼部、半島などの多数を占めていて、面積も半分近く占めているということですね。これはおわかりいただけると思うんです、下で。
 二つ目は、一万人以下の自治体ほど、人口減少率が他の自治体と比べて高いことがはっきりわかるわけですね。人口減少率三〇%以上の自治体が全部で八十六ありますけれども、そのうち、八十二自治体、実に九五%が人口一万人以下の自治体になっているんですね。そして、一万人以下の百二十五自治体のうち六六%、八十二自治体が減少率三〇%以上の自治体ということになっている。つまり、一万人以下の自治体と人口減少が高い自治体というのが完全にリンクしているということですね。
 三つ目は、とりわけ五〇%以上大幅に減少している自治体が、すべて現在人口一万人以下であって、山間部、島嶼部に位置して、面積は広大である。見ておわかりのとおりだと思います。
 そこで、こういう現実があるわけです。こういう現実、先ほど、小規模市町村、農山村が大きな役割を果たしてきたし、今も果たしておるとおっしゃいましたけれども、こういう困難な自治体の中で、特に人口一万人未満の農山村など、困難な中でも、非常に歯を食いしばって大きな役割を発揮してきたというのが、この図からもわかるわけですよね。
 そうしますと、今自治体の皆さんが言っているのは、一万人以下の自治体をもし解消したり、合併してとにかく広範囲にしてしまうということになれば、身近な自治体がなくなって、歯を食いしばって努力をしてきたこの中身が、坂道から、後ろから押されてしまうようなことになる、そんなことになったら大変なことになる、そういう現実感があるわけですね。だから、小規模市町村を強制的に切り捨てるということは絶対やってはならないということが今大問題になっているわけです。
 こういう図も見ていただいて、どうですか。
片山国務大臣 だから、市町村を強く大きく元気にして、地域の活性化や、第一次産業、農林のいろいろな仕事を思い切ってやってもらって、呼び戻さにゃいかぬのですよ、人口減るのを。委員の議論では、小さいほどいいということになっちゃう。
 だから、しっかりした自治体をつくって、そこの現状に合った仕事をしっかりやってもらう。だから、市町村の規模を大きくして、力をつけて、そこに税源移譲をし、権限移譲をし、そこでいろいろなことをやってもらう、地域に合ったことをその場で決定して。そうすれば、地域がよみがえってくるんですよ。そのための基盤強化が合併なんですよ。
春名委員 現実と歴史を見ない空論を言っておられる。昭和の大合併で地域が廃れていった事実を多くの国民がこの目で見て、そのことによって、こういう深刻な事態も一要因となって推進していったということを、みんな知っているんです。歴史と現実を見てください。とにかく大きくなれば何とでもなる、そういう一面的な見方をするのが間違っています。
 例えば、高知県の例で申し上げれば、昭和の大合併で、安芸市というところに、ちょっと見にくいですけれども、ここ、安芸市というところに合併をされた東川村という村がありますが、一九五四年、合併当時ですが、人口二千八百四人が二〇〇〇年五百六人、減少率約六分の一。児童数は、三百九十七人が九人、学校がなくなって四十四分の一の減少率。馬路村という、同じ、隣の村があるんです。ここは昭和の大合併で合併しなかったんですよ。確かに、今も大変ですよ。合併しなかった。この隣の馬路村は、三千二百四十二人の人口が千百九十五人、約三分の一の減少率。東川村と比べれば、六分の一ですから、その半分で済んでいる。児童数は、四百五十人が六十九人、約七分の一、東川村が先ほど言った四十四分の一ですので。
 いいですか、そこに役場もあり、学校もあり、そこに働く場があり、そして山に入り、そういう生きた、自主的に生きた、自立する権限を持った、行政権限を持った自治体があって、そこで踏ん張っているわけですよね。それは歴史を見ればもう歴然としているわけですよ。だから、そういうところをどんどんどんどんなくしていけば、農山村は守れない。国土を守れない。
 一万人以下を強制的に切り捨てるなんというのは言語道断だというのが多くの町村長の思いであり、誇りを傷つけられている、こういう認識を持っているわけですね。歴史と現実をもっと見てください。
片山国務大臣 一万人、一万人と言われますけれども、西尾先生は、何万人と言っていないんですよ。それから、自民党は部会のPTですからね、プロジェクトチームの案ですから、これから地方制度調査会で、西尾先生の案も一つのたたき台にしながら、十分な議論を尽くしていくんですよ。どうも委員の意見を聞いていると、小さくなれ小さくなれ。では、お金はどうするんですか。だから、それは、しっかりした基礎的ないろいろな能力を身につける、そういうことが必要なんですよ。我々は、市町村を、本当にそういう意味では地方自治の中心にする、地方の時代の主役にするために考えているんですよ。
 きのうの町村会や町村議長会の皆さん、お見えになりましたよ。合併は我々は賛成なんです、ただ強制的なことはやめてくれと。強制なんかしていませんよ。強制なんかしていない。昭和の大合併は、国と県が計画をつくってやったんですよ。今度は、自由にやってもらっているんですよ。そこで言われるのは、例えば、大きくなった場合に、合併前の町村に一定の自治権を与えるようなことも考えてほしい、あるいは市町村連合、今もあるんですけれども、そういうことについての改善も考えてほしいと。
 そういうことを含めて地方制度調査会で大いに議論してもらう。西尾先生の案も一つのたたき台ですよ。そういう議論はもう一切排除するというのは、どこかの国と同じようになる。自由に議論してもらえばいいんですよ。
春名委員 要らぬことを言いなさんな。
 二月の三日、長野県の栄村の議会議員の有志の皆さんが、「市町村合併問題について学習する講演会」を開きました。そこで、総務省の自治行政局の市町村課の課長補佐さんが講演されています。
 「西尾案は、」今さっき、一つのたたき台だと言いましたね、いろいろな議論をしてもらえばいい。「私案といっても個人的な案ではございません。これは既に二回にわたって閣議で小規模市町村の権限の縮小ということが言われております」。
 後の質問に答えて、「合併するかしないか、まさにその地域の判断であろう。まず合併をしていただいて、大きくなっていただいて、今よりも大きな権限を得て仕事をしていただきたい。逆に、残るのであれば、地域の選択としてあり得ると思いますけれども、権限を縮小することによって、その小規模な団体に見合って仕事をしていく、そのかわり、他の県だか隣の大きなところがかわりにやって、住民には迷惑がかからないようにしたい」。
 「地域住民が望まなければ合併はしなくてよいか」の問いに、「閣議の決定やら何やらあって、権限の縮小ということも踏まえた上での御判断であれば、それはそれでいたしかたない」「一千の目標数字だけはとりあえず達成したけれど、本当に小さな町村が残れば、それを、目標達成したからもういいやということにはなりません。やっぱりそこは、今検討している小規模市町村からの権限取り上げにつながっていくんだろうなと思っております」。
 大臣、国会の答弁では、たたき台の一つですと。たたき台の一つです、いろいろな議論をしてもらえばよろしい。しかし、この栄村というところは、御存じのとおり、小さな自治体でも、げた履きヘルパーとかいろいろな努力をして、自立していけないかという真剣な努力を、議論をしているところですね。そこへ、あなたの部下の方になるんでしょうか、行かれて、何と言っているんですか。一つのたたき台ではありません、方向性を持った案です、これは既定路線です、だから今のうちに合併をやった方がいいと。要するに、これは合併促進の最大のてこになっているじゃありませんか。たたき台といって国会では言っておきながら、下に行ったときには、これはこういうことになるぞ、大変だぞ、今のうちに合併しなさいと。こんなことはやめてほしいんですよ。これを強制だと言っているんですよ、私は。やめてくれますね。
片山国務大臣 去年の六月に、これは閣議決定しましたが、いわゆる骨太方針の二〇〇二の中で、地方団体については、規模によって事務や権限の配分について見直そう、地方制度調査会で議論してくれということを決めているんですよ。そういうことの中で、地方制度調査会の中で、西尾先生は副会長ですから、諸井会長や松本小委員長がたたき台の一つを出してくれと、そういうことで議論しているわけでございまして、合併をして大きくなって、いろいろなことができるところと、合併をせずに何にも、何にもということはありませんが、そこまでいかないところで、同じ権限移譲や税財源の移譲をできるわけがない。それは私は、規模や能力やいろいろなことによって差をつけていくということはあり得るんです、今後は、制度としては。そういうことも地方制度調査会で大いに検討したい、こういうふうに思っております。
春名委員 質問に答えてくださいね。
 もう時間がなくなりましたから終わりますけれども、たたき台だと言っておきながら、現場では、自立を模索したり住民との間で議論している自治体の中では、そうではない、こんなことになるよと言って、合併に追いやるてこに使っているじゃないですかと言っているんです。これはやめてください。そんなことをしてどうするんですか。このことを強く言っているんです。そのことを申し上げまして、私の質問といたします。
藤井委員長 これにて春名君の質疑は終了いたしました。
 次に、金子哲夫君。
金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。
 私は、雇用にかかわる問題について質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、先般もサービス残業の問題を取り上げたんですけれども、社会経済生産性本部が、サービス残業がなくなれば百六十八万人の雇用が新たに生まれるというふうに言っておりますけれども、政府は、こういうサービス残業を根絶するとどれぐらいの雇用に相当すると、新たにできると言いますと、そう言うとまたいろいろ答弁がありますから、大体どれぐらいの雇用に相当すると考えておられるでしょうか。
坂口国務大臣 サービス残業の実態というのは、なかなかこれはつかみにくいわけでございますが、平成十三年四月から平成十四年九月までの一年六カ月の間に、厚生労働省の方での監督指導の状況を見ますと、未払いになっていた割り増し賃金につきましては、是正指導の結果、百万円以上を支払った企業数は六百十三企業、割り増し賃金を支払った労働者数は七万一千三百二十二人、割り増し賃金の合計額は八十一億円、こういうことになっております。
 したがいまして、なかなか全体をつかむことが不可能ですけれども、我々の方に申し出がありましたり、調査をいたしましたりしましたところの結果は、こういうことでございます。
金子(哲)委員 ぜひ質問に答えてもらいたいと思うんですけれども、つまり、例えば民間団体では、サービス残業をなくせば百六十八万人の雇用がある、こういう数字も出しているわけですよ。それに対して政府は、今言われたのは、たまたま調査に入ったところの実績で言われているだけであって、全体として予測されるサービス残業を雇用換算すればどれぐらいになりますかということをお尋ねしているので、その見込みがあるのかないのか、あれば、その数字をお示しいただきたい。
坂口国務大臣 それはなかなか難しい話だというふうに思います。
 というのは、サービス残業がありますときに、そのサービス残業をやめましたときに、それじゃその企業がその分雇ってくれるのか、それとも、もう少ないままでいきますというふうにいく場合もあるわけですね。それから、それじゃ今度は、サービス残業の分をちゃんと支払いますと言うて支払った場合に、そうすると、それ以上そこをふやしてくれるのかといえば、支払いをしてそのままの人数でいくということもあるわけでございますしいたしますから、サービス残業の多い少ないによって、それによってどれだけ雇用がふえるかというのは、なかなかそれは、いろいろの場合がありますから、私は難しいと思います。
金子(哲)委員 今の答弁を聞いていますと、結局、サービス残業の問題を真剣に取り上げようというふうには考えられていないように思うんですよね。もちろん、数字として、何百万、何十何万とかいう具体的数字がはじけないかもわかりません。それは今言われたとおり、正規に払えばいいかというようなこともあるかもわかりません。
 しかし、現実にこれだけのサービス残業が横行して、今お話があったとおり、今調査の対象者だけで七万一千人が対象になっているわけでしょう。それで、民間の調査機関が言えば百六十八万の雇用に相当するというような数字も出ているわけですよね。だから、私は、これですべての雇用問題が解決するというふうには思いませんけれども、しかし、これは一つの大きなファクターになるんじゃないかということを思うんですけれども、その点についてはどうですか。
坂口国務大臣 サービス残業というものをなくした場合に、それが雇用にどう転換されるかということだと思うんですね。だから、先ほど申しましたように、サービス残業のところを正規の残業に認めるというところもあるし、あるいはまた、サービス残業はもうやめますというところもあるでしょう。そういうようにいろいろありますから、それはなかなか、それによってどれだけ新しい雇用ができるかということの計算はできにくいということでございます。
 しかし、先ほど申しましたように、我々の調べただけでも七万からの人はいるわけでございますから、それがサービス残業をなくするという方向に行けば、やはり雇用の増大に結びつくことは間違いないというふうに思っておりますけれども、具体的にどうということは言えない。
金子(哲)委員 つまり、数字で述べることはできないけれども、それは一つの大きな雇用を創出する要件になるということは今大臣もお認めになりましたから、そういう意味でいいますと、サービス残業を根絶するということは極めて重要だというのはこの前もお話ししました。
 この前の予算委員会で、労働基準監督官の増員の話をしましたら、四十九名を増員するというお話を総務大臣がなさいまして、今帰られましたけれども、それで坂口大臣は、またそう言うと、四十九人だったら各都道府県一名じゃないかと必ず言われるでしょうけれどもというお話だったんですけれども、よく調べてみますと、四十九名の増員は実際の実増員ですか。来年度の二〇〇三年度、四月以降の定数、定員として四十九名がふえるんですか。
森田大臣政務官 十五年度の労働基準監督官の増員の問題でございますけれども、増員につきましては四十九名でございます。第一線の労働基準監督署にいて監督指導業務を担当する労働基準監督官につきましては、そういうことで増員、こういうことになります。
金子(哲)委員 それはちょっと違うんじゃないですか。そもそも、公務員の定数削減問題があって、百名余りの中央労働基準監督署の定員削減がまずあって、それに対して四十九名を積んでいるだけじゃないですか。純増で四十九名も増員しているんですか、労働基準監督署は。
森田大臣政務官 委員おっしゃるとおりでございまして、労働基準監督官の数でございますけれども、十四年度と十五年度は三千六百二十三人で同数でございます。しかしながら、この中には、各都道府県の労働局、これの監督官も含まれております。そうしたことで、労働局の監督官というのは各基準監督署を指導する立場にあるわけでございますので、第一線の監督署につきましては四十九名増、こういうことになるわけで、各事業所に対しましての影響等はないもの、このように考えておるわけでございます。
金子(哲)委員 それはちょっとおかしいんじゃないですか。全体の数、労働基準監督署の職員の数が減っているんですよね。では、どこかが減っているんじゃないですか。事務官の方が減っているんですか。いわば申請を受け付けたりする、申告を受け付けたりする部門が減っているんですか。そうでなきゃ数字が合わないじゃないですか。
森田大臣政務官 定員の削減につきましては、労働基準監督署におきます労働基準監督官以外の定員において削減を予定しておるところでございます。例えば、労働基準監督署における庶務であるとか労災補償業務等を担当している職員を対象としております。
金子(哲)委員 労働基準監督署の定員は減っているわけですよね、現実には。監督官の現場は一応数合わせはしてある。ところが、実際にこれは、この前の委員会でも大臣みずからが認められたように、今、事務官、申告処理をやっているというけれども、この申告処理だって二〇〇〇年以降急増しているわけでしょう。例えば、二〇〇〇年は三万八千七百四十三件だったものが、四万一千四百四十三件。この十年間で申告処理件数は二・七倍にも上っているでしょう。そして、未払い賃金などの問題も、十年間でこれは十倍以上になっていますよ。一九九一年、三百五十三件、二〇〇一年、三千九百件。これだけを、一方で申告の処理事案もふえて、事務方は減らす、それじゃ労働基準監督署の仕事がまともに回るわけないじゃないですか。
坂口国務大臣 そこは厚生労働省全体の中で調整せざるを得ないわけです。全体としての公務員の問題がありますから、厚生労働省の中で、より忙しいところに人の配置をしていくという内部の調整をやはりせざるを得ないというふうに思っております。
 したがいまして、正規の人のほかに、ハローワーク等におきましてはキャリアカウンセラー等を配置して、そして、皆さん方の負担が余り大きくならないように配慮もしておるわけでございますし、ことしもまたその人数もふやしているところでございます。
金子(哲)委員 しかし、定数の考え方は、厚生労働省の枠の中で何でも自由にできるわけじゃないんじゃないですか。労働基準監督署は労働基準監督署としての定数枠があるわけですから、それをはみ出して、では、ハローワークから労働基準監督署に異動することはできるんですか、厚生労働大臣の権限で。それはできないんじゃないですか。どうですか。
坂口国務大臣 御指摘のとおり、それはそれぞれあるわけでございますが、その中でできるだけのことを我々はしているということでございます。
金子(哲)委員 いや、私は、だから言っているんですよ。労働基準監督署の仕事が非常に膨大になっている、サービス残業のチェックも含めて申告もふえている。そういう中で、前回、定員はどうですかと言うと、少ないけれども四十九名増員したんだと。しかし、現実には労働基準監督署の増員は実際には図られていない、マイナス状況になっている。これでこのすさまじいサービス残業の実態に手をかけ、労災もふえているわけですよね。
 そういう問題について、例えば労災の件数だって年ごとにふえているじゃないですか、今は。そういう事案がこれだけ出ているのにもかかわらず、労働基準監督署の体制を、全然体制をつくらずにこれができているかということなんですよ。その点についてはどうですか。
森田大臣政務官 労働基準監督官数でございますけれども、例えば、平成十年には三千四百七十九名でございました。その後、十一年に二十九名、十二年に四十七名、十三年に二十名、十四年に四十八名、こういうことで毎年増員をいたしております。
金子(哲)委員 もうその数字の遊びは終わりにしたいと思いますけれども、実質的な増員がなっていないんですよ、現場は。労働基準監督署全体の数字は全然ふえていないんですよ。マイナスになっているんですよ。そのことは認識した上で次の対処をしなきゃ、ただ定数だけをふやしたふやしたと言って、増員したというようなまやかしの数字を言ってもらっても、現場は実際には回っていないということですよ。
 それで、しかもこのサービス残業の問題は物すごい深刻なわけでしょう。百時間を超えるようなサービス残業をやらせている企業は随分出ているじゃないですか。
 例えば、この間、もうこれは指導になっている武富士などは、二年間にわたって月平均百時間を超える残業をしているわけですよ。それから、広島の機械メーカーの営業所に勤める人の場合でも、所長に命ぜられて業務がふえて、帰宅は毎日午前一時から三時、時間外勤務は少なくとも一カ月に百時間を超えるはずだ、それでも五十時間分しか払えない。我々に電話が入ってきている中にも、年間二千五百時間、二千八百時間も、月には二百時間を超えて、月に一回自宅に帰るのがやっとだという実態もあるわけですよ。そういう問題を徹底して調査するとしたら、こういう無権利のような状況のものを徹底して調査するとしたら、もっと体制を強化しなきゃそれができないんじゃないですか。それが実際上は過労死として現実的な問題になっているわけでしょう。
 それで今、過労死の問題は、例えば過労死の労働省の指導でいえば、月に百時間を超えたような残業をしている場合にはこれは過労死、それによって亡くなっている場合は過労死として認めると。百時間以上の残業をさせていれば過労死と認めると。それは今判例が変わってきたわけですよね。そういう事態が、サービス残業を放置することによって青天井的な残業を放置することになっているわけですよ。そして一方で過労死が現実的に増大をしている。
 これに対する労働基準監督署の指導体制や監督体制がどうかということをとったら、実際上は、その実態はほとんど、それは監督署の署員の努力によってのみ、そこにしか依拠していないんじゃないですか。
 きょうの新聞見ますと、厚生労働省、サービス残業、中央省庁職員、経験ある七四%という記事が出ていますけれども、私は、労働基準監督署の人たちも実際上それに近い状況で懸命に働いていらっしゃるんじゃないかと思うんですよ。それほど今労働現場は大変になっている。そのことに対してどう対処しようとされているか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
坂口国務大臣 全体が厳しい状況になっていることは、私もよく認識しているところでございます。それは、ただ単にその取り調べをするとかいうようなことだけではなくて、やはり経営者全体にそういう考え方を持っていただかなければならないわけで、そうした経営者の皆さん方もお集まりをいただく機会を通じて、ぜひひとつこういうことになっておりますからお守りくださいといったようなこともお話をしているわけでございまして、やはりまずそういう考え方を徹底していかなければいけないというふうに思っております。
 人数ももちろんそれは多いにこしたことはございませんけれども、しかし、それもなかなか全体としてかなわない状況にありますことは、委員もよくおわかりのとおりでございます。
金子(哲)委員 企業の意識に依拠するのは、それは、それも重要ですよ。だから、企業に対して徹底して厚生労働省は指導してほしいと思いますよ。
 だけれども、例えばトヨタ、あの大手のトヨタですらサービス残業の実態があるわけでしょう。トヨタの社長は日経連の会長をやっているわけでしょう。企業団体のトップの企業がサービス残業をやっていて、それで企業の意識によってサービス残業を根絶しようといったって、それは不可能じゃないですか。事実上それを野放しすることになるじゃないですか。
 だから、そういう実態があるなら、もちろん企業に指導しなきゃいけないけれども、政府としてこれに抜本的に対策を打つ、この姿勢がなければ、このサービス残業、またそれにつながる過労死の問題、この放置された長時間労働の問題は全く野放しになるんじゃないですか。その点についてどうですか。
坂口国務大臣 我々の方もそれは努力をしなければなりませんが、しかし、各企業におきましては三六協定も締結していただいているわけですね。その中で大体何時間という、これも決めていただいているわけですよ。ですから、それは現場におきましても努力をしていただかないと私はいけないと思うんですね。
 その協定自身、そのものが非常に長時間になっておるものも正直言ってあるわけでございます。ですから、三六協定を結んでいただくわけですから、その時点のところで、私は、組合の方もそれなりの時間というものはきちっとこれは締結してもらいたいというふうに思っております。
金子(哲)委員 もう大臣がおっしゃるとおりで、三六協定を結んでも長時間働く職場があるんです。その上に、今問題になっているサービス超勤まであるんです。これはもう、サービス超勤の場合は、ほとんどの場合が、大体こういうケースがあるんですよ。企業の経営者は何を言っているか。おまえは時間内の中にその仕事ができないんだから、おまえが自分の責任で仕事をするのは当たり前だから、暗にサービス超勤やっても当たり前という状況なわけでしょう。そういうことが放置されているわけです。
 三六協定で、おっしゃるとおり、昨年の二月、厚生労働省は、労働基準局長通達で、過重労働による健康障害防止のための総合対策ということで、三六協定によって月四十五時間を超える時間外労働を行わせることが可能な場合でも、月四十五時間以下にするように指導するとしているわけですよね。
 この指導だって、今の話で、それだけの体制の中で、これだけの企業から三六協定が出てくるものを一々本当にチェックするような、できる体制が今あるのか。さっきの話のとおりで、労働基準監督署もそれだけの要員がないわけですよ。事務方を減らして基準監督官の現場をふやしているだけ。そうすれば、こういう、今大臣が言われたような三六協定の届けの時点でそういうことを指導するような能力、体制が実は今ないんじゃないですか。どれだけ指導しておるんですか、この通達に基づいて。
坂口国務大臣 ですから、それは役所が監督をすることも、チェックをすることも大事でございますけれども、しかし、すべてをチェックするということはなかなかできないわけで、その前に、三六協定というのは何のために結んでいただくかといえば、それは労働者のために結んでいただくわけですから、その段階でやはり適正な協定を結んでいただくようにお願いをしたいということを私は言っているわけでございます。
金子(哲)委員 そのとおり、そこは一致するわけですよ。だけれども、それを現実的な問題としてこれだけ厚生労働省も問題にしなきゃいけないほどサービス残業があり、そして過労死というものがあるわけですから、そのことをどうやって撲滅するかということが緊急の課題です。(発言する者あり)組合、組合とおっしゃっていますけれども、第一義的な責任は経営者ですよ。経営者がやることであって、組織率を今見たとき、二〇%前後といえば、組合のないところで働いている方が圧倒的なわけですよ、実際上は。それは労働組合の問題じゃない。政治の責任じゃないですか。何のために労働基準監督署があるんですか、それをやるのに。
 だから、もちろん、私が言いましたように、労働組合にも責任はありますよ。しかし、それを根絶するという政府の姿勢というものが、これだけ人権無視のような状況にある職場の問題をきっちりとやるということが今政府のやるべきことじゃないかということを申し上げているわけです。その点について、どうですか。
坂口国務大臣 最大限、努力をいたします。
金子(哲)委員 終わります。
藤井委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。
 この際、筒井信隆君の残余の質疑を許します。筒井君。
筒井委員 先ほどの続きをお聞きしますが、質問の最後で、大臣の国会における想定問答をつくることが法制局の職務に入るのかどうか、このことを聞いて継続になったわけでございます。
 今回、まさに大臣の金銭スキャンダルについての想定問答をつくったわけですが、これは本来ならば顧問弁護士がやるべきことですよ。それを、この予算委員会でも疑惑のデパートと言われている閣僚の想定問答をつくるんですから、まさにその顧問弁護士に法制局が成り下がった、こう言わざるを得ない状況で、そんな法制局に、野党がこれから法制についてのいろいろな相談なんかできっこないですよ。これをはっきりさせなきゃいかぬのですよ。
 その点でお聞きするんですが、まず整理してお聞きします。
 一般論として、まずお聞きします。
 大臣の国会における答弁、この想定問答をつくることは衆議院の法制局の業務に入るんですか、入らないんですか。
窪田参考人 お答えいたします。
 私が先ほど申し上げましたのは、議員または政党からの依頼があった場合、問い合わせがあった場合に回答することは法制局の職務であるというふうにお答えした次第でございます。
 今の御質問は、大臣として、国務大臣たる立場で問い合わせがあったらどうするのかということでございますけれども、その場合には、その大臣の所掌に属する官庁においてお話をされるべき問題でございますから、私どもとしては、そのようなものについてお受けするということにはいたしません。
筒井委員 今まさに当たり前のことだと思うんです、私は。大臣の国会における想定問答をつくることは法制局の業務の中に入っていない、これははっきりしていると思うんですね。
 それを前提にしてお聞きしますが、今回のが、まさにその大臣の予算委員会における答弁、それに関する想定問答をつくった、こういう業務になっているわけですよ。
 まず、予算委員会の前日であった、この事実は、これを作成したのは予算委員会の前日であった、その予算委員会において、つまり二月二十日の予算委員会において大臣に対する質問と答弁が予定されていた、このことは認められますね。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私の方で承ったのは、国会議員からの依頼を受けて、それで、そのようなお答えをしておるということでございます。
筒井委員 私の質問は、これをつくったのは二月十九日の夕方である六時から八時前の間である、翌日の二十日には予算委員会の集中審議が予定されていて、そこで大臣に対する質問と答弁が予定されていた、このことは認められますね、そういう質問なんです。ほかの質問に対する答えじゃありませんから。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私どもの方といたしましては、国会議員の先生からお話を承って、それについてお手伝いを申し上げたということでございます。
筒井委員 私の質問に答えてくださいよ、私の質問に。私の今の質問をもう一回だけ言いますが、これをつくったのは二月の十九日であって、つまり、翌日二月二十日に大臣としての質問を受ける、そして大臣として答弁する、このことは予定されていた、この事実はわかっていますねという質問なんです。そのことについてだけですよ。簡単な問題ですよ。(発言する者あり)
藤井委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
藤井委員長 速記を起こしてください。
 窪田参考人。
窪田参考人 日付の点でございますが、議員からお問い合わせがあったのは十九日だと思います。今正確にその資料を持っておりませんが、十九日であると。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
筒井委員 私の質問に全く答えていない。
 今は、十九日に問い合わせがあったと、大臣から。それも議員とわざわざ言っているんだけれども。
 私が聞いているのは、その翌日に大臣としての質問を受けること、大臣としての答弁が予定されていたことはわかっていますねという質問なんですよ。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に、御静粛に。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
藤井委員長 速記を起こしてください。
 窪田参考人。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 日取りは十九日であったと、現在、そういうことであろうと思います。
 それから、翌日の予算委員会でそのことについて答弁に立たれるということは、私どもは存じ上げませんでした。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に、御静粛に。
筒井委員 そんなことがありっこないんだけれども、今、存じ上げませんというのは、局長は知らないということですね。次長はどうなんですか、次長は。作成の当事者である次長はどうなんですか。それもわからないんですか。次長が知っていたかどうかもわからないんですか。そのことを……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私としては存じ上げなかったということでございます。
 法制次長につきましては、そこのところはしかとはまだ確認をしておりません。(発言する者あり)
藤井委員長 筒井君。筒井君。筒井君。(発言する者あり)
 窪田参考人、もう一度答弁してください、今の。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私自身は存じ上げませんでしたし、郡山次長につきましては、まだしかとは確認をしていないということでございます。
筒井委員 これは、さっきも何時間も、この大臣の問題について、大臣からのこういうものが業務であるかどうかの問題について、さっきそれでこれだけ時間をあけたんですよ。今まで、次長なんて聞けばすぐわかることでしょう。次長に聞こうともしない態度が一番問題なんだ。
 さらに、さらに大臣にお聞きしたいんですが、この書類をとりに行った人は、これは農水省の車両でとりに行きましたね。
大島国務大臣 筒井委員にお答えしますが、農水省の車でうちの秘書室にいる者にとりに行ってもらいました。それだけでございます。
筒井委員 つまり、農水省の車でとりに行った、それは認められました。
 そして、中身ですが、中身について、先ほども大体紹介しましたが、資料一―一の三枚目、ちょっと資料一―一、「政治資金規正法関係」。問いとして、「政治資金規正法上の処理は、問題ないのか。」、そして、答えとして、私の資金管理団体が現実に政治資金として受け入れたというならば、政治資金収支報告書に記載すべきなのは当然でありますが云々、中略して、処理のしようがないということだったと思います。そして、さらに質問として、「秘書は会計責任者だったということだが、ならば、政治資金規正法上の処理をする必要があったのではないか。」答え、「同上」とありますね。
 まさに、この中身自体が想定問答そのものでしょう。今読み上げたところだけでも想定問答そのものですよ。そして、実際に、大臣がこの予算委員会で、今読み上げたようなところを、表現そのものもほとんど一緒、大臣としてここで答弁しているんですよ。そうすると、この想定問答は、大臣としての予算委員会で答弁する、この想定問答だったんじゃないですか。それは、もう客観的、手続的に、形式的にはっきりしている。
 法制局長、今言った十九日、前日であった、予算委員会の前日であったこと、それから、大体、予算委員会が次の日開かれるなんて知らないなんていうのは、公報でも何でもあるのに法制局が知らないなんていうのは、そんなおかしな答弁しないでください。
 それで、農水大臣としての、農水省の車でとりに行った、それで中身の形式も全く想定問答になっている。実際に、実際にこの予算委員会で大臣は大臣としてこういう中身で答弁している。想定問答そのものじゃないですか。法制局長。
大島国務大臣 筒井委員、事実関係を今までもお話ししてまいりましたが、実は、週刊文春が取材をされておるということもわかっておりまして、ミニ閣僚会議が終わった月曜日から、実は既に、事実関係をよく調べようということで、我がスタッフが、また私と相談し、弁護士とも相談しながらいろいろやってまいりました。原本はこれでございます。ここにあるんです。
 そして、そういうことを整理した上で、私として、やはり議員として、政治資金規正法やさまざまな法律というのは議員立法ででき上がった部分があります。そういうふうなことで、やはりそういう問題に答えるためには法制局の法律上の問題も見解として聞いた上で、できるだけ正しい認識を持ってお答えをしようということで、ほとんどここにある、私自身の、もう既に問題点の論点と整理と答えを、それを法制局にお話しして、そしてそのお答えをいただいたということでございますので、そういう事実だけはしかとお話を申し上げておきたいと思います。
筒井委員 今言っていたことはおかしなことで、一つは、前もって大臣の方から話した中身を書いてもらったと。だったら、別に法制局に頼む必要ないじゃないですか。自分の秘書に頼めばいいことじゃないですか。秘書の仕事を法制局にさせたんですか。そんなはずがないでしょう。
 それからもう一点、それはもうそんなはずがないので、質問もしません。
 私が聞きたいのは、ここでの答弁、予算委員会での答弁は、まず、委員長からの指名は農水大臣として指名されて答弁している。それで、大臣は、ここでは大臣として答弁されているんでしょう。その点だけ答えてください。
大島国務大臣 元秘書の問題については、まさに私、例えば政治資金の問題、選挙のときの問題というのは、議員たる者としての案件なわけです。したがって、私がそういうこと等々について月曜日から調べ、論点整理をして、そしてそのことについて、法律的にどうであろうかという認識を問いただすために法制局にお願いしたのでありまして、初めからQアンドAをつくってくれと言ったことは一度もございません。そのことだけは御理解をいただきたい、このように思います。
筒井委員 それほどあなたが大臣と議員としての立場を区別するなら、どうして農水省の車を使ってとりに行ったんですか。(大島国務大臣「委員長」と呼ぶ)いや、そんな質問していないです、そんな細かいことについて。だから、そんなはっきりしている、矛盾ははっきりしているということですよ。
 それで、法制局長、法制局長に、だから私はさっきから聞いているんです。法制局長に、予算委員会の前日、予算委員会が開かれる予定かどうかわからないなんて、そんなうそは言わないでくださいね。そして、農水省の車でとりに来た。そして、内容がこういう想定問答になっている。これは、まさに大臣の想定問答をつくった、このことは法制局長、はっきりしているじゃないか、客観的に。
 それで、大臣の想定問答については業務範囲に入らないと先ほど言ったでしょう。まさに業務範囲に入らないことを法制局はやったんじゃないですか。法制局に対する質問。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 議員からの法律問題、現行法の解釈を初めとするそのような問題に問い合わせがあった場合には、その答えでございますが、これは文書で回答することもあるわけでございまして、そのような文章にする場合には、箇条書きにまとめる場合もございますし、問答形式の方で整理した方がわかりやすいということもございます。
 いずれにいたしましても、依頼者である会派あるいは議員等の御意向を尊重して取りまとめる、そういうことでございます。
筒井委員 私、何回も聞いているんだけれども、形式、内容とも大臣としての、大臣の想定問答をつくったじゃないか、この中身から見てもそうだろうと。それをどう考えるかということを聞いているんですよ。それにまた同じような答弁だったら、私も質問できないよ。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 今回のこのケースにつきましては、議員からの問い合わせがあったという認識でございまして、衆議院議員からの法律問題についてのお問い合わせがある、農水大臣としてのお立場での私どもに対するお尋ねではない、このような認識に立ちまして、そのお手伝いをいたしたということでございます。(発言する者あり)
藤井委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
藤井委員長 速記を起こしてください。
 窪田参考人。
窪田参考人 お答え申し上げます。
 私どもに現行法の解釈を初め法律的な問題についてのお問い合わせは、衆議院議員としてのお立場としてあったというふうに受けとめておりまして、また、大島議員もそれは議員としてお尋ねがあったというふうに申されておりましたので、私どもの考え方、受けとめ方は、当然そのように受けとめるわけでございます。(筒井委員「もう質問できないよ」と呼ぶ)
藤井委員長 筒井君、筒井君、質問を続けてください。
 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
藤井委員長 速記を起こしてください。
 委員長から窪田参考人に申し上げます。
 ただいまの質疑応答を聞いておりますと、非常に判然としない、それから質問に対して誠実に答えられない、また事実関係もよく把握していない、そういった点も見受けられます。
 しかし、そういう中で、やはり法制局長としてよく精査をする必要があるだろうと思います。そうしませんと、これからの審議にも大きな支障を来しますし、また、法制局としてのやはり権威というものもありましょう。所掌事務その他の関係、そういったことを含めまして、私の方から、あすの昼の理事会までにしっかりとそういった事実関係その他をすべて精査して、その上で局長から予算委員会の理事会に報告していただきたい、この旨を強く私から要請をいたしておきます。
 そして、次長に……(発言する者あり)黙っていてください。そして、筒井委員におかれては大変不満だと思いますけれども、この際、御発言がございましたら、どうぞ。
筒井委員 今の委員長の裁断に従います。
 ただ、その調査結果が出されてきましたら、それに対してきちんと質疑する時間を、審議を保証していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
藤井委員長 これは理事会において協議いたします。
 これにて筒井君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
藤井委員長 この際、御報告いたします。
 昨二十五日の分科会設置の際、分科員の配置及び主査の選任につきましては委員長に御一任をいただいておりましたが、分科員の配置につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりといたします。
    ―――――――――――――
  第一分科員
      亀井 善之君    中山 正暉君
      中村 哲治君    細川 律夫君
      赤羽 一嘉君
  第二分科員
      自見庄三郎君    葉梨 信行君
      原田昇左右君    石井  一君
      末松 義規君    横光 克彦君
  第三分科員
      石川 要三君    丹羽 雄哉君
      河村たかし君    樋高  剛君
      井上 喜一君
  第四分科員
      池田 行彦君    萩野 浩基君
      長妻  昭君    達増 拓也君
      中西 績介君
  第五分科員
      衛藤征士郎君    津島 雄二君
      松岡 利勝君    上田 清司君
      細野 豪志君    佐々木憲昭君
  第六分科員
      伊吹 文明君    大原 一三君
      海江田万里君    吉田 公一君
      矢島 恒夫君
  第七分科員
      奥野 誠亮君    尾身 幸次君
      藤井 孝男君    田中 慶秋君
      中塚 一宏君
  第八分科員
      高鳥  修君    三塚  博君
      原口 一博君    米澤  隆君
      斉藤 鉄夫君
    ―――――――――――――
藤井委員長 また、各分科会の主査は次のとおり指名いたします。
        第一分科会主査 持永 和見君
        第二分科会主査 山口 泰明君
        第三分科会主査 杉浦 正健君
        第四分科会主査 斉藤斗志二君
        第五分科会主査 石井 啓一君
        第六分科会主査 萩山 教嚴君
        第七分科会主査 宮本 一三君
        第八分科会主査 栗原 博久君
以上であります。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時四十六分散会


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