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第26号 平成15年7月18日(金曜日)

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平成十五年七月十八日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 藤井 孝男君
   理事 斉藤斗志二君 理事 自見庄三郎君
   理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君
   理事 宮本 一三君 理事 末松 義規君
   理事 原口 一博君 理事 細川 律夫君
   理事 石井 啓一君
      伊吹 文明君    石川 要三君
      岩崎 忠夫君    衛藤征士郎君
      尾身 幸次君    大原 一三君
      栗原 博久君    阪上 善秀君
      高鳥  修君    竹本 直一君
      棚橋 泰文君    谷畑  孝君
      津島 雄二君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    西川 京子君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      原田 義昭君    松島みどり君
      持永 和見君    山口 泰明君
      吉野 正芳君    五十嵐文彦君
      池田 元久君    石井  一君
      上田 清司君    枝野 幸男君
      岡田 克也君    海江田万里君
      河村たかし君    菅  直人君
      田中 慶秋君    中村 哲治君
      中山 義活君    長妻  昭君
      細野 豪志君    牧  義夫君
      吉田 公一君    米澤  隆君
      斉藤 鉄夫君    白保 台一君
      西  博義君    達増 拓也君
      都築  譲君    中塚 一宏君
      樋高  剛君    山岡 賢次君
      佐々木憲昭君    矢島 恒夫君
      金子 哲夫君    中西 績介君
      横光 克彦君    井上 喜一君
      山谷えり子君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         片山虎之助君
   財務大臣         塩川正十郎君
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       亀井 善之君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 谷垣 禎一君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   国務大臣
   (科学技術政策担当大臣) 細田 博之君
   国務大臣
   (金融担当大臣)
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当大臣)   石原 伸晃君
   国務大臣         鴻池 祥肇君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   農林水産大臣政務官    熊谷 市雄君
   政府参考人
   (内閣府国民生活局長)  永谷 安賢君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           青木  豊君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局観
   光部長)         金澤  悟君
   参考人
   (日本道路公団総裁)   藤井 治芳君
   予算委員会専門員     中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十六日
 辞任         補欠選任
  山本 幸三君     杉浦 正健君
七月十八日
 辞任         補欠選任
  池田 行彦君     竹本 直一君
  衛藤征士郎君     松島みどり君
  尾身 幸次君     谷畑  孝君
  大原 一三君     棚橋 泰文君
  奥野 誠亮君     阪上 善秀君
  松岡 利勝君     西川 京子君
  三塚  博君     吉野 正芳君
  河村たかし君     五十嵐文彦君
  中村 哲治君     菅  直人君
  細野 豪志君     岡田 克也君
  吉田 公一君     中山 義活君
  赤羽 一嘉君     白保 台一君
  中塚 一宏君     山岡 賢次君
  樋高  剛君     都築  譲君
  中西 績介君     金子 哲夫君
  井上 喜一君     山谷えり子君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上 善秀君     岩崎 忠夫君
  竹本 直一君     池田 行彦君
  棚橋 泰文君     大原 一三君
  谷畑  孝君     尾身 幸次君
  西川 京子君     松岡 利勝君
  松島みどり君     衛藤征士郎君
  吉野 正芳君     三塚  博君
  五十嵐文彦君     池田 元久君
  岡田 克也君     細野 豪志君
  菅  直人君     枝野 幸男君
  中山 義活君     牧  義夫君
  白保 台一君     西  博義君
  都築  譲君     樋高  剛君
  山岡 賢次君     中塚 一宏君
  金子 哲夫君     中西 績介君
  山谷えり子君     井上 喜一君
同日
 辞任         補欠選任
  岩崎 忠夫君     奥野 誠亮君
  池田 元久君     河村たかし君
  枝野 幸男君     中村 哲治君
  牧  義夫君     吉田 公一君
  西  博義君     赤羽 一嘉君
同日
 理事山本幸三君六月二十六日委員辞任につき、その補欠として杉浦正健君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件(経済問題等)


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     ――――◇―――――
藤井委員長 これより会議を開きます。
 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
藤井委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に杉浦正健君を指名いたします。
     ――――◇―――――
藤井委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 本日は、経済問題等についての集中審議を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本道路公団総裁藤井治芳君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣府国民生活局長永谷安賢君、厚生労働省大臣官房審議官青木豊君、国土交通省総合政策局観光部長金澤悟君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
藤井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。棚橋泰文君。
棚橋委員 自由民主党の棚橋泰文でございます。
 改革なくして成長なし、構造改革なくして景気回復なし、私は、今日本が置かれている国際的な大変厳しい経済環境の中における状況、あるいは、国内において経済を中心にこの体質を変えていかなければいけない、そういう状況の中でのこの言葉は基本的に正しいと思っております。
 しかし一方で、多くの国民が改革に伴う痛み、あるいは今の経済情勢に必死になって悲鳴を上げながらも頑張っているというこの大変厳しい経済情勢に対する認識をしないようでは、政治家としては私は失敗だ、失格だというふうに思いますし、何よりも政治が一番必要なのは、こういった国民の声にいかにこたえ、改革を進めながらも景気対策をいかに行っていくかではないかと思います。そういう観点から、今一番求められているのは、私はデフレ対策だと思います。
 先般閣議決定されました政府の経済財政諮問会議のいわゆる骨太の方針では、政府は、デフレ対策に対して、政府、日銀一体となって総合的に取り組む、あるいは経済情勢によっては大胆かつ柔軟な対応を行う、このような決意を示されました。しかし、問題は中身です。
 そこで、総理にお伺いいたします。
 まず、デフレ対策に具体的に何をこれから行うおつもりなのか。それから、何よりもこのデフレ対策というものは国民のマインド、気持ちをいかに上向けるかということですから、政府、日銀、国の最高責任者である総理大臣の決意が問われております。
 そういう意味で、総理のデフレに取り組む決意と、具体的に何をこれからお考えなのか、その点についてお話をいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 デフレ対策一つでデフレが克服するものじゃないんです。経済全体を見ながら対策を打つのがデフレ対策なんです。改革なくして成長なしなんです。
 デフレ対策、それは金融改革にしてもその一つです。不良債権処理なくしてこれからの持続的な経済成長、望めません。不良債権処理を進めていって、なおかつ、それに伴う雇用対策とか中小企業対策とか失業対策、これはきちんとやっている。同時に規制改革、これも構造改革特区初め、今まで規制されていた面を改革して、できるだけ地方の意欲とか民間の活力を引き出そうとしている。
 さらには、税制改革、こういう財政状況が厳しい中においても、今年度は二兆円の減税を先行させ、酒、たばこは二千億の増税ですけれども、酒、たばこの増税ばかり二千億円のこと、よく報道されますが、実質的には、二兆円の減税を実施している、差し引き一兆八千億円の減税をしているわけです。
 歳出の面においても、これは、今まで公共事業はふやしていくことが景気対策だと言われていたのを、公共事業をマイナスにして、しかも効率的に重点分野を決めていこう、その前提として、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にと。
 そういう中で、金融においても十分緩和しております。今、ゼロ金利。財政状況も、四十二兆円程度しか税収がないのに、三十六兆円の国債発行を認めております。
 こういう総合的な対策をしていくことがデフレ対策につながるんです。後のことを考えないで、もっと景気対策として国債を増発して公共事業をやれ、今、不良債権、進め過ぎている、おくらせろなんというのは、とんでもないことだ。よく全体的なことを考えていただきたい。
棚橋委員 私は決して、不良債権処理をおくらせるとか、そういう観点から申し上げているわけではありません。まさに今総理がおっしゃっているように、デフレ対策は総合的にやらなければいけない、それも、政府だけではなくて日銀と一体となってやらなければいけない、そういう観点からの質問です。そして、何よりも一番必要なのは、その総合的なデフレ対策が国民に見えること、総理の決意が国民に見えること、その点をまずお願い申し上げます。
 第二に、改革について御質問をさせていただきます。
 このたび取りまとめられたいわゆる骨太の方針では、改革についての多くの提言がなされております。ただ、やはり改革は、これからいかに具体的なスケジュールで、いかなる方法で進めていくか、これを国民の皆さんにわかっていただくこと、このことが一番必要だと私は思います。
 そして、その最たるものが社会保障構造改革。将来に不安を抱いている国民は非常に多いです。自分たちの年金を初めとする、例えば老後の問題、これは今の年長の方だけではなくて、若者も不安を抱いております。その中で、我が国の財政状況あるいは我が国の置かれた状況の中で、こういうスケジュールで、こういう財源で社会保障構造改革をやっていき、社会保障制度を堅持する、こういったものが必要だと思いますが、この点についての具体的なスケジュールはまだ、いわゆる骨太の方針の中では示されていないような気がいたします。
 この点について、総理から、国民にわかりやすく、何よりも社会保障はきちんとこういう形で守れるんだということを御説明いただければありがたいと思います。
坂口国務大臣 後ほど総理から答弁をしていただくといたしまして、今一番社会保障の問題で進めておりますことは、やはり今まで社会保障が幾つにも分かれてまいりました。これを総合的にどう考えていくか、年金も医療も介護も一体化をしてどう考えていくかということが一つ。それからもう一つは、少子高齢化が進んでまいりましたから、この少子高齢化の問題をどうその中に組み入れて、そして考えていくかという、この二点を踏まえて見直しを行わなければならないというふうに思っております。
 そして、後は負担と給付の問題を考える。この年齢構成の中で若い人たちに余り負担が多くかからないようにするためには、これは税の問題でそのすき間をどう埋めるかといったことが大事でございまして、この三年ぐらいの間に総合的な見直しを行いたい、こういうふうに思っている次第でございます。
小泉内閣総理大臣 坂口大臣の言ったとおりで、社会保障というのは、これから年金、医療、介護、それぞれ見直しの期間に来ております。しかも、今までと違いまして、高齢者がどんどんふえていく、そして若い世代が減っていくという状況において、今までの高度成長時代、人生五十年の社会保障制度で今の制度が今後持続していくかというと、これはもう無理だなと。やはり高齢者と若い世代が支え合うという制度はどういうものがいいかということで、各方面の御意見というものを十分聞かなきゃいかぬ。特に、年金については十六年中に成案を得るようになっておりますので、ことしはその準備として大変重要な時期だと思います。今坂口厚生大臣の言われたとおり、大きな問題であるということを認識しながら進めていきたいと思います。
棚橋委員 次に、改めて、景気対策の中での、特に地域経済の話あるいは雇用の創出の話を少しさせていただきます。
 今回取りまとめられました骨太の方針では、大変残念ながら、地域経済に対する認識が非常に弱い、あるいは雇用の創出を少し簡単に考え過ぎているんではないか。今、地域経済は悲鳴を上げております。特に、中小企業を初めとして、必死になって生き残りを図ろうとしている国民の声、この声にやはり真摯にこたえるべきではないかと私は思います。
 残念ながら、この中で地域経済対策として目ぼしいものといえば地域金融の話ぐらいなものでして、これだけでは、とてもじゃないけれども地域経済は回復しない。そして、地域経済が回復しない限り日本経済は回復しないと私は思います。また、雇用の問題は、単に失業率が高いとかミスマッチというよりも、もっと根深い、そして深刻なものがあります。それに対する方策もやはり示されていない。
 そこで、この点について経済財政担当大臣である竹中大臣はどういうふうに御認識なのか、この点についてお答えをお願いいたします。
竹中国務大臣 委員御指摘の地域経済の再生の問題、それに雇用の問題、我々に課された最も重要な課題であると厳しく認識をしております。
 今回の骨太の方針の中で書かせていただいた部分と、既に昨年からこの分野について積極的に取り組んでいる部分がございます。雇用に関して申し上げるとすれば、これまでは、五百三十万人の雇用というのは一種の、一つの潜在的な可能性、参照値ということで、それを目標に規制改革ということを進めてきたんですが、今般、これを正式のプログラムとして、各省庁、担当も決めて、正式に推進していくという、これは総理の指示に基づいて、非常に強い、実現のための体制をとらせていただきました。
 地域経済につきましては、これはさらに言えば、地域の産官学の連携の問題、都市の再生の問題、地域の都市再生の問題、そういった多面的な取り組みが必要だと思っております。そうしたことは今回のプログラムの中にも書かせていただいたつもりでありますので、委員の御指摘を踏まえて、さらに強力に、これはぜひ推進していきたいというふうに思っております。
棚橋委員 残念ながら今の大臣のお話では、特に地域経済の活性化に関しては十分な、具体的中身がなかったような気がいたします。ぜひこの点、きちんと詰めていただいて、さらには雇用についても、五百三十万人という数字がひとり歩きしないように、本当にこれを実現するためには何をしなければいけないのか、具体的に詰めていっていただきたいと思います。
 最後に二点だけ。
 まず第一に、景気の回復、特にデフレの問題の解消と今の地域経済の大変悲惨な情勢、これをいかに早く脱却するか。これについてはやはり総理の陣頭に立ったリーダーシップを一番国民が期待していると私は思います。ぜひ、総理におかれましては、景気回復に向けて、あらゆる英知を結集して、強力なリーダーシップで進めていただきたい。
 第二は、改革でございます。
 改革なくして成長なし、これは国民の中でのコンセンサスはできています。ただ、今の痛みをいかにしてくれるのか、これもやはり国民の声です。ですから、その痛みに配慮しながら、総理の強力なリーダーシップで改革を進めていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
藤井委員長 この際、原田義昭君から関連質疑の申し出があります。棚橋君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原田義昭君。
原田(義)委員 自由民主党の原田義昭でございます。
 限られた時間ですが、二、三点、御質問させていただきます。
 少し古い話で、また多少個人的な話にも入りますけれども、私はその昔、小泉総理と中選挙区時代に、その胸をかりて頑張ったことがあります。昭和から平成に移り変わる、その時代でございますけれども、こんなに偉くなるとは私もさすがに思いませんでした、私とちょぼちょぼかなと実は当時思っておったんですけれども。
 当時どんなことがあったかといいますと、消費税の導入、さらには、例えば厚生年金の六十歳支給年齢を六十五歳まで引き上げるか、こういうような問題がございました。これはいずれも、国民、有権者にとってはもう絶対反対ということですから、私も当然、これは絶対反対、こういう立場をとったわけであります。
 思い起こしますと、中選挙区というのは大体自民党の中の、同士が一番仲が悪いわけですから。しかし、あらゆる演説会で小泉さんが、痛みはあるけれどもとにかく必要なものだ、これはしっかりやらなきゃいけないということを訴えられたわけであります。私はライバル候補でしたから、とにかくこの人は骨っぽい人だな、敵ながらあっぱれだ、こういうふうな思いを持っていたのを今でも思い起こします。思い起こして、この小泉さんの原点が実は現在の小泉内閣の構造改革路線にしっかり息づいている、衰えるどころかますますその熱を帯びている、こういうふうに考えるわけでございます。姿勢は一切変わらない。
 確かに、構造改革の成果、評価についてはいろいろ議論はありますよ。後で何か菅さんがまた議論されるようなことを聞いています。しかし、私は、財政改革、金融改革、税制改革かたがた、規制緩和等々、やはり小泉さん、小泉内閣なくして今日までは改革できなかったということは率直に認めるべきではないか、こう思っているわけでございます。
 そういう意味では、小泉さんに、これからもびくびくせずに自信を持ってやれと。小泉さんに限っては余りびくびくしていないようでありますけれども、どうぞ、確かに小泉路線を支援するというのはなかなか骨の折れることであります、かなり苦労の伴うことでありますけれども、私は、しっかり小泉さんに頑張っていただきたいな、こう思うわけでありますが、総理、一言御意見、御決意をお願いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 原田さんは、私、感心しているんですよ。中選挙区で落選してもくじけなかった。失敗を次の成功に生かそうと意欲を持っていたからこそ、選挙区をかわって見事当選して、今安定した選挙基盤のもとに立派に活躍されている。一度や二度の落選にへこたれないで頑張れば自分のようになるんだという見本みたいなものですよ、原田さん。しかも、選挙区をかわって当選してきたんだから、これはまた大したものですよ。だから、人間、実力と運というのが大事だというけれども、両方兼ね備えているのが原田さんだ。失敗にくじけず新たな挑戦に堂々と立ち向かっていく、これを実際身をもって示してきて、今、国会議員として活躍されている。敬意を表します。
 私の中選挙区時代、三%の消費税導入、私は賛成しました。五%の引き上げも賛成しました。その私が、私の在任中は消費税を引き上げない、おかしいという議論もあるけれども、全然おかしくないんですよ。
 あのときは何で三%導入に賛成したかというと、所得税減税そして物品税廃止、その財源として消費税の三%を導入したんです。
 今度は、三%から五%に引き上げたのは村山内閣です。社会党の委員長が日本の総理大臣になったんです。三%導入のときは、社会党の皆さんは三%消費税導入大反対しました。しかし、いざ総理になってみると、無責任なことは言えないなということで、五%引き上げを提案して導入している。やはり野党から与党になってみると、野党時代の無責任なことは言えないなということはよく理解されている。これまた立派な総理大臣だと思う。
 それも、消費税三%のときには、所得税、物品税を廃止すると同時に消費税三%を導入して、これが理解を得られなかったから、三%から五%に引き上げるときには減税を先行させたんです。そして五%に引き上げた。
 今回の消費税引き上げ論者というのは、財源が足りないから消費税を上げろと言っているんです、将来の。しかし、私は、今、行財政改革に専念するのが小泉内閣の役目だと。ここで財源が足りないから消費税上げろとなると、行政改革、財政改革の手綱が緩むということで、私は、仮に今度の九月の総裁選挙で再選されたとしても、これはどうなるかわかりませんよ、小泉再選は一〇〇%ないと言っている人がいるんですから、選挙はやってみなきゃわからない。しかし、仮に再選されたとしても、任期は三年です。三年ぐらいは、消費税を上げなくたって、行政改革、財政改革に専念することによって簡素で効率的な政府をつくる、これが必要じゃないかということで、在任中は消費税を引き上げない、そして、改革なくして成長なし路線をこれからも続けていく、これが私の趣旨であります。
原田(義)委員 これからも引き続き構造改革をしっかり進めていただきたいなと。きょうも引き続き、菅さんやら各野党の大物が論戦を挑まれるようでありますけれども、それこそ、今までの構造改革の認識、評価、これについて大きな認識の差があるなら、私は、国会解散、国民にその信を問う、こういうような気持ちで堂々と対応していただきたいなと。この国会もまだ、幸か不幸か、あと一週間、十日残っておりますから、ぜひまたよろしくお願いをしたいと思っております。
 一言、経済問題にも触れますが、三千四百六十四億ドル、これは四十兆円に当たりますけれども、これはIMFの最新の数字で、中国の外貨準備高であります。外貨準備高は、日本がちなみに五千四百億ドル、日本と中国が断トツであります。中国だけ見ると、本当に貧しい国か、こんな感じがいたします。
 それに対して、総理、日本は一年間に千七、八百億円のODAを出しています。それで喜ばれるのは結構でありますけれども、しかし、中国が本当にそれに値する国であるか。例えば、経済成長もすさまじいものがある。かたがた、軍事大国でもあります。核兵器も持っている、ミサイルも持っている。有人の人工衛星も、ことし、来年に打ち上げようとしている。オリンピックもある。かたがた、南南協力といって、六百億から七百億円のお金をアフリカやらアジアの小さい国にも送っておるわけであります。
 こういう問題について、やはり中国への経済協力というのを私はきちっと考え直さなければいけないな、こんな感じがするわけであります。中国がきちっと日本のそのことを評価しておるか、こういうことを一回きちっと議論していただきたいな、こう思っているところであります。
 時間がもうほとんどありませんので、あと一点。
 元の水準が非常に低過ぎるということが言われております。今、一ドル八・三元で、事実上の固定相場であります。このことが、世界の経済を非常にいびつなものにしておる。すなわち、中国の価格が非常に安いために、どんどん輸出する。中国へは輸出できない。かたがた、アメリカの経常収支が今大幅な赤字で問題になっていますけれども、これもすべてとは言いませんけれども、ほとんどの部分、中国からの輸出入にかかっておるわけであります。
 そこで、いろいろ、例えばグリーンスパン議長も、きのうきょうと、アメリカの議会で、もう中国にしっかり言わなきゃいけない、こういうことを言っております。いろいろな調査によりましても、大体一ドルは四元から五元ぐらいが一番いい、購買力平価という、そういう特殊な計算でいくと、一・七元でも十分だというようなことも言われるわけであります。中国はそれに対して、いや、これはもう国権の発揚、主権の問題であって、がたがた言うなということを言わんばかりでありますけれども、このことはしっかり、日本もそのことについてきちっとした水準に改めるべきだ、高めるべきだということを私は言いたいと思います。
 日ごろ歯切れのいい財務大臣、ぜひここで歯切れのいい発言をしていただきたいな、こう思うわけでございます。中国に向かって言うのが大変はばかられるなら、天に向かってそのことを答えていただきたいな、こう思っております。どうぞ、お願いします。
塩川国務大臣 なかなか適切な御質問であったと私は思っております。
 実は、その問題につきまして、十日ほど前にバリ島で開かれましたASEMでも、ちょっと間接的な表現でございますけれども、問題になりまして、こういう言葉で、国際協調を進めなければならぬ中で一部においては不均衡なものがある、したがって秩序ある回復を図るために平準化を図るべきである、こういう表現でございました。
 ちょうど昨年の秋、G7の会合がございましたときに、そのときにも均衡ある発展ということがテーマでございましたので、私は、WTOに加盟して貿易とか通商の自由化を進めるならば、為替の方も自由化してもらいたいということを提案し、とにかく、中進国を含めて、世界全体にそういう為替の自由化を積極的に進めたいということを表現いたしまして、その点について、直ちにIMFのケーラー専務理事も演説の中でそういうことがございましたことをつけ加えたい。
 世界的な趨勢としてそういう方向にございますけれども、しかしながら、中国としてはやはり事情があるんだろうと思っておりまして、いろいろと中国自身の利益になるような方向で、ぜひひとつ積極的に自由化を進めていただくことを、我々期待しておるということであります。
原田(義)委員 ありがとうございました。終わります。
藤井委員長 これにて棚橋君、原田君の質疑は終了いたしました。
 次に、白保台一君。
白保委員 おはようございます。公明党の白保台一でございます。
 総理、先ほども消費税の問題が出てまいりました。通告をしておりますので、再度お伺いしたいと思いますが、六月の中期答申で、政府税調は一〇%以上というのを初めて打ち出して、やはり国民は大変まだまだ不安というか、総理は常々在任中は上げない、こういうふうにおっしゃっていますが、足元でこういう税調の中期答申が出てまいりますと、先ほども答弁ありましたが、再度、総理はこの在任中の上げないということを確約できますか。
小泉内閣総理大臣 もう何度も確約しているわけですが、政府の税制調査会というのは、税制全般、財政状況を見ておりますから、それが理論的に議論されて、あるべき税制、これは、一つのあり方として出すのは私は別に悪いことだとは思っていませんし、政治的配慮にかかわらず、一つの理論構成として、一〇%、引き上げるべしという議論があるのはわかります。しかし、政治家として一つの方針を持っておりますし、その方針と政府税制調査会の答申と違うじゃないかといって非難されるには当たらないと思っております。
 というのは、財政状況を考えますと、このままの税制で果たして持続的な経済発展が可能だろうかというと、財政を考えますと、これは経済のためにあって財政のためにあるんじゃないという議論があるのは事実であります。しかしながら、同時に、財政が破綻して経済発展があり得ないのも事実であります。今、かなり減税をしてまいりましたから、ほぼ税収と国債発行が拮抗してきた。四割、一般会計の四割を税収に頼らないで国債発行で頼るというのは、これは理論的に考えれば、将来、不安で仕方がないというのも事実であります。国債発行してきても景気がなかなか回復しないというところに、構造に問題があるんだということで、私は構造改革を進めているわけであります。
 そういう点は政党の中でも政治家の間でも議論の分かれるところでありますが、私は、今の状況においては、もっと効率的な政府、可能ではないか、歳出削減も可能ではないか。そういう中で、私は、景気回復も可能だし、デフレ克服も可能だということで、今までのような景気対策、事によって消費税を引き上げるということが、では景気対策になるのかと私は思わない。消費税を引き上げるということに対しては、消費にも影響があります。景気を考えれば、今消費をもっと拡大しようという意向があるにもかかわらず、では消費税を引き上げて消費拡大にプラスになるかということがあると、これまた違うでしょう。
 だから、一部のいろいろな議論、批判、私は、批判することはもう自由ですけれども、批判する立場というのはもう一定の立場じゃないんですよ。もうあっちからもこっちからも部分的な批判ですから、整合性がとれていない批判が実に多い。一つの改革をやれば反作用がある、そういうのを承知で言っているんで、私は在任中は消費税率は引き上げない、これには変わりありません。
白保委員 時間の制限がありますので、手短にやっていただかないと次に移れません。
 デフレ対策について先ほども議論がありました。そういう中で、地域経済活性化という視点の問題について、しっかりやっていただかないと、いろいろなことをおっしゃいますけれども、地域へ行ってみたらシャッター通りなんていっぱいありますよ。こういうものが、シャッター通りが始まってからもう随分時間がたっています。ですから、地域経済活性化という視点からどう取り組みますか。
竹中国務大臣 デフレの継続、地域経済の停滞、これはもう大変本当に大きな問題だと思います。
 デフレに関して言うならば、実は名目成長率がマイナスである、実は過去五年の間に四年間、日本の名目成長率はマイナスであります。比較的大きな政府の支出をやっているときも、GDPはマイナスであった。そういった点からいいますと、不良債権の処理を進めて、それによって金融の効果がしっかりと出るような土壌をつくる、これがやはり地域の経済にも資すると思います。
 先ほど、幾つかの観点から産学連携等々、その地域の活性化の施策を申し上げましたが、さらに大きな枠組みで申し上げるならば、やはりこれは、地域でできることは地域で、地方でできることは地方でという三位一体の改革等を進めて、限りある財政の資金を有効に使っていただくということ、こうした枠組みづくりが大変重要なんだと思います。財政の制約が大きい中で、打ち出の小づちのような政策はなかなかないんでありますけれども、そういった地道な構造改革を続けていくということは、これはぜひ必要であるというふうに思っております。
白保委員 昨日の新聞の囲みに出ておりましたが、福井日銀総裁が非常におもしろいやりとりをして、財務大臣もごらんになったかもしれませんが、生き生き動くお金がデフレを撤退させるという興味深い囲みがありました。いわゆる、地域経済を活性化するために、その地域だけで通用する地域通貨、このことについて経済の教育とかいう懇談会で福井さんがお話ししておりますが、通貨の番人が大いに地域通貨を、本来ならば否定するところの立場の方が大いに奨励をしているような、そういうお話でございました。
 私は、財務大臣に、このことに対して答弁をいただこうと思うわけじゃありません。これから申し上げるのは、地域経済をどう活性化していくか、そういう観点からの話でございますので、このことを踏まえて質問をしていきたいと思います。
 実は、私ども、新しい沖縄振興法が昨年からスタートして、金融特区やあるいはまた観光特別地域、そしてまた情報通信の産業の特別地域、そういったものが盛り込まれて、稲嶺さんが魚よりも釣りざおということで、それが盛り込まれた法律がスタートして、大体、中長期的には体制としては整ったのかな、こう思います。
 しかし、日本の国も一千万人の外国からの観光客を誘致しようというふうな方針で頑張っていますが、私も、一千万人を沖縄に呼ぼう、こういうふうに考えてやっておるわけです、今、五百万にことしなりますから。そういった中で、やはり文化芸術、そういったものを大いに活用して、そしてそれと観光とをしっかりと相乗効果を上げさせていく、そのことによって地域経済を活性化させていく、そういう観点から、私は、映画に着目をいたしました。
 今、いわゆるフィルムコミッションというのがもう五十六、各地域でできています。風景を撮影していく、ロケーション、そういったものに対しても規制緩和をすべきだとか、あるいはまた人材をどう育成していくかとか、そしてまたそれを、コンテンツビジネスをしっかりつくっていこうとか、そういうことの考え方で進んでいるわけであります。
 そういう中で、昨年も、文化芸術振興基本法をもとにしたところの基本計画を閣議決定いたしております。そういう面で政府が、その中で、映画の振興に国が応援するということも書かれておりますので、文部科学大臣、この件についてどのように展開されようとしているのか、お伺いしたいと思います。
遠山国務大臣 委員御指摘のように、映画というのは、人々を感動させますし、日本の得意分野でございます、アカデミー賞ももらいましたし。
 そのようなことも背景にいたしまして、芸術文化振興基本法の中でも、映画、アニメ等の振興をうたっております。私どももこれを予算にも反映させておりますし、特に地域、地方で映画をつくる、あるいは、おっしゃいましたフィルムコミッションの活動がしやすくするということは、大変大事だと思っております。
 そういう地域の文化振興ということで、例えば、我が方といたしましては、全国の地域で行われる企画、制作される作品の制作支援、それから国内で行われます映画への支援等を実施しております。それから、フィルムコミッションが、これは撮影等をできるだけ自由にできるようにする、そのための規制緩和も大変大事だと思っております。
 これは道路交通法でありますとかいろいろな法律が絡みますけれども、ぜひとも、そういう規制緩和をして、地域における映画制作等がやりやすいようにして、私どもも十分バックアップしていきたいと考えております。
白保委員 総理、いかがでしょうか。いわゆる文部科学省でこういった支援をしていく、そういう中で規制緩和という問題が出てくると、横の問題があって、それぞれの、国土交通省の問題だとかいろいろとありますね、(小泉内閣総理大臣「ロケ」と呼ぶ)ロケーション、そういった問題について、全体的に規制緩和をきちっとやっていく、こういうことは文部科学省一人で頑張ってもなかなか難しい話ですから、総理として、映画を振興していく立場から、御認識を伺いたいと思います。
小泉内閣総理大臣 私も映画は好きで、総理になる前は、大体月に一本程度は映画を見ていました。
 ロケで、それぞれの地域で、人々に迷惑をかけない程度にロケをどのように許可していくか、これは、特に混雑している人込みの中では迷惑をかける点もありますので、単に文部省だけの問題じゃないと思います。地域の警察の問題もある、地方自治体の考えもあります。当然、映画制作者の面から見れば、よりいい映画を撮るためには、セットだけよりも現場の生の風景を入れたいという気持ちもあると思います。
 その点、よく考えて、映画制作者にとってもロケがしやすいような環境はどうあるべきかというのは、地域とよく相談しながら、できるだけいい映画が撮れるような環境整備に、もし政府として、行政として手助けできることがあれば、よく考えていかなきゃいけないなと思っております。
白保委員 フィルムコミッションとか、そういったところからの強い要望の中で、やはり先ほどの話も、規制緩和の問題がありましたが、いわゆる映画をつくる、また、映画というものはその時代その時代の背景というものを世界に発信していきますし、それをつくっていったら今度はコンテンツビジネスというものをしっかりとさせていかなきゃいけない。したがって、コンテンツビジネス特区、映画特区、こういったことも含めて、いわゆる振興策をきちっとつくっていく必要がある、こういうふうに考えているわけでございますが、文部科学大臣、いかがでしょうか。
遠山国務大臣 映画につきましては、昨年、映画に関する懇談会を映画関係者によってつくっていただきまして、そこで、ことしの四月に映画振興のためのある提言をしていただきました。これは初めてでございます。行政がそういう角度でしっかり映画振興の方策を立てましたのは、初めてでございます。それと同時に、知的財産戦略本部におきましても、コンテンツの重要性というのを取り上げております。
 そのようなことを背景にいたしまして、今お話しのフィルムコミッションに対する支援のあり方についても、ぜひともその一環として検討してまいりたいというふうに思います。
白保委員 映画は総合芸術ですから、地域でこのことがしっかりと踏まえて行われていきますと、多くの経済効果を上げていくことはもう間違いありません。
 最近では、亡くなった小渕総理が在任中に、「ナビィの恋」という沖縄の映画をやりました。非常にあれでもって沖縄理解が進みましたし、もう一つは、NHKの「ちゅらさん」でもっていわゆるゴーヤーマンなどというものが出てきて、これでもって非常にゴーヤーというものが全国にばっと出ていくという、非常に地域の振興に、映像を通して理解を深めることができる。
 日本の国が一千万人の観光客をというふうに考えた場合に、日本から大いに発信していけば、それは日本理解というものが進んでくるわけですから、ぜひこの取り組みについてはしっかりと助成制度も含めて取り組んでいただきたい、このことを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。
 そこで、実は、在沖米軍基地の問題について総理にお伺いしたいと思いますが、稲嶺県知事が今地位協定の改定の問題で、全国のいわゆる渉外知事会、米軍基地が存在する、そういう都道府県の知事にお会いして、地位協定の改定を一緒にしていこうという行動を起こされています。それについての認識について、まず総理の御答弁を求めたいと思います。
小泉内閣総理大臣 沖縄に米軍の基地が集結して、これをいかに整理、統合、縮小していくかというのは、単に沖縄だけの問題ではない、やはり日本国全体の問題だと私は思います。
 そういう中で、地位協定の問題がよく稲嶺知事からも私どもの方に申し入れがあり、私と稲嶺県知事が会談する場合にも常に稲嶺知事はそのことも取り上げられまして、沖縄の事情をよく考えてくれ、また、米軍の存在に非常に過重な負担を沖縄県民が受けているんだということを、私は会談するたびにその申し入れなりお話を聞くわけであります。
 この地位協定の問題につきましては、米軍の事情を聞きますと、米軍は軍隊を日本だけに駐留させておりません、各国に駐留させておりますし、そういう米軍の存在と各国との対応、こういう問題についても総合的に考えなきゃならないという意見も聞いております。
 私は、何か事あるたびに地位協定の問題が出ますが、この点についてもよく米軍当局と相談して、今も関係者間で話し合いが進められておりますが、日本の立場をよく理解していただくように、今のところ、運用改善で何とか、迷惑をかけない、お互いの立場を尊重できる配慮がなされないかということを進めているわけでございます。
白保委員 時間が参りますので、最後に一言申し上げておきたいと思いますが、運用改善でやるということで、なかなかそれが進まない、そういった状態、実態というものがあるからこそ、こういった行動を起こしているということもぜひ理解をしていただきたい、こう思います。
 最後にもう一つ。
 沖縄で、普天間の代替基地の問題について、嘉手納統合論などというものが出ていますけれども、それについて私は答弁を求めたいと思いますが、時間がありませんから、この嘉手納統合論については総理はどのように考えられているか、一言、イエスかノーかでお答えいただきたい。
小泉内閣総理大臣 その点は考えておりません。既定方針どおり進めていきたいと思います。
白保委員 終わります。
藤井委員長 これにて白保君の質疑は終了いたしました。
 次に、山谷えり子君。
山谷委員 保守新党、山谷えり子でございます。
 手錠をかけられて少女四人が監禁されていた。私、月曜日に、モラル教育とか健全育成教育、社会環境のあり方というものを考えていかなければいけないのではないかと言ったばかりでございます。
 そしてまた、東京都が小中学校に視察に入ったところ、アダルトショップのようないろいろなものが見つかって、不適切な、過激な性教育がなされているということがわかって、東京都は全小中学校で調査をするということでございますけれども、見知らぬ人とセックスをすることも本人の自由と言っている中高校生が六八%、売春、小遣いをもらうことも自由というのが四五%。本当におかしな教育。この自由、自分が考えれば何をやってもいいんだよというような、基礎を教えないで、そういう教育がなされている。
 これはぜひ、行き過ぎた性教育の全国調査と、そしてまたこの少女の事件も含めて、どのような環境、健全育成をお考えか、お聞かせくださいませ。
小泉内閣総理大臣 先日も山谷議員の御質問で、実際に小中学校で行われておりますいわゆる性教育について、私は、ここまでやる必要があるのか、行き過ぎの面もあるんじゃないかというようなことも申し上げました。
 今回の小学生の少女四人が監禁された事件におきましても、これは単に教育だけでなくて、今の青少年の考え方あるいは学校教育のあり方、いわゆる観念といいますか考え方、我々の子供のころとは時代も違います、そういう背景もあると思いますが、これは単に教育だけの問題ではなくて、総合的に、社会全体が取り組まなきゃならない問題だと思います。
 学校教育だけの問題じゃないと思います。家庭教育、それから地域の協力のあり方、そして、青少年ということを突き詰めていきますと、結局のところ、大人の問題に突き当たると思うんですね。子供が悪いと言ってもしようがない。大人の責任の面も随分多いと思います。
 今回、たまたま夏休みが控えております。これは、小学生、中学生、お子さんたちに対しても、また親御さんたちに対しても、余りにも用心深さが欠けている面もあると思うんです。こういう点はよく、啓発活動なり、親御さんもしっかりしてくださいと。お子さんたちも、こういう何げない行動が犯罪に引き込まれるという点については、やはり多くの地域の皆さん、親御さんの皆さん、そして学校の教育担当者の方々、今回の事件というものを一つの警鐘として、新しい教育理念といいますか、社会全体の青少年育成等、各般にわたって、反省すべき点が多々あるというふうに思っております。
山谷委員 昨日、鴻池青少年育成推進本部副本部長は全国調査をしたいというふうにおっしゃいましたので、行き過ぎた性教育について、全国調査をぜひお願いしたいと思います。
 首相は、施政方針演説の中で観光立国ということをおっしゃいました。本当に観光というのは、ただのお遊びではなくて、二十一世紀の基幹産業、アメリカももう大変な力を入れております。フランスでは七千六百五十万人ぐらい外国から来る。国家イメージ、安全保障対策でもあるわけですね。
 先日、私、アメリカに行きました。商談会がありました。世界じゅうから六千人のバイヤー、サプライヤーが集まってきて、十数兆円の商談が三日で決まっちゃうんですね。コンベンションで、四十兆円アメリカは稼いでいるわけでございます。日本は、わあおくれてしまっているなと、私、国会議員として初めて行ったんですけれども、思いました。
 アメリカでは千数百万人が観光関連従事者、日本では四百万人でございます。しかしながら、総理がおっしゃるように、二〇一〇年までに一千万人、倍増すれば、あと新規雇用が二百五十万人見込める。今でさえ五十兆円の経済効果でございますから、大変な経済効果と新規雇用の創出、それから国家ブランド、イメージアップ、安全保障にもつながっていきます。アジアででも、日本というのはこういう感じで九位。(パネルを示す)今、中国が物すごく頑張っていらっしゃいます。それから、日本に来る観光客で、どういうところからいらっしゃるかというと、韓国、台湾、中国、香港、アジアの隣人からたくさんいらっしゃる。
 三日前に二階幹事長が香港で開かれた世界の観光関係者の集まりの中で、アジアの域内での観光大交流時代をつくろうじゃないか、私たちはもっともっとアジアの中で仲よしにならなければいけない。しかしながら、例えばアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、こういうのはビザが相互免除になっているんですね。だけれども、こちらはなっていない。向こうからはすごくバリアが高いわけでございます。こういうバリアの問題とか、それから、新しく日本列島復元十カ年計画という形で、観光を軸にばあっとまた予算のつけかえをしていく。そのためには観光大臣が必要でしょう。
 具体的なメニューがあれ以来見えてこないんですけれども、どうなっていらっしゃるんでしょうか、観光立国というのは。
扇国務大臣 今山谷議員から力強い御声援をいただきましてありがたいと思っておりますけれども、小泉内閣として、小泉総理の肝いりで、今、五百万人のお客様しか日本に来ておりませんので、二〇一〇年、これを倍増の一千万人にしようということで、私も取りまとめを仰せつかっております。あらゆる面で、私どもは今まで、今山谷議員がおっしゃったように、日本の人を外国に出すことで、千六百万人出ていますけれども、お客様を呼ぶ広報が足りなかった、日本のよさを発信するすべが今まで足りなかったと私は思いますので、ビジット・ジャパン元年ということで私どもは頑張っておりまして、少なくとも、キャッチフレーズ「ようこそジャパン」で倍増したいと思っております。
山谷委員 総理もよろしくお願いします、先ほど手を挙げていらっしゃいましたので。
小泉内閣総理大臣 フランスで七千万人以上が、毎年観光客が訪れているにもかかわらず、日本には五百万人しか来ていないと。
 これは、観光に従事する方、非常に多いわけです。また、二〇一〇年にこれを一千万人、倍増計画を立てておりますし、これは具体的に、今、対象国もちょっと絞っていこう、漠然とやるんじゃなくて。今言ったアジアの国々が非常に日本に来やすい。さらにヨーロッパの国でも、日本人はたくさん行くんだけれども、外国からなかなか来ないというところも多い。全体が大事なんですけれども、よく重点を絞ろうということで、実際、具体的に担当者あるいは分野を決めて、その目標を立てろということで進めております。
 この観光というのは、だれもが興味があります。若い人もお年寄りも、男も女もみんな興味があり、好きですから、これは国民的な関心を持って、訪れてよし、住んでよし、この国づくりに観光振興というものは非常に重要ですので、これを重点的に取り上げて、ひいては日本の魅力を世界にわかってもらう。同時に経済活性化にも資するんじゃないか。また、この取り組みによって、外国人にいいと思われる国だったら、当然日本人もいいと思っている国づくりにつながるわけでありますから、そういう点において非常に重要な施策だと思っております。
山谷委員 もう時間がないので、最後に一言だけで結構でございますが、平成二十一年四月までに、国連の大陸棚の限界に関する委員会に、日本は大陸棚どこまでかという調査を出さなければいけない。もうすごい資源が眠っているわけですよね。もう急ぐわけでございます。これは特別予算で、保守新党も申し入れておりますけれども、特別予算で何とか組める、組んでいくというような決意、現状なんかを教えていただきたいと思います。
扇国務大臣 大変日本の国にとって大事なことを御指摘いただいたと思っております。これは今まで海上保安庁が二十年かかって地球十八周分ぐらい研究しましたけれども、まだ資料が足りません。そして、これは小泉内閣にも私は先日七月の八日にお願いしたんですけれども、少なくとも日本の国土の、これが決まれば一・七倍の大きさの資源を得ることができる。その資源も、コバルトが約五千年分、そしてマンガンが約千年分、天然ガスは百年分という資源がそこに眠っている。資源のない日本の国が夢のある資源大国になり得る、子孫に残せる一番大きな夢でございますので、私はこれを頑張っていきたいし、今おっしゃったような平成二十一年の四月までにこの資料を集めることに、これは各省を挙げて、経産省もそうですし、あるいは外務省もそうですし、文科省もそうです、そういう意味で、農水省も一緒になって、小泉内閣挙げて、資源大国日本を夢に頑張っていきたいと思っております。
山谷委員 本当に夢のあるメニューはいっぱいあるわけでございます。しかしながらまた、地域経済、中小企業対策、やらなければいけないこともあります。温かい配慮をお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
藤井委員長 これにて山谷君の質疑は終了いたしました。
 次に、菅直人君。
菅(直)委員 小泉総理初め、おはようございます。
 今、国民の皆さんが何を心配されているか。子供たちを巻き込んだ犯罪、治安の悪化、このことがまず一番ではないかと思います。また同時に、長い景気低迷の中での倒産、リストラ、さらには自殺、こういったことも大きな心配です。加えて、イラクの情勢が大変悪くなっている。そのイラク、戦地イラクに自衛隊を本当に送るのか、このことも、多くの皆さんが大変心配をされていることだと思います。きょうは、こういった問題を中心にして、総理としっかりと議論をさせていただきたい、このように思っております。
 私は、今の日本、大変残念ながら弱くなってしまった。今申し上げた治安の面でも、かつては、水と安全はただだとある作家が述べられましたが、今やいずれも大変な大きな課題に直面しております。もっと強い日本をつくるべきだ、つくれるはずだ、私はそう思っております。
 そういう強い日本、しっかりした日本をつくるにはどうするか。民主党としては、そのことを中心に据えて、次の衆議院選挙の前にマニフェスト、つまり、私たちが政権を担当することを国民の皆さんの手で選んでいただいた場合には、政権としてこういうことをやります、このことを明確に示して、そして選挙を戦いたい、このように考えております。
 そこで、マニフェストについて少し、国民の皆さんにもだんだん理解が浸透してきたと思いますが、私たちの考え方を申し上げてみたいと思います。
 マニフェストと従来のいわゆる選挙公約がどう違うのか。
 従来の選挙公約は、一般的に言えば、選挙の前に、どちらかといえば抽象的なスローガン、元気のいい日本をつくりましょうとか、景気回復をしましょうとかという抽象的なスローガンを、だれの責任とは言いませんけれども、党が決めて、そして選挙をやる。ですから、選挙をやったときには、国民はその抽象的なスローガンに対して支持をするかどうか、事実上、いわばその政党に対する白紙委任を求められて、そこで例えば自民党が勝ったとして、新政権がさらにつくられたとしても、その中身を具体化するためにはもう一度合意形成ということが必要で、そのために今日、幾ら小泉さんが公約をしたことであっても実は実行がされない、先送りがされるという、これが従来型の選挙公約であります。
 それに対して、マニフェストという考え方、政権公約という考え方は、逆に、選挙の前に、その政党と総理候補、首相候補でありますその党のリーダーが合意をして、一致をして、私たちが政権を担う場合にはこうしますということをあらかじめ方法、期限、財源などを明記して、それを国民に示す。ですから、国民はその中身を、政権を選択する判断として投票する。まさにそれによって政権がとれれば、公約ですから当然実行しますが、とれなければ残念ながら実行することはできません。そこで、新政権が発足しますと、既に合意しているわけですから、改めての合意形成手続は必要ありません。族議員や族官僚のいろいろな横車を入れることなく実行に移す、直ちに実行に移す、このことがこれまでの選挙公約と基本的に違うところであります。
 ここに二冊のマニフェストがあるのは、先日もお見せしたとおりであります。これは、一九九七年のイギリス労働党、当時の野党のマニフェストであります。これは、二〇〇一年、政権を持った中でのブレア労働党政権のマニフェストであります。
 きょう夕方にはブレア総理が日本に来られますが、私も十八年ぶりに政権交代を一九九七年にされたブレア首相から、できればそのときの経験を聞きたいし、総理も、政権を持った後のこの二〇〇一年のマニフェストについてぜひブレア首相と意見交換でもしていただいて、与党の立場のマニフェスト、野党の立場のマニフェスト、どう違うのか、このこともぜひ認識をしていただきたい。与党のマニフェストは、自分たちが政権をとったらこうします、あるいは自分が総理になったらこうします、あるいは総理になった後にこうするという約束をしたことについてみずからきちんとした検証をしています。自分が約束をしたことを検証した上で次のマニフェストを出しているんです。この中には、大したことないなんてことは書いてありません。しっかりと、自分が約束したことがどこまで行ったかを検証してあります。
 そういった意味で、総理にも、ぜひ次の衆議院選挙に当たっては与党と一致した、それが抵抗勢力であろうがなかろうが、自民党の議員集団、与党と一致した、そうしたまさに政権政策、マニフェストを出して、我が党を中心にした野党と正々堂々の戦いをしていただきたい。
 最近の総理の発言は、いや、総裁選の公約がそのまま総選挙の公約になるんだ、一説には踏み絵を自民党に踏ませるんだと言ったという話もありますが、最近は、腹話術ではないかもしれませんが、山崎幹事長が、いやいや、そんなことは総理は言っていない、党は党として決めるんだからと言って、大分腰が引けているようになっております。
 はっきりとこの場で総理にお聞きしたい。私たちが考えるような、私たちは野党ですから、政権が獲得できたときにはこうしますというそのマニフェスト、総理のお立場からいえば、選挙で勝ってさらに小泉政権が続くときにはこうしますということを与党と一致した形で出して選挙を戦うことを、国民の前でお約束していただけるでしょうか。
小泉内閣総理大臣 マニフェストという言葉は、日本語で訳せば、辞書によると、宣言とか声明というふうになっております。いわゆる公約ですね。私は、できるだけ英語の片仮名を使わないで、日本国民に対してはわかりやすい日本語を使おうと努めております。公約はしっかり国民に訴えなきゃいけないと思っておりますし、民主党も、マニフェストと言おうが政権公約と言おうが、しっかりとしたものを出されることは非常にいいことだと思います。
 ブレア首相が今晩来日されまして、あした私もブレア首相と会談します。マニフェストのことについても話してみたいなと思っておりますが、私は、九月の自民党総裁選に対して、こういうことを言っているんです。自民党の総裁として、公約について党と相談するのは当然だ、当たり前でしょうと。また、総裁選挙というのは党と相談する最もいい機会です、はっきりと政策論争するにもいい機会だと。だから、総裁選の総裁候補の公約は、その候補が当選すれば当然党の公約になります、当然でしょうと言っているんです。当然と思いませんか。腰砕けとか何でそんなの、全然そうじゃないですよ。これを腰砕けと表現するのは、節穴の諸君が判断するんであって、よく見ていないなと。菅さんだって、民主党だから、党首として公約について党と相談する、当然と思いませんか。
 そして、党首選で争う。当然意見が違う。その当選した党首、総裁、自民党の場合は、私がもし再選すれば、これは確実に党の公約になります。従ってもらうのは当然であります。
菅(直)委員 比較的はっきり言っていただいたので、国民の皆さんも聞いていただけたと思います。ただ、節穴という言葉は、私から総理にお返しをしたいと思うんです。なぜか。
 さきの参議院選挙で小泉総理は、今回も出されるそうでありますが、郵政事業の民営化を言われました。しかし、小泉総理が握手をした自民党の公認候補の中で、体を張っても民営化は阻止する、そういう候補者がいたことを覚えておられませんか。当選した後、選挙違反でやめられました。
 こういう事実があるから、私は、それが抵抗勢力であろうとなかろうと、与党・自民党と一体の一致した公約をきちんと選挙前に出せるんですか、ぜひ出してくださいねということを申し上げたわけでありまして、そうでないことをやられたから私が申し上げたんで、節穴という言葉はお返しをいたしておきます。
 そこで、私たちの、民主党の考えているマニフェストについて、少しお示しをしておきたいと思います。
 私は、先ほども申し上げたように、今、日本はいろいろな意味で弱くなってしまっている。それは、治安の問題、教育の問題あるいは科学技術の技術立国、こういった問題について、残念ながら弱くなってしまっている。それを強い日本につくっていきたい、強い日本をつくりたい、このことを一つの大きな柱にしたい、こういったことで今議論を進めてもらっております。
 もう一つは、この強い日本を妨げている最大の要素とも言えるのが、税金むだ遣いお化けというお化けがそこらじゅうに巣くっているということであります。
 例えば、諫早湾の干拓事業も川辺川のダム事業も、あるいは、片側二車線というようなスーパー林道と呼ばれるようなものがほとんど車の通らないところにもつくられている。膨大なむだ遣いがなぜ行われるか。このことについても、これから少し具体的に申し上げてみたいと思います。
 そこで、その前に総理に一つ、総理は眼鏡をかけられないから余り必要ないかもしれませんが……(小泉内閣総理大臣「眼鏡、かけるんだよ」と呼ぶ)そうですか。眼鏡ふきを一つプレゼントをしたいと思います。(発言する者あり)
藤井委員長 ちょっと待ってください。許可を得てください。
菅(直)委員 では、後ほどお届けします。もしあれでしたら、扇大臣には洗顔クロスをお届けしたいと思っています。これは、なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、この布一枚なんですけれども、これには物すごい、日本で開発されたナノテクノロジーが凝縮されているからなんです。
 この布の繊維は、太さが髪の毛の太さの四十分の一、二ミクロンです。通常のこういうワイシャツなど比較的細い糸でも、大体十五ミクロンから二十ミクロンあるんですね。この細い繊維を使った布であるために、例えば厚さが五ミクロン程度の油膜、ごみですね、油膜が眼鏡についていても、これでふくと、細いですから、油膜よりも細い糸でしゅっと取れるんですね。皮膚もしゅっと取れるというので、大変何か女性にはこれが人気があるそうですから、ぜひ扇さん、ますます美しくなっていただきたいので、お届けをさせていただきますけれども……(発言する者あり)失礼しました。遠山大臣にもお届けします。こういうものがあるんですよ。
 あるいは、先日、四国に行きました。四国のある地域では、水が足らないからもっとダムをつくろうなんという話があります。しかし、目の前に水があるんですね。どこの水か。瀬戸内海の水があるんです。今、日本では、逆浸透膜を使った海水淡水化事業というのが大変技術的に開発をされていて、中東地域にも輸出をされております。しかし、多少事情を聞くと、どうもダム工事を請け負おうとしている業界の方が政治的に強いものだから、淡水化事業という技術がありながらなかなかそれが進まないんだ、こんな話も聞いております。
 最近、羽田の飛行場を拡大するのに、メガフロート、浮遊体でやったらどうかという議論がある。これは関空のときからありましたが、これも埋め立て派かメガフロート派かで、どうも埋立工事派の方が強いんだそうでありまして、なかなかメガフロート派がそのことを、せっかくの技術がありながらやれない。
 後ほどの、この税金を食べてしまうお化けにもかかわるわけですが、そういった、せっかく日本が強い技術立国ができそうな問題がもしそのようなお化けによって妨げられているとしたら、私は、まさに大変残念なことだ、このように思っております。
 そこで、そのお化けの正体をちょっと皆さんにお見せをしたいと思います。(パネルを示す)これがお化けの正体ですね。「税金ムダづかい「お化け」の正体」。
 ピンはね族議員、ここにおられないので言うのは恐縮ですが、鈴木宗男議員を代表として、お仲間がたくさんおられるんじゃないでしょうか。ピンはね族議員お化けであります。
 そして天下りお化け。あの川辺川で天下りをし、諫早湾で天下りをし、きょうも議論になるでしょう、道路公団総裁はまさにこの天下りお化けの代表じゃないですか。
 それに加えて談合業者お化け。埼玉県知事がそれにかかわったかどうかはまだわかりませんが、自治体においても国においても、官製談合を含めて、十億の予算がついたら、競争すれば八億、七億になるところを、だれかが、神の声とかささやきとかいって、あんたのところが落としなさい、あとの人は十億以上を入札しなさい、九億九千九百九十九万で落札するなんということが、今なお日本じゅう、そこらじゅうで行われているじゃないですか。
 このピンはね族議員お化け、この天下り官僚お化け、この談合業者お化けを退治しない限り、私は、日本の再生はスタートできない、このように思っております。
 そして、それができるのは、このお化けを仲間としている自民党には残念ながらできないのでありまして、私たち民主党には、このお化けを退治するそれだけの意思と能力と、そしてこのお化けに絡まれていない、しがらみの極めて少ない政党としてその資格がある、このように思っております。
 総理、総理はこれができますか。
小泉内閣総理大臣 民主党にもぜひ頑張っていただきまして、そのような改革に進んでいただきたいと思いますし、自由民主党としても、民主党に負けないように私どもも頑張っていきたいと思っております。
菅(直)委員 例えば、一つだけ、せっかくの機会ですから、重ねてといいましょうか、お尋ねをしておきます。
 かつてこの場でも、その典型的な一つの例として、全国で減反減反で四割前後の水田が転作なり遊休農地として存在している中で、諫早湾の上に農地をつくる事業が今なお続いている。総理は、私がそのことを言ったら、いや、地元の皆さんの要請があるから。それは長崎県連の自民党から要請があったかもしれません。まさに先ほどのお化けを見てください。長崎県連の自民党幹事長は、公共事業に関連して逮捕されたんじゃなかったですか。まさに、これでいえばピンはね族議員お化け。族議員というよりも、これは一つの機関ですからね。自民党自体がピンはね族議員政党。その力によって、あの諫早湾干拓事業ですらとめることができない。農林水産省に聞けば、既に三十人から四十人、関係業界に天下りをしている。この天下り官僚お化け。
 総理は、大いに民主党もやってください、私もやりますと言うのであれば、いろいろ大きなことを言われるのは結構ですが、まず農林水産大臣に命じて、これを中止しろ、なぜそれが言えないんですか。私は、二年前から多分この場でも三、四回はこのことを指摘したでしょう。常に、地元の要請がある、何とかの要請がある。この要請がまさにピンはね自民党そのものを象徴しているんじゃないですか。
 うなずいておられますが、うなずいているんだったら、わかりました、やりましょう、この場でそう言ってください。
小泉内閣総理大臣 その事業につきまして不正な行為があってはならないというのは、当然のことであります。
 また、諫早湾事業について言えば、民主党も、この諫早湾事業が必要だと言って選挙に出た候補を応援したんじゃないですか。それでは、なぜその諫早湾事業はやめさせようという候補を応援しなかったんですか。
 私は、地元の意見というものをもよく聞くことが大事だ。やはり私は、地元の実情は地元の方が一番よく知っていると思います。そういう中で、諫早湾事業が争点になったときの選挙であります。それだけ問題にするんだったら、民主党はそうでない候補を応援すればいいのに、諫早湾事業が必要だということで地元の民主党議員まで応援している。これ、よく調べればわかりますよ。民主党が応援しているんですよ。それで、国会では違うことを言う。私は、それはちょっとおかしいんじゃないかと。
 では、地方の民主党と国会の民主党は違うんですか。民主党も、やはり民主党と名乗っている限りは、地方の実情をよく聞くというのが、政党だったら普通のことだと思うんです。よく調べてください。たしか知事選挙で、民主党は、諫早湾事業の廃止を訴えた候補じゃなくて、諫早湾事業を必要だと訴えた候補を応援したと思いますよ。よく調べていただきたいと思います。
菅(直)委員 今総理は何に答えたんですか、結局のところ。まさにはぐらかしの典型じゃないですか。
 私は、農林水産大臣を任命した総理大臣に、農林水産省予算の直轄事業としてやられているこの事業をやめたらどうですかと言ったんです。一言も答えていない。農林水産大臣に命じてやめさせたらどうですかと言ったんです。一言も答えていない。
 民主党は、さきの衆議院選挙の公約で、民主党が政権をとったときには、川辺川ダム、諫早干拓事業は即座に中止するということを公約いたしました。国会で政権をとった場合にはこうするということをきちんと公約しました。
 総理、もう一回答えてください。あなたは総理大臣なんですから、知事選の応援がどうこうこうこうという話の前に、農水大臣を任命したのはあなたじゃないんですか。その農水大臣が実行しているのがこの事業ですよ。自分の話を全部向こうに置いて、相手の党だけ攻撃するのであれば、どうか一年先にこの場所を交代して、どうぞやってください、そのときはちゃんと受けて立ちますから。そちらに座っていながら国民に対して逃げを打つというのは、だますというのは許せませんから、もう一度答えてください。
小泉内閣総理大臣 相手を攻撃しているのは、しょっちゅう、菅さんじゃないですか。私はいつも攻撃されているんですよ。はっきり質問に答えているんです。
 それは、私は農林水産大臣に対して、地元の実情もよく聞いて、必要かどうかよく判断して考えなさい。そして、農林水産大臣は、地元の意向をよく聞いて、どれが必要か、どういう改善が必要か、それで判断されているんです。
 だから、では、菅さんが廃止しろと言ったら、地元の民主党議員に言って、あなたたち、反対している候補を出して、あるいは反対している候補を応援するのが私は筋だと思うんですよ。賛成している候補をどうして応援するんですか、民主党は。それこそ、私は、矛盾しているんじゃないですか。そう思いますよね。
菅(直)委員 何度も申し上げますけれども、この事業をやっているのは県じゃありません。いいですか、この事業をやっているのは農水省の直轄事業です。唯一残った農水省の国営埋立事業です。干拓事業です。また逃げているじゃないですか。ちゃんと答えてください。
 今の答えはこういうことですね。私が申し上げたのは、減反で農地が余っているときに、農地造成のために二千五百億円も使ったようなこの事業を進めることはやめたらどうですかということを申し上げたけれども、そして、それを進めている地元は、先ほど申し上げたように、地元の県連がそういう業者からお金をたくさん受け取って、逮捕された人も出ている、農林省は天下り先もある、そういうことに影響されないためには、総理の決断でやられたらどうですかとお尋ねしたんですが、総理のお答えは、私の決断ではとてもできません、全部地元の関係者に判断を任せ、農林水産省に判断を任せているので、自分はそのことはとても聖域で手が出ません。それならそう答えてください、どうぞ。
小泉内閣総理大臣 都合のいいように解釈されるのは勝手ですけれども、諫早湾というのは地元が水害に非常に悩んでいたんです、水害対策をどうしようかと。干拓事業だけじゃないんです。そういう点がよくわかっているのは地元の方々でしょう。
 だから、直轄事業とはいえ、地元の意向を無視してやることはないんですよ。地元の意向もよく尊重して、防災対策、水害対策、そして必要な干拓事業はどうあるべきか、よく地元の実情も考えながら、農林水産大臣にやってくださいと。私が一々地方へ行ってどれが必要かと言うことよりも、担当大臣がいるんですから、そういう方の判断を尊重します。これは総理大臣として、私は一つのあるべき姿だと思っております。
 今はっきり答弁していますように、単なる干拓事業だけじゃないんです。地元の人たちが水害に、どうやってこれを、水害に過去悩んできた。水害を防止する、もう台風なり来るとおちおちして眠れない、何とか防災対策をしっかりやってくれという声もあったというふうに私は聞いております。そういう点をよく判断してやってくださいと。
 私は全然はぐらかしていませんよ、答弁。
菅(直)委員 総理は、地元の事情はよくわからないと一方で言いながら、いろいろと水害のことを言われています。どちらかちゃんとはっきりしてくださいよ。
 この二千五百億の事業については、大変注目をされておりますし、私自身も含めて、国会で何度となく議論をいたしました。扇大臣とも議論をいたしました。私も現地を何度も見てきました。川辺川ダムも見てきました。そういう総合的なところを含めて、私は総理に申し上げたんですけれども、今も同じように、結局は自分は判断できない、農林水産省や地元に判断を任せている、こういう結論でいいんですね、総理、総理。
小泉内閣総理大臣 よく水害対策と干拓事業とを総合的に考えて判断しなさい、そして、いろいろ相談して、知恵を出してやっていく、私の判断なんですよ。
 たしか、ノリがとれないとかいう状況がありましたね。ですから、そういう水害、干拓事業の影響がどうなんだろうかということを専門家の方々によく任せて、この干拓事業がノリの不作に影響があるんじゃないかといって時間をかけて議論したら、何か翌年は豊作だったという、諫早湾の。なかなか自然条件というのは難しいなと。
 早急に判断する問題と、時間をかけて判断しなきゃならない問題もあります。地元の意向というもの、国費の事業、これはやはり総合的に判断する問題ではないかな。よく聞いて、ああ、それは尊重すべきだといって決めているんです。
菅(直)委員 先ほどの節穴という言葉を総理にもお返しをしておきましょう。外受け堤防があれば防災を防げます。内側の干拓事業は少なくとも要りません。私、この問題でこれ以上細かいことは申し上げませんが、総理は、結局は自分が判断をしないということを今言われました。そのことが、この事業についての判断は農水省や地元に任せているということを言われましたので、それでは節穴ではないですかということを申し上げておきます。
 そこで、先日の参議院の質疑の中で我が党の櫻井議員が、高速道路を民営化するという総理の主張に対して、民営化するということは、料金をずっと取り続けることですね、永久に有料化ということですねと。現在の公団は、法律では、償還後無料化ということになっております。私たちは、今、高速道路の全面的な無料化を検討しております。選挙までにはしっかりした対案を、マニフェストとして案を出そうと思っています。
 そこで、櫻井充参議院議員の質問をもう一度総理にさせてもらいます。総理の言う民営化というのは、永久に料金を取り続ける、こういう意味を持っていると思いますが、イエスですか、ノーですか。はっきり答えてください。
小泉内閣総理大臣 まず、永久に料金を取り続けると決定しているものではありません。
 これはこれからいろいろ議論になると思いますが、有料道路制度は、財源対策として建設資金を借入金で賄って、完成後、利用者からの料金収入で返済して、債務返済後は無料開放するものであります。このため、道路公団改革に当たっての閣議決定においては、現行料金を前提とする償還期間は五十年を上限として、コスト引き下げ効果などを反映させ、その短縮を目指すとしたところであります。
 債務償還後の料金制度のあり方については、この閣議決定の趣旨も踏まえつつ、今後十分議論していきたいと考えておりまして、御指摘のように、現時点で永久に料金を取り続けると決定しているものではありません。
 いずれにせよ、いかに四十兆円の債務を確実に返済していくかが当面、重要課題であります。
菅(直)委員 民営化というのは、例えばJRの場合民営化ですが、できれば配当もしたい。そうすると、料金を取らないとすると、収入はあと何があるんですか。それは多少は直営の、何かサービスエリアの売り上げとかその敷金とかあるかもしれませんが。
 約二兆円が今料金で入っていますよね。そうすると、民営化したときに事実上その会社は収入がゼロになりますが。民営化というのは、普通はあれじゃないですか、収入があって配当する。ですから、当然、民営化が続く限り、民営化をやめたら別ですよ、民営化が続く限り有料が続くというのは、普通に考えて、当たり前じゃないですか。なぜ、そんな当たり前のことを、違うことを言われるんですか。もう一回ちゃんとイエスかノーか言ってください。
小泉内閣総理大臣 いや、ちゃんとはっきり言っていますよ、永久に取り続けるとは決定していないと。だから、通行料金のあり方については、新会社が徴収する通行料金については、能率的な経営のもとにおける適正な原価を償い、かつ適正な利潤を含むものとし、新会社の経営者が自主的に決定することを基本とする。
 この前たしか参議院の櫻井議員が言ったことは、民主党の案は、無料にして、あと、高速道路を使わない人の自動車に税金をかけるというんでしょう、たしか提案は。これだったら、また逆に不公平になるんじゃないですか。
菅(直)委員 いいですか、私たちが今検討しているのは、通行料金という形で無料化すると何が可能になるか。一つは、当然ながら経営形態は、公団が必要ありませんから、もちろん道路局は必要かもしれませんよ、高速道路局は。しかし公団は必要ありませんから、天下り先はなくなります。
 現在、出入り口が日本は十三キロ平均だと聞いておりますが、アメリカのフリーウエーなどは大体三キロ平均。つまりは料金所が要らないわけですから、すっと入ってすっと出る、そういう意味では大幅な増設が可能になります。
 償還は、現在、公団は料金と国からの補助金でやっている。民営化の現在出ている案は、料金をベースにしていますが一部の債務は税金で処理する、こうなっています。私たちは、一般財源などを使って、償還はいわゆる通行料金とは別な形で償還する。そのことの方が国民経済的にも地域の活性化のためにもプラスになる、こう思っているからです。そういった意味で、次の総選挙までにしっかりとした数字と目標値を立てて出しますから。
 総理は今、民営化したらその後の経営者が料金は決めるということを言われましたね。うなずいておられますね。それはそうでしょう、民営化ですから。しかし、その民営化した社長が、料金ゼロにしたら、自分の給料をどこから出すんですか。つまりは、民営化ということは有料化の固定化だということを申し上げているにもかかわらず、社長に任せるから私は知らない、そんなことはあり得ません。
 そこで、このことも先ほどの言葉をお返ししておきます。小泉総理はよほど節穴ですね。民営化の結果も見通せない、そういう節穴の総理だということを、あえて、総理の言葉ですから、申し上げておきます。
 そこで次に、小泉総理がこれまでいろいろと公約をされてまいりました。マニフェストという言葉は使われませんでしたけれども、総理になる前、総理になってから、いろいろと公約されてきました。ぜひ、その公約がどこまで実行されたかということを踏まえて次の政権公約、マニフェストをつくっていただきたい、こう考えておりまして、少し私の方で検証をいたしてみました。
 骨太方針というのが三度にわたって出されております。
 二〇〇一年、新規国債について三十兆以下に抑える。そしてプライマリーバランス、つまりは財政の健全化の一つの重要な指数、これを二〇一〇年初頭までに黒字化する、こう言われましたね。そして、実際には三十兆を超えた予算を補正で組まれました。まずこれで公約はほごにされました。
 二〇〇二年、三十兆円からの乖離を小さくする、ちょっと表現が変わりました。そして、同じようにプライマリーバランスを二〇一〇年初頭に黒字化する、これは残っております。
 今回出された方針では、「国債発行額についても極力抑制する。」、とうとう数字がなくなりました。そして、プライマリーバランスは黒字化するとあったのが、「黒字化することを目指す。」と、少しトーンが下がっております。
 そこで本当に、これを見ておりますと、これが税収と新規国債の、総理に就任されてからの数字であります。確かに当初予算は三十兆でしたが、その後どんどん国債発行高がふえて、現在、たしか三十六兆ですよね。税収は五十兆余りあったのが、今や四十兆。次に、補正で国債を出されて、税収も若干下がりぎみですから、そこまで来ると、税収と国債が逆転することになります。
 そこで、プライマリーバランスの表を見てみましょう。これがプライマリーバランスからの外れの数字であります。総理が就任されたときは、プライマリーバランスからの外れが二十一兆五千億でありました。そして、それをずっと二〇一〇年までにはゼロに持っていくというのがこの公約ですよね。この骨太方針の第一の公約ですよね。
 しかし、現実は、だんだんこの差額が小さくなるどころか、補正を組んだ途端に二十一兆から二十六兆五千億になり、今回の予算でも二十六兆九千億まで差額が広がっている。さらに広がる可能性が高い。なぜか。税収が下がっているからです。つまりは、今、七合目から十合目まで登るのに十年余りかかるから、十年ほど待ってくれればこのゼロまで行くんだ、頂上まで行くんだと言われているのが、七合目でスタートしたのが今や六合目、五合目まで下がってきている。
 そこで、二つのことをお聞きします。
 総理が本会議で国民に約束されたことですから、間違っても、民主党がどうのこうのといういつもの得意の答弁ではなくて、国民に対して答えてください。
 あなたは、最初の骨太方針で約束した国債三十兆、破りましたね、約束を。私たちは、むだな税金を、使い方を変えて、もっと経済効果のある、もっと雇用効果のあるものに変えていけば、三十兆の枠の中でやれるのならやることが大いに望ましい、当然そう考えるじゃないですか。ですから、私たちは三十兆に対しては反対しませんでした。やれるならやってください、そう言いました。しかし結果的に、総理は国民に約束した財政再建のメルクマールである三十兆をまず破りましたね。どうですか。
小泉内閣総理大臣 これは、税収が五十兆円程度あるときに、国債三十兆円以内に発行を抑制しながら予算を組むべきだとはっきり申し上げました。ただし、経済は生き物である、経済状況を見きわめながら大胆かつ柔軟に対応するということも同時に言っているんです。
 そのときに民主党は、三年間三十兆円枠に縛れという法案を出しました。これも、民主党は公約ですよね。私は、その民主党の提案に対して、法律で縛ることはしない、経済は柔軟に対応しなきゃならない場合もあるから、よく考える必要があるということでやったんです。
 それは国民の判断です。税収が落ち込んできた、三十兆円を守る方がいいのかどうか、現実の経済状況を見て。あるいは、状況を見きわめながら、当初の目標とは一致しなかったけれども、これに対して柔軟に対応する方がいいのか、これは国民が判断します。
 確かに、私の言った三十兆円枠ということについては、これは実現しませんでした。(菅(直)委員「実現じゃない、守らなかったんだ」と呼ぶ)守れなかったということは残念であります。しかし同時に、守った方がいいのか、守らなかった方がいいのかというのは、これはまた別の判断です。(菅(直)委員「いや、守らなかったんじゃなくて」と呼ぶ)
藤井委員長 やりとりは委員長の指名によってやってください。
小泉内閣総理大臣 そこが政治経済で大事なんです。何でも言ったことを徹底的にやって経済がどうなるか、それをよく責任者として判断しなきゃなりません。
 それで、民主党は果たして、それでは三十兆円を法律で縛れと、三年間。そこで、それだったらばどういう予算を組むのかという具体案は出していない。
 そういう点で、私は確かに公約、三十兆円枠を守れと言ったことはできませんでしたけれども、実際、守らなかったことによって現実の経済にうまく対応できたと思っていますよ。これについては、私は、よく国民が判断されるものと思います。
菅(直)委員 初めて、自分の公約を守らなかったということを自分の口で言われました。
 この二〇〇一年六月二十一日というのは、総理がまだ九〇%ぐらい支持率があったときですよ。そして、これは本会議でも、所信表明で述べられたことですよ。その最初の、ある意味では十数年かかっての財政再建に向けての最初の骨太の方針が、最初の公約がまず破られたんですね。本人が、破られたと自分で認められました。(発言する者あり)何かいろいろやじが飛んでいますが、とめてください。
 そこで、申し上げます。これを破った結果、プライマリーバランス、二〇一〇年初頭までに黒字化するということは、その後の経済の状況、これは総理の内閣での状況がどんどん悪くなって、税収が先ほど申し上げたようにどんどん落ち込んできて、プライマリーバランスからの格差がどんどん拡大している中で、常識的に考えて、二〇一〇年初頭にプライマリーバランスを黒字化するというこの公約は破綻している。私はそう思いますし、多くの専門家もそう見ています。この約束は守れない、こう思いますが、総理は、残念ながらそうです、守れませんと言われますか。いや、やれるんですと言われますか。どちらですか。
小泉内閣総理大臣 私は、やれると思いますし、やれるように努力しなきゃいかぬと思っております。
 これは、今私の行財政改革、徹底的にむだを省こうと行政改革、財政改革に努めておりますので、これは効果が必ず、時間がたてば出てくると思っております。そのときの状況というもの、経済情勢、いろいろありますから、そのときの政権が考えることでありますけれども、私は、今のような厳しい状況にもかかわらず、いろいろな財政の構造あるいは行政の構造、経済の構造、この改革を進めることによって、その目標に向かって実現するように努力するのが小泉内閣の務めだと思っております。
菅(直)委員 今総理は、いろいろやるから、かなり下がってはきているけれども、最終的には守れると思うという趣旨のことを言われました。しかし、一方で、もちろん自分の任期中消費税は上げません、先ほども言われました。税収はどんどん下がっています。国債発行額はどんどん上がっています。場合によっては、ことしじゅうの補正予算が組まれるとすれば、もっと上がるかもしれません。少なくともプライマリーバランスからいえば、改善する方向性が小泉総理の政策の中に全く見当たりません。いい悪いを言っているんじゃないですよ。これは約束ですからね、総理が国民にした。プライマリーバランスというのは、税収が伸び、国債発行が減ればよくなります。税収が下がり、国債発行額が上がればもちろんもっと悪くなります。
 なぜできるという根拠があるんですか。それこそマニフェストとは似ても似つかない、そうなってほしいなという期待的な目標であって、骨太方針という政府の約束としては完全に破綻しているじゃないですか。今の答弁で、この破綻をしているということと違うことの根拠は一つとしてありません。それでも、自分の公約は、三十兆は守れなかったけれども、プライマリーバランスの回復は、黒字化は二〇一〇年代初頭でやれると今でも言われるんですね。もし言われるとしたら、ぜひ二〇一〇年まで総理大臣を続けてもらいたいですが、そのときは日本は沈没しているでしょう。いかがですか。まだ守れると言うんですか。
    〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕
小泉内閣総理大臣 守れるように努力することが大事ですし、それは民主党も、三十兆円を法律で出したということも公約ですよ、民主党の。そうした場合、全然具体論出していない。三十兆円今守って、それでは全体の税収が今落ちたときにどう対応するかという案を全然出していないじゃないですか。この景気の状況を見て、民主党が言っているように法律で三十兆円枠を縛って、税収が落ちたときに民主党はどう対応するのか。それは同じですよ、今の政府と。その場合、増税するのか、どこを切るのか。(発言する者あり)それはみんな怒っているけれども、本当のことを言っているんですよ。批判することばかりで、自分たちの対案は出さないで、あなた対案出してない、出してないと批判するのは余りにも身勝手じゃないですか。
 私は、民主党が三十兆円枠で、法律で縛れというのも公約です、国民に向かって、国会で出したんですから。そうしたら、対案を出せば、それは政府案の方がはるかにすぐれたものだということを国民もわかりますよ。
菅(直)委員 先ほど申し上げたんです、先ほど申し上げたのは、二〇〇一年のブレア政権のもとのマニフェスト、政権公約は、自分が約束をしたことが、ブレアさんは政権をとったんですから、政権をとった中でどこまでやれたか、やれないかということを自己検証しているんですよ。
 総理が野党の立場だったら今の答弁で結構ですよ。私はやろうと思ったんだけれども、与党が、政府がだめだったから三十兆枠におさまらなかったと言われるのは大いに結構ですよ、野党なら。あなた、総理大臣じゃないんですか。あなたが約束したんじゃないですか、国民に。あなたが国民に約束したことができない理由を何で野党の民主党にするんですか。自分の約束が守れないことを何で人のせいにするんですか。そういうことをするから子供たちも、約束を守らなくたって大したことはないということになっているんじゃないですか。
 政権ですよ、政権として骨太方針というのは閣議決定されたんじゃないですか。閣議決定されたものとして三十兆を決め、閣議決定されたものとして二〇一〇年代の黒字化を約束したけれども、結局はいずれもできません、そうだとすれば、これからどんなマニフェストを出してみても、総理のマニフェストというのは、一年たったら、二年たったら、あれは当時の見通しが違っていたからこうなったので、変えるのは仕方なかったんです、そういう話になりますが、この二つはできなかったということですね。約束が守れなかったということですね。
    〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕
小泉内閣総理大臣 はっきり答弁しているでしょう。確かに三十兆円枠は守れなかったけれども、それじゃ、守った場合と守らなかった場合とどっちがいいのか。五十兆円の税収の前提のもとに三十兆円だ。税収が四十二兆円に減ってきた。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。御静粛に願います。
小泉内閣総理大臣 そういうときに対しては、経済は生き物だから大胆かつ柔軟に対応する。それは、民主党が三十兆円枠を三年間法律で縛るということに対して、私は拒否したんです。それを答弁したのに、答弁が気に食わないからだめだと言って、ここで抗議するのもおかしい。勝手に私のことを批判するのは自由、私が批判したらけしからぬ、こういうのがよほどおかしいんですよ。自民党のやじはおかしいと言いながら、平気でやじを飛ばしている、これもおかしい。もっと冷静に対応してください。(発言する者あり)
藤井委員長 ちょっと冷静に。
 総理、総理、総理、質問者に答えてください、質問者に。
小泉内閣総理大臣 だから、私は、国民が冷静に対応してくれると思います。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に、御静粛に。
小泉内閣総理大臣 本当に今の経済状況を見て、三十兆円枠に国債発行枠を縛って、ほかの税収が足らない分をどうするのか。こういう点について、やはり国民の経済全体を考えて、政府は、三十兆円枠を守ることができなかったけれども、柔軟に対応して、民主党の三十兆円枠を法律で縛れというよりもやはりよかったなと思ってくれる国民の方が多いと思います。
藤井委員長 委員長から申し上げます。
 活発な議論は結構ですが、お互い冷静に、そして、質問者もそして答弁者も冷静に、その趣旨にのっとって質疑応答をお願いいたしたいと思います。
菅(直)委員 どうも総理は、政権公約ということを今なお理解をされていないようです。
 私が二年前に民主党政権を率いてもし政権の座についていて、そして法律を出して、そしてそれができなかったときは今のことを言っていただいて結構です。
 しかし、現実に、税収が減ったのも含めて、総理は政権の座にいて、そして約束を国民にして、できなかったら、それはできなかったけれども、こっちの方がよかったんだ。それなら、見通しを間違ったんですから、約束をしたことが間違っていたと言われるのが自然であって、約束をしたのはよかったけれども、変えたのは間違っていないと言うのは論理矛盾です。約束をされたことがまずかったんですか。もう民主党のことは結構ですから、国民の約束を聞いているんですから。もう一度それだけお答えください。
小泉内閣総理大臣 私の三十兆円枠というのは、税収が五十兆円程度あるという前提です。
 しかし、はっきり言っているのは、経済は生き物だから、そのときには経済状況を見て、大胆かつ柔軟に対応するということもはっきり約束しているんです。これでどちらがいいか判断するのは国民です。私は、だからこそ、民主党の三十兆円を法律で縛るということに対して拒否したんです。いかに、経済は生き物で、現実に柔軟に対応することが必要かということを、私は、多くの国民は理解されていると思います。
菅(直)委員 とにかく、総理の言葉は、自分の調子の悪いところは国民が判断する。しかし、三十六兆に国債の発行をふやしたのは国民じゃありません、小泉政権なんですからね。そういうふうに、自分が変えたところは国民が判断する、責任だ。自分が約束したことを変えるのは、それは経済の状況だ。税収が下がったのは、別に天気が悪かったからとか地震が起きたからじゃなくて、小泉内閣における経済政策の結果、税収が下がっているわけですけれども、それも全部国民のせい。こんな無責任な内閣はありませんが、そのことを申し上げて、もう一点。
 三位一体改革の中で、塩川さん、あなたは、二十兆円の補助金の中で、社会保障約十一兆円は一応今回は手をつけない、公共事業約五兆円は今回は手をつけない、それ以外の義務教育費など約四兆円について、これを削減対象にする、こういうふうに答弁されていますよね、塩川さんは。
 そして、総理にお聞きします。なぜ、この三位一体改革の削減対象の中に、約五兆円の公共事業が入っていないんですか。その理由をお聞かせください、総理。
小泉内閣総理大臣 これは公共事業というのは、国の事業もたくさんあります。全体として、おおむね四兆円程度を三年間で削減しよう、その際に、補助金、交付税、税源の問題を解決していこうということでありますので、今後、公共事業の中でも地方に裁量権を与える分野が出てくると思います。
 これは大筋を示したのであって、当然、数字を示すのは予算編成の十二月の段階です。まず大枠を決めるということが大事でありまして、この大枠に沿って今後の折衝が始まっていくと思います。
菅(直)委員 もう一度質問しますよ。なぜ、この中に、公共事業そのものの補助金五兆円はこの削減対象に入れなかったのか。ちょっと待ってください。これは総理ですからね。今、総理の言い方は、四兆円について説明されましたが、公共事業費を削減対象に入れなかったことについては一言も返事していないでしょう、委員長。ちゃんと答えさせてください。総理、ちゃんと総理の責任で答えてください、これは。もう財務大臣の答えはわかっています。
藤井委員長 それでは、まず総理大臣から答弁、次に財務大臣から答弁をお願いします。
小泉内閣総理大臣 これは、財務大臣と総務大臣と各省庁、折衝はこれから始まるんですよ、今後予算編成に向かって。だから、そういう点はよく考えながら、その折衝の段階で判断すればいい。
 公共事業もある程度含まれますね。しかし、どの程度になるかというのはこれからの折衝です。地方がやる単独事業もあります。国として公共事業の枠もあります。そういう点がありますから、今後、財務大臣、総務大臣等関係大臣との折衝を見ながら、この大枠に沿って判断すればいいというふうに私は考えています。
 詳しいことは財務大臣がよく御存じですから。
塩川国務大臣 菅さん、公共事業を除いたということは、これは将来においてやるということでもあります。とりあえず、地方分権推進会議が言ってきた十一項目のことについて、これを先行してやろうというのが三カ年計画をやるということでございますので、何も公共事業をほったらかす、そういう意味じゃございません。
 それでは、なぜ公共事業をこの際に除いたかといいますと、公共事業のほとんどは道路が入っておるんです。道路につきましては特定財源が入っておりますから、そういう問題との整理を兼ねた上で公共事業の整理をこれから進めたいということでございますので、誤解を解いていただきたいと思います。
菅(直)委員 先ほどのお化けの正体を国民の皆さんに見ていただきたいんですが、このお化けが税金のむだ遣いをするときに最も使われるのが公共事業であることは、もう皆さんもよく御存じであります。
 結局、今回、地方分権化だ、三位一体だ、思い切って国が補助金を出すのを、地方に権限、財源を含めて移す、それが四兆円だと。我が党は、さきの十五年予算で、補助金をやめるかわりに十五兆円を一括交付金で出すということを言いましたが、四兆円をやるんだ、こう言われましたが、結局、利権の種、税金むだ遣いの最も多い公共事業については相変わらず中央官庁が握って、そして相変わらず、補助金をつけるぞ、つけないぞでやっていく。私はいろいろな知事とお会いしておりますけれども、そういうやり方がまさにむだ遣いを最も大きくしている、こういうふうに各知事が言われております。
 そのことをこれから、これもマニフェストできっちりと私たちは案を出しますから、総理の方も、公共事業はこれからやるんだというんだったら、大いに出してください。少なくとも現時点では、多少のことは含まれるかもしれませんがと総理が言われたように、少なくとも削減対象、移譲対象に全体としてはなっていないわけですから、そのことをきちっと申し上げておきます。
 そこで、残された時間で、イラクのことについて少し議論をさせていただきます。
 総理、この図を見ていただきたいと思いますが、十六日、バグダッド国際空港で、着陸態勢にあったC130に対して地対空ミサイルが撃たれた。幸いにして当たらなかったので被害が出ませんでした。また十四日には、バグダッドの真ん中とも言えるところで、ロケット弾の待ち伏せ攻撃を米軍車両が受けて、死者が出ております。また、CPA、暫定行政機構のすぐそばでも、十四日に爆弾の事件が起きております。そして、アメリカの担当者は、今や組織的ゲリラ戦がイラクにおいて行われていると明言をされました。
 戦闘行為が行われている区域と非戦闘区域ということにイラク支援法では分けてありますけれども、この状態のバグダッドというのは戦闘区域と言えるんじゃないんですか、戦闘行為が行われていると言えるんじゃないですか。それとも、総理から見ると、いや、戦闘行為は行われていないと言われるんですか。どちらですか。
小泉内閣総理大臣 私がはっきりと、現地に行っているわけではありませんし、情報については限られております。今戦闘地域か非戦闘地域とかいうことは断定できませんが、そんなに安全な地域ではないと思っております。
 今後こういう状況についてはよく見きわめまして、自衛隊を派遣する場合は非戦闘地域に限って派遣しなければならないな、そう思っておりますし、今の御質問につきましては、戦闘地域、非戦闘地域ということについて今私から言う状況にないと思っております。
菅(直)委員 総理の言うことは、自分には情報がないから。これだけの情報がありながら、テレビでもごらんになったと思いますが、これだけの情報があって、そして現実に、アビザイド司令官の記者会見もあって、先日は官房長官もそれについて答弁されていた。それだけの情報がありながら、いや、そういう情報がないから判断ができないと。
 しかし、あなたは、戦争が始まるときには判断されたじゃないですか。大量破壊兵器がイラクにある、だから、それが拡散するのを防ぐためには米軍の攻撃を支持すると判断されたじゃないですか。そのときも情報があったんですか。
 どういう根拠でその時点でイラクに大量破壊兵器があると、あなたは自分のメルマガで明言されておりますけれども、では、そのときはなぜそれが明言できたんですか。
小泉内閣総理大臣 まあ質問があっちこっちよく飛びますけれども、私は情報がないとは言っていませんよ。今戦闘地域か非戦闘地域か、それを聞かれて、はっきり判断する状況にはないと。いろいろ情報はある、しかし、まだ法案は通っていないんですから。非戦闘地域か戦闘地域か、自衛隊を派遣する場合には、非戦闘地域しか派遣しないんですから。そういう、今判断する状況にないということを言っているんです。まだ法案は通っていない。
 そして、イラクを米英軍が攻撃したときには、国連等の決議、正当性がある。疑惑があると、査察団、安保理決議、みんなそう認めているじゃないですか。それに正当性があると思ったから支持したんです。
菅(直)委員 これが総理の詭弁の構造なんですね。私は構造改革を一つしようと思っているんですね。
 総理は今も、国連決議とかいろいろ疑惑とか言われました。確かに当時、大量破壊兵器があるんではないかという疑惑はありました。しかし、それを確認するために査察をやっていて、我が党は査察の継続を主張したのに、総理は、疑惑じゃないんですよ、ここに書いてあります、イラクに大量破壊兵器がある、あると言われたじゃないですか。言ってないんですか。まず、そのことを聞きましょう。この時点であなたのメルマガに、ここにあるんですから、大量破壊兵器は存在すると言っているじゃないですか。言っていないと言うんですか。
小泉内閣総理大臣 これは、イラクがかつて実際に大量破壊兵器を使用していた、または引き続き多くの大量破壊兵器に関する疑惑がある、これは私が言っているんじゃないですよ。査察団が言っているんですよ、国連安保理が言っているんですよ。査察への非協力を初めイラクが関連安保理決議の重大な違反を犯してきた、これも査察団が言っているし、国連安保理で言っているんですよ。こういう安保理決議や国連査察団による累次の報告を通じて明らかにされたとおりだ。
 だから、大量破壊兵器がないと断定できるんですか、今でも。疑惑がある、それで過去に使っていたと査察団がはっきり言って、査察団を追い返している。こういう状況を見て、疑惑がないないという前提で質問される方が、よほど私はおかしいと思いますね。
菅(直)委員 ちょっと抗議を申し上げます。
 私は、疑惑はないなんて一言も言っていませんよ。疑惑だと言っているのであって、あなたが存在すると言っているから、「問題は、大量破壊兵器を保有するイラクの脅威に私たちがどう対峙するかです。」と書いてあるじゃないですか。疑惑はあるなんて、私は疑惑を否定してなんという答弁はまず訂正してもらいたいですよ。
 疑惑があるからこそ査察継続を主張していて、しかし、存在が、あなたははっきりとあると言っている、それを根拠に支持した。この時点で、三月二十日の時点で大量破壊兵器があると断定されたその根拠を国民にきちんと説明してください。
小泉内閣総理大臣 よく私の答弁を聞いていただきたいんですよね。
 査察団の報告や国連安保理の決議やら、そしてイラクは過去に大量破壊兵器を使用した、そして依然として疑惑があるということから、私は、あるということを言いました。そして、その正当性の根拠に、今言ったような国連の安保理の一四四一決議、査察団の報告と安保理決議の状況を踏まえて、私は、この攻撃には正当性があるなと言って支持したわけであります。これはもうはっきり、再三再四答弁しておりますよ。
 大量破壊兵器があるというのは、もう国連安保理決議の疑惑ということでも、疑惑があるということを認めているし、過去に使っておるということがあって、あると思って発言したわけであります。(菅(直)委員「疑惑じゃないですか。なぜあなたが断定したんだ」と呼ぶ)疑惑がある。当然将来私は見つかると思いますし……(発言する者あり)
藤井委員長 ちょっと冷静に、冷静に、冷静に。
小泉内閣総理大臣 フセイン大統領がいまだに見つかっていないからフセイン大統領がイラクにいないとは言えない。これも決して詭弁でも何でもない。いい答えだと思っていますよ。
 だから、こういう過去のたび重なる、イラクがかつて大量破壊兵器を使用していた、そして化学兵器を自国民にも使っていたということを見れば、私は、大量破壊兵器があると今でも思っております。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
 菅委員に申し上げます。どうも質問と答弁がすれ違っている傾向がありますので、もう一度、菅委員、質問してください、今のことについて。そしてまた総理大臣、答弁してください。(菅(直)委員「必ず答弁はさせてくださいよ」と呼ぶ)もちろん答弁はしますから。まず指名します。菅君。
菅(直)委員 ですから、何度も言いますが、当時疑惑があるなしを言っているんじゃありません。私たちも疑惑を持っておりました。しかし、あなたは、小泉総理は、この時点でイラクに大量破壊兵器があると断言された。その断言された根拠は何ですかと聞いているんです。いいですか。国連決議とかなんとかには疑惑は書いてあるけれども、あるとは書いていませんよ。
 総理は、あると断定した上でアメリカの武力攻撃を支持し、この戦争の正当性を言われたんですよ。今や、イギリスにおいてもアメリカにおいても、果たしてそれが正しい情報であったのかということで相当議論になっています。
 総理は一方的に断定された。断定された以上は説明責任があります。国民にわかるように、この時点、三月二十日の時点で大量破壊兵器がイラクにあるということを断定されたその根拠をきちっと説明してください。
小泉内閣総理大臣 よく聞いていただいていればわかったと思います。根拠は何かと言っているから、今までも答弁したでしょう。
 かつてイラクは大量破壊兵器を使用していた。そして、査察団が入って、あるという疑惑があると。査察団が入っているにもかかわらず、妨害して追い返した。国連安保理決議が、大量破壊兵器は持っている疑惑があるということで、イラクがみずから証明しなさいという決議まで通した。そういう数々の決議を判断して、これはあるなという正当な理由があるから私は支持したわけであります。
 今、根拠は、国連安保理の決議であり、過去のイラクの行動であり、だから、私はあると思って……(発言する者あり)思った。あると思う、あると。だから、あなたはないと思っている。私はあると思う、今でもあると思う。今でもあると思っている。これは水かけ論ですよ。フセイン大統領も、私は、生死はわからないけれども、イラクに存在していたと思う、見つかっていないけれども。大量破壊兵器も、見つかっていないけれども、あると思っている。
 だから、そこは見解の相違です。ないと思っている、あると思っている、これは見解の相違で、私は、菅さんはないと思っているのかもしれないけれども、それは時間がたてば明らかになると思います。
藤井委員長 菅君。(菅(直)委員「答弁になっていない」と呼ぶ)いや、答弁はしています。答弁しています、答弁しています。(小泉内閣総理大臣「速記録を調べてくれよ。速記録よく、根拠を言っているよ」と呼ぶ)御静粛に、総理、御静粛に。静粛に。(発言する者あり)いやいや、根拠は言っているわけだから……(発言する者あり)いや、存在するとも言っているわけです。存在するというのは言っているわけですから。
 菅君、質問を続けてください。菅君。(発言する者あり)委員長は判断して、答えていると思います。
菅(直)委員 委員長も、この責任とってもらいますよ。
 存在があると言ったのに、その根拠はと言ったら疑惑があると言っているだけじゃないですか。どうやって存在があるんですか。もう一回答えてください。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。
小泉内閣総理大臣 根拠を問えと言うから、再三再四答えています。
 根拠は、かつてイラクは大量破壊兵器を使用していた、そして査察団も、十分な疑惑があると。国連安保理決議も、これは疑惑があるし、イラクがないということを証明しなさい、最後の機会を与えろという国連決議がなされたんです。そういうのが疑惑のあるという根拠だと。あるという根拠だ。私は今でもあると思っている。そして、菅さんはないと思っているかもしれないけれども、何回も言うようですけれども、詭弁でも何でもない。フセイン大統領が生死の判明がわからないから、イラクにフセイン大統領はいなかったとは言えない。
藤井委員長 総理、結構ですから。総理、結構ですから。
小泉内閣総理大臣 だから、いずれ、私は、フセイン大統領も生死の判明がわかるだろうし、イラクに存在したことがわかるであろう、イラクも大量破壊兵器を保有していたということがわかるだろうということを言っているんです。それを、ないんだと断定することなんか私はできないと思いますよ。ないんだったらば、フセイン大統領は、国連の安保理決議に従って、査察団を受け入れて、ありませんと疑惑を証明すれば、戦争は起こらなかったんですから。私は、再三再四、はっきりとその根拠を答弁しております。(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に願います。御静粛に願います。(発言する者あり)御静粛に願います。御静粛に願います。
 まず、菅君にもう一度申し上げます。再び質問してください。そして、総理も、簡便にお答えいただきたいと思います。そうしませんと、やりとりの、ただ、納得するかしないかというような問題は、これはいろいろ意見がありますけれども、とにかく、もう一度質問をして、そして総理からまたお答えをいただきたい。
 それから、私から菅委員に注意をいたします。勝手に席を立つということは、質問を放棄するというふうにもみなすこともありますので、そういったことはなさらないように。
 それでは、いま一度質問を続行いたします。菅君。(菅(直)委員「あんな答弁で聞く気ないからね」と呼ぶ)
 質問してもらわないと。いま一度質問してください。質問しないと時間が進むだけですよ。(発言する者あり)いや、私が整理権で指名したんですから。それを気に入らないというのなら、いたし方ありません。まず、私が指名している。議事整理権は、指名権は私にありますから。(菅(直)委員「いや、もうやらない、同じだから」と呼ぶ)
 それでは、もう時間が経過しておりますので、次の岡田君に質問が移りますよ。よろしいですね。(菅(直)委員「答弁をちゃんとしてください」と呼ぶ)
 ですから、菅委員に申し上げます。この議事整理権は、私、委員長にございます。先ほど私が申し上げて、もう一度質問をして、そしてそれに対して……(発言する者あり)御静粛にしてください。その上で、総理から答弁するということで申し上げて、指名したわけです。それを質問しないというのなら、これはいたし方ありません。
 菅君。
菅(直)委員 三月二十日にイラクに大量破壊兵器があると明言したことをメルマガに書かれている、その明言された、大量破壊兵器があるという明言に対して、どういう根拠でそれを明言されたのか、それが私の質問で、今まで答えられたのは、疑惑については言われましたけれども、存在しているということについて、根拠は一つとして答えていません。
藤井委員長 小泉内閣総理大臣、簡便にお答えいただきます。
小泉内閣総理大臣 私は、きちんと答弁しているんですよ。答弁が気に食わないからといって勝手に席を立つというのは、これはいかがなものかと。
藤井委員長 いや、そういうことはおっしゃらないでください、総理。質問に答えて、質問に答えてください。
小泉内閣総理大臣 私は、質問に誠実に答えております。
 まず、なぜ大量破壊兵器があるという……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
小泉内閣総理大臣 根拠があるのかということですが、今まで、イラクが大量破壊兵器を使用していたことがある。査察団も……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。今、答弁中ですから。
小泉内閣総理大臣 あると思うから、査察をしていた。ところが、その査察団を追い返してしまった。査察を妨害する。そして、一四四一、昨年十一月の国連安保理の決議におきましても、大量破壊兵器は持っているかいないか、イラクが証明する責任がある、最後の機会を与えるという安保理の決議がなされた。こういう状況が、あると認めた根拠であります。もう何回も答弁しているじゃないですか。
藤井委員長 総理、もう結構です、そこで。
小泉内閣総理大臣 それは、気に食わないか気に食うか、それは別問題でありますよ。全部。
藤井委員長 総理、総理、もう結構ですから。総理、もう結構ですから。
小泉内閣総理大臣 自分の質問に気に食わない答弁をしたら勝手にもう席を立つというのは、これはいかがなものかと私は思うんです。
藤井委員長 総理に申し上げます。この議事整理権は私にございます。ですから、今、私は総理に簡便に御答弁いただきたいといったようなこと、それに加えて、つけ加えることはできるだけ御遠慮いただきたい。
 冷静な議論をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
菅(直)委員 とにかく、一言も答えていないということに対して抗議を申し上げ、それから、委員長も、ちゃんと質問と答えがかみ合うように、私は特別なことを言っているつもりはありません。総理が言ったことについて、あなたは、根拠を言ってくれと言っても、一向に答えません。このことに対して抗議を申し上げて、私は質問を終わります。
藤井委員長 この際、岡田克也君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。
岡田委員 民主党の岡田克也です。
 まず、今菅代表が質問したことについて、私から補足的に質問したいと思います。
 総理は、今御説明の中で、イラクが査察を拒否した、あるいはかつて大量破壊兵器を持っていたということを、唯一と言っていい根拠として挙げられました。では、追い返したのは一体いつなんですか。
藤井委員長 ちょっと専門的なあれですから……(岡田委員「では、答えられないならいいです」と呼ぶ)では、岡田君、続けてください。
岡田委員 総理がお答えにならないということは、知らないわけですね。かつては、この十年間の中で……(発言する者あり)
藤井委員長 落ちついて、冷静に。まず冷静に、冷静に。
岡田委員 十年間の中で確かにそういう局面はありました。しかし、国連事務総長が仲介に入る中で査察が再開をされ、少なくとも二〇〇三年一月からは、査察は、積極的にイラクは応じる、こう副首相が言って、順調に査察が進んできたわけですよ。だからこそブリクス委員長も、査察を続けたい、それは数日ではないが数年でもない、数カ月だとはっきり言ったじゃないですか。
 その状況の中で、どうしてあなたは大量破壊兵器をイラクが持っているというふうに確信をしたんですか。もう一回説明してください。
小泉内閣総理大臣 いつ妨害したかというのは、それは具体的な日時は今私が、調べなきゃわからない。しかし、過去あったでしょう。それは認めるでしょう。総理が一々、何月何日に追い返した、そこまで言う必要はないと思ったから、担当してわかっている人に答弁してもらった方がいいからと。
 それで、現実に、今まで言っているように、過去妨害したことがあるんですから。そして、査察団も、国連安保理決議もイラクが持っていないということを証明する責任があるという決議をしているんですから。それに誠実にこたえてこなかったというのも事実でしょう。イラクがそんなに誠実にこたえてきたとあなたは思っているの。そうじゃないでしょう。
 私は、そういう数々の今までのイラクの行動、そして安保理の決議を踏まえて、それを根拠に大量破壊兵器があるなと言ったということを、もう再三再四答弁しているでしょう。
岡田委員 私の問いにお答えいただいていないと思います。かつてのことはともかくとして、二〇〇三年一月からはイラクはきちんと査察に応じていたわけです。そういう中で査察団も、もう数カ月欲しい、こう言っているわけです。そして、多くの安保理の構成国は、アメリカ、イギリス、スペインを別にして、査察の継続が必要だと言っていたわけです。そういう中で総理は、いや、イラクは大量破壊兵器を持っていると確信をして、アメリカの戦争に対して、イラク戦争に対して支持をされたわけですから。
 どういう根拠で確信したのか。ほかの多くの国がまだ査察が必要だと言っている中で、過去の、昔のことだけで判断をしたというのは、それは適当じゃないと私は思いますが、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 それは再三答弁しておりますように、イラクが証明する責任があったんです。
 最後の機会を与えるということに対して、有効にそれを示せなかった。イラクが、本当にないんだったら査察を受け入れて、最後の機会を利用すれば、戦争は起こらなかったんです。そういう点について、私は、国連決議等を根拠にして、これは大量破壊兵器があるな、アメリカの主張に正当性があるな、国連安保理決議、これの正当性にかんがみて、総合的に判断して武力行使を支持したわけですから、そういうことについては、私は、再三再四答弁しております。
 これは気に食う、気に食わないは別ですよ。
岡田委員 全く私の質問に答えていただいてないんですが、多くの国がまだ査察が必要だと判断しているときに、日本は、大量破壊兵器が存在する、総理はそう確信をして支持をしたわけです。その大量破壊兵器があると確信をした根拠を聞いているわけです。かつて持っていたということじゃないんですよ。
 それでは、総理は、単なる疑惑で戦争を支持したんですか。単なる疑惑があるだけで、英米の始めたイラク戦争を支持したということですか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 これは、再三再四答弁しているんです、誠実に。過去の国連決議、イラクが疑惑に証明しようとしなかった、そういう点を総合的に判断して、その根拠としたわけであります。
岡田委員 僕は、総理は全く誤解していると思うんですね。
 国連決議の六七八、六八七、一四四一、これを、アメリカ、イギリスの始めた戦争が国連憲章に違反する違法な戦争であるか、あるいは憲章に合致する戦争であるか、そのことが一つの問題として提起されています。しかし、それは違法かどうかの判断です。私は違法だと思いますが、その問題を今ここで議論しているのではありません。国連決議に百歩譲って根拠があったとしても、だからといって、あの段階で武力行使を始めたことが妥当な判断だったということにはならないわけです。違法かどうかと妥当かどうかは違いますよ。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 それは見解の相違で、私は妥当だと思っているから支持したんですよ。それは、違うと言うのは御自由です、妥当でないと言うのは御自由です。私は、妥当だと今でも思っております。だから支持したんです。
岡田委員 この問題はなお国会の場で議論していきたいと思いますが、私、総理に一つだけ申し上げたいです。
 戦争というのは国家の行う殺人です。だからこそ、もちろんすべての戦争が違法ではありません。しかし、本当に限られた場合に、正当な戦争というのがあるんです。今回の戦争でも、恐らく一万人以上の方が亡くなっていますよ。罪のないイラクの市民だけで、AP通信の調査でも三千人、英米の兵隊さんも亡くなっています、もちろんイラクの兵も亡くなっています。それぞれに家族もあるし、人生もある。一万人のその命を一瞬のうちに奪ってしまったのがこの戦争です。けがをした人とか家族ばらばらになった人、財産を失った人、無数にいるでしょう。
 そういう中で、だからこそ、戦争を始めるということに対しては、政治家として、人間としてぎりぎりの判断を求められるはずです。総理の今の答弁の仕方から見て、そういった重さが全く感じられないわけですよ。単に、アメリカがやったからそれに追随しているとしか思えない。もっと総理が苦しんだ末、支持するというならわかりますよ。そういう総理の軽さが、私には、日本国総理大臣の資格、資質、果たして小泉さんがあるのかどうか、そのことを非常に疑問に思っているということを申し上げておきたいと思います。
 もしコメントがあれば、おっしゃっていただきたいと思います。(小泉内閣総理大臣「最後、聞こえなかった」と呼ぶ)もしコメントがあれば、答弁をしてください。
小泉内閣総理大臣 それは、私に総理大臣の資質があるかどうかというのは、これは国民が判断していただけると思いますし、私はそれほど優秀な人間でありませんので、浅学非才でありますが、与えられた総理大臣の職責を精いっぱい務めようと思っております。
 いずれ、菅さんなり岡田さんなりが私よりも資質があると思えば、総選挙で国民から選ばれて、菅さんなり岡田さんなりが総理大臣になるでしょう。それは国民にゆだねますが、私は、フセイン大統領が疑惑にこたえるように誠実に対応していたら戦争も起こらなかった、また、独裁体制で、フセイン大統領がもっと民主的な運営をしていれば、イラク国民はあの専制と圧制に苦しまなくて済んだと思います。
 そういう面において、今回の問題についてはいろいろ議論がありますが、私は米英の行動に対して妥当性があるということで支持したわけでありまして、その根拠というものも再三答弁しているとおりでございます。
岡田委員 一言だけ申し上げておきたいと思いますが、そういった独裁、圧制、確かにフセイン大統領は大きな問題を抱えていました。しかし、そういう国は世界にイラクだけなんでしょうか。多くの国が残念ながら現実問題としてそういう状況にあるわけです。そういう中で、だからといって、国連が、きちんとみんながそろっているのならともかくとして、一部の国が武力行使をする、そういうことに対して安易に支持をするということは、私には、理解に苦しむところであります。
 さて、規制改革について少しお聞きしたいと思います。
 私は、規制改革というのは日本を再生するための切り札だ、そういうふうに考えております。しかし、その規制改革がなかなか進んでいかない。具体例で幾つかお話をした方がわかりやすいと思いますが、この予算委員会でも何度か取り上げられております、一つは幼保一元化の問題です。
 幼保一元化の問題は、さきの六月二十七日の閣議決定で、教育、保育を一体化した総合施設の設置を可能とすることを平成十八年度までに検討するということが決まりました。私に言わせれば、霞が関用語では、この総合施設とか十八年度とか検討するというのは、何もやりませんと言っているに等しいです。
 この幼保一元化の問題について、総理はなぜもっとリーダーシップを発揮されないんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 いや、リーダーシップを発揮しておりますよ。難しい問題をもっと柔軟に、保育園、幼稚園、親御さんの立場を考えて、子供の立場を考えて、総合的に運営できる方法を考えたらいいと。今までできなかった問題を、私がやろうということをやっているんじゃないですか。リーダーシップを発揮しなかったら、こんなこと今までどおりですよ。保育園は保育園、幼稚園は幼稚園。
 もう団体が反対陳情、それに絡む議員がけしからぬ、けしからぬと言っているけれども、これはもっと柔軟に考えろと。やっているのは、私がいろいろな方面の意向を聞きながら、反対論を抑えて、これからもっと柔軟に考えて保育園、幼稚園の壁を取り払うような措置をしろとはっきりと指示を出しているんです。指導力がなかったら、こんなことできないんです。
岡田委員 指導力があれば、もっと早くできると思うんですね。
 この問題は、文部科学省と厚生労働省の問題なんですが、保育所というのは、厚生労働省によれば家庭で保育が受けられない子供に対する福祉施設だ、そして幼稚園というのは、文科省によれば就学前の教育を受けさせる学校である。こういう話は霞が関だけの話で、両省のお役人がこういう議論をする。しかし、一般の方から見たら全く理解できないですね。
 結局、この規制改革の話は、お役所を基点にして話をする、あるいは今回でいえば保育園や幼稚園の関係者を基点にして議論をするのか、それとも、現実に子供さんを抱えて、そしてその子供さんを安心して預けられる、そういう施設を求めている、そういう若いお母さん、夫婦あるいは子供の視点に立って考えるのか、これで全然考え方は違ってくるわけですよ。もし子供の立場から、あるいは若い夫婦から見たら、それは学校教育でも、保育に欠ける、そういった福祉施設でも、そんなことはどうでもいいんですよ。とにかく安心して預けられる施設が要る。
 そういう観点に立ったら、こんなややこしい話、宗教論争をやめて、もっと地方に全部ゆだねる。お金もゆだねる、法律だけは、最低限のことだけ決めておいて、どういう子供を預かる施設をつくるかも市町村や都道府県にゆだねる。そこまでやれば、こんな問題、全部解決するじゃないですか。いかがですか。
小泉内閣総理大臣 そのように、地方の裁量権、親御さんの立場、お子さんの立場、それを重視してできるようにしなさいと。今までどちらかというと、保育園経営者の立場、幼稚園経営者の立場、そういう面の配慮が過ぎたのではないか、要は、親の立場、子供の立場、そして地方にできることは地方に任せるという方向でやりなさいとはっきり指示を出しているんですから、この方向に沿って進むんです。
 第一、親御さんは保育士の免許、幼稚園の教員免許を持っていなくたって、三歳児だろうが五歳児だろうが、みんな育てているじゃないですか。よく考えろと、そういうことを。厚生労働省にも文部省にも、保育園団体にも幼稚園団体にも、私よく言っているんですよ。何のために小泉さん支持してきたんだ、我々の逆のことばかりやってと責められているんだけれども、私は、たじろがないで、やはり親御さんの立場、子供さんの立場に沿ってこういう改革を進めていきなさいと。その方向に沿って進んでいるんです、進めているんです。よく御理解いただきたいと思います。
岡田委員 総理の話を聞いているといかにも進んでいるみたいですが、一つだけ例を挙げましょう。
 例えば、これは厚生労働省ですが、保育所に調理室というのが、設置が義務づけられていますね。なぜなのか。これに対して、厚生労働省はこう答えていますよ。調理しているところを見せることがちゃんとした大人になる条件だ、こんな次元の議論で、物事進んでいかないですよ。本当に保育所に調理室が要るのか、私はそうじゃないと思います。しかし、調理室要らないと言った瞬間に、幼稚園との境目がぐっとなくなっちゃうんですよ。だから頑張っているんですよ。
 そういうことを一つ一つ、総理がそこまでおっしゃるんなら、もっときちんとリーダーシップを発揮してやっていくべきじゃないですか。総理には聞こえませんか。安心した施設に預けることができない若いお母さんの悲鳴や、あるいは子供たちの気持ち……(小泉内閣総理大臣「厚労省、言ってないって」と呼ぶ)それは厚労省の課長が言っていますから、議事録お届けしますよ。
 とにかく、これは一つの例ですが、総理が本当にやる気があったら、もっとできるはずですよ。分権したらいいわけですよ。そんな、今の保育所、幼稚園の前提に立って調整しようとするからできない。発想を変えたらできるはずなんですよ。そのことが十分できていないということを申し上げて、もう一つ例を挙げます。――どうぞ。
小泉内閣総理大臣 それは、幼稚園と保育園の壁をもっと取り払って柔軟に考えろということを、私はっきり言って、その方向に進めているんですよ。今の話は私も初めて聞きましたけれども、今、厚生労働大臣来ている、そんなこと言ったの。
 ちょっとこれはうそかどうか、本当かどうか、確認していくために厚生労働大臣にちょっと答弁させてくださいよ。
坂口国務大臣 保育所につくっておりますのは、それは最近のお子さん方が非常にアレルギーが強い、そういうことがありますので、それはやはりよそからとったのではぐあいが悪いということでございます。
岡田委員 今の答弁お聞きになった方はわかると思います。
 とにかく、総理、いろいろおっしゃいますが、もう一回言いますよ。総合施設、教育と保育を一体化した総合施設の設置を可能とすることを平成十八年度までに検討する、これが総理のリーダーシップの実態ですよ。検討ですよ。十八年度ですよ。
 すぐやる、総理の答弁を聞いているとすぐできるみたいだけれども、現実は、閣議決定したのはこういう内容になっているということを申し上げておきたいと思います。もし何かありましたら。
小泉内閣総理大臣 検討して実施するんですよ。これは、今までの風潮といいますか、今までの例からいって、検討するは何もやらないということに解釈しているようですが、これは、この幼稚園と保育園の問題については、もっと地方に裁量権を渡して、幼稚園、保育園、お子さんの立場、親御さんの立場に立って柔軟に考える、壁をできるだけ取り払うようにやるということは、十八年度を待たなくても実施に移していくようにします。
岡田委員 もう一つ、株式会社の農地取得の問題。
 これも、多少の規制緩和をしたんですが、株式会社自身が農地を持ったり借りたりすることは非常に大きな制約があります。しかし、今だんだん耕作放棄地もふえてきた。そういう中で、農業の担い手がいない。しかし、会社になら入って農業をやりたいという人は私はたくさんいると思います。どうしてそういう道を封ずるのか。
 私は、大事なことは、消費者から見て安心、安全な、そういった食べ物がきちんと供給されることであって、農協を保護することでもあるいは農家を保護することでもない。農家だって本当は、そういった形でいいものを出したいと思っている農家はたくさんあるはずです。むしろそういう視点に立って行政というのはやっていくべきだ。今、余りにも規制で、そして既得権の保護で、そして農業が、恐らく十年、二十年先には日本の農業、私は、米すら自給できなくなるんじゃないか、つくる人がいなくなって。そう思いますよ。
 この株式会社の農地保有あるいは借りることについて、もっと大胆にやるつもりはありませんか。
小泉内閣総理大臣 これは、今まで、株式会社ということを聞くだけで猛反対、アレルギーを起こしてきたわけですよ。それを今回やろうとして、現実に、農業への株式会社参入について、農地のリース方式の参入を解禁したんです。具体的に言えば、遊休農地で株式会社の農業経営への参入によって、オリーブの生産から加工までを一体的に行う特区を小豆島で認めた。さらに、ブドウの生産からワインの製造までを一貫して行う特区を山梨県で認めているんです。
 こういうふうに、私は、今までの状況から、もっと柔軟に株式会社が参入して、農業の活性化に資するような方法がないものかということを着実に進めているのであって、この状況を見て、いい状況だったらばさらに広げていきたいなと思っているので、私は別に、岡田さんとそんなに基本的な方向というのは違っていると思っていませんよ。
岡田委員 総理のお話を聞いていると、どんどん規制改革が進んでいる印象を受けるんですけれども、しかし、実態は全く違うと思います。今のも、特区でやるという話で、全国でやるという話じゃないんですね。
 私は、この規制改革の問題の最後に、政府の総合規制改革会議の宮内議長がこの規制改革についてこう言っておられますよ、その言葉だけ贈っておきます。改革は遅々として進んでいる。
 改革は遅々として進んでいる。責任者がそう言っている、遅々として進んでいると。これは、総理に対する思いっ切りの皮肉だと私は思いますよ。本当は全然進んでいない、そのいら立ちが。しかし政府の議長ですから、進んでいないとは言えない、だから遅々として進んでいると言った。
 すばらしい言葉だと私は思いますが、もし何かコメントがあればお述べいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 これは、一つだけ取り上げて言われていますが、宮内議長はこういうことを言っているんですよ。「繰り返しになるが、「十二の重点検討事項」の中の多くの事項は、総合規制改革会議及びその前身組織が長年にわたり努力を尽くしてきたにもかかわらず、今日までに結論を得ることができず、最も改革が困難とされてきたものである。これらの事項について、今回、改革に向けての第一歩を踏み出すことができたのは、小泉総理ほかの尽力によるものとして、これを高く評価したい。」これは宮内さんが、私が言っているんじゃないんですよ、宮内さんがこういうことを言っているんですよ、今回。
岡田委員 人間というのは、公式の場での発言よりも、ふと漏らした言葉の方に真実はあるんです。そのことだけ申し上げておきましょう。
 最後に、政治と金の問題を少しお聞きします。埼玉県知事の問題です。土屋さんは辞任されました。
 この問題はいろいろなことを語っていると思いますが、その中でこういうのがありました。逮捕された市川桃子氏は、献金を申し出る企業に対して、上限五万円の形に分けて献金してください、こういうふうに要請されたと言われています。ある企業は、社員二十名に給料を五万ずつ上乗せして、そして二十人の個人名義で五万円の献金を行った、しかし、実際には会社がそれを取りまとめて献金していた、こういうことが伝えられています。そういったやり方に対して、総理、何か御感想があればお聞きしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 私は、土屋知事と桃子さんの関係は、親子という関係以外は詳しくは知りません。今の捜査中の問題であって、桃子氏がどのような献金の整理をしていたかということについても私は知りませんが、いずれにしても、政治資金規正法違反に及ぶような行為はよくない。法律があるんですから、政治資金規正法にのっとって、いろいろな献金は適正に処理されるべきものだと思っております。
岡田委員 その法律を、与党・政府は緩めようとしているわけですね。つまり、今度上限を、五万だったのを二十四万に上げるわけです。そうすると、今回のこの事例に即していえば、二十人の人に五万ずつ分ける、これが、二十四万に上がれば、そうしたら、五人の人に二十万ずつでよくなるわけです。つまり手間が省けるわけです。ごまかしがききやすくなるんです。
 こういう形で、せっかく五万にしたのを二十四万に引き上げる、つまり透明度を下げるということについて、総理は本気でこれをやろうとしているんですか。
小泉内閣総理大臣 私は、政治献金のあり方については、受ける側と提供してくれる立場、両面を見なきゃいかぬということから、献金者名の公開基準が五万円が妥当かどうかということをよく判断すべきだと。そういう中で、できるだけ多くの方々の協力を得て、企業でも団体でも労働組合でも個人でも、民主政治を支えるのは国民ですから、そういう受ける方がしっかり管理するのは当然でありますが、献金している側の立場も考えなきゃいかぬということで、改善策を考えるように指示していたところであります。
 今回、献金者名の公開基準を引き上げることについて、これはけしからぬという御批判だと思います。しかし、今言った五万円から二十四万円というのは、一回に、一年間一回に二十四万円ということじゃないんですね。五万円以上というのは、一回で五万円以上やったらこれは公開しなさいということだけれども、中には、毎月毎月機関紙の発行のサービスを継続的に受ける人たち、あるいは月割りで会費を払っているという人に対しては、別に特定の何か見返りを期待しての献金ではないだろうということから、毎月毎月二万円以下でしたか、毎月二万円、毎月毎月二万円以下を払われている人はそれでいいんじゃないか、では結果的に一年間で二十四万円だと。
 そういう献金する立場に立って見ていれば、名前が出れば、あの人に献金してこの人に献金しないというのがわかるのは嫌だという立場も考えて、ある程度、月二万円程度毎月毎月支援している人ということについては、それは私はいいのではないかということであって、別にこれは緩和とかそういうことじゃなくて、政治献金をどうやって適正に管理して、なおかつ多くの方々からできるだけ政治献金の拠出を求める、そういう両面から、私は、この民主政治を支える意味で考える必要があるんじゃないか。
 全部禁止すれば、果たして各政党、恐らく民主党もそうだと思いますが、政治活動には金がかかるということがわかっている、その金をどうやって適正に調達するかということについては、私は十分に議論することが必要だと思いまして、月二万円以内で献金するというのが、これは不正につながるとか、大幅に改悪につながるというふうにはすぐ結びつかないんじゃないかと私は思いますが。
岡田委員 聞かないことまで答えて、質問を引き延ばさないでいただきたいと思います。
 我々は、別に全部出せと言っているんじゃないんです。五万をきちっと維持していくべきだ。なぜならば、これは与野党の中で、あのリクルート事件から始まった一連の政治改革の中で、一九九三年十一月に与野党でいろいろな議論、政治と金の問題を議論した、そのときの最大の争点です。百万だったのを五万に下げたんです。それを、あなたがいとも簡単に逆噴射しているから、これは大変なことだということで申し上げているので、我々は別にゼロにしろと言っているんじゃない。五万を維持していく。せっかくこれは政治改革の、その結果としてつくられたことですから、それを簡単に戻していいのか、そういう視点で申し上げているわけであります。
 ある報道によれば、五万が二十四万になれば、企業の名前も八割ぐらいは今よりも隠れちゃう。ほとんど透明性がなくなるわけですよ。少し変わるだけじゃないんですよ。そのことを申し上げ、これは絶対再考してください。私は、他の与党も、こんなことを認めたら、政治改革は一体何のためにやってきたのか、そういうことになると思いますよ。ぜひ考えていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
 ほかにもいろいろ申し上げたいことはありますが、とにかくこの国会、政治と金の問題が次々に提起されました。自民党長崎県連の問題、これは七月十一日に有罪判決、地裁です。坂井代議士はまだ逮捕されたままです。大島農水大臣の疑惑、松浪代議士の問題もありました。いずれも与党代議士の問題でした。そして、そのたびに小泉さんは、いや、前向きに検討しなきゃいけない、変えなきゃいけないとおっしゃりながら、結局、出てきたのは、この後ろ向きの改悪だということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、時間もありませんので、この予算委員会の場で、総理の弟さんが社長を務める会社、コンステレーション、これについて藤井委員長が、一般的な商行為とは何なのか、よく事実を整理して、後日、また調整して報告していただきたい、こういうことを我が党の長妻委員の質問に対して三月三日に言われました。その答弁はまだ示されていないというふうに理解をしています。委員長が言われたことについて総理としてきちんと答弁していただきたいと思います。
 私は、そのことの中身ももちろんあります。同時に、この会社、総理に就任されたときに解散されていますけれども、弟さんが社長、弟さんは私設秘書ですね、そして公設秘書が取締役、監査役には今の飯島秘書官、そういう形でまさしくファミリー企業。本社は横須賀にある。中身はコンサルタント会社。こういう会社をつくっていること自身が、私は、政治家としての資質、総理としての資質に欠ける。そのことを申し上げ、そして、先ほどの委員長の質問に対してもし答弁があれば、最後にお伺いしておきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 これも何回も御質問をいただくんですが、そのときの質問に根拠となったものが、先方の企業にじかに取材をして、その状況の様子を全部委員に配付しました。そういうことに対して私も、委員長が調べろと言うから調べてみました。そして、その議事録を調べているうちに……(発言する者あり)
藤井委員長 御静粛に。
小泉内閣総理大臣 ところどころ消えている。何でここが消えているのかと見たら、ここはちゃんとテープが残っているというのでテープの起こしているのを読んだら、何と、民主党の議員が私に疑惑があると思って先方企業に取材いたしたときに、その人は、その消されている部分、これ、驚いちゃったんですけれども、そこに対して、小泉純一郎とは一切関係ない、そこが消されている。そして、政治献金もない、これをはっきり書いているところだけ民主党は消して、皆さんに配付した。これは実に無責任な、卑劣な姿勢だと思います。こういうことを民主党は許しているのか。何を根拠に、一番大事なところを消して、いかにも疑惑がないのにあるかのように――もう何回も何回も答弁している。
藤井委員長 総理、時間が来ていますから、総理。
小泉内閣総理大臣 私は、こういう無責任な、都合の悪いところを消してやるというのは……
藤井委員長 総理、もうわかりました。答弁そこで終えてください、総理。
小泉内閣総理大臣 良識のある判断とは思えない。民主党の議員にも、しかも一党の代表の幹事長がこうしたところで本当に質問する問題か。私は非常に残念です。
藤井委員長 総理、答弁は簡明にしてください。
 今、私が委員長として、この問題については後刻整理して御答弁を願いますと言ったことは事実であります。総理はそれに、委員長の言葉に従いますと言ったことも事実でありますから、そこを別の問題のことについて答弁をされるということは、委員長としてもそこはよく整理をして答弁をしていただきたい、このことを注意いたしておきます。
 岡田君。
岡田委員 委員長、これは予算委員会の権威にかかわることですから。委員長がお聞きになったことに総理は全く答えていない。ここは権威に基づいてしっかりやっていただきたいと御要望いたします。
藤井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、総理大臣を初め各閣僚に申し上げます。
 午後のそれぞれの各政党の持ち時間が限られた時間で審議をいたしておりますので、答弁は簡潔にお願いをいたします。また、質疑の範囲を超えないで答弁されるよう留意願います。
 質疑を続行いたします。
 この際、枝野幸男君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。枝野幸男君。
枝野委員 民主党の枝野でございます。代表、幹事長に引き続きまして、私から。
 先ほどの、税金を食い物にするお化け、我々はこれを退治していかなきゃならないと思っておりますが、まさにその象徴的な姿、天下りにも絡んでおりますし、道路公団の問題、この間、いろいろな委員会で追及をしてきておりますが、きょうは、道路公団藤井総裁においでをいただいております。
 きのう、質問取りの公団の方に、この間問題になっております、ことしの四月十六日の十二時から十四時に行われた、総裁の言い方では会合だそうでありますけれども、会合の議事録と称する、議事摘録と称するもの、これを公団の方にお渡しをしておきました。読んできてくださいと申し上げておきました。
 お読みいただいたでしょうか。お読みいただいて、記憶は喚起されたでしょうか。
藤井参考人 先生から資料をいただきましたので、拝見いたしました。
枝野委員 それで、この四月十六日の会合、思い出されましたか、どういう会合だったか。
藤井参考人 この会合のことについては、再三、国会でも御指摘を受け、御質問もいただきましたので、私、うちの秘書課であるとか、いろいろな方に確認をいたしました。
 私、四月の上旬であったというふうにお答えをさせていただいていたと思います。さらにそれを調べまして、私の記憶はあいまいでございましたけれども、一緒にいたとされる人や秘書課にも確認いたしまして、四月十六日だったと言っておりますので、そうだというふうに私も思っております。
枝野委員 私どもの入手した情報によりますと、公団側から、藤井総裁のほかに、平井総合情報推進役、それから、濃添中部支社長、長尾企画部企画課長、芝村高速道路部調査役が出席をしていたというふうな情報を聞いております。
 それぞれ確認をいただいているかと思いますが、こうした方々が一緒に出席されていたということは間違いございませんね。
藤井参考人 間違いないと思っております。
枝野委員 総裁は、国会の質疑、これは長妻委員に対する答弁だったでしょうか、私的な会合とかとおっしゃっておられるようですが、私的な会合なんですか。
藤井参考人 私ども、例えばいろいろな学識経験者の方々からお話を承ったりするときに、よく出かけて会合を持ちます。そういう意味合いと同じように、この場合も、民営化に関するいろいろな民間の方々からのお話をフランクにいただきたいという趣旨で集まった会合だ、こういうふうに聞いております。そこで、私も、ああ、それならば最初ぐらいちょっと顔を出してということで集まった、そういう会合でございます。
枝野委員 それでは、私的なというこの間の答弁は虚偽であったということをお認めになるわけですね。
藤井参考人 性格的に言えば、業務に関連した私的な会合、こう言うのが正確な言い方かと思います。
 というのは、学識経験者の方々なんかのお話を聞くときに出向いてまいりますが、それは会議ではございませんし、そういういろいろな方々の御意見を積極的にいただくことこそが、この民営化に対するこれからの方向性をきちっと模索しやっていくためにどうしても必要なことでございます。そういう意味で、私的なと、こういうことを申し上げております。
枝野委員 言葉の揚げ足取りをするつもりはありませんが、まさにお仕事でしょう。民営化に向けていろいろな関係者の方と、総裁が一人で聞いているわけじゃない、複数の公団幹部の方とお話をされているわけですよ。それを私的な会合ですと言うのは、これはどう考えたって、一般的な日本語の使い方として理解をされないと思います。よほどこの会合の存在を隠したかったんですか。
 公団の幹部、しかも、当時中部支社長ですよ、一人は。名古屋からわざわざ出てきて、この日に合わせて、そして、出席されているわけですよね。公団として、総裁として、何らかの形でこの方々に声をかけたのでなければ、こういう顔ぶれがそろうんですか。どういうことですか、これは。
藤井参考人 今、名古屋の支社長のお話が出ましたが、名古屋に行く前は企画部長をしておりまして、まさしく民営化に関する担当の部長でございました。そういう意味で、別の用事でたまたま東京に出張してきておったものですから、そういう情報を得てこの会合に参画した、かように私は理解をいたしております。
枝野委員 だれが声をかけたんですか。
藤井参考人 私というか、いわゆる幹事役でございますから、多分、課長クラスじゃないかと思いますが、私が声をかけたとかいうのではございません。
枝野委員 では、だれが幹事役なんですか。調べておいてくださいということを申し上げていますよ。だれが幹事役なんですか。
藤井参考人 普通、どんな会合でもそうでございます、会合でも会議でも何でも、委員会でもそうでございますが、幹事役というのは大体若い人がおやりになるのが通常でございますから、若い人がそういう連絡役をされたと思います。
枝野委員 連絡役の話をしているんじゃないですよ。
 では、まずこう聞きましょう。どなたからどういう御意見をこの日お伺いになったんですか、教えてください。
藤井参考人 当日おいでになられた方は、新日鉄の――ちょっとお待ちください。確認をいたします。新日鉄の高藪さん、それから三菱商事の鶴田さん、このお二人でございます。
枝野委員 そして、そこでこういう話がありましたという議事録と称するものができ上がっているんです。出席されている方のお名前それから会合の場所、時間、全部、事実に合っているんです。中身だけ、だれかが、今の、しかも公団の幹部の方と公団の総裁がわざわざお出かけになってお話を伺うような、そんな学識のある方のどなたかがでっち上げる、その中にでっち上げそうな人がいるんですか。
 どう考えたって、少なくとも、その会合の存在、出席者を全部知っている人の中でなければ、この書類はつくれません。どう考えたって、ここに書いてある総裁の発言等が事実で、その中のどなたかがテープでもとっていて後で起こしたとしか考えられないんですが、いかがですか。
藤井参考人 何回も今までも申し上げてまいりましたけれども、会議でございませんし、会議録といったようなものは一切とっておりません。そういう意味で、会議録という議事録ではございません。
 ただ、先生から見せられましたけれども、これについて、だれが、どうしてこういうものになったのか、これは私がコメントする立場にございません。
枝野委員 問題は、ここで総裁が御発言になっているとされている発言が問題なんです。だから、それが本当なのかどうかということをるる聞いてきているわけです、何度にもわたって。
 正式な会議録かどうかはわからないです。だけれども、こんなクローズの会、この出席者の名前まで全部ぴったり合っている。時間も場所もぴったり合っている。そこでこんなに詳細に具体的に、しかも、道路公団の内部のこと、関係する御出席されたとされる二人のこと、かなり詳しく藤井さんが発言をされたという議事録ができているわけで、その中に「スパイがたくさんいる今の公団の職員に対しては、残念ですが、紹介いたしません。」とか「私は公団の理事を信用していません。」という総裁の発言があったというから問題になっているんですよ、この発言は。
 こういった発言は、少なくとも具体的にもうちょっと説明していただかないと、この会議を何らかの形で録取した記録を信用せざるを得ないと思いますが、いかがですか。
藤井参考人 この文章が、どういう形でこんなふうなものができ上がったのかについてはコメントできませんけれども、内容を先生からいただきまして読ませていただきました。
 その中で、現在の体制がいいというのではなく、変わる、変わるぞという、どんどん変わる意欲があるということを理解していただかなきゃならないとか、あるいは、世の中から批判されないためにも、できる限りいろいろなことをやっていかなければ我々の生きる道はないと、言ってみれば、改革に対する意欲を示したというふうに私はこの資料を読ませていただきました。
枝野委員 この文書をお認めになったようですね。都合のいいところだけお認めになって。全体は、ちゃんとこれ、この後、記者会見でマスコミにも全部配ろうと思っていますので、全体を読んでいただいた方がどういう印象を持つか。ある部分だけこういうことを言ったんだと今お認めになっていますから、先ほど申しましたとおり、「スパイがたくさんいる今の公団の職員」とか「本音ベースでのみ話を進めていますが、私は公団の理事を信用していません。」と、自分の部下も信用できない人が総裁をやっていて本当に改革が進むのかというのは、だれがどう考えたってわかると思います。
 さて、この会に、ノゾエさんとお読みをするのでしょうか、当時、中部支社長、今、民営化総合企画局にいらっしゃる方、濃添さん。この人、仕事だったのか、私的だったのかということを確認したいと思いましたので、出勤簿を出してくださいということでお出しいただいた出勤簿が出ています。ふざけていませんか、この出勤簿。総裁。
藤井参考人 今、先生がおっしゃる私的の意味が、出勤簿の表を見ましてよく理解できなかったのですけれども、どういうことでございましょうか。
枝野委員 濃添さんは四月の時点では、これは四月からのが書いてありますが、四月の時点では中部支社長だったんですよね。この出勤簿は、所属、民営化総合企画局と判この押してある出勤簿に、四月の分まで全部判こを押してあるのですよ。
 よほど、きのうの夜、通告されて慌てたんでしょうね。こんなこと、あり得ますか。普通は、中部支社長だったんだから、支社長だから、トップだから支社にないとかという話はあるかもしれないけれども、中部支社長の出勤簿は、所属中部支社で、中部支社に置いてあって、本社に戻ってきた、民営化総合企画局に異動した日から先の判こが押してあるものが出勤簿というものじゃないですか。きのう出勤簿を出せと言われたので慌ててつくったか、それとも、もともと出勤簿すらつけていないようないいかげんな財務体質だったのか、どっちなんですか。
藤井参考人 今、人事課長が横にいまして、私に説明をしてくれましたけれども、四月一日も同じように押してあります。現在所属する部署が民営化総合企画局ということだったのでそういう表にこれがなっているだけで、実際は五月の何日ですか、転勤する日までは当然中部支社長ということに相なります。
枝野委員 いいですか、ちょっとテレビをごらんになっている国民の皆さんに御説明しようと思いますが、出勤簿を出してくださいと。それは別にこういうことを追及しようと思ったんじゃなくて、公務だったのか、私的で休暇をとっていたのかということを確認しなきゃいけないと思って、四月十七日の出勤簿を出してくださいと。四月十七日の時点でこの方は中部支社の支社長で、中部支社に属しておられた。その後、転勤をされて、五月からぐらいですか、民営化総合企画局に所属をされた。
 出勤簿は二つに分かれていないとおかしいじゃないですか。あるいは、中部支社にいたときの出勤簿を転勤と一緒に持ってきたんだったら、少なくとも所属のところは書きかえられている、訂正印が押されているとか、何月何日までとか、そういうことが書いてあるのが普通の企業体の出勤簿ですよ。中部支社のことが何も書いていなくて、民営化総合企画局所属と書いてある平成十五年度出勤簿、堂々と四月一日から押してあるというのは、つくってなくて後から押した、あるいは改ざんしたとしか思えないですね。
 こんな程度の、要するに、出勤についてすらこんな程度のことしかこの公団はやっていないということの、まさにどんぶり勘定の証明が図らずも出てきてしまったんですよ。釈明はありますか。
藤井参考人 今、確認しました。中部支社には、中部支社長としての出勤簿の表がきちっとございますので、それはきちっと押してあります。
 それで、この民営化総合企画局の表に、四月から今ちゃんと出ているよという意味で、本当は押してはいけなかったんですが、それを、何か今聞きましたら、人事課が、ちゃんとその日も出ているということを示すために押したようでございます。
 ですから、中部支社の出勤簿というのはきちっとございまして、これは支社長としての出勤状態がわかるようになっております。
枝野委員 これは、だれが押したとかなんとかになると、文書偽造の話になりますよ。勝手に人事が押したんですかね、それとも、後になってから本人が押したんですかね。いずれにしても、こんなどんぶりをやっているということですよ。出勤簿すら、後になってから押しましたと堂々とお認めになっています。こういうことでいいんですかということが問われているんですよ。
 もう一つだけ聞きます、この会合絡みの話で。
 この間、食事代は割り勘だったと堂々とおっしゃいました、だからおかしくないんだとおっしゃいました。でも、道路公団役職員倫理規程というのを取り寄せて調べてみました。いいですか。ここに、
  役職員は、関係業者等との間で、次に掲げる行為を行ってはならない。
 一 接待を受けること。
 二 会食をすること。
接待と別に「会食をすること。」というのが記載されているというのは、割り勘でもだめだという意味じゃないですか。
藤井参考人 先生今お配りの倫理規程は平成十年でございますが、その後、改正をいたしております。これは、国の倫理規程に全部そのまま合っております。それに基づいて私どもの倫理規程はできておりますけれども、いわゆる関係の団体と会食を持つ場合、自前で負担する場合はいいということがきちっと書かれてございます。
枝野委員 この規程は公団の方からいただいたものだというふうに理解をしていたんですが、そこのところ、ちょっと確認をさせていただかないといけないですね。
 もう一点、こちらの方が本質に直接つながるかなと思っていますが、例の会計帳簿が、会計の整理、財務諸表が別途あると言われている話について。
 これは、課長代理クラスが勝手につくったものだと堂々とおっしゃっておられます。しかし、きのう資料を取り寄せました。「平成十三年度第三回全国用地部長会議次第」、十四年の二月十二日二時から本社で行われています。ここに「資産確定作業について」という項目、議事がありまして、そこの書類、「取扱厳重注意」とありますが、四十一ページ「道路資産の再評価作業について」ということで、まさに全国用地部長会議で、課長代理クラスが勝手につくったと総裁が強弁をしている資産の再評価に当たって、組織ぐるみで、きちんと情報を上げてくれ、資料をくれ、そして計算、再評価するんだとちゃんとやっているじゃないですか。理事まで出ているじゃないですか、山本さんという。今までうそついてきたんじゃないですか。何言っているんですか。
藤井参考人 まず、いわゆる財務諸表があるはずであるということでございます。それに対して、私どもは、道路公団として公式にそういうものはございませんということをずっと昨年の民営化委員会から言い続けております。
 そのときに、この作業は、昨年の一月十八日に課長代理以下の実務者レベルで打ち合わせを行いました。そのときには何をやったかといえば、これから民営化するんだから、まずどういうことを用意しておかなきゃいけないかというミーティングが行われました。その際、道路資産再評価をしておかないと、そういうものがなければ、財務諸表というのはそれをベースにつくるわけですから、できないということで、その作業にかかったわけです。
 しかし、その作業の場合に、工事、いわゆる構造物関係、用地関係、あるいは維持修繕関係といろいろなものがございます。そのうち、工事関係については、工事実施計画書をもとに仮装の計算を試みることとして作業しました。用地については、本社に一切ありませんので、用地部長会議ではなくて、各支社にこういうものが出せないかということで全部依頼をしたわけです、このプロジェクトチームが依頼をいたしました。
 その依頼をしたのを、この用地部長会議というのは定例の用地部長会議で、二月十二日にやっておりますが、そのときに、こういうことを支社の課長代理に対して作業依頼をしているのでひとつよろしく御協力くださいということを言ったわけです。この用地部長会議は全国の用地部長会議ですから、理事が最初にあいさつに立ちますけれども、あいさつして理事は退席しております。たくさんほかの仕事があって、これはあくまでもそういう作業依頼の報告をした。
 したがって、厳重注意というお言葉がございましたが、どういう計算で、どういう資産評価をしたらいいのかわからないから、とりあえずこういうやり方で集めてみるけれども、今後変更が予想されるから、無用な混乱を起こさないようにということで「取扱厳重注意」というものをつけたわけでございます。
枝野委員 総裁、総裁は国会で、こんなものはおれたちは全然知らぬ、課長補佐クラスで勝手にやったんだと堂々と今まで答弁してきているんですよ。
 いいですか、理事も出る正式な会議のところで、文書も出して、そして全国の支社から情報を集めて、そして計算をしているんですよ。最終的にだれがどうやってもみ消してつぶしたのか知りませんよ、少なくとも公式の手続に乗っかって、そして作業をしていたものであるのは間違いないわけじゃないですか。今までの答弁、全部うそじゃないですか。あなたがたまたま知らなかっただけかもしれない、しかし、公式の手続に全部乗っかってやっているんですよ。何言っているんですか。
藤井委員長 答弁は簡便にお願いします。
藤井参考人 勉強をして、その勉強の一環としてそういうデータが必要になりますからやっただけです。そこで、やってみましたけれども、内容が非常にどうにもならない数字が出てまいりました。
 例えば、今回の民間企業財務諸表では……(枝野委員「いいです、そんなの聞いてない、聞いてない、聞いてない」と呼ぶ)
藤井委員長 藤井総裁、総裁、もういいです。
藤井参考人 はい。したがって、財務諸表は正式にはございません。
枝野委員 だれも正式な財務諸表だなんて言ってませんよ。一度つくったものをもみ消したから問題になっているんですよ、都合の悪い数字が出てきたから。勉強会だろうと、どういう名前だろうと、公団の組織として把握をして、公団の正式な会議に乗っかって勉強して、作業を進めていた、そうしたら都合の悪い数字が出てきたからもみ消したんでしょう。全然、今の発言は筋が通らないですよ。
 もう一つ聞きましょう。何か調査しているようですね、このときがどうだったのか。どういう調査しているのか、ヒアリングの書類、手に入れました。関係者にヒアリングしている。「質問」、「平成十四年一月から七月までの間、あなたは、資産の再評価のための資産価額計算に係る勉強の一環として、何らかの作業を実施したことがありますか。」こういうのを誘導尋問と言うんじゃないですか。
藤井参考人 今、この財務諸表について、そういうものがあるという御意見が高いものですから、一回全部とことん調べなきゃいけないということで、監査室に全部お願いいたしまして、調べてもらっております。したがって、監査室がつくった質問項目ですからちょっと私が云々するわけにいきませんけれども、全部そういうのを調べて、そして、かつ財務諸表そのものが本当に役立つ意味のあるものか、間違っているのか、こういうのも含めて全部調べて公表する準備をしております。
枝野委員 それじゃ、その調査の中で、きのう、減価償却結果を示した電算出力票が段ボール一箱分以上あると言われていますが、提出されているはずです、きょうは出してくださいと申し上げましたが、出していただけないようです。本当にそれが値しないものなのかどうか、内部で見たってだめですから、国民に公開してください、国会に提出をしてください。いいですか。
藤井参考人 先生のおっしゃったのは、減価償却結果を示した電算出力票というものだと思います。実は私も、けさ、先生から御連絡があったということで、監査室にそういうものが届いたということをけさ知りました。そこで、そういったものを全部をちゃんと調べて、国民に全部示さなきゃいかぬということで、その前にも、当然のことながら、そういうものは国土交通大臣に報告をいたします。その上ですべての資料を公表する予定でございます。
枝野委員 いいですか、今のいいですね、すべての資料と言いましたね。加工したものじゃなくて、原本ちゃんと出してくださいね、コピーでいいですから。いいですか。
 今、これは何が問われているのかというと、今道路公団は赤字なのか黒字なのかが、国民の皆さん、問われているんです。道路公団が赤字だとしたら、民営化した瞬間に、今のまま普通に民営化したらですよ、ばったり倒れるんですよ、どこの金融機関もお金貸してくれなくなりますから。だから、今実際に道路公団が赤字か黒字かは大事なわけです。また、赤字だったらさすがにこれ以上新しいのつくれませんよね、よほどいいものじゃないとつくれませんねということになるわけです。それが嫌なので、赤字だという結果が出てきそうになったのをもみ消して、そしていろいろと経理上のごまかしをして黒字だというのを出したという疑惑が持たれているんです。だから、国民の目で全部チェックをさせていただかないといけないんです。だから原本資料を全部国民の前へ出していただきたい。
 そして、きょう扇大臣は記者会見で、監査を入れますと言ったそうです。第三者の外部監査を入れてください。内部監査を事後チェックするんじゃだめです。外部監査人を、今まで道路公団と利害関係のない外部監査人を外から入れて、直接全部生資料に当たらせて、地方まで含めて、やらせないと意味がない。このことについてお聞きをしたいのと、最後に、総理、こういう総裁で本当に民営化が進むと思っているんですか。感想をお聞かせください。
藤井委員長 答弁は簡便にお願いします、時間が来ていますので。
扇国務大臣 今枝野議員がおっしゃったとおりでございまして、私は、正式の財務諸表をいただいて総理にお見せし、委員会にもお出しいたしました。衆議院の委員会にお出し、それは……(発言する者あり)
藤井委員長 静かにしてください、静かに。
扇国務大臣 加古委員会という会計専門家が五人のメンバーで財務諸表をつくる基本をお示しになって、その方程式に基づいて出たものを私に手渡されました。それで、出たものを私は改めて……(発言する者あり)聞いてください。私は、今枝野議員がおっしゃったように、第三者の会計検査の監査法人の協会にお願いをして、四つの大きな法人に入札をして、一番早く安くできるところを公団から外部監査に出しなさいということを命令してございますので、それは第三者のきちんとした日本の監査委員会からの結果が出ると思っております。
小泉内閣総理大臣 私は、民営化推進委員会の意見を基本的に尊重して民営化しろ、これにきちんと誠実に、その線に沿って履行するか、総裁の言動、十分見きわめたいと思っております。
藤井委員長 枝野君、時間が来ております。
枝野委員 終わります。
 総裁がちゃんとやっていないという資料は全部野党から出ていますから、総理の監督じゃないですからね。そのことを申し上げておきます。
藤井委員長 これにて菅君、岡田君、枝野君の質疑は終了いたしました。
 次に、山岡賢次君。
山岡委員 自由党の山岡賢次でございます。
 小泉総理は、御就任以来二年たちましたが、何度も申し上げますが、構造改革なくして景気回復なしという小泉のキャッチフレーズというもので華々しくデビューをされました。国民もその表向きの言葉には大いなる期待感を持ったと言えます。
 その構造改革の目玉は、今お話しのとおり、郵政の民営化であり、また道路公団の民営化であります。今度の総裁選においても、その二つを踏み絵にするなどと言われて、相変わらず大見えを切っていらっしゃるようでありますが、しかし、私は、この小泉構造改革によって、一体いつ景気はよくなるのか、どれだけよくなったのか、幾ら今までこの予算委員会でお聞きをしても、これは改革は道半ばだとか、あるいは政策目標の先延ばしなどと言って、全く確かな答えを今までいただいておりません。
 それどころか、前の予算委員会において、その目玉であるはずの郵政の民営化、これを行ったらどうして景気がよくなるのかと再三お聞きをしますと、そのお答えは、直接景気という問題ではない、道筋をつけた、しかし私の在任中に成果は出てこないでしょう、こうしれっとお答えになったわけでございまして、最大の目玉をしてこういうことでございますから、小泉構造改革というのは文字どおりのキャッチフレーズであり、その中身は全くの食言であった、今やそういう結論を出さざるを得ないと思うわけでございます。
 小泉政策のこの結論を申し上げれば、政策のつまみ食い、小手先の手直し、そして米百俵とか三方一両損とか三位一体とかいった、ごろのよい言葉を並べているだけで、理念も基本方針もないこの小泉経済無策の結果、日本は今瀕死の状態であります。
 したがって、きょうは、そのことを今まで再三細かく言ってきましたが、もうこのことについては問いません。幾ら問うてもまともな返事もないし、今後に期待も持てないと思っております。
 そこで今回は、今回もというか、こうすれば日本はよくなるという、我が党の日本一新十一法案を提示させていただき、ここで論議を深めていきたいと思っております。
 この法案は、我々が政権をとったらすべて実現をすると国民に約束をするために、既に法案として、私、国会対策委員長の責任において、すべて今国会に提出済みのものであります。言うなれば、単なるスローガンでもなければ選挙向けの公約でもない、言うなれば今はやりのマニフェストでいうなら究極のマニフェスト、国会に提出しているんですから、そういうことが言えると思うわけでございます。
 概要については今お配りをしましたけれども、これは既に同僚の平野議員が、総理、閣僚の皆様には参議院において御提示したものでありますので、そのことについてすべてを申し上げることは今回はせずに、その中の二つについて、特に農業問題はこの私が、そして、教育問題については同僚の都築議員がここで質疑をさせていただく、こういうことにさせていただきたいと思います。
 それでは、我が党の農業に関する法案、食料生産確保基本法、こういうふうに名づけているわけでございますが、そのことについてお尋ねをしたいと思います。
 ただ、お尋ねをするといっても、中身は何だ、こういうことになると思いますから、一言で申し上げれば、安全な農林水産物を国内で安定的に供給する、こういう内容のものでありますが、さらにわかりやすく具体的に四点にまとめますと、その第一は、自給率一〇〇%を目指す、こういうものであり、その第二は、米はもちろん、麦や大豆などの重要食料についても現在の米と同水準の最低所得保障をする、こういうものであります。そして第三が、実質的な減反をなくしていく。そして第四が、輸入農産物に国内農産物が対抗できるようにする。この四点でございます。
 もうちょっと詳しく申し上げますと、将来の食料危機に対して国民の食料を確保するために、実質減反制度をなくして、全耕作地を活用して、麦、米、大豆、野菜、果物、牛乳、肉類など主要食料の国内自給体制の確立を図る、すなわち一〇〇%の国内自給を目指すというものです。
 第二の最低所得保障については、米はもちろん、麦、大豆などの重要食料についても一〇〇%国内自給、プラス必要備蓄量を確保されるまで現行の六十キロ一万五千円の米水準の最低所得保障を麦、大豆など重要食料にもしていく。そして、ちなみに申し上げますが、一万五千円の最低保障ということは、個人の才覚や地域性によって一万五千円以上で売れる人は、それはもう自由に売って大いに利益を上げていただく、これが第二でございます。
 そして、そのことによって麦、大豆も自給できる体制にして、減反を実質的になくしていく。
 また、輸入農産物に国内農産物が対抗できるようにするために、現在は、安い農産物の流入は、WTOの問題で亀井大臣も大変努力をしていらっしゃることはよくわかっておりますが、結局、我が国は輸出重視の政策が中心であり、市場原理優先が、どうしてもこれを避けることができない。この伝統的政策によっていつもしわ寄せが行くのは、農産物に行くというのが現実であります。安い輸入農産物の流入が避けられないのであるから、今述べたように、国内のものには実質最低保障を掲げて、そして守っていく、こういうことをやっていくべきだというのが私どもの主張でございます。
 そこで、小泉総理にお伺いを申し上げます。
 この自給率というのはもう言われて久しく、いつまでたっても解決しない、そして、このことをみんな指摘していながら一向に進んでいかないわけでございますが、総理は、あるいは政府は、日本の自給率を上げるのか下げるのか、あるいは下がってしまうのか、上げるというなら何年後に何%をめどとしているのか、お答えをいただきたいと思います。
小泉内閣総理大臣 詳細につきましては後ほど亀井農水大臣からお答えいただきますが、自給率という点についていえば、私は、今山岡議員が言われたように、一〇〇%日本がこれから自給率を確保していこうというのは、まず無理だと思います。
 そこで、十三年度におきましては、食料自給率は約四〇%だと聞いております。そこで、日本政府としては、平成二十二年度に向けて四五%程度に自給率は持っていかなきゃならぬなと。これから日本には外国製品がどんどん入ってきます。消費者も、できるだけおいしくて安心な食品を安く手に入れたいという要求というのは変わらないと思っております。今後も続くと思っています。日本の農業生産者も、日本でできないところ、季節変動等も考えられます、外国に行って外国人に農業を教えたり、そういう中で、外国製品も日本に入ってきます。
 おととい、オーストラリアのハワード首相と食事したんですよ。私、知らなかったんですけれども、何とそばが出たんです。そうしたら、これはタスマニアでつくっているそばです、タスマニアでワサビもつくっていますと。こういう状況ですね。だから、自給率一〇〇%は無理だと私は思います。
山岡委員 大臣に聞いても同じ答えが来るのは大体わかっていますから、もうかわって言いますよ。四五%ということを言いますが、これは基本法でそれを目標とすると定めただけで、実際は、基本法というのは、これは実現不可能、こういうことはだれでもわかっているわけで、多分大臣がお答えになるのは、これは法人化をしたりあるいは専業農家を育成しよう、こういってお答えされるんだと思います。
 しかし、それをすれば、今三百万ある農家、そっちの方のかなりの部分が実際は減るんです。だから、採算の合うところはそれで成り立つでしょう。そこをよくわかってほしいんです。しかし、日本国全体の自給からすれば、結局それは落ちるんですよ。そこのところをわかっていないと。一部だけよくなるが、ほかがもっと落ちたら自給率は下がるんです。だから、農水省や皆さんの言う方法では、四五%以上は絶対に上がらないんです。そうでしょう、農水大臣。
亀井国務大臣 お答えをいたします。
 平成二十二年、四五%を目標に今努力をしておるところでございます。現実に、現状四〇%でございまして、ぜひ、生産の面と同時に、あわせて消費の面でも御協力をいただきたい。
 今お米は、昭和三十七年に百十八・三二キロでございましたが、今日六十四キロ、このように米の消費は減っております。そして肉類は、当時五・五キロぐらいでありますけれども、今それが二十七キロ。そしてさらに油分、これがやはり四倍くらいになっておりますし、そのほか牛乳・乳製品、これも伸びておるわけであります。
 そういうことで、やはり消費の面でも、今一%自給率を上げるには、全国の皆さん方が一口余計お食べいただきますと一%増加するわけでありまして、当面四〇%、こういうことでございますが、四五%、これを目途に努力をしてまいりたい、こう思っております。
山岡委員 目途に努力と口では言いますが、やっていることはその正反対なんです。今言っていることもそうで、せっかく大臣が言うから、顔を立てて、しゃべっていただきましたけれども、目途でやるのは勝手ですが、実際の政策は違うんです。
 今度出された、六月二十七日の、食糧の改正法が出されましたが、このことをやることによって、結論だけ聞きますよ、結果的に、減反制度はなくなったと言うけれども、数量配分や割り当てとして、減反で換算したら、以前より減反はふえるのか減るのか、あるいは各種奨励金、二千四百三十三億、これが今まで支給されていたけれども、これがふえるのか減るのか、結論だけ教えてください。
亀井国務大臣 今、予算の件につきましては、来年度予算につきましては、農林水産省全体の予算の中で米をどうするか、こういうことで準備をしておるところでもございます。
 そして、さらには減反の問題。これからは消費者ニーズに合う、消費者重視をした視点でいろいろやっていくわけでありまして、市場原理、そういう面で、需要に合う数量を考えるわけでありまして、面積と、そして今回は量でまいりますから、減反からまいりますれば、有機米であるとかいわゆる減農薬であるとか、そういう面での数量はふえるわけでありますので、量を中心に考えてまいります。
山岡委員 もうこんな禅問答みたいなのをやったってしようがないんです。
 要するに、結論から言うと、わかっていて言わないだけで、数量を配分制にして、新制度にすれば、減反はふえるんです。なぜかと言ったら、需要に合わせる、こう言っているんだから、需要が減ってきて、それに合わせりゃ減反はふえるに決まっているんです。そして、農水省予算は減るんだから、こっちがふえたって、その手当ても減らしていただきます、こういうことで総予算も減らす、こういう方針でこの法案が出されているのを国民に説明しない。やっていることは何かといったら、その配分を農協がやるのか政府がやるのか。そういう次元じゃないんです。農家はこれじゃ食っていけない、やっていけない、そういう法律だ。こういうことをおわかりいただかなきゃ困ると思うんです。
 そして、大臣にお聞きいたしますけれども、我が党が言っている最低保障とか、あるいは実質減反をなくすとか、輸入農産物に対抗できる、このことに対しては、政府はするのか、しないのか、もう時間がありませんからそれで答えてください。解説は要らないです、解説は。私、知っているんだから。
亀井国務大臣 私どもは、決めました農業基本法、また基本計画、これに基づきましていろいろ進めておるわけでありまして、そしていろいろの農産物につきましても、貴党の法案、これにつきましては、いろいろお述べになっておりますことは承知をいたしております。
 しかし、なかなか、現在の農業施策、これにつきましても、稲作経営安定対策であるとか大豆作経営安定対策あるいは麦作経営安定対策、これら品目ごとに行っておるわけでありまして、この品目ごとの対策はいろいろ農業経営という面での安定を図る上から一定の役割を果たしてきたわけでありますが、消費者ニーズに合う農業、こういうことが伝わりにくいわけでありまして、そのような消費者のニーズに合う農業生産ができるような、そういう形で対応する、こういうことであります。
山岡委員 そんな抽象的なことは聞いていないんです。何とかしたい、こうしたい。だれだってしたいんです。要は、この法案でどうなんだ、こういうことをおたくはやるのか、やらないのか。やらないんですよ、要するに。だから、それではどうなるかと。
 もう時間がないから、私がこういうことを言っていると、この辺で全然わかっていない人がああじゃない、こうじゃないとやじっているから。
 そこで、つい最近、非常にいい新聞が出たんです。七月十二日の東京新聞の一面の真裏に全面で農業問題が出ています、たまたま。
 これは私が言うよりも説得力があると思いますから読ませていただきますと、食料の危機だ、自給率を高めなきゃいけない、備蓄を大切にしよう、こういうことを言っているのですけれども、もし食料の輸入がストップしたら、日本列島は四、五千万の人口を養うのが精いっぱいだ、上智大学の鬼頭教授、歴史人口学の専門家がこう言っているんです。
 そして、もっとも、現代人にとって飢餓という言葉は、ほとんど死語に近い。まるで他人事である。だが、食料自給率を見れば、安穏とばかりはしていられない。日本は四〇%である。米国一二五%、実は一三二ですけれども、今。フランス一三二、これは実は一四一。ドイツ九六、実は一〇〇。イギリスも七八ですけれども。日本は先進諸国の中では最低である。がけっ縁と言っていいと鬼頭教授は強調する。食料備蓄も非常に少ないのが現状ですと。
 そして、飛ばしますが、日本列島で四、五千万なら、地球全体で養うことのできる人口も限られているはずですと。国連統計によれば、二〇〇〇年の世界人口は六十億六千万人。そして二〇五〇年には九十三億に膨れ上がります。こういうことを述べて、最後に、食料自給率には国内統計もある。もちろん北海道は一八一、秋田は一五九ですが、小泉さんや亀井さんのいらっしゃる神奈川県はわずか三%、大阪は二%、東京は一%。国家の基盤たる食料の備えすらおぼつかない危機的現状の中で、都会人はグルメと称して美食と飽食にうつつを抜かしている。六本木ヒルズはにぎやかじゃないかと、こんなことを言っている。こういうことを言っているわけでございました。
 手前みそですが、たまたま栃木県のことまで書いてあって、栃木県那須郡の旧奥州街道沿いに「諭農の碑」、福沢諭吉の諭です、「諭農の碑」と呼ばれる江戸時代の碑が立っている。「奇策ナシ 常ニ倹勤シテ食物蓄ヘシ 右先哲ノ教ナリ」。飢餓は必ず来る、それを子々代々に伝えるべし、古人はわざわざ心がけを石に刻んだのである。これがそのことなんですね。
 これは私が言っているのじゃなくて、心ある人、二十年、三十年の日本を考える人はみんな同じ危機を持っているんです。
 そういうことで、先生方は都会の先生、私も偉そうなことは言えないんです、東京生まれの東京育ちですよ、実は。そして、農水省の政策によれば、これからお聞きしますが、消費者重視と市場の動向を反映した農政、こういうことを言っていらっしゃる。これは、裏を返して言えば、消費者重視と言えば生産者軽視、都会重視と言えば地方軽視、自給率も採算重視、国民が将来にわたって生きていくのに必要な量よりも現在商売として成り立つ量に応じて生産せよ、こういう農政だということを言っているんですよ、こういう農政だと。
 食料がいつまでも来るのならいいけれども、今農家は、平均年齢六十五歳から七十歳、若手で六十代、中堅で七十代、八十代で現役なんですよ。この方が頑張れるのはあと二十年なんです。先の先のことじゃないんです。飢餓が来るのも二十年先なんです。だから、今からこのことをやらなきゃいけない、小泉政策としてやるべきだ、ここでやじっている人とはこういう考えが違うでしょうということを言っているんです。お答えいただきたいと思います。
亀井国務大臣 今、私ども、農業政策として、担い手の育成であるとか、先般も東北あるいは北陸に参りましても、農業者大学校を出た若い諸君が懸命に農業をやっております姿を拝見いたしまして、そして、その人たちが意欲を持ってやる農業をつくっていかなければならない。それには、消費者の視点に立って、やはり売れる米づくりをしていただきたいと。また、農家も、いわゆる消費者の皆さん方に提案して、買っていただけるようなものをつくっていかなければならないわけでありまして、消費者並びに生産者が共存共栄できるような農政というものを確立してまいりたい、こう思っております。
山岡委員 もう時間だから終わりますが、共存共栄はできないんですよ、実は。幾ら消費者のため、消費者のためと考えても、消費者にとっては、今は外国の安いものが入るから消費者のためかもしれないが、二十年、三十年かけたら、消費者は一番先に食えなくなるんですよ。農家は食えるんですよ。だから、消費者のためを思うなら、生産を確保しなきゃいけない、生産地と生産者を確保しなきゃいけない、それを今からやらなきゃ間に合わない、こういうことを言っているわけです。
 だから、我が党は、自給率一〇〇%を目指していかなきゃ大変なことになると。そして、米だけじゃない、麦、大豆も、これも一〇〇%目指して、今の減反しているところでやって、それなりの保障をしていかなかったらやる人いないんですよ、安いから、採算に合わないから。そして、減反をなくして、外国の品物に対抗できる、こういう体制を築かなきゃ。金がかかってしようがないから、では、自衛隊も全部やめたらどうだ、こういうふうに私は言いたいですよ。これから日本が生きていく道を政府が立てなきゃならないでしょう、そういうことを申し上げているんです。
 お答えしますか、総理。では、時間がないからいいです。
小泉内閣総理大臣 それは、自衛隊もやめてもいいと自由党は言っていないでしょう。
 一〇〇%自給率、これだけ世界の相互依存性が深まっているときに、何でもだめ、もう米も麦も大豆も全部一〇〇%自給というのは、それは無理です。言われてもできません。外国からも輸入しなきゃやっていけない。しかし、食料の重要性を十分考えながら、日本としても、自給率を上げていくために今懸命の努力をしているということをやはり御理解いただきたいと思います。
山岡委員 時間がないから終わります。
 もう全然わかっていないから、かみ合わない。外国からも入れるんですよ。これは避けられない。しかし、それで国内の農業をつぶさないようにする手を打つべきだということを言っているんです、何回話してもわからないから。
藤井委員長 この際、都築譲君から関連質疑の申し出があります。山岡君の持ち時間の範囲内でこれを許します。都築譲君。
都築委員 自由党の都築譲です。
 限られた時間ですが、できれば人づくりの問題について、総理並びに鴻池大臣の見解をただしていきたいと思います。
 大変悲惨な、いたいけな子供たちが殺害されたり異様な事件が頻発をしているわけでありまして、経済状態がここまで長引いて停滞をしておる中、社会の不安といったものが世相に大きく反映しているのかな、そういうふうにも思うわけであります。
 しかし、そういった中で、本当に青少年の問題にしっかりと対策を講じていかなければならないのでありますけれども、鴻池大臣の今回の長崎事件に関連しての発言は、私は極めて不適切だろう、こういうふうに思っておりました。そうしたら、またきのうの衆議院の青少年問題特別委員会の方でも、テープは消せるけれども考え方は消せないんだ、考え方は変わらないんだ、こういうことを言われておるわけでありまして、私自身は、だから、本当にこんなことで大丈夫なんだろうか、こんなふうに思うのであります。
 最近、選挙も近いということで、いろいろマニフェストとか言われておりますが、私ども自由党は、かねてから、日本再興へのシナリオということで、基本政策を取りまとめてまいりました。そして今、この基本政策を日本一新十一法案ということでまとめておりますが、その第一の柱が人づくり基本法ということで、本当に、日本の文化や伝統、そういったものを尊重しながら、自由で、自立で、そしてまた連帯の心に富んだ、そういった日本人、そういった人間がいれば、日本というのはしっかりと立ち直っていく、そういう日本の意識といったものをしっかり変えていこう、こんなふうに思って提出をしているわけでありますが、そういう法案を議論する前提として、まず、鴻池大臣の私は資格を問わなきゃいかぬ、こんなふうに思うんです。
 最近は、とにかく過激な表現で発言をして国民感情をあおる、何か、小泉さんの、自民党をぶっ壊すんだ、こういう発言以来、何か、えらい過激で激情に駆られたような発言をすることが国民受けをすると勘違いしておるんじゃないかと。そうやって有権者を引きつければいいんだと。これはとんでもない話ではないかというふうに思うのでありまして、そんなことでよい結果を果たして生むんだろうか、こういうふうに思うのであります。
 鴻池大臣にまずお伺いをしたいんですが、どうでしょう、犯罪者の親を引きずり出して打ち首だ、こういうお考えは変わらないんですか。
鴻池国務大臣 私は、例えばとか、あるいは言葉の言い回しに、この市中引き回し、打ち首という言葉を使ったということにつきましては、総理からの御指摘もございましたように、私も、不適切であった、このように思い、御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げております。
 ただ、私の気持ちとすれば、犯罪者、犯罪を犯した少年が法に問われなければ、その親たる者はやはり責任を感じなきゃいかぬ、責任をとらなければいかぬ。メモの一枚でも、世間を騒がせてしまったことに対する親の責任の気持ちを出さなければならない。私は、そういう思いでございます。
都築委員 今、親御さんの話が出てまいりましたけれども、その話はちょっとまた今からやるにしても、私は、あの事件が起こったときに、鴻池大臣が言われたような反応ではなかったんです。正直言って、慄然とするぐらいの思いであります。
 あの九七年の酒鬼薔薇事件、神戸で起こりました。それから、またいろいろな事件が、少年犯罪が起こっておりますけれども、今回のが中学校一年生ということで出まして、しかもそれが、幼児を性的な恐らく嗜虐の観点から、しかも男の子が男の子供に対してやったということに対して、普通、中学校に上がったら、大体にきび面して、にきびがいっぱいできて、あの女の子はどうのこうのとか、いろいろな、思春期ですから。どうもそうじゃない。そして、高い駐車場のビルの屋上から突き落として殺してしまうという事件に、本当にぞっとするような思いをしたわけです。
 人間には、性善説、性悪説という言葉がありますけれども、孟子の性善説、惻隠の心というのはだれにでもあるんだと。要は、井戸のへりのところに子供が立っておったら、どんな悪人だって、危ないと思って手を差し伸べて救うだろう、そういう惻隠の心というのはだれも否定できない、そういう話を言っておりました。そうすると、人間といったものの根底が実は本当に変わってしまうような、そんな恐ろしい事件だな、こんなふうに思ったわけであります。だから、今、青少年を取り巻く問題、青少年が被害者であるという状況、さらに同時に、青少年が、また子供自身が加害者になっているという状況、こういう犯罪の問題、これは社会全体の病理の中の実は一つの問題じゃないのか、一番突出したところの問題じゃないのかと。
 そうなってみると、今、青少年問題ということで考えてみると、それこそ、今までもいじめの問題とか、不登校の問題とか、あるいはまた学校の校舎を、器物を損壊するとか、さまざまな問題、そしてまた、ある程度大人になっても、またフリーターといった形でいつまでも親に頼っているような問題、そういった青少年問題全般を担当しようということで鴻池大臣が指名されたのに、この有識者懇談会が出した膨大な報告書に基づいて青少年問題対策を立てよう、こんなものはどうでもいいんだ、とにかく少年犯罪。それは確かに大事です。そういう話でやっているような方。
 それから、もう一つ。今のその問題についても、私自身、鴻池大臣、正直申し上げて、それこそ強者の立場あるいは権力者の立場で物を言っておられるような、そういう気がしてならないのでありまして、普通の人、弱い人、あるいはまた誠実に生きている人、あるいはまた真剣に生きようとしている人たち、そういった者に対する思いやりというのはどうなんだろうかというふうに思うのであります。実際に、あの少年の親御さんが、では、犯罪者になるように育てたのかというと、子供たちのために、子供がよく育つようにということで真剣に育ててきたかもしれないけれども、どこで間違ってしまったんだろうかというところもあるだろうと思うんですよね。
 だから、そういったところをわきまえないで、引きずり出して、市中引き回し、打ち首だなんという発言で、そういう考え方でやられていること自体が、世の中にはいろいろな人がいるわけですから、そういった人にもいろいろな考えがあるんだ。そしてまた、青少年たちが一体どういう問題を抱えて、どういう悩みを持って、将来に対してどういう不安を持って、そして一生懸命勉強をして、そして育っていこうとしているのか。そういったことを考えないで、そういう局面だけを見てやっているということ自体が私はおかしいんじゃないか、こう思うんです。いかがですか。
鴻池国務大臣 私は、この青少年の問題というのは、非常に多岐にわたっているものだと当然思っておるわけでございます。
 そして、今委員が、大綱はどうして出さないんだ、こういう御発言でございましたけれども、大綱は出さないとは申しておりません。全部お読みいただいたらおわかりと思いますが、今、国民のすべての人が神経をぴりぴりしながら、この凶悪な少年犯罪というものを見ているわけであります。きょうも高校生が通行する年寄りに切りつけました、金目当てで。きのうの四人の少女の話も、加害者であるのか被害者であるのか、よくわからない状況でございます。これは今進行中でありますから言を避けますけれども。
 しかし、多岐にわたる青少年の問題というものがここに載っておりますけれども、今一番に取り組まなきゃいかぬのは青年、青少年の犯罪の問題である、そして、これを取り上げて、それを大綱の中に織り込んで国民の皆さんに出すということが非常に大事なことである、このように私は思っております。
都築委員 今、そういうことで大綱の取りまとめの前提として少年犯罪、確かに応急的な対応として。ただ、正直申し上げて、この有識者懇談会の前に、酒鬼薔薇事件の後に既にもう有識者懇談会が開かれているんですよ。そして、その報告を出したけれども、出ただけで何もやっていないんだ、実は。それが現実ですよ、今の政権与党の。
 そして、鴻池大臣がどういうことを考えておられるかわかりませんが、ちょっと週刊誌の記事で、ある方の親御さんのあれが出ているんです。「弱い者いじめをしない、人に好かれるようには育てたつもりです。生き物を可愛がるように、動物も飼ったこともあります。」「スパルタ教育で、殴ることもありました。私は口よりも手が先に出てしまいますから。襟が曲がっていれば叱り飛ばす、人前であくびをしても殴り飛ばした。周囲からも厳しすぎると思われていたほどです。」こういうことを述懐するお父さんもいる。このお父さんはだれかというと、あの大学生集団レイプ事件の、その学生グループの主犯ですよ。
 だから、親が一生懸命取り組んでも、どこかから間違う。これだけ世の中が複雑、そしてまた情報がはんらんするような世の中の中で、いろいろな問題が起こっておるわけです。
藤井委員長 時間ですよ。都築君、時間が来ております。
都築委員 だから、むしろもっと真剣にこういった問題に取り組んで、根本から取り組んでいく、そのために私どもは人づくり基本法というものを出しておりますので、これからもまたこういった議論をしっかりと。しかし、今の自民党では、それこそ集団レイプが何かいいことだなんて、とんでもない話が出る。こんなのはひきょうな人間のやることだというふうに思います。
 以上で終わります。
藤井委員長 これにて山岡君、都築君の質疑は終了いたしました。
 委員長から一言、鴻池国務大臣に申し上げます。
 もう一度答弁願いますが、昨日の少女の事件が、加害者であるか被害者であるかわからないがということですが、その答弁でよろしいんですか。そういう発言をされましたので、もし訂正されるんならどうぞ。
鴻池国務大臣 私の表現で、確かに、加害者であるか被害者であるかという表現をいたしましたけれども、これにつきましては、撤回をさせていただきたいと思います。
藤井委員長 次に、佐々木憲昭君。
佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 私は、失業・雇用問題を中心にお伺いをしたいと思います。
 この問題は極めて深刻な社会問題でありまして、完全失業率は五・四%、完全失業者数は三百七十五万人であります。求職活動をあきらめたという方々も含めますと、この何倍もの失業者がいると想定されます。失業者が大規模に発生している反面で、職場の中を見ますと、リストラで労働者がどんどん減らされる、大変な長時間、超過密労働というのが行われております。
 重大なのは、過労死あるいはサービス残業、残業しても残業代を払わない、こういう事態が急増していることであります。
 いろいろな声が寄せられておりますけれども、例えば大手電機メーカーの家族の方から、土日出勤はもとより、徹夜で帰宅しないことも多く、このままでは本当に過労死してしまう、万が一のことを考えて帰宅時間をメモしています、こういう訴えがあります。
 あるいは、女性団体の新日本婦人の会が、サービス残業をなくす運動の中で、たくさんのアンケートがありまして、その中に、例えばこういう母親からの訴えがあります。
 いつもきょうじゅうには帰宅せず、午前一時ごろです。それも、このごろは、週二回ぐらいは、通勤時間がかかるからと会社に泊まったりします。また、山手線を三回りもするほど電車に乗ると寝込んでしまったり、終電に乗れなかったり、終点まで行って、二時間も歩いたりして帰ります。何とかしてください。息子が死んでしまったらと心配でなりません。
 こういう声が、一方で、失業者がどんどんふえて、働く職場がないという事態でありながら、今度は、職場の中ではこのような大変異常な事態が広がっているわけであります。
 厚生労働省の資料を見ましても、この五年間で、過労死の請求件数というのは七六%増でありますし、認定件数は三・五倍になっております。過労自殺を含めますと、さらにこの数は大きな数字になるわけです。
 残業しても残業代が払われない、これは明らかに違法な行為だと思いますけれども、まず確認をしておきたいんですが、サービス残業があった場合、どのような罰則があるか、お答えをいただきたい。
青木政府参考人 いわゆるサービス残業と言われておりますものは、私ども、賃金不払い残業と言っておりますけれども、多くは、労働基準法第三十七条に違反するものと考えられます。
 これに違反した場合には、同法第百十九条によりまして、六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金に処することとされております。
佐々木(憲)委員 サービス残業というのは、企業の犯罪なんですね。ですから、懲役刑あるいは罰金、こういう処罰が科されるわけであります。
 ところが、サービス残業というのは、今、大変蔓延しておりまして、例えば、連合が昨年十二月十二日に公表しました生活アンケートというのがありますが、それを見ますと、サービス残業をしていると答えた労働者は、男性で四八・五%、半分近くがやっていると答えている、あるいは、女性で四二・三%。
 これは民間だけじゃありません。公務員の職場でも同じ状況がありまして、国公労連が残業アンケートをしたところによりますと、実際の残業に対して超過勤務手当が何%程度支給されたかと聞いたところ、全額支給されたと答えたのは一割しかありません。七割以上が不払いがある、こういう状況であります。
 坂口厚生労働大臣にお聞きしますけれども、全体として見まして、この間、サービス残業というものは減っているんでしょうか、それとも、どうも今の状況を見ますとふえているように思うんですけれども、その趨勢はどのように把握されておられますか。
坂口国務大臣 いわゆる賃金不払い残業でございますが、これは、労働関係の行政の中におきましても最近特に注意をいたしまして、そして各企業の状況等を見ているわけでございます。
 今までよりも厳しく見ているということもございますが、全体といたしまして件数はふえてまいっております。それに対する我々の方の指導監督と申しますか指導の方も、これはふえてきている状況にございます。
佐々木(憲)委員 ここに、国民生活審議会の総合企画部会の雇用・人材・情報化委員会の報告というのがございます。これは去年の七月に出たものであります。
 これを見ますと、大変な状況だというのが書かれておりまして、失業率が上昇するという人余り現象がある、その一方で、就業時間が長期化している者はむしろふえている、大企業では全体として雇用者数を減らしながら、同時に長時間労働の社員の割合を高めているという様子がうかがえる、いわゆるサービス残業が増加している可能性を示唆する統計データもある、こういうふうに指摘をされております。
 この指摘は、これは事実ですね。これは確認できますね。
永谷政府参考人 今御指摘いただきましたように、昨年、国民生活審議会のもとでこの委員会を開催したということであります。
 その報告書の中身でありますけれども、これも今先生がおっしゃいましたとおりでありますけれども、失業率が上昇するという人余り現象がある一方で、五百人以上の、いわゆる大規模の事業所における男性雇用者のうち週六十時間以上働いている者の割合が、平成六年の一四・一%から十三年には二〇%に高まっているという事実を指摘しております。それで、そういう事実を踏まえながら、大企業では、全体として雇用者数を減らしながら、三十代を中心に長時間労働者の割合が高まっている様子がうかがえるという指摘をしております。
 それから、サービス残業の話でありますけれども、これにつきましても、どういうふうにとらまえるかというのは若干技術的に難しいんですけれども、私どもで一定の前提を置きまして推計しておりますけれども、月当たりのサービス残業時間が、平成六年の八・三時間から平成十三年には九・五時間へと増加しているということになっております。
佐々木(憲)委員 今ありましたように、サービス残業というのは、これは企業犯罪なんですよ。そういう事態がどんどん広がっていて、ふえているということは、大変私は重大だと思うわけであります。
 こういう試算は、今お話にありましたような統計がありますけれども、同時に、例えば民間では第一生命経済研究所で、最近の六月二十六日に同じような試算が出されております。これは、「不況下で増加するサービス残業」と題するレポートであります。
 私も似たような試算をしてみたわけであります。(パネルを示す)これがその結果でございますけれども、ここにありますように、皆さんのお手元にも同じ資料を配付しておりますが、この赤い棒グラフが事実上のサービス残業とみなせると思うんですが、次第にふえておる。九〇年代の末から二〇〇〇年にかけて急増しまして、これは大問題になりまして国会でも取り上げられる、そういう状況が続きました。若干、通達などを出しまして、政府も取り組んだということになっておりますけれども、なかなかこれは減らないんですね。労働基準監督署の職員の努力もあって、不払い賃金を払わせるというようなことも一部ありましたけれども、全体として見ますと、このグラフのように、サービス残業というのは増加する傾向にある。私は、これは大変重大な問題だというふうに思います。
 そこで、小泉総理にお聞きしますけれども、これは大変重大な事態で、一方で仕事がない仕事がないという状態がありながら、少数の従業員がこんな状態になっている。これは是正すべきだと私は思いますし、なぜこういう状況がなくならないのか、この辺についての見解をお聞かせいただきたい。
小泉内閣総理大臣 このサービス残業をいかに減らしていくか、これは必要なことだと思っていますが、なぜ減らないのかという御質問でありますが、これは最近の経済情勢の厳しさも反映しているんだと思います。
 と同時に、経営者側についてもこの趣旨の徹底、これは経営者、労働者、行政側、こういう問題について減らしていくような対策、措置を今後とも周知徹底していかなきゃいかぬなと思っております。
佐々木(憲)委員 この理由の中で大変大きいのは、今、経済状況が厳しいというお話がありましたけれども、労働時間が急増しているその原因として、やはりリストラの影響というのが大変大きいんです。つまり、人減らしがどんどん行われていて、デフレ下で人件費のコスト削減ということがどんどん行われている。そのために従業員を削減した結果、企業に残った従業員は、その分、カバーするために過大な仕事量を抱えて残業せざるを得なくなっている。これは第一生命の経済研究所が報告している中にも指摘をされているわけであります。
 では、業種別に見るとどういう状況かといいますと、(パネルを示す)こういう状態でありまして、産業別に見ますと、卸売、小売、飲食店関係が一番多いわけです。二番目に多いのが金融・保険業、こういう状態でございます。
 流通関係の担当といいますと平沼経済産業担当大臣でありますが、企業犯罪がこういう分野で非常に多い。これは不払い労働ですから、払わせなければならぬわけであります。それで、言うことを聞かなければ、これは処罰の対象になるわけであります。そういう状態がこれだけ広がっているわけですから、何らかの、担当、所管大臣として対応をすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
平沼国務大臣 本来支払われるべき賃金が支払われないというのがサービス残業、こういうふうに言われています。したがいまして、私どもというのは、そういう私の所管している卸売、小売、あるいはサービス、こういったところに多いということは承知をしておりまして、私どもとしては、こういう実態の中で、そういうことがあってはならないという形で、厚生労働省とも協力をしながら、それを減らしていくために努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
佐々木(憲)委員 金融・保険業の担当の竹中大臣、どういうふうにされますか。
竹中国務大臣 これは、言うまでもなく、刑事罰を伴う厳しい法的な対応を行わなければいけない問題であると思います。
 これは、基本的には労働基準法、労働基準監督署においてそうした対応が厳密になされているというふうに思っておりますが、我々も、銀行法等に基づく監督権限を持っております。これは銀行法に基づくものでありますから、その監督の中身は、これは少し違うわけでありますが、当然、法令違反があるような場合は、これは厳正に、業務改善命令を含めて対応していかなければいけないと思っております。
佐々木(憲)委員 今、それぞれの大臣の姿勢を聞きましたし、総理の見解も伺いましたが、これはだめだ、これを直さなければいけないという姿勢はわかったんですが、ところが、実際に今までもそういうことで政府はやってきたんだけれども、ふえているわけです、実際。どんどんふえているわけです。ですから、対応がそういう実態にきちっと合っていない、効果が上がっていないということの証明なんです。やはりこれは、政府も財界も挙げて全体として取り組む、こういうことが大変重要であります。
 ところが、実際に例えば労基署が調査に入るという場合、どういうような対応がなされているか。これが問題なんです、直らないのは、一つの問題として。
 例えばこういうことがあります。残業問題で労基署が入ったが改善されたのはその月だけだったというのが、これは連合のホームページに寄せられた労働者の声の中にあります。翌月からまた二十時間のみになった、二十時間を超えて残業しているんですけれども。労基署が入ったときは、実際に働いた賃金は支払われた。しかし、それが終わったら、一カ月改善されました、では次の月からはどうなるのかというと、もとに戻ってしまうわけです。だから、全然これは効果が上がらない。家族が労基署に相談したら、証拠を出せと言われたと。こういう状況。
 あるいはこういうことがあります。先日労基署が調査に入りましたが、会社は残業はないと回答しました。事前に上司は私たちにも口裏を合わせるように言いました。しかし、実際は月に百時間ぐらい残業があって、自己申告制ですが、申告しても翌月の給料には全く反映されません。労基署が入っても、使用者がないと答えれば、何も改善されません。私は五年前から自分で労働時間を記録しています。こういう訴えがあります。
 こういうふうに、実際にモグラたたきのような状況がある。あるいは、企業自身がこの犯罪を隠すという事態があるわけです。したがって、私は、これは本当に効果の上がるやり方をしなければならぬ、そうしないとこの犯罪はなくならないと思うわけです。
 例えば、繰り返し勧告を受けたような悪質な会社の場合は、企業名を公表するということは当然やるべきだと思いますし、あるいはペナルティーを科す。労働者に割り増し賃金を払うわけですけれども、しかし、さらにもっと上積みして払わせる。そうすれば、このサービス残業をやっても、これはかえって企業にとってはマイナスになる、こういう自覚が広がるわけですね。例えばそういうようなことを具体的にやっていかないと、こういう犯罪というのはなくならないと思うんです。
 そういう点で、具体的な対応策、これを坂口労働大臣に、今私が提案したようなことも含めて、どう対応されるのか、お聞きしたいと思います。
坂口国務大臣 最近、御承知だというふうに思いますけれども、賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針というのをつくりまして、そして、これは労使でしっかりと、それぞれの企業でその指針をつくってください、我々の方はこういったことのチェックをしていきますよというようなことをその中で示しているわけでございます。
 先ほどいろいろ具体例を挙げられましたが、いわゆる指導をいたしましてすべてがうまくいっていないわけではなくて、うまくいっているケースもあるわけであります。ただ、中にはうまくいっていないところもあるということでありまして、一度入りましたところにつきましては、やはりフォローアップをちゃんとやっていかなきゃいけないということで今やっているところでございます。
 また、重大、悪質な事案につきましては司法処分等の処置もあるわけでございますから、そうしたものも含めて、厳正にやっていきたいと考えております。
佐々木(憲)委員 指針をつくるのもいいですけれども、具体的にこういう実態が広がっていて、統計的にも、これは国民生活審議会の中でもふえているという統計が出ている。そういうときに、この程度のやり方でなぜ効果が上がると思うのか。これは、全く実際には効果は上がらない。
 そこで、小泉総理にお聞きしますけれども、どうしてこれが、こんなに問題になっていながら効果が上がってこないのか。私は、小泉政権の経済政策そのものに大きな問題があるのではないか、つまり、構造改革ですとかあるいはリストラ、これはいいことだ、企業が利益を上げるのは当然だ、リストラはどんどんやるべきだ、こういうことを政府みずからがあおっているという結果がこういうところに出ているのではないか、そういう点を是正していかなければこの事態というのはなかなか根本的には直っていかないというふうに思いますけれども、総理はどのようにお考えですか。
小泉内閣総理大臣 企業がみずからの経営基盤を強化するために努力することは必要であり、なおかつ、企業は、利益を上げるのは当然であります。利益を上げない企業というのは国民から信用されませんし、倒産したら元も子もない、社員も失業の危機に遭うということから、利益を上げるということが必ずしも悪いとは思っておりません。
 そういう中で、それぞれの企業の経営者は、やはり従業員を大事にする、そして、従業員にとっていい労働環境をつくっていくという配慮も大変重要なことだと思っております。そういう点について、こういう時代の変化に対応して企業が業績を上げ得ることができるようによく考えなきゃならない。
 当然、法を守らなきゃならないのは当然でありますし、そして、サービス残業を少なくしていかなきゃならないという今の御指摘を踏まえて、よく真剣に今後とも対応していただきたいと思います。
佐々木(憲)委員 今、総理は二つのことをおっしゃいました。一つは、企業というのは経営を安定させなきゃならない、利益を上げる必要がある、もう一つは、雇用をしっかり守らなければならない、これは当然だと思うんです。
 ただ、問題は、今実態的に何が起こっているかというと、二つのうちの一つだけが先行しておりまして、利益を上げる、リストラをやるというところがどんどん進んでいるわけです。
 しかし、実際に労働者はどんな結果になっているかといえば、職場からどんどん離れて、失業者がふえる、職場がない、働く場所がない、そういう方々がずうっとふえている。一方で企業は、職場の中は大変な長時間労働、夜中まで働かされる。夜中の一時に帰ってくる、一時に帰ってきて残業する、三時まで仕事をしているなんという投書が、つい最近も四月二十七日に出されている、新聞に。これは余りにも異常なんです。ですから、これを是正するという方向に大きく切りかえていく。つまり、企業のやり方が一方に偏っているんです。
 例えば経団連の会長、総理は何度もお会いになると思いますけれども、そういう会合でこの問題についてきちっと申し入れるというようなことは少なくともはっきり主張すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
小泉内閣総理大臣 この点につきましては、政労使といいますか、政治の側、そして労働者の側、さらに使用者の側、この三者が集まって、先日も、あるべき関係についてよく話し合っていただきたいということを経団連の会長にも、また連合の笹森会長にも、官邸においでいただきまして、よく協調できるように、また新しい時代に企業もうまく業績を上げることができるように、また労働者の皆さんもよき環境のもとで意欲を持って働くことができるように、そういう中で政府がどういう支援、施策を講ずればいいかということをよく話し合おうということで、坂口厚生労働大臣も入りまして、今検討しているところであります。
 また、サービス残業につきましても、経団連の会長とも会う機会がありますので、今の御指摘も踏まえて、よく私からも、そのようなことを減らすように今後もよく配慮していただきたいということを私は申し伝えたいと思います。
佐々木(憲)委員 この問題は、ことしのエビアン・サミットで、企業の社会的責任というのがG8宣言、この中でも指摘をされておりまして、単に働いている方々の問題だけではなくて、経済全体にとって大変重要な問題だ、企業が雇用をきちっと安定させていくという責任がある、あるいは環境を守る責任がある、この点が国際的な大きな流れになっているわけであります。
 先ほど紹介した第一生命経済研究所のレポートを見ましても、サービス残業をなくすことによって、新規雇用に仮にそれを全部振りかえたといたしますと、雇用創出効果というのは全産業で百六十一万六千人になる。大変大きな雇用効果があるわけです。つまり、今までは本来法律違反のことをやっているわけですから、その法律違反をやめるということは当然のことなんだけれども、そのことが同時に雇用の拡大につながっていく。しかも、その数字がいろいろ推計をなされておりまして、完全失業率は今の水準から二・四ポイント低下するというんです。現在の失業率が五・四%ですから、これが三%の水準に低下する。しかも個人消費の回復につながる。実質雇用者報酬が三・八%増加する。全体として実質個人消費は五・一ポイント上昇する。つまり消費拡大につながるということなんですね。企業全体として見ますと、労働者に払う部分がそれだけふえますから、例えば設備投資はその分若干圧迫を受けるということがあるかもしれないんだけれども、しかし、それを差し引いても、ネットで見ると二・五%の実質GDPの押し上げ効果が期待できる。
 ですから、これは、つまり、企業の犯罪を根絶し、雇用を拡大し、所得をふやし、消費をふやし、日本経済全体を成長の軌道に乗せることができる、大変重要なポイントなんです。こういう点をしっかりと、私は政府の基本政策として取り組んでいくということが必要だと思うんです。
 今の企業のやり方を見ますと、それぞれの企業は当面の利益を追いかけていますけれども、しかし、社会全体として考えてみますと、その企業自身が売り上げの先がどんどん先細っていくような感じで、逆に言いますと、日本経済をどんどん掘り崩していく方向に行っているわけです。そういう意味で、このサービス残業の根絶ということが大変重要だという点を私は強調したいと思いますが、最後に総理の決意をお聞かせいただきたい。
小泉内閣総理大臣 経営者も社会的責任を十分認識して、企業の業績を上げると同時に、労働者の待遇改善に努めていただきたい、政府としてもそういう配慮を企業側にもよく今後とも求めていきたいと思います。
佐々木(憲)委員 終わります。
藤井委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、金子哲夫君。
金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。
 私は、まず最初に、先ほど鴻池大臣の発言を聞きまして唖然としました。野党の理事の皆さんの指摘があり、委員長からも指摘をされて、取り消しということでありましたけれども、実は、昨日、青少年特別委員会で私どもの保坂委員がこの問題に対して質問をし、二度と同様の発言はなさいませんかという質問に対して、鴻池大臣は、それは各所で申し上げておりますように、以後、こういった発言については十分気をつけて、この手の発言はいたさない、このように申し上げて、決意をいたしておるところです、このように昨日の委員会で答弁をされております。そのきのうのきょう、あのような発言をされる。委員長から指摘を受けて取り消しをする、そういうことでおさまる問題ではないんじゃないでしょうか。
 今、テレビでも中継をされているこの委員会の最中に、被害者である子供さんも、両親も、親御さんも見られている、そういう状況の中で、あのような大臣の発言が出てくる。昨日のきょう、このような発言が出てくるということは、到底、その昨日の反省の弁というのは全く本人の中にないんではないか。
 きょうは、今いらっしゃいませんけれども、小泉総理に、この点について、任命権者としても改めてお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 先ほど鴻池大臣も答弁されておりましたように、親御さんの責任云々の中で、みずからの市中引き回し云々という発言については不適切だったと反省されておりました。きょうもそういう気持ちで答弁されたと思いますし、これからも、誤解されないようによく表現には注意して、今後、青少年等の対策に当たってもらいたいと思います。
金子(哲)委員 改めてお伺いしたいんですけれども、今、長崎の事件の問題についての発言に触れられましたけれども、私が今申し上げているのは、昨日東京で起きた事件にかかわっての鴻池大臣の発言について、今、取り消しをされましたけれども、総理としてどのようにお考えか、もう一度お答えいただきたいと思います。
 御存じないでしょうか。先ほどお答えになりましたでしょう、被害者か加害者かわからないという発言。この点についてどうお考えでしょうか。
小泉内閣総理大臣 昨日の四人の小学生少女の事件に関しましては、事実関係がまだ定かになっていない面があります。
 そういう中で、先ほど鴻池大臣が、加害者か被害者かという云々されたものでありますが、それは取り消されたと思いますので、よく事実関係を見きわめまして、今後、こういう事件が起こる背景、子供の人権、加害者、被害者の人権、親御さんの責任とか、いろいろなことが議論されなきゃならないと思います。
 そういう中で、鴻池大臣が、加害者、被害者という云々の発言があって、それを取り消されたわけですから、その点は、よく発言に気をつけて、今後鴻池大臣も対処しなきゃいかぬと思います。
金子(哲)委員 もう御本人がいらっしゃらないところでこれ以上申し上げることはないと思いますけれども、ただ、取り消したとしても、極めて人権感覚にかかわる発言であるだけに、昨日、その点については指摘をされ、先ほど私が読み上げましたような答弁をされている大臣だけに、私はそういう無責任な発言が委員会の中で行われていることを厳しく指摘をしておきたいと思います。
 そこで、間もなく八月六日を迎えますけれども、ことしも、私は、地元のニュースを聞くところによりますと、小泉総理は、広島、長崎を記念日に訪問される予定で準備をされているとお聞きしております。そこで、私は核兵器の廃絶に向けての総理の決意というものをお聞かせいただきたいと思います。
 私は、今北朝鮮の核開発の問題、そしてイラン、イラクの問題は、今、大量破壊兵器が見つからないこと、保有していなかったのではないかということが言われておりますけれども、いずれにしても、世界で核兵器の開発の問題が非常に大きな政治課題になっていることは間違いないと思います。
 私ども社民党も、そして私自身も常に、どのような理由があれ、どの国であれ、核兵器の保有ということ、また開発ということはやってはならないという立場で、核兵器廃絶のために私ども運動してまいりましたし、また被爆国日本はその立場を堅持してやってまいったと思っております。
 そこで、その中で、私は、今世界の核拡散が続いている状況の中で、大きな問題は、やはりアメリカの核の政策というものが極めて問われているというふうに思います。
 最近、米国は小型核兵器の開発予算を決定したというふうにも言われておりますし、小型化をするということは、逆に言えば、使用の危険性がさらに高まるという問題につながるというふうに言わなければなりませんし、さらには、依然として米国が、多くの世界の人々の期待によって締結をされたCTBT条約の批准の態度を明らかにしないという状況の中で、今日の核状況を迎えているわけです。
 そういう意味でいいますと、最大の核兵器保有国であるアメリカに対して、我が国がそうした問題に対してどのような立場をとるかということは極めて重要だというふうに思います。
 その意味で、総理として、このアメリカのCTBT条約未批准の状況に対して早期の批准を求めること、さらには小型の核兵器開発の中止を強く求めるべきだというふうに考えますけれども、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 日本は、今までも核兵器廃絶に向けた努力を行ってきております。唯一の原爆被爆国として、世界にも、日本の主張に理解を示してくれる国も多数あります。
 そういう中で、非常に難しい問題でありますが、この問題、困難であればあるほど、粘り強く廃絶に向けた外交的努力等をしていかなきゃならないと思っております。
金子(哲)委員 いや、私がお尋ねしたのは、具体的に、アメリカのCTBTの批准の問題、そして今予算がつけられたと言われる小型核兵器の開発の問題に対して、米国に対してどのような意見を日本として伝えるか、そのことをお伺いしております。――いや、外務大臣はいないから、全部総理がお答えになるということで。
小泉内閣総理大臣 それは、今お話ししましたように、日本政府としてはやっておりますし、私は、事実、いろいろな場で、この軍縮の重要性を提起しております。
 現に、九四年以降、毎年、国連総会に核軍縮決議案を提出しております。昨年も、全面的核廃絶に至るまでの具体的な道筋を示した核兵器の全面的廃絶への道程決議案を日本政府は提出いたしました。賛成百五十六、反対二、棄権十三の圧倒的多数で採決されました。
金子(哲)委員 私は、国連の決議の問題を今聞いているわけじゃありません。米国の具体的な核政策についてどのような態度を米国に対して、日米関係という極めて緊密な関係にあると常々総理はおっしゃっているわけですから、その米国に対して、日本国民の、とりわけ八月六日、八月九日を間近にして、被爆地を訪れられる総理として、米国の今の核政策に対して、CTBTをいまだ批准しないと表明されているブッシュ大統領に対して、しっかりと批准を迫っていく。そして、さらに危険と言われている小型核兵器の開発の予算が通ったという事態の中で、アメリカに対してどのようなメッセージを出されるかということをお伺いしているわけです。国連の決議の問題ではありません。
小泉内閣総理大臣 それは、核兵器を持っている国は、アメリカのみならず中国もロシアもフランスもイギリスも持っておりますが、そういう中で、日本としては、各国に呼びかけている、米国にも呼びかけている。
 そして今、小型核兵器の問題ですが、米国は、この小型核兵器につきましては、研究はしているが、開発、生産、配備等ではないということを表明しているのも承知しております。
金子(哲)委員 配備をしていない、それは、計画をして具体的に研究しなきゃ、配備はできないわけです、つくらなければ。その配備を前提とするから研究開発の予算がつくわけでして、総理のお話をお伺いしていると、結局のところ、米国の核政策に対しては、具体的なことがほとんどメッセージとして伝わっていないんじゃないでしょうか。
 一般的にCTBTの、核兵器廃絶の国連決議のことはおっしゃっていますけれども、CTBTの未批准国は中国とアメリカです、NPTで認められている核保有国の中で。その中で最大の核兵器保有国、しかも、ブッシュ大統領は、核実験場、閉鎖をしていたものを、いつでも再開できるように準備をしようということまで指示をされているという状況になっている中で、CTBT、包括的核実験全面禁止条約の批准をなぜ迫れないんでしょうか。これは、当然迫ってもおかしくない話じゃないでしょうか。その点、どうですか。
小泉内閣総理大臣 それは、日本は、アメリカのみならず各国に言っております。北朝鮮に対しても、あるいはその他の国に対しても、核の問題、懸念を持っているということを表明しております。各国に言っております。
金子(哲)委員 今の小泉総理の答弁を聞いて、私は極めて残念でなりません。
 国連のNPTの会議の中でも、やはりその中心となって廃絶の方向に向かっていくとすれば、最大の核兵器保有国である米国の動向がどうか、そしてまた、CTBTが批准を完了して発効できるかどうかというかぎは米国が握っているというふうに国際社会では認知をされているわけです。その国際社会における米国に対して、CTBTの発効ということは、核兵器の開発を阻止するということでは極めて大きな、私は大きな第一歩だというふうに思っています。
 そういう意味でいいますと、まさにそこに日本の政府が独自の政策を発揮できなければ、やはり被爆国として、国連で幾ら決議を出したとしても、具体的なところで、まさに日米の協力関係にある中で明示をするということが極めて重要だ。そのことが、残念ながら小泉総理の姿勢の中に、私はやはり、アメリカの追随とは申し上げませんけれども、そのような状況の中で進んでいる。これはぜひ私は、やはり被爆国として核兵器廃絶ということを常に訴えられるのであれば、最大の核兵器保有国のアメリカに対して明確に物を言うということは最低必要なことだし、それこそが初めて世界の国々を説得する力になる、そのことを強く申し上げておきたいと思います。
 さて、雇用問題が今出ておりますけれども、小泉政権が発足して以来、小泉政権の発足時、四・八%、三百四十万人であった完全失業率が、二〇〇一年の八月に五%台になって以降、五・四%と極めて高い水準で維持をしております。五月末でも五・四%、失業者数三百七十五万人です。
 しかも、その中身等を見ますと、特に世帯主の失業というのが極めて深刻になっております。三月では百万人を超えた数字が、五月では百四万人も世帯主が失業の状況にある。例えば住宅金融公庫のローンの返済、延長、減額が七七%も増加していることにあらわれておりますけれども、このことについて総理の御見解をまずお伺いしたいと思います。
小泉内閣総理大臣 具体的な数字等は坂口厚生労働大臣がよく御存じだと思いますが、やはり厳しい雇用情勢は続いていると思います。
 そういう中でも求人数はあるんですが、そこに求職者が行っていない、そういう面もあります。いわゆるミスマッチといいますかね。肝心な、人を欲しいという企業はあるんだけれども、そこにもっと失業者が行ってくれればいいんですけれども、それはいろいろ理由があるでしょう、そのような仕事に自分が向いていないとか、あるいは訓練を受けていないとか、そういう点もあると思います。そういうミスマッチを解消する努力も必要じゃないか。
 依然として雇用情勢、厳しい状況が続いておりますので、そういう点に十分配慮して、できるだけ雇用創出に努めていきたいと思います。
金子(哲)委員 雇用創出に努めてまいりますということでおっしゃいますけれども、具体的に小泉総理の内閣の時代にどのような雇用が創出できたかといえば、いろいろ政策は打たれたけれども、ほとんど具体的な雇用創出はできていない。だから失業者はどんどんふえっ放しじゃないですか。
 しかも、今の失業者の状況というのはもっと深刻な状況になっていて、失業の期間というのが極めて長期化をしています。二〇〇一年の二月で、一年以上の長期にわたって失業をしている人たちは全体の二六・三%であったものが、わずか二年足らずの間、ことしの一月から三月までの平均では三一・一%、三人に一人が一年以上も就職先が見つからない状況にあるということです。二年以上の数字も上がっております。
 このことは、今総理がおっしゃったような、雇用政策を打っておりますとおっしゃっても、現実的に失業期間が延びている、この現実をやはりもっと直視をして、この失業期間が長期になっていることに対してどう対策を打つかということが極めて重要だと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
坂口国務大臣 雇用全体につきましては、今いろいろの御指摘がございましたけれども、かなり雇用対策を打ちまして、そして新しく職についた人もたくさんいるわけでありまして、そうした状況の中でもなおかつ今五・四%という失業率が存在するということだろうというふうに思っております。この問題を解決をしていくためにはいろいろ今まで我々も手を打ってまいっておりますし、そして、それの効果の出ているところもございます。
 しかし、効果が非常に大きく上がったところと効果の少なかったところとやはりはっきりしてまいりました。例えば、地域地域に雇用対策を打つということで、交付金等を交付いたしまして地域でやっていただいている問題は非常に効果がある。あるいはまた、試し雇用をしていただいている、それは非常に就職に結びついて、いい結果が出ているといったようなことがございます。しかし、まだまだやらなければならないことがございまして、若い人たちの雇用をどう確保していくかということについては新しく対策を立てようというので、今経済産業省等とも話をしながらやっているところでございます。
 一年以上の皆さん方に対しましても、これは中身はいろいろです。一年以上の皆さん方の中身もいろいろでございますが、やはり長く職についていない人はだんだん職につきにくくなっていくことも事実でございますので、早くこの人たちに職についていただくようにするための対策というのも現在立てているところでございます。今後、もう少しワークシェアリングの問題等もそこに取り入れまして、そして皆さん方におこたえのできるような対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。
金子(哲)委員 今の大臣の答弁を聞けば、長期化したのは本人の努力の問題のように聞こえなくもない答弁でありますけれども、私は、雇用政策としていろいろ努力されているとは思います。しかし、先ほど申し上げましたように、失業期間が長期化をしているという問題、これは極めて深刻だと思います。
 例えば、雇用保険法の改正が今度行われましたけれども、この長期化の問題に対しては何の施策もない。むしろ、高齢者の給付額を切り下げるということになっています。雇用保険法の第二十七条には、失業の状況が全国的に著しく悪化して、受給資格者の就職状況から見て必要があると認められるときには、例えば国の雇用保険の延長給付が可能という条文があります。こういうことも全く発動もされていない。
 先ほど申し上げましたように、例えば五十歳以上に対する求人の状況を見ますと〇・二であります。全体が〇・五、六という状況の中で〇・二しかないわけです。この中で幾ら努力しても就職がなかなか見つからないという現実の問題があるわけです。そうしてまいりますと、私は、受給資格者の就職状況が極めて困難な状況だ、こういうふうに見ていいと思うんです。
 この雇用保険法の第二十七条の精神からいいますと、今のようなときにこそ、こういう二十七条を発動して、長期になっている人たちに対して、一定の雇用保険の、私は無制限に何でもやれということを言っているわけじゃなくて、そういう緊急的なことを今発動すべきときに来ているのではないか。これだけ失業期間が延びている時期に、これぐらいのことがなぜ考えられないのか。そのことをぜひ、考えて可能ではないか、そのように思うんですが、その点はどうですか。
坂口国務大臣 今お話しになりました雇用保険の全国延長給付の問題でございますが、これは、四カ月連続して四%を超えるという条件がついている。
 この条件を見ますと、去年の七月ごろは三・三七%ということで、非常に高くなったときでございますが、ことしの五月は二・六六ぐらいに下がってきているわけでありまして、そういう意味からいきますと、この制度を導入してこれでやるということは、現在の状況の中では非常に難しい。
 そのことよりも、先ほども申しましたけれども、一人一人の失業が長期化しないようにどう対応をしていくかということでございまして、それに対しまして、新しく、ひとつ、一人一人にしっかりとお話を伺いながら、その皆さん方が早く職についていただけるような対応をしていこうというので、今マンツーマンでやるということを決めて、そして取りかかっているところでございまして、これからさらにこの問題を強化していきたいというふうに思っているところでございます。
金子(哲)委員 今大臣がお読みになったのは、それは政令で定めた部分なんですよね。法律の中にそのことが明記されているわけではなくて、具体的な準拠規定は政令に定めるということで、今大臣がお読みになった四%というのは、それは政令で定めた事項なんです。
 だから、政令は、今の政府の、内閣の中で変えようと思えばその政令は変えることができるわけです。確かに、就職をするための条件というものを整備するということは当たり前でありますし、できるだけ早く再就職していただきたい。そして、だれしも、失業している人自身が一日でも早く新しい職場につきたい、これはもう当たり前のことなんです。ですから努力をしていると思うんです。
 しかし、それであってもなおかつこのように長期化をしている。三人に一人も、一年以上。つまり、雇用保険の最高の給付期間は三百三十日ですね、一年以上ということは、雇用保険の給付期間を過ぎても再就職できない人が三人に一人もいるという状況は、まさに就職の状況が厳しいということが当てはまるんじゃないでしょうか。
 私は、先ほど言いましたように、この法律を、わざわざ二十七条にこういうものを盛り込んだということは、そういうような、就職が困難な状況が起きたときに、政府の責任として、臨時的にそういうものを発動してでも対処をしていくという精神がこの中にあると思うんです。その精神があれば、閣議でしっかり検討していただいて、何でも条件を下げればいいということではないんですけれども、政令を変えることによって、とりあえず、この厳しい状況の長期にわたっている失業者に対して少しでも援助をしていく、これが血の通った政治じゃないでしょうか。こういうことも検討できないんでしょうか。
 私は、努力されていることはよくわかります。総理、ここはぜひ私はそういうことを、政令の問題じゃなくて、本当に深刻な状況で、そして三万人を超える自殺者が出ている、こういう状況があるわけです。しかも、この自殺者の状況をいいますと、平成十年に三万人を超えている。平成九年のときには、経済的理由で自殺した人はわずかに一四・六%であったにもかかわらず、平成十三年二二・一%、経済的理由で自殺をしなければならない状況にある。今、中高年の人たちに対して求人状況も非常に低い。そういうことを総合的に判断すれば、例えばこの雇用保険法の二十七条を拡大的に解釈して運用していく、そういう政府の決断があって初めて、今失業している人たちにも少しでも希望が持てるような政治ということになるんじゃないですか。総理、その点どうでしょうか。
坂口国務大臣 御承知のように、昨年に比較をいたしまして、この六月におきましては、求人が、各職種、分野におきまして、昨年を上回ってかなり多くなってきております。御承知のとおりでございます。
 しかし、先ほどからもお話ございますように、やはりそこにはミスマッチ、ミスマッチの中でも特にやはり給与等の問題で一致しないというような場合が非常に多いわけでございまして、そうした問題をどう乗り越えていくか。そこには、いろいろやはりお話し合いをしなければならない問題もある。そこに、個々にお話し合いをしていくというのが私はいいと思います。
 長く失業保険をもらっていただくことがためになるのではなくて、早く、もらっていただかなくてもいいようにするのが我々の施策であると思っている次第でございます。
金子(哲)委員 それはおっしゃるとおりです。私も、何も雇用保険を長く受け取ってほしいなんて一言も言っていない。しかし、現実としてそうなっている。そのことに対処をするのは当然政治の責任だということを申し上げています。そのことに対して明確な答弁がないことを極めて残念に思います。
 終わります。
藤井委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会


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