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第1号 平成15年10月1日(水曜日)

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本国会召集日(平成十五年九月二十六日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 藤井 孝男君

   理事 斉藤斗志二君 理事 自見庄三郎君

   理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君

   理事 末松 義規君 理事 原口 一博君

   理事 細川 律夫君

      赤城 徳彦君    伊吹 文明君

      池田 行彦君    石川 要三君

      衛藤征士郎君    尾身 幸次君

      大原 一三君    奥野 誠亮君

      田野瀬良太郎君    高鳥  修君

      津島 雄二君    中山 正暉君

      丹羽 雄哉君    葉梨 信行君

      萩野 浩基君    原田昇左右君

      松岡 利勝君    三塚  博君

      水野 賢一君    持永 和見君

      山口 泰明君    石井  一君

      海江田万里君    河村たかし君

      田中 慶秋君    達増 拓也君

      中塚 一宏君    中村 哲治君

      長妻  昭君    樋高  剛君

      平岡 秀夫君    細野 豪志君

      吉田 公一君    米澤  隆君

      赤羽 一嘉君    斉藤 鉄夫君

      谷口 隆義君    佐々木憲昭君

      矢島 恒夫君    中西 績介君

      横光 克彦君    西川太一郎君

平成十五年十月一日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 藤井 孝男君

   理事 赤城 徳彦君 理事 斉藤斗志二君

   理事 自見庄三郎君 理事 杉浦 正健君

   理事 萩山 教嚴君 理事 末松 義規君

   理事 原口 一博君 理事 細川 律夫君

   理事 谷口 隆義君

      伊吹 文明君    池田 行彦君

      石川 要三君    衛藤征士郎君

      大原 一三君    金子 恭之君

      岸田 文雄君    北村 誠吾君

      倉田 雅年君    左藤  章君

      田野瀬良太郎君    高木  毅君

      高鳥  修君    津島 恭一君

      津島 雄二君    中山 正暉君

      丹羽 雄哉君    西川 京子君

      額賀福志郎君    萩野 浩基君

      蓮実  進君    林 省之介君

      菱田 嘉明君    福井  照君

      松浪 健太君    三ッ林隆志君

      水野 賢一君    持永 和見君

      森岡 正宏君    山口 泰明君

      吉野 正芳君    石井  一君

      石毛えい子君    枝野 幸男君

      海江田万里君    河村たかし君

      菅  直人君    今野  東君

      田中 慶秋君    達増 拓也君

      中塚 一宏君    中村 哲治君

      長妻  昭君    樋高  剛君

      平岡 秀夫君    細野 豪志君

      吉田 公一君    米澤  隆君

      北側 一雄君    斉藤 鉄夫君

      西  博義君    佐々木憲昭君

      志位 和夫君    矢島 恒夫君

      中西 績介君    横光 克彦君

      西川太一郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   総務大臣         麻生 太郎君

   法務大臣         野沢 太三君

   外務大臣         川口 順子君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       河村 建夫君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       亀井 善之君

   経済産業大臣       中川 昭一君

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   環境大臣         小池百合子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)

   (男女共同参画担当)   福田 康夫君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (青少年育成及び少子化対策担当)

   (食品安全担当)     小野 清子君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      石破  茂君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (個人情報保護担当)

   (科学技術政策担当)   茂木 敏充君

   国務大臣

   (金融担当)

   (経済財政政策担当)   竹中 平蔵君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (産業再生機構担当)   金子 一義君

   国務大臣

   (防災担当)       井上 喜一君

   内閣府副大臣       伊藤 達也君

   内閣府副大臣       佐藤 剛男君

   防衛庁副長官       浜田 靖一君

   総務副大臣        田端 正広君

   総務副大臣        山口 俊一君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   財務副大臣        山本 有二君

   厚生労働副大臣      森  英介君

   経済産業副大臣      坂本 剛二君

   内閣府大臣政務官     西川 公也君

   内閣府大臣政務官     宮腰 光寛君

   防衛庁長官政務官     嘉数 知賢君

   総務大臣政務官      平沢 勝栄君

   総務大臣政務官     吉田六左エ門君

   法務大臣政務官      中野  清君

   外務大臣政務官      田中 和徳君

   外務大臣政務官      吉田 幸弘君

   文部科学大臣政務官    田村 憲久君

   文部科学大臣政務官    馳   浩君

   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君

   厚生労働大臣政務官    佐々木知子君

   農林水産大臣政務官    福本 潤一君

   経済産業大臣政務官    江田 康幸君

   経済産業大臣政務官    菅  義偉君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   環境大臣政務官      砂田 圭佑君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    秋山  收君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   参考人

   (日本道路公団総裁)   藤井 治芳君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月一日

 辞任         補欠選任

  池田 行彦君     左藤  章君

  尾身 幸次君     蓮実  進君

  奥野 誠亮君     菱田 嘉明君

  田野瀬良太郎君     金子 恭之君

  津島 雄二君     津島 恭一君

  葉梨 信行君     福井  照君

  萩野 浩基君     吉野 正芳君

  原田昇左右君     倉田 雅年君

  松岡 利勝君     西川 京子君

  三塚  博君     三ッ林隆志君

  水野 賢一君     松浪 健太君

  山口 泰明君     額賀福志郎君

  田中 慶秋君     石毛えい子君

  中村 哲治君     枝野 幸男君

  平岡 秀夫君     菅  直人君

  細野 豪志君     今野  東君

  赤羽 一嘉君     北側 一雄君

  矢島 恒夫君     志位 和夫君

同日

 辞任         補欠選任

  金子 恭之君     田野瀬良太郎君

  倉田 雅年君     原田昇左右君

  左藤  章君     池田 行彦君

  津島 恭一君     津島 雄二君

  西川 京子君     林 省之介君

  額賀福志郎君     山口 泰明君

  蓮実  進君     尾身 幸次君

  菱田 嘉明君     森岡 正宏君

  福井  照君     岸田 文雄君

  松浪 健太君     水野 賢一君

  三ッ林隆志君     高木  毅君

  吉野 正芳君     萩野 浩基君

  石毛えい子君     田中 慶秋君

  枝野 幸男君     中村 哲治君

  菅  直人君     平岡 秀夫君

  今野  東君     細野 豪志君

  北側 一雄君     西  博義君

  志位 和夫君     矢島 恒夫君

同日

 辞任         補欠選任

  岸田 文雄君     北村 誠吾君

  高木  毅君     三塚  博君

  林 省之介君     松岡 利勝君

  森岡 正宏君     奥野 誠亮君

  西  博義君     赤羽 一嘉君

同日

 辞任         補欠選任

  北村 誠吾君     葉梨 信行君

同日

 理事宮本一三君及び石井啓一君九月二十五日委員辞任につき、その補欠として赤城徳彦君及び谷口隆義君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件




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     ――――◇―――――

藤井委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      赤城 徳彦君 及び 谷口 隆義君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

藤井委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

藤井委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君及び日本道路公団総裁藤井治芳君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 それでは、基本的質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。額賀福志郎君。

額賀委員 私は、このたび、小泉総裁から自由民主党の政調会長を拝命いたしました。心から重責を感じているところでございます。

 トップバッターとして今回の予算委員会の質疑を始めさせていただきたいと思います。

 まず最初に、十勝沖地震でたくさんの方々が被害に遭われましたので、心からお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。

 また、先般の総裁選挙におきましては、活発な議論の末に小泉総裁が再選をされまして、心からお祝いを申し上げる次第でございます。

 バブル経済崩壊以降、よく失われた十年と言われております。私は、よくよく考えてみると、これは間違っているのではないかなと思っておりまして、むしろ時代の転換期というのは、衰退していく分野があると同時に、次の時代を予兆できる新しい流れというものが起こっているものと思っております。こういう変革の流れの中で、小泉総理・総裁は、構造改革という旗を掲げて今日まで来まして、先般の所信表明の演説の中でも、改革の芽が出てまいった、これからこれを大きな木に育てていきたいということでございます。

 しかも、なおかつ、小泉総理におかれましては、自民党の総裁の任期が三年でありますから、常識的に言えば、向こう三年間、政権を担うということも可能なわけでございまして、そういう意味では、政権二期目の抱負あるいは決意というものをぜひこの際お聞きしたいと思っているわけであります。

 特に、構造改革をした後に、それではどういう国の姿が描かれていくのか、イメージが我々あるいはまた国民の間にできていくのか、そういう改革構想も含めた決意と抱負というものも聞かせていただければありがたいというふうに思っております。

小泉内閣総理大臣 私は、就任以来、民間にできることは民間に任せていこう、また地方にできることは地方にできるだけ任せていこう、そういう方針のもとに、改革なくして成長なし、構造改革に手をつけないとますます日本経済、新しい時代に対応できないという基本的な方針のもとに政権の運営を行ってきたつもりでございます。いわば、余りにも中央政府依存型、こういう構造というものを正していこうということでございます。

 そういう中で、金融、税制、規制、歳出、全般にわたり、新しい時代にふさわしいような改革をしていこうということでやってまいりました。

 当初、私が就任する前は、大勢の意見というのは、金融機関、どうもおかしいんじゃないか、それから、不良債権に足をとられて資金が十分成長分野に行かないのではないかということから、不良債権処理、これが急務だということは多くの方が提言されてきたところであります。

 しかし、いざ進めていきますと、これは、不良債権処理を進め過ぎると倒産が起こる、失業が増大するという批判が出てまいりました。しかし、私は、物事は何事においても両面がある、すべていいことばかりではない、しかし、今ここで不良債権処理をおくらせて、果たして金融機関が本来の機能を果たすことができるのだろうかということで、不良債権処理を進めてまいりました。

 確かに、最初のころはなかなか処理が進まなかった。不良債権がどんどんふえるのではないか、新しい不良債権が積み上がっていくのではないかという御批判もいただきました。しかし、ここに来て、ようやく不良債権処理が進んできまして、予定どおり、平成十七年には終結させるような見通しも立ってまいりました。

 また、税制改革におきましても、これは、財政状況が厳しい中にもかかわらず、単年度均衡主義ということではない、多年度で税収というものも考えていいのではないかということから、今年度におきましては二兆円の減税を先行させる、酒、たばこの増税分がありますから、二千億円の増税分を差し引いても一兆八千億円の減税を先行した、こういう税制改革も行ってまいりました。企業の中において研究、投資、開発というのは重要だ、そういう部分に重点を置いて減税を先行させてきたわけであります。

 また、規制の面におきましても、なかなか、規制改革といっても、一方においては、規制改革がされますと現状の中で自分たちの仕事が奪われる、他の分野に奪われるからどうしても既得権を守ろうということで反対が強い。それだったらば、まず、地方の地域におきまして特別に、全国の規制緩和が無理であったならば、特定の地域に限って規制改革をして、その状況を見て、全国に広げられるんだったら広げていけばいい、失敗を恐れず新たな挑戦に向かって立ち上がっていこうという地方の意欲をかき立てようじゃないかということで、構造改革特区構想等で規制改革を進めてまいりました。

 また、歳出におきましても、このままどんどんどんどん、いろいろな要望というものは、歳出を削減しなさいという要望よりも、新しい時代にこれは必要だ、あれは必要だ、どんどん歳出をふやす要求はたくさん来ますが、ここのところは切りなさい、削減しなさいというのはなかなか出てまいりません。出てきたとしても極めて少数であります。

 そういう中で、一般歳出を前年度以下に実質を抑えていこう、そうすると、将来、余り大きな政府、大きな税負担なしに、新しい歳出の分野をめり張りをつけて変えていくことによって、新たな時代に対応できるのではないか。また、大きな政府ということにならないような形で、将来の財政全体も考えながら、同じ歳出の中で重点分野を設けて、ふやす部分があるんだったら減らす部分も考えなさいということでやってまいりました。

 そういう中で、ようやく、厳しい経済環境にありますが、失業率におきましても、若干ではありますが、改善の状況を見せてまいりました。また、株価も、八千円を割ったころはまだまだ下がるという見方が大勢でありましたけれども、ようやく、今から考えてみると、あの四月の下旬、八千円を割って七千六百円になったときには、もう七千円を割って、これはどんどんどんどん下がっていくのではないかという見方から、やはりあのころが底だったんじゃないかという見方が今大勢になっているんじゃないでしょうか。また、企業収益も改善に向かっております。企業収益が改善に向かえば、民間の設備投資もふえてきまして、公的な政府の支出なくして、民間がむしろ設備投資をふやしてきた。

 こういう状況を見ても、ようやく、若干ではありますが、明るい兆しが見えてきたのではないかな。二、三年、ゼロ成長、低成長、我慢してくれと言って私は就任しました。当時の政府の見通し、実質の成長率においても、名目成長率においても、当初の政府の見通しよりも上向いております。

 こういう時期に、私は、今後三年間の総裁としての任期を付与されたわけではございますが、この皆さんの信託を受けて、ようやく、多くの国民の皆さんがこの厳しい状況に耐えて我慢してくれた、改革の種をまいてまいりましたけれども、芽が出てきた段階だと思うんです。この芽を立派な木に育てていくのがこれから私に課せられた責務ではないかと思っております。

額賀委員 結果的には、こういう構造改革を行うことによって、強い日本経済をつくることにより、そして、高齢者の社会においても、皆さん方が安心ができて、文化国家を形成していく、そういう未来像が描かれていくだろうと思っております。今後、こういう論戦をまた再びさせていただければありがたいというふうに思っております。

 ところで、今、国民の皆さん方も我々国会議員も最も関心があるということは、小泉総理がいつ国民の皆さん方に信を問うかということが最大の関心事ではないのかというふうに思っております。国民の期待にこたえて、この小泉総理の真意を今からお聞かせ願いたいというふうに思っているわけでございます。

 今までは、どちらかというと、勝手にマスコミの皆さん方が観測記事を書いたり、あるいはまた、各党の幹部の皆さん方がそれぞれの思いで自分のイメージなりに政局観を述べたりして、新聞紙上では、十月解散、十一月選挙という大見出しで一面トップを飾ったりしたわけであります。もっとひどいのは、もう十月十日解散、十一月九日投票なんというのもあるわけでございまして、そういう状況の中で、今国会はテロ特措法の延長とか重要法案の成立を図ると同時に、やはりその心底には解散・総選挙という活火山が噴火点に達しているという共通の認識も持っているわけでございます。

 そういう意味では、今、小泉総理がお述べになりましたように、改革の方針と成果をひっ提げて国民の信を問う時期が来ているのではないかという感じも私は持っているわけでございます。どうか、そういう状況を、国民の皆さん方が、総理の一挙手一投足を見守りながら、息を潜めて見守っているわけでございますので、総理のお考えをちょっと聞かせていただければよろしいかと思っております。

小泉内閣総理大臣 いつ解散・総選挙が行われるかというのは、与野党を通じて議員の皆さんの大きな関心事だと思いますが、私は、今までの経験からいって、衆議院の任期は四年ありますけれども、大体、平均して二年半に一回行われてきているということを考えますと、議員の心理として、二年過ぎると、そろそろいつあってもいいなという状況になるのは理解できます。今までも、国会が開会されまして、会期末になりますと、野党の皆さんからもいつも解散要求が出てまいりました。七月に終わった通常国会においても、解散せよという要求が出てまいりました。

 既に任期は三年過ぎておりますので、いつあってもおかしくないなという心づもりというのは皆さんされていると思います。そういう状況から考えて、私、率直に言って、皆さんももう選挙があっていいころだなというのを思っているというのは十分認識しております。

 しかし、総理として、今、国会で審議中であります、法案もかかっているわけであります、そういうときに解散というのは総理の口から言うべきことではないと思うのであります。そういう状況だということは理解していても、法案審議に全力を尽くす、それの状況を見て、いつ解散すべきかというのは総理の専権事項と言われておりますので、それは、あうんの呼吸と言いますけれども、よく国会の審議の状況を見て判断しなければいけないなと。これ以上、ちょっと時期を言わせるのは御勘弁いただきたいと思います。

額賀委員 今、総理のお話を聞いておりまして、極めて冷静沈着にお話をされておりますが、どんなに勘が悪い人でもある程度はわかったのではないかというふうに思っております。

 さて、今我々は、先ほど来話がありますように、改革の時代、明治維新、戦後改革、そして今日は第三の改革期に直面をしているということでございます。

 いつの時代でも、改革を担うのは保守の陣営だと私は思っております。かつて、英国の指導者でありましたエドマンド・バークも、改革する保守主義、改革する保守、そういうところから歴史と伝統、文化を踏まえた改革というものが生まれてくるということを言っております。そういう意味では、やはり戦後の日本の歴史を築いてきたのは、日本の歴史と文化に根づいて、保守主義、そして自由と民主主義を掲げてきた自由民主党がやはりこの時代をつくってきたという自負を持ってもいいのではないかというふうに思っているわけでございます。

 そういう中で、私は、自由民主党は、やはり改革推進内閣を支え、そしてまた改革推進政党である、そして自民党こそが新しい時代を築いていくことができる、改革をなすことができるというふうに思っているわけでございます。

 そういう中で、野党の皆さん、民主党と自由党の合流がありまして新民主党というものが誕生いたしておりますけれども、ここ十数年というものは、政権の離合集散が繰り広げられてきました。これが、ある意味では政治や政党に対する国民の不信を培ってきたんではないかというふうに思っております。

 この過程で、自由党の党首でありました小沢党首は、かつて、自民党と共産党以外の政党を集めまして、新進党というものを結成しました。これは言ってみれば、選挙のための相互扶助的な政党であった、組織であったというふうにも言われているわけであります。そんなに長続きすることなく、この新進党は解体をしてしまったわけであります。

 今度の新民主党においても、党の幹部は、選挙のためにこの合流を図ったということを堂々と公言しております。国民の皆さん方におかれましては、選挙のために合流するような政党が果たして国民の信を得ることができるだろうか。私は、できないんじゃないかと思います。

 総理はどう思われますか。印象を聞かせてください。

小泉内閣総理大臣 政党であるならば、いずれは政権を担当したいという意欲を持つのは、私は当然だと思っております。そういう意味において、今、野党の皆さんも、いずれは政権を担当する準備をするということは、むしろ、批判だけでなく、建設的な考え方だと私は思っております。

 そういう中で、与党に対抗して、反与党の立場の勢力をできるだけ多く結集したいという気持ちは、私は理解できます。特に、小選挙区制度になりますと、野党がばらばらでは与党に対抗できないという気持ちもあるでしょう。

 そういうことで、多くの勢力を結集したいという意味から、今回、民主党と自由党も、そういう考えに立って、小異を捨てて大同につくという気持ちもあるんでしょう。あるいは、小異を残して、選挙に勝つためには、多少意見は違っても、あるいは、ある面においては水と油と言われても、選挙を勝つためにはできるだけ協力体制をとろうという気持ちで民主党と自由党も合併したんだと思います。

 あとはどういう政策で民主党、自由党の違いを調整していくかということでありますので、それはいずれ、選挙になれば、今までの民主党の考え方、自由党の考え方が調整されるんでしょう。そういうことで、自由民主党に対抗し得る野党第一党として、政権をとったらばどういう政策を掲げて政権運営するのかということを今後国民に提示してくると思います。その中で国民が判断されるべきではないか。

 自由民主党としては、今まで長年政権を担当してまいりました。そのような実績の中で、野党のいい提案はどんどん受け入れて、新しい時代に対応できるような政策も打ち出してまいりました。また、与党として、国際社会の中で責任ある一員としての外交政策と安全保障政策と、国益を考えながら展開してまいりました。

 今後、外交、内政全般について、でき得れば民主党もいずれ政権を担当するんだ、政権をとった場合にどういう対応をするかということを、自由党と合併したといえども、責任ある提言なり政策なりを打ち出して、正々堂々と選挙戦に臨んでいただければいいことだと私は思っております。

額賀委員 敵に塩を送るような感じの御答弁でございましたけれども、それは幅広さでございますが、逆に、国民の皆さん方は、総理の度量の広さと自民党との違いを明確に感じ取ったのではないかというふうに思っておるところであります。

 もう一つ、やはり民主党、最近は政策マニフェスト、政権マニフェスト等々についていろいろ言及なさっておりますけれども、例えば、高速道路の無料化とか、それから医療の負担の三割負担を二割負担にするとか、全く国民の人気取り的な、目先的なテーマを羅列しておる姿を見ると、果たしてこれが政権をとる政党なんだろうか、国民に対して責任を持つ政党なんだろうか、そういう疑問を持っております。

 それからもう一つ、これは読売新聞に書いてあることなんですけれども、これは社説等解説欄でございますが、民主党は「何よりも、安全保障政策について、「二〇〇五年中に新しい防衛構想を策定する」とし、先送りしている。その構想も「陸上自衛隊の削減」「ミサイル防衛力の向上」など項目の羅列に過ぎない。イラク問題も「調整中」となっている。 国際テロや北朝鮮の脅威に対する不安が国民に広がっている。国民の生命・安全を守るのは、国家の第一の責務だ。党として、安保政策を打ち出せないようでは、政権政党の資格が問われる。」と手厳しく論断をしているのであります。

 国民の皆さん方は、やはり将来皆さん方の日本の国家を背負っていく政党はどこの政党であるかということをこの際よくよく考えてほしいものだということを考えるのでございます。これは答弁は要りません。

 さて、郵政の民営事業についてお尋ねをしたい、あるいはまた総理のお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。

 先般、私は、小泉第二次改造内閣がスタートすることに伴って自民党の党役員人事がかわりまして、新役員会があったときに、小泉総理から、小泉政権の基本方針なるものを示していただきまして、これを中心に政権公約をまとめてほしいということでございました。

 その中に、「郵政事業を平成十九年から民営化する。来年秋頃までに民営化案をまとめ、平成十七年に改革法案を国会に提出する。」という項目がありました。さらに、先日の所信表明の演説の中では「今後、国民的議論を行い、」この文字が入っております。「国民的議論を行い、日本郵政公社の中期計画が終了した後の平成十九年から、郵政事業の民営化を実現します。」というふうになっておりまして、あとは最初の基本方針と同じようなことが書かれているわけであります。

 私は、この際、自民党の政務調査会長として、党の立場をはっきりとさせておきたいというふうに思っております。

 我が党内では、これまで、来るべき総選挙のために、政権公約づくりを事務レベルでやってまいったわけでございます。政権公約策定委員会なるものがあります。そして、今夕私も初めて参加をいたしまして、先ほど総理も選挙も近いかもしれないということでございますから、政権公約づくりに着手してまいりたい、そして早急にまとめてまいりたいというふうに思っているわけであります。

 その際に、小泉総理から御指示のありました郵政事業の民営化方針についても、党としてどう扱っていくか真剣に議論をし、早急に一定の考え方をまとめて、小泉総理のお示しになった考え方とすり合わせをしていかなければならない、それが政権与党としての当然の姿であろうというふうに思っております。

 また、そういう政権公約とは別にいたしまして、政府は、中長期的に郵政事業の改革案、民営化案について経済財政諮問会議で作業を進めるということになっていると聞いております。私は、当然、自民党といたしましてもこれに対応して、我が党内に郵政事業に関する特別委員会なりプロジェクトチームをつくって、この郵政事業に関する民営化案を含めた経営形態のあり方について議論をしていかなければならない。そして、総理が総理大臣として「国民的議論を行い、」ということを明言していると同様に、私も、党内議論を行って、党内のまとめと国民的な理解を得る中で一定の方向づけをしなければならない。

 これが私の今の率直な気持ちでありますし、これが、だれが言っても文句のない、客観的な姿勢であるというふうに思っております。「万機公論ニ決スヘシ」ではありませんが、広く党員のあるいはまた党友の意見を聞きながら、今後この問題に対処していきたいというふうに思っております。

 小泉総理、この点について、私の考え方について何か御意見があればおっしゃってください。

小泉内閣総理大臣 私が二年前の四月に就任する以前は、民営化の議論はもう公社で終わり、民営化の議論はいけない、国家公務員のままこの公社でやるんだということが党で決まっていたわけであります。

 しかし、私は、民間でできることは民間に、今、郵政三事業、見てごらんなさいと。なぜ国家公務員じゃなきゃできないのか、民間で全部できるんですよ。それなのに、なぜ民営化の議論もさせない。だから、私はあえて総裁選挙のときに民営化の方針を打ち出したんです。これからこれははっきりしてもらう、民営化の議論をさせないなんてとんでもないことだと。民営化を前提に、そして、じゃどういう民営化がいいのか、経営形態がいいのかということを前提に議論してもらう。そのためには、経済財政諮問会議で案を出しますが、議会制民主主義であります、政党の中でいろいろな意見があります、そういう中でよりよい民営化案をまとめていただく。

 しかし、民営化の方針には変わりないんです。今まで民営化の議論もさせない、民営化は断固相ならぬ、この職員全部国家公務員の身分でなくちゃいかぬという議論は捨ててもらいたい。そういう中で議論をしていただきたい。これに変わりはありません。

額賀委員 党としても、この郵政事業のあり方について真剣に議論をして、党の考え方をまとめて政府とすり合わせをしていくことが望ましいというふうに思っております。

 次に、イラクの復興支援の問題について質問させていただきたいと思っておりますが、この問題、もう法案も通りまして、どういうふうに我々が国際貢献をしていくかが問われているわけでございます。

 確かに、イラクの情勢は、治安問題も悪化をしておりなかなか厳しい環境にありますけれども、国際社会の中で日本の国がやはりどういう役割を果たしていくか、世界じゅうの方々が見守っております。そして、世界の七十カ国の方々がこれに協力をし、イラク人によるイラク国家の再建について協力をしていこうとしているわけであります。しかも、三十カ国余りの国々が軍隊を派遣してこれに貢献をしているわけであります。我が国も、当然、治安の状況等々をよく調査した上で、派遣をしていくことが望ましいと私は考えるのであります。

 しかしながら、ああいうイラクの現在のような状況の中で派遣をしていく場合は、いかなる装備を持っていくのか。国内では考えられないような状況が予測されます。砂漠地帯でもあります。あるいはまた、一定の訓練もしていかなければなりません。また、装備も、日本の国内の装備とは違った形できちっとしていく必要もあると思っております。

 そうすると、一定の期間が必要になってくるわけでありますから、日本が対応をしていくためには派遣準備期間というものも必要になってくるので、事前に政府がその派遣準備のための指示をしておかなければ、この派遣準備の態勢ができ上がってこないわけであります。

 私は、そういう派遣準備のための態勢を整えるべき、それは総理大臣が指示をすべきであると思っておりますが、総理のお考えを聞かせてください。

小泉内閣総理大臣 イラクの人道復興支援につきましては、国連でも既に決議されております。

 日本として今どういう復興支援が必要か、それに対していろいろな意見があることは承知しておりますが、現在、政府調査団でイラク現地調査をしている最中でございます。その状況を踏まえまして、私どもとしては、どういう地域に、またどういう規模で自衛隊派遣すべきか、あるいは政府職員、民間人がどのような分野で役に立つことができるか、総合的に考えながら判断をしていきたいと思っております。

額賀委員 そうすると、自衛隊を派遣していくためには一定の準備期間が要るから、これは、政府がそういう準備を整えさせるために、それにきちっと対応していきますという意味でございますか。

小泉内閣総理大臣 さきの国会でイラク支援法案成立いたしましたので、いつでもそのような派遣決定された場合には対応できるような準備はしていかなきゃならないと思いますので、状況を見ながら適切に指示をしていきたいと思います。

額賀委員 政府としても、万全の態勢で送り出すことができるように、きちっと指示をしていただきたいというふうに思っております。

 もう一つ、今北朝鮮の問題について、日米韓の実務的な話し合いが展開されていると思っております。拉致問題、それからミサイル、核兵器、そして国交正常化、包括的に解決を図っていかなければならないということは、我々も政府と同じ考え方を持っているわけでございます。

 今後、日米韓のそういう考え方、きょうの報道によりますと、いろいろと北朝鮮に対する安全保障の問題等々について話し合いがなされたという報道もありますので、今どういう環境に置かれているのか、そしてまた今後どういうふうにこうした問題を解決していこうとしているのか、具体的に答えていただきたい、簡潔に答えていただきたいと思います。

川口国務大臣 まず、日米韓三カ国の非公式会合につきましては、これは何か決まった結論を出すということではなくて、六者会合の評価あるいは次の六者会合に向けて各国が検討をしていく、それを調整していくという性格のものでございます。

 今後とも、六者会合につきましては、核問題を初めとする北朝鮮の安全保障の問題に重要な利害関係を持つ関係国が一堂に会して、問題の平和的な、外交的な解決を目指して議論を行う有益な場であるというふうに考えております。

 日米韓、そしてロシア、中国との連携をきちんと行いながら、さまざまな場において、六者会談だけではなくていろいろな場がございますので、北朝鮮の前向きな対応を、これは拉致問題も含めて引き出していきたいと考えております。

額賀委員 拉致問題については、政府では拉致被害者等支援担当室等々設けて万全な体制をしいておりますが、このたび、これまで官邸において、内閣において拉致問題に取り組んでこられた安倍幹事長が党に戻ってまいりましたので、政調会長として幹事長とよく相談をして、我が党内に拉致問題対策本部等を設置いたしまして、党といたしましてもこの問題の解決に全力を尽くしてまいるつもりでございますので、お互いに協力し合いながらやっていきたいというふうに思っているところでございます。

 このほか、私も経済問題、例えば、芽が出てきて今後は大きな木に育てなければならないということを言っておりますが、大きな木に育てるためには水と肥料をやらなければなりません。今までのように、財務省は財務省、金融庁は金融庁、経済産業省は経済産業省で、勝手に自分の庭先だけきれいにしているような政策では、大きな木になることはできない。

 ここは、やはり官邸がきっちりと指導力を発揮して、総合的な対策を講じていって、立派な木に育てていかなければ、私は、九七年の景気が回復したとき、二〇〇〇年の景気が回復したとき、三度目のチャンスが来たわけでございますから、この機を逃しては日本再生はあり得ないというふうに思っておりますので、総理は、非常に気配りをして、注意を払って、頑張っていっていただきたいというふうに思っているところであります。

 例えば、昭和二十一年の九十国会で、尾崎咢堂が新憲法の問題のときに考え方を述べて、こういうふうにおっしゃっております。明治維新をなし遂げた人たち、指導者たちは、二十代、三十代の人であった、見識があったわけではない、広い知識を持っているわけではない、ただ、国家を背負って立つ気概と抱負を持っていたから、明治の維新というものがなし遂げることができたということでございます。

 小泉総理におかれましては、この二十一世紀の新しい時代を築いていくという気概に立って、抱負を持って、指導力を発揮していっていただきたいということを心から強くお願いして、質問にかえます。

 ありがとうございました。

藤井委員長 この際、自見庄三郎君から関連質疑の申し出があります。額賀君の持ち時間の範囲内でこれを許します。自見庄三郎君。

自見委員 自由民主党の自見庄三郎でございます。

 まず、十勝沖地震で被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げます。

 さて、私は、本職は内科の医師でございますから、実は、きょうは医師として、また与党の国会議員として、国民の安心、安全ということについて、簡潔に小泉純一郎総理に御質問をさせていただきたいと思っております。

 一点はSARSの問題でございますね。

 実は、私のふるさとは小倉というところでございまして、太鼓の祇園というもう四百年続いた夏祭りがあるんですよ。町内から山車が出てきまして、小学生がヤッサヤレヤレと引っ張っていくんです。ことしも、競演会、三時間ほど、私、立ち尽くめで、百近い町内からの山車、山を見せていただきました。

 そうしますと、総理、四言絶句が書いてあるんですよ。何て書いてあるかといいますと、天下太平、五穀豊穣、無病息災と書いてありますよ。我々の鎮守の森、鎮守の宮に行きましても、大体、我が民衆が、国民が、もう千年も千五百年も前から、石に刻んで神に祈っていますよ。それは、今言いましたように、天下太平、五穀豊穣、無病息災だ。

 そういったことを、私、今回、実はSARSの問題を一生懸命考えておりまして、それからまた、これは、重症急性呼吸器症候群、新型肺炎でございますね、どうも昨年の十一月ごろ新たに発生したようだ、そして、御存じのように、東南アジアは大変しょうけつをきわめました。東アジアを中心に、世界で八千四百二十二人の患者さん、九百十六人の亡くなられた方が出たそうです。これは御哀悼をお祈りいたしますが、今、WHOでは、致死率九%、しかし、しばらくたてば大体一〇%から一五%ぐらいになるだろう。六十五歳以上の高齢者のSARSの患者さん、大体半分死亡率があるんですね。根治的な治療法はない、こういうことでございます。

 ことし、予算委員会で、藤井予算委員長を団長で、我々、細川筆頭を初め、実は、この委員会のお許しをいただきまして、理事で中国に行ってまいりました。胡錦濤中華人民共和国の国家主席、言うなれば十二億人のナンバーワンですね。ちょうど福田官房長官もおいでになられましたけれども。

 また、その後も、お盆を挟みまして、私は日本香港友好国会議員連盟の、会長は羽田孜元総理でございますが、事務局長をいたしておりまして、私ども超党派で、ぜひお盆過ぎに来てくれということで、六人の国会議員で行ってきました、きょう、海江田万里先生もそのとき一緒に行っていただいたのでございますが。香港の行政庁、一国二制でございますが、ナンバーワンの董建華さんにお会いしました。

 この二人が、北京と香港にありながら同じことを言っていたのですよ、胡錦濤さんと董建華さんが。何と言ったかといいますと、中国人民は一致団結して、科学技術を駆使してSARSを克服したということを、両方とも本当に高らかにSARSの制圧に及んだことを強調されましたよ。

 私は今さっき、無病息災だ、こう言いましたけれども、このことは、村をつくり、国をつくり、いかなるときでもやはり政府に与えられた最も大事な任務であり使命感だ、こう思うわけでございます。

 今回、総理、総理は感染症の今の法律、総理が厚生大臣のときに改正されたということを聞いておりますので、これは直接総理にお聞きしたいのですが、この短いと予想される国会でございますけれども、この中でも感染症予防法の改正を出しておられる。特に、冬になったらまたSARSが流行するんじゃないか、こういったことも予想する専門家がおるわけでございますが、ひとつこの感染症の法案の改正の趣旨、あるいは今後の、今までは本当に、そういったSARSでございますが、我が国においては幸いにしてこれまでもSARSの患者さんが発生しておりませんし、これは大変各界の御努力もあるわけでございます。

 しかしながら、国際交流が大変活発でございますが、その感染症の、今回国会に提出されました感染症の改正案、そして、今後、政府としてどのように、特にこの冬に向けて対応していくのかということを、厚生大臣もされました我が国の、また新しいリーダーでございます小泉純一郎総理に決意を聞かせていただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 感染症の改正案につきましては、都道府県により主体的に対応してもらおう、また人権に配慮した対応も必要だという観点から、私、厚生大臣当時に改正案を提出し、成立を見たわけでありますが、今回、SARS等の状況を見ますと、これは現行法で必ずしも十分かというと、そうでない点がある。

 例えば、都道府県だけでは対応できないような、国が直接対応しなきゃならない点もあるじゃないかということで、やはり見直す必要があるということで、今、法案を提出しまして審議をお願いしているわけでございますが、この点につきましては、今後、感染動向の把握、あるいは蔓延防止のための対策、水際対策について、国民の生命、健康を守るための危機管理対策は国としても積極的に対応しなきゃならぬ、ただ都道府県に任せておけばいいという問題じゃないという観点からこの対応をお願いしているわけでありますので、健康は今言ったように一番国民にとって大事な点でありますので、そういう点について、国としても十分な対応ができるような法案を提出しているので、ぜひとも成立に向けて御努力をいただきたいと思います。

自見委員 もう一点は、もう時間がございませんが、総理、年金の改正ですよ。

 これは、現在、公的年金はもう被保険者が七千万人、公的年金を受け取っている受給権者が三千万人、支給総額、年間に四十一兆円という巨大な仕組みになっておりますが、国民の七割は、自分の老後は公的年金を中心にして生きていこう、こういった生活設計を立てております。

 しかしながら、今、もういろいろな、少子高齢化あるいは社会経済の変化、そういったことで年金制度に対する不満があるいは不安が高まっておりますが、十六年度にはこの改正をやるということでございます。五十年、やはり百年を見据えてきちっと青写真を国民の前に示す。年金制度を守り、次世代に資産として安心して引き継いでいくということ、そういったイメージが私は必要だと思いますが、総理に、やはりこの年金改革の先頭は総理大臣でございますから、そういった決意、あるいは決意の表明、あるいはどういう視点が大事だということがございましたら、もう時間がございませんが、質問をさせていただきます。

小泉内閣総理大臣 まず、年金につきましては、これは今後持続していく、永続していく、そういう対応が必要だと思っております。

 その際に、これから高齢者はどんどんふえていきますし、若い人の動向を見ますと少子化の時代だということで、やはり高齢者と若い方々が、お互いこの年金というのは支え合っていくものだという視点が欠かせない。そういうことから、各方面からの意見を聞きまして、年内に法案を取りまとめて、来年の国会に提案いたします。

 その取りまとめる際には、各方面から意見を聞くのは必要ですし、いろいろ厚生労働省も案を考えておりますし、ほかの方々もいろいろ意見があるようでありますので、これは国民的最大の関心事の一つでありますので、十分国民の意見を聞きながら年内に案を取りまとめていきたいと思っております。

自見委員 総理、改革の中の安定、安定の中の改革ということが、私は、同時に政治の要諦だと思いますので、しっかり今御答弁したことを守ってやっていっていただきたいと思っています。

 終わります。

藤井委員長 この際、斉藤斗志二君から関連質疑の申し出があります。額賀君の持ち時間の範囲内でこれを許します。斉藤斗志二君。

斉藤(斗)委員 私は、自由民主党の斉藤斗志二でございます。関連質問をさせていただきます。

 総理は所信表明の中で、国民の安全と安心の確保ということを強く訴えられておられます。そのとおりだと思います。しかし、その中で、自然災害に対して、恒常的に見舞われる我が国の治山治水対策がなかったというのは画竜点睛を欠くというふうに思っています。

 ことしは、冷夏が襲い、集中豪雨がたび重ねて襲い、また大地震も多くの被害をもたらしました。多くの人命も失われたわけでございますが、心から被害に対して、また被害者に対してお悔やみとお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 本日は、十一時五十九分からNHKで、全国放送で信号テストが行われるんですよ。これは緊急警報試験信号でございまして、災害対策は最優先であるべきだ、こういうふうに思うわけでございます。

 このように、水害とか土砂害等によりまして、人命、財産、生命、そして経済発展が阻害され脅かされている現状があります。私の選挙区でもあります狩野川水系を初め、これは全国的に言えることでございますが、特にたびたび被害を受けられている地域が数多く残されています。また、慢性的に恒常的に被害が発生しているという現状をかんがみますと、政府は、積極的にこれらの自然災害に対しましても、住民の安全、安心を確保するという観点から、精いっぱいの努力をされることが必要であるというふうに思いますが、石原国土交通大臣、御答弁願います。

石原国務大臣 斉藤委員にお答え申し上げたいと思います。

 ことしの夏、どのぐらいの被害があるのかなと調べてみましたら、あの七月の西日本の梅雨前線の被害で数十人の方が亡くなり、あるいは、記憶に新しいところでは、お盆の前に台風が来まして、北海道の方がかなりの被害を受けたんですけれども、合わせて三十九名の方が亡くなられ、三名の方が行方不明になって、床下、床上浸水合わせて一万軒、しかも床上浸水が四千軒近いというのは、たった二つの災害で日本の社会が自然の猛威に対してまだまだ脆弱であるなということを強く感じました。

 ただいま委員はお地元のことを話されましたが、私の住んでいる東京でも、平成五年ですけれども、大きな集中豪雨がありまして、神田川があふれまして、三百世帯ぐらいが胸まで浸水して、河川の改修等々、水をためる池を地中につくっていただいて、その後、何とか難を逃れているというのが現状であります。都会にも地方にも大きな災害がやってくる。

 そんなことを考え合わせますと、やはり水害の再発防止というものは、いつまでもだらだらと工事していちゃいけないということで、短期集中的に予算をつけて、特に床上浸水等々を受けますと生活がまさに脅かされてしまいますので、こういうものが起こらないような体制をやっていかなければならないと思っております。

 委員御指摘の狩野川も、私も伊豆の方へ行きますので、伊豆の山から沼津の方に流れているわけですけれども、ここの河川改修も行われておりますが、より万全を期していくことが大切であると考えております。

斉藤(斗)委員 総理は、さらにその所信表明の中で「住んでよし、訪れてよしの国づくり」ということを高らかにうたわれていますよね。そういうことを思うと、水浸しになっていては困っちゃうわけでございますので、しっかりとこの所信表明にのっとって頑張っていただくことをエールを送りまして、質問を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

藤井委員長 これにて額賀君、自見君、斉藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、北側一雄君。

北側委員 公明党の北側一雄でございます。

 限られた時間でございますので早速質問に入らせていただきたいと思いますが、きょうは、年金の問題、そしてまた経済、特に中小企業対策につきましてお聞きをしたいというふうに思っております。

 まず、年金改革の議論をさせていただきたいというふうに思うわけでございますが、今、日本の人口は一億二千七百万人でございます。この間敬老の日を迎えたわけでございますけれども、百歳を超える方は二万人を超えました。私は本当にこれはすばらしい話だと思うんですね。最長寿の方が百十四歳。

 私は、日本というのは世界一の健康長寿国でございまして、これは誇るべき話である。この健康長寿の国であるということをこれからも日本という国は大事にし、大切にし、持続をしていかねばならないと思うわけでございますが、一方で、日本の人口構造というのは非常にある意味ではいびつになっておりまして、今、最長寿が百十四歳、そしてゼロ歳、きのう生まれた赤ちゃんもいらっしゃる。ゼロ歳から百十四歳まで日本は年齢層があるわけでございますが、非常にいびつな形になっています。

 一番人口の多い世代というのは、御承知のとおり団塊の世代と言われておりまして、昭和二十二年、二十三年、二十四年生まれ。この二十二年、二十三年、二十四年というのは、一年間で約二百七十万人ぐらいの子供さんが生まれていまして、この三年間で約八百万人のお子さんが生まれました。去年生まれた子供の数は百十五万人なんです。百十五万。一方は二百七十万近い子供が生まれていました。

 もう少し正確に言いますと、この団塊の世代の後ずっと減って、私がこの団塊の世代の後に生まれたもので、生まれてこの方、ずっと目の前に団塊の世代がおりまして、この団塊の世代というのは、私も見ていまして、数が多いだけではなくて、日本の戦後の歴史をある意味ではつくってきた世代ではないのかと思います。大学紛争をやったのもこの世代ですし、本当に豊富な労働力で高度経済成長を支えたのもこの世代です。そういう意味では、この団塊の世代が今五十代半ばになっています。

 その後ずっと人口が減りまして、あと、この団塊の世代の子供、これが今三十前後になっているんです。ここがまた膨らんでいまして、大体年間二百万人ぐらいのお子さんが生まれていました。この方々が今三十歳前後になっています。

 それで、去年はもう百十五万と非常に少子化、そして高齢化なんですが、高齢化というのは、今高齢社会というよりも、これから本格的な高齢社会を我が国は迎える、そういう時代が来ているわけなんですね。

 この団塊の世代、日本の戦後歴史をある意味じゃつくってきた、リードしてきたこの団塊の世代も今五十代半ば、今はもう企業の中でも社会の中でも中核にいるわけでございますが、あと四、五年しましたら、この世代が年金受給世代に少しずつ入ってくるわけです。また、会社、企業定年、六十歳定年であれば会社を定年退職、こういう世代になってまいります。

 私は、これからの三年、四年というのはそういう意味では非常に大事な時期でして、この団塊の世代がこれからいよいよ六十代に入ってくる。その前に、特に年金問題を中心とした社会保障のあり方や、また日本の社会のさまざまな仕組みを、こういう団塊の世代のこの固まりが六十代に入ってくるその前に、しっかりと制度の見直し、改革をしていかねばならないというふうに思っているんです。

 年金の問題でございますが、先ほど総理も答弁なされましたように、年末までに年金改革案を取りまとめて来年の通常国会に提出ということになっております。私も今ずっと現場を回っていまして、やはり国民の皆さんの年金に対する関心というのは物すごく強いですね。本当に待ったなしの最重要課題がこの年金問題だというふうに思っているんですが、総理、この年金改革への抱負について御答弁いただければと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、再三申し上げていますように、年金、わけても公的年金の制度は持続させていかなきゃならない、破綻させてはいかぬ。今、北側議員が御指摘のとおり、高齢少子社会になってもお互い年金についての関心というのはますます高まっている状況でありますので、いかに改革し充実させていくか、そういう点について、お互いが支え合うという視点を持ってこの問題に取り組んでいるところであります。わけても、御党出身の坂口厚生労働大臣、今まで取り組んでまいりましたし、今回も留任していただきまして、この問題について、年末にかけて精力的に取りまとめの責任者として今苦心をいただいております。

 この問題につきましては、給付がどの程度必要か、また、それを支える保険料はどの程度か、さらに財源の問題、今いろいろ消費税の議論も行われておりますが、財源の問題もあります。こういう総合的な視点から、これを安定的に永続させていく案を考えていかなきゃならないというのが総論であります。

 これが、年末までに取りまとめるわけですから、来年、ちゃんと具体的な法案が出ます。それで、国会で審議いただくわけでありますので、決して先送りしているわけではございません。もう期限は限られておりますし、そういう点については、もう坂口大臣に格段のお骨折りをいただかなきゃなりませんが、単に厚生労働省だけの考えではなくて、各方面からの意見を十分に聞いてよりよい案をまとめていきたいと思っております。

北側委員 与党といたしましても、この間も額賀政調会長とも相談いたしまして、きょう津島先生もいらっしゃいますが、来週に与党としても年金改革についての協議会をぜひスタートさせていただいて、与党としてもしっかり論議をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

 そこで、まず厚生労働大臣にこれから御質問させていただくんですけれども、今、新聞それから週刊誌なんかでもこの年金についての記事が物すごい量出ているんですね。私もちらちらと見させていただきますと、ちょっとこれはどうなんだろうなと思うような、割と同じような傾向があるんですが、それは、どれだけ保険料を払いましたか、払いますか、そして将来どれだけ年金を受給しますかと、この比較を世代別に結構されているんですね。今の高齢者、受給世代の方は払った保険料に比べて年金支給額が多いだとか、これからの若い世代はそれに比べると非常に低い率になるだとか、こういう負担と給付の違いを世代別に割となされていまして、確かに世代間の公平というのはしっかり図っていかなければいけないと思うのですが、ただ、一面、公的年金の役割とか、それから意義とか、そういうことを考えると、ちょっと違うんではないのかと私は思っているんです。

 やはり、公的年金というのは世代間の扶養、現役世代から今の高齢者世代へのある意味では仕送りなわけですよね。そういう仕組みを公的年金という仕組みでつくったわけでございまして、私は、これから年金改革の論議が本格的になるわけでございますけれども、改めて、公的年金の役割とは一体何なのか、簡単に大臣の方からお答えいただければと思います。

坂口国務大臣 今お話しになりましたように、年金制度ができますまではいわゆる仕送り社会でございました。子供たちが両親なりおじいさん、おばあさん方に対して仕送りをしていた。そうではなくて、子供の数も少なくなってまいりましたし、お互いがひとつ現在の高齢者の皆さん方を支えていこう、社会的に支えていこうという制度だというふうに思っております。

 したがいまして、現在の高齢者に対してどのようにこれを支えていくかということと自分たちがどのように支えてもらうかということとは、これは言ってみれば、関係はいたしておりますけれども別の話でありまして、必ずしも、支える側に立ったときに出す金とそして自分たちがもらうお金と、そこをてんびんにかけてその計算をするという制度では私は基本的にはないというふうに思っております。

 しかし、そうはいいますものの、これから自分たちがどれだけの年金をもらえるようになるかということについては、これは明確に国民の皆さん方にお示しをして、そして御理解をいただくようにしなければならないというふうに考えております。

北側委員 そこで、基礎年金の国庫負担割合の問題についてお聞きをしたいと思うんですけれども、平成十二年の法律改正の附則の中に書いてあるんですけれども、基礎年金については、平成十六年、来年です、平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担割合の二分の一への引き上げを図る、このように法律の中に書いてございます。これはある意味では国民への約束だと私は思うわけでございます。

 三分の一から二分の一にするというのは財源としては二兆七千億程度必要だというふうに考えておるわけでございますが、この二分の一への引き上げを平成十六年からやるんだ、すべてやるかどうかはこれは議論のあるところだと思いますが、ともかく三分の一から二分の一への国庫負担割合の引き上げを、スタートを平成十六年からするんだ、ここのところはこれからの年金改革の議論のある意味じゃ大前提の議論でございます。三分の一のままでいくのか、それとも二分の一にするのか、ここはもう前提の議論でございまして、また法律にも明記してあるわけでございまして、この二分の一へ引き上げるという大方針については何ら変わりはないんだということにつきまして、総理に御確認をさせていただきたいと思っております。

坂口国務大臣 これも、御指摘いただきましたとおり、前回の改正のときに法案の中に書き込まれた問題でございまして、基礎年金の二分の一への引き上げということがうたわれているわけでございます。私の試案を出させていただきましたが、私も、この二分の一に引き上げるということを前提にした計算をいたしております。

 ここを何によって財源を賄うかということでございまして、「財源を確保し、」というふうに書いてあるわけでございますから、その財源を明確にしなければならない。これは税制改革と大きく関係をしてくるわけでございますので、税制改革をどうするかということと並行してこれは進めていかなければならない問題だというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、来年四月から、これは二分の一への引き上げの道筋をつけていただかなければならないというふうに思っている次第でございます。

北側委員 総理、ここのところはちょっと大事なところでして、このスタートラインが違っていましたら、議論が相当違ってくるんです、この後の議論が。だから、安定した財源を確保する、これはしっかりやるという前提のもとで、来年度から、今厚生労働大臣がおっしゃったように、二分の一への引き上げの道筋をちゃんとつけてスタートしていくというふうな方針はやはりしっかりとおっしゃっていただかないといけないと思うんですが、総理、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 これは、今坂口大臣が表明されましたように、安定的財源をいかに確保するかということでありますので、単に年金だけの問題じゃない、税制改革の中でも考えていかなきゃならない問題でありますので、そういう道筋を前提として年金改革案を考えております。

北側委員 二分の一への引き上げについて、これは恐らく各党も余り反対する方はいらっしゃらないんだろうと思うんですね。やはり、安定した年金財政にしていくための非常に重要な手段だというふうに考えていらっしゃると思うんです。ただ、その財源をどうするのかと。これは二兆七千億という大変な財源でございますので。

 そこで、我が党は案を提示させていただきました。御批判はいろいろあるかと思います。ぜひ我が党の案について御批判をちょうだいしたいと思うわけでございますが、今、所得税の定率減税というのをやっているんですね。それが国税の部分だけで二兆五千億か六千億ぐらいたしかあるんじゃないかと思うんです。また、年金課税についてもやはりこれから少し見直しをすべきじゃないかと私も思っております。例えば高収入の高齢者の方も今結構いらっしゃいます。そういう方々についてはやはり年金課税をしていくこともこれからは考えるべきじゃないか。そこで得た税収についてはきちんと年金財政の方に入れていくという大前提のもとでございますけれども、こういうふうな財源を、案を提示させていただきました。

 これは、近々総選挙があるとか言われておりますので、各党、この財源については、単に二分の一に引き上げろと言っているだけじゃなくて、さまざまな案を提示するだけじゃなくて、やはりきっちり財源を提示するというのが大事だと思いますので、ぜひお願いをしたいというふうに思っておるところでございます。

 さて、年金についての幾つかの問題点について論議をさせていただきますが、坂口大臣、先般、坂口試案というのを発表なされました。余り時間がございませんので、この坂口試案のポイントを簡潔にお話をしていただきたいと思います。

坂口国務大臣 先般発表させていただきました坂口試案は、これは一つには、いわゆる年金に対する議論を今後さらに活発にしていただこう、そのたたき台にしていただこうという意味でまず出させていただいたということでございます。

 その中身につきましては、制度論まで踏み込んでおりません。どういう制度にするにいたしましても、負担と給付があることだけは間違いがないわけでございます。基礎年金の国庫負担二分の一を前提にして、負担と給付をどういうふうにしていけば、今後大体百年ぐらいの先を見ましても、その間変わらずに皆さん方に年金を提供できるかということを示したものでございます。

 その中で、いわゆる負担の方につきましては、これは徐々にやはり上げていかざるを得ないというふうに思っておりますが、しかし上限は必要である。今ヨーロッパ諸国では二一、二%ぐらいのところに来ておりますが、少なくとも二〇%上限として、それ以上には上げないという前提のもとに、今度は給付の方がどれだけ求めることができ得るか。

 そういたしますと、今後の経済成長あるいは少子化の動向によっての差は受けますけれども、最低でも五〇%は確保ができるということでございまして、ある程度の経済成長、実質賃金上昇率が一%、一・〇%を超える、あるいは現在の少子化がこのぐらいのところで歯どめがかかるということになれば、五四、五%の年金、いわゆる若いときの所得の平均、その五四、五%は確保できるのではないかというふうに思っております。

 それからもう一つの特徴は、先ほどお話ございましたように、今後進んでいきますこの少子高齢化の中でこれは考えなければならないことでございますけれども、積立金の問題がございまして、これは、今までは未来永劫ずっと続いていくという前提のもとに計算をされておりましたが、百年ぐらいを視野に入れて計算をするのがよろしいのではないかというふうに思っております。

 その中で、先ほど話のありました団塊の世代と次の世代、この二つの山が二〇一〇年ぐらいから二〇五〇年ぐらいの間に通り過ぎていくわけでございますので、そこでこの積立金を使わせていただきたいということを基本にした案でございます。

北側委員 我が党といたしましても、やはりこの年金の問題は非常に重要であるという認識のもとで、年金百年安心プランというのを先般党としても取りまとめをさせていただきました。先ほど私が申し上げた財源なんかも提示をさせていただきながら、また、今坂口大臣がおっしゃった坂口試案なんかも参考にさせていただきながら、プランをまとめさせていただいたところでございますが、この年金改革、安心できる、そして若い人たちからも信頼できる持続可能な年金制度に向けてしっかり我が党も論議をさせていただきたいと思っておるところでございます。

 そこで、坂口大臣、幾つかちょっとまた聞かせてもらいますが、既裁定年金、これは既に年金を受給している人、その既に年金を受給している人への年金給付。いろいろな方の御議論の中には、これを引き下げるべきではないか、物価スライドでどうこうという問題じゃありません、そうではなくて、年金財政の安定のために引き下げるべきではないのか、また世代間公平のために引き下げるべきではないのか、こういう説をおっしゃる方もいるんです。

 私は、それはちょっと違うんじゃないかと思っていまして、これは現に老後の生活の糧となっている年金でございますし、また、既裁定年金、こういう既に発生している、支払われている年金まで手をつけるというのは、これは年金制度に対する不信を増長することになるというふうに思っておりまして、これはやはりやるべきではないというふうに思いますが、坂口大臣、御所見いかがでしょうか。

坂口国務大臣 先ほどお話ございましたように、物価スライドの上下というのは今後もこれはお願いをしなければならないというふうに思いますが、いわゆる現在お支払いをしております年金の名目額、これを引き下げることはない、そういうふうに今私たちは考えておりまして、そういう方針で臨みたいというふうに思っております。

北側委員 ありがとうございました。

 もう一問、今国民年金の未納率が非常に高いんですね。未納率が三七%、二十代前半で五〇%を超えているというんですよ。これは本当に大変な問題だと私は思っております。

 私なんかから思いますと、三分の一、基礎年金は税金が入っているんですよね。これは五兆四千億です。これから二分の一にしたら八兆円の税金が入っているわけです。そんな民間商品なんかないんですよ。私、若い人によく言うのは、いや、皆さんのこれから払う税金、今払っている税金でこの基礎年金部分の三分の一、また将来二分の一を支えようという商品ですよ、これは入らないとあなたが損ですという話をさせてもらっているんですが、また、私、厚生労働省を初めPR不足だと思うんです、この年金問題については。これは、しっかりとPRをしてもらわないといけないというふうに思います。

 また、自分が掛けた保険料が、私なんかも今まで保険料をずっと払っていますけれども、どれぐらい払ってきたのか、将来どうなるのかというのが、私自身も正直言うとよくわからない。もっとその辺が、自分が払った保険料がこれまでどの程度で、将来どれぐらいもらえるんだというふうなことが、きちんと情報が本人にわかるような仕組みにしたらいいんじゃないのかなというふうに思うんですが、坂口大臣、いかがでしょう。

坂口国務大臣 最後の、一人一人が今までどれだけの保険料をお支払いし、そしてこれがこのままでいけばどのぐらいの年金になるかということについて、お一人お一人の疑問にお答えのできる体制を整えたいというふうに思っております。

 それからもう一つ、いわゆる宣伝不足の話でございますが、確かに私は、この少子高齢化の進展によりまして、過去の皆さん方との比較において、すなわち、年金がまだ成熟をしていなかった時代の皆さんと比較をすることにおいては、これは差があることはお許しをいただきたいというふうに思っておりますが、これから先、今三十代、四十代の皆さん方が老後を迎えられるとき、そして今お生まれになった皆さん方が老後をお迎えになるとき、それらはやはり公平な形でつくり上げていかなければならないというふうに思っております。

 そして、現在払っていただいていない方というのはいろいろありますけれども、払えない人と払わない人とあるわけで、払えない人は、これはやむを得ない。いわゆる、払えるけれども払っていない人が約三百九十万人でございます。この人たちに対しましては、いわゆる年金の本来持っている趣旨、これがなければお互いに仕送り社会で大変苦労をしなければならないということをよく理解していただくようにしなければならない、それがまず最初だというふうに思っております。

 また、この年金というのは、現在四十兆円出ているわけでありますから、経済に対しても大きな下支えになっていることも事実でございます。ことしの税収四十二兆でございますから、四十兆出ているわけでございますから、これは大変な下支えになっている、そうしたことも勘案をしていただいて、ぜひ年金の社会的な意義というものを御理解いただくように努力をしなければならない。その上で、強制的にお願いをするということも、最終的にはこれはやらざるを得ないときもあるかもしれない、そういうふうに思っているところでございます。

北側委員 もう時間がございませんので、これはお答えは結構でございますが、この年金改革の中で、一つは高齢者の雇用の問題ですね。これから六十五歳に向けて支給開始年齢がどんどん段階的に今移行しています。やはり、働く意欲がある、まあ今の六十歳、六十五歳というたらまだお元気ですよ。本当にお元気です。総理も六十一歳でございましたかね、本当にお元気でして、そういう働く意欲や能力のある方々については、やはり働ける社会をつくらなきゃいけないと思うんです。定年制の延長の問題だとか、継続雇用制度の活用だとか。いずれにしても、この高齢者雇用についてはしっかりとやらないといけないと私は思います。

 もう一つは少子化の問題です。このままで少子化がいいとはとても思いません。やはり、この年金改革の中に次世代育成支援をどう盛り込んでいくかということも、制度の中にどう盛り込むかということも非常に大事だというふうに私は指摘をさせていただきたいと思います。

 それでは話を変えまして、中小企業金融の問題について議論をさせていただきたいと思うわけでございます。

 これは、私、毎回予算委員会で使わせていただいている、きょうお手元に、委員の皆様のところにも行っているかと思いますが、中小企業への国内銀行の貸し出し動向、この表に出ておるのですけれども、相変わらずずっと減り続けているんですよ。国内銀行の中小・中堅企業に対する貸し出しはずっと減っています。一九九四年、今から約十年前に比べますと、指数でいうと、一〇〇が六六・四まで落ちてきておる。金額でいっても、約百兆円、中小、中堅への貸し出しが減っているということでございまして、この日本経済を活性化させるということは、先ほど来るるやってきました年金改革を考えても、日本経済を活性化させないといけないというのが非常に大きな前提になっておりまして、その一つの大きなポイントは、私、中小企業の金融を円滑化させるということが非常に重要だと思っております。

 三点ちょっとお話しさせてもらいたいのですが、現時点では、民間金融機関が本来の金融機能をなかなか十分に発揮できていない。そういう中で、政府系金融機関や信用保証協会等の役割は極めて重要である。これが一点です。

 二番目に、中小企業にとって、これはもう、間接金融の手段がどうしても中心になるわけですね、直接金融の手段がありません。この中小企業にとって多様な資金調達手段の必要性というのが、そこをしっかりと開発をしていく必要がある。

 三番目に、我が国の金融というのは、個人保証それから不動産担保、これに偏重し過ぎです。もう必要のないところまで個人保証をとって、身内まで個人保証をとって、こんな慣行は絶対直さないといけないと私は思っておりまして、この個人保証や不動産担保に偏重し過ぎている慣行や制度を見直さないといけないというふうに思っておるわけでございます。

 そこで、省かせていただきますけれども、この多様な資金調達手段ということでは、芽が出てまいりました。この芽を木に育てないといけないと思うわけでございますが、これは、私、二月にこの場で質問させていただいて、ぜひしっかりやるべきだ、推進すべきということで訴えさせていただいたんですが、中小企業等の売り掛け債権の証券化、これは、中小企業にとっては期限前に現金化できるという仕組みになるわけですね。この中小企業等の売掛金の証券化、それから中小企業向け貸出債権の証券化、これが今、芽が出始めました。今、日本銀行、経済産業省が中心にそれぞれやっていただいているわけでございますが、先ほどの無担保無保証融資の拡充ということも含めまして、また証券化、流動化の問題も含めまして、経済産業大臣、今の取り組みと認識につきまして、御答弁いただきたいと思います。

中川国務大臣 今先生御指摘のように、今、日本全体が経済が非常に厳しい状況にあるわけで、いただいた資料によりましても、特に中小企業というもの、全企業の九九・七%、あるいは雇用数で七〇%を占めておる、ある意味では日本の経済の主体と言ってもいいんだろうと思いますが、大変厳しい状況にあることは、政府としても認識をしているところでございます。したがって、先ほど総理が申されましたように、民間ができるところ、あるいはまた地方ができるところを一生懸命やっていくという中の、中核の一つとしての中小企業の活性化というものがあるわけでございます。

 具体的に、先生からは、政府が、要するに貸し手と借り手との間をうまくやっていかないとこの問題の解決にはならないわけでございますが、特に、私は、中小企業担当という立場からお答えをさせていただきますけれども、政府系金融機関、つまり先生の御指摘の、民間でできない部分については、御承知のとおり、例えば、商工中金が独創的なアイデアについては無担保で三千万円まで融資を行うでありますとか、あるいはまた、国民公庫が創業者のビジネスプランを審査して、無担保無保証、あるいは本人保証なしで五百五十万円まで融資するとか、また貸し渋りに対しても、商工中金が無担保で五千万円までやるとか、こういう制度を既にスタートしているところでございます。

 また、現在検討しておるところといたしましては、新たな事業については本人自体の保証も要件として必要ではないというようなことも考えておりますし、中小企業向けの貸付債権の証券化ということも、無担保で融資をするために、やれるようにできるというようなことも検討しております。

 それから、次の御指摘でありますが、貸し出し要件の多様化ということの中で、いわゆる有担保主義といいましょうか、土地担保に過度に偏重している、あるいはまた保証というものを厳しく求められている、ここをブレークスルーしていかない限りは先ほどのような御指摘の解決にはならないわけでございまして、そういう意味で、売り掛け債権あるいはまた中小企業向け貸付債権を証券化して、マーケットをある意味では資金調達の手段とするということについて、我々も積極的に取り組んでいるところでございます。

 信用保証協会の保証をつけてでありますとか、あるいは今御指摘のように、商工中金や日銀がこの証券化の取り組みの支援をするとか、あるいはまた商工中金自身が中小企業に貸し付けを行って貸付債権を証券化するとかいうようなことで、担保の問題あるいは証券化の問題を含めて、あらゆる多様なニーズにこたえられるようなスキームを今後も積極的に、柔軟に考えていきたいと思っております。

北側委員 日銀総裁に来ていただいております。同じく、この売り掛け債権の証券化等を促進していただいておるわけでございます、買い入れをしていただいておるわけでございますが、その状況につきまして御報告をお願いしたいと思います。

福井参考人 お答え申し上げます。

 ただいま北側委員御指摘のとおり、新しい時代を迎えまして、これからの企業金融の道具立てとしては、従来のものよりもうんと幅の広い多様化をしていかなきゃいけない。その中で、今おっしゃいました資産担保証券の市場をしっかり育てていくということは非常に重要な柱であり、道具立てになるというふうに思っております。

 しかもその芽が出始めているということで、現在の状況ではまだ芽が出たばかり、そして、企業にとって、特に中小企業にとっては従来の取引慣行とかなり違うという感覚から始まります。それにまた技術的に新しいことも入ってきておりますので、なじみにくいねというところから始まっている点が残念なんでございますが、この中身は、やはり信用リスクを全体として削減する、投資家のリスクの許容度に応じてリスク移転を図ることができるというふうに、非常に有能な、今後の企業金融の円滑化を確実に図っていくことができる道具だというふうに私ども思っております。したがいまして、まず、わかりやすくこれを説明したい、そして理解を十分求めていくということからスタートしたいと思っております。

 同時に、日本銀行といたしましては、今委員御指摘のとおり、日本の金融機関の信用仲介機能というのはまだ万全とは言えない状況にございます。その中で、我々は、金融緩和効果の浸透ということを必死になって図っているわけでございますが、こうした企業金融にとって必ずプラスになる道具立てというものをしっかり使いながら、金融緩和の波及メカニズムの強化を図りたいということで、中央銀行としては異例ではございますが、民間の信用リスクを直接負担するという形でこの買い入れを実施しております。

 今のところまだ実績は少のうございますが、確実にこれは伸ばしていきたい。今後、このマーケットの円滑な発展を図るためにはさらに努力が要ります。例えばデータベースの蓄積とかあるいは法制の整備とか、いろいろなインフラの整備を図っていかなきゃいけない。これから間もなく証券化市場フォーラムというのを、日本銀行も加わりましてマーケットの中で形成して、そこをしっかり急いで勉強したい、その中からいろいろとまたいい提言をさせていただきたいというふうに思っておりますが、日本銀行といたしましても、現在の買い入れ措置、十分か不十分か、市場関係者からもいろいろな意見をさらにちょうだいしまして、改善する余地があれば進んでやっていきたい、そういうふうに思っています。

北側委員 もう終わります。もう御答弁、結構ですけれども、竹中大臣、やはり中小企業にとって資金調達の多様化というのは非常に大事で、その一つの柱が今回の証券化だと思うんですよ。ところが、民間の金融機関は余りこのことを知らない人が多い。PR不足。この芽を木に育てるためにも、私は、金融担当大臣としてもしっかり意識してやっていただきたいということを申し上げまして、私、時間がございませんので、終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

藤井委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。

 次に、西川太一郎君。

西川(太)委員 保守新党の西川太一郎でございます。

 せっかく北側政調会長が中小企業の資金繰りの問題についての御質問をされましたので、私もそれに続いて、順番をちょっと変えて恐縮でございますが、中小企業問題から先に入らせていただきたいと存じます。

 総理の構造改革の中で、二兆円の減税というのは非常に私は効果があったと思っております。留保金課税をやめたり、IT投資を促進したり、また、いわゆる研究開発費を減税するということで、例えば人工赤血球なんというものが開発をされて、通常の人間が持っている、人体にございます自然の赤血球の二十分の一、三十分の一のナノテクノロジーの血液ができるんですね。これが三年後、四年後に実用化だと。そうすると、脳梗塞や心筋梗塞が、通っていっちゃうんですね。それで、ヘモグロビンが詰まった先まで酸素を運びますから、もう脳梗塞や心筋梗塞で後遺症が残る人はいなくなる。こういうようなことも、実はこれは経済産業省が、私、この間、五日前に首になったんですけれども、副大臣だったんですが、そのサマースクールで中学生、高校生に教えた教科書に載っている本当の話で、これは市場規模にして三・五兆円になるんだそうです、一年間で。そんな市場規模以外にも、今申しましたとおり、脳梗塞、心筋梗塞が治っちゃうわけです、後遺症が残らないわけです、亡くならないわけです。私は、こういうことは、小泉改革の二兆円の減税がもたらした一つの成果だと大変評価をしております。

 しかし一方で、この金融の問題なんです。ただいま北側政調会長のお話とは私は別の観点から、多様化の問題で、例えば、信託業法なんかを改正すれば、ファイナンスカンパニーという、アメリカで現に、例えば、あるところは十六兆円、日本円に換算して実績がある、こういううちの六五%、七〇%を中小企業に貸し出している、こういうことがあって、いわゆる銀行で目詰まりを起こしているものを、新しいファイナンス会社が起こって、実際に中小企業金融をやっている。これは、仮にもしこれができれば、例えば、金利は七%ぐらいとちょっと高めですけれども、即貸せる、五年間ぐらい貸せる、こういうものがコンペティターとして出てくれば、既存の金融機関もこれはうかうかしていられないということになるんです。

 こういうようなことも含めて、経産大臣、多様化ということで、借りかえ保証が今どれだけ進んでいるかということも私は承知をしているわけで、いいことをどんどんやっているんですから、中小企業の人に、元気出せ、こういう方法があるぞということを言っていただきたいと思います。

中川国務大臣 特に中小企業という観点からの御質問でございましたけれども、今、困っている中小企業については、資金の問題、それからまた人の問題、技術の問題、いろいろあるんだろうと思いますけれども、もう少しそれがどこかから確保できればというような企業がもういっぱいあるんだろうと思うんです。それに対してどういうふうに後押しをできるかという問題があると思います。

 それから、他方、これから頑張っていくんだというやる気のある企業についてどういうふうにやっていくかということ、これをトータルで先生から御質問がございました。有担保主義、人的担保、物的担保からの柔軟な多様性という問題でありますとか、あるいはまた、今おっしゃられたように、従来の金融機関のコンペティターとして、新たなスピード感を持った、中小企業のニーズにこたえられるようなものというものも、例えば先ほど申し上げた売り掛け債権、貸付債権の証券化なんというのも、マーケットに行って、そのマーケットでもって資金調達をする。ある意味では、間接金融からの脱却というような論点の議論もできるんだろうと思いますから、今、先生からも一つ具体的な事例もお示しいただきましたので、従来の借り手と貸し手という、特に借り手の側だけの議論ではなくて、貸し手と借り手とがうまくマッチングするような形で、スピード感を持って、多様なニーズにこたえられるような多様な手段というものを、政府部内、関係各省ともよく相談をしながらやっていきたいというふうに思っております。

西川(太)委員 金融の機能が改善をされるということは、さっきの話ではありませんけれども、血流が滞りなく回るわけでありますから、これは非常に大事でございますのでぜひやっていただきたい、こう思うわけですね。

 株価も回復しつつあり、大企業に限って言えば増収増益であると私は思っておりましたら、中堅・中小企業も、シダックスの会長さんのお話によりますと、この二十カ月で四十五万人の新規雇用をふやした、こういうことでありますから、やはり総理、中堅・中小企業に対してしっかりとした金融の手だてを中心とした体制を組んでいくことが必要だ、私こう思うんです。

 聞くまでもないんですが、国民の皆さんに、小泉内閣が中小企業のために、中堅企業のためにしっかりやってくださるという御決意を総理に承りたいと思います。

小泉内閣総理大臣 よく私は、地方切り捨てだとか中小企業対策やっていないとか御批判をいただきますが、実際はそうじゃないんで、地方の特色を生かした改革も進めておりますし、中小対策にしても、中小企業政策という観点から、私は、今までにない新しい時代に対応した融資の手法、今御指摘のような多様な手法を展開しております。

 中小企業も、よくだめだ、だめだと悲観論ばかり、悲鳴を上げているところばかり国会では例を挙げられていますが、むしろ、一番中小企業で困っていると言われますと、東京ばかり考えて大阪のことを考えないと言われますが、大阪の人たちだって、この前、東大阪に行ったら批判されましたよ。大阪困っている困っている、とんでもないと、自分たち東大阪だけれども、中小企業みんな頑張っているんだという声をじかに聞きましたし、現に中小企業が集まって、歯ブラシをつくっている会社が人工衛星を上げるというぐらい何でもやれるんだという企業も、中小企業が集まってやっておられる。あるいは、世界の中で中小企業がいろいろな分野でシェアを広げている。

 今言ったように、中小企業の雇用もふやしているということでありますので、担保主義とは違った新しい手法で、中小企業がますますいろいろな分野において活躍できるような対策をとっていきたいと思っております。

西川(太)委員 井上防災担当大臣にお伺いします。

 このところ、北海道または東北地方で大きな地震があり、被災をされた方々にお見舞いを申し上げながらお尋ねをするわけですが、いよいよ関東大震災から八十年たちました。河角博士の周期説をとっくに超えています。直下型大地震、心配されているわけです。

 私は東京の下町に住まっておりまして、私の家はかれこれ百年ぐらいそこに住んでいるんですが、祖父が関東大震災で逃げ出してきた方々に炊き出しをしたりしたような経験も伝え聞いております。

 直下型、東京の下町、例えばそれに対して国はどんなことをしてくれるのと、こんなことをよく聞かれるんですが、率直に新大臣にお尋ねをしたいと思います。

井上国務大臣 災害の予測というのは元来難しいのでありますけれども、特に地震の予測というのは非常に難しいわけですね。それでも、かなり知見が集まってくるとか観測体制が整備されまして、東海地震なんかはかなりの精度をもちまして地震の予測ができるようになってきたわけでありますが、東京の直下型地震につきましては、東海地震ほどには知見がまだ集まっていない、こういうことでありますけれども、しかし、関東大震災がありましてからもう八十年も経過をするわけでありまして、この対応もきちんと考えておかないといけない、こういう状況だと思います。

 特に、最近の東京一極集中、政治の機能、経済、金融、こういうのが非常に進んでおりまして、こういうことを考えますと、できるだけ早く東京の直下型地震についての対応をまとめないといけない、こんなふうに思います。

 そういうことで、中央防災会議におきまして首都の直下対策の専門調査会を発足いたしまして、どういうような地震が予想されるのか、それに対する対策を取りまとめる、こういうことになりまして、おおむね二年を目途にそういう作業を終えたい、こういうことにいたしております。

 特に中心になりますのが、やはり、個々の企業とか個人の対策もありますが、今申し上げました政治や経済、そういった機能が仮にも毀損されるような場合にはどういうようなかわりがあるのか、それを補完するものがあるのか、こういうことをきちっと整理しておく必要があると思います。これは従来大変手薄だったんですね。

 あと、耐震化の問題とか、それから公共施設につきましては、従来どおり、これは力点を置いておりますので、そういったものをさらに推進していくとか、下町のお話が今出ましたけれども、やはりみんなで力を合わせて防災をやっていくということが大事だ、こんなふうに思います。

西川(太)委員 よろしくお願いをいたします。

 そこで、もう一問、総理にお尋ねをいたすわけでありますが、待機児童三万人という保育所の問題です。

 実は、ちびっ子たちのミスマッチと私はちょっと言ったんですが、厚生労働省からいただいた資料によりますと、公営の保育所を中心に、大ざっぱに言うと十万人のあきがあるというんですね。片方で三万人のちびっ子たちが待機している。

 そうなると、この十万人のところは、どうしてそんなにあきがあるのというと、ミスマッチですから、地方に存在していたり、子供は都会にいたりというようなこともございます。それから、それ以外に、ゼロ歳児を預からないとか、定員をやはり厳格に守って、民間の保育所などは、その辺のところは非常に弾力的にやっていただいて、収容は一〇〇%を超えているんですね。ところが、公営は九割台なんです。やはりここのところを解消しないと少子化対策は進まないと思うんです。

 三万人が待っているのに十万人があいているというのは、これはちょっとおかしいとお思いになりませんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 後ほど坂口大臣からも答弁いただくと思いますが、確かに地域によってばらつきがあるんです。これから私は待機児童ゼロ作戦で、就任したときには十五万人が待機しているというので、これをゼロにしようと。それで、初年度五万人、今年度五万人、そして三年目で五万人、十五万人、ゼロになる。ところが、見込みがだんだんふえていきますから、このふえた分に対しては、またゼロになるように対応していきますが、将来、お子さんがどんどん減っていきます。全体については充足の状況になるという状況でありますが、地域によってミスマッチがありますので。

 特に、民間の方が意欲的ですね。親御さんのいろいろな要求がありますから、それにどうやって対応していくかというのは、どうも公設より民間の方が進んでいる。その点をよく踏まえて、もっと公設の保育園に頑張ってもらわなきゃならない。あるいは、できないんだったら民間に委託すればいいじゃないか。これを進めていかないと。だから、公設民営方式、これをどんどん進めていく。

 これについては、なかなか公務員という立場で、公務員の方から反対が多いんですけれども、むしろ民間にできることは民間にと。公務員だって民間だって、お子さんを預かるには変わらないはずだ。余り身分保障にこだわらないで、いい、働きやすい環境を整えて、お子さんの立場を考える、親御さんの立場を考えて、公設民営方式だってできるところはどんどん進めていけばいいじゃないかという視点で、これからも私はミスマッチをなくすような努力を続けていきたいと思います。

西川(太)委員 私的なことを申して恐縮ですが、私の亡くなった父は、東京で一番最初に公設民営方式の保育園を導入した東京都民生委員会の副会長なんかをやったおやじでありましたけれども、今の言葉は私非常にうれしく伺いました。

 最後に、谷垣大臣に、円高問題をずばり、時間もないので率直に伺いますが、せっかく景気回復の芽が着実に育とうとしているところに、けさ早くニュースを見ておりましたら、ニューヨークで百十一円台、きのうは百十円。これに対して、日本は介入ができないといろいろな方々の御発言もこれあり、中国の人民元の問題もあり、ブッシュ政権ではドル安に誘導しようとしている、こういうふうに言われています。口の悪い人は、通貨政策の失敗だ、こんなふうに言われています。

 しかし、私は、必ずしもこのドル安・円高がアメリカにとっていいと思えない。やはり長期金利も上昇しましょうし、いろいろな意味でアメリカにだって悪い影響はある。だけれども、まず日本の中小企業にとって景気回復に一番必要なこの時期に冷や水をかけられてはいけない。

 期待を担って登場されました新大臣、この問題についてどういう対策をおとりになるか。微妙な問題でございますので、お差し支えない範囲で結構でございます。伺いたいと思います。

谷垣国務大臣 今、西川委員から、日本は介入が前よりしにくくなっているのではないかというニュアンスでお尋ねがあったと思いますが、先般、G7、IMFございましたけれども、その前後、あるいは塩川大臣から私にかわりまして、根本の方針が変わったわけでは全くありません。

 為替水準というのは、もう言うまでもございませんけれども、経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移していく、それが本来の姿でありまして、その限りであれば我々どうこうすべきものではないと思うのですが、最近の円高の動きというのは私はやや急なものがあるように思います。

 それから、日本も確かにいい指標があるわけですが、一方、アメリカも力強い回復を示しておりまして、一方的に円高が進行していくような状況ではないのではないかというふうに思っております。

 したがいまして、イレギュラーな動きと申しますか、そういうものが出てきたときには適時適切に断固たる措置をとるという方針は、一切変わりはございません。

西川(太)委員 ありがとうございました。

藤井委員長 これにて西川君の質疑は終了いたしました。

 次に、枝野幸男君。

枝野委員 民主党の政調会長を務めております枝野でございます。

 小泉さんのおっしゃる改革、スローガンとしては一つの考え方を示されているのかもしれませんが、残念ながら、二年半たっておりますけれども、具体的に何をされるのかというのが全く見えない。スローガンはよくても、具体的な中身のやり方によっては、国民生活にとってプラスにもなるしマイナスにもなります。

 そういう観点から、小泉改革の柱と称するものについてお尋ねをさせていただきたいと思いますが、済みません、順番を変えさせていただいて、やはり一番本丸の郵政から聞かせていただきたいというふうに思います。

 小泉総理は、先日の代表質問での菅代表からの質問に、細かいことは知らぬということでしたので、所管の麻生大臣を中心にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 民間にできることは民間でやる、もし郵政三事業を民間でできるなら民間でやるということ、その考え方は私も否定はするものではありません。問題は、どういう形で民営化をすればこの大きな郵政三事業をきちっとした形で民営化できるのか、そこのところのビジョンをお聞かせいただきたいというふうに思いますが、まずは、麻生大臣、郵政はどういう目的で民営化されるんですか。

麻生国務大臣 郵政の民営化というのは、基本的には、民間でできるものは民間にというところが本来の目的と思っております。

枝野委員 全く答えになっていないですね。

 では、代表も代表質問で聞きましたが、具体的に聞きましょう。

 今、郵便貯金の資金量というのは、二百五十兆円程度でしょうか、大変膨大な金額であります。日本国内のあらゆる金融機関よりも圧倒的に多い資金量を持っております。これを民営化するということは、この郵便貯金を、今の例えば都市銀行などと同じように民間の銀行にして、全く同じ条件で銀行業務を行わせる、こういうことなんでしょうか。

麻生国務大臣 民間の銀行にするという話を聞いたわけではありませんので、民間の銀行にするという前提で話をされるとちょっと話は込み入るんだと思いますが、基本的には、総理のいわゆる郵政民営化に関する例の懇談会の中に出された案というのがいろいろ出ておりましたが、ああいったものを踏まえて、民営化するに当たってはどういうことをしていくかということが今論議をされるというところだと思っております。

枝野委員 この部分がはっきりしないと、民営化がいいことなのか悪いことなのか、国民の皆さんにも判断できないと思うんですね。

 基本的に、今民間の銀行、つまり民間で、国民の皆さんから預金を集めて、その預金を貸し出しして、それで利益を上げている、プロの皆さんが集まっている民間の銀行も、ここ十年来、金融危機と言われて、不良債権処理の問題をずうっと引きずっているわけです。つまり、専門家で、商売のためにマーケットメカニズムにさらされて競争している民間の方でさえ、どこに貸し出したらもうかるのかということについて適切な判断をできなかったから、不良債権問題が生じているわけです。

 では、民営化をして、この二百兆円を超える国民の資産をだれがどうやって運用するのか。そこのところがはっきりしなければ、民間のマーケットにさらされているプロの皆さんでさえ間違えた。二百兆円を超える金、これを間違えたら大変なことになります。総務大臣、どうするんですか。

麻生国務大臣 いわゆる、御存じのように、今から郵便貯金というものの話は、二百五十兆、二百二十兆か、簡易保険が百三十兆、合計約三百五十兆だと思いますね。そういったものにつきまして、今後それを民営化して運営していくに当たっては、考えておかねばならぬ点は三つだと思っております。

 民にできるものは民にという点で、まあ国としての観点から一つ。もう一つは、今枝野議員御指摘のありましたように、それに預けている人たち、もしくはその郵政三事業によって利益を得ている、便宜を得ている国民、利用者等々にとりましては、民営化されたらサービスが悪くなった、また、そういった郵便がスムーズに配達をされなくなった等々のデメリットがないように、安心感を与えねばいかぬというのが二点目。そしてもう一つは、従業員約二十八万人ぐらいいると思われますので、家族を含めて約百万弱、そういった方々の生活の安定、労働意欲等々を勘案した上で、これから幅広く国民的論議を踏まえということで論議をしていくのでありますので、その形態につきましては、今この段階で、これが正しい答えというのが出ているわけではありません。

枝野委員 いいですか。十七年に改革法案を国会に提出するという話なんですよ。そして、これを主導してきている小泉総理は、十年以上にわたって郵政を民営化するとおっしゃってきていて、政権についた最初のところから、もう既に二年半、このことを検討されてきているんじゃないですか。全く検討してきていないんですか、民営化すると言っただけで。

 実際にこの膨大な郵便貯金、簡易保険の資金を民営化した場合、どうやって運用するのかというところは、もし民営化する場合には最大の課題なんですよ。そこのところについて、例えばもう縮小してしまうのか、あるいは場合によっては郵貯、簡保という事業自体から撤退するのか、それとも大き過ぎるから分割をするのか、それとも、ばかでか過ぎても仕方がないんだからということで、そのまま民営にするのか。全然、例えば郵便貯金を預けている国民の皆さんから見た安心感とか郵便局の位置づけというのは変わってくるんです。全くノーアイデアなんですね、総務大臣。総務大臣に聞いています。

麻生国務大臣 今の御意見につきましては、繰り返しになるようで恐縮ですが、過日行われました郵政民営化に関する懇談会、総理の諮問機関で出された案でも、三案出されてきておりますのは御存じのとおりです。三つ、案がもう既に出されております。その案がそれで正しいのかどうか、最終案にそれを絞れる段階に行くまでには国民的論議を踏まえたいと言っておられるのであって、今その問題について検討を開始するということだと思っております。

枝野委員 結局、二年半議論をしてきたけれども、三つの案が懇談会から出てきて、さあ、どれがいいのか、これから国民の皆さんの議論を踏まえて。

 政権として、自民党として、十七年度に法案をお出しになって十九年度から民営化するということはお決めになっているけれども、どういう形で郵貯、簡保のお金をするのかということは決めていない。そんな乱暴な話がありますか。少なくとも、十九年からやるということであれば、国民の皆さんの意見を聞く大きな大きな政権選択の選挙は、この秋が最後でしょう、この時間どおりやるんだとすれば。

 そこで、私たちは郵便貯金をこうしますということを具体的にお示しになった上で、それに賛成ですか、反対ですかということを決めていただかないと、国民的な議論と私は言えないというふうに思います。

 私たちは、まず、何しろ郵便貯金が多過ぎる、そして、民間でできることを民間でやるということであるならば、現に貯金業務、銀行業務というものは、民間銀行があるんですから、できるだけ郵便局が貯金を集めるということ自体を縮小していくことがまず第一歩であって、そのことをきちっとやって、適正な規模で小さくして、民営化するなら民営化できるような規模にしていくことが第一ステップとして必要ではないか、このことは一貫して言い続けております。

 もう一点、簡易保険の話を聞かせていただきたいと思います。

 簡易保険も、民間でできることは民間でやる、民業を圧迫しない。通常国会では、我々の反対を押し切って、生命保険が今苦しいからといって、予定利率の引き下げの法案を与党は強行いたしました。

 ところが、小泉内閣になっての成果だとおっしゃっている郵政公社が、生命保険の今一番の最大の利益を上げている商品である定期つき終身保険の競合商品を新たに郵便局で出したいという認可申請をお出しになるということであります。民間でできることは民間でやる、民業圧迫をしない。しかも、今、生命保険業界は場合によっては契約者の皆さんとした契約を破ってでも予定利率を下げるかもしれないという法律を通している皆さんが、そうした中で、まさか簡易保険がその生命保険の業界に食い込むような、こんな定期つき終身保険の認可はお認めになれませんね、総務大臣。

麻生国務大臣 基本的には民営化するという前提で事が進んでおるわけですから、その方向につきましては、別に法律違反でも特にないようだと存じますので、基本的には、総務大臣の立場といたしましては、金融担当大臣等々とも十分話をさせていただいた上でやる。別にやらせていただいて法律違反ではないというぐあいに理解しております。

枝野委員 だれも法律違反だなんて言っていません。だけれども、民間でできることは民間でやるというのが郵政三事業民営化の柱、民業圧迫をしないというのが柱。

 しかも、私、この予算委員会でも以前やらせていただきました、公社化するのは結構ですけれども、公社化をして民業を圧迫するようなことになってもらっちゃ困りますよと。

 例えば、具体的に、郵便局は税金の面で民間の生命保険会社や民間の銀行よりも有利な立場にあります。それから、銀行や生命保険会社について言えば、いわゆる預金保険料を払っていません。つまり、政府の保証だからということで一千万円まで郵便貯金は保証されているわけですが、それについて保証料を出していません。民間の銀行は一千万円までの預金保険のために保険料を出しています。生命保険会社も生命保険の契約を守るための保証料を払っています。郵便貯金や生命保険は払っていません。

 明らかに民間よりも競争上有利な条件に置きながら、民間のところにどんどん商品を出している。これでは、民間でできることは民間でやるという方向とあべこべのことを小泉内閣になってからやっているということですからね。麻生さん、こんなばかな話ありませんよ。

麻生国務大臣 今、バランスがとれていないというお話だと思いますが、どの点でメリットがあり、どの点でバランスしているかどうかというのは、別の問題として、トータルで考えてみないといかぬところだと思っておるんですね。

 公社が行っておりますいわゆる簡保というのは小口対象でありますので、千万円以上はできないというのは一つの規制になっておりますので、競争としては、千万円以上、以下というのは非常に大きな差だと思っております。

 また、山の中、過疎地等々、いろいろなところにあります場所におきましても同じように郵便局というものがあって、全国、御存じのように二万四千カ所あるわけですからね。名古屋みたいな町の中とは違いますので、全国の山の中、いろいろなところにいろいろありますので、そういったところの不採算地域においてもいろいろ営業せなければならないというのはマイナスの条件だと思っておりますので、そういった意味では、全体的にしてこれだからすべて一方的に、法人税等々いろいろ御意見はあるんだとは思いますが、民営化されていく方向として、いろいろなことに挑戦をするというのは決して間違っていないと思っております。

枝野委員 確かに、国営であるいは公社で行っているからこそ、採算のとれない山の中にも支店があったりするわけですよ。そうですよね。民間の企業で、利益を求めるんだったら、採算の合わない支店は閉じますよ。

 では、民営化するということは、採算とれないところは将来閉じるという前提でいいんですね、麻生大臣。

麻生国務大臣 今二万四千カ所の中で、少なくともメリットがないところはさっさと閉めるというようなことが、民営化された場合にそれが当然のごとく行われると、結果として国民にデメリットが出てくることになる。そういうことが起きないようにした上で、どうやって民営化するかということを考えるべきなんじゃないんでしょうか。(発言する者あり)

枝野委員 今も後ろからもやじが飛んでいますが、論理矛盾じゃないですか。民営化ということは、国がかかわらないで民間としてやらせるわけじゃないですか。民営化をすることということのメリットは、経済合理性に基づいて、採算の合わないことはやらない、もうかるところをやる、それが民間じゃないですか。

 もしも、採算に合わない、もうからないところも含めてやり続けなさいという、そんなめちゃくちゃな規制を特定の銀行にだけ課すだなんという、そんな不公平なことが資本主義社会で許されるんですか。民営化をするという以上は、ほかの銀行や生命保険会社と同じような競争をさせなければ、今度は民間会社として倒れてしまうじゃないですか。だれがそんなやたらめちゃくちゃな規制のかかっている郵便局銀行の株を買いますか。つまり、採算のとれないところも維持するということであるならば、それは一定の公の関与をするしかない、つまり民間ではできないということなわけですよ。どちらなんですか。しっかりと明確に言ってください。はっきりしてください。

 どちらもそれは、選択肢ありますよ。この手のものは山の中とか離島には要らない、だからもう経済合理性で全部やるんだ、それは一つの考え方でしょう。どちらなのかはっきりしてください。

 総務大臣に聞いています。総務大臣がお答えしたことについてです。

麻生国務大臣 商売をなさったことがおありになる上で、ちょっと返答させていただきますので。

 商売をいろいろ私の場合もしてきましたのでわかりますが、不採算だから即切るなんというほど単純な話ではありません。不採算なところでもやらねばならぬというところもありますし、将来そこが開発されてよくなるかもしれませんから。それはその段階で簡単に決められるほど商売というものは簡単なものじゃないんですって、と私は基本的にはそう思っておりますので、その上で、冗談な上で、二万四千の上でどうするかということをきちんと考えていくということだと思います。

枝野委員 そういう判断ももちろんありますよ。ここは採算とれないけれども、いろいろな経営上の判断で、採算のとれない店だけれども置いておくとか、それはあり得ますよ。しかしながら、そんなことを政治が、政府がコントロールできなくするということじゃないですか、民営化するということは。

 それは、民間会社になって、その民間会社の株主の方の最終的には責任と判断で決めていただく。そこが、いや、こんな採算のとれないところはやらないと言ったら、それでやらなくなるのが民営化ということじゃないですか。そうじゃない民営化というのは、形式的に株式会社になろうが何しようが、例えば特殊法人の中にも株式会社形態の特殊法人もあります、これは政府のコントロールです。政府のコントロールするような株式会社にしたって、民間でできることは民間にやらせるということの意味はない。

 逆に言えば、先ほどの答弁との矛盾を言いましょう。先ほど、郵便局は、そういう採算のとれないような山奥まで郵便局があるから、今の民間の銀行や生命保険会社のような税金や保険料を取らなくたって公平だとおっしゃっている。では、このままそういうところを維持し続けるかわりに、民間にはするけれども、預金保険料は取らない、それから保証料は取らない、税金は民間より安くていい、そんなばかな話だったら、民業圧迫じゃないですか。わけがわからないですよ。

 総務大臣、お答えください。

麻生国務大臣 預金保険を取らないというお話は民主党案ですか。(枝野委員「我々は取るべきだと言っているんです」と呼ぶ)私どもも、取らないという話が答申に出たことはまだありませんので、今それを検討すると言っている話ですから、先ほど申し上げたように、預金保険料等々につきましても今から考えるところであって、取らないなどというのを前提にして話されるのは間違っております。

枝野委員 私たちは、今取るべきだと言っているんですよ。なぜかといったら、現実に民間の生命保険会社や民間の銀行、経営が今苦しい。苦しいことについては、私は当事者の自己責任もあると思います。しかしながら、今国がやっている、国が保証をしている、国の信用で裏づけられている。

 特に生命保険の場合は、銀行はまだ同じ一千万円まで預金保険もある、郵便貯金も一千万円だ、しかし生命保険の場合は、皆さん方がお決めになって、万が一破綻しないようにといって、契約でお約束した利息を払わないだなんという法律をつくったばかりなんですよ。そういう状況の中で、どうして郵便局だけそういった負担を免れながら、そして一千万円までは保障されるという政府の保証を背負いながら、どうして民間の生命保険会社の民業を圧迫するようなところに介入していく。これが、官から民へ、民間でできることは民間でというスローガンに沿った施策なのか、私には全くわからない。

 できるのかできないのかわからない将来の郵政民営化の前に、今やっている郵政公社の民業圧迫をやめること、まず目の前で具体的にできることをきちっとやっていただきたい、そのことを申し上げておきたいというふうに思います。

 さらに言えば、民営化というスローガンだけはあるけれども、具体的に、では郵便貯金がどうなるのか、生命保険がどうなるのか、簡易保険がどうなるのか、全くお示しになっていない。では、郵便事業はどうなるんですか。民間参入を認めることになったとしましたが、信書便で民間参入した企業はありますか。残念ながら、全国規模で郵便局と対抗する形で信書便で参入してきた民間業者、ありませんね。どうしてできないんですか。どうして参入してくるところはないんですか、麻生大臣。

麻生国務大臣 民間参入をしたい、全国的なサービスをできるという前提でやろうとしている業者というのがいろいろおありになったんだと思いますが、やってみた結果、採算が合わないと思われたからだと思います。

枝野委員 そうです。採算が合わないんです。今の基準で郵便事業をやらせたら、採算に合わない。今、政府の保証がついている郵便局だから採算に合っているんです。もし民間でできることで民間にやらせるということだったら、もっと参入の壁を低くすればいいじゃないですか。ポストの数が幾つなきゃいけないだなんて細かいところまで手とり足とり規制をしておいて、民間で参入してくるところ、採算に合わないから参入しない。民営化して民間でもできることは民間にやらせるというんだったら、もっとハードルを下げればいいじゃないですか。

 ユニバーサルサービスは私たちは守らなきゃならないと思います。あそこの離島にだけは送りませんとか、あそこの山奥にだけは送りませんだなんということで競争をしたら、競争が不公平だと思いますから、郵便というのは全国どこでも届けるというユニバーサルサービスは守るべきだと思いますが、細かくポストの数とかポストの規格だなんということを決めているから、民間参入できないんですよ。

 将来、そんな先の民営化の前に、今郵便が民間参入できるようにハードルを下げたらいいじゃないですか、総務大臣。民営化が正しいことなんでしょう、総務大臣、そう思っているんでしょう。だったら、直ちに民間が入ってこれるように、そういう障壁を下げるべきじゃないですか。我々は明確に言っていますよ。

麻生国務大臣 ユニバーサルサービスで、全国一律というサービスというのをずっとやってこられた。これは、郵便制度ができましてこの方ずっとほぼ同じ制度が続いてきたということだと思いますが、極めてその内容はいろいろありますけれども、はがきの値段も諸外国に比べてそうむちゃくちゃ高いわけでもないし、安いわけでもない……(発言する者あり)いえいえ、安いところもありますから、一方的な議論はせぬでください。

 そういったところでは、いろいろなサービスというものを長い間つくり上げてきている。その間に、郵便ポストやら何やらも全国いろいろやった。そのポストを維持するために、事業形態としては結構きちんとしたものをやり上げるまでつくり上げてきたんだと思います。そこまでのインフラに設備もかかった。

 新しくそれをやるという方に関しては、それをただ利用させろといっても、それは中で、いろいろ郵便ポストの中を両方使うというわけにはなかなかいきませんから、だれが切手を張るのか、だれがその切手の責任を持つのか等々、いろいろ考えないかぬところはいっぱいありますので、ハードルを低くとおっしゃるが、そのハードルが何を意味しているのかちょっとよくわかりませんので、少なくとも、競争をする場合は、公平な競争ということを言われるんだったら、同じような条件をつくり上げるというのには、当然のこととして、一定の基準を設けるのは当然だと思います。

枝野委員 結局、何だかんややたらと理屈をつけて民間参入をさせない、今までの郵便を守るという答弁にしか私には聞こえないんですが。

 麻生大臣、念のためお尋ねしますが、麻生大臣は、小泉総理の指示を受けて、郵政民営化に賛成であるという理解を私はしていますが、仮に自民党の何とか部会とか何とか調査会が民営化反対と議決しようが何しようが、小泉総理大臣の命に従って郵政民営化に向かって邁進されますね。

麻生国務大臣 今、内閣の一員としては当然だと思います。

枝野委員 小泉総理は、一貫して郵政民営化をおっしゃっておられる。変わらないことは一ついいことなのかもしれませんが、変わらない、同じことを言っているということは、実行されていないということにほかならないわけで。

 以前、九二年でしょうか、小泉さん、郵政大臣をしておられましたときに、郵便局のマル優、高齢者マル優の限度額を引き上げるという話がありました。つまり、郵便貯金の権益を拡大しようという話がありました。当時の小泉郵政大臣は、こんなものは許せぬと、絶対反対だと徹底反対されました。私、当時まだ弁護士だったかなと思いますけれども、お、なるほど、頑張っている、いいじゃないかというふうに思って拍手を送っておりましたが、最終的にどうなったかというと、自民党税調の決定には黙って従うと言って、結局引き上げを郵政大臣として進められたという前科があるということを明確に指摘をしておきたいというふうに思っております。

 結局、議院内閣制なんですから、総理大臣が何を言おうと、大臣が何を言おうと、そこで決めた法案が国会を通るためには、こちらに座っていらっしゃる自民党の議員さんたちが賛成をされない限り法律は通らないんです。そのとおりなんです。ですから、この皆さんが、お一人お一人に、ぜひ国民の皆さん、地元で、選挙区で、小泉さんの言うとおり郵政民営化に賛成なのか反対なのか、きちっと踏み絵を踏ませなければ、小泉さん一人が幾ら何を言ったって、法律が通らないから前に進まないということを明確にさせていただきたい。

 そういう観点から、麻生総務大臣に一点お尋ねをさせていただきたいと思いますが、麻生総務大臣のもとに、山口俊一総務副大臣いらっしゃいますね。地元のテレビで、私は郵政民営化には反対だ、辞表を胸にやっている、堂々と地元のテレビでおっしゃっている。(小泉内閣総理大臣「いずれ賛成するよ」と呼ぶ)国会では、東京ではいろいろなことを言って、賛成だと言っているかもしれませんが、地元のテレビで堂々とおっしゃっているんですよ。後で賛成するじゃなくて、小泉内閣の一員なんですから、明確に罷免をしてください、総務大臣。

麻生国務大臣 内容をよく、私はそのテレビを見たこともありませんし、本人の意向を聞いたこともありませんので、今のこの段階で罷免をするなどという言葉を使うほど、私もそれほどのぼせておりませんので。

枝野委員 失礼しました。正確に言いましょう。事実関係を明確に把握していただいて、私の言ったような発言をテレビで明確におっしゃっていたんだったら、当然罷免に値する話だと私は思います。

 つまり、今までの自民党政府、何をやってきたか。例えば、かつて大型間接税のときもそうでした。東京では、中央ではいろいろなことを言うけれども、選挙区では、おれだけは反対だ、おれだけは反対だから、おれがやれば絶対反対でとめるんだ、だから自分を当選させてくれと言って、党として、政府として言っている話と各候補者が言っていることはばらばらなことを言ってきたんです。そのときにはどちらを信じたらいいのかわからなくなるわけです。私たちの党内もいろいろな意見の幅はあります。しかし、政権をとったらこれだけはやりますという政権公約については、すべての候補者、全員一致をして私たちはそれを約束させていただく。党内で、我が党の中でもし地元の選挙区で違うことを言っている候補者がいましたら、党に言っていただければ、その候補者は入れかわっていただくことを我が党はやります。ぜひ自民党もそういうことをやっていただきたいと申し上げておきたいと思います。

 次に、年金の話をさせていただきたいというふうに思います。

 先ほど来も話が出てきておりますが、国民の皆さんの関心の大きなところは年金にあると思っています。確かに、私は、今の不況を脱却する、抜け出すために必要なことは、将来不安を小さくしなきゃならない。将来、年金もらえるのかもらえないのかわからない、幾らもらえるのかわからないという不安定な状況の中で果たして、例えば、意外と日本の高齢者の皆さんは資産を持っている方が多いんですが、その資産を使いたくても使えません。自分があと十年生きるのか三十年生きるのかわからない、年金もらえるかわからないとなったら、資産、できるだけキープしておかないといけない。したがって、年金が将来に向かって安心ですよということを国民の皆さんに感じていただくことで、眠っている資産が消費に向かっていって経済を活性化することができるというふうに思っております。

 そこで、坂口厚生労働大臣に伺います。

 今、年金、何が問題なんですか。何を変えなきゃいけないんですか。どこがポイントなんですか。

坂口国務大臣 現在の年金制度が抱えております問題、幾つかあるというふうに思いますが、一つは、少子高齢社会が急速に進んでまいりましたために、その負担と給付が不明確になってきたという点もございます。それからもう一つは、不払いの人があるということは年金制度の本当の意味ということが十分に理解されていない、ここに対する我が省のPR不足もあるというふうに思っている次第でございまして、これらの点を明確にして、これからの年金に参加をしていただく方がどれだけ負担をし、どれだけの額が年金として戻ってくるのかということを明確にするということが大事、そこが一番重要な点だと思っております。

枝野委員 それじゃ、今の問題点に、厚生省ではなくて厚生労働大臣としての案しか出ていないし、あるいは財務省も何か案を出しておられるようですけれども、これこそ郵政よりもっと早い、来年の通常国会、あと三カ月ぐらいで国会に法案を出すという話なのですが、具体的に何をどう変えてくれるのか、全く見えないんですね。基本的には、今の年金制度の枠組み、大きな構造は変えないという理解でいいんですね、厚生労働大臣。

坂口国務大臣 私が試案として示しましたのは、先ほども申しましたとおり、負担と給付の割合がどうか、まあどんな制度になるにいたしましても負担と給付が、これがあることだけは間違いがないわけで、それに国庫負担がどれだけかということによって決まるわけでありますから、そこを私のには明確にした。そして、今後、これは政府内で煮詰めをいたしていくわけでございまして、年末には明らかな案をつくりたいというふうに思っております。

 今までの延長線上ではないかというお話もございますが、そこは、各党の御意見も十分に聞きながらその制度、体制というものはつくり上げていきたいと思っております。

枝野委員 平成十六年度に次の年金改正をするというのはいつから決まっていたんですか。三カ月ぐらい前に決めたんですか。何年前から議論をしてきているんですか。

 今回、国民の皆さんに選択をしていただく選挙をするというときに、いや、それは決まらないから選挙が終わってからやります、これじゃ、国民の皆さんは政策で選択できないというふうに思うんですね。ですから、私たちの考え方を説明させていただきますが、まず政府の方を。(パネルを示す)今の年金制度の大きな図柄です。厚生労働大臣、十分、まあ総理も厚生大臣の経験者ですからよくおわかりでしょう。

 一つ、先ほど来議論になっているのは、この一番下の基礎年金の国庫負担という部分です。つまり、ここは税金で賄います、お支払いするときに。次の段階で、ここは保険料でお払いをしますという話ですね。

 ここのところで、実は今、二分の一クエスチョンと書いてありますが、今はこの全体の三分の一しか税金が入っていない。そして、これを実は十六年から二分の一にすることを、これは政府としても約束をしてきた。そうすれば、基礎年金を納める額が相対的には少なくていい、減額になるかどうかは別として、という話なんですけれども、じゃ、来年からやるんですか、やらないんですか。

坂口国務大臣 基礎年金の二分の一への実現は、実現をできるようにしたいと思っております。

枝野委員 我々の政権公約、マニフェストに具体策がないとかいろいろな御批判をされていますが、じゃ、どういう財源で、どういうふうにやるんですか、坂口厚生大臣。

坂口国務大臣 それは年金制度の改革以外に方法はないと思っております。

枝野委員 いや、三分の一から二分の一へ税金の負担を引き上げましょう。税金から払う、つまり一般財源、政府の予算から出す負担部分を引き上げましょう。つまり二兆七千億円、年金のために、皆さんからお預かりしている税金から出す額をふやしましょうということですよ。その二兆七千億円を来年からやるというので、どこからその二兆七千億円持ってくるんですかということを聞いているんです。

坂口国務大臣 ですから、そこは税制改革でやる以外にないわけでありまして、これは税制全般にかかわることでありますから、その議論の中でこれは出してもらう以外にない。

枝野委員 税制改革ということは、お金が足りないから税制改革するということは、増税をするとしか聞こえないんですが、ほかに何かやることあるんですか、増税以外に、税制改革というのは。

坂口国務大臣 主に、それは増税をする以外にないと思います。

枝野委員 私たちは、国民の皆さんに従来から約束していました。我々も実は約束しています。実は国会でも決議を上げています。

 ただ、二兆七千億という膨大なお金を一気につくり出すためには、増税をする以外にはなくなってしまうでしょう。しかし、私たちは、まさに国民の皆さんの最低限の年金の部分をどうやって保障するかということを考えたときに、今、私たちの国は税金の使い方を大きく間違えている。諫早湾の干拓、菅さんが繰り返し言っていますが、何で、田んぼが余っていて、米が余っていて、ことしは足りないですけれども、片方で減反しながら、もう片方では新しい田んぼをつくるのに二千五百億円も使っているんだ、こういうばかな税金の使い方がたくさんある。

 我々が政権をとらせていただいたら、このばかな税金の使い方を、一年間で二兆七千億そっくりということをやると、今継続している事業などを突然ばったりやめることができないことがたくさんありますから、一気にはできません、五年間かけて、二兆七千億円、ほかの予算、主に公共事業や特殊法人、そして公務員人件費などの予算を二兆七千億円分段階的に削って、今の国民年金の財源を安定させるというところに充てます。増税をしないで、ここまでは明確にやります。

 その上で、私たちは、そこから先の年金の姿、先ほど空洞化という話がありました。国民年金をお支払いになっている方、定額の一万幾らの保険料を納めて、老後に六万幾らもらいます。所得の高い人も所得の低い人も同じようにもらいます。しかし、これは将来どうなるかわからない、ばかばかしいから払わないという人がたくさんふえています。もう四割払っていないというふうに聞いていますね。負担をした額と将来もらえる額との関係もよくわからない。明確にすればいいんです。現役時代に幾ら払ったか、その払った額に応じて老後は受け取るということで、私たちは、まず上の部分、所得に応じて、そして国民年金という制度を、中途半端でよくわかりません、サラリーマンで働いている人も公務員で働いている人も、それから自営業をされている人も無職の人も、すべて老後の不安ということは一緒なわけです。

 先ほどの図を下さい。今の制度では、一般の民間企業の人は真ん中の厚生年金です。それから、公務員のようなところは共済年金です。そして、自営業者の方、無職の方は国民年金。昔だったら、終身雇用で、民間企業に入ったら一生サラリーマンで厚生年金、あるいは公務員だったら一生共済年金ということだったかもしれないけれども、今や雇用が流動化して、あるときは国民年金、あるときは厚生年金、あるときは共済年金、さっぱりわけわからなくなっているということも年金不信の一つです。何で分ける必要があるんですか。分ける必要はない。老後の不安は一緒です。

 ですから、私たちは、全体を一本にして、とにかく所得に応じて保険料を納めてください、そして納めた保険料に応じて年金を受け取りますという形にします。

 しかし、これだけでは所得の低い人たちが老後の生活を守れません。それが今の国民年金の一部の仕組みなわけですけれども。ここはもう将来、税で見ましょう、つまり、保険料で取るのではなくて、皆さんから納めていただく……(発言する者あり)後で話しますよ。税でいただきましょうということでやります。

 ただし、全部税で見たときには確かに財源が大変です。税金で見るということは所得の再分配です。どうしても所得の低い人たちの老後を最低限守れないということのために国民の基礎年金というものを置くわけですから、年金を初めからたくさんもらえる、現役時代たくさん保険料を納めて、たくさん年金をもらえる方については支払う必要はないんです。だから、段階的に支給額を少なくする。もちろん、たくさん納めたのに、納めていない人より少ないというか同じ額ということになってはいけませんから、段階的にカーブをつけていって、非常に多額の、我々、今一人で二十万超えるような年金を月当たりもらうような人たちにはもう税金から払う必要はないでしょう、こういう仕組みをやっていきます。

 しかも、この国民基礎年金のうちの半分の部分、しかも後ろの方が切れますから、こちら、前の方に持ってこれますから、そこまでは、先ほど言ったとおり、今むだ遣いされている税金をやめさせて、むだ遣いをやめた分で賄って、残りの部分を段階的に我々は消費税を使って埋めていくしかない。しかしながら、今の仕組みを前提にして、お金持ちにもそうでない人にも全部消費税で基礎年金を払いますだなんという制度を想定したりすることに比べれば、相対的に低い額です。

 実は、本当は私たち、数字を入れて出したいと思いました。しかし、厚生労働省が、例えば、国民年金層の所得がどれぐらい、どういう分布をしているのか、そういう資料をお出しにならない。それどころか、年金基金、皆さんがお預かりしている年金基金の実態が今どうなっているのか、私どもの埼玉県の知事になった上田清司さんがここで何度もやりましたけれども、年金基金の実態がどうなっているのかさえ、国民のみなさんどころか、私たちにも示していただいていない。だから、正確なシミュレーションができません。

 私たちはうそはつきたくないですから、こういう姿を国民の皆さんにお示しをして、そして我々が政権をとったら今の情報を全部公開して、したがって、専門家の皆さん、民間でも計算していただけるようにする。そして、国民基礎年金の水準を幾らに置くか。それに応じて、消費税の税率が決まります。しかし、我々はこれにしか使いません、将来増税する部分は。ということを明確に国民の皆さんにお示しをして、政権を選択していただきたいということを申し上げておきたい。

 選挙が終わってから考えますという政党と、どちらが具体的で、どちらが責任ある政党なのかということは、テレビをごらんいただいている国民の皆さんには御理解をいただいていると思います。

 さて、もう一点、(発言する者あり)改革の大きな柱、いろいろやじが出ていますけれども、だったら、きちんと我々がシミュレーションできる数値を出してください。国民の皆さんがシミュレーションできるデータを出してください。そういうデータは全部役所の中で、私は恐らく厚生労働大臣にすら示されていないんだと思いますよ。役所の中で隠していて、都合のいい数字だけ出して、そしてちゃんと野党も計算しろと。できる数字をくれれば幾らでもやりますよ。我々ができる数字を持つということは、民間の方々だってできるわけですから、このシミュレーション、民間の方々が、民主党の案ならこういうことになりますと、きっと計算していただけますよ。しかし、その材料は国民の皆さんに示されていないという実態、これが官僚主導政治だということをぜひ知っていただきたい。

 さて、道路公団の話をさせていただきたいというふうに思います。

 国土交通大臣、道路公団の民営化、賛成だと思いますが、さすがに。道路公団の民営化、なぜ必要なんですか。何の目的でやるんですか。

石原国務大臣 私が国土交通大臣を拝命したということが、すべてを物語っていると思っております。

 そしてもう一つ、今の議論を聞かせていただいてまいりまして、道路公団の民営化は、目的ではございません、手段でございます。

 あくまで、四十兆円という債務を的確に返していくのが第一点。

 第二点は、これから、私はむだな道路はつくらないと申しておりますが、必要な道路もあると思います。必要な道路を一本一本、どういう理由でこの道路が必要なのかということを精査して廉価な値段でつくる、こういうことをやっていく上に今の伏魔殿のような公団という組織では適切ではないということで、民営化の仕組みを採用するというふうに御理解をいただきたいと思います。

枝野委員 そうすると、今、高速道路の計画、全部で九千三百四十二キロあるわけですけれども、全部をつくるわけではない、つくるものとつくらないものが出てくる、まずこういう理解でいいですね。

石原国務大臣 現在、九千三百四十二キロのうち、およそ七千百キロが完成しております。このうち、施行命令が出ていないものが三百キロ弱残っております。また、施行命令が出ておりましても、くいしか打っていないようなものもございます。そういうものを精査していく。この精査の基準になりますのは、道路民営化推進委員会の中で御議論をいただいた、中村先生がつくっていただきました、道路をこれからどう取り扱うかという基準を客観的に皆さん方にオープンにお示しする中で、どの道路をどういう順番でつくっていく、その結果が委員の御質問の答えになってくるものだと承知しております。

枝野委員 だから、あいまいにぼかさないでくださいよ。昔の政治家や古い政治家と違うんですから。

 つくらない部分もあり得るわけですね、今計画されているものの中で、可能性として。いや、つくらないと決めてはいないかもしれない、つくらないものもあり得るということでいいですね。

石原国務大臣 これは、委員、多分知っておって御質問されているんだと思いますが、国幹審という会議がございました。これにはもちろん民主党の国会議員の方々も加入されております。その最後の回の議事録を見させていただきました。過去三回にわたって見させていただきましたけれども、その中で、今の計画をやめようという議論は出ておりません。これが第一点でございます。

 すなわち、これを変更するには、国幹審にかわる国幹会議を開催して、そこの議論を待ち、それを中心に国交大臣が判断をして、どうするということを決めるというのが手順でございます。

枝野委員 ちょうど、きょうは十月一日でして、五年前のきょう、十月一日に、石原さんと一緒に金融再生法を最終合意した日でありまして、大分自民党の政治家っぽくなってこられたなと残念に思いながら今の答弁を伺いましたが、国土交通大臣としてリーダーシップを発揮して、つくらぬものはつくらぬと言うのか言わないのかということを聞いているわけですよ。

 民営化をすることによって、つくる必要のある道路か、つくらない必要のある道路かということを精査するということをおっしゃいました。ということは、今後つくる高速道路は民営化された今の公団でつくっていく、こういう理解なんですか。何か、与党あるいは政府の中では、いや、民営化された公団は民営化された公団でやるけれども、それ以外に税金でつくります、そういう話も出ているようなんですが、そんなばかな話あるんですか。

石原国務大臣 これも枝野政調会長はわかっていて質問されていると思うんでございますが、すなわち、新直轄というものを来年度予算で計上しております。これはどういうことかというと、これまでは道路公団のプールの中で、道路公団という大きなプールの中で、東名高速とか中央高速の高速道路料金を回してつくってきました。小泉内閣ができるまでは、そこに国費も三千億円投入されておりました。これを一切やめたわけでございます。

 そんな中で、しかし、必要な道路、私は必要な道路という言い方をあえてしましたけれども、私のところにも、国土交通大臣になりましていろいろな方が陳情に参りますし、日本全国いろいろなところで、タウンミーティング等々で現場の声を聞いてまいりました。(発言する者あり)陳情というのは、国民の皆さん方の声を聞くのであって、私は必要だと思います。それをやるかやらないかを判断する材料であります。そんな中で、では、何が必要な道路なのか。採算性が合わないから高速道路を一切つくらないということは乱暴な議論だと思います。

 そして、BバイC、受益とコスト、これだけでも不十分であります。やはり、社会的にその地域がどういうところにあるのか。やはり地方の首長さん方からの要求として一番大きいものは基幹病院、すなわち、大きな合併症あるいは先天的な病、こういうもので、その病院に到達するまでの時間距離が二時間、三時間、そういうものを全く無視するような、東京都だけの環状道路をつくればいいんだ、地方の道路はつくらなくていいんだということは私はないんだと思います。

 その結果、この三兆円の直轄道路というものが出てきました。単純に一キロ当たり五十億円で計算すれば、六百キロ。六百キロは、もう既に九千三百四十二キロのうち有料道路じゃないわけです。こういう変化が起こって、こんな中で道路ごとに精査をしていくというふうに御理解をいただきたいと思います。

枝野委員 よくわからないんですが。

 じゃ、何のために民営化するのか。つまり、採算とれなくても必要な道路はつくる、それはそうですよ、そのとおりだと思います。私は否定しません。じゃ、民営化する公団は何なのか。これは要するに採算のとれるところだけは民営化でやる、採算のとれないところは税金でやる、こういうことでないと民営化する意味がわかんないですよね。

 これからつくる道路はほとんど採算とれないですよね。ほとんど採算とれないけれども、だけれども必要な道路だから税金でつくります、この話はわかりますけれども、じゃ、何で道路公団は今までの分を民営化するんですか。

 民営化するということは永久有料化だという話に対して、総理は本会議でごまかされましたけれども、しかし、民間企業にしておいて将来料金を取らなくなるということはあり得るんですか。その民間企業は倒産しますよね。あるいは、民間企業にしてしまった以上は、その民営化公団に対して、もうおまえら料金取るなだなんということを行政指導するんですか。何でやるんですか。

 民営化した道路公団が、どんな料金を取ろうが、それから、永久に料金を取り続けようが、どんな建設をしようが、今ある高速道路は採算とれないからもうやめたと言おうが、民営化するということは民間企業の経済合理性でそういうふうにやるということじゃないですか。どこが違うんですか。

石原国務大臣 これもきっと委員わかって御質問されていると思うんですが、諸外国の例を見れば、私も見てまいりましたけれども、イタリアのアウトストラーデ社、フランスのコフィルート社、どうなっているかといいますと、民営化されております。

 有料道路として料金徴収期間終了後に国へ無償で道路資産を返還する、これがイタリアでございます。フランス、道路整備後直ちに国に道路資産を移管して、契約期間終了後に料金徴収権を失う。

 ですから、民営化しても永久有料であると言うか、一元的な言い方は私は間違いだと思います。

 そして、その前の御質問にお答えするんですけれども、じゃ、なぜ公団じゃなくて民間会社でなければならないのか。それはまさに、公団というある程度行政に近い、行政に近いということは政治にもある程度の距離が近い、そういう企業が、これはわかりませんけれども、巷間言われるような、圧力に屈して、採算性あるいは社会に及ぼす影響性とかそういうものを全く無視して道路をつくり続けるのではないか、こういう疑念を、民間会社であるならば株主が必ず出てまいります、そしてアニュアルレポートも出してまいります、そしてどういう順番でつくっていくのかということが明らかになるわけですから、より透明、合理的になるわけです。そういう形で、歯どめ、厳格な歯どめを行っていくために民営化会社になるということでございます。

枝野委員 一つは、今までの自民党政権では道路公団を管理、コントロールできなかったということを石原大臣はお認めになった。まあ、これは率直で結構なことだというふうに思います。

 それでは、民営化をして、株主ができると言いました。しかし、いつまで料金を徴収できるのか、料金が徴収できなくなったところで、じゃ、その民営化会社はどういう生き残り方をしていくのか、そういうことも示さないような民間会社の株をだれが買うんですか。

石原国務大臣 これももう過去の議論に出ている話ですけれども、PA、SAは今度道路会社の直轄事業になるわけですね。そして、民営化されている、私イタリアのアウトストラーデ社を見てきたと言いましたけれども、道路料金収入よりも副業の方が多いんです。

 どんなことをやっているか。情報通信インフラを使っての道路交通情報を警察に流す。あるいは、PA、SAの周りに大きな開発を行ってそこの利益を上げる。今そういうふうになっているんです。あるいは、ヒースローの空港も見てまいりましたけれども、民営化されて何が変わったか。着陸料よりも副業の割合の方が七割、倍以上あるんですね。

 そういう形で、民間企業であるならば生き残ることは十分可能であると考えております。

枝野委員 いいですか。料金を徴収し続けている間は、その道路はその民間会社のものでしょうから、サービスエリア、パーキングエリアに対して特許的に優遇してもいいかもしれませんが、無料になった瞬間に国のものに戻ったりするんでしょうから、そこでは、その民営化された、そして通行料金収入がなくなったところにだけ特許的にパーキングエリアやサービスエリアを、権限をお渡しするだなんということは、それこそアンフェアですよね。この議論をすると時間がなくなりますから、これぐらいにしておきます。

 そもそも私たちは、民営化をするというのは、もし意味があるんだとすれば、まさに先ほど申しましたが、民間会社だったら採算のとれない道路はつくらないでしょう。採算の合わない道路をつくらないということのために民間会社にして、採算に合うかどうか株主の圧力も含めてチェックしていただく、これならば民営化ということの話も一つはあり得るかもしれない。

 しかしながら、この場合に、本当にその民間会社が、民間の人たちの任意の出資で採算がとれて、株がちゃんと民間で流通するような形にしようと思ったら、将来にわたって経営が安定する形じゃなかったら、だれがその会社の株を買うんですか。今だって、民営化した、民営化したといってJRの話なんか時々出しますが、東日本と東海と西日本は民営化されたかもしれません。しかし、それ以外は、残念ながら地域事情から採算がとれない。僕は、採算がとれなくてもそれでも鉄道事業はちゃんとやるべきだと思いますが、それはそれでいいんですが、北海道などは民営化されていませんよね。株は国が持っていますよね。あんな中途半端なことをやるんだったら、今と何も変わらないですよ。それはもう行革大臣されていますから、特殊法人の中には株式会社もたくさんあります。名前だけ株式会社にしたからといって何の意味もない。

 では、本当の意味で民営化をして採算のとれるようにしようと思ったら、そして株主に買ってもらおうと思ったら、車の通らないような採算の合わない道路はつくらないどころか、やめることまで含めて権限を持たせないと、経営者の自主裁量権がなくなってしまうじゃないですか。そして、民間会社にして株主が全部民間になってしまったら、うちの経営判断としてこんな高速道路は採算が合わないからもうぶっ壊すという判断が出てくるかもしれないじゃないですか。そういうのが民営化というんです。

 しかし、私たちは、道路というのはまさに国が、政治が、だれが使うかわからないんだから、最低限保障しなければならない基礎インフラだと。どこの国でも基本的に道路は無料なんです。だれでもただで通れるんですよ。旅行に来た人も通るかもしれない、外国の方も通るかもしれない。だけれども、全体で、その場所の道路を通っていなくても、田舎の高速道路を通って運ばれてくる野菜や米を私たちも食べているわけです。だれのためのものかわからない。だから、税金を使って国が整備してきている。今イタリアは確かに料金を取っているところがあります。しかし、アメリカの高速道路もドイツの高速道路も、基本的には無料です。

 それで、我々は考えました。民営化してやっていくのも一つの考え方でしょう。しかしながら、例えば東京湾アクアラインを見てください。料金が高過ぎて、あんな便利なところにいい道路をつくっても車は通らないんですよ。本州四国連絡橋を三本もつくってしまった。三本もつくってしまったのは僕は間違いだと思うけれども、現につくられて存在している。ところが、料金が高過ぎて、橋があるのに橋を使わないで船を使っている人たちがいまだにたくさんいるわけです。

 これは、つくってしまったのは過去の政治家の皆さんの間違いです。間違いだけれども、現に存在している国民の資産です。これを民間会社の金もうけのために使わせるのがいいのか、それとも皆さんが使っていただける、道路は無料という原則に戻して、そして有効活用していく。つくってしまったものは今さらお金に戻して税金で返すわけにはいかないんですから。つくってしまったものを有効活用するとすれば、料金を取らないということが本来の原則に戻ることじゃないですか。なぜ私たちはこういう当たり前のことが通用しないのかさっぱりわからないんです。

 ちなみに、道路公団の持っている借金は返していかなきゃなりません。しかし、国のものとして、将来にわたって国の資産として、しかもだれでも国民がただで使えるという道路になるんですから、間違ってつくってしまった分だけれども、それは将来にわたって時間をかけて返していきましょう。何しろ、税金と財政投融資を合わせれば、この国は十一兆円も道路工事に使っているんです。そのうち二兆弱のお金を高速道路の過去の借金の返済に充てれば、これからも必要な道路をつくっていくお金は、財投まで合わせていけば九兆円残ります。税金でいったとしても七兆円残ります。その七兆円のお金を使って道路工事も続けられて、高速道路はただになって、借金を返していける。しかも、特に地方がインターチェンジの数を、出入り口の数を、通行料金を取らないんだったら、もっともっとたくさんつくって、地域に有効活用できる高速道路になっていく。高速道路が今ありながら、使いにくいから隣にバイパスをつくってくれだなんという話がたくさん来ているわけです。こんなバイパスをつくる金を考えれば、今ある道路を有効活用することの方が将来にわたって適切ではないか。

 私たちは、したがって、民営化だなんという中途半端なことをするんじゃなくて、道路は本来みんながただで使える、原則に戻しましょうという提案をしているんですが、石原大臣、どうですか。

石原国務大臣 まず、二点お話をさせていただきたいと思います。

 ただいまの質問の前段のところで、枝野政調会長は民営化という言葉を使われた。しかし、日本の国民の皆様方が、全体が感じている民営化は、やはりJRの民営化が念頭にあるんですね。成田空港の今度の民営化もそうです。営団地下鉄の民営化もあるんです。

 私、何が言いたいかというと、コーポラタイゼーションとプライバタイゼーションというものが、日本の民営化という言葉は同義語として使われているから今あえてそういう質問をされたんだと私は思ったわけですけれども、そういうことになっている。これは物の順序なんですね。

 JRの東を見ても、十五年かかって完全民営化した。西日本に至っては、主幹事が決まっておりますけれども、株式市況の状態を見て、それは高いときに売った方がもうかりますからね、まだ民営化していない。しかし、民営化された会社だと国民の皆さん方は思っている。私どもの考えているのは、やはりJRの民営化、そして株式を放出していく。

 ですから、民営化したといっても、そこから、時代の流れの中でこの株式の売却というものが出てくるということは御十分に御理解をいただきたいですし、公共公物である、どこの国でも、フランスでも、フランスで見てきたんですけれども、やはりゴールデンシェアといって、政府が、今委員が言った懸念にこたえるために、行政権限が及ぶための株主としての権利を持っているわけですね、民営化されたといっても。

 この民営化、どういう形に分割・民営化するかという法案を実は来年の通常国会に御提出させていただきますので、そこで十分に今の議論を深めて討論をさせていただきたいと考えているのが第一点でございます。

 そして、二番目の御質問なんですが、これは、菅代表と小泉総理の議論の中で私もかみ合っていなかったと思います。

 と申しますのは、私も、枝野政調会長、最初は無料化には反対されていたという話も聞きましたけれども、そういう中で出てきたこのマニフェストを見ましたけれども、ざっくりした数字なんですね。九兆円、御存じのとおり、道路の総予算というものがあります。しかし、この中はどうなっているかというと、国でやっているもの、あるいは地方の単独事業、補助事業、三つあるわけですね。皆さん方のマニフェストを見させていただきますと、自動車取得税、これは地方税ですけれども、およそ五千億円弱、これは廃止するとおっしゃっている。さらに、いわゆるガソリン税、揮発油税中心ですけれども、これは三兆円弱ありますけれども、これも一般財源化する。

 そうこうそうこう九兆円から削っていきますと、一体幾ら残るのか。仮に揮発油税と自動車重量税、三兆五千億ぐらい足すとなりますけれども、三兆円という丸い数字にして、九兆円から三兆円引くと六兆円残りますね。六兆円のうち、もちろん、御党は地方分権を推進する、地方の単独事業、道路を全く四兆円つくるのをやめるということはないと思いますけれども、そうすると、残り二兆円。では、その二兆円を高速道路の借金の返済に充てたら、国道はつくらない、そしてまた一兆五千億円の管理費は出ない。ですから、そういうものをお示しいただかないと、この無料化の議論というものは議論にならないんですね。

 それと、私は身をもって反対しますけれども、私の家の近くには中央高速あるいは東名とある。これが無料になったらどんなことになりますか。外の環状道路がない東京、大渋滞。そしてまた、この私たちの住んでいる地面は、環状線は二車線、しかも放射線がない。こんなことになったら大環境破壊になる。そういう議論のデータをぜひいただきたいと思います。

枝野委員 民主党のマニフェスト、第一次集約ですから最終確定版じゃありませんが、一部分だけ読んでいただいて、それはそれで結構なことなんですけれども、私たちは、そもそも、道路特定財源を一般財源化するとは言っていますけれども、では、その金を道路に使っちゃいけないだなんて言っていませんよ。今の計算は、一般財源化した道路特定財源は道路に使っちゃいけないと言っている話で、そもそも議論の前提をずらしていますよ、わざと。

 我々は、道路特定財源を道路にだけしか使えないということでは、例えば、地方分権をしたときには、今道路特定財源のところで地方に行くお金、財源の部分のところは、それは地方で、うちは道路じゃなくてほかのものをつくりたいということがあったら自由にやっていただいてもいいんです。ただ、我々が言っているのは、現実に九兆円の道路予算があるんだから、今と同じ規模でこの道路予算を使い続けたとしても、二兆円分高速道路の償還財源、二兆円弱ですけれども、でも七兆円あるじゃないですか。そこのところをどう使うかということは、それは判断はいろいろあります、特に分権で、地方で何に使うかは決めていただきます。

 つじつまが合いませんので、ぜひそこは言っておきたいというふうに思いますし、我々は、大都市部、首都高や阪神道を初めとする大都市部の渋滞対策のために、そこは料金をいただくと言っています。したがって、首都高だけとは言っていません。したがって、首都高に隣接するようなところで渋滞区間のところは渋滞と環境保全のために通行料をいただく、このことは明確に申し上げておきたい。

 以上申し上げて、終わらせていただきたいと思います。

藤井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。

 この際、菅直人君から関連質疑の申し出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。菅直人君。

菅(直)委員 一昨日の本会議に続いて、小泉総理中心に幾つかの点で意見を申し上げ、また御質問をさせていただきます。

 きょうの午前中の質疑を私もテレビで拝見しておりました。我が党の枝野幸男政調会長、郵政事業、さらには年金制度、そして高速道路の問題、それぞれ我が党の考え方を明確に示しながら小泉政権の閣僚の皆さんと議論をさせていただきました。大変予算委員会らしい、いい議論ではなかったかと思っております。

 特に年金制度については、なかなか国民の皆さんに説明をすることが多少複雑で難しいところもありますけれども、我が党の考え方をちゃんとパネルにしてお示しをいただきました。我が党の、民主党のマニフェストに盛り込むことにいたしております。

 しかし、自由民主党の年金制度改革について、そういう案が出ているというふうには聞いておりません。坂口厚生大臣の私的な案が時折報道されておりますが、それもまだ必ずしも定かではありません。

 きょう朝の議論を聞いていただければ、これまでに、例えば国民年金と厚生年金と共済年金に分かれていたものをすべて包括的な形できちんと提案をしているのは私たち民主党の年金改革案である、このことは国民の皆さんにも御理解をいただけたのではないか、改めて、小泉政権あるいは自民党中心の与党も総選挙を行うまでにはしっかりした案を国民の前に提示していただきたい、このことを申し上げておきます。

 そこで、こうした話の流れの中で、まず小泉総理にお聞きをいたしたいと思います。

 これは総理というよりも自民党総裁としてかもしれませんが、総選挙に当たって、政権公約、これから三年間、小泉政権をもし国民の皆さんが支持されればこういうことをやるんだ、こういう政権公約をいつ出されるのか、出されるおつもりがあるのか、そのことをまずお尋ねしておきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 さきの自民党総裁選挙に際して私が展開してまいりました主張、公約、それに基づいて今党の公約を作成する準備を進めております。

 総選挙については、いつ行うかということについては、私は、この段階で総理として言うべきではないと思っておりますが、そろそろ皆さんがその心づもりをしているということについては理解を持っております。

 来るべき総選挙、そして来年の参議院の通常選挙、一年以内に行われるわけでありますので、私の総裁選において行われた主張をことごとく党の公約にするつもりでございます。

菅(直)委員 ここに二〇〇〇年の自由民主党の党の公約があります。私も改めてざっと読ませていただきました。まさに見事な文章ですね。つまりは、どこにもしっぽをつかまれないように、努めます、努力します、推進します、拡充します、いついつまでに何をやるかということは全く書いてありません。

 ここには、当時の選挙で自由民主党が出された全面広告があります。いいことがたくさん書いてあります。「自信回復」とか「景気回復」とか「国を想う心の回復」とか、それぞれいいことが書いてあります。しかし、これも、まさにこうあるべきだ、私たちを含めてほとんどの人が決して反対ではないことが並んでおりますけれども、いつまでに何をするかということは、残念ながら、端から端まで見ても一つも書いてありません。

 総理は、解散をいつするかはこれから考えるといいましょうか、いろいろ、あうんの呼吸とか言われておりました。まさに総理の専権であります。しかし、少なくとも総理自身は判断ができるんですね。この臨時国会中に解散をされるとすれば、国会の場で、国民の前で正式に議論ができる一番の場が本会議であり、予算委員会であります。まさにこの場で議論をしていることが国民の皆さんに一番伝わるわけです。それなのに、まだ正式なマニフェストを出せない、年金制度という重要な問題についても自由民主党の案がない。まだ解散のことをはっきり言えないからそれは出せないんだという、そういう言い逃れでは済まない、このように思っております。

 そこでもう一点。

 このマニフェストをめぐって、超党派の若手の議員の皆さんが、選挙になったらこれをぜひ国民の皆さんに伝えるため、これまで選挙法上で若干グレーゾーンになっておりました資料配布について認める法改正を行おうではないかという動きがあります。私は、民主党としてというよりも、有権者、国民の皆さんにとってそのことは望ましいことだ、こう考えております。

 自由民主党は、きょうのある新聞の報道によれば、余り自分たちの党に有利にならないからやめておいた方がいいんじゃないかという意見もあるそうですが、まさか小泉総理がそんな意見に加担されるとは思いません。小泉総理として、このマニフェストのいわば配布解禁について前向きに党を指導されるつもりかどうか、見解をお伺いしておきます。

小泉内閣総理大臣 マニフェストと言おうが公約と言おうが、内容は同じだと私は思っております。政権公約を政党同士が国民に向かって訴えかける、これは当然のことであります。この予算委員会の場ではなくて、常に政治と政治家というのは日ごろの活動を有権者から注目されておりますので、政策並びに活動全般を問うのが選挙だと思っております。

 この点については、今国会中で、それぞれの各党各会派が今議論をされている段階だと思います。それぞれの意見を調整されて、しかるべき結論が出ることを期待しております。

菅(直)委員 マニフェストとこれまでの公約が同じであると総理が言われたということは、またこういうものを出されるつもりということなんでしょうかね。

 さっき言いましたように、言葉が違うか違わないかは別として、従来の選挙公約というのは、どちらかといえば、こうありたい、こうしたいということは書いてあるけれども、そのためにいつまでに何をどうする、予算をどうやってつけるという、そういう期限や財源や制度の改革が明確でありませんでした。それを明確にするということで、今このマニフェストの議論がいわばされているわけでありまして、同じものをつくってくれとは言っておりません、違うものをつくっていただかなきゃいけないんです。

 そこで、もう一つ申し上げます。

 実は、二年半のこの小泉政権で、小泉総理の発言を聞いておりますと、私の言うマニフェストに近い公約をよくされております。

 つまり、小泉総理は、歴代自民党総理の中では、割とはっきりと公約されますよね。つまりは、こういう抽象的な努力目標じゃなくて、いついつまでにこうします、こういうはっきりした目標や具体的な案を出されていると思います。

 ですから、同じものを党の公約として出されることを期待しておりますが、ただ一つ、その小泉総理が約束した公約を守る保証があるのかどうか。これまで多くの公約を、まあ大したことはないといって、平気で破ってきた人でありますから、あえてお聞きをいたしておきます。小泉総理は、これまで破り続けた公約を今度は本当に守る気なんだ、そういうお気持ちがあるならば、国民の前でしっかりとその決意をお述べいただきたい。

小泉内閣総理大臣 私は、今まで、公約について守ってきたつもりであります。経済社会情勢については、大胆かつ柔軟に対応してきたものもありますし、公約の基本路線は守ってきたつもりでございます。

 これからも、公約について、各党それぞれ違いを出すということはいいことだと思っております。政党によって、期限を区切って明らかにする、額もはっきり示すということは、それぞれの政党によってどういう違いを出そうかというのは、政党独自の判断だから尊重します。

 自由民主党は政権をとっております。毎年、予算編成によって具体的な財源も項目もはっきり提示して、実績を積み重ねておりますので、そういう点も含めて国民は判断してくれるものと思っております。

菅(直)委員 そうすると、政権を持っていれば公約をする必要がないと聞こえますよね。つまり、毎年予算をつくっているんだからそれでいいじゃないか。つまりは、選挙のときに来年度の予算案が出ているんですか。

 この十月に解散するとして、一昨日の本会議でも、四兆円の補助金については来年度の予算の中で盛り込むと言われました、その削減について。しかし、まだ予算案は出ていません。つまりは、白紙委任をしろということなんですか。それが、これまでのこういう公約という名の白紙委任の要請なんです。

 それに対して、今回は、白紙委任ではなくて、それぞれの党が党首、つまり総理大臣候補を含め、あるいは総理大臣御自身を含め、党の中で一致した形で公約をできるかどうか。昨日、参議院で、上杉自民党議員の方から、郵政や道路についての民営化について、何か急ぎ過ぎではないかという発言があったと聞いておりますし、青木参議院幹事長は、従来から反対だと言われております。

 果たして、自民党のすべての衆議院候補とともに、現職参議院の皆さんも、よし、これでいい、こういう形の、あえて横文字をやめるとすれば、政権の公約、公約を出すことができるのかどうか、もう一度きちっと国民の前でお答えください。

小泉内閣総理大臣 公約はきちっと出します。そこで方針として、例えば、期限を区切ったものとしては、来年の国会に年金改革法案を出すということははっきり示しております。年内に取りまとめるということもはっきり申しております。道路公団民営化の法案も、来年に提出すると言っております。郵政民営化も、来年秋までには民営化案を取りまとめ、十九年から民営化できるような法案を出すとはっきり明示しております。

 そして、中身でありますが、これは、国会議員多数おります。これからいろいろ議論していけばいいものであって、すぐ、選挙時だけに全部はっきり明示できるものと明示できないものがあるというのは、御承知だと思います。

 議員は、すべてのことについて、四年間、それぞれの信託を受けて、大筋の方針のもとにそれぞれ議論をすることがありますので、そこはやはりお互いの政党の主張、個人の主張、そういうものを勘案しながら、選挙民の信託を受けてよりよい案をまとめていくのが政党だと思います。

 中には、同じ政党の中でも意見の違うのがあると思います。それはそれとして、選挙民から審判を受けている議員でありますから、それぞれの主張を調整していく。中には、自分の意見とは違ったものが党の公約になる場合も、自民党も民主党もあるでしょう。しかし、大枠の中では、決まったことには大勢に従っていくというのが、これは政党政治の基本だと思います。

 その点は、どういう問題について具体的な時期を明示するか、財源を明示するか、大枠を打ち出すか、それは各党の判断にゆだねて、それを選挙民がどう判断するかだと私は思っております。

菅(直)委員 今、総理が言われたのは、いついつまでに法案を出すつもりだ、中身については一切触れられておりません。

 では、その法案を出す前にもう一回衆議院選挙でもやるというんであれば、それで国民の皆さんに判断をしてもらうということもあるかもしれません。しかし、これで政権を維持するとすれば、総裁任期でいえば少なくとも三年は政権を運営されるおつもりでしょう。そのいわば初めての衆議院選挙に当たって、中身は言えないけれども、選挙が終わって政権が維持されたらいついつごろ出しますよということだけ言ったから、これで公約になります、公約というのはそういうものでしょうか。

 私は、これは私たちだけではありません。別に党利党略だけで言っているわけでは全然ありません。つまり、国民の皆さんが、この二大政党に近い形で政権交代を争うときに、どちらの政党が政権をとっても、大きい課題についてはこうする、この約束を見て判断しようとされることができるためには、少なくとも大きな課題については内容を含めた公約が必要だ。いつごろまでに出しますと言ったんでは、白紙委任をしろと言っているのと違いないからであります。

 そこで、さらにその前提として申し上げます。

 野党のマニフェストと与党のマニフェストは少し性格が違います。与党は、あるいは小泉総理は、二年半政権運営をされているわけですから、その中で何をやったかという、いわば自己評価、自己検証が必要です。私たち民主党は、残念ながら、現在、野党の立場ですから、自分たちが主張したことがすべて実現はできておりません、政権を持っておりませんからね。

 そこで、私が二年半の小泉改革を私なりに検証してみて、幾つかの特徴があります。第一に、大変官僚に弱い、中央官僚に甘い改革だというのが第一点。第二点は、弱肉強食型の改革だ。強い人がもっと強くなること、これは場合によっては必要な場合があります。しかし、弱い人に対して、本当にその痛みがわかった改革にはなっていない、こういう感じを強く受けております。

 少し具体的に申し上げてみたいと思います。

 本会議で、私が、事務の官房副長官の選任に当たって、霞が関のおきてに従ってまた旧内務省系の役所の事務次官経験者をそれに充てられた、結局は霞が関のおきてどおりですね、こういうふうに言いましたら、適材適所とかそういうことを言われておりました。本当に総理は、内務省関係以外の人も含めてだれにしようかと考えて、そして選ばれたんですか、それとも内務省関係者の中のいわば推薦を受けて決められたんですか、どちらですか。

 ちょっと後ろから福田さん、この問題は総理が決められたんでしょう。福田さんが決められたんなら福田さん答えてください。

小泉内閣総理大臣 今の御質問は、官房副長官のことですか。(菅(直)委員「そうですよ、事務の」と呼ぶ)この点につきましては、総合的に考えまして適材を起用いたしました。

菅(直)委員 ですから、今申し上げたように、適材を採用されたというのはお聞きしましたから、その適材というのは、幅広く、内務省関係以外の人も含めて、あるいは官僚経験者以外も含めて選択をされたのか、その結果、偶然に内務省のいわゆるトップ経験者になったと言われるのか、それとも霞が関のおきてに従ってそうされたのか、そこをお聞きしているんです。

小泉内閣総理大臣 小泉内閣が必要な施策を進める上で、識見も信望もある適材を起用いたしました。

菅(直)委員 結局、こういうところに、人事にたけた総理でありますけれども、しかし、官僚のいわばトップ中のトップとも言われる人事については、そういうみずからの指導力が発揮された気配は全くありません。官主導、官僚主導政権そのものだということが、少なくとも見る人が見ればわかると思います。

 あえてもう一つお聞きします。

 総理大臣秘書官というポストが、一応形式上五人決まっておりますけれども、法律では三名になっておりますが、二名はいわば事務取扱だと思います。その五人のうち四人もが財務省とか外務省の出向のお役人からなっている。歴代の総理がそうであります。私は、細川政権以来、その近くに時折出ていって、何だかおかしな感じがしておりました。

 つまりは、将来事務次官になる可能性の高い優秀な官僚の方が総理の秘書官というある意味では最も身近なところにいるということは、まさに官僚支配のもう一つの実は実態ではないでしょうか。このことに違和感を感じられたことは総理はありませんか。

小泉内閣総理大臣 違和感を感じたことは全然ありません。

 極めて優秀な秘書官に囲まれて私は恵まれているな、小泉内閣の方針に従って忠実に各役所等に指示を与えてくれる、また、それぞれの情報を私に入れてくれる、まさに政治が官僚を指導していく、そのための手足となってよくみずからの能力を発揮して、忠実に私の仕事を手伝ってくれると、よき人物、秘書官に恵まれたなと私は感謝しております。

菅(直)委員 本当に、国民の皆さんによくわかりやすかったと思いますね。本当にわかりやすかったと思います。私は、率直に申し上げて、違和感を感じますね。

 私がもし同じ立場に立ったら、少なくとも、秘書官をやってすぐ自分の役所に戻るという人を秘書官には任命しません。それでは官僚主導になってしまうからです。

 本会議でも申し上げましたが、私は、官僚一人一人の人の能力を決して疑うものではありません。戦前の陸士、海兵を出た優秀な職業軍人、地域でも最も頭もいい、体力もある人がそういう人たちになりました。しかし、組織として陸軍、海軍は、御本人たちもそうでしたけれども、日本だけではない、多くの国々の人たちを死に追いやった、大きな間違いを犯しました。今の官僚組織も私はそう思っています。

 我が党にも官僚出身の優秀な仲間がたくさんおりますし、次の選挙でも我が党から若手が何人も立候補する準備をしてくれております。

 しかし、組織になったときに何が間違っているか。ただ一点です。ただ一点。それは、国の利益や国民の利益よりも自分たちの役所の利益、天下り先の利益、そしてそれとつるんだ族議員の利益を優先する、この一点が間違っているわけでありまして、そういった意味で、総理が、最も適任者が秘書官に、周りにいてうれしいと言われているのは、今の官僚主導政権が心地よいということと私には聞こえましたが、国民の皆さんの御判断に任せたいと思います。

 そこで、もう一つ申し上げておきます。

 よく小泉総理は、特殊法人に対して補助金をカットしたとかいろいろ言われますけれども、例えば、先日も、ある国立大学の学長とお会いいたしましたら、国立大学が独立行政法人になったときに、それぞれの大学に二十名からの官僚の皆さんが事務官として入ってくる、せめて十人ぐらいにしてもらって、あとの十人は、教授、助教授のいわばサポートをする、そういう秘書業務の人をそれの費用で充ててもらえるといい。まあ、竹中さんは大学におられたから、そういう大学の雑務が、私立もそうかもしれませんが、国立では大変多いそうです。その学長、理科系の学長でありましたけれども、七割、八割、一般の人でも六割ぐらいの仕事が大学の管理運営の仕事だと言われておりました。

 しかも、なぜそんなに多いかというと、官僚の天下った皆さんが、形式、教授会が決めたという形をとるために、たくさんの会議をセットするんだそうであります。ですから、会議から会議に追われていて、学生を教えたり研究をする時間が半分もとれない、これが実態であります。

 幾ら小泉総理が名目的に特殊法人の費用をカットしたからといっても、この独立法人等に振りかわっただけで、天下りも振りかわっただけで、効果が出ていない、私はそう思いますが、総理、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 一部に、独立行政法人に変わって、現状が大分変わって戸惑っている方もおられると思いますが、全般的に見れば、これは近来にない大改革だと評価される方もたくさんおられます。

 管理職的な立場に立ちますと、すべて研究職に没頭するわけではございません。政治家でもそうだと思います。政策活動だけではありません。選挙区の活動、地元の方々のいろいろなお世話、社長と小使を兼任しているようなのが各議員の立場じゃないでしょうか。できれば政治活動に専念したいと言われても、そういうわけにはいかないのがそれぞれの立場の方なんです。

 私は、そういう点も考えて、研究者だったらば研究に没頭したいという方もおられるのは結構です。自分は学長に向かないな、むしろ研究者、管理職的な立場に向かないなと言われる方もおられるでしょう。しかし、学長になれば、研究だけあるいは教育だけという立場に立っていられないのも事実であります。それぞれの持ち味というのがございます。

 そういう点で、今回、独立行政法人に変わって、大変革でありますので、戸惑ったり不安を持っている方もおられると思いますが、これは時代の流れで、より大学に自主性を持たせるという観点から高く評価されている方もたくさんおられるということもまた御理解いただきたいと思います。

菅(直)委員 やはり総理は余り実態を御存じないようですね。私が話を聞いたのが学長ということであって、私が申し上げたのは、一般の教授、助教授がそうだと言っているんです。

 そして、まあ私も、大学の後輩などでアメリカの研究所なんかに三十代で行っている人たちの話を聞くと、本当にそういう研究職の人には、若くてもアシスタントがついて雑務的なことはきちっとやってくれる。まさに日本が技術立国と言われることを考えれば、そういう実は……(発言する者あり)今、お隣から予算が違うと言われましたけれども、予算も重要。しかし、幾ら予算をつけても、そういう若い、能力が最もある人たちまでもが、いわば、一々パソコンを、細かく書類をつくるために何度も何度も打ち直さなきゃいけないという、これは現実ですからね。聞いてもらえばすぐわかります。おわかりでしょう、皆さんも。そういう実態があるということを申し上げているので、ただ形をつくったからそれで物事がよくなっていないということを申し上げております。

 そこで、もう一点、特に申し上げておきたいと思います。

 私は、この小泉改革が弱肉強食だということを申し上げた一番大きな理由の一つは、やはり中小企業に対して非常に厳しいですね。きょう午前中の質疑の中でも、これは与党でしたか野党でしたか、中小企業経営者の個人保証、連帯保証を見直すようにという議論がありました。

 私も、大変近い後援者の一人が、バブルの時代に、銀行に勧められて、敷地が大きかったものですからマンションを建てた。それで、マンションに事務所が入って全部返せる計画だった。それが大幅に値下がりして返せない。とうとうそれを全部持っていかれてしまう。自分よりも、年寄りの親が二人いて、もうにっちもさっちもいかなくなって、私も弁護士さんなどを紹介していろいろフォローしていたんですけれども、最後は町金に手を出して、そして残念ながら命をなくされました。

 そういうことを身近に見ていると、何か小泉総理の言う痛みに耐えてというのが、本当に痛みがわかって言っておられるのか、いや、マーケットに任せていれば強いものがどんどん伸びて、そして元気になるんだ、弱いものは仕方がないんだ、そういうふうに聞こえてならないんですけれども、総理は、本当にそうした中小企業の皆さんの実態を御存じで言っておられるんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 私は、中小企業、いろいろな方々の御意見を聞いておりますし、国会の審議におきましても、与野党の議員の皆さんからもその苦衷なり苦心のところをよく伺っております。

 改革を進めていく上において、中小企業政策の重要性も私はよく理解しているつもりであります。今言われたような本当に厳しい事情にあって、苦境に陥っている方の話も聞いておりますが、こういう現状に対しまして、少しでも中小企業の方々が、今までの手法からもっと柔軟に、いろいろな現状を打開するような手だてを講じてくれという話に対しまして、私は積極的に対応しているつもりでございます。

菅(直)委員 もう一点、所信表明の中に、総理はプライマリーバランスの二〇一〇年初頭のいわゆるバランスの回復ということを述べられておりました。たしかこの表現は二年半前の骨太方針などでも、あるいは見通しの中でしょうか、入っていた同じ表現ですよね。二年半前からだんだんといわゆる財政再建の方向に進んでいって、そして二〇一〇年代初頭にそれを、いわばある目標である、一応の健全化の指標であるプライマリーバランスを回復するということに近づけるんだ、これが二年半の総理のいわば公約でした。

 しかし、それから二年半の間、五合目から十合目の頂上に向かっていたのが、今六合目まで来たから、予定どおり十合目に行くのに二〇一〇年初頭になるというんだったらわかります。しかし、五合目から、この二年半の間、上に上ったんですか。それとも、プライマリーバランスからいえば、バランスがますます崩れていく、下に落ちていったんですか。どちらでしょうか。

 先日、予算委員会で使ったこの同じ表でありますけれども、当初は、プライマリーバランスという、なかなか一般の国民の皆さんにはわかりにくいですけれども、一定の健全化指標に対して、現在、二〇〇一年でまだ二十一兆円のギャップがあった。これは認められましたよね、そのとき。そして、だんだんと減っていく予定だったのが、二〇〇二年には二十一兆が二十六兆五千億、二〇〇三年の当初予算では二十六兆九千億まで逆にバランスからより乖離している、離れてきているわけです。

 この最大の理由は、税収が、総理が就任したときにほぼ五十兆、五十一兆程度あったのが、総理の経済政策の間違いで四十兆にまで下がってしまったために、その穴埋めに国債を、みずからの公約を破らざるを得なくなった。みずからというのは、もちろん小泉さんですよ。

 そして、つまりは、五合目から十合目に向かっていたのが、五合目から四合目まで落ちちゃった。しかし、最後の目標だけは変わらない。こんな手品のようなことができるんですか。つまりは、二〇一〇年といえば自分の任期がとっくに終わっているから、目標を変えたら、それ見ろ、変えたと私などに言われるものだから、まあ、大分先の話だから同じ言い方をしておこう、こうだとすれば、こんな無責任な話はありません。

 では、逆に、これだけ下がっていながら、つまりは差額が大きくなっていながら、なぜ同じ目標でいけるのか。では、来年から消費税でも大きく引き上げるというのなら、いい悪いじゃないですよ、いい悪いではなくて、まだ理屈がある程度見通せますが、いや、自分の間は消費税は上げません、何も上げません、しかし、プライマリーバランスだけはちゃんと目標値に達します、こんな手品のようなことを公約に書かれておりますけれども、どうやってここまで下がったものを同じ目標値でいけるのか、わかりやすく説明してください。

小泉内閣総理大臣 後ほど竹中大臣から詳しいことはお話しされると思いますが、私は、このプライマリーバランスを回復する、黒字化するということは、今後の財政規律を維持することで大変重要なことだと思っていますし、今までもその方針というものに近づけるべく、いろいろ努力してまいりました。

 しかし、率直に申しまして、五十兆円の税収があるならば、国債の発行は三十兆円以内でおさまるはずだと。それは、経済は生き物であります。だから、当時民主党が提案されました三十兆円枠を法律で縛れということに対して、いや、もっと柔軟に対応した方がいいから、法律で縛るということに対しては、私はお断りいたしました。

 結果的に国債が三十兆円枠におさまりませんでしたけれども、今の状況で増税するような環境でもないということから、国債増発に踏み切りました。現在も政府の見通しについて非常に厳しい見通しだということは、私も理解しております。

 しかし、こういう厳しい中でも、一般歳出に対しましては、今後、実質的に前年度以下におさめていこうという努力を続けております。あれをふやせ、これをふやせという要求の中で、ふやすべきところはふやす、減らすべきところは減らさなきゃいけないということで、この重点的な歳出改革によって、プライマリーバランス黒字化を目指していく努力は続けていかなきゃならないと思っております。

 もとより、十年近く先をはっきり見通すということは確かに難しいことだと思いますが、今後、行政改革、財政構造改革あるいは規制改革を断行することによって、私は、経済の実情も好転していく、そして二〇〇六年には二%を超える名目成長率に持っていきたいという改革を今進めているわけであります。

 そういう中で、現在も経済情勢というのは刻々変わってまいりました。株価一つとっても、予想は困難であります。下がると言う人もいれば、上がると言う人もいる。実体は後になってみなきゃわからないわけでございますが、企業収益におきましても最近ようやく明るい兆しが見えたということは、公的資本形成が少なくても、民間主導で業績が上がって設備投資をふやしていくという状況も見えております。

 そういう中で、私は、この歳出改革を進めることによって、この黒字化、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを黒字化していく目標のもとに、予算編成なり改革を進めていくことが必要ではないかと思っております。

菅(直)委員 言葉がなかなか国民の皆さんに説明が難しいプライマリーバランスでありますから、今の小泉総理の答弁がいかにインチキであるかということもわかりにくいところがあるかもしれません。

 しかし、少なくとも小泉総理は、経済は生き物であると、まさにそのとおりです。その生き物であることを前提としていろいろな施策を考えて、五十兆円なりの税収見通しを立てて、三十兆の国債でおさめて、そして健全化の方向に進むというのが、二年半前のあなたの公約なんです。その生き物の制御に失敗したんです。失敗して、五十兆ではなくて四十兆しか税収がなくなったから、ますます借金をせざるを得なくなった。つまりは、ますます借金依存が二年半前よりも大きくなった。そう悪化をしたにもかかわらず、目標だけが変わらない、こういう手品のようなことは、だれが考えてもできないんです。それを国民に対してはあたかもできそうな形で説明をされるというところにこの小泉公約のいわば欺瞞性があることをはっきりと申し上げておきます。

 そこで、最大の問題は何か。

 私たちも、政権を担う段階ですぐに財政規模を縮小して緊縮財政に移っていいとは思っておりません。二%程度の名目成長率が定着するまでは規模は縮小できないということを本会議でも申し上げました。

 しかし、中身は根本から変えることができます。中身は、今のような、各役所が縦割りでボトムアップで決めていって既得権益を守るような予算編成を根本から変えます。内閣の中に予算のための小委員会をつくって、まず大枠を決め、その中から各役所の仕事やお金の分担を決めていきます。ボトムアップではなくて、予算こそ総合的なところで、内閣自体の力でつくらなければいけないわけですけれども、このやり方では、今までのやり方を踏襲する限りは、せいぜい前年度比三%カットとか、そんな程度の変化しか望めないことは、もう皆さんもよく御存じだと思います。

 それに加えて、大きな大きなむだが生じるのが、国からひもがついた形で地方に流されている補助金です。

 ある村の村長さんが、圃場整備で何と九割補助金が来て一割が村の費用でやる事業であっても、村単独で一割の費用でやった方が村人のためになるということを、具体的にテレビなどで述べられておりました。つまりは、九千万の補助金で、一億円で事業をやって、何か大きな水路をつくる工事を村の外の事業者に頼むよりも、農地を持っている農家自身が、自分たちが持っている農作業の道具を使ってつくれば、一割の一千万でできる上に、手間賃は自分たち自身がもらうことができる。もちろん大きさは小さいけれども、自分たちの田んぼや畑にちょうど適切だと。

 井上大臣などは農林水産省でそういうお仕事をされていたわけですから、実態をよく御存じだと思いますけれども、つまりは、こういう国から地方への補助金が大きなむだを生んでいるというところから、せんだっても二十一世紀臨調の知事の皆さんが、県経由の、県を通しての補助金の九兆のうち約八兆円を直接財源を移してくれという要請を、多分これは自由民主党にもされたと思います。我が党にもありました。

 我が党は、その提言を受け入れて、県を通す補助金ばかりではなく、市町村に直接行っている補助金も含めて、国からの地方自治体に対するひもつき補助金を、原則として全部、当初は例えば一括交付金という形もありますが、将来は財源ごと移していく、こういうことを、これもマニフェストに盛り込むことにいたしております。

 総理は四兆円についてのみ先日も言われましたけれども、結局のところ、今申し上げたような農業土木などを含めた公共事業にかかわる問題を含む、すべて合わせれば二十兆円、地方への補助金があると理解をしておりますが、その全体の改革、つまり、国の形を中央集権から地方分権に移していく、この改革を進めるつもりが総理には余り本気でないんじゃないでしょうか。

 私は、そのことが実現すれば、例えば保育所とか介護保険のいろいろな施設とか、そういうものも、少なくとも知事や県議会の皆さんが望めば、もっともっと迅速に、基準も場合によっては緩和してでも、それを拡大することができ、働く女性の皆さんが育児や介護のために仕事を追われるようなことも、私はもっと少なくなる。画一的に国が補助金でやるからこそむだなことがふえるし、そうした地域に合わせた、きょうの朝の保育所も、一方では足らないけれども一方では余っているなんという話もありましたが、そういう形になってしまうんじゃないでしょうか。

 総理に、本当に国の形を地方主権の形に変えようという意欲をお持ちなのか、お持ちなら、どういう形でやろうとしているのか、はっきり説明をいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、地方にできることは地方にという方針を具体化しようということで、三年間で約四兆円の補助金を削減していこう、そして、地方の交付税あるいは税財源の移譲というものを進めていくということで、方針を示しました。今後、この手順なり項目につきましては、十二月の予算編成に明らかになると思います。こういう方針というのは、必ずや地方が意欲を持って取り組む環境をつくっていくことにつながると思っております。

 知事会の意見もよく聞いております。また、同じ県の中で知事の意見と市町村の意見とは違うところもあります。市町村会の意見も聞かなきゃなりません。

 そういう点も踏まえまして、それぞれ、民主党も案をお持ちでしょうから、私は、できるだけ地方にできることは地方に任せていくことがいいなと。そういうことが今までなかなか難しかったものですから、補助金、交付税、税財源、一体で取り組もうということで、現実に方針を出してそれを進めようとしているわけでありますので、地方にできることは地方にという趣旨で、今後も改革を進めていきたいと思っております。

菅(直)委員 地方にできることは地方でやれるように、ひもつき補助金を実質上全部移したらどうですかというのが私たちの提案だと言っているのに、四兆円を三年間で削減して移譲する、半分削減したら二兆円しか移譲しないことになりますよね。

 二十一世紀臨調に集われた、私は改革派だと拝見しておりますが、その知事さんたちが自民党にも要請されたでしょう、総理。それに対しては、できませんとお答えになったんですか、それともお答えになっていないんですか、どちらですか。

小泉内閣総理大臣 今後よく検討して、地方にできるだけの裁量権を拡大していこうということでございます。

菅(直)委員 こういうのがマニフェストに当たらない表現ですよね。最善を尽くすとか、後の予算を見てくれとか。結局、項目まですべて具体化してその皆さんが要請をされた中で、何一つ答えていないわけであります。

 そこで、この問題はまたこれからの他の議員の皆さんの議論にも任せるとして、外交、安全保障について少しお話をしたいと思います。

 特に、イラクと北朝鮮の問題についてであります。

 私は、イラクの戦争はまさに大義名分なき戦争であったと思います。総理は、大量破壊兵器が独裁国やテロ組織に拡散するおそれがあるからということを大義名分にしてアメリカの武力行使に賛成をされました。そして、最近、CIAが大量破壊兵器は見つからずという報告書を出す、こんなふうに報道されております。

 総理は、二カ月前の通常国会では、いや、見つかるはずだ、このように答弁されております。総理は今でも、この大量破壊兵器がこれから見つかる、そう信じておられるんですか。またあのフセイン元大統領が見つからないからみたいな詭弁で逃げようとされるんでしょうか。

 はっきりとこの点については、まさにイラクの戦争に対する、小泉政権のスタートの、国民に対する、いわば賛成をした根拠でありますから、国民の皆さんにきちっと説明をしていただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、いずれ見つかると思っております。

 現に、過去、大量殺人をイラクは行っております。化学兵器、大量破壊兵器、自国民に対してフセイン政権は行って、既に数千人あるいは数万人と言われる遺体なり遺骨が出てまいりました。そういうことから、私はいずれ大量破壊兵器は見つかると思っておりますし、今回のイラク戦争も国連憲章にのっとって支持したわけでありますので、私は、その点につきましては、民主党の菅さんの意見とは違います。

菅(直)委員 アメリカの中でも、イギリスの中でも、この問題では、どうも大統領やブレア首相の国民に対する開戦当時の説明が少なくとも正確ではなかったんではないか、こういうことで大変な反発が起きております。我が国は、小泉総理の説明が大変うまいのか、それともその言葉のマジックに乗せられているのか、必ずしもそういう動きが大きくなっておりませんけれども、私は、今の説明は全く説明になっていない。

 イラン・イラク戦争当時のイラクは、多分アメリカも応援をしていた時代だと思いますけれども、確かに大量破壊兵器を持っておりました。そして、その後湾岸戦争があって、さらにいろいろな時期がありますけれども、査察も行われ、直前にはかなり厳しい査察も行われて、そして、さらなる査察をやるべきだという我が党の主張に対して、総理は、もう戦争を始めることに賛成だと言われたという経緯があります。それを全部飛ばして、湾岸戦争のずっと前にあったから今でもあるんだと言われるのは、私は説得力に欠けていると思いますが、この点は国民の皆さんに判断をしていただきたいと思います。

 そこでもう一点。このイラクの戦争で劣化ウラン弾が使われたと言われております。放射能被害が出ているんではないか。私も広島でイラクの現地から来られた医師にお会いをいたしました。この点について、総理はどういうふうに考えておられますか。

川口国務大臣 劣化ウラン弾につきまして、アメリカ軍のブルックス准将が、アメリカ軍は少量を持っているけれども、それをイラクで使ったかどうかということについては何も言っていないということでございます。

 それで、政府といたしまして、アメリカ軍に対して、米政府に対しまして、それを使ったかどうかということの問い合わせをいたしました。何回かいたしましたけれども、それに対しては、米軍としては、ブルックス准将が言ったように、米軍は持っているけれども、それは少量であって安全性に問題はないと考えている、それをイラクにおいて使ったかどうかということについては言わないという回答を得ております。

菅(直)委員 今のは答弁なんですか、何ですか。単に事実関係の説明だけじゃありませんか。

 劣化ウランというのは、総理は御存じですか。私も調べてみました、話を聞いて、電力会社の人からも。ウラン鉱から、原子力発電所とかそういうものに使えるような、いわゆる燃えるウランを抽出した後のウランのことを劣化ウランと呼ぶんだそうであります。そしてこれは、ウランというのは大変原子量が高いですから、比重が重いわけですね、その重いウラン鉱を使って、ウランという金属を使った砲弾だ。

 一般的には、単にあるだけではそれほど放射能は強くないそうであります。多分、アルファ線だと聞いておりますけれども、余り飛ばないそうでありますが、弾頭として戦車に当たったとき、それが高熱を発して、いわば気化状態になって、空中に飛散して体の中に入る。そうすると、体の中に入った放射性物質は、外にあるものと違って、長年内側から放射能を体に与えますから、それでいろいろな被害が出ている。このように、少なくともイラクのお医者さんや、日本でもそういうことに関心を持っている方は言われておりました。

 先日も、あるテレビ報道で現地の報告を、私もそれも拝見しました。お会いをしたのはもっと前ですけれども、イラクの方にお会いしたのは。広島で、あの原爆の記念碑で私はお会いをいたしました。

 核兵器そのものでは全くありませんけれども、しかし、日本において、この被曝という状況は核兵器と似たようなことがあります。ぜひ総理にも、しっかり関心を持って、単に米軍が使ったかどうかはっきりしないという報告を外務大臣にさせるのではなくて、もしそういうことであれば、それは日本も、それこそイラク支援の一環として積極的に取り組むんだぐらいのことは言ってほしいなと思って申し上げたところであります。

 そこで、さらにお聞きします。

 ブッシュ大統領が今月来日をされると聞いております。総理は、その来日のとき、あるいは来日までに自衛隊のイラク派遣を決めるおつもりですか。

 私たちは反対しましたが、法律はもう既にできています。当初は十月にも派遣すると言われておりました、当初はですね。しかし、最近は、選挙への影響を考えて、選挙前には派遣しない、あるいは現地状況が厳しいから派遣しないと聞いておりましたが、また、アメリカのいろいろな要請が強まって、やはり行かざるを得ないだろうといった声も聞こえてきます。

 総理として、みずからこの場所で、非戦闘地域について、あれだけ元気よく、雄弁とはあえて申し上げませんが、答弁をされた中で、強行して通されたこのイラク支援法に基づく自衛隊派遣をやられるつもりですか。

 私たちの姿勢は先日の本会議でも申し上げました。少なくとも、先制攻撃を加えて占領している米英占領軍に対して、その占領軍に後から参加するような形のイラク支援法に基づく自衛隊派遣には絶対に反対です。

 しかし、人道支援という問題での費用負担は従来からあり得ると申し上げておりますし、また、間違った戦争であったと思いますが、それでもフセイン政権を倒した以上は、それにかわるイラク人による政権を、国連との協力のもとにいち早くそれを回復すべきだ。そういうイラク人が主体となった政権や国連からの要請があった場合には、私は、PKOあるいはPKF、あるいはそういうものを前提とした人的貢献、人的支援も前向きに検討していい、このように考えております。

 このことを申し上げ、総理は自衛隊派遣について、国民の皆さんが一番心配されていることですから、はっきりとお答えをいただきたい。

小泉内閣総理大臣 イラク支援法に基づいて、自衛隊派遣が必要だと思ったら、自衛隊を派遣いたします。政府職員が必要だと思ったら、政府職員も派遣します。民間人が必要だと思ったら、民間人でできる方があれば民間人も行っていただきます。

 日本にふさわしいイラク人の人道復興支援、イラク人のイラク人による政府の国づくりに日本として努力を続けていきたいと思っております。

菅(直)委員 というのは、今の答弁はどういうことですか。たしかあの法案のころは、派遣が必要だから法律をつくるんだと言われたはずですが、今はあれですか、派遣が必要なら派遣すると。

 では、派遣が必要でないかもしれない、しかし法律だけつくったということですか、総理。

小泉内閣総理大臣 私は、あの法案の審議の最中にも言っております。イラク復興支援、人道支援のために自衛隊を派遣しなければならないという法律ではない、自衛隊を派遣可能ならば派遣できるための法律だということを法案審議の最中からはっきり言っております。そこを間違えないでいただきたい。何でもかんでも自衛隊を派遣しなきゃならないという法案じゃないんです。

 一般の人よりも自衛隊がすぐれた能力を持っております。できないことでも、自衛隊ができることがあったらば、イラクの復興支援のために、人道支援のために派遣することがいいという状況ならば、私は、自衛隊を派遣します。

菅(直)委員 こういうのを普通は法匪と言うんですけれどもね。確かに法律はそのとおりになっています。ただ、わざわざあれだけの反対を押し切って出されたのは、必要だと考えるからそういう法律をつくられたというのは、そういうふうに国民は受けとめるのは当然じゃないですか。それは、必要でも初めからないんであれば、法律をつくる必要がないわけですから。

 そういった意味で、我が党の修正案も、御存じのように、自衛隊の派遣を外した形の法案ならいいですよということを申し上げました。しかし、あえて自衛隊派遣を含む法案をつくられたわけですから、そういった意味で、国民の皆さんに対してミスリードしちゃだめですよ。幾ら防衛庁長官が首を振ったって、そういう詭弁で逃げようと思ってもだめです。

 ですから、あえて申し上げますけれども、そうしますと、総理は、例えば今回ブッシュ大統領から要請があったときには、そのとき改めて検討するということですか、自衛隊の派遣について。

小泉内閣総理大臣 私は、ブッシュ大統領との会談におきましても、日本としていかに協力できるかというのは、日本が独自に考える、主体的に考えるということをブッシュ大統領との会談でもはっきり申しております。そういう観点から、日本にできることを行う。

 今、菅さん言われましたけれども、自衛隊の派遣には反対だ、人的貢献には派遣には反対していないというようなことを言われましたけれども、自衛隊が派遣すると危険で、一般の民間人の方が派遣されると危険でない、(発言する者あり)そういうケースもあるでしょうし、逆に、自衛隊だったらばより安全に十分な活動ができる、一般の民間人ではできないという分野もあると思います。

 私は、そういう面で、日本にふさわしい貢献をする。何も、戦闘に参加しなさいというための支援法案ではありません。イラク人の復興人道支援のための活動でありますから、自衛隊であろうが民間人であろうが政府職員であろうが、日本にふさわしい貢献をする。人に言われてやるものじゃありません。日本が国際社会の中で責任ある一員として何が必要か、日米同盟、国際協調、この重要性をよく考えて、日本として主体的に判断したいと思います。

菅(直)委員 ですから、その主体的な判断をお尋ねをしているんですが、主体的判断をする、主体的判断をすると言うだけで、主体的判断の中身が一向に聞こえてこないから、あえてこちらがお聞きをしているんです。

 これ以上聞いても、小泉総理の主体的判断はブッシュ大統領との会談の後に出るんでしょうから、結局は、国民の前できちんとみずからの責任で、もう調査団も、岡本さんも行ってこられたんでしょう、一度は。そう言っていながら、そういうふうに言を左右にするというのは、私は、総理大臣として本当に潔さに欠ける、こう思います。

 そこで、もう一点、話を進めたいと思います。

 北朝鮮の問題についても一昨日の本会議で申し上げました。総理の訪朝によって拉致被害者が帰国をすることができたことは大変喜ばしいことだと思っておりますし、我が党も、さらなる関係者の帰国のために全力を挙げたい、この覚悟であります。

 そこで、一つだけ、改めてお聞きをいたしておきます。

 もう一年になるわけですが、この十月にも、現在帰国されている拉致被害者の家族の皆さんを日本に呼び返すことができるのではないか、こういう見通しもあちらこちらから出ております。総理として、今月中の帰国について、その可能性があるという見通しを持っておられるかどうか、その点をお尋ねします。

小泉内閣総理大臣 拉致された御家族の帰国につきましては、いろいろ見通しやら可能性というものが報道で報じられているということは承知しておりますが、これは九月十七日以前にもそういう報道がなされたことがございます。

 日本政府としては、できるだけ早く帰国させるように北朝鮮側に働きかけているところでありまして、期限を区切って、いつにという段階ではございません。

菅(直)委員 それでは、きょうは、あるいは小泉総理と比較的長い時間議論をできるのは総選挙までにないかもしれませんので、少し時間をいただいて、総理の政治に対する考え方、あるいは私の政治に対する考え方、それぞれの考え方があると思いますが、それを私も表明しながら、総理の考え方もお尋ねをしたいと思います。

 私は、総理のこの間の活動を見ておりますと、先ほども申し上げましたが、弱肉強食的な改革志向なのかなと率直に思います。すべてが悪いとは言いません。ある場面ではそれも必要かもしれません。しかし、それが政治の目的とは私は思いません。

 私は、比較的若いころから、政治の目的というのは、国民の不幸、人々の不幸を最小化することが政治の目的だ、このように考えてきました。つまりは、幸福という概念は政治が関与することを超えた部分があります。例えば、好きな女性や男性ができたとか、それこそ総理にとっては、ワーグナーを聞いたりオペラを見られるのも大変幸福なことだと思います。しかし、政治が、これが幸福なんだ、これがあなたにとって幸福なんだとこれを押しつけることになると、ややもすれば独裁的な国になる、全体主義的な国になる。

 ですから、私は、政治というものは、最終的には強制的な権力を使うわけですから、そういう意味で不幸になる要素をできるだけ少なくするという、そういう、いわば権力行使に対して抑制的な中で、しかし、はっきりした目的を持った権力行使が政治だと思っております。

 こう言いますとやや消極的に聞こえるかもしれませんけれども、しかし、国民の不幸を少なくするためには、治安に対してしっかりとした体制をとる、あるいは日本の安全保障に対して他国が一方的に侵略できないような、そういう姿勢をとる、これはまさに最小不幸の観点からいっても当然やらなければなりません。あるいは改革の問題も、目の前の確かに痛みというものがたとえあっても、それがその次の段階での国民の不幸を少なくすることにつながるならば、それはそれを越えていかなければいけないこともあります。

 と同時に、本人のみずからの責任でない形で、例えば地震で家が失われた、あるいは交通事故で親が亡くなった、そういうことによる、いわば本人の責任ではないところで大変厳しい状態に置かれたときには、私は、政治がきちっとフォローすることもこの考え方に沿った考え方だと思います。

 今、中小企業が大変厳しい状態になる、先ほど申し上げたところも、確かにバブル時代の銀行の要請、銀行のいわば話があったからといって、判断をしたのは当事者かもしれませんけれども、相当部分は、本人のいわばそうしたことを超えた状況の中で厳しい状態に陥った人にはきちっとしたフォローをしなければならない、これが私の考える最小不幸社会。この最小不幸社会というものを、私は、私自身の考え方として次のマニフェストの一つの基本的なコンセプトとして盛り込んでいきたい、このように考えております。

 総理はどういうふうに政治についてお考えなのか、御意見をお持ちだったらお聞かせをいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 多くの国民を幸せにしたいというのは、どの政党もどの政治家も私は共通した考えだと思っております。

 弱肉強食と言われますが、弱肉強食というのは、よく動物の世界で使われます。しかし、人間の世界は弱肉強食であってはならないと思います。

 私は、動物が好きですから、動物園によく行きます。別にライオンだけ見に行くわけじゃございませんが、動物園に行ってよく感ずるんですが、確かに穏やかです。しかし、本当に幸せなんだろうか。強い動物に食われる心配はない。えさは毎日あてがわれる。そして、多くの人が見て、自由が束縛されている。一方、野生の世界は、自由だけれども、常に死の危険を感じながら生きていかなきゃならない。そういうことを感じますと、私は、果たして、動物園にいる動物が、野生の動物に比べて弱肉強食の世界でないから幸せであるとは言えない。

 人間の世界は、弱肉強食であってはいけません。できるだけ多くの国民が、平和のうちに、みずからの持てる能力、持ち味を発揮できるような環境を整えていくのが政治の大きな役割だと思っております。まず平和と安全、そして治安等、できるだけ政府としてやらなきゃならない仕事がたくさんあります。さらに、社会保障につきましても、これは重要な政府の役割だと思っております。

 そういう中で、弱者と敗者というのは違うんです。どのような時代にあっても、勝者と敗者というのが出てきます。しかし、敗者復活戦というのがあるように、一度や二度敗者になっても、敗れ去ることがあっても、次はやはり成功のチャンスがあるという、選択肢をできるだけ提供するのがこの社会では必要ではないか。

 そういう意味において、私は、努力した方が報われるような社会にする。そして、一度敗れても、また次に成功するようなチャンスをできるだけ提供する。こういう、余り政府が干渉しないで、民間の力なり地方の特色なりを生かした、そして個人の能力がいろいろの場で試されるチャンスが提供されているような社会をつくるのが私は政治として大事だと思っております。

 市場万能主義でもありません。かといって、共産主義社会みたいに、全部政府が、できるだけ多く政府が関与すればいいというものでもありません。どれもお互い調整しながら、それぞれが助け合いながら、みずからの持てる力を発揮できるような環境を整備していくのが私は政治として一番大事な役割ではないかなと思っております。

 私は、民主党にしても自由民主党にしても、総論としてはそんなに変わらないんじゃないか。ただ、いろいろな手段、手法については、若干違うところがあるなと思っております。

菅(直)委員 これは特に反論とかがあるわけではありません。総理としての表現であり、私としての表現であって、国民の皆さんにもお聞きをいただければと思って申し上げてみました。

 私の残された時間が少なくなっておりますが、幾つかの点を一括して、我が党の考え方を申し上げて、見解を伺います。

 政治改革について、我が党は、やはり国会議員の定数削減、衆議院において比例が今百八十でありますけれども、小選挙区制を強めるという意味を含めて、八十削減というものを提案いたしております。総理は賛成か反対か、まず一点、お聞きします。

 また、一票の格差を二倍以内にする。このためには、各県に割り振られている一議席を外した比例配分にしなければいけませんが、これも賛成かどうか。成人年齢とともに選挙権年齢を十八歳に引き下げる、これについての御見解。

 また、逮捕された国会議員、自民党関係者も多いわけですが、その歳費の凍結ということ。

 さらには、公共事業受注官庁からの企業献金について、総理はそれを規制すべきだと言われましたけれども、結局、何一つなされてはおりませんが、それはどうされるおつもりか。政治資金の透明化に逆行する法案を与党が出されておりますが、私たちはその逆行には反対です。

 以上、少し数多く一緒に申し上げましたが、総理の政治改革に対する考え方をお聞かせください。

小泉内閣総理大臣 政治改革、今幅広い分野で菅さんはお話しされましたけれども、私としても、政治改革は不断に見直していかなきゃならないと思っております。

 公共事業受注の政治献金のあり方につきましても、一定の制約のもとになされるべきだと思っておりますし、また、逮捕された議員の歳費等の関係についても、私は見直すべきじゃないかなと思っております。同時に、政治資金というものについては、多くの国民からの協力を得るような方法というものもあわせて考えるべきではないかなと。

 また、定数の削減につきましても、私は、削減の方向で各党会派が見直していくことについては賛成でございます。

 それと、一票の格差も、やはり二倍以内におさめていくということについても私は賛成であります。こういう点について、選挙制度なり政治改革については、各党がやはりできるだけ話し合って調整できることが望ましいと思っておりますので、今後とも、この話し合いというものは積極的にされてしかるべきだと思っております。

 また、十八歳の投票権につきましては、私はちょっと一考を要するんじゃないかと。今、二十歳ですか。私個人の考えでありますが、今の状況であえて十八歳に引き下げるのはいいかどうか。今の時点においては二十歳でいいかなと思っておりますが、これも各党間の話し合いであります。あえて反対はいたしませんが、こういう点についても、よく各党会派で話し合われてしかるべきだと思っております。

菅(直)委員 この政治改革の問題は、十年前の政権交代でも大きな争点になったわけであります。多くの国民の皆さんは、多分、私たち自身が自分たちで思っている以上に、政治家に対していろいろな意味で、ある意味での厳しい目を持っておられる。何か非常に大きな特権を享受していて、自分たちの権利だけを確保しながら、逆に国民の皆さんには厳しいことを言っているのではないか、こういうことも見ておられます。

 総理が書かれたものを読んでおりましたら、在職二十五周年のときに、その表彰をお断りになった、あるいはそれに伴うプラスの何か特別手当もお断りになったということをみずから書かれておりました。まだ私は二十五年にはなっておりませんけれども、そういうところは総理を見習いたい、このように思っております。

 しかし、政治改革については、総理が今おっしゃったことは、私は私たちの考え方と大筋近いという意味で評価をいたしますけれども、残念ながら、定数の是正についても、与党の中でも強く反対するところもありますし、一票の格差については、自民党の中にも必ずしも二倍以内にならなくてもいいではないかという意見も強いわけでありますし、十八歳については、私は、やはり義務と権利という問題がありますから、義務や責任についても強めると同時に、権利についても認めていくというのは、世界の中でも大部分の国がそうなっているわけですし、我が国においても当然のことだ、このように思っております。

 これらについて、国民の皆さんに対して国会が信頼を取り戻すためにも、まさに超党派でこの問題は取り組んでいくということを私からもお願い申し上げて、私の質問はこれで終わりにさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

藤井委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原口君。

原口委員 民主党の原口一博です。

 数点にわたり、総理並びに閣僚にお尋ねをしたいと思います。

 まず、私たちは政権交代を目指しています。政権交代の意義は、やはり癒着をした今のしがらみの政治、税のむだ食い、これを政権交代によって変える。そのことによって、国民の皆さん、主権者の皆さん本位の政治をつくっていく、これが私たちの目標です。

 今、与党の中でも、一回でも自民党の外に出て、そして、もう一つの極をつくろうということで主張をして選挙に出た人がもう九十三名を超えています。九十三名を超えているんです。つまり、政権がある党からある党に移ること、このダイナミズムによって政治がよみがえる、このことを私たちは目指したいと思っています。

 総理は、今回の総選挙、いつあるかわかりません、しかし、この選挙において、従来のしがらみをもう絶って、そして、政策本位の政権を選べる選挙を私たちは目指していきたいと思いますので、受けて立っていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。

小泉内閣総理大臣 選挙というのは、各政党がかくあるべしという政策を掲げて有権者に判断を請う大事な政党間の競い合いでありますので、今の御趣旨のとおり、各政党が有権者に向けて、いかに自分の政党はこうだという努力をして、そして、それぞれが、政権をとった場合にはどういう政策を掲げて戦うのかという戦いにすべきだと私は思っております。

原口委員 そこで、数点確認をしておきたい。

 マスコミに対して私たち政治の側が抑圧を加えてはならないというふうに思います。ある党では、千人のモニターを配して、そして、いろいろな自分たちの党に対するアゲンストのものがあれば、そこにスポンサーやさまざまな圧力を加える。こういう政治は民主政治の基本を壊すものだというふうに思います。まず、こういったことが絶対にないような風土にしていただきたい、これが一点。

 二点目は、やはり公約。総理は総裁選のときに、御自身の公約を党の公約にしてそれを問うんだ、これは私は正しいと思います。その公約の一致ということと私たちも一致させて、それでどっちがいいんだということを戦う、このことをお約束いただきたい。

 そのためにも、私たちは、できるだけたくさんの情報を国民の皆さんにお渡しする必要がある。先ほど石原さんと枝野さんの議論を聞いていて非常に楽しかったです。なぜか。その手順や財源や、そして具体的な道筋を闘っているからです。そこに一つの数字があり、一つの具体例がある。石原さんの考えと私たちの考えは違う。だけれども、そこに議論の材料があるわけです。まず、その材料を示しながら議論をしていく、その風土をつくらなければいけない。

 そして、三番目には、団体による締めつけあるいは抑圧選挙。石破さんが私の方をごらんになっていただいていますが、自民党から外に出てどれだけひどい抑圧、弾圧に遭ったかという人たちはたくさんその経験があると思います。補助金を使った、あるいは規制を使ったそういう抑圧選挙、これをやっていたんじゃ本当の政策は競えないんですね。ぜひ、私は、総理が今回信を問うということになれば、そういう選挙をなくす、私たちもそういったことはなくしたい、極力に頑張りたい。

 そして、もう一つ、地方における政治改革を進めるためには、分権改革と言っているけれども、やはり口ききやさまざまな官製談合を明らかにしなきゃいけないんです。口ききや官製談合といったものをすべてオープンにできるような指示をやる、このことがとても大事だと思うんです。幾ら地方にできることは地方にと言ってみても、そこでまた同じような癒着の構造があってしまえば、税のむだ食いは、私たちの目の前、国会の目の前からは消えても地方で起こってしまう。このことについて総理の決意をまず伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 口ききにつきましては、もう官製談合防止法等でかなり前進された部分があると思います。

 要は、この法律をよく守っていただかなきゃならない。今、議員の中で逮捕されたり不祥事を起こしている方は法律があっても守らないんですね。これはやはり立法府の議員が法律を守らないようじゃどうしようもない。まず、守っていただく、法を遵守していただく。

 それと、報道に対して自民党が規制を加えたりということは全く考えておりません。

 ただ、最近の報道は、目に余る虚偽報道が中には随分見られるんです。私も随分迷惑をこうむっています。ワンフレーズポリティックスなんて、私が言ったんじゃないんですよ。私のワンフレーズだけを何回も繰り返しているのはマスコミですよ。全部報道しないんです、繰り返し繰り返し。こういう点については極めて遺憾だと思っておりますが、何回も報道されれば、これがワンフレーズだ、これしか言っていないんだと見ている方は感じます。そういうのはうそだということを原口さんもよくわかっているでしょう。

 ましてや、藤井委員長、藤井委員長だって迷惑をこうむっている報道があったと思いますよ。あの自民党総裁選挙のときに、ここに座っていたのかな、それでやじっている姿をぱあっと出した。そうしたら、全然違うやじのところをあたかもそのときにやじっている報道をされて、実に迷惑をこうむったことがあるでしょう。それを報道した報道機関は謝った、間違いだというような話を聞いていますが、それがどうなったかわかりませんが。

 あるいは、毒まんじゅうの発言以来、あるテレビ局は、その人の前に、一般の人がまんじゅうじゃない、そのテレビ局の人がまんじゅうを並べて、こんなに批判されますよと自分で報道を誘導するような、これは非常に報道機関も反省してもらわなきゃ困る。

 そういう点については、やはり報道も、何とか政党を批判したい、特定の政党を批判したいという気持ちがあるのはわかりますけれども、やはり報道には公正を期していただきたいと思っております。

 また、これからいろいろな情報を提供して、国民が判断しやすいような論争をする。先ほど、枝野議員と石原議員の議論を私も聞いていまして、お互いいい議論だったなと思っております。道筋は違ったとしても、お互い、かくあるべしという議論を堂々と政策論争するという意味において、今後の一つのあり方を示しているんじゃないかなと思って興味深く聞いておりました。これからも、政策論争をしやすいような情報をそれぞれが国民に対して提供するべきだと思っております。

原口委員 ワンフレーズポリティックスとこの予算委員会でお話しになったのは、マスコミじゃないんです。御党のこの間立たれた政調会長がおっしゃったんですね。だから、マスコミだけで批判が十分貫徹するかというと、そうではないと思います。

 そこで、先ほどの質問に関連して、きょうは、山口総務副大臣、副大臣になられて本当におめでとうございます。信念の方ということで、そして、副大臣になられた後、地元のテレビに御出演なさって、そして、自分は郵政民営化反対だ、辞表を胸にも反対をする、これは一つの識見だと思います。こういうお話をされたのを拝見しましたが、これは事実でございましょうか。

山口副大臣 ただいまお話をいただきましたように、このたび総務副大臣を拝命させていただきました山口でございます。もう早速お騒がせをして大変恐縮いたしておるんですが、先ほど、私も午前中の御質問、お伺いをしておりまして、すぐに実は事実関係をもっと明確にしておこうと。というのも、テレビ局というのはちょいちょい間をカットして編集するものですから、ちゃんと調べました。

 確かに、お話のように、実は私ももともと持論がございまして、これはもう原口委員もよく御存じと思うんですが、若干持論を申し上げて、しかし、私は小泉内閣の一員でありますので、総理のお考えに沿って、そして同時に、麻生総務大臣がおっしゃったように、総理のお考えも、あるいは利用者、国民の皆さん方の御納得も、そして働いておる皆さん方が意欲を持ってさらに働けるようなことも考えながら、みんなが何とか了解できるような道を模索いたしたいと。東京で就任直後、記者会見をしたときも同じことを実は申し上げまして、ナローパス、竹中大臣がよくおっしゃっておられましたので使わせていただきました、かもわかりませんが、それに向けて全力で頑張りますということを実は申し上げました。しかし、最後の方で、確かにこれは難しいかもわかりません、そのときは辞表を胸にですねと言って笑わせていただきました。

 これが正確なところでございます。

原口委員 あらかたの話はやはり反対なんですよ。今長々とおっしゃったけれども、反対なんです。

 それで、ここに、委員長、集配郵便局、これは私が六年前に政府にお願いをして、そして、実際に今収支どうなんだというところを郵政三事業ごとにまとめていただきました。これを見ますと、皆さんの県もありますよ、ほとんどの過疎地が収支マイナス。郵便事業、簡易保険事業それから郵貯事業。例えば札幌市、政令指定都市でも黒字のところなんか一局しかないんです。山形でもそれぐらいです。あとは全部赤字なんです。

 ですから、小泉内閣になって私は何回も言ってきた。今また時代が変わったから、金融の状況も変わったから、この基礎的なデータを出してくださいと言ったんです。だけれども出さないじゃないですか。どうして出さないんですか、総理。

麻生国務大臣 私もその話は初めて伺いましたが、多分、局単位ぐらいのところでは間違いなく出せます。ただ、二万四千全部に出せと言われるとなかなか難しいかなと思いますけれども、局単位では出せると思います。

原口委員 では、出してください。

 これは、隣にいる自見さんのときに出してくれて、その後はずっと、出してくれ、出してくれと言いながら、出てこないんです。出てこないということは、改革の議論をデータなしに、単なる当てずっぽうでやらなきゃいけないという話なんです。そのことを申し上げたんです。出しますね。これは五千の集配局だけで出してみてください。そして、それがどうなるのか、民営化になったら、先ほどの状況ではほとんど、札幌市は一個になりますね、赤字であれば。赤字を全部つぶすということになれば。それが見えるから出してくださいと言っているんです。

 同じように、先ほどの枝野さんの質問の中で、年金についてありました。私たちも年金について、竹中さんがいろいろなところで批判をされているかもわからぬけれども、基礎的なデータが欲しいんです。この一年間で三・五兆円も年金基金を失わせた、この責任はだれもとらない。一体どれぐらい年金基金を毀損しているのか、そしてどの世代にどういう負担があるのか、これがわからなければ年金設計できないんです、竹中さん。だから、私たちはまずそこを見させてくれと言っているんです。

 選挙前に開示していただけませんか、総理。

坂口国務大臣 持っております出し得る資料は全部出してごらんに入れます。

原口委員 そこで、先ほど坂口大臣は、来年の年金改革に向けて、二・七兆円、基礎財源のところ、これはもう増税でやるしかない、そうお話しになりました。

 谷垣大臣、どういう増税ですか。

谷垣国務大臣 まだ、増税でやるかどうか、その辺はこれから厚生労働大臣とがっぷり四つに組んで議論をしなきゃいけないと思っております。

原口委員 それは先ほどの大臣の答弁と違いますね。先ほど大臣は、税でやるしかない、増税だとおっしゃったんですよ。テレビの前でおっしゃったんですよ。

谷垣国務大臣 まず、財源の議論、あれは平成十二年の法の附則に書いてあるとおりでございますが、私どもとしては、その前に、負担と給付のバランス、あるいは税をどこに入れていくか、こういう議論を煮詰めながら、さらに財源論もやらなきゃならない、そういうことを今議論しておりますので、それをどこに求めるのかというのは、坂口大臣はああいうことをお考えになって、積極的にお考えですが、私どもはまだそういう判断を固めたわけではありません。

原口委員 全くの閣内不一致じゃないですか。もう二分の一決めると決めているんですよ。決めていて、増税しないとほかにありますか。(発言する者あり)頭悪いって、何言っているんだ。

 どうぞ。

谷垣国務大臣 閣内不一致だとは私は思わないんですね。まだ、これからどこに財源を求めるかというのはいろいろ議論していかなきゃいけませんから、それがすぐに増税だという結論に直ちに結びつくわけではないんだろうと思います。

原口委員 私が増税だと言っているんじゃないんですよ。厚生大臣が増税ですとおっしゃった。はっきりおっしゃった。これは識見なんですよ。一つの考え方です。それを財務大臣は認めない。だから、国民はどっちを向いて年金が――では財源どこに求めるのか。財務大臣はどこにお求めになろうと思っていますか。

谷垣国務大臣 まだ結論が出ていないんです。ことしの年末の予算編成に向けて議論を煮詰めていこう、こういうことで、確かに坂口大臣のお考えも一つの御識見だろうと思いますが、私としては、まだ、それでそうだと言うだけの準備はできておりません。

原口委員 何でこんな話をしているかというと、総理、長期金利がこの半年間で何回か上昇しているんです。一遍に一・六六とか、一%近く上がっている。

 これは、日銀総裁、お見えいただいていますから、長期金利の上昇が経済に与える影響。特に地域の金融機関は、株を余り持っていません、二%ぐらいじゃなかったかと思います、それに対して国債は随分持っている、平均で一〇パーぐらいだったと思います。直撃するんです、地域の金融機関を。

 さっき中小企業の話がありましたけれども、地域の金融機関は随分傷んでいる。このごろの倒産を見てみると、五千万の資本金のところが五十億ぐらいの負債、つまり資本金の百倍ぐらいの負債でどんどん今地域で倒れているんですね。その中で長期金利の上昇というリスクが地域経済に対してどれほどのリスクを与えるのか、このことについて、日銀総裁、お伺いしたいと思います。

福井参考人 お答え申し上げます。

 確かに、過去一カ月強の期間をとりますと、長期金利の水準が、異常ともいえる非常に低い水準から、ある幅を持って水準訂正が進んだということは事実でございます。

 しかしこれは、金融政策の今後長きにわたる基本方針というものを改めて市場によく理解をしていただきまして、今のところ金利の上昇の動きには歯どめがかかっている、むしろ市場は落ちついているという状況でございます。これまでのところは、株価の上昇に伴って長期金利が上がった、おおむね市場参加者のあるいは国民の皆さんの日本経済の先行きに対する見方の変化に合わせた金利変動の範囲内、おおむねそういう感じになっていると思います。

 そして、個々の金融機関に対する影響という点で、今おっしゃいました地域の金融機関、これは金融機関ごとにかなり差はございます。差はございますが、現在比較的落ちつきの雰囲気を伴っている長期金利のこの水準を前提にして考えますと、個別の金融機関を見ましても、特に強いダメージを与えているところは今のところはない、今後ともここはもう十分注意して見ていきたい、こういうふうに思っております。

原口委員 日銀総裁の見方としては少し甘いのかな、地域を回ってみるとそう言わざるを得ない。だから、財源の問題、歳入の構造改革というのももう待ったなしなんです。だから申し上げているんです。二・七兆円というその税のところがそんな軽いお金じゃないから申し上げている。これを再度強調しておきます。

 それで、銀行貸し出しが、日銀総裁、この五年間で、特に中小企業、全体で百十兆、中小企業が百兆円減っています。これはまさに、九九年に公的資金を入れるときに、貸しはがし、貸し渋りを防ぐために入れるんだと言っていて、全くそれが効いていない、むしろ逆だったという証拠じゃないでしょうか。

 この銀行貸し出しの減少についてどのようにお考えなのか、これはどこに原因があるのか、総裁にお伺いしたいと思います。

福井参考人 ただいま原口議員から正しく御指摘がありましたとおり、大体、振り返ってみますと、一九九六年をピークにいたしまして、その後、銀行貸し出しの残高は一貫して減少し続けております。

 私どもは、この動きを分析いたしまして、やはり資金の需要面と供給面両方に明確な理由が認められるというふうに考えています。

 資金の需要面では、やはり長期にわたって経済が低迷をいたしまして、その中で、企業の行動としては、できるだけ債務を圧縮する、新規の投資を行う場合にもできる限りキャッシュフローの範囲内で、つまり借金を積み増さないで実行してきている。これが一つの大きな理由になっていると思います。

 もう一つは、供給面でございますけれども、これは金融機関が不良債権問題の処理に大変難渋をきわめている。その過程で、新しいリスクをとる能力がやはり低下している。これが非常に大きな理由でございます。

 しかし、もう一つつけ加えれば、経済が新しい局面にだんだん入ってきまして、企業がビジネスに挑戦するときに、昔に比べますとより高いリスクをとりながら仕事をするようになってきている。金融機関としては、新規の貸し出しをしたいという場合に、全く同じ企業であっても、全く同じ昔どおりの金利の設定の仕方では、この高いリスクを考えた場合に資金が出しにくい。したがって、従来の取引慣行を徐々に変えながら、なるべくリスクに見合った金利を設定しながら貸したい。ここのところが、まだ慣行の修正というのはそう急激に進みませんで、結果としてなかなか貸し出しが出にくいというふうな理由になっていると思います。

 したがいまして、将来に向かいまして今から、今後に向かいましては、第一に、金融機関の信用仲介機能の向上ということ、これはもう第一にさらに進めなきゃいけない。二番目には、貸し出しを伸ばすに当たって、リスクに見合った適正な利ざやというものが確保されるような取引慣行の修正、これは時間がかかりますが、やはり徐々に進めていかなきゃいけない。それから三番目には、貸し出しを市場で流動化するといったようなクレジット市場の広い展開を図っていく。その三つの合わせわざで新しい日本の金融の姿というものができていくというふうに思っています。

原口委員 言葉で言うのは簡単なんですね。だけれども、BIS規制では、個人の貸し出しもそれから中小企業貸し出しもリスクウエート一〇〇ですよ。リスクウエート一〇〇であるものを貸し出せといってもそれは無理な話で、だから、この予算委員会でも何回も何回も御提言申し上げていますけれども、やはり中小企業の基準、これをつくらなきゃいけない。貸し出し、リスクのウエートは大手よりも小さいわけですから、それを同じ一〇〇でやっていること自体が間違い。だから、バーゼルで今議論をしていますけれども、その中でしっかり主張をしていかなきゃいけない。

 それからもう一つは、さっき総理は菅さんの質問に対して、リカバーできるというか、もう一回やり直せると。大体、欧米を見ていると、一回二回失敗しても三回目で頑張った人が一番伸びている。我が国はその人たちが、やはり個人保証が多かったり、そして身ぐるみはがれたりしてつぶれていっている。日本の活力を今つぶしているんです。

 だから、第三者が再建のシナリオをつくって、例えばその処理を無税償却するとかいろいろなやり方があるはずで、私は、この間の政府がやってきたことが、やはり中小企業を中心にやられてきたとはとても思えない。

 竹中さんに伺いますが、りそなに二兆円の公的資金を入れた。私は、このりそなの二兆円の公的資金、これは、あの預金保険法の百二条の一号というものですね、システミックリスクがある、そのときに注入をする、おそれがあるというときに注入をするということで入れたけれども、本当にそうだったんだろうかと。今、新しい経営陣によって資産査定をもう一回やっている。この間、ある新聞には、一兆円の引き当て不足、こんなこともありました。

 この間の状況について大臣がどのように認識をされているのか。中小企業は追いまくられていて、そして大きな企業、本当は資産査定をきっちりやって、そしてどっちかということがわかっていたはずですけれども、ここで一兆円の引き当て不足が仮に出た、まだ出ていませんよ、まだ出ていないけれども、十月の中旬には出るというふうに言われている。そのときに、五千億ちょっとの資本金のところに二兆円入れた、この理由がつかなくなると思うんですが、竹中大臣、明確な御説明をいただきたいと思います。

竹中国務大臣 りそなに関連して、原口委員の御指摘は二点なのかと思います。

 一つは、五月十七日の時点での金融危機対応会議での私たちの意思決定を一体どのように位置づけているのかということ、二番目は、今りそなの新しい経営陣のもとで行われている資産査定、それとどう絡むのか、そういうことだろうと思います。

 第一の方は、これはもう委員もよく御指摘のように、預金保険法百二条というのは、これはまさに緊急の事態に対応して、経済または地域に著しい信用秩序の問題が生じかねないような場合に、これを発動する。ただし、これはいわゆる過少資本の場合、つまり、別の言い方をすると、資本は四%ないし八%より少ないけれども債務超過ではない場合は、これは資本を注入しなさい、しかし、債務超過の場合は、これは別の破綻処理のやり方がありますよ、それを決めているわけです。

 これは緊急措置でありますから、私たちとしては、その時点で利用可能な最も正確な財務諸表に基づいて判断せざるを得ない。これは、言うまでもなく、十五年三月期にりそなが行った決算、それを監査法人がきちっと監査をしている。その決算に当たっては、金融庁も特別検査を行って、また、専担常駐の検査を我々が行って、それがすべて資産査定に反映されている。その時点の、五月十七日の私たちの意思決定として、これが唯一利用可能な正確な決算である、これに基づいて債務超過ではないということを確認して、それで資本注入を決定しているわけでございます。

 これについては、参考人招致等々でいろいろ御議論をこの国会でもいただきました。別の監査法人の方は、途中まで監査をしていたけれども、自分たちは監査する立場にないんだということを明確におっしゃって、その正式に監査を行った法人は、債務超過ではないということを明確におっしゃっている。

 それを受けて今資産査定を行っておりますから、その資産査定の結果はどうか、これは、経営陣において、思う存分しっかりと経営改革の中で資産の評価をやっていただいて、それを決算等々に反映していただければ私はよいのではないかと思います。

 仮定の質問で、原口委員は、そのときに非常に大きなマイナスが出た場合、どうするんだ、これについては、まだ何もわかりません、まだ何も、決定したということは、りそなは報告しておりません。

 一つだけ、念のために、一般論として申し上げておきますが、この資産の査定というのは、経営の方針によって変わります。これは、非常にわかりやすい例で言いますと、一つの子会社を存続させるのか、存続させないのか。つまり、ゴーイングコンサーン、継続企業の価値で見る場合と清算価値で見る場合と、これは違ってくる。これは古今東西、世界じゅうどこでもそういうものでありますから、その経営方針がいろいろな形で反映されているということは、これはあり得るでしょう。私たちはそれをとめるつもりはございません。

 しかし、いずれにしても、十五年三月期においては、これは確立された唯一利用可能な財務諸表において、我々は債務超過ではないということを確認しているわけでございます。

原口委員 なかなか納得できないですね。

 ごらんになっている国民の皆さんにわかりやすくお話をすると、債務超過、つまり、もう赤字で立ち直らなくなれば、その株主も責任を問われるんです。今回はそうではなくて一号ですから、株主は、むしろ逆に、公的資金を注入して、株は上がって、ああよかったねというふうになっている。

 だけれども、今お話しになったように、りそなの資産査定の監査法人についても随分議論がありました。朝日監査法人はここから抜けていっているんです。そして、りそな銀行を債務超過と認定しなかった新日本監査法人については、金融庁が圧力を加えたという疑惑もこの国会で議論がされたんです。

 それで、ことしの五月十七日の時点より皆さんは景気がよくなっていると言っているわけでしょう。景気はよくなっていると言っているわけです。景気がよくなって株も上がっているわけです。それは自分の構造改革の成果だと総理も鼻高々でおっしゃっているわけです。だとすれば、今お話しになった経営陣によるゴーイングコンサーンどうのこうの、できるだけ日本語で言っていただきたいんですけれども、経営陣の方針が変わったからといって、そんなに大幅な資産査定が変わるなんということがあるわけないんです。ありますか。

 そのこと自体が、人によってどれを不良債権にするのか、そうじゃないのかというのが変わるという話じゃないですか。

 もう一つ。これは、りそなにお金を入れたんですね。りそなに入れた。そして、ある報道によると、近畿大阪銀行にりそなホールディングスが三千億円を出資するというふうに検討されているという報道がありました。これは事実かどうかわからない。そして、こういう公的資金を入れるときに、こういう横流しのようなことは絶対ないでしょうねということを私たちは国会で何回も議論してきました。そのときに竹中さんは、そういうことはありませんというふうに答弁を、我が党の五十嵐議員の質問に対してもなさっています。

 乱脈経営がうわさされる今の近畿大阪銀行、名指しをすることはやめますけれども、例えばそういうところに入れるとしたら、結局、金融の処理というのはやみの世界との戦いですよ、やみの世界がいっぱいくっついているところに、結局国民の税金を入れるという形になるんじゃありませんか。そういったことを金融庁は許しますか。

竹中国務大臣 まず、個別の銀行等々について、我々は何も報告も受けておりませんし、こういう場で議論すべき問題ではないというふうに思っております。

 その上で、持ち株会社があるような場合、それで過少資本なりそういった問題が、経営の問題が起きた場合にどうするか。一般論としては、これは新しいタイプの難しい問題であると思います。

 持ち株会社、銀行の持ち株会社が認められて今ふえておりますけれども、こういった問題に関して法律上どういう枠組みがあるのか。実は、持ち株会社に関して明確に書かれているのは、銀行法の中で、持ち株会社はその子銀行のことをしっかりと面倒を見なければいけません、責任がありますよということ、これが書かれておりますけれども、それ以外のことは書かれておりません。したがって、要はこの問題は、これは個別の問題として適宜適切に判断していくしかないということなのではないかと思います。

 これは恐らく、仮定の議論をしていくと切りがありませんから、いろいろなケースがあるんだと思います。持ち株会社の位置づけ、子銀行同士の関係、それぞれの金額の大きさ、深刻度。したがって、一般論で議論するというのもなかなか無理がありまして、これは一般論といえども努めて個別の問題であって、個別の金融行政の中で解決、今後もし問題が生じれば出ていく問題であるというふうに思っております。

原口委員 個別の銀行についてはなかなか言いにくい、テレビが入っているから。

 だけれども、持ち株会社を通して、Aという銀行に対して入れたいわゆる百二条の一号による資本が、それがまたBというところに入るというのを、これを無際限に許していていいんでしょうか。そうはおっしゃっていないのでしょう。

竹中国務大臣 流用とかそういうのは何を意味しているのかというのが、これは個別個別でいろいろな場合があるのだと思います。

 したがって、先ほど申し上げましたように、一般論といえどもこれは極めて個別の問題でありますので、個別の行政の問題として、我々としては法律にのっとって対応を、もし問題が生じた場合はしていくということになると思います。

原口委員 何を言っているか、よくわからないのですよ。

 だから、この公的資本の入れ方。これは百二条で、一号、二号、三号と決まっている。だけれども、別の銀行に対して入ったことになるじゃないですか。今、個別の議論、個別ごとにやるということであれば。

 だから、私は、法律を、ここで何らかの歯どめをしておかないと結局モラルハザードになるんじゃないですかと。公的資金をあらかじめ、本当は債務超過かもわからなかったけれども入れた、入れたところの株は上がる、株主責任は問われない、これではモラルハザードになるんじゃないでしょうかということを聞いているのです。

竹中国務大臣 先ほど申し上げましたように、それが流用とかそういう問題になるかどうかというのは、これは個別問題です。したがって、その個別問題を今ここで議論することはできません。

 ただ、原口さんおっしゃるように、モラルハザードが起きないようにしなきゃいけない、これはこれでもっともなことだと思います。モラルハザードが起きないように、これはまさにその銀行のガバナンスも、その経営改革をしっかりとやっていく。そういう中で、金融庁としては当然、公的資金を入れたところにはしっかりとした結果を出せるような厳しい指導をしていくということになります。

原口委員 これは時間が幾らあってもやりとり深まらないみたいですが、総理、総選挙の前にこういう財務諸表、この公的資金の入れ方がどうだったのかということはしっかりオープンにして、そして、私は一つの争点になると思いますよ。中小企業に対しては、先ほど日銀総裁がお話しになったように猛烈な資金の貸しの減がある、しかし、大きな、こういうメガバンクに対しては、まさに一兆円もの引き当て不足が、あるかどうか今わからないけれども、もしあった場合、こういう形で入れていいのかよくないのかというのは、国民がやはり判断をされる問題だと思います。

 総理、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 もう昨年から、もう金融危機がいつ起こる、何月起こる、何月起こるとさんざん言われましたけれども、金融危機は起こさせない。そういう危機の状況というものは、竹中担当大臣、混乱させないような対応をとっておりますので、私どもとしては、金融システム健全化に向けて、金融危機は起こさせないという観点から判断したいと思います。

原口委員 その金融危機対応会議をやったんですよ。そしてそのやり方について、このやり方でいいのかというのは、具体的に決算が出てきて、十月の半ばに出てきて、一兆円のもし引き当て不足があったとしたら、本当は皆さんは三号でやらなきゃいけなかったんじゃないかというのが私たちの、つまり債務超過であるということをそのときに粉飾していた疑いというのも非常に強いわけです。そのことを申し上げているのです。

 次に行きますが、朝銀について、もう一兆三千億を超えるお金が入っています。そこで、これまで中川さん、私たちの拉致議連の会長をされていましたが、RCCからいただいた資料を見ると、その回収の方はなかなか思うようにいっていない。こういう朝銀に対する公的資金の投入について、基本的なスタンス、お考えを伺いたい。

 それから、経済産業大臣として、さまざまなこの拉致の被害、圧力と対話でやっていく上で、経済産業大臣としてやれることがたくさんあると思います。私たちは、何回もこの拉致の問題で政府に、同じ、党を超えてですけれども申し入れをしてきました。その中で、今現在、中川大臣として、この拉致問題に関し、北朝鮮のさまざまな、例えば麻薬の問題あるいは密輸の問題、いろいろな措置が考えられると思っていますが、どういうことをお考えなのか、まずお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 議員御指摘のとおり、私は、今回就任するまで、原口さんと一緒に、拉致問題を解決する超党派の議員連盟で一緒にやらせていただいておりました。目的は、あくまでも北朝鮮に拉致された人々を一刻も早く全員、完全に解決をする、日本に取り戻すという目的でございます。そういう観点から、議連としてやれること、あるいはまた政府にお願いをすることを一緒にやってきたわけでございます。今回、こういう立場になりましたけれども、私のこの目的意識というものは、なった後でも全く変わっておりません。

 ただ、経済産業省を所管する立場といたしましてできることというのは、全体として、政府としては一つの決めたことがあるわけでございまして、別れ別れになっている五人の家族を一刻も早く取り戻すこと、それから、その場合には何の条件もつけないということ、さらには、死亡されたと向こうが言っております八人を初め、もう大勢の方々が拉致されておる可能性があるわけでございますから、一刻も早く安否を確認して、そして全員日本国民として日本に帰させることという政府の方針に基づき、昨年、小泉総理とブッシュ大統領との間で対話と圧力という合意があったわけでございまして、そういう意味で、対話と圧力というもので、この場合には拉致だけではなく、核、大量破壊兵器等々も含めまして、この問題の解決に向かっていく必要があると思います。

 そこで、経済産業省といたしましては、物の動きについて所管をしておりますので、御承知のとおり、昨年からキャッチオールという制度で、大量破壊兵器にかかわりがある可能性のあるものについてはすべてチェックをするという体制をとっておるわけでございます。

 このキャッチオールという制度をもっと柔軟にできないものかということで、今、私自身、省内で検討させているところでありますし、例えば万景峰のような船、これが象徴的でありますけれども、千四百隻延べで入ってきておるそうでありますから、北朝鮮から入ってきておる船につきましては、きちっとした形で、税関、取り締まり当局と連携をとりながら物の出入りのチェックをするということを考えて、現にやっておるところでございます。

 そういう意味で、引き続きまた先生方にもいろいろ御指導いただきながら、この問題の解決に政府も全力を挙げてやっていくということで、私の立場でやっていきたいと思います。

 なお、朝銀につきましては、直接私の担当ではございませんので、金融当局の方からお答えをさせていただきたいと思います。

原口委員 朝銀についても、私たちはこれまで明確なスタンスを示してきました。しかし、大臣になられて、やはり所掌以外のことは言いにくいということを非常に残念に思います。朝銀についてもさまざまな、朝銀を通して北朝鮮に対していろいろな、架空口座だとか借名口座だとか、そういったものを私たちもその中でやってきたわけですから、しっかりとそこをただす必要があるんじゃないかということを指摘しておきます。

 また、先日の国連総会において、我が国は、川口大臣、少しですけれども拉致の問題に触れられて、反論のときは川口大臣はもうお時間がなくて、反論は事務方の方がなさっていたようで非常に残念ですが、北朝鮮は、我が国が当初十日、十五日で帰すと約束したのを日本側が破ったというふうに主張している。これが北朝鮮の国連総会での発言でございました。

 本当にこんなことがあるんでしょうか。私たちは、これはないというふうに思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。

川口国務大臣 これは委員のおっしゃるとおりでございまして、五人の被害者が帰国をいたしました折に、一、二週間程度の日程にする、そういうことを調整したという経緯はございます。

 ただ、約束かどうかということでいえば、再び必ず帰すという約束をしたわけではないということでございます。むしろ、そういうことでいえば、日朝間では、可能な限り早く子供を含む家族全員を日本に帰す、これを実現させるということになっていたということでございます。

原口委員 調整したのを、間違って北朝鮮は約束というふうに考えているんですね。

 調整、だれがやったんですか。

川口国務大臣 これは、日本政府全体として意思を統一した上で、窓口になった人間が行っております。

原口委員 私は、この拉致の問題でどういう調整が必要だったのかということ自体が非常に疑問であります。帰国を求める、原状回復を求める、それが私たちの基本的なスタンスであったわけで、それを、例えば今の大臣の言をかりると、十、十五日で帰すという調整も一つのオプションとしてその中でやったということなんですか。

川口国務大臣 そういうことで調整をした経緯というのは確かにございます。

原口委員 総裁選のときに、委員長がいわゆるツーボイスという言葉をおっしゃいました。

藤井委員長 ワンボイスです。

原口委員 ワンボイス。済みません。ツーボイシズですね。つまり、外交はやはり一つになっておかなきゃいけない。

 特に私たちは、北京で、中国あるいはロシア、韓国にもこの拉致の問題を六カ国協議の中で言ってくれと。タイミングを見てというような答弁もありました。先般北京で行われた六者会議の場でアメリカはこの拉致の問題に言及をしましたけれども、残念ながら、中国、ロシア、韓国は拉致の問題に言及しませんでした。

 日本政府として、私は、中国が、これまでのレフェリー役というよりも、むしろやはり人権とそして正義の立場に立ってこの拉致の問題に毅然として対応してくれることを非常に望んでいたわけですが、日本政府はこれらの国々にこの六カ国協議の中で拉致問題に言及するように働きかけた事実はありますか。

川口国務大臣 六カ国会合、これに先立ちまして、我が国は、米国以外にも中国やロシアや韓国に対しましていろいろなやりとりを行っておりますけれども、その中で、拉致問題の解決の重要性については繰り返し繰り返し述べております。そして、我が国として六者会合で拉致問題を提起する、各国においても理解と協力をしてほしいということを言っております。各国は、我が国の立場を理解して、それぞれの形で協力の意思を示したというふうに考えております。

 大事なことは、各国の協力を得ながら拉致問題を解決していくということであるわけです。私、この間、ニューヨークでも中国の外務大臣に拉致の問題についての協力ということを求めましたけれども、こういった形で今までもやってきましたし、これからもやっていこうと思っております。

 その上で、各国の協力のあり方につきましては、それは各国と北朝鮮の関係というのはさまざまな形があるわけでございますから、そういった形に応じて、各国が最適と考える方法でやっていくというふうに考えています。それぞれの国の立場がありますので具体的に申し上げるということができないんですけれども、例えば、国によっては、北朝鮮に対して表立った形で要求をするというよりも、静かな形で直接に働きかけている、そういう国もあるわけでございまして、それは、その国がその方が効果的であるというふうに判断をした、そういうことであると思います。

 いずれにいたしましても、拉致問題の解決というのは大変に重要なことだと思っておりますので、引き続き、関係国への働きかけや、また国際社会全体への理解と協力を働きかけるということをやっていきたいと考えております。

原口委員 外交ですから言葉が非常にわかりにくいし、静かな働きかけが何を意味するのかわからない。ただ、現実としては、拉致の問題を他の三カ国は出さなかった。

 私は、この六者協議の中で、包括的な核の問題、ミサイルの問題、拉致の問題、これが解決される、これはとても大事だというふうに思っていまして、六者協議に参加するに当たって、北朝鮮は、翌日のバイの会談で、もう次はどうするかわからないというようなことも言っていますが、この北朝鮮を含めた北東アジアの安全保障の枠組みということを構築する意味で、六者会談、六者協議の場というのはとても大事だというふうに思います。

 それで、アメリカはケリーさんを中心にいわゆる行程表を持って臨んだというふうに私たちは聞いていますが、日本政府はどのような取り組みをしたんでしょうか。

川口国務大臣 我が国は、この六者会合の中で相当に積極的な役割を果たしたというふうに私は考えております。

 具体的にどういうことかということをお話しさせていただきますと、我が国としては、まず、米韓両国との緊密な連携のもとに、北朝鮮の核の問題について、完全かつ不可逆的確証ができる、検証可能な形でやるということを求めてまいりましたし、それから、北朝鮮の安全保障上の懸念、北朝鮮は安全保障上の懸念を持っておりますので、これへの対応について、北朝鮮が核の廃棄、これをしかるべく行うということを前提に、六者会合のプロセスにおいて議論を深めていくということが、この安全の懸念への対応について議論を深めていくということが可能であるということと、それから、北朝鮮が核の廃棄に向けて具体的に措置をとるということであれば、北朝鮮に対するエネルギー支援につきまして適切な時期に議論を深めていくことが可能だといったことを伝えています。

 これがロードマップというふうに言えるかどうかということは別といたしまして、我が国の基本的な考え方というのは、北朝鮮に対して、核の廃棄、このための、これをやればどのようなことが出口にあるかということを見せる、その道筋を示すということはずっと我が国として考えてきて、これについてはアメリカ、韓国とも緊密に連携をとり、議論をしてきた、そのイニシアチブを果たしてきた、そういうことでございます。

原口委員 私は、もっと明快に、そしてしっかりと国民にわかるような言葉で、また次の委員会でやりますが、北朝鮮に対してやはり日本としてどういう圧力を加えていくのか、これも明快にしていただかなければいけない、そのことを申し上げて、道路公団の問題に入ります。

 先ほど石原大臣は、道路公団というのは伏魔殿だというふうにお話しになりました。道路公団だけではなくて、その子会社について、大体、道路公団というのは法律で子会社をつくってはいけないことになっている。だけれども、関連会社、さまざまな会社があって、そこは大きな黒字で、そして道路公団自体が赤字、こういう構造をどのように変えていこうとされているのか、基本的な御認識を伺いたいと思います。

石原国務大臣 ただいま委員御指摘されました点は、民営化推進委員会の議論の中でも最大の焦点になりまして、ことしの三月に「道路関係四公団民営化に関し直ちに取り組む事項について」という形で、入札・契約方式、発注単価の見直し、そしてまた道路公団本体から社長さんに天下っている、こういうものを見直しするように文書で示して回答を得たところでございます。

 その回答についての詳細は御存じだと思いますので省略しますが、平成十三年度と比較いたしまして、四公団合計で、OB社長は二十六人、二七%減、OB役員は二百三十六人、五〇%減。私は、これ全然満足しておりませんので、時間を見て各公団総裁をお呼びして、さらなるこの問題についての改善を求めるつもりでおります。

原口委員 前の、これは道路公団の子会社、道路施設協会、これでさまざまな事件があって、検察が家宅捜索をし、そしてその後、これは二つに名前を変えて分かれています。ハロースクエアというのと、それからJ―SaPa、片仮名語ばかりなのでなかなか覚えにくいですね。そして、この財務諸表を見てみると、これが財務諸表と言えるものなんだろうかという財務諸表なんです。百億の退職引当金が足りなかったとか、何回も説明に来ていただきましたけれども、説明のたびに変わるんですよ、その説明の内容が。だから、先ほど竹中さんの金融のところで議論をしているのとはもう全然違う世界の数字の世界を議論しなきゃいけない。

 この状況を、私は早く財務諸表をきっちり提示させて、そして……(発言する者あり)ないの。今やじでありましたけれども、減価償却さえない。だから、バランスシート、どこからどこまでがバランスシートなのかもわからない。この状況を早急に改善して国民に示さなければ、実際に財務諸表あったかないか、今藤井総裁にもお見えいただいていますけれども、藤井総裁を更迭云々という話もありますが、大臣は藤井総裁のどこを御指摘になって、まだお会いになってはいませんね、どういう問題だというふうに思っていらっしゃるのか。財務諸表をどのように変えようとしているのか。

 名前を変えたら、名前を変えてこうやってやっていくと、実際に責任を持つべき人、責任を問われるべき人たちが時効の向こう側に逃げていくんですよ、赤字を垂れ流しにした人、あるいは場合によっては官製談合をしていたような人たちが。

 このことについて、大臣はどのように財務諸表を整えて、そして国民の皆さんに、皆さんは民営化とおっしゃっているけれども、お示しになろうとしているのか、藤井総裁についてどのようにお考えなのか、二点お伺いします。

石原国務大臣 まず、お答えしやすい方から答えさせていただきたいと思います。

 公益法人の方なんですけれども、これは何で公益法人なのか、非常に私も疑問に持ちまして、早速調べてみました。

 そうしますと、道路公団が発足してできたとき、こういう部分まで目が届かなくて、露店が商売したり、居座っちゃって仕事をしたり売買をしたりするようなことがあったんだそうです。それは同じく国鉄でも、キヨスクができるまで、まだ駅によっては既得権でずっと業者が入っているそうでございますけれども、こういうものを排除するためにということで公益法人で管理するということになったそうでございますが、本体よりも内部留保があったり引当金が不足していたりといったような、民間企業では考えられないような状態があるということは、委員御指摘のとおりだと思います。

 そして、やはり重要なことは、資産評価というものが十分にされていませんから、自分たちの資産に対してどれだけの仕事をしてどれだけのことをやっているということが、実はこれまで、正直言っておざなりになってきたんだと私は思います。もちろん、議論が間に合うようになりまして、こういうものをホームページで、公会計基準に、公益法人会計基準にのっとってすぐ示すようにというような形にはなっておりますけれども、なった結果、また一般常識からはかけ離れていることも目につくようになったんだと思っております。これが第一点でございます。

 JHの本体の方の財務諸表でございますが、ことしの六月に発表されました財務諸表は資産が負債を五兆八千億上回っている、これは報道されているとおりでございます。ただ、これについての信憑性の問題をめぐる議論が私は非常になされていると思います。

 私が率直に申しまして一番疑問に持ったのは、JHだけが取得原価、簿価がないわけですね。そのデータを持っている義務は五年間なんだそうですけれども、一個も出てこない。百個、二百個、三百か四百カ所ぐらいあって一個、二個、ほかのものがないですよという説明ならば私もなるほどなと思うんですが、一切そういうものを、あるなら出していただきたいということを民営化委員会が言いましても、出していただけなかった。資産評価をしていたのかという議論が道路民営化委員会の中であったんですが、後で総裁に聞いていただきたいんですけれども、していなかったと言いながら、幻と言われるようなものが、あるのかないのか私はわかりませんけれども、そういうものが出てきた。

 すなわち、首都高、阪高、JHによって再調達価格の算定方法が違うし、ではなぜ違うのか、本当に資料がないのかということに対して十分な説明がなされておりません。ですから、民営化の際には、国土交通省として国民の皆様方が納得していただける貸借対照表をつくらなければならないと考えております。

原口委員 もうぼろぼろですよね。しかし、ここに小泉総理の秘書官である飯島秘書官の御関係の方が就職なさっているかどうかという質問を、去年の内閣委員会で我が党の津川議員とそれから五十嵐議員がしています。私、きのう確認しました。そこでの答弁は、そういう方はいらっしゃいませんでしたという答弁でした。

 別にそこに就職しているからといって、どういうことでもない。だけれども、私がきのう関係の方にお話をしたら、いや、ちゃんといらっしゃいましたよということなんです。

 安倍官房副長官がこれは虚偽の答弁をしているんじゃないですか。道路公団総裁もそのときお答えになっていますが、総理と総裁に最後にお尋ねをしますが、当該の十四年の質問に対して虚偽の答弁があったのではないか。この方はいらっしゃったんじゃないのか。いらっしゃったとしたら大変大きな問題だというふうに思います。結局、きれいなことを言いながらも、実態はそういうものと癒着をしているというふうに思われたくないために、それを隠したのではないか。どうでしょうか、総理。

小泉内閣総理大臣 隠したりとかそういう問題じゃなくて、私と関係ないでしょう、個人の、ここで名前を出して。秘書官だって個人的な人間ですよ。お子さんのことまでなぜ私が知らなきゃならないんですか。

原口委員 国会で虚偽の答弁があったんじゃないかということだから、別に国会で答弁してなきゃいいですよ、個人のことをとやかく言う気はない。

 総裁、いらっしゃるでしょう。

藤井参考人 十四年の四月十二日に五十嵐先生から内閣委員会で御質問があった際も、私は、「道路公団には絶対おりません。」と、これは私が調べて確認できました。しかし、関連会社におられたかどうか。まずそういう当時の人もおりませんし、それから、こういう個人の個々のことについて道路公団として把握できる立場にないので、「公団としては承知しておりません。」というのが答弁でございました。同じような趣旨で津川先生にも、二十四日、「公団として承知しておりません。」こういう御答弁を申し上げました。

 きょう先生から御指摘受けましたけれども、この考え方は同じでございまして、やはり基本的には把握できる立場にはございません。特に、子会社、関連会社というふうな意味合いで御質問がございますが、出資関係の子会社、関連会社であればあるいは多少何か聞いてみるということもあり得ようかと思いますが、出資関係がない、行コストで、政府がまとめた行政コスト計算書に基づく定義の子会社、関連会社でございます。そこで、私どもは、公団としては承知していないということを御報告させていただきたいと思います。

 なお、一点だけ申し上げますと、そういうことでございますので、子会社、関連会社を含めた関連法人については、今、徹底的にどうすべきかということを、政府の御方針が決まる間においても私ども自力でまず考えて対応しようと準備をいたしている最中でございます。

原口委員 終わります。

藤井委員長 この際、海江田万里君から関連質疑の申し出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。海江田万里君。

海江田委員 民主党の海江田万里です。

 まず、質問に先立ちまして、過日の十勝沖の地震で被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

 それから、きょうが、この予算委員会、私もこうやって新たに総理に、総理というか自民党の総裁選で勝たれた小泉総理にお目にかかるのは初めてでございますので、改めまして、自民党総裁選での勝利、おめでとうございます。

 そして、新たに選ばれました閣僚の方々にも、まず、おめでとうございますということをお伝えしたいと思います。あわせまして、藤井委員長にも、総裁選、お疲れさまでございました。

 エールの交換はここまででございまして、総理は、二年半前に就任をされましてから二度の内閣改造をおやりになりましたけれども、私の記憶では、最初に総理になられましたときに、一内閣一閣僚ということを、これは大きな公約だというふうに私は認識をしておりますが、柱に据えておられたように思いますが、二度改造をやられて、ほとんどの閣僚もかわっているという状況で、やはりこの一内閣一閣僚というのはもう無理だったんですか、どうなんですか。やはり、この点についても改めて総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、一内閣一閣僚、望ましいと思っております。

海江田委員 望ましいけれども、それができなかったということでございますね。それについてはいろいろな思いがおありだろうと思いますが、その意味では、これもやはり最初にお約束をしたことだから、その約束が果たせなかったということについてざんきの思いがあるとか、そういうことはいかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 いかに改革を進めるために多くの方々からの協力を得るかということの方が大事だと思っております。

海江田委員 これは、三十兆円の国債のときも、それは大した公約じゃないとおっしゃったんですから、そういう答えが返ってくるのもしようがないかもしれませんけれども、今回の国会が始まりまして、最初に総理が本会議場で所信表明を行いました。その所信表明を聞かせていただいて、それから、実は、きょうのこの予算委員会での質疑もそうなわけでございますけれども、総理はいつも所信表明のときには、最初は米百俵という名文句といいますか、歴史の故事をお引きになって、あしたのことを考えなきゃいけないということを非常に強調なさった。それから、二回目の所信表明では、たしかダーウィンの進化論について引用されまして、やはり変わらなければ生き延びていくことができないんだということをおっしゃいました。

 今回、その意味の言葉をどういう表現をされるのかということで、その意味では私も注目をしていたわけでございますが、今回は司馬遼太郎先生の言葉を引用しまして、悲観論ではだめなんだ、子供たちに次へのステップを、前進をするためにやはり楽観論が必要なんだ、こういうお話をされました。

 先ほどの当委員会でのお話もそうでしたけれども、私は、悲観論、楽観論ということについて、若干総理はお考え違いといいますか、よく私どもなんかに対しましても、だめだだめだじゃだめなんだとか、そんな悲観論じゃだめなんだというようなことをお話しになりますが、私どもは悲観論を述べているんではありませんで、経済についての先行きが厳しい、あるいは実際足元が厳しいということは危機意識としてお話をしているわけでありまして、その意味では、楽観論、悲観論ということでお話をされてしまいますと、どうしても危機意識というものが希薄になってしまうんではないだろうかということを、私は、余計なことかもしれませんけれども、そのことに危機意識を持っております。

 まさに今、景気も確かに一年前あるいは二年前に比べますとよくなっている部分もございます。きょうも日銀が短観を出しまして、その中の業況指数、業況判断といったものが若干上向いてきました。ただ、その上向いてきたというのも、やはり一部の大企業、しかも製造業。非製造業の方はまだまだだと。それから、中小企業に至っては、まだまだ製造業もなかなか明るさが見えてこないということがありまして、その意味では、やはり経済、日本の経済に対する危機意識というのはこれまでと変わらず持ち続けなければいけない、私はそのように思うわけですけれども、その点はいかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 何事も表があれば裏がある。コインの裏表ではありませんが、作用があれば反作用がある、プラスがあればマイナスがある。物事はやはり両面見ていかなきゃいけないと思っております。そういうことを言いますと、景気の情勢、厳しい中においても、明るい兆しも見えてきた指標も出ております。

 司馬遼太郎氏の、人間のすばらしさは、自分のことを悲観的に思わないことだという言葉を引用したのも、私は司馬遼太郎氏の本をかなり読み込んでおりますので、あれほど、戦国時代とか幕末時代、日本の大きな時代の転換期にあって、歴史上の人物を数千人にわたって見てきた方、時代の困難な時期を見てきた歴史作家として、私もあの本、いろいろな本を読んで大変得るところが多かったわけであります。

 今、厳しいという状況でありますが、各時代において、今では想像できないような絶望的な時代においても、我々の先輩たちは絶望せずに、悲観的に思わないで、何とかこの困難な時代を切り開いていこう、自分の将来を自分の力で何とか可能性を見出していこうということで、苦難の道を歩んできたわけであります。

 そういう意味において、今の時代も厳しい状況でありますが、戦後の、敗戦後の時期に比べても恵まれた点もある、そういう面も見て、だめだだめだと悲観的に思わないで、いい点も見ることが必要ではないかと。余り悲観的に見ますと、挑戦の意欲も失います。いい面も見て、すばらしく活躍している人もいると。あるいは、自分の国、日本の国に比べてもっと困難な局面に遭遇していながら、建国の意欲に燃えている国々もある。そういう点から、私は、一面的に物を見ないで、両面見る必要があると。

 余りにも小泉内閣だめだだめだという議論が多いし、今の時代は惨たんたるありさまだ、悲観論に満ち満ちているというような議論をする方もおりますので、それだけではないのではないか、両面見ながら、新しい可能性、日本の持つ潜在力を信じて、新しい時代を切り開いていく意欲を持つことも大事ではないかという意味を込めて、司馬遼太郎氏の言葉を引用したわけでございます。

海江田委員 私が言っておりますのは、楽観論、悲観論というその次元の議論ではありませんで、やはり今も相変わらず日本の経済に対しては大変厳しい状況がありますから、そういうことに対して、やはり危機意識をしっかり持っていただきたい、昨今の総理の発言を聞いておりますと、その意味では、根拠なき楽観論といいますか、危機意識の薄さといいますか、それがあるんではないだろうかということを指摘しているわけでございます。

 具体的な質問に入りますけれども、総理は、この二十六日の衆議院の所信表明の演説で、「サービス分野を中心に、この三年間で約二百万人の雇用が創出されたと見込まれます。」、そして「今後二年間で三百万人の雇用創出を目指します。」このように演説をされておりますけれども、これは本当に間違いのない数字でございますか。

小泉内閣総理大臣 私もこれは確認したんです。これは間違いのない数字だ、そういうことで引用をいたしました。詳しい数字については、関係大臣から答弁させます。

海江田委員 間違いのない数字かということで確認をしたということでございますが、恐らく、そのときに見せられた資料が、今皆様方のところにお配りをしている資料ではないだろうかというふうに思うわけでございますが、いかがですか。総理、ちょっとお目通しいただいて。お配りした、それです。そのとおりですか。

小泉内閣総理大臣 はい。このとおりであります。

海江田委員 これを見ますと、一見しますと、二〇〇〇年の一月から六月の間、一千四百六十三万人、サービス業における雇用者数の増加、そして、二〇〇三年の一月から六月が一千六百十八万人ですから、プラス百五十五万人になっている。それを少しサービス業の範囲を広げまして、あるいは広げたというよりも、むしろ、従来はサービス業だったんですけれども、これからはもう余り伸びていかないなというところをわざと落としまして、そして、新規にこれから伸びていくであろうと見込まれるところを今度新たにサービス業という定義づけをし直しをしまして、そういういわば工夫といいますか、もう少し端的に言うと細工をしまして、それで一・三倍を掛けて約二百万人という数字を出しているんだろうと思いますが、実は、これはもう真っ赤なうそといいますか、全然実態と違うわけですよ。それについて、何かもし総理以外で、竹中さん意見があれば。

竹中国務大臣 この五百三十万人雇用というのは、そもそもの発想は、海外への製造業の立地とか衰退していく産業とか、雇用が減るところというのは、この構造調整の中ではどうしても出てくる、それを補うためには新たな雇用創出が必要である、その創出の可能性として、こういう分野で五百三十万人の可能性があるということを出したわけです。これは委員もう御指摘のように、したがって、これは純増ではなくて、新たな創出です。

 かつ、統計のベースが、五百三十万人雇用の議論を島田晴雄教授らがなさったときのベースというのは、事業所統計でありますとかサービス基本調査でありますので、これは五年に一回しか出ない。これを労働力調査、労働力調査は非常に頻繁に出ますので、しかしこれは非常に範囲が狭い、この調整。

 したがって、純増ではなくて創出の部分、それと範囲が狭い部分をより広く、その調整を行って推計をしたものでございます。推計でありますから、これは一つの推計であります、我々としては、この推計は非常に適切なものであるというふうに思っておりまして、これをもとに、さらに雇用をふやしていきたいというふうに考えているわけです。

海江田委員 今竹中さんがおっしゃっていたことは大変重要でありまして、一つの推計でしかないということなわけですね、総理。

 だから実感としまして、本当にこの二百万人雇用が創出された、まあ、これは雇用の機会ですから、やめた人はもちろんいる、純増でただこの二百万人ふえたということではないということはわかりますけれども、それにしてもやはり少し、実際の就業者というのは平成十一年六千四百四十六万人、平成十四年で六千三百三十万人ですから、これは百十六万人、実際の就業者は減っているわけですね。それと比べて、やはりここで二百万人も機会がふえたというのは多過ぎやしないだろうかということぐらいは、少しは総理、お役人からあるいは竹中さんから見せられた数字をそのままうのみにするんじゃなくて、やはりそれは考えていただきたいんですね。

 あるいは本当に町の声、先ほども同じ東京の吉田公一議員と話していましたけれども、今、東京がいい、いいと言われていますけれども、その中だって、地方の人たちは東京がいいからいいんですねなんて言われますけれども、その中だって商店街はもうシャッター街になったり、そういう現実があるわけですよ。総理も、そういうことには目をつぶっているわけじゃないわけですから、そういうのをごらんになれば、ここでやはり雇用が二百万人も創出をされたということ、本当なのかなと、だれだって思うのがそうなんですね。そうはお思いにならなかったんですか。

小泉内閣総理大臣 新しい雇用が創出されたということでありますので、これに対して、今指摘されましたように確認をして、見込まれますという表現を使って所信表明で言ったわけでありますが、同時に雇用を失った方もいるのは事実であります。両面事実なわけです。ふえた分と減った分がありますよと。

海江田委員 じゃ、トータルではどうなんですか、トータルでは。総理でいいです、総理です、それは簡単な話じゃないですか。トータルでは。

竹中国務大臣 雇用の問題というのは、これは海江田委員よく御承知の上で聞いておられると思いますが、世界じゅうで今大変であります。

 この二年間で日本の失業率はほぼ横ばいなんですね。その間にしかし、経済がいいというアメリカでも一%ポイント以上ふえて、フランスでもドイツでも一%ポイント以上ふやしている。日本も雇用は大変厳しいです。しかし、その失われた分、何とか創出で補っているから、何とか横ばいでもっているということだと思っております。

 就業者数そのものは、実は九七年がピークで、その後どんどん減っていきました。二〇〇〇年、一九九九年、つまりあれだけの大きな公共事業をやって、需要追加をやっているときですら、実は就業者数は減っておりました。

 それが、この就業者数がようやく去年の末からことしぐらいに底を打って、今少しふえるような傾向が見られている。そういうような状況になっておりますので、我々としては、これは御指摘のとおり創出です、だから減っているところもあります、だから我々としてはもっと創出したいんです、したがって、その五百三十万人の中の二百万人ぐらいいっている、もっと頑張ろう、もっと頑張ってこれをふやしていこうという意味でこの数字を出しております。

海江田委員 先ほどは推計だというお話があって、そしてもっと創出したいという希望的な願望があって、これは希望的な願望の数字なんですよ。

 実際にそれだけ雇用がふえているのなら本当にそれは喜ばしいことですし、それから完全失業率も若干、今五・一というところまでなっていますけれども、これはまだまだ、私たちの政党ではこの任期中、今度総選挙があって、その総選挙の後、ですから四年の間にやはり四%台の前半にしたい、こういうことをはっきりうたっているわけであります。

 そのためにはこういうこともやらなきゃいけないよ、ああいうこともやらなきゃいけないよ、公共事業なども、緑のダムなどに変えたりNPOなどに変えたりということでやっていかなきゃいけないよというような、実際のマニフェストの中にそういう中身を盛り込んでいるんですが、これは、そういう意味からいうと、本当に現実にはないけれども、こういうふうにしたいんだという願望のあらわれをやはりここに書いているということで。

 総理、一つだけ言いますけれども、総理は、実は私、この二百万という数字を聞いたとき、何でおかしいなと思ったかというと、ことしの四月のたしか二十三日ですかね、党首討論がありまして、私は国家基本政策の委員会の筆頭理事をやっていますので、いつも総理の前で話を聞いておりますが、そのときの四月二十三日の国家基本政策委員会、俗に言うクエスチョンタイムの菅代表とのやりとりの中で、総理は、いいですか、ことしの四月二十三日の段階で、「十二年度を基準にすると、」これはさっきと同じですね、この「十二年度を基準にすると、約九十万人ぐらい雇用も創出しております。」こういうふうに言っているんですよ。四月の二十三日ですね、四月の二十三日に約九十万人ぐらいということを言っていて、そこからたった五カ月たったところでどうして急に二百万人になるんですか。この百十万ふえたのはおかしいと思いませんか、総理。

 これは総理がおっしゃったんだから。いや、総理ですよ、それは。

坂口国務大臣 四月におっしゃったのは、それは二年間でサービス業が九十万ということを、約五十万ぐらいずつふえてきておりますから、大体年間で百万というふうに思っております。

海江田委員 それはいいですよ。だから、ことしの四月の段階、四月二十三日で九十万とおっしゃったのが、同じ口からどうして五カ月たったところで二百万という、倍以上にふえたんですか。それは総理、普通に、常識で考えて不思議だと思いませんか、どうですか。

小泉内閣総理大臣 ですから、確認して、それぞれ間違いない、そういう推定なり見込みだということで発表したんですから、私はそれぞれの役所の調査を見て発言しておりますので、そういう発表になったわけでございます。

海江田委員 では、全く不思議だと思わない。では、御自分が四月二十三日に九十万と言ったことをお忘れになっていたんじゃないですか、もうこの所信表明をする段階で。どうですか。

小泉内閣総理大臣 私もその点、確認したんです。しかし、間違いありませんということですから発表したんです。

海江田委員 それでしたら、このわずか五カ月という短期間に百十万ふえた理由というのは何ですかとお尋ねにならなかった、いやいや、それはお尋ねにならなかったですか、総理は。そういう疑問は持たなかったですか。

竹中国務大臣 データのことでありますので、私もその場で総理に御説明をさせていただきました。これはどうしてこういう数字が出てくるんだということはきちっと総理から御質問がありましたので、説明させていただきました。もう言うまでもありませんが、統計の比較の時点が違います。一年分統計が長くなっています。サービス業の範囲が広がっております。かつ、これは純増ではなくて、いわゆるグロスといいますか、総創出をあらわしております、それで二百万という数字が出てまいりますということを申し上げている。

 これはデータですから、推計です。しかし、データはことごとく、ほとんどが推計です。失業率だって推計です。GDPだって推計です。それで、推計が間違っておられるというんだったら、どこが間違っているかとか、自分で推計したらどうなるかというのをやはり示していただかないと、ちょっと議論にならないと思います。

海江田委員 まあこれはいつまで言ってもしようがありませんが、あらまほしけれという数字を述べているのにすぎないんですよ。だから、これだって、見込まれますという言い方にして、断定をしていないわけで、どうもそういう、思料しますという話であるわけですから。

 だけれども、それをやはり、ここでは成果をお話ししているんだから、そういうような形で成果の中にこういうことを入れるというのは、私は、それはやはりちょっと違うんじゃないだろうかというふうに思います。

 あと、竹中さんはよくデータだ、データだ、数字だと言うけれども、確かに数字はうそをつかないよ、数字はうそをつきませんけれども、うそつきがよくこの数字を利用しますからね。それだけは言っておきますけれどもね。

 もう少しこれからは、その意味では私は、何も悲観的になれという話じゃないけれども、やはり危機意識を持って事に当たっていただきたい。しかも、先ほどもお話をしましたけれども、やはり雇用というのは本当に人々にとりまして、では失業給付がもらえるからそれでいいかというと、そうではなくて、やはり働いて働いて自分自身を発見して、そしてそれなりの賃金を得たり、あるいは、自分で商売を始めて、それでもって収入を得たりして、それで自分自身の実現にもなるわけですから、この雇用という問題にはこれまで以上にやはり力を入れていただきたい、私はそのように思うわけですね。

 特に、雇用で、先ほどもお話ししました、我々の党はやはりNPOの関係します雇用というものにかなり力点を置いているわけですよ。先ほどのこの政府の方でも、やはりこれからは、例えば医療でありますとか、介護でありますとか、そういうところが雇用が広がっていくよというようなことは言っているわけでございますが、このNPOの税制につきましても、たしか一万二千ぐらいNPOの法人があって、本当に税制の優遇を受けておられるのはたった十五なんですよね。これはいかにも少な過ぎると。私たちは、これを大体この四年の間に、NPOの法人の資格を持ったところの六割ぐらいがやはりきちっと税制上の恩典を得なければいけないというふうに考えているわけです。

 これは財務大臣にお尋ねをしますけれども、やはり幾ら何でも、NPOの法人で税制上の恩典を得られるのが一万二千でたった十五というのは、これは少な過ぎるというような認識を持っておられないかどうか。

谷垣国務大臣 今、海江田委員おっしゃったように、一万二千七百八十のNPO法人、設立があるわけですが、認定されたものは十五件、ことしの八月末までですが。

 それで、もう委員よく御承知のように、昨年の税制改正で、優遇措置の対象となる認定NPO法人の要件について大分緩和をいたしました。まだ、今の十五というのはこの改正の前の数字でございますから、改正によってもう少し多くのNPO法人に活用していただいて、ふえてくることを期待しております。

海江田委員 ですから、その二百万人とかいう数字は、実は、そういうような手当てをきちっとやって、そうしたときに初めてそういう数字が達成できるわけで、後でこれはちゃんと本当に実際の数字が、確定をした数字が出てきますから、そうすれば、本当に今この時点で二百万人ふえていたのかどうなのかということもはっきりしますから、だから、そこでもうはっきりさせるしかないわけでございますが、ぜひこの雇用の問題には、これまで以上にやはり力を入れていただかなければいけないということはお伝えをしておきます。

 それからもう一つ、やはりこれは、今の日本の経済の状況をずっと考えまして、先ほどもお話をしましたけれども、きょうも確かに、日銀の短観などで少し明るさも見えていると。

 ただ、それも、先ほど来お話があるように、輸出主導であったり、あるいは企業の設備投資が前向きになったりというところで実は経済が上向きをしてきているわけですが、ただ、私は、本当にいつまでも、そういう意味では、日本の経済の成長と申しますか、あるいは日本の経済の原動力を、そうした企業の設備投資でありますとかあるいは輸出でありますとか、そういうことに本当に頼り続けていいんだろうかどうなんだろうかということをやはり考えているわけですね。

 それはどうしてかといいますと、やはり今、例えば円の問題もこれだけ、きょうあたり百十一円とか、これはまさに、総理が自民党の総裁選挙で再選をされて、そしてそのときにG7があって、そこで、為替のレートというものはもう少し柔軟にしなきゃいけないというような形で、いわば日本の円買いの、円高に対する、円を安くさせようという動きに対して、世界からそういうある程度、特にアメリカですけれども、批判が入ってきたというようなところから円高がずっと進行しているわけですけれども、そういうような外国の、アメリカの景気でありますとか、アメリカと日本との為替の変動でありますとか、やはりこういうことに頼り続けて本当にいいんだろうかどうなんだろうかということを私は思うわけです。

 特に、総理はやはり構造改革ということを言っているわけですから、経済構造の改革ということでいえば、本当に発想を百八十度変えまして、これまでのそういった設備投資だとかそれから輸出だとか、そういういわば企業、法人中心の考え方、ここをまず改めて、まずここから先に出ていってもらって経済全体を膨らまそうという考え方じゃなくて、例えば個人の消費であるとか、ただ個人の消費というと、みんな買いたいものないじゃないかと言うけれども、私もいろいろ聞いてみましたけれども、やはり一番買いたいのは住宅ですよ。

 だから、住宅産業でありますとか、あるいは住宅をしっかりさせることによって、良質の住宅を持たせることによって、それでまた消費も拡大をするわけですから、そういう個人消費だとか住宅だとかというところにもっともっと手厚く、その意味では後押しを、もちろん基本的には、自分たちが自分たちのお金でそういう住宅を手に入れるわけですけれども、そういうことをしやすいように政府が後押しをする、政治が後押しをするということはやっても全然構わないんじゃないだろうか。むしろ、そういうところに思い切って、これまでの法人や企業から思い切ってそういう個人の方にかじ切りをするということが、やはり私は構造改革なんじゃないだろうかと。

 民主党はまさにそこのところを主張しているわけですけれども、そういうお考えはどうでしょうか、総理。

    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕

小泉内閣総理大臣 先日も、ある経済人との懇談の機会におもしろいことを聞いたんです。

 政府があれ買え、これ買えと言うのはろくなことがない、今売れている商品を見てごらんなさいと。今売れている商品は何ですかと私、聞いたんですよ。そうしたら、ビデオじゃなくてDVD、液晶テレビ、ブラウン管の幅の広いのから薄いの、これが非常によく売れていると。それとカメラつき携帯電話、これほど売れるとは思わなかったと。それからデジカメ、それと食器洗い器。食器洗い器なんていうのは、今では手で洗うよりきれいに汚れが落ちて、水の使い方も、手で洗うよりも少ない。それともう一つ、これは小泉さん、想像つかないでしょうけれどもと言われたのがごみ焼却、家庭のごみを自分で小さくして。これが静かなブームだと言われましたよ。

 だから、政府であれ買え、これ買えなんて言わない方がいい、民間の企業はそう言われなくても何を消費者が好んでいるかを真剣に展開しているんだと。要は、企業の活動をもっと自由に、余り縛らないで自由にやらせるような環境をつくってくれ、規制改革もしてくれということを言われまして、なるほどなと思いましたね。

海江田委員 途中までは聞いていたんですが、私が言ったのは、やはりそれは今の液晶テレビもそうですけれども、総理、小さな家にあんなのを置いたって入り切らなくなっちゃうわけですよ。

 だから、そういう意味で、そういうような家電製品だとか何だとかも含めて、やはりそこの入れ物であります家をもっと力を入れるべきじゃないだろうか。あるいは発想を変えて、法人から個人中心だというふうに減税なんかでも、ちょっと今時間がないので、詳しい数字を言っていただく時間があるかどうかわかりませんけれども、減税だって、やはりどうしても法人の方が中心になっているわけですよ。

 住宅の減税は果たしてどういうふうになるのか。今度、住宅ローンの減税も切れますし、しかも、住宅ローンの減税が今までのやり方でいいのかというような問題もあるわけですよ。

 それで、私、ちょっと調べてみましたら、実は一九三〇年代のアメリカのあの大恐慌を救ったのは、実は住宅なんですよ。テネシー川の公共事業の方ばかり宣伝をされますけれども、実はあの一九三〇年のときにアメリカもやはりマイアミの土地の投機のブームとかありまして、がたっと不動産価格が下がったわけですよ。土地の価格が下がって不動産価格が下がった。

 そこから考えたのが、今度は土地自体に価値を見つけるんじゃなくて、むしろ土地の上の上物の住宅に価値を見出して、アメリカの住宅というのは大体十一ぐらいのパターンなんですよ。コロニアル風とか何とか風とか、その大体十一ぐらいのパターンができたのが、まさに一九三〇年代の大恐慌の中から、しかも、もう土地だけじゃだめだから、むしろ土地は安くてもいいけれども、その上にしっかりとした上物があれば、それがやはり一つの不動産というか住宅というか、資産をしっかり守ることができるんじゃないだろうかというような考え方になってきた。

 しかも、そのときに、実はアメリカは住宅ローンの控除の制度を導入したんですよ。その控除の制度というのは、我が国のような住宅ローンの控除とは全然違って、我が国の住宅ローンの控除というのは、ローンの残高が幾らありますか、その一%ということで、しかもそれを、最初は五年間だったのが七年になったり十年になったりとかいう、買った当初は返済が厳しいだろうから、だんだん賃金も上がっていくだろう、それから、買った家も上がっていくだろうから、一番厳しいのは最初のせいぜい三年か四年だろう、あるいは五年から十年ぐらいだろうから、その間税金をおまけしますよというのが我が国の基本的な住宅取得控除の考え方ですよ。

 だけれども、そうじゃなくて、アメリカが一九三〇年代に取り入れたのは、ローンの金利があったら、その金利があり続けるうちは未来永劫その金利分を所得から控除しますよ、減税をしますよという考え方だったわけですよ。これは全然違うわけですよ。

 それで、日本もそろそろ、やはりその意味では、買ってすぐ上がっていくなんていうことはもうない。それから、給料が上がっていくこともない。むしろ今さらされているのは、住宅ローンの金利が上がったらどうするんだろうか。この間、駆け込みが随分あった。これから金利がもう二度も上がったから、本当にこれから住宅を買う人たちが出てくるか心配ですけれども、やはり金利リスクというものはあるわけですよ。

 ところが、住宅ローンの金利は減税をしますよという形になっていれば、少なくとも買う人たちは金利の上昇リスクから、金利が上昇してそれだけローンを払うのが多くなればその分は税金でおまけになるから、最終的にはそういうリスクから逃れられるとか、こういうような発想の転換がやはり必要なんであって、先ほどお話があった、何が売れている、かれが売れている、これは自分たちが勝手に考えていることだから任せておけばいいという話じゃなくて、そういうふうに住宅ローンの仕組みもあるいは住宅の取得の仕組み、そういうものもやはりこれはある程度政府が応援をすべきではないだろうか。

 それこそ、むだな公共事業をやるよりもそういう方に応援をすべきではないだろうかというふうに考えているんですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 まず、我が国でやっている住宅ローン減税ですね、今おっしゃったようにことしで期限を迎える、こういうことになっておりますが、これは、景気対策の観点から住宅が大事だと今おっしゃった、それをやろうということでやってきたわけですが、これを続けますと大体一兆円という減税になっている。これはなかなか今の財政としては大きいということがございます。

 それからもう一つは、多分そのことをお触れになったんだろうと思いますが、住宅をめぐる環境を見ますと、新築の住宅投資が持ち家比率の上昇に必ずしもつながらないという面もございます。それから、借家とかあるいは住みかえといった住宅ニーズも多様化してくる。そういうものにどうこたえたらいいか。今までの、新規供給を重視する、持ち家政策だけでいいのかといったような議論も、これはあわせてやらなきゃいかぬのだろうと思います。そういうことを踏まえて、今年末の税制改正の中でどうするかを議論していきたいと思っております。

 それから、委員がお触れになりました、アメリカの例もお引きになって、もう少し違う発想で住宅ローンの利子の減税というのは考えられないかということなんですが、これも確かに一つの考え方なんですが、やはりローンを使う人と使わない人のバランスとか、あるいはそれが租税回避に使われるというような懸念もこれはなくはなくて、諸外国でもだんだん廃止縮小の方向にあるというふうに聞いておりますので、今直ちに委員のおっしゃるようなことはとりにくいのかな、こう思っております。

    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕

海江田委員 この問題、いずれ財務金融委員会でしっかり議論したいと思いますが、ただ、ローンを使う人と使わない人のバランスと言いますけれども、これは使うのが当たり前の話であって、使わないというのはごく一部の人なわけですから。

 それから、ローンが使えれば、それによって新規に住宅を取得する人もふえるわけですから、私は、やはりこの住宅の問題、あるいはもう一つ前の、やはり個人のところに重点を置いた減税といいますか、個人にこれから景気を拡大する力を、やはりよりかかっていくんだというような考え方を持っていただいていいんじゃないだろうかと思っていますが、念のために、個人の減税、随分先行減税をやったという話がありますけれども、個人の減税と法人の減税でいうと、今の減税でよろしゅうございますが、どのくらいの割合になっていますか。

谷垣国務大臣 ちょっとその割合は今資料がないんですが、割合を見ますと、相続税、贈与税、これは個人にとって資産の有効な活用につながるわけでありますが、これが初年度〇・一兆、それから平年度が〇・二兆。それから、金融・証券税制、これは株式になじみの少ない方々を含めて預貯金並みの手軽さで投資ができる、これが初年度〇・一兆、平年度〇・一兆、こういう形になっております。

 それで、法人税の方は、初年度一・四兆、平年度一・七兆。これは、確かに法人だ、個人ではなく法人だということですが、大きく申し上げると、産業競争力の強化とか、中小企業の基盤強化を通じて雇用とか経済全般に好影響が及んで、個人にもそれはメリットがあることであるというふうに思います。

海江田委員 そういう考え方は古いということは先ほど申し上げたんですが。

 相続、贈与の話もだまされてはいけないんですけれども、初年度〇・一兆、それで平年〇・二兆というお話ですが、あれは、新たに相続と贈与の一体化という話が出てきましたね。それも入れているわけですけれども、相続と贈与の一体化というのは、一体化を選びますと、最終的には、その方が亡くなったときの相続税の、そのときの相続税率でもってもう一回再計算をし直すんですよ。

 そうしますと、まあ一年か二年先ならいいですけれども、まあ、いいと言ったら亡くなった方にはあれですけれども、これが五年先とか十年先になりますと、これはまさに政府税調の、せんだって発表した中期展望に入っていましたけれども、これからは実は相続税は強化をしますよという一つの方針を打ち出しているんですよ。

 どうして相続税は強化しますよということを言っているかというと、少子高齢化になって、子供が少ないから、結局、親が子供のためにお金をかける額が少なくなるから、最終的に資産が残るでしょうと。この最終的に資産が残った分を、つまり、子育てをやらずに資産を残した分を、やはり最後のところで税金でいただきましょうという考え方ですから、これがいい悪いは別ですよ、いい悪いは別ですけれども、そういうような考え方がありますから、将来的に相続税は、その税調の中期展望によれば必ず強化されるんですよ。今のような、各種の控除があって、税率も比較的低くてと。中には高いのもありますけれども、各種の控除があんなにたくさん、なくなるんですよ。恐らく各種の控除がぐっと圧縮されるんですよ。

 そうすることによって、この生前贈与なんかを受けた人たちというのは、実は、確かに、今はよかったというふうに思うけれども、それが相続と一体化をしていますから、一体化をして最後に再計算をやったら何のことはなかったという結論になるんですよ。

 だから、そのことからいうと、これはちっとも……(発言する者あり)いや、そういうことになるんですよ、方向性として。だから、そこのところをよくお考えになっていただいて、さらに一層、やはり個人に対する減税の部分を厚くしていただきたいと思うわけです。

谷垣国務大臣 随分先のことまで読んで御議論をいただいたわけですが、もちろん我々も、今おっしゃいましたように、この税制調査会の答申を一つたたき台にしてこれから議論をしていかなきゃならないんですが、ただ、今度の相続税、贈与税の一体化というのは、相続税が課税されない方々、九五%ですが、そういう方々にとっても、生前贈与を行いやすくなっている、それで事業承継なんかもやりやすくなっている、そういう点はあるというふうに思っております。

海江田委員 まあそれは、財務大臣、まだ就任をしたばかりですが、財務省の言うことをそのままオウム返しに言っているので、これは私は、ずっと本当に研究していまして、そういうふうになるんですよ。これを選んだ人というのは、最終的には相続税の本体が変わっちゃえば、そっちで再計算ですから。絶対、体を張ってでも阻止する、相続税の課税強化を許さないなんということを言えないでしょう、そういう流れになっているんだから。

 だから、そういうふうに、まだまだやはり随分不十分なところも個人に対してはありますし、それから、うまく仕組まれているんですよ。一見すると、一体化すると、確かにああ、いいかなというふうに思うけれども、最後のところで変わってきてしまえばだめなんだから。

 これはさっきの総理のデータの話もそうなんですけれども、その意味ではまだまだ官僚支配から抜け切れていないといいますか、これは堺屋太一さんが新聞に書いていましたけれども、総理は族議員と闘うのは一生懸命だと。族議員征伐、族議員退治に対しては非常に情熱を燃やしているけれども、その引きかえに、官僚そのものにもうすっかりいいようにされてしまっているというような指摘もあるんですよ。

 ですから、やはりきちっとそういう――もし違うというんなら、どうぞ、いいですよ。

小泉内閣総理大臣 官僚が族議員にこれをやるんですよ。官僚の分野を侵されると、よくお世話になっている議員のところに行って、これは何とか反対してください、反対くださいと。そこら辺をよく見なきゃだめです。与党の政治家だから、私の方がはるかに知っているんです。

 だから、そういう官僚主導にならないように、政治主導というものも大事だということは、よくわきまえています。

 今、相続税の話が出たけれども、この前、実におもしろいというか説得力のある話を聞きましたよ。それは、相続税、いろいろな陳情に来ます、税制の場合は。ほとんど減税の陳情、増税してくれという話なんというのはめったにないんだけれども、相続税は、生きているうちは払う、死んだ後まで取らないでくれという話には、これはなかなか説得力のある話だなと。相続税、生きているうちは金があるから払ってもいい、しかし、死んだ後まで取るというのはむごいじゃないかという陳情を受けたときには、これはおもしろい話、説得力があるなと。

 しかし、同時に、一方では、相続あるほどの人から税金を取るのは当たり前じゃないかという意見もあるんです。ほとんどは相続すべき資産がない、そういう人も考えてくれと。だから、両方のバランスをとって考えなきゃいかぬ、税のことは。その点はよく考えなきゃいかぬと思います。

海江田委員 一つ、総理にこれはぜひお答えいただきたいんですが、視点が変わりますけれども、先ほどの原口議員の質問に対して、藤井総裁が、総理の秘書官の御子息が道路公団にはいなかったと言いましたけれども、ファミリー企業については否定をしなかったわけですね。それから、このファミリー企業にいたということについては同僚や元取締役の証言もあるということなんですが、小泉総理の秘書官が道路公団ファミリー企業に御子息を縁故採用するなどと癒着していたということについて、やはり総理は改めてどういうふうに思うのかということをお聞かせいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、それをどうして癒着と解釈するのか、おかしいと思いますね。個人のお子さんの仕事、就職のことを考えるのは、親御さんの立場に立ってみれば当然じゃないでしょうか。そこまで追及という気持ちでするんですかね。私は、国会議員として、一人の親として、その辺はもっと考えていただきたいと思います。

海江田委員 これについては、では、そういう事実が判明をした段階で、どういうふうに思いますかということを聞いているわけですから、それはもう全く構わないということですか。どうですか。

小泉内閣総理大臣 それは私に関係ないことですから。個人のお子さんのことで、そこまで私にどうだこうだと言うのはいかがなものでしょうか。

海江田委員 これにつきましては今後、まあ今度総選挙になってしまえばあれですけれども、やはり国会でもしっかりと、安倍官房副長官の答弁もありますので、私どもとしましては、さらにもう少し調査をしまして、それなりのやはり対応をしていきたい、そのように思っているところでございます。

 それから、さっきの話になりますが、住宅の話でリバースモーゲージというのがありまして、これは国土交通大臣にお知らせをしてございますが、優良な住宅があれば、アメリカなんかもそうですけれども、今日本でも、最近、百年住宅とかいうものがどんどん出てきまして、そうしますと、その住宅が一軒あれば、実は本当は、先ほどの相続の話にも出ましたけれども、現金なんかそんなになくても、その住宅を担保にして、さっきの総理の話では、生きているうちには取らないでくれ、亡くなってから取っていただくのは自由ですよという話に……(発言する者あり)逆ですか、これは。亡くなってからは取らないでくれ、生きているうちに取ってくれ、こういう話ですか。

 今私がお話をしておりますのは、最後のところで、自分が子孫に美田をもう残したくない、もう残す必要がないという人もまたふえているのも確かなんですよ。そうすると、自分が住んでいた優良な住宅が一つあれば、その住宅を担保にして、逆の年金の形ですね。リバースというのはテープレコーダーなんかのリバースで、巻き戻しですから、最初の住宅ローンというのは、がぽっと大金を借りて、そしてそれを月々払っていく。それが払い終わったところで、その住宅の現在価値に対してまたお金を借りて、そのお金を借りたものを年金型で今度は受け取っていく。最後に、亡くなったところで、自分だけじゃなくて奥さんでもいいわけですけれども、家族が亡くなったところでそれを売りに出してしまえば、もうそれでチャラですよと。そうすることによって、例えば年金の額についても、いろいろな、だんだん少なくなっちゃうんじゃないだろうかというような不安があるけれども、その不安が、そうやって自宅を担保に入れた年金でもって補うことができる。結果的に、何もお年寄りはそんなにたくさん現金なんかを、金融資産を持っていなくたっていいというような考え方もあるんです。

 これは一時期、三鷹市か武蔵野市か、そういうところが導入を図ったわけですが、その後ちょっと余りそういう事例を聞いていないんですが、アメリカなんか、最近になって特にやはり八万件ぐらいそういう件数も出ておりますので、そういう問題に対する国土交通省のお考えなりはいかがでしょうか。

石原国務大臣 ただいま委員御指摘のリバースモーゲージは、私の住んでいるところの横の吉祥寺で、武蔵野市ですか、かなり盛んだったんですが、なぜ日本で普及しないかというのは、先ほど委員が議論の中であった、アメリカの住宅は、それこそコロニアル方式の家とか何とか方式の家といって、そのものを欲しがる客層がいる。それで、その家が新しくないんですね。中古住宅でも価値がある。

 しかし、日本の場合は、十五年ぐらいたちますと上物の価値はゼロになりまして、中古住宅の情報でも、駅から徒歩何分とか、そういうものが唯一の価値判断になっているんですけれども、周りに何があるとか町並みがどうであるとか、先ほど委員御指摘の、何とか方式の家がここの地域はいっぱいある、こういうものを示すことによって、このリバースモーゲージは少子高齢化社会の中で有益な制度だと私も思いますので、国交省としても、いろいろ御指示をいただいて普及に努力をさせていただきたいと考えております。

海江田委員 ぜひこれは、やはり一種、価格が下落したときの保険だとか、そういうものも含めた設計が必要になってくるわけですから、これはやはり最初の段階では幾つかのモデルをつくって、そしてその中でスタートをさせるということになるんでしょうけれども、国としてもやはりそういうことにはしっかりと後押しをしていっていただきたい、そのように思うわけです。

 あともう一つ、クリーンエネルギー自動車等導入促進補助事業という長い名前ですけれども、これは、総理は随分、車のクリーン化といいますか、公用車を全部クリーンエネルギーを使った車にかえようとか、そんなようなことも言っているわけですが、現実にこのクリーンエネルギー自動車導入促進補助事業、つまり自分の乗っている車を新規に、クリーンエネルギーであります電気自動車、電気自動車はまだ高いですからそんなにいませんけれども、ハイブリッドカーだとか天然ガス自動車だとか、こういうものにかえようとするときに、普通の車を買ったときとの差額の二分の一以内を補助するという制度なんですが、私の知り合いで、これから車を買うんだけれども、この制度を利用しようと思ったんですけれども、実際には利用できないという返事が返ってきたというんですね。

 それについては、これも資料を皆さん方のところにお配りしておりますけれども、いろいろな条件がついてくるわけですね。例えば、年間走行距離が六千キロ以上であることとか、これはなかなか難しいですよ、六千キロを一年間に走るのは。それから、自動車の利用区間、住宅から事業所まで、それから住宅から駅までが直線距離で十キロメートル以上、または実走行距離が片道十二キロメートル以上であること。この永田町や霞が関に来るとなると、大体高円寺がちょうど十二キロぐらいですか、高円寺から先、つまり阿佐谷だとか荻窪だとか、あの辺より先からこのあたりに通ってくるのならいいけれども、あの中の人たちはだめだとか、それからもう一つありますのは、「自動車を利用する場合の通勤時間の方が、公共交通機関等を利用する時間より短いこと。」という決まりがありまして、そうなると、例えば高円寺の向こう側で阿佐谷、荻窪だって、あのあたりから朝通勤時間に来れば、とてもじゃないけれども、それは公共交通機関の方が早いに決まっているわけです。

 結局、これを利用できないというようなことになりまして、こんなんじゃ。実際に聞いてみると、東京の人はほとんど利用していなくて、結果的には地方の人たちですね。地方の人は早い時間でばっと走れますから、地方の人がほとんど利用しているといいますけれども、クリーンエネルギーにしなきゃいけないというのは、東京はもっと非常に大きな問題があるわけですから、やはりそういうところもしっかりと、これは一度こういうことを指示を出したということで、後はどうなっているか、なかなかここまでは実際に利用した人でなければわからない指摘なわけですが、そういう声もよく聞いて、実際に自分がやろうとしていることがしっかり守られているのかどうなのか、それがちゃんと、きちっと政府の方針が貫徹しているのかどうなのか、やはりそういうこともチェックしていないと、本当にそれこそ官僚主導で、お役人の手のひらの中に乗っかってしまうということで、そんなことはないとさっきおっしゃいましたけれども、実際、一つ一つのことを当たってみると、そういうケースがたくさんあるんですよ。

 だから、こういう問題も、やはりこれはぜひ善処をしていただいて、もうちょっと利用しやすいものにしていただくというようにお願いをしたいんです。

中川国務大臣 今先生御指摘のように、新しいエネルギーの、いわゆるクリーンエネルギー自動車でございますが、エネルギー政策の観点からいきまして、ガソリン中心からエネルギーの多様化という観点、あるいはまた省エネとか、あるいはクリーンエネルギーという観点からも、こういうものを小泉総理中心に政府として進めているところでございます。

 今先生御指摘のように、いろいろな優遇措置がある一方、今先生御指摘のようないろいろな要件も厳しいということで、平成五年からの十年間で、電気自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車合わせて五万二千台が補助実績ということでございます。一方、政府の導入目標は、二〇一〇年まで三百二十二万台ということになっておりまして、これがどんどん普及をしていかなければならない。

 他方、先生御指摘のような、実際にはいろいろな要件の規制もかかっているということでございますので、この辺は、政府あるいはまた場合によっては自治体等々ともよく御相談をしながら、総理の方針に基づいて、普及に向けてさらに努力をしていきたいと思っております。

海江田委員 総理の方針もよく承ってという答弁がありましたけれども、こういうのはやはりもう少し、これは本当に、えてして、まさに大枠を政治家が決める、方向性を決めるのが政治だということを言って、細かいことまでやらぬということをよくおっしゃっていますけれども、その細かいところでもって本来の政治家の主張などを曲げてしまうのがやはり官僚政治なんですよ。

 だから、それは細かいところと言われるかもしれないけれども、実際にどういうようになっているのかということをきちっと細かく点検をして、そしてそれが本来の趣旨とそぐわないものであれば直ちに軌道修正をする。今のままでいけば、一年間に一万台ちょっとぐらいで、二〇一〇年までに三百二十二万台、できるはずもないですよ、これは。そうすると、結局そのお金が残っちゃうということになりますから、そういうことはぜひ総理のリーダーシップでしっかりやってください。

小泉内閣総理大臣 利用しやすい簡素な手続、そういう視点が大事だと思いますので、その御指摘を踏まえて、もっと利用しやすいようなものにしていかなきゃならないと思っております。

海江田委員 もう時間が短くなりましたけれども、最後に一つ。

 総理は、新聞はよく読む方ですかね、国内の新聞は。せんだって、これはいつですかね、九月の二十三日ですから、総理が安倍さんを幹事長にして、そして組閣をやった直後、翌日の新聞ですか。これは、読売新聞の橋本五郎さんという編集委員が「「惑溺政治」卒業を」と。これは、私も改めて読んでみましたら、「文明論之概略」、福沢諭吉先生の本ですが、ここに出てくる。ここのテーマが、実は惑溺ということに対する、惑溺はいけないよと。

 この惑溺というのは、つまり一つの物事に凝り固まって周りのことが見えなくなってしまうというのが惑溺という言葉なわけですが、やはりこれはまさに政治でも、総理は構造改革ということをおっしゃる、だけれども、その構造改革ということを言うことが一つの自己目的になってしまって、そしてほかの意見やほかの風景が、状況が見えなくなってくるということに陥る。これがやはり一番戒めなければいけないということでありますので、総理にはその嫌いがあるということ、私は全く同感ですが、私ではなくて、この読売新聞の編集委員がおっしゃっているんですが、そういうことのないよう努めていただきたい。

 それについて感想があればどうぞ。

小泉内閣総理大臣 貫くべきところは貫き、大胆かつ柔軟に対処するべきはするべきと。そのように柔軟に対応すべき点もあると思いますし、両方よく勘案しながら総合的に考えていきたいと思います。

海江田委員 ありがとうございました。

藤井委員長 これにて枝野君、菅君、原口君、海江田君の質疑は終了いたしました。

 次に、志位和夫君。

志位委員 日本共産党を代表して、小泉総理に質問いたします。

 きょうは、限られた質問時間ですので、イラクへの自衛隊派遣を中心に伺います。

 この問題を取り上げるのは、十月十七日に米国ブッシュ大統領の来日が予定され、その場でも日本政府が自衛隊の派兵を確約するのではないか、巨額の財政支出を約束するのではないかと報道で一斉に伝えられるなど、事態が差し迫ってきているからであります。

 加えて、これまでも自衛隊の海外派兵というのは繰り返されてきたわけですが、今度のイラクへの自衛隊の派兵というのは、これまでの自衛隊の海外派兵とは質の異なる重大性を持っていると私は思います。

 すなわち、テロ特措法に基づいてアフガン戦争の支援のために自衛隊は出たわけですが、活動しているのは主に公海上、インド洋上です。それから、PKO法に基づいて世界各地に自衛隊が派遣されましたが、PKO法というのは、ともかくも、紛争当事者同士の停戦合意が成立しているというのが前提のもとでの派遣です。

 ところが、今度のイラク特措法というのは、現に戦闘が行われている外国領土に自衛隊の地上部隊を送り込むという点でまさしく戦後初めてのこととなります。ですから、この問題への対処というのは、私は、日本国民の命のかかわる問題、日本の平和がかかわる重大な問題として徹底的に問題点が究明されなければならないと思います。

 そうした立場に立って幾つかの角度から総理に伺いたいと思います。

 まず、イラク特措法の基本問題について総理に確認しておきたい点があります。

 ここに議事録を持ってまいりましたが、総理は、七月二十五日の参議院外交防衛委員会の締めくくり質疑の中で次のようなやりとりをされておられます。質問者が、「現在のような戦闘状態にあって非常に危険だというときに派遣をしないということだってあり得るんですか。簡単に言いますと、空振ることはあり得るんですか。」こう聞いているのに対して、総理は、「それは可能性ということを言えば、あり得ると。これは自衛隊を派遣しなければならないという法案じゃないんですから、自衛隊を派遣できるという法案ですから、状況を見て派遣しない場合もあるし、派遣する場合もあるということであります。」こうおっしゃられておりますね。これは事実の確認をしたいんですが、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 そうなんです。何回も申し上げていますように、このイラク支援法案は、自衛隊を派遣しなければならないという法案じゃないんです。自衛隊を派遣することもできるという法案なんです。

志位委員 今の確認していただきました。

 すなわち、七月二十五日の時点でも総理がおっしゃられていたのは、イラク特措法を発動して自衛隊を派遣するという選択肢と、派遣しないという選択肢と、二つの選択肢が政府にあるということをはっきり明言していたわけであります。

 ところが、それから一カ月半後の九月八日、自民党総裁選が始まった日の夜のテレビの討論番組で、イラクの自衛隊派遣について、首相は、イラク支援に日本はひるんではならないと述べた後、質問者から自衛隊が行かない選択肢はあるのかと問われて、ありませんと断言されております。私は、それを聞いてあっと思いました。七月二十五日には、派遣する選択肢と、派遣しない選択肢と二つがある、状況を見て判断する、こうおっしゃっていたのが、九月八日には、行かない選択肢はありません、行く選択肢しかありません、これは明らかに大きな立場の変化であります。

 私、伺いたいんですが、一体、総理は、九月八日の時点で、イラクのどういう状況を見て、行かない選択肢はありませんということを判断したんですか。

小泉内閣総理大臣 可能性を問われれば、一%の可能性も可能性であります、九九%の可能性も可能性であります。状況を満たせば自衛隊を派遣しないということはあり得ない、状況を満たせば自衛隊を派遣するということでございます。

志位委員 これは説明になっていませんね。七月二十五日の時点は、行かない選択肢、行く選択肢、二つの選択肢があると言ったうち、行かない選択肢はありませんと言ったわけですよ、九月八日には。それは、イラクのどういう状況を見て総理がそういう判断をしたのかと私が聞いたのに対して、答えになっていないですね、今のは。なっていません。

 私、じゃ、続けて聞きたいと思います。

 七月二十五日から九月八日までの間に、じゃ、イラクの状況は一体よくなったのか悪くなったのか、総理はどういう認識を持っておられたのか。これは自衛隊派遣を判断する上での一番重要になる問題です。派遣しない選択肢はありませんと断言したからには、それなりの認識があったはずです。この間にイラクの状況はよくなったのか悪くなったのか、どういう認識を持っておられたんですか。

小泉内閣総理大臣 テロ活動等、厳しい状況もありますが、全体的に見れば、イラク人のイラク人による政府づくりのために、アメリカ、イギリス初め各国が協力し出しているな、そして、イラクの国民も、フセイン政権が打倒されて、悪い悪いばかりじゃない、解放されたな、今後国づくりに励もうという意欲も見えているなという状況になってきておりますので、ここで私は、イラクの復興支援をひるんで、各国がイラク復興支援に取り組もうとしているときに、日本はやりませんということはない、また、してはいけない、テロに屈せず、イラク人のイラク人のための政府づくりに日本もふさわしい貢献をすべきだと思っております。

志位委員 これもまた設問に答えておりません。私は、この期間にイラクの状況がよくなったと認識されているのか悪くなったと認識されているのかと聞いたんです。国際社会の協力が進んだとか、イラクの国民がどう思っているとか、そういう一般論を聞いたんじゃない。よくなっているか悪くなっているか、これを聞いたんですよ。

 七月二十五日から九月八日までのこの期間にイラクで起こった主な武力衝突やテロを見てみますと、占領軍である米英軍への攻撃は引き続き拡大するとともに、明らかにそれまでとは質の違った状況の悪化が見られます。

 まず、八月七日、バグダッドのヨルダン大使館前で車両が爆発し、十九人が死亡しました。バグダッドの陥落後、外国公館をねらった攻撃はこれが初めてであって、世界に衝撃を与えました。

 それから、八月十六日、バスラでパトロール中のデンマーク兵がイラク人と銃撃戦になり、兵士一人が死亡、米軍以外のイラク駐留兵が攻撃によって死亡したのはこれが初めてで、これも衝撃を与えました。そして、八月十九日、国連の駐イラク事務所が爆弾テロで襲撃され、国連のイラク復興の責任者デメロ事務総長特別代表を初め二十二人が死亡し、百人以上が負傷する大惨事になりました。

 もとより、私たちも、ああいうテロ行為は絶対に反対です。許すことはできません。しかし、この事態は、米軍も国連も見境なく攻撃の対象になっている、この事態を世界に象徴的に明らかにするものでありました。こういう事件が次々に起こったのが、まさに八月のこの時期ですよ。この期間にイラクの状況が全体として深刻な悪化をたどったのは明らかだと思います。これだけ事態が次々に起これば、私は、日本政府はイラクへの自衛隊派兵により慎重になって当然のはずだと思う。

 この状況の悪化そのものは、当時の外務大臣の記者会見を見ましても、あの事件、バグダッドの国連事務所爆破の意味というのは、今までは米兵中心に治安上の問題があったわけですが、それが広がっている、文民に対する攻撃があるとか、バグダッド以外の場所にも広がってきている、事態が悪化しているという認識を示しています。

 そういう状況のもとで、こういうことが次々に起こればイラクの派兵については慎重になってしかるべきなのに、逆に、そういう状況が次々に起こる中で、九月八日、総理は、行かない選択肢はありませんと。これはなぜでしょうか。逆の方向にカーブを切ったのはなぜでしょうか。

小泉内閣総理大臣 状況をよく見きわめて、自衛隊ができることがあれば、自衛隊を派遣しないという選択肢はないと。自衛隊が民間人よりもよく活動できれば自衛隊を派遣するということでありまして、私は、今の時点において、厳しい状況ということはよく認識しております。そういう点も踏まえてよく状況を調査して、民間人よりも自衛隊の方がイラク人の復興支援、人道支援のためによく仕事ができる、能力も発揮できるということであれば、自衛隊を派遣します。

志位委員 条件を満たせば派遣すると言ったんですけれども、九月八日のテレビの番組では、派遣しない選択肢はないと。要するに、いつ派遣するかは別にして、もう派遣するんだということを断言されておられるわけですよ。

 そして、私が、この間にこれだけ治安が悪くなる、状況が悪くなるのに、なぜそういう方向に切りかえたんだ、こういうふうに聞いたのに対して、答えがない。私は、実は答えられないんだと思っています。アメリカの圧力だったからですよ。

 経過を調べてみますと、八月に起こったイラクでのこの連続的な重大事態を前にして、日本政府にもちゅうちょが見られた時期があったようです。

 例えば、国連事務所が大規模テロに遭った翌日の八月二十日の防衛庁長官の発言を見ますと、人道支援をやっていれば襲われることはないという考えは通用しない、年内派遣は難しいかもしれないと語ったと報道されています。かなりちゅうちょがあった、これは明らかだと思います。

 ところが、その後、アメリカから猛烈な圧力がかかった。八月末に複数の日米関係筋からの情報として、アーミテージ米国務副長官が中東担当特使の有馬政府代表と会談し、日本側の慎重姿勢に触れて、これは問題だ、逃げるな、お茶会じゃないと強い口調で派兵を迫ったということが一斉に報道されたのは八月の末でした。その後、日本政府の態度が早期派兵に急カーブを切ってくる。

 九月一日に政府は、自衛隊派兵のための政府調査団の早期派遣を表明しました。九月六日に岡本首相補佐官が、治安情勢などの調査のためにイラクに向けて出発しました。十四日には慌ただしく政府調査団がイラクに向かって出発して、今活動しているようであります。これは調査団自体も、アメリカから一喝されて慌てて出したものであります。

 首相は口を開けば自主的に判断すると言うけれども、アメリカの一喝で一気に早期派兵に向けた動きが強まったというのが事の真相じゃありませんか。

 これは私は、七月二十五日には二つの選択肢があると言っておきながら、九月八日には、事態が悪化しているにもかかわらず、行かない選択肢はない、ありませんと言い切ってしまったことにはっきり示されていると思います。

 次に進みたい。

 イラクの現状が、果たして、首相の言うように、戦闘地域には行かない、戦闘行為には参加しないなどという生易しい建前が通用するものなのか。イラクの現地で活動している当事者は何と言っているかについて、幾つか私は示したいと思っております。

 これは、アメリカの国防総省のホームページからとったものでありますけれども、イラク駐留米軍のサンチェス司令官が、七月三十一日にかなり長い記者会見をやっております。そこで、日本のNHKが質問しております。イラクの全領土において、我々が非戦闘地域と呼べる地域は存在するのか、もし存在するのならそれはどこか、また、戦闘地域と非戦闘地域の間に線を引くことは可能か、こういう質問をサンチェス司令官にしています。司令官の答えは、戦闘地域を安定した地域や支援の地域からはっきりと区別する線を引けるだろうか、もちろんできない、つまり、テロリストのような動き回る小集団に遭遇する危険が常にあるということだ、彼らは望むところはどこでも動き回れるのだ、こう言っております。

 つまり、当事者の米軍の現地の司令官自身が、イラクは全土どこでも戦闘地域になり得るという認識をもうこの時点で述べているわけです。総理はどういう認識をこの問題でお持ちでしょうか。

小泉内閣総理大臣 私は、八月中旬にポーランドを訪問したときだと思うんですが、そのときに国連の事務所が爆破して、デメロ氏が亡くなった。その報道を聞いた直後に、私は、晩さん会の席上で、テロは許されざる行為だ、このテロに国際社会は屈してはならぬ、その国々の持てる力でイラク復興支援のために協力しなきゃいかぬということをはっきり述べております。

 今いろいろな言葉を引用されて、アーミテージ氏が、お茶会じゃないとか言ったとかどうか話されましたけれども、それはわかりませんけれども、確かにお茶会とは違います。イラク復興支援のためには、こういう厳しい状況の中でも多くの国の人々が今一生懸命汗をかいている、そんなお茶会みたいな生易しい状況じゃないと思います。

 日本としても、どこでテロが起きるかわからないといえば、ニューヨークでもテロは起こったわけです。インドネシアのバリでもテロが起こったわけです。日本でも、それは可能性をとらえれば、いつ起こるかわかりません。そういう面においては、安全なところはないと言っても過言ではありません。

 しかし、私は、いろいろ状況が許せば、自衛隊の派遣というのは派兵じゃありませんから、戦闘行為に参加するというものでもありません、また、治安の警備に当たるわけでもありません、イラク人の人道支援、復興支援のために、それは民間人ではできないことは、自衛隊でできるところがあるだろうと。自衛隊の持てる能力を、そういう戦争ではない、平和構築のために、イラク人の復興支援のために活用する場があれば、状況が許せば派遣するということを言っているのであって、私は、共産党の考え方は、根本的な違いというのは、それはもうわかります。日米安保条約反対、自衛隊のいかなる派遣も反対という立場はわかりますが、私は、今の憲法の条文ともよく照らしながら、憲法九条を守りながら、そして、国際社会の中で名誉ある一員として、国力にふさわしい国際協調体制をとるためにはどうしたらいいかという観点から、自衛隊員ができることはやります、民間人ができることはやります、政府職員がやることはイラク復興支援のためにやりますという観点から話しているのであって、一方的に、自衛隊を派遣すると戦争に参加するとか、派兵だとか、そういう領土のことについて何か懸念を持たせるような、そういう誤解はぜひともやめていただきたい。

志位委員 総理、私の質問に答えないで別のことを長々としゃべるのは、短い時間ですから、本当に国会を愚弄する態度だと私は思うんですよ。

 それで、私が聞いたのは、サンチェス司令官がイラク全土どこでも戦闘地域になり得ると、そういう認識を持っているかということを聞いたのに対して、テロは世界どこでも起こるんだと、そういう一般論でごまかすというのは、これは答弁になっていないですよ。

 それから、世界の国々がどこでも軍隊を出しているかのような言い方をした。しかし、いいですか、フランスだってドイツだってロシアだって、あるいは中国だって、派兵しない。あるいは、インドだってパキスタンだって派兵しない。二十二カ国が構成するアラブ連盟も派兵はしない。これは大きな大勢ですよ。

 私は、イラクの人道支援、これは国連中心のものに非軍事の方法で参加することは当然だと思います。しかし、占領軍の米英軍を支援する形での派兵は絶対に反対というのが私たちの立場です。日米軍事同盟に対する立場の違いはありますよ。しかし、私が聞いているのは、これはこういうやり方をしたら憲法にも反するんじゃないか、国連憲章にも反するんじゃないかという立場で私は質問しているんで、本当にこういうことに対する答弁はしっかりしてもらわないと、こういう場が本当にむだな場になると思います。

 そこで、もう一つ。イラク現地で活動している当事者の国連がどういう認識を示しているか。国連のイラク事務所の治安局は、セキュリティー・アップデート、最新治安情報というものを、一日ないし四日ごとに出しております。これはインターネットで公表され、国際NGOなども参考にできるようになっている文章です。毎日のように、驚くほど多数の武力事件がイラクで発生して、その多くは米英軍への襲撃事件ですが、文字どおり全土にわたって発生していることが詳細に出ております。

 これは総理、御存じでしょうか。御存じですか。――じゃ、一部ちょっとお渡ししたいんですが、よろしいですか。

 それをちょっと見ながら聞いていただきたいんですが。かなり詳細なものです。現在入手できる最新のセキュリティー・アップデートを見ますと、九月二十四日から二十五日に出されたもので、九月二十三、二十四、二十五の三日間に発生した武力事件が報告されておりますが、この最新のものだけ見ても、バグダッド地区で十二件、その他の地域三十七件、合計四十九件の武力事件がわずか三日間で起こっている。

 ちょっとこれを図にしたものがこれであります。これは、九月八日から二十五日までに発生したイラク国内における武力事件です。これは国連のセキュリティー・アップデートが明らかにしているものであります。一番大きな丸は五十一件以上、次が二十一件から五十件、次が十一件から二十件、一番小さなのが一件から十件ですが、これ見てください、わずか十八日間ですよ、わずか十八日間でイラク全土、ほとんどの場所で武力事件が起こっていることがわかります。

 バグダッドで八十九件、ラマディが三十一件、モスルが三十七件。これ全部合わせますと、十八日間で三百四十九件ですよ。この白いところがありますけれども、これはハジャラ砂漠、砂漠地域ですから、これは人の住んでいない場所であります。人の住んでいる場所はほとんど武力事件が起こっている。

 イラク全土が戦場ですよ。自衛隊を送る余地なんかないじゃないですか。どうですか。

小泉内閣総理大臣 よく状況を見きわめて、戦闘地域でない、そして自衛隊が貢献できるような地域があれば自衛隊を派遣します。

志位委員 この地図を見る限り、砂漠の中しかそんな場所ないですね。砂漠の中へ行って旗を立ててくるおつもりでしょうか。

 結局、私がこの問題について大変印象深かったのは、これは九月二十四日にナイトリッダーという会社のインタビューに答えてサンチェス司令官が言っているんですが、米軍がイラクにとどまる限り、攻撃と死傷者は続くだろう、こう述べているんです。

 さっきも三百四十九件あると言いましたけれども、数えてみましたら、三百四十九件のうち二百九十三件、八四%は米英軍に対する攻撃ですよ。米軍がいるところが戦闘地域になる。そして、その米軍を支援しに行くというのが今度の法律ですから、そこに自衛隊が出ていけば、そこが戦闘地域になる。

 ですから、私は、この問題というのは、戦闘地域に行かせない、戦闘行動はやらないという政府の立場というのは虚構の上のまた虚構だ、そういう虚構に基づいて自衛隊を派兵することは絶対に私たちは反対です。

 次に進みたいと思うんですが、それでは、なぜイラクの情勢が泥沼化の一途をたどっているのかという根本問題であります。

 私は、一言で言えば、米軍によるイラク戦争が間違った戦争だったからだ、こう思います。無法な戦争に続く不法な軍事占領に対して、イラク国民の全体が怒りと反発と憎しみを強めているということが泥沼化の根源にあります。

 最近、これは朝日新聞ですけれども、現地のルポルタージュを出しています。「対米感情、悪化の一途」「襲撃現場 市民がゲリラ支援」「金曜礼拝「占領者にノーを」」と聖職者は語った、こういう状況があるんですね。

 やはり、これはもちろんフセインの残党もある、テロリストもある、それだけじゃないですよ。国連のこの資料を見ても、民衆自身が個人で抵抗しているという事態もずうっと広がっているということは報告されています。ですから、今そういう中で、国際社会が根源にある戦争の無法性そのものを厳しく追及しているということに目を向けるべきだと私は思います。

 私は一昨日の代表質問で、九月二十三日の国連総会でアナン国連事務総長が、米英軍の先制攻撃戦略について、過去五十八年間、世界の平和と安定が依拠してきた原則、国連憲章の原則に対する根本的な挑戦と批判したことについて総理はどう答えるのか、総理はこの批判を認めるべきではないかとただしました。総理のそれに対する答弁は、アナン事務総長が一般論として武力行使のあり方について問題提起を行ったことは承知しているというものでした。一般論とおっしゃった。

 しかし、アナン発言の全体を読めば、一般論などというごまかしは到底通用するものじゃありません。その該当箇所を今から読み上げてみたいので、総理はしっかりお聞きいただきたい。アナンさん、こういうふうにおっしゃっています。

 国連憲章五十一条は、攻撃された場合、すべての国が自衛の固有の権利を有することを規定している。しかし、これまでは、国家がそれを超えて国際の平和と安全へのより幅広い脅威に対処するために武力の行使を決定するには、国連が与える特別の正当性が必要だと理解されてきた。

 だが、今や大量破壊兵器による武力攻撃がいつ何どきにも、警告なしに、あるいは秘密グループによって起こされかねないので、こうした理解はもはや通用しないと唱えている若干の国がある。これらの国は、それが起こるのを待つものではなく、国家には先制的に武力を行使する権利と義務があり、たとえ他国の領土に対するものであっても、また、たとえ攻撃に使われる可能性のある兵器システムはまだ開発途上であっても行使できるのだと主張している。この主張に従えば、国家は安保理での合意を待つ義務はなく、かわりに、単独で、あるいは臨時の連合を組んで行動する権利を保持しているということになる。

 この論理は、たとえ完全ではないにしても、過去五十八年間、世界の平和と安定が依拠してきた原則、言うまでもなく国連憲章の原則です、に対する根本的な挑戦である、こうアナンさんは述べているんですよ。

 アナン国連事務総長が述べたことは明らかです。

 まず、アナンさんは、国連憲章というのは、加盟国の武力行使について、侵略に対する自衛反撃以外は国連の決定があったときのみしか認めていない、これが大原則だと述べています。

 その上で、大量破壊兵器などの対抗のためだと言って、こうした理解はもはや通用しないと唱えている若干の国があると述べ、そしてこれらの国は、国家には先制的に武力を行使する権限と義務があり、安保理での合意を待つ義務はなく、単独で、あるいは臨時の連合を組んで行動する権利を保持していると主張しているとし、この論理について国連憲章への根本的な挑戦と批判しているんです。

 一般論じゃありませんよ。先制攻撃の論理、単独行動の論理、こういう論理を国連憲章への挑戦とはっきり言っている。

 世界に現実に存在している国が現実に唱えている論理に対する、これは批判です。先制攻撃の論理と単独行動の論理を堂々と主張している国はアメリカ以外にありますか、まさにアメリカ以外にない。米国ブッシュ政権がそうした論理を公然と唱えていることは否定することができない事実であります。アナン演説というのは、名指しこそしていませんが、アメリカへの批判であることは明瞭です。一般論じゃない、アメリカへの批判です。事実上の批判です。それははっきり認めるべきです。いかがですか。

小泉内閣総理大臣 アナン発言の今の発言は事実であります。しかし、一方で、今言ったアナン発言の根本的挑戦であるという後、アナン氏はこういう発言をしています。

 私の懸念は、この論理が受け入れられるのならば、正当性の有無にかかわらず、一方的かつ不法な武力の行使の拡散につながる先例をつくることになりかねないということである。しかし、ここからです、しかし、特に危機にさらされていると感じている加盟国の懸念に正面から対処しなければ、一国主義を非難するだけでは不十分である。なぜなら、これらの懸念こそが一国主義に向かわせるからである。我々は、集団的行動を通じて、これらの懸念に有効に対処できる、また将来することを示さなければならないということも述べているんです。

 我々は、こういうことも感じ、よく認識しながら、国際社会が協力してイラクの復興支援に当たらなきゃならない。同時に、確かにフランスやドイツはイラクに軍隊を派遣しておりません。しかし、軍隊を派遣している国も多数あります。同時に、フランスもドイツも、今、アメリカ、イギリスの軍隊を引き揚げろということは言っておりません。

志位委員 全文の訳は私たちもつくりました。それで、あなたが続けて読んだ箇所というのは、まず、ちゃんと外務省は訳していないかもしれないけれども、もしこれが受け入れられるなら、それが先例になって、正当性のいかんにかかわらず、単独行動主義による不法な武力行使の拡散を招く結果になることを懸念する。やはり、こういうことが許されるなら、どこの国も、じゃ、うちも先制攻撃やる、うちも先制攻撃やる、そういう世界になることを懸念する、こう述べているんですよ。

 そして、もちろんその後、単独行動主義を非難するだけでは十分でない、懸念について正面から受けとめる必要があるということは述べていますが、こうした懸念は集団的行動を通じて効果的に対処できるし、するべきだということを示す必要がある、これが結論なんですよ。つまり、そういう懸念があったとしても、単独行動でやっちゃいけないんだ、集団的行動、つまり国連がきちんとした枠組みを示す必要があるんだというのがアナンさんが言っている趣旨なんですよ。

 私が聞いたことに小泉さんは答えていないです、答えていないです。私が聞いたのは、その前の段階、ずうっと述べました、先制攻撃の論理、単独行動の論理、これは国連憲章への正面からの挑戦だとアナンさんが言っていることは、これは事実なんです。批判しているのは事実なんです。この批判がアメリカに対して向けられたものだ、一般論で言ったんじゃない。名指しするということは、国連の事務総長というのはできませんよ、立場上。大体、国連の総会で名指しの批判というのはほとんどないです。しかし、これだけ明瞭な、名指しこそないけれども、アメリカに向けられた批判がこれだけ明々白々ということはないですよ。

 私が聞いたのは、アナンさんが国連憲章への正面からの挑戦と言ったこの批判は、アメリカに対する批判なのかどうか、そういう認識があるのかどうか聞いたんです。はっきりお答えください。

小泉内閣総理大臣 しかし、一方的にアメリカが先制攻撃しているというふうに志位さんは言っておられますが、アメリカも国連憲章に基づいてイラク戦争を開始したんですよ。日本も国連憲章にのっとってアメリカのイラク攻撃を支持したんですから。その辺は見解の相違です。

 しかも、今このときに、イラクの復興支援について、米英軍が撤退したらどうなるかということを現実の問題として考えなければならない。イラクの安定というのは、イラクだけじゃありません、中東全体、日本にも、世界にも、イラクの安定、復興は大きな影響を及ぼします。今ここに全部手を引け、アメリカは手を引けと言って、果たしてイラクの安定はあるんでしょうか。

 だから、フランスでも、ロシアでも、ドイツでも、アメリカを撤退させようなんて全然言っていない。むしろ、お互い協力できるように国連の関与を強めることは言っても、手を引けなんてことは一言も言っていない。そういう点を、やはり現実を考えなきゃいかぬ。

志位委員 最後に総理がおっしゃったことについては、私たちは、今のイラクをほっとけと言っているわけじゃありません。米軍主導のやり方を、国連中心の復興支援の枠組みに軌道を移しなさいと言っているんです。この軌道のもとに、一刻も早くイラク人に主権を返しなさいと言っているんです。そうしてこそ初めてイラク人が主人公になった国づくりができる。そのための支援を本当に国連中心にやるべきだというのが、私たちの立場であります。これを言っているんだということをまずはっきり言っておきたい。

 それで、私、何度聞いても答えないですね、総理は。私が聞いているのは、アナン事務総長が批判の対象にしたのはアメリカかということを聞いているんですよ。この一点聞いているんです。

 アメリカが国連憲章に基づいて行動した、国連安保理決議に基づいて行動した、これはアメリカが言っていることでしょう。それをうのみにあなたが言っているだけのことでしょう。これは国連憲章に違反だというのは、国際的な世界の常識ですよ。

 国連安保理決議に根拠がない、これは根拠がないからこそ、アメリカは新しい決議を求めて、国連安保理の場で新決議を通して、武力行使容認の決議をくれと言った。通らなかったわけでしょう。通らなかったこと自体、国連安保理決議に根拠なんかないんです。アメリカの行動については、そういう状況を踏まえて、アナンさんが国連憲章への正面からの挑戦と言っているわけですよ。この是非については意見は分かれますよ。

 ですから、私が聞いているのは、アナンさんが批判した相手はアメリカなんでしょう、これを認めないのかと聞いているんです。単純な質問なんです。答えてください。アメリカ以外にないでしょう。

小泉内閣総理大臣 それは、アナンさんにじかに聞かないとわからない点もありますが、必ずしもアメリカ一国を非難しているんじゃないんです。趣旨は……(発言する者あり)

藤井委員長 御静粛に願います。

小泉内閣総理大臣 国連も現状ではいけないと……(発言する者あり)

藤井委員長 御静粛に願います。

小泉内閣総理大臣 安保理改革も必要だと、国連が無力であってはいけないと、国連強化のためにはどうしたらいいかということも触れているんです。(発言する者あり)

藤井委員長 御静粛に願います。

志位委員 必ずしもアメリカのこととは限らないと言うから、若干の国がある、これらの国はと言っているんですよ。では、先制攻撃をやるのは権利がある、単独行動をやるのは権利があると言っている国がアメリカ以外にどこかありますか。ないでしょう。どこにありますか。これらの国はと言っているんです。そういう国があると言っているんです。アメリカ以外にありますか。何でこれだけ聞いても答えないんですか。どうですか、アメリカ以外にありますか。

小泉内閣総理大臣 アナン事務総長は、志位さんみたいに断定していません。国連改革も必要だと言っているんです。そんなに聞きたかったら、アナン事務総長によく、会って聞いて、問いただしてください。

志位委員 これははっきり言い切っているんですよ。つまり、若干の国がある、これらの国は……(小泉内閣総理大臣「全然言い切ってない」と呼ぶ)先制的な武力行使の権利と義務があると言っている、(小泉内閣総理大臣「名指ししていないよ、アメリカを」と呼ぶ)安保理の合意を待つ義務はなく、かわりに単独でやれるよと言っている、言い切っていますよ。(小泉内閣総理大臣「よく読んでごらん、言い切ってないよ」と呼ぶ)言い切っていますよ。

 私は、これほど明瞭なアメリカ批判をアメリカ批判と認めないというのは驚きました。

 ここにニューヨーク・タイムズがありますけれども、見てくださいよ。ブッシュ大統領とアナン事務総長を並べて、アナン、ワシントンを批判とはっきり書いてありますよ。これは世界じゅうがみんなわかっている話ですよ。これだけのことを聞いても、アナンさんがアメリカ批判した事実も認めない、アメリカが言うことは何でも言いなりになるくせに、アメリカが批判されたときにはその事実すら認めない、これをアメリカ言いなりというんですよ。イラクの早期の自衛隊派兵に傾いたのも、アメリカの一喝で派兵にカーブを切る、それから、アナンさんが批判したのに対しても、アメリカへの批判だと絶対に認めない、これがアメリカ言いなりなんです。(小泉内閣総理大臣「反米とは違うよ、反米とは」と呼ぶ)

 私たちは、アメリカとは……(小泉内閣総理大臣「反米だろう」と呼ぶ)アメリカとは日米友好条約をつくるということを目標にしておりまして……(小泉内閣総理大臣「反米の共産党と違うんだよ」と呼ぶ)本当の友好というのは、対等、平等の関係でこそできるのであって、あなたのように従属的な関係では本当のフレンドシップなんかできない、はっきり言っておきます。

 私は、こういうアメリカ言いなりに……

藤井委員長 ちょっとお待ちください、ちょっと、もっと冷静に、冷静に、冷静に。

志位委員 総理、これはちょっと問題ですよ。アメリカ言いなりにイラクへの派兵計画を進めるのは、これは中止すべきだ。日本は取り返しのつかない道に足を踏み入れることになると思います。やはり、イラクの真の解決というのは、米軍主導の占領支配から国連中心の復興支援に軌道を切りかえて、イラクの国民に主権を返還し、そして、イラク国民が本当に国の主人公になった国づくりへの支援を行うことにあると思います。

 最後に、一問伺います。政治と金をめぐって、端的に一問だけ聞きます。

 日本経団連は、ことし一月一日に発表した奥田ビジョンの中で、公然と企業献金のあっせん再開を口にし、各政党の政策と実績を評価した指針を作成した上で、政治献金への関与を強化する方向性を打ち出しました。そして、九月二十五日に、各政党の政策を評価する基準となる優先政策事項というのを十項目にわたって発表しました。

 この第一項目は、「経済再生、国際競争力強化に向けた税制改革」とありまして、法人実効税率を少なくとも主要国並みに引き下げるとともに、租税負担と社会保障負担を合わせた企業の公的負担を抑制する、これが第一項目です。第二項目は、「将来不安を払拭するための社会保障改革」とありまして、消費税の税率の引き上げを検討する、こうあります。

 私は、これはなかなか重大だと思います。すなわち、大企業減税と消費税増税という、かねてからの財界の要求であり野望であることを金で買い取ろうという最悪の政治買収だと思います。

 私、端的に聞きます。

 総理は一昨日の本会議での消費税問題をめぐる私の質問に対しまして、私が具体的にただした税のあり方についての総理の見解についてはお答えにならず、総裁在任の三年間は消費税を引き上げないということを繰り返し語られました。

 ならば聞きたいと思います。ならば、少なくとも、日本経団連があっせんする企業献金は、首相在任中、総裁在任中の三年間は自民党として受け取りを拒否する、これが筋じゃないですか。三年間引き上げないと言うんだったら、もし仮に日本経団連が金くれると言っても、そんな金はちょっと筋が通らない、だからこれは拒否します、返上します、これが当たり前だと思います。せめて三年間は日本経団連から献金を受け取らない、拒否すると言えますか。はっきりこの点をお答えください。

小泉内閣総理大臣 経団連は消費税を引き上げろと言っているんですよ。私は引き上げないと言っているんですよ。私は引き上げないと言っているのに経団連が自民党に献金しますと言うんだったら、喜んで受け取りますよ。

 言うことを聞かなくても、自民党はやはり日本経済活性化のために必要だ、平和と安全を守るためによい外交活動を続けている、日本の平和と安定、繁栄のために、やはり政権政党自民党は、総合的に考えて、なくてはならない政党だ、だから、小泉は我々の言うことを聞かないけれども、自民党は応援しよう、献金しようというんだったら、私は喜んで受け取ります。

藤井委員長 志位君、時間が来ております。時間が来ております。

志位委員 自民党が受け取りを拒否すべきだというふうに聞いたのに、拒否すると言わなかったですね。経団連の要求は、税率引き上げを検討するという要求と一体になったものです。

藤井委員長 志位君、時間です。志位君、時間です。

志位委員 それと一体になった献金を拒否すると言えないということは、これは、あなたの内閣の正体見たりだ、消費税増税に環境をつくる内閣だという正体見たりだということを指摘して、質問を終わります。

藤井委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。

 次に、横光克彦君。

横光委員 社会民主党の横光克彦でございます。

 まず最初に、九月二十六日未明に発生をいたしました十勝沖地震で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 また、ことしの北海道は、この地震の被害のみならず、台風やあるいは冷害、こういったものが不況の上に覆いかぶさってきた。そういった意味で、北海道の皆様方は今大変な状況になっていると聞き及んでおります。政府におかれましては、この地震対策、地震復旧対策以外にも、こういった総合的な北海道の振興を含めた対策に私は取り組んでいただきたいと、まず冒頭お願いを申し上げます。

 また、先ほど海江田議員と総理が、自分のことを悲観的に思わないことだということで論争がございました。総理のお話も聞いておりましたが、ちょっと私もそのことで気になったので、私の意見を述べさせていただきます。

 確かに、悲観的に思わないこと、これはそのとおりだと私も思っております。先ほどの総理の説明を聞いてもそう思いました。しかし、総理、あなたは悲観的に思わなくてもいいかもしれませんけれども、今、多くの国民は先行きに対して悲観的な気持ちになっているんですね。そして、そういった悲観的な気持ちにならざるを得ない状況をつくったのは、一体だれなんですか。改革といっては国民に痛みを押しつけて、そしてまた経済失政で景気の悪化が進む。それは、だれだって人間、楽観的に将来に向かって希望を持って生活をしたいですよ。しかし、そういった悲観的にならざるを得ない状況をつくっておきながら悲観的になるなと言うのは、私はちょっと無責任に過ぎないかなという気がしたので、私の意見を述べさせていただきました。

 では、質問に入りますけれども、まず最初に、中国遺棄毒ガス問題についてお尋ねしたいんですが、東京地方裁判所において一昨日、旧日本軍の毒ガス兵器及び砲弾による事故被害について、原告の請求を全面的に認める判決が言い渡されました。私は、毒ガス被害者は継続しておりますし、そして進行する深刻な被害を受けておるわけですから、判決が述べるとおり、救済されるべきだと考えております。つまり、控訴すべきではないと考えております。

 政府はどのように対応されるか、お聞かせください。

福田国務大臣 戦後処理の問題について総括的に担当しておりますので、私からお答えします。

 今回の判決につきましては、これは政府にとっては厳しい判決であったというように承知いたしております。

 いわゆる旧日本軍の毒ガス訴訟というものは、これは実はもうワングループあるんです、訴訟が。それは、本年五月に東京地裁判決で、これは国側が勝っているんです。今回は敗訴なんですね。そういうことで、判決が同じような問題で分かれておる、こういうような難しい問題がございまして、今後の対応につきましては、判決の内容を十分検討した上で決めることとしたいというか、そうせざるを得ない、こういう状況にございます。

 いずれにしましても、政府として、こういうような危険な状態に置かれております遺棄化学兵器、これは、今作業を進行させておりますけれども、できる限り早く処理を進めて、そしてこのような問題が起こらないようにしなければいけない、また条約上の義務を果たしていかなければいけない、そのように考えております。

横光委員 今御答弁ありましたように、政府にとりましては大変厳しい判決だと思います。

 これと同様の事件がチチハル市で本年八月に発生しています。一名が亡くなられて四十数名の方々が入院するという惨事が起きたわけですね。このことに対して福田官房長官は、温家宝首相とお会いになられ、適切に対処する、こういうふうに約束されております。そして小泉総理も、呉邦国国会議長、この方との会談で、政府として誠実に対応したいと。

 官房長官も総理も、このチチハルで起きた惨事に対しては誠実に、そして適切に対処するという約束をされているんですね。そういったことがありますので、控訴するということになれば、これはまた外交問題に発展する危惧を私は感じておりますし、また、さらに中国の高速鉄道への新幹線の導入問題、いわゆる外交問題や経済問題にまで波及する可能性が非常にあるものですから、私は、政府としてはそういったことも勘案した上で控訴を断念するという決断をやはりすべきではないか、このことを申し上げておきます。

 今回の判決、そしてまたチチハル市で起きた惨事を見まして、本当に戦争というものの悲惨さ、戦後五十八年たった今でもそういった被害が出るという、いわゆる戦争の恐ろしさとか根深さみたいなものを改めて思い知らされたわけでございます。

 さて、その戦争でございますが、アフガン戦争の後を受けてのテロ特措法、この延長の問題がこの国会の最大の課題であろうと思っております。

 テロ特措法によりまして海上自衛艦がインド洋に派遣されてから、既に二年が経過しようといたしております。この二年間のいわゆる活動にかかった経費、百二十一億円という報告がされました。そして、給油も三十二万キロリットル給油した。しかし、ピーク時は月に一万六千キロリットル給油していたのが、現在ではもう二千キロリットルの給油の状況である。つまり、もう八分の一ぐらいの給油しかやっていないわけですね。

 そういった意味では、テロ特措法の我が国の後方支援の任務というものはもう一応終わった、そういうふうに受けとめておるわけでございますが、そういった中でさらに延長されるということはなぜなんでしょうか、お聞かせください。

石破国務大臣 お答え申し上げます。

 確かに、数字は今先生がおっしゃったとおりでございます。ただ、ピーク時は、これはアフガンに対する攻撃と、それからテロリストの捕獲というものが並行いたしておりました。攻撃の場合には大きな艦船が当然参加をいたしております。現在は、テロリストの逃亡というものを防ぐということに特化をいたしておりますので、船は小さい船になってまいりました。隻数というものは、アメリカは確かに減らしておりますが、ほかの国の海軍の船はそんなに減ってはおりません。

 要は任務が変わったということでございまして、ニーズがなくなったとは私ども判断をいたしておらない次第でございます。

横光委員 ニーズがなくなったとは言っていません。しかし、もう相当ニーズも少なくなった状況にあるということは、今説明ありましたね。しかも、ラムズフェルド国防長官が既に五月に、アフガンに対する作戦はもう一応区切りがついたと発言しておるんですよ。その発言一言とってみても、もうテロ特措法の役目は終わったということになるんじゃないんですか。米軍の後方支援からむしろこのアフガン復興の方に軸足を移すときだと私は思うんですよ。

 ですから、イージス艦、昨年大変な大騒動の中で、反発がある中、イージス艦をインド洋に派遣しましたよね、テロ特措法の支援とかいうことで。そのイージス艦は、あれだけ騒がれて出したにもかかわらず、現在どうなっているんですか。イージス艦、インド洋には一隻もいないじゃありませんか。

 あのときに、イージス艦を派遣する理由として、居住性が一つありました。もう一つは、みずからを守るためにいわゆるイージス艦の高いレーダー能力、これが有効である、こういう理由で、あのかなりの反発のある中イージス艦を出したわけですよ。イージス艦の高いレーダーの能力ですね。それが今インド洋にいないというわけですから、もういわゆる高いレーダー能力を必要としない状況にまで落ちついたわけでしょう。つまり……(発言する者あり)今はインド洋のことを言っているんだよ。つまり、政府はみずからがテロ特措法の任務は終了していると断言している何よりの証拠じゃないですか、このことが。いかがですか。

石破国務大臣 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げたことと重複して恐縮でございますが、テロリストがアフガニスタンから世界じゅうに逃亡するということを防ぐということは、我が国としてどうしてもやらねばならないことでございます。そしてまた、諸外国の海軍が展開をいたしておりますが、補給をする能力というのはそんなに多くの国の海軍が持っているわけではございません。先生御案内のとおり、六時間、補給する船とされる側が全く同じ距離を保ち、同じ速度でずっと真っすぐ走る、その能力はそんなに多くの国が持っているものではございません。

 我が国は、テロリストの拡散を防ぐということ、そしてまたそこにおいて我が国が持っている能力を最大限に発揮をするということだろうと私どもは考えておる次第でございます。

横光委員 ニーズが少なくなった、ラムズフェルド国防長官はもう一応作戦は区切りがついた、そして、必要であると言って出したイージス艦も行っていない。いろいろな状況を見れば、もう状況は、我が国のやるべきことはもうやったということになるわけでしょう。百二十一億という膨大な金を使って貢献しておるんですよ。

 ですから、そういった状況の中で、それは、ニーズがゼロになるまでやるといったら永久にやらざるを得ませんよ。ですから、ここのところは、そういった二年間という時限法なんですから、それは一回区切りをつけるべきだと私は思います。私は延長には反対であるということを申し上げておきます。いいんです、次のに行きます。

 次に、イラク問題。また石破さんにイラク問題についてお尋ねしますが、これは、さきの国会で四十日間も会期延長して、一日も早くという理由で、最後は強行採決をして成立させた。しかし、法はできたけれども施行できない、二カ月たってもできる状況ではない、今そういった状況になっておるんでしょう。今のイラクに、先ほどの質問もございましたように、自衛隊を派遣できるような状況であるわけがないじゃないですか。

 総理があの七月のイラク特措法の質疑のときに、いわゆる戦闘地域、非戦闘地域がどこにあるか聞かれたってわかるわけがないという答弁をせざるを得ないほど混迷していたわけですよ、あの当時でも。あれから二カ月、さらに混迷は深くなっておるんですよ。平和の代名詞と言われております国連の事務所までが襲撃の対象になっている。しかも、その代表者が犠牲になっている。あるいは、イラク統治機構のナンバーツーも犠牲になっている。連日のようにいろいろな襲撃。それに対してまた、逆に市民の人たちを襲撃しているというような状況が今起きておるわけですよ。

 それで、そもそも、日本は最初に支持をいたしましたけれども、この戦争そのものが今問われているわけでしょう、間違いの戦争ではなかったのかと。つまり、国連の決議もなく、国連を無視して戦争に踏み切った、そして、その理由が大量破壊兵器、この大義である大量破壊兵器は今なお発見されていないんですよ。そして、このことによって、理由なき戦争であったといって、アメリカやイギリスでは今大変な状況になっておるんですよ、国民の不信が。そして、制圧はしたが、治安するどころか、戦争の前より今のイラクの治安はひどい状況になっておる。結局、アメリカはどうしたか。あの無視した国連に行って、新たな決議を要請するような事態に立ち至っているんですよ。

 ですから、今本当にかつてのベトナムのような泥沼化状況にあると言ってもいいぐらいのところに、本当に自衛隊を派遣するおつもりなのか。

 私は、総理があのときに、どこが戦闘地域でどこが非戦闘地域か、私に聞かれてもわかるわけがないと答えた、あれはまさに、私から言えば無責任きわまる答弁だと思う。しかし、今こそ責任ある言葉で、今のイラクに自衛隊を派遣できるわけがない、このように答弁すべきだと思いますが、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 私が、党首討論でしたか、あの質問で、どこが戦闘地域でどこが非戦闘地域か言ってみろと言われるから、そんなの私に聞かれてもわかるわけない、当たり前の答弁でしょう。どこがおかしいのか。おかしいと言っている方がおかしいと思いますよ。私は専門家でもないし、イラクに行ったことないんだから。

 そういう中で、今、政府調査団、専門家を派遣しております。そして、イラクの復興支援については、今、支援国会合を開こうとして、国際社会が協力して、イラクの復興のために、安定のために協力しようとしている。あの開戦時の国連の中での意見の相違はともかく、今は、フランスもドイツもロシアも、やはり国際協調体制をとって、イラクの復興支援、人道支援は必要だということについては、協力体制をとろうとしております。

 そういう中で、私は、日本として、自衛隊にできること、政府職員にできること、民間にできること、これを、やはり日本としていろいろな状況を見きわめて、できるだけの人的支援も、あるいは資金支援もしなきゃならないと思っております。

 現状を見れば、決して安閑としていられる状況ではございません。厳しい状況には変わりません。しかし、こういう中にあって、もし今アメリカが手を引いたら、もっとイラクの混乱はひどいものになると思います。そういうことを考えて、日本は、アメリカとも協力する、国際社会とも協力する、そういう方向で、今後日本としてふさわしい貢献をしていかなければならないと思っております。

横光委員 総理はかねてから、アメリカとの同盟関係の強化ということをおっしゃっておられます。これは、同盟関係、日米同盟の重要性は私もよくわかっております。しかし、本当の信頼関係を築くには、何でもかんでも、はいはいという形では、私は信頼関係は築けないと思うんです。

 フランスやドイツがいい例じゃないですか。ちゃんと物申すじゃないですか。私たちの国も、しっかりと物申さなきゃいけない。ここまではできます、テロ特措法の延長も、ここまでやりましたので、ここからはもう私たちはできません、はっきり言えることは言うべきですよ。あるいは、日本の、私たちの国はこういった憲法を持っておりますのでここまでしかできないんですと。

 それを、特別措置法をつくってまでどんどんどんどんやろうという状況。これはもう、いわゆる日米同盟の強化というより、私は、アメリカの従属的な形がどんどん進んでいくという気がしてならないんですね。本当の信頼関係は、物を申すということから私は信頼関係ができるとむしろ思っております。

 そもそも、このイラクへの海外の派遣。これは、専守防衛を信じて自衛隊に応募した自衛官、あるいはその家族の皆様方、こういった方々に対する私は契約違反に当たるんじゃないかと思いますよ。そうでしょう。

 私たちの国は、PKO、国連のもとでの平和維持活動なら海外で活動できます、自衛隊の皆様方が。しかし、国連決議もない中、特別措置法で、あの敵意に満ちたイラクの戦地へ送られるなんて、自衛官のだれが想像していますか。そういったことを今やろうとしている。今のイラクに派遣すれば、総理は七月に言いましたよ、殺すかもしれないし殺されるかもしれない、絶対ないとは言えないと言った。そういうところに派遣するということ。私は、日本の若者をそんなところに送り出すことには絶対に反対でございます。

 イラクのこの問題に対しましては、国民の願い、そしてまた意思、これにも反しているんです。

 九月十一日の毎日新聞の世論調査によりますと、「イラクへの自衛隊派遣を可能にする法整備」、いわゆる今回の特措法ですね、この特措法に賛成はわずか二%なんですよ、総理。わずか二%、この法整備に賛成する人。そして逆に、間違っていたと思う人、四三%。あとの三十何%はわからないという方。いわゆる国民の多くは自衛隊のイラクへの派遣を望んでいないというのがはっきり出ているんですよ。

 こういった国民の声を、私は、総理大臣であるならば大事にしていただきたい。断固として自衛隊のイラク派遣には反対であるということを申し上げておきます。

 次に、郵政の民営化問題についてお尋ねをいたします。

 麻生大臣にお尋ねいたしたいんですが、総理は、麻生さんは郵政民営化に積極的賛成論者だ、だから総務大臣に起用した、こう述べておられます。あなたは総理の言われるように郵政民営化に対し積極的な賛成論者ですか。

麻生国務大臣 民営化に積極的な賛成論者であるがゆえに指名されたと思ったことは一回もありません。

横光委員 あなたは郵政事業の所管大臣ですよね。本来であれば、総理の民営化の先頭に立つはずの立場ですよね。そのあなたが、そして今のような答弁をされたそのあなたが、就任後のインタビューで、ではなぜあのような発言をされたんですか。まるで、あの発言の内容は、ほぼ民営化はできない、難しいというような趣旨の内容になっておるんですよ。あなたは、責任ある立場というのは――ちょっと待って、まだ質問しておるんだ。

 ですから、なぜ……(発言する者あり)反省、反省したってだめだ。物理的に無理だとか、総選挙の公約にするのはやめた方がいいとか、まるで今の言ったことと違うことをそのときには言っているじゃないですか。言っていることとやっていることが全然違いますよ。

 では、物理的にもう無理だと言ったことは取り消す、必ずやると言うんですか。あるいは与党の公約にすると言うんですか。おっしゃってください。

麻生国務大臣 これは、ちょっと原文をよく読んでいただかぬとならぬので、えらく時間がかかることになると困るでしょう、あなた。だから、はしょった方がいいでしょう。そうすると、はしょるということは、また誤解を生むから、だから、この種の話は、後で書類か何か差し上げて読んでいただいた方がよっぽどよろしいんだと思うんですね、あなた自身にとりましても。

 ただ、はっきり言わせていただきますけれども、二つの点だと思うのですが、党の責任者、ついこの間まで政調会長をしておりましたので、党の責任者としてはということを言える立場にもうなくなりました、したがって、党としてあれこれ言う立場にはありませんので、その種のことに関してはお答えする立場にないとまず最初に断ったというところがずっとありまして、大体こういうのにはめられるということを大体予想できる質問でしたから、そういったことをきちんと断った上で、その上で、党としてこれをやる立場になると物理的にはえらい時間に追われることになりますなという話がまず前提。

 それから二つ目に、総務大臣をお引き受けした後、立場になりましては、小泉内閣の方針を踏まえ、国民的論議等々、小泉総理が所信で言われたとほぼ同じ言葉を使って説明をしておりますので、きちんとした対応になっておると思っております。

横光委員 私は、あなたの最初のインタビュー、ある意味では所信ですよね、大臣に就任された後の思いですから、これは所管する省の抱えている課題や問題点や抱負を述べられたと思うんですよ。ある意味では本心を述べられたと思うんですね。ですから、そういった意味では、決して言ったことが私は間違っていると言っているんじゃないんです。私は、むしろ本心をついているなという気がしているんですよ。大変失礼な言い方になりますが、イエスマンばかりと言われる閣僚の中で、あなたは堂々と私は本心を言った一人だという思いを持っておるんだ、あのときに。

 それで、先ほど言いましたように、政調会長時代にも、あなたは政府を支えるべき与党の、自民党の政調会長という立場でありながらも、やはり小泉さんの経済政策に対してはちゃんと意見を言って反論を述べていたじゃないですか。そういった意味では、正直な人だなと思っておったんですよ。

 そして、今回のインタビューでも、私はいいことを言っているなと思うんですね、いや本当に。総理は、民営化すればバラ色のようなことをおっしゃいますが、この問題はどれだけ多くの難題がございますか、そのことをあなたはおっしゃっている。まず、国民にとっての利便性や安心感、あるいは料金の問題、国の方が銀行より信用があるから資金が郵貯に行く、郵貯が民営化されると資金はどこに行くのか、国債の引き受け手はどうなる、郵便局がなくなってしまう危険性がある。そして、一番あなたがいいことを言ったなと思うのは、政治は弱者を救う視点を忘れてはならない、ここまで言っておるんですよ。核心を私はついていると思うんです、この民営化の問題の。

 そういった意味では、私は、どうか自信を持って、むしろ、取り消すとか修正とかするんじゃなくて、最初に言った思いをずっと主張するべきだ、そういうような気がいたしております。

 もちろん、郵政公社の改革、これから必要だと思います。しかし、今、郵便局は国民の生活の一部になっております。私は郵政民営化に反対であるということを申し上げておきます。

 次に、政治改革についてお尋ねをいたします。

 さきの自民党総裁選で小泉さんと戦いました高村さん、高村さんが自民党の体質改革の必要性を訴えておられるんですよ。高村さんはこうおっしゃっているんです。自民党の政官業の癒着やしがらみに対する国民の評判は悪い、これを直さなければならない、こういうふうに総裁選のときにおっしゃっておるんですね。これから自民党の総裁の座をねらう人が、ここまで自民党の体質をしっかりと把握して、しかも、これを直さなければならない、そういうふうにおっしゃっている。あとはもう推して知るべしでございますが、しかし、高村さんは総裁になれなかった、それで小泉さんがなられた。

 ところが、小泉さんは、自民党をぶっ壊すと言いながらも、高村さんの認識しているいわゆる政官業の癒着とかあるいは金権腐敗体質そのものとも言える自民党の体質改革、高村さんはやろうとしたんですが、あなたはその改革をほとんどやろうとしませんね。改革、改革と言いますが、いわゆる政治改革に対しては一番私は不熱心だという気がしてなりませんよ。こういった改革、みずからの党の改革には背を向けている、目をつぶっている、他人事のようにしか振る舞わない、そういう気がしてなりません。

 しかも、それとまた逆に、今回、与党三党は、現行法の方がまだましだと言ってよい公開基準の引き上げを内容とする法案を出している。厚顔無恥ここにきわまれりということですよ。

 今現在、政治家個人への政治献金は禁止されていますよね。しかし、政党支部経由政治家個人行き、この抜け道があるんです。この抜け道を多くの議員がくぐり抜けている。この抜け道がある以上、この法案はあってなしがごとき。ですから、この抜け道をふさがなければならない。ふさぐためには、政党への献金を禁止するしかないんですね。それができないというのであれば、せめてその抜け道を細くしなきゃならない、通りにくくするようにしなければならない。

 そのために、私たち野党は提案しておるんですが、まず、献金できる政党支部、この数を規制すべし。そして、税金の政治家への還流にほかならない公共事業受注企業からの献金の禁止、献金の規制。この二つをまずやるべきだ。企業・団体献金の禁止ができないのならば、せめて道を狭くするような努力はしなきゃならないだろう。それを言っているんですが、そのことにもなかなか事を起こそうとしない。

 総理、今度改めてあなたは自民党の総裁になられたわけですから、高村さんのような考えの方もおられるのですから、ここは、この二つを取り組むと明言していただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 政官業癒着を正す典型的な改革が郵政三事業の民営化なんです。なぜ郵政三事業、国家公務員でなきゃできないのか。今までどの政党も、私が総理に就任する前、言えなかったんです。役人の票を当てにしてはいかぬと。この郵政三事業に今まで自民党も野党もみんな反対していたのは、政官業癒着の典型的な問題が、この郵政三事業、郵貯、簡保の事業から派生する財政投融資制度、この財政投融資制度を使って各種特殊法人に資金が流れている。官の分野の一番しなきゃならない構造改革なんだ。

 ところが、各政党は、野党も含めて、郵政三事業にいそしむ全逓の労働組合、全郵政の労働組合、国家公務員の票を当てにしない、官の分野の票を当てにして何で官業の構造改革ができるのか。自民党も、特定局長の国家公務員の票なんか当てにするな、国民全体の改革を考えなさいと言って、私は長年郵政三事業にメスを入れろと主張してきたんです。ようやく民営化の議論が課題になってきた。

 私は、そういう点から、まず政官業の癒着を非難するんだったら、何で郵政三事業は公務員じゃなきゃできないのか、民間でやらせるようにしないのか、そういう政策を変えるということが大事である。まず今まで自民党も反対していた郵政民営化問題、私が総理に就任する前に、民営化の議論さえも認めないということだったんですよ。

 今、再選されて、民営化を内閣の基本方針にして、みんなが協力してくれると言っているんです。だから今後も、野党も、国家公務員の票を当てにしないで、官業の構造改革に踏み込むんだったならば、郵政三事業の民営化にも道路公団の民営化にも賛成して、まさに……(横光委員「今、私は別に民営化の問題を論議しようとしているんじゃないんです」と呼ぶ)政官業の癒着を正すための改革に自民党と協力すべきであると私は言いたい。

 同時に、政治資金のあり方についても、薄く広く、政党に国民から献金していただくような体質改善をなさなきゃならぬのは当然であります。

 自由民主党としても、多くの国民から政治活動資金を提供していただけるように、日ごろの政治活動についても、政党としても政治家一人一人にしても、襟を正して、民主政治を育てるための献金はどうあるべきかということについて、各党各会派の意見を聞きながら、真摯にこれからも政治改革に取り組んでいきたいと思います。

横光委員 総理、私が聞いたのは、もう時間がないんですから、政党支部への数の規制をどうするか、あるいは公共事業受注企業の献金は規制をどうするかということを聞いたんですが、全然答えにもなってないし、やる気が全然見えません。

 私たちが政権をとったら、この二つ、即やりますよ。実行します。(小泉内閣総理大臣「郵政民営化はできないだろう」と呼ぶ)違う。この二つと言ったじゃないですか。

 リクルートとか……(小泉内閣総理大臣「役人の票なんか期待していないよ」と呼ぶ)ちょっと、ちょっと総理、黙っていてください。

 リクルートとか佐川事件とか、いろいろな腐敗事件を背景にして、私たちこの十年間政治改革をやってきて、徐々に徐々に、少しずつですが規制をしてきました。しかし、今回の与党三党が出している公開基準を上げるというあの法案、あれほど私は国民を愚弄した法案はないなという気がしてならないんですね。これまでの十年間は一体何だったんだろうかという気がしてなりません。政治改革の成果をなきものにするに等しい法案だと思っております。当然、与党案は撤回、廃案を求めておりますが、これに対する意見を聞くとまた五分ぐらいしゃべられますので、私の意見として申し上げておきます。

 次に、本当にこれを聞きたかったのですが、農業政策を聞きたかったんですよ、やりたかった。

 世界は今、本当に人口増加の一途をたどっておるんですね。それと逆に、地球的規模で気象条件の激変によって、耕地面積は減少しているんですね。ですから、世界的な食糧危機の到来、この可能性を否定できる状況じゃないわけでございます。

 そういった中で、我が国においては、さきに改正食糧法が成立をいたしました。しかし、この改正食糧法に代表されるように、国の農業政策はこれから効率化、市場化、大規模化、こっちの方向が非常に明らかになりましたね。しかし、私は、農業の基本は、食の安全、環境保全、そして自給率の向上、この三つを何としても実現していかなければならないと考えておるんですよ。

 ですから、総理、農業は工業のように、効率化とか市場化とか大規模化によって、先ほど言った、食の安全とかあるいは環境保全とか自給率の向上が図られると本当にお考えなんですか。お聞かせください。

亀井国務大臣 お答えいたします。

 食料・農業・農村基本計画に基づきまして、その理念に基づきまして今実施をしておるわけであります。そういう中で農業の継続的な発展を図るためには、初めに供給ありき、こういうことではならないわけでありまして、そういう面で、市場を通じて消費者や実需者のニーズに合う体制、これに努めなければならないわけであります。

 そういう面で、先般、食糧法の改正をお願いし、そして今、農業者、農業団体あるいは地方団体の皆さん方が、集落経営体あるいは水田農業ビジョン等々、いわゆる消費者の需要に合う体制、この努力をしていただいておるわけであります。

 そのような中で、食の国際化の中で、食糧の自給率の向上を図ることに結びついていくんではなかろうか。あわせて、生産性の向上、こういう面で消費者、市場の求める農産物の安定供給に向けての意欲と能力のある担い手の育成、これで望ましい農業構造の確立を急ぎたい。あわせて、食の安全、安心の確保に万全を期す。こういう面で、農業の自然循環機能の維持であるとかあるいは環境保全農業の推進、こういうものに取り組んでまいりたい。

 実は、八月末に、平成十七年を目途に新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向かって、これまでの施策の徹底的な検証と見直しを指示したところでございまして、そういう中で、消費者、国民の期待にこたえる我が国の農業、農村の構築を図ってまいりたい、このように考えております。

横光委員 いや、私は、効率化とか市場化とか大規模化では、今言われたような自給率の向上とか環境保全とか、そういった多面的機能は全然だめになっていくと思いますよ。もちろん、申すまでもございませんが、農業、食糧というのは、人間の生存に不可分のものでしょう。切っても切れない。ここが工業や商業と決定的に違うところなんですよ。

 しかも、農業は気象条件との闘いでもあるんですね。この気象条件に左右されて、豊作もあれば、不作もあれば、凶作もある。今回の東北、北海道のそれが一つの例なんですよ。それほど農家の方々の苦労は並大抵ではない。私も農家の四男坊ですから、この苦しみはよくわかっておるんです。

 ですから、今、そういった日本で食の安全の確保とかあるいは多面的機能の発揮とか自給率向上という課題を実現していくには、私は、日本農業が築き上げてきた集落営農機能を活性化する以外に道はない。このためには、今大臣も言われましたが、すべての生産者が農業を持続的に維持できる制度が必要なんです。そのためには、新たな直接所得補償制度、これも一つの案だと私は思います。これについてお考えをお聞きしたかったんですが、時間がないので、今、私の意見として述べさせていただきます。

 それからまた、本当に大規模化を進めようとすると、中山間地域はもうやっていけませんよ。そうすると、国土の保全、あらゆることに影響していくわけですね。こういったことから、やはり一部の人たちの農業でなくて、すべての人たちが農業生産に取り組める、私は、そういった形を国は政策として行っていくべきだという気がいたしております。

 そしてまた、株式会社の農地取得、これをやると本当に農業は立ち行かなくなる、これは私は反対であるということを申し上げておきます。

 文科大臣にお尋ねするつもりでしたが、こういった、総理が食育という言葉を使われましたので、このことで、子供のころから米を、米飯給食というものが非常に重要であるという思いでちょっとお尋ねしたかった。いや、もういいんです、時間がない。本当に済みませんでした。

 それで、今、直近の世論調査で、ほとんどの国民が同じ答えを出しておるんですよ、総理、ほとんどの世論調査で。

 今、政府に何を一番望むか。まず第一に景気回復、そしてその次に雇用失業対策、それから社会保障の充実、この三つが断トツなんですよ、どの世論調査を見ても。この三つが断トツだということは、これをやってほしい、つまり、これがやられていないということなんですね。これが今、国民の声なんです。しかも、国民の八五%が将来に不安を感じている、こういったアンケートも出ております。

 そして、これは年金を中心とした生活費の問題、あるいは、医療費が上がるけれども医療は受けられるか、あるいは介護は十分に受けられるだろうか、こういった多くの不安が今国民の中によぎっているわけですね。

 そして、これはちょっと衝撃的だったのは、日銀の関連委員会の調査によりますと、収入減で貯蓄を取り崩して現在貯蓄なしというのが二二%という大変衝撃的な数値も出ております。

 このように、今、生活の不安、現実の不安にかてて加えて、外交、安保政策の不安、あるいは政治家に対する不安、不信、今、国民を取り巻く状況は、不安や不信や不満が渦巻いている。そういった中で、十一月にも解散・総選挙が行われようとしております。私は、国民はこういった不信や不満や不安を吹き飛ばすために怒りを込めて立ち上がってくれると信じておりますよ。私は、政権に対して厳しい鉄槌を下してくれると信じています。国民を侮らないでください。有権者を甘く見ないでください。

 終わります。

藤井委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四十六分散会




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