衆議院

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第16号 平成16年2月24日(火曜日)

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平成十六年二月二十四日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 笹川  堯君

   理事 大野 功統君 理事 北村 直人君

   理事 杉浦 正健君 理事 園田 博之君

   理事 松岡 利勝君 理事 玄葉光一郎君

   理事 筒井 信隆君 理事 細川 律夫君

   理事 谷口 隆義君

      伊吹 文明君    今村 雅弘君

      植竹 繁雄君    尾身 幸次君

      大島 理森君    倉田 雅年君

      小泉 龍司君    小杉  隆君

      鈴木 俊一君    滝   実君

      玉沢徳一郎君    中馬 弘毅君

      津島 恭一君    津島 雄二君

      中山 成彬君    西川 京子君

      萩野 浩基君    蓮実  進君

      二田 孝治君    古川 禎久君

      保坂  武君    町村 信孝君

      井上 和雄君    池田 元久君

      石田 勝之君    生方 幸夫君

      加藤 尚彦君    海江田万里君

      梶原 康弘君    河村たかし君

      吉良 州司君    菊田まきこ君

      小泉 俊明君    小宮山泰子君

      近藤 昭一君    鮫島 宗明君

      首藤 信彦君    田島 一成君

      達増 拓也君    樽井 良和君

      中津川博郷君    永田 寿康君

      鉢呂 吉雄君    平岡 秀夫君

      藤井 裕久君    馬淵 澄夫君

      石田 祝稔君    遠藤 乙彦君

      高木 陽介君    佐々木憲昭君

      塩川 鉄也君    阿部 知子君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   総務大臣         麻生 太郎君

   法務大臣         野沢 太三君

   外務大臣         川口 順子君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       河村 建夫君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       亀井 善之君

   経済産業大臣       中川 昭一君

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   環境大臣         小池百合子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     福田 康夫君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      石破  茂君

   国務大臣

   (金融担当)

   (経済財政政策担当)   竹中 平蔵君

   内閣府副大臣       伊藤 達也君

   防衛庁副長官       浜田 靖一君

   総務副大臣        田端 正広君

   総務副大臣        山口 俊一君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   財務副大臣        山本 有二君

   文部科学副大臣      稲葉 大和君

   厚生労働副大臣      森  英介君

   農林水産副大臣      金田 英行君

   環境副大臣        加藤 修一君

   防衛庁長官政務官     嘉数 知賢君

   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君

   経済産業大臣政務官    江田 康幸君

   経済産業大臣政務官    菅  義偉君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   環境大臣政務官      砂田 圭佑君

   政府参考人

   (防衛庁人事教育局長)  小林 誠一君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    五味 廣文君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           高部 正男君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    房村 精一君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局国立病院部長)         冨岡  悟君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局労災補償部長)       高橋  満君

   政府参考人

   (林野庁長官)      前田 直登君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          豊田 正和君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院次長)    松永 和夫君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 安富 正文君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    深谷 憲一君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 桜井 康好君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            松本 省藏君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       滝澤秀次郎君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  小島 敏郎君

   政府参考人

   (環境省環境管理局長)  西尾 哲茂君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  津島 雄二君     津島 恭一君

  蓮実  進君     今村 雅弘君

  町村 信孝君     保坂  武君

  池田 元久君     加藤 尚彦君

  生方 幸夫君     近藤 昭一君

  河村たかし君     馬淵 澄夫君

  小泉 俊明君     菊田まきこ君

  平岡 秀夫君     梶原 康弘君

  佐々木憲昭君     塩川 鉄也君

  照屋 寛徳君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  今村 雅弘君     蓮実  進君

  津島 恭一君     古川 禎久君

  保坂  武君     町村 信孝君

  加藤 尚彦君     池田 元久君

  梶原 康弘君     樽井 良和君

  菊田まきこ君     田島 一成君

  近藤 昭一君     生方 幸夫君

  馬淵 澄夫君     河村たかし君

  塩川 鉄也君     佐々木憲昭君

  阿部 知子君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  古川 禎久君     津島 雄二君

  田島 一成君     小泉 俊明君

  樽井 良和君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  小宮山泰子君     平岡 秀夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十六年度一般会計予算

 平成十六年度特別会計予算

 平成十六年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

笹川委員長 これより会議を開きます。

 平成十六年度一般会計予算、平成十六年度特別会計予算、平成十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として、防衛庁人事教育局長小林誠一君、金融庁監督局長五味廣文君、総務省自治行政局選挙部長高部正男君、法務省民事局長房村精一君、法務省刑事局長樋渡利秋君、厚生労働省健康局国立病院部長冨岡悟君、厚生労働省労働基準局労災補償部長高橋満君、林野庁長官前田直登君、経済産業省商務情報政策局長豊田正和君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院次長松永和夫君、国土交通省大臣官房長安富正文君、国土交通省道路局長佐藤信秋君、海上保安庁長官深谷憲一君、環境省大臣官房審議官桜井康好君、環境省総合環境政策局長松本省藏君、環境省総合環境政策局環境保健部長滝澤秀次郎君、環境省地球環境局長小島敏郎君及び環境省環境管理局長西尾哲茂君、以上の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

笹川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今村雅弘君。

今村委員 おはようございます。自由民主党の今村雅弘でございます。

 いよいよ予算委員会も本当に大詰めになってまいったわけでございますが……(発言する者あり)まだですか。私は、きょうは、ひとつ政治倫理を中心に、そして、あと残る時間がありましたら、今、大変地方の財政状況が、自治体の財政状況が厳しゅうございますが、そういったことについて御質問をしていきたいというふうに思っております。

 まず、政治倫理についてでございますが、信なくば立たずという言葉がございます。まさに信用、信頼、これが政治家としてもう必須の条件であるということであるわけでございます。特に、昨今、非常に経済状況厳しい中で国民の皆さん方にも大きな負担をお願いする、そういう中では、やはり政治家というものはまさに身を引き締めて仕事に取り組んでいかなきゃいけませんし、そしてまた、そういった政治に対する期待もある意味では大きいということも思えるわけでございます。

 しかし、そうした中で、まことに残念ながら、先般の総選挙等におきまして、国会議員の信頼感を失わせる事態が幾つか発生しているわけでございます。(発言する者あり)残念ながら、今話も出ましたが、我が党も二名、そういうことがありましたが、これは潔く議員辞職をされているわけでございます。一方、野党、民主党の方におかれましては、前所属も含めまして五名の方が不祥事の渦中にあるわけでございます。そしてまた、依然その職にとどまっておられるということ、これはまことに遺憾であるというふうに思っております。

 その点でちょっとまずお聞きしたいわけでございますが、まず一つのパターンとしては、宮城一区の今野議員、そして宮城二区の鎌田議員、それから愛知県の都築議員、このお三方が、例えば労組ぐるみの選挙違反であるとか、あるいは買収、事前運動等で、これは既に起訴にもなっているわけでございます。そして、この中では、特に連座制ということの適用も言われているわけでございますが、この連座制が適用されるというのは、大変やはり悪質な違反であるということであるからそういうことになると思います。

 この三名の方につきまして、今現在、この審理の状況といいますか、公判の状況といいますか、あるいは起訴後の状況、そういったものがどういうふうに進んでいるのか。そしてまた、このお三方につきまして、どういう点がやはり悪質であるのかということを含めて、説明をいただきたいと思います。(発言する者あり)よろしいでしょうか。委員長、法務省の方にお願いいたします。

樋渡政府参考人 御指摘の都築譲議員の関係につきましては、その出納責任者を含む選挙運動者五名が、電話による選挙運動を行うことの報酬の支払いを約束したなどの事実により、起訴されているものと承知しております。

 また、今野東議員の関係につきましては、選挙運動者である労働組合関係者二名が、人材派遣会社関係者五名に対して、電話による選挙運動を行う要員を確保、派遣することの報酬として、同会社に現金を支払う旨の意思表示をして利害誘導をしたなどの事実により起訴されておりまして、これに応じた同人材派遣会社の関係者五名につきましても同様であると承知しております。

 さらに、鎌田さゆり議員の関係につきましても、同様の事実により、選挙運動者である労働組合関係者四名及び人材派遣会社の関係者五名が起訴されているものと承知しております。

 これらの事案は、いずれも第一審において公判審理が進められていると承知しておりまして、その状況は、公判において明らかにされるものと考えております。

今村委員 ただいまのお答えの中で、ちょっと私が事前に通告していなかった部分もあるかもしれませんが、特にこの連座制の適用ということがささやかれていると言われているわけでございますが、これはやはりどういう点がそういった対象になるのか、もう一度確認をしたいと思います。

樋渡政府参考人 連座制が適用されますかどうかは刑事事件における有罪判決が確定した段階で判断されるべき事柄と承知しておりますので、有罪の確定を前提としての御質問にはお答えいたしかねることを御理解いただきたいのでありますが、あくまでも一般論として申し上げれば、起訴された者が出納責任者の立場にあったなどとして加重買収罪での有罪判決などが確定した場合には、候補者側から連座訴訟の提起がない限り連座の効果が発生することになると承知しております。

 また、連座には検察官から連座訴訟を提起する必要のある類型もございまして、この観点から連座訴訟の提起が必要かどうかにつきましては、有罪判決確定後、公判段階で明らかになった事実関係をも踏まえまして、高等検察庁の検察官において判断するものと承知しております。

今村委員 速やかな審理をお願いしたいと思います。

 続きまして、もう一つの問題として、民主党の西村議員が最高顧問を務められ、そしてまた献金を受け入れるなど、大変関係の深かった団体であります日本刀剣友の会のメンバーが逮捕されたわけでございます。

 これにつきましては、この起訴事実について、できれば具体的に教えてほしいわけでございます。特にこの件では、政治家とか外交官へけん銃弾を送付したということも言われているわけでございますが、これはまさに言論封圧ということで、許されざる凶悪事件だというふうに思っております。そういった点も含まれているのかどうか、教えてください。

樋渡政府参考人 お尋ねの刀剣友の会の会長らによります一連の事件につきましては、所要の捜査を遂げ、本年二月三日までに、東京地方検察庁におきまして合計十五名を公判請求済みであり、事件としては、けん銃の発砲による銃砲刀剣類所持等取締法違反及び建造物損壊が七件、けん銃の実包等を送付しあるいは爆発物様の物を置いての脅迫等が十五件、その他けん銃の所持等による銃砲刀剣類所持等取締法違反が五件であると承知しております。

 このように、多岐多数にわたるものでありますから、その主なものの内容を申し上げますと、一定の思想的背景を持って朝鮮総連の県本部にけん銃を発砲した事件、朝銀の支店にけん銃を発砲しあるいは爆発物様の物を置いて脅迫した事件、アレフの道場にけん銃を発砲した事件、政治家や官僚にあててけん銃の実包等を送付するなどして脅迫した事件などでございます。

今村委員 これも速やかな審理をお願いいたしたいと思います。

 続きまして、もう一つ、これは大変マスコミ等でも問題になっているわけでございますが、古賀潤一郎議員の問題でございます。

 先ほど、信なくば立たずと申しました。この信というのは、にんべんに言うということでありまして、まさに人が物を言うということでございます。そして、この言うというのは、まさに口の上にこれは針が乗っているということのようでございまして、これは漢字辞典で見るとそういうことになっております。まさにこれは、うそをつきません、そしてうそをついたら私は刑罰を受けますと誓っている形であるというふうにも言われているわけでございます。

 あの温厚篤実な福田官房長官でもってすら、うそつきは泥棒の始まりということを言われたわけでございまして、まさにこれは、人々の信頼、特に古賀議員に期待を寄せられた皆さん方の信頼あるいは心を盗んでしまった、そういう意味では、これは大変遺憾なことであるわけでございます。

 一月十七日の朝日新聞でこれは表面化して以来、大きな問題になってきたわけでございます。しかも、これはテレビ等でも御案内のように、本人の発言とか行動が二転三転、うそにうそを重ねたもので、すっかり信頼をなくしてしまった。だからこそ、民主党の方からも除籍処分ということでやられたわけでございます。

 しかし、いまだに議員辞職もされていないし、また公の場での釈明もない。マスコミの取材も一切お断りしておられるという状況でございまして、国民の皆さんの怒りとか疑問、そういったものを解消するためにも、ぜひこれは、いずれ参考人招致等で国会の場でも真実を述べていただかなければならないわけでございますが、とりあえず、関係省庁その他の皆さんの見解や捜査状況等を伺っておきたいと思います。

 まず、今日まで我々が知り得た情報を整理いたしますと、特に米国の大学からの回答等もあるようでございますが、まず第一、うその第一ということになるかと思いますが、ペパーダイン大学、これを卒業していないのに卒業したと書いてある。特にこれは、私は非常に遺憾であると思いますのは、選挙公報等には、歩みとか経歴とか、そういうことでぼかして書いてあるが、新聞にははっきりと卒業と明記しているわけでございます。これはまさに、後援会の趣意書その他にはそういうことをはっきり書いていない。これは恐らく、それを書くとそれをチェックされるんじゃないかと。そして、選挙のまさに間近あるいは最中に、本当に多くの方が御本人の経歴を見られる場において卒業と書いてあるということは、大変私は悪質であるというふうに思っているわけでございます。

 そしてまた、加えて、いわゆる若者に大変有名大学といいますか、人気のあるといいますか、いわゆるUCLA、ここにも在籍したように書いてありますが、これも在籍はしていない。そしてまた、米国におけるテニスの優勝の記録も極めて疑わしいということがあるわけでございます。

 特に、舶来志向というのは今は昔とは大分変わってきたでしょうが、やはりアメリカの大学というのは、日本に比べて入るはやすいが卒業するのは大変難しいということが常識なわけでございます。そういったところを卒業されて、そして、やはりスポーツマン、テニスでも優勝した、まさにそういった本当に飾り立てた虚構の事実で、これを公にして、そしてまさに人々を欺いてきたというわけでございます。

 これは明らかに公選法の二百三十五条違反になると思うのでありますが、この見解はいかがでしょうか。総務省、お願いします。

高部政府参考人 お答え申し上げます。

 個別具体の事案につきましては、私ども具体的な調査権を持っておりませんので、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、公職選挙法二百三十五条第一項は、当選を得または得させる目的をもって公職の候補者等の身分、職業、経歴等に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮または三十万円以下の罰金に処する旨規定されているところでございます。

今村委員 まさに今、条文を読まれたわけでございます。しかし、やはり問題は、条文はそうであるけれども、このように明らかに二百三十五条違反であるというふうに思われるものについて、これはまさに、捜査の着手も含めて速やかにこれは対処しなければいけないというふうに思うわけでございますが、これは告発も行われております。これは受理しておられるというふうに聞いておりますが、その捜査の状況、例えばこういった、具体的にアメリカ等へ行って学歴チェック等も捜査当局でもう始めておられるのか、これは差しさわりのない範囲で結構でございますが、捜査当局にお伺いしたいと思います。

樋渡政府参考人 お尋ねは捜査機関の活動内容にかかわりますことでありますことから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 なお、福岡地方検察庁におきましては、御指摘のとおり告発状を受理した旨公表しているものと承知しております。関係機関とも連携の上、法と証拠に基づいて適宜適切に対処するものと承知しております。

今村委員 この事案は、二百三十五条というのが、まさに本人がそういったことを意識して、虚偽である、うそをついているということを認めないとこれは違反に問えないというような見解を示す学者の方もおられるようでございますが、やはりこういった客観的な事実からしても、これは虚偽の事実と認識したことは明らかであるというふうに思いますので、そういった立場から、これは速やかに対応していただきたいというふうに思っております。

 この似たようなお話が実は一例ありまして、これはもう十年近く前でございますが、参議院議員の新間議員が実はこれで失職をしているわけでございます。先ほど言いました都築さんは実はこの人の後任ということで、これも何かの縁かと思いますが、いずれにしろ、これはすぐただしてもらいたいというふうに思っております。

 次に、もう一つ、二番目のうそ、うそその第二ということでございますが、六つほどありますが、まだ二番目で、歳費を返上するということを、これは全国に向けて御本人が宣言された。しかし、先般の二月の分につきましても、御本人はしっかりこれは受領されておるわけでございます。これについて、これを国が受領すると寄附に当たるということで、これは受け取られなかったということのようでございますが、このいわゆる歳費を返上するということ、これについてどういう見解になるのか。そして、これを本人が供託するということでやったわけでございますが、これは供託にはならないわけでございます。これは認められないということ。そういう意味で……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。この歳費返上ということは、本人が、これはやらなかったということでございますが、これを返上すると、本当にこれは寄附行為になるんですか。まず、これを聞きたい。

高部政府参考人 公職選挙法第百九十九条の二第一項は、公職の候補者等は、「当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。」と規定しているところでございます。

 「当該選挙区内にある者」の中には、当該選挙区内にあるすべての者を意味しまして、自然人や法人のほかに、国や地方公共団体も含まれるというふうに解釈しているところでございます。

 したがいまして、議員報酬を国庫に返納するということでありますれば、それは国に対する寄附というふうに評価されるものでございまして、公職選挙法上禁止されているところでございます。ただ、個別具体の事案につきましては、私どもお答えいたしかねますので御理解いただきたいと思います。

今村委員 そうすると、これは、本人があくまでこれを受け取る意思がないということでやった場合に、いわゆる供託ですね、これを国の方が供託することはできるんですかね。国というより委員部ということになるんでしょうが、それはどうでしょうか。

房村政府参考人 一般的な御説明になりますが、弁済供託というのは、債務を負担している者がその債務の履行として弁済をしようとしたときに、債権者が受領を拒絶する、こういう場合には、債務を消滅させるために供託をすることができるということになっております。

今村委員 いずれにしろ、本人は、こういったことで、恐らく、歳費とか通信交通費あるいは立法事務費あるいは航空券のチケット等を入れますと、本人だけでも三百万以上のお金をいただいておられる。秘書給与を入れるともっと多くなるわけでございますが、そういったところにつきましては、やはり本人が天下に公言されたわけでありますから、そのとおりにきちんと、金を受け取らないということでやっていただきたいと思っております。

 続きまして、うそその三でございますが、政治資金規正法二十二条の五というのがございます。これは外国人からの寄附を禁じた規定であるわけでございますが、御本人が実は、合計で平成十二年以降三百万以上これを受け取っておられるわけでございますが、この二十二条の五、これはどういう趣旨でこういうことが禁止されているのか。そしてまた、これは本来受け取ってはいかぬわけでございますが、少なくとも、御本人が知らなかったということで受け取ったにしても、これが明らかになった以上、これをそのままもらっておいたままにするということはまさに違法状態をそのまま続けるということになるわけでございまして、そのままでいいのかどうか、その見解をお伺いしたいと思います。

高部政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘ございました政治資金規正法第二十二条の五におきましては、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」と規定しているところでございまして、これは政治の活動に関して、外国からの影響を政治献金という形で受けることを避けるといいますか、遮断するという意味で規定されているものではないかというふうに考えているところでございます。

 そこで、受け取った場合にどういうふうに対応するのかというお尋ねがございましたけれども、あくまでも、政治資金規正法で禁止されているのは、寄附を受けてはならないということでございまして、この条項に規定しております外国人等から寄附を受けてはならないということになってございますので、直接、知らずに受けた場合の後のことは規定しているところではないところでございます。

 したがいまして、法律上どうこうということを私ども申し上げる立場にございませんが、それぞれ政治家として御判断されることではないか、かように考えるところでございます。

今村委員 それでは、この件に関連して、もう一回、これもちょっと質問通告していないので恐縮でございますが、先ほど言いましたように、これはまさに違法の状態が続いているということが言えると思います、返金していなければ。そういう場合について、検察当局なり警察当局は、この捜査について、やはりこれはおかしいということで早速この捜査に入るべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

樋渡政府参考人 検察の具体的な活動にかかわることでございますので、お答えは差し控えさせていただきますけれども、あくまでも一般論として申し上げますれば、捜査当局は、刑事事件として取り上げるべきものがございましたら、法と証拠に基づいて厳正に対処するものと承知しております。

今村委員 ぜひこれは厳正な対処をお願いしたいと思います。

 続きまして、あと、うそその四、五、六とあるわけでございますが、古賀議員は、秘書給与、これも平野貞夫参議院議員の公設秘書となりながら、実は選挙運動もやっておられたというような問題。

 あるいは、もう一つ、御本人は、民主党を本人も離党し、そしてまた民主党の方も除籍ということになったはずでございます。ところが、御本人の事務所に行きますと、いまだに入り口に民主党の大きなロゴマークをつけたポスターが張ってあるということでございます。これは、本人が天下に公言されたことと全く違うし、そしてまた、除籍された民主党の対応も、これはある意味では甘いということでございまして、これも大変おかしいんではないか。やはり本人の人柄を疑わざるを得ません。こういったことも含めて、今後どうされるのか。

 そしてまた、地元の記者会見でも、卒業の事実が確認できなければ議員辞職せざるを得ないということまで言いながら、いまだにこの進退については白紙ということであるわけでございまして、こういったことは、まさに今、この古賀議員を選ばれた福岡二区の皆さん、こんな候補を選んでしまったということで大変反省されて、あるいは悔恨の念にとらわれているんじゃないかなというふうに思うわけでございます。

 これが古賀議員のあれでございますが、加えて、ここに実は、こういうことが書いてあります。一部だけ読みますが、「“情熱”と“正義感”と“バイタリティ”で、一生懸命の潤ちゃん。しかし、私たちが一番大好きなところは、ウソをつかない誠実な政治家の潤ちゃんなのです。」ということでございます。これはまさに、そういう意味では、本人がやっていることと、ここで天下に公言されたこととは余りにも違い過ぎるわけでございます。こういうことで本当に政治の信頼が取り戻せるのかどうか、私は大いに疑問を抱かざるを得ません。

 つきましては、当初挙げました五名の皆さん、こういった方につきましてきちんと、やはり御本人がそうじゃないならそうじゃないと、天下の場に、この国会の場において正々堂々と釈明をしていただく、そういう機会をぜひこれはつくるべきではないかというふうに思うわけでございます。

 そういう意味で、こういった皆さん方の政治の信頼を取り戻すという意味を含めまして、当委員会において、この五名の皆さん方の参考人招致なりなんなり、そういった御本人の見解あるいは意見を述べていただく、そういう機会をぜひつくっていただきたいということで、これは委員長にお願いする次第でございます。

笹川委員長 理事会で協議します。

今村委員 では、よろしくお願いいたします。

 それから、大変、極めて順調に答弁いただきましたので、時間がございますので、一言だけお伺いしたいと思いますが、今、三位一体ということの中でまさに改革が進められているわけでございます。これは、方向としてはもちろんいいわけでございますが、ただ、この進め方につきまして、多少、唐突といいますか、急ぎ過ぎというか、そういう問題が今出てきているような気がいたしております。

 特に、国全体のことでも議論されているわけでございますが、現実に、私たちの地元に行きますと、市町村あるいは県の財政が大変厳しい、予算が組めないというような状況も今出てきているわけでございます。例えば私のふるさとの佐賀県でいきますと、県がとにかく当初よりも二百億ほど、どんなに経費を節減してもやっぱり足りなくなってきたという問題、これはもう基金を取り崩すしかないと。そしてまた、同じく市町村の財政もなかなか厳しいということで、これもいろいろ経費を節減しましたが、やっぱり財源不足が百三十七億出てきた。この基金、市町村も今までお金をため込んでおったわけでございますが、これはもう三百四十億しかないわけであって、そのうち百三十七億使いますと二年ちょっとで貯金が底をつくということになるわけでございます。

 こういったものにつきまして、どういう認識をされておられ、そしてどういう対応を今後考えていってもらえるのか。若干、激変緩和という措置をぜひ考えてもらいたいというふうに思います。御見解、よければ伺いたいと思いますが、どうぞ。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 今村委員の御質問というのは、今回の国庫補助負担金改革あるいは税源移譲、特に交付税の総量抑制あるいは赤字地方債の抑制等々、そこら辺に端を発して地方財政が大変だというふうなお話であろうと思います。

 実は、私どももまさに問題点は共有をいたしておりまして、ただ、今、先生も御承知のとおり、地方の財政状況というのはかなり厳しい状況にございます。二百兆に余っての借金を抱えておる、あるいは交付税特会も大変厳しい状況下にございますので、それぞれの歳出を見直して財政健全化にも取り組んでいただきたい、あるいは基金の活用等もぜひともこの際対応いただきたいというふうにも思っておりますが、しかし、お話しのような面もございますので、きめ細かく相談に応じながら、特に今回は、地域再生事業債の枠の拡大とか、あるいは財政健全化債の運用の弾力化等々の措置によって対応させていただきたいと考えております。

 しかし、お話しのように、これは十七年度以降についても、これまたなかなか先が見えないというふうな状況下にございますので、そこら辺は財政状況等を総合的に勘案しながら、市町村を含め、地方団体の財政運営が円滑にいくように適切に対処をさせていただきたいと思っております。

今村委員 ぜひ激変緩和ということに重点を置いて取り組んでいただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

笹川委員長 これにて今村君の質疑は終了いたしました。

 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。

 本日は、予算委員会で質問をする機会をいただきまして、ありがとうございます。私は、民主党のネクスト環境大臣を仰せつかっておりまして、本日は環境問題を中心に質問させていただきたいと思います。

 まず最初に、最近、東海地震あるいは東南海地震の心配がされております。なかなか地震の予測はできないわけでありますけれども、地震に対してきっちりと対策を練っていく、これは我々国政で働く者に課せられた課題だと思うわけであります。

 特に環境問題で考えますと、万が一、原子力発電に事故が起きた場合、その影響ははかり知れないものがある。私は、原子力事故で一番気をつけなくてはならないのは、その原子力の影響というのが遺伝子に及んでいく、当代だけではなく次代にもわたって影響が起きていく、そういう意味では、本当にこの原子力の問題というのは大きな問題だと思うのであります。

 そういう中で、二年ほど前でしたか、原子力災害対策特別措置法が成立したわけでありますが、万が一の際の原発に対する対応はどのように進んだのか、お聞きをしたいと思います。

中川国務大臣 今、委員御指摘のように、まず、日本は地震が非常に多い国でありますし、また他方、原子力発電所は我が国のエネルギー政策の基幹電力として非常に重要な位置づけでございます。この二つを整合といいましょうか、うまく目的達成させるために、この原子力発電所の安全対策というものは万全、厳重でなければいけないわけでございます。

 原子力発電所の設計あるいはまた運転段階におきまして、原子力安全委員会の耐震設計審査指針というものに基づきまして、過去のデータあるいはまたそれを上回る地震が仮に起こっても対応できるというような設計にしております。また、施設内には多数の地震計を設置して、一定の地震を感知した場合には自動停止するということにしているわけでございます。

 また、今委員御指摘のように、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、万が一の場合に、原子力災害が発生した場合には、内閣総理大臣が原子力緊急事態というものを宣言いたしまして、関係省庁が一体となり、もちろん経済産業省を中心といたしまして、国民の安全を第一に、避難、救助、救急等の各種対策に万全を期していきたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 大臣お答えいただきましたように、万が一のときに、起こった場合に対して、さまざまな指針を設けて対応していらっしゃるということであると思うわけでありますが、ただ、大変に心配しておりますのが、かつてのソ連、チェルノブイリで事故が起きたときに、原発が暴走してしまってなかなかとめられなかったということがあるわけであります。

 当時のチェルノブイリの発電所の構造と日本の発電所の構造は随分違う、こういうことも聞いておるわけですが、今、大臣がお答えになった中で、発電所の中にも地震計が置いてある、そして自動停止するというお答えがあったわけでありますが、これは震度幾つで原発がとまるようになっているのか、具体的にお答えいただけるとありがたいのでありますが。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 中川大臣からお答え申し上げましたように、原子力発電所では施設内に複数の地震計を設置しておりまして、一定の地震動を感知した場合には自動停止する設計がなされております。

 具体的な数値でございますけれども、原子力発電所の設計の際に、基準地震動として最大加速度応答値というのを設定しておりますけれども、その九〇%以下、具体的な加速度で申し上げますと、実際には、多くの場合、百五十ガルというような数値で、かなり安全サイドで設計されておりますけれども、その段階で作動して自動停止するように設計されております。

近藤(昭)委員 最大加速度応答値とおっしゃったのでしょうかね、百五十ガル、その九〇%以下ということであるのかもしれませんが、専門的なことはよくわからないところがあるわけでありますけれども、よく我々が、私なんかが新聞あるいはマスコミで見るのは震度幾つとかそういうこと、そういう数値では表示をされていないわけですか。

松永政府参考人 お答えを申し上げます。

 最大加速度の数値と気象庁で発表しておりますいわゆる震度とを具体的に正確に対照させるのはなかなか難しいわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、ただいま申し上げました百五十ガルといった加速度の数値は、震度で申し上げますと、大体五ぐらいのレベルであると承知をしております。

近藤(昭)委員 わかりました。そうすると、大体震度五の揺れを感知すると原子力発電所が自動的にとまる、こういうことでありますね。ありがとうございます。

 続きまして、環境庁が環境省に昇格をしまして、その際に放射性物質による環境の汚染を監視することが環境省の所管となったわけでありますが、他の省の行う安全対策とはどのような分担、連携関係となっているのか、そして、その中におきまして環境省による放射性物質汚染の監視は有効に機能しているのかどうか、大臣として監視事務の執行状況をどれだけ把握していらっしゃるのかをお聞きしたいと思います。

小池国務大臣 環境庁から環境省に一部上場させていただいた際に、放射性物質によります環境汚染の監視も環境省の所管となったわけでございます。

 文部科学省との共管事務となっているわけでございますけれども、私ども、一般環境中の環境放射線等のモニタリングなど監視をいたしているところでございます。もちろん、このモニタリングは、私ども環境省、そして文部科学省、そして電力事業者、地元自治体など、お互いにこれを補完し合う形で進めさせていただいているところでございます。

 環境省でございますけれども、離島そして遠隔地等の全国十二カ所で行わせていただいておりまして、あえて申し上げるならば、文部科学省の方は県庁所在地における測定を担当、そういう一応仕分けにはなって、分担と言った方がいいかもしれません、やっております。

 御指摘のとおり、非常に重要かと思います。監視体制の充実には、大臣としてもしっかり取り組んでまいりたいと思いますし、また、民主党の方で環境を御担当ということでございますので、環境は党派を超えたテーマだろうと思いますので、どうぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 そうしますと、それぞれの省庁、文科省、そして各企業、自治体が分担をしてやっていらっしゃるということでありますが、これはどこかで統合してやっているようなところもあるんでしょうか。例えば、文科省がやっている、それぞれ企業あるいは自治体。

 原子力災害対策特別措置法が成立したときの一番の基礎は、この原子力発電という国策について、やはり国がきちっと責任を持っていかなくてはいけない。各自治体、もちろん現場で即座に対応する必要が、現場の対応が一番重要なわけでありますが、一方で、先ほど申し上げましたように、原子力事故が起きた場合の影響の大きさ、また、原子力問題のある意味での専門性と申しましょうか、さまざまな問題がある。こういうことでありますから、国がきちっと責任を持てというのがあの対策特別措置法の根本理念だったと思うんですね。

 そういう意味では、そういった分担をやっている部分と、最終的に国でいうとどこが今の情報を統括してきちっとモニタリングをしていらっしゃるのか、お答えをいただければと思います。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、原子力災害の際、一番大事なことは、御指摘の、ジェー・シー・オーの事故、それに対応してつくられました原子力災害対策特別措置法にございますように、国、それから都道府県、それから市町村、それぞれの連携を強化するということでございまして、万が一、緊急原子力災害が発生した場合には、この原子力災害対策特別措置法に基づきまして、国と本部、それから、現場の現地において、原子力緊急事態の宣言後、対策本部ができまして、そこで一元的に対策を講じていく、こういう体制がとられております。

近藤(昭)委員 今質問をさせていただきましたように、きちっとした対応を、私も実は当時科学技術委員会におりまして、この対策特別措置法の関係を随分とやらせていただいたわけでありますが、もちろん分担の部分と、しかしながら、一元的にきちっと情報を収集して、迅速な対応をとっていただきたいわけであります。

 続きまして、地球温暖化の対策の問題についてお聞きをしたいと思います。

 COP3、京都におきまして京都会議、地球温暖化を防止しなくてはならないということで、世界各国が協力しようということで、京都で京都議定書が策定されました。京都という名前がついて、日本でそういう議定書が策定された。私は、ある意味での誇りと、そしてまた、責任をしっかりと果たしていかなくてはならないと思うんですね。

 そういう意味で、もちろん、なかなか京都議定書が発効しないという現状があるわけでありますけれども、一方で、きちっとした対策を国内でとっていかなくてはならない。そういう中で、ちょっとお聞きをしたいと思うんです。

 政府も、環境省、経産省を中心に、地球温暖化を防止していこう、こういうことでさまざまな対応をもちろんとっていただいているわけであります。そういう中で、個人の皆さんも、国民の皆さんも大変に関心を持って、また、そういう意味では自覚を持って、いろいろと対応していらっしゃいます。

 もちろん、温暖化の原因となる温室ガスの八〇%は公共部門、産業部門が出しているわけでありますが、一方で、家庭部門でも二〇%ぐらいある。そして、その二〇%ぐらいある中で、個人の方々が、少しでも、全体では二〇%だけれども、できる限り頑張りたい、そういうことで努力していらっしゃる方々、大変いらっしゃるんですね。

 ところで、ちょっとお聞きしたいんですが、例えば個人の家で、太陽光パネル、太陽光発電をしよう、あるいは窓を二重にしようと。窓から熱が逃げていく、あるいは窓から熱が入ってくるということが個人の家でいうと一番大きいと聞いているんですね。そういったことに対する、窓を二重にするなどの対策、こういうことで、一般家庭でCO2を大幅に減らせる設備や技術を導入しようという個人の方がふえています。

 そうした場合、これは家の大きさによってももちろん変わってくるわけでありますが、どの程度の費用がかかると国の方では推測というか、はかっていらっしゃるのか、お答えいただければと思います。

小島政府参考人 お答えいたします。

 窓ガラス部分を二重にした複層ガラスのサッシでございますけれども、通常の大きさの窓枠、縦一・八メートル、横〇・九メートル、一枚でございますけれども、この一枚当たりで見ますと、二重の複層ガラスは約六万五千円程度でございます。一般的な普通のガラスが約四万円ということでございますから、一枚当たり二万四千円程度、約六割程度、複層ガラスの方が高いというのが現状だと認識しております。

近藤(昭)委員 二重窓は六割程度も高いということであります。

 太陽光パネルについてはいかがでしょうか。

小島政府参考人 太陽光につきましては、太陽光発電、標準的な戸建て住宅で三キロワット規模の太陽光発電を設置するという場合に、工事費、周辺機器、費用全部を含めまして約二百三十五万円程度の費用がかかるというふうに考えております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 それぞれの家の大きさ、あるいは今の窓、六割程度高い、窓をどれだけつくるかによっても、それぞれの一戸の家にかかる負担がどれぐらいかというのは変わってくるわけでありますが、かなりの費用が変わってくる。もちろん、それは、太陽光発電にすれば電気を買わなくても済む等々のことはあるんでしょうが、今の状況でいくと、なかなかそう十分に発電ができるわけじゃないという側面もあると思うんですね。

 ところが、それでもCO2の削減のためになるならといって個人で頑張っていらっしゃる方も多いわけでありますけれども、そういった意味では、それぞれの費用の低コスト化、これも必要であるのでありますが、少し心配といいましょうか、何らかの対応が必要ではないかなということがあります。

 それは、家庭でこういった設備に投資をすると、それに比例して固定資産税の評価額も上がって、固定資産税の納税額がふえてしまうということであります。

 そうしますと、その方は、環境によいことだ、これ以上CO2の排出が多くなってはいけないということで環境によいことをしているというつもり、ところが、それに従って税も上がってしまうということでは、反環境的ではないか、反環境的税だとも思えてしまうわけでありまして、それに対して、どうでしょうか、租税特別措置法、特別の措置とか補助金とか、何かそういう対策をしないと、せっかくCO2削減だ削減だと言っていても、個人のインセンティブが働いていかないのではないでしょうか。大臣、どのようにお考えでしょうか。

小池国務大臣 昨日も、井上委員の方から、この住宅に関連した非常に的確な御質問をいただいたと思っております。

 先ほど、窓の値段、二重窓の値段も、大変お高いという感覚がおありかもしれません。実際、そうかもしれません。これがどんどん普及することによってスケールメリットを呼んで、より価格が安くなっていくということが、まさに経済と環境の統合のパターンにきちっとはまる。そのためにも、省エネそして代エネをしっかりと後押ししていくことが私たちの役目であろうと思います。

 その意味で、今の御質問の点でございますけれども、地球温暖化対策に資するさまざまな工夫をいたしました住宅建設については、次世代省エネ基準というものを設置しておりますけれども、これに適合した住宅については住宅金融公庫の割り増し融資措置などが行われているところは御承知のことかと思います。

 そしてまた、今の話は租税の部分でありまして、ぜひそちらの大臣にもお聞きいただければ私どもとしてもうれしいのでございますけれども、環境省独自の取り組みといたしましては、住宅の省エネ・代エネ対策のモデルとなるように、技術の見学、体験を、まず皆さんに知ってもらうというようなことでエコハウス整備事業を推進しているということでございまして、税の点につきましても、環境省としても進められるところはしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 割り増し融資が受けられるということで、昨日、井上同僚議員からも質問させていただいたわけでありますが、大臣、やはり四万円が六万五千円というのは、六割程度高いわけでありまして、これは明らかに高いんだと思うんですね、一枚だけではありませんし。そういう意味では、私はやはり、もう少し租税の問題でインセンティブを働かせていく必要があると思うんです。

 もちろん、固定資産税でありますから各自治体が決めるわけでありますけれども、やはりこれは、国として何らかの、例えば、今、小池大臣からも、こちらにもよく聞いてほしいというお話があったわけでありますが、ある程度の、こういうことをやったらどれぐらいの租税の特別措置をするとか、あるいは補助金を出すとか、そういう具体的なことをしていく必要があると思うんですね。小池大臣、もう少し具体的にお話を聞かせていただけませんでしょうか。

小池国務大臣 環境省といたしましても、できるだけこういう省エネの工夫ができますよう、最初に導入するときにはこれだけ費用がかかりますけれども、それによって光熱費がこれだけ削減できますよといったものをまとめたパンフレットなども広く配布もさせていただいております。

 また、温暖化対策推進員という制度をつくりまして、まさに戸別訪問して、住宅の断熱化の効果、省エネ・代エネ機器の活用によってどのようにまたプラスがあるのか、ライフスタイルをこう変えたらこういうプラスがありますよなどといった温暖化診断を昨年よりさせていただいておりまして、これまでの実績として、二千世帯で開始をさせていただいたところでございます。

 それから、先ほど申し上げましたパンフレットにつきましても、六十万部、家庭の主婦向けに、とてもおしゃれに、また、かわいくできていまして、これによって幾らお得という一番訴求効果のある言葉、テーマで絞り込んだ形でお配りをして、読んでいただいた方には、非常に参考になったというふうに反響もいただいているところでございます。

 委員が冒頭に御質問に立たれた際におっしゃいましたように、この地球温暖化問題というのは結局は私たちのライフスタイルにかかわってくるものでございますので、また、企業、産業はさまざまな工夫も既にしていただいているものの、やはり一人一人の個人の心がけ次第で、それが総体となったときには大変大きな効果があろうかと思いますので、できるだけわかりやすく、そしてまた、個々人に訴えるような方法でもって強力に進めていきたいと考えております。

近藤(昭)委員 もちろん、私もそのパンフレットは拝見させていただきました。そういった省エネ型のハウスをつくるとどれだけ月の電気代が安いとか、そういうことは書いてあったわけでありますが、もちろんそういうことも大事なわけでありますけれども、それはそれぞれの方が御判断なさって、これだけ安いならこれをやってみようということなんでしょうが、私は、もう少しというか、十分にその御決意はあるんだと思いますが、やはり国の方針としてそういうものをやる。

 もちろん、現実的に電気料金も安くなるかもしれない。ただ、なかなかこれは、回収するのは何年もかかることでありますし、そういうことを御判断くださいと言うこととともに、やはり国として、そういう租税などに対して特別の措置があるんですよ、こういうインセンティブをぜひ働かせていただきたいというふうに考えるわけであります。

 ところで、ことしは大綱の見直しの年になりますが、仮に、今までのいわゆる地球温暖化対策、CO2削減の対策で目標が達成されなかった場合、やはり環境税を導入して根本的な対策を全体的にしていく必要があると私は考えております。

 先ほど、エコハウスの普及のことで、税の特別措置をすべきではないかというお話をさせていただいたわけでありますが、それに対する必要な財源確保のためにも、私は環境税導入をしていく必要があるというふうに思っているんですが、そういうことについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。

小池国務大臣 おっしゃいますとおり、本年、二〇〇四年は大綱の見直し、評価の年でございます。

 先ほど来申し上げております省エネ、代エネ、これを一生懸命進めるということだけで間に合うのかどうか。そしてまた、省エネ製品の購入、省エネ投資が採算に合うようになって、その導入が進むことがそういった効果が総合的にプラスの効果を生み出してくれることを期待するわけでございますけれども、今御指摘のように、例えば環境税を導入したらどうかということですが、その税収をこれらの温暖化対策に充てることもできるわけでございます。

 税というのは、非常に拒否反応も強いわけでございますけれども、逆に言えば、それだけ強力であるということかと存じます。ほかの方法と比較いたしますと、いわゆる温暖化対策税は、家庭そして運輸部門を含みますすべての主体に対して対策へのかかわりを求める、波及効果が非常に広いというプラスの面もございます。

 私ども環境省としては、ことし行いますこの温暖化対策全体の評価見直しの結果として、その導入が必要だったという、そういった場合に備えて現在も検討を進めているところでございますが、いずれにいたしましても、税ということになりますと、それを負担していただく方々の理解を深めなければならないということで、国民的な議論も必要かと考えております。

近藤(昭)委員 私は、税の負担ができるわけでありますから国民的な議論が必要だ、もっともだとは思うわけでありますが、一方で、京都議定書の趣旨は、本当に世界が協力してきちっとした対応をしていかないと人間が住む環境が破壊されていってしまって、結局は人間が生きづらく、生きにくくなってしまうということであった、そういう意味では、やはり早急に議論をして導入すべきだというふうに思っているわけであります。

 ところで、先ほどもパンフレットの話がありました。エコハウスについてであります。

 昨年の国会で、当時は民主党の環境委員長でありましたが、委員長提案で、環境教育推進法が制定されました。エコハウスのパンフレットもこういう環境教育推進法の一環だと思うんですけれども、同法の成立以後、どの程度、どういうふうに進捗があったのか、簡単にお聞かせをいただきたいというふうに思うんです。

加藤副大臣 お答え申し上げます。

 委員の御紹介にありましたように、昨年の七月でありますけれども、環境保全活動・環境教育推進法が成立いたしました。これによりまして、環境教育に係る基本理念や各主体の責務等が明らかにされたわけでありまして、環境教育施策の体系化が図られたところでございます。

 また、副大臣会議におきましても、環境教育の充実について取り上げまして、この法律の円滑な運用や地球温暖化防止のための取り組み等を取りまとめたところでございます。

 委員お尋ねのCO2削減との関係では、地球温暖化対策に係る具体的な環境教育施策といたしまして、温暖化防止のための環境学習DVD、こういった教材を小中学校等へ配付を行っているところでもございます。

 今後とも、この法律の円滑な運用を図りまして、委員、大変関心の強いCO2の削減につきましても、普及啓発の中で、あるいは環境教育の充実強化という観点から積極的に進めていきたい、このように考えてございます。

近藤(昭)委員 ぜひ、環境教育をしっかり進めていただきたいわけであります。

 ところで、日本はなかなかエネルギー資源がない、そういう中で、中東からの石油、なかなか中東もいろいろな波乱、波乱といいますか問題があって、エネルギー資源の多様化ということで政府も努力をされていると思うんです。

 少しお伺いしたいのは、サハリンなんかで、日本も協力して天然ガス等々の開発をしているわけでありますが、あるいは石油資源の開発をしているわけでありますが、公海上で油流出の事故などが起きた、その環境対策として、海上保安庁が所管になるそうですが、どのようなことを行っていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

深谷政府参考人 お答え申し上げます。

 サハリンの関係についてのお尋ねでございますけれども、こうした事故につきましては、もちろん当事者によります事故の予防対策、これに万全を期していただくというのが第一でございますけれども、当庁といたしましては、これまでのサハリンのプロジェクトの動向を踏まえまして、平成十二年の五月に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律というのがございますが、それに基づいての北海道沿岸海域排出油防除計画というのは既にあったわけでございますけれども、これにサハリンの油田排出油事故対策を追加いたしまして、大量の油が日本沿岸に漂流してくるというふうなことをも想定しました大型の油防除資機材等の動員計画などを策定しておるところでございます。

 また、実際、現在までに、高粘度の油、こういうものに対応した油回収装置あるいは大型の真空式の油回収装置など、そういった大型の油防除資機材などを第一管区海上保安本部、これは実は北海道を担当しておるわけでございますが、そういったところに重点配備をいたしますとともに、こうした装置の運用が当然可能となるような大型の巡視船も配備をしておるところでございます。

 もちろん、海上保安庁のみならず、関係省庁との間におきましても、この油汚染事故への準備それから対応のための国家的な緊急時計画というのを、既に平成九年に閣議決定でこういった計画がつくられておりますけれども、これに基づく各省庁連絡会議を開催いたしました。

 平成十二年二月でございますが、事故発生時に迅速かつ効果的に対応できるようにということで、関係省庁によりまして、サハリン2石油開発プロジェクト生産施設における油流出事故への関係行政機関の具体的な準備及び対応、こういったものも策定をしておるところでございます。

 いずれにいたしましても、万一、そうした油の流出事故、こういったことがあった場合には、今申し上げたような資機材を導入し、また、今申し上げたような関係機関との連携を図りながら十分対処してまいりたい、かように考えておるところでございます。

近藤(昭)委員 いずれにせよ、そういう事故が起きないように、当地といいましょうか、現場での対策が第一には必要なわけでありますが、万が一、そういうことが起きたときに、きちっと海上保安庁には対応していただきたいというふうに思うわけであります。

 ところで、そういう海上汚染のことで申し上げますと、日本海、閉鎖性の水域であるわけでありまして、この地域の海の汚染の進行を大変に懸念しております。日本海の汚染の状況というのはどうなんですか。

小島政府参考人 お答えいたします。

 日本海の海洋環境につきましては、昭和五十年度よりモニタリング調査を継続しております。

 例えば、平成十三年度には、日本海の二海域におきまして、水質、底質それから海洋生物、魚とか貝でございますが、これは生物濃縮を調べるためにとっておりますけれども、これらに含まれますカドミウムでありますとか水銀でありますとか、そういう重金属類の濃度についても調査をしているところでございます。

 これまでの調査結果によりますと、日本海の水質、底質あるいは魚介類の汚染状況というのは特段の変化は見られておりません。しかしながら、海洋の汚染状況というのは長期的に見ていく必要がございますし、非常に広範囲にわたっておりますので、今後とも継続して調査を行ってまいるつもりでございます。

近藤(昭)委員 ぜひ、閉鎖的な水域でありますし、これは関係しているところが日本だけではなく、中国あるいは韓国、あるいは残念ながら国交がない北朝鮮というところ、いわゆる関係諸国が幾つかあるわけでありますから、しっかりと監視していただくとともに、協力といいましょうか、きちっとした対応をしていただきたいと思うわけであります。

 ところで、リサイクルについてちょっとお伺いをしたいと思います。

 先ほどにもお話をさせていただきましたように、個人がさまざま努力をしていく、そういう中で、個人また企業ということの努力の中にリサイクルということがあるわけであります。

 例の食品リサイクル法が施行されたわけでありますが、個々のホテルなどの大規模な事業者のリサイクル状況などを個別に公表する、こういうような透明性を高めないと対策自身のインセンティブが働かないのではないかというふうに考えております。また、事業者の環境取り組みの情報を公開していくことについて、大臣、どのように考えていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

小池国務大臣 おっしゃいますように、現行リサイクル法は個別事業者のリサイクル状況を公表する仕組みとはなっておりませんけれども、意識の高い事業者は環境報告書などによって自主的に食品のリサイクル状況をもう既に公表されておられまして、実はそれが一番効き目があるということもあろうかと思います。消費者の評価の指標の一つになっているというのがもう現実ではないかと思います。

 大規模事業者にしっかりリサイクルをさせなくてはならないということの御指摘だと思います。

 食品リサイクル法では、その基本方針で、食品廃棄物の排出者であります食品関連事業者に、排出抑制、リサイクル等の取り組みにより、平成十八年度までに年間排出量二〇%削減の義務づけということでございますので、いわゆる大規模事業者については、それが十分できかねるということになるとその事業者名などを公表することは既に法律で規定されているところでございますけれども、しっかり毎年その取り組み状況を把握、そして公表していきたいと思っております。

 それから、先ほどからずっと、地球温暖化のところで、私、ぜひこれをこの場で申し上げたかったんですけれども、よろしいでしょうか。

 いろいろと省エネ、代エネなどの教育をやるべき、進めるそのモデルケースは、私は、議員会館であったり、議員宿舎も一つのモデルではないかと思います。今、建て直しとかその辺が進んでいるところだと思いますので、日本じゅうから、ひょっとして世界から、これが新しいモデルの建物だよというものを示す絶好のチャンスではないかと思いますので、ぜひともお進めいただきたいということをこの場で言わせていただきます。

近藤(昭)委員 ぜひそれは進めていきたいと思うわけであります。

 ところで、ヨーロッパでは、RoHS規制などを導入して、リサイクルを容易にするために製品中の有害物質の規制を強化する。リサイクルをしようとしても、例えばコンピューターの中に使われているリード線というか、線の中に使われているものが有害であったりするとなかなか容易にリサイクルができないということで、欧州ではRoHS規制というのを導入して強化しているというふうに聞きます。

 ただ、残念ながら、我が国ではその方面の規制は大変におくれていて、かえって国際競争力を損なっているのではないか。国内、一部の企業で、ありますが、しかし、そういった企業が大事なんですけれども、日本の国内の規制が緩い。だから、日本の規制に合わせて海外に出していると、知らずに、そこの意識がおくれているわけですから、その会社の責任ではあるのかもしれませんが、日本の国内でいいから大丈夫だと思ってヨーロッパへ出してみたら、もう大変な、そんな部品を使っているものは輸入できないとか、リサイクルできない、こういうことで現実に大変な損害を受けた企業も、名前を出すのは避けますけれども、そんな企業があるということであります。

 そういう意味では、国際競争力を強めていく意味でも、このリサイクル法制の改革を強めていかなくてはならないと思うわけでありますが、環境大臣、経済産業大臣、いかがお考えでしょうか。

小池国務大臣 議員の今おっしゃいましたEUの動き、欧州の動きは、私どももしっかり注視させていただいております。

 また、ヨーロッパがそういうきつい、厳しい制度をつくると、結果的に、これだけボーダーレスの経済になっているわけですから、特に欧州の方での取引の多い企業などはもう率先してそれをやっているということで、一種のデファクトスタンダードになっているのではないかと思います。

 そういった動きなども踏まえつつ、関係省庁とも連携をして適切に対処してまいりたいと考えております。

中川国務大臣 委員御指摘のEUのRoHS指令につきましては、ことしの八月までに加盟各国がそれぞれ国内法制化するというふうに聞いております。したがって、我が国といたしましても、今後決定されます技術的事項を踏まえながら、その内容を精査していかなければいけないというふうに考えております。

 委員御指摘のように、特定有害物質に対して、それをなくすというような方向でリサイクルを一層促進するということは非常に大事な方向だと思います。

 また、技術的優位についても御指摘がありましたが、我が国の競争力、技術的優位を守る観点からも、この問題について注意深く見守っていきたいというふうに思っております。

近藤(昭)委員 ぜひ、両大臣におかれましては、今御答弁の中にもあったわけでありますが、注意深く見守っていただいて、まあ見守るというか注意をしていただいて、積極的に対応していただきたいというふうに思うわけであります。

 そういう中で、リサイクル法、幾つかあるわけでありますが、一番古くできた容器包装リサイクル法についてお伺いをしたいと思います。

 この容器包装リサイクル法には、拡大生産者責任、いわゆる生産者、つくった人の責任をもっと明確にしていく、もちろんそれぞれのユーザーが対応していく、リサイクルをしていくということでありますが、もとのところでやらなくちゃいけないという拡大生産者責任の観点が欠如していると私は思うんですね。そういう意味では、この法案を見直して生産者責任というものをもっと強化すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。

小池国務大臣 御指摘の容器包装リサイクル法は、施行後十年を経過した場合におきまして、一部規定の施行状況についての検討を加えて、必要な措置を講ずるというふうに付記されておりまして、ということは、今御指摘の拡大生産者責任についても、平成十七年度に評価検討を行う、その際にぜひとも御議論いただきたいと思います。

 ちなみに、役割分担をしたわけですね、容器リサイクル法によって。それによって、消費者は分別排出、それから市町村が分別収集、事業者は再商品化という役割をそれぞれが分担して担ったわけでございますけれども、この中で、事業者は再商品化の費用を負担するということでも、既にこの制度でも拡大生産者責任の概念を踏まえたものであるというふうに理解をいたしております。

 それから、実際に市町村の分別収集が進む中で、法の適用対象等が拡大されたことに伴って事業者のリサイクル費用の負担も格段にふえていることも事実でございまして、平成九年度の約十七億円、これが容器リサイクル法が施行された年、そして、それから五年たちまして、平成十四年度で約三百五十三億円と大幅に増加していることも加えておきます。

近藤(昭)委員 いろいろと質問させていただきましたけれども、規制すべきところはきちっと規制をしていただく、そしてまた、インセンティブが働くような補助をしていただくということでありますので、その点、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

笹川委員長 これにて近藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、池田元久君。

池田委員 民主党の池田元久でございます。

 本論に入る前に、昨日の王毅外務次官の発言について、手短にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 六カ国協議の議長を務める中国の王毅外務次官が、きのう、訪中しております逢沢副大臣に対して、北朝鮮側が、核の完全廃棄を約束する用意がある、その前提として核活動を凍結すると伝えてきていることを明らかにいたしました。

 事前に日本政府に連絡があったと思いますが、どうですか。

川口国務大臣 逢沢副大臣から直接お話をいただくのがあるいは一番いいかというふうに思いますけれども、多分、間もなくいらっしゃると思いますが、とりあえず、私の方からお話をさせていただきたいと思います。

 おっしゃったように、北朝鮮から中国に対して、核の完全廃棄、その前提としての核活動の凍結というコミットメントが伝えられているということを王毅副部長がおっしゃられたということでございます。

 それで、こういった北朝鮮側がコミットをしているということ自体ですけれども、意味がはっきりしないところがありまして、例えば、完全廃棄といったときに、それが何を意味するのか、何を完全に廃棄するのか、対象は何か、どういうふうにしたら完全廃棄かというようなことについて、必ずしもはっきりしていない。どういう前提のもとで、どういう状況になったらそれをやるかということについても、必ずしもはっきりしていないということでございます。

 ただ、もちろん、こういった発言が六者会談のところでそういうふうになされれば、それは関係の国としてこれを議論していくということになると考えています。

 ソウルで三者の会談がございましたけれども、日米韓ございましたが、そこの場でも、北朝鮮の六者会談における発言、これについては議論をしていくということで確認をいたしているわけでございます。

池田委員 王毅次官は、完全廃棄とその前提としての一切の核活動の凍結のコミット、約束にはウラン濃縮計画も含まれると発言をしたわけですが、これは、北朝鮮側がそのように述べたのか、あるいは王毅次官の認識であるか、どちらですか。手短にお願いします。

川口国務大臣 北朝鮮がそう言ったと王毅副部長はおっしゃっていらっしゃるということでございまして、それ以上のことの確認はいたしておりません。

池田委員 廃棄と凍結の対象にウラン濃縮計画が含まれれば、これは日米韓の基本的な主張に沿うものと見られますが、政府はどのように評価されますか。

川口国務大臣 濃縮ウランの活動がそこに含まれるということは必要なことだと考えております。

 ただ、それだけではありませんで、完全な検証可能な不可逆的な核の廃棄ということを言っております。先ほど、前提その他についてまだわからないということを申しましたけれども、そういったことについて、それが必要であるという基本的な立場に立ってこれを詰めていく必要があるというふうに考えております。

池田委員 この議論は後でまたしたいと思うんですが、外為法の改正について入りたいと思います。

 国民も含めて我が国の平和と安全の維持のため特に必要があるときには日本独自で経済制裁を行えるようになったわけですが、この改正の意義について、福田官房長官と外務大臣から、それぞれ簡単にお答えをいただきたい。

福田国務大臣 これは、これから外務大臣が答弁なさいますが、外務大臣の答弁の方が立場として適切なことではないのかな、こう思っておりますので、あえてそういう御要求でございますから簡単にお答えしますけれども。

 今般は、議員立法、議員提案によって成立したものであります。ですけれども、政府としても、その結果、一つの政策手段、これを持つことができた、こういうふうに考えております。

 ですから、今後は、立法の趣旨とかそれから外交的な観点、これを踏まえながら、我が国と国際社会の平和と安全のために適切に運用してまいりたい、このように考えておるところでございます。

川口国務大臣 官房長官がおっしゃったことと同じでございますけれども、政策手段の一つであるというふうに考えております。

 今後、その立法の趣旨ですとか外交的な観点、そういったことを踏まえまして、我が国の平和と安全のために適切にこれを運用していきたいというふうに考えております。

池田委員 私は、制裁を実際に発動するということを今これから言うわけではなくて、外為法の改正そのものが北朝鮮に圧力となっていると思うんですが、川口外務大臣、いかがでしょうか。

川口国務大臣 北朝鮮は、外為法の改正については、いろいろな機会に発言をしております。非難をする発言をしておりますし、先般、日本の外務省の田中外務審議官、薮中局長がピョンヤンに行きましたときにも、これが、二日前に外為法の改正が行われたということで、向こう側は強い反発を示していたということでございますので、これについては北朝鮮は非常に強い関心を持っているというふうに私どもは考えております。

池田委員 経済制裁が有力な外交手段になり得るというのは、古くは一九三三年、私はよく引用するんですが、ソビエトによるイギリス人技師の抑留事件、最近では去年の八月、リビアが一九八八年に起きたパンナム機の爆破事件で総額二十七億ドルの補償金を乗客の遺族に支払うことになったことなどを挙げることができると思うんです。

 非軍事的措置として、問題解決に向けた外交上の重要なツールと思うんですが、川口外務大臣、一言お答えをいただきたい。

川口国務大臣 今、委員がおっしゃった例というのは、経済制裁がうまくいった例であるかと思います。このほかに、例えばイラクについても同じようなことが言えるかもしれません。

 どういう状況で経済制裁がその効果をよく発揮できるかということについては、いろいろな条件がそろうということがまた同時に大事なことであろうかというふうに思っております。そういった条件を見きわめて経済制裁をやって成功したということは、過去においてもあったというふうに思います。

池田委員 経済制裁を発動する理由それから解除の条件などを明示するというのは当然の前提だと思いますが、これまで、我が国の法制では、国際平和のための国際的な協調行動の一環として我が国が経済制裁を行えると規定しているだけでありまして、一番肝心な、我が国の平和と安全を維持し、国民の生命、身体、財産を保護するための経済制裁の規定はなかったんですね。

 私は、日本のビッグバンがスタートした一九九七年春の外為法改正のとき以来、国や国民の安全が脅かされても経済制裁はできないという法律の大きな不備を指摘してきました。九九年には、民主党で法案要綱骨子もつくったんです。その意味で、今回の改正、やや泥縄式と言われてもやむを得ない面もあると思うんですが、やや遅きに失したとはいえ、国会承認を含めて改正が実現した意義は大きいと私は思います。

 ただ、ここで一つつけ加えて申し上げたいことがございます。

 制裁発動の要件として、我が国の平和と安全の維持に、さらに、国民の生命、身体、財産の保護を加えた方がよかったと私は思っております。

 国には国民が含まれるという議論もありますが、例えば、最近の、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律のように、国と国民を並記、並べて書いている例もあります。

 現代では、御承知のように、国家間の対立というより、拉致事件、そして先ほど申し上げたイギリス人技師抑留事件のように、国民、市民の生活と権利が侵害されるケースが多くなっています。国民の生命身体などの保護を発動条件に加えるべきだと私は思っております。

 官房長官、お考えがあればお伺いしたい。

福田国務大臣 今般の議員提案によります外為法の改正に係ります審議におきまして、提案された議員の方から、経済制裁は、我が国の国民の生命財産を著しく侵害しているような状況において、さまざまな外交手段の中で、例えば対話をし、あるいは国連等の国際機関の中で何とか協調しながらその事態を回避しようというさまざまな努力をしていった上での最終的な措置である、こういう答弁があった。

 こういうことから、今委員の言われることはそこに含まれているのではないかというように考えております。

池田委員 答弁で確かにそうなんです。しかし、新しい時代には、こういう国民の生命身体などの保護というのはやはり強調する必要があると私は思います。

 外為法は、ごらんになれば、省庁縦割り主義を反映して、文章も整理されていないんですよ。経産省が担当しているところ、外務省が担当しているところ、ばらばらです。その点を含めて、さらに整理、改善を図っていくべきだと私は思います。そのことを申し上げたいと思います。

 次に、入港禁止法案について取り上げたいと思います。

 これはまさに北朝鮮を想定してつくろうという法案ですが、入港禁止法の必要性について、外務大臣と官房長官の御見解を手短にお聞きしたいと思います。

川口国務大臣 この法案は、今、党の方において御議論をしていただいているさなかであるというふうに承知をいたしておりまして、政府の立場から、あるいは外務省の立場から、その必要性等についてコメントをするということは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。党の議論を注視させていただいております。

福田国務大臣 今、外務大臣が答弁されましたけれども、そういうことで、今、党内で議論している、こういうようなことでございますので、そのことについて、今、私どもから言う立場にはないということでございます。

池田委員 私は、北朝鮮の現在のあり方、そしてまた外交手段を多様化するということから、入港禁止法の制定は必要だと思っております。

 そこで、お聞きしますが、安全保障上の理由に基づいて法によって入港規制をしている国はあるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

川口国務大臣 今ちょっと、外国の法律について、非常に厳密にその内容あるいはその運用の仕方がわかっているというふうに申し上げるということは難しいんですけれども、一般的に申し上げれば、アメリカにおいては、特定の外国の船舶の入港を禁止する法律、これがあるというふうに承知をしております。どういう場合に、あるいはどういう運用のされ方をしているかということについては、つまびらかにいたしておりません。

池田委員 安全保障上の理由で法律で入港規制をしているのは、アメリカのみなんです。超大国、世界の警察官とも言われるアメリカだけなんです。

 これはもう当然のことですが、日本の生きる道は海洋国家、通商国家であり、恒久的な入港禁止法というような法律とは必ずしもなじまないと私は考えます。また、北朝鮮を想定してつくる法律ですから、目的が達成されたら廃止をするという法律にしてはどうかと思います。

 お手元に簡単なペーパーが行っていると思うんですが、附則の2に、「この法律は、我が国を取りまく国際情勢に照らして、特定船舶の入港を禁止する措置をとる必要がないと認められるに至ったときは、速やかに廃止するものとする。」

 これは、日本の法律に前例もございます。時限立法というよりも、いわば問題解決型立法にすべきではないかと私は思います。何より、目的が達成されれば廃止をするということにすれば、北朝鮮にはより明確で強いメッセージを送ることができると思うんですが、官房長官、これについて何かお考えになるでしょうか。

福田国務大臣 先ほど答弁申し上げたんですが、これはまさに法案の中身のことでございますので、今、私どもでそのような内容にわたることについて申し上げるのは適当ではないのかなというふうに思っております。一つのお考えであることは、これは間違いないと思います。

池田委員 外為法の改正とは違うんですよね。いろいろなケースがあると思うんですが、問題解決のために非軍事的な措置として主権国家が持つ当然のツールであると私は思って、前から、経済制裁の制度、特に、国や国民が侵されても制裁ができないという欠落を埋めるように主張してきたわけですが、この入港禁止法案というのは恒久法にする必要はありません。北朝鮮を想定してつくっているわけですからね。

 日本は、海洋国家、通商国家であります。そしてまた、さらに、このような法律の形にすれば、北朝鮮に対して明確なメッセージを送ることができると私は思います。関係者からも話を聞いております。この法律の方がメッセージ性が強いという話も聞いておりますので、ぜひ皆様の御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。

 次に、北朝鮮への日本と国連などの対応についてお尋ねをしたいと思います。

 まず、北朝鮮の脅威、とりわけミサイルと核の保有の現状について、石破防衛庁長官に端的にお尋ねをしたいと思います。

石破国務大臣 核兵器につきましては、既に核兵器計画が相当に進んでいるという可能性は排除できないという認識を私どもは持っております。

 また、ミサイルに関しましては、性能につきましては委員御案内のとおりでございますが、ノドン、テポドン1というものは、もう実戦配備に入っている。テポドン1というのは、例の日本を飛び越えたものでございますが、少なくともノドンは、日本すべてを射程におさめるというものを持っている。テポドンについては現在開発中である。テポドン1の実戦配備につきましては、ちょっとまだ確たることは申し上げられないという段階であります。

 この数につきましては、これは、だれも一、二、三と数えたわけではないので、本当はわかりません。地下化も進んでいるというふうに考えられますので、数というものについて正確なものを申し上げることはできませんが、少なくとも、射程千三百キロ、日本を射程におさめるノドンというミサイルは実戦配備になっているというふうな認識を持っております。

笹川委員長 逢沢副大臣がお見えになりましたから。

池田委員 もう少し早く来てくれればよかったのですが。

 今の石破長官の答弁でございます。

 おっしゃるとおり、例えば、最近、アメリカのCIAのテネット長官も、我々は、北朝鮮は恐らく一ないし二個のプルトニウム型の原子爆弾を持っているという事実を公表している、このように発言をしております。さらに、IAEAのエルバラダイ事務総長は、核爆弾五、六個分のプルトニウムを保有していると言っております。

 ノドンについては、配備基数につきましては確認ができないとおっしゃいますが、在韓米軍の当局者は、ノドンは百七十五から二百基保有しているということを明らかにしております。

 ノドンだけでも、千三百キロの射程ですから、まさにこれは脅威と言わざるを得ないと思うんですが、石破長官、御見解をお尋ねしたいと思います。

石破国務大臣 言葉はいろいろな言葉が使えると思いますけれども、いずれにしても、私どもにとって重大な懸念材料であるということは確かだと思っております。

 これ、脅威とは何かという議論にもなってしまいますとまた話が長くなってしまいますので、いずれにしても、先生御指摘のように、核開発そしてまたミサイルの配備状況を考えたときに、これは我が国にとって重大な懸念材料であるという認識でございます。

池田委員 さて、おととし十二月、北朝鮮が核凍結の解除、施設の稼働と建設の再開を発表して以来、北朝鮮の核をめぐる動きについて、外務大臣はどのように考えていらっしゃいますか。

川口国務大臣 北朝鮮はもうずっと、そもそもが、米国に対しまして、核を、濃縮ウランの活動をやっているということを言ったときを含めまして、さまざまなことを言っているわけでございます。最近に至っては、濃縮ウランはやっていないということを言っていたりするわけでございます。そういう意味では、さまざまな状況状況で動きがありまして、どういうことを言ったからその意味は何かということをきちんと把握していくというのはなかなか難しい状況であると思います。

 意図等については、かなり不透明なところがあるというふうに考えております。核を持つことが抑止力であるということを言う、あるいは安全保証を必要としているということのためにそれを使う、さまざまな意図があると思いますので、一つ一つの行動について、一貫として北朝鮮はこういうことを考えているということを判断することはなかなか難しいというのが現状であるというふうに思います。

 いずれにしても、北朝鮮が、我々として考えておりますのは、核については朝鮮半島は非核化すべきである、これは日本だけではなくて全部の国が言っているわけでございますし、先ほど冒頭の方で申しましたように、核については、これは廃棄をする、それを完全、検証可能そして不可逆的なやり方でやるということについての我が国の立場は変わらない、それをやることが必要だと思っています。

池田委員 北朝鮮は、おととしの十二月から、矢継ぎ早にいろいろなことをやりましたね。核施設の封印撤去、監視カメラの機能妨害などを断行した上、IAEAの査察官を退去させました。そして、明くる一月には、NPTから脱退を宣言した。

 ですから、これは日本にとってどうなんですか。日本の政府として、そしてまた日本の国民の安全という見地からいってもどのように考えるか、もう一度、川口大臣の答弁をお願いします。

川口国務大臣 我が国が北朝鮮に対して一貫として言ってきたこと、これは、国際社会の責任のある一員として振る舞う、対応していくということが大事だということを言ってきているわけです。これは、おっしゃったようなNPTについて復帰をするようにということも言っているわけでございますし、枠組み合意、これに基づいてきちんとした査察を受け入れる等々のことをやっていくことが必要だ。いずれにしても、全部、国際社会の責任ある国家としてそのように振る舞うことが必要であるというふうに考えております。

 北朝鮮がこの北東アジアの地域において緊張を高めるような行動をとっていくということは、これに対して我が国としては大きな懸念を持ち、また、そういうことをしてはいけないということを働きかけております。

池田委員 北朝鮮がこの地域で緊張を高めて懸念材料となるようなことをしているという趣旨だと思うんですが、福田官房長官にお尋ねをいたしますが、このように、おととし十二月以来、北朝鮮は、今外務大臣がおっしゃったような、我々としては非常に重大な懸念といいますか、核について、核開発の方向といいますか、核保有の方向といいますか、そちらへ向かっていろいろな措置をとっている。これはまさに事態を北朝鮮が悪化させたと言えるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

福田国務大臣 一昨年の日朝平壌宣言、この考え方というのは、要するに、今後の日朝関係、これを取り進めていく上での方向性を示すという意味における非常に重要な文書である、こういうように考えております。

 いろいろありますけれども、核とか拉致とか、そういうようないろいろな懸案を包括的に解決する、そして、あの地域の平和と安定に貢献するような形でもって国交正常化を実現する、これが基本的な考え方なんですね。

 ですから、今まさにその話し合いを六者協議という場でもって、核の問題を話し合おう、また、できれば拉致の問題、それでできなければ日朝間、こういうようなことで、話し合いで解決しようということでありますので、それは基本的にはこの方針に沿っているものだというように考えております。

池田委員 私の質問の趣旨をちょっと御理解いただいているかどうかわかりませんが、要は、今の六カ国協議などの出発点になっていると言えると思うんですが、おととし十二月以来の北朝鮮の行動、矢継ぎ早にいろいろな行動をとった、まさにこれは客観的に見て事態が悪化したからこそ今いろいろな国際会談が行われていると言っていいと思うんですが、これは北朝鮮が事態を悪化させたと言っていいんじゃないですか、官房長官。

福田国務大臣 この辺はいろいろ議論のあるところなんですけれども、北朝鮮が悪化させたと言うかどうか、こういうことですが、まず、そういうふうに言っていることが本当に実態があって言っているのかどうか、その辺のことについてもよくわからないところがあるということでありますので、この辺はやはり冷静に考えて、一番好ましい方法で解決を図るということではないかというふうに考えております。

池田委員 随分寛大だと思うんですが、北朝鮮は別に仮想的な現実ということじゃないですよ。要するに、もうIAEAの査察官を退去させたわけですよ。具体的な行動をとっているわけですよ。事態を悪化させたんでしょう。

福田国務大臣 部分的にいろいろなことはあったと思いますが、しかし、基本的な方向性として、平壌宣言の精神、それはその精神に基づいてこれから解決しようと。それも、本当に、あすですか、六者会合を開くというようなことですから、ここのところはあくまでも平和的に話し合う。これは我が国だけでない、ほかの関係国もそういう考え方をしているわけでありますから、まずその努力をすべきだろうというふうに思います。

池田委員 日朝平壌宣言が大事か、我々の安全が大事か、そこをよく考えていただきたい。

 政治的に重要な文書だと総理もおっしゃっているわけですが、政治的な成果だからといって、それに固執することは全くないと私は思う。ですから今のような答弁が出ちゃうわけですよ。

 北朝鮮が事態を悪化させたことは明らかでしょう。違いますか。だからこそ、IAEAが国連の安保理事会に報告をしているわけですよ。

 では、日朝平壌宣言でどんなことを言っているか、もう一度ちょっとおさらいをしたいと思うんですが、おととし九月の日朝平壌宣言で、日朝「双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。」としているわけです。平壌宣言後の北朝鮮の行動は日本の安全を脅かす行動ではないか、福田官房長官と外務大臣にお聞きしたいと思います。

福田国務大臣 北朝鮮の核の問題は、何も一昨年から始まったわけじゃないんですよ。もう十年以上にわたって続いていることなんです。

 ですから、この問題を解決しなければいけないということ。また、拉致の問題は国として解決しなければいけませんけれども、核の問題を解決しなければこの地域の平和と安定はないということでしょう。それを何とか解決するための大事な文書である。また、そういう基本的な考え方に沿って今まさに話し合いが行われているところですから、そこのところはしっかりと、我が国も考え方を腹に据えて交渉すべきだというように考えております。

池田委員 外務大臣に同じことを別の言い方でお聞きしますが、平壌宣言後の北朝鮮の行動は日本の安全を脅かす行動だと思います。これは、北朝鮮の行動は宣言違反、少なくとも宣言から外れているのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

川口国務大臣 日朝平壌宣言、これにつきましては、日本と北朝鮮が二国間の関係をどういう考え方で前に向けて進めていくかということを書いてある重要な政治的な文書であるというふうに考えておりますし、また、このことは、つい先日、ピョンヤンで日朝の協議が行われたときにも、北朝鮮も日朝平壌宣言を確認し、これにのっとってやっていくということを言っているわけでございます。

 大事なことは、この問題が平和的に解決をし、日朝平壌宣言にのっとった形で、これはある意味でいえばロードマップと申し上げてもいいかと思います。これにのっとった形で進めていくということであると思っております。我が国としては、この日朝平壌宣言にのっとった形で、今後とも、北朝鮮との関係についてはこれに対応していく、取り組んでいくという考えでおります。

池田委員 政治的な成果である日朝平壌宣言でもあるし、宣言から外れていてももとに戻ればいい、そういう甘い考えでいいんでしょうか。相手はそれこそ大変な国ですよ。宣言を守りましょうなんていって、うまくいくんですか。

 平壌宣言後の北朝鮮の行動というのはもう一目瞭然じゃないですか。いっぱいいろいろな動きを示して、典型的なのは、IAEA査察官の退去、そしてNPTの脱退宣言等々、それから、ミサイル発射ということもやっていますね。これは日本の安全を脅かす行動でなくて何になるんですか。普通の我々の感覚ですれば、まさに北朝鮮の行動というのは日朝平壌宣言に違反をしている、大きく外れているというのが常識的な考えですよ。そういう現状を直視する、そういう考えといいますか、行動様式を政府がとられるように私は強く要望をしておきます。

 福田官房長官は、先月二十七日の予算委員会で、民主党の平岡委員の質問に対して、現在は経済制裁を行う状況ではないと思う、北朝鮮がさらに事態を悪化させる、そういう事態になれば、関係国とよく協議した上で、状況を見きわめながら、問題解決のため適切な措置を講じていくとおっしゃったわけですが、まさに客観的に見て北朝鮮は事態を悪化させたわけですから、北朝鮮に対して経済制裁を発動する余地、発動する余地ですよ、余地が出てきたのではないかと思うんですが、福田官房長官の正確な御答弁をお願いしたい。

福田国務大臣 経済制裁のお話がございましたけれども、その前に議論されていたことにつきまして、平壌宣言が有効なのかどうかといったような趣旨のこと、これについてちょっと触れさせてください。

 平壌宣言でもっていろいろ、NPTの問題とかIAEAの査察を追い返したとかいったような、そういうことは確かにあった、これはそのとおりでございます。また、ミサイルを発射しました。ミサイルの発射は、これは我が国に向けて発射したのでない、比較的近距離の、百キロ以内、こういうようなことで、沿岸に沿って発射したというふうに理解をいたしております。ですから、これが非友好的かというわけではないだろうというふうに思います。

 日朝平壌宣言がありましたから、今帰ってきた五人の方々、そういうことの帰国はまさにこの平壌宣言によって行われたことでありますし、また、その後、例えば、かつて大騒ぎをした、まさに我が国の本土の上を通過したミサイル発射とか、それから不審船が来るとか、そういったようなこともなくなったわけなんですよ。ですから、そういうことはやはり評価をしてもいいことではなかろうか。評価をするというか、当たり前の話なんですけれどもね、そんなことは。

 ですから、そういうことを抜きにして、この日朝平壌宣言後のことを論じてはいけないというように思います。

 それからもう一つ、経済制裁の時期ではないと私は申し上げた。まさに話し合いでもって解決しようというこの時期に経済制裁をすることは意味がないんですよね、実際問題。それからもう一つは、経済制裁というのは、我が国一国で完璧かどうかということ。この法案にもありますとおり、他国との協議とかそういうこともあるわけでございますから、そういう他国の同意を得た上で効果的に行わなければいけない。効果的に行えないような制裁であればこれは意味がないんですから、そういう時期を選ばなければいけない。そういう必要性を他国も考え方を共有する、そういう時期が来ればそういうことが起こるんだ、経済制裁が行われるんだ、そういうふうに考えております。

池田委員 福田官房長官は、先月の予算委員会では正しいことをおっしゃっているわけですよ。事態を悪化させる、そういう事態になれば適切な措置を講じていく、今は経済制裁を行う状況ではないと。

 しかし、客観的に見て、国際機関も認めているように、平壌宣言後は事態は大きく悪化しているわけですよ。その後のことを私は言っているわけですから、平壌宣言前のいろいろな不審船のことは関係ないですよ。

 ですから、北朝鮮に対して経済制裁を、私は、すぐ発動せよと言っているわけじゃないんですよ、発動する余地が出てきたのではないか、このように申し上げているわけです。

 さて、IAEAは、昨年の二月、北朝鮮のおととし年末以来の一連の行動について、先ほども申し上げましたが、保障措置協定違反であるとして国連の安全保障理事会に報告をしました。これにより、安全保障理事会がいつでも北朝鮮の核開発計画について議論を開始できることになりました。これについて政府の対応を端的にお尋ねしたいと思います。

川口国務大臣 安保理において、今、北朝鮮に対して何かさらなる行動をとろうという動きはないと承知をいたしております。

池田委員 福田官房長官の記者会見の発言として、もう少し様子を見る必要がある、制裁せずに解決するのが一番いいと。まあ、制裁せずに解決するのが一番いいんですよね。ただ、もう少し様子を見る必要があると言っている。

 このIAEAの付託といいますか報告というか、要するに安保理で議論が開始できる、そういうことについて、福田官房長官、どのように考えますか。これは付託されたんだから議論を開始することが必要であるとかないとかを含めてお聞きしたいと思います。

福田国務大臣 どういうような状況になればこの制裁が安保理で討議されるかといったような話だろうかと思います。

 今現在、そういうことじゃないですね。そういうことでなくて、話し合いで解決しましょうということですから、話し合いができないとかいったような事態になれば、どこかの国がまたミサイルを日本に向けて撃つとかいったようなことがあればというようなことでありまして、それは、今、特に想定をしていない。あくまでも話し合いで解決できればという、その機会をうかがっておるわけでございます。

池田委員 六カ国協議に進展がなければ、私は進展を期待しているんですよ、進展がなければ、北朝鮮の核を安保理マターに上げると迫るのも、これは重要なカードになると私は思います。

 いずれにせよ、北朝鮮に対しては、幾つかの政策手段、ツール、カードが用意されてきました。中には我々がつくったものもありますが、世界と地域の平和、国益、国民の利益のために、適時適切にカードを活用すべきだと私は思います。判断が重要になってきます。まさに日本の外交力が試されていると私は申し上げたいと思います。

 さて、時間が余りありませんが、パキスタンの核の拡散についてお尋ねをしたいと思うんです。

 パキスタンの核技術輸出、核拡散問題がイラン、リビア、北朝鮮などへと広がりを見せております。政府はこの問題についてどのように認識していますか。

川口国務大臣 パキスタン政府によりまして、カーン博士についての調査が今行われております。

 まず、我が国としては、こういった調査が行われること自体は、核拡散防止という観点でパキスタンが取り組もうとしているということだと評価をいたしておりますけれども、それはそれとして、いかなる形であったとしても、パキスタンにおいて核の関連技術の流出があったということ自体は遺憾であると私どもは思っております。

 それで、先般、藤崎外務審議官をパキスタンに派遣いたしまして、ムシャラフ大統領とお話をいたしました。

 我が国からは、遺憾であるということを伝えました。そして、パキスタンとして今後不拡散への取り組みをますます強化してほしいということと、それから、関連の情報、これについては提供をしてほしいということの申し入れをいたしました。ムシャラフ大統領からは、今調査中であるということで、その調査が終われば関連の情報については我が国に提供したいということについて回答があったわけでございます。

 ということでございまして、我が国としては、パキスタンがこの問題についての我が国への情報の提供をしてくれるということを注視したいと思っております。

 それから、パキスタンに対しては、我が国として、今までもかなり、この不拡散への取り組みの努力をすることが重要であるということを伝えてきております。特に、言われている我が国の近隣の諸国についての核技術の流出ということは我が国の平和と安全に直接影響を与えるということなので、我が国としてはそういうことをやってもらっては困るということを言ってきているわけでございます。

 これに対して、私は、いつでしたか、パキスタンの外務大臣とお話をしましたときに、パキスタン政府として、日本は非常に大事な国であって、日本にマイナスの影響があるようなことは政府としては一切やるつもりはないということを言っていたということを報告申し上げたいと思います。

池田委員 遺憾の意の表明、あと若干の申し入れ、それでいいんでしょうか。日本の安全にとって考える場合、それでいいんでしょうか。

 報道によれば、カーン博士は北朝鮮に遠心分離機など核技術を九〇年代に供与したということを認めております。パキスタンの政府高官によるブリーフによれば、北朝鮮に対しては、九一年から九七年、核技術を移転し、さらに、二〇〇〇年まで追加技術を移転、また、濃縮用遠心分離機とその設計図、技術データなどをセットにして北朝鮮に供給したことを認めた、それから、遠心分離機の部品の製造については九八年―二〇〇〇年の間に技術支援を提供したと。

 最近、韓国に亡命中のファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党書記は、東京新聞のインタビューで、北朝鮮の軍需工業担当相が九六年にパキスタンに一カ月ほど赴いて協定を結び、ウラン235で核をつくるようになったと証言をしております。

 まさに今焦点となっております北朝鮮のウラン濃縮型の核開発については、パキスタンが技術を供与したことになり、日本にとってはこれはゆるがせにできない問題だと思います。遺憾の意の表明とかそういうものではなくて、非核三原則を堅持している日本として、また、二〇〇一年十月には三億ドルの無償資金協力などを行うと発表した日本として、もっと強い実効ある措置をとれないかどうか、端的にお尋ねをしたいと思います。

川口国務大臣 先ほど委員がおっしゃられたようなパキスタンの政府高官によるブリーフというのは、そういうことをいろいろ言われているわけでございます。

 それで、これについて、パキスタン政府は、これは国として、政府としてやったものではない、カーン研究所が、これは独自に運営をされていて、そこがやったものである、それで、非常に遺憾であって、今調査をしているということでございます。

 我が国としては、この調査について、これを注視していきたいというふうに考えております。

池田委員 注視した上で、厳正な措置をとられるよう強く申し上げておきたいと思います。

 さて、財務大臣、ちょっと手持ちぶさたのようでありますので、最後にお尋ねをいたします。

 土地、建物の譲渡所得の損益通算の廃止について取り上げたいと思います。

 長期譲渡益の税率が引き下げられることと引きかえに、不動産所得と他の所得との損益通算と繰越控除が廃止されるというのが内容ですね。

 問題なのは、適用がことし一月にさかのぼることなんです。今回の改正案は、昨年十二月十七日の自民党税制大綱の公表間際になって急浮上した。納税者から見れば、一月から適用とあっては対応する期限は二週間足らず、事実上何もできない。こんなことでいいんですか。

谷垣国務大臣 確かに昨年暮れの税制改正の議論は十二月になってから本格的になったというわけで、それでこのような案をまとめてお出ししたということは確かにございます。

 それで、今委員のお尋ねは、そのような急な動きでは実際に納税者が対応できないのではないかというお問いかけでございましたけれども、やはりこういう議論をしますときは、何のためにこういうことをやるのかというところから申し上げなきゃいけないんだと思うんですね。

 それで、土地や建物の譲渡損益というのは、その土地や建物を取得したときから長い期間かかって実現していくわけですが、いつ実現するかというのは、まさに納税者の任意のときでできる。だけれども、一方、普通の事業や給与はその年その年の労働、勤労、こういうものから生まれる税ですから、それを通算するのはちょっと性格が違う。こういう議論が諸外国でもずっとあるわけでございまして、なかんずくこの損失に関しては、譲渡損に関しては一般の所得との通算を認めている、無制限に認められている国というのはほとんどないというふうに承知しております。

 それに対して、日本は、現行では御承知のように二六%の分離課税でありますけれども、譲渡のこの通算に関しては総合課税で五〇%認めるという……(池田委員「二週間足らずでいいのかどうかを聞いているんです」と呼ぶ)いや、そういう大変不利益な、不利益というかアンバランスな制度になっている、これを直していかなきゃいかぬということでございます。

 それで、これは先般もここの委員会の御答弁でお答えしたんですが、もともとこれは、一年間暦年で通算して年度の終わりにその損、益というものが確定したとき発生するものでありますから、売買の都度発生するものではない、そういう意味で、委員のおっしゃった御非難は当たらないのではないかと思っております。

池田委員 批判が当たらないどころじゃないですよ。あなた、政党人でしょう。それを選挙区に帰ってお聞きください。こんなことでいいんでしょうか。例えば経過期間を一年設けるということだけでも、それはクリアできるわけですから。

 最後に、質問したいんですけれども余り時間がありませんので私の方から申し上げますが、租税法規にも不遡及の原則というのがあるわけですね、さかのぼらない原則。学説、田中二郎氏の著書によれば、例外的に遡及が認められる場合として、法律の制度または改正がつとに予定されている、また、一般的にも予測可能性が存在する、納税者に著しく不当な影響を与える結果とならない軽微な場合を挙げておりまして、今度のケースは明らかに例外に当たらない。不利益と、租税法規の不遡及の原則に反すると私は思います。

 それから、これまで例があるというふうに必ず弁解するんですよ。いずれも、財務省が所得税法の改正で同様のことを過去四回行ったというだけなんですよ。悪い例を四件続けているわけですよ。今度の改正も、これまでの改正も、納税者に不利益を与え、租税法規の不遡及の原則に反することをやってきたということなんです。普通の市井の感覚では理解できない。要するに、これでは税に対する、税制に対する信頼を失墜すると私は思います。

 そこで、先ほども申し上げましたが、少なくとも経過措置を一年置いて、来年から適用するとするのが公正、フェアではないかと思います。政府及び自民党関係者も、ぜひこの点、虚心に考えていただいて、このような、大変納税者の利益に反するこうした税制の改正案、官僚がつくってきた税制改正案について修正をするのが国会として一番いいのではないか、そのことを申し上げたいと思います。

 幾らでも論争はしますが、アナン事務総長が参りますので、もう既に時間を過ぎておりますので、これで質問を終わります。

笹川委員長 これにて池田君の質疑は終了いたしました。

 次に、中津川博郷君。

中津川委員 民主党の中津川博郷でございます。

 実は、昨年の十二月二十三日、田中均外務審議官が中国政府外交部の李外交部長と会談した際、日本は、一つの中国、この立場を堅持して、二つの中国や一台一中に反対すると発言しました。それを受けてというか、それを酌んでというか、ジョウノウチヒデヒサ中国課長が台湾当局へ申し入れ書を出すよう交流協会の台北事務所に指令を出して、二十九日に申し入れがなされたと、これは台湾で報道されています。

 これは事実ですか、大臣。簡潔に、事実か事実でないか。

川口国務大臣 田中外務審議官がそういう態度を表明したということは事実です。

 それから、十二月の二十九日にこれは交流協会の台北事務所長が台湾側に対して申し入れをしたということでございますけれども、この指示を出したのは中国課長ではなく、これは日本政府として指示を出したということでございます。

 ちなみに、中国課長は堀之内と申します。

中津川委員 大臣、これは閣議決定したんですか。

川口国務大臣 これは外交の案件ということで、政府としての決定を決裁を通じてやっております。

中津川委員 またこれは後で質問しますけれども、総統府といったら、これは日本でいう政府ですね。大変な、これは重いんですよ。

 それで、先般、同僚の長島議員がこれを質問しました、内政干渉、選挙干渉じゃないかと。このこと自体、問題になるんですが、なぜ、今、確かに田中審議官のこれは事実関係を認めましたね、この申し入れをしたのか。その意図を簡潔にお答えください。

川口国務大臣 まず、田中審議官が申し入れた立場、これは何も新しいことではなくて、我が国が台湾と中国との関係についてはずっと言ってきていることでございます。(中津川委員「何を言っているんですか」と呼ぶ)

 例えば、言った内容でございますけれども、これは、二つの中国、あるいは一つの中国、一つの台湾という立場はとらない、台湾独立も支持しない、我が国としては、台湾をめぐる問題が平和的に解決されること、そのための対話が早期に再開をされることを希望している、中国の武力行使には反対であるということを言ったわけでございます。

 一言一句文言がすっかり同じということではありませんけれども、前にさかのぼりますと、例えば、九七年に当時の橋本総理が中国で演説をしたような折に、日本は台湾の独立を支持していないというようなことは言っておりまして、基本的に同じ立場を繰り返したということであります。

中津川委員 要するに、現状変更をしてはいけないということですね、ちょっと確認ですが。現状変更という言葉がよく使われますね、これをしない、そういう意図でこれを出したということでよろしいんですか。

川口国務大臣 現状変更をしないということではなくて、我が国の台湾と中国に関する、台湾に対する基本的な立場、これを述べたものであって、それは何かといいますと、日中共同声明に従って、台湾と我が国の関係は非政府間の実務的な関係であるということで維持をしていくということでございます。田中外務審議官の先ほど申しました発言、あるいは橋本元総理の総理当時の発言、それは、そういった立場にのっとって行われているということでございます。

中津川委員 十二月九日にブッシュ大統領が、中国の温家宝首相が訪米した際に、中台いずれの側であろうと、現状を変更するいかなる一方的動きについても反対する、こういうふうに言いましたね。現状を変えるおそれがあるというか、そういう意味での台湾の国民投票を支持しないという意向を伝えたとされております。そこで外務省がすぐ反応して、我が国もアメリカと同一歩調をとっているんだ、だからこそ二十九日に申し入れをしたんだというふうに私は理解しています。

 だけれども、ブッシュ発言のうち、後でライス補佐官がフォローしているんですよ。我々は、中国側に対し、もし中国が台湾に軍事力あるいは威圧を加えようとするならば出動する、台湾を守ると。日本、アメリカ、台湾、これは大事なラインです。大統領もこの発言の際に、中国側に武力行使などの現状変更は許さない、これも明言しているんですよ、私、調べてみたら。だから、一方的な、何か日本もそれに乗っかって、中国サイドに立った発言ではないかなとこれは懸念しております。

 ブッシュは、中台双方に現状維持を求めているわけであります。だから、台湾に対して物を言うと同時に、きっちりと中国にもくぎを刺しているわけですよ。それを、何ですか、外務省の態度は。中国政府に何にも言わずに、台湾に対しては内政干渉、選挙干渉ともとられかねない申し入れをする。志が低いね、日本の外交。そうとしか思えないよ。いかがですか。

川口国務大臣 まず、我が国のこういった申し入れ、これは別に、米国がやったからとか中国に頼まれたからとか、そういうことではなくて、我が国のこの地域の平和と安定、これに関する考え方から主体的に行ったものであるということが第一点です。

 それから第二点、台湾だけに言って中国に言ってないではないか、これは全く事実に反するということでございまして、例えば、先般、逢沢副大臣が中国に行かれましたけれども、そういった折にも、中国に対しても自制を求めるということをやっていただいております。

中津川委員 しっかり聞きましたよ。

 今、中国は四百九十六基のミサイルを配備しているんですね。年間五十から七十、聞くところによると増強していく。これはもう現状変更じゃないですか。私はそう認識しますね。中国政府が幾ら台湾にミサイルを向けても問題がない。では、これはきっちり言うんですね。今、逢沢さんが、まあ具体的なことは今言わなかったけれども、きっちり言ってきたと言いました。いかがですか。中国に対して、もしそういうような場合、ちゃんと警告するんですね、大臣。

川口国務大臣 先ほど申しましたように、中国に対しても、武力行使は反対であるということをきちんと日本は言ってきているわけです。先ほど田中外務審議官の発言を紹介いたしましたけれども、そのときにもそのことは申し上げております。ですから、台湾に言うと同時に、中国にもきちんと伝えているということでございます。

中津川委員 本当かなと思いますね。

 では、ちょっと突っ込んだ質問をしますよ。

 この十二月二十九日、このペーパー、アジア大洋州局中国課というところが出しているんですが、このペーパーなんですが、すごい気になることがある。台湾総統という表記の際に、なぜ総統の部分を一々かぎ括弧でやるの。これは、きょうに、これに始まったことじゃないんですよ。どうしてですか。

川口国務大臣 これは委員が、きょうに、これに始まったことではないというふうにおっしゃられましたけれども、まず、先ほど申しましたように、我が国の台湾に対する立場、この基本的な立場というのは、日中共同声明に従って、台湾との関係は非政府間の実務的な関係として取り扱っていく、そういうことでございます。台湾を国として扱ったり、あるいはその当局を政府として扱ったり、そういうことはないわけでございます。

 したがいまして、我が国政府の関連文書、政府の文書、それにおける関連表記、これにつきましても、この基本的な立場、これを踏まえてやっているということでございます。

 ということでございますので、この立場を踏まえまして、外交青書等の我が国の政府の立場を正式に示す文書、これにおきましては、我が国が台湾を国として扱っているという誤解を招かない、そのために、必要に応じましてかぎ括弧をつけてそういう表記をしているということであります。

中津川委員 では、大臣、北朝鮮はどうなんですか、北朝鮮、金正日総書記。国交がないから、今の結論から言えば、国交がないからでしょう。金正日総書記というのは、これはかぎ括弧でくくって表現していますか。

川口国務大臣 これは、おっしゃられるように、かぎ括弧をつけていないということのようであります。

 それはなぜかということなんですけれども、これはいろいろな考え方があるというふうに思いますが、我が国は、台湾については、これは従来、国として扱っていたという経緯がもちろんあるわけでして、国として扱っていたものを、一九七二年の日中共同声明に従って、国ではありません、地域でありますということを明確に表明をした。先ほど申しましたように、国として扱っていることではないということを明確に表明をする、そういう観点で、誤解がないようにかぎ括弧をつけた、そういう事情の変化があったということを明確に示すためにかぎ括弧をつけているということであろうかと思います。

中津川委員 失礼ですね。民主化、進んでいるんですよ。台湾の国民が選んだんじゃないですか。括弧なんかつけるというのは、自称あなたはと、自称総統のあなたというふうに、これは実に失礼ですね。

 これは、質問しなくて、僕調べてきたら、あと括弧つきで外国が台湾を言っている国というのは中国しかないんですよ。

 おかしいですよ。おかしい。台湾という国は、我が国と同じ海洋国家なんだよ。歴史、文化でも多くの共通点があって、国交こそなくても本当に親日家ですよ。我が国の国会議員も、与野党問わず、何回も、毎年数百人行っているんですよ。それで、例外なく民主化を高く評価して、台湾人の親日感情に感激して帰ってくる。

 こういう台湾の本当にすばらしい人たち、なぜ台湾の方々がこんなに親日家なのかということ、いろいろあると思いますが、私は、やはり彼らの原点、武士道の精神だと思うんです。ここに、李登輝前総統の「武士道解題」、私も感動しまして後ろに書評を書かせてもらっておるんですが、やはり強い者を恐れず弱い者をいたわる、こういう精神が日本人の武士道精神なんですよ。こういうのがあるからやはり日本を、これだけ親しくしてくれているんじゃないですか。

 今の一連の流れ、大臣いろいろ言っていたけれども、これは全然違うじゃない。これは武士道精神に反しますよ。弱者に威張って強者にこびる、あっちばっかり向いているじゃないですか。

 今、「ラストサムライ」というのがはやっているんです。私、行きまして、そうしたら、若い今流のお姉ちゃん、お兄ちゃんたち、ピアスとか髪がとんがったり、そういう人たちが本当に感激して涙しているんですよ。日本もまだまだ見捨てたものじゃないなと思うんです。国家も、一人一人の日本人も、今もう一回武士道精神に戻るべきだというふうに私は思います。

 大臣、答えなくていいですから、台湾のことは台湾に任せましょうよ。台湾の人が決めて、中国ともよく話し合いをして、台湾みずからに決定してもらう。こんなかぎ括弧をつけて、ばかにしたような、幾ら大臣が説明したって台湾の人たちはそんなふうに思っていません。――いや、結構です。議論はまた時間があるときゆっくりしたいと思いますから、結構です。

 次は、日本歯科医師連盟の不正事件。これを私、党内で担当しておりますので、やらせていただきたいと思います。

 十六日に私が予算委員会で取り上げました、自民党の中原爽参議院議員がプレスに送ったファクスですね。前回お渡ししました。こんなお金はもらっていないよということであります。

 私、びっくりしたんですが、この中原爽中央後援会というのが、調べてみたら、代表が臼田貞夫日歯会会長、会計責任者が内田裕丈日歯常務理事なんですね。今ちょうど話題の人でありまして、もう検察も入ったわけでありますが、この二人が中原参議院議員の政治団体の代表と会計責任者だということが私の事務所で調べて明らかになり、びっくりしました。でも、事実でした。

 前回私も指摘しましたが、日歯連よりは八千二百万行っているんだけれども、中原後援会ではそういうものはないと言っているわけであります。とにかく、支出を受けた者とそれから出した者、これだけたくさん不明瞭な形が、この日歯の今回の事件の大きな特色だと思っております。

 それで、前回質問しました経済産業省の、吉田前衆議院議員から日歯の間の補助金の流れも、経済産業省から財団、財団から歯科医師会、歯科医師会から商社と見事に回って、最後に吉田氏の関連事業であるJTSという、こういう仕組みになっているわけであります。資金の迂回提供、マネーロンダリング的に取り扱いがうまいなと思いますね。これは、やはり中原議員にお話を伺わなければいけないと調査をして改めて思ったわけであります。

 さて、前回、吉田前議員、経済産業省会ったかと言ったら、会った、そのメモはあるかと言ったら、ない、こういうことでありましたが、どうも納得できない。寝つきが悪い。

 それで、その日にち、対応した経済産業省の人物、同行した日歯の幹部の名前、同席した他の議員があれば、ひとつこの場でお伝え願いたいと思います。

豊田政府参考人 吉田議員との面談についてのお尋ねでございますが、省内の関係者から聞き取りを行いましたところ、平成十三年の春から初夏にかけまして、吉田前議員とは担当の課長が数回面会をしたというふうに……(中津川委員「日時。それは前回聞いた」と呼ぶ)はい。

 調べたのでございますけれども、日時については具体的に記憶はないようでございますが、平成十三年の春ごろに、まず、吉田前議員の求めに応じまして、当時の担当課長でございますサービス政策課長でございますが、当省が考える医療の情報化の必要性ですとか、その効果ですとか、当省が行ってまいりました医療の情報化についての取り組み、そういったものについて御説明をさせていただいております。カルテ、レセプトのほとんどすべてが紙ベースで行われているような現状、情報化の立ちおくれの現状をお話しし、これが電子化によって医療経営の効率化、患者サービスの向上につながっていくということを申し上げたと聞いております。

 その後、初夏でございますが、これも確認をいたしたのでございますが、具体的な日にちについては記憶がないようでございますけれども、初夏に、今度は具体的に、カルテ、レセプトに用いられている用語の標準化、そういった必要性、あるいはオンラインで送信する場合の秘密保持の技術の重要性などについて御質問があり、御説明をさせていただいたということでございます。

 具体的な日付については記憶がないのでございますけれども、これらのうちの一回については、吉田前議員から日本歯科医師会の常務理事の御紹介を受けたというふうに聞いております。

 それから、先生、国会議員の方の同席について御質問でございますが、確認をいたしましたところ、同席した事実はないというふうに伺っております。

中津川委員 常務理事、出たと言いましたね。お名前をちょっと教えてください。

豊田政府参考人 常務理事のお名前でございますけれども、内田常務理事であるというふうに伺っております。

中津川委員 内田さんというのは今なかなかつかまらない、私も何回も連絡をとっても全くつながらない人であります。

 今、中身について詳しく言いましたよね、内田さんも出たと。それで日にちがわからないって、こんなばかなことありますか。委員会をばかにしていますよ。だめだよ、そんなの。逆に言えば、みんな来て、日にち、デート、タイムを書いて、それからスタートするんじゃない。隠しているとしかこれは言いようがないですよ。

 大臣、いかがですか。まあ、そのときは大臣じゃなかったですけれどもね。こんな経済産業省、だめだよ。

中川国務大臣 今担当局長からお答え申し上げましたように、数回担当課長が会ったということは事実でございますが、それが、いつ、何月何日何時というような記録が残っていないということでございまして、これは私の二十年の経験でも、全部の官庁の人が何月何日に国会議員と会ったとかということを全部記録に残しているかというと、必ずしもそうではないのではないか。

 例えば、私の同級生あたりにちょっと来てくれと言ったときに、すべてそれを残しているのかというと、そうではないこともあると思いますし、今回の場合にはそれに当たると思っております。

中津川委員 全く納得いきません。それは、同級生とかあるいは趣味の話とか、そういう話でメモしない、それは当たり前ですよ。これ見てください、内田常務理事、金庫番が来て、そしてこのIT化でしょう、大変なことをやるわけでしょう、この歯科医師会の近代化のために。

 日にち、ちゃんとこれ、言ってくださいよ、そんな。だめだよ、それは。どうしても隠しているとしかこれは言いようがない。

豊田政府参考人 この間の御審議、御質問を踏まえて、大臣からの指示もございまして、再度調査をいたしましたが、記録がなく、日にちについての具体的な記憶はないということでございました。

中津川委員 これ、経済産業省のいいかげんさ、怠慢さを、今インターネットでもうかなりの数が見ているんですね。それを暴露しているようなものですよ。日にちを言ったって何も問題ないじゃない、これ。隠ぺい体質なんだなと。ちゃんと春から夏と言っているじゃない、春から夏。こんな答弁、だからますますこうやって疑惑が深まるんですよ。誠実さがないんですよ。

 役人の方も一生懸命やっているのはわかりますよ。国会議員から呼ばれたら、行って話をする、それも大事な仕事ですよ。一生懸命やっているのもわかる。だけれども、今大事な問題なんだから。これは大事件になるかもしれないし、うみを出さないといけない。そういうような、課長、だめだよ、そんなの。

 もうこれは、何回やっても、ないないと言って、それで終わっちゃうんだから、ではちょっと先へ進みますよ。

 経済産業大臣と厚生労働大臣と法務大臣にお伺いしたいんですが、実は、二月二十一日の土曜日の午後三時から大阪のリーガロイヤルホテルで行われた大阪歯科大学同窓会常務理事会というのがありまして、その同窓会の常務理事であります日歯の井堂孝純副会長が、日歯副会長の立場ですごいことを言っているんですね。

 実は、日歯連顧問弁護士であり、やめ検である村山弘義弁護士の検察当局への働きかけがあったおかげで、近々地検のトップクラスの会合によって決定が下されるものの、どうやら経済産業省絡みの補助金の件は立件されず、日歯連の件だけが取り上げられることになるだろうと述べているんですよ、五十人ぐらいいる前で。何人も私、聞いているんですよ、これ。もう全く日歯も反省していないし、こういうことを話し合っているんですね。これは大問題ですよ。

 中川大臣、これの事実、今どう思われておりますか。

 そして坂口大臣、この日歯の体質は本当に困ったものなんですが、ちょっと御所見も伺いたいと思います。

 それから野沢法務大臣、今、国家による刑事事件の捜査情報が日歯による一民間医療関係団体に筒抜けであって、しかも、検察OBである顧問弁護士の工作によって捜査が影響を受けるということが、現場の親しい歯科医師の先生たちにこれをオープンにする、こういうことはあるんですか。そして、吉田議員の経済省絡みの事件は、この方が言うように、本当にもうなくなるということなんですか。お答えください。

中川国務大臣 今御指摘の件につきましては、歯科医師の先生あるいはその職務というか、それに関することであり、また中身は、今お伺いしますと捜査絡みのお話でございますので、私からはコメントは控えたいと思います。

坂口国務大臣 今お話をいただきましたこと、その事実関係につきましては全く私存じ上げませんけれども、前回も申し上げましたとおり、日本歯科医師会の方は私の方の関係でございます。こういう、連盟とは違いますけれども、緊張感を持って対応していただきたいと思っております。

野沢国務大臣 お尋ねの発言につきまして、法務省としては承知しておりませんので、法務大臣としてはお答えすべき立場にはないと考えております。

中津川委員 この事実をひとつ確認してください。私も聞いてびっくりしましたもので、今、私、こういう立場で仕事をしていますので、いろいろな情報が入ってくるわけでありますが、この話を聞きまして、繰り返しますが、日歯の人たち、まるっきり反省の色がないな、困ったものだなと改めて感じております。

 それから、この日歯連の政治献金については新しい事実が続々明らかになっておりますが、二十二日の読売新聞には、「日歯連が二〇〇〇―二〇〇二年の三年間に支出した政治献金のうち、計二千六百六十万円が献金先の十四人の衆院議員(元議員も含む)側の資金管理団体や政党支部などの収支報告書に記載されていなかった」こういう記事が出ておりました。

 そのうちの七人は献金を認め、報告書を訂正したとしているんですが、残りの議員は、献金を受けていない、あるいは、こんな金額じゃないよ、もっと少ないよということを説明しております。日歯連が献金を報告書に記載していなかったケースもあるんですね、またこの逆に。本当に双方のお金の流れがずさんである、しかも大量のケースだ、構造的、組織的であるというような実感を持っております。

 私もいろいろ調べているんですが、私の調査ではもっとこの報道よりも多いような気がするんですが、確証を得てからまたここで質疑をしていきたいと思うんです。

 麻生大臣、所管大臣として、献金する側、受ける側、双方のこんなずさんな処理が今までこれだけ組織的に、構造的に行われてきたようなケースがあったのかどうか、そしてまた、この一連の今の私の指摘に対してどういう考えを持っておられるか、お聞かせください。

麻生国務大臣 今、一連の日歯、日本歯科医師連盟、政治献金の話なので、これは個別の案件で、ちょっとそんな詳しい内容もこの新聞報道以上知る由もないんですが、基本的には、選挙運動とか政治献金にかかわりますものに関しましては、政治資金収支報告書とか公職選挙法等々できちんとしたルールがありますので、これにきちんとやっていただくのが大事なところ、もうこれ以上私の立場としては申し上げることはないんです。

 総務省としてきちんとと言われると、私どもとしては、形式審査以上はできない、権限を持っておりませんので立入検査できる立場にはありませんので、そういった意味では、私どもの方は、事務所に立ち入って実質検査をするなどという権限を私ども持っているわけではありませんので、きちんと書かれて、双方ともきちんと報告していただくということを指導する以外にほかに方法がないという立場にある点も御理解いただければと存じます。

中津川委員 この報道の中で私が驚いたのは、綿貫議員も、前衆議院議長のお名前もありました。本来なら、全議員お一人お一人、正式な場でお話をお聞きしたいんですが、そうもいきません。

 そこで、今回もう一度、臼田会長それから内田常務理事、きょうもそういうことで、今、経済産業省の課長の方から、会ったという、事前の段階で会ったというお名前をきょうは聞きました。そしてまた、ファクスまで出して、御自身の、前回資料としてお配りいたしましたこのファクスまで出して潔白を主張されている中原参議院議員、この参考人招致を委員長に重ねて強く求めたいと思います。

笹川委員長 理事会で協議いたします。

中津川委員 今、党内でもGメンを組んでこの取り組みを強化したいと思っておるんですが、とにかく、各地区の歯科医師会会長を初めとする幹部の皆さん、一般の歯科医の方々にお会いしたり電話しているところでありますが、なかなか電話に応対してくれない方もたくさんいるわけであります。でも、多くの方が、やっぱりこの際、日歯の現状を真剣に憂えて、うみを出さなきゃいけない、抜本的な改革をしなければいけないと思っている歯医者さんがたくさんいたということは、私は大変希望が持てました。

 週刊誌等でも、あるいは十年近くいろいろこの問題に取り組んでおられます東京の国松先生初め多くの方がいらっしゃるということでありまして、とにかく、自民党一党、あるいは厚労省、そっちばかり歯科医師会が顔を向けて、患者の方に顔を向けるのを忘れていた、すっかり忘れていた、私はそんなふうに思っております。だから国会でも、今検察が入っていても、これはやはり国会でも真剣に取り組んでいかなければいけないということを申し上げておきたいと思います。

 きょうはたくさん質問を用意してきておったんですが、今いろいろ急いで質疑をいたしました。

 リピーター医師について坂口大臣にお話を、御所見を承りたいんですが、私も、超党派で医療事故防止議員連盟という、副会長をさせていただいておりますが、皆さん御案内のように、毎日、医療事故、新聞に出ないときはないですね。

 これは、去年いろいろヒアリングしたら、同じお医者さんが同じ初歩的なミスをする、カテーテルの本当に初歩的な、どう考えても間違えることのないようなものを。Aという病院でやる、そしてそこで裁判をする。それで、裁判をする場合、病院が相手になるんですね。そうすると、その間にそのお医者さんはどこかに当然飛ばされちゃう、Bという病院に。Bという病院でも見事にまた同じミスをする。それでまたBというところでも、Aという病院と同じように裁判をしている。たまたまその弁護士が同じだったとか、それでCという病院でも同じミスを犯した可能性があるということがわかったんですね。

 そこで、「医師・歯科医師に対する行政処分の一覧表」というのをこの間いただいたんですが、いろいろ、破廉恥行為とかいわゆる犯罪とかいうお医者さんは当然処罰されるわけでありますが、このリピーター医師については全く触れていないし行政処分もない。これはやはりちょっとおかしいんじゃないかという気がします。

 まず厚生労働大臣に、このリピーター医師というものの認識と、今私が指摘したことに対しての御所見を承りたいと思います。

坂口国務大臣 医療過誤を繰り返す医師につきましてどういうふうに対処していくか、私たちも今真剣に考えているところでございますし、また、医道審議会の医道分科会におきましても何度か御議論をいただいているところでございます。

 刑事事件になりまして、そして結論が出ました医師につきましては、これはもうはっきりいたしておりますので、対応しやすい。しかし、民事の場合などで和解なんかをしておみえになるケースが非常に多いわけでありますが、そうしたときにそれをどう扱うかということはなかなか、厚生労働省として一つの考え方をきちんとしないことにはいけないわけでありまして、なかなかここが難しいわけです。いわゆる行政処分の前に事実関係をどう把握するかということだろうと思うんです。

 医師の方とそして患者の皆さんの側との間で意見の違うこともございますし、そうした問題も踏まえて、まず、どういうケースのときに刑事事件がなくてもそこを処分の対象にできるかというところをしっかりやらないといけないというので、そこを、どういうふうなことで計画を立ててちゃんとやるかということを、今一生懸命に検討している真っ最中でございます。

中津川委員 医療事故防止議員連盟というのは、阿部知子議員が中心になって非常に精力的にやっておりまして、本当に現実は非常に悲惨なものであります。医療全体の問題ではありますが、しかし、やはり不適性な、不適格なお医者さんというのは現実にいるわけでありますので、これからじっくり調べるということじゃなくて、もうデータは幾らでもありますので、ぜひ厚生労働大臣、ひとつ中心になって、お医者さんでもあられますので、やってもらいたいと思うんです。

 そんな中で、私も日本歯科医師会のを取り扱っていて非常に嫌な思いの中で、二十二日の報道によりますと、産婦人科医会ですか、この会は、リピーター医師というものに積極的に取り組んでいこうということで、事故報告、研修義務を課して、あるいは、場合によっては会員の除名や専門医の資格停止というところまで一歩踏み込んでやる。本来、医師会というのはこういうものじゃなければいけないと思うんですね。

 歯科医師会のこういうようなことが起きる。医師会にしても、これに対しては非常に、どうも及び腰であるという情報が入っております。ぜひ、大臣ひとつ。どうぞ。

坂口国務大臣 医道審におきます医師に対します停止の問題でございますとか、そうした問題はかなり厳しくいたしまして、取り消し等も去年あたりからふやしたところでございます。

 それだけではなくて、これはもう医師会も含めましてより積極的にやはり取り組んでいかなければ、これは医療全体に対する権威の問題でもあるし、やはり国民の皆さん方の信頼を取り戻すことができないというので、ここはかなり真剣に取り組んでいただいてきているというふうに私は思っております。

 しかし、ここは厚生労働省、かなり頑張ってリーダーシップを発揮しなければいけないというふうに思っておりまして、先ほど申しましたように、どういうときにそれをするかという一つのやはり基準みたいなものをつくっていかなければ、こちらではやったけれどもこちらではやらないというようなことがあってはいけませんので、そこはしっかりとやっていかなければならないというふうに思っている次第でございます。

中津川委員 我々もみんな、だれでも運が悪ければ医療事故が起きるという、これが今の正直な体制なんですね。大きい病院に行けば行くほど医師の出入りも激しいわけでありますから、ぜひ、医道審、医道審ということじゃなくて、医道審がすべてじゃないと思います。やはり政治のリーダーシップで、これは今喫緊の問題だと私は思います、取り組んでもらいたいと思います。

 最後の質問になりますが、柔道整復師の皆さんたちも本当に一生懸命なんですね。ただ、これが今まではお医者さんの補完というような役割であったんですが、実際、私たち、ちょっと足を捻挫した、骨折したというと、やはり、形成外科医等に行く場合もありますが、ほとんど身近な柔道整復師、接骨院というところに行って、非常に私たちにとっては必要なものであるわけであります。

 今、私も、この医師会、歯科医師会の問題を扱っていていろいろな方と会う機会が特に多くなったわけでありますが、この柔道整復師の人たちの法的な立場とかいろいろな面で、あるいは保険請求のときでも何か差別を受けるとかいうような現状を見て、日本接骨師会なんというのがありまして、非常によく勉強をしているところであったことがわかったんです。

 この辺のところ、傷病名にしても、捻挫、打撲とか骨折とか、そういうものしか使えないというようなことで、保険請求の事務手続なんかもなかなか大変だ、患者さんにとっても非常にそれは迷惑がかかっているというようなこともありますので、すべて含めて、この柔道整復師の地位向上、そして社会的なそういう立場というものをより強くしていく、私は今こそ必要じゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 柔道整復師の問題は法律できちっと決められているところでございまして、それに従っております。骨折、脱臼、打撲、捻挫、こういうふうに決められているわけでございますが、中には、先生とは逆に、柔道整復師には甘過ぎるという御指摘もあったりいたしまして、私たちも、ここは慎重に、そして、この皆さん方のことも十分に考えていかなければならないというふうに思っております。

中津川委員 ありがとうございました。ちょっとそこのところ、認識が違いますので、また時間をとって議論したいと思います。

 どうもありがとうございました。

笹川委員長 これにて中津川君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三分開議

笹川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 本日の午後は、特に経済・金融問題等について質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷口隆義君。

谷口委員 公明党の谷口隆義でございます。

 経済問題について、三十分ばかりお伺いをいたしたいと思います。

 小泉内閣の最重要課題、デフレの克服ということでございますけれども、まず初めに、このデフレの原因といいますか、このようなことについて、竹中大臣に御見解をお伺いいたしたいと思います。

 デフレにつきましては、いろいろな見解がございます。一つは、構造的なデフレというようなことをおっしゃる方がいらっしゃいます。私も、そういう考え方にも理解を示しておるところでございますけれども、これは、あの冷戦構造の崩壊がございまして、この冷戦構造の崩壊の結果、いわば東側諸国の方が市場経済に今流入しつつある、移行しつつある、その過程にある、こういう考え方があるわけですね。中国あたりは、そういう観点でいくと、非常に市場経済をよく理解してやっておられるわけでありますけれども、いわばこの東側諸国の方々が二十億人とか三十億人とおられるわけですけれども、この移行過程にあるということになりますと、しばらくこのデフレというのは続くんじゃないか、こういう考え方がございます。

 現に、ユーロ・エリアの状況を見ますと、ドイツはもうほぼ物価の上昇率〇%に近いわけで、アイルランドあたりは四%程度になっておりまして、かなり差がありますけれども、そういうことがございます。いわゆるディスインフレといいますか、そういう傾向がございます。アメリカもディスインフレの傾向があるわけでございます。

 こういうようなこと、先ほど申し上げましたグローバルエコノミーというようなことですね。また、それにつけ加えまして、情報通信分野の発達、ITの発達、この二つで世界が大きく変わってきた、このように言っておられるエコノミストもいらっしゃるわけでございます。

 このような考え方をとりますと、このデフレの克服というのはかなり困難なことになってまいるわけでございますけれども、一方で、最近のCPI、消費者物価の動向を見ますと、徐々に上昇し始めておりまして、ゼロに近接しているような状況でございます。大きなことが起こらないという標準シナリオでまいりますと、二〇〇四年にもこのデフレから脱却かというような考え方もあるわけでございます。

 このような考え方があるわけでありますけれども、こういう考え方を踏まえまして、竹中大臣の御所見をお伺いいたしたいというように思います。

竹中国務大臣 委員御指摘のように、デフレの状況が続いている、物価は依然として緩やかなデフレ状況にあるというふうに認識をしております。委員、非常に大所高所から幾つかの要因をお挙げになられましたけれども、私も、同様なといいますか、非常に複合的な要因が重なって今の大変難しい状況が出現しているというふうに思っております。

 世界全体がディスインフレである、世界全体として物価が余り上がらないような状況になってきている。そうした世界的な傾向と、加えて、日本には日本の固有の状況もあるというふうに認識しております。そうしたことを踏まえまして、お尋ねのデフレの要因等々につきましては、私はやはり三つぐらいに分けて考えておく必要があると考えております。

 一つは、物をつくる側、まさに供給側の要因でございます。その供給側の要因としては、委員御指摘のようなグローバル化とかIT革命とか、まさに物をつくるためのコストが、これは人口要因であったりないしは技術要因であったり、とにかくそれが低下している。これは世界を覆う極めて構造的な要因として存在していると思います。

 日本の場合、比較的低い成長が続いたということもあって、需要面の要因というのも一方ではあろうかと思います。この需要面の要因というのは、現状ではかなり小さくはなりつつありますけれども、依然としてこれもあることはあるんだと考えております。

 三つ目の要因が、貨幣的な要因であるというふうに思います。物の値段というのは、裏を返せばお金の価値でございますから、お金がたくさんふえる、つまりマネーサプライがふえる状況ですと物の値段は上がる、お金が余りふえない状況ですと物の値段は上がらない、ないしは下がるということに当然のことながらなります。日本の場合には、金融システムが長い間傷んでいて、日銀の努力にもかかわらずマネーサプライがなかなかふえないという状況にある。その貨幣的な要因もやはり無視できないというふうに思っております。

 世界の要因を踏まえながらも、日本独自の要因についてはしっかりとこれを消していく努力をしていく、これがやはり大変重要な政策課題であるというふうに思っております。

谷口委員 構造的な面、構造デフレというような面もやはりあるというような御認識だと思いますけれども、しかし、一方で、先ほど、後半申し上げましたように、徐々にCPIが上昇しつつあるというような状況の中で、お尋ねをさせていただきたいわけでございますけれども、我が国は今、経常収支の黒字でございます、アメリカは大変な経常収支赤字で大変困っているわけでありますけれども。経常収支の黒字でありますけれども、この経常収支の黒字というのは一体構造的なものなのかどうかということ、これもまた竹中大臣に御見解をお伺いいたしたいわけであります。

 経常収支が黒字だということは、これは貯蓄が投資を上回っているというようなことになるわけでありますけれども、貯蓄は家計がその主体でありますけれども、家計の貯蓄が高齢化とともに今減少しつつある、これもほぼ二〇〇三年にはゼロ近辺に行きそうな感じだと。この貯蓄率の低下ということは、経常収支赤字に向かう一つの方向を示唆しているんじゃないか、こういうように言われておるわけでございます。

 今現在はデフレがございますので、デフレの結果、実質金利が高いわけでございます。実質金利が高いわけでありますので、民間企業は、これはもう返済を早くした方がいいということで、返済を進めております。それで、返済をし、金融機関の方は運用先がないということになっておるわけで、運用先がないということで、金融機関は我が国の国債を大量に購入している、こういう状況があるわけでございまして、これら一つのメカニズムが、国内でファイナンスされるというような状況になっているわけです。

 これは、一つはデフレが前提になっている。仮にデフレが解消されるということになりますと、このメカニズムが動かなくなってくる、きかなくなってくる、こういうことがあるわけでございます。

 英国の例で申し上げますと、一九九〇年代前後に、英国では名目GDPを上回る経常赤字が発生したわけでございます。一九九二年にはポンド危機が起こったわけでございます。英国では、短期的に為替の下落を容認し、金融を引き締めたわけで、このような対応をいたしたわけでありますけれども、その後、海外からの堅調な資金流入があったわけでございます。

 これは、英国がビッグバンを行って、ロンドンを中心とする金融のところに海外からの流入がかなりあったということで今の英国があるわけでありますけれども、そんなことで、仮にデフレがおさまるといったような場合に、そういうような海外資金の流入をより一層図っていかなければならないというような考え方があるわけでございますけれども、そのことについてどのようにお考えなのか、お聞きをいたしたいと思います。

竹中国務大臣 委員御指摘のように、物価、デフレを手がかりとして、貯蓄の動向がどうなっていくのか、さらに、より長期的な意味での貯蓄・投資バランス、これはまさに経常収支に反映をされるわけでありますけれども、それがどのように推移していくかということは、やはりマクロ経済運営の極めて重要な根幹であり、また戦略的に考えなければいけない部分でもあるというふうに思っております。

 経常収支の黒字問題も、これは一時的な要因で、例えば、昨年の場合ですと、イラクやSARSの問題等々で旅行収支の赤字が縮小したというような一時的な要因もありますけれども、より重要なのは、その背後として、日本の貯蓄超過がある、民間部門の貯蓄超過が大きいことによって経常収支黒字がもたらされているという要因は間違いなくあろうかというふうに思っております。しかし、それがまた、委員御指摘のように、今貯蓄率が下がってきておりますから、中期的にはどのようになっていくのか、これはきっちりと見据えなければいけないと思っております。

 ただ、その場合に難しいのは、予測そのものはなかなか容易にできない面もございます。一つは、実質金利が今高どまっているというふうにおっしゃいましたですけれども、実質金利が高どまっているという中で、実は貯蓄が低下してきている。実質金利が、これはデフレが解消しまして、実質金利が低下していったならば、貯蓄にどのような変化が生じるだろうか。そのとき、投資にどのような変化が生じるだろうか。恐らく、投資に大きな変化が出て、実質金利が下がったことによって経済が活性化するということが大変期待されるわけでございますけれども、そのときの貯蓄のバランスがどのようになってくるか。さらには、一般的な金利だけではなくて、国債金利によって今度は国の経常赤字、財政収支がどのようになっていくか、これは非常に複雑な動きをする可能性があるというふうに思っております。

 ただ、いずれにしても、デフレの状況が続くということは、これは企業の実質債務をふやしていって今の経済活性化の妨げになるということは明らかでありますので、この点については、やはり引き続き、政府、日銀一体となってデフレ克服に向けて議論しなければいけない。その後の貯蓄、投資がどのように変化するかに関しましては、今申し上げたような点、ちょっと複雑でございますけれども、やはりしっかりと幾つかの要因を複合的に見ていかなければいけない問題であるというふうに思っております。

谷口委員 ですから、いわば、我が国の経常収支黒字というのは構造的なものではなくて、大変危惧される貯蓄率の低下というような問題を前にして、経常収支の赤字に転換する可能性もあるということを念頭に入れて経済運営をやっていかなきゃいかぬ、こういうように思うわけでございますけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。

竹中国務大臣 経常収支が赤字になるかどうかというのは、先ほど言いましたように、財政の状況等々ありますので、一概に申し上げることはできないわけでありますが、一般論としては、やはり高齢化とともに貯蓄率は低下する、その結果、貯蓄・投資バランスという感じでの経常収支等々にやはり長期的にははね返ってくるということを見据えて、しっかりとした経済運営をしなければいけない、そのように認識しております。

谷口委員 さっきも申し上げましたように、今のところは国内でファイナンスができているということは、海外の資金流入を必要としないような状況にはなっている。しかし、そのようなことも一方で図っていく必要があるのではないか、このように思うわけでございます。

 その次の問題としまして、これは財務大臣にお伺いいたしたいわけでありますけれども、財務省を中心にして今非常に頑張っていただいております、アジア債券市場の育成ということでございます。

 これは、そもそも一九九〇年代に起きたアジア通貨危機、これをもう二度と起こさないということで、ASEANプラス3の各国が集まって、もう作業部会も六つでき、今も進行中でございます。

 このアジア通貨危機というのは一体どういう原因で起きたのか。これは、アジアのエリア、域内というのは非常に貯蓄率の高い地域で、この高い貯蓄率を、外資系の金融機関がそれを調達し、これを運用し、またアジアの域内に還元されるわけですね。このアジア域内の融資のときに、これをドル建てで融資する、短期の融資を行う。これを、現地の方では現地通貨建てで融資を行い、長期の融資を行った。このような長期、短期という期間、また現地通貨、ドル建てという通貨、このような二つのミスマッチの結果、二重のミスマッチの結果、このようなアジア通貨危機というのが起こったんだと。

 そういう意味においては、アジア域内で資金を調達し、これを運用するというような仕組みをつくっていくべきだということでございます。これは大臣もうよく御存じのことでありますけれども、この仕組みは、現実的な仕組みとしては、当初はソブリン債だとか政府機関債などを債券市場に上場して、それで資金調達をする、将来はアジア域内の民間企業が資金調達できる仕組みをつくるんだということでございます。

 この中では、例えば、アジア保証機構をつくろうかとか、ユーロクリアというのがありますし、フェドワイヤというのがありますけれども、アジア域内の決済システム、例えばアジアクリアといったようなものをつくるというような形で今考えて、我が国もこういう形で提案もしたりやっておるわけでございます。

 これを行うことにより、一つはアジア債券市場を育成していくということがございますし、もう一つは、アジア域内は非常に潜在成長率の高い地域でございます、この潜在成長率の高い地域に我が国が先導的な役割を果たす。さっきも申し上げましたアジアクリアだとか、こういうシステムを含めまして、知的支援、技術支援をどんどん行うということによってアジア域内の成長に火をつけるというような観点があるわけでございます。

 そんなことで、アジア債券市場の育成、これは進めていらっしゃるわけではございますけれども、今私が申し上げましたけれども、これについて財務大臣の御見解をお願いいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 このアジア債券市場の育成については、谷口委員は大変熱心でいらして、財務省の副大臣をやっておられた当時も非常に熱心に役所を主導して取り組んでおられたわけですね。私も、就任直後、谷口委員からいろいろ御所見も聞かせていただきまして、きょう、国会では初めて谷口さんとこれを議論するんですけれども、何度も実は谷口さんとは議論をしたような気がいたします。

 実は、ことし一月、私、タイとシンガポールに、財務大臣としての初めての出張に参りましたんですが、今おっしゃったアジア債券市場を議論してきたいという、これは、ひょっとしたら、就任直後、谷口さんに会っていろいろ、洗脳されたというわけじゃないんですが、そんな気もしているわけでございます。

 それで、アジアの、今申しましたカウンターパートと議論してきましたことはまさに今、谷口委員がおっしゃったことで、ここは大変貯蓄率も高い、しかし、それが域内の投資に向かっていくような仕組みができていない、それを何とかしてやろうじゃないかということを議論してきたわけでございます。

 それで、ちょうど、アジア危機のときも、私は、あのときはまだ大蔵省と申しておりました、政務次官もさせていただいたんですが、まさに委員が御指摘のように、余りにもドル建ての短期の資金に頼り過ぎて、いざとなったらそれが全部どこかへ行ってしまったということで、結局、域内で中長期の資金というものをつくっていかなきゃいかぬということであったんだろうと思います。

 それで、これはASEANプラス3、委員もそれに御参加いただいていろいろ御議論をいただいたわけですが、こういうところを通じて、もっともっとこれを進めていかなきゃいけない。

 具体的に何をやるかというと、中長期に見渡しますといろいろなことがございますけれども、やはり債券の発行主体をふやしていくというようなことから、国際協力銀行、JBIC等の現地建て債券を発行していくとか、そういうようなことからまず始めて、いろいろな、今おっしゃったような技術的支援もやっていかなきゃいけない。

 それからもう一つは、いわゆるチェンマイ・イニシアチブというのが、昨年、シンガポールが参加して一応当初の形は完結したわけですが、これをどうマルチ化に結びつけていくか、こういうような議論とあわせて、私も、アジア債券市場の育成のために、先ほど委員がおっしゃったような大きな意味合いがあると思いますので、少しでも前へ進めていくために頑張りたいと思っております。

谷口委員 ぜひ、谷垣大臣にも頑張っていただきたいと思うわけでございます。

 冒頭、デフレの話をいたしましたけれども、構造的なデフレということになりますと、かつて世界的なデフレが起こったときがあるわけですね。このときに、やはり新たな需要を創出する、それもかなりポテンシャルのある需要を創出する、こういうことが一つデフレの克服にも役に立つわけで、これは、我が国のみならず、アメリカもヨーロッパもそのことについては同様に利益を受けるわけでございます。ですから、そういうようなことを我が国が先導的にやはりやっていくというのは非常に重要なことだと思います。

 また一方で、我が国がそういうアジアの活性化の利益を享受するという意味において、東京マーケットは非常に、国際マーケットでありますけれども、我が国の国内で、また国際金融センターと言われるような金融機能を集積したもの、例えば、アメリカにおいてはニューヨークが金融の中心地でありますけれども、シカゴは先物の中心地でございますし、ボストンは資産運用の中心地であります。また、イギリスにおいてはロンドンのシティーが金融の中心地でありますけれども、エジンバラがまた資産運用の中心地でもあるわけでございます。そのような観点で、多極的な国際金融センター、これも将来起こり得るであろう、今申し上げたような状況を想定した、金融機能を集積した、国家戦略的な、こういうセンター、国際金融センターをつくっていく必要がある、私はこのように思っておるわけです。

 これは、一つは、関西を中心にしてやっていくことについてはどうかというように私は申し上げておるわけでございますけれども、このことについて御見解をお願いいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 今、委員のお話の中に二つポイントがあったのではないかと思っておりますが、我が国で国際金融センターを大きくして資金の流通を図っていくということが、我が国のみならずアジアの経済を引っ張っていく、あるいは下支えをしていくという意味合いがあるんじゃないかという一点。

 もう一つは、やはり東京だけに偏っていると何かのときのリスクというものがあるんじゃないか、そういう意味では、関西の今までの蓄積、可能性に着目すべきではないかという委員のお考えだと思いますが、私も、それは全くそのように思うわけでございます。

 それで、昨年大阪で、こういったことを広めていこうということで会合を持っていただきまして、委員に中心になっていろいろ御議論を引っ張っていただいたわけでございますけれども、まずは、やはり大阪のいろいろな民間の方々とそういう意識を、大阪のみならず関西の民間の方々とこのような問題意識を共通にして引っ張っていくということが必要ではないかというふうに私思っておりますので、また委員のさらなる御努力と御一緒になってやらせていただきたいなと思っております。

谷口委員 我が国に欠けておったのはそういう戦略性ではないかと思うわけですね。もっと前向きに、これからの状況を読んで対応していくということが必要ではないか、このように思うわけでございます。ぜひまた、大臣にも御尽力を賜りたいというふうに思います。

 その次に、為替協議ということについてお伺いをいたしたいわけでございます。

 まず初めに、円の国際化、最近は余り言われませんけれども、円の国際化ということを従来よく言われたわけでございます。私は、我が国の経済の規模からしますと、ドル、ユーロに比して非常に、相対的に、まだまだ至っていない、小さい、こういうように感じるわけでございますけれども、円の国際化について、財務大臣と中川経産大臣に御見解をお伺いいたしたいと思います。

谷垣国務大臣 円の国際化の議論も随分歴史が長くなります。なかなかラッパを吹くほど前へ進んでいないということもありますけれども、着実に進んでいる面もあるのじゃないかと思います。

 それで、国際化していくためには、何をしたら円が国際化するかということですが、貿易決済通貨としての円の使用頻度をもっと高くしていく、それから海外における円建て保有資産の拡充を図っていく、あるいは金融・資本市場において円をもっと使っていくということではないかと思います。

 こういうことをやっていきますと、一つは、個々の企業も為替変動のリスクというものを減らすことができるということがありますし、それから、やはり我が国は、今まで、ほかの先進国に比べますと、やや為替の変動に対して弱い面があった。こういう円の国際化を進めていくことによって、そういう我が国の経済体質も強くしていくことができるのじゃないかな。それで、さらに言うならば、国際通貨体制や、先ほど委員のお話にありました、アジアの経済や金融の安定というのにも資することができるのじゃないかなと思います。

 円の国際化を進めていくに当たっては、円に対する信認を高めたり、それから、円の使い勝手のよさ、いろいろなインフラ整備が必要だと思いますが、これは政府だけで頑張ってもなかなかできるものではありません。民間で実際に決済、通貨を、国際的な取引をしておられる方にそういう認識を持っていただく、実際に使っていただくというようなこともあわせて必要だと思いますので、幅広い取り組みが必要だと思いますが、努力をしなければならない大きな対象だ、こう思っております。

中川国務大臣 私の立場からは、貿易とか投資とか、そういう観点から、もちろん日本にとりまして為替リスクを避けるという観点から、円建て比率というものが高まるということが好ましいわけでございまして、たしか輸出の四〇%、輸入の二五%まで徐々に円建て比率が上がってきております。

 ただ、これは、日本のみならず、今お話がありましたように、例えばアジアとの関係において、官民の協力、そしてまた相手国との協力というものも必要でありますし、先ほどアジア・ボンドのお話もありましたけれども、官民と、それから相手国に対していろいろな技術支援等々もしながら、総合的に円建て比率が高まっていくということが私の立場からは好ましいというふうに考えております。

谷口委員 円の国際化、本当に言い古された言葉でありますけれども、やはりこれは重要だと思うんですね。

 最近は状況も変わってまいりまして、非常に中国、韓国、経済的にも大きくなってまいりました。FTAとWTOの話は従来からされておるわけでありますけれども、このようなことも考慮に入れながら進めていかなければなりませんけれども、しかし、取引の実態を、中川大臣、いろいろ検討しますと、例えば、我が国の生産工場を中国につくるというような場合に、原料を売って、向こうで生産をして、また製品を買うというような取引があるわけですね。だから、その間にドルが介在する必要がないわけでありますけれども、これをドル建てでやっているというような場合も多々見受けられます。

 このようなことについては、例えば円建てで進めていくというようなことだとか、そういう粘り強い対応といいますか、もっと具体的に言いますと、官民の協議体みたいなものをつくって何とか円のシェアを拡大していこうじゃないかというようなこともぜひお願いをいたしたいわけでありますけれども、どうでしょうか。

中川国務大臣 今、谷口委員御指摘のように、日系企業は、例えば東南アジアに進出をして、物をつくって、そして日本で輸入をするという場合には、為替リスクが二重に生じるということが非常に大きな変動要因になりますので、そういう場合には円建てでやることが好ましいというふうに私も思います。ですから、その場合には、官民協力をして、また相手国の理解といいましょうか、協力も得ながらやっていくというために、先ほど申し上げたように、技術支援、向こうに対するいろいろなノウハウの支援も含めて進めていきたいというふうに思っております。

谷口委員 これはちょっと人民元の問題になるわけでありますけれども、新華社通信、二月十一日の報道によりますと、中国人民銀行の周総裁が、ことし為替相場の形成メカニズムを改善するというように表明をされたようでございます。人民元の切り上げ、もしくは資本移動規制の一部緩和だとか、このようなことを検討されておるようでございます。

 これは、中国は中国で決められるわけでありますけれども、私は、中国の人民元が、ドルにリンクしている人民元が、バスケット制度、これは、ドルも円もユーロも入ったような形になれば非常に好ましいと思っております。大臣、どのようにお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 私も、周人民銀行総裁の御発言を読みまして、あれ以上の詳しいことはまだ承知していないんですが、この問題は、非常に中国の経済力、通貨の力も大きくなりましたので、中国の通貨体制がどうかというのは、日本だけじゃなくて、アジア諸国、欧米を含めて、大きな影響があると思います。

 それで、そういう中で、やはり中国みずからが御判断になることだと基本的に思いますが、やはり、こういう中国の経済の強さ、ファンダメンタルズを的確に反映していくということが望ましいことでありまして、そういう中で、今おっしゃったようなバスケットというのも非常に大事な選択肢なのじゃないかな、こんなふうに思っております。

谷口委員 余り時間がございませんので、最後に一言申し上げたいわけでありますけれども、この為替協議、今アジアにおいて、東アジアが、大体、貿易量またGNPも世界のうちで四分の一程度、外準に至っては五〇%を超えるというような状況でございます。今まで為替協議が日米欧の中で行われておったわけでありますけれども、その前提として、やはり中韓も含めた協議をした結果例えば日米欧の協議に臨むといったようなこと、こういうことをやっていく必要があるのではないか。ドルのリスクが今言われておるわけでございますので、ぜひそういう観点でやっていただければということも申し上げまして、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。

笹川委員長 これにて谷口君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 私、先週のこの予算委員会で、約八兆円もの国民の公的資金が投入をされ、その結果、再上場して巨額の利益を得たリップルウッドの課税権問題について質問をいたしました。リップルウッドの株式譲渡所得について、日本側に課税権がないという政府の答弁が大きな議論となりました。関連して質問をしたいと思っております。

 お手元にお配りしました資料の一枚目が「旧長銀譲渡の経過」であります。

 一九九九年の九月二十八日、金融再生委員会、このときは柳澤担当大臣の時代でありますが、長銀の譲渡先を米リップルウッド・ホールディングス社にすることを決定し、同日、当事者間で覚書に調印をいたしました。

 十月五日に、柳澤担当大臣から越智通雄金融再生委員長に交代をいたしました。

 越智担当大臣のもとで、十二月二十四日に、譲渡の基本合意書が締結をされ、二〇〇〇年の二月九日に、金融再生委員会の承認により、預金保険機構、ニュー・LTCB・パートナーズ及び長銀が譲渡に関する株式売買契約書を締結したわけであります。

 十五日、金融再生委員会及び大蔵大臣が資金援助の必要性を認定いたしました。

 この二月九日というのが売買契約書の締結された日付ということであります。まさにこの時期に、この予算委員会を含めた国会で、リップルウッドの株式譲渡所得への課税権問題が議論をされておりました。

 私の先週の質問に対しまして、当時、越智大臣の後で金融再生委員長を務められた谷垣大臣は、当時から日本では課税権がないことを私は承知していましたとおっしゃっておられました。

 ところが、二枚目の資料をごらんいただきたいんですが、これは、平成十二年、二〇〇〇年の二月十六日、譲渡契約が結ばれた直後の予算委員会でありますけれども、三段目のところ、岩國委員が、岩國委員の最後の部分にちょっと書いてありますが、「キャピタルゲインが出たときに、日本側としてはアメリカの投資家が得たキャピタルゲインに税金をかけることもできないはずですね。」と、日本側に課税権がありませんねと聞きました。

 これに対して、越智大臣は、「外国の投資家が持ってはおりますけれども、それをかけられないという法文は今私の頭にちょっと浮かんでまいりませんけれども、何か先生は、かけられないはずだとおっしゃったのは、何条によりという条文をお持ちなんでございますか。」と、ここを読んでもよくおわかりのように、外国の投資家に課税できるのは当然だ、違うと言うなら具体的な条文を示せと岩國委員に迫る、自信満々で答弁をしておられます。

 旧長銀譲渡の責任者である越智金融再生委員長は、外国の投資家の株式譲渡所得に課税できると認識していたのではないでしょうか。竹中大臣、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 今お尋ねの平成十二年二月十六日の議事録でございます。越智大臣、今委員御指摘のように、線を引いておられるところですね、そのような答弁、これ、とっさのことで越智大臣はそのような答弁をされたんだと思います。

 その後のやりとりで、今委員の御指摘の紙の一番下の段でございますけれども、最初から三分の一ぐらいのところに、越智大臣は、改めて、「ちょっと調べさせます」ということを申し上げて、確認をいたしますという答弁をしておられます。

 それを受けて、宮沢国務大臣が、大蔵大臣が、これは課税当局でございますから、「我が国の課税権には属さないと思います。」という正式の答弁を述べておられるというふうに認識をしております。

塩川委員 いや、譲渡契約を結ぶ当事者の金融再生委員会の委員長が知らなかった、この問題について課税権があると思っていたというところが大問題なんですよ。

 そもそも、国内の対象そして国外のリップルウッド、そういう選択も当然考えられていたときに、二次ロスをどうするとか、これは当然のことながら国民負担軽減の立場から考えなくちゃいけません。それと一体に、課税権の問題というのは、どれだけ取り戻せるかという話ですから、このことを考慮するのは当たり前のはずなんです。

 そのことについて、課税権がある、これは続けて三段目の一番後ろの方に、越智さんのところ、線を引きましたが、「私どもはかかるべきだと思っております」このようにはっきりと、担当大臣自身が課税できないということは言っていないわけでしょう。

 そこは大問題だと思うんですけれども、そういう認識で越智大臣がいたということは確認をされますね。

竹中国務大臣 越智大臣がどのような認識であられたというのは、先ほど私が申し上げたとおりでございますけれども、当時の譲渡契約を結ぶそもそも論をぜひ御理解いただきたいと思いますが、これはまず、御指摘の外国人投資家に対する課税の問題は、これは税制上の問題でありますけれども、特別公的管理銀行の受け皿の選定に当たりましては、そもそも金融再生委員会において幾つかこういうことを留意するんだということが定められていた、議論されていた。

 まず、公的負担の極小化である。金融システムの安定化等の視点に立って、重要な点でありますが、内外無差別に選択を行うということを決めております。これは、平成十一年のFRC国会報告におきましても、世界から注目されている案件でもあり、国際的な評価が得られるかという点を重視するということを述べております。まさに内外無差別で行うんだという大前提に立っているわけでございます。

 旧長銀の譲渡先の選定は、もとより限られた候補者の中からの選定でありまして、その中で、金融再生委員会としては、こうした上記の考え方に基づいて各候補者の提示条件を比較検討し、パートナーズ社を旧長銀の譲渡先として選定したものというふうに承知をしております。

塩川委員 内外無差別の原則とおっしゃいました。それは前提としてあるのかもしれません。

 問題なのは、大臣もおっしゃっておられるように、公的負担の極小化なんじゃないですか。国民負担をどう軽減するかということについて政府が意を尽くすべきだったんじゃないですか。そのときに、外国の投資家だったら課税できないけれども国内だったら課税ができる、こういう前提で交渉に当たることこそ政府の当事者の一番の責務じゃないでしょうか。

 今、大臣のお答えしたとおりだというふうに言いましたけれども、答えた中身というのは、大蔵大臣は知っていた、それはそうかもしれない。契約を結んだ金融再生委員長が知っているのかどうかというのが問題なんじゃないですか。確認させていただきたいという言葉も引きましたけれども、確認させていただきたいということの前提には、そもそも課税権問題についての認識を持っていなかった、このことを認めるということですね。

竹中国務大臣 越智委員長がどのような御趣旨でいろいろなことをそこの場でおっしゃっているかというのは、その前後から私なりに拝察するしかないわけでございますが、繰り返し申し上げますけれども、公的負担の極小化、これを早くしないとどんどん資産が劣化して、どんどん公的な負担が大きくなっていく可能性がある、その場合に、世界から注目されている案件でもあり、国際的な評価が得られるかという観点から内外無差別に選定をした、これが当時の金融再生委員会の基本方針であったというふうに認識をしております。

塩川委員 だから課税権問題を無視してもいいと言うんですか。これを前提に考えてこそ、国民負担、公的負担の極小化ということになるんじゃないでしょうか。いかがですか。課税権の問題も考慮してこそ、初めて公的負担の極小化ということになるんじゃないかということですよ。

竹中国務大臣 どこまで第二次効果、第三次効果、第四次効果をダイナミックに予測できるかという問題であったというふうに思います。

 いずれにしても、しかし当時としては、これは、その後、担当の大臣がかわった後もそのように答弁をさせていただいているようでございますけれども、内外無差別でやる限りは、その外的な法人がどのように課税されるか課税されないか、そのようなことではなくて、あくまでも金融システムの安定維持、公的負担の極小化、内外無差別の選定を行った。これはもうそのとおり、そういった意思でまさに金融再生委員会は運営されていたということだと思います。

塩川委員 この翌日にも、この問題が議論されておりました。二月十七日の予算委員会の場での議論でも、越智金融再生委員長は、こういうふうに述べています。課税できるかどうかは、「日本に支店を持っているか持っていないかで違うし、たとえ支店を持っていなくても、非常に大量の株を、支配的な大量の株を出したときにはかかるとか、個別ないろいろなケースがある」と述べたり、「個々のケースについてはちょっと確定的に申し上げられない」と、翌日になっても、明確に、日本側の課税権を否定していないわけですよ。

 私、率直に思いますけれども、国会でうその答弁をついたことになるんじゃないか、このことが問われているんじゃないか。いかがですか。

竹中国務大臣 これは課税当局が答えるべき問題だと思いますが、これはまさにケース・バイ・ケースで、実態等々によっていろいろな場合があるということをそのとき越智大臣はお答えになったのではないでしょうか。

 私は、前後の脈絡から推察するだけでございますけれども、これは現実問題としていろいろな場合が課税の実態に合わせてあり得るということなんだと思っております。

塩川委員 やっていることと言っていることが違うことになるわけですよね。

 谷垣大臣、その後を引き継いで。

 先週の答弁では、課税権がないと認識をしていたとおっしゃられたんですけれども、前任者の越智担当大臣がどういうふうに受けとめておられたのか、お聞きしたいと思います。

谷垣国務大臣 越智大臣の受けとめ方は、今、記憶のみたどって、越智さんがどういうことを考えておられたか、ちょっと答えろといったって、それは答えられません。ただ……(発言する者あり)いや、だから、議事録を継いでの御議論は今あったとおりです。ただ、越智さんが何を考えていたかまでこの国会で責任を持って答弁することは、今、私はできません。(発言する者あり)いやいや、私は今、財務大臣として御答弁を申し上げているので、財務大臣として、越智さんが何を考えておられたかはお答えする立場にはないんです。

 ただ、私自身が引き継いだ当時の状況は、前回お答えいたしましたとおり、租税条約等がこうなっている、それから、具体的な課税関係に関しては、今も竹中大臣が御答弁になりましたように、課税、具体的にはどうなるかというのはいろいろ個別具体的でございますけれども、租税条約がこういう仕組みになっているということは認識をしておりました。

塩川委員 越智大臣が率直に言ってこういうようにうそをついたということが改めて浮き彫りになったんじゃないでしょうか。そういう意味でも、私、しっかりと越智さんの発言についても政府として、今の説明では私は全然納得できないんですけれども……(発言する者あり)いえいえ、とても答えていると思っておりませんけれども。越智さんにぜひともお聞きしたいところだ。越智さん、今いらっしゃるのか。(発言する者あり)もう本当に率直に、参考人として呼んでいただきたいと思いますけれども、理事会で御検討いただけますか。

笹川委員長 協議しましょう、理事会で。

塩川委員 次に、新生銀行に係る国民負担の問題にかかわって質問いたします。

 約八兆円の公的資金が投入されたうち、先週の質問におきまして、国民負担となる金額は幾らかと質問したのに対し、竹中大臣は、現段階で国民負担が確定しているのは三兆二千二百四億円、その他は買い取り資産からの回収がどうなるのか、資本増強に当たって引き受けた優先株式の処分収入が返済に充当されるのでまだ確定していないと述べておられます。私は、含み損なども入れれば四兆円を超えると指摘をしたわけであります。

 そこで、答弁の中にもありました優先株式の処分収入が返済に充当され得るということは、これによって国民負担を減らすことにつなげたいということだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 当然のことながら、そもそも国民負担を最小化するという目的でいろいろな制度設計を当時の金融再生委員会はされて、それをしっかりと実行に移していくというのが我々の務めだと思っております。国民負担を最小化するためにさまざまな機会を活用しなければいけないと思っております。

塩川委員 国民負担を最小化するために、あらゆる機会、努めていく、ですから優先株式の処分収入で国民負担を減らす、そういう努力も行うということですが、それでは、政府、預金保険機構が保有をしております新生銀行の優先株の売却でどれだけ返ってくるのか、お聞きしたいと思います。

 新生銀行の株式が再上場されてニュー・LTCB・パートナーズが巨額のキャピタルゲインを上げたことは大きく報道されましたし、昨日、二月二十三日の新生銀行の終わり値では七百八十七円となっております。政府も、資本増強のために旧長銀及び新生銀行の株式を購入してまいりました。この預金保険機構保有の新生銀行の優先株の値打ち、商品性はどうなっているのかをお聞きしたいと思っております。

 まず、一九九八年三月に、いわゆる佐々波委員会のもとで、金融安定化法のもとで資本注入をした千三百億円の優先株の値打ち、商品性はどうなっているのか、お答えください。

五味政府参考人 お答えいたします。

 平成十年三月、旧安定化法に基づきまして旧長銀から引き受けました優先株式の商品性でございますが、発行額は九百六十八億円、これは減資の前は千三百億円でございました。株数は約〇・七五億株、減資前は約一億株でございました。

 なお、転換の開始時期、これは既に到来をしております、平成十年十月。現在の転換価格は三百六十円、これは既に固定されております。一斉転換時期は平成二十年四月となっております。

塩川委員 九八年の株については、既に売却が可能であります。例えば、きのうの終わり値であります七百八十七円で計算をした場合に、全株売却したら仮に幾らとなるのかについて、教えてください。

五味政府参考人 旧安定化法の優先株につきましては、これを普通株に転換をして一株七百八十七円ということで評価をいたしますと、約二千百十八億円となります。

塩川委員 二千百十八億円ということでした。

 続いて、二〇〇〇年四月注入の、早期健全化法のもとで資本注入いたしました二千四百億円の優先株の商品性はどうなっているのか、お答えください。

五味政府参考人 平成十二年四月、早期健全化法に基づいて引き受けました優先株式は、発行額二千四百億円、株数は六億株でございます。転換開始時期は平成十七年八月、現在未到来ということでございます。したがって、転換価格については未定ということでございます。一斉転換時期は平成十九年八月でございます。

塩川委員 来年の八月に売却が可能となります。仮に、これ、来年の話ですからあれですけれども、一株、きのうの終わり値の七百八十七円で換算をいたしますと、保有株の価値については二千三百六十一億円ぐらいになる計算であります。そうしますと、先ほどの分と合わせまして四千四百七十九億円という水準になってまいります。

 新生銀行の八城社長は、再上場日の記者会見で、政府保有株について、「株価が八百七十八円まで上がれば、(優先株を普通株に転換した後の市場価格は)五千億円になる。(株を市場で売却して)国に利益が出れば、我々としてやるべきことはやったと言える」と述べております。

 この会見でも触れておられる五千億円というのはどんな意味を持つ数字なのか、お答えください。

五味政府参考人 この五千億円は、旧長銀譲渡に係る最終契約書におきまして、早期健全化法に基づく資本増強額二千四百億円、それから、預金保険機構から新生銀行に対して譲渡された特別公的管理銀行保有の上場株式含み益、これが二千五百億円、合わせておおむね五千億円ということでございますが、この五千億という数字が出てまいります背景には、譲渡契約におきまして、最終契約書で、預金保険機構保有の新生長銀株式の時価総額が五千億円を超えている場合、新生長銀は預金保険機構に対して、その保有する新生長銀株式の一定の数量を売却すること及び当該売却のために預金保険機構の優先株式を普通株式に転換することを要請できる、こうした契約上の、いわば投入されました公的資金の返済に関する考え方が示されています。

 この中で述べられております五千億円というのが今申し上げましたような考え方で設定されたということでございます。

塩川委員 要するに、政府保有の株の時価総額が五千億円を超えた場合には、新生銀行が、それをもう売ってくれ、それ以上値上がりしてもらっては困るから売ってくれと言ったらそれにこたえるという意味での数字が五千億円ということですね。

五味政府参考人 預金保険機構は合理的な理由なしにこれを拒否できないということで決められておりますので、その返済に対する申し出がございましたらば、もちろん返済に関するその他のさまざまな要件はチェックをする必要がございますけれども、基本的には、その段階で売却をして返済する、一定数量でございますけれども、そうしたことを要求できるということでございます。

塩川委員 政府保有株の時価総額が五千億円を超えたら、新生銀行から話があれば売らなくちゃいけないという話が契約書に盛り込まれているということですよね。

 そこで、さらにお聞きしますけれども、先ほど説明をした資本注入の二千四百億円は、さきにも聞いた中身ですからわかります。加えて、長銀保有株の含み益二千五百億円、これはどういうものなのかというのをもうちょっと丁寧に説明していただけますか。

五味政府参考人 これは、この長銀の譲渡時に、預金保険機構から新生銀行に対しまして株式が譲渡をされます。それはどういう株式かといいますと、特別公的管理銀行であった日本長期信用銀行が保有をしておりました上場株式、これはですから長銀の株ではなくて長銀が持っておりましたさまざまな企業の株式、この株式の含み益に相当するもの、二千五百億円ということでございます。

塩川委員 要するに、譲渡のときには、不良債権の分については税金で全部きれいにして、含み益を含んでいる株式はそのまま新生銀行に譲り渡して、それが二千五百億円、この二千五百億円分でいわゆる自己資本比率四%をクリアする、四%をクリアしたから健全な銀行だということで資本注入二千四百億円をどんと入れる、こういうスキームになっていたわけですね。

 ですから、保有株式の含み益の二千五百億円とそして二〇〇〇年のときに投入した資本注入の二千四百億を合わせたのが四千九百億円、こういうことでよろしいですね。確認です。

五味政府参考人 五千億円の根拠はそうしたものでございます。この上場株式の含み益につきましては、これをもって会計上資本に充当できるような形で譲渡をすることで将来的な回収の極大化の道を開こうという考え方で行われたというふうに承知をしております。

塩川委員 二千四百億と二千五百億を足すと四千九百億円ですけれども、残りの百億円は何でしょうか。

五味政府参考人 これは、百億円に何か特別な積算があるというふうには私は承知しておりません。合計おおむね五千億円であるというふうな経緯だったと聞いております。

塩川委員 要するに、国が持たせてやった長銀保有株の含み益二千五百億円の持参金と譲渡契約時に資本注入した二千四百億円に、いわば手数料といいますかの百億円を足した金額が五千億円ということであります。

 そうしますと、今の五千億円の中身、内訳の説明では、冒頭述べた、九八年に投入をされた金融安定化に基づく千三百億円の資本注入分については出てきません。この金融安定化法に基づく千三百億円の株というのはどこに消えたんでしょうか。

五味政府参考人 この五千億円という規模を計算いたします際の根拠として、今御議論になっております二つの要素があります。この五千億円というキャピタルゲインが実際に実現するかどうかというのは、これはこの二つの要素だけではもちろんないわけでございまして、旧安定化法に基づきます、今お話しの優先株につきましては、旧長銀の破綻時に株価はゼロという、いわば毀損をしたということで株価はゼロというふうに算定をされております。

 したがいまして、千三百億円分の、当初千三百億円分ございました旧安定化法に基づきます優先株は、簿価がゼロでございますから、仮に普通株式に転換をして売却するということになりますと、その売却して得た収入はすべてキャピタルゲインになるということになります。

 したがって、この五千億円が実現していく過程では、この旧安定化法に基づく優先株によるキャピタルゲインというものは算入をされていく、こういう関係になります。

塩川委員 いや、今の、国民のお金はどれだけ使われているかという話で考えなくちゃいけないと思うんですが、千三百億円が九八年に入って、二〇〇〇年のときに資本注入で二千四百億円、含み益分ということで二千五百億円が入っているわけですよ。合わせて六千二百億円なんだけれども、しかし、五千億円という頭打ちになっているんでしょう。五千億円になったら、それ以上もうかると困るから、売ってくれと言われたら断れないというんでしょう。そうなると、ここでも国民の負担、損失がはっきり出ているということですよね。

五味政府参考人 破綻時に千三百億円の旧安定化法に基づく優先株というのが簿価がゼロという状況になったということでございまして、これは破綻をしたわけでございますので、それはそういうことになるわけでございます。

 ただし、株式としては所有をしておりますから、今後、これが、新生銀行が再生をしていくという過程で企業価値が高まり、株価が上がるということになりますれば、そこからしかるべき回収が立ってくる、こういう関係でございます。

塩川委員 要するに、ここにも国民負担、損失というのが隠されていたわけですよ。不良債権の穴埋めですとか保有株の含み損だとか、こういう形での国民負担が出ていましたけれども、どんどんそれが膨らんでいくということが見えてくるわけです。

 新生銀行再上場のために四兆円もの国民負担を押しつけられているわけですが、国民の財産であるこの長銀の保有株をなぜ五千億円という上限を設けてとどめなくちゃいけないのか。竹中大臣、改めて、なぜ五千億円にとどめなくちゃいけないのか。国民の負担を軽減する、最小化するのであれば、きちっと上がるように持っていること、大事なんじゃないですか。

竹中国務大臣 これは、当時の売り手と買い手のいろいろな交渉の中でさまざまな条件の一つとして決まってきたものであるというふうに思っております。

 当時、金融、大変厳しい状況の中で、本当にどこが買い手になるんだろうか、ここをきちっと再生することはできるんだろうか、非常に大きなリスクが日本経済全体を覆っていたと思います。そうした中で、買う価格がなぜこの価格なのかという御質問も先般受けましたけれども、売り買いの価格と同様に、さまざまな附帯的な条件が全体で一つのパッケージとして、まさに売り手と買い手の交渉の中で決まったものであるというふうに認識をしております。

塩川委員 要するに、株価五千億円頭打ち条項というのがあるわけですよ。瑕疵担保条項が問題なだけじゃない。こういった株価についても頭打ち条項もつくっている。

 要するに、時間がない、時間がないという理屈で、全部、相手のことを丸のみ、うのみにして国民に負担だけ押しつける、ここが今大きく問われているんじゃないでしょうか。

 新生銀行から売却要請があれば、応じるんでしょうか。竹中大臣、お願いします。

竹中国務大臣 これは契約事項でありますので、契約にのっとって、そのときで適切な判断をしていくということになると思います。

塩川委員 契約にのっとってということですが、契約書の方にも、新生銀行からの売却要請があった場合に不合理には拒否しないと書いてあるわけですね。ですから、拒否する場合の合理的な理由というのは、では何なんでしょうか。――大臣に。

 一番の肝心な点じゃないですか。五千億円頭打ち条項について、政府が、これは道理がないと拒否するのがどうかということが問われているんですから、ぜひお答えください。――いや、大臣に答えてもらわなくちゃ、これは。

五味政府参考人 ちょっと技術的な部分をお答えさせてください。

 合理的な理由があるかないかという部分で大事な要素は、公的資金を中途で返済いたします場合に考慮しなければならない事柄を預金保険機構が定めておりますけれども、銀行の健全性を害さない、それから、市場といいますか、金融システムあるいは市場に混乱をもたらさない、それから、国民負担を増加させない、こうした要因を十分に考慮する必要がございます。

塩川委員 今の話の中でも、合理的な理由という点では、国民負担を増加させないと言っているじゃないですか。

 これは、国民負担は最小の原則という立場で、五千億円なんて頭打ちじゃなくて、いや、負担を軽減する、国民負担の最小化のためにもっと上がるまで持っていようじゃないか、こういうことを言うというのも、道理になる、合理的な理由なんじゃないでしょうか。改めて、大臣、いかがですか。

竹中国務大臣 そこは、これは個々のケースでありますからケース・バイ・ケースで判断する。それはまさにそういうことを契約で決めているんだというふうに思います。

塩川委員 大臣がもともと確定していると言う三兆二千億の国民負担が発生しているわけですから、全部穴埋めするという立場に本来立ってもらいたいところですけれども、少しでも減らそうという立場にこそ立つべきだ。せっかく、新生銀行が株が上がって、キャピタルゲインが得られそうだと言われているわけでしょう。

 先週問題になったように、相手側の投資家については、日本に課税権がないから丸々もうけになっていると。日本が本来取りたいところが取れないというふうに政府がおっしゃっているわけですから、せめて、政府が持っている分については、ぜひ、高値になることを望んで、五千億円なんて頭打ちじゃなくて、もっと上まで持っているという立場ではっきりと宣言される、そのことが今大事なんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

竹中国務大臣 契約は契約でありますから、当時、最善の知恵を絞って再生委員会の方々が結んだ契約がある。その契約が効力を持っているわけでありますから、その契約の範囲で、当然のことながら、姿勢としては国民負担を最小化するように最大限の努力をしたいというふうに思っております。

塩川委員 新生銀行の株式が幾ら高騰しても、国が譲渡のときに与えたいわば持参金分しか国は回収できないということが明らかになりました。

 八兆円を超える公的資金が投入されて、四兆円を超える国民の税金が失われているのに、たとえ新生銀行の株が高値になっても五千億円で頭打ち、ぼろもうけ分は新生銀行につけかえる、こんな仕掛けをつくった政府にこそ重大な責任がある。不透明な売買契約の過程を国民の前にきちんと明らかにする、このことを強く求めて、質問を終わります。

笹川委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、鮫島宗明君。

鮫島委員 もうすぐお手元に資料をお配りすると思いますが、きょうも、日本の財政全体、その問題点について御質問したいと思います。

 初めに、小泉総理がいかに先見の明があるかという意味で、昔、小泉さんがあるところで言っていたせりふを引用しますと、「行財政改革というのは、財政投融資という大元に手をつけ、短期決戦で決着をつけなければ、既得権を守りたい勢力の妨害に遭って必ず失敗してしまう。そうなれば日本は大借金国家への道を歩み、インフレか大増税かのどちらかを選択するしかなくなる。」これは、小泉さんが、一九九六年六月三十日、「官僚王国解体論」という、その日に出版された本の中に書いているせりふですが、同時に、これはちょうど総裁選が終わった直後なんですね。もし私が総裁選に勝っていたら一気に郵政三事業民営化の方針を打ち出しただろうということも、これは九六年に言っているわけで、なかなか先見の明がある、言っていることだけは一貫している。

 あと、もっとおもしろいことを言っているんで、これは総理がお見えになってから確認したいと思います。

 予算全体あるいは日本の財政全体がどうなっているかというのを、カラーの紙で皆さんにお配りしておきました。それから二枚目が日本国総債務残高。三枚目が谷垣財務大臣の借用書、借入証書。

 これは、日本の国は、政府は四種類の集金手段を持っていて、まず、オーソドックスに税金でいただく。次は、国債を発行してお金を集める。それから、国債に準じるもので政府保証債。政府が保証して、主に財投機関ですが、特殊法人が発行する債券。これは国債に準じるような形で、二番目の債券としてお金を集める方法がある。それから四番目には、財務大臣の名前でじかに借り入れる、その場合の借入証書というのを三枚目につけておきました。

 この四種類の手段で、今政府は、超低金利、量的緩和の中で流動性の資産をとにかくどん欲に集めまくっていて、ここに日本国総債務残高、これは地方も合わせてですが、九百九十五・八兆円。

 これは一つ抜けています。今言った政府保証債務というところが、なぜか財務省が数字を出してくれなかったのでここはあいていますが、これは一般会計の中で債務保証限度額というのを示すことになっているので、平成十六年、ここは幾らを示しているか教えてもらいたいんです。これはきのうから頼むと言ったんだけれども、出てこなかったもので。今の二枚目の表の政府保証債務、政府保証債という国債に準じる形で財投機関が発する債券、これを政府保証するのがあるんですが……。

笹川委員長 だれが答弁するの。

鮫島委員 これが、平成十六年の限度額は幾らになっているのかというのが出てこないんですが。――では、ちょっと時間を与えますから、すぐ出してください。

 これは憲法九十一条に、政府は、少なくとも年に一回、国会及び国民に対して予算の内容をちゃんと明らかにしなければいけませんというのが憲法に決まっていて、それを受けて財政法の四十六条で、書類その他を使って予算、歳入歳出決算の報告はちゃんとみんながわかるようにしなければいけませんよということが決まっているわけです。だから、大変国の財政内容の開示というのは大事なことです……

山本副大臣 途中でございますが、先ほどの御質問の政府保証債の限度額についてですが、八兆九千九百九十六億円ということになっております。

鮫島委員 これはちょっと違うんじゃないかな。去年までで、これは累積ですよ。新規に発行するのが多分今の分で、それに足すと、累積が大体ここも六十兆ぐらいになるんだと思いますが、一応概算で六十兆とすると、既に一千五十兆、日本には九百九十五・八プラス六十ぐらいの債務残高がある、国、地方合わせて。

 若干扱い方でどうかなというのは、財投機関債がここに入っていますが、この十一兆円は抜いてあげてもいいかもしれない。これは個々の特殊法人が自力で集めている金ですから、政府の信用をかさに着てというところはありますが。これを除いたとしてももう一千四十兆ぐらいになっていて、おとといぐらいに石原国土交通大臣が、道路公団の将来の資産の計算のときに、金利を四%と計算すると大体どうこうということをおっしゃっていたと思いますが、もし金利が四%にもなると、一千四十兆で、ほぼ税収に見合うぐらいの額が全部金利で飛んでしまうというぐらい今危機的な状況にあるという前提で、幾つかのことをお伺いいたします。

 今、大変、総覧性というか、日本の予算の構造全体がどうなっているのかがわかりにくいというふうに私は言いました。図もつくってみれば簡単ですが、なかなか全体を一枚の紙にするのも、いろいろな資料をひっくり返さなきゃできなかったんですが、予算に大変関心の強い納税者が、一体日本の財政はどうなっているんだろうということを知りたいときにアクセスできる情報というのは、一般の国民が、でも予算に関心のある納税者が詳しいことを知りたいと思ったときに普通に入手できる情報というのは、どのぐらいのものが用意されているんでしょうか。

 さっきの財政法の四十六条には、文書その他でわかるようにしなければいけないという取り決めがあるわけですが、どんな内容のものがあるんでしょうか。

山本副大臣 先生おっしゃるとおり、歳出改革を進めていくに当たりましては、国民の理解と協力が不可欠でございます。

 それを前提といたしまして、納税者である国民に対し財政状況を積極的に開示することが重要であるという認識のもと、財政法四十六条に従いまして、予算、決算の財政状況について報告するシステムをとっておりまして、一般会計及び特別会計の予算書、決算書等の情報を財務省ホームページに掲載するなど、インターネット等を用いた情報提供に努めているところでございます。また、官報等あることは御承知おきのとおりでございますし、また、財政法四十六条に基づく国民への財政報告なる文書等も開示することになっております。

 以上です。

鮫島委員 次の問題で、私がお配りした資料の税収というところが四十七・五兆円入る予定になっていて、なぜか二兆円が一般会計をすり抜けて直接特別会計に入っている矢印が書いてあります。これは一般に、税金の特別会計への直入分と呼ばれているもので、余り普通の人に知られていないんですが、よく知られているものとしては、揮発油税の七千億が一般会計を経由しないで直接特別会計の道路特定財源に入りますというのがありますが、残りの一兆円強というのはどんな内容のものでしょうか。

山本副大臣 特別会計に直入されている分、合計が二兆四千八百五十七億円でございまして、内訳を申し上げますと、所得税、地方道路税等の国税収入を交付税及び譲与税配付金特別会計に直入している分が一兆一千四百五十六億円、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に直入されている国税が三百八十億円、電源開発促進対策特別会計に直入されている分が三千五百九十三億円、そして国債整理基金特別会計に直入されておりますのが二千三百五十六億円等でございます。

鮫島委員 今度、別の問題で、同じ関連で財務大臣に最後に聞きますが、一般会計から特別会計への繰り入れというのが特定財源で三兆円、全体の財源で四十四兆円、四十七兆円が一般会計から特別会計に繰り入れられる。したがって、一般会計の過半は特別会計に実は入っていて、その意味でも特別会計こそが日本の予算の本体ですということですが、公共事業によっては全事業費の三分の二以上が一般会計から繰り入れられている事業がありますが、三分の二を超えている事業、公共事業を挙げていただけますか。

谷垣国務大臣 公共事業特別会計の一般会計繰入依存度が三分の二を超えているということになりますと、港湾整備特別会計が七二・八%、それから治水特別会計が七二・〇%、こういうふうになっております。

鮫島委員 今の二つの点、つまり特別会計に直入されている何種類かの税金、それから特別会計の事業の中で一般会計からの繰り入れが三分の二を超えているような事業、こういうのは、最初の質問に戻りますが、予算の使い道に関心のある納税者が先ほど言ったホームページにアクセスすれば知ることができますか。

山本副大臣 可能でございます。

鮫島委員 これは、でもうちの秘書にやらせてみたらなかなか大変だったんです。しつこく探せばできないことはないという内容だと思いますが、全体として、予算の内容というのは一般の人には大変つかみにくい。

 今言った二つの問題、税金を初めから使い道を決めて一般会計に入れないで特別会計に直入してしまう問題、それから事業費の三分の二以上が一般会計から来ているような話、こういうことをそのままほっておくことは、私は、予算、財政全体の柔軟性を維持するという意味ではマイナスになっている。

 こういうのは非常に古く決まった話でして、今さまざまな世の中のニーズが変わっているときに、なるべく財政に柔軟性を持たせるという意味では、こういう直入とか、それから一般会計から繰り入れが非常に大きいようなものは一般会計に戻す、こういうことをごく良識の問題として財務大臣にお考えいただきたいというふうに思いますが、どんなお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほどから委員がおっしゃっている財政全体の一覧性といいますか総覧性といいますか、そういう観点を十分意識しながら特会の見直しは常に行っていかなきゃいかぬ。昨年来からそういう作業に取りかかっているわけです。

 ただ、今特会に直入しているようなものが幾つか、先ほどお挙げになったように二・何兆円あるわけですが、これは特定の経費に充てることを主な目的として課されるいわゆる目的税であるとか、あるいは地方における事業の財源として譲与される国税といったものがございまして、これはそれぞれの税の性格とか制度をつくった経緯等を踏まえますと、特別会計に直入することに私はそれぞれ合理的な根拠があると思っております。

 それから、先ほどおっしゃった、三分の二以上一般会計から入っているようなものはどうなんだということでございますけれども、こういう特別会計については、港湾にせよあるいは治水にせよ、国みずからが多数の直轄工事を長期間にわたって実施しているというだけではなくて、個々の工事について、必ずしも国だけが金を出しているわけではない。地方公共団体あるいは事業に関連する事業者が分担する枠組みが設けられておりますので、多額の費用をかけて長期間行われる事業の、いわば受益と負担の関係を明らかにするといった意味からも、こういう特会は合理的な理由があるのではないかと思っております。

鮫島委員 余り世の中が変化なく淡々と進んでいるときは今のようなことでいいんでしょうが、今、大激変期というか、大改革をやろうと言っているときに、その程度のことも直せなくて、私はとても大改革はおぼつかないなという気がします。

 今、確かに、直入分の中で、電源開発なんというのは非常に、一対一で関係していますからそういうのはいいと思いますが、例えば、地方道路税とか、これは道路に使いなさいという限定つきで渡してみたり、あるいは自動車重量税もそうですね、それから揮発油税もそうなんですが、そういう、東京オリンピック前後あるいはそれ以前に決められたようなルールを、いまだにニーズがございますと言ってやっているのはいかがなものかという気がいたします。

 こういう面については、一般会計と特別会計の関係では、今言ったような明らかなルール違反というか、ちょっとおかしいんじゃないのという点だけを指摘させていただきましたが、一番今、多分小泉改革で問題になっているのは、この図の方の郵貯、簡保、年金、これは合わせて三十一兆ぐらいありますが、それが財投債を経由して特別会計に入り、点々々と行って財政融資資金に使われている。ここの世界が非常に官主導になっていて、民間経済を圧迫しているということで、今小泉改革の一番重要なところになっている点ではないかと思います。

 これについては、既に一九九六年の九月に週刊東洋経済の中で、現小泉首相が、「財投機関は、不良債権を抱えた国営金融機関だ。乱脈融資をしているからこういうことになる。本来、財投資金は確実に安全なところにしか融資してはいけないと法で規定されている。」と、これが諸悪の根源みたいなことを九六年当時から言っておるわけですが、前回、財投、財政融資資金、この世界について、民間で行っているような債権分類、内容の審査をちゃんとしているんですかと言いましたら、どうもそれは我が日本政府はしていないらしい、別に金融庁の所管でもないし。

 この実態がどうなっているかというのがなかなかわからないというふうに思いますが、郵貯に関して言えば、私はもうちょっとわかっているのではないかと思って、では、郵貯のお金がどこへ流れているか、郵貯の債権の健全性というのはだれが評価しているんでしょうか。

谷垣国務大臣 今、郵貯と財投と一緒にしておっしゃいましたけれども、既に財政投融資については、郵貯あるいは年金の預託義務というものは廃止しております。かつては全額預託せよという制度でやっておりました。

 それから、規模を圧縮しまして、一番財投が大きかったのは平成八年度だったと思いますが、約四十兆ございましたけれども、平成十六年度では二十兆、半分に減っております。それで、地方分を除きますと四割ぐらいの規模まで圧縮してまいりました。

 それから、郵貯に関しましては、郵貯が今まで財投に預けておりましたものは計画的に返還をすることにしておりまして、十九年度までに全部返還することにして、今のところ順調に進んでおります。

鮫島委員 ですから、今、自主運用分の比率がだんだん高まっていることはよくわかっています。今半々ぐらいにまで近づいていると思います。

 ただ、自主運用、結構ですが、では、郵貯が行っているその自主運用の債権の健全性はどこがチェックするんでしょうか。あるいは、郵貯がみずからやればよろしいということになっているんですか。これは総務省じゃないかと思うんだけれども。

田端副大臣 お答えいたします。

 郵貯資金の運用につきましては、これは日本郵政公社法に基づき、また、あるいはその運用計画に基づいて信用リスク管理というものが行われているわけでありますが、この日本郵政公社法にはその運用方法が限定されておりまして、「確実で有利な運用」ということで定められております。安全確実な運用計画、そしてこの運用計画にのっとって郵政公社が信用リスク管理を行うわけでありますが、安全確実な運用方法として国内債券を中心に満期まで保有する、こういう原則に従っているところでございます。

鮫島委員 では、その安全確実な融資先、三つほど融資先の内容についてお伺いしますが、石油公団と宇宙開発事業団と核燃料サイクル開発機構。これは、みんなそれぞれ独法になるから旧名称ですが。

 まず、石油公団ですが、独法化に伴って債務処理を行ったと思いますが、どのぐらいの債務処理を行ったんでしょうか。

中川国務大臣 平成十四年度決算で、七千七百一億円になっております。

鮫島委員 このうち、国民負担に結果的になるのはどのぐらいというふうに見越していますでしょうか。一部株の売却等々で、できるだけ積極的に回収しろという方針だと思いますが。

中川国務大臣 石油公団は、御承知のように平成十七年三月をめどに廃止ということで、最終的な欠損金がまだ確定をしていないという状況でございます。

 したがいまして、極力、資産売却等で国民負担の軽減を、できるだけ少なくしたいということで、今一生懸命努力しているところであります。

鮫島委員 多分、恐らく、この石油公団の最後の財務諸表を見ると、やっぱり七千億ぐらいがこれは国民負担というふうに、一番うまくいって五千億ぐらいじゃないですかね、なるんじゃないかというふうに思います。だけれども、これも、健全な貸出先、実は七千億ないし五千億を国民に押しつける破綻先なわけですね。

 宇宙開発事業団、幾らぐらいの資本金の食いつぶしがあるんでしょうか。

河村国務大臣 宇宙開発事業団、資本金に対しまして八五%の形の上で欠損金と出ていますが、ただ、これは財投の形をとってはおりませんので、欠損金という形で挙げております。

鮫島委員 いや、それは、宇宙開発事業団も核燃料サイクル開発機構も今の石油公団も政府系のいろいろなお金が入っているわけで、どの部分が郵貯とかはっきりもちろん決められないと思いますが、いわゆる郵貯や財投が対象とする十分信用できる機関というグループに属しているわけですよ。だから、その信用できる機関としては、今の宇宙開発事業団は、資本金が三兆一千億ぐらいあるんですが、欠損金が二兆五千億。要するに、ほとんど食いつぶしちゃったと。これはどこへ行ったんだといったら、宇宙のちりと消えましたという答えらしいんですが。

 核燃料サイクル開発機構も、多分、多額の欠損金を抱えていると思いますが、どのぐらいになっていますでしょうか。

河村国務大臣 欠損金といたしましては、二兆五千五百五億八千九百万円という形になります。

鮫島委員 これもやっぱりどこかへ消えちゃったわけですね。今の郵貯の貸出先は大丈夫ですかと言ったときに、今、三つ挙げた石油公団、宇宙開発事業団、核燃料サイクル開発機構、これだけで五兆五千億程度が消えちゃっている。これは大変な、巨額の破綻先になるわけですが、こういうことに対してもだれも責任をとらないし、しかもむとんちゃくというのが、大変、日本じゃないみたいな世界ですね。

 ある意味では、日本官僚共和国という国が日本と別にあって、その日本官僚共和国の国家予算が特別会計の二百八兆円、日本官僚共和国のエンジンが郵貯、簡保、年金の資金、これによって、官僚のビジネスがぐるぐる回っている。せっかく流動性が増した資金があっても、あらゆる手だてを使って全部政府系の方に集められてしまう。

 郵便貯金の一番悪いのは、もちろん額が大きくて、債権の扱い方、融資の仕方が無神経だということ以外に、全国津々浦々からお金を中央に一手に集めて、そしてお役人がいいように使ってしまう。そのことによって、本当は地方に還流すべきお金が全部真ん中に集まってきて、東京で好きなように役人が分けちゃう。これこそがもう一つの郵貯の問題点だと言われているわけです。ですから、その意味でも、小泉さんは、初めは多分そういうことを考えて三事業の民営化と言ったんでしょう。

 郵便局のことについてちょっとお伺いしますが、全国で二万五千近くあると思いますが、そのうち郵便の集配送をやっている郵便局というのは幾つぐらいあるんでしょうか、郵便局全体の数と直接集配をやっている局の比率は。

田端副大臣 直接の集配局は、約五千だったと思います。

鮫島委員 日本全体で二万四千七百五十二の郵便局があります。その中で無集配局というのが二万弱で、実際に郵便を集め配っているところは、今おっしゃった五千ぐらいなわけですね。

 そうすると、郵便事業、この間も自民党の中で郵政族、いろいろ御議論あったと思いますが、郵便事業だけはユニバーサルサービスを守らなくちゃいかぬという議論が随分あったと思います。それはいろいろな郵貯関係の、新聞記事にもたくさん出ています。郵便事業だけ国営できちっとやろうと思うと、今実際の郵便の集配送をやっているのは五千局ですから、それを逆に言えば守ってあげれば、郵便のユニバーサルサービスはできます。少なくとも、一般の郵便物に際してはそのはずなんですね。

 唯一、ちょっと問題として残るとしたら小包なんですが、恐らく、今や津々浦々どこにでもクロネコヤマトを初めとする宅急便がありますから、この宅急便の世界はもう自由化されていて、小包の世界に郵便局がこだわらなければ、郵便のユニバーサルサービスというのは今の五千局でできる。

 さらに、郵便局の中には、これは私、知らなかったんですが、片山総務大臣が、郵便局の中には農協に委託している簡易郵便局というのもあるというのを何かインタビューで答えていたので、幾つぐらいあるのかなと思ったんですが、数、わかりますでしょうか。郵便局で、農協、漁協あるいは生活協同組合の協同組合に委託している簡易郵便局の数。

田端副大臣 平成十四年度末で、農協に委託している簡易郵便局は六百六十七でございます。

鮫島委員 ですから、一般に知られている姿とどうも郵便局の姿も少し違っていて、二万四千強の郵便局が、普通に考えると、全部、郵便の集配送をやっているのかと思ったら、実際はそのうちの五分の一ぐらいです。そうすると、残りの七割五分ぐらいは、主に郵貯と簡保の仕事をやっている。これは、民営化のときの一番の抵抗は、とにかく郵便のユニバーサルサービス、これだけは譲れないということだったんですが、それはどうぞお守りくださいと言ったところで、五千の郵便局を残せば郵便のユニバーサルサービスはできることになる。

 それから、一方で、今、私がちょっとおもしろいなと思ったのは、簡易郵便局で農協に委託しているというのがありますが、農協の方に、農協も余りノウハウもないのに、金融事業やめたらどうかと言うと、いや、農協も実は一万九千の単位農協の窓口を持っております、全国津々浦々、山村僻地まで窓口を持っているのは農協だけでございますというのが、農業委員会の中で議論されているわけです。一方で、郵政省は郵政省で、二万四千、全国津々浦々、山間僻地で窓口を持っているのは郵便局だけでございますと言っているんだけれども、両方合わせるとほとんど重なっていて、山間僻地に行くと郵便局と農協が窓口二つ並んでいる。

 私は、これは、ある意味では、どっちにとって有利なのかというのは、多分、本当は、総務省が本気になれば、例えば農協がやっている金融の業務を受託してやる、つまり地域に根差したナローバンクとしての新たな郵貯の姿というのを考えたときは、この一万九千の農協の窓口と二万四千の郵貯の窓口というのは、総合的に考えれば新しい世界が見えてくるのではないかと思います。

 郵便のユニバーサルサービスは、集配をやっている五千をベースにしてネットワークを組み立てれば、それはそれでできるはずですから、郵便事業のユニバーサルサービスと郵貯、簡保の民営化、農協が行っている金融事業も一体化した、地域に根差したきめの細かいサービスという世界が描けるのではないかと思いますが、きょうは、総務大臣とぜひその辺は、そういう話を議論しておいていただきたいというふうに思います。

 僕は、きのう通告したのは、農協にもっと委託できるのかということを言いましたが、これはどっちでもいいんです。総務省の、郵便局が逆に農協の受託をしてもいいんですが、その辺、お考えあったら。

田端副大臣 鮫島先生のおっしゃる意味はよくわかるのでございますが、簡易郵便局の場合は、委託する場合には、これは郵政窓口事務の委託に関する法律という法律がございまして、そして、窓口事務の委託としては、地方公共団体、農協、漁協、地域生協、個人、こういった委託先があるわけでありまして、現在、それぞれトータルしますと、四千五百簡易郵便局がそういう形で委託されている。そのうちの六百六十七が農協に委託しているわけで、漁協の場合は五十一、こうなっておりますが、いずれにしても、これらの地域は非常に需要が少ない地域ということで、過疎地域ということになろうかと思います。

 では、簡易郵便局、これを選定するか否か、あるいは農協の方が受託するか否か、これはそれぞれのやはり経営判断というのが基本にあるわけでありまして、どちらがいいかということはそれぞれの地域で考えられるということになります。

 ただ、問題は、この農協受託の簡易郵便局の場合、農協には、例えばJA預金があります、それからJA共済もあります。という意味で、競合しているところがあります。したがって、さっき申し上げた六百六十七局の簡易郵便局のうち、例えば、預金業務を受託しないところが五百十三、七六・九%であります。それから、簡易保険業務を受託しない簡易局が六百四十六局、もう九六・九%ですから、そういった難しさがあろうかと思います。

鮫島委員 余りおもしろい答弁じゃない。そういう細かい話はいいんです、もうちょっと、フレームの話をしたので。一万九千の農協が津々浦々に窓口を持っています。それで金融事業をやっている。郵便局も二万四千あって、金融事業をやっている。日本国としては、もうちょっとこの辺は考えようがあるんじゃないかということです。

 道路公団のことについてちょっとお伺いしますが、私は、いろいろ、大分問題があるなという気がしますね、民営化のプランについて。

 その前に、まず、平成十六年度の資金調達の話に関してです。平成十六年度の予定で、この前もちょっと石原大臣にお伺いしましたが、これまで、財政融資で二兆円程度調達して、それから、先ほど言った政府保証つきの道路債券、これで一兆円程度という構造になっていたと思いますが、十六年度は、財政融資の方で一兆円で、政府保証の方で二兆円という計画になっています。この辺、去年と大きく調達の方式が変わった考え方というのは何なんでしょうか。

佐藤政府参考人 先生、恐れ入ります。最初、数字の方を少し読ませていただきます。

 ただいまのお話で、道路関係の四公団合計でございますが、平成十六年度財政投融資の中の政府保証債が二兆円、政府引受債が一兆円でございます。

 これは、十五年度はそれぞれ九千九百億円と二兆二千億円、こういうことでございますので、約一兆円ほど引受債の方を減らして保証債にかえた、こういうことでございます。

鮫島委員 いや、だから、切りかえたのはどういうお考えで切りかえたんですか。

石原国務大臣 今ちょっと数字が、鮫島委員のとこちらの数字がちょっと違ったもので数字のお話をさせていただいたんです。

 これは、十七年度に民営化をするということで、詳しくは財務省、財務大臣からもお聞き願いたいと思うんですが、財務省と調整をさせていただきまして、財投にかかわる資金調達というものはやはり市場をかませた方がいいだろう、そういうことで政府保証債ということにいたしまして、今局長から答弁させましたけれども、十五年度は、約三分の一をマーケットから調達して、三分の二を財政融資の方から、いわゆる政府の引受債という形でやってきた。それを、委員御指摘のとおり、十六年度は、三分の一と三分の二がひっくり返って、市場から多く調達するようにしたというのが基本的な考え方でございます。

鮫島委員 問題は政府保証というところなんですよ。それで、確かに、今までは何の債券を売る努力もしないでいたのに比べれば、政府保証がついているとはいえ、一応自分で売ってみるというのは少しはいいかもしれない。しかし、これはあくまでも、ちょっと練習としての数年間こういうのがあればいいんですが、こんなことがもしずうっと許されるとしたら、政府保証のついた債券というのは準国債ですから、これはほとんどまた同じことになってしまう。

 そういう目で道路関係四公団民営化関係法案の骨子というのを見ると、機構と新会社ができます、新会社が新たな道路をつくるときは、よく費用対効果も考えなさい、需要予測もちゃんとしなさい、しかし、それでも道路をつくる場合は、お金を借りて道路をつくる、道路ができた暁には、でき上がった道路の資産と債務を全部機構に渡すというふうになっているんですが、この新会社が資金を調達するときに発行する債券、これにも政府保証をつけるんでしょうか。

石原国務大臣 まず、結論から申しますと、これは、前回の議論の中でも鮫島委員と御議論をさせていただきまして、現在もその是非について検討しているわけでございます。

 委員の御指摘のとおり、委員は、マーケットを一回通る分ぐらいはいいけれども、それじゃ市場化とは言えないんじゃないかというような御批判があることも十分承知しております。

 その一方で、新会社が格付を取得するときにどの程度の格付が取得できるのかといったような問題もありますし、前回の御議論で議論をさせていただきましたスプレッドの問題、さらには債券発行に関する手数料の問題、こういうもののメリット・デメリット、あるいは、これはスプレッドの話と裏腹でございますけれども、政府保証をつけると、多額の資金を低コストで調達が可能になるということはもうだれでもわかっている。それによりまして、これは借りかえでいくわけでございますので国民負担を減らすというメリットがある。しかし、委員の御指摘というようなことも、この間の議論、また私どもの議論の中でも十分承知していると御理解いただきたいと思います。

鮫島委員 政府の方で出している道路四公団民営化の基本的枠組みについてという話とか、今の法案の説明なんかにはっきり書いてあるんですが、会社は自己調達資金で高速道路等を建設、建設完了時に道路を債務とともに機構に移管、それで、機構の債務に対する政府保証ができる旨規定します、民営化から四十五年で全部返せて解散という予定になっていますが、同時に、民営化後おおむね十年後に民営化の状況等を勘案して必要な見直しと。

 これは、もう最初からどんどん新たに道路をつくって、建設完了時に道路と債務を機構に渡す、機構の抱えた債務については政府保証をつける、一応四十五年だけれども、やってみておくれそうだったら、十年後に見直してまた考えればいいじゃないかと。これを聞いて、恐らく、松田さんやなんかは烈火のごとく怒って委員をおやめになって、文芸春秋に怒りのコメントを書いたんだろうと思います。

 私は、これはかなり危ないと思いますが、政府保証をつけちゃう、ここが多分一番のポイントですね。だから、民営化まではいいですが、例えば民営化後、百歩譲っても、三年間ぐらいはひとり立ちするまでの間の経過措置として政府保証がついてもいいけれども、だって、政府保証って、これはだれが保証するか、別に閣僚が保証するわけじゃなくて、結局、国民の税金なわけでしょう。

 僕は、前、麻生大臣もおもしろいことを言ったなと思うんですが、郵便貯金の貯金者から、私のお金は一体どういうふうに使われているでしょうかと言って、貯金者を安心させる言い方はありますかと。きょうは麻生大臣はいませんが、そうしたら、麻生大臣は、いや、御心配なく、あなたからお預かりしたお金は国債とかそれに準ずるような政府関係の資金、債券で扱われているから大丈夫ですと。でも、その債券が万一のことがあったらどうするんですかと言ったら、御心配なく、あなたの税金で補てんしますからと。そうすると、おれの一千万を返してもらおうと思ったら、どうも八百万しかない、あと二百万どうするかと言ったら、あなた、払いなさいと言われているような話です。

 これは、だから、政府保証といえば、何か第三者が保証するような印象を受けますが、これはまさにユーザーである国民でありということですから、この政府保証をずっと四十五年も機構につけちゃうということをしたら、もう火を見るよりも明らかです。これは、もし石原大臣がこんな方針を決めたら、私は、不名誉な意味で歴史に残る大臣になるんじゃないかと思います。

 これはまだ、実際に法案提出されてからの議論だと思いますが、一応、今言ったような政府保証についての考え方、これからお決めになるのかもしれませんが、四十五年つけるというのはいかがなものかというのは、どうでしょうか。

石原国務大臣 今の御議論を聞かせていただいておりまして、示唆に大変富んでおるなというふうに思った点が一点と、ちょっと誤解をされている点もあるのではないかなという点が一点ございます。

 すなわち、民間会社が市場から建設資金を調達することによって、そして、その調達した資金の枠内で仕掛かり中の高速道路の建設を行うことになるわけでございますから、仮にそれ以上の建設費用がかかった場合は、リース料の返済という形で会社が責任を負う、新たな機構からの負担というものはないわけであります。そういう歯どめがかかっているということをぜひ御理解いただきたい。

 そして、私が委員の御議論の中で大変示唆に富んでいると感じました点は、民間会社が発行する債券に対して政府保証を永久につけていくことはいかがなものかという委員の御指摘には、うん、なるほどな、そういう考え方もあると、十分に示唆に富んだ意見だと思いましたが、その一方で、先ほど借りかえの話をさせていただきましたけれども、大体、これは予断を与えますのではっきりしたことは申しませんが、新会社が出す債券というのは、長くて十年、五年とか十年とかそんなものが中心になってくるのではないかと推測をするわけであります。

 その一方で、機構が引き取る債務と、今委員が御指摘になりました新たな建設にかかる費用、これを機構は四十五年間で必ず返す、これ以上、高速国道に関する債務が民営化時よりも多くならないという歯どめもかけておりますし、ここは借換債でいくわけでございますので、ここの議論は、新会社に対する債務保証の議論と機構が借換債を出すときの政府保証の話というものは、私は別物だと思っております。

鮫島委員 いや、それは私もよくわかっていますよ。機構が初期に抱える巨大な債務、これはもちろん、四十五年間の長期、低利の債券があれば、私は、本当は道路公団処理特別債券とか何か出した方がいいのかもしれませんが、それがない以上、借りかえで一応それは持っていくしかない。

 そうじゃなくて、新たに新会社が道路を建設して、そこで債務が発生する、この道路と債務を機構がまた引き受ける、これを引き受けているうちにどんどん、減るはずが膨らんでくるんじゃないか、それを返さなくちゃいかぬというので、またリース料が上がったり、おかしなことにならぬかと。それは、政府保証をつけちゃうとそこのところが歯どめがかからなくなるという心配で、まあ、またこれは御議論する機会があると思います。

 いろいろな、日本の政府のお金の使い方その他のことはあるんですが、首藤さんがきのうも聞きましたが、どうもイラクに一体幾ら日本はお金を使うのかよくわからない。

 マスコミ的には随分大きな金額も飛び交っていますし、よくわからないんですが、一番わかるのは、自衛隊の直接経費は大変明確にわかります。平成十五年度の予備費で二百六十八億五千九百四十三万使いました、十六年度の予算で百三十億五千万強要求しています、これはよくわかるんですが、外務省関係のことが全くわからない。一体幾らイラクにつぎ込もうとしているのかがはっきりしません。

 国民的に明らかになっているのは、平成十五年十月、イラク復興支援国会議で日本の政府が五十億ドル出しますと、このことだけは何か妙に強くアナウンスされているんですが、そのことと、きのうまで外務大臣が言っている、十五億ドルの約束分の十・八億ドルを執行したから、残りの四・二億ドルは何か十六年度予算とか、それから平和の構築、定着の推進、日本発の外交のために二百六十五億円とか、ODAの総予算は五千億ですとか、いろいろ言っているんですが、結局、外務省が所管するイラク支援の総経費というのはどのぐらいになるんでしょうか、何種類でどのぐらいのお金を考えているんでしょうか。

川口国務大臣 委員が一番最初におっしゃったように、最大限五十億ドルということを言っているわけです。五十億ドルが最大限ということです。

 それがいつ払われるかといいますと、まず、二〇〇四年に十五億ドル、これは無償資金協力ということですね。それで、残りの三十五億ドル、これにつきましては、二〇〇五年から二〇〇七年までの中期的な復興需要に対する支援ということです。十五億足す三十五億で、最大限五十億ドルということであります。

 それで、金額の方で、では十五億ドル、これは当面の支援、二〇〇四年にということでありまして、それがさらに予算との関係でどういうふうに分かれるかということで申しますと、これに関係するのは、まず平成十五年度の通常予算と、それから補正予算、そして平成十六年度の通常予算、三つに分かれます……(鮫島委員「きのうまでの議事録は読んでいますから、きのうまで言ったことは言わなくていいです」と呼ぶ)きのうまで申し上げたことで全部でございます。

鮫島委員 もうきのうの議事録ができて全部読んでいますから、それはわかります。ですから、十五億ドルのうちの十・八億ドルを予備費で使いました、残りの四・二億ドルを十五年度の補正と十六年度の予算で手当てしますということだと思います。二〇〇四年中に十五億ドル、二〇〇五年から二〇〇七年の間にあと三十五億ドル、トータル五十億ドルの支援を行いますということは知られているんです。

 ニュースで、これは、小泉総理、お見えになったのでお伺いしたいんですが、債権放棄してくれという話ですね。十二月三十日、去年の暮れにベーカー特使が来て、日本がイラクに持っている債権、円借款四十一億ドルと、それから遅延損害金というのが二十九億ドルあって、合わせて七十億ドル、これをなるべく放棄してくれと。小泉総理は、かなりの額を用意するというふうに言ったと伝えられていますが、今、この七十億ドルの債権放棄についてはどんなふうにお考えなんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 昨年、ベーカー元国務長官、財務長官、ブッシュ大統領の特使として日本を訪問された際に会談いたしました。そのときにイラクの債権問題が話題になりまして、イラク復興は必要だ、その際に、債権、イラクの債務の削減について、他の国はいろいろな考えがあるだろう、そういう中で、日本としても、パリ・クラブ等の会合、協議を経、よく検討し、債務の削減に関してできるだけの協力をする用意がある、額については、今後、パリ・クラブでの検討をよく見ながら考えようという話をいたしました。

鮫島委員 では、外務省にお伺いしますが、イラクは債権国でしょうか。要するに、対外債権と対外債務のどちらが多い国ですか、戦争前までの段階で。

川口国務大臣 これは、二〇〇三年の七月にパリ・クラブの会合がございました。それで、パリ・クラブの会合の後に、事務局が対外公表をしています。

 それによりますと、パリ・クラブの債権者に対するイラクの債務残高の合計は、約二百十億ドルということでございます。これは、イラクの政府が持っている債務ということであります。他方で、債権をどれぐらい持っているかということについては、はっきりした数字はなくて、わかりませんけれども、ほとんどない可能性がある。したがって、はっきり断定はできませんが、債務国であるということを申し上げてまず間違いがないだろうと思います。

 それから、御参考までにもう一つの数字を申しますと、国際決済銀行、BISというところが出している数字があります。

 これによりますと、各国の銀行、BISというところは先進国の加盟国三十六カ国あります。この先進国の加盟国三十六カ国の中で国際決済を行っている銀行というのがあるわけですね、例えばみずほ銀行とか。そういう銀行がイラクに対して持っている債権、これは十三億九千万ドル。それで、他方で、それらの銀行がイラクに対して持っている債務、これは十二億六千七百万ドルということでございます。

 この数字は、日本のあるいはアメリカの民間銀行がイラク政府に対して持っている債権債務を比べたというものでありますけれども、若干債権の方が多い。したがって、イラクは債務国だということです。ただ、これは政府が持っている数字ということではなくて、それはさっきの二百十億ドルという債務の金額であります。

鮫島委員 イラクの実態、債権債務はどうなっているか、いろいろな数字があるようです。

 国際協力銀行のデータによると、債権の方が多くて、イラクは立派な債権国というふうな数字もありますので、これは実態を、イラクの最終的な場面での債権債務がどうなっていて、しかも、今、イラクの持っていた債権がちゃんと保全されているのかどうかということもぜひお調べいただきたいというふうに思います。

 私は、イラク戦争は反対ですし、ブッシュ・ドクトリンは、全く、二十一世紀初頭の最も危険な思想だと思いますが、ああいう悲惨な状況になっちゃった以上、国際社会が復興に支援するのはそれは結構なことだし、日本もできるだけのことをすべきだと私は思いますが、アメリカのイニシアチブですべきではないと思います。なるべく日本のイニシアチブで、戦争とは不連続の形で、日本は日本で一刻も早く安定した平和な社会をつくってほしいというつもりで支援するなら、私も大いに応援いたします。

 総理にちょっと、せっかくお見えになったのでお伺いいたしますが、冒頭で私は、小泉総理がいかに先見の明があるかということを、一九九六年の談話を引用して皆さんに御紹介いたしました。

 それで、もう一度言いますと、これは九六年の六月三十日。「行財政改革というのは、財政投融資という大元に手をつけ、短期決戦で決着をつけなければ、既得権を守りたい勢力の妨害に遭って必ず失敗してしまう。そうなれば日本は大借金国家への道を歩み、インフレか大増税かのどちらかを選択するしかなくなる。」というのが、これが九六年の六月三十日。

 一番最近、二〇〇二年一月三十日の予算委員会で、自民党の谷川秀善さんの御質問に答えて、「この特殊法人改革は特殊法人だけの廃止、民営化等で済む問題じゃないんです。財政投融資制度、郵便貯金、簡保資金の使われ方、いわゆる今までやってきた日本の財政と金融、この大きな官業分野の資金の流れを全部変える改革です」、こう言っているんです。

 きょう、私は全部、政府の扱っている資金の流れを図にしておきましたが、これを全部変えますというのがこの小泉さんの宣言で、特に郵貯、簡保から財投債を経由して財政融資資金に流れている国営メガバンクのこの仕組みのところは、これはいじらなきゃだめだぞというのが一貫した十年来の小泉さんの主張ですが、これは、こここそが最大の問題のお金の流れの世界だという御認識は、今でも変わらないんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 御指摘のとおり、私の郵政民営化論というのは、郵便局を民間の人の経営にゆだねるというだけじゃないんです。

 郵便貯金の資金が財政投融資という形でそれぞれの特殊法人に使われている、いわゆるこの官業の資金の流れをどのように新しい時代に合った形にしていくか。そして、本来、民間の活力を発揮させなきゃならない、そういう経済活性化を考えると、役所でやらなくてもいいことを役所でやり過ぎているんじゃないか。民間の創意工夫を発揮させるということが日本経済全体の発展につながるということを考えると、単なる特殊法人だけいじってもこれは大きな改革になり得ない。もとからやる必要がある。そのもとが郵政民営化である。その郵政民営化の改革にようやく多くの国民も関心を持ってきて、政治の課題になってまいりました。

 当然、財政投融資という郵便貯金の資金の流れも変えざるを得ない。これは極めて膨大な、全役所に関係してくるものですから抵抗は強いのは承知をしております。しかし、それをやらなきゃならないという認識はかなり前から持ってきたわけでありまして、この認識において、今でも変わっておりません。

鮫島委員 わかりました。小泉さんのお考えが変わらないことはわかりましたので、ぜひ抵抗勢力に負けず初心を貫いてほしいと思いますが、今言った幾つかの悪い点がある。

 先ほども言いましたけれども、日本全国津々浦々でお金を集めて、それを全部東京に持ってきて中央でその使い方を決めてしまうという問題点と、しかも、その使い方を役人が決めるものですから民の方にそれが流れていかない、それから、決める内容が実は非常に古臭い。

 しかも、日本で今大型で行われている公共事業というのは、はっきり言えば開発途上国で行うような事業、ほとんどが東京オリンピックの前。例えば、土地改良法というのは昭和二十四年、漁港整備法が昭和二十五年、道路整備緊急措置法が昭和二十九年、治山治水緊急措置法が昭和三十五年、こういうふうに、東京オリンピックは昭和三十九年ですから、ほとんどその前あるいはその前後に発議された、考えられた公共事業がいまだに形を変えずに走っている。

 日本は永久に開発途上国か。もっと先進国型の、新しい今のニーズに対応するような事業というのがもう一つ出てこないと、小泉さんが変えたいと思っている、全体のこのゆがんだお金の流れの世界が変わらないのじゃないか。

 そういう意味では、先進国型の、これから必要になるような公共事業というのをどんなふうにお考えでしょうか。これは、次に環境大臣の小池さんにもお伺いします。

小泉内閣総理大臣 敗戦後、日本は財政的にも窮乏しておりました。生活基盤の整備あるいは産業基盤整備、どうしても財政的に足りない。この資金を活用するのに郵便貯金というところに目をつけたという点は、当時の状況から考えますと、私は、ある面においては必要なことだったとも言えると思います。

 しかし、これがどんどん膨大になっていきますと、融資までしますと、目に見えない借金がどんどん膨らんできます。これは結局、郵便貯金している人に負担させるわけにいきませんから、これは国で必要だった、地域で必要だったということで税金で負担しなきゃならない。

 これは目に見えにくいものですから、みんないい設備をつくってくれれば反対いたしません。しかし、その負担がどうかというところが見えにくかった。これがどんどん特殊法人を肥大化させ、民間よりも有利な投資をしてくれる、低利で資金を融通してくれる、これは後の負担を考えなければどの地域でもこういう事業をしてくれるのなら歓迎する。政党も政治家もそうです。

 しかし、これが行き過ぎますと、負担の問題、ようやくこれが目に見えてわかってきた。今、やはり、早過ぎることはない、遅過ぎることはあっても早過ぎることはない、早く手をつけた方が負担は少なくて済む。そして、今は当時と、敗戦後と違って民間企業にも力が出てきました。ノウハウもあります。国がやらなくても民間でできることがある。そういう時期にやはり早くやった方がいいと思っております。

鮫島委員 ちょっと私、そういう問題もあるけれども、乗数効果の高い公共事業、先進国型の、二十一世紀型の公共事業というもののネタが足りないんじゃないか、何か小泉さんお考えですかという意味で言ったんですが、多分、今ヨーロッパなんかを見ていますと、そういう二十一世紀型、先進国型の公共事業、公共投資で、大きいのがみんな環境絡みですね。

 例えば、昔は、河川改修にしても、川ではなくて放水路のようなものをつくってしまった。水の流れしか意識していなくて、川とともに生きる生き物のことなんか視野に入っていなかった。そういうことも反省して、もう一回多自然型に直そうとかそんなこともありますし、それから、日本はエネルギーの構造が大変おくれている。欧米でいえば、特に気体エネルギーの利用の比率が非常に日本は低くて、一次エネルギーの一一%ぐらいですが、欧米の半分。せっかくこれから燃料電池とか燃料電池自動車の時代に入っていくときに、気体エネルギーのインフラも整備されていない。

 そういう意味で、環境案件が私はこれから二十一世紀型の投資として大事になってくると思いますが、小池環境大臣、最後に夢のある答弁をお願いします。

小池国務大臣 二十一世紀は環境の世紀と言われております。公共事業のあり方というのもまた新しい世紀に沿った形で、今御指摘ありましたように、特に天然ガスなどは地球温暖化問題に対しては対策の一つとして考えられております。

 天然ガスがよく使われております先進国は、ほとんど天然ガスのパイプラインというのを既に持っているわけでございますから、その意味でも、これから二十一世紀型環境立国としてのさまざまな事業ということが考えられる、また、それは夢につながるのではないか。これでよろしゅうございますでしょうか。

鮫島委員 では、続きは環境委員会の方でやりたいと思います。どうもありがとうございました。

笹川委員長 これにて鮫島君の質疑は終了いたしました。

 次に、河村たかし君。

河村(た)委員 総理にお越しいただいております。河村たかしでございます。

 参議院選挙を三年前にやりましたけれども、あのときに郵政省御出身の方が郵政省ぐるみの大きい選挙違反をやりまして、大変なことになりましたわな、これ。それが実は、建設省といいますか、今は国土交通省ですか、ここでも現にこういうことが行われておるというのか、三年前に行われたというのか、衆議院選挙でもしょっちゅうそういうような構図があるのではないかということについて、まあ選挙法は選挙法でそうですけれども、そこにOBが一つ、今まで政官財の癒着とよう言いましたけれども、もう一つ入れなあかんですね、最近は。政官財OBと、これを含んだ大癒着構造がある。

 これはぜひ、後でちょっと総理にも聞きますけれども、地元の方が、まあ総理はお忙しい、特に外交でもう大変お忙しいことはわかっておるけれども、本当に民間の末端の土建業者が苦しんでいるんだ、だから一遍ちょっと何とか時間をつくって地元を回ってもらえぬだろうか、そこにOBが来るから、そういうのを全部外して、本当に一遍土建業者の生の声を聞いてもらえぬだろうか、こう言っておりましたので、そのことは一番最後がええと思いますけれども、一応そういう前提でお答えをいただければと思います。

 官から民へということが総理のスローガンですし、これは今、官が民へなってまったんですわ。官から民へじゃなしに、官が民へなってまったということ。土建業界というのはそんな悲惨な状況にあるということをぜひ、そうしょっちゅう総理としゃべれぬものだから、この委員会のところで訴えていかなあかん、国民の声を総理にお伝えしたい、こういうことです。

 まず、石原大臣殿、いわゆる当局を使って後援会の、いわゆる選挙に関する後援会の人集めなんかをしてもええですかね。

安富政府参考人 今先生の方から具体的に、いわゆる地方整備局等の現職職員を使って後援会づくり、特定の議員の後援会づくりの人集めをしているという事実があるかということでございますが、我々、当然のことでございますが、公務員法あるいは公職選挙法に基づいて、政治活動は禁止されております。したがいまして、御指摘のような違法な行為ということは決してございません。

河村(た)委員 決してないと言われましたが、総理も、信じとれば世話ねえことだ、また同じようなことを役人が言っておるわ、こういうふうに思ってみえると思いますが、これは真っ赤なうそだということを示しますよ。

 それから、ちょっと石原大臣、このことを調べてくれと言いましたでしょう。あのときにないと言われたけれども、やはり同じ答弁ですか。

石原国務大臣 具体的な事例を示していただけたら調べやすいということでお話を前回させていただきましたが、十一の地方整備局の、委員が御指摘の総務の企画官ですね、これに、近々の選挙、念頭は昨年の衆議院選挙、そして、三年弱前の参議院選挙において、現職の職員がOBの選挙に選挙活動した事実があるか、もちろん、人がかわっていますので、前の企画官にも聞いて再調査するようにということで再調査させまして、きょう午前の段階で、二つの選挙に当たって現職の職員がそういうことをしたという事例はないという報告を受けております。

河村(た)委員 一応、これは総務省ですか、選挙の関係、来ておられますので、端的にちょっと、公務員の地位利用が禁止されておるのを簡単に言ってください。

高部政府参考人 公職選挙法第百三十六条の二の規定によりまして、一項におきましては、公務員等は、「その地位を利用して選挙運動をすることができない。」とされているところでございます。

河村(た)委員 後援会活動もだめですね。

高部政府参考人 それから、同じ規定の二項におきまして、同じように地位利用をした、後援団体の構成員になることを勧誘したりすること等のいわゆる選挙運動の準備行為が禁止されているところでございます。

河村(た)委員 後援団体、後援会に勧誘することも、これはだめなんです。

 ところで、まあ悪いけれども、建設省、うそじゃないですか、これは、本当に。これね、総理。

 私、これは、申しわけない、ちょっとお手元にあるのを読みます、皆さんに。これは「○○」になっていますけれども、これはどうしても、私も関係の方に頼んだんだけれども、やはりどうしても出してくれるなと。これはやはり企業の生き死にがかかっておるからということで。指名を外されるそうですよ、これは。だから、現物はありますよ、ここに。もしどうしてもというなら、これはここに持っているんですけれども、持っていますけれども、やはりこれはだめです。民間の業者が、国を支えておる納税者がこんなことで傷ついちゃ、これはだめですよ、やはり。だから、こういう格好で了解を取りましたから。

 ちょっと読みますけれども、「各位殿」とありまして、これは、「各位」というのはOBです。これを出しておるのは、建築弘済会というのがあるんですね、これは。建築弘済会というのがある。ここがこういうものを出しているということで、これもみんなOBです。

 それで、「各位殿」と。「○○」、それはその弘済会の支部です。「○○講演会について」と。「前略 標記の件につき、この度○○○地方整備局、○○○県の各ご担当からご講演をお引き受けいただきましたので、各位のご出席をお願い申し上げます。講演会終了後には、講師の方を囲む懇親会を予定しています。」と。「記」、「日時」、何年何月、何分から何分。「場所」、何々ホテル、何階、何とかの間、場所は何々市、それから、「電話」、何番と。

 それで、「講師」として、ここが重要なんですよ、「地方整備局企画部長」何々氏と。

 「企画部長」というのは、後で質問になりますけれども、この間、石原大臣が言ったように、企画調整官というのが、これも建設省、大うそで、この後質問しますけれども、要するに、事務所長、ノンキャリですね、これは。ノンキャリの皆さんの天下りというか再就職を完全に取り仕切っておるのがこの企画部長の下におるわけです。だから、かつて自分の後輩になるけれども、自分の天下り、再就職を世話してくれた人がここに来るわけです。

 あと、何々県土木部土木部長何々氏と、これは発注権者です。いわゆる県の公共事業をやる人です、これ。

 それで、「懇親会」、講演終了後、○○から○○の間で会費幾らと。「懇親会には、」ここ、よく読んでちょうだいよ、「当局の方もご出席の予定です。」と。こういうのが現状なんでね、これ。(発言する者あり)いや、これはだから、こういうことで、OBの方を集められて、そこに現職が来てお話をされて、それで懇親会が終わりますとここで当局も一緒になっていろいろやられるということでございますけれども、ここで、OBがおるところ、ここで現職の方が来て、そこで企画部長なんかが選挙に触れたことがあるということは御承知ないですか。

石原国務大臣 私が選挙をやっている人間としてこれを読ませていただいて、OBの方が現職の方と講演会をして、ここにだれか政治家が来て、この人を頼みますというようなことがあれば、これは明らかに問題になりますが、何をしてということがありませんし、先ほどお答えしましたように、委員から具体的な情報をいただいておりませんので、十一の地方整備局に対して、二つの近々の選挙までさかのぼって、委員が前回御指摘されたようなこと、そのような疑いを持たれるようなことがないのかという調査をさせていただきまして、これで不十分でございましたら、官房長の方が調査をしておりますので、官房長から答弁をさせていただきたいと思います。

河村(た)委員 いや、そんなところに現職が来ておったら終わりじゃないですか、即。即終わりですよ、それ、もしこれで頼むと言ったら。だけれども、現職はおらぬようです。全部とは言いません、私も、全部、日本じゅう調べたわけじゃないですから。

 だけれども、この方が非常に御尽力されてこの地域はこうなっておりますとか、それからパンフレットを配ったと、パンフレットを、後援会入会の。そういうことは、官房長、どうですか、あったんじゃないですか。

安富政府参考人 先ほどからいろいろ御質問がございますが、少なくとも、現職の職員で、あるいは企画部長、あるいはいろいろな肩書があるかと思いますが、先ほど言いましたように、公職選挙法あるいは国家公務員法で選挙活動は禁止されております。先ほど大臣からもお話がありましたように、私ども、そういうことをやっていないかということをきつく調査しましたが、現実問題としてそういうことはやっていないという調査内容でございます。

 したがって、仮に今のパンフレットの話、OBの話のことをおっしゃっているとしますと、我々としては、OBはもう民間人の立場でございますので、その問題については承知しておりません。

河村(た)委員 要は実態なんですよね、要は実態。要するに、そこの場所にかつて自分の再就職に骨折ってくれた人がおるわけですよ。これ、おって、それからもう一つ、土木の人もおるし、二次会というのが、ここがいわゆる後援会づくりの場になるというふうに聞いております。そこでパンフレットを配って、当局もいる。それは民間業者からすれば、河村さん、そんなもの断れるわけにゃあと。まずそんなもの、そんな場に出てきてくれと言われて断れるわけにゃあだにゃあかと、これ。それで、その場で、また現職までおるところで、そんなもの、これを見てくださいよ。「懇親会には、当局の方もご出席の予定です。」よ、これ。

 だから、当然、官房長、こんな文書で選挙違反にわたるようなのが出るはずがにゃあんです、これは。そんなもの、そのままお縄になってしまいますから。だから、問題はこの実態だ、実態、これ。

 これ、どうでしょうか、総理。こういうことで、要するに……(発言する者あり)いやいや、とにかく、やはりこういう実態が、僕はこれ、こう聞くわ、こういうのがジス・イズ・自民党になっちゃいかぬでしょう。だから、小泉改革の、道路改革の一番ずっと果てが、これは民営化が、民営化といったって、僕はしょっちゅうやじで言っていますけれども、民営化というのは実は競争化のことなので、サービスを競い合わなければ、ただ株式会社にしたって余り意味がないんです、これは。だから、高速道路なら高速道路の料金が下がっていく、サービスがよくなっていく、そういうことが民営化のええところなんですよ。そうやってやったとしても、一番ベースの末端の道路の発注のところが全部こんなふうになっておったら、せっかく総理がねらう社会の姿も実現できぬですよ。

 もう一回聞いてもいいですけれども、ぜひ一遍地域を回られて、お忙しいことはわかっています、当然。特に今はお忙しい。外交問題で特にお忙しいと思うけれども、一遍回って、役人を外して。どこの県でもええらしいですよ、どこの県へ行っていただいてもほとんど同じだと聞いております。特に、もし行かれるのなら、初め九州に行かれて、ここでそういう本当の生の声を、当局のいないところで、絶対不利は与えないから、あなたたちの本当の気持ちを聞かせてくれということをぜひやってもらえぬでしょうか。――いや、これはちょっと、総理でないといかぬのです、総理に。

小泉内閣総理大臣 私も過去十二回選挙をやっているんですよ。一回落選したけれども、十一回、おかげさまで連続当選しておりますが、選挙の実態は河村さんよりわかっているんじゃないですかね。今でこそ、総理になってからこそ、選挙になっても地元には帰りませんが、おかげさまで私の支援者が、候補者がいなくても、私がいなくても応援してくれております。

 これ、今見ました、案内状。この案内状は何でもないんです、この案内状だけに関する限り。そうでしょう。(河村(た)委員「何でもないことはないです」と呼ぶ)いやいや、この案内状を見れば、何でもない、これ見れば。ここはやはりはっきりしておかなきゃならない。

 しかし、ここに現役の公務員が来て、候補者が来て、この人を応援してくださいよと言ったら、これは問題があるということなんで、この文書だけ見せられて、どうだこうだと言われても、ちょっと、私の立場から、これは選挙違反ですとか公務員の政治活動違反ですということは、この文書を見る限り、これだけで判断はできないということも御理解いただきたい。

河村(た)委員 では、ちょっと違う筋から。

 回っていただきたいというのは、総理、選挙違反のこともありますけれども、後、今からこれは入りますけれども、この間聞きましたいわゆる再就職の件。

 そういうようなことで、大体、どうも公共事業、国の、国交省の仕事を一億から二億受けると一人、こういうふうに決まっておるらしいですわ。それで、反対に、どれだけ営業努力をしても、一人だと一、二億でとまりますから、これが。最近は、これは余りふやすといかぬということで、二階建て、三階建てということで、同じ会社に二人、三人、こういう現状はあるということなんです。

 非常にやはりみんな苦しんでいる。国交省の人間が、働きゃせぬわ、これがまた。偉そうに座っておるだけで、十年間。年金と退職金もらって、なおかつ大体年九百二、三十万だと言っていました。費用とすると千五百万ぐらいかかる。こういう人たちが居座って、それで一週間に一遍ちょろっと来るだけ。それで、ちょっとほかの民間でも営業してくださいと言ったら、冗談じゃない、言える雰囲気じゃないと。こういうことなんです。そういう現状を見てほしい、どちらかといえば。こちらは後で答えてもらいたいと思います。もう一回、最後に聞きます。

 ちょっと石原大臣、こういうことについて、あなた、この間、調べたけれどもないと言われたけれども、どうなんですか、これ。それ以後も調べているでしょう。

石原国務大臣 委員の御指摘は、おまえが出張っていって調査しろということでございましたが、残念ながら、地方を訪ねる機会はあの質問の後ございませんので、改めて地方整備局に問い合わせて、そういう事実、あるいはそういうふうに疑われても仕方ないようなことも含めてないのか、そこまで広げまして調査をさせました。

 詳細についてはまた官房長から聞いていただきたいんですけれども、近々の選挙において、今総理が御答弁いたしましたように、これに類似するようなものを聞いたということも、現役の調整企画官でございますか、は承知していないということを承りました。

 また、二月の二十八日からは、地域再生のタウンミーティングをスタートいたします。そんな中で、地域再生の一つに、核になるのは、今委員が二回にわたりまして取り上げられていらっしゃいます地方の建設会社の再生、再編、こういうものであると認識しておりますので、そういう機会をとらえまして、委員が御指摘のような実態が本当にあるのかないのかを含めて、私も地方に伺わせていただいて十分調査をさせていただきたいと考えております。

河村(た)委員 そうすると、官房長に聞いたわけね、大臣。

 官房長でいいわ。官房長、あなた、聞かれたわけですね、大臣に。だれに調べました。どうやって調べたの、あなた。

安富政府参考人 大臣の方から政治活動についての現職職員の活動について調べろという話がございましたので、各地方整備局の企画調整官を通じまして、そういうことを聞いたことがあるか、うわさ話でもそういうことを聞いたことがあるかということで調べましたところ、先ほどもちょっと大臣から言いましたけれども、きょう少なくとも午前中かけて調べてこい、調べろ、電話で話せということですので、そういう政治活動について現職がしているということについてはございませんという報告を大臣にしたところでございます。

河村(た)委員 政治活動じゃなくて、今の再就職のあっせん。

安富政府参考人 再就職の件につきましては、これは先般も御答弁申し上げましたように、我々として、OBが再就職している事実はございます、建設業、土木業に。

 ただ、それにつきましては、いわゆるあっせんとか強制的に押し込めるとか、そういうことをやっているという事実はございません。あくまで営利企業の方から、人材として知識、技術を有する職員を欲しいというお話がございまして、それについて、我々としてはその営利企業に、こういう方がいらっしゃいますということで御紹介申し上げる、情報を伝達する、情報を与えるということでやっておるわけでございます。

河村(た)委員 うそばかり言うんじゃないよ、本当に。もういいかげんにしてやってほしいよ。

 それでは、初めの、一番最初のアプローチのときに、あなたたちは地方整備局に呼びつけておるか、どうですか、電話かけて、民間業者を。どうしていますか、その情報提供は。

安富政府参考人 あくまで我々としては、具体的に呼びつけるというようなことではなくて、営利企業からのお話に対して、いろいろな情報提供という形でやっているものでございます。

河村(た)委員 では、初め、来てくれと言いますか。どういうふうですか、初めの段取りとしては。一番最初、どうやってアプローチするんですか。

安富政府参考人 我々としては、特定の職員の方の再就職のために、最初に営利企業に来てくれという形でやる事実はございません。

河村(た)委員 それでは、この辺また、もし違っておったら、あなた、やめなあかんで。いいですか、これ。そういうことないと言われましたね、これ。

 だけれども、それは初めから、一応、今民間業者も苦しいから、自分のところから言わざるを得ない状況もあるようですけれども、みんな呼びつけておるんですよ、やはり整備局に、初めね。だから、あなた――まあいいわ、ではそういうことで、時間がないから。

 小泉総理、今言ったように、ちょっと回ってくれというのとは違う切り口でいいです、選挙のことになるとちょっとあれですから。今言ったいわゆる地域の民間業者、こういう人たちが、こういうことでやはり過剰な、どういうんですか、再就職のあっせんで大変に苦しんでいる、そういう現状がありますので、ぜひこれは、僕は代議士と言われますけれども、本当の、私はこれはいいかげんでやりませんから、ちゃんと調べてきましたから。それで、小泉さんに何か言うことないかと言ったら、ぜひ小泉さんに、本当に一遍、役所のおらぬところで、本当に声を聞いてほしいと頼んでくれと言いましたから、きょう。だから、ちょっとここでお願いしますから、ぜひ回って聞いてあげてほしいんですけれども。お願いします。

小泉内閣総理大臣 今までもいろいろなお話を伺ってまいりましたし、公務員がその地位を利用して民間の企業に対しまして何かと無理なことを強要するのは、これは当然やめなきゃならないことであって、公務員としての使命というものをよく考えていただきたいと私は思っております。

河村(た)委員 だから、それはわかりますけれども、ぜひ、お忙しいことはわかっていますけれども、では、特に九州でもいいですけれども、まあ時間ができる限りという条件つきで結構ですから、一遍民間の声も聞こう、それだけ一言言ってくださいよ。

小泉内閣総理大臣 私も、民間の声というのは、選挙にならなくても、事前からいつも聞いています。それで、選挙運動になると、公務員は選挙運動をできないんですから、民間の方に頼らざるを得ないんですよ。できるだけ民間の方々の意見を聞き、そして……(河村(た)委員「これは選挙運動関係ないんですよ」と呼ぶ)ちょっと選挙運動と関係するのかと思って答弁していましたが、選挙運動と関係なく、やはり民間の創意工夫を発揮できるように、我々、鋭意努力しなきゃいけないと思っております。もういろいろな意見を聞いております。

河村(た)委員 何かようわかりませんけれども、ぜひ九州の方に……(発言する者あり)九州じゃなくてもいいんですけれども、そういう地元の、ぜひ回って聞いてやってくださいね。それだけ、まあわかったと言ってくださいよ。

小泉内閣総理大臣 よくわかりました。

河村(た)委員 よし、これでいろいろな現状がわかってくると思います。本当に建設省ぐるみの選挙はいかぬですから、また三年前の郵政省のを繰り返さぬようにと思っています。

 では、最後に一つだけちょっと、すぐ終わりますけれども、防衛庁の皆さんの、これは竹中さんに聞こうかな、いわゆる生命保険について。

 これはいわゆる危険保険料というのを、普通だと別に取るはずなんですね。だけれども、それは取っていないようです。皆さん同じ保険に入るんですけれども、これも民間の生保の方が言ってみえたけれども、これはやはり結構大変なんだと、このリスクが、自分たちでかぶらにゃいかぬと。それは一般の保険業者の人がその分を払うということになりますので、ここは民間生保を泣かせていることになりませんか。

 何らかの、防衛庁と金融庁と、こういうような場合の生命保険のあり方について話されたことはありますか。竹中さん。

竹中国務大臣 例えば私と石破大臣の間で話したことはあるかという御質問でございましたら、特に話したことはございません。

 これはまさに保険数理の問題でありますから、民間の保険会社が、まさに自分の経営の一番大事なところでありますので、これは非戦闘地域にいらっしゃるわけでありますから、そうしたことを踏まえて、保険数理のもとで判断をしていらっしゃることだというふうに思います。

河村(た)委員 では最後に、そういうことで、きょうは経済の問題ですけれども、民間の業者は意外なところで苦しんでいるということを一つ指摘させていただきたいと思います。

 終わります。

笹川委員長 これにて河村君の質疑は終了いたしました。

 次に、海江田万里君。

海江田委員 民主党の海江田です。

 総理は四時まででございますか、限られた時間ですので、初めの方はなるべく総理にお尋ねをしたいと思います。

 実は、先ほど総理がこちらにお見えになる前にも少し話が出たんですが、道路公団の民営化の問題で、新会社の株式の半分を国が持つというような新聞報道もございましたけれども、それを受けて、昨日ですか、記者団に囲まれて総理は、いや、二分の一以上ではだめだというような発言をしたというような報道がありまして、それで、きょうの見出しには、国は三分の一持つのではないだろうかというような書き方になっております。

 この問題について、総理は二分の一以上はだめだというふうにおっしゃったようでございますが、この株を国がどのように持つかということは、それこそ民営化の根本にかかわる問題ですので、総理の今の時点でのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 道路公団民営化後の政府の保有株の問題でありますが、この問題については、新聞等で政府が二分の一以上保有するというのが報道されておりました。私は、石原大臣との話におきまして、こういう事実はありませんという報告を受けております。

 今後、民間会社に自主性を持たせる意味においても、近藤総裁とこういう問題についてはよく相談して、どういう状況かまた私に報告してほしいという話をしておりまして、何分の一がいいとかいう話はしておりません。いずれ石原大臣が、どのような民営化会社が好ましいか、民営化推進委員会の意見を尊重して今法案づくりをしておりますので、その段階で私に報告があると思っております。

海江田委員 では、大臣いいですよ、先に。

石原国務大臣 若干議論が錯綜しているので、ちょっと整理をさせていただきますと、もうこれは海江田委員御承知のこととは思いますけれども、従来の公団への出資の経緯から考えますと、民間会社といっても特殊会社、一〇〇%地方と国の出資によって設立される特殊会社になります。そして、総理も再三再四予算委員会等々でも御答弁されておりますように、保有株式はできるだけ早く売却することによって上場を目指すことが重要である、こういう基本的なものがあるわけです。

 そんな中でああいう報道がなされておりますけれども、これは二つの側面が私はあると思っております。

 一つ目の役割は、これは民主党の主張でもございますように、高速道路を無料化する。私どもも、四十五年後には無料化する、無料化ということでは同じでございます。債務の返済方法が、租税によるものか、それとも受益者負担によるものかという大きな相違がある。この哲学の根底に流れておりますのは、公共公物、すなわち道路は国民の皆さん方のものである、こういう観点があるわけでございます。

 それに、これはイタリアの例なんですけれども、イタリアは株式保有の制限をつけなかったんです。そうしますと、海外から高速道路の会社を買収に入りまして、政府がある民間企業にお願いして、株を一番持っているところに頼んで防戦する。

 やはり高速道路の特性というものをどう考えるのかということとこの問題は密接に関係してくるということで、今、鋭意どういうことがいいのかということを検討しているということでございます。

海江田委員 今の話を理解しますと、その意味では、政府が一定期間ある程度持つということは当然あり得ることだという話だろうと思いますが、私は、この新聞報道がそもそも出たのは、最初から五〇%持つなんというような話、あるいは五〇%以上持つというような話では、果たして本当に民営化する意味があるんだろうかどうなんだろうかということで、これは大変大きな疑義がそこに投げかけられたわけですから、やはりそこは五〇%以上なんということはあり得ない話でしょう。

 それから、今、石原大臣がお話があった、三分の一というイタリアの場合は、これは例えば日本なんかでも、NTTの株式の場合は、三分の一までは国が持ってと。しかもそれは、何となれば、まさに情報通信の問題ですから、国家戦略にかかわる問題だからということで三分の一の規定をつくっているわけですよ。

 あるいは、国際空港なんかの場合でも、関空なんかの場合は三分の一とかいう形ですが、例えばJRなんかの場合は、東も西も、東の方は一足先に〇二年に完全民営化をしましたし、西も、ことしの四月ですか、完全民営化をしたわけですから、そういうことも踏まえて、やはりここはできるだけ早く、しかも、特に、機構は別として、東、西、中部ですか、民営化をした企業の株というのは、一日も早く国が持っている分というのは放出をしませんと、やはり一日も早く完全民営化にしないと、それこそ推進委員会なんかが言っている民営化というものは大きく損なわれるというふうに私は思うわけです。

 その点について、一日も早く完全民営化に向けて努力をするという決意のほどをおっしゃっていただきたい。これは、総理あるいは大臣、どちらでも構いません。

石原国務大臣 ただいま海江田委員が御指摘されました点は、重要であると私も考えておりますし、総理も再三当委員会等で御答弁をさせていただいております。

 そして、三つの会社になるわけでございますが、この三つの会社の新社長はどなたになるかまだ決まっておりませんけれども、現在の道路公団総裁であります近藤総裁も、早期の民営化というものを目指す、それがあるべき姿であるということを再三話しておりますし、御議論もさせていただいておりますので、そういうものを政府としてどのようにバックアップをしていくのかということを、しっかりとしていかなければならないと考えております。

海江田委員 あと、これも総理、さっきいらっしゃらなかったときで、途中から入ってみえたと思いますが、政府保証の話ですが、機構の政府保証は別としまして、この三つの会社の資金の調達に対して、これは借り入れという形とそれから債券発行、これはそれぞれ民間会社なわけですからそういうこともできるわけですが、これについても政府保証をするというような話もあるんですが、これも政府保証をやったんでは一体何のための民営化なのかということで、民営化の持つ意味合いが大きく損なわれますので、これもやはり、特にこの三つの会社の資金の調達に対して政府保証をするというようなことは、私はあってはいけないと。しかも、さっきもお話をしたように、株の国の持ち分がある程度出てくる、最初のうち何年間かに限定されるでしょうけれども。そこにプラス政府保証があったら、私はほとんどこの民営化の意味が失われるというふうに思いますので、この点について、改めて総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

石原国務大臣 この点は、前回以来、御同僚の鮫島委員とも御議論をさせていただいておりますし、先ほど鮫島委員から大変示唆に富んだ意見の開陳というものもあったと私は承知しております。

 やはり今海江田委員が御指摘されましたように、民間会社になるわけでございますから、すべての自分の会社が出す債券に政府保証がついていればどういうことになるかというのは、経済の専門家である海江田委員が一番御存じのように、市場の規律というものが働かなくなる。こういうところと、会社が安定するまでどういうふうに資金を、自己資本を調達していくのか。すなわち、資金をいかにコストを安く調達することができるのか。また、それによって、これは債務との裏腹関係にございますので、国民負担をどういうふうに軽減することがそのことによってなされるのかといったようなメリット論とも十分考えあわせて、また、これはその債券の発行を引き受ける側の意見も聞かせていただきまして、必要なのか必要じゃないのか、どの程度必要なのかということについて現在検討しているところでございます。

海江田委員 この問題はあしたがその改革の集中審議ということでございますので、引き続き同僚議員がこの問題をテーマに質疑を行うと思いますので、私はこのぐらいにいたします。

 ここはぜひ総理にお答えをいただきたいんですが、先日、二月の十二日の当予算委員会、私、総理にお尋ねをしました。これは冒頭、年金の問題をお尋ねしまして、年金の改革案が出ましたけれども、その中身については随分、これは抜本的な改革になっていないんじゃないだろうかというお話をしましたら、私は新聞の社説を引きまして総理にそういう意見を申し上げたわけでございますが、いやそれは、マスコミは批判をするのが商売だから、あるいは野党も批判をするのが商売だからというようなことで、御自分では、この御自分の改革が大きな改革の第一歩だと自画自賛されていたわけです。

 一昨日、新聞を読んでおりましたら、塩川前の財務大臣でございますが、これが東京都内の講演で、実は、この年金の抜本改革は、これは坂口厚生労働大臣と約束をしていたことだ、しかし、結局、政府は抜本的な改革を逃げてしまった、政府は大変ずるいというような、これは批判と言っていいんでしょうけれども、こういう意見を述べておられましたけれども、塩川前財務大臣は、本当に総理と刎頸の友というよりむしろあちらの方が先輩でございますが、総理のよき御意見番だったわけですが、その御意見番が引退をされて、そして、本当に冷徹に、今の総理のこの改革案、見ておられて、そして、これは抜本的な改革から逃げた、ずるいということをおっしゃっているわけですが、それについてどうお考えでしょうか。

小泉内閣総理大臣 塩川前大臣がどのような発言をされたか、直接には私は承知いたしませんし、また真意はどういうところにあるのかわかりませんが、私は、今回の年金改革案につきまして、給付の上限を設定した、負担の上限を設定した、しかもこれを五年ごとに変えるということではない、そういう数字を具体的に決めたということについては、それぞれの賛否両論、意見がございました。そういう中で、将来の持続可能な、決して年金財政が破綻しない、今の若い方も年をとればしっかりとした年金が受けられるということを考えると、大きな改革の一歩だと思っています。

 抜本改革は、人によって、政党によって、いろいろあると思います。しかしながら、一番大きな問題は、老後にどのような給付が得られるか、この給付を負担するのはだれなんだ、どの程度負担すればいいのか、どの程度給付を受ければいいのかということ、これ抜きにはどんな改革案もできないんです。そういう面においては、これははっきりと初めて具体的な数字をあらわした。そういう意味において、私は今回大きな改革の第一歩ではないかと思っております。

海江田委員 はっきりあらわしたということですが、例えば年金の給付水準ということも、これまでは、現役のサラリーマン世帯、これは片働きで、奥さんは専業主婦の場合ですけれども、現役のときの給料のほぼ六割にしようなというようなことが目標になっていて、実際には五九%ですけれども、それがいわば給付の一つの水準だったわけですよ。それが今度、将来にわたって五〇%にするよという話であったり、それから負担の割合だって、これまでずっと積み重ねがあって、急にあの数字が出てきた話でもありませんし、あの数字も、決まる過程で幾つか押したり引いたりがあってということで、しかも、特に負担の方ですけれども、今国民年金がどんどん払わない人たちがふえているとか、あるいは厚生年金だってどんどん空洞化が起きているとか、あるいは合計特殊出生率が、今本当に厚生労働省が見ているような数字がそのまま推移するのか、恐らく三年や五年ぐらいのところで、ここはどうなるかわからないと言っているような数字じゃないんですか。はっきりと、これから三十年なら三十年、あるいは五十年ぐらいですよ、年金の場合は、この数字がきちっと守れるんだと。

 これを、御自分は引退をしてしまうかもしれないけれども、とにかく政治家の責任として、これは未来永劫、少なくとも三十年、五十年はこの数字が安定できるんだということは言い切ることができますか、それが。それができるのならば、私は、それなりの総理の、その点だけじゃだめですよ、本当は。今度は、負担の部分の基礎年金のところも考えなきゃいけないわけですけれども、少なくともそういうことが本当に言い切れるのかどうなのか。私は、とてもじゃないけれども、言い切れない数字だというふうに思っております。いかがでしょうか。これは総理、もう時間がなくて総理お帰りになるんだから、答えてください。

小泉内閣総理大臣 これは未来永劫変わらないのかと言われると、そこまでは保証できませんが、今の制度改革をしなかった場合に、負担もこれは三〇%近くになるんですよね。そして、これだけ高齢者がふえて、若年者が出生率等の関係から減っていくということになりますと、今、六割超えた給付水準を維持するために、三〇%近い保険料負担もこれは大変ですが、同時に税金の負担も大変だということを考えると、五〇%程度を給付の上限とする、そしてほっておくと三〇%近くになる保険料負担を一八・三%に抑えるという、これは私は大きな改革の一歩だと思いますよ。

 そして、今後、民主党も案を出しています、制度の。しかし、私は、どのような制度を出されても、この公的年金をなくせということにはならないと思います。公的年金を維持しながら、あと、どのようないいものにしていくかということであって、私は、未来永劫この制度が必要だということには考えております。当然、税負担がどうなるのかにもかかってきます。

 と同時に、今これから大事なのは、年金だけじゃありません。来年、介護、再来年、医療、改革待ったなしです。そういう全体の、年金と医療と介護の保険料負担がどの程度になるのかということは、社会保障全体を考える上において極めて重要でありますから、こういう点の負担と給付も考えなきゃならないということであって、私は、この今の年金改革案が未来永劫ずっと続くというようには思っていませんし、経済成長によっては、もっと保険料負担が少なくて済む場合もあるでしょう、あるいは給付がふえる場合もあるでしょう、あるいは逆の場合もあるかもしれない。しかし、ここから当分先を見積もって、五年ごとにこの給付と負担を一々変える必要はないな、かなり先を見越して給付の上限と負担の上限を考えることができた。

 この枠の中でこれからどういういい改革案が出るかということは、謙虚にまだいろいろな意見を聞きながら変えていこうという意味においては、私、かなり大きな改革だと思っております。

海江田委員 私が未来永劫と言ったのは、その前に三十年、五十年と言いましたから、その程度のことなわけでございます。

 もう少し議論を深めたいんですが、あと一つだけ総理にお伺いをしておきます。

 せんだって、QEという十月―十二月のGDPの成長率が出ましたね。実質で七%という大変高い成長率です。ただ、実質というのは、インフレの時代は実質が必要ですが、デフレの場合は、そのデフレの分、物価が下がっている分を、むしろそれがげたを履く形になりますから名目が大事で、名目で見ますと年率二・六%という成長で、その意味では成長はしているわけです。

 ただ、これは総理が実際いろいろなところへ出かけられるかどうかよくわかりませんけれども、私なんかがタクシーに乗ったり、あるいはおそば屋さんに入っておそばを食べたり、そういう町場の体感での景気の実態を聞きますと、そんな数字は一体どこから出てくるんだろうということを言うわけですよ。

 私は、それはどっちかが正しいんじゃない。むしろそれは、去年より売り上げが減りました、おととしより去年がひどくてことしはもっと減りましたというのは、これも確かに一つの声だし、それからもう片一方で、今この数字の上に出たような、企業が収益を上げている、それこそ一九九〇年以来の高収益だというようなことも一つの実際だろうと思うのです。

 問題は、総理のこの改革の結果というものが、そういうふうに片一方においては高収益を上げて、そして当然、そのおこぼれというか、そこの経営者なんかは高い給料をもらって、もう片一方の方では、やはりそういう分け前にあずかれないかなり多くの人たちがいる。いわば二分化というんですか、二極化というんですか、こういうものがむしろあらわれてきたんじゃないだろうか、それもやはり総理の目指している改革の一つの今現在のあらわれじゃないだろうか、私はこのように思うんですが、この点についてはいかがですか。

小泉内閣総理大臣 それは、どの時代においても、どのような改革においても、すべてがよくなって、すべてが悪くなるということはないと思います。

 企業におきましても、時代の流れによってはどんどん売れ行きを伸ばす企業が出てくるでしょう。あるいは、値段を上げてもどんどん売れてしようがないという企業もある。一方では、幾ら努力したって売れ行きが悪い、失業しなきゃならない、リストラしなきゃならないという企業もあるでしょう。人によって私は実感は違ってくると思います。

 しかし、最近の明るい兆しが見えているというのは、今までのように公共事業をふやして、そのために財政出動して、そして設備投資がふえてきたという流れから変わってきたことは事実だと思います。一般歳出は前年度以下に抑制しながら、設備投資も上回ってきた、企業の業績も回復してきたという状況でありますので、やはり流れは変わってきたかなと。

 もちろん、人によって受けとめ方はさまざまであるということは承知しております。これからも、やはりいい面とそうでない面、出てくるということは、どのような改革をしてもこれはやむを得ないことではないかなと思っております。

笹川委員長 総理、時間ですから、退室されて結構です。

海江田委員 いや、もう答えはいいですから、これだけ聞いておいてください。

 今、人によって受け取り方はさまざまだ、すべての人がというわけではないと。これは確かにそのとおりなんですが、私はそういうことを言っているんじゃなくて、今ちょうど公共事業はもう通用しないよというお話ありましたけれども、これまでは、そうやって一部の企業が、まさに先行的に景気をよくしていって、その収益を働いている人たちに、あるいは一部の都心部のそういう収益を上げた企業が、それこそ本当に税金をたくさん納めて、それが公共事業で地方に行ってとか、そういうような、いわば一部の先行的に収益を上げてもうかった人たちが、全国にあるいは国民の各層に対して広がっていくような一つのシステムができていたわけですよ、これは。

 ただ、それと同じものを今ここへ持ち込もうなんというのは無理ですけれども、今、それにかわる新しいものがなくて、私は、やはりここのところは気をつけておかなきゃいけないのは、社会の二層化といいますか、それこそ、勝ち組だとか負け組だとかということも出てきました。最初に言われました。そういうような形でだんだんだんだん二層化が進んでいって、しかも、そのとき、では、勝ち残れる人たちはどうかというと、絶対多数ではなしに、むしろそれが少数で、かなり多くの人たちが、そういう総理の改革というのは結局自分たちにとっては痛みだけじゃないかというふうに考えるような人たちが出てくるんじゃないだろうか。そのことに対してやはり政治が何をやるのかということは、これは一生懸命になって考えなきゃいけないんじゃないだろうか、このことだけはお伝えをしておきます。

 どうぞお帰りいただいて結構でございます。

 それで、厚生大臣、先ほどの話で、実は、年金の話で、これは昨日、年金の世代ごとの受け取る年金額と、それから払い込みの保険料の額、これを表にしたものを発表されたということで、私もけさいただいたわけでございます。

 これは世代ごとの保険料負担額と年金給付額についてということですが、これは試算が、特に厚生年金についてですが、いつも本人負担分だけで会社の負担分が入っていませんよね。ですから、それこそ本当に、今大体二十歳ぐらいでもって保険料の負担額が五千百万円、年金の給付額が一億二千万円という形で、二・三倍になるとか、こういう数字が出ているわけです。若い人たちにも二・三倍とか二・四倍、一九六五年生まれで二・七倍とか、こういう数字を出していますけれども、これはどうして、これは前から指摘されていることですけれども、会社負担分も入れた早見表といいますか、そういうものをお出しにならないんですか。

坂口国務大臣 これは計算の仕方、いろいろあるんだろうというふうに思っておりますが、厚生労働省が考えておりますのは、事業主に負担が義務づけられておりますが、これは労務費には含まれますけれども賃金とはみなしていない、そういう前提のもとに、厚生年金制度によります企業からの負担分というのは、いわゆる被保険者のメリットの一つというふうに考えております。被保険者が自分で出す分ではございません。出してもらう分でございますので、本人負担分と全く同じ扱いとして給付と負担の倍率を計算する、こういうふうに今考えているわけでございまして、いわゆる事業主負担を含めずに計算をするということにしているわけでございます。これは一つの計算方法、私はそう思っております。

海江田委員 労務費ではあるけれども、いわゆる給与の一部とは考えないという、それも確かに一つの考え方なんですが、これまでも実はこの議論は随分ありまして、結局、こういうふうな数字を出すことによって、一つは、いわば厚生年金は有利ですよというようなことのデータにしようというふうに見られまして、それだったら、試みに出していただいても私はいいんじゃないかなというふうに思います、これは。

 それから、あと、最近の具体例ですけれども、私が実際聞いた話ですが、やはり今企業が、どんどんどんどん景気が悪くなりますから、従業員に対して、実は本当だったら会社が負担をしなきゃいけない分を、給料の額面の金額は前と変わっていないんですよ、だけれども、そこから天引きをする、控除をする額を、これまで会社が負担をしていた分も個人に負担をさせてしまう。だから、今まで例えば八千五百円なら八千五百円で済んでいたものが一万七千円給料から天引きをされちゃって、それで割り戻しをしてみると、これまで払っていた自分の厚生年金の保険料額が二倍になっているから、これは恐らくそこから厚生年金の保険料に充当をしたんじゃないだろうかというふうに推測できるわけです。

 私、そういう給料の明細書を見せられましたけれども、やはりそういう例も、実はこれは従業員が二人とか三人とかちいちゃな会社じゃなくて、かなり二十人、三十人いる会社で全員にどうもそういうふうにやっているようですから。

 そうすると、そういうような形もあって、今、確かに決まりの上からいえばこれだけ出しておけばいいんだということかもしれませんけれども、そうじゃなくて、やはり企業が出した保険料というのもこれも保険料でございますから、保険料と給付との相関関係ということでいえば、その資料をつくっても、昔、財務省が、それこそ夫婦で、奥さんが専業主婦で子供二人というモデルの税金の額を出していましたけれども、あれがだんだん多様化をしてきて、シングルの世帯もつくりなさいとか、あるいは子供一人の世帯もつくりなさいとかいうことで今つくっていますけれども、それと同じように、これは年金の議論をする上で大変大事で、私なんか、ぱっと一番簡単に考えれば、掛けた保険料の二倍にすればいい話ですが、やはりそれを私どもがやるんじゃなくて厚生労働省の方で、こういうデータもありますよ、だけれども、本人が純然と負担をするだけからいえばこういう二・三倍だけれども、会社の分も入れればこれが一・一倍になりますよとか、一・一五倍になりますよとか、そういうのをつくってもいいんじゃないですか。これはおつくりになりませんか、これから議論が本格化するわけですから。どうですか。

坂口国務大臣 決して難しい計算をするわけじゃありませんで、簡単なことでございますから、それはそういう試算もあるだろうというふうに思いますし、我々も、そうしたものはそうしたものとしてお示しをするということも、あるいは必要かもしれません。

 また、現在も、ひとり身の方、あるいは共稼ぎの皆さんでございますとこれだけになりますというような計算もしてお示しをしているわけでございまして、できるだけいろいろな試算をして、皆さん方におわかりいただけるようにしたいというふうには思っております。

海江田委員 きょうは経済の方をこれからしっかりやりますので、あと年金はもう一つだけ。

 せんだってのこの委員会で、私が、これは財務大臣にも関係あるわけで、年金の課税強化、公的年金の控除と老年者の控除をなくすことによって、結果的に住民税や国民健康保険の保険料や介護保険料にはね返ってくるというお話をしまして、年金二百五十万円、それから本人、配偶者のケースで十三万七千八百六円負担増になるよということをここでお話をしましたら、テレビ中継がありましたものですから、見ていた方から、横浜の方なんですけれども、十三万七千八百六円なんというのは、こんなのは甘いと。自分の場合はこうだということで、非常に熱心に計算をしてきまして、るるずっと細かく書いてあって間違いがないんですが、それを表にしましたのをお手元にお配りしました。

 この方の場合は、雑収入と年金収入があって三百十万円というケースで、御本人が七十三歳の、そして奥様がいらっしゃって、横浜市在住の方ですけれども、所得税が七万七千三百六十円アップになる。その結果、住民税が五万八千百五十円。それから国民健康保険の保険料が、これまでは七万五百四十円だったのが二十三万二百四十五円。介護保険料が、二万五千四百六十円が四万八千九百七十円。合計をしまして、今は九万六千円だったのが四十一万四千七百二十五円になる。

 ここからが大事なんですけれども、結局、基礎年金の、今、三分の一の国からの財源の投入を二分の一にこれからやっていく。だけれども、それには二兆七千億必要になるんですが、まずその第一歩として、約二千億円ぐらいですけれども、この今お話をした高齢者の年金から公的年金の控除と老年者控除をなくすことによってまず最初の第一歩を踏み出そうという話ですが、ここで、この人の場合でも、見ればわかりますけれども、所得税で七万七千三百六十円負担がふえるわけですけれども、それ以外の住民税だとか国保の保険料だとか介護保険料だとか、特に国保の保険料と、介護保険は実は三年に一度の見直しがあるのでこれよりもうちょっと高くなる可能性もあるんですが、特に国保の保険料なんかだけで、もう既に所得税でもって上回った分を上回る負担増になっちゃうわけですよ。

 ですから、ここのところは、前回も厚生大臣は何とかしなきゃいけないだろうというような趣旨の発言がありましたけれども、これはやはりできるだけ早くやっていただかなければ私はいけないのではないだろうかと。国民健康保険の保険料というのは、特に来年、再来年ですか、影響が出てくるわけですし、なるべく早くにそういうことをやっていただきたい。

 それから、その際、これは財務大臣にお尋ねしたいんですが、事前にやはりこういうような年金の控除をなくすことによって、それからことしの場合は配偶者特別控除もなくなりますから、そういう意味では、各種の控除がなくなることによって社会保険料の方に随分影響してくるよというような一種のすり合わせといいますか、議論、意見の交換というものはなかったんですか、これはどうなんですか。

    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕

谷垣国務大臣 これは、十二月の税制、変えます前に厚生労働省からいろいろ御要望があって、いろいろ認識をすり合わせながら議論した結果でございます。

 それから、委員がお示しいただいたこの三十一万八千七百二十五円という計算、一つの仮定を置くと確かにこういう結論が出てくるかなと思いますが、ちょっと見ました印象を申しますと、今回の税制改正では、標準的な年金以下で暮らしている高齢者世帯の場合は、公的年金等控除の最低保障額を加算したというようなことがございますので、六十五歳以上、二千万世帯ありますけれども、四分の三は税の影響は受けないということになっているということでございます。したがって、モデル年金で夫婦世帯のような場合には、税負担増ということは生じないということではないかと思っております。

 それから、この国保の保険料の計算が、全国の平均から見ると、これは横浜ですか、かなり私どもの計算からしますと高い例でございまして、これをそのまま一般に当てはめると、ちょっと違うんじゃないかという感じがしまして、今回、世代内、世代間の公平を図ろうというのが一つのモデルでございますが、ある意味で、御負担をお願いしようというところの姿がはっきりあらわれている一つの平均的な例では必ずしもないんじゃないかというふうに思います。

坂口国務大臣 財務大臣から御答弁のあったとおりでございますが、いわゆるモデル年金二十三万円ぐらいまではかからないわけでございますので、この方、三百十万円というのは、そのちょっと上のかかり始めたところだというふうに思います。これだけ本当にかかるのかどうか、私、つまびらかにまだ検討いたしておりませんけれども、国保の保険料と介護保険料、介護保険料は来年決めていただくことになるわけでありますが、国保の保険料がこんなに上がるかなということをちょっと私は今疑問に思ったところですけれども、しかし、これは調べないとわかりません。

 国保だとか介護といいますのは、それぞれの市によりましてかなり計算方法は違いますので、この横浜の場合にどういう計算をしておみえになるかということも、よく一遍検討させていただきたい。

 全体としましては、この前も申しましたけれども、一部のところに負担が非常に大きくなるということは避けなければいけないというふうに思っております。なだらかな形で、公平に御負担をいただけるような形が望ましいというふうに思っておりますので、よく検討させていただきたいと思います。

海江田委員 一部のところというのは、恐らく二百五十万から三百万ぐらいのところだろうと私は思うんですね。だから、これは大体いつごろになりそうですか。

坂口国務大臣 まだ、この年金の法案を通していただいてからでないと、その前にやっていてもいけませんから、ぜひ早くひとつ通していただきますようにお願いを申し上げたい。そうしましたら、直ちに解消したいと思います。

海江田委員 いや、これは税制の方とも関係がありますからね。ただ、年金の問題は大事な問題ですから、じっくり時間をかけて、少しでもいいものをつくるのが一番だろうと思います。

 では、厚生労働大臣、これでよろしゅうございます。

 話を先ほどのGDPの統計に戻しますが、今回、随分上向きの数字が出たということですが、一つは個人消費が伸びた。私なんかは本当に意外だったわけですが、個人消費が伸びました。ただ、もちろんその個人消費が伸びた中には、例の帰属家賃という考え方があって、あれはもう前から随分議論されていますけれども、持ち家なのに借りたという前提で毎月家賃を払ったはずにして、特に都心部なんかは随分家賃も高いわけですから、その部分が消費に回ってくるというようなこともあって、それから、デフレーターの計算のもとになるのが九五年とか、いろいろやはりGDPの統計そのものをできるだけ精緻なものにするための不断の努力というのは私は必要だろうと思うんですね。それについて、まずひとつお考えをお聞かせいただきたい。

竹中国務大臣 海江田委員は大変お詳しい部分だと思います。

 御指摘のように、いわゆる帰属家賃、帰属サービスを消費した、過去の、いわゆるストックからのサービスフローのようなものを我々は毎日消費しているんだと。これは、御承知のように、日本だけがやっているわけではありませんで、もちろん世界的に決められた基準になっている。しかし、それが重要だという御指摘は御指摘として賜ります。

 もう一つ、デフレーターに関しては、これもよく言われることでありますけれども、これは今ですと九五年の基準でやっていますから、九五年の、要するに、物の値段というのはいろいろなものの加重平均でありますから、その加重平均をするときのウエートが、基準であります九五年のウエートで出されている。今、これに例えば二〇〇二年、二〇〇三年と比べるときは、このウエートが変わっておりますから、価格が下がっていくときには、このデフレーターというのがともすればより実態よりも下がる可能性があるのではないのか。これは御指摘のとおり、いわゆるパーシェ算式の問題点でございます。

 これも実は国連の基本的な基準にのっとってやっているわけでありますが、最近、国連でもいろいろな試みがあって、これを連鎖方式という、毎年毎年少しずつ変えていく方式を考えておりますので、これは我々も今一生懸命取り組んでいるところでございます。

 数字はあくまで数字でありますから、これを見るにはやはり留保条件が必要でありますし、数字をさらによくしていく努力は必要であると思っております。

海江田委員 先ほどもお話ししましたけれども、これはやはりマスコミなんかの報道の仕方、あるいはそれこそ本当に大臣なんかが一番の責任者なわけですから、インフレの時代はまさに実質の成長率が大事なわけですけれども、こういうデフレの時代は名目も大切だよということをやはり言っておきませんと、その意味では、国民の受け取り方とか、さっき二層化という話をしましたけれども、二層化があって、片一方は、自分は落ち込んでいるからますますだめなんだななんというような形だって、そういうふうに思い込まないとも限らないわけですから、ここはなるべくやはりそういう発表の立場にある方が、それこそ大本営発表で、よくやっただろう、改革の芽が出てきただろうと言いたいかもしれないけれども、そこはぐっと抑えて、やはり経済学者なわけですから、冷徹に今の情勢を分析する必要があるだろうということ。

 それからもう一つは、ちょうど坂口大臣もいていただいた方がいいんですが、個人消費を支えていたのは、去年ぐらいから実は変わってきたんですけれども、これまで、二〇〇二年ぐらいまでは高齢者だったわけですよ、高齢者の比較的旺盛な消費意欲というもの。ただ、かなり選択的ですよ、これは。選択的だけれども、高齢者、とりわけ六十歳以上の世帯主の人たちが、現職の勤労世帯というのは、これは言うまでもありませんけれども、リストラに遭ったりあるいは賃金がずっと低下をしているわけだから、消費意欲というのはずっと減退をした。それに対して、これまでは比較的、特に老後の年金が安定をしていた人たちというのが、もうそれは、仮にこれまでの年金の改正の議論が始まるまでは、二〇〇二年までと言ったのはそういう意味なんですけれども、二〇〇二年で、これまでの年金の議論が始まるまでは比較的将来の年金の受取額は安定をしているから、その中で自分のいろいろな生活設計を立てて、好きなところに、海外旅行に行ったり、あるいは国内の旅行に行ったり、自分でいろいろな欲しいものを買ったりという形で、二〇〇二年ぐらいまでの間、かなり消費の下支えをしてきたのは高齢者世帯であるということ、これはほぼ定説になっていると思うんですね。

 ところが、これは二〇〇三年ぐらいから若干傾向が変わってきたんですよ。それはどういうところにあらわれているかというと、一つは、昔は貯蓄に関する世論調査と言っていました、日銀の外郭団体の貯蓄広報、一番昔は貯蓄増強中央委員会と言っていた、もうこれはよく御存じですから言いません。今何と言っているか、私ちょっと余りよく覚えていないので昔のことを言ったわけですが、金融資産に関する世論調査ですか、あれを見ておりますと、実は、高齢者のところが、六十歳以上の世帯主の人たちの将来に対する不安というのがふえてきたんですよ、二〇〇三年から。二〇〇二年までは、せいぜい二〇%がいいところだったんですよ。六十以下の人たちは、自分たちの将来に対する不安というのは大変大きなものがあった、四〇%ぐらいあったんですよ。だけれども、二〇〇三年になると、さすがに四〇%までは行っていないけれども、将来が非常に不安だということ、お年寄りの間で将来が非常に不安だという人たちが三〇%になっている。二〇〇〇年が二二%ですよ。

 それはなぜかというと、さっきも言いましたけれども、ちょうど年金の制度改革、制度見直しが始まってきて、そこでもっていろいろな、さっき総理は五〇%だからいいだろうということを言っていましたけれども、やはりそういうものに対する不安だとか、それから、先ほどこれは厚生大臣にお話をしましたけれども、年金に対する課税の問題でありますとか、介護保険、特に去年の場合、介護保険が上がって、あれもやはりびっくりした。年金が減ったとみんな思っちゃっているんですよ。そうじゃないわけですけれども、介護保険の保険料が上がったんだけれども、年金が減った、それからもちろん物価スライドの部分もあるということで、やはり高齢者の人たちの消費の意欲が減退をしてきた。

 それによって、結果的に貯蓄率も減ってきましたよね。国全体の貯蓄率が、昔は、日本は一五%ぐらいあって、アメリカはその半分以下、八%以下でもって、日本はこれだけ貯蓄率があるんだと。今、アメリカも少し下がっていますけれども、もう日本が八%まで下がってきた。二、三年したら、貯蓄率が逆転するんじゃないだろうか、日本とアメリカで。

 貯蓄率が下がってくるということは、当然のことながら、金利が上昇してくる。金利が上昇してくるということになると、日本はアメリカと違って大量な国債を、アメリカもかなり抱えていますけれども、それ以上に大変大きな国債を抱えているということで、私は、その意味からいうと、かなりこれは、やはり中長期的に見て懸念をしなきゃいけない、心配をしなきゃいけない材料というのはたくさんあるんじゃないだろうかと。

 そういうのが今度のこのGDPの中にも、速報値だとか統計値の中にも少しずつ見えていますから、そういうものに対してやはり早目早目に危機意識を持っておく必要があるんじゃないだろうかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 まさに御指摘のとおり、中長期の経済の枠組みを考えるときに最も注目しなければいけない一つが貯蓄・投資バランスなんだと思っております。

 今、高齢者のお話がありましたけれども、高齢者のウエートがふえている、高齢化で。高齢者というのは貯蓄率が低いです。貯蓄率の低い人のウエートがふえることによって日本国全体の貯蓄率が急激に下がっている。一番新しいSNA統計では、日本の家計部門の貯蓄率は実に六・二%まで低下をいたしました。これはやはり将来の貯蓄・投資バランスを見る上で大変注目しなければいけないと思います。

 民間の貯蓄超過は、財政赤字と経常収支黒字の合計に一致いたしますから、であるからこそ、財政赤字を減らすという努力もこうした状況下ではますます重要なんだというような思いを私たちは持っているわけでございます。

 御指摘の、今後、高齢者の不安がどのようになっていくかという点は重要だと思います。今御指摘をいただいた点、かつての貯蓄増強委員会のアンケート等を我々も注目しておりますが、これが年金の議論とどのように結びついているのか、今の状況下で高齢者の消費がどのように影響を受けるのか。ここはぜひ、御指摘も受けて、我々もしっかりと見ていきたいというふうに思っております。

 いずれにしましても、実は、高齢者の方がむしろ年金等々の不安に関しては、相対的な話でありますけれども、若者よりもむしろ相対的には小さいはずなわけでございます。若い世代の方がより大きな影響を長期にわたって受ける可能性がある。そういうことも踏まえて、各世代の将来の期待、不安、それと貯蓄、投資の枠組みについては、ぜひしっかりと見ていきたいというふうに思っております。

海江田委員 高齢者がその意味では将来に対する不安が少ないというのは、先が短いから当たり前といえば当たり前なんだけれども、私の見るところ、どうもそこが去年ぐらいから、これはさっきの話じゃないが、選挙なんかでもやはりやっていますから、そうすると、特に去年の場合、さっきもちょっとお話ししましたけれども、かなり誤解があることも確かなんですよ。年金の額が大きく減らされたと。介護保険の保険料が一番大きかった、ちょうど去年が見直しの時期に当たりましたから。ただ、物価スライドも、あれ、〇・九でしたかね、マイナスになっているわけだけれども、それらが全部一緒に来たから、これまでのように既得権、既得権として年金はもうマイナスすることがないよということが初めてわかったのが実は去年、お年寄りにとっては。

 そこへもってきて、やはりこういういろいろな年金の制度の見直し。しかも、そこで、まさにさっきからお話をしているような公的年金の控除がなくなる。それから、ことしは、年金の控除とは関係ないんだけれども、配偶者の特別控除もなくなるという話になって、高齢者控除がなくなるという形でがたっと大きくなってきますから、その意味では、むしろこれからは、よく言われるのは、一部の輸出の企業が伸びているけれども、これがどうやって個人消費に結びつくか、そこのところを考えなきゃいけないとか総理も言っているけれども、その割には、では個人のための、あるいは高齢者だけじゃないけれども、高齢者ははっきり言って負担増加です。大増税ですよ、これは。あるいは大負担増ですよ。

 だけれども、そうじゃなくて、それ以外の勤労者でもいいから、これは財務大臣にお尋ねしたいんですが、そういった個人向けの、例えば税制改正の中でも、個人向けの税負担の軽減、いわば減税ですけれども、これはどれだけあるんですか。

谷垣国務大臣 海江田さんの御議論も、なるほどなとよくわかるところもあるんです。ただ、そうおっしゃった議論の背景を私はやはり申し上げたいと思うんです。

 それは、やはり恒久的減税というのがずっと引き続いている中で、昨年は一・八兆、ことしは一・五兆の先行減税をしている枠内で、かなり日本の租税負担率やあるいは個人所得課税というものが国際的に見ても低くなっている中での税制の仕組みであるということを私はまず申し上げたいと思うんです。

 その上で、ローン利子控除の延長であるとか、あるいは、株やあるいは、不動産の譲渡益課税軽減といったようなものをやって、そういう中で一生懸命工夫しておる、こういうことを私はまず申し上げたいと思います。

海江田委員 今、一つ間違えて言ったんですがね。ローン利子控除の延長と言いましたけれども、ローン利子控除の延長ならいいんですよ。まさに工夫があるなという話になるんですよ。単なるローン控除の延長でしょう、これは利子控除じゃないんだから。もう心の中では既に利子控除のことを思っているのかもしれませんけれども、だけれども、そういうのが大事なんで、そういう工夫をやって、何もお金を使わない人たちに、必要なところにお金を使った人たちに減税をやるというような形に切りかえをしていかなきゃいけないんですが、そういう部分が少ないんじゃないだろうかなというふうに思っています。

 それからもう一つ、わざわざ経済産業大臣にお残りをいただいていますが、今回はアメリカが大変景気がよくなって、それで輸出が伸びた。それからもう一つは、よく中国と言われていますけれども、厳密に言うとこれは中華圏ですね。台湾だとかそれから香港だとか、まあ香港はもちろん中国ですけれども、それから、例えばシンガポールだとか。今、中華圏が非常に元気がよくて、経済が成長しているということですが、中国の経済の将来性といいますか、これは、経済産業大臣でもよろしいですが、どんなふうにお考えになっているんですか。

中川国務大臣 今、海江田委員から中華圏というお話がありましたが、中国並びに東南アジアということでは、御指摘のとおり、先ほどの十―十二のGDPを引っ張っているのも輸出あるいは輸出関連企業そして設備投資ということで、その牽引が中国と東南アジアでありますから、そういう意味で、特に中国に関して申し上げますと、脅威というよりも、総理もよく言っておりますが、機会ととらえてやっていかなければならない、やっていくことが大事であると。改革・開放あるいはまたWTOへの加盟等々で、これは私の発言でございますけれども、単なる脅威ととらえるよりも、冷静に中国というものを見られるようになりつつあるのではないか。

 他方、それによって、中国は、本当の経済主体としてもっと必要なルール、例えば知的財産権の問題とか、そういうものももっと整備する必要があると思いますので、きちっとした関係の中でお互いに発展していくように、脅威とかあるいはまた競争から、機会という形で中国経済あるいはまた中国というマーケットをとらえていきたいというふうに考えております。

海江田委員 これはもう総理がいなくなって残念なんですが、どうもやはり総理は二元論なんですね、脅威か機会かという話で、あるいはメタルの裏表論で。私は、脅威論も間違っているし、機会論も間違っていると思うんですね。

 よく脅威論、脅威論と言う人もいますけれども、それは、あそこの上海だとかシンセンだとか、いわゆる湾岸部に行くと確かにすごいんですよ。だけれども、それだって、何であんなにすごいか。例えばシンセンなんて、土地があんなだだっ広いところに何であんな高い建物を建てるのかとか、日本人は余り中国のことをやはり知らな過ぎるんですよ、これは本当のことを言って。何であんな広いところにあんな高い建物を建てるのか、香港みたいに狭いところに高い建物を建てるのならいいんだけれども。

 これは実は、やはり中国はまだ社会主義のしっぽがありますから、土地は共有制なんですよ。そうすると、使用権というんですよ、利用権ですけれども。使用権を開放して、しかも、中国の使用権の開放の仕方というのは、床面積でもって決めるわけですよ。外資を呼び込もうとしたら、床面積を広くすればたくさんお金が集まってくるわけですよ。だから、広い土地でも高い建物を建ててしまうわけですよ。だから、そういうように、土地というものそのものを所有することに価値があるんじゃなくて、利用権、使用権にやはり価値がある。

 それから、今の九%成長だと言っているけれども、中国みたいに社会主義から市場経済を導入した国にとってみれば、九%達成なんて簡単なんですよ、はっきり言えば。昔は全部ノルマでやってきたんだから。だから、九%成長といってそのことを評価すると、要するにつくりさえすればいいわけですよ。つくれば全部GDPに貢献するわけだから、売れようが売れまいが。

 だから、その結果、上海だって、ぱあっと通りで見れば、それは確かに全部埋まっているかもしれないけれども、例えば、上海からちょっと行った蘇州なんかといったところにはでっかい建物がたくさん建っていますよ。全部そのトイレの中に東陶のトイレがあって、それによって東陶は全部売り上げが上がって東陶の株も上がったけれども、ではそこに本当に人が入っているんですかといったら、やっぱり入っていないんですよ。

 だから、不良債権の問題だとか、やはりそういうことを考えてみると、これまでは中国は脅威だったけれども、今やもう中国は機会だとか、それこそ、脅威ととらえるよりも機会だととらえるというような考え方も、これも余りにも一面的過ぎまして、やはりそれは、実は私の設問というのも大変な愚問で、中国の経済をどう思いますかなんて、こんな愚問はないんですよ、はっきり言って。これはおわかりだろうと思いますが、事ほどさように難しいんですよ。中国の天気はどうですかと聞くのと同じなんですよ、これは。だから、そうじゃなくて、沿海部だとか内陸部だとか、それから沿海部でも、こっちの東北の方だとかいろいろあるように、これはなかなか難しいわけです。

 それから、さっき言ったように、八年まではオリンピックがあるから、一〇年までは上海の万博があるからということでつないできましたけれども、やはり九%成長だとか、今やもう九%成長は中国の政治的な安定のためにも一つの必要条件になっちゃっていて、そこでやはりどれほどの無理があるのか。元の切り上げの問題だってそうだし、バスケットでどういうふうにやるかとか、なかなか難しいから、ここのところは余りチャンスだチャンスだというふうに言わない方がむしろいいのではないだろうか、私はそういうようなことを一つあえて言っておきますが、これは、ちょっともう時間もなくなりましたので、答弁は結構でございます。

 もう一つ、どうしても聞かなきゃいけないのは公的資金投入法、正式名称、金融機能強化特別措置法案、これはこれから財務金融委員会でしっかりと議論をするところになりますけれども、私は、これは一体何のための法案の整備なのかなということがずっと疑問なわけですから、何のための、この法案の必要性があるのかということをお聞かせいただきたいと思います。

竹中国務大臣 御指摘のように、金融機能強化法案、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案というのを国会に提出して、ぜひとも御審議をお願いしたいというふうに思っております。

 これは、地域経済の活性化が大変重要になっている、先ほどから格差の問題もございましたけれども、地域経済の活性化が重要となっている現状の経済に対応して、金融機能の強化のために新たな公的資金の制度をぜひ設けたいというふうに考えているわけでございます。

 具体的には、その目的なり枠組みに関して申し上げますと、平成二十年三月までの間に金融機関から申請がある場合には審査を行って、申請金融機関が合併等を初めとする経営改革を行って、地域における金融の円滑化等、健全な金融機能を発揮すると認められる場合に国が資本参加をする。そうすることによって、地域経済の活性化や金融システムの安定強化に資するというふうに考えるわけでございます。

 繰り返しになりますけれども、要は、やはり今デフレが続く中で、さらにリスクをとる体質を身につけてもらって、金融機能を強化させたい。そうすることによって、地域経済の活性化等々、企業金融の円滑化をぜひとも実現したい。バランスシートの調整が最終局面を迎えているというふうに私は思っておりますけれども、それを確実なものにして、ぜひとも金融機能を強化するためにこのような枠組みを御議論いただきたいというふうに考えているわけでございます。

 同時に、それに関連する預金保険法の一部改正法案についても、ぜひとも御審議をお願いしたいというふうに考えている次第でございます。

海江田委員 預金保険法の一部改正の話も出ましたけれども、預金保険法の百二条というのがあって、あれでも資本注入はできるわけです。それから、再編組織の方でもって資本注入もできるわけで、ただ、この新しい法律と預金保険法との違いというのは、基本的に、預金保険法で入れようと思ったら、危機対応会議、あれを開かなければいけないということだから、こちらは、その意味でいえば、危機対応会議を開かなくて資本注入ができるということは紛れもない事実だろうと思うわけです。

 あともう一つ、さっきのリスクをとっていただくために、これは金融機関にリスクをとってもらうという話だろうと思いますけれども、これは実はペイオフの話とも私は関係あるんじゃないだろうか。特に、枠を二兆円決めるわけですから、枠の二兆円というのは地域の金融機関の話で、地域の金融機関がまだオーバーバンキングじゃないだろうかというような考え方もあって、それから、実は、ペイオフが解禁になると、地域の金融機関は今のままでいいんだろうかというような考え方もあるんじゃないだろうかということです。

 ただ、そのペイオフとの関係でいうと、これはもう改めて確認するまでもありませんけれども、来年の四月一日でこれは完全実施だろうというふうに思いますが、そうすると、実は、竹中大臣がこれまでずっとやってきた金融再生プログラム、これは大手銀行ですけれども、それからあと地域の金融機関に対する行動計画でも、全部、二〇〇五年の三月三十一日までにその意味では健全化をしましょうと。大手につきましても、それから中小の金融機関につきましても、二〇〇五年の三月三十一日までに健全化をして、二〇〇五年四月一日ペイオフの完全実施のときは、きれいさっぱり、それぞれのそのときに存在する金融機関というものは、地域金融機関も含めて、健全な金融機関ですよ、こういうのが一つのプログラムだったんではないかなというふうに思うんですね。

 そうすると、今度ここにこの新法をつくって、しかもこれが三月いっぱいですよね、八年の。そうすると、このペイオフの話とも、実質的には、ペイオフを完全実施するのを八年の三月までに、三月いっぱいまで引き延ばしをしたことになるんじゃないだろうかというふうに思うんですが、その点についてはどうでしょうか。

    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕

竹中国務大臣 御承知のように、我々は、二〇〇五年三月までを集中調整期間というふうに位置づけて、その集中調整期間までに、まさに集中的に、主要行に関しては、不良債権比率を半分、四%台にするということを実現したい。それまでの期間、地域金融機関に関しては、リレーションシップバンキングの集中改善期間というふうにして、いわばこの問題に対する第一段階をぜひクリアしたいというふうに思っているわけであります。

 しかし、今回の金融機能の強化というのは、より一般的なといいますか、より中期の目標を達成するためのものでありまして、これは、ちなみに昨年御審議をいただきました地域金融機関の再編の特措法、合併のときに幾つかの措置をとるというものでありますけれども、その期間と実は同じ考え方をとっているわけでございます。その意味では、集中調整期間でやるべきことと、やや中期的に、まさに金融機能を強化すること、そのことは少し分けて考えなければいけないというふうに考えております。

海江田委員 最後になりますけれども、合併特措法、あれはたしか一組でしょう、例になるのが。たしかそうですよね。これ、ちょっと数えてみたら、地銀だけでも、一つの県の中に三つ以上あるのが、あれはたしか三十ぐらいあるのかな、県だから二十だ、都府県、二十都道県あるわけですよね、これは。

 この状況というのは、やはり少しオーバーバンキングですかね。この新法を使って、ここを、さっきの特措法だけではたった一組ですから、これもその意味では、そういった再編、合併のための道具にしようというふうなお考えですか。

 それから、あともう一つだけ、これはもうお願いですが、きょう説明する時間がなかったんですが、これまでに資本注入をした、皆さん方のお手元のところに表がお配りしてございますが、これは金融庁に試算をしていただいたんですが、金額の贈与額でありますとか、それから資本注入額だとかありますけれども、最後の総額のところが、実はこれは金融庁が出してきたコメントをそのまま書いたんですけれども、おのおの資金の性格が異なるから単純に合計することは不適当だということですが、この資本注入した金額の中でも、例えば足利銀行なんかはもう毀損をしておりますし、ここで、先ほどから新生銀行の例も出ているところですが、現在の段階でわかる、合計額が幾らなのかということをぜひこれは出していただきたいということと、それから、さっきお話をした、地域の金融機関の、多過ぎる、整理統合のためにというその二つ、お願いします。

竹中国務大臣 専門家の間でオーバーバンキングを問題にする議論があることは承知をしておりますが、数が多いという意味でのオーバーバンキングかどうかということに関しては、これはいろいろな議論があると思いますし、我々が判断すべき問題ではないと思っております。

 これはまさに、経営組織をどうするかというのは、最も重要な経営判断の一つでありますから、自主的にそこは行っていただく。特措法そのものは、ある一定水準までの自己資本を埋めることはできますけれども、さらにリスクをとるような金融機能の強化には結びつかないわけで、それは今回の新しい法律の意味合いがそこにあるのだというふうに思っております。

 それに関しまして、注入云々でありますが、これはなかなか、今の、一種の含み益、含み損の議論だと思いますが、これは技術的になかなか難しい。我々としては、できるだけ正確に、確定したもの、そうしたものについて情報をぜひ開示していけるように引き続き努力をしたいと思っております。

海江田委員 ありがとうございました。

笹川委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部委員 社民党・市民連合の阿部知子です。

 本日の集中審議、経済、金融等ということでございますが、実は、経済も金融も命あってこそと私も考えておりますし、もちろん、きょう主に質疑をさせていただきます坂口厚生労働大臣もその思いが強うございますと思いますが、事は、いわゆる労災病院、労働災害にかかわる病院が、ある日突然廃止という宣言、死刑宣言を受けまして、地域住民の方たちも寝耳に水であったということで、極めて深刻な事態が発生している事例を質疑させていただきたいと思います。

 きょう、大臣のお手元に、この統廃合の対象になりました栃木県の珪肺病院、いわゆる日光とか鬼怒川とか川治という温泉地域にございます珪肺病院で、昔は足尾銅山の採掘、あるいは、その近辺一帯、鉱業の盛んなところでございましたから、そこで生じた珪肺病院が廃止されると去年の十二月伝えられたということで、きょう、地域の約十一万人の方の中から五万五千三百六十三名でございましたか、大臣にあててこのような要望書が出されてございますが、大臣はきょう一日この審議でございましたので、まだお目通しではないでしょうか。坂口厚生労働大臣、一問目をお願いいたします。

 栃木県の珪肺病院を廃止するに当たって、地域の住民五万五千三百六十三人から出された要望書でございます。あて名は大臣になってございますが、御存じでありましょうか。

坂口国務大臣 残念ながら、まだ拝見いたしておりません。

 総論だけを申し上げさせていただきますと、労災病院、三十七でございますか、ございますし、あるいはまた、社会保険庁には社会保険病院、年金関係は年金病院、そして今までは国立病院というふうにたくさんの公的病院を抱えておりますが、これらにつきましては、できる限り統廃合、そして整理するところは整理をさせていただいて、民間あるいは地域の病院にぜひお願いをしたいという総枠のことでございまして、その中の一つにこの病院も入っているんだろうというふうに思っております。

阿部委員 いずれの場合も、病院の統廃合と申しますのは、その病院におかかりの方にとっては、御自身の居住区に病院がなくなるということで極めて深刻でございますが、この栃木県の足利地域にもかかわりますが、ちょうど足利銀行が破綻いたしまして、今、一応国の管理下に置かれるということと相まって、この地域、非常に条件が悪うございます。

 特に、鬼怒川温泉と言われるあたりは、温泉客が減少したり、あるいは、これまでのいろいろな運用方法ではうまくいかなくなったということで、昨年十月に地域再生本部というのが閣議決定されてつくられました折に、谷垣前大臣のお顔が見えて、これから言わせていただきますが、産業再生機構と手に手をとり合って、この鬼怒川地域、川治地域、あるいは日光地域の再生をもう一度図ろうという途上にある。その意味では、今、国を挙げて何とかこの栃木県、このあたりを再生させないと、足利銀行は破綻しているし、温泉はうまくいかないし、これでは本当に地域住民がつら過ぎるという中での廃止の浮上でございます。

 こういう時期に当たって、この廃止が輪をかけるということにあって、坂口大臣はどのような御印象、あるいは困ったなときっと思っておられると思いますが、一般的にいつ廃止でも困るのですが、やはり非常にバッドタイミング、もう絶妙の悪いタイミングにあると思うんです。

 一方では、その地域再生本部も頑張って、何とか頑張りたい。こっちでも、産業再生機構もこれを取り上げて、頑張りたい。でも、大臣も恐らく御存じかと思いますが、温泉場にある病院というのは、これは確かに労災病院なのですが、実に年間千人以上の救急患者が温泉客の中からここを受診しておるということで、その病院が消えてしまうと、温泉の利用もやはりなかなか安心できないということでございまして、やはりこの時期、この病院、労災病院であって、労災病院の統廃合ということのプランの中でここに至ったのだけれども、やはりその地域全般を考えたときにどのようにこの事態を受けとめるかということで、二問目、また申しわけありませんが、坂口大臣にお願いします。

坂口国務大臣 この病院は、珪肺労災病院という名前がついておりますから、ここは銅山がございましたので、その銅山を中心にした皆さん方の病院として最初つくられたんだろうというふうに思っております。しかし、時代の変遷とともに、その銅山ももうなくなったと言った方がいいんだろうというふうに思いますが、背景も変わってまいりました。

 今後、それでは、この地域、そうした温泉等との影響もあるし、どうしていくのかという話になるんだろうというふうに思いますが、労災病院としてやっていくという歴史的役割は終わったというふうに思っているわけでございますが、地域にとりましての医療機関としての必要性というものを私たちも排除しているわけでは決してございませんで、そこはやはり考えていかなければならないというふうに思っております。

 今後、その地域の市町村あるいは県ともよく御相談を申し上げて、今後どういうふうな形で、いわゆる医療機関をここに存続させるかといったようなことも含めて、議論をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

阿部委員 坂口厚生労働大臣は非常に見識も情もおありの方ですので、いろいろな形の存続はあると思いますが、必ずや存続という方向に陣頭指揮をとってくださるものと心から私も期待しております。

 実は、病院を本当に存続させようというには強い思いが必要でございます。つぶすは簡単なのですが、これを存続させて命の拠点にしようと思うには、非常に深い思いが必要であると思います。

 そこで、大臣にあともう一つ申し上げれば、今大臣のお言葉にありましたが、足尾銅山で働いた方々、既に七十代、八十代となっておられますが、決してそこにもういないわけではございません。そして、そういう労災病院の機能をどこか専門的、集中的に、例えば北海道の美唄の方に持っていこうと思っても、患者さんはそこに持っていくわけにはいきません。足尾の山奥から美唄まで運ぶわけにも送るわけにもいかない。そこでやはり一生を終えていきたい、終えるものだと思いますので、その意味では、ぜひ、どんな形であれ存続をしていただきたいとお願い申し上げる次第です。

 そこで、もし大臣のお手元に配付した資料がございましたら、ちょっと御一緒にお目通しいただきたいのですが、今回、労災病院の廃止に至ります中で、三十七病院のうち五つの病院が廃止されます。上から挙げますと、岩手労災病院、それから私がきょう取り上げました珪肺病院、そしてぐんと下がりまして筑豊病院、大牟田病院、まあ名前を聞くだけでもそこにどういう歴史があったか出てまいりますが、そして最後が霧島温泉病院でございます。

 この一枚目にはベッド数が書いてございますが、いずれも、二百二十一、百九十九、二百五十、百、五十ということで、比較的中小規模の病院でございます。今の国の再編方針でいきますと、労災病院も多機能にいろいろなことをやれないと存続が認められないよという形で、じん肺の診療をいかにしっかりやっていても、あるいは研修をそこで受けていても、やはり正直言ってがたいの大きいところにはかなわない。大きなことはいいことだという時代のあおりをもろに受けて、こういう地域中核病院が、おまけに労災の患者さんも診ている病院が廃止されるのではないか。

 そこで、大臣にお伺いいたしますが、大臣もお医者様でいらして、この規模の病院がいかに運営がしづらいか。特にこの間の診療報酬の改定などで、やはり百五十から二百ベッドというと、もしも自分が院長になったとしてもとても難しいと思うのですが、この規模の病院を、例えば大臣がおっしゃった地域の自治体にお願いして、やれるものとお考えであるのか否か。この点をお願い申し上げます。

坂口国務大臣 統廃合いたします、あるいはまた廃止をする病院の何をもって基準とするかということはいろいろあるわけでございますが、今までの経営状況等もその一つになったことは事実でございます。したがいまして、ここにございます比較的ベッド数の少ないところは、そうした背景も確かにあるというふうに私も思っております。

 今後どうしていくかということにつきましては、これはよく相談をさせていただきたいということを先ほど申し上げたわけでございますが、必ずしもベッド数によって経営がいい悪いというわけでもない、やはりそれぞれの時代に即応した内容になっていかないといけないのであろうというふうに思っております。

 したがいまして、これからのこの地域における医療というのは何が一番求められているのかということを中心にしてやはり考えていく必要があると思います。

 珪肺の患者さんも、もちろんまだおみえでございましょう。その人たちのことも考えていかなければならないというふうに思いますし、そうしたことも含めて地元とよく御相談をさせていただきたいと思います。

阿部委員 今、前向きにお返事をいただいたのですが、さらに、確認のために次のページの「労災病院の収支について」というところをおめくりいただきますと、ここには、私が申しました、今の二百ベッド内外の、岩手、それから福島はちょっと大きい病院で例外ですが、珪肺病院、そして大牟田病院、霧島病院というのが全部軒並み赤字、黒がついてございます。

 何度も申しますが、例えば今の、非常に地域が疲弊し、自治体が多くの問題を抱えた中で、これだけ真っ黒けの病院を自治体で頑張れと言われても、実はさまざまな工夫がないと、自治体の側も、これは言われてもねということになると思うんです。

 それで、既に、去年にさかのぼりますが、十二月の十日ですね、栃木県の知事がお越しになりまして、要請書を持たれて、例えば国立病院の独法化、独立行政法人ではやれないのかという要望書も持っていらっしゃいました。これはもう私も厚生省に何回も聞いたんだけれども、だめだとおっしゃるので、となると、今度自治体にお任せするか、しかし自治体と言われても、ここは二市二町一村で、例えばこの病院のある藤原町は一万ちょっとの人口でございます。その人口規模でこれだけの赤を抱えろと言われたら、もう首長はやめざるを得ないかと思うような本当に苦しい状況だと私は思います。

 きょうは、大変恐縮ですが、麻生大臣にもお越しいただきましたが、総務省といたしまして、こういう自治体での自治体立病院の現在の運営の厳しさや、あるいは個別、このケースに限っても結構ですが、何かお声が届いているか否かをちょっとお答え、お願いします。

麻生国務大臣 今、小児科の先生方の対話を感心して聞いていたんですけれども、両方とも小児科だったので、はあと思って、元病院の経営者といたしまして言わせていただければ、これは基本的には、二百床というのは中途半端なサイズであることはもうはっきりしていると思いますね。したがいまして、これを栃木県なり、この地図を見ていると、近くに日光市民病院というのがあります。これも二百床ぐらい。この程度の、いっても三百床。これじゃなかなか、三つ四つ一緒にしてもちょっと難しいかなという感じが、正直な感じはいたしますけれども。

 いずれにいたしましても、これは地方の行政体の判断によるところでして、これはなかなか、総務省でこれを買えと言うような種類の話でもありませんし、預かります立場として、さらにこれは赤字を抱え込むことになりかねぬというようなものに対して、総務省として、さらにこれを何とかというのは、ちょっと言える話ではないかなという感じが率直なところで、やはり引き受けるのが、私立の病院もないわけじゃないんでしょうけれども、このサイズはちょっと難しいかなというのが、ぱっと伺って、きょう初めて伺いましたので、正直な実感です。

阿部委員 正直な実感を言っていただいて、ありがとうございます。私も、それゆえ、非常に案じております。

 それに、ここ、たかだか十一万弱のところで、五万五千以上の署名が、去年の十二月に廃止が言い渡されて、今日の二月までのこの短期間で集まること一つ見ても、やはりいかに地域の人たちが不安に思っているか。やはりなかなかやれないなという実感があるので、ここは坂口大臣の本当に御厚情にすがるしかないわけですが、ここに至るまでの経過で、例えば平成十四年の十月十六日に、これは総務省の自治財政局地域企業経営企画室長と厚生労働省労働基準局労災補償部労災管理課長の間で交わされた確認書の中でも、「地域医療の確保、救急医療の確保に配慮し、関係地方公共団体と十分な調整を行うこと。」という覚書が、これまでの労災病院の運営の変更に当たって、新たに、これは独立行政法人労働者健康福祉機構法案の審議のときに、こうやって宙に浮いちゃ困るから、地域に任すなら地域と十分協議して決断してほしいという確約書が出ております。

 これは実務サイドでも結構ですが、この覚書に従ってこうした作業がとられたのでしょうか。私が実際に現地に出向いて町長にお目にかかったら、十二月の三日の夕方四時ごろぽっと来られて廃止を言い渡されたと。寝耳に水、本当にびっくり、これはどうしたというので、もう地域を挙げて非常に深刻に悩んでおるということですが、厚生労働省高橋さんでも結構ですし、おいでじゃなければ担当部局、ちゃんと自治体の、総務省自治財政局地域企業経営企画室長との間でその地域の状況とか詰められたかどうか、お願いできますか。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 労災病院の再編に当たりましては、先ほど大臣からの御答弁がございましたとおり、私ども、十三年の十二月に閣議決定をされた特殊法人等整理合理化計画、これに基づきましてるる検討を進めてまいってきたわけでございます。その中で、当然、それぞれの労災病院、それぞれ地域地域の中で大変重要な地域医療の役割を担っている、こういう実態も当然踏まえながら、ただ、やはりこの労災病院が担うべき勤労者医療の中核的役割、これを効率的、効果的に果たしていくためにどういう体制が望ましいのかという観点で検討してきたわけでございます。

 この再編に当たりましては、御指摘のとおり、地域に与える影響も大きいということを踏まえて、地域の関係者と十分協議をしていくということは私どもも当然のことと考えておるところでございまして、昨年の十二月にお話をさせていただいたというのが、地元との話し合い、協議のスタートということでもあろうかというふうに受けとめております。

阿部委員 私は、もう廃止という方針が決定されてスタートを切るというふうな国と地方の関係というのはおかしいと思うのです。特に、十分な合意とどのような見通しがあるかという中で打ち出されないと、例えばこの病院が廃止されるといううわさが流れただけで次年度の看護婦の募集はゼロです。そうなれば、既に引き渡されるまでの間に十分病院は衰退し、機能も低下し、やはり本来的にそこを守っていくということができなくなってしまいます。

 そこで、私は、これは命の拠点であると同時に、例えばその労災病院で働く人の雇用の問題でもあり、あるいは先ほど申しました、鬼怒川という温泉地域の本当に守り、後ろ盾となるようなところで、そこで今回厚生労働省がとられた、まず廃止ありき、そしてある夕方突然言った、それで自治体の首長たちが全員こぞってきょう署名を持ってこられたと。やはり手順が逆だし、地域を本当に大事にする行政が行われていないと私は思いますが、坂口大臣、お聞きになっていかがでございましょう。

坂口国務大臣 地方、その地域の皆さん方が大変御心配になる心境もよくわかりますし、また、市長さんや町長さん初め、皆さん方が御努力をしていただいていることにも大変敬意を表する次第でございます。

 いずれにいたしましても、皆さん方に最終的合意をしていただかなければこれは次のステップには進めないわけでございますので、よく御相談をさせていただきたいというふうに思っております。

 これは、厚生委員会でもよくお話がございましたとおり、労災病院でありましても、あるいは社会保険病院でありましても、いわゆる保険料をつぎ込んで経営するということは、今後もうこれはやるべきではないし、それは廃止をしなきゃならないというふうに思っております。

 そういうふうになりますと、赤字がたくさん出れば、どこでこれを賄っていくかということにもなってくるわけでございまして、そこはひとつ御理解をいただきながら、今後の地域における医療はどういう規模でどういうふうにしたらいいのかということも含めてお話をさせていただきたい、そして、地域の医療活動におこたえがどうしたらできるかということも含めてお話をさせていただきたいと思っております。

阿部委員 重ねて、必ずや存続の方向でお骨折りをいただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

笹川委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十五日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十一分散会


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