衆議院

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第17号 平成16年2月25日(水曜日)

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平成十六年二月二十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 笹川  堯君

   理事 大野 功統君 理事 北村 直人君

   理事 杉浦 正健君 理事 園田 博之君

   理事 松岡 利勝君 理事 玄葉光一郎君

   理事 筒井 信隆君 理事 細川 律夫君

   理事 谷口 隆義君

      伊吹 文明君    今津  寛君

      植竹 繁雄君    大島 理森君

      大前 繁雄君    岡本 芳郎君

      加藤 勝信君    城内  実君

      倉田 雅年君    小泉 龍司君

      小杉  隆君    佐藤  錬君

      菅原 一秀君    鈴木 俊一君

      鈴木 淳司君    田中 英夫君

      滝   実君    谷  公一君

      玉沢徳一郎君    中馬 弘毅君

      津島 恭一君    津島 雄二君

      中西 一善君    中山 成彬君

      西川 京子君    西村 康稔君

      西銘恒三郎君    葉梨 康弘君

      萩生田光一君    萩野 浩基君

      蓮実  進君    二田 孝治君

      町村 信孝君    松島みどり君

      井上 和雄君    池田 元久君

      石田 勝之君    生方 幸夫君

      岡本 充功君    海江田万里君

      河村たかし君    吉良 州司君

      岸本  健君    小泉 俊明君

      小宮山泰子君    鮫島 宗明君

      首藤 信彦君    達増 拓也君

      中津川博郷君    中野  譲君

      永田 寿康君    鉢呂 吉雄君

      樋高  剛君    平岡 秀夫君

      藤井 裕久君    古川 元久君

      古本伸一郎君    細野 豪志君

      石田 祝稔君    遠藤 乙彦君

      高木美智代君    高木 陽介君

      丸谷 佳織君    佐々木憲昭君

      山口 富男君    阿部 知子君

      横光 克彦君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   総務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   厚生労働大臣       坂口  力君

   農林水産大臣       亀井 善之君

   経済産業大臣       中川 昭一君

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 小野 清子君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 茂木 敏充君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   竹中 平蔵君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   財務副大臣        山本 有二君

   厚生労働副大臣      森  英介君

   農林水産副大臣      金田 英行君

   国土交通副大臣      林  幹雄君

   内閣府大臣政務官     宮腰 光寛君

   経済産業大臣政務官    江田 康幸君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 河村  博君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    塩田 幸雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  吉武 民樹君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  薄井 康紀君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          豊田 正和君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 安富 正文君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   政府参考人

   (国土交通省北海道局長) 藤本  保君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十五日

 辞任         補欠選任

  伊吹 文明君     葉梨 康弘君

  尾身 幸次君     田中 英夫君

  大島 理森君     佐藤  錬君

  小泉 龍司君     谷  公一君

  小杉  隆君     大前 繁雄君

  鈴木 俊一君     加藤 勝信君

  滝   実君     今津  寛君

  中馬 弘毅君     城内  実君

  津島 雄二君     津島 恭一君

  丹羽 雄哉君     西村 康稔君

  町村 信孝君     鈴木 淳司君

  井上 和雄君     中野  譲君

  池田 元久君     岡本 充功君

  河村たかし君     細野 豪志君

  永田 寿康君     古川 元久君

  鉢呂 吉雄君     古本伸一郎君

  平岡 秀夫君     小宮山泰子君

  藤井 裕久君     岸本  健君

  遠藤 乙彦君     丸谷 佳織君

  佐々木憲昭君     山口 富男君

  照屋 寛徳君     横光 克彦君

同日

 辞任         補欠選任

  今津  寛君     岡本 芳郎君

  大前 繁雄君     小杉  隆君

  加藤 勝信君     鈴木 俊一君

  城内  実君     中馬 弘毅君

  佐藤  錬君     大島 理森君

  鈴木 淳司君     中西 一善君

  田中 英夫君     松島みどり君

  谷  公一君     小泉 龍司君

  津島 恭一君     西銘恒三郎君

  西村 康稔君     菅原 一秀君

  葉梨 康弘君     伊吹 文明君

  岡本 充功君     池田 元久君

  岸本  健君     樋高  剛君

  小宮山泰子君     平岡 秀夫君

  中野  譲君     井上 和雄君

  古川 元久君     永田 寿康君

  古本伸一郎君     鉢呂 吉雄君

  細野 豪志君     河村たかし君

  丸谷 佳織君     高木美智代君

  山口 富男君     佐々木憲昭君

  横光 克彦君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     滝   実君

  菅原 一秀君     丹羽 雄哉君

  中西 一善君     町村 信孝君

  西銘恒三郎君     津島 雄二君

  松島みどり君     萩生田光一君

  樋高  剛君     藤井 裕久君

  高木美智代君     遠藤 乙彦君

  阿部 知子君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  萩生田光一君     尾身 幸次君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 分科会における会計検査院当局者出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 平成十六年度一般会計予算

 平成十六年度特別会計予算

 平成十六年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

笹川委員長 これより会議を開きます。

 平成十六年度一般会計予算、平成十六年度特別会計予算、平成十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として、法務省大臣官房審議官河村博君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君、厚生労働省年金局長吉武民樹君、社会保険庁運営部長薄井康紀君、経済産業省商務情報政策局長豊田正和君、国土交通省大臣官房長安富正文君、国土交通省道路局長佐藤信秋君及び国土交通省北海道局長藤本保君、以上の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

笹川委員長 本日は、年金及び構造改革問題等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村直人君。

北村(直)委員 おはようございます。自民党の北村です。

 久しぶりに委員会で質問をする機会をいただきましたので、きょうは、集中審議、年金及び構造改革問題等ということでございまして、私の方は、構造改革問題ということに絞って質問をさせていただきたいと思いますが、構造改革といってもいろいろな構造改革がございます。そういう意味では、たくさんの中から幾つかに絞らざるを得ないということでございます。

 特に、地方自治体、市町村長の皆さん方あるいは市町村の議員の方々、そしてまた、市町村の議員の方々といろいろな面で御指導いただいたりしている地域の皆さん方が一番今やはり心配しているのは、国の平成十六年度予算、これも非常に大切だけれども、自分たちの住んでいる市町村のことしの平成十六年度の予算がひょっとしたらこれは組めないのではないか。そして、市町村長もそういうふうな話もする、あるいは市町村の議員の方々も地域の人方と懇談をすると、いや大変だ、父さん母さん大変だよ、じいさんばあさん大変だという話ばかりで、市町村長の顔を見ても余り顔色がよくない。

 そういうようなことで、我々は地方に向かっていろいろな情報を発信しているわけでありますけれども、なかなか地域の皆さんや、そしてまた地域で頑張っておられる首長の皆さんや議員の皆さん方にそのメッセージが届いていないのではないかな、このように思っております。

 特に、この一年間、日本じゅういろいろな面で災害も起きました。昨年は、大雨あるいは台風十号、そしてまた私の北海道では十勝沖地震、そして年を越せば、北海道は大雪で動けないような状況になってきている。

 そういう中にあって、市町村の首長の皆さんやあるいは議員の皆さん方は、真剣になって、自分たちの町を守ろう、自分のふるさとを守ろう、こう言って、自分たちの持っている能力、知力を全部発揮しながら、その地域の守りに徹しているわけであります。

 そういう意味にあっては、相当、地域の自治体が自分たちで出したそういう財源というのは、非常にことし一年間大きかった。災害でありますから、災害は国の方がこれをもとの形に復興していただけるということではありますけれども、しかし、それぞれの市町村によっては、自分たちの積み上げてきた基金も崩しもしなきゃならない、あるいは補正を組んだり、いろいろなありとあらゆることを考えて、災害等々、これに対処してきたわけでございます。

 特に財務大臣にあるいは総務大臣に、特に総務大臣には、三月になりますと、そういう意味では、一年間の中で特別交付金等々の査定も今やっているわけでありますので、そういうことには十分にこれは配慮をしていただかなけりゃならない、このように思っております。

 つい二十三日の日も北海道は非常に大雪に見舞われました。そこで、この二十三日の大雪の中で、大雪ばかりではなくて、そのことによって人命まで奪われてしまったような事故につながったわけであります。

 雪に突っ込んでしまったそういう人を助けようとして、その近所の中学校の先生方が七人出てこられて、それを助けている間に大型トレーラーでその人方がはねられてしまった、二人の人が亡くなった、五人の方が重軽傷を負った。これは、やはり困っている人を助けようという地域の方々、特に先生方のそういう思いがあって、この吹雪の中、助けに出たんだと思います。

 そして、運転をされていた大型トレーラーの人も、吹雪の中をついて、この経済の疲弊している中で、何とか荷物等々を届けなきゃならない、それが自分の使命であって、またそれをやることによって給料がもらえるというようなそういう思いで、本来なら、あれだけの大雪ですから、運行をやめようということになるんでしょうけれども、それでもそういう形でトラックを運転している。

 私は、両方とも被害者になったのではないのかな、このような思いを持ってあの痛ましい事故をこの大雪の中で見たわけでございます。

 地域の人方は、本当にともに助け合いながら、共存共栄、相互扶助、そういう思いでこの地域の活性化と地域の自治を守っていこうということで頑張っているわけでありますので、今回のこの構造改革の中の三位一体が地方を切り捨てるようなことになったのでは政治はない、私はこういうふうに思うわけでございます。

 そういった意味で、今回の三位一体ということについて、特に総務大臣の方から、国民の皆さん方にあるいは地域の方々に、わかりやすい言葉で、なぜこの三位一体、やらなきゃならないのか、そしてその中でどういうことを地域の方々にお願いをしなきゃならないのか、そして努力をしてもらわなきゃならないのか、そのことについてぜひ総務大臣からそのポイントについてお答えをいただきたい、このように思うところでございます。

麻生国務大臣 基本的には、予算でありますので、何となくお金の話からスタートすることによくなるんですが、もともと三位一体というものは、いわゆる中央集権から地域主権という大きな流れに沿って、地方に元気が出るためには、地方の自由度を増し、そのためには地方に税源、自主財源がというのが多分基本的な流れだと思っております。それが方向としての大前提。

 ただ、それには、いわゆる財源を伴う話になりますので、その財源の部分をということで、よくよく財源を見てみると、地方財政というものは大きな赤を抱えておりますので、そういった赤をどうしても今後抑制していかないといかぬ。そのためには、いろんな意味で、バブルの時代に膨れ上がった財政等々のツケの部分もありますので、そういったものを含めて抑制という方向は避けられない。

 また、中央官庁も、御存じのように人員の削減をやっておりますところでもありますので、地方の方につきましても四万人の人員の削減とか、また、投資的経費につきましてはバブル以前の平成二、三年のところに戻していただくとか、また、一般行政経費につきましても、現在の水準を目安にして、これ以上ふやさないようにというようなことがずっと出てきたところが一番大きな背景だと思っております。

 ただ、今年に限って言わせていただければ、非常に大きなものになったということで、全体として、昨年と違って、えらく減り幅が多い。特に交付税の減り方が多いというようなところが目がつかえるところだと思いますが、昨年と今年の一番の違いは、昨年は地方税収は二兆円の減、したがって交付税はふえます。今回は地方税に関しましては微増でありますから、その点につきましては交付税は、そっちの方は逆に減ることになりますので、そこが非常に大きく見えてきているという感情的、気分的な問題はあろうと思います。

 いずれにいたしましても、そういった問題を含めて、地域によって随分違うところがありますので、その差に合わせて私どもとしてはきめ細かく対応をさせていきたいと思っております。

北村(直)委員 同じ質問を財務大臣に、財務大臣として、今回の三位一体のことについて国民の人方や地域の方々にわかってもらいたいこと、そこをポイントを絞ってお答えをいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 今私の選挙区も、丹波、丹後、大変過疎地も抱えておりますので、いろいろ苦労しております。

 三位一体につきましては、今、麻生大臣からもお話がありましたように、もともと、地方の権限と責任を拡大していく、地方でできることは地方でというのが一番の主眼でございます。

 しかしながら、それを支える財政、地方交付税特会、今まで税の一定部分を地方交付税でするとやってきましたけれども、足らず前を借りてずっとやってまいりました。その借入金の残高が五十兆を超えるという現状でございますから、三位一体の改革を進めて地方の自主性を高めていくといっても、やはり国、地方を通じたスリム化ということもあわせて行わないと、どうしてもこれができないという現状になっているというふうに私は思っております。

 来年度の自治体の予算編成が大変厳しくなっているという声は私のところにも聞こえてまいりますけれども、地方交付税のあり方につきましては、地域間の財政力格差を埋めていくという意味での調整機能、これはどこまでいっても私は必ず必要だと思います。

 しかし、これだけ先ほど申しました特会の借入金が五十兆もたまっている段階では、財源の補てんをしていくという財源の保障機能が膨らんでしまいますと、もうこれは身動きがとれませんので、そこのところはできるだけ抑制していくという意味での地方交付税のスリム化ということは、避けて通れないことではないかなと考えております。

 ただし、地財計画の規模は、先ほど麻生大臣からも税収との関係でお話がございましたけれども、対前年度比一・五兆円減、一・八%減。私は、これは必要な財源は確保していただいたんじゃないかというふうに思っております。

 それから、税源移譲についても、これは廃止する補助金の対象事業の中で引き続き地方がやっていただくところを税源移譲するということで、所得譲与税、それから税源移譲予定の特例交付金という形で所要の一般財源を手当てしたわけですが、今後については、やはり所得税から地方住民税へ移していくという姿で、補助金改革の姿が明らかになってきたときにきちっとやらなければならないと考えております。

 さらに申し上げるならば、地方のことは地方でという場合に、やはり民主主義の基本は、それぞれで、国の場合も、国でやる施策を理解していただいて、その財源を国民に負担していただく、納得して負担していただくというのが民主主義のプロセスでございますから、地方自治体にとっても、それぞれの施策を住民に理解していただいて、その地方税で集めていただくというプロセスが私はこれから必要なのではないかなと思います。

 いずれにしましても、そういう非常に厳しい中で三位一体の改革を進めておりますので、自治体におかれましても、スリム化と申しますか効率化の御努力をお願いしなければならないのかな、このように考えております。

北村(直)委員 市町村の首長の皆さんや市町村の議員の方々は、それはもう自分たちの町の行政改革については相当な努力をして、特に首長の皆さん方は、ある面では企業の社長になったようなつもりで、自分の会社の利益を上げるために、そういう思いでやっている方々が大多数だと思っております。それでも、それでも予算が足りない、こういうふうになる場合があります。

 そこで、手当てを講じるために、今回も地域再生事業債というような手当てを与えていただけるというようなことになりますけれども、結果において、これもやっぱり地域の方々の重たいまた負担にもなりかねない、こういうふうになるわけでありますので、この地域再生事業債の返済については、国はどのような措置を講じようとしているのか、これは総務大臣にお聞かせをいただきたいと思います。

麻生国務大臣 地域再生事業債の元利償還につきましての御質問なんだと思いますが、これにつきましては、後年度負担の間につきましては標準事業方式で、いわゆる単位費用掛ける人口ということで、地方交付税の基準財政需要額に算入することといたしております。また、財政健全化債につきましても、同じく将来の財政負担の軽減が見込まれます範囲内においてお貸しするということにいたしております。

 いずれにいたしましても、その財源の返済に当たりましては、いろいろ手だてを講じておるということは、細目をしゃべりますとかなり長くなりますので失礼をさせていただいて、対応させていただいております。

北村(直)委員 いずれにいたしましても、総務省が主導をとっていただいて、地方自治体の方々の運営についての相談の窓口をしっかり、今ありますけれども、なお一層御指導をいただきたい、そしてまた、都道府県にもそのことを、丁寧に丁寧に窓口としてやっていただけるよう、また督励をしていただきたい、このことをまずお願い申し上げております。

 さて、構造改革の三位一体とは若干違った意味ではありますけれども、私は目に見えてきた構造改革の一つに、食の安全、安心ということがあるのではないかと思っております。

 特に、農林水産省は、ある面では生産者最優先あるいは事業者最優先というふうに見られがちでございましたけれども、ここ、本当にいろいろな形で、消費者最優先ということで、農林水産省は相当な改革をされてきた。これは、国民全体から見て、非常に大きな構造改革が目に見えてきたことの一つではないかと思っております。

 人間、生まれたときからリスクをしょうわけでありますので、そういう面では自己責任。自己責任ということになると、情報をもとに自分で判断をするということになるわけでございます。そういう面では、今回のBSEですとか鳥インフルエンザ、あるいは原産地表示というのは、非常に消費者最優先という意味では農林水産省にとっては大きな生命線だ、私はこう思っております。

 そこで、農林大臣に、けさもテレビで、アメリカの方はBSE全頭検査云々というようなニュースが流れておりましたけれども、果たしてアメリカ政府から牛肉の輸入再開に当たっての明快な、アメリカはこうするんだ、こういうふうなことで明確に提案があったのかどうか、そのことをまずお聞かせいただきたいと思います。

亀井国務大臣 今委員御指摘のとおり、昨年七月、食品安全委員会がスタートし、またあわせて、私ども農水省、組織改正をいたしまして、消費・安全局を設置し、国民の食の安全、安心、このようなことを大きな柱として努力をしておるところでもございます。

 今御質問のアメリカからのBSEのことにつきましてのことでございますけれども、私ども、何回となく繰り返し、先ほど申し上げましたとおり、国民の食の安全、安心、こういう視点から、国民の健康保護、これを第一義に、そして、日本と同じような、屠畜場におきます全頭検査、特定危険部位の除去、このことを繰り返し申し上げておるわけであります。

 しかし、今日まで米国から、輸入再開、このことにつきましては、お互いに、早期に、こういう意識は共通しておるわけでありますが、現実にアメリカから、適切な提案、こういうものは今日までないというのが現状であります。

北村(直)委員 アメリカから明確な、正式な提案がないということでありますので、私は、我が国のとってきたこのBSEについては、我が国の主張を明確にアメリカに伝えていくことが消費者を最優先で守っていくということにつながっていきますので、そこは大臣にひとつしっかりとした気持ちでやっていただきたい、こう思います。

 そこで、アメリカは、科学的でない、こういう言い方をしますが、我が国は、BSEは全頭検査、こういうことをやっているわけであります。OIEの基準もございます。

 そこで、ことしも六月にはOIEの総会が開かれる。私も、昨年OIEで基調講演をして、このBSEの疑似患畜、今までは八割処分せざるを得なかったのを二割まで削減する、基調講演でこれを提案して、そのとおりにOIEの規定を変えたわけでございまして、何としても、亀井大臣、OIEに対して、我が国の全頭検査、これをやはりOIEの基準にすべきだと。それは、全頭検査をしていたからこそ、我が国はこの十頭のBSEの発生を発見することができたということであります。アメリカのように、へたり牛をやったらということではない。

 ですから、これは、私は、OIEに対して堂々と日本が胸を張って提案できる事項だと思いますが、大臣はいかがでしょうか。

亀井国務大臣 今委員御指摘のとおり、牛肉等の貿易に関する国際衛生上のルール、これは、国際獣疫事務局、OIEにおきまして作成されるわけでありまして、輸入国、輸出国ともに納得できる新たなルールづくり、これが必要なわけであります。そのために、BSEのいわゆるリスク評価、リスク管理の両面におきます日本の専門家やあるいは行政官も参加いたしましてオープンな議論がなされることが必要、こう思っております。

 そういう中で、もう委員十分御承知のとおり、科学的な面でもBSEはまだ未解明なところがあるわけでありまして、BSEの定義の明確化、また判定方法、判定基準の統一化とか、あるいはまた各国のステータスを的確かつ公正に、公平に比較できるサーベイランスの基準であるとか、あるいは特定危険部位の範囲の問題等々、検討すべき課題が多くあるわけであります。

 そういう面で、先ほど委員御指摘のとおり、我が国はBSE十例の発生があるわけでありますが、ほとんどが屠畜場における正常な牛から発見されておるわけでありますし、非定型的なBSEや二十三カ月、二十一カ月の若齢のBSE感染牛が確認されたところでありまして、我が国のこのような経験を十分反映させることが必要、こう思っております。

 また、御指摘のいわゆる全頭検査の問題等々につきましても、これは十分申し上げなければならない。実は、私は、昨年十二月にOIEに参りまして、この問題につきまして、今申し上げましたようなことを、事務局長にもお目にかかり、お話を申し上げてきたわけでありまして、今後とも継続的に働きかけをしてまいりたい、このように考えております。

北村(直)委員 ぜひ、日本の今までの努力というものがOIEで報われるように、これは省を挙げて、あるいは日本の科学者の方々の総意をもって、OIEでこれらを検討させるべく全力を挙げていただきたい、このように再度申し上げておきたいと思います。

 もう一つ、高病原性鳥インフルエンザの防疫対策として、一般の方々やあるいは鶏卵業界の方々は、ワクチンを使えばいいじゃないの、こういう言い方をするわけでありますけれども、私は、ワクチンをそう軽々に使うことは、それはだめだ、こういう思いがございますが、農水省も、なぜワクチンを使わないんだ、こういうことを明確にやはり消費者の方々に言うべきであると思いますので、そのことを御答弁いただきたいと思います。

亀井国務大臣 もう委員は専門家でございますので、十分御認識いただき、感謝を申し上げる次第でございます。

 鳥インフルエンザワクチンを接種いたしますと、ウイルスが鶏に侵入した際に発症は抑えられるわけでありますが、感染を防止することができないわけであります。その鳥自身が新たな感染源になる可能性が出てくるわけであります。また、鳥からウイルス抗体が検出されても、それが、接種したワクチンによるものか、本当のウイルスの感染によるものか、この判別、判定が非常に難しいわけであります。

 こういう点の問題があるわけでありまして、そのために、本病につきましては、感染鶏の摘発及び淘汰による防疫で対応できる限りにおいてワクチンを使用しないことが適当、このように考えておるわけでありまして、食料・農業・農村政策審議会の家きん疾病小委員会からも、同様の意見をいただいておるところでもございます。

 また、鳥インフルエンザウイルスが日本国内に広範に存在している状況が続くこととなれば、人から人へ感染する新型ウイルスに変異するおそれもあるわけでありまして、このことも踏まえまして、感染鶏を淘汰し、ウイルスそのものを根絶することが最も重要、このように考えております。

 なお、小委員会におきましては、万が一発生が拡大した場合にはワクチンの備蓄を検討しておくべき、このように言われておるわけでありまして、海外からワクチンをもう既に輸入、備蓄しております。また、発生が拡大した場合には、本病ワクチンの使用がスムーズに行われるように、ワクチンを使用した鶏から生産された食品、いわゆる鶏肉、鶏卵の安全性等について厚生労働省や食品安全委員会との調整を進めているところでもございます。

 このような、不幸にもそのような事態に陥った場合でも迅速に対応できるように準備をしておるところでもございます。

北村(直)委員 ぜひそのことは、やはり常に常に消費者に向かってPRをしていただきたい。そして、この鳥インフルエンザは、七十度以上であればインフルエンザのウイルスは死んでしまう等々、きちっと、消費者にわかりやすく、何度も何度もやっていただきたいと思います。

 そこで、風評被害対策のPRを農水省はいろいろとやっております。私の手元に、こういうものを皆さんに配ったりなんかしながら、いろいろな業界もやっておりますが、私、読んでいてちょっと残念だなと思うのは、いろいろと新聞を使ってPRをするのもいいでしょう、それは大切なことだと思いますが、どうもそのPRが全国津々浦々まで行かないんですね。

 例えば、全国地方新聞社連合会に加盟しているところにはこのPRで広告は出すけれども、そうではなくて、全国の郷土紙連合というのがあるんですね。つまり、北海道のことを挙げると、北海道には某新聞が一社しか例えばPRされない、この広報で。ところが、北海道には郷土紙という、あるいはほかの府県でも郷土紙というのがある。郷土紙というのは意外と、本当に末端まで、隅々まで行く、これが郷土紙の持っている強みであります。決してほかの新聞がだめだとか、そうではなくて。

 ですから、やはりこのPRのときには、そういう都道府県の郷土紙、そういうもの、一つの線は引かなきゃならぬと思いますけれども、そういうことについても、ぜひ今後のPRについても内閣挙げてこれはやっていただかなきゃならぬことだな、このように思うところでございます。

 最後に大臣に、これは先ほど、冒頭、リスクを背負いながら、自分の責任で、情報をいただいて自分で判断していく、こういうふうになりますと、消費者に安心を与えるためには、加工食品、これにやはり目を向けて、原産地表示をしていかなければならない、このように思います。

 今回は、規格表示検討委員会で、非常に、今までかつてないぐらいの数が今回は検討されているようでありますけれども、それでもまだ足りない。例えば、もともとの、このものでしか使えない、例えば昆布のような、昆布巻き、これは、昆布巻きの中に身欠きニシンか何か入れても、もともと昆布そのものですね。こういうものの原産地表示ができない。

 これでは、私は、消費者の方々には、自分で判断するときの情報として不十分だと。やはりリスクをしょって、原産地を、きちっと情報があって、明確にこのことをわかっていてそれを使う、買うということであれば、私はいいと思いますけれども、ぜひ、そのことについて農林大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。

亀井国務大臣 消費者の食に対する安心を確保する観点から、原産地などの食品の品質に関する情報を的確に提供すべきことは大変重要なことであるわけであります。すべての生鮮食品につきましては、平成十二年七月から原産地表示を義務づけたわけでもございます。

 加工食品につきましては、消費者の商品選択に役立てるため、その主な原料の原産地を表示することが極めて重要であるわけであります。平成十三年度以降、アジの干物など個別の品目を指定して表示を義務づけたところでもございます。

 しかし、このような個別品目を指定する方式では限界があるわけでもございます。現在、農水省、厚生労働省が共同で開催しております食品の表示に関する共同会議におきまして、例えば、乾燥した農産物、塩蔵した水産物のように生鮮食品に近い加工食品を広く原料原産地の表示の対象とする方向で検討をしているところであります。

 先ほどのお話の昆布巻きにつきましては、干し昆布、魚、かんぴょう等の加工品を組み合わせ、さらに味つけを行うなど、加工度の高い製品であることから、現時点におきましては、原料原産地表示の義務対象とすることは難しいところではないか、このように考えておりますが、今回、昆布巻きの原料となる干し昆布が原料原産地表示の対象となった上で、その表示が定着あるいはまた消費者から義務対象とすべきとの意見が高まってくるというようなことになりますれば、必要に応じまして義務対象品目の見直しを検討してまいりたい、このように考えております。

北村(直)委員 ぜひ、そのことにやはりきちっと目を向けて、消費者最優先で考えていただきたい。その原産地、例えば昆布ですと、北海道、青森地域にもございます。そういう地域の昆布が、よもや中国産のものがそういう日本のもののような形で消費者の方々に誤った情報が行かないような、やはりきちっとした情報を伝えていくことが肝要である、私はそう思っておりますので、ぜひこれは、ひとつ特段の検討をしていただきたいということをお願い申し上げながら、大臣、次の会議があるようでございますので、どうぞ、結構でございます。

 最後に、構造改革としてはいまだ全く見えてこない問題として、領土問題がございます。それも、北方領土のことについては、茂木担当大臣は、昨年、現地を納沙布から見ていただいたということはございますが、そのことについては、我が党の杉浦委員等々の御質問もこの予算委員会ではありましたが、私は、ある面では、国内の対策として何ができるか、それはやはり一義的にも茂木大臣のところではないか、こう思います。

 特に、元島民の高齢化というのが進んでおりまして、七十二歳を超えるような方々が非常に多くなってきているわけであります。そういう方々が本当に今願っているというんでしょうか、確かにいろいろな面で難しいけれども、財産権の不行使に対する補償ですとか、あるいは後継者の育成ということについては、非常に元島民の方々の熱い思いがあるわけであります。

 茂木大臣、この財産権の不行使に対する補償、これはなかなか難しい問題ですけれども、現地を見られて、そして元島民の方々と会談をされてきた大臣として、どういう決意でこれらに臨むのか、ひとつそこをお聞かせいただきたいと思います。

茂木国務大臣 昨年、北方領土視察の際には、北村委員の方から、長くこの問題にかかわってきた先輩としていろいろ御指導いただきましたことを感謝申し上げております。

 この財産権の問題、元島民の皆さんとお会いすると必ず提起をされる一番重要な問題でありまして、領土問題とともに日ロ間におきましてなお未解決の問題、平和条約の締結交渉におきまして必ず明確にされなければならない問題だ、こんなふうに考えております。

 島民の皆さんと長年にわたって真摯に接してこられた委員、そしてまた島民の皆さんの心情というのは十分察せられるわけでありますけれども、この財産権の不行使をどうするか、こういう問題になりますと、どうしても他との均衡、こういう問題もありまして、なかなか困難な側面はあるな、こういうふうに考えております。

 ただ、例えば、旧漁業者を初めとする島民の皆さんの置かれた特殊な地位にかんがみまして、昭和三十六年から十億円の基金を交付いたしまして、元島民の皆さんに対する生活資金、事業資金の低利融資制度等々も創設をさせていただいたわけでありまして、こういうことも積極的に御利用いただきたいと思っておりますし、また、援護措置としましては、この低利融資制度とあわせて北方四島への自由訪問等も実施しておりまして、こういった一つ一つの措置を丁寧にしっかり今進めてまいりたいと考えております。

北村(直)委員 今その自由訪問の話が出ましたが、自由訪問も四島ということでありますから四回。しかし、島は、これは歯舞諸島、群島を入れると五つありまして、やはり八つになるんですね。ですから、やはりそこに自由訪問ができなければ、元島民の方々の思いというものがなかなか通用しない。そういう意味で、逢沢副大臣から、この自由訪問の支援について外務省はどう考えているのか、そのことをお聞かせいただきたいと思います。

逢沢副大臣 言うまでもないことでございますが、この自由訪問事業の人道的な意義、まことに大きなものがあると思いますし、また、関係者の方々から強い要望がなされております。

 したがって、ロシア側に対しまして、従来より、現在は国後島の古釜布が唯一の通過点ということでございますが、新たな四カ所の通過点の開設、そしてまた訪問対象者の拡大等の改善について申し入れてまいりました。

 十五年度の訪問におきましては、新たに三カ所の通過点を開設することについて、ロシア側との間で調整がなされたということを改めて報告を申し上げておきたいと思います。択捉の紗那、色丹の穴澗、歯舞の水晶島に新たに通過点が設けられる方向で調整がなされております。

 ロシアでも人事の異動があるやに報道されておりますけれども、予定どおり今月二十七日に日ロ局長協議が行われますけれども、改めてロシア側に強く申し入れを行う予定でございます。

北村(直)委員 もう一点、逢沢副大臣に御答弁をいただきたいと思いますが、四島に住んでいるロシアの方々にとって、ずっと今も昔も非常に彼らが心配していることは、やはり自分たちの健康のことを一番心配されているんですね。

 ですから、私は、この国会に初めて議席を得てからずっと、四島に人道的支援、物をつくったりあるいは医薬品を送るのではなくて、四島に住んでいるロシアの方々の健康管理は我が国でやってやるんだ、日本が健康管理をやるよ、そのぐらいの意味でやることが一番いいことだ、そのことがボディーブローにきいていって、最終的には、あの四島に住んでいるロシアの方々が、日本にこの四島の帰属が行っても、日本人になっても心配ない、こういうふうになるのではないかというふうに私は考えて今までも言ってきたわけであります。

 そういう面では、今回、昨年から重症な患者を二名、日本の病院で診ていただいた、これは非常にいいことだ。帰る方々は、涙を流して帰られて、多分、ロシアのコーヒーか何かを飲みながら、日本に行ったら、こういうことをさせてもらったよ、日本にこの帰属が行ったって何の心配もないねなんというのを、お茶飲み話に出ているのではないかな、こう思います。

 この事業は拡大をしてしっかりとやっていくべきだ、私はこういうふうに思いますが、外務省の見解をお聞かせいただきたいと思います。

逢沢副大臣 北方四島住民支援、幾つかの事業がございますけれども、その中でも患者の受け入れ事業、今委員御指摘のように、最も意義のある事業の一つというふうに我が省としても認識をいたしております。

 我が国に対する信頼感を高めることはもとよりでありますけれども、ひいては平和条約締結交渉の促進に向けた環境整備にも大変資するという認識で、地元の皆様とさまざまな調整、そして何といっても患者の皆様により適切な治療、診断を行うことのできる体制を確保する等々十分考慮しながら、今後とも外務省としては可能な限り充実を図っていきたい、そのように考えておりますことを御報告申し上げます。

北村(直)委員 時間がありませんので答弁は要りませんが、一つ二つだけお願いを申し上げます。

 一つは、自由訪問等々、ビザなし渡航等々の船が非常に古くなって、あの船ではなかなかもう使えなくなってきている。そういう面で、ぜひ、新しい船をつくるのかどうか、あるいはまた別なものを使うようにするのかどうかを、真剣にひとつ考えていただきたいということが一点。

 それからもう一つは、後継者、そして、日本の北方領土に対する知識というのは、副読本等々で、いろいろな形でこれは勉強させていただいておりますけれども、しかし、外務省の方々あるいは教育者が一緒に自由訪問、ビザなしで行ったときに、ロシアの方々から、領土問題はないよ、こう言われたときに、それを論破できるまできちっと頭に入っていないということは物すごく情けない、日本人でありながら。

 ですから、そういう意味では、せめて国家公務員の試験のときに、領土問題が試験に出ますよ、そのぐらいのことをやるべきである。あるいは、都道府県の教師の試験のときに、領土問題が出ますよと。

 別に北方四島だけではない、竹島もあるいは尖閣諸島も、そういうものを含めて、日本の時系列的な歴史をしっかり覚えていただいて、若いときにしっかり頭に入れるということが、その後のいろいろなことについては非常に役立つ、このように私は思いますので、きょうは文部大臣もいませんけれども、茂木大臣を中心に、せめて国家公務員の方々の試験に、これは最初から領土問題が出ますと言えばだれも不公平はないわけでありますから、ですから、それを間違いなくやっていただけるような、そういう検討をぜひやっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

笹川委員長 これにて北村君の質疑は終了いたしました。

 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 本日は、構造改革の集中審議ということでございますので、私は、道路公団の民営化の問題について質問させていただきたいと思います。

 小泉内閣が発足して以来、構造改革ということで、この道路公団の民営化問題、さらには郵政の民営化問題、また三位一体の改革等々、さまざまな分野にわたって構造改革問題に取り組んでこられました。この道路公団の、四公団の民営化の問題につきましては、いよいよ法案が大詰めを迎えておりまして、そろそろ法案として提出をされる、そういう状況であるというふうにも伺っております。

 そんな中にありまして、道路公団民営化問題というのは、今までのこの二年間、石原大臣がその担当大臣として民営化委員会を設置し、そしてそこで論議を繰り広げ、そして昨年の年末に政府・与党でその申し合わせをする中で骨格が決まっていった。

 しかしながら、その報道を見る限りにおきましては、道路公団はけしからぬ、もちろんけしからぬ部分がたくさんあるからこれは民営化しようという話になってきたと思うんですが、その問題と、道路そのものをどうしていくのかという問題をどうも何か混同している、混同するというよりは、なかなかその問題について、しっかりと論議が一般の国民にも伝わっていなかったのではないかなというのをどうしても感じざるを得ません。

 というのは、この予算委員会等々、また国会のさまざまな審議を通じても、道路公団のこの部分が悪い、ここはどうなっているんだ、いろいろとそういう質疑はあるんですけれども、では、日本の道路、このネットワークをどうするんだという論議というのがなかなかその質疑の中で出てこなかったような気がしますので、私は、その部分で、きょうは時間が限られておりますので、大臣のさまざまなお考えを含めてお伺いをしたいなと思います。

 特に、我が国の高速道路のスタート、これはもうだれもが御存じのように、昭和三十一年、現行の道路整備特別措置法が制定されまして、そして日本道路公団が設立、そこで本格化してまいりました。

 当時の状況は、一般の道路、いわゆる国道または都道府県道、市町村道、地方道も含めて、まだまだ舗装もされていない。こんな状況の中にあって、財源も苦しい中で、ただ、モータリゼーションの中で全国を結ぶネットワークは必要である。そういった中で、公団方式をとりながら、借金をしながら、そして有料道路としてそれを返済していく。

 当初はこの問題、東名そして名神、そういった高速道路ができる中で、日本の高度経済成長にも寄与してきたと思いますし、そういう流れの中で物流も発達をしてきた。この問題につきましては、当初の公団方式は間違ってはいなかったんだろうな、このようにも思うんです。

 しかしながら、その途中経過の中でさまざまな問題が出てきた。これが今まで指摘をされてきたことだと思いますが、例えば、特殊法人改革という流れの中で指摘されてきたのが、天下りの問題ですとか、または道路公団で申し上げればファミリー企業の問題、さらには、そういう親方日の丸というか、チェックの甘さからの高コスト構造、さらには、道路建設にかかわって、そこに利権が存在するのではないか、そこで一部の人たちがその利権をむさぼっているのではないかみたいな指摘。

 そういったさまざまな指摘の中で、では、この公団はこのままでいいのか。だれもがこれはよくないと思っているわけです。しかしながら、改革はしなければいけないんですけれども、では道路をどうしていくのかという問題は、これは別問題だということを明確にしないまま論議がスタートしたのではないかな、こんなふうに思っております。

 例えば、道路というものは、そもそも社会資本整備として、国道にしろ地方道にしろ、税金でつくられるわけですね。民間でつくらないわけです。もっと言いますと、もうかるのであれば、民間がどんどん参入してつくってくる。

 よく国鉄の民営化とこの道路公団の民営化を対比して論議される方もいらっしゃいますけれども、鉄道の場合には、戦前から民鉄がありましたから、そういった中で競合する、そのノウハウもあるということで、この国鉄改革というものは成功したと思うんです。一方で、道路については、それまで民間がつくるという発想がない、もうかるという発想がそもそもない中で、この民営化論議というのが何かどんどん進んでいったような気がします。

 例えば、高速道路を民営化された会社が私有財産化する。ということは、永久有料化になるということですね。そして、そういう問題は、道路の本質をどう考えるかというのが大きな論点になると思うんですけれども、これについて、石原大臣、民営化委員会もずっと担当してまいりましたし、どう考えておられるのか、また、海外にも民営化を行っている国もありますけれども、この点についてどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。

石原国務大臣 ただいま高木委員が、昭和三十年代にさかのぼりまして日本の高速道路の歴史的変遷について、また、今回の公団の民営化論議を通じての議論の混乱している点についての御指摘がございました。

 そんな中で、御質問は、いわゆる国民共有の財産であるところの道路の私有化、別の言葉を使いますと上下一体論とでも言うんでしょうか、こういう点、あるいは、海外の事情についてどのようになっているのかというのが御質問ではなかったかと思うのでございます。

 日本では、私思うんですけれども、永久に料金を取り続けていく仕組みとこの上下一体論、一緒に議論されていて、イコールでほぼつながっているように感じるわけでございます。

 公団の民営化に当たっては、さまざまな問題点も高木委員が御指摘されたわけでございますけれども、そういう問題を除去していくために民間の経営センスを導入するということが重要でありますが、一方で、委員が御指摘されておりますように、やはり道路というものは、歴史的変遷を見ても、無料通行というものが原則でございますし、公共性が高く、やはり私有化になじまないものであるというのが基本的な哲学としてあるということも、過去の歴史の中からも明らかではないかと思っております。

 そんな中で、委員が御指摘されましたように、このモータリゼーションの発展と我が国の社会資本の整備、これに対応していくために、受益者負担で特別措置として有料道路ができてきた。そして、これは理屈の上では債務完済後に無料化する。今回の論議の中では、これをしっかりと法定化して、四十五年後に無料化するというものになっているわけでございます。

 ヨーロッパの方を私も歩いて見てまいりましたけれども、高速道路の完全私有あるいは永久有料というものがあるのかというと、私はなかったような気がいたします。フランスでも高速道路資産は常に国に帰属しておりますし、イタリアにおいても、いわゆるコンセッション契約、日本語で言うと特許契約とでも申すのでしょうか、これが終了後には国に移管される仕組みとなっているわけでございます。

高木(陽)委員 今大臣からお話ありましたように、いわゆる完全の私有化というのはないわけですね。そうなりますと、四十五年で返済をして、最後は国に帰属をし無料化していく。一般の国民の実感から四十五年後のことというのはなかなかイメージできませんから、本来であれば、それをもっと早く借金を返済して無料化するという努力、今回法案としては出てくると思いますけれども、そこで終わりではなくて、さらにその一歩先、二歩先を行くような、そういう努力というものはまたこれはしていかなければいけないということで申し上げておきたいと思います。

 この公団方式、先ほど申し上げましたけれども、長年たってくると大体制度疲労を起こすということで、例えば、投資が行われるたびに返済期限が先送りされる、採算性が全くとれない路線にもプール制で建設されるから建設に歯どめがかからない。二つ目として、建設や管理に要するコストの削減努力が十分行われていない。また、ファミリー企業との関係が不明朗、こういう指摘がございました。

 ただ、この民営化論議が進む中で、それなりに、改革の法律案が出る前ですけれども、もう既に着手している問題というのはあると思うんですね。これについて、野党の皆さん方はまだまだ手ぬるいと。もちろんそういう部分もあるでしょう。ただ、それが今ここまでいっていますよということがなかなか伝わっていない。

 多くの国民もまだまだそこら辺のところ、例えばコストの問題でいうと、二百万円の電話の問題ですとか指摘されて、とんでもないなと思っているわけですね。ところが、それがどういうふうに今なっているんだ、そしてまた、これからどうなっていくのか、こういうところがしっかりと伝わっていかないと、この民営化論議、法案が出て国会で審議されても共鳴されないんじゃないか、国民の理解を得られないんじゃないか、そんなふうに思いますので、まず、ファミリー企業というのが大分改革に着手し始めているということで、この実態についてお伺いをしたいと思います。

石原国務大臣 ただいま委員が御指摘されましたファミリー企業と公団の癒着の問題ということは、事例に出されました二百万円の電話一つをとってみましても、国民の皆様方の常識あるいは私どもの常識をはるかに超越して、かなりのむだがあることの一つの例ではないかと思っております。

 そんな中で、どれだけのファミリー企業に対するメスが入ったのかというお尋ねであると思うんでございますが、ファミリー企業に公団から天下ってOB社長になっているわけですけれども、これに対しましては公団から退任を要請しております。その結果でございますけれども、現時点におきまして、ファミリー企業の公団OB社長は、九十七人から四十八人に減少、半分になっております。また、公団OBの役員の数でございますけれども、これも四百七十四人から二百三十二人に減少しております。ファミリー企業への発注費の削減についてでございますが、今年度末には平成十四年度と比べましておよそ二百五十億円減少し、一一%程度減少する見込みでございます。

 もちろん、これは委員御指摘のとおり十分ではなく、ファミリー企業の癒着の問題にはさらなるメスを入れていかなければならないということは意見の一致する点ではないかと思っております。

 一方、ファミリー企業で内部留保がある、いわゆる余剰金の問題でございますけれども、これはやはり社会に還元していかなければならないということで、身障者の方が、最近は車も発達いたしましてドライビングをされているわけですけれども、ETCを装着するために、これは御党の努力によりまして、十億円でございますけれども、この助成に回すというようなことをしたわけでございます。

 一方、十五年度からなんでございますけれども、入札や契約方式を見直しまして、ファミリー企業以外の新たな企業の参入というものを促進し、競争性を高めてきております。

 しかしながら、この点は、私も調査結果を見てちょっと愕然としたんですけれども、今年度の維持管理業務に関するファミリー企業以外の企業参入した割合というものは、前の年と比べまして、五七・五%から五九%と、残念ながら一・五%しかふえていない。すなわち、習熟した会社の方が事業をとっているという現実は余り改善されていない。この点はさらにさらに踏み込んでいかなければならないものだと思っております。

 いまだ道半ばであるということは事実だと思いますし、今後も引き続き、公団と発注先との関係の透明化、コストの削減、利用者還元の充実というものを図る観点から、ファミリー企業というものは抜本的に見直していかなければならないと思いますし、道路公団に対しましても、ファミリー企業の改革に対する公団の取り組みが促進されますように、引き続き国土交通省としても公団を指導していきたい、こんなふうに考えているところでございます。

高木(陽)委員 今大臣の方からのお話で、これからもしっかり指導していきたいというお話がございました。まさに、この二年間、こういう論議があったから逆にそこにメスが入っていった、これは改革の一歩前進だと思うんです。

 ところが、どうしても、マスメディアを含めて改革というと、百かゼロか、白か黒か、そういうような二者択一の形があって――急にぽんと飛ぶことはないわけですね。一つ一つ、一歩ずつ歩んでいくしかない。そのスピードの問題は問われなければいけないと思うんですが、実際問題、公団の方からファミリー企業に天下りというか、そこに役員としておりていく、これがもう半減してきた。まだ残っているじゃないかというそっちから見るととんでもないんですけれども、やはり半減した事実はあるわけですから、そこら辺のところのアピールも必要ですし、そこに満足することなく、さらにメスを入れていただきたいと思います。

 もう時間も限られておりますので、道路の必要性と採算との問題ということでちょっとお話をお伺いしたいと思いますが、冒頭にも申し上げました、今回、道路四公団を改革しよう、そこにはさまざまな不都合がありました。

 例えば、今お話のあったファミリー企業問題またはコストの問題、もちろんこれはメスを入れていく、変えていく。どの国民もこれは大賛成をすると思うんです。その一方で、この論議の過程の中に、道路をつくらないことが公団の改革になるんだというような、何か誤った感覚というものが広がったんじゃないかなと思うんですね。(発言する者あり)そう、今、後ろの方からもお話がありました。不要な道路をつくる。果たして、不要なむだな道路って何だろうか、ここをちょっと明確にしていただきたいと思うんです。

 例えば、もちろん、有料道路方式ですからそれは返さなきゃいけない、借金。そこで、採算、これは絶対に考えなければいけないんですが、果たして、道路というものはすべて採算だけで考えていいのかどうかという問題なんです。

 例えば、一日一万台、一万人の方が利用する道路がある。一方、一日百台しか使わない道路がある。百人しか利用しない。採算性からいいましたら、一万台の方が、絶対こちらの方が優先順位は高いね。しかしながら、その百台使う百人の人たちというものは切り捨てられていいのかどうかという問題なんです。

 それで、私自身も東京出身、そして石原大臣も東京、いわゆる都市部の人たちというのは、まだまだ不十分がありますけれども、採算のとれる道路というのは結構あるわけですね。

 ところが、地方の方々、実は、数年前、決算行政監視委員会として北海道の高速道路を視察に行かせていただいたときに、道東の高速道路、これはまだ全部できていません、よく、クマの方が通るだとかそういう批判もございましたけれども、そこでいろいろな現地の方、その地元の住民の方からもいろいろなお話をお伺いしました。すると、冬は一本のその国道で峠を越えなければいけない。救急車、それも通らなければいけない。しかしながら、真冬はそこが通れなくなるという話がありました。

 では、そういう方の命の問題、医療の問題等を考えた場合に、果たして要らないと言えるのかどうか。ただ、利用する場合には、毎日使わないのかもしれない。でも、そこをしっかりと視点として持たなければいけないのではないかなと思うのです。

 果たして採算だけでいきますと、むだな道路といいますと、そこら辺のところの採算のとれない道路はもうすべて要らないみたいな発想になってしまったらいけないのではないか。

 もともと、冒頭に申し上げました、社会資本である道路というのはそもそも税金でつくってきた。お金があれば税金でつくればいいんです。高速道路も税金でつくれればそれでよかったんです。しかし、できなかったからこういう形となった公団方式、しかし、これはいろいろな問題があったからその改革をする。しかし、道路自体については、もっともっとしっかりと論議を積み重ねた上で、つくる、つくらない、こういったことを考えなければいけないと思いますが、もう時間も参りましたので、最後に、大臣、このお考えについてお聞かせ願いたいと思います。

石原国務大臣 高木委員の御指摘はごもっともだと思います。かく言う私も、当初は採算性に重点を置いて物事を見ていたわけでございますけれども、各地を見て歩きますと、ただいま委員が御指摘されましたように、社会的な外部効果ですよね、その道路が一本しかなくて、それが途絶えてしまうとそこの町や村が孤立してしまうというところがまだまだ全国にあるということは認めざるを得ませんし、そういうものも評価に入れてこれからの高速道路をつくっていかなければならない。

 そこで、そういう議論は民営化委員会の中でも議論されまして、いわゆるBバイC、費用対便益の関係、採算性、そして委員が御指摘のこの外部効果を客観的な指標として、未供用の二千キロ、七十路線にすべて当てはめたところでございます。

 その結果、公共事業の指標であるところのいわゆるBバイCは、一を上回るという結果になったわけであります。公共事業である以上は、原則的に一を上回ればつくるという原則ですけれども、しかし、むだも省いていかなければならない。すなわち、BバイCが一に限りなく近いところもたくさんあるわけですね。こういうものは、やはり不断の見直しというものが私は必要だと思います。

 その上で、必要性があり、料金収入で管理費、すなわち管理をしているわけですから、これが補える区間というものは有料方式で、必要性はあるけれども、有料の場合のBバイCが一よりも下で、料金収入で管理費も出ない、こういうものを新たな新直轄として昨年の年末に国幹会議で決めさせていただいたわけでございます。

 委員の御指摘を踏まえて、必要なものはしっかりとつくるし、むだはこれからも削減していくということが重要ではないかと考えております。

高木(陽)委員 時間が参りました。

 今、お話がありましたように、本当に、むだは省いていく、そして徹底した改革をしていく、その上でしっかりと必要なものはやっていくという、そのバランスをとりながらやっていただきたいということを申し上げまして、質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

笹川委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。

 次に、筒井信隆君。

筒井委員 民主党の筒井信隆でございます。

 きょうは、年金問題等の集中審議でもございますし、国民の関心が強い年金問題についてお聞きをいたします。

 今回、政府の方から年金改革案と称して提案されたもの、これは、要するに、保険料を一八・三%に大幅に上げる、年金の支給額を五〇%に大幅に下げる、こういう中身に集約されるわけでございます。これは、要するに、国民からもらう金を多くして国民に払う金を少なくする、最も簡単な国民転嫁の方式でございまして、もちろん抜本改革なんて到底言えない代物でございます。

 制度、仕組みそのものには一切手をつけない、ただ国民からたくさん負担をしてもらって国民に払う金を少なくする、こういうものでございますから、だから、当然、抜本改革なんということは言えませんから、坂口厚生大臣、まじめな、正直な人ですから、さすがに言えない。そこで、根本改革とか根本的改革とか、言い方をかえておりますが、これもまた根本的改革とは到底言えないものでございます。言うとすれば、小手先改革あるいは数字合わせ改革、こう言わざるを得ない中身となっております。

 それは、年金支給額が現役世代収入の五〇%以上であることを前提にしてもそうでございますが、きょうは、その五〇%支給も怪しい、このことをお聞きしたいと思います。

 五〇%支給されるのは標準モデル世帯である、こういうふうに厚生労働省は試算を発表しておりますが、これはほとんどゼロじゃないか、ほとんどいないんじゃないか。いろいろな前提条件をつけて、数字上、そのモデル世帯が五〇%支給されるんだというふうに主張しておりますが、実態はほとんどゼロ。ほとんどゼロなのに、首相も厚生労働大臣も、年金支給は五〇%は最低保障するんだ、こういうことをあらゆるところで強調されておりますから、そういうことだけを聞いている国民は、全員が何か五〇%支給されるんじゃないかという誤解を今持っている。

 これはもう誇大広告ですよ。せめてモデル世帯に限定をして、そして五〇%支給と言えば、まだそれでもいいんですが、その限定もないで五〇%支給すると言っているから、全国民が何かもらえるんじゃないかという、私も地元からそういう質問をいっぱい受けて、えっ、そういう誤解をしているのかという感じをしております。(発言する者あり)まさに、今のやじのとおりでございます。

 そして、厚生労働省の試算結果によりますと、各世帯類型ごとに大体の試算を出しております。二〇二五年時点でもって、今の標準モデル世帯が五〇・二%の支給、それ以外の共稼ぎ世帯とか男性単身者世帯とか女性単身者世帯、いずれも、ほかの世帯類型は全部五〇%未満、こういう発表をしております。

 そこで、お聞きしたいんですが、その標準モデル世帯というのは一体どういう意味なんですか。これは厚生大臣。

坂口国務大臣 モデル世帯というふうに言いますのは、平均的な賃金で夫のみが働いてきたサラリーマン夫婦世帯の、これは基礎年金二人分を含む厚生年金、その現役の男子被保険者の平均的な手取り賃金に対する割合、こういうことでございまして、五〇%という値を出しているわけでございます。

筒井委員 五〇%以上支給される前提条件として三つの前提条件を置いているというふうにお聞きしているんですが、一つは、四十年間、夫がフルタイムで勤務していたこと、それから二つ目は、その平均月収が三十六万円であったこと、三つ目が、妻が四十年間専業主婦であったこと、この三つの前提条件を置いて計算している。これがモデル世帯の中身ですね。

坂口国務大臣 それは御指摘のとおり、そのとおりでございます。

筒井委員 それが五〇%で、それ以外の世帯類型は全部五〇%未満の支給である。これは確認するまでもない。厚生労働省がもう発表していることです。それ以外の世帯類型は……(発言する者あり)今、そんなことないというやじがあったので、改めて確認しますが、厚生労働省が発表している世帯類型全部で最終的には六類型がありますが、今言ったモデル世帯以外の類型は二〇二五年時点で全部五〇%未満の支給ですね。

坂口国務大臣 具体的な数字は局長からまた答弁させますけれども、全体としては、所得がふえる人のパーセントは下がるわけです。それで、低い人のは上がるわけです。ですから、同じ、今のようなパターンで申し上げましても、これは御主人が働いていて奥さんが御家庭にお見えになるというこのパターンでも、所得のもっと多い人はパーセントが下がりますし、それから、低い人は、六〇%の人もあるし七〇%の人もある、こういうことでございます。

筒井委員 私が質問しているのは、厚生労働省が発表している世帯六類型、発表しておりますね、試算結果を。六類型中、五〇%、五〇・二%ですが、支給されるという試算結果を発表しているのは今言ったモデル世帯のみ、それ以外は全部、厚生労働省の試算結果発表でも、五〇%未満という発表ですね。その点だけです。

坂口国務大臣 それはそのとおりでございます。

筒井委員 そうすると、六類型中、唯一五〇%を超えるこのモデル世帯、現在でもいいですし、二〇二五年時点でもいいですが、どのぐらいの受給者を見込んで、受給者全体における比率はどのぐらいなんですか。

吉武政府参考人 御説明申し上げます。

 年金の受給は受給権者一人一人に給付を行っておりまして、そういう意味で、御夫婦で合算した形での年金の受給の状態をなかなか把握することは困難でございます。

 ただ、今お話がございました、御主人がずっと厚生年金に加入しておられ、それから奥様が厚生年金に加入しておられない世帯の状態を申し上げますと、現在の実績で、男子の老齢厚生年金の受給者数が六百七十万人でございますが、このうちの約五一%、三百四十万人程度の方がこの世帯類型に合致するだろうというふうに考えております。

 それから、二〇二五年、平成三十七年でございますが、男子の老齢厚生年金受給者数は九百三十万人というふうに推計をいたしておりまして、そのうちの、今申し上げました、奥様が厚生年金の適用になっておられない方が約三百九十万人という形でございまして、四二%程度になってくるだろうというふうに考えております。これは、女性の雇用といいますか、職場への進出が進む結果だろうというふうに考えております。

 それから、金額について申し上げますと、平成十四年度末で、六十五歳以上の男子の老齢厚生年金受給権者の方、この方はいわゆる老齢基礎年金と報酬比例の厚生年金を受給しておられますが、月額十七万円以上の方の割合は七割でございます。それから、月額二十三万円以上の方の割合は約三五%でございまして、したがいまして、この三割から七割の間の方、十七万円の方というのはモデル年金の御主人といいますか、男性のモデル年金相当額でございますので、この十七万円から二十三万円以上の方、この方のかなりの部分が、今申し上げました給付水準で申し上げますと、モデルの状態に相当するだろうというふうに考えております。

筒井委員 一、二週間前から、私は、そのモデル世帯の受給者の数と比率を教えてくれというふうに要求していたんですが、きのうの夜まで、一切そういう数字は出しておりませんので出せませんというふうな回答だったんですが、今、そういう数字を出してきました。これはしかし、極めていいかげんな数字だ。

 それについてちょっとお聞きしますが、現在における専業主婦世帯、これは、他の共働き世帯とか男性単身者の世帯とか女性単身者の世帯、それらを引きますから、現在は約二七%ですね、この専業主婦の世帯、つまり片働き世帯というのは。

吉武政府参考人 今先生お話がございました数字でございますが、働いておられる世帯の中で、いわゆる男性だけが働いておられる世帯が二七・二%、それから、共働きの世帯は二九・七%でございます。

 ただ、この中には、例えば若い女性、若い男性で単身の世帯もおられまして、女性の単身世帯が一八%、男性の単身世帯は二五%でございます。こういう方がずっと三十年、四十年という中でどういう年金を受給するかという姿になってまいりますので、先ほど私が申し上げました五二%、四〇%という数字とはちょっと、今の働いておられる状態とそれから将来でどうなっているかというところの違いがございまして、そこの違いが先ほど申し上げた数字との違いでございます。

筒井委員 今現在は片働きが二七・二%。もちろん、いろいろな変更があるでしょう、二十年間以上の間に。しかし、今どんどんふえているのは共稼ぎ世帯の方がふえているので。単身者は結婚するでしょう。片働き世帯がふえるという前提に今立っているんですか。

吉武政府参考人 女性が働くということがふえていくだろうというふうに考えております。

 したがいまして、先ほど申し上げました平成十四年の実績で申し上げますと、奥様が厚生年金に加入しておられない方の割合が五一%でございますが、二〇二五年にはこれが四二%という形で低下していくだろうというふうに考えておりまして、その背景には、女性がより働くことがふえるだろうということが前提でございます。

筒井委員 今の四二とか五一とかというのは、全就労者に対する比率ではなくて、年金全受給者に対する比率ですか。

吉武政府参考人 先生お尋ねのとおりでございまして、平成十四年時点における男性の老齢厚生年金受給者に対します、その奥様が厚生年金の受給をしておられない方の比率が五一%でございます。それを二〇二五年で推計いたしますと四二%という形でございまして、約九%低下していくだろうというふうに推計をいたしております。

筒井委員 それから、今の数字があれなのは、専業主婦を四十年間続けることを前提にした、そういう数字も入っているんですか、今の数字には。

吉武政府参考人 モデル年金の設定は、六十一年に基礎年金を導入してみました際に、奥様が基本的には働かれないということで前提をいたしておりますが、現実にこのモデルに相当する方はいろいろな方がおられまして、例えば、若いときに自営業で働いておられて、そして、サラリーマンと結婚されて、その後、三号の方も、これに相当いたします。あるいは、若いときに働いておられないで、国民年金の第一号被保険者で保険料を納めた方も、これに相当いたします。

 いずれにいたしましても、御夫婦で見ました場合に、その奥様がいわゆるサラリーマンに対応します報酬比例年金の受給がない方、その方の場合の御夫婦の給付という形でございます。

筒井委員 先ほど私は、だから五〇%以上という支給の条件として三条件があるんだということを確認しましたが、その三条件がある、そういう受給者が今言った数字という意味ではありませんね。

吉武政府参考人 三条件のうちのモデルに相当する方は、男性の平均賃金で給与を受けておられたという方たちでございます。月収で申しますと三十六万円という方たちでございます。

 その方たちがどれぐらいいるかということは、先ほども申しましたように、個別の、御夫婦の年金の突合ができないシステムになっておりまして、奥様には奥様の年金、それから御主人は御主人の年金ということなので、それで、先ほどちょっと御説明申し上げました平成十四年度末で申し上げますと、六十五歳以上の男性の老齢厚生年金の受給権者の方、これは基礎年金と報酬比例年金を受け取っておられるわけですが、月額十七万円以上の方の割合が約七割でございます。それから、月額二十三万円以上の方の割合が約三割でございます。この方たちにつきましては、奥様が例えばかつて国民年金に任意加入された場合には、基礎年金が……(筒井委員「そういうのはいいです」と呼ぶ)

 そういう意味で、二十三万円に相当する方の割合はどれぐらいだということを申し上げれば、三割から七割の間だというふうに推定をしているということでございます。

筒井委員 だから、私、今の点で最後に確認したいのは、要するに、三条件があることがモデル世帯の前提ですが、三条件があるモデル世帯の就業者数やあるいはその全体の比率は、これはさっきの数字とは違いますね。

吉武政府参考人 今申し上げたようなことでございまして、先生がおっしゃる三条件、三十六万円……(筒井委員「そうかどうかだけでいいです」と呼ぶ)その比率とは違います。

筒井委員 その数字と比率は出ないんですね。

吉武政府参考人 実績で申し上げましても、奥様の年金は奥様の年金として支給をいたしておりますし、御主人の年金は御主人の年金として支給をいたしておりますので、したがいまして、それを足し合わせたものを年金の統計なりの中から抽出するということは実は不可能でございまして、そういう意味では、この方たちが何人おられて何%ということはお示しすることはできませんが、先ほど申し上げましたように、年金水準としてそういう幅になるだろうということを申し上げております。

筒井委員 その数字は出ないということでいいんですが……。

 そして、今、幾つか確認しましたが、六類型中、五〇%以上の世帯類型は今のモデル世帯だけであるということ、モデル世帯の三条件が前提になっているがその就業者数や比率は出ないということを確認いたしましたが、しかし、首相も自民党も坂口大臣も、そういうモデル世帯に限定して五〇%を支給するんだという限定づけではなくて、まさに五〇%年金支給する、今までそう説明してきましたね。首相、どうですか。

小泉内閣総理大臣 これは筒井議員もよく御承知だと思いますが、年金受給者、収入によって、また、働く形態によって、額もそれぞれ違ってまいります。そこで、一つ基準を示すことがわかりやすいのではないかということで、必ずしも、全部一々、条件がこうだああだと言うよりも、やはりわかりやすさということを考えますと、一つの標準だ。

 今、こういう委員会で御指摘いただければそれぞれ説明できるわけでありますが、国民一般に対して一つの標準モデルであるという限定であるのは御指摘のとおりでございます。

筒井委員 もちろん、限定があるのは首相も厚生労働大臣も御存じだと思うんですが、御存じだけれども、限定つけないで常に言っているんですよ。

 だから、私は、地元から、我々もみんな五〇%もらえるんだろうという声が出てきて、一々それを説明する。しかし、首相の言うこと、あるいは厚生労働大臣の言うことはみんな信頼しますから、私よりも。そういう誤解というか、まさに不正確な誇大広告が今まかり通っていると言わざるを得ないわけですよ。(発言する者あり)まさにそうなんですよ。今やじのあったとおり、例外中の例外だけを説明するんです。それも、例外だという限定づけをしないで説明しているんですよ。

 与党の年金制度改革協議会の合意書なんかも、まさに、五ページにわたる結構長文ですが、その中で、全くその限定はありません。こういう説明だったんですね。「厚生年金の給付については、現役世代の平均収入の五〇%以上の水準を確保する」五ページ全部読んでみましたが、全く限定ありません。

 それから、首相はこういうふうに予算委員会で、つい最近、これは海江田委員に答えていますが、「その給付も、抑えるといっても、大体平均年収の五〇%程度以下にはしてはいけない。」さらには、「給付は最低五〇%程度は維持するというわけです」「負担は一八%しかなくて給付は五〇%なんかある民間保険、ありますか。ありません」と、まさにだんびら切っているわけですよ。「これからも、将来どのように高齢化が進んでも、やはり六〇%は無理だけれども、平均年収の五〇%程度は維持しましょうと。年金を受ける方も安心するでしょう、」全部の議事録、きょう議事録を持っているから、もし見せろと言えば見せますが、全く限定なくこういう答弁をしていることを極めて不正確だとは首相は思いませんか。

小泉内閣総理大臣 いや、正確なんですよ。わかりやすく説明しているんです。正確を期しますと、非常に細かくならざるを得ない。やっぱり政治家として一番わかりやすくどのように説明するかということになると、大ざっぱにならざるを得ないんです。

 それは、給料によっても、人によって、若いときは少なくて中年、高年になって給料が上がる人もいるし、あるいは、若いときに給料をたくさんもらって高齢になると減る人もいる。さまざまなんです。そういう中で、やはり一つの標準をつくらないとなかなか難しい。説明するときに、これはああですよ、ああですよという説明をすればより正確になるということは、これは事実であります。

筒井委員 モデル世帯で五〇%と例えば説明したと。何にも複雑でもないですよ。

 それで、私が不正確、間違いだと言うのは、最低五〇%は維持する、こう言っているでしょう。これはわかりやすいというよりも、間違いの、うその答弁でしょう。

小泉内閣総理大臣 それはうそじゃないですよ。それは標準、一つの基準のモデルを言っているんですから、その世帯に関しては五〇%を維持すると。

筒井委員 首相はあくまで、ほかの答弁でもそうですが、結構突っ張るんですが。

 坂口大臣も、減り過ぎないようにどうするかということで最低五〇%は確保する、それで五〇・二%というふうに今設定したわけでございますが、とにかく最低限のところを確保すると、これも全く限定つきでなく説明しているんですよ、最低これだけは、最低限五〇%はと。国民が、ああ、みんな最低限五〇%以上はもらうんだなと、これを聞いてそう判断するのが当たり前じゃないですか、厚生労働大臣。

坂口国務大臣 それは当然モデル年金のことでございますが、五〇%というふうに言っておりますときには、一方で、それに対して、モデルで二十三万円ということを言っているわけであります。

 これは、一人割りにしましたら、いろいろのモデルの中で一番少ない額であります、ほかのと比較をいたしまして。共稼ぎの人もあるでしょう。一時一緒に働いていて、途中でやめたグループもいるでしょう。それで、一番少ないのは、奥さんが四十年間ずっと勤めなかったグループが一番少ない。一人割りにしましたら、五〇%ですけれども、これは十一万何がしで一番少ない額。だから、一番少ないところを言っているわけでございます。

筒井委員 首相とそれから厚労大臣の心の中を国民は聞いているわけじゃないんですよ、テレビ中継やなんかの場合でも。言った言葉そのものから判断しているんですよ。言った言葉そのもの、全く無限定で最低これだけを確保しますと言うのがまさに誇大広告。これはもっと正確に言うべきだ、そうじゃないと完全に誤解する、誤解している、このことを申し上げて、私の質問を終わります。

笹川委員長 これにて筒井君の質疑は終了いたしました。

 次に、鉢呂吉雄君。

鉢呂委員 民主党の鉢呂吉雄です。

 まず、総理にお伺いしますけれども、この一週間でも、いろいろな警察官の不祥事が出ておるわけであります。佐賀県におきましては、幼い小学生を警察官が略取して未成年略取というような容疑で逮捕される、また、北海道でも、警察官が権限を濫用してメールで脅迫を女性の方にするとか、さまざまな事件が今多発をしておるところであります。

 総理に今資料を渡しましたから、その下の方の資料で、最近の警察官の全国の懲戒処分処分者数の十年間の実態が出ています。平成十年までは、右側の欄ですけれども、合計で百件台のこういった処分者でしたけれども、平成十一年からは、三百件から五百件台というふうに急増している。

 しかも、次のページを見ていただきたいんですけれども、これは、それぞれ年中ごとの懲戒処分者数の事由別処分者数というのが下の2に書いてございます。上の方は、業務上の規律違反ですとか業務不適切というような警察内部のことでありますけれども、職権濫用・収賄供応から下の方は、いわゆる刑事事件、この中身は凶悪化、悪質化をしておるという形で、私は大変憂慮すべき事態だと。

 治安が悪化しているから警官も、警察の定員も増員するといいながら、警官自体がこのような形で、国民の皆さんは、なぜなんだと。国民、市民を守るのは警官であるにもかかわらず、このような犯罪に逆になって市民を脅かすというようなことも、佐賀県の問題でも出ておるわけであります。

 頼るものがないというのが国民の声でありますけれども、総理として、率直なこれに対する感想、あるいは再発防止、そういった点についての御答弁をいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 今、御指摘のありました最近の警察官の不祥事、これを見るにつけまして、市民から一番信頼されなければいけない警察官がこのような行為をするということは、非常に国民の警察官に対する信頼感をゆるがせにするものであり、憂慮すべき事態であると私も思っております。

 こういうことに対して、より一層綱紀を粛正し、あるいは警察官としての使命というものを徹底させなければならないと私も痛感しておりまして、このような事態を憂えるということについては、私は鉢呂議員と共通の認識を持っていると思います。

鉢呂委員 きのうも、私、夜遅く第一議員会館から帰ろうと思ったら、今は二十四時間、官邸から国会、警察官が夜中もずっと警備しておるということで、大半の警察官は御努力されておると私は思っています。

 総理、平成十一年からさまざまな事件が勃発いたしました。例えば、神奈川県警では、警官の不祥事を上部丸抱えで隠すとか、新潟県警でも、あの女性の方が九年ぶりに救出される際、管区の監察の一番のトップと県警がそこに適切な対処をしておらなかったとか、そのことを契機として、警察法を改正して、国家公安委員会が大きな役割を担うように改正をしたわけです。これは、一時、警察法を出したんですけれども、さらにさまざまな事件が勃発をしたということで、警察法の改正がございました。

 これはこの前も国家公安委員長と論議をしたんですけれども、この平成十二年の改正について、国家公安委員長、国家公安委員会としてのこの積極的な役割について少し御答弁をいただきたい。その後、また総理に御質問いたしたいと思います。(発言する者あり)

笹川委員長 ちょっと速記をとめて。

    〔速記中止〕

笹川委員長 速記を起こして。

 質疑を続行しますが、委員の差しかえについてはきちっと事務手続をして混乱のないように、委員長から注意を申し上げます。

 国家公安委員長。

小野国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。

 国家公安委員会及び警察庁は、警察刷新会議におきます、これは平成十二年の八月二十五日でございますけれども、警察改革要綱を定めまして、警察刷新に関する緊急提言を出したところでございます。

 それは四本柱になっておりまして、その一本目が、警察行政の透明性の確保と……(鉢呂委員「警察法の改正に伴っての話でしょう」と呼ぶ)そうでございます。

 透明性の確保と自浄機能の強化、それから、国民のための警察、新たな時代の要請にこたえる警察の構築、それから四本目が、警察活動を支える人的基盤の強化、この四点でございまして、行政のいわば根本問題について見直しをし、改善を進めているところでございます。

 そうしたことにおきましても、先生御指摘のように、昨今の大変不祥事が続いておりまして、警察におきましては、監察を強化いたしますとともに、事案に応じて捜査部門と監察部門の連携を図りまして、懲戒処分の指針に沿って厳正に対処し、また、懲戒処分の発表の指針に基づきまして適切に公表も行っているところでございます。

 国家公安委員会といたしましては、警察改革要綱に盛り込まれました施策に積極的に取り組みまして、第一線に警察改革の必要性を浸透させるとともに、不祥事については、その原因を分析させた上、分析結果を再発防止のための施策に反映していくことが重要である、その点を認識させていただいております。

 国家公安委員会といたしましては、真の警察改革実現に向けまして、引き続き警察庁を督励してまいる所存でございます。

鉢呂委員 総理、国家公安委員長は平成十二年の警察法の十二条の二についてきちっとした答弁をしておらない。

 警察の内部での自浄能力が著しく欠ける、その際に、国家公安委員会というのは、民主的な警察の運営をさせるということで戦後できたわけです。これをより強力に発揮するということで十二条の二を新設いたしまして、警察の監察に関して、個別的、具体的に指示を出して、しかも、委員を定めてその履行の状況について報告をさせる、その特定の職員もつけてさせるというふうな大胆な改正を行ったわけであります。これが、今日、機能していません。

 前回も公安委員長は今のような答弁で、警察庁にさまざまなことが上がってくるのを待つという形でありまして、私は、もっとこれを行わなければ、あの平成十二年と同じような状態に今なっておるわけであります。

 ちなみに、北海道警察の問題、今回のいわゆる領収書の偽造にかかわった現職の捜査員がこういった話をしています。内部文書、領収書等のものについては、自分自身が記入した本物と認めて、金は裏金として使われ協力者には渡っていない、どこの署でもやっている、犯罪行為だが上の命令で不承不承やっている、こういうふうにこの捜査員は証言をしています。

 他の現職の警察官は、報償費は本来必要なものだ、しかし、それが、ほとんどすべてが裏金化して末端の捜査員には行き渡らないと。さまざまな、旅費等があるんですけれども、そこに行き渡っていない。使っておるのは、上の方の上層部が使っておる。二十年以上の刑事が、捜査協力費は、食事をしたり深夜に事件で呼び出されてタクシーで駆けつける際もほとんど自腹だ、使っているのは上層部だけ、末端に回らず、こういうふうに述べているんです。

 今回の北海道警察についても、原田さんといういわゆる本部長ですね、普通の県でいえば県警の本部長が、道警の本部長にもその裏金が渡っているというふうに私に証言をしておるわけであります。

 まさに道警ぐるみ、それも警察庁がそれに対してきちんとした解明をできないということであれば、やはり国家公安委員会が警察法の十二条の二に基づいてきちんとした、これは書面で指示を与えることになっています。具体的、個別的ですから、きちんと与えることに条文化されて、このことが警察のさまざまな不明朗な不祥事を打開していく道だということで、法律改正を一年がかりでしたものであります。

 総理として、この関係について、国家公安委員長に積極的に、総理の答弁も、厳正に対処するというふうに私に御答弁を先般されました。これに基づいて、国家公安委員会にきちんとした対処をするように、このように指導していただきたい、御答弁願います。

小泉内閣総理大臣 警察の信頼を取り戻すためには、さまざまな今までの事件の反省に立って、御指摘のような厳正な対応が必要だと思っております。

 国家公安委員会としての機能、そして北海道の事案に対しましては、まず北海道の公安委員会との対応も必要だと思いますが、いずれにしても、これは単なる北海道だけの問題ではなくて、日本警察全体の問題だと私は認識しております。

 国家公安委員会、警察庁、よく連携をとりまして、国民の信頼を取り戻すためにはどのような対応が必要かということをしっかり今後もしていかなきゃいかぬと思っております。

鉢呂委員 総理のお手元に、三枚目に、今回の北海道警察の不正疑惑報道に伴う反響ということで、これは道警に来ました十日余りのさまざまな声をまとめたものであります。約三百件で、九割が、やはり批判をする声がほとんどであります。この中でメールが百件近くありますけれども、そのメールはここに全文あります。ほとんどは大変深刻な形で述べております。

 私、ちょっと読み上げますけれども、13というふうに書いてある方は、

  報償費事件について申し上げます。犯罪を取り締まる組織(特に幹部)が不正をしておいて、認めないのは何故なのでしょうか。元釧路方面本部長も認めているのに知らぬ存ぜぬではもういかないでしょう。この世の中、正義があるのでしょうか。法を取り締まる組織が悪さをして我々は誰を頼ればいいのでしょう。末端の警察官は一生懸命に職務に励んでいるのに、幹部が悪しき慣習に手を染めて、皆でやれば怖くないという意識でやってきたのでしょうか。新聞紙上に書かれていた通りのことが、たぶん長年にかけて行われてきたと多くの道民が思ったことでしょう。悪いことは悪いのです。悪いことを認めないことは、その人間に正義心が無くなったのでしょう。道民に愛される北海道警察になるためには、率直に認め、過去のことは問いません、信頼される警察を目指すのなら、過ちは一度や二度は多少なりとも誰でもあります。大事なのは、過去の事を清算し、その責任は問いませんから、道民に信頼される北海道警察として襟を正す時がきていると思います。

というような声があるのであります。

 総理、十二条の二を適用する場合に、この国会でも議論をされていまして、当時の大臣は西田司公安委員長でありました。その際、発生時の適正な対応、その処理の両面において国家公安委員会の第三者機関的な監察点検機能がこの法律で飛躍的に強化されると。

 その場合に、どういったことに認定するんですかという桑原委員の質問に対して、これは公安委員会御自身が必要性について判断する、判断の材料として、私ども警察庁からの報告とか、あるいは国民からホームページを初めいろいろな意見が上がってくる、それを踏まえて、国家公安委員会が必要性についてみずから判断するものと思いますと。

 同時に、都道府県における問題についても、法に触れるような行為の疑いがあり、必要と判断した場合は、国家公安委員会として、この警察法十二条の二の規定により警察庁長官に対して個別的、具体的な監察の指示を行うというふうに述べておるわけであります。

 まさに、国民の声をしっかり踏まえてこういう形をとるというふうに述べておるわけです。

 そこで、総理にも次のページを見ていただきたいんですけれども、実はこれは、今回の発端になった、北海道警察にコピー資料として流されてきた旭川中央署の平成九年度の「現金出納簿 報償費」という中身です。

 次のページは、その九月の総括表ということで、受入額は二十四万で、支払いが二十三万二千五百円という形で、総理、次のページを見てほしいんですけれども、いわゆる報償費、協力費の支出伺ということで、二人の警部補に三万円。

 伺いを立てて、この三万円を持って、次のページを見ていただきたいんですけれども、三万円を持って支払い精算をしたということで、お二人の警察の一つの方を挙げてあるんですけれども、一万円を、債主者というのは協力者のことを言うんですけれども、情報提供謝礼ということで、備考欄に、しかし領収書発行を拒否されたということで、一番下を見ていただきたいんですけれども、領収書を徴することができない理由は備考欄に書いたとおりで間違いないことを確認するということで警察署長の印鑑が押されておりまして、そして金が出ておるわけであります。

 まさに、領収書を発行されない場合は、こういう様式がきちっとしておるのであります。

 しかし、総理、次のページを見ていただきたいんですけれども、次のページは、この一万円について、同じ情報謝礼で、この場合は支払われたと。これは、実際は、債主者はここに具体名が書いてあります。私はぜひここを出したかったんですけれども、個人の秘密もありますから出せなかったんですけれども、その次のページに、それに伴う領収書というのが切られておりまして、ここにも住所、氏名が書いてあります。しかし、これは、この氏名と債主者、先ほど言った債主者とは同じ名前で書いています。

 ここは生命に危険があるから名前は書けないということで偽名を書いたというふうに警察庁は言っておるんでありますけれども、どうもこれは最初から、債主者も領収者も同じ名前で、裏金をつくるためにつくったのであって、この領収書を切った人が、いや、私は名前を書いた覚えはないと言ったものですから、そこで、いや、偽名を使って書いたもののたぐいですと。こうなりますと、偽名を書いたのか、本当に書いたのかわからなくなるという形であります。

 領収書にうそを書くこと自体は、会計法上、きょうは時間がありませんから言えませんけれども、認められておりません。こういった組織ぐるみにやっておるような状況が今明らかであるにもかかわらず、このことをなかなか解明ができないんです。

 国家公安委員長、二月の十二日に、国家公安委員からどのような意見が出ましたか。時間が余りありませんけれども、そして十九日には、ホームページでまだ出ていませんけれども、こういった問題についてどういった危機感を持って公安委員は話されておりますか。それに対して、あなたはどういった対応をしようとしておるんですか。

小野国務大臣 私の方からも予算委員会の様子の説明もさせていただきましたし、委員の皆様からも積極的なお話がございましたが、二月十九日に開催されました国家公安委員会におきましては、警察庁による監察の指示につきましても視野に入れるけれども、まずは北海道公安委員会がどう対処していくか十分に考慮して、警察庁と北海道警察が始めた調査あるいは検討状況についてしっかり把握をしていくべきであるというのが一点でございます。

 それから、捜査への影響を考慮しつつも事案の解明に努めて、会計書類の作成や監査の方法について国民の理解が得られるようにきちんとした形に適正化を一層進めることが不可欠であるという御意見が出されました。

 そもそも、監察の指示の運用につきましては、十三年の三月に、国家公安委員会によります申し合わせがなされておりまして、監察の指示は、警察運営の実態あるいは不祥事案の発生状況その他の事情を踏まえて、警察庁の監察の実施状況について説明を徴するなどして発出の必要性を判断する、こうなっているわけでございます。

 今回の事案につきましては、既に警察庁から、予算執行検討委員会を設置いたしまして、同委員会におきまして、北海道警察との連携を図りながら事案の解明を図るとともに、警察の予算執行のあり方を検討し、その適正化を一層推進することとしている旨報告を受けているわけでございます。

 したがいまして、監察の指示の発出につきましては、国家公安委員会におきましては、警察庁による調査の実施状況をよく聞いた上で、それで判断をしていく。

 いずれにいたしましても、本件は北海道警察に関する問題でございますので、私ども国家公安委員会ももちろん議論をさせていただきますけれども、まずは北海道警察を管理いたします北海道公安委員会が十分に御論議していただくものと承知をいたしております。

鉢呂委員 総理にお伺いしますけれども、十二日の公安委員会の状況は、ホームページで、名前は記されておりませんけれども。委員長は出ておりません、国会に出ていましたから。五人の方が出て、六人の方が答弁をされています。

 その中で、最後のお二人ですけれども、一つは、元道警原田方面本部長のこういう発言があった、本件に関し、仮に問題があったなら、率直にこれを認めて謝罪することが必要でないか、こういう発言をしています。もう一人の方は、警察庁として、例えばこの問題を監察の対象として取り上げて、その結果を公表することにより国民の疑惑を解消する、このことを考えるべきでないかと。非常に個々の公安委員は前向きにとらえています。

 今、国家公安委員長は、道警の調査の内容とか言っています。先ほども言いましたように、道警本部長がその調査委員会の委員長です。先ほど話があったように、本部長ぐるみでこういう裏金という実態、総理大臣も言いましたけれども、これは全国にも波及しておる問題でもあるのではないかというふうに懸念をされました。

 こういった問題について、私は、どんなに調査を待っても、過去の調査について後でも時間があれば言いたいんですけれども、かなり警察の閉鎖性の中で、警察内部の組織の問題、組織ぐるみの問題については極めて消極的で、この壁を乗り越えていけない。ですから、やはり十二条の二の、きちっとした法律の適用を国家公安委員長として積極的にやらなければ、この問題、しり切れトンボ、あくまでまた守秘義務ですとか捜査に重大な支障を与えるということで、またこれが出ていかない。

 警察業務の構造改革はやはり必要である。総理、何とか、やはり十二条の二に、法律に基づいて行うことですから、国民の声をきちっと聞けばこれを適用できるんです。警察の内部の話だけを聞いていたのでは、これは決して発動することはできません。ぜひ総理に御答弁を願います。

小泉内閣総理大臣 警察の信頼をいかに回復するかということに対しまして、国民の声を真剣に受けとめて、きちんとした対応が必要だと思います。

 その点につきましては、北海道警察のみならず、日本全体の警察の問題であるという意識を持って、さらに、信頼を得るためにはどういう対応が必要か、どういう反省が必要か、どのような改革が必要かという点をしっかりと踏まえて、これから、調査も含めて厳正な対応をしなければいけないと思っております。

鉢呂委員 総理、私は、ずっとこの間やっていて、警察庁の官僚の皆さんの、これをないことにするという、その感じが極めて強いんです。

 ですから、私は、それはもちろん、公安委員長も、お一人です、政治家は。もちろん、あのとき、論議になったときは、公安委員会の事務局というのを独立制をしなかったらやはりだめだということだったんですけれども、独立は担保できないできました。

 こういう閉鎖性の警察の組織だからこそ、やはり総理が、この十二条の二によってきちっと公安委員会が具体的、個別的に指示を与えて、何も個別的、具体的に調査をするということではないんです。指示を与えて、その経緯を、履行状況を見るということについて、総理が責任ある御答弁を、もう一度願いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 警察の信頼を回復するために、政府としてもこれからしっかり対応していきたいと思います。

鉢呂委員 終わります。

笹川委員長 これにて鉢呂君の質疑は終了いたしました。

 次に、永田寿康君。

永田委員 前回、初めて予算委員会で質問をさせていただきました。きょうは、生まれて初めて総理にも質問できる機会ということで、頑張ってやりたいと思いますので、よろしくおつき合いをお願いします。

 前回の続きですが、経済産業大臣、いわゆるイメラボに対する経済産業省からの発注につきまして、吉田幸弘前議員のファミリー企業が下請、孫請で受注をしていたという話がありました。これに関して調査したいという答弁があったと思いますけれども、どのような調査をなさるのか、今、どのような体制で、どのようなタイムスケジュールで調査をされているのか、御答弁いただきたいと思います。

中川国務大臣 前回、永田委員の御質問に対しまして、私の方から経済産業省の中で調査をいたしますというふうに申し上げまして、今、内部で調査を鋭意やっておるところでございますし、また、全体のこういうやり方についても調査検討をしております。

 と同時に、それだけでは私自身不十分だというふうに思いましたので、専門的また中立的な方々、例えば公認会計士のような先生方を含めて、外部の調査委員会を設置いたしまして、この問題、それからこういうシステムのあり方について専門家の先生方の御意見をいただき、報告をいただきたいと思います。

 めどにつきましては、できるだけ早くというふうに思っておりますが、いつごろかという御質問が来るかもしれませんので、私自身、外部の調査委員会のメンバーの先生方がそろった段階で、先生方の御判断、御指導をいただきながら、本当にできるだけ早く結果を出して御報告したいと思います。

永田委員 本当に前向きな答弁、ありがとうございます。ぜひ、どのような形で調査をするのか、調査組織、委員会の組織などが決まった段階で、一たん予算委員会に御報告をいただきたいのと、それから、結果が出たときに、どういう結果が出ましたということも、これは二段階で説明をいただきたいなというふうに思っております。

 以上、経済産業大臣、もうこれで結構でございます。ありがとうございました。

 それから、予算委員会の理事の方々に、大変申しわけございません。席上配付資料、本当は四枚用意するはずだったんですが、私の事務所のコピー機が酷使に耐えず壊れてしまいまして、二枚しか用意できませんでした。何とか質問にたえる分だけは用意できたと思いますが、本当に、理事会での協議の上お許しをいただいた分、準備できなかったことをおわび申し上げたいと思います。

 続いて、質問の中身に入りたいと思いますが、厚生労働大臣におかれましては、昨今、いわゆる日本歯科医師会からの働きかけによって、そしゃく障害を持っている方に障害者手帳を交付するときの要件として、以前は、歯科医師が出す意見書、そして医師が出す診断書、この二つを添えて障害者手帳の交付を申請するという形だったのが、いつのころからか、局長通知が出まして、歯科医師が出すのは意見書だけではなくて、意見書・診断書という、診断書という名前がついた文書になったというふうに聞いております。

 この経緯について、局長が出した通知の中身等々について、簡単に御説明いただきたいと思います。

塩田政府参考人 そしゃく機能障害の障害認定の問題ですけれども、これは、身体障害者の障害の認定というのは医師がするという法律の制度になっておりますが、そしゃく機能障害につきましては、歯科医師のかかわる分野でもあるということで、医師の身体障害の認定に歯科医師の意見をどう反映するかというのが、昭和五十九年の制度改正以来大きな課題でございました。

 昭和五十九年の法律改正の際にも国会で大きな議論になりまして、歯科医師の診断書とか意見書を求めるべきだという意見が出たところでありまして、その当時は、歯科医師の意見書だけで対応しようということで当時の決着を見たわけですけれども、その後、医学の進歩等々がありまして、もっと歯科医師の意見を反映すべきだという御意見が高まりまして、省内で検討しました結果、歯科医師の意見書だけじゃなくて診断書も添えて、最終的には医師が的確な判断ができるようにという、そういう制度改正の部長通知を出したところでございます。

永田委員 意見書だけなのと意見書・診断書になるのとでは、何か実態的な差があるのかというのをお伺いしたいのと、もう一つは、歯科医師の診断書と医師の診断書が食い違った場合、どういうような事態になるのか、この二点をお願いしたいと思います。

塩田政府参考人 平成十三年九月の部長通知によりまして、従来の歯科医師の意見書だけではなくて、診断書・意見書に改めたのが一点でございます。

 さらに、障害に該当するか否かの意見を記載するような欄も設けたということでございまして、より歯科医師の意見を医師の最終的な判断に反映できる仕組みにしたということでありまして、法律上は医師が最終的には障害の認定をするということになっておりますので、意見の不一致ということはそうないと思いますが、仮に不一致であれば、最終的には、法律上は医師が認定するという法律上の制度になっております。

永田委員 正直言って、そういう意味では、今でも法律上は医師の意見が優先されるということでありますから、歯科医師が出すものは、意見書であっても診断書であっても、さほど差がないんじゃないのかなというふうに私は見ていて感じました。

 一方で、実は、当該通知、つまり意見書だけだったのが今度は意見書・診断書になったというときに、そのときに議員からの働きかけがあったというような話が私の調査で明らかになりました。

 日本歯科医師会第百四十三回代議員会議事録抜粋、ここで、臼田会長のところからお話が来ています。お手元にお配りをしている抜粋の紙を見ていただきたいと思いますが、臼田会長、そこに、「それから、先ほどちょっと言い忘れましたけれども、障害者の第十五条の件でございますが、」これはまさに今の通知の件ですね、「この件につきましては、先日厚生労働省から「こういうふうになりましたよ」と持ってきたときに、実は代議員会で言っておいてくれと注文をつけられました。」と。

 これはつまり、いろいろと協議をしていたようです。厚生労働省と議員あるいは関係者、あるいは歯科医師会も協議をしておったようですが、その結果がこういうふうになりましたよと厚生労働省から持ってきた。そのときに、この平成十三年九月十三日、十四日の代議員会でちゃんと発言をしてくださいというふうに厚生労働省から注文をつけられたというような発言になっています。

 厚生労働省がこういうふうになりましたよと持っていったものはどういうものだったのか、教えてください。

塩田政府参考人 当時の担当者に確認したところでは、多分、先ほどから議論になっている部長通知の最終案を持っていったんだろうということでございます。

永田委員 「代議員会で言っておいてくれと注文をつけられました。」とありますが、どういう注文をつけたのか、教えてください。

塩田政府参考人 当時の担当者に確認いたしましたところ、代議員会で言っておいてくれとの発言をした記憶は、御本人にはないということでございました。

永田委員 担当者とはだれですか。

塩田政府参考人 当時の障害保健福祉部長は今田さんという方でございます。

永田委員 今田さんが、恐らく、持っていったということはお認めになるんでしょう、つまり、そのスキーム図を。診断書・意見書になったというスキーム図を持っていったことは、恐らく今お認めになったんでしょうが、代議員会で言っておいてくれという注文は記憶はしていないと。ぜひ思い出していただきたいなというふうに思っています。

 ここで臼田会長が、「言っておいてくれと注文をつけられました。それはこういう人が骨を折ったんだということ。」まさか骨折をしたという意味ではないと思いますが、一生懸命働いたということですね。

 厚生労働省が言ってまいりましたのは、実はこの件については医師会の坪井会長、石川副会長、その他の役員の先生方が歯科医師会に対して非常に温かい御理解をしていただいたこと、それから今の官房副長官の山口県の安倍晋三さん、それから福島県の根本匠代議士、それから厚生労働省の今田障害保健福祉部長、現在審議官になりましたが、部長名で出ております。この三人の方々が、つまり三人というのは、安倍晋三当時の官房副長官、根本匠代議士、そして当時の今田障害保健福祉部長、この三人の方々が本当に一生懸命この問題について取り組んでいただいたということで、あえて代議員会でお名前を言ってくださいということを言われておりますと。

 ここまではっきり臼田さんは記憶しているんですね。さすがですね。やはり当時の担当者、今田部長とは記憶力が違うなというふうに思いますが、医師会の先生方、それから安倍先生、根本先生が一生懸命飛んで歩いた姿を私は目の当たりにしておりますので、心から感謝を申し上げたいと思いますと。

 つまり、少なくとも、臼田会長は、自分たちの要望の実現に関して、安倍晋三さん、根本匠さん、そして今田さん、この三人が働きかけをするように、あるいは汗をかいて、骨を折って一生懸命飛んで歩いてくれた、そういうことを認識しておるというふうに思いますが、これはあっせん利得処罰法に規定する請託の要件を満たすものだというふうに考えますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 このそしゃくにかかわります問題は、これは国会でも随分議論になりました。とりわけ参議院の方で御熱心でございまして、民主党の皆さんも一度法律をお出しいただいたんだったでしょうか、非常に熱心にお取り組みをいただいて、そのときの御主張等は、いわゆるそしゃく障害に関するところは、これは歯科医師の診断書で、医師の診断書でなくて歯科医師の診断書でもいいということにすべきだ、こういう御主張であったというふうに思います。

 これは、なかなか難しい問題でございますので、私はそのときに、十分そしゃくされておりませんのでしばらくお許しください、こう申し上げた経緯があるわけでございまして、それで私も覚えているわけでございますが、二、三回御質問をちょうだいしたというふうに思っております。

 多くの皆さんがこの問題でそういう御意見をお持ちだったということは、多分あるんだろうというふうに思っております。そうした経緯を、国会におけるそういう御質問等の経緯も踏まえて、意見書・診断書、これは歯科医師だけが出せるものではなくて、医師も出し、そして歯科医師も、両方出してもいいですよ、こういうことになったというふうに記憶をいたしております。

永田委員 政策的な意義からいえば、法律を改正するのか、ないしは通知を出して意見書・診断書にするのか、それは政策的な効果をちゃんと吟味してやればいい話だと思いますが、問題なのは、安倍晋三さんと根本匠さんが今田さんと一緒になってこの作業を進めていったということなんですよ。

 安倍晋三さんと根本匠さんが厚生労働省とどのような協力関係、どのような意見交換をしながら、どのような要請をしながら物事を進めていったのか、厚生労働省の側の認識を御説明いただきたいと思います。

塩田政府参考人 この問題は、先ほどから御説明しておりますように、昭和五十九年以来、制度改正以来の懸案事項でございまして、歯科医師の意見をいかに最終的に医師の判断に影響というか、反映させるかという問題でございました。与野党から出されて、いろいろな角度から問題提起がされたことでありまして、省内で精力的に検討した結果が部長通知になったということでございます。

 当時、今田部長は障害保健福祉部の責任者でありましたし、日夜大勢の先生方といろいろなテーマでディスカッションしておりましたので、具体的にどういう先生とどういう議論をしたというところまでは、本人の言によりますと記憶にないということでございますが、いろいろな問題について、いろいろなアドバイスを、いろいろな先生からいただいた、その一環の中でのお話だろうと思います。

永田委員 記憶にないということであれば、記憶にある人の意見がとりあえずは真実であるというふうに信じるのが合理的だと思います。記憶にある人、つまり臼田会長は、少なくとも平成十三年九月十三日、十四日の時点では記憶にあるわけですよ。そして記録にも残っている。安倍晋三さんと根本さんがこう働きかけをした、一緒にやったんだということが、ここに記録に残っているわけですね。

 記憶にないと、忘れるのは簡単なことですけれども、ここに記録に残っているわけですから、とりあえず、これが事実でないというような、そういう明確な証拠が出てくるまでは、これを我々の議論の土台とするのは正しいことだというふうに思いますけれども、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 どのように伝えられたか、それは私もよく存じませんけれども、先ほども申しましたように、これは国会における議論にも大きくあったということも事実でございまして、私もそのお話を聞いて、なるほど、それは一理のある話ではあるなというふうに思ったわけでございますが、これは経緯のある話でありましたので、もう少し時間をくださいということを申し上げたわけでございます。

 その当時の今田部長とどんなお話し合いがあったかというところまで、私は存じておりません。

永田委員 では、もう一人、当事者に極めて近い方がいらっしゃるので、その方に記憶をたぐっていただきましょうか。

 石原伸晃国土交通大臣。当時、規制改革・行革担当大臣であられた石原大臣は、この根本氏、安倍晋三氏、そして、あれですか、塩崎代議士ともかなり意見交換をしながら、グループをつくってやっていたというふうに聞いておりますが、当時、これは、安倍晋三さんや根本匠代議士とは、どのような意見交換をしながらこの件について、石原代議士、当時大臣でありましたが、どのような活動をされていたのか、記憶の限りお話をいただきたいと思います。

石原国務大臣 いつごろの話を念頭に永田委員が私に質問されたのかちょっとわからないので、何年前のいつごろの話をしろということをもう一回言っていただきたいと思います。

永田委員 大体、平成十三年の九月にこの通知が出ていますから、その前ですね。たしか法案で、我が党の議員も含めながら話をしていたのはさかのぼること一年ぐらいの期間だと思いますので、平成十二年の秋から十三年の秋ぐらいの期間でどのようなことがあったのか、記憶の限り教えていただきたいと思います。

石原国務大臣 十三年の四月に小泉内閣が発足し、私は行革大臣に就任したということは覚えております。十二年の秋は、自民党の明日を創る会が、選挙が終わった後つくりまして、政治活動に邁進していたという記憶はございます。

 今委員が御指摘になりました代議士の皆さん方は我が党の議員でございますので、それら議員の方々とどんな会合で会ったかということは詳細には覚えていませんけれども、いろいろな場所でお会いしているということは事実だと思います。

永田委員 別に、何月何日にどこでだれと会ったかという話をしているんじゃなくて、どういうような議論がなされたのか、特に根本氏とか安倍氏とか、こういった方々がどういうふうな議論に加わってきたのか、どういう意見を言っていたのか、そういうのが記憶の範囲で、このそしゃく障害の障害者手帳交付に関する話ですね、可能な範囲で教えていただきたい。

 本当に、忘れた忘れたという話ばかりだと議論が続かないんですよ。ぜひ、思い出す限りお話をしてください。

石原国務大臣 規制の話とか行革の話はまだ覚えておりますけれども、与党の代議士は本当にいろいろな会合に出ているんですよ。

 私は、財政と金融が一応専門で来ておりますので、財政と金融に関係がちょっとあるから来てくれといえば、いろいろな会合に顔を出しておりますし、どの会合でだれがどんなことを言って、だれがどこにいたかということを思い出せといっても、それはやはり個別の会合でありますので、私は永田委員ほど記憶力がよくありませんので、いつ、どこの、どのぐらいのことと言っていただかないと、やはりちょっと答弁できないということもぜひ御理解いただきたいと思うんです。

永田委員 じゃ、石原当時大臣は、厚生労働省の今田部長と会ったことはありますか。

石原国務大臣 今、今田さんがどんな顔をしているか、会ったか会わないかということは、一切わかりません。

永田委員 どうも記憶を頼りに話をするのも、これ以上やっても不毛な気がするので、厚生労働大臣、ぜひこれは、臼田会長がここまではっきり明言をした、厚生労働省から依頼があって、こういう発言をしてくれというふうに言われた、このことをもとにして話を進めたいと思うんですよ。

 これは、要は、歯科医師会が、悲願であった、まさに自分たちがそしゃく障害の方々に診断書を出すんだ、こういう熱意をずっと持って活動されてきたことは私も知っています。永田町、つまり各代議士、あるいは厚生労働省の方々に働きかけをしていたということも、関係者の証言はとっています。

 しかし、その実際の実現の段にあって、厚生労働省から、こういうふうになりましたよと今田部長が持ってきた、説明に来た。そのときに、いやいや、この人たちの働きかけ、この人たちの活動が決定的な意味を持っていたんだよ、こういうふうなことを言ってきたということは、このことだけを見れば、あっせん利得処罰法の請託の要件を満たすことではないのかなというふうに思うんですが、いま一度、大臣、このことを議論の土台にするしかないと思うんです。ほかの人がみんな記憶が定かじゃないわけですからやむを得ないですよね。ぜひ、大臣の認識をお答えいただきたいと思います。

坂口国務大臣 私は、今田さんにこういうふうに言ってこいとかああいうふうに言ってこいというふうに言ったわけじゃございませんしいたしますから、全くそこはやみの中でございまして、わからないわけでございますが、私は、一番このことに対する功労者は、民主党の参議院の人だと思っていますよ。何回か質問もしていただき、私はもう本当に答弁に窮する場合も何度かあったわけで、非常に御熱心にやった。私は、このことに対する功労者はその方だというふうに思っております。

永田委員 別に民主党の議員が汗をかくのは、困った人を助けるのは当たり前ですから、私たちが。私たちだって役所の方々にお願いをすることはあるし、ただ、あっせん利得処罰法で問題になるのは、お金をもらっているからなんですよ。

 根本議員がどういうお金のもらい方をしているかというと、平成十一年と十二年は一けたですよ、数十万円の単位です。十三年になると、突然六百万円を超えるようなお金を日本歯科医師連盟から献金で受け取っているんですね。実に十倍以上のお金が出ています、表に出ているだけでという限定をつけておきますけれども。

 これは平成十三年にこの通知が実現したということを考えると、因果関係を私たちは推測せざるを得ない。やはりそれは考えない方がおかしいですよね。

 あっせん利得処罰法で犯罪行為の構成の要件となっているのは、現金とか経済的利益の授受というものがあるわけですよ。根本議員の場合は、一応、因果関係がどうかはわかりませんが、少なくとも十二年までよりも十三年の方がはるかにはるかに大きな金額を受け取っているんですよ。

 そのことを考えると、やはり民主党の議員が幾らもらっているか、私ちょっと調べていませんけれども、とりあえずここについては怪しいのか怪しくないのか、やはり調べていかなきゃいけないんじゃないのかなというふうに思って、それで答弁をお願いしているわけですよ。

 ですから、あっせん利得処罰法の構成要件を満たすのではないか。特に、臼田会長のこの発言の中には、少なくとも根本氏と安倍氏の活動が非常に効果的であった、そのことには感謝しているという謝辞を述べているわけですよね。その因果関係が少なくとも臼田さんの頭の中にはあるわけですね。ですから、これはあっせん利得処罰法の構成要件を満たすものというふうに私は考えていますけれども、大臣はいかがでしょうか。

坂口国務大臣 あっせん利得罪にそれが該当するかどうかは、私が御答弁を申し上げる問題ではないと思います。

永田委員 甘いですね。

 いいですか、局長が通知を出した、部長がそれについて判断をした、これは大臣の権限を代理人として行使しているんです。決裁もなく、省内手続もとらずに、ただ紙っぺら出したんじゃないんですよ。大臣の職務権限を行使するために、代理人として紙を出しているんです。

 ですから、その今田部長があっせん利得の片棒を担いだかもしれない。つまり、私たちが今考えているシナリオによれば、根本議員等々の働きかけによって部長が活動をした、部長が職務権限に基づく行為をした。部長が職務権限に基づく行為をしなければあっせん利得は成り立たないんですよ。だから、そこが大事な要件になってくるから、今田部長の行為はあっせん利得の構成要件ではありませんかという質問をしているんです。

 それが当たるかどうかは私の答弁するところではありませんと大臣はおっしゃいましたけれども、これは大臣の代理人としての行為をやっているんであって、大臣が当然、今疑われているのは大臣なんですよ、大臣の職務権限を行使しているんですから。今疑われているのは大臣なんですよ。

 ですから、大臣がどういう認識でその職務権限を評価するのか、職務権限に基づく行為を評価するのか、認識を明らかにする必要があるわけです。誠実に御答弁をお願いします。

笹川委員長 永田君、質問の内容を聞いていまして、法務省から来ておりますので、法律的なことは法務省に聞かれた方がより正確な答弁が出るんじゃないかと思いますが。

永田委員 いえ、法務省は個別のケースに対しては答弁しませんから、大臣の答弁を求めます。大臣の代理人としての行為をどう評価するか、どう認識しているかという話でありますから、大臣が当事者なんです。

 今委員長から、法務省から関係者が来ているので法務省から答弁を求めたらどうかという話がありましたが、これは法務省が答弁をすれば、当然、個別のケースについては答弁しかねるという話になって、一般論に終始することは明白であります。

 私は、これは当事者としての大臣が、自分の代理人であるところの部長の行為をどういう認識で評価しているか、それを問うているわけでありますから、大臣の答弁を求めたいと思います。

坂口国務大臣 そのことについて私は言う立場にありませんけれども、しかし、今田部長が歯科医師会に行きまして、こういうふうに決まったというふうに言っていたということは、何ら私は問題がないと思っております。

永田委員 ですから、そうではなくて、今田部長が説明することは別に構わないんですよ。ただ、少なくとも、臼田会長の中には、自分たちの悲願が達成された、そのことの功労者として今田部長や安倍晋三さんや根本匠さんがいらっしゃるということなんですよ。そこは因果関係は、少なくとも臼田会長の頭の中では結びついているんですね。

 では、今田部長がやった行為、つまり、いろいろな意見交換をしながら、それは、こうこうこうしようぜという話もあったでしょう。とにかく、今田部長が職務権限に基づいてこの通知を出したという点については、あっせん利得の構成要件の一つを満たすものである。全部じゃないですよ、もちろん。これが直ちにあっせん利得の構成要件だとは僕も言いませんよ。だけれども、その一部を明白に満たすものであるということは、大臣、認めていただけるかどうか。これは大臣が答弁する立場ですよ。だって、自分の代理人としてやっているんですから。ぜひ御答弁をいただきたいと思います。(発言する者あり)

笹川委員長 静粛に。

坂口国務大臣 今田部長が日本歯科医師会に行きまして、そして、こういうふうになりましたということを申し上げたことは、これは、事実だというふうに、聞いてきてそう言っておりますから、私も事実なんだろうというふうに思うんです。そのことは別に問題はないと思うんです。

 その言っていたことに対しまして、臼田会長がどういうふうに思われたかということは私の知るところではないということを申し上げているわけです。

永田委員 どうも記憶があやふやな人が、自分の知るところではないというふうに、非常に無責任な対応をする大臣がいらっしゃるので、これはもう、本当に当事者に聞くしかありません。改めて参考人招致をお願いしたいと思います。

 日本歯科医師会会長臼田さん、それから根本匠代議士、安倍晋三代議士、そして、厚生労働省、現在は部長の職をおやめになって、どこかの研究所の所長をなさっているそうですが、今田寛睦さん、この四名について、改めて参考人招致をお願いしたいと思います。委員長、よろしくお取り計らいをお願いします。

笹川委員長 理事会で協議いたします。

永田委員 理事の方々も前向きにお願いします。

 それから、総理、お待たせをいたしましたが、今私が申したように、どうも日本歯科医師会及び歯科医師連盟が大変怪しげな活動をしている。つまり、お金を使って政策を誘導しようとしているというような雰囲気がある。

 あるいは、新聞だけではありません、私も裏をとっていますけれども、歯科医師連盟が自民党の代議士に対して、あるいは自民党の支部に対して献金をした、連盟の方では献金をしたというふうに記録されているのに、受け手の側では献金を受けたという記録がない、空献金のような事例がたくさん見つかっているんですね。

 これは、自民党総裁として、受け手の側の資金管理をちゃんと調査していく、そして疑いを持たれないように適正化していく、そういう責任を総裁は負っていると思うんですが、総理の御認識をお伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 自民党は法にのっとって適正に献金を受け、収支報告を提出しております。

 今の御質問で、歯科医師会の活動につきましては、そしゃくの問題あるいは医師との関係、いろいろ国会でも審議されております。国民の健康のためにどのような行政対応が必要か、また政策が必要かということについては堂々と議論されればいいと思っております。

永田委員 自民党は法にのっとって適正に資金については処理をしているというお話でありましたが、実は、政党支部というのは、私の認識では監査をする必要がありません。なぜかというと、本部の監査と一体になっているという認識だからなんです。つまり、自民党本部が適正に監査をしているということは、あるいは資金の経理をしているということは、支部にわたるまでそういうような精神が貫かれているというふうになっていなければなりません。

 しかし、少なくとも吉田幸弘前衆議院議員が支部長を務めていた総支部には、献金を出した側の出したという記録と受けた側の受けたという記録が、つじつまが合わないということになっているわけですね。一体だれが日本歯科医師連盟に対して領収書を発行したのか、そういうようなこともしっかりと調査をしていかなければならないというふうに思っているんですよ。

 最後に、総理と石原大臣に質問をして終わりにいたしますが、総理、ぜひ、この件は、全総支部、あるいはすべての議員の持っている資金管理団体に対してもう一度、献金を受けたけれども領収書を出さないとか、そういうようなことがないように徹底をするというような指示を出していただきたい。それを総裁の立場としてお願いをしたいというので、ぜひ御認識をお伺いしたいのと、今、石原大臣も答弁席に立っていただきましたので、改めてお願いをしたいんですが、少なくとも石原大臣の管轄している政治団体及び総支部においては、受け取った献金は全部領収書を発行して適正に処理をしているという断言をここでなさっていただきたいと思います。お二方にお願いをして、終わりたいと思います。

小泉内閣総理大臣 政治資金の収支に関しましては、国民から信頼を得られるような対応をしなきゃならないと思っておりますし、自由民主党としても、各議員に対しまして、また各支部に対して適正に指示をしております。

石原国務大臣 ただいま総理が御答弁いたしましたように、政党支部においては適正に処理がされているものと承知しております。

永田委員 次回に続きたいと思います。これで終わります。

笹川委員長 これにて永田君の質疑は終了いたしました。

 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 きょうは、初めに、特別養護老人ホームの整備の問題について聞いてまいりたいと思います。

 政府の予算案では、老人、障害者、保育所などの社会福祉施設の予算が削減されようとしております。しかも、計上されている来年度の整備費では、地方自治体が予定してきた執行額に対してこれが不足するということが、私、目に見えていると思うんです。

 ここに、厚生労働省の「平成十六年度社会福祉施設の整備について」というペーパーを持ってきたんですけれども、これを見ましても、政府側の予算額が一千三百四億円、これに対して地方自治体での予定額が二千二百二十三億円、単純に差し引きしましても九百二十億円不足することになります。この点では、私は、既に各地方自治体が計画したどおりの整備の計画が進むことに支障が出るという声が上がっているわけですけれども、これはやはり政府の責任が大変重い問題だ、政府が引き起こした問題である、こういうふうに思うんですが、この認識をまず総理にお尋ねしたいと思います。

坂口国務大臣 特別養護老人ホームについてのお尋ねだというふうに思いますが、特別養護老人ホームなどの補助金につきましては、これは御承知のとおり、国の整備計画、ゴールドプラン21に基づいてやっていることは御承知のとおりでございます。

 平成十六年度の予算案におきましては、介護施設の整備費として九百三十一億円を計上いたしております。十五年度は確かに九百七十四億円でございまして、若干減ってはおりますけれども、しかし、大体同額のものをここに計上しているというふうに思っております。

 一つは、今いろいろの、多少地方で混乱が起こっておりますのは、今までは補正予算がございまして、補正予算でさらに上乗せをされる分があったものですから、それを期待していた向きがあるというふうに思っております。しかし、ことしはそうした補正予算がございませんでしたので、当初予算の中で、十五年度の分、それを消費していただく。そして、継続のものにつきましては、そのとおり、この十六年におきましても継続でやらせていただきます。

 十六年に予定をしていただいております分につきましては、かなりたくさん予定をしていただいているところもあるようでございますけれども、なかなか全額というところにはいきませんので、三分の二程度、そのぐらいはこなすように努力をいたします、こういうふうに申し上げているところでございます。

山口(富)委員 補正がなかったというお話がありましたが、私は、坂口大臣が私の指摘に対して、この不足する点について否定されなかった。そこが大事だと思うんです。しかも、これは多少の混乱じゃなくて、非常に大きな混乱が起きていると思うんですね。

 少し具体的に見ていきたいと思うんです。ここに、この一月に厚生労働省の各局が出しました通知の控えがありますけれども、例えばその中では、平成十七年度以降の継続事業であっても、その財政措置が確約できないから、原則、単年度により事業が完了するよう調整するよう努められたい、こういうものですとか、老朽の民間施設の整備は新規採用が極めて困難だという通知が相次いで出されています。

 その中の一つを、きょうは理事会の了解をいただきまして、配付資料として皆さんのお手元に届けたんですけれども、これを見ますと、新規事業については、今、坂口大臣もおっしゃったように、協議額の三分の二を確保というのは、逆に言いますと、三分の一をカットするということですね。それから継続事業については、〇四年度の進捗率が五割を下回るものについてはこれを協議の対象外にする、こういうものになっています。

 こういうやり方に対して、今地方自治体から、とにかく次から次へと批判の声が起きているんです。例えば、これは東京です。介護老人保健施設など大規模施設の場合、工期だけで十二カ月を要し、これに入札等の手続期間を加えると、単年度で整備を終えることは不可能であり、実態を無視した基準であると言わざるを得ない、これは東京。

 それから、埼玉、千葉、神奈川の三県が知事の連名で、これもまた坂口大臣あてに意見を出しておりますが、ここでも「老人保健施設については、単年度事業で完了するものに制限するなど、国庫負担の採択を一律に抑制することとしており、着実な基盤整備の推進が困難となることは明白であります。」と。

 もう一つ、これは新潟市長からです。高齢者施設について、「国への協議を目前に控えた時期に唐突な協議基準等の大幅な変更がなされました。このような内容では、整備計画の大部分を断念せざるを得ず、地域の介護需要を踏まえた介護保険事業に多大な影響を与えることは、明白であります。」と。

 北海道に至りましては、これは北海道知事名で来ている意見ですけれども、「北海道として予定している事業の約五割しか実施できない」と。

 私は、この地方自治体の意見というのは、多少の混乱じゃ済まない問題だと思うんです。

 そこで、重ねて坂口大臣にお尋ねしますけれども、やはり必要な整備なんですから、これに抑制をかけるのではなくて、地方自治体の要望もよく聞きながら、それに応じた予算をきちんと確保していく、要望にしっかりこたえていく、これが政治の務めじゃないんですか。

坂口国務大臣 最近、各市町村におきましては、非常に老人保健施設を建設される方がふえてまいりまして、非常に多くの方が手を挙げていただいている。

 そのことは私は結構なことだというふうには思いますけれども、在宅介護ということを今熱心に進めているわけでありまして、できる限り在宅介護でという方向で来ておりましたのが、最近、在宅介護よりもやはり施設介護ということがかなり叫ばれ、地方からは要求が出ているわけでありまして、ここは皆さん方がおっしゃいますとおりの件数をそこでつくり上げていくということは、そのつくることはいいんですけれども、そのことがまた介護保険にはね返っていきまして、保険料が高くなるということにもなりますので、そこは在宅介護がやはり中心なんだということを御理解いただいて、特別養護老人ホームといったような形ではなくて、もう少しグループホームでありますとか、さまざまなものを組み合わせてやはりおやりいただく、そういう工夫をしていただくようにお願いをしなきゃいけないというふうに思っております。

山口(富)委員 在宅介護が必要であり、またさまざまな施設の整備も必要である、それは当然のことなんです。しかし、今度起こっている事態というのは、政府の都合によって、もともと地方自治体が整備計画として持っている、それに見合うものの予算が確保できなくなったところに大きな原因があるんですね。ですから、これはやはり政治の責任としてきちんと対処することが大事だと思うんです。

 きょう配付資料で皆様のお手元に届けましたけれども、実は、一月二十二日に埼玉、千葉、神奈川の三県の知事が坂口大臣に申し入れを行っているわけですけれども、その際に三県の責任で調べたということでつくられた資料があります。これを見ますと、今の都道府県別の老人福祉施設等の整備率の問題で、大きな県でも、大阪府で七八・四%、神奈川で七四・一%、千葉が七二・六%、埼玉が七二・四%、いずれも七割台なんです。

 こういうところの知事さんが、やはりこの現状を変えたいということで国に要望を上げているんですから、私は、これを正面からきちんと受けとめていただきたい、このことを重ねて求めたいんですが、坂口大臣、いかがですか。

坂口国務大臣 今まで、特別養護老人ホームなどをつくろうというふうに思いますと、これは土地代もかかりましたり、そうしたことからなかなか都市部でできないというようなことがあって、どちらかといえば都市部でおくれてきたという経緯があるというふうに思っております。そのことがこのパーセントにもあらわれているんだというふうに思いますが、都市部も、おくれている部分がありましたら、そこは余りおくれていてはいけないわけでありますから、全体のバランスを見てこれは考えていかなければならないというふうに思います。

 したがって、都道府県、同じパーセントで割り振ってということにはいかない、それはもう一〇〇%できているところもあるわけでありますから、そうしたことは十分考えながら、それはやっていかなきゃいけないというふうに思っております。

山口(富)委員 都道府県の要望と実情に応じた政府の対応を重ねて求めたいと思います。

 私、小泉総理大臣にお尋ねいたしますが、特養ホームや保育園の問題、それから障害者施設の問題というのは、介護保険制度の問題でも、支援費制度、また少子化対策の問題でも、当然整備が必要な分野だと思うんです。小泉総理自身、障害者プランやゴールドプランなど長期の計画を立てて、ここに地方自治体も参加するようになって事態が動き始めたわけですね。

 ところが、今度の、財源が足りないから、では施策を削ろうか、補助の額を削ろうかということになりますと、小泉総理自身が打ち立ててきたプランというもの、それ自体が机上のプランになる可能性がある、そういう事態に陥っているんじゃありませんか。

小泉内閣総理大臣 介護保険制度が導入されてから、地方にできるだけ権限をゆだねていこうということで、施設介護あるいは在宅介護、あるいは両方という組み合わせを地方が独自に考えながら、対応を苦心されているということは承知しております。

 そういう中で、いろいろ地方の声を聞きながら、国としてどのような支援が必要か、また今後足らざるところをどのような形で補っていくかということについては、よく現場の声を聞いて対応していく必要があると思っております。

山口(富)委員 では、この社会福祉施設の整備についても、現場の意見をよく聞いて対応をお願いしたいと思います。

 次に、私、障害者の支援費制度についてお尋ねしたいと思うんです。

 お届けしてあります資料の三枚目なんですが、これは東京都がつくりました、東京都下の市部の資料なんですけれども、これを見ますと、これは二〇〇三年度の居宅介護等事業支援費の国庫負担にかかわる資料ですけれども、配分予定額で二十五億七千七百万、これは合計の、一番下の欄ですね、そして追加配分額で一億円、合計約二十六億七千七百万円。これに対して交付申請が三十二億三千万円ということで、差し引き五億五千万円の不足になるというのが、この会議の中で配付された資料で明らかになっております。

 私、きょう、先ほど東京都の福祉局に問い合わせをいたしまして、これは都下の市部の方の問題ですから、二十三区内を含めるとどういうことになるんだと聞きましたら、東京都の試算では十億円の予算が不足しますという回答をいただきました。

 この点でも、私は、特養ホームの問題と同じようなことが支援費制度の問題で起きているというふうに思うんです。

 坂口大臣にお尋ねしますが、今度の予算の中で、支援費の問題でいいますと、今年度も予算が足りずに、最後は随分集めまして何とかしのいだわけですけれども、今の需要に十分見合うホームヘルプのサービスですとかグループのサービスですとか、こういうものの確保ができる予算を組めた、そういう認識なんですか。

    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕

坂口国務大臣 これは、いずれにいたしましても、厳しい予算の中でどう確保するかということでございます。

 今まで、障害者の問題は、東京などのように非常に先駆的に取り組んでおみえになった地域もありますし、全く今まで取り組んでおみえにならなかった地域もあるといったようなことで、昨年から、全国各地域それぞれ、そんなに格差のないように、一律にできるだけ取り組んでいきたいということで、支援費制度として取り組ませていただいたところでございます。

 そういうことでございまして、全体としての予算額はふやしているんですけれども、今まで余り使っておみえにならなかった、そういう都道府県もお使いになるようになってきたということで、東京のように今まで非常に一生懸命おやりいただいていたところに対しましては、少し厳しくなってきているということは言えるかというふうに思います。

 ことしも、平成十六年度の問題も、ホームヘルプサービスの予算などを見てみますと、平成十六年度、三百四十二億円で、対前年度比で二三%増の予算を組んでいるわけでございます。ホームヘルプサービスだけではございませんけれども、ここが一番御要望の多いところでございますし、一番中心に考えなければいけないというふうに思っておりまして、ここにはこうした予算の配分もとっているところでございます。

 使い方も御検討をいただいて、そして、少ない予算で、より効率的な結果をお出しいただくように、都道府県にもお願いをしているところでございます。

山口(富)委員 今、ホームヘルプについて二三%増だというお話がありましたが、そのもとになっている昨年度の実績を見ますと、厚生労働省の発表では、四月利用分、五月利用分がそれぞれ五十三億三千万、五十九億九千万、そして昨年九月分ではこれが六十八億円に上がっているんですね。そういう実態を踏まえますと、二三%の増というのは、ホームヘルプの支援費をめぐるサービスを賄える予算ではとてもない。今年度もマイナスということで、実際に問題が起きてくるというのは私は目に見えていると思うんです。この対応を今から至急とっていただきたい。

 それから、先ほど紹介いたしましたこの資料で、特に問題になりますのは国立市です。ここでは追加配分額がゼロになるということで、非常に大きな混乱なんです。東京都の、先ほど厳しくなるというお話がありましたが、総理のお話では、実態と要望をよく聞いて対応しなさいということですから、私はこの点でも、厚生労働省に改めて実態をよく調べてきちんとした対応をするように求めておきたいと思います。

 それからもう一つ、きょうここに持ってまいりました、障害者団体が調べた障害者のための社会資源の設置状況等についての調査結果、これはちょっと大部のものですのでお配りはしなかったんですけれども、非常に貴重な調査があります。

 これを見ますと、今の現状が大変、サービスの問題で施設等の準備がおくれているというのがはっきりわかります。例えば、障害者が地域で生活する最低のサービスであるデイサービス、ショートステイ、グループホーム、これが実施できない自治体が二三・四%、二割を超えている。それから、入所施設整備の不足が六八・九%といいますから、十のうち七つですね。そして、通所施設では六〇・九%が不足を訴えているなど、全国的に見ますと基盤整備のおくれは明らかだと思うんです。

 この点でも、もともと支援費が出発したときには、これは、障害者がサービスをきちんと選択でき、受けられるんだというその理念から出発したわけですから、その理念に立ち返って、この問題、坂口大臣、きちんとした対応をやっていただきたいんですが、答弁をお願いいたします。

坂口国務大臣 その問題もなかなか大変な問題でございますし、また、重要な問題であるという認識はいたしております。皆さん方とよくお話し合いをしながら進めさせていただきたいと思っております。

山口(富)委員 私は、社会福祉施設整備費等の国庫負担、補助金の削減、これをやめて、国としてのこの分野でのサービス基盤の整備充実を図る、社会保障に重点を置いた予算の編成に切りかえていく、このことを最後に求めまして、質問を終わります。

北村(直)委員長代理 これにて山口君の質疑は終了いたしました。

 次に、横光克彦君。

横光委員 社会民主党の横光克彦でございます。

 総理にお尋ねをいたします。

 国庫補助負担金、そして税源移譲、交付税、こういった三つを一体的に改革しようとする三位一体改革、これが二〇〇三年度予算から芽出しという形でスタートいたしました。そして、いよいよ二〇〇四年度から本格的な意味での第一歩がスタートしたと言ってもよいと思っております。

 この三位一体改革の第一歩であるならば、この本来の趣旨であります、地方の自由度を高める、あるいは地方に活力を与える、そういった形が、たとえ規模が小さくても始まっていなければならない状況であるにもかかわらず、現状は、全く百八十度違う形が今地方に起きてしまっているんですね。地方自治体にとりましては、この三位一体改革の第一歩、こんなはずではなかったというのが今、実感であろうと思っております。

 非常に、各自治体は、来年度の予算編成に向けて四苦八苦をしている、悲鳴を上げている。その結果、地方財政はさらに危機的な状況に陥っている。赤字予算を編成しようとした自治体さえあるんですよ、総理。これは、本来考えられないことであるし、あってはならないこと。しかし、そういった考えられないことが現実にこの三位一体改革の第一歩のスタートによって起きてしまった。

 なぜこのような普通では考えられないようなことが起きてしまったのか、その原因はどこにあるのか、まず総理にお尋ねいたしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 財政状況は国も地方も厳しいわけでありまして、地方だけじゃないんですね。国も赤字予算であります。

 地方はできるだけ自主性を高めたいという意欲を強く持っております。そういうことから、今回の三位一体改革も、補助金の問題、交付税の問題あるいは税源、財源の問題、これを、より地方に裁量権なり自主権を与えて、地方も効率的な財政改革を進めてもらいたい。その際には、どういう分野に予算を多く配分するか、また、ある部分ふやすんだったらば別の部分を削らなきゃならないというのは、国だけでなくて地方も非常に骨折っているところだと思います。

 当然、今までの補助金というものが、それぞれ使い道を中央政府から指定されて、この使い道だったらこの補助金をというよりも、ある程度弾力性を与えたらいいじゃないか。あるいは交付税におきましても、現状維持の方がいいという地方公共団体もかなりあるわけですね。自分たちは、税源をいただいても、税の対象にする企業もない、税源もない、それだったら今までのとおり中央から補助金なり交付税をもらった方がいいという地方自治体もあるんです。

 だから、現状維持がいいという方と、やっぱり変えた方がいいという、そういう意見が今分かれるところでありますが、やはり本来の趣旨にのっとって、地方は地方の自主性を発揮するような形での三位一体改革が必要ではないか。

 そういう場合に、やっぱり今までのやり方とこう変わっていくんだということで戸惑いがありますから、そういう点については、よく現場の声を聞いて、総務大臣がその個々の対応を、意見を聞いて、今どういう措置が必要かということをよく考えておりますので、できるだけ混乱が少ないような対応をしていきたいと思っております。

横光委員 今、総理、今回の三位一体改革の方向で地方の特性を生かしたいというようなお話もございました。その意味では、確かにそのとおりです。地方にできることは地方に、地方の特性を生かす、そういったことでありながら、現実は、総理、地方にできることさえ地方ができないような状況に今なっているんですよ。

 今回の予算編成、どれだけ各自治体が四苦八苦して、あらゆる算段をして、やりくり算段をして予算を編成したか。結局、公共事業を削減していた、しかし、今回の年末のあの方針によって、さらに削減せざるを得ない、あるいは社会保障も福祉も抑えざるを得ない、県の単独事業も少なくせざるを得ない、いろいろな形が起きてきた。そして、そのためには、もう限度いっぱいの県債を発行せざるを得ない。さらに足りないところは基金を取り崩さなきゃいけない。こういう形で、今、やりくり算段をして来年度予算を編成したのがほとんどの自治体だと思うんです。こういった形で、結果的には、帳じり合わせの事実上の赤字予算を地方自治体は組まざるを得ないような状況に今追い込まれていると私は思うんです。

 各自治体の首長の声がございます。来年度の予算編成が成り立たない。もはや二〇〇五年度の予算編成ができるのかという心配。四十四自治体で二兆六千百六十億円の不足、交付税削減が打撃であったと。そして、県に裁量の余地がなく、真の地方分権にはほど遠い、こういった首長の声もある。また、三位一体改革を、初年度の取り組みだけでも地方財政に多大な影響を及ぼしていると。つまり、初年度だけでもこれだけみんな不安と危機感を持っているんですね。そういった意味からも、来年度はどうなるのか、今やもうそういった声が上がっている。

 ですから、こういった不安を解消する意味からも、あるいは職員の士気を低下させないという意味からも、あるいは住民サービスを低下させない意味からも、今後の改革でこの地方財政がどうなるのかという見通しや将来像をもうちょっときちんと示して、不安を解消してくださいよ。総理、お願いします。

    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕

谷垣国務大臣 今の委員の御議論の前提として、確かに、今回、それぞれ大変厳しいという声が聞こえてくる、私もよく承知しております。しかし、地方交付税にいたしましても、足らず前を借金をしながらやってきた、国、地方を合わせて五十兆という額になっておりますし、地方の負債全体も二百兆を超す現状になっております。

 そうしますと、三位一体で地方の権限を高めていく、これは本来の目的ですけれども、それをやっていくときに、あわせてスリム化もしていかなければ、それ自体が立ち行かないという現実にあることも御理解をいただきたいと思うわけでございます。

 そこで、三位一体の進め方としては、補助金もむだなものは徹底的に排除して、そうして、これからも地方でやっていただく必要のあるものについては、これは財源をきちっとおつけしていく。ただ、これも、先ほど申しましたように、全部十割ということではなかなか財源が行かないので、これは相当スリム化をしながらということでお願いせざるを得ない。

 それから、交付税も、先ほども北村議員にもお答えいたしましたけれども、これは、要するに、先ほどのような五十兆というような赤がたまって、それがもう、今、地方の分については臨時の赤字地方債を出して埋めるというようなことをやっている現状でございますから、それぞれの財政力格差を調整する必要はあるけれども、財源を保障するような機能はできるだけ抑制していかないと、地方交付税全体の圧縮ということがあわせて必要でございます。

 そして、最後は税源でございますけれども、これは、ことしはつなぎの措置のような形でございますけれども、所得税を地方住民税に移管していく、これをきちっとやっていかなきゃいけないと思っております。そのとき一番大事なことは、これは先ほども申しましたけれども、それぞれの地方自治体が自分のところの施策について、住民の御理解を得ながら、この税をいただきたい、こういうことがなければうまくいかない。それをあわせて進めていく。

 それで、その大きな方向性に関しては、骨太の方針で示されている方向に従って、これから残り約三兆でございますけれども、三位一体、補助金改革等、取り組んでまいりたいと思っております。

横光委員 確かに、補助金の削減あるいは交付税の抑制等で、地方にそれなりの自助努力、活力というもの、あるいは裁量権の自由度を高める、こういったものは進めなきゃいけないと思っています。しかし、それのためには、一〇〇%まではいかなくても、それに見合うだけの税源の移譲がなければ地方はもうどうしようもないわけです。このまま地方交付税が削減され続けますと、やはり財政再建団体に陥る地方自治体がこれからどんどん出てくる可能性があります。そこのところを私は大変危機感を持っているわけです。

 三位一体改革というのは、やはり目標は、税財源の地方自治体への移譲であり、未完の分権改革の完成に向けた歩みを着実に進めるものでなければならないと考えております。ですから、確かに国も地方も厳しい、しかし、国のツケ回しのための改革であってはならないということを私は強く申し上げておきたいと思っております。

 次に、郵政問題についてお聞きいたしたいと思います。

 総理は、郵政民営化というものは決まったようなことをおっしゃっておりますが、この郵政民営化につきまして、国民、だれがそうしてほしいという声を上げたのかさっぱりわからない、私から言うと。国民が、ああ、もう郵政は民営化してほしいという声が上がっているならともかく、私は、地元に帰っていろいろ聞きますと、そういったことをしてほしいという声はほとんどと言っていいほど聞こえないわけですね。ですから、国民の声なくして改革を進めているというような気さえしないわけではないというのが今の実感なんです。まさに、国民が求めるならばこれはもうやむを得ないことでございますが、ほとんどの国民、とりわけ地方にとりましてはそんな声は一つもないということを、まず総理、認識していただきたい。

 そして、いよいよこの民営化の論議が始まったわけですが、この法案の作成、これは一体どこでやるのかということが非常に重要でございますが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 これは、民間にできることは民間に任せようという総論は大方賛成していただけるんだと思います。それと、やはり官の分野の構造改革、財政改革、特殊法人改革、これもまた大方賛成していただけるんだと思います。

 その際に、それではもとの、今の郵政、ほっておいてできるか、現状維持でできるか、できないんです。だから、入り口から出口まで、郵政、財政投融資、特殊法人、すべての改革につながる。もとに手をつけないで出口だけ手をつけても、これは大した効果は出ないだろうということから、私は郵政民営化の必要性を訴えてきたわけであります。

 それと、この問題につきましては、まず経済の活性化に資するものでなくてはいけない、そして、現在の郵便局がしておりますサービスも維持する、さらには、よりよいサービスも展開できるような民営化案を考えていかなきゃならない。そういう際には、今までの各役所の縄張り意識を捨てて、政府全体として国民のためにどういう民営化がいいかということを考えるわけでありまして、この点につきましては、小泉内閣の最重要課題の一つでありますので、政府挙げて取り組んでまいりたいと思います。

横光委員 道路公団の民営化は、やはり国民から、そういった民営化してほしいという声がかなり強くあったと思います。しかし、私が今言いましたように、このことに対しては、総理は総理のお考えを述べられましたが、国民からそういった声が上がっていないということが一つ。

 その証拠に、実はきのう、自民党の額賀政調会長、自民党の政調会長が講演で、三事業はこのままやっていくべきなのか、改良を加えるべきなのか、民営化すべきなのか、白紙に返って国民に一番いい姿をきちっと議論すると、このとおりだと思うんですね。

 ですから、もっともっと国民論議を私は最初にやるべきだと。全国四十七都道府県の自治体すべてで公聴会を開くとかして、国民の声を聞いてから、そして国民の中で民営化してほしいという声が上がったなら、やはりこの論議はそれから始めるべきであって、私はまず国民無視という形でやっているような気がしてならないということを申し上げたいわけでございます。

 とりわけ、この民営化問題は、三位一体改革と同じように、中央に比べて地方に非常にしわ寄せが起きる問題なんですね。確かに、それは都市部に比べまして、地方、山間部、離島、住んでいる人は少ないでしょう。しかし、少ないといっても同じ国民なんです。ですから、同じサービスを受ける権利があるんです。このことを私はこの民営化論議のときには大前提としてお考えいただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

笹川委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。

 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時開議

笹川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 午前に引き続き、年金及び構造改革問題等について集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野功統君。

大野(功)委員 自由民主党の大野功統でございます。

 年金一筋の質問をさせていただきます。

 今回の年金改革につきましては、自民党内でも真剣な議論を重ねてまいりました。自民党内での議論の時間は六十時間に及んでおります。また、パートナーの公明党と与党年金制度改革協議会をつくりまして、その与党年金制度改革協議会におきましても二十二時間に及ぶ議論を重ねた結果、年金改革につきまして与党の合意ができ上がった次第でございます。

 我々の議論は、二つの反省から始まりました。

 第一の反省は、まず、グリーンピアとか、あるいは福祉施設とか、年金財源を使っていろいろな施設をつくりました。過去におきましては、一定の役割を果たしたものと思います。また、地域の住民の皆様からもかわいがられたことと思います。しかし、今振り返ってみますと、この厳しい年金財源の時代に、年金資金というのは、年金財源というのはやはり年金の給付以外にはびた一文使っちゃいけない、こういう反省が出ております。

 我々は、この年金の保険料、国民の皆様の大事な年金の保険料は年金の給付以外には絶対使わない、こういう誓いに達したわけでございます。

 それから、第二の反省は、今の年金制度というのは、五年ごとの財政再計算をいたしますと、計算するごとに給付は変わる、給付は下がる、負担は上がる。これではやはり国民の不信感をあおります。

 したがいまして、我々は、絶対的に持続的な、安心と信頼の得られる、厚労大臣よくおっしゃっておられますけれども、百年先を見通せるような年金制度をつくっていかなきゃいけない。

 こういう反省のもとに我々の議論は出発をしたわけでございます。

 何といっても、日本人のDNAは安心でございます。安心を国民の皆様にお届けする、安心の出前持ちの気持ちになって我々は一生懸命議論をしてきた次第でございます。

 それではまず、第一の反省から議論をさせていただきたいと思います。

 むだ遣いは絶対してはいけない、こういう信念のもとに、自民党の中に年金資金運用・福祉施設改革推進ワーキンググループというのをつくりました。ちょっと名前が長過ぎますので、俗称、むだ遣いやっつけ部隊というふうに言っております。部隊長は衛藤晟一先生でございます。

 まず第一には、グリーンピア、これは旧大蔵省旧資金運用部の金を借りまして、三千八百億円ぐらい使っております。これは、どうか、平成十三年の閣議決定どおり平成十七年までには廃止してもらいたい、年金の話とは切り離していただきたい。このことを強く主張する次第でございます。

 また、年金福祉施設でございますが、全国で二百六十五カ所あります。それを運営しているのが公益法人でございます。このお金は年金保険料財源から出ているわけでございます。この出ているお金が一兆五千七百億円、大変なお金でございます。それが、もちろん資産として残っておりますけれども、赤字で経営されている。これはやはり考えてもらわなきゃいけない。反省してもらわなきゃいけない。

 先ほどのむだ遣いやっつけ部隊においては、近く報告書を出します。どうか、こういう施設は年金の話とは全く切り離して過去を清算してもらいたい、そして、年金の資金というのはびた一文たりとも年金の給付以外には使ってはいけない、こういうことにしていただきたい。このことをお願いする次第でございます。

 また、年金資金の運用につきましては、これは御存じのとおり、昔は年金福祉事業団、今は年金資金運用基金、ここがやっております。これは実質的には大臣がやっておられるようなものだと思いますが、これはやはり、資金の運用でございます、大事なお金でございますから、官僚の世界とちょっと切り離して独立行政法人にやってもらいたい。これをお願いする次第でございます。

 その独立行政法人をつくった場合、天下りは絶対だめだ、もうノーだ、そして、責任の明確性、透明性の中で、やはり安全な運営、運用、そして責任ある体制をつくっていただきたい。このことをお願いする次第でございます。

 まず第一に、坂口厚生大臣にこの今の誓いをしてもらいたいんです。一番、過去を清算してもらいたい。二番、年金の保険料は絶対に今後、年金の給付以外に使ってもらいたくない、使わない。二番目の誓いでございます。三番目は、年金資金の運用、これは今後、独立行政法人をつくって、そして官僚の世界から切り離して安全、効率的に行うんだ。この三つの誓いをまず坂口大臣にお願い申し上げます。大臣、誓っていただけますか。

坂口国務大臣 お話ございましたように、グリーンピアにつきましては、平成十七年度までに廃止をするということになっておりますし、その決定に従いまして、今、鋭意処理をしているところでございます。十七年までに、約束どおり、これは廃止をしたいというふうに思っております。

 それから、そのほかの福祉施設でございますが、お話ございましたとおり、年金のことは年金以外はやらない、そのほかのことは行わないという大原則に立ちまして、できる限り処理できるものは処理をし、そして、今後、その中には病院等もございますから、一度にその決着をつけるということになりますと地域に御迷惑をかけるものもございますので、そうしたことを十分検討しながら、しかし、できる限りそれはもう年金と切り離していくということにしたい、いわゆる年金の保険料と別の世界にしていきたいというふうに思っております。

 それから、三番目でございますが、これからのいわゆる積立金の運用についてでございますが、新しく独立行政法人をつくっていただきまして、専門家を集めまして、そこでしっかりと運用をしていただくようにしなければいけないというふうに思っております。その新理事長につきましては、一般の民間の方から選びまして、そして当たりたいというふうに思っております。御指摘のとおり、厚生労働省の天下り先にならないように十分監視をしていきたいと考えております。

大野(功)委員 大臣、三つの誓い、ありがとうございます。

 ただ、気になりますのは、できる限りやりますと。できる限りという言葉なんです。やはり我々は信念を持って絶対にやらなきゃいけない。おっしゃるとおり、厚生年金病院のように、地域から愛され、地域に本当に必要な施設もございます。でも、それは、大臣おっしゃったように、年金の世界から切り離して経営していただきたい、運営していただきたい。このことをお願いする次第でございます。

 それでは、第二の反省でございます。

 長続きする年金制度をつくらなければ、年金制度自体が、国というものが信頼されなくなっているよ、こういう問題であります。持続する制度。これまでの制度をこのままほっておきますと、十八年先には破産してしまう、これが見えてしまっているんですね。それではだれも年金を信用いたしません。

 こういうことになったのは少子高齢化のせいでございますけれども、そんなことを言っている場合ではありません。長生きするということは、本当に人生にとって喜ばしいことであります。お祝いすべきことであります。ところが、長生きすることによって、不安を生じる。不信を生じる。これでは、もう本当に、政治、何をやっているんだということになるわけでありますから、我々はやはり、お年寄りの皆さんが長生きしていただいて、お年寄りの夫婦が仲よく、例えばレストランで食事をされる、旅行をされる、こういう世界をつくっていかなきゃいけないんじゃないか。

 そういう意味で、私はやはり、この年金制度、あと何年たったら幾らぐらいもらえて、そして、人生設計もそれに応じて立てられますね、こういう世界をつくっていかなきゃいけない。このことを我々は一生懸命頑張って議論してやってきたつもりでございます。

 しかし、今現在を考えてみますと、現在には二つの、双子の不安があるような気がします。

 一つは、現在、若い人々にとって、いつリストラされるかわからない、いつ失業という問題が起こってくるかわからない、さらに、将来の年金、年金保険料を掛けただけ果たして返ってくるんだろうか、こういう誤解です。

 全くこれは誤解なんですけれども、今の年金制度が大変不安を呼び起こしているし、そして、五年ごとに財政再計算すると変わってくる。これではやはり不信感を呼ぶわけでございます。この不信感が誤解を呼んでいる。

 だから、大臣にお願いしたい。どうぞわかりやすく――けさの議論もそうです。平均所得の五〇%以上を確保すると言いながら五〇%以下になるじゃないかと。これもわかりやすく、五〇%以下になる層は所得の高い方の層なんですよ、所得の低い方の層は五〇%以上になるんですよ、こういう解説を、平均的にこれだと。政治家はわかりやすく、総理がおっしゃるように、わかりやすくばんと言うことも必要だと思いますけれども、厚生労働大臣の方では、どうかわかりやすいパンフレットをつくって、国民に御説明していただきたいと思うのであります。

 まず第一の誤解、これは、給付率が六〇%から五〇%になるということで、実際にもらっている人の年金が減るんじゃないか、こういう誤解があるんですね。

 これは、これから私の言うことが正しいかどうかだけ、イエスかノーかでお答えいただければいいんですけれども、まず一つ、今もらっている人、それは物価が下がらない限り手取りは減りませんですね。――うなずいていただきましたから、そのとおりでございます。

 今、物価だけは調整させていただいている状態でございまして……(発言する者あり)給付の問題を言っています。給付は減らない、このことを、物価が下がれば別です。

 物価について、これも何かパンフレットでお書きいただきたいと思うんですが、過去に物価が下がった分一・七%、平成十二年、十三年、十四年、この三年間で物価が一・七%下がっておりますが、これは年金に反映させておりません。これを反映させるのは、将来、物価が上がったときに反映させるということでありますから、どうぞ、大臣も私の発言にうなずいて、保証していただいておりますので、物価が下がった場合を除いて一人一人のお年寄りの皆さんがもらう給付は下がらない、こういうことをまず申し上げたい。

 それから、二番目の問題は、要するに、若い人が保険料を払います、払っただけの給付は受けられない、こんな誤解が生じています。

 これは実は、厚生労働省がこういう資料を出しておりまして、例えば、一九四五年生まれの人でありますと、厚生年金では四・六倍、それから国民年金では三・四倍くれる、ところが、二〇〇五年生まれの人は、厚生年金では二・三倍、国民年金では一・七倍しか返ってこない、こういうことでありますが、私は、この数字は二つのことを語っていると思うんですね。

 一つは何かといいますと、世代間でこれだけの格差があって不公平だというようなことを言う人があります。だけれども、これは少子高齢化が進行してやむを得ないところがある。もう一つの問題は、払ったお金の、保険料の、国民年金でいいますと一・七倍返ってくるんですよ。こんな民間の保険商品はありませんよ。このことをはっきりさせていただきたい。

 そしてまた、それだけじゃないんです。年金というのはお互いに助け合いですから、この一・七という数字、あるいは厚生年金でいいますと二・三という数字には、必ず息子たちの、子供たちの温かい、お父さん、お母さん、頑張ってねという気持ちがこもっている。そして、そのもらう方も、支えてきた気持ちがこもっている。この連帯の、本当に仲間同士、共生していこうという連帯、助け合いの気持ちがこもっている数字だ、このことを一つ。

 これで、正しいこと言っていますか、私。

坂口国務大臣 おつくりいただいたもとの方がおっしゃるんですから、これはもう正しいに決まっておりますけれども。

 今おっしゃいましたように、お若い皆さん方の立場からすれば、できるだけ負担料は少ない方がいいというふうに思われることはそれは当然でございますし、また、高齢者の皆さん方からすれば、できるだけ年金額は多い方がいいというふうに思われることもこれまた事実だというふうに思います。

 しかし、そこはお互いに譲り合いをしていただいて、負担をしていただく方の負担も余り高くならないように、現在のような状況のままでずっと高くなっていきますと、今、一三・五八%でございますが、これが倍の二六%ぐらいまでいってしまう。たとえこの基礎年金のところが二分の一になったといたしましても、二三%ぐらいまで上がっていってしまう。それではいかにお若い皆さん方にお願いをいたしましても、少しそれは高過ぎる。

 したがいまして、一八・三%、一八%台まで上限を下げまして、これ以上は御迷惑をかけることはございませんということを申し上げて、そして一方におきましては、今度は御負担をいただきます方につきましては、きょう午前中にも御議論がございましたが、モデル年金におきましては五〇・二%というふうに定めさせていただいたわけでございまして、ここは何とか守っていきたいというので、高齢者の皆さん方にもここは御理解をいただいた。

 五〇%、四〇%、六〇%、いろいろの、それぞれの人によりまして違いが出てきておりますが、大まかに申しますと、所得の低い人の方はパーセントが高い。例えば、平均二十万円しかもらわなかったという人につきましては、少なくとも六〇%ぐらいはこれはございます。そのかわりに、今度は月平均が四十万も五十万もあるような人につきましては四〇%台に下がってくるといった所得再配分機能がその中に働いております。平均しての話といたしまして、五〇%ということを申し上げているわけでございます。

 しかし、これは、いただきますパーセントと、それから、出します年金の額とを両方言わなければいけないわけでありまして、その五〇%の額で大体二十三万円程度、こういうふうに申し上げているところでございます。

 ひとつ、その辺のところを御理解いただきたいというふうに思います。

大野(功)委員 私の次の質問でお伺いしようと思っていたことを全部答えていただきましたので、その辺はあれですけれども。

 次に、もう一つ、私、誤解があるんじゃないかと思ってフリップを用意してまいっております。

 これは、将来どうなっていくんだろうか、五〇%という給付を言いながら、保障しながら、将来どうなっていくんだろうか、実質価額でどうなるんだろうかということをちょっとグラフにあらわしてみたものでございます。

 これによりますと、将来、実質でも上がっていっているということがよくわかりますので、この辺も、きょうはもうこれだけにしておきますけれども、後で厚生労働省がきちっとパンフレットで説明してくれると思いますが、どうぞ、将来のこともきちっと説明するパンフレットをつくってくださいますよう、よろしくお願いします。

 そこで、私、次にお尋ねしようと思っていたことは、年金というのは、保険料は高くていいから給付も高いのがいいよという人と、それから、給付の方は安くていいから保険料も低くしてよ、こういう二つの争いになっているんですね。世代間バトル、本当は世代間の助け合いじゃなきゃいけないものが世代間のバトルになってきてしまっている。

 今回は、今、大臣、御説明がありましたように、一八・三〇と五〇%、それからもう一つは、基礎年金の国庫負担が三分の一から二分の一になるということでございますけれども、世代間バトルじゃなくて、やはり年金というのは助け合いですから、今回の水準、保険料水準、これは上限を決めたものでありますけれども、厚生年金の保険料水準一八・三〇とそれから給付水準とが何とか世代間のバトルじゃなくて世代間の助け合いの第一歩になってもらいたいなと私は思っているんですが、その辺の評価を一言お願い申し上げたいと思います。やはり年金というのは助け合いですから、どうぞ、そこら辺を考えてよろしくお願いします。

坂口国務大臣 お話ございましたとおり、お若い皆さん方が出していただきます額が余り高過ぎないようにしながら、そして、高齢者の皆さん方にそれが回っていきますように、これは順送りの助け合いでございますから、お若い皆さん方が御負担をしていただいて現在の高齢者のために出していただく、今のお若い皆さん方のものは次の世代が出していただくということでございますけれども、しかし、そうはいいますものの、出していただきます御本人が、自分が出したものと返ってくるものとにどれだけの関係があるかということも、それはやはり気になるところでございましょう。

 先ほどお話ございましたように、負担をしていただきます上限を抑えながら、そして、年金として高齢者にもらっていただきます分が余り低くならないように、両方ともここは歩み寄った形で一つの案をまとめているというのが今回の案でございます。

 中福祉・中年金という言葉が当たりますかどうかわかりませんけれども、それは低からず高からずというところで御理解をいただかなければならない。それは現在のこの少子高齢化の時代にはどうしてもやむを得ざることであるというふうに思っている次第でございまして、そうしたところの御理解をいただきたいというふうに思っておるところでございます。

大野(功)委員 我々としては、そういう意味で、世代間の助け合い、現状では、とにかく一番の願いは、長続きする、持続可能な、持続可能ということが安心と信頼の大もとですから、長続きする年金制度をつくり上げたつもりでございます。現状ではベストの選択だったと思っておりますけれども、ところが、ふたをあけてみると物すごい批判があるんですね。

 一つは何かといいますと、単なる数字合わせだというんですよ、単なる数字合わせ。皆さんに聞いていただきたいのは、年金というのは数字が合わないと破産してしまうんですね。ですから、保険会社でもアクチュアリーとかいって保険数理を専門にやっている人がいらっしゃいます。とにかく、数字を合わせなきゃ年金破壊ですよ。それをだんだんだんだん最近わかってきていただいたのか、あっ、変なこと言っちゃったなということなんでしょうか、その批判は少しおさまってきたような気がいたします。

 ところが、もう一つの批判、これは抜本的改革なき改正だ、こうおっしゃるんです。(拍手)私、こちらから拍手は要りません。抜本的改革なき改正と。我々は、根本的に長続きする制度をつくったつもりなんです。ところが、抜本的改革なきということで、考えてしまうんですね。一体、抜本的改革というのは何をおっしゃっているんだろうと。国民のための改革を一生懸命やって、抜本的とは一体どういう意味だろうか。

 ここで、私は、年金の哲学とか年金の理念を少し議論させていただきたいんです。

 年金というのは、公的扶助という柱、それからもう一つは、お互いの助け合い、社会保険という柱、この二本の柱ででき上がっていると思うんです。公的扶助というのはもちろん税の世界です。それから、社会保険という柱は、これはみずからがみんなの力で、自前の足で立って、そして、お互いに助け合っていこうという柱です。これが両々相まって、社会保険、今の年金制度ができ上がっていると思うんです。

 もし、公的扶助の世界が大きくクローズアップしてくると、これはいわば生活保護の世界に近づいてくると思うんですね。

 そこで、もし抜本的改革なきという方々の思いが、基礎年金部分を全部税でやらなきゃ抜本的改革じゃないんだ、こういう意味でおっしゃっているなら、私、ちょっと疑問に思いますので、これは抜本的というよりも、理念とか哲学の違いかなと思います。

 それからもう一つ、全部税金で賄うとすると、今、三千万人が給付を受けています。基礎年金は大体八十万円ですから、年間二十四兆円必要なんですね。今、既に五兆数千億、国庫から基礎年金部分に充てています。ですから、残りを十八兆とか十九兆ちょっとにしますと、消費税でいいますと、七%から八%、消費税を新たに上げていかなきゃいけない、こういう問題を一体どう考えているんだろうなと。

 それから、公的扶助、税負担となると、税というのは生活保護という世界に近いわけですから、やはり一定の所得以上の方にはその基礎年金部分は差し上げないという考え方、当然でございます。そういう意味で、年金の給付額が下がってくる可能性が大きい。こういう問題が出てくるわけでございます。

 それから、所得比例方式でやろう。私、これはいい考えだなと思っているんですけれども、一号被保険者、この所得把握は一体どうするんだろうか。自営業者の方々ですね、所得把握はどうするんだろうか。こういう方々にも年金という助け合いの輪の中に入ってもらいたい、当然であります。理想であります。

 それからもう一つは、一号被保険者の保険料負担が今の倍になるんですね、企業負担がなくなりますから。今の倍になってしまう。一八・三〇%丸々負担してもらわなきゃいけない。こういう問題が起こってきますから、今のところは絵にかいたもちだな、こう思っているのであります。

 総理にお尋ね申し上げます。総理は、年金ということについて、その哲学なり理念はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。基礎年金部分を全額、税で賄う、国庫負担するということについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。お考えを聞かせていただければ幸せでございます。

小泉内閣総理大臣 今、大野議員が指摘された問題のように、どのように改革されても賛否両論あるところであります。

 私は、年金というものは今や単なるお小遣い程度じゃない、当初、この年金ができたときには、わずかばかりの額をもらってもお小遣いで終わっちゃうんじゃないか、大したことないよというような方々も、いざ高齢者になり年金を受けてみると、お小遣い以上に大事な生活の糧になっている、やはり導入してよかったなという気持ちを持っている方が圧倒的に多いと思うのであります。

 そういう中で、年金というのは、これからも、退職されて現役時代と違って給料もないということになりますと、この年金にある程度頼ろうという気持ちを多くの国民が持っていると思います。だからこそ、この年金を持続可能な制度として、国として、社会保障の大事な一環としてこれからも永続させていこうという改革を不断にしていかなきゃならない。

 確かに、今御指摘のように、高齢者が少なくて、若い人が多くて、保険料を負担する方が多いときは、実際、自分の掛金よりも、老後になったら現在の若い人よりも多く給付がいただけるという事情であり、今の若い人は、高齢者になれば、自分の掛けた保険料よりも、今の高齢者よりはもらえないなという不満の気持ちがあるのはわかりますが、これは、お互い支え合いの時代であります。

 若い人が少なくなって高齢者が多くなれば、これはお互いどうやって支え合おうかという給付と負担を両方考えなきゃいけないということで、やはり、給付はどの程度か、負担はどの程度か、これだけではもたないからこそ税金でどの程度負担するかということがここで大事なことになってくるわけであります。

 そういうことを考えますと、私は、公的年金というのは、やはり大事な、これからも高齢者の生活の重要な部分として維持していきたい。どの程度がいいかというのは、それぞれ時代に合わせて考え方が違うと思いますが、今回、今言った一つの標準モデルとして、給付は五〇%程度、それで負担を、このままいくと三〇%近くになっちゃうから一八・三%でとどめていこうという、給付と負担のバランスをとった。

 あと、税、基礎年金の部分については二分の一ぐらい負担しようじゃないかということは、国会の決議にもあります。これは与野党を通じて大方賛成するところでありますから、一挙に二分の一を税負担では無理だから、十六年度から二十一年度にかけて徐々に、段階的にこの三分の一の税負担を二分の一に引き上げていこうということも組み入れたわけでありますので、年金の理念として、一定の額は国としてしっかりと保障する。

 そして、どの程度の税負担を入れていくかということは、時代の趨勢に、そのときの時代に合わせて税の負担の問題も出てくると思いますが、全部年金ですべての人に生活を保障するということではやはり無理がありますので、その点は、生活保護という問題もあります、程度の問題だと思いますので、私は、一定の割合をどの程度に置くかということの問題もありますが、年金はこれからも、公的年金というものは今後とも永続的なものにしていかなきゃならないという点において、数字合わせではない、給付と負担と税のバランスをよく国民の皆さんにも考えていただきながらいい案を提示していかなきゃならないと思っております。

大野(功)委員 ありがとうございました。

 それで、今回取り組んだ課題について若干議論、御質問をさせていただきたいと思います。

 まず第一は、七十歳以上でまだ給料をもらっていらっしゃる方について、厚生年金保険料を取るか、給付調整をするかどうか、こういう問題であります。在職老と言っておりますが、今回は、七十歳以上につきましては、給付調整はするけれども保険料は徴収しない、こういう方向でございました。

 これは、あるいは厚生省坂口試案とは違っていたかもしれませんけれども、我々はやはり、保険料を七十歳以上の方から取るのはどうかなという考えでありますし、一方において、世代間の助け合いと世代内の助け合いと両方あっていいんじゃないかという気もします。この点はどういうふうにお考えでございましょうか、大臣。

坂口国務大臣 今お話がございました七十歳以上の皆さんのことでございますが、これは、もう仕事をしておみえにならない皆さん方は当然のことながら年金は満額出るわけでございますけれども、お仕事をされる場合にどうするかということでございます。

 お仕事をしながら年金も受けられるといいます場合には、年金額につきましては、若干ここは、その所得によりまして、額によりまして、御辛抱をいただくというふうにしたわけでございます。

 それで、六十五歳から七十歳までの間の方は、お仕事をされます場合に、年金額の方も少し減らさせていただきます、しかし、所得によりましては負担の方は若干お願いいたします、こういうふうに言っているわけでございますが、七十歳以上の皆さんにつきましては、そこはしかし、もう先もそんなに長くないわけでございますしいたしますから、七十歳以上の皆さんには負担の方はもう御無理を申し上げないということで私たちも理解をさせていただいたところでございます。

大野(功)委員 もう一つ、女性と年金という問題でございます。

 年金権、いわゆる厚生年金のところの報酬比例部分でございますけれども、そこを、六十五歳に第三号被保険者がなりますと、専業主婦の皆さんがなりますと、御主人様の厚生年金を半分に分けて、二分の一ずつにして、そして、それぞれ明記していこう、こういう案がございました。

 これを我々は一生懸命議論したのでありますが、自民党の中では、確かに、女性の年金権をはっきり明確にする、大事なことでございます。しかし、六十五歳になった途端に御主人がもらう厚生年金の報酬比例部分を奥さんに半分、二分の一差し上げる、何だか仲よく麗しく生活していた夫婦の間に水を差すような感じがするんじゃないかな、こんな感じの議論もありました。離婚奨励というわけじゃないんでしょうけれども、やはり夫婦、お年をとって仲よく暮らしていく。これは民法の世界でも、夫婦別財産制というのがあります。それによりますと、厚生年金受け取りはやはり御主人のものであって、離婚のときにこれを明確にすればいいというのが法律的な考え方じゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。

 このところは厚生労働省案とちょっと違った結論になっておりますが、ここは女性の立場を本当に大事にされておられる坂口厚生労働大臣にお尋ねしたいと思いますが、今のこういう結論についてどう思われますか。

坂口国務大臣 正直申しまして、若干、ここは私と意見を異にいたしました。

 年金の額が決してふえるわけではないんですね。夫婦円満に暮らしてきて、六十五歳までお勤めになって、そのときに御主人の方がもらわれる年金を半々といいましたって、それは同じ量を半分に割るだけですから、別にふえるわけでも何でもないんですけれども、まあ気は心、今までの内助の功を多としてそこはした方がいいのではないか、こう思ったわけでございますけれども、しかし、そこはいろいろの御議論ございまして、多少でもふえるのならともかくとして、同じことではないか、それはそこまで分けるのではなくて、もう少しここはその精神だけを明記するということにとどめようという御意見でございますので、私もお受けをさせていただきました。

 しかし、離婚をするというようなときには、それは二つに分けますよというお話でございますから、あるいはまた最近は行方不明になられたような場合がございますが、そうしたときにも、一方の方からお申し出がありましたときには、半額を、それを提示できるような形になるというようなことも盛り込んでいただいたところでございまして、今後の課題としてまた御議論をさせていただきたいと思っております。

大野(功)委員 今後の課題として取り組んでまいりたいと思います。

 それから、一号被保険者の保険料の徴収率の問題、これを議論したかったんですが、時間がありませんので、将来の課題について一つだけお尋ね申し上げたいと思います。

 我々は、将来の課題として、公的年金は一元化すべきじゃないか、統合すべきじゃないか、こういう思いを持っております。すなわち、国家共済、地方共済それぞれの年金を厚生年金等と一元化して公的年金は一本だよと。

 なぜこんなことを申し上げるか。一つは、やはり保険料率が違うんですね、保険料率。しかも、言葉が違うように思います。厚生年金では保険料と言っておりますし、共済年金では掛金と言っているんでしょうね。言葉がなぜ違うのかわかりませんが、一本にしたい。

 それからもう一つ、やはり三階部分ですね。職域部分と言っておりますけれども、職域部分は厚生年金の世界では厚生年金基金ですが、これは任意の世界になっている。ところが、お役所の方は、全部、職域部分が乗っかってしまって、その部分で、給付の場合になりますと二万円程度差が出てくるんじゃないか。これはやはり公的年金の制度として、私は、一本化すべきじゃないか。

 これは財務大臣にぜひともお願いしたいと思うんですが、今、法案は出しておられて、一本化の方向へ向けて御尽力いただいていることはもう我々は十分承知いたしておりますけれども、この職域年金部分を直ちに廃止できないか、廃止していただきたい。そして、将来に向かって、この公的年金は一元化していただきたい。これについて、コメントございましょうか。

谷垣国務大臣 今、大野委員おっしゃったように、一元化の方向に向かって、ことしも出しているわけですね。

 それで、共済年金の職域部分のお話でありますが、確かに、ここの制度設計は民間の厚生年金なんかと違っているわけですね。

 なぜこうなっているかと考えますと、一つは、厚生年金基金や適格退職年金というものが一方ありますねということがあったと思うんですが、他方、もう一つ、公務員制度をどう考えるかという問題がやはりあって、昔で言えば、恩給のころは、それは無定量の忠誠義務をどうするかという話だったと思うんですが、今で言えば、憲法で保障されている労働基本権の問題であるとか、あるいは政治的行為の制限などをどう考えるかという問題があるかと思います。

 したがいまして、委員が先ほど、年金の基本哲学が公的扶助とそれから助け合いだということをおっしゃいましたが、ここにもう一つ、公務員制度をどう考えるかという視点があるものですから、制度設計のいわば基本哲学を議論していただかなきゃならないんだろうというふうに私は思います。

 したがいまして、先ほどおっしゃった与党年金制度改革協議会の合意とか、あるいは平成十三年度の閣議決定も踏まえまして、これから十分そこらは議論をしてまいりたいと思っております。

大野(功)委員 ありがとうございました。

 我々は、長続きする制度をつくったことによって国民の期待におこたえしている、それが根本的な改革だと思っております。その他のことについては、さらに理想に向かって頑張ってまいりますことをお誓い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

笹川委員長 これにて大野君の質疑は終了いたしました。

 次に、石田祝稔君。

石田(祝)委員 きょうは、時間をいただきまして、総理並びに坂口厚生労働大臣に質問をさせていただきたいと思います。

 私も、昨年の十一月の総選挙で七年ぶりに国政に復帰をすることができました。四国比例で四国の皆さんに大変お世話になりまして、その感謝の気持ちをしっかり胸に刻みまして、これからも全力で頑張っていきたいと思っております。

 きょうは年金に特化をしてお聞きしたいんですけれども、そのときに、この間、中山間地とか過疎地をずっと回ってまいりました。その中で、やはり年金に対する不安と期待、これは大変大きいものがございまして、そして、特にそういうところに行きますと、間違いなく地域での数少ない現金収入の、ある意味でいえば道になっております。ですから、それで地域の経済も支えられているというところはあります。

 しかし、そういう中で、特に高齢の方々が年金の将来に大変不安を抱いている。あるとき、人から聞きましたけれども、今はお亡くなりになりました名古屋のきんさん、ぎんさん、あの方が高齢になってテレビに出演するようになった、そのときに、そのテレビの出演料はどうするんですかと質問があったら、老後のために貯金するんだと。相当な高齢で、それが百歳ぐらいのときに、でも、そういうふうなお話があった。ですから、いつまでたってもある意味ではそういう御心配をされているかな、こういうふうに思います。

 総理、社会保障制度の中で、いろいろと、年金、医療、介護、たくさんありますけれども、その中で、特に公的年金制度、どのように社会保障制度の中で総理はお考えになられているのか、また、今回の改革案についてどのように感じていらっしゃるのか、まずお聞きをしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 きんさん、ぎんさんの例を出されましたけれども、百歳になってもなおかつ貯蓄をしようという考え方、これはやはり、昔ながらの、今の高齢者に、勤倹貯蓄は美徳だという観念が根強くあるんだと思いますね。そういうことから、笑い話みたいに話されていますが、それはそれとして、不時の所得があったら、あるいは一時所得があったら将来に備えて貯蓄をしていこうという考え方は、私はいいことだと思っております。

 しかし、日本は貯蓄性向が高過ぎるのではないか、もっと消費に回したらどうかとか、あるいは貯蓄性向が高いのは年金が多くないからじゃないか、そういう見方もあります。

 こういう中にあって公的年金をどう考えているのかという御質問でありますが、私は、社会保障の中で最も大事な公的保障の一つであると。いわゆる年金、医療、介護等、これからだれもが高齢を迎え、年寄りになり、そして職業につく機会がなくなって稼ぎがなくなれば、やはり公的な保障にかなり依存しなきゃならない。もちろん、年金にすべて依存するわけではありませんが、みずから蓄えたものと公的年金等社会保障を合わせて人様に迷惑をかけない、自分で自分の生活は賄おうという意欲を持つことというのは極めて大事だと思います。

 そういう観点から、今後も、どの程度の年金が退職後に得られるか、また、この給付を受ける場合に子供たち、若い世代にどの程度の負担をかけているのかということを高齢者も若い世代もお互いよく認識しながら、公的年金はこれからも永続的に維持できるようなものにしていきたいと思っております。

石田(祝)委員 総理、済みません。今回の改革案、これについてのちょっと御答弁をお願いします。

小泉内閣総理大臣 今回も、公的年金はこのままでいくと破綻するのではないか、というと、六〇%以上の給付を今の高齢者にどんどん支給していいんだろうか、となると、保険料は標準的なモデルで三〇%近くになる、これに耐え切れるのであろうかということから、やはり永続的なものにしなきゃいかぬということで、今回、高齢者がどんどんふえていく、若い世代が減っていくということを考えると、六〇%の給付を維持するのは、これは年金財政が破綻してしまう。

 この破綻を防ぐために、若い世代に三〇%程度の負担を課していいのか。そうすると、とんでもないと。若い世代は、そんなんだったらもう年金なんか入らなくていいよ、公的年金なんかなくてもいいよと。若いうちは働いているから、給付ということは余りもらっている方よりも考えません。

 高齢者の方は、給付の方を真剣に考える。若い人がどれだけ負担しようかというよりも、どちらかというと、給付というものを維持してもらいたいという考えが強い。

 これでは合いませんから、両方バランスをとって考えるということで、標準モデルとして、平均年収の六〇%は無理だけれども、五〇%を下回らないような水準に維持しよう、同時に、これから三〇%の負担は無理だから、一八・三%程度の負担でとどめようと。

 そして、あと基礎年金については、今まで三分の一税金が行っていた、これも、このまま税金を投入しないとなると、給付も少なくなる、保険料も多くなる、これではやはり不満が出てくるだろうということで、全部お互いの世代が分かち合おうということで、税金負担を三分の一から二分の一に引き上げていこう、基礎年金の部分に。これも、一挙にやると、今大事な経済状況、景気がようやく明るい兆しが見えてきたところに、また三分の一から二分の一の税負担というのも、これはちょっと問題があるなということで、段階的に、三分の一から二十一年にかけて二分の一に引き上げていこうということであります。

 要は、永続的にこの年金制度を維持していこうということで、私は大きな改革になったと思っております。

石田(祝)委員 総理の方から、最後に、この年金制度を永続的にやっていかなきゃいけない、こういうお話がございまして、実は、坂口厚生労働大臣に、年金制度の根本的なポイントは何か、星は何か、このことをお聞きしたいと思ったんですけれども、総理の方から、これは永続的に制度を維持していく、これが大事だ、こういうお答えをいただきましたので、あとは、この法案の中身で議論をさせていただきたいと思います。

 私、きょう持ってまいりましたこの厚いもの、これが今回の年金の改革法案で、多分、議員のそれぞれの部屋に配られていると思うんですけれども、厚さにして五センチはあります。多分、いろいろと御意見のある方も、全部読まれる方は余りいないんじゃないかと思います。

 その中で、私が、今回どこが今までと違うか、これでいろいろと調べてみましたら、今回は法案の中に、附則ではありますけれども、ここに、いわゆる給付水準の下限、こういうことが明確に入っております。

 厚生労働大臣、今まで年金改正法案、年金改革法案もあったと思いますけれども、このように給付水準の下限を法案に書き込んだことは今までございますか。

坂口国務大臣 多分、なかったと思います。初めて今回書かせていただいたというふうに思っております。

石田(祝)委員 ですから、これは私は大変大事な観点だと思うんですね。やはり高齢の方々にとっては、自分がこれからもらう場合、一体どのくらいまで最低もらえるんだろうか、これが本当は実は大事なことではありましたけれども、今まで法律の中に書き込まれていなかった。これが今回、明確に、五〇%を上回るんだ、こういうことが書き込まれております。

 ですから、今回、我々公明党も、マニフェストの中で、この年金改革について、まず給付の下限を決めよう、そして負担の上限を決めよう、そして三つ目に、国庫負担をしっかりと三分の一から二分の一にしていくんだ、こういうことで取り組みまして、この法案に盛り込まれたわけですね。ですから、いろいろとあると思いますけれども、書かれたということが今までなかった、これは大きな改革ではないかなと私は思っております。

 それで、今回、二十三日に、負担と給付、この問題で、世代間の問題、また、世帯の種類別でどのように負担と給付が変わっていくか、こういう試算が発表されまして、この中で、それを見られた方は、例えば、自分が七十歳の方は負担に対して給付が約八・三倍、それがだんだんと世代を追うに従って低くなってくる。

 そうすると、若い現役の世代から見たら、おれたちは一生懸命払っているのに、我々の上の世代の方は大変な金額、倍率でもらっているじゃないか、こういう思いがある。また、同じ世代の中でも、夫婦お二人が働いていたり、御主人が厚生年金で奥さんが専業主婦だ、こういういろいろなタイプによって、いわゆる縦の世代別、そして横の家庭の種類別、それぞれで負担と給付の割合が、倍率が大変違っている。

 この場合、年金の世界で、では公平ということは一体どういうことなんだろうか。全部が一対一になっていくということが公平なのか。これは貯金ではありませんので、やはり一対一対応というのは、年金の世界では負担と給付というのは難しいかもしれませんけれども、坂口大臣、この年金の世界で公平ということはどういうふうにお考えでしょうか。

坂口国務大臣 五〇%ばかりが着目されておりますが、私は、もう一つ、実際は年金の額だというふうに思うんですね。

 年金の額が一体今どうなるかということでございまして、そのモデル年金で五〇%といいましたときには二十三万円、一人割りにしますと十一万何がしかになるわけでありまして、他のさまざまな御家庭があるというふうに思います。

 中には、お二人ともお勤めになっている方もあるし、あるいは一方の方が途中までお勤めになった方もいるし、それはさまざまな御家庭があるというふうに思いますけれども、そうした場合には、お二人の年金額というのは、これはモデル年金の場合よりも一人当たりにしますと皆高いわけですね。このモデル年金のところが、五〇%、パーセントは高いですけれども、中身は一人割りにすると一番低いということでございます。それらのことも十分勘案をしていただいてお考えをいただく必要があるというふうに思っております。

 さて、それで、世代間で違うではないかというお話が確かにこれはございまして、お若い皆さん方からかなりそのことに対して御意見が出るのも、私は無理からぬことだというふうに思っております。

 私などのときには、それは所得も少なかったですけれども、また、所得が少ないだけではなくて、負担のパーセントも低かったということがあるわけでございます。しかし、その後、物価や賃金の上昇に合わせて年金が上昇いたしましたので、その分が後世に少し響いてきているということも、これも事実でございます。

 それぞれの時代のいわゆる物価標準あるいはまた賃金水準から見てどれだけの年金額が支給されるかということを中心にして考えていかなければならないわけでございますが、世代間のそうした大きな違いというものについては、これはある程度御理解をいただかなければならない点がある。

 私たちもできるだけここは詰めようという努力をしたわけでございますけれども、いかんせん、長い歴史の中の世代の間の差というのはなかなか詰まるものではございません。しかし、ここは御理解をいただいて、それぞれの時代に、やはり自分たちが高齢者の皆さん方を支えるのだという気持ちでおやりいただく以外にないというふうに思っております。

 ただし、これから先の皆さん方につきましては、次の世代、そして次の次の世代、ここは公平にいくように私たちも設計をしているところでございまして、そうしたことも理解をしていただいて、そして御審議をいただければありがたいというふうに思っている次第でございます。

石田(祝)委員 これはやはり、若い世代から見ますと、どうしても、七十歳の方、八・三倍だとか、こういうことが目についてまいりますけれども、実はこれは、よく考えてみたら、自分の親がもらっているわけなんですね。八・三倍もらってけしからぬと思うかもしれませんけれども、考えてみたら、自分のところのお父さん、お母さんがもらっている話でして、ですからこれは同じ、ある意味で言えば、一つの家ということを考えてみたときには家の中での社会的な仕送りであるし、大きく世代間から見たら世代間の支え合いだ、こういう理解もしていかなきゃいけないんじゃないかな、こう私は思っております。

 それから、モデル年金で現役世代の五〇・二%、こういうふうなことになりましたけれども、これは幾つかの前提があります。一つは合計特殊出生率が一・三九になる、そして賃金上昇率が名目で二・一、実質で一・一、ほかにもありますけれども、こういう大きな前提がついております。

 これは、これから頑張ってやっていただく、我々もやらなきゃいけないと思いますので、たらとか、もしとかいう質問ではいけないかもしれませんけれども、大変心配をしているんですね。そういう前提をつけているので、もしものときにこれはどうするんだ、五〇%を切るじゃないか、こういう議論も起きてきております。ですから、これは前提について万が一変化をした場合、変わった場合、五〇%というのをどういうふうに維持していくのか、これはぜひ総理にお答えをお願いしたいと思います。

坂口国務大臣 大きな前提は二つあるというふうに思っております。一つは、合計特殊出生率でございます。もう一つは、実質賃金上昇率でございます。この二つが大きな前提になっているというふうに思っております。

 その中で、少子化の方は、今から二十年ぐらい、二〇二五年ぐらい前後、この辺のところまでは、もう既に生まれてしまっておりますから、そのことは計算済みでございますので、この辺までは、これ以上減っていくということはそう心配しなくてもいいというふうに思いますが……(発言する者あり)いや、これから生まれてくるところはどうするかということであります。

 これから生まれてくるところについてのことは、それは心配しなきゃいけない。だけれども、既にもう生まれている、現在もう生まれてしまっているところは、これはもう計算済みでございますから、二〇二二、三年から二五年ぐらいまでの間は、少子化の問題は心配する必要はない。問題は、そこから先をどうしていくかということを今から心配しなきゃいかぬ、それから先のことを心配しなきゃいかぬ、こういうふうに思っているわけでございます。

 もう一つは、経済の問題であります。だから、経済の問題がこれからどうなるかということによって大きな違いがあるわけでありまして、経済の問題によりましては、今後、これは五年後なら五年後の見直しによってそれは行っていかなきゃならない。

 そこで、どこを直すかといえば、いわゆる自動調整と言っておりますけれども、これから物価スライドがありましたら、徐々に上がっていく、その上がり方をなだらかにしていくというようなことで進めていくという以外にないというふうに思っております。

石田(祝)委員 最後にお聞きをしたいと思います。また、こちらの主張もありますけれども。

 やはり年金のPRを、これはもっともっとしていただきたいと思うんですね。

 実は、昨年、ずっと地域を回っておりましたら、六月に四月、五月分の国民年金が振り込まれた、年金が。物価スライドで〇・九%下がったわけですね。それと介護保険が上がったということが相まって、振り込まれている金額が預金通帳で見ると前回と大きく減っている、これを大変言われました。

 それで、毎年、社会保険センターから、社会保険庁からこれを送られてきておりまして、物価スライドも書いているんですよ。物価スライドでこうなりますよと書いているんだけれども、なかなかそこを見ずに、通帳の金額だけ見て、物すごく減っている、こういうお怒りもありましたので、そのあたり、PRもぜひもっともっとしていかなきゃいけないんじゃないか、こういうことを最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

笹川委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。

 次に、石田勝之君。

石田(勝)委員 石田勝之でございます。

 きょうの日経新聞に、囲みでありますけれども、「景気の潮目変わった 首相、余裕の分析」こういう記事が載っておりました。「小泉政権が支持を得ていると実感できるようになったのは、景気の好転が大きい」きのう経済評論家との会合の席でこう分析した、こういうふうに書かれておるわけでありますが、昨年十―十二月期の国内総生産の実質成長は、確かに七%になりました。ところが、きのうも予算委員会で質疑がありましたけれども、一般の国民は全く実感がない。それは何か。生活がちっともよくなっていないからだ、こういうことだろうというふうに思います。

 確かに、一部の企業は、自己改革あるいはリストラ、中国バブルの影響もあるでしょう、数値の上ではよくなってきておりますけれども、大企業が潤っただけで、中小企業には好転した兆しは出ていない。

 昔は、大企業の業績がよくなってくると、中小零細企業の雇用も賃金も上がってきたんです。ところが、最近は、大企業は大企業で生き残りで必死でありますから、いわゆる調達先の中小企業、零細企業の仕事を切ってしまっている。私は、こういうことがまさしく二極化、勝ち組、負け組を鮮明にあらわしてきているのではないかというふうに思っております。

 そういう中で、このデフレ不況が依然として進んでいく中で構造改革をやるのはなかなか大変なことだというふうに思っておりますが、きょうは、構造改革の集中審議ということでありますから、道路公団の民営化問題に絞って、総理初め関係大臣に何点かお尋ねをしたいというふうに思っております。

 先週の党首討論で、民主党の菅代表と、道路公団の追及に対して、画期的な大改革だと総理は自画自賛されておりましたけれども、その中で、有料道路の事業費を当初の二十兆からほぼ半分の十・五兆になる、こうおっしゃっていたわけであります。国民がこれを聞くと、はあ、なるほど、高速道路の建設費は半分になったんだな、そういうふうに思う人が多いと私は思うんですね。

 実際はそうではないんです。道路公団の有料道路事業が二十兆円、民営化のこのお金が七兆五千、そして、平成十五年、十六年、十七年の今の道路公団のやる事業が三兆円、そして、国直轄の三兆円というのをつくったんですね。これは、国と地方がお金を出し合って、大体七百キロ、二兆五百億ぐらいですかね、それをやる。二十七カ所ほど、大体決まっているようでありますが。これをトータルすると十三兆五千になるんですよ。

 そうすると、二十兆の道路公団の有料道路事業の中で削減されたのは、十兆五千億じゃなくて、六兆五千億削減された、私はこういうことだろうというふうに思うわけでありますが、その点、総理、いかがでしょうか。

石原国務大臣 民営化の目的はやはり四十兆円に上る債務を的確に返していく、そして、この目的から債務償還が必要となる有料道路の建設コストの削減というものが極めて重要であるという点でございます。

 総理がお話をされておる、有料道路事業が計画では二十兆円かかるものが十・五兆円まで、半分まで縮減したというのは、委員の御指摘のとおり、事実でございます。

 それでは、なぜ今六・五兆円というお話が出てくるのかと申しますと、有料道路事業については六・五兆円のコストの削減を図ります、しかし、有料道路事業ではなくても必要な高速道路というものが社会的な外部効果あるいはBバイC等々から発生する、そこの部分を、委員御指摘のとおり、これは昨年の国幹会議で、民主党の委員の方も三名出席していただいて、うち二名の方が賛成をしていただきましたけれども、今御指摘のおよそ七百キロについて三兆円分を新直轄方式で整備するということでございます。

石田(勝)委員 だから、つまり、総理は、二十兆かかるところを十兆五千億に半減する、こうおっしゃったわけですよ。それを聞いていた国民は、ああ、高速道路の建設費は半分になるんだな、こう思ったと思うんです。

 今、石原大臣は国直轄の三兆円の話をしましたけれども、かかるコストは、だって十三兆五千じゃないですか。半減じゃないんですよ、これ。半減じゃないですよ、ちっとも。これは小泉得意の言い回しなんですよ。いや、本当、すりかえなんです、これ。トリックなんですよ。だって、三兆円だって、七・五足す三兆円で十・五兆でしょう。それで、国直轄で三兆円だから、十三・五兆です。こんなの小学生だって計算できる。

 だから、削減されたのは六・五兆で、半減されたということは間違いなんですよ。はっきりしてくださいよ。

石原国務大臣 その絵を見ていただいてわかりますように、私も御答弁させていただいたように、有料道路事業のコスト削減が、そのフリップにかいてある六・五兆円でございます。

 しかし、再三再四申しておりますように、採算性とは関係なく、BバイCあるいは社会的外部効果、病院までどれだけかかるのか、基幹病院までどれだけかかるのか、こういうもののために三兆円の直轄の道路をつくる。それを合わせることによりまして、有料道路事業費、その左側でございますね、有料道路事業二十兆円が、どう考えても、六・五と三を足して二十から引きますから、十・五兆円と半分まで縮減したということは事実であるということが、その絵にかいてあるとおりに正しいんじゃないかと私は思います。

石田(勝)委員 有料にせよ無料にせよ、BバイCにせよ、要するに、かかるコスト、かかる建設コストは十三兆五千なんでしょう。それは間違いないんでしょう。それを言ってくださいよ。有料であろうが無料であろうが、かかるコストは十三兆五千なんでしょう。

石原国務大臣 これは、先ほども御答弁させていただきましたように、民営化の目的というものが四十兆円に上る債務の確実な返済である、この目的から償還が必要となる有料道路の建設コストの削減が極めて重大であるという観点から、その絵のとおり、有料道路事業二十兆円がその図で見ても有料道路事業十・五兆円と半分まで縮減されたと。まさに石田委員が御指摘のとおりのことを総理は再々御答弁されているんだと思います。

石田(勝)委員 私が言っているのは、有料であろうが無料であろうが、高速道路をつくる建設コストには変わらないんでしょうと言っているわけ。それは十三兆五千でしょうと言っているの。それがイエスかノーかなんですよ。

 私は、有料であろうが無料であろうが、高速道路にかかる建設コストは十三兆五千なんでしょうと、それがイエスかノーかということを言いなさいと言ってんだよ。

石原国務大臣 先ほど来御答弁させていただいておりますように、道路公団の民営化の目的ということでこのお話をさせていただいている。ですから、必要な道路が幾らでできるかということを合わせるのであるならば、十三・五兆円分の事業費で必要な国直轄のものをあわせてつくるということは、その図がまさに示しているとおりであると先ほど来答弁をさせていただいております。

石田(勝)委員 総理の発言ですから、いかがですか、今の話を聞いて。

小泉内閣総理大臣 石田議員が出しているように、有料道路事業十兆五千億円、私の言ったとおりじゃないですか。

石田(勝)委員 道路公団の建設にかかる費用が有料であろうが無料であろうが十三兆五千かかるということは、今、石原大臣は認めたんですよ。高速道路にかかる経費、これは十三・五兆でしょうと言っているわけですよ。だから半減じゃないでしょうと言っているわけです。

小泉内閣総理大臣 私が言っているのは、有料道路事業が十兆五千億円になるということを言っているんです。そして、最初から、道路公団民営化の問題のときも私は言っていましたよ。必要な道路は、税金をかけてもつくらなければならないところはつくると言っているんですよ、民営化しても。ここは国がどの程度の税金を投入するか、地方がどの程度の税金を投入するか、それでも価値ある道路は全国どこかにあるはずだ。その場合は、有料道路会社が、民間会社がつくれない場合は税金でつくらなければならない。単なる採算性で考えてはいけないということははっきり言っているんです。

石田(勝)委員 私も総理はそういうふうに答えると思った。

 それで、総理は、今国会の所信表明演説で、「規格の見直しなどによる建設コストの徹底した縮減により、有料道路の事業費を当初の二十兆からほぼ半分に減らします。」こういうふうに言っているわけですね。「建設コストの徹底した縮減により」ですよ。「縮減などにより」ではなくて、コストの「縮減により」と断定した言い方なんですよ。こう言っておられる。

 国直轄の高速道路の建設に回した三兆円も、これ、「コストの徹底した縮減」に入るんですか。建設コストの縮減はあくまでも六兆五千じゃないですか。「等」が入っていないんだよ。

石原国務大臣 先ほど来御答弁させていただいておりますように、今回の民営化は、公団方式のもとでコスト縮減を行っても二十兆円の一割を切るなんということだってできたかどうかわからない。総理が答弁されて、また、石田委員の御指摘のフリップでも明らかなように、有料道路事業の半減は、実はこの民営化論議を通した中で徹底した議論で得られた結果であって、半減である、そういうことを申しているのでありまして、委員が仮に直轄の三兆円の道路が要らないということであるならば、そこはその話に、委員の御指摘のとおりになるのではないかと思っております。

石田(勝)委員 私は、要るとか要らないとかと言っているんじゃないの。そうやって話をすりかえるんじゃないんだよ、石原さん。

 「建設コストの徹底した縮減により」とはっきり言っているんだよ、これは本会議で。「有料道路の事業費を当初の二十兆からほぼ半分に減らします。」と本会議で言っているんですよ、これは衆参両院で。だから、「建設コストの徹底した縮減などにより」と言うならわかるよ。そうじゃないじゃないですか。だから、縮減は六・五兆でしょうと言っているわけ。明らかに間違いですよ。

石原国務大臣 有料道路事業の費用を半分にして、直轄型の道路というものは、これは直轄の高速道路という新しい概念である。ですから、さっきから言っていた、要る、要らないという話をするなと言いますけれども、要らないとするならばそういう議論があり得るのではないかと私は思うわけでございます。

石田(勝)委員 だから、私は、要らないなんということは言っていないんだよ。「建設コストの徹底した縮減により」と。数字のうそをつくなと言っているんだよ。有料道路の事業費で惑わしているんですよ。そこをはっきりしなさいというんだ。(発言する者あり)理解の問題じゃないよ。あなた方が理解が足りないんだよ。

石原国務大臣 何度も申しますように、高速道路ではなくて有料道路事業の半減という話をさせていただいておりまして、私は決して、委員が三兆円の直轄事業が要らないとか要るとか言っていないという話をしているんじゃなくて、仮にそういうことであるならばそういう御議論があるのではないかということを御答弁させていただいているわけでございます。

石田(勝)委員 時間がないから先に進みますが、この決着は上下分離方式で採用されたわけですよね。それで、今回の道路公団の民営化は、少なくとも四十五年間は道路の所有権は持たない、こうなっているわけですね。これ、族議員と国交省の意向で道路建設がどんどん進められるのは明らかだろうというふうに思うんです。

 それで、民営化推進委員会では、新会社は四十五年、道路の所有権を持たない、十年で機構から所有権を新しい会社に移さないといつまでも採算性のある道路をつくるというインセンティブは働かないと。推進委員会でも、十年で民営化会社に資産と負債を移行すべきだという意見が強かった。要するに、この道路に幾らかかっても機構が持ってくれれば新会社は困らない、十年で戻ることになると責任が出てくる。だれも生きていない四十五年スパンでやるというから、結局、四十五年といったらここにいる人はほとんどいないですよ。だれも責任を持つ人がいないということ、こういう仕組みなんでしょう、石原大臣。

石原国務大臣 上下一体という話でございますが、これは民主党の皆さん方の基本的なお考えも無料化であるということは、高速道路が国民の財産である、かたい言葉で言うところの公共公物であるから、六十年で、税金でこのかかった費用を返していこう。そこは、私どもの、受益者負担で、利用した人に払っていただいて、四十五年後に債務を償還するというものと考え方は一緒だと思うんです。

 しかし、民営化委員会の議論の中で、ただいま委員が御指摘されましたように、会社が道路を持つ、私有する、高速道路を個人のものにしてもいいんだという意見があったということは私は事実だと思います。しかし、そのことをもって、上下一体であるからむだな道路をつくるつくらないということとは私は短絡的につながる問題ではないと思っております。

 これまでの問題は、やはり施行命令という一方的な命令のもとに公団がつくっていた。そういう一方的な命令というものは廃止いたしますし、会社の自主性を最大限尊重する。

 すなわち、道路をつくれと言われても実質的な拒否権を与える。

 あるいは、九千三百四十二キロ以外の、それ以外の高速道路の建設に対しては、会社がつくらせてくださいという申請がない限りはその会社につくらせない。

 あるいは、その前の御議論の中でございましたような、建設費の大幅な引き下げによりまして、会社が自分の力で市場からお金を借りてくる、そして、完成後は債務を機構に移しますものの、会社が、ここは非常に誤解があるんですけれども、会社が実質的にリース料の形で支払いをする。

 言葉をかえますと、実質的に債務の返済というものは会社の責任なんです。ですから、多く建設にお金がかかってしまったら、ああ、多くかかりましたね、はいといって新たな建設費を機構が会社に払うことがない。

 そのことによって、委員の御懸念の、むだな道路をつくり続けるということが排除されているということをぜひ御理解いただきたいと思います。

石田(勝)委員 大臣、きのう、この四十五年の議論になったときに、法律に明記した、そういうふうにおっしゃっていましたね。それで、これ、四十五年経過した時点で、そのときは恐らく私も石原さんもいないと思いますが、債務が残っていたらどうするのかという問題になりますよ。

 だから、私が言っているのは、民営化推進委員会の委員が言うように、やっぱり十年で民営化会社に債務と負債を移行すべきなんですよ。そうじゃなければ、改革の先送りで、今までと同じようになっちゃうということなんです。そのことを言っているんです。

石原国務大臣 ただいまの意見は石田委員の見識なのではないかと私は思います。しかし、それは道路を私有化するということで、民主党の皆さん方が言っている道路の無料化とは大きくかけ離れる考えであります。

 私有化を、議論の末に、これからの高速道路は個人の会社が持ってもいいんだ、そういう結論に達すれば、私はその議論を否定するものではございませんが、やはり公団民営化の最大の目的は、四十兆円に上る債務を四十五年で必ず返していくということと、必要な道路は国民の皆さん方の負担をできる限り抑えてつくっていく、さらに、民間の経営ノウハウを利用することによりまして、弾力的な運賃、航空会社がやっているようなマイレージ、あるいは夜間割引、あるいは子供さんが乗っていたら子供さんの割引、そういうことや、あるいは、サービスエリア、パーキングエリア、皆さん方も御利用されてサービスの質が大変低い、こういうものを民間のセンスを導入して高めていくことによって利用者もふえていく、相乗効果をねらったものだと御理解をいただきたいわけです。

石田(勝)委員 それでは、道路公団のファミリー企業についてお尋ねをいたします。

 いわゆる道路公団のファミリー企業は今何社ありますか。

佐藤政府参考人 平成十四年度の行政コスト計算書、これに基づきますと、道路関係の四公団のいわゆるファミリー企業と言われる企業が、企業数で申し上げますと百十六社ございます。

石田(勝)委員 そのうち、公団出身の社長の数、それから公団出身の役員の数は何人ですか。

佐藤政府参考人 百十六社のうちで、十六年の二月現在で申し上げますと、公団のOB社長が四十八人、それから、OBの役員につきましては二百三十二人でございます。

 これは、平成十四年の八月に、既に、百十六社のうちの社長は九十七人、それから、OB役員は四百七十四人でございますから、五割以上減っている、こういうことでございます。

石田(勝)委員 では、そのうち、株主になっている一般企業のうち国会議員の関連会社はどのぐらいありますか。

佐藤政府参考人 百十六社のうちは、百十六社そのものにつきましては、国会議員の先生が社長あるいは役員になっているという報告は受けておりません。

 今度、企業の、株主企業の方でございますが、これは、株主の持ち合い以外の企業が、企業数で申し上げますと、これも正確には数、全数は把握しておりませんが、百二十社以上あるというふうに聞いております。その中でどれだけの国会議員の方がおられるか、これはちょっと調べることができませんので、把握しておりません。

石田(勝)委員 お調べすることができないって、私、きのう質問通告しておいたんですよ。

佐藤政府参考人 わかっていてお答えできない、こういう意味じゃなくて、わかることが不可能といいますか、できていない、こういうことであります。

石田(勝)委員 これは、毎日新聞の調査によれば、二十六社、三割近くあるんですよ。ファミリー企業の利益をあらわす剰余金は、二〇〇二年度、一千百六十八億円に上っている。こんなの、国交省で調べられないわけがないんだ。

 道路公団ファミリー企業と政治家のかかわり、道路公団受注会社への天下り、官製談合、これは指摘されています。それで、扇前大臣は、ファミリー企業に天下っている公団OBの総退陣を直ちにやれと指示したんですよ。指示したにもかかわらず、さっき言った数というのはどういうことなんですか。

佐藤政府参考人 そこで、先ほど申し上げましたように、公団OBは社長や役員には新たにはつかない、それから、その時点で社長あるいは役員についておられる方々もできるだけ速やかに自主的な退陣、こうしたことをお願い申し上げるということでやったわけでございまして、したがいまして、既に一年有余の間にそれぞれ社長も役員も半減しているという結果であるということであります。

石田(勝)委員 総理、国会議員が関係しているところが二十六社、三割近くある、ファミリー企業の利益であらわすと剰余金は二〇〇二年で千百六十八億円に上っている、これを聞いて、御感想、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 国会議員がどのような形で関与しているかというのは、今初めて聞いたわけでありまして、どの程度かはまだ私にはわかりません。これは、今後、だれが関与していようが、適正な業務の執行に努力しなきゃいけないというのは言うまでもないことでありまして、もしそのような疑惑が、何かそういうことによって国民の信頼を損ねるようなことがあるのだったらば、それを払拭する努力をしなきゃいかぬと私は思っております。

石田(勝)委員 民営化を論じる場合には、総理、こういう問題はやはりきちっと対応してやらないと、先ほどの議論じゃないですけれども、議論の前提としてやはりこれをきちっとやっていかなきゃいけないというふうに私は思います。(発言する者あり)

 扇大臣は、直ちにやめさせろ、こういうふうに言ったんです。まあ石原大臣は、恐らくさっき局長が答えた程度の答えしか出さないですよ、さっきの答弁では。石原大臣、決意はどうですか。

石原国務大臣 この問題をめぐりましては、午前中の御同僚の議員の中の答弁の中でもありまして、私も道半ばだと思っております。しかし、いきなりゼロにできない事情もあることも、やはり株主総会の時期等々あるわけでございます。

 そして、扇前大臣の指示は、私も継続して同じ指示を出しておりまして、総理が御答弁をさせていただきましたように、このファミリー企業の問題は徹底的に究明してまいらなければなりませんし、さらに、これは一義的には公団でございますので、公団に対しまして、ファミリー企業の改革に対する公団の取り組みがこれからもさらなるものになるように引き続いて今指導をしているということでございます。

石田(勝)委員 石原大臣、これは遅いですよね。大臣が前、行革の大臣をやっていたときに、いろいろこの道路公団の問題について非常に歯切れがよく、非常にこれはやってくれるんじゃないかと私も期待したんですよ。そうすると、国交大臣になっちゃったら、立場が変わっちゃったからかもしれないけれども、全然変わっちゃったよね。随分ばちばち行革大臣のときに発言してくれたような意気込みで私はやってくれるんじゃないかというふうに思ったんですが、その点、私は指摘をしておきたいというふうに思っております。

 国の直轄事業の話を先ほどしましたけれども、この三兆円の、国直轄でやるということになりましたけれども、これは採算の合わない道路を国直轄でやるということですか、石原大臣。

石原国務大臣 これも午前中の御議論の中で、高速道路の中には採算性だけでつくるつくらないを判断できない箇所がある。私も当然、行革相に就任させていただいたときは、有料道路事業であるとき採算性が一番であると考えたわけであります。

 しかし、先ほどお話をさせていただきましたように、厳格な評価というものを今回初めて民営化委員会の答申にのっとって行ったわけであります。その評価のメルクマールは三つございまして、BバイC、採算性そして外部効果であります。この外部効果が高いという道が多々あるのではないかという御指摘も、先ほど御同僚の議員の中からあったわけです。

 そんな中で、管理費も出ない道、すなわち、有料道路の事業でやって管理費も出なかったら、有料道路でやる意味がありません。そういうものの中にも必要な道路があるということで、今回、新直轄という形で税金で高速道路をつくっていくということを決め、これは国幹会議の議を経て、広く有識者、国会議員の皆様方の賛同を得て決めたものであると御理解をいただきたいと思います。

石田(勝)委員 これは結局、国交省の仕事をふやしたということにならないんですか。

石原国務大臣 委員の御指摘が、仕事、すなわち、役所が新直轄の道路を今度は公団にかわってつくるわけですから、そういう意味では仕事はふえたと思いますが、予算、人員あるいは組織、こういうものを新たにつくって、新直轄部という、あるいは新直轄課とか係とか、そこに増員をして、あるいは予算をつけてやっているという事実はございませんので、そのふえたという御指摘の意味がどういう点にあるのかということがはっきりいたさない問題であると私は思います。

石田(勝)委員 違うでしょう。これは、今はこの仕事を公団に依頼してやらせているんですよ。それで、平成十七年末に公団がなくなったら、これは国交省でやることになるんじゃないですか。今は公団でやっているんですよ、この仕事を。

石原国務大臣 御指摘はそのとおりなんですけれども、私が先ほど、仕事がふえるのかといったらそれはふえますと。当然ですよね、新しい仕事をするわけですから。ただし、新直轄方式の導入を理由として新たに外から予算をつけるとか、あるいは、今言いましたように、新しい、新直轄係でもいいですけれども、そういう係をつくるとか、人を配置するとか、そういうことはないという話をさせていただいているわけでございます。

石田(勝)委員 それは十七年以降も、新直轄の、例えば高速国道課とか、そういったところでこれをやるんじゃないんですか、例えばですよ。

石原国務大臣 新直轄の予算については、御審議をいただいている十六年度予算にも計上をさせていただいております。

石田(勝)委員 もう時間になりましたから。道路公団の民営化の問題について、これは大株主として、株主が五〇%以上になるとか三〇%だとか、いろいろきのうも議論されておりました。いずれにしても、国が大株主になることは間違いないというふうに思います。これは経営権を確保して、人事や事業を権限を持ってやったら、民営化というのはほど遠いというふうに思うんですよ。私は、これが本来の行政改革と言えるのか、構造改革と言えるのか、その点を強く指摘して、同僚議員に譲ります。

笹川委員長 この際、達増拓也君から関連質疑の申し出があります。石田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。達増拓也君。

達増委員 まず、前回質問に立たせていただいたときにやりとりした内容に関連して、総理に伺いたいと思うんですけれども、福田官房長官のイラク自衛隊派遣国会承認の採決欠席問題についてであります。

 予算委員会、二月十三日、あのとき私は、自民党の有力議員が、棄権、採決欠席したことで党内で処分を受けたことについて質問したんですが、福田官房長官は、私が聞いてもいないのに、「私自身も思わざることで欠席しました」と答弁されたんですね。それで、どうして欠席したんですかと質問したところ、「それは、まことに個人的なことでございますけれども、私自身の勘違いということでございます。」と。勘違いであんな大事な採決を欠席するというのはおかしいので、その直前何かなさっていたんですかということを聞いたところ、福田官房長官は、「私のそのような行動について委員に、御質問があったとしても答える必要はないと思っております。この採決に一切関係のないことでございます。」と。

 説明できないような事情で、あれだけ大事な、イラクに自衛隊を派遣する国会承認の衆議院本会議採決を欠席するというのはどうも腑に落ちないんですが、内閣で、総理には官房長官の方から事情の説明等、ありましたでしょうか。

小泉内閣総理大臣 私は後で知ったものですから、不注意だったという官房長官、意図的に欠席したわけじゃないという話を聞いていますから、よく注意した方がいい、これからもというふうに話しております。

達増委員 信念に基づいて欠席した人たちが、これは党内のいろいろなことがあるんでしょうが、党の処分の対象になっている。実は、福田官房長官の欠席については、国会近くのホテルのバーでお酒を飲んで、酒気帯びになったから本会議に出られなくなったのではないかという指摘があるんですね。

 これも総理に伺いたいんですけれども、もし、この福田官房長官の飲酒疑惑が真実であったとしたら、総理として何らかの処分をなさるでしょうか。

小泉内閣総理大臣 たしかあのときは、全閣僚、本会議に出席していたんじゃないでしょうか。(発言する者あり)そうでしょう、院内に。だから、そのような、今お話しのようなことは、私はないと思っております。

達増委員 官房長官御自身が「私自身も思わざることで欠席しました」と答弁されていて、その「思わざること」というのが腑に落ちないわけでございます。

 関連して、その二月十三日、総理に伺った質問についてもちょっと腑に落ちないので、さらに質問させていただきたいんですが、英国留学の件でございます。

 総理は英国に二年間留学していたと公表されていたわけですけれども、私、調べたところ、ロンドン大学にいらっしゃったのは六八年の九月三十日から六九年の六月二十日までの一年足らず、しかも聴講生であって、単位は一つも取っていらっしゃらなかったと。この質問に対して総理は、「英国に二年留学していたという話なんです。ロンドン大学にはたしか一年ほどでしょう。」と答弁されました。

 それで、ここで腑に落ちないのは、そうしますと、二年のうち、ロンドン大学に一年、それ以外はどちらの方に行かれていたんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 何か私の経歴調査されているようですが、英国に留学、二年ほどしておりましたし、ロンドン大学に在籍する前は、語学学校等、学校にも通っておりました。今から考えると、極めて有意義な、充実した留学生活だったなと思っております。

達増委員 ただ、総理は初当選されたとき、これは大分前のことなんですが、そのときの選挙公報に、ロンドン大学政経学部留学と記載されていたそうでありますね。このロンドン大学政経学部というのは、普通、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス・アンド・ポリティカルサイエンスのことをいいまして、総理が行かれていたのは、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン、そこには政経学部はないのでありまして、すなわち、事実と違う経歴を当時選挙公報に記載したということになるんですけれども、そのとおりでしょうか。

小泉内閣総理大臣 そうじゃないんですよ。ロンドン大学には幾つかカレッジがあるんです。私の留学していたのはユニバーシティー・カレッジ・ロンドン、ポリティカルエコノミー、これは、日本語で訳せば、ポリティカルエコノミーというのは政経学部じゃないでしょうか。

達増委員 ポリティカルエコノミーという学部がそのカレッジの中にあったということですか。

小泉内閣総理大臣 たしかそうだと思います。

達増委員 私が調べたところでは、ないということだったんですけれども、コースかクラスか、その辺ちょっと腑に落ちないので、また調べてみたいと思いますけれども。

 実は、腑に落ちないことは麻生大臣に関してもありまして、麻生総務大臣、かつてスタンフォード大学大学院修了、ロンドン大学大学院修了という経歴を公表されていたそうなんですけれども、実際にはそれぞれ学位の修得はされてはいなかったということで、これは事実でしょうか。

麻生国務大臣 質問通告を全然受けておりませんので答弁する必要はないんだという理事の御意見もあるんですが、あえて御質問がありましたので、それは選挙公報か何かに書いてあったということですか。何に書いてあったんです。何に書いてあったんです。(達増委員「委員長の指名がないと答えられない。委員長、私が発言した方がよろしいんでしょうか」と呼ぶ)

笹川委員長 それでは、達増君、質問を続けてください。

達増委員 その前に伺いますけれども、事前通告をしていない質問というのは、予算委員会ではしていけないんでしたっけ、委員長。

笹川委員長 質問はしちゃいけないという規則はありませんが、細かく調べなきゃならないようなことを急に聞きますと、やはり答弁が非常に難しいということがあるので、通告制度という、お互いに、質問する方も答える方もうまくいくようにということでありますので、決してだめということではございません。

達増委員 では、調べなくてもわかるような質問に変えましょう。

 麻生大臣は、スタンフォード大学大学院修了とかロンドン大学大学院修了という経歴を公にされたことはないということでよろしいですね。

麻生国務大臣 ありません。

達増委員 これはまた総理に質問をさせていただきたいんですが、安倍晋三自民党幹事長、南カリフォルニア大学政治学科に二年間留学と、これは後援会紙やホームページで公表されていたんですけれども、実は、政治学科にはやはり在籍しておらず、その大学にも一年しかいなかった。マスコミの取材に対して、南カリフォルニア大学に入る前にカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の語学学校に通ったと回答したそうなんですけれども、同マスコミが調べたところ、その語学学校側はこれを否定している。

 自民党幹事長の要職にあられる方が、どうも虚偽経歴を公表されているようなんですが、自民党総裁としてどう考えるか、伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 それは、私は事情はわかりませんが、虚偽報告ということはしていないと思っております。

達増委員 このことはぜひ本人にも確認したいと思いますので、安倍晋三自民党幹事長は、同僚議員が別件で参考人要求していますけれども、私の方からも参考人として要求したいと思います、委員長。

笹川委員長 理事会で協議をいたします。

達増委員 ありがとうございます。

 総理の施政方針演説の中で、北海道で道州制のモデル事業をやるということがありましたが、これもまた腑に落ちないわけであります。

 道州制、複数県がまたがるようなことを一緒にやるというところが道州制の本質なのではないかと思うんですが、北海道というのは既にもう都道府県として独立しているわけですから、北海道で何かやるんであれば、都道府県としてすぐやればいいわけだと思うんですけれども、これは、予算百億円が計上されている所管、国土交通大臣に伺いますけれども、この道州制北海道モデル事業予算百億円というのは、これは何に使われるんでしょう。

石原国務大臣 この推進費なんでございますけれども、北海道が自由に、広いですから広域的に、あるいは戦略的な位置というものもございます、観光客の方が東南アジアの方から来たり、韓国から来たり、そういうテーマを選定していただいて、北海道開発事業に計上されているすべての補助金、すべてでございます、の中から北海道、道が自由に選択して組み合わせるなどして、北海道の皆様方が自分の持っている特性というものを十分に生かせられるように、国の関与は最小限にして使っていただくという制度で、これは今、道の方で、どういうふうに使おうかなということを、これは今年度、十六年度予算に計上されているわけでございますので、現在、北海道が検討しておりまして、御相談がございましたら私どもも御相談に乗る、しかし、ああしろこうしろと言うつもりはございません。

達増委員 国土交通大臣に確認したいんですけれども、何でもいいということですが、北海道開発事業とおっしゃいましたか、その事業というのは、国と北海道が半分ずつ負担する補助事業、国の補助金の事業のことですよね。その補助事業について、国の方で決めていたのを道の方の主体性でやろうと。ただし、その計画を実施する際にはやはり国の同意は必要なわけですよね。そこのところを確認したいんです。

石原国務大臣 ただいま委員が御指摘されましたように、北海道開発事業に計上されております、委員御指摘の補助事業の中から北海道が自由に選択いただく。しかし、国としても、大変大きな金額でございますから、それがどのように使われていたのか、あるいはどういうふうになっているかといったような再評価みたいなものはしっかりとしていかなければならない性質のものであると思っております。

達増委員 そのくらいのことであれば、もう全都道府県一斉にやればいいんだと思いますし、また、それも、補助金を折半とかいう話ではなく、もう本当に地方が自由に使えるような形で移してしまった方がいいと思うんですね。

 それについてはまた詳しく述べますけれども、そもそも、北海道で道州制のモデル事業をやる、これはあたかも、今市町村合併が進んでいますけれども、適正規模、例えば三十万人規模とか四十万人規模とか、合併しなくても、そういう適正規模の市町村に予算をつけて合併モデル事業をやるというようなものでありまして、もしそういうモデル事業をやるんであれば、例えば、北海道のすぐ南、北東北三県、青森、秋田、岩手では、観光振興、共同で事業をやろうということで共同でソウルに事務所を置くとか、そういうまさに道州制に向けた動きをしている。こういうのは全国にあるんだと思うんですが、そういうのこそモデルに選べばいいと思うんですね。

 これは総理の施政方針演説に入っていましたので総理に質問しますけれども、基本的に、この道州制のモデル事業として北海道に百億円というのは、これは的外れなことなんではないでしょうか。

小泉内閣総理大臣 的外れでもありません。何でもありません。道州制、北海道が創意工夫、自主的にみずからの裁量権を拡大したいと言うんだったらば、どうぞいろいろ知恵を出してくださいと。北海道は、将来、道州制が仮に実現したとしても、今の東北のように、幾つかの県が一緒になって行政単位を一つにしようということにはならないでしょうと。北海道は広いですから、北海道が道州制の一つのモデル地区としてこういうことをやりたいと言うんだったらば、北海道は、そういうことを考えますと妥当な地域ではないかということを言っているわけであって、今北海道が、どのような形で北海道にある市町村そして道と、行政のあり方、これはやはり北海道自身が考えてもいいと。国がああやりなさい、こうやりなさいと言うことでもないと。また、東北三県、今御指摘のとおり、東北三県で自主的にこういうことをやりたいということがあるんだったらば、いろいろ提案されるのもこれは結構なことだと思っております。

達増委員 これは関連しますので、総務大臣に、広く三位一体、いわゆる三位一体の地方分権との関係で伺います。

 そういう既に国の事業、補助事業として、国の補助金、国と都道府県半々でやっているような事業について、地方の方に権限をどんどん移譲していくということであれば、それを全国一斉にやるということが三位一体の本旨だったんではないでしょうか。

 「平成十六年度予算編成の基本方針」、閣議決定によれば、「国と地方に関する「三位一体の改革」を推進する。それにより、地方の権限と責任を大幅に拡大し、歳入・歳出両面での地方の自由度を高めることで、真に住民に必要な行政サービスを地方が自らの責任で自主的、効率的に選択できる幅を拡大するとともに、国・地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築を図る。」ただ、閣議決定にはこう書かれているんですが、実際出てきた予算を見ると、この後段の「簡素で効率的」、まあ効率的もさることながら、簡素、スリム化、そこが突出した予算案になっているのではないかと懸念されるわけであります。

 一兆円の補助金を削減し、その削減、公立保育所運営費、義務教育費国庫負担金、そうした使い道がほぼ決まっているところを手当てするための税源移譲が、所得譲与税約四千二百億円、また税源移譲予定特例交付金二千三百億円。一兆円の削減に対しては足りないわけですね。さらに地方交付税を一兆二千億円削減し、臨時財政対策債分を合わせると、二・八兆円の地方交付税の減になってしまう。これは本当にスリム化ばかり突出して、地方の自由度を高めるようにはならない。

 全国知事会は、八兆九千億円分補助金を廃止し、そのうち七兆九千億円の税源移譲を提言。全国市長会は、市町村向け補助金十五兆三千億円のうち五・九兆円を廃止し、そのうち五兆円を税源移譲と。

 こうした地方からの提言に比べると、本当にスリム化優先の案になっていると思いますが、総務大臣、いかがでしょう。

麻生国務大臣 今の話で、見解の違いなんだと思いますが、同化定着している部分なんかは全部渡し始めておるんじゃないでしょうか。内容は御存じなんだと思いますので、むだな時間もあれだと思いますので、同化定着している部分は既に渡し終わっている分、もう今年度から全部既にスタートしておると思っておりますので、結構事は進んでおると思っております。ただ、ほかにもいろいろありますので、一挙にみんなまとめて数字が全部合うなどというのには少し時間の差が、タイムラグが出てくるのはもう明らかだと思っております。

 また、もう一点言わせていただければ、今のところで、多分、スリム化していただく努力をしていただくことも必要なんだと思いますので、東北三県、岩手県御在住なんでよくおわかりだと思いますが、東北三県せえのでぱっとまとまるということができるかと言われると、これはなかなか、南部と津軽の違いとか、結構難しゅうございますものね、あそこは。そんなに簡単にはいかないんじゃないんですかね、現実問題としては。

 そういった現実を見ながら考えますと、そう簡単にはちょっと、机の上ではいきますけれども、現実問題としてはなかなか難しいかなというのが率直な実感です。ある程度時間をかけるという方が、そこに住んでおられる県民のことを考えたら、ある程度の時間が必要なものだと思いますが。

達増委員 せっかく施政方針演説で道州制のモデル事業ということを総理が訴えているその内閣の中から、道州制への疑問が出てくるというのはちょっと意外な感じもいたしましたが、私は、道州制を全国一斉にやれということを言っているんではなく、都道府県に一斉に、補助金をもっと大々的に自由に使えるように渡してしまう方がいいと。

 これは、この民主党のマニフェスト、去年、衆議院議員選挙のときに発表したマニフェストの中にも、「分権革命」として、「国の補助金十八兆円を廃止し、地方が責任と自覚をもって使えるお金に変えます。」十八兆円の補助金を廃止し、「地方自治体ごとの責任と自覚によって使途を決められる「一括交付金」にします。」と。

 さらに、この内容は、法案として既に昨年、通常国会で自由党から地方自治確立基本法案という形で提出もされていますので、こうした抜本改革というものを一日も早く実現していかなければならないのではないかと指摘したいと思います。

 さて、次に、特殊法人の話はちょっと後に回しまして、独占禁止法の話を先にしたいと思います。

 これは自民党さんの方のマニフェストといいますか、「小泉改革宣言」でしたか、その自民党の政権公約の中に、自由な経済活動を保証し、企業の国際競争力を強化するため、独禁法改正案を二〇〇四年中に国会に提出すると書いてある。

 これについて、政府として、どのくらい作業が進んでいるのか、これは総理であり総裁である小泉総理に伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 独禁法改正に向けて、今、各方面の意見を伺いながら、この法案作成について必要な点を詰めているところであります。まだ煮詰まっている段階ではございません。

達増委員 漏れ聞くところによりますと、政府の方で、課徴金の引き上げでありますとか、談合、カルテル参加企業のうち、自主的に通報した場合にはその課徴金を免除する仕組みを導入するとか、そういう案があり、それらに対していろいろ反対意見が出ている。事業法との二重規制、独禁法、事業法の二重規制になってしまうのではないかというような反対も指摘されていると。

 実は、独占禁止法というのは経済憲法とも呼ばれる経済法の中心。日本の経済構造改革、さらには経済社会の構造改革という視点からすれば、単に独禁法の一部を修正するとかいう形ではなく、広く経済法全体を変えていくという視点が必要なのではないかと思います。

 今、業法との関係の話が出ましたけれども、実は、経済法という大きい視野の中で考えますと、独禁法という一般法があって、各種業法というのは独禁法の特別法と位置づけられると思われるんですけれども、これは公正取引委員会に伺いましょう。

竹島政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 確かに、独禁法は経済の憲法とも言われるような意味で、競争法に関する限り、基本的な法律であるということは間違いございません。

 ただ、世に言う業法というのは、各省庁におかれてそれぞれの業界を指導監督されるときのいわば基本になる法律で、許認可権限等が盛り込まれているのが普通だと思いますけれども、そういった業法等の関係において、一般法、特別法という関係にはないのではないか。大事な、一般的な競争ルールを各省横断的に定めている独禁法でございますけれども、事業法との関係で、一般法、特別法というふうには我々認識しておりません。

達増委員 学者によっては、経済法の解説の中ではっきり、そういう一般法、特別法の関係にあると指摘している人がいるんですけれども、そういった観点から、民主党は、やはりこのマニフェスト、昨年の総選挙で発表したマニフェストの中に、「事業規制原則撤廃をすすめ、企業努力と起業意欲を増進させます。」こういう公約を盛り込んでおりました。

 いわゆる業法、これは去年、自由党で調べたら、百七十、およそありとあらゆる日本の業界、業種をカバーするような法律がそれぞれあって、そして、先ほどの答弁にもあったように、所管官庁がそこを監督指導する仕組みになっているんですが、こうした業法、規制を撤廃し、そして、市場法とでもいいましょうか、そういう共通のルール、市場一般の共通のルールを定めたものをつくっていく。そういう基本方針などを定めた法律案を平成十七年中に国会に提出しその成立を目指しますということを既に盛り込んでありまして、さらに、去年の通常国会では、やはり自由党、当時でありますけれども、市場経済確立基本法案という名前でその趣旨の法律案を出しているわけであります。

 独占禁止法は、その第一条で、私的独占や不公正な取引方法を禁止して、公正かつ自由な競争を促進し云々、そして最後には、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的とするとありまして、これも解釈によっては、単に効率的な市場をつくればいいというものではなく、民主的で健全な市場をつくっていこうという、まさにそういう市場のあり方全般を定める基本方針がちゃんと目的にあるんですね。

 そして、業法と関連して、事業者団体というものがたくさんできております。この国会、予算委員会でも歯科医師会の問題が取り上げられておりますが、そういった事業者団体についても、第八条で、事業者団体が構成事業者の機能または活動を不当に制限することを禁止している。

 したがって、この独占禁止法を、そういった市場全体のルール、本来の経済憲法というような姿にマッチするような形に変えていけば、こうした業界の問題についてもきちんと監督して、市場ルールというものを健全に、そして民主的にしていくことができるわけであります。

 これはやはり総理大臣に伺いたいと思いますけれども、どうせ独禁法を改正するのなら、独禁法と競合するかのようなそういう業法をもう原則廃止して、そういった業法に共通する市場ルールのエッセンスを定める市場法というような形に独禁法を発展させていく。今回はその非常に大きなチャンスだと思いますけれども、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 いろいろ今各方面から御意見を聞いておりますので、よりよい改正案を出すよう準備を進めていきたいと思います。

達増委員 やはり抜本的な改革というものを目指していかなければならないということを主張したいと思います。

 では、特殊法人と独立行政法人に関連して伺いますが、結論的に、総理にこれは伺いたいと思います。

 最初、ことしの予算案で、特殊法人や認可法人から独立行政法人に変わったものの予算が大体倍近くあるいは倍以上にふえているのを発見しまして、これは何か独立行政法人予算倍増計画でもあるのかなといぶかしんだんですけれども、関係省庁に聞いたところ、これは、去年特殊法人などから独立行政法人になったものについては、年の前半は特殊法人予算として計上され、年の後半、独立行政法人として計上されているので、ことしになって一年通じて独立行政法人になったところは大体倍ずつふえるのだという説明でありました。

 そうしますと、これは独立行政法人予算倍増計画ではないんでしょうけれども、他方で、特殊法人等の復活計画といいますか、例えば、廃止になったはずの石油公団、石油公団の廃止ということが特殊法人改革の目玉の一つだったんですけれども、これは、石油天然ガス・金属鉱物資源機構という独立行政法人になって、ことし劇的に予算が復活しているわけであります。

 したがって、総理に伺いたいのは、結局、そういう古い特殊法人や認可法人の復活ということが今進んでいるのであって、独立行政法人になっても、特殊法人改革というのは進んでいないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほどおっしゃった、数字がふえているのは委員のおっしゃるとおりだと思います。

 それから、大きな枠組みを申し上げさせていただきたいんですが、平成十三年度の暮れに、特殊法人等整理合理化計画というのを閣議決定しまして、それにのっとってきりきりやっているということでありますが、平成十三年度で特殊法人等につけていた予算が五兆三千億ほどございました。ことしはそれから約一兆四千億ほど削られた数字になっておりますので、全体でやはり特殊法人、あるいは、今の特殊法人と言いました中には独立行政法人等も含むわけでありますけれども、必要なものには必要な予算をつけますが、全体としては、そのように整理合理化が進んできているというふうに御理解いただきたいと思います。

達増委員 その整理合理化、金額はどのくらいになるか。特殊法人向けが一兆四千百二十三億円、そして独立行政法人に変わったものについては別途二兆六千九百五億円、これを合わせると、平成十五年度の特殊法人予算三兆一千六百六十一億円に対してわずか四百十三億円の減額、一・三%のマイナスにとどまっているんですね。

 この一・三%というのは、多いといえば多いのかもしれませんが、今年度の国内企業物価下落率が〇・七%、昨年度の国内企業物価下落率は一・六%マイナスですから、そういう中で一・三%の予算削減というのは、やはりまさにスリム化ということで地方にやっているほどのスリム化が起きていないのではないかという疑問を持たざるを得ません。

谷垣国務大臣 その点は、確かに十五年度から十六年度は、今おっしゃったように、四百十三億ということでありますけれども、十三年度から十四年度、つまり移り変わりですね、閣議決定した後、これは一番精力的にやりまして、このときは一兆を超える額を切り込んでおりまして、そこから独立行政法人みたいなものがスタートしましたので、現在はこういう形になっているということであります。

達増委員 この機会に小泉総理に、そもそも構造改革とは何なのか、構造改革の目的は何なのかということを伺いたいと思います。

 私が考える構造改革の目的というのは、単純化すれば、要は、情報化とグローバル化への対応ということに尽きるんだと思うんですね。

 失われた十年、九〇年代、日本経済がぱっとしなかった、社会がなかなかうまくいかなかった。それは基本的に、八〇年代から言われていた情報化と国際化ということに、経済も社会も、そして国、国会や行政や、そして地方も、そういう情報化と国際化あるいはグローバル化、この国際化やグローバル化も情報化の一つのあらわれと考えていいと思うんですが、要は、情報化に対応できなかったということだと思うんですね。

 二十一世紀情報化社会、仕事の現場や暮らしの現場にこそ重要な情報があり、そこで情報が処理されて意思決定がなされていけば、ベストの解決、ソリューションが得られる。そのための官から民へ、国から地方への改革なのであって、そうしたことが、予算措置あるいは国の事業、そういった一つ一つのことを通じて着実にそういう二十一世紀への情報化対応、グローバル化への対応というものが進んでいるかということを常に念頭に置いていかなければならないと私は考えているんですけれども、構造改革の目的、総理に伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 情報化、国際化に対応するのも大事でありますが、それが国民に余り過大な税負担を課してもならないと思っております。

 要は、経済活性化するためには、できるだけむだな税金の使い方を正していこう、そして民間にできることは民間にやって、経済活性化を図っていこう、できるだけ国際化、情報化に対応するためにも、世界的な視野から、日本の企業なり制度というものを国際社会の進展におくれのないようにしていこうということが大事だと思っております。

達増委員 構造改革が単なる節約ということに終わらないで、真の改革となることを希望して、私の質問を終わります。

笹川委員長 この際、古川元久君から関連質疑の申し出があります。石田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。古川元久君。

古川(元)委員 民主党の古川元久でございます。

 現在、私どもの世界は大きな時代の変革期にある、それは皆さんだれもが認識を一にすることじゃないでしょうか。

 日本社会も社会構造が大きく変わりつつありまして、こうした時代の転換期においては、とりわけ社会的セーフティーネットである年金や医療、介護といった社会保障制度の役割というものは、転換期以外のとき以上に、やはり転換期だからこそ私は大きいんじゃないかというふうに考えています。

 なぜならば、人々は、これまでの生活や行動様式を変えて、新しい時代に適応することを求められるわけでありますから、新しいことにチャレンジしなきゃいけない。チャレンジするためには、やはりリスクや不安というものがつきものであります。このリスクや不安を少しでも小さくするのが社会的なセーフティーネットである。

 サーカスでも、空中ブランコとかああいうアクロバットがやれるのは、やはり下にセーフティーネットが敷かれているからでありまして、何にもないところで空中ブランコをやるのは、アクロバットというよりもこれはむちゃでありまして、そういう意味では、今この時代に社会の構造改革を進めて、そういう中で新しいことにチャレンジしようとする人たちを一人でもふやし、そしてそういう人たちを励まそうというのであれば、やはり安心できる社会保障制度をきちんと国民に提供することが必要であって、それこそが政府の役目であって、これからの社会保障制度の役割だというふうに私は考えます。

 しかも、その社会保障制度は、これからは従来のようなあり方では成り立ち得ないんじゃないかというふうに考えております。

 これまでの日本の社会保障というものを考えてみますと、実はかなりの部分、隠れた社会保障を家族や企業などが負担してきた部分があるんじゃないか。例えば企業内福祉やあるいは終身雇用というのも、実は社会で賄わなければいけないそういう社会保障のかわりを企業がやってきたというふうにも考えられるわけでありますし、また、公共事業なんかによる雇用の吸収も、これも一種の社会保障と言ってもいいかもしれません。そしてまた、家族による私的な扶養や介護なども、これもまさに隠れた社会保障給付と言っていい。

 しかし、時代の変化の中で、家族関係も少子化やあるいは核家族化が進む中で、また企業も世界的な競争というものが非常に厳しい競争条件にさらされる中で、このような隠された社会保障給付を負担するだけの余力というものはだんだんなくなってきているんじゃないかと思います。

 また、今までの日本の社会保障制度は、右肩上がりの経済成長を前提としておりましたから、そのもとでは、後の世代は基本的に前の世代よりも恵まれた社会に生きているんだと。だから、これが経済成長とも相まって、とりあえず先に給付はたくさん出しておいても、負担は先送りにしておいても、後の世代が負担感を余り感じずにこの負担増を受け入れることができた、それが今までの日本社会だったんじゃないかと思います。

 しかし、これも、バブル崩壊後、右肩上がりの時代の終えんとともに、こうした、世代間で、とにかく後の世代が前の世代の給付を、いわば先食いした部分を負担増という形で賄っていくということも、なかなか簡単には後の世代が受け入れられるような状況ではなくなってしまった。

 少子高齢化の進展が、今の社会保障制度、これだけ国民の不信を生んだというふうに言われたりもしていますけれども、実はこの少子高齢化の進展だけじゃなくて、こうした隠れた負担が社会の変化とともに顕在化をしてきたことや、また給付の先食い、負担の先送り、そうした基本的な今までの社会保障の構造が、現在の社会保障制度に対する国民の不信感を生んでいるんじゃないかというふうに思います。

 こうした社会構造の変化を考えますと、現在及びこれからの社会構造に合った社会保障制度の構築が、一番やはり社会の構造改革を進める上で最優先の課題であるのではないかというふうに考えておりますけれども、そういう点で、私ども民主党がさきの総選挙のマニフェストで、ここにメッセージというので、「つよい日本をつくる。安心できる社会のために。」という、このメッセージの中の大きな柱は、まさにこの時代に合った、そして今必要な確固たる社会保障制度を築くことだ、そういうメッセージを伝えてきたわけなんですが、総理は、現在そして将来における社会保障の役割とそのあり方について、どのようにお考えになっておられますか。

小泉内閣総理大臣 今、できるだけ簡単にお話ししますと、社会保障というと漠然としていますが、多くの国民が社会保障の中でも特に重要だと感じているのは、やはり年金、医療、介護そして生活保護、こういうものだと思いますね。

 これは、先ほどセーフティーネットの話が出ましたけれども、お互い支え合っていかなきゃならない。全部自分でやりなさいということも国としてはいかがなものか。生活は全部自分の力でやりますというのは、もうごくほんの一握りの人しかいないと思うのであります。お互いが、困ったとき、職を失ったとき、あるいは年をとったとき、どうやって一定の生活費を支え合っていくか、文化的な生活を送ることができるような給付を提供するかというのが社会保障として大事なことであって、それのためには、どの程度お互いが負担を分かち合うのか、その負担の度合いによってどの程度の給付を得ることができるかというのは、年金にしても医療にしても介護にしても、その問題から避けて通ることはできないと私は思うのであります。

 どの程度がいいかというのは国民性によると思います。日本は、スウェーデンとかデンマークという社会保障制度の進んだ国々の事例をかなり詳しく勉強してまいりましたが、確かに日本よりも進んだ、社会全体で社会保障を支えようということにおいては日本より進んだ面がたくさんあります。しかし、スウェーデンもデンマークも、その負担はだれが支えているかというと、これは国民一般。消費税でいえば二五%でしょう。この二五%の消費税を受け入れてきた国民性というのは、日本と北欧と違うと思います。

 そういう点も、やはり給付を考えるのなら負担を考えなきゃいかぬ。やはりその国に合った、お互いが支え合う制度を構築していくことが、今後とも社会保障制度を考える上で極めて重要なことだと私は認識しております。

古川(元)委員 総理、私が聞きたかったのは、給付のレベルがどの程度かという話じゃなく、要するに、社会保障の構造のあり方、それが、これまでのようなあり方と、そしてこれからの時代のあり方でいいのかと。

 さっき申し上げたように、今なんかだと、医療保険も、あるいは年金もそうですけれども、企業ごとであったり、あるいは職種によって違う。そうした、本来であれば社会的セーフティーネットというので政府が維持しなきゃいけないようなものについて、今までの日本社会の社会保障というのは、かなりそういう企業やあるいは家庭で負担された部分がある、そういうものをこれからも続けていっていいのか。あるいはまた、先ほど申し上げたように、右肩上がりの中では許された、給付は先にまずしておいて、負担は後の世代のところで徐々に上げていく形で賄っていきましょう、そういう枠組みの社会保障の制度的なあり方がいいのか。そこのところをまず議論しないと、そこがなくて、負担レベル、給付レベルという話じゃないと思うんですね。そこのところはいかがですか。

小泉内閣総理大臣 これは、給付と負担、両方見なきゃならないと思います。これはどの制度でも同じであります。給付だけ考える、負担だけ考えるということができないからこそ、お互いが支え合っていかなきゃならない。給付を受ける側の立場、負担をする側の立場、これは両面考えていかなきゃならないというのは当然だと思います。

古川(元)委員 もちろんそうなんですけれども、私が聞いているのは、負担のあり方として、今までと同じような、前の世代よりも後の世代の方がなるだけ負担するような、そういうあり方がいいのか。あるいは、これからの時代はもう少しその負担のあり方を、この時代にかかる社会保障給付はこの時代に生きている人たちで負担していくような給付に変えていくとか、やはりそういう基本的な負担のあり方、負担の仕方、だれがどのような形で負担していくのかという、その枠組み自体を考えなきゃいけないんじゃないですかというふうに聞いているんです。

 そこの負担と給付の、総理が言われるのは、それのバランスをとらなきゃいけないとかそういう話ですけれども、それ以前の問題として、一体どういう世代がどのような形で負担するか、そういう負担構造のあり方を従来とは変えなければいけないんじゃないですかというふうに聞いているんです。

小泉内閣総理大臣 これは、私お話ししたつもりなんですが、今までのどおりいかないということは御指摘のとおりであります。なぜならば、今までは、少子高齢化とは違って、若い世代が圧倒的に多かった。人生五十年、高齢者が少なかった。若い人は少ない負担で、高齢者に対して手厚い給付もできたと思うのであります。しかし、これから将来を展望すると、高齢者はどんどんふえる、若い世代は少なくなってくる。というと、今までのように、若い人は負担を軽く、高齢者は給付を厚く、そういう時代ではないということを私は言っているわけです。

古川(元)委員 先ほど私申し上げたように、それだけじゃないんですね。今こういう状況になっているのは、単に少子高齢化の進展だけじゃなくて、やはりこれまでの日本の社会保障のあり方の枠組みそのものが、現在の、今の世代よりも先の世代に負担を重くするような仕組みになっていたりとか、また、企業やあるいは家庭、そういうところに負担の一部を実は受け持ってもらっていたとか、そういう構造があったんじゃないか。

 ですから、そういうものも含めて、やはり新しい時代を考えていかなきゃいけない。そういうもののビジョンをきちんと示さなければ、実は年金制度、どういう年金制度がいいのかということをとてもこれは議論できないと思うんですけれども、坂口大臣、いかがですか。

坂口国務大臣 総理がおっしゃったことに尽きているとは私思いますけれども、別な言葉で、私の言葉で言わせていただくということになれば、時代が変わってきているという認識は、おっしゃったとおり、私も同じ認識だというふうに聞かせていただいていたわけであります。

 その中で、今後これをどう負担し合っていくかということは、企業などのいわゆる職域連帯、勤めているところの働く人と、そしてそこを雇っている人との間の職域の連帯でお互いに負担をし合うことと、それから、そうではなくて、国民全体でお互いに負担をしていかなければならない問題と、その辺のところを、今後の問題としては、振り分けをしなければならない時期に来ている、そういうふうに思っております。

古川(元)委員 まずはやはりそこのところがきちんと示された上で、じゃ、これからの年金制度、どうあるべきか、本来はそういう議論がなされるべきだと思います。

 もう少し、ちょっと年金の話に少しフォーカスを当てていただきたいと思いますけれども、先ほど総理が言われたように、社会保障制度には、年金以外にも、医療や介護、あるいは生活保護や雇用保険や雇用対策など多様なものがありますが、とりわけ、やはり社会保障給付費の三分の二を占める年金、医療、介護、この相互関係、どういう関係にあるかということをきちんと整理するということは非常に重要だというふうに私たちは考えています。なぜならば、これは限られた財源の中でやらなきゃいけないわけでありますから、サービスや給付の重複というものは避けていかなきゃいけない。

 私たち民主党は、この三者の中では、高齢期の所得保障としての公的年金制度の安定が一番この根幹にあるというふうに考えています。その上で、高齢者の方にも、現物サービスである医療や介護などの社会保障に対しては、保険料や自己負担という形で応分の負担をしていただこう、そういうふうに考えている。

 その意味でいいますと、公的年金というのは、生活保護とは異なって、日常生活にかかる費用すべてを保障する必要はないとは思いますけれども、少なくとも、医療や介護などにかかる費用は確実に賄える、それくらいの年金額は公的年金として保障すべきだ、そのように考えていますけれども、社会保障制度の中において公的年金がどういう役割を持つべきか、その総理の所見をお伺いさせていただけますか。

小泉内閣総理大臣 これは、今や公的年金にかなりの生活の部分を頼っている方が非常に多いということを考えてみますと、今後も永続的にこの制度を健全なものにさせていかなきゃならないと思っております。

 今、そういう観点から、一つの標準モデルとして、現役時代の平均収入の五〇%程度の給付は維持したいなと。同時に、負担する人のことを考えると、これも今のまま制度を放置しておくと三〇%近くの負担になってしまう。これはやっぱり一八・三%程度に上限の負担はおさめたいな、その中で、これだけでは、給付と負担だけでは無理だから、税金をどの程度投じようかということで、今基礎年金の部分におきましては三分の一税負担をしておりますが、これを二分の一に引き上げていこうと。

 いわば、そういうことを考えるにしても、公的年金というのは持続可能なものにしていかなきゃならない。多くの国民がやっぱり老後の生活を支える手段として非常に重視している。これはやっぱり政治としても重要視していかなきゃならないと私は思っております。

古川(元)委員 今の総理の言葉の中で、これは国民が誤解を招く部分がありましたから、わかっていらっしゃると思いますが、現役時代の所得の五〇%を保障するわけじゃないですよね。あくまでも、その年金をもらうときの、その時代の現役世代の平均収入の五〇%を目標にするという話ですよね。

 ここは実は相当誤解されているんですよね。これは、私なんかもいろいろな話を聞くと、五〇%くれるんだってと。自分のもらっていた、そのときの所得の半分は保障されると思っているわけですけれども、全然違うんですよね。そこのところは、これは国民に大きな誤解を与えることになりますから、言い方は気をつけていただきたいと思うんですけれども。

 今、総理がそういうふうで、年金制度の重要性と言われた。その重要性はわかっていらっしゃったからでしょう、昨年の小泉改革宣言の中でも、宣言一として一番目に「安心できる社会保障制度を」というふうに書いてありますね、この小泉マニフェスト。この中にははっきりと、「二〇〇四年に年金制度の抜本改革を実施」というふうに太字で書いてあるんです。

 総理、今回、政府が出した年金改革案は、このマニフェストで約束をした抜本改革ですか。

小泉内閣総理大臣 抜本改革というのは、政党によって、また人によってとり方は違うと思いますが、今政府の考えております抜本的改革、大きな一歩を踏み出したなと思っております。

古川(元)委員 よく政府は、抜本的だ、何か恒久的な減税とか、そういう、的を入れると何か、抜本改革と抜本的改革、違いがどこかよくわからないんですけれども、少なくとも総理の言う、総理が選挙で約束をした二〇〇四年の年金制度の抜本改革、この言葉には今回の政府案は当てはまるんですか、当てはまらないんですか、どちらですか。

小泉内閣総理大臣 これは、抜本的なものでありまして、当てはまっているんですよ。

 これは、今まで数字を出すのにも大変だったでしょう。この五〇%にしても、一八・三%にしても、三分の一を二分の一にするにしても、具体的な数字をはっきり打ち出したということ、これは抜本的な改革でありまして、今後も引き続き、各政党によって抜本的改革のとり方が違いますから、具体案を出していろいろ審議をしていけばいいと思います。

古川(元)委員 なぜ的がつくんでしょうかね。

 先日、予算委員会で私が、これは抜本改革ですかと言って坂口大臣に聞きましたら、いや、これは抜本改革じゃなくて根本改革だというふうに言われました。抜本改革と根本改革の違いはどこにあるんですか、大臣。

坂口国務大臣 両方とも言ったというふうに思いますが、私が根本改革というふうに言いましたのは、非常に中長期的な展望の中で、負担の上限、そして給付の下限というものを示す、あるいはまた、二分の一への国庫負担、いわゆる基礎年金部分の国庫負担の引き上げの道筋をつくった、あるいはまた、積立金の取り崩しについてその青写真を示した、これらのことを示しましたから、ここは根幹にかかわるところでございますので根本改革、こう言ったわけであります。

 年金というのは、考えてみれば、負担と給付以外にないわけですね。ですから、負担と給付というものだけしかないわけでありますから、そのことを思えばこれは抜本改革だ、こういうふうに言ったわけでありまして、根本改革というふうに言ったのは、この根幹にかかわるところを示したということを申し上げたわけであります。

古川(元)委員 その負担と給付の関係しかないというのは、現行制度を前提にしての話ですよね。抜本改革というのは、現行制度のあり方そのものを見直すということが抜本改革と言うんですよ。抜本的改革とか、総理も、こそくなことで、そういう言葉で、紛らわしいことはやはり言うべきじゃないと思いますね。

 抜本改革だという自信があるんだったら、今の、坂口大臣、では、これは抜本的改革じゃなくて抜本改革とも言っていいということですか、大臣の言い方で言えば。

坂口国務大臣 先ほど申しましたように、年金は負担と給付が、もうこれが中心でありますから、そういう意味で私は抜本改革ということを申し上げております。

古川(元)委員 総理、大臣は抜本改革だと言っていますけれども、総理はまだ抜本的改革と言うんですか。

小泉内閣総理大臣 抜本的改革だと思いますよ。

古川(元)委員 的は取らないということなんですね。

小泉内閣総理大臣 前から抜本的改革と言っていますから。

古川(元)委員 抜本的改革と抜本改革というのは似て非なるものだと思うんですよね。そこに谷垣大臣がお座りになっていますけれども、定率減税というのは、あれは恒久減税とは言っていないですね、恒久的な減税だと。あれは恒久減税じゃないというのが財務省の見解だと思うんですね。そういう言い方からすれば、抜本改革と抜本的改革というのは、かなりこれは言葉の中身が違うと思うんですよ。

 こんなところで言い合いしていても仕方ありませんからもう少し話を詰めますけれども、私たち民主党が考える抜本改革というのは、年金制度に対する国民の信頼が回復されるような改革が抜本改革だというふうに考えています。現行制度を前提とした改革では、これは坂口大臣が言われたように負担と給付の見直ししかない。今の状況でいえば、負担増と給付減、それをどう組み合わせるか、それしか制度維持のためには方法がない。これでは国民の信頼は回復されない。そんな改革は到底抜本改革と言えないと思うんです。

 この点を、もうだんだん明らかになってきていますけれども、これからの法案審議の中でもきちんと私たちは議論をしていきたい。そのためには、これは年金制度に関する十分な情報の開示が不可欠でありまして、きのう役所の方に、大臣に、ちゃんとこの資料を、国会審議に必要な資料を用意してくれというふうに資料要求、お願いをしておりますけれども、これはいつごろ出てきますか。

坂口国務大臣 要求していただきました内容がどういうふうなものか、私、つまびらかにちょっと存じませんけれども、早く出すようにいたします。あるもの、ないもの、それはあるというふうに思いますから、現在出せるものを順番に、それはもう早く出させていただきますし、なければ私に御指摘ください。私がつくるように命じたいと思います。

古川(元)委員 ちゃんときのう事務方の方に渡して、ちゃんとこれを準備するようにというふうに言ってありますから、ぜひ、これはやはり法案審議に先立って出していただかないと、議論をする前提となる情報がきちんと開示されていないようでは、とても議論はできません。

 これは、委員長、ぜひ理事会でも、私どもが請求をした資料については速やかに提出されるようにお取り計らいをしていただきますように、よろしくお願いします。

笹川委員長 理事会で協議します。

古川(元)委員 まず、そうした資料が出ていることが大前提でありますけれども、私たち民主党は、先ほどから申し上げているように、現行制度の延長線上では国民の制度に対する信頼回復はあり得ないと考えていますから、ですから、新しい年金制度というものを考える、昨年のマニフェストでも、その新しい年金制度というものは示させていただきました。

 この新しい制度を考えるに当たりましては、まず、新しい社会構造に合ったものとする、それから公的年金に求められる老後の最低限の所得保障を満たすものであること、そして、負担と給付の関係を明確にすること、そのことを念頭に置いて設計しました。

 具体的には、年金制度を一元化して、職業によってばらばらの今の年金制度、それをすべての国民が同じ公的年金制度に入るという形にして、そしてまた定率保険料で、所得に応じて保険料を払っていただく、そして給付も、お支払いいただいた保険料に応じてちゃんと給付をする、そこで負担と給付の関係を明確にする。それに加えて、すべての人に最低限の年金額が保障されるように、全額税財源で最低保障年金というものを創設する、そういうことを考えております。

 現在こうした考え方をもとにして私ども対案を作成中でありますけれども、現行制度から民主党の考える新制度への移行を考える中で、実は、年金制度の最大の問題は過去債務の問題ではないかというふうに私ども思うようになりました。

 ちょっとこの図を見ていただきたいんですが、これは厚生年金のバランスシート、これは前回改正のときに厚生労働省から出てきたものです。厚生労働省から提出された厚生年金のバランスシートを見てみますと、将来債務の部分はそんなに債務超過は多くないんですね。全体の割合でいくと六%ぐらいです。しかし、過去に約束した分、この債務超過額を見ると、これは四百五十兆、将来債務に比べて巨額な過去債務が存在しているんです。先ほど来から私が申し上げているように、まさに今の年金制度というのは、給付を先食いして負担を先送りにした、そのことはこのバランスシートからも明らかだと思います。

 そういった意味では、現行年金制度の最大の問題は、この過去債務をどう償却するか、そういうことにあるんじゃないかと思いますが、大臣はどのようにお考えですか。

坂口国務大臣 私も過去の話を十分に知っているわけではありませんけれども、それを計算しましたときには、たしか二階建て年金の中の二階の部分は民営化をしようという話が随分たくさん出まして、そうしたことを背景にして過去のものを一遍清算しようと。それは賦課方式になっておりますけれども、賦課方式ではなくて積立方式というふうに考えて計算をしようということで計算されたものだというふうに私は思っております。積立方式として計算をすると、そういうことになるんだということを示したんだと思っております。

古川(元)委員 積立方式って、これは、要するに、ちゃんと割り引いてみて、現在価値に直してみてという話ですからね。そんな話じゃないはずですよ。

 私が聞きたいのは、大臣、この事実は、これは二〇〇〇年の段階ですけれどもね、私たちこういうバランスシートを今回もつくってくれというふうに要求していますが、なかなか出てきません。ですから、前回のしかありませんが、前回の時点でこれをつくったのは厚生労働省ですから、そういう意味では、この過去債務が、債務超過は四百五十兆、これは事実だというふうに認識してよろしいわけですね。

坂口国務大臣 ですから、先ほど申しましたように、積立方式を前提のもとに計算をしたものがこの表である、この表は厚生労働省が出したものと間違いないというふうに思います。

古川(元)委員 積立方式前提ということは、要は、この過去債務の部分、ここは本来であれば積んでなければいけなかったものを積んでいなかった。でも、これは実際に払わなきゃいけないんでしょう、賦課方式なんですから。

 ところが、賦課方式だといったって、これは払わなくてもいいというんなら別ですよ、将来これを払わなきゃいけないはずですよね、間違いなく。であれば、これは債務であることは違いないじゃないですか。何か、積立方式だから賦課方式と違うという言い方では、あたかもこれが債務でないかのような言い方に聞こえますけれども、どういう考え方で考えようとも、積み立て不足がいわば四百五十兆あったということですよね。

 この部分はこれから将来の負担で賄わなきゃいけないということですよね、これは、大臣。

坂口国務大臣 そこはそのとおりだというふうに思います。

古川(元)委員 では、政府案のように、ことしから二〇一七年まで、十月から毎年毎年〇・三五四%ずつ保険料を上げるということをやって、では、このデータ、この数字をベースにして保険料を上げた場合のバランスシートの変化、これをちょっと計算してみますと、こんなふうになるんですね。これもデータがまだ出てきていませんから、二〇〇〇年三月末時点で計算するしかないんですけれども、これをやると、保険料を上げると、将来拠出対応部分にかかる部分は三百四十兆円も資産超過になるんですね。相変わらず過去債務は四百三十兆。これが減っているのは、国庫負担を上げるから、三分の一から二分の一にするから、ですから、二十兆減っているのはその部分ですけれども。

 ということは、このバランスシートから見れば、これから保険料が上がる、この上がる分は、実は、私たちの、保険料を払う、納めるその人の給付に使われるんじゃなくて、過去債務の支払いにこれは回る。保険料の上がる部分のほとんどは過去債務の支払いに回る、一方で、保険料を払う方は、ますますこれは払った分も返ってこない、そういうことをこの図は意味すると思うんですけれども、いかがですか。

坂口国務大臣 これは二〇〇〇年三月時点で計算をされたものだそうでございますが、資産の方の保険料、これは恐らく、一八・三〇まで徐々に上げていったものを積み上げておみえになるんだろうというふうに思いますから、そこは多分そのとおりではないかというふうに思います。国庫負担の方も、これは上がりますから、二百七十兆、そのとおりだというふうに思います。

 その給付債務千四百三十兆というのは、これはこのとおりなるかどうかということは、ちょっと私は少し多いような気もしますけれども、ここは一遍計算をさせてください。今御答弁申し上げることはできません。

古川(元)委員 この数字が正確かどうかということを聞いているんじゃないんです。

 要は、これからの保険料引き上げ分は、自分たちの年金給付に回るんじゃなくて、過去債務の支払いのためにこれから十年以上にわたって保険料が上がっていく、そのことをバランスシートは示していると思うんですが、いかがですか。そういう認識でよろしいですね。

坂口国務大臣 そこを徐々にこれからどういうふうに軟着陸をさせるかということを考えないといけないということだろうというふうに思います。

古川(元)委員 今回の政府案というのは、まさに、その軟着陸というのを保険料引き上げと給付のカット、それによってやろうとしているんですね。今でも年金の保険料の負担というのは非常に大きいわけなんですよ。果たして、勤労世代や、あるいは保険料の半分を負担する企業にとって、自分たちの将来の給付のためじゃなくて過去債務の償却のために、これから十年以上にわたって保険料を上げていくんですよ、そういうので納得してもらえる、そういう論理なんでしょうか。

 次の図を見ていただきたいと思うんですが、二〇〇三年の当初予算で見てみても、既にこれは、年金保険料の負担が税金や保険料の中では突出して重いんですね。これをまた上げようと言っているんですよ。

 保険料をさらに引き上げすれば、財務大臣からすると困ることになると思うんですが、保険料控除が拡大されますから、それは課税ベースを侵食して、結局所得税は減っていくことになりますね。一方で、これまた保険料引き上げをすれば、その半分を負担する企業の行動にも影響を与えることになります。雇用にも悪影響でしょうし、また、もう厚生年金なんか払っていられないというので、今でもどんどん厚生年金から抜ける中小零細企業がふえているのに、そういうものを加速するということになりませんか。

 やはり、そういうことを考えると、過去債務をだれがどのように負担するのか、これについては、将来、これから支払う給付とは分けて考えるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

坂口国務大臣 ですから、先ほどから申し上げておりますように、一八・三%という上限をつくって、これからの若い人たちに余り上がらないようにしているということであります。

 この過去の分の四百五十兆とか四百八十兆とかいうようなものを、別途、これは別枠で置いておいて、それでいけるなら、それはいいですけれども、そうはいかない、私は、それはやはり解決をしなければならない問題だというふうに思います。別枠で置いておいてだれかが何とかしてくれるというんだったら、それはいいですけれども、そうはいかないというふうに思います。

古川(元)委員 もちろん私はそんな、そのままどこかに置いておけという話をしているんじゃないです。国鉄の改革を思い出してください。過去債務をどう処理するかという話、今JRになって経営よくなっているわけでありますけれども、あれ、もし過去債務をそのままつけて民営化していたらどうなったか、とても今のJRにはなっていないですよね。

 そういう意味では、この年金の問題についても、過去債務をどう処理するかというのと、これからの年金制度をどうしていくか、それを一緒になって考えていく、そのことが結局、坂口大臣がさっきから言っている、現行制度を維持する中でしか物事が考えられない、その中で考えていくと、負担増と給付減、これをやるしかない、それを繰り返してきた結果が国民の信頼を失ってきた。まさにこの悪循環をこれからも繰り返していく、今回の政府案もその域を全く超えないと言わざるを得ないと思うんですね。

 今回のは、先ほど大臣が勤労者の人に少しずつと言いましたけれども、さっきも示したように、既にもう年金保険料は相当高いんですね。それは、今回の保険料引き上げの議論の中でも、最初厚生労働省が出した二〇%をだんだんとじりじり下げていって、今の一八・三というところに落ちついたわけでありますけれども、やはりそれは、保険料率がもう既に高いという認識が一般にあるということの、その証拠じゃないでしょうか。

 また、今回の政府案を見ていると、過去債務の償却というのは、そういう保険料引き上げだけじゃなくて、実は今年金をもらっている年金受給者の大幅な給付カット、これでも行おうとしているんですよね。

 今政府案で導入されようとしているマクロ経済スライドと言われる給付調整ですけれども、これは、固定した保険料の水準による負担の範囲内で年金財政が安定する見通しが立つまでの期間を給付水準調整期間として、その間、給付額を調整する減額をしようという話なんですね。この期間中は、もう既に年金をもらっている人たちの年金の名目の額面は引き下げません、額面は保障します、しかし、物価上昇率からこのスライド調整率、大体このスライド調整率が二〇二五年までは平均〇・九%程度だというふうに厚生労働省は試算していますけれども、物価上昇から〇・九%を引いた分しか物価スライドさせない。

 この図であれば、これは賃金の伸び率が二・一%で物価上昇率が一%とした場合の、現役世代と、そして年金給付、既に年金を受けている人の年金給付額の伸びを比較したものなんですが、このモデル年金で見ると、受給開始、一九九九年のときには六〇%弱の給付水準だった人が、このマクロ経済スライドが適用されますと、二〇二二年には四二・八%まで給付水準が下がってしまう。これは、これから年金をもらう人じゃないですよ、今もらっている人たちは、これからずっとどんどんと下がっていく、実質的な手取りはどんどんと下がっていく。

 さっき、最初に小泉総理が、五〇%の給付水準は確保したいと言いましたけれども、それが確保されるのは、今の時点で四十七歳以下の人の場合なんですね。その人が六十五歳のときに年金をもらう、そういうときには五〇%が約束されますけれども、この今もらっている人で見ると、これから十年、二十年近くほとんど、物価がずっと上がれば別ですけれども、今のような状況だったら年金額は変わらない。この辺ちゃんと、厚生労働大臣、国民の皆さんに説明していると思いますか。

坂口国務大臣 それも幾つかの前提を置いての計算だというふうに思いますが、けさからも御議論がありましたように、名目額は決して減らさない、これからもこのままいきますということを申し上げているわけでありまして、そしてその中で、これからの物価の状況、あるいはまた経済の状況によってそこは違ってくるというふうに思っております。

 現在一八・三〇%という上限をつくっておりますが、社会構造の変化が成れば、変えれば、そこまではいかなくて例えば成るということも多々あるというふうに私は思っております。例えば、女性が働いておりますときに、よく言われますように、M字型になります。それで、このM字型のところをM字型ではないようにする、そして男女の賃金格差をなくしていくということになりますと、三%ぐらいも違ってくるわけですね。

 だから、そうした社会構造の変化によってもそれは違いますが、現在もらっておみえになります皆さん方の年金額は現在よりも下げないということを大前提にしておりまして、どれまで上がるかということは今後の物価の上昇あるいは賃金の上昇によって違ってくる、そういうふうに思っております。

古川(元)委員 今のお話は、名目は下げないということですよね。もしこの仮定のような計算で進んだらこれはこのとおりになる、実質的価値は大幅に下がる、それはそのとおりなんですね。

坂口国務大臣 ですから、その前提条件を全部お聞きしたわけではありませんからよくわかりませんけれども、これからいわゆるデフレがずっと続くとは私は思っておりません。これは、そんなことはないんだというふうに思っております。だから、そうしたことによって大きく左右されるということを申し上げているわけであります。

古川(元)委員 まあ、でも、こういう危険性があるわけですよね。やはりそこのところはきちんと隠さずに説明をしなきゃいけない。名目の年金額は下がらないかもしれないけれども、場合によっては実質の年金額は大幅に下がるかもしれない、やはりそこのところはきちんと説明をしなきゃいけないんじゃないかと思います。

 しかも、高齢者の基礎的な生活費を賄うとされる基礎年金までこのマクロ経済スライドというのは対象にされているんですけれども、これは極めて問題だと思うんですよね。

 私たちは、この基礎年金部分については全額税金を財源とする最低保障年金という形に再編して、最低限の年金額は保障したいというふうに思っていますけれども、政府案だと、その基礎年金のものまで、これは実質価値を下げるようなマクロ経済スライドを適用するということになるわけですよね。これで本当にいいと思いますか、大臣。

坂口国務大臣 私は、これからの社会保障を考えましたときに、年金だけではなくて、高齢者医療のことも考えなければならない、介護のことも考えていかなければならない。そうしましたときに、将来それに必要な額というのはかなりこれは限定をされてくるというふうに思っております。

 まず、二分の一国庫負担、この基礎年金のところの二分の一はどうしてもやらなきゃならない。それを全額やるということになりますと、それだけで二十数兆円になってくるということでございましょう。だから、現在でも十六兆円、全部だったら十六兆円ぐらいだというふうに思いますが、将来はかなりそこがふえてくる。それを全部、やはり、たとえ消費税とかいろいろの税制で賄うといたしましてもかなりな額になりますので、そうするとほかの分野に回す分がなくなってくる。ほかの分野、高齢者医療のこともその他のことも考えながら、全体で、先ほど委員がおっしゃいましたように、私はその問題は考えていかなければいけないと思っております。

古川(元)委員 私たちは、今の基礎年金をそのまま全額税方式にしようと言っているんじゃないんですね。これを最低保障年金という形に再編をして、要するに、年金額の少ない人に税財源による補てんをしていく、年金額が逆に多い人については、その人まで税財源によって年金を上乗せする必要はない。ですから、そういう形で限られた資源をきちんと有効に生かしながら、そして公的年金に求められる最低限の老後の所得保障、そこの部分をちゃんと私たちは賄っていこうというふうに考えているわけであります。

 今議論していても、政府案ではこれはとても将来安心するということはできないと思いますし、また、年金制度に対する信頼も回復されないと思っています。

 私たちは、制度に対する国民の信頼を回復するためには、新しい年金制度を構築することと、きょう議論させていただいたように、過去債務の償却というものについては、これは将来の年金のあり方、これからの年金のあり方とは切り分けて考えることが必要だ、そういう考え方に立って政府案に対する対案を取りまとめたいと思います。ぜひ国民の皆さんには、どちらが制度に対する信頼回復につながる年金改革か、比べていただきたいと思います。

 では、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

笹川委員長 この際、生方幸夫君から関連質疑の申し出があります。石田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。生方幸夫君。

生方委員 民主党の生方幸夫でございます。

 年金の集中ということでございますので、年金問題についてお話をお伺いさせていただきたいと思います。

 今、同僚議員が年金についていろいろ質問をしてまいりました。恐らく、茶の間でテレビを見ている方が十分に理解ができたのかなというので、ちょっと難しい話ではなかったかなというような気が若干いたしております。

 特に、マクロ経済スライドとかいうような言葉が出てきますと、なかなか、それがどういう意味を持っているのか、理解するのは難しい。もっと単純に言えば、インフレになったとき、全部インフレ率に連動させるんじゃなくて、調整をさせてもらいますよというのが多分わかりやすい言葉ではないかなというふうに思いますので、インフレ分を今まで全部連動させたけれども、そうじゃない形にこれから変えさせてもらうんだということで私は理解をしている。それでよろしいんですよね。――はい。

 それで、きのうもちょっとテレビのニュースを見ておりましたら、今度の年金改革について国民の皆さん方がどのぐらい評価をしているのかというと、総理は残念でしょうけれども、新聞の世論調査等を見ても、八〇%ぐらいの方がこの年金改革では十分ではないというふうに今考えているわけですね。

 これは、総理が、もう大分前になりますけれども、厚生大臣のとき、医療費の保険の自己負担部分を一割引き上げる。このとき私もおりましたですけれども、そのとき総理が厚生大臣で、一割引き上げさせてもらうから、そのかわり抜本的な医療改革を行うんだというふうに言ったんですけれども、残念ながら、抜本的な医療改革はその後ほとんど行われなかった。今度また、総理になったとき、健康保険の自己負担率を二割に引き上げた。あのときも、やはり結局、その抜本的な改革というのは先延ばしにされてしまった。

 先ほど、抜本的、抜本という言葉の論議がございましたが、今度のもまた結局は負担が先に来て、健康保険の場合も負担増が先に来て、本当の改革はすべて先送りになってしまったという国民の不信感が、今度の年金改革でも結局は負担増になって給付が少なくなるだけの話じゃないかというところに国民の多くの不満があるんではないかなというふうに私は考えております。

 それともう一点が、制度そのものの問題と同時に、やはり年金基金に対する、運用に対する不信というのがあると思うんですね。私たちが一生懸命集めてきて積み立ててきた年金がきちんと運用されてきたのかどうかということに対する不満というのも、今度の年金改革に対する国民の不満の一つになっているというふうに考えております。

 これについては後ほど私の方から議論をしていきますが、まず最初に、マクロ経済スライド等を含めまして、一番今度の改革というか政府案のポイントは、負担の上限を一八・三%に決めたということですね。給付の下限を、きのう総理は上限というふうにおっしゃっていましたですけれども、下限を五〇・二%に決めたというのがポイントだと思うんですね。

 それを決めるに際しては、物価の上昇率とか経済成長率とか出生率とか、それからあと年金加入者の数とかというのをいろいろ置いて予想したというふうに思うんですが、ここでまず最初にお伺いしたいのは、いろいろな状況がこれから変わってくる、厚生労働省が予想したとおりにならなかったという場合、一八・三を優先するのか、五〇・二を優先するのか。例えば、一八・三のままだと、これはとても五〇・二にはならなくて四八になってしまうというようなとき、五〇・二の方を優先するのか、あるいは一八・三の方を優先するのか。そこからまずお伺いしたいと思います。

坂口国務大臣 今後の年金の状況がどうなるかということは、私たちが予測したことに対して、そのとおりになるかもしれないし、若干それよりもよくなるかもしれないし、悪くなるかもしれない、それは起こり得ることだと私も率直に思っております。特に二〇二五年までは、経済の動向というものがより大きな影響を与えるというふうに私は思っております。

 それらの問題について今後どうするかということでございますが、もし仮に、そこがもしも予想に反してうまくいかなかったということが出てくれば、二〇二三年まで徐々に、先ほど言われましたように、調整を、自動調整をしながら進めていくわけでありますが、この調整を一時停止をさせるとかいうことで、現在のこの計算をしております値が実現するようにしていきたいというふうに思っております。

生方委員 五十年、百年先まで見越した改革だというふうに言っておきながら、一方で、今おっしゃったように、五年後にまた見直す、十年後にももちろんまた見直すということになると、この一八・三、五〇・二という数字自体が余り意味がないものになっちゃうんじゃないかという気がするんですね。

 だから、今厚生大臣がおっしゃったように、二〇二三年に必ずこうなるんだというのであれば国民の皆さん方は安心すると思うんですけれども、見直しが必ず五年ごとに行われるんだということになると、この数値自体を信用していいのかどうかという問題になると思うんですが、いかがですか。

坂口国務大臣 それはいろいろの動向があるということを今は申し上げたわけでありまして、特に大きいのは、合計特殊出生率が一・三九というのを将来実現していかなければならない、それからもう一つは、実質賃金の上昇率一%以上確保をしていかなきゃならない、この二つが大きな課題だというふうに思っておりますが、これは、掲げました以上、政府のこれを実現していくという一つの政策目標でなければならないというふうに思っております。ですから、このままほっておけばどうなるかということではなくて、それを実現するための政策というものをやはり打っていかないといけないというふうに思っている次第であります。

生方委員 こういうことを聞くのは、実は、厚生労働省が九九年に、厚生年金の加入者と国民年金の加入者を予想した数字を出しておりますね。このときに、二〇〇一年の厚生年金の加入者数を三千四百四十万人というふうに予想していたんですけれども、実際はそれよりも約三百万人少ない三千百五十八万人だった。一方、千八百万人というふうに予想していた国民年金の加入者が、実は四百万人多くなって二千二百七万人になった。たった二年ですよ、たった二年しかたたないでこれだけ大幅に加入者数の数値が違ってきているということになりますと、これが先に行けば、これ以外の、経済成長率や今もおっしゃいました出生率とか、そういうものもいろいろ違ってくるんじゃないかというふうな不安を持つのは、これは当然だと思うんですね。

 何でこんなたった二年でこれだけ変わってしまうということが予想できなかったのか。雇用の流動化というのはもう一九九九年のときからかなりわかっていたはずなのにこれほど間違えるというのは、この数字一つとってみても、厚生労働省の予想数値というのは余り当てにならないなというふうに思わざるを得ないんですけれども、いかがですか。

坂口国務大臣 それは少し中長期的に見なければいけないと思いますね。少し中長期的に見れば、今まで予測していた方向に戻るものもあるし、しかしそうはいかないものも中にはそれはあるかもしれません、予測でございますから。

 しかし、そこは私たちもでき得る限り将来の予測できるものの条件を整えて、そして予測しなければいけないというふうに思っておりますし、私たちも、今回出しましたものにつきましては、それなりの、これは政府全体としての今後の経済の動向、それは予測がありますから、そうしたものも参考にしながらこれは出しているわけでございます。

生方委員 しかし、たった二年で、総理、これだけ違っちゃうというのは、幾ら何でも設定の仕方自体が私はおかしいんじゃないかと思うんです。こんな、十万人、二十万人違うんならいいですけれども、三百万人少ないのと四百万人多いって、これだけたった二年で違っちゃうというのは、幾ら何でも余りにその設定自体が、そういう予想自体がおかしいんじゃないかというふうに、私はテレビを見ている方たちは思うと思うんですが、総理、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 専門家でもこれだけ予測が違ってくるんですからね。確かに予測は難しいと思います。しかし、現時点でできるだけいろいろな条件を考えながら予測するということもまた必要ではないか。これは必ず当たるということは、予測ですから、これもはっきり一〇〇%そうだとは言えないのが現実だと思っています。

生方委員 これは国民年金の加入者と厚生年金の加入者ですから、そんな、天気予報とか競馬の予想とは本当に違うので、ある程度、これは過去の数値から見れば、どれぐらいふえるのかというのは素人だってわかりますよ。(発言する者あり)いや、聞きましたけれども、これはちょっとひど過ぎるんじゃないかというふうに、まあいいです、それはもういいです。それは聞いてもしようがないというんだ。

 それでは、ちょっと質問を変えて質問したいというふうに思いますが、この厚生年金の加入者が大幅に減ったのは、先ほども申し上げましたように、今、雇用が非常に流動化して、正規の社員が減って、パートの方やフリーターの方がふえたからですね。坂口大臣、今度の改正でも、当初は、パートの方も厚生年金に加入できるようにしようじゃないかというふうになっていたんですが、パートの方をたくさん抱える流通業界とか企業の反対が多くて、結局、何だかんだ言って先送りになってしまったんではないかなというふうに思います。

 これは、企業の責任というのは、私はやはりあると思うんですね。年金がそもそも発生したヨーロッパでは、きちんと企業側が半分負担して、個人が半分負担するんだと。企業の社会的責任として、やはりこれは負担をするべきものだというふうに思うんですね。

 だから、これは、今度、パートがこれだけふえていて、その方たちの将来のことも考えれば、ぜひとも私はこの改革案に盛り込むべきだ、今からでも遅くはないんで盛り込むべきだというふうに思いますが、いかがですか。

坂口国務大臣 これは、いろいろの立場からの意見が実はあるわけです。私が一番予測をしなかったのは、現在パートで働いている皆さん方自身が反対されたこと。たくさんの署名が集まりまして、そして皆さん方が反対をされた。ほかにもたくさん理由はありますよ。だけれども、そうしたこともあって、今後、もう少しこのことはちゃんといろいろの角度から検討をしてやらなけりゃいけないというので、少し先送りをさせていただいたということでございます。

 これから先、この問題、また出てくるでしょう。しかし、この問題は、年金を個人年金化するかどうかといったようなこととも非常に大きな絡みがあるわけです。それをやろうというふうに思いますと、そうすると、女性の賃金は、それじゃ今の男女格差をそのままにしておいていいのかどうかという問題とまたかかわってくる。そうした問題を総合的に考えてこれはやらなければいけない問題だというふうに今思っている次第でございます。

生方委員 反対があったというのは私も存じております。これは三十時間のものを二十時間にするということになれば、企業側が時間数を減らしてしまうんじゃないかというおそれがあったということがあるというのは、それは承知をしておりますが、長い目で見れば、これは必ずパートの方とかフリーターの方がふえるわけですから、その方を年金の外に置くわけにいかないわけで、私は、五年後と言わずに、やはりいろいろな問題をすぐにでも解決して前向きに、五年後というふうに言わないで、いろいろな問題を一刻も早く解決して前向きに検討するべきだと思いますが、もう一度、いかがでございましょうか。

坂口国務大臣 議論は継続してこれはやりたいというふうに思っておりますから、継続的にやっていきたいと思っております。

生方委員 それから、国民の、若者の年金離れが進んでいるというふうに言われて、数字がいろいろ出ているんですけれども、三〇%から四〇%の方が実際年金を納めていないというふうにも言われておりますが、一体、今何人ぐらい国民年金を払っていないという人がいるんでしょうか。

坂口国務大臣 加入または納付をすべき者が三百九十万人でございますが、納付を要していない人が五百二十四万人、これは納付をする必要のない人でございます。必要がありますけれども払っていない人が約三百九十万人でございます。

生方委員 私が調べたところによると、これは納付額ですが、これは、二年に一遍でも納めていれば納めたということになるんですよね。だから、必ずしも今言った数値が、全員が納めているということにならないのでわかりづらいですから、額で言おうと思います。

 これでいいますと、一九九九年に保険料として納付すべき保険料の総額は二兆五千二百十九億円。それに対して、実際に納付された額は一兆八千七百六十六、差額六千四百四十二億円が一九九九年の段階で未納になっている。これが年々ふえていって、二〇〇二年度には一兆五百九十三億円というふうにふえているわけですね。

 これは、このまま若者の国民年金離れが進んでしまえば、今改革案を考えても、もうその土台そのものがだめになってしまうというふうに思うんですね。これはどのようにして若者の年金離れを食いとめようとしているのか。大臣、いかがですか。

坂口国務大臣 これは、理由はお聞きをいたしましてもさまざまでございます。それぞれの人によって、負担をしない、あるいは加入をしない、そういう理由がございますから、これは一概にはいきませんけれども、ここは、この年金制度というものの趣旨をよく御理解いただかないといけないというふうに思っております。

 働けない人にはそれなりに制度をつくってあるわけでありますから、働いていて、そして払わない人に対しましては、現在の皆さん方が自分たちだけのためにこれはしているわけではなくて、高齢者の皆さん方にも、高齢者の方のためにまず出してもらうものであること、そして、自分たちの将来にぜひ必要なものであるということをよく認識していただくように、これはきめ細かくやる以外にないんだろうというふうに一つは思っております。

 そして、ここはまた、入っていただきやすいような制度というものをつくり上げていかなければなりませんので、我々の方も、現在十割出していただいているところを、今まで給料の少ない人には、所得の少ない人には五〇%というのをつくっておりましたけれども、二五%、七五%というようなものをつくったりいたしまして、そしてどれかを選択してもらいやすいようにしていこうというふうに考えております。これは一つのやり方で、そして、ここを全部皆さん方に一つの理由で御理解をいただくということは大変難しいことだというふうに思っております。

生方委員 今の若い人たちは非常に合理的ですからね。自分が支払った年金がきちんと運用されていて、きちんと自分のところに戻ってくるのかどうかということで、私は、非常に敏感なんじゃないかというふうに思います。

 それで、次の問題に移らせていただきますが、昨日の新聞にも出ておりましたけれども、年金福祉施設というのがございますね。先ほども話に出ましたが、全国で二百六十五カ所ございますが、この実に九七%が赤字になっている。これは福祉施設という名前がついていますが、過日、同僚議員が質問をしましたように、大半はスポーツセンターや年金会館などという箱物になっている。これは、昔はこうした施設が不足していたので、厚生労働大臣もこの間お話しになっていますように、厚生年金の基金の方からそこに回したという時代があったというのは確かにあったというふうに思います。

 しかし、もうとっくに、自治体もたくさんつくっていますし、もちろん民間がたくさんこういう施設をつくるようになりましたので、本来の役割はもう終わってしまったというふうに思うんです。

 これはもう一兆五千六百九十七億円も投じられていて、今現在、これを全部売っちゃったとしても、多分一兆円にもならないだろうというふうなことが言われているわけで、もう既にここでも六千億円近い国民の損というのが出ているというふうに思うんですが、先ほどもちょっと厚生労働大臣お話をしていましたですが、この年金福祉施設、これをどうするのか。

 さっき、病院もあるので時間をかけてというふうにおっしゃっておりましたですけれども、これを基本的には売却をするのか。これは国有財産ですから売却をして、売ってしまって、それを買った人がそれをどうするのかということになるのか、あるいは、今のように公団に施設の運営というのを任せるというのを基本方針にするのか、これはどちらなんでしょうか。

坂口国務大臣 これは、正直なところ、いろいろのやり方はあるというふうに思いますが、年金につきましては、年金のこと以外にはもうやらない。すべてのものは、これは廃止をするか、あるいはそれは民間に譲渡をするか、あるいは売却をするか、地方自治体に持っていただくか、いろいろのことがあるというふうに思いますけれども、年金の中でこれをやっていくということはやめたい、こういうふうに思っております。

生方委員 私はこれからグリーンピアのことも聞くんですけれども、何で聞くのかというと、これで国民に大きな損害というんですか、損失を与えているわけですね。今言った年金の厚生施設だけでも、今申し上げましたように、一兆五千六百九十七億円という巨額の建設資金をかけて、今売れば恐らく一兆円にもならないだろうというような、ここでも損害が出ているわけですね。

 グリーンピアに至っては、もう何度もここで説明をされておりますが、一カ所百万坪という非常に大きな規模の施設をつくって、今現在三つ売れたんですね。三つ売れたところだけ見ますと、七十七億円でつくったものが三億一千万円で売れたり、非常に安くなってしまっているんですね。

 岩沼と二本松とそれから横浪という基地が売れて、岩沼の場合は、七十七億円でつくったものが三・一億円で売れた。それから二本松の場合は、八十億円でつくったものが三・一億円で売れた。それから横浪の場合は、二十七億円でつくったものが四・八億円で売れた。

 ほかのところも売りに出されているんですけれども、今のところ余りはかばかしくないということになりますと、ここでも、三千七百九十八億円もかけたにもかかわらず、そのほとんどが回収できないような形になっているというふうに指摘をしておきます。

 それからもう一つ、一番大きなものが、年金福祉事業団が運用し、二〇〇一年からは年金運用基金が運用している年金の積立金ですね。ここが、二〇〇二年度まで運用によって六兆七百十七億円の損害を出しているわけです。

 現在、運用でマイナス八・四%というふうになっているものを、二〇〇九年にはプラス四・五%で運用するというふうに言っているんですが、先ほどの予想もございますが、今度のことで、まさに厚生労働大臣が責任を持って運用するというふうになりますけれども、大臣も運用のプロではないわけで、本当にこれだけの実績を残すことができるのかどうかと国民は大いに疑問に思っているんでしょうけれども、いかがでございますか。

坂口国務大臣 今おっしゃいましたのは、それは株式に投入したところだけの話でございまして、積立金全体で見ますと、これは、例えば昭和六十一年以降、自主運用を始めた年でございますが、平成十四年までの間に、全体で見ると七十五兆円プラスを出しておるわけですよ。だから、全体としてこの年金の資金を減らしているわけでは決してありません。

 ただ、株式の運用におきまして、十三年、十四年で大きい赤字を出したということは事実でございます。しかし、平成十五年十二月まででございますけれども、十三年、十四年にマイナスになりましたものは取り返しているという状況にございます。

生方委員 時間がないので急いでちょっと説明をさせていただきたいと思いますが、年金資金運用基金での損害というのが、グリーンピアで三千七百九十八億円、資金運用で六兆七百十七億円。住宅融資というのがありますね、住宅資金を厚生年金から融資をした、これも九千三百二十億円のマイナスを出している。それから、今申し上げました福祉施設は、約一兆六千億かけてつくったにもかかわらず、恐らく今売れば一兆円になるだろうということで、これも六千億円のマイナスが出ているということで、年金運用基金で約八兆円の損害を私は国民に与えたというふうに思っております。

 この年金の資金は、御承知のように、財投に投じられているわけですね。財投で、今現在は、去年で百十二兆ですか、毎年二十兆円ずつ運用基金の方へ戻していって、平成二十年までにはこれがなくなるということでございますが、この間も財務大臣にお尋ねしましたが、財投の方は全く心配がないということですか。

谷垣国務大臣 はい。きちっとお返しいたしておりまして、心配はございません。

生方委員 これも、財投に関して企業会計を用いて試算をした学者の方がいらっしゃるんですね。

 それによって普通の企業会計と同じような査定をすると、学者の方二人が試算をしているんですけれども、これを見ますと、財投が運用されているのは、住宅金融公庫とか、先ほど話題になりました道路公団とか、年福事業団ももちろん入っているんですけれども、四十七特殊法人がございまして、債務超過に陥っているのがどれぐらいあるのかというのをこの人たちが調べたところ、例えば住宅金融公庫は、これは二〇〇〇年で彼らは試算をしているんですけれども、一兆三千九百十億円債務超過に陥っているんではないか、こういうような試算を細かくやっておりまして、全体で二十三兆円の債務超過ではないかというふうに試算をしております。

 それ以外に、政府から入っている政府出資金というのがある。この出資金の中でも、現在もう失われてしまったものが大体十二兆円あるというふうに言われておりますので、年福事業団の方は除きますから、除くと三十四兆円実際にはもう毀損しているんではないかというような指摘もなされておるんですが、いかがですか。

谷垣国務大臣 ちょっときょうは答弁資料が手元にございませんので、正確に御答弁できるかどうかわかりませんが、そういう試算があることは私も存じておりますけれども、例えば、そういう財投機関の中には、政府の補助金を入れて、例えば料金なんかを安くしたり利息を安くしたりしているものがございますが、そういうものが入っているがゆえに全部不良債権であるかのごとく位置づけて計算しておられる例とか、そういうのがございまして、私どもからすると、必ずしも正鵠を得たものではないというふうに考えております。

 それから、出資金とおっしゃったのは多分、例えばかつての宇宙開発事業団とか、ああいうところに入れました出資金だと思いますが、これは財投の金ではなくて一般会計から入っております。

 そして、むしろ宇宙開発事業団なんかの場合には、出資金という名前はついておりますが、どちらかというと補助金に近い性格のものでございまして、そういうもので研究開発に充てていただくというような形でございますので、ちょっとそういったあたりも精査をしていただかなければならない資料じゃないかというふうに私は考えております。

生方委員 結局、補助金として入ったものであっても、そこが債務超過に陥って最終的に民営化するとか廃止をされるとかいうような状況になれば、それは清算しなきゃいけないわけでしょう。だから、補助金として入ったものであっても、そこがマイナスになっていれば、結局、税金で賄われるということになるんじゃないですか。

谷垣国務大臣 それはそうです。それはそうですが、むしろ、当時の制度の仕組みとして、なかなか補助金として渡し切りのような形が難しかったものですから、出資金という形で扱われていたようなものがかなりあったというふうに記憶しております。

生方委員 だから、先ほども話題になりました国鉄の清算事業団ですね、このときも、一九九八年に最終処理が行われましたけれども、最終的には二十八兆円が国民負担になったわけですね。

 道路公団もこれから民営化して株式会社にするということですから、最終的に整理をされるんですけれども、これも債務超過ではないかというふうに指摘をされているわけですから、最終的に債務超過であれば、民営会社にするとき、政府がまたお金を出さなければいけないということになるんですよね。これは一兆とか二兆とかというお金をやはり出すことになるんですか、もし債務超過であれば。

谷垣国務大臣 最後、整理してそういうふうになればいろいろな手当てを講じなければならないのは事実ですけれども、現在まだそういうことを想定しているわけではございません。

 ただ、今おっしゃった旧国鉄ですとかあるいは本四公団のように、需要が当初の見込みを大幅に下回って、当初想定した以上の国民負担を求めることになった事例があるのは、これは過去、現実でございますので、やはりそれぞれの査定とかあるいは経営計画とかいうものを厳密にやっていかなきゃならない必要性があるのは、これはもう間違いないところであります。

生方委員 だから、財務大臣がおっしゃるように、財投に投じられているお金は心配ないということじゃないんですね。最終的には国民の税金で賄われるわけですから、心配はあるんですよ。これはやはり、少しでも債務超過にならないようにしていかなきゃいけない。

 だけれども、心配ないと言うと、何か国民は心配ないんかなというふうに思うんで、これは年金だって、ここに預けて運用されていて、三%の利息というのを約束していたわけですからね。その利息をまた補助金で補助するというようなこともあるわけですから、その辺は、国民の皆さんに、間違いがないように、財投であるんだから安心なんだというわけではないんですよということをやはり説明した方がいいと思います。

谷垣国務大臣 それは、財投だから安心ということはございませんけれども、一方で、先ほど委員がお挙げになりましたような、全部で何十兆債務超過に陥っているというような御議論もある中で、もちろん今は財投改革も進めておりますけれども、そういう財投改革を進めていくという前提のもとで、御心配はいただかなくて結構なことだ、こう申し上げているわけであります。

生方委員 年金基金にせよ、財投にせよ、これはもともと、もちろん国民の税金、国民が納めたものでございますから、きちんと運用してもらわなきゃ困る、きちんと管理をしてもらわなきゃ困る。

 さらに、もう一点、私は国民負担ということで指摘をしておかなければいけないのは、やはり銀行に投入された公的資金ですね。これも、先ごろ新生銀行が上場されて話題になりました。――先ほどの財政投融資の関係はこういうような関係になっております。

 今度は金融機関のことについてお話をしたいと思いますが、この間上場されて、八百二十五円ですか、大分大きな高値を生んで話題になりました新生銀行ですけれども、ここへは約八兆円の公的資金が投入をされている。それから、あおぞら銀行に対しても四兆八千五百九十三億円の公的資金が導入されている。りそな銀行、この間倒産しました足利銀行等約二百社に対して公的資金が三十七兆四千二百五十四億円、既に今投じられているんですね。

 このうち、既に金銭贈与しちゃってもうなくなっちゃった部分が十兆四千三百二十六億円もあるんですね。これ以外に、瑕疵担保条項がついていたり、債権を買い取ったりしたのをこれから売らなきゃいけませんから、それによって損が発生するということもあり得るわけで、もう既に十兆円ものお金がここでも失われてしまっている。

 総理にお伺いしたいんですけれども、先ほどの年金基金の運用についてもかなりの損害が出ている、額自体はいろいろな見方があるでしょうけれども、かなりの損害が出ている。それから、財政投融資についても、もう国鉄の債務処理のときだけだって二十八兆円の国民負担が生じている。それから、金融機関の公的資金の導入についても、既に十兆円以上の国民の損失が出ている。

 こういう損失に際して、どこも今まで、国民に損失を与えたからだれかが責任をとるということがなかったんですね。このことが、今度の年金改革だって、改革をしてもだれも責任をとらないから、この改革について信用できないという国民がかなりいるという証拠だというふうに私は思うんですよ。

 やはり政治はきちんと責任を明らかにすることだというふうに考えますが、総理、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 今までの御議論を聞いておりまして、この費用、財政負担をどこまでやって、財政負担がどのように国民に利益になり、あるいは負担になるか、極めて大事な問題なんです。今の財政投融資、財投の問題、それから、この年金資金運用のみならず、福祉施設とか住宅融資とか、この問題、これは、議論を聞いていけばいくほど、特殊法人、財投、郵政民営化、私の言っていたことがようやく理解されてきたのかなと。一連のつながる大改革なんです。

 年金資金運用も、私は、これを考えてみて、グリーンピアをつくるとなると、地方はほとんど歓迎しましたよ、当時。それから、住宅融資もそうですね。民間の融資よりも年金住宅融資の方が低利だと、みんな喜ぶんです。ところが、どこで負担しているのか。福祉施設もそうです。つくってくれるところは全部喜ぶ。

 それは、考えてみれば、年金資金運用も、これで本当に利益が上がるかどうかというと、まず普通に考えて利益が上がらないところばっかり。しかし、地方は必要だから、つくってくれると、当面金がない、地方も負担できない、民間はやってくれない、だから、つくってくれるというと、全部賛成しちゃうんですよ。ここが政治の難しいところ。やはり、どこで負担しているか、ようやく今あからさまになってきたということは、いいことなんです。

 資金運用の場合、話を聞いていると、株式運用というのは確かにリスクが伴うんです。しかし、だからといって、株式運用を一切やらないかとなると、これは利回り出てこないでしょう。(生方委員「私はそんなこと言っていない」と呼ぶ)この問題は大事なんです。株式運用はけしからぬと言って、では株式運用をやめますと言って国債だけに回すかというと、必ずしも予定した利回りは上がってこない。ここが難しいところなんです。長い目で見れば、年金資金運用というのは、資金運用というのは、ある程度株式を運用しないとこの利回りは上がってこない。だから、どの程度かという問題がこれから必ず出てきます。

 銀行の、金融機関分も、確かにこれだけ公的資金を投入していますけれども、では投入しなかった場合、足利銀行、これは公的資金投入しないでほっぽっておけ、これはもっと混乱が起こった。だから、これはある程度公的資金を投入して混乱を防ごうと。りそなもそうなんです。このままほっといていいかというと、そうじゃない。やっぱり混乱を防ぐためにどの程度の公的資金投入が必要かと。どっちかの問題なんです。

 極めて今の御指摘は重要な問題であります。だからこそ、今後、郵政民営化、財投改革、特殊法人改革、一連の改革をお互いやろうじゃないですか。

生方委員 今の問題は、基本的にはやはり、責任を持っていない方が天下りをして理事長についているからだ、ここが一番大きな問題だと思うんですね。だから、責任がきちんと明らかになっていないから、例えばグリーンピアだって、百万坪なんという必要がもともとなかったんですよ。私も一カ所視察に行きましたけれども、百万坪という土地を確保しなきゃいけないから、非常に遠いところへつくっちゃった。非常に遠いところにつくっちゃったから、結局、利用者がいなくなって、廃止せざるを得なくなった。

 だけど、総理、笑っていますけれども、これは国民の税金ですからね。その人たちが……(小泉内閣総理大臣「地元はみんな歓迎している」と呼ぶ)いや、地元が歓迎したって、それは政治の責任として、そんな無謀なことだったらやめさせるということができたはずなんですよ。総理だって厚生大臣やっておられたんですから、そのとき、厚生大臣のときにこんなのはやめろと言えたじゃないですか。

小泉内閣総理大臣 だから、私が何年か前に厚生大臣をしていたときに、やめろと言ったんですよ。そのとき、何でやめるのかと言って、みんな反対した。今、ようやくわかってきたんですよ。

生方委員 それでは、総理にお伺いしますけれども、総理、いいですか。

 今、郵政民営化のお話が出ました。経済財政諮問会議で、これから春にかけて中間報告をまとめようという段階になっておりますね。ここでもうちの菅代表が、では、総理が考える郵政民営化というのは一体どういう像なのかというふうに質問したとき、総理は、これからそれは論議してもらうんだからということで答えをしなかった。

 だけれども、総理は郵政民営化ということに対してはもう十年も前から言っているわけで、例えば、郵便貯金はどうする、簡易保険はどうする、郵便局はどうするという基本的な考え方を示さなければ、せっかく総理が民営化と言って、本当にひょっとしたら民営化されるというような状況になったとき、それを総理として、私はこういう民営化を目指しているんだということはもう今の段階では言うべきだというふうに思うんですね。たたき台が出されなければ論議のしようがないと思うんですよ。いかがでございますか。

小泉内閣総理大臣 いいことを聞いてくれました。

 まず、郵政民営化と言っているのは、賛成はほとんどなかったね、私が言うまで。与野党全部反対。先ほども、午前中の質問で郵政民営化反対論者が私に質問しました。これを郵政民営化するということに政治家では持ってくるまでいかに大変だったか。(発言する者あり)そうなんです、それはそうだと。そこで、今ようやく自由民主党も反対していたのが賛成に転じたんです。

 だから、これから、ことしの秋までに、どういう民営化案がいいかというのは、私は独断専行しないと言っているんです。これは大きいですよ。郵貯の問題、簡保の問題、流通の問題、財政投融資の問題、特殊法人の問題。これは構造改革、実に大きな改革だから、今後、ことしの秋までに、どういう民営化案がいいか、出します。そのためには各界各方面の意見を聞きます。

 それで、四月の末ごろには論点を整理して、まず、民営化しても経済活性化に資するような民営化案をつくらなきゃいかぬ。そして、今のこの官の分野の金融、官融、官の分野の金融は市場に融合するようなものにしていかなきゃならない。同時に、今の郵便局の資源、これは有効に活用できるように、国民がサービスを享受できるようにしていかなきゃならない。同時に、今二十八万人の郵政業務に携わっている公務員がいる。これはでかいですよ。外務省は五千人しかいないのに、二十八万人の公務員がいる。この公務員の身分とか職というものを考えなきゃいかぬ。

 こういうものについても十分考えなきゃならないから、私は独断専行ということはしません。各界各層の意見を聞いて、よりよい民営化案をことしの秋までにまとめて、来年の通常国会にはこの法案を出します。

生方委員 今のお話を聞いても、総理はもう十年も前から言っているんですよ。総理、何でその具体的な案が出ないんですか。私だったら、具体的な案を出して、これをたたき台にするべきだ。――いや、総理、もう時間がないから、時間がないからいいです、時間がないから。今言ったのは同じような話、もうさっきから同じような話をしているんですから。

 私が最後に言いたいのは、これだけの国民の負担、ちょっとさっきのパネル、これだけ損害をたくさん出しているわけですね。だれも責任をとってこないんですよ。ずうっとこれは自民党が政権を持ってきたわけですから、自民党にやはり責任をとってもらうしかないんですね。だからこれは、本当は総理が下野をして、済みませんでしたと。百兆円近い、九十一兆円もの国民に損害を与えてしまったのだから下野するべきだ、私はそう思うんですけれども、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 私が総理になったからこそこの問題が浮き出てきたんですよ。やらなきゃならない。これを改革するのが私の責任だと思っています。

生方委員 七月に参議院選挙がございます。九十一兆円の負担をかけられた国民が、だれも責任をとらない自民党政治でいいのかどうかという判断を七月にしていただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

笹川委員長 これにて石田君、達増君、古川君、生方君の質疑は終了いたしました。

 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 きょうは、ハンセン病問題にかかわって、小泉総理に質問いたします。

 今から三年前、熊本地方裁判所は、ハンセン病国家賠償請求訴訟において、国の強制隔離政策の人権侵害が、人として当然に持っているはずの人生のありとあらゆる発展可能性を大きく損なうものであり、憲法違反だと判決を下しました。

 その際、憲法に反するとされた条文の一つは、憲法十三条でした。憲法はこう定めています。「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

 この判決は、国の責任だけでなく、立法府の責任も問いました。私たちは、立法府として謝罪と反省を表明し、速やかな名誉回復と、救済等の立法措置をとることを誓いました。

 小泉総理も、この判決の際に、これを控訴せず、原告たちの長年にわたる苦難や苦痛に対して、政府として深く反省し、率直におわびを申し上げる、こういう談話を発表し、判決に服しました。そして国は、入所者への在園保障、医療と福祉の整備と拡充などに最大限の努力を払うことを原告団と基本合意書としてこれを交わしております。

 この間、熊本県のホテルで、ハンセン病療養所の入所者の方が宿泊を拒否されるという事件が起こったり、きょうはまた、日本の植民地支配のもとで強制隔離された韓国の皆さんが、日本政府にハンセン病での補償を求めて、それを要求して来日しております。

 熊本地裁の判決から三年たちますが、今、関係者の間では、本当に政府や厚生労働省は反省し謝罪しているんだろうか、差別や偏見の除去、それから、医療や福祉の整備、拡充に努めているのだろうか、そういう不安の声が上がっております。

 今、全国のハンセン病療養所では、入所者の高齢化に伴って、解決が求められるさまざまな問題が起きております。

 私は、一昨日、今週の月曜日ですけれども、群馬県にあります国立の療養所、栗生楽泉園を訪ねてまいりました。ここは、入居されている方の平均年齢が七十八・四歳という大変高い療養所ですけれども、入所者の皆さんから、これまで経験したことのないような危機的な事態が今起こっている、不安に震えているという声が上がっていました。

 私は、その結果も踏まえまして、きょうは、端的に二つの点を総理にお尋ねしたいと思います。

 まず第一。この栗生楽泉園では、生活上の介護を受ける方が大体半数です。これらの方々は不自由者棟というところにいらっしゃいますけれども、職員の皆さんはいろいろ頑張っていらっしゃいますが、何分人手が足りませんから、トイレの問題でも食事の問題でも薬を飲む問題でも、介護を頼もうとすることを我慢するような事態が起きているというんです。

 そして、今問題になっておりますのは、この介護に当たる職員の一割を超える方がこの三月末に定年で退職されるというんです。そして、それに対するきちんとした補充の措置がいまだに立っていない。これが不安の一つになっているんですね。私、恐らく全国のハンセン病の療養所には同様の問題が起きているように思うんです。

 そこで、総理にお尋ねしますが、やはり入所者に対する治療と看護、そして介護の体制を十分にとる、このことが熊本地裁判決に服した政府がとるべき責務じゃないでしょうか。この点をまず最初にお尋ねいたします。

坂口国務大臣 このハンセン病訴訟判決から三年が経過をいたしておりまして、この間、先ほどからお話ありますように、差別、偏見をどうなくしていくか、あるいはまた、それぞれの施設に対しまして、人手、人の問題、その他施設の問題等につきましても、できる限り皆さん方の御要望をお聞きしてきたつもりでございます。

 私も幾つか施設をお邪魔させていただきまして、そしてお話を伺いました。それぞれの施設によってお考えは違っております。例えば、看護師さんが欲しいというふうにおっしゃるところもあれば、あるいは介護をする人の方がいいというふうにおっしゃるところもある。これらのことを私たちはお聞きをして、そして、他の地域では人員を削減しているにもかかわらず、このハンセン病関係のところだけは増加をさせているという事実がございます。

 これからも、おやめになる人があれば、そこは、人が本当に足らないのであれば補充をするということは当然行っていきたいと思っております。

山口(富)委員 総理、今、坂口大臣が答弁しましたが、国の責務としてきちんとした体制をとるということをお約束していただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 たしか平成十三年の五月だったと思いますが、この国家賠償訴訟につきまして、控訴せず、全面解決を目指して決断したわけでございますが、その後の話し合いで、厚生労働省に対しましても、ハンセン病患者の皆さんあるいは元患者の皆さんと話し合いを行って、全面解決に向けた措置をしっかりするようにと督促しているところであります。

 今お話しの問題につきましても、いろいろまだ事務的な折衝で解決を見ていない問題もあります。しかし、鋭意解決を見るように引き続き督促をしていきたいと思っております。

山口(富)委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 私、二つ目にお尋ねしたいのは、配付資料の最後をごらんいただきたいんですけれども、一月二十八日付で楽泉園の園長が出している退去命令です。これは、三十年余りハンセン病の患者の夫と暮らしてきた足の不自由な妻に対して、夫が亡くなったということで、速やかに園外に退去しなさいと命令した文書です。

 私は、いろいろな経過と事情があったと聞いておりますが、しかし、強制隔離の政策のもとで、このお二人が大変な苦労の結婚生活を送られたということは、お互い想像にかたくないと思うんです。そういう長い苦労をされてきた方に、こういう形で退去命令を出す、こういうやり方は国は絶対認めるべきではない、これが総理が熊本地裁の判決を受け入れたときの精神だったはずです。

 私は、こういうやり方はやめる、このことを総理にはっきり答弁していただきたい。

坂口国務大臣 今初めてお聞きをする話でございますから、これはよく一遍調査をしなければいけませんけれども、この人はそうするとハンセン病であった人ではないんですね。その奥さんなんでしょうかね。一遍調査いたします。

山口(富)委員 総理の意見を。

小泉内閣総理大臣 今初めて伺ったものでありますので、よく調査して、しかるべき対応をしたいと思います。

山口(富)委員 私は、この問題は、退去命令などというやり方でなく、よく本人と話し合って、条件や意思を尊重して、国の責任で解決に当たっていただきたい。もう二十一世紀、八十歳に近い患者の皆さんが、本当に生きてきてよかったと思えるような施策を今こそきちんとやるのが、熊本地裁判決を受け入れた政府の責務だと思います。

 そのことを申し上げ、質問を終わります。

笹川委員長 これにて山口君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の熱心な年金論議の中で、だがしかし、最も聞こえてこない、そして一番まどろっこしく思っているのが、あのテレビの向こうの国民だと思います。国民にとって、どこに自分たちの声を上げればいいのか。国民不在の年金論議の中で、小泉首相にお伺い申し上げます。

 ここに、スウェーデンにございますオレンジの手紙をかいたポスターがございます。このオレンジの手紙というものは、スウェーデンでは、十八歳以上のすべての年金の被保険者に送られている手紙でございます。この文面は、この方のポイントが年々積み重なって、あなたはこれだけのポイントがありますよということを毎年レターでお届けするものです。

 小泉首相にお伺い申し上げます。

 こうしたオレンジの手紙、国民が自分の、国民の受給の現状を知る、権利を知る手紙についての御意見を、一点目、お伺いします。

小泉内閣総理大臣 そのスウェーデンのオレンジレターというものについては私は詳しくは知りませんが、今のお話だと、若い人たちが、自分たちの保険料を払うと老後にどのぐらいの給付がもらえるか、そういうレターでしょうか。

阿部委員 今の小泉首相の御意見のとおりで、特に、私は、日本の年金改革において、次いで坂口厚生労働大臣にお伺いいたしますが、若い人の国民年金の未納率が著しく平成八年から平成十四年までの間に上がっております。例えば二十歳から二十四歳は、完全納付率が、平成八年五一・四%でございましたのが、今や何と二八・〇%でございます。三分の一しか二十代の若者が国民年金を納めていない、あるいは納められない。そして、この論議の一番欠けたるところ、この若い世代がどうやって国民年金に関心を持つかということでございます。

 そこでお伺いいたします。

 厚生大臣、このオレンジの手紙、いかが思われますでしょうか。

坂口国務大臣 その内容につきましては十分に存じませんけれども、年金個人情報、これは日本も、今まで五十八歳以上でございましたけれども、五十五歳以上に引き下げをこの一月からしたところでございます。本年三月からは、年金の受給が近づいた方に対しましては、年金加入記録を送付したいというふうに思っております。

 それからさらに、今回の改正におきましては、特に若い世代の年金制度に対する理解を深めますために、信頼、安心を高めたい、そういうふうに思っておりまして、被保険者に保険料納付実績等の年金個人情報の定期的な通知を行いたいというふうに思っています。これはまさしくそのカードに匹敵するのではないかというふうに思います。また、被保険者個々人の保険料納付実績を点数化いたしまして表示をしますポイント制を導入するということも決定をしているところでございます。

阿部委員 私は、年金の抜本改革とは、常に後世代に負荷、負担を押しつけてきた年金問題を、どうやってその世代の信頼を得てつくり直すかにあると思います。五十五歳や五十八歳では遅過ぎる。今、二十歳代の若者、ここにどんなメッセージを送るかが先決と思います。

 最後に小泉首相、ブレア首相は、グリーンペーパーというものを国民に送り、一九九〇年代後半の年金改革について、国民にみずからの言葉でメッセージを伝えました。

 小泉首相はどうなさいますか。

小泉内閣総理大臣 今お話しのスウェーデンのオレンジレター、これはなかなかいいことだなと率直に感じております。詳細は存じませんが、このスウェーデンのオレンジレター、若い世代が自分たちの年金が将来どうなるのかということをよく理解していくためにも、参考にさせていただいて、今後、お互い支え合う若い人たちも理解を持ってもらうような年金制度を確立していきたい。参考にさせていただきたいと思います。

阿部委員 今の御答弁に期待して、年金に対する信頼が取り戻されることを願って、質問を終わらせていただきます。

笹川委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

笹川委員長 分科会設置の件についてお諮りいたします。

 平成十六年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府所管及び他の分科会の所管以外の事項

 第二分科会は、総務省所管

 第三分科会は、法務省、外務省、財務省所管

 第四分科会は、文部科学省所管

 第五分科会は、厚生労働省所管

 第六分科会は、農林水産省、環境省所管

 第七分科会は、経済産業省所管

 第八分科会は、国土交通省所管

以上のとおりとし、来る三月一日、二日の両日分科会審査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人及び会計検査院当局の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

笹川委員長 続いて、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 平成十六年度総予算審査のため、来る三月三日に参考人の出席を求めることとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、明二十六日午前九時から公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十八分散会


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