衆議院

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第12号 平成17年2月15日(火曜日)

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平成十七年二月十五日(火曜日)

    午前九時十一分開議

 出席委員

   委員長 甘利  明君

   理事 伊藤 公介君 理事 金子 一義君

   理事 渡海紀三朗君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 佐々木秀典君

   理事 島   聡君 理事 田中 慶秋君

   理事 石井 啓一君

      伊吹 文明君    石原 伸晃君

      植竹 繁雄君    尾身 幸次君

      大島 理森君    岡本 芳郎君

      奥野 信亮君    川上 義博君

      河村 建夫君    北川 知克君

      北村 直人君    小泉 龍司君

      後藤田正純君    佐藤  錬君

      菅原 一秀君    竹本 直一君

      玉沢徳一郎君    中馬 弘毅君

      津島 恭一君    津島 雄二君

      西川 京子君    根本  匠君

      萩野 浩基君    福田 康夫君

      二田 孝治君    村井  仁君

      森田  一君    石田 勝之君

      稲見 哲男君    岩國 哲人君

      生方 幸夫君    吉良 州司君

      小泉 俊明君    小宮山泰子君

      下条 みつ君    津川 祥吾君

      辻   惠君    中井  洽君

      中津川博郷君    中塚 一宏君

      長妻  昭君    橋本 清仁君

      原口 一博君    樋高  剛君

      古本伸一郎君    松木 謙公君

      吉田  治君    米澤  隆君

      佐藤 茂樹君    坂口  力君

      田端 正広君    石井 郁子君

      佐々木憲昭君    阿部 知子君

    …………………………………

   総務大臣         麻生 太郎君

   法務大臣         南野知惠子君

   外務大臣         町村 信孝君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       中山 成彬君

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   経済産業大臣       中川 昭一君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   環境大臣         小池百合子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     細田 博之君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 村田 吉隆君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)

   (郵政民営化担当)    竹中 平蔵君

   内閣府副大臣       七条  明君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   法務副大臣        滝   実君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   経済産業副大臣      小此木八郎君

   法務大臣政務官      富田 茂之君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   経済産業大臣政務官    山本 明彦君

   環境大臣政務官      能勢 和子君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久保 信保君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    横田 尤孝君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    麻生 光洋君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  三浦 正晴君

   政府参考人

   (外務省アジア大洋州局長)           佐々江賢一郎君

   政府参考人

   (外務省経済局長)    石川  薫君

   政府参考人

   (国税庁次長)      村上 喜堂君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         金森 越哉君

   政府参考人

   (社会保険庁次長)    小林 和弘君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  青柳 親房君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局消費経済部長)     半田  力君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   参考人

   (日本道路公団総裁)   近藤  剛君

   参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会委員長)       高橋 武生君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         河崎 広二君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十五日

 辞任         補欠選任

  石原 伸晃君     奥野 信亮君

  大島 理森君     北川 知克君

  河村 建夫君     竹本 直一君

  小泉 龍司君     菅原 一秀君

  津島 雄二君     津島 恭一君

  福田 康夫君     佐藤  錬君

  村井  仁君     岡本 芳郎君

  吉良 州司君     吉田  治君

  篠原  孝君     松木 謙公君

  辻   惠君     下条 みつ君

  中井  洽君     小宮山泰子君

  永田 寿康君     古本伸一郎君

  樋高  剛君     橋本 清仁君

  佐々木憲昭君     石井 郁子君

  照屋 寛徳君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     村井  仁君

  奥野 信亮君     石原 伸晃君

  北川 知克君     大島 理森君

  佐藤  錬君     福田 康夫君

  菅原 一秀君     小泉 龍司君

  竹本 直一君     川上 義博君

  津島 恭一君     津島 雄二君

  小宮山泰子君     中井  洽君

  下条 みつ君     稲見 哲男君

  橋本 清仁君     樋高  剛君

  古本伸一郎君     永田 寿康君

  松木 謙公君     篠原  孝君

  吉田  治君     吉良 州司君

  石井 郁子君     佐々木憲昭君

  阿部 知子君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  川上 義博君     河村 建夫君

  稲見 哲男君     辻   惠君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度一般会計予算

 平成十七年度特別会計予算

 平成十七年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

甘利委員長 これより会議を開きます。

 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、総務省自治行政局選挙部長久保信保君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省保護局長麻生光洋君、法務省入国管理局長三浦正晴君、外務省アジア大洋州局長佐々江賢一郎君、外務省経済局長石川薫君、国税庁次長村上喜堂君、文部科学省初等中等教育局長銭谷眞美君、文部科学省高等教育局私学部長金森越哉君、社会保険庁次長小林和弘君、社会保険庁運営部長青柳親房君、経済産業省大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省商務情報政策局消費経済部長半田力君、国土交通省道路局長谷口博昭君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

甘利委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北川知克君。

北川委員 おはようございます。自民党の北川知克でございます。

 予算委員会におきましての初めての質問になります。貴重な時間を与えていただきました先輩議員の方々に感謝を申し上げる次第であります。

 戦後六十年目の節目の年であります。今、憲法調査会等で憲法論議も行われておるわけでありますけれども、今国会、平成十七年度の予算を初め、郵政問題、介護保険制度、さまざまな政策が議論をされる予定になっております。今国会におきまして、今後の日本の将来の国のあるべき姿や目指すべき進路というものが見えてくるのではないかなという思いをいたしながら、平成十七年度の予算並びに政府の諸施策につきまして、基本的な質問をさせていただきます。

 まず、国民の皆様方から一番関心の高い、社会保障制度と言われております。我が国が今大変な財政状況、地方自治体も同じでありますけれども、国としては小さい政府を目指すということで、谷垣大臣、入りをはかりながら出るを制すということでこの財政課題に取り組んでいただいております。そして、尾辻厚生労働大臣には、今国会、介護保険を初めとするこういう社会保障制度の改革。私は、医療や介護、年金、生活保護、国民皆保険と言われるこういう保険制度を、やはり国と国民を結ぶ、国を統治する重要な機能を果たしていると思っております。

 その中においては、やはり国民の皆様方から信頼をされる社会保障制度を構築していくことが重要であろうと思いますし、国民の皆様方の理解と協力なくしてはこういう問題は解決をできない、納得をしていただけないのではないかなという思いをいたしております。

 この中で、国民の皆さん、昨年の年金の論議を見ましても、やはり一円でも出すのはどうか、そしていただけるものは一円でもいただきたい。要するに、大きい政府、そういう中で国民の皆様方の要求を満たしていただきたいというような思いがあるのではないかなと思っております。そして、片方では小さな政府を目指していく。こういう国民の皆様方の要望といいますか、欲する部分と国の政策というものが、この十数年、やはり財政状況が厳しい中、バランスを欠いてきているのではないかなという思いをいたしております。

 今後国民の皆様方にどのような形で協力を求めていかれるのか、具体的には難しいかもしれませんけれども、今国会、介護保険制度を通じて国民の皆様方にその辺のところをアピールしていかれると思いますが、まず、厚生労働大臣からその姿勢というものをお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いいたします。

尾辻国務大臣 急速な少子高齢化が進みます中で、今お話しのように、社会保障制度を持続可能で安定的なものとして、国民の将来に対する不安を解消していきますためには、年金、医療、介護、生活保護など、社会保障制度全般について一体的な改革をしていくことが必要でございます。今お話しのとおりであります。その際、我が国の社会保障制度は、自助と自立の精神を基本として、個人の責任や自助努力では対応しがたい難しいリスクに対して社会全体で支え合う制度として機能していることを踏まえつつ、自立支援と予防を今後の改革の大きな方向をあらわすキーワードとして取り組むことが一層重要であると考えております。

 いずれにいたしましても、少子高齢化など社会構造が変化していく中で、国民の安心と生活の安定を支えるセーフティーネットとして社会保障制度は重要な役割を果たすものでありますから、御指摘の自助、共助、公助の役割なども含めまして、社会保障の在り方に関する懇談会において幅広く御論議をいただいておりますので、その御論議も踏まえつつ、社会保障制度の一体的な見直しに取り組んでまいりたいと考えております。

北川委員 ありがとうございます。

 この社会保障制度、みずからの意思で生活設計を立てられる部分、そして、みずからの意思に関係なく年をとっていくといいますか、そういう部分もあるでしょうし、みずからの意思に関係なく疾病というものもあるでありましょう。そして、障害を受けたりもします。そして、小さい子供たちにとっては、みずからの意思でなく家庭や社会の枠組みの中で生きていかなければならないわけでありまして、そういうみずからの意思が関与できる部分とそうでない部分というものをしっかりすみ分けをした中で、片方においては保険料という自分がこれだけ負担をしているということが明確になる分野、そして、税という中で、幅広い中で論議をされて、その使途というものが全体の中で分配をされる、こういうものをしっかりとすみ分けしていくことが私は重要ではないかなと思っております。

 介護保険制度におきましても、サービスの提供をされてきておりますけれども、片方におきましては、国民の皆様方に、こういう制度はありますけれども必要になるまで使わないというような、こういう意識の改革というものですか、これも必要ではないかなという思いをいたしておりまして、政府もそのような立場に立って今後厚生労働行政を進めていただきたいと思っております。ぜひよろしくお願いをいたします。

 最後に一言、そのことに関しまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

尾辻国務大臣 お話しのとおりだと思っております。

 今お答えもいたしましたけれども、まず自助と自立の精神が基本である、そして公助、社会保険の部分を充実させて、さらに、これまた今お話がありましたけれども、個人の責任、自助努力で対応しがたいリスクに対してはセーフティーネットとしての社会保障を全体で考える。まさに自助、公助、この組み合わせをきっちりやっていくことが大事だと思っておりますので、この全体のバランスをしっかり考えてやっていきたい、こういうふうに思っております。

北川委員 ありがとうございます。どうぞ、尾辻大臣は退席していただいて結構でございます。

 続きまして、平成十七年度の予算等につきまして、谷垣財務大臣にもお聞きをしたいと思っております。

 公共事業等につきまして、なかなか厳しい財政状況、大型公共事業に対する国民の皆様方といいますか批判もあるわけでありますが、やはり将来の日本にとって重要な事業というものは推し進めていかなければならないと思っております。

 私は、小泉内閣になりまして、都市再生ということで都市の政策を充実されてこられまして、公共事業の予算が三大都市圏に多く割り振られてきたのかなという思いで調べさせていただきましたら、公共事業だけでありまして、三大都市圏のブロックだけの数値でありますけれども、参考までに配らせていただきましたこの資料、それほど、小泉さんになってからと従来とそして今と、変わっていない状況でありまして、これは一つは、政策等の中で規制の緩和をしながら民間の活力を生かして都市が再生をしてきている、こういう段階であろうと思っております。

 まだまだ中小企業、厳しい中でありますけれども、大阪などでは、週末になりますとファミレスやコンビニなんかもお客さんの方がたくさんおられるし、道路も込んできております。これは一つは、景気も回復をしてきているのかなという兆候があらわれておりますけれども、やはり地方と都市のバランスというものを今後考えながら公共事業というものを進めていただきたいと思っております。

 今年度、地元の関西国際空港、これへの予算というものもついたわけでありますけれども、私が政治にかかわってきた中で、アジアのハブ空港を目指すということで三本の滑走路が大事、こういう方向でこの関西新空港を着工された経緯があります。昨年、熊野古道が世界遺産にも指定をされております。そして、京都や奈良という文化の遺産もたくさんあります。外国の方々を日本へ、それこそビジット・ジャパンということで呼び寄せる重要なこの関西新空港であると思っておりますので、谷垣財務大臣からこの公共事業の必要な部分、そして今後の、財政状況の厳しい中ではありますけれども、公共事業等についての御所見をお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

谷垣国務大臣 小泉内閣になりましてから、平成十四年度以降の予算で見ますと、いわゆるシーリングで、公共事業関係費についてはマイナス一〇%、マイナス三%、マイナス三%、マイナス三%とやってまいりまして、来年度予算で、平成十七年度でいいますと、仕上がりマイナス三・六%となっております。こうなっておりますのは、一つは我が国の財政事情もある、それから社会資本整備の水準が上がってきたこと、それから公共投資水準が諸外国に比べて日本はかなり高いということがありました。

 そうしますと、今度は逆に重点化を図りませんと、満遍なくつけて総花的では済まないということで、やはり事業効率なんかを見ながらやらなきゃいかぬ。具体的には、三大都市圏の環状道路とか中枢国際港湾であるとか大都市圏拠点空港、こういう我が国の競争力に関係してくるところとか、あるいは民需を喚起する都市再生、こういう投資が推進できるようなところを重点化してやってまいりました。また、それぞれの地域で自主的に都市再生に取り組んでいただいておりますが、そういうためのまちづくり交付金、こういったところが重点化の対象であります。

 委員のおつくりになりました資料は、これは地方整備局ごとのブロックごとに分けられておりますので、必ずしも都市、地方というふうになるのかどうかと思いますが、具体例で申しますと、三大都市圏環状道路の整備では前年度一三・九%増、それから中枢国際港湾では三・四%、大都市圏拠点空港では二・二%増ということになっております。

 それから、公共事業に関しては、やはりコスト削減ということも大事でございまして、これは平成十五年度以降五年間で一五%コスト削減するということでやっておりますが、平成十五年度だけを見ましても、政府全体で五・五%、物価下落を含めますと六・七%コスト削減をやっている。そういう厳しい中でコスト削減しながら重点化していくというのが方向でございますので、今関空の二期工事についてお触れになりましたが、これも実はいろいろな議論があるわけでございますけれども、相当中身を厳しく精査しまして二期工事を認めたわけでございます。

 具体的には、関西にはいわゆる三空港問題というのがございまして、三つの空港をそれぞれどう重点化していくかという問題がございますので、伊丹空港の位置づけについて相当踏み込んだ見直しをやっていただいて、関西国際空港の利用促進のための地元支援もやっていただくということになりまして、二〇〇七年度の総発着回数は二本目の滑走路を必要とする十三万回程度と見込まれるということと、それから、事業費を必要不可欠なものに限定して大幅に削減するというようなことをやっていただいて、二期工事をスタートして二〇〇七年の限定供用を認めることにした。

 これは、確かに関西の中枢空港でございますから、効果を発揮して、ビジット・ジャパンと言われているようなものにも役立ってもらいたい、こんなふうに思っているところでございます。

北川委員 ありがとうございます。

 それと、今スーパー中枢港湾の話が出ましたけれども、二十四時間体制で税関業務といいますか通関業務にぜひ取り組んでいただきたいと思っております。

 次に、昨年来から三位一体の改革ということで、麻生総務大臣、大変御苦労いただいておりますけれども、今国会、施政方針演説の中で小泉総理が、引き続き市町村合併を推進するとともに、北海道が道州制に向けた先行的な取り組みとなるよう支援するということをおっしゃられましたけれども、三位一体の改革を含め、郵政の民営化もそうかもしれませんけれども、将来の道州制に向けての取り組みであるのかどうか、麻生大臣の御意見をお伺いできればと思います。

麻生国務大臣 今、町村合併が進んだ結果、就任いたしました一昨年の九月では三千百八十一あったものが、一月末でたしか二千三百三十三、さらに二月に入っても減っておりますので二千二百台になっていると存じますが、そういった形で町村合併は確実に進んでおります。

 同時に、これを将来的に地域主権をさらに進めて、いわゆる道州制、通常道州制と言われるものにしていけるのかどうか。これはかかって、今後その地域においてどういう形で一緒になった方がいいという意見になるかどうかというのは、今の段階ではいろいろ意見の分かれているところなんですが、九州は一つといっても、一つ一つが正しいというような意見もよく言われるところでもありますので、なかなか難しいと思っております。

 ただ、北海道の場合は既に道として一つになっておりますので、北海道の場合はもう少し事情が違うんだと思いますが、いずれにいたしましても、こういったものの精査をちょっとしてみる必要があるということで、第二十八次になります審議会、地方制度審議会において目下検討中の話題でありまして、ある程度地方に権限を移管すればするほどそういったことが論議されることになっていくとは存じます。

北川委員 これは、一つは国家統治といいますか、国の形まで決める分野でありますので、十分な政府としての議論を尽くしていただきたいと思っております。

 そして次に、今国会、郵政三事業の民営化ということで、竹中大臣、取り組んでいただいておりますけれども、私は先ほど来から小さな政府を目指すということで、ある意味におきましては、国民の皆さん方から、国というものがある中で、郵便貯金、簡保という中でお金を預けられておりまして、それを国が運営するという形であります。しかし、民営化ということになれば、一人一人が自己の責任、自己責任でその資産を運用するということであると思っております。みずからが選ぶ銀行に預けたり、みずからが証券を買ったり、そしてほかの国の債券を買ったり、いろいろな形で金融というものが流通をするのでありましょうけれども、そういう自己責任の社会に向いていくことに関するこの郵政民営化の問題。

 そして、ある面から見れば、明治以来百三十年続いてきた制度でありまして、先ほど来から申し上げておりますけれども、国家を統治していく一つの機能を果たしてきたのではないか。お金で国と国民の皆様方から結ばれてきた、こういう目に見えない信頼関係があったのではないかなと思っております。それを断ち切るということであれば、それにかわる信頼関係をどのようなもので構築されていかれるのか。

 先ほど申し上げました、社会保障制度を充実していくんだということであれば、そういう方向でありましょうし、そして、私は、教育の中で国民の皆様方の意識の改革をしていかなければ、こういう三位一体の改革や小泉内閣の改革というものも成功しないと思っておりますので、小さいときからの教育が大事ではないか。小泉さんも米百俵の話をされました。教育がやはり重要であろうと思っております。

 そういう点につきまして、今回の郵政三事業の民営化、党内にも、このまま公社化でいいのではないかというような意見もあります。その点につきまして、大臣の御所見をお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

竹中国務大臣 北川委員からは、郵政の民営化に関連しまして、その根底にある、社会をどのようにつくっていくかという大変重要な御指摘をいただいたと思っております。小さな政府というお言葉をお使いいただきましたが、これは総理の演説にもございましたように、小さな政府をつくっていくための行政改革としてこの郵政民営化は不可欠の改革であるというふうに私も強く思っているところでございます。

 そうした中で、市場のメカニズムを活用するという意味では、自己責任の重要性というのはやはり高まってまいります。委員のお尋ねは、いわばそうした意味での社会的な、一つの統治機構としての郵政が果たしてきた大きな役割について、もっと全体について考えるべきではないかという御指摘は、私もまさにそのとおりであろうかと思います。

 小さな政府をつくる以上、それをカバーするような、一種のセーフティーネットのようなものはどうしても必要になってまいります。それは、やはり国民一人一人がしっかり自覚を持つという意味での教育、これは御指摘のとおり必要であるというふうに思いますし、例えばでありますけれども、公的な機能を民間が担えるような仕組みをつくっていくというような意味での、例えば寄附の税制の仕組み、NPOの役割の増強、そういうものがセットになっていく必要があるというふうに私自身も考えております。

 当面、この郵政そのものに関しては、引き続き大変重要な社会的な機能を担っていただかなければいけないというふうに思っておりますので、例えば、これは第三種郵便、第四種郵便の制度等々をしっかりと、必要なものを続けていただくというような制度でありますとか、地域貢献、社会貢献をしっかりと続けていただくような制度というのは、これは私も大変重要だと思っておりますので、そのようなことが可能になるような方向で、まさに国民のためになる郵政改革をしっかりと進めていきたいと思っているところでございます。

北川委員 ありがとうございます。

 百三十年来の、言ってみれば大きな社会実験になろうと思います。きっちりとしたセーフティーネット、そして政府として、やはり議会制民主主義の原点に立ち返って、与党との協議を十分していただいた中でこの法案を提出し、成立を目指していただきたいと思いますので、この点に関しまして、もう一度竹中大臣の御所見をお伺いできればと思います。

竹中国務大臣 今委員から御指摘がありましたように、まさに政府・与党一体となって、しっかりとした、真に国民のためになる、長期の評価にたえるような改革にするために、与党とはしっかりと協議を重ねて、一体となった、しっかりとしたよい改革を目指していきたい、真摯に協議を続けたいと思っております。

北川委員 ありがとうございます。

 この四月からペイオフも始まりますし、国民の皆様方の大事な懐でありますから、金融不安の起きないような形で、しっかりした制度設計をしていただきたいと思います。いつごろまでの目安というのは、今後党内との協調であろうと思っております。

 それでは最後に、きのう大阪の寝屋川市で、小学校における殺傷事件が起きました。私の選挙区といいますか、私が住んでおります自宅のすぐ目と鼻の先といいますか、それこそ校庭が見えるところの小学校で起きました。大変痛ましいなという思いと同時に、言いようのない憤りを感じております。社会もここまで来たのかなという思いもいたしておりますし、こういう事件が一刻も早くなくなるというか少なくしていかなければならない。これも国の責任でありましょうし、きょうは、今、国家公安委員長、法務大臣もお見えになりましたけれども、国として取り組まなければならない重要な施策であります。

 しかし、根底には、やはりこれは社会全体、家庭や学校、すべての教育が問題ではないかなと思っております。ニートと言われる部分、やはりこれは子供を育てていく上においての家庭の問題ではないかなと思っております。社会が教育の中にどのように関与をしていくのか。こういう点は、今回ゆとり教育の見直しを言われております。頭に物事だけを詰め込む。読み書きそろばんと言われる大事な部分であります。しかし、それ以前に、人としてどのようにあるべきか、そして国家とはどのようなものか、人生とはどのようなものか、こういうことをしっかりと教育の中で子供たちにまた教えてもいかなければならないと思っております。これが道徳の教育でもあり、しつけの教育にもなると思っております。

 こういう点をかんがみながら、今回犠牲になられた方々には、文部科学省として、主管庁でありますから、十分な配慮、取り組みをしていただきたいと思うと同時に、学校現場に対しましても、教育の現場で、義務教育の現場で起きた事件であります。ぜひとも文部科学省も、この点を踏まえながらこの事件に積極的に取り組んでいただいて、今後の教育改革の一環の中で、一つの分野といいますか一つの出来事として参考にしていただきながら、中山文部大臣も文部科学行政に取り組んでいただきたいと思っております。

 この点も踏まえましての今後の我が国の教育のあり方、先ほど申し上げましたけれども、国の根幹をなす部分であります。ぜひともその点を、大臣に御所見をお伺いできればと思いますが、よろしくお願いいたします。

中山国務大臣 今回の事件、北川委員のお地元ということで、いろいろと御心配をいただいておるところでございますが、こういった事件は、決して許されない、また起こってはならない事件だ、こう思うわけでございまして、亡くなった方の御冥福をお祈りいたしたいと思いますし、また、けがをされた方にもお見舞い申し上げたいと思っております。

 大阪の平成十三年の例の池田小学校の事件がありましたから、特に大阪におきましては、各小学校で本当に安全管理についてはいろいろな取り組みをやっていただいているんですけれども、その中で起こった事件でございまして、どういうふうにこれを防いでいったらいいのか、非常に難しい問題でございますけれども、早朝、文科省からも担当官を派遣しまして、まずは実態の把握に努めて、今後どうしたらいいのか。いろいろと、安全マニュアルをつくったり、学校運営についてのいろいろな訓練だとかをやったり、あるいは防犯ベルとか監視カメラを設置したり、いろいろやっているんですけれども、なお一層、本当に子供たちを預かっている大事な施設でございますから、安全管理に一層努めてまいりたいと思っております。

 それから、今後の教育でございますが、まさに北川委員がおっしゃったように、自立といいますか、自立した人間が求められているわけでありますけれども、やはり子供たちに、自分一人では生きていけないんだ、国、社会とのかかわりの中で自分が生きていく、そしてその中で、自分の役割といいますか責任もあるんだよということも教えながら、なおかつ、どういう時代になっても生き抜いていけるような、そういうたくましい青少年、子供たちをいかに育成していくかということに眼目を置いた教育をやっていきたい、このように考えております。

北川委員 ありがとうございます。

 昨年来からの三位一体の改革の中で、義務教育費の国庫負担問題もあります。私は、財政論議だけでこの教育の問題というものは語られてはならないと思っております。国としてどのように教育の根幹にかかわっていくのか。義務教育、特に小さいときからの教育であります。そして、地方自治体がどのように関与をしていくのか。このことをしっかりと精査された中で義務教育費の問題というものが論じられるべきであろうと思っております。

 まず財政ありきではなく国の形、それぞれの地方によって地域性もありますし、人のつながりもありますし、長い間の歴史というものもあるわけでありますから、そういう点も踏まえた中での今後の、麻生総務大臣、谷垣大臣おられますけれども、財政や三位一体の改革、そして教育、きょう御出席いただいておりませんけれども、すべての小泉内閣の閣僚の皆様方、連動をしている問題であろうと思っております。

 郵政の三事業も、共済年金からいずれは厚生年金に移るでありましょう。年金の問題とも連動をしております。すべての問題が重要課題であると思っておりますし、今国会、各閣僚の皆様方、小泉内閣の皆様方には、その点を十分考えていただいて諸課題に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 まことにありがとうございました。

甘利委員長 これにて北川君の質疑は終了いたしました。

 次に、石田勝之君。

石田(勝)委員 民主党の石田勝之でございます。

 私は、去る二月の三日、基本的質疑において質問の機会をいただきまして、その際、道路公団の民営化の進捗状況、また、ファミリー会社七十七社の天下りの状況、そして、これらについては道路公団との間で質問通告、例えばこのときは、法務省、あるいは総務省、それから金融庁、文科省、そういった形で質問通告をさせていただいたわけでありますが、私は、前日の三時から六時にわたって、民主党の方では、政務官とかそういうのに質問取りやらせろ、こういうようなことでありますが、レクという形で各省庁の方に来ていただいて、質問通告をいたしました。

 法務省なんというのは、もう十人以上、私の部屋に入り切れないぐらいの迎撃態勢を備えて質問通告に来られたわけでありまして、私も、野党ですからいろいろとり方はありますが、時間をかけて懇切丁寧に、こういう形で質問しますよ、こういう形で質問しますよということで、一項目一項目、私は質問通告を誠意を持ってしたわけであります。

 そして、道路公団につきましては、その質問日の前日のさらにその四、五日前にも約一時間ほど来ていただいて、道路公団の資料等々も出していただいて質問に入ったわけでありまして、私としては、何ら質問通告なしにいきなり道路公団の総裁に国会に来ていただいて質問したわけでもなし、その前に二度にわたる、総裁ではありませんが、総裁のところの事務方の方に、それでも五、六人来られていましたよ、懇切丁寧に質問をしたわけであります。

 私は、道路公団の民営化というものを打ち出した以上は、これはやはり国民の期待にこたえられるような、そういった形にすべきだというふうなことも含めて、今日までの道路公団のあり方等々も含めて誠意を持って質問したわけでありますし、当然、道路公団総裁は、私のそういう誠意ある質問通告に従って、まさか質問内容をはぐらかして、すりかえて答弁をされるということは、私はみじんも思っていなかったわけであります。

 そこで、私は、この前のこの予算委員会における議論の中の議事録等々にも従いながら、総裁の姿勢をまずただしていきたいなというふうに思っているわけであります。

 議事録の資料に基づいて、平成十四年八月からことしの一月まで、公団OBで代表権を持った役員が三十二人ふえたことを、私は公団からの資料をもって指摘をしたわけであります。

 ところが、近藤総裁はその際、私は十四年八月からの資料をもって、総裁のところにもその資料が行っていたわけでありますし、当日はテレビ中継がありましたからここにパネルまであったんですね。パネルも平成十四年八月と書いてあって、お手元にもその資料が行っていたにもかかわらず、総裁はわざと、十五年八月以降の公団からの天下りはありませんと、十四年八月からを十五年と年月をずらして関係ない答弁をされておったわけでありまして、こそくなごまかしの答弁に終始したわけであります。

 しかし、私は、道路公団作成の資料に基づき、そのパネルを示しながら議事録を読み上げて、では、この三十二人の内訳はどうなんですか、三十二人のと。そうしましたら、あなたの答えは、御指摘の三十二名でございますが、そのうち公団から就職した人間はおりませんと、議事録、こういうふうにはっきりお答えになったわけであります。

 ところが、翌日、自民党の委員、翌日どういう質問をすると事前にペーパーが配られるわけでありますが、そのペーパーにも道路公団のドの字も入っていなく、質問通告はなかったわけであります。ただ、議員の発言ですから、それは許された範囲で発言するのは結構なことだろうと思いますが、質問通告にも全くなく自民党の議員が突然質問されまして、その自民党の委員の質問に対しては、先生の言われた三十二名につきましては、それは自民党の委員ですね、先生の言われた三十二名につきましては、もともと、石田先生が資料にて御指摘なさっておられたとおり、公団の出身者でございますと答弁されたんですね。

 私には一度、三十二名について公団から就職した人間はおりませんと答えておいて、翌日は三十二名すべて公団の出身者だと答える、これ、虚偽答弁と言わずして何答弁と言うんですか。総裁、お答えください。

近藤参考人 お答えをいたします。

 二月三日の予算委員会におきまして、石田委員から、当公団のいわゆるファミリー企業に関しまして、公団出身の社長以外の代表者が平成十四年八月末から平成十七年一月二十七日までの間に三十二名ふえたこととその内訳について、資料を御提示いただきながら御質問がございました。これに対しまして、私は、この三十二名全員が公団出身者であるということを前提にお答えしたつもりでございました。

 しかし、これにつきまして、翌日の四日の予算委員会におきまして再度説明の機会をちょうだいいたしましたので、私の真意を改めて御説明するとともに、私の答弁の言葉足らずにより誤解を与えたといたしましたら、私としては大変残念なことでございますので、おわびを申し上げた、そういうことでございます。

石田(勝)委員 公団出身者が前提で私に答えたと今おっしゃったんですけれども、私には、御指摘の三十二名でございますが、このうち公団からの就職した人間はおりませんとはっきり答えているんですよ。出身者が前提で答えた話とは違うんじゃないですか。だから、虚偽答弁でしょうと言っているんだよ。

近藤参考人 石田委員から御質問がございましたその御質問は、公団から新たに来た役員は何人ですか、そのような御質問でありましたので、公団OBの役員就任は、平成十五年度以降ゼロでございます、そのように答えさせていただいたわけであります。その延長線上での答弁でございます。

石田(勝)委員 私は、公団からの資料、この皆さん方の資料、お配りしてありますが、これは公団からいただいた資料なんですよ。ここに、平成十七年一月二十七日現在、平成十四年八月から、こう書いてあって、増減プラス三十二と書いてあるんですね。これを総裁に示して、これは道路公団から来た資料なんですよ、まして、当日ここにテレビがあって、テレビのパネルで私は、ここの、この部分の三十二人についてということで、指をさして、この三十二人についてお答えくださいということを言ったんですよ。

 それから、私は先ほどから質問通告云々ということを盛んに言っていますが、二度にわたって道路公団の方に私の部屋に来ていただいて、この質問について、何人ですかということを聞いているんです。それで、これは公団出身なんですということまで答弁として受けているんですよ、そのレクチャーの中で。それで私は、総裁が、いや、それは、公団出身者はおりませんということを言い切ったわけで、私の誤解でもなければ何でもないんです、これ。これは総裁が虚偽の答弁をしたんですよ。だから、それは明らかに認めなさいよ。

 だって、私はぴしっと質問通告もして、質問通告の内容でもこれは言ったし、パネルでも示して、資料でも出して、ここの三十二名のところを探して、私は総裁に、ここの三十二名は、十七人のほかの十五人は何なんですか、こう聞いたわけですから、その前からの質問通告のやりとりからあるわけですよね。

 それらを考えれば、私はここを示して、三十二人は何なんですかということを示したんですから、十四年八月から十七年一月の二十七日までと言っているわけですね。にもかかわらず、近藤総裁は、十五年からと自分で勝手にすりかえて、そこへ来て答弁しているんだよね。

 全くこれは、誠意をもって、金子理事、私は質問通告しているわけですよ、丁寧に。委員長。それで、誠意をもって質問通告に応じて、それできちっと答弁が返ってこない。まあ後で委員長のことも言いますが、それは国会のルールからして、あなたのやったことは……(発言する者あり)今だましということが出ましたが、本当にだましですよ、それは。テレビの中継だけを何とか乗り切っちゃおう、こういうふうなことじゃないですか。違いますか。はっきり答えなさいよ。

近藤参考人 改めてまた御答弁申し上げますが、当日は、三十二名、公団出身者であることということを前提にして私はお答えをしたつもりでございます。新たに公団から就任をした役員はその中にはいない、そういう趣旨でお答えをしたつもりでございました。

 しかし、先ほどもお話しいたしましたように、これにつきましてもし誤解があるといたしましたら、大変私の本意ではございません。したがいまして、その点につきまして翌日おわびを申し上げたわけでございます。

石田(勝)委員 いや、これは私は、公団の答弁の中で前提だなんて話は一言も出てこないですよ。前提だなんて全然出てこないですよ。私は、図を示して、それで十四年八月から十七年の一月の二十七日までということではっきり言っているでしょう。それは誤解じゃないんですよ。だから、それは明らかに虚偽答弁なんです。それははっきり答えなさい。

近藤参考人 改めてお答えいたしますが、当日は先生から、三十二名、公団からの出身者である、そのように資料を配付された上での御質問でございました。したがって、それを前提にして私はお答えをしたわけでございますが、ただ、その点、先生の御質問を再度繰り返すとか、いろいろと誤解を避ける工夫もしていたらよかったなと後ほど反省をいたしたわけでございます。

 したがいまして、その点につきまして、改めておわびを申し上げたのが四日でございました。

 よろしく委員の御理解をいただきたい、そのように存じております。

石田(勝)委員 おわびというのは、この前の私に対するおわびじゃなくて、この委員会でおわびをする。それも、甘利委員長の公正公平な委員長運営、時々違うときもあるようですが、委員長の公平公正な運営の中で、委員長から近藤総裁に、陳謝しなさいと言われたんですよ、あなた。(発言する者あり)いやいや、ちょっと待って、ちょっと黙ってください。陳謝しなさいと言われたんです。それであなたは、そこまでのいろいろ、ああだのこうだの、ああだのこうだの言いわけを言いながら、最後におわびととれるようなことを自民党の委員の質問の中でおっしゃったですよね。(発言する者あり)いや、この前の話。

 それで、近藤総裁、少なくとも、近藤さんも以前は参議院議員を二年お務めになったわけですよね。二年お務めになって、国会のやはり権威、予算委員会の権威というのは御存じだと思うんです。それで、予算委員会の席で委員長から陳謝しろと。こういう大醜態を演じたことについて、あなたはどう思いますか。

近藤参考人 先ほども申し上げましたように、万が一誤解を生じたのであれば、大変申しわけないと思っておりまして、その点につきましておわびを申し上げたということでございます。

石田(勝)委員 いやいや、国会の場で、あなたも参議院議員を二年お務めになって、委員長から陳謝をしろと言われて、そして渋々、いろいろ言いわけを交えながら陳謝をした、そういう大醜態を演じたということについて、どう総裁として責任を感じておられるかということを聞いているんです。

近藤参考人 再度御説明し、そして、誤解を与えたのであれば、それに対しておわびを申し上げる、そのような機会を委員長からいただいたこと、私は感謝をいたしております。

石田(勝)委員 だから、委員長に注意を促されたということは、これは恥ずべきことなんですよ。これだけはきちっと指摘をしておきたいというふうに思います。

 さて、こちらが誠実に質問通告をしていて、道路公団の作成された資料に基づいて質問しているのに、総裁は、十四年八月からという話を十五年からとわざわざ時間をずらして答えようとしていたわけであります。

 総裁が十五年以降はと盛んにおっしゃるわけでありますので、私は、十五年度からの天下りの資料を再度、道路公団に作成をさせたわけであります。これが資料の二番目なのでありますが、すると、十四年八月以降に公団OBで代表者に就任した三十二人のうち、何と三十一人が平成十五年四月以降であるという資料が提出されてきました。あなたの公団の事務方から、ちゃんとほら、道路公団、二月の四日作成と書いてあるんですよ。あなたが言うとおり、平成十五年以降、新たに公団からファミリー企業にいきなり役員に天下った人はいない。

 しかし、十五年度に日本道路公団を退職しファミリー企業に就職した者は百二十四人。これは公団から出てきた数字でありますが、間違いありませんか。

近藤参考人 公団を退職しファミリー企業へ就職した職員の人数についてのお尋ねでございました。

 平成十五年度行政コスト計算書上の子会社、関連会社、そのうち、二社は既に解散をしておりますので、残る七十五社につきまして確認をさせていただきました。平成十五年三月二十五日以降に公団を退職し、子会社、関連会社の社員に就職した者の人数は、ことしの二月二日現在で百二十四人だと承知をしております。

石田(勝)委員 役員以外で天下って、内部昇格と称して一年後にどんどん役員に昇格をする。役員はさらに代表取締役にする。以前に天下った人は、社長から代表取締役副社長になったり、また逆に、常務から代表取締役副社長になったり。これじゃ、まるで偽装天下りというふうに思うんです。たちが悪い。

 近藤総裁、あなたは、これは十五年以降のことなんですが、これらを黙認しているんですか。どうなんでしょうか。

近藤参考人 委員が言われました百二十四人のうち、新たに役員に就任したという御指摘がございましたが、その事実はございません。先日もお話しいたしましたように、平成十五年度以降、公団を退職した役職員で役員に就任をした者はおりません。

 また、公団を退職して関連会社の社員に就職をする、できるだけ私は自覚を促してまいりたいと存じておりますが、しかし、これは本人の職業の選択にもかかわる、基本的人権にもかかわることでございます。私といたしましては、できるだけ自覚をしてほしい、そのようには申しておりますが、それ以上、手段がございません。

石田(勝)委員 いや、私が聞いているのは、百二十四人ということはお認めになったわけでありますが、それが役員以外で天下って、公団をやめた人が役員以外で内部昇格と称して、一年後とか半年後とかあるいは二年後とか、それが代表取締役になったり代表取締役副社長になったりする。最初は役員じゃなくても、それからいることによって何カ月か何年かすると役員に上がってくる、そういうケースはあるんですよ。だから、これをあなたが自重を促していると言っても、これは黙認しているとしか思えないんですよね。そうじゃないですか。

近藤参考人 いわゆるファミリー企業につきましては、公団が株を持っているということでもございません。また、法的な指揮監督の権限も責任もございません。そういう中にありまして私ができることは、役職員の自覚を促すことだけでございます。これからも、ぜひ私の真意を酌み取っていただいて、役職員には今後誤解のないような行動をとっていただきたい、そのように期待をしているところでございます。

石田(勝)委員 それでは、角度を変えて、これもきのう質問通告しておきましたが、代表取締役副社長とか代表取締役常務とかの肩書を持つ公団OBのうち、五人についてはその上の代表取締役社長が空席のままの会社があります。これは事実上、この副社長とか常務とかが経営のトップだというふうに思いますが、その点、いかがなんですか。

近藤参考人 いずれも公団出身者が代表取締役に就任をしていると承知をしております。

石田(勝)委員 いや、代表取締役社長がいないんですよ、いない。これはおたくから来た資料で、例えば、南九州道路サービスとか、日本ハイウェイ・パトロールとか、株式会社エフディイーとか、株式会社東関東、それからケイケイエム株式会社、これは代表取締役社長がいないんです。

近藤参考人 代表取締役社長は空席であることは委員御指摘のとおりでございます。そのほかの代表取締役の役職についている、そういうことでございます。

石田(勝)委員 いや、私は、要するに、代表取締役が空席の、いわゆる社長のいない会社が五社ありますねということを申し上げたんで、それは五社ですとお答えいただければよかったわけです。それはないと言うから、私が具体的に今会社名を言って、申し上げたわけであります。

 先日公団から提出された資料に、公団出身の社長数が六十人から十七に減ったと記載されていましたが、実質的には、まだ、ファミリー企業七十七社のうち二十二社で公団OBがトップに君臨しているわけです。

 これはどうするんですか。扇大臣が言い出してもう二年以上たつんです。あなたはこういうことを改革するために道路公団の総裁になったんだと思う。あなたの意気込みも、この前予算委員会で、私はたしか国交委員会の議事録を引用しながら言ったわけでありますが、実際に公団OBがトップに君臨しているのが二十二社もある。

 これらの改革についてどう考えていらっしゃるんですか。

近藤参考人 代表取締役あるいは代表取締役社長、そのいずれかを問わず、公団OBが経営の中枢にいまだ存在しているということにつきましては、私は大変不本意に思っております。

 ただ、先日もお話しいたしましたように、我々は、株主でもなければ、法的な指導権限あるいは責任を持っている立場でもございません。したがって、私どもができることは、自覚を促す、そしていわゆるファミリー企業の皆様方に我々の真意を理解していただく、そういうことでございます。

 またことしも株主総会の日程が迫ってきているわけでございます。ぜひこの機会に抜本的に改めていただきたい、そのように強く私としてはこれからも働きかけをしていきたいと思いますし、また、そのような結果になることを期待しております。

石田(勝)委員 それでは、ファミリー企業に東日本道路サービスというのと、それから、後株か前株か知りませんが東友という会社があります。ここはどちらも代表取締役専務としてTさんという方が、これは北陸の方の副支社長をお務めになったわけでありますが、この方が、平成十六年六月現在で、連結決算を私調べたわけでありますが、このファミリー企業の東日本道路サービスと東友と、どちらの方の会社にも専務として、代表取締役専務として二社兼任しているんですよね。二社兼任をされておって、それでその後、最近一社は退職されたというふうに聞いておりますが、少なくとも去年の六月までは代表取締役専務というのをこのTさんという方が、これ、要職を一人で二社兼務していたんですよ。その点について御答弁をいただきたいと思います。

近藤参考人 委員御指摘の具体的な事例におけます兼務の実態とその理由につきましては、私は具体的に承知をしておりません。

 しかし、一般論で申し上げますと、代表取締役数社兼任をするということは民間企業でもあり得ないことではない、そのように思っております。ただ、ファミリー企業間にありましてそのようなことがあったということにつきまして、これから必要であれば調査はさせていただきたい、そのように思っております。

石田(勝)委員 いや、必要であれば調査じゃなくて、これは私、きのう調べてちゃんとおたくの方から回答をもらってあるんですよ、これは事実なんです。

 それで、確かに近藤総裁おっしゃるように、民間会社ではそういうケースがある場合があるでしょう。しかし、改革すると言っているのに、ファミリー会社を、これ、道路公団の天下りをなくそうといって取り決めがあってやっているにもかかわらず、一人で代表取締役専務を二つ兼任するなんて、改革改革と言っているのに、民間会社ではそういうケースがありますなんと言ったって、こんなの常識じゃ考えられないですよ。どうなんですか。

近藤参考人 ファミリー企業の改革につきましては、これからも熱意を持って取り組んでまいりたいと思っております。したがって、公団OBの役員の数、これはこれからも減らしていかなければいけない、また、もちろん代表取締役、それが社長であるか副社長であるか専務であるか、それを問わず、これもやはりなくしていかなければいけない、そのように思っております。

 したがって、御指摘のケースにつきましても、これから退任その他適切な措置をとっていただくことを私としては期待をしているということでございます。

石田(勝)委員 それでは、ファミリー企業に道栄という企業があるんですね。これは、平成十六年三月の決算書類を見ると、道路公団との取引が全体の六〇%以上を占めております。当期の損益は五千九百億円の黒字、十億円以上の余剰金をため込んでいるわけであります。

 この道栄の業務内容というのは、道路敷地等の管理となっているわけでありますが、この中には道路公団の所有する保養所のうち六カ所、分室の十五カ所全部維持管理を任されています。これら二十一カ所の施設の使用料収入から年間維持管理費を引いた収支、これは平成十五年で三億二千七百万の赤字なんですね。私調べましたら、ほぼそのくらいの赤字が累積しています。

 これは、土地建物等は公団のものでありますから、公団は人件費、公租公課など費用を払っております。つまり、この赤字の大半を公団が負担しているということになるわけです。公団の膨大な借金の一方でファミリー企業は黒字を続ける、余剰金を累積しているわけでありまして、余剰金の合計は、ファミリー企業七社で八百八十九億、約九百億円に達するという実態の中身が出てきたわけであります。

 そして、この道栄という企業は、道路公団の職員の互助会である道路厚生会がつくった会社だという指摘がありますが、その点、総裁、どうなんですか。

近藤参考人 道栄株式会社と道路厚生会との関係についてのお尋ねでございます。

 道栄株式会社の設立は昭和四十一年四月八日でございますが、その設立に際しまして、財団法人道路厚生会が出資をしたという事実はないと承知をしております。

 ただ、昭和四十七年に道栄株式会社より、保険事業で取引があったことから、道路厚生会に出資の要請があった、そして、道路厚生会としても、道栄の経営基盤を強化することは道路厚生会会員向けの保険事業をより安定させることにつながると判断をし、出資がなされたことがあるということであります。

 ただ、平成八年になりまして、九月二十日でございますが、公益法人の設立許可及び指導監督基準が閣議決定をされております。その閣議決定に基づきまして、公益法人が営利企業の株式保有等を行うことが禁止をされたということでございまして、平成九年三月にその株が売却をされている、そして現在は、道路厚生会から道栄株式会社への出資はない、そのように承知をしているところでございます。

石田(勝)委員 今、質疑を通じておわかりになったと思いますが、この道路公団の問題は、これはファミリー企業だけではない。全国の保養所が十七カ所、それから分室と称される施設が十五カ所。これは、道路公団総裁はすべて売却すると言っているけれども、使用料なんていうのは本当に考えられないような使用料ですよ。施設も私、見ましたけれども、大変豪華な施設でありまして、千二百円とか千九百円なんですね、その使用料が。

 そして、土地建物、人件費、それから公租公課、つまり税金ですね、これは道路公団が持っているんですよ。それで、運営主体というのが、全部じゃありませんが、道路厚生会というのが運営をやっていて、維持管理をこの道栄というのがやっているんですね。それで、公租公課、税金とか人件費は公団が持っていて、光熱水費は道路厚生会というのが持っていて、そして維持管理費がこの道栄に入ってくるというふうなことで、使用料が何と千二百円とか千九百円なんだ、これは。

 これでは、高速道路の通行料金でいわゆる借金返済をしたり、これからすべて改革していこうという中で、要するに、やっていることは社会保険庁のグリーンピアと同じなんだ、これは。道路公団の、いかに今までいいかげんにやってきたかというものの証左ですよ、これは。そう思わないですか、総裁。こんなことで、ことしの秋に本当に民営化できるんですか。どうなんです、これ。社保庁と同じですよ、やっていることは、体質は。

 千二百円とか千九百円で、豪華なところの施設を、使用料だ。それで結局、そこの公租公課も、税金も道路公団が持つ。それらは結局、我々が首都高速に乗って、ちっとも進まない、渋滞で七百円も取られて、そういうお金がみんなそういうお金に消えていっているんだよ。そうでしょう。本当に、調べれば調べるほど、道路公団というのはいかにいいかげんにやっていたかと。皆さん方の高速道路の料金運賃がみんなそういうふうに行っているんだよ、これは。(発言する者あり)いや、ないところはあるかもしれないけれども。

 私ら、少なくとも、首都高乗ったと思ったらすぐ渋滞で、何で七百円も払ったのかなと思うときがしばしばありますよ。そういうお金がみんなこれは行っちゃっているわけだ。これでことしの秋の公団民営化、本当にできますか、総裁。

近藤参考人 福利厚生施設等についてのお尋ねでございますが、公団四十八年の歴史の中にありまして、積み重ねてきた福利厚生政策あるいはその施策があったわけでございます。その中には、やはり合理化を要する政策あるいは施策が多くございます。その一つが、この厚生福利関連の施設でございます。そういうことで、民営化を機会に、それまでにできる限りの福利厚生施設の売却を私は指示しているということでございます。

 できるだけ民営化までにできる改革は最大限やっていきたい、そのように考え、今、役職員一丸となって合理化、効率化に向けての活動をしているということにつきまして、委員の御理解を賜りたいと存じます。

石田(勝)委員 総裁、売却の見通しというのはどうなっているんですか。

 この施設が、使用料が千二百円とか千九百円とか民間では全く考えられないようなあれで出しているようでありますが、それで、施設の人件費から税金、全部公団で持って、それで、厚生会というところが結局それらを運営して、こういうふうな実態が明らかになっているわけですね。それで、これらを売却するって、ことしの秋までに売却できるんですか、これは。

近藤参考人 できるだけ売却につきましては実行をしてまいりたい、そのように考えております。

石田(勝)委員 いや、できるだけできるだけって、だから、ことしの秋までにそういうのはできるんですかと聞いているんですよ。

近藤参考人 私、指示しておりますのは、できるだけ民営化までに売却をするということでございます。

 ただし、たたき売りをしてはいけない。これは大切な国民に対する財産でございます。したがって、これは、たたき売りは私は禁じております。したがって、適切な価格で売却を可能な限り早期に進めるということを指示しているわけでございます。

 もし、民営化までにそれが売却ができないという部分が残ったといたしますと、それは、残念ながら、新会社が引き継いでいくということになろうかと思います。ただ、これはできるだけ避けた形にしていきたい、そのように考えております。

石田(勝)委員 八方手を尽くして、何もたたき売りなんて言っていないので、これはもう全力を挙げて、こういったものを適正な価格で処分できるようにやはり全力を傾けるべきだというふうに思います。

 もう時間が、ほかの大臣に質問しようかと思って、随分この道路公団で時間を食っちゃったので、もう道路公団総裁、お引き取りいただいて結構でございます。

 次に、法務大臣に御質問させていただきます。

 これは、この前も予算委員会のときに議論になりまして、カード犯罪のことでありますが、民法四百七十八条の議論をもうちょっと深めたいなというふうに思っております。

 私は、前回、委員会の質問で、この四百七十八条の法解釈を法務大臣にただしたわけでありますが、そのとき法務大臣は、犯人に対する銀行の払い出しが有効かどうかは、銀行が無過失で弁済したと言えるかどうかにかかっているというお話でありました。

 しかし、私は、銀行が無過失かどうかではなくて、預金者に重大な過失、不注意あるいは悪意がない限り、銀行は補償すべきだというふうに思っているんですよ。銀行より弱い立場の預金者をむしろ保護すべきだというふうに考えているんです。法務大臣は、民法にはそういう預金保護の考えはないとか、そういうふうなことをおっしゃるのかもしれないけれども、イギリスだとかアメリカは、現にそういう預金者を守る形で、趣旨で法律がつくられているんですよね。だから、これらの預金者保護の考え方は法務省、民法のあれでですが、法務省として、法務大臣としてお考えはあるのかないのか、お聞かせいただきたいと思います。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 お尋ねの偽造キャッシュカード、それによる預金の払い戻しの事案において、民法上、銀行の弁済が有効となるかどうか、そういうことについて、一般的には銀行が無過失で弁済したと言えるかどうかにより決せられることになります、この前答弁したことと同じでありますが。そして、この点は、銀行が機械による預金払い戻しのシステムの設置、管理について必要な注意義務を尽くしていたかどうかなど、諸般の事情を総合して判断されることになるというふうに思っております。

 なお、念のため申し上げますと、キャッシュカードの利用に関する約款がある場合には、その約款が有効である限り、約款の定めに従うことになります。

 以上です。

石田(勝)委員 委員長、約款の問題が出ましたけれども、ちょっと法務大臣とやっていると時間が食っちゃうので。

 約款の話が出ましたけれども、約款だって、民法の考えを踏襲してそれはあるんですよ、銀行約款、いわゆる約款が。私が尋ねているのは、この民法四百七十八条という法律がいわゆる銀行保護、預金者保護じゃなくて銀行保護になっている。だからこれを、いわゆる銀行約款を直すために、民法上の考え方を預金者保護の考え方にすべきじゃないかということを言っているわけです。

 それは銀行も、民法に基づいて銀行法をつくって、銀行法に基づいて約款をつくっているんですよ。だから、本体は民法なんです、南野大臣、これは。本体は民法なんです。例えば、この民法の規定が銀行の無過失ではなくて預金者の善意無過失であれば、預金者を保護する規定になっていれば、銀行も約款をそうしないわけにはいかないんですよ。

 だから、幾ら民事不介入といっても、私はこの問題は、法務大臣、民法四百七十八条がベースにあって銀行約款というのはあるわけだから、いわゆるキャッシュカード、こういう問題が出てきていて、この民法が大もとになっているんだから、これについてどうお考えなんですかと聞いているわけですよ。

南野国務大臣 民法は一般的なルールであると考えております。先生がおっしゃっておられるとおりでありますが、預金者保護などの金融ルールは別に検討される課題であるというふうにも思っておりまして、私が申し上げられるのはこの程度でございます。

石田(勝)委員 では、法務大臣、もう一回言いますよ。盗難カードと偽造カードの違い、わかりますか。

南野国務大臣 大変ありがたい質問でございます。偽造されたのかどうかという問題点であろうかと思っております。

石田(勝)委員 私が聞いているのは、盗難カードと偽造カードの違いはどこなのかと聞いているわけですよ。

南野国務大臣 それは常識的に知っております。

石田(勝)委員 だから、いや、常識的に御存じだというのはどういうことですか。

南野国務大臣 盗難されたカードは盗難されたカードであり、偽造されたカードは変造されているカードでございます。

石田(勝)委員 要するに、盗難カードは、幾ら盗難されたカードとはいえ、真正のカードなんですよ。いわゆる本物なんですね。盗難されたカードというのは、幾ら盗まれたカードといっても、これは真正カードなんです。そこで、払い出した場合に銀行が保護されるというのは、理屈でわからないわけでもないんですよ。

 偽造カードというのは、偽造カードで払い出した場合に、銀行は責任がないのかというんですよ。いわゆる生体認証カードだとか、あるいは異常な引き落としを防止するだとか、銀行は最近になって預金者囲い込みのためにいろいろなことを発信しておりますが、偽造カードというのは、結局、機械がその偽造カードを要するに読み取ることができなかったということでしょう。だから、これは銀行に責任があるんじゃないんですかというわけですよ。そこのところはどうなんですか。

 例えば、預金通帳と判こを持って銀行に行って、窓口でお金を払い出した。それで偽りの判こを使った。それで、届け出の判こと違うということが明らかなのに、窓口の人のミスでお金を払い出してしまった。これはどちらに責任がありますか、法務大臣。銀行ですか、預金者ですか。

南野国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございますが、民法の規定は、民法上の紛争解決のための一般的なルールでございます。銀行の責任があるかどうかは、個別の事案としてこれは判断されるべきでありますが、貯金の払い戻しの事案におきましては、民法上、銀行の弁済が有効となるかどうかは個々の事案ごとの具体的な事由に即して判断されることになりますけれども、お尋ねのような、銀行が印鑑照合のミスをした事案であれば、金融機関として払うべき注意を怠っていた過失があり、銀行の弁済は無効と判断される公算が強いということになろうかなと思っております。

石田(勝)委員 法務大臣、今お答えになったのと同じなんですよ、いわゆる盗難カードと偽造カードは。

 要するに偽造カードが、例えば、クレジットカードはICチップが埋め込まれているとか、最近、生体認証カードだとか、いろいろやってきていますよ。だけれども、この偽造カードというのは盗難カードと違って、要するに、明らかに、銀行側がそれを読み取ることができなかった、つまり、窓口に持っていって、違う判こを持っていって、それで銀行側がお金を出しちゃったということと同じなんですよ。だから、今法務大臣が、それは銀行側に責任があると。だから、つまり、偽造カードは銀行側に責任があるんでしょう。

滝副大臣 大臣から基本的なことを申し上げておりますけれども、今、御指名がありましたから。

 偽造といっても、いろいろな種類があると思うんですね。だから、偽造されることについて、キャッシュカードを持っている本人が責任がある場合もありますし、そして、それは本人には全く責任のない場合もあります。したがって、大臣が申し上げておりますように、要するに、その事件事件の、事案事案の態様による、こういうふうに考えなければいけないんだろうというふうに思っております。

 例えば、この間から問題になっておりました、要するに本人の、ある意味ではちょっとしたすきで、ゴルフ場で本人の真正のキャッシュカードが偽造されたとかなんとかとなってまいりますと、これは大変ややこしい話になってまいりますので、問題は、要するにどういう格好で偽造されたかということに尽きると思います。

石田(勝)委員 偽造カードは、もう時間がありませんからあれですが、明らかにこれはやはり銀行側の責任なんですよ、先ほど法務大臣もお答えになったように。

 だから、そういうシステムを、要するに、生体認証カードだとかICだとかいろいろ言っているが、これは結局、それをやれば、また新しいもの、新しいものとなってくる。アメリカだとかイギリスは五十ドルとか五十ポンド条項があって、それらを要するに補償しているわけですね。だから、これはやはり銀行に責任が私はあるというふうに思うんです。

 余り法務大臣とやりとりしていると時間を食っちゃいますから。

 伊藤大臣、関連なんですが、今までの話を聞いていて、聡明な大臣だからわかると思うんですが、例えば、重大な過失または悪意のない預金者について銀行が補償するという趣旨の銀行約款を取り決めることは可能かどうかということを、私は法務大臣に聞きたかったんですが、ちょっと時間がありませんから。

 それで、このカード約款を、今銀行はICカード化だとか生体認証だとか、被害者の個別補償に応じるだとか、いろいろアイデアを駆使しているわけでありますが、要するに、カード約款を改めて、預金者保護の立場から私は約款にすべきだというふうに思っているんです。根本は、カードの約款、銀行約款を直すべきだというふうに思いますが、伊藤大臣の明快な答弁をもらいたいと思います。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 この問題については、やはり重要な点が二つございまして、一つは、こうした犯罪というものをしっかり防止していく、そのための対策というものを実効性あるものにしていくということと、もう一つは、利用者保護の観点からも、その実効性を確保するために適切な対応をしていかなければいけないということであります。

 そして、先般、全国銀行協会におきましては、委員が御指摘になられたその補償の検討といたしまして、申し合わせの中で、規定や法に照らした真摯な対応あるいは保険つき預金商品の開発への取り組みが挙げられているものでありまして、こうした取り組みというものが着実に成果を上げていく、また、個別の被害についても真摯に対応していくことを私どもとしても期待いたしているところでございます。

 金融庁といたしましては、やはり、我が国における犯罪の技術の巧妙化あるいは高度化、こうした事態に的確に対応しつつ、利用者保護の実効性を確保するために、現実に被害が発生した場合の預金者の補償のあり方について、例えば、委員が今御指摘ございましたように、約款のあり方やあるいは運用を含めて、現状の対応でよいのか、あるいは見直しをする必要があるのか、真剣に検討していきたいと考えております。

石田(勝)委員 これはもう見直す必要があるんですよ、本当に。これはもう本当に早急に私はやるべきだというふうに思っております。

 さて、国家公安委員長、いいですか、ちょっと飛ばしますが、大みそかの晩に世田谷で起きました一家四人殺人事件。東京屈指の住宅街で起きたこの凄惨な皆殺し事件というのは、大みそかという日本でも特異な日に起きたということで、大変全国の国民を震撼させたわけでありますが、私はこれらの件について、実は去年の暮れにこの「警察組織迷走の構図」という、警視庁の捜査一課で犯罪捜査に従事された警視正の方が、退職された来栖さんという方が書かれた本を、たまたま本屋に行って、あったんです、これを読んだんです。

 そうしましたら、韓国内で販売されたテニスシューズだとか血痕がついて足跡が見つかったと。犯人特定に向けていろいろ努力されていることだろうというふうに思いますが、そういう物的証拠だとかそういったものが非常に、いろいろな犯罪の中でも極めて世田谷事件というのは多いんだと。多いにもかかわらず、なかなか特定できない。韓国は十九歳になると徴兵があって、兵役義務で指紋だとかそういうのもとれる、そういったところとやはりいろいろ連携をとって大いにやるべきじゃないのかというふうな指摘もされているんですね。

 やはりこの世田谷一家の事件というのは、この事件は警察の威信にかけても解決しませんと、これはやはりもう特異なケースで、同じ凶悪犯罪の中でも国民の中に非常に根強く残っている案件でありますから、私は、そういう国際間の協力を含めて、どんどんやはりこういったものをすべきだというふうに思っております。

 ちょうど四年ほど前ですか、森さんが総理大臣のときに、イギリスのスチュワーデスが三浦海岸で白骨死体で見つかった。あれは、ブレアさんから森さんにイギリスのスチュワーデスが行方不明になって日本にいるらしいというのを言って、それで森総理が命じて、結果、残念な結果だったんですが見つかったんですね。

 でありますから、これらの点について、今どういうふうな状況でこれらのことをやっているのか、ちょっと公安委員長の方から答弁をいただきたいと思います。

村田国務大臣 世田谷の一家殺人事件でございますけれども、大変痛ましい事件でございまして、私どもも本件解決に一生懸命努力をしているわけでございます。

 韓国の捜査当局との関係でございますが、外交ルートあるいはICPOのルートを通じまして、常日ごろから必要な協力を仰いでいるということでございます。具体的な捜査にかかわることでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、韓国側とも必要な協力はいただいている、こういうふうに認識しております。

石田(勝)委員 私は、この問題については、韓国当局とも連携を本当に密にして、全力を挙げて取り組むべきだというふうに思っております。

 時間になりましたので、質問を終わります。文部大臣、大変失礼しました。

甘利委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。

 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 冒頭、きのうの集中審議の続きで、外務大臣に数点お尋ねをいたします。

 まず北朝鮮問題でございますが、きょう、NHKの報道にもございますように、援助の食糧が売買に供されていた、これは大変深刻な事実であると思います。数点、外務大臣に続けてお尋ねをします。

 盧武鉉韓国大統領は、北朝鮮に対して、北朝鮮が自衛のための核を持つことについて一定の理解を示すかのような御発言をロサンゼルスでされた、そういう報道がございます。

 私は、唯一の被爆国日本、そして、北朝鮮の核の脅威にさらされている自由と人権からすると、およそ韓国大統領がこんなことをおっしゃるわけはないし、私たちとしては、事実を事実として毅然として受けとめていかなければいけない。もし仮にそんなことを大統領がおっしゃるということであれば、それは絶対に容認できないという意思を示さなければいけないと思いますが、外務大臣の基本的な御認識を伺いたいと思います。

町村国務大臣 お答えを申し上げます。

 昨年の十一月十二日、盧武鉉韓国大統領がロサンゼルスで演説をされたということのお尋ねであろうかと思っております。

 いろいろ長いスピーチでございますから、ある部分で、北朝鮮が核及びミサイルは外部の脅威から自国を守るための抑止手段であると主張している点に、一理あるという表現をとられたようであります。

 しかし、他方、北朝鮮は、安全が保証され、改革と開放が成功し得ると希望が見えれば核兵器を放棄するであろうと述べている。さらに、同じ演説の中で、北朝鮮の核の保有は決して容認できないという立場は明確であり、北朝鮮の核問題は、六者会合を通じ必ず平和的に解決されるべきである、こうまで言っておりますので、ちょっと、どういう全体のコンテクストか、私もよくわからないところがありますけれども、一定の理解を示したのかどうかわかりませんが、いずれにしても、それは認められないんだ、平和的に解決すべきであるということなものですから、その一言だけをとるといかがなものかという気もいたしますが、全体のコンテクストで見たときには問題ない。

 むしろ、九二年に、韓国と北朝鮮の間に朝鮮半島の非核化に関する共同宣言というものがあり、韓国政府が北朝鮮側に対して、これまで南北閣僚級会談で、北朝鮮の核はこれに違反していると何度も言っているというあたりから判断して、盧武鉉大統領が北朝鮮の核を容認しているということでは決してないと私どもは理解をいたしております。

原口委員 御答弁ありがとうございます。

 決して容認できない、すべての核開発そして核保有、どんな理由であろうが容認できないということを確認させていただきますし、核保有に至るすべての計画は一理もないということを改めて強く主張しておきます。

 また、北朝鮮の核開発抑制のためには、数年前からアメリカを中心に行っていますPSI、これが十分機能することが必要でございます。さらにこの強化を図られるように強く要請いたしますが、一方、北朝鮮において、四カ所の核施設の稼働や八千本の核燃料棒の再処理が行われた可能性についても排除できません。北朝鮮の核活動の状況をどのように認識するかということは、我が国の安全とそして繁栄、国民の生命財産を守るという点から大変重要な視点であるというふうに思います。

 私、昨日のこの委員会での一部の委員の質疑について非常に危惧を覚えました。それは、六者協議というのは、唯一の、私たちが大事にしなければいけない、一義的に大事にしなきゃいけないフォーラムであります。その中に北朝鮮をどのように参加させるかということをみんなで知恵を絞っておるときに、一部議員の中から、日朝で議論をすればいいんだなどという御発言があったことは甚だ残念であります。

 外務大臣はそこに冷静に答弁をされて、これはあくまで、六者協議の中でも二国間もできるわけですから、国連の安保理の中に三つの国が常任理事国として入っているこの六者協議の中で、この六者協議もまとまらないで国連での議論がまとまるというのはとても考えられませんので、この六者協議の枠を大事にするという基本姿勢を改めて確認しておきたいと思います。

町村国務大臣 原口委員の御指摘、まことに私どもも同感でございます。

 PSIのお話にも触れていただきました。私ども、これは大切な、核等を初めとする拡散に対する安全保障構想として重要なものということで最初から積極的にこれには参加をしておりまして、例えば昨年の十月、海上阻止訓練というものを日本が主催いたしまして、数多くの国にも参加を得たところでございますし、さらにこの面で努力していきたい、こう思っております。

 六者会合のフレームワークの重要性、今委員が言われたとおりでございまして、またこれが米朝の二国間に戻るということであれば、では何のためにこの六者の枠組みができたのかという経緯からしても納得ができないわけであります。六者の中でさらに二者の話し合いをする、三者の話し合いをする、そういうことはまことに可能なわけでございますので、そういう意味で、私どもは、この六者の枠組みというものをしっかり保ちながら、北朝鮮が中断と言っている状態を再開という状態に持っていくべく、ありとあらゆる外交的な努力を尽くしてまいりたいと考えております。

原口委員 確認の答弁ができました。ありがとうございます。

 そこで、これは外務大臣、北朝鮮問題の最後の質問にいたしますが、この間、朝銀のお話をしました。財務大臣にも伺わなければいけないんですが、朝銀の公的資金の注入の現場を見てみると、驚くようなことが行われていました。私は、これはまた別の委員会で明らかにします。しかし、一兆四千億ものお金をそこにつぎ込んで、そして、送金規制はむしろ緩くなっているじゃないですか。

 財務大臣、平成十五年にこれは財務省令を変えているんです。外国為替及び外国貿易法第五十五条第一項に基づき、三千万円相当額を超える海外送金については支払等報告書の提出義務を課すと。それまでは五百万円超だったんですよ。それを、なぜ法律のこのところを財務省令で三千万円超にするのか。それは、世界に対してグローバル化が進んで、外に持っていくお金が大きくなっている、そういう要請があるというのはわかりますよ。しかし、こういう時期に、しかも朝銀に公的資金を入れた、その時期にこういう緩和をするというのは、私は、外務省と十分連携して、そして行われるべきではなかったのか。ここのところがずぶずぶだと、今経済制裁の議論をしていますけれども、それをはるかに超えるお金が送金される危険性があるんではないかと思うわけでございます。

 財務大臣、基本的に財務大臣は、経済制裁についても、私たちが申し入れをしましたときも大変意のある御答弁をいただいておりますけれども、こういう問題についても十分協議して議論をしていただきたいと思うんですが、外務大臣、財務大臣、お答えをいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 今、平成十五年の送金規制の緩和について議論をいただいたわけですが、これは平成十二年九月に、報告手続の電子化に合わせて、国際収支統計作成等のために提出を求めている外為法上の各種報告について見直しを行いました。

 その結果、報告義務者や、送金などを取り扱う銀行等の関係者から事務負担の軽減に係る要望がございまして、そこで、国際収支統計の精度維持に配慮しながら報告下限の設定や引き上げを行った。委員がおっしゃるように、取引の規模が大きくなったということがやはり背後にあってこういうことをやったわけです。その一環として、平成十五年四月から、外為に基づく支払等報告書の報告下限額を、さっきおっしゃったように五百万から三千万に引き上げたわけでございます。

 それで、これは国際収支統計作成を主な目的として徴集する報告でございまして、特定の国とか地域を対象としてこういうことをやったわけではないわけでございます。したがって、今度外為法で経済制裁を発動するかどうかということについては、当然のことながら外務省と緊密な連絡をとってやらなければいけないと思っておりますが、この点は北朝鮮を意識したということではなくて、今の取引の全体の状況を見ながらこのような取り組みを行ったということでございます。

町村国務大臣 五百万から三千万円に引き上げた趣旨は今財務大臣がお答えをしたとおりだろうと思います。

 現実を見ますと、十四年度の送金額は三億七千七百万円二十八件から、十五年度一億百万円七件、十六年度九千二百万円七件というぐあいに金額、件数とも非常に減って、減ったわけではないんでしょうが、要するに、三千万以上ということに限ればそういうふうに減っているという姿になっているわけであります。

 そういう実態ではあるわけでありますので、今後の北朝鮮への対応ということについて、先般来から申し上げておりますように、北朝鮮のこういう不誠実な対応が続いた場合には厳しい対応を考えざるを得ない。その一環として、いろいろなことを今考えております。外為法上のこの報告下限額の引き下げというものにつきましても、これもいろいろ考える可能性の一つとして私どもとして検討をしているという事実だけは申し上げておきます。

原口委員 財務大臣、今の外務大臣のお答えで了としますが、私は、右手がやっていることと左手がやっていることが違ったらいけないということを申し上げたかったんです。

 外務大臣、これで最後の質問にいたしますが、先ほど、私、日朝の交渉と申しましたが、間違いです。米朝ということで言いかえさせてください。

 日ロの問題について一つだけ。

 日ロの非核化協力をさらに進めていくべきだと思いますし、六者協議の中にロシアとの協力関係というものは不可欠だと思いますし、また、貿易・投資の促進のために日露貿易投資促進機構の発足に向けて積極的な取り組みが必要だ、私はそのように考えています。

 また、ちょうど三年前の予算委員会でも取り上げましたが、この間、たまたま北海道に行く予定がございまして、やはり国境が画定しないことによって、北海道の漁民の皆さん、産業界の皆さん、大変な苦痛を感じていらっしゃいます。

 そこの中で、ことしは日露友好修好百五十周年でございますが、プーチン大統領の訪日に向けて、単なる訪日という形ではなくて、その中身をしっかりと詰めて、法と正義に基づいて、我が国固有の領土である北方領土の返還、これを積極的に働きかけていく必要がある。プーチン大統領は二島返還ということをおっしゃいましたが、私は、公式にロシアの大統領が領土の返還の問題について触れたということは、そのことは評価をしたいと思いますけれども、二島ということではとても是認ができません。

 外務大臣に、この四島返還に向けての今後の取り組み、プーチン大統領の訪日に向けた基本的な姿勢を伺って、外務大臣への質問としたいと思います。

町村国務大臣 今委員御指摘のとおり、大変重要な日ロ関係を築く一年だ、こう私どもも認識いたしております。

 実際問題、この領土問題につきまして、私も一月の十四日に、モスクワで先方のラブロフ外務大臣と話をいたしました。現実、率直に言ってまだまだ大きな隔たりがあるというのは否めない事実であろうと思いますが、いかにそれにかけ橋をかけるかということに全力を挙げていきたい、かように考えているところであります。

 そしてその際、領土問題がより基本のテーマでありますが、それと同時に、今委員が言われました例えば日ロの非核化協力、これにつきましても、ようやく第一隻目の原潜の解体が昨年十二月に完了し、さらに、私が参りましたときに、五隻、解体について考えていこうということを申し上げ、先方もそれを大変多とするということでありました。

 また、貿易・投資促進のための機構というものをつくるということで、日本の方は昨年の六月にこれをつくりましたが、先方が、いろいろな何か行革の関係等々と言ってつくらないのですね。やはりこういうことでは本当に内実のあるプーチン訪日にならないではないかということで、できるだけ早く先方もそれを設立するようにということを催促しておきました。

 また、水産物の密漁、密輸出という問題、なかなかデリケートな問題もあるようでございます。一義的には、これはロシア側が取り締まりを強化すべき問題であろうと思いますが、日本側として可能な限りのまた措置というものもあるのだろうと思います。

 こういったことも含め、日ロ関係全体を発展する中で領土問題というものを解決していきたい。確かにロシア側にとっても、二島と言うだけでも、ある意味では相当な反発を彼らの国の中では招いているのも委員御指摘のとおりでございます。しかし、それをあえて彼らなりに国内向けに言ったということは私どもは評価をしているわけでありまして、それが終着点ということではないけれども、そういう問題があるのだということをロシア国民向けに発言したこと、それは私どもは適正に評価をしなければいけない。その上に立ってさらに一定の答えを見出す、これがまさに領土交渉であろう。一生懸命努力してまいりたい、かように考えております。

原口委員 昨年、ウラジオストクに参りました。そこでは、今大臣がおっしゃるように、ビクター級の原潜を、日本の援助でもって解体をやっている。核の拡散を防ぐという意味でも大変大きな意義がございますし、また、そのとき沿海州の副議長さんたちとも議論をしましたけれども、どう見ても、歴史的な事実を見れば、あの北方四島は我が国固有の領土であるということを言ってくださる議員もふえてまいりました。日ロの交流をさらに活発にすることによって、もう六十年の不法占拠、一刻も早く北方領土の不法占拠に終止符を打つ。そのことには与党も野党もありませんので、私たちもきっちり協力していくということを申し上げて、外務大臣、これで結構でございます。

 さて、独禁法の改正案を、私、民主党を代表して、座長として、ここにいらっしゃる田中慶秋さんや多くの皆さんの協力をいただいて出させていただきました。

 法務大臣に基本的なお考えを伺いたいと思います。

 私たちは、独占禁止法というものは非常にぬえのような構造をしている。行政指導であったものが制裁へと傾いている。しかし、その中で、しっかりとした公取の国会への説明責任や消費者の視点がなければ、今あるぬえのような談合のシステムを、あの埼玉土曜会事件の背景のように、公取がまた大きな権限を持つことで移しただけでは、全く国民の負託にこたえることができない。そのためには経済司法の大改革。これから、課徴金を引き上げたり、あるいは公取にさまざまな権限を与えるというのであれば、できるだけ早い時点で司法へ。

 審判制度も、今どうなっているかというと、実際に告発をした公取の中で審判官がいて、その中で、つまり検事と裁判官が同じところでやっているという状況なわけです。私たちはこれを根本から変えるべきだということで、二段階の経済司法の大改革案ということで、民主党は今挑戦をしています。なぜか。官製談合の社会を許してしまえば、我が国の国力が弱まるからです。

 ルールにおける競争が世界の競争の前提になっています。そういう意味で、経済司法に向かう法務省の役割は大変大きいというふうに思いますが、法務大臣の基本的な認識を伺いたいと思います。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 我が国におきましては、一定の行政処分を行う前に、行政の手続の一環として、委員御指摘の、公正取引委員会の行う審判手続を含めて、いわゆる準司法の手続とされる手続がございます。この問題につきましては、先生、本当に御見識を持って今お取り組みだというふうに思っております。

 これらの手続のあり方につきましては、それぞれ所管の省庁において検討されるべきものであろうかと思います。そのあり方一般につきましては、法務省は見解を述べる立場に今ございませんということを御理解いただきたいと思います。

原口委員 いや、そこが理解できないんです。つまり、経済司法を大改革するためには法曹人口も大きくふやさなきゃいけない。今さまざまな、放送局についても、株式の取得について大きな波が押し寄せてきます。金融担当大臣にも後でお伺いしますが、外資が多くの投資を日本にやっていく、その中で、国際経済におけるさまざまな紛争も極大化していく。私たちが法曹の厚みを質量ともにふやすというのは、我が国の生き残る最低限の条件なんです。よそのところでやっているから法務省はそれぞれのところに聞いてくれというんじゃ、それは困るんです。そのことを申し上げておきます。

 それでよろしいですね、ちゃんと積極的にやるということで。今うなずいていらっしゃいますので、それでよしということで議事録に残させていただきます。

 さてそこで、法務大臣、伺いたいのは、法曹人口問題に対する閣議決定というのが平成十四年三月十九日に行われています。そして、法科大学院を中心に、今、若い人たちが、法と正義を守りたい、社会の公正を守りたいということで一生懸命頑張っていらっしゃいます。

 そこで、一個だけ法務大臣に確認をしますが、この司法制度改革推進計画というのは、まさに閣議決定されたものは、三千人は早期に達成すべき最低条件であって、私は三千人でも足りないと思っているんです。なぜか。消費者の紛争の現場に行けば、みんなが泣き寝入りをする。司法が機能しないと国民が泣き寝入りをするんです。泣き寝入りをさせないためには、たくさんの人たちが司法のマンパワーとして質量ともに確保される必要がある。

 この三千人というのは上限を示したものではないということでよろしいですね。司法の質量の増大に向けて頑張っているんだということでよろしいでしょうか。

滝副大臣 事務的な話もございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 年間三千人というのは、今御指摘のように、これが最終的な数字ではございませんで、平成二十二年をめどに三千人ぐらいまでふやしていこうか、こういうことでございまして、その先のことは基本的にそれからの話、こういうことになろうかと思います。

 今の段階で、ことしあたりのあれを見てみましても大体千五百人ぐらいでございますから、これから二十二年までの間で三千人まで持っていこう、こういうことでございまして、これでもって打ちどめということではございませんので、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。

原口委員 事務的でなくて実務的とおっしゃったんですね。私は、実務でなくて、政治の判断を聞いているんです。つまり、三千人というようなものは最低限のめどであって、もっとそれを超える法曹人口の厚みを、皆さんが、法曹は試験から教育へというこの流れを法務省主導に頑張っていかなきゃ、どこがやるんですか。そのことの政治の決断を聞いているんです。実務を聞いているのではない。

 法務大臣、よろしくお願いします。

南野国務大臣 司法制度改革審議会におきましては、実際に社会のさまざまな分野で活躍する法曹の数は、社会の要請に基づいて、市場原理によって決定されるものでありまして、合格者数を年間三千人とするということは、あくまで、計画的にできるだけ早期に目的達成ということであり、上限を意味するものではないということで先生へのお答えになるのかなと思っております。

 将来における法曹人口のあり方につきましては、社会的要請等に照らして決定されるべきものであると考えております。また、法科大学院が昨年四月に開校したばかりで、第三者機関における認証評価や司法試験が実施されていない現時点におきましては、まずは、法科大学院の教育成果を見きわめ、その結果を踏まえつつ、社会の要請なども勘案しながら、将来における法曹人口のあり方が検討されるべきと考えております。

 以上です。

原口委員 つまり、三千人というのはあくまで目安で、それをもっともっとふやしていくために努力するんだという御答弁をいただいたというふうに理解いたします。

 さて、先ほど理事の皆さんに大変御協力いただいて、証券等監視委員会の委員長、これはまだお見えでないということで、この質問はまだできないですかね。

甘利委員長 この件は、今、理事間で協議中でございます。

原口委員 そうしたら、この質問は、委員長がお見えになるまで、結論が出るまで留保させていただきます。

 中身は、金融担当大臣、今回、有価証券報告書のさまざまな不適切な報告というものがございました。山一証券の破綻のときに、参議院の予算委員会で証券等監視委員会の委員長がお見えになって、そして自由民主党さんの質疑にお答えになっていますが、私は、そのとき以上に証券等監視委員会の役割というのははっきりさせなきゃいけない、そういう問題だと思っています。

 ここにいらっしゃる金子先生や茂木先生も、私たちと同志というか、同じ志を持って、日本版SEC、そのSECといったものをどのように機能させるかという議論をずっと金融の世界でやってきたわけですが、それが本当に機能しているかしていないかということを問いたださなきゃいけませんので、委員長がお見えになるまでそのことを留保いたします。

 では、金融担当大臣に。

 西武、コクドの問題、この問題というのは一体どういうことだったんですか。大量保有報告書の訂正についてもされている。つまり、五%ルール、八〇%ルールといってやっていたものが、結果、そこが全然違うものであったということがわかっている。そして、昨年の九月三十日までに株を売っていらっしゃいますが、このごろ、今月になってですか、当該の責任者は、今度、逆に買い戻されています。私は、市場に与える影響、一般の投資家に与える影響、これは看過をできないと思います。

 しかも、これは、前回のこの予算委員会で私は公的資金の注入の話をしましたが、大きな主要行がここの有利子債務を持っています。つまり、ここの経営が、このような大きな社会的な責任を有する会社の経営がどのようであるかというのは、まさにこの予算委員会の課題である、私たちの次年度の予算、このことに直接かかわる問題だと思っていますが、どのような態度で臨んでいらっしゃるのか。

 そして、結論が出るまで、国税庁、私はこの配当が行われていると思っています。配当が行われているのであれば、それが個人に配当が行っているのか、会社に行っているのかで全然税の仕組みが違いますね。どのように違うのか。私は税の逃れがあっては絶対ならないと思っていますので、そのことを、金融担当大臣に聞いた後に、国税庁、お答えいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 今、委員から西武鉄道、コクド問題に関してさまざまな御指摘がございましたけれども、個別の事案のことでございますので、私どもとしてはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

 一般論として申し上げれば、仮に有価証券報告書等の虚偽記載や、あるいはインサイダー取引に該当する事実があると疑われた場合には、証券取引等監視委員会が必要に応じて調査を行うことになります。また、私どもといたしましては、証券市場の信頼性を確保するためには、適切なディスクロージャー及び公正な取引の確保が極めて重要であると考えておりまして、金融庁といたしましては、昨年の十一月そして十二月に、ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応について公表させていただき、これらに盛り込まれた諸施策について強力に推進をしているところでございます。

 また、委員から、銀行の経営に与える影響についても御質問がございました。

 この点についても、個別銀行の個別株式の保有状況や、あるいは財務状況に関する事項についてはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思います。

 なお、一般論として申し上げますと、銀行が株式を含めてポートフォリオをどのように構成していくか、これは、やはりみずからの経営判断により決定すべきものであり、そして、それにより生じる市場リスクについても、適切なリスク管理にみずから努めているものと承知をいたしているところでございます。

 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、株価の動向、こうしたものにも注視をしつつ、各金融機関によるリスク量の定量的な分析結果の把握や、あるいはヒアリングを通じて、各金融機関の健全性の確保に引き続き努めてまいりたいと考えております。

    ―――――――――――――

甘利委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として金融庁証券取引等監視委員会委員長高橋武生君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

甘利委員長 原口君。

原口委員 ありがとうございます。

 今、各銀行はそれぞれの責任においてということをおっしゃいましたが、有価証券報告書でも、大量保有のところも違い、そしてその名義も違えば、どうやってリスクをヘッジできますか。まさに市場のもとのもとのところが崩れているんです。大臣は役所の方がお書きになったことを今お読みになったというふうには思わないけれども、しかし、その答弁では不十分でしょう。

 今、理事の皆さん、委員長の御配慮で、証券等監視委員会の委員長、お見えになりました。私は個別の事案について委員長にお伺いする気はありません。しかし、これほどたくさんの有価証券報告書の不適切な記載というものがどうしてこのように放置をされてきたのか。これから外国の資本が日本に入ってくる。いや、今も入っている。そういう中で、監視委員会の役割というのは一体何なのか。

 私は、この問題がずっと起こって、監視委員長が何かこのことについてコメントされたというのを聞いたことがありません。こういうことを次に起こさないためには、監視委員会としてはどのような体制整備をするのか。

 そして、個別の企業の事案についてきょうおっしゃる必要はありません、皆さんは犯則調査権を持っていらっしゃる準司法機関でありますから。そのことを申し上げているんじゃなくて、こういったことが一気に噴き出してくる、ここに至るまで、監視委員会の責任というのは本当に果たせていたのか。そのことについての総括を伺いたいと思います。監視委員長。

甘利委員長 もうちょっと、今……。

原口委員 目があれなので、あの方が監視委員長だと思った。向かっていらっしゃる。

 では、事務局長、今の質問をどうぞ伝えてください。二回やったら時間があれですから。

 大臣、一言だけ伺います。

 やはり、独立の機関であるからには、国民に対するきっちりとした説明責任を監視委員会も果たす必要がある、そのように思いますが、いかがですか。

伊藤国務大臣 委員御承知のとおり、証券取引等監視委員会は、その中立性、独立性というものが法律で担保されております。そして、私の指揮権の中にも入っていない存在であります。

 委員がお話しになられているのは、証券市場の信頼性を確保していくために、それにふさわしい環境整備というものがしっかりされているのかどうか、また、それを担保するためのそれぞれの組織がしっかりとした使命というものを果たしているのかどうか、そういう御指摘も含まれていたのではないかというふうに思っております。

 私どもとしては、そうしたことも踏まえて、先ほど御説明させていただいたように、証券市場に対する信頼というものを確保して、ディスクロージャー制度に対する信頼というものを確保していくための対応策というものを昨年十一月、十二月、公表させていただいて、その諸施策を強力に推進しながら信頼性というものを確保していきたいというふうに思っておりますし、また監視委員会においても、その使命に基づいて適切な対応がなされているものと承知をいたしているところでございます。

原口委員 監視委員会の委員長がお見えになるまで、次の質問に行きます。

 厚労大臣、日歯連についてです。

 平成十六年九月二十八日に、日歯連の問題で吉田議員からさまざまな接待を受けたということで、所管の役所の厚労省の処分をされている。いつ、どのような処分、この処分された二人はそれぞれどのような職務権限を持って、そして、どのような調査を行った結果、どのような違反行為があったのか、教えてください。

尾辻国務大臣 まず、先日御質問いただきましたときに、日本の医療に患者の視点が入るべきだという大変重要な御指摘をいただきました。そのことに触れて申し上げておりませんでしたので、これは大変重要な課題だと私も思っておりますので、今後ともいろいろな御意見を賜りますように改めてお願い申し上げて、御質問にお答えをさせていただきます。

 懲戒処分を受けた二人でございますが、それぞれ、歯科診療報酬改定等に係る事務、それから歯科医師法の施行等に係る事務に従事しておりまして、職名を申し上げますと、保険局医療課歯科医療管理官、それから医政局歯科保健課長、この二人でございます。

 この中医協をめぐる贈収賄事件を受けまして、本件の発覚しました昨年の四月以降、当時の担当者に対し、中医協委員等から不適切な働きかけがあったかどうかについて聞き取り調査を行ったところでございます。

 その調査によりまして、懲戒処分を受けた二人が、日歯連から依頼を受けた当時の国会議員等から現金の贈与等を受けていたことが判明いたしましたので、これらの行為は国家公務員法及び国家公務員倫理規程違反に該当するということで、厳正な処分を行ったところでございます。

原口委員 今、職務権限についてお話をされましたが、まさにこの厚生労働省保険局医療課というのは、中医協の事務局の中に入っていて、診療報酬そのもののさまざまな議論のそのもととなる案をつくり、そしてその中の議事を進める、いわゆるその事務局に当たったものじゃないですか。その課長といったら、その責任者じゃございませんか、大臣。

尾辻国務大臣 組織としては今お話しになったとおりだと私は理解しておりますが、少し確認だけはさせてください。

原口委員 この二件とも厚生労働省は事実の調査をされていましたが、報告書はない。

 私は、二つ、この問題で指摘をしておきます。

 ちょうど三年前、私たちは、あの外務省の不祥事で、外務省をどう立て直せばいいかという議論をしました。そのときに、小泉内閣は発足したばかりでした。小泉内閣は、その外務省の不祥事に対して、さまざまな情報の開示ということで、二度と不祥事が起こらないようにしたわけです。

 ところが、今回、皆さんは、この懲戒処分、どのような政治家の働きかけがあったのか。今大臣がお読みになったのはまさに吉田前議員の働きかけでしょうが、ほかにどんな働きかけがあったんですか。政治家の働きかけがこの二人に対してあったのではないですか。その調査をなぜやらないんですか。お答えください。

尾辻国務大臣 今、処分に至った具体的なことでございますけれども、当時の国会議員から飲食の供与及び現金の贈与を受けたということがございます。それからまた、当時の日本歯科医師会推薦の中医協委員から飲食の供与を受けた。さらに、当時の日本歯科医師会専務理事からの飲食の供与を受けたということで処分にしたわけでございます。

 そこで、政治家からの働きかけを受けて政策決定がゆがめられたのではないかということでございますけれども、このことにつきましては、具体的な御指摘をいただくたびに、その都度、当時の担当者への確認を通じて事実関係を調査し、その結果についてはその都度御答弁申し上げてきた、こう考えております。

原口委員 私は、それは、官房長官お見えですが、当初の小泉内閣とはえらく変質したなと思います。あのとき、園部参与を外に置いて、そして、私たちがレクをしているこのメモも全部公開の対象なんですよ。中央省庁再編基本法で説明責任と情報開示というのを決めたのは皆さんじゃないですか。皆さんがやったことをどうしてやらないのですか。

 そして、もう委員長は見えているので前の質問に戻りますが、大臣や副大臣や政務官の日程表、それは開示をすべきじゃないですか。開示をするのかしないのか、答えてください。

尾辻国務大臣 その件については、聞いてみましたが、日程表は日々廃棄するそうでございまして、残っていない、こういうことでございます。

    〔委員長退席、茂木委員長代理着席〕

原口委員 私は、そんなことで国民の納得がいくなんて考えられませんよ。大臣の日程表などという、それこそ国民生活に直結する大事なものをその日にシュレッダーでかけるなんということが許されますか。

 政治倫理審査会の議事録、非公開ですから、私、ずっと写してきました。三つの大事なことをおっしゃっています。

 一つは日歯連。本当に、あの十九億という旧橋本派のお金も、残っていたのか残っていなかったのかわからないということを橋本総理はおっしゃっています。

 それからもう一つは、大きなところは、検察が冒頭陳述についても橋本総理に確かめたかどうか、それは確かめていないのではないかということを、橋本元総理の政倫審での御弁明でわかります。

 三番目は、報告書の訂正もそれから報告書の提出も御相談を受けてない、このことも御証言でわかっています。

 私は、なぜこのことが政治資金収支報告書に記載されていなかったのか、記載ができなかったのかという理由がこの委員会では全くわからないんです。政党助成金でない、皆さんから集めたお金であれば政治活動費で党に入れて、そして政策活動費で皆さんにしっかりやればいい。それがどうしてこの場合なされていないのか。なぜ裏で処理をされているのか。

 委員長にお願いしますが、ぜひ資料を取り寄せていただきたい。この小切手の裏書をぜひ当委員会に出していただきたいと思います。

 そして、証券等監視委員会の委員長。

 今回、一連のさまざまな有価証券報告書の不適切な記載ということが起こりましたけれども、この問題について証券等監視委員会はどのように総括をされているのか。

 今、私たちは、大きな資本の流れの、まさに金融ビッグバンという中にいます。そこで証券等監視委員会が適切に機能しなければ、経済の基礎が消えるんです、公的負担がふえるんです。

 委員長から、どのように総括をされ、以後、このようなことを見逃さない、しっかりとした適正な市場運用の基礎となる委員会をどう築き上げていくかということの基本的な姿勢を伺いたいと思います。

茂木委員長代理 御要請につきましては、理事会において協議をさせていただきます。

高橋参考人 ただいま御下問のありました点でございますけれども、ディスクロージャーの問題は、市場の公正性あるいは適正性、これを確保する上からまことに重要なことでございます。この事柄は、本来は、有価証券報告書等を提出いたします企業の良心あるいは誠実性の問題にかかわっているものと私は考えているわけでございます。

 しかし、それと同時に、この開示書類に関しましては、例えば、財務書類の適正性につきましては公認会計士の関与がございます。また、市場開設者の関連してくるところもございますし、行政もこれに関連してまいります。それぞれの立場の者がそれぞれの職務を適正に誠実に遂行していくことによって適正な市場をつくっていくということが何よりも大切であると私は考えております。

原口委員 このごろ適正にという言葉が大変出されていますが、私は、日米の市場規模を見ても、東証がニューヨークの約三分の一ぐらいですね。ところが、証券等監視委員会はアメリカのSECの約十分の一ですよ。そして刑事告発案件も、米国SECが二〇〇三年度会計年度で二百四十六人あるいは社であったものが、日本の場合は二十八人なんです。

 それぞれの公正と正義に信頼をする、それはみんなそうです、法律の基礎はそうなっています。しかし、このマンパワーや今のパフォーマンスで本当にいいんですか。私たちは金融の世界におけるルールの競争をしています。そのルールの競争で信頼が傷ついたら、日本はこの金融ビッグバンの中でまた後手を引くんです。

 私たち立法府は法律をつくる立場にあります。委員長として、今のようなパフォーマンスで本当にいいと思っていらっしゃるのか、あるいはどこか改善するところがあると思っていらっしゃるのか。そして、御自身、何か反省あるいは総括をするところがあるのか。こうしたいということをおっしゃっていただきたいと思います。

高橋参考人 この委員会、現在の法律におきましては、開示関係の書類についての検査権限を持っておりません。したがいまして、検査の面からこの種の事件にアプローチするということは、事実上できなかったわけでございます。ただ、本年七月から、この権限が恐らく委員会に委任されるであろうというふうに考えております。検査の面からも十分な職務遂行をやっていきたいと思っております。

 それからもう一つ、証券取引法二百十条によりまして、我々は犯則事犯の調査権限を持っております。ただ、調査権限ということにつきましては、考慮しなければならないのは、すべての事柄に対して調査権限を発動するということは、準司法的な行為であるがゆえに慎まなければいけないということでございまして、やはり、犯則の嫌疑があるとか犯則の何らかの手がかりがあるという場合に初めてこれを適用していくということができるわけでございます。しかし、いろいろな困難はございますけれども、そういう権限の中で、この種事案に対して十分な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

 それから、御質問にありましたアメリカSECとの比較でございますけれども、確かにおっしゃるとおり、規模、数の問題では相当な違いがございます。ただ、その場合に、SECの持っております諸種の広い権限、広い事項ということを考慮に入れまして、さらには証券市場の規模とか、あるいはそこで取引される証券の大きさというものを考えてみますと、必ずしも一概には、これを比べるということは困難であろうというふうには考えております。

 私といたしましては、委員会の人数がこれで十分かということを御下問になっているんだと思いますけれども、確かに数は少のうございます。ただ、平成十三年以降、各方面の御理解をいただきまして大幅な人員の増加をいただいておりまして、大変感謝申し上げているところでございます。

 実は、こういうふうな調査あるいは検査、審査ということになりますと、どれほどの人間があれば完璧な仕事ができるのかということでございますけれども、これもなかなかはかり知れないところがございまして、日々の仕事の中で、やはりこの面が足りないというような観点から人員の増加をお願いするというような方法で委員会を充実させていきたいというふうに考えているところでございます。

    〔茂木委員長代理退席、委員長着席〕

原口委員 もうこれで質問を終わりにしますが、私は、委員長、さまざまな法と正義を守る部門の、公取もそうですけれども、権限は拡大すべきだと思っています。しかし、それだけ犯則調査権を持っている、そういうところであればあるほど国民に対する説明責任はより重くなるわけで、国会に対する説明責任もより重くなる。そして、法と正義のもとで経済司法の大改革をやっていく。その中できっちりとしたパフォーマンスを維持いただきますように強く要請をいたしまして、質問といたします。

 ありがとうございました。

甘利委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

甘利委員長 この際、お諮りいたします。

 政府参考人として総務省人事・恩給局長戸谷好秀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

甘利委員長 次に、吉田治君。

吉田(治)委員 民主党の吉田でございます。

 何か、外務大臣が中国の方と十二時過ぎにお会いされる、早く帰らせてほしいということなんで、中国の人にぜひとも、日本人は怒っているんだと、ええかげんにしておけよという気持ちが蔓延しているということをお伝えいただきたいですな。これ以上我々は中国人になめられてたまるかという気持ちは、多分私だけではないと思います。その辺が、外務大臣として言われる場合には随分言葉のニュアンスが変わるのかなというのも感じているところであります。

 ですから、ちょっと外務大臣に先に質問させていただいて、お帰りいただければいいと思います。

 二〇〇一年に、ブッシュ大統領と小泉総理の間に、日米規制改革及び競争政策イニシアチブ、通称規制改革イニシアチブというのが設置されました。毎年十月の半ばごろに、両国から相手の政府に対して要望書というのが出ております。私も原本と仮訳をいただいております。

 これを読んでいますと、おもしろいなと思うのは、流通の場面を見ますと、クレジットカードをもっと使いやすくしろと。公立病院の幾つかで使えるようにしろといいますと、このごろカード会社のCMを見ていますと、病院でもカードが使えますよと。何かこの文を読んでいくと、次の一手、次の政府がやることが全部書かれているのかな、まさに要望書というよりも命令書じゃないかなという感覚にとらわれるのですけれども、その辺、外務担当者としてどうお感じになられていますか。それで、どういうものなんですか。

町村国務大臣 吉田委員の御配慮にまず感謝を申し上げます。また、理事の皆さん、どうもありがとうございます。

 日米規制改革イニシアチブ、これは、委員御承知のとおり、二〇〇一年六月三十日の日米首脳会談で、成長のための日米経済パートナーシップを構成するフォーラムの一つとしてこれが始まっているところでございまして、この中では、電気通信、IT、エネルギー、医療機器・医薬品、四つの分野に加えまして、分野横断的な問題、今委員が言われた流通でございますとか司法制度改革、競争政策、民営化等々、非常に幅広く取り上げるということになっております。

 一時代前であると、お互いにこれは内政干渉かと言われかねないようなことをお互い言い合うということで、これだけ国際化が進んだ今日、私は、お互いに考えていることを率直に言い合うということは、日米のみならず、ありとあらゆる国との関係でそれは大いにやっていいんだろう、こう思っております。ただ、国家として守らなきゃならない点はしっかりと守っていくという基本姿勢だろうと思います。

 この中で、今委員からはアメリカの言いなりになっているんじゃないかという御懸念を示されたわけでございますが、これは、日米間の対等性、双方向性及び十分な対話の機会、この三つを原則としながら率直な議論をやっております。したがいまして、日本からアメリカに対しても規制改革の要請というのをいろいろやったりしておりまして、例えばアメリカのアンチダンピング法につきましても、再三申し入れた結果、いよいよ米国政府としても同法の廃止を支持するということで、あとは議会との関係があるわけでございますが、こうしたことを向こうが公式に表明したり、あるいは、大変に向こうの入国管理が厳しくなっております。これについて、日本の通常のビジネスの活動が阻害をされることになっては困るというようなことで、今日、この点についての申し入れをした結果、インターネットによる面接予約システムが導入されるなど、ビザ発給の効率化を図るといったような、先方も改善をする、こちらもやれることはやる、こういう関係でそれぞれが取り組んでいるというふうに御理解を賜ればと思っております。

吉田(治)委員 この問題はまた後日、結果がどうだったのかを含めて質問したいなと思うのは、アメリカは三権分立、大統領、政府に言っても、今大臣も言われたように、議会が決めるんですから、議会はクロスボーティングで、議員一人一人の判断で。議員がこのことについてどれだけ重きを持っているかというと、余りそうじゃないだろうな。日本の場合でしたら、議院内閣制ですから、政府に持ってくるということはほとんど、イコール、政府がうんと言えば、与党の皆さん、まあこれから先どうなるかわかりませんけれども、うんと言われるという、そのシステムの違いというのはあると思うんですね。そういうふうな中のこのイニシアチブというものの取り扱いは、それぞれ両国において違いが出てくると思うんです。

 そこで、郵政民営化担当竹中大臣がおいでですけれども、民営化という一項目がちゃんとこの中にあるんですね。ここにこういうふうに書いてあるんです。外国民間会社に対して、パブリックコメントの手続等有意義な機会を与えろと。また、その後半部分にも、「民間の利害関係者(外資系を含む)の要請に基づき、」云々と。要するに、アメリカ政府は、米国資本の話はしっかり聞けよとここへ書いてあるわけね。どういうふうにそれに対応するのかということが一点。

 もう一点は、経済財政諮問会議の報告書では、民営化開始当初から郵便貯金、郵便保険については政府保証を廃止するとの明確な措置を確認したと。まさに、このまま読めば、これを読んだら、もう郵政の貯金もそして保険も政府保証はなくなるんだ、そして、民営化するについてはアメリカの資本の言うことは一生懸命聞かないかぬのやなというふうにとらえられるんですけれども、その辺は担当大臣としてどうお感じになられていますか。

竹中国務大臣 郵政の民営化というのは、我々にとって大変重要なサービスを提供してくれている今の郵政を日本の国民のためにさらに役立てるようにするためにどのようにしたらよいか、まさにそういう発想から出てきている問題でございます。

 一方で、環境の変化は著しいものがあります。郵便だけとってみましても、ここ数年間、毎年、郵便の取扱量というのは二%から二・五%ずつ減っている。

 そういう中で、この郵政をどのようにしっかりと、持続可能で、さらに国民のサービスをよくしていくかということからやっているのであるから、したがいまして、これはまさに国内の我々にとっての改革の発想からまず出てきている、決してアメリカからどうこう言われたことではないということを申し上げているわけでございます。

 その上で、委員、諮問会議での議論の御紹介等々もございましたけれども、民営化というのは、言うまでもありませんけれども、経営の自由度をしっかりと高めていただく。経営の自由度を高めていっていただく中で、その意味ではイコールフッティングをしっかりと確保しなければいけない。ここは別に外資、内資という話ではなくて、民間の企業とのイコールフッティングをしっかりさせなければいけないという観点から我々は議論しているわけでございますので、そういう観点から、まさに国民のためになる改革をしっかりとさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

吉田(治)委員 だから、外資の話を聞くのか聞かないのか、はっきり答えてくださいよ。

竹中国務大臣 これは国民的な議論が必要でございますから、さまざまな利害関係者にしっかりと御議論をいただく問題であるというふうに思っております。特にこの団体からの意見を聞くとか、そういう性格のものでは全くないし、特にこの団体からの意見を今後聞いて、それを改革に生かしていこうというような発想は持っておりません。

吉田(治)委員 だから、私が聞いているのは、外資の話は聞かれるんですか聞かれないんですか、どうなんですかと聞いているんですよ。

竹中国務大臣 海外資本、国内資本にかかわらず、特定の団体からの意見を聞いて、それを改革に反映させる、そのような姿勢は持っておりません。

吉田(治)委員 ということは、聞くということですね。どれだけの影響力を持つかというのは、この要望書がまた来年出てくる、それまでに話はついているというふうに私は理解をさせていただく。

 そして、質問の順番が逆になりましたけれども、その郵便貯金のお金が、郵貯のお金が財政投融資という形で、例えば都市機構、昔で言う住宅公団ですね、ここへ使われている。都市機構、約十六兆円ほど借入金があるそうですけれども、まず、都市機構さんに、そのうちの財政投融資で借りている金額は幾らぐらいなんですか。

山本政府参考人 都市再生機構における平成十六年七月一日現在の有利子負債の総額は約十六兆三千億円でありますが、そのうち、財政投融資資金借入金は約十一兆八千億円となっております。

吉田(治)委員 そんなにぎょうさん借りてはるわけよ。利息も払うている。何でかいうと、私は団地に住んでいるんですわ。うちの団地、がらがらなんですよ。もう今のニーズに合わない団地なのよ。募集をやっているけれども、全然入らないのね。

 そこで、この間、先週ですか、東京の地下鉄、多分丸一日ですね、都市機構、全面広告しましたね、全部取っ払って。あの金額は幾らかかったのか。結果として、そこで何戸この戸数が埋まりそうなのか、それは何%なのか、そういう試算がされているのかどうか。都市機構、来られていると思います、答えてください。

河崎参考人 ただいま先生の御指摘のありました、ことしになりまして一月、二月と、いわゆる広告貸し切り電車という広告手法でございます。編成一つの中の広告をすべて私どもの広告で埋めて、一月ぐらい運行するといったようなことをやるものでございますが、これに対する経費でございますが、一月と二月、二つやっておりまして、一月が一千百万円、二月が一千四百六十万円というふうな数字になっているところでございます。

 それで、実は、この広告宣伝でございますが、御承知のとおり、私ども、昨年の七月に都市基盤整備公団から都市再生機構に移ったわけでございます。その中で、賃貸住宅業務も重要な業務の柱の一つであるというふうに位置づけられております。したがいまして、国民の皆様方に私どもの住宅の内容でありますとかメリットというものを十分お知りをいただくことが必要であるというふうなことがございます。

 それから、何と申しましても、長年、公団住宅という形でなれ親しんできておられたわけでございますが、これが機構住宅に変わるということになります。そうしますと、どうしても国民の皆さんにおける認知度にギャップが出てくるということで、私ども、広報宣伝活動というものを特にこの機会に重視していかなきゃいけないなというふうなことで、幾つかの宣伝媒体でやっておりますが、交通広告というのも、専門家の意見でいいますと非常に効果の上がる広告でございます。その中で、特別にちょっとインパクトのあることができないかというようなことで、実は、ただいま先生が言われたような広告貸し切り列車ということを試みたわけでございます。

 ただ、まだ今実施中でございます。それから、入居がこれから三月、四月がメーンになってくるというようなことがございます。それから、広報宣伝といいましても、即入居促進ということもございますが、もう少し中長期的に、私どもの住宅の認知度を高めていくというふうな役割もございます。

 そういった観点からやってきておるわけでございますが、今後、当然、ただ金を使えばいいということではございません。やはり費用対効果ということを十分考えた経営をこれから、財務状況も非常に厳しい状況でございますので、やっていかなきゃならないということで、募集された方々のアンケートだとか、あるいは専門家の知見というものを活用しながら、どういう広告宣伝がより効果的だということを常に見直しながら、効率的な活動をしていきたいというふうに考えているところでございます。

吉田(治)委員 要するに、るる説明はされたけれども、最終的には、広告宣伝やから何戸入るという予測は立ててへん、せやからそれで許してなという話ですね、理事、千百万、千四百六十万かけているけれども。

 そういうふうな中で、一方では、例えば今、古く公団住宅から住まれているお年寄りの方が、やはり年金が厳しくなってきた、もう住めなくなった。なった途端に府営住宅へ行け、県営住宅へ行けと。地域のコミュニティーだとかそういうことも私は大事にしなければいけない、また経営というものも大事にしなければいけない。そういう中で、老人世帯というもの、これからふえていって、ますますふえていく。その方々が公団に住みたい、機構に住みたい、住み続ける施策というのが必要だと思うんですけれども、その辺はどう考えているのか、いかがでしょうか。

北側国務大臣 これから本格的な高齢社会がやってくるわけでございまして、今委員御指摘のように、そういう高齢社会に対応するような住宅政策というものがやはり大事であるというふうに考えております。

 都市再生機構の賃貸住宅に関して申し上げますと、建てかえに当たりましては、すべて段差解消等のバリアフリー化を今進めているところでございますし、また、既存の賃貸住宅につきましても、リニューアルによるバリアフリー化を実施しているところでございます。また、既存賃貸住宅のうち、高齢者向け改善が可能な団地の一階等に存する住宅につきましては、バリアフリー化、緊急通報装置が設置された高齢者向け優良賃貸住宅として整備を進めているところでございます。

 いずれにいたしましても、高齢者の方々が安心してお住まいができるようなバリアフリー化等の推進をこれからもしっかりと努めてまいりたいと思っております。

 もう一点、今、家賃のお話がございました。家賃につきましても、今、高齢者の方々に対して家賃の減額措置等を、家賃改定時や建てかえ時等には家賃が上がるわけでございまして、特に低所得高齢者等に対する家賃の減額措置をとっているところでございます。こうした運用をこれからもしっかりと取り組みをさせてもらいたいと思っております。

吉田(治)委員 理事、答えたいでしょうけれども、時間の都合上、もうおいといてもらいます。

 そういうふうなところにお金を回しているんでしょう、郵便貯金とか簡保の保険だとか。それが、財政投融資という形で十二兆円近いお金が回っている。使っている方はどう使っているかというと、何人入るかもわからぬものに、やったらええやろう、広報や認知度だと。

 本当に自分たちの財布の中から出ていっている、郵便貯金に預けている人にその話を聞かせたり、また、勤めている人で郵便貯金に預けている人がそういう話を聞くと、何を考えとんねんということに私はなるんじゃないかな。私は、郵政の民営化法はこれから先、いろいろ議論はあると思いますけれども、その視点ということ、預けた人のお金はどうなっているのかということが大事だなということを感じております。

 本来の質問の順番に回しますので、外務大臣、どうぞ。

 今回の法案等、いろいろ出てまいりますけれども、ちょっと時間がありませんので、大くくりで皆さん、大臣何人かお答えいただくことになるかと思いますけれども、まず財務大臣、定率減税が廃止される。党の中で御説明いただいたときに、雇用だとか個人所得だとかGDPにどう影響するのかと言ったら、そんな計算はしていない、決まってからでないとせえへんのやと財務省の役所の方が言うわけですね。本当にそれでいいんですか。

 個人消費に、個人の財布の中、日本は、御承知のとおり、個人消費が経済の六割を占めるとよく言われています。その方々にどんな影響があるのか。個人個人には幾らあるとわかりますけれども、ミクロはわかってもマクロは何で出せないのか。出すと問題があるのか、そういうふうな理由があるのかということがまず一点。

 そして、これから消費税の議論がなされていくと聞いております。これは古くは大平内閣、中曽根内閣と、私が中学、高校時代からの議論の流れの中で、当時は消費税じゃなくて売上税、導入をするといったときには、非課税品目であるとか、また複数税率という言葉が言われました。例えば、新聞、雑誌等々の文化的要素のあるものは税率を下げていいんじゃないか、場合によっては非課税にしてもいいんじゃないか、生鮮食料品だとか食べ物だとか、身近なものも含めてと。この辺の議論というのは、今後消費税の議論の中で、非課税品目、それから非課税にするための定義であるとか、複数税率化というものをお考えになられているのかということが二点目。

 そして、三点目としては、今度、消費税の納入の、会社の売り上げ、店の売り上げがたしか一千万におりてきましたね。そうしますと、その商店の皆さんに簡易課税制度、届け出をしますかしませんか、選択という形になっている。現場で話を聞くと、自分が預かった消費税を払うかどうかもわかっていない人が随分ある。しかも、マスコミ報道を見ていきますと、当初財務省が予定をしていた、国税庁が予定をしていた事業所の数が二倍ぐらい、一・五倍ぐらいになっていると。

 そうしますと、この認知というものをまずどうしてもらうのか。財務当局に聞きますと、いや、認知はできます、できますと言いますけれども、いざ実際、年内いっぱい、そして申告時期にならないとわからないですね、経営されている方は。もうすぐ申告が始まりますけれども、来年の申告にならないと、自分が簡易課税をした方が安いのか高いのか、なかなかそこまで至らない。この届け出制というものの周知徹底と、そして、申告の部分について、これは、私は、十二月三十一日で終わるんじゃなくて、申告のときまで延ばした方が、必要ではないかなと思うんですけれども、その辺、大臣並びに担当者の御説明。

 それと、金融担当大臣、包括根保証、これは随分問題がありまして、私が所属します経済産業委員会でも随分議論がございました。これがいよいよ廃止されるという中で、中小企業の方が心配されているのは、極度限度額、そこがいっぱいになってきて、そこでちょっと足切りされてしまうんじゃないかと。かえって包括根保証がない部分、厳しくなるというんですか、そこになっては困ると思っているんですけれども、そこの点はどういうふうにお感じになられているのか、ちょっと両大臣、お答えをお願いしたいと思います。簡単にお願いします。

谷垣国務大臣 先ほどから吉田節を伺って、あなたと議論させていただくのも久しぶりだなと楽しみにしていたんですが、駆け足で答弁をさせていただきますと、最初の定率減税の問題ですね。どれだけちゃんと調べてやっているのか、こういうことだと思いますが、これは、平成十一年の導入時、あのときの停滞した経済状態に比べますと、不良債権処理あるいは産業再生が進んでまいりましたので、底がたくなってくると思います。

 結局、一番心配は、先ほどもちょっとおっしゃったかどうか、個人消費だと思うんですが、これは、企業業績が上がってきている中で、失業率の下げどまりもありますし、一応大きいのは、この十年来で、趨勢的に失業率が戻ってきたというのはこの十年来のことでございますから、そういうことを踏まえますと、今後も持続的に民需主導で進んでいくんではないか。

 それからもう一つは、一遍にやるんじゃなしに段階的にやろう、こういうようなことで、景気、御心配ですが、景気に対する影響は、私は十分しのげるというふうに思っております。これが一番目。

 それから二番目は、消費税で複数税率等々をどう考えているかというお話がございました。これは基本的に、国民のニーズとかいろいろなライフスタイルが多様化していく中で、では何を複数税率、低率税率にしていくかという判定が非常に難しいわけですけれども、ヨーロッパの例等を見ますと、消費税率が二けたになりますと、低所得者層に対する配慮等から、食品等は軽減税率が必要だという議論がヨーロッパ等ではされているわけですね。我が国でもそういうことを一方で考えなければなりませんけれども、しかし、他方、そうなりますと、また事業者に、税を処理する実務等、非常に負担をかけるとか、いろいろなことがありますので、単一税率が望ましい面もあるわけです。

 これは、今後、税率をどうしていくかというような議論の中できちっと答えを出していかなきゃいけないと思いますが、私は、できる限り、余り複雑にならない方がいいんではないかと思っております。

 それから三点目は、簡易課税とかあるいは免除等々というのは、これは最初にやるよりも、周知が大変だから、後で判断できるようにした方がいいんではないかというお問いかけであったと思います。

 これはまず、周知といいますか広報活動をよくやって、納税者に御迷惑をかけないようにしなきゃならないというのが大前提でございますけれども、こういう制度を設けておりますことは、損か得かということで設けているわけじゃなくて、やはり簡易課税や何かだと記帳のやり方が違いますから、最初に選択しておいていただかないと、その辺、後から、では自分は普通のやり方でやるんだと言っても、記帳方法等が十分でないといっても混乱がありますので、やはり最初に選択していただくような広報活動を徹底していく必要があるかと思っております。

 駆け足でしたので十分意を尽くせませんが、あと……。

伊藤国務大臣 包括根保証の問題についてお尋ねがございました。

 委員もこの問題については熱心に取り組んでこられ、また中小企業政策に真剣に取り組んでこられた先生方にとってもこれは重要な課題であると私も承知をいたしているところでございます。民法改正法の成立の後、私どもといたしましては、金融機関に対して、同法の内容の周知徹底及び早期の包括根保証契約の見直し等、同法の趣旨を踏まえた適切な対応に努めるよう、繰り返し要請を行ってきているところでございます。

 また、契約条件の内容について、金融機関が顧客に対して適切かつ十分な説明が行えることが極めて重要であると認識をいたしておりますので、法律の施行に合わせて、顧客への説明態勢にかかわる事務ガイドラインの所要の改正を行うとともに、取引関係の見直しに際して、包括根保証の禁止を口実とするなど、説明態勢が不適切なものになっていないかどうか、しっかり監督をしてまいりたいと考えております。

吉田(治)委員 質問項目、もうちょっと質問時間があるかと思ったんで、多くなってごめんね。これは謝っておきます、それだけは、駆け足になって。だから、駆け足で後答えてくださいね。

 そういう中で、個人消費という部分を考えていったときに一つ、厚生労働大臣おいでですけれども、社会保険の問題、事業所、企業の社会保険の未納という問題が出てきています。

 データというのは大体いつぐらいのものまで用意しているのか、それから対策。それから、そこへ勤めている会社の従業員という方は、会社側は、要するに企業側は社会保険料を取っていますよね、給料から、折半ですから。それを未納にしているという場合には、従業員は将来社会保険が、要するに年金が受け取れなくなるんじゃないか、自分のところの会社が未納かどうかもわからないということになると。

 社会保険の未納の問題について、事業所の未納の問題について、データの部分と、それから従業員は未納扱いになるのかならないのか、ちょっとその辺、お願いします。

青柳政府参考人 私の方からデータについてまず御説明をさせていただきます。

 お尋ねのございました社会保険、具体的には政府管掌健康保険あるいは厚生年金保険ということになりますが、これらにつきましては、私ども、平成十五年度まで確定数字を持っておるわけでございますが、平成十五年度における、その年に納めるべき保険料の納付状況につきましては、政府管掌健康保険が九九・三%、それから厚生年金保険が九九・六%ということで、収納率という意味で申しますと九九%を超えてございます。

 一方、解散あるいは休業を理由といたしまして、適用事業所に該当しなくなったという届け出をいただく企業の数も近年ちょっと増加傾向にございます。これが、平成十四年度には九万七百三十八件でございましたが、平成十五年度におきましても七万四千三百四十九件というふうになってございます。これらの中には違法な脱退などもあるのではないかというような御指摘もございましたことから、現在、平成十六年の一月から九月末までの全届け出数約四万件につきまして、総点検という形できっちりと点検をさせていただいております。

 以上でございます。

吉田(治)委員 脱退した数じゃなくて、今現在事業をしていて未納になっている会社、それはどうなの、どれぐらいあるの。それで、そこの従業員は未納扱いのままで終わるのか、それとも、会社が一応集めていて国に納めていないんだから、そこの従業員は将来年金はしっかりもらえるのか。その二点、どうなんですか。滞納というものですね。

青柳政府参考人 失礼いたしました。先ほど、いわば表の方から数字をお答え申し上げましたので。

 実は、金額ということで私ども押さえております。したがいまして、先ほど申し上げた九九・三%という金額は、平成十五年度に納めるべきとされました六兆三千七百七十五億円に対して、この年に納められた実際の金額が六兆三千三百二十五億円であった、こういうことを意味しておりますので、この差額がいわば滞納分というふうに御理解をいただければと存じます。

 同様に、厚生年金におきましても、十五年度に納めるべきでありました十九兆二千二百六十八億円のうち、実際に収納されたものが十九兆一千四百五億円になっておるということでございます。

 また、制度的に、委員の方がお尋ねになりました扱いでございますけれども、これは、年金制度におきましてはあくまでも事業主が保険料の納付義務を負っているという仕組みになっております。したがいまして、滞納による不利益を被保険者に一方的に課すというのは合理的でないというふうに考えておりまして、あくまでも、厚生年金等の給付は、被保険者としての資格を有しているということが客観的に確認できますれば、これについては、事業主による滞納が生じた場合におきましても、その受給権には影響しないというのを基本原則としております。

吉田(治)委員 要するに、払わんと滞納していても、もらえるものはもらえる。極端に言ったら、経営者が悪けりゃ、集めるだけ集めてドロンしても、それはその経営者を追いかけていくということですね。それでしたら、厚生労働大臣、結構です。わかりました。

 あと、文科大臣、きょうおいでいただいています。いつももっと議論したいんですけれども、きょうは公立、私立の話、ゆとり教育の見直しということで大臣やられましたけれども、私はあのとき思ったのは、一度調べてもらいたいのは、文部省の役所のいわゆるキャリアの人たちは子供をどこの学校へ行かせているか、一遍調べてみてくださいよ。ゆとりだ、ゆとりだと人に言っておって、自分の子供を私学に行かせている事例は多いはずなんですよ。自分らのことは片言隻句も言わないんだ、そういうことは。結果として、私学の人と話をすると、いや、言えないんですけれども、あの人もこの人も来てはるんですよと。やっていることと言っていることが違う。こんな事例をやはりまず大臣が、極端に言ったら明らかにしてもらう。

 そういう中で、公立と私立の問題。教育というのはお金があるなし、月十万円の塾にお金が払えるかによって人生が変わってしまうとも言われるようになってきて、財務大臣もよく御存じのとおり、やはり私立に行くと保護者の負担が大きいんですね。調べていくと、国の助成が公立と私学で違う分、最後、それがそのまま保護者の方の負担になってくる。約七十万円ぐらい違うそうです。

 都道府県はそれぞれ、十四、五万ずつ、大阪府の場合は出している。ですから、各都道府県から、五つの知事だとか六つの知事から要望書が出ているはずです、財務省の方にも文科省の方にも。ここの部分で、私は私学助成、私学の経営に金を出すというんじゃなくて、私学に行く保護者のためにも、だってそうでないと、私学に行く保護者は、私学の授業料を払いながら公立学校のためのまさに税金も払っている、二重払いと言ってもいいぐらいになってくる。

 そういうような中で、例えばバウチャー制度とかいろいろありますけれども、この公立、私立の保護者負担の是正というものをどう考えているのか。これは単に奨学金ふやしましょうとかそういう話じゃなくて、根本的な、例えば今申し上げたバウチャー制度を入れるとかいうことも必要でしょう。それにこのごろ、何か抜け道のように、公立学校の中高一貫のやり方をするんだとか、これは申しわけないけれども、私学がない地方だとかいうんだったらまだ話はわかるけれども、これほど中高一貫がいっぱいあるところで、わざわざ大都会でやるとかいう話もちょっとけげんな感じもするんですけれども、文科大臣、その辺はいかがお考えになられますか。これからまたどう採用されていきますか。

中山国務大臣 教育についていろいろな御質問をいただきましたが、まず、文科省の役人が自分の子供を私学に行かせているんじゃないかと。実は、私もそういう懸念を持ちましたものですから、これはみんな調べるわけにいかぬものですから、個々に、君のところはどうなんだということを聞きますと、結構公立に行かせているんですね。それは本当に驚くほどでございまして、そういう意味では、公立に行かせている。

 しかも、私が言っているのは、今、学習指導要領の見直し等をやっていますけれども、やはり自分の子供が義務教育の過程にあるその人たちにいろいろ検討していただきたいということをいつも言っているわけでございまして、その辺のところには十分目配りをしているつもりでございます。

 それから、公立と私立の違い、いろいろ言われましたが、実際、私学に行かせている方々、保護者の負担が大きいということは当然でございますが、これは、生徒といいますか保護者の選択の自由でございます。ただ、やはり私学の負担が大きいということで、私学助成につきましては、本当に苦しい財政の中でありますけれども最大限力を入れてきて予算は獲得している、こう思うわけでございます。

 また、中高一貫の学校とかいろいろ出てまいりました。これはまさに教育の多様性といいますか、選択の自由度を広げ、そして生徒の個性に応じた教育ができるようにということで、むしろこれは文部科学省、推進しているところでございますが、保護者の負担が差があるじゃないか、これは事実でございまして、中高一貫と私学ということではなくて、これは公立と私立の差がある、格差があるということでございます。むしろそちらの方の観点から考えるべきではないかな、このように考えておるところでございます。

吉田(治)委員 もっと議論をしたいので、できれば委員会なり分科会等でこれらの問題については議論をさせていただきたいなと思っております。

 もう時間もございませんので、あと三点それぞれに大臣、並びに日銀総裁、おいででございます、四点、ざくっと質問させていただいて、お答えいただければと思っております。

 まず一点目は、経済産業大臣。またこれは委員会で詳しくさせていただきたいと思いますけれども、冠婚葬祭互助会、二兆円ぐらい金を集めて、どうも使い方が、運用の仕方がおかしいんじゃないかと。合併だとか何とかになると、どうも救済をやっているんじゃないか。それで、事業団体を見ると、経産のOBの方が常務理事、専務理事で入っている。ちょっと消費者という部分からいうといかがなものかというふうなのがあるんですけれども、どういう認識に立たれているのかというのが経産大臣にお願いしたい部分。

 それから、国土交通大臣。今、景気、大変厳しいですね。そういう中で、高速道路の回数券が突如廃止になった。これは、運送業界というのはもうまさに競争で、しのぎを削って今やっている中で、たとえ一割二割のあの金額でも減らされるのはつらい。それで、地元団体も道路局長のところに陳情に行ったけれども、もう何か決まっていたという形で、けんもほろろで帰ってきた。

 これらの人たちに対する、例えば廃止をしたならば、それに対する対応方、私はETC推進派ですけれども、安易に、ETCにするから、助成金をつけるからというのではなくして、何かもうちょっと激変緩和措置というものを入れる必要があったのではないかな。これはやはり運送業界の方々の広い意見ではないかなと思っております。

 そして、内閣官房長官、おいででございますけれども、この国会でもさまざまな法案が出てまいります。法案が出てまいる前には必ず審議会でこうやりました、ああやりましたと。そうしますと、企業人の方が何人か入られていますね。その任用されるときに、私は見ていて、えっと思われる方、例えば、国の規制改革をするという人の会社には労働組合はない、労働組合はつくらせない。また、その人がやっている会社は二百ぐらいあって、利害関係にばっちり入っている、そういうお方を任用している。何か任用基準みたいな、かえって私はつくる必要があるんじゃないかな。

 そしてもう一点は、今、企業の社会責任というものが声高に言われている中で、例えば、会社で事故が起こった、さまざまな事故の中で従業員の方、関係会社の方が亡くなられた。しかしながら、その会社の経営に携わり、そして審議会のメンバーだ、やれ何やらに入っている人は、何も考えずに、そんなのわしは関係ないという部分もあったりしたときの、何か企業にとって問題が起こったときのその社会的責任のあり方というもの。

 審議会という、国の政策、法律を決める中で、そういう方々が入られているということ自身、一有権者、国民としてもたまらぬ気持ちになるのではないかなと思うんですけれども、今後、任用の場合、その辺のガイドラインなり、それから問題が起こった場合のガイドラインなりをつくられるのかどうかということ。

 そして最後、日銀総裁、きょうおいでで、先ほどからの議論を聞いていただいたらわかりますように、やはり個人消費。

 総裁、副総裁、政策委員のさまざまな講演録を私読ませていただいています。楽しみにしているんです、あれは。読むと、日本経済、どう考えられているのかなと。そういう中で思うのは、やはり個人消費が弱い、弱いというふうに、御自身も言われている。

 過日の同僚議員の質問では、ゼロ金利によって、九三年以降この十数年間で百五十四兆円、消費税にしたら一〇%相当のものが個人のポケットから実は利息というものが消えていって、それが銀行の再建のために使われていった。個人消費を冷ましてきた政策が金利の政策ではないか。ゼロ金利政策というものを個人消費の立場からどうお考えになられるのか。

 そして二点目は、量的緩和ということで随分なされてきました。特にデフレ対策という中で、気がつけば量的緩和のお金が国債の購入に充てられて、実際上、町の会社はなかなかその恩恵に浴せないという部分もあるやに聞いておるんですけれども、この量的緩和の政策というのをこのままずっと、条件はあるでしょうけれども、いつまでもやり続けるのか、どこを目安に、時期の問題なのか条件の問題なのか、その辺をお答えいただければと思います。

甘利委員長 三大臣、一参考人、それぞれ簡潔にお願いします。

中川国務大臣 冠婚葬祭互助会は、結婚式とかお葬式とか、大事な、そしてお金、費用がかかるものについて互助制度でやっているわけでありますが、御指摘のようなことがないように割賦販売法に基づいて許可制にしているわけであります。

 しかし、少子高齢化とかいろいろなことがあって、一部経営が厳しい。その結果、会員の皆さん、会費がうまく戻ってこないとか使われないということがないように、経済産業省としてきちっと、最終的には許可の取り消しも含めて、いろいろな業務改善命令とかございますので、吉田委員の御指摘をしっかり踏まえて、そういうことがないように、改めまして後ほど経済委員会ということでございますので、簡単な答弁でございますが、しっかりやっていきたいと思っております。

北側国務大臣 御承知のように、回数券につきましては、組織的な偽造事件が発覚をいたし、摘発される、こういう事件がございました。そういうこともございまして高速道路の回数券廃止ということにさせていただいたわけでございますが、それにかわる措置、これをしっかりやらぬといけないという御指摘でございます。

 全くそのとおりであると考えておりまして、今、ETC車を対象といたしまして、高額回数券と同程度の割引率となる割引制度を実施しているところでございます。

 これからもETCを活用いたしまして、特に運送業者の方々にとりまして大口・多頻度の割引、そういう方々への割引制度、こういうものを導入いたしまして、これまでどおりの割引が実質的には確保できるようにしてまいりたいと思っております。

細田国務大臣 審議会は、行革によりまして随分、数は前の二百十一から百七に減っておりまして、今、これは市販もされておりますが、審議会総覧等に委員の名簿等も入っております。

 各省庁で、できる限り中立的な方、学識経験者、消費者代表とかあるいは労働代表とか、それぞれの審議会の役割に応じて選んでおりますが、できるだけ、おっしゃったような、何かスキャンダルのようなものが世の中に明らかなような人は当然排除をしております。

 ガイドラインとしては、そのような基準ではなくて、役人OBの数を減らすとか男女の比率の問題をどうするとかそういうことは考慮しておりますが、今おっしゃったような、できるだけ不適格な人が入らないように、よく関係省庁にも指示いたしたいと思います。

福井参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、日本経済の中で大きなウエートを占めております個人消費、これはまだ、どなたの目でごらんいただきましても必ずしも満足できる状況まで回復していない、つまり、十分な伸びを示すところまで来ていません。しかし、個人消費が安定的にしっかり伸びていくためには、やはり所得の裏づけが必要で、雇用がしっかり伸び、そして賃金がふえる、こういう状況に明確に到達することが必要でございます。

 幸い、これまでの日本経済の動きを見ておりますと、大変時間がかかりましたけれども、民間部門の構造調整が進んで企業収益が上がるようになり、最近では雇用は着実にふえ始めております。賃金がようやく下げどまった、こういう段階でございますので、これから先の運営の仕方が非常に大事だという局面に来ているというふうに思っています。

 日本銀行は緩和政策を、超緩和と申し上げていいと思いますが、長く続けておりますが、これも目標は、そういうふうに民間部門の経済の循環メカニズムがよりしっかり働くように、それを後押しするために我慢強く続けているということでございまして、現在、点検いたしますと、まだ万全とは言えませんが、かなりいいところまで来ているということでございます。これに確信が持てるまで緩和政策は続けさせていただく。より具体的に申し上げれば、消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまで今の政策を続けるということでございます。

吉田(治)委員 もう終わります。ありがとうございました。

甘利委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時十五分開議

甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。生方幸夫君。

生方委員 民主党の生方幸夫でございます。

 一時間ほど質問をさせていただきます。ちょっと質問の順番が、大臣がまだ到着していないということで、変えてさせていただきます。

 この間の集中審議のときに、自民党の馳議員が、我が党の政治資金にあたかも何か不正があるような質問をする中で、そのことは本当に遺憾なんですが、その後で、政治資金規正法の改正案について、馳さんの案なのか自民党の案なのかはわかりませんが、こちらにパネルを示して説明をいたしました。

 総務大臣も御承知のとおり、前臨時国会で、私たち民主党も政治資金規正法の改正案を提出し、自民党も同じように政治資金規正法の改正案を提出いたしました。残念ながら、前回の臨時国会ではお互いに趣旨説明をしただけで実質的な討論に入らず、この通常国会に政治資金規正法の改正案の論議が持ち越されたわけでございます。我々は、自民党案と民主党案を比較して大きく違っているところが何点かございまして、その何点かを詰めていって、ぜひともこの国会で政治資金規正法の改正案を成立させたいというふうに考えております。

 その隔たりがある部分が大分大きいかなというふうに思っておりましたら、馳議員が前回質問をした中で何点か指摘されたことは、我々が政治資金規正法の改正案の中で取り上げておきながら、実は自民党の案には入っていないという点が何点かございました。もし馳さんが本当に自民党案を御存じの上で、それで、その提案者と質問内容を討議した上でこの間の質問をしたのであれば、直ちに我々の案と自民党案をすり合わせて成案ができるのではないかというふうに考えております。

 これは閣法ではございませんので、総務大臣に直接法案についての質問というのをするわけにはいきませんが、我々の案の中でとりわけ重要な点について、総務大臣としてどのようにお考えになっているのかという点を何点かお伺いさせていただきたいと思います。

 まず、一番の問題となっておりますのが、日歯連の事件をめぐりまして迂回献金があったかどうか。この問題については、総理も何度もなかったというふうに言っておりますし、我々はあったというふうに言っておりますので、その問題を蒸し返すつもりはございません。

 ただ、なかったというふうに主張するのであれば、我々が主張しているように、迂回献金というようなものがあってはいけないという観点から、我々の案が迂回献金の禁止を明確にいたしております。自民党案は残念ながらそれは入っておりませんが、先ほども指摘したように、馳議員は迂回献金を禁止したらどうかというような趣旨の発言をしておりましたので、まず、ぜひ政治資金規正法の改正案に迂回献金の禁止というのを盛り込むべきだというふうに私は考えますが、総務大臣、いかがでございましょうか。

麻生国務大臣 前国会で与野党の方から政治資金規正法の改正案というのが出されて、継続審議になっているということは、よく承知をいたしておるところです。

 これは、基本的には、政治活動の公正性とそれから政治資金の透明性の確保というのが基本的なルールづくりということになるんだと思いますが、今、いわゆる迂回献金等々の御指摘等々あっておるところですけれども、これは、どれが迂回献金で、どれが指定献金で、どれが何とかと、言葉の定義からいろいろ難しいところでもあると思いますので、これこそ、生方先生、これは各党各会派でよく論議をしていただかぬと、私どもの方でこれはやるべきとかやるべきじゃないと言う立場にないということだと存じます。

生方委員 我々の文言は、何人も、政党または政治資金団体に対し、当該政党または政治資金団体が特定の政治団体に対して寄附をすることを条件に寄附をしてはならないというふうになっておりまして、これである程度の迂回献金というのは阻止をできるんじゃないかというふうに私は考えております。基本的な合意があれば、文言についてはいかようにでも直しようがあるというふうに思いますので、私はぜひこの項目を入れてほしいというふうに考えております。

 それから、馳議員があの中で、政治資金報告書を今総務省に行って我々は見ることはできるんですけれども、コピーをとることもできないので、実際には行ったら手書きで書いてこなければいけないということで、非常に膨大なものでございますから、何年分かをとってくるということになると本当に大変な手間が要るわけで、実際、我々も秘書さんに頼んで写してきてもらったりするというようなことが現実でございます。

 先ほど大臣がおっしゃいましたように、公正性、透明性というのを確保するためには、やはり広く国民の目にオープンにされた方がいいであろう。そうすると、どういう手段があるのかというふうに考えますと、やはりインターネット上に公開するというのが一番手っ取り早いのではないかなと。これは、一人二人の目で見るよりできるだけ多くの方の目で見れば、仮に不正があれば、不正というのを発見することができるのではないか。

 我々の案では、保存期間を五年に延長して、インターネット上で公開できるというふうにしておって、馳さんも、インターネット上で公開するのはいいのではないかというふうにおっしゃっておりましたので、ぜひともこれは実現をさせたいというふうに思っておりますが、大臣、いかがでございましょうか。

麻生国務大臣 これは政党間でやっていただかないかぬところなんでしょうけれども、生方さん、基本的には、インターネットという言葉が私より上の世代でどれくらい通じると思っておられますかね。本当に、インターネットというのをしゃべると、ほとんど、うんと言って、そこで話題がとまっちゃう方というのが結構多いんですよ。これは正直、世の中の現実だと思いますよ、国会議員だからというんじゃなくて。インターネットと言われたら途端に、何となくうんと言って、それで、とにかくもうキーボードを見たらほろせが出るような感じになってくる、いわゆるかいかいが出てくるような感じになってくると、これはとてもじゃないんですよね、実際問題として。

 そういった状況にあるところからいきますと、インターネットというものはかなりな勢いで広く世界で広まっておりますし、私ども、その役所を担当しておりますので、インターネットというのは極めて日常茶飯事のことなんですけれども、これを理解していただくことが、議員に限らず、なかなかよう得られないなというようなのを現実にそばで見るものですから、そういった意味で、今言われたお話は、これはよほど各党でお話をしていただかぬと、一方的にというのはなかなか難しいかなという感じは、今の現状ではそんな感じがいたします。

生方委員 インターネットが使いやすい、使いづらいというのは、これは別の論点でございまして、実は、あれは本当に簡単は簡単なんですね。検索をして、例えば私の名前さえ入れれば、私の名前が出ているものは順次ばっと出てきますので、そこの中の政治資金というところをまたクリックすれば、それで政治資金が出てくるようになるので。

 私が言っているのは、総務省に行って総務省からあそこの政治資金報告書を一々見るというのは、恐らく、北海道にいる方がわざわざ総務省まで来て見るわけにはいかないので、インターネットというものを使えば、それを使い勝手が難しい、難しくないというのは別として、見たいという人は、少なくともインターネットを見れば北海道の方も沖縄の方も見ることができる。より広く国民の方が見れば、仮に不正があった場合、一人の目で見るよりも、やはりそれは十人で見た方がわかりやすいし、百人で見た方がわかりやすいし、我々の方も、報告書を総務省にだけ提出するんじゃなくて国民全部に提出するという意味でそれを記載するようになるというふうに思います。

 インターネットの使い方とか、どういうふうに記載をしてどういうふうに利用するのかというのは、これは工夫次第でございますので、考え方としては、より多くの国民の方たちが見やすいような状況にして報告をする方がより不正はなくなるだろうし、政治の信頼を取り戻せるだろうという観点から私は申し上げておりますので、御配慮をいただければ。これは議員同士でやることでございますが、御理解をいただければというふうに思います。

 それと関連をするんですが、私たち民主党は既に政治資金報告書の外部監査というのを行っております。党、政党としてはもう既に行っておりますが、今度は個人個人も、来年の政治資金収支報告書から、外部監査で公認会計士あるいは税理士の方に政治資金報告書をきちんとチェックしてもらうということを我々はやっておりまして、この政治資金規正法の改正案の中にも外部監査の義務化というのを取り入れているわけでございます。

 これも、やはり客観性を保つという意味からも、外部監査を義務化する方が国民の信頼を取り戻す一歩になるというふうに考えておるんですが、大臣、いかがでございましょうか。

麻生国務大臣 民主党案の中に、政党本部または政治資金団体に外部監査報告書の添付を義務づけるというあれがあるのに対して、自民党案の方、与党案の方、これは十六年の十一月に出した分の方についてはこれが載っていないというのは承知しておりますが、これは、先ほど言われましたように、よく政党間で、こっちはこれでいい、こっちはこれではだめだといろいろ御意見のあるところだと思います。

 公平性、いろいろな形で保てるんだと思いますし、先ほどのインターネットにしても、開かれた話というのはよりよいというお話もよくわかるところですけれども、これはちょっと政党間でお話をしていただく以外に、私ども総務省として、こうすべき、ああすべきと言う立場にないということは御理解を賜りたいと存じます。

生方委員 このほかにも、我が党の案にあって自民党案にないのは、収支報告書の不記載に対する罰則の強化とか残高証明の義務化というのがございまして、これもぜひ取り入れてほしいなというふうに思っております。

 ただ、もちろんこれは政治活動の自由との関連がございますので、私も、余りぎりぎり、全部にわたって細かく規則をつくってしまうと、いわばそれを逆手にとった形で政治活動の自由が妨害されてしまうというようなことがあっては困りますので、その辺は十分に配慮しながら、今国会でぜひ成立をさせていただきたいなというふうに思っております。

 では、総務大臣は以上で結構でございます。

 法務大臣、お見えになりましたので、法務大臣にお話をお伺いしたいと思います。

 実は、この質問は先週つくりまして、先週のときには、例の安城市で赤ちゃんが殺されたという悲惨な事件がございまして、その件に関して質問をしようというふうに思っておりましたら、今度は、きのうはきのうで、学校に十七歳の青年が入っていって教師を刺殺するという本当にとんでもない事件がまた起こりまして、私もきのうの夜のニュースを見て本当にびっくりしたんです。

 学校の事件というのがこのところ相次いでおりまして、きのうの事件についても、出入り口が三つあって、そのうちの幾つかが施錠していなかったというようなことが報じられておりますが、基本的に、学校というのはだれでもが自由に入れるというのが原則でございまして、授業をやっているときに全部門を閉めちゃうというのも、これもなにだというふうに思うんです。

 これだけ学校で事件が起きますと、親御さんとしてはなかなか、学校に行けばもう安心だ、通学途中で交通事故に遭ったり、誘拐やら何やらというのがあることはみんな心配はするでしょうけれども、学校にいれば安全だというふうに思っていたのが、学校にいても安全じゃないということになると、これは本当に大変なことだと思うんです。

 これは、法務大臣よりは、本当は村田国家公安委員長に聞いた方がいいのかもしれませんが、今度の少年の場合も、もちろんまだ事件の全容がわかっているわけではございませんから、どういう動機で、どういう挙動をしていて、どうだったのか。事前に何か犯行を犯すような兆候でもあれば、これは多分阻止することが少しは可能だったかもしれませんが、少なくとも報道されている限りにおいては、職員室はどこですかという、どこですかというのをみんな言っていたので、多分どこですかという敬語を使ったんじゃないかと思うんですけれども、そういう子がいきなり刺してしまうようなことがあるのを、一体我々はどういうふうにしたら防止することができるのか、国家公安委員長、いかがでございましょうか。

村田国務大臣 学校ですよね、特に小学校がねらわれるということで、相次いで大変痛ましい事件が起こっているわけでございます。具体的に今回の事件については、今捜査中でございますので、その捜査を待っていろいろ考えたいということでございますけれども、けさの閣議後の懇談の場でも、いろいろ閣僚の間でも議論がございました。

 学校に対しまして、警察も協力していろいろな対処マニュアルもつくらせていただきまして、そういう中で子供たちの安全を確保していきたいというとりあえずの感想を持っておりますが、いずれにいたしましても、先生が一人お亡くなりになるという大変痛ましい事件でございますので、私ども、捜査の結果を待ちまして、警察としてできることがあればまたいろいろと考えてまいりたい、こういうふうに考えております。

生方委員 私、ちょっと考えたんですが、警察官が退職をいたしますよね。退職をした警察官の方たちもいろいろ再就職先がございます。例えば消防署に行ってみたり、交通安全協会に行ってみたり、それからガードマンの会社に行ってみたりという形で、いろいろ再就職をすることはあると思うんですけれども、何もしないまま退職をして地域にいらっしゃる方も相当数おられるのではないかなというふうに思います。

 もちろん、通学路や何かにはお母さんたちが立ったり、それから町内会の方たちが町内を巡回するというような形で防犯活動をしてはいるんですけれども、私は、これは退職自衛官の方も一たん事があれば出てくるような仕組みにもなっておりますので、ぜひ、退職警察官の方を活用する道というのがあれば、もともと警察官として治安や防犯や交通安全に当たってきた方でございますから、そういう方が地域の方たちと一緒になって、例えば交通安全のために立つとか、地域の見回りに協力するとか、あるいは学校のところにガードマンだけいるというんじゃなくて、退職警察官の方がいてくれれば大変心強いんじゃないかなというようにも感じます。

 退職警察官の活用ということについて、国家公安委員長としてどのようにお考えか、聞かせていただきたいと思います。

村田国務大臣 御指摘のようなことはもう既に導入をしておりまして、一つはボランティアでやっていただく、一つは非常勤という形でもってOB警察官に働いていただく、こういうことがあります。

 具体的に申しますと、警視庁では、シルバーポリス、こういうのがありまして、これが小中学校の児童の登下校時におきますパトロールを、これはボランティアなんですが、実施してくださっている。それから、あとは防犯対策で、交番も空き交番が多いということで御指摘もあって、もちろん本来の地方警察官の増員もお願いして、今回の十七年度予算でもその中に入れていただいているわけでございますけれども、一つは、交番機能を補完するという意味で交番相談員、そういうシステムがございます。それから、あとは、いろいろな相談を受けるという意味で警察安全相談員、そういうシステムもあります。それから、学校等におきます少年の非行防止、児童の安全確保に従事するという意味でスクールサポーター、こういう制度もあるようでございます。

 ちなみに、それぞれどれくらいの人数があるかということでございますが、平成十七年の一月一日現在で、交番相談員が三千五十六人、総数は三千七十九人ですが、警察OBが三千五十六人ということです。それから、警察安全相談員は、総数が六百九十一人のうち警察OBが六百六十三人、スクールサポーターというのが、総数が百十六人のうち百九人が警察のOBがついている、こういうことだけ御披露して、私どもも警察のOBの力を積極的に活用していきたい、こういうふうに考えております。

生方委員 私もきのう聞いてそういう方がいるというのも初めて知ったわけでございまして、ぜひこれは、退職警察官の方がそういう活動をしているんだということを広くPRしていただければ、防犯上も非常にいいと思うんですよ。ただの普通の人が回っているより、退職したとはいえ、やはりその間ずっと警察官として活動してきたわけでございますから。

 どういう形にするのがいいのかわかりませんけれども、退職警察官であることが多少でもわかるような形にでもしていただければ、一人が回るよりもその人がいれば、周りの方は非常に心強く感じるのではないかというような気もいたします。ここで、今、国会で質問いたしましたので、国民の方もこの活動というのを知っていただいたと思いますから、そして退職警察官の数はもっと数多いはずでございますので、より多く活動していただければ、退職警察官の方も、もちろん働きがい、生きがいというのがあるでしょうし、地域の住民も、退職警察官の方が近くにいてくれれば安心だというようなことにもなると思います。

 警察官の数をふやせればそれが一番いいんでしょうけれども、この厳しい財政の中ではそれほど極端にふやすというわけにはいかないわけでございますから、ぜひともそういう方たちの協力も得て、やはり安心して暮らせるというのが我々の基礎でございますから、安心して暮らせなくなってしまったら、これは経済活動も何も全部おかしくなってしまうという一番根本のところでございますので、ぜひとも広く活用、活用というんですか、うまく利用していただいて、我々も安心できるような体制というのをつくっていただきますようにお願い申し上げます。

 それからもう一点、国家公安委員長にお伺いしたいんですが、前回、同僚議員が愛媛県警の内部告発者について質問をしたとき、公安委員長は、その方を部内で異動させた、異動させた理由に、ピストルというかけん銃を所持する部署から所持しない部署に回したというような発言がございました。これは一体どういう意味なのかというのを、まず一点お伺いしたいと思います。

村田国務大臣 正確に申しますと、異動ではなくて配置がえ、所属長が同じ所属の中での配置がえをしたというふうに言うのが正しいかと思います。

 私どもとしましては、その配置がえというのが、実は前回の御質問では報復人事ではないか、そういう御指摘もございましたので、私どもの認識では、報復人事ではなくて、すなわち、会見をしたから配置がえをした、それはそういう会見をしたこと自体を理由とするものではないということが一つ。

 それから、職務執行に伴います事故とかトラブル。本人も今まで、記者会見した後、報道機関がわっと集まってくるというような異常な事態ということは、恐らくこれまでの警察の勤務上経験もしていないという状況の中で、本人の置かれた環境を見るに、本人も大変高ぶったような言動もしておりましたので、そういうことから、職務執行に伴う思わぬ事故とかあるいはトラブルというものを避けたい、そういう配慮もあったのだろう。

 それから、配置がえというか同じ部署の中で、より、これからいろいろ調査もさせていただかなきゃいけない、あるいはけん銃を鉄道警察隊というのは所持するということから、さっき言ったような観点でそういう所持の必要がないというような部署、あるいは、仕事のニーズが最近とみにふえている、そういう仕事に、元来から人が足りないということもございましたので、そういうところに配置がえをさせていただいた。

 それから、待遇上も全く変わるわけでもございませんので、そういうこととして、周囲の事情を考えて所属長が判断をした、こういうことではないかということを、愛媛県警本部を通じまして警察庁から私は伺っているところでございます。

生方委員 去年、公益通報者保護法案というのが通りましたよね。これは、閉ざされた組織の中で何か不正が行われていたときには、内部から告発をしてくれる人がいないことには、その不正というのがなかなか明らかにならない。この保護法案ができたのは、そうした、いわば内部から告発をしてくれた方たちが不利をこうむることがあってはいけないというのがこの立法の趣旨だというふうに思います。

 愛媛県警の場合は、私も実際に行って調査をしたわけではございませんから、その方がどういうふうに思っているのかということが非常に重要ではございますでしょうが、仮に、内部通報したということによって即転勤だというようなことが行われると、これは我々新聞で見るだけでございますから、ほかの全国の警察官、あるいは、ほかの内部で不正が行われているのを、今は見て見ぬふりをしているんだけれども、これはいかぬな、いつかはやはり告発をしなきゃいかぬなというふうに思っている人が、警察でもこんなことをやるとすぐ配置転換をさせられてしまうんだ、それではやめてしまおうというのでは、去年できました公益通報者保護法案の趣旨に反するというふうに思うんですね。だから、そこのところははっきりしておかなければいけないと思うんですよ。

 今村田大臣がおっしゃったように、個人の方の置かれた立場を思って異動させたんだということであるのならば、それはこの法案の趣旨に照らして違ったことではないんですよというようなこともきちんと説明をしていただかないと、次にもう一回だれかがやろうとしているときに、自分も不利益をこうむるようだったらやはりできないということになっては困りますので、大臣、そこのところ、この法案の趣旨にちゃんと、きちんとのっとっているんだと、ただ今回の場合はそういうことではないということであれば、そういうふうに説明をしていただきたいというふうに思います。

村田国務大臣 当該法律はまだ実施されていない状況にあるわけですけれども、もちろん、私どもとしては、そうした法律の趣旨というものをあらかじめやはり尊重しなきゃいけない立場にある、こういうふうに理解をしております。

 具体的に公益通報に該当するかどうかという話については、本人の言動、そういうものを十分把握して検討してみなければ、公益通報に当たるかどうかと言うことはできないわけでございます。しかし、ただ、平等に扱っているかどうかということだと思いますので、そういう意味では、私どもが聞いたところでは、所属長はそうすることが本人のためにむしろなるというふうに考えた、そういう節もございまして、そういう意味では、先ほど申し上げた待遇面でも、何ら不利益を生じさせるという配置がえでもございませんし、私ども、法の趣旨にもとるものではないと考えておりますが、なお具体的な本人の発言等々を分析しなければならない、こういうふうに考えております。

生方委員 これは、警察署内部で内部告発をした場合は、いわば周りが全部敵になってしまうわけで、周りの方が言うことは、あの人はおかしいんじゃないかということになるのは当然でございますので、その部分はやはり差し引いて考えてあげないと、周りの人は、それは今まで普通にやってきたのが急にだれかが何か言えば、その人はおかしいというふうになるのは、これはもうそれを差し引いてちゃんと考えてあげなければいけないというふうに思いますので、これはもし当人が、自分は不利益をこうむったというような仮に訴えがあった場合は、ぜひ……(発言する者あり)訴えているんですか。訴えているそうでございますので、ぜひ客観的にきちんと調査をしていただいて、この法の趣旨にもとらないように処理をしていただきたいというふうに思います。何かありますか。

村田国務大臣 いずれにしましても、本人から損害賠償の請求が出ておりますので、そういう意味では、裁判を通じて明らかにされることもあろうか、こういうふうに考えております。

生方委員 公安委員長、違う件でもう一点お伺いしたいと思いますが、千葉県の松尾町で四人のひき逃げ事件というのがございました。これは、免許停止であった人間が運転をして事故を起こしたという事例でございました。

 私の周りでも免停になってしまったという人間がおりまして、もちろんその人は運転をしないというのが前提なんですけれども、無免許とか免許停止中であって運転しても、外部から見ている限りはわかりませんね。酒でも飲んでいれば、それはふらふらしていたり、居眠り運転でもしていればわかるんですけれども。そういうのがあるので、私は、免停中とか免許がない人が運転するのを防ぐような手だてというのを何かやはり考えなければいけないのではないかなと。

 きのう若干警察庁の方ともお話をしたんですけれども、ごく簡単な方法でいえば、これは個人のプライバシーの問題もあるのでそう簡単にはできないと思うんですけれども、プライバシーの保護を考えながら、例えば運転中は免許証をぺたっとフロントガラスに張っておく。国会でも、国会の車には国会の章がついておりますので、そういうようなことをやれば、例えば盗難車を運転しているとき、盗難車を運転している人が自分の免許証をぺたっと張るのは張りづらいだろうからというようなこととか、犯罪があったとき一斉に検問しているときに、それが張っていない車は不審車だというようなことがわかるとか、これはプライバシーの保護を十分に考慮しなければいけないことではございますが、防犯上の観点からも、私はやはりある程度そういうことももう考えてもいいんじゃないかなというような気がしておるんです。

 無免許で、免許停止中にああいう事故を起こして亡くなっちゃった方の遺族のことを考えると、何かしらの防止の手だてというのを考えなければいけないというふうに思いますので、そういう方法も一つあるのではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。

村田国務大臣 運転者が事業用の自動車を運転している、こういうケースは、免許停止、取り消しになった場合には、事業者に対して警察から通報する。同時に、運輸支局長あて、警察から連絡する、この人は免許停止あるいは取り消しだよということを。そういう制度があって仕事上運転をすることを防止する、そういう制度が一つあります。

 そのほかに、平成十八年度からICチップ入りの運転免許証というものを導入するわけでありまして、これが自動車メーカーとタイアップすることができれば、そのICチップ入りの運転免許をかざすことによって、キーと同じな役割をして、それで自動車がエンジンがかかるというような、そういうのもできつつあるというふうに聞いておりますので、将来そういうことがあれば、そのICチップの中に免許停止、取り消しという情報が入っておれば、自動車がその運転免許では運転できないということもできるわけでございます。

 いろいろな方法、今先生がおっしゃいましたこともそうでございますが、考えて、無免許運転、六万件を超える無免許運転者を取り締まっている状況にございまして、大変そういう意味では見逃しがたい状況にございますので、いろいろ工夫してまいりたいと考えております。

生方委員 私の地元でも、もうおととしになりますか、五人一遍に亡くなったという事故がございまして、私、やはり車の構造にも問題があるんじゃないかなと。前は、子供の列に車が突っ込んで複数の児童さんが亡くなられたということはありましたけれども、大人が四人も五人も亡くなるようなというふうになると、まあ今度の例なんかは軽乗用車だったですね、軽乗用車が、例えば六十キロ、七十キロのスピードを出していても、本当はそんな、四人も一遍に亡くなるような事故の、それほどの力があるというふうには思わないんですけれども、構造上の問題も若干あるような気もしないでもないんですが、その辺はお調べになりましたか。

村田国務大臣 私どもが今の時点で、昨年の暮れの件、例えば八人死傷したという件でございますが、これは、おっしゃるとおり軽自動車だったんですが、無免許だということですね。それからもう一つは、やはり酒気帯び運転、こういうことであったのではないかというふうに考えられているわけでございます。なおしっかりとした捜査が必要だというふうに考えておりますが、酒気帯びということもあったようでございますし、速度は五十キロを超える程度だったように……(生方委員「もういいです、詳しいことは」と呼ぶ)はい。

生方委員 危険運転致死傷罪というのが、三年前ぐらいですか、できましたよね。これも何か適用が非常に、飲酒や薬物で正常な運転が困難であったことを証明しなければいけないというふうな形で、なかなか適用がしづらいようなことも聞いておりますので、やはりこれは事故防止のために、酒気帯び運転や酒酔い運転の場合は非常に厳しい罰金を今取るようになっておりますが、この法もせっかくできたのでありますから、できるだけ適用ができるようにしていただきたいという要望だけしておきます。

 公安委員長、以上で結構でございますので。ありがとうございました。

 それでは、法務大臣にお伺いしたいと思いますが、愛知県の安城市の事件ですね。あの事件、赤ちゃんが殺されてしまったという事件ですが、あれは、仮釈放された後、更生施設に入っていて、そこからいなくなって犯行に及んだというふうに聞いておりますが、仮釈放中で更生施設に入った人について、これが行方不明になったときはどういう措置をとらなければいけないということになっているのでございましょうか。

麻生政府参考人 お答えいたします。

 仮出獄者が更生保護施設に入りまして所在不明になった場合につきましては、当該更生保護施設で所在を捜すわけでございます。その施設におりましたほかの収容者から事情を聞いたり、あるいは所持品がないかというようなことを聞いて所在を捜します。それから、所在不明になりましたことにつきましては、所管の保護観察所に連絡をいたします。保護観察所では、本人の身上関係の記録を持っておりますので、本人の立ち回り先等を調査して所在を捜すように努めております。その結果、どうもわからないということでありますれば、保護観察の停止という措置をとることになっております。

 以上でございます。

生方委員 今回のケースはどういうふうになっていたんですか。

麻生政府参考人 今回のケースにつきましても、先ほど御説明しましたような当該保護施設内での調査をいたしまして、保護観察所に連絡をいたしました。保護観察所では、本人の身上関係について調査したわけでありますが、あいにく本人の両親が亡くなっているというような事情もございまして、所在がつかめないままになっておりました。それで、保護観察の停止処分の手続をとりかけたところでございました。

 なお、警察等への連絡は行っておりません。

生方委員 これは、保護観察の停止処分がとられると、もう一回収監をするということになるんですか。

麻生政府参考人 保護観察の停止処分と申しますのは、保護観察期間の進行を停止する。つまり、それをとめませんと、保護観察期間の経過によって保護観察期間が終了いたします。そうしますと刑の執行を受け終わったのと同じことになりますので、その効果をとめるという効果がございます。それとは別に、保護観察の取り消しという制度がございまして、これをいたしますと、再度収監をするということになるわけでございます。今回は、前段の方の措置をとったということでございます。

生方委員 この方の場合は、今おっしゃったように両親がいなくて、出てきたときは所持金が一万円しかなかったというようなことも報じられております。それで、再犯だったわけですね。

 「再入受刑者の再入状況」という資料をいただきましたが、これを見ますと、結局、出所人員が平成四年で見ますと二万二千百三十一人で、再入所人員が一万一千四百八十六人、五一・九%の方が再犯をしてまた刑務所に入っている。この数字はずっと変わらずに、平成十三年は八千四百六十人になっているんですけれども、これは年数がまだ余りたっていないからということでございまして、年数がたてばいずれみんな五〇%程度にはなってしまうのではないか。

 再犯率、再犯じゃないんですね、再入所ですから、もう一回有罪になって有期刑を食らったというのが五〇%を超えているというのは、幾ら何でもこれは高過ぎるのではないか、やはりこれは何とかしなければいけないのではないかなというふうに思うんですが、これは法務大臣、いかがでございましょうか。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 本当に、再犯率が多いということについては大変考慮しなければならないと思っております。

 受刑者の方の中には、覚せい剤犯罪また暴力団関係など、社会復帰の妨げとなる深刻な要因を抱えている方もおられます。こうした受刑者の再犯防止につきましては社会全体で取り組むべき問題ではありますけれども、再入所者の実情について、これでよいと思っているわけではございません。法務省におきましては、現在立案作業を進めている法案におきまして、受刑者全般に対し、その者にふさわしい矯正処遇を受けることを義務づけていくということを考えております。

 また、処遇類型別指導の充実強化につきましては、薬物事犯者に対する教育処遇や被害者の視点を取り入れた教育、それにつきまして、昨年外部の有識者の方々とも研究会を開催しながら、現在標準的なプログラムの策定に向けて取り組んでいるところでございますが、性犯罪者の再犯防止プログラムにつきましても、今後、外部の有識者の意見をお聞きしながら効果的な教育方法を検討してまいりたいというふうに思っております。

 また、保護観察は、保護観察に付されている者に対して遵守事項を遵守するように指導監督いたしておりますし、その者に本来自助の責任があることを認めてこれを補導援護することによってその改善及び更生を図ることを目的としている制度でもございますので、再入所率を下げる上では、保護観察制度が果たしている役割は極めて重要であると考えております。このような保護観察制度を充実させていくためには、更生保護施設など寄住先におきます生活の定着を図り、自立準備を進めるための指導、援助を一層徹底するとともに、そのための専門的処遇プログラムを充実させることが必要であります。

 今回、愛知県内で起きた不幸な事件を受けまして、国民の間には不安が高まっているものと存じておりますので、これを真摯に受けとめながら、ただいま述べましたような施策を現実に施行できるように努力してまいりたいと思っております。

生方委員 今刑務所が足りなくて、私も、こちらへ来る途中、東京拘置所が今建て増しをしておりますよね、そういうのを見ておりますが、大事なことは、再犯をさせない、一回入った人がもう一回入るのを何とか阻止していかなければいけないというときには、やはり出た後のケアというのが非常に大事だと思うんです。だれでも、刑務所を出たばかりの人を進んで雇おうという人は残念ながらいないですよね。だから、そうした場合、出て働く場所がなければ食べていけないわけですから、また同じような犯罪というんですか、例えば空き巣に入った人なら、やはり空き巣は自分にとって職業だというふうに思っているかもしれませんので、またやってしまうということになるので、結局、再犯を防止するためには仕事を確保するというのが私は一番大事だと。

 それなりの職業訓練は刑務所内でもちろん行うわけです。印刷のあれをやってみたり、家具をつくってみたり、そういうことをやって、私も行って、大変立派な家具をつくっていたりする方もいらっしゃるわけですからね。ただ、出ていったときに、では家具屋さんにその方が就職できるのかというと、恐らくはできないのでしょうから、そこのケアの部分にやはりもう少しお金をかける方が、もう一回同じ犯罪をして中へ入れてしまうよりはいいと思うんですね。

 それでも、もちろんお金もかかることでございますから、そう簡単にいくというふうには思わないんですけれども、私は、そこにやはり力を入れていただいて、この再入状況五〇%というのを三〇%にまで低くすることができれば、もちろん治安もよくなるし、この方たちのためにもなるし、もちろん日本のためにもなるというふうに思いますので、その辺をぜひ御配慮いただきたいというふうに思います。

 それでは次に、これは今の犯罪率の高さということにも若干関連をすることでございます。それからもう一つは、これから少子高齢化を迎えて日本の人口それから労働人口も非常に減っていくということが予想されている中で、これはこれでいいという人もいるんですよね。人数が減っていって、低成長になって、それなりの落ちついた日本で暮らしていきたいというのが、いいというふうな人ももちろんいることはいるんですが、私はやはり、どうせ暮らしていくのなら活力ある日本で暮らしていきたい。人口が減っていってしまう、労働人口が減っていってしまうからどうしようかというようなことを考えるよりも、では、人口をふやしていき、労働人口をふやしていき、適切な経済成長というのがある社会を目指すべきだというふうに考えております。

 そこで質問をしたいんですが、今、日本にはいわゆる不法労働者というふうに言われている方たちが、二十七万とか二十五万とか二十三万とかいろいろな数字がございますが、これはまさに不法に就労しているわけですから、きちんとつかんでいるはずもないわけでございますから、何人かはわからないんですが、少なくとも二十万人以上の不法労働者というのがいるというふうに言われております。

 これは、建設現場とかそれから土木作業現場等を見ますと、我々もたくさんの外国人の方が働いているところを見ることができるわけでございます。ただ、政府の建前としては、単純労働者は入国ができないというようなことになっておりますから、明らかに不法な労働者の方たちが働いているというのを我々は見ることができるわけでございます。

 ただ、この方たちがもし、不法であるからというふうにいって、すべて取り締まって、全員をもともといた海外に追い返してしまうというようなことがあれば、実際は中小企業を中心として経営が成り立たなくなってしまうというようなことも出てくるのではないかなという感じがいたしております。

 そこで、お隣の韓国では、やはり同じような問題があって、二十万人ぐらい不法労働者というのがいて、韓国もやはり単純な労働者というのを受け入れてこなかったんですけれども、その方たちにきちんと労働三法を適用しようじゃないかというような動きが出てまいりまして、〇三年から、それまでは産業研修制度として外国人労働者を受け入れていたのに、それを、本当は雇用許可制をすべて導入するという法案を出したんですけれども、両方残したままの形にして、約二十万人いた不法滞在者、外国人労働者を受け入れるようにするという措置をとったということがございます。

 また、アメリカでも、一時的労働者としての法的地位を与えるということで、不法労働者移民に対して法的な一定の位置を与えるということを行っております。

 私も、単純労働者を受け入れないというのはそれはそれで政府の政策としてわかるんですが、現実にそういう方たちが多く働いている中で、いわゆる不法の状態に置かれているから、例えば雇用主が、不法な労働なんだからお金は払わないよというようなことがあって、お金がないのならばというので犯罪に走っちゃうという例も間々あるというふうにも聞いておりますので、やはりそうしたお隣の韓国やアメリカがとっている措置を日本も検討する時期に来ているのではないかな、二十何万人という人数を考えれば来ているんじゃないかというふうに考えますが、法務大臣、いかがでございましょうか。

南野国務大臣 先生の御指摘、ありがとうございます。

 今、二つの問題についてお尋ねがあったかなというふうに思っております。

 外国人労働者という観点につきましては、現在、専門的な技術的分野の外国人労働者の受け入れは、これは積極的に推進するという政府の方針に基づいて、外国人労働者の受け入れを行っているところでございます。

 また、委員御指摘のような、現在では、専門的、技術的分野とは評価されていない分野における外国人労働者の受け入れにつきましては、我が国社会のあり方に大きな影響を及ぼす問題であるので、諸外国の制度も参考にしつつ、今お話しいただきました韓国の制度なども参考にしつつ、関係省庁と連携して、幅広い知見、見地から検討してまいりたいと考えております。

 それで、先生、もう一つのお尋ねは、不法滞在者の問題もございました。そういう意味では、およそ二十五万人と推測される不法滞在者の存在が我が国でございますが、それに対して、治安に対する不安を深刻化させる要因の一つであるとも指摘されております。法にのっとって在留していただくということは、我が国の安心、安全な暮らしのルールの一つでもあるというふうに思っております。

 法務省といたしましては、昨年来、これら不法滞在者を五年間で半減させるというために強力に種々の対策を講じているところでございますが、このような状況のもとで、本邦に不法に滞在している外国人に対しまして一律に一定の地位を与えて在留を認めることにしますと、今後、新たな不法入国者の流入、または不法残留者の増加を誘発するという要因にもなりかねないということから、そのような措置は相当ではないと考えております。

 しかしながら、不法滞在者の中にはさまざまな事情を持った方がおられます。そういう意味では、個々の事案ごとに、在留を希望する理由、家族状況、生活状況、素行、内外の諸情勢、その他諸般の事情を総合的に考慮するとともに、我が国における不法滞在者への影響等も十分に配慮させていただきながら、適切な在留特別許可の運用に努めてまいりたいと思っております。

生方委員 もう少し質問をしたかったんですが、時間がないのであれしますが、ここに、ある投書が、毎日新聞にありました投書がございまして、在日の方が国籍を取るというときに、それだったら国籍を取ればいいじゃないかというような話があるけれども、そう簡単には取れないんだ、実際自分が取るまでには三年かかって、書類を二十センチほど出さなければいけなかったと。私は、もともと日本に生まれて国籍を持っていますので、国籍を取るのがどれほど大変なのかはわかりませんけれども、ただ、取りたくても三年で二十センチというのは、かなり異常な年数と異常な書類の多さだというふうに思いますので、ぜひそういうのも簡略化をしてほしいというのが要望の一点。

 それからもう一個、例えば北欧諸国なんかは、ある時期に人口が減りますから、労働人口が減った分の、見合ったというふうにはならないんでしょうが、それにほぼ近い形の移民を受け入れるというような形で人口を維持しようというようなことをやった時期があったやに聞いております。

 日本も、ただ少子化対策だけを行っていて人口が減ってくるのを手をこまねいているんじゃなくて、移民というのをいきなり受け入れるというのは、これは日本の風土からいっても大変なことだというふうには思いますが、移民ということも視野に入れながら、これだけの国際化の社会の中で、一千万人以上の人が海外に行き、六百万人近い方がまた日本にも来てくれるというような状況の中で、私は、移民ということも政策としてひとつ将来的にはやはり考えてみる必要があるのではないかということだけをお話をさせていただいて、次の質問に移りますので、法務大臣、結構でございます。

 時間がもう余りなくなってしまいましたので、厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、年金の問題についてお伺いしたいと思います。

 年金の積立金がたくさんあって、そのお金がこれまでは財務省の方に回って、特殊法人等に回されていた。これを改めようということで年金資金管理団体というのを基金をつくって、そこで運用をするようになっておりまして、それが将来的には独立行政法人に移ってその積立金を運用するというような、そういうスキームができているということは承知をいたしております。

 私は、積立方式と賦課方式というふうにある中で、将来的には賦課方式に移るということはもう決定をしているわけでございまして、その中で、積立金を二〇五〇年までまだこれからどんどん積み立てていって、最終的に三百五、六十兆というところまで積み立てていって、それから取り崩して二一〇〇年に至るというようなスキームのようでございますが、今一番問題なのは、私もそうなんですけれども、私が団塊の世代でございまして、我々の世代があと数年するとリタイアする時期を迎えて、そこで年金が非常に多くなるという時期になるわけでございますから、それをどうするのかというのが年金改革の非常に大きなテーマの一つでございます。

 積立金、支給する額からいうとそれほど多い額ではないんですけれども、ただ、額からだけ見れば非常に大きな額があることはあるわけでございまして、これをこれから先も積み立てていくというのがいいのか。あるいは、ここは緊急事態でございますから、これをある程度取り崩すということも考えながら、年金の、みんなが安心できて、みんなが応分な負担で応分な受給が受けられるようにするためには、硬直的に積立金はどうしたって守らなければいけないんだという考え方を、私は若干改めた方がいいのではないかという気がするんですが、いかがでございましょうか。

尾辻国務大臣 積立金の活用の問題でございます。

 平成十六年の、昨年の財政再計算では、財政の均衡を図る期間の終了時、すなわち、九十五年後を考えておりますので二一〇〇年度になるのでありますが、このときに支出の一年分の積立金を保有する、こういう計算をいたしております。したがいまして、積立金の計算は、大きく九十五年間の計算をしておるということでございます。

 そこで、今お話しの二〇五〇年以降の話でありますけれども、これは、今後ずっと計算いたしますと、六十五歳以上の人口の割合が三割を超えて少子高齢化のピークを迎えるのが二〇五〇年、こういうことになるものですから、このときが年金財政にとって一番厳しい時期になる、そういうふうに考えられております。したがいまして、この少子高齢化のピークを迎える二〇五〇年ごろから積立金を取り崩して給付に充て、おおむね百年後に積立金の水準を、さっき申し上げましたように一年分ぐらい持つ、こういう計算をいたしておるところでございます。

生方委員 これは、独立行政法人ができた場合は、厚生年金の積立金と国民年金の積立金と共済年金の積立金も全部一括してそこで運用するんですか。それとも、共済年金はそのまま、まだ残したまま独自に運用するんですか、どちらなんですか。

尾辻国務大臣 新しくできます独立行政法人では、厚生年金と国民年金の積立金を運用いたします。共済年金は別でございます。

生方委員 そうすると、共済年金はどのように、だれが運用するという形になるんですか。地方公務員共済だと三十五兆ぐらいあるし、国家公務員共済も約九兆ぐらいあるというふうに思うんですが、それはだれがやっていくのか。

谷垣国務大臣 共済はそれぞれの、国家公務員共済であれば、年金積立金等の運用は国家公務員共済組合連合会が行うという形になっております。

生方委員 同じように、諸外国を見ると大体賦課方式に移っておりまして、年金の積立方式というのをとっているのは日本とアメリカぐらいですか。アメリカの場合は、積立方式をとっているんですけれども、その積立金の運用に関しては特殊な国債で運用するという形になっております。これはもう何度もここで論議をされておりますが、年金の積立金で損害を出すというようなことがあるぐらいなら、国債というものを出して、それの金利だけでよければ、独立行政法人にわざわざ人を張りつける必要もないし、運用のために証券会社に手数料を払う必要もないので、そういうこともやはり考えた方が、国民にとっては非常に安心だと私は思うんですけれども、その辺はいかがでございますか。

尾辻国務大臣 外国の例の話もありましたけれども、それぞれいろいろなやり方がございます。スウェーデンなども積立金を大分持っておりますし、それぞれのやり方でやっておるということでございます。

 そこで、最近のことでございますけれども、積立金の運用の状況で申し上げますと、平成十五年では、財政融資資金からの預託金の収入では二兆四千四百七億円、それから年金資金……(生方委員「額は結構です」と呼ぶ)いいですか。

 バランスをとって今やっておりますので、今後とも独立行政法人、きっちり責任を持ってバランスを見ながらやってくれる、こういうふうに考えます。

生方委員 年金は、また来週集中審議があるようでございますので、そのときにまた質問する機会があればというふうに思います。

 以上で終わります。

甘利委員長 これにて生方君の質疑は終了いたしました。

 次に、中塚一宏君。

中塚委員 民主党の中塚一宏でございます。

 本日は、きょうの本会議で趣旨説明と質疑のありました定率減税のお話から財務大臣に伺わせていただこうと。実は、私はその定率減税の制度発足の際の経緯なんかもちょっと知っているものですから、そのときの経緯も含めましていろいろとお伺いをしたいというふうに考えております。

 定率減税自体は平成十一年からやっておるということなんですけれども、その定率減税を実施した背景に自自連立というのがあって、その自自連立の合意の中に「いま直ちに実行する政策」というのがありまして、そこで「国民の暮らしを守るために(税制改革)」というのがあり、「所得税、住民税等の減税規模は十兆円を目途とする大幅減税を実施する。その内、法人関係税の実効税率は四〇%に引き下げる。」というのがこの合意の内容だったわけなんです。

 それを受けまして、お亡くなりになられた池田行彦さんが当時政調会長だったんですけれども、いろいろと折衝、議論を積み重ねてできたのがこの恒久的減税ということなんですね。ですから、恒久的減税には、定率減税だけじゃなくて、法人税の実効税率も下げましたし、あと所得税の最高税率も下げたということなんです。

 所得税減税についてはいろいろな経緯があったわけなんですが、減税のやり方は別にして、減税をやるということが当時の一番の課題だったわけで、景気対策という意味では、もちろんその当時はすごい景気が悪かった、未曾有の経済危機で、拓銀、山一がつぶれたり、長銀、日債銀も公的管理になるとか、そういったことがありましたから、景気対策という意味合いがなかったわけではないんですが、でも、景気対策のためだけにやった減税ではないわけですね、恒久的減税というのは。だから、減税自体が改革の柱だから、特別減税とかいう名前じゃなくて、恒久的減税というタイトルになっておるわけなんですよ。

 そういう意味では、景気がよくなったから税収増のためにもとへ戻すという性格のものではそもそもないはずなんですね。それも、その定率減税の部分だけを縮減するとか廃止するとか、そういった性格のものではないというふうに当時の成立の経緯から考えますが、まずそこはいかがでしょうか。

谷垣国務大臣 いわゆる当時の自自合意ですね。委員は自由党の方からごらんになっていた、相当深くその当時の経緯にかかわっていたと伺っておりますが、私は、当時、大蔵省で政務次官をやっておりまして、政府の中から見ていたという立場でございます。ですから、若干、それぞれのどこにいたかによって見る角度が違うのかもしれません。

 私ちょっと当時のことをもう一回調べてみますと、そうすると、委員がおっしゃいましたように、平成十年十一月に、当時の小渕自民党総裁と小沢自由党党首との間でいわゆる自自合意が合意されまして、小沢党首の提案を踏まえて、税制改革については、当面やるペーパーというのは私も改めて拝見しました。

 「経済・社会の構造改革を進めるとともに、社会保障制度の基盤を強化するため、税制の抜本改革を断行する。」そして「その第一弾として、また直面する経済危機を克服するために、当面、」として、さっきお引きになった消費税の福祉目的への限定などの抜本的見直し、それから、所得税、住民税、法人関係税の十兆円を目途とする大幅減税といった措置を実施するという基本的方向が合意をされたというふうに承知しているわけですが、この合意に基づいて、両党間で所得税減税の方式について議論がなされたものというふうに理解しております。

 それを受けていわゆる恒久的減税が実施されたわけでありますけれども、こういう中で、定率減税については、当時の著しく停滞した経済活動の回復に資するため、それから個人所得課税の抜本的見直しまでの間の特例措置、こういうことで実施されたわけでございます。確かに、いろいろなものが組み合わさってもおりますから、景気対策のためだけではないというのは私もそのとおりだと思いますが、やはり、あの当時の経済情勢に対して、「当面、」ということもついておりまして、景気対策としての色彩というのは相当強いものだったというふうに私は、そこが委員と若干違うのかもしれません。

 そこで、私どもは、経済情勢が当時と比較して改善しているし、三位一体という形で所得課税の抜本的見直しをしなければいけないので、今回こういう形で法案をお出しして審議をお願いしているということでございます。

中塚委員 減税を行うこと自体が目的で、景気対策というのもその目的の中に入っているということは申し上げているんですが、十年の十二月十六日に、「自由党との協議の確認」というペーパーがございまして、十二月十六日ですから、与党の税制大綱が発表された翌日につくった文書ということなんですけれども、そこには「所得減税の方式等および消費税率のあり方については、引き続き協議する。」消費税というのは、要は福祉目的税にしようということを当時主張しておりましたから、そのことなわけですが、所得減税の方式について引き続き協議するということになっているわけですね。

 というのは、何となれば、やはり定率減税だという話。まず所得税、法人税ともに最高税率を下げる。それは下がったんですが、ところが、それでは額が積み上がらなかったわけですよ。額が積み上がらなかったから、では今度定率減税をやりましょうということになって二〇%の減税をする。当時の経緯からしますと、二〇%の定率減税をするんだけれども、頭打ちはやめろという話をした。というのは、二〇%の定率減税をすれば、各税率全部二割引いたのと同じですね。最低税率一〇%は、二割引けば八%になる。おのおの、ブラケットごとの税率は、二〇%引けば、要は全体の税率を落としたのと同じことになるということもあり、定率減税はそれはそれでいいけれども、頭打ちはやめろということを盛んに主張したわけなんです。

 ここに手書きの紙もあるんですが、今申し上げた「所得減税の方式等および消費税率のあり方については、引き続き協議する。」と、これは手書きの紙です。これは当時主税局の福田審議官がさらさらっとお書きになった紙なんです。

 そういった意味で、減税はやるということは決まっていて、額を積み上げるために定率減税。頭打ちというけったいなものがついていたんですが、それはそうとして、でも、所得減税の方式ということについては引き続き協議をしようということがこの時点での合意だったわけなんですね。

 そういった意味で、単に景気がよくなったから、恒久的減税の中でも定率減税のところだけをとって縮減をしたり廃止をしたりというのとはちょっと、今大臣が御答弁になられたけれども、それは当時の経緯からするとやはり私は違うと思うんですね。

 景気がよくなったからここの部分を下げるということではなくて、税制改正をするなとは言いません、ずっとこの税制でなきゃいかぬということではないし、恒久的減税であろうが恒久減税であろうが、社会情勢の変化に応じて変えるということは、それはあり得る話だと思うんです。ただ、その設立の経緯からすると、定率減税が景気対策であって、最高税率を下げたのが制度改革だという議論はなかったですよ。だから、そういう意味で、税制改正をする、要は、税の負担を減らすことによって社会経済の構造改革に資するというのがこの恒久的減税をやろうということのそもそもの趣旨であったわけですね。

 そういった意味で、まず第一に、景気対策のためだけの減税ではなかったわけですから、景気がよくなったから定率減税の部分を廃止するとか縮減するというのは、やはり間違っているということですね。

 二番目は、前回の質疑のときにお話ししましたが、私自身の認識としては、景気は回復ということではない、それどころか失速しているという認識を持っているということ。

 三つ目は、さはさりながら、恒久的減税をずっとやれとは言いませんが、ただ、減税するということ自体がこの制度改正の目的であった以上、やはり廃止、縮減してもとに戻すとかいうことではないわけだから、ちゃんと望ましい税制の姿というのをばっちり示した上で、その上で二年かけてこういうふうに変えていくんだということなら、まだ私はそれは理解できるというふうに思うんですが、これはいかがでしょうか。

谷垣国務大臣 今三点、委員おっしゃいました。

 一点目は、私は伺っていて、当時の事情全部つまびらかにしないこともありますけれども、たしか記憶によりますと、当時は、自由党は累進構造を緩和してすべての税率を引き下げるということを主張されていたんだと思うんです。それで、自民党の税制調査会の方では、取りまとめの段階では現在の恒久的減税の内容が我が方では合意をされまして、そして自由党との間では、減税の方式的には、さっき読み上げられました、引き続き協議していこうということになって、ですから、その過程の中で恒久減税をどういうものとして入れていったというのは、若干それぞれのそういう、抜本的に累進課税を改めろという御主張と我が方の主張とは、それぞれ同床異夢というふうには申しませんけれども、少し理解のギャップもあるいはあるのかなと、伺っていて思いました。

 それから二点目は、前回議論いたしましたので繰り返しませんが、私どもは、失速というのは前回も違うんじゃないかと申し上げましたけれども、そこは違うと思っております。

 それから三点目は、望ましい、あるべき税制というものをもっとはっきり示せ、そういう中で定率減税をどうするのか位置づけるべきではないかとおっしゃったと思うんですが、これはきょうの本会議でも御答弁を申しましたけれども、個人所得課税についても、配偶者特別控除の上乗せ部分、要するに控除みたいなものをどうしていくかという問題、それから年金税制の見直しということもやらせていただきまして、そういう中で、今度は三位一体の中で所得税から地方住民税へという移転の中で、本会議の答弁の繰り返しになりますけれども、地方税の方はフラット化をやっていこう、それから、所得税の方では、累進といいますか、そういう所得再分配機能をもう一回見直していこうじゃないかという方針を私どもはもう既に出しておりますので、こういう考え方の中で、補助金改革の検討状況も踏まえながら、その細部にわたる制度設計、所得課税の見直しをやっていくということになるわけでございます。

 それで、定率減税については、そういう中で十八年にそういうことをやるわけですが、段階的に二年かけてやっていったらどうだと。今度の御提案はあくまで平成十七年度の分だけでございまして、十八年度のものをきちっと決定する段階にはまだ至っておりませんが、基本的にはそういうことを考えてやらせていただいているということでございます。

中塚委員 考え方は、確かにいろいろな発表物とか審議会の答申なんか出ていますから、私もよく承知をしておりますけれども、大事なことは、具体的にどうするかということなんですね。

 まず、二つ申し上げたい。

 一つは、景気対策。定率減税が仮に景気対策であったとしても、実はこの平成十一年の定率減税をやる前に、定額減税というのをやっていたわけですね。その定額減税とこの定率減税というのは、ほとんど額的には変わっていないんですよ。そういった意味では、景気対策とはいうものの、定額減税をやって、それを定率減税に切りかえたということですね。だから、景気対策になっているのは、ちょっと最高税率が下がった分程度にしかなっていないわけですね。加えて、その後に社会保険料の負担増とかいろいろな控除の見直しなんかがありますから、そういった意味でも、景気対策としての効果はもう減殺されてしまっているということが一つあるわけですね。

 二つ目に申し上げたいのは、望ましい所得税制のあり方ですね。少子高齢化時代においてどうあるべきかとか。あと、今大臣がおっしゃったように、国から地方に税源を移譲するということなんですけれども、ただ、国から地方の税源の移譲ということにしたって、この委員会でも前にもお話ししたことはあるんですが、国、地方のプライマリーバランスを回復させるということになれば、地方のプライマリーバランスの回復の方が早いわけですね。国はちょっとおくれてくるということになる。

 ということになると、それは、国税である所得税の制度の見直しというのは当然もう織り込み済みですね。そうでなければ、国と地方を通じてプライマリーバランスを回復するというのはなかなか難しいことだと思う。だから、そういった意味で、ちゃんと望ましい税制を具体的にぱんと示す。要は、景気対策ということでないわけですが、あったとしたって、今の減税している制度自体を、今度の、本当の意味で恒久減税に変えるというふうな改革が必要なわけですよ。

 具体的には、税率は今、上は三七になっていますけれども、二〇%引いているということは、その三七の二割は税率を落としているということと同じですから、各ブラケットとも二割落としているということと同じなので、その税率は変えないで、やはりタックスベースを広げるような改革をしていく必要がある。たとえ最低税率が今一〇%で、それを半分にしたって、タックスベースを広げるようなやり方をしていかないと、私は、これから国の財政はもっていかないんじゃないかというふうに思うわけですね。

 そういった意味で、この税の問題ですけれども、重ねて申しますが、景気がよくなったから定率減税のところだけをいじくるというのは、やはりそれは当時の経緯からしてもそうだし、現実問題としてもそれでやり切れるということではない、やっていけるということではないというふうに思うし、もう一つは、景気の問題でいえば、今それをやるタイミングではないということだと思います。

 もう一つお伺いしたいのは、私どもは、この所得税の一部改正案、定率減税のところを切り離せということを要求している。あともう一つは、景気に対する弾力条項を入れるべきじゃないかというふうに思っているわけなんです。

 立法府で野党の立場ですから、法律に入れるということが何といったって一番のあかしになってくるわけで、私どもは景気について弾力条項を入れるべしということを主張しているわけですが、今、法律には入っていないけれども、与党の税制大綱の方にはこの弾力条項っぽい書き方というのがございますね。「今後の景気動向を注視し、必要があれば、政府・与党の決断により、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する。」というふうに書いてあるわけなんですけれども、はっきり言ってちょっとよくわからない。私自身の認識としては、景気は失速しているということなんですが、ならば、必要がある場合というのはどういう場合なのかということを具体的にお答えいただきたい。

谷垣国務大臣 与党の税制改正大綱には「その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する。」という一文が盛り込まれているわけです。私の今の経済の基本認識は前回も申しましたので繰り返しませんが、私のような認識を持ちましても、経済は生き物だから、今後の景気動向については当然注意深く見守っていく必要があると思います。

 それから、具体的にどういう場合だと言えとおっしゃいましたけれども、やはり、経済を規定していく要因はさまざま、変化の要因もさまざまでございますから、それはその時々の経済情勢に応じて、政策的な対応が必要になった場合には、経済のどこに問題があるかに応じた政策的対応は機動的、弾力的にしなきゃならないと思っております。

 与党の、入っております「機動的・弾力的」という一文はこういう考え方を述べたものではないかと思っておりまして、私どもはそういう考えで当たっていきたいと思っております。

中塚委員 今の答弁じゃ何のことかさっぱりわからないんですが、「景気動向を注視し、必要があれば、」ということは、年中であってもということですか。年中であっても機動的に対応することもあり得るということでよろしいんでしょうか。

谷垣国務大臣 この文脈は、定率減税を段階的に見直していくということで、ことしは一年目をやったわけです。主として、二年目にどうするかということを念頭に置いて書かれたものではないか、これは個人的な理解ですけれども、私はそういうふうに読んでおります。ですから、その二年目をどうするかに当たっては、そのときの経済情勢を平成十八年度では十分よく見ながらやらなければならない、こういうことがまず一番目の意味ではないかというふうに私は思っております。

    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕

中塚委員 いずれにしても、ちゃんと税制改正というものを、いつも抜本的、抜本的と言うんだけれども、結局、抜本的な税制改正というのをなされたことは近年なかなかないわけですよ。景気に応じていろいろ、定率減税をやったり定額減税をやったり、あげくの果てには恒久的減税という全く新しい言葉まで持ってきてしまっているということでもあるので、本当の意味での抜本改革といいますか、やはり制度改革ですね。

 今の税制自体をちゃんと制度に整え直すということをやるべきだと思うし、政府だって結局、ことしに望ましい税制の姿というものが出せないから二年かけて廃止、縮減するんじゃないか、私はそういうふうにも思えるわけなんです。ばちんと出せば、それは一年で変えられるかもしれない、ということもあって、税の問題は、また引き続き議論していきたいというふうに思います。

 次に、お手元にお配りした資料に沿ってやっていきたいんですけれども、経済産業大臣と環境大臣、前回通告をしておりましたけれどもできなかったわけなんですが、環境税の導入プロセスについてお伺いをしたい、ただしておきたいことがございます。

 お手元に配りましたこの資料は、経済産業省からある業界団体に対して送られたEメール、電子メールをハードコピーした、プリントアウトしたということなんですけれども、日付は二〇〇四年の十一月四日ということになっている。件名は「環境税反対のお願いについて」ということになっております。

  環境税の根回しに関して、現在の状況と今後の製造局化学課としての対応についてご連絡いたします。

  団体におかれましてはご対応いただくようお願い申し上げます。また、添付資料の取り扱いには重々御注意下さい。

ということが書いてあって、

  主要な工場所在地の選挙区の議員に対して、工場関係者等から環境税反対の陳情を行う。

  十日に若手議員の会の発足総会があるので、それまでに参加しないようにとの根回しをすること。

と書いてある。この若手議員の会というのは、自民党の増原さんとか竹下さんがおつくりになった会ということなんですけれども、十日に若手議員の会の発足総会があるので、それに参加するなということを言っているわけですね。

  五日の自見調査会に示される環境省の環境税案が明らかになったので、関係議員に対し、当該調査会に出席し、環境税反対の意見を述べるよう根回しすること。

  (「環境税導入反対」については団体限り。その内容について口頭で業界に伝えることは可。環境省の案については厳に団体限り。)

ということが書いてある。

 「今後の製造局の対応」ですが、

  以上を総合して製造局としては以下のようなオペレーションとします。特に五日の会合への対応については時間がないので至急動いてもらって下さい。

  既に独自に動いていただいている業界もあるかと思われますが、引き続き積極的に動いていただくよう依頼方お願いします。

  当選一〜三回(参院一〜二回)の議員に対し、業界団体又は企業(工場所在地を選挙区)から、十日の動きには参加しないよう根回しをする。

 ここで、「参考 一〜三回生リスト」というのも添付ファイルとしてついているわけなんですね。

  上記議員及びシニア議員

シニア議員というのは何のことかよくわからない。

 (のうち環境税に反対の議員)に対し、五日の自見調査会に参加し、反対の意見を述べるよう根回しをする。

  (その内容について口頭で業界に伝えることは可。環境省の案については厳に団体限り。)

  以下は、貴団体が根回しを行った場合には、

  上記の根回しの結果については、以下のような形でフィードバックする必要があるので、結果を教えて下さい。

  (このフォローについては、後日製造産業局参事官室で結果の取りまとめをします。)

  1根回し先議員名

  2根回し者

  3根回し日時

  4根回し内容と議員の反応

 以上

ということ。

 もう一つメールがございまして、

  団体若くは企業において、議員にツテがあって接触できそうな場合であって、その議員が導入賛成か導入反対かスタンスがわからないということがあれば、当方まで問い合わせください。クリアにできるかどうか定かではありませんが、関係者にあたって情報収集してみますので。

  (ガチガチの導入賛成議員に接触すると、大変なことになるおそれがありますので。)

ということが書いてある。

 笑い事ではないんですが、結局、環境税自体は導入をされなかったわけなんですけれども、私は、その環境税の是非についてはきょうは議論をしようとは思わないんです。ただ、こういったことを経済産業省としておやりになる、要は、経済産業省から業界団体に対して指示を飛ばす。そこには許認可権やら何やらいろいろあるんでしょう。業界団体に対して指示を飛ばして、業界団体の傘下の企業に、その企業の工場のある選挙区、そこの選出議員に参加しないように陳情して回れ、言って回れということを言っているわけですね。

 これを私のところに持ち込んでくれた方というのは、大変に憤りを感じていらっしゃるわけです。経済産業省として反対というのは、それはそれでわかります。大臣が賛成か反対か、反対であってもそれはわかります。政治家としてのお考えがある、また、行政としてのお考えというのもある。また、業界が反対をするというのもそれはわかります。でも、その業界に対して、こうやって経済産業省がオペレーションとしてやっている、それで結果を報告しろと。これはちょっと、やはり幾ら何でもやり過ぎなんじゃないかというふうに思うわけなんです。

 これは事前に質疑通告もさせていただいたんですけれども、こういったことが事実かどうか、お調べいただけましたでしょうか。

中川国務大臣 以前に、質問の予定ということで、既に私の方で調査をいたしました。

 このことの可否の前に、今お話がありましたように、製造局化学課が、ごく一部の業界団体に対して、このような中塚委員御提出のようなメールを出したことは事実でございます。ただ、経済産業省としてとか、化学課所管の全部の団体にこのようなメールを出したわけではないということは何とぞ御理解をいただきたいと思います。

 が、しかし、一般論として、今中塚委員も御指摘のように、産業界が、経済活動の上で負担になりかねない環境税について、所管官庁であります経済産業省といろいろ相談をしたり、あるいはまた、どういうふうに今後やっていくかということについて、経済産業省としても政策判断をしたり、あるいはまた、もちろん、そのことを業界なり関係の民間の皆様が御地元の議員の皆さんに陳情に行くということは、これは民主主義、議院内閣制において節度の範囲内においてよくあること、私自身も経験しておりますし、中塚委員も経験されておられるのではないかというふうに思います。

 ただ、その一般論のことと、これももちろん、業界自身が環境税の導入によって負担がふえるということ、あるいはまた、私もこの場で何回か答弁をさせていただいておりますけれども、もちろん温暖化防止、地球環境保全、改善のために経済産業省としても全力を挙げて努力をいたしますが、この環境税最初にありきということについては私は疑問でございますという答弁をこの場で私自身もさせていただいているところでございまして、それが先ほど申し上げた化学課の人間がごく一部の業界の団体に対してこのようなメールを出したということは、やはりちょっとやり過ぎではないかというふうに思います。

中塚委員 きょう環境大臣にもお越しをいただいておりますけれども、このお手元の資料、ございますね、私も今読み上げましたけれども。こういうふうな動きについて、どういうふうにお感じになられますか。

小池国務大臣 環境省といたしまして、所管の業界に対してこういったメールを出す、そもそも相手がございませんで、私どもが最大の応援団としているのは国民の皆さんであります。あす、京都議定書が発効するということでございますし、それは議定書の発効というゴールではありますけれども、これからまさに地球温暖化対策のスタートになるわけでございます。産業界のみならず、国民の皆様方の協力なくしてはこの対策はできないもの、このように思っております。

 今回のこの経済産業省のことにつきましては承知をしておりませんけれども、私どもはそういった気持ちでこれからも地球温暖化対策、国民の皆様方とともにしっかりと歩んでまいりたい、このように思っております。

中塚委員 どういうふうに思われるかというのは、結局こうやって経済産業省は、要は業界ぐるみという形で環境税をつぶしにかかっているということなわけですね。中川大臣から、こういったことはよろしくないというふうにもおっしゃっていただきました。

 実は、私はこの間、前回これを資料として出したときに、送信者とCC、カーボンコピーですが、ここのところは隠していたんですよ。はっきり言って、個人の問題じゃないと思いましたからね。ここに名前の出ていらっしゃる方は実務をやられている方なわけでしょう。その二枚目の方には製造局参事官室と書いてあるんだから、これは省のかなり高いレベルといいますか、省としておやりになっていることだから、そういった意味で、この送信者とかCCのところは名前を出したくなかったんですけれども、でも理事会で出所不明だとかいう話があったものだから、だったらしようがないということでここにお名前を出させていただいたわけなんです。そういった意味で、きょう御答弁をいただいたということで、今後、こういったことのないように御指導をちゃんといただけるということでよろしいんでしょうか。

 私は思いますけれども、先ほども申し上げたとおり、おのおのの人がどう環境税についてお考えになろうと、それは御自身の自由、政治活動の自由だし、政策、信条の自由ですから、それは自由ですが、こういうふうな、何かオペレーションとか、結果をフィードバックするとかいうと、やはりそれは穏やかじゃないと思う。

 やはり、その背景には許認可権というのもあるわけだし、そして政治家に対して働きかけるということになれば、まさにこれは選挙そのものにかかわることなわけですよ。だから、そういったやり方をこの経済産業省という役所がおやりになるのは、私はこれは好ましいことではないというふうに思いますので、こういったやり方は今後一切慎むということを御答弁いただいて、省の方にも御指導をいただけるということでよろしいでしょうか。

    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

中川国務大臣 一般論といたしまして、先ほど申し上げましたように、政策遂行に当たって、議員の方も地元でいろいろな陳情をいただく。本当に正反対の陳情をいただくこともよくあるわけでございまして、そういう一般論としての陳情というのは、一定の節度を持って、私は健全な議院内閣制、民主主義のもとでは必要だというふうに思っております。

 また、業界団体が所管官庁にいろいろなことを日ごろから相談する、そして経済産業政策上の観点からいろいろと相談をするということは、これまた必要なことだろうと思いますし、また、行政が、議院内閣制でございますから、立法府の議員の先生方にいろいろと御説明に行ったり御指導をいただくということも、これまた必要であって、こういう三位一体が健全に機能するということは、私は一般論、原則論としては必要なことと思います。

 多分、これも、そういう観点の範囲内において、節度を持って経済産業政策として業界の皆さんと御相談という形であればよかったんだろうと思いますけれども、先ほど申し上げたように、こういうメールを実際に送ったのはこの課の所管のごく一部の業界ではございますけれども、しかし、例えばこの中塚委員のペーパーによりますと、がちがちの導入賛成議員に接触すると大変なことになるおそれがありますので注意しなさいとか、やり方が、極めて誤解を招くといいましょうか行き過ぎというか、先ほど申し上げたように、この件に関して申し上げれば適切なものではないと言わざるを得ませんので、こういうような行き過ぎあるいは誤解を招く不適切なことは、今後、厳に慎んでいかなければならないというふうに思っております。

中塚委員 三位一体とおっしゃいましたけれども、何かそれは政官業の癒着と紙一重の話なんですから、本当にそこのところはよく指導をしていただきたい。

 私は、財務金融委員会でダイエーの問題なんか取り上げましたけれども、経済産業省の官僚の方は、常に何か、いや、相談しただけですとか、そういうふうにお話しになる。でも、相談といったって、許認可を持つ役所が民間の方とお話しするということになれば、それは違う、圧力とかいろいろな背景というものを感じて民間の人は行動するわけですよ。現に、これを私にくれた人だって、やはりこんなやり方はおかしいというふうに思われたから、今回こうやってこの電子メールのコピーが届いているわけです。今後、こういったやり方は本当に厳に慎むように省内を指導していただきたいというふうに思います。

 次に、今度は、またお配りした資料の次のページなんですが、商工ローンの取り立ての問題をやりたいというふうに思います。

 商工ローンの取り立てなんですけれども、この商工ローンの取り立て自体に公正証書というものが大きくかかわっておりますので、金融担当大臣と法務大臣、そして国家公安委員長にもお越しをいただいておりますが、お三方中心に質疑をしてまいりたいというふうに思います。

 これは、どういう被害が発生しているかというと、このお配りをした書類は、債務の弁済契約証書というのが一枚目、ナンバーでいくと四ですけれども、この四と次の五ページなんですが、この五ページと四ページは、重なって配られるわけですね。それで、四ページ目のこの契約書にサインをすると、下にカーボンコピーができるようになっていて、この債務の弁済契約証書をつくったと同時に公正証書作成の委任状までできるという仕組みになっているわけなんです。

 たくさんの書類があるものだから、この債務者となる人あるいは連帯保証人となる人というのは、はっきり言って、たくさんの書類があってよくわからない。この契約を結ぶ債権者の方も、書類について一々説明をしないわけですね。ここにサインしてください、これは契約書ですとぱっとサインをさせる。後は、では今度は印鑑を貸してくださいということで、印鑑をその場で自分の手にとってぽんぽんと押していくわけなんです。

 そうすると、債務弁済の契約書ができ上がると同時に公正証書の委任状までできてしまうわけですね。これで、返済が滞った瞬間に、この公正証書に基づいて、給与の差し押さえであるとか預金の差し押さえ等が行われていく。大変に今社会問題化しているところなわけなんです。裁判になっている例も多々あるわけなんです。

 まず、金融担当大臣にお伺いをしたいのですが、こうやって契約のときに、はっきり言って、ちゃんと説明しないわけですね。最近は、このカーボンコピーはやめたというふうに言っている、この会社の方は。カーボンコピーによって公正証書の委嘱状をとることはやめたというふうに言っているんですが、ただ相変わらず、この書類が何かということを説明しないままサインしてくれと。例えば、契約書を逆向きにひっくり返して、公正証書の委任状であるということがわからないようにして書かせるというようなことはずっと続いている。印鑑をちょっと貸してくれと言われて、ぽんぽんとつくということもずっと行われているんですね。

 やはりこれは、こういう債権債務の契約を結ぶとき、金銭の消費貸借契約を結ぶというときには、きっちりと説明をするというのは当然の話だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

伊藤国務大臣 今委員からは、十分な説明責任を果たすことは当然であるという御指摘がございました。

 貸金業規制法上も、貸金業者は、利用者に対する十分な説明責任を確保するために、利用者に対して、その契約の内容を明らかにする書面を交付しなければならないとされるとともに、保証人に対しても、保証契約及び貸付契約の内容を明らかにする書面を交付しなければならないとされているところでございます。

 また、公正証書作成委任状についても、利用者等がその内容を十分に理解している必要があることから、貸金業規制法上、貸し付けの金額あるいは利率等について、白紙の委任状を貸金業者が取得することは禁止されております。したがって、貸金業者は、公正証書作成委任状について、利用者等にその内容の説明を尽くすことが重要であると考えられます。

 いずれにいたしましても、私ども金融庁といたしましては、法律に抵触する事実が認められた場合には、貸金業者に対して厳正に対処してまいりたいと考えております。

中塚委員 ここに、書き込む前の契約書があるんですけれども、この契約書は、今皆さんにお配りしたのとはまたちょっと違って、限度付根保証承諾書というふうになっているんですね。限度付根保証承諾書兼金銭消費貸借契約証書、下に括弧で債務弁済公正証書作成嘱託委任状ということにもなっている。だから、これを、ここを書いてくれと言われた人は、根保証はさせられるわ、公正証書まで勝手につくらされるということになってしまう。今大臣御答弁になられましたけれども、まずはやはり、こういった一種の詐欺的なやり方、これをちゃんと取り締まる必要があるということだと思います。

 国家公安委員長にお越しいただいておるわけなんですが、こうやってちゃんと説明もしない。大方の人は、公正証書によって差し押さえなんかが起こって初めて、自分が公正証書をつくっていた、つくらされていたということに気がつくのがほとんどなわけなんです。

 そういった意味で、今、金融担当大臣からの御答弁も踏まえてなんですが、こういったやり方自体を検挙する等の方策はないのかということについて、お伺いをしたいと思います。

村田国務大臣 今委員が御指摘になった契約証書の作成について、これが犯罪を構成するか否かについては、どのような文言で契約の相手方、契約者に説明がなされたか、説明がないというふうにおっしゃいましたけれども、個々具体的なケースにつきまして、当該証書の作成過程等々を個別に見てみないと、判断が大変難しいということでございますが、いずれにしましても、法と証拠に基づきまして判断していくべきではないか、こういうふうに考えております。

中塚委員 法と証拠に基づいてということなんですが、制度の不備でこういったことがなかなか検挙できないということならば、制度を改正するのは国会の役目だというふうに思っておりますから、そのことはまたちゃんと取り組んでいきたいというふうに考えています。

 次に、今度、公正証書について、法務大臣にお伺いしたいというふうに思います。

 要は、公正証書も無効であるというふうな訴訟が起きて、その公正証書が無効である、今度、業者の方が慰謝料を払って和解するというふうな事例もたくさん出ておるんですが、もちろんこういった、ほとんど詐欺に近いようなやり方で書類をつくらせる、まずここで一番問題があると思います。だから、それをちゃんと取り締まるということは一番大事なことなんですけれども、ただ、私は、この話を聞いて、公正証書の作成ということについてももうちょっと厳しくやらなきゃいかぬのじゃないかというふうにも思うわけなんです。

 公正証書、公証人制度。今、司法改革ということもおやりになっているわけなんですが、予防司法としての公証人制度のあり方ということも含めてお伺いをするんですけれども、今、公正証書が年間約四十万件つくられるということなんだそうです。二〇〇三年で公正証書は四十万件つくられるということなんですが、そのうちの約六割、二十四万件が金銭債務関係の公正証書であるということを御存じですか。

南野国務大臣 先生お尋ねの件でございますが、平成十五年の統計によりますと、全国の公証人が作成した公正証書は約三十九万六千件でございまして、そのうち約三万七千件、約九・三%、これが消費貸借公正証書でありまして、約二十万一千件、約五〇・八%になるわけですが、それが債務確認公正証書となっております。

中塚委員 さて、それで、この公正証書というのがいかに金銭債務関係についてつくられているのが多いかということをおわかりいただいたと思うんですけれども、公証人法というのは、公正証書作成に当たり、代理人でも構わないということになっておるわけですね。

 お配りした資料のところにも、五ページのところなんですが、五ページの左半分の下のところを黒く消してありますけれども、ここに代理人の名前を書くということなんです。

 ただ、この代理人も、商工ローンの件では、まず契約書をつくるときは代理人の名前が入っていないということもあるんですね。代理人欄が白紙になっているというふうなこともある。大体、債務者の人は、公正証書の委任状をつくっているなんという意識もないわけですから、債務者の本当の意味での代理人ではないわけですよ。あらかじめ書いてあろうが抜けてあろうが、要は債務者の本当の意味での代理人ではないんですね。

 ところが、その代理人が公証役場に行って、公証人法に基づいて公正証書を作成してしまうということなんですが、今、その公正証書をつくる際に、その代理人が本当の意味での代理人であるかどうかということをどういうふうに確認していらっしゃるんですか。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 公正証書の作成の嘱託は代理人によっても行うことができる、今先生がおっしゃったとおりでございますが、その場合には、公証人は、代理人の権限を証すべき書面、これは委任状でございますが、それを提出しなければならない。原則として、これとあわせまして、市町村長等が作成した印鑑証明書、これも提出することになっております。委任状が本人の意思により作成されたことを証明させなければならないものとなっております。

 また、公証人は、無効の法律行為や違法な事項について公正証書を作成することはできない、当該法律行為が有効であるかどうか等について疑いがありますときには、当事者に注意をし、かつ、その者に必要な説明をさせなければならないものとされております。

 また、具体的な事案におきましては、委任状が本人の意思により作成されたかどうかについて疑いを持った場合には、必要な説明を求めるということになっております。

 さらに、公証人は、代理人の嘱託により公正証書を作成した場合には、三日以内に当該証書が作成された旨等を本人に通知しなければならないものとされておりますので、それをもちまして本人の意思に基づかない公正証書の作成が防止されるというふうに思っております。

中塚委員 大臣はそういうふうに思っていらっしゃるのかもしれないが、でも、現実問題、本人の意思に基づかない公正証書がこれだけできているわけですね。だから、今大臣が御説明になったような制度になっているはずなんだけれども、でも、現実問題はそれがちゃんとできていないということなわけなんです。印鑑証明を持っていけば、それで代理人と認められる。この印鑑証明も、はっきり言って、だましてとるんですよ、業者は。借りかえのときに使いますからとか言って、印鑑証明をたくさんもらったりするんですね。

 そういった意味で、印鑑証明もだましてとってくる、そのだましてとってきた印鑑証明を公証人役場へ持っていって、公証人は、はっきり言って、その判この形とか中身が似ていれば、同じならば、単に代理人だと認めるということをやっているから、自分がつくった覚えのない公正証書がこれだけたくさん、いろいろな事件を生んでしまっているということなんです。

 ですから、実はそんな難しい話じゃない。要は、代理人じゃなくて、本人の意思確認を事前に行えばいいわけですね。本人にちゃんと意思確認を行えばいいんですよ。そういう制度改正をやるべきだというふうに考えますが、いかがですか。

南野国務大臣 お答え申し上げますが、意思確認の方法といたしましては、先ほど御説明申し上げたとおりでございまして、委任状とあわせて本人の印鑑証明書を提出させることにしている。今先生がいろいろおっしゃいましたが、本当にそんな悪い人ばかりいるのかななんて、ちょっと今驚いております。また、疑わしい場合には当事者に必要な説明を求めることになりますから、本人の意思確認は適切になされているような仕組みが成っている、決していいかげんなものではないというふうに思っております。

中塚委員 法務大臣、いいかげんなものではないとおっしゃるけれども、いいかげんなものだからこれだけ被害が出ているわけですよ。だから、悪ければ直せばいいわけであって、代理人じゃなくて、本人に確認をするようにすれば問題は解決するんじゃないですかということをお尋ねしているんです。

 私が挙げたこの事実、ここに日弁連がとった公正証書問題のアンケートというのもある。先ほどの答弁でいろいろおっしゃいましたけれども、公正証書が代理人により作成されたら、公証人法の施行規則十三条に基づいて、つくったということを送れというふうになっているけれども、これだって努力規定みたいなもので、送らない公証人だっているじゃないですか。

 しかも、このアンケートによれば、法律違反の内容の公正証書が作成をされたということまであるわけですね。利息制限法に反する内容とか、真実の借入額と異なる金額とか、存在しない債務とか、そういう公正証書までつくられている。それを防ぐためには、本人がちゃんと行って意思確認を行うというふうにすればいいんじゃないでしょうか。ちゃんとやっているとおっしゃったって、ちゃんとできていないからこれだけの人が被害に遭っているんですね。いかがですか。

南野国務大臣 お答え申し上げますが、公正証書の作成、それの嘱託におきましても、一般の法律行為と同様に、経済取引をする者の便宜を図るため、代理人による嘱託を認めているものであり、仮に、どのような嘱託についても一律に公正証書の作成前に本人の意思を確認しなければならないとすると、このような代理人による嘱託を認める趣旨を損なうおそれがあるというふうに考えられるわけでありまして、もっとも、個々の事案によりまして、本人の意思と合致しない嘱託であることが具体的に疑われる場合には、事前の意思確認を行う必要があるというふうに思っております。

中塚委員 南野大臣、本当に普通の、一般庶民の代表になってほしいんですね。これだけの被害が出ているということから考えてほしいんですよ。制度はこうなっているから被害は出ないはずだじゃないんですね。これだけの被害が出ているから、それをどう変えましょうかという話をしているんであって、ぜひとも普通の人の代表ということに立ち返っていただきたいというふうに思います。

 それで、資料の一番最後なんですが、公証人の最終職歴というのをきょうお配りしております。これを見ると、公証人というのは法務局の方、検事、裁判官ということで、皆さんの言葉で言えば再就職と言うのかもしれないが、世間一般ではこういうのを天下りと言うんですよ。要は、全員がもと皆さんのお身内じゃないですか。

 しかも、公証人に対して立入調査というのをされたことがある。そのことを御存じかどうかわかりませんけれども、公証人に対して立入調査をされたことがあって、公証人数五百五十二人のうち、指摘を受けた公証人の数は三百二十八人ですよ。約六割の公証人が何らかの指摘を受けておるということなので、まさに、こういうふうに制度はなっていますというふうにおっしゃるけれども、そうなっていない現状というのをよく見ていただきたい、本当にそういうふうに思います。

 公証人の自浄能力ということについても、やはり私はお尋ねせにゃいかぬと思うんです。

 というのは、公証人の収入というのは公正証書を作成する手数料ですね。公証人は公正証書をつくって、その手数料を収入にしているわけですね。そうすれば、公証人の方は立派な方が多いのかもしれませんが、中には、やはり手数料の収入が欲しいということで、ついつい中身のチェック等がいいかげんになる例だって出てくるんじゃないでしょうか。

 だから、そういう意味で、これは法務大臣が任命をされる公務員なんですから、この公証人制度ということについて、まずは自浄能力、それに加えて、やはり、こういう金銭の消費貸借契約なんかで公正証書をつくるということであるならば、ちゃんと本人が出頭するという形に制度改革をせにゃいかぬというふうに思いますが、最後に御答弁いただけますでしょうか。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 法務省では、今月九日、公証人法の施行規則を改正いたしました。同規則第十三条の二の通知につきましては、作成された公正証書の内容が本人によりわかりやすく伝わるように書式を法定いたしました。また、あわせて、適正な事務の遂行を厳しく求める内容の通達も出したところでございます。

 個々の公証人におきましても、これらを踏まえ、公正証書の作成について疑念を抱かれることのないよう適切な職務遂行に努める必要があるところであり、法務省といたしましても、今後とも厳正な指導監督に努めてまいりたいと考えております。

中塚委員 外務大臣、済みません。質問が、時間がなくなりまして、申しわけなかったです。

 法務大臣、司法制度改革というのは、国民のための改革でなきゃいかぬわけですね。皆さんのための改革ではないんですから、こういう問題点があるということをもう一度よく御検討いただきたい。そのことを申し上げて、終わります。

甘利委員長 これにて中塚君の質疑は終了いたしました。

 次に、石井郁子君。

石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。

 国立大学の学費値上げの問題で質問をいたします。

 きのうは、全国から大学生が、学費を下げてほしいと国会要請に見えました。その中ではいろいろ深刻な話もございまして、父親ががんで亡くなってしまった、学費の捻出も途端に悩んでいるという話も聞きました。改めて、勉学を続けるということが今こんなに厳しいのかと私も思い知らされました。

 文部科学省の学生生活調査でも、五人に四人がアルバイトをしていますし、そのアルバイトも深夜に及ぶ長時間ということが多くなっています。大学院生も、学費が高いために生活費を切り詰めなければならない、だから学業に専念できない状況が生まれていて、これは学費問題というのは、やはり日本の知の発展にとって大きな障害になっていると言わなければなりません。にもかかわらず、来年度予算で国立大学の授業料を上げようとしているわけでございます。

 そこでまず伺いますが、ことしというか、国立大学の授業料の値上げを決定した大学、また、検討中あるいは据え置きするということを決定した大学がそれぞれ幾つで、幾らの値上げを予定しているでしょうか。また、それによる国の増収、幾らを見込んでいるか。これは文科大臣に御答弁願います。

中山国務大臣 御承知のように、法人格の国立大学の授業料につきましては、各法人で、文部科学省が示す標準額の上限一一〇%の範囲内でそれぞれ決めることとされているわけでございますが、今、各国立大学法人におきまして、具体的に来年の授業料をどのように取り扱うかについての検討や学内手続を進めていると聞いておりますけれども、ホームページにより把握しているところでは、標準額どおりに引き上げる大学は四十四大学、標準額以外の額とする大学は五大学、未定または不明である大学は四十大学でございまして、改定を行わない大学は一大学、十七年度標準額の改定額幅より下回る大学は一大学、年度途中から改定を行う大学は一大学、それから大学院の課程については改定を行わない大学は二大学、このようになっております。

 増収は、国立大学全体で八十一億円ということになっております。

石井(郁)委員 学費の値上げによる増収分というのは八十一億円だということを確認しておきたいというふうに思います。

 そのために、今お話しのように、来年度からどうするかと各大学が大混乱を起こしているわけですね。ある大学では、まことに不本意ですが、諸君の負担をふやして、また、このような事態を予見できなかったことをおわび申し上げ、御協力をお願いする次第ですと。だから、学生へのおわびを発表しなければいけないということも出ております。

 国が財政支援をするとした運営交付金ですけれども、ここにも効率化係数、また附属病院の経営改善係数などが導入されまして、これは昨年度より九十八億円減額になっているんですね。だから、そこを減額して授業料値上げをする、国民の負担を押しつけているという点でも、私は、本当にとんでもないやり方だというふうに言わなければなりません。

 しかも、これが決まったというか大学に知らされたのは昨年十二月の二十二日、文科省からの事務連絡という一片の通知で知って、それで驚いているわけです。そして、この値上げというのが、これまでは翌年の入学生からだったんですよ。それが、国会でこの予算が上がったら四月から値上げされていくやり方というのは、これは今までにない問題であります。

 だから募集要項にも書いていなかった。しかも、今、受験、入試のシーズンで、こういう不安を抱えながらの時期に授業料も決まらない大学もあるという中でこの予算審議が行われているわけでありまして、私は大変な問題だというふうに思っています。

 この授業料問題は、国立大学協会も学生納付金の据え置きというのを要望していたはずです。そして、今回、東北三大学の学長、中四国の十大学の学長、東京の十一大学の学長からこのように言われています。授業料値上げが唐突かつ急を要する形で強行されることは、今後の国立大学運営に多大な混乱を招来します。文部科学省は、授業料の値上げについてぜひ再考を強く要請します。

 文科大臣、こういう声明が寄せられているのではありませんか。

中山国務大臣 今回の授業料標準額改定に関しまして、何人かの学長が懸念を表明する声明を出したということは知っております。

 しかしながら、高等教育の機会提供という国立大学の役割を踏まえつつ、これまでの経緯とか、あるいは私立大学の授業料の状況等を考慮いたしまして今回の改定を行うこととしたものでございます。

 余りにも唐突じゃないか、こういう話もございましたけれども、文部科学省といたしましては、昨年十二月末に、各独立大学法人に対しまして標準額の改定の法要旨について連絡をしたところでございまして、各法人におきましては、これを受けて、十七年度の授業料の取り扱いにつきまして検討や学内手続などを進めているところでございます。

 また、受験生とか在学生に対しましては、これまでも、各大学で、募集要項等において改定があり得ることを周知していたところでございまして、各大学において学則等の改正を経た後、授業料の納入を求めるなど、適切に対応がなされるもの、このように承知しております。

石井(郁)委員 昨年の十二月の末に大学に示して、そしてこの四月からの値上げを決める、これは本当に可能だとお考えでしょうか。私は大変な問題だというふうに思いますし、大学がそれで混乱をしているわけです。最初のお話のように、半数近い四十大学がこれは決めかねている、発表もできないでいる。それは当然だと思います、国の予算がまだ審議中なんですから。

 そういうこともあるわけですけれども、こういう混乱があるという問題、そして学長が地域ごとにこうした連名で声明を出す事態というのは、かつてない事態ではありませんか。

 そこで、私は財務大臣に伺いますが、今回の国立大学授業料の標準額の引き上げ、これを決めたのはどういう理由でしょうか。

谷垣国務大臣 先ほど文科大臣からも御答弁がございましたけれども、国立大学の果たしていく機能、高等教育の機会提供という役割を持っていると思います。それから、大学教育を受ける者と受けない者との公平の観点ということもあろうかと思います。それから、私立大学の授業料の水準といった社会経済情勢、こういったものもあろうかと思いますが、文部大臣の御答弁のように、こういったものを総合的に勘案して改定を行ってまいりました。国立大学の授業料水準と私学の授業料水準、格差は依然としてまだ大きなものがございまして、こうした状況を踏まえて今回の改定を行ったということであります。

石井(郁)委員 国立大学への機会均等ということで言うんだったら、私は、学費を上げたら、本当に経済上の理由で進学できないという人が生まれるわけですから、これは機会均等に反するじゃありませんか。

 そして、私立大学との格差の問題でいいますと、今回、授業料標準額を一万五千円上げたんですね。これによって、授業料というのは五十三万五千八百円ですよ。入学料は二十八万二千円なんですね。そうすると、初年度納入金というのは八十一万七千八百円です。大変な額じゃありませんか。

 私、調べたところでは、早稲田大学、これは人文社会系修士課程で授業料は四十六万四千円です、博士課程で三十九万一千円なんですよ。もう授業料自身が低いじゃありませんか。また、慶応大学はどうでしょうか。文学研究科、法学研究科などは四十五万円ですよ。だから、私学の方が授業料が低いという状況がもう既に生まれているんです。国立大学だけじゃありません。学部でも、これは四国の松山大学というところがございますけれども、授業料は年間五十七万円です。高松大学でも年間六十万円なんです。ほぼ国立並みじゃありませんか。

 ですから、七〇年代から、二年に一遍、授業料を上げてきたんですよ。この結果が私学を上回るところも出てきているということで、今、私学との格差と大臣言われましたけれども、そういう理由は成り立たないんじゃありませんか。御答弁はいかがですか。これは財務大臣お答えください。

谷垣国務大臣 個々の大学がどうということは申しませんけれども、依然として現在でも私学と国立の差はあろうかと思います。

 平成十七年四月以降の国立大学授業料の標準額は、委員がさっきおっしゃいましたように五十三万五千八百円ということでありますが、私学は十六年平均で八十一万七千九百五十二円でございますので、これだけ単純に割りますと、一・五三倍ということがございます。

石井(郁)委員 それは私学の高いところももちろんございます。しかし、私は、私学の格差がもうなくなっているところも生まれているということを見ていただきたいわけであります。

 きょうは官房長官にもおいでいただきましたのは、官房長官は一九六〇年代に大学生だったかと思いますけれども、このときは授業料というのは月額千円、年間でも一万二千円ぐらいでした。

 それでちょっと伺いたいんですが、授業料と物価指数とを比べてみますと、非常な授業料の高騰ぶりというのがわかるわけでございまして、私は、きょうはグラフにして持ってまいりました。

 これは一九七五年を一〇〇としますと、消費者物価指数というのは一八〇、二倍にもいかない。ところが、私大の授業料の指数というのは四四七・八です。国立大学の授業料指数というのは一四四六・七です。すごいでしょう。こう見ますと、本当に異常な学費の上がりようじゃありませんか。官房長官、どのように思われますでしょうか。

細田国務大臣 おっしゃいますように、私が大学に入りました一九六三年の国立大学の授業料は一万二千円でございまして、谷垣さんも中山さんも、同じころ一万二千円を享受しておったわけです。

 その後、これはオイルショックより前でございますから、オイルショック等の物価を勘案して、初任給なんかの比較でいうと、昭和三十八年当時は二万円前後でしたから、約十倍になっただろうと思いますね。当時は一万二千円だったとすると、十倍というと十二万円ぐらいかもしれません。そういったころの批判としては、国立大学が余りにも安過ぎて私立大学との均衡を失するというような議論もあったようには記憶しております。

 これは私自身の直接の所管ではございませんので、文部科学大臣あるいは財務大臣が本来お答えすべき立場でございますが、総合的にいろいろなことを考えて、特に日本の教育の将来を考えて決定することも大事であると思っております。

石井(郁)委員 時間の関係で、また大臣にお伺いいたします。

 私は、六〇年代、七〇年代のことではなくて、今の事態ですね。これだけの上がりようという異常なことについての御認識をちょっと伺いたかったわけですが、次の問題をぜひ伺ってみたいと思うんです。

 やはり今の社会経済情勢からして、こういう授業料の値上げは許されるのかという問題があるんですね。これも物価指数でいいますと、七五年を一〇〇とした場合には、九八年に一八五で、二〇〇四年には一八〇・〇に下がっているんですよ。そしてもう一方で、家計の所得がどうかといいますと、九七年には二百八十兆円をピークでしたが、二〇〇三年度は二百六十五兆円。家計自身が減っていますね。平均的なサラリーマン世帯の実収入というのは、九七年から二〇〇四年の間に七十八万円も減っているんです。

 こういう、家計が落ち込んでいる今の情勢で、本当に授業料は下げてしかるべきだというふうに私は思いますが、この点は、財務大臣、いかがでしょうか。官房長官にお聞きしてもいいんですけれども、財務大臣、いかがですか。

谷垣国務大臣 主として、委員は物価の動向とか所得ということで今議論をお立てになって、それも一つの議論の立て方だとは思いますが、私どもはやはり、先ほど申しましたような、総合的に考えておりますが、一つは、私学と国立の格差というものが大きくて、言ってみれば、同世代の者で国立へ行った者だけが得をするというようなことでいいのかという議論、もう少しその差は埋める必要があるんではないか、こういうふうに考えております。

石井(郁)委員 私は、それは本当に驚くような御答弁だというふうに思うんですね。国立大学は何のためにあるんですか。学費が安いから行けるというのが国立大学の存立の意味じゃありませんか。私学と同じにしたら国立大学の意味はありません。憲法や教育基本法上、経済上で教育上差別されないという、この立場を今守ることが大事なんじゃありませんか。私学にどこまでも続けていく。私は、とんでもない答弁だというふうに思います。

 そして、この問題は、国立大学法人化法案を国会で審議いたしました。去年、法人化になりましたよね。国立大学が法人になりまして、一年もたたないうちに標準額が上がったということで大学の方々は驚いていらっしゃるんです。

 今回の審議のときにはどんな議論があったか。河村副大臣はこのように言っていました。授業料については、デフレ経済のさなかにあるわけですから、むしろ抑制ぎみに考えていかなきゃなりません。これが答弁なんですよ。遠山大臣はどうおっしゃっていたか。私としては、学生にとって今回の法人化によって授業料が高くなってしまったり利用しにくくなったりということは、これは絶対に避けなくてはいけないと思っています。これはもう絶対避けなければいけないと言ったその答弁、全くそれに反しているじゃありませんか。一年にもならないうちにこういうことになっているんですよ。

 しかも、もう一つ言いましょう。昨年十二月に中教審の中間報告、我が国の高等教育の将来像というのが出されまして、学費についてどう述べていましたか。これはこの一月二十八日ですよ。ことしに入って二十八日に答申になりました。こう言っています。現在では、国公私立を問わず、学生納付金が国際的に見ても高額化しており、これ以上の家計負担になれば、個人の受益の程度との見合いで高等教育を受ける機会を断念する場合が生じ、実質的に学習機会が保障されないおそれがある。皆さん、これが中教審の答申じゃありませんか。

 八十一億円ですよ、増収分。八十一億円で若者たちの夢を奪っていいのか、また、日本の大学を疲弊させていいのか、このことを言わなければいけないと思うんです。国会答弁にも反しています。中教審の答申にも反している今回の値上げは撤回すべきではありませんか。御答弁願います。

中山国務大臣 私も大臣になりまして、関心がありましたので、今、国立大学の授業料は幾らになっているのと言ったら、五十万円を超えていると言うんですね。実は私のときには九千円だったんですよ。貧乏だったもので私は免除していただいて学校を出たんですけれども。

 そういうことを考えると、確かに高くなっているなということは思いますけれども、先ほど財務大臣も答えましたように、大学に行っていない働いている人のことも考えなきゃいけませんし、また、私立大学の方のことを考えますと、向こうも上がっていますし、しかも、やはり私立大学と国立大学の格差を狭めていくんだ、そういう方針もあるわけでございます。

 そういう意味からいいまして、私どもとしても、文部科学省としては、できるだけ上げたくない、抑制したい、そういう方針で予算折衝にも臨んだわけでございますけれども、いろいろなことをば勘案いたしましてこのような結果になったということを御理解いただきたいと思います。

石井(郁)委員 済みません、時間ですけれども、ちょっと最後、もう一枚パネルなんですけれども、これが日本の公財政支出の国際比較なんですよ。一%以上の国は世界十七カ国あるんです。日本は下から二位です。〇・五%です。こんなことで本当に国の責任を果たせるのかということを私は厳しく申し上げまして、この学費の値上げは撤回すべきだということを再度申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

甘利委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、尾辻厚生労働大臣にお願い申し上げます。恐縮ですが、質問通告をしてあること以外のことで一問お願い申し上げます。

 皆さんの御記憶にもございますかと思いますが、今を去ること二十四年近く前に、富士見産婦人科事件というのがございました。健康な女性の子宮を、資格のない方がエコー、超音波診断をして、腐っているとかがんになっているとか言って取ってしまった。集団で二百人以上の方がその犠牲になったという事件でございます。

 この事件に関しまして、いわゆる最高裁での民事訴訟も、提訴した医師側が敗訴いたしまして最終確定して、このとんでもない一連の行為ということについて、本来の医療行為というよりは、まして、そして医療ミスや事故というよりは、明らかに意図的に健康な女性を傷つけた事件として、医道審議会が昨年の十二月八日開かれまして、この五人の医師たちに対して何らかの処分が妥当であるという方針が確定されたと新聞報道がございます。

 まず一問、尾辻大臣は、私がもう前回お聞きしたこともございますが、この十二月八日の医道審議会の方針については御存じでありますよね。

尾辻国務大臣 その事件があったことは記憶にございます。それから、十二月八日の審議会のことも聞いてはおります。

阿部委員 この件は、長年、患者さんたちは、医師への処分を求めながら、実は二十四年放置されてきて、そして、坂口厚生労働大臣であったころの去る二〇〇二年に、必ずしも刑事処分にならなくても、民事においても問題なケースは処分していった方がよいだろうという大所高所の方針が確立されて、その後迎えている今般の事態でございます。

 尾辻大臣にあっては、やはり現在この時点でどのように判断して医師処分を行っていくか。実は、法律で、例えば刑法だ、民事訴訟だという形の、法律が医療行為を指弾するよりも、やはり医療行為の妥当性というのは、それを管轄しておる厚生労働省が、例えば医師の免許を剥奪する権利も厚生労働大臣がお持ちですし、非常に重要な判断を問われている現下だと私は思いますが、この事態についてどのような御判断を、まだオープンにできないかもしれませんが、心にお持ちか。含みがあっても構いません、よろしくお願いします。

尾辻国務大臣 先ほどもお答えいたしましたけれども、日本の医療で患者の視点を持つということは極めて大事だとかねて思っております。そして、これは私がまたよく言っておることでありますけれども、私は国民の視線でいろいろなことを判断したい、それはいわば言葉をかえれば常識、我々が普通に持っている常識で判断したいと言っております。

 かねてそういうことを言っておりますので、今度のことでもそうした視点で判断をさせていただきたい、こういうふうに思っております。

阿部委員 極めて健全で、そして、本当に常識とは何であるのか。何度も申しますが、健康な女性がだまされて取られた、そのことが医師の道に合っているのかどうかということを本当に常識に基づいて判断していただきたい。それをしてこなかった二十四年間がいかに非常識であったかという事態ですので、尾辻大臣には重ねてお願い申し上げます。

 引き続いて、社会保険庁の監修料問題、これは通告をしてございますので、これに移らせていただきます。

 厚生省に関係するところのいわゆる監修料問題は、社会保険庁以外にも、厚生省本体でも監修をしておられますが、さまざまに、この監修料を職員が受け取って、その受け取った監修料をプールして、タクシー代や飲食代に回しておった。このことについて、実は昨年の十月二十二日に一回目の調査が行われて、しかし、調査の直後、新聞報道から、やはりこの調査では何とも生ぬるく、実態を明らかにしていないという指摘がなされて、一月十四日、再調査の報告がなされました。

 冒頭、尾辻大臣に伺いますが、もしも新聞報道がそういうことを指摘しなければ、果たして、一回目の省内で行われた厚生労働省調査というのは、この職員にかかわる監修料問題を正しく把握していたか。すなわち、この手法自身に問題があったのではないか。内部調査で、聞き取り調査で、そして問題が露見したところだけびほう策をとるという対応が実は新聞報道によってつかれて、二回目の報告になったというふうに認識いたしますが、この内部調査で事足れりとするかどうかについて、大臣の見解を伺いたいと思います。

尾辻国務大臣 確かに、一回目の調査が甘かったことは深く反省をしなければなりません。

 そこで、今回改めて追加調査をいたしまして報告書もお出しをしておりますけれども、その中で、前回調査において結果として十分な実態解明ができなかったことについて深く反省をしておるところである、この点につき、今回明らかになった資金を融通する仕組みにかかわっていた経理課予算班担当者及び各課の庶務担当者が、そのような仕組みが存在することについて積極的に明らかにしなかったことは極めて遺憾である、こういうふうに反省をいたしております。

 一回目の調査が甘かったことは反省をいたしております。

阿部委員 私が指摘したいのは、今回の調査も社会保険庁の次長をヘッドに、実はこの社会保険庁の次長は他の案件で処分を受けている、管理責任を問われている御当人であります。こうやって内々に幾ら調査しても、実は本当にほころびが出たところだけ直していくという形になって、今一番国民にとって大事な社会保険庁の信頼回復というところが、さらにさらにさらに遠のくように思います。

 そして、監修料問題というのは、厚生省内でも社会保険庁でも、また他の省庁でも見られる重大な問題であります。

 一つは、第三者を入れてきちんとこの監修料問題を検討するお気持ちがおありか否かを尾辻厚生労働大臣に、そして、恐縮ですが、麻生総務大臣、せっかくおいでいただきまして、続けて質問させていただきますが、去る九六年にも第一法規事件というのがございまして、これも監修料問題でございました。出版の一部が印税として大量に各省庁に返ってきている問題でした。

 私は、監修料問題は厚生労働省だけではない、例えば総務省、旧自治省、それから他の、環境省とかもあると思います。そういう監修料問題について、既に九六年から十年近くを経て今日いまだに問題であるということについて、御担当の省庁に限っても結構ですし、全般に広げていただいても結構です、御答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 まず、今回の一回目と二回目の調査について改めて申し上げますけれども、前回の調査は、これは十月の二十二日に結果を公表させていただきました。このときは全省的なものでございましたけれども、今御指摘いただきましたように、二回目の追加調査は、新聞報道を契機といたしまして、特に社会保険庁にかかわる調査でございましたので、既にできておりました、カワグチ技研問題等調査班というのをつくっておりましたから、その班で改めて調査をさせたところでございます。

 しかし、いずれの調査班も、これは私が指示してつくった、副大臣を委員長とする厚生労働省信頼回復対策チームのもとに位置づけて調査をさせたということでございます。特に追加調査の方は、これはもう私も本当に覚悟を決めて、出すべきうみは全部出せといって、指示をしたものでございます。そのことをまず申し上げます。

 それから、監修料につきましては、もうこんな事態を招きましたから、今後一切そうしたものは禁止ということにいたしたところでございます。

麻生国務大臣 国家公務員というものが、いわゆる自分の職務外の活動として、自分の専門知識とか経験、これまでの経験というのを生かして、少なくとも本の監修をやるとかいうこと、そのこと自体は、それは明らかにその施策が広く普及していくという意味で決して悪いことではないと思うんですが、問題は、職務外の行為を報酬をもらってやるということになったときには、それは国家公務員法とか国家公務員倫理法という法律というか規定がありますので、その規定を遵守して、そして少なくとも、不信を招く、そういったようなことがないように、疑惑を招くことのないように、十分に留意してやらねばならぬというのは、これは一般的に言えることであって、それは公務員たるものの基本だと思っておりますし、事実、そのような規定になっております。

甘利委員長 もう時間です。

阿部委員 ありがとうございました。

甘利委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後五時四十七分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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