衆議院

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第14号 平成17年2月17日(木曜日)

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平成十七年二月十七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 甘利  明君

   理事 伊藤 公介君 理事 金子 一義君

   理事 渡海紀三朗君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 佐々木秀典君

   理事 島   聡君 理事 田中 慶秋君

   理事 石井 啓一君

      伊吹 文明君    石原 伸晃君

      植竹 繁雄君    尾身 幸次君

      大島 理森君    岡本 芳郎君

      奥野 信亮君    上川 陽子君

      河村 建夫君    城内  実君

      北村 直人君    小泉 龍司君

      後藤田正純君    佐藤  錬君

      鈴木 淳司君    谷  公一君

      玉沢徳一郎君    中馬 弘毅君

      津島 恭一君    津島 雄二君

      寺田  稔君    西川 京子君

      西村 明宏君    西村 康稔君

      根本  匠君    萩野 浩基君

      保坂  武君    御法川信英君

      村井  仁君    森田  一君

      石田 勝之君    岩國 哲人君

      内山  晃君    生方 幸夫君

      岡島 一正君    吉良 州司君

      小泉 俊明君    小宮山泰子君

      篠原  孝君    下条 みつ君

      津川 祥吾君    辻   惠君

      中井  洽君    中津川博郷君

      中塚 一宏君    永田 寿康君

      長妻  昭君    長安  豊君

      原口 一博君    樋高  剛君

      平岡 秀夫君    馬淵 澄夫君

      松木 謙公君    松崎 公昭君

      松野 頼久君    室井 邦彦君

      米澤  隆君    佐藤 茂樹君

      坂口  力君    田端 正広君

      佐々木憲昭君    高橋千鶴子君

      山本喜代宏君

    …………………………………

   総務大臣         麻生 太郎君

   外務大臣         町村 信孝君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       中山 成彬君

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   農林水産大臣       島村 宜伸君

   経済産業大臣       中川 昭一君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   環境大臣         小池百合子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     細田 博之君

   国務大臣

   (有事法制担当)     村田 吉隆君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)

   (郵政民営化担当)    竹中 平蔵君

   国務大臣

   (行政改革担当)     村上誠一郎君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   内閣府副大臣       林田  彪君

   総務副大臣        今井  宏君

   法務副大臣        滝   実君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   農林水産副大臣      岩永 峯一君

   経済産業副大臣      小此木八郎君

   経済産業副大臣      保坂 三蔵君

   内閣府大臣政務官     江渡 聡徳君

   内閣府大臣政務官     木村  勉君

   財務大臣政務官      倉田 雅年君

   国土交通大臣政務官    中野 正志君

   環境大臣政務官      能勢 和子君

   会計検査院長       森下 伸昭君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  磯部 文雄君

   政府参考人

   (内閣法制局第一部長)  梶田信一郎君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  伊藤 哲朗君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          須田 和博君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 中富 道隆君

   政府参考人

   (外務省中南米局長)   坂場 三男君

   政府参考人

   (外務省経済協力局長)  佐藤 重和君

   政府参考人

   (外務省国際情報統括官) 中村  滋君

   政府参考人

   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        素川 富司君

   政府参考人

   (文化庁次長)      加茂川幸夫君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  田中 慶司君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       外口  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           中川  坦君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 小平 信因君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総合観光政策審議官)     鷲頭  誠君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  梅田 春実君

   参考人

   (日本道路公団総裁)   近藤  剛君

   参考人

   (食品安全委員会委員長) 寺田 雅昭君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十七日

 辞任         補欠選任

  尾身 幸次君     西村 明宏君

  河村 建夫君     寺田  稔君

  小泉 龍司君     岡本 芳郎君

  津島 雄二君     津島 恭一君

  西川 京子君     保坂  武君

  福田 康夫君     奥野 信亮君

  二田 孝治君     上川 陽子君

  岩國 哲人君     室井 邦彦君

  篠原  孝君     内山  晃君

  津川 祥吾君     馬淵 澄夫君

  辻   惠君     長安  豊君

  佐々木憲昭君     高橋千鶴子君

  照屋 寛徳君     山本喜代宏君

同日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     西村 康稔君

  奥野 信亮君     城内  実君

  上川 陽子君     御法川信英君

  津島 恭一君     谷  公一君

  寺田  稔君     河村 建夫君

  西村 明宏君     佐藤  錬君

  保坂  武君     西川 京子君

  内山  晃君     松崎 公昭君

  長安  豊君     松木 謙公君

  馬淵 澄夫君     津川 祥吾君

  室井 邦彦君     岩國 哲人君

  高橋千鶴子君     佐々木憲昭君

  山本喜代宏君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  城内  実君     福田 康夫君

  佐藤  錬君     鈴木 淳司君

  谷  公一君     津島 雄二君

  西村 康稔君     小泉 龍司君

  御法川信英君     二田 孝治君

  松木 謙公君     岡島 一正君

  松崎 公昭君     平岡 秀夫君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 淳司君     尾身 幸次君

  岡島 一正君     辻   惠君

  平岡 秀夫君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  小宮山泰子君     下条 みつ君

同日

 辞任         補欠選任

  下条 みつ君     松野 頼久君

同日

 辞任         補欠選任

  松野 頼久君     篠原  孝君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度一般会計予算

 平成十七年度特別会計予算

 平成十七年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

甘利委員長 これより会議を開きます。

 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として食品安全委員会委員長寺田雅昭君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣官房内閣審議官磯部文雄君、内閣法制局第一部長梶田信一郎君、警察庁生活安全局長伊藤哲朗君、総務省人事・恩給局長戸谷好秀君、総務省自治行政局公務員部長須田和博君、外務省大臣官房審議官中富道隆君、外務省中南米局長坂場三男君、外務省経済協力局長佐藤重和君、外務省国際情報統括官中村滋君、文部科学省スポーツ・青少年局長素川富司君、文化庁次長加茂川幸夫君、厚生労働省健康局長田中慶司君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、資源エネルギー庁長官小平信因君、国土交通省大臣官房総合観光政策審議官鷲頭誠君、国土交通省道路局長谷口博昭君、国土交通省鉄道局長梅田春実君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長諸澤治郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

甘利委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保坂武君。

保坂委員 おはようございます。自由民主党の保坂武です。

 私、この予算委員会で初めての登壇をさせていただいたところでありますが、先日も、総理におかれましては、我が国の新年度の予算に向けての取り組みをこの予算委員会で拝見しながら、私も若干、一週間ほど前に風邪を引きましたが、総理も、鼻水が出た、こんなふうに申しておりました。ですが、国民は、まさに鼻水が出たというよりかは、もう鼻水を垂らしている。おいしいものも、いいものも食べられないというふうな非常に厳しい昨今であります。

 そういう中で、私どもも、国政の中で新年度予算に期待するものはたくさんあるわけでありますが、わずかな時間をいただきまして、質問させていただく機会を得たところであります。

 早速ですが、麻生総務大臣にお伺いをさせていただきます。

 まさに今、国は、市町村合併を促すというふうなことで地方行政の組織をスリム化いたしまして、そして財政再建の方途にそれをかけているというわけでありますが、平成の大合併ということで、今年度が山場を迎えるところであります。

 合併を率先して推し進めてきました市町村住民、いわゆる国民にとりましては、合併は、合併前のいつものときと同じような生活水準、これまでの生活水準とか、あるいは行政サービスを望んでいるわけであります。合併は、長い間お互いの町が培ってきた制度を壊して、新しい町、新しいつくり直しをさせていただきながら自治体としてスタートしていかなければならないわけであります。合併に際して、住民は、サービスは高く、そして負担は軽くの原則を求めているわけであります。この不況下の中で、地方の財政状況も、三位一体の財政措置というふうなことで非常に困惑しているのが現実であるわけであります。

 昨年、地方財政の改革として三位一体というふうなことも出てきたわけでありますが、現状におきまして、市町村合併の進捗状況、そして現行の合併特例法下におかれます市町村合併の見通しなど、今後の状況などを大臣にお尋ねさせていただきます。

麻生国務大臣 先生の選挙区、山梨三区、山梨の西半分の方だと思いますが、ここは他の県と比べてもかなり合併の進んだところで、たしか南アルプス市だったかな、片仮名の市が出てきたりしたところだと記憶があるところで、大変関心を持っておられるところだと思います。

 数字を申し上げさせていただければ、一昨年の九月に私が総務大臣につきましたときに三千百八十一ありました全国の市町村が、二月の十五日に私のところで署名をいたすところまで、二千二百八十になっておりますので、九百一減少したという形になっているところだと存じます。

 かなり進んでいる方だと思いますが、この三月末までにさらにどれくらい進むかという御質問なんですが、ちょっと確実なところは申し上げられませんけれども、二千前後までは進んでいくのだと思っております。なかなか、最後のところでどうしても破談になったり、うまくいかないところも時々出てまいりますので確定的なところは申し上げられませんけれども、大体二千前後ぐらいにこの三月三十一日段階でなるのではないかと思っております。

保坂委員 平成の大合併ということで、全国的には合併の推移は高く伸びているのではなかろうかと思いますが、特に私の山梨県では合併状況はいいではないかな、こういうふうに思うところであります。

 財政状況が非常に厳しい折の中で、三位一体というふうな形が明確になってきましたが、地方にとりましては、交付税においては、合併することによって、交付税は合併当時の状況で推移をし、あるいは算定方式もそれでいくというふうなことで明確にされておったわけでありますが、現状は、合併してみれば、国の財政状況は非常に厳しい、今までのようにはいかないということで、非常に毎年減額していかなきゃならないということが現実に生じているわけであります。

 そういう意味で、今年度、財源としての国債の発行が四年ぶりには若干減ったといたしましても、これは一時的な状況ではないか、こういうふうに思うわけであります。財政的に、地方は特例債を非常に期待していろいろと事業をやっておるのではなかろうかと思います。

 そういう意味で、特例債に対する国としての財源の措置は大丈夫かどうか心配をするわけであります。その点についてお伺いいたします。

麻生国務大臣 今御心配をいただいております合併特例債の方でありますけれども、これはお約束を申し上げておりますので、基本的には、市町村の合併される最終的な数にもよりますけれども、合併いたしましてから向こう十年間ということになっておりますが、その十年間で九兆から十兆ぐらいのものはきちんとした形で特例債ということを認めることにいたしております。

 当然のことといたしまして、合併特例債を含めまして、地方債の元利償還に要します経費につきましては、これは毎年度の地方財政計画の策定を通じて歳出として計上されることになっておりますので、地方交付税等の必要な地方財源というものは確保いたすことにいたしております。

保坂委員 また、地方の自治体が今いろいろな事業をし、合併されて前へ進んでいるわけですが、合併特例債のほかにも、特例債の中に基金として蓄えてもいいよというふうなものもあって、具体的には、いろいろなイベントとかそういうものに基金が蓄えられてもいいということでありますが、非常に近年の税収が少ないということで、それらも全国的には有効に使われて、基金調達というふうなものは、各自治体、合併されたところはいかがでしょうか。

 希望とすれば、財政調整基金だとか、あるいは国保も非常に赤字の自治体もあるわけでありまして、そういうものにも基金が用立てられないものか、こんなふうなことも思うわけでありますが、お願いいたします。

麻生国務大臣 今、基金のお話がありましたけれども、これは地域振興などのために基金を設けるということは可能になっておりまして、平成十一年度から十五年度までの合併特例債を活用して、十三の市町村で、総額百六十億円の基金が積み立てられております。

 積み立てられた内容というのは主に何にされるんですかというと、いろいろな地域で、かなり遠い、広いところもありますので、そういったところでは一体感が全然出てきていないということで、一体感を増すためにいろいろイベントをしておられたりしております。

 さいたま市、これは浦和、与野、大宮が合併したところですけれども、このさいたま市では、さいたま市でマラソンの大会を開催するに当たっての資金に充てたり、いわゆる旧市町村の地域意識の向上のためにとか、いろいろな形で活動をされておるところが多いので、そういった支援というものに充てておられるケースでありまして、山梨県でも、南アルプス市、南部町、いずれもそういったものを使っておられるというのが最近の傾向。少しずつふえているようには思いますので、これは使い方はいろいろ考えられると思います。

保坂委員 大臣にあと一点、最後にお尋ねいたしますが、山梨県におきましては、六十四市町村のうち四十一ぐらいがことしのうちに合併する、七〇%近い町が合併をするということで、率先して合併に取り組んでいるのであります。

 ただ、非常に、中には、合併について失敗せざるを得ないというところもございまして、住民意識調査などをすると、いや、合併はしないというふうなことで、片方の町は合併をするという努力をしているんですが、こういったいろいろな手法ができてしまってきております。

 こういう、合併をしたいけれどもできないという町に対して、努力に報われない自治体に対して、今後とも引き続き、合併の努力作業というふうなことに対して、交付税措置の中で合併支援費というふうな形のものがつくられるかどうか、お尋ねをさせていただきます。

麻生国務大臣 今の御質問は、これは全国いろいろございまして、保坂先生のところの一番西側の大きな町、早川町、あれは物すごく大きな町で、これで合併といっても面積からいきますと物すごく大きなところで、地理的にも、山がありますし、なかなか難しいんだろうなということはよくわかるところでもあります。

 私ども、今後、特例債が終わった後につきましても、県知事等々のいろいろなあっせんやら何やらできるようにいたしておりますけれども、これによって合併特例債というものが廃止をされることになりますけれども、交付税のいわゆる合併の算定がえとか合併補正に基づく措置を引き続きさせていただくということにいたしておりまして、これらの措置を活用していただいて、今後とも合併がスムーズにでき上がるように支援をしてまいりたいというぐあいに基本的に考えております。

保坂委員 次に、北側国土交通大臣にお尋ねをさせていただきますが、小泉内閣は、構造改革の一つといたしまして特殊法人改革を挙げ、道路四公団民営化を取り上げております。

 国会においても、昨年、深い論議を重ねてまいりましたが、高速道路の果たす役割は、国土の発展、産業の流通、発展のみならず、国民の生活にとって重要な事業であるわけであります。

 民営化によりまして、四十兆円の債務が償還され、通行料金の無料化が実現されるということが大前提になっているわけでありますが、民営化される本年十月以降、残されます整備計画決定区間すべてが早期に実現するということが国民の願いであるわけであります。そうはいっても、不採算の路線などの考え方が不透明のままに民営化に至っていくのではなかろうかと思いますので、何点かお尋ねいたします。

 国土形成の基幹であります高速道路ネットワークにつきまして、この道路については、自立的発展、物流の効率化等も図られるわけであります。ひいては観光戦略の中にも必要な高速道路であるわけでありまして、国土省に、いよいよ手を離れるというこの十七年度の予算における送り出す側の作業状況について、国土省としての大臣の意見、考えをお尋ねいたします。

北側国務大臣 昨年、民営化の関係法を成立させていただきました。本年の十月に道路関係四公団を民営化するわけでございますが、これが円滑に民営化ができるように今準備をしているところでございます。

 六つの民営化会社になるわけでございます。また、もう一つ、独立行政法人の日本高速道路保有・債務返済機構が設立されるわけでございますが、これが無事民営化できるように、しっかりと進めさせていただきたいと思っているところでございます。

 私の方からは、この民営化がきっちりできますように、各公団の総裁、理事長に対しまして、新会社の承継資産の概案を早く出していただきたい、また、言われております不要資産等の処分促進やファミリー企業改革など、こうしたこともしっかり作業を進めていただきたいというふうに今お願いしているところでございます。

 いずれにしましても、民営化までもう時間がございません。民営化がしっかり成功するように、今手続を進めているところでございます。

保坂委員 国土交通省としても、民営化に向けての努力、十分果たしていただきたい。

 続いて公団総裁にお尋ねをいたしますが、この四十兆円の債務返済、これらに向けて努力をしていかなければならない立場にあるわけでありますが、いよいよ、十月というともうわずかでありますが、これまでの進捗状況には自信を持って努力されているかどうか、お尋ねいたします。

近藤参考人 日本道路公団における民営化に向けた作業についてのお尋ねでございます。

 民営化を円滑かつ確実に実施するために、道路公団、関係四公団ございますが、国土交通省としっかりと緊密に連絡調整を行いながら、さらに、先ほど大臣から言われました円滑な民営化に向けて、直ちに整備すべき事項あるいは成果の具体化を図るべき事項を中核とした枠組みに沿いまして、移行に向けた諸作業を引き続きしっかりと進めてまいりたいと考えております。さらに、これまで取り組んでまいりました業務の合理化、効率化も一層推進してまいりたいと考えているところでございます。

 また、日本道路公団は三つの会社に分割されるわけでございます。三つの新会社に円滑に移行するために、新会社の本社組織を念頭に置きました三つの移行本部を本年七月一日付で設置するように、国土交通省などと調整を現在図ってまいっております。

 公団としての民営化に向けた具体的な取り組みといたしましては、公団内に設置をいたしました新会社移行推進委員会、ここにおきましては、十七の分科会あるいはワーキンググループをつくっておりますが、それらを中心として、全社を挙げて組織横断的に、民営化を確実に実施するための作業を強力に、機動的に、かつ効率的に進めておりますし、また引き続きこれからも進めてまいりたいと考えております。

 また、同じく、昨年二月でございました、日本道路公団業務改革本部を設置いたしましたが、そこにおきましては、業務のさらなる効率化及び四百件に及びますアクションプランに基づきまして、コストの着実な削減等の業務改革を、これも組織横断的に、全社を挙げて意欲的に進めているところでございます。

 また、民営化の意義等に係る意識改革及び民間企業人として必要な知識の習得等を図っていただくために、全職員を対象にいたしました民営化準備研修、あるいは、これから始めますが、幹部職員を対象にいたしました経営幹部候補者研修などの必要な研修を順次計画してまいっております。

 さらに、昨年十一月に、サービスエリア、パーキングエリアの事業企画推進本部を設置いたしました。現在六十名の専任体制で、サービスエリアやパーキングエリアにおきます、民営化後に展開する事業の具体的な資産の取得作業、あるいは企画推進作業を進めているところでございます。

 また、先ほど大臣からお話がございました資産の処分につきましても、債務の早期償還並びに民営化会社の固定資産比率最小化という考え方を持っておりまして、昨年十一月に、これも百二十名体制、専任体制での資産処分・整理実施本部を設置いたしました。未利用地、保養所、分室、研修所につきまして、可能なものはすべて処分の対象として検討をしております。また宿舎につきましても、民営化後の職員配置計画を見きわめながら、処分すべき宿舎については、できるだけ早期に、しかし適正な価格で処分してまいりたい、そのように考えております。

 これらの取り組みによりまして、国民が望む民営化となりますように、役職員が一丸となって改革を推進してまいろうと考えております。

保坂委員 大変その努力を細かく御答弁していただいたところですが、期待するところは大であります。

 公団の、全国的に若手の職員千二百名ぐらいがいろいろと知恵を絞って、ひよこビジョンというようなものを打ち出して、そして新たに生まれる民営化会社をしっかりやっていこうという決意をしておられるようでありますが、ひよこビジョン、ことしのとり年に合わせて、私もとり年ですが、非常に期待をしたい。黄色いひよこは金運に恵まれるということだから、恐らくこの十月の走り出しはいいんではなかろうかなと期待をしていますが、そういう中で職員の不祥事がないわけではない。

 この二月にも処分が発表されたり、中国支社あるいは北陸支社、東京管理局内等にもそういう不祥事があるわけでありますが、民営化会社といたしましても、国民の会社であります、ぜひそういった面で、これからの業務運営など、その決意をお尋ねを一点させていただきます。なるべく短く。

近藤参考人 我々は、極めて公共性の高い事業を行っている立場でございます。国民の不信や誤解を招くような行為があってはならないことでありまして、その防止を図り、公団事業に対します国民の信頼性を確保してまいることは、我々にとりまして極めて重要な責任であると考えております。

 このため、従来から綱紀の粛正につきまして強く注意を喚起してきたところでございますが、従前からの倫理規程に加えまして、昨年四月には倫理行動基準を新たに策定いたしまして、役職員の職務にかかわる倫理の保持、ひいては公団事業に対する国民の信頼性の確保に資するための必要な措置を講じてまいりました。

 さらに、昨年十一月には倫理委員会を設置いたしました。外部の有識者あるいは労働組合の代表の方にも委員に加わっていただきまして、より高度な倫理観の確立のために必要な事項並びに社内秩序あるいは規律の維持及び不祥事の未然防止に必要な措置等につきまして検討をしていただいているというところでございます。

 今後とも、このような取り組みを通じまして、国民の不信や誤解を招くことがないように役職員を指導し、より一層国民の公団に対する信頼性の確保に努めるとともに、国民が望む、また期待する民営化となりますように、役職員一丸となって改革に全力で邁進してまいりたいと考えております。

保坂委員 期待をし、ぜひ十月に向けて民営化、段取りをしながら、私どもも希望いたしております。

 次に、質問が変わりますが、ビジット・ジャパンについてお尋ねをさせていただきます。

 平成十七年度予算では、観光の関連予算、約四十億円前後もある予算を持っているわけであります。愛知万博に期待しながら計画をされておりますが、愛知万博以外にもどのようなものをしておられるかということをお尋ねしたいし、そして、国際的な観光資源としての富士山の活用についても、あわせてどのようなことを考えておられるか。地元としてはいろいろなイベントを計画いたしておるわけでありますが、富士山が首都東京に近いという利点を生かしてその積極的な活用をすべきではないかと思いますが、大臣、お願いいたします。

北側国務大臣 今、政府を挙げましてビジット・ジャパン・キャンペーンに取り組んでいるところでございます。きょうは中部国際空港が無事開港をされました。中部国際空港また成田空港、関西空港、この三つの国際空港を着実に整備していくとともに、これを活用していくことが非常に大事だというふうに思っております。

 また、これもきょうなんですが、ことしは日韓の友情年、日韓共同訪問の年になっておりまして、きょうはソウルで日韓文化観光交流展というのが開かれております。国土交通省からも岩崎政務官に行っていただきまして、VJCの一環として取り組みをしていただいているところでございます。

 日本に多くの訪日外国人旅行者をお招きするということを考えますと、やはり近隣の韓国そして中国、台湾等のアジアの国々から多くのお客様を招けるようなさまざまなアイデアが必要かというふうに考えておりまして、しっかり取り組みをさせていただきたいと思いますし、また先般、国会でも、ビザの緩和の法律について衆議院の方でも成立をさせていただきました。こうしたビザの緩和につきましても進めさせていただきたいと思っているところでございます。

 いずれにいたしましても、このVJCにつきましては、ことしは何としても七百万、そして二〇一〇年には一千万を目標に取り組みをさせていただきます。

 今、富士山のお話がございましたが、富士山は我が国最大の観光資源、国際的観光資源であるというふうに考えておりまして、先般も、中国向けイベントを富士五湖地域で開催させていただきました。三千名の中国人観光客の方に参加をしていただきまして、こうした事業も今行っているところでございます。

 今後とも、山梨県や富士河口湖町ともよく連携をとりながら、地元とよく連携をとりながら、富士山を観光資源とする取り組み、しっかり取り組みをさせていただきたいと思っております。例えば海外の記者なんかを招請いたしまして、海外のメディアで富士山を紹介していただく、そうした取り組みも重要であると思っております。

保坂委員 では、最後にお尋ねをしますが、富士山についてもかなり熱を入れての事業計画などもしていただいておりますが、特に富士山につきまして、成田あるいは羽田、新しく中部国際というふうなアクセス、これにつきまして、東名を行きますと三時間、四時間かかったりというふうなこともあるわけでありますが、道路局長、東名とのアクセスについてはどう考えておるか、お尋ねをしたいと思います。

甘利委員長 時間が来ております。簡潔に答弁願います。

谷口政府参考人 お答えします。

 今委員御指摘の問題は、東名の御殿場インターチェンジから東富士五湖道路須走インターチェンジ間での道路整備についてのお尋ねかと思いますが、この区間につきましては、東名から富士山周辺の観光地へのアクセス道路としての効果が期待されております。

 今までに、渋滞している御殿場市街地及び東名御殿場インターチェンジアクセス部、須走インターチェンジ部について事業を実施し、既に供用しております。

 残る区間につきましては既に都市計画決定がなされており、特に第二東名と東富士五湖道路を結ぶ区間につきましては、自動車専用道路として都市計画決定されているところでございます。

 現在、バイパス部でございます御殿場バイパス、西区間について事業化しておりますので、第二東名の進捗を勘案しつつ、地域とも連携しながら、観光振興に資する道路整備を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

保坂委員 ありがとうございました。

甘利委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 次に、松崎公昭君。

松崎(公)委員 民主党の松崎公昭でございます。

 きょうは、私、総務の方から参りましたものですから、主に三位一体の改革を中心に御質問をさせていただきたいと思っております。

 きのう、梶原前知事会長からちょっとお声をいただきまして、その中で彼が言っていたのは、日本は後進国型中央集権である、そして、いわば議院内閣制の限界がもう来ているぞと。あれだけの実績のある、しかも、最近は地方の代表者として頑張ってこられた方がそうおっしゃっていました。

 四百年ごとに政権交代があるから、そろそろ頑張れやというお話をいただきました。つまり、江戸時代の三百年から官僚体制であるということを考えますと、多分それは、明治時代、ずっと今日まで官僚体制だということをおっしゃっていたわけですね。そこで我々も勇気づけられたわけでありますが、そのとき、地方分権が真の構造改革なんだ、究極の財政再建というのは、やはり国と地方の関係をしっかり財政を中心にしながら転換していくんだ、こういうことを経験からおっしゃられました。大変貴重な御意見なので、我々もそれをしっかり受けとめていきたい。

 そのとき一緒に、七十七年前の、よく出てくるポスターかもしれませんが、第一回の普通選挙のときに立憲政友会が出しましたポスターをいただきまして、これはおもしろいですね。右側に元気な選手、左側につえをついた方。「地方に財源を与ふれば完全な発達は自然に来る」「地方分権丈夫なものよひとりあるきで発てんす」、それから左側は「中央集権は不自由なものよ足をやせさし杖もろふ」、そして左側に「中央に財源を奪ひて補助するは市町村を不具者にするもの」、真ん中には財政のことが書いてあります。

 七十七年前からこのように、地方分権の必要性というのを我々の先人はこういう形で言っていたんだ。そういうことで、私も今さらながらに、この国を新しくつくり直すにはやはり地方分権というものをしっかりやらなきゃならない、そういうふうに考えております。

 この分権の問題は、平成五年の衆参の両院決議から始まりまして分権一括法につながった。これは第三の改革と、皆さんも、与党の方も一緒になってこう言っているわけですね。分権一括法で扉はあいたんですけれども、頑張りましたね推進委員会は、しかし、機関委任事務の転換をして、そこまでで、財政の問題、財源の問題は六年間やったけれどもどうしても残した。それをしっかりやってくれということで終わったんですけれども。そういうことを受けながら今の小泉総理が登場して、特に骨太の方針〇二で、つまり財政諮問会議の立場からの三位一体ということが出てきました。

 これは本来、今言ったように、分権の改革を進めて財源の問題に切り込んでいくという、それを中心的にやらなければならない三位一体だったはずなんですけれども、この財政諮問会議の動きは、むしろ大幅な、特に十六年度はひどかったですね、約三兆九千億削ってしまった。財源移転は実際には六千五百五十八億、これはもうさんざん委員会でもやりました。要するに、三位一体という、分権ということを背景にしながら、実態は、財務省を中心に、国の財政の再建を中心にしてまず地方の財源をカットしてしまった、そこに問題があったと私は思います。

 ただ、これだけの中央官僚体制と癒着構造の与党の中で、私は一定の評価はしております。総理が切り口を三位一体で切り込んできた、これは私は一定の評価はしているんですが、やはり初年度の十六年度がこういうありさまでありました。

 今回、〇三の骨太でも四兆の削減、そして〇四年で税源の移譲を三兆円としました。これは私はそれなりに評価はしたわけでありますが、では、さっきから言っておりますように、分権全体の中で、この三位一体というのは、しかもこの十八年度までの三兆の税源移譲、四兆のカット、これは私は分権の全体像ではないと思うんですけれども、その辺、官房長官、どう受けとめていらっしゃいますか。

細田国務大臣 小泉総理が音頭をとられまして、国から地方へ、官から民へという、その大きな柱が国から地方へでございます。その一環としてこの三位一体改革に取り組んでまいっておるわけでございます。

 松崎議員は、市議会議員も御経験され、県議会議員も、そして国会議員を御経験されておりますから、そういう方はこの委員会にもたくさんおられまして、釈迦に説法でございますが、国と地方の関係というのは、おっしゃいましたような明治以来の長年のいろいろなしがらみ、関係等がございます。しかし、そういった中で、本来国がしっかりとやるべき事務をできるだけ少なくして、そして地方に任せるということが本旨であろう。まさにこれからの時代、しかも非常に財政が厳しい時代において、豊かな財源を持って地方に配っていくというような時代じゃございませんから、まさに松崎議員がおっしゃったとおりであると思います。

 そういった中におきまして、ただ、地方の中において、個別に見ましても、例えば私の出身県の島根県のようなところは、どうひねり出してもなかなか税源が出てこないようなところもございますし、大都市は非常に収入も多くて豊かであるというようなことで、いわゆるこの配分を、交付税問題等々を考えていかなきゃならないという、日本固有の一極集中型の経済社会、こういったものも克服していかなきゃならないわけでございます。

 そういった中で、しかし、大宗は、今おっしゃいましたような地方分権、税源も含めました財源の適正な配分、そして地方に仕事をしていただくということが正しい方向であると考えております。

松崎(公)委員 質問に全然答えていないんですよ。今のは私が言ったと同じ分権論ですよ。そうじゃなくて、十八年までのこの三兆、四兆という、これで全体像と言えるかということなんですよ。

細田国務大臣 全体像につきましては、地方六団体がまとめた改革案を真摯に受けとめまして、地方とも協議を重ねまして、政府・与党において取りまとめたところでございます。

 まだ残された課題等ございますので、国と地方の協議の場を通じて検討を進めまして、本年中に結論を出すことにしておるわけでございますが、こうした内容自体については、地方からも一定の評価をいただいているところでございます。

 残された課題についての取り扱いを含めまして、平成十八年度までの改革の全体像を明らかにしておるところでございまして、全体像に沿って改革をさらに進めることによりまして、国の関与を縮小し、地方の権限、責任を拡大して、地方分権を一層進めてまいる所存でございます。

松崎(公)委員 それをまさに官僚答弁といいまして、私の言っていることと全然違うんですね。

 要するに、この十八年度までの四兆の改革、そして移譲を三兆、私、平成五年から言ったでしょう。こういう大きな分権の流れの中で、総務省も言っているのが悪いんですけれどもね、全体像なんてごまかしちゃっているから。四兆円で全体像だということですか、分権改革の。それを聞いたんです。でも、恐らく同じような答えしか出てこないでしょうから、もう結構でございます。聞いてもしようがない。

 では、今おっしゃったその三兆円に絞りましょう。

 この三兆円の改革額が、実際は値切られて二兆八千三百八十億ですね。さらに、三兆の税源移譲をする。今できているのは二兆四千百六十億までしかできていません。これは去年とことし入れて、六千五百六十億まで入れて二兆四千百六十しかない。あと残りの六千億、十八年度なんでしょうが、向けて、どのように対応しますか、基本姿勢。

谷垣国務大臣 委員おっしゃいましたように、三兆のうちおおむね八割、二兆四千億は積み上げができているわけでありまして、あと残された課題については平成十七年中に検討を行って結論を得ていくこととしておりまして、今後国と地方の協議の場などを通じて検討を進めていきたいと考えております。(発言する者あり)与党ともあれいたしますが、国と地方の……。

松崎(公)委員 六千億はそういうことなんでしょうが、これはまたいろいろ問題はあると思います。

 地方案の中では、生活保護でありますとか法定受託事務も入っている、それから、制度的にやってくれなきゃ困るということで、今回入れてしまった国保なんかも入っちゃっていますけれども、そういうものもその六千億の中に今後入れようとしているんでしょうか。

谷垣国務大臣 今委員がおっしゃいましたように、去年の十一月に政府・与党協議会でまとめたものがございまして、その中で、十七年中に結論を出す項目として、生活保護あるいは児童扶養手当に関する負担金の改革、それから公立文教施設、建設国債対象経費である施設費の取り扱い、その他、こうなっておりまして、委員のおっしゃったようなこともこれから検討して、どういう改革とともにできるのか検討していくということになっております。

松崎(公)委員 それで、地方が特にこだわっている、入れないでくれと言った内容が大分今回も入ってきてしまっていますね。

 その辺なんですが、協議の場で今回もやってきたと言うんですけれども、この協議の場でそういうことを、今までの積み上げもそうでありますけれども、これは私から見ると、結果としてはかなり、地方が嫌がっているものを入れてみたり、めちゃくちゃな、地方が提案したものをほとんど取り入れていないということもありまして、こういう協議機関というのは本当に機能したのか。これからやっていくわけですけれども、今後、どのくらいの位置づけで、重みを持って地方を入れながらの協議の場にするのか。これは総務大臣ですか。

麻生国務大臣 いろいろ評価の分かれるところなのかとは存じますけれども、少なくともこれまでの間に、松崎先生、この種の大きな決定をするに当たって、国が地方の意見を尊重して、地方の提案をベースにして事を進めたという例は、ペリー来航のときに、時の老中筆頭、福山藩主阿部伊勢守正弘が地方の列侯の意見を聞いたとき以来、百五十六年ぶりでこういったことをやったというのが正直なところなんです。

 その意見をもとにして、地方と国との間に、官房長官を含め、財務大臣等々に参加していただいた上で、地方と国との協議会をスタートさせていただき、その案をもとにして政府で決定ということになったんだと思います。それ以後も、今財務大臣から御答弁がありましたとおり、約八割のところ、二兆四千億ぐらいのものになっておりますので、残り六千億の分について、引き続き地方と協議をするということを決め、そのほかに、地方六団体と総務大臣との定期的会合をやるということも決めまして、去る一月の十八日だったと記憶しますが、第一回の会合を開いて、地方六団体との会合を正式にスタートさせていただいております。

 今後とも、こういう大きな改革は、明治四年に廃藩置県をやってこの方、中央集権制度をやってまいりましたものをこれだけ大きく変えるというのは、よほど地方と国との間の信頼関係がないとなかなかできないものだと思っておりますので、こういった協議の場でお互い腹を割った話し合いを続けていくというのは大変大事なものだと思っておりますので、こういった形で御理解を得つつやっていくべきと私どもとしては考えております。

松崎(公)委員 なぜ協議の場のことを問題にしたかといいますと、後ほど言いますけれども、大体、知事会案、地方案が百六十一事業出して、その対象にならないで外れてしまったのは百四十八もあるんですね。そして、さっき言いましたように、生保でありますとか国保でありますとか、本来地方は、とりあえず今この財源移転の対象にしてほしくないというもの、それなりの理由がありますね、自主性の拡大につながらないとか裁量性が高まらないとか。そういうものを入れておいて、そして地方の案をほとんど踏みつぶしておいて、だから私は、協議の場というのは形骸化しているのではないかということで言ったんですね。

 総務大臣さんとの協議も結構なんですけれども、これは各省庁で補助金カットするわけですから、各省庁は、自分のエゴと残したい残したいで、みんなばさばさ切ってスリム化でごまかしたり、交付金化で権限を残したり、そういうことをやっているわけでしょう。だから、総務大臣さんが幾ら頑張っても多分だめだろう、だから総理がしっかりと指導性を持たなきゃこの改革はできませんよと。それができていないからこんなざまになってしまうのであって、ですから私は、協議の場というのは本当にどのくらいの重みがあるんですかということを聞いたわけであります。

 それで、今言った国保、これは入れてほしくないと言ったところを入れてしまったということ。ちょっと横道にそれますけれども、国保問題は、これはどういう意味を持っているのか。

 財源移転に持っていきました。これは、今後、きのうも報道がありましたみたいに、県にかなり任せて、保険料まで任せちゃうんじゃないかという一部報道がありましたけれども、そういういろいろな意図を入れて、地方がとりあえず財源移転にはなじまないんだから待ってくれと言うものをわざわざ入れて、そして、金額を膨らましたことも確かなんですけれども、そういうことで、ほかに意図が、厚生労働大臣、これをあなたの方で入れたわけでしょう。これはそういういろいろな意図を含めて、構造を変えていく、県に責任を持たせる、そういうことも含めてこの際税源の移譲の中に入れたのか。

尾辻国務大臣 先ほど来の御議論に触れてお答えをさせていただきたいと存じます。

 まず、今度の地方団体からのいろいろな御提案がございました。それを受けて私も随分議論をさせていただきました。その議論、お互いに、もちろん対立するものが多かったのでありますけれども、いろいろな議論をしたということは有意義であったと私は感じております。そして、今後とも、今お話しのように、生活保護をどうするかというようなことの協議機関のこともございますけれども、これも、既に御答弁がありましたように、政府・与党の合意においてやるものでありますから、極めて重い協議機関だ、その結論は重いものだというふうに思っております。

 今までの御議論について、私どもにかかわる部分もございましたので、お答えをさせていただいたところであります。

 そこで、国民健康保険のお話が今出ました。これについてお答えを申し上げたいと思います。

 国民健康保険制度におきましては、高齢化の進展、低所得者の増加などを踏まえまして、保険運営の広域化を通じた財政の安定化と医療の適正化を進め、国保の基盤、体力を強化する必要がございます。今度の地方団体の皆さんとの議論の中でも、私どものそういう基本的な考え方は再三再四申し上げました。そして、特に社会保障については、国と地方が手を携えて、特に地方の方には実施主体としてお願いをするわけでありますから、どうしてもお互いに手を携えてやらなきゃいけないんじゃないでしょうかということを再三にわたって私どもは申し上げました。

 そうした中で、保険運営の広域化や医療費の適正化に当たっては都道府県の主体的な取り組みが必要であると考えますので、今回の制度改正においては、確実な財政措置が講じられる三位一体の改革の中で、すなわち、今度は税源移譲とかいろいろ行われますから、しなきゃならない改革をこの際ぜひお願いしますという意味において、都道府県に市町村間の財政を調整する権限の一部を移譲することにより、都道府県が国の支援とあわせて、申し上げたように、重層的に市町村を支援することとし、都道府県の役割の強化を図ることにしたものでございます。

 その内容は、具体的には、都道府県が財政調整を通じた医療費の適正化等の促進と保険料負担軽減の両面から、市町村国保財政の安定化を図ることとしたものでございます。

松崎(公)委員 御質問しましたのは、国保料を、この新聞みたいに「都道府県が設定」と、そこまで深く入るのかという質問なんですが、それに対してお答えがなかったですね。

 赤字がひどいですよ、三分の二にもなって、これをどうするか、それは専門の委員会でやるべきことですから、これ以上は突っ込みませんけれども。そういう状況の中で、これを一〇%ぐらいでしょうか、県の方にも持たせるということになったわけですから、ここは敏感に感じると思います、地方も。

 その辺を、では、もう一回もとへ戻しますと、そちらでは十八年に制度設計するということを言っていますね、国保の。だから、地方はそういう制度ができてから財源移転にしてくれと。にもかかわらずこれをぞっくり入れたというのは、今言った、県にいろいろなことをかませるということで、ここに、地方が嫌がっているにもかかわらず移譲の中に入れたということでよろしいんですか。

尾辻国務大臣 大きく国保の制度、これはすべての制度を十八年度に見直しをしようということの中で考えなきゃいけないということで、そういう意味では、今回ちょうど議論になりましたから、やや前倒し的にお願いをしたというところもございます。申し上げたように、それは今回税源移譲等が行われるから、そういう意味でこの機会にと私としてはお願いをしたところでございます。

 これはもう先生御案内のとおりでありまして、申し上げるまでもないと思いますけれども、国保の財政というのは、半分が保険料で見ております、半分が今までは国が見ておりました。その半分、すなわち五〇%ですから、四〇%と一〇%に分けて、四〇%は定率でも国庫負担をさせていただく。一〇%は、それぞれ市町村によって、それから都道府県によって事情がありますので、その事情に応ずる交付金の部分としたわけでございます。

 ただ、今回、その定率の国庫負担の四〇%を三四%に落とす。それから、都道府県間の調整がございますので、これは国がやらざるを得ませんから、その分を国の調整交付金として九%残しまして、そうなると足して四三%でございますから、五〇%から四三%を引いた七%分を市町村に対する調整ということはぜひ都道府県にお願いをします。

 自分の都道県内の市町村の事情というのは一番都道府県が御存じでありますし、また、医療計画も都道府県がおつくりになる、そういったようなところもございますので、そこの部分はぜひお願いをしますといったことでの、今回私どもがさせていただいた制度の改革でございます。

 先ほど新聞報道についてございましたけれども、今私どもが、いきなり都道府県を保険者にしよう、そこまで考えておるものではないということだけは申し上げておきたいと存じます。

松崎(公)委員 きょうの質問の趣旨は、分権を進めるのに財源の移転が一番大事だからということを中心にしながら、各省の今回の対応はおかしいですよということを本当は言っているんですね。

 だから、制度の内容を少しおっしゃるのは結構ですけれども、多分どの省も、役人さんがいろいろ自分たちを保全するためもあって、この中央集権体制を壊したくないということで上げてきたもので、大臣が本当にしっかり見つめて、これは地方にどんどん譲れ、そのかわり君たちの仕事が減ってもしようがない、そんなことは多分皆さんやってないんですね。だから、こういう答弁になっちゃうというふうに思います。

 それで、さっき総務大臣から大変含蓄のある、明治以来の、地方に投げたのは、こんなことはないということで、小泉さんに対する大変な評価をしておりましたが、私は逆に、ちょっと裏から見ると、本当は、この財源移転の問題は、本来は政府がちゃんとやるべきことですよ。できなかったから地方に投げたんじゃないんですか。

麻生国務大臣 御指摘のように、役人は権限に生きるわけですから。その役人の権限に生きる話を自分から手放すなんというのは、それは役人の本質から恐ろしく離れることになりますので、それをきちんと指導する立場にいるのが国民代表の国会議員なんというものなんじゃないんですか。僕はそう思っていますけれども。

松崎(公)委員 まさにおっしゃるとおりですよ。それができていないから、我々は野党ですよ、与党がこの政治を引っ張っていくんでしょう、与党がそれができないから、こんなになっているから言っているのであって、役人を責めているんじゃない。役人の体質はおっしゃったとおりですよ、やめたくない。それじゃこの国の形変わらないから、政治の指導性でやりましょう。そこは一定の評価をしたのは、小泉さんが四兆まで言ったから。あれはあれでいいですよ。

 だけれども、私が言っているのは、それじゃ、全体的な分権改革に四兆でいいんですかということを言っている。我々は十八兆、とりあえず我々も、これは交付税を入れる前に、民主党案としては十八兆の税源移譲を言っていますからね。そういうことを政府がやらなきゃいけないんじゃないですかということで指導性。自分たちでできないから、政府ができないから地方に投げちゃった。今私は政府と言ったけれども、じゃ、与党ができないから投げたと、それでいいんですね。

麻生国務大臣 考え方だと思いますけれども、基本的に、補助金をもらう側の人に、どの補助金が要る、どの補助金が要らないというのを、もらう側の人の立場に立って考えさせたというのが、今回の発想の、一番の逆転の発想、それを決断したところは小泉内閣の評価していただかなきゃいかぬところなんだと思っております。

松崎(公)委員 物は言いようでございまして、逆転だ、うまいですね。麻生さん、いつも委員会でやっていますけれども、語彙が豊富で大変よろしいですけれども。本当に、私どもはそうは見ていません。今までの報道を見ていたって、そうじゃないですよ。総理困っちゃって、じゃ、地方でやってみろと。ところが、まとまらないと思ったところがしっかりまとまって、これは目覚めちゃったですからね、地方は、もう戻りませんよ。

 そういうことで、実は、きょう、私本当に頭にきているのは、これ見てみなさいよ。皆さんは何か一生懸命やったと。それは、数字合わせで、政府は何か出さなきゃならないから出しますよ。だけれども、その中身がひどいもので、例えば、国交省、地方案が四十三件出して六千七百七十九億円上げました。政府回答一件、六百四十一億。これは公営住宅家賃対象補助金、これだけ。農水省は、地方案が三十八件、二千七百七十一億円計上。政府の回答九件、二百四十七億。これは八・九%ですね。厚労省が、地方案で五十二件、九千四百四十三億円計上。政府回答十三件、八百七十八億円、九・三%。環境省が、地方案十件、政府回答二件。千二百十五億円のうち二十七億円だけですね。

 総務省だけは立派ですね、一〇〇%。ただ、地方案四件、政府回答四件ということで、九十五億円が、八十六億円上げた。これはしようがないですね、総務省は中心ですから。内閣府なんか、十八件の地方案に対して、政府回答ゼロ。こういうことなんですよ。

 だから、本当に地方の案を入れたんですかと。これを聞いてどうですか、総務大臣。

麻生国務大臣 今の経過は、そういう経過を経たことは間違いないと思いますが、出た結論は、仮にも八割と言っておりますので、二年間で約三兆ですから、初年度八割というのはそれなりの数字として上がっております。

 これは松崎さん、初めてのケースですから、これはなかなか、ごちゃごちゃするんだとは思いますよ。思いますけれども、少なくとも、間違いなく一応確実に前に進んでいるというのも確かでありますので。

 これから、私ども総務省といたしましては、受けられた側の地方側が、そのもらった、逆に補助金じゃなくなって地方税として入ってくるお金、いわゆるひもがついていないお金をいかにうまく経営していくか、それを使って確実にやっていくかということで、そこらのところをきちんとやっていかないと。任されたはいいけれども、その任された金の使い方がなってないではないかということのないように、地方もきちんと経営をしていかれるということになろうと思います。

 これは二千二、三百の団体の中でどれくらい地域格差が、同じような規模でも随分格差がついてくることがあろうかと思いますので、首長さんの能力がえらく問われる方向でいきますので、地域主権とか地方分権というのはそういう方向でも進んでいくだろう、競争が起きてくるだろう。おたくは同じような人口だけど、ここよりこんな少ないとか、あんな多いとかいうようなことを比較されることになると思いますので、いい意味での地方の経営の競争が起きるというのはそれなりの一つの方向ではないかなと思っております。

松崎(公)委員 頭から私は否定はしていません。確かに、おっしゃるとおり、進んできた、そして自覚も持ってきた。今、これからの時代は多分、地方団体の首長さんの競い合いの時代、そして国の政策も負けるような、そんなものが既にいろいろな発想で出てきていますよ。

 だから、それはいいんですけれども、ただ、要するに、今回は実際に地方と国との財源配分で、実際やっていますよ、交付税やら補助金の支出で、本来の財源は三対二であったものが、今逆に実際に逆転していますよ、行っているのは。例えば地方税、それから譲与税、交付金、支出金を入れていけば、七〇%近く実際に地方に入っていますから、実際には。だから、これはいいんです。

 ただ問題は、そのうちの、交付税もそうでありますけれども、国が持っていて、特に補助金なんかはそこにいろいろ条件をつけていくからおかしいですよ、それはもう既に入っている金をストレートに地方に入れてください、そして使いやすいように、自立してやりますよと。その仕組みをつくるための分権なんですよね。と同時に、政府がそんなたくさんお金を集めたり、一々支配しなくていいようになるから、中央政府は小さくなるんですから。

 だから、ここが本当に、財源移転、今行っている金額でいいんですよ。それをひもつきにするなと言っているわけですから。それをそっくり地方に渡してくださいというのが今回の主目的です。

 それを始めた。ところが、さっき大臣いみじくもおっしゃったように、自分の仕事がなくなっちゃうんだから、当然それは抵抗するだろう。しかし、そこがやはり、一歩でも早く加速度をつけないと、七十七年前からああやって分権のことを言っている人たちもこの国にはいたわけですから。だから、こんなに改革を言って、十年以上たっていてこのありさまじゃ、恐らく国民がもうわかってきていますから、ここは政府の皆さん、政治家の皆さんが本気に立ち上がってやらないといけない。しかし、このありさまですよということを、今回の地方案に対する中央の形を言ったわけですね。

 それで、ちょっとこれは難しい質問かもしれません。今回出したこの地方案を含めて、今できている補助金、負担金、こういったものの作業をほとんどなくして地方に財源移転したら、今の官庁の部署はどのくらいなくなるかという、これは大変難しい質問なんですけれども、答えられませんか。

細田国務大臣 これはお答えする部署がないので、私からお答えします。

 これは全くわかりません。これは今後の問題であります。

 ただ、私は、八回にわたって、まさに地方公共団体の代表六人の方が出て、そして、議題によっては各省と大議論をして、各省のしりをたたきながら相互に議論をしたんですが、私は、両方に大いに譲歩すべき余地はあったな、本来もっともっと前向きに対応すべきところがあったなと思います。

 地方においても、先ほどちょっと言われましたけれども、これはいろいろな都合があって嫌だなと思うものもぜひ引き受けてもらうようにしなきゃだめだし、それから、地方においてもっと民間並みに、今主要企業は五割カットというような人員カットをしていますけれども、経費の削減というものを大変な勢いでやっていただかないと、国、地方のプライマリーバランスも改善しないという意味もございますし、他方、先ほど総務大臣が言った、権限に固執して、これまでの流れで国が何でも管理するというようなことは絶対にやめなきゃいかぬ、こういうふうには思った次第でございます。

 それに税源が絡み、地方交付税が絡んでいますから、これは我が国の構造的な問題、これが今回の三兆、四兆の問題で大いに前進したとは言いがたいことはおっしゃるとおりですが、これは国を挙げて検討していかなきゃならない問題だと思っています。

松崎(公)委員 おっしゃるとおりでありますけれども、ある意味では、地方をそういう体質にしてしまったのは、ずっと明治以来のこの国の官僚の皆さんを中心としたやり方だったと思いますよ。だから今反省しているのでありましょうから、徹底的に国民に向かってもそれを言わないと、今回の合併なんかも、何のための合併かというのは全然国民に知らされていない。これは分権を進めて、日本の構造改革を進めるための、基盤を変えるための合併なんだということをはっきり言わないから、あめとむちで、臨時対策債を出したり、借金をやめろと言いながらまた借金をどんどんさせる、全く矛盾したやり方をしちゃったわけですね。その辺に基本的に問題があるんだと。

 ただ、私は、今皆さんそういうよさそうなお話をしていますけれども、実際に官僚の皆さんが、この削減、秋に動きが出てから、大変な妨害とか反対やりましたね。省庁の関係団体が補助金制度を維持させるために誘導的なアンケートをやったり、それから、地方の支分部局が意見書の採択を各議会にひな形まで回してやったり、それから、市町村長の不安を増長させる内容のメールだとか、まあまあ大変なことをやりました。

 それを、地方の皆さんも目に余って、細田長官へ去年の十月五日に報告書を出したはずなんですよ。官僚のそういう動きに対して、何か長官はされましたか。

細田国務大臣 おっしゃるように、各省庁から、それぞれの補助金等について地方に対する非常に強い要請あるいは圧力もあったということを聞きました。

 そして、早速、十月八日の閣僚懇談会において、地方団体から、補助金等を所管する府省から不当な圧力がある旨の指摘があったが、関係各大臣は十分注意し、全体像の取りまとめに向けてリーダーシップを発揮していただきたいと強い注意を行ったところでありまして、同時に、たしか小泉総理からも、そのようなことをしないようにという発言もありました。

松崎(公)委員 実際に、政治が指導性を持って、総理大臣が号令をかけて、四兆円改革しよう、三兆円税源移譲しよう、そう言って、地方の協力も得ながら案を出してきた。それを、政治やら内閣を超えて、官僚はこんなことをどんどんやってもいいんですか。こんなのは、まさに政治が力がない、与党がばかにされている、内閣がばかにされているということじゃないですか。

細田国務大臣 いろいろな対応があったようでございますが、補助金が削減されるとなかなか金が行かなくなるんじゃないですかというような話が大分あったように聞いております。そういうことは望ましくないということで、閣僚懇談会といっても閣議の後のきちっとした会議で指示をいたしておりますが、当然望ましくないと思っております。

松崎(公)委員 これ以上は言えないんでしょうけれども、望ましくないというよりも、やはりもっと政治の力を強くしなければならないという覚悟をしていただかないと意味がないと思いますよ。皆さん本当に、ひな壇の上に乗せられて下から操り人形になっているなんというのは今までずっと言われていましたけれども、それと同じようなことがまだ続いているという、そういう証拠ではないでしょうか。ぜひひとつ、そこは政治の指導性をしっかりしていただきたい。

 それで、同じく、ちょうど、財源のどれを対象にするかということで、地方が公共事業の関係で、公共投資関係にかかわる財源移譲、税源移譲を欲していました、施設費とかですね。これに対して、財務大臣は違う考えでしたね。ちょっとそこをお話しいただけますか。それはなじまないということを言っていますね。

谷垣国務大臣 確かに、建設国債発行対象経費である公共投資関係の補助金の税源移譲は、私は、なじまない、不適切であるという表現をしております。

 どうしてそういうことを申し上げているかといいますと、まず第一に、公共投資は引き続きスリム化が求められている分野であるということがございます。そして第二に、建設国債を財源としておりますので、移譲すべき税源というものがないわけですね。それから三番目に、公共投資というのは、形成される資産からの便益というものが長期にわたりますので、将来世代も含めた費用負担とすることが適当であるという考え方で、公債発行を、今さら言うまでもございませんが、財政法も原則禁じている。そういう中で、ただし書きで認められているということがございますので、こういうものは税源移譲の対象としては不適切であるというふうに申し上げているところでございます。

松崎(公)委員 総務省でしょうか、総務大臣は違いますね。税源移譲の対象とすることは当然であると。どうですか。

麻生国務大臣 公共事業の補助金の財源ということになるんだと思いますが、基本的には建設国債でありますけれども、償還をするに当たっては国税で賄われる以上、これは税源移譲の対象とするというのは当然のことなんであって、基本方針の二〇〇三というのにもこれは明記をしてあるところで、税源の移譲や時期等につきましては、今後十分に論議をしていかにゃいかぬところだと思っております。

 政府・与党の合意文書におきましても、平成十七年中にいわゆる検討を行い、結論を得るということとされておりますので、今後検討対象として理解をいたしておりますので、地方からの、先ほど十何兆ありました分の中には、これは大きく載っかっていたところだということも十分に承知しております。

松崎(公)委員 これは見解が違うということですか、財務大臣と。

谷垣国務大臣 確かに、ここはまだ意見が一致していないところでございます。

 将来、償還財源は税金でやるんだからどこかに税源があるはずだと総務大臣はお答えになりましたけれども、確かに、六十年かけて建設国債、償還することになっております。

 しかし、現在のプライマリーバランスもとれていない状況では、結局、その償還財源も赤字国債に頼っているというのが現状でございますから、そういう状況のもとで、これを財源があるというのは私は不適切であるというふうに考えておりますので、総務大臣とは意見が合っていない、こういうことでございます。

松崎(公)委員 まあここで閣内不一致だと言って責め立ててもしようがないんですけれども、実際そうですよ。全く政府は見解が違う。

 それで、私は、財務省は、お金のつくり方、返し方にこだわり過ぎているからそういう発想になるのであって、普通の一般で考えれば、財源のつくり方は国債かもしれぬけれども、金は地方に出すんだから、それで、返すのは税金で返すんだから。調達の仕方、例えば民間会社、私もちっちゃい会社の経営者ですけれども、設備投資用に借りて、借金をして、全部設備投資に使わなきゃならないかというと、そうじゃないわけですよ、その一部はほかへも回したりするわけ。会社の経理上は借金として残るだけで、使う道は全然違ってくるのは当たり前なので。

 財務省さんはどうしても自分たちの、日本の台所を預かるという発想だけで、そればかりにこだわるから、入り方がこうだからこれはおかしいとか、返し方が何年もかかるから。そんなこといったら、公共工事だけじゃなくたって、補助金の中でたくさんあると思いますよ、ほかにも、何年もわたって次の世代に恩恵を受けるなんということは。だから、全然それは理由が立たないと思うんですね。

 だから、入ってくる金の形は、それは国債という借金かもしれないけれども、出すときは地方に財源として出すわけでしょう。さっき私言ったでしょう。総枠で大体六割から七割のお金は地方に来ている。その中に入っているんですから、それを中央からこっちへ回すんじゃなくて、最初から持たせろというだけの話なのであって、こっちの財布をもっとよこせ、もっと増額してよこせとは言っていないんですよ。入っている中身で、それを最初から地方に渡してくれというんだから、こちらの調達の仕方にこだわって、今みたいな論理は私は全然成り立たないと思うんですけれども、どうですか。

    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕

谷垣国務大臣 私どもは、財政規律というものは基本的に大事だという考え方を持っております。委員は、多分財政規律よりも地方分権が大事だというお考えを持っておられるんだと思います。そこをどうすり合わせていくかということがございまして、もっと突っ込んで言えば、そのほかの補助金だって、税源移譲するけれども、結局、今の状況で半分は借金で賄っているんだから同じじゃないかという考え方もあるかと思います。しかし、私どもはそういう考えはとらないのであって、赤字国債で、半分は借金で賄っている分だって、それは本来は税金でいただくべきものだから、その分については、今は借金だけれども、地方に税源移譲としてお譲りするのはそれは思い切ってやろう、こういう考えでやっているわけです。

 ただ、将来の方々に負担を回しているところについては、やはりそれぞれの議論の立て方、財政の規律の立て方がございますから、そこまで今お譲りしちゃっては、とても将来の方たちに責任は持てないだろうということを申し上げているわけであります。

松崎(公)委員 これは特に国交省が多いものですから、いろいろな背景があったり、そういうことで、財務省さんは財務省さんなりの理論でおっしゃっていますけれども、私どもはどうもそれは、今回、交付金化なんかも、これも大くくりにして結局各省庁が残しておきたい、そういうやり方なんですね。

 民主党も交付金化をやっています。でもあれは五年ぐらいで、後は財源移転するんだという暫定的な経過措置なのでありまして、今言っている交付金化、スリム化と交付金化の交付金化は、どうも長く続いて維持をしたいという、さっき総務大臣のおっしゃったような役人さんの性質を背景にした交付金化かなと思っております。この議論は、また私どもの委員会とかそれぞれの部署で続けてやっていただきたいと思います。

 そしてもう一つ、義務教の問題ですね。

 税源移譲、これは地方から出したものでありますけれども、暫定的にというのはどうもよくわからないのと、それから、中教審の結論ということでありますが、もし義務教の負担金は行わないというような、国があくまでしっかり持つんだというようなことになったらどうするんですか。

中山国務大臣 暫定とはどういう意味かということですけれども、昨年十一月の政府・与党合意における、うち十七年度分(暫定)四千二百五十億円、この(暫定)というのは平成十七年度限りの措置であるという趣旨でございまして、また、八千五百億円程度の減額、これも暫定。この暫定とは、平成十七年秋までに中央教育審議会において結論を得る、それまでの間の暫定措置である、このような趣旨でございます。

 なお、今、中央教育審議会におきまして、この義務教育費国庫負担制度も含むすべてのことにつきまして審議いただくようお願いしているわけでございまして、どういう結論になるかはわかりませんが、もしそれを維持するとかそういう結論が出たとしても、それは尊重するということでいきたいと思っております。

松崎(公)委員 維持をする、尊重、その辺を本当は突っ込んでいきたいところでありますが、時間がなくなりましたので、これは担当委員会でぜひお願いをしたいなと思っております。

 私どもの総務委員会では財務大臣来ていただけませんので、財務大臣にお尋ね、もう一つあるんです。いわゆる交付税改革の問題で、七、八兆円の過大計上、これは非常に刺激的な指摘でありましたが、これに対して、本当にそんなふうに思っていらっしゃるのかなと思うのと同時に、総務大臣はこれに対してどう思いますか。本当にそんなに交付税制度の中で過大なあれがあったということでございますか。

谷垣国務大臣 先に言うと後、麻生大臣に反論されちゃうんじゃないかという気もございますが。

 私は、やや刺激的な物言いをしたのかなとも思っておりますが、確かに、地方の単独の経費の一般と投資的経費、公共関係がございますけれども、公共関係なんかは明らかに、後の決算を見ますと、地財計画の段階と合っていない過大な計上があったと思います。それから、ハードからソフトへという流れはもちろんあるんだと思いますが、一般の経費については足らない部分があった。そうしますと、確かに自治体の側から見れば、本来自分たちが使うことに一々国が口を出すのは自治という観点から見ていかがかという視点もおありだろうと思います。

 ただ、私どもは、地財計画の要するに歳入部分と歳出部分の足らないところ、これはもう一つ、七・八兆ということを申しまして、これも物議を醸したところでございますが、それはやはり開いていくのは望ましい状況ではありませんので、歳出と歳入のギャップは埋めなきゃならないとすると、そこに税から入れて補てんをしなきゃならないわけですから、そのためにはやはり計上の仕方というものを、きちっと実態に合わせて、必要なもの、必要でないものを精査する必要があるということを申し上げたわけでございます。

 平成十七年度につきましては、かなりそういう部分では総務省ともいろいろ協議をさせていただいて、前進が見られたというふうに思っております。そういう意味での透明化といいますか、説明責任を徹底する方向に一歩進んだ地財計画をつくっていただいたと思っております。

麻生国務大臣 今御指摘ありましたように、昨年、谷垣財務大臣の方から、いわゆる投資単独事業の決算額が計画額を大幅に下回っておるではないかということで、地財計画に過大計上があるのではないかという御指摘があったという点だとは思いますが、私の方からは、投資的なところとほぼ同じ額で、今度は経常経費の決算額は逆に計画額を大幅に上回っているという状況なので、地方の自治体としては、ハードからソフトへという形で、いろいろ、投資的経費と経常的経費というものを一体的に是正しないといかぬのではないかという反論を申し上げさせていただいて、結果として、今年度一体的に、乖離しておりますものを両方とも是正するということをさせていただきました。

 これは、一体的に乖離を是正するということ、これは初めてのことでありましたので、七兆、八兆というかなり刺激的なお話ではありましたけれども、結果的には、その話が端緒となって地方三千団体は一斉にまとまるという効果を上げていただいたことに関しましては、知事の方からも感謝の言葉が谷垣大臣にあったぐらいですから、いろいろな意味で効果はあったんだと思いますけれども、少なくとも一体的乖離の是正ということに手をつけることになりまして、少し前進をいたしておりますので、十八年度以降もこの方向できちんとさせていただきたいと存じます。

松崎(公)委員 お互いに、大臣同士ばんばんぶつけ合って、分権を進めるという、財源を移転するんだということを念頭に置きながら頑張っていただきたい。

 冒頭に言いましたように、私は、今回の地方案が出してまいりましたように、第二期改革の理念を書けと言ってくださいということを地方からも言われておりますので、第二期改革の内容あるいは長期的な分権の内容というものをしっかり提示していただきたい。

 それから、村上大臣お見えで、済みません、ちょっと時間がなくなっちゃって。

 私も公務員制度改革を民主党で担当しておりまして、今回、公務員大綱から四年近く法案が出てきません、いろいろな理由があるのかもしれませんけれども。今、法案の準備はどうなっているんですか。それから、公務員制度改革が、事務局も小さくなったりするということでありますけれども、その辺、今後の公務員制度改革、これは、分権の中でも、地方の問題で非常に公務員の問題がたくさんあります。ですから、その辺をしっかりとやらなければなりませんけれども、とりあえず、公務員制度改革、国の方はどうなっていますか。

村上国務大臣 お答えいたします。

 松崎委員の御質問は、制度改革がどうなっているかという御質問ですが、御高承のように、公務員制度改革を進めるに当たりまして、これまで関係者が本当に精力的にやってまいりました。組合、人事院、各省、特に与党の先生方も、組合とは精力的に話し合いを行ってきた。しかしながら、関係者の間の調整は十分に進まないので、特に組合の皆さんとの関係では、労働基本権の付与について基本的な点において考えに隔たりがあったと認識しております。

 政府としては、このような状況にかんがみて臨時国会の法案提出を見送りましたが、公務員制度改革の今後の方針について検討を行って、昨年十二月に閣議決定した今後の行政改革の方針において、関係者間の調整をさらに進めて、改めて法案の提出を検討することとしたいと考えています。一方、現行制度のもとにおいては、評価の試行や適切な退職管理などに重点的に取り組むことにしております。そういうことを精力的にやっていきたい、そのように考えております。

 以上であります。

松崎(公)委員 もう時間がないんですけれども、ILO勧告、これは連合が提訴しましたね。これに対して、これは官房長官でしょうか、どういうふうな認識をして、それで小泉さんは、十五年二月七日の予算委員会で、ILOによく説明する、そういうことを言っていますけれども、それは理解が得られたんですか。官房長官ですか。

村上国務大臣 公務員制度改革に関しては、平成十四年の十一月及び十五年六月にILOの結社の自由委員会から報告が示されている。ILOの報告は、基本的に、政府に対して、組合を初め関係各方面と十分によく話し合うようにと要請したものと理解しております。

 そういうことで、ILOに対して、我が国は、取り組み状況について必要な情報提供を行っていきたいと考えております。そういうことで、公務員制度についての我が国の現状の考え方、職員団体との意見交換の状況を初めとする今般の公務員制度改革の取り組み状況、そういうことについて提供を行ってきたところでありまして、我が国の取り組みを見守っていただいているというふうに考えております。

 こういうことを通じながら、日本政府としては、ILOから関係者との話し合いを行うように要請されていることも踏まえつつ、今後とも、組合を初めとする関係各方面と幅広く意見交換を行うとともに、ILOに対して必要な情報提供を行っていきたい、そのように考えております。

松崎(公)委員 時間ですから終わります。ありがとうございました。

渡海委員長代理 これにて松崎君の質疑は終了いたしました。

 次に、小泉俊明君。

小泉(俊)委員 民主党の小泉俊明でございます。

 小泉政権も、ことしの四月二十六日で丸四年を迎えるわけであります。小泉改革を結果から見た場合に、日本の景気や経済は本当によくなってきたのでしょうか。また、日本はよい方向に本当に向かっているのでしょうか。

 小泉総理は、日本経済は着実に回復をしてきている、また、現在は景気上昇過程の踊り場にあるということを言っています。しかし、ほとんどの国民は、景気回復の実感は全くなく、よくなるどころかますます悪くなっているというのが正直な実感であると思います。戦いに負けていながら大勝利、撤退でありながら転戦と言っていた、まるで大本営発表のようなというのがどうも正直な実感だと思います。

 そこで、今まで、小泉改革をミクロで見た場合、倒産、自殺、また生活保護の増大等については何回も委員会でやらせていただきましたので、今回は、この小泉内閣約四年間の結果をマクロ経済の視点から見て検証をさせていただきたいと思うわけであります。

 まず、お手元の資料一をごらんいただきたいと思います。

 これは、日経平均株価の推移のグラフであります。御案内のように、小泉総理が就任しました二〇〇一年四月二十六日、株価は一万三千九百七十三円あったわけでありますが、二年後の二〇〇三年の四月二十八日、七千六百七円になりました。この下落率は何と四六%であります。田中内閣総理大臣以来、三十年間、十七人の総理大臣が出たわけでありますが、この四六%という下落率は断トツのワーストワンであります。そして、きのう現在の株価が一万一千六百円であります。これは、就任当時と比べまして一七%低い価格になっているわけでありますが、これも実は、ここ三十年間の十七人の総理大臣の中ではワースト第四位の記録であります。

 私は、小泉改革のまず四年間を見てみまして、株価については落第なのではないかと思うんですが、竹中大臣、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 経済の状況につきましては、引き続き、これは格差の拡大も含めてでありますけれども、大変厳しい状況であるという認識は当然私も持っております。そうした中で、少しでもよい方向に向かいつつあるというのが今の状況だと思っておりまして、委員御承知のように、先般のOECDの対日審査では、日本経済、ようやく過去十年で最もよい状況になった、そういう診断がOECDからも下されたところでございます。

 お尋ねの株価でございますが、株価、最初の二年間で、御指摘のように、これは四五%程度下がりました。その後ようやく底を打って、その後の上昇率は五十数%ということで、その後の上昇率もようやく高くなって、しかし、世界全体の株価の動向もこれはございますから、アメリカもヨーロッパも、この四年間を通じて見ますと、株価は下がっているという状況にあると思います。

 そうした中で、将来の期待成長率を高めて、さらに株価も安定的に高まっていくような、そういう結果をぜひつくりたいと思っているところでございます。これは、引き続き厳しい状況であるということは認識をしておりますが、しっかりと経済運営をしていきたいと思っております。

小泉(俊)委員 これは、アメリカでは、大統領の評価は平均株価の騰落で決まると言われています。もしアメリカであれば、小泉さんは二〇〇%再選はなかったと私は思います。

 まず、小泉さんになってから、最大、国民の資産が株価だけでも約百五十兆円失われたと言われていますし、現在の、きのうの時点で一万一千六百円でも、就任の当時から約六十兆円の国民の資産が失われていますので、私は、この四年間の小泉改革の結果を見た場合に、株価については落第だということを明確に指摘しておきたいと思います。

 次に、資料の第二をごらんいただきたいと思います。

 これは、不良債権の残高の推移であります。竹中大臣や小泉総理がおっしゃるように、不良債権は、二〇〇一年から二〇〇四年度まで右斜めの矢印で、確かに減っています。

 次に、その次の第三の資料を見ていただきたいと思います。

 しかし、この資料は、銀行ですね、都市銀行、地方銀行、第二地方銀行の貸出残高の推移であります。ごらんいただきますと、右斜めに矢印、一直線に落ち込んでおりますが、これは、月ごとの民間の銀行の貸出残だけ見ますと、何と八十五カ月連続で前年同月を下回るという極めて異常な事態が起きているわけであります。

 景気というものは、大臣、金回り、お金の回りでありますから、銀行の貸出残高がここまで、八十五カ月間前年同月で下落を続けているということは、小泉改革というのはやはり、この四年間やってきたけれども、景気の回復に関しても貢献してはいないと私は思うんですが、大臣いかがでしょうか。

竹中国務大臣 銀行の貸出残高の減少が続いているという御指摘は、これはもうそのとおりでございます。ぜひ銀行、しっかりと貸出先を開拓して、ふえるような状況を今後ともつくっていきたいと思っておりますが、委員が御指摘のこの表そのものでございますけれども、これは、ちょっと細かいですけれども、一九九五年からの表でございますかね。この前の十年間ぐらいもぜひお示しいただきたいというふうに思うわけです。

 この前の十年間に何が起こったかといいますと、銀行の貸出残高は、GDP比で見て、GDP比の七〇%ぐらいだったものから一〇〇%を超えるところまでどんどん高まっていった。残念だけれども、バブルの時期を通して、銀行は貸し過ぎた。企業は借り過ぎた。その調整はやはりどうしても避けて通れない。その調整が長期に緩やかにまだ続いているという状況であろうかと思っております。

 しかし一方で、いろいろなアンケート調査等々を見ますと、企業から見た銀行の貸し出し態度等々、資金の需給等々は改善をしている、これも事実でございますので、そういった効果がしっかりと浸透していくように、引き続き、マクロ経済の運営と、そして、これは今私の担当じゃございませんが、銀行に対する適切な行政というのを行っていく必要があると思っております。

小泉(俊)委員 竹中大臣は、就任当初、不良債権が減ってくれば、銀行が健全化をし企業に資金が回るということを、私は財務金融委員会でもさんざん、十五回ぐらいやらせていただいていますので、そういう答弁をしていたと思うんですが、しかし、現実には、四年たったわけでありますが、不良債権は減ったけれども一向に実体経済には資金が回らない現状なんですね。金回りというのは、やはり資金の量も必要なんですね。そこで、私は、この銀行の貸出残高の推移を見ると、結果から見て、小泉改革というのはやはり景気回復に関しては貢献をしていなかったということを明確に指摘しておきたいと思います。

 次に、資料の四であります。

 これは、国債の発行残高の数字であります。この真ん中に、二〇〇一年三月末現在、このときに三百八十兆円ですね。これは、小泉さんが就任する前の年の、直前の数字なんですね。一番下を見てください。二〇〇四年九月末現在でありますが、何と五百八十六兆円。この小泉内閣の三年六カ月間で二百六兆円も国債の発行が増大をしているわけであります。

 当初、小泉総理大臣は、財政の健全化ということを掲げ、国債発行三十兆円枠というのを言ってきたわけでありますね。しかし、これは、財政再建の観点から見ても、この三年六カ月間で二百六兆円増加という観点から見れば、私はこの小泉改革というのは全く貢献をしていないと思うんですが、この点については、竹中大臣、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 国債の方は私の担当でございますから。

 確かに、おっしゃるように、二〇〇一年末三百八十兆、それが五百八十六兆になっておりますのは事実でございます。それは、毎年毎年相当な借金を重ねておりますので、こういうふうになってきているわけですが、ただ、そういう毎年毎年国債を出す状況は相当改善してきたと思っております。

 国、地方の基礎的財政収支を見ますと、平成十四年度は五・五%の赤字でしたけれども、平成十七年度には四・〇%になっている。それから、これは私よく申し上げているんですが、この平成十七年度予算では、一般歳出は三年ぶりに圧縮した、それから国債発行高も四年ぶりに前年度より減少することができまして、国の基礎的財政収支も、平成十六年度に比べまして十七年度は三兆円余り圧縮することができまして、今十六兆ぐらいの赤字になっておりますので、私はこういう面ではかなり進んできたと思っております。

 ただ、やはり過去の蓄積、累積というものを払拭するまでに至っていないのは、委員のお示しの数字のとおりでございます。

小泉(俊)委員 このデータの上から二つ目が、一九九八年三月末現在、二百七十三兆円になっていますね。この一九九八年から小泉総理が就任するまでの二〇〇一年三月末の三年間というのは、国債発行が三年間で百六兆円なんですよ。過去にさかのぼって在任期間中の国債の発行の増加テンポを見た場合に、実はこれほど国債を発行している総理というのはいないと思いますね。私はやはり、この国債の発行の増加テンポを見た場合に、財政再建という観点から見ても、この小泉内閣の約四年、全く貢献をしていなかったということを明確にその点も指摘しておきたいと思います。

 次に、資料の五をごらんいただきたいと思います。

 これは、今、谷垣大臣がおっしゃいました税収の推移であります。二〇〇一年、小泉さんが就任する前の予算でありますが、四十七兆九千四百八十一億円、これが二〇〇二年に四十三兆八千三百三十二億円に減りました。そして二〇〇三年には、税収が四十一兆七千八百六十億円なんですね。この数字自体は、決算も入っちゃっていますが、当初予算でいきますと二〇〇四年は四十一兆七千四百七十億円と、小泉総理になってから、このグラフだけ見ていただければわかるんですが、税収が下降をたどっているんですね。

 この点につきまして、私は、税収というのは国の財政の根本でありますので、これが減ってきているということは、この四年間の小泉内閣を見てみて、やはり税収の面から見ても政策効果がほとんどなかったんじゃないかと思うんですが、この点については、谷垣大臣。

    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

谷垣国務大臣 先ほどから明確に指摘しておくと繰り返し、リフレインをおっしゃっておりますが、小泉内閣発足後、これは発足が平成十三年の四月ですが、それ以降の一般会計税収の推移は、十三年度決算では、さっき御指摘になったと思いますが、四十七・九兆、それが十五年度では四十三・三兆で、確かに四・七兆減少しているわけですね。このうち半分ぐらいは、定額郵貯の集中満期によりまして利子税収が一時的にはげ落ちた。これが約二・四兆はげ落ちたということになっております。そういう特殊要因が一つある。

 それから、十五年度改正で、国税分、これは要するに多年度レベニュー・ニュートラルというようなことで先行減税をITや何かでやりまして、一・五兆実施をしたということがありますので、こういった点をあわせ考えますと、この間の減収が失敗だったという御指摘は私は当たらないんじゃないかと思います。

 他方、十五年度以降の税収動向を申しますと、十五年度決算は四十三・三兆ですね。それから、十七年度が四十四・〇兆ということで、所得譲与税控除前では四十五・一兆と増加してきておりますので、私は、いろいろな努力の成果が税収面でも、もっともっと早く伸びてほしいですが、徐々にあらわれてきたと言えるんじゃないかと考えております。

小泉(俊)委員 やはり、大臣、私は、数字というものはきちっと現実を見るべきだと思います。やはり小泉総理になってから税収は減少を続けているんです。今までどんな内閣だって大臣が言ったような事情はあるんですよ。それでもこれだけ税収が減少を続けているというのは、私はやはり、小泉改革が税収の面から見ると余り効果がなかったと言わざるを得ないと思います。

 特に、谷垣大臣、去年もことしも、ことしふえたといっても、実は、これを見ていただくと、せいぜい十八年前の一九八六年と同じ程度の税収しかないんですよ。これだけの経済規模になっていてこれだけしか税収がないというのは、私はやはり小泉改革の政策が税収の面からは効果がなかったともう一度明確に指摘をしておきたいと思うわけであります。

 次に、次の資料の六をごらんいただきたいと思います。

 これはGDPの推移です。下の暦年で見ていただきたいんですが、GDPの暦年の二〇〇一年、名目はマイナス一・一であります。また、二〇〇二年がマイナス一・六ですね。二〇〇三年がマイナス〇・一なんですね、名目で見ると。実質が左側に出ていますが、〇・二、マイナス〇・三、一・三。

 やはり、小泉改革のこの約四年間の政策を見ていまして、GDPの、経済成長率の面から見ても、ほとんど私は効果が出ていないのではないかと思うんですが、竹中大臣、いかがでございましょうか。

竹中国務大臣 GDP、特に名目GDPに着目した御指摘をいただきましたけれども、当然のことでありますけれども、我々としては、実質的な、実体を高めるという意味での実質GDPを高め、同時に、なかなか厳しい状況にありましたデフレをしっかりと克服していく、この両方を実現することによって、名目GDPが上昇していくということを目指していくわけでございます。

 ここには二〇〇三年まででございますが、ちょうど昨日二〇〇四年の数字がQEで出まして、二〇〇四年の名目GDPは一・四%のプラスということに相なりました。実質GDPを高めて、そして同時にデフレを克服していく、これはなかなか委員御指摘のように厳しい作業ではあるわけですけれども、そういう方向にはようやく向かいつつあると思っておりますので、さらにこの数字がしっかりと結果的に高まるようにしていかなければいけないと思っております。

小泉(俊)委員 竹中大臣、OECDの三十カ国、先進三十カ国を見ても、これほど四年も五年も経済成長が低いというのは日本だけだと思うんですね。私は、この四年間の小泉内閣の経済政策、やはりGDPの点から見ても政策効果がなかったと言わざるを得ないと思います。

 次に、資料の七をごらんいただきたいと思います。

 これは、OECDが世界の財政を比較するために国、地方の債務残高のGDP比を比較したものであります。このグラフを見ていただくと、もう日本だけ三十五度ぐらいでGDP比がどんどん悪化しているんですね。これは私はやはり厳粛に受けとめるべきだと思います、このデータを。これが現実なんですね。

 結論からいいますと、小泉改革というのは、先ほど株価を見てきました、あと金回りという点から景気を見てきました、税収を見てきました、財政の健全化という点も見てきましたし、債務残高のGDP比、これは結果から見ると、この四年間というのは、努力をされたのはわかるんですが、ほとんど効果がなく、ある意味でいうと、私は失敗だったと言わざるを得ないんじゃないかなということを明確にもう一度財務大臣も含めて指摘しておきたいと思います。

 そこで、これは過去の四年間だったんです。それでは、これからどうなるか。

 この前、「構造改革と経済財政の中期展望」二〇〇四年度版というのが出ましたね。この中に参考資料として「基本(改革進展)ケース」というのが書いてあります。これは当然、この中期展望の議論の前提でありますので、非常に大切なデータなんですね。

 資料の八をごらんいただきたいと思います。

 ところが、この資料の八を見ますと、二〇〇五年から二〇〇九年までの五年間、まず一番上の実質成長率を見ていただきたいんですが、二〇〇五年度一・六、二〇〇六年度一・五、二〇〇七年度一・五、二〇〇八年度一・六、二〇〇九年度一・五と非常に低成長なんですよ。

 ところが、これほどの低成長であるにもかかわらず、ちょっと下に行きますが、完全失業率はどういうわけか四・六から五年後には三・六に減っているんですね。そして、これほどの低成長であるにもかかわらず、消費者物価が、来年、二〇〇五年度が〇・一、何と五年後が二・三まで急激にはね上がっているわけですよ。次のページに税収も出ていますが、谷垣大臣、来年四十四兆だったのが五年後には五十三兆六千億という、税収まで何か急激にふえるデータが出ているわけでありますよ。

 しかし、この程度の低成長で、失業率が急激に下がって、物価が上がり出して、税収がふえるというのは、私はおかしいんじゃないかと思うんですが、竹中大臣、この点についてはいかがでしょうか。

竹中国務大臣 小泉委員からは、大変、効果が上がっていないという厳しい御指摘をずっといただいておりますが、この御指摘は御指摘としてしっかりと受けとめますが、同時に、全体としてはよい方向に向かっているという点についても、ぜひ、これは委員御専門家でいらっしゃいますけれども、御認識をいただきたいと思います。

 その上で、資料八の数字でございます。

 まず、実質成長率が低い。これは、高いか低いかというのはいろいろな評価があると思いますが、残念ながら、日本の潜在成長力というのは、今のところ中期的にはこのぐらいであるというふうに認めざるを得ないのだと思います。これを規制改革等、民営化等々、改革を通してさらに高めていくということは、構造改革の重要な使命だと思います。

 その上で、この程度の成長率で失業率が下がってくるのはなぜなのかということでございますが、これはモデル計算ですからいろいろな要素が複雑には絡まりますが、基本的な要因は、この間、人口が減って労働市場が小さくなってくるからです。生産年齢人口は今でも毎年三十万程度小さくなっているわけですから、労働者の数が少なくなってくる。ある程度の成長のもとでは失業率が下がっていくということは、これは可能なわけでございます。

 もう一つ、価格でありますけれども、価格については、これまた、今、日銀は一生懸命ベースマネーをふやしている、それがマネーサプライの増加になかなか結びつかない。しかし、金融市場の改革等々でいわゆる貨幣乗数が次第に高まって、それでマネーサプライもふえていく、そういうような状況の中でデフレが緩やかに克服されていくというシナリオを我々は描いているわけでございます。

 結果的に、名目GDPがそのようになる中で、税収についてもここに書かれているような計測を我々は行っているわけでございますので、今のシナリオをぜひ実現していきたいというふうに思っております。

小泉(俊)委員 実は、参考資料というのは政策の基礎ですから、物すごく大切なんですね。ただし、この参考資料の試算というのは、まず為替が一定なんですね。為替レートの変動の影響がまず入っていないということと、もう一点、実は、日本だけのモデルで実施して、日本の経済発展が外国に好影響や悪い影響を与えてそれが日本経済に戻ってくるという、いわゆるブーメラン効果というのも入っていないんですね。今、世界の予測モデルでこういうモデルを使っているのは日本だけなんですよね。やはり、私は、この参考資料の試算というのは国際的に通用するモデルを使ってやっていただきたいと竹中大臣に言っておきたいと思います。

 次に、資料の十二、ちょっと飛びますが、これは実は改革をしないとこうなるよという参考資料なんです。「「非改革・停滞ケース」の計数表」であります。

 ここに驚くべき数字が出ています。名目金利を見てください。何と、二〇〇五年度一・六なのが、もし小泉改革をしていかなかった場合、二〇〇九年度には八・八%に名目金利がなりますというデータが載っているんですね。こんな急上昇は、どうも聞きましたら一九九〇年代のイタリアを参考にしているそうでありますが、余りにも非常識な数字だと私は思うんですが、竹中大臣、この点についてはいかがでしょうか。

竹中国務大臣 参考として我々が試算したものでございますから、数字の評価も含めて、ぜひそこはもちろん御議論をいただきたいところでございます。

 ただ、この中でのシナリオでぜひ御理解をいただきたいのは、恐らく委員の御指摘は、これは中央銀行、日本銀行という存在があるんだから、そこでマネーをコントロールすることによって物価の上昇、金利をある程度コントロールすることができるのではないのか。そこはもうそのとおりでございます。もちろんそういう役割を、私たち、日本銀行に期待するわけでもございます。

 しかし、国債の残高が非常に高まって、国債に対するリスクというのを投資家が非常に高く見積もるような状況、ある臨界点を超えると、そういう危険というのはあるわけですけれども、イタリアでまさにそういうことが起こったわけでございますが、そういう場合があり得るんだと。そうなると、これは幾ら日銀が、中央銀行が頑張っても、物価を簡単に操作することはできない。そういうことを経験した国というのは幾つかあるわけでございますので、そういうシナリオを想定して、もちろんそうならないように運営しなければいけないという意味でここに提起させていただいておりますけれども、そういう場合の想定であるという御理解をいただきたいと思います。

小泉(俊)委員 日銀が今ゼロ金利政策をとっているわけですね。なおかつ、日本の金融市場の規模というのは、アメリカに次ぐ規模であります。この日本において、私は、金利がこれほど、八・八まで上がるという異常なことというのは、余りにも架空の数字過ぎて、ためにする、小泉改革をよく見せて、しないとこう悪くなりますよといった、余りにもためにするものだと思いますね。やはり、私は、こういったデータというものは、内外からの検証にもたえるように、ぜひとも国際的に通用する世界モデル、これはあるわけですよ、日本でも日本人が開発して国際機関で使われているものがあるわけですから、世界的に通用するモデルで常識的な数字を出していただきたいと思います。

 そして、それではこれからどういう対策をしていくべきなのかということが一番大切なわけでありますが、前提として、竹中大臣にお聞きしたいと思います。

 先ほどの七の資料に戻っていただきたいんですが、これは、OECDの国、地方の債務残高のGDP比です。日本は借金が多い多いと言われておりますが、私は、このOECDのデータを見てもわかりますように、一番大切なのは、債務残高のGDP比こそ、これから政策運営で注意していかなければならない最も重要なポイントであると思うんですが、竹中大臣、この点はいかがですか。

竹中国務大臣 GDPに対する公債の残高をある程度以上にならないように、これがどこまでもどこまでも上昇していくような状況を絶対に食いとめなければいけない。その意味で、委員がおっしゃっているような公債の残高のGDP比をしっかりと見るというのは、これは全く必要なことであると思っています。

 実は、私たち、基礎的財政収支、プライマリーバランスを回復するということを当面の目標にしておりますけれども、これはまさに、プライマリーバランスを回復すれば、安定的なマクロ経済状況のもとでは公債の残高のGDP比を一定以下にすることができる、そういういわゆるドーマーのルールというのがあるわけでございますけれども、それに基づいて、我々は、基礎的財政収支を何とか均衡させようというふうにしているわけです。その意味では、まさに委員おっしゃったように、公債残高のGDP比に着目をしてしっかりと今政策を行っている、私たちの姿勢はそういうことでございます。

 むしろ、最近の議論としては、本当にそれだけで十分なのか、それを最低限実現しなければいけないけれども、さらに加えて、国債残高そのものを見なきゃいけないのではないか、専門家の間ではそういう議論が広がっているというふうに承知をしております。

小泉(俊)委員 日本の、これだけの経済規模を持ちながら、非常に海外の格付が厳しくなっている、ソブリンの、国債の。これは、この債務残高のGDP比、これが余りにも突出しているのが大きな理由になっておりますので、大臣、やはりこれを当面政策の眼目に置いていかなければならないと私は思います。

 そこで、この債務のGDP比が極めて重要だという観点から見た場合に、日本とアメリカの経済政策の違いについて大臣にお伺いしたいんですが、アメリカのブッシュ大統領は、二〇〇四年度、約三十兆円程度の減税と五兆円の軍事費をふやしたんですね。それなのに、債務のGDP比というのは、OECDのこの発表データによりますと、アメリカは六二・八%から六四・一%にふえた、たった一・三%ふえただけなんですね。では、一方、日本はどうかといいますと、財政規模をふやさなかったんですよね。それにもかかわらず、このOECDのデータによりますと、債務のGDP比は一五七・三%から一六三・四%と、何と六・一%も増加しちゃったんですね。

 一方で、アメリカは、減税とか歳出を増加して積極財政をとったのにGDP比は一・三%しかふえずに、日本は、財政規模をふやさなかったのに逆に債務のGDP比が六・一%もふえてしまう。これは、大臣、どうしてだと思われますでしょうか。

竹中国務大臣 それはひとえに、ベースとしての財政赤字がどのぐらい大きいか、当然それに依存しているのだと思います。

 財政赤字の額が同じであっても、日本のように、GDP比で、プライマリーバランスで見て四%、五%、実際には六%とか、それだけの国債を毎年出していくと、その分ストックとしては上に積んでいくわけですから、これは、当然のことながらこういう数字になるわけでございます。

 これを上げないようにしようと思ったら、いきなり国債発行額をゼロにするしかないわけで、しかし、それは経済に余りにブレーキがかかる。そういうことはやはりできない。したがって、我慢強く少しずつ少しずつ基礎的財政収支を均衡に向かわせしめるしか方法はないわけで、一度大きな財政赤字をつくってしまうと、その後その回復のためには非常に辛抱強く時間がかかるんだということを、まさに日本の例は示しているんだと思います。

小泉(俊)委員 竹中大臣が言っている見方も一面にあると思います。

 しかし、日米の債務残高のGDP比がこれほど大きく違った最大の理由というのは、アメリカは、減税したんですが、所得税が八千九十億ドル、一・九%、法人税が千八百九十四億ドル、四三・七%も実は税収が伸びているんですよ、大きく。もう一つ、アメリカの名目GDPが六・六%も伸びているんですね。要するに、GDPが伸びているために相対的に債務残高が減っているんですよ。一方、日本を見ますと、先ほど資料でお示ししたように、不景気で税収が年々減っていますね。なおかつ、GDPの伸びが乏しい、低いんですね。ですから、これだけの差が出ちゃうんですね。この米国の、アメリカの政策から見てわかることは、債務のGDP比を減らすためにはやはりGDPの伸びが大切だということだと思います。

 そこで、参考資料の十四をごらんいただきたいと思います。

 これは、実は、国土交通省の国土技術政策総合研究所というところが出しました、何かといいますと、名目の経済成長率が伸びた場合、公債残高のGDP比にどういう影響を与えるかというグラフなんです。これを見ていただくと、名目成長率が一・五%の場合には減っていかないんですね。ところが、一番下の名目成長率が三%になりますと急激に減っていきます、長期的に見ますと。ですから、やはり、このデータからもわかりますし、またアメリカの経済政策の結果からもわかりますし、GDPを伸ばすことが非常に大切だということがわかると思います。

 しかし、資料八を見ていただくと、先ほどの、竹中さんがお出しになられています参考資料の改革進展ケースですよ、小泉改革をしていった場合こうなりますよという、よくなる方のデータなんですが、一番下を見ていただくと、名目GDP比、二〇〇五年度、来年が一四二・三、二〇〇九年度でも一四七・七という、向こう五年間を見ても債務のGDP比が全然減っていかないんですね。

 つまり、過去の四年間を見てもそうだったですし、これから向こう五年間を見ても、小泉改革では、先ほど竹中大臣もお話ししましたように、私も指摘しましたように、債務のGDP比というのは非常に政策が重要なんですが、小泉改革では結局これがなかなか減っていかないということが、現実のデータで裏づけることができるんじゃないかということを、私は明確に指摘しておきたいと思います。

 それでは、しからばどういう政策をとるべきかということであります。十五の資料を見ていただきたいと思います。

 これは、計量経済学の専門家の先生が、今検討されている増税政策と、逆に減税政策を行うという二つの政策をとった場合、これから日本の経済が一体どうなっていくかというシミュレーションをしたレポートであります。ここに使ったモデルは、フジグローバルモデリングシステムという、ノーベル経済学賞に三度最終選考まで残った大西昭先生が開発した、かなり国連でも使われていまして、まさに世界モデルなんですね。

 これで見ていただきたいんですけれども、この資料の十五、増税シナリオはどういうものを描いているかといいますと、二〇〇五年度から定率減税を半減します、二〇〇六年度から全廃します。また、二〇〇七年度から一応消費税を一〇パーに上げるというシナリオにしています。減税のシナリオはどういうものかというと、二〇〇六年度から法人税と個人所得税をそれぞれ五兆円ずつ減税をします。トータル十兆ですよね。消費税をそのかわり二〇〇六年から二〇〇八年にかけて毎年一%引き上げ、それ以降八%で固定するというものなんです。

 この世界モデルで検討してみた場合、次のページ、二ページ目をめくっていただきたいんですが、これが実質GDPの伸びであります。これを見ていただくと、二〇一五年までの十年間で実質的GDPの伸びを比較しますと、実は減税シナリオが増税シナリオの二・五倍なんですね。図二が名目GDPであります。これも減税シナリオの方がやはり成長性が高いんですよね。これは、財政が厳しいときに減税すると国の借金はかえってふえるというふうに普通考えられるんですが、実際、世界モデルで計算してみますと、どうやら逆の結果になってくる。そして図三でありますが、これは、先ほど一番重要だと言っている債務の名目GDP比であります。これは減税シナリオですと二〇一五年のときに急激に下がってくるんですね。

 実は、この結果というのは、今世界的に使われています、このフジグローバルモデリングシステムだけじゃなくて、経済企画庁の審議官をされていました、やはり計量経済学の専門家であります宍戸駿太郎先生のDEMIOSという開発したものもそうですし、日本経済新聞の使っている日経NEEDSのモデルを使っても大体同じ結論が出るわけですよ。そして、図四を見ると、プライマリーバランスもはるかに減税シナリオの方がやはりよくなっているんですね。

 こういった結果を見て、竹中大臣、これについてはどのように思われますでしょうか。

竹中国務大臣 私も、かつて世界モデルをつくっていろいろ論文を書かせていただいたことがありますので、これについてしっかりと、ぜひ、モデルがどのようなストラクチャーになっているかということは、御提起をいただきましたので勉強をしたいと思います。

 ただ、一般的に言いますと、減税をしてそれによって財政がむしろよくなるというのは、これは二つのケースだと思います。一つは、需要が一時的に停滞している場合。これはあり得ることだと思います。しかし、日本は需要が一時的に停滞しているんでしょうか。そういう状況が十何年も続いてきたんでしょうか。それではない。もう一つのケースは、減税することによって潜在成長力が画期的に高まるような場合。この場合も理屈の上ではあることだと思います。ここでは、大西先生の姿がそのようになっているかどうかというのはぜひ検証したいと思います。

 ただ、小泉委員、一つ、印象ですけれども、ここの二ページ目をごらんいただきたいと思いますが、二ページ目で、名目GDPの推移がありますが、これは二〇一〇年から二〇一一年にかけて、どっちの場合も二〇%、一年で二〇%名目GDPが高まるというシナリオになっています。こんな打ち出の小づちがあるんだったらぜひ使わせていただきたいと思います。これはやはり、モデルはモデルですからしっかりと検証しなきゃいけませんが、ちょっと無理があるのではないでしょうか。

小泉(俊)委員 竹中大臣、私は、アメリカの経済政策が実は計量経済学に基づいてやられていると思います。あれは、意味もなく減税政策をレーガン政権そしてブッシュ政権がとっているわけじゃないんですよね。

 ですから、今大臣おっしゃったように、いろいろなシミュレーションを闘わせたり、せっかく、内閣府の経済社会研究所ですか、最近つくられたのがありますね。あの中でやはりもっと予算をあそこにつけてしっかりとそういった交流を進めたり、よりレベルの高いものを竹中大臣にやっていただくように、ぜひとも、しっかりとした基礎データで議論を詰めないと、ためにするデータを出すというのはもうやめにしないといけないと私は思いますので、それをよろしくお願いしたいと思います。

 そしてまた、増税政策をこれから谷垣大臣はされようとしていますが、私はこれはかなりリスクの高いものだと思いますので、やはりこのデータを勉強していただいて、竹中大臣ともども、いろいろな政策の参考に、日本でもすばらしい先生はたくさんおりますので、ぜひともその点をよろしくお願いしたいと思います。

 時間がなくなりましたので次に進みますが、次に食糧危機時の対応についてということで、農水大臣にお尋ねしたいと思います。

 私は、小泉内閣の一つの問題点は、国民の生命に直結する食糧の問題に余り熱心じゃないことがあるんじゃないかと思っておるわけであります。

 谷垣大臣と竹中大臣、どうぞ御退席していただいて結構でございます。

 それで、資料の十六をごらんいただきたいと思います。

 これは、念のために配っているんですが、日本の穀物自給率のデータであります。これを見るとわかるんですが、順位も振ってありますけれども、穀物自給率を二〇〇一年で見ると何と二四%、世界じゅうの中で下から七番目です。実は、パプアニューギニア、イスラエル、リビア、レバノン、コスタリカ、キューバ、日本なんですね。もちろん、先進国中、断トツの最下位でありますよ。あの北朝鮮ですら六八%の穀物自給率です。

 ところで、世界じゅうで輸出に回る食糧というものは世界の年間生産量の約七%から一割と言われていますね。それも、アメリカ、フランス、アルゼンチン、カナダ、オーストラリア、ドイツという六カ国、たった六つの国に七割も依存しているわけであります。

 それで、二〇〇二年の農林水産物の輸入を見ますと、日本は年間約七兆円以上をずっと輸入していまして、世界最大の輸入大国ですね。ところが、現に世界の穀物生産量というのは干ばつによってここ年々減少してきているんです。二〇〇二年は、アメリカがマイナス八%、カナダがマイナス一八%、オーストラリアがマイナス五五%も生産量が減少しました。そして二〇〇三年は、ヨーロッパが干ばつによって小麦が約三割も減産したわけですね。要するに、世界的規模での天候異変や気象条件を考えると、干ばつにより穀物などの生産が激減して輸入が激減する可能性もあると思うんですが、特に、これは資料の十七をちょっとごらんいただくと、日本は食糧の二六%をアメリカに頼っています。そしてまた、中国に一三・二%を頼っているんですね。

 そこでお聞きしますが、中国とアメリカの農業生産について、また問題点等については、大臣はどのようにお考えでしょうか。

島村国務大臣 お答えいたします。

 御指摘のとおり、我が国は、いわば食糧の自給率、カロリーベースでも四〇%、穀物に至っては二八%ぐらいでございます。

 そういう中で、最近の情報として我々が非常に重視しておるのは中国の穀物生産の動向でありまして、中国が経済発展が続く中で、農地転用の増加などによる耕地面積の減少、あるいは農産物価格の低迷による作付面積の減少、あるいは穀物から野菜、果実等の換金作物への転換等によりまして、二〇〇〇年以降、穀物の生産水準が非常に低下してきているということ、一方、食糧消費は質的、量的にも向上していることから、食糧の供給不足傾向が顕在化しておりまして、この結果、大豆、小麦等の輸入が急増して、二〇〇四年には農産物純輸入国に転じると見られております。

 この辺は我々は、相手の人口が非常に大きいことと、消費量もどんどん、当然のことでありますから、かなりの関心を持っておりますし、世界の穀物その他のいわば供給能力にもいろいろな影響が出てまいりますので、かなり深刻に受けとめているところであります。

 アメリカにつきましては、また後の質問に何か関連があるようでございますから。

小泉(俊)委員 ちょっと時間がなくなってまいりましたので一緒に聞いてしまったわけでありますが、私は、実は、アメリカの南部の農業生産地域も見てまいりましたし、昨年の九月、吉林省と黒竜江省も農業視察に行ってまいりました。

 その中で、やはり今、中国もアメリカも、最大の弱点は水です。特に中国におきましては、国土の三割が荒漠化をし、毎年一万平米砂漠化していくんですね。黄河ですら実は干上がってしまっている。それで、農業の水をどこからとっているかというと、実は七割を降雨に頼っているんですよ。食糧生産基地の黒竜江省と吉林省ですらそのありさまですからね。これは、もし今の天候異変で降雨が少なくなった場合には、一瞬にして実は食糧不足が中国は起きます。そうしますと、穀物が急騰しまして日本には非常に大きな影響を与えます。これは、またアメリカもそうです。アメリカもやはり弱点は水ですね。あれはほとんど、かんがい農業、地下水に頼っていまして、この地下水が減少、枯渇化し始めています。

 ですから、日本は、余りにもアメリカとか中国に穀物、食糧の依存をしますと、極めて危険性が高い。その点で、やはり私は、穀物、食糧の自給率というものをしっかりまず高めていかなければならないと思っています。

 その中で、これは、食べ物がなくなったらどうなるかというのを、農水省が非常にいいパンフレット、ほとんどの国会の先生は見ていないと思いますが、配っていますからね。これは実は結構しっかりできています。

 ただし、この中の六ページをごらんいただきたいんですが、レベル0、レベル1、レベル2になっているんですが、まず、農産物の備蓄です。

 これは今、米が百万トン備蓄していますね。大豆が五万トン、備蓄飼料穀物が百万トン、小麦が百万トンですか。ただ、昭和四十八年の大豆の禁輸のとき、七十三日間、あれは輸出制限されました。あのときニクソン大統領が何を言ったかといいますと、自国と海外を考えた場合に、やはり自分の国民を守らなければいけないということで、輸出制限したんですよね。これはいつでも起こる可能性が実はあるんです。

 私は、この備蓄では米なら一・五カ月分ですが、すべて、考えますと、パナマの喫水制限のときに百十日、大体これは制限されたんですね、やはり三カ月ぐらいは備蓄規模を持たないとまずいと思うんですが、この点について、大臣いかがですか。

島村国務大臣 私どもは食糧の安定供給という重要な責務を担っておりますので、備蓄をたくさんしていただければ、これに過ぐる幸せはないわけです。しかし、備蓄備蓄で今まで我々の負担した財政負担、大変大きいものがございまして、もし御質問ならば質問にお答えしますけれども、いろいろ、かつての食管会計の実情等を思い起こしますと、やはりぎりぎりの備蓄ということに考えざるを得ない。そういうことからいたしますと、今の状況が我々にとって安心し切れた状況ではございませんけれども、私は今、ある意味ではあなたと同じ考えに立っているところであります。

 ただ、国際的な環境で申しますと、私、前の農林水産大臣のときに、ぎりぎりに飛び込んでいったOECDの閣僚会議で、何と驚くなかれ、ケアンズ・グループという大農業生産国がみんなで結託して、今やボーダーレスの時代、いわば国際分業の時代なのだから農産物は我々に任せろ、それで、みんなで二年前に決めた食糧の自給率を全く無視した決議をしようとした。私はこれに反駁をいたしまして、あなた方は今まで歴史的に供給責任を負ったという実績があるのか、ないではないかと。一九七三年の例を引いて、あなた方は例えば穀物の自給に対しては非常に割り切った姿勢をとられた、ある意味では当然かもしらぬけれども、そういう歴史を顧みたときに、我々のような小農業生産国は、これに、はいわかりましたと言うわけにいかぬのだというので、いわば大勢を覆した記憶がございます。

 世界はそのぐらいみんなドライでありますから、また一方ではそういう強圧的な姿勢がある意味では仕組まれてもいるわけですから、これからのいわば備蓄に対する国家の姿勢というのは、相当将来的な視野、あるいはいかなる事態にも対応し得るものを考えざるを得ない。ある意味で、そういう御指摘をいただいたことを大変うれしく思います。

小泉(俊)委員 大臣、この備蓄の基準になった、気候とか天候異変というのはこの後に私は起きていると思うんですね。やはり、客観的状況が、これだけ世界じゅうの天候異変が起きているときには、例えば民間のPFIを使って備蓄倉庫をつくっていくとか、いろいろなやり方が、私は知恵を出せばあると思いますので、お金で人の命は買えませんよ、大臣。ですから、やはりしっかりと備蓄に関してはもう一度見直しをしていただきたいと思います。

 そして、もう一個、この資料を見ますと、実は、輸入の多角化を図りますと書いてあるんですね。ただし、本当に世界じゅうの天候異変で食物がなくなったときには、これは難しいです。やはり、食糧の自給率を高めることが一番だと思いますね。ところが、我が国の農業者数を見ますと、八〇年、六百九十七万人から二〇〇三年、三百六十八万人、約半分になっちゃっているんですね。農地を見ても、八〇年の五百四十六万ヘクタールから二〇〇三年の四百七十四万ヘクタールに減少しちゃっている。実は逆なんですよ、やっていることが。

 その中で、一つお尋ねいたします。

 昨年の十月一日、農水省は、補助金の対象農家を平均年収五百三十万円以上とする基準案を出されました。米でいうと十ヘクタール、畑で二十五ヘクタール以上。これは、流通業や製造業などの平均所得を目安にした案だと言われています。これでいくと約四十万戸ぐらいの人たちが対象になるんじゃないかという試算があるみたいですが、しかし大臣、土地と気候などに左右されて食糧危機時には幾らお金を出しても買えない農業と、二十四時間無限につくれてお金を出せば大体世界じゅうどこからでも調達できる製造業と、その生産性を比較すること自体が私は間違っているんじゃないかと思うんですが、農水大臣、いかがですか。

島村国務大臣 御承知のように、日本の国は国土が極端に狭くて、農家一戸当たりの面積というのは、耕地面積一・五ヘクタールぐらい。例えば豪州などは四千ヘクタールですから、二千七百七十六倍なんですね。こういうことで比較しますと、自給率もさることながら、いわば国家間の比較においては農業の背景がまるっきり違う、こういうことでございます。

 そういう中でも、やはり農業は農産物を生産するだけでなくて、国土の保全とか自然環境の保護とか、各地域を守っていただくためには農民が定着し地域を守ることが、これは農業から林業、水産業、すべての関連の中で必要なわけでありますので、今御指摘の点は私は大変ごもっともなんだろうと思います。

 ただし、この劣悪な条件の中で農業をやっていくとなると、いわば生産性の面からいいますと、とても国際比較の対象にはなりません。そこをどう考えるか、まさにこれは哲学の問われるところでありますけれども、私たちは、少なくも、将来に向かって農業を魅力ある産業として安定的に従事していただくためには、やはり農業によって他産業並みの所得を上げる経営を目標とすることが適当である、目標ですよ、目標とすることが適当である、こう考えております。しかし、現状におきましては、農業から得られる所得が極めて低い農家が多数存在しておりまして、このままの状況が続けば、需要に応じた農産物の供給の面でも、農業の持続性の面でも懸念がある、そう考えておるところであります。

 今、五百三十万円の御指摘がありましたけれども、これは年間所得が五百三十万円といういわば他産業並みの労働時間による計算をしたところでありますが、これはあくまで試算でありまして、このような所得水準が直接担い手の要件となるわけではありません。あくまで弾力的に、将来を見据えて考えていきたい、そう考えております。

小泉(俊)委員 大臣、ただ、新聞発表で、平均農家年収五百三十万以上じゃないと補助金を出さないというと、これは農家、平均四百七十万円ぐらいですから、みんなつぶれちゃうんですよ。だから、やはり、私たち民主党は、自給率の向上に寄与する農家を直接支払い制度によって守るために、米だったら例えば百七十五万戸、畑作だったら二十五万戸、約二百万戸にこういった制度を実施すべきだと。なぜかというと、この世界的な天候異変と、食糧の自給率を高めるためには、やはり農家を守っていかなければならないからなんですね。ぜひとも、この提案を真摯に受けとめていただきたいと思います。

 時間がなくなりましたので、中山文科大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 今、小泉改革の最大の問題は、やはり私は、人づくり、教育を軽視しちゃっている点にあると思います。その中で、昨年、文部科学委員会に私は質問に立たせていただきまして、やはり日本人の背骨に当たる歴史、文化、伝統をしっかり守っていかなければならないという観点から、時の河村文部大臣に質問させていただきまして、小中高のカリキュラムにお茶とお花を取り入れてほしいということをお願いしました。また、全国の公立図書館に子供たちの使っている教科書をすべて配置してほしいということをお願いしました。また、小中学校の教壇に、危機を乗り越えた経験のある政治家、財界人、官界などのOBをもっと立ちやすくするようにお願いしたところ、この三つ全部取り入れられまして、ことし四月から実施されるようになったわけであります。

 大臣、最近の犯罪の増加、いじめ、そしてまた子供たちが被害者になったり、大変な状況ですね。私はやはり、もう一つ、あと礼儀を身につけさせる観点からも、ぜひとも小学校、中学校のカリキュラムに護身術や柔道、剣道、空手、合気道とか、そういう武道をカリキュラムに入れて体と精神を鍛えるべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。

中山国務大臣 教育に関しましていろいろ御提言いただいておりまして、心から感謝申し上げる次第でございます。

 私も大臣になりまして、武道が一体どれぐらい、あれは必須選択になっているんですけれども、今やられているかということをすぐ調べさせたわけでございますが、かなりそれぞれの地域でやっているということはわかるわけですけれども、もっともっとこれはやっていかにゃいかぬな、こう思っております。

 実は、私自身が若いころから合気道と空手をやっておりまして、合気道は三段、空手は六段、かなり名誉的な水膨れもしておりますが、やはり学んでいてよかったなと。特に護身術とか、そういった意味から女性の人たちもやってもらいたいと思いますし、特に、これから国際社会でいろいろなところに出ていく場合に、日本の人は何か武道をたしなんでいるぞ、下手に手出しをしちゃ危ないぞというぐらいの、そういったイメージを持たせるのは非常に大事じゃないか、こう思います。

 武道を学ぶことによって、やはり相手に対するいたわりだとか礼儀とか、そういったものも学ぶことができるんじゃないかということで、今後一層推進していきたい、こういう結論でございます。

小泉(俊)委員 茨城の水戸学の藤田東湖が残した言葉に、文武分かれずという言葉があるんですね。やはり心と体、精神を両方鍛えるということですね。大臣、経験者ですから、ぜひとも積極的に推し進めていただきたいと思います。

 最後に、実は女子大生の中には、今、たくあんが木になっていると思っていたり、お米をとぐときに洗剤を入れちゃう子がいるんですよ。それどころか、笑えない話ですが、実は、ある定年退職された方が家庭菜園で大根を植えようとして、大根の長さが五十センチあるので穴を五十センチ掘って種を植えているという人もいるんですよ。これは実は子供のことを笑えない状態なんですよ。

 そこで、やはり、私は先ほど農水大臣に話しましたように、食というのはすごく大切なんです。ですから、もう一度私は、文部大臣、小学校、中学校、高校、また大学の一般教養も含めて、農業体験学習をやはりしっかりとカリキュラムに取り入れるべきだと思うんですが、最後の質問ですのでよろしくお願いします。

中山国務大臣 まさに大賛成でございまして、ぜひそういう自然体験、農業体験等を進めたいと思っていますが、現に今、現行の学習指導要領におきましても、総合的な学習の時間とか特別活動で体験的な学習、勤労生産・奉仕的行事などが位置づけられておりまして、十五年度の抽出調査によりますと、小学校の七九・二%、中学校の二七・八%で農業体験学習が実施されているということでございます。

 もっともっと、これは本当に小学校から大学まで、自然体験、生活体験といいますか、そういったことを積ませていくということが本当に大事だな、子供たちよ、外に出ろ、外に出て汗をかけ、そういったことも訴えていきたい、このように思っております。

小泉(俊)委員 私の出身の茨城県も全面的に受け入れますから、大臣、進めてくださいね。よろしくお願いします。

 終わります。

甘利委員長 これにて小泉君の質疑は終了いたしました。

 次に、小宮山泰子君。

小宮山(泰)委員 民主党の小宮山泰子でございます。初めて予算委員会で質問をさせていただきますこと、本当にありがとうございます。

 私が埼玉県会議員をしていたころ、国の税収というものは約六十兆円と言われておりました。現在、平成十七年度の予算から見ても、大体四十四兆円にまで割り込むというところまで来ています。この数字を見るだけでも、本当に今の日本の経済や景気が大変なところにあるんだ、厳しい中にあるんだということを実感せずにはいられません。

 また、税収の原因となったことは実際は何なんだろう。自然に何もしなかったから減ったわけではなく、いろいろして、しかし減っていったということは事実であります。やはり、こういった政策的な失敗、そのほかの原因もあるかもしれませんけれども、そういう検証をこの予算委員会ではしっかりとしていかなければいけない。

 そして、何よりも国民の皆様、私も朝、毎日電車通勤をしておりますけれども、大体一時間以上かけて通勤をし、そしてサラリーマンであればきちんとその中からいろいろなものが引かれていきます。そういう意味では、一人一人の、多くの方が一生懸命まじめに働いて納めていただいている税金というものの使い道、むだ遣いをすることなく、皆さんが、国民が納得できる、そういう国、そして予算委員会も含めて国会、特に、私は衆議院議員でございます、ここも衆議院の場でございますので、衆議院が率先して議論をしていかなければいけないということを痛感いたします。

 今、小泉政権、小泉内閣になりまして決定いたしました個人負担増、大体三兆八千八百七億ほどあります。私も手帳にたくさんずらずらずらと、たばことか発泡酒等から始まって、たくさん負担が個人にふえております。また、これは一括にして出してくるのはけしからぬと思いますけれども、定率減税の縮小でも大体一兆六千五百億と言われています。これだけ国民に、個人に負担を強いている、しかし税収の方は一向に上がっていかない、この現状を考えると、どんどん暗くなっていく。そして、景気に対して一番、今、郵政の民営化よりも何よりも景気回復をしてほしいという国民の意思というものははっきりあらわれていると思います。

 この中におきまして、私は、少しでも政治が、政策が国民に対して、夢が持てる、そういう立場を考えると、観光立国日本というのをずっと進めていらっしゃるかと思います。この施策というのは非常に夢がある。しかし、今、景気の回復が見込まれない中、また、日々の報道の中で子供たちがいろいろな犯罪、私が小さいころは殺人事件、一週間に一遍あるかないかでした。やはり景気が悪くなると、それだけ精神の荒廃というか、いろいろな日本人のよかった部分というものが失われていっているのではないかということを痛感しております。

 きょう私はこの場に立たせていただきまして、将来に希望が持てる、税の増収につながるこの観光立国について質問してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、国土交通大臣に伺っていきたいと思いますけれども、今、観光立国、大変重点項目として入れていらっしゃると思いますけれども、旅行において消費効果や税収への貢献度という意味におきまして、観光産業というのは大変大きいものを感じるわけでございます。

 特に、旅行といいますと、「冬のソナタ」の影響から、やはり日本でも昨年は韓国旅行の観光客が大変ふえました。また、年始年末や大型連休になるときも、日本から海外に向けて大勢の旅行者が空港を飛び立っていくというのがニュースで出ることも、基本的にこれはいつもいつも恒例化していることでもございます。きょう、朝五時二十分に中部国際空港もスタートいたしました。日本では海外へ行く人というのは本当に多く、世界で十三位、アジアにおいても三位で、ほかの国に旅行する国民性がございます。

 出国者数は本当に多いんですけれども、これから国土交通省といたしましては、どういった施策、そして経済的効果を望んでいらっしゃるのか、まず国土交通大臣に伺っていきたいと思います。

北側国務大臣 今、日本は、政府を挙げましてビジット・ジャパン・キャンペーンという取り組みをさせていただいております。平成十五年から取り組みをさせていただいているわけでございますが、観光立国ということを目指しまして、二〇一〇年には一千万人のお客様を海外から迎えることができるようにやっていこうということで、今さまざまな取り組みをさせていただいているところでございます。

 また、各地域地域に参りましても、今地域再生が言われているわけでございますが、その地域再生の非常に有力な手段として、地域の観光を振興させようという取り組みが全国あちこちでなされております。

 ちなみに、これは国土交通省の調査でございますが、旅行にかかわる総消費額というのは二十三兆八千億ございまして、非常に大きな消費であるというふうに考えております。経済に与える影響も大変大きい。その中で、訪日外国人の方々の日本における旅行消費額は、現在一兆四千億円でございます。これもぜひ、もっと外国人の方に来ていただいて、日本のよさを知っていただくとともに、日本でそういう消費活動をしていただくことが日本の経済の振興にも大きくつながってくると考えているところでございます。

小宮山(泰)委員 本当に、これは額として大きいんです。国交省の調査によりますと、今大臣が訪日された方の経済効果一兆四千億とおっしゃっておりましたけれども、日本国内も含めて、日本人も含めてですけれども、国交省の方の「我が国の観光経済効果」という資料におきましては、全体では四・八兆円の貢献をしているということがあります。先ほど申しましたけれども、来年度予算を考えてみれば、本当に、この旅行における消費効果というものの税収見込みということも、大変占める割合が大きいと思います。

 しかし、この予算について、ビジット・ジャパン、少しずつ上げておりますし、その内容につきましては、ちょっと、今三十五億円の予算で要求されていらっしゃいますが、内容につきましてはかなり旅行消費が多い内容でもございまして、これの効果がどうかという部分は、正直まだまだ試行錯誤が必要な部分はあるかと思います。そして、全体としましても、まちづくり交付金の方が大体二千億、そして観光ルネサンス事業は三億円という形になっております。

 その前にちょっと戻りますけれども、この旅行の消費の二十三・八兆円という大きな額というのはどれと同じぐらいかといえば、全国のスーパーの売り上げが十六・三兆、コンビニエンスストアが七・三兆円。やはりこれを考えてみても、二十三兆円ちょっとということですので、どれだけ大きな産業であるかということもおわかりになると思います。

 しかし、それに対して、日本におきましては、まだまだ力の入れようが私は甘いのではないかと思います。この点に関しまして、観光業に対して国土交通大臣としては、いろいろと財務省の査定、観光業に対しては頑張っていただいているとは思いますけれども、まだまだその点に関してはいろいろ内部の方からはちょっと不満もあるようなことも漏れ聞こえてくる部分もあります。

 この額というものは妥当であると国土交通大臣、思われていらっしゃるか、御意見をお聞かせください。

北側国務大臣 大変な御支援の御質問をちょうだいしまして、ありがとうございます。

 ただ、ほかの国のこういう海外観光宣伝事業費を見てみますと、必ずしも日本の金額が大変少ないとは私は思っておりません。例えばお隣の韓国でございますと、約二十億円なんです。そういう意味では、むしろ、ソフトのさまざな工夫というのができる余地がたくさんあるのではないかというふうに思っております。

 これまで日本の政治におきまして、観光というのはこれは民間がやるものだ、こういう意識が大変強かったと思います。その点、小泉内閣になりまして、ビジット・ジャパン・キャンペーンというふうに、また、観光立国ということを内閣の、政治全体として取り上げるようになったわけでございまして、私はその成果がやはりここ数年出てきているというふうに思っております。

 昨年、平成十六年には六百十四万人の外国のお客様がいらっしゃいました。平成十五年は五百二十四万人なんです。約九十万人のお客様がふえたわけでございます。ことしは、ぜひとも七百万人、まあ万博もございますし、ぜひ七百万人を超える訪日の外国人の方々に来ていただきたいというふうに、今取り組みを強化しているところでございます。

小宮山(泰)委員 大臣の方からいろいろ言っていただきましたけれども、実際、実を言いまして、まちづくり交付金二千億、そして先ほど言いました観光ルネサンス事業による支援三億円。これだけ差がありますけれども、実際には、この観光ルネサンス事業による支援というのは非常に評価が高く、また自由度の高いもの、市民に対してとか、行政がかかわらない部分ではありますけれども民間が運営する案内所とか休憩所の設置や、外国人受け入れの整備や、そして歴史的建造物の買収や管理など、こういったものに三億円で、かなり有効に使われていると言っております。

 そうやって考えますと、二千億という公共事業が、設備とかそういったものに対してのものが本当に適切なのかということは、これから検証して、そしてさらに有効に使っていくことも考えなければいけないのではないかなということを、この点は指摘させていただきたいと思います。

 また、今国交大臣の方からありましたけれども、やはりこれだけ税収の見込める産業に対して、財務大臣は今後どういった対応、またこれから推進するに、なかなか各省庁の壁というのは大きく、その配分というものは余り大きく変わっていっているものではないと思われます。そういう意味において、これから、やはりもっと重点項目に対し、省庁の壁を破って、そういう配分をしていかれるおつもりがあるのか。含めまして、財務大臣に御所見を伺いたいと思います。

谷垣国務大臣 財務大臣としての立場から申しましても、国の光を観る観光立国、それで二〇一〇年までに一千万人日本に来ていただこうというビジット・ジャパンというのは、大変大事な政策だと思っております。

 それで、委員のお尋ねは、そういったことを予算当局としてもしっかりバックアップをせよ、それから、いろいろ硬直化した予算配分をしないでめり張りをつけて、必要なところにはつけろという御趣旨だろうと思います。

 先ほど、ビジットキャンペーン、まだ確かに三十四・六億ではどうだというお話だったのだと思うんですが、これは、去年に比べますと八%ふやしております。それから、観光ルネサンス事業は新設したものですね。だから、今の全体を圧縮していく中では、やはりこういうものは必要だという私たちの考え方もここにあらわれていると思います。

 それから、先ほどまちづくり交付金なんかと比較されましたけれども、ああいうものも、それぞれの地域の魅力を高めて、結局、観光立国するためにはそれぞれの地域の魅力を高めなければいけませんから、そういう観点からも、まちづくり交付金であるとか、そういったものも活用していただく必要があるんじゃないかなと私は思っております。

 それで、めり張りをつけるということは、これからの私どもの大きな課題でございますので、関係省庁とよく議論をしながら努めてまいりたいと思います。

小宮山(泰)委員 ぜひ、硬直した形ではなく、めり張りをつけた形で予算配分をされることを望んでおります。民主党は、その点におきましては、大きな、党でもマニフェストを、また党の今年度予算案でも出しておりますけれども、やはり、どういった国にするのか、どういった生き方を日本人にしていただけるのか、そういったことをはっきりとしためり張りをつけた予算案を出させていただいておりますので、ぜひそちらの方も御参考に見ていただければと思います。

 続きまして、今財務大臣からもございましたけれども、やはり地域に関しまして言えば、日本はいろいろな意味で、農業等、田園風景等、観光する場所というものの潜在的な資産というのでしょうか、資本というものはたくさんあるのだと思います。ただ、余りにもそれが日常であるがために、それをおざなりにしているという事実もあると思います。

 そこで、農水大臣にお伺いをしていきたいのは、農水省の方にも、観光立国会議の方等で出ておりますけれども、グリーンツーリズムや観光促進という観点において、いろいろな施策をするということはもう出ております。

 その中において、ぜひお伺いしたいのは、今、日本の風景というものが大変壊れつつあるかと思います。それは、農村の風景であったり、山林の風景であったり、いろいろなところがあります。これは、農業では農家の宅地、わらぶき屋根だったり、昔ながらの大きな宅地というものが、なかなかもう既に維持ができないという現状になっている。そういったところに関して、景観保護の意味を含めて、相続を含めた負担の軽減などをすることが、次世代に向かって、日本のすばらしい歴史を重ねてきた風景を残すということも、これから必要になってくるのではないかというふうに考えます。

 また、去年の新潟中越大地震におきまして、山村におきまして農地が壊れたりしまして、これから農業ではなかなか生計が立てられない、そういった農家も出てくるのではないか。これは雪解けを待って、調査を待たなければわからないことかもしれませんけれども、そういったところもこれからはやはり守っていく対象になるのではないかと思うのですが、その点に関して、農水大臣の御所見がございましたら、ぜひお伺いさせていただきたいと思います。

島村国務大臣 お答え申し上げます。

 農村の本当に豊かな自然、美しい風景など、東京生まれ東京育ちの私などは、もう本当に何か特別のいやしを覚える環境でありまして、大好きな温泉は行けないんですけれども、旅行などの途中に見る農村風景、私たちの気がつかない中に大変ないやしを覚えるという面が現実にあるんだろうと思います。アジアではなるほど、同じような風景が見られなくはありませんけれども、しかし、それはそれとして、日本の農村風景というのは、まさに日本の美しい風土を物語る上では不可欠のものだ、こんなふうに思っています。

 そういう意味で、昨年十二月に施行されました景観法に基づきまして、景観と調和のとれた農地の利用を促進する地域が設定されるように努めているところであります。

 今後とも、関係府省や地方公共団体などと連絡をとりながら、魅力ある農村づくりのための取り組みを推進し、グリーンツーリズムなど、都市と農村の交流のための施策をあわせて推進することにより、農村の振興を図っていきたいと考えております。

 ただ、残念ながら最近は、カヤぶき屋根と言いますけれども、かわらぶきなんかとは比較にならないようなお金がかかって、普通の人にできない。これがだんだんトタン板にかわっていくことの中で風景が変わっていることを、実は残念に思っている一人であります。

小宮山(泰)委員 今、農水大臣もおっしゃられましたけれども、本当に風景がどんどん変わってまいります。

 私も、震災直後に新潟まで炊き出しのボランティアで行きました。そして、先週も村上市の方にまちづくりの勉強に行ってまいりまして、その途中、やはりああいう農業地帯におきましても、都会と変わらない建て売り住宅、しかも、新建材というんでしょうか、そういった住居が建ち並んでいるのを見ると、本当にこれで観光立国と言っている国なんだろうかというのを痛感いたします。そして、何よりも、相続税などで農地が分割されて、あれよあれよという間に小さな建て売り住宅が建っていく、これも急速にどんどん進んでいることでもあります。

 それともう一点は、農道などが大変立派で、その地域の市道とか町道とか、そういったところよりも立派な農道が田んぼの真ん中に走る、こういったものも、実は本当に昔ながらの風景や日本のよさというものをなくしていくのではないかというのを懸念しております。

 平成十五年の九月、農水省から出していらっしゃいます「水とみどりの「美の里」プラン21 個性ある魅力的な農山漁村づくりに向けて」というところには、住んでよし、訪れてよしの国づくりの実現ということで、先ほど小泉代議士からも質問がありましたが、いろいろな、食文化のことであったり、祭りや伝統行事の保存を推進していかなければいけないということもしっかり書いてありました。しかし、現状を見ていけば、はっきり言って、このプランができてからも、その意味では実効性においてまだまだ道のりは厳しいという思いがしてなりません。

 ぜひとも、農水大臣におかれましても、力強く、そして何よりも農家が農家を続けられる、食糧自給率もそうです、そういったものが進められるような、そして、次の世代に農村風景も含めて、日本人の食糧も含めて残せるような制度を頑張っていただきたいと思います。その点はお伝えいたしまして、一言決意を伺わせていただきたいと思います。

島村国務大臣 御指摘の農道、林道が立派だということは、御理解いただきたいことは、逆にそれぞれの地域でもきちんと、大体、地域がどんどん前進していくという確信を持っていただきませんと、若い方たちは定着してくださいません。そういうことも含めましていろいろ整備をしてきたところですし、仮に間伐をいたしましても運び出す道路がない、これが間伐をいわば阻止している面もないわけではない。

 ただ、かつては建設省と農林水産省がそれぞれ個別にやっていた、連携の甘さ等が指摘されたところでありまして、こういう点については今はもう十分連携をとってやるようにいたしておりますが、これからも農村にいわば定住して地域を守ってくださる方々が誇りを持って、将来の展望がちゃんと持てるような環境を維持しながら、これからの農村の発展を維持していきたいと思っております。

小宮山(泰)委員 ありがとうございます。

 それでは、国土交通大臣にまた伺わせていただきたいと思います。

 外国人観光客増加を見込むということで、先ほども述べたとおり、中部国際空港もきょうからスタートいたしました。しかし、日本に来られる外国人には、やはり物価が高いとか、交通費もばかにならないというような高いイメージが大変あります。実際に私も、日本の交通機関、大変高いという思いがしております。せっかく日本に来ても、それからが高コスト構造のままでは、はっきり言って、観光客は来てもリピーターは来ないのではないかという懸念もございます。

 これから、大臣は先ほど一千万人を目指すとおっしゃっておりましたけれども、それをふやすためにも、この交通における高コスト構造をどうされていくのか。例えば、JRとかでの特定運賃の問題。競争があれば確かに値下げするけれども、ちょっとでもなければ値下げしないというのは、関東近辺にもございます。そしてまた、鉄道運輸機構などにおいては、JRも今も債務返済をしておりますけれども、そういう意味ではまだまだ運賃を下げるという努力は可能なのではないかと思います。その点に関しまして、大臣の御所見を伺いたいと思います。

北側国務大臣 観光振興の観点から、国内移動のコストを下げるということが非常に重要だという御指摘だと思います。私も全くそのとおりであると思っております。

 今、これは余り知られておらないかもしれないのですが、例えばJALとかANAでも、海外からの外国人の方々が国内線を乗り継ぎする場合に、非常に有利な割引制度をつくっております。少し御紹介いたしますと、例えば、成田に着かれました、そこから国内便で札幌に行かれる、また福岡に行かれる等々されるときに、この乗り継ぎで国内線を利用した場合に、例えば五区間使えば五万二千五百円という、一区間一万五百円で行けるのです。そうした制度もなされておりますし、例えばJRなんかですと、これもまた外国人向けの割引乗車券として、JR全線二万八千三百円で七日間、一週間乗り放題、こういう商品も提供されております。

 それぞれ航空会社また鉄道会社等ではこのような努力もされておりまして、しっかり啓発、啓発といいますか周知に、こうしたこともやっておりますので、取り組んでまいりたいというふうに思っております。

小宮山(泰)委員 周知はいいのですけれども、現実にやっていただかなければいけない部分もたくさんあるかと思います。

 実際に特定運賃に関しましては、競争がないところはできないとJRの方に言われた過去が私、県会議員のころにございましたので、そういう意味ではまだまだ、先ほどの経済効果、波及効果というところにおきましては、当然、外国人だけではなく、日本人の観光客等が移動することによっての経済波及効果というのは大変大きくあります。観光立国というのは外国人だけのものではないと思いますので、そういう点に関しまして、ぜひ、いろいろな基金やいろいろな仕組み、そしてファミリー企業等あります。高速道路についてもそうです。やはりもっと国民に対して、移動の自由、バリアフリー、そういった移動の権利というものが認められるような施策をこれからさらに深めていただくことをお願いいたします。

 それと、アメリカとかにおいてだと大体百ドル、一万円ぐらいですか、あれば一週間いられるというような話もございます。これは各大臣にも、答弁は要りませんので、お願いしたいと思いますけれども、旅館業とかそういったことを考えると、なかなか日本は高い。素泊まりでも結構な値段がいたします。この点に関しては検討しておいていただければと思うんですが、やはり減価償却やそして棚卸し商品としての空き室もある、そういった旅館業など、いろいろな税制の、現実に沿った税制なども含めて考えていただきたいということをお願いさせていただきまして、時間が少しでございますので、次の質問に行かせていただきたいと思います。

 先ほどからどうしても私、気になりますのが、国土交通大臣、ことしの目標が七百万人とおっしゃいます。先日来、この予算委員会でも出ておりますけれども、昨年からの目標六百万人は達成されているかと思います。そして、ビジット・ジャパン構想の中にはっきり書いてありますのが、ことしは愛知万博やいろいろなイベントがメジロ押しにありまして、百五十万人の海外からの観光客が見込めると書いてあります。単純計算すれば七百五十万人、ことしはふえていいんじゃないかと思うんです。

 しかも、中部国際空港が開港し、年間の利用の人数はここだけで千二百万人という数字が上がっています。それよりも、あと年間百万人上げるかどうかと言いたいところですけれども、五十万人ぐらいずつしか最終的には上がっていかない、二〇一〇年で一千万人ということでございますので。

 その計画というのは、目標としてはまだまだ低いのではないか。日本人が海外に出ている人数を考えれば、もっと大きいことを言うべきであると思います。そして、日本に税収をもたらせる観光の消費を考えれば、一千万人という目標は余りにも小さ過ぎると思います。

 その点に関して、大臣のさらなる強い決意を聞かせていただきたいと思います。

北側国務大臣 観光立国に向けての応援の御質問だというふうに御理解させていただいております。

 おっしゃるとおり、例えばフランスなんというのは七千七百万人、一年間で外国人の旅行者がいるということでございます。そこまで行くのにはなかなか容易ではないと思いますが、この一千万人というものをできるだけ早く、遅くとも二〇一〇年には達成をさせていただいて、そしてその次のまた目標を立てて進めさせていただきたいと思っておるところでございます。

 この一千万人というのは、例えば、アジアでいいますとタイも観光が非常に重要な産業でございますが、タイも一年間で約一千万人の外国人の旅行者がいる。そこをまず目標にしていこうということでございます。

小宮山(泰)委員 やはり低いとしか言いようがありません。アジアの方では、空港の利用税等を考えますと、日本とアジア、距離的には、ヨーロッパの方も多く行っていらっしゃいます。そういった意味においては、まだまだ目標が低いというのは指摘させていただきたいと思います。

 最後になりますけれども、この予算委員会、本日、尾身先生はいらっしゃいませんけれども、よく座席の方から、いろいろな答弁の後、民主党の議員の質問のときに、官房副長官などいろいろな数字の訂正がございます。謝って訂正したからいいんだと簡単におっしゃいますけれども、本当にそうなんでしょうか。

 きょう、読売新聞や朝日新聞や多くの新聞にも書いてあります。日歯連からの、橋本派の元会計責任者の供述、はっきりと出てまいりました。やはり一億だけではなく、もっと、二億、そういったような数も出てきております。

 こういったことが、しっかりと予算委員会で、しかも虚偽のことや、後で訂正すればいいんだという、そういった安易な国会運営ではなく、しっかりと協議をする。できることならば、やはり早期の証人喚問をすることによって、私たち議員が国民に対して責任を持つ、それが予算委員会の、やはり歴史ある予算委員会の重みだと思います。日本の国が今乱れているのは、やはりこういった政治の気持ちの緩みや乱れというものがすべてにあらわれているんだと私は感じずにはいられません。

 ぜひ、委員長に再度、委員会におきまして早期に証人喚問の実現することをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

甘利委員長 これにて小宮山君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。吉良州司君。

吉良委員 民主党の吉良州司でございます。

 きょう、まず最初に、大どころとしては経済安全保障についてということで、御存じのとおり、最近は中国を中心としてBRICs諸国が急激な経済発展を遂げる。このこと自体は日本経済に好影響を及ぼしているわけでありますけれども、同時に、この中国を中心としたBRICs諸国が世界の食料、それから資源原料を、今はやりの言葉で爆食しているという状況の中で、資源原料が大きく高騰してしまっている。そのことは、長期的には日本経済への不安定要因になってくるんではないか。そういう観点から、原料資源の安定確保ということについて、中川経産大臣、町村外務大臣、お二方を中心に質問させていただきたい、このように思っております。

 まず中川経産大臣にお伺いしますけれども、今申し上げました原材料の大幅な高騰というマクロの経済情勢を受けて、川上インフレ川下デフレという言葉を御存じかとは思いますけれども、そのことが、日本経済、日本の産業界に与える影響について今どのようにとらえておられるのか、まずお聞きしたいと思います。

中川国務大臣 今委員御指摘のとおり、日本は資源がほとんどない国でございまして、そういう中で、世界じゅうから安定的に資源を確保して、そして日本の技術力でもっていいものをつくって国民生活あるいはまた世界に出していくということが、ある意味では与えられた与件なわけでございます。

 そういう中で、特に去年の年初から、中国、インドといった国々、あるいはまた世界経済の回復等で、石油、鉄鉱石、その他あらゆる鉱物資源を初めとした、紙とかそういうものも含めて大分値上がりしたようでありますけれども、そういう状況で、それを利用してつくるメーカーが、原料の確保あるいはまた価格の問題等々で非常に苦労しております。

 それはきちっと価格転嫁ができれば、ある意味では最終的に、いい悪いは別にして、正常な一つの流れなんでしょうけれども、今委員御指摘のように、世の中デフレ状態で、景気もいまいち、特に去年の今ごろはまだ不透明な状況でございましたので、ただ単に次の段階に価格を、そのコストを乗っけていくということがなかなかできにくいということで、各段階が非常に今苦労している。このことを象徴的に言っているのが、今委員が御指摘の川上インフレ川下デフレという言葉だというふうに理解をしております。

吉良委員 そういう川上インフレ川下デフレという日本の置かれた状況の中で、御存じのとおり、例えば鉄鋼業、これは中国の増産ブームで活況を呈しているわけでありますけれども、日本が鉄鉱石で依存をしている豪州それからブラジル、同時に、原料炭を負っている豪州、ブラジル、こういうところからの安定した、しかも望むらくは低価格の輸入が望ましいわけですけれども、御存じのとおり、昨年、中国の首脳が、APECとあわせてブラジルを初めとするメルコスル諸国を訪れ、一つはFTA交渉を開始したということが言われております。同時に、中国に至っては百億ドルに上る投資をコミットした、こういうことが言われておりますし、一部確認もされております。

 そして、中川経産大臣、御存じかと思いますけれども、ちょうどその中国の南米接近と時を同じくして、異様に原料価格が上がっております。特に豪州からの原料炭に至っては、昨年はトン当たり五十六ドルであったのが、ことしに至っては百二十二ドル。百二十ドルを超える、二・二倍というような高い価格交渉を余儀なくされている。その意味で、昨年の中国首脳陣によるブラジル、メルコスル諸国への訪問と、もろもろの提携確認、そのことが我が国に及ぼす影響についてはどのように認識をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

中川国務大臣 先ほど申し上げたいろいろな価格アップ、原料不足要因の代表的なのが、今吉良委員御指摘の、中国の、爆食というお言葉をお使いになりましたが、本当に果てしない購買意欲であると思います。

 その象徴が、ブラジルにおいての鉄鉱関係、あるいはまた、ブラジルに限らず、世界じゅうでの石油でどんどん進出していくということでございまして、鉄鉱石に関して申し上げますと、日本の場合にはオーストラリアを中心にやっておりますけれども、とにかく、全体バランスがとれていたものが、ばんと大きなところが中国によって占められてしまうということは、全体に大きな影響を与えるわけでございます。

 それから、それと関連して、例えば船賃なんかも大幅にアップをしていくわけでございますから、特に南米、ブラジルあるいは最近はベネズエラとも云々なんて、石油の問題で中国がというような報道もあるようでございますけれども、こういうものは、日本はもとよりでございますけれども、世界的に、原材料不足、原材料高という影響が大きな影響を及ぼしているということは我々も強く認識をしているところであります。

吉良委員 認識はほぼ共有されていると思うんですけれども、実は、この原料の高騰については、昨年後半というだけじゃなくて、もう一昨年あたりからもかなり指摘されておって、これは経済産業省も中心になって原料資源安定供給等研究会というものを立ち上げておられて、昨年の六月に中間報告も出ております。そのときにその問題意識が産業界と政府で共有されているはずなんですが、それが今年度の十七年度予算で一体どのようにあらわれているのか、それが、正直言って私には見えません。そのことについてお伺いしたいのが一つ。

 それから、中間報告を受けての最終答申といいますか最終報告というのはもう既に出ているのか、そのことについてお伺いしたいと思います。

小平政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨年の中間取りまとめを受けましての来年度予算への対応でございますけれども、これは、基本的には、委員よく御承知のとおり、それぞれの民間企業が長期契約等で手当てをするというのが基本でございまして、全体として申し上げますと、かなり大手の企業が中心になって関与をしておりますので、具体的に予算という形では、特に十七年度予算に新たなものを考えるというようなことには至っておりません。

 それから、最終的な取りまとめが出たのかという御質問でございますけれども、これにつきましては、その後も勉強しておりますけれども、まだ最終的な取りまとめというようなことはいたしておりません。

吉良委員 私も、原則民間主導、余り政府が口出しをすることは、特に国内経済においては大反対の人間でありますけれども、事資源、原料確保ということについては、前面に民間企業を押し出すにしても、政府による強力な支援体制というのが必要だと私は思っております。それが、あれだけの産業界の知恵を結集した中間報告が出ていながら、どうして予算としては反映されていないんでしょうか。

中川国務大臣 今、吉良委員も御指摘になりましたように、原材料の価格がじりじりと上がり始めたことを踏まえて、経済産業省の中に、原材料の需給、価格についての研究会を設けたわけでございますが、石油、鉄鉱石、石炭等だけではなくて、総じて、銅とかいろいろな希少金属も含めまして、じりじり上がってきているわけであります。

 基本的には、今エネ庁長官からも答弁いたしましたが、しかし、日本の産業政策の一つとして、原材料が不足する、あるいはまた高騰するということは、やはり政府としては、それは民間ですといって全く無関係でいるべきではないと思っておりました。ですから、例えば、石油が代表的でありますけれども、備蓄という存在をどういうふうに活用していくか。

 石油については備蓄の取り崩しは特にいたしませんでしたけれども、レアメタルなんかは備蓄の取り崩しをいたしましたし、それから、輸出国側、石油の場合ですとOPECなんかに私も何回もいろいろの、暴騰は単に輸入国側だけが困るんじゃなくて、輸出国にとっても不安定要因、一時的にはそれはいいかもしれませんけれども、中長期的に必ずしもプラスではありませんよというような話し合いを何回もしたところでございまして、そういう意味で、輸出側も真剣に考えていただいているのが石油の状況だと思います。

 それ以外の原材料につきましてもいろいろな手法でもってやっていくということで、じりじり上ってきて、企業は決してそれはいい状態ではない、厳しい状態ではありますけれども、ただ、政府に、緊急的な何らかの特別の措置をとってくれというようなせっぱ詰まった具体的な例は、幸いというか、去年の段階ではなかったわけでございます。もちろん、細かいことはいっぱいあったと思いますけれども。

 そういう意味で我々としては最大限の対応を、まだしていない部分も含めて、備蓄なんかの発動も含めていろいろあるわけでございますけれども、それが来年度の予算にどの程度反映すべきかすべきでないかという予算面に関して言えば、特に予算でもって手当てをして何らかの対策をとるというところまで至っていないというのが実情でございます。

吉良委員 そうであるならば、今、日本自体が国として持っているもろもろの手段、それはODAであったり、国際協力銀行、JBICのプログラムであったり、そういったところで資源開発をより積極的に援助する等々の具体的な支援策があってもいい。だから、予算的に巨額なものでなくても、そういう既存のプログラムを強化充実させるという意味で、幾ばくかの予算、私は計上されてしかるべきだと思っております。

 では、既存のプログラムの中で、先ほど言った中間報告ではありますけれども、もう明確な日本の産業界の方針も出ている。それは、ついては日本の国益にもなるという方向が出ているわけですから、具体的にはどういうプログラムを考えておられるのか、それをお聞きしたいと思います。

中川国務大臣 国として、一般会計等の純粋の予算という意味では先ほど御答弁申し上げたわけでありますけれども、広い意味で国の関与ということになりますと、例えば生産国に対して、より生産力をアップしていただきたい、増産していただきたいという意味での国の関与としては、ODAでありますとか政府系金融機関を通じた開発等の支援でありますとか、さらにはJBICのいろいろな制度金融でありますとか、そういう形で川上の方を強化するための役割をする。

 あるいはまた、外務省そして経済産業省を通じていろいろな情報収集をして、できるだけそういう逼迫した状況からの脱却のために、先方、海外、国内含めて情報収集して、適切な判断をする上での情報を関係の民間に差し上げるとか相談に乗るとか、そういう意味で国としては最大限のあらゆるツールを利用させていただいておりますし、今後も、まだまだ原材料高が、急激ではありませんけれども高値安定みたいな状況でございますので、これからも努力していきたい、いかなければいけないと思っております。

吉良委員 私自身がこうやってこだわっておりますのは、一つは、この問題というのは、日本の長期的な資源原料の安定確保ということのみならず、中長期的には日本の雇用を含めた景気回復、特に雇用、賃金アップ、それにもつながってくるということも申し上げたいんです。

 先ほど、川上インフレ川下デフレということを申し上げましたけれども、一方で、例えば自動車産業だとか家電産業だとか、これは韓国、中国を含めてメガコンペティションの真っただ中にあって、製品価格上昇ということでは転嫁しづらい。一方、御存じのとおり、原料供給元というのは、国境を越えた、寡占に寡占がというか、合併合併が積み重なって物すごい寡占状態にある。したがって売り手市場にあって、売ってやろうか、おれの言い値で買うんだったら売ってやるぞと。

 この世界に挟まれて、日本の素材産業等々は結局価格に転嫁できない。一方で原料価格の上昇を吸収せざるを得ない。それは、残念ながら、雇用を抑えるとか賃金上昇を抑えるということで対応せざるを得ないわけなんですね。

 そういう意味で、政府としても、きちっと早目早目に、原料が低価で安定的に供給される、そういう手段を講ずるべきだ。細かくは申し上げませんけれども、私自身も、前、専門でやっておりましたJBICのODA及び旧輸銀プログラムを使った民間企業の支援、これをぜひお願いしたいと思っています。

 特に、先ほどの政府参考人からの答弁でありましたが、この業界というのは、日本の中でもかなりメジャーな、財政力の強い企業が出ていっている場合が多うございます。そして、残念ながら、私の経験では、これまでの外務省というのは、例えばドイツだフランスだというのは、外務省の大使とかいえば、まるでその国というか、あるドイツ企業だフランス企業だのセールスマンみたいな役割をやっていたんですが、日本の外務省だけはそれをやらなかった。それは、ある事業に対して複数の商社なりメーカーがその事業を追いかけていた、一社だけに肩入れをするわけにはいかない、こういう基本方針があった。その時代はよく理解をできております。

 ただし、先ほど言いました、世界的に原料の供給元というのは寡占化が進んでいる、より強くなっている。そこに対してがっぷり四つでバーゲニングパワーを維持していくためには、たとえ日本の企業の中でメジャーと言われるところであっても、そういう既存のプログラムの中できちっと支援していかなければいけないということを私の方で申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 ちょっとそれに関連してなんですけれども、私のきょうの一つのテーマは、治にあってといいますか、平時にあって乱を思え。要は、先ほどありましたけれども、まだ日本というのは購買力があります、資金がありますので、まだ値段が高くなっても買える、こういう状況ではありますけれども、この先予想されますのは、まあ、このことについては必ずしも党の意見と一致しないのかもしれないんですけれども……(発言する者あり)いやいや、これは言いっ放しというか指摘だけなので、問題意識の提示として聞いていただきたいと思っています。(発言する者あり)では、自分の意見で。

 民主党として独占禁止法という民主党案を出して、国内にあっては官製談合を防ぐということでこの独占禁止法を厳密に運用して、当然ながら、競争、公平、オープン、こういう原則を前面に押し出すべき、こういうふうに主張しております。これについては私自身も大賛成であります。

 ただ、一方で、先ほど言いました、国内というよりは対外的な問題としては、寡占が進んで、より資本力の強い、交渉力の強い相手が存在する。鉄鉱石に至ってはもうほぼ三者で八割の輸出量を占めている、こういうような状況で、日本全体としてのバーゲニングパワーをつけるという意味で、独占禁止法の対外的な運用について少し考える必要があるなと思っています。

 実は私も明確な解答があるわけではありませんので、このことは、今言いました日本の国全体としてのバーゲニングパワーを維持するという意味での問題意識ということで聞いていただきたい、このように思っております。

 次に、先ほど、途中といいますか、治にあって乱を思えと。今の日本は、先ほど言いました購買力がありますから何でも買えるという立場にありますけれども、御存じのとおり、希少金属、レアメタルと言われる、日本の高品質の素材をつくるに不可欠な希少金属、これはもう御存じのとおり偏在をしております。一九七〇年後半から八〇年代の希少金属の枯渇といいますか、また供給不足を恐れて、日本としてもそれを備蓄するというふうにはなっています。ただ、現実の世界では、その後大きな埋蔵量が確認をされ、同時に生産供給体制も整ってきましたので、無理に備蓄は必要ないんじゃないかというような声が出ております。

 これについて、希少金属の備蓄の今後の必要性について中川経産大臣はどのようにお考えでしょうか。

中川国務大臣 私は、レアメタルに限って言いましても、御承知のとおり国家と民間の備蓄があるわけで、その備蓄目標というものがあるわけでありますが、結論から言いますと、今後とも必要だというふうに思っております。

 レアメタル、御専門でしょうけれども、三十数種類ある中で、限られた品目だけではありますけれども、日本としては、石油天然ガス・金属機構と民間とがそれぞれ協力し合って備蓄をしております。その結果が、例えばタングステンは、ロシア、中国、二カ国でもうほぼ九割という状況、あるいはまた、白金でも上位三者で八五%近い寡占状態という中で、しかも絶対量が不足してくる、価格が暴騰してくるということでありますから、そういうときのためにこの備蓄の役割が発揮されるということで、現に昨年においては、バナジウム、モリブデン、マンガンで合計十一回の放出をやった。つまりそれは、やはり備蓄の本来の目的を、こういう緊急事態で機能したということの、ある意味では証左であり、今後ともこういう制度はむしろ充実していく必要すらあると私は思っております。

吉良委員 私も備蓄は続けていくべきだと思っていますけれども、一方で、私ども民主党も、特殊法人というもの、税金をむだ遣いする特殊法人というのは徹底的に見直せという考え方を持っております。もちろん、備蓄している備蓄部というのは今存在しなくなりましたけれども、私自身は、要は、国の備蓄から、民間備蓄を政府が支援する、もっと具体的に言えば、備蓄部分の借り入れについて政府が保証して、金利部分の、全体なのか、ある部分をきちっと保証していく、そういう財政的に負担がかからない方法で国としての必要備蓄を維持していく、このことをぜひお願いしたいというふうに思っております。

 余り日本の中で最近、シーレーン防衛とあわせて一時はあれだけ希少金属の備蓄といいますか必要性が叫ばれて、最近はほとんど話題になっておりませんので、私はあえて、平時にあって、資源、鉱物の安定供給の必要性と日本の産業の根幹である希少金属の備蓄の必要性を強く訴えておきたい、このように思っております。

 続きまして、先ほど中川経産大臣からも、情報力を強化しなければいけない、このような指摘がありました。そのことに関して、続いては、日本の情報力ということについてお尋ねをしていきたいというふうに思っております。

 まず町村外務大臣にお伺いしますけれども、現在、外務省の在外公館を含めた外務省関連、また日本国の出先機関すべて含めてもいいと思っていますけれども、日本としての情報収集力、情報分析力、まあそこまで言うとちょっとこんがらかりますので、情報収集力ということで絞ってまいりますが、十分とお考えでしょうか。

町村国務大臣 議員御指摘の、日本の情報収集力がどうであるか、大変重大な問題指摘だと思って、私どももそういう問題意識を持ちながら取り組んでいるところでございます。

 日本は、自衛隊の活動というのは極めて限定をされている中にあって、やはりウサギの長い耳を持っているということが大変重要なんだろう、こう思います。それは、何も安全保障分野のみならず、先ほどから御指摘の経済分野の情報でありますとか、その他いろいろな分野の情報収集をしなければなりません。

 そういう目で見ておりますと、私ども、今、在外公館、二百六十九の大使館、総領事館、代表部等々があるわけでございますけれども、その中で、皆さん一生懸命やっております、なかなかよくやっているとは思うんですが、本当に十分かと問われれば、それはまだまだだと率直に認めざるを得ない。

 一時期、日本の外務省員の数をせめてイタリア並みにとか、人数の話をしておりました。これも今、少しずつではありますけれどもふやしていただいてはおりますが、これとてもまだまだ。さらに、その情報収集のための活動経費がどうかというと、これも正直言って相当削減をされているというのが今の実態でございます。

 しかし、人も不足し、お金も不足しているから何もやらないというわけにはまいりませんので、一生懸命やっているところでございますが、率直に言ってなかなか厳しいところがございます。

 それで、いろいろな情報というのは、実はかなり公開情報、新聞とかマスコミに出ている情報というのが非常に多くて、これだけでも実はかなりの情報収集ができると言われております。

 そうした面でかなりの、一生懸命やっていることは事実でありますが、さらに機微にわたる情報というところまでになりますと、これは率直に言ってまだまだでありまして、大いに先生からも御指導いただきながら、よりしっかりとした情報収集活動に全精力を挙げていかなければならない、かように考えております。

吉良委員 私自身、もと商社に勤めておりましたので、これは外務省には大変失礼ながら、外務省の情報というのはほとんどすべて、商社と現地にプロジェクトを持っているメーカーさんのプロジェクトマネジャーを中心とする、現地に何カ月も何年も張りついている方々、またはODAのコンサルタントをやられている方々、そういう、ほとんどが民間企業に情報を負っている。民間企業は地べたをはいずり回って情報収集して外務省に届けて、それは外務省からしてみれば二次情報、三次情報なんですけれども、それが残念ながら日本の国としての情報というふうに思っています。

 また、今度はマスコミに失礼ながら、私ども商社にいたころは、新聞情報は情報の墓場だ、こう言われておりました。したがって、本当にビビッドな生の情報というのは新聞ざたにならない。特にこれはビジネス界で言えることではありますけれども、それだけはいずり回ってフェース・ツー・フェースの生情報が必要だということであります。

 お手元に一枚の資料をお届けしておりますけれども、これは八五年から二〇〇四年にかけての大手商社の支店、駐在員事務所の数の推移をあらわしております。そして、下の方はその駐在員数の推移であります。

 先ほど言いましたように、外務省がほとんどの情報を商社を中心とする民間に依存しているという状況の中で、商社もメーカーさんもゼネコンさんも、非常に厳しい経営環境の中でどんどん支店数を減らしている、また、駐在員数を減らしている。これは日本全体の情報収集力の低下ではないかというふうに思っていますが、その点いかがでしょうか、町村外務大臣。

町村国務大臣 今委員からいただいた資料を拝見いたしまして、本当に驚くほど商社の支店等々が減っているんだなということを改めて今実感を持ったところであります。

 確かに、現場で、商社の方々を初めとする日系企業あるいはNGO、いろいろな方々の情報を私ども外務省としてもいただきながらそれを役立てる努力をしている、事実でございます。

 ただ、最近、非常にある意味では困っておりますのは、公務員の倫理法ですね。これで、時にして、会食をしたり、会う、こういうことが今、特定の利害の企業と会ってはいけないとか、やれ幾ら以上の食事はしてはいけないとか、そこは物すごく厳しく制約を受けておりまして、外務省がいらっしゃいと言えないんですよ。それをやってはいけないんだというルールに今はなってきておりまして……(発言する者あり)いや、それは事実なんです。ある意味では非常に萎縮せざるを得ないような仕組みを、実は我々国会が公務員倫理法というのをつくったわけですね。これがまた極端に振れるんです。これは……(発言する者あり)いや、間違っていないです。これは事実です。極端にこれが振れておりまして、非常に情報収集活動一つとってもやりづらい。

 例えば、大使が、三菱商事、三井物産の支店長さんとちょっと集まっていろいろなお話を聞きたいんですがと。それが、そういうことを今やることが非常にはばかられるような雰囲気に満ち満ちておりまして、必要な情報収集が非常にやりづらくなっているという状況を実は我々国会のサイドでつくってしまっているんだということはぜひひとつ御理解をいただきたい。私は何も、特定企業の片棒を担いで一生懸命やることがいいかどうかは別として、必要な情報交換すらできないような雰囲気。そういうのをちょっとでもやると、あそこで大使がだれだれと会って飯食っているのはけしからぬとか、こういう話がじゃんじゃん出回るわけです。

 これはやはりまずいんではないのかなと思いまして、ノーマルな必要な情報交換というのは大いにやるべしと私は今出先の方には言っておりますが、どうしても公務員倫理法なんかが何となく一つの歯どめというかバリアになっちゃっているというのが現実あるということは、どうぞひとつ御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)

吉良委員 後ろの先輩からも、ごちそうになるという発想が間違っているということを言って、割り勘であればいいんじゃないかというように思っていますが。

 私もその業界におりましたので、古い時代のODAというのは、一方では外務省がきちっと民間に情報を負う、それから、プロジェクトの発掘、プロジェクトのプロモーションを民間に負う。そのかわり、ある程度タイドでの、アンタイドではなくてタイドベースでの借款だとか、輸銀は厳密にやっているんでしょうけれども、ある程度日本企業の貢献を理解してもらうような支援でもって、日本企業はいわゆるODAビジネスという中で利益を得ていたという時代があったことは事実だと思っています。

 ただ、今現在、もちろんそれは財政逼迫状況の中で許されないというのもわかっていますし、かといって、申しわけないですけれども、外務省の人たちを少々鍛えても、このたくましい民間企業の、はいずり回って情報をとってくる、交渉していく、これは一朝一夕にできるものじゃないですから、こういう民間企業のパワーをどうやって活用するのか、コストは大きくかけずにどうやってその力を利用するのか。そのことをやはり日本全体の情報力の強化という観点で真剣に考える時期に来ているのではないか。

 私も、決して、商社出身だからといって族議員ではありませんので、そこにぼんとお金を渡せとか、そういうことは言いませんけれども、ぜひ外務省の中にも、情報力強化という観点で、民間のパワーをどう利用するかということの具体的な作業チームをつくっていただきたい、このように思っております。

 そうしないと、この前の質問でも言いましたけれども、一方で日本は国連の安保理の常任理事国になるというようにうたっておきながら、実際、その活動についての予算は全く今年度に計上されていない。しかも、このように各国に対する日本のプレゼンスを示す、そういう商社、民間企業の、特にアフリカ諸国を中心としたど発展途上国に対するプレゼンスが減っているわけですから、そういうところにも日本の、先ほどおっしゃったウサギ、アンテナをどう張りめぐらすか、これは非常に重要な国家戦略だと私は思っております。

 町村外務大臣に、そのことについて真剣にというか、必ずそういう勉強会といいますか研究会といいますか発足させて、情報力強化についての外務省内部の組織をつくるということについて御答弁をお願いしたいと思います。

町村国務大臣 これは私が外務大臣になる前に、九・一一の直後に自民党の中にテロ対策本部というのをつくり、そこでインテリジェンスの能力を高める小委員会というのをつくりました。私はみずからその小委員長を買って出まして、そして日本全体の情報力の、これは国内外両方あると思いますが、どういうことをやるべきかということを提言としてまとめました。それを当時の総理、官房長官などにもお渡しして、少しずつそれを実行してくださいというお願いを、党を代表してしたこともございます。

 それを受けて、余り、事柄が事柄だけに大仰にかねや太鼓でやる話でもないということもあって、着々とそれは今取り組んでいるわけで、今度はみずから、私、外務大臣という職につけていただきましたから、しっかりとこの面では既に取り組んでいるところでございます。

 なお、これは御参考まででありますけれども、ODAをいかに現地の声を反映させた形でやるかということについては、昨年の八月にODA大綱というものを決定いたしまして、その中で、「現地を中心として、開発途上国の開発政策や援助需要を総合的かつ的確に把握するよう努める。その際、現地関係者を通じて、現地の経済社会状況などを十分把握する。」という表現がありまして、これを受けまして、現地ODAタスクフォースというのをそれぞれの国ごとにつくるようにしております。これは、先ほど御指摘のあったJBICあるいはJICA、もちろん在外公館、それに民間の方々、企業の方、NGOの方あるいは国際機関職員で現地にいる方々、そういう方々に集まってもらって常に密接な情報交換をしながら、今何が一番必要としているのか、何が役立つだろうかということを、国ごとに、地域ごとにそういうタスクフォースをつくって、情報の収集と分析と対策というものを、現地の、遊離しない形のものをしっかりやっていこうということで努めておりますことを御報告いたします。

吉良委員 その方向自体、お話を聞いて安心しましたけれども、一方で、やはり外務省に残る、言い方は極端かもしれませんけれども、官尊民卑的な体質がまだまだ残っているという中で、本当に情報がありパワーがあるのは民間だということで、民間の声が直截に反映されるような組織にしていただきたい、こういうふうに思っています。

 ちょっとその関連で、非常に古い話になるんですが、九七年の十二月十七日でしたか、起こりましたペルーの大使公邸人質事件、それに関連してなんですが、実はあのときに、私の本当に大大親友、無二の親友が奥さんともども人質になりまして、奥さんは一日で解放されましたけれども、友達は十日間入っていた。そして、私が物すごく親しくさせてもらっていた先輩は、最後の突撃まで百二十二日間、あの中におりました。

 そのときの外務省の対応、特に、終わってから、人質になっていた人たちに対して何らかの、わび状といいますか、そういうものを出したのかどうか。私が知る限り、最後の四月二十二日の突撃まで残っていた日本人に対しては総理大臣名で出ているということは御本人から聞いておりますけれども、それ以前に人質になって解放された方々に対して、またはその企業に対して何らかのレター等を出したんでしょうか。その辺についてお伺いしたいと思います。

町村国務大臣 委員から御指摘があったので当時のことを調べてみたわけでございますけれども、事件が解決した後、当時の橋本総理から、国会の場を通じましてお招きした方々に対して、こうした事件を起こしたことに政府の最高責任者としてまずおわびの言葉を述べるということをやっております。

 その後、今委員御指摘のように、事件後一年がたったところで、確かに、全体は五百名以上、当初人質になっていた。その中で、最後まで人質になった方々七十二名、日本人の方、民間人十二名、大使館員十二名、ペルーの方々が四十七名、それから他の国の外交団の方が一名、こうした方々に対して総理から書簡を発出して、おわびを申し上げるというものが出されております。

 確かに、五百名、当初人質になった。そのうちの七十二名に出したということは、四百名以上の方々にはおわび状が出ていない。なぜそういうふうにしたのか、私もちょっと、当時のことでありますから、必ずしもつまびらかにいたしませんが、政府としては、一応こういったおわびの思いを国会でも申し述べ、最後まで御迷惑をかけた方々にはおわびを申し上げた、こういう思いで、別に、官だ民だという思いで差をつけてやっていたということではないということは御理解を賜りたいと思います。

吉良委員 普通の常識で、例えばの話、民間企業が社長就任パーティーがありますということでお客さんをお招きして、そのときに、ああいう事件が、警備が手薄だった等々の理由により起こったときに、すべての人に対してわびの書簡を入れる、場合によってはこうむった損害に対して補償していくということも常識ではやるのではないかと思うんですね。

 当時、そこの人質になっていた各会社は、私がいた会社もそうだったですけれども、それこそ、ブエノスアイレス、サンティアゴ、それからキト、コロンビアのボゴタあたりの駐在員を全部現地に派遣し、ニューヨークからも二人ぐらい解放までずっと常駐して、それにかかった経費というのは億を超えるんですよね。それを本当にそれぞれの各社がやっていたわけです。それを、個人に対して、それも最後まで、突撃までいた人には出して、それ以外の人または会社には一切出さない。その価値判断といいますか、それはどういう理由によるんでしょうか。

町村国務大臣 ちょっと私も、当時おりませんものでしたから、よくわかりません。なぜそういう差といいましょうか、あるいは、会社の方になぜ出さなかったのか。ちょっと何とも、当時のことでございますから、私も、どういう資料があるかどうか調べてもらったんですが、率直に言ってよくわかりません。

 わかりませんが、後になってこうやって立ち返って考えてみると、そういう意味の丁寧さといいましょうか、それが確かにこれは欠けているな、それは率直な反省を持つものでございます。

吉良委員 私が最初、官尊民卑という言い方をしましたけれども、本当にいつも世話になって、先ほど言った国全体としての情報、外務省としての情報力をそういう民間の人、企業の人、その企業に負っている。お客さんだという意識があれば、そんないいかげんな対応というのは絶対許されないですよ。民間の感覚であれば、今言った社長就任パーティーに呼ぶというのは重要顧客ばかりですから、その人たちに迷惑をかけたときにわびを入れる、または何らかの補償をしていく、これは至極当然の常識であります。

 そういう意味で、外務省の官尊民卑といいますか、民間はどうせ自分たちの、例えばODAにしても、政府は金を出すだけで、地べたをはいずり回ってやっておるんだという感覚が、こういうペルー人質事件のときの対応にあらわれているんじゃないか、このように思っておりまして、その体質をぜひ町村さんの代に変えていただきたい。

 その意味で一つ提案なんですけれども、これは先ほどの資源原料の安定確保ということにも関連するんですけれども、在外公館の中には、あえて色分けするとすれば、非常に政治的な関係が強いパートナー、国、それから、経済的関係がより強い国、もちろん今は政経が一緒のことが多いんですけれども、例えば、先ほど言いましたブラジル、アルゼンチン、チリであるとか豪州であるとか、こういうところというのは、日本の経済安全保障も踏まえて、経済的なパートナーとしてより色濃いわけです。そういうところというのは、これは商社、メーカーさんもそうですけれども、メーカーも現地に工場をつくって、そこのトップとして、もう恐らく五年も十年も現地に根差している方がたくさんいらっしゃる。

 そういう経済的な色彩の強い、かつ日本の経済安全保障に資する色合いの強い国にはぜひ民間の大使を起用する。常に外務省が上にあって、その下働きを民間がするのではないということをお願いしたいと思っています。

 主要国における大使の任用状況というのを私もずっと調べてみました。正直びっくりしたのは、アメリカは大使が百五十二人いて、そのうちの政府出身者が百人で、民間または民間と政界を入れたのが五十二人。これは圧倒的に高いんですが、イギリス、カナダ、フランス、ドイツと、いわゆる先進国は、やはり基本的に、外務省といいますか政府出身者が多くて、アメリカに次いで日本は民間の大使が多うございます。それは確認しました。

 ただ、その内訳を見ていくと、やはりかつて官の出身者であって、一時民間に籍を置いている方ですとか、必ずしも民間出身者とは言えず、また、その国に根をおろした方というのは、例えばエルサルバドルであるとかチリであるとか、非常に限られた地域なんですね。

 今言いましたように、今後の日本の経済安全保障を考えたときに、経済がわかる、日本との取引がわかる大使の存在というのは非常に大事だと思っていますので、そういう意味で、ぜひ大使の任命について民間を同等に扱っていく。できれば、先ほど言った経済の色彩が強い相手についてはまずは民間から選ぶというような発想で臨んでいただきたい、そういう制度にしていただきたいと思っていますが、町村外務大臣、いかがでしょうか。

町村国務大臣 貴重な御意見をいただきましたことを感謝申し上げます。

 あの外務省改革というのが、ちょうど茂木副大臣が当時御担当しておられましたけれども、その中で、大使の人事のあり方ということについても一つの大きな方針を出していただきました。もとよりこれは適材適所という、一言で言えばそういうことでありますが、これは外務省の職員のみならず、他省庁の方、民間の方、この方はという方はぜひ登用したい。今、十数名、十七名だったと思いますが、民間人大使ということで、できるだけこれを私は二十名台に持っていきたい、こう努力をしているところでございます。(発言する者あり)

 たまたま今どちらかの方から、今は南米チリの小川大使、彼は衆議院議員でございましたが、その前は三菱商事の社員としてブラジルで長らく勤務されたという貴重な経験を持って、今チリで大変な活躍をしていただいております。ああいう方々が多くなることは大変いいことだ、こう思っております。

 私どもも、そういう意味で、経済団体の方々に、どうですか、いい方いらっしゃいませんか、御推薦いただきたいというお願いを実はかねてよりしております。ただ、率直に言うと、なかなかこれは具体名が挙がってこないんです。総論は皆さん賛成をなさいます。では、いざ個々具体名でということになってくると、現実はなかなかこれは難しいところがありまして、例えば、あの方なんかどうですかと逆にこちらから、逆指名ではございませんが、することもあるんですが、いやいや、あの人は今こうでこうで、それはちょっとできませんというようなこともあったりいたしまして、なかなか我が方の思いが伝わらないことがある。逆に、民間の皆さん方の思いがこちらに伝わらないこともきっとあるんだろうと思います。

 ぜひ吉良先生も、いい方がいらっしゃったら教えていただければありがたいし、これからまたぜひ適材適所で今後ともやっていきたいと思います。

吉良委員 前向きな答弁、ありがとうございました。ぜひ紹介をしたいと思っています。

 ちょっと時間がなくなってきまして、中山文科大臣にお伺いしたいと思います。

 私は、今教育改革が叫ばれておるんですけれども、どうも自民党の方々は、教育基本法の中で、やれ愛国心がどうの、私もそのことは大事だと思っていますけれども、より切実な問題は、御存じのとおり学力の低下、そして子供たちの心の荒廃であるというふうに思っています。そして、特に学級崩壊、学校崩壊と言われているような学校は、私立学校よりも圧倒的に公立の小中学校が多いわけであります。

 そして、教育というのは本来機会均等であるべきなのにもかかわらず、残念ながら、今の学区制という中では、その地域に住んでいればその学校に行くしかない。ところが、その学校は学校崩壊が起こっている。

 こういう状態を解消するには、私は一つの有力な手段として、学校選択の自由を認めていくべきではないかというふうに思っております。そのことについて、もう釈迦に説法になりますが、学校選択の自由を認めることによって学校間の競争を促す、それがひいては教師の自助努力につながっていき、ひいては子供の学力の向上、それから心の荒廃からの脱却につながる、このように思っております。

 その意味で、学校選択の自由について文科大臣としてどのようにお考えかということと、実際、特区の中で、東京都の品川区あたりではやられておりますけれども、そこから上がってくる評価、その評価を受けての中山大臣の御所見を賜りたいと思います。

中山国務大臣 教育改革、いろいろ進めておりますけれども、学力の向上の話も非常に大事でございますけれども、今まさに吉良委員が言われましたように、心の教育、これは本当に大事だなと思うので、そういう意味で、ぜひ教育基本法の改正、早くできますように頑張っていかなければいかぬな、こう思っているわけでございます。

 それから、学校選択の自由、この幅を広げるということについては、まさにそのとおりだと思っております。近年、市町村の教育委員会の判断によりまして、地域の実情や保護者の意向等に即しまして公立小中学校のいわゆる学校選択制を導入する、そういうふうな動きもかなり広まっておりますし、また、構造改革特区を利用しまして、小中の一貫教育とか、あるいは小学校の英語教育のように、地域の実態に即した多様な取り組みが今進められているところでございまして、東京都等についても今いろいろやっていらっしゃるわけでございます。

 まだそれをどういうふうに評価するというところまでは行っておりませんが、私としては、ぜひ、児童生徒や保護者の意向等を十分酌みながら特色ある教育をそれぞれがやる、そのことがまた学校間の切磋琢磨といいますか競争にもなって、全体として教育水準が上がっていく、こういうことになるんじゃないかと思いまして、ぜひそういう方向で進めてまいりたいと考えております。

吉良委員 そして、その学校選択の究極の具体的手法として、ぜひバウチャー制導入ということを考えていただきたいと思っています。

 これ、本当はもうちょっと突っ込みたかったんですが、ちょっと前半で時間をとられまして、細かく突っ込むわけにいきませんけれども、一つは、もちろん同じ公立高校の中でも自由に選べるということと、特に、今私立にやっている人たちからしてみれば、一方では税ということで強制的に取られて、一方で新たに私立の学費ということで払わされている。私立学校に通わせる保護者の負担が非常に大きくなっている。これは、教育の機会均等を保障した憲法にも私は反するんじゃないかと思っているぐらい問題があると思っています。

 バウチャー制度について、これを推し進めていただきたいと思っているんですけれども、その辺についての文科大臣の御所見をお願いします。

中山国務大臣 バウチャー制度につきましては、導入すべきだという議論等がいろいろありますが、また、それに伴ういろいろな弊害等も指摘されるわけでございます。外国の例も余りないんですけれども、いろいろな御提言等をいただいているものですから、米国の例等について今詳細に調査を行っているところでございまして、今後、そういった外国の実態の把握と分析に努めるということからまずやらなきゃいかぬわけですけれども、このバウチャー制度の意義について幅広く問題点等を検討していきたい、こう考えているところでございます。

吉良委員 実験例からも幾つか問題点が出てきていることは承知しておりますけれども、全体で考えて、少々のリスクよりもメリットの方がはるかに大きいと思えば、やはり思い切ってやらなければ改革には値しないというふうに思っております。

 ぜひバウチャー制度の検討をお願いしたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。

甘利委員長 これにて吉良君の質疑は終了いたしました。

 次に、松野頼久君。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。きょうは、この予算委員会で一時間ほど時間をいただいて、こうして質問をさせていただくことを心より感謝を申し上げます。

 まず、今、私は総務委員会に所属させていただいて理事をしておりますので、毎日毎日新聞で報道されております郵政の民営化という話をメーンに、きょうは一時間ほど時間をいただいて質問をしたいと思っているんです。

 よく、メディアの世論調査でも、郵政の民営化というのは、余り興味がない、関心度が低い話題だというふうに言われております。そして、きょうも、総務委員会で総務大臣が所信表明演説をされました。その中でも、郵政行政についてこのように述べられております。

 郵政事業については、日本郵政公社の健全な経営が確保されるとともに、国民の皆様に、より質の高いサービスが提供されるように努めます。また、信書便事業の参入を促進します。今後の郵政事業のあり方については、昨年九月に郵政民営化の基本方針を閣議決定いたしました。今後とも、利用者の利便性が向上し、職員がより意欲を持って職務に取り組むことができ、国全体の観点からプラスとなることが必要と考えております。

 このように、きょうの昼間、大臣所信で述べられているわけですけれども、郵政の民営化という話がこの所信の中ではどうも感じられないというふうに思うんですね。本当に法案が出てくるのかどうかわからない、こういう状態なのではないかと私は思っております。

 そして、ずっと総務委員会で麻生大臣とやりとりをさせていただいている中で、私は、麻生大臣は非常に経済感覚のわかる、民間の経営センスがある大臣だというふうに思っているんですけれども、そもそも論として、なぜ麻生大臣がこの郵政の民営化に取り組まれないのか。ちょっと御本人には聞きづらいんですけれども、大臣、その辺の感想はいかがでしょうか。

麻生国務大臣 担当じゃないからです。

松野(頼)委員 もっともだと思います。

 それで、大臣、ちょっと法的な根拠を私は調べてみました。まず、法制局に聞きたいんですけれども、郵政事業が総務大臣の所管であることを定めた根拠法をちょっと言ってみてください。

梶田政府参考人 お答えいたします。

 郵政事業につきましては、総務省設置法の第四条第七十九号、七十九号の二、それから八十号におきまして、「郵政事業(日本郵政公社が行う事業をいう。)に関する制度の企画及び立案に関すること。」こういうこと等が総務省の所掌事務と規定されております。これらの規定に基づきまして、総務大臣が郵政事業を分担管理しているものというふうに承知しております。

松野(頼)委員 そうなんですよ。この郵政事業は、総務大臣が所管する事業なんです。

 また、ちょっと違う聞き方をいたしますけれども、郵政事業の改革である郵政民営化、これはよろしいと思うんですけれども、これが竹中大臣の所管であることを定めた法律を、法制局、ちょっと示してください。

梶田政府参考人 お答えします。

 郵政民営化の具体案及び必要な法案の企画立案等につきましては、内閣の重要な事務でございまして、内閣法の第十二条第二項の事務に当たるものというふうに整理されております。その事務が円滑に行われるように、竹中郵政民営化担当大臣は、国務大臣の任免権者である内閣総理大臣の方から、郵政民営化を政府一体となって円滑に推進するため、企画立案及び行政各部の所掌する事務の調整を担当させる、こういうことを命じられまして、この企画立案等の事務を担当しているものというふうに承知いたしております。

松野(頼)委員 これは内閣法ですか。私の認識では、内閣府設置法の第九条「特命担当大臣」の項に当たるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか、法制局。

梶田政府参考人 お答えします。

 内閣府設置法の特命担当大臣として担当されているということではないというふうに理解しております。

松野(頼)委員 竹中大臣は特命担当大臣じゃないんですか、法制局。もう一回聞きます。

梶田政府参考人 郵政民営化担当大臣といたしましては、これは内閣府設置法の特命担当大臣ではございません。

松野(頼)委員 いや、だって、竹中大臣は内閣府に今籍を置かれているわけでしょう。違いますか。

梶田政府参考人 私どもが承知している限りにおきましては、竹中大臣は、内閣府の特命担当大臣といたしましては経済財政政策担当の特命担当大臣でございまして、郵政民営化の担当大臣は内閣府の担当大臣ではございません。

松野(頼)委員 では、何の大臣ですか。

甘利委員長 どなたが答弁しますか。

 細田内閣官房長官。

細田国務大臣 担当大臣には二種類ございます。

 そして、内閣府の特命担当大臣というのは、沖縄北方対策担当、金融担当、経済財政政策担当、規制改革担当、産業再生機構担当、科学技術政策担当、防災担当、男女共同参画担当、青少年育成及び少子化対策担当、食品安全担当の以上でございます。それぞれ発令されております。

 それに対しまして、第二次小泉改造内閣におけるいわゆる担当大臣は、またこれと別のものでございますが、地球環境問題担当、あるいは行政改革担当、首都機能移転担当、国際博覧会担当、情報通信(IT)担当、構造改革特区・地域再生担当、観光立国担当、有事法制担当、国民スポーツ担当、郵政民営化担当というふうに、実は二種類ございます。

 非常にわかりにくくて恐縮でございます。

松野(頼)委員 では、その大臣は、ほかの省庁が所掌する行政事務に関して所掌できるんでしょうか。

細田国務大臣 さまざまに、政策的に各省にまたがる事務であったり新しい事務であったりして、特定の担当大臣を置くことが必要だと内閣総理大臣が認めた場合には担当を置くことができる。これに基づいて置いておるわけでございます。

松野(頼)委員 その所掌事務がダブることはどうですか。

細田国務大臣 もちろん、総務大臣は、先ほど総務大臣が言われた担当の大臣であります。したがいまして、郵政民営化という新しい事務を行う責任者の担当は竹中大臣でございますが、そのときに、当然、総務大臣も郵政事業担当大臣として、これは全く関係がないということでなくて、所掌する大臣であることも事実でございます。郵政事業を担当する大臣であります。

松野(頼)委員 この郵政事業というのは、非常に細かい話になりますけれども、なぜ国民がこれだけわかりづらいかというと、まず、総務大臣が郵政事業を所掌しているわけですよ。その横で、同じような状態で竹中大臣が同じ郵政事業に対して所掌しているかのように見える。所掌しているんですよ、ある意味でダブって。

 ですから、そもそも、私は、郵政担当は麻生大臣がやった方がすっきりすると思いますよ。だからわからないんですよ、国民が。こんな、六億円もパブリシティーを打ってもまだ一体何なのかよくわからないということなんで、ぜひそこのところの、そもそも論の入り口ですけれども、すっきりとした形をしていただいて、そして、これからの審議が始まるのか始まらないのかわかりませんけれども、その中で、審議の中でもしっかりと、ここは総務大臣の分野、ここは郵政改革担当大臣の分野というのを分けていただきたい、このことをしっかり指摘させていただきます。

 そして、もう一つ、そもそも郵政民営化の目的というのは何なんでしょうか。

竹中国務大臣 民営化についてのお尋ねでございますので、私の方からお答えをさせていただくべきだと思います。

 そもそもなぜ郵政民営化なのか。これは大変重要な問題であると思います。

 政府としては、官から民への実現、つまり、民間でできることは民間でやることによって、経済をしっかり活性化させて、同時に国民の利便性を高めていこうと。なぜ民営化なのかという点は、私はこの点に尽きていると思います。

 世界じゅうで郵政が非常に激しい環境の中で、民間の活力を取り入れながら、しっかりと持続可能な経営体をつくっていかなければいけないということで、御承知のように、世界じゅうの郵政が大変苦労しております。

 日本もその中に置かれているわけでございまして、民間でできることは民間でやろうと。そうすることによって、これは、メリット、デメリット、また後でお尋ねがあるかもしれませんですけれども、そのメリットを最大化させて、デメリットが生じるとすれば、それをとにかく極小化して、民間でできることは民間で行う。官から民への流れの中で、経済をよくし、国民の利便性を高める、これが目的でございます。

松野(頼)委員 官から民に変わると、国民生活はどう変わるんですか。

竹中国務大臣 まさに、そうすることによって国民生活にどのようなメリット、利便性が出るのかということの御質問であろうかと思います。

 議論は、郵政というのは大変大きな組織でございますので、大変多面的な議論を本来しなければいけないんだと思いますが、基本的には、まず、郵政が集めているお金というのは三百五十兆円あるわけでございますけれども、三百五十兆円のお金を今国の機関が集めております。政府保証がついておりますが、国の機関が集めておりますので、その運用先には当然のことながら制約が生じて、安全資産に運用せざるを得ないというふうになってしまう。そうすると、結果的には、それは、かつては財投機関に行ったり、そして今は、多く国債に運用される。官が集めて、官でお金を使うという流れがどうしてもできてしまう。

 これを、一足飛びにはいかないわけでございますし、時間もかかるわけでありますし、経営努力も必要なわけですが、この三百五十兆円の国のお金を民間で活用できるような道をさまざまな努力を重ねることによって開いていく、そして経済を活性化していく、官から民へお金の流れをつくるというのが一つの大きなポイントでございます。

 二つ目は、今二万四千の郵便局がチェーン店として全国に展開しておりまして、これは大変国民の利便を確保しているわけでございますけれども、これもまた国の機関であるがゆえに、大きく分けて、今三つの商品、サービスしか置けない。これは国の機関でありますから、できることが限定列挙されております。郵便、郵貯、簡保、この三つに限定列挙されるわけでございますけれども、そうしたことをさらに、国民の利便性を高めるように、自由な経営のダイナミズムの中で国民の利便性を高めてもらいたいということでございます。

 三つ目は、さらに、これは官から民への流れをつくるということで、結果的に小さな政府をつくっていくことに資するということであろうかと思います。これはさまざまな御議論があるところでございますし、また、職員の方々としっかりと話し合いをしなければいけないわけではありますが、今国家公務員として働いていらっしゃる。民営化されて非公務員ということになれば、国家公務員の数が減少して、さらには、将来的には、株式会社化して政府の株を売却すれば、その売却の資金でもって財政の再建にも資する部分も出てくる、また税金も納めるような存在になっていただける、そういう意味で、小さな政府にも資していく。

 語り尽くせないかもしれませんが、大きくは、今申し上げた三つの大きな点、これが国民にとってプラスになっていくというふうに考えております。

松野(頼)委員 聞いてもさっぱりわからないんですよ。国民にとっては、資金が官だとか民だとかいうことじゃないんですよ。官のお金が、例えば民間の中小企業に融資がされやすくなるとか、例えば公務員の数が減って財政的に税金が安くなるとか、そこが国民にとっては一番知りたい目的だと私は思うんです。それが明確じゃないから、国民に幾ら説明をしても、毎日これだけ新聞に出ていても、まだまだ郵政に対する認識が浅いというところだと私は思っているんです。

 もう一回、官から民にお金の流れが変わるとどうなるのか。中小企業にお金が貸されやすくなるんですか、それともほかのメリットが国民に対してあるんですか、そういう観点から答えてください。

竹中国務大臣 私が三点御説明申し上げたことを、今まさに同じことを実は松野委員が御指摘くださったというふうに思っております。

 私は、官のお金が民のお金になっていくというふうに申し上げましたが、そのルートも厳密には多様でありますが、一つの期待される方向が、今国債に回っているお金が、これは幾つかの条件をもっともっと重ねなければいけませんが、最終的には、中小企業等々、例えば住宅ローンであるとか、国民にもお金が直接回るような形を開いていける。

 これは今のままではできません。今のままでは、例えば民間企業に対する融資ということは、リスクをとるからできないわけでございますけれども、これは経営努力を重ねて、経済の条件も重なれば、民営化すればそういう道が開けるという意味では、官から民へというのは、まさに今松野委員が御指摘くださったような、中小企業も使えるような道が開けていく、これは間違いないところであろうと思います。

 もう一つ、税金が安くなるのかというお尋ねがございましたけれども、先ほど申し上げましたように、国鉄は今税金を払ってくれているわけですね。JRは払ってくれています。この郵政も、しっかりとした経営体になって税金を払ってくだされば、将来、たとえ国民が何らかの負担を求められるようなときになっても、その分税金は安くなるわけでございますから、これは間違いなく、委員御指摘のように、国民の税負担にも長期的には役立っていくものであるというふうに思います。

松野(頼)委員 今、大臣、ちょっと興味深いことをおっしゃいましたけれども、官のお金が民間に融資されるんですか、郵貯のお金が。

竹中国務大臣 すぐにそういう変化が起こるかどうかというのは、これは幾つかの問題があると思います。

 ただ、先ほどから申し上げているのは、国が集めて国が運用している限りは、安全資産でしか運用できませんから、これは国債等々で運用せざるを得ないというのが今の現状です。しかし、民間の企業になって、民間でお金を集めるということになりますと、これは民間と同じルールで、同じ法律が適用されて、銀行法が適用されて、その中でみずからのきっちりとした資産、負債の管理を行えば、将来的には融資業務を行うということが、当然、そういう民間の自由が認められるわけでございます。そういうことを経営努力の中でしていただければ、そうすると、私が申し上げたような、さらには委員がおっしゃったような、直接民間にお金が回るというような道が開けていく、それがまさに民営化の意義であると思っております。

松野(頼)委員 もう一回伺いますけれども、多分この三百五十兆円のお金の話というのは、私も、参議院の予算委員会で我が党の小川委員と大臣がずっとやりとりしている議事録を読ませていただきました。それで見ると、私が思ったのは、受け取る郵政公社が、今は郵政公社ですけれども、これが民間になるからもう三百五十兆が民になったんだ、受け元が民になったからただ民になったんですよというような、かみ合わない議論を永遠に繰り返していらっしゃったように思ったんですよ。

 でも、きょうはちょっと一歩踏み込んで、直接、金融をするというようなことをおっしゃいましたけれども、これは、具体的な構想として郵貯のお金が直接、金融に回るという構想があるんですか。

竹中国務大臣 具体的にどのような経営をするかというのは、これは経営の判断でございます。

 しかし、基本方針に明記している点がございます。将来的には、段階的に自由度を拡大して融資等々を行ってもらう、このことは基本方針に書いていることでございますので、まさに、民間企業になって経営の自由度を持っていただく中で、責任を持ってそういうことをしていっていただく、これは基本方針の中で書き込まれていることでございます。

松野(頼)委員 それは何年先の話をされているんですか。

竹中国務大臣 それは、具体的に今、これまで企業審査とかをやった実績はないわけでございましょうから、それを、どのぐらいのペースで実力をつけていくのか、その前にどのぐらいの預金を集めるのか、これはまさに経営の判断でございますから、政府として、いつまでにこれをやれというようなことではないと思っております。

 しかし、そういう経営判断によってさまざまなダイナミックな自由な道を開く、そういう枠組みをつくるというのが郵政民営化の意義であると思います。

松野(頼)委員 では、ちょっと今国債の話が後ろで出ているので具体的に伺いますけれども、私が試算をすると、最初の年、郵便貯金新会社ができると、五十三兆円の流動資金がまず預金となりますね。そこから、固定金利で買っている国債等の償還があると考えると、大体、初年度六十数兆円ぐらいの郵便貯金新会社の預金ができると思うんですよ。五十三兆円の流動資金は、その日一日でその新会社の預金となるわけですよ、今受け取っている流動性資金。

 ですから、六十数兆円程度の最初の資金があるんですけれども、では、この資金で国債、財投債は買うつもりなんですか。

竹中国務大臣 民営化でございますから、民間企業として、どのように資金を集めてどのように資金を運用するかというのは、経営の判断の中で行っていただくということになります。制度的に、集めたお金がどこに運用されるというようなルートをあらかじめ政府が定めるというのは、これは民営化の趣旨に反することでございますから、今の数字の根拠をちょっと私にわかには判断しかねますが、基本的には、そこは経営の判断でしっかりと行っていただくものであるというふうに思います。

松野(頼)委員 大臣が、これは政府広報でつくられたパンフレット、文芸春秋の中で福島何がしさんと対談をしている中で、国債管理政策、国債への影響は大丈夫なんですかと聞かれたときに、大丈夫ですと言い切っているんですよ、あなたが。おかしいじゃないですか。経営の判断で今はわかりませんと言いながら、これで言い切っているんですよ。

竹中国務大臣 谷垣大臣からもお答えがあるかと思いますが、私がその中で議論しているのは、いわゆる政府保証つきの勘定というのがあります。二〇〇七年四月に民営化されるとして、二〇〇七年の三月三十一日まで預け入れられた金額というのは政府保証がついております。これについては政府保証がずっとつきますから、これを別に、いわゆる旧債務として管理をする。この旧債務は、主として国債等々で運用されている。このバランスシートの塊を公社の承継勘定でしっかりと実体的に保有して、したがって、国債市場に、民営化されたからといって、それをすぐに自由にぼんぼん売るというようなことにはならないんですよ、そういう旧債務の管理をしているんですよというようなことをそこでお答えしているわけであります。

 国債管理政策は国債管理政策として、これはしっかりと財務大臣がおやりになられるわけですけれども、民営化によってそういうショックが生じないような工夫をしておりますと、そのことを御説明しているわけでございます。

松野(頼)委員 いや、よくわからないですな。民間会社じゃないじゃないですか、それじゃ。

 私は、そもそも、この郵政民営化の問題というのは、多分与党の議員の皆さんの中にも多いと思うんですが、なぜこれをやるのかよくわからない。そして、民営化をして一体何がやりたいのかもわからないという状況だと思うんですよ。

 今の国債の話にしても、新会社が新しい流動性預金を持って、それも、国債を買うか買わないか、これは新しい人の判断ですよと。旧管理会社に関しては、国債を持ち続ける。でも、管理会社は十年でなくなるわけですから、約三百兆の中の半分にしても百五十兆のお金が、新会社に徐々に徐々に十年間のうちに移っていくわけでしょう。どれだけ再預金をしてくれるかわからないですけれども、徐々に徐々に移っていく。

 そういう中で、では、その新会社がどういう形で国債管理政策をしていくのかということはどうなんですか。それは経営の判断にゆだねて、国債を買いませんよと言うことができるんですか。

竹中国務大臣 委員がお尋ねなのは、いわゆる旧勘定に対して新勘定ですね。これは政府保証がつきません。かつ、これは民営化された会社が集めるお金です。これは残高ゼロから出発をしていって、それから、御指摘のように、どのぐらい集まるのか、集める意思があるのかという経営に依存するんだと思います。この民営化された会社に対して、国債をどれだけ買いなさいと、これは民営化の趣旨に反するということで、そのような制度的な枠組みは持っておりません。

 ただし、先ほどから申し上げていますように、民間でできることは民間でしていこう、しかし、現実に政府保証つきの勘定を出発時点で持っているわけでありますから、それは徐々に、委員御指摘のように、定額貯金に関しては十年でなくなる、簡保についてはもう少し長い時間がかかるかもしれませんが、そういう時間をかける中で完全な民営化をしていこう、時間をかけてやっていこうということでございますから、そこの仕組みをぜひ御理解賜りたいと思います。

松野(頼)委員 いや、時間をかけてではなく、二〇〇七年四月一日になると、三月三十一日まであった流動性預金はそのまま新会社の預金として来るわけでしょう、現金の預金は。

竹中国務大臣 全額かどうかわかりませんけれども、流動性のもの等々については、政府保証がつかないものとしては新しくそういうものが入ってくるということだと思います。

松野(頼)委員 だから、もう一年半後の話なんですよ。その一年半後の話が、流動性預金が何十兆か新会社に来るんですね、三月三十一日をまたぐと、現金が。それで国債を買うのか買わないのかということを完全に経営判断に任せて、もしそれで、例えば、ではREITの方が利回りがいいからといったら、それに回すことは全然可能なわけですか、国債を買いません、財投債は買いませんと言った場合に。

谷垣国務大臣 国債管理政策を所管する立場から申しますと、今大変な額を郵政に引き受けていただいているわけですから、あすからもう自由にして勝手にやらせてくれよと言われては、私もなかなか責任は持てないわけでございます。

 それで、一つは、先ほどから竹中大臣がおっしゃっているように、政府保証のついているものはそういう形で運営をされます。

 それから、今の流動性資産にしましても、やはり私は、これはこれからの制度設計にかかってまいりますので、これからの制度設計の中でまた議論もしなきゃならないので今確定的なことはお答えができませんけれども、移行期の中では、市場に対する急激なショックを避けるために、どういうふうにやっていくのかという方向もマーケットにわかるように示していただいて、そういうある意味での計画の中で、なるほどこういう方向に持っていくのかということもマーケットに示して、ショックを避けていただくようなことが過渡期には必要であろうと思っております。

松野(頼)委員 なぜここにこだわるかというと、要は、官から民へ、それがまた民から官へなんですよ、そうすると。そこで国債を買ったり財投債を買ったり。ただ、現実に言うと買わざるを得ないという現実はあるのかもしれませんけれども、それでは何のための民営化なのか、よくわからないんですよ。官から民へ、民から官へという、その後の方を消しちゃっているわけですから。違いますか。

竹中国務大臣 私たちは、官から民への流れをつくり出さなければいけないというふうに思っております。しかし、現実問題として、政府保証つきの債務がこれだけあって、そして預金を集める能力は非常に高いけれども、資産運用についての実績は、国債、財投等々にこれまで限られている。そういう機関を市場経済の中にまさにソフトランディングさせなければいけない、そういう目的を実現しなければいけないんだと思います。

 そのためにどうするかといいますと、旧勘定については別に管理をいたしましょう、そしてその他についても、今谷垣大臣からありましたように、大量の国債を保有していることを踏まえて、市場関係者の予測可能性を高めるため適切な配慮を行うような、そういう制度設計をしていきましょうと。その中で、しかし、十年後には完全にその意味では民有民営になれるように、それをまさにソフトランディングといいますか、時間をかけてその方向をしっかりと求めていきましょう、そういう制度設計をいたしましょうということを今議論しているわけでございます。

松野(頼)委員 余り水かけ論みたいな議論はやりたくないんですけれども、では、その財投改革の一環として、政府系金融機関の改革というのも出てくると思います、財投債がたくさん入っているのが政府系金融機関でありますから。

 まず、谷垣大臣に伺いますが、国民生活金融公庫、これも財投債がたくさん入っています。今後、民営化した新会社に対して、もし大臣のお立場であれば、再び財投債を買ってもらいたいと思われるか。そして、中川大臣にもちょっと伺いたいんですけれども、中小企業金融公庫、これについても財投債を買ってくれという要請をしたいと思うか。これを伺いたいと思います。

谷垣国務大臣 財投債は、基本的にマーケットで消化をしていただくということでありますから、私は、財投債、やはり必要な部分がこれからもあると思います。

 国民生活金融公庫も、零細なところに貸していくというなかなか民間ではできない機能を担っておりますので、それに必要な原資はどこからか獲得してこなきゃならないわけでございますから、それが郵政であるのかどうかは別として、マーケットに必要なものはお引き受けいただけるような環境はつくっていかなきゃいけないと思っております。

中川国務大臣 中小公庫は、今、中小企業のセーフティーネットのために大変重要な役割を果たしておりますので、その状況の中で精いっぱい頑張っているところでございまして、今後どういうふうにするかについては、全体の議論の中で、本来の使命を果たしていくためにどうしていったらいいかということで考えていきたいと思っております。

松野(頼)委員 中小公庫であれば約六万二千社の方が借りられ、そして国民金融公庫であれば約百四十五万人の方が借りられ、そして住宅金融公庫にしても四百四十八万人の方が借りられている。

 確かに、官から民へ、民でできることは民で、この理念は僕は正しいと思いますよ。ただし、民の金融機関がしっかりしているという大前提でなければ、私はこの政府系金融機関は必要だと思いますし、特に、今言った政府系金融機関は、中小零細企業の皆さんや、また中所得者、低所得者の方が割とお借りになっているという現実を見ても、ここを急に改革して、そしてこれを例えば統廃合してみたり廃止をするということは非常に僕は危険な状態だというふうに思っています。

 であれば、何も、郵政民営化をして、官から民へというお金の流れを無理してつくる必要がないのではないかというふうに思っているわけですよ。何のための民営化かわからない。

 さっき言ったように、官から民に、民から官にまたお金が行ってという状況であれば変わりませんし、また、国民生活を見ても、多くの人が政府系金融機関、要らないと言う人は本当に少ないと思いますよ。

 ですから、どうか、もうこの水かけ論をやっていてもしようがありませんから、しっかりとそこの部分を指摘しておきたい。

 そしてまた、国民生活にとって、民営化すると自分たちの生活がこう変わるんだな、自分たちの中小零細企業にはこういう影響が出るんだなというのをはっきりと示していただきたい。そうすれば、何も、わからないと言われずに、その意味がぱんとわかればすぐ広がるんですよ、そういう話は。どうか、そこのところをしっかりと指摘させていただいて、次に行きたいと思います。

 続きまして、今の民営化に若干絡むんですけれども、内閣府の政府広報、竹中大臣が出られて、資料の三を見てください。

 これが郵政民営化に絡む政府広報であります。これは、それぞれ内容を見ていますが、閣議決定、もっと言うと与党の審査さえも終わらない状態でこの政府広報が出されているということが言われていますけれども、これに対してどうなんでしょうか、法的にこれは正しいんでしょうか。

竹中国務大臣 政府が行う広報全体を直接所管しているわけではございませんけれども、この郵政民営化に関しては、先ほどからも随分御指摘をいただきましたけれども、何のためにやるのかわかりにくいというような、もっと説明責任を果たせ、いろいろな御指摘をいただいてきたところでございます。その意味では、私たちとしてもしっかりとした説明責任は果たさなければいけないというふうに思っております。

 御指摘は、今の時期にやるのはどうかという御指摘だと思いますが、政府広報全体の考え方は担当からまたお話があるかもしれませんが、法案を国会に提出する前に政府が広報を行うということは、例としては当然あるわけでございます。例えば、消費税のときもそうであったと聞いておりますし、最近では、司法制度改革においても同じように政府の広報が行われております。

 我々としては、政府が説明不足であるという御指摘があることを踏まえまして、あくまでも、政府としての今の方針をしっかりとお知らせしなければいけないと思っております。もちろん、これは立法府を含めた国としての方針が決まっているというような誤解が国民に生じないように、十分に配慮して行っているところでございます。

松野(頼)委員 これは立法府の問題だと私は思うんですよ。やはり法律が通ってから、例えばいろいろな広報に、法案が通ったらこうなりますと一言書いてあればいいですよ。ただ、法案が通ってない、閣議決定だけでやるならばもう議会要らないじゃないですか、立法府要らないじゃないですか、全部閣議決定で行えばいいんじゃないですか。

 やはりそれは、与党、野党という話じゃなくて、政府と議会の問題ですよ。どうか与党の方の皆さんも、郵政民営化に対していろいろな意見があるかもしれませんから。立法権というのは政府だけではありません、議会にもあるんです。どうか自民党の皆さん、自民党案の法律を出していただければ、議会としても話し合うんじゃないですか。これは政府と議会の問題ですよ。どうかこういう広報は慎んでいただきたいというふうに思います。

 それで、随意契約がこれは随分あるんですね。資料に書いてあります。随意契約は、会計法上いいんでしょうか。

森下会計検査院長 お答えいたします。

 随意契約が妥当であるかどうかは、個々の契約などについて具体的に見てみないと判断ができませんので、一般的には今の御質問に対しましてどうだというふうには、この場ではどうだということは、この場ではお答えをする……(発言する者あり)いや、一般的にといいますか、会計法によりますと、まず競争契約が原則であります。そして、それができないときに随意契約が可能になるというような取り扱いになっていると承知しております。

松野(頼)委員 いや、今びっくりしたような答弁をされましたね。会計法の二十九条ですよ、二十九条。いや、ひどい答弁だね、今のは。予算決算及び会計令というのの九十九条ですよ。これをよく読んでください。

 具体的にと申されましたので、この中で、ちょうど政府広報で竹中大臣のを見ていましたらば、ほかの部分でちょっとおかしいのがありまして、資料の四を見てください。これは内閣府の政府広報の電算処理、情報処理業務庁費というもの。六千五百万と三千五百万の日本広報協会というところに出したどうもホームページらしいんですけれども、一億円のホームページというのは一体どういうホームページなのかと思って、伺いたいと思っています。

 これも随意契約だそうですが、官房長官、このウエブサイトの契約について御存じでしたか。

細田国務大臣 政府広報のウエブサイト、いわゆる政府広報オンラインでございますが、政府の重要施策の内容や各府省の情報等を国民にわかりやすく提供することを目的といたしまして、平成十四年度から開設、運営をいたしております。また、平成十五年度からは、ブロードバンド化に対応するため動画の配信を開始したところであります。

 政府広報オンラインは、規制改革等構造改革関連施策やイラク復興支援など多種多様な政府の重要施策を幅広く対象としておりまして、国民の皆様に最新の情報を提供し、内容についてできる限り御理解いただくため、各種コンテンツについて頻繁に制作、更新を行っております。

 執行した経費はこうした作業に必要な額であると認識しておりますが、いずれにせよ、多額の政府広報予算をいかに効率的に運用していくかということでございますので、今後とも不断の見直しを行いつつ、適切な執行に努めてまいりたいと思っております。

松野(頼)委員 これが随意契約であるということでありますが、会計法上、この随意契約が正しいんでしょうか、会計検査院。

森下会計検査院長 お答えいたします。

 ただいまの契約が随意契約によることができるものかどうかというのは、よくその契約内容等、そのようなことをいろいろと調査をしなければ判断ができないものであります。

松野(頼)委員 では、官房長官、この契約は随意契約でしたか。

細田国務大臣 御指摘のとおりでございまして、日本広報協会、社団法人でございますが、幅広い政府の施策全般について十分な知見を有するとともに、地方公共団体等のホームページのコンサルティング事業も実施するなど、広報手法その他広報全体に関する専門的な知識と経験を有していると認識しておりますので、同協会と随意契約を結んでおります。

松野(頼)委員 では、会計検査院、今の、契約をされた内閣府が言っているわけですから、これについてどうなんですか。法的に抵触しているんじゃないでしょうか。

森下会計検査院長 お答えいたします。

 ただいまの官房長官の御説明、それはそれなりの説明だというふうに今聞きましたところでは思います。

 しかし、さらに詳しくいろいろな状況を調べまして、それ以外のそういう適切な業務を請け負うところがあるのかないのか、そういったことまで調べませんと判断ができないものでございます。

松野(頼)委員 これ、きのうから通告している話でもありますし、法的にどうなのかということを聞いているんですよ、法的に。

森下会計検査院長 法的な判断をいたします場合には、そのもとになるいろいろな事情、事実をよく調べないと判断ができないわけであります。

松野(頼)委員 余りこれはやりたくありませんから。たしか、会計検査院に聞いたら、検査に行ったと言っていたんですけれどもね。どうですか。

森下会計検査院長 お答えいたします。

 内閣府における政府広報予算というのは非常に多額に上っております。したがいまして、私どもは毎年度内閣府に赴きまして検査をいたしております。

 そして、これらの契約につきましても、複数年度にわたって実施されているものでございますので、それらの各年度の実施状況あるいは経費積算の根拠などを比較しながら、現在検査を継続しているところでございます。

松野(頼)委員 これはもうこれ以上やりませんけれども、じゃ、資料の六を見てください。

 今の日本広報協会という団体の状況が出ております。そして、今資料に配らせていただいた同じ政府広報の中で、ほかにも日本広報センターとか日本経済教育センターとか、内閣府の広報を見ると、同じ金額で順繰りにテレビの番組を落札していたり、こういうことが行われていますので、どうか、特にこういうメディア物というのは目につきづらい部分ですから、しっかりと検査をして、内閣府もなるべく透明性を高めるような、随意契約をやめて、コンペをちゃんとやって、そういう契約にしていただきたいということを指摘して、この件は終わらせていただきます。

 もう一つ、どうしてもやりたい案件があるので。小池大臣、特定外来種の生態系による規制というのを行いましたね。これは、いわゆるオオクチバスの規制であります。私は、三百万人のスポーツフィッシングファンというものが日本に存在をしていて、そして一千万以上という釣り人の人口がいる中で、一方的にこれを規制されるというのは非常に痛い話だというふうに思っています。

 それで、オオクチバスを規制した根拠を教えてください。

小池国務大臣 オオクチバスの生息が確認されましてから在来魚の生息は確認できなくなったという例は、既に各地で報告があるところでございます。また、魚類学会の方からも、オオクチバスの分布拡大について長年指摘をされてきたところであります。

 これまで、環境省の方の会合におきまして、釣り関係者も入ったオオクチバス小グループ会合というのが開かれてまいりましたけれども、オオクチバスが生態系に被害を及ぼし得ることは否定できない、このような結論を出しておられます。

 また、オオクチバスにつきましては、世界自然保護連盟、IUCNでございますが、こちらで整理いたしました侵略的外来種の代表例ともされておりまして、生態系に対しての影響は国際的にも認められている、このような根拠がございます。

松野(頼)委員 では、世界の国の中で、オオクチバスを国が法律によって規制している国というのはあるんですか。

小池国務大臣 オオクチバスは外来種で、日本に連れてこられたということでございまして、もともとオオクチバスのいるところは、それは外来種ではないわけでございますので、それは各国の事情によるもの、このように思います。

松野(頼)委員 では、逆の聞き方をしますと、ほかの世界の国で、外来種を法律で縛って規制している国はあるんでしょうか。

小池国務大臣 外来種の問題は、昨日は京都議定書の発効ということでCOPが行われてきたんですが、もう一つCOPというのがありまして、こちらは生物多様性条約というのがあるんですね。この生物多様性条約は、それぞれが国の中での生態系をどのように守るかということで、各国が適切に判断をされてやっておられる、このように聞いております。

松野(頼)委員 だから、法律で規制して外来種を駆除している国はあるんでしょうか。

小池国務大臣 先ほど申し上げましたようなベースがまずあった上で、そして、外来種について、ニュージーランド、オーストラリアなどのところで実際に法律をもとにしてやっていると聞いております。

松野(頼)委員 世界の国で、法律で規制している国、私の認識ではなかったと思うんですけれども。いずれにしても、このオオクチバスの問題で、一方的な生態系だけの話ではなくて、青少年の育成だとか釣りファンだとかいう一方の方がたくさんいらっしゃるんですよ。

 それで、もう一つ、資料を見てください。環境も大事かもしれないけれども、釣りも大事なんですよ。資料の十一を見てください。これは、環境省が調査をした、皇居の水を抜いてどういう魚が生息しているかという資料です。

 これは、ブラックバス、ブルーギルが中にいましたけれども、在来魚八七%、それに対して、ブラックバスは〇・五九%、ブルーギルが一二%。こうやって、外来種と国内の魚とがちゃんと生存し合っているんです。

 例えば、北海道の釧路にイトウという魚がいました。このイトウという魚も今絶滅寸前と言われていますけれども、これとブラックバスは全く関係ない、因果関係がない、ブルーギルとも因果関係がないんです。にもかかわらず、以前は東北から生息をしていたこのイトウという魚は、今どんどん減ってきて、絶滅寸前だと言われています。先日話題になったメダカも同じです。ブラックバスだとか外来魚種と全く関係のない、生態系に関係のない部分でこういう魚が今絶滅しようとしている。これは何よりも環境の悪化なんですよ、一番の問題は、外来種というよりも。

 この資料を見られて、いかがでしょうか。

小池国務大臣 御提出いただいた資料というのは、今回のオオクチバスの指定ということに反対する方々がよくお使いになるんですけれども、これは、平成十五年二月から三月にかけて行われた、外来種の徹底した駆除を行うということで、水位を可能な限り低下させて魚類を捕獲したものでございます。そして、この結果が出たわけでございます。

 ただ、実は、この前から、その前年の五月から十一月の間に、十回にわたりまして、投網などによって外来種の捕獲、駆除を行って、そこでオオクチバス五百七十五匹の捕獲、駆除をした後の話で、さらにそれを徹底させるために、水を抜いてといいましょうか水位を下げて捕獲したものでございまして、既に駆除をした、だけれどもさらにそれを徹底しようということで行ったものでございます。そういった意味で、相当量のオオクチバスを駆除した後のもので、きょうお出しになったこの資料だけでオオクチバスの指定に反対をなさるという根拠にはならないのではないかと思っております。

 もとより、私、環境大臣でございます。生態系を守るということは私にとりましても大きな責任である、このように思っているところでございます。現在、小グループを経て、そして魚類の専門家のグループの方々が指定をされるということで、みずからの知見などを総合的に判断されて、専門家の皆さんも指定ということで結論を出されました。その後、全体会合におきましても指定ということで結論を出されたわけでございますので、今、パブリックコメントを経まして、生態系を外来種からどのように守っていくのか、私はよりスピード感を持って対応していきたい、これが私の責任であると思っております。

松野(頼)委員 もう一点言わせていただくと、資料の十番、これは専門家委員会が議論をしている最中に、小池大臣が閣議の後の記者会見で個人的な発言をして、流れが変わったというふうに怒っていらっしゃる方もいらっしゃいます。

 いずれにしましても、もう時間がありませんから、ある程度国内の釣り人とも共存をする、そして生態系も守っていく、もう少しゾーニングをしっかりとして、今四つの湖だけが漁業権が発生しているようでありますけれども、もう少し広げて、三百万人という釣り人も納得しながらゾーニングをきちっとするような、そういう落としどころをどうか見つけていただきたい、このことを強く要望いたします。

 答弁、お願いします。

小池国務大臣 私は、釣りを皆さんやめてくださいということは一切申し上げておりません。釣りも大変な愛好家があり、そしてまたそれの業界などもしっかりやっておられるわけでございます。よって、このオオクチバスの問題だけで釣りを否定しているということには受け取っていただきたくない。

 そしてまた、私は、特定外来生物を指定すべきである、先送りはよろしくないということを記者会見の方で申し述べさせていただきました。しかしながら、その後結論を出されたのは専門家グループであり、全体会合でございます。

 政府にはいろいろと各種の会合、審議会等々ございます。そうした中で、全く閣僚は一言も言わないのもどうかなというふうに思うときもございますし、ましてや、私はそういった会合そして会議の場所を提供するホテルの支配人ではございませんので、言うべきときは言わせていただく、こういうふうに思っております。

松野(頼)委員 いずれにしても、時間が参りましたので。一時間、こうして質問をさせていただいたこと、どうもありがとうございました。

 終わります。

甘利委員長 これにて松野君の質疑は終了いたしました。

 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵澄夫でございます。

 きょうは、この予算委員会での質疑の時間をいただきました。私は、常任委員会では財務金融委員会に所属しておりますが、本日はこの予算委員会の場で、もう一つの予算と言われております特別会計、これにつきまして質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 この特別会計、たびたび予算委員会でも取り上げられております。特に記憶に残っておりますのは、平成十五年、私どもの同僚議員でありました長妻議員、あるいは現埼玉知事となられました上田議員、お二人が、平成十五年二月の予算委員会あるいは財務金融委員会にてこの特別会計を厳しく追及されておられます。(発言する者あり)ほかの方もいらっしゃるかもしれませんが。

 この特別会計に関しまして、当時、塩川財務大臣、財務金融委員会の場で、この特別会計について、非常に問題である、こうお答えになられ、有名な言葉となりました、母屋ではおかゆを食って、辛抱しようとしてけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼きを食うておる、このように表現され、そして、この特別会計も護送船団の名残である、このように明言をされています。

 この特別会計に対して、当時、上田委員は、平成十五年の二月二十五日、財務金融委員会の中で、横断的に特別会計の見直しのプロジェクトをぜひつくっていただきたいという要請をされました。そして、それに対して塩川大臣は、これは財政審で言ってくれる、進めていきたい、このように答弁をされております。塩川大臣が、まさに答弁どおり、当時肝いりで、平成十五年四月にこの特別会計の見直しがようやくスタートを切った。これは、財政制度審議会財政制度分科会歳出合理化部会の特別会計小委員会という大変長い名前の部会で、特別会計の見直しというものをスタートされたわけであります。

 そこで、谷垣大臣に、この特別会計の見直し、これにつきまして、まず基本的な考え方というものを端的にお答えいただけますでしょうか。

谷垣国務大臣 馬淵委員がおっしゃったように、この国会での議論の中で、塩川大臣が、母屋でおかゆを食べているのに離れですき焼きを食っているのはけしからぬとおっしゃった。これは、一般会計に関しては相当いろいろ議論もして、いろいろ努力も積み重ねてきたけれども、特別会計には必ずしもそういう目も十分及んでいないし、やるべき努力もまだあるんじゃないかという問題意識だったと思います。

 それで、今おっしゃったように、財政審で平成十五年度、総ざらい的な見直しといいますかレビューをやっていただきました。それを、平成十六年度予算で事務事業の見直しとか歳入歳出を通じた構造の見直しというところに着手いたしまして、それで、昨年、平成十六年度にもまたもう一回、全体の三分の一ぐらいに当たります十の特別会計について、さらに深掘りの作業を財政審にやっていただきまして、昨年、答申を十一月にいただきました。

 今年度、平成十七年度の予算編成では、こういった提言を踏まえまして、例えば、産業投資特別会計の社会資本整備勘定では、NTT株式売却収入を活用した無利子融資制度、これは現在計画されている案件に限って措置して、一般会計繰り入れを縮減するとか、それから食管の特別会計では、麦政策の見直しということをやりまして収支改善を図って、平成十三年度から続いてきた繰越損失を解消したというようなことを今年度予算では入れております。

 それから、具体的な提言のない特別会計についても、平成十五年にとられた財政審の考え方に基づいて見直しを実施したところでございます。これは、経済財政諮問会議でも、さらに個々の役所にそれぞれ持っている特会をどういうふうに見直していくかというようなアンケートといいますか答えを求めまして、今またこれからさらに議論していこうということでございますが、今後とも、一般会計だけではなくて特別会計にも十分目を及ぼして、改善、改革の努力をしていきたいと思っております。

 また、国会におかれましても、十分、委員が取り上げていただいているわけでありますが、特会についてもいろいろ御議論、御批判を賜ればありがたいと思っております。

    〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕

馬淵委員 今、具体的なこともお答えをいただきましたが、その特別会計の見直し、ここでの基本的な考え方としては、いわゆる事務事業の見直し、そして歳入歳出構造の見直し、さらには説明責任、アカウンタビリティーの強化、そして区分経理の要否、こういった点が基本的な考え方として示されていると思います。しかしながら、果たしてこの特別会計の見直しが本当に離れ座敷のすき焼きを是正しているのかどうか、この部分について、私はきょうこの一時間を使って質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 この特別会計の構図、これは、お手元の資料に、この予算委員会では皆さんもう御案内のとおりでございますが、改めて確認をしていきたい。

 本年度の予算案では、特別会計は、一般会計八十二・二兆円に対して四百十一・九兆円。それぞれの会計のやりくりがございます。これらを歳出純計いたしますと、一般会計が三十四・五兆円、特別会計が二百五・二兆円となります。実に六倍、かつての予算委員会でも本当の財布と特別会計が呼ばれていたと十分に理解ができる規模であります。

 そして、財政審の見直しの中では、その問題点ということで厳しくチェックをする。例えば、不要不急の事業がないか。これは、いわゆる自己増殖的にふえる、必要でないむだな事業がないかということ。あるいは、硬直的あるいは過大になった資源の配分がないか。また、さらには、恒常的な不用や繰り越し、あるいはあり余る過剰な余剰金、こういったものがないか。こうしたところを問題点として指摘するとしています。

 こうした政府の取り組みに対して、私たちもしっかりと監視をしていかねばならない。いや、そうだけではなく、今後民主党が政権交代を図る、その上では、この特別会計、政府の財政審に任せていくだけではなく、私たちも、メスを入れるだけではない、大なたを振るわねばならないというつもりで特別会計の見直しに取り組みを始めました。

 さて、特別会計がどのような構図を持っているかということを改めて私の方から確認をさせていただきたいんですが、一般会計は、いわゆる予算の未消化の部分、ここに関しましては国庫に戻ります。しかし、特別会計の場合は、例えば自主的な財源、目的税や保険料等々、こうしたもので賄われている特別会計、これに関しましては、余れば基金や積立金などで内部留保が図られます。また、特別会計が赤字になれば、一般会計から補てんもされます。

 つまり、特別会計というこのもう一つの財布、六倍にもなんなんとするこの本当の財布の部分でいえば、三十一の省庁に連なる特別会計が今あるわけですが、一たんその特別会計に流れ込んだお金、これは、その縄張りに入ったお金は、もう一滴も漏らさず、一円も漏らさずに出さないという仕組みができ上がっている。母屋に返すことはなく、離れで自分たちのためだけに使うという構図ができ上がっている。そこに連なるOBの天下り先法人へのお金の還流や、あるいは天下りそのものといった流れが、この構図の中にあると言われています。

 さて、三十一ある特別会計でありますから、きょうこの場所で、特別会計の問題についてということで、政府のその方針について私はただしていきたいというふうに申し上げましたが、三十一すべてやるわけにはまいりません。きょうは、その中でも労働保険の特別会計、これに着目をしてお話を伺っていきたい。

 と申しますのは、先ほど申し上げた平成十五年、そのときの塩川大臣、予算委員会の中では明言をされておられます。当時の予算委員会の中で、ちょうど平成十五年三月三日でありますが、総理とも相談いたしまして、やはり構造改革の一つの大きい目玉として、特に自主財源を持っておる特別会計から検討をしていきたい、このように明言されています。いわば、総理の肝いりで構造改革の目玉としての特別会計の改革を進める、このように述べられているわけであります。したがいまして、きょうは、この労働保険の特別会計、これについてお伺いをしていきたい。

 この労働保険は、もう皆さん方も御案内と思いますが、雇用勘定と労災勘定から成ります。徴収勘定というのももう一つございますが、これは徴収事務を行うための勘定でして、実態的には、労災勘定、雇用勘定という二つの勘定から成り立っています。それぞれが、保険料の名目で、事業主並びに国民の皆さん、つまり労働をしている方々から徴収したお金を自主財源として持っている特別会計であります。

 この特別会計、財政法の十三条にありますように、いわゆる政府の行う事業と区分経理をする必要がある、雇用の保険事業であったりあるいは労災の保険事業を明確にさせるためにということで特別会計となっているわけでありますが、私も今回、特別会計の改革、見直しのための党内のワーキングチームの中で取り組みを始めました。これは、八百ページあるんですね。この八百ページの特別会計の予算書、これをひもといていくわけですが、大変わかりにくくなっています。

 この大変わかりにくい特別会計を少し皆さん方にもわかりやすく見ていただけるように、私の方でチャートを引き直しました。お手元の資料の二枚目であります。予算書ではわかりにくいんです。そして、それを分解いたしました。

 この労働保険特別会計は一般会計からお金が流れています。これが、四千二百六十一億円、そして十三億円と、それぞれ雇用勘定、労災勘定にお金が入っている。そして、労働者あるいは事業主の皆さん方に保険料として納めていただいたお金が三兆九千億円、これが労災勘定、雇用勘定にそれぞれ流れます。一兆五百億円と二兆八千五百億円、約でございますが。こうして、それぞれの勘定に入ったお金が労災や雇用の事業に充てられている。そして、先ほども申し上げたように、事業で消化されなかったもの、余ったお金、これに関しては、剰余金として、積立金として積み上がる。

 これを見ておりますと、中に、独立行政法人運営費等というお金が出てまいります。この独立行政法人運営費等というものについて、予算書を見ていきますと、厚労省のこの特別会計に関与するいわゆる独立行政法人八法人にお金が流れているのが見てとれます。

 八法人だけで見ますと、これは、高齢・障害者雇用支援機構、労働者健康福祉機構、労働政策研究・研修機構、産業医学総合研究所、産業安全研究所、雇用・能力開発機構、福祉医療機構、勤労者退職金共済機構と八つあるわけでありますが、名前だけ聞いたら一体何をやっているかわからないようなこの独立行政法人機構でございますが、これらに、八つの独立行政法人に、平成十六年度三千二十二億、そして今回の予算案では二千八百五十三億が計上されております。

 しかし、実態としては、関連する法人に流れているお金はこれだけにとどまりません。私は、どのようなところに、関連法人にお金が流れているのかということを何度も何度もただしていったわけでありますが、なかなかこれは、説明していただいても、細かいところは出てこない。ようやく厚労省さんの方からお出しいただいたのが、お手元の資料の三枚目、四枚目であります。この労働保険特別会計の雇用勘定と労災勘定、それにかかわる独立行政法人並びに認可法人、公益法人、実に労災勘定においては三つの認可法人と二十九の公益法人、雇用勘定においては一つの認可法人と四十の公益法人、合わせて平成十六年度では三千七百九十二億のお金が流れています。そして、平成十七年度でも三千六百八億円。

 こうした法人に流れているお金、そしてこの法人数、かつてを見ますと、平成十三年のころを見てみますと、公益法人、労災勘定、雇用勘定、これらを見ますと、合わせて十ほどがふえている。総額的には減らした減らしたとおっしゃるかもしれませんが、実態的には流す器はふえている。

 これら四十にも上るような関連法人、こうしたところにお金が流れているということに対して、一般会計から四千二百七十四億円のお金が入る。これはつまり、税金から入ったお金が労働保険のそれぞれの勘定に流れている。さらには、国民の皆さん方から、事業主あるいは労働者の方々から保険料として徴収したお金が三兆九千億円も入っている。そこから、この三千六百億、あるいは昨年度でいえば三千八百億弱といった関連法人に流れている状態を見て、この実態をまず谷垣大臣はどのようにお感じでしょうか。また、所管する尾辻大臣もどのようにお感じでしょうか。

谷垣国務大臣 詳しくは厚生労働大臣から御答弁があると思いますが、委員が御指摘の労働保険特別会計では、雇用保険三事業、これは雇用機会の増大等を図る事業、それから被災労働者の社会復帰の促進を図るという観点から労働福祉事業をやっておりまして、それを運営するために、結果として今おっしゃったような関連する事業を行っている法人に交付されているものというふうに承知しております。

 法人数のみを挙げてどう評価するかということは必ずしも私うまく言えないんですが、今現在、この特会では、真に必要な事業に重点化するといった各事業の見直し、それから運営の効率化ということを進めていただいておりますので、こういう観点から、資金が流れている法人についても適切に見直しが行われていくものと思っております。

尾辻国務大臣 本日御指摘があるということでございましたので、改めて数字も調べてみました。確かに、平成十五年度予算では六十九法人に対して四千三百二十六億円、平成十六年度予算では六十一法人に対して三千七百九十二億円、それから平成十七年度予算では六十二法人に対して三千六百八億円、こういう支出になっております。御指摘のとおりでもございます。

 そこで、これに対する認識でございますけれども、これも先ほど来お述べになっておられますように、労働保険特別会計というのは、まず保険給付を行う、これが一番メーンのことでございます。ただ、そのほかにも、労働者及びその遺族の福祉の増進を図るために、今財務大臣からもお話がございましたように、労働福祉事業を行っております。あるいはまた、雇用の確保のために事業主に対する助成金を支給いたしますなど、失業の予防、労働者の能力開発などを図るために雇用安定事業も行っております。こうしたさまざまな事業を行っておるということを申し上げたところであります。

 そして、これらの事業につきましては、国が直接実施するよりも、労働災害防止の取り組み、雇用管理や職業訓練の実施等について専門的な経験、ノウハウを有する法人が行う方が効率的であり効果的である場合には、各事業の性質に応じて、独立行政法人、公益法人等に補助金を出して、今やっていただいておる。先ほどの数字を申し上げたところでございます。

 したがって、そうした事業も行っておりますので、補助金をそういうふうに使ってもらっているということを申し上げました。

馬淵委員 どう感じているかということをお聞きしたかったんですが、事業をやっている、やっているというのは、また後で私もいろいろお聞きをしていきますが、これだけ多くの法人にお金が流れているというのを、改革をやっていると言いながら、これは皆さん果たして納得できる数字なんでしょうか。

 もう一つ、またお聞きしましょう。基本的に特別会計を見直しするということを判断していただいた政府の方針、これはまず正しいと思います。しかし、きょうここで明らかにしていかねばならぬのは、やるやると言って一つもやっていないじゃないかということ、これがここの中で明らかになっていく、私はそう思っています。

 まず、今関連法人の公費の還流の話をお聞きしましたが、では、違う視点でお聞きします。今資金を受けているこうした関連法人、これらに対して天下っている厚生労働省もしくはそれ以外の国家公務員の再就職、役員として務められている方は何人おられるでしょうか。尾辻大臣、お答えください。

尾辻国務大臣 再就職状況調査によりますと、平成十五年八月十六日から平成十六年八月十五日までの間に本省の課長、企画官相当職以上で退職した職員で、労働保険特別会計から補助金等を支出している法人への役員等として再就職した者は八名でございます。

馬淵委員 今平成十五年というお話でした。その年度で八名、これは新たに累積でお尋ねしなきゃならぬ数字だと思いますが、とんでもなく少ない数字をおっしゃっています。

 では、改めて別の視点でお話ししますと、特別会計の問題は、もちろんかねてより指摘されている話で、天下りあるいはそこへのお金の流れ、公費の還流という部分、これについて、例えば独立行政法人の福祉医療機構、これは理事長に元厚生次官山口剛彦さんが務めておられます。平成十五年の報酬で二千六十四万円ですか、そういう形で、この山口次官がお務めになられている。

 天下り先にこうした高額の報酬を受け取る形で、いわゆる渡り鳥そして公費の還流、この仕組みに関しては、尾辻大臣、どのようにお感じでしょうか。人数が八名だから、少ないからいいというお考えなんでしょうか。あるいは、尾辻大臣、これに対しては大変問題あるとお考えなんでしょうか。端的にお答えください。

尾辻国務大臣 先ほど総数のお話もございましたから、改めてそのこともお答えを申し上げます。

 労働保険特別会計から補助金等を支出しております法人の役員等のうち厚生労働本省出身者は、平成十六年度で五十一法人に対して延べ百六十一名となっております。ただ、延べと言っておりますのは、一人で複数の者もございますので延べと言っておりますが、百六十一人となっておる、この数字を改めて申し上げます。

 そこで、どう思うかということでございますが、天下りというのが決して好ましいものではないと私は思っております。

馬淵委員 三けたに乗る数字の方々が行っているわけです。明らかになりましたが、これは公費の還流とそして人の流れ、さらに、私はもう少し話を先に進めたいと思っていますのは、縄張りをつくっておられる、そしてそこにお金を流す、人も送る、そして、いわば離れの座敷ですき焼きを食べながらどんちゃん騒ぎをする。でも、それだけじゃ何にもならぬ。何かせにゃならぬ。仕事をつくっているんですね、不要不急の事業を行っている。この仕組みにつきまして、少し触れていきたいというふうに思います。

 この不要不急の事業、例えばこれが箱物事業であります。これも、かつてこの予算委員会の場で厳しく追及された部分でございますが、雇用三事業のむだ、これを少しまとめてお話をしますが、この予算委員会の場で、平成十五年二月の十二日でございました。勤労者福祉施設二千七十カ所、廃止決定がされておりますが、これらについての処分、スパウザ小田原やあるいは中野サンプラザといった有名施設の処分が話題にもなりました。

 これは、お手元の資料、直近の結果でございます。かつて予算委員会で、ここで取り上げられたときにはまだ中途経過でしたが、最終的にはすべてということでしょうけれども、現時点においては千九百五十四施設、これらの施設が譲渡が終わった形になっています。そして、これらの譲渡の結果は、次の資料にありますように、千九百五十四施設は、譲渡価格は百二十二億、これらにかかる建設費は四千百九十億。実に三%という安値でたたき売られた。これもたびたびこの場でも御指摘があったはずです。不動産の鑑定評価額は六百八十二億なんです。これが三%という安値でたたき売られた。そして、そのときの御答弁は議事録にも載っています。あるいは、厚労省の役人の方々が私にも説明に来ました。解体費などを差し引くとこういった金額になりますと。しかし、四千五百億かけて、そしてそれが要らないとなって処分する、つまり、四千五百億がむだになったという事実がここに明確に残っています。

 そして、これだけにはとどまりません。雇用促進住宅、これも同じく平成十五年二月十二日の予算委員会の中で議論されておりました。全部で千五百三十四カ所ございます。この雇用促進住宅、炭鉱離職者の一時的な住まいとして用意された移転先でありました。千五百三十四カ所、実に十四万世帯もの住宅がつくられた。余り一般的でないというのは、厚労省の担当部局の御説明によれば、民業圧迫になるから、いわゆる積極的な募集はしない、このようにおっしゃっておりました。公的資金でつくる賃貸の安値の住宅が民業圧迫にならないはずがありません。にもかかわらず、この雇用促進住宅は延々とつくられてきた。そして、廃止の方向にはなったわけでありますが、独立採算で維持管理できるものだけは残す。この整備費は約九千五百億円であります。

 こうした雇用促進住宅をつくって、いわゆる離れですき焼きを食ってどんちゃん騒ぎをしているだけではおさまらない、何か仕事をつくらなきゃならぬ、箱物をつくる。勤労者福祉施設であり、雇用促進住宅である。しかし、これも廃止の憂き目にぶち当たった。新規の建設が抑制されるという方向になったんです。その中で、官僚はどうしたか。まさにゾンビのようなしぶとさで残ろうとしているんですよ。

 次が、やろうとしたのが、私のしごと館でございます。これは、勤労者福祉施設、雇用促進住宅はつくれないが、新たにつくれるものはないかといって登場したのが私のしごと館。私の地元から三十分ほどのところにございます、京都府南部にありますが、これは立派な施設です。パンフレットがここにありますが、この私のしごと館、建設費が五百八十一億です。五百八十一億の建設費。そして、これはもちろんのこと、雇用勘定から出ています。

 全国に一カ所だけつくる、テーマパークのような、パビリオンのような建物でありますが、この平成十七年の予算を見ますと、これが、収入は、いわゆる入館料で取れるものが七千二百万円、その他の収入が一億三百万円。それに対して支出は、予算で計上されていますのは十五億七千八百万円。これは、毎年ここからまた十四億円を、運営交付金で足らず前を埋めるということがこの予算の中にも盛り込まれている。

 いいですか。特別会計というこの別の財布、いや、本当の財布という議論はここでもされていたんですよ。そして、それを改めるということで、財政審で見直しをかける。小泉総理が、特に自主財源のあるものに関しては徹底的にやるんだと言った、構造改革の目玉だと平成十五年におっしゃっている。それを取り組んで、先ほどもお示ししたように、どう変わってきたのか、この会計の構造が。何も変わっていないじゃないですか。

 特殊法人、確かにこれは独立行政法人に変わっていった。衣がえしただけですよ。関連法人はふえている。さらに、新たな事業をつくれなくなったら、何とかつくれるものはないか必死になって考えている。天下りだって三けたを超える方々が流れている。何も変わっていないんですよ。まさにいつまでもいつまでも続くこの流れ、これは特別会計の見直しを図っているなどとは到底言えない。構造改革がまさにまやかしであるという実態をここに明らかにしているじゃないですか。

 さて、今、私、箱物に関しては三つ続けてお伝えをしましたが、雇用勘定の積立金のところをちょっと見ました。雇用勘定のところは、積立金を見ますと、これは失業保険のいわゆる給付の部分です。景気が悪化した、苦労されております、皆さん。その中で、失業保険の給付が当然ながらこの数年ふえたわけです。

 過去をひもときますと、平成五年には四兆七千五百二十七億円の積み立てがございました。しかし、毎年毎年これを取り崩さねばならぬようになった。失業者がふえたわけです。そして、平成十五年にはこの四兆七千五百億が八千億にまで減りました。実に最大値から一七%にまで下がってしまった。平成五年をピークにしてずっと給付がふえて積み立てが削られていた。にもかかわらず、先ほど申し上げた例えば雇用促進事業は、平成十一年までつくられ続けているんですよ。平成十一年の運営開始です。

 雇用保険は、まさに事業主と働く者が、社会保障制度の中で自分たちが少しでもそれを負担しながら助け合おうということでつくった社会保障制度の基本であるにもかかわらず、その積み立てにお金を使わずに不要不急の事業に流れているこの実態。すき焼きを食べるではおさまらず、それこそ、さらにその後飲みに行っての大騒ぎ、これをどのように考えるか、尾辻大臣、お答えください。

 そしてもう一点、尾辻大臣、私が今申し上げたように、積み立てが八割以上も減っているんですよ。そして、箱物に関しては、勤労者福祉施設が四千五百億、雇用促進住宅が九千五百億、そして私のしごと館でも六百億ほどのお金を使っている、一兆四千六百億。これらのお金がむだ遣いになっている。このむだ遣いがなければ、雇用保険の保険料、引き下げや据え置きということもできたんじゃないんですか。尾辻大臣、お答えください。

    〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻国務大臣 労災保険の積立金でございますけれども、現在は、年金受給者のための責任準備金としての性格を有するもの、すなわち、既に被災している年金受給者が生涯にわたって受給することが見込まれる……(馬淵委員「雇用保険です、雇用保険です」と呼ぶ)労災保険じゃありませんか。(馬淵委員「雇用保険です」と呼ぶ)雇用保険ですか。

 いずれにいたしましても……(馬淵委員「ちゃんと聞いてくださいよ。皆さん本当に、聞いて怒りますよ、この話は。ちゃんとお答えください」と呼ぶ)積立金が必要であるということは、これは改めて申し上げるまでもないと思います。一つの年金の仕組みでございますし、今、この仕組みというのは、委員は当然御案内だと思いますけれども、充足賦課方式でやっておるわけでありますから、この考え方の中で積立金を必要としておる、そのとおりではございます。(馬淵委員「いや、雇用保険ですよ、雇用保険」と呼ぶ)

 その数字については、局長より答えさせますので、お聞きをいただきたいと思います。

馬淵委員 ちょっと待って。全然違うじゃないか、答えが。聞いていないじゃないか、大臣。

甘利委員長 もう一度答弁をさせます。

 尾辻厚生労働大臣。

尾辻国務大臣 まず、雇用保険三事業についてでございますが、これまでも事業の効果的、効率的な運営を図るために、関係団体を通じた助成金支給業務等の対策を含めまして見直しを行ってきたところでございまして、今後とも目標管理を徹底することにより事業の見直しを努めてまいりたい。要するに、目標管理を定めておりまして、そこでやってきた、こういうことでございます。(発言する者あり)それでは、御質問をお聞きいたしましてお答えいたします。

甘利委員長 大臣、もう一度質問をしてもらいます。よくお聞きください。

馬淵委員 いいですか、もう一度確認しますよ。

 むだがあると私は先ほどから御指摘しているんですよ。勤労者福祉施設四千五百億、雇用促進住宅九千五百億、私のしごと館も入れれば一兆四千六百億、これだけのむだがあるんじゃないですか。このむだを、不要不急の事業に向けずに雇用保険の積み立て、ここに向ければ、保険料の引き下げやあるいは据え置きだってできたんじゃないですか。なぜそのことを省内で議論ができなかったんですかとお尋ねしています。どうですか、大臣、お答えください。

尾辻国務大臣 不要不急の事業の見直しが進んでおるかというふうにお尋ねでございますと……(発言する者あり)いや、そういうお尋ねだと思いますのでお答えいたしますけれども、雇用保険三事業については、申し上げましたように、これまでも見直しを行ってきたところでございまして、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四、これは平成十六年六月四日に閣議決定されたものでございますが、そうしたものを踏まえて、その役割を十分果たせるように、労働移動支援やミスマッチ解消等に資する事業への重点化、民間の創意工夫の活用等による事業の効率的、効果的な実現を図っていく必要があると認識して、このために取り組んできたところでございます。

 平成十七年度予算では、このような考え方に基づき要求させていただいておりまして、この中では、助成金のさらなる整理統合を行うなど事業内容のめり張りある見直しに取り組み、全体として前年度予算より支出を五・九%削減しておるところでございます。

 雇用保険三事業につきましては、各事業ごとに、申し上げておりますように目標を設定いたしまして、年度終了後に事業評価を行い、それを踏まえた事業の見直しを行うこととして、今年度は既に八十事業について目標設定を行ったところでございます。平成十七年度は、評価対象事業の拡大やより適切な成果目標の設定により目標管理に基づく事業の見直しをさらに進めてまいる、こういうことでございます。

馬淵委員 大臣、私は、尾辻大臣は非常に誠実にお答えいただけるとお聞きしていたので、きょうはちゃんとお答えいただけると思って来たんですが、全く私の質問にお答えになられていませんよ。

 もう一度確認しますよ。いいですか、四兆八千億近い積立金があったんです。不況になって、これが給付がふえてどんどん減っていった。積み立てをふやさにゃいかぬじゃないですかという状況でも、むだな事業と思えるようなものにお金が流れていたんですよ。だから、これをしなければ、大臣、所管大臣がそのときそれをとめてしなければ、保険料率の据え置きや引き下げだってできたんじゃないですか、どうですかとお聞きしているんです。大臣、お答えください。レク、要らないでしょう。お答えください。

尾辻国務大臣 むだ遣いがあるかどうかという話に、どうもお聞きしておりまして尽きると思いますので、私、もう一回きっちりチェックをいたしまして、むだ遣いがあれば当然そこは改めなきゃいかぬと思いますので、私の目でしっかり確かめさせていただきたいと思いますから、そこのところの確認のための時間だけはお与えいただきますように、改めてお願いを申し上げます。

馬淵委員 では、もう一つの勘定に行きましょう。

 労災保険勘定というのがございます。今私は、雇用勘定のひずみというんですか、ゆがみを指摘したわけでありますが、この労災勘定についてもちょっと言及したいと思います。

 労災勘定は、いわゆる労働災害における傷病等の保険の給付、あるいはそれによっての死亡の年金の給付、これに充てられるわけであります。この残高、積立金、先ほどの図にもありましたように、労災勘定でも積み上がっていくわけですね。先ほどの図にありましたように、労災勘定、毎年毎年積み上がっていきます。平成十七年度の予算では二千百二十五億の積み立てが予定されているわけでありますが、これを、累計を見ますと、現在、七兆六千二百八十三億、これだけのお金が積み上がる。そして、運用益は千二百二十九億であります。

 七兆七千億にも及ぶこの積立金、一部の議論では、これがあり余っているんじゃないかという議論もございますが、この年金給付に充てられるであろう七兆七千億弱のこれらの積立金、将来の給付に対してこれはまだ足りないのか、あるいは現時点において何%の充足になっているのか、お答えいただけますか。

青木政府参考人 労災保険の積立金でございますけれども、今委員お話しになりましたように、労災保険は年金給付をしているということでありますので、いわば将来にわたって給付が出ていく、こういうシステムが一部入っているわけであります。

 労災保険制度は、労働災害に伴う補償責任は、事故が発生した時点における事業主集団が負うべき、そういう観点で考えております。そういう考え方から、その時点で全額必要な額を徴収するということに考え方は立っているわけでございます。そういうことで、当該年度は全部支出するわけではありませんので、これを積立金として保有しているということでございます。そういう意味では、いわば責任準備金というような性格のものだと思います。

 それで、御質問があったところでありますが、これについては、こういう考え方をとりましたのは当初からではございませんので……(馬淵委員「数字だけ言ってください」と呼ぶ)今現在では、必要積立額の九六%ということとなっております。

馬淵委員 足りないんですよね、九六%にまでは達成しているけれども、責任準備金として、九六%ということで、まだ足りないということなんです。

 この積立金、私も、これは厚労省の方に来ていただきまして、どういう計算をするのか、これは非常に複雑な計算でした、計算方法をお聞きして、そして、それらのもととなる指標に問題がないか、いわゆる年金コンサルタント、アクチュアリーの、計算をされる方々にも私はヒアリングをして回りまして、そこに何か瑕疵はないのか、問題はないのかということを確認させていただきました。

 問題となる点は、例えば医療技術の進歩によって年金の平均受給期間が延長する、いわゆるこれは長生きリスクというものです。あるいは、運用の利回りが低下してしまって、その運用益が思ったように上がらないといったことが想定されるわけです。つまり、現時点でも足らない年金の、まあ年金だけではありませんが、積み立てである、そしてこの先もまだ足らなくなる可能性がある、いわゆる毀損の可能性がある積立金であるということが確認されたわけであります。現在でも運用益は、二%を想定されておられたようですが、昨今の状況ですから、その二%を下回る運用益で上がっているようでもありました。

 さて、この労災勘定の積立金、年金給付の原資として毀損状態にあるかもしれないというところで、本来ならば積み立てを急がねばならぬというところであるにもかかわらず、これも、労災勘定はまた、給付の積み立てのためには使わずに、別のところで使っている部分があるのではないかというところを少し御指摘させていただきたい。

 これが、労災保険勘定の中で保険給付外の労働福祉事業に使われているお金というところを見ますと、平成十七年で二千四百八十三億円ございます。この二千四百八十三億円、保険給付以外に使われているわけでありますが、例えばどんなものがあるのか。労災勘定の箱物とはどんなものか。

 全国三十七の労災病院、医療リハビリテーションセンター、総合せき損センター、十三カ所の看護専門学校、リハビリテーション学院、労災リハビリテーション工学センター、六カ所の勤労者予防医療センター、二カ所の健康診断センター、海外勤務健康管理センター、四十七カ所の産業保健推進センター、八カ所の労災リハビリテーション作業所、四カ所の休養所、納骨堂、労災保険会館、こういったものが独立行政法人の労働者健康福祉機構で運営されているわけです。そこに充当されるのが、先ほど申し上げた二千四百八十三億円、このうちの幾ばくかが流れていくわけです。そして、例えば労災病院の中にある売店の運営は財団法人労働福祉共済会に委託されているという、まさに先ほどの雇用勘定と同じような仕組みが箱物の中でどんどん行われている。

 私、これをいろいろ調べていく中でわかってきたんですが、この話を見ますと、何か似たような話があったなというところに気がついたんですよ。昨年の年金問題と全く同じ構図じゃないですか、これは。昨年も、政府提出の年金法案、出生率を甘く甘く見積もって、将来の年金給付の不安を残しながら、一方でグリーンピア等大規模の保養所施設などをつくっていた。こうした中で、本来に回さにゃならぬ資金を積み立てずに、全く必要のないところにお金が流れていく。この構図は同じなんですよ。いいですか、大臣、これは、今回もこの特別会計を見直していきますと、一つ一つがすべて同様の構図で残っているのがはっきりしていきます。

 さて、この箱物、労災病院の問題でありますが、先ほど申し上げたように三十七カ所ございます。この労災病院、そもそもの存在意義は果たしてあるのか。既に特別会計の見直しで、休養所、労災会館、これは廃止が決まっているようです。しかし、労災病院に関しては、統廃合の検討は行われているという程度でありまして、果たしてこの労災病院というものが本当に今日必要な状況にあるのかということ、そこにまで踏み込んだ検討は行われていないようです。

 そもそも労災病院というのは、民間の医療施設が十分に整備されていなかった時代に、炭鉱労働者が粉じんによってけい肺病という非常に特殊な病気にかかった、その治療のためにつくられた施設でありました。この炭鉱粉じんの災害、まさに労働災害によってなったけい肺病の治療のための病院、その使命というのはもう既に終わっているのではないかとさえ私は思うわけであります。

 この労災専門病院、いわゆる労災病院の入院、外来に占める労災患者の割合、これは、お手元の資料をごらんいただいたらわかると思いますが、昭和四十年度、入院患者のそれは三七%、そして外来患者の労災患者比率は一二・三%、平成十五年で見れば、これがおのおの四・五%と五・四%にまで下がっています。

 こうした状況の中で、労災の治療というのは、別に一般の病院でも受けることができるんですよ。何も労災病院として全国三十七カ所に整備する必要が果たしてあるのか。尾辻大臣、この労災病院の存在意義はあるのかということについてお答えください。

尾辻国務大臣 労災病院についてでございますが、この労災病院は、職場、職業に関連した疾病に関する予防から治療、リハビリテーションに至る一貫した高度専門的医療を提供いたしております。したがいまして、例えば、じん肺でありますとか産業中毒だとか振動障害、メンタルヘルス、脳・心臓疾患など、申し上げたような、職場、職業に関連した疾病に関する予防から治療を行っておる、そういう存在価値があると考えております。

 そこで、各都道府県ごとに設置をしております産業保健推進センターと連携して、事業主及び勤労者に対する健康確保に関する啓発活動でありますとか、職業環境の改善指導などを行いまして、事業場における産業保健活動を支援しておるところでもございます。

 労災病院は、民間病院では行うことが難しい労働者医療を全国的なネットワークを構築して提供しておりまして、被災労働者の早期職場復帰のほか、勤労者の健康確保の面においても重要な役割を果たしておると考えております。したがって、このような役割を担う労災病院は福祉事業として行う必要があると考えておりますけれども、ただ一方、申し上げておりますように、平成十六年三月三十日に労災病院の再編計画を策定して、機能の再編強化を図ろうといたしておるところでございますから、今後ともこうした計画に従って再編は進めていきたい、こういうふうに考えております。

馬淵委員 では、重ねてお尋ねしますが、全国三十七の労災病院の中で利益を上げているのは幾つですか。

尾辻国務大臣 今調べさせておりますので、後ほどお答えをいたします。

馬淵委員 これは、私が聞いた限りでは二カ所だけとお聞きしているんですよ。全国三十七の労災病院の中で、利益を計上されているのは二カ所。積立金、先ほど申し上げたように、年金給付に充てられるべきこの積立金、責任準備金、七兆八千億でもまだ九六%、足らないんだという状況の中で、しかも、この状況の中で、労災病院関連、たくさんの箱物がある中でお金が流れている。そして、それは赤字経営になっているんですよ。

 そして、今おっしゃったが、存在意義はあるとお話しですけれども、労災によってかかる入院患者や外来患者は、もう五%近くにまで来ている、五%に満たないものもある。民間病院で対応できるかもしれない、いや、本来ならそういったところに踏み込むのが本当の改革じゃないですか。必要だ、必要だと言って、先ほど私が申し上げたように、ゾンビのように私のしごと館をつくる雇用勘定、同じように、労災の病院や関連施設を守ろうとする、官僚の官僚のための官僚によるその作業がずっと繰り返されている。

 私は、繰り返しここでも御指摘を申し上げたい、本当に改革がなされているのかということ。全くされていないというのが現状じゃないですか。そして、この不要不急の年金給付以外の事業、これに流用することなく積み立てていくということが本来の姿勢で必要なはずなんです。

 尾辻大臣に、では、今度は再度確認ですが、間もなくこの積み立ても当然ながら充足していくでしょう。そうなった場合には、この保険料というもの、労災保険料というもの、これは引き下げていただけますか、お尋ねします。

青木政府参考人 ちょっと、ただいまの質問の前に、その前のところでお答えをできなかった点についてお答えしたいと思います。

 労災病院の各病院ごとの収支でございますけれども、黒字になっているのが二十二、それから赤字が十五です。総トータルで七億二千百万円の黒字ということになっております。

甘利委員長 その後の質問は。後の質問。

青木政府参考人 保険料率の御質問でありますけれども、先ほど申し上げましたように、積み立て不足の分については、御指摘になりましたように、もちろんその部分が充足されれば以後必要なくなるということでございます。

馬淵委員 いや、大臣にお伺いしているんですよ。保険料率に関しては引き下げを約束していただけますかと確認をしているんです。

尾辻国務大臣 今直ちにお約束するものでもありませんが、保険の世界でありますから必ず給付と負担のバランスというのはございます。その中で判断されるべきだというふうに考えます。

馬淵委員 いや、むだなところにお金を回さずに積み立てていけば充足するわけです。そのときには下げられるはずなんです。それが今お答えできないということが私はわからないんですが、もう時間もありません。

 最後のところに、谷垣大臣もいらっしゃいますので確認をしていきたいんですが、事ほどさように、この労働保険特別会計を一つとってみても、この見直しというものが果たして本当に十分にきいているのか。現実を見れば何一つ変わっていないという姿がここに浮き彫りになるんじゃないでしょうか。

 総ざらい的な見直しというのが果たして抜本的な見直しになっているのか。八百ページにも及ぶこの内容を見ても、本当にわからない、わかりにくい。時間をかけて、しかも何度も何度も役人と交渉しながら、やっとのことでひもとく。アカウンタビリティーの強化とはほど遠い。あるいは、歳入歳出構造や事業の見直しに関しても、先ほど申し上げたように、次から次へと箱物をつくっていく。雇用促進住宅ができなければ私のしごと館をつくっていく。こうした今の取り組みの流れの中で、果たして特別会計の見直し、この小委員会が抜本的な改革ができるんでしょうか。

 私は、ここで大臣がはっきりと、責任を持ってこのガバナンス強化を、改めて違う形ででもやるとここで明言していただきたい。これに対して大臣、しっかりと私に明言していただけませんでしょうか。

谷垣国務大臣 特別会計に対するガバナンスを強化していくということは、これは当然やらなければならないと思っております。

 今の委員の御議論の中でも、例えば私のしごと館にお触れになりました。委員は奈良一区の御出身ですからすぐ近くでいらっしゃるけれども、私も中選挙区時代、京都の南部を選挙区にしておりまして、まだ私のしごと館も見たことはございませんけれども、委員のおっしゃったような意味での批判のあることも私は承知しております。

 他方、今、若年者の雇用をどうするか、ニート対策、若い人たちに職業意識を持っていただくためにはどうしたらいいかというようなものにあれを利用したいという声があるのも聞いております。ぜひとも、今の委員の批判にこたえられるような運営をしていただきたいと私は思っているんです。

 それで、その上で、私どもも財審等で見直しをやってきました。それから経済財政諮問会議でも、これからさらに議論を深めてまいります。そして、今、アカウンタビリティーも余りないとおっしゃいましたけれども、これは取り組み出したばかりでございますけれども、アカウンタビリティーの強化ということにもさらに努めていきたいと思っておりますし、また、委員のこういう厳しい御意見も国会で聞かせていただいて、私たちもそれにこたえられるものにしていかなきゃいけないと思っております。

馬淵委員 まだ十分なお答えとは言えないんですが、最後に、国会のガバナンスというのも大きな問題だと思っています。かつて、諸先輩方々が議論をされてきたわけでありますが、国会の審議の中では予算案はどうしても一般会計に偏りがちである。ですから、国会としても、実は関係省庁がかかわる三十一特別会計、それぞれの所管大臣が所管のところで特別会計に関して説明、審議をするというプロセスを国会の中にもビルトインしなければならないのではないかというふうに私は思っています。そのときには、両大臣、しっかりとその場で御説明、御審議をいただけますか。そのことを確認させていただきます。

甘利委員長 簡潔にお願いします。

谷垣国務大臣 国会で、さらにガバナンスを高めようということで国会内で御議論をいただく、私は結構なことだと思います。そのときには、私も精いっぱい御答弁を申し上げたいと思っております。

尾辻国務大臣 国会で御論議いただくことに対して真剣に対応させていただきたい、尊重をさせていただきたいと存じます。

馬淵委員 ありがとうございました。

 この特別会計、とにかくしっかりと財務規律が高まる方向に向けて見直さなければならないということ、私たち民主党も取り組んでまいります。どうか大臣、次期総理の声もあちこちで聞きます、しっかりと取り組んでいただきますようにお願い申し上げて、私の質問を終わります。

甘利委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。

 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、BSE問題に絞って質問をさせていただきます。

 今月に入って、国内で初めての変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者の発症が確認されました。昨年十二月に亡くなったこの五十代の男性は、二〇〇一年十二月に発症しておりますが、八九年に英国に一カ月間の滞在歴があり、ここで感染した可能性が疑われております。

 二月八日付の東京新聞によると、外務省の調べで、八六年の永住者は約千六百人、三カ月以上の長期滞在者は一万八千人、その後も微増し、九〇年には長期滞在者が三万五千人。わかっているだけで、英国にこれだけの方がいたということがわかっております。治療法のない、悲惨な最期を遂げる病気であります。もしや自分がという不安がだんだん大きくなっている国民がいる。そういう中で、国の真剣な対応が問われているのではないでしょうか。

 最初に伺いますが、厚生労働省は、このクロイツフェルト・ヤコブ病患者の発生を受けて、電話相談窓口を緊急に設置しております。その相談件数、また内容の特徴などについて伺いたいと思います。

田中政府参考人 御指摘の電話相談窓口でございますけれども、二月四日に症例を確認した当日の夜から二月十三日の日曜日まで、専用の電話番号を設けて開設いたしました。その期間の相談件数の総数は千四十二件でございます。

 電話相談窓口での相談内容でございますけれども、英国に滞在したことがあるが大丈夫か、あるいは、検査方法はあるのか、治療方法があるのかというような質問がほとんどでございました。

高橋委員 わずか十日間で一千四十二件の相談があった。本当に明確に答えがないわけですね、事前に検査をする方法があるかとか。そうしたことを踏まえれば、本当に、不安があるのは当然であります。ただ、私はここで決して国民の不安をあおるつもりはございません。また、その必要もないと思います。まず、原因解明をしっかり行うべきだということは要望しておきます。

 しかし、絶対にあいまいにしてはならないのは、日本においても、九六年四月にWHOから肉骨粉の禁止勧告を受けるまでの間、あるいはそれ以降も十分に遵守をされなかったわけですから、二〇〇一年十月から全頭検査開始をするというそれまでの間は、日本におけるBSE感染の未然防止は完全ではなかったということであります。あるいは、二〇〇三年のクリスマスイブ、アメリカでBSEが発生するまで、EUでは既に輸入を禁止していた脳などの特定危険部位が日本の市場には出回っておりました。日本での感染例が今後ないとは言えない、今回の男性も含めて、これはないとは言えないと思います。

 厚生労働省によると、九六年に初めて英国で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者が報告されてから、ことし一月十三日現在で、ヨーロッパ諸国を中心に百六十七の発生例があります。食品安全委員会の昨年九月の中間取りまとめでも紹介されているように、英国で報告されているクロイツフェルト・ヤコブ病患者の遺伝子型のほとんどがM・M型というものであり、この遺伝子型を有する人がほかの遺伝子型の人に比べ、潜伏期間がより短く、かつ感受性が強いと指摘があります。日本人の九一・六%がこのM・M型だというものでありました。もし、わずか一カ月間の英国滞在が原因で発症したのだとすれば、このM・M型の感受性の強さが証明されたと言わなければなりません。

 今回の米国産牛肉輸入解禁をめぐる問題は、そういう中で注目をされているわけですから、尾辻厚労大臣にまず決意のところを伺っておきたいと思います。

尾辻国務大臣 二月の八日に、第三回目の牛の月齢判別に関する検討会におきまして、米国側の牛枝肉の生理学的成熟度に関する研究について専門家による検討結果が取りまとめられております。

 こうしたことなどを踏まえまして、今後、米国側と細部について実務的な協議を行うことになりますけれども、いずれにいたしましても、米国産牛肉の輸入再開条件につきましては、食品安全委員会に諮問をし、評価をしていただくことになります。

高橋委員 もう検討会の話に行ってしまいまして、まず、二月八日のその検討会が結果を出す前提に、ことしの一月十九日の米国農務省の最終報告書が提出されたと思います。それが、昨年の十月の日米共同記者発表で、輸入再開に向けての双方のプログラムを確認され、その際に、米国から牛肉輸出証明プログラムというものが示されておりました。

 日本が二十カ月齢未満の牛は全頭検査をしなくてもよいという、これは結論ではありませんけれども、そういう方向が打ち出されているということを踏まえて、アメリカの牛にはトレーサビリティーのシステムがない、だからそれをどうやって月齢を判断するかという際に、肉や骨の成熟度を基準にし、赤色の強さ、軟骨の骨化の進みぐあいなど、いわゆるランク分けをして、このランク、格付と明確に月齢のわかっている牛のサンプルを照合していったらA40というランク、こういう牛の写真をもらいましたけれども、A40というランクは間違いなく全部が二十カ月齢未満だと。A50など、ちょっと上になるとそうじゃないのがまじっていてばらつきがある、そういうことが示されたわけですよね。それで、今大臣がお話ししたように、二月八日の検討会になりました。

 まず順番に聞きますけれども、中川消費・安全局長が昨年十一月二十七日の農林水産委員会で、私がこのアメリカから示されたプログラム、肉質などで月齢を判断するのはいかがかということに対して、不十分だ、現時点では、そういう見識を示されたわけですけれども、改めて、米国からこういう最終報告がされて、月齢が二十カ月未満であることを証明するに足るシステム、また、これが完全に機能するとお考えかどうか、伺いたいと思います。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 アメリカが実施をいたしました牛枝肉の生理学的成熟度に関する研究、この結果につきまして、日本といたしましても、科学的な見地から専門家の方々にきちっと検証していただく必要があるというふうに私どもは考えたわけでございまして、そういう観点から、昨年の十一月以降、専門家の方々にお願いをいたしまして、三回にわたりまして、このアメリカの特別研究の結果について御検討いただいた、その結果が二月の八日に取りまとめられたということでございます。あくまでも専門的、科学的見地から御検討いただいて先般お取りまとめいただいた、このように考えております。

高橋委員 局長の今の答弁は御自身の考えがなかったと思われますけれども、専門家の評価はさておき、消費・安全局長という部門に携わる者として、十一月の時点では不十分だとお話しされましたけれども、今は専門家の意向を受けて不十分ではないとおっしゃるんですね。もう一度。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 この点は、やはり科学的な見地に基づいて判断していくことが何よりも大事だというふうに思っております。

 二月の八日に取りまとめいただきましたこの検討会におきましては、このA40という基準を採用するに当たって、米国産牛肉のBSEの感染リスクの程度等も考慮して判断する必要があるというふうなお取りまとめをいただいたところでございます。最終的には、アメリカから入ってくる牛肉のBSEのリスクについて、あるいは安全性につきましては、食品安全委員会に諮問をいたしまして、その答申の結果を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。

高橋委員 やはり御自身のお答えがなかったなと、非常に残念であります。

 リスク評価は食品安全委員会に諮問するということはまず確認をされておりますので、ただ、それが、これでお墨つきをもらったとされることを、非常にこれはまた後で疑問が生じてくるわけですね。

 一つずつ聞いていきたいと思います。

 まず、今回の格付ですけれども、米国が示した格付方式は、あくまでも米国式であり、世界標準ではないはずです。このことをまず確認したいと思います。それと、牛肉の格付と月齢判別をリンクさせた学術論文などはありますか、伺います。

中川政府参考人 アメリカから今回の特別研究の結果として示されましたAの40といった格付、この方式自体はアメリカにおいて行われているものでありまして、世界のどの国でも使われているというものではございません。

 ただ、今回のこの特別研究を行うに当たりましたその経緯でございますけれども、昨年の十月の局長級協議におきまして、牛枝肉の生理学的成熟度を用いて牛の月齢を判別する方法がある、それについては、肉質あるいは成熟度と、月齢との関係を直接に示す学術論文がないなど、十分な知見が当時はなかったということで、我々としては疑問も呈したわけでございます。それに対して、アメリカ側から、客観性、有効性を証明するために特別研究を行うということ、それが十月二十三日の日米間の局長級協議の共同記者発表の文書の中にも書かれているとおりでございます。

 こういった特別研究の結果につきまして、先ほど申し上げましたように、日本の専門家の方々に、三回にわたり、また公開の場で議論をしていただいて結果を取りまとめられたということでございます。専門家がアメリカの研究について科学的見地から検証を行った、そういった結果である。その結果につきましては、私どもとして尊重すべきものというふうに考えております。

高橋委員 質問に答えていないんですね。学術論文があるかと聞いているんです。

 今、最初にお話ししたように、米国式ですよね。世界の標準ではないわけです。ですから、日本には日本の格付がある、オーストラリアにはオーストラリアの格付があるわけですね。そもそも、それを、月齢と判断の基準ということをリンクさせて考えたということはかつてなかったわけでしょう。今回は初めて、何とかどこかで月齢を判断する方法がないかということで、苦肉の策として、たった一カ月ですよ、そういう実験をしてこれが行われた。

 学術論文はないですね。もう一回、一言で言ってください。

中川政府参考人 学術論文がないというのは、私どもそのように認識しております。

高橋委員 ないということがはっきりしました。当然だと思うんですね。

 格付というのは、やはり、流通の段階において肉の値段を決める、消費者にとってどの程度の肉が、値段とその質の折り合いで決めるために、職人のわざといいましょうか今まで磨かれてきたものなのではないでしょうか。さまざま、例えば保存の方法だとか、あるいはえさがどんなものがあるだとか、それによって微妙に違うものを長年の経験によって見分けるわけですよね。それをリンクさせるということ自体に無理があると言っておきたいと思います。

 アメリカで屠畜されている牛は年間三千五百万頭、うち格付があるのは二千七百万頭であります。ただし、このうち、A40だと月齢が二十カ月未満だから入れてもいいよと言っていますが、それが一割未満なわけですね。そうすると、通常、日本が米国から輸入していた牛肉には全然足りないということがまず一つ言えます。

 そこで、伺いますが、そもそも枝肉によって月齢を判断するわけですよね。そうすると、枝肉からさまざまな部分肉が分かれて、それでパッキングされて日本には入ってまいります、部分肉という形で。そうすると、その一つ一つの部分肉までA40の表示がついていくということなんですか。

中川政府参考人 先ほどもお答え申し上げましたように、このA40を最終的に使うかどうかということは、食品安全委員会の答申もいただいた上で決まるものでございますが、仮にそのA40という格付の基準を使うとした場合の具体的な、今先生がおっしゃったような屠畜場での作業の過程におきます確認の手法等につきましては、これから実務者の間で議論を詰めていくというものでございます。

高橋委員 確認はまだされていないと思うんですね。これからだと思うんですね。日本の輸入の形態が部分肉という形になっているから、そこが実は今後に非常に大きな影響を与えると思うんですね。

 例えば、タンは牛一頭から一枚しかとれませんので、今までの実績でいうと、大体千八百万頭くらいの牛が必要になるということになるわけですよね。まずそこで絶望感があります。それから、枝肉で判定するわけですから、枝肉の時点、ぶら下がっている時点では頭はもう既に切り分けをされているはずですよね。頭はついてこない。そうなると、タンを判別する仕組み、あるでしょうか。

中川政府参考人 アメリカから牛肉の輸入を再開いたします際に重要な条件であります二十カ月齢以下というところの確認の方法でありますけれども、今先生がお尋ねになっておりますA40という手法ということのほかに、昨年の十月二十三日の局長級協議では、書面によって、生産記録によって月齢が確認されるものも用いるということがはっきりと書かれております。そちらの方法であれば、具体的な月齢がわかります。それは屠畜の前の段階でわかりますので、おっしゃったような部位についても確認ができるものというふうに思っております。

高橋委員 かなり無理があると思いますね。私は、突き詰めていけばあり得ないシステムだと思うんですね。

 なぜかというと、昨年一月十二日の連邦官報に米国農務省の報告が載っております。牛の年齢の確認について。どうやってやるかということですが、当時は、年齢を特定する文書が添付されているか、あるいは歯ですね、永久歯が生えているかどうかで月齢を分けるとされていました。これも大変驚きであります。

 次に、部分肉に対応する表現があります。牛の屠体及び一部を加工するだけの施設においては、FSISはその屠体を持ち込んだもとの施設にある牛の年齢に関する記録を使って、多分今おっしゃったのがこれだと思いますね、年齢を確認する。屠体を持ち込んだもとの施設に牛の年齢に関する記録がない場合、すべての屠体及びその一部は、三十カ月齢以上の牛のものとして扱わなければならないと。

 要するに、一部だけを加工する、部分肉にしちゃう、そういうところでは歯の判別も不可能なわけですから、もうあきらめちゃう、輸出には出せない、こういうことを言っているわけですよね。こんな割の悪いことをアメリカは本気で考えているんでしょうか。

 二月九日付の日経新聞、「牛肉判別法受け入れ 米が歓迎声明」という見出しがありました。米国食肉協会財団のホッジス理事長は、今のままでは一〇%未満しか輸出できないとして、全面的な輸出再開に向けて今後も働きかけを続けると言っております。日本は、格付で、月齢判断したというアメリカの言うことを信じるしかないのか。あるいは、余りにもそれでは無理がある、もっと日本側が自分たちの条件を緩和せざるを得ない、そこに追い込まれていくのではないかと思うんですね。

 島村農水大臣、どう対応するつもりか、伺います。

島村国務大臣 この問題が起きましてから、また、私が大臣に就任して以来、アメリカ側からも私どもにいろいろな交渉もございました。大統領選挙を控えて、日本側がいわば好意的に一気にこれらを解決してくれるんじゃないか、そんな期待を持った人もいないではなかった。

 しかし、我々は、何遍も御答弁申し上げているように、あくまで日本がとっている措置と同じことをしていただく。そして、あくまで食の安全、安心を大前提として我々はこれからの輸入再開に向けての努力をしなければならない。そのことの確認ができるまでは、だれが何と言おうとこれはどうしようもないことだということをはっきり向こうに申し上げて、理解をしていただいた。

 その後の結果が今いろいろあなたが御質問なさっていることにつながっておりまして、今、専門の役員の方、役員構成、ここにございますのはなるほどと思う方々が、昨年十月十五日に諮問して以来ずっとこれはいろいろ検査していただいている。首が抜けるぐらい私どもは待ちかねておりますし、消費者からも再三催促を受けておりますものの、やはりこれだけは、きちんと検査を終えないことには国民に対する本当の責任は負えないという姿勢を貫いているわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。

高橋委員 だれが何と言おうとという強いお言葉がございましたので、本当に国民が納得できる態度、決意を示していただきたいということを御期待したいと思うんです。

 それで、今私がお話しした月齢判別、格付とか、どうしてこんな議論になっているのか。そもそも、日本が二十カ月齢未満は全頭検査しないということが決まったかのように論じられて、アメリカは、日本がそれを決めればすぐ輸出できる、そういうふうに、同時スタートしたいというふうに迫ってきているからだと思われます。

 そこで、きょうは、大変お忙しい中、食品安全委員会の寺田委員長においでを願っておりますので、大変ありがとうございます、伺いたいと思います。

 食品安全委員会は、農水省と厚労省から諮問を受けて、二十カ月齢未満の牛は全頭検査をしないということで結論を出されたでしょうか。お願いします。

寺田参考人 お答えします。

 結論は出しておりません。ただいま検討中でございます。

高橋委員 ありがとうございます。今、結論は出していないということでありました。

 この間、食品安全委員会プリオン専門調査会あるいは全国各地での意見交換会、市民も集めての意見交換会もされております。意見の集約はまとまる方向に来ているでしょうか、今の段階、お伺いいたします。

寺田参考人 言われましたように、十月十五日に諮問を受けまして、それから五回にわたりまして専門委員会でいろいろ検討してまいりました。それから、その間にリスクコミュニケーション五十回、全国四十七都道府県の五十カ所でやってまいりました。

 今の御質問の、意見の集約ができるか、これは専門調査会に任せているところで、逃げるわけじゃございませんけれども、科学者が、そこの専門の方が議論していただくということを非常に私大事に思ってこの委員会を運営してまいりました。しかし、もうぼつぼつ集約できるんじゃないか。たとえ集約できなかった場合には、少数の意見も付記するという形になるのではないかというふうに感じております、これは結論じゃございませんけれども。

 だから、質問に関しましては、ぼつぼつ集約できるころではないかというふうに感じております。

高橋委員 委員長、大変御苦労されていると思いますが、今、ぼつぼつ集約されるということですけれども、少数の意見が付記されるということでありましたので、プリオン専門調査会の委員会が今、少数というか、そういう段階で言えるのか。むしろ、座長案が出されて、意見が出されて、また振り出しに戻ったというのが実態だと聞いております。

 きょう、委員の皆様に資料を出させていただきましたのは、一月二十一日にプリオン専門調査会の中に出された資料から、大変申しわけありませんが、切り張りして資料にいたしました。つまり、専門調査会の座長から案が示されたのに対してたくさん出た意見をここに書いているわけであります。後でごらんになっていただきたいんですが、一部読ませていただきます。

 二と書いてあるところに、「委員会からの依頼・論議もないまま作製されたものであり、また、内容には独断と誤りも見られたので指摘したが、中立ではなく何か”ある種の意図”のようなものを感じる。白紙から作り直した方がよいのでは?」めくっていただきまして、五と書いてあるところに、「なぜ年齢(月齢)にこんなに拘るのか?」ちょっと飛んで、「厳密には年齢とは無関係」「こんな指摘は不見識」つまり、月齢を一定区切ろうとしていることに対してのこういう危惧の声が出ているわけです。「今回は二十ケ月が対象になっているが、次は二十四または三十ケ月で線引きするための伏線?」という指摘もあります。その隣、七というところに、「いい加減な推測で数字を出さないこと!科学でもなんでもなくなる。」「数値を仮定した根拠が不明。」こうした指摘がされております。

 つまり、専門調査会の中で一緒に議論を交わされてきた委員の中からこれだけの意見が出ておる。まだ全部は紹介できませんけれども、これはもうしっかりと生かして当然なるわけでありますよね。少数意見ではないかと思いますが、一言確認させていただきたいと思います。

寺田参考人 これはこの前の専門委員会でいろいろと御意見をいただいて書いたものを抜粋されたものだと思います。これに沿いまして、それからこの前の意見も添えまして、今新しい、新しいというか、こういうのを入れた案を今つくっております。その案を皆さんに、予定としましては委員の先生方に二回にわたってお送りして、それで次の二十四日の会のところでその意見を集約していく。ですから、先生がおっしゃいましたこの意見は、ぜひ取り入れられるものは入れていく。

 それからもう一つ、自慢みたいなことを言いますが、これは透明性、すべて公開してやっておりますから、こういうことは全部出るので、その点を非常に私たち重視していますし、いろいろな意見が出るのはちょっといらいらするところが本当のことを言うとございますが、それはしようがないものだと思っております。

 どうも失礼しました。

高橋委員 厚労省に伺います。

 二十四日にこの案を踏まえてまた案が出されるということでありましたけれども、十分な、食品安全委員会にこれらの案が出されて、またもまれて、先ほどリスク評価のお話がありましたけれども、格付システムによる月齢判別方法、アメリカからの方法について、まずリスク評価を諮問しますね。その後にもう一度、月齢判別だけではなく、それは一つの要素ですので、飼料規制の問題やSRMの除去という問題などもあります、あとサーベイランスの体制などもあります。牛肉輸入再開に当たっては、もう一度リスク評価が必要になりますね。ここを確認させてください。

外口政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、食品安全委員会で審議中の案件は、国内評価の見直し措置についてであります。この結果が出てから、米国の輸入再開の問題について改めて諮問をして答申をいただくことになるわけであります。その米国の輸入再開の問題の中では、先生御指摘のいろいろな案件、いろいろな前提条件を含めて、例えば、こういう条件の輸入される牛肉が国内と同等の安全性が保てるものであるかどうか、そのリスク評価をお願いすることになる、そのように考えております。

高橋委員 二段階のリスク評価が必要だということが確認できたと思います。

 それに対して、非常に大事な要素になるかと思うんですが、きょうお配りさせていただきましたもう一つの資料であります。

 英文ですので、後でじっくり見ていただければと思うんですが、アメリカ政府職員連合労組傘下の食品検査支部全国評議会のペインター議長が米国農務省に出した文書であります。米国政府は、生後三十カ月以上の牛のSRMを完全に除去するとか、検査数を大幅にふやすなどの対策を打ち出している。それに対して、現場の検査官から、現場はほとんど変わっていないという、いわゆる告発であります。幾つかの食肉加工場では、月齢三十カ月以上の牛がきちんと識別されないまま処分されており、これらの牛のSRMが食肉に混入しているおそれがあるとしている。また、そのおそれに対して、これを処置する明確な権限が検査官にはないということも指摘をされております。

 厚労大臣に伺いますが、日本政府は、この間、アメリカに調査団を送ったり、現場の実態も見ておるわけですけれども、現場からのこうした声に対して、アメリカ政府が、一刀両断に事実無根とするのではなく、この告発を受けとめ改善されたか否か確かめる必要があるかと思いますが、その意思があるかどうか伺いたいと思います。

外口政府参考人 御指摘の労働組合の指摘につきましては、昨年十二月に、全米食品検査官合同評議会が、食肉処理施設において特定危険部位の除去が適切に行われていないという内容の警告書簡を米国農務省に提出したとの情報を入手しております。

 本件につきましては、米国農務省に照会したところ、問題が生じている施設が明確でないことや、事実関係も含めて調査中との回答を得ているところであります。

 いずれにいたしましても、食の安心、安全にかかわることでありますので、こういったことも含めて、私どもは十分に情報収集をしていきたいと考えております。

高橋委員 厚労大臣に伺いましたので、もう一度伺います。

尾辻国務大臣 今もお答えいたしましたけれども、私どもは、国民の食の安全を守る立場でございますから、まず基本的に、科学的な合理性を基本として判断すべき問題だと考えております。

 そこで、今御指摘のようなことにつきましても、その科学的な判断というのは食品安全委員会にお願いをしておるところでございますから、その諮問して出していただく答え、まず審議結果に基づいて対応してまいる、これが私どもの基本的な立場でございます。

高橋委員 きちっと調査をして、リスク評価を材料として、現場の声ですから、それをちゃんと受けとめていただきたい。

 二〇〇二年、日本のBSE問題に関する調査検討委員会報告では、BSE問題にかかわる行政対応の問題点、改善すべき点について、危機意識の欠如と危機管理体制の欠落だったと厳しい指摘をしています。こういう反省と生産者の血のにじむ苦労の上に日本の牛肉に対する信頼をかち得てきたはずです。今こそ、同じ轍を踏まない、厳しい国の姿勢が求められています。

 亀井前農水大臣が一月二十五日付の日本農業新聞で語っておりますが、米国は非科学的だと言い続けたが、日本で牛肉の消費が回復したのは全頭検査のおかげだと言って、「全頭検査が決定的な安心感を与えていると思いますね。」と述べていらっしゃいます。

 本当に、これまでの教訓と、また国民の信頼、このことにしっかりこたえて厚労省も農水省も対応していただくことを強く要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

甘利委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。

 次に、山本喜代宏君。

山本(喜)委員 社民党の山本喜代宏でございます。

 きょうは、最初に、サービス残業に関して厚労大臣に質問をいたします。

 昨年の九月に、厚労省で、平成十五年の四月から十六年三月までの一年間の監督指導による賃金不払残業の是正結果というのを発表しました。これは、全国の労働基準監督署が労働基準法違反ということで是正を指導して、その結果、一企業当たり百万円以上の割り増し賃金が支払われた事案でございます。

 一年間の企業数が千百八十四社、対象労働者数が十九万四千六百五十三人、是正支払い額が二百三十八億七千四百六十六万円というふうになっております。それ以前の金額、事件ですけれども、それ以前は、十三年から十五年までの二年間で千十六社、労働者数が十三万五千百九十五人、是正支払い額は百五十三億七千七百十七万円、すべてをとって過去二年間よりも昨年一年間の方がふえている、倍増というふうな状況でございます。

 このように労働基準法違反というのが急増していることについて、大臣の所見をお伺いしたい。また、こういう事態をどのように改善していこうとするのか、この決意についてもあわせてお願いします。

尾辻国務大臣 今数字の御指摘ございましたけれども、私どもが昨年の九月に発表いたしました監督指導による賃金不払残業の是正結果を見ますと、依然として賃金不払い残業が存在をしておるということでございます。そしてまた、数字も決していい方向に動いておるものではない、そのとおりでございます。

 この賃金不払い残業というのは、申し上げるまでもありませんけれども、労働基準法に違反する、あってはならないものでございますので、厚生労働省といたしましては、平成十五年五月に策定いたしました賃金不払残業総合対策要綱などに基づき、引き続きサービス残業の解消に取り組んでおるところでございまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。

山本(喜)委員 依然として減らないというふうな大臣の見解ですが、依然としてということでなくて、急増しているという認識をやはり持ってもらいたいというふうに思うわけでございます。

 それで、日本経済団体連合会、経団連ですけれども、昨年の十二月に二〇〇五年版の経営労働政策委員会報告というのを発表しましたが、その中で「労働条件決定は労使自治が基本」という項目がありますけれども、そこでどういうふうなことが言われているかというと、「労働時間をめぐる労働監督行政については、ここ数年、これまで労使による取り決めをもとに企業ごとになんら問題なく対応がなされてきた事項についてまで、突如として指針や通達を根拠に、労使での取り組み経緯や職場慣行などを斟酌することなく、企業に対する指導監督を強化するといった例が多く指摘されている。」というふうに経団連は言っているわけですね。これに対して日本労働組合総連合、連合ですけれども、「職場の違法状態を直視せずになんら問題がないとの認識をしていること自体が、大きな間違いである。」というふうに、連合は当然批判するわけでございます。

 そこで、残業手当の不払いという労働基準法の違反がまかり通っているにもかかわらず、この経団連の報告、労働行政に対する批判に対して、あるいは、労働条件の決定は労使自治が基本という経団連の考え方について、どのようにお考えでしょうか。

青木政府参考人 今お話しになりました日本経団連報告でございますが、これについては、厚生労働省、私どもとしては、労働基準行政に対する批判の部分については、事実に基づかないものであるというふうに認識しております。

 お話しになりましたように、労働基準法をきちんと守っていただくということは大切なことだと思っておりますし、また、労働基準監督署の指摘を受けた企業においては、その指摘を契機として、労使の信頼関係を築いて、冷静な判断をして、自分の企業のあり方というものを見直すというふうな態度になっていただきたいということを期待しております。

 私どもとしては、今後とも、事業主に対しましては労働時間を適正に管理させるということでありますし、全国斉一的な考え方のもとで適正な対応をしてまいりたいというふうに思っております。

山本(喜)委員 経団連の主張は事実に基づくものではないというふうな答弁でございますが、労働基準監督署が労働基準法違反ということで是正を求めている事案、これが急速にふえているというふうな状況のもとで、経団連が主張するような、労働条件は労使自治が基本というふうな考え方に立った場合、労働基準法は何のためにあるのかということになるわけですよ。

 そういう意味で、この労働基準法の今日的意義について、改めてお伺いします。

青木政府参考人 労働条件は、労使が対等の立場で決定をして、そういったことで、それを前提にして働き、あるいは賃金などを払う、こういうことが大原則だろうと思います。しかし、労働基準法では労働条件の最低基準というものを定めておりますので、この最低基準を定める労働基準法というのは、やはりきちんと遵守していただく必要があると思います。当然のことだと思っております。

 したがって、私ども行政としては、こういった法の遵守というものをきちんとしていただくために、それがなされない場合には、監督行政として責務をきちんと果たしていくということは当然だというふうに思っております。

 基準法の今日的意義という御質問でございましたけれども、この労働基準法制定以来、そのような意味での、最低条件をきちんと確保して労働者を保護するという意義はいささかも変わっていないというふうに思っております。

山本(喜)委員 最低基準の法律ということで、これは絶対に守らなきゃならない。

 そこで、もう一度確認したいんですけれども、憲法二十五条というのがやはり基本にあると思うんですよ。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」というふうに二十五条で規定していますし、それを受けて二十七条で、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」ということで労働基準法が出てきているし、憲法二十八条に労働三権について規定しているわけでございます。

 大臣に改めてお伺いしますが、政府がとるべき労働行政の理念というのは、労使自治ということよりもこの憲法二十五条に基づくものだということで理解しますが、この点、大臣の答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 今、憲法二十五条それから二十七条、二十八条等についてお述べになりました。改めて申し上げたいと存じます。

 労働基準法は、憲法第二十七条第二項の、賃金、就業時間、休息その他に関する基準は法律でこれを定めるという規定に基づいて制定された法律でございます。すなわち、労働基準法が憲法第二十七条第二項に基づいてまず定められておるということを申し上げました。

 そして、労働基準法第一条第一項は、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」と規定しておりまして、まさにこれがお話しになりました憲法第二十五条第一項のその趣旨そのものであるというふうに考えております。したがいまして、労働基準法は、まず憲法を踏まえた法律であるということを申し上げたところでございます。

 そして、その労働基準法でございますけれども、労働者の保護のための労働条件の最低基準を定めたものでございますから、これはあくまでも最低基準でありまして、それを超えるところをどうするかというのは、これは労使のお話し合いである、こういうふうに考えます。

山本(喜)委員 そこで、労働時間の関係に入りますが、千八百時間ということで、今の労働行政ではこれを目標に年間総実労働時間を抑えていこうということで取り組みがされていると思うんですが、厚生労働省の労働政策審議会の労働条件分科会、ここで「今後の労働時間対策について」という報告書をまとめております。

 これだと、労働者一人当たりの平均年間総実労働時間は、平成四年、千九百五十八時間であったものが、平成十五年度には千八百五十三時間になったというふうに述べておりますけれども、これはパートタイム労働者を含めた平均の労働時間なわけですよ。ですから、フルタイム労働者は千八百時間にはほど遠い水準にあるというふうに私たちは理解しております。

 この年間総実労働時間の千八百時間という数値目標、これは今でも重要な目標になっているというふうに思いますが、この点について、大臣、どうお考えでしょうか。

青木政府参考人 今委員お述べになりましたように、年間総実労働時間というのは着実に少なくなってきたわけでありますけれども、さまざまな要因はあるとは思いますけれども、今おっしゃいましたように、実労働時間千八百時間という目標を掲げまして、政府も目標を掲げ、労使も、よし、その目標に向かって進んでいこうということで、いわば皆が一丸となって進んできたのがこの十年だと思います。それは、確かにそういう意味では非常に成果があったというふうに私も認識をしております。

 しかし、今のお話にありましたように、短時間労働者、パートの人たちなどがふえてまいりまして、全労働者一律に平均的に千八百時間を目指していこうというのがどうも今の実態に合わなくなってきているのではないかということがあろうかと思っております。むしろこれからは、個々の労働者の多様なニーズというものを踏まえまして、例えば長時間労働を抑制するとか、あるいは休暇をきちんととれるようにするとか、むしろ目標とすればそういった目標を立てていくのも一つのやり方じゃないかなというふうに思っておりまして、今お話にありましたような審議会でも、これからそういったことで議論をしていただきたいと思っております。

 もちろん、御意見の中には、そういった千八百時間のような目標を立ててやったらいいじゃないかという御意見ももちろんありますけれども、これから広範に議論をしていただいて、いい目標ができれば、それはそれで、皆さんのコンセンサスを得てできれば大変結構なことだというふうに思います。

山本(喜)委員 全労働者一律にというのは合わなくなっているというふうな見解のようですけれども、電機連合という労働組合で、電機労働者の生活白書というのを発表しましたが、これは昨年の八月に実施した四千七百六十一名からのアンケートですが、これによると、二〇〇四年七月の実際の時間外労働は、男性が平均三十三・二時間、五十時間を超える人が二割を占めているというふうな状況。男性の場合は、休日出勤、ほぼ週一日に当たる四日間。五日以上というのが一六%ですね。土曜日か日曜日のいずれか一日は休めないというのが三割を超えているというふうな実態がこの調査で出てきているわけです。

 ですから、フルタイム労働者にとっては、この年間目標千八百時間というのは、これは極めて深刻な問題になっているんではないかというふうに思っているわけです。

 そして長時間労働による健康に与える影響ですね。この電機連合の調査でも、時間外労働が、男性で四十時間を超えた人、女性で三十時間を超えた人が、常に健康に不安を感じるというふうに答えている人が半分になっている。極めて憂慮すべき状況だと思うんですよ。

 ですから、全労働者一律にというふうに言っていますが、実際、フルタイム労働者はこうなっているという現実があるわけですから、この点、大臣、どうお考えですか。

尾辻国務大臣 今お話しになりました、電機連合が先月に、図表で見る電機労働者の生活白書を発表されました。この報告では、長時間の時間外労働により、働く人が健康不安を感じておる、その様子がよくうかがえます。

 したがいまして、長時間労働の抑制は、いずれにしても私どもは大変重要な課題であるというふうに考えております。

 したがいまして、所定外労働削減要綱を策定いたしましたし、その周知徹底に努めて、時間外労働の適正化については、時間外労働の限度基準に基づく指導を行ってきておるところでございます。こうしたことで、まず長時間労働の抑制に取り組んでまいりたいということはしっかりと申し上げておきたいと思います。

 それから、今、過重労働による脳だとか心臓疾患の労災認定件数が増加しておるというお話がございました。

 この報告についてでございますけれども、労働政策審議会の労働条件分科会の中では、そうした議論の中で、労働者委員から、時間外労働の割り増し賃金率を引き上げる方向で検討すべきという御意見も出ておりますし、一方、使用者の委員からは、現在、割り増し賃金率の引き上げについて議論できる経営環境にはないという意見も示されております。

 私どもの調査によりますと、時間外労働に対する割り増し率について、法令で下限として定めております二割五分でございますが、これを超えて割り増し賃金を支払っている事業場の割合を見ますと、やはりこのところ小さくなっております。

 このような現状でございますから、いろいろ慎重に検討する必要があるとは考えておりますが、先ほど来お話しの時間外労働については、これは小さくする努力を続けてまいりたいと考えております。

山本(喜)委員 大臣には、まだ聞いていないのも答えていただきまして、大変ありがとうございます。

 時短促進法の改正が予定されているというような状況でございますが、今まで指摘しましたように、長時間労働が依然として蔓延しているというふうな状況とか、あるいはサービス残業、そして健康破壊というふうな状況がありますから、フルタイムで働く労働者の労働時間短縮の数値目標ということはやはり極めて重要ではないかということを申し上げておきたいというふうに思います。

 文部科学大臣にも来ていただいておりますので、あと、時間がないんですけれども、青少年の対策についてお伺いします。

 ニートというふうな人たち、これが大変ふえているということで、五十二万人、前の年に比べて四万人ふえているというふうな状況ですね。そしてフリーターというようなこともあります。青少年の置かれている社会的な状況が極めて憂慮すべき事態にあると私は思っているんですよ。将来に展望を失った若い人たちの集団自殺というのも最近頻繁に起こってきているわけでございます。失業率も、改善しているというふうに言われていますが、若い人たちの失業率、十五歳から二十四歳の若者に限るならば、昨年の十二月の数字ですけれども七・一%、四十七万人、二十五歳から三十四歳だと七十一万人という数字がありまして、合計百十八万人の若者が社会で最も重要な労働に従事できないというような実態にあるわけです。

 そうした若者を取り巻く状況について、文部科学大臣並びに厚労大臣、どういうふうにお考えでしょうか。

中山国務大臣 御指摘のように、ニートとかフリーターと言われる存在、問題になっているわけでございますが、働いてもおらず、教育も訓練も受けていない、いわゆるニートと呼ばれる無業者の数がふえている。今言われましたように、五十二万人ということでございまして、これは極めて憂慮すべき事態だと認識しているわけでございます。こうした事態というのは我が国の将来を揺るがす大きな問題であると思いますし、また、個人個人の立場に立てば、本当に将来一体どうするんだ、キャリアといいますか、進んでいかなきゃいけないそういう大事なときにぶらぶら過ごしてしまうというふうなことは非常に大きな問題であろう、こう思うわけでございます。

 文部科学省といたしましては、もっと小さいころからといいますか、小さいころから、社会に出たらちゃんとした仕事をしなきゃいけないんだ、職を持たなきゃいけないんだ、そういった勤労観、職業観をしっかり身につけて、明確な目的意識を持って職につくとともに、仕事を通じて社会に貢献できるようにということを考えているわけでございます。

 聞きましたら、アメリカでは小学校一年に入りますと、先生が、どうして学校に来たのと言うと、子供たちが一斉に手を挙げて、ツー・ゲット・ア・グッド・ジョブと言うそうですね。いい仕事を得るため、こう言うそうでございます。そういった観点をやはり日本としても考えなきゃいけないんじゃないかということで、若者自立・挑戦プラン、これは平成十五年の六月でございますが、これに基づきましてキャリア教育の充実等に努めてきたところでございます。

 来年度におきましては、昨年末に取りまとめました若者の自立・挑戦のためのアクションプランに基づきまして、中学校を中心としまして、五日間以上の職場体験等を通じたキャリア教育の強化とか、あるいは、先端技術や伝統技能の習得などの特色ある取り組みを行う専門高校等に対する支援とか、あるいは、Eラーニングを活用しまして、若者が就職や仕事に役立つ知識やビジネススキルなどをいつでも手軽に学べる機会の提供など、重点的に取り組むことにしているわけでございまして、今後とも、関係府省と連携いたしまして、人材育成あるいは若者の雇用対策に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。

山本(喜)委員 時間になりましたので、青少年に対する対策、若者の雇用対策を充実させていただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。

甘利委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二分散会


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