衆議院

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第19号 平成17年3月1日(火曜日)

会議録本文へ
平成十七年三月一日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 甘利  明君

   理事 伊藤 公介君 理事 金子 一義君

   理事 渡海紀三朗君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 佐々木秀典君

   理事 島   聡君 理事 田中 慶秋君

   理事 石井 啓一君

      伊吹 文明君    石原 伸晃君

      植竹 繁雄君    尾身 幸次君

      大島 理森君    大前 繁雄君

      奥野 信亮君    川上 義博君

      北村 直人君    小泉 龍司君

      後藤田正純君    左藤  章君

      柴山 昌彦君    竹本 直一君

      玉沢徳一郎君    中馬 弘毅君

      津島 雄二君    寺田  稔君

      西川 京子君    西銘恒三郎君

      根本  匠君    葉梨 康弘君

      萩野 浩基君    二田 孝治君

      御法川信英君    村井  仁君

      森田  一君    五十嵐文彦君

      石田 勝之君    岩國 哲人君

      生方 幸夫君    岡田 克也君

      吉良 州司君    小泉 俊明君

      小宮山泰子君    篠原  孝君

      津川 祥吾君    辻   惠君

      中井  洽君    中津川博郷君

      中塚 一宏君    永田 寿康君

      長妻  昭君    原口 一博君

      樋高  剛君    古本伸一郎君

      三日月大造君    佐藤 茂樹君

      坂口  力君    田端 正広君

      桝屋 敬悟君    赤嶺 政賢君

      佐々木憲昭君    塩川 鉄也君

      東門美津子君    山本喜代宏君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   総務大臣         麻生 太郎君

   法務大臣         南野知惠子君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       中山 成彬君

   厚生労働大臣       尾辻 秀久君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     細田 博之君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      大野 功統君

   国務大臣

   (金融担当)       伊藤 達也君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)

   (郵政民営化担当)    竹中 平蔵君

   国務大臣

   (規制改革担当)     村上誠一郎君

   国務大臣

   (科学技術政策担当)   棚橋 泰文君

   内閣官房副長官      杉浦 正健君

   内閣府副大臣       七条  明君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   防衛庁副長官       今津  寛君

   総務副大臣        今井  宏君

   法務副大臣        滝   実君

   外務副大臣        谷川 秀善君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   厚生労働副大臣      衛藤 晟一君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   内閣府大臣政務官     江渡 聡徳君

   内閣府大臣政務官     木村  勉君

   防衛庁長官政務官     北村 誠吾君

   総務大臣政務官      松本  純君

   厚生労働大臣政務官    森岡 正宏君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      佐藤 壮郎君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            山野 岳義君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   大田 弘子君

   政府参考人

   (防衛庁防衛局長)    飯原 一樹君

   政府参考人

   (防衛施設庁施設部長)  戸田 量弘君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          須田 和博君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久保 信保君

   政府参考人

   (総務省郵政行政局長)  清水 英雄君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    河相 周夫君

   政府参考人

   (国税庁次長)      村上 喜堂君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   参考人

   (日本郵政公社総裁)   生田 正治君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十五日

 辞任         補欠選任

  伊吹 文明君     坂本 哲志君

  尾身 幸次君     鈴木 淳司君

  大島 理森君     佐藤  錬君

  玉沢徳一郎君     葉梨 康弘君

  津島 雄二君     谷  公一君

  福田 康夫君     谷川 弥一君

  森田  一君     木村 太郎君

  生方 幸夫君     荒井  聰君

  小泉 俊明君     大島  敦君

  篠原  孝君     岡本 充功君

  津川 祥吾君     大畠 章宏君

  中井  洽君     岸本  健君

  中津川博郷君     市村浩一郎君

  長妻  昭君     樽井 良和君

  原口 一博君     楢崎 欣弥君

  米澤  隆君     長安  豊君

  田端 正広君     高木 陽介君

  佐々木憲昭君     塩川 鉄也君

  照屋 寛徳君     阿部 知子君

  木村 太郎君     中西 一善君

  佐藤  錬君     西村 康稔君

  鈴木 淳司君     加藤 勝信君

  村井  仁君     御法川信英君

  石田 勝之君     中村 哲治君

  岩國 哲人君     吉田  治君

  大畠 章宏君     中山 義活君

  吉良 州司君     稲見 哲男君

  中塚 一宏君     梶原 康弘君

  佐藤 茂樹君     白保 台一君

  坂口  力君     赤羽 一嘉君

  谷  公一君     山下 貴史君

  谷川 弥一君     菅原 一秀君

  西村 康稔君     中山 泰秀君

  葉梨 康弘君     宇野  治君

  荒井  聰君     田村 謙治君

  大島  敦君     島田  久君

  中村 哲治君     大谷 信盛君

  樋高  剛君     高井 美穂君

  吉田  治君     近藤 洋介君

  菅原 一秀君     萩生田光一君

  山下 貴史君     宮下 一郎君

  赤羽 一嘉君     桝屋 敬悟君

  高木 陽介君     太田 昭宏君

  坂本 哲志君     古川 禎久君

  中西 一善君     早川 忠孝君

  宮下 一郎君     三ッ矢憲生君

  梶原 康弘君     中根 康浩君

  岸本  健君     三日月大造君

  近藤 洋介君     泉  房穂君

  田村 謙治君     今野  東君

  永田 寿康君     中川  治君

  楢崎 欣弥君     津村 啓介君

  塩川 鉄也君     赤嶺 政賢君

  早川 忠孝君     井上 信治君

  古川 禎久君     城内  実君

  大谷 信盛君     川内 博史君

  島田  久君     藤田 一枝君

  高井 美穂君     西村智奈美君

  樽井 良和君     山内おさむ君

  中川  治君     松本 大輔君

  中山 義活君     渡辺  周君

  長安  豊君     下条 みつ君

  赤嶺 政賢君     吉井 英勝君

  加藤 勝信君     中野  清君

  中山 泰秀君     津島 恭一君

  泉  房穂君     平岡 秀夫君

  岡本 充功君     馬淵 澄夫君

  下条 みつ君     泉  健太君

  白保 台一君     高木美智代君

  井上 信治君     森田  一君

  宇野  治君     玉沢徳一郎君

  城内  実君     伊吹 文明君

  津島 恭一君     大島 理森君

  中野  清君     尾身 幸次君

  萩生田光一君     福田 康夫君

  三ッ矢憲生君     津島 雄二君

  御法川信英君     村井  仁君

  泉  健太君     米澤  隆君

  市村浩一郎君     中津川博郷君

  稲見 哲男君     吉良 州司君

  川内 博史君     石田 勝之君

  今野  東君     生方 幸夫君

  津村 啓介君     原口 一博君

  中根 康浩君     中塚 一宏君

  西村智奈美君     樋高  剛君

  平岡 秀夫君     岩國 哲人君

  藤田 一枝君     小泉 俊明君

  馬淵 澄夫君     篠原  孝君

  松本 大輔君     永田 寿康君

  三日月大造君     中井  洽君

  山内おさむ君     長妻  昭君

  渡辺  周君     津川 祥吾君

  太田 昭宏君     田端 正広君

  高木美智代君     佐藤 茂樹君

  桝屋 敬悟君     坂口  力君

  吉井 英勝君     佐々木憲昭君

  阿部 知子君     照屋 寛徳君

同月二十八日

 辞任         補欠選任

  玉沢徳一郎君     北川 知克君

  二田 孝治君     田中 英夫君

  石田 勝之君     高山 智司君

  吉良 州司君     黄川田 徹君

  篠原  孝君     笠  浩史君

  津川 祥吾君     本多 平直君

  永田 寿康君     和田 隆志君

  原口 一博君     計屋 圭宏君

  樋高  剛君     内山  晃君

  佐藤 茂樹君     丸谷 佳織君

  田端 正広君     高木美智代君

  佐々木憲昭君     石井 郁子君

  伊吹 文明君     木村 太郎君

  尾身 幸次君     柴山 昌彦君

  大島 理森君     早川 忠孝君

  津島 雄二君     松島みどり君

  福田 康夫君     原田 令嗣君

  村井  仁君     江藤  拓君

  森田  一君     岡本 芳郎君

  内山  晃君     城井  崇君

  生方 幸夫君     古本伸一郎君

  黄川田 徹君     馬淵 澄夫君

  小泉 俊明君     石毛えい子君

  辻   惠君     村井 宗明君

  中井  洽君     松野 信夫君

  中塚 一宏君     橋本 清仁君

  長妻  昭君     松崎 哲久君

  計屋 圭宏君     田島 一成君

  和田 隆志君     中川 正春君

  坂口  力君     江田 康幸君

  丸谷 佳織君     長沢 広明君

  石井 郁子君     穀田 恵二君

  高山 智司君     泉  房穂君

  橋本 清仁君     岡島 一正君

  松崎 哲久君     前田 雄吉君

  米澤  隆君     金田 誠一君

  高木美智代君     古屋 範子君

  長沢 広明君     遠藤 乙彦君

  穀田 恵二君     吉井 英勝君

  柴山 昌彦君     西銘恒三郎君

  早川 忠孝君     川上 義博君

  原田 令嗣君     奥野 信亮君

  石毛えい子君     中野  譲君

  金田 誠一君     小宮山泰子君

  城井  崇君     奥村 展三君

  中川 正春君     増子 輝彦君

  中津川博郷君     高木 義明君

  古本伸一郎君     仲野 博子君

  本多 平直君     大石 尚子君

  馬淵 澄夫君     室井 邦彦君

  村井 宗明君     首藤 信彦君

  古屋 範子君     田端 正広君

  吉井 英勝君     高橋千鶴子君

  照屋 寛徳君     山本喜代宏君

  松島みどり君     佐藤  錬君

  泉  房穂君     長安  豊君

  岡島 一正君     近藤 洋介君

  奥村 展三君     山井 和則君

  田島 一成君     神風 英男君

  松野 信夫君     肥田美代子君

  江田 康幸君     桝屋 敬悟君

  岡本 芳郎君     鈴木 淳司君

  北川 知克君     寺田  稔君

  高木 義明君     西村智奈美君

  前田 雄吉君     楠田 大蔵君

  増子 輝彦君     吉田  泉君

  高橋千鶴子君     佐々木憲昭君

  山本喜代宏君     東門美津子君

  江藤  拓君     村井  仁君

  奥野 信亮君     福田 康夫君

  川上 義博君     大島 理森君

  木村 太郎君     伊吹 文明君

  佐藤  錬君     津島 雄二君

  鈴木 淳司君     森田  一君

  田中 英夫君     二田 孝治君

  寺田  稔君     玉沢徳一郎君

  西銘恒三郎君     尾身 幸次君

  大石 尚子君     津川 祥吾君

  楠田 大蔵君     長妻  昭君

  小宮山泰子君     米澤  隆君

  近藤 洋介君     中塚 一宏君

  神風 英男君     原口 一博君

  首藤 信彦君     辻   惠君

  中野  譲君     小泉 俊明君

  仲野 博子君     生方 幸夫君

  長安  豊君     石田 勝之君

  西村智奈美君     中津川博郷君

  肥田美代子君     中井  洽君

  室井 邦彦君     吉良 州司君

  山井 和則君     樋高  剛君

  吉田  泉君     永田 寿康君

  笠  浩史君     篠原  孝君

  遠藤 乙彦君     佐藤 茂樹君

  桝屋 敬悟君     坂口  力君

  東門美津子君     照屋 寛徳君

三月一日

 辞任         補欠選任

  石原 伸晃君     寺田  稔君

  河村 建夫君     竹本 直一君

  小泉 龍司君     奥野 信亮君

  福田 康夫君     左藤  章君

  二田 孝治君     葉梨 康弘君

  吉良 州司君     古本伸一郎君

  辻   惠君     岡田 克也君

  中井  洽君     小宮山泰子君

  米澤  隆君     三日月大造君

  坂口  力君     桝屋 敬悟君

  佐々木憲昭君     塩川 鉄也君

  照屋 寛徳君     山本喜代宏君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     小泉 龍司君

  左藤  章君     御法川信英君

  竹本 直一君     川上 義博君

  寺田  稔君     西銘恒三郎君

  葉梨 康弘君     二田 孝治君

  岡田 克也君     五十嵐文彦君

  小宮山泰子君     中井  洽君

  古本伸一郎君     吉良 州司君

  三日月大造君     米澤  隆君

  桝屋 敬悟君     坂口  力君

  塩川 鉄也君     赤嶺 政賢君

  山本喜代宏君     東門美津子君

同日

 辞任         補欠選任

  川上 義博君     河村 建夫君

  西銘恒三郎君     石原 伸晃君

  御法川信英君     柴山 昌彦君

  五十嵐文彦君     辻   惠君

  赤嶺 政賢君     佐々木憲昭君

  東門美津子君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  柴山 昌彦君     大前 繁雄君

同日

 辞任         補欠選任

  大前 繁雄君     福田 康夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度一般会計予算

 平成十七年度特別会計予算

 平成十七年度政府関係機関予算

 主査からの報告聴取


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     ――――◇―――――

甘利委員長 これより会議を開きます。

 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局長山野岳義君、内閣府政策統括官大田弘子君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛施設庁施設部長戸田量弘君、金融庁監督局長佐藤隆文君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、総務省自治行政局公務員部長須田和博君、総務省自治行政局選挙部長久保信保君、総務省郵政行政局長清水英雄君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、外務省北米局長河相周夫君、国税庁次長村上喜堂君、厚生労働省老健局長中村秀一君、厚生労働省保険局長水田邦雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

甘利委員長 本日の午前中は、三位一体その他内政問題についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤章君。

左藤委員 おはようございます。自由民主党の左藤章でございます。

 きょう朝、新聞を見まして、社会保障改革についての記事が出ておりました。「与野党協議月内にも」ということで、年金制度を先行してやる、こういう話になっておりますが、これについて見解をお伺いしたいと思います。

 社会保障、本当に少子高齢化の時代でございますので、大変な時代であります。年金、それから医療、介護、それぞれの分野ごとに見直す必要がありますけれども、やはり全体で見直さなきゃならない、このように思います。二〇〇五年三十兆ぐらい公費負担があるんじゃないか、二〇一〇年三十七兆、また、二〇二五年六十四兆にもなる、こういうことになりますと、やはり全体を見直して進んでいかなきゃならない。そして、潜在的国民負担率、こういうものを考えなきゃならない。

 そうすると、税と保険料の関係、財政との関係、こういうものを考えながら運営をしていくのは大変難しい問題でありますけれども、これについて、総理の社会保障全体の改革についてのお考えを伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 社会保障制度に対する御質問でありますが、来年度予算、現在審議しておりますこの予算委員会におきましても、今や、日本政府としても最も国民の税金を支出している分野であります。八十二兆の一般会計予算の中で、来年度既に二十兆円を超える予算を計上しているのは社会保障関係費以外ございません。

 これは、国民の負担によっていかなる社会保障制度を構築していくかという場合に、年金、医療、介護、生活保護、こういうものを含むわけでありますが、今後とも手厚い配慮は当然でありますが、多ければ多いほどまた税金の負担というものをどう考えるか。この税金の負担が経済全体の活性化をそぐものであってはならない。社会保障を永続的な、持続可能なものにするためには、経済成長が不可欠であります。

 その社会保障制度を手厚い配慮のもとに拡充していくためにどの程度の財源が必要か、その財源は社会経済の発展を阻害するものであってはならないという観点から、私は、できるだけ五〇%を超えないような対応を今後とも各党で議論していくのが大事なことではないかなと思っております。

左藤委員 ありがとうございます。しっかり与野党問わず論議をしていただいて、国民のためにしっかり頑張っていただきたい、このようにお願いを申し上げたいと思います。

 次に、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

 昨年から、三位一体の改革の中で生活保護費の問題が取り上げられました。国庫負担四分の三、これを三分の二、いや二分の一だとか、こういう話が大分出てまいりましたけれども、実は、これは全国の被保護人数を見ますと、百四十三万人以上にもなります。地域別で見ますと、東京都が十八万五千人、神奈川県が九万七千人、大阪府は二十万六千人。市でいいますと、横浜市が四・七万人、そして名古屋市は二・七、大阪は十万二千人、こういうすごい、地域によって、特に大阪が多いということに相なるわけなんであります。

 これはなぜだろう、こういうことになるんですが、一つは、東京や名古屋は景気がいいけれども、関西は景気が悪い、こういうこともあるんだろうと思います。ホームレスもすぐ大阪に集まってくる、いろいろな問題がある。こういうことで、ホームレスの方が自立をするのには、やはり一時的には生活保護にかかっていただいて仕事についてもらう、こういうことも大阪市もやっているわけですが、非常に偏りが激しい。この地域別の偏りを何とかしなきゃならないんじゃないかな、このように私ども思います。

 それについての御意見と、もう一つ、いろいろ論議の中で、保護の認定が甘いんじゃないかという話もあります。

 実は、いろいろ地域からお話がありますと、区役所、市役所から、この人だが、手続をちゃんと踏んでおりますけれども、保護者になりましたよという報告が民生委員に来る。民生委員はその経過は知らない、結果だけが来る。もう少し民生委員の方々に、地元のことでございますのでよくわかっているはずなんですが、そういう人たちと一緒になって、認定をするときに考えていただいた方がいいんじゃないか。区役所や市役所の人が、本当にその人が生活保護の対象者なのかどうかわからない、こういう話もあります。この辺について、大臣の御意見を賜りたいと思います。

尾辻国務大臣 まず、生活保護の地域格差についてのお話がございました。

 最初に、都道府県別の保護を受けておられる方の数のお話でございましたが、地域格差は、私どもは、生活保護の保護率、これは千人のうち何人の方が保護を受けておられるかという数字で普通あらわしております。

 今ちょっとお話しになりましたけれども、その保護率で見ましても、一番高いところが大阪のお話しになりました二十三・四人でありますし、一番低い県は富山県の二・二人でありますから、この間十倍の差があるということでございます。地域間格差が非常に大きいということでございます。

 この差は、それぞれの地域の経済雇用情勢でありますとか、あるいは高齢単身世帯や離婚の状況など社会的な要因も大きく受けるものでありますから、そもそも地域格差があるということはやむを得ない面もある、こういうふうには考えております。

 ただ一方、これに当たる担当職員の不足が著しい地方自治体もありますから、こうした地域の取り組みの問題、実施体制の問題、こうしたことも一因になっておるというふうに考えております。

 そうした面をぜひ是正していただきたいというお願いは今いたしておりますけれども、一方また、この生活保護の問題を考えますときに、自立、就労に向けた支援を充実する、これは極めて大事なことだと思っておりますから、私どもの方でも積極的に取り組んでいきたい、こういうふうに思います。

 次に、民生委員のお話ございました。

 私も気になっておりましたから、先日、民生委員の皆さん方の御意見を直接伺ってみました。そうしましたら、やはり福祉事務所と民生委員の連携というのは必ずしも十分でないと、今先生がお触れになったような実態については、民生委員の方々からの御意見も伺いました。ただ、それも、今度は福祉事務所の方がどういうふうに言うかというと、どうしても保護を受けておられる皆さんのプライバシーの問題などもあるものですから、そうした配慮などから慎重になっておる面もある、こういうような言い方はいたしております。

 しかし、いずれにいたしましても、民生委員の方の御協力をいただくことは極めて自立支援にも有用でありますから、民生委員の方々に積極的に協力をいただけるように、私どもも今後努めていきたいと考えております。

左藤委員 ありがとうございます。しっかりと民生委員の方々と連絡を密にして、こういうものを地元の方々の理解があるようにしていただきたいと思います。

 この中で、先ほど申し上げました国庫負担の問題、四分の三が三分の二にもしなったとすると、地方自治体は実は一千九百億円の財政負担になるわけですね。これは大変なことであります。先ほど大阪市の話が出ましたが、実は保護率、全国平均一・一に対して三・九%で、三分の二というと百七十三億円という財政負担がふえることに相なるわけであります。

 その中でいろいろ考えられることですが、国民の生存権といいますか、憲法二十五条に保障されているこの問題、これはやはり地方に任すというよりも国が全額認めたらどうだろう、こういう意見もあります。この辺について、地方財政の問題とこういう御意見についてのお考えを賜りたいと思います。

尾辻国務大臣 生活保護の問題につきましては、さまざまな御意見をその都度ちょうだいいたしております。例えば、平成十六年の七月には、指定都市の市長会の皆さんから、もう制度疲労を起こしておるのじゃないかというようなお話もございました。こうした御意見というのは今強うございますので、私どもといたしましても、生活保護は見直すべき課題であるというふうに考えております。

 そうした中で、三位一体の議論が起こりましたから、私どもは税源移譲を前提にして、まさに三位一体でありまして、税源移譲というのが前提でありますから、その税源移譲を行われるこの機会にぜひ制度の見直しということを考えるべきだというふうにして、御提案を申し上げたところでございます。

 そこで、今、生活保護そのものの、生存権の問題といいましょうか、そうした基本的なことでのお話もございました。これについては、私は、三位一体の改革の議論の中で再三申し上げたんですが、社会保障というのはどうしても国と地方が手を携えなきゃいけない。国は制度はつくりますけれども、実施していただくのは地方の方でありますから、手を携えていかないと社会保障というのはできない。一方だけがやる、オール・オア・ナッシングとでもいうんでしょうか、一方は全然見ないというような関係ではないというふうに思っておりますので、基本的には国と地方が手を携えてやっていくべきことである、国だけという話ではないだろう、こういうふうに考えておるところでございます。

左藤委員 ありがとうございました。

 それでまた、三位一体の中で教育問題、特に義務教育費の問題が大分昨年、また今も論議されております。今度の予算で、中学校の先生方の国庫負担八千五百億のうち半分の四千二百五十億が一般財源化される、この問題でございます。

 実は、義務教育というのはやはり国がしっかり関与してやるべきではないか、こういう意見もありますし、本当に一般財源化されたお金がきちんと先生方に行くんだろうか、こういう問題が非常に不安になっているわけであります。

 お手元に私どもが資料を出させていただきましたけれども、学校図書整備費、これは平成十四年度のものでございますけれども、全国の予算措置した平均は四十二万一千円ということになりますが、実は青森県、最低の十八万六千円、最高が山梨県の七十万七千円、これは一校当たりの整備費であります。実に平均値を上回っているのは十五県しかないんですね、四十七都道府県のうち十五しかないこの現状。

 次のページを見ていただきますと、同じく一般財源化された教材費そして先生方の旅費、これも昭和六十年にされましたが、このグラフを見ていただくとわかりますように、地方財政が厳しくなったということもありますが、地方債がふえるのと逆行して、今度教材費や教員旅費が下がっています。

 平成十五年度の教材費は基準財政需要額の実に七五・七%、そして旅費に至っては八四・一%しか実行されていない。つまり、自由度があるから、教育よりほかのところにお金が回ってしまった、これが図書費、教材費、教員の旅費についての現状であります。

 そうなりますと、先生方の給料、しっかりと本当に行って、子供たちの教育のために頑張っていただけるような措置ができるのだろうか、非常に不安になります。

 それと、いろいろな意見がありますけれども、海外の事例、アメリカ、ヨーロッパを見ますと、御存じのとおり、ヨーロッパはほとんど国が見ています。今イギリスは、七五%を国が見て、二五%は地方が見ていますが、二〇〇六年、イギリスは国が全額を見る。アメリカに至っても、政府は七%ちょっと、そして半分が州政府、四〇%ちょっとが地方ということになります。世界の流れから見ると、この一般財源化するということは逆行じゃないか、このような考えもするわけであります。

 これから日本の子供たち、大変大事な存在になります。日本は、残念なことに資源がありません、人材しかありません。しっかりと教育をするためにも、先生方の給与確保というのはどのように大臣はお考えになっておられますか、お答えをお願い申し上げたいと思います。

中山国務大臣 義務教育費が一般財源化された場合に教育関係に使われないのではないか、こういう御質問でございますが、この義務教育国庫負担制度というのは、地方公共団体の財政力の差にかかわらず、全国すべての地域におきまして、すぐれた教職員を必要数確保して、教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るために極めて重要な制度である、このように認識しております。

 仮にこの制度を廃止して一般財源化にした場合には、使い道が限定されないことから、義務教育費に与える保証がない、今委員から御指摘ありましたように、教材費とかあるいは旅費さらに図書購入費につきまして、基準額を大幅に下がってきているという現実があるわけでございまして、そういう懸念はぬぐい切れないところでございます。

 さらに、地域間の税収格差によりまして、四十道府県で教育費の財源不足に陥るおそれがある。そして、その財源不足を地方交付税で調整するということにいたしましても、地方交付税そのものが、三位一体改革によりまして、来年と再来年は維持されますけれども、その後急激に削減されるおそれもあるというわけでございまして、必要な財源が確保されるかどうか大変心配しているところでございます。そういったことから、この義務教育の水準に地域格差が生ずるのではないか、こういうことを心配しているところでございます。

 また、御指摘がありましたように、主要先進国におきましては、韓国とかフランスが、義務教育の給与負担につきましては全額国が負担しているというようなことでもございますし、また、地方分権型のアメリカとかイギリスにおきましても、義務教育に関する国の負担、積極的に果たすようになっている。とりわけイギリスにつきましては、二〇〇六年からは全額国が負担することが予定されているわけでございまして、そういった世界の趨勢に反するような動きになってしまうということも心配しているわけでございます。

 御承知のように、この義務教育国庫負担制度の今後の取り扱いにつきましては、昨年十一月二十六日の政府・与党の合意におきまして、義務教育制度の根幹は維持し、国の責任を引き続き堅持するという方針のもと、費用負担についての地方案を生かす方策と、教育水準の維持向上を含む義務教育のあり方について幅広く検討いたしまして、ことし秋までに中央教育審議会において結論を得ることとされているわけでございます。

 文部科学省といたしましては、この義務教育国庫負担制度の重要性にかんがみまして、義務教育に係る国の責任はしっかりと果たせるように、その改革に邁進してまいりたいと考えております。

左藤委員 次に、また大阪の話で申しわけないんですが、二月の十四日、寝屋川の市立中央小学校で殺傷事件がございました。府としては、これは大変だということで予算化をし、ガードマンを雇う、こういうことになっています。それぞれの市にそれぞれモニターをつけるとか、また警察のOBにお願いして回るとか、また大阪市に至っては、地域と一緒になって、相談をしながら子供の安全というものを守ろう、こういうことになっておりますが、学校内の事件、いろいろ、池田小学校の事件もございました。これはやはり、地方もありますが、国としての責任もあると思います。

 これについて、どう子供たちを守っていくのか、大臣のお考えをお願い申し上げたいと思います。

中山国務大臣 先般の寝屋川市の小学校の事件というのは、これはあってはならない事件である、このように認識しておるところでございます。学校におきまして児童生徒が安心して教育を受けることができるように、国として、学校の安全確保のための施策を推進することは極めて重要な課題である、このように考えているところでございます。

 そういうこともございまして、事件が起こりましてすぐ、文部科学省としては、担当官を現地に派遣いたしまして、また省内にそのためのプロジェクトチームをつくりまして、今後どのようにさらにこの安全確保をやっていくかということについて議論しているところでございます。

 当面、各都道府県の委員会に対しまして、今回の事件が教職員を対象としたものであるということから、まず、教職員の安全確保、これについてしっかりやってくれということと、地域との連携、特に警察との連携を密にするように、そういう通達を出したところでございます。

 いずれにいたしましても、学校の置かれている状況というのは、その地域ごとにいろいろ区々なものですから、学校の安全対策につきましては、具体的にどのような措置を講ずるか、これは、とりあえずは各学校の設置者においてそれぞれの実情に応じて検討していただき、適切に対処していただくということでございますけれども、大阪府が、先ほど言われましたように、警備員の配置等をされた、これについての補助をされるということは大変いいことだ、こう思うわけでございます。

 文部科学省といたしましても、危機管理マニュアルの作成をいたしておりますが、学校施設における防犯対策の徹底を図る観点から、安全対策に資する工事に対して国庫補助の対象とするなど、ハード及びソフトの両面にわたりまして学校の安全対策を支援しておるところでございまして、今後とも一層こういった方面の施策の充実を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。

左藤委員 次に、将来、近々やってくる教員不足の件についてお伺いをしたいと思います。

 団塊の世代の先生方がどんどん退職が始まります。今四十六歳、平成三十年度退職の人が、二〇一八年なんですが、ピークになるんですね。このような、こういうグラフができております。こうなりますと、先生の質の問題、量の問題、どうやって確保するか、非常に我々は心配であります。

 ちなみに、過去十年間のを調べたんです。教員の採用数それから試験の倍率の変化を見たんですが、東京都は、一九九六年ですが、百二十九名合格を出して、実は倍率十五・三倍なんです。ところが、二〇〇四年の採用は、千五百五十九名合格させて、倍率でいうと二・一倍。大阪府は九九年が六十名合格して、これは三十二・一倍の競争率。ところが、二〇〇四年、千二十三名合格して、三・三倍なんです。

 学校の先生の試験を受けるというのは、一県しか受けないということはないわけで、幾つも受けるわけですから、現実、これは二倍、三倍となると、ほぼ全員合格ということに相なってしまう、これでは先生の質が保たれるんだろうか、こういう問題。

 そして、各大学に教員養成課程というのが国立大学にありまして、定員が今一万人なんです。今までは二万人だったのが、一万人になってしまった。これは、先生が減ると、恐らく年二万人近い先生が要るだろうと言われていますと、この需要だけで、とても対応できない。もちろん一般の大学から先生になってもらうんだろうと思いますが、これは非常に厳しい状態である。

 そして、子供たちが、OECDの発表にありますように、理科や算数の力が落ちてきた、読解力も落ちてきた、こういうことになっていると大変なことになる。これは下手すると大変な国家の危機じゃないか、私はこのように思います。

 こういう面に対して、先生の不足、学力の低下について、大臣の見解をお願い申し上げたいと思います。

中山国務大臣 教育は人なり、こう言われますが、実際に今、現場を回りまして、いろいろな話を聞くたびに、やはり先生次第だな、先生の資質を高めるということ、すぐれた先生を必要な数確保するということは本当に大事なことだ、こういうことを改めて再認識しているわけでございます。

 今後の採用の動向につきましては、今お話がございましたが、退職者等が増加することから、しばらくは増加あるいは現状に比較して高い水準で推移していくことが予想されるわけでございまして、また、一部の都道府県におきましては、特に教員採用の大幅な増加が見込まれるところでございます。

 こういったことから、教員の任命権者であります各都道府県の教育委員会におきましては、例えば採用試験の受験年齢を緩和したり、あるいは民間企業等の経験者を対象に特別選考を行ったり、量及び質の両面からすぐれた教員を確保するための工夫を講じているところでございます。

 文部科学省としても、各都道府県がそれぞれの実態に応じまして質の高い教員を適切に確保できるよう、引き続き選考の工夫、改善を促してまいりたい、このように考えております。

 また、ことしの一月に中央教育審議会から出されました我が国の高等教育の将来像の答申の中で、教員等五分野についても抑制の必要性について個別に検討する必要があるという御指摘をいただいたことを踏まえまして、現在、有識者の会議におきまして、教員養成分野の入学定員のあり方について御検討いただいているところでございまして、今後、その検討結果を踏まえて適切に対処してまいりたいと思っております。

 さらに、今後、信頼される学校づくりのためには質の高い教員を養成確保していくことが不可欠である、こういったことから、現在、中央教育審議会におきまして、今後の教員養成、免許制度のあり方につきまして、幅広い観点から御検討いただいているところでございます。

 文部科学省といたしましては、本年中をめどに答申をいただいた上で、速やかに所要の制度改正を行いまして、使命感と指導力にすぐれた質の高い教員の養成確保に努めてまいりたい、このように考えております。

左藤委員 私学助成の、これは、もう時間がありませんので、ちょっとお願いをしておきます。平成十七年度の予算、国立大学の運営費予算というのが一兆二千三百億なんですね。ところが、私立大学については、三十億ふえましたけれども、三千二百九十億しかない。公私間格差、これは高校もあります。大体、高校でも倍ぐらい父兄は負担をしている。この公私間格差にぜひひとつ取り組んでいただきたい。高校では実に三〇%、大学生は七五%が私立に通っている、この現状を踏まえて、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 では、時間が来ましたので、総務大臣に改めて総務委員会で質問をさせていただきます。どうもありがとうございました。

甘利委員長 これにて左藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、桝屋敬悟君。

桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。

 三位一体の改革及び内政問題集中審議であります。最初に、総理にお伺いをしたいと思います。

 総理、大分お疲れのようでありますが、私ども公明党は、いわゆる小泉改革と言われる改革に、与党の一員として足かけ五年おつき合いをしてまいりました。ほとほと疲れたとは言いませんけれども、懸命に改革作業に我々も取り組ませていただいた、こう思っております。ただ、今、ある意味では小泉改革の総仕上げの段階に入っている、こう私は思っております。

 しかしながら、例えば、今の現状を見ますと、きょうの新聞、先ほど同僚議員が言っておりましたけれども、社会保障制度の改革に関する与野党の協議、やっと始めていただけるのではないか、こう期待しておりますが、簡単なことではありません。あるいは郵政の民営化、郵政事業の改革についても、これは与党の中での議論も大変にまだ困難をきわめている。そして教育の問題、今話がありましたが、義務教育の国庫負担金の問題についても、実は、秋の中教審に向けて議論が開始されておりますが、今なおそのメンバー構成でなかなか難しい問題になっている。

 私に言わせますと、三位一体の改革どころか、三すくみの状況ではないのか。私は、ある意味では、小泉総理だからここまで来たというふうには思っています。ただ、逆に言いますと、小泉総理だからこそこんなに混乱をしているというのも、厳しい言葉で申し上げますと、そういうところがあるのではないか。

 したがって、改革の総仕上げの段階になりましたので、どうぞお願いをしたいのは、この三すくみをどうするかということをお聞きしたいのでありますが、私は、小泉総理に、理想を高く掲げて、そして粘り強く丁寧に、さらには、説得のためには言葉を惜しまずにどうぞ取り組んでいただきたいとお願いを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 三位一体の改革がともすれば三すくみになるんじゃないかということでありますが、今までそうだったんですよ。補助金改革、これは難しい。どうも、これに手をつけると難しいからだめだということでそのままになっていた。税源移譲、これも難しいと。交付税改革、これも地方がどうしても必要だと。みんな難しい。三すくみ状態だったのを、これではいけない、一つ一つ改革するよりも一緒に、今言った補助金、税源移譲、交付税、これを一緒に、難しい問題を解決していこうというのがいわゆる三位一体改革であります。

 だからこそ、現状を維持したいという勢力と、いや、このままでは地方の裁量権がないじゃないか、もっと地方の自主性を拡大していこうじゃないかということから今三位一体改革を行っているわけでありまして、当然、最初から、三すくみの状態を改革するんですから、強い抵抗、反対勢力があることは覚悟しておりました。しかし、一歩一歩今進めておりまして、税源移譲においても、補助金改革にしても、交付税改革においても、一歩進んだ段階になってまいりました。

 四十七都道府県、地方も御苦労いただいたわけです。四十七都道府県はそれぞれ事情が違います。地方案がまとまりましたけれども、この案に対しても、地方の知事においては、あるいは市町村長におきましては、反対だ賛成だがいまだに出ております。しかし、賛成、反対で手がつけられないんじゃなくて、やはり結論を出さなきゃいけないということで地方団体が案を出して持ってきた。これを真摯に受けとめて今改革を進めているわけでありまして、十七年度、十八年度、この地方案を真摯に受けとめて改革を進めていく、十九年度以後は、その十七、十八年度の成果を見ながら今後検討していくということでございます。

桝屋委員 総理、私は、きょうここで総理にぜひお願いをしておきたかったことは、例えば郵政事業の改革、これも今与党の一員として議論をしておりますが、どうぞ、内閣にあります推進本部の中でしっかり議論していただいて、そして、今総理がおっしゃったように、確かに反対の意見もある、それをよくもんでいただいて、時間に限りもあるわけでありますから、そうした推進本部での議論をしっかり重ねて我々与党にもお示しをいただきたい、そうしたお取り組みをお願い申し上げておきたい、このように思います。

 さて、具体的な中身でありますが、きょうは三点だけお尋ねをしたい。

 一つは、国庫補助負担金の改革でございます。

 今、総理からもお話がありましたが、今回改革された国庫補助負担金の改革の中で、気になっていることが一つあります。それは、従来補助金として執行されていたものが、税源移譲に伴って廃止ということではなくて、税源移譲はできないけれども交付金化する、これも改革だ、こう言われているわけでありまして、確かに、地方の自主性、裁量性を高めるという意味では交付金化は意味があると思っておりますが、この問題であります。

 例えば厚生労働省関係。従来の社会福祉施設の施設整備補助金あるいは設備整備補助金、これを改革いたしまして、地域介護・福祉空間整備等交付金あるいは次世代育成支援対策施設整備交付金というふうに、新しい交付金が創設をされました。

 そこで、お尋ねでありますが、交付金化でありますから、今までのように、施設整備の補助金は、二分の一が国庫負担、そして四分の一が都道府県負担、四分の一は設置者負担、こういう長い時代の施設整備の補助金のときの負担割合というものがありました。これが地方には意識としてあるわけでありますけれども、今回交付金になりますと、では、どういう基準でそれが配分されるのかということが気になるわけでありまして、補助金ではない、補助率という概念がなくなって、地方団体に薄まきされるのではないか、こういう懸念を地方が持つわけであります。

 とりわけ十七、十八の改革期間において、従来の施設整備補助金、それの二分の一の国庫負担部分、この相当額が交付金によって確保されるのかどうか、これをまず厚生労働大臣にお聞きしたいと思います。

尾辻国務大臣 私どもは、地方の裁量をふやすという目的で補助金から交付金ということを言いました。これは、従来は、今お話しいただきましたように、この施設をつくるというと、その施設の二分の一を補助金で出しましょう、こういう仕組みでありましたけれども、そうではなくて、地域全体に交付金としてお渡しします。そうすると、あとは地方の裁量で、大きな施設を一つつくられるのもいいですし、小規模の施設を幾つかおつくりになるのもいい。二分の一掛ける二も一ですし、三分の一掛ける三も一です。こういうことで交付金化ということを言ったわけでございます。

 あとは全体のパイをどうするかという今お話でありまして、全体のパイがそれで小さくなればという御懸念だと思いますけれども、私どもは、そこについては全体のパイを小さくしないように最大限の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

桝屋委員 今、具体的なお答えはなかったのでありますが、全体のパイということで、今までの二分の一の国庫負担部分については交付金化によっても確保していきたい、努力をしたい、こういうお答えかと。いいですね、そういうふうに理解して。

 そうした場合に、もう一つ問題。今度は総務大臣にお伺いしなきゃなりませんが、従来の補助制度では、施設整備の補助では、都道府県がある施設整備、例えば百億の施設整備をするという場合は、都道府県が四分の三部分は負担をします。それについてその三分の二、いわゆる二分の一部分、全事業の二分の一は国が、都道府県が交付するのであれば国が負担をしますよ、こういうことでありますから、逆に言いますと、社会福祉施設の施設整備については国が負担をする、当然、その前提として地方負担があったわけであります。

 これは都道府県が予算を計上し、その四分の一部分については執行する、義務負担でありますから、それは地方財政措置として当然、裏負担といいましょうか、その対応、地財措置があったわけでありますが、交付金化になったらこれはどうなるのか、当然、地方は気になるわけでありまして、地方から見ると、合わせて総事業費になる。その事業に対する国からの支援になるわけでありますから、その点を明らかにしていただきたいと思います。

麻生国務大臣 まことにごもっともな御指摘だと思います。

 今出ておりますのが、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金、名前が変わっておりますので、及び次世代育成支援対策施設整備交付金、いずれも交付金に名前が変わっておりますが、地方負担の分につきましては、基本的にはこれまでと同様の地方財政措置を講じていくことといたしております。

 例えば、社会福祉法人立の施設の場合を例に引きますと、国の交付金の二分の一というものは地方負担ということに算定しておりまして、地方交付税と地方債によってこれを従来どおり対応することといたしております。

桝屋委員 さらっと言われたのでにわかに理解できないんですが。もう一回伺いますと、今までは、補助金の場合は二分の一国が負担、四分の一は都道府県、あるいは市町村の負担もある。そういうものについては、今度は交付金は二分の一という概念がなくなるわけですね、厚生大臣。なくなりますから、その交付金に対して、地方財政措置は交付金と同額を地方財政措置として対応する、こういうふうに理解していいのですか。

 そうした場合、ここが問題でありますが、交付金が、私も数字を確認しましたけれども、十六年度予算で大体一千三百億ぐらい厚生労働省関係の施設整備補助金がありました。これは国費ベースですよ。今度これが交付金になりますと、八百六十六億と百六十七億、足しまして一千三十三億、少し目減りしているではないかということも気になる。加えて、恐らく二分の一という補助率の概念はなくなりますね、厚生労働大臣。そうすると、じわりじわり目減りしていくのではないか。これが薄まきされて、しかも、地財措置としてはそれと同額が地財措置されるということであれば、結局、地方から見ると薄まきになるんじゃないのという懸念を持つわけです。

 したがって、厚生労働大臣にもう一回お伺いしたいんですが、今詳細な設計をされていますが、例えば交付金の配分の基礎額、今までは補助金の場合は補助基準額と言っておりましたが、今度は配分の基礎額、それにさまざまなそれぞれの地方団体の取り組みの状況によって採択指標というものをお考えになるそうでありますが、そうした場合に、交付金化されたものの中には具体的に負担割合を明確にしているものもあるようでありますけれども、そういう意味では非常に地方は気になるわけで、懸念を持つわけであります。

 さっき言いましたように、結局薄まきされて、そして地財措置まで減ってしまう。その分地方の負担がふえるではないか、これだったら交付金というのは改革ではない、こんなことをするぐらいだったらむしろ税源移譲で地方に渡してください、その方がよっぽどすっきりしますよ、こういう声になるわけでありまして、いま一度この交付金の配分基礎額あるいは採択の指標、その設定の仕方について、地方との信頼関係がなくならないようにぜひお願いしたいと思いますが、厚生労働大臣のお答えをお願いします。

尾辻国務大臣 確かに十七年度予算、今お願いしておる予算では、総額で六十五億減っておることは事実でございます。

 したがいまして、この厳しい財政事情でありますから、全体のパイが小さくなれば、二分の一という補助率を維持したとしても、それはそのままやはり小さくなるわけでありまして、必ずしもその二分の一というのを外したから小さくなるというふうにも思わないところではありますけれども、いずれにいたしましても、申し上げておりますように、国と地方との間、手を携えていかなきゃいけませんし、特に施設の場合は、多くの施設の場合、できてしまうと、運営費というのはどうしても国がその後持たなきゃいけない、その責任を持たざるを得ないというようなこともありますから、やはり大変気になるところであるということも改めて申し上げておきたいと思います。

 いずれにいたしましても、今のようなお話というのは平成十八年以降の交付金の水準でございますから、全国的にバランスのとれた整備が可能となるように水準の確保に努めてまいりたいと思いますし、地方との関係というのは、話し合いながら、決してお互いに不信感が募らないようにやっていきたいと思っております。

桝屋委員 残りが少なくなりました。

 最後、谷垣財務大臣にお伺いしたいと思います。

 谷垣大臣には、三位一体の議論をする中で、非常に的確なときに、何兆円の使い回しという非常に適切な発言をいただいて、結果的に地方がそれで心が一つになったというようなこともあったりいたしまして、感謝していいやら怒っていいやら、地方団体の立場を考えますと何とも言えない複雑な心境なんですが、大臣にお伺いしたいのは、一つは、スリム化された補助金。

 先ほどは交付金化。今度は、税源移譲を伴わずにスリム化されたものが、十七、十八で四千七百億円ぐらいある。十七年だけで三千億を超えるいわゆるスリム化という作業が行われたわけでありまして、これは純粋に補助金がなくなるわけでありますから、地方団体も大変気にしているところであります。

 そこで、地方から出ている声は、税源移譲を伴わずに廃止された、スリム化された補助事業は、これは国として、地方団体でもうやってもらわなくていいんだな、地方団体はもうやる必要がないんだな、このように国が判断したものですね。きょう、時間がないからもう内容を言いませんが、多くの事業がずらっと並びますわな。これは、国として、もう地方団体はやる必要なし、こういう判断をされたかというふうに、その理由を聞きたいというのが地方の声。

 二つ目が、スリム化されて税源移譲されたという事業は、一体どの部分がスリム化されたのか。今まさに地方に対して説明をされている段階かと思いますが、そこが非常に気になる、懸念を持っておられる。

 三番目は、事業費の圧縮のみが行われた事業、スリム化された部分、それをこの三位一体の改革の中に一緒に含まれているわけでありますが、圧縮だけされたものが三位一体の改革と言えるのか。三位一体の改革というのは、さっき総理がおっしゃったように、税源移譲やそうしたものを伴うものがまさに三位一体改革ではないのか、単なる圧縮が三位一体の中としていいのか、こういう素朴な、あるいは真剣な懸念が地方団体にあるというふうに思っております。

 きょうは一つ一つの事業について検証する時間はありませんが、総論として、大臣に、地方団体にどう御説明をされるのか、伺いたいと思います。

谷垣国務大臣 三位一体の取りまとめに当たっては桝屋委員にも大変な御尽力をいただいたところでありますが、去年の十一月の政府・与党の合意の中で、十七年、十八年で二・八兆円程度補助金改革をやる。そこで、おっしゃったスリム化が四千七百億程度含まれている。これは、平成十七年度予算で見ますと、そのうち、スリム化の改革として、おっしゃったように〇・三兆ほどあるわけです。

 それで、これはなぜかということでございましたけれども、いわゆる骨太の二〇〇四で、確かに、一つは税源移譲に結びつく補助金改革をやろう、それから地方の裁量権を高める交付金化、今御議論のありました交付金化の改革もやろう、それにあわせてスリム化の改革も補助金には必要だということになって、なぜそれが三位一体かという御議論でしたけれども、これはやはり納税者の観点から見て、補助金にもいろいろ批判がございました、不要不急なものは圧縮していくということが納税者の視点から見て必要ではないかということではないかと私は考えております。

 その上で、どのように個別に判断したのか、なぜ縮減したのか、あるいはスリム化したということでありますけれども、これは実は補助金一つ一つの性格にかかわってまいりますので、個別に議論しないといけないんですが、ざっと申しますと、三千十一億円のスリム化のうち二千五百億円程度が公共事業関係の補助金削減でございます。

 これは地方の自主性、裁量性を尊重した改革ということで、いわゆるまちづくり交付金みたいなものに特化していこう、重点化していこうという一方で、整備の進んだ上下水道あるいは地方港湾、こういうものに対する補助金はスリム化しよう、また、国の関与の必要のない小規模事業予算等については廃止縮減を行おう、それから、予算執行調査などをやりまして、そこで実態を踏まえて、これは縮減ができるというようなこともございまして、そういうものを見直しいたしました。

 ざっと概略申し上げますと、以上のようなことでございます。

桝屋委員 以上で終わります。ありがとうございました。

甘利委員長 これにて桝屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡田克也君。

岡田委員 民主党の岡田克也です。

 きょうは、まず経済見通しと定率減税の縮減、わかりやすく言えば所得増税について議論をしたいと思っております。

 まず、総理に対してお聞きをしたいと思います。基本的にこの質疑は総理と議論したいと思っておりますが、まず、来年度の経済見通しの中で、消費は確実に増加をする、こういうふうに書かれております。総理はなぜ、来年度消費は確実に増加をする、こういうふうに考えておられるんでしょうか。根拠をお知らせいただきたいと思います。総理にお聞きしております。総理にお聞きしております。

小泉内閣総理大臣 我が国の経済を展望しますと、確かに現在一部に弱い動きが続いておりますが、大局的には緩やかな回復を続けていると思っております。企業部門におきましては、収益の増加が続いている、堅調である。

 そういう中にあって、現在の経済指標を見ますと、失業率一つとってもピークの五・五%から四・五%まで低下してきている。これは六年ぶりの水準であります。そして、有効求人倍率も現在〇・九一倍となっておりまして、十二年ぶりの高水準です。そして、雇用環境に関する数字を見ましても、過去二回の回復局面を上回る水準となっております。雇用状況も改善を続けておりまして、昨年の十―十二月期の雇用者の報酬もプラスに転じております。そういうことを見ますと、景気回復は家計部門に波及しつつあるというふうに見ております。

 また、十―十二月期の実質GDP成長率は三期連続マイナスとなっておりますが、これは台風などによる天候要因、また、米国、中国の経済成長が一時的に鈍化したことなど、一時的な要因によるものと考えております。本日発表されました全国勤労者世帯の一月の消費支出は、昨年に比べて実質で二・六%増加しているところであります。

 また、リストラの進展や企業部門の改善により雇用の過剰感というものは解消しつつありまして、有効求人倍率や新規求人倍率は上昇を続けておりまして、今後、雇用者数は増加していくものと考えております。さらに、パート以外の一般労働者数が下げどまりつつあるとともに、これまで賃金を下押ししてきたパート化の流れも鈍化しております。

 こういうことを踏まえまして、十七年度におきましても、アメリカや中国などの世界経済の回復が続くことが期待される中に、雇用所得環境は改善し、景気回復が企業部門から家計部門へ波及する動きは徐々に私は明確になっていくのではないか、そうすれば消費は着実に増加するのではないかと見込んでおります。

 こういう状況のもとに、今回の定率減税の見直しに当たっても、民間部門に過度の負担が生じないように配慮したところでありまして、定率減税の縮減を含めた今般の税制改正による平成十七年度の増収額は、来年一月から三月までですから、ことし四月からやろうということじゃないんです、来年の一月から三月まで千七百億円ぐらいの増収を見込んでおります。これは、景気に対してそれほど大きな影響を与えるものではないと認識しております。

 確かに減税の方が国民は喜ぶに決まっておりますが、これは財政状況を見なきゃできません。今のような国債をかなり発行しなきゃならない状況において、減税が将来に及ぼす影響というものもやはりにらんでいかなきゃならないのではないかと思います。

 こうした要因を加味した上で、昨年策定いたしました平成十七年度の政府経済見通しにおいては、今後とも、消費が着実に増加することによって、引き続き民間需要を中心の緩やかな回復を続けると見込んでいるところでありまして、定率減税を縮減する状況にはないという御指摘にはいささか疑問を持っておるところでございます。

岡田委員 問題は、確信を持って、消費は着実に増加する、そういうふうに言い切れるかどうかの問題ですね。今回の所得の増税は、そういった消費が着実に増加をするということを前提に導入されていると思うんです。ですから、そこが言い切れるかどうか。希望的観測じゃなくて、きちんと言えるかどうかということが問題なんです。

 例えば、最近の月例経済報告を見ても、いろいろ悲観的な材料が並んでいます。雇用者数の伸び悩み、製造業の残業時間の弱含み、所定外給与の伸びの鈍化、こういうことが列挙されています。そういう状況の中で、本当にこれから消費が着実に増加すると言い切れるのか、私は言い切れない、こういうふうに思っております。

 例えば、この委員会の議論の中で、企業の収益が伸びている、しかし、そのことが必ずしも所得の増につながっていないのではないか、こういう議論が何度かなされました。バブル直後の労働分配率が高かった時代から、それがバブル前にだんだん戻ってきた、だからそこで底打ちをするんじゃないか、こういう御説明だったわけですが、私はこの見通しはかなり甘いと思うんです。今まで、バブルの前の段階に戻ったからそこでとどまるのか、もっと労働分配率は落ちていくのか、厳しい状況になるのか、そこの判断が私は違うわけです。

 なぜ労働分配率がバブルの前の状況にとどまるというふうにお考えなのか。今の景気の状況を見れば、もちろん国際競争力のある企業は、ある意味でのリストラを終えて、そしてそこでしっかりと、あるいは労働分配率が高まっていくかもしれない。しかし、雇用の多くを見ている多くの中小企業は、非常にまだ苦しい状況にあります。そういう中で、果たして労働分配率がここで下げどまるということが言えるのか。

 そこのところについて、総理はどういう見通しをお持ちなんでしょうか。景気は一部はよくなっているかもしれませんが、全体としては非常に苦しいという中で、私は労働分配率が下げどまり、消費が確実によくなる、こう言い切れないと思いますが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 先ほども申し上げましたが、踊り場的な状況だと、経済の専門家はよく踊り場という言葉を使います。これは、確かに一部に厳しい状況が見られるのも事実です、中小企業あるいは地域によってですね。しかし、全体として見れば、これは失業率も低下してきている、先ほど申し上げました。それから有効求人倍率、これは増加してくれました。十三年ぶりですか。だんだん、求人数が多くて、求職者数もそれに乗ってふえてきている。雇用者数も増加してきているんです。就業者数も増加してきているんです。

 そういうことから見れば、大手企業の収益が改善しておりますから、それにつれて設備投資もかなり強気の見方が出ております。そうしますと、必ず大手の周りには中小が、協力企業がついております。それに対してもいい影響を与えてまいります。それは企業の業種によっても違ってまいります。また、地域によりまして、いいところ、悪いところ、これは確かにあるのは、私は否定いたしません。これにつきましても、私は、全体として改善状況、意欲を出している地域もありますし、なかなか改善が及ばない地域もありますが、全体として明るくなってきたなと。

 私は、こういう傾向はむしろ内需中心ですから、今まで輸出、輸出と言っていますけれども、幸いにして今は輸出もいいんです、中国、アメリカ初め。それに加えて、国内の企業を中心に設備投資の部分と、ここで消費にいい影響を与えてくれば確実な景気回復軌道に乗ってくるのではないか、私はそう判断しております。

岡田委員 総理お得意の設備投資も、これは輸出関連ですよ、基本的に。ですから、その輸出のところが、対中国、対アメリカ、それぞれの国の状況がどうなるかということは言い切れないわけです。そういう中で設備投資がどうなっていくかということも、それ自身が私は不透明だと思うし、しかも、設備投資がふえているから消費が着実に伸びると私は言い切れないと思います。

 ここは、総理は言い切れるとおっしゃるのであれば、しかしそういった輸出の環境が変わる、あるいは先ほど言ったように、企業自身の企業収益が回復してもそれが雇用に直接結びつかない、そういう中で、私は、余りにも楽観的な見通しに基づいて消費が着実に伸びる、それは、ある意味では所得税を増税するためにあえてそういう言い方をしているんじゃないか、そういうふうに思っております。

 総理、一―三月から所得税を増税するというふうに決められましたが、そうであれば、秋の国会で増税について判断しても遅くないんじゃないですか。なぜ、今決めてしまう必要があるんですか。

小泉内閣総理大臣 これは財務大臣が答弁するところだろうと思いますが、私、税制も今までやってまいりましたので答弁させてもらいます。

 これは、定率減税の場合は二分の一、去年の暮れの税制改革でやっていこうと。そして、二分の一縮減していくわけですけれども、四月からではなくて来年の一月から三月。そして、二分の一、総額大体一兆二千五百億円程度ですかね、半分なんです。全部やれば三兆三千億円になる。

 しかし、それを何で二分の一にとどめたか。というのは、ことしの状況をよく見きわめよう、そしてことしの秋以降、暮れのときには予算編成と税制改正が議論されます。そこで、あとの半分、これは経済状況をよく見ながら判断していかなきゃならない。一挙に三兆三千億の増税、増税という向きがありますけれども、そうじゃないんです。まず二段階、景気状況をよく見ながら、まずは二分の一にとどめておこうということなんです。そして、ことしの暮れにはそういう、今言った経済状況を見て、これをよく考えながら、あとの二分の一をどうしようかと。

 それは当然、地方の三位一体の地方への税源移譲という問題にも関連してきます、全体の税制改革ですから所得税と地方税の税源移譲。そういうことから、私は、今回の案というのは非常に景気にも配慮している、経済にも配慮している、財政にも配慮している。それで、年金を三分の一から二分の一に引き上げる、年金の基礎部分の国庫負担分を。そういうものを総合的に考えた、実に配慮をされた税制改革だと思っております。

岡田委員 まず、今回の恒久的減税ですね、ここの解釈について、政府の御説明の中でも、これは抜本的な所得税の改革をするためのいわばつなぎ的なものである、こういう説明をこの委員会の中でされていますね。そうであれば、抜本的な所得税の改革は来年度、来年度に抜本的な所得税の改革をする中でこの定率的な減税についても議論していけばいいのであって、なぜ一―三月に先行して増税をするんですか、なぜ増税をするんですか。

 それは一体的というのであれば、所得税全体についての見直しをする中で考えていけばいい。所得税全体の見通しがはっきりしない中で、もしこういう所得税になるということがはっきりすれば国民も安心するかもしれません、その具体的な図がない中で増税だけが先行する。そのことは、私は国民の消費に対して大いにそれを冷やすことになると思いますよ。いかがですか。

谷垣国務大臣 委員がおっしゃるように、平成十八年度に私どもは所得税から地方住民税へという形で三位一体の税源移譲を進めていく、そうなれば当然、国、地方を通じた所得課税全体を見直していかなければならない、それは平成十八年度の大きな課題だと思っております。

 そして、定率減税の関係でまいりますと、御承知のように、これを入れましたときに、抜本的な所得課税の体系を見直すまでのいわばつなぎの措置という位置づけでございましたから、そのとき同時にやれと委員はおっしゃっておられるんだと思いますが、私どもは、先ほど総理から御答弁もありましたように、やはり景気を考えると段階的にやるのが一番よいだろう、半分ずつやっていこうということで、平成十七年度は二〇%やっていくうちの半分をもとに戻そうということでお願いしているわけであります。

 もちろん、平成十八年度どうするかというのは、私どもは、また残りの部分は十八年度に定率減税をいじっていただかなきゃいけないと思っておりますが、それはまたそのときにきちっと議論をしていただくということであろうと思います。

岡田委員 私が心配するのは、橋本内閣のときの九兆円の負担増です。そのことによって景気が失速した。総理、そこまで自信を持って、今消費は堅調だ、これからも堅調だ、だから増税ができる、こうおっしゃるのであれば、もし消費がこれから軟調になって、そして増税によって景気が失速すれば、総理、当然、日本国総理大臣としての責めを負わなければならないと思いますが、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 橋本内閣のときの増税と同じになるんじゃないかという御批判ですが、当時の状況と違いますね。

 まず、当時の金融機関の不安定さに比べますと、現在は不良債権処理も進んでまいりました。予定どおり、大手の金融機関の不良債権は、八%台からことしは目標どおり四%台に縮小する見込みが立っております。

 そして、この不良債権処理を進める過程で、賛成、反対、両者から私は批判を浴びました。このまま進めていくとどんどん失業がふえる、倒産がふえる、もう少しおくらせたらどうかという批判と、いや、もっと早くどんどんやれ、ある程度そういう失業が出てもやむを得ないじゃないかということで、遅過ぎるからもっとやれと、両方から違う批判を受けたわけであります。

 結果的には、政府の見通しどおり進んできたにもかかわらず、倒産件数は連続して減ってきています。失業者はふえるどころか着実に減ってきています。就業者数は着実にふえています。有効求人倍率は着実に増加してきています。だから、今までの悲観論、だめだ、だめだ、悪くなる、悪くなるといって、この二、三年間言われた悲観論とは全く逆な、政府の見通しどおりに進んでいるわけであります。

 そういうことを考えて、私は、当時の橋本内閣のいわゆる増税とは違う。しかも消費税は、私、上げないと言っています。これは民主党とは違いますけれども、今の状況で、来年の九月までは消費税を上げる環境にない、そういう消費に与える影響も見ておりますから、私は消費税を上げない。それは、民主党は民主党で、一つの見識で、年金の目的税として消費税を上げろという御意見は御意見として結構だと思います。

 しかし、そういう全体の状況を見て、私は、かといって財政をこのまま国債増発に頼っていってもよくないということから、ある程度の増収策を講じなきゃ財政の健全さ、規律が薄れるということから、今回の定率減税におきましては二分の一縮小することも必要ではないかなと思って判断したわけでありまして、私は、だめだ、だめだ、橋本内閣の二の舞になって、また消費が落ちて、企業が倒産して、金融機関がかなり不安になるのではないかというそんな状況はもう脱したのではないかという観点から、今回の二分の一縮小を決断したわけでございます。

岡田委員 今の経済の状況を見て、楽観的な要素、悲観的な要素、それぞれあることは事実です。

 私たちは、基本的に今はまだ楽観できる状況にはない、したがって、所得税の全体の見直しの中でこの定率減税の問題も議論していくべきだ、こういうふうに申し上げているわけです。総理は、いや、今経済の状況は橋本内閣のときとは基本的に違う、だから増税していいんだ、こういうお話であります。それは一つの判断です。だけれども、もしそのことによって景気が失速すれば、それは当然内閣総理大臣としての責めを負う、そのことをはっきり申し上げておきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 増税にしても、規模があります、額があります。慎重に配慮したからこそ、増税増税という、定率減税を廃止したから増税という、三兆円程度の増税というならわかりますけれども、来年の一月―三月、一千七百億円程度の増収なんです。

 逆に、それではこれをしなかった場合に、財政に対する規律はどうなのかという点も考えなきゃいかぬ。私は、そういうことを考えて、増収策を講ずる場合にも、経済状況、景気全体をよく配慮して、国税については来年の一月から実施する、地方税においては来年の六月から実施する、そういう配慮をしていることも御理解いただきたいと思います。

岡田委員 私が申し上げていることは、国民がこういう増税先行型では将来に対して不安を持つ、そのことが消費に悪影響を及ぼす、したがって、所得税全体の見直しの中できちっと位置づけて考えていくべきだ、そういうことを申し上げているわけであります。当然、これで経済が悪くなれば総理としての責めを負う、そのことは申し上げておきたいと思います。

 次に、年金の問題について一言申し上げたいと思います。

 先般の党首討論で、私は総理に、全体的な議論を、社会保障制度全体の議論をすることはいい……(発言する者あり)

甘利委員長 静粛にお願いします。

岡田委員 しかし、まずは国民が最も不安に思っている年金の問題についてしっかりと骨格をつくるべきだ、そのことを申し上げました。総理は答えがありませんでした。

 しかし、その後、テレビ番組などで中川国対委員長は、いや、年金を先に議論することはいいんだ、こういう発言をされています。

 ここはぜひ確認しておきたい。これから社会保障制度全体の議論をする中で、まず年金制度の抜本改革を先行して議論していく、そのことについて、総理としての明確な答弁を求めたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、先日の岡田さんとの党首討論でも、そういうつもりで答弁していたんですよ。協議しようというのは、私は私なりに、いい、とりやすいボールを投げたつもりでいたんですよ。それを岡田さんが何かそらしちゃう、受け取らない。党首討論、答弁しながら、どうも感じが違うなと不思議に思いながら答弁していたんです。

 あのときの私の真意は、年金一元化を含む社会保障制度全体一体で議論しましょうということは、年金一元化を先から議論していいということだったんですよ。あのときにそういう質問をしてくれれば、いいですよと。だから、年金だけじゃありません、社会保障制度一般ですよと。それについては、胸襟を開いて話し合いのテーブルに着きましょうと言っているんですよ。

 だから、今言ったように、年金一元化の議論をしましょう、これを私は、何の異論も申し上げるつもりはございません。

岡田委員 社会保障制度全体の議論の中で、私、年金の一元化だけと言っているんじゃないですよ。年金の抜本改革をまず先行して議論する、そのことについて総理の御答弁がいただけたというふうに理解をしておきたいと思います。

 次に、政治倫理の問題について一言申し上げておきたいと思います。

 この予算委員会でもいろいろ議論されました。その中で、いわゆる迂回献金の議論が行われました。総理も、いわゆる迂回献金はあってはならないというふうに答弁されたと思います。なぜ迂回献金はあってはならないというふうに総理はお考えなのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 迂回献金というのは、今個人に対しては企業献金が禁止されております。しかし、政党に対してはこれは認められておりますから、その趣旨に従って、法律に従って、政党は各企業から、また団体から献金を受けております。

 それを党として全体に集めて、党の活動に、あるいは議員活動に使うのは何ら差し支えないけれども、個人に今企業が直接献金することは禁止されているけれども、党にはいいんだから、党に献金して、党からそれに、個人に回ってくるというようなことは指名してやってはいけないというのが迂回献金。こういうことはあってはならないことであるということを申し上げているわけであります。

岡田委員 今総理が言われたとおりだと私も思うんですね。本来、献金は、個人あるいは個人の政治団体は受け取れない。しかし、それを党を経由することで実質的に行っている。つまり、あらかじめ指名をして、この人に渡してくださいといって党に献金をして、それが個人に行くということであってはならないということだと思うんです。

 そのほかにも、例えば党でも、五万円以上は名前を出すという規定があります。これをすり抜けることにも場合によってはなりかねない、政党支部に行った場合ですね。あるいは、本来わいろになる、そういった職務権限のある人が指名によって受け取れば、それをすり抜けることにもなりかねない。そういういろいろな不透明な問題をはらむのがこの迂回献金です。

 ですから、その迂回献金について、私は、政治資金規正法に、あらかじめ指名して献金することを禁止する、そういう規定をきちんと置いたらどうか、こういう提案をしているわけであります。総理も、指名献金、迂回献金について問題があるという認識をされているわけですから、そういった規定を置くことについて、私は、基本的に異論ないはずだ、こういうふうに思っております。この点しっかりと、私は、これから関係の委員会で、あるいは与野党で協議をして、国民の不信を取り除く努力をすべきだと思いますが、いかがでしょう。

小泉内閣総理大臣 今も各党間でこの点につきましては議論がされているということを聞いております。どのような協議をして、どのような改善策を講ずるかにつきまして、政党として政党活動の必要性、そして多くの方々から献金を受ける必要性を認識しているわけでありますので、余り政争の具にしないで、政治の公正な活動のために建設的な議論を進めていただきたいと思っております。

岡田委員 ここは単なる申し合わせとかそういうことではなくて、法律にきちんと規定を置くということをぜひ御理解いただきたいと思っております。

 もう一つの問題、いわゆる政策活動費、これも、現行法上認められている、認められていない、いろいろ議論はあると思います。しかし、やはり政治資金規正法の趣旨からいうと、何億とか十何億のお金が特定の個人に行って、その先のことがわからない。これはやはり透明性を高めるという政治資金収支報告書の趣旨から逸脱している、私はそういうふうに思います。したがって、これも、何らかの規制を入れる、そういった個人に対してお金が行くことについて一定の規制を入れるということをきちんと議論すべきだ、こういうふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 この点につきましても、各党の政策活動費、政党活動費、それぞれ党によって特色があるし、相違があると思っています。どういう政策活動費をどのような党の役職者、幹部に与えるか、あるいは議員個人に与えるか、どこまで認めるか、こういう点についても各党それぞれ違ってくると私は思いますが、どの程度の許容範囲を与えるかにつきましても、私はよく議論をする必要があるんじゃないかと。

 確かに、表に出さなくていい金が現行法では認められております。その問題についても、どこまで出す必要があるのか、どこまで出す必要はないのかという点も含めて、それぞれの党の政党活動ですから、これは大きな違いが党によってある場合もありますから、この点については、十分各党の責任者間で、よりよい改善策があれば考えてもいいのではないか。私は、現行法で認められることがありますから、それがいかぬ、いかぬというのは、それは現行法を変えなきゃならないし、そういう点も含めて、よく議論する必要があるのではないか。

 特に、最近は規制の面がこの国会で議論されるものですから、寄附する人が非常に迷惑を受けているという声もよく聞かれます。なぜだと。月五万円程度、あるいは年間十万円程度の献金をしたいんだけれども、必ずマスコミから調査に来る。何でこの人を応援しているのかと。それは、本人、取材される方にとっては自分の勝手でしょうと言いたくなる。ところが、うるさくうるさくつきまとわれて、あたかもこの人に、この政党に献金をしているのがいけないかのような気持ちで、もういろいろ調べられる。

 では、政党は自分たちの献金を求めていながら、何でこういう煩わしいことをしなければならないのか。自分だって、献金をするのに人に知られたくなく献金したい。何百万もするんじゃない。一万、二万、三万、これでわいろなんという気持ちは全くない。それで政治家を動かすような気持ちは全くない。にもかかわらず、一定の、年間五万円多いと、これはだれにしたんだ、どの政党にしたんだとわかっちゃう。この政党に寄附した、この公示者に寄附したとなると、別の人にも寄附しなきゃならなくなる。

 こういう、寄附してくれた方から、少しは政治が考えてくださいよと。規制するばかりじゃなくて、税金だけで政治活動はなされちゃいけないんだ、国民の浄財、支援者の献金で政治活動をしてもらいたいから自分は税金を払った後献金しているのに、そんな文句を、批判をされるような筋合いないのに一々調査が入るというのは、考えてくれないかと。ちゃんと処理しているところに限って調査に来るんです。なぜなら公表しているからです。

 そういう点も、私は、政党同士、献金をしやすいような環境をつくることと……(発言する者あり)

甘利委員長 静粛にしてください。

小泉内閣総理大臣 しっかりと法律を守るということと、一定の規制は必要だということを総合的に議論していただきたいと思います。

岡田委員 多くのことを議論することはいいんですが、まずは国民的な要請といいますか、今ある不信感を取り除くために、私は、政策調査費の問題と迂回献金の問題、これを優先的に取り組んでいくべきだ。我々もいろいろな要求をしています。だけれども、この二つ、まずしっかり政治資金規正法を変える、そういう姿勢が私は大事だと思っております。

 政策調査費も各党いろいろとおっしゃいましたが、民主党には政策調査費という概念はありません。総理には、例えば一億円のお金が行っているというお話がありました。私はそのことを今批判するつもりはありませんが、例えば私自身が扱う交際費はホームページでも全部出しているんですね、出しているんです。したがって、これは党いろいろといいますが、やはり透明性をしっかり高めていく、そういう姿勢で政治資金規正法を変えていく、そのことを申し上げておきたいと思います。

 そこで、以上のことを申し上げた上で、例の一億円の問題について、総理に改めて申し上げたいと思います。

 最近の報道でも、例えば橋本派の元会計責任者であった滝川氏が法廷でいろいろな証言をしています。例えば、パーティー収入のうちの現金で持ってきた部分については政治資金収支報告書に載せずに裏金化していた、そういうふうに証言をしているわけであります。あるいは、橋本元総理を初め党の幹部から持ってきたお金についても収支報告書に載せていない、裏金として使っていた、そういう証言があります。そういったことを見ると、ますます疑惑は深まってくるわけであります。あるいは、日歯の前常務理事の内田氏も公判の中で、橋本元総理を初め当時の橋本派の幹部に一億円の小切手を渡したその場面について、事細かく証言しているじゃありませんか。

 そういったことがはっきりしている中で、私たちが求めている証人喚問、これが実現しないということは一体どういうことなんでしょうか。総理は、あれは党の問題ではないと言われますが、しかし、派閥というのは自民党の中に位置づけられた存在だと思うんです。しかも、最大派閥です。それを、党の問題ではないということで切り捨てて、総理が責任を逃れることはできないと思います。

 証人喚問に向けて、ぜひこれを実現していくんだということについて、国民に対して総理のしっかりとしたお答えを求めたいと思います。

小泉内閣総理大臣 基本的に、政治資金についての疑問が持たれた場合には、その持たれた議員個人がみずから説明すべきものだと私は思っております。そういう中で、この橋本氏については、今証人喚問を求める声があるというのも私は承知しております。また、昨年、橋本氏が国会の委員会の場に出てみずからの立場について質問を受け、答弁されたということも知っております。そして、現在裁判中であります。

 そういう議論を踏まえて、各党が今協議をされて、この証人喚問についてはこういう結論が出されたということの報告を受けております。これは各党の国会対策担当者の間の合意で、次のような合意がなされたと聞いております。いわゆる、証人喚問等については、これまでの与野党間の協議と今後の審議の経過を踏まえ、予算成立までの間、お互いに誠意を持って協議し、今国会での措置について結論を得るよう努力する、これが、各党、この問題についての合意だと聞いております。その合意をどのように具体的な形で決着させるか、私は協議の結果を見守りたいと思っております。

岡田委員 今の総理がお読みになったのは、それは確かに合意であります。しかし、その合意を実現するために重要なことは、自由民主党が前向きになることです。その総裁は小泉総理その人であります。ですから、小泉総裁が、きちんとやるんだ、疑惑を解明するんだ、そのことをはっきりここの場で言われれば話は進むわけですよ。総理がそれを言わないから話がとどまっているんです。

 もう一度聞きます。この疑惑を解明するために証人喚問を初め必要な措置をとる、そのことをはっきり国民の前で言っていただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 今まで何度か証人喚問が行われてまいりました。各党が個人をねらい撃ちにしたり、政党をねらい撃ちにしたり、証人の人権を傷つけたりしないように配慮がなされなければならないということで、これは多数決はやめようというのが慣例になっております。多数党の横暴、政敵つぶしのためにこういう証人喚問制度を使っちゃいけない。

 今の証人喚問についても、何人も証人喚問要求が出ております。これは、何人にするのかという問題も含めて、お互い率直に意見を交換して、この問題に対していい結論を出していただきたいと思っております。

岡田委員 人権の問題はもちろん重要であります。こういった制度が人権侵害につながることがあってはならない。過去にもいろいろなことがありました。しかし、今問題になっているのは、まさしく政治家その人であって、しかも、日本国総理大臣を務めた橋本さんがこういった疑惑が降りかかっている。国民は、もしこういうことが事実であれば、これは政治に対してとても信頼できない、はっきりと事実を知りたがっているわけです。

 そのことについて総理がリーダーシップをとって証人喚問を実現していく、他人事ではなくて、自民党総裁としての責任を持ってやっていただきたい、そのことを申し上げて、私のきょうの質問を終わります。

甘利委員長 この際、中井洽君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中井洽君。

中井委員 民主党の中井洽です。

 予算委員会で総理に久しぶりに質問をさせていただきます。ただ、総理がこの間お引きになっていた風邪が予算委員会に蔓延をいたしまして、大半の議員が風邪を引かれて、私も先週から風邪を引いておりまして、少し声がお聞き苦しいところもあろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。

 過般、予算委員会の質疑の中で、自民党の玉沢議員が町村外務大臣と非常に格調の高い外交問題の論戦をなさいました。私も大変敬服して聞かせていただきました。その中でただ一つ気がかりなところがございまして、ロシアとの北方四島の返還交渉の問題でございます。

 その中で、玉沢議員は、中ロ国境、中国とロシアの四千数百キロに及ぶ国境の画定に至る経過等をお述べになって、日本が四島返還、ロシアが二島は義務である、こう答えて、膠着状況にあるじゃないか、この膠着状況を打破するためには政治的決着を目指すべきである、こういう提案をなされたわけでございます。これに対して町村外務大臣も、領土問題の解決ということで強い意欲を示されておられたわけであります。

 ことしが日露修好百五十周年、また、日露通商条約百五十周年、日露戦争終結百周年、こういう記念の年に当たることは承知をいたしております。この年に思い切って決着をという考えがあることも承知をいたしますが、しかし、ロシアと中国、ロシアとヨーロッパ、各国が国境をいろいろいろいろと決めているのは、それぞれの国で長年にわたってとったりとられたり、国境がたびたび変わった中での政治的決着。この北方領土の問題は、もうずっと日本の領土で、第二次世界大戦後に不法に占拠されてそのままになっている領土問題でありまして、他の地域の領土決着と同じわけにはいかない、私はこう考えております。そういう意味で、総理大臣のお考えを。

 同時に、この五月の六日ですか、ロシアで、ロシア主催で対ドイツ戦争というんですか、第二次世界大戦終結六十周年の大行事があって、ドイツも招かれて出席されると聞いております。日本にも招待が来ていると聞いておりますが、総理はお出かけになられるのかどうか、お決めになっていらっしゃったらお考えをお聞かせいただきます。

    〔委員長退席、茂木委員長代理着席〕

小泉内閣総理大臣 まだ決めておりません。(中井委員「領土の」と呼ぶ)領土問題におきましては、これは日ロ間において最も重要な懸案事項であります。かねがね申しておりますように、北方四島帰属を明確にして平和条約を締結する、この方針に全く変わりはございません。

中井委員 それでやっておられると僕は思いますが、今のお言葉は、帰属を明確にしてということであります。私どもは、四島一括返還、これでいくべきだ、こう言っております。そこのところを、中途半端な政治決断をなさらないように、あえて申し上げておきます。

 それから次に、私は、今胸に青いリボンをつけて質疑に立っておりますし、日々もこういう形で活動いたしております。御承知のように、拉致議連であります。西村真悟議員とともに、一番古い拉致議連の一人でございます。横田めぐみさんの御両親を初め御家族の方々のお気持ちを思い、一日も早く北朝鮮に拉致された日本人すべての人たちを救済する、こういうために超党派で頑張っているわけでございます。

 総理は、北朝鮮との交渉で、たびたび、対話と圧力、こういったことを言われております。これはこのとおりでありましょう。しかし、一向、政府が北朝鮮に対して圧力をかけている、あるいはかけ続けているということは見えてまいりません。この間、細田官房長官はこの予算委員会において、ぎりぎり締め上げている、こういうことを言われました。しかし、実際北朝鮮に対してそのような対応をとっているとは、私どもは一向承知をいたしておりません。

 総理は、平壌宣言締結以来ずっと対話姿勢を強調されてこられました。しかし、あのような北朝鮮の対応の中で、私どもは、当然圧力をかけるべきである、もっと圧力を強めるべきである、こう主張いたしておりますが、総理、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 対話と圧力、これが大事でありまして、日本だけでなくてアメリカや韓国、中国、ロシア等も含めて、北朝鮮を除く五者間でいろいろ働きかけるというのも一つの圧力であります。

 さらに、厳格な国内法の適用を通じて麻薬、覚せい剤等を厳しく取り締まる、各国と協力しながら大量兵器の拡散を防止する、そのほか、日本として法の許す限り厳正に対処する、いろいろあると思いますが、まず制裁ありきという考えでなくて、お互い対話と圧力のもとに今後一日も早く北朝鮮側が国際社会の一員になるような状況をつくり出していくのが大事ではないかなと思っております。

中井委員 平壌宣言をもとに三家族が日本へ、いろいろな経過はありましたが、お帰りになった。このことは、私は、小泉総理の功績であったということを認めるにやぶさかでありません。

 しかし、あの平壌宣言が、結局三家族でおしまい、残りは死亡したか入国していない、これが既成事実であって、それ以上要求しないという約束の文書になっているじゃないか。したがって、いろいろ御苦労されているけれども、北朝鮮はそんなことは全然知らぬ顔だ。証拠を出せといったって、そんなものあるはずがない証拠を、まあまあつくり上げて、日本いいかげんにしろと言っているのが今の北朝鮮の対応ではないでしょうか。

 特定失踪者、これだけいるじゃないか、これだけ認定したらどうだと言っても、政府は一向動きません。こういうところを見ると、あの三家族で終わりにして国交回復へいくというのが平壌宣言の約束、それに向かって総理は苦労されている。圧力かけて、新しい進展や北朝鮮にいる特定失踪者の方々の安否、これらを含めて、解決をしようという意欲はないんじゃないか、私は心配をいたしております。

 政治でありますから、あるときに決断、あるときに国家、国益という判断はあるんでしょう。しかし、北方領土の問題でも、この北朝鮮の拉致の問題でも、中途半端な決断は絶対許されないと私は思います。特に拉致の問題については、全面解決、これが国民の切なる思いであります。場合によっては、平壌宣言を破棄してでも経済制裁に踏み切って、断固頑張るべきだ、このことをあえて申し上げておきたいと思います。

 財務大臣にお尋ねをいたします。

 今平成の大合併が日本全国で行われております。かつて、私は自由党でございまして、自自連立政権のころ、自由党が自治大臣を持っておったということもあり、この市町村の合併、特に、地方分権をやるためには地方自治体の基盤強化、こういったことが必要だということで、かなり論議をいたし、大臣にもやかましく申し、実行するというお約束もいただいてまいりました。それが今実が実って、大合併が行われていること、本当に感慨深いものがあります。

 先ほど質問しました岡田さんも私も三重県であります。私ども三重県では、来年一月になりますと、六十九ありました市町村が二十九になります。そして村が一つもない県になります。多分、兵庫県と愛媛県と三重県、三つだと思いますが、村がなくなるのがいいかどうかはまた別でありますが、なくなる県になります。

 この大合併でどういう効果があるかというと、例えば地方議員さんが六百二十四人減ります。それから首長さん、収入役さん、助役さん、それから教育委員さん、こういう人が二百四十人ぐらい減って、三重県全体で一年間に三十億円ぐらいの財政的な軽減になる。こんなことを含めて、私は、地域も非常に頑張っているな、こういう思いがいたしております。

 その中で、この合併のあめとなっておりますのは、合併特例債であります。この特例債は、十年間交付税で七割を見る、大まかにこういう仕組みになっているわけでございます。しかし、今回のこの三位一体の中で、交付税のあり方、交付税の削減、こういったことが盛んに言われているわけでありまして、これから合併するところ、この三月中に合併を決めるところ、大変不安に思っています。

 財務大臣、この三位一体の改革は改革だけれども、合併特例債はいじらない、そのまま約束どおりやっていく、こういうことで間違いないですか。(発言する者あり)総務大臣。ごめんなさい、総務大臣にお尋ねをいたします。

麻生国務大臣 財務大臣に聞かれたので、いいところつかれるなと思っていたんですけれども。

 合併特例債は、これはもう合併特例法の規定になっておりますので、これは公共施設、合併されていろいろ新しい庁舎をつくられる、まあ庁舎をつくられるとは限りませんけれども、道路でつながれる、いろいろ地域によって例が違いますけれども、そういったような公共事業というか整備事業について活用ができる、今のお言葉をかりればあめの部分ということになるんだと思いますが、これを使いまして、合併後のまちづくりに大いに貢献をしていくものだと思っております。

 この合併特例債を含めまして、地方債の元利償還という部分に要します経費というのが一番御心配なところだと思いますが、これは地方財政計画の策定を通じまして、これは当然のこととして、歳出は適正に計上するということは当然ですが、地方交付税等の必要な地方財源措置を確保するということは当然のことと思っております。

    〔茂木委員長代理退席、委員長着席〕

中井委員 お薦めでありますから、ついでのことで財務大臣にも、間違いないか御答弁を願います。

谷垣国務大臣 総務大臣とよく協調してやってまいりたいと思っております。

中井委員 皆さんのやり方は、時々、後からいろいろな理屈をつけて方針を変えるのが特徴でありますから、まあ十年先には政権もかわっておりますから私どもちゃんとやりますが、ひとつ皆さんの代でおかしなことにならぬように、きちっとやっていただきますことを強く要請いたします。

 次に、郵政公社並びに郵政の民営化の問題について、基本的なことで幾つかお尋ねをしたいと思います。

 郵政公社が発足して二年になると思います。きょうは、生田総裁にもお越しをいただいております。総理、生田さんの評判というのは物すごく高い。私も本当によくおやりになっていると尊敬をいたしております。小泉さんが四年間で何をやったか、何が一番よかったかというと、多分、この生田さんをお選びになったことだろうと。それ以外は大したことないなと言うと悪いが、僕はそう思っています。

 生田総裁並びに今の公社の努力のやり方、こういうことに対する総理の率直な評価をお聞かせをください。

小泉内閣総理大臣 私も、最初、生田総裁に総裁就任をお願いするのに苦労しましたよ。御本人はなかなかうんと言ってくれなかった。しかし、今の経営者はたくさんいるけれども、この郵政事業の重要性を認識して改革してくれる人はそうざらにいないと。場合によっては、国会に引きずり出されて多くの人の前で答弁しなきゃならない、こういうのは自分の柄に合わないと言って生田さんは固辞されました。しかし、今までの経験、経営者としての経験を生かしてこの大事な仕事をやれと、後輩の私に、やれと言うんだったら頑張りましょうかという承諾の言葉をいただいたときは、ほっとしました、また喜びました。

 期待どおり、郵政公社の職員の信頼をかち得て、そして、今までの企業経営の仕方を取り入れて、効率化、合理化に果断に取り組んでおられる。このままうまくいけば民営化しても大丈夫だ、民営化の準備を極めて順調に進めておられるなと。この生田総裁なかりせば、この公社をがたがたにしてしまったらば民営化もできない、それを一番心配していたんですけれども、着実に改善を進めて、公社の職員にやる気を持たせて、ああ、これならば民営化すればもっと発展できるという基盤をつくっていただいているということに対しては、心から敬意を表しております。

中井委員 公社の生田総裁を無理やり国会へ引きずり出したわけではありません。たってお願いをいたしまして、私は、あした質問したくて、あしたと申し上げたんですが、生田総裁はあした御出張だというので、私は時間を無理やり党の方であけてもらって、きょうお出かけをいただきました。

 総理にお言葉を返すつもりはありませんが、総理は生田さんにお願いしたときに、いい公社をつくってくれと言われたはずだ。民営化をしてくれ、民営化のために準備をしてくれとおっしゃったわけではないと私は承知しています。そのことをあえてつけ加えておきます。

 生田総裁にお尋ねをいたします。

 この二年間、公社総裁としてお務めになられて、率直に、公社そのものをどういうふうにごらんになっているか、これが一つ。

 それから、この二年間、今総理のお話にありました民間企業の経営者としての手腕をもって、どういう合理化をやられて、どういう成果を数字的に上げてこられたか、御報告をお願いいたします。

生田参考人 生田でございます。

 今、中井先生と総理大臣から、過分というよりも過分の三乗ぐらいのお話をいただきまして、ここに立っているのが恥ずかしいわけでございますけれども、お答えさせていただきます。

 まず、公社へ入りまして、入る前にいろいろ聞いたら、やはり官僚に囲まれたら大変だぞと。面従腹背、言うことを聞かない、保守的、みんな教えていただきまして、私、経験が余りなかったものだから、そうかなと思って入ったんですけれども、非常に違うということを知りまして大変驚きました、正直言いまして。

 それは、私も総合規制改革会議とかいろいろ官僚を知っていたんですけれども、かなり違っていると思いました。何で違ったか。それは、官僚で役所の仕事をしていたんだけれども、実は、余り意識しないけれども事業をやっていたんですね、サービス業を担っていたんだ。だから、何となく閉塞感的なものを感じていたのだと思います。

 そこに私が入りまして、きちっと経営としての方針を示し、ビジョンを示し、戦略を示す、何をやるべきかのアクションプランを示すということで、当初はもちろんいろいろ議論をしましたけれども、のみ込みが物すごく早くて、わかった後の誠実さ、本当に一生懸命やってくれまして、少なくとも私の視界に入っている範囲ではほとんど、一糸乱れずと言ったら語弊があるかもわかりませんが、みんなが一緒に走ってくれるということで、大変喜んでおります。

 意識と文化の改革というのを表題にしたんですが、意識はほとんど変わったと思います。七、八割変わったと思います。意識は個人で変わる。あと、文化はなかなか変わらない。これは官庁文化、組織がつくりますからね。それに現在取り組んでいるというところであります。それが入った印象。

 次に、経営者として何をやったか。やはり経営というのは、きちっと中長期的にビジョンを示して方向性を出さないといけない。だから、三つのビジョンを出しました。それは、真っ向サービス、お客様のためにということと、健全な公社をつくるということと、職員に対する将来展望です。それを今追っかけているわけでありますが、中期経営計画、四年を二期に分けまして、フェーズ1、フェーズ2とやっております。

 平成十五、十六年度、この三月までがフェーズ1、大体目標値は全部達成したという感触を私持っています。数字が出るのは六月ですけれども、全員よく頑張ってくれまして、達成したという感じを持っております。

 今、フェーズ2の、十七年、十八年の立案中であります。方策は、営業力を高める、収益を高める、生産性を上げる、いろいろな費用を合理化する、なかんずく調達費を下げるというようなことでございます。

 実績としては、郵便がやっと初年度にちょっと黒を出したけれども、これは構造的に黒になったのでは毛頭ありません、年々二、三%収入が減っていますから。だけれども、この平成十六年度も同じぐらいの利益を出すはずであります。

 貯金も、業務純益的にいいますと、初年度も一兆一千百六十八億の黒を出しましたけれども、金銭信託の運用益は別としまして、この十六年度も出すと思います。

 簡保も、ここは利益という格好で出さなくて、内部留保に幾ら積んだかではかるわけでありますけれども、初年度が四十一億積み増しをしまして、今年度、この三月は五千億ぐらい積み増しできるだろうと思います。

 職員は、受け取ったときが二十八万一千でありますが、この三月期終わりは約二十六万二千で、約二万人減るわけでありますが、これは、組合ととことん何度も話し合いまして、合意のもとに取り進めているというところであります。できるだけ新聞記事にはならないように、よく話し合って、理解、納得をベースに進めているというところであります。

 人件費は、その結果、二兆六千四百億から二兆四千三百億に二千百億ぐらい下がりまして、八%の合理化になっているということであります。これは、公社スタートのときに比べましてですね。

 それから、物件費は、一兆円だったのが八千五百億ということで、一五%下がったわけでありますが、実は、調達費だけを見ますと、調達費だけで千七百億合理化しております。公社化前の二〇%減であります。ただし、情報システム関係に思い切った先行投資をしておりますので、そっちの費用が、これは予定よりも、中期経営計画よりも随分上乗せで今投資しておりますので、その分を差っ引いて合計一五%ぐらい減ということでございます。

 私どもとしましては、フェーズ2でさらなる改革を、今与えられている法的な枠組みと社会的規範の許す範囲で改革に努力したい、こう思っております。

中井委員 竹中さんにお尋ねをいたします。

 今お話があったように、生田総裁のもとで極めて順調に、しかも私ども、二万人も人を減らしたという話、余り知りません。そういう御努力の中で、公社として二年連続黒字を出される。また、今のお話で、あえてお尋ねをいたしませんが、公社としての一期目、四年間、よほど急激な金利の変化がない限り、私は、公社は黒字経営ができると考えています。そして、国民の信頼も極めて厚い、また利用も多い。

 そういう中で、どうして一期四年後に民営化をやられるのか、これが、私ども民主党の中でも、あるいは国民の間でも、さっぱりわからない。何の理由で、何のプラスだ、国民に何の利益があるんだ、ここのところが十分説明されていないし、私どもは到底納得がいっていない。せっかく国の組織、国の機構、公社の機構の中で一番うまくいっているのをどうしてぶち壊してしまおうとなさるのか、ここのところがわからない。

 これからまだ法案が出てきますから、私どもはいろいろな意味で論議をするつもりでありますが、竹中さんにこの根幹のところをきちっと御説明いただきたいと思います。

竹中国務大臣 今、生田総裁からもお話がありましたように、まさに生田総裁のリーダーシップのもとで大変経営効率の改善が進んでいる、公社の皆さん、生田総裁のもとで本当によくやっていらっしゃるというふうに考えております。

 その上で、委員御指摘のように、それならばなぜ今民営化なのかということでございますが、基本的には、民間でできることは民間でやるということがやはり私たちの社会の基本方針であるということが根幹であろうかと思います。民間でできるということが今の公社の活動の中には実は大宗を占めるわけでありまして、うまい工夫さえすれば民間でできることはやはり民間でやる、それが、なぜ公社を民営化するかということの基本方針でございます。

 その上で、今まで私たちが議論してきたことの要約をさせていただきますと、公社につきましては、今後どのようになっていくかということを、今、与党との協議会の中で、検討委員会の中でいろいろとシミュレーション等々もさせていただいておりますけれども、郵政三事業を取り巻く環境というのは、やはり予想以上に大変厳しいものがあるということだと思います。

 郵便の取扱数量は毎年二%から二・五%減っていってくる、これが十年続けば大変な郵便量の減少になるだろう。一方で、金融の技術革新も大変速い中で、実は、郵貯、簡保の残高も減っていってくる。今委員も御指摘になりましたように、今は長短スプレッドが過去の平均から見て高い中で収益が上げられておりますけれども、これが過去の平均並みになるというだけで、実はかなりの収益の悪化が見込まれる、そういうこともシミュレーション等々で示しているわけでございます。

 民間でできることは民間で行うということ。その上で、公社を取り巻く環境が予想以上に厳しくなる中で、民間の経営の自由度をしっかりと持っていただいて、生田総裁の改革をさらに進めるために、民営化はどうしても必要であるというふうに思っております。

中井委員 国の関与されているもので、民間でできるものを民間でやるとおっしゃるのなら、先に民間にしなきゃならないものが山ほどあるんじゃないでしょうか。税金を食いつぶしているだけのような事業やあるいは部署がいっぱいある。それらをやらずに、うまくいっている郵政から民営化を急がれる、ここがわからないと申し上げているんです。

 生田総裁、もう時間がありません、一つだけお尋ねをいたします。

 今、竹中さんから、郵便の需要が毎年二%から二・五%ぐらい減ってきて、十年たてば二割ぐらい落ち込んで採算の見通しが立たなくなるというお話がありました。しかし、私は、郵便の二%ぐらいの減りというものは予測可能な範囲で、今のような合理化や生産性向上を続けていけば十分吸収できる数値じゃないかと思うんですが、総裁としていかがお考えでしょうか。

生田参考人 郵便、二から三%減ると申し上げたんですけれども、これは実は、手紙、はがき、信書というふうに考えますと、もっと落ちているんです。五%ぐらい落ちているんです。それをメール便という、定形外というもので一生懸命開拓しまして補って、二から三%減で収入をとめているというのが現状でありまして、これが五年、七年、十年続くと、なかなか現在の構えでは率直に言って難しいと思います。

 もちろん、生産性向上、思いっ切りやりますけれども、それだけで追いつく問題ではないということ。収益が、収入が毎年減る事業あるいは企業で、維持されて発展する企業なんというのはまず市場にないわけで、必ずやはり拡大再生産的にある程度やらないと企業は伸びない。その観点からいうと、非常に難しい。

 したがって、競争分野、市場でやれるところで頑張らなきゃならない。それは、例えばゆうパックという小包であったりメール便であったり、それから、残念ながらほとんど手がついていなかった国際分野であります。

 そういったところに出ていこうという努力をすると、今、すぐに法律の規制にひっかかるわけです。海外などは投資もできないし、海外で郵便事業もできない。片っ方、ドイッチェ・ポストの車はどんどん東京を走っているんですね。そういったフレームワークを直していただかないと、競争分野で伸びて、縮んでいくところをカバーする努力をさせていただくということが不可欠の要件であろうと思います。

中井委員 時間がありませんので、もう一つだけ総理にお尋ねをいたします。

 生田総裁個人は、私は必ずしも民営化反対論者ではないと承知をいたしております。しかし、総理の今回の、昨年の基本方針決定に至るまでの過程、少しお急ぎになられて、二〇〇七年までの民営化スタート、これに四分社化、各事業の制度設計が間に合わない、精密な制度設計は間に合わない、こう生田総裁を初め公社は主張されたのに対して、総理は、基本方針決定前に生田総裁を官邸に呼ばれて、ひざ詰めで談判をなさって、そして、結果、加藤寛先生を中心とした委員会をつくられて、その委員会が昨年十二月に、暫定的なシステム設計ならできる、こういう結論を出されて、今準備にかかっているわけでございます。

 しかし、例えば資本金の問題一つとっても、きちっと制度設計の上で資本金を決めるとか、肝心のことはやはり制度設計にかかってくる。この制度設計が二十カ月や三十カ月で本当にできるのか。専門家ができないと言っているのを、暫定措置でやるんだ、ここまで言ってお急ぎになる必要は、私はないんだ。こんなことをして、せっかく国民の宝、国家統治の背骨であります郵便システム、これを壊してはどうしようもないんだ、この心配を強く申し上げ、時間でありますので終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

甘利委員長 この際、五十嵐文彦君から関連質疑の申し出があります。岡田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。五十嵐文彦君。

五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。

 私は、以前に総理に対して、改革、改革とにおいばかりを出させて、実体が、本物のかば焼きが出てこないウナギ屋さんのおやじさんということを失礼ながら言わせていただきましたが、今はどう思っているかというと、民営化、民営化という踊りを踊る民営化流のお師匠さん、名取りですね。名取りなんだけれども実はとらない、改革の実はとらないで名ばかりとっている、こういうふうに言わざるを得ないと思います。おいしいことばかり、竹中さんも含めておっしゃるんですね。

 皆さんのお手元に資料をお配りいたしておりますけれども、内閣官房郵政民営化準備室が大金をかけて全国にばらまかれた立派なパンフレットがございます。その中に、小泉総理のお手紙が入っているんですね。そのお手紙をつけさせていただきました。これは私からいうと、事実誤認やうそがいっぱい入っていて、全く理由になっていないなというふうに思っているところでございます。

 まず最初に、本質的なところがやはりわかっていないのではないかなと思います。基本的に、郵政の問題というのは、一番大きいところは金融の問題なんです。やはり、公的金融が肥大化し過ぎて、国債、地方債へ、特殊法人へ巨額のお金を流さざるを得ない状況になっている。それを郵貯、簡保が引き受けざるを得ない状況にさせられているというところに大きな問題があります。

 先ほど生田総裁も言われましたけれども、郵便事業でもうかっていない部分を金融で補っているという現状でありますけれども、これがそのまま実は続くわけではありませんで、ちょっと金利の変動が起きますと、逆ざやが生じ、巨額の損失が実は生じるおそれがあるというところが最大の問題なわけであります。この郵貯、簡保の流れを、ここは財政融資資金と書いてあります。(パネルを示す)これは以前、大蔵省の資金運用部だったわけで直入しておりましたけれども、それを財投改革ということで、一たん金融市場を通す、一部は通すということになったわけですが、それを通そうと通すまいと、お金の流れは変わりませんでした。実際に変わっていないわけですね。

 そこで、郵貯、簡保から別の、あるいは金融市場なり、個人の国債なり、そのほかの社債なりに直接流れるルートをつくらない限り、つまり郵貯、簡保が縮まらない限り、郵貯と簡保の規模をそのままにして、そのまま株式会社に仮になったから民営化だといっても、実はちっとも民営化ではない。そこが一番大きな問題であります。そして、株式会社化することによって別の大きな問題が出てくるということを後で申し上げます。

 先に申し上げますが、大事なのは、国、地方の借金を減らすこと。特殊法人を、仕事を縮めて、私どもは徹底的に小さくしろということを既に発表しています。対案ではなくて、我々の方が先に提案しているんです。つまり、道路公団は不要だ、高速道路は無料化しなさいと。なぜなら、物流コストを大幅に下げて国際競争力を上げるから。今、生田総裁が、物流の世界で外国にどんどん攻められていると言っていますけれども、日本が出ていけない一つの中に、日本の国内の物流コストが高過ぎるということがあるわけであります。

 私どもは、道路公団を廃止し高速道路を無料化すれば、財源は幾らでもあるんです、既に道路関係諸税、自動車関係諸税、たくさん取っているわけですから。その一部を振り向けるだけで十分できるわけで、これを無料化すれば、これは、国内の国際競争力、産業立地ができる、大きなメリットがあるという理念を持って申し上げているわけであります。

 しかし、そうではなく、道路公団は存続をし続け、私どもからいえば、むだな、不採算の高速道路をつくり続けるという結果になりました。独立行政法人に看板はかけかえましたけれども、天下りはかえってふえています。そして、財投債を我々はなくせと言いましたけれども、財投債はなくなっておりません。

 特殊法人改革は一体成功したんでしょうか。私どもは、政府系の金融機関も含めて、大胆に廃止、合理化を進めろという提案を先にしているんです。それに対して、不十分だったのは政府側ではありませんか。特殊法人改革は成功したんですか。私は、その結果としてお金の流れは変わっていないじゃないかということを申し上げているんですが、総理の認識を伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 一日にしてすべて特殊法人改革が実現できるわけでありません。ローマは一日にして成らずという言葉もあるとおりであります。

 政府系金融機関の民営化、郵政関係が一番じゃないですか。それほど言うんだったら、賛成してくれればいいですよ。賛成なのか反対なのかが全くわからないで、批判は結構ですよ、立場を明確にして批判されるのならそれにお答えいたします。

 道路公団も、我々は、民営化できると言ってやりました。まさか無料にして税金を投入なんというのは、全く最初から考えていませんでした。民主党は、税金を投入しろと。民営化できるものを何で無料にして税金を投入して国民に負担を求めるかというのも、私はいまだにわかりません。

 特殊法人改革におきましても、いわゆるこの入り口であります郵政民営化の改革が進んでいけば、民営化されれば、これも大きく特殊法人の改革に進んでいく。しかしこれには、一日でできるわけではありませんので、相当な期間を要するということは事実であります。それに働いている方々、雇用のことも考えていかなきゃなりません。総合的に、この郵政民営化というのは国民生活の大きな範囲にかかわるものでありますから、その点については目配りをしながら進めていくことによって、郵政の民営化、特殊法人の統廃合、民営化、それにも大きく寄与をする大きな改革であると確信しております。

五十嵐委員 賛成か反対かだけというのに持ち込むのは総理のお得意なんですが、実際にはいろいろな改革があるわけです。公社形態のまま改革する方法もあるでしょう。そのほかのビジネスモデルもあるでしょう。あるはずなんです。だけれども、それを、採算性の証明をするのは、実は政府の責任なんです。いいことだけを並べて、賛成か反対かだけ言うのは、二分論だけで決めつけようというのは、大変乱暴な議論だということを申し上げたいと思います。

 私どもは、基本的に、二十四年前だったら多分総理の言うことは正しかったんだろうと思いますけれども、二十四年前と事情は随分変わっています。だから、特殊法人改革をやれば、実際に、自然に入り口の改革も、変えられるわけですよ。変わるべきであります、逆に言うと。そのことを言っているんです。

 ですから、我々は、案を出していないんじゃなくて出しているんです。そして、その入り口の議論については、縮小がまず大事だということを言っているじゃないですか。マニフェストにも入っています、まず縮小すべきだと。正常化すべきだと言っている。

 郵政の三事業というのは、限定的金融を取り入れるということがもともとなんです。なぜならば、一般事業と金融事業をごっちゃにしたら大変なことになるからですよ。実際には大変なことが起きかねない。実際には逆のことが起きているんでしょう。

 あなた方、政府側がやってきたことは、一般の金融機関を政府金融機関化しちゃっているじゃないですか、逆に。どんどんと国債を持たせ、持たざるを得ないようにして、あるいは裁量行政を復活して、政府の言うことを聞かないやつは合併させてしまうという形で、完全に一般の銀行を実は国有銀行化しているんですよ。お金の流れが変わらなければ、郵政を株式会社にしたところで、何の変わりもない。逆にリスクが高まるということを言っているわけです。

 ですから、一言で言えば拙速です。拙速ですから、十分に証明をしていただかなければならないと言っている。賛成か反対かと迫る前に、まずみずから反省して、今までの行政のままでいいのかということを十分に吟味する必要があるということを申し上げている。何がこれがおかしいんですか。お金の流れが公的金融に偏っているのが問題で、金利変動リスクに耐えられない、これは民間でも同じだということを先ほども申し上げました。

 そして、今や郵貯には、本来好ましくはないんだけれども重要な役割を持たせられているんです。それは、国債管理のセーフティーネットなわけであります。これは、このルートがもし民営化されて、民間がそれぞれ自由な行動をとるということになれば、実は大きな危機を迎えることになります。

 そのかわりにセーフティーネットを用意しなければならない。そのときに日銀の出番ということが一つ考えられます。私は、しかし、日銀の国債直接引き受けというようなものをやれば、これはモラルハザードを生むだろう、政治の圧力に耐え切れなくてどんどん借金はふえていくだろう、こう思います。

 そこで、日銀の直接引き受けだけは避けるべきだ、こう思っておりますが、今後ともやらない、ただ、実際には日銀は徐々に国債の引き受け量、保有量をふやしておりますけれども、今後とも直接引き受けはやらないということを言明していただきたいと思いますが、総裁、いかがでしょうか。

福井参考人 お答え申し上げます。

 国債の直接引き受けというのは、財政法第五条によって禁止されているものでございます。この条文の根底には、財政規律の確保と金融政策の有効性を両立させるという非常に重い哲学が含まれております。

 日本銀行としては、今後とも国債の直接引き受けを行う考えはございません。

五十嵐委員 これは当然のことだと思いますが、確かめておかなければならないことなんです。

 もう一つの方法があるんですね。もう一つ考えられる方法は、かつてやった、今ベテランの政治家、総理も含めて大きな罪があると私は思っていますが、赤字国債まで、今すぐ消化してしまうお金まで、六十年後に借金を残すという償還期限の延長を昭和五十九年、六十年度からしているんですよ。これが、そのときの予算の組み立ては楽になったかもしれないけれども、国債を増嵩させて、非常に今の財政危機を招いている原因になっていると私は思う。今度も、バッファー機能、セーフティー機能が衰えれば、これに打って出てくるのではないかと心配をしています。

 コンソル債というのが十九世紀にありました。元金はもともと返さない、金利分だけ返す。そして、金利の市場、金利分だけの取引をする市場をつくるという永久国債というものなんですが、こういう形で、あるいはそこまでいかなくても百年国債というような形で、償還期限の延長をしてごまかすんではないか。これは私は実は財政規律を破壊させて、やがては金利負担に耐えられなくなる財政になると思っていますが、これもやらないというふうに言えるでしょうか。総理なり財務大臣に伺いたいと思います。

谷垣国務大臣 今、コンソル債の御議論がございました。これはいろいろな議論があると思いますが、私はやはり、こういうことをいたしますと、財政規律という面では明らかにマイナスの影響があると考えておりまして、財政規律を維持するという観点を第一に考えていきたいと思っております。

小泉内閣総理大臣 五十嵐さんの言っていることはよくわかるので、まさに政治は理論どおりにいかないなという一つのいい例が、この過去の国債の発行の状況を見るとよくわかるんです。これは、今の赤字国債は特例公債といいます。財政法では認められないけれども、これは一年限りですよということで出して、毎年毎年出している。かといって、やめるといった場合に、それは増税か歳出削減しかできない。嫌だということで、今、やはり政治の現状というものを考えながらやっているわけですね。だから、ここが、やはり政治というものは生き物であるし、理論どおりにいかないというのは、この現状の財政状況を見るとなるほどなという点は御理解いただけるんじゃないかと思います。

 しかし、だからといって、このまま国債発行を増発していけばいいかということではない。警告を発して、常に、今、五十嵐議員が言っているような問題がある、財政規律を保っていかなきゃならない、国債発行を抑制していかなきゃならない、減らしていかなきゃならないという視点は極めて重要だと認識しております。

五十嵐委員 ですから、現実に、国と地方の借金を減らす見通しを立てることが実は改革の本丸であり、特殊法人が使うお金を特殊法人改革によって減らすことがまず第一だというのは、十分な我々の案なんですね。

 そして、いきなり株式会社化するということは、ほかにも、金利変動のリスク、偶発債務といいますけれども、計算されない大きな借金が国に生まれるというリスクを民間であろうと公社の形態であろうと負うと同時に、公社が株式会社化することによって、二つの大きな実はリスクを負うことになります。

 一つは、持ち株会社方式によりますから、金融と一般事業を兼営できるコングロマリットができるということなんですね。これは世界でも類を見ないグロテスクな姿だと私は思います。持ち株会社を通じて、銀行が機関銀行化したり、ある企業のための銀行化したり、あるいは産業全体を支配したりという問題が起きてくるんです。

 NTTについても、実際には、成功だ成功だと政府はおっしゃいますけれども、あれを契機に持ち株会社が日本では非常にふえてしまいました。日本の株式会社制度というのは、実はかなり世界に例のない混乱した社会になっております。これを新たに持ち込んで、しかも金融、今、免許制度をやっているわけでしょう。しかも、皆さんはその金融の内部ですら、銀行に生保商品を売らせたら、押しつけ販売だとか抱き合わせ販売とか起きかねないからこれは大変だと言っている中で、どんなことでもやらせる会社ができてしまう。

 それから、窓口会社というのも、これは金融の代理店でしょう。一種の金融業ですよ。これなら何でも売れる、そういう制度が本当にまともなのか。日本じゅう壊してしまう。コンビニのない町や村なんて幾らでもあるけれども、そこにも簡易郵便局を初め郵便局は四つぐらいあるんですよ。それを、成立しないところで何でも売らせる。だから利益を上げられるんだというモデルを出されているようですけれども、これはみんなつぶしてしまうんですよ。これが起きればみんなつぶれてしまう。こういうことはやはり大きなリスクだと思います。

 それから二つ目のリスク、もう時間がありませんから言いますけれども、貸したことがありませんから貸す能力がないんですね。能力のない会社が大きな保有資産を持つということは、アメリカのフレディーマックとかファニーメイの例でもそうですけれども、今大変危機に面しています。それは、自体のリスク、流動性のリスクを高めるし、倒産リスクが高まるんですね。これは今までの公社以上に大きなリスクになってきます。

 この二つのリスクがあると同時に、やはりもう一つ言わなければいけないのは、民でできることは民にというけれども、実際には、民でできないから官でやっているというところがあるわけです。小包事業は確かに民でもやれるかもしれないけれども、はがき一枚五十円で配達してくれるというところを、それは民で本当にやれるんですか。今、全国に十五万本のポストがありますけれども、毎日毎日、中に手紙が入っていようと入っていまいとあけているんですよ。十五万本のポストを民間会社が、企業利益優先の会社が、十五万本、毎日ポストをあけることができますか。

 生田総裁に伺いたいと思うんですが、こんな三百五十兆円、これはだんだん減るとおっしゃっていましたけれども、減ったってすごい額ですよ。その巨額の資金を運用できる責任を持てるんですか。もう一つは、十七万本、毎日ポストをあけるということを民間企業になってからもちゃんとできるんですかということを伺いたいと思います。

生田参考人 まず、巨額の資金を運用できるかというのは、これは公社の間はできます。それを超えた後は、ちょっと私が確信を持って、責任を持って発言する問題ではないと思うので、控えてもいいんですけれども、感想的に申し上げたいと思います。責任者としての意見にはなり得ないと思うんですが。

 まず、やはり額をよく考えていただく必要がお互いにあるのかなと。今、どうも郵貯、簡保というと三百四、五十兆というイメージになるんですけれども、これは先ほど先生御自身が御指摘のように、減ってくるわけであります。公社の終わるころは多分三百二十兆ぐらいになっていると思いますし、私どものシミュレーションでは、平成二十五年には大体二百四、五十になるだろう、これはほぼ間違いないと思います。国家保証が取れますから、もっと減るかもわからないと私は思っています。

 だけれども、そんな話、荒唐無稽じゃないかともしおっしゃられれば、例えば一九八五年、郵貯、簡保を合わせて幾らだったかといったら、百三十二兆なんです。一九九〇年で百八十八兆しかないわけであります。それが、やはり九〇年以降の金融界、生保業界が非常に苦労された時期があります。その間に来ちゃっているんですね。今、システムが整備されたから、還流してきている。ましてや、国債金利が市中より高いなんというのは先進国で日本だけでしょうから、これがもし正常化されたら、この減少はさらに進むだろうというふうに思いますので、まず額をお考えいただきたい。

 二番目に、よしんば額は減っても、大きいじゃないかと。大きいと思います。だけれども、旧勘定というのは一応ブックキーピングが別会社になって、これは安全確実という名前のもとに、やはりプライマリーバランスが回復するまでの国債の循環の資金手当てになるんだろうと思うから、それを省いて考えますと、実際に運用し得る額というのは、全体の数字よりはかなり割り引いた数字になろうかと思います。

 あと、運用できるかどうか。これは、ビジネスモデルの開放に大きくかかわっていると思います。今みたいな手かせ足かせで、市中で皆さんがやっていらっしゃるようなことがほとんどできない、したがって、資金利益率でいえば普通の銀行の半分あるいは三分の一のような格好では、難しい。ビジネスモデルを開放していただければ、人並みにできるだろうと思う。

 ただし、そのためには人材の育成、育成だけでは足りない、人材の導入それから提携、いろいろなことをやる必要があるわけでありまして、そういう手だてを考えながら、運用に責任を持てるような体制をとるのが経営者の責任だろうと思います。

五十嵐委員 公社であればやれる、それから、自由にしていただければ可能性はあるというお答えだと私は思います。だけれども、自由にしたら、先ほど言った大変なことになるし、人材育成といったって、窓口会社に任せてしまうわけですね、金融部門は委託を。ユニバーサルサービスを一方でやると言いながら、すべての窓口に金融商品の、リスク商品の知識のある人を置けるんですか。置けるわけがないじゃないですか。それは置けるわけがないんです。ユニバーサルサービスという点と、それから、金融会社をうまく運営するという点で、最初から非常に矛盾があると私は思います。

 総務大臣にもおいでをいただいているので、一言伺わなければならないと思います。

 私は、民営化を急ぎ過ぎていて、そのほかの考え得るビジネスモデルや公社の努力による改革、その結果との比較を厳密にしていかなければならないと思いますが、それがない。とにかく、竹中さんが発案者かどうかわからないけれども、竹中・小泉モデルと言っていいのでしょうか、その民営化ありきで来ていることに問題があって、それはもう手段と目的を間違っているとしか思いようがないと思いますが、そのような発言を以前にも総務大臣はされていますが、今でもそのお気持ちは、変わったんでしょうか、変わらないんでしょうか。

麻生国務大臣 株式会社化、民営化、いろいろ表現しておられますけれども、少なくとも、公社を民営化するというのは、手段であって目的ではないと思っております。

五十嵐委員 そうなんですよ。手段なんですよ。手段であるから、いろいろな手段を比べてみるということが必要で、しかも大きなリスクを伴うということを私は申し上げました。

 竹中大臣、本来なら十分おわかりのはずなんですが、先ほど私が申し上げた重大な懸念、グロテスクな怪物を生み出しかねない、この点。要するに、日本の株式会社社会といいますか、経済社会全体を大混乱に巻き込みかねない、そういう問題があるという指摘に対しては、どういうふうに言いわけをされるんでしょうか。

竹中国務大臣 五十嵐委員の御指摘の基本にある、大きな金融会社と大きな一般事業会社が同じ屋根の下にあるというのはおかしいという御指摘は、私はそのとおりだと思います。

 実は今、残念ながら今の郵政公社というのは、まさにそういう形になっているわけです。だから、それを改革しようというのが私たちの考え方です。そのためには、私は、五十嵐委員のお話を伺っている限り、やはり五十嵐委員は分割論者であるというふうにお聞きをいたしましたのですが、私たちはそれを実現したいのです。しかし、そのためには移行期間が要る。すぐにはそれはできない。そのための移行期間を設けて、最終的にはそれを分割するという案を提起させていただいているわけですので、そこは、五十嵐委員が御心配になっている方向に対してきっちりとお答えを出しているというふうに思っております。

 もう一つ、五十嵐委員の第二の御指摘は、それが民間市場に対して、やはり規模の大きさもこれあり、非常に大きな一種のショックを与えるのではないかという点についても、私たちは、これはしっかりと考えているつもりでございます。

 経営の自由度をしっかり持っていただきたい、これが民営化の最大の目的でございますけれども、同時に、その規模の大きさ等々も考えて、民間とのイコールフッティングのバランスをしっかりとる。そのしっかりバランスをとるための仕組みも、いろいろな形の監視という形でしっかりとやっていくということを基本方針には掲げておりますので、五十嵐委員がまさに御指摘くださった二点、大変重要だと思いますが、それについてはきっちりと答えを出しているつもりでございます。

五十嵐委員 全然違うと思いますね。

 まず、私どもが言っているのは、公社の形態は、これは本来の姿に、限定的に金融をやるという姿に、正常的な姿に戻しなさいと。ただし一方で、私どもは次の政権を担う現実的な政党ですから、今の財政のセーフティーネットということをやはりきちんと考えて、無視してこれを実験台にするわけにいかないという立場から、これはきちんと考えていかなければいけない。すなわち、公が、議会が、あるいは政府がグリップをしながら徐々に規模を縮めていくということをしなければいけないということを申し上げているので、私どもの結論を先に竹中さんに先取りして予想して言っていただく必要は全くないわけであります。

 我々は、政府案がまず安全だということを、十分に安全だということを示したんですかと。いや、それは考えていますと言うだけで、具体的に、民間の企業をなぎ倒す心配だとか、グロテスクなコングロマリットが、ちょうどインドで昔あったように、鉄道会社も新聞社もみんな銀行が持っているというようなことにしないようにどうしたらできるのかということを証明してもらわなきゃいけない。

 それから、先ほど言いましたように、公的な役割というのは公社にはあるんですよ。やはり公社にはあるんです。今まで皆さんが言っていたこととは矛盾するんですよね。五十円のはがきを五十円で運んでもらうというのは、これはユニバーサルサービスを維持するということなんですが、株式会社化してこれを本当にやり切れるのかどうか、これはやはり非常に重要な問題だと思います。

 先ほど同僚の中井議員も言われましたけれども、国民は、今の郵便局は本当に親切で、サービスがよくて、評価しているんですよ。それを変えるならば、やはり十分なメリットがあること、そして危険がないことを証明しなきゃいけない。

 例えば、今のユニバーサルサービスを維持しているのは、実は公務員だけではないんですね。簡易局というのは民間人ですし、それから、公的なサービスをしているからといって、本当に少ない委託費で隣の奥さんが引き受けて、集配業務を手伝っているというようなところがあるわけですよ。いわゆるボランタリーな人たちがかなりの数いるんですよ。何万人かおられるわけですよ。

 そういう人たちは、公だから、大事な仕事だから、郵便局は評判がよくて親切だから、国の仕事だから、大事な仕事だからといってボランタリーに手伝っていただいているわけであります。それが株式会社だったら、そういうボランタリーな気持ちが生じますか、ある会社のために。私は、とてもそれは信じられないし、あるいは公社の職員のモチベーションといいますか、動機づけにも大きな影響があると思います。一方では、その雇用に配慮するというようなことも言う。何が何だかわからないですね。継ぎはぎだらけの案になっているんではないでしょうか。

 私は、今言った、公社の職員のモチベーション、あるいはボランタリーな部分に支えられている部分がユニバーサルサービスにあるんだということについて、総裁、恐縮ですけれども、一言御感想をいただきたいと思います。

生田参考人 現在、ユニバーサルサービス、しっかりやらせていただいております。

 先ほど、先生の御発言の中で、郵便の赤を金融でカバーしてというちょっと御発言があったんですけれども、過去は確かにそうだったんですけれども、幸い、公社化後、多少なりとも全部の費用は償った上で利益を出すことになっておりますので、自律的にやっているということで、その範囲内で、今先生がおっしゃった十七万本を超えるポストも維持いたしまして、ユニバーサルサービスをちゃんと守っております。

 これは、民営化になった後も、もしなるとすれば、同じだと思いますけれども、さっき申し上げたように総量の減少がありますから、競争分野におけるディレギュレーション、規制緩和なども相まち、それから、その支援措置をとると政府の方でおっしゃっていただいておりますから、そういうものも両々相まって維持していきたいと考えております。

五十嵐委員 要するに、公的役割をやっているから支援をするというのであれば、これはもう補助金で、特殊会社そのものなんですね。だから、これは民営化とは言えないんですよ。だから、それは非常ないろいろなトリックが隠されている変なものをつくると言っているにすぎないんですね。

 例えば、公務員が減りますから小さな政府になるんですと。これも、今税金は全然入っていないわけですから、税金の節約になるという意味に国民が取り違えるだろうと期待しているトリックの言葉だと私は思いますね。

 例えば、国家公務員共済の年金があります。これに郵政公社は入っているんですけれども、本来ならばその基礎年金部分の三分の一は税金で賄うんですけれども、その三分の一の部分も公社は今実は自前の事業収入で賄っています。ですから、逆にこれは民営化すると、本来ならば厚生年金に移らなきゃいけない、そのときにはお金がかかります、税金かけなきゃいけませんし、その基礎年金部分も国の税金で持たなければなりません。

 本当に、民営化すればすべてがよくなるんだというのは一面的なことだけ言っていて、光と影の部分は全部ありますけれども、その影の部分は一切触れない、国民の目に触れないようにしている文章なんですね。だからおかしいと与党の皆さんも言っているんじゃありませんか。

 そして、問題の本質は金融ですから、この金融のリスクというのを全体でどううまくマネジメントしていくかという問題が本質論。ですから、本質論は、日本の国債を縮めること、特殊法人を徹底的に改革することであるはずであります。

 そういう意味で、総理が言っていることというのは、自分でも御反省をなされているんではないか。もっとも、反省しない方ですから。勘と度胸とパフォーマンスはもう一流でございますけれども、反省はされない方なんで、私は、きちんと思い返していただいて、そして、ああ、確かにこれはいいことばかり言い過ぎたな、本当に実は危ない点もあるなということをお認めになるべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 随分五十嵐さんも時代おくれになりましたね。民間にできることを民間にさせてはいけないとか、これを民営化するためにまず簡保、郵貯を縮小しろとか。それはいいですよ。あるいは、それでは郵政公社法を出したときに民主党は反対したんじゃないですか。民営化、小泉さんしたのに、なぜ郵政公社なんだ、中途半端じゃないかと批判していたのは民主党じゃないですか。いつから、こんなにすばらしい郵政公社を民営化するなんて変わったんですか。あきれちゃいますね。何でも批判するのは結構でありますけれども、私は、これからも郵政のままでいけば、いわゆる民間企業と同じことをやっても手足は縛られる。民間と同じような仕事をやっているからといっても、民間のやっている仕事は郵政公社ではできない。

 さらに、税負担ということも考えても、今までの、税負担はしていないと言っているけれども、住宅金融公庫に対する不良債権の問題にしても、かんぽの宿、メルパルクに見られるように、あのむだな、民間がやっている旅館やホテルに対して、どうしてああいう採算を考えないむだな事業を、郵貯の資金、簡保の資金が使うのか。これは結局、郵貯を預けている人、簡保を契約している人に持たすことができないから、税金で負担するんでしょう、将来。こういうことを民営化すればできなくなるんですよ。

 私は、何でも役所がやっていた方が信頼できるというのは、日本国民に根強い、官尊民卑の思想がこの反対者にあるんじゃないかと恐れています。民間にやらせると危ない、やはり役所が、役人がやった方が安心している。そうではない。これからは、同じ仕事だったら、民間にできるのは民間がやっていこう。公共の仕事は役人の仕事だということではなくて、公共の仕事でも、民間人にできるんだったらやってもらおうじゃないか、そういう時代だと思います。

 私はそういう観点から、民主党も賛成なのか反対なのかわかりませんか、まだ。対案を出されるんなら対案を出されて、これからも議論を進めていきたいと思います。

五十嵐委員 公社法の改正には条件つきで賛成しました。我々は、改革そのものには賛成でありますけれども、改革の方向が間違っている、政府の責任をきちんと果たしていただきたいということだけを申し上げまして、終わります。

甘利委員長 これにて岡田君、中井君、五十嵐君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 私は、郵政民営化問題について、きょうはまず郵便貯金に関してお尋ねいたします。

 最初に、郵政公社総裁に、郵便貯金の手数料についてお尋ねいたします。

 ATM、現金自動預け払い機の平日時間外や休日の引き出し手数料はお幾らか。また、両替手数料、例えば百円玉を一円玉百枚に両替をするという手数料は幾らか。そして、通帳の再発行の手数料は幾らか。その点、お答えください。

生田参考人 今伺った三件とも無料でやらせていただいております。

 ただし、キャッシュカードにつきましては、紛失や汚染、毀損または新しいカードへの交換、こういった場合には千円の手数料をいただくということになっております。

塩川委員 今総裁からお話ありましたように、こちらのパネルをごらんいただくとわかりますように、郵便局の今それぞれ挙げました手数料は、それぞれ無料であります。これに対して、民間銀行、ここでは東京三菱銀行を紹介していますが、その手数料は幾らか。ATMの引き出し、平日時間外や休日は百五円であります。両替については、百円玉を一円玉百枚に両替をする、その手数料は三百十五円も取ります。それから、通帳の再発行についても、東京三菱銀行は二千百円とかかります。民間金融機関の手数料が高いことには、国民だれもが疑問に思っております。総理は、民間にできることは民間にと言っておられましたが、民間以上のサービスを行っているのが郵便局であります。

 そこで、総理にお尋ねしますが、民営化をした郵便局は民間銀行のように手数料を取るようになるんでしょうか、取らないんでしょうか。いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 完全に民営化した後は、経営者の判断であります。

塩川委員 極めて重大だと思います。今ある郵便局のサービスが後退をするということを否定しませんでした。

 もともと、この民営化の基本方針を見ても、いわば、便利な郵便局をもっと便利にというスローガンを掲げているわけであります。国民の皆さんはそれを、逆に、かえって民営化によってサービスが後退をするんじゃないか、負担がふえるんじゃないか、このように不安を感じておられる。まさにそれを裏づけるようなことを総理大臣がおっしゃったわけであります。郵便局のサービスが維持をされるという何の保証もありません。

 郵便貯金は、そもそも法律で、零細な国民の貯蓄を守ることを目的としております。だからこそ庶民のためのサービスを提供できる。それなのになぜ民営化をしなければならないのかが問われているんだと思います。

 そこで、角度を変えてお聞きしますが、郵便貯金が民営化をされた場合に、民間と同じ扱いになります。銀行の経営危機に備えて銀行業界の責任で積み上げている積立金、責任準備金となる預金保険料、これは、当然のことながら、民営化をした郵便貯金は民間銀行と同じように払うことになると思いますが、総理、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 税金の問題、預金保険料の問題、民間と同じルールが適用されるということを想定しております。

塩川委員 答弁のとおり、民営化をすれば、郵便貯金会社も預金保険料を払うことになります。

 そこで、二枚目のパネルをごらんいただきたいと思います。郵政民営化準備室の試算をしました、民営化をされた郵便貯金会社の納める預金保険料のグラフであります。完全民営化までの十年間積み上げると九千九十一億円、一兆円近くになります。

 次に、三枚目のパネル、民間金融機関の預金保険料の積立額を見ていただきたいと思います。預金保険料の積立金、責任準備金は、一連の金融機関の破綻で支出が続き、今ではマイナスとなっています。

 伊藤金融担当大臣にお伺いいたしますが、この預金保険機構の一般勘定の責任準備金の欠損金額は、現在幾らでしょうか。

伊藤国務大臣 お答えをいたします。

 お尋ねのありました責任準備金等につきましては、これまで実施された資金援助等に係る費用を賄うために既に全額を取り崩されていることから、一般勘定において欠損金が生じており、その額は、十五年度末において三兆四千九百三十八億円となっております。

 当該欠損金については、今後、金融機関から徴収する保険料によってその解消が図られることとなっております。

塩川委員 ここにありますように、およそ三兆五千億の赤字となっています。

 この預金保険料について、郵便貯金も払えと一貫して要求をしてきたのが銀行業界であります。全国銀行協会、全銀協のホームページを見ますと、郵便局のサービスがいいのは隠れ補助金があるからだ、預金保険料を払っていないからだ、だから民営化をして預金保険料を払ってもらいたいということを言っております。

 そもそも、預金保険料の積み立ての赤字は、政府の経済失政とともに、バブルに踊った銀行経営者の責任が原因じゃないですか。銀行業界がみずから穴埋めするのは当然であります。この三兆五千億の赤字を郵貯が納めることになる。十年間の累積で一兆円となるこの金額で穴埋めをすることになります。結果として、銀行業界の過去のツケを何の責任もない郵便局の利用者に払わせようというものであります。

 郵便局は、これまで一円の税金も投入せずに、自前で庶民サービスを提供してまいりました。その一方で、銀行には公的資金四十兆円が投入をされ、そのうち十兆円はもう返ってこない国民負担となっています。こんな銀行業界のために国民サービスを後退させるような郵政民営化を撤回すべきだ、このことを強く求めるものです。総理、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 一面だけ見る議論じゃないんです、郵政というのは。民営化になれば民間会社と同じような対応をされるというのは当然のことであります。

塩川委員 だから問題なんですよ。民間会社、民間金融機関は、このように手数料を取ってまいりました。例えばATMの引き出しの手数料、数年前は土曜日の昼間は無料だったんですよ。それが、ここで百五円と有料になってきているでしょう。また両替についても、五十枚を超える両替について、以前は無料だったのが、今では三百十五円も取る。民間金融機関に任せれば、どんどん手数料が取られることになる。庶民の少額な貯蓄を守るという郵便貯金のその目的からいって、民営化をすることがどれだけサービスを後退させることになるのか、このことが問われているんじゃないでしょうか。

 今、直ちにやるべき郵政事業の改革といえば、例えば職場でまかり通っているサービス残業の根絶であります。この間、私も国会で取り上げて、生田総裁も、サービス残業は経営の恥、根絶したいと答弁をし、これを機にサービス残業根絶の指示文書が出されて、その結果、五万七千人に約三十二億円が支払われました。極めて不十分でしたが、今からでも、もし不払い分があれば支払うことを約束しています。

 犯罪行為であるサービス残業の根絶こそ行えということを述べて、質問を終わります。

甘利委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、山本喜代宏君。

山本(喜)委員 社民党の山本であります。

 私は、三位一体について総理にお伺いをしたいと思います。

 小泉総理は、三位一体改革の全体像の取りまとめに当たって、地方の言うことを聞いたのは、幕末の黒船来航の際に、時の老中阿部正弘が開国の可否を諸侯有司に問うとして以来、百五十年ぶりの画期的なことであったというふうに述べておられますが、私は、肝心かなめの税源移譲については極めて不十分であったと思います。

 義務教育費あるいは施設整備費などは先送りをされ、国民健康保険に対する新たな都道府県負担の創設など、地方が望んでいない負担が押しつけられました。分権自治の観点からするならば、評価に値するのかというと大変疑問なわけであります。

 特に、税源移譲について、地方六団体は三兆円の税源が移譲されるなら三・二兆円の補助金は返上してもよいと言ったにもかかわらず、全体像では二年間で三兆円ということを目標にしながら、二・八兆円の補助金の削減と二・四兆円の税源移譲しか示すことができませんでした。しかも、この二・四兆円には、二〇〇四年度実施の六千五百六十億円分が含まれているということでありますから、私は水増し改革というふうに思うのでありますが、総理の見解をお聞かせ願いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 後ほど財務大臣からも答弁されると思いますが、これは地方団体がまとめてきて、その案を真摯に受けとめた結果なんです。そして、これで終わりということじゃないんですから、今後、これをもとにしてさらなる地方の裁量権を拡大する。具体的な、補助金はどこを削減したらいいか、税源移譲をどうしたらいいか、そういう点については、この結果を見て、地方の要望がどう変わってくるか、どういう案を出してくるかという点を見きわめて今後対応していきたい。

 いずれにしても、地方団体におきましても賛否両論があったんです。この案に対して、評価しない人、評価する人、両方あるんです。しかし、まとめてきた責任者は、今回の案に対して一定の評価を下されているということも承知しております。

山本(喜)委員 私、時間がないので、後でまたお伺いします。

 いろいろ賛否両論あったということですが、前知事会長の梶原さんは六十点というふうに評価をしていますし、岩手の増田知事は五十点というふうな評価もあります。それは、やはり地方財政の厳しさということにかなりの危機感というのがあるわけでございます。

 そこで、私がお伺いしたいのは、地方交付税の性格についてお尋ねをしたいと思います。

 昨年十一月の三位一体の改革の全体像の中では、「地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保する。」というふうにされました。しかし、年末の財政折衝のぎりぎりまで、財務省から、地方にはむだが多い、七、八兆円が過大算定という金額まで出されました。ここで非常に、財源保障機能が十分に発揮できるのかということで大変な地方の心配があったわけでございます。これは、やはり交付税の性格に対する認識不足が国にはあるのでないかというふうに思います。

 この地方交付税は、国税五税「それぞれの一定割合の額で地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように国が交付する税をいう。」とされております。「国は、交付税の交付に当つては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」というふうにも言われております。あくまでも地方の固有財源であり、自主財源である、問題があれば自治体が独自に是正をし、住民が判断をするというのが本来のあり方であるというふうに思うわけであります。

 少し古くなりますけれども、一九六九年の四月十七日、衆議院の地方行政委員会の議事録でありますが、地方交付税について地方独自の財源であるとお考えかという当時社会党の山口鶴男議員の質問に対して、福田赳夫大蔵大臣、「交付税が、国税三税を対象にし、その三二%ということになっておる、これは法律でもきまっておるのです。それはもうどうしても地方にいかなければならぬ金です。そういう意味において、この金は地方自治団体の権利のある金なんです。」「固有の財源であり、また、自主財源である、こう言ってさしつかえないと思います。」このように答弁をされていますし、一九七一年三月十一日の議事録でも、福田大臣は、「地方交付税は交付税法によってきめられておるわけです。しかもその率まで法定をされておる。ですから、」「当然これは地方の権利に属する財源である。」「私は自主財源であり固有の財源であるということを申し上げておるわけであります。その考え方は今日いささかも変わっておりません。」このように答弁しております。

 小泉総理が政治の師と仰ぐ福田大蔵大臣、交付税は法律で決まっており、地方に行く金である、地方自治団体の権利のある金であるというふうに明確に答弁しておりましたが、この交付税の性格、つまりは固有財源論ということについて、小泉総理の見解を改めて示していただきたい。

小泉内閣総理大臣 今、過去の経緯といいますか、過去の大臣の答弁も引用されましたけれども、地方交付税は、かつては国税の三税から、今は国税五税から一定割合が地方に移譲されておりますし、これは地方が自主的に使える財源であるということに変わりはございません。

山本(喜)委員 従来の政府の見解は変わっていないということでわかりましたけれども、そうであるならば、交付税というのは、国税の形をとっていますが、あくまでも国が地方に成りかわって徴収、プールし再配分する地方税であり、自治体共有の財源だというふうな性格を持っていると思います。ですから、地方交付税法で自治を損なわずに自治体運営の財源を保障するというふうに規定しておって、国はこの法的義務を果たしているにすぎないというふうに私は理解するわけですが、そうすると、財務省の言う地方はむだ遣いが多い、七、八兆円もむだ遣いが多いということは、僣越のさたではないかというふうに思うんですが、総理、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 今委員がおっしゃいました地方交付税が地方固有の財源である、それは私もそのとおりだと思っております。

 ただ、私が申し上げているのは、いわゆる交付税の機能という中に、もうこれは釈迦に説法ですが、地方の財政力格差を調整する調整機能がある。それと同時に、足らないとき足らず前を、足らず前という言葉がいいかどうかわかりませんが、足らないときに国から補てんする、そうやって補てんをしてきたという機能もございます。

 それが、平成十六年度でいいますと、地財計画の歳入の部と歳出の部で七・八兆ございました。平成十七年度はそれが四・何兆に縮小されていると思いますが、そこは要するに、今、国から入れるのと、それから臨時地方債を入れることで折半をして埋めているわけですね。ですから、そこのところが私どもは、去年申し上げたことの一つは七・八兆差があった、それは圧縮していくべきではないかということを一つ申し上げまして、地方税の増収等もありましたから、ことしはたしか四・三兆ですか、四・三兆に圧縮することができました。

 もう一つの問題は、地財計画を算出していって、そのときの歳入と歳出のギャップを先ほど言ったように埋めるわけですけれども、そのときに、地方の地財計画の算定の仕方で、必ずしも実情に合っていない、これは投資的経費とそれから経常経費の算定、必ずしも実情に合っていないということでは説明責任という観点からいかがか、そういう埋めるのに国費も入れていくわけですから。そこはもう少し整理をしていただきたいということをお願いいたしまして、総務省の方もそれに取り組んでいただいて、平成十七年度はかなりの改善を見ることができたと思っております。

山本(喜)委員 時間になりましたので終わりますけれども、この地方分権一括法の附則二百五十一条あるいは参議院での附帯決議の中でも、本来の改革の目標は税財源の自治体への移譲というふうにされております。ですから、真の意味での地方分権に向けてさらに改革をお願いしたいということを申し上げまして、私の質問といたします。

 ありがとうございました。

甘利委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。

 第一分科会主査松岡利勝君。

松岡委員 第一分科会における審査の経過及び内容について御報告申し上げます。

 本分科会は、二月二十五日及び二十八日の両日審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは主な質疑事項について申し上げます。

 まず、国会所管については、国会職員の不祥事への対応など、

 次に、内閣所管については、郵政民営化問題など、

 次に、内閣府所管については、沖縄振興対策、地域再生のあり方、地震、雪害等の防災・災害対策、青少年の薬物乱用防止対策、核燃料サイクル政策、官製談合の摘発問題、道路交通行政のあり方、在日米軍の再編、ミサイル防衛システムの整備、金融検査・監督のあり方、偽造キャッシュカード問題への対応などでありました。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 第二分科会主査伊藤公介君。

伊藤(公)委員 第二分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、総務省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。

 その主な質疑事項は、市町村合併における財政等の措置、行政評価のあり方、地方交付税交付金の今後の取り扱い、災害対策及び消防団活動の充実強化、公務員の定員管理及び給与水準、郵貯及び簡保資金の運用状況、第三セクターの経営状況等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 第三分科会主査植竹繁雄君。

植竹委員 第三分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。

 その主な質疑事項は、北朝鮮問題、北方領土問題、在日米軍再編問題、我が国の出入国管理行政のあり方、性犯罪問題に対する政府の取り組み、難民認定制度のあり方、国家公務員共済組合による病院経営のあり方、NPO法人のための税制のあり方等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 第四分科会主査渡海紀三朗君。

渡海委員 第四分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、文部科学省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。

 その主な質疑事項は、体験教育の重要性、スポーツ振興のための支援の必要性、公立学校と私立学校における保護者負担の格差、法科大学院のあり方、学校施設の耐震化推進の必要性、ゆとり教育と学力低下問題、宇宙開発体制のあり方、学校の安全対策、三位一体改革における義務教育費国庫負担制度のあり方、教員の質の確保の必要性等々についてであります。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 第五分科会主査後藤田正純君。

後藤田委員 第五分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、厚生労働省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。

 その主な質疑事項は、介護保険制度改革、精神医療のあり方、少子化対策、障害者福祉対策、乳がん対策等女性の健康支援策、国民健康保険の保険料収納対策、児童相談体制の強化、戦没者遺骨収集事業のあり方等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 第六分科会主査小泉龍司君。

小泉(龍)委員 第六分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、農林水産省及び環境省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。

 その主な質疑事項は、新食料・農業・農村基本計画策定に向けた取り組み状況、農林水産物の輸出振興策、米国産牛肉の輸入再開等BSE問題、間伐材の利用促進等林業活性化策、農林水産関係公共事業のあり方、都市農業の振興策、ダイオキシン類による健康被害問題、産業廃棄物処理及び循環型社会形成推進策、地球温暖化対策、水俣病問題の解決に向けた取り組み状況等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 第七分科会主査茂木敏充君。

茂木委員 第七分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、経済産業省所管について二日間審査を行いました。

 審査の詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、中小企業税制及び中小企業金融のあり方、エネルギー源の多様化と再生可能エネルギーの利用促進、大型店出店による地域経済への影響、産業再生機構による企業支援の状況、我が国のコンテンツ産業の育成強化、サマータイム制度導入の効果とコスト等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 第八分科会主査石井啓一君。

石井(啓)委員 第八分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、国土交通省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。

 その主な質疑事項は、首都圏における災害対策、バリアフリー化の推進、ビジット・ジャパン・キャンペーンの取り組み、離島振興対策、八ツ場ダム事業を継続する必要性、日本道路公団分割のあり方、一般国道及び高速道路の整備、中部国際空港開港による国際拠点空港間における競争と相互補完のあり方、東京国際空港再拡張事業等々であります。

 以上、御報告申し上げます。

甘利委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。

    ―――――――――――――

甘利委員長 これより一般的質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 きょうは、日歯連の問題を中心に議論を深めていきたいと思います。

 財務大臣、私は、まず、政治自体が問われていると思います。政治のビジネスモデルというか、政治のあり方、コンプライアンスが果たしてこのままでいいのか。企業自体は、今、法令遵守体制を整えて、何か問題が起こったらそれに即応できる、そういう体制の中で、ISOを取得してみたり、さまざまな努力をしています。

 政治が昔のままのビジネスモデルで果たしていいのか。さまざまな疑惑が出るたびに予算委員会で質疑があり、そしてそのたびに政治全体に対する不信が深まる。これは決して、与党であろうが野党であろうが、いいことではない。現実に、私たちが理想とする政治の日々生々発展する中での姿というのはどういうふうにあるべきなのか。みずからがコンプライアンスを整え、そしてみずからが説明責任を果たす、このことがどこまで自分たちの力で整備されているのか。

 政治活動の自由とあわせて大変重要な点だと思いますが、財務大臣の基本的な御認識を伺いたいと思います。(発言する者あり)

谷垣国務大臣 今の委員の御認識のように、私は、政治と特に金という問題に関しては、極めて政治家が身を正さなきゃいけないと思っております。

 今ビジネスモデルともおっしゃいましたが、私の基本的な考え方は、政治というのは、政治活動自体で収益なり富なり、営利を目的としたものではないわけですから、その点が事業とは違うわけですね。しかし、その政治活動も、それを支える資金というものがなければ動きませんから、その資金をどこから得てくるかということになると、結局、支持者から浄財をいただく、それから、今政党助成金というような形で税もいただいているわけですが、何らかの形で他者に依存しなければ政治活動が維持できないということだろうというふうに思います。これを、政治活動自体が、自分で利益を追求して、利潤を追求して政治活動の活動費を得られるような仕組みにしてしまったら、これは大変おかしなことになる。

 だから、我々はあくまで他者に依存して政治活動をしているんだという認識に立った場合に、そこをどう依存している方々に納得できるものにしていくかということが基本的な政治の視点でなければならないと思っております。

原口委員 まさに、先ほど金子筆頭が、政治はビジネスではない、そのとおりです。私たちは営利のためにやっているわけじゃない。むしろ、高い政策目標や理想を形にするためにやっているわけで、であるから余計、それの形態あるいはそのシステムといいますか、ビジネスモデルという言葉が当てはまらないぐらい高い道徳に裏打ちされたシステムが必要である。そのことを申し上げたくて、冒頭、質問をいたしました。

 そこで、日歯の問題について伺いますが、まず、法務省の刑事局、現在、臼田被告それから滝川被告、どういう疑義で訴えてあるのか。そして、それぞれ裁判が進んでいると思いますが、滝川被告については結審をしているというふうに聞いていますが、現在の被疑事実、そして告訴の状況を教えてください。

大林政府参考人 まず、臼田日歯連会長の公訴事実と公判状況について申し上げます。

 臼田日歯連会長及び吉田元衆議院議員ほか一名に対する業務上横領被告事件につきましては、東京地方検察庁において平成十六年八月四日公判請求し、現在、東京地方裁判所において裁判中と承知しております。

 公訴事実の要旨は、臼田日歯連会長らが、共謀の上、平成十三年八月三十一日ころ、臼田日歯連会長らが日歯連のため業務上預かり保管中の現金三千万円を、臼田日歯連会長が日本歯科医師会の会長選挙の選挙資金に用いるため横領したというものであると承知しております。

 また、臼田日歯連会長ほか一名に対する政治資金規正法違反被告事件につきましては、東京地方検察庁において平成十六年九月十八日公判請求し、今申し上げた業務上横領被告事件とともに、現在、東京地方裁判所において裁判中と承知しております。

 公訴事実の要旨は、臼田日歯連会長が、日歯連会計責任者と共謀の上、平成十四年四月一日ころ、実際は同連盟において平成十三年七月上旬ころ、平成研究会に対し一億円の寄附を行ったのに、その寄附について平成十三年分収支報告書に記載せず、これを総務大臣に提出したというものであると承知しております。

 また、臼田日歯連会長ほか一名に対する贈賄被告事件につきましては、東京地方検察庁において平成十六年五月公判請求し、今申し上げた業務上横領被告事件等とともに、現在、東京地方裁判所において裁判中と承知しております。

 公訴事実の要旨は、臼田日歯連会長が、他と共謀の上、中央社会医療協議会が平成十四年度の診療報酬の算定方法改正に係る答申でかかりつけ歯科医初診料の算定要件の緩和を了承すべく、同協議会等で同緩和に賛成してほしいなどの趣旨で、同協議会委員らに現金及び酒食等の供与を行い、贈賄したというものであると承知しております。

 また、滝川被告人につきましては、政治資金規正法違反により平成十六年九月十八日公判請求され、同年十一月二十四日の第一回公判で事実を認め、同年十二月三日、禁錮十月、四年間執行猶予の判決が言い渡され、確定していると承知しております。

 その公訴事実の要旨は、被告人は政治団体である平成研究会の会計責任者であるが、平成研究会会長代理村岡兼造と共謀の上、平成十四年三月下旬ころ、実際は同会において平成十三年七月上旬ころ、政治団体である日本歯科医師連盟から一億円の寄附を受けたのに、その寄附について平成十三年分収支報告書に記載せず、これを総務大臣に提出したというものであると承知しております。

原口委員 もう一人、今お話をされた中に、前衆議院議員という名前がございました。これは吉田幸弘さんのことだと思いますが、彼の被疑事実は何でしょうか。

 今、日歯の資料、私たちの調査資料を手元に持っていますが、去年の二月の二日、東京地検特捜部は、日本歯科医師会に入館手続をとって、同日、そこの七〇一号、七〇二会議室に捜査本部を設置し、そして現在に至っていると聞いていますが、前衆議院議員である吉田幸弘さんの被疑事実は何ですか。

大林政府参考人 お答えいたします。

 吉田元衆議院議員及び臼田日歯連会長ほか一名に対する業務上横領被告事件につきましては、東京地方検察庁において平成十六年八月四日公判請求し、現在、東京地方裁判所において裁判中と承知しております。

 公訴事実の要旨は、吉田元衆議院議員らが、共謀の上、平成十三年八月三十一日ころ、臼田日歯連会長らが日歯連のため業務上預かり保管中の現金三千万円を、臼田日歯連会長が、日本歯科医師会の会長選挙の選挙資金に用いるため横領したというものであります。

 また、吉田元衆議院議員ら八名に対する公職選挙法違反事件につきましては、東京地方検察庁において平成十六年八月十七日公判請求し、うち、名古屋市議会議員六名につきましては既に有罪判決が下されておりますが、吉田元衆議院議員ほか一名につきましては、現在、東京地方裁判所において裁判中と承知しております。

 公訴事実の要旨は、吉田元衆議院議員ら三名は、共謀の上、愛知県議会議員三名及び名古屋市議会議員二名に対し合計一千万円を供与し、買収行為を行うとともに、事前運動を行ったというものであると承知しております。

原口委員 今お話しになりましたとおり、莫大なお金が選挙そして政策に絡んで動いているということが検察側の調べでわかっているわけです。

 もともと、この事件が発覚するもとになったのは二つありました。

 一つは、昨年、この場で私が経産大臣にただしましたITの補助金の事業についてであります。この補助金の事業については、まさに日歯がかかわっているものであるにもかかわらず、もう一回、歯科のレセプトのオンライン化で日本歯科医師会が受注をする、そしてそこで不適切な幾段階へものお金の流れがあるという状況でございました。ここについては、経済産業省の中で調査をし、そして一定の報告がなされております。

 しかし、もう一方のルート、これは、連盟が三菱銀行から借りた十億円の使途について、この十億円が一体何に使われたのか、そしてどこへ消えたのか、そのことについては、この平成研に渡った一億円を含めて、ほとんどまだ解明がされていないところでございます。

 そこで、私たちは政治倫理審査会で、橋本元総理にお見えいただいて、各同僚議員が質問をいたしました。

 自由民主党の山口議員の質問に対して、橋本元総理は政治倫理審査会で、臼田さんたちは私に一億円の小切手を渡したと言っておられます、滝川さんは私から一億円の小切手を受け取ったと言っておられます、そして七月三日、小切手が平成研の銀行口座に入金されたことは客観的事実でございまして、そうしたことを考えますと、日歯連からの一億円の小切手を私が受け取って滝川さんに渡したということは事実なんだろうと思いますとお述べになっています。

 果たしてこのことは事実なんでしょうか。本当に橋本総理は、これは客観的事実だということをおっしゃっていますが、御自身は当初は覚えていないということをおっしゃったわけです。政治倫理審査会において橋本元総理が客観的事実と述べていらっしゃるところは二カ所ございます。その二カ所のうちの一つがこの部分です。これは果たして事実なんだろうかと、私はまだ疑いを持っておるのでございます。

 予算委員会の前回の質疑で、当理事会に、本委員会に小切手のコピーを提出していただくようにお願いをいたしました。具体的には、日歯連及び平成研に対して、同コピーの銀行にある写しを取り寄せて委員会に提示するように要請したわけでございますが、委員長、いかがでございましたでしょうか。

甘利委員長 理事会で現在協議中の項目でございます。

原口委員 今お話しになりましたとおり、私たちはまだこの現物について、与党の理事の皆さんも随分努力をしていただきましたが、目にしておりません。

 政治倫理審査会で質問に立った山口代議士は、この一億円というのは七月九日に口座からおろされておりますけれども、これは金庫に保管しておったのか、また、その件で橋本先生が小切手の処理の仕方について滝川事務局長に指示したことはないのかと尋ねておられます。七月九日に口座からおろされていることを山口代議士は確認された上で御質問をされていますが、これに対して橋本元総理はこうお答えになっています。

 一億円というものが現金になりまして金庫に入ったといたしますと、そこまでにどれだけお金があったのかは私は存じませんけれども、区分ができただろうか、これは正直、私にはわかりませんとお答えになっています。

 つまり、橋本元総理が、この後にも陳述をなさっていますが、この一億円が御自身に対しての寄附なのか、それとも平成研に対しての寄附なのか、あるいはもっと別の意味を持っていたのか、その認識は何にもお示しになっていないんです。逆に言えば、政治倫理審査会では、ほかの二人がそう言っているからこれは平成研に渡ったんであろうということをおっしゃっているわけでございます。

 私は、政治資金規正法上の監督者の責任、この責任というのは一体どこにあるんだろうかというふうに思います。

 総務大臣に伺いますが、政治資金規正法上の代表者の責任、これは、会計責任者の責任とともに重く規定をされているというふうに存じておりますが、政治資金規正法上の代表者の責任はどのように規定をされ、そしてそれは何を意味するものでございましょうか。総務大臣にお尋ねをいたします。

麻生国務大臣 今御指摘のありましたいわゆる代表者の責任ということに関しましては、これは政治資金法第二十五条の第二項という文書を多分お持ちなんだと思います。そこの最後のところに「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、」云々と書いてあるところなんだと思いますので、これは収支報告書の記載義務者は会計責任者ということに一義的にはなるんですが、相当の注意を払うということを義務づけられておるというように理解いたしております。

原口委員 今、総務大臣がお答えになったとおり、会計責任者には誠実にそれを記述する責任が第二十五条の一項云々のところで書かれている。そして二項については、そこの代表についてのまさに監督義務及び選任についての注意義務、これが明示されているというふうに思います。

 つまり、さまざまな政治資金規正法上の事件が起こる。そのたびに会計責任者だけが責任を持てばいいのかというのではなくて、むしろ逆に、この政治資金規正法は、そこの代表者が大変大きな監督や注意の義務を持っている、監督の義務を怠ればこの法律の趣旨に反するということを書いておるわけでございます。

 そこで、私は、あの政治倫理審査会の中身をつぶさに申し上げるということはここではいたしませんが、資金の使途も明確ではない、だれからもらったかも明確ではない、そして平成研の一億円については、その後、収支の報告書の訂正もなさっています。

 これは選挙部長に伺いますが、日本歯科医師連盟から平成研究会への一億円の寄附について、平成研究会の平成十三年分の収支報告書の提出時点での記載状況はどうなっていましたでしょうか。

久保政府参考人 平成研究会の平成十三年分の収支報告書について確認いたしましたところ、収支報告書の提出時点におきまして、日本歯科医師連盟からの寄附の収入の記載はございません。

原口委員 つまり、これは裁判の中でも明らかになっていますが、領収書を出さない、ここに記載しない、このことを決めて、そしてそのことがもとで今滝川さんは裁判にかけられて、それが結審しているという状況なんですね。

 それでは、なぜ領収書を出さないということを決めなければいけなかったのか。これは官房長官に伺いますが、旧森派は派閥からお金を各議員に渡すことはない、直接、いわゆる政治活動費、政策活動費として、派閥を経由して党のお金を渡しているというふうに総理は答弁されていますが、これと同じやり方ができたはずですよね。

 官房長官、森派だけじゃないかもわかりませんが、ほかの派閥は、御自身で集めたものを自分の会員にお配りになっている。森派だけが党のお金を直接派閥から配っている。どうしてこういう違いができているのか。

 なぜこれを聞くかというのは、森派を責めているのではありません、領収書を出せないと言う前に、政党に、いわゆる国民政治協会に寄附をして政治活動費としてそれぞれの人に配れば、だれに配ったかということはもうわからなくなるわけです。そのやり方を勧めているんじゃないんですよ、勧めていると思ってほしくはないけれども、なぜそのやり方をやらずに、領収書を平成研は出さなかったのか、そのことがこの審議の中では全くわからないんです。

 よその党のことを聞いて恐縮ですが、どうしてこういう違いが起こっているんでしょうか。

細田国務大臣 私は、そういう政策集団の幹部をした経験もございませんし、どういうことで御質問のようなことになっているのかもよく承知しておりません。

原口委員 つまり、これは後で質問をしますが、かかりつけ診療報酬という大きな問題につながる政策が、今官房長官お話しになったように、どういうことでそうなっているかわからない。

 もう一回、会計責任者の責任について伺いますが、選挙部長、平成研は、平成研究会の平成十三年分の収支報告書を昨年訂正されていると思います。その訂正された内容は何ですか、そして、それはいつですか。

久保政府参考人 平成研究会の収支報告書でございますけれども、平成十六年七月十四日に収支報告書の訂正が行われております。

 その内容でございますが、平成十三年七月三日に日本歯科医師連盟から一億円の寄附を受けた旨の追加、そして、翌年への繰越額に一億円を加算したものとなっております。

原口委員 政治倫理審査会では、このことも自分の指示ではない、責任者の指示ではないとおっしゃっているわけです。先ほど麻生総務大臣がお話しになりましたように、山口代議士がその場で、資金の使途も明確でないというのは大変に遺憾である、平成研の資金管理団体というのはだれが責任者なんだろうか、あくまで、最終的に責任者は会長ではないか、責任者としての責任を放棄しているのではないかということを、自由民主党の山口代議士ですら批判をされておられます。私は、会計責任者だけではなくて、代表者の責任というのは大変重いと思います。

 この収支報告の記載漏れでございますけれども、さらに部長に伺いますが、ということは、これに相対する日歯の方も変わっていなきゃいけませんね。私は日歯連の平成十三年度分の収支をつぶさに調べましたら、払ったお金、日歯連側が払ったとするお金が先方側に記載をされていない、あるいは、日歯連側は出していないと言っているにもかかわらず先方に出しているお金が山ほどあるんです。一体どういう会計処理をしたらこんなふうになるんだろうかと思うんです。

 それは、例えば、この間もこの委員会で指摘をしましたが、同じ日本歯科医師会の岩手県の歯科医師連盟あるいは宮城県の歯科医師連盟、東京都の歯科医師連盟、神奈川県歯科医師連盟、静岡県歯科医師連盟、私の地元で恐縮ですが佐賀県の歯科医師政治連盟、同じような自分たちの政治団体の間でも収支が違っている。

 この一億円の収支について、日歯連側の収支報告はどうなっていますか。訂正後を教えてください。

久保政府参考人 日本歯科医師連盟の平成十三年分の収支報告書について確認いたしましたところ、収支報告書の提出時点において、平成研究会への一億円の寄附の支出の記載はございません。また、その後、記載内容についての訂正は行われておりません。

原口委員 驚きますよね。そうすると、日歯連の帳簿には、この一億円は、今の時点ででも平成研に渡ったことになっていないじゃないですか。こんなことが許されるでしょうか。こういう摩訶不思議なことがなぜ起こるのか。

 平成研が誠実にもらったということを認めて、そしてそれを報告される、これはだれでも誤りがありますから、誠実なことだと思います。しかし、私がここで問題にしたいのは、そこで責任者が何の判断もしていない、何の注意義務もそこに払っていない、あるいは責任を感じてもいない。これでは、麻生大臣、政治資金収支報告書というのは単にそこに書いてあるだけ。しかも、現在に至るまで、今選挙部長のお答えにありましたとおり、日歯連側は訂正さえもしていないわけです。

 委員長、このことについて、ぜひわかるような整理をしてください。平成研はもらったという報告を出され、訂正され、日歯連側はそれを出したという記載がなければ、何をもって信じていいのかわからないということであります。

 また、同じ政治倫理審査会で、この訂正は昨年の七月十四日になされています。その前で、平成研の幹部会が開かれ、そこで話し合われたのかという問いに対しても、そんなことはない、そういうことは知らないとおっしゃっているわけです。つまり、政治資金管理団体の責任者がだれなのかもわからない。

 委員長、私は、実際に村岡兼造元官房長官にお会いをしました。御自身がかかわってもいないこと、御自身が決断も相談も受けてもいないことに対して被疑を、あらぬ疑いを受け、そしてお白州に引っ張り出される、その無念さを切々と伝えていらっしゃいました。私は、今質問をやりとりしただけでも、まだおかしなところがたくさんあると思います。

 さらに法務省に伺います。

 この事情聴取についても、日歯側の私が得た資料では、年内にこの捜査を終わらせる、つまり平成十六年じゅうに終わらせるということを検察が宣言し、協力をお願いしたというくだりがございますが、これは橋本元総理の政治倫理審査会でのお答えにも裏打ちをされています。

 我が党の辻代議士が、検察庁から事情聴取があったと思いますが、いつ、何回ぐらい、何分ぐらい事情聴取が行われたのでしょうか。事情聴取に当たった担当検事は、今この場のようなお答えで、それで、ああそうですかということで終わったのでしょうか。検察の側からすれば、この捜査を遂げていくに当たってはどういう事実を解明しなければいけないか。臼田さん、内田さん、そして滝川さんの供述で、七月二日には橋本元総理が預金小切手一億円を受け取った。だけれども、自分はよく覚えていないんだという趣旨の、結局のところこういう供述しか得られていないんですか。通常、検察庁は、それでは本当はどっちなんだと。

 つまり、今回の公判においては滝川さんの証言というのがいろいろ出てきています。その後に出てきたことは、本当に信じられないような、通常、選挙で使うお金は、選挙のときの報告にあらわれているようなものではない、だから、それは裏金にするのが常態化していた、そして、裏金にすることも自分たちの勝手にそんなことはできなかった、すべて先生の御指示でもって裏金にする手はずを整えた、そういう御証言でございます。

 私は、被疑者がどこまで正しいことを言っているかわからない。ひょっとすると、平成研の皆さんや自由民主党の皆さんをおとしめるために言っているのかもわからない。だから、なおさら、ここに来て橋本元総理に事実を語っていただきたいと思います。

 九月の六日、恐らく三、四時間、三時間から四時間くらいというふうに橋本元総理はお答えになったと私は記憶をしています。しかも、そこで辻代議士の質問に対して、他の方の調書を引用しての御質問はなかったとお答えになっているわけです。つまり他の方というのは、この場合は村岡さんや臼田さんやあるいは滝川さんの供述。これを引用せずに何を調べたんだ、どこを調べたんだ。

 私たちは、政治家を追い詰めるためにここで言っているわけではありません。政治にかけられた疑問を晴らすためにここでやっているわけです。

 法務省、伺います。

 これだけ大事な事件で、他の方の調書を引用しないで調査するということがあるんでしょうか。

大林政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねは捜査機関における具体的活動内容にかかわる事柄であり、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

 一般論として申し上げれば、検察当局においては、事案の内容や具体的な証拠関係に応じ、適切な方法で関係者から事情を聴取しているものと承知しており、どのような方法が一般的かなどということは一概に申し上げられないことを御理解いただきたいと思います。

原口委員 私は、昨年のこの場でも指摘をしましたが、これは検察も問われていると思います。私たち政治も問われている。

 橋本元総理は、私は、この予算委員会で一番最初に議論をさせていただいた総理です。逃げずに、それこそ、中央省庁の課長補佐の皆さんが今一番たくさんの情報を握っている、一番詳しいことを御存じだ。橋本元総理は、総理の識見をお持ちになり、かつ、課長補佐と同じ、いやそれ以上の知識を持って、ここで質問すると、それに対して真っ向からお答えをいただきました。私は国会議員になってすぐ、ああ、こんな、それこそ官僚にも負けない知識を持ち、そして政治を真っすぐに進めていける、そういう政治家になれたらいいなというふうに本気で思いました。答弁をはぐらかすことは全くなさいませんでした。どんな質問も、今の内閣の総理大臣とはスタイルが違いますけれども、真正面から受けとめてお答えになっていました。私は、その元総理であるからなおさら、ここで、政治資金に係った問題について、しっかりと出てきて述べていただきたいと思います。

 もう一つ、これは政治倫理審査会の中で私たちが聞いた、記憶をした供述としては、絶対にないがしろにできないものがございます。それは繰越金の額でございます。

 これは村岡元長官も私に証言をしていただきましたが、平成研にあると言われているこの十九億円の繰越金は実際にはないんだ、実際にはここに載っているような額はないんだということを、村岡元長官もそれから橋本元総理もおっしゃっていました。

 これは、委員長、まさに政治資金収支報告書に記載されているものが虚偽であるということを御存じであったということではないでしょうか。先ほどの麻生総務大臣の法律の解釈を伺えば、まさに、虚偽であることを虚偽のまま、そのままにしているということは、監督違反ではないでしょうか。注意義務違反ではないでしょうか。麻生総務大臣の見解を伺いたいと思います。

麻生国務大臣 今の話は個別の話でもありますので、一概に、一般論としてしかお答えができないと思うんです。

 基本的に、この場合は滝川さんということになるんだと思いますが、会計責任者に記載義務の違反というのがあった場合においては、代表者が、この場合は橋本さんということになるんだと思いますが、代表者が会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったということになろうと思いますので、その代表者は、五十万円以下の罰金に処せられ、公民権を停止される旨の定めがあるのは、先ほど述べました政治資金規正法第二十五条の二項、第二十八条の一項に定められているところであります。

 ただ、この場合に当たって、個別の案件の話でもありますので、私どもは、御存じのように実質捜査権というものを持っているわけではありませんので、今出ております話を一般的な概念で申し上げれば、今申し上げた答えだろうと存じます。

原口委員 今大臣がお答えになりましたとおり、公民権の剥奪、こういう強い措置まであるのは、この二十五条の第二項がまさに政治に対する信頼の、政治資金管理団体の責任者が大きなかなめであるということを規定している。

 このことを一つとってみても、ぜひ私は委員会に出てきていただいて、今、政治倫理審査会の中身については、これは非公開でございます。ですから、私はこれ以上申し上げません。私が記憶をした中で、これが本当に事実であったかということも、実際は政治倫理審査会の議事録に当たらないとわからない。私がその場で聞いたことを、今、本当だろうかということで聞いているわけです。本来は、これを事実として積み重ねるためには、公開の場で元総理がお出になって、そしてさまざまなことにお答えいただく必要があるというふうに思います。

 さて、ここでもう一つ不可思議なことが起こっています。これは、かかりつけ歯科医初診料の要件緩和の働きかけでございます。我が党の長妻議員がこの場で取り上げましたけれども、私は、不思議なことをやるなと思います。

 前回質問をしたときに、大臣の日程表、行程表、政務官あるいは副大臣の、自分たちがどこでどうやったか、そういう書類、これはその場で焼却をしていると。こんなことが許されるんですか。その日のうちにシュレッダーにかけている。こんなことが許されるんですか。厚生労働大臣、お答えください。

尾辻国務大臣 厚生労働省におきます行政文書の保存年限は、厚生労働省文書管理規程により定められておりまして、厚生労働大臣等の日程表については、事務処理上必要な一年未満の期間保存とされておるところでございます。

 そうした厚生労働大臣等の日程表につきましては、その日の行事等の予定が終了した時点で、大臣等の日程管理のためという行政文書としての必要性がなくなるものでありますので、日々廃棄処分をしておる、こういうことでございます。

原口委員 全く納得がいきません。どこにそんなことがありますか。

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律、平成十一年法律第四十二号、ここの規定の行政文書の管理方策に関するガイドライン、それにも反しているじゃないですか。それに反しているだけではなくて、今おっしゃった厚生労働省訓第二一号、この文書管理規程を事細かく決めているじゃないですか。

 大臣、あなたはフィブリノゲンのときに、自分の決断でフィブリノゲンの病院を公表するとテレビの前でおっしゃいましたが、違うじゃないですか。坂口さんのときに決断しているじゃないですか。あなたは、さまざまな問題について官僚と闘える大臣だと思っています。そんなことじゃないんですよ。この規定をごらんになってください。

 この規定の中で、職員等の勤務の実態をあらわす書類、これは三年以上残すんじゃないんですか。大臣云々がそれより短くていいわけないじゃないですか。いかがですか。

尾辻国務大臣 今私が持っておりますのは厚生労働省文書管理規程でございますが、その中の行政文書の保存期間、第三十七条というところでございます。「第六類に属する文書 事務処理上必要な一年未満の期間」、こういうふうに書いてございます。

原口委員 いや、だから、そこが違っているんです。官房長官、こんなことをやらせていてはいけませんよ。

 言いましょうか。皆さんは、行政文書の管理方策に関するガイドラインで、勤務状況の記録されたものについては四類にしているんですよ。これは三年の保存が義務づけられているんです。当たり前じゃないですか。それをその日のうちにシュレッダーにかけている。隠さなきゃいけないことがあるからでしょう。違うんですか。

尾辻国務大臣 ここの読み方については、私どもは、先ほど申し上げたとおりに読んでおります。

 このことが起きましたので、私も、自分のことも気になったものですから、確認してみました。私も隠すことは何もないものですから、どうするんだと言ったら、毎日破って捨てている、こういう説明を、私自身のものも聞きましたので、今お答えをいたしておるところでございます。

原口委員 官房長官、小泉内閣の特徴は情報公開なんです。

 ちょうど、この日歯連の問題になりました、収支報告書を書きかえる、領収書を出せない、病院に見舞いに行った、平成十四年の三月の十三日。平成十四年の三月といえば、平成十四年のその三月十三日の二日前、私たちはここで証人喚問をやっていました。外務省をめぐるさまざまな問題について、小泉総理は、政治家の働きかけについても全部オープンにしなさい、二島返還でいいなんということを言ったような人がいたらそれは明らかにしなさいということを総理大臣御自身が決断し、そして、政治家の役所に対する働きかけをオープンにされたんです。小泉内閣は、まさに国民に対する説明責任、国民とともにあることで支持率を高めてきたはずなんです。

 それが今みたいなことでいいんですか。職員に三年間の保存義務を課して、それより高い責務を負う大臣が今みたいなことでいいんですか。

 冒頭、コンプライアンスの話をしましたけれども、そんな話が通るわけないじゃないですか。官房長官の答弁を伺います。

尾辻国務大臣 先ほど来御答弁申し上げておることでありますので、まず私から答弁をさせていただきます。

 三年保存の第四類の中に、お話しの「職員の服務及び福利厚生に関するものその他職員の勤務の状況が記録されたもの」というのがございますが、これは出勤簿のことでございます。したがって、出勤簿をこのように三年間は保存するということに相なっております。

 そしてまた、大臣とか副大臣、これらは特別職でございますから、出勤簿もないわけであります。

原口委員 この法律の趣旨をよく読んでください。行政文書の管理方策に関するガイドラインは、厚生労働省の皆さんのアリバイをまさに消すためにあるんじゃないんですよ。さまざまなコンプライアンスを情報開示して、国民の皆さんに納得していただくためのものですよ。情報公開と説明責任という中でこれは出てきているんです。今の答弁はとても納得いきません。

 官房長官、今から小泉内閣というのは毎日それぞれの、私はもう毎日のように谷垣財務大臣と、財務金融委員会、予算委員会でこうやってお目にかかっています。何も隠すことはないじゃないですか。こういうことをやってきたということを堂々と言わなきゃいけない話じゃないですか。それを今みたいに、シュレッダーで、それが規定だと。本当ですか。とても納得いきません。官房長官の得心のいく御説明をいただきたいと思います。

細田国務大臣 情報公開については、内閣府所管で、いろいろ審査会等でその基準を決めているわけです。それから、公文書の保存等をどういう形でやるかということについては、今、公文書に関するさまざまな今後の長期的な方針を検討しておるところでございます。

 そして、御指摘の、文書の管理規則、これは各省別に今規定され、その中でゆだねられてはおるわけです。ただ、そのことがいいかどうかという議論はありまして、情報公開、公文書の保存そして文書管理というのは、一定の考え方のもとで再整理して統一しようというような検討も行うことにしておりますが、現在のところは各省にゆだねられているということが原則ではあります。

 それから、その中で、例えば大臣の日程がどうかとか、場合によっては機微にわたることもあるのかもしれませんし、そういったものをそれぞれどう考えるかということは、今は各省にゆだねられているとは思いますが、今後の問題として考えていく必要がある問題だと思っております。

原口委員 全く納得がいきません。それが小泉内閣の姿勢だというふうに断ぜられてもしようがありませんよ。

 限られた時間ですから、こんな入り口で時間をとるとは思いませんでしたが、当時の歯科保健課長及び歯科医療管理官の処分、これをやっていますね。先ほどの日歯連に係る、これは厚生省ルートと言ってもいい、その人たちが吉田前議員からさまざまな接待を受けたり金品をもらっている。そこで、厚生労働省は処分をしているんです。どういう処分ですか。そして、それはだれですか。

尾辻国務大臣 処分の内容について申し上げます。

 当時の、医政局の歯科保健課長、免職でございます。それから、当時の、大臣官房付が停職十二カ月でございます。

原口委員 懲戒の理由は何ですか。吉田前議員から複数回の接待と現金を受け取っていたことがその理由じゃないんですか。元厚生労働省医政局歯科保健課長、この方は、名前を言いますよ、瀧口徹さんといいます。そして医療管理官、山内雅司さんとおっしゃいます。お金をもらっているじゃないですか。

 そして、後で言いますが、かかりつけ医療というのはどうなっていますか。歯科医の初診料算定要件として、皆さんからいただいた資料では、文書による説明を求めているじゃないですか。委員長にも大臣にも一人一人かかりつけの歯科医さんがいらっしゃる。かかりつけ医になったら文書で患者さんに説明をしなきゃいけない、そういう規定じゃないですか。それで初診料を二百億以上上げているじゃないですか。上げていて、現実には、文書を交付せずに歯科診療だけ算定している、そういうケースが散見されているのは何でですか。

 大臣、どういう理由で処分をしたか、明確にお答えください。

尾辻国務大臣 医政局歯科保健課長、当時でございますが保険局医療課歯科医療管理官として歯科診療報酬改定等に係る事務に従事していた際、前衆議院議員から誘いを受け、都内の料理店等において、平成十二年七月ごろから平成十五年十二月にかけて、計六回にわたり飲食の供与を受けるとともに、その際、議員へのレクチャーに対する車代名目の謝礼などの認識のもと、五回にわたり合計八十五万円の現金の贈与を受けていたものである。また、平成十二年七月ごろから平成十五年にかけて、計五回にわたり、日本歯科医師会推薦の、誉田雄一郎さんなど、中医協委員と職務に関しての打ち合わせの後、都内の料亭等において飲食の供与を受けていたものである。さらに、平成十五年五月ごろ及び同年九月ごろの計二回、日本歯科医師会専務理事から飲食の供与を受けていたものであります。

 もう一人の方であります。

 大臣官房付でありますが、医政局歯科保健課長として歯科医師法の施行等に係る事務に従事していた際、平成十四年一月から平成十五年夏までの間にかけて、前議員からの誘いを受けて、計十回にわたり都内の料理店等において飲食の供与を受けるとともに、議員へのレクチャーに対する謝礼との認識のもと、五回にわたり合計五十万円の現金の贈与を受けていたものである。

 以上の理由でございます。

原口委員 官房長官、お聞きになりましたか。私は、今、非常なむなしさを覚えています。ちょうどこの当時に、外務省は、外部機関をつくって園部さんを代表にして、そして御自身の改革を、もうこんなことじゃだめだということをやっていた時期ですよ。その時期に厚生労働省は、このかかりつけ歯科医療、初診料ですね、この人たちが中医協の事務局じゃないですか。この人たちが、初診料を上げるその判断をする、さまざまなものを書く人たちじゃないですか。何をやっているんですか。

 厚生労働大臣、刑事告発をしているんですか。

尾辻国務大臣 刑事告発をしなかったのはなぜかということでございますけれども……(原口委員「しているのかと聞いているんです」と呼ぶ)しておりませんのでその理由を申し上げますけれども、処分対象となったいずれの職員も具体的な要請は受けなかったとしておりまして、職員としての判断や行動に影響を及ぼさなかったこととしていたため、厚生労働省として、これが収賄罪に該当するという判断に至らなかったことから告発を行わなかったものでございます。

 なお、起訴するかどうかについては司法当局が判断する問題でございますけれども、本件については、最終的に起訴猶予とされたところでございます。

原口委員 委員長にお願いをいたします。

 今の答弁では、何回もレクチャーと称し料亭で飲食を供与され、レクチャー代と称し八十数万円をもらい、そして懲戒免職している。これはそれだけじゃなくて、今申し上げたように、まさに政策をゆがめる、政策を料理やお金でゆがめる。収賄じゃないですか。それを、告発義務を負っている、自分たちの身内だから告発もしないということで納得しますか。

 きょう、その場にいらした、勉強会にもいらした中村審議官、当時保険局担当だと思います。今、皆さんが考えていらっしゃる身体障害者の自立支援、何をやっているんですか。三位一体改革で、麻生大臣、三兆八千億の財源が約二兆四千億。そのうち減らされたもので、地方はどうなっているのか。地方の中で、難病特定と言われるさまざまな地方単独事業、ネフローゼやぜんそくで地方でそれぞれ手当てをしていた、そういう手当てさえも組めないで、どんどんなくなっているんですよ。

 あなた方は、料亭で料理をもらい、そして、かかりつけ歯科医初診料、これは現実には文書を交付していないじゃないですか。文書を交付していない、患者の側がだれがかかりつけかもわからない、そんな制度をつくって、そして処分をした人間についても訴追もしない。こんなことが許されるわけないじゃないですか。

 きょう、老健局長お見えだと思いますが、皆さんは附則において、今、身体障害者のまさに権利を、私は、昨年の通常国会で、八代英太さんや大口さんと一緒に障害者基本法の改正というものをさせていただきました。障害者は保護の対象ではない、権利の主体である、差別を禁止する、そういう法律案でした。

 しかし、現場で厚生労働省の皆さんがやっているのは何ですか。皆さんが企てようとしていることは、自分たちは肥え太り、そして一般の国民には大変な不安を与える。こんなことが許されると思ったら大間違いです。

 老健局長、あなたは、二〇〇一年の十一月十五日、処分された二人と一緒に保険局担当審議官として勉強会に出席されていますね。どういうお話があったんですか。

 私は、官房長官、なぜこういうことを出さなきゃいけないかというと、官僚は今バッシングされているけれども、一人一人の官僚は弱いんです。一人一人の官僚が密室で政治家から呼ばれて、あの外務省のときもそうでした。結果、ノーと言えないんです。だから、政治家の働きかけについても、中央省庁再編基本法の中で、こういうレクについても公開するようになったんですよ。公開してくださいよ。なぜ公開しないんですか。

 老健局長に伺います。あなたが出た勉強会、その中でかかりつけ診療について話があったんでしょう、そしてそれをどのようにすべきだと、接待があったんじゃないんですか。お尋ねします。

中村政府参考人 当時、医政局と保険局担当審議官でございます。本件、今の勉強会についてのお尋ねがありましたので、現在、いわば歯科行政の所管外ではありますが、お求めでございますので、お答えをさせていただきます。

 先生から平成十三年十一月十五日の勉強会というお話がありましたけれども、具体的な勉強会の特定がございませんのでちょっとお答えしにくいわけでございますが、私、いろいろな意味で、当時、担当審議官でございましたので、さまざまな御要請を受けたり、いろいろ国会議員の方から、党の機関の会議あるいは個別の勉強会ということに呼ばれたことはございます。

 御指摘の勉強会、先ほどの処分のお話があった二名の職員と一緒に出ていたということで、推測にはなりますが、いわゆる世の中で古賀先生の勉強会と言われているものではないかと思って、その前提でお答えをさせていただきます。

 当時、私ども、二〇〇二年度の医療制度改革で多忙をきわめていましたので、記憶は定かではございませんが、古賀先生との勉強会にも、平成十三年の暮れごろではなかったかと思いますが、歯科の担当者とお話がしたいという要請があり、歯科の担当職員とともに私が、いわば医政局と保険局の両方にかかわって、歯科の方の実質的な責任者でございましたので、出席要請があったというふうに承知しております。

 こういう言い方をしておりますのは、私自身、議員の方から直接の要請を受けたわけではなく、担当課の方、たしか記憶では、歯科行政の中でも歯科保健課が一番のトップの地位を占めますので、歯科保健課からの連絡で呼ばれたものというふうに認識しております。

 行政側の出席者については、当時保険局担当審議官、医政局担当審議官であったほか、歯科の、技官の職員ということで歯科保健課長と歯科医療管理官、ほかに数名技官の職員がいたと思います。

 それから、飲食の接待みたいなお話がありましたけれども、この勉強会はそういう会ではなく、ホテルの会議室で、夕食時間でございましたので夕食は出たと思いますが、接待というようなことではなかったと記憶しております。

 国会議員の出席者の先生については、古賀議員と当時の佐藤政務官が出席されたことは、私、記憶しておりますが、これ以外の方については記憶が定かでございません。

 それから、かかりつけ歯科医初診料の要件緩和について、ゆがめられたとか、そういうお話があったということでございますが、当時、本当にそのことが渦中でございましたので、私、そこの点については鮮明に記憶いたしております。むしろ覚悟はして参ったわけですが、そういうお話はなかったと記憶しております。

原口委員 全く理解できません。

 私は古賀勉強会と名指しをしたわけではありませんからね。私は、吉田議員からあなたが、さまざまな問題が、接待があったのか、このことについても後で伺いたいと思います。

 また、最後に、かかりつけ歯科医初診料、この算定要件はほとんど現場では守られていませんね。尾辻大臣、調査をして、この委員会に報告してください。

 今るる一時間議論させていただきましたが、まさに国民不在の政治が行われているんじゃないか。橋本元総理にぜひこの場に来ていただいて、そして真実を語っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

甘利委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。

 次に、辻惠君。

辻委員 民主党の辻惠でございます。

 今の原口議員の質問の中で、二名の厚労省の職員の処分の問題が事実として出てまいりましたけれども、この処分に当たって、不起訴相当だということで刑事告発をしなかったという御答弁があったと思いますけれども、この処分の相当性等に当たって、調査をどれくらいの期間、どういう調査をされたのか、どういう人々から事情聴取したのか、その点について明らかにしてください。

尾辻国務大臣 厚生労働省といたしましては、中医協をめぐる贈収賄事件を受けまして、本件の発覚いたしました昨年の四月以降、当時の担当者に対し、中医協委員等から不適切な働きかけがあったかどうかについて聞き取り調査を行ったところでございます。

 この聞き取り調査の人数でございますけれども、平成十三年度から十五年度まで厚生労働省保険局医療課及び医政局歯科保健課に在籍した課長補佐以上の職員二十八名、それから中医協の事務局たる医療課を指導する権限を有する保険局長及び同局担当審議官六名を対象に、聞き取りの調査をいたしました。したがいまして、合計三十四名でございます。

 当該調査によりまして、当時の歯科保健課長及び歯科医療管理官が、日歯連から依頼を受けた当時の国会議員等から現金の贈与等を受けたことが判明いたしましたので、これらの行為は国家公務員法及び国家公務員倫理規程違反に該当することから、処分を行ったものでございます。そこまででよろしいでしょうか。

    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕

辻委員 では、その認定した現金の贈与を受けた事実というのは、何回、それぞれ、だれから幾らという事実認定をされたんですか、調査の結果、それを明らかにしてください、日付も明らかにしてください。

尾辻国務大臣 先ほども申し上げたかと思いますけれども、平成十二年七月ごろから平成十五年十二月にかけて計六回にわたり、飲食の供与を受けるとともに、五回にわたり、合計八十五万円の現金の贈与を受けていたものでございます。

 また、平成十二年七月ごろから平成十五年にかけて、計五回にわたり、日本歯科医師会推薦の中医協の委員と職務に関しての打ち合わせの後、都内の料亭等において、飲食の供与を受けていたものでございます。さらに、平成十五年五月ごろ及び同年九月ごろの計二回、日本歯科医師会専務理事から飲食の供与を受けていたものでございます。これが一名についての事実でございます。

 それから、もう一名の者についてでございますけれども、医政局歯科保健課長として歯科医師法の施行等に係る事務に従事していた際、平成十四年一月から平成十五年夏までの間にかけて、前議員からの誘いを受けて、計約十回、昼間が五ないし七回、夜間が四回ぐらい、足して十回ということのようでございますが、にわたり都内の料理店等において、飲食の供与を受けるとともに、議員へのレクチャーに対する謝礼としての認識のもと、五回にわたり、合計五十万円の現金の贈与を受けていたものでございます。

辻委員 その二人以外にこの一連の事態の中で飲食の供与を受けた人間というのはいるんですか、いないんですか。

尾辻国務大臣 保険局医療課長補佐は、上司に同行いたしまして、計三回元中医協委員から飲食の供与を受けていたものでございます。

辻委員 その課長補佐は現金の供与は受けていない、こういうことなんですか。

尾辻国務大臣 現金の供与は受けておりません。

辻委員 これについては、調査結果の報告書というのは作成されているんですか、いかがですか。

尾辻国務大臣 これにつきましては、中央社会保険医療協議会を巡る贈収賄容疑事件に係る報告、まず、十六年九月二十八日、中間報告として報告をいたしております。

辻委員 中間報告以外に、最終報告なり別の報告書もあるということでよろしいんでしょうか。

尾辻国務大臣 中間報告をいたしました後、新たな事実が出ていないということで、その後の報告はいたしておりません。

    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

辻委員 その報告書は、この委員会に提出できますね。

尾辻国務大臣 これは既に公表いたしておりますから、いつでもお出しをいたします。

辻委員 その一連の経過については、その二名ないし三回の飲食の供与を受けた一名、いずれもこれは職務に関連してそういう場に臨んだ、こういう認識、認定でよろしいんですね。

尾辻国務大臣 同行したということでございましょうか。(辻委員「二名プラス一名の三名」と呼ぶ)これは任務で行ったかどうかということでございましょうか。(辻委員「職務に関連してということでいいんでしょうということです」と呼ぶ)その件でございますが、私、聞き及んでおりませんので、任務で行ったかどうかということは改めて確認をさせてください。

辻委員 飲食を受けた場で、ではどういう話が出たのか。先ほど、六回にわたり飲食の供与を一名が受けて、その後、中医協からまた五回受けたというふうに言っていますけれども、それぞれの場面でどういう話が出たのか。つまり、本来の職務に関連する話が一切出ていないということはないはずだと思うんですが、その点についてはきちっと調査されているんでしょう。報告してください。

尾辻国務大臣 聞き取り調査における本人の供述によりますと、前議員からの飲食の供与や現金の贈与は、当時はすべて前議員からのものであると認識しており、日本歯科医師会からのものであるとの認識はなかったということでございます。ただ、今になって思えば、国会議員が頻繁に飲食の供与や現金の贈与を行うことについての不自然さは否定できないこと等から、現時点において、日本歯科医師会が前議員を介して飲食の供与や現金の贈与を行っていたと考えざるを得ないというふうに報告では述べております。

辻委員 なぜそういう場を持ったのか、なぜ会ったのかということについて、どういう調査結果が出ているんですか。その会った場でどういう話が出たのかということについて調査をしているんですか、していないんですか。

尾辻国務大臣 それでは、当時の報告を読ませていただきます。

 ヒアリングの結果、平成十一年八月三十一日から平成十六年三月一日までの間、保険局医療課の歯科医療管理官であった職員が、前議員から誘いを受け、都内の料理店等において、平成十二年七月ごろから平成十五年十二月にかけて計六回にわたり、飲食の供与を受けるとともに、飲食の供与の際、議員に対するレクチャーに対する車代名目の謝礼などの認識のもと、計五回にわたり、合計八十五万円の現金の贈与を受けていたことが認められた。

 その際、当該職員に対して、前議員からは、日本歯科医師会が診療報酬全体について理解不足なので、診療報酬全般について同会に対してよく説明するように依頼されたものであり、かかりつけ歯科医初診料を含めた歯科診療報酬についての個別具体的な依頼はなかったとのことであった、こう報告では述べております。

辻委員 そうすると、個人的な友人関係であったということではなくて、診療報酬全般について説明するように、つまり、診療報酬にかかわっている職務を担当している職員だから会いたいんだということで呼び出されて会ったという、そういう理解でいいんですね。

尾辻国務大臣 報告では、そのように、今読みましたとおりに述べておりますから、そういうことでございます。

辻委員 そうすると、その場でどういう話が出たのかということについては、報告書ではどれぐらいの分量でその調査結果が報告されているんですか。十一回にわたる会談について、具体的にどういう話であったのかということをどういうふうに、メモはできているんですか。それを要約した報告書は報告書としてあるでしょうけれども、それのもとになる事情聴取というのはきちっとできているんですか、どうなんですか。

尾辻国務大臣 報告書がこれでございます。それで、今の部分でございますけれども、これは、どのぐらいの聞き取りをしたかということにつきましては、「中医協事務局職員等への調査」というところがございまして、ここで述べて……(辻委員「もう一度、簡潔に聞きますよ」と呼ぶ)

甘利委員長 では、もう一度。辻惠君。

辻委員 では、その最終的な中間報告書のもとになる調査結果の書面が今お手元にある、こういうお話ですよね。そういうことでしょう。違うんですか。報告書そのものですか、今おっしゃっているのは。イエスかノーで。

尾辻国務大臣 今お示ししておりますこれは、中間報告そのものでございます。

辻委員 だから、私が先ほど質問したのは、中間報告書で概括的な結果が出ているかもしれないけれども、例えば、その一名の職員について、都合十一回、飲食の供与を受けたというふうに言っているわけだから、その一回一回についてどういう話がなされたのかということについて、事情を聴取した、そういう調査メモみたいなものがあるんですか、あればそれを紹介してください、こういうことを今質問しているんですよ。いかがですか、それは。

尾辻国務大臣 当時の、これをつくるに当たってのメモはございません。

辻委員 そうすると、その報告書は、何をもとに報告書を作成したんですか。先ほどのお話では、事情聴取等を何人にもわたってやったというような話もありましたけれども、では、それを、それぞれ事情を聞いた結果については、どういう形で保存されて、それを総括して報告書をつくるわけだから、そのプロセスというのはどういう形でやったんですか。ちゃんと説明してください、納得いくように。

尾辻国務大臣 もう一度申し上げますけれども、これは、もう報告にございますので、報告を読ませていただきます。

 「内部調査の結果」でございますが、具体的には、平成十三年度から平成十五年度まで、厚生労働省保険局医療課及び医政局歯科保健課に在籍した課長補佐以上の職員二十八名及び中医協の職員たる医療課を指導する権限を有する保険局長及び同局担当審議官六名について、現在の幹部職員により、在職当時の状況について、ヒアリングを行った。また、調査の過程において……(辻委員「だめですよ、そんなものは。答えになっていないじゃないですか。さっきと同じじゃないですか、それは」と呼ぶ)ですから……(辻委員「さっき三十四名と答えているじゃないですか。それをどういう形で保管しているのかを聞いているんですよ」と呼ぶ)

甘利委員長 委員長の指名に従ってやってください。

尾辻国務大臣 ヒアリングを行った。また、調査の過程において、平成十六年五月二十日、中医協をめぐる贈収賄容疑事件で逮捕、起訴された日本歯科医師会の前幹部が、前衆議院議員に依頼して、平成十三年から平成十五年にかけ、当時の医政局歯科保健課及び保険局医療課の当時の幹部職員に対し、現金数十万円を数回渡した旨の新聞報道がなされた。さらに、同日、中医協委員であった二名の者でありますが、医療課の担当者を複数回接待したとの新聞報道がなされた。これを受けて、厚生労働省として、被聴取者全員に、報道された点も含めてヒアリングを行ったところである。

 この結果、以下の三名を除いて、聴取対象となったいずれの職員も、二名の委員もしくはその推薦団体である日本医師会または前議員からの金品の授受や飲食の供与等の不適切な働きかけを受けていないことが確認されたところである、聞き取りの内容はこういうことでございます。

辻委員 聞き取りの内容について、どういう形で保存をしていたのかということを、メモを作成したのかどうなのかということを聞いているんですよ。今のはさっきお答えになったことの延長で、既にわかっていることの延長なんですよ。だから、その中間報告書の内容を本当にどういうプロセスでつくったものか、しっかりとした調査の材料をもとにつくったものかどうなのかを検証するために私は聞いているんですよ。

 ですから、その三十四名からの事情聴取について、具体的なその聴取の内容メモを作成してあるのかどうなのか、あればそれを出してくださいよ。その答えだけでいいですよ。どっちなんですか。

尾辻国務大臣 私が聞いておりますのは、それらのものは、国家公務員倫理審査委員会にお出しをしておるということでございます。あるものはお出しをしておるということでございます。

辻委員 倫理審査委員会に何を出しているんですか。その三十四名と、それから当該の二名プラス一名、その三名、三十七名の報告書なり事情聴取された文書というのが倫理審査委員会に出ている、こういうことでいいんですか。

尾辻国務大臣 倫理審査委員会に出しましたものがございます。これが……(辻委員「何通あるんですか」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。

 先ほど来申し上げております三十四名の聞き取りのメモでございます。

辻委員 では、それは予算委員会に提出できますね。提出してください。委員長、それを要請してください。

尾辻国務大臣 訂正させていただきます。申しわけありません。

 倫理審査委員会に出しましたのは、処分いたしました三名の分でございます。訂正をさせていただきます。

辻委員 その処分を判断するに当たって、関係者から、三十四名から事情聴取したわけでしょう。それのメモは残っていないんですか、どこへ行ったんですか。それを今検証できないじゃないですか。その三十四名分はあるんですか、ないんですか。

尾辻国務大臣 残りの分はございません。

辻委員 では、その中間報告書はどういう事実に基づいて作成したんですか。その三十四名から事情聴取した一人一人を集めて全体で会議を開いてやったとかそういうことなんですか、そんなむだなことはやっていないわけでしょう。どういう事実を確認して中間報告書は成り立つんですか。そんなことは通常考えられないですよ。事情聴取したメモは当然残すわけでしょう、客観性を担保するために。それを作成していないということはどういうことなんですか。きちっとした事実調査をしていない、ないしはそれを捨てた、廃棄した、どっちかじゃないですか。答えてください。

尾辻国務大臣 私が受けております報告は、ないということでございます。したがいまして、私としてお答えできるのはそこまででございます。

辻委員 尾辻大臣が今の時点ではそれは確認できないというのであれば、それはもともとあったのかなかったのか、それを調べてちゃんと報告をしてください。これは後日きちっと報告する、そのことを約束してください。

尾辻国務大臣 そのことは確認してお答えをいたします。

辻委員 次に、この二名について、先ほど原口議員は刑事告発をなぜしないのかということを質問されたことに対して、これは起訴に相当しないんだというようなお答えをされた。それは、何に基づいてそんな判断が出てきたんですか。それを明らかにしてください。どういう事実を踏まえて、どういう判断でそういう結論に至ったんですか。それはいつだれが決めたんですか。その点を明らかにしてください。

尾辻国務大臣 起訴するかどうかについては……(辻委員「違う、告発」と呼ぶ)これは司法当局の御判断でありますけれども、告発しなかった理由についてでございますが、これは、収賄罪は公務員がその職務に関してわいろを収受し、またはその要求もしくは約束をしたときに成立をする、これは御専門でしょうが、それに当たらないという判断をした、こういうことでございます。

辻委員 質問にちゃんと答えてくださいよ。結論はわかっているんですよ、告発しなかったと言っているんだから。だけれども、どういう資料に基づいて、どういう事実を確認して、その上でどういう判断で告発しなかったのか、しかも、それはだれがいつ判断したのか、その点について聞いているんですよ。だから、それをちゃんと答えてくださいよ。

尾辻国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたけれども、さきの御質問の中で申し上げたつもりでありますけれども、具体的な要請は受けなかった、具体的な要請をされていないということがその判断でございます。

辻委員 では、具体的な要請を受けないから刑事告発をしないというのはだれが決めたんですか、だれが判断したんですか、それはいつ判断したんですか。大臣、答えてください。大臣しか判断できないでしょう。

尾辻国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、起訴するかどうかについては、これは司法当局の判断でありますから、ですから、これは司法当局の御判断だということでございます。

辻委員 委員長、ちゃんと説明してください。今のは答弁になっていない。ちゃんと説明してください。答弁させてください。

甘利委員長 大臣、辻委員の質問の意味はおわかりですよね。

尾辻国務大臣 刑事告発しなかった理由については、もう一回申し上げますが、処分対象となったいずれの職員も具体的な要請は受けなかったとしておりまして、先ほど申し上げたとおりであります。職員としての判断や行動に影響を及ぼされたことはなかったとしていたために、収賄罪に該当するとの判断に至らなかったことから、告発は行わなかったものでございます。

 そして、それをだれが決めたかということでありますが、これは厚生労働省の判断でございますから、そういう意味では大臣の判断になる、こういうことになります。

辻委員 それはいつ、だれが決めたんですか、厚生労働大臣。だれですか。答えてください。いつ、だれですか。

尾辻国務大臣 この中間報告を出した日でございますから、十六年の九月の二十八日でございます。(辻委員「だれですか」と呼ぶ)九月の二十八日になりますと、私が大臣でございます。

辻委員 じゃ、十六年九月二十八日に尾辻大臣が、これは告発しないことが妥当だと決めた、その結論はいいですよ。だから、どういう判断で決めたのかということについてさっきから伺っているわけですよ。

 それは、具体的な要請はなかったというふうに判断したんだと。だから、具体的な要請があったかなかったかについて、どういう材料に基づいて、いろいろな事実関係があるわけじゃないですか。だからさっき、三十四通の調書があるかどうかを私は伺ったわけですよ。

 そういうものがあってそれを総合的に判断したんだったらそう説明すればいいんだけれども、それがないとおっしゃるから、じゃ、どういう事実を総合して判断をしたのか、そこが全然明らかじゃないわけじゃないですか。結論を言っている。理由を言っていないんですよ、具体的なその根拠を。根拠を述べてください、具体的に。

尾辻国務大臣 今お話しになっておられるのは処分をした三名についてでございますから、これについては公務員倫理審査委員会に資料を出しておりますので、メモは残っておるわけでございます。

辻委員 では、公務員倫理審査会に出したメモは出せるんですね。委員長、求めてください。

尾辻国務大臣 審査委員会と御相談を申し上げます。

辻委員 結局、そこに出したものも結論だけ書かれたものであれば、それが、判断が相当かどうかというのを後で検証できないわけですよ。だから、そういう判断に至った経過、プロセスについて、やはり説明する責任があるんですよ、厚生労働省として。

 大臣として、もう一回、三十四名の事情聴取の経過を含めて、あと、吉田議員のサイドからも当然事情聴取すべきじゃないですか。そういう努力をしているんですか。していないんでしょう。だから、そういうことを含めて、事実の確定に当たってどういう調査をやったのか、調査の方法、それを含めて、全部含めてこの委員会にちゃんと報告してください、判断の結果についても。

 委員長、それはお願いします。要請してください。

甘利委員長 理事会で協議をさせていただきます。

辻委員 厚生労働大臣、今回の政治と金の問題について、いわば日歯連の問題が震源地なんですね。一番大もとの源になっているわけですよ。だから、その問題について、本当に真剣に、もっとぎちっと事実を確定して、何が問題なのかというのを、うみを出さなきゃだめなんですよ。

 そういうようなことをやはり申し上げておきたいし、そういうお立場におられるんだから、今のこの政治と金の問題について、政治家個人として、また、そういう震源地の官庁を所轄する大臣として、どういう問題としてこの問題をとらえているんですか。何が問題だと思っているんですか。その点について、きちっと御自分の御意見を述べてください。

尾辻国務大臣 この問題、大変深刻な問題だというふうに考えております。

 私が厚生労働大臣になりましてからずっと言い続けてまいりましたことは、出すべきうみは出そうということで言ってまいりました。したがって、これは本音でそう言っておりますので、あるものは資料として必ず全部お出しするつもりでおりますし、今後ともその姿勢できっちり厚生労働省を指導してまいりたいと考えております。

辻委員 先ほどの原口委員の中でもありましたけれども、要するに、証拠をすぐに隠滅しているというふうに思われるような行動をとっておられるんですよ。御自分の見識で本当にリーダーシップを発揮すれば、役人が何と言おうとも、もっと改革、改善できるはずなんですよ。そういうリーダーシップをとろうとする意欲をあなたは全然示していないんですよ。だから問題なんですよ。

 だから、さっきから申し上げた問題も、物すごく私が言っていることについての理解が、感度が悪いんですよ。何でこれが刑事告発されなくて済むのか、そこについてもっと真剣にもう一回検討し直すべきですよ。

 吉田議員の側の公訴事実についても、厚生労働省として、もっと事実をフォローして、それを含めて総体的にもう一回、何が問題だったのかを、そういう意味で、うみを出すための努力をきちっとすべきです。その結果について、きちっと委員会に報告をしてください。このことをもう一度委員長に求めておきたいと思います。

 その点はどうですか。きちっともう一回調査をして、吉田議員サイドの今の公判の経過も含めて、どういう事実が起こっていたのか、厚労省をめぐって。それは、古賀勉強会と言われることを含めて、佐藤政務官の動向も含めて、もう一回ちゃんと事実調査をしてください。いかがですか、それは。

尾辻国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、処分いたしました者については、司法当局の判断が起訴猶予でございましたから、私どもがこれ以上何かこのことについて申し上げることではないというふうに考えております。

 ただ、その判断は判断といたしまして、もう一度、厚生労働省がどういう問題を抱えておるかということは、今度の中間報告でも申し上げてはおりますけれども、私どもは、反省をしてまいりたいと思っております。

辻委員 今おっしゃった、司法当局は起訴猶予にしたというのは、だれとだれのことなんですか。そして、その起訴猶予の通知は、いつ、だれにそれは交付されているんですか。その点を明らかにしてください。

尾辻国務大臣 新聞報道で恐縮でございますけれども、東京地検特捜部は八日までに、前衆議院議員から接待や現金を受けたとされる厚労省元幹部二人を不起訴処分とした、こういうことでございます。

辻委員 今紹介された事実は、出典は何なんですか。具体的に明らかにしてください。

尾辻国務大臣 これは、申し上げましたように、新聞報道でございます。十二月九日の朝日新聞の報道でございます。

辻委員 厚労大臣、やはりこの日歯連問題の発端のところだから、仮にその十二月九日の報道が真実だとしても、そのことを含めて、どういう事実があったのかということについてもう一回調査をやるべき義務があると思いますよ。それをやってください。それを報告するということを約束してください。

尾辻国務大臣 これは、いつも申し上げておりますけれども、中間報告で一遍私どもとしてはしっかりと御報告をしたと考えております。

 そこで、新しい事実など出てきましたら、これは徹底してまた調査をして、御報告をいたすことにさせていただきます。

辻委員 本当に、指摘されている問題について、もう過去のものとして覆い隠そうとする姿勢が見え見えなんですね。本当にもう一回切り開いて、しっかりと厚労省をたたき直すんだ、そういう意欲を持たなきゃ、それはリーダーシップを持った厚労大臣と言えませんよ。その点、本当に、もう一回自覚をしてやるという決意を固めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 この政治と金の問題について何が問題なのか、既にかなり明らかになっています。要するに、金の力で政策がゆがめられるような、そういう構造が、根深く、厚労省においてもそうだし、それ以外においてもそういうことが非常にあるということが問題なんです。そのことが一つ。

 それからもう一つ、きょう資料の六で配付させていただいておりますけれども、二〇〇五年の二月二十七日の東奥日報の一面に出ておりますけれども、「「ヤミ軍資金」数億円」ということで記事が出ております。

 これは橋本派の問題になりますけれども、要するに、橋本派の幹部が逆にやみの寄附を平成研にやっている。つまり、領収書なしに使っていいよというお金を生み出しているということが、滝川証人も村岡公判で証言しているし、ほかの幹部からもそういう供述がとれたということで、これは報道がなされているんですよ。

 また、ほかにも、パーティー券の売り上げを収支報告書に載せないで裏金づくりにしたとか、そういういろいろな問題があって、やみ軍資金が、本当に一回の選挙で数億円ずつ使っていたんだということが報道されております。そういうことであるがゆえに、平成研の十九億とか二十億とかいう繰越金が実は残っていないんだということは、こういう実態であるから残っていないということになるんだということをこれは指摘しているんですよ。

 麻生大臣、政治資金規正法の「収支の状況を明らかにする」という立法趣旨にかんがみて、こういう事態が仮に事実だとすれば、これはやはり法律の趣旨にもとるものであって、正していかなきゃいけない問題だと私は思いますけれども、いかがですか。

麻生国務大臣 基本的には、弁護士をしておられてよくおわかりのところだと思いますが、私どもその内容につきましては形式審査権しかありませんから、実質審査権がないので、今これが事実よと言われても、それが事実かどうか立入検査をする権限を私たちに与えるというように法律を改正でもしていかない限り、今言われたことをいきなり、それが事実だとしたならばという前提でお話しなされても、事実かどうかわからぬ仮定の質問に対してはお答えいたしかねるというのが答弁だと思います。

辻委員 では、谷垣大臣に伺います。

 先ほど冒頭で、原口議員の御質問に対して、政治家は身を正さないといけない問題なんだ、今回の政治と金の問題はというふうにお答えになった。率直に御自分のお考え、政治家としての見識をお示しいただいたというふうに思うんですけれども、そうすると、身を正さないといけないというのは、どの点が身を正さなきゃいけない問題というふうにとらえておられるのか。

 政治が金の力によってゆがめられる、金の力によって密室で左右されてはいけないということが私は一つだと思うし、もう一つは、政治資金収支報告書が実態を反映しない、形骸化したものになってしまうような今の金の動き、この点について、もしそれが事実であればゆゆしき問題だと思う。私は、この二つが今回問われている問題であり、まさに政治家として身を正さないといけないといった場合の問題だと思うんですよ。そうお考えになりませんか、いかがですか。

谷垣国務大臣 政治と金のどこに問題点があるのかというのは、人によってとらえ方が違うと思いますが、私さっきお答えしましたのは、政治を金をもうける、利潤を生み出す道具として使ってはならぬ、これが政治活動の基本だと思うんです。だから、人様からいただいた金でやらないと我々は行動できないわけですから、いわばお布施をもらって活動している宗教家と我々は同じなんですね。

 だから、まず第一は、いただいたお布施は真っ当な宗教活動に使うのならいいけれども、我々、京都でいえば祇園で余り遊ぶようなことに使っちゃいかぬ、こういうことがまず第一にあると私は思いますね。

 それからもう一つは、我々は、お互い党派は違えども、自由な政治を担うべき者は我々政治家であり、国会議員であるわけですね。そうすると、今さっき麻生大臣が実質審査権がないと言われた。実質審査権を麻生さんに与えれば、いろいろなところに踏み込んで調査してくださるかもしれない。しかし、自由な政治活動がそれでいいのかという側面がありますね。私は、そういうことを総合的にもっともっと議論していただいたらいいと思います。

辻委員 それは、まず身を正さなきゃいけない問題は何なのかということをしっかりとお互い共通確認した上で、では、それを具体的に現実化するためにどういう規制をすればいいのか。それは、もちろん政治活動の自由が公権力によってゆがめられてはいけないわけだから、実質的審査権を与えるなんというのは私は論外だと思いますよ。だから、もっと違うような形でそれを正すやり方をいろいろ考えなきゃいけない。

 民主党が提案している迂回献金の禁止とか、政治団体だけではなくて、政党も含めて上限を決めようとか、制限しようとかいうのもそういう一つの提案なんですよ。だから、そういうことで衆知を集めて、いろいろ議論をして、知恵を絞ってやっていこうというその前提として、何が問題なのかというところについて認識が一致しなければどうしようもないじゃないですか。今のままの自民党政治でいいんだということを言う人がいたら、やはり問題なわけですよ。このやみ軍資金問題が、私は自民党を象徴している一つの問題だと思うからです。

 だから、決めつけているわけではないんです。こういう問題はやはり正さなきゃいけない問題だという認識を谷垣大臣、お持ちなんでしょう。その点、ちょっと確認してください、お持ちですね。

谷垣国務大臣 それは先ほどから申しておりますように、我々は、やはり私たちを支持してくださる方々から信頼を得なきゃできませんから、それはおっしゃるとおりだと思います。

辻委員 資料をとりあえず説明させていただきますけれども、資料一で、これは二〇〇二年に医薬業等の政治団体から自民党、国民政治協会、自民党議員に対する献金額なんですよ。合計で三十五億円の献金がなされているということ。そして資料の二。これは国民政治協会へ医業の各団体から、日本医師連盟と日本歯科医師連盟が非常に多いわけですね。国民政治協会にはこれが多い。それ以外に、いわゆる議員の方々に非常に多額の金額が献金されたりして、総額で三十五億円、二〇〇二年献金されているんですよ。

 これを一概に、それで自動的にいいとか悪いとかいうふうに私は言うつもりではありませんけれども、一つの相当な枠を超えれば、やはりそれは問題が生じているということのあらわれだと思うんですね。そういう意味において、やはりこういうことについて正していかなきゃならない問題だと思います。

 資料三は、小泉総理への東泉会への献金状況について説明してあります。

 そして、資料八をごらんいただきたいと思いますけれども、これは自由民主党本部の収支報告書の内訳、二〇〇三年ですが、政策活動費として七十三億一千七百八十万。これは、ほかの年度を調べますと、衆議院選のあった二〇〇〇年は八十五億幾ら、そしてまた衆議院選挙のあった二〇〇三年は七十三億幾ら、こういう巨額の政策活動費が、結局、この政策活動費はその後何に使われたか、使途は報告しなくていいという問題なんですよ。この問題をどういうふうに正していくのかということの認識を本当に持っていただきたいと思います。

 麻生大臣、形式的審査権しかないということなんだけれども、政治家としてこういう大きな見識をちゃんと持って臨むということが問われていると思うんですけれども、最後に、いかがですか、関係ないと言えますか。

麻生国務大臣 辻先生、基本的に、選挙を受けてきますと、これは何らかの形で皆利益代表なんですよ。その地域の利益を代表しているか、教員組合の利益を代表しているか、特定の組合の代表をしているか、何らかの形の代表なんだと思うんですね。その負託を受けて頑張らないかぬというのは当然のことなんだと思うんですね。その数の多いものの方が強いというルールなんですから。

 だから、そういう意味からいきますと、それぞれ皆負託を受けておられる。しかし、それを取って頑張ってくれと応援してもらったときの問題は、受け取る金銭の額というのは常識の額があるのであって、それぞれ本人の政治家としての資質なり見識なり、そういったいわゆる常識というものが、きちんと自分で律する以外、これは一番の基本だ、私はそう思っております。

辻委員 国民の九割が、この問題を本当に真剣に真相を解明してほしいと言っているんですよ。そういうことに対して、自民党のリーダーシップをとるべき立場におられる小泉首相や麻生大臣がそんなお答えだったら、国民は失望しますよ。本当に政権交代を実現して政治を変えていかない限り、この今の日本の閉塞状況は破れないということを最後に訴えて、終わらせていただきたいと思います。

甘利委員長 これにて辻君の質疑は終了いたしました。

 次に、永田寿康君。

永田委員 総務大臣が時間が非常にタイトだということなので、まず総務大臣の関係の質問から始めたいんですけれども、今の発言、総務大臣、ちょっと見識が疑われる答弁があったので、そこをちょっとつなぎたいと思います。

 選挙を経てきたら政治家は何らかの利益代表にならざるを得ない、その資金や票を提供してくれた利益団体のために頑張るのは当然のことだというふうにおっしゃった。しかし、それは考え方が違うと思うんですよ。憲法上、国会議員というのはもともと国民の代表なわけですね。だから、一部の利益を代表するような動きをしてはならないというのがそこの裏にあるわけですよ。

 総務大臣、アメリカの大統領の就任演説というのは多分聞いたことあると思いますけれども、民主党の候補者が大統領になろうが共和党の候補者が大統領になろうが、就任演説の冒頭で必ず一言彼らは言うんですよ。何を言うかといったら、例えばこの間のブッシュ大統領の就任演説を見ていると、きのうまでは自分は大統領の候補者だったけれども、きょうからはアメリカの大統領であるということを言うわけですね。

 これはどういう意味かというと、きのうまでは政党のための候補者だった、政党の候補者だった。だから、その政党とおつき合いのある人たちと親しくしてくるのは当たり前だけれども、きょうからは大統領になったんだから、アメリカ全体の利益を見るんだ。一部に偏らずに、たとえ対立候補を推した利益団体があろうとも、その人の利益までも自分は代表するんだということを明確に訴えるのが、それが決まり文句なんですよ。

 我々は同じような見識でいかなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、大臣、もう一回ちょっとそこのところを教えてください。大臣の頭の中では、やはり、自分を応援してくれた団体の方を向いて政治をやったらそれでいいんだというふうにお考えでしょうか。(発言する者あり)耳を鍛えろ。

麻生国務大臣 そうですか、鍛えさせるためには、もう少しゆっくりしゃべってもらわぬといかぬなと思ったんですけれども、六十五歳になりますとなかなか回転がついていかないんですよ。そういう配慮もしてやらぬと、なかなか、質問を一生懸命しゃべっておられるおつもりだろうけれども、相手には全然通じないんじゃ本来の意味を欠くから、ゆっくり丁寧に、きちんとしゃべられる努力は、今後あなたが政治家として成長されるために必要なことだとまず最初に申し上げておきます。

 二つ目に、今、大統領制の話が出ましたけれども、候補者と大統領になったら違う、当然のことですよね。しかし、アメリカの大統領としては、アメリカの国益のために当然のこととして頑張られる。当然のことだと思うんですね。そこのところは、民主党であろうと共和党であろうと同じことだと思います。

 国会議員も、国会議員になった以上は国益を代表してやらないかぬということは……(発言する者あり)国益と、国民と益とをほとんど分けて考える必要はあるかどうかは疑問なところですよ、原口さん。そこのところを頭に入れておいていただいていかないと難しいところだと思いますけれども、私どもとしては、何らかの形で皆利益を代表して、自分の地域の利益を代表して、おれたち皆送ろうといって送られてきた人たちは、一応その地域のことを考える、当然のことなんだ、私はそう思うんですね。

 その上に立ってどうやってやるかというのは、先ほど言った見識が問われるところでして、それにずっと偏ったら、どっぷりつかってそこらの代議士で終わっちゃうんですよ。だけれども、応援をして……(発言する者あり)そこらの代議士で終わっちゃうんですよ、どっぷりそっちにつかっていっちゃうと。わかりますか、その地域の利益とか、その特定の利益団体だけにつかっていくと、ずっとその程度の代議士になるわけですよ。

 しかし、それはそれとして、お国の、負託を受けて頑張っているんだからという、その他の方もいっぱいいらっしゃるわけです。その他の少数利益の方々もいっぱいいらっしゃるんだと思いますよ。そういった人たちのことも考えて、きちんとした見識の上に立ってやっていって初めて、当選回数を重ねて、いろいろ経験もさせてもらって、いろいろ質問にも答え、勉強もし、そして代議士になっていくんだと思います。

 やはりきちんとして、最初に応援をしてもらった人は無視しちゃってもいいかと言われると、私は、それはちょっとなかなか通らぬのじゃないのかなと。やはり応援をしていただいた方々というのは、大事にされてしかるべき母体なんじゃないのかな、私自身はそう思っておりまして、無視はいかぬと思います。それにどっぷりつかるのもだめ、無視もだめ、そこらのところのバランスがやはり国会議員にとっては一番、回数を重ねるごと、そこのバランス感覚が最も問われていくんだ、私はそう思っています。

永田委員 まあ、敵に塩を送るつもりはありませんけれども、今みたいなお考えというのは非常に自民党的な、言ってみればちょっと古い、時代おくれな考え方なんですよ。

 やはり、そういう利益団体に応援をされた政治家、あるいはその政治家の集合体として族議員とか派閥とかいうものができる、その集合体が自民党として今まで機能してきたんですけれども、しかし、そういうやり方が実はうまくいかなくなってきている。時代に合わなくなってきているから、実は自民党というのは議席を減らしてきたんですよ。いい候補者がだんだん集まらなくなってきているというのは、それは自民党の、自分たちの反省のペーパーにも出てくるような話じゃないですか。そういうやり方が実は時代に合わなくなってきているんだということを、本当にちゃんと真剣に反省した方がいいと思いますよ。そうじゃないと、どんどんこの退潮傾向というのが、速まることはあっても、とまることはないと思いますね。

 そこは、中二階なんていうふうに言われて頭に来ているんだったら、そこのところを切りかえて、もう一度、自民党再生プランというものをちゃんと考えて、おれたちはこれから自民党を直していくんだ、よくしていくんだ、そういうことを世間に公表したら、それは総務大臣も財務大臣も、人格と見識からしたら、これはもう、どこかの幹事長代理なんかよりもはるかに上なんですから、あんな人たちに負けちゃいけませんから、ぜひそういうところに努力をしていただきたいなと思いますね。

 それから、質問にちゃんとつなげていきたいんですけれども、法務大臣、ちょっとお伺いしたいんですけれども、滝川会計責任者が、会計帳簿書類、法律上、保存しておくことが義務づけられている会計帳簿書類をびりびりに破いてトイレに流したと言っているわけですね。そういう事実が明らかになった。総務大臣、ちょっと待ってください、総務大臣にも当てますから。あれは証拠の隠滅だと僕は思うんですよ。何でああいう証拠の隠滅を許すような手ぬるい捜査をしたのか、そこのところに対する反省をぜひ、法務大臣、お願いします。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 犯罪の成否は、収集された証拠に基づいて判断されるべき事柄であります。法務大臣として、お答えは差し控えさせていただきます。

永田委員 それは違うと思いますよ。確かに、犯罪の成否は、犯罪がそこにあるかどうかは、収集された証拠に基づいて判断すべきだ、それは当たり前ですよ。しかし、証拠の収集が上手にできないような、つまり証拠の隠滅をみすみす許すような手ぬるい捜査をした、なぜもっと早い段階で彼の身柄を拘束し、そして証拠関係書類を押収しなかったのか、そういう疑問というか、国民の疑いの目というのはやはりあるわけですよ。そこに対する反省をしっかり、大臣、みずからの言葉で述べてください。

南野国務大臣 お尋ねは、刑事裁判における証言の内容を前提としたものであり、捜査機関の具体的活動内容にかかわる事項でありますので、お答えを差し控えさせていただきます。

永田委員 それはだめですよ、法務大臣。やはり国民の九十数%が、これはどう考えたって手ぬるい捜査をしたと思っているわけですよ。

 加えて、おかしなことをもう一個指摘しておきますけれども……(発言する者あり)

甘利委員長 静粛にしてください。質問が聞こえません。

永田委員 ちゃんと、いいですか、お話をしても。

 もう一つ申し上げたいんですけれども、村岡兼造さんが在宅で起訴されているんですね。あれも世の中からすると、僕らとしては、彼は恐らく天から災いが降ってきたというか、恐らく彼は痛くもない腹を探られたんだと思いますけれども、しかし、彼をなぜ在宅で起訴したのかということもよくわからないわけですよ。本人が容疑事実を否認していて、しかも、証拠隠滅のおそれも逃亡のおそれも理論的にはあり得るという状態だったら、やはり身柄を拘束するのが普通なんじゃないですかね。本件に関しては、滝川さんの逮捕が非常に遅かったということも、あるいは村岡さんが在宅で起訴されているということも、摩訶不思議なわけですよ。なぜそのようなことになっているのか。

 法務大臣、もう一度きちんと、捜査の方針がなぜあれで正しいと思えるのか、あるいは反省すべき点はなかったのか、きちっと、これは、法廷の中で証言されたことをもとにして話しているから何も議論できないとか、そんなばかな話じゃないでしょう。これは国会なんですから、きちんと捜査当局として反省すべき点がなかったかどうか、みずからの言葉でもう一度語ってください。お願いします。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 検察当局におきましては、必要な捜査を行った結果、御指摘の事案について、法と証拠に基づいて、滝川被告人及び村岡被告人を起訴したものと承知しております。

 なお、村岡被告人が起訴されている事件については、橋本元総理らについて検察審査会が不起訴不当の議決をしておりまして、検察当局においては、これを踏まえ、必要な捜査を行うものと承知しております。

永田委員 もうこれ以上時間をつぶすのももったいないので、総務大臣に最後一つ当てて、総務大臣に御退席を。

 従来から、総務省というのは形式審査権しかないということを強く主張しています。これは平たく言えば、総務省がやれることというのは、政治資金規正法に従って提出された収支報告書を単に管理しているだけだ、閲覧させるために管理させているだけだ、こういうことですね。一方で、では、実質捜査権を持っている捜査機関は何をやっているかといったら、ああいうふうに、証拠隠滅をみすみす許すような手ぬるい捜査をしておるわけですよ。

 ということは、これは政治資金規正法の実効性が極めて乏しい。つまり、政治資金規正法が予定している法秩序というものがいかにして形成されるかということを考えると、積極的にその法の理念を実現しようとする主体がどこにもないということを示しているわけですよ。これは、僕は、正直言って放置できないと思います。谷垣大臣は先ほど、では、本当に総務省に実質審査権を与えればそれでいいのかという話はおっしゃられた。だけれども、実質審査権を持っている法務省があの程度の意識しかないわけですから、これはどこかで何か改革をしなきゃいけないんじゃないかと思っているんですよ。

 中二階が二階に上がるチャンスですから、ぜひ、前向きな答弁をひとつ、積極的な発言をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。総務大臣にお願いします。

 だから、政治資金規正法が予定している法理念が実現されないんじゃないですかと聞いているんです。

麻生国務大臣 財務大臣への御質問かと思っていましたので、ちょっと聞きそびれたので、ちょっと失礼するかもしれませんが……(永田委員「もう一回繰り返しましょうか」と呼ぶ)いえ、ちょっと次、総務委員会のあれで、三時十五分からなんでこれで失礼をさせていただきます、お約束になっておりますので。

 形式審査権の話と実質審査権の話で、これは先ほど辻先生の御質問にもありましたし、谷垣大臣の御答弁にもありましたように、私もこれは、実質審査権を総務省に持たせるというのはいかがなものかということに関しては、多分永田先生も、ほぼここにいらっしゃる方は皆了解なんだと思うんですね。

 そこで、問題は、だれも実質審査権を実行しておらぬのではないかという御質問のようにお見受けしましたけれども、少なくともこれは、今まで日本の中で、これまでも数々の汚職事件というのは、昔で有名なところではロッキードなんというのに始まって数々いろいろやってきたというのであって、実質審査権は法務省において、警察においていろいろそれなりの実を上げてきたというのが過去の歴史だった、私自身はそう思っております。

 今の点については、皆それぞれの部分でそこそこやっておられますし、いろいろ世論というものも、またこの国においては民主主義というものもそこそこ成熟してきたというような感じがいたしますので、今御質問の点については、現行法の中においてどうだこうだということなんだと思いますけれども、そういうところについては、これこそどのように改革するか、どのようにするかということについては、これはちょっと総務大臣の一存として、中二階か中三階か何か知りませんけれども、そこのところだからとか言われても、なかなかその種の話で乗るわけにもいかぬ話であります。

 こういった点につきましては、これは正直、きちんとした一番のもとは、やはりそういったことを起こすところが一番の問題なんだと思います。こういう点につきましては、起こったらどうするかというのは、これはやはり警察ということになるんだと思いますので、そういった意味では、まず起こらないようにする個人の政治家としての心構えが第一、そして、それに伴いまして、もしそういった間違いを起こした人に対してはきちんと処罰、もしくは捜査するという警察、それが終わった後きちんとそれを法廷でやる司法というものとがきちんと動いていくというのが大事なところなんだとしかお答えのしようがない、今の段階ではそう思っております。

永田委員 総務大臣がその程度の意識だということがよくわかりましたので、次の委員会もあるでしょうから、ぜひ御退席を。もう結構でございます。

 ただ、一つ申し上げたいのは、予算委員会が開かれているときに同時並行して総務委員会を開いてそっちに大臣が引っ張られるなんて、そんな総務委員会の運営というのは僕はどうかしているんじゃないかというふうに正直思っていますので、やはりそっちはとめてもらって、こっちが優先だろうというふうに思うので、そこは一言、議事録に残しておきたいと思います。

 加えて、杉浦官房副長官に積み残しの質問があるので申し上げたいんですけれども、前回の質問で出ました、杉浦正健後援会が所有する二つの建物の下にある土地に対して、その土地は杉浦正健後援会の保有ではないというふうに思っていますけれども、これは地代を払っているんでしょうか。払っているんだったら幾らぐらい払っているのか、御答弁をお願いします。

杉浦内閣官房副長官 前回の委員会でお答え申し上げたことだと思うんですが、お尋ねの事務所の地代につきましては、きちんと支払っているという報告を受けております。なお、政治資金規正法によれば、事務所費の内訳を報告するような義務はないと承知しております。

 私の政治団体の活動については、法令に基づいて、報告するべきことはきちんと報告いたしております。

永田委員 いや、地代を払っているかどうかぐらいは説明したっていいでしょう。政治資金規正法に従って報告をすべき義務があるかないかといえば、必ずしもないというのはそれはわかりますけれども、しかし、聞かれたら、やはりそれは、説明できる範囲でお答えになるのが筋なんじゃないでしょうか。

 地代、払っているんですよね、要は。法律どおりにやっているということは払っているんだと思うんですけれども、そこをもう一回ちゃんと答えてください。

杉浦内閣官房副長官 ただいまお払いしていると申し上げましたが。お聞き及びだと思いますけれども、お支払いいたしておりますと。

永田委員 しかし、払っているにしても、合わせて二百をはるかに超える面積ですよね。これが年間四十三万円で借りられちゃうというのは余りにも安過ぎるんじゃないか、つまり、ただ同然で借りていることになるんじゃないかという気がするんですけれども、これは何でこんなに安い値段で借りることができるのか。あるいは、これは地代と固定資産税に充てられる部分を試算してこの事務所費から差し引くと、ほとんど残らないんですよ。ということは、一体どういう活動をしているのかという話になっちゃうんですね。

 一体これはどうしてこんなに安い値段で借りることができるのか、その辺、納得できる事情を説明してください。

杉浦内閣官房副長官 私の政治団体の活動につきましては、法令に従ってきちんと報告をさせていただいております。

永田委員 余りにも木で鼻をくくったような同じ答弁しか返ってこないので時間のむだなので、このことは今はとりあえずおいておきますけれども、委員長に一つ、先ほど来、この辺の理事の方々から大変な指摘を受けているので、お願いがあるんですね。

 報道によると、もう予算の衆議院通過の日程が間近に迫っているというような記事も出ているわけですよ。それは、我々民主党として認めたものかどうかは別問題としても、もうそろそろ予算の採決がこの委員会で行われる可能性が高いということは、そう感じる人も多い。

 ところで、以前、馳浩議員がここで質問をしたときに、私のお金の使い方について、あるいは私の関連する政治団体のお金の使い方について、ありもしないことを殊さらあるかのように取り立てて、妙な事実を指摘いたしました。そこについて議事録がまだ確定していないと思います。

 委員長、これは、議事録が確定する前に予算というのは採決することはあり得るんでしょうか。委員長の考えをぜひ教えてください。

甘利委員長 与野党で協議をし、合意をいたしております。

永田委員 いや、だから、あり得るのかあり得ないのかということなんですよ。これは僕の名誉にかかわる話なので、しかも議事録が確定しないままに予算を採決するということになったら、委員会の審議というのは議事録がすべてですから、議事録がすべてですから、だから、議事録が確定しないうちに予算を採決するんだったら、それは何か理由が必要、つまり、あの部分は議事録が確定しなくてもいいんだということをちゃんと理由づけて説明する必要があると思うんですよ。

 そういうことというのはあり得るのかどうか、もう一回。あるんだったらなぜそういうことが今回のケースで許されるのか、ぜひ教えてください。

甘利委員長 過去にも何度もございます。

永田委員 何度も何度もこの話が出てくるので、いずれの日かまた説明をしたいと思いますけれども、きょうは時間が本当に迫っているので、ほかの部分、この間の財務金融委員会で通告をした部分の続きはどうしてもする必要があるので、そちらの方に質問をちょっと移していきたいと思います。

 きのうの質問の続きですから多分導入の部分は省いていいと思うんですけれども、証券取引等監視委員会にお尋ねをしたいと思います。

 つまり、ライブドアとニッポン放送とそれからフジテレビに絡むニッポン放送株の争奪戦について、違法に近いような株の取得ないしは新株発行予約権の取得が行われたのではないかということが世間の注目を集めています。証券取引等監視委員会は、このことについて関心を持って調査をする動きになっているのかどうか、ぜひお答えをいただきたいと思います。

長尾政府参考人 お答え申し上げます。

 今のお尋ねの件ですけれども、いろいろ報道等もされておりますが、一つ、立ち会い外取引の扱いのあの問題につきましては、金融庁におきまして法制化を視野に入れた検討がされているものと承知しています。

 それからもう一つの、株式等の第三者割り当てに際しての既存株主の保護、こういうことにつきましては、商法上の制度が存在するわけですけれども、商法違反等、ここら辺につきましては監視委員会の所掌でないということで御理解いただきたいと思います。

 それで、一般論でございますけれども、私ども証券取引等監視委員会、新商品とかあるいは新たな取引形態の出現、こういった証券市場におけるさまざまな新たな動向、これにつきましては日々関心を持って見るよう心がけておるところでございます。そうした意味におきましては、本件につきましても必要な関心を持っていかなくてはならないと考えているところでございます。

 以上でございます。

永田委員 法務省にお尋ねをしたいんですけれども、やはりあの一連の流れというのは、きのうもお話をしましたけれども、ニッポン放送が、自分がだれの子会社になるのかということをみずから決めてしまった、実質的に決めてしまったというケースなんですよ。こういう、取締役会が議決をして、勝手に自分はフジテレビの子会社でいたいんだ、こういうことを実現してしまう、そういうふうにしてしまうというのは許されることなのか、あるいは、株式会社のあり方として本当にそれが正しいことなのか。もう一回ちょっと答弁をしていただきたいと思います。

滝副大臣 委員のお尋ねは、新株予約権の問題を中心にした問題だろうと思うのでございます。

 これは、法務省としては、具体的な問題を承知しているわけじゃありませんから、一般論として申し上げるならば、新株予約権は取締役会限りでもってできるという定款があればそれに基づいてできるわけでございます。ただし、総株数、発行株数の範囲内でございますから、予定株数と現に既発行株の差の分だけはそれでできるということは商法上の規定でございますから、一般的には可能でございます。

 ただし、新聞報道もされておりますように、商法の二百八十条ノ十という枝番号の規定にございますように、著しく不公正な方法によって株主の利益を損なうおそれがある、そういう場合には、これは株主の利益を守る必要がございますから、差しとめ請求権の対象になる、こういうような体系になっていることだけを申し上げさせていただきたいと思います。

永田委員 まあ、そうだと思うんですよ。個別のケースについて言えばなかなか言いにくいのはわかりますけれども、ああいう形で実質的にニッポン放送がフジテレビの子会社になるという判断をみずからしてしまうというのは、本当に、公正さという観点から見て極めて疑わしいわけですね。ですから、これは本当に、既存の株主の意向を全く無視しているという意味において、それだけでも重大な問題があるわけで、やはり今後、商法もことし改正があるんですよね、ですからその中でしっかり議論をしていきたいと思います。

 金融担当大臣に、改めて、既存の株主の意向というものがほとんど入る余地のない形でああいう決定がなされて実行されようとしている。そうすると、既存の株主、今既に株を持っている人たちは、えっ、おれたちが持っている株というのはこんなに意義の薄い、議決権というのはほとんど無視されても文句が言えないようなそんなものなのというふうに思われてしまう可能性が高いわけですよ。

 それに対して、金融庁として、それでいいのかどうか、そういうふうな状態に株式市場を置いておくことがいいことなのかどうかというのは、やはり一定の見解を示す必要があると思うんですよ。ぜひ、きのうの答弁では非常に不十分だったので、もう少し突っ込んだお話をお伺いしたいと思います。

伊藤国務大臣 個別の事柄について答弁ができないということは御理解をいただきたいというふうに思いますが、委員の方からは、一般株主の保護の視点からの御質問だというふうに思いますので、一般論としてお答えをさせていただきます。

 株式の第三者割り当てに際して既存の株主を保護する制度として、有利発行規制や、先ほど法務副大臣から御答弁がございました、著しく不公正な方法による新株発行の差しとめといった商法上の制度があるということは私ども理解をいたしているところでございます。そして、今後、投資家保護あるいは一般株主の権利の保護、こうした観点からさらに制度的な議論をしていかなければいけない。そうした議論に当たっては、私どもとして、商法を所管する法務省とも十分に連携をとっていきたいというふうに考えているところでございます。

永田委員 本当にこの問題は非常に厄介な問題を含んでいます。というのは、質問通告をする、レクをしようとするときにぶち当たった壁なんですけれども、縦割りが非常に大きな弊害を生んでいるんですね。

 要は、金融庁は、いや、株主の権利というのは法務省の問題です、ガバナンスの問題は法務省の問題ですと言うわけですね。法務省の役人に対して議論をして、果たしてガバナンスに関する権利をどう考えるのか、つまり株主の権利が、意思が最優先で尊重されるべきだと僕は思うけれども、それ以外に考慮すべきファクターはあるのかというふうに聞くと、いやいや、さまざまな債権者もいらっしゃいます、あるいは従業員なんというのもいらっしゃいます、従業員というのは広く言えば労働債権の保有者でありますというお話をされる。それから、フジテレビの日枝会長は、地域社会への貢献度というのもその会社の行動を判断する上で重要なファクターだということを言っているわけですね。

 では、本当に労働債権を持っている従業員の意向を今回のニッポン放送の決議を決めるときに酌み取ることが行われているのか、ニッポン放送の従業員の意向というのが本当に酌み取られているのかと言ったら、その問題は労働省の問題ですから厚生労働省に聞いてください、労働債権の問題はそっちの話ですと法務省は逃げちゃうわけですよ。

 だから、だれに聞いていいのかわからないし、要は、みんな自分の担当のことはしっかり見るけれども、全体として株主の利益、投資家の利益、従業員の利益がどういう水準にあるべきかということは、全体として総括して見ている人がいないわけですよ。そうなっちゃうと、本当に今の現状の制度で望ましい状態にあるのかどうか、あるいは、どこか直すべきことがあるのかどうかということを議論すらできないという大変お寒い状態にあります。ですから、ぜひ、この問題、集中審議の場を設けて、それを全部集めて議論ができるのは予算委員会しかありませんから、しっかり時間をとっていただきたいと思います。

 加えて、最後に、もうこれは質問にはしませんけれども、僕が話をしている最中に、わざわざ本の一ページを見せて、早口でしゃべるなという話をしていただきました。大変ありがたい御忠告ではありますけれども、委員長、これは大変な問題なんですよ。というのは、もっとゆっくりしゃべったら、質問が全然できなくなっちゃうわけですよね。これだけしゃべっても、それでもこれだけしか聞けなくて不満があるのに、もっとゆっくりしゃべれと言われたら、どれほど議論ができるのかという話になっちゃうわけですよ。

 だから、これを解決する方法は、さっき総務大臣ももっとゆっくりしゃべってくれと言われたわけですから、これを解決する方法はただ一つ、審議時間を長くとるしかないんですよ。審議時間を長くとるべきだと思う。あした採決なんて絶対許されませんから、理事会でしっかりそのことを受けとめて、ゆっくりしゃべってほしいんだったら時間を長くとれと一言申し上げますから、ぜひ、理事会で尊重をしていただきたいと思います。

 以上、私の質問を終わります。

甘利委員長 これにて永田君の質疑は終了いたしました。

 次に、長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 端的に御答弁を願えればと思います。

 今、資料を皆様方にお配りをしておりますけれども、例の懸案になっております橋本元総理の証人喚問でございますけれども、その時系列的な表をつくってみました。この一ページ目、お配りしている資料の一ページ目にございます。

 結論を言いますと、この一連の流れというのは、二〇〇二年の四月からかかりつけ歯科医初診料の要件緩和が実施された、これが最後の決着になっていまして、初診料の値上げ分だけで、一年間に二百億円以上全国の歯医者さんが初診料分だけで収入がふえた、こういう結末になったわけでございます。このかかりつけ歯科医初診料要件緩和、か初診と略して言うわけでございますけれども、このか初診の流れでございます。

 ちょうど一年前、厚生労働省にお話を聞きますと、二〇〇一年の四月から大体中医協や政治のレベルでもこのか初診の要件緩和が議題に上がってきた。そして、トピックだけ書いてありますけれども、二〇〇一年六月の十二日、下村元社会保険庁長官、中医協委員が臼田さんからわいろをもらった。

 ちょうどその翌月の七月二日に、例の橋本元総理に一億円の小切手が臼田会長から渡された。同じ月の二十五日に、下村さんが中医協でか初診の要件緩和の後押しの発言もしている。この議事録もございます。

 そして、先ほど原口委員からも話題が出ましたけれども、十一月の十五日に、先ほど中村審議官からも、くしくも古賀勉強会という俗称がお話しになられましたけれども、古賀勉強会の初会合があった。そこに、職務権限もある佐藤政務官も出席をしている。

 そして、二〇〇一年十一月の二十六日には、正式に日本歯科医師会がか初診の要望書を厚生労働省に提出しているという資料も七ページにございます。

 そして、二〇〇一年の十一月の三十日ごろ、ごろというのは厚生労働省のお話ですけれども、佐藤政務官が医政局、保険局を政務官室に呼び出して、いろいろお話をされた。

 二〇〇一年暮れごろ、この暮れごろというのも厚生労働省の言葉をかりた表現ですけれども、古賀勉強会があって、ここに佐藤政務官も同席をして、医政局、保険局が参加をされた。

 そして、二〇〇二年の四月に、かかりつけ歯科医の初診料、か初診の要件緩和が実施をされる。そして、二百億円、毎年毎年歯医者さんは初診料が増収になった、こういうことでございます。

 先ほど尾辻大臣も言われていましたけれども、これは本当に大きな問題です。日本の医療費は一年間三十兆円です。適正に医療費が決まっているのであれば、まあこれはこれで大きいんですけれども、圧縮議論等々しなきゃいけないんですけれども、これが適正に決まっていないのではないのかという疑念を私も持っておりますし、多くの国民の皆さんもまだその疑念が晴れていない。

 事実、医療費の決め方を改革していこう、こういうことで村上規制改革担当大臣を中心に議論が始まっているわけでありまして、これは本当に、ここからは政治の役割だと思います、今までは東京地検特捜部でしたけれども。そういう意味では、ゆがめられたメカニズム、これを解明するということが私は一番重要なことだと思います。

 簡単に言いますと、今どういう日本かというと、額に汗して一生懸命働くよりも、裏金とかやみ献金をポイントのところに配った方が収入がぱっと上がる。一年間に二百億円、初診料が値上がりしたとすれば、一生懸命そんなまじめに働くよりも裏金とかやみ献金を賢くいろいろなところに配った方が安易に収入がふえる、まじめに働くのはばからしくなる、こういう機運が生まれないようにしなきゃいけない。

 そして、ゆゆしき問題は、ばれてもばれなくても得なんですよ。どういう意味かというと、例えば二百億値上がりしたとすれば、数億の裏金とかやみ献金で、たった数億の金でそれだけ莫大なリターンがある。こういうことだとすると、かつ、今回ばれちゃったわけですね、ばれましたけれども、ところが、結局その初診料の値上げというのは全く見直されない、値上げしたままなんですね。

 ということは、ばれてもばれなくても得なんですよ。ばれてもばれなくても得なんです、裏金、やみ献金を払う側としては。そういう国をこのまま放置していたら、まじめに働く人がだれもいなくなっちゃうんじゃないのか、こういう強い危機感をやはり与野党ともに持って、メカニズムを解明しなきゃいけない。この巨額な三十兆円の医療費、三十兆ですからね。たった数億の裏金でいろいろなことができたとしたら、それはみんな裏金を配ってしまいますよ。それをやめさせなきゃいけないという問題意識があるわけでございます。

 五ページを見ていただきますと、これは冒頭陳述を入手いたしました。平成十六年十一月二十四日、日歯事件の検察の冒頭陳述です。

 星印、下線を引きましたけれども、検察はこういうふうに冒頭陳述で言っております。「平成十三年五月ころ、」この前の「Bは、」というのは臼田さんです、臼田さんは、「平成十三年五月ころ、今後日歯連盟から歯科医療政策の陳情などをするためには、平成研の幹部との関係を修復しておく必要があると考え、」ですから、歯科医療政策の陳情などをするためには修復する必要があると考えてその旨を平成研に伝えたことから、「BらとA、」「Bら」というのは臼田さん、「A」が橋本さん、「平成研事務総長のD及びEとの会食が持たれることになった。」この会食というのが七月二日の一億円の小切手の会食です。

 ですから、この七月二日の小切手を渡した会食が持たれた目的というのは、歯科医療政策の陳情などをするための関係修復なんですね。陳情なんです。先ほど一ページ目の年表を見ていただきますと、まさにかかりつけ、か初診の要件緩和が一番最大の眼目だというときなんですね。このときなんです。

 尾辻大臣、橋本さんに渡った一億というのは、これはやはりか初診絡みというのも考えられると思われますか。

尾辻国務大臣 まず、この問題で私が一番わからないと思っておりますことを逆に申し上げるんですけれども、これは先生もう御案内だと思いますけれども、先生が最初にお示しいただきましたこの時系列表の中で出てまいります二〇〇一年の暮れごろ、ここがまさに診療報酬改定をやったときであります。

 それで、このときにマイナス二・七%になっているわけでありますから、歯科診療というのはがくっと下がったときなんですね。下がった中でのやりくりを何でこんなかかりつけ歯科医初診料というようなところへ持ってきたのか、これをやると逆にほかがまたうんと下がるはずなのにというのが、実は何でこんなことをしたのかというのがよくわからないんですということを率直に申し上げているところであります。

 ですから、そういう中で、よくわからぬ中でこういう動きがあるものですから、一億円の小切手の話にしても、何でこんな小切手を渡さなきゃいけなかったのか、率直に、私にはさっぱりわからない話であります。

長妻委員 これは、さっぱりわからないから、メカニズムを解明するということなんです。

 尾辻大臣、これはお役人に多分そういう説明を受けられたと思うんですが、私も初め尾辻大臣と同じ疑問を持ちました。全体の歯科の診療は下がっていますね。下がっていますが、私もいろいろな方のお話を聞くと、か初診の要件緩和がなければさらに下がったんです。さらに下がったはずなんです。そういう圧力があったんですよ。

 だから、だまされちゃだめですよ、官僚の説明に。もっと下がったんです。そこを食いとめるというのが当時歯科医師会の喫緊の課題だったんです。そういう危機意識も背景にあったわけでございます。

 厚生労働省に、大臣にもう一回お尋ねしますけれども、そのメカニズムがさっぱりわからないから、だから臼田さん、橋本さんを証人喚問で呼んで、きちっとやはり聞いた方がいいですよ、本当に。どうしてお金を渡したのか、全体の歯科の診療報酬は下がった、何でですか。橋本さんはどうしてもらって、逆に橋本さんは何らかの働きかけをしたのかどうか。私は、した可能性はあると思いますよ。そういうことをきちっと聞かないと、診療報酬の抜本的改革、先ほど出すべきうみは出すと尾辻大臣大見えを切られましたから、これは証人喚問をぜひするべきだと思います。

 この一ページ目で厚生労働省が調査した項目というのはどれですか。

尾辻国務大臣 調査をいたしましたのは、先生がお示しになりました資料によります、この「二〇〇一年七月二十五日 下村氏が、中医協で、かかりつけ歯科医初診料の要件緩和の後押し発言」をしたという、ここのところでございます。

長妻委員 ちょっと今、答弁、不足していますから、もう一回答弁してください。

尾辻国務大臣 中間報告で御報告を申し上げたということを先ほど来答弁させていただいておりますけれども、中間報告の中に述べておるのがここの部分だということでございます。

長妻委員 これは全然審議が、事前に通告しているにもかかわらず、どうなっているんですか、厚生省。社会保険庁もめちゃくちゃだけれども、質問、何だか準備もめちゃくちゃですね。あと二つあるでしょう。

尾辻国務大臣 ほかに、この配付資料の中の下から三番目と二番目になりますけれども、「二〇〇一年十一月三十日ごろ 佐藤・厚生労働省政務官が、医政局、保険局を呼び出す」というここと、それから「二〇〇一年暮れごろ 古賀誠勉強会 ホテルにて開催 佐藤政務官も同席、医政局、保険局参加」、この件については局長から御答弁で御報告をしているということでございます。

長妻委員 この表の一番下から三番目と下から二番目、これは事実だということでございますが、これは職務権限がある佐藤政務官が同席しているので非常に重要な会でありますけれども、これは、か初診の要件緩和の話というのは、少しでも出ましたか、出ませんか。

    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕

尾辻国務大臣 出ていないと聞いております。

長妻委員 そして、先ほど原口委員からも質問がございましたけれども、この二〇〇一年暮れの古賀誠勉強会に出席した三人の厚生労働省の官僚の方がおられる。そのうちのお二人は技官、歯医者さんの官僚の方ですけれども、お二人とももう懲戒処分を受けて役所をやめました。ただ一人やめていないのが中村老健局長でございますが、老健局長は、何回出られましたか。

中村政府参考人 お尋ねの古賀勉強会と言われるものにつきましては、私、先ほども御答弁申し上げましたように、日時については明確ではありませんが……(長妻委員「何回」と呼ぶ)一回でございます。

長妻委員 そうしましたら、古賀勉強会以外で、今回、二〇〇二年四月の歯科の診療報酬絡みで政治家の方とお会いしたというようなことはございますか。

中村政府参考人 ございます。

 私は、先ほど申し上げましたように、担当審議官をいたしておりましたので、例えば自民党の、俗称でございますが、歯科小委と言われるようなものが開催されておりますので、そういったことに出たほか、いろいろなところで、歯科に限らず、診療報酬改定も担当しておりましたので、与野党問わず、さまざまな議員の先生から御説明を求められる機会があり、お会いいたしております。

長妻委員 そのときに、佐藤政務官からかつて、か初診の要件緩和に関する話題というのを、中村局長、当時審議官が、言われたことというのはございますか。

中村政府参考人 政務官でございますから、私の上司に当たるわけでございますが、実は、上司、部下との関係で、勉強会で一度お会いしたことはございますが、そのほかで佐藤政務官とお話ししたことはございません。

    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

長妻委員 その勉強会でお会いしたとき、佐藤政務官からか初診の要件緩和などの話はありましたか、そのたぐいの話は。

中村政府参考人 お答えいたします。

 申し上げましたとおり、この勉強会におきましては歯科全般についてのフリートーキングがなされましたけれども、省内の調査でも申し上げましたが、いわゆるか初診についてのお話は出なかった、こういうふうに記憶しております。

長妻委員 尾辻大臣にお伺いしますけれども、この年表で二〇〇一年の十一月三十日ごろの佐藤政務官が医政局、保険局を呼び出したというものと、二〇〇一年暮れごろの古賀勉強会、これは調査をしたということですか。

尾辻国務大臣 先ほど申し上げましたように、この件につきましては調査をいたしまして、辻前保険局長が国会で答弁をいたしております。これはもう読まなくてもよろしいでしょうか。

長妻委員 そうすると、一つポイントなのが、なぜかその国会答弁で抜けているんですが、二〇〇一年の十一月十五日の、一番初めの古賀勉強会の初会合、これは確認できなかったということですか。

尾辻国務大臣 このことについては確認できておりません。

長妻委員 そうしましたら、調査をしたということでございますから、二〇〇一年十一月三十日ごろ、二〇〇一年暮れごろ、この調査報告書を当予算委員会に提出をいただきたいと思いますが、いかがですか。

尾辻国務大臣 先ほど申し上げましたように、局長より国会答弁をいたしておるところでございますから、それが報告になっておるのではないかと考えます。

長妻委員 そんなばかな報告がありますか。これだけ重大な、ゆがめられた可能性がある、ないというときに、厚生労働省が調査をして、ただ国会で言っただけということはあり得ないと思いますので、これはきちっと調査報告書を、二つの会についてお出しをいただきたいということをお願いしますが、いかがですか。

尾辻国務大臣 報告書にはございませんけれども、国会で答弁いたしておりますから、これをそっくりそのまま御報告をさせていただきます。もしお求めであれば、これを整理して御報告にさせていただきます。

長妻委員 いや、国会の答弁というのは二、三行じゃないですか。三、四行か、そのぐらいですよ。こういう会があったけれども問題なかったという、それだけの話ですよ。きちっとした調査の報告書を、提出を要求します。

尾辻国務大臣 今、答弁いたしましたときの議事録がございますが、かなり克明に御報告申し上げておると考えます。

長妻委員 そうしましたら、では、委員長、理事会で提出を協議いただきたいと思います。

甘利委員長 理事会協議といたします。

長妻委員 しかし、尾辻大臣、出すべきうみは出すというふうに言っていながら、これは調査をしたわけですよね。それで、私は議事録を読みましたけれども、五、六行ですよ。辻さんという審議官がこうこうこうで問題なかった、ただそういう答弁をして済ませているわけですよ。紙も何にもない。そんなばかなことで本当にいいんですか、尾辻さん。

 それで、もう一つ大きな問題がございますが、この二ページ目を見ていただきますと、このか初診の要件緩和というのは、いろいろこれは言われていますけれども、実態はどういうものなのかということなんです。

 この二ページ目が、これは厚生労働省が出した歯科診療報酬の告示とか通知です。その抜粋です。左を見ていただきますと、か初診、これは大体、十割で、か初診がつくと千円収入になりますけれども、「文書により情報提供を行った場合に算定する」と。

 この文書というのはどういうものか。三ページ目にございます、三ページ目。このか初診の治療計画説明書というのを患者さんに渡さない限り、かかりつけ歯科医初診料はもらってはいかぬ、こういうことになっているわけです、二〇〇二年の四月から要件緩和で。二百億、初診料だけでふえているわけですが。

 これは私が聞きますと、この書類を渡していないでか初診の初診料をもらってしまっているお医者さんが、歯医者さんがおられるわけですよ。それで、一説によると、その方の話によると、その歯医者さんの話によると、いや、厚生労働省は文書を渡さないでも大目に見てくれるんだ、そういうことになっているんです、こういうふうに言っておられる歯医者さんもいるわけですね。これは政治力じゃないですか。

 大臣、この三ページ目の紙を患者さんに渡さないでか初診の初診料を取ってしまったら、これは法律違反ですか。

尾辻国務大臣 今お話しのように、治療計画説明書を患者に対して交付しなかった場合は、算定要件を満たさないことから、かかりつけ歯科医初診料を請求することはできません。請求することができないということをまず申し上げました。

長妻委員 これはぐるになっている疑いがありますよ、大臣。大臣、知っているか知らないかわかりませんけれども、厚生労働省がお目こぼしをしている可能性が大いにありますよ。何か大きい政治の力が働いているのかどうか知りませんけれども、そういう疑惑がありますよ。

 大臣、今まで何件ぐらい、これを交付しないでもらって摘発しましたか。

尾辻国務大臣 厚生労働省と地方社会保険事務局が平成十五年度に共同で指導を行ったもののうち、かかりつけ歯科医初診料について指摘を行ったものは、歯科診療所共同指導実施件数が五十六件でございますけれども、うち初診指摘件数というのが十三件ございます。ただ、治療計画説明書を交付しなかったということで指導したものはございません。

長妻委員 一件も取り締まっていないんですよ、一件も。私がちょっと聞いただけで事例がいっぱいあるのに、一件も取り締まっていないじゃないですか。これは握っているんじゃないですか、そういうふうに疑われてもしようがないですよ、何か大きな政治の力が働いて。これは地方も含めて二百億の金ですよ。きちっと全部これが交付されているのか、文書が。

 患者さんにも抜き打ちで調査してくださいよ。患者さんに、本当にあなたはこれをもらいましたかと。基本的な大規模な調査をするというふうにぜひ約束していただきたいんですが、大臣、調査していただけますか。

尾辻国務大臣 申し上げておりますように、かかりつけ歯科医初診料の算定に当たりましては、患者に治療計画説明書を交付すべきことについては、保険医療機関に対して集団指導等の機会や個別の指導、監査の機会を通じて指導を行っておるところでございます。

 治療計画説明書を患者に渡さずにかかりつけ歯科医初診料を算定しているケースがかなりあるという今のお話でございますけれども、そのような事例があれば、個別の指導、監査の際に、事実関係を確認した上で必要な指導を行ってまいります。

長妻委員 そうしたら、全国的に、きちっと渡しているかどうか調査していただけますか。ぜひ前向きな御答弁を。

尾辻国務大臣 当然、今後とも指導、監査の機会を通じて指導を行ってまいります。

長妻委員 調査をしていただけますか。調査をぜひしてくださいということです。

尾辻国務大臣 この件に関しましては、歯科医療機関に来院した患者を対象に、今ちょうどアンケート調査を実施しておりまして、本年度中にその結果を取りまとめる予定でございますので、その結果につきましては当然御報告をさせていただきます。

長妻委員 では、この文書を渡しているか渡していないか、それも含めた調査を本年度中にやる、こういうことでよろしいんですか。

尾辻国務大臣 ただいまアンケート調査を実施しておると申し上げましたが、今お話し……(長妻委員「これです」と呼ぶ)ええ、その件も含めて調査をいたしております。

長妻委員 では、速やかに結果が出れば発表していただきたいと思います。

 お待たせしました。村上大臣には、この中医協とか診療報酬の改革に取り組まれているということでございます。

 この六ページ目を見ていただきますと、これは厚生労働省が中医協の汚職事件に関して公表をした報告書でございますが、この中で注目すべき記述というのがこの下線を引いた部分で、「今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」と。ですから、診療報酬がゆがめられていないとは言えないということを書いてあるわけですね。

 このメカニズムをきちっとやはり解明しないと、中医協というのは表の、ある意味では、表舞台で診療報酬を議論する。本当の診療報酬が決まるのは裏の政治の世界だ、これはもう常識ですよ。そういうことじゃいけないわけで、それを変えようという村上大臣ですけれども、これはぜひメカニズムを解明する、中医協改革に今回のいろいろな問題のメカニズムの解明というのがどれだけ重要なのか、どういうふうに認識されておられますか。

尾辻国務大臣 今の記述のところでございますけれども、影響を受けた可能性は完全に払拭できないと言っておりますけれども、これは私どもに捜査権がないことなど、行政としての検証には一定の制約がある旨を記述したものでございますので、そのことだけを申し添えさせていただきます。

村上国務大臣 長妻委員の御質問にお答えします。

 我々は今回、この問題について、レポートは、可能性を完全に払拭することはできないと。これについては私の担当でないのでコメントは差し控えますが、私どもが問題にしておりますのは、年間三十兆円を超える国民医療費の配分を左右する中医協、御承知のように中央社会保険医療協議会については、高度な公正性、中立性、透明性を確保して、真に国民から信頼される組織に生まれ変わることが重要だと考えています。

 そのために、我々は、大きく三つのポイントを考えています。一つ目は、中医協が診療報酬の点数の決定のみならず、診療報酬改定の企画立案をも行うことが果たして適切かどうか。それについてやはりまず吟味をしたい。二番目には、特定の利害関係者の意見が支配力を持つことのないような委員構成を実現すること。そして三番目のポイントは、また、こうした中医協の見直しは、中医協自身ではなく、公正中立な立場の者より審議されることが重要だと考えています。

 それを基本に考えながら、昨年、私どもと尾辻大臣との閣僚折衝を行って、中医協の見直しの検討の枠組みについて合意を見ました。その合意のポイントは大きく二つありまして、一つ目は、社会保障の在り方に関する懇談会、これは官房長官のもとですが、その審議を踏まえつつ、利害関係者以外の者で構成する有識者会議の場で検討し、ことしの夏から秋までに結論を得ることになっております。

 そして、今御説明しました有識者会議における検討事項として、一番目、診療報酬改定に関する企画立案のあり方との関係を含めた中医協の機能、役割のあり方。それから二番目は、公益機能の強化。そして三番目は、病院等多様な医療関係者の意見を反映できる委員構成のあり方。そして四番目は、委員の任期のあり方。そういうことを明示しております。

 そういうことを通じて、去る二月二十二日に第一回が開かれたんですが、今後とも、中医協のあり方については重要だと考えていますので、注視していきたい、そのように考えています。

長妻委員 いや、せっかくのいいお話なんですけれども、一つだけ抜けているところがやはりあるんですよ、これ。今回の問題のメカニズム。どういうふうにゆがめられたのか、そのメカニズムなり手法。中医協だけじゃなくて政治の力がどう働いたのか、それはいいことだったのか悪いことなのか、法律違反なのか法律違反じゃないのか、そういうことの解明が全くなされていないんですよね。

 この平成十五年の四月十五日の日歯連盟だよりというところにも、臼田さんが、かかりつけ医のことは先生方のお力でやっていただきましたということで感謝を、この同席した座談会では、臼田さんとか古賀さんとか野中さんとか青木さんが同席しているところで言われているわけですよ。橋本派の方が同席しているところで言われているわけです。

 それで、尾辻大臣、尾辻大臣は橋本派ですね。やはり御自身の派閥で、なかなか親分のことは言いづらいかもしれませんけれども、私がるる申し上げたように、本当に橋本さんに、どうしてこの一億円、先ほどもちょっと腑に落ちないということを言われましたけれども、もらったのか。臼田さんはどうして一億円を上げたのか。それを証人喚問というところで、逆に、証人喚問で出た方が、本人がもし悪くなければ潔白、晴らせるんですよ。だって、うそついたらいけないわけですから。

 これはどうですか、親分。尾辻さんに聞きますけれども、橋本派の。証人喚問なりして、事実解明をこれはきちっとしようと。うみを出し切る、出すべきうみは出すと言われているわけですから、どう思いますか、それは。

尾辻国務大臣 今、証人喚問については与野党の協議が行われておるところでございますから、私がコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

長妻委員 いや、だから、先ほど捜査権限がないからこれ以上調べようがないと言われましたよね、診療報酬がゆがめられたかどうか。

 ですから、捜査権限、この国会にはありませんけれども、証人喚問というのはできるんですよね、国会で。そういう手法を使ってメカニズムに、解明に迫っていくということは、どう個人的にお考えになっているんですか。

尾辻国務大臣 今まさに、申し上げましたように、国会で御協議なさっておられることについて、私の個人的な見解、考え方というのは差し控えさせていただきたいと存じます。

長妻委員 そうしましたら、いわゆる政治家の中ではドンですよ、橋本元総理は、この一連のところでは。その総理に一億円が渡ったという今回の問題に関して、きちっと橋本総理はもう説明責任は十分果たしている、こういうふうに尾辻大臣は思われますか。

尾辻国務大臣 先日来、いろいろお話しになっておられますから、説明をされておるんだというふうに考えます。

長妻委員 そして、厚生労働省の森岡政務官も橋本派の方でございますけれども、森岡政務官、どうですか。証人喚問をして、三十兆にも上るこの医療費の、ゆがめられたのではないかという疑惑があるので、そのメカニズムを解明していく。御自身の親分のことで言いづらいかもしれませんけれども、森岡さん、どうですか。

森岡大臣政務官 森岡でございます。お答えさせていただきます。

 基本的に、尾辻大臣がお答えいただいたことと私も立場は同じでございまして、先ほど来御指摘の、いわゆるか初診につきましては、中医協における審議について、支払い側委員が殊さらこの問題について発言をして議論をリードしようとした形跡はなかった、また改定内容も、支払い側及び診療側、双方の意見を反映した内容になっていることが認められるというようなことから、政策決定がゆがめられたものとは認められなかったと総括しているわけでございまして、一方で、橋本さんの問題につきましては司法の場で進んでいるわけでございますから、国会においては、先ほど大臣がお答えになりましたように、与野党間で協議中でございます。私が言うべきことじゃないと思います。

長妻委員 それと、きょうは伊藤大臣と棚橋大臣にもお越しをいただいておりますけれども、橋本派ということで、若手大臣として証人喚問、橋本さんだけじゃなくて臼田さんもお呼びして、どういうメカニズムでこういう事態が発生したのか、これをやはり解明する必要があるというふうに私は当然思うわけですけれども、見識を問うわけですが、それはいかがですか。

伊藤国務大臣 見識を問うということでございますけれども、この証人喚問の必要性につきましては、国会において検討されるべきものと思います。

長妻委員 では、棚橋大臣、いかがですか。

棚橋国務大臣 お答えをいたします。

 御質問の件につきましては、やはりこれは、国会の中で自律的に、各党各会派で議論されるべきものだと理解しております。

長妻委員 そうしましたら、伊藤大臣、棚橋大臣にお伺いしますが、橋本元総理は説明責任をもう十分果たしたとお考えですか。

伊藤国務大臣 政治家は、みずからにもし疑いがあれば、みずからの責において説明をされることでありますので、そうした意味からすると、橋本元総理は説明を果たされているのではないかというふうに思います。

 いずれにいたしましても、この証人喚問の必要性につきましては、国会において議論されるべきものと思います。

棚橋国務大臣 お答えをいたします。

 橋本元総理ほどの方でございますので、橋本総理みずからが御判断されることだと。今、伊藤国務大臣のお話にもございましたが、私も、政治家は説明責任に関しては、これはみずから判断して有権者に対していくべきものだと思っておりまして、橋本総理みずからが御判断によって決められることだと思っております。

長妻委員 そして、時間も参りましたので最後に、今、政治と金の話を申し上げましたが、今度は、行政と金とでもいうべき、つかみ金がお役人にばらまかれているんじゃないか、こういう疑惑を申し上げます。

 官僚一人当たり十七万円が、人当庁費ということで何かばらまかれているというような実態がございますが、私も、この人当庁費というのは初耳なんですけれども、谷垣大臣、何ですか、これ。

谷垣国務大臣 つかみ金とおっしゃいましたけれども、俗に、つかみ金という言葉はしばしば伺いますが、委員がどういう言葉で使っておられるか知りませんが、つかみ金というようなものではございません。

 人当庁費と言われておりますのは、経費の中身を申しますと、例えば、机であるとか、いすといったような庁用の備品費ですね。それから、事務用の消耗品費、それから電話料、郵便料といった通信運搬費、それから図書購入費、印刷製本費、会議費など、要するに各省庁の維持運営に必要な基本的な経費なんですが、こういった経費については、今申しましたように、日々の業務に必要な経費でありますので、これを国の役所の経費としては、伝統的に、大体職員一人当たりの単価を設定して積算を行ってまいりました。それで、単価については、これは押しなべて一律というわけではございませんで、中央と地方とで内容が異なる、単価に差が出ておりますが、そういう形で予算を組んでおります。

 それから、こういう人当庁費を含む庁費の執行については、これは各省各庁、つまり執行官庁の長の責任において適正かつ効率的な執行を行っていただくべきものでございます。

長妻委員 これ、十ページに、人当庁費の各省庁の金額を書いていただきましたけれども、全部で三百億円ございますが、それじゃ大臣、お伺いしますが、平成十五年度はもう決算が出ていると思うんですが、平成十五年度、財務省は人当庁費、幾ら決算出ましたか、幾ら使いましたか。

谷垣国務大臣 十五年度の決算はまだ出ておりません。

長妻委員 いや、十五年はもう決算出ていますよ、大臣。

 では十四年の決算は幾らですか。人当庁費、財務省、幾ら使ったんですか。

谷垣国務大臣 これは、歳入歳出決算につきましては、財政法の第三十八条第二項の規定によりまして、歳入歳出予算と同一の区分により作成することとされているわけですが……(長妻委員「幾らなの」と呼ぶ)いやいや、まあ聞いてください。歳出決算については組織別及び項別に作成しております。(長妻委員「だから幾らなの」と呼ぶ)まあちょっと聞いてくださいよ、あなた。ぱんぱんぶつけて、時間がないって、では最初に聞いてくださればいいじゃないですか。

 ですから、また歳入歳出決算の国会提出に当たりましては、財政法第四十条第二項の規定によりまして、各省各庁の歳出決算報告書を添付することとされておりますが、同報告書については、歳出予算における予定経費要求書に対応する区分によりまして、組織別、項別、目別に作成しておりまして、目の積算内訳の単位で歳出決算報告書を作成することにはなっておりません。したがいまして、目レベル以下の経費の執行実績については、各省各庁において、その必要に応じて把握、管理すべきもの、こういうことでございます。

長妻委員 だから、私はつかみ金だと言っているんですよ。十ページ見ていただきますと、これ各省庁ありますけれども、財務省の人当庁費、五十九億ですね、予算が。予算は一人頭十七万円なんですよ、中央官庁、霞が関は。お役人一人当たり十七万円、年間、人当庁費配っているわけですよ、予算は。

 ところが、予算はわかるけれども、実際、人当庁費幾ら使われたのか、さっぱりわからない。平成十五年もわからない、十四年もわからない、こういう御答弁なんですよ。こんなばかな話ありますか、これ。こういうことをやはりやめてから定率減税廃止とかそういうことをしてもらわないと、困るんですよ、こういういいかげんなことを。

 これ、調査してください、平成十四、平成十五。

谷垣国務大臣 この積算の仕方は、平成十一年に調査をいたしまして、そうしてその平成十一年の調査に基づきまして、その後の物価変動その他に合わせて査定をして、毎年行っております。

長妻委員 幾ら人当庁費予算はついても、幾ら使ったのかさっぱりわかりませんということなんですよ。

 では、一人当たり十七万円というのは、何で十七万という積算なんですか、一人当たり。

谷垣国務大臣 お答えいたします。

 先ほど御答弁いたしましたように、人当庁費の単価につきましては、昭和五十年代初めまでは物価動向等踏まえて改定されてきましたけれども、昭和五十三年以降、臨調による財政再建の要請もありまして、原則据え置かれてまいりまして、予算単価が実態から乖離することになりました。そこで、平成十一年度に庁費の実態調査を実施しまして、平成十年度の支出実績を調査の上、平成十四年度予算において、人当庁費の単価を実態に即して大幅に改定をいたしました。

 それからその後は、物価動向を反映させるために、中央省庁それから府県単位官庁等ごとの人当庁費単価を毎年度改定しているところでございまして、そこで、委員が先ほど引かれましたように、中央官庁では、単価一人当たり、十五年度が十六万四千六百円、それから十六年度が十六万二千六百円、十七年度は十六万一千円、こういう形でなっておりまして、そのほか、地方、ブロック別とかいうところは挙げませんが、そういう形になっております。

 それで、それをさらにもう少し申しますと、庁用の備品、机とかいす類とか書庫、そういったようなものが、これが……(長妻委員「いいかげんな積算なんですよ」と呼ぶ)いやいや、いいかげんじゃありません。(長妻委員「いいかげんですよ。では、十七万の積み上げの根拠はわからないんですか」と呼ぶ)庁用備品等が一万五千円、これは机、いす類、書庫、書棚とかですね。それから図書及び定期刊行物が四万七百円。それから事務用消耗品及び印刷製本費等が六万二千七百円。通信運搬費が一万三千五百円。借料及び損料が七百円。雑役務費が二万四千四百円。それから会議費が四千円。これで十七年度の場合は十六万一千円、こういうふうになっているところであります。

長妻委員 民間企業だったらあきれますよ、そんな。毎年機械的に同じ経費をそのまま配分して頭数渡すと。これは医療も庁費もそうですけれども、増税する前にそういうむだをきちっと見直してください。それから考えてください。

 以上です。

甘利委員長 これにて長妻君の質疑は終了いたしました。

 次に、岩國哲人君。

岩國委員 民主党の岩國哲人でございます。

 総務大臣、大変お忙しいようですので、最初に優先して総務大臣関係の質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 まず最初に、郵政改革について。

 先般も私は質問させていただきました。アメリカの議会では、二度郵政改革に関連した法案が提出され、二度廃案となり、そして最後に、大臣が私への答弁の中で読み上げていただきました、七月三十一日付、大統領への報告書。その中では、民営化はこうした郵便サービスを混乱させる、単一の企業ではこれはまず不可能である、したがって、米国郵便庁をそのまま公的機関として維持し、その効率化を図ることが最善であるという報告書が出され、それを読み上げていただきました。

 その報告書は小泉内閣になってからのことですけれども、小泉総理大臣には、いつ、どういう形で総務大臣から報告、説明されましたか。

麻生国務大臣 基本的に、この報告書自体を私の方から読み上げて説明したかという御質問でしたら、直接説明したことはありません。

 ただ、昨年の夏でしたか、ポッターというんですけれども、USPSの長官と二時間近く話をしたときにその話を聞いていましたので、その会談の報告として、USPSはバツという結論を出しておりますという話はいたしております。

岩國委員 USPSはバツだというのはどういう意味ですか。民営化についてバツということですか。USPSはそういう報告を受け入れないという意味でのバツですか。そして、そのときが初めてだったんでしょうか。麻生大臣、お願いします。

麻生国務大臣 済みません。最後まで伺わず失礼いたしました。

 今の質問は、USポストサービスは基本的には民営化はだめという結論を出したという話を総理の方に申し上げたというように御理解いただければと存じます。

岩國委員 そのときの総理の反応はどうだったんですか。もう既にそのときは、郵政民営化という大きな方針は自民党としても政府としても出しておられた。それと全く逆の方向が、日本と一番近い、いろいろな経済のシステムが似ているところ、そして日本よりも大きな、世界で一番大きな郵便国と言われているアメリカで具体的にそういう報告書が出されている、一つ一つ、今政府の考えている郵政民営化を否定するような報告書が出されている。

 それについて、総理は、それは無視した方がいいとおっしゃったのか。アメリカの報告書は何でも間違いだというふうにおっしゃったのか。どういうコメントをお聞きになって、麻生大臣としては、報告された以上、何らかの反応は気になるはずでしょう。どういう反応だったんですか。

麻生国務大臣 なるべく情景に近く表現いたしますと、黙って聞いて、ふうん。

 以上です。

岩國委員 それでは、竹中大臣にお伺いします。

 今こういった郵政民営化を担当していらっしゃいますけれども、二年前の七月三十一日付、この報告書については、いつ、どういう形で知って、この件について総理と議論されたことはおありですか。

竹中国務大臣 郵政民営化に関しては頻繁に総理といろいろな場、形で議論をしておりますが、その中で、いつ、どういう形でというのはよく記憶をしておりませんが、国際比較はしょっちゅう行いますので、オランダはこうです、ドイツはこうです、アメリカはこうですという話は、かなり以前から何回か申し上げているというふうに思っております。

 そのときどういう形で報告したかもよく記憶しておりませんので、総理はその中でいろいろな御議論を、日本のあるべき姿について御議論をされたというふうに思います。

岩國委員 それでは、いろいろな国際比較とおっしゃいましたけれども、世界の郵便量の中で、民営化に手をつけた、あるいは既に実行している国の郵便量のシェアはどれぐらいですか。

 そして、私は具体的にお伺いしております。アメリカという一番大きな郵便国が、全く小泉内閣の考えている反対の方向を打ち出したということはそれなりの意味があると私は思います。それに対して総理の意見はどうだったんですか、報告されたとき。その二点をお願いします。

竹中国務大臣 最初のシェアの問題は、ちょっと質問通告をいただいておりませんので、数字は手元にございません。しかし、言うまでもなく、アメリカのポストサービスというのは世界で最大の規模を持っているということでございます。

 二番目、基本的には、これは諸外国の事情、各国の事情によって郵政改革にはさまざまな方向があるということだと思います。

 アメリカの場合は、御承知のように、既に一九六六年の郵政の改革で金融部門を全部切り離しております。純粋に国内の郵便事業にのみ特化しているというかなり特殊な一つの形を持っている。それに対して日本の方は、世界の郵便の中でも最も、郵便以外の事業、具体的には金融事業でありますけれども、それをたくさん行っているという、私は、両極端にあるビジネスモデルであるというふうに思っております。

 そうしたことを踏まえて、ヨーロッパは大体この中間にあるというふうに認識をしておりますが、オランダ、ドイツ、イギリス、イタリア等々で郵政の民営化が実行されているというふうに承知をしております。

岩國委員 郵便事業という一番本体、基本的な業務部門については、アメリカも日本もほとんど変わらないんじゃないですか。貯金部門については変わっているというところはあったとしても、郵便貯金にかわるセービングズボンドという形で、ほとんど郵便貯金と同じような形で一般の人たちは貯金もできる、換金もできる。そういうサービスが存在する以上、日本で郵政改革とおっしゃるときには、何も本体も民営化しなければならないというほどにアメリカと日本は両極端ではないと私は思うんです。

 それでは、お伺いします。

 このアメリカ政府の、アメリカの報告書の一つ一つに、そうした民営化を否定することがあります。それを踏まえて、なお日本では民営化がベターな方向であるとお考えになるのはどういうポイントがありますか。主な点、二つ三つに絞ってお答えください。

竹中国務大臣 岩國委員は、日本の郵政もアメリカの郵政も基本的には同じではないかというお立場でございますが、私は、先ほど申し上げましたように、これは、世界の中の郵政事業を見る場合に、非常に極端に違う、両極に位置しているというふうに認識をしております。

 郵便事業というのはコアであるというのは、これは重要でございますけれども、例えばアメリカで、もう長年お住みでございましたから、郵便局に行きますと、郵便局というのは大体どこに行っても郵便の関連の事業をしております、手紙を受け付けたり切手を売ったり。

 しかし、日本の場合、特定局、標準的な特定局を考えますと、その仕事の三分の二とか七割とか、場合によっては八割とかが郵便以外の仕事、預金の受け入れとか保険の販売とかをしているわけでございますから、これはやはりかなり違うというふうに私は思います。

 アメリカの場合、したがって、そういう意味で支えているベースが違うというのは一つの大きなポイントでございます。

 もう一つ、ヨーロッパの国々が民営化に踏み切ったときの一つの大きな要因は、国際市場に出ていきたいということであったと思います。オランダ、ドイツ、それぞれがその典型であります。しかし、アメリカの場合は、既に民間で、フェデックスに象徴されるような民間の国際物流業者が非常に大きく強まっていて、そこに今のアメリカの郵政が出ていくということは、恐らく、これは私の推察でございますが、国策上そんなに重要ではないというふうに判断したのだと思います。

 日本の場合どのように考えるかというのは、いろいろなお考えはあろうかと思いますが、アジアで国際物流のマーケットというのが非常に伸びている。一〇%、二〇%という年々の成長をしている。今そこに入ってきているのが、民営化されたドイツの郵政であり、民営化されたオランダの郵政である。そういう中で、私は日本の郵政にもそのような国際業務に積極的に進出していただきたい。そのことは生田総裁もきょう午前中おっしゃっておられるわけですから、そのためには、やはり、国営企業としてではなくて、民間の自由な経営、柔軟な経営、そして他の民間の企業との対等の条件というものを満たさなければいけないと思います。

 日本の郵政にとって、民営化というのはその意味で大変重要であるというふうに認識をしております。

岩國委員 そうした日本の会社、あるいは公社でなくてもいいと思いますけれども、民でできることは民にやらせるということであるならば、むしろ国際競争力に強い民間企業を育てて、そういう企業に海外へ進出させるというのが民主導の考え方ではありませんか。出たいという日本のいろいろな有力な会社を抑えてまで公社が民営化して、そして国際分野に出ていく。

 私は、何も日本の公社だけじゃなくて、民間企業にもそういう適切な環境と条件が与えられるならば、十分国際業務に進出していっていると思います。自動車でも家電でも、日本の有力な企業というのはどんどん海外へ行って、むしろ海外で脅威とされているような存在。なぜ郵便だけが弱くて、公社でなくちゃいけないのか。私は、その論には賛成できないんです。

 そして、そうした日本の特殊性ということを考えるならば、地方の郵便局のほとんどは、最低限の二人で維持しているようなところがかなりあります。そういうところは、金融とか貯金とか保険とかを分離して、今までの二人のところは三人も四人も置く。これでは、採算点の足を引っ張っているようなものです。むしろ、今まで分かれておったものを一緒にして兼業させることによって採算点を下げていくというのが市場の原理あるいは民間の常識ではないかと思うんです。

 それを分社化することによって、窓口に二人で三つ、四つの仕事をこなしておるようなほとんどの地域が、三人、四人、みんな分社し、そして管理職の仕事はどんどんふえていく。会社が一つでなくて四つになれば、社長も四人、役員もそれだけふえていくでしょう。役員、管理職の数もふえていく。結局ポストがどんどんふえて、ポストはふえるけれどもポストオフィスは減っていく。こういうふうなことになっては、全くアブハチ取らずじゃありませんか。

 私は、こうした民間企業の中に長くおりましたから、今度の分社化、民営化という点には、民間企業の常識からいうと非常に無理なことがある。むしろ、私は、アメリカの結論の方が市場の原理からして正しいと思うんです。

 特に、こうした企業としての採算とか、あるいは将来の採算点ということをおっしゃいますけれども、実際に日本の特殊性の一番大きいところは、アメリカより小さい国でありながら、山間地が非常に多いということ。細田官房長官も今聞いていただいていますけれども、島根県にしても山間地が非常に多い。小さな郵便局がある。小さな郵便局があるからこそ安心だ。

 地方で安心のもとになっている一つは、郵便局が近くにある。今、そうした郵便局が公的な存在だからこそ、その職員が地域の公的活動、とりわけ防災活動に率先して出動している。この社会的な、インフラ的な財産価値というものをなくしてはならないと思うんです。

 特に男女共同参画社会というものがどんどん進んでいって、今では、御主人だけじゃなくて奥さんも昼間はその地域、集落にはいないというところがたくさんあるんです。お年寄りの一人住まい、あるいはお年寄りだけの二人住まい、そういうところでは、昼間の災害活動はもう郵便局の人しかいない。そして、郵便局の人が率先して動くから、民間の人も一緒に動こうと。

 日本の社会というのは、そういう公的な機関に対する信頼感、依存度が非常に強いというのもこれまた特殊性です。自然災害が多い、山間地が多い、そして公的な機関に対する信頼感、依存度が高い、この三つは日本の特殊性だと私は思います、アメリカに比べて。

 ならば、アメリカと同じことを全くやる必要はない。むしろアメリカ以上に公的な機関の大切さというものをこの日本の中に残していくのが私は日本のやり方ではないかと思います。何か御意見があればおっしゃってください。

竹中国務大臣 今の岩國委員のお話の中で、三点お話があったと思います。

 第一点は、ちょっと私が理解を誤っているかもしれませんが、国際業務に関しては民間もぜひ出ていっていただきたい。民間と民営化された郵政が、ぜひ健全な競争をして、お互い競って両方とも強くなっていただきたいというふうに思っておりますので、民間が外に出ていくのを抑えるとか、そういう気持ちは全くございません。

 二番目としては、既に今二人局でやっているところを、分社化したら数がふえるのではないかという御指摘ございましたが、これはぜひ、そうではないということを御理解賜りたいんです。

 二人局のようなところは、これはいわゆる窓口ネットワーク会社に所属するということが想定されると思います。窓口ネットワーク会社では、引き続きその二人が、郵便と郵貯と簡保と、それにさらに民営化すると扱う商品がふえるというふうに思いますけれども、そういうものを二人で引き続き販売していただければいいわけでありますから、いわゆる窓口業務というのはまさにそのためにあるわけであります。例えば金融というのは、その意味ではバックオフィス的な役割を果たすわけでありますので、岩國委員がおっしゃったような、そこの窓口が二人、三人にふえるというようなことではないということはぜひ御理解を賜りたいと思います。

 三番目の社会的機能。これはまさに委員おっしゃったように、むしろアメリカ以上に日本ではそのような役割が求められているというのは、私もそのとおりであろうと思います。ひまわりサービス、私も地元の和歌山でそのような役割を郵便局が十分に演じているということを存じ上げております。

 この社会的機能はぜひ残したいということは基本方針の中でも明記しておりまして、今、制度設計をしておりますけれども、例えば地域の、地域貢献計画、社会貢献事業計画というようなものをしっかりとつくってもらって、それを財政的に支える仕組みもしっかりとつくって、それで、この社会的機能を民営化された後もしっかりと果たしていく、そういう制度設計を我々としてはぜひしたいというふうに思っているところでございます。

岩國委員 郵政ばかりやっているわけにいきませんので、あと一点申し上げます。

 今、市場競争、そうした中で、民営化されて、それが佐川とかヤマトとか日本通運とかというものと競合していけば、佐川、ヤマトあるいは日本通運が払っておった税金は恐らくなくなるでしょう。利益も減るでしょう。過当競争、値下げ、サービス競争、そういったことで国際業務に出るだけの体力をつけられたかもしれない民間企業の足を引っ張る結果になることは、容易に想像できると思うんです。

 そして、この郵政会社、郵便会社なるものが民間企業になって税金を払ってくれる。その税金はどこから出てくるのか。今までの企業の利益を奪い、税金を肩がわりするだけの話であって、最悪のケースになれば、どこも過当競争、値下げ競争で赤字会社になって、赤字三兄弟、四兄弟。これでは全く、アブハチ取らずというよりも、骨折り損のくたびれもうけ。こんなことを今やるべきではない。これは私の持論でございますけれども、そうしたことについて大臣と私とは意見が異なって申しわけありませんけれども、後ほどまた、景気認識についても竹中大臣には質問させていただきたいと思います。

 麻生大臣、お時間がだんだん迫っておりますけれども、最近、ライブドア、ニッポン放送、こういったことについて、大臣もいろいろなところでメディアの公共性ということについて非常に発言していらっしゃるんですね。私も公共性というものは否定するものではありませんけれども、であるがゆえに、政治資金、政治と金の面でも、公共性の高いメディアの会社からの政治献金というのは現在禁止されておりますか、制約されておりますか。端的にお答えください。

麻生国務大臣 制約されていないと思います。

岩國委員 こうした公共性の高さということを言うのであれば、またそれをいろいろな形で、特殊な対応というものをこれから国会としてもしていかなければならない。

 ならば、私は、政治資金規正法においてはっきりと、こういうメディアについては政治献金ということは禁止すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 岩國先生御存じのように、政治資金規正法においては、政治活動にかかわる寄附行為について、量的制限のほかには、例えば、国などから補助金等々を受けている団体からの寄附につきましては質的制限を設けられている、御存じのとおりであります。

 特定の業種、多分放送も特定の業種ということになるんだと思いますが、特定の業種を対象とした規制というのは定められていないんです。こういう業界の場合、放送法の業界でいきますと、これは収支は公開するということを通じて国民に御判断いただくということの性格をとっているんだと思います。

 このねらいというものは、基本的にはこういったものは、合理的な区分というものは、政府から金をもらっているというのはこれは合理的な区分として、ちょっとそれはいかがなものかという点が御了解いただいているところなんだと思います。

 御質問の点につきましては政治活動の話になろうと思いますので、いわゆる政党並びに政治活動と密接に関係しているところだと思いますので、これはちょっと、総務省としてどうかと言われてもいかがなものかと存じますので、これこそ各党各会派、いろいろ議論をしていただかなければいかぬところなんじゃないんでしょうか。

岩國委員 もう少し、政治資金を担当していらっしゃる大臣として、政治の立場からはやはりこういうものは規制した方が国民にわかりやすいとか、そういう発言を私は期待しておりましたけれども、それは結構です。

 次に、政治資金規正法、または収支報告書を我々は出しておりますけれども、総務省の中では、大臣御存じのように、我々の報告書あるいは各議員ごとに番号をつけていらっしゃいますね。ごらんになったことはありますか、御自分の番号。ごらんになったことはない。私は、実際に行って見てみました。一人一人、全部番号がつけられております。

 その番号とはちょっと違いますけれども、アメリカやイギリスでは、献金する人、団体、あるいは受け取った、前回も私はここでお示ししましたように、アメリカのヒラリー・クリントンの例を挙げて、番号がついている。こういう番号を導入することによって透明性を高める。納税者番号、年金番号、とにかく番号は非常に整理あるいは名寄せなんかでも便利だということはおわかりだと思いますけれども。

 総務省の立場から、収支報告書を受ける方の立場からいっても、こういうアメリカやイギリスのような番号制が導入されれば業務が非常にやりやすくなるかどうか、それが一つ。二番目に、アメリカやイギリスの場合には、番号制が政治資金の透明化に効果があったと大臣は判断していらっしゃるかどうか。その二点をお願いします。

麻生国務大臣 番号は振ってあるそうですけれども、この番号を今言われたような形にさらに使っていくかということに関しましては、これはいろいろ御意見の出るところですが、私どもの経験からいきますと、まず最初に失敗したのはグリーンカードだったと思うんですね。あのときは法案は通った。そして、全部グリーンカードで出せることになった法案は、法律が通ったものを実施の段階でバツにした。理由は国民総背番号制であるというので、野党の反対はもちろん、与党の中もいろいろ意見が出て、当時あれは竹下大蔵大臣だったと記憶しますけれども、バツになったという記憶があります。

 背番号制というイメージが、私は、正直今のアメリカのシステムは知らないわけじゃありませんので、やり方としては、非常にわかりやすくて正大で公明だし、明るいし青天井だし、いろいろな意味でおもしろいと思っていますよ、正直なところ。

 ただ、これこそ、そういったことをやるのがいいという御意見が各党で出るのかと言われると、番号と言っただけでノーと言われるのが圧倒的に多い。今はとにかく番号はだめですから。番号は結構いろいろあるんじゃないのと、正直おなかの中では思っているんですけれども、番号を新たにつけるものはとにかくノーというのが圧倒的に多いのが今の雰囲気なんだと思いますので、ちょっと岩國先生、二人で意見が合ってもこれはなかなか前には進まぬかなというような感じが率直な実感です。

岩國委員 アメリカ、イギリスでそれぞれ政治資金の透明化に効果があったかどうかという私の質問に対してストレートな御返事はいただけませんでしたけれども、その辺の認識はどうですか。

麻生国務大臣 失礼しました。

 僕は、あれはあれなりにあったと思っています。あそこの場合は、たしか、私の記憶ですけれども、番号を振って青天井で、別にリミットはなしだったと記憶します。

 私らの友人でも、みんな納税のときには、政党に寄附をした場合はその分だけ納税の分から引いて申告するようになっていますので、大概、納税の時期になると、百ドル幾らにとか百五十ドル幾らにとか、みんな私らの友人もやっていました。あの方がよほど開かれた形で、受け取る方も広く薄くという感じがあって、私たちにとってはいわゆるガラス張りという感じがあっていいのではないかなと思っておりましたし、事実、効果があったであろうと思っております。

岩國委員 ありがとうございました。

 次に、政治資金規正法に絡んで、新聞にも連日のように、繰越金がどんどん、橋本派について書かれていますね。繰越金が毎年毎年それだけのお金がたまっているかというと、中身はどんどん減っている。そうすると、この政治資金規正法あるいは収支報告書というのはいいかげんなものじゃないか、こういう意見があります。

 繰越金はふえているけれども中身は空だ、こういう「からくり」みたいなものはもういいかげんやめなきゃいかぬと大臣もお考えになっていると思いますけれども、虚偽記載、うその記載をするということについて課徴金をかけるべきだという意見については、大臣はどう思われますか。

麻生国務大臣 ちょっと御質問の予定書になかったので。

 今、虚偽記載は、私の記憶ですけれども、これは政治資金規正法第二十五条なんかで、たしか五十万円の罰金がついていたと思います。ちょっと私の記憶が正確じゃないかもしれませんけれども、法律で条文ということでございましたら、「五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する。」旨の定めがある。第二十五条の第一項でそういうことになっております。

岩國委員 こうした虚偽記載について課徴金をかけろというのは、自民党から最近提出されている。対象は、我々の収支報告書ではなくて有価証券報告書に対して。つまり、人には課徴金をかけろ、こういう話ですよ。

 私は、この政治資金規正法で、今までのように、うっかりしておりましたといったような程度の罰金とか刑罰ではなくて、そのうっかりのほとんどが、よく調べるとちゃっかりだったと。うっかりもちゃっかりもみんな同じで、うっかりのケースでやられておるでしょう。そして、有価証券報告書の中で、民間企業に対しては、虚偽報告したところに対しては、最近の西武鉄道なんかもそうですけれども、もっと厳しく課徴金をかけろと。

 さっきの番号制も同じことです。国民に納税番号、これは小泉総理も既にそういう発言をしておられます。我々民主党も、納税番号を導入すべきだ、そういう主張をしております。国民に納税番号を押しつけるぐらいなら、我々もちゃんと番号を持って、透明、公正にしていくべきじゃないかと私は思います。

 アメリカやイギリスは効果があったというのなら、アメリカやイギリスは番号制が好きだけれども、日本人は番号制は嫌いだということは決してないと思います。人の名前にも、一郎だ、二郎だ、三郎だと番号をつけてきているところは日本古来の伝統でいっぱいあるんですから、むしろよその国よりも日本の方が番号制になじみがあるんじゃないか、そのように私は思うわけです。

 番号制については先ほど御意見を伺いましたから、そうした、ひとり有価証券の虚偽記載に課徴金というのであれば、政治資金規正法についてももっときついペナルティーをかけるべきじゃないかと私は思います。禁錮五年とか五十万とかさっきおっしゃいましたけれども、その程度のもので十分透明化が図られるというふうにお考えになっていますか。これを最後の質問として、どうぞ総務委員会の方へ。

麻生国務大臣 罰を強くきつく激しくすれば透明化するかという点に関しては、これは法律家の方々はいずれも皆ちょっと首をかしげられるところなんだと存じます。

 私どもは、こういったものは、かかって、それを書かれる方、また責任者の方々の一人一人の姿勢の問題ということだと存じますので、私は、禁錮とか、やはり前科がつくというのは、それはなかなか普通には、前科があるというのは余りいいイメージを持たれるものではありませんので、一年だからやった、五年だからやらないというようなものかなという感じがしないでもありません。

 いずれにいたしましても、この種の話は、法律のもとで活動される政治家の方々一人一人にとりまして非常に大きな、活動を制約されることにもなりますので、いろいろ御協議をいただければと存じます。

岩國委員 総務大臣、ありがとうございました。どうぞ総務委員会の方へ。

 次に、法務大臣にお伺いいたします。

 同じ政治資金規正法について。

 この規正法の「正」という字が、私は最初、間違っておるんじゃないかと思ったんです。「正」と書いてあるけれども、意味は正しくない。ほとんど日本のキセイ法というのは「制」を書いている。だから規制効果がある。これが一般的に、国会で次から次にいろいろな規制法が出ているわけです。なぜこれだけが「正」という字が使われているのか。ほかにあるのは一本しかないでしょう。有線ラジオか何かです。政治資金という大きな問題と有線ラジオだけがこういう用語が使われている。

 そこで法務大臣にお伺いしますけれども、この政治資金規正法で、総務大臣がおっしゃったような、刑務所へ入った人が今まで何人ぐらいいらっしゃるんですか。

南野国務大臣 お答え申し上げます。

 先生がおっしゃられるとおり、キセイという字は二つの文字があって、私も調べてみておりますが、それは省略させていただきます。

 先生の御質問でございますが、政治資金規正法違反事件につきましては、平成十一年から十五年の間に合計百九件起訴されたものと承知しております。また、有線ラジオ放送の事業の運用の規正に関する法律違反につきましては、同じ期間に起訴されたものは、統計上承知しておりません。

岩國委員 起訴されて、実際に刑務所へ入った人は一人もおらないんですか、起訴だけで終わって。

南野国務大臣 お尋ねの件でございますけれども、政治資金規正法違反の事件の内訳につきましては、公判請求が四十一件、略式命令請求が六十八件でありますけれども、先生がお尋ねの件については数は承知しておりません。(岩國委員「あそこへお入りになった人は一人もいない」と呼ぶ)それは聞いておりません。

岩國委員 要するに、両方とも、規正法とは書かれていますけれども、制約する効果はほとんどなかったということじゃないでしょうか。あれだけ世間一般に新聞でどんどん書かれている割には、大臣もうなずいていらっしゃいますけれども、調べれば調べるほど、これはざる法と言われるにふさわしい名前だと思うんです。

 いずれこれは別の場所で議論したいと思いますけれども、この規正法の「正」という字ももう捨てて、はっきりと「制」を導入し、ちゃんとあそこへお入りになる人も次々と出てくるという時代を私たちは迎えなければならないんじゃないかと思います。

 では次に、金融大臣にお伺いいたします。

 別の委員会でもお伺いしましたけれども、西武鉄道の件について、このにせ取引、言葉はちょっときつ過ぎますけれども、上場資格のない株式がきょうも取引されている、あしたも取引されるでしょう、きのうも取引された。上場資格のない株式は西武鉄道一社しかありませんという潔白宣言が、百五十日たってまだできない。なぜですか。あのライブドアとニッポン放送については対応措置をばたばたと、早く法律をやって今国会にも上げようというぐらいの対応ぶりに比べて、百五十日間も疑惑株式が取引されていることを黙認しているということは、これははっきり言って、金融庁による私は一つの犯罪じゃないかと思いますよ。お答えください。

伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。

 私どもといたしましても、証券市場の信頼性を確保していくためには、適切なディスクロージャーと公正な取引の確保が極めて重要であると認識をいたしているところでございます。

 委員が御指摘をされたように、西武鉄道のような不適切な事例というものを是正していくために、私どもといたしましては、昨年の十一月十七日に、全開示企業に対しまして、有価証券報告書の記載内容に係る自主点検を要請させていただきました。そして、全開示企業から、訂正報告書もしくは訂正の必要のない旨の回答が提出されたところでございまして、このことによって、ディスクロージャーの信頼性確保の観点から、一定の改善があったというふうに思います。

 今後、訂正報告書の内容を分析して、そして有価証券報告書等の記載ルールの明確化等を図るとともに、全開示企業に文書を送付して開示上の留意点について周知徹底を図るなど、ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた取り組みを推進していきたいというふうに思っております。

 そして、このディスクロージャー制度を本当に信頼性あるものにしていくためには、やはり第一義的には、開示企業がみずから正確で適切な開示書類を作成していくことが極めて重要であります。そして、監査人、市場開設者、私ども行政当局の不断の取り組みによって信頼性というものが確保されるものだというふうに考えております。

岩國委員 私は、このことについてもう二度も三度も、潔白宣言、いつ出せるのか。ちょうど狂牛病でBSEの問題があったときに、安心宣言があって、そして初めて国民が安心を取り戻したように、株式市場の安心を取り返すためには、とにかく、少なくとも一社あったということは、ほかに何社あるかもしれない可能性が残っているでしょう。

 なぜ百五十日もかかって安心宣言というものができないんですか。安心できないマーケットに何の意味がありますか。そういうことがなければもっと株式市場は上がっているかもしれない。買いたい人は、心配だから、買った途端に翌日この会社はおかしいというので、上場廃止、値段は半値あるいはほとんどゼロになる。こんな危ないマーケットで毎日毎日取引をさせていていいんですか。

 金融庁の最大の責任は、取引されている会社は安心して買えるということ、その宣言をすることじゃありませんか。なぜ百五十日もたって、しかも、めどさえも言えない。三月中にできるんですか。いつになったらできるんですか。いつまでたってもできないのか。潔白宣言、安全宣言というのを出す自信が全くないんですか。お答えください。端的に、時間がありませんから。

伊藤国務大臣 私どもとすれば、ディスクロージャー制度の信頼性を確保していくために、すべての開示企業に対しまして、有価証券報告書の記載内容について自主点検していただきたい、そのことを要請させていただいたわけであります。そして、すべての開示企業が自主点検をして、訂正をする必要がない、あるいは訂正の必要があればその報告がなされてきた。そのことによって、信頼性の改善という観点からすると、私は一定の改善がされてきたというふうに思います。

 そして、それ以降、市場に対する信頼性というものを確保していくためには、やはりこれは第一義的には、開示企業みずからが適切な開示書類をつくるということが非常に重要でありますので、私どもとしても、あるいは市場開設者、監査人というものがそれぞれの役割を果たしながら、不断の努力をして信頼性を確保していきたいというふうに思っております。

岩國委員 細田長官、私、用意しておりましたけれども、先ほど、麻生大臣と竹中大臣から大体聞きましたので、大変失礼いたしました、どうぞ御退席ください。

 今、伊藤大臣の答弁に私は大変落胆しております。何度も何度も抽象的な、精神的な発言ばかりで、では、自主点検とおっしゃったけれども、いつその指示を出したのか、いつが締め切りなのか。三月なのか、六月なのか、九月なのか、来年のいつでも結構です程度の自主点検なのか。自主点検の締め切り日はいつなんだと、上場した企業には一斉にそういう指示がきちっと出してあると、その日にちさえも言えないんですか。全く仕事をしていないのとほとんど同じだと私は思います。

 次に、別の件で、明治安田、こうした生命保険会社の不祥事が報道されておりますけれども、この明治安田の件について、私は、昨年十月二十九日、財務金融委員会で質問しております。十年間に、いろいろな訴訟、顧客とのトラブルがふえているんじゃないか、各社別にちゃんと件数だけでも出しなさい、それを至急調査してほしいと。そのときには、データがないということでした。

 最近の新聞記事を見ますと、明治安田の場合にはこの一年間で百二十三件未払いがあった、あるいは五年半で二百十三件でしたか、こういう具体的な数字が出ています。それに比べて、規模の大きい日本生命はわずかに五件であった。こうした新聞で報道されている数字は、これは正確な数字ですか。まず御確認ください。

佐藤政府参考人 ただいま御指摘いただきました、生命保険会社のいわゆる不払いの件数でございます。

 今回、明治安田生命で問題となりました詐欺、錯誤の適用、この関係で不払いとした件数でございますけれども、過去数年についてヒアリングで調べたところでございますが、各社それぞれ、年数件ないし最大でも十件程度、こういう推移でございました。(岩國委員「新聞の数字は正しかったんですか」と呼ぶ)

 明治安田でございますけれども、過去五年間にわたって調べたところを御報告いたしますと、いわゆる詐欺、錯誤を原因とする保険金の不払いという件数につきましては、平成十一年度が一件、平成十二年度が二件、平成十三年度が十件、平成十四年度が十七件、そして平成十五年度が百二十三件、こういう数字でございました。

 それから、それ以外の個社ごとの数字は、不測の影響がありますので控えさせていただきたいと思いますけれども、主要九社のうち、明治安田以外の八社について合計したベースで申し上げますと、同じ数字でございますけれども、平成十一年度が八件、十二年度が四件、十三年度が二十件、十四年度が二十件、そして十五年度が二十三件、こういう数字でございました。

岩國委員 その数字を金融庁はいつ把握されましたか。

佐藤政府参考人 今般、明治安田生命におきまして、詐欺、錯誤による不払いの適用ということが問題になりましたので、この際に、あわせてほかの社、これが生命保険業全般に蔓延していることであるのかどうかということを確かめるために、今般の処分に際してヒアリングをしたということでございます。(岩國委員「何日に把握した」と呼ぶ)

 ちょっと今、手元に何月何日というのがございません。

岩國委員 新聞社に正確な数字で報道されているということは、金融庁がそういうところに数字を与えない限り出ていかないはずでしょう。質問した私になぜ回答がないんですか。私はそれを待っておったじゃありませんか。あした質問するからといって通告したら、こういうものができておりますと、質問した私のところへまず持ってくる。それぐらいの礼儀が、また、こうした委員会での発言なり質問というのはそれだけの重みがあるものじゃありませんか。

 だから、私は、これをいつ金融庁は入手したかと聞いているんです。

佐藤政府参考人 委員からの御要請を受けまして、調べて、まとまり次第お持ちしたということでございます。

 それから、新聞報道については、つまびらかにすべて承知しておりませんけれども、私どもがそういう数字を必要もないのに外に出すということはないと思います。

岩國委員 一件の違いもなしに、まことに正確な数字が新聞に既に報道されている。金融庁の守秘義務というのはどうなっているのかと驚きます。

 最後に、もう時間がありませんから一問だけお伺いします。

 この明治安田が突出しているということについては、もうかなり前から、どんどん金融庁にそういった訴えが来ておるでしょう、私のところにも来ているぐらいですから。

 そうしたところの経営指導、経営監査というのはどうなっておったのか。金子社長自身がそういう指導をしたということは全くありませんか。その点は十分に指導されましたか。こういう法律違反の営業行為を進めたり、あるいは他社よりもより厳しくこうした不払いのケースをつくるような社内文書が残っておるんじゃありませんか。その点まで徹底的に検査されましたか。一件も入らなかったのかどうか、どうぞお答えください。

甘利委員長 質疑時間は終了しております。簡潔にお答えください。

佐藤政府参考人 私ども、法令に基づきまして、これは不利益処分でございますので、正確な事実認識をいたす必要がございます。保険業法第百二十八条に基づく報告徴求をいたしまして、それに対して明治生命の方から、社長の名前で、正規の文書として提出を受けたものでございます。

 その中で報告されましたことは、経営陣が、こういう重要な方針の変更について関与をほとんどしていないという報告がございました。

 こういうことでございまして、この会社のガバナンスと申しましょうか、経営陣による経営の方向づけということが十分にできていないという実態を認識したということでございます。

岩國委員 社長自身の関与がないという報告を真に受けるというのは、少し私は検査が甘過ぎると思います。既に内部からは、社長自身が関与しているという情報ももたらされてきております。

 この点についてしっかりと検査されることを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

甘利委員長 これにて岩國君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 昨年八月十三日の普天間基地でのヘリの墜落事故、今後の米軍の再編協議の中でも大変中心的な問題になっていきます。

 そこで、大野防衛庁長官に伺います。

 大野長官は、二十五日の閣議後の会見で、たびたび言っておりますが、辺野古にやることが沖縄の負担の軽減につながっていきますと述べた上で、しかし、話し合いの中で、SACOとトランスフォーメーションの接点があるとの可能性は完全に否定しません、このように述べられました。今後行う米軍再編の協議の結果によっては、普天間飛行場の辺野古移設を見直すこともあり得るということですか。

大野国務大臣 たびたび申し上げておりますとおり、SACO最終合意を着実、誠実に実行していくことが沖縄の負担の軽減につながる道である、私はこのように信じております。

 さきに行われました2プラス2、いわゆる日米安全保障協議会におきましても、この点は、その着実な実施が在日米軍の安定的な駐留のために重要である旨確認されていることであります。もちろん、この中には普天間飛行場の移設、返還も当然に含まれているわけでございます。

 先生御指摘のとおり、このトランスフォーメーションとSACOとの接点がある可能性を完全に否定しない、私もこういうふうに申し上げました。この意味は、普天間の移設は絶対やらなきゃいけない、これはだれも同じ考えだと思います。そして、それが苦渋の選択の末に辺野古に決まった。そして、それについて環境調査、ボーリング調査をやっているわけでありますけれども、これについてもまたいろいろ問題が、御反対の向きがあることも存じております。しかし、これは本当に苦渋の選択の末、いろいろなことを検討して議論して決めたことであります。

 しかしながら、私は、キッシンジャーが言っているようにネバー・セイ・ネバー、絶対ないということは絶対言っちゃいけない、こういう思いでおります。だから、そういう接点が出てきてという可能性は否定しませんけれども、今いろいろな議論があって苦渋の選択の末に決めた、我々の思いは、そういうことを着実に実行していくことが沖縄の負担の軽減につながるんじゃないか、そしてまた我々の方針は、やはり在日米軍の抑止力の維持、そして沖縄を初めとする地元の負担の軽減、この二つの理念はしっかり持ちながら対応していきたい、こういうことでございます。

赤嶺委員 今の長官の答弁は、何を言っているのかさっぱりわかりません。苦渋の選択という言葉を繰り返されましたが、まさにその苦渋の選択というのが沖縄県民にとっては負担の軽減につながるものではなかった、こういうことであるわけです。

 そこで、私は改めて大野長官の考え方をお伺いしたいのですが、町村外務大臣は、週末のテレビに出られまして、このように言っています。辺野古以外があるかないか、私はその可能性を排除しない、このように述べております。外務大臣と同じ考えですか。

大野国務大臣 もちろん同じでございます。もしいい案が出てきたら、もちろんいいわけでございます。私はネバー・セイ・ネバー、決してないなんということはやはり言っちゃいけない。いい案がもし出てくればという思いはあるんです。だけれども、この辺野古という選択は、本当にいろいろな議論をして、苦渋の選択の末に出てきた案である、このことは私は、それを今着実に実行していくことが負担の軽減につながる、こういうことを申し上げているわけであります。

赤嶺委員 もうちょっと確認したいと思います。

 町村外務大臣は、こうも言っているんですね。もう辺野古はやめてしまいましたという議論には至っていない、これはまさにそういうことだろうと思うんですよ。これから数カ月の議論の中で、日米それぞれが納得できる答えをつくらなくてはならない、つまり、納得できる答えの中には辺野古見直しの可能性はある、こういうことでいいんですね。

大野国務大臣 可能性があるかないか、こういう御質問でございますけれども、今現在、辺野古についての代案というものは全く出ていませんし、日米間でも協議はいたしておりません。協議したことはありません。しかしながら、我々は、いろいろなことを、地元の皆様の思い、こういうことを考えながらやっていく中で、もし、今申し上げましたように、そういう可能性があれば当然取り上げて考えていかなきゃいけない、このように思っております。

赤嶺委員 ですから、今後協議をしていく、その中で適切な代案が出される、そういう場合には、辺野古は見直される可能性もあるということですね、つまり、端的に言えば。

大野国務大臣 端的に言えば、2プラス2の中に書いてありますとおり、SACO最終合意を着実に実行していくことが建設的な取り組みである、こういうことでございます。その裏をどう読んでいくか。これは私ども、先ほどから言っていますように、もしいい案があれば当然出てくる。何年も議論して、いい案がなかったから辺野古という問題になっているわけでございます。そのことをこれから協議していくという、接点は出てくると思います。

赤嶺委員 ですから、確認します。つまり、いい案が出れば辺野古は見直される可能性はある、そういうことでしょう、結局。今の段階でSACO以外のものをやろうという基本姿勢はないんだが、今後は協議していく、協議の中で接点がある、その中でいい案が出れば辺野古は見直される可能性はあるということでしょう。

大野国務大臣 そのようにお受けとめいただいて結構です。私も、もう本当に針の穴みたいな小さな穴かもしれませんけれども、もしいい案が出てくれば当然のことだと思っています。

赤嶺委員 SACOの中で辺野古は見直される可能性もあり得るということを長官は認められました。それは、今後の協議の中でいろいろ接点も出てきて、そういう中でおのずから見直されるか見直されないかという話もあるだろうと思いますけれども、いずれにしても、可能性そのものについては認められたわけです。

 それで、そういう今の取り組みの到達点に立ったときに、次の問題が出てきます。これは、政府の沖縄県民に対する誠実さの問題にもかかわってきます。

 現在、那覇の防衛施設局は、建設に向けて、辺野古沖でのボーリング調査を昨年から着手して、今も継続中であります。このボーリング調査は、サンゴを破壊するなど環境に重大な被害を与え、県民からも厳しい批判を受けています。これから接点が出てくる、あるいは見直される可能性があるというのであれば、あなた方の立場からいっても、この数カ月の結論が出るまではボーリング調査を中止するというのが当然ではないですか。

大野国務大臣 赤嶺先生の御議論は、見直される可能性が極めて大きい、こういう前提の上に立てばそういうことになろうかと思います。しかし、可能性は極めて極めて少ないわけですから、2プラス2、日米安全保障協議会の中でも、SACO合意を着実にやっていこう、こういうことになっているわけであります。

 私ども、町村外務大臣とともに考えておりますことは、しかし、どんなに小さな可能性についてでも、それをきちっと誠実に受けとめていこうじゃないか、そういう意味で、あのトランスフォーメーションとこのSACOとの間の接点は否定しない、こういうことを申し上げておる次第でございます。

 そういう前提に立ちまして申し上げますと、このボーリング調査というものは、これは護岸構造の検討に用いる必要なデータを収集している、こういう意味を持つものであって、これは当然のことながら沖縄県の同意を得た上で、昨年九月から実施しているところでございます。

 ボーリング調査は、普天間飛行場の移設、返還に向けた必要不可欠な調査でございまして、もとより、先生がおっしゃっているような自然環境の保護、ジュゴンとかサンゴの保護には十分配慮してまいりますし、また安全対策にも万全を期して調査を進めてまいりたい、このように思っておりますので、どうぞ御協力くださいますようよろしくお願い申し上げます。

赤嶺委員 見直される可能性があることを認めながら、今度は、大きいか小さいかという、こういう議論はボーリング調査には必要ないんですよ。今後の協議の中で決まっていくことですから。しかも、大きい小さいという協議は、やってみなきゃわからないじゃないですか、どんなことになるかというのは。

 そういう中で、今、長官はサンゴやジュゴンを大事にしながらと言いますけれども、実際のボーリング調査でサンゴを破壊しているじゃないですか。サンゴを破壊して告発されているじゃないですか。それで、ジュゴンの生存にとっても、あれだけの大規模なボーリング調査をやればジュゴンにも影響を与える、こういう批判が専門家の間からも強いじゃないですか。環境省からいろいろ勧告されているけれども、それさえ守っていない。

 あと数カ月は再編協議というのがあるわけでしょう。そして、可能性の大きい小さいも含めて決まるわけですよ。その間は、県民の環境を大事にしてほしいという感情にも配慮しながら、そしてその期間はボーリング調査を中止する、これはあなた方の立場からいっても理屈は合うんじゃないですか。いかがですか。

大野国務大臣 ボーリング調査におきましてサンゴを一部傷つけたことにつきましては、おわびを申し上げます。

 その後、サンゴを傷つけないように工夫を凝らしている、このことは赤嶺先生十分御存じのことだと思います。そういう意味で、サンゴ、ジュゴン等の自然環境の問題、自然の保護の問題には十分気をつけながら今後とも進めてまいりたい。

 それからもう一つ、同じ議論になってしまって申しわけないんですけれども、やはり2プラス2で合意されておりますとおり、SACO最終合意を着実に実行していこうじゃないか、こういう話があるわけでございます。その背景については、私先ほど来の議論の中で申し上げておりますので繰り返して申し上げませんけれども、なぜそういう事情のもとでやっていくか。これはやはり早くつくり上げていかなきゃいけない。本当にそういういろいろな難しい問題の中で取り組んでいるわけでございます。そのことを御理解いただきたいと思います。

赤嶺委員 もともとこのボーリング調査というのは、海域に大規模な調査をするということで、専門家の間からは強く、環境アセスをやらずして環境に影響を与えるこういう調査をやっていいのかという厳しい批判が、ずっとこの間、沖縄では起こっているわけですよ。そこに対する配慮は、もう一度SACOの中でその可能性のあるなしを検討した結果を待って、そしてボーリング調査という話が出てくるのであって、この間中止するというのは、私は、本当に当然中の当然で、これさえやれないのであれば、何が県民の負担の軽減かというような厳しい指摘を受けると思うんですよ。

 もう一度、いかがですか。

大野国務大臣 環境問題についても、環境調査をスタートさせておることは先生御存じのとおりでございます。

 いろいろな意味で、早くやらなきゃいけない。環境問題もある。しかしながら、それを誠実、着実に実行していくことが沖縄の負担の軽減につながっていく。その案というのは、本当にいろいろな検討をした結果、そして、しかもこのボーリング調査につきましては県の承認もいただいている、この点もどうぞ考え合わせていただきたいと思います。

赤嶺委員 先ほどから県の承認、承認ということを言っておりますが、県も、そういう辺野古見直しの可能性があるのであれば、それを早く出してくれということでしょう。

 そういう、いわば辺野古の本体の見直しの可能性を認めておいて、いや、あなた方はそれでも、日本政府の今の立場というのはSACOの着実な実施ですと。この基本は今の到達点です。しかし、今後は見直しもあり得ると言っているわけですから、あり得ると言うのであれば、今着工しているボーリングは、数カ月の間ですよ、結論が出るまでの間中止してほしいというのは、こういう要求は当然じゃないですか。

 皆さんのSACOそのものを全部見直せという話じゃないですよ、今の議論は。あと数カ月でしょう。あと数カ月、見直して、その間工事をやめろというのは当然じゃないですか。あれだけ地元で反対運動の人たちが座り込み、海上で抗議行動をやり、危険な状態やそういうのが起こり得る、こういう中でしょう。最小限の県民への配慮じゃないですか。いかがですか。

大野国務大臣 先生のおっしゃっておられることは、可能性があるじゃないかと。私が申し上げていることは、可能性を否定しない、こういうことでございます。(赤嶺委員「一緒じゃないですか」と呼ぶ)それは、結論としては一緒ですが、可能性が大きいか小さいかというところで違ってくるのであります。その可能性を否定するようなことはいたしませんと。

 それは、今のところ、もう一度繰り返して恐縮です、本当に普天間の問題を我々真剣に取り組んで、そして代替施設についていろいろな角度から検討させていただいて、そして辺野古ということで御了解もいただいて、そしてボーリング調査についても御理解をいただいて、県の御承諾もいただいて、そしてやっていることでございます。しかしながら、それを、可能性を否定しないということで、やめろ、そうなると、可能性がなくなった場合、またおくれてしまう。

 我々は、可能性は否定しません。しかし、やはり早く仕上げていく、この必要性もあるわけでございます。この問題をどのように考えていくか。それぞれお立場はあろうかと思いますけれども、私はやはり、もし可能性のなくなった場合に備えて、可能性は誠実に取り組みます、なくなった場合にも備えておかなきゃ、あらゆるところに備えていかなきゃいけない。当然のことであると思います。

赤嶺委員 全くむちゃくちゃな議論だと思います。可能性を否定しないと言いながら、いわば可能性が消えたときに備えて工事は着々と進めるという。その工事に県民の八割、九割は反対しているんですよ。どんな世論調査でも九割ですよ。九割の県民がまとまって反対しているものを、しかも、見直す可能性もあるというこの期に及んでも、まだボーリング調査を強行しようという態度は絶対に納得できない。このことを強く指摘しておきたいと思います。

 次に、今度は、そういう再編協議の中でアメリカの側がどういう態度をとっているかという問題についてであります。

 今後、日米両政府が米軍再編の協議をどう進めようとしているかという問題にもかかわってきますけれども、報道では、普天間の問題で、下地島空港への移転あるいは嘉手納基地の統合案などが報じられております。アメリカからこのような提案があるんですか。

大野国務大臣 これまでも御説明を、この場所ではございませんけれどもいたしておりますけれども、当初、米側から、在日米軍基地の施設・区域の話から始めよう、こう言ってきたわけでありますが、私どもは、そうじゃなくて、国際的な安全保障環境が変わってきている、だから、そういうことも共通の認識を得て、そしてその上で共通戦略目標をつくっていこうじゃないか。そして、その後、お互いの役割、任務あるいは力、こういうものを考えていこうじゃないか。そして、最終着地点としては、それぞれの区域・施設の問題を決着していこうじゃないか。

 いわば三段跳びみたいな感じでやっているわけでありますけれども、その三段跳びの間に、もちろん、初めからいろいろなアイデアの交換はあります。アイデアの交換はありますけれども、このアイデアの交換を、これは準備体操みたいなものですから、準備体操の姿をちょっとお見せしますと何か着地点が狂いそうな感じもしますので、このことは、当面、ある程度の包括的なアイデアが固まってくる段階までは、少しいろいろなことについて、個々の問題については答弁を差し控えさせていただきたいな、このように思っているところでございます。

赤嶺委員 個々の問題について答弁は差し控えたいということですが、では伺いますけれども、米軍はどういう方針でこの再編協議を進めようとしているのか。普天間飛行場の場合、普天間飛行場の持つ機能について、これは沖縄県内にそのまま維持するべきだと言っているのか、それとも、県外、国外に持っていっていい、こういうことを米軍は言っているんですか。

大野国務大臣 普天間飛行場について米軍がどう言っているかということでございますけれども、このことにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 ただ、問題は、アメリカのトランスフォーメーションの考え方でございますけれども、この考え方というのは、いわば新しい安全保障環境になってきた、これは冷戦構造の終結とともに。もちろん、あの二〇〇一年九月十一日のニューヨークの世界貿易センターに対するテロ攻撃の以前にトランスフォーメーションの話は出ているんでありますけれども、その後新しく、ブッシュ大統領がまさに新しい戦争だと呼んだようないろいろな展開が出てきた。その中で、もう一つの要素というのは、軍事面における科学技術力の大きな大きな向上であります。それによって展開力も増してきている、それから精密誘導兵器も出てきた、情報力も強化された。こういう問題を総合すれば、やはり量よりも質への転換をしていこうじゃないか、ここに私はかぎがあると思っています。

 だから、我々も、沖縄を初めとする地元の負担の軽減を考える場合に、今申し上げたような要素を加味して考えながら、そしてその問題に一生懸命取り組んでいこう。沖縄の場合には、本土の方へ移ってくるケースもあろうし、国外へ、本国へ移管していくケースもあろうし、いろいろなケースがあります。しかし、今個々に、この問題はこういう方向ですよ、このことはまだいわば議論が、お互いにアイデアを投げかけている、こういう段階であります。

 したがいまして、普天間についてどうなんだというお答えは、申しわけございませんが、一般論でかえさせていただきます。

赤嶺委員 普天間基地の機能を維持するという点について、これについても米軍の今のトランスフォーメーションの考え方の中では接点が出てくる、皆さん流に言う、もう一度検証をするというか検討をするというか、こういうことは生まれ得るという答弁ですか、先ほどのものは。

大野国務大臣 一言で申し上げますと、量から質へという考え方が中心に出てくる、このように思います。

 一般論で恐縮でございます。普天間の場合どうのこうの、こういう議論が今私にとってできる段階ではございません。

赤嶺委員 米軍は、SACO合意というのは米軍のプレゼンスにとって大変重要な中身だ、このように繰り返してきているわけですが、2プラス2でそういう合意になっているわけですが、SACOの最終報告によりますと、普天間飛行場については、重要な軍事的機能及び能力の維持、こういうことを言っております。普天間基地の重要な軍事的機能及び能力の維持ということになれば、それは必ずしも名護にこだわらないということになりますか。

大野国務大臣 まことに恐縮でございますが、個々の具体的なお答えをする段階にない。しかしながら、ある程度まとまってきた場合には、もちろん我々には説明責任があります。きちっと説明をさせていただいて、また地元の皆様にも御理解をいただいて、そして調整をしていかなきゃいけないな。何といっても地元の皆さんの御理解の上に成り立つ防衛であります。そういう意味で、説明責任を果たし、かつ調整をさせていただきたい、しかし、今はその段階でないということでお許しをいただきたいと思います。

赤嶺委員 私、皆さんのそういう態度というのは到底受け入れられないと思うんですよ。皆さんは2プラス2の中では結局SACOの着実な実施と言いながら、米軍再編協議にアメリカの側から加わっているローレス国防副長官が、皆さんの2プラス2が発表された後にそれと違うようなことを言っているわけですよ。言うわけですよ、アメリカは、どんなことでも言う。そして、それを議論させる。しかし、アメリカは常に、沖縄に対して持っているのは海兵隊の機能の維持ですよ。これがある限り、沖縄の県内基地の負担の軽減というのは絶対にできないわけです。

 それで、もう一つ聞きますけれども、例えばSACOの最終合意では、滑走路の長さというのは千三百メートルです。今皆さんが辺野古で着工している滑走路は二千メートルです。米国は今後もその二千メートルというのを求めているんですか。

戸田政府参考人 お答え申し上げます。

 代替施設の滑走路の長さの問題でございます。

 SACO当初におきましては、千三百メートルという滑走路長を前提に考えてございました。しかしながら、これは御案内のような経緯を経まして、軍民共用の飛行場につくり上げるということになったところでございます。その結果としまして、平成十四年、基本計画が取りまとめられておりますけれども、その中で、滑走路長二千メートル、また、飛行場の大きさとしては二千五百メートル掛ける七百三十メートルといった飛行場建設計画が取りまとまっているところでございます。

赤嶺委員 要するにアメリカが求めているかどうかを聞いたんですが、具体的な答弁はありませんでした。この点だけ、端的にいかがですか。

戸田政府参考人 お答えいたします。

 二千メートルの滑走路長につきましては、民間飛行場の機能をあわせ持つという考え方から導かれたものでございます。この民間飛行場の機能と申しますのは、沖縄県側が望んでこられたものでございます。

 以上です。

赤嶺委員 つまり、アメリカは望んでいないということだろうと思うんですね。ただ、今度の米軍再編協議について、今アメリカは何を求めているのかというようなことでいろいろお伺いしましたが、一切はっきりいたしませんでした。そして、米軍再編協議とかかわって、新防衛計画大綱では、沖縄の自衛隊、混成団を旅団に格上げするとか、これも米軍再編協議とのかかわりで強化する方向が出ております。

 強化の方向は見えるけれども、負担の軽減の方向は一切明らかにしない、こういう外交交渉は直ちに改めるべきだということを申し上げまして、私の質問を終わります。

甘利委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。

 次に、東門美津子君。

東門委員 社会民主党の東門でございます。

 いつものようにラストバッターです。よろしくお願いいたします。

 まず最初に、私、きょうはSACOについてはお伺いする気はなかったんですが、ちょっと今の質疑を拝聴していまして、やはり一点お聞きしたい。

 SACOの決定の場合は、沖縄県の意見は全然取り入れられませんでした。長官、御存じですよね。ですから、沖縄県は、そのときの県知事は一言も挟むことを許されなかったんですが、今回、数カ月以内に結論が出てくると言われるこの米軍再編に関する協議の中では、県民の意見あるいは県民の声を反映させる、させ得ることがありますか、反映させていくということがありますか。

大野国務大臣 沖縄県民の皆様のお声を反映させる、それが、負担の軽減、そして負担というのは数字だけではないんだ、騒音もある、それから不安もある、こういう問題、あらゆる問題を考えながらこの問題に取り組んでいる。しかしながら、個別の問題は今申し上げる段階でない、このことを御理解いただきたいと思います。

東門委員 一番大事なところだと思うんです。

 昨日も実は分科会で長官にお尋ねしましたけれども、数字だけではない、でも数字もとても大事なんです。もちろん、それだけではないんですが、騒音の問題もとても大きい、環境の問題だって大きい、事件、事故の問題だって大きい、すべてやはり網羅していただきたい。そのためには、沖縄県知事のみでなく、市長のみでなく、県民の声をしっかりと吸い上げて、アメリカとの交渉に当たっていただきたいと思います。

 SACOのなぜこうなったかという経緯を大野長官、御存じかどうかわからないんですが、本当に、名護の市民投票では反対が賛成を上回っていたという事実は押さえていていただきたいと思います。それを強行した政府なんです。ですから、そこのところで沖縄県民の理解は得られていたということは絶対にないということをここで申し上げておきます。

 それで、私が通告した質問に入りたいと思います。昨年十二月に閣議決定されました新防衛大綱、それを沖縄の立場から考えてみたいと思います。

 新防衛大綱にはもちろんいろいろ問題点がありますが、その一つは、中国を軍事的に敵視する認識が明記されたことです。新防衛大綱は、「中国は、核・ミサイル戦力や海・空軍力の近代化を推進するとともに、海洋における活動範囲の拡大などを図っており、このような動向には今後も注目していく必要がある。」としていますが、前大綱においては、当時、中台関係が緊張状態にあったにもかかわらず、このような認識はなされませんでした。

 それで、伺います。今回なぜ特定の国名を挙げて、仮想敵国扱いをしたのでしょうか。

大野国務大臣 まず、仮想敵国扱いにはいたしておりません。

 このことは、国名をもちろん防衛大綱の中で初めて挙げているわけでありますけれども、例えば、最近中国の原子力潜水艦が我が国領海に入ってきた、あるいは中国の海洋調査の問題がございます。また、中国の防衛費を見ておりますと、十六年間継続して一〇%以上伸び続けている。しかも、その中では、例えば開発費とか外国から入ってきた調達等の問題、これがどうなっているのか、これもよくわからない、こういう問題があるわけでございまして、やはり、中国の問題というのは注目すべきである。

 我々は脅威とは考えておりません。注目していこうじゃないか、はっきりとこういう問題を真っ正面から見ていこう、こういう態度でございまして、中国というのは本来仲よくしていかなきゃいけない国である、このことは申し上げておきたいと思います。

東門委員 そういう今長官のおっしゃったことがしっかりとあらわれていないのではないでしょうか。ニュアンスとしては、仮想敵国視しているとしか受け取られていません。ほとんどの人がそういうふうに考えていると言っていいと思います。

 特に沖縄県民は、中国には複雑な感情を持っているのが多いと思います。日常的な交流がある一方で、確かに今長官がおっしゃられたように、中国潜水艦による領海侵犯事件など、中国軍の活動に不安が高まっているということは事実です。また、中国が我が国固有の領土である尖閣諸島の領有権を主張していることも、それは大きな問題です。

 それはやはり、そういう振る舞いに対しては毅然とした対応をとらなければならないとは思います。しかし、毅然とした対応とは、あくまで憲法の理念に従い、外交交渉など、平和的な方法であるべきです。中国と接している沖縄県民の立場から見れば、新防衛大綱をきっかけに、軍事的な緊張関係が生じ、沖縄を取り巻く地域の平和が脅かされ、これを口実に、在沖縄米軍基地や自衛隊が強化されることを危惧せざるを得ません。

 尖閣諸島を抱える石垣市の大浜長照市長は、自衛隊の強化はむしろ緊張感を高めてしまうおそれがあると指摘しています。新防衛大綱は、かえって軍事的な対立を引き起こし、憲法の理念に反するものであるとの指摘に対する長官の御見解をお尋ねいたします。

大野国務大臣 新しい防衛大綱の考え方でございます。

 この基本的な考え方、これは変更ございません。基本的な考え方というのは何か、それは日本国憲法のもと、専守防衛に徹する、そして他国に脅威を与えるような大国にはならない、これが基本理念でございます。ただ、特色として、私は二つのことを申し上げたい。

 一つは、国際環境が大幅に変わってきた。したがって、ミサイル防衛からゲリラ、テロ、ここまでやっていかなきゃいけない。したがって、これまでの基盤的防衛力という考え方から、いわば対処力を重要視していく、こういう防衛の考え方に変わりました。その際のキーワードは、いわば多機能、弾力的、実効性のある、これが対処力の問題でございます。

 それからもう一つ。これは声を大にして申し上げたいのでありますが、日本という国は、これまで自分の国を守る、このことでありました。しかし、国際的にやはり安全保障環境を改善していく、例えば、戦争が起こらないように事前にいろいろな協力をしていく、そして紛争が起こった後は、その紛争が起こった後に人道復興支援等の国際活動をやっていく、こういう理念であります。

 その活動をするに際しては、もちろん憲法九条の制約があります。我々は平和国家として、武力行使をしない、武力行使と一体化にならない、こういう理念のもとにやっていくわけであります。したがって、日本は平和のメッセンジャーとして、そういう平和のメッセージを世界的に出していく、このことは本当に大きなことであると思います。そのことは、やはり世界の平和は日本の平和なんだ、地球は小さくなったな、こういう考えのもとに、今申し上げました国際活動を大事にしていく、このことを申し上げておきます。この二つが特徴だと思います。

 それから、沖縄でどういうふうになっていくんだ、こういう問題でございます。

 先ほど申し上げましたように、ゲリラとかテロとか島嶼防衛とか、これが大変重要な時代を迎えております。そういう意味で、新しい防衛大綱は、憲法の理念のもとに、きちっとそういう点にこたえながら、やはり島嶼防衛もやっていかなきゃいけない。そういう意味で、今度の中期防の中では、沖縄にございます第一混成団、これを旅団にしていこう、こういうことも考えている次第でございます。

東門委員 島嶼防衛にも配慮しなきゃいけないなということ、ああ、そうですかと言いたくなるんですが、それが米軍と自衛隊の一体化、しかも自衛隊が強化されていくということが行われれば、私は逆の方向に行くと思うんですよ。いかがですか。自衛隊はむしろ強化されるわけですね、沖縄で。それが、自衛隊と在日米軍、いや在沖米軍が一体化して、連携をして行動していく、活動していくということになれば、沖縄県民の不安はさらに大きくなる。それは負担の軽減どころじゃないですよ。いかがですか、長官。

大野国務大臣 自衛隊が強化される、こういう点から始めたいと思います。

 その点は防衛大綱の中にも書いてあります。やはり多機能、弾力的、厳しい財政の中でめり張りをつけていこう、こういう考えであります。したがいまして、例えば、戦車を装輪装甲車に変えていく、あるいはヘリコプターをふやしていこう、こういうふうに機動力のあるものに変えていこう、それは今の新しい安全保障環境の中で当然のことではないかと思います。それから、定員につきましても、御存じのとおり、全体で十四万八千人ということで、これは昨年末に決めた次第でございます。

 それをもって強化というのかどうか、これは私はまた御判断にお任せしますけれども、全体としては、重装備から軽装備、軽装備というか機動力のあるものですね。それは、厳しい財政事情の中でめり張りをつけていこうじゃないか、こういう考え方でやっているところでございます。

 それから、米軍と一体化ということがお話に出ました。

 米軍と一体化といった場合に、いろいろな意味があると思うんですね。一つは、日本の防衛の問題。日本の防衛については、米軍と日本と一体化してこの日本の防衛を守っていく、これは私は普通の考え方であると思います。ただし、外国へ行って一体化なんて到底できません。このことは、はっきり申し上げて、外国へ行く場合はやはり、イラク・サマワでも日本がやっていることは人道復興支援である、アメリカがやっていることは治安の問題である、こういうふうに役割がきちっと分かれているわけであります。一体化というと非常に言葉として誤解を招きやすいのでありますけれども、問題はやはり共同で対処していこう、日本の防衛をやっていこう、世界の平和もお互いに役割分担しながら世界の安全保障環境をよくしていこう、こういう意味でとらえていただきたいと思います。

 それが沖縄の負担になるのかどうか。これはたびたび申し上げておりますように、量より質なんだと。一緒にやった方が節約できる場合もあるわけですね。このことは、一緒にやりましたら、例えばの話です、例えば基地の共同使用をいたしましたら、基地の警護の人員はそれだけ減らすことは当然できるわけであります。これは一般論です。まだそこまで議論しておりませんが、そういう問題を考えると、日米で一緒にやることが負担の増につながっていく、こういうことにはなりませんし、絶対にしないように私ども真剣に取り組んでまいりたいと思っています。

東門委員 今回の2プラス2の協議で特に目を引いたのは、ミサイル防衛の開発を急ぐこと、それや日米同盟の世界化、今のお話でもありましたけれども、世界の平和ということをお使いになっておられましたが、日米同盟の世界化に踏み込むなど、日米軍事同盟の一層の強化が合意されたことなんです。日米軍事同盟の強化が自衛隊による米軍支援の即応化に連動していくことに対する強い懸念はやはり禁じ得ません。

 これまで、確かに北朝鮮が二度にわたり我が国の近傍に向けてミサイルを発射しましたが、この真の目的は、我が国に対する牽制のみでなく、我が国の背後にある米国に対する牽制にあったのではないかと私は思います。六カ国協議に関する北朝鮮の対応を見てもわかるように、北朝鮮の視線は米国にのみ熱く注がれています。我が国が日米軍事同盟を強化、拡大し続ける限り、北朝鮮の弾道ミサイルによる脅威は消滅しないでしょう。そして、日米軍事同盟の実体的な象徴がほかならぬ在日米軍なのです。したがって、本来、抑止力としても機能すると政府が言っている在日米軍が、日米軍事同盟の象徴として、図らずもミサイル攻撃にインセンティブを与えるものになりかねないおそれが生ずると言えるのではないでしょうか。

 弾道ミサイル防衛システム導入の前提として既に政府としては検討済みであると思いますが、在日米軍のプレゼンスが、他国によるミサイル攻撃に対し、抑止力とは反対のある種インセンティブのようなものを与えかねない危険性についてどのようにお考えか、お聞かせください。

大野国務大臣 在日米軍がどういう抑止力を果たすのか、こういう問題であります。

 我々は、在日米軍の存在というのは、日本の安全にとっても抑止力になっておりますし、また、この地域の安全にとっても抑止力になっておる、このように考えております。在日米軍があるから標的になるなんということは考えておりません。

東門委員 いや、なり得ますということを私は申し上げたんです。絶対にあり得ないというのが長官の御答弁ですか。沖縄にいるととてもそうは感じられないんですね。(発言する者あり)今、後ろでいろいろおっしゃっている方もおられますが、早く沖縄の基地を減らしてください。そうすることによってこういう言葉は出てこなくなると私は期待したいと思います。

 日米安保条約は、極東の平和と安全、最終的には日本防衛が最大の根拠であったはずです。日本に対する侵略事態生起の可能性が低下したと大綱の中で言っているわけですから、低下したなら日米安保の必要性も低下していると言えるのではないでしょうか。

 テロや大量破壊兵器の拡散防止等に条約の目的を変更するのであれば、私は、改めて議論をして、国民の信を問うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

大野国務大臣 日米安保の目的が変わってきているのではないか、こういう御質問でございます。

 私は、依然として、やはり日米安保の存在というのが日本の安全、それからこの地域の安定に資すると思って信じております。そして、この日米の協力関係、これはやはり世界の中の日米同盟であります。そういう意味から、日本も国際社会の中でどういう責任を果たしていくのか、これが今、新しい時代に問われているのではないでしょうか。

 それにこたえるために、いつまでも日本だけでミノムシのような形で守っているのではなくて、やはり世界の平和は日本の平和なんだ、世界の安全保障環境を改善していくことが日本の役割なんだ、そういうことを、武力行使をしないで、武力行使と一体とならないでやっていく、この大切さを私どもは今から、世界の中の、国際社会の中の責任ある一員としてそういう責任も考えていくべきである、これが私は新しい安全保障の考え方だ、このように思っております。

東門委員 今度の防衛大綱は、「我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下」、先ほども申し上げましたが、そう書かれています。私どもは、本格的な侵略事態生起の可能性は、当面、具体的にはなくなったと言ってよいと考えているわけですが、政府はどのような可能性が残されていると想定されておられるのか、お伺いします。

大野国務大臣 大変難しい御質問でございます。

 一般論として、それは、冷戦構造が終わりました。そしてその後に、これまでとっておりました基盤的防衛力という考え方、日本だけが真空地帯になって迷惑をかけるようなことはしない、こういう考え方であります。しかし、全くないのか、全く他国からの侵害、侵略はないのか、こう言われて、ありませんと言う人はいないんじゃないでしょうか。それがやはり国防の使命である。この使命を果たしていくのが我々の役目であります。それは、国民の皆様に安全をお届けする、こういう役割であることは、事実、先生も御理解いただけると思います。

 それに加えて、そういう脅威は減ってきたけれども、やはり島嶼防衛の問題とか、ゲリラとかテロとか、そしてミサイル防衛とか、非常に脅威というものが多様化している。このことは現実の国際安全保障環境の中で十分認識していかなければいけないのではないか、このように思っておるところでございます。

東門委員 もう時間ですから終わりますが、最後に、我が国の防衛政策の根本ともいうべき大綱が安全保障会議と閣議のみの決定で決められてしまうということには、やはり疑問が残ります。国会で十分な議論を行う、そしてやはり国民に説明をしていくべきだと思いますが、いかがですか。

大野国務大臣 防衛大綱、大変、日本の安全の基本的な問題であります。安全保障会議と閣議で決定いたしておりますけれども、どうぞ、きょうのようにどんどん議論をしていただいて、その議論が国民の皆様に伝わる、それによって皆様に御理解をいただく、あるいはそのメッセージが皆様に伝わるように、国会で十分御議論いただきますようよろしくお願いいたします。

東門委員 終わりますけれども、長官は私の意図しているところを外されたなと思います。この次また続けていきたいと思います。

 ありがとうございました。

甘利委員長 これにて東門君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして一般的質疑は終了いたしました。

 次回は、明二日午前九時から委員会を開会し、締めくくり質疑を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時一分散会


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